リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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333核担当者(笑
>>330
まだまだ攻撃は始まりませんよ。やっぱり245さんの
3人が北海道に上陸してから出ないと面白くないですからね
334245:2001/06/30(土) 12:45
>>333さん
おおお、ありがとうございます。
ならば、可及的速やかにボウイをば(笑)
早ければ今夜にでも。
335:2001/06/30(土) 13:43
いま北海道で大きな動きが出ているようですね。
九州側は今どうなっているのだろうか?
一時停戦状態?
336245:2001/06/30(土) 13:58
>>329
新宿・アルタ前は、閑散としていた。
ほんの数日前までは、戦争のさなかだというのに、老若男女がこの世界最大級の
繁華街で夜を楽しんでいたが、今は見る影もない。
先日発生した無差別テロと、それに伴う深夜外出制限措置のためだ。

今ここにいるのは、世間の動きにまったく無頓着なホームレスか、無鉄砲こそが
人生における大事な何かと勘違いしている少年少女、そして行く当てのない外国人。
後は思い出したように自衛隊か警察があたりをうろつきまわる。

そこかしこのビルに設けられている大きなスクリーンは、見るものがほとんどいない
のに、北海道と北九州における狂騒を映し出していた。
リポーターの絶叫が、空ろにこだます。
「ここOO町XX村では、ロシア軍の侵略の爪あとが、虐殺の証が何よりはっきりと・・・・」

ロスケの仕事熱心は、鎚と鎌が三色旗に変わった今も同じってことか。

スクリーンを見るともなしに眺めていた男が、そうつぶやいた。
337245:2001/06/30(土) 14:11
>>336
彼は、ロシア兵の仕事熱心をアゼルバイジャンやイスラマバードで嫌になるほど見聞きしていた。
スクリーンの向こう側にあるホッカイドウの小さな町は、建物や什器が小奇麗になっただけで
ガンダルの村とほとんど変わらない。
そこにあるのは破壊されたインフラと風土病顔負けの死体数。それだけだ。

十数年前の記憶が、テンポよく編集された映画のようによみがえってくる。
『一週間前にとおった村じゃ2000人は死んでたぜ』
『2700人だとさ イスラム党のスポークスマンがいってた』

あのぶんじゃ、1700人くらいは死んでるか。

そうつぶやいて、いまいましげに眉をひそめたとき、彼の肩を誰かが叩いた。
338銃後を書いてみたい。:2001/06/30(土) 15:26
「兵隊さん、警備の方よろしく頼みますよ」
そう軽口をたたきながら、熟練工の相沢は工場に向かう。
「俺たちは警官だって」機動隊員の那須が愚痴る。
「まあ、自衛隊の手が足りなくて動員されているんだから、似たようなもん
だろ」一年先輩の神谷がなだめる。
「しかし、ニューナンブに鉄甲とジュラルミンの盾じゃ、玉砕しろと言って
いるもんだよな。後ろの工場で増産しているやつを貸してくれねぇかな」
「89式小銃ですか?あれを持つときは前線行きですよ」
「ここだって前線だ。北の奴らがそこの駅を爆破したじゃないか。銃撃戦
も有ったしな。」
 目の前の名鉄須ヶ口駅は、見るも無惨に焼けただれていた。軍需工場への
動員工を乗せた電車が仮復旧した線路を走っていく。
「あのとき、途中で陸自が弾切れして怖かったですね。途中から応援の小隊
が来て助かりましたよ。」
「どうせなら旭精機の警備が良かったな。あそこなら陸自の弾切れを心配せ
ずにすむ」
 愛知県新川町の豊和工業では、第10師団第35普通科連隊と愛知県警機動隊
による厳重な警備の中、火器類の増産が急ピッチで進められていた。武器、
弾薬を製造する工場にはテロが頻発したが、ここ愛知県では比較的被害が少な
かった。大都市名古屋を抱えながら、よそ者は目立つという特殊な地域性が
幸いし、多くの工作員が発見され、射殺されていた。
339オレ:2001/06/30(土) 16:59
   ザ・外伝
今はもう人通りも無い。みんな警察の誘導により非難したから。
そこに一人の人影があった。3ヶ月前にここに引っ越してきたという
出所不明の男。そう、彼はこの前前線で自衛隊の榴弾砲をトラックごと
5門も爆破した男だ。彼の活躍によって自衛隊の右翼は包囲殲滅され、
左翼も敗走した。彼は祖国に帰ったら、一生の生活と、最高の
名誉を約束されていた。彼の最後の任務は非難する住民の列を
爆破することであった。しかし、パートナーは2人とも自衛隊きっての
エリート兵に殺され、自分もまた終われているのであった。
340オレ:2001/06/30(土) 17:12
>>339
×終われている→○追われている
かれらは任務に失敗し、生き残りのその男だけで脱出することと
なった。だが、ここから脱出用の高速舟艇が隠されている場所までは、
一人では行けない。
「クソッ!どうすればいいのか!!!!!!???」
熊田「おい!くまなく探せ!!!!!!」  「クソ!あの自衛隊の奴だ!」
「奴はヤバイ!自衛隊と思ってなめてかかった2人がまとめてやられた!
逃げなくては!」   「熊田さん!足跡です!」
熊田「さっきあれほどの雨が降ったのに・・・  こっちを重点的に探せ!
気をつけろ!!!奴はやり手だ!!!! 」  「クソ!みつかっちまった!
地図とコンパスと食料はあそこの小屋に!!!!!」

さぁ。残ったのは拳銃とナイフ、爆薬1500グラム。
水500ミリリットルと 食料はなし!君ならどうやって100km先の
舟艇へと向かう???
341名無し三等兵:2001/06/30(土) 17:36
>オレ
いさぎよく自害する
342名無し三等兵:2001/06/30(土) 17:40
62式機関銃は日本人にしか扱えないぞ!!
そう言って独りの日本軍人は倒れた
343名無し三等兵:2001/06/30(土) 17:53
めがねとかはちまきとかってはっきりいって意味不明でつまらん。別スレで。
344333:2001/06/30(土) 17:58
東京 新首相官邸
「総理!それはもう決定事項ですか!そんなことしたらこの内閣は」
「内閣などどうでもいい、私には・・・日本を救う義務がある。そして
 戦後の世界にも責任があるのだ。」
「・・・」
「ロシアがこのまま反乱軍を放置したら、ロシアは民族主義者の蜂起
 でまちがいなく滅ぶ。中央政府は弱腰だとなめてかかるからな」
「だからと言って我が国土で再び核が炸裂するのは防衛庁長官として
 容認できません!」
「自衛隊の能力ではもう限界じゃないか!米軍の主力がくるにはあと
 二週間はかかるんだぞ!」
「総理。私が先日言ったことを覚えておりませんか?」
「なんだ、統幕議長。」
「日本の切り札ですよ。本当はもっと戦況がひっ迫してから使うつもり
 でしたが、今使用することで少なくとも北海道での核使用を阻止する
 ことが出来るかもしれません。米軍がくるまで反乱軍を食い止めて
 見せます。」
「本当に出来るのか?」
「信じてください」 
345333:2001/06/30(土) 18:00
>>343 は放置(^_^;)

日本の切り札のアイデア募集します(笑)
NBC兵器はなしということで
346名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:04
地雷猫
347名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:22
>>333
世界に先駆けて完成させた戦術用純粋水爆。
どうっすか?
348名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:47
〔統幕議長、防衛庁からお電話です。〕

統幕議長です・・何!スーパーXを出撃させる!?

総理『スーパーX・・?』

自衛隊が開発していた多目的防衛攻撃能力を備えた新兵器で
原発事故や核兵器による攻撃を想定して強力な、カドミウム弾を
装備しています。最大な特徴は火器兵器ではなく、すべては冷凍兵器
である事

総理『冷凍兵器・・』

メイン砲は超低温レーザー光線で−205℃まで瞬間冷凍が
できるそうです。

総理『で、誰が出撃を?』

それはあの漢しかいないでしょう!

ってどうよ?ってこれじゃゴジラか
349名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:49
01式メーサー殺獣砲車
350名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:50
メーサータンクにスーパーX・・・
これで日本も安泰だ!
351名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:52
ガルーダやモゲラを忘れるな!!
352名無し三等兵:2001/06/30(土) 18:53
場の雰囲気を読めない奴がこういうネタを出してくる
353名無し三等兵:2001/06/30(土) 19:03
新型爆弾搭載のF−2はどうよ?
354tcns003.zaq.ne.jp:2001/06/30(土) 19:06
>>332
まとめあぷしてもいいんだけど、どういう風にしていいのか迷う、、
355245:2001/06/30(土) 19:06
>>337
「グッドイヴニング、ボーイさん」
彼の肩を叩いたのは、少なくとも1週間前まではシマダと名乗っていた男だった。

俺はレストランの従業員じゃねぇ、ボウイだ。
彼-ボウイ-は、内心でこっそりつぶやいた。
シマダに限らず、彼の名前をきちんと発音する日本人は意外なほど数が少ない。
しばらく前まで、主に六本木を根城にして女衒まがいの仕事をしていたとき、
付き合いのあったヤクザのワカシュガシラくらいなものだった。

そのワカシュガシラがタイでチンピラに撃ち殺されて以来、彼のことをボウイと
正確に呼びかける日本人はいない。

まあ、仕事は仕事だ。ボーイでもボウイでもどっちでもいいか。
ボウイはわずかに唇をゆがめ、立ち上がった。
「で、シマダさん、今日呼び出したのは何だい?」
356245:2001/06/30(土) 19:16
>>355
シマダは、爬虫類か魚類を思わせる顔立ちに酷薄そうな笑みを浮かべていった。
「いつものとおり、トラブルシュートって奴だ」
ボウイは煙草を灰皿に捨て、新しいハイライトに火をつけた。
日本にきてからというもの、祖国アメリカの銘柄とはさっぱり縁がない。
金がないわけではないが、なんとなくマールボロやラッキーストライクに
手を出す気にはなれなかっただけだ。

「で、相手はどこの人間かな?」
ボウイはたずねた。
シマダが持ち込んでくる仕事は、ほぼ例外なく外国人と彼とのトラブルだ。
最低でも、相手が何語を話すか把握しておかないと、仕事にならない場合もある。
シマダは無表情のままいった。
「中国人さ。女だよ」
357名無し三等兵:2001/06/30(土) 19:29
>>345
予備自衛官
358名無し三等兵:2001/06/30(土) 19:32
チンポを伸ばすな
359245:2001/06/30(土) 19:36
>>356
シマダとボウイは、肩を並べて歩き出した。
かたや小柄な黄色人種、かたやプロレスラー並みの体格を有し、
ニューヨーク・ヤンキースの帽子を目深にかぶった白人の取り合わせは、
幾分奇異な感じを周囲に与えてはいたが、注目するものはいない。
シマダは、みちすがら状況を小声で話し出した。

まあ、その女は半年ほど前からウチの店で働き出した子でね。
なかなかサービス精神旺盛で客の受けもよかったんだが、先週
から出てきやがらねぇんだ。
電話したり、直接尋ねたりもしたが、いっこうにらちがあかない。
そんで、ボーイさんに見つけてもらおうと思ってね。
なんたって、ウチはあの女に1000近い貸しがある。焦げ付いたままにゃして置けない。

ボウイはたずねた。
「よそに引っこ抜かれた可能性は?」
それだけ人気があれば、ありえない話ではない。
日本人同士の話なら、たいていは金でケリがつく。
しかし、シマダはあっさりと首を横に振った」
「それはない。調査済みだ。そうでなくても、最近は中国系とかロシア系は新規雇用を皆嫌がる。」

これも戦争か。
ボウイは苦笑した。
360245:2001/06/30(土) 19:47
>>359
ボウイたちは、女の住まいの前にたどり着いた。
「あんたのとこじゃ、店の女の子はこういうところに住まわせているのか?」
ボウイは、それなりに設備の整ったマンションを眺めて、さすがに驚いた
ような表情を浮かべた。
「従業員の福利厚生の充実は、ウチのモットーだよ」
幾分得意そうな口調で、シマダはいった。
エレベーターで5階まで上がり、目指す部屋の前に立つ。
「鍵は・・・・・」
言いかけたシマダを、ボウイは制した。
「静かに。メーターが回ってる」
361245:2001/06/30(土) 20:03
>>360
目をむいたシマダに、ジェスチュアで鍵をよこすよう伝えた。
シマダからうけとった鍵を、音を立てないように差し込む。
だが、鍵は途中でひっかかってしまった。
『どうだ?』
声には出さず、シマダが問い掛けてくる。
ボウイは首を振り、鍵を返した。
『鍵をとりかえてやがる』
瞬時に凶悪な顔つきになったシマダを横目に、ボウイは金属製の
細長い棒を1組取り出した。

ピッキングは、あまり好きじゃないんだよな。
ボウイは心の中でぼやきつつ、ピックとテンションを鍵穴に差し込んだ。
362245:2001/06/30(土) 20:17
>>361
2年程前、ウォンという中国人から教わったピッキングは、こういうケースでは
実に有効だった。
そのごつい手にはふさわしくないと思われるほどに素早い手つきでダブル・ピン
・タンブラー錠のピンをすべて解除し、ピックとテンションを引き抜く。
『どうぞ、鍵は開いたぜ』
顎でドアを示して、ボウイはささやいた。
とたんに、シマダは突風のような勢いでドアを開け、土足のまま中に踊りこんだ。
ボウイは、その後からことさらゆっくりと中に入った。

なんにせよ、あんまり今回の仕事は金にならなさそうだな。
そんなことを思いながらボウイはリビングにむかった。
「シマダさん、今回の仕事だが」
15くらいでいいぜ、と言いかけたとき、ボウイはシマダが部屋の前で
硬直しているのに気がついた。
363245:2001/06/30(土) 20:28
>>362
「シマダさん、どうした?」
ボウイは訝しげな表情を浮かべ、シマダの肩越しに部屋を覗き込んだ。
寝室と思しき部屋の中では、どうみても愛想のいい中国人女性には見えない人物が
蒲団の中で横たわっていた。
怪我をしているらしく、包帯が胴体や手足にぐるぐる巻きにされ、顔色は紙のように
青白い。
「シマダさん、あんたの探していた人間はこいつか?」
わざとまじめな表情を作って、ボウイは問い掛けた。
「知らん、はじめてみる顔だ。それに、先週部屋に上がりこんだときはこんな男」
状況をさっぱり把握できないシマダがやや困惑気味にそこまでいったとき、
玄関口で物音がした。
364名無し三等兵:2001/06/30(土) 20:34

日本時間6月30日午後、CNNは米政府消息筋からの情報として
ロシア極東部において、旧体制派による独立の動きのあることを報道した。
365245:2001/06/30(土) 20:44
>>363
ボウイとシマダは玄関を振り返った。
そこには、ショートボブで小柄な女性が、魅力的な顔立ちを恐怖に
引きつらせて立っていた。
ボウイが何かいいかけ、それに呼応するかのように女性が身を翻したとき、
シマダはその外見からは信じられないほどのスピードで玄関に向けて突進した。
玄関から数メートルほど走り出た女性の肩口をつかみ、そのまま部屋の中へと連れ込む。
366245:2001/06/30(土) 20:56
>>364
中国語を話せないシマダにかわり、ボウイが女性に問い掛けた。
「お嬢さん、どうして勤め先を無断欠勤したりしたんだ?
君の雇い主は、大変気分を害している。ここはひとつ、正直に
事情を説明すべきかと思うが?」
シマダは、無表情で腕組みをして2人のやり取りをみている。
女性はしばらくの間無言で押し黙っていたが、ボウイが「雇い主」が
不義理を働いた従業員に対してどんな仕打ちをするか懇切丁寧に解説すると、
少しずつ口を開き始めた。
367245:2001/06/30(土) 21:34
>>366
「一体どういうことなんだ?」
シマダは、今や苛立ちを隠そうともしないでボウイにたずねた。
ボウイはゆっくりと立ち上がり、シマダに向き直った。
「どうやら、彼女を日本に連れてきた奴から命令されたらしい。
事情はよくわからないが、指定された場所に向かったらこいつが
虫の息で倒れてたんだそうだ。
で、怪我が治るまでここで看病するとか言う話になったらしい。
鍵を変えたのも、そいつの指示だとさ」

シマダは、信じられないといいたげな表情を浮かべた。
しかしながら、言葉がわからない以上、それを問い詰めることもできない。
なにより、寝室にいる怪我人の存在が、事態を雄弁に物語っていた。

「とりあえず、男の持ち物は寝室のクローゼットに隠してあるとのことだ。
それをみてみよう」
ボウイはシマダに言った。
368333:2001/06/30(土) 22:00
ロンドン MI6本部
「極東から興味深い情報が入ってまいりました」
「共産主義者の亡霊が復活したって話はもう聞いてるぞ」
「その共産主義者の葬式の方法が決まったようなんです」
「プ〜チンが腹をくくったのか?」
「日米首脳にも極秘裏に裏を取った模様です。」
「で、プ〜チンはどうするつもりだ。まさか「元」自国民の
 頭上で大気圏内核実験でもするつもりか?」
「そのまさかです。」
「正気か?」
「クレムリンの信頼できる筋からの情報です。90%以上事実でしょう」
「とにかく首相に連絡する。EUとしても無視できる情報ではない」
369パクリダゾン・タイド:2001/06/30(土) 22:09
ロシアが核打つことになった場合は、
プーチンの密命を受けた
ラミウス艦長率いる、新型ミサイル原潜レッドオクトーバーに、
通信装置故障中の海自潜水艦が迫るってのキボーン
370名無し三等兵:2001/06/30(土) 22:16
刻々と迫り来る核攻撃の開始。
日本、アメリカ、ロシアに打開策はあるのか?

こうご期待
371:2001/06/30(土) 22:36
「本日は山陽新幹線をご利用いただきありがとうございす、この列車は・・・」
のぞみ28号東京行きが新大阪駅を出発したのは定刻より約2時間遅れの午後10時前である。
九州方面が戦争の為不通になってから、山陽新幹線は全て広島で折返し運転を行っていた。
連日のテロ対策のための徐行運転や停電による信号機の故障などで当然ダイヤは乱れ、
新大阪から東京まで倍の6時間以上かかるのも珍しい事ではなくなり、新幹線は連日終夜運転を行っている。
戦火を逃れた人々や軽症の傷病自衛隊員などで、どの列車も100%を超える乗車率を記録し
のぞみ28号も例外ではなく、満員の乗客を乗せて東京までの長旅に出発した。

3号車に乗っていた男女7人のグループが席を立ったのは列車が米原駅を通過してすぐの事であった。
彼らはそれぞれ腕に赤いスカーフを巻いて手にはAK47を握り締めており、
その中の2人は体に大量のダイナマイトを巻きつけていた。彼らは銃を乱射しながら
運転席、車掌室などに乱入し列車を停止させ占拠した。車掌室の無線で総合運転司令室を
呼び出し、あらかじめ録音していた日本語の犯行声明文のテープをながした。
日本からの米軍の即時全面撤退と日本の無条件降伏を要求する内容で、今から一分毎に
乗客一人を殺害すると締めくくられていた。

事件は即、内閣危機管理室に伝えられ、総理は即座に特殊急襲部隊SATの投入を決定、
大阪府警第二機動隊内の二個班がヘリで現場に急行した。

車内では予告どうり一分毎に一人ずつの乗客が射殺されており、
さらに迷彩服のまま乗っていた自衛隊員や携帯電話で車内の状況を警察に連絡していた者
非常コックでドアを開けて脱出を試みて運悪く見つかった乗客も既に犠牲になっていた。

SATの情報班によって犯人の人数や車内の状況が明るみになり、一刻の猶予も無いと判断し
最後尾16号車より突入を開始した。犯人二人目を射殺した時点で犯人グループに突入が発覚し
乗客に向かって銃を乱射、さらに一人がダイナマイトで自爆し9号車は大破した。
最終的には犯人グループ全員を射殺し事件の幕は閉じたのだが、払った代償はあまりにも大きかった。
この列車に乗っていて無傷で東京までたどり着けたのはわずか4分の1の乗客だけであった。
372333:2001/06/30(土) 22:50
統一朝鮮 臨時首都 ソウル 青瓦台
「日本における我が英雄たちの戦果です」
「それにしても日本はしぶといな・・・」
「予想外でした、これだけのテロ・・・もとい英雄的作戦は
 必ずしや日本人民の士気をどん底まで貶めるはずでしたが・・・」
「それもこれも小泉とかいう指導者があの国会爆破でも悪運よく
 生き延びているからだ」
「・・・では次の目標は」
「その通り。小泉の首ひとつ。奴を殺れば日本は崩壊するだようよ」
373:2001/06/30(土) 23:01
山陽新幹線→×
東海道新幹線→○
すみません、間違えました・・・。
374245:2001/06/30(土) 23:22
>>367
新宿歌舞伎町のはずれに建っている、薄汚い雑居ビルの一室に、
ボウイとシマダはいた。
シマダは安物のソファに身を沈め、さきほどからこめかみに右手を
当ててしきりに何か考え込んでいる。
ボウイは窓際にたち、この日三箱目のハイライトを半分ほど空にしつつあった。

長い沈黙を破ったのは、シマダだった。
「・・・・・・ボーイさん、このブツ、どうしたらいいと思う?」
テーブルの上にある「ブツ」を、途方にくれたような表情で指差す。
テーブルの上にあるのは、サイレンサー付きの22口径、見るからに
怪しげな直方体の塊が数個、電気コードが1巻き、ヒューズににた何かが
1ダース詰め込まれた小さな箱、そして意味不明の数字やアルファベットが
ぎっしり書き込まれた手帳。
「あの男、最初は俺たちの同業者かと思っていたが」
シマダは、22口径を手にとって言った。
「だが、兵器に詳しい若いのに聞いたら、こいつぁ爆弾だっていうじゃねぇか」

「軍用のプラスチック爆薬だな。それだけあれば俺もあんたもビルもろとも確実に
あの世にいける」
ボウイはこたえた。
375245:2001/06/30(土) 23:31
>>374
「ニュースでもやっていたが、最近中国や朝鮮からの工作員が随分派手に
やらかしてるらしい。
彼らにしてみれば、3Aで存分に暴れている大リーガーみたいなもんだろうがな」
ボウイがさらにいうと、シマダの渋面がますます大きくなった。
「やれやれ、俺のシマに工作員がね・・・・警察に通報するべきなんだろうな。
善良な一市民としてはよ」

ボウイはそっけなくこたえた。
「その辺の判断は俺がするべきもんじゃない。あんただよ、シマダさん」
シマダは苦笑した。
「ま、そりゃそうなんだが。だけど、こういう状況になっちまうと、次の
ビジネスに影響あるんじゃないかと思ってよ。」
「次のビジネス・・・・・?」
ボウイが問うと、シマダは苦笑を引っ込めた。
「ああ、次も、あんたにちょっと一肌脱いでもらおうかと思ってね。」
376245:2001/06/30(土) 23:42
>>375
「このブツであれこれ考え込んでるところを見ると・・・・・戦争に関係する話か?」
ボウイはカマをかけた。
シマダは、あっさりうなずいた。
「そうだ。戦争というチャンスを生かさない手はないからな。」
「だが、工作員うんぬんで迷っているところを見ると、日本のためにはならない、か?」
「まあね」

しばらく、沈黙が落ちた。
その間、ずっと22口径をもてあそんでいたシマダは、やがて表情を硬くしていった。
「ま、このブツはサツに持っていかせるよ。さすがにかくしときたくないからな。
それに、サツがこっちの腹を探りにきても、そのころにゃ俺らはここにはいない」
シマダの口調は、すでにボウイがこのビジネスを引き受けたと言う前提に立ったものだった。

「それがいいと思う。で、次のビジネスはどこなんだ?」
ボウイはシマダに向き直ってたずねた。

シマダは、ニヤリと笑っていった。
「北海道さ」
377名無し三等兵:2001/07/01(日) 00:03
日本が滅びるかも…
378名無し三等兵:2001/07/01(日) 00:21
めがね、はちまき、ボウイの3人が反乱軍をどうにかして食い止める展開きぼんぬ。
379埼玉県のどこか:2001/07/01(日) 00:27
コードネーム”オメガ”駐屯地
「・・・そこで我々はロシアの核ミサイル基地を攻撃し・・・」
「我々って誰のことだ?」
「俺たちのやることじゃないよな。正規軍の仕事だ。」
「おまえたちが1番経験が豊富だからだ。出発は今夜だ!」
380名無し三等兵:2001/07/01(日) 00:28
「これは私の推測だが、まもなく朝鮮半島は海底に沈む・・・」
381オレ:2001/07/01(日) 00:43
この一連の戦いをなんと呼ぶか決めようぜ!
戦時中版と、戦後版で
戦後だったら、
「大祖国防衛聖戦」とかどう?
382オレ:2001/07/01(日) 00:47
占領地外伝@序盤の話し
九州の占領地域で、虐殺もあったが、熊本方面に展開した
金大将の占領政策は、寛容であった。彼は虐殺を
禁止し、他の占領地域から逃げ込むものもいて、それをも
受け入れていた。彼は金さんとして、慕われて、戦後、国際
戦犯として、死刑を言い渡されたが、もと占領地域の人々の
助命運動で救われた。しかし、八幡や、大牟田は悲惨であった・・・
383333:2001/07/01(日) 00:50
>>381
第二次朝鮮戦争→日本本土防衛戦争
あんまり華美な名前は駄目なような気がする
384オレ:2001/07/01(日) 00:50
記者「あぁ、見てください!!!!朝鮮兵が退却していきます!
我らが自衛隊は新たなる活路を切り開きました!!!!
自衛隊の爆撃機(民間風)が大砲で攻撃しています!!!!」

・・・この列の中に、はるかなる祖国の妻を思いながら、
死んだ一人の兵士がいた・・・
385名無し三等兵:2001/07/01(日) 00:56
>>384
それが戦争・・・か
386オレ:2001/07/01(日) 00:59
>>384
続きを書こうと思ったが、思いつかん。
放置。
勝手に続き書いてもいいぞ
387333:2001/07/01(日) 01:00
ロシア ウラジオストック
「書記長。気になる情報があるのですが。」
「なんだ」
「ヨーロッパとアメリカの両方から入った情報です」
「モスクワは我々の独立を断固認めないという方針を固めたようです」
「それは最初から折り込みずみだ」
「それだけではありません。モスクワは我々を攻撃する模様です。」
「どうやって、我々とモスクワの間には永久凍土の泥沼が広がっている
 攻撃するとしたら。空爆かいっそのこと核で我々を吹っ飛ばすこと
 くらいしかできんではないか」
「モスクワは核の使用について日米首脳と極秘裏に交渉した模様です」
「・・・なんだと?プ〜チンは自国民の頭上に核を降らせるつもりか」
「いくつかわたくしが対策を考えてまいりました。」
「聞かせてもらおうか・・・」
388名無し三等兵:2001/07/01(日) 01:18
>>381
「太平洋戦争」、「湾岸戦争」みたいに単純な方がリアルだ。

千島から台湾までカバーできる
「極東戦争」なんてどうかな?
389245:2001/07/01(日) 01:20
>>384
兵士は、仰向けに横たわりながら、空を見上げていた。
腹部には、自衛隊の支援戦闘機が投下した爆弾、その弾片が深く食い込み、
とめどなく出血している。
部隊の衛生兵は、一目見ただけで悲しげに首を振り、彼のもとを去った。
「イルボンインの慈悲に期待しろ。俺たちには、もうおまえに止めをさせる
弾丸すら残ってない」
彼の台詞が、どうしようもなく重い。

妻よ・・・・・・娘よ・・・・・・父さんは、おまえたちから遠く離れた異国の地で、
今死んでいこうとしているよ・・・・・。

彼の脳裏には、この世に生を受けてから今に至るまでの26年間が途切れ途切れに
よみがえっていた。
 力と度胸がすべてであった少年時代。
 生まれてはじめての淡い恋心を抱き、はかなくも敗れて涙した学生時代。
 徴兵され、人を殺すための訓練を積み重ね、そして再び社会に戻っていった青年時代。
昨年、近所の幼馴染と結婚し、娘を授かった。
幼馴染は、彼が結婚の申し込みをしたとき、頬を赤らめて無言でうなずいてくれた。
仕事も波に乗り、上司はにこやかに彼の出世を約束してくれた。

だが、すべては失われてしまった。
半月前、定例の予備役訓練に顔を出したとき、理由もわからないままに基地に閉じ込められてしまった。
そして、わけもわからないままに、普段は意識したことすらない隣の島国に
銃を担いで出かけるはめに陥った。

普段は、彼は人が苦しむ顔を見るよりは自分が余計な苦労を背負うほうを望む人間だった。
だが、戦場では、おそらく妻が知ったら気が狂うような蛮行をも平然となした。

これは、報いなのだな・・・・・・。

彼が薄れゆく意識の中、そう悟りかけたとき、ふいに耳元で誰かが叫んだ
薄目を開けると、嫌に派手なワンピースを着込んだ女性が、彼の口元に何かを突きつけている。

「今のお気持ちはどうですか、侵略者さん?」
390オレ:2001/07/01(日) 01:33
245殿、ありがとうございます
391333:2001/07/01(日) 01:52
>>389
その女の手を荒々しく掴む手があった。
「なにするんですか!」せっかくの特ダネを奪われた彼女は
怒りを込めて叫んだ。

その手は先程まで闘っていた自衛隊員だった。
「この男は捕虜だ、民間人は離れていろ!」
自衛隊員の剣幕に女は仕方なくその場を立ち去った。

「傷の具合はどうだ?」自衛隊員の口から韓国語が
聞こえたので兵士は驚いた。
「なんで・・・韓国語を・・・」兵士はかすれた声でたずねた
「俺は在日3世だ。大阪に住んでいたが今回志願して入隊した」
「なぜ、祖国と闘うのだ」兵士はとがめるようにいった
「俺の祖国は韓国と日本両方だ。何故日本についたかといえば
 それは日本に守るべき人がいるからだ。」隊員はゆっくりといった
「君は幸せものだ・・・」兵士は苦しげにいう
「我々は何を守るかもわからないままここまでやってきた・・・」

「最期に頼んで良いか?」
「なんだ」
「俺は・・・もう長くない・・・君にとどめをさして欲しい・・・」
「・・・」
「これを・・・戦争が終わったら・・・妻子に・・・届けて欲しい・・・」
「わかった・・・」

戦場に一発の銃声が響いた。
392:2001/07/01(日) 02:17
潜行中の海自の第一・第二潜水隊群より入電!
豊後水道にて中国軍上陸部隊を多数確認との事!

「なだしお」・花澤一等海士:
「中国さん、今度は本気のようだな。だがパンダは海には不向きだと
いうことを教えてやるかっ!」
393名無し三等兵:2001/07/01(日) 02:34
「ふふふ、先行者第1部隊、突入開始!」

ついにあの恐怖の兵器が投入されたのです。
394名無し三等兵:2001/07/01(日) 03:20
>>393
馬鹿なレス使えるからとまっちゃったじゃねえかボケッ
395オレ:2001/07/01(日) 03:24
オレもそう思う
396遠賀会戦:2001/07/01(日) 04:23
敵の北側先鋒が玄海町に差し掛かったところで,重迫が火を吹いた。
まったくの、嫌がらせに過ぎなかった。誘導弾があるわけでもなく、また満足な数が
あるわけでもない。しかし祖国防衛の美名の元、隊員達の執念であるかのように、
訓練でも見せたことのないすばやい動作で作業を繰り返す。

初弾、次弾で弾着修正を行い、すぐに効力射に移る。斉射は5発で終了させ、
即座に岡垣中学校から岡垣東中へ砲撃陣地を移動した。その間、野戦陣地では
弾薬の受領を終わったものから配置につき始めていた。現在防衛線から北側の敵
までの距離は約10キロ。BMPに跨乗した敵なら10分もかからずに到達する。
再度の砲撃まであと3分。偵察からは、敵の先鋒中隊に対し壊滅的な被害を与えたものの、
進撃の速度が鈍っただけであったという。120ミリを5,60発打ち込んだだけであるが、
以外と大きな効果が得られた。しかし、装甲車は全て無傷との事であった。

「まさか、実践を経験することになるなんてな・・・.」
部隊配備についたばかりの2士からベテランの幹部まで、みながそう考えていた。
しかし、誰も怖いとか、逃げようとか言うものはいない。不思議なことであった。
しかし、彼らは見ている。逃げようと必死になっている市民の姿を。そして、
行軍の間、何回か一般の市民から差し入れをもらったり、励まされたりしていた。
なかには、義勇兵としてともに戦いたい旨申し込むものも少なくなかった。
小倉以外での反自衛隊感情は弱いとは言え、ここまでたよりにされたことは
まったきの初めてであった。初めて感じた国民からの付託。今まで架空のものでしかなかった
戦場。守るべきものを無理やり見せ付けられたような、様々な経験を
わずか半日でしてしまった。これで敗退などしたら、石を投げつけられるな、と
誰かが冗談混じりに呟いた。

「連隊長、後続からの装備も含め、所定の位置に全て配置完了しました」
連隊幕僚から報告があがる。連隊長は、ああ、と短く答えた。
「なあ、松方君」
「はい、連隊長?」
連隊長は、意地悪な色をひとみに浮かび上がらせたまま尋ねた。
「これで天皇陛下から激励の電信一本でも入ったら、しゃれにならない状況に
必然的に追い込まれるとは思わないかね?」
397深夜の電話:2001/07/01(日) 09:29
「既に川村からは協力を取りつけた。君にも協力してほしい」
「・・・」
(川村兼造を口説き落としたのか、するとあいつが会長の旭川アイヌ協議会は
ロシア反乱軍につくということか。ウタリ協会とあわせればアイヌの大半をとりこめる、
というわけだな・・・)
「明日の夜返事をしよう」
「了解した。良い返事を待っている」(がちゃ)
すぐに笹川は各地の有力者宅に電話した。
398149、150、221、236:2001/07/01(日) 10:34
第2護衛隊群海戦記
空自の活躍で、北九州上空の制空権は我が方が握った。
米機動部隊により南西諸島と日本海からの補給路を絶たれた敵は、
最後の輸送手段として高速艦艇をもって朝鮮半島西岸づたいに物資を輸送する「ネズミ輸送」を開始した。
これを阻止すれば、北九州の敵軍はまったく孤立無援となる。
敵の高速輸送部隊を撃滅しなくてはならない。
しかし空自は南西諸島や対ロシアの作戦に忙しく、支援戦闘機を回せないと言う。
したがって、これは戦争当初から失態続きの海自の仕事だ。
だが海自も、潜水艦部隊やP3Cは忙しかった。
頼みの綱は水上部隊だけだ。
夕刻、内海西部を出撃した「くらま」以下5隻の水上部隊は、関門海峡を通過、
深夜、響灘を経て玄界灘に突入した。
壱岐の西方海上で哨戒ヘリが敵艦数隻を探知。
待ち受ける中国艦艇だ。関門海峡通過の際、敵の沿岸監視員が報告したのだろう。
電波封止のまま、ヘリのデータリンクを頼りにSSM発射。
漆黒の闇に凄まじい炎を上げながら、SSMは次々と天空に消えていく。
「ヒット!ヒット!」対潜ヘリからの報告。
「やったー!」CDC内で歓声が上がる。
暗がりでよく見えないが、群司令は黙ったままだ。
部隊は速力28ノットで西進を続ける。水平線に撃破した中国海軍の駆逐艦数隻が見えてくる。
紅蓮の炎が玄界灘を染めている。
突然、ミサイル警報。敵のミサイル艇らしい。小島が多くヘリで探知できなかったのだろう。
電波封止解除。各艦一斉に対空レーダー作動。
闇に溶け込んでいた「こんごう」から炎が上がる。
やられたのではない。ミサイル迎撃のためにSAMを発射しているのだ。
一発の敵ミサイルが「ゆうだち」に接近する。CIWSの一条の弾道が天空に向けて放たれる。
撃墜。それ以上のミサイルは来なかった。一瞬探知した敵ミサイル艇も再び小島群に紛れてしまった。
再び電波封止。
こちらも小島群を巧みに利用して、敵の探知を避ける。
レーダー無しの航海だ。
艦橋では海図と格闘している航海長の横顔が、僅かに灯りに浮かんでいる。
航海長の補佐を受けた艦長は、島や僚艦と激突しないよう、矢継ぎ早に進路や速力を指示する。
対馬と五島の中間で、敵高速輸送部隊を探知。
再びSSM発射。敵数隻を撃破する。しかし撃滅ではない。
CDCから群司令が艦橋に上がってくる。
群司令「艦長、敵撃滅を期し、さらに追尾する。砲撃戦だ」
艦長 「わかりました」
「本艦はこれより、敵水上部隊を追撃する。咄嗟砲戦に備えよ」艦内マイクが響く。
部隊はSSMで炎上した敵艦艇の間を通過する。
「右20度、艦影見ゆ!高速で航行中!突っ込んでくる!」
暗視装置に取り付いたウイングの見張員が叫ぶ。
「咄嗟砲戦!右砲戦用意!」
艦長が叫ぶ。群司令は黙ったまま椅子に体躯を沈めている。
暗闇のため、目の前の5インチ砲が旋回しているのも見えない。
後続艦も見えないが、ついてきている。
「被弾に備えろ!」
艦長が指示する。部隊は敵艦艇との砲撃戦に入ろうとしていた。
399331:2001/07/01(日) 10:41
「番組の途中ですが緊急ニュースをお伝え致します。
ただいま入りました情報によりますと、NHK帯広放送局など数カ所が襲撃を受けている模様です。
すでに占拠された、との情報もありますが真偽は不明です。詳しい情報がまた入り次第お伝え致します。」
「あっ、NHK帯広とつながったようですので、話をしてみたいと思います。
もしもし?あれっ」(ピーガガっっ)
「だれですか?あなたたちは」(なんだこの黒マスクの男たちは?)
「われわれはアイヌ民族解放戦線だ!! NHK帯広放送局は俺たちが占拠した。」
「えっ・・・」(一気に青ざめるキャスターたち)
「まもなく他の各地も占拠する。北海道はわれわれのものだ。腐った日本人どもは出ていけ!」(ぶちっ)
「・・・」(キャスターたち沈黙)
笹川は思わずつぶやいた
「困ったことになった・・・」(若手が勝手に動き始めてしまった・・・)
400名無し三等兵:2001/07/01(日) 10:58
>>399

外からは、ロシア極東軍、中国、朝鮮からの攻撃、
内からは北海道で、少数民族の独立ほう起?

戦争相手国の戦意を削ぐ有効な手段として内乱を煽るのは
日露戦争で日本がやった方法じゃないか。(w

このぶんだと、北海道より独立志向の高い沖縄も続くのか?
日本ぴーーんち!

今度の展開がひじょうに興味深い。
401名無し三等兵:2001/07/01(日) 11:12
>>400
この状況で少数民族の独立ほう起って、現在の日本でも有りうることなんでしょうか?
利用されるって思うんじゃないでしょうか?
ロシア極東軍の攻撃でアイヌの人達にも少なからず死傷者がでてるだろうし・・・。
402331:2001/07/01(日) 11:15
「参謀長殿!」
「なんだ?」
「クリル人たちが放送局を占拠したそうです。」
「ほう、そうか。ガスパジンカワムラを拘束しろ」
「えっ?いまなんとおっしゃいました?」
「聞こえないのか?ガスパジンカワムラを拘束しろ」
「ははっ」(走って立ち去る)
ユーリー・ガガーモフは無気味な笑いを顔面に浮かべた。
ポーランド解放のときにレジスタンを見殺しにしたように
クリル人(アイヌのロシアでの呼称)も見殺しにするつもりだった。
せっかく手に入れた土地に先住権を主張するヤツラがいてはやりづらい。
はじめからクリル人と日本人の間で潰しあいさせるつもりだったのだ。
それを悟られてはまずい。
すでに旭川の自衛隊基地からごっそり武器も頂戴したし、旭川と
札幌の間の最大の難所、カムイコタンも多少の犠牲は払いもしたが
通過した。案内役としてもはや川村には用はない。とりあえず静かに
しておいてもらおう。
ユーリー・ガガーモフの目には前方にまっすぐ伸びる39号線と
右手を蛇行して流れる石狩川がまぶしかった。
403名無し三等兵:2001/07/01(日) 11:16
>>401

あまり細かいこと気にしてちゃ、楽しくなくなるよ。
なんたって、リレー仮装戦記なんだから。
404名無し三等兵:2001/07/01(日) 11:21
>>403
失礼しました。
でも、アイヌの人達の扱いが・・・。
405331:2001/07/01(日) 12:39
「参謀長殿?」
「なんだ?ガスパジンカワムラは拘束したのか?」(まさか逃げられたのでは)
「実はガスパジンカワムラは滝川市街に入る前に、俺が砂川や歌志内のアイヌを
説得してくると言って先に行ってしまったそうです。」
「・・・」(しまった逃げられた)
そのころ川村は砂川や歌志内に行くどころか39号を逸れて右に曲がり
石狩川を越えて新十津川から札幌まで伸びる国道を爆走していた。
家族や親戚はもう大雪山系に身を隠しただろうか。
それだけが気がかりだ。
彼は携帯電話を取りだし、話し始めた
「おい、笹川か?川村だ」
「なに?今どこに居る?露助の味方しているんだって?」
「今詳しいことは言えないがあいつらの話に乗るなよ。じゃあな」
「おい・・」(ぶちっ)
とりあえず探知されていないはずだ。札幌へ急いで長老たちに
関わり合いにならない用に説得しなければ・・・
終戦後樺太で同胞が日本軍の間諜扱いを受け処刑された歴史を
彼は忘れたわけではなかった。日本軍だけではなくロシア軍の
手先になるのも真っ平ごめんであった。
406海の人:2001/07/01(日) 17:45
>>384,>>389,>>391
 ・・・泣けたρ_;)

>>398
 うを、海自関係の仮想小説で艦内号令詞がまともなの初めてみました(笑)
 米留でASUW戦課程を経た人が「前にしか大砲ないからやりにくいんだよな」
と言っているのを聞いたことがありますので、これからはじまる水上戦闘の
描写楽しみにしてます。

>>331,>>397,>>399,>>402,>>405:331さん
 西村寿行調でいいですね。
 単なる危機一髪のみならず、ロシア軍への復仇しちゃったりなんかするん
ですか?
407398:2001/07/01(日) 19:16
「撃ち方始め!」艦長の号令が飛ぶ。
右舷側に指向していた2基の5インチ砲が発砲を開始する。
凄まじい発射焔だ。視界全てがオレンジ色の炎に支配される。
一瞬、艦橋の男たちの緊張した表情が闇に浮かび上がる。
炎をまともに見ていたら網膜がおかしくなってしまう。
砲身の下から排出される空薬莢が、乾いた金属音を立てながら甲板を転がる。
「51番、52番砲、射撃開始」
最初の数射は命中しなかった。
艦橋トップの射撃指揮装置に座る砲術長は、高速航行の突風と火薬臭い発射煙に叩かれながら
射撃緒元を修正しているに違いない。
後続の「こんごう」「さわかぜ」も発砲している。
少し遅れて、さらに後続の「ゆうだち」「きりさめ」も撃っている。
白波を蹴立てる諸艦の艦影が、発射焔で一瞬だけ出現する。
部隊が射撃を開始して1分も経たずに、敵艦から炎が上がる。
こちらの砲弾が命中したのではない。敵も撃っているのだ。
残った3隻程度の敵駆逐艦も必死だ。
補給物資を積んだ4隻程度のフリゲイトを避退させるために懸命に応射してくる。
水柱が「くらま」の周囲に吹き上がる。水しぶきが艦橋窓を叩く。
「敵艦被弾!」見張りが叫ぶ。
ひときわ明るい炎が敵艦を包む。旗艦と思われる敵の先頭艦だ。
発射する機会の無かったミサイル・ランチャーに被弾したのだろう。
5インチや3インチの砲弾の威力だけでは、到底不可能な爆発だ。
見る見る行き足を失って、燃えながら落伍していく。
残りの2隻も懸命に撃ってくる。
「くらま」の周囲に落下する敵弾もかなり近くなってくる。
吹き上がる水柱に負けじと、5インチ砲は射撃を続ける。
吹き曝しの見張員や射撃指揮装置の砲術長らはズブ濡れになっているだろう。
優勢だった。装備も錬度もこちらが優れていた。
敵2番艦も被弾し、燃え上がる。
その時だった。大気を切り裂くような鋭い飛翔音が、響いた。
ズバンッ!炎が視界すべてを支配する。窓ガラスが一斉に叩き割られる。
見張が爆風に薙ぎ倒される。
敵弾が艦橋基部に命中したのだった。
408407:2001/07/01(日) 19:44
「どこだ?どこがやられたんだ?!」
応急指揮所で、応急長の1尉が苛だたしそうに聞いた。
「前部、応急指揮所、被害探知を急がれたい」
無電地電話を被った伝令が、前部応急班に聞く。
前部と後部の応急班は前後から被害箇所を探知する。
応急長は落ち着かない表情で、通路に顔を出し、爆発音のした前部方向を見る。
閉ざされたいくつかの防水ドアの向こうでは何が起こっているのか。
やがて報告が上がってくる。
伝令の報告を、ベテランの応急士の准尉が記録板にチャイナペンで被害を書き込んでいく。
「被害箇所はアスロック弾庫および2甲板士官室周辺、付近は火災の模様、熱気と煙が充満している」
応急長は応急班に指示を出しながら思った。
(幸い、誘爆はしなかった。弾庫への延焼だけは防がなくては・・・)
同じ機関科運転指揮所に位置する電機長が、寸断された電路を復旧しようと電路監視盤と格闘している。
ダメージコントロールが始まった。
409名無し三等兵:2001/07/01(日) 21:18
398さん、もしかしてプロ?
410408:2001/07/01(日) 21:24
>「前部と後部の応急班は〜」は
 「前部と中部の応急班は〜」に訂正
411398:2001/07/01(日) 21:31
読んでくれている皆さんありがとうございます。
当方プロでも現職でもありません。
5年前に辞めた元3曹です。
号令詞は現職時代の記憶を頼りに書いています。
機関科員だったので、砲雷科や船務科の部分はかなりあやしいです。
朝が早いので続きは明日にします。
412名無し三等兵:2001/07/01(日) 21:49
むう、また有望な新人が出て来た。めでたい。
413331:2001/07/01(日) 23:08
406さん、ありがとうございます。
話の展開は考え中です
414名無し三等兵:2001/07/02(月) 02:02
ageとかんと・・・
415名無し三等兵:2001/07/02(月) 05:14
>414さいでんな。
416名無し三等兵:2001/07/02(月) 06:51
あーげーるぅうううう
417名無し三等兵:2001/07/02(月) 14:24
この優良スレを倉庫行きにしてはなるまい
418398、コテハンにします:2001/07/02(月) 16:36
消火作業を進める応急班によって、被害状況が明確になってきた。
中国駆逐艦の放った渾身の一発は、アスロック弾庫の装甲を貫通できなかった。
その代わり、ほぼ直下の士官居住区、電信室などに破片を飛び散らせた。
電信室は機器の一部が損傷し、電信員2名が負傷した。
士官居住区は高熱の破片によって火災となった。人的被害は無かったが、
ベッドや衣類、隔壁に塗られた塗料が燃え上がった。
燃えた塗料は有毒ガスを発生させ、閉ざされた空間でOBA(酸素呼吸器)を着けずに作業していた応急班員数名が
失神昏倒した。
また爆風によってウイングの見張員が吹き飛ばされ、割れたガラスを浴びた艦橋要員数名が負傷した。
「司令、大丈夫ですか?!」
艦長は右腕に傷を負った群司令を気づかった。そして「各科、被害状況知らせ!」と命じた。
『こちら砲雷科、機材、人員異常なし!』
『こちら船務科、負傷者数名、機材の一部損傷なるも戦闘継続可能!』
『こちら機関科、機材、人員異常なし。機械全力発揮可能!』
『士官室に第1戦時治療所を設置、軽傷者は科員食堂の第2戦時治療所へ!』
『応急班は火災を前後より攻撃中。白煙が出てきた。鎮火に向かう模様!』
各部からテレトークで知らせてくる。
「司令、被害は軽微。まだ闘えます」
艦長は手当てを受けている群司令に言った。
「よし、やろう!」
手当てももどかしそうに、群司令は双眼鏡を握りながら言った。
依然として砲撃を続けている中国駆逐艦との距離は数千メートルを切っていた。
6隻の護衛艦は反航戦で撃ち合っていた。補給物資を搭載したフリゲイトはますます遠ざかっていく。
このまま敵駆逐艦とすれ違えば、砲塔が前部にしか無い護衛艦は戦闘を打ち切らざるを得ない。
しかし、敵駆逐艦を無視してフリゲイトを追尾するのは難しい。
敵に「ネズミ輸送」を断念させるには、ここで完膚無きまでに撃滅しなくてはならない。
群司令は決断した。
「6護隊司令に命令、貴隊は本隊より分離、敵輸送部隊を追尾し、SSMをもって攻撃せよ。
 主力は敵駆逐艦を追撃する」
そう命じると、群司令は間を置いて艦長に命じた。
「艦長、任せたぞ」
「わかりました。面舵45度、4戦速黒10!」
艦長が命じる。操舵員が復命、舵輪を回す。
所要速力が速力通信器を通じて機関科運転指揮所へ達せられる。
機関科は間髪を置かず、了解ブザーを鳴らした。
「くらま」からの発光信号を了解した第6護衛隊の「ゆうだち」「きりさめ」が、
部隊から分離していく。
「あめ」型護衛艦特有の低いシルエットが、正面から側面へと変化していく。
面舵回頭する「くらま」に「こんごう」「さわかぜ」が続行する。
海戦は最終局面に移行しようとしていた。
日付が変わろうとしていた。
419398:2001/07/02(月) 18:04
「作業にかかっている者の他別れ。艦内閉鎖用具収め」
泊地に錨を降ろした「くらま」は、発電機を除く機関等を停止し、停泊状態となった。
夕刻。志布志湾。夜明け前に戦闘海域から離脱した6隻の護衛艦は、
ほぼ全速航行で九州西岸を南下、大隈海峡を経て志布志に入港した。
第2護衛隊群は10数隻の中国艦艇を撃沈または撃破した。
この戦争における海自最大の戦果だった。
隊員たちはテレビの映り始めた大隈海峡で、自分たちの活躍を報道するニュースを見た。
純粋に喜ぶ者。他人事のように無関心な者。男たちの反応はさまざまだった。
6隻以外に、静かな湾内に停泊する艦船はいなかった。
この同じ九州の北部で激戦が繰り広げられていることが、非現実的に感じるほど平和な湾内だった。
「なにより1名の戦死者も出さず、1隻も失わず、良かった」
群司令は静寂を取り戻した艦橋で言った。
この海戦で「くらま」と「」ゆうだち」が被弾し、8人が重傷を負った。
彼らは志布志に入港する前に、ヘリで鹿屋に運ばれた。
休む間も無く、燃料搭載や損傷修理をしている乗員もいる。
手空きの乗員は夕食や入浴を始めている。
束の間の休息だった。平時ならば、当直員を残して全員内火艇で上陸するところだが、
戦時となった現在では無理な話だった。
「今日の晩飯はステーキ。デザートはスイカですよ」艦橋に上がってきた補給長が言った。
「そりゃあ、いい」航海長が言った。
「ステーキはもたれるよ。でもよくスイカなんて手に入ったな」艦長が言う。
「青森経済連の会長が差し入れだって、あちこちの部隊に送ってるらしいですよ。
 こんな御時世じゃ、売れませんからね」補給長が答える。
「しかし大戦果でしたね」先に食事を済ませた飛行長が間を置いて言う。
「しかしアメリカの偵察衛星によれば、敵の輸送部隊がまた朝鮮半島西岸を南下中らしいですね」
船務長が思い出したように言う。
「敵も必死なんだよ」艦長は小さくつぶやく。
「今夜は第3護衛隊群と佐世保地方隊の生き残りが攻撃に行くそうだ。
 敵も馬鹿じゃないからな。我々よりもはるかにきつくなるだろう」群司令も小さく言った。
「しかし、歴史に残る戦いでしたよ。日本海海戦の現代版だ」
砲雷長が沈んだ場を盛り上げるように言う。
「日本海海戦は戦争の帰趨を決したが、今回の戦いはそうではない。
 もちろん、諸君は誇るべきだが、指揮官の私としては、そうも喜んでいられない。
 戦いはまだまだこれからだからね」
群司令が再び言う。
「しかしこれで味方の士気は上がりますよ。そうだZ旗でも掲げましょう」
戦史好きの補給長が元気そうに言う。
「そんなもの掲げたって、今の若い隊員には意味が分からんよ」
艦長がたしなめる。
「なぁ、ブラボー。日本海海戦やZ旗なんて意味分からんだろ」
傍らで雑務に専念していた今年幹部学校を出たばかりの3尉、砲術士B、
通称「ブラボー」に、艦長は聞いた。
「は、はぁ〜」3尉は本当に分からないようだった。
「江田島の参考館で何を見てきたんだ?これだから最近の若いモンは・・・」
補給長は嘆き、そして続けた。
「いいか。時は明治38年、我が大日本帝国は・・・」
「あ〜っ、また補給長の浪花節が始まった!やめてくれ!」
艦長は大げさに耳を押さえた。
「わははは!」場が盛り上がった。
「薄れた歴史なら、再び刻んでやりましょう」
トップから下りてきた砲撃戦の殊勲者、砲術長が言った。
「そうですよ」士官たちは口を揃えた。
「やりますか」最後に艦長が聞く。
「好きにしろ」群司令は肩をすくませてそう言うと、席を外した。
数分後、「くらま」のマストにZ旗一旒が掲げられた。
「こりゃ、いい絵面だ・・・」
部隊に同行したAP通信の記者は、夕日にへんぽんとはためくZ旗を見ながら言った。
彼は思わずカメラをマストに向けた。
420333:2001/07/02(月) 20:11
ウラジオストック発 ロイター電

極東ロシア軍関係筋は自らがロシア軍による核攻撃を受ける可能性を示唆し、
その上でもし核攻撃が行なわれた場合は必要な報復処置を行なうと強調した
421名無し三等兵:2001/07/02(月) 20:36
┌───────────────────────┐
│    ( ̄ ̄)                              |
│     )  (    超 優 良 ス レ 認 定 証      |
│   / 2ch \                               |
│    | Λ Λ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\          |
│    | ( ゚Д゚)< や…やるじゃねぇか… |          |
│   \__/. \________/           |
│   .このスレが2ch優良スレ審査委員会の定める認定. |
│  .基準(第5項)を満たしていることをここに証する。  .|
│ 平成13年7月       2ch 優良スレ審査委員会    |
│                   理 事 長  ひろゆき@管直人  |
│                  認定委員 (・∀・) ホー  さん  .|
└───────────────────────┘
422333:2001/07/02(月) 22:36
東京 警察庁
「次長。これまでの北朝鮮工作員の犯行と思われる、テロの被害を報告してくれ」
「開戦以来、北朝鮮工作員によるものと思われるテロ事件は大小あわせて300件以上
 に及んでいます。」
「死者・行方不明者は渋谷の爆破事件で542人。成田での日航機撃墜事件で330人。
 米原での新幹線ジャック事件で1064人。その他の事件をあわると2500人以上に
 上ります」
「警備局長。現在の警備状況について報告してくれ」
「現在、各都道府県・・・といっても福岡県警、長崎県警は現在連絡が取れませんが
 公共交通機関、通信、ライフライン、繁華街、官庁など幅広い範囲にわたって
 厳重な警備活動を行なっています。しかし相手が強力な火力を有しているため
 警察官の殉職も絶えることがなくどの県警も人員不足の状態です。原子力発電所
 やダム、変電所、港湾、空港などの最重要警備ポイントについては陸上自衛隊
 の助けを借りている状態であります。」
「公安部長。北朝鮮特殊部隊の動きについて新しい情報があったら教えてくれ」
「・・・最近のテロ活動はかなり沈静化しています。これはテロリスト側の被害が
 多いことと、市民レベルでの監視が厳しくなり行動ができないということが
 あげられると思われます。例の乱数放送もその数を減じています。」
「しかし、北朝鮮がこれであきらめるとは思えんが・・・」
「そのとおりです、長官。敵は現在息を潜めて力を蓄えている状態と思われます
 ただ力を蓄えたところで日本海ルートでの工作員潜入が難しい現状では、奴らの
 テロ行為はこれまでのようには行きません。」
「どういうことだ?」
「つまり、戦力を集中して致命的な打撃を日本に加えることに戦術が変換するもの
 と思われます。」
「原発を狙うのか?」
「今のところ北朝鮮特殊部隊の工作員が関東地方への集結をはじめたという情報
 を複数入手しています。」
「関東近辺ということは・・・東海村付近の原発群か?」
「それも十分考慮が必要ですが、もうひとつ考えられるのは。」
「要人テロです。それも閣僚などではなく、首相クラスを狙ってくるでしょう」
「そして皇室を狙う可能性もあります。」
423 どっか〜ん:2001/07/02(月) 23:03
爆弾で人が死にました

ハイおしまい・・・・・・


































ここまで読んだらホントの馬鹿だぜ。
424名無し三等兵:2001/07/02(月) 23:05
>>423
坊やは寝る時間だよ。オナーニして寝なさい(w
425名無し三等兵:2001/07/02(月) 23:05
>>423
自爆テロかい(w
426名無し三等兵:2001/07/02(月) 23:09
>>423


の自衛隊のカウンターサイバーテロ部隊の暗躍( >>76 )
がまた見られるかな。
427:2001/07/02(月) 23:44
オメガ部隊の動向も気になる・・・。
42845/85式改:2001/07/02(月) 23:52
age
429名無し三等兵:2001/07/02(月) 23:52
次は原発でのSAT対北朝鮮ゲリラの死闘ですか?
目が離せないスレですね、続きがきになります。

ところで英仏艦隊はどうなったんだろう。
海自との共同作戦とか見てみたいです。
430名無し三等兵:2001/07/03(火) 00:02
絶対同人誌だせば売れるよ
431名無し三等兵:2001/07/03(火) 00:21
潜水艦隊の活躍も知りたいネ!
432一等自営業:2001/07/03(火) 00:22

道北 名寄の町
目抜き通りのコンビニだった残骸の中から、二人の隊員が偵察
を続けていた。外からは完全に破壊されたコンビニだが、人間
二人入るだけのスペースにくり貫かれ、すき間から街道の監視
を続けていた。名寄の町が完全に砲爆撃で破壊されてから、夜
間にその偵察員は侵入してきた。目の前をロシア軍の装甲偵察
車BRDMが急いで通り過ぎていく。

二人の偵察隊員の目的は敵の観察だ。敵に発見されぬよう努め、
敵の動向を圧縮送信のバーストで,敵に探知されぬよう不定期に
発信している。
当然二人に会話はない。手信号で簡単にやり取りをするだけだ。
片方が監視しているとき、片方は休むか簡単な食事をしまた交
代する。彼らの主な関心は交通量と目の前の敵野戦司令部だ。
砲撃の要請も出来るがそれはしない。敵のど真ん中で貴重な情
報収集のほうが、遥かに重要なのだ。

かれら二人の偵察員は名寄の戦闘が終わるまで、そこにいた。
433一等自営業:2001/07/03(火) 00:29
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
道北 名寄より20キロ南
街道脇で偽装ネットに包まれた90式戦車は、遠目には付近の藪
に溶け込んでいる。戦車長田中一等陸曹は小隊の各車と短い交信
をした。
「32。現況異常無し。目標目視確認!」
「33。現況異常無し。目標目視確認!」
「31。了解。指示を待て!」
31は田中一等陸曹の小隊長車の番号で、32号車は100メー
トルほど右翼にいる。33号車は左翼100メートル。マニュア
ル通りだ。名寄より北進した第二連隊は実質的に全滅した。田中
一等陸曹の小隊が第七師団の最先頭にいた。別な言い方で言えば
第七師団で最初に死ぬ奴という事だ。90式とは90年に正式化
したという意味である。乗員はロシア戦車のように三名で操縦手、
砲手、戦車長で構成される。74式戦車はこれに弾薬の装填手が
加わるが、90式では自動装填になり簡略化された。防御力の要
の装甲も日本の冶金工学の最先端であり、同じ120ミリライン
メタル砲以外受け付けないと言われてる。
この戦車の機密事項は、砲塔前部の車体と同系色に塗られたキャ
ンバスよりもその装填装置にあると、戦車兵なら言うに違いない。
なんたってフランスの自動装填装置のシステムをコピーしてるのだ
。ライセンス生産ではない、ヒミツなのだ・・・・

田中一等陸曹はレーザー・レンジ・ファインダーを親指で三度叩
いた。レーザーの距離表示は三度とも同じ1300メートル、
目標はゆっくりと近づいてくる。その周囲には先ほどの偵察装甲
車がまだ煙を噴いている。まるで頭の壊れたデザイナーが作った
ような、ロシアのT−80はゆっくりと国道40号を何事もなか
ったように前進してくる。先頭車は砲身を右に、後続車は左を向
いている。マニュアル通りだ。国道の周囲はクマ笹が密生している。
「31。先頭車両を目標とす。各車命令まで自由射撃!」・・・
「撃て!」
ラインメタル120ミリ砲は金属的な腹にこたえる発射音を上げた。
FH70の野砲とは明らかに違う。
発射と同時に砲尾が後退し、発射装薬の燃え残り薬莢の真鍮製尾栓
の部分だけが後座(反動)で、砲尾から排出される。それと大量の
発射煙が・・・・
田中一等陸曹は、ほぼ発射と同時に叫んだ。「次弾装填!」
田中一等陸曹と主砲をはさんで反対側の、砲手は命令に従い装填ボ
タンを押す。砲塔後ろの弾薬庫では油圧コンプレッサーが回転し、
120ミリ砲弾が押し出されて勝手に装填される。戦車長にも砲手
と同様のシステムがあるが、これは非常時用でいつもは砲手に任せ
ている。
434一等自営業:2001/07/03(火) 00:30
続き・・・・・・・・
砲手は主砲操作ハンドルをほとんど動かさず、ハンドルの右上の赤
いボタンを押した。第二発目が発射された。左右の32と33号車
からも、同じように発射された。車体が激しく揺れる!  演習と
同じだが、今回は違う実戦なんだ!

T−80は1発目で、目に見えない何かにぶっつかるように停止
した。二発目で先頭のT−80三台が炎に包まれた。誰も助かる
まい。砲塔が車載弾薬の誘爆で5〜6メートル浮き上がった。

「射撃やめ。 退避陣地まで後退!」
昨日から昼も夜も、田中一等陸曹は普通科と共同で何度も同じ
事を繰り返している。今回も生き延びたことを田中一等陸曹は
無紳論者ながら神に感謝した。もし生き残れたら、ご先祖様く
らいは大事にしようと思っていた・・・

勝利に酔ってのんびり出来ない。すぐさま報復攻撃がやってく
る。相手は攻撃ヘリだ。頑丈な90式もこれにはかなわない。
遅退行動は敵の足をチョット止めるだけでいいのだ。次はフッ
トワークの軽い歩兵がスティンガーとパンツァーファースト3
で、また敵の足止めをして消える。また戦車の出番だ。いまは
時間稼ぎが総てなのだ。
435オレ:2001/07/03(火) 00:50
  後藤陸曹物語
これは、序盤の戦いで、自衛隊と義勇軍が九州撤退、
そして、反攻作戦が終了するまでの物語である。
後藤陸曹は、北九州市の防衛をしていた。市街に入る
国道の脇に、巧みに擬装した急造トーチカに、機関銃と
弾薬3000、スティンガー装備兵×1 自動小銃兵×2(スティンガー兵も含まれる)
の合計3人で戦った。彼らは、そのトーチカで立てこもることは、
死を意味することを知っていた。しかし、幸運にも、敵は迂回し、
小規模な敵との交戦で、かなりの武勲を立てた。しかし、敵が迂回した以上、
孤立するため、撤退せよとた命令が下った。しかし、敵は、市街の各地に
出没し始めていた・・・   (つづく
436オレ:2001/07/03(火) 00:54
市街地にやってきた彼ら3人は、はっきり言って、通れる道が
ほとんど無いことに気付いた。誰が指図したわけでも無く、北の
兵士は略奪のために、市街地に均等に散らばっていたからである。
一人が降伏しようと言った。2人は止めたが、勝手に飛び出してしまった。
すると、北の兵士が寄ってきて、腕時計など、金目のものをすべて剥ぎ取り、
彼を射殺してしまった!!!!!2人は、いそいでそこから離れた(つづく
437245:2001/07/03(火) 00:59
>>376
東京・永田町・地下鉄永田町駅前
「はちまき!」
携帯電話片手に駆け寄る男が、めがねであると気づくのに数秒かかった。
顔立ちや体形は、十数年前と同じく貧弱さを感じさせない小柄なままであったが、
それなりに高価な仕立ての三つ揃いが板についているせいか、随分見た目の
雰囲気が変わってしまっていた。
はちまきは、双眸にだけ驚きの色を浮かべ、小さく右手を挙げる。
「よお、久しぶりだな」
めがねは、そればかりは昔と変わらない、緩んだ笑みを浮かべてはちまきの肩をどやしつけた。
「なーんだよ、おまえ全然変わんないなあ・・・・・・あれ?まだ菊一文字もってたんだ」
はちまきの左手にある、布を巻いた棒状の物体に目を留めていった。
「ああ、こいつは3代目さ。上海で曲がっちまった2代目以来だよ」
「ふーん」
「ところで」
はちまきは真面目な顔つきになった。
「北海道だが・・・・・どうやっていくんだ?船も飛行機も今はつかえないだろ?」
めがねは振り子人形のように大きく首を上下させていった。
「そーそー、それなんだけどさぁ、ちょっと伝手があるんだよ・・・・・・」



めがねとはちまきの会話を、少しはなれた場所から車に乗って監視している
2人の男がいた。
助手席に座っている方が、携帯電話によく似た通話装置に話し掛ける。
「マルタイ、接触を確認。どうぞ」
『了解、こちらは全員配置についた。10秒後に確保する』
438オレ:2001/07/03(火) 01:01
夜がすぎるまで、倉庫にあったシュレッダーなどの処理物の
山に潜んで待った。金目のものがないこの倉庫には無関心のようだ。
まったく見つかる心配も無く、夜になった。夜、2人は脱出の計画を立てた。
そういえば、ここ数日、友軍の航空機を見ていない・・・
見方はどこまで下がったのか?それとも、九州から完全に
駆逐されてしまったのだろうか??????2人は不安に駆られた。
8方塞がりだった彼らは、北の兵士の服を奪って市内を通過することにした。
そこの事務室にちょうど待ち伏せされてナイフで首を切られた
北の兵士がいた。切られた場所を手で抑えたからだろう。
他の首を切られたり、撃たれたりした兵士の服より血がついていない。
そして、隣にその男を殺したであろう男が、腹に何発も弾を
受けて死んでいる姿が曇った月の光に照らされていた。
2人は、すでに硬直したまぶたを閉じてやり、黙想をささげ
その地を後にした(つづく
439オレ:2001/07/03(火) 01:09
そんな映画のような子供だましが効く筈も無い・・・
自分たちでそう思っていたが、北の兵士は市街地で女や略奪品を
めぐってケンカしていたり、酔っ払っていたり、ものめずらしさに
ロボット犬にえさを与え、食べないと言っては蹴り飛ばして
台無しにしていた。「あぁ、娘がほしがっていたのにな」
「おい後藤、そんなこといってる場合かよ?」「すまん」
「日本人ってばれたらたぶん殺されるぞ」2人は緊張しながらも、
北の兵士になりきり、完璧な態度であった。途中、撃破され、
所属もまた、機種すらもわからない装甲車や、トラック、
そしてつぶされた急造陣地、人海戦術的突撃によって、
何人もの敵にかなりの弾を撃ちこまれ、上半身の原型をのこさない
友軍・・・いや、”元"友軍を見た。そのときである
向こうで銃声が起こった!これは猟銃や、89式、または12.7mmなど、
なかなかにぎやかだ!何が起こったのか???(つづく
440245:2001/07/03(火) 01:17
>>437
2人は、議員会館に向けて歩き出した。
「ま、伝手については議員会館でゆっくり説明するけど、ところでボウイは今
どこにいるかわかる?」
めがねが尋ねた。
「おれも知らん。ただ、六本木にニューヨーク・ヤンキースの帽子をかぶった外人
の女衒がいると聞いたことは」

はちまきがそこまでこたえたときだった。

目の前にいきなりスーツをきた2人の男が立ちはだかる。
「!」
その2人からただならぬ雰囲気を感じたはちまきが菊一文字のカムフラージュ
(実際はただ布切れを巻きつけただけだが)に手をやり、ついでめがねが身構えた。

はちまきとめがねのすぐわきでワンボックスカーが急停車する。
スライドドアが勢いよく開けられ、キャビンからこれまた2人の男が
リボルバーをまっすぐ突きつけてきた。
「しまった!」
めがねが、反射的に後ろを振り返る。
だが、そこにも2人の男がこれ見よがしにリボルバーを構えて立っていた。

「くそう・・・・・かこまれたな」
平静な表情と額に浮かんだ脂汗が妙にいびつなはちまきがうめく。
「・・・・・・みたいね」
めがねも、同意するほかなかった。

正面から近づいてきた男のうち、右側の年配の方が、重々しい声で告げた。
「すまんが、旅行に行く前にちょっとつきあってくれんか?」
441オレ:2001/07/03(火) 01:23
北の兵士は、自分はできるだけ戦いたくないといった様子のものもいたが、
指揮官が空に向け銃を乱射したら200人以上も慌ててそこへと向かった。
自分たちも急いで向かった。(もしかしたら、友軍の反攻作戦か?)
内心そう思って期待した。しかし、我々が見たのは、頓挫はしたものの、
それいがいはきれいな90式戦車であった。しかし、機銃には
ものすごい形相の戦車兵がしがみつき、また、中に隠れていたのであろう・・・
猟銃らしきものを持った一般人、生き残りの89式を持った隊員。
しかし、あまりにも哀れであった。一般人がまずあっというまに弾を受け、
インパクトで戦車から吹っ飛ばされ、地面に落ちてもなお近くにいた
30人ぐらいに撃たれつづけていた・・・まさにミンチであった!
あとの89式の隊員は、撃たれてたじろいても、まさに弁慶の
様に撃ちかえしていた。そのその様子を見ていた田中が銃に手をやって、
いままさに彼ら3人のように戦おうとしていたが、後藤はその手をおさえ、
首を振った。ここで田中は我に返った。また機銃にしがみついていたものは、まさに
片手が無かった!あ!2人とも、次の瞬間、首が飛び、腕がもげ、
そして露出していた部分が、ほぼ原型をとどめないほどの
ミンチ状態になっていた・・・ だが、弾が切れるその瞬間まで
銃は彼らの意志をついだかのごとく弾を吐き出しつづけていた。
中にもまだ何人か負傷者がいたようだったが、容赦なく手榴弾が
ほおりこまれた。弾薬に引火し、砲塔が吹き飛んだ。
かれらたった3人で、40人ぐらいも死傷者がでたようだ!
彼らの名前をしらべ、感状を進言しようかと思ったが、
それをも許さないほど本人とわかるものはなくなっていた・・・
しかし、あきらかに死ぬのに戦うことに、いったい何の意味が
会ったのであろうか?おもいふけっていたが、ふと我に返った(つづく
442名無し三等兵:2001/07/03(火) 01:28
>>441
イイ!!!!!(・∀・)
443333:2001/07/03(火) 01:33
ものすごいペースだ・・・脱帽>一等自営業様、オレ様、245様
444245:2001/07/03(火) 01:38
>>440
はちまきとめがねが連れ込まれた部屋は、どこかのオフィスの
応接間と思しき、実に殺風景な部屋だった。
目隠しも、手錠もなかったが、道中完全なスモークシールドの
ワンボックスカーに押し込まれ、前後左右から銃口を突きつけ
られていてはあまり代わりがない。
「ここで少し待て」
指揮官と思しき年配の男は、そういい捨てて部屋を出て行った。
後には、飽きもせず銃を構えている5人の男。
「まーったく、茶の一つも出ないの?ここってさ」
めがねは芝居じみた陽気さであれこれ話し掛けていたが、男たちがまったく
無反応でいたので、やがてふてくされたように黙り込んだ。

沈黙が落ちていたのは、それほど長い時間ではなかった。
いかにも合板製の安っぽいドアが開き、数人の男が中へ入ってくる。
その中央にいた、サングラスの男がにやりとわらってはちまきにいった。

「上海以来だな。10年ぶりか?」
445245:2001/07/03(火) 01:48
「おまえは・・・・・!」
サングラスに隠れているとはいえ、そして年月が経っていたとはいえ、
はちまきがその男の顔を忘れるはずがなかった。
水兵と乱闘し、留置所に放り込まれたはちまきを釈放させた男。
2級とはいえ、日本酒をはちまきにふるまい、西域の踏査と引き換えに
2等尉官への任官をちらつかせた男。
はちまきが啖呵を切り、その誘惑を退けた後に刺客を放って3人とも亡きものにしようとした男。

はちまきのなかで、昔の記憶がよみがえる。
『君も日本人ならわかるだろう』
『どうかね、中尉』
『忘れるな!君らは所詮日本人だ!』

はちまきは、ゆっくりと言った。
「今ごろ、何の用だ?」
446:2001/07/03(火) 02:01
まさかここであの三人に会えるとは!!(感激)
447名無し三等兵:2001/07/03(火) 02:02
等自営業、オレ、245 ,誰の作品が今のところ気に入ってる?
最新作でさぁ。個人的には同じぐらい
448245:2001/07/03(火) 02:17
>>445
「西域の踏査でないことは確かだ」
サングラスの男は苦笑した。
「君たちは、北海道に行きたがってたのだろう?だったら、それを少しばかり手伝わせてもらいたいんだ」

「その前に一つ教えろ」
はちまきは遮った。
「どうして、俺たちが今日あそこで落ち合うとわかった?」

サングラスの男は笑みを大きくした。
「簡単なことさ。そこの議員先生が警察にとっての要注意人物だったからだよ」
「おれ?」
めがねがびっくりしたような顔になる。
「そうだ。戦争がはじまってからこの方、『思想的にいかがなものかと思われる』
人物は可能な限りその動向をモニターしている。電話の盗聴も含めてね。
それで、戦争に関してなにやら面白い話を進めているようだったから、私にお座敷がかかった。
いや、驚いたよ。上海の3人組の一人が今や衆議院の代議士先生とは、ね」

「記憶力よすぎだよ・・・・」
めがねがぼやいた。
>>448
「まあ、君には恥をかかされなかったんだがね」
サングラスの男がなだめるように言った。ついではちまきに向き直る。
「さて、種明かしはこんなところでいいかな?」
「ああ、十分だ」
はちまきはうんざりしたように言った。
「だがな、たった今気が変わった。俺たちは北九州に行く」
じろりとめがねを見やった。
「そうだよな、めがね?」
めがねはうなずいた。
「うん、明太子が急に食べたくなったし。北海道ヤメヤメ」

「変わらないな、君たちも」
サングラスは、まったく動じた様子を見せなかった。
「話が終わったんなら、俺らは行くぜ。菊一文字を返してくれ」
「まあ、もう少し待て。実はつい先ほど面白いニュースが舞い込んでね」
「なんだよ?」
「東京の、まあスラム街で7人ほど一昨日殺害された事件の話さ」
「・・・・・・それが、どうした?」
嫌な何かを感じながら、はちまきは尋ねた。
「被疑者と見られる不法在留外国人達を拘束した。現在厳しく取調べ中だということだ」
「そんなことなら」
「まあ聞きたまえ」
サングラスは右手を挙げて制した。
「彼らは、もしかすると犯人ではないかもしれない。いや、状況から判断する限り、その可能性のほうが高い
しかしね、そのニュースをどこで聞き込んだものか、かなりの愛国心あふれる若者がいきり立ってるんだよ」
「・・・・・・・」
「私は警察の人間ではないが、彼らの去就に一定の発言力を持っている。
さて、この状況で彼らが釈放されたらどうなるかな?警察にも、愛国心に不足のないものは多いのだよ。」
「手前・・・・・・」
地鳴りを思わせる声で、はちまきは言った。
「釈放されたら、まず間違いなくその情報は外に漏れるね。そして、頭のよくないものにとっては彼らが犯人であるかどうかは関係ない」

負けだ。
はちまきは悟った。

『私達は、自分のことくらい何とかします』
そういって笑った女性の声が耳についてはなれない。

はちまきは、押し殺した声で言った。
「それで、何をやらせるつもりなんだ?」
450一等自営業:2001/07/03(火) 02:44
市ヶ谷 新国防省(旧名防衛庁) 地下中央指揮所 (その1
かつて桧町に核戦争に備えた地下中央指揮所が作られたが、ここ
市ヶ谷の地下中央指揮所はより高度なレベルに備えていた。
たった今、午前の合同作戦会議がおわったばかりだった。統幕議長
の目は想像を絶する責任感が疲労となって蓄積していた。三軍の将
星連中が出て行ったあと、統幕議長よりは年配の頭の禿げた陸将補
が入ってきた。表の作戦計画のあとは裏の作戦計画が始まった。
頭の禿げた目つきの悪い陸将補は言葉を始めた・・・
「始めていいですか? 統幕議長」
「戦後処理は大変なものになるぞ・・・首相の意見も」
「一週間ですか。一ヶ月ですか。 それまで待てますか?」

統幕議長の目は、遥かかなたを見るような目になった。
「始めてくれ、小林陸将補。 結果を想像するのが恐ろしいよ」

「日本が赤シャツ共に占領されるより、マシでしょう」
レトロな表現でそういうと,目つきの悪い頭の禿げた陸将補は短縮
回線666を押した。
451北九州、遠賀防衛線:2001/07/03(火) 04:43
岡垣町の垂見峠前に作られた応急陣地。ここが北九州の最前にして唯一地形防御の
取れる場所であった。突破され、三里松原での防御に失敗したら、航空自衛隊芦屋基地まで
あと一息である。

航空支援はろくにない、海自は制海権の維持で忙しい、となると寡兵を持って
独力で侵略者を玄海棚へと叩き落すしかない。もっとも、侵略者達の航空支援だって
とっくになくなっていたが。

重迫の2度目の支援が終了し、いよいよ敵が目視可能の距離となった。中隊の迫撃砲中隊
が散発的な支援を行うも、引き返すことが許されていない敵は、進撃を止めない。
反対に、敵からも陣地に対して迫撃砲とBMPの砲撃が開始される。
塹壕の中に伏せている兵士にとって、実に不快な時間帯である。敵は前進中であり、
支援砲撃の時間は短いであろうと予測はつくが、それでも耳と目をふさぎ、口を半開きにしている
上に土くれの類が降り注いでくる状況は、まあ過去から繰り返されてきた煉獄への招待状みたいな
ものだった。

「小隊、班ごとに損害を報告せよ」
「山崎1士負傷、看護士頼む!」
「右翼側の機関銃陣地損壊、その他異常なしっ!」
壕のあちこちで報告を求める声と送る声が交錯する。損害は、軽微である。いくつかの
壕が多少損壊したこと、数人の重傷者を出しただけですんだ。しかし、敵は推定5百人前後、
対するこちらは僅か2個中隊、それも完全充足ではない。
しかし、逃げ出すことは許されない。やっと訪れた憎い敵への復讐の機会、そして
憲法の私生児とまでいわれ、ことあるごとに叩かれてきた、世間に対する一種の復讐の機会。
10年後生きていたらどのように振り返るか分からないが、現実の目の前の戦争に
今は没頭している。

敵はBMPを先頭に立て、突撃をかけてくる。今先届いたばかりの64式MAT4基が
白煙を吹きながら先頭のBMPにむけて地面すれすれに飛翔する。4基中3基が命中、
さらに攻撃が加えられる。すでに発射位置は特定されていたが、敵にはMAT車を
攻撃する手段がなかった。結局6両を撃破し、後方に下がった。

6両のBMPと数百人の敵歩兵が、わき目も振らず、密集隊形で突入してくる。壕のあちこちから
持ちうる全ての火力が敵に対して注がれる。敵も応射してくるが、ほとんどが前進を行っているため、
一時的ながら自衛隊側の火力が優勢になる。しかしそれもつかの間,敵との距離が100間近
になると石の投げ合いのように、どこに向けて撃っていいのか分からなくなった。
敵は、屍を超えて,損害も振り返らずに突撃を試みる。すでに着剣を完了しており、
その反射する光が不気味に見える。

敵は、30ミリグレネードやRPGを至近距離から位置の露呈している陣地に対して
撃ちこんでくる。そのさなか、着剣した一団がもっとも被害の大きかった第2小隊
の守備する壕に突入をかけようとする。クレイモアがあれば防げたかもしれない
敵の接近ではあった。しかし、いまさらどうしようもない。

すでに頭が分離していた通信士から分捕った通信機に、必死に応援を要請する第2小隊長
は、しかしその通信機がすでに故障していたことに気づかず、通信士のあとを追った。
残った分隊の班長達は、それぞれの申し合わせ通り、着剣を班の兵士に命令し、各員1発
しか配備されていなかった手榴弾を投擲させ、ぎりぎりまで射撃を敢行、距離が20メートルを
切った時点で銃剣突撃を実施した。
ほかの壕からも援護射撃が行われ、また一部では同じく銃剣突撃を敢行した部隊もあった。
敵はあろうことか正面の僅か十数名の突撃に気を取られ、左翼側からいきなり出現した小隊の突撃に
気づくのが遅れ、反応が遅れた。左翼側の小隊が一気に全滅し、敵は混乱に陥ろうとしていた。
452一等自営業:2001/07/03(火) 06:08
新宿 アルタ前       (その2
第32普通科連隊は治安出動で、反戦団体を平定してから第二段階を始めて
いた。有事になってから第一師団は、首都圏中心部の交通網を管制していた。
主要な橋や鉄橋及び幹線道路は封鎖され、通行は厳重に警察立会いのもと検
問を実施していた。いまや警察がしたくても出来なかった第二段階が始まった。

新宿アルタ前の甲州街道ガード側から新宿三丁目交差点まで、第32普通科
連隊第二中隊は横一列に並んでいた。その反対側大久保通りには第一中隊が
同じく横隊で並んでいる。補佐する形で警察の機動隊も出動しているが、主
力は誰が見ても自衛隊が現場を仕切っていた。大柄で野蛮そうな目つきの
左頬に傷のある二等陸佐が臨時指揮官だった。そばには小柄でやせた三等陸
曹が携帯無線機を背負った同様に偉そうにしていた。中隊長が二等陸佐に近
ずくと、その三等陸曹が自分を通せと言わんばかりに間に立ちふさがったり
する。中隊長の一尉は何度その三等陸曹を殴りたくなったことか・・・

補に傷のある二等陸佐がハンドスピーカーをもって怒鳴り始めた。
「只今より!不良外人狩りを実施する」「パスポート並びに外人登録証を提
示しても、偽造書類である。一人残らず拘束せよ!」「反抗的外国人には
徹底的に武力を行使せよ!破壊工作員である。始め!!」

最初のブロックは問題なくいった。悲鳴や銃声がでたのは歌舞伎町一番街と
新宿区役所通りに入ってからだった。命令は速やかに実行され反抗的な外国
人は男女を問わず、引きずり出されトラックに押し込まれた。第二中隊長は
青くなっていたが、更に血管を膨張させていたのは機動隊の隊長だった。
風俗の入っている雑居ビルの上から、アジア人の女が地面に叩きつけられる
におよんで、機動隊の隊長はヤセッポッチの陸曹を払いのけ二等陸佐に詰め
寄った。

「あんたの作戦はやりすぎだ!報告するぞ。」
「ナカムラ!」二等陸佐は怒鳴った。ナカムラと呼ばれた三等陸曹はやおら
拳銃の銃口を機動隊の隊長の頭に突きつけた。
「撃っちゃっていいですか!」ナカムラの手は自然とセフティーを解除し
ハンマーを起こしていた。先祖代々桜田門に嫌悪しているかのように・・・
「ボケー!!俺が命令してからだ。」ドスの効いた声で機動隊の隊長は黙っ
てしまった。一昨日、治安出動を静止しようとした警官数人が、あり無を言
わさず射殺されたのだ。いまや警察と自衛隊は立場が逆転していた。
中村三等陸曹はいつものように殴られると思ったが、そのとき背中の携帯無
線機が呼び出し音を鳴らした。三等陸曹は救われた。
「アタマの禿げたジジイが呼んでます・・・」
やっぱり中村三等陸曹は平手で殴られた。

この治安維持作戦で三千とも五千以上とも言われた多くの不良外国人が、そ
の日のうちに何処かに移送された。中には数世代前からの、在日の料理店主
が中華鍋で反抗的態度を取りで連れ去られ、戦後彼ら不良外国人の処遇問題
が出たが行方不明扱いとなった。ハーグの人権法廷でも責任追及が行われた
が発見出来なかった。噂では東富士演習場で対戦車壕が幾つも掘られ、朝ま
で休みなく射撃音が響いていたという話もあったが風説の一部と捉えられた。

また公安はこの機会に中国、韓国、東南アジア系の地下銀行多数を押さえ、
関係者の財産や資産を没収し円の流出を防ぐのに成功した。
453海の人:2001/07/03(火) 08:53
>>407-408,>>418-419:398さん
 そうですか、海の人も3曹で退職しました、配置は電信です:-)
 本当に艦内の状況が思い浮かんで懐かしいです。
 応急給電作業に没頭する緊張した面もちの電機員、叩いたら金属製の音が
するほどの圧力で充水された、取り扱いにくいホースと金てこのように重い
ノズルの高速水霧、マズルフラッシュに照らされる艦橋内と赤いセロハンで
減光した懐中電灯をもった左手で突起物にしがみつきながらの艦橋交話、
重たい鉄ヘルがずり落ちてくるのを支えながら無電池電話で講話する電話員
射撃位置につくために猛ダッシュしながら一杯舵で傾く船体、そして発射/
攻撃の瞬間を息を詰めて待つ緊張、そんなものが思い出されます。

>>422:333さん
 限りないテロの波は次第次第に国家の中枢たる首都へ、じわじわと押し寄せて
きているのですね。
 軍隊ならぬ警察が、それにどう対応するのか、そして自衛隊はその中でどの
ような働きをするのか続きが楽しみです。

>>432-434,>>450,>>452:一等自営業さん
 頭の中で、勝手に自営業センセのマンガに変換して読ませて頂いております。
 無料では申し訳ないので、昨日Cat Shit Oneをもう一組購入しました(笑)
 それにしても・・・佐藤・中村コンビは絶対安全圏で弱い者イジメという
役回りはかわらないんですね、戦後きちんと甘粕くん同様収監されればよいの
ですが:-p

>>435-436,438-439,>>441:オレさん
 更衣兵よろしく潜入した主人公はどうなるのでしょうか、乞うご期待ですね。

>>437,>>440,>>444-445,>>448-449,>>450:245さん
 感無量です、本編は実家にあるんですが、また購入して読みたくなりました。
 自然に絵が思い浮かぶんですよね、特に北海道ヤメのとこなんかはいかにも
でほんとによく読み込んでおられると思います。
 各々の人々が各々の立場で自然に北海道を指向していく結果、どのような
物語になっていくのか本当に楽しみです。

>>165,>>197,>>314,>>396,>>451:第40普連さん
 徐々に戦闘へと向けクレッシェンドしていく部隊の様子が良く判ります。
 ついに戦闘への突入、そして戦闘の〆たる着剣突撃はどのような結末を
迎えるのか、ほんとうに楽しみです。
 それにしても

  憲法の私生児とまでいわれ、ことあるごとに叩かれてきた、世間に対する
 一種の復讐の機会。(改行筆者)

には泣けました。
454バーナー保守員:2001/07/03(火) 12:54
東京 大手街
オフィスビル 最上階 外資系証券会社跡

その男は右手中指の急に大きくなったペンだこを見ながらため息をついた。
プロの劇作家のその男はミリタリー雑誌に連載を持っていたが、この戦争が
その男の生活を大きく変えてしまった。その雑誌が記事内容を一般人の向けに
護身術、ゲリラ遭遇時の対処法、AKの見分け方、銃の分解整備の方法等を
詳しく解説し始め、そのイラストをその男が担当した。
戦時下の状況も手伝い、その雑誌は即日完売となった。
あわてた雑誌の編集部は急遽、週刊化を敢行。毎号200万部を売る雑誌に変貌した。
それはその男を一般人にも知名度の高い劇作家にしたが、またゲリラに命を
狙われるきっかけでもあった。
難を逃れたのは全くの偶然で、早朝の新聞配達員がゲリラと遭遇、それをたまたま
トイレに起きたその男が目撃し、2人でゲリラを捕獲、そのままのその男の6階の仕事場から
突き落としたのだ。それが縁でその新聞社の朝刊の軍事面(!)の自己防衛のコラムを担当し
イラストを描くことなり、そのせいでペンだこが大きくなったのだ。
襲撃以降、安全と締め切り時間延長の両方の観点から新聞社そばのビルへ
(新聞社系不動産屋から安く物件を借りられたのだ)仕事場を移転したのだ。
廊下ではファンのボランティア達が土嚢を積み上げ登ってくるエレベータを監視している。
どこから調達したのか、64式、89式、M1、AK47、62式(!)などが銃眼からエレベータを狙っている。
室内では臨時雇いのアシスタントが原稿の上で寝ていた。40時間不眠不休だったのだ。
「しょうがねいな」。
独り言とも他のアシスタントへの警告とも取れる言葉を発し、寝ているアシスタントの頭をおもいっきり殴る。
「中村ぁ!!原稿の上で寝るんじゃねー。」

ここもまた国民の安全を守る最前線なのだ。
455名無し三等兵:2001/07/03(火) 13:51
最優良スレあげ
456名無し三等兵:2001/07/03(火) 15:37
関門海峡の掃海作戦きぼーん
457バーナー保守員:2001/07/03(火) 17:19
>>456
北九州が占領下だからまだできないでしょ?
458名無し三等兵:2001/07/03(火) 18:51
>>457

北部九州は占領されているが、北九州市近郊はまだ日本が守っていると
思われ。現在、国道3号(線は取ろうね)沿いに東進してきた北朝鮮軍と
陸上自衛隊は遠賀川西岸に近い遠賀郡岡垣町〜玄海町あたりで激戦中。
木屋瀬・楠橋地区は地域住民が自然発生的に蜂起して、九州道と新幹線
を閉鎖中。現在、同地区(同和じゃないよ:汗)は中立状態。
同地区の通称「お城」が作戦本部となっている様子。
459バーナー保守員:2001/07/03(火) 18:54
>>458
解説サンクス。
460398:2001/07/03(火) 20:33
米機動部隊、米空軍、そして空自の反撃により、ロシア空軍の航空戦力は枯渇しつつあった。
海を越えて北海道北部に来襲するロシア軍機も減少し、北海道に侵攻したロシア軍はエアカバーを
失おうとしていた。
第2航空団は度重なる空襲にも関わらず千歳に踏みとどまり、制空任務に従事した。
また第3航空団は陸自を支援するために八雲に移動し、作戦していた。
同航空団に所属する第3飛行隊のF−2、第8飛行隊のF−4は連日爆装して北海道北部へ出撃していた。
千歳救難隊の救難員、植松1曹に出動命令が出たのは、そんなある日の事だった。
稚内のロシア軍物資集積所を爆撃した6機のF−2の内、1機が対空砲火にやられ、名寄近郊に墜落
した。僚機はパイロットの脱出を確認したという。
もう少し南で脱出すれば、第7師団の戦線に降下できた。しかし懸命に機体を立て直そうとするパイロットの
努力もかなわず、130億円の戦闘機は戦線が彼我混交する地域で飛ぶ事を止めたのだ。
植松1曹を乗せた救難捜索ヘリUH−60Jは巡航速力を上回る速力で現場に向かった。
現場到着まで約40分。植松は不安だった。
戦闘地域での捜索救難だ。当然、敵との遭遇もありうる。30代半ばのベテラン救難員の彼は、厳しい訓練と
経験で、あらゆる修羅場をくぐり抜けている。しかし、それはいずれも平時の経験だ。
もちろん最悪の天候や地形での救難捜索には自信がある。しかし空自の救難隊は戦闘地域における救難捜索活動、
つまりコンバット・レスキューは想定していない。彼は人命を助ける前に、敵と戦わなくてはならないかもしれないのだ。
そうした事態を想定して、米軍のような訓練を行なってこなかった自衛隊の現状を、彼は今さらながらに呪った。
機体にはにわか作りの銃架に12.7ミリ機関銃が装備され、現場の作業に当たる植松には9ミリ機関拳銃が与えられている。
しかし、12.7ミリを扱う後輩の3曹も、そして機関拳銃を持つ植松も、撃ち方は数日前に習ったばかりだ。
いざ、敵と撃ち合うことになったら、ほとんど役に立たないだろう。
眼下に広がる北海道の大地を虚ろな眼で見つめながら、植松は心の中で毒づいた。
(もう少し南に脱出してくれれば良かったのに・・・)
もちろん、こんな事を後輩の前で言えなかった。人命救助の重要性は誰よりも自覚しているのが、救難員だ。
何の準備も無く敵が近在する地域で仕事をしなくてはならない点は不安だが、彼は使命を優先し、気持ちを
引き締めた。
「間も無く現場に到着する。救難員、降下用意」
SH−60の機長が告げる。
「了解」
植松は落ち着いた口調で応える。装具を確認する。最後に機関拳銃の弾倉をチェックする。
ヘリは軽快に旋回し、救難信号が発信されてくる名寄郊外のゴルフ場に進入していった。
461398:2001/07/03(火) 21:17
名寄近郊の山々に囲まれた平地に、そのゴルフ場はあった。
陸自とロシア軍の砲撃戦によるものだろうか、あちこちにクレーターがある。
最高の季節だが、もちろん客はいなかった。
グリーンの外れに濃紺の戦闘機が不時着していた。脱出したパイロットの乗機だ。
自分を見捨てた主への抗議なのか、大地に滑り込むように降りている。
F−2は上空にもいた。脱出したパイロットの僚機だ。他の4機を先に帰還させ、
燃料を節約しながら、上空掩護のため旋回しつづけていたのだ。
『カットラス・リーダー、救難ヘリが見えたか?もう大丈夫だ。レスキューCAPの
F−15・2機も来てるから、帰還してくれ』
どこかの上空で、救難捜索を指揮しているE−2Cが、現場に最後まで残ったF−2に
告げる。F−2よりもさらに上空をゆっくり旋回する2機のF−15が見えてくる。
『そういうことだから、もう帰ってくれ。ありがとう』
無線に声が入る。声の主は脱出してゴルフ場のどこかに居るパイロットだ。
『この下の林の中に降りた。頼むよ』
カットラス・リーダーはそう言いながら、ゴルフ場の外れの林の上空で鋭くバンクし、
飛び去っていった。
「こちらコウノトリ。バンシー、これから救難員が降下する。林の上に向かうから、
マーカーを焚いてくれ」
SH−60の機長は脱出したF−2パイロット、コールサイン「バンシー」に告げた。
『こりらバンシー、コウノトリ。マーカーが発火しないんだ』
「バンシー」が応える。結構広い林だ。直接降下しても「バンシー」の場所が分からない。
「植松さん!林の外で降ろすから、捜索してくれ。いいか?!」
機長が振り向いて植松に訊く。
「ええ!それで結構です。やってください!」
植松は応える。直ちに機長は林道と思われる細道の入り口に機体を持っていく。
回転翼の風圧で、木々が叩かれ、砂埃が舞う。
開放されたドアでは3曹が12.7ミリを構え、周囲を警戒している。
「気をつけて!」
3曹は大声で言う。植松は黙ってうなずく。
(いくぞ!)
植松はリペリング降下を始める。彼のがっしりとした体躯が宙に舞った。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/03(火) 22:46
築城や新田原を出して下さい。
弾薬は米軍の事前集積分をバンバン使っちゃうと言うことでいかがでしょう?
西日本に光を・・・
463名無し三等兵:2001/07/03(火) 23:12
>>462

まだ、明らかにされていなかった開戦初期の秘話。
北朝鮮軍の北部九州進攻および、それに先立つ対馬占領の直前に
築城、新田原、芦屋の各基地は、テロにより、レーダーサイト、通信網等
を完全に破壊された模様。さらに、佐世保の米軍基地は細菌テロで壊滅。
だから北部九州は占領された(ってことでいいっすか?)

また、九州東岸(大分、宮崎)は交通網の整備が遅れていたのが幸いして、
西岸(熊本、鹿児島)のように北朝鮮軍に占領されていない。いずれ、
築城と新田原の基地機能が回復したら、航空戦もきっと行われると
信じて待ちましょう。
464245:2001/07/03(火) 23:21
>>449
東北自動車道・某サービスエリア
シマダは、暗澹を具現したかのような声音で電話に応対していた。
「うん、うん・・・・・で、3号店のほうは?・・・・・・だめか
・・・・・・・なるほど、わかった。いや、おまえのせいじゃない。
読みが甘かったのは俺のせいでもあるしな。
・・・・・・いや、それはいい。とりあえず、今手持ちの金をもって
どこかにいろ。追って連絡する。
・・・・・・ああそう、余裕があったら連絡のつく奴を見つけといてくれ。
オヤジには俺から後で話す。・・・・・・・わかった。おまえも気をつけろよ。
じゃあな」
携帯電話を切り、何か思いつめた表情でシマダはステーションワゴンの
ドアを開ける。助手席でハイライトに火をつけるところだったボウイは
その手を止め、シマダを見やった。
「よくない知らせのようだな」
ハイライトに火をつけながらボウイがさりげなく言うと、シマダは
顔つきの翳をいっそう濃くした。
色白で、もとから人間味の著しく薄かったその顔は、まるで蝋人形か
何かのように現実味を欠いていた。
「やられたよ、根こそぎだ・・・・・店も事務所も、何もかもパアだ」
大仰に音をたて、シートに腰を落とす。上着のポケットを、せわしなげに
探った。
察したボウイがハイライトをパッケージごと放ると、シマダはそれを
器用に片手で受け止めた。
「そういや、おれは禁煙中だったんだ・・・・どうりで、いくら探しても
煙草が見つからなかったわけだ」
シマダは苦笑しながら、シガーライターで火をつけた。
ずいぶん長い間禁煙していたと見え、いきなり数回咳き込む。

「アメリカ人もハイライトを吸うのかよ」
シマダは苦笑いを浮かべた。
465398:2001/07/03(火) 23:25
植松がUH−60から飛び出す。
その時だった。立て続けに銃声が鳴り響いた。
降下中の植松の周囲にも弾丸の飛翔音が通過する。ヘリにも「カン!カン!」と命中する。
幸い植松には命中しなかった。上空のヘリを見上げると、3曹が闇雲に機銃を撃っている。
(敵だ・・・)
植松はその場に伏せながら周囲を見回す。どこにいるのか分からない。銃撃を避けるため、
ヘリはいったん上昇していく。
「コウノトリ、こちらカラス。銃撃を受けました。そちらから何か見えますか?」
植松は機関拳銃の安全装置を外しながら、無線でヘリに訊く。
『林の向こうに敵と思われる複数の兵隊が見える。掩護するから早く捜索してくれ』
機長が応える。上空のヘリでは、3曹が機銃を撃ち続けている。
すると南から1機のUH−1がやってきた。
『こちらススキノ1、支援する』
敵の出現を予測して陸自から派遣されたヘリだった。
銃撃を避けるため植松よりも後方の小高い丘に着陸する。同時に8人程度の陸自隊員が降りるのが見える。
心強い味方だった。植松は姿勢を低くしながら林を目指す。
そこへまた敵が撃って来る。植松を狙っていた。周囲に次々と着弾する。
砂埃が飛び散る。息苦しいほどだった。倒木に身を隠した彼は、身動きできない。
植松は恐怖で心臓が破裂しそうだった。いくつもの修羅場を経験したベテランでも
自分に向けて撃たれるというのは初めての経験だった。
恐る恐る、倒木から顔を出す。するとまた銃弾が飛んでくる。慌てて伏せる。
今度は敵が見えた。複数のロシア兵が、銃を構えて林の向こうの植垣に潜んでいた。
(飛び出せば撃たれる・・・)
顔を埃だらけにしながら植松は思った。そこへ無線が入る。
『こちらススキノ。カラス、掩護するから林へ飛び込め』
陸自の指揮官が言ってくる。
(畜生・・・こっちの身にもなってみろ・・・)
まともな銃撃戦の訓練も受けていない植松は、陸自の指揮官にそう言ってやりたかった。
丘の上に布陣した陸自の隊員たちは小銃や機関銃を撃ち始めた。
ロシア兵も応射する。植松をはさんで、激しい銃撃戦になった。
「くそっ!」
植松は勇気を振り絞って飛び出した。走りながらロシア兵の方向に機関拳銃を連射する。
狙ってなんかいないから、もちろん当たるはずもない。
人生最速の全力疾走をする彼の周囲に、無数の敵弾が飛んでくる。凄まじい砂埃だ。
林道の入り口まで20メートル。たどり着くまでが永遠に感じられた。
466このスレの傍観者:2001/07/03(火) 23:26
えー、個人的な希望としては
・ミリ屋哲さんによるネタ小説
・大渦よりの来訪者さんによるマジ小説
・81式さん、海の人さん、270さんによる「説明しよう!」コーナー
とかあればもっともっとこのスレが面白くなるのではと思いますが・・・・

いかがですか?
467名無し三等兵:2001/07/03(火) 23:32
>>466
何故自分がやってみようと思わないのか激しく疑問
468245:2001/07/03(火) 23:37
>>464
ボウイはぶっきらぼうに言った。
「郷にいりては、ってやつさ」
シマダは、無理やりとでもいうべき笑みを顔に貼り付けた。
「違いない」
「で、いったいなにがあったんだ?」
ボウイが問うと、シマダの顔が再び蝋人形になった。
「手入れだ。今までとはケタの違う、な」
ボウイは眉をひそめた。
「今日日の新宿に警察が、か・・・・・・随分東京都知事も本気らしいな」
「違う」
シマダは、ボウイの目をまっすぐに見詰めていった。
「自衛隊だ。警察はあくまでおまけに過ぎん」
「本当か?」
ボウイは助手席から身を起こした。
「ああ。ガイジン狩りだと。その場に居合わせたうちの若い衆がそう聞いた」
「じゃあ、あんたとこのシマは・・・・・・・」
シマダはうつむいた。
「外国人にアガリの大半をしょってもらってたからな。もうおしまいだよ。再建するには10年じゃ効かん」
469245:2001/07/03(火) 23:46
>>468
ボウイは、懺悔を聞く聖職者のような気分を感じつつ言った。
「それはそれは、お気の毒様だ」
それにこたえず、シマダはハイライトを勢いよく灰にしてゆく。

カーラジオが、DJの陽気なおしゃべりを流していた。
『・・・・・最近さ、外国人がかなりヤバイって噂だよ。まあ、ボクも実際に見たわけじゃないけど、
まあ、本当の戦争だしね。いちおうリスナーのみんなも気をつけたほうがいいんじゃないかな
あ。あ、じゃ次の曲いってみようか。ミッシェル・ガン・エレファント「世界の終わり」・・・・・』

できのわるいプロパガンダだな、ボウイが苦笑したとき、シマダがゆっくりと口を開いた。
「こうなったからには、このビジネスは何が何でも成功させなきゃならん、本当は俺が直に
出張る予定じゃなかったんだがな」
470一等自営業:2001/07/03(火) 23:51
北海道 道央 

北部方面隊は各師団の特科を集成し、北部方面隊直属として
その前線指揮所を剣淵町の近くの森の中に置いた。指揮官には
特科の神様である富士教導団研究本部の橋田一佐が赴いた。
橋田一佐は完全に偽装されたテントの中で、他人任せにせず
自分と幕僚とで徹夜で射撃計画を作っていた。見た目どっかの
大学教授のような橋田一佐は言った。
「そろそろ始めようか・・・」
とても戦史に残るような名言ではないが、そのお気楽な言葉に
長年の自信があった。迫撃砲に74式や90式の主砲、果ては
MLRSの導入された兵器の射表プログラムは全部この見た目
パットしないオヤジが作ったのだ。誰よりも専門家であって
火砲の総てを知り抜いている。

計画は簡単だった。幅2キロ長さ1キロの長方形に集成した
師団特科(砲兵)とMLRSで同時交差射撃を加えるのだ。
一つのブロックを斎射すると、射程を延伸し次のブロックに
射撃を加える。これを士別町の南から名寄町の北まで続けていく。
後には動くものは理論的にないはずだ。

MLRSは射程は長い、特科のFH70も最大射程は30
キロあるが遠いと散布界も大きくなる。ここは小さく刻んだ
ほうが効率がいいはずだ。MLRSは榴弾と目標識別の目を
持った対戦車用子弾は混ぜて使える。かたやFH70は
対人用の白燐弾と破壊力の大きい榴弾を撃てる。

「始めましょう・・・」橋田一佐の命令が飛んだ。
前線指揮所の指揮所の多数のモニターには、伝送した各特科
中隊の射撃諸元と弾種に弾数が表示され、モニターの端には
それぞれの気温に気圧がでていて、中隊本部では各砲にその
諸元を送るだけだ。同じことがMLRS大隊から中隊に諸元
が送信され、操縦室でMLRS用の射撃諸元をインプットした。
まずMLRSが数分早く発射した。
特に意味はない。交差射撃での空中衝突を避けるためだ。
MLRSのロケットは轟音と白煙を噴いて士別の空へ
飛んでいった。
471333:2001/07/03(火) 23:55
種子島 種子島宇宙センター

「はい・・・はい・・・、そうですか・・・わかりました。ええ、準備の方は
 進めてありますので・・・はい・・・はい・・・資材及び人員は明日・・・
 わかりました。あとは事務方の方で・・・はい、はい、それでは」
「所長・・・」
「そういうことだ、明日からは大変だぞ・・・なんせ日本の運命がかか
 っている」
「それにしても複雑な気分ですね・・・所長・・・本当だったら国民全員
 で祝って欲しいくらいの偉業なんですが・・・」
「その気持ちはわかる。しかし原理原則に縛られて日本が滅ぶんじゃ
 なんにもならないだろう。」
「・・・はい」
「所員を全員講堂に集めてくれ、わたしから全員に説明する。」
472245:2001/07/03(火) 23:57
>>469
「なにをするにも、元だねはいるからな」
ボウイの言葉に、意を得たりとシマダがうなずく。
「そうだ。ボーイさん、悪いが、あんたもかなり危険な目に会うかもしれない」
「引くことができないからか?」
「ああ」

ボウイは、3分の2ほどを灰にしたハイライトを灰皿に押し付けた。
「わかった。おれも、あんたに誘われて東京を出なきゃ今ごろ狩られてたろうしな」
「ありがとう」
シマダは、本物の感謝を目にだけ浮かべ、ステーションワゴンのエンジンをかけた。
勢いはあるが、どこか悲しげな音楽が一旦中断され、そしてエンジン音をバックに
程なくよみがえる。

ステーションワゴンを発進させようとしたシマダは、ダッシュボードに放り出した
携帯電話に目を留めた。それをつかみ上げ、いくつかボタンをいじった後、サイド
ウィンドウを空けて、サービスエリアのごみ箱に向けて勢いよく放り投げる。

「いいコントロールだ」
きれいな弧を描いてごみ箱に携帯電話が飛び込んでいく様を眺めながら、ボウイがいった。
「昔、高校球児だったんだよ」
シマダは、どこか照れたような口調で言った。
473245:2001/07/04(水) 00:06
>一等自営業さん
>>452の「外人狩り@新宿」を、こちらのレスに流用させていただきました。
(登場人物が北海道に行く必然性を増すために、ですが)
やっちゃった後で大変図々しいとは思いますが、何卒お許しください。m(__)m
474北朝鮮九州第一隊の日記:2001/07/04(水) 00:07
6月25日。我が人民軍は過去の報復のため、日帝に宣戦布告した。
6月26日。日帝攻撃の前哨戦、対南朝鮮。午前10時開戦。
開戦1時間にしてソウル占領。南兵は清州方面に退却。
午後一時、清州占領。第二隊は春川、原州まで進撃とのこと。
午後3時。大田にて南と交戦し勝利す。南軍の7割が死傷。
テグ(漢字分からず)市方面に敗走。
6月27日。午前11時、安東まで進軍した第二軍とともにテグ市攻撃。
1時間足らずで占領。そのまま釜山に進撃。午後3時、戦闘開始。
前線の親友、李勇正、戦死す。いと悲しき。午後7時。釜山陥落。
捕虜2万余名。敗残兵3000余は日帝領の対馬に敗走。
午後9時。日帝が抗戦の構えを見せたとの情報あり。
(続)
475398:2001/07/04(水) 00:11
林道の入り口にあった小さな窪みに植松は転がり込んだ。ロシア兵の銃弾は
杉林に次々に命中し、樹皮が飛び散る。火薬と生木の匂いが鼻を突く。
「はぁ・・はぁ・・・」
植松は全身埃だらけになりながら、息を弾ませる。
木々の向こうからも撃ってくる。ロシア兵は林の中にも潜んでいるようだった。
銃声とヘリの爆音が周囲を支配している。植松は口の中に入った砂を吐き出しながら、
無線で呼びかける。
「こちらカラス、バンシー聞こえるか?」
すぐに返事が来る。
『聞こえるよ、カラス。俺一人のために君だけじゃなく、陸さんも来たのか。
 大げさな事になったな。こんな事なら、機と運命を共にすべきだったよ』
バンシーは済まなそうに言う。
「馬鹿な事を言うな!こっちは命がけなんだ。死んでも助けるぞ」
植松は強い口調で言った。
『ありがとう・・・』とバンシーは消え入りそうな声で応える。
「礼は無事助けてからだ。それより、あんたの位置がわからない。大声で呼ぶから、
 聞こえたら返事してくれ」
そう告げると、植松は「おーい!」と絶叫した。するとすぐに返事が来た。
以外に近かった。植松は思わず、窪みから飛び出そうとする。
するとそこへ再び銃弾が飛んでくる。慌てて伏せる。闇雲に機関拳銃を連射する。
あっという間に弾倉がカラになる。すぐに交換し、低い姿勢で、ゆっくりと進む。
「ススキノ、こちらカラス。敵は林の中にもいる。早くこっちに来て支援してくれ」
進みながら無線で要請する。
『こちらススキノ。分かってる。だが敵は装甲車を伴っているようだ。こちらも苦戦してる』
ススキノは言った。辺りを支配する銃声は、敵側優勢のようだった。
上空のUH−60とUH−1も機銃を撃ちまくっているようだが、あまり効果はないようだった。
むしろ、撤収の事を考えれば、ヘリは戦闘に積極的に参加せず、無事でいてもらいたい。
そこへ無線交信が入った。
『こちらクーガー、コウノトリへ。敵の居場所にマーカーを落としてくれ』
F−15からだった。敵を掃射するつもりらしい。対地攻撃装備の無いF−15にとって、
掩護の手段はそれしかなかった。
無線にコウノトリの返事は入らなかった。しかし低い唸るような飛翔音が聞こえてくる。
林の中から機影は見えないが、千歳で毎日聞いているF−15の音だった。
巨大なジッパーを勢い良く引き降ろすような轟音が響く。バルカン砲の発射音だ。
無数の着弾音。どれだけ効果があるか分からない。
驚いたのかロシア軍の銃声は止んだ。少なくとも陸自と撃ち合っている敵は、そうだった。
しかし、ゆっくりと進む植松には、相変わらず弾が飛んでくる。
(これじゃ時間の無駄だ・・・)
植松は思った。最悪の事態が脳裏をよぎる。バンシーが敵に殺されたり、自分が殺されたり、
ヘリが撃墜されたり・・・。いずれにせよ、そのどれか一つでも現実になったら助からない。
彼は焦燥感に駆られた。
476398:2001/07/04(水) 00:38
植松は林の中を進んだ。20メートルほど進むのに、20分もかかった。
これでは、もしバンシーを救出してもヘリが燃料も厳しい。遮蔽物に懸命に利用しながら、
彼は敵弾を避ける。
(どこにいるんだ、バンシー・・・)
苛立ちながら、植松は無線で呼びかけた。
「さっきの声を頼りに進んだが、まだ見つからない。あんたもこちらが見えないか?」
植松は一応訊いた。すると意外な返事が帰って来た。
『こちらからは見えるよ』
(えっ?!)
植松は驚き、慌てて周囲を改めて見回す。すると50メートルほど離れた巨木の根元に
一人の男が横たわっていた。空自の濃緑色のパイロットスーツを着ている。
顔はよく見えないが間違いない。バンシーだった。
負傷しているようだ。ならばすぐに手当てしなくてはならない。メディックとしての職業意識に
駆られる。
植松は急ごうとする。しかしそこへまた忌々しい敵の銃撃だった。
今度は敵の姿が見えた。敵の姿に植松は絶望的になった。
バンシーのさらに100メートルほど向こうに、装甲車と複数の敵兵がいた。
「バンシー、君の向こうに敵がいる。わかるか」
『俺の向こうに?!いや知らなかった。別のところだと思った・・・顔は出さない方がいいな』
「怪我をしてるのか?」
『大したことはないんだがね・・・こんなとこに着地したから足を捻挫したらしい』
植松はますます絶望的になった。
陸自の連中は苦戦して釘付けになっている。機関拳銃しか持たない自分が、歩けないバンシーを担いで、
林の外まで行くのは不可能に近い。
敵も木の陰にいるバンシーには気づいていないようだった。植松にだけ、撃って来る。
『こちらコウノトリ。カラス、まだか?!こちらはあちこちに被弾している。燃料もヤバイ、
 早く救出してくれ』
機長も苛立っているのだろうが、植松にとってはどうしようもなかった。
(どうする・・・どうすればいい・・・・?!)
植松はさらに焦燥感に駆られた。
そこへ、F−15とは違う航空機の爆音が轟いた。今度は木々の隙間から特徴ある
シルエットが見えた。
ファントムだった。
477一等自営業:2001/07/04(水) 00:47
種子島が出ちゃったー
この後、原子力発電所の灰をH−2ロケットに積載し
北京とピョンヤンに発射する予定でした。
>471=333
お任せ致します。
47822時のニュース:2001/07/04(水) 00:48
マリ「本日政府は外国人収容施設をマスコミに公開しました。これは先日行われた『外人狩り』が
あくまで外国人に対する暴動やテロ行為から外国人を保護する目的で実施された事を説明する為です。
施設内の仮設住宅は上下水道、冷暖房が完備され、敷地内には学校や集会所が建てられさながら町が
丸ごと一つ富士山麓に現れたかの様です」
ヅラシミズ「この措置をナチスのユダヤ人の強制収容やアメリカでの日系人の強制収容に例える向きが
ありますが、この映像を見ればそんな意図が無いことは海外メディアにも分かって貰えると思うんですね」
クメ「阪神大震災で建てられた仮設住宅より立派ですね。ところでマリちゃん、この収容施設なんか足りない
と思うんだけど分かる?」
マリ「いえ...」
クメ「シャワー室が無いね、ニヒヒヒ。CMの後はマナカのスポーツです」
479333:2001/07/04(水) 00:50
>>477
それは・・・(笑)
480名無し三等兵:2001/07/04(水) 00:50
「ネチズン」に対抗して我々2ちゃんネラーにできることはないのでありましょうか?
481245:2001/07/04(水) 00:55
>>472
「・・・・・・とまあ、以上がこちらの依頼内容だ。質問は?」
二人の「同意」を取り付けたサングラスが、応接間を臨時のブリーフィング・ルームに
見立てて説明を行った。
先ほどまで絶えず2人に銃を向けていた男達も、今は部屋にいない。

「ほーい」
めがねが行儀よく挙手した。
「何かな?」
「そこまでわかってんだったらさ、俺達みたいな半素人じゃなくても他に
やりようがあるんじゃないの?」
サングラスは、予期したとおりの質問がきたときに人が時たま見せる余裕
をあからさまに示していた。
「たとえば?」
「場所がわかってんだったら、飛行機かヘリでふっ飛ばしちまえばいい。
あるいは、事前に陸上自衛隊の特殊部隊を使うという手もある。
内容が本当なら、警察の出番かもな」
はちまきが、ぼそりといった。
「いちいちもっともだ」
サングラスは芝居がかった身振りで同意した。

「だが、それらは無理でもある」
482245:2001/07/04(水) 01:07
>>481
「なんでー?」
めがねが尋ねた。
「まず、支援・・・・・・ああ、爆撃機だが、現状では目標とする地域の制空権が
完全にこちらのものではないから、単独では出せない。かといって戦闘機を
護衛につけたくても、そんな余裕はどこにもないんだ。これはヘリも同じだ。
まあ、ヘリは君達をはこぶのに使うんだが」
サングラスは、数学の難解な概念を説明するかのような調子だった。
「特殊部隊は?」
はちまきが促す。
「表向きには、自衛隊には特殊部隊など存在しない。レンジャーはあくまで資格に過ぎないのだ。
また、仮に、そう、仮に特殊部隊が存在したとしても、彼らには他に仕事がある。
警察については、いうまでもないな」

はちまきは肩をすくめた。
「反乱軍の勢力圏内には、出せやしないわな。確かに」
サングラスはニヤリと笑った。
「飲み込みが早いな、そのとおりだよ」

「つまり、占領地にあって、なおかつ重要なコマを投入するほどでもない
目標にぶつけるにはかっこうの存在ってわけね。俺達」
面白くもなさそうな顔つきでめがねがいった。

「だが、放置しておくと売国奴どもをのさばらせることになり、非常に宜しくない」
サングラスは笑いを引っ込めた。
483245:2001/07/04(水) 01:14
>>482
「他に何かあるか?」
サングラスは、あからさまに話を打ち切りたがっていた。
「装備は何が与えられる?」
はちまきが尋ねた。
「基本的には、我々の使用しているものを用意した。どれをもっていくかは自由だ」
「銃はガリルかAKだ。俺達はそれしか扱えない」
はちまきはたたきつけるように言った。
「ガリルはないな。AKならば鹵獲したものがいくらかある。74でいいか?」
「結構だ」

「宜しい」
サングラスは、パンと両手を打ち合わせた。
「ではさっそく用意してもらおう。それがすみ次第出発だ」
484398:2001/07/04(水) 01:24
『こちらパンサー。ススキノ、爆弾を積んできたぞ。敵の場所を指示してくれ』
『こちらススキノ。敵は林の向こう側にいる。敵は中隊規模、偵察装甲車を伴っている。
 さきほど空自のヘリが落としたマーカーが見えるはずだ。しかし林の中にはバンシーと
 空自の救難員がいる』
『こちらパンサー。それはまずいな、それだけ近いとバンシーや救難員も爆発に巻き込まれる』
『こちらススキノ。仕方が無い。要請したATHが来るのを待つか・・・』
ファントムと陸自の交信を聞いていた植松は無線を掴んだ。
「こちらカラス。冗談じゃない!バンシーは怪我をしている。敵も目の前だ。救出するには
 今すぐ、林の中の敵を吹っ飛ばす必要がある!」
『だめだよカラス。そんな精密爆撃はできない。対戦車ヘリを待つしかない』
ファントムのパイロットは応える。
(畜生・・・どうすればいいんだ・・・・・)
八方ふさがりの現状に植松は歯ぎしりした。
そこへバンシーが交信してきた。
『8飛行隊まで来たのか・・・貴重なファントムなのに、俺のために・・・みんな済まない・・・・
 カラス、ありがとう。もう結構だ。撤収してくれ。そしてパンサー、ここに爆弾を落としてくれ』
バンシーの言葉に、彼を救出するために出動してきた男たちの表情は凍りついた。
「何言ってるんだ!我々はあんたを助けるために危険を冒しているんだぞ!そんな弱音を吐くな。
 必ず助ける。必ず助けるから、そんな事を言うな!」
植松は叫んだ。ロシア兵はさらに撃って来る。
『カラス、君も分かってるはずだ。現状では俺は助ける方法は無い。このままではさらに君たちが
 危険にさらされる。それでは俺はみんなに済まない。死んでも死に切れん。それよりは
 ここの敵を早めに吹っ飛ばした方が日本のためだ。だから頼む・・・』
バンシーは懸命に訴えた。
「しかし・・・」
植松は言葉を失う。
『ありがとう。俺のためにみんなありがとう。無駄骨だったが済まない。感謝している。
 カラス、岩手に俺の女房と一人娘が疎開している。敵と戦って死んだと伝えてくれ。
 パンサー、早くやってくれ、頼む!』
バンシーはそう言うと、沈黙した。
『カラス、止むを得ない・・・撤収しろ』
機長が絶望的な口調で命じた。
「そんな・・・そんな・・・・」
植松は呆然となる。
「早く撤収しろ!」
機長は感情を切り捨てるように命じた。
「了解・・・」
植松はバンシーを目の前にして、撤収した。
敵弾を避けて、ヘリに戻るまでの間だけはバンシーの事を忘れた。
UH−60は穴だらけだった。機銃を撃ち続けた3曹も、腕に傷を負っていた。
陸自は撃ち合いを続けながら、UH−1へ後退していった。
そこへ2機のファントムが緩降下で進入してきた。林に爆弾を投下する。凄まじい爆発。
林どころか、周囲の植垣も吹き飛ばした。
植松は現場を離れる機内から、その光景を見続けた。激しく後悔した。もっとなにか方法が
なかったかと、自問自答した。
爆撃を終えたファントムがヘリを追い越していく。その翼は哀しそうだった。
(バンシーはどんな男だったんだろう・・・)
植松は初めて救出に失敗した男の事を考えた。涙が止まらなかった。
485245:2001/07/04(水) 01:30
>>398>>484)さん
本気で泣けてきました・・・・心から、そう思います。
486331:2001/07/04(水) 01:31
赤レンガ(旧北海道庁)や植物園にも近い北海道ウタリ協会本部の一室で額を寄せて黙り込む男たちの姿があった。ガラス戸に小雨がぱらぱらとあたり、重苦しい雰囲気のせいで部屋の中はさらに薄暗く感じられた。
まず口火を切ったのは小山だった。
「これはまたとない機会というべきだ。
確かにいままでチャランケ(話し合い)で解決しようとしてきたが、
今を逃せば今まで犠牲になってきた先祖たちに顔向けできない。
若い衆も無謀だが、これを機会にみなでまとまるべきだ」
「しかし、今動いて成算はあるのか?シャクシャインの時に鉄砲という武器に太刀打ちできなかったせいで涙を飲んで松前藩に膝を屈したことはしっているよな。今だって武器でいったら全然敵わないんだぞ。へたしたらアイヌは全滅だ」
「秋田、その悔しさを物心つかぬうちから聞かされて育っていないものはこの中にはいないはずだ」
「そんなことより」川村はこう引き取って続けた
「今は露助、日本、そしてNHKに立てこもっているわかもんたち、いやバカもんと言っても良いかも知れんが、アイヌ全体としてこれらにどう向き合うか決めるのが一番大事だ」
何人か得心したようにうなずくものがいた。
「でだ、まず露助なんだが俺が感じたところではどうもあいつらは信用ならん、
と思う。散々甘いこといっているが目を見ていると心のそこからそう言っているとはとてもおもえん。」
「しかし、申し出にのってみてそれから判断しても良いのではないか」
「俺もそう思う」
「しかし、ロシアも最近は自衛隊にやられて退却しているというではないか。
わざわざ手を貸して日本人の憎しみを受けるのはまずいのではないか」
自治と権利回復という言葉に魅力を感じるもの、申し出を断るべきと説くもの
真っ二つに分かれた中で不意に男たちの中で一番最長老らしい老人が
口を開いた。
「わしはこうかんがえたんじゃが、どうじゃろう?」
みなが老人を注目する中、老人は言葉を続けた
「危害を加えられない限りにおいて双方邪魔立てはしない。」
静まり返った部屋の中で老人はさらに続けた。
「だが、誰かの血が大地に流された時点で報復すると」
*****
その晩深川市街地近くの幕舎で「糞いまいましいクリル人どもめ」
と呟くユーリー・ガガーモフの姿があった。
男にはさらに旭川まで撤退するか、留萌方面に進むか、まだ
結論をつけていなかった。
487名無し三等兵:2001/07/04(水) 02:13
>245
ミッシェルがいきなり出て来るところに萌え〜
で、ラジオのもとネタは何?
488名無し三等兵:2001/07/04(水) 02:26
age
489名寄在住:2001/07/04(水) 05:57
自営業先生,名寄と士別は”町”じゃなくて”市”ですよん
まあ,戦闘のお陰で町規模になってるかもしれませんが(w
490遠賀の死闘:2001/07/04(水) 08:25
敵は自衛隊側を囲むように前進していたが、それが射距離100メートルを切る乱戦ゆえに
ほぼ直線状になっていたことが混乱を生む要因となった。そこの真中に飛び込むような形で
突撃した小隊が全滅するのと引き換えに、左翼側は、真横から見れば分隊単位の厚さになる。
そこを偶然目前にした2中隊第2小隊が好機とばかりに銃剣突撃を敢行したことが、
勝敗を決する要因となった。

敵は左翼側に増援を送ろうとしても,すでに崩壊しかけている指揮体系では、
順次1個小隊ずつまわすという芸当はできなくなっていた。近い者がてんでばらばらに
左翼側の敵に反応しようとしていた。正規軍とは言え、本国では食料確保のための
作業のせいで軍事訓練などほとんどできなかった連中である。
もはや分隊単位での指揮掌握も不可能となりつつあった。

「第1小隊、目標、正面50メートルの敵、各個に撃て!」
「第4小隊、突撃の援護、敵左翼、総員着剣!」
崩れかけている敵に対して、混乱に乗じ最後の全力攻撃を実施しようと、あちこちの壕で
命令が飛び交う。
「第4小隊、目標、第2小隊右側の敵、総員、突撃に,かかれっ」
壕の中から、5・56ミリから84Rまでの火力が敵の左翼と中心部に降り注ぐ。
敵側のあちこちで死が量産される。だが、右翼側では小隊ごとに指揮を維持している
らしく、少しずつではあるが自衛隊側の突撃に押されている正面に増援が加わろうとしていた。

もはや19世紀以前の戦争であった。

双方とも距離に余裕があるときには、銃撃を加えようとする。しかし撃ち尽くしてしまえば、
弾倉を交換する暇などない。短槍と化した着剣済みの小銃での刺突と殴り合いがあちこちで
繰り返される。そこには一般に想像される戦争の残酷さよりも、さらに醜い風景があった。

国民の付託に答えるための行為は、国民の誰もが体験したがらない地獄を代わりに体験することであった。

敵を混乱に陥れる突撃を敢行した小隊長は、数カ所を同時に刺されながら絶命する瞬間、
わずかな後悔と共にくだらない事かもしれないと思いつつも考えた。
確かにくだらないことかもしれない。
地獄の中でその意味を考えていては、私生児たることの付託に答えられなくなるのではないか。
491官僚きんむ〜月月ぶる〜〜:2001/07/04(水) 10:19
その前線での死闘の時刻、霞ヶ関では国民経済省(旧経済産業省)と
食糧省(旧農林水産省)、内務省鉄道庁および民間船舶管理庁、
(国土交通省とJRの改組)、防衛省、文部省学生動員局、厚生
労働省国民衛生局の6省連絡会議が開かれていた。
各省庁とも局長クラスが出席していた。
 それぞれ、数年前までの見慣れた背広ではなく、軍属服という
警察官と米軍の制服を混ぜたような制服姿であった。
 国民経済省民需局日用品課課長補佐の豊田からみると将官相当
の階級章をつけた局長と佐官相当官である自分の有為変転をぼん
やりと思い浮かべていた。
 その沈黙を破るように食糧省生産振興局米穀課の課長補佐の櫻
井の疲れ切った声ではっと我に返った。
 櫻井は大学の一年先輩でハーバートのMBAでは2年後輩の優
秀な女性官僚であった。
 「食糧省としてはこの夏の生産の落ち込みから雑穀混合率の現
行よりの10%アップをする必要があります。めくって頂きまして
ペーパの22頁の4ポツをご参考頂きますとおわかりのように、
天候不順と壮年労働者の召集、燃料不足により農作業の低下が
生産低下の主な原因です。出先機関のヒアリングによるものです。」
という深刻なものであった。
 その説明を受け、文部科学省学生動員局長から「この際、12歳以上
の学童と学生を農作業に動員をかけてマンパワーで補充しなければ
ならないであろうと本省では考えており云々」と説明を始めた。
 豊田は民間船舶管理庁と鉄道庁の課長に目を向けたがいずれ
も困惑を隠せないでいた。彼らは霞ヶ関育ちではなく現役自衛官で
あり、いかにも軍人という霞ヶ関の住人とはまったく違った雰囲気
を帯びていた。豊田は甲種幹部候補生学校に1年半入校しており、
彼ら現役自衛官に対してある種の好感を持っていた。
 文部科学省局長の説明後、内務省鉄道庁および民間船舶管理庁の
課長相当である彼ら一佐が苛立ちを隠せないように説明を始めた。
「食糧省及び文部科学省の説明はトータルな視点がない、いまや
国軍の輸送で輸送機関の予想外の老朽化、狭隘化が進んでいる。
内務省鉄道庁および民間船舶管理庁では遊休資材の活用や軍直轄
船舶および工兵の動員も考慮している。」というような趣旨の
発言が行われた。
 前線の逼迫が日々重圧として感じられ、その中で民生をどうして
いくのか豊田にとり重苦しい案件っばかりであった。
 元々デスクワークよりフィールドワークの好きな豊田としては
ここでジリジリと過ごすよりも前線で下級将校として過ごすこと
を自ら選ぶことを考えていた。
(以下次号)
492名無し三等兵:2001/07/04(水) 10:49
防衛関連企業の動きも見たい。

重工、川崎、富士重、NECなど。
493こんなんどう?:2001/07/04(水) 12:21
 三菱重工・名古屋航空宇宙システム研究所では製造ライン主任の中村が頭
を抱えていた
「H-II Aを5機、半年以内に完成させろって?そんなの無茶ですよ。こっちで
機体を作ってもエンジンポンプを作っているIHIはテロにやられているじゃな
いですか。それにどうやって種子島まで運ぶんですか」
「いいから作業スケジュールを組め。俺たちの手の届かないところで話がつい
ているそうだ。やるしかない。」
「種子島には稼働できるH-II Aが2機ありますが、そいつはどうなるんですか」
中村はしつこく食い下がる。
「あれの追加で作れということだ。」
課長の万代はそう言ったあと、ため息をついた。
「県警の警備も増強されるそうだ。県警じゃ役に立たんだろうが」
その時だった。
けたたましくサイレンが鳴り響く「敵襲!敵襲!作業員は総員待避」
「何!」そう万代が叫ぶと同時に、爆発音が響く。門に止めてあった機動隊の車
両が爆発、横転した。所詮は金網を張ったバスでしかない車両は、テロの襲撃に
は盾にもならなかった。
パン、パン。ニューナンブの軽い発射音が工場の壁にこだまする。すぐに連続的
な発射音が辺りを轟かして、ニューナンブの軽い音は聞こえなくなる。
 敵は警察の警備している門を突破し、工場の奥へと向かっていた。
494492:2001/07/04(水) 12:35
>>493

Thanx!

中村主任の運命いかに?
495バーナー保守員:2001/07/04(水) 12:40
>>493
試作のひみつメカでの撃退きぼん。
496492:2001/07/04(水) 12:49
中村がモビルス−ツに乗って東条きぼn!
497名無し三等兵:2001/07/04(水) 12:54
富士教導団は北と南どちらに向かっているのでしょうか?
498官僚きんむ〜月月ぶる〜〜 :2001/07/04(水) 14:09
義兄金白柱大佐
豊田が6省連絡会議に参加し、帰庁したのは23時過ぎであった。
戦時体制のために蛍光灯は半分撤去され、かつては明るいビルで
あった国民経済省は外壁が迷彩色にぬりたくられ、室内も米軍の
兵舎のようなモスグリーンにぬられてまさに戦時色一色であった。
Kレーションが支給されあちこちにガタの出ているパソコンで起
案文章の最終チェックを始めいていた。
 内容は「特別認可法人全国繊維生産統制組合の組織を定める法の
省令」であった。
 豊田はいまさら統制組合よりもドイツの軍需相のA・シュペアーの
鮮やかな民活手法を思い起こしては憂鬱になっていった。
 そのとき、勤労奉仕学生の職員から「課長補佐お客さまがお見えです」
と声をかけられ、狭い日用品課の入口に目をやると義兄の金白柱が素早い
身ごなしで入室してきた。
 義兄の金白柱は大佐で韓国第一軍団の歩兵第一師団の参謀長であった
はずであり、激戦の中心に第一師団ありといわれる師団参謀長が前線を
はなれて日本になぜいるのかといぶかしくおもった。
 「キムにいさんどうしたのですか?」
と義兄ではあるが見識と才能のある金に対して実の兄、いや父代わりの
ような尊敬の感情をもっていた。
 「豊田よ、(義兄は日・米語が自由に扱えた)米穀国防省主催の合同
会議に参加した帰りによったのだよ」と温厚なしかしながら威厳のある
声で話しかけてきた。
 「お兄さんは師団参謀長ではなかったのですか?」
 「いやこの定期異動で韓国陸軍省付になり、今は白元帥の南部方面軍
の高級参謀に補任されたのだよ」
 「ご栄転おめでとうございます」
 「いやおれは第一線向きでどうもなあ」
という会話のあとで義兄が声をひそめて語りかけてきた。
 「弟よ白元帥が日本人の副官を求めているんだ」
 「そうですか合同作戦にはやはり意志疎通のために必要なんですね」
 「そうなんだ、あと国軍(日本側)とうまく連絡をつけてくれる人物
も今すぐに必要なんだ」
 「そうすると防衛省に依頼にいったのですね」
 「いや、もう腹案が決まっている」
 「さすが義兄(おにいさん)さんですね。」
 「そこでだ、豊田、引き受けてくれんか?」
 「え?え?いくらお兄さんの申し出でも不可能ですよ、幹部候補生学校
に在籍して予備役軍籍としては1尉ですが、軍人世界の仕組みはまるでわか
らないし、第一、単なる役人ですよ」
 「そうじゃないんだ、連絡調整役だから型にはまった軍人ではなく豊田
のようないままで各省の連絡調整で養ってきた力が必要なんだ」
(以下次号) 
499一等自営業:2001/07/04(水) 14:13
>498
スンマヘンです。
ネットで地図開いて、いい加減に書いてました。
深く大いに反省・・・・・昔から反省身に付きません。
文才ないし佐藤大輔越えられないな。
500333:2001/07/04(水) 15:57
>>493
すみません、まもなくH-2Aを複数発射する予定だったんですが