リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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>>384
兵士は、仰向けに横たわりながら、空を見上げていた。
腹部には、自衛隊の支援戦闘機が投下した爆弾、その弾片が深く食い込み、
とめどなく出血している。
部隊の衛生兵は、一目見ただけで悲しげに首を振り、彼のもとを去った。
「イルボンインの慈悲に期待しろ。俺たちには、もうおまえに止めをさせる
弾丸すら残ってない」
彼の台詞が、どうしようもなく重い。

妻よ・・・・・・娘よ・・・・・・父さんは、おまえたちから遠く離れた異国の地で、
今死んでいこうとしているよ・・・・・。

彼の脳裏には、この世に生を受けてから今に至るまでの26年間が途切れ途切れに
よみがえっていた。
 力と度胸がすべてであった少年時代。
 生まれてはじめての淡い恋心を抱き、はかなくも敗れて涙した学生時代。
 徴兵され、人を殺すための訓練を積み重ね、そして再び社会に戻っていった青年時代。
昨年、近所の幼馴染と結婚し、娘を授かった。
幼馴染は、彼が結婚の申し込みをしたとき、頬を赤らめて無言でうなずいてくれた。
仕事も波に乗り、上司はにこやかに彼の出世を約束してくれた。

だが、すべては失われてしまった。
半月前、定例の予備役訓練に顔を出したとき、理由もわからないままに基地に閉じ込められてしまった。
そして、わけもわからないままに、普段は意識したことすらない隣の島国に
銃を担いで出かけるはめに陥った。

普段は、彼は人が苦しむ顔を見るよりは自分が余計な苦労を背負うほうを望む人間だった。
だが、戦場では、おそらく妻が知ったら気が狂うような蛮行をも平然となした。

これは、報いなのだな・・・・・・。

彼が薄れゆく意識の中、そう悟りかけたとき、ふいに耳元で誰かが叫んだ
薄目を開けると、嫌に派手なワンピースを着込んだ女性が、彼の口元に何かを突きつけている。

「今のお気持ちはどうですか、侵略者さん?」