1 :
GF長官 :
2009/09/19(土) 17:51:54 ID:???
2 :
GF長官 :2009/09/19(土) 17:53:05 ID:???
3 :
GF長官 :2009/09/19(土) 17:56:00 ID:???
初めての方へ
ここは、「あれ?前スレって、脱線ばかりして本編が全然進んでないじゃんw」
という指摘を全速回避するスレです。 ただいま珊瑚海を最大戦速で南下中。
本編(発言者:GF長官)の構成は、
(改)スレの
>>1 〜 真珠湾攻撃編
>>478 〜 インド洋作戦編
(伊)スレの
>>109 〜 コロンボ攻撃の章
>>497 〜 兵装転換の章
(呂)スレの
>>90 〜 仮想戦記の章
>>528 〜 ツリンコマリ攻撃の章
>>780 〜 艦隊防空の章
(波)スレの
>>358 〜 人事考察の章
>>588 〜 珊瑚海海戦編
(仁)スレの
>>53 〜 MO作戦発動の章
>>355 〜 祥鳳沈没の章
>>726 〜 第五空襲部隊の章
(保)スレの
>>172 〜 夜間攻撃隊の章
>>445 〜 索敵考察の章
>>709 〜 空母決戦の章
(部)スレの
>>397 〜 筑摩一号機検証の章
>>653 〜 零戦最強伝説の章
戦史検証が中心なので、雑談は支隊スレへどうぞ。
4 :
GF長官 :2009/09/19(土) 17:57:43 ID:???
[MI作戦の作戦目的] 「機密聨合艦隊命令作第一二号」の作戦要領 「機動部隊ヲ以ツテ上陸前ミッドウェー島ヲ空襲、兵力ト防禦施設ヲ壊滅サセ 攻略部隊ヲ以テ一挙ニ攻略スルトトモニ、出撃シ来ル敵艦隊ヲ捕捉撃滅スル」 第一機動部隊の任務は「ミッドウェー島航空兵力の無力化」と「米空母部隊の捕捉撃滅」です。
5 :
GF長官 :2009/09/19(土) 17:58:58 ID:???
[MI作戦の作戦日程] 6月4日(N−3日)第二機動部隊、ダッチハーバー空襲 ミッドウェー島攻略部隊、敵哨戒圏(600浬)内に突入 6月5日(N−2日)第一機動部隊、ミッドウェー島空襲 6月6日(N−1日)第一機動部隊、情勢に変化なければ敵艦隊出撃に備えつつ、 ミッドウェー島攻撃を続行 6月7日(N日) ミッドウェー島攻略部隊上陸 第一機動部隊、上陸支援 (註)第一機動部隊のミッドウェー島空襲は、当初N−3日の予定だったが、出撃が遅れたためN−2日となった。
6 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:00:56 ID:???
[ミッドウェー海戦戦闘経過](6月5日三空母被弾まで)日本時間 (日出0152時・日没1543時) 0130 第一次攻撃隊発艦(指揮:友永丈市大尉)零戦36・艦爆36・艦攻36(計108機) 上空警戒機・索敵機も発進(利根四号機は遅延し、0200発進) 0220「敵情特ニ変化ナケレバ第二次攻撃隊ハ第四編成(指揮官加賀飛行隊長)ヲ以テ本日実施ノ予定」 (南雲長官・第二次攻撃隊のミッドウェー再空襲を予令) 0334 第一次攻撃隊、ミッドウェー島攻撃開始 0400 「第二次攻撃ノ要アリ」(友永隊長、再攻撃要請) 0405 ミッドウェー島基地からの敵機第一波来襲(TBF6機・B−26 4機) 0415に終了 0415「第二次攻撃隊本日実施、待機攻撃機爆装ニ換ヘ」(南雲長官・雷装から爆装への兵装転換を下令) 0440「敵ラシキモノ一○隻見ユ」(利根四号機から0428時の報告・敵艦隊発見) 0445「敵艦隊攻撃準備、攻撃機雷装其ノ儘(ソノママ)」(南雲長官・兵装転換中止を命令) 0453 ミッドウェー基地からの敵機第二波来襲 (SBD16機・B−17 15機・SB2U11機)0540に終了 0506 第一次攻撃隊帰投開始(対空戦闘中のため上空待機) 0509「敵ノ兵力ハ巡洋艦五隻・駆逐艦五隻ナリ」(利根機・続報) 0520「敵ハソノ後方ニ空母ラシキモノ一隻ヲ伴ウ」(利根機・敵空母発見)
7 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:02:03 ID:???
0530 南雲長官、再兵装転換を下令(爆装から雷装に復旧) 「直チニ発進ノ要アリト認ム」(山口少将・即時発進の意見具申) 0537 第一次攻撃隊収容開始(0617終了) 0555「収容終ワラバ一旦北ニ向ヒ、敵機動部隊ヲ捕捉撃滅セントス」 (南雲長官、第二次攻撃隊をもって敵空母を攻撃することを明示) 0618 敵空母から敵機来襲(ホーネット第8雷撃中隊 TBD15機)0637終了 0640 同(エンタープライズ第6雷撃中隊 TBD14機)0700終了 0713 同(ヨークタウン第3雷撃中隊 TBD12機) 0722 同(エンタープライズ第6爆撃中隊 SBD31機) 0723 加賀被弾 0724 赤城被弾 0725 同(ヨークタウン第3爆撃中隊 SBD15機) 蒼龍被弾
8 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:03:58 ID:???
Q1.事前の索敵計画(七線一段索敵)は、索敵軽視ではないのか(その1) A1.当時の日本海軍では、重視でも軽視でもなく、標準である。 (註)「当時の聨合艦隊戦策では、索敵は一段索敵とすることが定められており、二段索敵を実施することに 改められたのは、昭和18年5月のことである」(『歴史群像(55)日米空母決戦ミッドウェー』) Q2.事前の索敵計画は、索敵軽視ではないのか(その2) A2.真珠湾でもインド洋でも珊瑚海でも、二段索敵は実施されていない。 そもそも、二段索敵そのものがミッドウェー海戦の戦訓から生まれたものである。
9 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:06:35 ID:???
Q3.事前の索敵計画は、索敵軽視ではないのか(その3) A3.索敵機の数を増やすことは万能の解決策ではない(収容の手間) (註1)艦上機(九七艦攻・二式艦偵等)の場合、収容の際、風上に立たなければならない。 珊瑚海海戦一日目(昭和17年5月7日)、艦隊針路と風向が逆だったために、攻撃隊収容時に反転しなければならず、 その結果敵空母との距離を詰められず、薄暮攻撃になってしまった。 (註2)水上機(九四水偵・零式水偵等)の場合、着水した機体を揚収しなければならない。 艦隊の行動が止まってしまい、敵潜水艦の格好の標的となる。 (註3)母艦が対空戦闘中の場合、帰艦した索敵機は上空待機を強いられる。 ミッドウェー海戦では、利根四号機が0730頃に自艦上空に帰投したが、防空戦闘及び三空母被弾の混乱から、 収容したのは0847時になった。 (註4)索敵機の中には、機位を失い不時着する機体が出るおそれもある。 「インド洋作戦で起きたある不運な出来事のため、偵察に必要最小限度以上の兵力を割くことを、南雲およびその 幕僚はためらうようになっていた。索敵機が機位を失し、そのために母艦が無線封止を破って電波を出し、艦隊の 位置を敵に暴露することになったからである」 (『ミッドウェーの奇跡』GordonPrange/著・千早正隆/訳)
10 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:07:48 ID:???
Q4.事前の索敵計画は、索敵軽視ではないのか(その4) A4.索敵機の数を増やすことは万能の解決策ではない(誤報の増加) 索敵機を増やせば、敵情報告も増加するが、同時に誤報が含まれる恐れも大きくなる。 (註)珊瑚海海戦一日目(昭和17年5月7日)では、20機以上の索敵機を出したが、最初に 入ったのが誤報(油槽船を空母と誤認)だったため、攻撃隊が空振りに終わった。 同海戦二日目では、わずか7機の索敵機だったのにも関わらず、正確な敵情報告のため、 攻撃隊は会敵に成功した。
11 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:08:52 ID:???
Q5.0415時、南雲長官が兵装転換を命じたのは何故か(その1) A5.0400時、友永大尉より「第二次攻撃ノ要アリ」と要請があった。第一次攻撃隊長が「効果不十分」 と判断したのだから、再攻撃が必要なのは当然である。 (参考)「日本海軍には、第一線下級指揮官の判断を尊重する伝統があった」 (『太平洋戦争航空史話』秦郁彦/著) Q6.0415時、南雲長官が兵装転換を命じたのは何故か(その2) A6.0405時から、南雲機動部隊はミッドウェー基地航空隊の攻撃を受けている。同島航空兵力は未だ 健在であり、速やかにこれを壊滅させなければならない。
12 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:10:42 ID:???
Q7.0415時、南雲長官が兵装転換を命じたのは何故か(その3) A7.味方攻略部隊は、すでに前日からミッドウェー島の敵哨戒圏(600浬)内を進撃中である。 輸送船団に損害が生じては作戦全体に大きな支障をきたす。敵基地制圧が急務である。 (註)「聨合艦隊命令は敵艦隊撃滅を第一順位としていたが、同命令はまた機動部隊によるミッドウェー空襲を 6月5日と特に指令していた。もし我が機動部隊が計画通りミッドウェーの航空兵力を無力化しなかった 場合には、空襲の二日後に予定されている上陸作戦は猛反撃を受け、全攻略作戦は重大な支障を受ける であろう」 (第一航空艦隊先任参謀・大石保中佐)
13 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:12:57 ID:???
Q8.0415時、南雲長官が兵装転換を命じたのは何故か(その4) A8.0130時から発進した索敵機(巡航速度120節・進出距離300浬)は、2時間半あれば索敵線先端に到達する。 (最も遅い利根四号機でも0430頃) 0415の時点で報告がないということは、南雲機動部隊の半径300浬内に敵艦隊は存在しない可能性が高い。 よって、ミッドウェー島再空襲を優先すべきである。 (参考1)昭和19年6月19日マリアナ沖海戦1日目について。 「0730第一段索敵機、概ネ端末ニ達シタル時機、攻撃距離内ニ他ノ母艦群ヲ 認メザリシヲ以テ、 一航戦第一次攻撃隊ヲ発進セリ」 (『戦史叢書(12)マリアナ沖海戦』) 小沢長官もまた、索敵機が索敵線先端に到達した時点をもって、「他に敵空母群は居ない」と判断している。 南雲長官の兵装転換下令は、決して「航空戦の素人」だからではない。 (参考2)昭和17年5月8日珊瑚海海戦2日目について。 索敵機が米機動部隊発見を報告したのは、側程に入ってから約20分経過した時点に相当。 よって、南雲長官の決断は「時期尚早」という評価も成立する。
14 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:14:11 ID:???
[補足1]兵装転換評(国内) (1)『戦史叢書(43)ミッドウェー海戦』(防衛庁防衛研修所戦史室) 「第一機動部隊は0405ころから防空戦闘を開始した。この戦闘中南雲長官はミッドウェー島再攻撃を決意し、 艦内で雷装して待機していた艦攻の兵装を爆装に換えるよう命じた。 ところが敵水上部隊発見に伴い、南雲長官はこれが攻撃を企図し、0445『敵艦隊攻撃準備、攻撃機雷装其ノ儘』 と下令した。 この命令に『其ノ儘』(そのまま)という字句を使っているところでも判るとおり、同長官は兵装転換に長時間を要する ことや、30分前兵装転換を下令してから防空戦闘が続いたことなどから、爆装への転換作業はほとんど進んでおらず、 簡単に雷装に復旧できると判断したのである」
15 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:15:14 ID:???
(2)『ミッドウェー』(淵田美津雄・奥宮正武/共著) 「第二次攻撃隊をミッドウェー基地に向けるって、もう命令が出たのか?」 「イヤ、いま司令部で話し合っているのを艦橋で聞いてきました」 「だって、またインド洋のときみたいに、出たあとで偵察機から"敵艦見ユ"と来るかも知れんぜ」 「イヤ、しかし偵察機は、もう全部、とうに索敵線の前端まで行きついた時刻なのに、報告がありませんから、 攻撃圏内には敵艦隊はおらんと判断されていますよ」 「そうか、しかし魚雷を抱いているんじゃないか?基地攻撃はちょっと困るね」 「ええ、それでいまから、陸用爆弾に積みかえろって命令が出るんですよ」 「いやあ、それは大変な騒ぎだ。それに、もうそろそろ敵の陸上機が来るころだぜ」 このとき司令部はすでに、第二次攻撃隊をミッドウェー攻撃に振り向けることに一決していた。
16 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:16:18 ID:???
(3)『写真太平洋戦争』(第3巻) 「南雲長官は、最初に兵装転換を下令してからまだ30分しか経っていないので、艦攻の大部分はまだ雷装のままだろう と考えた。しかし兵装転換というのは、外すのは簡単なもので、たちまちカタンと外してしまう。問題は装着に時間がかかる のだ。したがって全機の魚雷がすでに外されて、格納庫内で爆装作業が始まっていた」
17 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:18:30 ID:???
[補足2]兵装転換評(海外) (1)『ニミッツの太平洋海戦史』(ChesterWilliamNimiz/著・実松譲 冨永謙吾/共訳) 「この時機(米空母の攻撃隊発進)までの南雲提督の作戦は、見事な慎重さで実施された。 彼の得た敵情報告からは、海上兵力による抵抗は予期されなかったが、ミッドウェー攻撃には使用可能な飛行機の 半分だけを発進させ、その残りは魚雷を装備、万一米艦隊が出現した場合の戦闘に備え、飛行甲板上に待機させて いた。 午前7時、ミッドウェー攻撃から帰艦した攻撃隊指揮官は、ミッドウェーに対し第二次攻撃の要ありと進言した。 その直後に行われたミッドウェー基地機による雷撃は、この意見具申を裏書きするように思われた。 このときまでに、南雲部隊の巡洋艦搭載機はすでに二時間から二時間半の索敵を続けており、少なくとも200浬の 索敵線に達しているように考えられた。いまや米艦体に対する警戒を緩めても、安全であるように見えた。 いずれにせよ、ミッドウェー攻撃隊は間もなく帰投し、補給を必要とするであろう」 (註)「午前7時」は、日本時間0400時。 「ミッドウェー攻撃から帰艦した攻撃隊指揮官」は、友永大尉の無電を指す(戦闘経過参照)
18 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:21:21 ID:???
(2)『太平洋戦争アメリカ海軍作戦史』(SammuelEliotMorison/著・中野五郎/訳) 午前7時(0400時)、彼(南雲長官)はミッドウェー島空襲を終わったばかりの攻撃機隊指揮官友永大尉から 「ミッドウェー島に対しては第二次攻撃の要あり」という電報を受け取った。 その十分後に、ミッドウェー島から出たアメリカ軍爆撃機の来襲があったが、これは友永海軍大尉の具申した 意見を裏書きするものであった。 これに基づいて日本機動部隊指揮官南雲海軍中将は、7時15分(0415時)に彼にとって致命的となった決定をした。 すなわち彼は敵軍の水上部隊に対して即時待機の姿勢にあった攻撃機隊93機の「準備を解いた」のである。 すると7時28分(0428時)に至り、遅れて発進した巡洋艦利根の飛行機から電報が受領され、これで情勢は忽ち 一変した。この電報を受けた当初、南雲海軍中将はこの敵艦隊を処理しなければならぬと考えた。しかしこの報告は、 敵の航空母艦に関して何らの暗示もない漠然としたものであったから、同中将は彼の麾下の攻撃飛行隊の急速兵装 転換を取り消すことを至当とは考えなかった。 15分間熟慮して7時45分(0445時)決心を変えた。すなわち彼は直率部隊に対して、 「敵の艦隊に対する攻撃実施を準備せよ。爆弾装備に変更未済の攻撃機に搭載の魚雷はそのままに残せ」と信号した。 恐らくは当時、彼は珊瑚海海戦における原忠一海軍少将の大失策、すなわち航空攻撃隊の大部分を油槽艦に向けて 無駄に費やしたことを想起したのであろう。 そのため2分後に、利根機に対して「艦種知らせ。触接を持続せよ」と無電で指令した。 利根機の操縦士は、8時20分(0520時)に「敵ハ航空母艦ラシキモノ一隻ヲ伴フ」と報告した。 彼の計画していた攻撃隊はすでに編成を解かれていたし、その麾下の各航空母艦の飛行甲板は、ミッドウェー島から 刻々帰還してくる飛行機のために取り片付けておかねばならなかった。 彼は航空母艦間の戦闘において達成すべきものを、与える側ではなく、受ける側に立たねばならなかったのである。 これは何たる重大な運命の破局であったろう! (註)( )内は日本時間。戦闘経過参照。
19 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:23:10 ID:???
(3)『空母ヨークタウン』(PatFrank/著・谷浦英男/訳) 「多くの著述家が、これ(兵装転換)を取り返しのつかない大失策であり、 おそらく日本に敗戦をもたらした大錯誤だった と強調している。 そういうことにつながるとしても、その時点においては、これは妥当な決断 だったと言える。 ミッドウェーを再攻撃しなければならないのは明白だった。 現にたった今、 ミッドウェーからやってきた飛行機隊が、南雲自身の乗艦を攻撃したばかり である。 一方、索敵機が付近の海域に敵水上艦隊を発見したという徴候は全くない。 南雲長官は、正当な決断である、と判断した。 ミッドウェーに第二次攻撃をかけることは決して賭けではない。 第一波は間もなく帰投して、発進して行く飛行機と交替する。 第一波は着艦するやいなや爆弾と魚雷を搭載して、 索敵機が敵の艦隊を 発見したなら、いつでも発進できるように待機するだろう。 客観的に見れば、これは論理的な決断だったと言える」
20 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:25:15 ID:???
(4)『ミッドウェーの奇跡』(GordonPrange/著・千早正隆/訳) 「南雲のこの決定は、その後に激しい批判の的となった。高い外野席からの結果論からみれば、南雲のこの決定は重大なミステークであった と思う読者は、きわめて多いかもしれない。が、著者は草鹿や源田と同じく、当時の情況からして南雲の決定は妥当なものであったと信ずる者 である。 ミッドウェーを攻撃した友永が再攻撃の必要があると意見を具申したこと、 ミッドウェー基地の航空部隊がまだ攻撃を続けていること、 彼がもっとも信頼している源田が同意したこと、 南雲は彼自身の常識に基づいて決定を下したからである。 しかも、その前日に東京から『わが企図が敵に察知された兆候全くなし』という電報を受信していたのである 南雲のこの重大な決定の是非を判断するには、彼が赤城の艦橋でその決定をした当時の状況を見なければならない。 その決定は少なくとも、敵艦隊の配備および能力を知ることなくして為されたものであった。とすれば、それは指揮上の 失策ではなく、情報上の失策と看なすべきであった。 『知っていれば怪我はない』との古諺とは逆に、南雲は知らなかったために大怪我をした、と言ってよいであろう」
21 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:26:53 ID:???
22 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:29:19 ID:???
Q10.0530時、南雲長官が山口少将の意見具申を採用しなかったのは何故か(その2)
A10.第二次攻撃隊の制空隊(零戦)のほとんどは、母艦直衛に上がって対空戦闘中である。
護衛なしの艦爆隊で敵空母を攻撃しても、戦果は期待できない。
(参考1)珊瑚海海戦一日目には、護衛なしの薄暮攻撃を実施した。(編成は艦爆12・艦攻15の計27機)
しかし、米戦闘機の奇襲に遭い、未帰還機9(艦爆1・艦攻8)の損害を出した。
薄暮ですら、この大損害なのだから、昼間攻撃では到底有効な打撃は与えられないだろう。
During these battles, it became clear that attacks without fighter escort amounted to suicide.
これらの戦闘(珊瑚海海戦)を通して、護衛なしの攻撃隊は結局自殺行為になることが明らかになった。
(『Grumman F4F Wildcat』Coral Sea)
http://users.skynet.be/Emmanuel.Gustin/history/f4f.html 米側の認識も同じである。
(参考2)ミッドウェー海戦において、単独で南雲機動部隊に攻撃してきた米空母雷撃隊は壊滅した。
護衛なしの攻撃に躊躇したのは、間違ってはいない。
(註)VT−8(ホーネット) 15機中全機撃墜
VT−6(エンタープライズ)14機中10機撃墜
VT−3(ヨークタウン) 12機中10機撃墜(2機未帰還)
計41機中35機撃墜。
(参考3)0530時点での米空母情報は、利根四号機の「ミッドウェーヨリノ方位10度・240浬」(0428時発信)のみであり、
実際の位置より、北へ100浬近くずれている。よって、即時発進しても会敵できない恐れが大である。
23 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:31:11 ID:???
Q11.A7だとすると、山口少将は、二航戦の艦爆隊が発艦準備完了していないのを知りながら、即時発進の具申を したことになる。これでは矛盾しないか。 A11.山口少将の具申は二航戦(艦爆隊)ではなく、一航戦(艦攻隊)宛のものだったと考えられる。 0415時の兵装転換命令は一航戦に対してのもので、山口少将は知らず、第二次攻撃隊の制空隊(零戦)の ほとんどが上空直衛に上がっていることも知らなかった。 (二航戦の零戦隊に関しては把握していただろう) つまり、山口少将は0530の時点で「一航戦は雷装で甲板待機している」という認識だった。 だから、二航戦の発艦準備完了を待つことなく、先に一航戦(艦攻隊)を発進させるべき(零戦の護衛付きで) と具申したのだと思われる。
24 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:35:27 ID:???
[補足3]第二次攻撃隊の兵装状態(推定)作業はすべて格納庫内 一航戦(艦攻隊) 二航戦(艦爆隊) 備考 0130 雷装 空装 第一次攻撃隊発進 0415 転換作業開始 空装 兵装転換命令(雷装から爆装へ)一航戦宛 0445 転換作業中止 空装 兵装転換中止命令(機動部隊宛) 0530 復旧作業開始 爆装作業開始 雷装復旧命令(一航戦宛)・対艦装備命令(二航戦宛) 0723 復旧作業途中 爆装作業途中 三空母被弾
25 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:37:47 ID:???
(1)「空装」とは、魚雷も爆弾も装備していない状態。 (註)『第一航空艦隊戦闘詳報』0530時には、 「発:機動部隊指揮官」「宛:機動部隊」「本文:艦爆隊二次攻撃準備、二五○粁爆弾揚弾」とある。 もし、最初から通常爆弾(対艦用)を装備していて、0415時の命令で陸用爆弾に換装していたとしたら、 改めて揚弾する必要はない。0530以前は空装だったと考えられる。 (2)一航戦が雷装待機なのは、事前のGFの指示によるもの。 (3)二航戦が空装なのは、インド洋作戦時の戦訓によるもの。 (兵装転換命令に柔軟に対応するため)『歴史群像ミッドウェー』より (4)山口少将の意見具申について。 一航戦が雷装待機なのは、事前の打合せで知っていた。 0415時の爆装転換命令は一航戦宛なので知らない。 0445時の「攻撃機雷装其ノ儘」は機動部隊宛(二航戦にも届いている)。 (艦爆隊は空装状態で格納庫待機中) 0520時に敵空母発見報告を、0530時に対艦装備命令を受けた。 今から作業開始しても、発進準備完了までは約2時間は必要(推定) 「『攻撃機雷装其ノ儘』と命令があったのだから、一航戦は雷装で甲板待機しているはずだ。 二航戦の攻撃準備完了を待つことなく、直ちに発進すべきである」と意見具申した。 (5)南雲長官の意見具申無視について。 0530時、山口少将の意見具申を聞いた時、 一航戦は、雷装復旧作業の途中であり、制空隊のほとんどは母艦直衛に上がって対空戦闘中。 しかも、第一次攻撃隊は上空待機中で速やかに収容しなければならない。 二航戦は、先程爆装作業開始を命じたばかり。 よって、即時発進は不可能。検討にも値しないと無視した。 つまり、双方の認識が異なることにより生じた事態だと思われる。
26 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:38:58 ID:???
[補足4] 「直チニ発進ノ要アリト認ム」の意見具申について 「直チニ」は、極めて緊急性の高い用語である。 即時発進を具申するからには、即時発進が可能な状態であることが大前提となる。 「即時発進が可能な状態」とは、攻撃隊が飛行甲板に整列、試運転が完了し、あとは母艦が風上に立つだけで 発進できる状態であり、当時の二航戦は明らかにそれには当たらない。 よって山口少将の意見具申は、一航戦に宛てて出されたものだと考えられる。 山口少将が「一航戦は即時発進可能な状態である」と判断した理由は、[捕捉3](4)の通り。
27 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:39:55 ID:???
Q12.第一次攻撃隊収容より、第二次攻撃隊発進を優先させるべきだったのでは(その1) A12.第一次攻撃隊は0500時過ぎから帰投を始めていたが、母艦が対空戦闘中であったため、上空待機を 強いられていた。速やかに収容しなければ、燃料切れで不時着する機体が生じる恐れがあった。 Q13.第一次攻撃隊収容より、第二次攻撃隊発進を優先させるべきだったのでは(その2) A13.第一機動部隊の任務は「ミッドウェー島航空兵力の無力化」である。 この後のミッドウェー島再空襲、及び攻略部隊の上陸支援のためにも、母艦兵力を減少させる わけにはいかない。
28 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:41:47 ID:???
Q14.第一次攻撃隊収容より、第二次攻撃隊発進を優先させるべきだったのでは(その3) A14.第一機動部隊の任務は「米空母部隊の捕捉撃滅」である。 0530時点で、発見した敵空母は一隻のみ。新たな空母が別の場所で発見された場合、第三次攻撃隊を 編成する上でも、母艦兵力を少しでも確保しておきたい。 (参考)海外の評価 「南雲としてはそのような意見具申(山口少将の即時発進)を必要としていなかった。真珠湾の勝利者である彼(南雲) 以上に航空攻撃の奇襲性と迅速性の価値を認識している者はなかったと言ってよい。が、彼は山本に対し、天皇に対し、 更に祖先の神霊に対して責任を負っている幾千の将兵の生命をその手中に預かっていた」 「南雲は理論的には、非難の余地のない作戦決定をしたのであったが、それが皮肉なことに裏目に出たのであった。 南雲は彼が戦闘の主導権を失っていたことに気づかなかったが、彼が入手していた情報を見る限り、彼がそのことに 気が付かなかったことを非難する理由は見出し難い。 だからこそ、彼にはパニックに陥り、中途半端の兵力で敵艦隊の攻撃に向かわす必要性がなかったのであった」 (『ミッドウェーの奇跡』)
29 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:43:50 ID:???
Q15.南雲長官は米空母が付近に居る可能性を考えていなかったのか。油断し過ぎではないか。 A15.考えてはいたが、A3の理由から、敵空母所在の「確証」がない限り動けない事情があった。 敵空母所在の「兆候」のみでは、ミッドウェー島再空襲の方を優先したいという考えだった。 「このとき南雲長官は大した逡巡もなく(ミッドウェー島再空襲の)決断を下している。 が、ここで読者諸氏は疑問を浮かべられるであろう。米空母部隊の所在に、ここまできても気を遣わなかったのか という当然の疑問である。 敵機動部隊に対する配慮は、当たり前のことながらあった。ただ何度も書くように 『味方の輸送船団は休むことなく前進を続け、ミッドウェー島に近づいているであろう』 という焦慮が、絶えず南雲長官以下各幕僚の頭から離れず、思考の弾力を奪っていた。 草鹿参謀長の言う『二兎を追うわずらわしさ』である。 もし、それなりの処置をとって敵空母部隊に出合えばよい。が、遭遇することなく無駄な時間と兵力を費やし、 空からの援護なしに味方輸送船団を裸でミッドウェー島に近づけ、作戦を根底から崩してしまうようなことが あってはならない。 そういう思いが片時も離れない。責任の重圧から来るその感情は、恐怖にさえ似ていた」 (『ミッドウェー戦記』亀井宏/著)
30 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:45:05 ID:???
Q16.山本GF長官は敵空母撃滅優先を指示していたはずだが、南雲長官に伝わってなかったのか。 (その1) A16.南雲長官は、GFの作戦方針を正しく理解していたと思われる。 現に、0520時の敵空母発見の報告を受けて、直ちに0530時雷装復旧を下令し、 0555時には「敵機動部隊ヲ捕捉撃滅セントス」と敵空母撃滅を優先することを明示している。 0520時以前は、 「米空母撃滅よりも基地制圧を優先した」というよりもむしろ 「米空母の所在が明確になるまで基地制圧を続行した」という方が実状に近いのではないか。 そもそも優先するか後回しにするかという判断は、敵空母出現が大前提であり、それまでは 敵基地制圧を続行するより他に、選択肢はないと思われる。 (参考) (1)珊瑚海海戦1日目には、索敵機が油槽船を空母と誤認し、攻撃隊が空振りに終わり、その後の作戦に 大きな支障をきたした。 (2)珊瑚海海戦では、敵空母2隻を撃沈した(ヨークタウンも沈没したと思われていた)にも関わらず、MO作戦は失敗に 終わった。 「敵空母を全滅させても、味方攻略部隊が上陸できなければ、作戦は失敗である」
31 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:47:56 ID:???
Q17.山本GF長官は敵空母撃滅優先を指示していたはずだが、南雲長官に伝わってなかったのか。(その2) A17.雷装待機中の第二次攻撃隊は「最強編成」である(板谷制空隊・江草艦爆隊・村田雷撃隊) 新任の友永大尉に基地制圧を任せ、真珠湾以来の熟練指揮官を敵空母撃滅用に残していたというところから、 南雲長官が米空母撃滅の方を重視していたことがうかがえる。 (註)板谷茂少佐(赤城)真珠湾攻撃では一波制空隊長。 江草隆繁少佐(蒼龍)真珠湾攻撃では二波艦爆隊長。「艦爆の神様」インド洋作戦で8割超の命中率。 村田重治少佐(赤城)真珠湾攻撃では一波雷撃隊長。「雷撃の神様」 「まことにこの三人の指揮官は、この舞台ではベストワンのトリオである。そして彼らに続く搭乗員は、すべて一騎当千の精鋭で、 かけ値なしに当時日本海軍のベストワンの編成である。もしこれでスポーツのように国際競技が行われるものとしたら、金メダルは 確実である。南雲中将は、米空母群は近くに居ないと一応は判断しているが、それでも万一に備えて、このように敵空母群攻撃の 最良編成で待機させたのである」 (『ミッドウェー』淵田・奥宮/共著)
32 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:50:23 ID:???
[補足5]第二次攻撃隊雷装待機について (1)雷装待機は事前にGFより厳命されていた。 「ミッドウェー攻撃ノ間、母艦搭載機ノ半数ハ、敵艦隊ノ出現ニ備ヘテ艦上待機ヲ行フ 対敵艦隊攻撃待機ハ、第一編成(指揮官 赤城飛行隊長)トスル」(『戦史叢書』MI作戦要領) (2)雷装待機に対する反論(『ミッドウェーの奇跡』より) 「山本長官が兵力の半数を、敵の空母部隊に備えるよう望んでおられることは、南雲長官もその幕僚もよく承知していた。事実、情況の許す限りそうしていた。 が、敵のミッドウェー基地の航空兵力が我々に対して攻撃を開始し、敵の空母部隊がまだ発見されない情況では、居るのか居ないのか分からない敵に対して、 その兵力の半数を無期限に放置しておくのは、前線の指揮官としてほとんど耐えられないことであった」 (草鹿龍之介少将・一航艦参謀長) 「そのような考えにこだわると、適当な敵が発見されない限り、攻撃兵力の半数が有効に使われないことになる。情況によって決定はなされなければならない」 (源田実中佐・一航艦航空甲参謀)
33 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:52:56 ID:???
Q18.『第一航空艦隊戦闘詳報』の「経過概要」では、0428時送信の利根機敵艦隊発見電は
0500時受信となっているが、戦闘経過(
>>7 )では0440時受信としているのは何故か。
A18.0445時の換装中止命令と矛盾するから。
0500時受信の場合、情勢に何の変化もないのに、いきなり換装中止命令を出したことになる。
兵装転換の中止を命ずる限りは、その前に何らかの敵情の変化が入ったはず。
0445時の発令自体が虚偽とする説もあるが、0447時の無電を米側が傍受した記録が残されている。
(『歴史群像ミッドウェー』より)
(註1)『戦闘詳報』の出典は、『記録ミッドウェー海戦』(澤地久枝/著)
(註2)0447時の無電とは、
「発:機動部隊指揮官」
「宛:利根四号機」
「本文:タナ一、艦種確メ触接セヨ」
つまり、南雲長官が利根四号機に「艦種を確認せよ」と命ずる以上、0447時以前に利根機からの
敵艦隊情報を赤城が受信していたことになる。
34 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:53:40 ID:???
Q19.『戦史叢書』では雷装復旧は0445時となっているが、0530時としているのは何故か。 A19.A13で示した通り、南雲長官が「敵ラシキモノ」という曖昧な情報で、ミッドウェー島再空襲を 後回しにするとは思えない。 0520時の敵空母発見情報こそが、南雲長官に「敵空母撃滅」を決断させたと考えるから。 0445時は転換作業中止命令であって、雷装復旧命令ではない。
35 :
名無し三等兵 :2009/09/19(土) 18:53:54 ID:???
二航戦だけミッドウェーに向かわせれば良かったんじゃね? あるいは加賀と飛龍機だけとか。
36 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:54:31 ID:???
以降は珊瑚海海戦編テンプレ [珊瑚海海戦要図] 日出は0420時、日没は1614時(日本時間) □■ラバウル □□□ □□□□□□□ □□ ソロモン諸島 □□ □□ □□□□ □□ □□ □□■ラエ □□ □□ □□ □□□□□ □□ ■ツラギ □□□□□□□ ジョマード水道 □□□ガダルカナル島 □□□■□□□□ ↓ ルイジアード諸島 ポート □□□□■ □ □■ □ ■ロッセル島 □ モレスビー サマライ デボイネ □ □□ 珊 瑚 海 □□ □□■クックタウン 豪□□ 州□□ ニューカレドニア □□□■タウンスビル □□ □□□□ □■ヌーメア □□□□□□
37 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:55:18 ID:???
[MO作戦日本側編成] <南洋部隊>第四艦隊司令長官・井上成美中将 (1)MO機動部隊(第五戦隊司令官・高木武雄中将) [主隊](高木中将直率) 第五戦隊 重巡「妙高」「羽黒」 第七駆逐隊 駆逐艦「曙」「潮」 [航空部隊](第五航空戦隊司令官・原忠一少将) 第五航空戦隊 空母「瑞鶴」「翔鶴」 第二十七駆逐隊 駆逐艦「有明」「夕暮」「白露」「時雨」 [補給隊] 給油艦「東邦丸」
38 :
GF長官 :2009/09/19(土) 18:59:25 ID:???
(2)MO攻略部隊(第六戦隊・五藤存知少将) [MO主隊](五藤少将直率) 第六戦隊 重巡「青葉」「衣笠」「加古」「古鷹」 空母「祥鳳」 駆逐艦「漣」 [ポートモレスビー攻略部隊](第六水雷戦隊司令官・梶岡定道少将) 第六水雷戦隊 軽巡「夕張」 駆逐艦「追風」「朝風」「睦月」「望月」「弥生」「卯月」 敷設艦「津軽」 掃海艇「第二○号」 輸送船12隻 [掩護部隊](第十八戦隊司令官・丸茂邦則少将) 第十八戦隊 軽巡「天龍」「龍田」 水上機母艦「神川丸」「聖川丸」 特設砲艦「日海丸」「京城丸」「勝泳丸」 特設掃海艇2隻 (3)ツラギ攻略部隊(第十九戦隊司令官・志摩清英少将) 第十九戦隊 敷設艦「沖島」 駆逐艦「菊月」「夕月」 特設掃海艇2隻 特設特務艇2隻 特設駆潜艇2隻 輸送船2隻
39 :
GF長官 :2009/09/19(土) 19:01:04 ID:???
[珊瑚海海戦米側編成] 第17任務部隊(フランク・フレッチャー少将) [第2群]攻撃隊(トーマス・キンケード少将) 重巡「ミネアポリス」「ニューオリンズ」「アストリア」「チェスター」「ポートランド」 駆逐艦「フェルプス」「デューイ」「ファラガット」「エールウィン」「モナガン」 [第3群]支援隊(ジョン・クレース英少将) 重巡「オーストラリア」(豪)「シカゴ」 軽巡「ホバート」 駆逐艦「パーキンス」「ウォーク」 [第5群]航空部隊(オーブレイ・フィッチ少将) 空母「ヨークタウン」「レキシントン」 駆逐艦「モリス」「アンダーソン」「ハマン」「ラッセル」 [第6群]補給隊(ジョン・フィリップス大佐) 油槽船「ネオショー」「ティッペカヌー」 駆逐艦「シムス」「ウォーデン」 [第9群]索敵隊(ジョージ・デーボン中佐) 水上機母艦「タンジール」(PBY12機) (註)フレッチャー少将はヨークタウン坐乗、フィッチ少将はレキシントン坐乗 この他に、ポートモレスビー及び豪州の陸軍航空隊が加わる。
40 :
GF長官 :2009/09/19(土) 19:01:57 ID:???
テンプレ終了。 Q1〜4追加しました。 Q5(参考)追加しました。 Q7(註)追加しました。 Q8(参考2)追加しました。 [補足2](4)追加しました。 Q9(註3)追加しました。 Q10(参考1・2・3)追加しました。 [捕捉3](1)(註)追加しました。 Q14(参考)追加しました。 Q17追加しました [補足5]追加しました。 常に進化し続けるテンプレ ミッドウェー研究最前線!
41 :
名無し三等兵 :2009/09/20(日) 01:02:23 ID:???
長官乙。 またソープ行ってきた。NSはサイコーだね。
42 :
名無し三等兵 :2009/09/21(月) 00:47:19 ID:???
43 :
GF長官 :2009/09/21(月) 21:49:11 ID:???
>>41 NS?・・・「南雲、最高」?
前スレ埋まりました。
引き続き、宜しくお願いします。
前スレ
>>857 の続き
そこで機体の軽量化と共に、航続距離の延伸に貢献したのが「落下増槽の採用」。
落下増槽そのものは、九六艦戦から使用されていましたが、容量は210Lで四点支持。
流線形の簡易着脱構造は零戦が初めてです。
ちなみにF4Fの方は、胴体脚という構造上、胴体下には設置できず、両翼下に各1個を
装備する形式を採用しています。
(燃料搭載量の比較)
零戦(胴体145L・翼内380L・増槽330L)計855L
F4F(胴体545L・増槽159L×2) 計863L
ほぼ等しいですね。
44 :
GF長官 :2009/09/21(月) 22:19:53 ID:???
>>35 すみません。今気づきました。
>二航戦だけミッドウェーに向かわせれば良かったんじゃね
>>24 の通りです。被弾までに二航戦は攻撃準備が完了しませんので、難しいかと。
45 :
名無し三等兵 :2009/09/21(月) 23:53:53 ID:???
>たいていは論理的に破綻すると、罵倒かレッテル貼りが始まるんです 自分の論理と違うからと相手の論理を破綻扱いするなよ。 罵倒、レッテル貼りに関してはお互い様だろ。 >何を今更。論点のすり替えですか? 某連立与党とかで振ってきたのはそっちだろ。 まあ、オレも荒らすつもりはないから最後に質問に答えろ。 >「人命尊重の軍隊」って、存在そのものが矛盾ですよねぇ。 >ですよねー、人命尊重じゃ作戦も立てられやしない。 ダンピール海峡の悲劇に代表される海上護衛の失敗で戦うことさえもできずに海没した将兵、 連合艦隊の救援を信じ最後まで絶望的な戦いをした アッツ、グアム、サイパンなどの将兵、 救援を望みながらもできずに唇をかんだ 連合艦隊の将兵。 それらの将兵の気持ち、存在理由を貴様の その論理で説明してみろ。
46 :
名無し三等兵 :2009/09/22(火) 02:59:35 ID:???
前スレ
>>857 基地航空戦と空母戦は違うのと同じ事ですよ長官。
ルーデル閣下だって太平洋ラボール戦線に来れば二日で葬式でしょう。
あんな低速機が生き残れるほど太平洋での航空戦は甘くありません。
あと、英海軍が戦時中、全力を持って独戦艦二隻にびったし張りつき、
何をそんなに戦艦如きに恐れを抱く必要があったのと言う感慨を持ちます。
あんなフィヨルドに隠れている戦艦なんぞ、索敵で見つけだし大規模空襲を掛ければ終わりでしょう。
英国海軍母艦が太平洋に回航されてきても、結局一から空母での母艦機運用を
教え込まなくてはならなかったのと同じでしょう。
>> 45
阿川「スマなかったね!」(海軍こぼれ話)
意向スルーで。
47 :
名無し三等兵 :2009/09/22(火) 07:31:07 ID:???
>>45 自らの危険を省みず艦を停止させて救助に当たった例もあるからねえ・・・
以後スルーで
48 :
GF長官 :2009/09/22(火) 20:50:24 ID:???
過去レスのことで少し。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1222691768/506 フレッチャー少将の伝記『Black Shoe Carrier Admiral』について。
「スプルーアンスは”大砲屋”の出身だという評判があった。
それは、気取った飛行機乗りとけばけばしい赤い飛行靴を軽蔑する、保守的な
戦艦第一主義者ということを意味する」 (『逆転』WalterLord/著・実松譲/訳)
米海軍では、「赤い靴」とは飛行機乗りを指し、対する「黒い靴」は戦艦乗り。
つまり、Black Shoe Carrier Admiralとは、大艦巨砲主義者の提督であるのに
空母部隊を指揮したという皮肉が込められているのかもしれませんね。
南雲長官なら「Torpedo Carrier Admiral」といったところか。
自伝、出して欲しかったな。
49 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:22:50 ID:???
50 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:30:51 ID:???
>>49 の続き
本職も、人命尊重そのものは否定しませんが、
「予想される損害に見合うだけの戦果が期待できるならば、人命尊重よりも作戦遂行
の方を優先するのが軍隊である」という立場です。
すなわち、戦場において”何よりも優先して”人命を尊重するという主張には反対であり、
状況に応じて、ある程度の人的損失はやむを得ないと考えます。
>十分な護衛をつけようとした南雲を批判するわけか
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/817 南雲長官が護衛なしの出撃を躊躇したのは、人道的見地からの判断ではありません。
裸の攻撃隊を出しても戦果が期待できないからです(
>>22 )
そして、熟練搭乗員の喪失は爾後の作戦遂行に大きな障害となるから。
逆に戦果が見込めるならば、護衛なしでも攻撃隊を出していたでしょう。
(もちろん、現実にそんな情況は有り得ませんが)
51 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:32:29 ID:???
>>50 の続き
もし人道的立場を貫くならば、一人でも搭乗員の喪失の恐れがある限り出撃出来ない
ことになってしまう。これでは戦争になりませんよね。
>「人命尊重の軍隊」って、存在そのものが矛盾ですよねぇ。
>本当に「人命尊重」なら、そもそも戦争は始められないし、軍隊の存在を否定することになる
>人命尊重じゃ作戦も立てられやしない
上記の発言も、意図するところは同じです。
おそらく貴官は、本職の主張を「人命尊重の否定」と受け取られたようですが、
正しくは、「軍隊において、人命尊重は最優先事項ではない」です。
誤解があるようでしたら、それは本職の文章の拙さを原因とするものでして、
謹んでお詫び申し上げます。
>某連立与党とかで振ってきたのはそっちだろ
なるほど、そこでしたか。確かにこれはレッテル貼りでしたね。申し訳なかったです。
52 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:33:41 ID:???
>>51 の続き
>ダンピール海峡の悲劇に代表される海上護衛の失敗で戦うことさえもできずに海没した将兵、
孤立した友軍を救出したいという気持ちはよく理解できますが、
救出しようとすれば多大な損害は避けられず、救出しなければ全員玉砕する。
人道的立場を貫く限り、どちらの行動も起こせなくなってしまいますよね。
この場合、救出を断行した場合の損耗予測、或いは友軍を見捨てたことにより生起する
士気の低下等、諸情況を検討し総合的な判断を下すのが軍隊であるというのが本職の
主張です。
アッツやグアムは救出の見込み無しと判断され、キスカはその逆だったというわけです。
しかしながら、人間そう簡単に割り切れるものではなく、机上の駒を動かすだけの大本営の
参謀とは違い、司令官にとってみれば苦難を共にしてきた部下たちなのですから、
「作戦遂行のためには、少数の犠牲はやむを得ない」というのは正論ではあっても、指揮官
としては苦渋の決断と言えるでしょう。
53 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:36:58 ID:???
>>46 そうですね。
無敵のルーデル閣下も航続距離だけはどうにもなるまい。
>>47 ま、個々の話をとり上げていくとね。
伊勢艦長・中瀬少将のように、機銃員が海中に転落したという報告を聞いて、
即座に「ダメだ。諦めろ」と言った例もありますし。
54 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:56:20 ID:???
>>43 の続き
増槽はどのように使用されるのか。
離艦時は万一の事故に備えて、胴体内の燃料を使う。
編隊を組み終え巡航に入ったら、コックを増槽側に切り替える。
敵機を発見したら、コックを胴体側に戻し、増槽を切り離す。
こんな流れですね。
55 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:57:51 ID:???
>>54 の続き
「落下増槽は空戦性能を害することなく進撃距離を増大し得る利点有りて、
ぜひ必要あなり。但し之が艤装は改善を要し、増槽落下時に故障を生ぜざる
如くを要す。
その要領は増槽を以て進出し、主槽の半量を以て空戦を実施し、残り半量を
帰途に備ふるを最適とするを以て、主槽の半量を増槽とするを適当と認む。
之等を考慮し航続力を検討するに、
主槽:3時間半乃至4時間
増槽:1時間45分乃至2時間
とするを限度と認む。之以上の航続力は具有するも活用困難なるべし」
(『今次事変の経験に鑑み試作戦闘機に対する要求性能に関する所見』第十二航空隊)
56 :
GF長官 :2009/09/22(火) 21:58:59 ID:???
57 :
GF長官 :2009/09/22(火) 22:01:07 ID:???
>>56 の続き
ふと疑問に思うことですが、増槽が「使い捨て」というのは少し勿体ない気がします。
また、編隊飛行中に投棄したら、下方の僚機に激突なんて事故は起こらないのだろうか。
偶然にも、敵機に当たってくれれば幸い?ですが。
或いは、発艦中の敵空母飛行甲板に命中して大混乱・・・なんて仮想戦記はないか。
最近F1でもありましたが、前のマシンのパーツが飛んで、後方を走っていたドライバーの
ヘルメットに直撃し重傷を負うなんてことがあるくらいだから、3次元の世界でも色々な事
が起こりそうだが。
しかしガ島戦だと、しょっちゅう空から増槽が降ってきて、現地民は迷惑だろうなぁ。
そのまま拾ってヘンダーソン飛行場に持って行ったら、海兵隊が一個いくらで買って
くれたりして。
「続いては気象情報です。ナカライさん」
「はい、明日のガダルカナル地方の天候は、晴れ時々曇り。所により増槽が降るでしょう。
降槽確率は50%。お出かけの際は直上にお気を付け下さいw」
58 :
名無し三等兵 :2009/09/23(水) 04:41:14 ID:???
増槽にはガソリンが…米国軍機のガソリンは性質いいんだろうなあ。 拾いに逝くか
59 :
名無し三等兵 :2009/09/23(水) 13:08:55 ID:???
難しいよねえ 南雲長官の判断には「部下を失いたくない」という心情もあったと言われているし・・・ アッツ島に関して言えば予想される損害より海軍の燃料事情と艦船の窮迫 (当時の国内備蓄三十万トン反抗作戦には要十万トン実施すれば第三艦隊の動きがとれなくなる これもミッドウェーの無駄使いのせい・・・) マリアナ諸島を放棄すればBー29の基地になるし・・・
60 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:00:41 ID:???
>>58 そうですね。
増槽が空になった時点で切り離すのが理想でしょうが、そううまくいくことは
稀だと思います。
「お、紫電隊が増槽を捨てる・・・」
「引き返すんですか?」
「ここで戻らんと燃料切れになるからな」
「・・・いや、増槽が空になったんで捨てただけや」
「すまんのぉ・・・」
>>59 全く同意です。
指揮官には任務達成の責任がありますし、そのために部下を失うことは覚悟の上
でしょうが、そう簡単にはいきませんよね。
61 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:45:20 ID:???
>>57 の続き
また、栄エンジンの燃費の良さにも言及しておきましょう。
>>43 のように、燃料搭載量はほぼ等しいのにもかかわらず、航続距離には
大きな差がある。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/718 (但し、F4Fの最大航続距離は2720km)
燃費については、『大空のサムライ』の中で坂井氏が出した「記録」が出てきます。
「こうなると、すぐさま我々に要求されることは、いかに燃料を節約して、台湾から
直接作戦に移るかということである。一滴たりとも無駄な消費は惜しいのである。
そこで大編隊飛行による燃料消費試験が行われた。
編隊の機数が多くなればなるほど、隊形を整えるのに少数機のときより余分の
燃料がいるからである。これは空中戦闘の訓練以上に真剣に繰り返し行われた」
油の一滴は血の一滴・・・
62 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:46:50 ID:???
>>61 の続き
その試験結果は以下の通り。
巡航高度:4000m
巡航速度:115節
回転数 :1700〜1850rpm
AMC :フルリーン
燃費 :67L/h
(註)AMCとは自動混合気調節装置、フルリーンとは爆発不調の寸前まで薄くすること
巡航速度が115節なので、毎時67リットルというのは115浬(213km)を飛行する
のに67リットルの燃料を消費するということです。
その燃費は、3.178km/L
初期のレガシィくらいか?
63 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:48:22 ID:???
64 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:51:06 ID:???
>>63 の続き
世界一の低燃費を誇る、日本の自動車エンジンではありますが、主な手法は
(1)回転数を下げる
(2)混合比を薄くする
(1)ですが、回転数が上がると使用燃料が多くなるのは当然です。
1速で5千回転までひっぱって、4速につなぐなんてことはやめましょう。
坂井氏の試験結果の通り、巡航速度が115節と遅いのはそのためです。
(零戦の通常巡航速度は160節)
(2)について。戦前のエンジンはキャブレター方式ですが、混合比を濃くすると
出力が上昇します。
最良出力混合比は、空気:燃料=12.5:1
この混合比で最も馬力が出るので、発艦時や空戦時に用いる。
混合比を薄くしていくと出力は落ちますが、燃料消費も減少する。
最良経済混合比は、空気:燃料=16:1
馬力は全開時の7割程度ですが、最も燃費が良いので巡航時に用いる。
65 :
GF長官 :2009/09/23(水) 21:52:07 ID:???
>>64 の続き
もちろん、良いことだけではありません。
混合比を薄くすると着火しににくくなるので、通常航空機用エンジンには
点火プラグが1気筒につき2本ずつついています。
自動車エンジンでは、ホンダのフィットが初めてこの2本プラグを採用し、
省燃費に成功したのは知ってた?
ただ混合比を薄くすると、排気ガス中のNOx(窒素酸化化合物)が増える
ので、現在ではリーンバーンエンジンはほとんど採用されていませんね。
馬力向上一本で開発に専念できた戦前の技術者たちは、幸せだったかも。
66 :
名無し三等兵 :2009/09/24(木) 08:54:10 ID:???
>>65 >自動車エンジンでは、ホンダのフィットが初めてこの2本プラグを採用し
ネタにマジレス(ryという風潮があるからネタかもしれないので放置
するべきか迷ったが一応マジレス。
自動車やバイク用エンジンに一気筒あたりのプラグを二本にする技術は昔からある。
例:アルファロメオ ツインスパーク
元々大昔のグランプリレーサーからきた技術で燃焼効率を高めるための手段。
気筒内での燃焼の伝播の解析が進んで廃れていった。
ホンダはその古い技術を引っ張り出したにすぎない。
航空機用エンジンでは失火を防ぐための安全が主目的。
67 :
GF長官 :2009/09/24(木) 20:50:40 ID:???
>>66 そ、そうだったのか・・・orz
実は以前に知人から聞いた話を思い出しながら書いたのですが、
とんだ恥をかくところでした(もう手遅れか?)
やはり、自分で調べないといけないですね。
今度知人に抗議しときます。
有難うございました。これからも宜しくです。
68 :
GF長官 :2009/09/24(木) 21:20:24 ID:???
>>65 の続き
続いては、栄発動機の信頼性について。
「当初、栄は新しい発動機であるためにトラブルが続出したが、それを克服。
その安定した性能と信頼性、燃料消費率の低さは、零戦の機体の軽量さと
マッチし、まさに零戦を世界的傑作機とする”原動力”となった」
(『ミリタリークラシックス』Vol.1)
実戦において兵器の信頼性は特に重要で、少々酷使しても壊れないという
のは、前線にとって何よりも有難いこと。
せっかくの高性能兵器も故障続きで”宝の持ち腐れ”というのは、往々にして
見られます。液冷の飛燕とか、クルスクでのパンターとか・・・
69 :
GF長官 :2009/09/24(木) 21:22:40 ID:???
>>68 の続き
「ともかく栄は1000馬力級の航空機エンジンとしては、その設計に無理も無駄も
なく、ほとんど故障らしい故障も起こさないという優れた稼働性を誇った。
実際に6〜7時間の洋上飛行をこなす抜群の信頼性を確保出来たのも、栄なら
ではだった」 (『3DCGシリーズ(36)零戦』)
艦上戦闘機にとって、発動機の信頼性は更に重要度を増す。
陸上機ならば、最悪故障して不時着しても歩いて基地まで帰ることが出来る。
もちろん、敵地なら捕虜になる恐れもありますが。
例えば、独空軍のスーパーエースたちの撃墜数は群を抜いているが、その
被撃墜数も半端じゃない。ルーデル閣下なんか30回ですからね。なんで
死なないんだよ。
対して洋上では、仮に故障(被弾)→脱出→パラシュート降下で無事だったと
しても、陸上の場合よりも生還は遥かに困難。飛行艇などで救出する手段は
ありますけれども、運が悪ければサメのエサなんてことも・・・
搭乗員にとって、発動機に信頼をおけなければ、思い切って洋上には出られ
ないですよね。
70 :
GF長官 :2009/09/24(木) 21:23:56 ID:???
>>69 の続き
前スレでは、F4Fのエンジンを絶賛しましたが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/764 特に初期は「2段2速過給器付き」という構造上故障(主に過給器の冷却不足)
が多く、間に合わせ対策として、1段2速過給器付きエンジン(R−1830−90)
に戻した「F4F−3A」を生産している。
「F4F−3Aのエンジンは1段2速過給器のR−1830−90(1200hp)で、
当然高高度性能などに劣るが、逆に信頼度は高く、実戦ではさほど問題は
なかった」 (『世界の傑作機(68)グラマンF4Fワイルドキャット』)
ただF4F−4移行(ミッドウェー海戦)時には問題は解決され、充分に実用化
出来たのは、さすがは米国と言わねばなりませんね。
71 :
名無し三等兵 :2009/09/25(金) 17:25:16 ID:???
>>69 あきらめが肝心とばかりに自爆するからね・・・
72 :
名無し三等兵 :2009/09/25(金) 18:54:37 ID:???
パパブッシュは生還
73 :
名無し三等兵 :2009/09/25(金) 22:32:23 ID:???
>>71 いいか、これがプロペラだ、廻ることによって飛ぶ。
もしエンジンが止まれば、大いに驚愕し〜(百式司偵のお話)
いいか!エンジンが動いている間は飛べ!プロペラが止まっても回してでも飛べ!
生きる事を捨てるな!(母艦航空隊の零戦パイロット隊長の…)
松本零士はいいマンガを描いていた、 昔はw
74 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 08:10:43 ID:???
75 :
74 :2009/09/26(土) 08:12:16 ID:???
間違えたw 戦場漫画シリーズ、ザ・コクピットだったw
76 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 09:29:12 ID:???
松本御大の描くF6Fには胴体のラインが明らかにF4Fになっているものがある 実機の資料が少なかった時代にレベルのキットを参考にしたのだろう
77 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 15:32:13 ID:???
みんなそうだった気がするから気にするな! 「そっちは六人、こっちは一人気にするな! ドーン」(戦場マンガシリーズ 零戦と一式陸攻)
78 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 15:47:51 ID:???
後部銃座で自機の尾翼を撃ち抜くんだな
79 :
GF長官 :2009/09/26(土) 17:34:10 ID:???
>>71 落下傘を装着せずに出撃していたという話も聞きますし。
これじゃ、ただの「小便吸収機能付き座布団」(多い日も安心♪)ですな。
>>72 米大統領って、ほとんど軍人出身ですよね。
先の大統領選でも、共和党のマケイン候補が自らのベトナム従軍を誇りとし、
「軍歴のない」オバマ候補を攻撃する材料としていた。
軍人=愛国心が強い=国の指導者にふさわしい、というのが常識なんでしょうな。
ここは我が国も「田母神新党」結成を! あの人の国会論戦はぜひ見てみたいw
>>73 同意。
>松本零士はいいマンガを描いていた、 昔はw
過去形なのが悲しいですね・・・
80 :
GF長官 :2009/09/26(土) 17:39:22 ID:???
今週の新刊情報は、もちこんこれ! 『日本陸海軍機大百科』(アシェット) 近所の本屋に山積みされていますしたが、立ち読みしたところによると、 デアゴの『週刊戦艦大和をつくる』などと、構成は同じですね。 創刊号は零戦21型。着艦フックや翼端折りたたみ機構の図解があった。 次号は疾風の予定。 執筆・監修は野原茂氏らしいので、「一式陸攻」の回が楽しみだ。 それにしても、冊子が立ち読みできるようになっていたが、大丈夫なのか? あと、CMの「創刊号は零戦21型(にじゅういちがた)」。誰か早く指摘しろよ。
81 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 18:06:33 ID:???
>>78 ケツが寒い!早く帰ろう!オレのケツが死ぬ!(百式司偵)
82 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 18:22:27 ID:???
>>79 彼等の軍暦は一市民の一兵卒からの部類からじゃないですよ。
兵卒たたき上げは何名いるか確認あれ長官。
殆どがアナポリスかウエスト出身の士官様でアイクは完璧に職業軍人。
誤解を招きますぜ。
前線出せと大学休学してナムにいって軍当局者が「あんたは後方」と言っても聞かず
じゃあ、一回出てみ?と出たら、前線の兵士は大変だったそうだ
ウイリアム一等兵(ブルーメット徴兵組)「あんた何で大学のエリートなのにこんな所に来る?」
ライズマン一等軍曹(ベテラン)「ジャマなインテリだなあ」
小隊長「いや、上からの命令でな?お客様待遇で」
で、全く役に立たなかったそうだ。
>過去形なのが悲しいですね・・・
奴は今やハーロックが忌み嫌う体制のブタになったのさ。
草鹿「喩え明日のない国としても、やはり守って〜戦うのだ〜命を捨ててオレは生きるー」
南雲「あんさん、死どらんやん!」
草鹿「いや、私は共に長官の名誉回復の為戦後奮戦敢闘いたしましたー」
南雲「で、少しは変わったかね?ワシの生き様戦い様逝き様?」
草鹿「はっ!残念ながら余り評価は…しかし、ぱんつじゃないもん!では赤城艦長として見事な役を!」
南雲「ぱんつじゃないもん?我が帝國はメリケンの文化的征服に堕ちたのか…ううう」
草鹿「いえ、逆であります!今や日本帝國のアクメ…いやアヌメは世界を圧倒し、
他国の追従を許さぬ絶対無敵の文化となっております」
南雲「なにやら楽しそうなふんいき(←何故か変換ry)じゃな、どれ冥界TVでやっておるかね?」
草鹿「こんな事もあろうかと、BDで焼いておきました!ぽちっとな」
83 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:28:40 ID:???
>>70 の続き
最後に、艦上戦闘機にとって欠かせないのは、主翼折りたたみ機構ですね。
戦闘機のみならず、艦上機全てに共通する。
目的は「搭載機数の増加」。
格納庫の拡張が容易な陸上基地とは異なり、艦内という限られた空間を有効に
活用するには、これまた重要になる。
84 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:30:35 ID:???
>>83 の続き
さて零戦はというと、翼端から50cmのところで上方に折りたたむ構造。
50cmというのは何とも中途半端ですが、これは当時の空母エレベーターの
大きさによるもの。
各空母のエレベーター寸法(『空母入門』佐藤和正/著より)
前 中 後
赤城 13×11.8 13×11.8 12.8×8.4
飛龍 16×11.5 12×11.5 10×11・8
翔鶴 13×16 13×12 13×12 (単位はメートル)
85 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:31:34 ID:???
86 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 18:32:22 ID:???
南雲「ふむ、わくわくするのぅ」 夢に向かって 一歩ずつ歩こう〜♪ わたしにできること〜♪あなたにも伝えたい〜♪あきらめないで 翼広げて〜♪ 〜♪さあ とぼうよ あしたのために 南雲「草鹿?これでいいのか?」 草鹿「これでいいのだ」 南雲「……赤城のこの辺がまちがっちょるな、ああ、確かに似ておる」 以下略
87 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:32:59 ID:???
>>85 の続き
以上のように、零戦の折りたたみ機構は「搭載機数の増加」を目的としたもの
ではないことが分かります。
その証拠に、翼幅が11mとなった32型以降は折りたたみ機構は廃止されて
いる(22型で復活しましたが)
その理由は、やはり機体軽量化の阻害となるからでしょう。
空戦能力や航続力に影響することは出来るだけ避けたいという思想か。
また用兵側からすると、空母の打撃力増強のためには、艦戦よりもむしろ、
艦爆・艦攻を増やしたいという考えだったのではなかろうか。
(参考) 展張時 折畳時
九九艦爆 14.36m 10.93m
九七艦攻 15.52m 7.5m
88 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 18:35:46 ID:???
>>85 ようつべと言う方法も…
>>87 実際32型は南太平洋海戦時の瑞鶴に一部搭載されていた模様ですよ<古参零戦乗りのサイトの説明による
89 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:37:22 ID:???
90 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:38:53 ID:???
>>89 の続き
これを考えた設計者は素晴らしいですね!
強度は大丈夫なんだろうか等色々心配ですが、米国だから間違いないのでしょう。
このおかげで、F4F−4の運動性能は低下したものの、搭載機数は1.5倍に増加した。
(18→27機 ミッドウェー海戦時)
「米海軍は珊瑚海海戦の戦訓に鑑み、直衛機の数を増やしたが、日本海軍は何らの
対策も講じなかった」との非難は、よく見られますが、このあたりの事情も考慮したい。
それに、F4Fは胴体脚という構造上、主翼設計の自由度が大きいという利点もあるので。
91 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:40:02 ID:???
>>90 の続き
では、あえて主翼折りたたみ機構に頼らない、搭載機数の増加方法をさぐって
みると、それは「露天繋止」となりますね。
米空母ではお馴染みですが、具体的な運用方法を知りたいところ。
(機体の保護(塩害対策)とか、緊急発進時の邪魔とならないか等)
日本海軍も全く採用していなかったわけではありませんが、機体部品の耐久性や
台風の多い気候を考えると、「常用」は難しいかな。
詳しい方がありましたら、よろしく→
余談ですが、以前あった「南太平洋海戦スレ」では、露天繋止厨が大暴れして
スレが終わってしまったのが笑えた。
92 :
GF長官 :2009/09/26(土) 18:58:57 ID:???
93 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 20:30:29 ID:???
>>92 見てみます>にこ
つうか、折り畳みの技術は日本が今や上だというのに(人工衛星の格納やパネルの折り畳み
何が足りなかったんだろうとたまに思います。
94 :
名無し三等兵 :2009/09/26(土) 20:45:42 ID:???
何、この超お宝映像
95 :
名無し三等兵 :2009/09/27(日) 01:27:47 ID:???
>>80 全くだ。帝国海軍を愚弄するにも程がある。
正しく「ふたじゅういちがた」と発音するべきだな。
96 :
名無し三等兵 :2009/09/27(日) 08:24:13 ID:???
>>91 「戦時艦船飛行機搭載基準」には
・補用機ハ常用機数ノ1/3ヲ標準トシ成可ク之ヲ搭載スルモノトス
・格納庫ヘ搭載不能ノ常用機は甲板繋止トス
という一定の基準が存在する(補用機は全て艦に積むわけではない)
ミッドウェー作戦時に島占領後の防空目的で乗せていた
六空の零戦もこの基準に則り各艦の搭載余力を生かす形で搭載。
また大鳳型(改大鳳型含む)では早い段階から戦時の露天繋止で
格納庫搭載機数の不足を補う格好をとることになっていた。
>緊急発進時の邪魔とならないか
露天繋止の場合はむしろ着艦時の支障にならないようにすることが肝要なワケで
このため前部エレベータより前の「収容区域」に収まる程度の機数を露天繋止することになる。
(着艦作業を行う時以外は艦中央や後方に移動させておけば済む)
97 :
名無し三等兵 :2009/09/27(日) 08:43:52 ID:???
>>93 諸々の事情があるからね… >折り畳み
実際艦攻や各種水上偵察機は一貫して折り畳み機構を採用してるが
彗星、彩雲では機体を極力切り詰めることからも採用せず、
艦戦も零戦21型、22型では採用したものの次の烈風では
機体が大型化しても強度や工作上の問題から試作段階で折り畳み機構廃止。
(もっとも艦戦として採用されることはなかったが…)
一方潜水艦搭載機という特殊事情が生んだとはいえ晴嵐は米軍機に似た
「後ろにひねって畳む」機構を採用した。
98 :
名無し三等兵 :2009/09/27(日) 19:16:55 ID:???
米軍機は露天繋止でも始動一発だからな
99 :
名無し三等兵 :2009/09/28(月) 19:10:17 ID:???
栗田だな
101 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:21:30 ID:???
>>94 元動画は『日本海軍艦艇集』(上・下巻)
記録映像モノはいい加減なものが多いですが、正確に検証された映像資料
としては貴重ではないかと。
>>95 あれ、「twenty-one」じゃなかったっけ?
ちなみに読み方は「トゥウェンティワン」ではなく、「トゥウェニィワン」です。
うちの会社に来ている英会話の先生によると、語頭の「t」以外は発音しないと、
英語らしく聞こえるようです。
例えば、waterは「ウォーター」ではなく「ワラ」。
ということで、国連で「トゥウェンティ・ファイブ・パーセント」などと演説した
某首相は日本の恥さらし決定!
102 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:23:17 ID:???
しかし、新政権の迷走っぷりは予想の斜め上ですなぁ。 それにも増して、マスゴミの盛り上げっぷりが異常。 ユキオ・バラクって、ロン・ヤスのパクリかよw 懸案先送りで何の成果だ? 例の25%削減公約も、世論調査では高く支持されるんでしょうな。 ちょうど国際連盟脱退演説で帰国した松岡外相を拍手で迎えた当時の国民を 見るようで、そら恐ろしい。 とりあえず、民主党に投票した輩は責任とれよな。 即刻エコカーに買い替えるべき。 エコ家電も揃えろ。俺の分の環境税も納めろ。 エアコン使うな。つーか、息すんなw 「ドラ○も〜ん、お願いだから”しずかちゃん”を黙らせて。銀行株が下げ止らないよ」 「ごめんよ、のび○くん。ボクの道具を使っても無理みたいだ」 ラ〜メチャンタラ、ギッチョンチョンで、パイのパイのパイ パリコとパナナでフライフライフライ \(^o^)/ 日本オワタ
103 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:23:57 ID:???
>>96 有難うございます。早いですね。
>露天繋止の場合はむしろ着艦時の支障にならないようにすることが肝要なワケで
なるほど、言われてみれば・・・
よく甲板後部に繋止している写真を見かけるので。
>>97 そうでした。
>晴嵐は米軍機に似た 「後ろにひねって畳む」機構を採用した。
日本海軍の潜水艦艦載機にかける情熱はすごいですよね。
それにしても、浮上から射出まで4分とはすごいな。
>>98 え・・・暖機も不要?
104 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:47:36 ID:???
>>91 の続き
零戦の諸元比較は、ひとまずこれまでとして、ここからは実際の運用を見ていきます。
艦上戦闘機乗りには、どのような能力が要求されるのか。
まずはこれ、洋上航法です。
個人的な妄想ですが、独空軍のスーパーエースたち、ハルトマンやマルセイユ、
ルーデル閣下ならば、空母の発着艦は案外難なくこなしてしまうのではないかと。
しかし、洋上航法は無理でしょうね。
往復2000km以上の洋上飛行なんて、欧州戦線とは次元が異なる。
太平洋戦線においては、洋上航法は必修科目。
どれだけ機体の扱いがうまくても、百発百中の偏差射撃の腕の持ち主でも、航法
が出来なければ、母艦直衛専門要員というオチでしょう。いや、それでもマシな方で
内地で教官かな。
105 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:49:34 ID:???
>>104 の続き
艦爆・艦攻には専門の航法員が搭乗するが、単座戦闘機では全部一人でこなさ
なければならない。
通常、零戦は艦攻や陸攻等の誘導に従って進撃しますが、あくまでも原則であり、
激しい空母戦闘でははぐれることも出てくる。状況によっては空中集合に間に合わ
ないかもしれない。
そうなれば、単機で帰投することになる。
一応、無線帰投装置(クルシー)はあるが、正確な航法が出来た上での補助装置
と言えるでしょう。
これは単座機に限ったことではなく、艦攻・艦爆乗りだって「航法員が居るから
大丈夫」と安心はしておれない。
例えば南太平洋海戦では、隼鷹艦爆隊員・中岫正彦飛曹長は、戦闘により後席
の偵察員が機上戦死したため、自ら航法を行い、なんとか帰還できたという話も
残っています。
とにかく空母勤務志望の学生諸君、洋上航法は必須だぞ!
106 :
GF長官 :2009/09/28(月) 21:50:51 ID:???
>>105 の続き
超人集団ともいえる、真珠湾攻撃時の母艦搭乗員ですが、
『聞き書き日本海軍史』(戸高一成/著)に出てくる、藤田怡与蔵氏によると、
零戦隊では開戦前に、航法訓練を徹底して行ったようです。
その内容は、佐伯基地(大分)から東方へ単機で150浬進出し、反転して戻る。
こう聞くと簡単そうですが、気象条件等が刻々と変化するため、搭乗員たちは
真剣そのものだったとか。
帰路に機位を失い、ようやく陸地が見えたのでやれやれと思って着陸したら、
鹿屋基地(鹿児島)だったという笑い話?まであったらしい。
開戦前の猛訓練というと、『トラトラトラ』に出てくる、錦江湾での低空雷撃訓練
が有名ですが、これらの航法訓練もまた、真珠湾奇襲成功の大きな要因の
一つと言えますね。
ルーデル閣下も海の上ではダメかもしれん。空母の発着艦は難なくこなすだろう。 彼が活躍するとすれば、ソロモンでしょう。 ブインかバラレあたりなら(ムンダはキツいでしょう住条件)、 餓島までそう遠い距離ではないと思うし、活躍も出来たかも(欧州戦線に比べたらまだ相当遠いけど) 餓島ルンガ沖やニュージョージア付近で、意味不明の米軍水上小艦艇の被害増大。
ルーデルなら墜落してもバタフライで帰ってくるでしょう
109 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:06:14 ID:???
>>107 ですよねー
>餓島ルンガ沖やニュージョージア付近で、意味不明の米軍水上小艦艇の被害増大。
坂井三郎氏くらいなら、「超人」レベルに相当するだろうが、ルーデル閣下
となると、「人類」に含めて良いのかどうか、検討の余地がありそうだ。
>>108 その手があったかw
義足が外れないか、ちょっと心配。
そして、残されたガーデルマンはサメのエサに・・・<完>
110 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:36:09 ID:???
>>106 の続き
坂井三郎氏も、航法の重要さを指摘しています。
「片道攻撃距離が180浬から200浬で、日華事変の初期から中期にかけて
九州の大村から上海までの片道飛行でさえ成し得なかった九六戦に比べて、
零戦の進出距離は一挙に三倍近く増大した今日では、もう以前のように空中戦
と射撃だけに重点をおいた訓練だけでは、何の役にも立たなくなってきたようだ」
(『続・大空のサムライ』)
111 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:37:42 ID:???
>>110 の続き
ところが航法訓練といっても、そう簡単に出来るものではない。
「これからは、航法用具を持たない単座戦闘機独自の長距離航法を、我々は
開発し研究しなければならない。ところが、1回20分や30分でできる空戦や
射撃訓練と違って、大変な時間と費用がかかる。そのために日常の訓練では
これを行うことはまず不可能である」
先に紹介した訓練(
>>106 )も、実際に行うとなると一日がかりになるし、それだけ
燃料も消費する。不時着機体が出れば捜索救助にこれまた手間ひまがかかる。
とても「毎日やる」というわけにはいきませんよね。
112 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:39:20 ID:???
>>111 の続き
同時に文中にもある通り、零戦は単座機であるため、艦攻の偵察員と同じ方法で
行っていては間に合わない。航法に集中するあまり、操縦や見張がおろそかに
なっては意味がないですから。
そこで、独自の航法を色々編み出したようです。
○断雲の形によって上空の空気の動きを知る
○海上の波の様子・波紋の方向から風向風速を推測する
○水平直線飛行時の自分の操縦の癖を発見し、針路修正に役立てる
○搭乗機特有の舵や、コンパス誤差等を予め知っておく
中でも、坂井氏は航空図に合わせて距離計算尺を用意し、重宝していたとか。
113 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:40:46 ID:???
>>112 の続き
他には、こういう荒っぽい訓練もありました。
『実録太平洋戦争』には「ダーウィン上空のゼロ戦」という章がありますが、
「昭和18年といえば各地で連合国軍の反攻に押され、特に緒戦の勝利の
原動力であったゼロ戦の優越性がゆらぎ始めた時期である。
こうした中で、無敵ゼロ戦の神話を守り続け、完勝の記録を崩さなかった
珍しい戦場が一つあった。北豪ポートダーウィン上空における戦闘である」
(註)昭和17年2月の南雲機動部隊によるポートダーウィン空襲ではない。
詳細は割愛しますが、3月3日から9月7日までの計9回の戦闘において、
豪空軍スピットファイアの損害が39機だったのに対し、日本側は零戦2、
陸攻2のみ。
「ZEROとドッグファイトに入るのは賢明ではない」(コールドウェル中佐)
わっはっは、どーよ!
114 :
GF長官 :2009/09/29(火) 21:42:34 ID:???
>>113 の続き
この時の零戦隊は母艦部隊ではなく、二十三航戦(ケンダリー)所属の二○二空
(司令・岡村基春大佐)でしたが、その訓練は破天荒なもので、
「昭和18年4月に二○二空飛行隊長として赴任した鈴木実少佐は、大編隊空戦法
の徹底的な訓練を行った。また海上航法の練度を上げるため、たとえば330km
離れたケンダリーとマカッサル両基地から、零戦20機ずつを同時に発進させ、
中間点の高度8千m上空で会合して空戦に入るという、甚だ高度の技法を要する
演習を実施したりした」
すごいですねぇ。会敵するだけでも一苦労だ。
燃料を気にせず思う存分訓練出来るという環境がうらやましいですなぁ。
115 :
GF長官 :2009/09/30(水) 21:45:30 ID:???
サモアで地震があったようです。
改めて地図で確認すると遠いですねぇ。ざっと7000kmか。
こんなところを攻略しようなんて、よく考えたもんだ。
>>114 の続き
対する米海軍の航法は。
あまり資料がないので何とも言えませんが、『ワイルドキャットエース』の「訓練」
の章でも、空戦や射撃訓練の記述はあるが、航法についてはないので、それほど
重視されていなかったのかもしれない。
ただ事実として、珊瑚海海戦ではレキシントン攻撃隊の一部が、MO機動部隊を
発見できずに帰投しているし、ミッドウェーではホーネット艦爆隊が、あさっての
方向へ飛んで行き、ミッドウェー島付近に不時着している。更には、日本機と誤認
されて対空砲火を浴びるというオチまで。
116 :
GF長官 :2009/09/30(水) 21:46:38 ID:???
>>115 の続き
これは、分散進撃や悪天候等の理由も考えられるが、どうも米空母機は無線に
頼り過ぎている気がしますね。
同じくミッドウェーでは、エンタープライズの雷撃隊が壊滅的被害を受けている間
ずっと、本来ならその護衛につくべき同戦闘機隊は、高度2万フィート(6100m)
で旋回中であり、「無線で呼びかけても応答がなく、燃料が尽きたから帰投した」
って、軍法会議ものじゃないのか?
以前にも指摘しましたが、南雲機動部隊の場合(南太平洋海戦まで)、攻撃隊が
発進して会敵できなかったのは、第二次ソロモン海戦の第二次攻撃隊だけ。
これは日本側の航法の優秀さを示すものと言って良いかと思います。
117 :
GF長官 :2009/09/30(水) 21:48:18 ID:???
>>116 の続き
では、本題に入っていきましょう。
艦上戦闘機の任務とは何かと尋ぬれば、それは制空(直掩)と防空ですね。
制空とは、攻撃隊に先立って、敵艦隊上空の制空権を確保すること。
直掩とは、味方艦爆・艦攻を護衛し、その攻撃を容易ならしめること。
防空とは、母艦上空において敵機の攻撃を阻止し、撃退すること。
当然、相手側も同じことを考えていますから、艦上戦闘機同士の戦闘は
避けられない。ということで、零戦 VS F4F
どちらが、その任務を果たし得た優秀機と言えるのでしょうか。
VF−10が燃料ギリギリで南雲機動部隊上空に達したとき攻撃してたのはVT−8
訂正 VF−10→VF−6
無線電話機がちゃんと機能してればと悔やまれるですなあ。 洋上航法は出来る、しかし攻撃時の合図が発光弾とか手振りでは…… もうちょっと無線機がちゃんとしてれば、不当な損害を受けることもなかったと悔やまれる。 日本海軍航空隊のネックは装備というより、情報、兵站、設営、電子機器の不如意にあったと思う
121 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:11:30 ID:???
>>118 有難うございます。
>>116 は『歴史群像』によりました。
同書によると、VF−6の戦場離脱は、0630時と0702時の説があり、
前者ならば、VT−6の護衛は物理的に不可能になりますね。
・・・って、どっちにしろダメじゃんw やはり軍法会議ものだな。
122 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:13:23 ID:???
>>120 そうですね。
>無線電話機がちゃんと機能してればと悔やまれるですなあ
特に防空戦闘においては、母艦との緊密な連携が不可欠だと思います。
123 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:18:16 ID:???
>>117 の続き
よく零戦に関する評価で、
「一撃離脱が主流の当時に、格闘戦至上主義はもはや時代遅れ」
というものがありますが、本職は否定的です。
映画『大空のサムライ』の中に、このような戦法が出てくる。
@敵編隊が接近
A上空で甲部隊が待ち伏せ、優位優速より奇襲をかける
B敵機は急降下して離脱を図る
C低空では乙部隊が待ち構えており、降下してきた敵機を攻撃する
こうなれば、格闘戦にならざるを得ない。
低高度での巴戦となれば零戦に死角はない。
124 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:25:01 ID:???
>>123 の続き
[図解]
甲部隊
▼A
┗┓
┗┓
┗┓
┗┓
V @
<────────△敵編隊
┌┘
┌┘B
V
∧
┏┛
┏┛
▲C
乙部隊
125 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:35:28 ID:???
>>124 の続き
ただし、上記の戦法を実現するには、
「敵に倍する兵力」「良好な通信設備」「両部隊の緊密な連携を可能にする訓練」等
が必要になるが、いずれも日本海軍は満足させることが出来なかった。
結局、一撃離脱か格闘戦かで、単純に有利・不利が決まるできるものではなく、
自機が得意とする土俵へ相手を引き込めるかが重要になってきます。
もちろん相手側も同じことを考えていますから、思い通りにはいかないでしょうが。
126 :
GF長官 :2009/10/01(木) 21:37:12 ID:???
>>125 の続き
そもそも、制空と防空が任務である艦上戦闘機は乱戦におちいりやすく、
一撃離脱よりも、むしろ格闘戦に強いということは利点になりこそすれ、
悲観する必要はない。
だいたい防空戦闘で一撃離脱なんかやっていたら、離脱している間に
母艦がやられてしまうじゃないかw
直衛機は攻撃→反転→攻撃と、反復攻撃を繰り返さなければ、とても
その任務を果たすことは出来ない。
有名なサッチウィーブにしても、単機格闘戦ではかなわない零戦に対して、
二機編隊で挑むという、米海軍式巴戦の亜流と言えるのではないかと思います。
珊瑚海海戦にも出撃してる岩本さんの手記(零戦撃墜王)を読んだ。 彼の上空直衛・零戦中隊は、優位な高空(空母上空)7500mに位置して、 敵攻撃機編隊を待ち構えた。 一方、翔鶴の直衛・零戦は、4000m付近で待ち構えた模様。 さて、この両グループが護る日本空母の運命や如何に? ある意味、一撃離脱メインの戦術と、格闘戦メインの戦術と、どちらが効果的なのか、 を、同一機種・零戦でケーススタディする、いい素材だと思われ。
続きは今夜!あなたにキャリアークラフトストライク!
129 :
GF長官 :2009/10/02(金) 22:05:01 ID:???
>>127 そうですね。
>ある意味、一撃離脱メインの戦術と、格闘戦メインの戦術と、どちらが効果的なのか
虎徹さんといえば一撃離脱で有名ですからね。
一応補足しておきますと、
>>126 で記述した「一撃離脱」とは、
敵機を発見→急降下で攻撃→そのまま離脱→敵戦闘機を十分引き離してから再度上昇
という定義ですので。
母艦上空でこれをやっていては、とても間に合わないという意味です。
『零戦撃墜王』の中でも、
「私たち戦闘機隊は、目に入る限りの敵機に食いついて行き、バタバタと落としたが、
喉もからからになって、何機落としたか、それもわからない状況にあった」
防空戦闘においては、必然的にこうならざるを得ず、その際に「格闘・旋回性能」は
大きな武器になるというのが、趣旨であります。
>>128 ま、前スレでも言いましたが、この「零戦最強伝説の章」は本職の趣味です
ので。艦上戦闘機や空母決戦とからめるようにしていますが、本編の流れから脱線
しないかどうかは、全くもって自信がない。
130 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:05:42 ID:???
>>126 の続き
零戦の驚異的な旋回性能は、敵味方の区別なく認めるところであり、
「ZEROを相手に、単機格闘戦は行わない」
というのが、不文律になっていたのではないかと。
>>113 のコールドウェル中佐も証言している通り、
欧州戦線では一撃離脱のBf109に対し、その旋回性能で対抗したスピットも
零戦に対しては、路線変更せざるを得なかったのが、その象徴と言える。
代表例がこちら。
坂井三郎空戦記
http://www.youtube.com/watch?v=vPqWR7AzCFY 動画の[4:20]〜
単機巴戦なんて、古き良き時代を思い出すようで胸が熱くなります。
131 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:06:58 ID:???
>>130 の続き
原作である『大空のサムライ』では、
「しばらくは、お互い正反対に位置しながら、左垂直旋回で単機巴戦に入った。
お互いに操縦桿を一杯に引っ張って、自分の首の骨を折れるほど後ろに折り
まげて、その仰向いた顔の上瞼ぎりぎりのところに敵機を捕まえていなければ
ならない。
この状態を何十秒も長く続けることはひどい苦痛だ。心臓の圧力が荷重に負け
て、血液が下に流れ、両足がふくれてくるのだ。しかし敵も同じように苦しいのだ。
私は頑張った。五旋回目のときだった。
今までチラチラと上瞼の端に見えていた敵が、急にすーっと前へのめってきた。
−しめた、われ勝てり!」
132 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:11:25 ID:???
>>131 の続き
ここは、サブロー・サカイ相手に五旋回まで耐えたサザーランド大尉に拍手を
送りましょう。
本職が、この『大空のサムライ』を青少年向けの課題図書として推薦するのも、
ここに理由があります。
初めて読んだのは高校生の時だったか?長い戦記を読み終え、「あとがき」に
入った時のあの感動!一つのことをきわめるには、これほどまでに努力と精進
修練が必要なのかと、嘆息したものであります。
『海上護衛戦』のような”血湧き肉踊らざる戦記”が好みの本職ではありますが、
理屈抜きに楽しめるというのも良いですよねぇ。
133 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:13:52 ID:???
>>132 の続き
更に熟練搭乗員たちには「とっておき」があり、その名も「左ひねり込み」
「左ひねり込みとは、零戦の特性を最大限に活かした左斜め宙返りを打つ技で
格闘戦に用いる技のこと。敵機の後ろにつかれても、出来るだけ旋回半径を
小さくした独自の宙返りで、二旋三旋するあいだに敵機の後ろへピッタリとつける
ことができる空戦テクニックなのです」 (『坂井三郎の零戦操縦』世良光弘/著)
日本機の発動機のプロペラシャフト回転方向は右回り(操縦席から見て時計回り)
なので、作用・反作用の法則から機体が左へロールしようとする。
零戦にとって左旋回は得意とする機動なのです。
アリューシャン作戦で捕獲した零戦のテストを担当した米海軍のメルビン・ホフマン
大尉は、「ZEROは高速時、左方向に限り、他のいかなる戦闘機よりも速くロール
する性能を持っていた」と分析している。
134 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:14:55 ID:???
>>133 の続き
具体的な操縦方法は、
@増速して操縦桿を引く
A左のフットバーを踏みながら、左斜め宙返りをする
B頂点に達した時、右のフットバーを踏む(蹴る)
C操縦桿を右に倒すと、機体は左方向に横すべりする
D失速寸前になったところで、スロットルを30%ふかす
E再び左のフットバーを踏む
F操縦桿を引いて、機体を引き起こす
『ジパング』18巻では絵付きで御覧になれます。機会があったら試してみてね!
135 :
GF長官 :2009/10/02(金) 23:16:50 ID:???
>>134 の続き
ただ、あくまでも「とっておき」ですので、そういう状況とは、かなり切羽詰った
時ということになる。
坂井氏自身も「実戦では使わなかったし、また使わなければならない状況に
陥らなかった」と述べています。
それにしても、この「左ひねり込み」というネーミング。
いかにも必殺技っぽいですよね。少年漫画には恰好の題材。
使う時は、恥ずかしくても大声で叫びながら行って下さいw
ただでさえ”巴戦無双”の零戦に、ひねり込みまで使われたら「鬼に金棒」
格闘戦至上主義万歳!
ドモン「ひだぁり!ひねりこーみぃぃぃぃぃーっ!」
翔鶴や隼鷹には、1942年5〜6月の時点で、21号電探が装備されている。 珊瑚海海戦で、岩本氏が「敵は高度5000mないし6000mで来襲する算大なり」という 母艦からの連絡を受けて、高度7500mの優位をとった事実もある。 さて、ミッドウェーで、翔鶴が参加不能に陥った際、 電探装備の艦艇を、1AFに配置するように調整しなかった、軍令部なりGF黒島なりは、 なんだったのだろうな、と思う。 25ノットしか速力は出せないというネックはあるものの、伊勢には試験用の電探が装備。 その伊勢は山本五十六率いる主力部隊の警戒部隊の中。 例えば、IFとして、飛龍か蒼龍の搭載機・搭乗員を、瑞鶴に臨時に移し、 更に突貫工事で、日向・伊勢か隼鷹に搭載した21号電探を瑞鶴に移設して、 飛龍か蒼龍の変わりにミッドウェーに参加していたら、というものがある。 特に5月に第五砲塔の爆発事故の改修工事で、日向に22号電探を短期間に設置できたのだから、 21号電探を、翔鶴の同型の瑞鶴に移設することは、不可能ではないハズ。 日向・伊勢・隼鷹のどちらかを1AFに配備させていれば、というIFに関しては、 両方とも25ノット艦だから、作戦行動上不利があるが、 特設給油船の速力はたかが知れているし(20ノット弱?)し、無理筋ではなかっただろう。 42年5月25日のGF・1AF最終打ち合わせで、GF長官は以下の訓示をしたという。 「この作戦は、ミッドウェイを叩くのが主目的でなく、 そこを衝かれて顔を出した敵空母を潰すのが目的なのだ。よいか、決して本末を誤らぬように」 (半藤一利「山本五十六」) 敵空母を潰す主目的の1AFに、21号電探を渡さない黒島は何をやっているのか… 同様に、このような訓示をGF長官から直接受けていながら、 ミッドウェー本島に気を取られすぎた、1AF幹部は、どうなっているんだか…
138 :
GF長官 :2009/10/03(土) 18:22:50 ID:???
139 :
GF長官 :2009/10/03(土) 18:26:22 ID:???
>>138 だったら赤城・加賀あたりに、特急工事で移設すれば… w
珊瑚海海戦で、
「敵は高度5000mないし6000mで来襲する算大なり」
と判断するための基礎情報は、21号電探だったのか、
はたまた索敵機からの情報だったのか、気になるところではある。
電探の装着時期がビミョーなだけに。
ただ、日向で42年5月に、テストした21電探は動作不安定だったようだけど、
同時にテストした22電探@伊勢は成功判定だし、
「モノになるかどうか分からない」ではない段階だっただろう。
そもそも、8/8ニューカドレニア攻略、8/18フィジー攻略、8/21サモア攻略などなど、
更に後ろの日程が詰まっているから、
各地から挙がるミッドウェー(数週間の)延期の申し入れを断ったのだろうが、
全て1ヶ月順延(月齢とかも考慮)したら、
電探の件を含め、もうちょっと日本軍優位の戦いになった可能性はあるだろう。
ハワイ・ミッドウェー間で哨戒する日本潜水艦に、米機動部隊が発見される可能性が高くなるし、
機動部隊に空母が存在する情報が1AFに届く可能性が出てくるし…
141 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:22:55 ID:???
>>135 の続き
「あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!
俺はZEROの後ろについて射程にとらえたと思ったら、いつのまにか
奴の姿が消えて、俺は撃墜されていた。
な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか
わからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった。
催眠術とか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗をいま味わったぜ・・・」
ミッドウェーの戦闘において、零戦隊に相手に全滅したVF−6隊長
J.P.ポルナレフ少佐の言である。
(『太平洋戦争撃墜王列伝』民明書房)
そして時は動きだす・・・
142 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:24:49 ID:???
>>141 の続き
中には、こういうのも居ましたがね。
「VMF−212のハロルド・バウワー中佐は、1942年10月当時ガダルカナルの
戦闘機部隊総指揮官に任じており、”零戦を見たら格闘せよ!”との指示を出した
楽天的かつ精力的な人柄で知られている」
(『第二次大戦のワイルドキャットエース』)
とはいえ、最初から格闘戦に持ち込むのは邪道であり、敵に気づかれないように
忍び寄り、一撃で仕留めるというのが基本ですね。
「百戦百勝は善の善なるものにあらず」(『孫子』)
巴戦は追い詰められた時の最後の手段と心得ておきましょう。
制空・直掩においては、必然的に格闘戦にならざるを得ないですが、防空戦闘
では早く敵機を発見し、できるだけ母艦から離れた位置で撃破することが母艦
の安全にもつながる。
143 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:25:56 ID:???
>>142 の続き
電探や無線電話がいまひとつだった日本海軍では、各搭乗員の見張り能力に
大きな負担がかかってくる。
「一瞬でも先に敵を発見した方が優位に立てる。極意は”見張能力”そして
”先手必勝”である。敵を一秒でも早く発見することがすべてだ」
(『坂井三郎の零戦操縦』)
144 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:27:17 ID:???
>>143 の続き
坂井氏の視力については、、2.5だったとか、昼間に星を発見した等挿話に
事かきませんが、昭和17年5月27日ポートモレスビー攻撃では、
「我々は敵基地上空に侵入したが、敵機の姿は見えない。
私は、それこそ体じゅうを目にして四方八方の空をにらみまわしていた。
その時であった。緊張した私の網膜に、なにかチラッと動くものがあるのを見た。
右45度の方向、高度7千メートル、距離約1万メートル。
見たというよりは、その気配を感じた。私はもう一度、その方向をじっと見つめて
いた。すると今度はキラキラと微かに光るものを感じた。
だが、私はまだ味方の誰にも知らせなかった。というより目を離したら、その瞬間
に見失ってしまう。しばらく飛行すると、今度ははっきりと機影を視認できた」
(『大空のサムライ』)
確か岩本徹三氏も、「敵機は見るもんじゃねぇ、感じるものだ」と言っていたような。
日本海軍の搭乗員たちはバケモノか!
145 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:29:16 ID:???
>>144 の続き
それともうひとつ。見張能力向上に貢献したのが、零戦の涙滴型風防です。
当時の戦闘機の主流はファストバックタイプ(風防と胴体後部が連続しているもの)
この利点は、空力性能の向上と防弾に有利なことですが、それらを犠牲にしてまで
なぜ零戦は、バブルキャノピーを採用したのか。
「零戦以前、すなわち九六艦戦までは一部を除いて、開放式キャノピーだった。
最終型では密閉式を採用したが、その閉塞感を嫌って閉めずに飛行する例も
多かったという。しかしこれでは空力的に大きな損失になる。
そこで零戦では、密閉式でありながら開放式に劣らない開放感を得るべく、
良好な全周視界に留意したデザインとなったわけである」(『3DCG(36)零戦』)
珊瑚海海戦での戦闘をみると、
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6996510 しきりに首を動かして、後方を確認しているのが分かります。[1:56][2:53][3:16]他
空母戦においては、この視界の良さは大きな武器となりますね。
146 :
GF長官 :2009/10/03(土) 19:32:15 ID:???
>>140 一カ月も延期したら、サラトガ追加に、ヨークタウン完全復旧ですよ!
ちょっくら明日から帰省してきます。
温泉旅行だ!
次回は来週火曜日に。
それでは ノシ
我レ、コレヨリ、スレ埋メノ指揮ヲ継承ス。
>>148 ハ、可動全AAヲモッテ、スレニ萌エAAヲ貼ルベシ。
我、GF長官の指揮を代行しつつあり。
149 :
名無し三等兵 :2009/10/04(日) 01:20:44 ID:BKuhbLIm
南雲中将は、昔から論議の絶えない 提督ですが、ちなみに真珠湾攻撃のさい 第三次攻撃を意見具申した第三戦隊司令官の 三川軍一中将と比べるといかがなものでしょうか? 後に発生した第一次ソロモン海戦を戦術的圧勝に導いた提督ですよね。
史実では、、(直掩)零戦の奮戦やらで、 仮にミッドウェー基地から6/5中に再襲撃されたとしても、大したリスクじゃないところまで ミッドウェー基地の航空攻撃で一番怖い、急降下爆撃・雷撃可能な機種の主力を潰したわけだが。 ■海兵隊第221戦闘航空隊(VMF-221) F2A 21機 →13機・被撃墜、5機・再使用不能(残り4機) F4F 7機 →2機・被撃墜、5機・再使用不能(残り3機) ■海兵隊第240索敵爆撃隊(VMSB-240): ★SBD 18機 →8機・被撃墜(翌日の可動は6機) ★SB2U 16機 →4機・被撃墜(翌日の可動は6機) ■海軍航空隊 PBY 28機 ★TBF 6機 →5機・被撃墜 ■第7陸軍航空軍分遣隊 B-17 16機(高高度から水平爆撃) B-26 4機 → 2機被撃墜、2機・再使用不能(全滅) さて0415に再攻撃を決意するほど、ミッドウェーに急降下爆撃・雷撃可能な航空機が「多数」配備されている、 という判断だったのだろうか? ミッドウェー前の日本軍の見積だと、兵隊の数も航空機の数も史実よりも小さい (航空機40機前後、守備隊1500〜2000人程度だった)という話だし、 1AFの連中がこの見積を信じているなら、 比較論として、ミッドウェーの航空兵力よりは、 どこにいるか不明である、最低2隻はいるハズの米空母の航空兵力が怖いハズなのだが・・・
>>137 史実では伊勢の二一号レーダーは7月に外して
機動部隊前衛の霧島に取り付ける予定だった。
霧島はそのための改修工事を実施したけど、
ガ島戦開始後機動部隊の出動が決まった時点で、
「出動予定日までに工事が間に合わない」、
という理由から電探未装備で出動している。
これからみると、レーダーを短期間で外して
他艦に設置、というのは無理なようにも思えるけどね。
>>150 >仮にミッドウェー基地から6/5中に再襲撃されたとしても
史実では、同夕刻にSB2U他のミ島基地航空隊が、
全空母が撃破された第一機動部隊へ再攻撃を実施するも戦果無し。
再出撃がここまで遅れたのは日本側空襲で給油施設が損傷したため。
そうでなければ、飛龍がミ島基地航空隊の再攻撃を受けた可能性もあるかと。
>大したリスクじゃないところまで
それを日本側が「確認」するためには、
戦果確認で偵察機を飛ばすか、反復攻撃での敵の抵抗の有無・程度から判断するしかないかと思われます。
以下は個人的見解ですが、
そもそも防備された島嶼の攻略には、敵航空兵力及び防備陣地の制圧は必須であり、
その目的達成には一度や二度程度の空襲では不十分なことはウェーク島攻略戦の経験からも明らかなはずです。
MI作戦において「ミ島基地航空隊は奇襲で一掃出来る」とGFは判断(希望的観測)していたようですが、甘いと言わざる得ないでしょう。
しかしこのスレの住民のほとんどは長官に反論されるとだんまりだなw 少しは食い下がってみろよw
154 :
GF長官 :2009/10/06(火) 17:38:19 ID:???
>>147 断固☆阻止 >可動全AAヲモッテ、スレニ萌エAAヲ貼ルベシ
>>149 三川中将ですか・・・
第一次ソロモン海戦の「一撃離脱」は評価が分かれると思いますが、
本職は、突入前の訓示が好きです。
「帝国海軍ノ伝統タル夜戦ニ於テ、必勝ヲ期シ突入セントス
各員冷静沈着、ヨク其ノ全力ヲ尽スベシ」
これは公刊戦史の中に出てきますが、三川提督の起草なのだろうか。
Z旗にも匹敵する名訓示だと思います。
155 :
GF長官 :2009/10/06(火) 17:42:15 ID:???
>>150 有難うございます。本職としては
>>152 に同意で、
>ミッドウェー基地の航空攻撃で一番怖い、急降下爆撃・雷撃可能な機種の主力を潰したわけだが
これは結果論と言わざるを得ません。
なぜなら、南雲長官のミッドウェー島再攻撃決意は0415時。
その時点で確認されているのは、0405時からの第一波空襲、すなわち、
>■海軍航空隊 TBF 6機 →5機・被撃墜
>■第7陸軍航空軍分遣隊 B-26 4機 → 2機被撃墜、2機・再使用不能(全滅)
以上の計10機のみです。
これをもって再攻撃不要と判断するのは難しいでしょう。
むしろ、テンプレ(
>>11 Q6)にある通り、
「やはり、友永隊長の要請通り、敵基地兵力の制圧は不十分だ」との思考に
なるのが自然の流れだと思います。
156 :
GF長官 :2009/10/06(火) 17:43:35 ID:???
>>151 そうでしたか。
>レーダーを短期間で外して他艦に設置、というのは無理なようにも思えるけどね
南雲機動部隊は開戦からインド洋作戦終了まで東奔西走でしたからね。
仮に電探が実用化されていたとしても、設置する時間があったかどうか。
>>152 そうですね。
>そもそも防備された島嶼の攻略には、敵航空兵力及び防備陣地の制圧は必須であり
当初の計画(
>>5 )でも、上陸日までは繰り返し攻撃する予定だったので、
一回で完全制圧できるとは思っていなかったのではないかと。
>>153 ということは!南雲長官の采配に誤りはなかったということですね!
いよいよ、「南雲忠一名将説」が脚光を浴びる時が来たようだw
157 :
GF長官 :2009/10/06(火) 18:32:52 ID:???
只今戻りました。
今回の温泉旅行は、母の還暦祝いだったのですが、
結局母が旅費全額を出すことになり、ただの家族旅行になってしまった・・・
代わりにブランドバッグでも贈ろうかと考えています。
>>145 の続き
さて、ますます輝きを放つ零戦の格闘性能。
一対一では勝負にならないのは明らかです。
実際ソロモン戦線で撃墜されたF4Fの中から発見された指令書の中に、
「飛行中に退避して良い場合、
(1)雷雨に遭遇した時
(2)零戦に遭遇した時」
と明記してあったとか。
戦闘機でありながら、敵戦闘機と戦闘するなとは、なんとも情けない話では
ありますが、ここで登場するのが有名な「サッチ・ウィーブ」です。
158 :
GF長官 :2009/10/06(火) 18:35:31 ID:???
>>157 の続き
余談ながら、つい最近まで本職は「サッチ・ウェーブ」だと思っていました。
wave(波)のような交差機動をとるから、そう命名されたと理解していましたが、
正しくはweave(機織り)です。危ない危ない・・・
サッチとは、米海軍のジョン・スミス・サッチ少佐(VF−3隊長)
ミッドウェーでは、F4Fが6機という劣勢ながら、20機近くの直衛零戦を相手にし、
5機を撃墜したとされるつわものであります。
戦闘の詳細については後ほど触れるとして、サッチ・ウィーブが誕生するきっかけ
となったのは、アリューシャン作戦においてアクタン島に不時着した零戦(龍驤・
古賀忠義一飛曹機)を、米海軍がほぼ無傷で手にいれたことに始まる。
159 :
GF長官 :2009/10/06(火) 18:38:19 ID:???
>>158 の続き
整備され零戦は、メリーランド州アナコスチア基地で飛行特性の調査が行われた。
その結果は以下の通り(『写真太平洋戦争第3巻』より)
[結果]
(1)縦安定に関して、325km/hから429km/hの間に不安定域が存在する。
(2)着陸状態の安定は非常に良い。
(3)操縦索が伸びるらしく、操縦桿の操作角度と舵角の関係は計測されない。
(4)補助翼が非常に大きいが、355km/h以上では重くなる。
(5)全体的に非常に安定が良く、操縦の易しい機体である。
(6)一体製造なので、いかなる部分の交換にもリベット打ち設備のある設備が必要。
(7)燃料タンクは3個あるが防弾されていない。
(8)急降下性能に難点がある。
160 :
GF長官 :2009/10/06(火) 18:41:07 ID:???
>>159 の続き
更にはライトフィールド基地に移され、実戦的実験が行われた。
零戦の相手となったのは、P−51、P−38、P−39、F4F、F4U
[結論]
零戦は翼面荷重が低く、我々の現用戦闘機のいずれよりも勝る運動性を持っている。
零戦と空戦するには、まず速度を480km/h以上に保つ必要がある。
零戦に対する戦法を案出するには、次に二つの欠点に留意しなければならない。
(1)零戦は高速では補助翼が重過ぎるため、横転が遅い。
(2)零戦の発動機はマイナスG状態では、短時間しか運転が続かない。
[勧告]
零戦と戦闘するパイロットは次のことを守らなければならない。
(1)零戦と格闘戦を試みてはならない。
(2)自機が敵機の直後にある場合を除き、480km/h以下の速度で零戦と戦闘してはならない。
(3)低空で上昇に移った零戦を追尾してはならない。もしそうすると我が方は失速する危険があり、容易に攻撃される。
(4)零戦と戦闘する味方機は出来るだけ軽くし、不必要な装備は取り外す。
これらの報告をもとに生み出された「サッチ・ウィーブ」とは、どのような戦法なのでしょうか。
161 :
GF長官 :2009/10/06(火) 18:42:27 ID:???
>>160 の続き
またまた余談ながら、この「サッチ・ウィーブ」という名前も必殺技っぽいですよねぇ。
アメリカ人も、使う時は技の名前を叫ぶんだろうか。
二機編隊だから、無線を駆使して声を合わせて、
「サッチ隊長、ZEROに後ろにつかれました!」
「落ち着け、デイブ。あれを使うぞ」
「あれですね。分かりました、隊長」
「いくぞ、せーの、サッチ・ウィ〜〜〜〜ブ!」
合体でもしそうな勢いだなw
>(6)一体製造なので、いかなる部分の交換にもリベット打ち設備のある設備が必要。 実はこれがネック。 トラックに要修理機が山とあった。
>>158 サッチ・ウィーブは戦前に構想された物ですが。
第三戦闘機隊は戦前からこれの訓練をやっていたので、
ミッドウェーでもこれを使ったんですけど。
164 :
名無し三等兵 :2009/10/07(水) 00:46:37 ID:aRRtnVIO
一連のいわゆるガ島攻防戦、ソロモン海戦では 日米両軍合わせて比較して撃沈および大破の艦艇の数では どちらが損害?をうけているのでしょうか? 空母や戦艦よりも駆逐艦や潜水艦などのほうが活躍した感があるのですが。。。
>>164 日本海軍 米餓島上陸から撤退までの損害
喪失
戦艦2軽空母1重巡3軽巡2駆逐艦12潜水艦8
中破以上
空母1軽空母1 重巡2
中破以下
戦艦を除く、重巡、軽巡、水上機母艦 潜水母艦、駆逐艦 40隻前後(のべ)
喪失機 300機以上
米海軍
喪失
空母2 重巡4 軽巡2乃至3隻 駆逐艦十数隻 潜水艦は資料持ってない。
損害
大破乃至中破
戦艦1
空母2(サラトガ・エンタープライズ)
重巡2乃至3
軽巡2乃至4
駆逐艦 十数隻
喪失航空機 書庫に行く気無し。
まあ、小艦艇、PTboatも合わせたら、米海軍も多数の損害を受けてはいる。
>>156 >「南雲忠一名将説」
・・・貴官はたしか「四空母喪失の事実がある限り名将とは言えませんね(略これだけは譲れませんね」
と言ってた筈だが・・・
>>167 GF長官を擁護する気はサラサラ無いが、
君はネタやノリの区別もつかんのかね?
と釣られてみる。
では長官の罷免について動議します。 賛成の諸君は挙手を。
170 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:27:01 ID:???
>>162 トラックにはなかったのか。>リベット打ち設備のある設備
空母の格納庫内での修理って、どの程度まで出来たんでしょうかね。
>>163 有難うございます。その通りですね。
>サッチ・ウィーブは戦前に構想された物ですが
wiki等にもありますが、開戦前から編隊空戦の訓練は行われており、
ミッドウェーではそれが試されています。
ただ「サッチウィーブ」という命名は、ミッドウェーでの成功を聞いて、
ジェームズ・フラットレー少佐(エンタープライズ・VF−10隊長)が
南太平洋海戦で実施し、戦果を挙げることが出来たので、彼がその
報告書の中で、サッチ少佐考案の交差機動戦術を「サッチ・ウィーブ」と
名付けたとありますので、昨日の本編のようになりました。
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1201967334/253 確かに
>>160 のような書き方だと、「アクタン・ゼロ」のテストの結果生み
出された戦法のように聞こえますね。申し訳なかったです。
171 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:28:22 ID:???
>>164 ガ島撤退までは互角かな。
ソロモンの制海権は、昼は米軍、夜は日本軍が握っていると言われていた
そうですから。
>>165 は、早い・・・どうやって調べたんだろう・・・
>>167 まあ、一人くらい名将と唱える人があっても良いと思うんですがねぇ。
「1942年に空母戦は4度起きたが、ミッドウェーで米SBDが5分間であげた戦果の
印象があまりにも強すぎる。そのため、他の海戦は極言すれば学者の慰み物くらい
に片付けられてしまっている」 (『日本海軍空母VS米海軍空母』マーク・スティル/著)
真珠湾から南太平洋海戦まで客観的に眺めれば、少なくとも「愚将」や「凡将」とは
言えないと思いますよ。
>>168 本職としては、過去スレの内容までしっかり覚えて下さっているだけで
とても嬉しいです。
テンプレ(
>>3 )で「目次」を表示しているのは、過去の発言を検索する際の目安と
するためなのですが、8代目にもなると記憶力がすでに容量超過。
なんとかしないといけないなぁ。
サッチの戦技研究は41年12月7日の真珠湾攻撃より数ヶ月前にはじまり、零戦の優れ た速度性能と旋回性能に対抗するため、単機での交戦を捨て、複数機が互いに援護しあう 空戦機動を考案した。そしてVF−3隊員の中から選りすぐった4人のパイロットととも に、空で理論を実践することになった。 サッチは最も腕のいい“ブッチ”オヘアに零戦役を与え、フルスピードでワイルドキャッ トを攻撃するように命じた。そして残る3人のパイロットには速度差をシュミレートする ため、半分程度の速度しか出さないよう厳重に注意した。そして自ら1機のワイルドキャ ットを率い、他の2機と付かず離れずにゆっくりと飛行した。 腕利きのオヘアは速度差を利用して簡単に編隊の一つの後方に回り込み、射撃位置に占位 した。サッチは2機のワイルドキャットに別の2機の方に向って急旋回するよう命じた。 当然ながらオヘアはこれを追随、2機のワイルドキャットと対進する形になった。これが サッチの考案した新戦法で、実戦で零戦に後ろを取られた味方機にとっては、この機動で 危機を脱することができ、また他の味方機にとっては零戦に攻撃を仕掛ける絶好のチャン スを提供できた。 サッチは早速この戦法についての報告書を作成、太平洋艦隊海軍航空軍司令部に各戦闘飛 行隊にこの戦法を採用させるよう進言した。しかし司令部にはまだ事の重大さを認識して いる者は少なく、何の方策も取られないまま12月7日を迎える。 AIR COMBAT No.13より抜粋
173 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:31:54 ID:???
>>169 どうしよう・・・
仮に罷免になっても、名前を変えて続けたらバレないよね?
今度は「キング長官」にしたら、誰も文句言えないでしょ。
174 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:55:46 ID:???
>>161 の続き
サッチ・ウィーブとは、
「零戦に遭遇した場合、まず高度で優位を得るように努め、二機が組んで
急降下で一撃を加え、巴戦に引き込まれそうになったら二機が互いに交叉
するような運動でお互いの後方を援護し、零戦の追尾を断ち切るのである。
しかも、急降下は長く続けないで引き起こす機会をつかみ、垂直面内空戦
に圧倒的な強みを持つ零戦に追尾の余裕を与えない高度にとどめ、再度
の攻撃のチャンスを狙え、というのであった」 (『零戦』)
この「交叉するような運動」がweave(機織り)の由来となります。
175 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:57:09 ID:???
>>174 の続き
具体的には、
@先行機が零戦に対し、攻撃を加える。
A零戦は急旋回で回避して、先行機の後ろに回り込もうとする。
B先行機は格闘戦には入らずに、そのまま高速で離脱する。
Cもし後ろにつかれた場合は、後続機が射撃して牽制する。
D撃ちもらした場合は、無理に深追いせずに、二機揃って離脱し体勢を立て直してから再攻撃する。
徹底した一撃離脱、編隊空戦であり、零戦の得意とする巴戦には応じないという
方針が基本になっている。
176 :
GF長官 :2009/10/07(水) 21:59:24 ID:???
>>175 の続き
二機編隊というと、独空軍のロッテ戦法が有名ですが、ロッテ戦法が長機(攻撃担当)
と列機(長機の護衛)の任務分担が明確だったのに対し、サッチウィーブには長機・列機
の区別は基本的に存在せず、状況に応じて攻撃と護衛が入れ替わるというチームワーク
を重視した戦法になっている。
そのため二機編隊というわりには、双方の間隔は200メートル程度と開いており、
一見すると編隊を組んでいるようには見えなかったらしい。
また日本側は三機編隊が基本であり、「緊密な編隊」と表現されるように、長機と列機
との間隔は狭く、最初の一撃の後は編隊はばらけてしまい、単機での格闘戦が主に
なることが多かったと聞きます。
177 :
GF長官 :2009/10/07(水) 22:00:10 ID:???
>>176 の続き
このサッチウィーブは対零戦戦法として極めて有効であり、陸軍へも波及。
「良く訓練された射撃術および編隊空戦を以て零戦を制することができるとの主張は
現場のパイロットの多くに支持され、同時に米海軍上層部にも支持された。
海軍長官ノックスはこれこそわが海軍魂の発露である、と褒め称えたという」(
>>170 )
爾後、F4Fは零戦の”カモ”ではなく、”宿敵”へと変貌します。
178 :
GF長官 :2009/10/07(水) 22:05:27 ID:???
>>172 情報感謝します。
シェンノート・レポートは上層部には無視されたと聞きますが、サッチ少佐は
いち早くその脅威に気づいたようですね。慧眼というべきか。
>>171 > 真珠湾から南太平洋海戦まで客観的に眺めれば、少なくとも「愚将」や「凡将」とは
> 言えないと思いますよ。
南雲、草鹿、場合によっては源田までは、「愚将」と揶揄されても仕方ないじゃないかな?
真珠湾の成功と、ミッドウェーの大失敗を両方考慮し、特に下記の文章を読む限りでは。
黒島も同様。
真珠湾とミッドウェーの違いで、結構大きいところで言えば
■真珠湾
黒島が基本構想を取りまとめたが、山本は大西にも研究させている。
大西は源田に研究させてはいるが、源田案を修正して山本に報告しているという。
■ミッドウェー
黒島が基本構想を取りまとめたが、真珠湾のときと違って、保険的な研究はロクにない。
源田起草の作戦実施案は、南雲・草鹿はほぼスルー状態で実施されている。
大西少将や山口少将あたりが、真珠湾の成功を担保した真の要因か、と考えて見たくなる。
(「良い参謀良くない参謀」(吉田俊雄氏): 恐らく原典は淵田・奥宮「ミッドウェー」)
源田参謀が同期の淵田飛行総隊長に洩らしたという。
「いつでも自分が起草した案がスラスラと通ってしまう。(中略)
大西少将や山口少将あたりが上にいてくれると、必ずチェックして
あらゆる角度から叩き直して突っ返してくれる。そうなるとこちらも安心して、
自由奔放な作戦構想が練られるというものだが。」
淵田隊長がいう。「源田の苦衷は、私にもわかる。まさにその通りだ。」
>>171 >は、早い・・・どうやって調べたんだろう・・・
脳内書庫です長官。 故に細部が曖昧であります。
でも、曖昧な場所を確認しに書庫に行く気がありませんでしたw
>>179 >場合によっては
それが入れば、まあ議論の余地はありますなあ。
海軍航空をある意味歪めたのは源田という考え方はアリだ。
米軍のウルシーじゃない、マーシャルの某泊地(ど忘れた)を
太平洋の孤島めぐり作戦とか、いい例だよ。>源田の考え方<奇襲
182 :
名無し三等兵 :2009/10/08(木) 01:54:44 ID:bAJV8u9h
ガ島攻防戦で活躍した駆逐艦部隊は 米軍からは、トウキョウエキスプレスと異名を とったそうですね。意味は畏敬の念でしょうか? それとも揶揄して皮肉にしたいみでしょうか?
183 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:25:56 ID:???
>>179 う〜ん・・・どうかな?
>真珠湾の成功と、ミッドウェーの大失敗を両方考慮し、特に下記の文章を読む限りでは
本職は「結果重視」の立場なので、運まかせだろうが、参謀に丸投げだろうが、
作戦目的を果たしたならば評価しますので。
>源田起草の作戦実施案は、南雲・草鹿はほぼスルー状態で実施されている。
ミッドウェーの敗因は作戦計画にあるという考えですか?
本職としては、「負けるべくして負けた」という評価には懐疑的です。
作戦目的の二重性や兵力分散など色々と問題があるのは分かりますけど。
仮に大西・山口少将が修正案を出したとして、どのように変わるんでしょうか?
「基地制圧と空母撃滅」や「AL作戦」等の作戦計画の根本まで変更する程の力が
彼らにあったのですか?
184 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:27:39 ID:???
>>183 の続き
>いつでも自分が起草した案がスラスラと通ってしまう。
これは、公刊戦史にも出てきますね。
「南雲長官は少なくとも航空作戦の計画や指導には、ほとんどイニシアチブを
とることはなく、幕僚の意見を”うんよかろう”と決済していたようである・・・
勢い航空作戦の計画も指導も、源田航空参謀の意見がほとんど全部通っていた
有様のようである。源田参謀は自己の案画した計画や指導が、なんらの批判も
なく、長官や参謀長を通ることがさびしいと漏らしていた」
おや?
「南雲は航空戦の素人、余計な口出しはするな」という”設定”じゃなかったっけ?
いったい南雲中将に何を期待してるんですか?
源田参謀には悪いですが、これは「子供の言い訳」ですよね。
185 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:29:30 ID:???
>>184 の続き
「長官が自分の案を採用しなかったから負けたんだ!」ならば、筋は通りますが、
「長官が自分の案を何でも採用したから負けたんだ!」ですか?
単なる責任逃れでは。
仕事でこんなこと言ったら、上司にあきれられますよ・・・
お言葉ですが、もし南雲長官が源田案を蹴って、修正案で戦って負けたなら、
「南雲は素人なんだから、素直に源田の言うことを聞いてりゃ良かったんだよ」
と叩くんですよね?
個々の作戦計画に関しての指摘ならまだしも、海戦全般を通しての話だと、
論理が飛躍し過ぎてはいませんか。
186 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:31:27 ID:???
>>185 の続き
「スラスラ通ってしまう」との作戦案とは具体的に何を指しているんでしょうか。
通常空母戦において、前路警戒・対潜哨戒・索敵計画・攻撃隊編成等は、
よほどの事がない限り、参謀の意見をそのまま採用するというのが常では
ないかと思います。
これは南雲長官に限ったことではなく、そんなことまでいちいち口を出されては
やりにくくてかなわんでしょう。
艦隊司令長官が決断を迫られるのは、もっと大局的な見地から判断を下す時
すなわち、真珠湾での第二撃問題、インド洋での兵装転換、ミッドウェーでの
即時発進などです。
187 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:33:09 ID:???
>>186 の続き
真珠湾では、第二次攻撃隊について否定的であったと源田参謀の回想録にありますし、
コロンボ空襲でも、駆逐艦2隻(誤報)に艦爆全力出撃を進言したのは彼自身だったはず。
ミッドウェーでは、「敵機来襲までまだ時間的余裕があると判断して全力出撃を採用した」
と公刊戦史に語っている。
いずれも、源田参謀の具申は理に叶っており(本職もそう思います)、南雲長官も賛同した
からこそ実行に移されたのではないですか。
これのどこが問題なんでしょうか。
確かに、何でも通ってしまうから逆に不安になるという気持ちはよく理解できますが、
それと各戦闘の勝敗を結びつけるのは、いささか乱暴ではないかと思います。
188 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:37:05 ID:???
>>180 そうでしたか。>脳内書庫
本職もたまに利用しますが、たいてい間違ってるんですよね。
やれやれ、年はとりたくないもんだ。
>>181 まあ、毀誉褒貶の激しい人ですからねぇ・・・>源田
>>182 両方あるような気もしますが。>畏敬と皮肉
189 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:54:16 ID:???
>>177 の続き
では、このサッチウィーブが実戦でどのように使われたのか。
またまた、ミッドウェー海戦の登場です。
米側の母艦戦闘機隊のうち、
VF−6は南雲機動部隊を発見するも、燃料切れで戦闘せずに帰投。
VF−8は会敵できず。
よって、零戦と対戦したのは、ヨークタウンのVF−3、サッチ少佐率いる
F4F計6機が今回の主役となります。
190 :
GF長官 :2009/10/08(木) 20:55:52 ID:???
>>189 の続き
以下は、こちらを参考にさせて頂きます。
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1201967334/333 これは非常に詳細な報告であり、サッチウィーブの機動が分かりやすく
記述されているので、そのまま引用します。
>ヨークタウンにおけるサッチの VF3 編隊は F4F-4 が 6 機。
>サッチとウィングマンのデイブ、マカンバーとバセットの2機ペアが2組と
>チークおよびそのウィングマンであるシーディの2機ペア1組。
>デイブはサッチの考案した相互防衛戦術についての知識があった。
ミッドウェーの時点で、米海軍はすでに二機編隊の機動戦術を採用していた
ことが分かります。その内訳は、
@サッチ−デイブ(サッチ隊)
Aマカンバー−バセット(マカンバー隊)
Bチーク−シーディ(チーク隊)
@とAの小隊はまとめてサッチ少佐が率いるという編成。
191 :
GF長官 :2009/10/08(木) 21:03:36 ID:???
>>190 の続き
>チーク組2機は雷撃機隊の直上 1000 フィートに位置、
>サッチ組とマカンバー組4機はさらにその上方3000-4000 フィートに位置。
[横から見た図]
←△サッチ隊 高度6000ft(1829m)
△マカンバー隊
←△チーク隊 高度3000ft(914m)
←△VT−3 高度2000ft(610m)
←南雲機動部隊 (TBD12機)
海面
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
192 :
GF長官 :2009/10/08(木) 21:13:47 ID:???
>>191 の続き
>1003日本艦隊を発見。日本空母から14マイルの地点であった。
>このとき日本艦隊はエンタープライズ雷撃隊の攻撃をかわすことに追われていた。
>まず筑摩が発砲。
>このとき上空にあった直衛の零戦は35機。
>さらに蒼龍と飛龍からそれぞれ3機づつが発艦しようとしていた。
1003時は日本時間0703時。
ちょうどVT−6の雷撃隊を撃退した直後です(
>>7 )
日本側の記録とも一致しており、『戦闘詳報』では以下の通り。
0702「右150度・高角2度・35粁ニ敵機十数機認ム」
0705「右高角砲ニ斉射、射撃始ム」(筑摩)
この筑摩の発砲は、敵機発見とその方向を知らせるための警告射撃ですね。
直衛零戦も気づいたはず。
「ZEROに見つかった!」
さあ、どうする?サッチ少佐。
193 :
びりー隊長 :2009/10/08(木) 21:43:03 ID:???
ここでエエのんかあ〜? 長官の先週末の親孝行はエエこっちゃ! ワテはのん気に鈴鹿でF1観戦でしたわ。 サッチはんが登場か〜 珊瑚海はもう終わってたんやな。 >「ZEROに見つかった!」 なんや? ZEEKしか名前使ってないことはなかったんやなw
ウイングマンといえばミクたん派でつ
ドリムノートに書き込もう。 南雲長官が虚空線のプロフェッショナルになる…と、カキカキ。
ドリムノート:右半身にドウリットル、左半身にシェンノートの記憶を宿した合体戦士 B−25とP−40を手足のように操り日本軍に立ち向かう
マクロスですね分かります。 現在、軍板、南雲忠一中将を再評価するスレ(止)番組の間にCFを流しております。 AF=ミッドウェイ CF=なんだろう
198 :
GF長官 :2009/10/09(金) 20:54:22 ID:???
>>193 おかえりなさいませ。
やはり日本GPは鈴鹿ですよね。ベッテルおめでとー
>ZEEKしか名前使ってないことはなかったんやなw
アクションレポートの中には、普通に「ZERO」が固有名詞として使われていますよ。
まあ、ZEKEはコードネームなので報告書などには用いられないと思いますが。
>>194 懐かしいですねぇ。
確か小学生の時、級友の家で読んだ記憶があります。
桂先生の描く女の子はかわいい上に、尻がエロイ。
>>195 えーっと、名前を書き込んだら40秒以内に死ぬんでしたっけ? >ドリムノート
>>196 じゃあ対抗して、右半身に坂井三郎、左半身に岩本徹三・・・
やっぱやめて、坂井三郎を1万人量産しよう。これで勝つる!
>>197 CFは、クリスチャン・フィッティパルディ・・・今は何やってんだろ。
199 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:03:17 ID:???
>>192 の続き
>筑摩の対空砲火の炸裂煙を指向して零戦が集まってきた。
>大部分の零戦がまずサッチ組とマカンバー組4機に向かって攻撃してきた。
>零戦の数は15〜20機で、あまりに当方が少ないので零戦は攻撃の順番待ちをしなければ
>ならないように見えた。
先に紹介した、坂井三郎氏の「伝説の1対15」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/330 あまりに戦力差があり過ぎると、「順番待ち」になってしまう。
多方向から同時に攻撃すると、同士討ちのおそれがありますしね。
ここでサッチ隊は編隊を解き、単縦陣に組みなおします。
順番は、サッチ、デイブ、マカンバー、バセットの順。
↑
△サッチ
△デイブ
△マカンバー
△バセット
200 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:35:35 ID:???
>>199 の続き
なぜ単縦陣なのか。
通常の二機編隊だと、横に広がるので各個撃破される危険が大きい。
逆に、単縦陣だと最後尾の機体が真っ先に狙われる。
零戦は通常、後上方攻撃が基本なので、危うしバセット。
>2機の零戦が後下方から攻撃し、最後尾であったバセット機が狙われた。
>射弾は正確に胴体とエンジンに命中し、炎上し海中に激突した。バセットは脱出しなかった。
あっさりやられてしまいました。
この場合、後下方からの攻撃だったようです。
>>191 の通り、サッチ隊は比較的高度をとって飛行していたので、後上方と後下方の
両方からの攻撃を許してしまうことになる。
劣勢の時は特に、海面すれすれまで降下して攻撃をかわしたいところです。
201 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:39:28 ID:???
>>200 の続き
バセットが脱落したので、最後尾はマカンバーになりました。
>また1機の零戦が後上方からマカンバーのF4Fを攻撃してきた。
>射撃は正確で、7.7mm弾が機体のいたるところに命中し、防弾版に当たる音が聞こえた。
>さらに燃料タンクに命中し、無線電話機を破壊した。
「グラマン・アイアンワークス」の面目躍如といったところですね。
これだけの銃弾を浴びながら、撃墜は免れたマカンバー機。
しかし、無線電話が使えなくなる。これが後ほど重大な影響を及ぼします。
202 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:41:04 ID:???
>>201 の続き
>サッチは当初機首を下げ、雷撃機の援護に当たろうとしたが零戦の妨害によりうまくゆかなかった。
>高度300フィートまで下がったときには零戦が次々に攻撃を仕掛けてきた。
この間、別の零戦隊がTBDへの攻撃を開始している。
F4Fの任務は雷撃隊の直掩ですから、直ちに降下したいところですが、それを
零戦が黙って見ているはずがない。当然妨害してきます。
結局、最後までサッチ隊は雷撃隊の護衛に加わることは出来なかった。
この後詳述しますが、サッチ隊は劣勢ながらも零戦5機を撃墜し、サッチウィーブ
の有効性を証明するのですが、あくまでも本来の任務は「TBDの護衛」だったはず。
その点からいえば、VT−3は壊滅しており、任務は「完全に失敗」。
203 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:42:28 ID:???
>>202 の続き
本職はここを重視しています。
ニミッツ長官の慧眼により、3隻の空母を揃え、南雲機動部隊を待ち伏せするという
当時望み得た最高の状態で戦闘に入ったのにも関わらず、
スプルーアンス少将は、攻撃隊を分散進撃させた。
フレッチャー少将は、索敵機を収容してから攻撃隊を発進させたため、
TF−16の攻撃隊と合同することは出来なかった。
更に航法の失敗により、ホーネットの雷撃隊以外は会敵できず、
エンタープライズの戦闘機隊は燃料切れで戦闘に加わらずに帰投。
各雷撃隊は裸のまま突入し全滅。
本来護衛にあたるべきサッチ隊は、任務を果たせず、
そもそも、護衛が戦闘機6機のみというのは少なすぎます。
204 :
GF長官 :2009/10/09(金) 21:44:16 ID:???
>>203 の続き
>>171 でも述べましたが、
我々がミッドウェー海戦を振り返る場合、あまりにも「運命の五分間」の印象が
強すぎるため、他の視点がおろそかになりがちです。
客観的に見れば、
攻撃隊に関する限り、フレッチャー・スプルーアンス両少将の作戦指導及び
各飛行隊の伎倆は、甚だ稚拙と言わざるを得ない。
とかくミッドウェーにおける南雲長官の采配は叩かれがちではありますが、
冷静に判断すれば、全力出撃を志向した提督の決断は間違っていると
言い切れるものではないと考えます。
>>204 > 客観的に見れば、
> 攻撃隊に関する限り、フレッチャー・スプルーアンス両少将の作戦指導及び
> 各飛行隊の伎倆は、甚だ稚拙と言わざるを得ない。
その稚拙に大敗喰らったのだから、愚将と揶揄されても仕方ないだろうな、と思う。
「結果重視」の立場で判断するなら、ますます自分はそう思う。
甚 だ 稚 拙 と 言 わ ざ る を 得 な い 長官“神の視点”に立ってますぜ フレッチャーやスプルアンスの立場になって考えてみよう
デアゴの『週刊赤城をつくる』が発売されるな もちろん長官は定期購読するんだろ
新刊の文藝春秋 「ミッドウェーこの提督なら勝てた」
>伎倆は、甚だ稚拙と言わざるを得ない。 稚拙というなら珊瑚海海戦やミッドウェー海戦の3空母被爆を説明してくれ 潤沢な燃料で訓練できる米軍飛行隊の技量が稚拙ということはない 水準以上にはあるはずだ
長官、今日は大漁ですな〜 (ちゃんと「つづく」と書かないからですよ) 個人的には、米側の戦略と戦備、部隊展開には色々疑問がありますが、 その辺はミッドウェー海戦に突入してからと。
南雲と同じ水雷屋である小沢中将が名将と評価されることが多い理由をいくつか挙げると ・「作戦の神様」との異名があった ・海軍大学校の教官経験 ・世界で初めて「空母機動艦隊」の編成を上申 ・マリアナ沖の作戦構想で、参謀への具体的な指示 (「敵空母の飛行甲板に損傷を与えればいい、相打ちはいけない→アウトレンジ 三段索敵を研究せよ 輪形陣でなければならぬ」) 搭乗員の訓練力量が、作戦構想に追いついていない、というところを読みきれていない、 という批判材料があることは事実だが、 戦後「ではどういう戦法をとれば良かったのかね」という小沢中将の問いかけに、 防衛庁の戦史室・戦史調査担当者が絶句するしかなかったほど、 突き詰めた作戦準備を行い、参謀にも指示を出した小沢中将。 小沢中将の航空参謀の回想にこんなものがあるらしい。 「小沢さんは大事なことは自分で決済する人だ。参謀には任せない。 作戦の構想がまとまってくると、幕僚に計算と具体的なな計画の立案を命じられる。 計算でも計画でも、どこまでもどこまでも突っ込んでゆく。 小さいことでもゆるがせにせぬ。徹底的に調べさせる。」 さて、南雲中将や草鹿少将は、作戦実施に関し、ここまで徹底した姿勢を持っていたのだろうか? 単に源田に丸投げしてた模様だし、それはほぼ事実だろう? だとすれば、極端に言えば「(セイロン沖までは単に運に恵まれた)愚将」と揶揄されたとして、 チェック機能を果たさなかった故に、その揶揄を黙って受け入れる責任を負うべき立場にいた、 と思うのは不自然だろうか?
ミッドウェーに関して、南雲中将なり、草鹿少将なりが、 「ではどうすれば良かったのかね」と言ったら、 黒島の作戦アジャストメントすべき以外の下記の点につき、 各方面からいろいろ突っ込みが入るだろうね… ■6/2 6Fからの敵艦隊情報に関するナゾ ■雲上コースを通った一部索敵機 (→どうせ敵空母なんかいないから雲上でもいいや?) ■30分発進が遅れた索敵機がいた事実を把握していない可能性 ■30分発進が遅れた索敵機がいながら、索敵全機・往路(0400)に敵艦隊発見できず、と判断した ■その結果、0415における雷爆転装命令 ■0440(敵艦隊発見)直後に爆雷転装命令を出さなかった件 このタイミングで爆雷転装していれば、0645以降で敵空母襲撃部隊を発進できることとなるし、 0700〜0712の12分間に出撃可能なタイミングがある。全機発進できるかどうか微妙なところだが。 仮に、転装作業中に、発見された敵艦隊に空母がいなかったことが判明したとする。 第一次攻撃隊は収容し終わっている(0617)わけだから、 敵戦闘機をどれだけ叩き落して、何を爆撃して、何を洩らしたのかの情報は、 概ね1AF上層部は、0645までに把握することは出来るだろう。 極論すれば、対戦爆弾を抱えた九九艦爆と零戦のみでミッドウェー第二次攻撃を実施する、 というオプションもあっただろう。雷爆転装が完全にムダになるわけではない。
>>212 おっと誤字だ。
極論すれば、対【船】爆弾を抱えた九九艦爆と零戦のみでミッドウェー第二次攻撃を実施する、
というオプションもあっただろう。雷爆転装が完全にムダになるわけではない。
をっと、これも誤字だw ■0440(敵艦隊発見)直後に【雷爆】転装命令を出さなかった件 このタイミングで【雷爆】転装していれば、0645以降で敵空母襲撃部隊を発進できることとなる 0445 「敵艦隊攻撃準備、攻撃機雷装其ノ儘(ソノママ)」 ではなく、 0445 再兵装転換を下令 だったら、南雲・草鹿・源田の運命は劇的に変わったのだろう。
>>211 >防衛庁の戦史室・戦史調査担当者が絶句するしかなかったほど、
戦史叢書「マリアナ沖海戦」は素直に読むと記述内容に色々と疑問点や不自然な点(主にあ号作戦にいたるまでの経緯関係ですが)があるんで、
彼等の反応から小沢長官の能力を推察することには抵抗がありますね。
アウトレンジの是非は一先ずおきますが、
・15リの発見位置誤りを見抜けなかった(構図は利根4号機の誤りと類似)。
・戦場に近い海域で給油を行い、索敵機報告及び2F栗田長官の避退進言について詳細な分析を行わず米機動部隊の追撃を許し被害を拡大した。
少なくともこれらは、小沢長官あるいは同司令部の情勢判断失敗と言わざる得ないかと。
>>211 「海軍反省会」P58、某軍令部部員の小沢長官評(現地将兵の評判?)
以下、抜粋。
「〜あの方偉いと思って、おるんですけど、ところがですね、そのマレー方面に居た海軍の飛行機乗りは、クソミソに言うのですな。
つまり、海軍の飛行機だけをですね、進め、進めって敵の方にやらしといて、自分は下がっちまうと。〜」
私は、戦記物はあまり読んだことがないんですが、マレー作戦前後でこのような評判があったんですかね?
抜粋文章の前後が、色々と心許ない記述ですけれど。
人物評は人それぞれ、伝聞で変化する、そもそも人間の内面自体が多面性を持つ、ことは理解しているつもりですが。
アメリカ海軍の連中にさえ、小沢中将は名将だ、と評価されるのは、 そういう将軍を破った自分たちは最強だ、という部分を割り引くにせよ、 非常に制約された条件の中で、自分たちに脅威となる手法で襲い掛かろうとした、 という部分を讃えられるだろう、と思う。 確かに小沢中将は、「欠点のない名将だ」という論陣を張るつもりはない。 そういう批判を浴びるべき将軍だろう、と思う。 ちなみに自分の評価は、「日本海軍の中では欠点が少ない、名将に近いポジションにいた凡将」。 ただし、そういう小沢中将と比較して、南雲中将や草鹿少将は、どうだったのか、ということ。 仮に小沢中将を「凡将」と評価するなら、 南雲中将や草鹿少将はワンランク・ツーランクは下に位置されるのではないか? 小さいミスを重ねていたにせよ、 0445に「攻撃機雷装其ノ儘」ではなく「再兵装転換を下令」していれば、 それまでの小ミスを全てリカバーできていたのであるが…
218 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:33:58 ID:???
>>205 何度も繰り返しになって恐縮ですが、「結果重視」とは、
「作戦目的達成=指揮官の力量を評価」であって、
「作戦目的達成=指揮官は名将」ではありませんので。逆もまた然り。
結果のみで評価するのなら、戦史検証スレの意味がありませんからね。
同様に、
「ミッドウェー敗戦の全責任は南雲長官にある=南雲長官は愚将」ではない。
テンプレの通りであります。
逆に、
「南雲機動部隊を撃退=フレッチャー・スプルーアンス両少将の功績」に
異論はないが、「=両少将は名将」には疑問を差し挟みたい。
219 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:35:18 ID:???
>>218 の続き
>>203 の通り、各隊の動きをみれば、それぞれの任務には失敗しており、
相互の連携が全くとれていない。
「TBDを突入させて注意を引き付け、その隙に上空からSBDが奇襲」という
作戦意図だったのならまだしも、偶然の産物に過ぎない。
スプルーアンス少将が全力出撃を断念せざるを得なかった事情は、よく理解
できるが、その結果、米攻撃隊が分散したのは事実。
「じゃあ、利根四号機に発見されても、全力出撃を貫くべきだったのか」と問わ
れると、困ってしまいます・・・どちらとも言えません。
ただ、史実のような「奇跡」が起こらず、各個撃破されていたら、この逐次投入
は非難の対象となっていたでしょう。
220 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:36:42 ID:???
>>206 そうかな?
>長官“神の視点”に立ってますぜ
「稚拙」は、当時の日本側から見た標準的な評価ですよ。後知恵ではありません。
「淵田中佐は、どうして米国の飛行機がこんな方法で攻撃したのか理解
できなかった。飛行機の急降下に移る高度は低すぎ、魚雷発射の高度は
高すぎた。長い時間をかけた緩徐な降下は、零戦の好餌となった」(『逆転』)
「また救助された搭乗員の士気は低下よりも、むしろ向上の傾向がみられた。
それは来襲した米航空部隊の低劣な伎倆を目の当たりに見ていたので、
今回の損害は全くの不運であったと判断し、また飛龍の少数機の攻撃が
戦果を挙げたので、この次には我々が仇を討つのだと意気込んだためである」
(『戦史叢書』)
221 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:38:07 ID:???
>>220 の続き
>フレッチャーやスプルアンスの立場になって考えてみよう
ヨークタウンの攻撃隊発進が遅れたのは、索敵機収容を優先したためですが、
別に後回しにしても良かったのでは?
そもそもスプルーアンス少将が、分散攻撃を決断したのは、利根機に発見されて
奇襲の見込みが薄くなったからですよね。
ならば尚更、TF16,17の攻撃隊を合同して、兵力を集中させないといけない。
南雲機動部隊は「待ち構えている」と予想されるのだから。
発進が遅れるほど、邀撃態勢が整えられてしまう。
後からヨークタウンの攻撃隊を単独で出したところで、各個撃破されるだけ。
ですから、このフレッチャー少将の判断には賛同できませんね。
222 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:39:00 ID:???
>>207 なんと!
すぐに自室の拡張工事を始めなければ。
初回特典は、デフォルメ南雲長官のフィギュア付き?
>>208 ミッドウェースレには、定期的に登場しますよね。
「俺が指揮していれば勝てた」
>>209 言葉足らずですみません。
「稚拙」というのは、南雲機動部隊と比較して、という意味です。
>>210 そうですか・・・
>(ちゃんと「つづく」と書かないからですよ
もう8代目なんだから、そのあたりは「阿吽の呼吸」で。
223 :
GF長官 :2009/10/10(土) 19:44:12 ID:???
224 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:03:15 ID:???
>>204 の続き
サッチ隊の戦闘に戻ります。
>零戦は1機づつ後上方から高速で突っ込んできて短時間射撃し、
>F4Fの下方に飛び抜けて前方で引き起こし上昇してゆく。
>サッチは零戦の操縦の巧みさと戦術に感嘆した。つねに1機の零戦が攻撃体制にある。
>またあわせて、日本機が昔ながらのドッグ・ファイトに固執するという前評判は誤りであることを認識した。
意外なことに?零戦の攻撃は一撃離脱でした。
まあ、当然と言えるでしょう。
相手が「釣られ」ないことには、格闘戦は成立しませんから。
しかし、このまま単縦陣を続けていても、いずれやられてしまう。
225 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:04:30 ID:???
>>224 の続き
>3機となったF4Fは一列になって行動した。頭を押さえられ、急降下して逃げるには高度がない。
>分散すれば各個撃墜される。チームで行動することのみが生き延びるチャンスであると考えた。
指揮官は、危機に際しても冷静さを失わないことが重要。
そして、「必要は発明の母」となる。
>サッチがまず試みたのは、零戦が後方から攻撃を仕掛けてきたとき急旋回し、
>相手に大きな偏差角を与えることであった。ただしそのタイミングを予測することが難しく、
>また最後尾のマカンバーが最も狙われる可能性が高かった。マカンバーは日本機の射程に入るたび
>機体を上下左右にはげしく機動し照準を狂わせた。
>マカンバーはほどなく、急激に機首を下げる機動が効果的であることに気付いた。
このあたりの「駆け引き」は、戦闘機乗りにしか分からない世界でしょうね。
>>199 の坂井氏と共通するところです。
226 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:06:32 ID:???
>>225 の続き
>当初サッチは、マカンバーを無線電話で呼び出し、サッチの左側に並進させて彼の考案した戦術を
>試してみるつもりであったが、マカンバーの無線は故障していて通じない。
>マカンバーはサッチの新戦術を知らなかった。マカンバーは忠実な犬のようにサッチの後をついてきている。
>>201 で紹介した、無線電話の故障の影響がここに現れています。
サッチウィーブに限ったことではないが、編隊空戦には良好な無線が必須となる。
対する零戦はバンクや手信号ですから、最も不得手とするところ。
>サッチはやり方を変え、後方を注意深く観察し、零戦がマカンバーに対して射程距離に入る寸前に
>急旋回し割り込んで零戦の照準を狂わせるようにした。そして逆方向にまた急旋回し、
>急降下を終わって引き起こす零戦の立ち上がりを横から遠距離で射撃するようにした。
>それは断続的な射撃ではありすぐに効果を確認できるものではなかったが
>零戦パイロットを妨害するにはまず十分であった。
サッチ少佐は、まず単独での機動戦術を試みる。
そして早くもその効果が、戦果となって現れた。
227 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:08:34 ID:???
>>226 の続き
>例によって後上方から降下、一撃した零戦が右旋回して急上昇に移ったが、
>急に引き起こしたため急激に速度が落ち、左に反転したところでサッチの絶好の射撃対象となった。
>長い連射が命中し、零戦は上昇の途中で失速したようになり背面になって落ちていった。
>この任務での最初の撃墜戦果であった。
図示すると、以下のようになります。
↑
△サッチ機
↑
▲零戦(後上方から射撃体勢)
228 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:14:33 ID:???
>>227 の続き
サッチ機(射撃直前に左急旋回で回避)
←△┐
└┐
└─
∧
U
U
▲零戦(射撃開始)
229 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:18:29 ID:???
>>228 の続き
↑
▲零戦(下方に離脱、そのまま引き起こしに入る)
┌△→
┌─┘サッチ機(直後に、右急旋回)
│
230 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:20:52 ID:???
>>229 の続き
↑
△・・・・・・・> ▲零戦(右旋回して急上昇中に失速)
サッチ機
(速度を失った零戦を射撃して撃墜)
231 :
GF長官 :2009/10/10(土) 20:25:46 ID:???
>>230 の続き
拙いAAで申し訳ないです。
これが、サッチウィーブの基本となる機動なので、イメージだけでも
つかんでもらいたいのですが・・・
二次元は高度差が表現できないのでつらい。
圧倒的な劣勢にもかかわらず、サッチ少佐はついに反撃成功!
しかし、この段階では未だ「編隊空戦」とは言えません。
ここで、「ウイングマン」デイブ機の登場です。
サッチ少佐の相棒として、編隊戦術は訓練済み。
次回、諸氏は歴史の目撃者となる・・・乞うご期待!
ミッドウェー・1942.6.5、雷爆転装下令、山口少将から「直チニ発進ノ要アリト認ム」の0530直後の 赤城艦橋におけるIFをひとつ。このモノローグの主人公は、ゲンダ・ミノル(敢て源田とは表記せずw) 上空待機している、第一次攻撃隊の収容を急がなくては・・・ ・・・まてよ、山口少将の狙い通り、敵空母の甲板を爆撃し、数時間でも使用不可能にできれば、 我が艦隊の安全は確保されるし、 雷装完了した九七艦攻やら、第一次攻撃隊の再攻撃で、勝機は増えるな… しかし、となると、敵空母ニ艦にどれだけ直掩戦闘機を発進できるか… 今は予備に残した零戦全機は、我が艦隊の防空に配備している。(史実) ミッドウェー基地の陸軍機の空襲を既に受けている(史実:0415)ということは、 基地から我が艦隊の位置の連絡は受けていることは間違いない。 まだ我が艦隊へ距離はあるだろうし(史実通りの誤判断ママ)、攻撃隊を発進していないとして、 敵空母は2隻、ヨークタウンは修理中のハズだから(誤判断)、エンタープライズとホーネットあたりか? 戦闘機を全て直掩するとして、最大で50数機。 艦爆の護衛は、第一次攻撃隊の零戦を充てるしかないにせよ、むぅ… 0536、第一次攻撃隊収容が開始された。 ヨシ、第一次攻撃隊の36機の零戦、主力を九九艦爆の護衛に充てよう。 彼らが敵直掩機の主力を叩いてくれれば、その後に出す九七艦攻への護衛機は少なくても… 「長官! 二航艦の九九艦爆隊全機と、収容が始まった第一次攻撃隊の零戦3コ中隊を、 第一次攻撃隊収容完了後、可能な限り速やかに発進させます。 雷装完了した一航艦の九七艦攻は、0730以降、準備出来次第、零戦1コ中隊の護衛で発進させます。 現在、防空戦闘に参加している零戦は、引き続き直掩任務につき、敵機襲来に備えます」 0545 「収容終ワラバ、急降下爆撃隊ト零戦隊ハ、先行シテ敵機動部隊ニ向ケ発進セヨ」(★IF) 0617 「収容完了」(史実)、「攻撃隊発進準備」(★IF) 0618 「敵機来襲! 雷撃機 !!」(史実) 「弾薬ヤ燃料ガ切レタ直掩零戦ハ、全テ赤城・加賀ニ収容セヨ」(★IF) 0701 「攻撃隊発進!」(★IF:但しエンプラ第6雷撃中隊TBD14機の攻撃終了は0700) もしも、南雲・草鹿・源田がこんな決断できたら、歴史はどう変わる?
IFの続き。0711 「攻撃隊(九九艦爆+零戦)、発進完了!」(★IF) 九七艦攻が発進できるまで、後10数分か… 0712。「敵機来襲! 再び雷撃機 !!」(史実) くそっ、またか。さっきは十数機、これも十数機か… ミッドウェー基地から来たのか、まさか空母の雷撃機なのか ??? 0720 「(一航戦の)艦攻隊、発進準備完了」 0722 「零戦より発進」→ 0723 「敵機、急降下 !!!」 赤城・加賀・蒼龍が被弾。ほぼ史実通りの絶大な被害を喰らう。 しかし、その10数分前に発進した、九九艦爆隊の存在が、史実と違う。 九九艦爆と零戦は、0700まで1AFを攻撃した雷撃隊(エンタープライズ隊)の残存4機に追いつき、 ミッドウェー島の方角(ほぼ南東)でない東へ帰投する事実、つまり空母艦載機であることに気づく。 史実の飛龍第一次攻撃隊同様、空母(エンプラ)機を追尾する九九艦爆+零戦 戦爆連合隊。 そして、索敵機が報告した位置にいないホーネットとエンプラ ホーネットもエンプラも、1AFの推測とは違って、攻撃隊を発進済みだった故に、 エンプラは全力攻撃(直掩ゼロ)、ホーネットの直掩は14機。 27機の零戦は14機の直掩F4Fを振り払い、30数機の九九艦爆は、 20数発・80%前後の命中率(英機動部隊への急降下爆撃のスコア)で、エンプラ・ホーネットを襲う。 1発目の爆弾が飛行甲板後部に命中、 3発目の爆弾は甲板4層を貫いて内部で爆発、 5発目は飛行甲板後部で炸裂し3メートルの穴を開け 7発目の爆弾は甲板3層を貫通して乗員食堂で炸裂した。(南太平洋海戦から、発目の数字を改竄) エンプラとホーネットは大破・炎上。ゲンダ参謀も、船を乗り変わる騒ぎに巻き込まる。 そして、主役は山口少将へ、そして孤高の奮戦へ引き継がれる???
飛龍単独となって、0730山口少将「ワレ航空戦ノ指揮ヲ執ル」から先はどうなりそうか? 史実では0750から小林隊長の九九艦爆隊の発進となるが、 このIFでは0700に、あの江草隊長と一緒に出陣済み。 従って、山口少将が発進させる、第二次攻撃隊は、友永隊長の九七艦攻10機+零戦。 これも史実通り、1030頃になるだろう。 1045頃には、史実通り、二式艦偵が飛龍に着艦、 11時以降には、空母3隻、つまりヨークタウンの存在を、山口少将が知ることとなる。 0700出撃IFの九九艦爆隊が、エンプラやホーネットと激戦行えるのは、恐らく0900前後。 「位置知ラセ」の命を受け、方角や距離の正確な情報が飛龍に届くことを想像するのは、無理ではない。 また江草少佐指揮の熟練部隊であり、位置情報を大きく誤るとも考えづらい。 更に、空母2隻大破した後に、かつ友永隊長が出発した後に、 無傷の空母(ヨークタウン)の存在を知ることとなるわけだし、 友永隊長はエンプラやホーネットに向かうことも自然だろう。 大破炎上で発着艦不可能になっているだろう2隻の空母に雷撃するのであれば、 護衛艦隊の高射砲攻撃を喰らうにせよ、10機の九七艦攻から、魚雷命中を期待するのは酷ではない。 江草隊が撃沈まで持ち込めないと仮定しても、替りに友永隊が仕留めることは不可能ではないだろう。 江草・小林隊が1100とか1130とかに帰還するとすれば、ヨークタウン索敵をどうするか、 友永隊の帰還までに、格納庫をどう確保するか、がカギとなる。 可動状態にある複座の九九艦爆隊に、ヨークタウン索敵が命令される公算が強いのでは? 修理不能の九九艦爆は、海上放棄処分にするだろう、この時点での稼動機総数から見て。 恐らく索敵半径300海里程度で9機が索敵で1230頃出撃、9機が爆装で待機、となるのでは? 1230頃に「薄暮敵残存空母ヲ撃滅セントス」という打電が、山口少将から南雲中将に連絡行くだろう。 友永隊の帰還、ヨークタウン発見、そしてヨークタウンやミッドウェー基地からの再空襲がどうなるか? 飛龍上空の零戦直掩は継続と仮定。 ヨークタウンに残る稼動機は、史実通り、TBD 2機、SBD 17機、F4F 23機、というところ。 ミッドウェー基地稼動機は、F2A 4機、F4F 3機、SBD 6機、SB2U 6機、TBF1機、B-17 16機、PBY 20数機。
>>213 対艦用爆弾を地上攻撃に用いて効果は期待できるのか?
236 :
びりー隊長 :2009/10/11(日) 12:17:59 ID:???
あんなあ〜 お前等〜 南雲がミッドウェイで大敗した事実 GF長官は、心の奥では現実を認めたくないのですよ!! だから内容が前後左右してダラダラとグチグチとスレで語ってんのや!! 周りの人でもいるやろ? 学生時代にフラれた話 受験に失敗した話 ギャンブルで負けた(儲けた気分の)話 希望した職(会社)で働けなった話 そんな話を延々と語って、自分を慰める奴が!!
>>236 隊長 隊長、燃料コック切り替えます。
電信 ん?もう空か、
はい、他の連中より数十分早く発艦してますので。
往復300マイル、これじゃ敵に取っつけません。
隊長 片道150マイルで十分だ。どうせ帰っても母艦は沈んでいるだろう。
電信 はい、行きます。
隊長、個人への人格攻撃は敗北フラグです。
238 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:03:12 ID:???
>>232 他人の仮想戦記を読むのも、興味深いですねぇ。
>赤城・加賀・蒼龍が被弾。ほぼ史実通りの絶大な被害を喰らう。
>しかし、その10数分前に発進した、九九艦爆隊の存在が、史実と違う。
やはりどんな設定でも、被弾は避けられそうにありませんね。
違いは、それまでにどれだけ攻撃兵力を発進できるかといったところかな。
>>236 隊長殿、ご自分の経験談をここで語られても・・・
>学生時代にフラれた話
>受験に失敗した話
>ギャンブルで負けた(儲けた気分の)話
>希望した職(会社)で働けなった話
>そんな話を延々と語って、自分を慰める奴が!!
苦労した分、人は優しくなれると思います(キリッ
>>237 続編にも期待。
ただ前にも書きましたが、本職にとってミッドウェー海戦とは、一言で言うと
「未練」なんですよねぇ。
知れば知るほど、なんで負けたのか分からなくなる。
239 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:08:19 ID:???
>>231 の続き
さて皆様、いよいよ今日の「その時」がやって参りました。
>マカンバーへの無線連絡ができないことを悟ったサッチは、彼のウィングマンであるデイブに
>右側を並行するよう命じた。デイブは編隊を1000フィート以上離れ右側を並進した。
>彼が編隊を離れたと見た零戦が次々に攻撃を仕掛けてきた。
>零戦が攻撃体制に入ったのを見てデイブは無線でサッチに指示をあおいだ。
>サッチは左へ急旋回するように命じ、自分は右旋回を行ってデイブと交差するようにした。
(註)1000ft=305m
↑ ↑
△サッチ △デイブ(サッチ機の右方1000ftを並進)
△マカンバー
↑ ↑
▲零戦 ▲零戦
240 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:12:08 ID:???
>>239 の続き
←△デイブ(左急旋回により回避)
↑ └─┐
△サッチ └─┐
(デイブ機に左急旋回を指示) ∧
U
U
▲零戦(射撃開始)
241 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:16:07 ID:???
>>240 の続き
←△デイブ
┌△→
┌─┘サッチ(右急旋回) ↑
┌─┘ ▲零戦(デイブ機を追尾)
└─┐
└─┐
└─┐
242 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:20:16 ID:???
>>241 の続き
←△デイブ(サッチ機と交差)
←┐
┌△・・・・・・> ▲零戦
┌─┘サッチ └─┐
┌─┘(正面に来た零戦を射撃) └─┐
└─┐
243 :
GF長官 :2009/10/12(月) 21:26:24 ID:???
>>242 の続き
>ある零戦はデイブの後ろについてこようとした。
>デイブに追従して旋回する零戦はサッチと向き合うかたちとなった。
>サッチは下方から打ち上げ、零戦の機首から胴体にかけて命中した。
>零戦は機首を上げたが、火を噴いてサッチ機の上方をすれ違いつつ落下していった。
>これが2機目の撃墜戦果である。
う〜む、見事な交差機動ですねぇ。
いくら訓練を積んでいたとはいえ、実戦はまた異なる。
ここはサッチ少佐の「当意即妙」に拍手を。
1942年5/1〜4の、ミッドウェー図上演習に、草鹿が出席しているらしいのだけど、
赤軍指揮官松田千秋大佐は、「アメリカの国民性が考え出すような術をつぎつぎ打った」らしいが、
その中に、ミッドウェー島攻撃中に米空母が出現し、日本機動部隊に大きな被害が出て、がある。
宇垣纏少将はむりやり被害は1隻ということにして図演を続けた。
また、山本指揮下の長官職で、図演や研究会に出なかったのは、6F小松長官のみ。
その割りに、敵空母への警戒がそれほど真剣でない、ってことは、
南雲・草鹿は、図上演習にフルタイムで参加せず、ミッドウェー島攻撃中に米空母が出現、
敵弾を赤城が9発喰らうところを、加賀が轟沈判定になったところを、全く見ていないのか、
はたまた見ていたけど、全然教訓にしなかった、ということか?
さて、源田は、6月に入って感冒で倒れ、淵田(盲腸)がいる病室に担ぎ込まれている。
病み上がりで、100%の体調でないことが、6/5の彼の判断にどのように影響したのか?
http://plaza.rakuten.co.jp/miostudio/20006 > 五月一日より四日迄、「大和」でミッドウェー作戦の図上演習が行われ、
> 参加各艦隊の長官司令官参謀等が集合。 <=★★
> 前甲板のテントの中は参謀懸賞の偉い人ばかり、青軍赤軍に分かれて図上演習開始。
>
> 私は機動部隊の近くにおり、あの参謀この参謀にとメモを渡され、知らぬ参謀間を右往左往。
> 草鹿参謀長にとメモを頼まれた時は席に見えず、機動部隊席におられる人の後ろから「草加参謀長」と呼ぶも知らぬ顔。
> よく見れば南雲長官でした。 <=★★
245 :
びりー隊長 :2009/10/13(火) 01:15:29 ID:???
長官!
>>238 >知れば知るほど、なんで負けたのか分からなくなる。
あのね、真剣勝負なんですよ。
ミッドウェイ作戦では日本側が自分で負ける原因作ってる要素が
かなり多いよ・・・
自分たちより劣ってたと(現在の人も)思ってる雨さんだから
こそ、「運命の」とか「奇跡の」とか「マグレの」だの被弾と
か言ってるんじゃないですか?
あと質問ですが、
ワテはなんで隊長なんですか?(笑)
由来とかあるの?
自分でコテつけりゃいーじゃん
247 :
GF長官 :2009/10/13(火) 20:55:43 ID:???
>>244 有名な「宇垣図演」ですね。
ただ、真珠湾の時も似たような結果だったような・・・
>その割りに、敵空母への警戒がそれほど真剣でない
警戒していなければ、索敵機も出さないし、雷装待機もしないのでは?
>全然教訓にしなかった
教訓にしたら、史実と何が異なるんですか?
ひたすら雷装待機を続けるということ?
>>245 隊長殿には、ウォルターロード氏の言葉を贈りましょう。
「我々に勝つ資格はなかった」
続きは「ミッドウェー海戦編」に入ってから、じっくりやりますか。
>ワテはなんで隊長なんですか?
おや、隊長では不満でしたか。
では艦長でどうでしょうか。大佐に昇進ですよ!
248 :
GF長官 :2009/10/13(火) 21:14:54 ID:???
>>243 の続き
更に進化するサッチウィーブ。
>このフォーメーションの効果は明らかだった。
>サッチはデイブを右側に並行させ、マカンバーをウィングマンのように配置した。
>デイブの方が彼の戦術を理解しており、マカンバーとは無線交信できなかったからである。
デイブにとっても訓練の経験があるだけに、サッチ少佐の意図はすぐに理解
できたのではないかと思います。
249 :
GF長官 :2009/10/13(火) 21:15:53 ID:???
>>248 の続き
>零戦がデイブを攻撃しようとしたとき、サッチは零戦が十分接近するのを待ってデイブに向かって
>急旋回した。これを見たデイブはサッチに向かって旋回した。
>これにより零戦はたいてい深追いせず反転した。
>少なくとも攻撃をかわすことが出来ることを確認できたのである。
>一方デイブはサッチとマカンバーの後ろに零戦が迫ると彼らの方に急旋回した。
>それを見たサッチが後ろを振り返ると必ず攻撃しようとする零戦が見えるのであった。
「見張り」についても、サッチウィーブならではの特色が見られる。
通常は「CHECK SIX(6時方向に注意せよ)」が基本になります。
坂井三郎氏も「撃つ前にもう一度後ろを見よ」と繰り返す。
250 :
GF長官 :2009/10/13(火) 21:18:56 ID:???
>>249 の続き
ただ単機巴戦ならともかく、劣勢な空中戦ではずっと後ろばかり見ている
わけにもいかない。
そこで、このサッチウィーブは「僚機の6時方向を見張る」のです。
つまり、僚機の後ろに零戦がついて射撃態勢に入る
→それを発見した機が、僚機の方へ急旋回
→それを見て、僚機は自機の後ろに敵機がついていることを知る
→すぐに回避運動に入る
自機の後ろを警戒するよりも、はるかに視野が広がる。画期的な方法ですね。
また、このサッチウィーブの編隊間隔が広い(200〜300m)のも頷ける。
251 :
GF長官 :2009/10/13(火) 21:27:44 ID:???
>>250 の続き
>この相互見張り交差機動を繰り返すうち、サッチとデイブは何回か射撃の機会を得た。
>ある零戦がデイブの後ろから攻撃を仕掛けた。デイブはただちにサッチの方へ急旋回、
>サッチもデイブの方に急旋回する。零戦はデイブに追従せず、まっすぐ下方に抜けた。
>この日本のパイロットは引き起こしのとき急に機首を上げすぎたらしく、急に速度が落ちた。
>サッチが一連射し、零戦は背面になりそのまま落ちていった。
>これが3機目の戦果である
更に撃墜成果を重ねる。
結局、サッチ・デイブ・マカンバーの3機は零戦の追撃から逃れることが出来た。
>>202 の繰り返しになりますが、サッチ隊の本来の任務である「雷撃隊の護衛」は
完全に失敗している。だから、本職としてはあまり評価は出来ません。
しかし、「格闘戦では全くかなわない」と思われていた零戦に対し、編隊戦術を
駆使すれば十分対抗できることを証明した。
そして、間接的にこの後の「SBD奇襲成功」に貢献した。
その点では、「INCREDIBLE VICTORY」を演出した主役の一人と言える
のではないでしょうか。
>>247 図演の段階で、敵空母部隊の「奇襲」を受けて、赤城9発被弾・加賀沈没、
というリスクがある、と南雲・草鹿が骨身に沁みて分かっていたとしたら、
0440「敵ラシキモノ一○隻見ユ」の後の、
0445「敵艦隊攻撃準備、攻撃機雷装其ノ儘」は余りにも中途半端じゃありませんか、
ってことだけどね。
この敵空母の奇襲という図演の箇所だけ参加していない、
というなら、まだ擁護の余地はあるんだけど。
まぁ長官も、基本的には0445はミスジャッジ論に立っていそうだから、
これ以上は突っ込まない。
253 :
GF長官 :2009/10/14(水) 21:08:02 ID:???
254 :
GF長官 :2009/10/14(水) 21:20:17 ID:???
255 :
GF長官 :2009/10/14(水) 21:23:43 ID:???
>>254 の続き
「見敵必戦」の搭乗員にとっては、これらの機動の概念は理解し難かったのでは。
先に紹介した、坂井三郎VSサザーランド(
>>130 )でも、
「我々は不意をうたれた。グラマンの急襲に各機は急旋回で敵弾をかわした。
ところが、どうしたというのか。敵もまたこの一撃をかけただけで、さっと急降下で
去っていってしまった。
彼らが、いわばホームグラウンドで、しかも有利な態勢にありながら、たった一撃
だけで離脱したことは、我々には解せないことであった。
なぜ彼らは、かかってこないのだろう?」 (『大空のサムライ』)
優位優速から奇襲に成功しながら、一撃を加えただけで終わりとは、それこそ
「何が目的なのか分からない」ですね。
単なる臆病者としか、思われなかったのではないでしょうか。
日米の思想の違いがよく理解できます。
>>247 ロシュフォート「ガース大佐はこの結果をどう言いますかね。」
ニミッツ「うん、しかし彼ならこう言っただろう」
いやあ、ヒア汗モノでしたよ、山本は全てを持っていました経験も戦力も自信も
私たちはちょっと日本軍より運が良かっただけです
このあとPANUP 帰還したエンタープライズより顔を出したスプルアンスが見える。
それに敬礼するニミッツとロシュフォート。 その後、この海戦に関するクレジットが流れる。
映画 ミッドウェイ 88年頃日本語吹き替え版 (DVD版の訳は駄目すぎ、いくら字幕の文字数に制限があろうともね)
DVD版の字幕が駄目なのは字数制限ではない(むしろあれはオーバーしてる)。 日本人が翻訳してないから。
>>257 Ω Ω王蟲<なんだってー!
誤訳が多いのはその為か、
しかし、それでは説明出来ない点も多い。
「ワシントンの考えが正しかったかもしれん」とニミッツが海図を眺めるカットでの字幕は
まるで台詞を言うニミッツの台詞と字幕の訳がまるで違ってた(誤訳)
その台詞は中高生レベルでそのまま聞き取れるレベルの英会話なんで。
>>258 校正
「ワシントンの考えが正しかったかもしれん」とニミッツが海図を眺めるカットでは
ニミッツの台詞と字幕の訳がまるで違ってた(おそらく誤訳)
その台詞は中高生レベルでそのまま聞き取れるレベルの英会話なんで。
260 :
GF長官 :2009/10/15(木) 20:49:16 ID:???
>>256 誰か最新の考証で、映画『ミッドウェイ』を撮り直してくれんかのぉ。
タイトルはどうするかな。
米側視点版は、『MIRACLE AT MIDWAY』でも、『INCREDIBLE VICTORY』でもいいや。
日本側視点版は、『ミッドウェー島からの手紙』ならぬ、『ミッドウェー宛ての手紙』。
冒頭はこんな感じで。
作戦準備に追われる東京軍令部−
「なんだこれは・・・」
参謀の野村大佐が思わず眉をひそめた。
彼の手にした電報にはこう書いてある・・・
”六月以降、当隊宛ノ郵便物ハ左ニ転送サレタシ ミッドウェー”
「防諜がまるでなっとらん!気が緩み過ぎではないのか。
相手はあのアメリカだぞ。このまま大人しく引っ込んでいるわけがなかろうに・・・」
続きは任せた!
261 :
びりー隊長 :2009/10/15(木) 20:57:28 ID:???
長官いてるんか〜? ワテをなんで隊長と命名したのか? 由来を教えておくんなましw
262 :
GF長官 :2009/10/15(木) 21:22:38 ID:???
>>255 の続き
それに、サッチウィーブ実施上の課題が、いくつか思い浮かぶ。
無線を駆使しての緊密な連携が欠かせないし、敵に倍する兵力が必要。
そんなに相手が都合良く動いてくれる場合ばかりでもないでしょう。
厳しい編隊機動訓練が必須となる。
そして最も重要なのが「射撃」です。
交差機動という性格上、敵機を横から射撃する機会が多い。
巴戦ならば、後上方から浅い角度での射撃が基本なので、修正量は小さくて
済むが、側方からほぼ直角に射撃して、そうそう命中するものなのだろうか。
ちょうどダルビッシュが全力で投げた球に、横から別の球を投げてぶつける
ようなものです。
『坂井三郎空戦記』で確認してみますと、
http://www.youtube.com/watch?v=vPqWR7AzCFY [5:16]から、坂井機がサザーランド機に対して射撃しているが、真後ろに付いて
いるため、ほとんど修正が不要なのが分かる。
263 :
GF長官 :2009/10/15(木) 21:24:21 ID:???
>>262 の続き
というわけで、ここからは米海軍の「射撃術」を見ていきます。
「おそらく米海軍は、完全偏向射撃法を主用した世界でも唯一の航空兵力だった
のではなかろうか」 (『第二次大戦ワイルドキャットエース』)
な、なんだってー!!
偏差射撃と言うと、マルセイユやバルクホルンなど一部の天才のみが使える
射撃術ではなかったのか。そう、
「何もない空間を射撃し、まるで敵機が射弾に吸い寄せられるように命中した」
と絶賛されるアレです。
それを訓練により、誰でも身につけていたと言うのか?
264 :
GF長官 :2009/10/15(木) 21:25:02 ID:???
265 :
GF長官 :2009/10/15(木) 21:34:55 ID:???
266 :
ガース大佐 :2009/10/15(木) 23:49:07 ID:???
>>259 「ミッドウェイ」の日テレ版吹替はリップシンクの都合でもない筈なのに、何故か真逆に翻訳されている箇所がある。
赤城、加賀、蒼竜を沈めて、ヘストンやらハル・ホルブルックならがニミッツに「3隻も沈めたからもう引き上げましょうよ」と進言すると、ニミッツが「わては4隻めもブチ沈めたいんじゃあ!」というシーンが、
「3隻沈めましたけど、もうちょっと戦果が欲しいですね」と進言されて、「そっかなぁ。もう引き上げ時じゃね?」
みたいに。
267 :
びりー隊長 :2009/10/16(金) 18:43:09 ID:???
>>265 そうでっか!
関西弁が理由で、淵田はんが由来やったのは知らなかったわw
ワテは大阪人なんで、八尾出身の零戦隊長の宮野はんのほうが
親近感ありますわ。
こら!お前等!
関西弁で叱咤激励やどお!
やかましいのお わしゃあ岡山じゃけえど、おめえの話やこおどおでもええわ。 はよいぬれ。
269 :
GF長官 :2009/10/16(金) 21:23:03 ID:???
>>264 の続き
そもそも空中戦では、双方が高速で運動しているため、真後ろにでも付かない限り
偏差射撃の要素は必要になる。
つまり、敵機に照準を合わせて射撃しても、射弾が到達する頃には敵機はそこには
居ない。だから、敵機の未来位置を見越して射撃しなければならない。
「では、次に射撃の位置のことについて触れよう。相手にも気付かれず、後方に
ぴたり付いて射撃するのが、修正量も少なく、命中率も高かった。
だが、真後ろは被弾面積が狭くなるという欠点もあったし、特にアメリカの戦闘機は
頑丈に出来ているので、同高度追尾射撃では跳弾も多かった。
更に、あまり接近し過ぎると、敵機の破片やオイルをかぶってしまうので要注意だ」
(『坂井三郎の零戦操縦』)
やはり後上方から射撃するのが、敵機を立体的に捉え易く、見越しにも有利。
撃墜王たちがスコアを稼いだのも、この方法が最も多い。
ただ、坂井氏は後下方射撃を好んで使ったようです。
敵機の死角にあたり、また、急降下による離脱を牽制する意味もある。
270 :
GF長官 :2009/10/16(金) 21:24:35 ID:???
>>269 の続き
それに対して、同位戦(敵機の横から射撃する)では修正量が大きく、
命中率も悪くなる。
例えば「逆落とし」で知られる、横山保少佐の対B−17戦法ですが、
@B−17より1500m上空に単機で占位
A正面から反航で接近
B頃合いを計り、背面急降下に入る
C直上から射撃、B−17に激突しないように、脇を抜けて離脱
直上方攻撃ですから、相対角は90度近くになり、高度な見越し射撃の
伎倆が必要となる。
271 :
GF長官 :2009/10/16(金) 21:25:23 ID:???
>>270 の続き
「この攻撃は、通常の照準器を使った射撃が不可能だった。
見越し角を目測で計算するにも容易ではなかった。反転降下のタイミング、
射撃開始の頃合い、そして退避方向の選択、いずれもが臨機応変な判断が
要求される極めて難しい攻撃法だった」 (『3DCG(36)零戦』)
”マニュアル化は不可能”とまで言われた戦法です。
これは極端な例ではありますが、サッチウィーブには高度は射撃伎倆が
必要であることは、言を待たない。
272 :
GF長官 :2009/10/16(金) 21:29:32 ID:???
>>271 の続き
また、零戦の場合は約200m先で射弾が集束するように調整されている。
F4Fでも基本は同じで、1000ft(304m)先で集束するようになっていた。
ただし、これは一部の熟練パイロットしか使いこなせないため、より広範囲の
散布法(射界散布式照準規正)も採用されるようになった。
緊密な銃弾の円錐を作る射撃より破壊力は下回るものの、散布界を広げる
ことで、数発でも命中弾を得る可能性が増すという発想です。
特に日本軍機は防弾性能が劣るため、有効だったと言えますね。
オスプレイ本によれば、1943年頃から導入されたようです。
サッチウィーブに合わせて、少々照準が外れても命中弾が得られるように
という意図で、変更されたのかもしれません。
>>266 ああ、そこですか。確か
電信士「フレッチャーより咲の報告を確認する、敵空母三隻炎上」
ロシュフォート「いやった!敵の第一戦空母を三隻ですよ踊り出したい気分ですよ!」
電信士「追加の報告です、ヨークタウンがやられました…いやしかし、自力で航行は出来るそうです」
ロ「いやーよかった、しかし今、ヨークタウンが南雲の艦隊にまた見つかると危ないですよ」
ニミッツ「だが、敵にはまだ空母が一隻残っている」
ロ「しかし…私たちはもう大戦果を収めたのですから…」
ニ「…つまり引き上げさせろと…?」
ロ「ええ、反撃をしかけてくる前に、空母を失ったとは言え山本の戦力は未だ強大です」
ニ「確かにそれもいい方法かと思う、だが私は残りの空母も沈めたい!」
だったかな。記憶だからあとで確認しますわ。
×だが私は残りの空母も沈めたい! ○だが私は四隻目の空母も沈めたい! 真逆だったのか
ゲンダのモノローグシリーズ(その2) 5月4日の図演、GF参謀長の判定で赤城は生き残ったものの、命中弾9弾、加賀は沈没、 というサイコロの結果、ナグモ長官には衝撃だったらしい。 図演6隻の空母参加の前提が、翔鶴・瑞鶴は戦線離脱で参加できず、4隻。 図演4隻・実戦6隻の真珠湾の逆なのだ。 ナグモ「ゲンダくん、ツリンコマリー空襲時のとき、”第二次攻撃の要あり”の打電が入り、 更に敵空母発見の報、山口くんの”攻撃隊発進の要ありと認む”の具申をスルーして、 兵装転換してる最中に、爆撃機の空襲を喰らったことを、覚えているか?」 ゲンダ「錬度が低いイギリス軍で、確か爆撃機は9機ぐらいでしたね?」 ナグモ「ゲンダくん、図演のように、敵に先手を取られると、赤城も加賀も撃沈されるじゃろ。 敵空母の発見と、ミッドウェー基地機を含めた敵機迎撃体制には、ぬかりがないように! また山本長官の指示通り、敵空母攻撃隊は半数待機を崩さぬように。」 敵空母が出てくるとして、エンプラとホーネットぐらいか、艦載機の1/3で70機前後が戦闘機。 直掩に半分として35機前後… 敵空母攻撃隊には36機の零戦の護衛が必要か。 軍令部の見積だと、ミッドウェー基地には40機。戦闘機は20機前後か? 基地攻撃時に零戦は、最低でも2コ中隊18機前後で護衛したいところだな。 その一方で基地から空襲喰らう際には、戦闘機10機+爆撃機20機ぐらい? 3コ中隊27機ぐらいで零戦直掩が必要か。敵空母発見前なら、そっち用から多少は融通できるか。 最悪の事態は、敵基地攻撃中に、敵空母発見から出撃、更に空母機を含む敵機来襲で迎撃体制、 つまり 36+18+(27+α)=81+α機、現有戦力でギリギリ足りるか足りないか… 索敵が終わる迄は、直掩機を増やして敵の奇襲に対処しながら、、 敵空母がいないと確認終わってから、ミッドウェー基地空襲するのが上策なのだろうな… (続く)
6月5日0130、索敵機発進。 ゲンダ「偵察機は全機発進したのか?」「利根4号機、発進30分遅れの模様!」 昨晩の整備や予備機の準備はどうなってるんだ、利根は… 昨日、利根から「敵機10機認ム」の連絡が入ってるから、基地からの空襲は0230以降か・・・ 0200 ゲンダ「直掩零戦、1コ中隊発進! 3コ中隊は甲板にて発進待機!」 後2時間で、敵艦隊の有無は判明するだろう、それまでの我慢だ… 0400 ゲンダ「長官、索敵機は索敵線の先端まで到達した模様なので、基地攻撃隊を準備します」 ナグモ「待て、利根4号機が30分遅れを忘れたのか? 確実を期せよ、もう30分待つのだ !!」 長官は、図演の結果に相当ショックを受けていらっしゃるのだなw まぁ待とう。 0405 「敵機来襲!」→ゲンダ「機種知せ!」→「雷撃機×6、B-24×4の模様!」 ミッドウェー基地の飛行機か… ええい、忌々しい。 0415 やれやれ、敵機は追い払ったか。見てろよ、間もなく空襲してやるからな。 0430 通信参謀「利根4号機から "敵ラシキモノ10隻見ユ" を受信!」 なんてお粗末な敵情報だ、艦種の報告がないじゃないか、このスットコドッコイめ !!! コイツら舞い上がってる? 位置情報も怪しいかも知れぬ・・・ ゲンダ「"艦種確メ接触セヨ"を打電せよ、ニ偵1機を緊急発進、触敵させよ!」 ナグモ「敵空母群だとすれば、先手を取られるかな?」 ゲンダ「基地から連絡は入っているでしょう… 空母の有無を確認するまで、直掩体制は強化します」 0521 通信参謀「利根4号機から "敵ハソノ後方ニ空母ラシキモノ一隻ヲ伴ウ" を受信!」 ゲンダ「むぅ、空母か… 一航戦・雷撃隊、ニ航戦・爆撃隊に発進準備を下令!」 通信参謀「ニ偵より入電、利根4号機報告位置付近に、敵艦隊は存在せず」 ゲンダ「利根4号機の大馬鹿野郎 !!! ヤツに "位置知セ" を打電!」 まてよ、利根4号機の報告位置と、筑摩5号機の往路・筑摩4号機の帰路がダブる… この2機が敵艦隊を見ていないとなると… 利根4号機の往路付近が怪しいのか? ゲンダ「ニ偵に、南方向での索敵を指示! 第一次攻撃隊、甲板に上げて待機させよ」
0600 ゲンダ「ニ偵からの連絡はまだか!」 敵の戦闘機に撃墜されたのか? 無線が故障したのか? 止むを得ん… ゲンダ「長官、利根4号機の往路方向に、第一次攻撃隊を発進させます。 途中、ニ偵からの連絡があれば、無線連絡で進路を変更、 会敵できなければ、北上させて索敵させます」 ナグモ「よかろう」 0605、零戦36機、雷装の九七艦攻36機、九七艦爆36機は、東の方向に向かい、 出撃していった。 0610 通信参謀「第一次攻撃隊より受信、"敵機、貴方向ニ向ウ"!」 南東ではなく、東の方向から、敵機だと ??? これは空母機なのか? 以降、史実の通りのスケジュールで一航艦は、米軍の空襲を喰らう。 ただし、空母6隻の図演で相当な被害を喰らったことや、セイロン沖での反省を活かし、 敵空母の有無を完全に把握するまで、ミッドウェー基地攻撃隊の発進を待ったことが功を奏し、 爆雷転装・雷爆転装の騒ぎはなく、第一次攻撃隊の収容問題も発生せず、 急降下爆撃を喰らった0723前後、甲板には魚雷や250kg爆弾を抱えた機体は、 赤城にも、加賀にも、蒼龍にもない。 史実よりは火災の影響はかなり小さくなっているだろう。 このとき、一航艦の直掩零戦は約40機。 ホーネット第8雷撃中隊、エンタープライズ第6雷撃中隊、ヨークタウン第3雷撃中隊は、 史実通り撃退するとして、もしも第一次攻撃隊が爆撃中隊とすれ違って打電できれば、 急降下爆撃隊に備えて、零戦を上空待機させることもできたかもしれない。
278 :
GF長官 :2009/10/17(土) 20:00:48 ID:???
>>275 おお第二弾ですね。
ゲンダくんは、病み上がりのはずですが、大丈夫でしょうか・・・
279 :
GF長官 :2009/10/17(土) 20:36:47 ID:???
>>272 の続き
では、米海軍の「完全偏向射撃法」を見ていきます。
「大方位角の場面でも有効な射撃を行うため反射式照準器が開発され、
複葉機時代から残っていた望遠鏡式照準器にとってかわった。
F4Fでは、N−2型か、Mk[型が最も多用されており、後者が標準装備
となる。これは、照準の中心に1ミルを表す点か星印があり、それを偏差
計算を助ける50、100ミルの円が囲んでいるのが特徴であった」
(『第二次大戦のワイルドキャットエース』)
まずは照準器から。
あらゆる銃火器において照準は命。これが狂っていたら、盲撃ちと同じに
なってしまう。
望遠鏡式から光像式(反射式)への以降は、日米共通です。
280 :
GF長官 :2009/10/17(土) 20:37:56 ID:???
281 :
GF長官 :2009/10/17(土) 20:39:24 ID:???
282 :
GF長官 :2009/10/17(土) 20:40:16 ID:???
>>281 の続き
但し坂井氏の話によると、そうでもないようで、
「私が敵機をとらえた時は、一撃目はOPLを使ったが、ニ撃目は実物を見た。
OPLは欧米のものに比べ、ブレやすく精度が悪かったからだ。エンジンの振動
に加え、若い整備員などが照準器をつかんで乗り降りしたりするから、確実に
狂ったのである。
身体をずらしても見えるということで採用されたが、少しずれても光の像はゆが
んだ。その点、四ヶ所をしっかり固定された筒型のOEGの方が、ブレが少なく
精度が高かった。
誤解されている方も多いが、OEGは目をくっつけて射撃するのではなく、約40
センチ離してのぞく。つまりその意味では、OPLと同じなのである」
(『坂井三郎の零戦操縦』)
このあたりにも、当時の工業力の限界がうかがえますね。
米海軍航空隊が採用した完全偏向射撃(デフレクションシューティング)については 芸立出版から出ている「零戦:アメリカ人はどう見たか」という本に詳しく載っているので 一読をお勧めします F4Fが零戦に対抗出来ないという事態に慌てた海軍が一時期艦上戦闘機としてP−40 の導入を真剣に検討したりと従来日本では知られていなかったエピソードなんかも出てきます
284 :
ガース大佐 :2009/10/18(日) 00:28:25 ID:???
>>273 I want that 4th carrier !とニミッツが言い放つ台詞が、DVDの糞(失礼)字幕では
4 隻 目 の 空 母 は 私 が や り た い ん だ
ニミッツはん、何がしたいんでしょうね?
こんな字幕にするくらいなら、いっそのこと
わりゃあ 4隻目の空母の首獲ってこんかい!
でもよかったかと。
あ、ヘンリー・フォンダが「連合艦隊」の南雲中将や栗田長官の顔にダブってきた…
>>278 どうせ架空なんだから、ゲンダくんじゃなくて、クサカ参謀長の活躍篇、
でもいいわけだし。
水雷出身という意味では小沢中将と南雲長官は同じなのだから、
一航艦長官拝命で、航空に対して猛勉強し、
小沢中将と同じく、参謀にテキパキ指示を出すナグモ長官を、
あの仮想シリーズの主役に抜擢してもいいのかもw
>>284 なるほど私のはVHS版です。
南雲艦隊出撃時の台詞は日本語だったからまあ、
青木艦長「旗艦へようこそ長官」
南雲長官「また世話になるよ青木大佐、それと草鹿少将は私の参謀長だ」
「源田の姿が見えんが?」
青木大佐「あ、実は源田は、今朝風邪を引きまして、しかし症状は軽いようなので…」
南雲長官「作戦開始に当たって源田を欠くのは痛いな…」
青木大佐「実はもう一人病人が出ました、渕田大佐です、今朝盲腸炎で入院しました」
南雲 「渕田もか…後任はどうした」
青木大佐「源田は、空母飛龍に魚雷攻撃の達人を乗せると言っておりました、友永大尉です」
南雲 「源田の推薦ならいい、後で友永に会いたいな」
青木大佐「伝えておきます」
南雲「渕田は真珠湾攻撃の第一波を指揮した男だったがダメか…その作戦を立てた源田も病気とは
幸先悪いな草鹿…今度はツイていない」
草鹿「大丈夫ですよ…信じましょう」
×渕田大佐 ○渕田中佐
>>208 の文春の与太記事読んだがなんじゃありゃ…
まあ戦史に足を踏み入れた初心者が一度は必ず妄想する内容ですなw
>>288 読んだかw
でもやつは東大教授なんだよなw
最高学府の教授があれでは日本も終わりだな
書店で噴いたわw
290 :
ガース大佐 :2009/10/18(日) 23:01:45 ID:???
>>286 テレ朝版新藤光太台本ですな。
日テレ版よりは遥かにこなれが良くていい台本ですが
「空母飛龍に魚雷攻撃の達人を」
ここで長官相手にわざわざ空母飛龍は変でしょう(オリジナルにあったのかも知れませんが)。
視聴者向けの配慮かな。
「幸先悪いな」
誤用です。
日テレ版では「幸先が良くないな」
291 :
GF長官 :2009/10/19(月) 21:06:12 ID:???
>>283 情報感謝します。
「艦隊防空の章」では『世界の艦載兵器』を購入しましたが、今回は適当な
資料が見つからなかったので、F4Fスレが頼りという現状であります。
まぁ、スレ違いなのでほどほどにしときたいとは思いますが・・・
>>285 本職の考えとしては、0415時の兵装転換下令に関する限り、
「図演の結果」
「インド洋での戦訓」
「利根四号機の発進遅延」
これらの及ぼす影響は小さいと思っています。
確かに、往路終了時点(0400時、利根機なら0430時)で見切りをつけるのは
明らかに過早気味。せめて側程終了時点(0430時、利根機なら0500時)まで
待つべきだったでしょう。
復路の途中までは、往路の視認範囲と重ならないわけですし。
292 :
GF長官 :2009/10/19(月) 21:07:23 ID:???
>>292 の続き
にも関わらず、南雲長官が決断した理由はテンプレの通り(
>>11-13 )
そして、それを思いとどまらせる材料としては「図演の結果」等は不十分と言える。
仮に、この後利根機が敵艦隊を発見したとしても、索敵線先端付近(300浬)で
あり、喫緊の脅威ではない。
例えば、第二次攻撃隊をミッドウェー島に向かわせ、収容した友永隊を敵艦隊に
指向させるという選択肢もある。
重要なのは、0415時まで米空母情報は皆無だっという事実。
大和からの転電情報があったというのならまだしも、それ以外では司令部の面々
を説得できるのかは疑問ですね。
ミッドウェー基地は、「現実の」「目の前にある」「差し迫った」脅威なのですから。
>>288 ちょっと本屋に行ってくる。
293 :
GF長官 :2009/10/19(月) 21:29:20 ID:???
294 :
GF長官 :2009/10/19(月) 21:31:11 ID:???
>>293 の続き
なぜ、普通の角度(15度や30度等)ではいけないのかと言うと、ラジアンを
使う方が都合が良いからです。
陸海空を問わず、銃砲撃の際に必須となるのが「測距」。
目標までの正確な距離が分からなければ、適確な照準は望めない。
では、どうすれば「目標までの正確な距離」を測定できるのか。
まさか、戦場でメジャーを引っ張るわけにもいかないし。
そこで、このラジアンが役に立つのです。
察しの良い方は、すでにティンときたかと思います。
もう一度、
>>293 を確認しましょう。
1ラジアンとは、「半径=円弧の長さ」となる角度であり、「半径」がちょうど
「目標までの距離」に相当する。
だから予め目標の全長が分かっていれば、測距が可能なのです!
295 :
GF長官 :2009/10/19(月) 21:34:50 ID:???
>>294 の続き
具体的に見ると、例えば零戦の全幅は12m。
照準器に1ラジアン(約57度)の目盛り(同心円)を描いておき、その円内に
零戦がピッタリおさまれば、零戦との距離は12mとなるのです。
簡単ですよね?
しかし空中戦において12mとは、ニアミスを超えて衝突コース。
つまり、ラジアンだと単位が大きすぎるので現実的ではない。
そこで、ミルの登場です。
1ミル=1ミリラジアンですから、上記の零戦の例ならば、目標までの距離は
12mの1000倍=12000m(12km)になる。これじゃ遠すぎる。
10ミルならば1200m。これでも遠い。
100ミルならば120m、50ミルならば240m。
零戦の射撃整合距離は約200m(
>>272 )ですから、照準器に50ミル乃至
100ミル(2.8度〜5.7度)の同心円を描いておき、敵機が50ミルの円から
はみ出した時点で射撃を開始すれば良い。
ミルの概念がつかめたでしょうか。
セイロン沖⇔ミッドウェーにおける、l敵爆撃機の空襲での比較 ______ セイロン沖⇔ミッドウェー ・日本攻撃隊 ツマンコリー⇔ミッドウェー基地 ・敵空母発見 同上・攻撃中⇔同上・攻撃中 ・山口 少将 第二次攻撃要有⇔「直チニ発進ノ要アリト認ム」 ・敵機爆撃法 水平爆撃⇔急降下爆撃機+雷撃機 <=★★★ ・日 空母被害 ゼロ⇔大破・沈没4隻 セイロン沖では「幸運にも」水平爆撃だったから救われたものの、 敵に先制されたことに関する反省が足りない、ことは事実じゃないの? だから幸運は何回も続かなかった、とも言えるわけで。 セイロン沖の反省がミッドウェーで(結果として何も)反映されてないことは、 狭義では、源田艦隊と揶揄されたぐらいだから、かなりの部分、源田の責任だとは思うが、 広義では、草鹿参謀長、そして南雲長官も何分の一かは負うべきもの、と思う。 GF長官が認めるように、往路終了時点(0400時、利根機なら0430時)で見切りをつけるのは、 早すぎたミスジャッジ。 零戦の戦闘目的が、敵空母、敵基地、空母直掩と、三兎を追う「可能性があった」。 だから、上空直掩強化で、敵基地からの空襲に備えつつ、 索敵を完了させて、空母がいないと完全に確認してから、基地攻撃するという選択肢がありながら、 (敵基地と空母直掩の二兎を追う状態へ良化する) 「現実の」「目の前にある」脅威に負けて、索敵と同時に基地攻撃したのも、 大変厳しい言い方ではあるが、ミスジャッジじゃないか、と思う。 5月上旬の図演でも、出発直前の大和での図演でも、ミッドウェー基地にいる敵機見積は、 軍令部が弾いた40機程度であり、 零戦4コ中隊で夜明け後から直掩する前提では、 よっぽどの天候不良でない限り、それほどの脅威だった、とも考えられず…
297 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:18:07 ID:???
>>296 ご意見有難うございます。戦史スレはこうでないとな!
>セイロン沖では「幸運にも」水平爆撃だったから救われたものの、
>敵に先制されたことに関する反省が足りない、ことは事実じゃないの?
水平爆撃とはブレニムによる奇襲のことでしょうが、むしろ艦隊防空の不備
として指摘すべき事項であり、兵装転換とは直接関係ないと思いますが。
「敵に先制されたことを反省」すれば、兵装転換を思いとどまるということですか?
>セイロン沖の反省がミッドウェーで(結果として何も)反映されてないことは、
>広義では、草鹿参謀長、そして南雲長官も何分の一かは負うべきもの、と思う。
「セイロン沖の反省」とは具体的に何を指すのでしょうか。
南雲長官は「兵装転換には時間がかかる」という戦訓をよく理解していたからこそ、
利根機入電の後、即座に換装を中止させたのでは。
298 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:19:44 ID:???
>>297 の続き
>索敵を完了させて、空母がいないと完全に確認してから、基地攻撃するという選択肢がありながら、
「索敵を完了させて」とは、索敵機が全機帰投するまで兵装転換を待つということですか?
それとも、索敵機が帰投してから、ミッドウェー攻撃隊(友永隊)を出すということですか?
いずれも、非現実的と言わざるを得ません。
「兵装転換下令をあと30分待つべきだった」というのなら、まだ理解できますが。
>「現実の」「目の前にある」脅威に負けて、索敵と同時に基地攻撃したのも、
>大変厳しい言い方ではあるが、ミスジャッジじゃないか、と思う。
目の前の脅威から対処するのは当然でしょう。
居るか居ないか判らない米空母に備えて、攻撃兵力の半数を遊ばせておくのですか?
299 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:22:04 ID:???
>>298 の続き
どうも、必要以上に敵空母の出現に怯え過ぎのような気がします。
0415の時点で、索敵機は側程の途中であり、利根機ですら「あと15分で往路終了」。
この後発見したとしても、彼我の距離は約300浬。
米空母が攻撃隊を発進させるまでに、あと3時間以上の余裕はある。
もう一度、南雲長官や草鹿参謀長になり切って考えてもらいたいのですが、
事前空母情報は皆無、索敵機は折り返し地点、友永隊長からの再攻撃要請。
この状況で、なおも雷装待機を続けるというのなら、相当な根拠が必要です。
インド洋の戦訓や図演の結果が、その根拠となるのでしょうか。
>軍令部が弾いた40機程度であり、
>それほどの脅威だった、とも考えられず
「脅威」には、「攻略船団に対する脅威」の意味も含まれます。
0415までに来襲したのは、TBF×6とB−26×4のみ。
残りが船団攻撃に向かったとも考えられる。
速やかに基地を制圧しなければ、反復攻撃により船団に被害が生じる恐れもある。
それでも雷装待機を続けますか?
300 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:25:40 ID:???
>>299 の続き
何度も繰り返しになりますが、
「0415時の兵装転換下令は誤りだった」
これに異論はありません。
しかし当時の状況を考えれば、ニュータイプでもない限り、確信を持って
雷装待機を続けることなんて出来ないでしょう。
故に、本職は「南雲長官に同情的」なのです。
301 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:48:11 ID:???
>>295 の続き
戦闘機において、測距にあたるのは「機銃の有効射程」。
「機銃は戦闘機の命と言われている。ワイルドキャットの場合、この命にあたるのは
おそらく戦時中最良の航空機用兵装であろう優秀品、ブローニングM2 12.7mm
機関銃である」 (『ワイルドキャットエース』)
ブローニングM2と言えば、名にし負う傑作機銃であります。
確か「連合国を勝利に導いた兵器」の一つに挙げられていたような・・・
この「50キャル」に、どれだけの日本軍機が墜とされたことか!
302 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:49:04 ID:???
>>301 の続き
それはさておき、M2の有効射程ですが、
>WWIIの米海軍では固定機銃による攻撃時の基準距離は1000フィートと規定している。
>ガンカメラの記録によれば80%の人間が1500フィートで撃ちだすが90%が外れる、とされている。
>一方1000フィートまで近寄って射撃を開始すれば80%がヒットを得られるとしている。
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1201967334/11 1000ft=304mなので、零戦(200m)よりは少し遠めですね。
零戦の場合7.7mmと20mmの混載ですし、初速も弾道性異なるから
やむを得まいか。
303 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:49:42 ID:???
304 :
GF長官 :2009/10/20(火) 21:50:55 ID:???
>>303 の続き
余談ながら坂井氏の手記には「20mm不要論」が出てきますが、本職は否定的。
「戦闘機相手には7.7mmで十分であるというのが、現在でも私の意見である。
20mmは弾道性が悪く、二撃ほどで左右60発の全弾を撃ち終えてしまった。
弾丸のなくなった20mmは、ただ重いだけの無用の長物である。
それよりも初速も速く弾道性の高い、グラマンに積まれた携行段数の多い
ブローニング12.7mmの方がうらやましく、また脅威であったのである」
(『坂井三郎の零戦操縦』)
確かに、米戦闘機の相手は「紙装甲」零戦や「ワンショットライター」陸攻
ですから、12.7mmで十分でしょうが、零戦の相手は「グラマン鉄工所」
F4Fや「空の要塞」B−17です。
ただでさえ、高高度性能に劣る零戦はB−17邀撃に苦戦したというのに、
この上20mmがなければ、文字通り「手も足も出ない」になってしまう。
もちろん、弾数の少なさや弾道性の悪さは改善の余地ありですが。
305 :
びりー隊長 :2009/10/20(火) 22:07:12 ID:???
ワテだす。
長官、仕事は順調かあ?
>>299 >>300 南雲はオペレーターってことやろ。
ただやで〜
艦隊の指揮官たるのもの、危険察知能力(想像力ともいうかな?)も
備えてるいる指揮官じゃないとイカンと思いまっせ!
296さんの指摘のように、大小サインはチラチラ出てますわ。
戦況を甘く見積もって、右往左往して、結果大敗じゃ、評価なんて
できるの?
>故に、本職は「南雲長官に同情的」なのです。
真剣勝負の戦争考察に「同情的」なんて言葉を使うのはあきまへんで〜
306 :
GF長官 :2009/10/21(水) 20:58:08 ID:???
>>305 仕事はまあまあかな。冬のボーナスがちょっと心配・・・
「俺、ボーナスが出たらBDプレーヤーを買うんだ・・・
クリスマスには一家団欒でたいやき。を・・・!」
う〜み〜ゆ〜かば〜♪
>真剣勝負の戦争考察に「同情的」なんて言葉を使うのはあきまへんで〜
そりゃあ隊長、「南雲提督を励ます会」筆頭の本職が同情せずして、
誰がするというのですか!
再度スレタイヲ確認サレタシ
307 :
GF長官 :2009/10/21(水) 21:18:44 ID:???
308 :
GF長官 :2009/10/21(水) 21:19:39 ID:???
>>307 の続き
もう一度、ミルの定義(
>>293 )を確認しますと、
1ラジアンでは、「半径=円弧の長さ」であり、
半径=M2基準射程距離=1000ft
円弧の長さ=目標の全長
照準角 目標の全長
1ミル ⇒1ft (0.3m) [1000*(1/1000)]
50ミル ⇒50ft(15.2m)[1000*(50/1000)]
100ミル⇒100ft(30.4m)[1000*(100/1000)]
200ミル⇒200ft(60.8m)[1000*(200/1000)]
300ミル⇒300ft(91.2m)[1000*(300/1000)]
つまり、「ミル数=目標の全長」となるので非常に便利。
309 :
GF長官 :2009/10/21(水) 21:20:36 ID:???
長官 狙いは照準器でつける訳ですけど、“着弾確認”は当然目視ですよね。 敵機が火を吹いたり、主翼が根本から吹き飛んだりすると、 わかり安いのですが… 200mの位置から着弾確認は容易く出来る物なのでありますか? 坂井氏も、 射撃後“敵機が左右にフラフラ主翼を振り始める”これは敵パイロットに着弾した証である。 実際、敵機は機体に損傷なく火も吹かず尚且つパイロットも脱出せず森の中に静かに消えて行った。恐らく敵パイロットは機内で戦死していたのであろう。 …の様な事を書いてたと思いますが。 やはり坂井氏程の猛者でも 「当たっただろう」 こんな感覚なんでしょうね。
311 :
GF長官 :2009/10/22(木) 20:55:50 ID:???
>>310 そう思います。
>狙いは照準器でつける訳ですけど、“着弾確認”は当然目視ですよね。
坂井氏自身も照準器を使うのは一撃目だけと言っていますし(
>>282 )
空中では200mって、どれくらいの感覚なんだろうか。
312 :
GF長官 :2009/10/22(木) 21:44:54 ID:???
>>309 の続き
これにより、照準器の目盛りから「基準射程距離」(1000ft)が理論的に
つかめることが分かりました。
理論的ということは、誰でも出来るということです。
対する日本側はどうだったのか。
戦記等を読んでも、ミルの話は出てきた例がありませんね。
かといって、米海軍と比べて射撃伎倆が劣っていたとも言い切れない。
熟練搭乗員たちは、経験則として知っていたのだろうと思います。
「また日頃から私は、こんな訓練もやった。
空中では敵機との距離がわからない。そこで地上で機体が照準器の中で
どのような大きさに見えたときに、何メートルの距離か、あらゆる角度から
見て研究した」 (『坂井三郎の零戦操縦』)
ただ、この方法だと個人の能力によってずいぶんと変わってしまいます。
313 :
GF長官 :2009/10/22(木) 21:47:06 ID:???
>>312 の続き
我が国では伝統的に、技の継承において「手取り足取り教える」といった方法は
採られないですね。芸事では特にそう。
職人の下に弟子入りしても、雑用ばかりやらされて、一向に「奥義を伝授」して
くれない。それで文句を言うと「師匠の動きをよく見て、技を盗め」と。
素人考えでは、ずいぶん効率が悪いように思えますが、
「昔の職人などは親方のところへ入門すると、ずっと雑用ばかりやらされて
ちっとも教えてもらえなかったという話がよくありました。
私はその意味を次のように考えています。
入門してすぐ、初心者のうちから仕事を教えられて始めてしまうと、色々失敗
しながら、だんだん出来るようになっていく。
それが当然だろうと思われるかもしれないが、その体験を通じて、人は”出来
なかった自分”を潜在意識の中に抱え込んでしまう。
しかし仕事をさせてもらえず、ただ見ていると、身体の中で”ああかな、こうかな”
と仕事の感覚をシミュレーションしていく。その過程で具体的に失敗することは
ない。
それである日”じゃあこれでもやってみるか”と師匠から言われたら、ちょっとした
ヒントですぐに出来るようになる。初めて出会うことでも、色々工夫していけるよう
になるのです。
314 :
GF長官 :2009/10/22(木) 21:48:48 ID:???
>>313 の続き
ところが、現在のように何でもマニュアルで手取り足取り教えるやり方だと、
知らないことに出会った時、”それは教わってないから出来ません”となる。
ですから、職人が仕事を教えないのは、応用力が育つようにという意味を
含めてのことであったと思うのです」 (『古武術に学ぶ』甲野善紀/著)
「失敗経験を積ませない」というのは、なかなか面白い解釈ですね。
ただこの「応用力を育てる」教え方は重要だと思います。
「では追求すべき”術”とは何かと言えば、私は質的に転換された動きのこと
だと考えています。それは単に反復練習を繰り返して達成出来るものでは
ない。”慣れ”による動きの延長戦上にない、明らかに質的に違った動きです」
懇切丁寧に教えられて身につけたものなど、実戦では役に立たない。
机上の学問では、応用力は養えない。
315 :
GF長官 :2009/10/22(木) 21:50:32 ID:???
>>314 の続き
坂井三郎氏も新人の頃、先輩搭乗員と訓練した話の中で、
「私の第一回目の空戦の相手は、日本海軍きってのベテラン黒岩一空曹であった。
高度1500mでの同位空戦訓練である。
私は懸命に黒岩機に食いつこうと、頑張って旋回を続けた。一回り、二回り目までは
なんとかついていけたが、ちょうど黒岩機が宙返りの頂点に達する前に、急に翼を
左へ傾けたように見えた。それは変な操作であった。
私は何がなんだか分からないようになったが、どうしたというのか、一瞬黒岩機が
見えなくなった。まさか墜落したのではあるまいか・・・そして、あたりを上下左右と
見回したが見つからない。まさかと思って真後ろを見た。
私はあっと息をのんだ。黒岩機はいつどのように回り込んだのか、私の直後30m
の位置にぴたりと追尾しているのである。」 (『続・大空のサムライ』)
もう分かりましたね。「ひねり込み」にやられたのです。
この時は九六艦戦よりも更に前、九○艦戦ですから、文字通り「目の前から消えた」
のだと思います。
316 :
GF長官 :2009/10/22(木) 21:52:57 ID:???
>>315 の続き
空戦後、黒岩一空曹に助言を請うと、
「勝ち負けなど、まだお前たちが論ずる時ではない。しかし、初めてにしてはなかなかの
出来だったぞ。これから格闘戦の訓練を重ねていくうちに、飛行機の動きというものが
だんだんと分かってくるのだ。
あの手この手と研究して、はじめて飛行機が手に入ってくる。”どこでどうする”という
ことはなかなか教えることは出来ん、俺たち古参者の技を盗みとるんだよ!」
あの坂井氏がひよっ子扱いですね。
その後の猛訓練によりめきめきと上達しますが、それでも”ひねり込み”だけは
出来なかった。先輩に尋ねても教えてはくれない。仮に教えたとしても、地上で
習ったところで、当時の自分の腕では、飛行機はその通りに動いてくれない。
そして3年がたち、ようやく
「戦闘機は失速の少し前で、最大限に舵を使えば、最小半径で旋回できる」こと
を発見。熟練搭乗員への仲間入りを果たしたのです。
こう見ていくと「質の高い技の継承」において、日本古来の稽古方法は大変有効
であることが分かります。
緒戦の快進撃を支えたのは、これら熟練搭乗員+名機零戦によるものであり、
それはちょうど、剣豪+日本刀という組み合わせを彷彿とさせる。
ひねり込み等の必殺技も、このような土壌から生み出されたものだと言えるでしょう。
317 :
GF長官 :2009/10/23(金) 21:11:54 ID:???
>>316 の続き
ただしこれが総力戦となって、搭乗員が消耗品扱いになると、とても間に合わない。
ソロモン戦役の後、日本側搭乗員の伎倆が目に見えて低下したのは、単なる国力の
問題だけではなく、新人搭乗員の養成方法という視点も加えられるべきでしょう。
とはいえ、大戦末期の米海軍が「熟練揃い」だったとも言えない。
例えばマリアナ沖海戦では夜間帰投となり、不時着や着艦事故で80機近くを喪失
したことからも、その伎倆の程度は知れる。
「搭乗員の平均伎倆が、日本側より高かった」だけではないかと思います。
318 :
GF長官 :2009/10/23(金) 21:13:19 ID:???
>>317 の続き
しかし、この「平均値の高さ」は非常に重要で、やたらと職人芸に走り勝ちな日本軍
とは対照的。
超人的な撃墜王は養成出来ないけれども、どんな素人でも平均的な伎倆を身に
つけさせることは出来る。作戦行動に支障ない程度のパイロットを大量に揃えられ
れば、少数の「エース」は必要ない。
すがすがしいまでに割り切った思想ですね。
「撃墜王?なにそれ、おいしいのw」
現在でも、日本人にこのような発想は出来ないんじゃなかろうか。
以前、米戦史家フィールド氏の言葉を出して、「日本軍は高度の平凡さに
欠けていた」と指摘しましたが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/169 この「高度の平凡さ」とは、予想以上に大きな力を発揮すると言えそうです。
319 :
名無し三等兵 :2009/10/24(土) 01:26:42 ID:lJ4oLJui
「平準」とも言えますね。 私は飲食店チェーンの本部指導員をしていますが、 この「スタッフのオペレーション能力の平準化」というのが最大の課題なんです。 「誰がやっても、同じ商品が仕上がる」という事ですね。 プロの職人がフグを捌くような技術は必要ないし、ファミレスには過剰です。 志操が低いと言われるかも知れませんが、それが私らの仕事ですから。
米軍機に何度か搭乗し、操縦桿を握らせて貰ったこともあったが それで感じたのは機体の安定度や舵の利き、ブレーキの利きがよかったことだ。 また、いろんな操縦者の機体に便乗してその操縦を見ていたが 危なっかしいものが多くて驚いた、中にはあ号作戦に参加したパイロットも居た。 技量に関しては殆どが、当時の我が母艦航空隊搭乗員たちよりも危なっかしい限りであった。 中には見事な操縦をやる搭乗員も居たが話を聞くと確かに、歴戦のパイロットであった。 その様な似た様な練度で、日米の搭乗員の生死を分けたのは、いちに機体の問題、 二に作戦、三に搭乗員の環境や立場であったと考える。 奥宮正武 海軍航空隊全史
>>317 >着艦事故で80機近くを喪失
でもそれは多数の搭乗員が夜間着艦の経験が不足なのを承知で追撃させたんだぜ。
逆に日本側は6/18の先制攻撃の好機を攻撃は薄暮攻撃になり帰還は夜間になってしまい
攻撃後陸上基地に移動することが前提になるから翌日の昼間決戦に切り替えてしまった。
三航戦が攻撃隊を発艦させたのにもかかわらずだ。
>「搭乗員の平均伎倆が、日本側より高かった」だけではないかと思います。
司令部が自信を持てるかどうかだよ。
タウィタウィでの訓練が思うにまかせなかった事。
出港後、大鳳の対潜哨戒機が着艦に失敗した事などが影響しているんだろう。
本来得意とするはずの薄暮攻撃を司令部がためらうほど日本側は伎倆低下していた。
日米の差はやはり大きいと言わざるをえない。
322 :
321 :2009/10/24(土) 17:31:00 ID:???
補足:マリアナ沖海戦時の新米パイロットの訓練期間 日本:訓練期間六ヶ月程度で飛行時間もわずか 米国:訓練期間二年を経て飛行時間も長く高い練度 ただし夜間着艦の経験は少ない 「最後の連合艦隊レイテ海戦記」福田幸弘著 より
マリアナの際、小沢長官は航空決戦に拘ったけど、 6/19夕暮れから、戦艦+重巡+駆逐艦を、空母3群に突進させ、 夜間に会敵できていれば、米軍大混乱に陥れられた「かも」ね。 米軍の夜間機は、せいぜいF6F-Nが見える程度だし、 この時期のヒコーキは、基本夜間運用に耐えられないし、 触敵機を飛ばしながら、敵空母に夜間接近して、まずは砲雷撃戦に持ち込み、 翌朝の稼働空母を減らせていたら… 水上レーダーの索敵距離(70海里?)まで接近できたときに、 触敵索敵を行う零水偵が、適宜に電波欺瞞紙をバラまく、等のIFの追加も必要になるだろうが。
324 :
GF長官 :2009/10/24(土) 19:26:02 ID:???
>>319 そう、まさにそれです。
>「誰がやっても、同じ商品が仕上がる」という事ですね。
この方が作戦が立てやすいんじゃないかと思います。
>>320- 有難うございます。
>着艦事故で80機近くを喪失
「後半戦の米海軍でも、それほど伎倆が優れていたわけじゃない」という例を
考えてみたら、マリアナ沖しか思い浮かばなかったもので。
やはり、大きな実力差があったのかな。
325 :
GF長官 :2009/10/24(土) 19:50:12 ID:???
326 :
GF長官 :2009/10/24(土) 19:51:53 ID:???
>>325 の続き
ここで思い出してもらいたいのが、
「M2の基準射程距離(1000ft)における弾丸到達時間は0.4秒」(
>>303 )
1000ft離れた位置から射撃すれば、0.4秒後に目標に弾丸が到達するの
だから目標の0.4秒後の位置が分かれば、偏差射撃が可能になる。
具体例で見ると、零戦の最大速度は533km/h(288kt)。
秒速に直すと、148m/s(486ft/s)
0.4秒間に進む距離は、59m(194ft)
つまり、目標の59m(194ft)先に向かって射撃すれば、命中弾を得られる。
>>308 の通り、「照準器のミル数=目標の全長(ft)」だから、照準器で言えば
194ミルの見越し量で射撃すれば良い。
327 :
GF長官 :2009/10/24(土) 19:53:03 ID:???
>>326 の続き
しかし、空中戦の最中にこんな”暗算”をやっているヒマは、もちろんない。
何か良い方法はないものか。
「米海軍の完全偏向射撃法では”3分の2の法則”と呼ばれる早分かりの
ルールがあって、整合射程(1000フィート)時の正しい偏差が目標速力の
3分の2となるのである」 (『ワイルドキャットエース』)
「目標の速度(ノット)×(2/3)=見越し量(ミル)」
これはテストに出ますよ〜
上記の例で確認すると、零戦が288ktで飛行している時の見越し量は194ミル。
ちょうど3分の2になってますよね!
328 :
GF長官 :2009/10/24(土) 19:54:45 ID:???
>>327 の続き
もっと分かりやすい例で見てみると、
敵機が300kt(556km/h)で飛行しているとする。
556km/h=154m/sなので、0.4秒後の位置は61m(203ft)先。
すなわち見越し量は203ミルです。ちゃんと3分の2。
これなら誰にでも出来そうだ。
>>309 で紹介した「日本軍機一覧表」には、
「CRUIS.M.P.H」(巡航速度)と、「MAX.M.P.H」(最大速度)の
項目がある。
http://i35.photobucket.com/albums/d198/Todd99/gun7.jpg 零戦(2段目)なら、巡航速度170kt、最大速度325kt。
ここでも「高度の平凡さ」が十分に発揮されていますね。
・・・しかし、暗算で3分の2というのも、結構難しいかも。
大昔月曜ロードショーで前後編に分けて放送したときのスプルアンスとブラウニングの会話 「今発進させれば攻撃して帰投するだけの燃料はあるのか?」 「はいあります。この天候が続き、連中が正しいコースをとり、攻撃にあまり時間をかけなければ、です」 空母戦の難しさが凝縮されたセリフという感じでなんか印象にのこってる
>>329 私のは南春男Verだったけ、こうかな。
予告CFは、歴史は動き始めました(女性ナレーター)
番組開始時の南は「当時世界最強と謳われた南雲中将率いる機動部隊、
〜それを日米双方公平な視点で〜史実に忠実に描いております、
キャストも豪華です、チャールトンヘストン、ヘンリーフォンダ〜」
そしてちゃんちゃん〜ちゃんららんのホーネットの白黒(むしろオレンジっぽいモノクロ映像)
で、当該の台詞は
「今発進させれば攻撃して帰投するだけの燃料はもつか?」
「はい大丈夫です、敵がコースを変更せずあります。この天候が続き、連中が正しいコースをとり、攻撃にあまり時間をかけなければ、です」
空母戦の難しさが凝縮されたセリフという感じでなんか印象にのこってる
操作ミス 「今発進させて攻撃して帰投できるだけの燃料はあるのか?」 「はい大丈夫です、天候が悪化せず、コースを間違えず、そして目標上空に長居しなければ」 「今発進すれば、無防備の南雲艦隊を叩くことが出来るかもしれん」 「だが、ここで何もしなければ、南雲に燃料補給の時間を与えてしまうことになる」 「エンタープライズとホーネット全機発進」 「司令官司令官、スプルアンスが攻撃隊を発進させました、かなり無理な距離です」
>>323 まあ小澤長官の作戦は航空攻撃で敵空母に打撃を与えてから
前衛部隊を突入させるものだったからね。
6/20に夜戦を企図したけど敵艦隊を発見できず断念。
レーダーなんだがエンガノの杉、桐は探知されたのだろうか?
どうかなあ
334 :
GF長官 :2009/10/26(月) 21:08:01 ID:???
>>329 そうですね。フレッチャー少将も語っていますね。
「戦闘というものは、事が終わった後ならいくらでも理路整然と語れるが、
戦った当事者から言わせてもらうと、まるで闇の中を手探りで進むような
ものだ」と。
335 :
GF長官 :2009/10/26(月) 21:33:16 ID:???
>>328 の続き
日本側の搭乗員も、偏差射撃を行っていたに違いないが、それは理論に
基づいたものではなく、各自の経験に頼るものだったと思います。
照準器の目盛りも、目安程度だったのではないかと。
「初心者の場合は、照準していても敵機の過ぎ去ったあとの航跡を撃って
しまう。功名心やあせる心が距離と角度の判断を誤らせるのだ。
ここで大事なのは見越し角を計算し、その場所へ弾幕を張らなければなら
ないということだ。
つまり完全な見越し射撃である。発射した銃弾が到達する点へ相手機の
エンジン部、または操縦席が飛び込んでくるという曲打ちである。
私の経験では、そういった場合敵機の前方から後方へと、腰だめ式に弾を
流していく方法を好んだ。人によっては敵機の後方から前方へ流していく
パイロットもいる」 (『坂井三郎の零戦操縦』)
嗚呼、坂井三郎を一万人量産する方法はなかったのだろうか・・・
336 :
GF長官 :2009/10/26(月) 21:35:06 ID:???
>>335 の続き
米海軍にしても、見越し量が分かれば必ず命中するという単純な話ではない。
まず、目標の速度の判定が難しい。常に最大速度や巡航速度で飛行している
わけではないし、また、一定方向へ回避し続けるわけでもない。
照準を合わせている途中に逆方向に旋回されたら、再度やり直しです。
更に自機にGがかかった状態で射撃すれば、射弾はまっすぐ飛ばない。
いわゆる”小便弾”となる。
337 :
GF長官 :2009/10/26(月) 21:36:05 ID:???
>>336 の続き
「対空射撃では、命中率を狂わせる大きな要因がGの作用である。
プラスGの際は弾丸は下へ垂れ下がり、マイナスGの際は上へ浮き上がる。
パイロットは発射の直前に、敵機の速さとその距離、彼我の首尾線の交角、
そしてGの値をすばやく計算して、敵機の未来位置に向かって弾丸を送ら
なければならない。
言い換えれば、狙った敵機の未来位置と、撃ち出した弾丸の未来位置が
完全に合致したときに命中することになる」 (『続・大空のサムライ』)
かくも偏差射撃とは難しいもの。
338 :
GF長官 :2009/10/26(月) 21:36:56 ID:???
>>337 の続き
「しかし格闘戦をやる場合は、大なり小なりGとの戦いは続いた。そして次に
考えた手は、Gをかけあう格闘戦中に瞬間だけプラスGを打ち消す技だった。
この技は高度の技術を必要とし、また危険をともなう技なので、一般には公開
しなかった。ただ一人、名手西澤だけにはこれを伝授したが、彼はわずかの間
に、この秘術をマスターした。さすがであった」
何だよこいつらw 人間じゃねぇ!
Gを打ち消すってどうやるんだよ・・・
もはや常人には想像も及ばない「巧みの世界」ですな。
問題は匠の土俵で米側が闘ってはくれなかったことだなあ。
340 :
GF長官 :2009/10/27(火) 20:55:28 ID:???
>>338 ですよねー
相手の土俵で戦ってくれるような、お人好しはいませんからね。
341 :
GF長官 :2009/10/27(火) 21:13:34 ID:???
>>338 の続き
そこはやはり、厳しい訓練であり、実戦経験を積むしかないですね。
机上の理論だけで敵機をバタバタ墜とせるほど、甘くはないでしょう。
どんなに模擬空戦を繰り返したところで、初陣でうまくいくはずはない。
実力の半分も出せれば、マシな方ではないのか。
かの「史上最高の撃墜王」独空軍のエーリッヒ・ハルトマンでさえ、実戦
デビューでは、「新人パイロットが犯しがちな7つのミス」を全部やらかして
しまったと言われています。
編隊からはぐれてしまい、あろうことか隊長機を敵機と誤認し、機銃弾を撃ち
尽くし、燃料切れで不時着して、基地まで歩いて帰り、司令から説教をくらって
3日間の謹慎処分を受けたとか。
日本海軍の搭乗員が緒戦で神業的伎倆を披露できたのも、開戦前に支那
戦線で、格下相手に十分な経験を積めたことが、大きな要因と言えるでしょう。
中には岩本徹三氏のように、初陣で5機撃墜していきなりエースになった天才
も居ますが、例外と言って良いかと。
342 :
GF長官 :2009/10/27(火) 21:15:40 ID:???
>>341 の続き
そこで大事なのが防弾性能ですね。
たとえ被弾しても、なんとか基地までたどり着ければ、次回出撃するときは、
もう「新人」ではないのですから。
もし、ハルトマンが初陣で搭乗していたのが零戦だったら、彼の人生はそこで
終わっていたのかもしれない。
その点F4Fは、「グラマン鉄工所」の名に恥じない頑丈さを示している。
>>130 で紹介した「坂井三郎空戦録」でも、
「私はまだ一発も撃たないのに、敵はもうくたくたに疲れてしまったらしい。
この敵を墜とすのに20ミリはもったないと思い、7.7ミリだけに切り換えた。
敵の操縦席を照準器の真ん中に入れて、発射把柄を握った。
ダダダッ・・・と手応えがあり、私は200発ほど引きっ放しで撃ち込んだ。
全弾が敵機を捕捉したのに、全然墜ちる気配がない。不思議だ。
もしこれが零戦だったら、とっくに火を噴いている。さすがに敵の防弾防火
設備は素晴らしい」 (『大空のサムライ』)
長期戦・総力戦となると、この差は大きく影響しそうですね。
太平洋戦線では、無敵の空の要塞B-17も…… 欧州戦線ではボロボロ落ちる始末だからな。欧州横断で北アフリカに下りる作戦だって 相当の損害を受けた。B-26もだが
344 :
GF長官 :2009/10/28(水) 21:02:13 ID:???
>>343 そうですね。ルフトバッフェとB−29の対決を妄想してみるのも面白い。
345 :
GF長官 :2009/10/28(水) 21:26:57 ID:???
>>342 の続き
それでは、総合評価と参りましょう。
いささか語りつくされた感は否めませんが、
零戦は、長大な航続力と抜群の運動性能・上昇力を誇り、熟練搭乗員の
手により太平洋戦線を席巻した。だが機体の強度・防弾に難あり。
F4Fは、優れた武装・防弾・無線設備を備え、単機格闘戦ではかなわない
零戦に対し、編隊戦術と偏差射撃により十分対抗できることを証明した。
日米艦上機対決 大将戦
「三菱零式艦上戦闘機 VS グラマンF4Fワイルドキャット」
判定は・・・引き分け!
よって通算成績も、一勝一敗一分の五分。
やはり米空母は、相手にとって不足なし。
というより歴史上、米機動部隊と互角に渡り合えたのは南雲機動部隊のみ
と言っても過言ではない。
その勇名は、永く戦史に刻まれることでしょう。
346 :
GF長官 :2009/10/28(水) 21:36:59 ID:???
>>345 の続き
やや脱線気味にお送りしてきました「零戦最強伝説の章」ですが、やはり
”名機零戦”の感慨を新たにした次第であります。
たとえ、軍板やETVスペシャルで欠陥機と叩かれたとしても、揺るがない!
彼女の美しい肢体を見れば、かくの如き非難は残滓に過ぎない。
ZEROかわいいよZERO
ZEKE愛してるよZEKE
347 :
GF長官 :2009/10/28(水) 21:38:12 ID:???
>>346 の続き
搭乗員たちの手記を読むと、そこに共通するのは零戦への愛着と絶対の
信頼ですね。
「ゼロこそ我が生命なり」(坂井三郎)
「常にゼロと共にあり」(横山保)等々・・・
ま、他に主力機がなかったのだから、当然と言えばそうなのですが。
「昔から人馬一体という言葉がありますが、戦闘機においてもその通りで、
ラバウルの空中戦で敵戦闘機と渡り合う時、プロペラ軸の先端が自分の額
であり、両翼の先端が両手の中指の先に感じるほど、零戦そのものが私
自身になり切っていました」 (『大空のサムライ』)
まさに”人馬一体”ならぬ”人機一体”。
もし神龍が一つだけ願いを叶えてくれるならば、彼らと共に蒼空を駆けて
みたいですね。
次回からは、舞台を珊瑚海に戻したいと思います。
>>347 まさに機械と自分が一体化した感覚。
パトレイバーの野明も似た様な感覚を。
そういえば、あの二課棟のカット(遠方からの棟とアンテナ?)を見るたび
「ラバウル海軍航空隊基地だな」と思うこと二十ウン年。
整備の神様、榊整備長は…誰に当たるかな。
349 :
GF長官 :2009/10/29(木) 21:01:22 ID:???
>>348 そう思います。
>まさに機械と自分が一体化した感覚。
我が国でガンダムを始めとするロボットアニメの人気が衰えないのも、
この”人機一体”に多くの日本人が共感するためではないかと。
本来ロボットとは、危険な作業を人間に代わって行うことを目的として
いるはずなのに、わざわざそれに乗り込むなんて・・・
でも、やっぱり操縦したいですよね!
350 :
GF長官 :2009/10/29(木) 21:14:43 ID:???
351 :
GF長官 :2009/10/29(木) 21:16:11 ID:???
>>350 の続き
そしてこれは、ちょうど太陽の方向と重なるのです。
つまり、高橋攻撃隊は太陽を背にして接近した。理想的な接敵ですね。
天佑ワレニアリ!
参考までに、内地では「南中高度」の言葉の通り、正午前後の太陽の位置は真南。
珊瑚海は南半球(南緯14度付近)なので、それと逆になります。
午前11時頃(現地時間)の太陽の方角は北北東であり、高橋隊の来襲方向と
ピタリ一致する!
余談ながら、うちの会社のブラジル人連中に聞いてみたところ、
「ブラジルではお昼の太陽はどちらの方角にあるか?」
北と南と半々くらいの答えでした・・・日本語がうまく通じてなかったかな?
脱線ついでに長官の女遍歴をお聞かせ願いませんか?
353 :
GF長官 :2009/10/30(金) 21:04:05 ID:???
>>352 そりゃあ勿論「港々に女あり」ですよ。
高校生の時に好きだったのは、酒井法子と森高千里ですね。
おっと、のりPの悪口はそこまでだw
あんな男はやめとけと、あれほど言っておいたのに・・・
354 :
GF長官 :2009/10/30(金) 21:13:38 ID:???
>>351 の続き
[珊瑚海海戦合戦図]
┃
┃
┏┛
┃
▼高橋攻撃隊
↓(進撃針路196度)
────┐ レキシントン
└──▽→
────┐ ヨークタウン 風向110度
└───▽→ 艦隊針路125度 風速10m/s
(註)護衛艦艇は省略(
>>39 参照)
(レキシントン)重巡ミネアポリス・ニューオリンズ
駆逐艦モリス・アンダーソン・フェルプス・デューイ
(ヨークタウン)重巡アストリア・ポートランド・チェスター
駆逐艦ラッセル・ハマン・エールウィン
355 :
GF長官 :2009/10/30(金) 21:24:36 ID:???
356 :
GF長官 :2009/10/30(金) 21:26:42 ID:???
>>355 の続き
ずいぶん間が空いたので、高橋攻撃隊の編成を再掲載。
<瑞鶴>
[制空隊]塚本祐造大尉(零戦9機)
1小隊(塚本祐造大尉・清末銀治一飛曹・大倉茂二飛曹)
2小隊(牧野茂一飛曹・中田重信二飛曹・二杉利次一飛)
3小隊(加納慧一飛曹・亀井富男一飛曹・倉田信高一飛)
[艦爆隊]江間保大尉(九九艦爆14機)25番通常爆弾×1
1中隊−1小隊(江間保大尉・畠山尚一飛曹・江種繁樹一飛)
−2小隊(葛原丘大尉・堀健二一飛曹・角田宏威一飛)
−3小隊(井塚芳史飛曹長・加藤清武一飛曹)
2中隊−1小隊(大塚礼次郎大尉・井方作雄一飛曹・酒巻秀明二飛曹)
−2小隊(福永政登飛曹長・上岡功二飛曹・上中隆三一飛)
[雷撃隊]嶋崎重和少佐(九七艦攻8機)九一式航空魚雷×1
1中隊−1小隊(嶋崎重和少佐・八重樫春造飛曹長)
−2小隊(金沢卓一飛曹長・桶渡隆康二飛曹)
2中隊−1小隊(佐藤善一大尉・山田大一飛曹)
−2小隊(新野多喜男飛曹長・福原知康一飛曹)
357 :
GF長官 :2009/10/30(金) 21:28:14 ID:???
>>356 の続き
<翔鶴>
[制空隊]帆足工大尉(零戦9機)
1小隊(帆足工大尉・西出伊信一飛曹・堀口春次三飛曹)
2小隊(山本重久大尉・松田二郎一飛曹・佐々木原正史二飛曹)
3小隊(半沢行雄飛曹長・山本一郎二飛曹・河野茂三飛)
[艦爆隊]高橋赫一少佐(九九艦爆19機)25番通常爆弾×1
指揮小隊−(高橋赫一少佐・篠原一男一飛曹・福原淳一飛曹)
1中隊−1小隊(山口正夫大尉・上島初一飛曹・小田切定造一飛)
−2小隊(小泉精三大尉・白井五郎一飛曹・田中広吉二飛曹)
−3小隊(國方豊美飛曹長・加藤熊一二飛曹・大川豊信一飛)
2中隊−1小隊(三福岩吉大尉・池田清一飛曹・杉村敏雄二飛曹・岡田栄次郎二飛曹)
−2小隊(松田幸徳飛曹長・中所裕三一飛曹・塙明重三飛曹)
[雷撃隊]市原辰雄大尉(九七艦攻10機)九一式航空魚雷×1
1中隊−1小隊(市原辰雄大尉・松山弥高一飛曹・茂田直貴一飛曹)
−2小隊(矢野躯穂大尉・児玉清三二飛曹・佐藤一三二飛曹
2中隊−1小隊(岩村勝史大尉・明石達三二飛曹)
−2小隊(三森義雄一飛曹・田中経広二飛曹)
359 :
GF長官 :2009/10/31(土) 19:57:14 ID:???
360 :
GF長官 :2009/10/31(土) 20:03:26 ID:???
>>357 の続き
合戦図(
>>354 )の通り、高橋隊から見ると、
レキシントンが正面手前に、ヨークタウンが右奥に見えるという配置。
ト連送の後、まず艦爆全機(高橋少佐・33機)は風上に立つため、上昇しながら
大きく南東側(110度)へ迂回する。この時零戦の直掩はつかない。
急降下爆撃は風上から降下が基本。横風の状態では弾着がずれてしまう。
米機動部隊の針路は125度なので、両空母の正面に回り込むことになる。
361 :
GF長官 :2009/10/31(土) 20:10:43 ID:???
>>360 の続き
[珊瑚海海戦合戦図] ┃
┣━┓
┃ ┗┓
┏┛ ┗┓
┃ ┗┓
制空隊 ▼ ┗┓
雷撃隊 ↓ ┃
┃
┃
┃
────┐ レキシントン ┃
└──▽→ ┃
┏┛
────┐ ヨークタウン ┃
└───▽→ 艦隊針路125度 ←▲━┛
艦爆隊(高橋少佐・33機)
362 :
GF長官 :2009/10/31(土) 20:14:25 ID:???
>>361 の続き
続いて艦攻隊ですが、これまた雷撃の基本は挟撃なので二手に分かれます。
瑞鶴隊(嶋崎少佐・8機)が右翼へ、翔鶴隊(市原大尉・10機)が左翼へ。
また、艦爆隊も分離し、瑞鶴隊(江間大尉・14機)がヨークタウンへ、
翔鶴隊(高橋少佐・19機)がレキシントンへ向かいます。
363 :
GF長官 :2009/10/31(土) 20:25:14 ID:???
>>362 の続き
[珊瑚海海戦合戦図] ┃
┣━┓
┃ ┗┓
┏━┻┓ ┗┓
┏━━━━┛ ┃ ┗┓
┏━━━━━┛ ┃ ┗┓
▼瑞鶴艦攻隊 ▼翔鶴艦攻隊 ┃
↓(嶋崎少佐・8機) ↓(市原大尉 ┃
・10機) ┃
┃
────┐ レキシントン (高橋少佐・19機) ┃
└──▽→ 翔鶴艦爆隊 ┃
←▲┓ ┏┛
────┐ ヨークタウン ┗┓ ┃
└───▽→ ┣━┛
┏┛
←▲┛
瑞鶴艦爆隊(江間大尉・14機)
364 :
GF長官 :2009/10/31(土) 20:32:18 ID:???
>>363 の続き
このあたりの動きは、実に鮮やかですね。
誰にも「妾の子」なんて言わせないぜ。
我々にとっては至極”当たり前”のことでも、各隊指揮官の伎倆の高さがあって
はじめて可能になる。
米母艦隊はここまでの編隊行動で出来なかったので、「分散進撃」にならざるを
得なかったと思われます。
南雲機動部隊(じゃないけど)最強伝説、未だ健在なり!
365 :
GF長官 :2009/11/02(月) 20:53:04 ID:???
>>364 の続き
残った制空隊ですが、
翔鶴隊(帆足大尉・9機)は制空任務のため、前方に進出して米戦闘機に備え、
瑞鶴隊(塚本大尉・9機)は二手に分かれ、両翼の艦攻隊の直掩につく。
1、2小隊6機は左翼の翔鶴艦攻隊に、3小隊3機が右翼の瑞鶴艦攻隊に(
>>356 )
366 :
GF長官 :2009/11/02(月) 21:00:25 ID:???
>>365 の続き
[珊瑚海海戦合戦図]
▼瑞鶴制空隊3小隊
↓(加納一飛曹・3機)
瑞鶴艦攻隊▼ ▼瑞鶴制空隊1・2小隊
(嶋崎少佐・8機)↓ ↓(塚本大尉・6機)
翔鶴艦攻隊▼
(市原大尉・10機)↓
▼翔鶴制空隊
↓(帆足大尉・9機)
────┐ レキシントン
└──▽→ ←▲翔鶴艦爆隊(高橋少佐・19機)
────┐ ヨークタウン
└───▽→ ←▲瑞鶴艦爆隊(江間大尉・14機)
367 :
GF長官 :2009/11/02(月) 21:04:03 ID:???
368 :
GF長官 :2009/11/02(月) 21:05:52 ID:???
>>367 の続き
[珊瑚海海戦合戦図] (突撃前の最終形態)
▼瑞鶴制空隊3小隊
↓(加納一飛曹・3機)
瑞鶴艦攻隊▼ ▼瑞鶴制空隊1・2小隊
(嶋崎少佐・8機)↓ ↓(塚本大尉・6機)
翔鶴艦攻隊▼
(市原大尉・10機)↓
▼翔鶴制空隊
↓(帆足大尉・9機)
────┐ レキシントン
└──▽→ ←▲翔鶴艦爆隊(高橋少佐・19機)
────┐ ヨークタウン
└───▽→ ←▲瑞鶴艦爆隊(江間大尉・14機)
369 :
GF長官 :2009/11/02(月) 21:11:20 ID:???
>>368 の続き
これだと高度差が分かりにくいと思いますが、制空隊と艦攻隊は高度1000m、
艦爆隊は高度5000mくらいと補完しておいて下さい。
さて、これで各隊配置完了、準備万端、あとは突撃あるのみ。
驚くべきことに、この時点に至るまで米戦闘機による妨害を一切受けていない。
予めレーダーで捕捉したはずなのに(
>>350 )、不可解ですよね。
いったい何をやってたんだ?
米空母航空隊が「分散進撃」になった理由をもう少しまとめて下さい。 指揮官の伎倆、編隊飛行、航法の技術、燃料と いうところなのでしょうか?
371 :
GF長官 :2009/11/03(火) 21:20:25 ID:???
372 :
GF長官 :2009/11/03(火) 21:24:01 ID:???
373 :
GF長官 :2009/11/03(火) 21:26:18 ID:???
374 :
GF長官 :2009/11/03(火) 21:41:30 ID:???
>>373 の続き
[米機動部隊陣形図] CA−36(ミネアポリス)
○
DD−360(フェルプス) DD−349(デューイ)
△ △
CA−27(チェスター) DD−417(モリス)
○ △
CV−2(レキシントン)
□
DD−315(エールウィン) ─────┐ CA−32(ニューオリンズ)
△ └───→ ○
CV−5(ヨークタウン) 艦隊針路125度
□
CA−34(アストリア) DD−411(アンダーソン)
○ △
DE−131(ハマン) DD−414(ラッセル)
△ △
CA−33(ポートランド)
○
(註)□空母 ○重巡 △駆逐艦
(1)CA−36(ミネアポリス)の表記はないが、『モリソン戦史』より引用。
(2)CA−35(インディアナポリス)は、CA−34(アストリア)の誤記と思われる。
375 :
GF長官 :2009/11/03(火) 22:00:18 ID:???
>>374 の続き
実に見事な輪型陣ですね。
後述しますが、日本側のお粗末な陣形と比べると、両者の優劣は一目瞭然。
「Admiral Fitch had been given tactical command at 0907. Combat and antitorpedo plane patrols were maintained.
Speed was built up gradually to 25 knots, and this was increased to 30 knots when the enemy attack materialized.
Various courses were steered in launching and recovering planes, but the general direction of movement continued
to be toward the southeast. Five minutes before the action opened our course was 125° true.」
「0907時(日本時間0707時)、フィッチ少将は(フレッチャー少将より)指揮権を継承し、
直衛機(F4F)と雷撃機阻止機(SBD)が上空に待機した。
艦隊速度は徐々に25ノットへと増速され、日本機の攻撃が開始された時には30ノット
になっていた。
発着艦作業のため様々な方向へ回頭されたが、概ね南東へ進んでおり、戦闘開始
5分前には針路125度となっていた」
水上艦艇の準備は万端といったところか。
376 :
GF長官 :2009/11/04(水) 00:31:36 ID:???
>>374 訂正 DD−315→DD−355(エールウィン)
[米機動部隊陣形図] CA−36(ミネアポリス)
○
DD−360(フェルプス) DD−349(デューイ)
△ △
CA−27(チェスター) DD−417(モリス)
○ △
CV−2(レキシントン)
□
DD−355(エールウィン) ─────┐ CA−32(ニューオリンズ)
△ └───→ ○
CV−5(ヨークタウン) 艦隊針路125度
□
CA−34(アストリア) DD−411(アンダーソン)
○ △
DE−131(ハマン) DD−414(ラッセル)
△ △
CA−33(ポートランド)
○
(註)□空母 ○重巡 △駆逐艦
>>371 >分散進撃
それなんだが今書店で売ってる「世界の艦船」12月号で
日米空母戦の特集をやってて、
米軍が分散進撃をした理由が
珊瑚海海戦では戦機重視、
ミッドウェー海戦では甲板に並べられる機数に限界があり
全機発進に一時間かかるから南雲機動部隊上空で
待ち合わせることにしたとあるな。(これも戦機重視か)
まあ簡単な特集だが立ち読みしてみてくれ。
378 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:02:55 ID:???
>>377 情報感謝します。週末に確認してきますね。
>米軍が分散進撃をした理由が珊瑚海海戦では戦機重視
なるほど。確かに編隊を組んでいたら時間がかかりますしね。
珊瑚海では分散進撃そのものよりも、むしろ航法の方が問題かな。
379 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:48:50 ID:???
トヨタまでF1撤退か・・・不景気な話ばかりだのぉ。
>>376 の続き
では対空兵装を中心に、各艦を確認しておきます。
CV−2(空母レキシントン)レキシントン級空母1番艦
”レディレックス”の名で親しまれていますが、特徴は巨大な煙突。
偵察機にとっては艦種識別が容易で助かりますね。
ただし、この年の1月12日に伊6潜がサラトガを雷撃して大破。
日本側はこれをレキシントンとみなし撃沈判定したため、珊瑚海海戦では
最後まで「サラトガ」と見ていた。同型艦なので仕方ないかも。
まぁ、サラトガの方は復帰する度に雷撃されたり、特攻を受けたりと、この
姉妹はどうも戦運に恵まれないようですなぁ。
対空兵装は、28mm四連装機関砲×12、20mm単装機関砲32、
12.7mm単装機銃×28
ちなみに、元巡洋艦の8インチ砲は前月に撤去されている。
まだボフォース40mmは設置されていませんね。それでもこの数かよ。
380 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:50:43 ID:???
>>379 の続き
CV−5(ヨークタウン)ヨークタウン級空母1番艦
レキシントンとの大きな違いは開放式格納庫。この違いが両艦の命運を分けたの
かもしれない。
そして、同型空母3隻は武運めでたい殊勲艦ばかりですね。劣勢の前半戦に於て
南雲機動部隊の猛攻をしのぎ切ったのは高く評価されるべきでしょう。
それにしても忌々しきはビッグE!
対空兵装は、28mm四連装機関砲×4、20mm単装機関砲24、
12.7mm単装機銃×24
加えて米空母で初めて、5インチ両用砲8門が装備された。
また、不完全ながらCXAMレーダーの貢献も見逃せない。
とにかく米空母は、なかなか沈まないですよねぇ。
あっさり沈んだのはワスプくらいか。
南雲機動部隊(じゃないけど)にとって、長く苦しい戦いの開幕です。
381 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:54:46 ID:???
>>380 の続き
CA−27(重巡チェスター)ノーザンプトン級重巡2番艦
開戦直後は第8任務部隊に所属し、2月1日のマーシャル空襲にも参加。
同型艦にはクレース部隊のシカゴがある。
対空兵装は、5インチ両用砲×4
CA−32(重巡ニューオリンズ)ニューオリンズ級重巡1番艦
CA−34(重巡アストリア) ニューオリンズ級重巡2番艦
CA−36(重巡ミネアポリス) ニューオリンズ級重巡3番艦
いわゆる条約型重巡。
ニューオリンズはルンガ沖夜戦にて大破。アストリアは第一次ソロモン海戦で沈没。
対空兵装は、5インチ両用砲×8、12.7mm単装機銃×8
CA−33(重巡ポートランド)ポートランド級重巡1番艦
こちらも条約型重巡ですが、設計段階から魚雷発射管が撤去されている。
2番間のインディアナポリスの方が有名ですね。
対空兵装は、5インチ両用砲×8、12.7mm単装機銃×8
382 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:56:18 ID:???
>>381 の続き
DD−349(駆逐艦デューイ) ファラガット級駆逐艦2番艦
DD−355(駆逐艦エールウィン)ファラガット級駆逐艦5番艦
日本の特型に対抗して設計された。1番艦のファラガットはクレース部隊に随伴。
対空兵装は、5インチ両用砲×5、12.7mm単装機銃×4
DD−360(駆逐艦フェルプス)ポーター級駆逐艦5番艦
嚮導駆逐艦。対空兵装は、5インチ両用砲×8、28mm単装機関砲×8
DD−411(駆逐艦アンダーソン)シムス級駆逐艦3番艦
DD−414(駆逐艦ラッセル) シムス級駆逐艦6番艦
DD−417(駆逐艦モリス) シムス級駆逐艦9番艦
1番艦のシムスは前日ネオショーの護衛で沈没。
対空兵装は、5インチ両用砲×4
DE−131(護衛駆逐艦ハマン)エドラル級護衛駆逐艦3番艦
対空兵装は、3インチ砲×3、28mm単装機関砲×4
383 :
GF長官 :2009/11/04(水) 21:56:46 ID:???
今週のジパングは酷いもんだったな。
ジパングはもう終わりなんだろ 始めの頃は面白かったのにgd
もうタイムスリップものはいいです
387 :
GF長官 :2009/11/07(土) 18:19:33 ID:???
>>377 今日読んできました。>世界の艦船
特に目新しいものはなかったですね。インド洋でも珊瑚海でも、
「貴重な戦訓はミッドウェーに活かされなかった」ばかり。
戦訓を重視したらどう変わっていたのか、具体的な記述は見たことがない。
本職もスレ立て一年半になり、いろいろ指摘できるようになりましたよ。
例えば珊瑚海で、5月6日敵情報にも関わらず、索敵を行わなかった件について。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1228736921/106 記事では「高木中将と原少将との間に、感情的なしこりがあったのではないか」
と指摘していますが、空母戦の指揮は原少将に一任という役割分担が明確に
なされていたからで、意思疎通に問題があったのではない。
388 :
GF長官 :2009/11/07(土) 18:20:45 ID:???
>>387 の続き
また、「空母だけ先に南下させて、重巡部隊が残るのは運用が間違っている」
ということですが、当時MO機動部隊が補給中であったことを忘れているのか?
補給完了した艦から順次南下させているのですよ。
この程度は、公刊戦史を読めばすぐに分かることなのに・・・
むしろ、その後の「日米建艦能力の差」の方が面白かった。
開戦前の空母数 日10対米7
終戦時の空母数 日3対米102
こりゃ勝てんわw
>>384- 本職は単行本派なので。といっても最近は全然買ってないです。
初期(ワスプ撃沈まで)は、毎週わくわくしながら立ち読みしていたんだけど・・・
どうも角松副長って感情移入できないんですよね。『沈黙の艦隊』の深町艦長は
好きだったのに。
389 :
GF長官 :2009/11/07(土) 18:57:53 ID:???
これから年末にかけて仕事が忙しくなるので、本編が不定期になるかもしれません。
何卒ご了承のほどを。
>>383 の続き
次に、日本機をレーダーで捕捉するまでの動きですが、
0715時に攻撃隊を発進。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/265 その後は交代で上空警戒機を発着艦させている。
The Yorktown went to general quarters at 0545. After the launching of
the air striking group, and aside from launchings and recoveries of planes
on combat patrol, the morning passed uneventfully until the actual time
of the enemy attack.
「ヨークタウンは0545時(日本時間0345時)戦闘配置についた。
攻撃隊発進後は、直衛機の発着艦を除けば、敵機来襲まで平穏な朝が過ぎた」
390 :
GF長官 :2009/11/07(土) 18:58:52 ID:???
391 :
GF長官 :2009/11/07(土) 19:00:33 ID:???
>>390 の続き
ここで注目すべきは、SBDを直衛任務に就かせていることですね。
The SBD's were on station at a low altitude close to our formation.
They attempted to intercept the enemy torpedo planes.
「SBDは艦隊近辺の低高度に配置された。これらは敵雷撃機の邀撃を
企図したものである」
これは、なかなか面白い発想ですね。
もちろんSBDでは零戦に対抗できませんが、九七艦攻相手ならなんとかなる
かもしれない。
何も撃墜する必要はない。射点をずらすことが出来れば、それで十分。
ただ、日本側が同じことを行うとは考えにくい。
それだけ機体の余裕があるならば攻撃兵力に回すだろうし、だいたい日本側の
索敵機は九七艦攻ですからね。後部旋回機銃1挺だけでは・・・ねぇ。
しかしながら、索敵から戻った機体を防空にあてて、兵力を有効活用するという
視点は柔軟だと思います。
392 :
GF長官 :2009/11/07(土) 19:02:04 ID:???
>>391 の続き
ところが、この試みは失敗に終わりました。
実際は直掩の零戦に追い回されて、自分の身を守るのに精一杯という状況に
陥ったのです。
The SBD's were then attacked by a superior number of Japanese fighters,
and four of our planes were shot down almost immediately.
Not one of these eight SBD's escaped damage.
「SBDは数に勝る日本軍戦闘機によって攻撃され、またたく間に4機が撃墜され、
1機として損害は免れなかった」
393 :
GF長官 :2009/11/07(土) 19:05:47 ID:???
>>392 の続き
ヨークタウン艦長・バックスマスター大佐は、彼らの健闘を称え、
"a splendid example of courage and devotion to duty; although outnumbered,
and opposed by faster and more maneuverable aircraft, they were not outfought"
「任務に対する勇気と献身を示した見事な例であった。
圧倒的優勢で高速の敵戦闘機に妨害されはしたが、 決して遅れをとることはなかった」
要は”役に立たなかった”ということですね。
以降の海戦では採用されなかったことから考えると、やはり
「防空任務は戦闘機に一元化すべき」という結論に至ったのでしょう。
いくらSBDが優秀な機体であるとはいえ、艦爆に母艦直衛任務を担わせるのは、
レキシントンの戦闘機パイロットが評した通り、
"a small boy sent to do a man's job." (小さな子供が大人の仕事をやりやがった!)
というところかな。
ミッドウェーではヨークタウンの戦闘機搭載機数は1.5倍(18機→27機)に増強
されたが、主翼折りたたみ機構のF4F−4が間に合ったとはいえ、珊瑚海の戦訓が
活かされたと言えそうですね。
急降下爆撃発祥の地アメリカにおいて最初に「ヘルダイバー」の名を冠された 航空機は1928年に登場したカーチスF8C複座戦闘機であり アメリカにおける艦爆は戦闘機から分かれて進化した機種といえる SBDもSB(スカウトボマー)の名が示すように有事には補助戦闘機としての 働きが期待されておりそれ故五十口径機関銃二挺という隼二型と同等の武装が施されていた
394氏が言われるとおり、艦爆ってのは複座戦闘機から分化した 「観測・索敵任務の他、軽攻撃と補助戦闘機として使用される」 機体である「観測機」(F8Cは後にO8Cになる)の系譜と、 戦前使っていた単座の爆戦の統合機種だから、 防空戦闘に使用するのは開発当初から要求に 折り込み済みだったりしますが。 SBDの前の偵察爆撃機であるカーチスSBCは、 開発当初複座戦闘機扱いでXF12C名称だし。
>>393 >以降の海戦では採用されなかったことから考えると
は?マリアナ沖海戦でアメリカは艦爆も動員して
日本機を迎撃させたんだけど
397 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:18:32 ID:???
>>394 ,395 なるほど。本来の目的に沿って運用されたということですね。
てっきり間に合わせの応急策として用意されたものだと思ってました。
さすがはSBD。索敵・爆撃から直衛任務まで万能機だな。
参考までに、『空母ヨークタウン』では、
「戦闘機が空戦を演じている数千フィート下では、雷撃機の攻撃からヨークタウンを
守るために展開した爆撃機8機の長であるロジャー・ウッドハル大尉が問題を抱えて
いた。爆撃機を対雷撃機防禦に使用するのは、応急処置としては最上の手段だった」
ただ零戦の注意をひきつけることにより、間接的にF4Fを助けることになります。
398 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:19:32 ID:???
>>396 そうだったのか・・・知らんかった。有難うございます。
後学のために詳しい方あったら宜しく→
(1)『写真太平洋戦争第7巻』によれば、マリアナ沖海戦を最後にSBDは第一線を退き、
SB2Cに機種変更されたとありますが、この時迎撃に上がったのはSBD?それともSB2C?
(2)艦爆は索敵から帰投した機体を使用?それとも最初から防空用に用意された機体?
(3)艦爆は敵雷撃機阻止用に低高度に配置された?それともF6Fの補助兵力として?
399 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:50:28 ID:???
>>393 の続き
「防空戦闘の主役は俺たちだぜ!」
ということで、ここからはF4Fの動きを見ていきましょう。
0855時に、ヨークタウンのレーダーが日本軍攻撃隊の接近を探知したのは
>>350 の通りです。
レーダー探知図
http://blog-imgs-24-origin.fc2.com/y/a/r/yaruokansatu/05.jpg 高橋隊の来襲を正確に予告していますね。
The failure of a large number of our fighters to intercept the enemy planes,
despite the fact that ample radar warning of their approach was available,
has resulted in criticism of the tactics of the task force fighter director,
who was in the Lexington.
「敵攻撃隊邀撃時の防空戦闘について、最大の失策は、レーダーが敵編隊の
接近を有効に警告したのにもかかわらず、直衛戦闘機管制指揮官(レキシントン
所属)の戦術が、批判を受ける結果となったことだ」
いったい何があったのでしょうか。
400 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:52:28 ID:???
>>399 の続き
『空母ヨークタウン』には探知時の艦内の興奮が臨場感あふれる描写で記されています。
「午前11時頃(日本時間0900頃)、ベイン・ベネット電信兵曹に訓練された補助機銃員の
一人、主計兵曹ボブ・ミルホリンは、ヨークタウンのレーダー室で当直に立っていた。
”おい、これを見ろ!”とミルホリンが言ったのは、ベネットと当直を交替しようとしていた時
だった。
”それは5インチのスコープの中を、1インチほどもカバーした星のかたまりだった。
私はそれが前後左右に広がったおびただしい数の飛行機を意味していることに気が付いた”
彼にとって、この時の記憶は終生忘れられないようだ。
”私にとって、その光景はこの戦争のクライマックスだった。
68マイルの遠距離でレーダーが日本機群を捕捉したとう報が乗員に伝わった時のことを
忘れない。乗員は敵を迎え撃つ準備をする余裕があることを知った。そして我々にものすごく
大きい歓呼を送った”
アメリカ人たちは、この戦争の緒戦から太平洋の戦場で、自分たちがレーダーを独占して
いるという素晴らしい優位に感謝した。第17機動部隊はミルホリンのレーダー見張りの
おかげで、日本空襲部隊が何時、どの方向からやって来るかを予測することが出来たのだ」
401 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:54:24 ID:???
>>400 の続き
この報告を受けて、バックスマスター艦長は敵機来襲を0915頃と予想し、
事実その通りになった。当然ながら、レキシントンにも伝達されます。
「敵を迎え撃つ準備をする余裕があった」とありますが、時間にすると20分ほど。
決して十分とは言えないですね。しかし奇襲されることに比べれば、うらやましい限り。
>>399 の通り防空戦闘機の指揮はレキシントンのギル大尉に任され、ヨークタウン機も
彼の指揮下に入る。ヨークタウンからの警報に接し、ギル大尉は甲板待機のF4F(
>>390 )
全機発進を下令。
402 :
GF長官 :2009/11/09(月) 21:55:29 ID:???
>>401 の続き
当時の状況は、
「そのときには、ちょうど哨戒機1機が艦上に帰投収容されたところで、わずか8機の
ワイルドキャット戦闘機群jが両航空母艦の上空を警戒しているのみであった。
しかし、これらの戦闘機はいずれも迎撃するにも戦闘するにも、燃料があまりに不足
していたので、母艦の近くにいるように命令されていた」 (『モリソン戦史』)
なんと!燃料不足のため、母艦周辺から離れられないという事態に陥っていた。
艦上戦闘機の航続距離(燃費の良さ)の重要性が、こんなところにも影響するとは。
よって日本軍編隊の邀撃に向かうのは、甲板待機から緊急発進した、
ヨークタウン4機、レキシントン5機のわずか9機のF4F。
さぁて、お手並み拝見といきますか。
>>393 >要は”役に立たなかった”
公刊戦史だとそうなってるのか?
世傑にはSBDは珊瑚海海戦で16機くらい撃墜したとなってる。
米側の発表だと40機撃墜。
まあ公刊戦史が正しいんだろうが参考までに。
404 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:15:09 ID:???
>>403 確かに世傑ではそうなっていますが・・・
>米側の発表だと40機撃墜。
40機も撃墜されたら五航戦は壊滅ですなぁ。
まぁ「誇大戦果」は珍しくもないので、双方の記録を照らし合わせる作業が
基本ですね。
米側資料では、SBDによる撃墜は、零戦5・艦爆1・艦攻8の計14機。
「our planes shot down four enemy fighters and damaged several others,」
「Captain Sherman credited them with shooting down eight enemy torpedo planes,
one dive bomber and one fighter.」
となっていますが、本当なのでしょうか。
405 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:16:19 ID:???
>>404 の続き
日本側資料(瑞鶴・翔鶴飛行機隊戦闘行動調書)によれば、8日の戦闘での
未帰還機は、零戦1・艦爆9・艦攻8の計18機。
このうち零戦1機は撃墜ではなく、帰途不時着したもの。
また、艦爆7・艦攻4は戦闘終了後の空中集合時にF4Fの攻撃を受けたもの。
よって米空母攻撃中に撃墜されたのは、艦爆2・艦攻4の計6機のみ。
いずれもF4F及び対空砲火による損害で、SBDによるものはありません。
『暁の珊瑚海』によれば、F4Fとの協同撃墜で、SBDが九九艦爆を1機撃墜
したとなっていますが詳細は不明。
故に、SBDによる撃墜成果はほとんど皆無といって良いと思います。
損傷を与えた機体は多くあると思いますが。
406 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:41:52 ID:???
>>402 の続き
まずヨークタウンの4機とは、ジェームス・フラットレー少佐率いる、
ブレイナード・マカンバー、ディック・クロメリン、エド・バセットの各機。
おお、「サッチウィーブ誕生の章」(
>>190 )で登場したお馴染みの面々ですな。
彼らは0904時に飛行甲板を蹴り、全速力で目標地点へ急行。
Four Yorktown fighters were kept overhead at eight to ten thousand feet.
「ヨークタウンの戦闘機4機は、高度8千から1万フィートで待ち構えていた」
407 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:45:10 ID:???
>>406 の続き
ところが・・・
「フラットレー少佐のヨークタウン隊は最も惨めだった。
彼らが15マイル進出したときには、日本機はすでにその空域を通過した
あとだった。少佐は急いで母艦を呼び出して問いかける。
”ワイルドキャットよりロメオへ、現在艦尾方向1万フィート上空にあり。
指示を与えられたし”
”ロメオよりワイルドキャットへ、すぐ引き返せ。
本艦は、目下日本機の攻撃を受けつつあり”」 (『暁の珊瑚海』)
(註)「ロメオ」はレキシントンの呼出符号。
ヨークタウン隊もレキシントンの指揮下にある(
>>401 )
ありゃりゃりゃ・・・ぎさん。
結局、フラットレー隊が到着した時には日本機の攻撃は終了していた。
408 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:47:26 ID:???
>>407 の続き
なんとも滑稽ではありますが、こうなった原因は以前にも触れた通り、
日本軍編隊の接近が予想以上に高速だったからです。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1228736921/320 そもそも、SBDを敵雷撃機阻止用に配した(
>>380 )のは、
「SBDによる対雷撃機任務は、日本の雷撃機がTBDと同程度の低速で、
脆弱であるという仮説に基づいていた。彼らは日本の雷撃機が、雷装した
TBDのように100ノット程度で海面すれすれにヨタヨタやって来るものと
思っていた。
だからSBDが低速であっても、爆弾さえ持たなければ、この種の敵機に
対処することが出来るはずだった」 (『空母ヨークタウン』)
自軍の雷撃機と同程度と想定していたため。
409 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:49:04 ID:???
>>408 の続き
その思惑は、見事に外れてしまいます。
「珊瑚海海戦のこの日、アメリカ軍はもう一つの戦訓を学んだ。
日本の九七式艦上攻撃機が優れた多用途機だったことだ。
九七艦攻は高高度水平爆撃と低高度雷撃の両方を行うことが出来た。
そしてその速度たるや、TBDの二倍近かったのだ!
ウッドハル大尉と麾下のパイロットたちは、18機の日本艦攻が高度5千
フィートを180ノットの速力で、ヨークタウンに向かって突撃して行くのを
驚愕の眼で見送った。
彼らはウッドハル隊の直上を轟々と飛び越えて、急角度に機首を下げ、
高度千フィートで機を立て直した」
(以下は、
>>408 のリンクに同じ)
わっはっは、どーよ!
彼奴らの驚く顔が眼に浮かぶようだわい。
410 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:54:03 ID:???
411 :
GF長官 :2009/11/10(火) 21:55:19 ID:???
>>408 訂正(再) すみません。
そもそも、SBDを敵雷撃機阻止用に配した(
>>380 )のは、
→そもそも、SBDを敵雷撃機阻止用に配した(
>>391 )のは、
412 :
GF長官 :2009/11/11(水) 21:28:25 ID:???
>>409 の続き
一方のレキシントンの5機を率いるのは、ポール・ラムゼー少佐。
At 1102 five Lexington fighters were vectored out on 020°, distance 30 miles,
at 10,000 feet. Two of them later were told to go low to intercept torpedo planes.
The remaining three made contact about 20 miles out, being 1,000 or 2,000 feet
below the enemy.
「1102時(日本時間0902時)、レキシントンの戦闘機は方位20度・距離30マイル・
高度1万フィートの地点に向かった。
そのうち2機(エドワード・セルストロム少尉指揮)は、雷撃機邀撃のため低高度に
降りるよう指示を受け、残った3機(ラムゼー少佐指揮)は20マイル進出した地点で
会敵した。敵編隊は我々の上方1千〜2千フィートにあった」
413 :
GF長官 :2009/11/11(水) 21:30:43 ID:???
>>412 の続き
ただでさえ少ない直衛機を、更に分散させるとは。
高高度の艦爆と低高度の雷撃機の両方に対処しなければならないという事情は
よく分かりますが、後にレキシントン艦長シャーマン大佐は回想している。
「レキシントンのレーダーは古い型で高度が分からず、また敵味方を区別する
ことが困難で、もし我が戦闘機があまり遠くの方で邀撃すると、高度差によって
連絡を失い、指揮できないこととなった。
また、我々は雷撃機の方がより危険であり、それは低高度を飛んで来るものと
考えたので、防衛戦闘機は上空間近、高度1万フィートにおき、敵が突撃を
開始する地点に向かって攻撃できるように備えた」 (『暁の珊瑚海』)
やはり高度が分からない、敵味方識別が出来ないというのは痛いですねぇ。
レーダーがあれば楽勝と思っていたのに、うまくいかないもの。
414 :
GF長官 :2009/11/11(水) 21:32:11 ID:???
>>413 の続き
ラムゼー隊のうちの一人が証言しています。
"The fighters made contact 20-30 miles out but the enemy bombers were at 17,000 feet
and the performance of our fighters was not sufficient to gain enough altitude to attack
them before they reached the push over point."
「我々は20〜30マイル進出した地点で敵艦爆隊を発見したが、彼らの高度は1万7千フィート
(5182m)であったため、攻撃開始までに有効な打撃を与えることは出来なかった」
>>369 の通り、高橋少佐の艦爆隊は高度5千メートルまで上昇している。
ラムゼー隊は1万フィート(3048m)ですから、約2千メートルの高度差はすぐに
縮められるものではない。
415 :
GF長官 :2009/11/11(水) 21:33:49 ID:???
>>414 の続き
「ラムゼー少佐以下3機は20浬付近で、はるか2千メートル直上を突っ走る
急降下爆撃隊とすれちがった。あわてて上昇を続けたが、もはや彼らの攻撃を
事前に阻止することは出来なかった。
彼は上空を通り過ぎて行く日本機に追いすがりながら、母艦宛に緊急報告を送る。
”敵機、高度1万7千フィート。9機編成の4編隊。戦爆連合”」
フラットレー隊(ヨークタウン)に引き続き、ここでも邀撃に失敗している。
敵雷撃機阻止のため低空に配置されたセルストロム隊2機は、日本軍艦攻隊
(右翼の嶋崎隊
>>368 )を発見、直掩の零戦隊がSBDに気をとられている隙に
艦攻1機撃墜に成功している。
416 :
GF長官 :2009/11/11(水) 21:34:55 ID:???
>>415 の続き
Thus, only 3 of our 17 fighters effectively intercepted the enemy prior to delivery
of the attack. The others were not in position to attack until after the enemy had
commenced or finished their attacks.
「結局、敵機の攻撃開始前に阻止行動に入ることが出来たのは全17機のうち、
わずか3機のみであり、その他の機体は敵機の攻撃が終わるまで、邀撃点に
つくことすら叶わなかった」
F4F17機、SBD23機、対空レーダー、機上無線・・・
これらを総動員して行われた防空戦闘の結果は、わずかに艦攻1機撃墜のみ。
日本側の損害も決して少なくはない(
>>405 )が、そのほとんどは対空砲火と
攻撃終了後の損失によるものなのです。
417 :
GF長官 :2009/11/13(金) 23:29:59 ID:???
test
418 :
GF長官 :2009/11/13(金) 23:37:31 ID:???
アク禁解除か? やれやれ、スレ主が書き込めないってどういうことだよ・・・ 一日遅れですが、 奉祝 天皇陛下御即位二十年 臣民の皆様と共に、皇室の弥栄を祈念致したいと思います。 ここだけの話ですが、去る5月末日、埼玉にあるうちの関連工場に、 畏くも陛下の行幸を賜りました! 予定時間を超過してまで熱心に視察をなされ、お昼には社員食堂にて 役員一同とカレーライスを召し上がられたとか。 身に余る光栄。 これからは当スレも皇室御用達(ry ♯♯♯この発言は当局の検閲により削除されました♯♯♯
419 :
GF長官 :2009/11/13(金) 23:57:38 ID:???
今朝のフェリー転覆事故には驚きましたねぇ。
最初は某国原潜の仕業かと思いましたよw
大きく右舷に傾いた映像は、まさに魚雷が命中したとしか思えない。
紀伊半島沖という位置からして信濃沈没を思い出したわけです。
>>416 の続き
米空母の防空戦闘が有効に機能しなかった原因をまとめてみますと、
(1)直衛機の絶対数が不足していた
(2)敵機来襲が直衛機の交代時期と重なってしまった
(3)日本機の接近が予想以上に高速だった
(4)当時のレーダーでは、高度判定と敵味方の識別が不十分だった
420 :
GF長官 :2009/11/13(金) 23:59:16 ID:???
>>419 の続き
しかし、ここで「史上初の空母決戦」であったことを思い出さねばなりません。
「フレッチャー少将にしても、原少将にしても、はじめての空母対空母の戦いで
手本とすべき何物も持たなかった。教訓や先例とよべるものもなく、犯した過ち
によって戦訓を学びとる−そういう先駆者としての苦労があった」(『暁の珊瑚海』)
南雲機動部隊を検証する時に、常に忘れてはならない視点だと思いますね。
「コロンブスの卵」ではありませんが、我々にとっては当たり前のことでも、当人
たちがそれを知るには容易いことではなかったのでしょう。
後述しますが、日本側の防空戦闘でも、零戦隊の配備の遅れが目立ちます。
しかし、これには明確な理由があった。「零戦の機上無線は使いものにならない」
一度上がってしまうと統制がとれなくなるので、米攻撃隊の全貌(数・方位・高度)
が明らかとなるギリギリまで飛行甲板にとどめておく必要があった。
米空母にはそのような懸念はなかったはず。なのに、この不手際です。
かくも空母戦は難しい。理屈通りにはいかない。
421 :
GF長官 :2009/11/14(土) 00:00:21 ID:???
>>420 の続き
「艦隊防空の章」でも少しふれましたが、
「ミッドウェー海戦に電探が間に合っていれば・・・」云々の説に、本職が
あまり賛成できないのは、同じ理由から。
いくらハコモノが揃ったところで、それを十二分に運用するには少なからず
実戦経験が必要になる。米海軍でさえこれほどの混乱があったというのに、
日本海軍が「はじめての電探」をうまく使いこなせるのか?
しかも、無線設備もまた不十分だというのに・・・
もちろん、無いよりも有った方がマシに決まっていますが、
「○○があれば万事解決」
「××がなければ楽勝」
画一的な主張には賛同できませんね。
戦闘の勝敗とは様々な要因が複雑にからみあっており、装備の有無や
指揮官の交代等で劇的に変化するほど単純なものではないでしょう。
>>421 日本海軍が実際の空母航空戦での「はじめての電探」をうまく使いこなせなかったと?
424 :
GF長官 :2009/11/14(土) 21:32:35 ID:???
>>422 有難うございます。
>日本軍でも有数の電探教徒だった柳本柳作“蒼龍”艦長の主張を聞き入れず、
>あまり評判のよろしくない南雲忠一が「赤城と加賀に電探をくれ」と主張してます。
柳本艦長が電探開発の良き理解者だったことは知られていますが、南雲長官、
貴方もでしたか!
もう誰にも”航空戦の素人”とは言わせないぜ。
425 :
GF長官 :2009/11/14(土) 21:34:49 ID:???
>>423 「はじめての電探」となると、第二次ソロモン海戦になりますが、
『戦史叢書』によると、
「1310突如翔鶴が急降下爆撃機2機の攻撃を受けた。同艦が緊急回避したので、
右舷の至近弾となり被害はなかった。この敵機は翔鶴のレーダーで探知し、予め
艦橋に報告されていたが、艦橋が混乱してやかましく通じていなかった。
わが海軍でレーダーが実用され、記録に残っているのはこれが最初である」
どう見ても、うまく使いこなせていないですよねぇ。
どうも、日本海軍は司令部に組織上の問題があるような気がする。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1228736921/382 「艦橋が混乱していて、電探情報が活かせなかった」って、
「恵まれた環境に育ったので、政治資金管理が杜撰だった」という某首相と同程度。
小学生の言い訳かよw
426 :
GF長官 :2009/11/14(土) 21:45:53 ID:???
>>421 の続き
今回の攻撃は、後にレキシントン艦長・シャーマン大佐が絶賛するように
見事なる「雷爆同時攻撃」となります。
とはいえ、全くの同時刻というわけではない。
正確には時間差が生じます。
合戦図(
>>368 )の通り、日本軍攻撃隊は4集団に分かれていたが、
艦爆隊の2集団は風上側に迂回し、高度5千メートルまで上昇するため、
最も時間を要する。
次に左翼の翔鶴艦攻隊は、米空母の正面を横切って、右舷側に回り込む
ため、これまた時間がかかる。
この中で右翼の瑞鶴艦攻隊は、そのまま直進して両空母の左舷を狙えば
良いので、彼らが本戦闘の”一番槍”となる。
酸素魚雷は”Long Lance”(長槍)と呼ばれていましたから、雷撃隊こそ
その名にふさわしいですね。
時刻は0917時。いよいよ戦闘開始。
驚愕せよ、米海軍!
これが、南雲機動部隊(じゃないけど)の本気だ!
427 :
GF長官 :2009/11/14(土) 21:53:58 ID:???
>>426 の続き
さて、区切りも良いところで。
実は、来週一週間は出張のため、山中湖へ行って参ります。
一応、宿に通信環境は整っているそうなので、PC持参すれば何とかなりそうですが、
さすがに、公刊戦史他をかついで行くわけにもいかないので、お休みとさせて頂きます。
申し訳ないですが、次回は21(土)ということで。
[聨合艦隊機密第三番電]
発:GF長官
宛:
>>428 本文:GF長官ヨリ、南雲スレノ指揮権ヲ継承スベシ
大将旗降シ方−
本職ハ諸君等ノ忠節ヲ信ジテイル、凱旋ヲ待テ
さて… よーし、本艦は今より俺の指揮下にうわなんだやめr
久しぶりにWikiの南雲忠一の項目みたけどなんだよあれ・・・ 酒を飲んでたってさすがにネタだろ・・・ あとサイパンの在留邦人に自決は指示してない Wikiに島民とあるけど現地人に自決を強要するわけないだろ
>>427 南雲部隊次席指揮官
>>428 少将(利根座乗)ヨリノ通信途絶スルモ
南雲部隊スレハ、航空戦ヲ続行中ナリ。
>>429 #この時、慢心からか酒を飲んでいたという話もあり、気分が大きくなっていた可能性が高い。
これかな、ワシのアカウントで消しとくよ。 話しにならん。 そういう話しがあるのは小澤中将だが、
彼だって戦闘中は飲む訳がないよ。 前日ならちょいと嗜むだろうが、
小澤の場合はそもそもアル中の疑いがあったからね(手が震えるとか、顔が真っ赤とか)
これは松田少将とかが指摘しているからねえ(これもアテにならないけど
431 :
429 :2009/11/16(月) 19:00:44 ID:???
>>430 トンクス
住民への自決を指示とかはとりあえず消しといたわ
だいたい沖縄戦の渡嘉敷島での集団自決の軍の関与でさえ不明なのに
南雲中将レベルの将官が住民に自決命令だしたら
とっくに大問題になってるだろ
>>431 いやまったく。
しかし、南雲忠一の項目も参考文献項目がなかったですな。<追加しましたが
で、ノートを読むとアホが、変な議論を展開してマトモな人が引き上げていたですな。
>集団自決の軍の関与でさえ不明なのに
当時の空気や雰囲気、命令系統の途絶等、そして絶望感からすれば、
軍の関与が無くても、自決に走らざる終えない状況はあったと考えております。
いま路上生活者の殆どが「生活保護」に走らないのと同じ理由で。
彼等に聞くと「憲法に明記されている?知らない」「最低限の文化的生活を〜」とその条文、
その理念で存在する、保護法を示すと「知らなかった」乃至「喩えそうだとしてもいやだ」が殆どです。
命は一つしかないのに、彼等のポリシーは「自存、国の世話にはならない」ですね。
それは尊いことですが、同時に何故か自己への評価が著しく低いのです。
人命軽視の思想が、未だ生きている証拠ではありますね。
と、確かに毀誉褒貶が激しい人が南雲中将ではあるけど、その辺のの資料は奥宮さんが
20年前には、どういう人物であったかを書いているからねえ。
で、我れらがGF長官はいいとして、次席指揮官として指揮を継承した
>>428 少将は何処に有りや何処に有りや!全世界が知らんと欲す!
指揮途絶の際は「砲声に向かえ」でしたか。 流石に孤立した島嶼守備隊なんかだと、色々厳しいですけど。 という訳で、GF長官が復帰するまでは留守将兵による図上演習を提案。 珊瑚海海戦関係で特になければ、、来たるべきミッドウェー海戦編に備えて、 ・仮に第一機動部隊が6月4日夜までに「米空母出現の兆候あり」の対敵情報を得ていた場合、 同司令部が策定すべき最善の作戦行動は何か。 というのはどうでしょうかね?
確か南雲艦隊の行動は、各種情勢の変化を見越して、いろんな作戦○法って具合に決められていたような。 ただそれは、連合艦隊の方だったかな空母喪失後の作戦は作戦C法だったような(艦隊戦に持ち込む)
>6月4日夜までに「米空母出現の兆候あり」の対敵情報を得ていた 一次攻撃はミッドウェイ指向は変わらないでしょう。 ただ二次攻撃隊は雷装のママ待機で索敵機の報告待ちだったと思われ。 結局、余り変わらない気がします。 索敵機の数を増やすとも思えないしねえ。
436 :
433 :2009/11/17(火) 04:36:10 ID:???
>>435 >結局、余り変わらない気がします。
私もほとんど同じ考えです。
これで索敵機が敵艦隊を見落とせば、
「周辺海域に敵を発見出来ず。先の警戒情報は誤りと思われる。」
と判断され、第二次攻撃隊は兵装転換のうえミ島へ指向される流れかと。
つまり、史実と大差ない流れになる可能性は少なくないと考えます。
437 :
433 :2009/11/17(火) 05:28:33 ID:???
一応、
>>433 の言い出しっぺとして私個人の考えを述べますと、
『対敵情報すなわち「米空母出現の兆候」が第一機動部隊へ伝達されなかったこと自体は、通説で言われるほど致命的ではない』
です。
そもそも、敵性海域(しかも敵根拠地に近い)で作戦行動を遂行する際には、
敵情の有無に関わらず何らかの警戒を取ることは当然のことです。
>敵情の有無に関わらず何らかの警戒を取ることは当然のことです。 これはワシの考えではあるが、南雲部隊は、ハワイ以降、ラボール、ダーウィン、インド洋作戦の気分で MIに行ったような気がします。もし、珊瑚海海戦に参加して居れば、戦訓が身に付きますしね。 五航戦の珊瑚海の戦訓が殆ど顧みられなかったのは、憶測ですが「横の連携がない」ので その戦訓が南雲に伝わってなかった可能性もあります。 事実、後に南雲から第三艦隊指揮を譲られた小澤中将は、南雲の持っていた戦訓(ミッドウェイも含む)を 殆ど継承していないような戦い振りでした。つまり、部隊が違っただけで経験や戦訓が全然伝わらない可能性を指摘したいです。 MIの大敗北は徹底的に秘匿されましたから、その詳細を知る人は少ないでしょうし、 小澤自身も内地で待機してたので「負けた」事は知っていても「どうしてそうなった?」って事を聞いてない可能性があります。 事実南雲部隊の参謀達は南雲の降板でほぼばらばらになってしまい、小澤中将はそれまでの経験や戦訓を聞いてない 参謀を周りに据えています。 第一機動艦隊が編成された時、MI/AL作戦時から空母部隊にいた参謀は奥宮だけです。 後は三航戦司令官(南太平洋海戦時は瑞鳳艦長)だけです。
>>435 何故ミッドウェーに固執する?
敵空母が出てきたのがわかったならミッドウェーなど後回しでいい。
敵空母の捕捉撃滅を優先するべきだ。
ミッドウェーからの空襲圏外に入らず敵空母をまず叩くべきだ。
マリアナの米艦隊はけっして無理はしなかっただろ?
草鹿も「まず敵空母を捕捉撃滅し、しかるのちに島の攻略をすすめるべきであった」と言っている。
つか敵空母の情報があったのにミッドウェーに半数の攻撃隊を出して
史実のように横合いを突かれて負けたら
それこそ今より叩かれると思うが。
勝っても冷や汗もので褒められたものではない。
奥宮は著書でタウイタウイ泊地に入泊しその艦隊にいる士官や艦長名簿を見て「私はいささか得意となった」 「なぜなら、南太平洋海戦以降空母部隊にずっと居たのは私だけで、更に最古参の参謀になっていたからだ」 「もちろん、無能だからこそ同じ位置に据え置かれているのであろうが〜以下割愛」と言う一節は意外と その辺のことを婉曲に示した文と私は二十年来思っています。 つまり、南雲と小澤の間には戦訓の継承が殆ど無く また、母艦搭乗員もソロモンに留め置かれ消耗し、その経験の継承が出来ず断絶してしまい、 しかも悪いことに空母戦(航空戦)の進化はさらに加速し、開戦時の比島航空攻撃すらたった二年で、 渡洋爆撃と同じ昔話になったと奥宮が書いていることから、同じくMI前に行われた人事異動で母艦搭乗員も それまでの戦訓を新入りに語る前に任地に出ていった可能性が高いと思われます。 つまり、セクショナリズムと過剰な情報管制、コミュニケーションの断絶(戦訓が伝わらない)が、 MIでの不可解な行動(今の視点で見ればの話)の元ではないかと考えております。
つまり、敵情の有無に関わらず索敵機を飛ばして綿密に敵空母を探すという思考は 五航戦のものであって、その報告書は南雲に届いていたかどうかも問われるべきではないかと。 インド洋でいきなり奇襲を食らったことは「上空警戒の不備」として分かったものの 実の処南雲部隊は、空母VS空母の戦いを一度も経験していないのです(意外な盲点だと思いますが) 五航戦のみがそれを経験している。 珊瑚海の後の研究会はあったか?あったならば南雲の参謀は参加したか? 参加してたならそれをどう受け止めたか、参加しないまでも四艦隊が提出した「報告書」を読んだか? 読んだにせよ「理解出来たのか」その辺が問われるべきかも知れません。 それと、米側のフレッチャーは珊瑚海で機動部隊戦を経験しています。スプルアンスは経験無しですが フレッチャーの助言や戦訓の伝達はあったと思われます。それがこのMIの結果にかなりの影響を残しているのではないかと考えます つまり、南雲部隊も五航戦の原少将を臨時に南雲部隊司令部に持ってくるか、稼働出来る瑞鶴に載って貰い 一緒に来て貰ったら、その意見具申はかなり正鵠を射たものになったと思われます。 少なくとも山口少将よりかは具体性と説得性があった可能性があると思います。 反省無き軍隊とは言いますが、私は戦訓の伝達伝承が出来無い軍隊ではなかったかなあとか思いますよ。 ノモンハンもそうでしたしねえ。
>>439 >勝っても冷や汗もので褒められたものではない。
ニミッツが著書で言ってますよ、MIは運が味方した。
勝てるとは思ってなかった、攻撃は稚拙で悲惨であった。
だが最期の一瞬で勝利が転がり込んだ。
米軍の戦い振りも褒められたものではないと思いますよ。
もし、仮にマクラスキー大河南雲部隊を発見出来ず攻撃が全てからぶった場合は
スプルアンスは母艦機を徒に消耗させてしまったと叩かれるのは確実ですよ。
事実雷撃隊はほぼ壊滅、爆撃隊も半数以上が目標を発見出来ずミッドウェイに避退。
これは、後年の小澤と同じ位置になります。
>>437 >敵情の有無に関わらず何らかの警戒を取ることは当然のことです。
ちょっと待てw
警戒レベルというもんがあるだろw
>>443 >警戒レベルというもんがあるだろw
母艦航空戦における警戒レベル自体の概念があったかどうか不安ですな。
艦隊戦ならまああったかも知れませんが。
こうなると、原少将に第一機動部隊を指揮させた方が良かったかも。
彼なら「珊瑚海ではこうだった」と必ずそう言う思考をすると思いますから
445 :
433 :2009/11/17(火) 08:26:07 ID:???
では、ミッドウェー海戦すなわちMI作戦の局面における
敵情「米空母出現の兆候」の意義について検討してみます。
>>435 にも関わりますが、第一機動部隊は索敵機を増やすことは出来たのか?
結論から言えば、大幅に増やすことは物理的に不可能と思われます。
二式艦偵を追加できるくらいでしょうか。
本作戦で用意された長距離索敵仕様の艦攻の大半を使用したくとも、
ミ島攻撃隊または雷装待機の艦攻を削らなければなりません。
ですがGF司令部はこの敵情に接しても、MI作戦修正の必要性について何ら考慮していません。
これを実現するためには、第一機動部隊司令部がGFに対し、同作戦計画変更を意見具申しなければなりませんが、
6月4日夜の時点では翌日のミ島攻撃開始までの時間が切迫しています。
飛行機で艦隊間の連絡をとろうにも既に時間はありません。
無電を使用すれば攻撃開始前に敵基地の至近で位置を暴露することになります。残念ながらこの敵情は、第一機動部隊が入手に成功しても、有効活用は困難ではないかと考える次第です。
以下は私見ですが、
GFはこの敵情について、重要情報ではなく単なる参考情報と認識していたのではないでしょうか?
そうでなければ、空母戦生起の可能性があるにも関わらず、
攻略船団の一時避退、全部隊への艦隊決戦準備を命じていないのは、あまりに不自然です。
GFにとっても6月5日の海戦生起は予想外だったのでは?と私は考えます。
黒島「電信です、K2作戦を中止する…フリゲート環礁に敵の艦艇が存在する模様です」 宇垣「長官、直ちに南雲部隊にK2作戦中止と知らせねば! 南雲部隊は空母はハワイに居るものと思いこんだままです」 黒島「米空母は以前はハワイにいると思われる」 山本「それは何を根拠に言っているのか?黒島大佐、我が潜水艦が、この24時間の間に 敵空母を位置を把握している電報があったか?」 黒島「ありません、しかし、論理的に考えてニミッツが今空母を真珠湾から動かす理由はどこにもありません。 しかも電波を出せばこちらの意図を暴露してしまいます」 「奇襲の要素こそが、この作戦の絶対必要条件であります」 山本「…………」 宇垣「敵空母三隻?しかもヨークタウン」 黒島「南雲部隊は予定より二日早く敵空母を叩くことになります」 山本「……」 うーーーん(映画 MIDWAY)
>>442 >米軍の戦い振りも褒められたものではないと思いますよ
ニミッツのあれは勝者の余裕の言葉だから
勝てると思ってなくてもヨークタウンを間に合わせたり
南雲艦隊迎撃に最適な位置に艦隊を配置、
攻撃隊の発進のタイミング、
基地航空隊を増強するなど勝つために最大限の努力はしてるだろ
有利な状況で待ち伏せできたとはいえ実力差がある
南雲艦隊にほぼ完勝できたんだから十分褒められると思うが
個々の例には同意
しかも、マクラスキー隊は全機母艦に帰投したぐらいだしなあ。 燃料カツカツではあったらしいけど。 勝負は一瞬だったな。 >基地航空隊を増強する ニミッツの手腕ですなあ >勝つために最大限の努力はしてるだろ そしてスプルアンスを指揮官にはしているがフレッチャーを補佐(全体の指揮)として ヨークタウンに載せて付いて行かせていますね。 その辺なんですよ、瑞鶴に原少将を乗せて付いて行かせたらどうだったか。 母艦は空でもいいと思います。指揮系統上問題があり無理でしょうが 南雲に適切な助言をする為に赤城に乗っても良かったような。 源田や草鹿は面白くはないでしょうが、南雲なら空母がヨークタウンクラスと分かった段階で 原にも意見を求めることが出来ますし、源田は半ば肺炎の状態で艦橋に上がってきた時は 第一次攻撃隊発進直前ですし。しかも微熱が続いていましたから。 肝心の渕田は盲腸炎の手術の後で動けず適切な助言が出来無かった。 という訳で、GF長官に、原少将が赤城に乗っていたらどうであったかとか聞いてみたいな。
>>444 >母艦航空戦における警戒レベル自体の概念があったかどうか不安ですな。
> 艦隊戦ならまああったかも知れませんが。
・・・・
加古が沈没した原因、パラワン水道での敵潜感度に対する対応などを調べるんだな。
空母戦でも飛行甲板に上げて暖気運転させるとかあるけど・・・
索敵パターンだって敵情に応じて変えるだろ
トラック島は警戒レベル下げて遊びに行っててやられたんだよな。 陸上基地でもあるのに本職の海上でないわけないでしょ。
原 忠一 「おい、敵は強いぞ」 これくらいか?
452 :
433 :2009/11/17(火) 09:22:57 ID:???
>>449 では具体的な索敵パターンとは?
第一機動部隊はどのように行動し、何機の索敵機を確保して、どんな索敵線を構成するのか?
ミ島及び存在が疑われる米機動部隊にどう対処するのか?
何より他部隊との連携・連絡をどうするのか?
第一機動部隊が米空母に直接関係する敵情を入手できる可能性は、どんなに早くとも6月4日夜です。
既に攻略船団共々ミ島哨戒圏に突入しています。
少なくとも攻略船団が同哨戒圏から離脱するまでは、第一機動部隊に行動の自由はないでしょう。
>>452 「?」と前提条件が多くてよくわからんが
史実プラス敵空母の情報で考えると
敵空母の位置は方位測定でおおよそわかっているから
その方面の索敵線を綿密にすればいいだろ。
敵空母がいるとなれば索敵機は増やせるだろ。
>攻略船団
それは問題ない
史実でも南雲艦隊は敵空母に全力を指向したからな。
454 :
433 :2009/11/17(火) 11:20:10 ID:???
>>453 >敵空母の位置は方位測定でおおよそわかっているから
>その方面の索敵線を綿密にすればいいだろ。
残念ながら日本側が察知したと云われる敵情の敵空母らしき位置は曖昧なものです。
GF(大和):ミッドウェー方面
軍令部:ミッドウェー北方
6F:ミッドウェー北々西170浬
このうち位置がはっきりしているのは6F情報ですが、
この敵を捜索する為には、第一機動部隊はミ島哨戒圏内に留まることになります。
第一機動部隊・索敵機進出距離:300浬
ミッドウェー島哨戒圏:600浬
>>攻略船団
>それは問題ない
>史実でも南雲艦隊は敵空母に全力を指向したからな。
若干意味が計りかねますが、第一機動部隊はミッドウェー島へ空襲を行わないということですか?
つまり、ミ島基地航空隊の攻撃が攻略船団に集中してもこれを援護しないと。
>>454 > 残念ながら
だからさ、史実の索敵パターンはほぼ扇型で等間隔だろ?
敵情があれば北方の索敵線を強化するのは当然だと思うが。
逆にやらない根拠を聞きたいが。
> 若干意味が計りかねますが、第一機動部隊はミッドウェー島へ空襲を行わないということですか?
俺は史実プラス敵情報だと言っただろ?
GFの作戦指導がなければ史実通り。
人に問うならもう少し整理して聞かないと。
>>451 >「おい、敵は強いぞ」
それだけでも金言ではあると思う。
一二航戦組は、海で泳いでようやく分かった。
だが、闘志は折れては居なかった。
マリアナ沖海戦後の搭乗員は参謀以下ぽっきり折れてしまっていた。
特に二航戦の残存搭乗員と奥宮参謀。
「ミッドウェイの後、旧二航戦の搭乗員を受け入れた再訓練を開始したが
彼等旧二航戦の搭乗員の闘志は燃え上がっていた」
「なんとしてでもMIの敵を取らねば済まぬ闘志で満ちあふれていたが
あ号作戦後、二航戦の残り少ない生存搭乗員達は皆がっくりとしていた
もうダメだという感じで、どういう言葉を掛けていいのか私には分からなかった」
「更にそれに追い打ちを掛けたのが、二航戦の解隊である。
あ号の後の再編成の際、二航戦が事実上消滅した」
457 :
433 :2009/11/17(火) 13:55:28 ID:???
>>455 議論が噛み合わないようですね。
>敵情があれば北方の索敵線を強化するのは当然だと思うが。
分かりました。
あなたの想定では、軍令部あるいは6Fないしは両方の敵情を第一機動部隊が入手したとの前提ですね。
(入手確率が最も高いと思われる「GF(大和):ミッドウェー方面」のみの場合は、
索敵線の重点を絞ることが出来ず、史実の索敵線形成が妥当かと思いますが、取り敢えず上記の想定で進めます。)
>俺は史実プラス敵情報だと言っただろ?
>GFの作戦指導がなければ史実通り。
つまり当初の作戦計画のとおり、第一機動部隊はミッドウェーへの攻撃を行いつつ艦攻の半数は雷装待機、ということですね。
ズバリ聴きますが、その状況下で「何機の索敵機」が用意出来るのですか?
私は
>>445 のとおり、最大10機前後と試算していますが。
盛 り ↑ 上 進撃方向 が っ て 参 り ま し た 。 斜単従陣形
>>457 > 索敵線の重点を絞ることが出来ず、史実の索敵線形成が妥当かと思いますが
それだと史実通りに敗北するだけで想定は終了するんだけど・・・
> ズバリ聴きますが、その状況下で「何機の索敵機」が用意出来るのですか?
そりゃあ敵情があれば相対的に待機する攻撃隊と索敵機の数は変わるさ。史実の索敵パターンをベースに
榛名〜筑摩〜利根の範囲に最低でもプラス3機は飛ばせるだろう。
実際交代機も用意していたしな。
>>459 それだと結局10機前後かと。
あと「交代機」使用ということは、触接に支障がでるのでは?
>>461 ん?待機している機から更に交代機用意。だから相対的に数は変わるって。
攻撃隊の数は減るが発見に努めるべきだろう。
>>459 >それだと史実通りに敗北するだけで想定は終了するんだけど・・・
敗北しても終了しても構わないんですよ。
そういった問題点を洗い出すのが、演習の目的ですから。
そこでプロセスの問題点を修正しないで、
無理矢理成功したことにするから、
色々と変な事になるんです。
利根四号機への救援機は水偵だよね?
>>463 >433
>・仮に第一機動部隊が6月4日夜までに「米空母出現の兆候あり」の対敵情報を得ていた場合、
> 同司令部が策定すべき最善の作戦行動は何か。
では君の考えを聞こう。
466 :
433 :2009/11/17(火) 17:59:47 ID:???
>>465 既に
>>436-437 >>445 にて答えてますよ。
仮に
>>445 のとおり、MI作戦の大前提が崩壊したにも関わらず、
GFが単に敵情を流すのみで作戦計画の修正を全部隊に命じない場合は手遅れです。
MI作戦計画書に「バカヤロー!」と朱書しますよ。
467 :
433 :2009/11/17(火) 18:56:01 ID:???
>>465 後は些少なことですが、以下の処置を南雲長官以下司令部へ具申します。
ほとんど妄想の域ですから却下ですね。
・艦偵2、艦攻4、三座水偵4、計10機を索敵機として発進。
(艦攻は赤城、加賀の1小隊を充て、索敵2、予備1とする。二座水偵は使用しない。)
・索敵線形成は史実に準じるが、0度から180度の間を概ね18度間隔で形成。
ミ島南東方に対しても索敵線を配す。これに艦偵を充て同島に対する偵察・戦果確認を兼させる。
・水偵1を別に用意し連絡将校を主力部隊へ派遣、GFに対してMI・AL作戦の即時修正を具申。
(攻略船団の一時避隊、第二機動部隊、攻略部隊本体等への決戦準備発動を意見。)
・同内容は、第一機動部隊被発見に伴う無線封止解除後にも速やかに実施。
・第一次攻撃はミ島に実施。ただし攻撃目標は滑走路のみとす。
水上機基地は即時の効果が望めないため放置。
(同滑走路は軽度の破壊に留め日本側が短期間で復旧、
米艦隊との決戦に活用する予定であったようだが、
敵艦隊出現の兆候がある以上直ちに破壊する。
これは空母戦に勝利するためにも必須。
海戦中の活用を阻止するだけでなく、敵空母撃破後の残存母艦機の反撃拠点としても使用させないため。)
・第二次攻撃隊は対艦兵装のうえ敵空母所在判明まで待機。
・第一機動部隊はミ島滑走路破壊確認までの間、攻略船団離脱援護のためミ島西方を南々西へ機動す。
>>466 > GFが単に敵情を流すのみで作戦計画の修正を全部隊に命じない場合は手遅れです。
それが結論なら433の設問は無意味ではないか
>>466 つまり敵情報があっても索敵機の数、索敵パターンは変わらないというのだな?
じゃあ聞くが
何故草鹿は出撃前に宇垣に
「赤城の受信能力に限界があるから敵空母に
関する情報があったら逐一報告してくれ」
と要望したんだ?
作戦に生かす為ではないのか?
470 :
433 :2009/11/17(火) 21:38:07 ID:???
>>468 無意味ではありません。
繰り返しますが「演習」です。
>>433 の命題に対する
>>466-467 は、あくまで『私自身の現在の考え』に過ぎません。
多数決では少数意見かも知れませんし、
議論においては簡単に論破されるザル意見かも知れませんし、
なにより思考過程の変遷で自分自身で自ら主張を変えるかも知れない、
ということです。
ですから他者の意見、主張に興味があります。
それらに対して私は賛意、補助意見、疑問、反論を述べます。
当然ながら他者から私の意見に対する反応も同様です。
471 :
443 :2009/11/17(火) 22:21:12 ID:???
>>469 >つまり敵情報があっても索敵機の数、索敵パターンは変わらないというのだな?
誤解があるようなので指摘いたします。
当然「索敵パターン」や作戦行動は状況により変わります。
しかしながら本事例では、第一機動部隊に直接的な敵情が入る機会は攻撃開始直前の6月4日夜です。
もはや半日程度しかありません。
状況は
>>445 のとおりです。
仮に第一機動部隊が大規模な索敵を実施しようとしても、作戦計画の大幅な変更は避けられません。
これを遂行するためには、無線封止を破ってGFに意見具申のうえ承諾を得るか(却下されるかも知れませんが)、
独断先行で勝手に作戦を変更するしかないでしょう。
ここで質問に質問で返すのは本意ではありませんが、
南雲長官や草鹿参謀長の性格はそれらを許すでしょう?
そこで私自身がMI作戦計画を可能な限り逸脱しない範囲で(逸脱しまくってますけど)第一機動部隊の最善と思える行動が
>>467 です(ザルですが)。
>>作戦に生かす為ではないのか?
再び聞き返しますが、あなたが最善と思える索敵計画と、それによって支障が少ない作戦行動を具体的に示していただけたら幸いです。
>>471 あのー
>435>436で
・索敵機の数を増やすとは思えない
・結局あまり変わらない気がします
・私も同じ考えです
とおっしゃってるのですが…
473 :
433 :2009/11/17(火) 23:03:24 ID:???
>>472 そもそも
>>433 は
>仮に第一機動部隊が6月4日夜までに「米空母出現の兆候あり」の対敵情報を得ていた場合
です。
繰り返しますが「6月4日夜」時点での状況判断ですよ。
>>471 >南雲長官や草鹿参謀長の性格はそれらを許すでしょう?
467はスルーさせてもらうがやるだろ
作戦の主目的は敵機動部隊の撃滅
敵機動部隊発見後の司令部の動きをみればあきらか
>>474 “やる”のは構いませんが、索敵機は何機用意するんですか?
じゃあ13機
……… 艦攻だけでも12機は揃えるかと思ってましたが… どうせなら各機合計20機程度は投入すべきじゃないですか?
なんという神様目線
479 :
476 :2009/11/18(水) 08:21:11 ID:???
>>477 単純に7本の索敵線の隙間を埋めたんだけど?
これでも充分すぎると思うけど
上レスのように北方を重点的に索敵できれば理想だけどね
>20機
20機もどうすんだよ?
全方位索敵か?3段索敵か?
できればAAで
480 :
476 :2009/11/18(水) 08:31:26 ID:???
そういや昔読んだアメリカの戦記物かなんかで 南雲と草鹿が索敵で揉める描写があったな 南雲「敵が待ち伏せするとしたらこの辺りだろう、索敵機を増やさなくていいのか?」 草鹿「敵は出てきません!必要ありません!」(自信タップリ) こんな感じだった
ちょっと433は支離滅裂だな >437>457 で史実の索敵線形成が妥当 通説で言われているほど致命的ではない なんらかの警戒をするのは当然とありながら なぜいきなり索敵機を少なくとも20機以上となるんだ?
>>457 >(入手確率が最も高いと思われる「GF(大和):ミッドウェー方面」
大和の敵信班は
『ミッドウェー北方に空母の呼び出し符号』を受信したんだけど
しかし、そんな方法は日本海軍でもハワイ作戦直前にやってた モールスから取り外して、電信員の癖まで真似て、さも内地に空母が存在するが如き偽電を… こちらがやるなら、米国もやるだろう。 その一報だけでは判断基準にはならない。 当時情勢で知り得ている事は、南太平洋方面に空母二隻が見つかったが、 その後不明になった。 ヨークタウンは修理に三ヶ月は掛かるだけだ。
でも南雲司令部の状況判断は 「敵は我が企図を察知せず」 「敵空母の存在を推定する資料はない」だぜ? 敵情についての一報があればこういう判断にはならないと思うが 仮に欺瞞だと判断してもわざわざ作戦海域のミッドウェー北方付近で電波を出したんだから 十分警戒すると思うが どうかな?
空母はマストが低い、受信能力も低い、有力な敵信傍受班も居ないってのを考えないか
それを自覚しているからこそ草鹿は宇垣に念押ししたんだが その上でGFは無線封止を守ったまま 赤城も何も情報が入手できないからそう判断してしまったのだろう 黒島が言うには 赤城の敵信班は大和より優秀と言うが・・・
487 :
484 :2009/11/18(水) 23:23:14 ID:???
>>485 >作戦海域のミッドウェー北方付近で電波を出したんだから
>十分警戒すると思うが
あ、これか?
GFから仮にこういう敵情報が来るという意味
誤解したならスマン
もちろん赤城はキャッチできなかったからな
>>427 >凱旋ヲ待テ
長官は昇進試験かそれにともなう研修か?
>>477 ………
最大で10機前後の試算がなんで20機にもなるんだ……
ぶれすぎだろう………
490 :
433 :2009/11/20(金) 08:25:59 ID:???
レスが遅くなりました。
>>481 >ちょっと433は支離滅裂だな
それは私の説明や議論の仕方が「下手くそ」ということです、すみません。
以下に補足説明します。
491 :
443 :2009/11/20(金) 08:30:14 ID:???
>
>>437 >>457 >で史実の索敵線形成が妥当
理由は、史実の索敵計画が明確に「ミ島北方を指向」しているからです。
索敵線の角度は31度から180度に23度間隔で、ミ島北方に5線、南方に2線です。
「敵空母はミ島北方で行動のおそれあり」との敵情を得ていなくとも、
索敵範囲としてはカバーしています。
単にミ島北方と言っても広大な海域です。
敵機動部隊が何時の時点で行動を開始したか不明な以上、索敵範囲を具体的に絞れるでしょうか?
敵機動部隊が既に迎撃展開を完了しているなら所在海域を適宜移動しているでしょう。
ハワイからの緊急出撃で6月5日中にぎりぎりで到着するような状況なら、
ミ島の南東から東に出現するはずです。
また、史実の索敵計画はほぼ半円に近い広い海域を捜索することになりますが、
蘭印等の南方作戦海域や珊瑚海のような内海に近い群島海域に対して、
ミ島海域は大洋のど真ん中です。
索敵範囲を広く設定することは、それなりにやむを得ないことだと思います。
その状況の中で、第一機動部隊はミ島の北西から進撃しています。
この針路135度から単純に左右90度の半円を形成する範囲は45度から225度です。
史実の索敵範囲はこれを45度北側にずらし、ミ島を挟んでその索敵線の重点を同島北方に指向しています。
これは、
・ミ島南方海域はウェーク、マーシャルからの索敵がある程度期待できること。
・MI作戦において、日本側参加部隊・基地の索敵範囲で最も手薄な場所が、ミ島の東から北の海域であること。
を考慮したからでしょう。
以上により、私は少なくとも
「第一機動部隊の索敵計画はおざなりだ」「形だけの索敵である」
と言った意見には、疑問をていします。
ただ正直に言いますと、『適性な索敵機の数』は私には分かりません。
(一応、索敵計画で定めた範囲の視界距離を漏らさずカバーできる機数、でしょうか?)
492 :
443 :2009/11/20(金) 08:39:30 ID:???
>通説で言われているほど致命的ではない
>>445 のとおりです。
「有効活用は困難では?」
です。
>なんらかの警戒をするのは当然とありながら
これは誤解があるようです。
私が
>>437 で言いたかったことは
「第一機動部隊は妥当な警戒を取っていた。特に直接的な敵情が無いからといって油断していたわけではない。」
です。
(直後にレスがある
>>438 氏の見解とは、逆というかちょっと違います。)
実際、海戦前日の6月4日の二度にわたる敵機発見(誤認)にかかる対応は妥当だと思いますし、
むしろ対空見張りは警戒厳重の感があります。
>>438 >小澤自身も内地で待機してたので
小澤はMIの時は南遣艦隊司令部にいたのでは?
494 :
433 :2009/11/20(金) 09:32:50 ID:???
>なぜいきなり索敵機を少なくとも20機以上となるんだ
>>479 氏、
>>489 氏へのレスも兼ねます。
一言で言えば短慮です。
下手な議論提起でした。
もともとは
>>449 氏の「索敵パターンは敵情に応じて変えるだろう」
に対して
私が
>>452 で「どう実施するのか?」
と質問(既にズレ気味ですが)したのが端緒です。
一応、私は
>>445 >>467 で
「当初計画を修正して上積みしても10機前後か」
と提示しましたが、
他の方は、索敵計画変更や使用機数の増加は主張しますが、具体例はなかなか言ってくれません。
「自分の10機で足りないのなら、倍の20機以上で見敵必戦な索敵計画なのだろうか?」
と考えてた次第です。
以上、お粗末でした。
一応20機の想定は、
各空母艦攻3、三座水偵4、二座水偵2の計18機をベースに、
艦偵2や水偵を入れ替えるか艦攻搭載数の多い加賀の負担を増やして20機です。
単純に0度から180度の広範囲索敵でも、20機なら9度、18機なら10度間隔となります。
>>494 だからさ敵情は重要なんだよ。
敵空母は居ないだろうという司令部の状況判断にもとづく念のための『七本の索敵線』。
ミッドウェー北方付近(ミッドウェー付近)に敵空母の呼び出し符号という敵情報があれば
たとえ欺瞞の可能性があっても『何かが』電波を確実に出したんだから
それを確認するために索敵計画を立てるのは当然だろ。
少なくともそれを確認するまでは兵装転換はしないだろう。
やはりGFが赤城に打電しなかったのは痛すぎる。
>索敵計画
俺は13機と言ったがミッドウェー攻撃隊の進路には必要ないので
12機に訂正させてもらうわ。
暗号を解読して完璧に待ち伏せした米海軍でさえ カタリナを23機も索敵に出してるからなぁ
アメリカは南雲艦隊が出てくることは知ってたけどどこから来るかは 飛行機飛ばして見つけるしかないからね 珊瑚海で戦ったフレッチャーは慎重の上にも慎重を期して ミッドウエイからの索敵機とは別にヨークタウンの艦爆の半数を 索敵に出してる
では今日から長官も復帰するのでこの議論について 433の総括を
>>467 攻略船団の避隊
ミ島滑走路の破壊
賛成ですけど、
第一次攻撃の編成変更を行いますか?
何が何でも滑走路だけは破壊しておきたいので、やはり第一次攻撃隊は精鋭部隊にやらせるべきでしょうね。
第一次攻撃隊についての、攻撃目標(滑走路破壊)と搭乗員の変更については、少し前に長官も触れていたようですが。
源田の腕試し案も変更でありますね。
500 :
GF長官 :2009/11/21(土) 19:16:32 ID:???
>>429 確認してみたらもう変更されてましたね。
>あとサイパンの在留邦人に自決は指示してない
確かに。これが事実なら、くらいつく人がたくさんいるでしょう。
>>438 これは単に「時間がなかったから」と思いますが・・・
>五航戦の珊瑚海の戦訓が殆ど顧みられなかったのは
翔鶴の呉帰投は5月17日、戦訓を検討するとしたら、5月25日の打ち合わせしかない。
『戦史叢書』では特に触れられてはいない。
おそらく高木中将から、簡単な報告はあったと思いますが。
仮に検討したとしても、出撃を2日後に控えて、何か出来ることがあるんだろうか?
501 :
GF長官 :2009/11/21(土) 19:17:36 ID:???
>>448 せっかくではありますが、皆さん少し期待し過ぎでは?
原少将を赤城に乗せろとか、一航艦を指揮させろとか、空っぽの瑞鶴を随伴させろとか。
>という訳で、GF長官に、原少将が赤城に乗っていたらどうであったかとか聞いてみたいな。
それでは、お答えしましょう! 題して−『赤城八景提督戯』。
参謀「友永隊長より入電、第二次攻撃ノ要アリ」
草鹿「長官、第二次攻撃隊でミッドウェー基地を叩きましょう!」
南雲「うむ」
原 「あの、索敵機の報告をもう少し待った方が・・・」
一同「妾腹は黙っとけ!」
原 「はい、すみません」
珊瑚海海戦の評価は、
「五航戦にしてはよくやった方じゃないのか」程度ではなかったかと。
502 :
GF長官 :2009/11/21(土) 19:19:08 ID:???
>>501 の続き
実際、彼が赤城艦橋に居たとして、具体的にどんな助言が出来るのでしょうか。
よーく思い出して下さい。彼が行ったのは、
「索敵機の数を極力減らして、その分を攻撃兵力にまわす」ですよ。
(しかも、それで成功したというのが”戦訓”です)
それに、薄暮攻撃隊が前夜米空母と遭遇しているから、十分な”敵情”を得ている。
”基地制圧”の任務はないから、索敵機の報告を待つことに専念できる。
ミッドウェー海戦とは大きく状況が異なります。
既述の通り、本職は原少将の作戦指導を高く評価していますが、
「珊瑚海の戦訓を活かしていれば・・・」云々の話は、慎重に判断したいですね。
>>387 の通りで、戦訓を活かすのは、そんなに単純な問題ではないというのが、
現在の認識であります。
503 :
GF長官 :2009/11/21(土) 19:21:21 ID:???
>>488 いいえ全く。
今回はNC旋盤のプログラミングについての講習でした。
まぁ、政府の助成金目当てですよw
富士山麓にもかかわらず、一度も霊峰の姿を拝めなかったという不思議な一週間でした。
>凱旋ヲ待テ
元ネタは『日露戦争物語』(江川達也/作)から。
日清戦争における聨合艦隊の出撃場面で、軍令部長樺山資紀中将から訓示−
「帝國海軍ノ名誉ヲ掲ゲヨ」
これに対する、返信が以下の通りです。
「確カニ名誉ヲ掲グ」(聨合艦隊本隊旗艦松島)
「全クスル」 (第一遊撃隊旗艦吉野)
「凱旋ヲ待テ」 (第二遊撃隊旗艦葛城)
とりあえず長期休暇の前は、「名訓示シリーズ」でお楽しみ下さい。
>>500 しかも、主要幹部は健康状態が極めて悪い状態だったしなあ。
>もう変更されてましたね。
奇襲しておきました。 つか参考文献も何も無し、
私が2006年にマリアナ沖とレイテのウィキ項目を最初に見た時と
記事の情報レベルがほぼ同じでしたね。
その後は、ご存じの通り
>>501 >原 「あの、索敵機の報告をもう少し待った方が・・・」
>一同「妾腹は黙っとけ!」
>原 「はい、すみません」
>珊瑚海海戦の評価は、
>「五航戦にしてはよくやった方じゃないのか」程度ではなかったかと。
うううーーーそうかも知れませんねえ
506 :
GF長官 :2009/11/21(土) 20:04:24 ID:???
やっぱり母艦が一番じゃわい。
ということで、一週間ぶりのご無沙汰です。
>>433 図演大歓迎ですね。
途中からどの発言が誰の主張か分からなくなってしまい、少々混乱気味ですが・・・
>仮に第一機動部隊が6月4日夜までに「米空母出現の兆候あり」の対敵情報を得ていた場合、
>同司令部が策定すべき最善の作戦行動は何か。
考えられる想定としては、以下の三点に集約されるでしょうか。
(1)索敵計画の変更
(2)0415時の兵装転換延期
(3)0445時の雷装復旧決断
(3)については前スレで少し触れましたので、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/601-603 今回は(1)についてということですね。
(2)については索敵結果により変化するので保留にしておきます。
507 :
GF長官 :2009/11/21(土) 20:07:13 ID:???
>>506 の続き
本職としては、「索敵機数の増加」が最も考えられる想定ですね。
二段索敵ではなく、一段で各線の間隔を狭くするという意味で。
では、具体的な数は?と問われると難しい・・・
「ミッドウェー北方」という情報が与えられているのであれば、そちらに重点を置く
とは思いますが。もし原少将に具申の機会が与えられるのならば、北東方面は
二機編成の索敵になるかもしれません。
ただ「敵空母の呼出符号傍受」だけで、作戦計画そのものを変更するというのは
(攻略部隊の一時避退等)、少し過剰反応のように思います。
南雲機動部隊が、出現して来るであろう米空母を叩けばそれで問題なし。
あと基地攻撃においては、対空砲陣地を制圧するのが最優先かと。
こんなところかな。
それから、
>>463 の視点は重要だと感じます。
当スレもようやくテンプレがかたまってきて、本職自身思考が硬直化している
のじゃなかろうかと危惧しておりますので。
今回の図演に刺激を受けまして、出張中に「個人図演」を行ってみました。
議題は「南雲機動部隊が悪夢の被弾から逃れる方法」。
今日は疲れたので休みます。続きは明日ということで。
>>507 >それで問題なし。
おっ完勝宣言か
ま、お手並み拝見といこう
509 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:01:37 ID:???
>>508 「問題なし」は、
「敵空母の呼出符号傍受」だけで、作戦計画そのものを変更する必要は無し
という”考え方”が問題なし、という意味です。
実際にどうなるかは、状況により変化するでしょう。
510 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:33:27 ID:???
まぁ、今日は上陸日なので気楽にお付き合い下さい。
出張中の暇つぶしに考えたものですから、細かい数値は適当なので。
設定も甘めです。
>>507 の続き
どうすれば被弾を回避できるのか。
電探、秋月型等の「間に合わなかった兵器」や、
直衛零戦の配備法、見張り等の「偶然」に期待するわけにもいかないので、
もっと根本的な解決策をさぐってみると、
(1)敵攻撃隊発進前に米空母を叩く
(2)発進後の米攻撃隊に発見されないように変針する
以上二点を考察してみたいと思います。
511 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:35:33 ID:???
512 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:36:47 ID:???
>>511 の続き
0130 第一次攻撃隊(友永隊)発進
0215 索敵機が米空母部隊発見(味方よりの方位70度・180浬)
0300 第二次攻撃隊(村田隊)発進
0430 米空母発見、攻撃開始
発艦作業中のTF16は大混乱ですね!
ただし、ここでは、
0130時の友永隊発進の後、一航戦・二航戦ともにすぐさま雷装(通常爆弾)作業を
開始し、0215時には格納庫内で準備完了、あとは飛行甲板に並べるだけという
かなり都合の良い設定となっております。
仮想戦記の誹りは免れまい。
513 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:37:57 ID:???
>>512 の続き
もう少しマシなのが(2)の方です。
史実では、
0520 米空母発見
0530 雷装復旧開始
0537 友永隊収容開始
0618 収容完了、北東変針
北東に変針したのは、当時の状況判断が「彼我の距離は210浬」というもの
だったため、距離を詰める為の処置でした。
514 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:39:25 ID:???
>>513 の続き
しかし、もし利根四号機の報告位置が正確だったら・・・
彼我の距離は180浬であり、友永隊収容後むしろ距離を保つために、一旦
西方に避退するのではないか。
そして、第二次攻撃隊準備完了を見計らって再反転し、距離を詰めれば良い。
その間、触接交代機を出すことにより、正確な敵情を得られるかもしれない。
また、この対応により、燃料ギリギリだったマクラスキー隊は南雲機動部隊を
発見できずに帰投。ヨークタウンのレスリー隊は燃料の余裕があるため、捜索
を続行し発見できるかもしれないが、雷撃隊の突入と時間差が生じるので、
直衛零戦隊がなんとかしてくれるはず。
よって、
0520 米空母発見
0530 雷装復旧開始
0537 友永隊収容開始
0618 収容完了、西方へ変針
0800 第二次攻撃隊準備完了、発艦開始
0920 米空母発見、攻撃開始
515 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:48:42 ID:???
>>514 の続き
[ミッドウェー仮想戦記予想図]
□米機動部隊
┌┘
V
■南雲機動部隊 ┌△→マクラスキー隊
┗┓ ┌┘ (会敵できずに帰投)
┗┓ 収容開始 収容完了 │
┗┓0537 0618 └┐
×━━━━━×┓ └─────
×━━━━━━━━━━×
0800 ← 西方へ変針 ←△─────
第二次攻撃隊発進 レスリー隊(捜索続行)
516 :
GF長官 :2009/11/22(日) 17:54:19 ID:???
あげ
518 :
GF長官 :2009/11/22(日) 18:22:14 ID:???
>>516 の続き 追加を少し。
ということで、
「ミッドウェー海戦における南雲長官の明らかな誤りは、0618時の北東変針」
これが、現在の認識であります。
利根四号機の初電(0428発信)
「敵ラシキモノ一○隻見ユ、ミッドウェーヨリノ方位10度・距離240浬、針路150度・速力20節以上」
史実よりも北方へ100浬程ずれているのですが、この「北方」というのが、
実は重大なのです。
利根電受信の後も、南雲機動部隊は針路135度で南東下を続けている。
その結果、0618時には彼我の距離は約210浬(推定)
(米空母は針路150度・速力20節を維持したものとする)
利根電が正確だった場合の推定距離は約180浬。
実際は、米空母は攻撃隊発進後に南西(南雲機動部隊の方向)に変針
しているため、約170浬まで縮まっていた。
司令部の誰も、その事実を知らない。
南雲長官には同情を禁じ得ないですねぇ・・・
519 :
433 :2009/11/22(日) 18:25:33 ID:???
>>506 >
>>433 図演大歓迎ですね。
>途中からどの発言が誰の主張か分からなくなってしまい、少々混乱気味ですが・・・
自分で提起しておきながら、上手く進行できませんでした。
今後、図演や議論が入り乱れる場合は、
GF長官のように適当な名前を名乗るか、IDを出した方が良いかもしれません。
それでも色々意見が出されたことは良かったかなと。
前々スレくらいで
「第一機動部隊司令部は、利根四号機第一報の内容から“発見された敵艦隊”の
作戦企図・兵力構成を推察し、適切な脅威評価を行うことはできるか?」
の考察も私です。
GF長官はこれに賛意を示してますが、他のスレ参加者の意見はあまりないんですよね。
自分ではザル意見だと考えているんで、むしろこっちの方が不安だったりします。
>>519 心配ご無用!(NHK 一心鏡の如し)
結構面白いのでROMっているの大半かと。
空母決戦か、空母戦記の画像使って、wikiでやったが盛り上がるんじゃね
参謀、それはいい案だ。
まずはあの南雲の絵を使える許可を、軍令部よりお願いするのだ!
軍令部は存在理由がないんです GFに命令する立場なのにGFが…
525 :
GF長官 :2009/11/23(月) 21:15:02 ID:???
>>519 そうそう。
自説に矛盾が無いように論理立てて話を進めるのは、大変なんですよ実は。
それにツッコミを入れるのは、誰でも出来ますがね。
>今後、図演や議論が入り乱れる場合は、
>GF長官のように適当な名前を名乗るか、IDを出した方が良いかもしれません。
それでは、図演統監着任時の名前を公募しましょうか。
本職は、”黄金仮面”に一票・・・うわなにをすくぁwせdrftgyふじこlp
>自分ではザル意見だと考えているんで、むしろこっちの方が不安だったりします。
まさに源田参謀の気分ですなぁ。
>>520 放置プレイ?
>>521- やる夫スレみたいな感じかな。
本職の伎倆では無理だ・・・優秀な参謀を募集しようか。
526 :
GF長官 :2009/11/23(月) 21:33:30 ID:???
>>426 の続き
まずは、右翼の嶋崎雷撃隊(
>>368 )からですが、
米直衛機の妨害はほとんど受けることがなかった彼らだが、次に立ちはだかったのが
両空母及び護衛艦艇からの対空砲火です。
公刊戦史から個人の手記に至るまで、あらゆる資料に共通するのが、
米艦隊の凄まじい対空砲火ですね。
「敵防禦砲火極メテ熾烈」(MO機動部隊戦闘速報)
「防禦砲火烈シ」(瑞鶴・翔鶴飛行機隊戦闘行動調書)
「敵空母部隊に攻撃をかけた時、壁のような対空砲火の弾幕に遭遇した。
空母とその支援艦が撃ち上げる炸裂弾や曳光弾が空を黒く染めていた。
信じがたいほどの防禦砲火の中を生き延びて雷撃を行うのは、不可能に思えた。
対空砲弾が派手な雨のように降ってくる真っ只中で、私はほとんど海面に突っ込み
そうになりながらサラトガ型空母に向けて魚雷を投下した」
(嶋崎重和少佐/『日本海軍空母VS米海軍空母』)
527 :
GF長官 :2009/11/23(月) 21:34:22 ID:???
>>526 の続き
「午前9時、敵部隊を発見。直ちに突撃に入る。熾烈というか、大変な弾幕である。
翼よ吹っ飛べと云わんばかりにスピードを出せるだけ出して、雷撃に向かった」
(金沢卓一飛曹長/『暁の珊瑚海』)
「対空砲火はものすごく、空いっぱいの爆煙と機銃の撃ちだす閃光で、赤や白の
アイスキャンディーのような火箭が機をつつみ、騒音は恐ろしいほどだった」
(石川鋭一飛曹/同)
ボフォースなしでこれかよ。
米空母に限って言えば、ブライト艦長の名台詞も出番なしですな。
左舷!弾幕薄いぞ!
529 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:31:00 ID:???
何やってんの!
ということで、
>>518 訂正です。重要な情報が抜けていました。
利根四号機は第二電にて敵艦隊の変針を報じています。
タナ三(0428)「敵ラシキモノ一○隻見ユ、ミッドウェーヨリノ方位10度・距離240浬、針路150度・速力20節以上」
タナ五(0458)「0455 敵針路80度・速力20節」
つまり敵発見から30分後に変針。針路80度(東進)なので、南雲機動部隊から見ると
遠ざかる方向になる。
米艦隊が0455以降、針路80度・速力20節を維持したとして、0617時(友永隊収容
完了)の彼我の距離を算出し直すと、
利根機の報告(誤報)に基づく距離→約220浬
利根機の報告が正確だった場合 →約200浬
実際の距離 →約170浬
発見時より双方の距離は広がっているのです。
530 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:32:06 ID:???
>>529 の続き
こうしてみると、
0415時の兵装転換下令
0445時に即時雷装復旧を決断しなかった
0617時の北東変針
いずれも、南雲長官の作戦指導は誤りだったと言えるが、当時司令部が得ていた
情報を考え合わせると、やはり同情を禁じ得ないですね。
当時、米艦上機の正確な航続距離を知っていたかどうかは分かりませんが、
「米空母は200浬以遠からは攻撃隊を出さない」
こう認識していたことは伺えます。
(実際に、F4Fの行動半径は175浬、TBDも同程度)
531 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:34:02 ID:???
532 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:35:00 ID:???
>>531 の続き
ミッドウェー関連の戦記では、利根機の報告電に接して、
「しまった!米空母に”待ち伏せ”された」という場面をよく見かけますが、
本当にそうだったのだろうか。
また、0530時の意見具申(即時発進)あたりでは、
「急げ!今すぐにでも米空母機が来襲するぞ」と緊迫感に満ち溢れて
描かれているが、実際は、
「米空母の位置は判明したが、まだ攻撃隊を出せる距離ではない」
程度ではなかったのか。
533 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:37:10 ID:???
>>532 の続き
吉岡参謀が当時の赤城艦橋を「そんなに狼狽していなかった」と回想している。
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/194 「”敵らしきもの、とは何だ”と各人が口走り、狼狽その極みに達していたとする方が
なんとなく劇的でもあるし、書き易い。
その点を吉岡忠一氏に電話でたずねると、そのような劇画風の筆者の期待は、
あっけなく打ち砕かれた。
”・・・いや、そんなに狼狽もしていなかったですよ”
”そりゃまた、どういう・・・”
”どうって、ワイワイ騒ぐぐらいならまだ良いんですよ。相手をなめきっとりましたからな”
”南雲さんや草鹿さんの態度、顔色はいかがだったんですか”
”べつだん顔色も変わっとりませんでしたよ”
期待に反することおびただしいではないか」 (『ミッドウェー戦記』)
やはり「冷静だった」というのが実状ではなかったかと。
むしろ、「急いで追撃しないと、米空母を逃してしまうぞ」と”焦っていた”と
考える方が近いかもしれない。
534 :
GF長官 :2009/11/24(火) 21:38:08 ID:???
>>533 の続き
この仮定が正しく、友永隊収容時(0617時)の赤城艦橋の”空気”が以上の
ようなものだったとしたら、直後(0618時)に現れたホーネット雷撃隊をどう
見たのだろうか。
「基地航空隊の第三波か」
「利根機が発見したのと別の空母が至近に所在するのか」
「利根機の報告に誤りがあったのか」
はてさて、まだまだ検討の余地がありそうですね。
映画ミッドウェイでも、おおむね草鹿参謀と南雲は冷静な指揮官と参謀として描かれてましたからねえ
536 :
GF長官 :2009/11/24(火) 22:08:55 ID:???
>>527 の続き
公刊戦史の「珊瑚海海戦戦訓」によると、
(1)極メテ熾烈ニシテ、特ニ敵ハ統制アル見事ナル弾幕射撃ヲ実施セリ
(2)雷撃時ハ、防禦砲火ハ超低高度ニ於テ危害小ナリ
全文引用は長くなるので、(2)の内容を要約すると、
@敵砲火は、距離4000mから一斉に射撃開始
A弾幕は、幅200〜300m×奥行き30m×高さ50mくらいで、極めて濃密
B我が方の魚雷投下までに、高角砲の4斉射があった
C艦攻隊は弾幕回避のため、高度40m以下で魚雷発射した
D避退時は更に降下して、高度20m以下としたため、敵護衛艦艇の間を縫うように離脱した
537 :
GF長官 :2009/11/24(火) 22:10:20 ID:???
>>536 の続き
弾幕を、「大ナル”スダレ”を展張セリ」と表現しているところが面白い。
結論としては、高度40m以下の超低高度で突入すれば、被害を少なくできる。
まだこの頃は、海面を射撃して敵機の進路を妨害するという方法は採用されて
いなかったのかなと思ったら、
「ヨークタウンに随伴している重巡が8インチ主砲射撃を開始した。
近距離の海面を照準しているのだ。砲弾の炸裂が高い水柱を上げている。
第五偵察隊機長の一人、ネロ・タフィの回想によると、
”一隻の巡洋艦が射弾を一機の日本雷撃機の直前に撃ち込んだら、大きな
水柱が噴き上がった。雷撃機はその水柱にぶつかって、完全にとんぼ返り
して逆さになって海に墜落した”」 (『空母ヨークタウン』)
重巡の主砲を俯角で撃っていたのか。
538 :
GF長官 :2009/11/24(火) 22:10:48 ID:???
539 :
GF長官 :2009/11/25(水) 20:51:05 ID:???
>>535 なにせ”航空戦の鬼”アドミラル・ナグモですからね。
大戦に勝利していたら、各地に「ヤマモト・パーク」「ナグモ・ストリート」が
つくられたことでしょう。
540 :
GF長官 :2009/11/25(水) 20:56:25 ID:???
>>531 補足
珊瑚海海戦二日目の彼我の距離ですが、175浬ですね。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/259 米公刊戦史でも、
At 0820 Lt. (j.g.) Joseph Smith of Scouting Squadron TWO made contact with
a formation of two carriers, four heavy cruisers, and several destroyers about
170 miles to the northeastward,
「0820時(日本時間0620時)、VS−2のジョセフ・スミス中尉は日本機動部隊
を発見した。空母2・重巡4・駆逐艦数隻の編成。距離170浬・北東」
200浬以内だったことは間違いなさそうです。
541 :
GF長官 :2009/11/25(水) 21:21:45 ID:???
>>538 の続き
以前「艦隊防空の章」で比較を試みましたが、米海軍の対空砲を中心に
おさらいしておきましょう。
「アメリカと日本の海軍はどちらも、空母による対空防御にかなりの関心と
努力を払った。両海軍とも、長距離対空防御には12.7センチ砲を、中近
距離には小口径砲を用いて類似した対策を進めた。
しかし、いくつかの領域では米海軍が優勢であった。概して、米軍の空母や
護衛艦に備え付けられた火器管制装置の方が優れていた。米海軍の対空
防御ドクトリンもまた勝っていた。
これらの優勢にも増して重要なことは、米海軍が1942年にレーダーを大々
的に活用し、早期警戒の点で計り知れないくらい有利に立ったことである」
(オスプレイ『日本海軍空母VS米海軍空母』)
米側の艦隊防空は、遠距離から
(1)5インチ砲
(2)1.1インチ(28ミリ)砲
(3)20ミリ機関砲
(4)12.7ミリ機銃
542 :
GF長官 :2009/11/25(水) 21:23:14 ID:???
>>541 の続き
まず、(1)38口径5インチ単装砲Mk30
第二次大戦を代表する艦載砲といえる、この両用砲ですが、
「半自動装填機構により、本砲は砲身がいかなる俯仰角位置、方位に運動中で
あっても、給弾手・給薬手は弾丸、薬莢式装薬の装填が可能であり、本砲の場合、
標準発射速度は毎分15発であるが、熟練した砲員の場合、毎分22発の高い
発射速度で発射可能であった」 (『世界の艦載兵器』)
「半自動装填機構」とは、弾火薬庫から砲室までが機力。
砲室内で給弾(薬)手が、人力で砲尾まで運弾し装填トレーに投入。
以降は機力により装填、尾栓閉鎖から発射、薬莢の排出まで自動的に行われる。
日本側(40口径八九式12.7センチ連装高角砲)もほぼ同じで、半自動です。
543 :
GF長官 :2009/11/25(水) 21:24:54 ID:???
>>542 の続き
また、人員の配置については、
「通常、38口径5インチ両用砲には15名の担当員がついた。対空戦闘に要する
高速射撃を維持するため、8名の砲手が弾薬装填に従事した。他の5名が砲旋回、
砲仰角調整、発砲を受け持った。
砲術長と掌砲兵曹は射撃方向を指示し、必要に応じて砲座についた」
日本側の人員は11名で少ないように思いますが、
「各員は損耗人員が出た場合に備えて、主担当以外の持ち場の訓練も積んでいた」
とあるので、予備要員も含めて、数が多くなっているのかもしれません。
>>536 にも「我が方の魚雷投下までに、高角砲の4斉射があった」とある通り、
米砲員の高い伎倆がうかがえますね。
59 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/05(木) 21:03:46 ID:??? 南雲という名字は、機動部隊に一番ふさわしいと思います。 60 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/06(金) 08:14:33 ID:??? ミリクラの空母決戦の広告に、南雲の絵が載ってた 61 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/17(火) 18:25:02 ID:??? 「操艦貰うぞ」のアレですな。 南雲提督、凛々しゅうございます! 62 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/17(火) 22:08:05 ID:??? あそこまで凛々しい南雲の絵って無いな どちらかというと、イメージ悪くかかれそうな人物 63 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 18:42:20 ID:??? 大抵は多聞の引き立て役だしな。 64 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 19:14:23 ID:??? 多聞の顔みてると、キャプテンの丸井を想像してしまうのは俺だけかな?
545 :
GF長官 :2009/11/26(木) 21:16:58 ID:???
>>544 3番目の南雲スレですな。
「南雲」の名字が機動部隊にふさわしいというのは激しく同意。
546 :
GF長官 :2009/11/26(木) 21:26:10 ID:???
>>529 捕捉 図示すると以下のようになります。
[友永隊収容時(0617)の米空母予想位置]
└┐
└┐ A(針路80度・速力20節)
└───□→ (彼我の距離220浬)
└┐
└┐ B(針路80度・速力20節)
└───□→ (彼我の距離200浬)
┌┘
┌┘
□C(針路240度・速力20節)
↓ (彼我の距離170浬)
┗┓
┗┓
┗┓
┗━━■→
南雲機動部隊
(A)利根機の報告(誤報)に基づく位置
(B)利根機の報告が正確だった場合の位置
(C)実際の位置
547 :
GF長官 :2009/11/26(木) 21:32:24 ID:???
>>546 の続き
客観的な情勢判断に基づくならば、利根機の初電以来、米空母は一度たりとも
200浬以内に接近していない。
つまり、未だに攻撃隊を発進させていない(と思われる)
それどころか、東方へ逃げ始めている(と思われる)
これのどこが「即時発進を迫られる脅威」なのでしょうか。
吉岡参謀が「(米空母を)なめきっていた」と回想している(
>>533 )のも、
至極当然ではないか。
やはり利根四号機の失策は重大と言わざるを得ない。
それにしても、なぜ米空母の変針を報じたのだろうか。
おそらくは、初電の後、一旦離脱して別方向から接近したため変針したように
見えたのかもしれないが・・・
索敵機の報告を「信じる」しかない。
ここに空母戦の難しさがあると言えそうです。
548 :
GF長官 :2009/11/26(木) 21:52:15 ID:???
>>543 の続き
米海軍では、対空砲術の訓練も効果的に行われていたようで、オスプレイ本の
『Operation Instruction for Five Inch, 38Caliber Gun Crews』
(38口径5インチ両用砲砲術員用操作説明書)によれば、
@各砲には、砲術長指揮下に15名の人員が配置される
A砲術長は、照準手の横に付く
B照準手は、砲の仰角担当、視力の良いことが不可欠で、砲の照準設定と
射撃方向修正用表尺についての経験的な理解が必要
C照準手と旋回手が協同作業で目標をマークする
D砲員は適宜、照準器を調整する
(註)Bの射撃方向修正用表尺とは、発射体(高角砲弾)は発射後、直線軌道
を進むのではなく、目標に向かって右側に少し曲がる。ちょうど右投手の球が
シュート回転で右に曲がるのと同じ理屈。
その偏差を修正するための計算尺のこと。
549 :
GF長官 :2009/11/26(木) 21:53:33 ID:???
>>548 の続き
最後に、説明書は以下のように締めくくっている。
「方向偏差の設定に1ミルの誤差があれば、目標を完全に外してしまうこともある。
覚えておくこと、同等の戦艦同士の戦闘において勝利するのは、正確に照準された
砲を撃つ練度の高い砲術員である。戦闘に銀メダルはない」
戦闘に銀メダルはない・・・か。良い言葉だな。今度ネタで使わせてもらおう。
ここでもミルが出てきますね。”高度の平凡さ”を表す事例の一つと言えましょう。
オスプレイ本でも、「1942年の終わりまでに、米海軍の砲員は極めて正確な
対空砲術を会得しており、効果の薄い弾幕射撃を続けていた日本の練度の
低い砲員とは対照的であった」と評価している。
練度が低かったとは思いませんが、日本側は各砲手の「職人芸」に頼るので
その精度にバラつきがあったということではないでしょうか。
三連装よりも単装の方が抑止効果が高かったとか。
アメちゃんの軍隊は気の利いた言い回しが上手い 「二位以下は死体袋行き」とか
552 :
GF長官 :2009/11/27(金) 22:47:54 ID:???
>>550 機銃でも単装の方が追従性が良かったとか。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1222691768/125 関連して、
「日本海軍の九四式高射装置は高速の目標を追尾することは困難であった。
そのため、日本軍の12.7センチ砲手は米海軍とは異なった訓練を受けていた。
米海軍では目標を狙って砲撃する訓練をしていたのに対して、日本では弾幕を
張るように訓練していたのである。
これは水平爆撃機に対しては有効であったかもしれないが、より敏捷な雷撃機
および急降下爆撃機には無力であった。日本海軍の最大の弱点は中距離に
おける対空防御であった」 (『日本海軍空母VS米海軍空母』)
日本海軍の射撃指揮装置が劣っていたのは認めるが、日本側も目標を狙って
撃っていたんじゃないのか?少し評価が偏り過ぎなような・・・
>>551 そうですね。日本語に訳してしまうと結構浮いてしまいますよね。
553 :
GF長官 :2009/11/27(金) 23:15:58 ID:???
>>549 の続き
続いては、小口径砲について。
(2)1.1インチ(28ミリ)砲
「中距離の防御には28ミリ機関砲が使用された。これは四連装水冷式で
砲身あたり毎分140発の射撃速度が得られた。ただし弾詰まりと整備上の
問題があり、優れた設計とは言えなかった」 (『オスプレイ』)
文中にもある通り、故障が多く現場では不評だったようです。
ボフォース40ミリが採用されてからは、順次換装されています。
554 :
GF長官 :2009/11/27(金) 23:17:18 ID:???
>>553 の続き
(3)20ミリ機関砲
これはスイスのエリコン社製なので、零戦の主翼機銃と同じですね。
「この機銃は軽量で別個の動力源を必要とせず、どこにでも設置でき、弾道特性
に優れていた。環型照準器で狙いを定め、曳光弾(曳痕弾)を使用して弾道を修正
する方式だった」
現在海自の掃海艦艇等に搭載されているようです。
20ミリというとCIWSの方かな。あの機敏すぎる動きは見ていて少し気持ち悪くなる・・・
有効射程は約1000メートル。
「機銃は三脚構造の単装銃架装備されており、旋回・俯仰操作は全人力式である。
機銃員はベルトを腰にあて、肩当てに両肩をあてて銃側の照準器を使用し射撃を行う」
となっています。
555 :
GF長官 :2009/11/27(金) 23:19:49 ID:???
>>554 の続き
(4)12.7ミリ機銃
これは、偏差射撃のところで紹介したブローニングM2ですね。
水冷式で、緒戦では近接対空機銃として使用されていましたが、なにせ
有効射程が1000ft(304m)ですからね(
>>302 )。一瞬ですよ。
「この機銃の装備目的は対空射撃用というより、上陸作戦時の支援任務に
使用するもので、陸岸近く接近し、陸岸の敵を制圧するために装備された
ものである」とある通り、撃墜云々より、弾幕形成により射点をずらす効果を
期待されていたのでしょう。
556 :
GF長官 :2009/11/27(金) 23:20:58 ID:???
>>555 の続き
結論としては、やはり個々の兵器の性能ではなく、射撃指揮や防空隊形と
合わせた総合力において、米海軍は上回っていたと言えそうです。
「1942年において、日本海軍の艦上対空防御は充分な効力を持たなかった。
日本軍艦艇の対空砲火は米軍の航空攻撃から空母を守るには不十分だった
ため、航空攻撃に対する防御は、主に戦闘機や、攻撃を巧みにかいくぐる艦長
の操艦手腕に頼っていた。
航空攻撃にさらされた場合、日本の空母と護衛艦は別個に回避運動をとった。
これは編隊全体で回避しつつ護衛艦が空母を対空砲火で援護できるようにする
という米海軍のドクトリンと対照的だった」
うーむ、全くその通りですなぁ。
願わくは、嶋崎隊に天地神明の加護あらんことを。
557 :
GF長官 :2009/11/27(金) 23:23:18 ID:???
明日は飲み会のため、お休み。 それではまた来週。 次回、南雲忠一中将を再評価するスレ〜珊瑚海海戦編〜 第35話「弾幕驟雨、嶋崎隊突入す」 お楽しみに! 君は生き延びることが(ry
559 :
GF長官 :2009/11/30(月) 20:48:35 ID:???
>>558 有難うございます。
本職所有のは単行本ですが、読み込みすぎてもうボロボロ。
560 :
GF長官 :2009/11/30(月) 20:53:08 ID:???
>>556 の続き
合戦図(
>>368 )の通り、嶋崎隊から見ると、左手前にレキシントン、
右奥にヨークタウンが位置している。このため、二隊に分かれます。
1中隊(嶋崎少佐直率・4機)が右のヨークタウンへ、
2中隊(佐藤大尉指揮・4機)が左のレキシントンへ。
(
>>356 参照)
561 :
GF長官 :2009/11/30(月) 21:00:29 ID:???
>>560 の続き
[瑞鶴艦攻隊展開図]
瑞鶴艦攻隊(嶋崎少佐・8機)
┃
┃
┏━━━━━┻━━━━━┓
┃ ┃
┃ ┃
1中隊▼ ▼2中隊
(嶋崎少佐・4機)↓ ↓(佐藤大尉・4機)
─┐ レキシントン
└─□→
─┐ ヨークタウン
└─□→
562 :
GF長官 :2009/11/30(月) 21:13:59 ID:???
>>561 の続き
もちろん両空母以下、各護衛艦艇は全砲門を開き、まさに「弾丸雨飛の間」
を突入です。
急降下爆撃では単縦陣で降下するのに対し、雷撃は横陣で突入する。
横一列になって魚雷を放った方が命中率が向上する。潜水艦でも魚雷の
発射角度を変えて放射状に撃つが、それも同じ理屈。
当然ながら敵艦の横から雷撃するのが基本なので、嶋崎隊は進路を変える
ことなく、理想の射点につくことが出来た。
563 :
GF長官 :2009/11/30(月) 21:15:02 ID:???
>>562 の続き
米空母から言うと、全長が長いほど被雷面積が大きくなるので不利。
レキシントンは271m、ヨークタウンは247m。
それだけ回頭半径も大きくなりますしね。
艦長は見張から雷跡の報告を受けつつ、射線と平行になるように操舵する。
雷撃隊の指揮官はそれを見越して、魚雷を投下しなければならない。
アクティブ・ホーミングなど無縁の世界。
必中射点の一瞬に全てを懸ける搭乗員と、30ノット超で全速回避する艦長。
両者の息詰まる攻防から目が離せない!
「チョイ右、ヨーソロ、ヨーソロ、用意・・・テーッ!」
「Full port.Full!Full!!」
564 :
GF長官 :2009/11/30(月) 21:36:58 ID:???
>>563 の続き
話は逸れますが、昨晩から『坂の上の雲』が始まりましたね。
珍しく?良い出来に、思わず涙ぐんでしまいましたよ。
渡辺謙氏のナレーションも良かった。
司馬史観には懐疑的な本職も、彼の文章の上手さには脱帽です。
NHKの本気に期待する!
閑話休題
英語では、面舵(右舷)がstarboard、取舵(左舷)がportです。
以下は知人に聞いた話なので、信憑性はあやしいですが・・・
左舷をportと言うのは、通常船が接岸する時、左舷側を岸につけるため。
右舷をstarboardと言うのは、艦橋では進行方向に向かって左に艦長席、
右に副長席がある。
昔は副長が航法の任務も兼ねていたので、副長席の天井には天測用の
窓があった。よって、星が見える側だからstarboardです。
現在でも旅客機等のタンデム席(機長と副操縦士が左右に並んで座る配置)
では、必ず左が機長席で、右が副操縦士席になっている。
以前は万が一レーダー等が使えなくなった時のため、副操縦士席の天井
には天測用の窓が設けられていたらしいですね。
565 :
GF長官 :2009/11/30(月) 21:38:51 ID:???
>>564 の続き
この右舷、左舷の区別が明確になされているのは、戦闘中の”聞き間違い”
を無くすためです。操舵手が面舵と取舵を間違ったら大変ですからね。
特に近代戦では砲撃の音が凄まじいですから、艦長の号令が聞き取れない
事態も十分に想定される。
そのため、様々な工夫が為されている。
例えば、右舷の読み方は「うげん」ではなく「みぎげん」。
同じく、左舷の読み方は「さげん」ではなく「ひだりげん」。
”うげん””さげん”だと文字数が同じなので、聞き間違いが起きやすい。
そのため故意に訓読みすることによって、文字数を変えているのです。
面舵の号令が「おも〜か〜じ」
取舵の号令が「と〜りか〜じ」
同じ理由で、イントネーションの違いから聞き分けられるようにという配慮。
英語のstarboardとportの場合にも、同じような意図があったのかもしれません。
>>564 >旅客機等のタンデム席(機長と副操縦士が左右に並んで座る配置)
それはタンデムとは言わないんだが
567 :
GF長官 :2009/12/01(火) 20:54:44 ID:???
>>566 しまったああああああああ!
そういや、バイクの二人乗りのことをタンデムと言いますね。
”聞き間違い”の話をするつもりが、自ら勘違いしてしまうとは・・・
ご指摘感謝します。
568 :
GF長官 :2009/12/01(火) 21:01:05 ID:???
>>565 の続き
まずは、嶋崎隊から見ていきましょう。
瑞鶴艦攻隊1中隊の編成は、
1小隊(嶋崎少佐・八重樫飛曹長)
2小隊(金沢飛曹長・桶渡二飛曹)の計4機(
>>356 )
目標はヨークタウン。
目の前で左艦腹をさらしている。艦隊針路125度。
嶋崎隊は、やや後落気味に左舷航法から魚雷投下。
569 :
GF長官 :2009/12/01(火) 21:03:58 ID:???
>>568 の続き
[嶋崎隊攻撃図]
┗┓
┗┓
▼嶋崎隊(4機)
↓
━┓
┗━□→
ヨークタウン(針路125度)
570 :
GF長官 :2009/12/01(火) 21:33:38 ID:???
>>569 の続き
「ルー・ゴッドフレイ無章兵は無線方向探知機室に配置されていたが、来襲する
日本機群を舷窓からのぞいて見て驚いた。
数週間前、ゴッドフレイは他の電信員と一緒に機密書類の整理を命じられていた。
それらの中に第5雷撃隊のパイロットのための戦術指導書があった。
今、彼は気がついた。日本の雷撃機はVT−5に与えられたのと全く同じ戦法を
とっているではないか。
日本機はまず大きく円弧をつくり、それから一斉にヨークタウンに向けて回頭した。
ゴッドフレイは、”これで本艦はおしまいだ”と観念した」 (『空母ヨークタウン』)
もはや、万事休すか?
ヨークタウンにはフレッチャー少将も坐乗していましたが、戦闘開始前に、
「私のやれることは全て終えた。残っているのは、このヘルメットをかぶることだけだよ」
と言って、以降の戦闘には一切関与していない。
571 :
GF長官 :2009/12/01(火) 21:35:33 ID:???
>>570 の続き
オールド・ヨーキィの命運は、すべて一人の男に託された。
その名は、エリオット・バックスマスター。
いやあ、名前がカッコイイですよねぇ。
ナグモタクスフォースも好きですが。
彼の操艦手腕については、
「艦長は装甲板で囲まれた安全な操舵室の中にいて、展望窓から外を眺めても
良かったのだが、そうはしなかった。
”雷撃や爆撃を回避するためには、広い視界を持つことが不可欠だと思ったからだ”
と、バックスマスターは戦闘後に語っている。
艦長は露天艦橋から装甲板の切れ目をとおして、操舵号令や機関指揮号令を
どなりながら戦った。
艦長付きの電話伝令員ナタン・オグドン無章兵は、ヨークタウンのアイランドの
片舷から反対舷を艦長について走り回ったし、戦闘記録係のヘンリー・スタチェン
庶務上曹も、最良の戦闘記録をとるために艦長にへばりついて走った」
やはり艦長の仕事場は”防空指揮所”ですよね。
「十三号電探探知始め」
「長官、戦闘指揮所に移ります」
「大和をたのみます」
「ハッ」
572 :
GF長官 :2009/12/01(火) 21:36:43 ID:???
>>571 の続き
さて、ここで問題です。
この時、ヨークタウン艦長バックスマスター大佐のとるべき対応は?
四択です。
@面舵
A取舵
B舵そのままで直進
C機関後進一杯
司会「それでは、一斉に答えをどうぞー」
南雲「無論、面舵」
栗田「全く。愚問ですな」
森下「煙草すってくる」
司会「あの、みんな同じだと番組が盛り上がらないので・・・」
源田「では、大和魂で回避しよう」
神 「ここは殴りこみ、殴りこみを!」
辻 「海軍さんは、必勝の信念が足らんようですな」
三人「断じて行えば、魚雷も之を避く!
皇軍無敵、万歳!万歳!!」
司会「ダメだこりゃ」
正解は明日のこの時間で。
>>572 面舵一杯!回頭終了が終わる前に面舵一杯!更に取り舵一杯
←━━┓
━┓ ┃
┗━□→┓
┃ ┃
┗━┛
正解は「急速潜航」
>>567 説明口調で間違えてると恥ずかしすぎるなw
576 :
GF長官 :2009/12/02(水) 20:45:40 ID:???
>>573 ネ申操艦。でも、レキシントンの方はそんな感じかな。
>>574 その手があったかw
>>575 もう勘弁して・・・
しかし、一昨晩に指摘されるまで本気で間違えていましたからね。
最初に誤って覚えてしまったのだろうか。
GF長官の錯誤であった。 だが、近代戦は錯誤の少ない方に勝利をもたらすのであった。 なんちゃって。
578 :
GF長官 :2009/12/02(水) 21:08:03 ID:???
>>572 の続き
正解はもちろん、@面舵です。
A取舵だと左舷側をさらしてしまい、かえって被雷面積が大きくなるし、
Bの直進するには距離が近すぎる。
特に対空戦闘では、出来るだけ直進している時間を短くしたいですね。
後続の雷撃機や急降下爆撃機の照準を狂わせるためにも。
C後進は論外。”空母は急には止まれない”
行き足のついた大型艦を減速させたり、また最大戦速まで戻すなど容易に
出来ることではない。
579 :
GF長官 :2009/12/02(水) 21:10:16 ID:???
>>578 の続き
詳しくは航跡図(
>>373 )の通りですが、嶋崎隊のうち1機が射点を外して
しまったため、3本の魚雷がヨークタウンの左舷後方から接近する。
Enemy torpedo planes came in over and through our protecting fighters
and scouts and fire was opened at 1118 by the bearing 5-inch batteries.
The enemy torpedo planes separated into small groups almost immediately
after fire was opened. Three dropped torpedoes from the port quarter,
followed closely by four on the port beam. When the first three torpedoes
hit the water Captain Buckmaster applied full right rudder and rang for
emergency flank speed.
「敵雷撃機は、我が戦闘機及び哨戒機の防衛網を突破して接近して来た。
対空砲火は1118時(日本時間0918時)に砲門を開き、5インチ砲が火を噴いた。
同時に敵雷撃機は小隊に分離し、3本の魚雷を左舷側から投下した。
その瞬間、バックスマスター艦長は”面舵一杯”を号令し、機関室に最大戦速を命じた」
公刊戦史だけに、余計な脚色のない淡々とした戦闘記録ではありますが、
英語の文章からも、緊迫感が伝わってきますね。
改めて、艦長ってすごい”仕事”なんだなと思った次第であります。
580 :
GF長官 :2009/12/02(水) 21:10:57 ID:???
>>579 の続き
さて、雷跡の行方や如何に。
The ship was steadied on a course parallel to the torpedoes dropped on the port beam
sufficiently long to allow them to run past the port side close aboard.
「艦は左舷の雷跡と平行になるように舵を保持し、魚雷が舷側のすぐそばを通過するまで
現針路を維持した」
う〜む、実に惜しい。
581 :
GF長官 :2009/12/02(水) 21:16:35 ID:???
>>580 の続き
[嶋崎隊雷跡図]
┗┓┗┓┗┓
┗┓┗┓┗┓
┗┓┗┓┗┓
┗┓┗┓┗┓
└┐ ┗┓┗┓┗┓
└─┐ ┗┓┗┓┗┓
│ ┗┓┗┓┗┓
│ ┗┓┗┓┗┓
ヨークタウン□ ┗┓┗┓┗┓
│ ↓ ↓ ↓
┌┘ 雷跡(3本)
┌┘
↓
582 :
GF長官 :2009/12/02(水) 21:20:38 ID:???
>>581 の続き
後述のレキシントンとは異なり、片側のみの魚雷攻撃の場合、艦長の適切な
操舵により回避は可能と言えそうです(状況によりますが)
ミッドウェーでも同じ理由で、TBDの雷撃はすべてかわされていますね。
F1マシンのように、ステアリングをきったら直ちに曲がってくれる、というわけでは
ないですから、わずか一秒の決断の遅れが命取りとなる。
これも空母戦ならではの光景か。
海上を高速でのたうち回り爆弾かわし魚雷を回避する空母のパノラマシーンは漢のロマンですよ。
584 :
GF長官 :2009/12/03(木) 20:48:04 ID:???
>>577 まぁ、誤字脱字はしょっちゅうですからねぇ。推敲には心がけているつもりですが。
今更ながら、
>>564 の説もあやしくて、飛行機の天測窓はよく分かるけれど、船の場合
甲板に出れば、いくらでも観測できるんだから、わざわざ窓を設ける必要はないような・・・
>>583 ですよねー
やはりここは年末ジャンボを当てて、空母翔鶴を復元するか。
585 :
GF長官 :2009/12/03(木) 21:02:32 ID:???
>>582 の続き
さて、全機魚雷投下には成功した嶋崎隊ですが、桶渡機(
>>568 )が被弾。
「金沢飛曹長の二番機、桶渡隆康二飛曹の最期は、米側記録にも記されている。
護衛の重巡アストリア、ポートランドからも目撃され、
”その雷撃機はぐらつくと、火の玉となって空中分解した”
”この雷撃機は、後尾を焔に包まれながら非常に美しい滑空姿勢で左舷艦首に
迫り、300ヤードのところで水柱に突っ込んだ”
と記録されている」 (『暁の珊瑚海』)
586 :
GF長官 :2009/12/03(木) 21:04:16 ID:???
>>585 の続き
>>536 の通り、対空砲火回避のために、雷撃隊は超低高度で突入する。
「私たちがやった魚雷発射訓練は、浅深度発射法によって、高度5メートル、
目標艦との距離150〜200メートルに接近しての発射訓練であった。
これは口で言うのは容易いが、なかなか大変な発射法で、針の先でつついた
ほどのミス、ほんの少しの距離判断の甘さも、たちどころに攻撃失敗となって
はね返ってくる。
そこで私たち雷撃隊の操縦員は、操縦席からの高度5メートルの判断を正確
に行える訓練として、地上にある時、5メートルの高さに上って海面の状態を
研究し、しかもそれを何度も何度も繰り返して高度感をつかみ、更にそれを
頭にたたきこんでおいて、本番のミスの撲滅を図った」(『奇蹟の雷撃隊』森拾三/著)
高度5メートルなんて、高度計は役に立たないですからね。
かくの如き猛訓練を以ってしても、犠牲は避けられない。
悲しいけれど、これ戦争なのよね!
青空を 名残のものと 大らかに 見給へ親も 悲しき妻も(与謝野晶子)
>>547 >客観的な情勢判断に基づくならば、
〜それどころか、東方へ逃げ始めている(と思われる)
>>531 >まして、針路は東進です。
>これは日本側の触接に気付いて”逃げ始めた”と考えるのが自然では?
長官、この時点の「客観的な情勢判断」は
『敵艦隊が針路80度へ変針した』
だけです。
一度や二度の変針のみで敵艦隊の作戦企図を断定するのは、早計ではないですか?
以下、この時点での敵作戦企図を推察してみます。
○敵に積極的な交戦意思が無い、もしくは放棄した場合
1.撤退開始:彼我の兵力差もしくは好機喪失により交戦断念。
2.牽制行動:以後も間合いを取りながら変針を繰り返す。目的はミ島基地航空隊への消極的援護。
これは遅滞行動(時間稼ぎ)でもあり、状況により3.以下へ遷移。
○敵に交戦意思が有る(復活)、もしくは何らかの作戦目的がある場合
3.奇襲行動:触接機排除後反転、最大戦速で距離を詰める。
4.誘引行動:変針方向には有力な敵別艦隊が存在する(急行中もしくは集結中)。
5.援護行動:第一機動部隊を自己へ引き付けること自体が目的。
例として、敵別艦隊がミ島南方を迂回し味方攻略船団の撃滅を企図等。
私なら4.を最も懸念します。
艦隊決戦の定石ですから。<ジェットランド沖海戦等
>これのどこが「即時発進を迫られる脅威」なのでしょうか。
これに関しては概ね同意です。
それほど時間的余裕はないですが。
588 :
GF長官 :2009/12/05(土) 20:26:55 ID:???
>>587 有難うございます。仰る通りですね。
>一度や二度の変針のみで敵艦隊の作戦企図を断定するのは、早計ではないですか?
確かに「変針」だけなら、”発着艦のために風上に立った”とも考えられますし。
どうやら本職も、赤城艦橋の空気にのまれて米海軍をなめきっていたようです。
589 :
GF長官 :2009/12/05(土) 20:53:04 ID:???
>>586 の続き
>>561 に戻りまして、続いては瑞鶴艦攻隊2中隊の佐藤善一大尉率いる4機。
1小隊(佐藤大尉・山田一飛曹)
2小隊(新野飛曹長・福原一飛曹)
目標はレキシントン左舷。
佐藤隊には、加納一飛曹指揮下の零戦3機が直掩についていた(
>>368 )
しかし、そこへSBD(ヨークタウン所属)が出現します。
これは、
>>391 の通り、日本軍雷撃機阻止のため低空に配備されたもの。
零戦の搭乗員はびっくりしたでしょうね。
艦爆が母艦直衛戦闘に参加しているとは思ってもみなかったでしょう。
「日本機の搭乗員たちは、ドーントレスの出現に驚かされたようだ。
しかし零戦隊は、たちまち態勢を立て直し、ケンドール・キャンベル少尉機の
尾翼を吹き飛ばし、2番機を撃ち墜した。残ったSBDは防御のために必死と
なった」 (『暁の珊瑚海』)
590 :
GF長官 :2009/12/05(土) 20:54:42 ID:???
>>589 の続き
瞬く間に蹴散らされてしまい、本来の任務である「雷撃機の阻止」は全く
果たせなかった。だが、彼らの行動は決して無駄だったわけではない。
零戦隊がSBD撃退にかかりっきりになっている隙をついて、直衛のF4F
(レキシントン所属のセルストロム少尉機)が、福原機を撃墜した(
>>415 )
「佐藤大尉は気付かなかったが、彼らはちょうどラムゼー少佐が放った
レキシントンのグラマン戦闘機2機の針路上に位置していた。そのために
後続の第二小隊の2機が、米軍戦闘機の攻撃にさらされることになった。
新野飛曹長の電信員、西沢十一郎二飛曹の回想。
”我々が雷撃態勢に入る遥か以前に、米軍戦闘機に捕捉された。
思い魚雷を抱いたまま、右に左に逃げる。私も無線機を放り出して、旋回
機銃に取り付いた。
グラマン戦闘機は、一航過、二航過と銃撃を加えながら前に飛びぬけると
また反転して攻撃してきた。最初に私の列機が墜とされた”
11時16分(日本時間0916時)、この日本機が火だるまとなって墜ちて
行くのを見て、エドワード・セルストロム少尉機は勢い込んで報告する。
”ワイルドキャットよりロメオへ、雷撃機1機撃墜!”」
(註)ロメオはレキシントンの呼出符号(
>>407 )
残り3機がレキシントンを目指す。こちらも猛砲火の下を突進です。
592 :
GF長官 :2009/12/06(日) 19:26:21 ID:???
>>591 毎年この時期になると、テンションが上がりますよねぇ。
以前立ち読みした本の中に、こういうのがありました。
「ハワイ攻撃時の南雲機動部隊は、警戒航行序列で12日間、3000浬の
航海を成し遂げた。その規模は縦50km、横30kmにもなり、いわば淡路
島が動いているようなものだ。
今のところ、この機動部隊は誰にも発見されなかった、ということになって
いるが、果たしてそんなことが本当に有り得るのだろうか」
(『オトリに釣られた真珠湾奇襲』妹尾作多男/著)
まさに「Miracle At Pearl Harbor」だ。
実際はソ連船に遭遇したようですがね。
南雲長官にとって、生涯最も心労にこたえた12日間だったでしょう。
X日まであと二日!
593 :
GF長官 :2009/12/06(日) 19:48:00 ID:???
今日は上陸日なので、本編はお休み。
代わりにに新刊情報を。『日本海軍の航空母艦』(川崎まなぶ/著)
著者は『マリアナ沖海戦』でお馴染みですね。
資料価値も高そうなので、購入しようか検討中。
とりあえず、鳳翔の部分だけ立ち読みしてきました。
以前、着艦指導灯について紹介しましたが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/389 同書によると、昭和4年仏空母ベアルンに、「トランストランディング」と呼ばれる
簡易的な指導灯が設置されており、それを基に昭和7年秋、鈴木正一大尉
(霞ヶ浦空分隊士)が改良を加え、鳳翔に採用。三式初歩練習機で実験を繰り返して、
実用化に成功した。
594 :
GF長官 :2009/12/06(日) 19:49:41 ID:???
>>593 の続き
新人搭乗員の伎倆向上には、ずいぶん貢献したことは間違いない。
通常の訓練課程については、以下の通りですが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/378 定点着陸→擬接艦(ローパス)→接艦(タッチアンドゴー)→着艦
擬接艦訓練の主目的は進入角度を覚えること。
そのため、失速速度の10〜15km/h増しくらいで降下していくのですが、
この指導灯のおかげで、どんな人も降下角度の修正を容易に行うことが
できた。
本番の着艦訓練(着艦フックを制動策にひっかけて停止する)では、艦爆
ならば、後席の偵察員が艦尾をかわった瞬間に「かんびー」と叫ぶので、
そこでスロットルを絞れば機体は失速し、自動的に着艦となる。
本編では「高度の平凡さ」について、米海軍が優れていたと何度か指摘して
いますが、着艦に限っていれば、明らかに帝国海軍の勝利です。
595 :
GF長官 :2009/12/06(日) 19:51:02 ID:???
>>594 の続き
それにしても、空母黎明期における日本海軍の「進取気運の高さ」には目を
見張るものがあります。
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/807 「空母先進国」であるイギリスに士官を派遣して、何とか運用法を習得しよう
と懸命だったのは日本だけではありませんが、当然英海軍も簡単に教えて
くれるわけがない。
そこで今度は、英海軍の士官を日本に招いて技術指導を受けようと提案。
これまた、うまくは行かなかったのだが、ねばり強く交渉して「退役軍人なら」
という条件で、ついに英国の了承を取り付けたそうです。
世界最強・南雲機動部隊の誕生は、決して偶然や幸運だけによるものではない。
指導部の戦略眼の確かさ、実戦部隊のたゆまぬ練磨の賜物と言えるでしょう。
我奇襲に成功セリ
米戦艦に魚雷命中 効果甚大! 飛行場に飛行機が並べてある。 こちらパールハーバー、JAPの航空機の攻撃を受けている! これは演習にあらず!これは演習にあらず! 戦闘機はどうした! タンクに延焼しそうだ水が出ない!
598 :
山口多聞 :2009/12/08(火) 13:28:32 ID:???
攻撃隊発艦準備完了
599 :
南雲 :2009/12/08(火) 14:52:06 ID:???
待てっ!
600 :
山口多聞 :2009/12/08(火) 16:50:15 ID:???
ワレ独断専行ニテ二航戦ノ指揮ヲトル 攻撃隊順次発艦セヨ
602 :
GF長官 :2009/12/08(火) 21:30:53 ID:???
>>596 - 祝☆真珠湾奇襲大成功!
これだけの「完全試合」にケチをつけるなんて、アンチは余程のひねくれ者ですねw
「戦艦を沈めたと言っても、後に戦線復帰しているから大した戦果ではない」とは、
よく言われることですが、ハワイ作戦が”搦手”だと分かれば、たわいない非難だと
分かりますね。
こういう見方もありますよ。
「半年近く経った今もなお、真珠湾内は旭光と夕陽に灼かれるたびに、あの悪夢の
朝を想い起こさせる。リメンバー・パールハーバーのスローガン以上に誰の瞼にも、
この残像は健在である。
さんたんたる破壊の傷痕も、陸上では飛行場をのぞいてかなり修復されているが、
まだ湾内は水没、半水没の艦船の暗礁だらけである。湾口水域だけが、犠牲者まで
出す潜水作業によって、かろうじて空母が通り抜けるまでに残骸物を取り除いた」
(『炎の提督山口多聞』岡本好古/著)
603 :
GF長官 :2009/12/08(火) 21:31:37 ID:???
>>602 の続き
米海軍士官になりきって考えてみて下さい。
その精神的衝撃は容易に癒されるものではありませんよ。
これも大戦果ですよねー
やはり真珠湾奇襲成功は、戦史に輝く大偉業だな。
これから南雲長官を呼ぶ時は、枕詞に「偉大なる」とつけましょう。
・・・あれ?これだと某半島国家の国営放送と同じになってしまうような・・・
ま、いいか。
604 :
GF長官 :2009/12/08(火) 21:39:03 ID:???
>>590 の続き
佐藤隊は、レキシントンの左舷前方より接近。米側の記録には、
「レキシントンの艦首より左舷に60度方向、高度100フィート(30メートル)、
距離1500ヤード(1372メートル)」となっています。
[佐藤隊接敵図]
┏┛
┏┛
▼佐藤隊(3機)
┏┛
↓
┐レキシントン
└─□─┐
└→
605 :
GF長官 :2009/12/08(火) 21:49:34 ID:???
>>604 の続き
ヨークタウンの場合と同じく、レキシントンにはフィッチ少将が坐乗していたが、
対空戦闘の指揮一切は、シャーマン艦長の手に委ねられた。
「シャーマン大佐は、見晴らしの良いレキシントンの高い艦橋にいた。その上部
には、フィッチ少将の司令部があるが、戦闘の指揮はいまや艦の首脳たちの手
にあった。
艦橋は窓ガラスが取り外され、野ざらしになっていた。全員が戦闘配置につき、
ヘルメットをかぶった庶務係の下士官たちが、各指揮官に連絡する電話当番の
位置についた。
米側記録はこうも書いている。
”この朝、艦橋にあってヘルメットをかぶっていない生き物と言えば、唯一艦長
の愛犬ワッグス提督だけだった”」 (『暁の珊瑚海』)
606 :
GF長官 :2009/12/08(火) 21:50:29 ID:???
>>605 の続き
軍艦にペットを乗せるなんて、いかにもアメリカ人らしいですな。
ま、犬だから沈んでも安心ですねw
日本ではインパール作戦の時、第三十一歩兵団長・宮崎繁三郎少将は現地
で拾った猿を”チビ公”と名付け、行動を共にしたとか。
米海軍では、作戦行動中は「禁酒」が徹底されていたそうですから、このような
娯楽が必要だったのかもしれません。
後のレキシントン沈没の際にも、彼?はしっかり救助されています。
>やはり真珠湾奇襲成功は、戦史に輝く大偉業だな。 ここはツッコミ入れていいの?w
ツッ込み以前の問題だろう。 空母六隻全力投入、母艦搭載機を一指揮官が統一指揮。 戦史史上どころか陸上航空史ですらそう言うのはない
609 :
GF長官 :2009/12/10(木) 21:21:51 ID:???
>>607 え、そこ?
>>608 全く。
真珠湾が「古今の戦史に例のない戦略的奇襲の成功」であったことを否定する人は
いないでしょうが、「南雲長官の高評価」にはつながらないんですよねぇ。
だからこそ、当スレの存在価値もあるというものです。
610 :
GF長官 :2009/12/10(木) 21:34:40 ID:???
>>606 の続き
激しい対空砲火の中、重い魚雷を抱いて突入する搭乗員にとってみれば、
「せめて魚雷を投下するまでは当たらないでくれ」と神にも祈る気持ちだった
でしょう。
しかし戦場に限らず、神というものは概ね残酷であります。
射点に入る前に、山田機(
>>589 )が被弾。
「最初の二機編隊の中の一機は、5インチ砲弾を蒙って空中分解し、その乗員の
身体がブーンと放り出されるのが目撃された」 (『モリソン戦史』)
611 :
GF長官 :2009/12/10(木) 21:35:25 ID:???
>>610 の続き
嗚呼、無念。
残されたのは、わずかに2機。
佐藤機に続いて、新野機が魚雷を投下。
同時に、シャーマン艦長は面舵一杯を号令。
「佐藤大尉は魚雷を投下後、全速でレキシントンの艦首前方をすりぬける。
”大谷兵曹!”と偵察員に尋ねる。
”雷跡はどうか?走っているか”
”走っています、走っています!”
だが、当然かえってくるはずの返事が来なかった。
一秒、二秒、三秒・・・やはり早すぎたかなと、一瞬投下直前に感じた判断の
迷いが、彼の脳裡によみがえった」 (『暁の珊瑚海』)
612 :
GF長官 :2009/12/10(木) 21:40:58 ID:???
>>611 の続き
[佐藤隊雷跡図]
┏┛┏┛
─┐ ┏┛┏┛
└┐ ┏┛┏┛
│ ┏┛┏┛
│ ┏┛┏┛
レキシントン□ ┏┛┏┛
│ ┏┛┏┛
│ ┏┛┏┛
┌┘┏┛┏┛雷跡(2本)
↓ ┏┛┏┛
↓ ↓
惜しくも、2本の魚雷はレキシントンの艦首前方を通過していきました。
613 :
GF長官 :2009/12/10(木) 21:47:56 ID:???
明日はボーナス支給日&忘年会のため、お休み。 まさかの2.0ヶ月だぜい。 とりあえずは、ハセガワの「戦艦カレンダー2010」を購入しました。 誰か「南雲機動部隊カレンダー」を作ってくれんかのぉ。 素材はたくさんあると思うのだが・・・ 1月 ラバウル攻略支援 2月 ポートダーウィン空襲 3月 南雲長官の誕生日 4月 インド洋作戦 5月 珊瑚海開戦 6月 ミッドウェー海戦 7月 サイパン玉砕 8月 第二次ソロモン開戦 9月 零戦の雄姿 10月 南太平洋海戦 11月 単冠湾集結 12月 真珠湾攻撃 こんな感じでどう?
珊瑚海海戦を考えるにあたり、疑問がひとつ。 5/7には、ラバウルから、雷装・九六陸攻12機、爆装・九六陸攻26機。 ラエからの零戦12機の攻撃があったが、5/8には… TF17は、5/7との比較で北西〜西の位置にいたし、 ラバウル航空隊の航続距離に問題があった、とも思えず… 技量に不安がある五航戦2空母+1軽空母でありながら、米空母艦隊との戦いを挑むにあたり、 ラバウル航空隊の支援を見込んでの黒島の作戦計画だったのだろう、と思うが、 5/7が空振り、5/8が音沙汰なし、となると、苦戦を強いられるのは仕方ないのだろう。 この意味で、珊瑚海海戦における4F(五航戦)とラバウル航空隊との、 情報経路とか指揮系統とかが気になる次第である。
615 :
GF長官 :2009/12/12(土) 21:24:28 ID:???
>>614 それは単純に距離が遠かったからですよ。
>TF17は、5/7との比較で北西〜西の位置にいたし、
>ラバウル航空隊の航続距離に問題があった、とも思えず…
「第五空襲部隊は、五航戦発見の米空母部隊の状況をも、電報によって
承知していたが、同隊の攻撃可能距離外であった」(『戦史叢書』)
ラバウルから米機動部隊までの距離は、約670浬。
偵察仕様(空装)の陸攻でギリギリといったところです。
魚雷を搭載したらとても無理ですね。
第五空襲部隊の戦闘については、空母決戦の後にふれたいと思います。
616 :
GF長官 :2009/12/12(土) 21:46:12 ID:???
今週の新刊情報は世傑の『零式観測機』。
即買いしましたよ。
ずいぶん厚いなと思ったら、最後の20頁くらいは図面集でしたね。
先週紹介した『日本海軍の航空母艦』(
>>593 )の続報を。
ミッドウェー海戦での第一次攻撃隊長は友永大尉ですが、その理由は
「淵田中佐が盲腸の手術を受けたため」となっています。
しかし一航艦の次席(最先任)は、楠美正少佐(加賀飛行隊長)。
なのに、なぜ友永大尉が選ばれたのか。
同書では「一航戦に比べて、二航戦の魚雷調整能力は劣っていた」と
指摘している。
つまり、精鋭中の精鋭である一航戦の艦攻隊を”水平爆撃ごとき”に使用
するのは勿体ないというわけですね。
加賀飛行隊長である楠少佐を第一次攻撃隊長にすると、一航戦の艦攻隊
をミッドウェー攻撃に使わなければならない(楠少佐は艦攻乗りのため)
それでは「牛刀をもって鶏肉を裂く」になってしまう。
617 :
GF長官 :2009/12/12(土) 21:48:33 ID:???
618 :
GF長官 :2009/12/12(土) 22:09:20 ID:???
>>612 の続き
魚雷投下後の両機は、レキシントンの脇をすり抜け、全速で離脱を図る。
「”雷撃よりも、輪型陣を突破して逃れる時に最も恐怖感を味わった”というのが
新野機の西沢二飛曹の実感である。
”任務を終えたあとは帰艦するばかりだから、不意に恐ろしさを感じた。
輪型陣の集中砲火がものすごく、身の縮む思いがした。避退の途中で
右翼外側のタンクに被弾した。最初にこのタンクの燃料を使い切っていた
ので助かった。僥倖だったのだろう”」 (『暁の珊瑚海』)
突撃する時は覚悟を決めているので案外平気だが、一旦虎口を脱して
生き残れる希望が出てくると、急に生命への執着が強くなり死ぬのが怖く
なる。戦記等でよく見られる描写ですね。
彼らは母艦までたどり着くことが出来ましたが、新野飛曹長は機上戦死。
整備員が数えたところ、被弾箇所は70箇所以上あったそうです。
619 :
GF長官 :2009/12/12(土) 22:10:24 ID:???
>>618 の続き
これで瑞鶴艦攻隊の雷撃は終了。
残念ながら魚雷はすべて外れてしまいましたが、ここは素直に米空母の
艦長の操艦を讃えるべきでしょう。
回避されたとはいえ彼らの行動により、この後の翔鶴艦攻隊、そして艦爆隊
は絶好の射点を確保することが出来、理想の雷爆同時攻撃が完成します。
乞うご期待。
620 :
GF長官 :2009/12/12(土) 22:28:12 ID:???
>>619 の続き
またまたで恐縮ですが、来週は出張で沼津へ行って参ります。
次回は12月19日(土)に。
仕事の方が怒涛の冬季攻勢で、大晦日まで出勤の予定・・・orz
今後、本編は不定期になると思いますが、キリの良いところでスレ納めと考えています。
老紳士(錦江湾で日課の釣りをお楽しみ中)
「最近の南雲スレはたるんじょる!」
GF長官「すみません。通常納期が12週間なのに、8週間でやれとか言うもんですから」
軍国少年(好きな飛行機がB−17とは誰にも言えない)
「でもヨークタウンだって、3ヶ月と言われた修理を3日で終わらせたじゃないですか」
GF長官「あれは、物量のアメリカだからで・・・」
右翼団体員(愛読書は『我が闘争』日本語訳版)
「我が国には大和魂がある!断じて行えば(ry」
GF長官「その大和魂とやらで、1日を40時間くらいにして下さいよ」
セ○ラさん(GF司令部の受付嬢、参謀の間で俺の嫁論争勃発)
「軟弱者、それでも男ですか!」
GF長官「なんで、うちの会社は盆や年末ばかりに納期が集中するんだよ」
模型会社社長(戦艦の擬人化企画進行中、長門・陸奥の”大正戦艦娘。”で全米進出予定)
「この非常時に、ぜいたくは敵だ」
GF長官「ぜいたくは素敵だと思います(キリッ」
第40代内閣総理大臣(大東亜共栄圏発起人、戦後も東アジアで知名度抜群)
「生きて虜囚の辱めを受けず」
GF長官「玉砕スルモ男子ノ本懐ナリ・・・」
ごきげんよう。
>>615 670浬だと、往復で1340×1.852=2482km。
九六陸攻一一型の航続距離は2854km(爆撃時)〜4550kmじゃなかったっけ?
「偵察仕様(空装)の陸攻」でギリギリって、どこの数字を引用してる?
5/7に、九六陸攻が、命中弾ゼロとはいえ、TF17の第3群(クレース少将)を攻撃できた事実を踏まえ、
5/8に「攻撃可能距離外」との記載は納得できない。
一式陸攻の爆装の航続距離外である、ところは理解するにせよ。
38機の九六陸攻、5/7の出撃で壊滅したのだろうか?
攻撃相手の第3群、重巡2隻(オーストラリア、シカゴ)、軽巡1隻(ホバート)
駆逐艦2隻(パーキンス、ウォーク)と、量的には大した相手ではなさそうだが…
整備という問題が…
>>621 珊瑚海海戦における両軍の行動図見れば一目瞭然だと思うけどなあ。
>>615 の長官のレスの補足だけど、5/8のTF17.5(フレッチャー部隊)がラバウルから670浬以遠の距離に位置していたのに対して、
5/7のTF17.3(クレース部隊)の位置はラバウルから500浬前後、後者は陸攻の爆装での攻撃可能圏内にいたが前者はいなかったと。
真珠湾にて。 0308の筑摩水偵機の情報で、真珠湾に空母がいないことを、南雲たちは知る。 「ト連送」は0319、「トラトラトラ」は0323。 このとき、エンプラはウェーキから真珠湾へ帰投中、レキシントンはミッドウェーへ輸送中。 結果的にニ波の空襲で、基地航空機399機のうち、188機破壊・155機損傷をもたらし、 南雲機動部隊への最大の脅威は、どこにいるか不明のエンプラ・レキシントンとなったところ。 さて、0323以降、南雲たちは、ニ空母を発見するための索敵機を発進させていたのだろうか? 空母がいないとなれば、当面の安全は見込まれる。 基地航空機をほぼ壊滅状態にしたのだから、石油タンクとか、修理ドックとかを空襲するのは容易。 空母を発見したのであれば、距離によっては退避するもヨシ、 無傷の265機と修理可能の86機を併せ、351機が発進可能と南雲たちは把握していたのだから、 空母攻撃に向かうもヨシ。
敵根拠地付近なのに敵潜水艦の危険性を全く考慮しない 624の脳天気さに脱帽
そこは 説明しよう! だろ少尉。
>さて、0323以降、南雲たちは、ニ空母を発見するための索敵機を発進させていたのだろうか? それ以前の0200頃に索敵機を機動部隊の東西に出してるよ
>>617 村田少佐は楠美少佐より1期下だけど、先任者を差し置いて米艦隊を攻撃するときに
指揮官になれるのだろうか?
楠見少佐は村田少佐の指揮下に入るのか。待機するのか
あるいは「赤城飛行隊長」は、盲腸炎を考慮せず淵田さんのこととか
(淵田さんも正式には「総隊長」ではなく、飛行隊長だったような)
チョウカン マダカ カキコミ マツ
631 :
GF長官 :2009/12/19(土) 20:43:22 ID:???
>>621 お待たせしました。
[珊瑚海海戦要図] (『戦史叢書(49)南東方面海軍作戦(1)』付図参照)
□■ラバウル
□□□
□□□□□□□ □□ ソロモン諸島
□□ □□
□□□□ □□ □□
□□■ラエ □□ □□ □□
□□□□□ □□ ■ツラギ
□□□□□□□ ジョマード水道 □□□ガダルカナル島
□□□■□□□□ ↓ ルイジアード諸島
ポート □□□□■ □ □■ □ ■ロッセル島 □
モレスビー サマライ デボイネ
△クレース部隊(5月7日) ▼MO機動部隊
[ラバウルから約500浬] (5月8日)
△米機動部隊(5月8日)
[ラバウルから約670浬]
632 :
GF長官 :2009/12/19(土) 20:57:05 ID:???
633 :
GF長官 :2009/12/19(土) 20:57:56 ID:???
>>632 の続き
それともう一つ。
今回は「空母部隊」であることが明らかなため、零戦の護衛が不可欠。
ガ島(ラバウルから560浬)でさえ、空戦時間は15分と言われていたのに、
更に100浬以上も遠方となると、随伴は難しいのではないかと。
米空母輪型陣に対する陸攻の昼間単独攻撃が自殺行為であることは、
ニューギニア沖海戦で実証済みです。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1228736921/742 B−17のように高高度水平爆撃が可能ならば、被害は抑えられるでしょうが、
命中率は期待できないですしね。低空雷撃だと対空砲火による被害が甚大
になると予想されます。
高橋攻撃隊とうまく協同攻撃ができれば・・・とは思いますが。
>>633 あと叢書にも記載がありますが、同士討ちの可能性もありましたからねえ。
5/8当日も大艇がMO機動部隊を敵機動部隊と誤認してますし。
635 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:12:15 ID:???
636 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:14:37 ID:???
>>635 の続き
まず、攻撃隊発進の30分前(0100時)に水偵2機を射出(利根・筑摩各1機)
利根機はラハイナ泊地、筑摩機は真珠湾へ。
(註)ラハイナ泊地とは真珠湾の東南東約80浬。マウイ島の拠点。
0300時に真珠湾上空の筑摩機より報告。
「在泊艦艇は戦艦10・重巡1・軽巡10・駆逐艦多数・空母ナシ」
0305時にラハイナ上空の利根機より報告。
「敵艦隊ナシ」
これらは攻撃隊の淵田機も直接傍受した。
米太平洋艦隊はすべて真珠湾に集中していることが明らかになったので、
予定通り、攻撃隊全力を以って真珠湾を叩くことに決定した。
そして−トラトラトラが0323時。
結構ギリギリでしたね。
637 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:16:21 ID:???
>>636 の続き
次に、周辺海域の索敵も実施。
0200時に水偵4機を発進。
本隊と真珠湾の中間海面、及びオアフ島東西両水道の海面をなるべく
広範囲にわたって捜索し、敵出撃部隊、敵反撃飛行機の確認を行った。
定番の扇形索敵ではなく、担当区域を隈なく捜索するという形式。
つまり、かなり”粗い”索敵です。
その理由は記述されていませんが、考えられることとしては、
「味方索敵機が敵艦隊を発見するということは、同時に我が方も発見される
ことになる」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1228736921/205 奇襲が成功したからといっても安心はできない。
せめて、攻撃隊を収容するまでは本隊の位置を知られるわけにはいかない。
そのような意図があったのかもしれません。
638 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:19:22 ID:???
>>637 の続き
4機の水偵は、敵情を得ず帰投します。
ここで最も気にかかるのが、「米空母の所在」。
軍令部からの放送通信により、2日前(12月6日)にレキシントンが重巡5隻と共に
出港したのが確認されている。
よって、当日真珠湾にいないのは、「エンタープライズ」「レキシントン」「重巡の大部分」
であることが、分かっていた。
さて、彼らはいったいどこに居るのだろうか。
南雲司令部は、「ラハイナ泊地周辺で演習中」と考えていた。
しかし、当日朝ラハイナ泊地に敵艦隊は見られなかった。
ということは、レキシントンと重巡を基幹とする部隊が真珠湾に帰投中と予想される。
あくまでも推定に過ぎませんが、水偵が発見しなかったからといって
「付近に米空母は居ない」と考えるのは、危険ではないかと思います。
ミッドウェーでも同じく、索敵機が敵情を得ず、南雲長官は兵装転換を決断しますが、
ミッドウェー海戦前に米空母情報は皆無だったのとは異なり、真珠湾攻撃時には、
「(少なくとも)レキシントンは2日前までは真珠湾に居た」という確かな情報がある。
2日ではまだ周辺海域に所在する可能性は捨て切れません。
639 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:20:38 ID:???
>>638 の続き
更に、帰投中の攻撃隊から「敵飛行艇北上中」(0635)と入電。
また、直衛の零戦(瑞鶴機)が「敵飛行艇を南方に発見」(0820)
これは駆逐艦からも視認されている。その後追尾するが見失った。
これらの報告を受けて、レキシントン隊がこちらに向かっていたら・・・?
攻撃隊収容完了は0922時。
640 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:24:32 ID:???
>>639 の続き
さて、ここで南雲長官になり切って考えて頂きましょう。
@第一次攻撃隊により米太平洋艦隊主力はほぼ壊滅
A母艦航空機の喪失は僅少なるも、損傷機多数
B米機動部隊の所在は不明
C敵哨戒機の触接を受けた模様
D帰投中の攻撃隊が追尾され、本隊の位置を知られるかもしれない
Eハワイの陸上機による反撃を受ける恐れあり
F付近海面の敵潜動静は不明
G日没まで3時間余り(第二次攻撃隊を出しても収容は夜間となる)
H天候は悪化の傾向
これだけの”悪条件”が揃っているのに、現場に留まり第二撃を行うのですか。
それだけの価値が、石油タンクや港湾施設にはあるのですか。
周辺海域の索敵計画は?(全周索敵なら20機は必要。水偵だけでは足りない)
直衛機は何機用意するのか。
その上で、攻撃兵力はどれだけ確保できるのか。
施設破壊のためには、どれだけの爆弾が必要なのか。
艦爆の25番陸用爆弾の破壊力がどれほど有効なのか。
水平爆撃の命中率は訓練ですら10%程度だが、どの程度の戦果が期待できるのか。
仮に索敵機が米艦隊を発見した時の対応は?(まさか兵装転換を行うのか。日が暮れるぞ)
いったいどんな”勝算”があるのか、ぜひ伺いたいものですな!
641 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:26:19 ID:???
>>640 の続き
以上の懸案を鑑みるならば、南雲長官の判断は正しかったとするのが客観的な評価
ではないでしょうか。
あの猛牛ハルゼーでさえ、ドゥーリットル空襲では即刻反転していますよ。
なぜか。
奇襲作戦であり、敵哨戒圏内であり、すでに日本側に発見されてしまったからです。
真珠湾での南雲機動部隊とよく似ていると思いませんか。
まさかハルゼーに
「出撃して来る日本艦隊を叩け」とか、「反復攻撃をかけろ」とか言う人は居ないでしょう?
B−25を発進させてしまえば、「自由の身」となるハルゼーとは異なり、
第二次攻撃隊を出せば、収容しないといけないんですよ。
収容が夜間となると、機位を失って不時着する機体が続出するのでは?
探照灯を明々と照らして、最後の一機まで捜索・収容するのですか。
それとも、貴重な搭乗員を見捨てて離脱するのですか。
642 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:27:41 ID:???
>>641 の続き
問題山積みではないですか。
南雲長官を臆病や消極的、水雷畑の素人と評する人は多いが、
本職にしてみれば彼らこそ「蛮勇」と言わざるを得ない。
空母戦の何たるかを、全く分かっていないのではないか。
荒天濃霧の北太平洋を一隻の落伍艦も出さず、
洋上給油を事故なく実施し、三千海里の大航海を成し遂げ、
遅滞なく作戦計画通りに攻撃を実施し、望外の大戦果を挙げ、
古今の戦史に例のない戦略的奇襲を成功させ、
ほぼ無傷で内地へ凱旋した南雲機動部隊。
結論
「真珠湾攻撃における南雲長官の采配は百点満点」
終わり
643 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:36:17 ID:???
>>617 言われてみれば・・・
>村田少佐は楠美少佐より1期下だけど、先任者を差し置いて米艦隊を攻撃するときに
>指揮官になれるのだろうか?
淵田美津雄中佐(海兵52期)
楠美正少佐 (海兵57期)
村田重治少佐 (海兵58期)
友永丈市大尉 (海兵59期)
確かに先任の楠少佐をさしおいて、村田少佐が指揮するとは考えにくいですね。
>>32 の「作戦要領」は出撃前(5月20日頃?)に作成されたものなので、淵田中佐の
病欠は入っていないだろうし、wikiによると「当時の赤城飛行隊長は淵田中佐・板谷少佐・
村田少佐の3名が居た」となっているし・・・???
644 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:38:25 ID:???
>>630 まずは帰還報告まで。
沼津は寒かったですよ。昨朝は地震で目が覚めたし。
しかし、富士山はきれいでした。
本編は明日より再開したいと思います。
引き続きご愛顧のほどを。
645 :
GF長官 :2009/12/19(土) 22:52:18 ID:???
長官、「楠」少佐ではありませんぞ 629で「楠見」少佐とわざわざ書いてあるのに 些細なこととはいえ、やはり名前を間違えてはいけませんな
言ってる本人が間違ってましたな 「楠美」少佐 すみません 消えます
いろいろ理由を挙げているけど 南雲長官が反復攻撃を断念した理由の一つは燃料の問題 油漕船を作戦開始前に分離しているから再度作戦行動をとるには 電波を出して油漕船を呼び、さらに敵勢力圏内で給油をすることになる 作戦行動をとり戦闘航海をするとあっというまに燃料を消費する 往路でもあれだけ燃料問題で苦労したのに いざ真珠湾攻撃が成功するとみんな燃料のことを忘れてしまうのが不思議でならない
649 :
GF長官 :2009/12/20(日) 16:50:18 ID:???
>>623 そうですね。過去スレでも言及しましたが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1237378505/161 ここでも珍騒動がありまして、ツラギの横浜空所属の九七大艇が翔鶴を
米空母と誤認したのは、公刊戦史の通りではありますが、その際に
「味方六戦隊が米空母を砲撃中」と報告している。
・・・?
本職も最初は状況が理解できなかったのですが、当時翔鶴はSBDの
急降下爆撃を受けて被弾している。それを見て大艇の搭乗員は、
「六戦隊の重巡(衣笠・古鷹)が、米空母(本当は翔鶴)を砲撃して、その
着弾が認められる」と観察したのです。
なんともまぁ、いくら戦場では有り得ないことが起こるとはいえ、少しは
疑問に思わなかったのだろうか。
一応、翔鶴・瑞鶴は就役したばかりなので、識別が難しかったというのが
理由にはなっていますが・・・
650 :
GF長官 :2009/12/20(日) 16:56:11 ID:???
651 :
GF長官 :2009/12/20(日) 16:58:24 ID:???
652 :
GF長官 :2009/12/20(日) 17:11:27 ID:???
>>619 の続き
それでは、
>>368 に戻りまして、市原大尉の翔鶴艦攻隊の攻撃を見ていきます。
市原隊の当初の目論見では、レキシントンの前方を横切って、両空母の右舷側に
進出し、雷撃を行うというものだった。
[翔鶴艦攻隊攻撃図(予定)]
┃
┃
───┐ レキシントン ┃
└──□→ ┃
┃
───┐ ヨークタウン ↑ ┃↓
└──□→ ┃ ┃
┃ (市原大尉・10機) ┃
↑ ┃ 翔鶴艦攻隊 ┃
┗━━━━━┻━━━━━▲━━━━━━┛
←
653 :
GF長官 :2009/12/20(日) 17:20:33 ID:???
>>652 の続き
しかし、瑞鶴艦攻隊の雷撃により、両空母は面舵を切ったため、針路が
変更してしまいます。
[翔鶴艦攻隊攻撃図(実際)]
─┐ ┃
└┐ ┃
└┐ ┃
レキシントン□ ┏┛
─┐ ┌┘ ┏┛
└┐ ┌┘ ←▲┛
└┐ ←─┘ 翔鶴艦攻隊(市原大尉・10機)
│
ヨークタウン□
│
┌┘
┌┘
↓
654 :
GF長官 :2009/12/20(日) 17:27:55 ID:???
>>653 の続き
ヨークタウンは、もともとレキシントンよりも南方に位置していたため、
翔鶴艦攻隊からは離れた位置にあり、また回避運動の後、全速で南下
を始めたので、距離が遠くなった。
対するレキシントンも南方へ逃れようとしたが、操舵の反応が鈍く、曲がり
過ぎてしまい、西進するところまでほぼ180度回頭してしまった。
市原隊はちょうど、レキシントンの艦尾方向から追尾する形になったのです。
さて、どうする?市原大尉。
655 :
GF長官 :2009/12/20(日) 17:58:02 ID:???
>>654 補足
両空母はともに、面舵一杯で瑞鶴艦攻隊の雷撃を回避しましたが、
ヨークタウンは左舷後方からの雷跡だった(
>>581 )ので、舵を切るのが
少なくて済んだのに対し、レキシントンは左舷前方からだった(
>>612 )
ので、艦が反転するまで舵を切り続けなければならなかった。
このあたりが彼女の運命を決めてしまったようだ。
佐藤隊の雷跡はわずかに2本だけだったが、十分に貢献したと言えますね。
>>644 >しかし、富士山はきれいでした。
右京・・・
657 :
GF長官 :2009/12/23(水) 21:27:50 ID:???
>>656 そうそう。
本職も帰りのタクシーでニュースを聞いて驚きましたよ。
確かに天気は良かったですが、風は強かったですね。
以前深夜に、映画『八甲田山』を見て眠れなくなった思い出があるので、
冬山に登る人の気持ちは分かりません。
ハワイへ向かう南雲機動部隊も、荒天寒波の北太平洋を進撃したんですな。
「空は暗く、海は怒涛逆巻く荒海だった。飛龍の操舵員・森本和雄三等兵曹は
”来るなら来い”と腹をかまえていたが、艦は大きくピッチングして水面から13
メートルの飛行甲板まで波が上がってくる。
同航の戦艦を見ると、露天甲板を海水が洗い、潜水艦のようである。
駆逐艦はマストと煙突の上部が波のまにまに見え隠れしているだけで艦体は
見えない。出港後しばらく見えていた潜水艦は潜航したのか、姿がない」
(『勇断提督山口多聞』生出寿/著)
南雲長官、おかえりなさい!
658 :
GF長官 :2009/12/23(水) 21:45:26 ID:???
659 :
GF長官 :2009/12/23(水) 21:46:37 ID:???
>>658 の続き
(2)発動機の信頼性(
>>68 )
部品や施設が限られている空母では重要な要素。
特に九七艦攻も同じ栄エンジンだったため、互換性に優れ、整備性の向上に
貢献した。
660 :
GF長官 :2009/12/23(水) 21:47:40 ID:???
>>659 の続き
(3)エナーシャ・スターター
「エナーシャ回せ!」でお馴染みの、プロペラ慣性起動機です。
現在セルのついてない車なんて考えられませんが、日本機にはついていません。
なぜかというと、スターターというのはエンジン始動時にしか使わない。
飛行中はただのお荷物なわけです。昔はF1マシンにもなかった。
そこで外部からクランク棒を挿入して始動するのですが、ここで「手動」というのが
重要です。例えば陸軍では「始動車」というものを使っていた。
http://www.tarutani.com/p_models/pics/toyota_gb/toyota_gb.html 見ての通り、とても狭い甲板上では運用できませんね。
棒一本で始動できるエナーシャは実に便利な道具なのです。
え、米海軍ですか?
もちろん全機セルモーター完備ですよ!
やはり名機零戦と言わざるを得ない。
NHKはどうしても、欠陥機や悲劇に結び付けたいようだが、『坂の上の雲』が面白いので許す。
661 :
GF長官 :2009/12/23(水) 21:54:41 ID:???
今日は天長節。 そして、南雲機動部隊がハワイから凱旋した日でもある。 実にめでたい日ですなぁ。 ・・・にしても、陛下の御宸襟を煩わす傲岸不遜な「岩手の古狸」には、 正直なところ殺意を抑え切れない今日この頃。 [聨合艦隊機密第四番電] 発:GF長官 宛:GF 本文:X日○六○○、麾下全艦隊ヲ以ツテ民主党本部ヲ攻撃、之ヲ撃滅スベシ 狙フハ幹事長ノ首タダ一ツ 本職ハ常ニ諸氏ノ先頭ニ在リ、続ケ
662 :
GF長官 :2009/12/23(水) 22:08:20 ID:???
>>655 の続き
>>653 の状況から、市原大尉は全機でレキシントンを攻撃することに決し、
解列を下令。
市原大尉直率の1中隊6機が左舷、岩村大尉率いる2中隊4機が右舷へ。
2中隊(岩村大尉・4機)
←▲━━┓
┗┓
┌─ ┗┓ ←翔鶴艦攻隊
←─□─┘ ┣━━━━▲━━━
レキシントン ┏┛ (市原大尉・10機)
┏┛
←▲━━┛
1中隊(市原大尉・6機)
663 :
GF長官 :2009/12/23(水) 22:12:00 ID:???
>>662 の続き
その編成は以下の通り(
>>357 )
(レキシントン左舷)
1中隊−1小隊(市原大尉・松山一飛曹・茂田一飛曹)
−2小隊(矢野大尉・児玉二飛曹・佐藤二飛曹
(レキシントン右舷)
2中隊−1小隊(岩村大尉・明石二飛曹)
−2小隊(三森一飛曹・田中二飛曹)
そのまま市原隊が左舷後方から、岩村隊が右舷後方から魚雷を投下。
664 :
GF長官 :2009/12/23(水) 22:17:26 ID:???
>>663 の続き
[翔鶴艦攻隊・レキシントン攻撃図]
▼2中隊(岩村大尉・4機)
┏┛
┏┛
↓
┌─
←□─┘
レキシントン
↑
┗┓
┗┓
▲1中隊(市原大尉・6機)
ちょうど十字砲火の如く、完璧な挟撃となった。
こうなると、いかなる操艦を以ってしても回避は不可能。
レキシントンよ、せいぜい念仏でも称えるがよい!
665 :
GF長官 :2009/12/23(水) 22:27:21 ID:???
>>659 の補足
発動機の信頼性に関して、日米海軍とも艦上機は空冷エンジンで統一されて
います。これも信頼性重視の表われでしょう。
被弾により気筒の一つや二つが死んでも問題ない空冷エンジンとは異なり、
液冷エンジンではたとえ一発でも、冷却液が循環しなくなれば、そこで終わり。
洋上を長時間飛行する艦上機としては空冷の方が有り難いですね。
冒頭で、P−51Dが最優秀機と紹介しましたが、
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/655 欧州戦線においても、地上攻撃任務に限っていえば、
P−51(液冷)よりも、P−47(空冷)の方が好まれたそうです。
対空砲弾を受けた時のエンジンの耐久性を考慮してのことだと思います。
そしてルーデル閣下の魂がインストールされたサンダーボルト2が…<P-47(元は高々度戦闘機だったけど地上支援に
>>665 >日米海軍とも艦上機は空冷エンジンで統一されています。
・・・大丈夫か?
>>661 うーん、長官の思想信条は分かりますが、
不特定多数の場では『政治、宗教、野球』の話しをする(振る)のはマナー的によろしくないかと。
てか、地雷です。
たしかに軍事と政治には強い相関関係がありますが、
南雲長官及び同部隊との考察と日本国現政権・与党との直接的関係は無いですから。
建前としては、政治に関与しないのが帝国海軍ですしねぇ。
>>665 プッ 航空史、航空戦の無知素人。prgr 。
672 :
名無し三等兵 :2009/12/24(木) 14:08:52 ID:wJJ9aac2
>>661 よろしい
いや待て!
本日 天気晴朗ナレドモ波高シ
>>661 摂政、関白気取りの小沢一郎に鉄槌を!!
高校のときの教師が南雲忠一にすごいそっくりだった。
675 :
名無し三等兵 :2009/12/25(金) 13:44:20 ID:DPPS/Yy5
南雲と小澤。モテそうなのはどっち?
鬼瓦と呼ばれてるの知ってて言ってるんだろ
長官復帰までのネタ投下(注、最後にオチ有り) ミッドウェー海戦時の索敵機は通説の7機ではなく、「5機」であった。 何を馬鹿なと言われそうですが、 草鹿参謀長が戦後間もない自著で 「索敵機は赤城、加賀、利根、筑摩、榛名の各1機で、利根、筑摩の両機は発進が30分遅れた」 と述べています、いやホントに。 では、その著書では詳しく触れられていない索敵線構成はどのようなものだったのか? 取り敢えず通説の索敵線を基に考察してみます。 単純に通説の索敵線にあてはめた場合、 利根機(同4号機?)は4番索敵線、赤城機は1番索敵線、加賀機は2番索敵線のままで良いでしょう。 では筑摩機(同1号機?)と榛名機は何処を飛んだのか? 消去法的に考えれば、筑摩機は3番索敵線、榛名機は5番索敵線かと思います。よって、通説の6番、7番索敵線は存在しない。 つまり第一機動部隊の索敵計画は、 進撃(進路135度)目標であるミ島のほぼ左右等角度(推定77〜180度)に索敵線を設定したものであり、 ミ島北方を特だん重視したものではなかった。 これは同司令部の直前の情勢判断 「敵の飛行索敵は西方、南方を主とし、北西北および北方方面に対しては厳重ならざるものと認む」 ともある意味一致します。 ここからは一種の思考実験です。 仮に上記の推定索敵計画が事実であったとした場合、その結果はどうなるのか? 私の考察結果は明日以降に上げます。 オチ共々。
>>640 に反論
>@第一次攻撃隊により米太平洋艦隊主力はほぼ壊滅
「主力」の解釈によるだろう・・・ 主力=戦艦と解釈するならその通り。
戦艦だけ潰して主力壊滅完遂、と考えるのは、
明治以来の邀撃戦術にドップリ漬かった南雲中将らしい発想だと思うが。
南雲は帰還した淵田に「これからの6ヶ月以内に、米艦隊主力が真珠湾から出てくる可能性があると思うか」
と聞いて「その可能性は全く無いと思います」との返答に喜んだらしいけど、
半年後のミッドウェーでは、米艦隊主力が空母になってるわけで…
>A母艦航空機の喪失は僅少なるも、損傷機多数
無傷の機体は265機、修理して使用可能な機体は86機、併せて351機が再発進可能であると、
赤城司令部は確認した、という資料を見たが…
続く
>B米機動部隊の所在は不明 >F付近海面の敵潜動静は不明 第一次攻撃隊の前の筑摩水偵情報で、オアフ島に空母がいないことがわかっているのだから、 JST0330以降、水偵全力を使って(空母)索敵を行っていれば、南雲・草鹿・源田は百点満点。 見つかれば再攻撃の相手は空母、みつからないならオアフ島再空襲だろう。 潜水艦の雷撃が怖い、という説に関し、潜水艦の魚雷発射位置、せいぜい5000mぐらい、 を踏まえれば、輪形陣で、かつ直掩ゼロ戦(等)で艦隊待機位置から10km圏内を哨戒すれば、 日の出以降の対潜哨戒は、水偵を使わずとも可能だが・・・ >D帰投中の攻撃隊が追尾され、本隊の位置を知られるかもしれない >Eハワイの陸上機による反撃を受ける恐れあり オアフ島の飛行場数箇所を爆撃したのは、陸上機による反撃を阻止するため、だろうが、 JST0100頃の利根・筑摩水偵の発進から、JST0930に日本帰還を決断するまでの8時間半の間、 米軍機の反撃を受けた史実はあった? 「奇襲成功」の電報を受けた後、本当に怖いのは陸上機ではなく、どこにいるかわからない空母機。
最後。 >G日没まで3時間余り(第二次攻撃隊を出しても収容は夜間となる) 嶋崎少佐指揮の第二波攻撃隊の戦果確認のため、淵田総隊長が赤城に帰還したのは、 JST0700頃(ハワイ時間正午)と言われるが… トラトラトラ受信後、または嶋崎少佐指揮の第二波攻撃隊からの受信次第では、 全力で南進して、ハワイとの距離を詰める手段はあったハズ。 飛行場爆撃の結果、数時間は稼働不可能に追い込めた、と判断できるのであれば。 >それだけの価値が、石油タンクや港湾施設にはのですか フネもヒコーキも、石油がなければタダの鉄、である以上、 「素人は戦術を語る、玄人は戦略を語る、プロは兵站を語る」という言葉に倣えば、 戦争のプロフェッショナルとしての判断としては、十分にある、という回答になる、と思う。 井上中将が昭和16年1月の新軍備計画論で、 「潜水艦兵力ヲ以テ、進ンデ゙布哇及遠ク米本國ニ多数ノ潜水艦ヲ配シ、彼ノ海上交通破壊戦ヲ行フ」 と述べたように、真珠湾奇襲直後から、海上交通破壊まで行えればベストだったろうが… 実際に20数隻の潜水艦はハワイ近海にいたわけだし、このあたりの話となると、 軍令部やGF参謀等の作戦構想に問題点を探すことになるけれども。
681 :
GF長官 :2009/12/26(土) 18:58:23 ID:???
>>658 補足 参考になるかどうか・・・
着艦事故集
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3644932 『COMBAT IN THE AIRシリーズ第4巻 WWU太平洋航空戦』という
ビデオの中に出てきます。近所のレンタル屋で探してみては。
>>593 で少し紹介しましたが、米海軍では「着艦指導灯」がなかったので、
「着艦指導員」が手信号で指示していた。
動画では、[0:15]と[1:06]に出てきます。
前者は「着艦やり直し」、後者は「進入高度高い、下げよ」といったところか。
確かに、これだと着艦事故が多発しそう。新人の訓練は大変そうだな。
682 :
GF長官 :2009/12/26(土) 18:59:18 ID:???
>>666 JUGはいかにも、アメリカンな機体ですよねぇ。
>>667 あ・・・! べ、別に忘れてたわけじゃないんだからね!
彗星は航空廠が新機軸をもりこんだ実験的性格の強い機体でしたからねぇ・・・
と言い訳してみる。
彗星と言えば、米海軍をして「悪魔のような熟練度」と言わしめた、レイテでの
プリンストン撃沈ですよねぇ・・・とごまかしてみる。
683 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:00:53 ID:???
>>669 全く。酒の入る席では慎重に選ばないといけない話題ですね。
>不特定多数の場では『政治、宗教、野球』の話しをする(振る)のはマナー的によろしくないかと
ただネタ発言に関しては、本職の自己満足の世界なので”分かる人だけに分かってもらえば良い”
という立場で書いています。たとえ誤解を与えてしまっても(以前もありましたが)、それはそれで
仕方ないかなと。
ご忠告は有難く拝聴しますが、またやると思いますので。
こればかりは性分なので変えられません。たぶん。
「また始まったか・・・」と軽く流してもらえれば結構です。
反対に、本編の方は徹底的に白黒つけたいので、忌憚のないご意見を歓迎します。
>>667 とか、
>>668 とか、
>>671 とか・・・orz
やれやれ、ろくに調べもせずに書き込みすると、すぐにボロが出てしまうな。
まぁ、それだけ麾下の幕僚に優秀な人材が揃っているということでしょう。
これからもご指導ご鞭撻をお願い致します。
684 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:01:43 ID:???
685 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:40:12 ID:???
>>677 ご無沙汰しております。今回の図演も期待。
>>678 有難うございます。こういうレスを待っておりました。
>戦艦だけ潰して主力壊滅完遂、と考えるのは、
>明治以来の邀撃戦術にドップリ漬かった南雲中将らしい発想だと思うが。
南雲中将だけでなく、当時の海軍の共通認識かと。
米英海軍で、空母部隊を主力と本気で考えていた人がいたのでしょうか。
>無傷の機体は265機、修理して使用可能な機体は86機、併せて351機が再発進可能であると、
>赤城司令部は確認した、という資料を見たが…
これは、「喪失機が奇跡的なほど少なくて済んだ」という意味で書きました。
第二次攻撃隊は強襲確実ですから、相当な損害を覚悟しなければなりません。
そこまでして、タンクやドックに固執する必要があるのか?
686 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:41:38 ID:???
>>685 の続き
>>679 >JST0330以降、水偵全力を使って(空母)索敵を行っていれば、南雲・草鹿・源田は百点満点
できれば具体的な索敵計画と収容の手間の考察を。
>>637 にも書きましたが、その水偵が米空母や哨戒艇に発見されたら、こちらの
位置も判明してしまう恐れがあります。
何度も言いますが、真珠湾攻撃は奇襲作戦であり、南雲機動部隊が今居るのは
敵哨戒圏です。
史実の索敵(
>>637 )は、敵艦隊が居ると思われる海域に絞った限定的なもので
あり、敵情を得なかったとはいえ、「付近に敵艦隊が居ない」と判断するのは早計
かと思います。
>米軍機の反撃を受けた史実はあった?
ありません。だから「恐れあり」です。
インド洋でのブレニムに奇襲を受けたような事態を恐れるのです。
>「奇襲成功」の電報を受けた後、本当に怖いのは陸上機ではなく、どこにいるかわからない空母機。
全くです。だからこそ、一刻も早く離脱すべきでは。
687 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:44:17 ID:???
>>680 >嶋崎少佐指揮の第二波攻撃隊の戦果確認のため、淵田総隊長が赤城に帰還したのは、
>JST0700頃(ハワイ時間正午)と言われるが…
これまた繰り返しになりますが、戦史検証では戦記や手記の類を根拠として話を進めることは
ありません。公刊戦史によれば、攻撃隊収容完了は0922時です。
>全力で南進して、ハワイとの距離を詰める手段はあったハズ。
>飛行場爆撃の結果、数時間は稼働不可能に追い込めた、と判断できるのであれば。
第一波のみで飛行場を全て壊滅できるというのは楽観的過ぎるのでは。
奇襲直後から付近の海面の捜索が始まると予想されますが、その状況で
ハワイに接近するのですか。
>戦争のプロフェッショナルとしての判断としては、十分にある、という回答になる、と思う。
本職も同意です。石油タンクや港湾施設を完全に(或いは一部でも)破壊できれば
それに越したことはないでしょう。
問題は
>>640 のリスクを天秤にかけて、それでもやる価値はあるのか?
という主旨です。
>>641 で言うならば、ハルゼーに
「更に日本本土に接近して、艦載機で軍事施設を攻撃せよ」と叱るような
ものではないでしょうか。
688 :
GF長官 :2009/12/26(土) 19:44:35 ID:???
689 :
GF長官 :2009/12/26(土) 20:21:19 ID:???
690 :
GF長官 :2009/12/26(土) 20:22:25 ID:???
>>686 の続き
Most of the torpedo planes approached in a high-speed glide at an angle of about 40°,
dropping at an altitude of 300-500 feet. The range at the dropping point varied between
500 and 1,200 yards.
Captain Sherman ordered full left rudder to bring the first torpedoes ahead. "From then on,"
he reported, "torpedoes were coming from both starboard and port and I maneuvered with
full rudder both ways as I considered best to avoid torpedoes."
「大部分の雷撃機が高速で、40度方向から接近し、高度300〜500ft(91〜152m)で
魚雷を投下した。投下点は、艦から500〜1200yd(457〜1097m)の間で様々だった。
シャーマン艦長は、魚雷に向首するために取舵一杯を号令した。
”それ以降、魚雷は右舷と左舷の両方からやって来た。私は魚雷を回避するのに最善と
思われる手段を駆使して艦を操った”」
艦長自身が率直に敗北を認めていますね。
691 :
GF長官 :2009/12/26(土) 20:24:42 ID:???
>>690 の続き
「”編隊で雷撃する良い方法は、両舷から同時に攻撃することである”と、
シャーマン大佐が後に述べている。
”この場合、艦を一群の魚雷と平行にしようとすると、他のものを真横に
受けてしまうことになる。この見計らいは全く微妙なものなのだが、レキ
シントンの巨体は回頭が非常に緩慢で、舵を一杯とるのに、3〜40秒も
かかる始末。艦が回り始めてもすこぶる大きな円を描きつつ旋回した”
他の護衛艦艇の運動半径が1000ヤード(914メートル)に対し、レキ
シントンはその1.5〜2倍もあった」 (『暁の珊瑚海』)
巡洋戦艦出身ではありますがねぇ。
692 :
GF長官 :2009/12/26(土) 20:25:38 ID:???
>>691 の続き
車の諸元表を見ると、必ず「最小回転半径」の項目があるはずです。
(レガシィなら5.4メートル)
車では、タイヤがしっかりと路面をつかんでいるため、ステアリングを
切った瞬間から円運動を開始しますが、船の場合、水は流体であり、
重心と舵の位置が離れているため、少し複雑な運動になります。
「特に艦艇は敵と交戦状態の時、必要に応じて転舵変針し、攻撃または
回避運動を繰り返す。この時、舵効きの良い艦、すなわち操縦性能の
良否が艦の一生にとって大きな問題になる。
一般に旋回性が良いか否かの判定は、最大舵角35度として円運動を
描き、その航跡を計測して決定する」(『艦艇工学入門』岡田幸和/著)
さて、どんな航跡を描くのでしょうか。
敵空母のヘナチョコ艦載機など、直掩の零戦で片っ端から叩き落とせる。 必戦の意気なくば機動部隊長官職にあるべきでない。 即刻辞表出せ。
694 :
GF長官 :2009/12/26(土) 20:29:49 ID:???
本編が飛び飛びになってしまい、申し訳ないです。 通常は、「帰宅が2100時を過ぎたら、その日はお休み」という自分ルールを 設けているのですが、そうも言ってられなくなってきました。 なんとか翔鶴艦攻隊の攻撃を終えて(あと3回くらい?)、大納会にしたいと 考えています。 あとは仕事次第というか、本職の気持ちが持つかどうかだな。 「みんなの元気をオラに分けてくれ!」 というわけで、明日も出勤だぜい。う〜わっほい。 それでは、また来週。
695 :
びりー隊長 :2009/12/26(土) 20:33:35 ID:???
>>694 おお!長官は健在か!
仕事に珊瑚海開戦と大変やな〜
あんまり無理したらアカンで!
696 :
GF長官 :2009/12/27(日) 19:54:50 ID:???
>>687 訂正。少し早とちりしていたようなので・・・
>嶋崎少佐指揮の第二波攻撃隊の戦果確認のため、淵田総隊長が赤城に帰還したのは、
>JST0700頃(ハワイ時間正午)と言われるが…
これは「攻撃隊収容完了は0922時だが、淵田中佐が0700時には戻っており、
真珠湾の状況は把握できるので、第二次攻撃の決断はもっと早めることが出来る」
という意味ですね。
確かに筋は通っていると思います。
ただ攻撃隊収容の目処がつかない限り、甲板作業は始められないし、
0700の時点でどの程度収容が進んでいるかが分かれば良いのですが・・・?
697 :
飯炊き三水 :2009/12/28(月) 01:02:08 ID:???
よーし、俺もビリー隊長に倣ってコテ名乗っちゃうぞー。 いつも長官をおちょくるネタを書き込んでいた者であります。 なぜなら、長官がそもそも脱線上等なタチでいらっしゃいますし ここの住人も脱線からの暴走にやたらノリがよいですからね。 ライトな南雲ファンとしては、たまには軽いノリで息抜きしてもらったほうが 話についていきやすいのですよ。 今後とも、よろしく脱線願いますw
700 :
GF長官 :2009/12/28(月) 22:38:59 ID:???
>>693 そうだ、米空母が出てきても鎧袖一触!
>>695 恐悦至極。お言葉痛み入ります。
このスレを見ている時が、憩いのひとときですよ。
>>697 熱烈歓迎。
前線では、飯をうまく作れる兵が重宝されるそうですからね。
今日の夜食は、羊羹が出る予感・・・ププッ
701 :
GF長官 :2009/12/28(月) 22:43:09 ID:???
>>692 の続き
具体的な航跡については、
「舵を取り始めると、最初は重心の直線運動と重心周囲の回転運動からなる
新しい運動を開始し、重心の軌跡はS字形の曲線となり、次第に螺旋形に変化
して最後に円となる。この運動が旋回運動である」 (『艦艇工学入門』)
図示すると以下の通りになります。
702 :
GF長官 :2009/12/28(月) 23:02:43 ID:???
>>701 の続き
[旋回の航跡]
原航路
@
↑ B→
│ ┏━■■▼━┓
┏│┛ ┗┓
┏┛│ ┗┓
┏┛ │ ┗┓
┃ │ ┃
↑▲A │ DT(旋回圏) ■
(キック)■←→│←─────────→■C
■ │ ▼↓
┃ │ ┃
┗┓ │ ┏┛
┃ │ ←━┛
┗┓│
┗
▲↑
■@(転舵開始)
■
(註)
原航路(@)舵を取る前の針路
キック(A)S字形曲線の最大変位と原航路(@)との距離
旋回圏(DT)船首方向が180度変化した時の、原航路(@)との距離
(Tactical Diameter)
703 :
GF長官 :2009/12/28(月) 23:17:50 ID:???
704 :
GF長官 :2009/12/28(月) 23:19:04 ID:???
>>703 の続き
>>691 では、「他の護衛艦艇の運動半径が1000ヤード(914メートル)に対し」
とありますが、”運動半径”ではなく、”旋回圏”(直径)の誤りだと思われる。
参考までに、最近出た『戦艦大和図面集』(ヤヌス・シコルスキー/著)によると、
大和のDTは640メートルとなっている。
水線長の約2.5倍。抜群の旋回性能ということになってしまいますが、誤植か?
いずれにせよ、レキシントンは小回りの効かない空母であると言えますね。
705 :
GF長官 :2009/12/29(火) 22:05:58 ID:???
閑話休題 『ミリクラ』には、イタリア軍特集のコーナーがあり、ヘタリアの汚名返上に一役 買っているのですが、イタリアと言えば忘れられない思い出がありまして・・・ あれは4,5年前だったか、 ロシアでは毎年5月9日に、大祖国戦争勝利の日として記念行事が行われる。 その年は例年とは異なり、ある理由で注目された。 それは枢軸国(日独伊)側の首脳が招待されたこと。 当時の各国の首相は、 小泉首相(日)、シュレーダー首相(独)、ベルルスコーニ首相(伊) 軍事パレードを前にして、厳しい面持ちの小泉・シュレーダー両首相。 そりゃそうですよ、赤軍のために日本は満州・朝鮮の利権を失い、60万人の シベリア抑留者を出し、ドイツは首都を壊滅させられたわけですからね。 ところが! イタリアのベルルスコーニ首相は、能天気な笑顔で手を振っていたのです。 本職は当時のニュースを見て、あきれたと言うか、脱力を通り越して、 「こいつらと組んだら負けるわな」と確信した次第です。 やっぱりイタリアは、サッカーとF1と水上機だけで十分。 「次はイタリア抜きでやろうぜ!」
706 :
GF長官 :2009/12/29(火) 22:18:10 ID:???
>>704 の続き
市原隊6機のうち、松山一飛曹機(
>>663 )が魚雷を投下したのを皮切りに
全機が発射に成功。6本の雷跡がレキシントン左舷に向かう。
しかし、投下直後に矢野大尉機が被弾。そのまま舷側に突入、自爆した。
「激しい対空砲火のために、左舷側から突入しつつあった矢野大尉は魚雷
発射後被弾し、そのまま舷側に突入した。
対空監視哨にいたウイリアムズ大尉は、”日本機は200ヤードほどのところ
で命中弾を受けて、100ヤード付近で火を噴き、艦の第一砲塔のすぐ下に
体当たりをくらわした”と、その事実を認めている」 (『暁の珊瑚海』)
続いて、右舷より岩村隊が投下態勢に入った(
>>664 )
が、惜しくも1小隊の2機(岩村・明石機
>>663 )が炎上、残された2小隊2機が
魚雷を投下。
707 :
GF長官 :2009/12/29(火) 22:20:33 ID:???
>>706 の続き
[翔鶴艦攻隊・レキシントン攻撃図]
┏┛┏┛
┏┛ ┏┛雷跡(2本)
↓ ↓
┌─
←□─┘
レキシントン
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
┗┓ ┗┓┗┓┗┓┗┓┗┓雷跡(6本)
┗┓ ┗┓┗┓┗┓┗┓┗┓
708 :
GF長官 :2009/12/29(火) 22:24:38 ID:???
>>707 の続き
これで勝負ありました。
At 1120 the first torpedo hit, exploding just forward of the port forward gun gallery.
At 1121 a second torpedo hit a little further aft, about opposite the bridge.
「1120時(日本時間0920時)、最初の魚雷が命中した。場所は左舷前方の
対空砲座付近。続いて1121時(0921時)、2本目の魚雷が同じく左舷に命中。
1本目よりやや後方で、ちょうど艦橋の反対側であった」
709 :
GF長官 :2009/12/30(水) 21:16:12 ID:???
>>708 の続き
ついに、ついに命中!
開戦以来、一航戦・二航戦ですら成し得なかった快挙です。
やったぞ、五航戦万歳!!
「市原大尉に引き続き、左舷側から艦首すれすれを低空で飛び越え、高度を
上げて右に遠く迂回しつつあった松山一飛曹は”魚雷命中!”と狂喜のように
叫ぶ、電信員森下一飛の声を伝声管から聞いた。
彼は思わず手を叩き、両手を挙げて”万歳万歳”と歓喜の声をあげた。遠く
離れた位置からでも、レキシントンの傾斜がはっきり見えていた。
また石川一飛曹は、偵察員三森一飛曹が”先任、当たった当たった!”と叫ぶ
声を聞いた。レキシントンの艦橋と煙突の中間あたりに、水柱の立ちのぼって
いるのが望見された。三人が命がけで魚雷を持ってきた甲斐があったと思った」
(『暁の珊瑚海』)
710 :
GF長官 :2009/12/30(水) 21:17:46 ID:???
>>709 の続き
米側の記録には、「艦は丘にのりあげたように、ぐらぐら揺れた」とある。
「”私の足もとでレキシントンの艦体は大きく振動した”と、艦橋にいた従軍記者
ジョンストンは、その瞬間の艦の動揺を次のように記している。
”黒鉛はもうもうと立ちのぼり、海水は艦内に奔流となって流れ込んだ。左舷
前部に魚雷が命中したためである。一分後さらに別の魚雷が命中した”」
ともに左舷側に命中したため、各ボイラー室に浸水し、速力は25ノットに低下、
左舷に6度傾斜した。
そして、攻撃はこれだけでは終わらない。2本の魚雷が3万3千トンの巨体を
震わせたその瞬間、太陽を背に”天空からの拳”が−
711 :
GF長官 :2009/12/30(水) 21:28:45 ID:???
以上をもちまして、本年のスレ納めとさせて頂きます。 思えば今年の正月から珊瑚海海戦を始めたので、まるまる一年を費やしたわけか。 羊頭狗肉も甚だしいスレだな。来年はスレタイを変えるか・・・ 【翔鶴は】原忠一少将を再評価するスレ【俺の嫁】 年頭に「今年の抱負はスレ完結」と書いたのが懐かしい。 来年は手堅く「ミッドウェー海戦編突入」にしておこう。 南雲大将、来年こそ主役ですよ! 当初からの方針として、ミッドウェーに入る前に懸案事項を一通り予習しておこう と考えていました、 具体的には兵装転換、即時発進、艦隊防空、索敵軽視、艦上機比較等を済ませた ので、あとはレキシントン沈没の際に「ダメコンの章」をやれば、網羅できるかなと。 これまでのご愛顧に感謝しつつ、新年を迎えたいと思います。 それでは皆様、良いお年を。
712 :
GF長官 :2010/01/06(水) 20:10:14 ID:???
謹賀新年 旧年中は大変お世話になりました。 本年も宜しくお願い申し上げます。 今年は、本邦航空史発祥百周年であります。 明治43年(1910年)12月19日、代々木練兵場にて行われた飛行試験。 徳川好敏陸軍工兵大尉(アンリ・ファルマン複葉機)と、日野熊蔵陸軍歩兵大尉 (グラーデ単葉機)は、ともに飛行に成功。 これをもって、我が国の「公式初飛行」とされています。 ライト兄弟より遅れること7年。栄光の南雲機動部隊もここから始まったわけですね。
713 :
GF長官 :2010/01/06(水) 20:37:17 ID:???
本編は明日より再開ということで、今日は正月ボケ解消を兼ねて与太話でも。 ちなみに今年の「初笑い」は、YAHOO!で「翔鶴」と検索したところ、ソープランドの ページがトップに来るのを発見したことでした。 きっと、すぐ物にぶつかるようなドジッ娘ばかり揃えているんでしょうな。 雷爆同時プレイ・・・ハァハァ 閑話休題 珊瑚海海戦の主役と言えば、もちろん五航戦の翔鶴・瑞鶴ですね。 その艦影の美しさ、また歴戦の武勲艦として、人気実力ともに「当店人気No.1」の 姉妹ではありますが、その第一印象は意外にも?芳しくはなかった。
714 :
GF長官 :2010/01/06(水) 20:38:49 ID:???
>>713 の続き
通常は、新鋭艦が艦隊旗艦となることが多い。
例えば、昭和16年12月に大和が竣工し、長門に替わってGF旗艦となったのが
その典型。
ならば同じように、同年8−9月に完成した翔鶴・瑞鶴が第一航空戦隊となり、
いずれかが南雲機動部隊の旗艦となりそうなものですが・・・
『日本海軍の航空母艦』によると、昭和16年8月、完成直後の翔鶴に一航艦
司令部が視察に訪れた。目的は「旗艦として、その機能を十分に果たせるか」
を確認すること。結果はなんと不合格。理由はいくつか挙げられていますが、
@全長に比べて、飛行甲板が短い
A艦橋が飛行甲板を狭くしている
B艦首尾線方向の対空火器がない
715 :
GF長官 :2010/01/06(水) 20:40:12 ID:???
716 :
GF長官 :2010/01/06(水) 20:42:33 ID:???
717 :
GF長官 :2010/01/06(水) 21:03:51 ID:???
もう一つ。
彼女たちの美しい横顔を眺めながら気付いたことが、「小さな艦橋」です。
長い飛行甲板の前方に、ちょこんと島型艦橋がのっかっている。
これが日本空母のシルエットの美しさを演出していると思うのですが、
レキシントンに代表されるバカでかい艦橋(&煙突)とは対照的ですよね。
レキシントン
http://www.history.navy.mil/photos/images/h76000/h76560.jpg これまで何度か指摘した「日本艦隊司令部の情報処理能力の拙さ」(
>>425 )
もしかして、これらは組織上の問題ではなく、「艦橋の狭さ」に原因があったのでは
ないかと思い至ったわけです。
つまり、艦橋が狭くて必要な人数が室内に入れないとか、戦闘中は参謀や伝令が
バタバタと周囲を走り回るため、落ち着いて情報分析が出来ないとか。
718 :
GF長官 :2010/01/06(水) 21:06:16 ID:???
719 :
GF長官 :2010/01/06(水) 21:17:04 ID:???
720 :
GF長官 :2010/01/07(木) 21:35:28 ID:???
艦隊旗艦とはいえ、赤城に軍楽隊が乗り組んでいたという話は聞かないですね。 でも、もし演奏してくれるのなら、やっぱりこれかな。 わたしに〜できること〜♪ (於:赤城作戦室) 草鹿「長官、何をご覧になっているのですか」 南雲「ああ草鹿君か。実は新作が手に入ったのでな」 草鹿「また”アニメ”とかいうものですか・・・お、赤城ですね。もしかして私も・・・?」 南雲「残念ながら、君は出てこないよ」 草鹿「そうですか・・・」 南雲「気にするな。私も一緒だ」 草鹿「それにしても、以前見せて頂いた『決断』と比べると、ずいぶん絵がきれいですな」 南雲「だろ?(ニヤリ)」 草鹿「・・・長官、ひとつ伺いたいのですが、なぜこの娘たちは、は い て な い のですか。 ま る み え じゃないですか」 南雲「草鹿君。勘違いしてもらっては困るな。これはパンツじゃなくてズボンだ。 防暑服を改良したものと考えてもらえば良い」 草鹿「なるほど、パンツじゃないから恥ずかしくないもんっ!というわけですね」 南雲「さすがは参謀長、飲み込みが早いぞ」 草鹿「では長官、早速複製の許可を」 南雲「ムリダナ(・×・)」 草鹿「何故ですか!『決断』の時はすぐに貸してくれたでしょう!!」 南雲「だって、まだ2周目だし、あと3周はしたいし、それとエイラは俺の嫁」 源田「あの・・・そろそろ作戦会議を始めたいのですが」 草鹿「今は取り込み中だ。君の方で進めておいてくれたまえ」 南雲「頼んだぞ、源田君」 一同「俺たち上官選びを誤ったか?異動願いを用意しとくか・・・」 南雲機動部隊が「源田艦隊」と揶揄されたことは、公刊戦史も指摘するところだが、 その真相については、あまり知られていない。(『素顔の提督たち』民明書房刊)
721 :
GF長官 :2010/01/07(木) 21:59:53 ID:???
>>710 の続き
続いて、艦爆隊の攻撃に入ります。
>>368 の通り、艦爆隊は二手に分かれ、高橋少佐率いる翔鶴艦爆隊(19機)は
レキシントンへ、江間大尉率いる瑞鶴艦爆隊(14機)がヨークタウンへ。
両隊は大きく迂回しながら上昇していき、両空母上空に達した。
722 :
GF長官 :2010/01/07(木) 22:01:12 ID:???
>>721 の続き
まずは、敵方の讃辞から振り返っていきましょう。
「当時レキシントンの艦長であったシャーマン少佐は、この時の日本軍の攻撃に
ついて、その著書(『Combat Command』)で、”それは見事な協同攻撃であった。
私は艦橋で、爆撃機が空のあらゆる方向から急降下で襲いかかって来るのを見た。
そして雷撃機が両舷艦首から、ほとんど同時にやって来た”と述べている」(『戦史叢書』)
モリソン博士の方は、もう少し未練がましい。
「レキシントンにとって困惑したことは、魚雷回避運動が最高潮に達している最中に、
敵急降下爆撃機の大規模な攻撃が始まったことだ」(『モリソン戦史』)
わっはっは、ミッドウエーのような偶然とは違うのだよ。
米海軍といえども、真似は出来まい!
723 :
GF長官 :2010/01/07(木) 22:03:05 ID:???
>>722 の続き
三福岩吉大尉(翔鶴艦爆隊2中隊長)の回想にも、
「我々の接敵行動は理想的に行われた。高橋少佐の命令と同時に、翔鶴隊は
隊長を先頭に一本の棒となり、風上側より風を左30度斜めに受けてレキシントン
上空に達す。途中、米戦闘機にも遭遇することなく、隊長機より逐次降下した」
(『暁の珊瑚海』)
この「隊長を先頭に一本の棒となり、順次降下する」という戦法で、インド洋では
驚異的な命中率を叩き出したのですが、今回それと異なるのは、例によって
猛烈な対空砲火です。
「眼下のレキシントンは、対空砲火の一斉射撃でまるで火の輪に囲まれている
ようだった。飛行甲板に沿って並べられた機銃陣地から絶えず火箭が飛び、
一分の隙もなく空を埋めている。その中に飛び込めば、他愛もなく被弾撃墜
されると思われた。
山口隊の鈴木一飛曹は急降下の態勢に入ったとき、レキシントンがすでに傾斜
していることに気付いた。照準器の中に赤や青のアイスキャンディーが入ってくる。
”いまに当たる。いまに命中する”と恐怖心に駆られながら、必死で爆弾投下把柄
を引いた」
こちらも雷撃隊と同じく、度胸一発、男の花道ですなぁ。
>>717-719 面白い視点だとは思いますが、データを揃えないと判断が難しいですね。
日本側についてはある程度判りますが、米国側の司令部要員数と旗艦艦橋のサイズも判るといいんですが。
取り合えず翔鶴の艦橋は4層構造で上から順にこんな感じ。
・第4層:防空指揮所
・第3層:羅針艦橋
・第2層:下部艦橋
・第1層:艦橋基部
第4層の防空指揮所は、見晴らしのいい艦橋のトップにある露天の施設です。
防空戦の際にはここで艦長が指揮をとったり、見張り員が対空警戒に当たっています。
94式高射装置もここに装備されていましたが、17年6月に撤去され21号電探に換装されたのはご存知の通り。
高射装置の大きさから計算すると、防空指揮所の大きさは単純計算で5×10.2の51u弱(高射装置/電探も含む)。
第3層の羅針艦橋には、羅針艦橋と伝令室などが置かれています。
艦長などが普段詰めているのはこの羅針艦橋で、図面から推算すると大きさは20uくらいです。
第2層の下部艦橋には、操舵室や方位測定室、無線電話室、海図格納室。
第1層の飛行甲板と同レベルにおかれている艦橋基部には、作戦室兼海図室、気象作業室、信号機格納所があり、
このうち作戦室については「(翔鶴の)作戦室は広さも中の様子も愛宕のものと同じくらいであった」と
3Fで情報参謀だった中島親考氏が著書で書いており、こちらも図面から推算すると作戦室の大きさは大体30uです。
>>724 つづき
司令部要員の数に関しては、珊瑚海で航空戦の指揮をとった5sfの司令部要員が20名ほど(うち士官は4〜5名)だったのに対して、
第二次ソロモン/南太平洋における3Fの司令部要員は正確な数値は判らないのですが最大なら90名強、
1AFから改変される際の人員増加は幕僚陣のみのようですから、実際はMI作戦時の司令部要員数64名から考えると70人弱でしょう。
全員が艦橋内に詰めるとなると混雑しそうですが、艦隊司令部要員のうち30名強はそれこそ軍楽隊ですから艦橋に居る必要は無く、
確実に艦橋内に詰めていそうな司令長官と幕僚の数だけなら3Fは9〜14名ですね。
翔鶴の乗組員がどれだけ艦橋内にいるかによっても変わりますが、司令部要員を羅針艦橋と作戦室に振り分けるなら、
それぞれの床面積から判断してもそう混雑はしていないような気がするのですがいかがでしょう?
ちなみに外観だけ見ると判りづらいんですが、赤城と比べると翔鶴の方が羅針艦橋や作戦室はかなり広いんですよね。
艦橋の高さは翔鶴より赤城の方が一層分高い(翔鶴が4層なのに対して赤城は5層)のですが、
赤城は艦橋内に搭乗員の待機場所や飛行機の発着艦指揮所を設けているせいで、その他の施設の面積が狭くなっているようです。
726 :
GF長官 :2010/01/09(土) 21:56:56 ID:???
>>724 有難うございます。おかげで解決できました。
正直なところ、正月休みだったので詳しく調べる気も起こらず、思いつくままに
書き込んだ次第です・・・(汗
あと、以前「空母雑談スレ」だったと思いますが、
「米空母のダメコンが優れていた根本的な要因は、乗員数が多かったから」
(確か翔鶴よりエセックスの方が千人くらい多い?だったかな)
とあったので、ひょっとしたら司令部要員も同じ理由かと考えたのがきっかけでした。
>作戦室の大きさは大体30uです。
だいたい18畳といったところかな。うちの会社の会議室と同じくらいだ。
広さとしては十分ですね。
>ちなみに外観だけ見ると判りづらいんですが、赤城と比べると翔鶴の方が羅針艦橋や作戦室はかなり広いんですよね。
これには気付きませんでした。
長い飛行甲板と比較すると、艦橋が小さく見えてしまうのかもしれませんね。
また何か思いついたら、提案したいと思います。
727 :
GF長官 :2010/01/09(土) 22:24:14 ID:???
>>723 の続き
これら高橋隊19機は対空砲火の猛射を受けたものの、直衛F4Fの妨害は
一切受けなかった。
また、当初は翔鶴艦攻隊の直掩についていた翔鶴制空隊(帆足大尉・9機)
ですが(
>>368 )、米直衛機の出現が思ったよりも少数だったため、途中から
高橋隊の護衛に加わります。
ちなみに、この帆足大尉ですが、もともとは飛龍戦闘機隊所属だったのですが、
昭和16年4月に瑞鳳に移り、開戦直前に翔鶴に引き抜かれたという経歴の持ち主。
なにしろ搭乗員が足りなくて、内地の教官からも集められたそうですからね。
728 :
GF長官 :2010/01/09(土) 22:26:37 ID:???
>>727 の続き
同時に、初期の混乱から態勢を立て直しつつあったF4F隊(VF−2
フレッド・ボリスJr大尉指揮・4機)が、高橋隊の降下を発見し阻止行動
に移る。そこで、帆足隊とボリス隊の空中戦が展開された。
山本重久大尉(翔鶴制空隊・2小隊長)の回想によれば、
「艦爆隊の突入を容易にするために、とにかく邀撃のグラマン戦闘機を引き
付けておくのが我々の任務ですから、遮二無二突っ込んだ。なにしろ妨害
するのが先ですから、少し遠いと思ったが射撃に入った。遠くで操縦席の
パイロットがのけぞるのが見えたが、深追いするのを避けて次の目標に
向かった」 (『暁の珊瑚海』)
制空隊の任務がよく分かる証言です。
直掩隊の任務は、敵戦闘機の撃墜ではなく、「味方艦爆・艦攻を護衛し、
その攻撃を容易ならしめること」(
>>117 )
729 :
GF長官 :2010/01/09(土) 22:28:02 ID:???
>>728 の続き
極論を言えば、射弾が敵機に当たらなくても良い。その射線を外したり、
攻撃企図をくじくことが出来れば十分なのです。
一機一機を撃墜するまで追い回すというのは、理解不足になりますね。
「高橋隊の急降下爆撃は、翔鶴戦闘機隊の奮戦により突入前の妨害を
免れたのである。そして彼らの直上500メートルには、帆足大尉の第1
小隊3機がぴったりとはりついて直掩任務に就いている。
対空砲火の集中する中でのこの危険な直掩任務は、帆足大尉が単機
となっても続けられた。戦闘機がともすれば任務を忘れて空戦をやりた
がり、そのために無用な被害を続出させた例が多かったために、この
果敢な行為は艦攻隊搭乗員等の後の語り草となったようである」
帆足隊の獅子奮迅の活躍により、高橋隊は全機投弾に成功。
19個の爆弾が全て外れるとは考えられませんね。しかもレキシントンは
両舷より挟撃されて身動き取れない状態です。
これは戦果に期待!
>>726 いえいえ、こちらも好きで調べてるだけなので。
それに調べても、第二次ソロモンにおいて電探情報が翔鶴の艦橋に届いていなかったらしい件については、
艦橋の大きさと司令部要員の数が影響を与えたかどうかも含めて、真相はまだわからないままですし。
さて、当時の21号電探の能力からすると、探知できたのは敵機が母艦上空にやってくる10分から15分前で、
翔鶴が攻撃を受けたのが1310ですから、探知できた時刻は1255から1300の前後だった可能性が高いと思います。
その時間帯の翔鶴では、1250に艦隊の直援機が発進し、1255から1300にかけて第一次攻撃隊が発進し、
さらに1400に発進をする第二次攻撃隊の準備が大急ぎで実施されているというかなり慌しい状況でした。
個人的には、理由はともあれ、艦橋が攻撃隊の発進に手一杯だったので電探情報を有意義に活かせなかったのではと考えています。
ある意味、長官が仰っているような情報処理能力の拙さが要因なのは間違いないのでしょう。
>>726 翔鶴は定員だと1660人、応急作業員の数は不明ながら、開戦時の加賀や蒼龍でも40〜60名程度ですから翔鶴もその程度だったんでしょう。
戦時増員で乗組員も応急作業員も増加してるはずですが、日本の艦艇は記録が残ってないらしいので具体的な増員数は不明です。
対するエセックス級は定員が2000人なのに戦時増員で3000人乗ってたようで。
この3000人のうち、700人(予備員含む)が応急班員だそうですから、すごいもんです。
開戦時のヨークタウン級ですら、2200人人近い乗組員に対して予備員を含む応急作業員が350人以上です。
ダメコン分野に関しては戦う前から勝負になりませんね。
なぜ太平洋戦争で日本がアメリカと戦ったのかよくわかりません 交渉が決裂したからと言ってアメリカが日本を攻撃してくる可能性はないのだし アメリカの性格的に日本が対英蘭開戦をしたとしても日本に宣戦布告してくる可能性も少ない アメリカと戦って南方で得るものはフィリピンだけ フィリピンってそんな重要なの?
734 :
GF長官 :2010/01/11(月) 18:44:21 ID:???
>>730 ,731 恐縮であります。
>開戦時の加賀や蒼龍でも40〜60名程度
>700人(予備員含む)が応急班員だそうですから、すごいもんです
一桁違うなんて、勝負になりませんなぁ。
>>732 せっかくのお尋ねではありますが、ここは南雲スレですので。
戦略については扱わないようにしております。悪しからず。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1245844940/853 開戦の経緯に関しては、以下によくまとめられていると思います。
『歴史群像〜決定版太平洋戦争@日米激突への半世紀』(学研)
ご参照あれ。
個人的には、米帝を本気にさせてしまったのが敗因だとは考えますが、
英仏蘭あたりでは、南雲機動部隊の相手としては力不足ですからなぁ。
太平洋を挟んだ二大海軍国である日米は、いずれ戦わねばならぬ宿命に
あったのでしょう。
735 :
GF長官 :2010/01/11(月) 20:08:15 ID:???
736 :
GF長官 :2010/01/12(火) 19:35:32 ID:???
最近めっきり出番の少なくなった原少将ですが、こんなのを見つけました。 『ミッドウェー戦記』より、土井美二中佐(八戦隊首席参謀)の回想。 「あと原忠一氏が、八戦隊の司令官のころですな。あの人はねちこいですからねぇ。 利根四号機の問題をしきりにせっついてですねぇ。当時の航空スタッフを呼んで詰問 してましたよ。もちろん、四号機の搭乗員も引っ張り出して毎日のように聞いていた。 そしてですな、ある日”分かった”と言ったんです。”磁差を修正していなかったんだ” と直接私に言いましたな。この点で私は角田求士君(戦史叢書ミッドウェー海戦の編者) とは意見が合わない。角田君はそんなことはないと言ってますがね」 原少将は後に八戦隊司令官として、南雲長官と共に第二次ソロモン海戦を戦うことに なるのですが、自ら珊瑚海海戦で索敵に苦しめられた経験を持ち、またミッドウェー海戦 を第三者の視点から眺められる立場にあった彼なので、何か感ずるものがあったのかも。 それにしても、ねちっこい性格だったんですねぇ。意外だ。
737 :
GF長官 :2010/01/12(火) 20:01:17 ID:???
>>729 の続き
高橋艦爆隊によるレキシントン爆撃の戦果は、「命中弾2・至近弾数発」と
公刊戦史には記されている。
一発目は左舷前方に命中。時刻は1122時(日本時間0922時)
In the meantime dive bombers, coordinating their attacks closely with the low-flying
torpedo planes, also were coming in. About the same time the first torpedo hit was
received, a bomb estimated to weigh 1,000 pounds hit the after end of the port forward
gun gallery.
「しばらく後、低空の雷撃隊と呼応するかのように急降下爆撃機が突入してきた。
最初の魚雷が命中したのとほぼ同時刻、推定1000ポンド爆弾が左舷前方の5インチ砲座
付近に命中した」
))436 原少将は珊瑚海やミッドウェイの経験を生かせてたんですかねえ。 第二次ソロモンでの龍驤の運用については批判も出てますけど。 ところで五航戦司令官から八戦隊司令官というのは昇進なんでしょうか?左遷なんでしょうか?
739 :
GF長官 :2010/01/12(火) 20:03:13 ID:???
>>737 の続き
The explosion rendered the battery useless, killing the entire crew of gun No.6, and killing
or wounding 13 men on guns No.2 and 4. Several men also were killed inboard in the main
passageway on the main deck, and it is probable that some of the preset 5-inch ammunition
in the ready locker off the gallery exploded and added to the destruction. Fire broke out on
the gun gallery, in the admiral's cabin and surrounding country.
「爆発により砲座は使用不能となり、第6砲塔の全員が死亡。第2・第4砲塔の計13名が死傷した。
主甲板通路に居た数名もまた戦死し、弾薬庫から揚弾され装填用に準備されていた5インチ砲弾
に誘爆、その火災は(フィッチ提督の)司令官室及び周辺の士官室に燃え広がった」
翔鶴艦攻隊による魚雷命中が、0920〜0921時(
>>708 )ですから、ほぼ同時。
まさに「雷爆同時攻撃」。感動した!
740 :
GF長官 :2010/01/12(火) 20:05:10 ID:???
741 :
GF長官 :2010/01/12(火) 20:08:35 ID:???
>>736 そのあたりは、「第二次ソロモン海戦編」でじっくりやりましょう。
>ところで五航戦司令官から八戦隊司令官というのは昇進なんでしょうか?左遷なんでしょうか?
どうなんでしょうか?同じ戦隊司令官だし。
個人的には、珊瑚海海戦の作戦指導が「逃げ腰」だったので、とりあえず空母部隊からは
外されたと考えています。
742 :
GF長官 :2010/01/13(水) 19:55:32 ID:???
東京地検特捜部より「トラ連送」を受信せり。メシウマ〜
>>740 の続き
ここで弾種について、おさらいしておきます。
艦爆では、「通常爆弾」と「陸用爆弾」が使い分けられる。
「我が海軍では戦艦攻撃の徹甲弾を除く、艦船攻撃を目標とした弾体強度の
強い、従って爆薬量の比較的少ない爆弾を”通常爆弾”と称していた。なおこの
爆弾には、命中から爆発までの時間を延ばす起爆装置が使われていた。
また我が海軍には、陸上攻撃用の”陸用爆弾”と称せられるものがあった。この
爆弾は貫徹力を大きく要求されないので、弾体は弱いが爆薬量は多く、爆発威力
が大きかった」 (『戦史叢書(43)ミッドウェー海戦』)
743 :
GF長官 :2010/01/13(水) 19:57:26 ID:???
>>742 の続き
つまり、通常爆弾は敵艦に致命傷を与えることを目的とした半徹甲爆弾であり、
対する陸用爆弾は、人員の殺傷や施設の破壊を目的とした瞬発爆弾である。
ただし、急降下爆撃では貫徹力不足になるので、戦艦や重巡の撃沈は不可能だ
ということは開戦前から分かっていました。(装甲を貫いて、弾薬庫や機関部まで
到達することが出来ない)
そのため、急降下で投弾し、ロケット推進でさらに増速するという実験も行われて
いたようです。
インド洋作戦では、通常爆弾による急降下爆撃が重巡にも有効との戦訓が得られた。
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1218288706/65 (註)「80番通常爆弾」は「80番徹甲爆弾」の誤り
744 :
GF長官 :2010/01/13(水) 19:59:57 ID:???
>>743 の続き
二つの違いは、文中にある通り「弾体強度」と「爆薬量」。
通常爆弾(貫徹力重視)→弾体強度:強、爆薬量:少(50ミリ鋼板貫徹)
陸用爆弾(爆発力重視)→弾体強度:弱、爆薬量:多(人馬に対し約20メートル半径)
具体的に見ると、
九九式二五番通常爆弾→重量251.1kg、炸薬量60.5kg(比率:24.1%)
九九式二五番陸用爆弾→重量242.2kg、炸薬量96.6kg(比率:39.9%)
艦砲弾と比較すると、炸薬量が多いのが分かります。
九一式徹甲弾→重量1460kg、炸薬量33.85kg(比率:2.3%)[大和の46センチ砲]
Mk8砲弾 →重量1224kg、炸薬量18.55kg(比率:1.5%)[アイオワの16インチ砲]
(『世界の艦載兵器』)
これは徹甲弾なので、炸薬量が少ないのは当然ですが、
ガ島砲撃で使われた「零式通常弾」の炸薬量は、調べましたが分かりませんでした。
だいたい弾丸重量の10%くらいだそうですが。
参考までに、ベトナム戦争で地上砲撃に用いられたMk13(高性能榴弾)の炸薬量が
70kg(比率:5.7%)。
745 :
GF長官 :2010/01/13(水) 20:01:59 ID:???
>>744 の続き
空母攻撃に話を戻しますと、通常爆弾が命中した場合は、遅延信管により飛行甲板を
貫いてしまうので、小さな穴が開くだけで、復旧は比較的容易。
それに対し、陸用爆弾は着発信管なので、飛行甲板や周辺施設、機銃員等に重大な
損傷を与えることが出来る。
貫徹力不足のため、敵空母に”致命傷”(機関損傷、弾薬庫誘爆)を与えることは出来
ないが、その爆発力により”空母としての機能”を奪う(発着艦不能、対空砲火鎮圧等)
ことが出来る。
陸用爆弾を併用するという戦訓(
>>740 )が、非常に有効だと分かりますね。
この方法は、インド洋で初めて試されたが、おそらくは二航戦発案でしょう。
ひょっとしたら、山口少将が一聨空司令官時代に考えたものかもしれない。
さすがは多聞丸、”人殺し”の渾名は伊達じゃない。
米空母の方はどうだったんだろうか。
))744 warships1の数値だと日本戦艦は.こんなもんですな。 ○14in. Projectile Types and Weights APC Type 91 - 1,485 lbs. (673.5 kg) HE - 1,378 lbs. (625 kg) IS - 1,378 lbs. (625 kg) Bursting Charge AP - 24.5 lbs. (11.1 kg) HE - 63.4 lbs. (28.8 kg) ○16in. Projectile Types and Weights APC - 2,249 lbs. (1,020 kg) HE - 2,064 lbs. (936 kg) IS - 2,064 lbs. (936 kg) AP (old style) - 2,205 lbs. (1,000 kg) Illum - N/A Bursting Charge AP - 32.8 lbs. (14.89 kg) about 95 lbs. (43 kg) ○18in. Projectile Types and Weights APC Type 91 - 3,219 lbs. (1,460 kg) HE - 2,998 lbs. (1,360 kg) IS - 2,998 lbs. (1,360 kg) Bursting Charge APC - 74.6 lbs. (33.85 kg) HE - 136 lbs. (61.7 kg)
747 :
GF長官 :
2010/01/14(木) 21:37:19 ID:??? >>746 有難うござ・・・って、日本語でおk
APCとか、HEとか、ISとか、なんぞなもし。