リレー小説!!北朝鮮vs日韓米連合軍

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452一等自営業
新宿 アルタ前       (その2
第32普通科連隊は治安出動で、反戦団体を平定してから第二段階を始めて
いた。有事になってから第一師団は、首都圏中心部の交通網を管制していた。
主要な橋や鉄橋及び幹線道路は封鎖され、通行は厳重に警察立会いのもと検
問を実施していた。いまや警察がしたくても出来なかった第二段階が始まった。

新宿アルタ前の甲州街道ガード側から新宿三丁目交差点まで、第32普通科
連隊第二中隊は横一列に並んでいた。その反対側大久保通りには第一中隊が
同じく横隊で並んでいる。補佐する形で警察の機動隊も出動しているが、主
力は誰が見ても自衛隊が現場を仕切っていた。大柄で野蛮そうな目つきの
左頬に傷のある二等陸佐が臨時指揮官だった。そばには小柄でやせた三等陸
曹が携帯無線機を背負った同様に偉そうにしていた。中隊長が二等陸佐に近
ずくと、その三等陸曹が自分を通せと言わんばかりに間に立ちふさがったり
する。中隊長の一尉は何度その三等陸曹を殴りたくなったことか・・・

補に傷のある二等陸佐がハンドスピーカーをもって怒鳴り始めた。
「只今より!不良外人狩りを実施する」「パスポート並びに外人登録証を提
示しても、偽造書類である。一人残らず拘束せよ!」「反抗的外国人には
徹底的に武力を行使せよ!破壊工作員である。始め!!」

最初のブロックは問題なくいった。悲鳴や銃声がでたのは歌舞伎町一番街と
新宿区役所通りに入ってからだった。命令は速やかに実行され反抗的な外国
人は男女を問わず、引きずり出されトラックに押し込まれた。第二中隊長は
青くなっていたが、更に血管を膨張させていたのは機動隊の隊長だった。
風俗の入っている雑居ビルの上から、アジア人の女が地面に叩きつけられる
におよんで、機動隊の隊長はヤセッポッチの陸曹を払いのけ二等陸佐に詰め
寄った。

「あんたの作戦はやりすぎだ!報告するぞ。」
「ナカムラ!」二等陸佐は怒鳴った。ナカムラと呼ばれた三等陸曹はやおら
拳銃の銃口を機動隊の隊長の頭に突きつけた。
「撃っちゃっていいですか!」ナカムラの手は自然とセフティーを解除し
ハンマーを起こしていた。先祖代々桜田門に嫌悪しているかのように・・・
「ボケー!!俺が命令してからだ。」ドスの効いた声で機動隊の隊長は黙っ
てしまった。一昨日、治安出動を静止しようとした警官数人が、あり無を言
わさず射殺されたのだ。いまや警察と自衛隊は立場が逆転していた。
中村三等陸曹はいつものように殴られると思ったが、そのとき背中の携帯無
線機が呼び出し音を鳴らした。三等陸曹は救われた。
「アタマの禿げたジジイが呼んでます・・・」
やっぱり中村三等陸曹は平手で殴られた。

この治安維持作戦で三千とも五千以上とも言われた多くの不良外国人が、そ
の日のうちに何処かに移送された。中には数世代前からの、在日の料理店主
が中華鍋で反抗的態度を取りで連れ去られ、戦後彼ら不良外国人の処遇問題
が出たが行方不明扱いとなった。ハーグの人権法廷でも責任追及が行われた
が発見出来なかった。噂では東富士演習場で対戦車壕が幾つも掘られ、朝ま
で休みなく射撃音が響いていたという話もあったが風説の一部と捉えられた。

また公安はこの機会に中国、韓国、東南アジア系の地下銀行多数を押さえ、
関係者の財産や資産を没収し円の流出を防ぐのに成功した。