>>336 彼は、ロシア兵の仕事熱心をアゼルバイジャンやイスラマバードで嫌になるほど見聞きしていた。
スクリーンの向こう側にあるホッカイドウの小さな町は、建物や什器が小奇麗になっただけで
ガンダルの村とほとんど変わらない。
そこにあるのは破壊されたインフラと風土病顔負けの死体数。それだけだ。
十数年前の記憶が、テンポよく編集された映画のようによみがえってくる。
『一週間前にとおった村じゃ2000人は死んでたぜ』
『2700人だとさ イスラム党のスポークスマンがいってた』
あのぶんじゃ、1700人くらいは死んでるか。
そうつぶやいて、いまいましげに眉をひそめたとき、彼の肩を誰かが叩いた。