■■海外現代文学総合スレッド(××派編)■■

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やっぱ、単発スレじゃ限界あるっしょ?
ここで熱く語りましょう!

以下の関連リンクで傾向察してくれ...

ガルシア マルケス「百年の孤独」
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1002468708/l50
ピンチョンのスレがない!
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/994780871/l50
ボ ル ヘ ス 命
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/999870287/l50
イタロ・カルビーノ お奨め教えて!
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1004277327/l50
ラテンアメリカ文学統一スレッド
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/982242637/l50
J・G・バラード はなんで凄いのか
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1012183151/l50
●密かに●フィリップ・K・ディック●密かに●
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1012443197/l50
サルマン・ラシュディー
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1011675831/l50
★★リチャード・パワーズ★★
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1010834033/l50
??あの新刊は買うべきか??(海外文学編)
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1007819728/l50
☆風間賢二さんと文学最先端☆
http://mentai.2ch.net/book/kako/1009/10097/1009736054.html
21:02/04/08 00:02
それにスレ建てるまでもない作家、作品に関する話題を
する所が無いだろう。
そーゆーのもくみ取れると思うんだが?

ちなみに風間賢二さんは現在ハヤカワミステリマガジンで
書評欄連載されてます。とりあえず要チェック。
3吾輩は名無しである:02/04/08 00:02
とりあえず今年初頭の話題作は以下だろうか。
この辺りからかどうよ。

パワーズ「ガラティア2.2」
バラード「コカイン・ナイト」
4吾輩は名無しである:02/04/08 00:35
メール欄が寂しく響く・・・
最近のは・・・あんま知らんが、ハンニバルとかが
話題作、か・・・?
>ハンニバル

出た当時、映画化するらしいがこのラストは映像化せんだろうと
ある書評で書いてたので、つい我慢できずに、最後の方だけ
本屋で立ち読みしてしまいましたよ。
6吾輩は名無しである:02/04/08 00:53
■■カート・ヴォネガットのゆりかご■■
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1018016184/

ブルース・チャトウィンが好きな人!
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1015942147/

スティーブン・キングについて語ってくれ
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1017331527/

☆☆☆ポール・オースター☆☆☆
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1008229037/

ブレット・イーストン・スミス
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1009559353/

レイモンド・カーヴァーについて
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1010041765/

ダグラス・クープランド⊂ia⊃
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1016480381/

コリン・ウィルソンについて
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/993749880/

★☆☆★ジュンパ・ラヒリ★☆☆★
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1016136421/

J・アーヴィングについて
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1012145963/

スティーブン・ハンターの作品について
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1017163722/
7吾輩は名無しである:02/04/08 01:34
>>6
は1への反対派の反撃とみるが、どうか。
86:02/04/08 02:23
単純に漏れてたからだよん。
漏れは盛り上がるなら何でもいい派。
好きな作家の話題が出たら、また来るよ。
9吾輩は名無しである:02/04/09 01:32
>>8

おお、そーでありましたか。
なんか、良いネタあったら頼むよ。
10吾輩は名無しである:02/04/09 23:54
しかし、
ブルース・チャトウィンとジュンパ・ラヒリってーのは
知らねーな...。
あ、ダグラス・クープランドってーのも知らねーな...。
11吾輩は名無しである:02/04/10 00:25
ジェネレーションXって十年くらい前に流行ってたっけ
12吾輩は名無しである:02/04/10 00:37
>>11
焦って調べましたよ(笑)<<ダグラス・クープランド/ジェネレーションX
http://www.geocities.co.jp/Bookend/9986/coupland.html

カナダ在住ってギブスンみたいな人?
面白いんですか?
136:02/04/10 01:03
>なんか、良いネタあったら頼むよ。

なんか・・・なんでしょ。
ま、俺の好みのことはハッキリ言ってどうでもいいんだが、
これが好き、という人たちに寄ってたかって書いて
もらったものを読んでみたいっつーのを思いつくまま挙げると、
イヴリン・ウォー
アイリス・マードック
ハインリヒ・ベル
タデウシュ・ボロフスキ
プレモ・レーヴィ
ジョン・バージャー
アリス・アダムス
って、こりゃきりないな。
14吾輩は名無しである:02/04/10 01:21
ジュネの恋する虜は?
テロリストの傍らで・・・
共にでは無く・・・過ごした、ってやつ
この時期なのにまるっきり話題になんねえよ
15吾輩は名無しである:02/04/10 01:32
>13
渋ぅ〜 (&半分以上わかんないです。)
しかし、なんか「現在入手難」なひとばっかでは。。。
マードックなんか以前は集英社文庫にいっぱいあったですよねぇ?
16吾輩は名無しである:02/04/10 05:43
ミルハウザーはどうなんだい?
17吾輩は名無しである:02/04/10 18:26
>>16
アメ文スレでちょこっと語られてたね。
18吾輩は名無しである:02/04/11 07:57
>>>>16
「バーナム博物館」ってーのの内数編読んだだけ。すまねぇ。
19吾輩は名無しである:02/04/13 23:33
ここ最近何故かヴォネガットスレが賑わってるねぇ〜
少し交ぜてさせてもらった。少したたかれた(笑)
おおざっぱに言って、SFからヴォネガットへ来た人、と
春樹からヴォネガットへ来た人とに分かれるんだろうか。

あと、レムの名が結構挙がったりしてたけど、
ここでやってくれりゃ良いのにと思たyo...。
20吾輩は名無しである:02/04/14 00:32
カーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」
パトリック・ジュースキント「香水」
アゴタ・クリストフ「悪童日記」
入れてくれ。あとスティーブン・キングを馬鹿にする奴いるが、初期の作品スゴイぞ。
だまされたと思って「死のロングウォーク」読んでくれ!
21吾輩は名無しである:02/04/14 22:53
>カーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」
これだいぶ前から良い良いと聞くんだけど、
新潮文庫の20年近く絶版でないかい?
どーやって入手したの?

>パトリック・ジュースキント「香水」
これはやはり面白かったですよねぇ〜
ただ、好みのタイプで書評なんかの評判もやたらと良かったので
期待しすぎて、こんなもんか、って読了感ではありました。

>アゴタ・クリストフ「悪童日記」
スマセン。これ読んでません。やっぱ読むべきか?


>スティーブン・キングを馬鹿にする奴いる
ハルキ・ムラカミも彼を高く評価してるぞ!
(納得させるには逆効果か...。)
22吾輩は名無しである:02/04/15 00:10
で、誰かレムの話を振らないのか?
ところで泰平ヨンシリーズって面白い?
一度も見たことがない。
23吾輩は名無しである:02/04/15 00:22
今どきレムを読み込んでる人っているんだろうか?
泰平ヨンシリーズは同じく知らないんだが。
読んだのは、文学の冒険シリーズ2冊と
「ソラリス」(←映画は酷かったね)、「砂漠の惑星」、
「枯草熱」、「金星応答なし」くらい。
「金星応答なし」の旧版ってのを読んでみたいけど、
どうなんだろ?
24吾輩は名無しである:02/04/15 00:28
マカラーズの文庫は古本屋まわってればたまに見ますよ。
値段も高くないはずです。
25吾輩は名無しである:02/04/15 00:40
>泰平ヨンシリーズ

実はおれも同じく未読なんだが、最初のは
カルビーノの「レコスミコミケ」とか「柔らかい月」みたいな
感じなんでしょ?(どっちが先にやったか知らないけど。)
サンリオ文庫で出てた代表作「天の声」なんか早川か創元で
復刊しないのかな...。

>マカラーズの文庫
↓ここにありました!サンクス
http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/sgenji.html

26吾輩は名無しである:02/04/15 00:46
>上のほうのひと

ミルハウザーは「エドウィン・マルハウス」というのを読んだことがあります。
少年というか子供が主人公なんだけど、きっと作者は子供の頃のことをありありと
思い出せる人なんだろうと想像したものでした。作家になる人というのは
そういうものなんだろうと。
正直よくおぼえていないけど一読の価値ありという印象だけは残ってますよ。
27吾輩は名無しである:02/04/15 00:57
>きっと作者は子供の頃のことをありありと思い出せる人なんだろうと

「イン・ザ・ペニーアーケード」で同じこと思ったな。
「エドウィン・マルハウス」はいつか読んでみたいと思いつつ
すっかり忘れてた。というか最近思い出して探してみたんだけど、
けっこういい値が付いてるね。
2820:02/04/15 03:34
>>21マッカラーズは何故か家に昔からあった。
アゴタ・クリストフは本来三部作なんだが、一作目の悪童日記が一番良い。
もし香水が少しでも気に入ったなら、同じような寓話的作風なのでお勧めか。ちなみに二作目以降は月並みな観念小説になっている、オレは好かない。
キングは、死のロングウォーク以外では、長編ではファイヤー・スターター、短編では刑務所のリタ・ヘイワース(ゴールデン・ボウイに入ってる)がいいと思う。
これは全くの個人的好みだな。そして両村上に関しては、イイと思った事なし。これも全く個人的な意見だな!
しかし気が向いて、読んでくれたら何気に嬉しい。
29吾輩は名無しである:02/04/15 07:21
ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』は素晴らしい傑作だと思うよ。
幼少期の「驚異の感覚」を再現した小説としても、伝記パロディの
メタフィクション文学としても、文句なしの決定版ではないかと。
絶版なのがもったいない。どこかで復刊してくれないかなあ。

『悪童日記』みたいに異常な叙述で語られる『少年時代』(マキャモンの)といえば
それなりに近いだろうか。両作品をどちらも好きな人は探してみる価値はあるかも。
30吾輩は名無しである:02/04/15 12:22
しかし絶版おおいな。
31吾輩は名無しである:02/04/15 12:35
ミルハウザーのファンが多いね。
「子どものころのことをありありと」
というか、子どもの夢を抱いたまま大人に
なったような人物の話が多いよね。
「アウグスト・エッシェンブルク」とか
「マーティン・ドレスラー」とか。
32吾輩は名無しである:02/04/15 21:44
age
33吾輩は名無しである:02/04/15 23:06
>しかし絶版おおいな。
この手の本の愛好家は取り敢えず逝っとけ(買っとけ)ですねぇ、全く。
文庫本になってるから、って油断も禁物っすよねぇ。レムもそうだけどバラードも悲惨な事になってます。
集英社文庫もクンデラくらいしかないよ。ラテ・アメものとかいっぱい
あったのにねぇ。ミルハウザーは福武のシリーズだった記憶だけど、
こっちは全然文庫にする気なさそーだねぇ。
『悪童日記』早川文庫も早めに買っとこー
34吾輩は名無しである:02/04/16 21:38
age
35吾輩は名無しである:02/04/16 23:40
O・ヘンリーの『ARISTOCRACY VERSUS HASH』ってのがあるけど、これ日本語訳されてるの?
されてたら日本語タイトル教えて欲しい。(ついでにどの本に載ってるとかも)
36吾輩は名無しである:02/04/17 16:48
『エドウィン・マルハウス』↓
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=641

『バーナム博物館』↓
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=642
37吾輩は名無しである:02/04/17 20:51
>>36
ん?
38吾輩は名無しである:02/04/18 01:50
>>35
それ他の所で聞いた方が答え得られ易いのじゃないか?
あ、でもO・ヘンリーのスレッドって無いねぇ...

>>36
それ2つとも投票したからこれも頼むよ↓
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=5968
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=6031
39吾輩は名無しである:02/04/18 08:29
>>38
『第三の警官』は、筑摩世界文学大系の一冊として
(「ジョイス・オブライエン」)でていますよ。
出たのはつい最近。
オブライエンの『スウィム・トゥー・バーズにて』
もいっしょに入っています。
4036:02/04/18 20:13
38さん
『青白い炎』! 一票入れさせていただきましたとも。
『第三の警官』はすでに投票済み。
41吾輩は名無しである:02/04/19 16:26
age
42吾輩は名無しである:02/04/21 15:02
ゴールディングはどう?
蝿の王だけの1発やではないよ。ノベ賞取ったんだし。
だれか好きな人いない?
43吾輩は名無しである:02/04/21 15:14
>>42

「通過儀礼」なんかどうなの?
44吾輩は名無しである:02/04/21 23:45
>>筑摩世界文学大系

ナボコフ、オブライエン共に6000円前後なんだけど、
(ナボコフは絶版だが)
これくらいでビビってちゃいけないものなのか?
それに両方とも抱き合わせで入ってるのが要らんよ...
フィネガンの一部にボルヘスでしょ。ボルヘス他ので持ってるし...
図書館で済ますのが無難?
45吾輩は名無しである:02/04/23 22:57
スティーブエリクソンについて騙ろう
46吾輩は名無しである:02/04/23 23:06
>>45
「黒い時計の旅」しか読んでないけど、良いね。

ただ、処女長編は島田某のインチキ翻訳なので、
読む気がしないんだけど、
ま、誰でもそー思うよねぇ〜
47吾輩は名無しである:02/04/23 23:40
『ルビコン・ビーチ』は第二長編だが
確かにあれは読み辛かったなあ。
48吾輩は名無しである:02/04/23 23:46
>>47
う〜ん、そうなの。

しかし、あの作家のも派手な宣伝文句ついてたっすよねぇ

「百年の孤独」+「ブレードランナー」とか
ディック+フォークナーとか(笑)
49吾輩は名無しである:02/04/24 13:14
>>44
筑摩の「体系」ジョイス・オブライエンは、
オブライエンに興味がある人は持っていて
いいと思う。『スウィム・トゥー・バーズ
にて』は、ここでしか読めないよ。
50吾輩は名無しである:02/04/25 00:43
>>49
う〜ん、そうか。じゃあんた信じて考えてみるよ。

>ここでしか読めない
てゆーか、どの作品も全集の一部としてしか読めない
状況ですよねぇ...。

>エリクソン
で、結局一番良いのは何なんでしょう?「Xのアーチ」?
51吾輩は名無しである:02/04/25 22:27
『黒い時計の旅』と『Xのアーチ』が好き。
52吾輩は名無しである:02/04/26 16:38
age
53吾輩は名無しである:02/04/26 19:16
ゴールディングファンいないのかなあ。寂しいな
54吾輩は名無しである:02/04/28 00:48
>>53
いや、わからんぞ。
55吾輩は名無しである:02/04/28 01:34
ジェイムス・エルロイは凄いぞ!アメリカを全く信じていない唯一のアメリカ人作家だ。
身振りだけでアメリカ批判をするアメリカ人作家は幾らでもいるが、そんなインテリ甘ちゃんとは、完全に一線を画している。
エルロイはアメリカが民主主義国家だなんて、はなから信じちゃいないし、これっほっちもアメリカに幻想をもっていない。
騙されたと思ってザ・ビック・ノー・ウェアーだけでも読んでほしい。
56吾輩は名無しである:02/04/28 01:49
>>55

すまねえ。
「ブラック・ダリア」すら読んでねえや。


>ミルハウザー

白水社の新書サイズのが入手し易いではないか。
「三つの小さな王国」なんか面白そうじゃねえか?
57吾輩は名無しである:02/04/28 01:51
>>55
生い立ちが生い立ちだけにあたりまえだろ
5855:02/04/28 02:21
>>56ブラック・ダリアはアンマリよくなかったりする。
>>57確かに生い立ちもある。しかし同じ生い立ちの作家が皆、アメリカの暗部をあそこまで粘着に暴くとは限らんだろう。
また本人が生い立ちを売り物にして作家になろうとした事も確かだ。しかし作品さえ良ければ、そういうやり口もオレは在りと思う。
59吾輩は名無しである:02/04/28 02:25
>>53
わが町ナントカっていうのもゴールディングだっけ?
ミルハウザーもそうなんだが、文化基盤が違う所為か、
どうも本当の意味で深い共感が得られている気が
我ながらせんのだよ。
このスレでこんなこと言うのは野暮いいとこ、というか馬鹿も
休み休み言えってとこなんだろうけどね。
『エドウィン・マルハウス』に期待してみようかな。
60吾輩は名無しである:02/04/28 07:24
イーサン・ケイニンについて語ろう。
「宮殿泥棒」のバートルシャーグとセレレム最高。

>>25 マッカラーズのは「哀しき酒場の唄」しかなかったよ。
61あぼーん:あぼーん
あぼーん
62吾輩は名無しである:02/04/28 09:18
あの、アゴタクリストフって「悪童日記」以外にホンヤク
でてます?
63吾輩は名無しである:02/04/28 09:40
>>62
出てるよ。アマゾンとかbkで調べて。
64吾輩は名無しである:02/04/28 11:28
>>58
私も『ビッグ・ノーウェア』以降がエルロイの本領発揮という気がする。
個人的には『キラー・オン・ザ・ロード』も、彼にしか書けそうもない
歪んだ世界観の小説で、好きだけどね。

>>56
『三つの小さな王国』はミルハウザーらしい中編集なので、
最初にどんなもんかなと読んでみるのにもお薦め。
(他の『イン・ザ・ペニー・アーケード』『バーナム博物館』
よりも内容的にまとまっているんじゃないかな?)

>>58
ミルハウザーに関して「文化基盤の違い」というのはよくわからないな。
どのような点でそれが気になったの?
65吾輩は名無しである:02/04/28 11:29
上の発言の下段は>>59だった。失礼。
66吾輩は名無しである:02/04/28 15:18
>>55
私もエルロイが好きなのであえてコメントするが、
>ジェイムス・エルロイは・・・アメリカを全く信じていない唯一のアメリカ人作家
というのは言い過ぎで、何にも分かっていないと思われてしまうぞ。
アメリカ作家の優劣を判断する基準として「アメリカ」に対してどういう態度を取っているか
という点が目に付くというのは良いことだから、ぜひ他にも読んでみて欲しい。
トマス・ピンチョンから始まってイシュメール・リードやスティーヴ・エリクソン、
トニ・モリスン、ウィリアム・ヴォルマン、グレッグ・イーガン等々、優れた
アメリカ作家の多くは・・・(略でいいだろ
6755:02/04/28 16:10
>>66スマン。言い過ぎたかもしれん。
エルロイを馳星周に影響を与えたハードボイルド系ミステリー作家ぐらいにしか見ていない向きも多い為か、つい力が入ってしまった。
しかしこの板には何故トニ・モリスンスレがないのだろう。あんなに美しくて恐い文章を書く人も珍しいのになぁ。
68吾輩は名無しである:02/04/28 17:42
age!
69吾輩は名無しである:02/04/28 19:07
おめーら、ジョゼ・サラマーゴは好きか!
白い闇はおもりろかった
70吾輩は名無しである:02/04/28 19:35
>>66
どうでもいいが、グレッグ・イーガンがアメリカ作家というのは……
他に同名の作家でもいたっけ?
71吾輩は名無しである:02/04/28 19:40
>>69てめー、そんなにおもりろいなら版元教えれら!
72吾輩は名無しである:02/04/28 20:19
>>70
イーガンはオーストラリアだよな?
73あぼーん:あぼーん
あぼーん
74吾輩は名無しである:02/04/28 21:36
>>60
>>25 マッカラーズのは「哀しき酒場の唄」しかなかったよ。

だって、俺が買っちゃったもん。
検索当時2件ヒットしたけど、内1件は売り切れだった。。。。
さっき検索したら
http://www.kosho.or.jp/

http://www.easyseek.net/
にもあったYO!!

>イーガンはオーストラリア
だから、ディックとかギブスンとか挙げとけば良いんでは?

>ジョゼ・サラマーゴ
おお、俺も今一番気になる作家だよ。
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/F8.htm#2
俺は「修道院回想録」が好きなタイプだなぁ
今度読むよ。
75吾輩は名無しである:02/04/28 21:44
あ、
トニ・モリスンのお勧めも教えてよ。
76吾輩は名無しである:02/04/28 21:57
>>75トニ・モリソン ビラヴド : 愛されし者 / 吉田廸子訳 ; 上, 下. 集英社, 1990 (1999年文庫)
7776:02/04/28 22:21
http://www.nagasaki-gaigo.ac.jp/ishikawa/amlit/m/jp/morrison21_j.htm
ココ見れや!
個人的には一推しはビラヴドなんだ。言霊なるものは洋の東西を問わず在ると、絶対あるとこれ読んで思ったワ。
でも「青い眼が欲しい」や「ジャズ」を一番に挙げる人も多いな。
78吾輩は名無しである:02/04/28 23:58
「スーラ」は御伽噺として読むとおもしろいよ
トニモリスンはフォークナーとウルフの作品で論文書いてるから
フォークナーに興味のある人はちょっと読むとよいかも
79吾輩は名無しである:02/04/29 01:18
>>74心は孤独な狩人、もし読んだら感想うpキボンヌ!
8066:02/04/29 01:53
訂正。グレッグ・イーガンはオーストラリア作家。
大変失礼しました。うわーはずかし。
指摘してくれた人ありがとう。
8166:02/04/29 02:21
>>55
諒解。ミステリーやSFは輸入された時点でたいてい誤解されてしまうよな。
ハヤカワや創元や春秋やなんかから出るとそれだけでジャンルの枠に回収されてしまう。
そのぶん読者を多く得られるのだから必ずしも悪いことではないが。文庫で読めるなんて
幸せなことだし。
現代文学に関しては特に、背表紙に惑わされずに何でも読むべし。
あとモリスンの文章が「美しくて恐い」というのは言い得て妙ね。
「愛」が美しくて恐いのとおなじかな。
8255:02/04/29 03:08
>>66マジレスに本当に感謝している。
エルロイを評価している人がいるのを知って、正直嬉しかったしトニ・モリソンを忘れていた自分にも愕然となった。
違った意味でオレにノーベル賞アレルギーのような逆差別があったのかも知れない。賞をとってもイイモノはイイのにね。
指摘サンクス!
83吾輩は名無しである:02/04/29 10:49
>「愛」が美しくて恐いのとおなじ

こんなこと鵜呑みにして読むとがっかりする。日本人の考える
「愛」じゃないからね
彼女の本は客観的に読むだけでいい(BelovedやParadise読んで
自分と重なるかぁ??と思うんだなコレガ)

84吾輩は名無しである:02/04/29 12:08
>>83小説を客観的に読むだとー。んなことできるわけないだろ!
学術書じゃあるまいし!hage!
85吾輩は名無しである:02/04/29 13:10
読んでもねー厨が、ほざけ、アフォ(w
86吾輩は名無しである:02/04/29 13:59
おねがい!
いままでに挙がってるやつで、文庫化されてる/近日文庫化
のやつおせーてください!!
87吾輩は名無しである:02/04/29 14:09
85は厨です。放置しましょう
88吾輩は名無しである:02/04/29 16:14
香水が文庫化されてるか検索してみたけど、まだハードカバーだった。
話は違うがこの映画見た奴いる?おもろそうだ!

『悦楽晩餐会-または誰と寝るかという重要な問題-(1996)
監督/脚本:ヘルムート・ディトール/パトリック・ジュースキント
出演:ヴェロニカ・ファレス/ヤン・ヨーゼフ・リーファース
※レストラン“ロッシーニ”を舞台に繰り広げられる猥雑でいながら軽快に、残酷でありながらエロティックに店主と11人の大人達の人間模様。
脚本はあの『香水』のパトリック・ジュースキント
89吾輩は名無しである:02/04/30 00:06
>>79
ああ、読んだら何か書くよ。ちょっと待ってくれ。

>文庫化されてる

ま、現在入手出来そうなものだと、

アゴタ・クリストフ「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」
         →早川文庫
レム「ソラリス」→早川文庫、(他は現在入手難)
スティーブン・キングの諸作→文集文庫、新潮文庫
ミルハウザー「イン・ザ・ペニーアーケード」「三つの小さな王国」
      →(文庫では無いが)白水社uブックス
ゴールディング「蝿の王」→新潮文庫
スティーブエリクソン「黒い時計の旅」→福武文庫(今は品切れか?)
エルロイの作品→文集文庫(最新翻訳物以外すべてOK)
グレッグ・イーガンのSF→創元文庫、早川文庫
トニモリスン「ビラヴド」→集英社文庫(76さん感謝)
(「青い眼がほしい」ハヤカワepi文庫ってのもあるようだ)


>/近日文庫化
そんなもんわかんねえよ(笑
なんか最近の傾向だと新潮社はそーゆーのやる気なさそーだな。
ジュースキント「香水」は文集文庫になりそうな気がするけどな。

ま、一番売れない種類の本だって事は確かなんで文庫化されてるのは
貴重だな。
90吾輩は名無しである:02/04/30 00:15
スマセン

×文集文庫
○文春文庫

です(恥
91吾輩は名無しである:02/04/30 02:55
新潮社。
誰も目を付けてないような新しめのところをちょくちょく紹介してくれるのは
良いんだけど、如何せん、人手が全く足りてないような・・・?
資金繰り厳しいのか知らんけど、いっそのこと潰れて、さっさと版権手放して
もらった方が、よほど世のため人のためになるってもんさ。
92吾輩は名無しである:02/04/30 16:03
ジョゼ・サラマーゴは良い。本当に。
幻想小説が主なんだけど、ボルヘスにも匹敵する個性的な世界があると思ったね。
まだまだ文学は持ちこたえてるよ
93吾輩は名無しである:02/04/30 19:49
89の何気ない善意に打たれたりする今日この頃。
ミルハウザー「バーナム博物館」福武書店ベネッセ文庫
エルロイ「キラー・オン・ザ・ロード」扶桑社ミステリ文庫
あとゴールディングの「蠅の王」は新潮文庫と集英社文庫と両方から出てるみたいだ。
9486:02/04/30 20:33
89さん、93さん、ありがとうございます。
時間がない、場所がない、金がない
なので、殆ど文庫しか買ってません。

スレとはずれるけど、いまは
フィッツジェラルドの「夜はやさし」読んでるとこです。
どうしても読みたかったから、
あほくさいと思いつつもプレミア価格で買いました。

売れないから目に触れないままに廃盤っていうのはほんとに悔しい。
いっそのこと、どの作品にも
「村上春樹絶賛!!」て帯でも付けリゃいいんだ。
95吾輩は名無しである:02/04/30 21:08
現代文学といいながら古いな。
96吾輩は名無しである:02/04/30 22:13
海外文学ご紹介スレにも限界はあるわな>1
9766:02/04/30 22:22
とりあえず現代文学=戦後文学てことにしたら?
98吾輩は名無しである:02/04/30 22:28
>>95、96、もお勧め本あったらカキコしれやい。
ただ好きだ、つーだけの理由でいいからヨット。
もうカキコしてたらゴメンヨー!
99吾輩は名無しである:02/04/30 22:41
なぜにコーマック・マッカーシーの名前が無いのだと憤りつつあげておく。

>>53 ゴールディングは「蝿の王」で決まり。「ピンチャー・マーティン」が
文庫になってたけどもうないかな。あと、早川からソフトカバーで「後継者たち」
ってのが出ていた。クロマニヨン人に滅ぼされてしまうネアンデルタール人たちの
話。狂ってる!!

エルロイもイイ!! ブレット・イーストン・エリスもイイ!! マッカーシーをいれて
これわしの現代アメリカ文学御三家でっすyo。
100吾輩は名無しである:02/04/30 22:43
『ホワイト・ジャズ』がどうしても読めない。
101吾輩は名無しである:02/04/30 22:45
がんばれ!!<100
102吾輩は名無しである:02/04/30 22:50
エリクソンは完全に終わったなー、来日して島田雅彦やらの糞作家なんかに
もちあげられてアフォ全開。「黒い時計の旅」を書いて死ねばよかったのに。
ミルハウザーもそうだけど、ああいう「内面幻想系」はどうしても自己模倣に
陥りがちだよなー。「芸」になっちゃう。
103イヌ:02/04/30 22:54
真夜中に海がやってきたはけっこうすきなのだす。
104吾輩は名無しである:02/05/01 00:03
>>91
新潮社あぶないんだったら、ますますそーゆーの文庫化してる
余裕ないですなぁ...

>>94
同感だな、騙しでもよいから出続けてして欲しいね。(しかし、もう少し絞ってくりyo...サラマーゴの文庫教えれ!
とか、ヴォルマンの文庫化ねーのか?とか...)

>現代文学=戦後文学てことにしたら?
戦後文学だとちょっと広げ過ぎじゃないのかな?
個人的には60年代以降って感覚なんだけど?
>ご紹介スレにも限界
おい、幾ら何でもみんなまだ序の口だろ?
お互い相手の出方見って感じだろ(笑

>コーマック・マッカーシー
他スレでも熱く語ってる人見掛けたんで、気になってるよ。
早川文庫にもあるね。

>真夜中に海がやってきた
それ東京が舞台のやつ?
ゲテモノかと思ってた...
105吾輩は名無しである:02/05/01 02:32
>>100同意!同意!なんかホワイト・ジャズのように刈り込まれたリズミカルな文体は、エルロイに合ってないように思う。
エルロイのように露悪的なまでの偏執性をもった作家は、ビック・ノーウェアーやLAコンフィデンシャルのような、くどく粘液質な文体で始めてその良さがでる気がする。
無論エルロイが、詩的、或いは散文的実験をやってみたり新しい文体を模索したいのは分かるんだけどね。
上手く言えないけど、ホワイト・ジャズはドストエフスキーがチェーホフになろうとしてるような感じがして、イマイチ。
という訳でまたビック・ノーウェアーを挙げてしまいました。
求む異論反論。
106吾輩は名無しである:02/05/01 03:06
>>102その中にポール・オースター入れる気無い?
内面を描こうとすると何故か皆似てこない?
タマネギの皮剥いてたら何もありませんでした、虚無でした、からっぽ、って具合に似てこない?
107吾輩は名無しである:02/05/01 03:14
>>99エルロイ好きですが、ブレッド・イーストン・エリスのお勧めの一品はなんですか?
108吾輩は名無しである:02/05/01 03:21
ミルハウザーは「芸」だと思っても毎回読むたびにうっとりしちゃうよ。
最近だと「三つの小さな王国」に収録されてる「王妃、土牢、小人」にうっとりくん。

同様にコルタサルにもうっとりする。
109吾輩は名無しである:02/05/01 03:34
>>106 オースターもたひかにそうかもしれない。とくに最近は村上春樹と
似たような「投げやり的内面派=わかる人にわかればいいもんね!」ぽい
乱暴さが鼻につくような。
110吾輩は名無しである:02/05/01 03:35
>>107 エリスは新しければ新しいほど、イイ!! 「アメリカンサイコ」の
前の短編集・・・えと、タイトルわしれた。
111吾輩は名無しである:02/05/01 03:38
>>108 コルタサルの短編、いいねえ。マルケスもいいけど、ラテアメの
短編といえばコルたんですね。
112吾輩は名無しである:02/05/01 03:41
>>104
>コーマック・マッカーシー
他スレでも熱く語ってる人見掛けたんで、気になってるよ。
早川文庫にもあるね。

ボーダーライン三部作、読むべし!! とくにニ作目の「越境」、最高。雌の狼を
メキシコまで放しにいく青年の物語。後半とくにすげ。目の玉を吸い出されて
失明した男、などなど。

113吾輩は名無しである:02/05/01 03:46
アメリか文学つおいな。どーしてでしょ? 最近けこうヨーロッパの
現代もの訳されているけど、いまいちつまらん。
114107:02/05/01 03:54
>>110ありがとう!
115106:02/05/01 04:53
>>109そうなんだ。諦めからくる優しさなら、いっそ殴り殺してくれた方がよっぽど優しいと読んでて思ったりする。
繊細さと傷つきやすさを売りにされてもねー。←これオースターと春樹の事ネ!
あ、
良寛さんみたいな本物の諦観だったら勿論全く別問題ね。
(なんでイキナリ良寛なんだとつっこまれても、深夜の戯言。エーイ春樹ファンたまには許せ!)
116吾輩は名無しである:02/05/01 11:41
>>115 繊細さと傷つきやすさを売り物にするのは、まあ許したとしても、「わざと
なぞのままにしておく」とか、「わざと解決させない」とか、まあそういう物語上の
「わかるひとにはわかるでしょう度」が最近あのふたりには高いかなと。

春樹は「スプートニク」とか、オースターは「偶然の音楽」やら「ルル」やら。

そうそう、春樹の「ねじまき」は当初、2巻の予定だったんでしょ? あれで終わってたら
ねえ・・・ぞっとする。保守的と言われるかもしれないけれど。
117吾輩は名無しである:02/05/01 14:05
>>116外部を描かない、他者を描き切らないとなると、自家撞着するしかなくなる訳で抽象度は高くなるわなぁ。
まぁそこが好きっていう人もいるみたいだけどね。オレにはワカラレエエイ!
118吾輩は名無しである:02/05/01 16:29
>>116>>117
マ板の傑作だよーん!

村上春樹的みずほ銀行
http://pc.2ch.net/test/read.cgi/prog/1019137149/
119吾輩は名無しである:02/05/02 01:33
エリクソンって
>「内面幻想系」「投げやり的内面派=わかる人にわかればいいもんね!」
なのぉ〜?オースターなんかはそんな感じかも知れないけど。
(シティ・オブ・グラスしか読んでないけど)

>>コーマック・マッカーシー
>後半とくにすげ。目の玉を吸い出されて失明した男、などなど。
あの本の装幀とか内容紹介文だと、そーゆーイメージ湧かないんですよねぇ。
>ヨーロッパの現代もの訳されているけど、いまいちつまらん。
「香水」「悪童日記」ヨーロッパだけど駄目なの?

>>118
何で
>マ板
って略すの?
ハルキ・ムラカミは「羊」と「ワンダーランド」しか読んで無いんで、
http://pc.2ch.net/test/read.cgi/prog/1019137149/
の面白さはよくわかんないけど、わかる人には面白いんでしょうね。
120吾輩は名無しである:02/05/02 01:43
>ラテアメの短編といえばコルたん

取り敢えず岩波文庫にあります。
結構厳選されてて良いんではないかと。


しかし長編「石蹴り遊び」はよくわかりませんでした。
&第3章(だったけ?)は読み飛ばしました。
(だってそーしてよいって書いてるもんなぁ)
121吾輩は名無しである:02/05/02 20:52
>>119なんでプログラマ板がマ板になったかは、わからねえ!
推測するに四文字以上のキーを打つのがウザイんでないか???
122吾輩は名無しである:02/05/02 21:05
この板が文芸愛好倒錯板とかだったら、とりあえず倒錯板とか略したくなるんだろうか?
123吾輩は名無しである:02/05/02 21:19
プ板はプロレス板だし。
グ板は、、、なんかあったっけ?
124吾輩は名無しである:02/05/02 22:14
駄スレあげ
125吾輩は名無しである:02/05/02 22:22
>>119
>エリクソンってなのぉ〜?オースターなんかはそんな感じかも知れないけど。
ふにゅ? 漏れは最初からオースターのこととして書いたですん。

>あの本の装幀とか内容紹介文だと、そーゆーイメージ湧かないんですよねぇ。
騙されたと思って読んでみてちょ。「すべての美しい馬」は最初はたるいけど、
どんどん文体やら物語やらなにやらすべてが加速していって快感でんす。
「越境」はラテアメやらエリクソンやら好きな人におすすめでっす。
126吾輩は名無しである:02/05/02 23:31
>>119マ板に行って聞いてきた。
2chにはプログラム板とプログラマー板があるから差別化をはかる為にマ板と言うらしい。
じゃあプログラム板はム板と言うのか聞いてみたら、「そうです。ム板と言います。」というお返事でした。
oreha karakawaretanokana?
127吾輩は名無しである:02/05/02 23:53
ここまで読んで、珍しく面倒見のいいスレと思たよ!
128吾輩は名無しである:02/05/03 08:50
セルマ・ラーゲルレーヴ知ってる人いる?
ニルスのふしぎな旅はおもしろいなあ。
129おじさん:02/05/03 08:53
>>128 ニルスはまだ読んでないなあ、忘れてた・・・昔、NHKでアニメやって
たよね。オープニングの歌がよかた。「ヘイ、ニルス!」ってね。

動物ものでは「ウォーター・シップダウンのうさぎ」なんかもありましたね。
あれもイギリスじゃなかったっけ? 厨房のころ、この本を万引きして
パクられたw
130吾輩は名無しである:02/05/03 11:04
>>128
「ストリンドベリよりも遙かに偉大な作家であり、エロティックな
感情を惹起する術に長けている」(L・グスタブソン)

本国じゃ未だに絶大な支持を受けているらしいけど、
日本じゃまったく忘れられてるね。
131吾輩は名無しである:02/05/03 11:08
>>128
一応、ノベ賞作家ね。
132吾輩は名無しである:02/05/03 12:17
「ニルス」だけで児童文学作家とされているが、そうではない。
もっといろんな作品を日本語に訳してほしいな。
でも「芸術全般」を軽んじるこの国じゃムリだね。
スウェーデンなんてマイナーな国の文学は。
133吾輩は名無しである:02/05/03 12:45
ニルスの不思議な旅って70年以上も前に日本語に翻訳されてるんだね。
その時のタイトルが「飛行一寸法師」なんだって。
134吾輩は名無しである:02/05/03 13:24
新しいところではフィリップ・バランの「趣味の問題」なんかどーよ!
個人的には大当たりだったんだけど、きっと文庫化されずに初版売り切って絶版になっちゃうんだろうなぁ。
お勧めなんだけど・・・ちなみに版元は早川書房
135souka:02/05/03 18:08
かなりミーハーなことをうかがいます。
今年はw杯の年と言う事で、日本と対戦するロシア、ベルギー、チュニジア
の三か国の小説を読んでみたい今日このごろ。
ロシアはまあいろいろあるとして、ベルギーにはメーテルリンクやトゥーサン
はいるけど、チュニジアはよくわからない。
だれかチュニジア文学に詳しいひとはいないか。
フランス語圏だろうけど。
136吾輩は名無しである:02/05/03 18:29
>>135
アラビア語圏では?
チュニジアの作家のアンソロジーが翻訳されて
出てるらしいよ、仏語に。
137吾輩は名無しである:02/05/03 19:56
やっぱり、アンドレジードだろ
138吾輩は名無しである:02/05/03 21:47
>>135 「チュニジアの夜」ってもうスタンダードだよなあ。
139吾輩は名無しである:02/05/03 23:21
スレタイトルの××派編てどういう意味?
140吾輩は名無しである:02/05/04 00:31
>「越境」はラテアメやらエリクソンやら好きな人におすすめでっす。
う〜ん、そうか。じゃあんた信じて読んでみるよ。

>レム「ソラリス」→早川文庫、(他は現在入手難)
と思ってたらハヤカワ文庫なんとか記念復刊って帯がついた
「捜査」っての見掛けた。確か「ソラリス推理小説バージョン」な話
って聞いたことあるなぁ。(よーは解決せんのだろ...。)

>フィリップ・バランの「趣味の問題」なんかどーよ!
http://www.hayakawa-online.co.jp/epi/selection/200108/slct0108.html
なるほど...

>>139
俺は断然××派だな!
141吾輩は名無しである:02/05/04 12:12
連休だから挙げとく!
142吾輩は名無しである:02/05/06 09:59
age

143吾輩は名無しである:02/05/06 10:36
>>140
>う〜ん、そうか。じゃあんた信じて読んでみるよ。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。絶対面白いから<マッカーシーの「越境」。
つまらなかったら漏れが本代出してやるよ、まじにw

できれば「すべての美しい馬」から読んでね。びみょーに、かぶってるから。
でもって「平原の町」も読んで、泣いてください。ああ、ジョン・グレイディ!!
144電子間生存人:02/05/06 19:19
今アメリカでイチバンの巨匠って何? 評価されてる人。
145吾輩は名無しである:02/05/07 00:34
>>143
>「すべての美しい馬」から読んで

文庫それだけだし、そーなると思いますよん。
(しかしあんたマッカーシーとなると熱いな...)

>>144
俺はスティーンブン・キングに1票だな...
146吾輩は名無しである:02/05/07 21:48
保全あげ!
147吾輩は名無しである:02/05/07 22:43
スティーブン・キングは人気はあるけど
評判は悪いから・・・でも、そうすると、
トマス・ピンチョンとか、になっちゃうんだよね
148吾輩は名無しである:02/05/08 00:12
>>147 でもじっさいのところ、読まれるんだろうかね、ピンチョンは。
一部のコアな文学好きに受けているだけなのかもしれない。

えーっと、誰か英文学専攻の人、いない? 
149吾輩は名無しである:02/05/08 00:14
>>145
(しかしあんたマッカーシーとなると熱いな...)
いや、漏れもどうしてかわかんないんだけどね、ハァハァ。
あんまり日本では評価されてないみたいだし。漏れは彼の作品読んで、
「まだまだ文学には可能性があるのだ!」って思わず肘を打ったね、机の
角に(以下略)
150吾輩は名無しである:02/05/08 00:33
 ま、普通に回答すればピンチョンっすよね。

 ただキングも侮れんのじゃない?
 逆にキング貶してる文学者って見たこと無いんだけど。(低レベルなの除く。)
 著作量、売れ行きは言わずもがな。

>ピンチョンは。
>一部のコアな文学好きに受けているだけなのかもしれない。

 ↓ここ見れ!(またここかいって言われそー)
 http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/P16.htm#2

 結構色んなレベルで楽しまれてるんじゃないかな?
>一部のコアな文学好きに受けて
 るって見方は、むしろ
>英文学専攻
 の人達の狭い見方じゃないかなぁ...
151吾輩は名無しである:02/05/08 00:55
ピンチョン、が苦手、ってのはやっぱあるよ
なんか、文章とか、文体に色気ってのが無いんだよね
・・・で、そういう読み方してるヤツには
難解ってか、面白さが今ひとつ判んない
ロブ・グリエとかもそうだな・・・
どっちも理系だったっけ・・・?
152144:02/05/08 16:03
アメリカで生きてて、評判も良くて国民的作家っているかなー
153吾輩は名無しである:02/05/08 22:50
>>150
>英文学専攻
 の人達の狭い見方じゃないかなぁ...
そうなんかな・・・アメリカの事情詳しい人いない? ああ、こんなときixion
がいればな・・・

>>152 ジョン・アーヴィング・・・とか? どないでっしゃろ。

日本での翻訳事情とアメリカでの出版事情は必ずしも(当たり前だけど)、リンク
してないだろうからね。たとえばミルハウザーとかオースターとか、あとまあ、
エリクソンとか、柴田元幸周辺の翻訳家ががんがん訳してたけど。
154吾輩は名無しである:02/05/09 02:39
>>151
ま、そーなんだろうけど、
>ロブ・グリエとか
よりは取っ付き易いっしょ?
(あと、意匠の奇天烈さに惹かれちゃうとか...)
>ジョン・アーヴィング
ってーと、日本でゆーハルキ・ムラカミみたいな地位にあるんでしょうかね?
(売れてる、評価も高い)

>翻訳事情
やっぱ売れなきゃいかんしねぇ。「柴田元幸」ブランド有効なんでしょうねぇ。
(ピンチョンの次の邦訳もこの人みたい...)
155吾輩は名無しである:02/05/10 23:28
カポーティーの短編集by村上春樹訳出版ageしかし漏れは図書館待ち鬱。
156 ◆YejoOYtk :02/05/12 21:50
「カポーティー」って伸ばしちゃうとアフォっぽ
157吾輩は名無しである:02/05/13 07:58
>図書館

しかし、この手のは図書館yoん!
ま、今はアマゾンとかがあるけどねん!(取り敢えず図書館でチェック!)
158吾輩は名無しである:02/05/14 01:20
あげてみるかな!
159吾輩は名無しである:02/05/19 04:14
コラ何か書け!
160吾輩は名無しである:02/05/19 04:31
何か
161吾輩は名無しである:02/05/19 12:09
リチャード・ブローティガンはみなさんどうですか。
藤本和子が本出しましたね。
162吾輩は名無しである:02/05/19 17:15
http://kobe.cool.ne.jp/babies/noise-m4.html
カットアップを芸にしたようなスタイルの、
創作文芸板某スレ(リンク先参照)で今めちゃくちゃ叩かれてる小説です。
お暇な方がいたら読んでもらえると嬉しいです。もし感想とかあったら
BBSか上のアドレスから行けるスレに書き込んでもらえると参考になります。
このスレのような方々の反応(いいものであれ悪いものであれ)がほしいです。

失礼しました。気にせず続行してください。
163m:02/05/20 00:15
∩∩   
(゚Д゚) √ 『消しゴム』買ったよ、3800ェン コレ高いのか安いのか?
164吾輩は名無しである:02/05/20 00:18
>>163 ロブ・グリエだね。どこで? ネット? 
165m:02/05/20 00:25
神田神保町ですわ
2年くらい前からずっと探してて
オモロイオモロイってみんな言っててさ、ここ文学版で。
166吾輩は名無しである:02/05/20 00:27
あのー
リチャード・バックの「イリュージョン」
最近読んでシビれたんですがほかどんなのがお勧めっすか?
とりあえず古本屋で「ONE」見つけて買ってきたんだけど。
「かもめのジョナサン」は読むべき?
167吾輩は名無しである:02/05/20 00:28
>>165 神田ならそれくらいするかもね。白水社のだよね。あれ? 河出か
だっけ?

そのへんのは地方の古本屋でけっこう見かけるから、旅行や出張のときに
探してみると掘り出し物あるよ。
168吾輩は名無しである:02/05/20 00:29
>>166 なつかしいねえ、リチャード・バック。
「かもめのジョナサン」は代表作。発表されたときは世界的なベストセラー
になったんだよな。今読んでもオーケーでしょう。たしか新潮文庫であったような。
169m:02/05/20 00:32
>>167
俺が持ってるのは河出 中村真一郎訳
あとがきによれば旧版は三輪秀彦との共訳らしく。

地方の古本屋巡りたいな。
ルーセル読みたいのだ。フラ語学ぼうか。
170吾輩は名無しである:02/05/20 00:32
ちなみに「かもめのジョナサン」と同時代のベストセラー、エリック・シーガル
の「ある愛の詩」もいまやほとんど読まれていないだろうけど、バカにできない
面白さですから読んでみてくさい。

あと、「カッコーの巣の上で」の原作もよかった。

そうそう、映画系になるけど、「ミスター・グッドバーを探して」とか、
「さようならミス・ワイスコフ」なんてのの原作も秀逸だったなあ・・・
とオジサンかきこ。ついでに「ローズマリーの赤ちゃん」もね!
171吾輩は名無しである:02/05/20 00:34
>地方の古本屋巡りたいな。
いいね。とくに海外ものはざくざくだYO!!

>ルーセル
「アフリカの印象」をどっかの田舎で格安で入手したことが。あれって
絶版だったよね? 
172吾輩は名無しである:02/05/20 00:38
>>171
アフリカの印象は復刊したよ。
173吾輩は名無しである:02/05/20 00:41
>アフリカの印象は復刊
そうか。じゃあ僕のはたぶん復刊のほうだろうな。埋まってるから調べ
られない。
174m:02/05/20 00:41
白水社の復刊ではルーセルとクロード・シモンを購入。
白水特製トートバッグもいただきました。

ペヨトル書房よ、なんで潰れちまったんだぁ
175吾輩は名無しである:02/05/20 00:43
ペヨトルは潰れたってより潰したってか・・・なんか噂聞いたな。
176166:02/05/20 00:44
>>168
>>170
あっ、ご丁寧にありがとございます。
ぼくも「かもめのジョナサン」が超ベストセラー、つうことで
うさんくさくて敬遠してたんですけどね。読んでみます。
アメリカの作家の、乾いててひんやりした感じが好きなんです。
ポールオースターとかヴォネガットとか。
177吾輩は名無しである:02/05/20 00:50
ペヨトル工房の話は「ペヨトル興亡史」に詳しいよ。
GWのペヨトル祭行きたかったな。
178吾輩は名無しである:02/05/20 00:50
>読んでみます。
安いし薄いし読みやすいしでだいじょうぶでしょう<「ジョナサン」

>アメリカの作家の、乾いててひんやりした感じが
サム・シェパードなんかもいいよ<「モーテル・クロニクルズ」とか。
179吾輩は名無しである:02/05/20 00:51
>GWのペヨトル祭
なんかダンスとか、パフォーマンスとか、いろいろあったんだよね・・・
違った?
180m:02/05/20 00:53
>GWのペヨトル祭
そんなのあったのー!! いきたかった・・
『ロクス・セルス』、ネットだと6000ェンだもんなあ
まあ古○光堂の値付け自体が横暴なんだけどね。
さすがに手が出ない
181吾輩は名無しである:02/05/20 01:30
>>161
>リチャード・ブローティガンは

「西瓜糖の日々」なんかですか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-form/250-3554560-3706611


>>アフリカの印象は復刊
2600円だすね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560047340/ref=sr_aps_d_1_1/250-3554560-3706611

>『ロクス・セルス』
とかって、なんか金ぴかの装丁の本で昔あったね。
う〜ん、ペヨトル潰れたのぉ!


>地方の古本屋でけっこう見かける

おいらんとこにはそんなの全然無いよぉ〜
182吾輩は名無しである:02/05/20 01:34
183吾輩は名無しである:02/05/20 15:12
>182
そうそう、『西瓜糖の日々』は素晴しかった。
太陽が曜日によって毎日違い、採れる西瓜の色もちがう。
日曜日は「無音の太陽」で、世界から音が消え、
西瓜も「無音の西瓜」。
そんな不思議な世界でした。
184吾輩は名無しである:02/05/22 06:57
ピーター・ケアリーの作品で、
オーストラリアにある米軍基地に赴任した兵士が、なにも任務が無いために
ノイローゼになって、風車小屋を燃やす話の日本訳が入っている本を教えて
下さい。

英語でのタイトルはA WIND MILL IN THE WESTです。
185吾輩は名無しである:02/05/22 09:55
ここまで読んだけど、どうして東南アジアや中国の文学がでてこないの?
莫言とかいいと思うけど・・
タイも作者名を覚えきれないくらい沢山いるよ。繊細さでは欧米ものに負けてない。
186吾輩は名無しである:02/05/22 16:16
>>185教えれよ、読むから。
187吾輩は名無しである:02/05/22 21:36
>>184

 こらぁ〜!!
↓この前ここでやったところじゃねぇーかっ(笑

http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1020844864/55-59n
188吾輩は名無しである:02/05/22 21:47
>>185

 なるほど
>中国の
 ですか!

>莫言とか

 の「酒国」なんか凄いって聞きますねぇ〜 
 http://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/syukoku.html

 しかし
>タイ
 なんかだと流石にサパーリですので、宜しかったら
 ご紹介くださいましぃ〜!!


http://www.asahi-net.or.jp/~LT3M-OOB/a_lit/north.htm
189吾輩は名無しである:02/05/23 12:18
財団法人 大同生命国際文化基金
アジアの現代文芸 シリーズ 
業の罠 ドウアンチャイ著
アジアにかかる虹 スミット・ヘーマサントン/アキン・ラピーパット著
チャオプラヤ―河の流れ サティエン・チャンティマートーン著
メナムの残照 上・下 トムヤンティ著
マプラーオの楽章 ワット・ワンラヤーンクーン著
タイの大地の上で 現代作家・詩人選集 吉岡みね子編約

覚えきれない名前だけど、たくさんでは無かったね。ごめん。
図書館の方が探しやすいかも、です。
190吾輩は名無しである:02/05/26 22:09
定期age↑
191新刊スレの1:02/05/29 00:45
ガルシア=マルケスの「物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室」(岩波書店)
はなかなか面白いですよage
192吾輩は名無しである:02/06/03 03:51
age
193吾輩は名無しである:02/06/03 05:21
マターリ            マターリ
゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*
ぃょぅ(=゜ω゜)人(´ω`=) ぃょぅ
   *・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*
マターリ            マターリ
194吾輩は名無しである:02/06/11 00:01
保守sage
195吾輩は名無しである:02/06/16 01:08
こっちも保全。はあ。
196age:02/06/27 08:39
ドン・デリーロ『アンダーワールド』と、ジャネット・ウィンターソンの
翻訳発売AGE
197吾輩は名無しである:02/06/27 13:37
>>196版元と値段も書いてくれるとありがた〜い!
198白石昇 ◆VJKqLKn2 :02/06/27 15:39
>> 189様

 はじめまして白石昇と言います。泰モノなら井村文化事業社が何冊も出してい
ます。東南アジアブックスタイの文学シリーズです。

 いわゆる小説的属性でないものであれば、荘司和子さんが翻訳したものが読み
やすくて評判いいようです。井村文化事業社ではありませんが。

 まあ、何がどう現代文学かなんて、原文読んでも良くわかんないんですけどね
僕程度の泰語力じゃ。それでは。
199吾輩は名無しである:02/07/02 03:24
ドン・デリーロで文学板復活しる!age。でもまだ買っていないsage。
200吾輩は名無しである:02/07/02 04:38
イシグロカズオはどう?
「充たされざる者」読んだけど、あまりに時空間の感覚がつかめなくて
よく理解できなかった・・・
201吾輩は名無しである:02/07/05 01:26
>>196
>>199
>『アンダーワールド』

今日本屋さんで見掛けたYO!!

本年度一番の翻訳モノがW杯に紛れてコソーリ発売されてたとは...
う〜、上下で1000ページくらいで、計6000円以上。
これは既に読まれた方の強力なプッシュが無いと手に取るのつらそーね...(笑)
202吾輩は名無しである:02/07/09 17:10
頼むからあげとこう。
203吾輩は名無しである:02/07/10 07:55
>>202

んじゃ、私も微力ながら...↑
204オージー:02/07/10 08:47
ピーター・ケアリーの新作が来春に翻訳刊行らしい。
朝日新聞の夕刊に、息子と一緒に日本に来た、って載ってた。
会いたかったなあ。
205吾輩は名無しである:02/07/10 10:22
ミルハウザーの新刊、出た?
206吾輩は名無しである:02/07/10 10:26
新潮クレストブック読んでるYO。
新潮社危ないってほんと?
207吾輩は名無しである:02/07/10 10:32
>>205
ミルハウザーの新刊って?
「あるロマン主義者の肖像」、「モルフェウス
の国から」、「マーティン・ドレスラー」あた
りが翻訳されたら読みたいね。
208吾輩は名無しである:02/07/10 23:14
寂しいからageる!
209吾輩は名無しである:02/07/10 23:41
>>207
マーティン・ドレスラーの夢
210吾輩は名無しである:02/07/11 10:44
>>209
『マーティン…』白水社から、柴田元幸訳で。
ミルハウザーが好きなヒトには絶対おすすめ。
211吾輩は名無しである:02/07/11 22:20
>新潮社危ない

う〜、それじゃ、取り敢えずデリロの『アンダーワールド』
買っておかなきゃ...

もう「リブラ」も「ホワイトノイズ」も、本屋さんで全然見掛けません。
「マオ2」はよく見掛けるけど...
212吾輩は名無しである:02/07/13 21:27
>マーティン・ドレスラーの夢

今日本屋さんで見掛けたYO!!

翻訳した柴田氏が可成り入れ込んでいるふうなあとがき書いてますねぇ。
ふ〜ん、ピューリッア賞とってる長編なんだ。
ミルハウザーとピューリッア賞ってなんか意外な取り合わせですね。
213吾輩は名無しである:02/07/17 19:39
lillian helmanのThe Children's Hour、昔読んだんだけど、これって、タイトルは「子供の時間」でしょ?
内容から言って、なんでこれのタイトルが子供の時間なのかが謎。なんででしょう?
214吾輩は名無しである:02/07/18 00:35
わからなかったらすぐに質問しちゃうわけ?
文学だから、検索してすぐ答えがでる、ってもんじゃないだろうけどさ、
少しは自分で考えて、間違っててもいいから、自分なりの答えなり仮説なりを
提示するべきなんじゃないかな。
215吾輩は名無しである:02/07/18 22:30
関係無いけど、「時間のなかの子供」は絶版みたい...

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120024784/qid=1026998913/sr=1-7/ref=sr_1_2_7/249-2074563-7537908
216吾輩は名無しである:02/07/24 23:02
図らずも補間Age
217吾輩は名無しである:02/07/27 01:38
>>200
『充たされざる者』は「賛否両論の怪作」「初心者にはお薦めできない」
みたいな評価が一般的じゃないかな。
柴田元幸の『愛の見切り発車』に載っている書評が妥当だった気がする。

カズオ・イシグロ読んだのはじめてだったら、『日の名残り』あたりから
入るのが無難ではないかなと。(翻訳も最高)
218吾輩は名無しである:02/07/27 02:12
ピンチョンスレもDAT堕ちか・・・
219吾輩は名無しである:02/07/27 11:54
>>218

殻アゲしる!
220吾輩は名無しである:02/07/31 22:57
>>219



これでいいかい?
221吾輩は名無しである:02/08/02 03:55
>>217
そうなのかあ。実は卒論で『浮世の画家』を扱うので
イシグロの作品全部読んでみたのですが、『充たされざる者』は
主人公の記憶が混沌としていて、つかみどころがないので難しかった。
その柴田元幸氏の書評、読んでみます。

ところで、イシグロカズオについての日本語で書かれた文献
(特に『浮世の画家』について)って何かありますか?
ずいぶん探しているのですが、全くと言っていいほど評論本が見つからないのです。
イギリスで発行されたのはけっこうあるんですが・・・
日本ではイシグロの文献は出版されてないのかなあ。
222吾輩は名無しである:02/08/08 22:21
今出てる「新潮」、この手の愛好家は買っておきましょう。
ドン・デリーロの小特集で、新作一挙掲載だYO!(ようするに短い話。)

ところで「アンダー・ワールド」読了した人まだいないの??
223吾輩は名無しである:02/08/08 22:28
>>222
この夏は「メイソン・アンド・ディクソン」を読むので来年の夏までお預けです。
224吾輩は名無しである:02/08/11 22:29
シェークスピアの世界がテーマパークに

【ロンドン11日共同】11日付の英日曜紙オブザーバーによると、「ハムレット」や
「マクベス」など英国が世界に誇る劇作家シェークスピアが生まれた同国中部
ストラトフォード・アポン・エイボンやロンドンの当時の様子を再現する
テーマパーク「シェークスピア・ワールド」が、米国のペンシルベニア州ピッツバーグに
2億ポンド(約370億円)で建設されることになった。
 企画は英国のウィリアム・シェークスピア・ワールド・ワイド社。
エイボン川を模した川の周りに、シェークスピアが活躍した16世紀末から
17世紀はじめにかけてのエリザベス女王時代の衣装や美女、道化師、迷路、
有名な登場人物などを再現し、路上演劇も上演する。
225吾輩は名無しである:02/08/12 23:15
リンク先追加(アゲ

http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1029133601

226吾輩は名無しである:02/08/25 22:04
ホッシュ
227吾輩は名無しである:02/08/27 11:19
agedaro
228吾輩は名無しである:02/08/27 14:26
訳本でてないけどベッキー・バーサ・・・比較的楽な英語で書かれてて
おもしろいよ。しかしなんで黒人文学はこーもマイナーなんだ?
229吾輩は名無しである:02/08/31 21:22
ア−ヴィングの「第4の手」よかった。
恋愛小説です。
230吾輩は名無しである:02/09/01 03:03
>ミルハウザーの「マーティン・ドレスラーの夢」

ミズテリマガジンにわりかし好意的なレヴューが出てた。
少し興味。
231吾輩は名無しである:02/09/01 03:52
>>224
実は千葉にシェイクスピアの実家があるの、知ってた?
http://www.rosemary-hill.jp/scp/index.html
232吾輩は名無しである:02/09/01 08:46
教えて君で須磨ソ。
フランス旅行中に出会った文学好きのフランス人から薦められたんだけど、
ウクライナの現代作家でチェルノブイリ関係のインタビュを元に本を書いている人がいるらしいんだけど、
誰か知っているかな?
ジャンルとしては露文なのかも?
日本語翻訳がなくても、英語、仏語ならなんとかなるので、知っている人いたら教えて下さい。
233  :02/09/01 11:29
良スレ、あげ。
234吾輩は名無しである:02/09/01 12:38
>>224
いいけど…新宿グローブ座をなんとかせいよ、救わんと閉鎖のまま・・・
235吾輩は名無しである:02/09/01 13:02
>>230
HMMは風間賢二さんだからまあ好意的だろうね。
個人的には、もしミルハウザー初読だったらできれば別のから読んだほうがいいと思う。
『エドウイン・ハルハウス』が最高なんだけど絶版なので、『三つの小さな王国』とか、
最近再刊された『バーナム博物館』とか。
236吾輩は名無しである:02/09/01 13:03
上のは『エドウイン・マルハウス』の誤記。失礼。
237吾輩は名無しである:02/09/04 17:05

ジャニーズが引き継いだのはどこですか?
238吾輩は名無しである:02/09/04 17:27
>>237
新宿グローブ座?
239吾輩は名無しである:02/09/04 22:46
ま、別にいいんだけど、
いくらなんでもシェイクスピアはスレちがいだろー
240吾輩は名無しである:02/09/08 22:34
>>235
>HMMは風間賢二さんだからまあ好意的だろうね。

オースター、エリクソンに比べて我が国では、イマイチ人気ないが
実力はこの二人より遙に上って書いてたよ。
241ixion:02/09/09 02:12
お久しぶりです、とさりげなく戻ってみるテスト^^;

>>222
へー、「ボディ・アーティスト」全訳されたんだ…。
デリーロの一方の傑作が『ホワイト・ノイズ』から『アンダーワールド』への
系譜をたどるとすれば、ちょっとギャスっぽい感じもするこの作品はもう一方の
側に位置する傑作だと思う。ギャスやダヴェンポートみたいな哲学・言語的探求を
短く印象的な作品にまとめあげる作家ってのは、日本では翻訳されても売れないん
だけど(柴田訳なら売れるのかな…^^;)、失効したかのように見える「文学」の
可能性を追求するものとしては、読みやすいものや現代風俗を安易に扱うものより
も、こちらの方が先鋭的で読み応えもあるように思える。デリーロが『アンダー
ワールド』的な方向から、言語における違和と肉体の感覚を何とかつなげようとする
『ボディ・アーティスト』へと進んでいったのは、何らかの限界の打破を目指した
のかも知れない。

あとは訳が良いことだけを望む。上岡伸雄って人はポストモダン(既に、常に
懐かしい響き)米文学専門らしいから、大丈夫かな。
242吾輩は名無しである:02/09/09 06:26
>>240
いや、>>235で書いたのは、風間氏は昔からミルハウザーを高く評価していたから、
好意的な書きかたをするだろうね、という意味です。

「実力が上」かどうかは知らないけど、同じく柴田ブランドで紹介されてきた
オースターやエリクソン以上に人気が出てもおかしくない作家だというのは同感。
243吾輩は名無しである:02/09/09 18:48
風間賢二さんが「笑える」と紹介していた、
フラン・オブライエンやカルヴィーノ、ジョン・バースなどを読んでいるんですが、
思ったよりも「笑える」部分が無いのですが…。
もっと読み進めていくと「笑える」んでしょうか?
初心者な質問ですが、教えてもらえるとうれしいです。
244ixion:02/09/09 22:39
フラン・オブライエンは「笑い」がメインではないと思う。確かに、知的な
回りくどさが奇妙な可笑しさを醸し出す時はあるし、真面目なツラして語ってる
会話の内容が馬鹿げたものだったりすると、ちょっと面白いとは思うが、爆笑
にはならない。『第3の警官』の文体は『スウィム・トゥー・バーズにて』
よりも軽妙で、読んでいて「変なの^^;」と思う時はあるし、また注釈も面白い
が、それでも何かこういった作家を「笑える」と祭り上げる(?)ことには、
違和感を覚えてしまう。ガルガンチュワ読んで「笑える」、と素直に言える
のであれば、オブライエンの神話ユーモアみたいなものも「笑える」と言って
いいんだろうけど。
バースも知的ユーモアだから、何やら頭でっかちの奴が不器用に見当違いの
ことをしている面白さ、みたいなものはあるが、純粋に「笑えるよ、この
小説」と薦められるものではない。カルヴィーノは原語で読めないけど、
『文体練習』は「笑える」んじゃないかな。

以上、偏った意見でした。でもオブライエンは大好き。
245吾輩は名無しである:02/09/09 23:09
>>244
親切な答えありがとうです。
ラブレーもやっぱり読んでて笑えないので、
俗に言う「笑える」ことと「知的ユーモア」は違うのかもしれないですね。
風間さんが他に紹介していた『ドン・キホーテ』や『運命論者ジャック…』などは
純粋に「笑える」んですけど、他に「笑える」お勧めとかありますか?
246吾輩は名無しである:02/09/09 23:43
『キャッチ22』はどうよ?>笑える現代文学
247吾輩は名無しである:02/09/10 00:10
カルヴィーノは設定が愉快。
一生を木の上で過ごす男爵とか、中身のないがらんどうの騎士とか、
設定を聞いて興味を持てるなら楽しめるんじゃないかな。
爆笑とは遠うけど。
248ixion:02/09/10 09:35
ごめん、とんでもない間違い。カルヴィーノが『文体練習』書いてどうする(恥)
『文体練習』はクノーね、あーはずかし。文学から遠く離れてるとこうなる。

カルヴィーノは247さんに同意。寓話作品に関しては強烈なキャラに笑え
たりはする。けど、『冬の夜、ひとりの旅人が』とか『むずかしい愛』
なんかは、それほど笑える要素はないと思う。カルヴィーノも真面目だよね。

最近読んで笑った本は…なんだろうなぁ、逆に教えて欲しい。


249吾輩は名無しである:02/09/10 10:15
テレビのお笑いとも違うだろうし、よくある「爆笑エッセイ!」みたいなのとも違うし、
小説の何で笑えるかとなるとむずかしいですね。
ジョイスも英語圏の人は爆笑するらしいけど。
『文体練習』は翻訳の勝利というか、たしかに声を出して笑える。
「スリム・トゥ・バーズにて」はド、タバタぶりがドリフみたいで笑ったけどなあ。
設定とか状況、仕掛けのおもしろさが伝わるかどうかが一つのカギなのかも。
250吾輩は名無しである:02/09/10 15:16
カルヴィーノは「パロマー」と「レ・コスミコミケ」だったら
いわゆる爆笑に近いのでは? くすくす笑いぐらいだけど。

「冬の夜、ひとりの旅人が」はうまいっ!って感じですね。
文体のパロディは、笑うよりもまず感心しちゃう。
251ixion:02/09/10 21:38
でもさー、たまに批評がちょっと無理して「この作品ってさ、世間では難しい
みたいな言われ方してるけど、実は結構笑えるんだよね」てな趣旨のことを
言っているのを読むと、何というか、自分だけはこの「笑い」が分かっている
のだ、という自己特権化意識が透けて見えるんだよな。そういうことない?

『ドン・キホーテ』で思い出したけど、同名の作品を書いているキャシー・
アッカーのハチャメチャぶりとかには、なんとも苦笑してしまうなぁ。
あと、『スウィム・トゥー・バーズにて』は、確かにごく知的なモンティ・
パイソンの「笑い」があるかもしれない。
252吾輩は名無しである:02/09/10 22:40
>自己特権化意識が透けて見えるんだよな

ま、いーじゃないの。
風間のおっさんの場合、それ以前にこの手の翻訳書に
対する批評やら書評が少なすぎる事にたいする苛立ちが
あるんだろう。だから、少々無理してエンタメ的にも
楽しめるぞ、といった紹介が多いんじゃないのか?

ま、「アンダーワールド」なんかも
「新潮」以外の「ジュンブンガク」誌は黙殺状態みたいだけど、
やっぱ、風間氏は先月のスタジオヴォイスで書評書いてたよ。
253吾輩は名無しである:02/09/10 22:59
しかし、今月は「文学界」誌なのでした。
90年代以降翻訳文学ベスト30って特集で
高橋源一郎と柴田元幸が対談してて、
それぞれ30冊リストアップしてます。

う〜ん、だいたいめぼしいところは挙がってるようです。
が、おいらの場合、ここのおねーちゃんたちが挙げてる本の方が
幅広くてイイ!感じです。
(例えばジョゼ・サラマーゴなんかを高橋、柴田両氏は無視してる)

http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/index.html

あと、各社担当編集者に聞く、とゆー感じのコーナーでは、
国書刊行会の担当者が、現在のようにマニアックなラインナップで
採算とれるのか、とゆー疑問にたいして、三千部が採算ラインと
というような事が書いてあり、国書って全然OKみたい(笑
いやぁ〜 心強いですなぁ〜 ガンガレ!

で、ちなみに国書の今後の目玉企画はレム・コレクションだそうです。ヽ(^。^)丿
254吾輩は名無しである:02/09/10 23:11
あ、ここ数年で笑えた本ならこれね。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336035997/ref=sr_aps_b_4/249-9559467-4761910
のなかのムヒカ=ライネス「航海者たち」

ムヒカ=ライネスってボルヘスとかビオイ・カーサスと
同世代のアルゼンチンの大文豪みたいだよ。

短編だから図書館ででも読んでみて!
255吾輩は名無しである:02/09/11 23:09
>知的なモンティ・パイソンの「笑い」

?・・・わからないのですが少し解説してもらえませんか?
256ixion:02/09/12 10:47
>国書の今後の目玉企画はレム・コレクション
ヽ(^。^)丿ヽ(^。^)丿

>255さん
んー、なんつーか、モンティ・パイソンも十分「知的」(そりゃそうだ)なんだ
けど、そこにさらに文学味(神話的構想の面と、作品構造の面で)を加えて、
その笑いを素直じゃないひねくれたものにしている(いや、モンティ・パイ
ソンの笑いもひねくれてるけどさ)。
ちょっと例をとると、トム・ホルツ『疾風魔法大戦』って本があります。
女性考古学者が、遺跡から蘇ってきた騎士たち(王とその臣下、騎士っちゅう
よりヴァイキングか^^;)と共に、世界を牛耳っている実業家兼魔法使いと
戦う、ちゅう、お馬鹿ノリのハチャメチャものなんだけど、あれはパイソン
っぽい。皮肉な馬鹿笑い。
に対して『スウィム・トゥー・バーズにて』の方は、ハチャメチャなんだけど
文学的な構築をふまえたやり方なんで、読者としてあんまり素直に「お馬鹿な
笑い」を発することができないんだな。文学作品としては凄いと思うんだが、
「笑える」となると…。
257ixion:02/09/12 10:56
ごめん、なんかこの2作を対比したのは大きな間違いかも、って気がしてきた^^;

そういえば、最近読んだ"Sherlock Holmes's War of Worlds"は、くだら
なくて笑えた。
258吾輩は名無しである:02/09/12 17:54
ありがとうございました。読んでみます。
259吾輩は名無しである:02/09/14 01:42
>>知的なモンティ・パイソンの「笑い」

テリー・ギリアムの映画なんかはどうなの?

(「未来世紀ブラジル」なんかモロ(懐かしの)
 ポストモダンって感じで良いです。
 当時のポストモダン建築も舞台として
 撮影に使われてますた。)
260吾輩は名無しである:02/09/15 19:17
>>221
遅レスだけど日本語のイシグロについての研究書は知らない。
でも90〜92年頃のたしかSWITCHでイシグロの小特集があったのは
覚えてる。インタビューと評論の他に「浮き世の画家」の習作みたい
な短編が掲載されていたのを覚えている。知ってたらスマソ。
261吾輩は名無しである:02/09/15 19:33
>「この作品ってさ、世間では難しい
>みたいな言われ方してるけど、実は
>結構笑えるんだよね」てな趣旨のこと・・・

ってのも、ある程度はいいんじゃない?
モンティ・パイソンとかでも、やたら
小難しく語られたりしがちだけど
ただ、裸の男がピアノ弾いてるだけ、とか
単に、オカマの真似してるとか
かなり、くだらなかったりするからね
262吾輩は名無しである:02/09/15 20:27
モンティーーーーーーパイソン・・・フライングサーーーーーカッス!!!

「バカ歩き」好きです。
263吾輩は名無しである:02/09/15 23:47
この板的には、全英プルースト翻訳選手権だろうか。
264ixion:02/09/16 09:43
翻訳だっけ?要約じゃなかった?<プルースト

>「この作品ってさ、世間では難しいみたいな言われ方してるけど、実は
>結構笑えるんだよね」てな趣旨のこと・・・
本当に笑えるんならいいんだけど、実際は大して笑えないのに「笑える」と
いうのが作品の分かる「通」なんだ、みたいに言う奴に対する批判ね。

そういえば、高橋源一郎と柴田元幸の翻訳作品ベスト選出に関しては、
みんなどう思ってるの?
265吾輩は名無しである:02/09/20 02:58
時代の熱って言われてもねえ…。
「ホワイト・ノイズ」は良かったけど、さすがに「アンダーワールド」は
読む気がしないな。個人的には文学方面はちょっと心が離れつつある。
だれかNeil Gaiman読んでない?けっこうおもしろいんだけど。
266吾輩は名無しである:02/09/20 05:53
>Neil Gaiman
Dave Mackeanとは名コンビだねー。「signal to noise]
以降のグラフィック・ノヴェルはどれも傑作だ。
翻訳されているのは、DCコミックスのキャラ(サンドマン、バットマン)物だけだけど紹介されるべきでしょう。

最近は童話づいているみたいだね。「The Day I Swapped My Dad For Two Goldfish.」は
父ちゃんを金魚と交換しちゃった兄妹が母ちゃんに怒られて取り戻そうとするのだが、
パパはほぼ無価値なために次々に交換され続けて行方が分からなくなっていて苦労する、
というような話で版型が絵本そのものだったが、新作「Coraline」はどうなんだろう?
未入手のためわかりません。コンビはそのままらしいが...
267マダムB:02/09/21 19:45
サラマーゴ好きですが、ポルトガル叢書とか何とかいう
シリーズで新刊出ましたな。
少し前に翻訳の相次いだイスマイール・カダレなんて
好きな人いませんか?
ところで「現代」っつうのは100年未満ということで
いいのでしょうか?
100年経てば「古典」だと言う人がいますが。
268吾輩は名無しである:02/09/21 19:46
あ! マダムBだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
269マダムB:02/09/21 19:50
匿名でミルハウザーのスレ立ててみたのですが、上手に
良さを説明できなくて…、こっちに混ぜてね!
270吾輩は名無しである:02/09/21 21:23
>>267
サラマーゴって「修道院回想録」以外は読む価値無しと聞きましたがどうですか?
271吾輩は名無しである:02/09/21 22:54
>>267

う〜ん...

>>97
>>104
ってとこ?

>>270
サラマーゴ入門って感じだと
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/52.htm#2
これみたいね。
272吾輩は名無しである:02/09/21 23:07
>サラマーゴ新刊


http://www.sairyuusha.co.jp/
「リカルド・レイスの死の年」

だそうです。
273267:02/09/22 00:37
>>271
>>272
いろいろありがとう。――以下、長くてスマソ。

●ところで「戦後」という感覚、欧米にもあるのでしょうか。「現代」って
いう時、日本の教育を受けた者としては戦後の物ということにハゲしく同意。
ヨーロッパも、ファシズムのトラウマ文学が未だに沢山出てくるし、戦後の
虚無を抱えた文学、それを打破しようとした文学(レイモン・クノーのスレ
ありましたね?)など考えると、第二次大戦は大きな断絶だったのだと思う。
でも、米国にとってみると、ベトナムの泥沼が、大戦より大きな断絶なのか
なあ…という気が。さらに南米となると…?
スレにさほど関係ない掘り下げですが、結構それぞれの書き手の意識やスタ
ンスには影響している気がします。国内に目を転じれば、すでに「バブル崩
壊」という米国に対する再びの敗戦が、今活躍している作家には大きな断絶
と捉えられていることが多い気がします。
●サラマーゴは共産党だったそうで、彼にとっても戦後の意味は大きそう。
そういう体験が「社会風刺」臭くなく寓話化されているのがすごい。
もっとも、ノーベル賞時にアカデミーは受賞理由として、「想像力と熱情と
風刺に満ちた寓話」と評価したそうですが、「風刺」には「ちょっと待って」
と異議を唱えたい。皮肉屋でないのがサラマーゴの品ではないかな。
『白の闇』は、この世の地獄でパニックに陥った人間が、いかに尊厳を失うか、
いかに尊厳を保てるか…というテーマが底にある気がして、『夜と霧』を思い
出し、マルケスやエーコ、カルヴィーノなどへ通じる感じを受け、私は読む
価値を見いだしました。
『修道院〜』は読んでいないので比べられず残念だし、「価値」は人それぞれ
だから「読むべき」という言い方は避けたいので、そんなところです。
新作は、タブッキが研究していた詩人ペソアがモデルの小説みたいですね。
そちらの方も代表作と言われているようです。
274265:02/09/23 00:52
>>266
おもしろいよねー。なんかうれしいな、読んでる人いるなんて。
 
あと、ミルハウザーは何気にいいね。好きですよ。
荒俣宏とか高山宏とか、あのへん好きな人には人気ありそうな気がするけど
どうなんだろう? ちょっとちがうかな。





275ixion:02/09/23 10:26
サラマーゴ、読んでないんだよね…面白そうだなぁ。

パトリック・マグダア『スパイダー』が早川epiから翻訳刊行されました。
結構面白い作家ですよ。今まで名前の読み方間違ってたけど^^;
276吾輩は名無しである:02/09/23 11:27
>>275
マグラアですな。私もこの人好きなんで、いま読み途中。
というか翻訳紹介が途絶えているのかと思っていたので喜ばしい。
277吾輩は名無しである:02/09/23 12:42
>>273
『白の闇』って、純粋にパニック小説としても読める内容で悪くないと思うんだけど、
なんかキリスト教の宗教色が濃くなかった? 
個人的にはそこがなければ良いのになあ、という感想でした。
278吾輩は名無しである:02/09/23 13:15
279マダムB:02/09/23 13:33
>>277
それはありますね。
ヨーロッパの文学・芸術って、「救い」を書くのか絶望にするかと
いうのが逃れられないベクトルの一つなんだなあってことをまざま
ざ再認識させられる作品だと思う。私はおめでたいので結構、地獄
の底の状況で終わっても、一筋の光が残されているものが好きです。

>>274
ご明察!
ミルハウザーを「マニエリスト」と言っているのはまさに高山センセ。
「20世紀最後の四半世紀のマニエリスム気分をカルヴィーノ流のはっ
きりヨーロッパ的機知ですくいとった」と書いていた。

マグラアは知らなかったけれど、調べてみたらえらくハマりそうだ。
昔、福武で出ていた『幻想展覧会』という本で、マグラアが編者として
ミルハウザーの短編を取り上げていたんですね!(福武の文芸書撤退の
罪は大きすぎ)
epi文庫のほかに、『閉鎖病棟』『血のささやき、水のつぶやき』
(桐野夏生は、この本のタイトルに影響されたんじゃないか)などは
手に入りそう。『グロテスク』も古本はあるみたい。
特に『閉鎖〜』は、副院長の妻として精神病院に赴くことになった女が、
狂気の彫刻家と情炎を燃やす…だって。
「狂気」「愛欲」と来られてしまうと、ああ、今から渋谷ブックファー
ストにでも出ようかと落ち着かなくなっちゃう。下北の三省堂や笹塚
紀伊国屋じゃ、なさそうだな…。
280マダムB:02/09/23 13:48
(アマゾンは、やっぱり版元に対して力がないねえ。
出版業界の人が「書店」として認知していないよう品揃え
にしか見えん)
書き忘れた。『スパイダー』はクローネンバーグ監督が
映画化ということでポイント高い。

281ixion:02/09/23 15:18
マグラア(ごめん、前のレス書き間違え)は、何だっけ、うっかり書名忘れたけど
歴史もののMartha…って本でも、やっぱり「語り手」と「物語」という構造を
上手く活かしていて、ブロンテ『嵐が丘』とまでは行かないまでも、なかなかの
物語でした。へー、クローネンバーグ映画化か…。

絶対マグレイスだと思ってたのに(恥)
282吾輩は名無しである:02/09/23 20:08
>>279
『幻想展覧会』はたしか、ミルハウザー好きの柴田元幸が原書にない作品を
加えたんじゃなかったかな。だから多分マグラアがその作品を選んだわけじゃないはず。

でもどちらもポオを信奉する作家で、ミルハウザーも『エドウィン・マルハウス』で
「信頼できない語り手」をやっていたりするから、共通するところはあるだろうね。
(ちなみに私はどちらも好きです)

あと、マグラアにロマンス的要素を期待すると肩透かしかも。
叙述を重ねれば重ねるほど、いま語られている物語が現実なのか妄想なのか
怪しくなっていく、という感じを描いている作家なので。

>>281
"Martha Peake" かな。
名前は作者の希望で英国風の読み方をしている、とか聞いたような気がする。
(ただし、この話はうろ覚え)
283マダムB:02/09/23 20:51
>>282
『幻想展覧会』の件、おっしゃる通りでした。
こんな説明を見つけました。
   http://www.fureai.or.jp/~kiwi/neta/ne_mill.html

ニューゴシックではなく、「ポストモダン・ゴシック」という言い方を
している人もあるそうで…何でも「ポストモダン」つければいいっていう
わけではないと思いますが…。つけると何か批評の切り口が開けるような
気分は確かにわかりますねw。

「ロマンス」でなくて、いいんですよ、私は。
会った途端に雷の一撃。欲望が湧き、それを感じ続けている間がイコール
恋…という考え方に変わってきたので。
フランスの上流家庭のマダムが、家に来た水道管工事の人と関係を持って
しまうというパターンが多いそうで、そういうものの方が信じられる。
実は、今週うちも水道工事の人が来る。ふふっ。マグラア読みながら待つと
しましょうか。




それにしても、いろいろ教えてくださるので、楽しくて昨日、今日と
ちょろちょろここに来てしまう。


284ixion:02/09/24 10:05
>あと、マグラアにロマンス的要素を期待すると肩透かしかも。
>叙述を重ねれば重ねるほど、いま語られている物語が現実なのか妄想なのか
>怪しくなっていく、という感じを描いている作家なので。
その通りですよね。"Asylum"も最初の一行から語りの怪しさ爆発だし。

>"Martha Peake" かな。
それです、今見つからない…。

>ニューゴシックではなく、「ポストモダン・ゴシック」という言い方を
"Goth" cultureって言い方もあるみたいですね。キャシー・アッカーが入門書
書いてたような^^;
285マダムB:02/09/24 13:39
>"Goth" cultureって言い方もあるみたいですね。キャシー・アッカーが
 入門書書いてたような^^;←このお顔の意味を少し考えてしまった。
「訳者が山形さん?」とか…んなわけないか。
陰謀やワナがさかまきすぎる世界で、深読みのしすぎ。
でも、キャシー・アッカーの訳をやっていますもんね、彼。

バロウズとかクローネンバーグ監督とか…どうも、カスるねえ。
          
286ixion:02/09/24 15:06
訂正:
いや、アッカーがゴスの「入門書」を書く、って言うのが、どうも考えると
笑えたもんで。『血みどろ臓物ハイスクール』だし、
…と思って、調べてみたら書いてる人は"Kerry" Ackerって人でした(恥)
どこぞの本屋でちらっと見かけた記憶だけで書き込むと、こういう恥をかく訳だ。
そりゃ、アッカー死んでるんだから、新刊を書けるわけが無い。アホか俺。

て訳で、恥さらしてしまうことを誤魔化すために、皆さんに質問。
「現代でゴシック小説風のもの書いている作家って、他にどんな人がいますかね?」
287吾輩は名無しである:02/09/24 23:05
アンライスは?<ゴシック風
288マダムB:02/09/25 00:37
どうせ私なんかの知識では、ゴダード『闇に浮かぶ絵』ぐらいしか思い
つかない。最近出たミッシェル・フェイバーという英国注目新人の
『祈りの階段』は読んでみたい気がしている。

>>286
で、ピンチョン『V.』とかジョン・ホークスあたりに導かれていくの
かしら、私たち?
そこからアメリカン・ゴシックの系譜を遡って、その途次にフォークナーや
カポーティ『遠い声遠い部屋』なんかを拾いつつ案内していただけるような
期待感に胸ふくらむ。

その先、海を渡った英国の古典ゴシックで待ち構えていられるように、
思わず紀田順一郎氏やアラマタさんが書いた『ゴシック幻想』なんてのを
取り出して再読し始めちゃいましたよ。ふふっ。
289Tango:02/09/25 01:24
ゴシックといえばアイザック・ディネーセン・・というか
カレン・ブリクセンはどうでしょか? あとアンジェラ・カーターとか。
アン・ライスは・・(禁
290吾輩は名無しである:02/09/25 04:35
>>286
ゴシック的かどうかわからないけど、マグラアに近いという意味では
スティーヴン・ドビンズという作家が結構似ているかも。
語りの構造にひねりのある文学志向のスリラー小説を書く人。
(というか典型的なゴシック小説がどういうものかよくわかってないや……)

>>283

> フランスの上流家庭のマダムが、家に来た水道管工事の人と関係を持って

デュ・モーリアの『鳥』収録の短篇「写真家」がまさにそういう話でした。
『鳥』は良い作品集なのでお薦め。
291ixion:02/09/25 06:11
「ゴシック小説」は、本国イギリスの方ではM・G・ルイスの
『マンク』に代表されるように、閉鎖空間、(空間や人間の)歪み、
残虐行為などが特徴といわれるが、ラドクリフを経てウォルポール
に至る頃には、そこに「ピクチャレスク(絵画的)」「サブライム
(崇高)」の概念が加わり、廃墟や脱社会的でありながら終端の美と
でもいうべきものを備えたものが「ゴシック」とされるようになる。

一方、アメリカの方では僧院や城などの歴史的建築を剥ぎ取られていた
ため、閉鎖空間というのが「村」のようなものにまで地理的拡大を受け、
そこでの「歪み」が一層強調されるようになる。ホーソーンなんかの
作品や、さらに南部作家たちに受け継がれるのは、そういう拡大された
ゴシック観であり、また閉鎖と歪みというキーワードから、狂人や
マッドサイエンティスト(ホーソーンなら「あざ」とか)ものも
ゴシックとされたり、歪みと残虐行為というキーワードからモダン
ホラーの流れにつながったり(クライブ・バーカーの一連の作品)も
する。
292ixion:02/09/25 06:14
で、いまや「ゴシック」の概念が「ゴス」にまで拡大消費されている
なかで、小説としてのゴシックはどう消費されて作品化されているか、
と思った。ミステリのケッチャムやドビンズ(は『死せる少女達の家』
しか読んでないけど)のようなものや、キングのキャッスル・ロック
ものみたいな、共同体内の崩壊として半ホラー化されるか、もしくは
アンジェラ・カーター(は、あんまりゴシックではないと思うけど)
のような「脱輪した者」を半ばコミカルに、半ばグロテスクに描く
方へと向かうのか、またはマグラアのように、正統派といっても良い
ような形で引き継がれるのか。どれもありだと思うけど、「文学」
としてゴシックを見逃すのはもったいないと思うんだよね、ある種
平板な題材に陥りがちであるからこそなおさら。

かといって、新本格ミステリはゴシックだ、みたいな消費のされ方は
すごく嫌だけど^^;
293ixion:02/09/25 06:39
と、そういえばバーカーはイギリスでした。またもや恥。
んじゃあ、ピーター・ストラウブかな。クーンツにはゴシックのかけらも
感じないし(笑)
294マダムB:02/09/25 14:36
>>290
『鳥』の紹介ありがとう。当たってみます。水道管云々の話は、
クレストに入っているカミーユ・ロランス『その腕のなかで』で読んだ
ような覚え。あまりにフランス的著者名、作品名なのでほだされて
ついつい手に取ったけれど、内容はどーでもよかった本。でも、
どんな本でも、この手の知識の断片ぐらいは授けてくれるもの。

>>289
ディーネセンの世界、いいですね。
タイトルにずばりゴシックという言葉が入っていた短篇集、
この人のでしたっけ?
けど、「現代物」という範疇からは少しずれるのかな?

295マダムB:02/09/25 15:17
ixion氏の気合い入りガイドで遡る、ツアー客限定ゴシック源流への旅と
いった趣きで、思わずパラパラめくっちゃうポーにホフマン作品集。

先に挙げたガイド『ゴシック幻想』には、安保闘争中に『オトラント城
奇譚』に出合ったという紀田氏がいろいろ面白いことを書いています。
莫大な遺産を手にしたウォルポールは、1750年にロンドン郊外にロココ
趣味なども混じったキッチュなゴシック風の豪邸を建てて、そのなかで
オトラントを執筆した。それが建築ゴシック・リバイバルの嚆矢だった
そうで、ブーム絶頂に建てられたのが英国国会議事堂(へえ)。
建築の流行とシンクロして古典ゴシック小説が次々発表された経緯が面白い。
オトラントもそうですが、「ゴシックの城は、崩壊を前提として構築されて
いる。まこと立原道造(建築家だったもんね)の言ったように、すべての
建築は結果において廃墟となる。ゆえに建築は廃墟になった結果まで考えて
つくられねばならないのだ」――「崩壊を前提」という記述に惹かれる。
「建築」を「人間」に置き換えると、「小説というもの、人間の滅び方を
描いてほしい」という私の願いにぴたっとハマってしまう。
滅びた結果まで美しく書いてくれなけりゃあ…w。

近代の人びとにとって「暗黒の中世」は蔑視の対象だった。だが、嘲りでは
なくして「恐怖」を描いたウォルポールやラドクリフの世界が、「反近代」
でありながら同時に悪魔も神も「笑う」という姿勢で、人びとを引き込んだ
という分析です。そこに必要とされた装置が、地下牢にラビリンス、錠前の
ついたぎぎーっと閉まる扉なんぞステレオタイプの建築幻想で、恐怖が加わっ
たことにより、グロテスクなエレメントを美しいと思う意識が芽生えたという
ことも書いてある。
さらに、スカボローという人がゴシック小説のエレメントとして「超現実主義」
「アレゴリー」「ユーモア」を挙げているらしく、それらを備えた「暗黒の
中世幻想」というものを元々のゴシック小説と定義すればいいかな?


296マダムB:02/09/25 15:31
くどくど恐縮だけれど、このスレの前の方にモンティパイソンなど
「笑い」のことが書いてあり、今の「暗黒の中世」というフレーズ
で思い出した。本で笑いたいときに私が読むのは、『くまのパディ
ントン』です。愛らしいくまの所業に思わず吹き出す。
児童室のある図書館ならたいてい揃えているはずなので、どうぞ。

このくまは「暗黒の地ペルー」からやってきて、なぜかロンドンの
パディントン駅にいたからというので名づけられたのです。
『指輪物語』やナルニアだけが、英国児童文学の本領ではないと
いう意味も込めて…。
297吾輩は名無しである:02/09/26 00:33
ピーター・アクロイドってゴシック?

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&rank=+salesrank&field-keywords=%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89&bq=1/ref=sr_aps_all_b/249-2381558-0831551

ありゃりゃ「魔の聖堂」とか「チャタトン偽書」とかもう絶版?

やっぱ英国勢だよ。
298ixion:02/09/26 09:35
マダムBさん
>そこに必要とされた装置が、地下牢にラビリンス、錠前のついたぎぎーっと
>閉まる扉なんぞステレオタイプの建築幻想で、恐怖が加わったことにより、
>グロテスクなエレメントを美しいと思う意識が芽生えた

ただ、このラビリンス幻想とグロテスクは、俗な方向(特に悪い意味ではない
けれど)に行くことがあって、それが昭和の日本探偵小説群、例えば橘外男
『青白き裸女群像』であったり、久生十蘭『魔都』などにつながったりもする。
ただ、この2作は明らかにゴシックではないと思う。なぜか?

>さらに、スカボローという人がゴシック小説のエレメントとして「超現実主義」
>「アレゴリー」「ユーモア」を挙げているらしく、それらを備えた「暗黒の
>中世幻想」というものを元々のゴシック小説と定義すればいいかな?

前2作に欠けているものは、超越的な視線、といっても特に神や悪魔ではなく、
やはりある種の荘厳な制度であるとか構築物であるとか、それが人間を縛り、
暗い衝動へと突き進ませる(橘外男はちょっと近いかな)という構図であり、
またアレゴリカルではなく、あくまでも犯罪・猟奇小説的興味で主に書かれて
いることも、ゴシックではなくあくまでも最高の探偵・猟奇小説である理由かも
しれません。橘外男と久生十蘭はほんとに良いんだけど。

297さん
うん、アクロイドはゴシックを意識してるかも。でも『切り裂き魔ゴーレム』
(昨年邦訳出版)は、普通(じゃねーか、マルクスとか出てくるし)の犯罪小説
ッぽかったけど。
アメリカにももう1人いました。ジョイス・キャロル・オーツ。
299吾輩は名無しである:02/09/26 10:12
くまのパディントンは、子供の頃に家に絵本があったんでよく読んでたな。
300マダムB:02/09/26 11:11
先のixion氏の米国にわたってからのディフュージョン・ゴシック観の
展開とともに、日本の探偵小説に現れたゴシックというものを俯瞰
しようとするとき、「近代」に重きを置く、つまり産業革命を過大評価
する歴史観ってやはり現代人の陥った誤謬だよね…と思えてくる。
…網野善彦の史観まで登場させてしまう海外現代文学総合スレ。

社会科学は、近代以降の「全体」と「個」(もっと言うなら、その「全体」
というのは「組織」であり「制度」であるのだが)を対象としているけれど、
やはり文学というのは科学ではないから、対象を限定せずともよく、
その意味で何でもありのジャンル。
(だから、司法で柳美里を裁くのは、相撲の土俵で11人制のサッカーを
やろうというようなもの? 自分をモデルに小説なんか書かれちゃたまらん
という気持ちもあるが。それと、文学で弱者排除はいいけれど、政治で
それはいけない石原都政…とまで口が滑る)
個人の前に屹立する大きな価値体系、それに縛られて暗い衝動へ向かう
人間の生というixion氏の298の分析には、非常に触発されますね。
そこを書くのが文学、文学は社会を映す鏡だというコンサバな理解だが。
つまり、中世をフェイクとして描きながらも、英国ゴシック小説の旗手
たちが書いたものは、人間の魂のありようが一番試されるキワのところ
だった、理想的な設定だったのかなと思えてくる。
重ねて言うなら、極めて正統的な文学的態度だったのだという驚き。
「文学」としてゴシックを見逃すのはもったいないという高説に、
深く共感できますね。
はなから気が狂っている人の猟奇事件でスプラッター・ホラーを書くのと、
今まさに狂いゆく常人の猟奇殺人を書くのでは違うと、そんなところにも
線引きができそう。ゴシックとか狂気とかの流れに地域性を組み合わ
せると、いろいろな論文テーマが出てきそうでいいですね。

301吾輩は名無しである:02/09/27 01:36
ウイリアム・ギャディスの「カーペンターズ・ゴシック」
もゴシックだぁ!

な訳ねぇ?


ところで対比的に「バロック・ロマン」ってゆうような概念は無いの?
302吾輩は名無しである:02/09/27 01:40
>ウイリアム・ギャディスの「カーペンターズ・ゴシック」

http://www.isc.meiji.ac.jp/~nomad/koshikawa/kwork/gaddis.htm
303ixion:02/09/27 08:35
げ!!!!!!

ギャディスってもう死んでたんだ(ボソッ)
勝手に生きてると思い込んでた…。JR読み直そうかな。
304吾輩は名無しである:02/09/28 21:10
R・A・ラファティ『地球礁』が河出から発売。酔っ払いの文学ウマー
305マダムB:02/09/29 14:45
>>301
とっきどき「バロック小説」という惹起文句があるようですが、正直、
文学における「バロック」ってよくわかりません。
ゴシック・リバイバルと同じように、世紀末のカオス的状況のなかで
バロック・リバイバル的なものは建築の方にはあったみたい。文学で
いうと「マニエリスム」という言葉にかき消されていたのでは?
そもそもマニエリスムから取って代ったのがバロックなのですが。

つまり元々の美術の方の流れでは、マニエリスムの「自然を超越
した美」尊重の極度に技巧的な意匠の追求が、カトリック教会には
うとましく、「敬虔」に対抗するものとして見なされたわけですな。
それで、見る者に敬虔な気持ちを呼び起こすために豪華絢爛・壮麗な
聖堂や宮殿、天井装飾が作られていったという流れがある。
バッハ!とかね。
そのずばりバロックの時代には、音楽や絵画はあっても、小説という
のはなくて(それはゴシックも当然同じか)、一般的な出版というの
はまーだまだバルザックのちょい前まで待たなくてはならなかった。
吟遊詩人の活躍中でしょ?
バロック的に書くというの、よくわからない。

しかし、トゥルニエの一部小説がバロック的だと言われるのは、
彼がゲルマン神話や聖書、伝説なんぞを研究して題材をそこに
採ったからなのか。渋澤ドラゴンが評価し、恩田陸が『黒と茶の
幻想』で真似したというロレンス・ダレルの小説でバロック的と
言われたものがあるのはやはり、彼女が地中海世界になじみが
深かったからなのか。
マダムを名乗るからには、歪んだ真珠(バロック)ぐらいさらりと
解説したいものだけれど、私には手に余ります。
306吾輩は名無しである:02/10/02 22:26
文学におけるバロックを考える上で、
ジャン・ルーセの古典的著作はもはや無効かな?
307吾輩は名無しである:02/10/03 02:21
あげるよ。
308吾輩は名無しである:02/10/05 21:19
ここが本流スレだよage
309吾輩は名無しである:02/10/06 02:35
コニー・ウィリス『航路』発売age
310吾輩は名無しである:02/10/07 10:46
ぜ〜んぶ読んだけど、古めのものが多いね。
アンヌ・ガレタ『スフィンクス』なんかは良かった。
311吾輩は名無しである:02/10/07 22:26
>バロック的

あ、そーいや
ラテアメの巨匠カルペンティェールがあるじゃ無いの!
未読だけど「この世の王国」とか「光の世紀」とか。


そーいや、「ゴシック的」の頂点!かもしんない、
ドノソ「夜のみだらな鳥」もラテアメね!
312マダムB:02/10/08 10:42
>ジャン・ルーセ
教えていただいた本、『バロック期の文学』というの、
ずばりその時期のコルネイユの演劇とか、ヴィヨーの
詩など、むかーし世界史で習ったことがあるような人
たちの作品などに関する記述のようで、たじろいで
います。

>>311
バロックって、スペインの黄金期・大航海時代と重なり
(スペイン・バロックの至宝は「ラス・メニーナスって
いう小さな王女さまを女官が囲む絵)、ラテアメで建築や
美術は大きく花開いたらしいですね。もちろん、偉大なる
キリスト教の布教とともに…(あれ? これって最近どこ
かに書いた気がする)。
それらがラテアメ文学にどのように影響しているかと
いうこと、誰か論文にでもまとめてくれると面白そう
なんだけど。
カルペンティエール、面白そう!

ところで、最近日本で「バロック小説」というと、
何か大変なことになっているみたい。ゲームと絡んで
いるんですか。検索エンジンで調べて驚いたのだけれど。

313吾輩は名無しである:02/10/08 20:10
カルペンティエルらいすっき。まんま『バロック協奏曲』という作品もあるけど(w
サンリオ文庫ゆえ絶版。鼓直本人も改訳したがってるなり。ちくまでも水声社でも
現代企画室でもいいから復刊すれすれ。

バロックはサターン後期のゲーム。カルトファン多し。サタマガにノベライズが
連載された事もあり。PSにも移植されたよーな。
314吾輩は名無しである:02/10/08 20:20
誰がノーベル文学賞取るんだろう。今年はいなかったりして。
315吾輩は名無しである:02/10/09 09:55
>>314
たまには「該当者なし」というのも(・∀・)イイ!
316マダムB:02/10/09 10:01
>>313
PS2じゃなく、古い方で大丈夫なのかな?
ビックカメラでさがしてみよう。
バロックのなれの果てを目の当たりにしても仕方ないが。
317吾輩は名無しである:02/10/09 17:59
新潮クレストから出てるゼイディー・スミスの「ホワイト・ティース」
ってどうですか?帯に高橋源一郎の推薦文が出てるし内容も面白そう
なんだけど、なんせ上下2巻で4000円以上だもんなぁ・・・。
318吾輩は名無しである:02/10/09 23:28
>>317

http://www.asahi-net.or.jp/~wf3r-sg/nt2smithzadie.htm

だそうです。


この手の愛好家にとっては、上下4000円というのは
むしろリーズナブルと言って良いでしょう(笑 &(w
319マダムB:02/10/10 13:53
>>317
しばらく前に読みました。
4000円の価値が人によって違うし、おまけに私は借りて
読んだので「買ってよし」とは言い切れないけれど…。
面白かったです。こんなの大学在学中に書いちゃうなんて、
才能ある女性だなあと思いました。このテンション下げな
きゃブッカー賞を獲るんじゃないかなー、とも。

おやじの性欲をここまで書いちゃうかという驚き、それが
決してあざとくない点にも感心。
あと、人種の違う複数家族のメンバーの個性を楽しく書き
分けつつ、150年にもわたる時代をあっちへこっちへ往還
させて読者を混乱させずに引っ張っていく力。
ここまで話をいろいろ振りまくって、まとめられるわけが
ないと思っていたら、下巻3分の1の畳み方が見事でした。
ラストは、「調和」しながら迎えるカタストロフなのです。
でも、長丁場ですから、正直途中でダレはありました。
上巻の最後の方と、下巻の半ば過ぎまで(これは、読み手
の私のコンディションだったかもしれない)。

んなところです。
320吾輩は名無しである:02/10/10 17:17
>>318>>319
317です。レスどうもです。かなりよさげですね。今日買って帰る
ことにしました。楽しみです!
321吾輩は名無しである:02/10/10 23:57
>4000円の価値

ピンチョンの「V」なんて
おいらが学生頃(20年前?)から
上下6000円以上だったyo...


・・・図書館で借りて読んだ(w
322吾輩は名無しである:02/10/14 02:52
317じゃないけど『白歯』古書店にて半額で購入。状態も新品そのもので嬉しい。

ところで、『プラットフォーム』読み終えたけど、ウエルベックのスレは無いの?
『素粒子』も好き。
323吾輩は名無しである:02/10/15 01:46
話題にならんけど、現在ドイツで注目すべき作家っている?
324我輩は名無しである:02/10/15 02:05
若手だったらヘルマン・ヘッセなんかいいかもよ。
荒野のおおかみが出色。
325吾輩は名無しである:02/10/15 02:18
高い本は盗めばいいじゃn
326吾輩は名無しである:02/10/15 03:12
>>322
『素粒子』って面白いのか。前に浅田彰がその批評を
してたのは知ってたけど、まだ買ってないんだよな。
327マダムB:02/10/15 12:31
>>323
『朗読者』のシュリンクのゼルプシリーズ第2巻『ゼルプの欺瞞』
(ドイツ・ミステリー大賞)が翻訳されて出たので読みたい。
デビュー作『ゼルプの裁き』は、クリミナル・ノヴェル。ミステ
リーとしての評価は眼をむくほどのものじゃないかもしれないが、
例の如くナチにまつわる過去が絡んで骨太なミステリーの印象。

あと、シリアからの亡命作家ラフィク・シャミはミヒャエル・エン
デのようになりつつあるのかなという印象。シリアで迫害された
キリスト教徒だったという過去がある。
訳が出たばかりの長編ファンタジー『夜と朝のあいだの旅』は、
サーカス団の人びとを描いたものだが、乞われて中近東への
旅に出るという設定。なかなか後味のよい1冊。

どちらも、「文学」の主流ではないものだが、向こうでも
それなりの評価や売上のあった本みたいだよ。
328322:02/10/16 01:30
>326
俺は面白いと思いますけど、ネット批評は否定的な意見多いっすね。
知識なしでも簡単に読めるけど、人文系学んでないと分からないようで。。。

ちなみに、本当の主人公は兄の方です(w
329Prost ◆cheerzFXQc :02/10/16 01:33
賞とりまくってる『停電の夜に』っての、
いまいちピンと来なかったけど著者は美人ですなあ。
330吾輩は名無しである:02/10/16 02:41
>著者は美人ですなあ。

画像うpしる!

http://www.shinchosha.co.jp/crest/index.html
331マダムB:02/10/17 12:02
>>282
>>284
マグラアはようやく『グロテスク』1冊きり読みました。
古風な感じのこういう殺人事件の書き方、好きだな。
実にエレガントな作家という印象。
(顔が大好きなブライアン・フェリーに似ているので余計)
『スパイダー』も確保ずみ。おいおい読んでいきたい作家です。

英国で注目を浴び、現在映画化が進んでいるミッシェル・フェイ
バーという新人の『アンダー・ザ・スキン』が良かった。
ホラー、ダーク・ファンタジー、寓話、SF風。奇妙な話です。
男のヒッチハイカーを誘拐しまくる女性の話で始まる…と、
さわりだけ紹介。乾いていながら、楽しめる小説。

ただし、彼女の『祈りの階段』はがっくり大ハズレ。
ゴシックを期待したが、ゴシック的設定のハーレクインロマンス
だった。他スレにも書いたが、東雅夫が絶賛解説。彼に対する
信用をますます落としてしもおた。
332吾輩は名無しである:02/10/21 19:02
ハーリーポッターが文学で最強
333キャロルくん:02/10/21 19:22
o
まず、最近わたしが敬愛する・・・・先生の          
芥川竜之介関係のサイトをここに紹介します!           
ぜひ、見てくださいね!
http://www12.brinkster.com/uhikaru/akutagaw.htm    
そして、私のスレで、
不思議な国のアリスに関することを何でも書き書き。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1034769192/
 
待っているよん!
(・∀・)!!
334吾輩は名無しである:02/10/21 19:24
333はブラクラだからマダムB以外は踏んじゃだめ!
335ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/22 01:41
莫言『至福のとき』が発売されたんだから、『赤い高粱』とか復刊してくれよ…。
336Tango:02/10/22 18:45
>タイトルにずばりゴシックという言葉が入っていた短篇集

亀ですが>マダムBさん
ディネーセン、いま見たら、その「ずばり」が出版されたの1934年ですよ。
しかもアメリカで!(←ここんとこ強調)で、ついでに晶文社の「コレクション」が
1980〜81年刊。
日本での知名度は兎も角としても、世界的に見て名声隠れもない作家なのは
間違いないですし、今更「現代的」に検討するには古すぎる、、んでしょうか?
尤も、ご存知のようにエミール・マールがこのムーヴメントの総元締めなので、
それ以前の作家を適応除外すれば、ディネーセンはゴシックを以て自任した
最初期の作家ということになりますね。たしかに古典かも知れません。

晶文社といえば「W・モリス コレクション」が出てますね。
中世の方を向いてファンタジーの最初の作品を書いたモリスですが、装飾美術
としてのゴシック・リバイバルは大キライだったみたいです。
337吾輩は名無しである:02/10/23 15:58
>莫言

「酒国」が読みたい...
338吾輩は名無しである:02/10/23 16:09
http://www.hamq.jp/i.cfm?i=dehio
このサイト面白いよ
339吾輩は名無しである:02/10/23 17:00
>323 ドイツ作家
Wolfgang Hilbig 
長編は訳されていないので原語か英語で読んでね。カフカ+東独ってとこかしら。
340ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/23 21:36
>337
なんで?『酒国』は訳されてるじゃん。って、もしや絶版?

「わが酒国には千杯飲んでも酔いもせず悲憤慷慨する英雄豪傑がいるかと
思えば、かみさんのへそくりを失敬して酒屋に通う酒狂いもおり、さらには
犬ニワトリを盗み、喧嘩しては殴りあい、ペテンに詐欺のチンピラやくざも
おるのである」

俺は『豊乳肥臀』の方が好きだけど。あー『紅い高粱』読みたい。
341マダムB:02/10/24 10:07
>>Tangoさん
「へえ、ディーネセンってそういう人!?」という感じ。
丁寧に洗ってみたくなりますね。

ウィリアム・モリスは、英国国会議事堂を建てたピュージンの
中世建築の研究を追い、古建築保護協会で活動もしていたよう
ですが、彼の中世志向はもっと浪漫主義っぽいものだったのか
なあ…。読もうとしたことあるのですが、小説はまだ読んでい
ないのですよ。古色〜という雰囲気が漂っていたものだから…。

水村美苗『本格小説』の装丁がモリス模様でした。寒くなって
きたので、私もそろそろモリス柄のスカーフを使おうw。

>>ixionさん
リサイクルブック黄金虫というところのリストNo.30141
うまく貼れるかな?
  http://www4.ocn.ne.jp/~kogane64/kaigai.html
何か自分が先に買いたくなったのだけれど…。
誰にも邪魔されないことを祈っています。古書は嫌いかな?
映画もよかったもんね。
342吾輩は名無しである:02/10/24 18:35
【英ブッカー賞にカナダ人作家ヤン・マーテル氏】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021023-00000804-reu-ent
343ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/24 23:17
>マダムBさん
その『紅いコーリャン』ではなく、モー・イェン(莫言)の『紅い高粱』
(全二冊)です。莫言は現代中国作家の中でも、特に注目を集める存在で、
中国の魔術的リアリズム(死語^^;)を代表する作家(俺はそれ以外の点で
この作家は凄いと思うんだけど)です。
で、『紅い高粱』は、現代中国作品全集だか何だかで、2冊に分けて刊行され
たのですが、もう手に入りません。訳者が悪いとかその他いろいろこの全集
刊行にはあったらしいですし、また莫言自身もあまり好きな作品ではない
らしいのですが、どーしても読みたい。
英語で読むのもいやだしなぁ…。
344吾輩は名無しである:02/10/24 23:34
へぇ〜
あの「赤いコーリャン」とその「紅い高梁」って違うのんねん。

う〜ん
>『豊乳肥臀』
の方がお勧めですか?

>>342
そーいや、90年代のブッカー賞作品も全然知らないや...
翻訳のあるお勧め何かありますか?
345ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/24 23:43
『酒国』の方が読みやすいし、手法やプロット的には見所があるけどね。
俺は莫言の文にある、土臭くも艶かしい息苦しさ、っつーか、そういう
ものを評価してるから、自然『豊乳肥臀』の方を推したくなるだけ。

そういや、パット・バーカーの『再生』3部作は訳されないのかなぁ
<ブッカー賞
346Tango:02/10/25 00:37
>>341マダムBさん
試しに『理想の書物』を繙いてみると、編者序文にたちまち次のような文を見つけました。
「モリスの芸術活動の最大のディレンマは、歴史上の諸様式の隷属的模倣を激しく断罪
しておきながら、『霊感と希望』を求めて絶えず中世芸術に向かったという事である」
なるほど。。このちょっと少し先の方で出てくる「疑似中世主義」や「ゴシック病」などの言
葉も、上の「隷属的模倣」と同種の表現でしょうか。あ、こんな記述もあります。
「活版印刷におけるこの種のニセの中世主義は明らかにベックフォードやウォルポール
のような十八世紀のディレッタントたちのまがいもののゴシック──あるいは、さらに悪い
ことに、ヴィクトリア朝の安普請の建売業者たちがゴシックの名の下にしでかした恐ろしい
所業──に相当するものだったのであり・・」
一面的な物言いをお許しいただくなら、12世紀、聖ベルナールの「虚飾を排せ」という理念
から出発したのが、後に「ゴシック」と言われるようになった建築・装飾様式だったのだし、
思潮的様式ではトマス・アクィナスが出てスコラ哲学の制度化が進んだ時期だったわけで、
そうじゃなくても職人肌のモリスにこの浮薄な風潮が耐え難いものであったろうことは想像
に難くない、かな? と。
ちなみにディネーセンは病状が更に進行して「懐古趣味」と言った方が近い感じです。
まあ、ものを知らない私などは「ゴシックロマン」って言われるとついついケン・フォレットの
『大聖堂』やエコの「バラ」のようなものを想像してしまいがちなので、お城も中世も無い新
大陸に渡って完膚無きまでに捨象が進んだであろうゴシック──つまり、お城も中世も完
全に削ぎ落とされたゴシックの方がむしろ開き直ってて良いんじゃないかと思うです。思う
けど、思うだけでよく知らないのですが。
347ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/25 02:35
>12世紀、聖ベルナールの「虚飾を排せ」という理念から出発したのが、後に
>「ゴシック」と言われるようになった建築・装飾様式だったのだし

ただ、文学においては、建築のように視覚を特権化させられないので、
ポオが言うような「グロテスクとアラベスク」が混じりあってゴシック
文学が成立したとも言えるから、安易に建築との関連性を持ち出すのは
どうかと思う。モリスはそりゃあ、両方に鑑識眼があったからそういう風に
言える訳であって。

いやぁ、でもディネーセンは良いよね。特に"The Poet"の終わりの暗澹と
した美しさといったら!!
348マダムB:02/10/25 19:49
>>Tangoさん
『霊感と希望』を求めて絶えず中世芸術に向かったという事>

興味深い引用に多謝。何かこれ、今の日本の幻想物ブームも彷彿。
そのお陰で、いろんな本が出てきて私は有難いと思っていますが。

『大聖堂』は大河小説ののりで楽しく一気読みしたし、『薔薇』はやはり、
本にさんざんお世話になっている身としては印象に残る本(関係ないが、
アレキサンドリア図書館消失なぞも誰か小説にしてくれると面白そう)。
背中に中世を負ったヨーロッパのゴシックと、新大陸のゴシックの発展の
差も比較するものではないかもしれないが、いっしょくたに惹かれます。
混沌とした中世の雰囲気漂うものであれば、グロテスクでもエレガント
でも、とりあえず気にはなる。私の場合、泣いたり笑ったり恐れたり、
人びとの感情の発露が、中世は近世以降より豊かだったろうという憧れと
あいまって。――モリスにはうとまれそうな節操ない趣味です。

>>ixionさん
書いていて、何か変だなあと違和感がありました。「紅いコーリャンって、
メジャーだよなあ。本もときどき見かけるし…。でも、ixionさん、懐が広い
からなあ」…と。洞察力が浅すぎた。
しかし、よく考えてみれば、コン・リーの出た「紅いコーリャン」と
莫言じゃ、作風ちがいすぎw。もっとも、莫言は、出版社の惹起文句や
あらすじ紹介で、その魔術的な感じが面白そうだなあ…と思いつつ、まだまだ
手が回りませんが。
『豊乳肥臀』って、そりゃあタイトルだけでも十分に魔術的!


ところで、これもマッカーシー(にありましたよね? 原題は違うのかな)
とまぎらわしいバーカーの『越境』は、どんなものなんでしょう。
最近出た翻訳もので、気になりつつこの2chでの評価待ちの1冊ですが。
349マダムB:02/10/25 20:26
映画「紅いコーリャン」のデータをさがしていたら、やはり莫言も
脚本家のひとりに名を連ねていて、原作はやはり『紅い高梁』みたい
ですね。原作と離れた映画なので、本でよく見かける『紅いコーリャン』
は映画のノベライズという感じなのかも…。

「紅いコーリャン」撮ったチャン・イーモウの「初恋のきた道」に始まる
三部作「至福のとき」が公開されるようですが、これも原作は莫言。

『山の郵便配達』の鼓見明も、フランスで『バルザックと小さな中国の
お針子』を出したタイシージェも、確か映画に関係した仕事をしていた
作家だったような…。
彼らは若いときに、文化大革命で西欧の本を満足に読めなかった
世代ですね。
350吾輩は名無しである:02/10/26 00:33
レス・ザン・ゼロ epi文庫で登場。
351ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/26 03:17
え、バーカーはBorder Crossingの方が先に訳されたのか…。
先にきちんと『再生』3部作を訳して紹介するべきなのに。

Border Crossingは、何か思わせぶりな暗さ(まぁ、物語の都合上
仕方ないんだけど、自殺や殺人にかかわる過去とか)があまり好きじゃ
なかった。ざっと読んだんであまり良く覚えてないけど。
352吾輩は名無しである:02/10/26 23:55
イタリアの現役小説家で有名な人って誰でしょうか?
日本語訳出てるのでお願いします。
353吾輩は名無しである:02/10/27 00:18
ショコラ面白かった―。でも、神父さん、やっぱりかわいそうだぷー。
354吾輩は名無しである:02/10/27 01:13
>>352

ウンベルト・エーコ
355吾輩は名無しである:02/10/27 02:29
アントニオ・タブッキ
356352:02/10/27 23:38
>>354
おぉ「フーコーの振り子」の作者ですね。
彼はイタリア人でしたか。読んでみます。

>>355
「インド夜想曲」の作者ですね。これは読みました。
彼もイタリア人でしたか。

一般にはお気楽なラテン民族と思われがちなイタリア人が
どんな本を書いているか、どんな本を読んでいるか、
どんな生活をしているか興味があるので、
他の作家も教えてくださいm(_ _)m
357qfwfq:02/10/28 04:20
先程逝去されたが、イタロ・カルヴィーノは外せまい?
358吾輩は名無しである:02/10/28 12:06
新刊で面白そうなのありますか?本屋に入り浸ってますが
この1っヶ月程はいいモノに巡り合えません。
359マダムB:02/10/28 17:23
ブコウスキーが「神」と崇めるジョン・ファンテ作品の
本邦初訳シュッパーン。
1930年代のロスの人間模様を描いた作家の自伝的小説
だということです。版元はDHC。どうなんでしょう?

>>356
タブッキは、イタリアというよりも、ポルトガルの詩人ぺソアに
入れ込んでいたせいか、「サウダージ」という感じが私にはします。
静かに続いているタブッキスレにも書いてあるけれど、海の向こうに
船出するのを夢見る人の幻想みたいなところがイイですねえ。
エーコ、カルヴィーノ、タブッキって…、イタリアってやはり顔が
いっぱいありますねえ。ギンズブルグも、いた。

ちなみにイタリア有識者世論調査による必読書文献の第一はダンテ
『神曲』、二位が『いいなづけ』(マンゾーニ、19世紀文学)だと
いうことで、高校や大学文系に進む人なら、この2冊は買ってもって
いるのが当たり前だそうです(『いいなづけ』平川祐弘・解説より)。
360吾輩は名無しである:02/10/28 22:19
あ、ところでドイツに戻るが、
「香水」のジュースキントが居たじゃん。
「香水」については上の方のレスに少し出てるよん。


>>358
今日本屋さんでミズテリマガジンの風間賢二の書評
立ち読みしてみたら面白そうなの紹介していたよん。
こんなの↓
http://bunshun.topica.ne.jp/search/html/3/21/32/4163213201.html
361352:02/10/28 23:43
>>359
うーん、イタリア人作家意外とたくさんいますねぇ。
俺も初めイタリア文学というとダンテの「神曲」しか
思い浮かびませんでした。図書館で手にとってみたのですが、
文体が読みにくそうだったので断念した過去があります・・。
訳が古かったのかな?
362吾輩は名無しである:02/10/29 00:01
>361
結局イタリア文学は一冊も読んでいないってこったな
その程度だろ、厨房なら
363352:02/10/29 00:32
>>362
読んでいないから、これから読むのです。
それを厨房と呼ぶなら厨房なのでしょう。
364吾輩は名無しである:02/10/29 02:18
DHCは狂ったようにぶ厚いの出したね。おもしろそうだが、積読が凄くて手が出せない(w
365ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/29 08:44
確かに、あの分厚いの見かけたときはびっくりした>364

キニャールがゴングール賞取りましたね。
366お願い:02/10/29 10:12
アーサーランサムの「ツバメ号とアマゾン号」のシリーズは、みなさんご存知でしょうか。
イギリスの湖沼地帯を舞台に、少年少女がヨットやキャンプの冒険を繰り広げる物語です。
私は、この本で育ち、今はカヌーやキャンプが大好きな大人になりました。
この本の文庫本を復刊してもらうために、どうぞ皆様力をお貸しください。
よろしくお願いいたします。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=4309
367ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/29 10:27
入れときました。復刊されると良いね。
そういやフォークナー全集も復刊して欲しいのだが、無理か^^;


368吾輩は名無しである:02/10/29 15:25
うー。
アメリカの作家で「ウィンターテールズ」(だったかな?)書いた人の
名前教えてください。度忘れして出てこない・・・
369吾輩は名無しである:02/10/29 22:18
>>368

マーク・ヘルプリンだよん。
http://www2.ocn.ne.jp/~h2tea/fantasy/ft_review/ft_04.html#4150200939

>「ウィンターテールズ」
ってファンタジー版「ガープの世界」+「百年の孤独」
って本当?

他に
http://yonosk.tripod.co.jp/rv/juliani.htm
370吾輩は名無しである:02/10/29 22:21
>>364

スマセン、"DHC"って何?
371吾輩は名無しである:02/10/29 22:25
マーク・ストランド読んでる?
372364:02/10/30 02:35
>370
2ちゃんねるの敵・コンビニ化粧品で有名な、あのDHCです。
大学翻訳センターの頭文字で、デーェチィシィ。もともとは出版が本業なの。

つーわけで、ブコウスキー推薦の方を買ってきますた。
373マダムB:02/10/30 09:17
先日来話題になっているアイザック・デイネーセンも
『冬物語』Winter's Talesって出していますね。
ただし、邦訳版ではカーレン・ブリクセンという本名
(死別した夫の男爵の姓で死ぬまで通した、墓にも刻んだ)
の方で出ているようですが。これからの季節に、いい?

>>369
ヘルプリンのウィンターテールズ、「惹き」は面白そう。
しかし、『百年の孤独』っていろいろたとえに用いられますねえ。
莫言も中国のガルシア=マルケスだそうで…本人は、フォークナーに
影響受けたと発言しているそうですが。

>>366
『ツバメ号とアマゾン号』の出番の少ない母親は、私の理想とする
母親像です。1票!
374368:02/10/30 09:50
>>369
そう、マーク・ヘルプりンでした。
サンクスです。
それと「ウィンターテールズ」じゃなしに「ウィンターズテール」
でしたね。
本当に最近物忘れがひどい・・・
375ixion ◆ySh2j8IPDg :02/10/30 10:42
ずいぶん上でギャディスの話出てましたが、彼の最後の作品"Agape Agape"
(アガペー/アゲイプ)を読み始めました。いつものように妄想狂的に
喋り捲る文体という感じですが、また今回はテクノロジーと文学ってこと
で、冒頭からニュートンキルケゴールパスカルホイジンガプラトンフロイト
("my golden Sigi")などなどの名前を散りばめつつ、またかの葡岡孫
(ボーカンソン)の「鴨の自ら水を飲み声を発して游泳する機器」や、
バベッジのディファレンス・エンジン、それにプレイヤーピアノの話なども
出てきて、さっそくギャディス節が炸裂しております。
話自体はいかにテクノロジーが芸術を殺してきたか、を研究し続けて作品に
まとめようとしつつも、結局それを果たせないまま乱雑な資料の山に埋もれて
病気で死にかけている老人の独り語りです。

スレの本筋、「現代」アメリカ文学についての紹介でした、以上。
376吾輩は名無しである:02/11/01 00:25
話飛びますが、ちょっと前のトゥーサンの「セルフポートレイト」・・・
どうでもいい作品なのですが、作中にヨシコというトゥーサンの崇拝者が
登場して、結構辛辣に描かれてる。

あれって、ヨシコ=篠原一 ですよね。

文学板では有名な話?
377吾輩は名無しである:02/11/01 01:03
376 :吾輩は名無しである :02/11/01 00:25
話飛びますが、ちょっと前のトゥーサンの「セルフポートレイト」・・・
どうでもいい作品なのですが、作中にヨシコというトゥーサンの崇拝者が
登場して、結構辛辣に描かれてる。

あれって、ヨシコ=篠原一 ですよね。

文学板では有名な話?


■■海外現代文学総合スレッド(××派編)■■ にてハケーン!
378吾輩は名無しである:02/11/01 01:05
>>376
ほんとに?
辛辣って具体的にどんな感じで書かれてるんですか?
379吾輩は名無しである:02/11/01 21:16
>>375
ギャディスを原書で読めるなんてマジですか?
カーペンターズ・ゴシックは読みましたけど、邦訳これしかなかったんで。
英語だとツラそう・・・
380ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/02 00:26
Recognitionは辛い、つーか完全には読めなかった。ありゃ長すぎ^^;
Agape Agapeは読みやすい(と思う、「喋り」のリズムに慣れれば)。
テクノロジー批判の妄想炸裂、楽しいよ。プラトンとホイジンガからの引用が
多いけど、それ以外にもベンヤミンやニーチェ、その他もろもろの引用から
成り立っている作品です。
Carpenter's Gothicも、それほど辛い読書ではなかった。最近、評論集も
ペーパーバックになったのでおすすめ。
381吾輩は名無しである:02/11/02 02:18
亀レスですが。イタリアということならば、ブッツァーティが
います。『タタール人の砂漠』をはじめ、邦訳もそれなりに
あるはず。あと、パゾリーニも小説書いてますよね、確か。
パヴェーゼなんてのはもう古いのかな『月とかがり火』とか。
あ、でも「現役作家」じゃないか、全員。と言いながら、プリモ・
レーヴィなんてのも読んでもらいたいかも。
382吾輩は名無しである:02/11/02 21:41
>ギャディス

原書は無理なんで、「カーペンターズ・ゴシック」あたり
絶版になる前に買っておこうかしらん...
383吾輩は名無しである:02/11/03 02:30
ジョン・ファンテの"Ask the Dust"(塵に聴け)を読了。よかった。
ブコウスキーの序文を立ち読みしてみてくれ。無視なんてできなくなるから。
384吾輩は名無しである:02/11/03 08:22
>>382
ほとんど会話だけでなりたってるので、戯曲のようでもありますが、
ぜひぜひギャディスの世界をのぞいて見て。絶版は近い。
385吾輩は名無しである:02/11/05 23:57
>>384

「JR」ってのも会話だけでなりたってるらしいですねん...
386ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/06 04:09
うん、『JR』や『A Frolic Of His Own』も(ほとんど)そうだね<会話
『認識(The Recognitions)』も、会話の分量は多いし、『Agape Agape』
はひたすら独り語り。冒頭は適当に訳すとこんな感じ:

「いいやでもこれを全部説明しなければというのも私は、私たちは残された時間
がどれほどか分からないし私はとりかからねば、私のこの仕事を終わらせなけれ
ばならないまだ私に、なぜ私がこんな山のように積み重なった本ノートページ
切り抜きや何やらを持ち込んだかというと…」

原文は声に出しながら読むと面白いです。訳すと不自然になるなぁ。
387マダムB:02/11/06 18:02
セリーヌのスレでも、声に出して読む薦めが…w。
夜、子どもに『はれときどきぶた』なんぞを読み聞かせてから、
自分の読書に入る身としては、音読は疲弊してツライ!

「SF板へ」などと言うことなかれ。ブラッドべリFrom the
Dust Returnedの邦訳『塵はよみがえり』も出されたみたいで…。
ブラッドベリの邦訳タイトルって、どうしてこうも素敵なの
ばかりなんでしょう?
この巨匠、80代にのったはずなのに、アマゾンで見ると
来年春の出版予定もあるようで、たいしたものです。

しかし、読みたい本すべてに手が回らぬうち、今年も
はや先が見えてきて…鬱。

388吾輩は名無しである:02/11/07 02:14
『塵よりよみがえり』はおもしろかったよ。10月に刊行で思わず(・∀・)ニヤニャ

SF板のブラッドベリスレは、変なのが居着いたなぁ…
389マダムB:02/11/07 19:16
>>388
そう、『塵より〜』でした。『塵は〜』では、
ちっとも素敵なタイトルじゃないw。

ディネーセンをディーネセンとか書いてしまうし、
いやだいやだ。

>>383
お薦め通りブコウスキーの序文立ち読みしてみました。
起爆力あるいい文章! ブコウスキーの小説の方は、
正直ちょっとテイストが合わないのですが…。
たったあれだけで、アメリカの図書館の雰囲気が
十分に出ていて、読ませる。
鉱脈に当たる興奮を求めて棚のあいだを歩く感じ、
海を隔てていてもおんなじなんだなあと嬉しく
なりました。

2冊の「塵」。


390吾輩は名無しである:02/11/08 04:43
いつも不思議に思うんだが、原文で読む人結構いるんだね。
ixion氏は何ヵ国語使えるの?
391ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/08 07:55
完全に使えるのは、かろうじて日本語だけ。それも不自由だけど^^;
他に英語と、ほんの少しのスペイン語。

>383
ファンテの短編集読み始めた(The Big Hunter)。
ブクが何でこの作家好きか分かるような気がする。素直な言葉でウィットが
利いてて、さらにときおり鋭い。
しかし、結構作品書いてるのに、全然知らなかったなぁ…(恥)
392マダムB:02/11/08 10:01
ちょっとixion氏――

別の読書お楽しみのところに申し訳ないのですが、フォークナー
スレでヨクナパトーファの年表や人物表なぞをさがしている人が、
私ともう一人います。
The Yoknapatawpha Chronicle of Gavin Stevensという本に
行き当たり、書評ページ貼っておいたのですが、もし、ほかに
何か評判や該当書などご存じでしたら是非お教えください。
よろしくお願いします。
(あー、かな入力ばかりしていると、たまに欧文打つの
しんどいわー)

393吾輩は名無しである:02/11/09 02:38
>マダB
Isak Dinesenは、晶文社だとアイザック・ディネーセン、国書刊行会の場合は
イサク・ディーネセンと音訳されてる。
『不滅の物語』で初めて知った俺なんかは、後者のが馴染みあるな。
394吾輩は名無しである:02/11/09 22:52
悪童日記3部作を読了しました。
一作目以降どんどんわからなくなる。クラウスとリュカのそれぞれの同一性も
あやしくなるし、いろいろなことが嘘なのか本当なのか。
読後の感銘は強いのですが、説明しろと言われると、よくわからないとしか
言えません。このスレの人たちはどう読みましたか?
395携帯から名無しさん:02/11/10 00:25
亀レスですが、366さん、僕も湖水地方にホームステイしていたときに、
ファミリーから"SWALLOWS AND AMAZONS"を薦められ、
頑張って読了したことを思い出しました。
向こうの子供たちは皆、読んでるみたいですよね。
夢があって素敵だから、僕も復刊に一票。
396マダムB:02/11/10 14:38
イタリア文学>

アレッサンドロ・バリッコという作家もいましたね。
映画にもなった『海の上のピアニスト』――
あの映画、ラスト近くの語りがくどすぎ。あそこまで
喋らなくても、観る人の想像力を信じて託してくれれば
いいものを…と思わないでもない。

ことし始めに出た『シティ』は図書館で借りて、
そのときのテンションか合わず、未読のまま返してしまった
けれど、感動の純愛という評がいくつか出てた。

もう1冊の邦訳、幻想の国・日本が舞台となる『絹』が
面白そうですけど。
397吾輩は名無しである:02/11/12 01:04
>>394

おいらまだだ...
398吾輩は名無しである:02/11/12 01:45
帝京学園の冲永嘉計・元理事長を脱税容疑で逮捕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021106-00000211-yom-soci
帝京大学(東京都板橋区)を舞台にした多額の寄付金問題で、東京地検特捜部は6日、系列の学校法人「帝京学園」元理事長・冲永嘉計容疑者(58)(品川区)を、受験生の親から受け取った入学をめぐる口利き料を隠した所得税法違反(脱税)の疑いで逮捕した。
同容疑者は、同大の冲永壮一前総長(今年9月に辞任)の実弟。特捜部は今後、入学の口利きを巡る不透明な資金の流れの解明を進める。

【社会】脱税で帝京学園元会長を逮捕
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1036572579/

帝京の犯罪行為一覧
○単位を取れなかった腹いせに理工学部の学生が教員をリンチ
○いじめで校舎から飛び降り自殺
○暴走族、麻薬、食堂放火
○集団レイプ
○薬害エイズ
○守衛にスパイクシューズのまま跳び蹴り
○暴力団を雇って組合員を銃撃
〇脱税
〇宗教法人乗っ取り

帝京大学の過去の犯罪特集・1
http://choco.2ch.net/test/read.cgi/news/1015445145/
399吾輩は名無しである:02/11/15 02:35
『敵あるいはフォー』を読む前に『ロビンソン・クルーソー』を買って来た。
デフォーって、自身が小説の人物みたいな波瀾の生涯を終えてるんだ…( ゚д゚)コリャスゲエ
400マダムB:02/11/15 09:37
400ゲットー〜〜〜!

って、一度やってみたかったんだ、これ。
ネタもないのにスミマセン。
401吾輩は名無しである:02/11/15 13:29
映画にもなった「エンジェル・アト・マイ・テーブル」ジャネット・フレイム著
を読んでいます。
読んだ人いますか?
402吾輩は名無しである:02/11/15 15:56
アーヴィン・ウェルシュはもう語りつくされたのだろうか?
403吾輩は名無しである:02/11/17 02:42
至福のとき見に行くぞー。
おもしろかったら原作読むぞー。
404a n ◆angeCCcRM. :02/11/17 18:39
はじめて394でカキコしました。思い切って名乗ってみます。
フランス文学が得意です。よろしくお願いします。

>>377
「セルフポートレイト」私も読みました。確か「すぐに能面のような顔に戻る」
などと書いてあったような・・・篠原一だとは全然気づきませんでした。

>>402
中編の「スマートカント」を読了。トレスポの続編とは知らずに読みました。
やや前作より薄まった感はありますが、パセティックなラストは◎ですよ。

405a n ◆uHYO5VMdHE :02/11/17 20:41
トリップで遊ぶと、後が怖いのでこっちに変えておきます(w
406吾輩は名無しである:02/11/18 02:37
iichicoという雑誌がオクタビオ・パス特集だった。
いや、日本語で読んでもという気もするが…
407勘弁 ◆cheerzFXQc :02/11/18 09:23
>>400
何だよゲットー〜〜〜って(w
そういうところが嫌いじゃないよ。

>>366
遅レスだけど、入れといた。

ところでイザベル・アジェンデを読んだことある人はいますか!
ペルー生まれのチリ育ち。大統領の叔父が暗殺されてベネズエラに引っ越し。
そんで90年くらいに再婚してアメリカに引っ越し。
でも作品はそんな南米の重さを感じされない物語!
っていうか俺がそういう先入観持ってたから、読んでギャップに驚いただけかも。
『エバ・ルーナのお話』っていう短編集が全体構成も内容も良かったんだけど、
これ読む前に長編の『エバ・ルーナ』を読んでおいた方がいいらしい。大失敗。
公式サイト→ http://www.isabelallende.com/
408吾輩は名無しである:02/11/18 23:41
やっぱ「精霊たちの家」だんろ。
409吾輩は名無しである:02/11/19 02:25
エバルーナは絶版ぞな。
パウラは始め文学の冒険からの出版だったんだよね。なんで外れたんだろ?
410勘弁 ◆cheerzFXQc :02/11/19 19:14
そういう話なので、精霊たちの家を入手。エバルーナは読んじゃった。
読み始めてしまったので、またヘルダーリン全集が進まない!
411アーヴィンウェル種:02/11/20 23:46
↑ヘルダーリンか、ウハ!
え〜・・・
>>404  その作品は知らなかった、情報thanx
ところで、今秋、新作にしてもっとトレスポの続編といえる”Porno”、出たようです。
シックボーイやベグビー等,登場人物もかぶってるらしいです。まあ翻訳が出るのは少しあとでしょうけどね。
ひとまず今日はこれだけで失礼します。また今度。
412吾輩は名無しである:02/11/21 03:03
さて、、、パチェーコの『メドゥーサの血』を読むかな。
413吾輩は名無しである:02/11/21 04:30
>パチェーコの『メドゥーサの血』
こんな本出てたんだ。気になるー。感想聞かせて。
「遊園地」と「砂漠の戦い」おもしろかったなあ。
414吾輩は名無しである:02/11/21 20:05
>>411
ウェルシュスレってあったっけ?

因みにこの前「フィルス」を読み終えたが
日本の新本格みたいな作品でした。
415412:02/11/22 02:46
( ´Д⊂ヽパチェーコ、積本に紛れて行方が…
ブク1stとかジャンクとかリブロにはまだあったけど。
416吾輩は名無しである:02/11/23 02:19
ピニェーラは訳されないのか?
417アーヴィンウェル種:02/11/24 09:06
以下,ニューヨーカー7/15号より

Welsh had been invited to the Queen's Jubilee, at Buckingham Palace, but he didn't go.
For one thing, Ozzy Osbourne was performing. "Ozzy's a wanker," he said.
"He sums up what's crap about rock n roll." Still, Welsh was pleased to have got
an invitation. "It's nice she's thinkin oaf me," he said.

音楽については相当こだわりがありそうなウェルシュですね。私はトレスポでイギーを
知り,CDを買いあさったクチですが、あの作品はイギーポップの知名度を世界的に高め、
セールスに結びついたに違いないでしょう。

Filth、A Smart Cunt、 その他の作品では音楽はどんなものが出てきますか?
418マダムB:02/11/24 14:13
>>417
はなはだしい横レス。
某スレで思い出せなかったミュージシャンがオジー・オズボーンであったよ。
この人、魔術に入れ込んでいて、ステージで生きたニワトリの首をひねって
血を飲んだり、下半身ハダカのままパフォーマンスをして警察沙汰になった
などと、むかし雑誌でよく読んだが。

イギーポップは聞いていたこともあるけれど、トレスポは読んだことが
ない。ふ〜ん、小説でポピュラーになったんですか。
419a n ◆uHYO5VMdHE :02/11/24 15:15
>>417
手元にないので、詳しいレスができないのですが
トレスポはサントラがブレイクしましたよね。

映画の中で、主人公が禁ヤクを破って、修道院長という名の売人に
ヤクを売ってもらい、気持ちよくなって倒れこんだ床が、
幻覚で主人公を包むように沈みこんでいく・・・その時に流れていた曲は
ルーリードのパーフェクト・デイでした。

どん底のヤク中から抜け出せずに、結局どん底でぶっ倒れて、自閉的に世界が
縮小していく、そのシーンでIt's just a perfect day・・・と流れてきて、
なんだか涙が出そうになったのを覚えています。美しいシーン。

>>418
警察沙汰になったのは、ごく初期だけで、今はマネージャーである妻の尻に敷かれている
と聞いたことがあります(あら)あと初期のオジーのもとで、夭折したギタリストもいましたよね。

私は小説の方が読みどころが多いと思いますよ。主人公の兄との葛藤が、とても映画化できないくらい
生々しくて、グッと来るモノがあります。でも女性は引いてしまうかもしれない(w

日本から見ているとわかりにくいのですが、あの小説の隠れたポイントは「スコットランド人であること」
ではないかと。禁ヤクハイキングでサッカーのスコットランド代表は勝てないし、最悪だ!と自棄になって
叫ぶシーンもありましたよね。

最近ではあの無国籍的作家ベケットですら、アイルランド性からの読み込みが
行われているらしいですね。
420吾輩は名無しである:02/11/24 20:05
わりこみ

ナボコフ『透明な対象』キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!国書&若島!!
421420:02/11/24 20:36
また、次回配本『フリアとシナリオライター』byバルガス=リョサ!!
422吾輩は名無しである:02/11/24 21:07
おー、やっとでたか。つうか、テンション高いね、アナタ(w
423吾輩は名無しである:02/11/24 21:39
>>417
イギ―ポップは昔から大スター。トレスポが広めたわけでは決してない。
同じようにルー・リードも大御所中の大御所。音楽通とかでは全然ないかな。
イギリスのポップ文学、ニック・ホーンビィ、ウエルシュもキライじゃないけど、
はやりものっぽい。ドラッグの話なんて掃いて捨てるほどこれまでもあったし。
424吾輩は名無しである:02/11/24 21:56
フリアとシナリオライターまじで出んの?
425吾輩は名無しである:02/11/24 23:03
>424
俺もナボコフゲット。
んで、帯に次回配本『フリアとシナリオライター』とある。
何年待ったろうな、ホント。

『透明な対象』、訳者若島の後書きに苦悩と喜びが滲み出てる。
文字と余白がデカいが、まあこの際不問だ。読むぞ〜。
426吾輩は名無しである:02/11/25 00:05
>>『フリアとシナリオライター』byバルガス=リョサ!!

おお、遂に。
文学の冒険シリーズ開始当時(10年前?)から
ずぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と
近刊予告に出てましたもんねぇ...。

同傾向の「パンタレオン大尉と女たち」ってのは
随分前に翻訳出てたのになんでこの作品だけこんなに遅れたんでしょ?
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=2579
427ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/26 11:23
サザーン『レッド・ダート・マリファナ』も出るね<国書予告
サザーンって、日本では『キャンディ』と、脚本家としてぐらいしか
知られてないけど、とても面白い作家です。

しかも、
ゴンブロヴィチ『トランスアトランティック』!!!!
フラン・オブライエン『ハード・ライフ』!!!!!!!!

国書えらい。えらすぎる。
428吾輩は名無しである:02/11/26 13:20
ナボコフ出たのか〜。買わないと。
『ハード・ライフ』も出るとはすばらしい。国書にはこれからも期待大。

ゴンブロヴィチって読んだことないんですが、おもしろいのかな?
(シュルツとカップリングの本は買ったけど、シュルツしか読んでないや。)
429吾輩は名無しである:02/11/26 17:17
ゴンブロヴィチもいよいよですか。ずっと近刊だったもんなー。
シュルツのカップリングというと「コスモス」か「フェルディドゥルケ」かな。
河出から出てる「バカカイ」とゆうのが短編集で入りやすいですよ。
いきなり「コスモス」から入ると面食らうと思う。おもしろいけど。
430ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/26 21:46
『透明な対象』読了。
前に読んだ時はそれほど好きになれなかった。最後まで読んで「ああ、最初の
あれとか途中のこれとかは、そういうわけだったのか!」と思っただけで、
それほど作品自体の印象は強くなかったのだが、今回読み直してみると
過去・現在・(未来)の扱いはさすがナボーコフだな、と感服。和訳が硬質
なので、英語もこんなに硬質だったっけ、と思い、ちょっとこれから原書で
読み直してみます。

Easy, you know, does it, son.
431ixion ◆ySh2j8IPDg :02/11/27 22:58
今日、本屋に行ったら:
バラード『スーパーカンヌ』
フランゼン『コレクションズ』
アトウッド『昏き目の暗殺者』
などが出ていました。年末に一気に出たなあ…。

やっとフランゼンが訳されました。でも早い方か。
デリーロやパワーズとはまた違った切り口で現在を見つめる作品です。
途中たるいところもあるけれども、やっぱり去年の大きな収穫だったと思う。
でも訳がちょっとかたいかなぁ…。
432吾輩は名無しである:02/11/27 23:01
ixionさんジャガーのXKコンバ愛用の噂は本当ですか?
ぼくはボルヘスの「神の書跡」という短編に出てくるジャガーが好きです。
433吾輩は名無しである:02/11/27 23:41
一時国書マンセースレ化してたようだけど、実際素晴らしすぎだな>国書

>>427-428
シュルツとのカップリングだと、集英社世界の文学で、「フェルディドゥルケ」
でしょうな。1発目は「バカカイ」もいいけど、「ポルノグラフィア」も長編の
なかでは読みやすい類かな。
434吾輩は名無しである:02/11/28 02:50
レイナルド・アレナスのスレがなくなってる!!


ガーン・・・・・
435吾輩は名無しである:02/11/28 03:20
つーか、ラテンアメリカ総合スレが亡くなったのが痛い。
みんなガボしか読まんのか
436吾輩は名無しである:02/11/28 04:30
ラテアメスレで生き延びてるのボルヘスとマルケスだけかい。
これからリョサも出るってのに。
437吾輩は名無しである:02/11/28 09:33
バラード出たの?
まえに山形浩生のサイトで出ないようなこと書かれてたけど。
438吾輩は名無しである:02/11/28 09:34
>>35
翻訳が手に入りにくいからしかたないかも。集英社や新潮社が
復刻すればもっともりあがるだろうに・・・。
439吾輩は名無しである:02/11/28 21:57
>バラード『スーパーカンヌ』
おお、「コカイン・ナイト」につづくなんとか三部作の2冊目だすな。
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/200211.html#14

>フランゼン『コレクションズ』
う、これ知らないです。最近話題の作家さんだすか?

>アトウッド『昏き目の暗殺者』
へぇ〜 これでブッカー賞とったのねん。
(カナダはブッカー賞圏内なのねぇ...)
http://members.aol.com/shippopo/diary200201.htm

>>436
>>438
ラテアメものもここでやればいいじゃん...。
440吾輩は名無しである:02/11/29 22:54
ハイライズやヴァーミリオンサンズも復刊しる!
441吾輩は名無しである:02/11/30 01:52
テクノロジー三部作っていうか、「コンクリートの島」は
今のどさくさに紛れて復刊して欲しいなー。
442吾輩は名無しである:02/12/01 07:18
>>431
フランゼン「コレクションズ」おもしろそう!
本の大きさも一回り大きい
443ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/01 12:17
フランゼンはおすすめです。もしかすると、デリーロ・パワーズ・ウォレス・
ヴォルマンらの路線よりも、こういう書き方のほうが鋭いのかもしれない。

結局、「事象」としては大きな、衝撃的な、また何かを崩してしまうような
ものでも、それを作り出す、もしくは受け止める「個人」が拡大したものと
いうのは当然なわけで、アメリカが巨大な構造であり且つ脆弱な個人であると
認識して『コレクションズ』という作品は出来上がっていると思う。

決してアクロバティックではないけれども、とても誠実です。
ただし、これを読んだ時にふと『アメリカン・ビューティ』のような切り口
だな、と思ってしまう人もいるかもしれません^^;
444吾輩は名無しである:02/12/02 02:30
今、コレクションズ読んでる。一言だけ感想。いてえ(w

積本のクッツェー『恥辱』、一年くらい読むのよそう。
445吾輩は名無しである:02/12/02 03:15
ソープ・オペラとしておもろいです=「コレクシヨンズ」

例によってアメリカ人の自虐趣味っていう気がしないでもない。まだ
読了してないけどさ
446ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/02 10:03
でも、自虐的になる、っているのと、「アメリカ」に関して批評的距離を置く、
ってのはちょっと違うと思う。ソープオペラ的というのにはある程度同意。

ただ、最後の「修正」という章でのアルフレッドとイーニッドの関係の描き方は、
単なるソープオペラよりももっと辛らつだし、例えばウルフ『虚栄のかがり火』
のような「アメリカ社会」を相手にしたものというより、もっと人物を深く描き
出しながらも、同時にその人物間でのパワーバランスをめぐる争いが進行して
いることを読み取らせるようにしている『コレクションズ』の方が、実は簡単
そうで難しいんだと思う。
447吾輩は名無しである:02/12/02 23:11
なるほどね
448ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/03 10:54
『生まれなかった子供のためのカディッシュ』
ノーベル文学賞取ったイムレ・ケルテースの作品、いまようやく(英訳で)
読み始めました。"explaining ourselves to death"(自らを説明し尽くし
死の縁に追いやる)ことに吐き気を覚えつつでもそうせざるを得ない話者が、
言いよどみ言い直しながらも(自らの体験を?)語っていく、といった感じ
らしいです。まだ読み始めたばかりなので、読み終わったら感想でも書きます。

でも、この文体好きだなぁ、饒舌一人称って読んでて気持ちがいい。
449ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/03 19:10
ケルテースは良いです。「アウシュビッツは説明できない」なんて言葉が
いかに無責任か、そしてそれに抗して、言葉の手前でとどまることを繰り
返しながらも、ひたすら生きて書くとは何かを問い続ける作品です。

と、本題:

ジョージ・サウンダース『パストラリア』出ました。やっとか…。
これで、アメリカ現代文学の先鋭たちがほぼ出揃ったかな。
あ、まだケン・カルファスの正式な紹介がされてない。誰か早く訳そう!!

連続カキコスマソ
450吾輩は名無しである:02/12/03 22:51
>アメリカ現代文学の先鋭たちがほぼ出揃った

ジョゼフ・マッエルロイとかって人がまだ居たはずじゃ...
451吾輩は名無しである:02/12/03 22:54
Infinite Jest翻訳してくれや。
452ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/03 23:12
あ、マッケルロイはまだ訳してないのか…でも80年代後半から
書いてたからもう結構なキャリアがあるね。
あと、ドナルド・アントリムがまだか。うーん、でも日本って米文学
の紹介が進んでるよなぁ。

無理>>451 多分『JR』『認識』も無理。ヘンリー・ロスの
Mercy of a Rude Streamシリーズも、その他長い&読者少なそうな
ものは、多分すべて無理。出たら感激。
453Tango:02/12/03 23:23
ソレンティーノきぼん。
454ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/04 00:04
ああ、『マリガン・シチュー』か…結構未紹介の作家っているんだね。

他の各国の最新作家(翻訳)情報きぼん。
455enchifrene ◆QgjYzfiKQU :02/12/04 16:00
W.G.Sebaltの作品を読んだ方いますか?
456マダムB:02/12/04 17:54
『スーパー・カンヌ』は、bk1でノマド翻訳家・越川芳明氏が
いちはやく書評入れたね。本日の読者書評欄でオン・エア。
『コカイン・ナイト』より読み応えある理由なんぞをつらつら
書いている。キーワード検索窓からもタイトルでさがせる。
457吾輩は名無しである:02/12/04 21:45
458あぼーん:あぼーん
あぼーん
459あぼーん:あぼーん
あぼーん
460あぼーん:あぼーん
あぼーん
461あぼーん:あぼーん
あぼーん
462457:02/12/04 23:33
荒らし横行してるとは知らずについageちゃった
スマセンです・・・・・・・・・(´Д`;)
463ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/05 14:00
>>455さん

The Rings of Saturn、Austerlitz、Vertigoの3作なら読みました。
歴史と旅への興味、ときに沈鬱でもひたすらものを「見つめる」慎重な眼差し
がSebaldの特徴ですが、俺はVertigoが一番好きかな。
464enchifrene ◆QgjYzfiKQU :02/12/05 15:36
ixionさん、どうもありがとう。

Sebaltは、何となく気になる作家で、英訳(独語は読めないので)に手を
出そうか悩んでいるところです。
ポストモダンっぽい(?)感じなのでしょうか。

少し調べてみたところ、Sebaltの作品は、
 『めまい』
 『移民』(ソンタグが絶賛)
 『土星の輪』
 『アウステルリッツ』
の4つでしょうか。既にその内の3作品を読了されているとはさすが
ですね。
ちなみに、上記作品の内、『土星の輪』は第一章が『新潮』2001年1
月号に掲載されているようです(柴田元幸氏の訳)し、また、来年に
は白水社から『アウステルリッツ』の邦訳が出るらしい。
465マダムB:02/12/05 21:26
Jonathan Safron FoerのEverything is Illuminatedも邦訳版権
どこかが取ってくれたかなあ。
ある女性によってナチから逃れた祖父の話ということで、またユダヤ人
ものか…という感じだけれど、『毒味役The Food Taster』の著者が、
好きな作家ドストエフスキー、トルストイ、ヘンリー・ミラーを挙げつつ、「今までに読んだ本の中で一番いい」と言ったということで、気になった。
米国での大きな賞は逃しちゃったみたいだけれど。

Sebaldという作家は全然知らなかったけれど、ソンタグの『火山に恋して』
みたいな感じなら、読んでみたい。でも、このスレでこれだけ知恵を
つけられて情報通になってしまうとw、『めまい』『移民』から訳して
ほしかった気が…。ソンタグの2000年全米図書賞の歴史物も邦訳出ない
かなあ。ラディカルでなくなったソンタグも私は支持するよ。
466吾輩は名無しである:02/12/05 23:18
>ソンタグの『火山に恋して』

あ、それまだ積ん読状態なんですけど、
どんなもんでしょうか?
467enchifrene ◆QgjYzfiKQU :02/12/05 23:34
>>466
批評空間のサイトで浅田彰の書評が読めますよ。

468吾輩は名無しである:02/12/06 00:03
>>467

ども、早速行って来ました。
http://www.criticalspace.org/special/asada/i010515a.html

おお、べた褒めじゃん...
469マダムB:02/12/06 00:52
直リンだめらしいけれど、貼っちゃおう。
  http://www.chron.com/cs/CDA/story.hts/ae/books/ch1/1198252
Sebaldの『アウステルリッツ』があった。
その横の目次に目を転じると、なんと『ホワイト・ティース』のゼイディー・
スミス(ブッカー賞にノミネートされたみたいですね)の新作が…。
これ、調べたら英国で2003年5月発売予定だって。邦訳は来年中は無理かな?
470ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/06 01:22
Sebaldの「手法」(読んでない人に語っちゃうのは面白くないから、ぜひ読ん
でみてください。上のリンクではそういう手法を味わえません)は、2作ぐらい
読むと別に手法とも意識されなくなってくるから、彼の魅力は多分そういう
手法的な側面にはない。で、何かと言ったら、文章が気持ちいいんだな、たとえ
英訳でも分かる。目の良さ、っていうのがすぐ描写につながってくる感じ。
例えば『めまい』から以下の描写を:

Now, on that bright October day when Ernst and I, sitting beside
each other, savoured that wonderful view, a blue haze lay upon
the sea of foliage that reaches right up to the walls of the castle.
Currents of air were stirring the top of the trees, and stray leaves
were riding the breeze so high that little by little they vanished
from sight.

(試訳)
さて今、光あふれる10月のあの日に、エルンストと私は隣り合って座り、素晴ら
しい眺め、青いかすみが海のような群葉の上にかかって、その葉が城壁まで這い
登っているあの眺めを心から味わっている。風が流れて樹々の頂きを揺らし、
離れさまよう葉が風に乗って空高く運ばれると、少しずつ遠ざかり見えなく
なっていく。

そして読者は、この光景を心に浮かべると同時に、視野にはあの「手法」が
見えているわけです。俺がSebaldを推すのは、本当に「見る」ことを知っている
作家だと思うからです。是非読んでみて!!>enchifreneさん
471吾輩は名無しである:02/12/06 17:37
>>470
今『アウステルリッツ』英語版で読んでます。
あの「手法」っていうのはアレのことだよね…アレは全作品に共通しているの?
段落分けが全くないのも共通?

>>469
ゼイディー・スミスの新作は、ハードカバーならもう発売されてる。
高いからまだ買ってないけど面白そう。
472吾輩は名無しである:02/12/06 17:58
「コレクションズ」ジョナサン・フランゼン

装丁みたら買いたくなってしまった
高いから買えなかったけど(泣
473enchifrene ◆QgjYzfiKQU :02/12/06 22:28
>>470-471
ども。
とりあえず『めまい』をAmazonでオーダーしてみることにします。
アレというのも気になりますし(笑
474ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/07 00:53
>471
「アレ」(大江健三郎のようだ^^;)は共通です。段落分けに関しては
The Rings of SaturnとAusterlitzはそうだけど、Vertigoは段落分けてある。

それほどすごい手法じゃないから、あんま期待しないようにね>enchifreneさん
475吾輩は名無しである:02/12/07 02:57
ここ、何故sage進行に?(w

さて、コレクションズ読了。邦訳でも十分過ぎるほど楽しめたよ。
メガプロット好きとしては、旧作も訳して欲しい処。
476吾輩は名無しである:02/12/07 18:10
コレクションズ、面白いとは思うけど10年後に読み返したいと思うかなあ…。
良くも悪くも今読むのが旬!の作品のような気がするよ。
477475:02/12/08 02:53
>476
あー、俺は逆に読み返す必要は無いと思ってたけど、やっぱ十年後位に再読して
みたくなった。確実に、同世代以下への影響があった筈だからね。
それと、ピンチョンやパワーズ流の、サブカル/ハイテク的トピックスを叙述に
散り嵌める手法も、フランゼンに及んでは日常性への融解を格段に増した感じで
すげー感心した。自然なんだよね、すこぶる。
478吾輩は名無しである:02/12/08 17:52
フランゼン売れてる?
479ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/10 01:42
フランゼンのStrong Motion買った。
でも他に読まなきゃいけない本がたくさんあって、ちょっと積読かも。

>サブカル/ハイテク的トピックスを叙述に散り嵌める手法も、フランゼンに
>及んでは日常性への融解を格段に増した感じですげー感心した。
>自然なんだよね、すこぶる。

同意。パワーズとかより読みやすいし、変な気負いとか偏りもあまりない。
力を少し抜いた真面目さが良いんだと思う。
480吾輩は名無しである:02/12/10 05:24
フランゼンそんなに面白いの? 書店で見ても物凄い質量に引いてしまう……
481吾輩は名無しである:02/12/11 00:44
う〜ん、フランゼンも買わなきゃならんか...

(今年は積ん読三昧だな...(w
482マダムB:02/12/12 21:11
『ゲド戦記』シリーズ第5巻邦訳発刊が、
明けて3月20日に決定したようだ。

板違いだね。
でも、指5本に入る愛読書なんで…書かせて。
483吾輩は名無しである:02/12/13 02:04
>482
マダムの四巻の感想が知りたかったり。
484吾輩は名無しである:02/12/13 03:44
マーガレット・「侍女の物語」・アトウッドの新作はどうですか?

sage進行の必要あるの? あげるよ。
485吾輩は名無しである:02/12/13 03:46
>>480 フランゼン、半ばをこえるあたりから急激にスリリングになってくるよ。

486マダムB:02/12/13 19:46
>>483
読んだの1993年だぜよ。いいねえと思ったけれど、すでに忘却の彼方だね。
しかし、ぶっちゃけたところゲドも悪童3部作と同じで、1巻めの満足度が
高いゆえ、物理的制約ある人は1巻だけ読めばとりあずいいんでないのと
いう気がしないでもないw。あなたは第4巻に不満のくちかな?

4巻の帯に「待望の最終巻」とあり、訳者あとがきで清水真砂子さんが
「シリーズ最後の書がこの書でよかったと思います」とまで書いちゃってる。
鳴り物入りの第5巻ですね。まあ、せっかくだからこの機会に4巻まで
再読し、児童書板ででもレス入れてみたいな。春までに…。

しかし――、文学を専門に研究している方たちに素朴な疑問を発したい。
たとえば20世紀文学を語るとき(現代文学でなくスマソ)、ゲドや指輪は
やはり「論外」なのだろうか。
社会の階層すべての人の思索〜感性を表現しようとしたプルースト、ジョ
イス、ドストエフスキーなどに比べると、ハイファンタジーの試みは全く
異なる位相でしかないのだろうか。
My Heart Laid Bare「私の内なるをあばく」と言い、1冊の小さな本を
書くだけでいいとしたポーのように、憂き目に遭うのかなあ。

…まあ、いつかどこかで教えてください。

487吾輩は名無しである:02/12/14 08:27
>20世紀文学を語るとき

SFはともかくファンタシーは...
488吾輩は名無しである:02/12/14 13:33
文学の問題ではなくファンタジーのほうの問題かと。
489マダムB:02/12/14 22:11
Oprahさんの話っていうのは、過去スレで語られていたのでしょうか。
アメリカの黒柳徹子みたいなイメージで私は捉えていたのだけれど
(正しい認識かな?)。
アニタ・シュリーヴ『パイロットの妻』とか、半分読んだところで図書館に
「予約入っているからはよ返せ」と督促されたウォーリー・ラム
『この手のなかの真実』(例のDHCのカステラ箱本、結構面白い)とかが
取り上げられていて、間接的に私も恩恵を受けたわけですが。
ほかトニ・モリスン、アリス・ウォーカー(ん〜)などもお気に入り
だったみたい。

フランゼンって何か聞いたことあるなあと思っていたら、Oprah絡み
でしたね。
  http://members.aol.com/oharakay/booktalk16.html
このページ、日本語なのが、私のような者には嬉しい。
ヨーロッパ方面で、こういうサイトはないのでしょうか。

あと、Sebaldは、469に貼った「立ち読みサイト」じゃダメだというのは、
原書3冊を見に行って少しわかりました(あの手法、『本格小説』みたい
じゃない。装丁きれいで存在感ある本)が、ああいうの日本では晶文社で
やってるぐらいだと思う。便利なので、ほかに同種サイトあったら情報
お願いします。








490tar baby:02/12/15 11:47
からあげだと悪いので一応の書き込み

>ほかトニ・モリスン、アリス・ウォーカー(ん〜)などもお気に入り
>だったみたい。
T.マクミランは載ってましたか?>マダムB
491吾輩は名無しである:02/12/15 16:10
ごめん、メール欄読んでなかったよ。アゲはダメなのね(汗
492マダムB:02/12/15 17:31
>>490
tarさん、お久しぶり。
アマゾンでOprah's Book Clubで検索可能ですよね。
(ご自分で見てね…という感じで不親切な女だよw)。
年間リストが1冊にまとまって発刊されたりもしていた
ようですが、入手はできないみたいですね。
たぶん向こうのサイトで紹介本全部のリストもあるので
しょう、きっと。時間があるとき、さがしてみます。

今年はサッカー審判員の資格もとれたし、ジョギングも結構
走れるようになったので、やればできるかも…の上昇志向。
来年はいよいよ日に1ページでも英書購読を始めて、昔の
英語力を取り戻し、皆さんのような楽しきブックライフの末席を
汚そうかと思っています。しかし、現代文学はなかなか辛そうで、
まずは児童文学や古典かな?
初心者向きで、短くわかり易く味わい深いものがあったら
ぜひお教えください。

493吾輩は名無しである:02/12/15 19:54
>>492
>たぶん向こうのサイトで紹介本全部のリストもあるのでしょう、きっと。

ここ↓。
ttp://www.oprah.com/obc/pastbooks/obc_pastdate.jhtml

フランゼンとの騒動、青山南のコラム↓ではややニュアンスが違うんだけどね。
実際のところはどうだったんだろう。
ttp://subaru.shueisha.co.jp/html/lost/l23_4_txt.html
494吾輩は名無しである:02/12/15 21:31
↓おいらはここでいいや(上の方で既出だけど...)
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/index.html

↓なかなか幅広く取りあげてると思うけど...
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/ge.htm
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/mati.htm
http://www4.gateway.ne.jp/~takesumi/mat.htm

もっと良いところあったら教えて欲しいです。日本語限定で...(w
495475=483:02/12/15 23:14
『昏き目の暗殺者』読了。
フランゼンの後に読むと、ジェンダーについて嫌でも考察せざるを得ず、とても
いい読書ができた。巡り合わせに感謝。
男の俺から見ると、構成やら手法やらは丁寧ではあるが些程に訴えない。ミルハ
ウザーの作品の方がよっぽどおもしろいと思う。
が、女性からすると心揺さぶる玄妙な仕掛けなのやも。と、勘が告げる(w
逆に言うと、テキスト云々言わずも十分素晴らしい。男性に勧めたい一冊。

>486(マダム)
レスどうも。四巻は未読です。
オプラの件は『コレクションズ』の訳者後書きでも軽く書かれてますね。
496吾輩は名無しである:02/12/16 01:18
パストラリアはどうですか?
497吾輩は名無しである:02/12/16 02:54
厨房質問なんですが、アメリカで一番権威ある作品賞って何ですか?
どなたかごぞんじでしょうか?
498tar baby:02/12/16 11:47
>マダムBさん
レス、どうもでした。
今ちょうど児童文学でMiss Readを読もうと思ってたとこです。
(本名はDora Saintです)
訳本は図書館にあるんじゃないでしょうか。
原作も注釈つきで売ってるようですが・・・貴方と同じで
調べてないので定かではないです(w
499吾輩は名無しである:02/12/16 18:52
>>497
>アメリカで一番権威ある作品賞って何ですか?

やっぱり全米図書賞かピュリッツアー賞、で良いのかな。誰かフォローして。

↓99年までのリストならここで分かる(翻訳の有無も含めて)。
ttp://homepage1.nifty.com/awards/
公式サイトへのリンクもあるから詳細はそちらで。でも小説だけではないよ。
500マダムB:02/12/16 19:53
ttp://www.amazon.com/exec/obidos/tg/browse/-/542942/002-5024974-3111204

Bel CantoとAusterlitzが紀伊国屋で平積みしてある理由がわかったw。
英国のブッカーは除いて、権威が高い順に並べてあるのかな、やはり。
501マダムB:02/12/16 19:54
ふふっ。
500もゲットだぜい!
502吾輩は名無しである:02/12/16 20:57
マダム、メル欄が意味わからんでおじゃる。
503吾輩は名無しである:02/12/17 03:48
>>495
>『昏き目の暗殺者』読了。
>ジェンダーについて嫌でも考察せざるを得ず、

『侍女の物語』はモロにジェンダーがテーマという感じで抵抗があったけど、
『昏き目』はその辺もっと巧妙だよね。上手い。
504吾輩は名無しである:02/12/17 05:03
マーガレット・アトウッドの新作、値が張りますが「侍女の物語」がよかったので買いました。
もちろん、思った通りの当たり作で楽しく読んでます。
505吾輩は名無しである:02/12/17 22:11
>>>>497
>>>アメリカで一番権威ある作品賞って何ですか?

ロムロ・ガリェゴス賞。
「緑の家」「百年の孤独」「テラ・ノストラ」「メキシコのパリヌロ」「楽園の犬」...

これ文句なく最強。

あ、
あれは(ラテン)アメリカで無くてスペイン語圏が対象だったっけ?
506吾輩は名無しである:02/12/18 02:55
セルバンテス賞はスペイン語圏が対象だが。。。
507Sison:02/12/18 12:48
リチャード・ラッソの "Empire Falls" ってどうですか?
原書で読んでいるのですが、プロローグが読みにくいだけで
あとは割とさくさく読めます。

そういえば、フランゼンのエッセイが出ましたね。。。
508吾輩は名無しである:02/12/19 02:47
>>507
>フランゼンのエッセイ
アメリカ本国で、ですか?
509ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/19 08:10
結構前に出たやつかな?<エッセイ集 How to be aloneだよね、多分…。
一部分の立ち読みしかしてないけど、読みやすい文だった。論も至って普通。
Strong Motionは、まだ半分も読み進んでないけど、良いと思う。アメリカの
「現実」にぴったりくっつく感じで書く作家なんだなぁ、とよく分かる。
そういえば、違った側からアメリカを書いたJohn Henry Daysなんて作品と
並べて読むと面白いかも。

Empire Falls読もうと思ったんだが、Russoって『ノーバディズ・フール』の
原作者としてぐらいしか知らなくて、読んだことない(映画は結構好き、あの
監督もムラがあるけど嫌いじゃない)から、手にとってやめた。
感想とか聞かせてくれると嬉しいです>Sisonさん

ル・グインはTales From Earthsea(5巻ではなくて、短編集の方)を読んだ
が、実は序文が一番面白かった。
authors and wizards are not always to be trusted:
nobody can explain a dragon.
Harry Potterシリーズに欠けている内面と慎重さが、EarthseaやRingsには
ある、と思う。
510ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/19 08:41
あと、フランゼン事件に関しては

>フランゼンとの騒動、青山南のコラム↓ではややニュアンスが違うんだけどね。
>実際のところはどうだったんだろう。
>ttp://subaru.shueisha.co.jp/html/lost/l23_4_txt.html

ここで青山さんがまとめている通りだと思います。一応英文サイトだと
ttp://contemporarylit.about.com/library/weekly/aa102301a.htm
てな感じで書いてますが、オプラの推薦をフランゼンが保留した理由は、
1.テレビを持ってないから番組を見たことがない
2.オプラ印を本の表紙に印刷して欲しくない
3.オプラ印にひきつけられる読者層に疑問がある
であって、オプラ印は「双方とも相手に対し裏書きをして承認したことを
意味するのであって、独立した作家でありたい自分としては、共同企業経営
の証のようなロゴを載せて欲しくない。ウォルマートやコストコ「的な」場に
自分の本のセールスを引き込んで欲しくない」というのが、フランゼンの
意見でした。で、この「的な」あたりの論調にエリーティズムを嗅ぎ取った
周りの奴らがワイワイやったから、話が大きくなった。フランゼンをしっかり
読み込んでいれば、彼がメガ企業的なものや短絡的な商業戦略に対して批判的
なのは明白であり、それはエッセイでもはっきりしている。

要するに、実作を読んでもいない奴らが、単なるエリート嫌いのはけ口や、
もしくはその反動として、お祭り騒ぎをやっただけですね。
511ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/19 19:22
連続カキコスマソ。

クライヴ・バーカー『アバラット』翻訳刊行されました。単なるホラー作家扱い
じゃなくて、もっと読まれて欲しい作家だから、売れるといいな。

あと、マーク・ダニエレブスキ『紙葉の家』も刊行されましたが、これは
面白くないから、どちらかというと別の作家を紹介翻訳して欲しかった、と
いうのが素直な感想。こういう「実験」なら、別にあえて翻訳しなくても
いいと思うんだけどなぁ…。

以上です。
512吾輩は名無しである:02/12/19 22:24
マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』発売。4600円。
『架空地名大事典』もおもしろげだが7600円かー。
513Sison:02/12/20 00:31
>ixion さん

小さな田舎町+夫婦関係の問題+白人ブルーカラー。
そう、Empire Falls は『ノーバディズ・フール』とほとんど同じパターンなのです。
雰囲気的には、E・アニー・プルーの『シッピング・ニュース』(お、上岡さんの訳だ)と
似通っているところがあるような、ないような。『シッピング・ニュース』に出てくる
ひとびとのやりとりに心地よさを感じられるのなら、Empire Falls はおすすめです。

これ読んだあとは Aleksandar Hemon の "Nowhere Man" を読んでみたいです。
移民の作家なんだけれども、ボスニアの内戦がらみで母国へ戻れなくなったというひと。
http://www.salon.com/books/review/2002/10/10/hemon/
514吾輩は名無しである:02/12/20 20:03
>>512
紙葉の家、本屋で見た。豪華な装丁だったね・・・。
内容はどうなのかしらん。
515マダムB:02/12/22 01:15
Miss Read >>489
図書館での流行本ってのがあるようですが、この人のはまさに旬みたいで、
ずらり並んでいますね。少し前にはまった「メイベルおばあちゃん」
シリーズのようなイメージ。英国・米国のカントリー物は、何年かにいっぺん
まとめて読みたくなる。赤毛のアン同様、冬の炉辺で(ストーブにお尻
当てて)怠惰に読むにふさわしい、静かで満ちたりた生活の本。

内外の出版者たちの目は児童ものに向いているようで、2005年ディズニー
映画がハリポタ並みのヒットを狙う『アラバット』は、売れるでしょうか。
首都圏で派手なセールスプロモーションをしている様子で(車内吊り広告
まで)なんかなあ…と思うけれど、版元のソニーマガジンズ経由キャッチ本
というショップサイトにてマイブームの「立ち読み」をさせていただくと、
確かに買う色気は出る。しかし、あの絵はまるでスズキコージじゃん。

同じく、ハリポタに色気を感じたわけではないでしょうが、クッツェー、
マキューアン、イシグロ、オンダーチェなど熟年文学のイメージ強い
ブッカー賞まで児童文学みたいな作品が取ったのですね。
Yann Martel『Life of Pi』は、装丁が実に愛らしく、これまた米国
アマゾンで「立ち読み」させていただくと、私でも読めそうな気になるw
感じの少年成長物語のようで…。
ブッカーは、マキューアンのときに候補になったマグナス・ミルズの
『フェンス The Restrant of Beasts』みたいなとっぽいのを外してきた
くせに、ねえ。あの話、ルイス・サッカー『穴』という面白い児童文学に
どこか似ていて好きだ。新作邦訳希望。
ウェルベック(『プラットフォーム』しか読んでいないが)に、スタイルを
最後まで貫いて、ラストまで弾けきってくれよー、予定調和でちんまり
まとめることなく…と思ったようなダサさがミルズにはなかった。(つづく)
516マダムB:02/12/22 01:37
『紙葉の家』、まだ実物に触れていないのに恐縮ながら、作家に「あんた
吉田戦車の『伝染るんです』を知っとるかい?」と送ってあげたい老婆心が
出るような…。
何だかんだ言ってあらゆる国や民族の文学が楽しめるこの国にあって、半分
読んだところで「この本については是非書かねば」と寝床から這い出して
きたのが、『コレクションズ』『スーパー・カンヌ』の陰になるようにして
ひっそりクレストで出たアリステア・マクラウドの『灰色の輝ける贈り物』
である。

私は、これを自分の今年読んだ邦訳ものの一番だと思った。カナダの島の
漁師や坑夫を生業とする人びとの生活を描いた短編集『Island』の半分を
日本語版で出したものだが、これなら辞書を引き引き時間を費やして原書に
当たるに悔いなき本だと思える。
間違っても一行一行をおろそかにできない、読み飛ばせない文の連なりで
あるから…。
今そこにある暮らしに、家族に、友に、仕事に、敬意を持ちさえすれば
「人生は美しい」と思えるのだというメッセージがあると感じる。
そのことが決して堅苦しくなく、リラックスした慎重さ、着実さ、暖かさで
語られている。
近刊について、これだけいろいろ皆さんの情報がもらえるなかで、「買い物」
に内面の慎重さを持っているつもりの私としては、まずナボコフは「買い」と
して、アトウッド『昏き目〜』もよかろう。しかし、『コレクションズ』
ほかは借りるんでいいと思っていて、それに先立ちたまたま手にしたこの本
だったけれど、鉱脈に当たった気がした。        (まだつづけて)

517マダムB:02/12/22 02:15
年末になると「読みこぼしがないか」チェックする雑誌「ダ・カーポ」と
リテレール「ことし読む本いち押しガイド」のレポートでもしよか…と
思っていたけれど、さっき気づいた自分のなかの潜在的欲望について、
この場だからこそ「意識的に」「確信犯的に」書いてみたい衝動に駆られた。
海外小説をいくつか読んでいて、私は日本人作家の「逆輸入作品」を
読みたいのだ!…と気づいた。

この板には少なくない作家志望の人がいるようであるが、文芸誌の新人賞を
取って芥川賞でももらって有名になって、本も売れて印税生活安泰で好きな
ことできて――つまり、派手な輸入車のコンバーチブルに乗るとか、青山
あたりのマンションやホテルのワンフロア貸切で暮らすとか、銀座クラブの
常連になるとか、海外旅行にのんびり出かけるとか、いい女にもてたいだ
とか――志のなんと低かろか。
ブッカー賞にノミネートとか、ゆくゆくはノーベル賞に…ということでも
なく、可能な人には、ぜひ英語で「今の日本」あるいは「今に至る日本」の
現実にコミットした小説を発表するような挑戦をしてほしいと私は願う。
たとえば、先の世紀の日本を描ききるような大作を。あるいは、ポーの言う
「1冊の小さな本」でも構わないから。

何のために? 重ねてのひんしゅく、そしりを覚悟してアジるように書けば、
それは今の退屈な日本の文学界をブレークスルーするために…。
書いたものを向こうの出版社に売り込む方法はいくらでもあるはず。メールも
出せるし、前にサイトを貼り付けたが在米の日本人エージェントだっている。
英語で出せば、よりまともな、より熱心な、より深みのある読者や批評家に
受け容れられることが可能なのだ。ちなみに絵本の世界には、逆輸入例あり。

「ここ」に暮らしつつ、世界的な舞台に向けて作品を発信し、評価を得る。
そしてその結果、邦訳を本人の手によって出す――そんな日本人作家の
到来を、私は静かに(?)海外現代文学総合スレで待ちたい。我ながら、かなり
キティ入ったカキコだよと自覚持ちつつ…。
518吾輩は名無しである:02/12/22 05:43
>>515
>Yann Martel『Life of Pi』は、装丁が実に愛らしく、これまた米国
>アマゾンで「立ち読み」させていただくと、私でも読めそうな気になるw
>感じの少年成長物語のようで…。

残念ながらそんなに愛らしい話ではないです。案外屈折してる。
文章は非常に読みやすいので一読をお勧めします。
519ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/22 07:58
>513さん
紹介ありがとう!!なるほど、プルーと似てるっていうことは、やはり
ピューリッツァー「らしい」作品だということでしょうね。読んでみます。

『紙葉の家』は、話題になるんだろうけれども、何かジョン・バースの
Coming Soon!!!(たぶん邦訳はNever Comingだろうけど^^;)に出てくる、
いろいろなものをパフォーマンス的に取り込んだハイパーテクストを書く
若い作家Johns Hopkins Johnson(この名前がまた^^;)のようなワナビー
実験作家が、いかにも書きそうな作品なんだよな。プロットは面白いのに。

手法としては、フェダマンや、もう流行らないけど、例えばStuart Moulthrop
のハイパーテクストみたいなものを、紙面(leaves)でやって集めて(house)
みました、という感じ。確かに、ときおり良いなと思う文章もあるし、あえて
こういう構成にしてみたいという意欲は理解できる。でも、このプロットなら、
ここまで手法を顕在化させなくても充分読ませることはできたんじゃないかな。
「迷宮」を形にして作り出さなくても、もっと上手いやり方があると思う。

ま、巽がまた絶賛書評とか出して、それで注目されちゃうんだろうけど^^;
520吾輩は名無しである:02/12/22 08:47
>マダム
マグナス・ミルズ、DHCは意外と選定眼があるよね。
ケアリーの『オスカーとルシンダ』が絶版なのが解せないけど(ブッカーなのに)。

あと、ウエルベックは『素粒子』の方が本命。
ラストの一文、ごくありふれた言葉が恐ろしく意味を変えるのに脱帽しますた。
521吾輩は名無しである:02/12/22 09:33
長文が加速している。長大編が立て続けに刊行したことと関係が?(藁
522吾輩は名無しである:02/12/22 09:46
長大編とは大長編のことであろうか?
523吾輩は名無しである:02/12/22 19:12
ドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』購入。さてさて。
524吾輩は名無しである:02/12/22 23:21
ゴンクール賞のジャン・クリストフ=リュファン『ブラジルの赤』なんてのも出てますね。
ixion氏は、ウエルベックなどの現代フランス作家なんかは読まれませんか?
525Sison ◆R18LL32WQk :02/12/23 01:07
『素粒子』はあまりピンとこなかったなあ。カミーユ・ロランスの
『その腕のなかで』はけっこう面白かった。ロジェ・グルニエの
『編集室』、きのうアマゾンで注文してみました。楽しみ。

ところで、デリーロの訳者さんって、かなり院生に訳をまかせちゃってる
らしいです。知り合いの翻訳家曰く「まあ、みんなそんなもんだよ」って
ことだけれど、それでいいのか? という気がしないでもない。。。
526吾輩は名無しである:02/12/23 01:31
ウェルベックは敗残者の為の文学だからね……健全な人とは反りが合わないだろうな。
527吾輩は名無しである:02/12/23 01:34
バタイユの名を持つ現代作家はどうか?>仏文
528吾輩は名無しである:02/12/24 00:54
どーでもいいけど
ixion氏って
巽氏のこと滅茶苦茶嫌ってるのんねん...
529マダムB:02/12/24 01:05
>>527
クリストフ・バタイユって、そういえば辻邦生訳だからいつかそのうち
読もうと思っていて、忘れていました。幻想味があって面白そうでは
ありますよね。『安南』『時の主人』とタイトルにもそそられ…。

>>525
ロランス『その腕〜』は、前のレスでも書いたと思ったけど、
「相手に欲望を抱くのが恋」という一節には感心。形式は面白い
から読んだが、描かれている男たちが魅力的でなくて、その意味で
私にはつまらんかった。男は女を魅力的に、女は男を魅力的に描くべきと
いう固執があるのでw。
しかし、ラファイエット夫人の昔から、ボーヴォワール、デュラス…と、
オートフィクションで「性」を語るフランスの伝統――『カトリーヌ・M
の正直な告白』はアホらしくなり、途中で放り出したが…、何かもっと
他にないの?
ことしのクレストは、516とチャンネ・リー『最後の場所で』がよかった。

カミュに勧められて書き始めたというグルニエ。『夜の寓話』改め
『編集室』は、ほかの物もいずれ読んでもいいかな…と思わせる出来。
よくも悪くも玄人っぽくまとまっている気が…。
『黒いピエロ』『六月の長い一日』『フィッツジェラルドの午後三時』
など、いずれも「そそられタイトル」だが、どれを読めばいいのだろう。

>>520
『素粒子』は遠からず試したい。ケアリー新作は、六本木ABCや紀伊国屋
新宿南でバカ売れしているようだが、すっ飛ばし読みしながら読む気うせ、
途中で図書館に返却。やっぱ本命は『オスカーとルシンダ』かな?
そっちもさがしてみよ。
本を気に入るツボって人によりほんとに百様だね。
最近は当てになる書評が少ないので、「ここ」が頚動脈だw。
530520:02/12/24 02:59
>マダム
『望楼館追想録』はエドワード・ケアリー。私が言ったのはピーター・ケアリー
で、オーストラリアの作家です。フルネームで書くべきだった・・・
オーストラリア版『百年の孤独』と評された『イリワッカー』を読んでみたいな。
531吾輩は名無しである:02/12/24 03:03
>528
巽はアホぼんだからねぇ。。。
能力はあるらしいのに分析はお気楽極楽ミーハー一直線だし、
人生は趣味と割り切ってるとしか思えんし(w
532ixion ◆ySh2j8IPDg :02/12/24 11:00
>ixion氏は、ウエルベックなどの現代フランス作家なんかは読まれませんか?
読むけど、俺フランス語ほとんどできないからなぁ…。
クリストフ・バタイユは『アブサン』だけ読んだけど、あまりピンと来なかった。

>>520さん
ケアリーは復刊されるんじゃないかな。素晴らしい作品『ケリー・ギャングの
真実の歴史』も刊行されるし。あれはおすすめ!!
533マダムB:02/12/24 11:44
>>530
ごめん、ごめん、「ケアリー」しか頭に残滓がなくて。

今さら何だけれど、489も
  ×アリス・ウォーカー(ん〜)  ○アリス・ホフマン(ん〜)
であった。で、ホフマンはOprahのセレクト外だったような。
米国の郊外の住宅地の普通の人びと(白人の方)の生活を
書いていて、どんぴしゃり選定対象ではあったろうけれど。

いや、別に聞くところによる『紙葉の家』みたいに、わざと
誤植を入れているわけじゃあないけれど、天然ボケが脳を
覆いつつあるw。ま、転じて次の情報の捨石になっているから、
いいか。
 
534Sison ◆R18LL32WQk :02/12/24 15:16

アリステア・マクラウド『灰色の輝ける贈り物』、好評みたいですね。
これからクリスマスの食材を買ってくるんだけど、安く済んだら本屋さん
へ寄って買ってこようかな。

オプラ・ウィンフリーってどうなんですかね。フェミニストでアトウッドの研究
をしている友達(アメリカ人)は、オプラの推薦ってちょっと気恥ずかしいって。
まあでもフィルターとしてはすごくよくて、エドウィージ・ダンティカとか、
改めて読み直したクチです>私
535吾輩は名無しである:02/12/24 22:49
『イリワッカー』は白水社だから新書版型ので再刊の目もあるが、
上下分冊の大作だからどうだろ?図書館じゃだめか?
536吾輩は名無しである:02/12/25 02:34
イリワカはまだ売ってるね。古書店でもたまに見かける。
537マダムB:02/12/25 17:04
ことしの話題作カーシュの『壜の中の手記』やら、フォースター、ウルフ、
ドイル、『巨人ポール・バニヤン』なんぞの訳者である西崎憲さんが
日本ファンタジーノベル大賞をとったそうだ。――『世界の果ての庭』って
結構おもしろそう。久しぶりの大物の予感がするけれど。

あの賞、佐藤哲也&亜紀夫妻もいいけど、山之口洋さんという作家が
私は大好きで、ヴィヨンのこと書いた『われはフランソワ』とか、『夏への
扉』を思わせる『0番目の男』など、海外小説好きの人にも読みごたえある
と思うので、機会あったらぜひご一読を!



538マダムB:02/12/25 17:14
つけたし

山之口洋氏の大賞受賞作『オルガニスト』は、文庫版で
人称を変えた上に大幅リライトしたということなので、
読むなら文庫本の方がいいです。瀬名秀明氏のあとがきも
すごく丁寧な著者プロフィール紹介となっていて、読み
ごたえあり。

あげときます。
539吾輩は名無しである:02/12/25 17:26
>山之口洋
すでにホームページもあり、紹介記事も到るところにあるのに
今更何を付け加える必要があるの?

http://www.eva.hi-ho.ne.jp/nayamama/yoya/
540吾輩は名無しである:02/12/26 07:31
マダムは毎回一生懸命検索して自分の付け焼刃の知識を披瀝しようと書いているのだから、許してあげなさい
541マダムB:02/12/26 12:33
>>539
ご親切にありがとう。HPには何回か遊びにいって、ファンメール出して
ご本人から丁重にレスもいただいています。山之口さんは、海外小説
ほかの良き読み手であるし、数年前にハードカバーで出したばかりの
小説を、文庫化に当たり人称を変え再構成する気概が見事だと思う。

あなたのように、つい昨日出た本も含め古今東西の小説を読破している人
には、きっとあらゆる本が「今更何を付け加える必要」なのだろう。
しかし、多くの評論家・書評家が「当然あなた方は、この作家の前作も
読んでいるだろうが」という調子で語り始める大きな勘違いを踏襲する
ことはない。読者は常に新しく増える。好きな本の情報を、その人たちに
提供して読み継いでもらえるように願うことは、本に対する恩返しだと
私は思っている。
そういう地道なことを先人が怠ってきたから「復刊ドットコム」なんての
のお世話になったりしなきゃいけなくなった、ひとつには…。

人の知識というものには偏りがあり、常に流動するものだと思っている。
価値観やセンスというのはなかなか変えられるものではないが、知識や
情報なんてものは、付け焼刃で流れるままで結構じゃないか。逆に言えば、
知識や情報で絶えず洗いさらしながら、価値観やセンスを磨く必要があるの
かもしれない。(私にとっては)より善く生きるために…。

多くの本を読んでいても、人をくさすことぐらいしか能がない輩は
読む意味がない。文というのは、たかだか数行であっても、その人の
度量や品性が出るものだと、つくづく思った。自戒も込め…。

水面に上がると、ゴミや油が浮いていてとても息苦しいこともあり、
しばらくのあいだ楽に息のできるところで過ごすことにしよう。

皆さん、ことしはいろいろ良い情報とご指南をありがとう。
お世話になりました。
542吾輩は名無しである:02/12/26 13:43
なんかマダムBが書きこむ度にいちいち絡む奴が1〜2名いるみたいだね・・・
543ixion:02/12/26 21:19
バイアット『抱擁』文庫化age

ただし、訳者あとがきはダメ。でしゃばりすぎる訳者はいかん。
544吾輩は名無しである:02/12/27 02:38
来月は『ボルヘスとわたし』も文庫落ちだねえ。
545吾輩は名無しである:02/12/27 12:54
>>542
同意
546吾輩は名無しである:02/12/27 22:53
>>543

この手文庫化はなんか久々な感じ、上下巻だし取り敢えず評価致しましよう。
単行本時買い損ねた方はもちろん即買うよろし。
547吾輩は名無しである:02/12/27 22:57
>『望楼館追想録』はエドワード・ケアリー

色んな書評でやたら評判良いんですけど、
ここの識者の方々的にはどう?
548吾輩は名無しである:02/12/29 05:36
ミスの連鎖は続くよどこまでも。
『望楼館追想』だね。著者の経歴がおもしろそうだけど、まだ読んでない。
549ixion:02/12/29 21:22
さりげなく『ヴァギナ・モノローグ』が訳されてました。
これ、実際に舞台で見たいなぁ。
550吾輩は名無しである:02/12/30 10:47
さりげなくでもないような・・・読んでないけど。
551吾輩は名無しである:02/12/30 11:55
カーズワイルがとうとう出ますな。
552吾輩は名無しである:02/12/30 21:42
>>551
↓これか?
http://www.tsogen.co.jp/library/kinkan.html

確かにこれは(・∀・)イイ!!かも知んない
553吾輩は名無しである:02/12/31 08:38
カーズワイル楽しみだ。

J.G.バラード『スーパー・カンヌ』、訳が素人くさいなぁ。少し下手ってだけ
なのだが、『コカイン・ナイト』から続けて読むと、落差に萎えてしまうよ。
時間を置くか……
554553:03/01/01 11:41
あけおめ。スーパー・カンヌの訳、あまり気にならなくなった。ヨカタヨカタ
555吾輩は名無しである:03/01/02 11:24
「コレクションズ」読了。いやあ、面白かったでつ。
「スーパー・カンヌ」にとりかかります。

でも、なんでsage? ixionがsageだから? 良スレだからage進行でもいいような
気がするんだけど。。。
556吾輩は名無しである:03/01/02 19:45
>>555
>なんでsage?

おいらが
ここで
>>457-462
恥さらしちゃったからかなぁ...

ちなみに最終書き込み時間でデータ落ちは決まるようだからスレ位置は
別にどーでもいいみたいだよ。
557吾輩は名無しである:03/01/02 20:05
>ちなみに最終書き込み時間でデータ落ちは決まるようだからスレ位置は
>別にどーでもいいみたいだよ。
なるほどね。

sage進行なのは荒らしがうざいからかなあ。最近雑談スレばっかりなんで、初心者
の人たちががっかりしそうで。こういうスレがあがってると、イメージいいかなあと、
いう気がしなくもなくてさ。

「スパイダー」、いまいちだったなあ。ああいうのだったら「蜂工場」のほうが。
イアン・バンクス、何冊か読んだけど、やっぱ「蜂」ですね!

とりあえずsage進行に遠慮sage。
558吾輩は名無しである:03/01/03 04:21

積んだままになっていた、アトウッドの『侍女の物語』を読み始めました。
すげーおもしれえっす。みんな買え買え。
559吾輩は名無しである:03/01/03 05:24
>558
アトウッドは女性なら連読もできようが、男が読むにはこってりし過ぎなんだよね。
不味くはないから、年に一冊くらいで。

つーか、sage進行は嫌なのか?
560吾輩は名無しである:03/01/04 10:40
>559
読んだが女の私でもつらかったですよ
561吾輩は名無しである:03/01/04 11:00
マダムB帰ってきてよ。
562吾輩は名無しである:03/01/04 17:56
マダムBって♂だろ?
563559:03/01/04 23:16
>560
失敬。
アトウッド作品は枚数が多すぎるのも敬遠する一因(w
564吾輩は名無しである:03/01/04 23:54
>読んだが女の私でもつらかったですよ

アトウッドはごりごりのフェミニストだから、女の人でも拒絶反応を
示すひとがたくさんいそう。でも、北米の女の人には根強い人気だよね。
ローリー・ムーアなんかよりもだんぜん人気だし。

アトウッドって、原文を読んでみると韻の踏み方がすごくきれいだと思うナー。
けっこう分厚くてこってりしてるけれども、さくさく読めて楽しめる(と、個人的に思う)。
565559:03/01/05 02:46
>564
原文は見て無いが、『昏き目の暗殺者』を読んでて、韻を全く無視して訳してる
のではないかと何度も思った。
そこから推測すると、この訳者は語意を過度にフェミ色付けてるように感じられ、
それも辛かった。
また、ブッキッシュな構文も無視してるのが感じられた(気付いてないのかな?)

古雅な日本語を巧みに訳文に織り込む手際は、実に見事であるのだけれど……
566吾輩は名無しである:03/01/05 08:22
「昏き目の暗殺者」は面白かった? 面白そうなストーリーだなとは思ったけど。
567吾輩は名無しである:03/01/05 09:11
「望楼館追想」はカバーデザインがイマイチなので、
いくら評判良くても買う気がしない。
568560:03/01/05 13:11
>564
じゃ今度チャンスがあったら原書で読みます。ありがとうございまする
>565
なんか今斎藤英治を調べてみたけどアメリカ文学に精通してそうですね
原作みてないからわかんないけど、ちょっと楽しみです。
569559:03/01/05 15:34
>566
おもしろいです。ただ、ストーリーはそれほどでもない。
女性的な視点(少女期から晩年まで)を通じて世紀を回想するさまや、独善的で
辛辣だが痛快な物言いや、繊細な言葉使い等を楽しむ作品だった、俺にとっては。

原題“Blind Assassin”は、早川か創元文庫にいかにもありそうなキッチュさと
真逆の中身の対称が良いのに、耽美っぽく訳されてるのも残念なり。

フランゼン『コレクションズ』の、明晰な男性的公正さと比較して楽しみますた。
570吾輩は名無しである:03/01/05 20:00
>>569
サンクスです。両方読んでみます。
571吾輩は名無しである:03/01/06 16:55

フランス文学なのですが、エミール・ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店』
これ面白そうです。フランゼンの『コレクションズ』を買おうかと思って
いるのですが、ちょっと気持ちがぐらついています(笑い)

ttp://www.fujiwara-shoten.co.jp/zola/zola.htm
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4846004007/ref=sr_aps_b_/249-5022512-9675552

3,800円ってちょっと高いよなあ。。。
572吾輩は名無しである:03/01/06 22:35
ニコラス・コンデ『サンテリア』、読んだ人います?
面白いかどうかだけおながいします。
573マダムB:03/01/07 03:40
このスレは、こないだまでフォークナー・スレを従えながらずるずる下がって
いたところを私が切り離して打ち上げてみたけれど、今はバラードにぴたり
寄り添っている。何かおかしい。「主」が憑依させているのかな? ふふっ。

ゾラって新潮文庫の定番しか読んでいないけれど、リンク早速訪ねたら、
『ボヌ―ル〜』って今にして考えるとミルハウザー作品みたいな設定で面白
そう。ミルハウザーも読んだのでしょうか。

私も、ちょっとお知恵を拝借したくなり、読むだけをやめて書き込みを…。
『侍女の物語』新潮社版(epiで出たのね)のあとがきに、ディストピア
小説の系譜ということが書かれていましたよね。私は、フェミニズムとか
ポストモダンとかメタとかいった潮流に弱いというか、よく知ろうとしない
ので『侍女〜』も反ユートピアというタテの括り、中身の括りで読みました(詩人の長田弘は、コンセプションに基づく読書がこれから求められると
言っていて、我が意を得たりと思った)。「国家」「体制」「組織」に興味の
焦点がいって、そのためジェンダーとかセックスはあまり気にならない。
で、系譜としてハックスレー『素晴らしい新世界』、オーウェル『1984年』、
バージェス『時計じかけのオレンジ』などが挙げられていましたが、この手の
本で、他に面白そうなのはありますか。SFにはいっぱいありそうだけれど、
あまりこう…飛躍しすぎない程度で。

たとえば父性愛を描くことがメインのように感じられたが、恐怖政治を
バックにしているナボコフ『ベンドシニスター』なんてのがありました。
前に書いて反応がなかったけれど、イスマイール・カダレ『夢宮殿』
(このカダレという作家、アルバニアのギロカステル生まれ。「石の町が
死力を尽くして一夜にして山腹を這い上がったような、特異な景観を
有する町の4階建ての家に育ったのだが、冬と夏で暮らす階を違えて
いたという――小説を生きているような人)、ロイス・ローリー『ザ・ギバー
記憶を伝える者』(児童文学のニューベリー賞をとり、日本でも課題図書に
なった)なんてのが私には面白かったのですが。
おいおい思い出したら、よろしく!
574マダムB:03/01/07 03:52
あと、クリストフ・バタイユ。
「主」が言ってたみたいに、『アブサン』はピンとこなかったけれど、
デビュー作『安南』は一読の価値ありと思う。植民地時代を迎える前の
インドシナでの宣教師たちの話で設定や展開には既知感があるような印象
だけれど、「永遠」と「腐食」が詩的に描かれていてなかなか美しかった。
私がフランスに求めるイメージ(安直なものだけど)に、来た。
さすがに辻邦生ブランド。一文一文が3語か4語ぐらいで成り立っている
ので、散文好みの人が原書で読むと悦びが多いのでは?
『時の主人』というのも、この散文スタイルらしいです。
575吾輩は名無しである:03/01/07 08:58
『スーパー・カンヌ』読了。
前作『コカイン・ナイト』の読者を主人公と共謀の窃視者とすれば、今回は主人
公同様の傍観者。最後まで舞台に入り込めない。

>マダム
要望通り薄めのSF作品を(w
ウエルベック『素粒子』…主役兄弟がハックスレーを論じ合う。内容も踏襲。
ヴォネガット『プレイヤー・ピアノ』…説明不要?
P.K.ディック『高い城の男』…1945年の勝敗が逆転した世界。
トマス・ディッシュ『334』、『キャンプ・コンセントレーション』…名作だが絶版。
ノーマン・スピンラッド『鉄の夢』…ヒトラー著の救世物語。品切。
576吾輩は名無しである:03/01/07 19:15
デ・リーロの「ボディ・アーチスト」を読み終わった人いますか?
577吾輩は名無しである:03/01/07 23:17
>576
他の積本を五冊読み、その後に取り掛かる予定。
てーか、ドン・デリーロね。デ・ニーロちゃいまっせ(w
578吾輩は名無しである:03/01/07 23:37
>>マダム

おいらまだ未読(積読)だけど、バージェスの『1985』(サンリオ文庫(w
ってのがありまっせ。
579吾輩は名無しである:03/01/08 00:03
『ボディ・アーティスト』、まだ読んでいないんだけど、
アメリカで刊行されたときは、デリーロらしくねえなあって、
結構ぽしゃった感があったよなあ、と言ってみる。
580マダムB:03/01/08 00:26
>>575 >>578
早速に親切にありがとう。薄めのSFって並べてみると何かおしゃれー。
ディック、ヴォネガット、ブラッドベリなどを読む人たちの本棚って、
チャンドラーやル・カレなども置いてありそうなイメージが…。
あと、キングとかね。
訳の人気がない白水版『母なる夜』を出してきたら、ザミャーチン
『我等』も、あとがきから拾えた。『プレイヤー・ピアノ』も読んで
いないのだ、実は。

産業革命以来の管理社会を見つめて、その行き着く先を描くディストピア
小説は、やはりSFの定石のひとつなのですね。もう少し純文学寄りの、不条理
世界を描く寓話群と同じく。「夢」「記憶」「生殖行為」など、何を徹底した
管理の対象とするかに作家のアイデアがあるのだなと気づき、この括りは
なかなかいけると思った。お陰さまで…。

『塵よりよみがえり』もやっと読んだ。アダムスの絵より萩尾望都の絵が
浮かぶ。――では、おやすみなさい、SF者たち。




581吾輩は名無しである:03/01/08 04:16

新しいPowerBook が出たんだけれど、インタビューにスティーヴン・キングが
登場してない?

ttp://www.apple.com/powerbook/
582575:03/01/08 08:34
>マダム
あれ、『華氏451度』なんて基本を入れ忘れてた。
ブラッドベリは読まれるらしいし、まぁいいか……(;´Д`)

一見飛躍しすぎに思えるかもだけど、A&Bストルガツキー兄弟のSF小説は、
旧共産圏の圧制下に書かれた悪夢の結実。荒唐無稽に見える事柄も、一つ一つが
現実の対応物に当てはまる暗喩となる。
まったくおしゃれではないけどね。
583吾輩は名無しである:03/01/08 23:53
ストルガツキーはおしゃれと言えないこともないと思うが、何よりまず
リーダビリティがしっかりしてるよね。
ほとんど絶版かと思いきや案外在庫がある。
584ixion ◆ySh2j8IPDg :03/01/09 11:57
ジェンダー・フェミニズムを意識した作家ってのは、熟練してくると小説の構築
と物語の流れを見事に融合できるんだよね、例えば古くはウルフから、
マードック、アトウッド、バイアットなどなど。特にバイアットは最近文庫
になった『抱擁』が、(途中まどろっこしいんだけれども^^;)男女が相手を
「所有」しようとすることと、書簡に「取り憑いた」故人たちの秘すべき感情、
さらに研究者が作家や作品に「没頭する」ことなどを交錯(全て原題Possession
に込められている)させたすばらしい作品になっている。バイアットは、その他
の作品でも非常に理論的でありながら同時に物語の流れを疎外しないように書く
作家だ。

あと、ディストピア系の小説が話題になっているようだけど、上で挙がっている
SF作品以外で浮かぶものといったら、昨年出版されたソウンダース『パスト
ラリア』とか。まあ、それよりまずはシェイクスピアの『あらし』を読んで、
未開/文明や自然/言葉(呪術)などの対比を読んでみるのもいいのではないか
と思う、『素晴らしき新世界』の元ネタだしね。

>アメリカで刊行されたときは、デリーロらしくねえなあって、結構ぽしゃった
>感があったよなあ
いや、『ボディ・アーティスト』は名作!! 翻訳はどうだか知らんけど。
585吾輩は名無しである:03/01/09 18:52
ディストピア小説なら『最後の物たちの国で』もそうかな?
586マダムB:03/01/10 09:45
「ストルガツキー?」って誰あろう、『ストーカー』の作家かと感激した。
映画の満足で完結していたもので…。群像社って偉いね。読んでみよう。
実は、<ディストピア>でタルコフスキーをずっと考えていた。
社会主義ユートピアの<目的>と<手段>が転倒し究極の管理社会となり果てた
ソ連の僥倖は、ある種のクリエイターたちの生活が保証されていたことかな?
この人、スタニスワフ・レムみたいに有名なの?

カフカを彷彿させる『最後の物たちの国で』も、確かに仲間だね。
「何を今さら」ディストピアだけど、あと数枚化けの皮をはぐとブチ切れ
そうで怖いじゃない、あの半島の国。そこからの意識の流れであったかと、
さっき自覚した。

フェミニズムの象徴たるウルフは、ネカマの嫌疑をかけられている私として
はw、『オーランドー』を私的20世紀の十大小説に入れたい。

少し遊びを――
<時を5倍速で生きる人間>という設定も考えたが、うまく展開しなかった。
ガゼット(という程のものでもない)としては陳腐づくしなので、
SF者のお兄さんたち、リライトしてくだされば…。
少しタルコフスキー入れたつもり。





587マダムB:03/01/10 09:52
ixion[人名ほか]古くは、ヘラを犯したかどでゼウスの怒りを買い、タルタロ
  スの火焔車に縛りつけられたギリシア神話上の人物(ラピテス族の王)
  として知られたが、一般には、21世紀前後 異星より帰化して不死性を
  放棄し、人体に憑依した知性、ならびにそれにちなんだ「ゲーム4D」の
  総称として知られる。
  手にした書物(木くずを漉いてできた紙という素材に、文字を旧世代
  ジェル状インキでプリントして綴じたものが標準。2552年の緑青星統一
  文字デジタルビックバン以降、生産は停止)やディスクのカバーを
  指先で撫でるだけで、そのコンテンツを一瞬ののちに自身の知識として
  取り入れるという性質を有した。
  文化、芸術などあらゆる範囲の人的知的財産を愛好したが、なかんずく
  「小説」(別項参照)なる形態の物語に耽溺。
  極東亜P8エリア・冷泉家文庫、グランドゼロ北米P4エリア・議会図書館、
  南米P13エリア・バベル記念図書館、アフリカP21エリア・アレキサンドリア記念
  図書館(いずれも2552年までにハイパーライン上に移行)ほかの保存庫に
  不法侵入を続けるうち、傷害事件を起こし懲役に服す。投獄後3年めに
  精神に異常をきたし獄中で自死(焼死)を遂げるものの、直前に別の
  人体に憑依したとも伝えられている。
  また服役中に、暗号化された手書き文字で「小説」の習作をいくつか
  残したとも伝えられるが、その行方は杳として知れない。(つづく)
 
  
588マダムB:03/01/10 09:55
  また、死後、「2ちゃんねる」なるインターネット(ハイパーリンク
  の原始形態)上のメッセージ・ボードにて彼の書き込みに興味を抱いて
  いた篤志たちにより、生前蓄積された知識のディスク・コピーが発見。
  それを元に「図書館ラビリンスゲームixion」が開発され、カルト的
  ブームとなる。そのルールの理念型を踏襲したものが、現在の4Dゲーム
  の元になったと伝えられている。
  (関連項目:小説、2ちゃんねる、ゲーム4D、図書館ラビリンスゲーム)

 『宇宙誌・緑青星編vol.3』(コードBAD4474-881)付録・用語解説集より




      
589tar baby:03/01/10 15:28

>暗号化された手書き文字
ここに浪漫を感じますな。
590吾輩は名無しである:03/01/11 08:17
>ストルガツキー

SFの方ではロシアの作家として昔から有名です。
東欧圏のでは、レムより昔から紹介されたんじゃなかろうか?
なにかで大江はレムより高く評価してました。
591575:03/01/11 08:58
>ストルガツキー
アルカージイ兄貴は日本文学の研究者だったんで、特に親近感を持たれてました。
64年の『トロイカ物語』発禁以来、ペレストロイカの時代になるまで弾圧・監視
の対象となる。規制が緩和された80年代半ばから、作品の紹介が再開。

群像社はロシア・ソヴィエト文学系の出版社。
ヴィクトル・ペレーヴィンなど面白いかも。
592吾輩は名無しである:03/01/11 12:00
epi文庫のアンジェラ・カーター「ワイズ・チルドレン」どうですか?
「夜毎のサーカス」は好きなんですが。それからこの人の作品で他に
読んでおくべきなものがあれば教えて下さい。「魔法の玩具店」は
読んでみたいな。金井恵美子ってこの人の小説パクってるそうですが
なんという作品ですか?
593マダムB:03/01/11 12:49
きのう図書館に行ったら、呼ばれた気がしたので、見るとストルガツキー
『滅びの都』の背文字が光を放っていた。読み始めました。
ユダヤ系なのですね、この兄弟。

近年、翻訳が出たミステリのボリス・アクーニンも日本文学研究者でしたね。100年経ったけれど、ロシア国内には日露戦争に対する思いってないので
しょうか。
関係ないが、ビートたけしがその戦争から日本の20世紀を語り起こしている
本があって面白い。

このスレの人たちは、酸いも甘いもかみ分けた大人でお付き合いしやすい。
しかし、588にせっかく暗号も隠しておいたのでw、メル欄に書いときます。
594吾輩は名無しである:03/01/11 17:23
ixion が >>587-8 を有機的に取り込みつつ
マダムBの項目を執筆するという展開が待たれる

・・・と言ってみるテスト
595吾輩は名無しである:03/01/11 17:41
亀レスだが、>>517は宛先がついてそうなレスだな。
596マダムB:03/01/11 19:51
ロシア文学スレッドで教えてもらったこのサイト
ttp://src-h.slav.hokudai.ac.jp/literature/literature-list.html

ロシア・ブッカー賞など新しいロシア文学に関する事情がいろいろ
わかって便利です。世の中にはディープな人が存外いますねw。
597吾輩は名無しである:03/01/11 19:54
そこは北大の
598吾輩は名無しである:03/01/13 01:45
『ボディ・アーティスト』読んだ。
訳文は悪くないけれど、日常語を使って書かれたという感覚が薄く、原書で読み
たいもんだと思った。
599吾輩は名無しである:03/01/14 23:35
カ…カーズワイル高え……ついでに、置いてねえ………
600吾輩は名無しである:03/01/15 00:12
>>599

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488016359/ref=sr_aps_b_/249-1554862-0242701

3800円か。
ま、この手の本はこんなもんでしょう。
以前、同出版社で出た「ジョン・ランプリエールの辞書」なんて
5000円だったんで評判良かったけど買わなかったよ...
601吾輩は名無しである:03/01/15 02:25
ランプリエールは古本屋で良く見かけるなあ。それだって高いけど。
602ixion ◆ySh2j8IPDg :03/01/15 11:27
カーズワイルのA Case of Curiosityって、バイアットのPossessionと比べてる
書評が巻頭に載ってるんだけど、そんなに似てない。
かと言って、ファウルズ『フランス軍中尉の女』とかエーコ『薔薇の名前』
と言われてもピンと来ないし、なんだろうなぁ。

人面瘡…。
603吾輩は名無しである:03/01/16 01:18
流石にここいらでageときまっせ...
604吾輩は名無しである:03/01/16 01:29
「昏き目の暗殺者」を読んだのだが、
あまりのつまらなさに眩暈がした。
ストーリーテリングって、全然引きがないよー。
盲目の暗殺者と唖の少女のロマンスに期待したのに、設定だけが提示されて終わりだし。
どこに萌えどころを見つけたらいいのかわからない展開だった。
605吾輩は名無しである:03/01/16 02:25
萌えは個人的嗜好だからな。そんなこと言われてもなあ。
まあ、帯が嘘ついてるのはホントだがw
606白石昇 ◆yAVJKqLKn2 :03/01/16 06:52
>>584ixion様
 お久しぶりです。ごぶさたです。

> ジェンダー・フェミニズムを意識した作家ってのは、熟練してくると小説の構築
> と物語の流れを見事に融合できるんだよね、例えば古くはウルフから、
 あ、なんかそれよくわかる感覚的に。ウルフもマードックも読んでないけど。
 語りの側からフェミニズムを考える、ってことは伝統的な語りを再検討して新
しく構築し直すことだと思うんです。だから結果的になんにつけても構築床上手
になっちゃう人がいるんだろうなと思うんですが。

 まあアトウッドさんやバイアットさんも読んでないから、あくまで感覚的に。
607tar baby:03/01/16 10:34
ジェンダーとかフェミニズムを意識した作家で面白いと思うのは
感覚的な話でいいなら個人的にはJill Nelson。苦労人で結構
日本人的なものがあると思う。Toni Morrisonはもう少し先を
進んでる気がするし。ブラックフェミニズムはまた方向性が違う
ともいうけどね

バイアットはウルフっぽいね。と書きつつPossession(a romance)って
長くてのぉ・・・まだ読み終わらない。
608マダムB:03/01/16 10:40
横レスすると多くのフェミニストたちと同一視されそうで引けるけれど――

フェミニズムをテーマにしていても、構造や流れの完成度が高い「読ませる」
小説を書ける作家もいる…という話であり、語りの側からフェミニズムを
考えても皆がみな構築床上手(これは面白い表現。さりげなく女性への
視線を提示しているしw))ではないんじゃないですか、白石さん?

例の<ゲド>のル・グィンもSF諸作品でフェミニズムについて取り沙汰される
作家だけれど、彼女の場合、それのみならず人種・異文化問題やグローバ
リズムも取り込んで物語を構築できる能力高い一人だと思う(日本で言うと、
高村薫がそういう域に達した人だという気が)。

だから、魔法を使えないゲドを書き、ほかのアースシーのメンバーたちに
話を移していったとき、「これは、向日性を基盤にした児童文学を越えて、
それこそ『百年の孤独』(世界にいくつの『百年〜』)のような年代記
へと踏み出したのだな」と思えた。その化け方は、読み手である私の
遅すぎた認識でしかなかったかもしれないが…。その意味で、完結した
はずのシリーズに続刊が出たのは、大きい。

グィン『言の葉の樹』では「焚書」「語り」などが扱われる。解説・小谷
真理にヘコまないでもないが、そこに中国の文革以前ほんの100年前、ある
地方の女性だけに流通していたという文字のことが書いてあり惹きつけら
れた。アボリジニの言語しかり。もう誰も読めないその文字に何が書いて
あったのか…本に残されない失われていく物語について、たまに思いを
馳せるのが好きだ(そういう断片に萌える者もいるっつうことで)。

609tar baby:03/01/18 10:11
>本に残されない失われていく物語
現在進行形なのが寂しいですね。

Walter Dean Myersの新刊が出たらしい。今年はツンドク消化を目標に
してるのでいつ読めるのか・・・きっとまた買っちゃってツンドクされる
んだろうなぁw
610白石昇 ◆yAVJKqLKn2 :03/01/18 22:07
>>608マダムB様
 白石昇です。はじめまして。レス遅くなってごめんなさい。

> 横レスすると多くのフェミニストたちと同一視されそうで引けるけれど――
 横レス大歓迎です。有り難うございます。

> フェミニズムをテーマにしていても、構造や流れの完成度が高い「読ませる」
> 小説を書ける作家もいる…という話であり、語りの側からフェミニズムを
> 考えても皆がみな構築床上手(これは面白い表現。さりげなく女性への
> 視線を提示しているしw))ではないんじゃないですか、白石さん?
 語りの側から性差を意識して、意図的に自らの性差を再構築する事は、結局作
品を再構築する際にもそのスキルが生きることが多い、というか生かさざるを得
ない、ということをいいたかったのです僕は。言葉足らずでごめんなさい。

> (日本で言うと、
> 高村薫がそういう域に達した人だという気が)。
 そうですね。彼女は性差的に自分を現実とは異なる地点に置くことによって、
独自の価値ある物語構造を作りあげた人だと思うのです。中上健次がそうだった
ように。

 以上、あくまでも個人的な見解でした。
611吾輩は名無しである:03/01/19 00:19
高村薫の作品は好きだが、フェミよりは801色の方が強い気がしてならないんだがw
612白石昇 ◆yAVJKqLKn2 :03/01/19 06:59
>>611
 そういえば、なんとなくアニキ色強いですね。
613吾輩は名無しである:03/01/19 11:54
>611
私もそう思う・・・
614マダムB:03/01/19 23:27
ためこんだ日経新聞をパラパラやっていたら、12日付の書評欄に
『コレクションズ』出ていました。By 巽孝之。
最初の書き出し3行が、いい。

「アメリカという国家を知るには、アメリカの作家が綴った家族小説を
読むのがいちばんいい。そもそもアメリカ小説は、独立革命以来、紛糾する
家族関係を描きつつ、独自の国民的主体を確立しようともくろんできたのだ」

最近読んだあらゆる文章の書き出しの中で、一二を争う「××さ」の極みで
あり、書評の極北ぶりに寒気が走った。以下、ネタバレ気味のプロット紹介
に加え、題名の意味も説明しているが、本の紹介以前に、「日経新聞なん
だよ」と言いたい。
「復調の兆し見えず将来が不安」という貴乃花のコンディションと
シンクロする日本経済(米国相手に第二の敗戦を経た)を肌に感じ、
ベアなし賞与引き下げのなか戦うビジネスマンたちが、この内容紹介で
3800円のお小遣いを出しますか。下級藩士や商人の傷みをしっとり書いた
乙川優三郎の著作3冊に走っちゃうよ、これでは…。

現実逃避のために、私は、この星を貫くS極とN極の地軸に思いを移し、
マイナスがマイナスの評価をくだすと、それはすなわちプラスと転じる
のかも…と呪文を唱えた。


615マダムB:03/01/19 23:36
巽評の右横には、野崎六助ミステリ3冊紹介。
うち1冊は『スーパー・カンヌ』で――、

「〜幻惑的なリアリズムで一貫する。バラードの描く地獄図は皮肉で容赦
ない。前作に続く、混沌たる迷路は、近未来図というよりほとんど先進国の
一部の現状レポートのようだ。この迷路は陽光きらびやかで享楽にみちて
いる。世界の富が集まるリゾート地で起こる大量殺人は、犯罪とは何か、
という問いをつきつける。テーマの重さも前作を引き継ぎつつ、ミステリー
としての構成は、いっそうの洗練をみせた」
ちなみに並べて取り上げられているのは、ジェフリー・ディーバー『青い
虚空』ってのとマイクル・コナリー『シティ・オブ・ボーンズ』でした。
616吾輩は名無しである:03/01/21 00:54
>>614

ひねりすぎで意味踏み絵ですが、国書刊行会じゃないけど
この手の本の市場は数千部。大新聞の書評に載らなくても
買う人は買うだろ?


>>615

この手の分野に限らず、
エンタメモノのレヴューの方が的を得てるのは
別に今に始まった事じゃなかろうて?
617吾輩は名無しである:03/01/21 02:54
>>616
マダムの文章も読みにくかったが、それは別としても、アンタの反論も的外れだ。
書評の効能は、部数の限られたジャンルにこそ強力に作用する。
また、文芸批評の質を取り沙汰するのに時節は意味をなすまい。悪いものは叩け。
618吾輩は名無しである:03/01/21 04:22
マダムの文は、たまにいらいらするほど読みづらいことがあるね。
長文でもixionのは整理されてる感じだ。
619吾輩は名無しである:03/01/21 10:43
>マダムの文章も読みにくかったが
>たまにいらいらするほど読みづらいことがあるね

最近わかったんだけどマダムは英文の書き方をしてる。
意識してないかもしれないけど
620マダムB:03/01/21 14:43
「!」「!」「!」
また、まずい流れを作ってしまった。
蟄居謹慎しながら、出久根さんに習って漱石の手紙でも音読する。
簡潔で、読んだ人の気分を朗らかにする文章の勉強だ。

この板では、こんがらがった毛糸玉のような考えや表現でも、
投げつけといて許されると思っていたのが甘かった。
「端正」「明晰」であることを拒みたくなるバイオリズムがあるのさ。

書評は、文藝批評と違って、読んで面白かった本や価値があると
思った本について、その魅力を十二分に表現してほしいと思う。
ダメだと判断した本なら、捨てて、別の本について書いてほしい。
「こんな本が出た」「こういう読み方ができる」程度のレビューじゃ
物足りない。新しい読者もすくえる新聞日曜版では特に、もっと思いを
込めて書いてほしかったというだけ。読む人の顔を思い浮かべながらね。

ブコウスキー紹介に功績のあったヤスケンさんが亡くなってしまった。
彼はきっと『塵に訊け!』を読めなかったね。
あの本、高をくくっていたら、途中で「化けて」びっくりした。
621吾輩は名無しである:03/01/21 21:06
『塵に訊け!』は、ブクの序文から一気にのめりこんで読んだよ。
徹頭徹尾、傑作センサーに反応しっぱなしだったな。

マダム、『驚異の発明家の形見函』も序章だけ立ち読みしてみれ。
その後、財布から四千円が無くなるだろうからw
622吾輩は名無しである:03/01/23 18:24
しかし、最近とみに書籍の価格急騰した感があるな。カーズワイルしかり
アトウッドしかり。
貧乏者には溜まりませぬよ。
623吾輩は名無しである:03/01/24 07:53
しかも巨大化(w
624吾輩は名無しである:03/01/24 12:07
そのくせ高速絶版ヽ(´д`)ノ ミエナイトシ モウ シナギレダトヨ
625ixion ◆ySh2j8IPDg :03/01/24 22:33
壽岳文章訳『神曲』全3巻、文庫新装で出ました。
カーズワイル読むより、こっちのほうが面白いと思うなぁ(ボソ)

いや、カーズワイルも面白いとは思うけど。
VeeeeeeevuuuuhhluhhhhWaaaaahhhhh!

『見えない都市』、再販から絶版早っ!!
626吾輩は名無しである:03/01/25 00:05
神曲は岩波ので読んだが、比べてどうなの?
627吾輩は名無しである:03/01/25 05:05
>>625-626

すれ違い
628吾輩は名無しである:03/01/25 08:18
>>627
何言ってんだ? 神曲も知らん厨房なのか? 
629ixion ◆ySh2j8IPDg :03/01/25 09:18
いや、「現代」文学ではないからね<スレ違い
岩波の訳も嫌いではないんだけど、やっぱり壽岳訳は良いと思う>626
630吾輩は名無しである:03/01/25 09:32
古典の話をしない訳にはいかないから難しいですね。
現代語に訳した事で、また違った意味も生じると思うし、、、うーーーん。
631吾輩は名無しである:03/01/25 16:58
広島に住んでたっていうDavid Mitchellってどうよ?
632マダムB:03/01/28 17:02
新潮社クレスト・ブックスの先陣を切って、2月に『停電の夜に』が
文庫化されるもよう。

表題作はまあ良し、最後の作はいつか長編にでも…と思ったが、
他の期待の若手(読んだ中ではソウンダース、パワーズ、フェイバー、
ゼイディー・スミスなど)同様、何かが足りない感が残る作品集だった。
でも、この欠乏感は、彼らが立つところの「現代社会」に対する
隔靴掻痒感なのかと思ってみたり…。
633マダムB:03/01/30 10:40
連続で、すみません。
『抱擁』――ものすごくよかった。『マティス・ストーリーズ』だけ読み、
さほど好きになれない作家だと考えていたので、嬉しい出合いだった。
ああいう奇跡的な本が、世界にはいくつかあるのですね。

(他スレの流れも交え)複数の人の情報が有機的に結びつき、「さあ読もう」
と思う本が最近増えてきたので、とても有難いことだと私は感謝してます。

「隠喩」についてダラダラ感想を書き流したいところだけれどw、自意識や
ロマンチシズムの行き過ぎが多大なる迷惑をかけているので、メモに残し、
よそで活用することにします(…飛ばして読んでくれりゃ、いいのにさ)。
しっかし、ロマンス受難の時代だなー。ロマンチックなことを志向して
いると、どんどんそういうことが起きて楽しいのに!

>>621
別の本を買うために、我慢するのに苦労した<カーズワイル。

>>631
何者ですか、その人?
634吾輩は名無しである:03/01/30 23:50
しかし、なんで「侍女の物語」は早川で文庫化されたんだろ?<新潮社


 (そろそろAgeときますよん)
635ixion ◆ySh2j8IPDg :03/01/31 02:09
>633
『抱擁』、良いでしょ? バイアットは頭でっかちなんだけど、それが上手く
物語と溶け合ったのがあの作品だと思う。
女主人公シリーズ(笑)の方は、ちょっと硬いんだよね…。
636吾輩は名無しである:03/01/31 18:26
>635
『抱擁』良かった。年明け早々ええもん読ませていただきやした。
バイアット、次に読むとしたらどれがお勧め?翻訳・原書問わず。
637ixion ◆ySh2j8IPDg :03/02/01 23:05
ていうか、バイアットはあの作品を超えるような高みにはその後至っていない
と思う、残念だけど。『抱擁』が、本当に素晴らしいんだよね。

上で挙げた女主人公シリーズ、ってのは一般にフレデリカ四部作と称されてる
けど、これは確か一冊も翻訳されていません(中でも『バベルの塔』は、結構
面白いんだけど)。翻訳されているのは『ゲーム』『シュガー』と『マティス・
ストーリーズ』ですが、見つけられるのであればこの中では『ゲーム』が良い
です。でも、たぶん図書館にでもない限り見つからないから、とっつきやすく
入手もしやすい『シュガー』(短編集)からどうぞ。

また、Angels and Insectsは映画化もされています。『ポゼッション』を
観る前にビデオで > 636さん
638tar baby:03/02/04 22:04

僕は短編派だからSuger & Other Storiesはいい。
『E.M.フォースターが死んだ日』ってすごく良いよ。
えらく良い言葉があるのできっと気に入ると思う。>マダムB
ついでに新刊紹介もヨロシクお願いします。
639636:03/02/04 22:07
>637
情報さんくす。そか、『抱擁』が今のとこベストか…。
映画はどうなっとるのだろう。グウィネスは好きなんだが、
それこそベタベタのロマンスになっとるのだろうか。

『シュガー』そのうち読んでみます。ども。
640吾輩は名無しである:03/02/05 00:18
>639
今日、渋谷の文化村で『バルザックと小さな中国のお針子』の映画を観たけど、
上演前に『抱擁』の予告編がかかったよ。
割りとシリアス目かな。ロマンス指向ではあるけど、全編に渡る薄気味の悪さを
感じた。
まあ、漏れはこれから『抱擁』を読むんで、見当違いはごめんなさい。
『お針子』もおもしろかったよ。
641吾輩は名無しである:03/02/05 18:25
642吾輩は名無しである:03/02/06 00:02
>>tar babyさん
温かなアドバイスをありがとう。名無しで不本意ですが――しばらく
「養生」したい理由を書いておきます。別スレのことも意識して。

今日さる特殊な場所で、家庭事情や健康状態が様々な子どもたち相手の
絵本読みきかせ会をした時のこと。モノクローム絵本『はなをくんくん』を
読み上げていると、「神聖」としか言いようのない時間が訪れました。
読んであげる相手の理解や満足、ペースを計って、演劇のように作家の
世界を蘇らせること(『抱擁』に、古い本を読むのは死んだ作家を蘇らせる
ことという記述が確かあったはず)に集中して進めていると、その場にいた
人たち皆が、描かれた雪景色の中に入り込んでしまったのです。
…と思えるような手ごたえがあり、何回も読んできたはずのその本の
「底力」というものを、初めてまざまざ思い知らされました。

自分にとって、人や物を慈しんだり愛することは、対象物からの見返りを
求めないdedicationであると常々考えていました。しかし、対象物からの
直接の見返りは求めなくとも、それ以上のものが跳ね返ってくることも
あるのだと実感させられた体験でした。
643吾輩は名無しである:03/02/06 00:07
そのことの他にもう一つ、自分が本から得たものをアウトプットする方法と
して、(創作は眼中にないので置いておくとして)ここのような場所で
感想や意見など語る他に、人のために物語を蘇生させてあげるという方法も
あるのだと気づきました。

理知で感情を抑制し切れない私は、好きなものに対し直情的に向かいます。
対象物にほどよい距離を保てず、分かっていても一線を踏み越えてしまう
のは、スリリングな状況への渇望であり、それは破壊と狂気につながって
いきます。
この板での書き込みを読み返してみると、生産的なことを書きたいはず
なのに、同時に破壊している自分がいます。
「語り過ぎたな」という思いがあるので、しばらく別のアウトプットを
大切にしようと考えています。

置き土産に1冊の絵本を…。児童書の若手翻訳者に何人か信頼する人がいて、
tar baby氏はそんな中の一人かとも余計な想像をしています。だから、
ご存じの作品かもしれない。いとおしい「時」との別離を描いた、とても
文学的なテクストです、『Time of Wonder』は。

>>皆さん
よろしければ復刊リクエストにご協力を――
ttp://www.fukkan.com/vote.php3?no=7158
644吾輩は名無しである:03/02/06 00:09
それから、私が20年来こだわり拒み続けている一節を書き出しておきます。
dedicationは決して不幸ではないという理由での拒否です(あ、ふられた
経験はないんですよ、これでも。この板では、スルーされたケースが
いくつかありますがw)

「人間を人間として、また世界にたいする人間の関係を人間的な関係として
前提してみたまえ。そうすると、君は愛をただ愛とだけ、信頼を信頼とだけ、
その他同様に交換できるのだ。君が芸術を楽しみたいと欲するなら、君は
芸術的教養をつんだ人間でなければならない。君が他の人間に感化をおよぼし
たいと欲するなら、君は実際に他の人間を励まし前進させるような態度で
彼らに働きかける人間でなければならない。人間にたいする――また自然に
たいする――君のあらゆる態度は、君の現実的な個性的な生命のある特定の
発現、しかも君の意志の対象に相応しているその発現でなければならない。
もし君が相手の愛を呼びおこすことなく愛するなら、すなわち、もし君の愛が
愛として相手の愛を生みださなければ、もし君が愛しつつある人間としての
君の生命発現を通じて、自分を愛されている人間としないならば、そのとき
君の愛は無力であり、一つの不幸である」(マルクス『経済学・哲学草稿』)

マルクスは文学好きだったそうですが、「成就」だけ求めるのは、やはり
革命家の理念であり、文学が求めるものとは違うと思う。私が求めるもの
とも…。
645吾輩は名無しである:03/02/06 01:44
>>641
『抱擁』映画化されてんですかっ!
なんで映画の話に流れてんだろうと不思議だったが納得...(´Д`;)


あと、
以下はここでの話題から始まった復刊リクエストですので宜しゅう...
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=6031
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=641
646吾輩は名無しである:03/02/06 22:14
僕は貴方の考え方、「クレオール知識システム的言語感覚」を
素直に認めています。つか脱帽です。
クレオール知識システムにおいて、ローカルな世界を「個」に、
その他(外)世界を「文学作品」に置き換えての考え方から
見るととても興味深いのです。
マダムが養成している間にRobert McCloskeyを
出来る限り読んでおきます。ありがとうございます。

「クレオール」つながりということで、ジーン・リースの
短編集『The Collected Short Stories 』(1976)はかなり泣ける
647吾輩は名無しである:03/02/12 08:36
今月のオススメって何かある?
創元推理文庫だけど、モーリス・ルヴェルなぞおもしろそうなんだが。
648吾輩は名無しである:03/02/12 23:33
>>オススメ

ま、映画つながりで、
リメイク版映画「ソラリス」
649吾輩は名無しである:03/02/12 23:55
『夜鳥』買って来た。
『新潮』のバリー・ユアグロー特集も良さそうだ。
650吾輩は名無しである:03/02/13 05:15
今月は積本解消に勤しむか。
651吾輩は名無しである:03/02/14 00:16
ユアグロー特集は面白かったけど、特集の名に違う薄さなり。
しかし、ユアグローって意外に日本通なんだな。
652吾輩は名無しである:03/02/15 21:52
>ユアグロー

米国の星新一?
653吾輩は名無しである:03/02/16 09:52
>>652
それ以上でもそれ以下でもないように思われ
654吾輩は名無しである:03/02/16 18:19
星新一は読む人間のほぼすべてが理解できるが、ユアグローは理性をはぐらかす。
似てるようで、似てない。
655吾輩は名無しである:03/02/16 19:48
遅ればせながらフランゼン「コレクションズ」読了しました。
好き嫌いはあると思いますが、現代アメリカ小説特有の登場人物が個々のエピソードに
偏執狂的に絡んでいくところに爆笑しながらも、後半はホロリと感動してしまいました。
傍目にはしょうもないトラブルでも、悲喜劇は内的なものだという感じも自分的にはよかったです。
主人公である5人の家族を描く技量もすごいなあと思いました。
656吾輩は名無しである:03/02/17 22:06
ドナルド・アントリムって邦訳の予定あるの?
657吾輩は名無しである:03/02/18 07:56
>656
どんな人?>アントリム
658吾輩は名無しである:03/02/18 21:47
ニューヨークの作家で、3冊出してます。
Elect Mr. Robinson for a Better World(2001)
The Hundred Brothers(2001)
The Verificationist(1998)

順番で言ったら、次は彼の番かな〜。
659657:03/02/18 23:32
>658
なるほど。日本ではほぼ無名なんだ。
新潮社あたり、クレストで出してくれないかな。
660吾輩は名無しである:03/02/19 23:48
てうーかどんなタイプの作品書く作家?
661吾輩は名無しである:03/02/21 21:05
パワーズ、ウォレス、フランゼンの系統じゃないかな(予想)
662吾輩は名無しである:03/02/22 04:11
>661

じゃクレスト系統じゃないね?
663ixion ◆ySh2j8IPDg :03/02/24 10:46
その三作家(は、それぞれ別の作風だけど)とはまた違う>661
強いて言うなら、バーセルミとジョン・チーヴァーをくっつけた感じかな。
funny, hilarious, comicalなんかの形容詞が良く似合う作風です。

The Verificationistは面白いよ、早く翻訳紹介して欲しい作家。
664吾輩は名無しである:03/02/26 00:54
バーセルミかぁ...

おいらサンリオ文庫世代(w
だからなつかすい
665ixion ◆ySh2j8IPDg :03/02/26 02:04
いいなぁ、物心ついたときにはサンリオ文庫なんてもうなかったよ^^;
<おいらサンリオ文庫世代(w

だから…
『馬的思考』『バロック協奏曲』『浴槽で発見された手記』
『熱い太陽、深海魚』『猫城記』『サンディエゴ・ライトフット・スー』
なんていまだに読んだことないぞぉ!!(リーミィなんかは原書も絶版)

…誰か安く売ってくれ。

スレ違い失礼。
666吾輩は名無しである:03/02/26 10:58
>>665
ここ↓に遠い目をした懐古オサーンたちが集ってます(w 別スレでは田舎の古本屋
がねらい目だとありました。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/sf/1038022144/

そういえばピンチョン・スレがいつのまになくなってる。5年位放置したまま
のGravity's Rainbow、そろそろ読むの再開しようかなと思ってるんですが
結構とっかかるのにエネルギーが要りますね。V.と49は面白かったんで、
それを励みに頑張るかな。

エリクソンスレがたってますが、あんまり伸びてないですね 一作品の登場
人物が、別の作品の思わぬところに出てきたりするから、そういう下世話な
意味でも、ハマりやすい作家だと思うんですがねえ…
たくなるような作家
667666:03/02/26 11:00
ありゃ、最終行削除し忘れ
668吾輩は名無しである:03/02/26 21:53
>>666
立っては消えるピンチョンスレですが、今はこちらにありますよ
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1042446065/l50

669吾輩は名無しである:03/02/27 00:04
>>666

う〜ん、たしかにそのスレ、世代的には涙なしでは読めない(w
ただ本スレ的には「現代ブンガク」系が重要ではないかと。
有名どころはピンチョンの「ロット49」とかマルケスの「エレンデラ」ねん。

しかしixion氏は

>物心ついたときにはサンリオ文庫なんてもうなかったよ

と言いながらマニアックなのばかり出してるなぁ(笑
本スレ的にはうち3冊の作者がわかれば合格でしょう?
670吾輩は名無しである:03/02/27 07:43
>669
合格ってなんやねん(w

サンリオつながりだと、ディレイニーを推したいね。ジャンル外には無名だけど
掘り下げるとこれほど興味深い作家も中々いない。
まあ、SFならチャンやイーガン読める今の方が、俺にはずっといいんだけどさ。
671ixion ◆ySh2j8IPDg :03/02/27 09:14
マニアックかなぁ…サンリオでしか読めないもの&入手困難なもの&面白そうな
ものとなると、上で挙げたような作品になっちゃう。

俺がサンリオ文庫&SF文庫で推したいのは、ドクトロウ『ダニエル書』、
アンナ・カヴァン『氷』、トマス・M・ディッシュ『キャンプ・コンセント
レーション』とかかなぁ。こいつらはまだ原書絶版じゃないからいいけど。

ディレイニー、最高傑作と言われるDhalgrenって、まだ訳されてないよね?
今ではもう「HIVはエイズの原因じゃない」なんて変な理論を書いてみたり、
実験小説書いてみたりとSFから遠く離れてしまったみたいだけど、『バベル
-17』『アインシュタイン交点』『ノヴァ』のなんだか分かんないけど輝いて
いるディレイニーは大好き。
672666:03/02/27 09:36
>>668
ありがd そのスレがあることは知ってたけど話題がヴァインランドの訳注に
特化したものだと思って読んでませんでした。

Dhalgrenも積読なの思い出してしまった…
はい、正に「実は本読むよりも買う量の方が多いバカ野郎」です
673吾輩は名無しである:03/02/27 22:15
>「実は本読むよりも買う量の方が多いバカ野郎」

ふつう誰でもそーだろ?
674吾輩は名無しである:03/02/28 02:10
>>673
でかい図書館を積極的に利用してる人はそうでもない罠
新刊洋書は別か。

イスマイル・カダレの『夢宮殿』を読んだ。
主人公が成り上がって終わりか?とも思ったが、夢のしまいどころについて
ねちねちと想像の翼を広げているとこらへんが職人的で気に入った。
「すべての○○が保管されている場所」ってやっぱりいろんな人にとって魅力あるんだな。
675ixion ◆ySh2j8IPDg :03/03/03 18:48
『オディール』買った。
676吾輩は名無しである:03/03/03 22:09
>>675

↓こり?

http://biblia.hp.infoseek.co.jp/getsuyosha/odilecover1.htm

「地下鉄サジ」とか「イカロスの飛行」って今入手出来たんだっけ?


そろそろageときまっせ
677ixion ◆ySh2j8IPDg :03/03/03 23:50
クノーで新刊入手できるのは『地下鉄のザジ』『はまむぎ』『文体練習』
『オディール』かな。
678吾輩は名無しである:03/03/04 22:35
「地下鉄のザジ」って「ケツくらえ」の? 映画も観たけど両方面白かった。
ちくま文庫から出てた「イカロスの飛行」は戯曲で、これも結構笑える話だった記憶があります。
679吾輩は名無しである:03/03/06 04:55
"Le metro!"
680吾輩は名無しである:03/03/06 21:58
クノーってシュルレアリスム運動に参加してたのね...
知らんかった...
681吾輩は名無しである:03/03/07 02:23
アリ・スミス『ホテルワールド』読了。
資質は短編作家なのかな? 短編集が出たら読んでみよう。
682吾輩は名無しである:03/03/10 03:17
ホテルワールド、店頭で見かけたけど面白い? 心引かれるものはあるけど
何だかテンション低そうなんで。
683ixion ◆ySh2j8IPDg :03/03/12 11:55
シモン『路面電車』読了。

まっすぐ歩かずにまるで酔っているかのような千鳥足、右の電柱から
左の電柱へもしくはその逆と路地をジグザグに歩いているかのような
散文がとても心地よい。( 〜 )「カッコ」や― 〜 ―「ダッシュ」
を(それが原文でも同じように用いられているかどうかは分からないが、
おそらくそうであろうと推測されるやり方で)正確に ― というのは、
「転轍機」として読む行為を平行線へと移動させ、またそこから引き戻す
記号としての正確さのことだが ― 用いていることが、シモンの散文の
魅力である。

そういや、ケイニン『宮殿泥棒』が文庫落ちしたね。
684吾輩は名無しである:03/03/13 21:49
>文庫落ち

 文庫化とは一種の格上げではなかろうか?
685ixion ◆ySh2j8IPDg :03/03/13 23:15
あ、そうかもしんない<格上げ
そんだけ売れないと文庫にもならんもんなぁ。
686吾輩は名無しである:03/03/16 21:55
金無し読者にとっては、棚からボタ餅のような<文庫落ち
687マダムB:03/03/19 09:38
久しぶりなのに質問で恐縮ですが、日本のAMAZONの仕入れ事情について
何となくでもいいから、知っている方いますか。

きのう紀伊国屋新宿南店に行ったら、例のブッカー賞獲った
『Life of Pi』がベタベタ山積みになっていた。でも、どうせAMAZONの
方が安いだろうし…と思い、帰ってきて見たところ、まだ未入荷なん
ですよね。紀伊国屋にあったのは、米国AMAZONで確認したところ、
Harvest Books版みたい。他社のペーパーバック版は、これからの発売。
日本のAMAZONは米国本体と仕入れを一緒にしているのかな? 
独自に取次を通して仕入れているのだろうか。

それにはあまり関係ないけれど、洋書の老舗取次がひとつ倒産したらしい。
大学の先生なんかに直接営業するような商売だったらしいが、先生たち
オンライン書店で気軽に買えるようになったものだから、業績が悪化した
らしいとダンナが言っていました(うちのは大学の先生ではないよ)。

情報あったらお教えください。
688吾輩は名無しである:03/03/23 11:07
T.C.BoyleのDrop Cityはどう?
あの本の表紙(アメリカ版)は気に食わないが
689吾輩は名無しである:03/03/23 11:18
>>687
日本の在庫については大阪屋(?)が取り仕切っているが洋書は米国本店と一緒では?
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1045297345/l50
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1042021631/
http://pc2.2ch.net/test/read.cgi/esite/1010147993/
690吾輩は名無しである:03/03/24 12:16
外国文学(ほにゃく、原文その他)を主に読む人に聞きたいのですが、
日本文学では何を読んでいますか?真剣に悩んでいます。
691吾輩は名無しである:03/03/24 12:23
清涼院流水。
692吾輩は名無しである:03/03/24 12:29
戸梶圭太。
693吾輩は名無しである:03/03/24 13:14
平田篤胤
694マダムB:03/03/24 21:33
>689
ありがとう。なるほど。

翻訳専門誌『eとらんす』(バベル発行)が選ぶ2002年度ベスト翻訳書
(翻訳者、編集者、作家、評論家へのアンケートで選定。
ここにも、どなたか協力した方がいるかな?)
  1.紙葉の家
  2.アンダーワールド
  3.透明な対象
695吾輩は名無しである:03/03/24 22:50
「紙葉の家」結構評判イイよね。
本スレでは某御大が否定的だったので、さっぱりだけど(w
696吾輩は名無しである:03/03/24 22:53
>>690

日本文学のなかで興味を持てるものが無いから
勢い外国文学に向かうのだと思われ。
697吾輩は名無しである:03/03/25 09:07
ほんと日本文学で読める(読み応えのある)物語
ってもうないよね。
698吾輩は名無しである:03/03/25 10:00
スティーブ・エリクソンあげ
699690:03/03/25 13:24
>>696>>697
実はぼくも日本文学がつくづく退屈だな〜と思って読む作家も
大江、古井、安部、大西、埴谷などに限られてしまっているのでどなたか
いい日本作家知っている人がいたら紹介してほしいと思っているのです。
700吾輩は名無しである:03/03/25 13:35
戦後派だったら泰淳とかはダメなの?

他、小島信夫とか後藤明生とかは?
小島と後藤はそれぞれ超奇書があるぞ。
701吾輩は名無しである:03/03/25 13:43
別れる理由と壁の中のこと?
702吾輩は名無しである:03/03/25 13:51
そう。別れる理由の後半拾い読みしてみるとすごいことになってる。
703吾輩は名無しである:03/03/25 13:52
埴谷の「死霊」も奇書だな。
704吾輩は名無しである:03/03/25 14:20
で、ボイルはどうよ?
705吾輩は名無しである:03/03/25 22:46
別に恥ずかしいことでは無いと思うので(w
思い切って書くが筒井康隆は別格(w

ま、Wムラカミも悪く無いよ(w

(何故か「(w 」ばっか)
706ixion ◆ySh2j8IPDg :03/03/27 00:02
グラス『蟹の横歩き』出ました。
707マダムB:03/03/27 10:59
池内紀氏、グラスに取り組んでいたとは…。

集英社のもう1冊の新刊は、アリス・ウォーカー
『勇敢な娘たち』ですよ<tar babyさん

4月下旬の東京国際ブックフェアで来日して
講演とサイン会も行う。同社サイトから
応募可能みたいです。
ブックフェアでは洋書が30〜80%オフ。一度行ってみたいとは思うけれど…。

708マダムB:03/03/28 16:58
PEN/フォークナー賞の『ベル・カント』邦訳
出ていました。訳は山本やよい氏。

本当はそれがほしかったけれど、代りに映画絡みで岩波少年文庫
『ピノッキオの冒険』を購入。現代文学ではないですが、この
『クオレ』とともにイタリア児童文学を代表する作品、生誕120年
なので映画化されたんですね。

作者コッローディはイタリア独立戦争に2度従軍。
面白いことにはパトロンがジノリ公爵だったそうで、フィレンツェの
陶磁器店の2階で『ピノッキオ』は執筆されたらしい――
映画パンフに出ていました。パンフレットは、ペナントみたいに
二等辺三角形で書類封筒に入っていました。
709吾輩は名無しである:03/04/01 11:56

Don Delilo の "Cosmopolis" が発売になりますね。
200ページちょっとだから、読むのにそれほど時間がかからなそうだし
ちょっと原書で読んでみます。

ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743244249/qid=1049165568/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/250-7276697-1000215
710tar baby:03/04/01 15:03
マダムさん
>『勇敢な娘たち』ですよ
うげ、知らんかったです。アマ注します。
711吾輩は名無しである:03/04/01 16:13
今旬な作家って誰なんですかね?
名前挙げてください。アマゾンから購入しますので。
(翻訳じゃないよ)
712吾輩は名無しである:03/04/01 20:29

ドマイ・ソンガン
713吾輩は名無しである:03/04/03 14:30
Paul AusterのThe Book of Illusions買った。

Henry Holtだけど、この出版社ってなんかいつも
本が汚い気がするんだけど。
714吾輩は名無しである:03/04/04 22:16
ポール・オースターも翻訳出なくなって久しいですね。
715マダムB:03/04/05 22:30
>>647さん
>>649さん
遅レス――ルヴェルの『夜鳥』、堂々の古典の部類だけれど、ホント良い
ですね。乱歩や夢野久作の評も併録されていて、得した気分になった。

鋭いカミソリのごとき切れ味だし、翻訳も雰囲気があってきれいな
日本語だと思った。
そういえば、ここで薦められたデュ・モーリアの『鳥』をまだ読んでいない。
『レベッカ』(映画は観てるよ)も一緒にと思いながら手をつけていない
けれど、講談社文庫か何かで、ほかに翻訳された作品がもひとつあった
みたいです。
716吾輩は名無しである:03/04/06 12:31
エーコええのんか?
717吾輩は名無しである:03/04/06 22:19
>>716

ええ
718マダムB:03/04/07 21:29
ニコルソン・ベイカー新刊『A Box of Matches』
Random Houseより発刊。

幸福で平穏な生活を送る40代半ばの男性が、いつこの日々が
終わってしまうのかと虚無に取り憑かれる話。
主人公はニューイングランド地方在住、医学雑誌のエディター、
妻と子がふたりという設定(6日付の日経朝刊「世界の新刊」より)。


そういう虚無なら分かる気がする。
719吾輩は名無しである:03/04/08 18:23
性欲過多な主婦そのものだぞマダム。
720吾輩は名無しである:03/04/09 14:24
あほらし
721吾輩は名無しである:03/04/09 14:36
自分の価値観だけで世界を構築する天然、それがマダムB。
722吾輩は名無しである:03/04/10 04:36
コテ叩きうぜえ。雑談でやれ。
723吾輩は名無しである:03/04/10 04:53
ロレンスダレル板落ちていた ガッカリ
それにしても「アレキサンドリア四十奏」絶版とはいえ
古本屋の値段高すぎだよ〜
724吾輩は名無しである:03/04/10 10:13
>>723
こないだネット古書ギルドに4冊揃い6000円で出品されてたが,
どうしようかと一両日考えているうち,買い手がついてた.

でも,それなどまだましな方で,カルヴィーノ『宿命の
交わる城』が1500円ぐらいで出たときは,半日弱しか
ライン上にのっていなかった.
725吾輩は名無しである:03/04/10 23:45
>>723

白水社のuブックスに無かったっけ?
726吾輩は名無しである:03/04/11 00:50
>>725
自分の記憶では
1970,1976,1990に河出書房からでているだけだと思うのだが。

某ネット古本屋で四冊揃いで\16000・・・
相場がわからん
727吾輩は名無しである:03/04/12 21:18
>>726

あ、そうでしたね。勘違い。
じゃ河出文庫化キボン!ですな。
同じ河出のファウルズ「魔術師」は文庫化されたのにね。
728吾輩は名無しである:03/04/12 22:49
お尋ねしたい事が・・・・。
この板のタイトルでくわえ煙草してるお兄さんは誰でつか?
むちゃ好みなんですが・・・・。
729吾輩は名無しである:03/04/12 23:01
>>728

すれ違い
730吾輩は名無しである:03/04/12 23:13
セインに訊け
731724:03/04/12 23:25
>726さん
4冊揃6000円は,確か本の状態があまり
よくないものだったように記憶します.
それで「どうしようか」と時間を置いたら
売れていたのでした.
732吾輩は名無しである:03/04/12 23:45
733吾輩は名無しである:03/04/13 01:38
734726:03/04/13 17:18
河出文庫化キボン!
リスペクトしている人達は多いのになあ
山形浩生が「アヴィニョン五重奏」を訳してみたいと
言ってたけど・・・

弟のジェラルド・ダレルもいい味だしてます
ttp://www3.ocn.ne.jp/~durrell/index.html
他に兄弟で作家というと?
735吾輩は名無しである:03/04/18 04:14
春樹訳『ライ麦」の冷静な感想キボン
736吾輩は名無しである:03/04/18 17:11
感想ではないが御大が
  http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1032231444/158
737吾輩は名無しである:03/04/18 17:14
こっちでもわいわいと
  http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1038320047/l50

738吾輩は名無しである:03/04/18 17:19
>735
わいわいと何も言っていないから、こっちへ来たのか
739山崎渉:03/04/19 23:16
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
740吾輩は名無しである:03/04/23 23:52
国書のレム・コレクション
いよいよ5月から来る模様
741吾輩は名無しである:03/04/24 00:55
第一回配本は泰平ヨン希望ん!
742吾輩は名無しである:03/04/24 01:07
バースの28年ぶり短篇集というの
邦訳出たようだ
743吾輩は名無しである:03/04/24 22:10
>742
>バースの28年ぶり短篇集

それよか、びっくりハウスでなんとかかんとかってのを
いい加減翻訳せんのかと小一時間・・・
確か代表作のひとつの筈だが・・・
744吾輩は名無しである:03/04/24 22:25
短篇集ってのは
『ストーリーをつづけようOn With The Story』(みすず書房)だった

びっくりハウスってのは『Lost in the Funhouse』ってやつ?↓
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0385240872/qid=1051190083/sr=1-7/ref=sr_1_0_7/249-0269334-1741938
745743:03/04/24 22:51
うんそれ。
746ixion ◆ySh2j8IPDg :03/04/24 23:28
「ビックリハウスで迷子」は、ばらばらならいろんなところで訳されて
るんだけどねぇ…。

しかし、バースにはまだ読者がいるんだろうか。最近の作品はどうも
面白くない。
747吾輩は名無しである:03/04/25 08:47
ビックリハウスってどこかの海外文学全集にはいってるのを学生の頃
大学の図書館で読んだ記憶があるんだけど・・・。どこの出版社のも
のか憶えてない・・・。
748吾輩は名無しである:03/04/25 14:09
>バースの読者

何人いるか数えたことはないけれどw,
『サロン・ドット・コム現代英語作家ガイド』なんて,この手の本が
出ると,紹介欄にピンチョンの次なんかに名前が連なったりしている.

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3bc1b433697d50106a88?aid=&bibid=02307177&volno=0000
749吾輩は名無しである:03/04/26 00:48
国書の文学の冒険マンセーで異存は無いが、
正直「レターズ」なんぞに労力費やすより
「ビックリハウスで迷子(短編集)」
を出すべきではなかったのか?

>バースの読者
ま、ピンチョンらの兄貴分ではあるよね(w
750吾輩は名無しである:03/04/26 13:49
イアン・マキューアンのAtonementの邦訳,クレストから
出ました.題はそのまま――『贖罪』

新潮社のもう1冊の新刊はアナイス・ニン『小鳥たち』
751ixion ◆ySh2j8IPDg :03/04/27 19:00
『ストーリーをつづけよう』買ったぞ。
気合入ってるなぁ、志村先生の解説。
752吾輩は名無しである:03/04/29 20:36
質問させてください。

R・L・スティーブンソン作「ダイナマイター」(確か
そういうタイトルだった)の翻訳とかは出ていますか?
もしよろしければ教えてください。
「New Arabian Nights」という短編集の続編にあたる
ものです。

現在スティーブンソンのスレ出てないみたいなので
こちらで聞かせて頂きました。。

753吾輩は名無しである:03/04/29 22:55
今出てるSFマガジン誌になんとかフィクション小特集
みたいな感じで本スレ的にもなじみ深いのが色々出てたよ。
近刊予告ではピーター・ケアリーのブッカー賞受賞2回目の
作品が秋頃でるみたいだよ。
754吾輩は名無しである:03/04/30 12:57
88年刊・生田耕作コレクション3の修訂でピエール・ルイス
『女と人形』っていうのが出て面白そうだ

今世紀初頭の作家だけれどさ

読んだことある人いる?
755吾輩は名無しである:03/04/30 17:22
前世紀
756吾輩は名無しである:03/05/02 01:32
純な文学ではないですが、クィネル好きな方いませんか?
757吾輩は名無しである:03/05/02 02:06
生田訳のピエール・ルイスのなかでは、
「女と人形」がいちばん多く繰り返し刊行されていると思う。
代表作ということなのかな。ブニュエル監督の映画の原作でも
あるし。女性に翻弄されてされてされ抜いて、よろこぶ男の話です。
758吾輩は名無しである:03/05/02 10:35
>>757さん

「欲望のあいまいな対象」の原作か〜
3度ぐらい観ていて知らなかった

「ビリティス」の原作もこの人なんだね

一度映画の原作総ざらいをやらないと
いけないかもしれぬ

759吾輩は名無しである:03/05/02 23:57
>一度映画の原作総ざらい

それでは本スレ的なのを
最近だとまずブッカー賞及びその周辺で
「抱擁」「イギリス人の患者」「ウォーターランド」


以下続けてちょ↓
760ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/03 00:40
>>752さん
多分出てないんじゃないかな。スティーブンソンは訳されてないものも
結構あるし。

ttp://www.bibliomania.com/0/0/46/85/frameset.html

原書ならこことかで読めるけど。

>映画の原作

切りがないじゃん^^; ブッカー賞なら『シンドラーのリスト』『オスカーとルシンダ』
『日の名残り』『抱擁』『再生3部作』『アムステルダム』なんかも映画になってる
(もしくは、これからなる)けど。
761759:03/05/03 01:19
>>切りがないじゃん^^; 

御意。
止めましょう(笑
762752:03/05/03 20:40
>>760
ありがとうございます!助かりました…
でもixionさんからレスもらえるとは思わなかった
763吾輩は名無しである:03/05/04 09:11
翻訳の出てないものはこの際自分で訳そうかと
思案中
764ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/04 14:51
俺高校のとき、スティーブン・キングのある作品を訳して、
ノート20十冊くらい(もっとだっけか?)になった。
その直後(マジで直後^^;)に翻訳が刊行され、気づいた。

「メジャーな作家のもの訳しても意味ないじゃん!!>俺」(笑)

今でも忘れん『トミーノッカーズ』(恨)

でも、自分で訳すと忘れないよね。思い入れがあるものは
訳してみたい。
765吾輩は名無しである:03/05/04 16:29
しかし翻訳が出る見込みのないようなものでもどこかの出版社
が翻訳権を取得したりしてるんじゃないでしょうか?
国書や白水社、ハヤカワ、新潮社あたりにたいてい押さえられ
てるような気がするんですけど。
766吾輩は名無しである:03/05/04 17:22
村上春樹が作家になる前、河出書房の近くで珈琲店か何かやって
いた時代に、店を閉めてから毎晩、カーヴァーとかカポーティ
だったかを訳していたという話をどこかで読んだ。
すごく楽しかった――と。

いつかは…と遠い将来の出版をまるで夢見ていなかった訳では
なかったろうけれど、好きなことや楽しいことに没入する時間を
もつのは、「支える」手段なのだろう。
何もかもが上手く転がらないときは当然のことだろうが、大体の
ことがうまく転がっているときにだって、「支える」ものは必要だ。
それに、翻訳というものは自分にとってしっくりくる日本語を
見つける意味で、読書とはまた違い、「自分のなかに降りていく」
(これも春樹さんのよく用いる表現)時間なのだと思う。


767766:03/05/04 17:23
クレジオの『黄金の魚Poisson d'or』の翻訳が2月に出て
いたので読んでいる。人さらいに遭って自分の名もわからなく
なった女の子の成長物語。彼女も「支える」ものをさがしている。

発行・北冬舎、発売・王国社。
王国社、良い本を多く出しているけれど、小さな出版社だと
大手書店への配本からもれることもあるので、新刊チェックから
落ちてしまう。
768吾輩は名無しである:03/05/05 22:30
Life of Piでブッカー取ったYann Martelの新作
Selfというのが出てるね。
769吾輩は名無しである:03/05/06 00:57
イアン・マキューアンいいよ!
贖罪以前の本出てるけど(「愛の続き」)
面白い
770吾輩は名無しである:03/05/06 20:19
現代スペイン・ポルトガル文学って誰か詳しい人おります?
ジョゼ・サらマーゴはじめ。
771白石昇 ◆yAVJKqLKn2 :03/05/06 20:22
>>765

 探せばけっこうノーマークなんじゃないでしょうか。出版不況らしいし。
772吾輩は名無しである:03/05/06 21:34
彩流社のポルトガル文学叢書って、サラマーゴ、ペソア、
モラエスのほか誰が入っていたんだろう?
773吾輩は名無しである:03/05/06 21:51
このスレの最初の方から読めばわかるけど、
サらマーゴはみんな注目してるね。
774吾輩は名無しである:03/05/07 04:10
>>768
Selfは新作じゃなくて旧作(処女長編)だと思う。
775吾輩は名無しである:03/05/07 04:36
ああ今日も徹夜してしまった(汗
776吾輩は名無しである:03/05/07 16:31
>>774
すまん。新刊に囲まれて並んでいたもんで。
インパクトあるタイトルだが、面白いのかな?

>>775
だれ?
パワーズの新作訳している人なら、きょうも徹夜してほしい。
777吾輩は名無しである:03/05/07 22:34
>>775
>パワーズの新作訳している人

「黄金虫変奏曲」の翻訳者 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
778776:03/05/08 10:15
「777」おめでとう。

われわれの妄想が真実であることに期待しよう。
779ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/08 15:23
『キャンディ』が復刊されてたな。

映画もやるし、国書でサザーン出すし(といっても、いつのこと
やら^^;)、どんどんこれから翻訳してくれ!!
78091:03/05/09 10:26
ちょっと面白そうな研究書が出た。現代小説でなく古典名作が
中心のようだけれど…。

『<インテリア>で読むイギリス小説』久守和子・中川僚子/編著
(ミネルヴァ書房)
室内空間を手がかりとして、英国の文化・歴史の理解に迫りながら、
小説の具体的な事物の描写を通して、登場人物たちの人間像のより
深い読み取りを目指す。主な見出しは以下の通り。

「もの溢れるヴィクトリア朝と作家たち」
「ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフト運動」
「<インテリア小説>としての『嵐が丘』」
「鏡で読み解く『ヴィレット』」
「寝台に横たわる人びと」
「変容する女たちの部屋」
781吾輩は名無しである:03/05/09 10:28
ごめん。上の「91」は関係ないです。
782吾輩は名無しである:03/05/10 19:56
「サロン・ドットコム」作家案内、買いですか?
買った人詳細キボン。
783吾輩は名無しである:03/05/10 21:07
実際、サラマーゴとペソアとモラエスとカモンイス、アズララくらいしか
ポルトガルの文人は知らないや。
784吾輩は名無しである:03/05/10 22:28
>>782

http://www.kinokuniya.co.jp/nb/bw/camp57.html
おお、良いかもしんない。しかしなんでもかんでも
「柴田元幸監訳」にすれば良いというものでは無いんでは?


>>783
ふつうサラマーゴしか知らないっしょ(笑&汗)
785吾輩は名無しである:03/05/10 23:21
>>783さん

カモンイス、アズララって小説家? 詩人?
邦訳あるんですか?
786吾輩は名無しである:03/05/11 09:40
ボールドウィンの翻訳「山に登りて告げよ」を購入し、現在読んでいます。
神への信仰を軸に黒人たちの精神の遍歴を描く方法は堅実でなかなか歯ごたえがあります。
この作品のほかには「ジョバンニの部屋」が翻訳されているそうですね。
ボールドウィンを読んだいらっしゃいます?
787吾輩は名無しである:03/05/11 10:12
アメリカ全国ヒッピーの会・会長、テリィ・サザーンね。
「キャンディ」も再映されたらきっと観に行くよ。(ビデオあるけど。)
788吾輩は名無しである:03/05/11 10:13
>>786
「もう一つの国」がよかった気がする。
ずいぶん昔に読んだので忘れちゃったけど。
(でも今ボールドウィン読んでる人ってまだいるんだね。うれしい)
789吾輩は名無しである:03/05/11 10:28
ヘミングウェイ、フォークナー、スタインベック、ナボコフ、メイラー、
ボールドウィン、マッカラーズ、ベロー、アップダイク、モリソン

ここらへんは米文学の王道を行く人たちじゃないのか.
790ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/11 10:34
>アメリカ全国ヒッピーの会・会長、テリィ・サザーンね。
そうそう(笑)
そういや、サザーンの"Now Dig This"って本には、
『博士の奇妙な愛情』で削除された例のパイ投げシーンに
ついて書いてあるらしいんだけど、未読。
早く『レッド・ダート・マリファナ』を訳して、日本にこの作家
の存在を知らしめてくれ、国書!!

…なんて力入れて言うほどでもないんだけどさ^^;
791吾輩は名無しである:03/05/11 10:47
「パイ投げシーン」についてはキューブリック関連の暴露本の
どれかで詳細が記述されていたような肝するけど、Qちゃんについては
あまり詳しくないからはっきりしたことは分からない。だいたいなんで
削除されちゃったんだっけ?

テリー・サザーンが参加した作品で、ビートルズのリンゴが出てくる
「マジック・クリスチャン」というのがあったけど、あれはほんとに狂ってた。
792吾輩は名無しである:03/05/11 12:49
テリー・サザーン、何かの映画にも出演してたね。
793ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/11 17:48
わー、『マジック・クリスチャン』観てる人がいる(嬉)

確か「長い&退屈だから」っていう、ただそれだけの理由<削除
何かのインタビューで言ってた。

オフィシャルサイト:
ttp://www.terrysouthern.com/index.html
794吾輩は名無しである:03/05/11 19:22
>>787

こういう人って、やっぱり腕時計を放り投げ
ちゃったりしちゃうわけ?

♪Bor〜n to be wi〜ld Bor〜n to be wi〜ld♪
795吾輩は名無しである:03/05/11 22:33
>>785
カモンイスはむか〜しの詩人で大航海時代の事を『ウズ・ルジアダス』に書いた大詩人。
「ここに陸尽き、海始まる」という詩句が有名らしい。
アズララはさらにむか〜しの物書きで、『ギネー征服記』で知られている。
早い話が大航海時代最初期のゴマスリ大臣。訳注の容赦ないツッコミが楽しい。

さすがはポルトガル、海ネタが多いな。
モラエスは海軍士官だし、サラマーゴは定期航路で働いてたんだっけ。
796吾輩は名無しである:03/05/12 20:15
海といえば、コンラッドでしょう。
コンラッドはほんとに読まれていない気がするが、俺は好きだ。
ロード・ジム、闇の奥、西欧人の目に・・・・・・
男の約束を誰よりも大切にしたポーランド野郎。荒海を前にして、叫べ!
ウホォ!
797_:03/05/12 20:17
798吾輩は名無しである:03/05/12 21:15
>コンラッド
母国語で書かなかったからか、文体自体に問題があるのか、
翻訳が悪いのか…読みにくくないですか。
『闇の奥』は「地獄の黙示録」原作なんで意地で読み通したが、
平凡社ライブラリーの本は挫折しました。

>カモンイス
確かにその言葉には聞き覚えがあるような。
>アズララ
どっから出してきたの、その人…てな感じですね。

海洋文学かあ。
日本の小説界では、売れないというジンクスがあって、
司馬遼太郎あたりでも「書かないでほしい」と難色を
示されたことがあったと聞いたことがある。



799吾輩は名無しである:03/05/12 21:42
かつてアメリカの文壇をウサギの如く元気に
跳ね回っていたジョン・アップダイクもすっかり
好々爺となり、トーク番組に孫のような若手作家の
後見人として出演するのでした。
http://msnbc.com/news/909947.asp
(動画あり)
800吾輩は名無しである:03/05/12 22:08
パパ!!ずれてるよぅ・・!

ついでに800ゲット。
801吾輩は名無しである:03/05/12 22:16
「海外現代文学あの人は今」ですな?
802吾輩は名無しである:03/05/12 23:12
>764
かっこよすぎる。高校生が作品をまるまる訳すなんて。
凄い語学力と根性。天才だと思うよ、マジで。
いっちゃんは文学板の誇り。
803吾輩は名無しである:03/05/12 23:26
変わり者だと思うけどね。
俺だってやろうと思えば中学の時でもできたよ。
英語話せるから。
804吾輩は名無しである:03/05/12 23:33
負け惜しみはみっともないよ
805吾輩は名無しである:03/05/12 23:41
私のおじいさんがくれた初めてのキャンディー。
それはヴェルタースオリジナルで、私は4才でした。
その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる私は、
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では、私がおじいいちゃん。孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、

彼もまた、特別な存在だからです。
806吾輩は名無しである:03/05/13 00:33
悪いけどさ、過去ログある程度眺めて流れを読んでほしいんだな。。。
807吾輩は名無しである:03/05/13 08:00
おいら、中学の教科書さえ読めないよ・・・ (´・ω・`)
808吾輩は名無しである:03/05/13 11:45
イクシオンに嫉妬してる奴がいるな
809吾輩は名無しである:03/05/13 11:47
嫉妬だと受け取る人は偏見に囚われ易い人だと思われ
810吾輩は名無しである:03/05/13 12:02
イクシオンを超える文学版コテハンは存在しない
811吾輩は名無しである:03/05/13 12:11
それは違う!
812吾輩は名無しである:03/05/13 12:12
ろばくんとキモピの方が上。もういないけど。
813吾輩は名無しである:03/05/13 12:22
不毛
814吾輩は名無しである:03/05/13 12:32
イクシオンは神です。
確かな語学力、圧倒的な知識、豊かな感受性
これだけのコテハンが存在しますか?いいえ、しません。
妬むのはやめてください。
815吾輩は名無しである:03/05/13 13:01
誰が妬んでるの?
見当たらないけど。
816吾輩は名無しである:03/05/13 13:02
>815
お前だよ
817815:03/05/13 13:04
なんか随分な馬鹿がレスしてきたな……。
818吾輩は名無しである:03/05/13 13:06
馬鹿って言う奴が馬鹿
819815:03/05/13 13:11
君は二度口にしたね。ばいばい。
820吾輩は名無しである:03/05/13 13:12
ばいばいきーん
821吾輩は名無しである:03/05/13 13:13
あんぱーんちょ伊東
822吾輩は名無しである:03/05/13 23:33
司ねぶた度も。イクシオpンもうセロ。荒れるんだよスレが。
823吾輩は名無しである:03/05/14 11:13
最近の河出、すげえな。涙出そうになった。

☆7月☆
『見えない都市』 イタロ・カルヴィーノ 米川良夫訳 解説=柳瀬尚紀
『西瓜糖の日々』 リチャード・ブローティガン 藤本和子訳 解説=柴田元幸
『大股びらき』 ジャン・コクトー 澁澤龍彦訳

☆以降続刊☆
『裸のランチ』 ウィリアム・バロウズ 鮎川信夫訳 解説=山形浩生 (8月予定)
『柔かい月』 イタロ・カルヴィーノ 脇功訳 解説=和田忠彦 (9月予定)
『ブコウスキーの酔いどれ紀行』 チャールズ・ブコウスキー 中川五郎訳 (10月予定)
『宿命の交わる城』 イタロ・カルヴィーノ 河島英昭訳 解説=鏡リュウジ(11月) 

ジェイムズ・ジョイス 柳瀬尚紀訳
『フィネガンズ・ウェイク 1』 解説=大江健三郎 (10月予定)
『フィネガンズ・ウェイク 2』 解説=高橋源一郎 (11月予定)
『フィネガンズ・ウェイク 3』 解説=高山宏 (12月予定)

☆2004秋☆
アレクサンドリア四重奏(4冊) ロレンス・ダレル

824吾輩は名無しである:03/05/14 12:16
河出がんがれ!
825吾輩は名無しである:03/05/14 13:03
>>823
ネタ…だよね? ホントなの? とても信じられないYO〜!

ホームページの近刊案内を思わず見てきたけれど、6月半ばまで
しか予定は出ていないじゃない。こんなに先の予定って社内の
人しか知り得ないと思うのだけれど。

826吾輩は名無しである:03/05/14 13:14
>>823
マジ? すごいなー。うPに感謝汁。全然知らなかった。
「予定」というのがいささか気になるけどw
予定は未定、にだけはしないでもらいたい。
期待して、あげ!
827吾輩は名無しである:03/05/14 14:11
828動画直リン:03/05/14 14:21
829吾輩は名無しである:03/05/14 15:07
ラインナップだけ発表して倒産する河出書房新社
830825:03/05/14 19:32
>>827
ありがとお〜〜〜!!!
ほんと涙出そうになるラインナップ。

セリーヌ、ユイスマンス、ジュネときて、『眼球譚』の文庫化に
吃驚させられたばかりだけれど、あの文庫シリーズ、かつての角川
クラシックスみたいな企画意図にいつのまにかなっていたのかー。

カルヴィーノ、ダレルなんて本スレ的にはお祭り気分だね。
河出は一度つぶれているけれど、このシリーズ完結するまでは
何とか生き残ってほしい。

国書もこれを励みに文庫シリーズ出しておくれ!!!
831吾輩は名無しである:03/05/14 20:03
古本相場が総崩れしそうな勢いですな。
どれもこれも古本で苦労して買った本ばかり……
否! だれもが気楽に読めてこその文庫なのだ。
新潮社も河出を見習って文庫を見直して欲しい。
832吾輩は名無しである:03/05/14 21:54
世田谷区民のみんな〜
もうこれで図書館に一冊しかない『西瓜糖の日々』に予約三件なんてことはなくなるよ〜(涙
833吾輩は名無しである:03/05/14 23:45
>>823

ま、個人的に、カルヴィーノさんのは全部あるからいいし、
『西瓜』やら『裸御飯』は今更興味無いな・・・(遠い目)

しかし
>『フィネガンズ・ウェイク 1』 解説=大江健三郎
は、取り敢えず解説だけは立ち読みしたい(笑
なんかえらい意外な組み合わせに思えるのだけど・・・
834吾輩は名無しである :03/05/14 23:50
教えてくれた人ありがとー!
買いたくなる小説って久しぶりな気がする。
835吾輩は名無しである:03/05/15 13:15
>>823
ネタじゃないの?
ソースがないと、信じたいけど信じられない・・・。
ぬか喜びさせられるのもつらいしなあ。
836吾輩は名無しである:03/05/15 14:15
>>835
ソースは>>827

信じれ。
837835:03/05/15 18:21
>>836
ほんとだ! >>827見逃してたよ。
河出えらい!!

『柔かい月』が出るなら『コスミコミケ』もぜひ。
河出で版権持ってそうなところだと
ナボコフ『マルゴ』『魅惑者』、ロブ=グリエ『消しゴム』あたりも出ないかしら。
って欲張りすぎか。
838吾輩は名無しである:03/05/15 21:44
『レ・コスミコミケ』は早川SF文庫な罠(w
839838:03/05/15 22:03
あ、『柔らかい月』も早川SF文庫で出てたね。
なら確かに両方出せやって感じだね・・・ (´・ω・`)
840吾輩は名無しである:03/05/17 13:50
ガオシンジェン読んでる
841吾輩は名無しである:03/05/17 15:50
河出のファンになりました。すげーよ。
最近は、河出と早川epiに期待をかけることが多い毎日です。
842吾輩は名無しである:03/05/17 18:43
そういや早川epiって最近新刊が出てないような…。まさかもう打ち止めか!?
843吾輩は名無しである:03/05/17 20:03
>>823
嬉しいんだけど持ってるのも多いなぁ。でもこういうのがいっぱい売れて
続々と新企画が出てくれればなお嬉しいから応援します!
844吾輩は名無しである:03/05/18 04:45
今月のSFマガジンでepi文庫を売り出してたから心配する必要は無いと思う。
興味あったら見てみれ。
845吾輩は名無しである:03/05/18 11:23
epi文庫でコスミコミケでもいいな。
epiより白水uブクスの新刊もしばらく途切れていると思われ。

大手では集英社と角川の文庫に期待。
846吾輩は名無しである:03/05/18 17:54
グラスの『蟹の横歩き』読んだけど、さすがにいい。
歴史物やノンフィクションに興味ある人におススめ。

『私の一世紀』『はてしなき荒野』は読んだ人いる?
4800円、6800円と高額なので引いてしまっている。
前者はタイトルからして気になり、読んでおくべき本
かなという気はしているのだが。
847吾輩は名無しである:03/05/18 21:35
『レ・コスミコミケ』『柔らかい月』以外にも
Qfwfqじいさんものあるようだし、
どうせ出すなら、それらをまとまめて出して
欲しかったかも・・・ (・ω・`)
848吾輩は名無しである:03/05/19 16:54
角川文庫もいきなり「ダロウェイ夫人」だしたりしたな。
あれの訳って他と比べてどう?

白水Uブックスか。そのうち必ず「エドウィン・マルハウス」を出すと
踏んで、古本に手を出すのを控えてるんだけど、出るのかな。
849吾輩は名無しである:03/05/19 17:44
『柔らかい月』の文庫化は復刊ドットコムの働きかけの結果かな?
投票数が120票ぐらいに達していた。

『エドウィン・マルハウス』も、地道だけれど、そういう方法で
盛り上げていくしかないんだろうな。福武書店の本だったから、
どうなんかな?
850吾輩は名無しである:03/05/19 18:54
福武か。名高きジョン・クロウリー『エンジン・サマー』が読みたいなあ。
851吾輩は名無しである:03/05/19 19:44
訳者が渋澤龍彦御大だと『大股びらき』のように
河出で引き揚げてくれるんだろうけどなァ。
852吾輩は名無しである:03/05/19 20:25
>>848
エドウィン、そんなに古くないのに高いよね。4000円で買った。
1万円で売ってるのも見たことある。
uブックだと厚くなっちゃうような気もするけど、復刊きぼん。
853吾輩は名無しである:03/05/19 22:47
>エドウィン
現在71票
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=641


>ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』
あ、ところで早川が出す予定だった『エヂプト』は
どうなったの?
(なんかSF板みたいになってしまったが・・・)
854吾輩は名無しである:03/05/20 08:53
>uブックだと厚くなっちゃうような気もするけど、
たしかに2段組だったね。
(なんか復刊希望スレみたいになってしまったが・・・)
855吾輩は名無しである:03/05/20 23:19
uブックスも2段組にすれば良いだけの話かと思われ・・・


つうかそれ以前にuブックスって白水社だろうが!
(福武文庫化キボン!だろうが!)
856吾輩は名無しである:03/05/21 01:17
ベネッセはもう文庫出しとらんよ
857吾輩は名無しである:03/05/21 06:08
河出は残雪も文庫化してくれないかなあ


858吾輩は名無しである:03/05/21 23:45
岩波は酒国を文庫化してほすぃ
859吾輩は名無しである:03/05/22 02:30
岩波は生きてる人のは滅多に文庫化しないよ。十例も無い筈。
860吾輩は名無しである:03/05/22 08:56
石川淳の『至福千年』はその珍しい例なのかな?スレ違い失礼。
861吾輩は名無しである:03/05/22 10:35
>859
その10例知りたし(土屋文明自選歌集はそうだろな、と思った)。
会議で「その著者、存命だから見合わせましょう」とか言って
いるとおかしい。救済策として「現代文庫」ができた?

至福は1983年初版か。夷齋は確かに異彩を放っている。
いつ亡くなったっけか。
862吾輩は名無しである:03/05/22 13:25
>>861
石川淳は88年か89年だったと思う。

今手許にないからはっきりはからないけど与謝野晶子の自選歌集なんかも
そうじゃなかったっけ?海外物ではアメリカの作家で誰かいたような気が
する。
863859:03/05/22 19:22
>861
手元に資料が無く、覚えてるのはフエンテスの『アウラ・純な魂』
あと、昔、灰帯で誰か外国人がいたはず。
864吾輩は名無しである:03/05/22 19:48
モラヴィアは1990年死去なんだけど、『無関心な人びと』は
いつ出たんだっけかな?
それからボーヴォワール女史の幻想小説『人はすべて死す』
(これ好き!)の初版が1959年でした。
室生犀星詩集も自選なり。

>灰帯
って、何ジャンルでしたっけ?

あまり汎用性のない知識なんだろうけど何か面白くってね。
865吾輩は名無しである:03/05/22 22:57
『無関心な人びと』って昔は早川文庫にあったよ・・・
866吾輩は名無しである:03/05/23 10:25
>865
知りまへんでした。
867ageてもいいかな?:03/05/23 17:56
>>496
かなり前のですが…

「パストラリア」
個人的にはハマリました。
そして日本では(おそらく、どの国でも)ベストセラーには
なりっこないんだろうな、と悲しく思ってます。


「CivilWarLan in bad decline」
(「かなり落ち目の南北戦争ランド」…勝手に翻訳)
を読んでます。
せつない。
868吾輩は名無しである:03/05/24 00:02
>>867
パストラリア面白かったね。バーニィおばちゃん最高!
解説にあったダイベックはそれほどでもなかったけど。
>>868
おお、同士がいた。
私の趣味は周期的に
トムロビンスみたいなのと、
ミニマルなのとを行ったり来たりするのですが、
現在は、この人がいち押しです。
現在形の多用がファンタジックな感じですな。

「床屋の不幸」は、ちょっと他人事じゃない。
870吾輩は名無しである:03/05/24 01:13
CivilWarLandというのも、パストラリアのテーマパーク
みたいに少し軽めのSFなんですか?

短篇集は2つ3つは面白かったけれど、残りはもうちょっと
濃いといいなと思いましたが、この人の長篇はどんななんだろう?
>>870
「CivilWarLand in Bad Decline」は「パストラリア」と同様に短編集です。時期的には前に発表されたもののようです。
表題作は「パストラリア」みたいなテーマパークものです。
表現は軽めでも、内容的にはやはり思いですね。この人は。

関係ありませんが、今日
紀伊国屋でトムロビンスの新作「Villa Incognito」を立ち読みしたのですが、
出だしで、いきなりTanukiが空から降ってくるんです。
ちょっとインパクトありすぎでした。
872吾輩は名無しである:03/05/24 22:11
海外の現代の小説を「読もう、読もう」と思っているのですが、
なかなか手が出ません。
というのも、帯に「〜賞受賞作」と謳われているのを見て、
「その賞はどういう賞なんだ??」と疑ってかかってしまうからです。
日本での文学賞の「性格」はだいたいわかっているので、
それを指針にすることがありますが、海外の文学賞は何が何だかさっぱりわからないのです。
どなたか、だいたいでいいので教えてくださりませんでしょうか?
873872:03/05/24 22:13
例えば「カナダ総督文学賞」と言われても、困ってしまうのです。
874吾輩は名無しである:03/05/24 22:18
875吾輩は名無しである:03/05/24 23:14
>>872

つうか日本の小説でも文学賞を指針にすること自体が間違い。
>>872
ニューベリー賞はあてになると思う。
児童文学だけどね。
877吾輩は名無しである:03/05/26 02:37
ラズベリー賞も当てになるよ。
878吾輩は名無しである:03/05/26 12:16
日本の文学賞は全く当てにしてないけどブッカー賞、全米図書賞、ゴンクール賞あたりは
まだましなんじゃないですか?
879borobudur ◆V71rK62RAc :03/05/26 12:51
豊乳ひでん(莫言)を読みすすめています。なかなか歯ごたえがあるのですが、
読了するまでしばらく時間がかかりそうです。
880吾輩は名無しである:03/05/26 19:34
フラナリー・オコナー全短篇集って、こりゃまたすごい企画が
出ちゃったな。

読み通すと体中の血が入れ替わっちゃいそうなボリュウムだ。
881吾輩は名無しである:03/05/26 20:07
オコナーってそんな面白い作家だったかなあちと疑問。
882吾輩は名無しである:03/05/26 20:46
「賢い血」とか凄かったよ。絶句した。
あと「黒んぼの人形」とかも
オコナーってあんまり話題になったりしないね
883吾輩は名無しである:03/05/26 23:08
>>878

ま、それらの賞でも約半分くらいでしょ、当てにしていいの?

最強はおそらく60〜90年代のロムロ・ガリェゴス賞。
なんせスペイン語圏で5年に1度だったから。
「緑の家」「百年の孤独」等々・・・
884吾輩は名無しである:03/05/26 23:39
オコナー、バリバリ南部じゃん

おーい、しばらく眠れるix獅子o〜n!!!
たまには1席講釈やっとくれ
885吾輩は名無しである:03/05/26 23:52
オコナー全短編集、ちょっと高いね
一冊3600円
二冊で7200円だよ
886872:03/05/27 00:07
どういう感じの作品に与えられるかが知りたいのです。
日本で山本賞だと「エンターテインメント系だなぁ」とわかるわけで。
ゴンクール賞とメディシス賞の違いとかがさっぱりわかりませぬ
887吾輩は名無しである:03/05/27 00:13
>>885
ナボコフもそんなもんで、ヘミングウェイも
そんなもんじゃなかったっけか?
888吾輩は名無しである:03/05/27 01:37
889吾輩は名無しである:03/05/27 02:42
>>888
満腹。
少なくともノーベル文学賞を参考にしちゃいかんな。
890吾輩は名無しである:03/05/27 22:51
>>889

ま、言い尽くされてるけど、
ジョイスもカフカもプルーストも受賞してないからな。


つうか
あれは文学作品では無く、文学者に与えられるものだが・・・
891872:03/05/28 00:29
度々すいません。
賞の「性格」が知りたいのです。
892吾輩は名無しである:03/05/28 07:32
オコナー・・・読破したい作家の一人。
893山崎渉:03/05/28 08:50
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
894吾輩は名無しである:03/05/28 09:32
ひどいな絨毯爆撃
一応あげておく
895吾輩は名無しである:03/05/28 14:54
>>891
「賞の性格」ってジャンルのこと?
信頼性のこと?
なんだろ?
896872=891:03/05/28 23:13
どういった作品に与えられるかが、です。
ジャンルですかね。
後は新人に与えるものなのか、あるいはそうではない作家に与えるものなのか
とかも知りたいです。
897吾輩は名無しである:03/05/28 23:16
>> 888
コールドウェルは「タバコロード」か。
短編の方が好きなんだけどな。
最近、この人の本は本屋で見かけない。
898borobudur ◆V71rK62RAc :03/05/29 19:17
莫言の「至福のとき」を読んだけどよくわからなかった。
再読してみる。
どうやら中国の幻想文学の大御所らしいけど、ガオシンジェンとの比較も含めて
暇ができたらじっくり読んでみます。ここは中国文学を読む人はいないのかな?
899吾輩は名無しである:03/05/29 19:22
莫言については過去ログにレスあるはず。読み込んでいる人が
いますよ。

高行健でしたっけ? 『ある男の聖書』は途中放り出し。

『待ち暮らし』と『お針子』『山の郵便配達』はそれぞれよかった。
何語で書かれたかは別に、中国人の小説ということで。
900吾輩は名無しである:03/05/29 20:12
貴門胤裔はどうよ
901吾輩は名無しである:03/05/29 20:21
>貴門
 ttp://www.aw.wakwak.com/~w22/236.htm
人気サイトで紹介されてる
902吾輩は名無しである:03/05/30 00:01
>莫言については過去ログ

ついこないだでてんじゃねぇーかっ

>>858
903吾輩は名無しである:03/05/30 00:46
>>902
それもあるけど、『赤い高粱』の話が前に出ていた。
904ixion ◆ySh2j8IPDg :03/05/30 08:29
オコナー全短編は素晴らしい企画だね。
"Good County People"を初めて読んだときの衝撃は
今でも覚えてるなぁ。不具の娘の悲劇をただ突き放して
書いてるだけじゃなくて、その底に流れてるオコナーの
人間に対する思いみたいなものが、並みの作家じゃ
出せないと思った。まともじゃないものをネチネチ書くだけ
じゃ、そんなに評価されるはずがないもんね。

そういや、東京創元社、若島さんが訳してるB・S・ジョンソン
の作品は、まだ出ませんか?早くしないと柳瀬訳『トロール』
のように、誰も注目しないまま終わっちまうよ^^;
フラン・オブライエンとB・S・ジョンソンは、まだ日本での
評価が全然足りないと思う…。
905吾輩は名無しである:03/05/31 16:43
オコナー全短編、ちょっと立ち読みした感じでは
須山静夫の翻訳のほうがよかった気がしたけど、どうなんだろ?
紀伊国屋で二冊とも平積みになってたけど、売れるのかな?
906吾輩は名無しである:03/06/01 18:07
あんまり売れてないんだ?
しかし7200円か・・・単行本(須山)より作品数(全とか書いてある
けどほんとなの?)あるから買うよ、貧乏でも・・・ガクン
907吾輩は名無しである:03/06/01 21:17
908吾輩は名無しである:03/06/01 21:22
880でカキコした日に書店に並んだぐらいのタイミングだったから、
売れるも何も、まだ出て一週間ぐらい。衝動買いはしにくい定価でしょ。
意を決して買おうかなとは思うけど、手ごたえある作家だと思うから。

短篇集『善人はなかなかいない』がある人には、全部含まれちゃっている
わけだから、何かちょっと悔しい感じ?

それにしても、米文学って何でルネッサンスという言葉がよく用いられる?
「南部ルネッサンス」「ハーレム・ルネッサンス」にエマソン、ソロー、
メルヴィル、ポーを揃えて「アメリカ・ルネッサンス」……
歴史の積み重ねへの憧れみたいなものがあるのかな。
909吾輩は名無しである:03/06/01 22:28
ちくま文庫待ち・・・
910ixion ◆ySh2j8IPDg :03/06/01 22:58
つーか、全集出すぐらいの気合が欲しいね。洋書なら一巻本で全作品
収録しているものもあるし<オコナー

全然関係ないが…
一昨日、創元文庫の古本で、J・C・ポウイス(ポーイス)の『モーウィン』
買ったんだけど、そういや少し前に『ウルフ・ソレント』も国書から翻訳
されてたよね?この人の作品、以前に『グラストンベリー・ロマンス』
ってのを読もうとして、あまりのぶっ飛びぶり(?)に途中でやめたの
だが、『ウルフ・ソレント:』って売れてるんだろうか…。

誰か読んだ?<『ウルフ・ソレント』
911吾輩は名無しである:03/06/01 23:40
現代海外文学を紹介している優良サイトをどなたかご存じありませんか??
912吾輩は名無しである:03/06/02 00:01
913吾輩は名無しである:03/06/02 01:35
912のサイト、よくトップページのデザイン変わるね
914吾輩は名無しである:03/06/02 09:50
912のサイト、書評が知りたくない情報まで含んでるから、読後のチェックにしか
使えないと思う。
しかし、すげえ読書ペースやね。

ixionもネカマになって掲示板のレス数を増やs・・・
915吾輩は名無しである:03/06/02 21:40
>>914

やっぱ、ここ
>>911
は、ネカマかいな?
916吾輩は名無しである:03/06/02 23:14
>907
サンクス。あやしい意味の語彙がないことを祈るのであった。
917吾輩は名無しである:03/06/03 11:29
>>915
フェミニズム偏重だからネカマではないのでは。
選者の好みが分かりやすいのは良いことだし。

「昏き目の暗殺者」評とかは、それらが顕著に現れていると思う。
918吾輩は名無しである:03/06/03 12:08
本を読むときくらいはイデオロギーを脇に下ろして読みたいものだ
919吾輩は名無しである:03/06/03 12:26
本を読むときぐらいでないと、イデオロギーのことなど
考えやしない…というタイプもいる。そういうときぐらい、
少し頭を使いたいというタイプが――弾かんどいてw。

彼女たちの読書ペースは確かにすごくて圧倒される。
浴びるように読めるというのは、それはそれで素敵なことだ。
ナボコフがダメだったというのが、何とも残念な気がしたけど。
920吾輩は名無しである:03/06/03 17:23
イデオロギーなしの、タブラ・ラサな読書などありえないと思うが。
だから、件のサイトのレヴューも、残念には感じるがそれだけだな。
921吾輩は名無しである:03/06/03 19:24
ジュリアン・バーンズ読んでみたいんですがお薦めの作品ありますか?
といっても日本語版はあまり手に入らないのかな・・・。
922吾輩は名無しである:03/06/03 20:15
白水uブックスに『10と1/2章で書かれた〜』他二冊があるね>バーンズ
923吾輩は名無しである:03/06/03 22:43
>>922

つうかまず「フローベルの鸚鵡」だろ


ところでそろそろ次スレが見えて来たんだけど、
お勧めリンクで、
>>912以外で何かない?
924吾輩は名無しである:03/06/03 22:50
スマセン「フロベールの鸚鵡」ですた・・・ (´・ω・`)

あそこにもあります。
ttp://www.aw.wakwak.com/~w22/299.htm#2

ところでジュリアン・バーンズって
まだブッカー賞もらえて無いんだったけ?
925吾輩は名無しである:03/06/04 15:14
飄々として面白かった『フェンス』の作家フランク・ミルズの
邦訳新刊が並んでいたなー。
書店にいられる時間が短かったからよく眺めずに帰ってきたけど…。
買っても読む時間が少ないと思うと、購買意欲は減る減る。

海外小説(できれば邦訳で)に文学フィルターちょいかけて紹介してくれる
ようなサイトで、当てになりそうなところって見かけない。
だから、ここに来ているんだからー、できれば読了本について「こういう
ところが面白い/読む価値ある」と、みんなポイントだけでも書いてよ〜。
『コレクションズ』『昏き目〜』のときみたいに、ね。
926925:03/06/04 15:32
ごめ〜ん、フランク・ミルズじゃ音楽畑だよ〜ん。

マグナス・ミルズ『オリエント急行戦線異状なし』じゃ。
訳が風間賢ニ氏で「ピンチョン絶賛」と帯にあっただよ。
927吾輩は名無しである:03/06/04 15:44
マグナス・ミルズだにょ
928吾輩は名無しである:03/06/04 19:31
>>925
当てになりそうなところって見かけないに同意。
例の人気サイトも当てにできないし・・・

929吾輩は名無しである:03/06/04 19:51
評価があてになる/ならないは、個人の趣味嗜好が合う/合わないもあるから、
他人のお薦めを聞くより自分で地道に探すしかないぽ
googleで自分の好きな作品を片っ端から検索かけて、出てきたサイトを虱潰しにすると
波長の合うサイトにたどり着けるような気がする。つーか、そうやっていくつか探し当てた。
それでも見つからなきゃ、自分で読書感想サイト作って似たような趣味のヤツが
ひっかかるのを待つぐらいしかないかもネ。
930吾輩は名無しである:03/06/04 23:28
これこれこういう感じだから、ああゆうのが好きな人には
お勧め! っての分かり易くていい(w

あと、ここ数年読んだ中では最高の出来映え、絶対お勧め、
とか強引なのもいいよ(w
931吾輩は名無しである:03/06/05 09:35
漏れは高橋源一郎が勧めてるものならアタリの場合が多いなぁ。
文芸評論家より頼りにしてます。
932吾輩は名無しである:03/06/05 12:13
北上次郎がすすめるものは信じない
タレントがすすめるものは信じない
933直リン:03/06/05 12:21
934吾輩は名無しである:03/06/05 12:58
柴田元(ry
935吾輩は名無しである:03/06/05 13:03
須賀敦子さんが生きていればなー
936吾輩は名無しである:03/06/05 13:16
だーれかさんがサイトでそういうコーナー作るといいのになー。
洋書や邦訳書を読んでみて、さらっと軽く論評してみせるような…。

もっとも、だーれかさんはそういう世間ずれしたことをしないから
イイという側面もあるけれどね。
937吾輩は名無しである:03/06/05 22:14
ま、ここ的には月並みな意見だが、
高橋源一郎や柴田元より
だんぜん風間賢ニだな(w


>>936
つーかそのだーれかさんのホムペあるよ・・・
938ixion ◆ySh2j8IPDg :03/06/06 00:01
上のサイトでも書いてあるHolesをうちの同居人に渡したら、
めちゃくちゃ夢中で読んでる。あれは面白いもんなぁ
(その前にはテツナーの『黒い兄弟』渡して、それから
神沢利子『銀のほのおの国』を渡した。前者はそうとう
楽しんだようだ…もちろん結末以外^^;)。

で、今相方は岡崎版『うたかたの日々』をねっころがって
読んでるのだが、一方俺が読んでるのはこないだ
岩波文庫で出たリアの『ナンセンスの絵本』。
やっぱり柳瀬尚紀はすごいぞ、うん。
939吾輩は名無しである:03/06/06 09:16
『穴』は面白い。ミルズの『フェンス』と漂う空気が似ている。

前者は向日性があるということで児童文学としての安心感。
後者はブラック・ユーモアに満ちているということで、
皮肉な読書家向けというところかな。

昔の日本の児童文学者のファンタジーはいい。日本の土地や自然、
神話や民話とつながっているところがあったから。
今の書き手は、無国籍風が多いのが何ともさみしい。英国ファン
タジーを読み込んだ世代が書くから、そこからの借り物が多い
気がしてね。富安陽子はなかなか読める方だと思う。
940吾輩は名無しである:03/06/06 18:46
すまん……『穴』って誰の作品?
941吾輩は名無しである:03/06/06 20:00
>>940
ルイス・サッカー。
日本では『朗読者』がバカ売れした年に出て、その年の児童文学の
邦訳ものナンバー1として結構人気の本でした。

サッカーは、この本で全米図書賞とか、上に誰かが書いていた
「当てになる」ニューベリー賞も取っていたはず。

ついでに言うと、この本が所収されているユース・セレクションって
注目の作品が多いので要チェック。ヤング・アダルト対象のシリーズ。
でも、ひと通り売れると、あっさり絶版にするんだよね、講談社。
942吾輩は名無しである:03/06/06 20:56
>>941
ちなみに「穴」は映画化されました
943吾輩は名無しである:03/06/06 21:33
「穴」で映画化といえば、ジョゼ・ジョヴァンニ原作(ハヤカワミステリー)
ジャック・べッケル監督の脱獄ものの元祖ともいえる傑作がありますが、
上の本を見かけた時もてっきりパロディーかとおもた。
944940:03/06/06 23:08
>>941-942
どうもありがとう。『トイレ間違えちゃった』の人でしたか。
探して読んでみます。
945吾輩は名無しである:03/06/07 10:28
「穴」の映画化知らんかった。楽しそうだね。

>ジャック・ベッケル監督
………………………。
映画好きなのか、年季の入った方なのか。
「マルコヴィッチの穴」ならいざ知らず……、渋すぎる。
数日前に前線座の話をした人じゃなかろうか…などと。
946吾輩は名無しである:03/06/07 21:07
ジャック・ベッケルといえばジャン・ルノワールの助監督出身の名監督。
1010数年前に映画祭があって今は亡き扇町ミュージアムスクエアに日参しました。
947吾輩は名無しである:03/06/07 22:09
>>945
ジャック・ベッケルの『穴』は有名作品なので、
そんなに渋すぎる連想じゃないですよ。
948吾輩は名無しである:03/06/08 23:56
児童文学の話が出ても
「児童文学は現代文学じゃないだろ」とかわけわからんこと
言う人がいないなんて、素晴らしいスレあげ
949ixion ◆ySh2j8IPDg :03/06/09 23:39
カニンガム『この世の果ての家』とジュースキント『香水』が
文庫化されました。
950吾輩は名無しである:03/06/10 19:42
国書刊行会がやってくれました。
http://www.kokusho.co.jp/news/index.html

<文学の冒険>シリーズ
『フリアとシナリオライター』バルガス=リョサ/野谷文昭訳 今秋刊行予定
『レッド・ダート・マリファナ』テリー・サザーン/松永良平訳 今秋刊行予定
『ハイチ短編小説集(仮)』今秋刊行予定
『ハードライフ』フラン・オブライエン/大澤正佳訳 今冬刊行予定
『パラディソ』ホセ・レサマ=リマ/旦 敬介訳 今秋刊行予定

サザーンの翻訳って何年ぶりなんだろう。
951吾輩は名無しである:03/06/10 21:28
これも期待。

『運命ではなく』ケルテース・イムレ/岩崎悦子訳 
952吾輩は名無しである:03/06/10 21:30
ちょっとまて、「フリアとシナリオライター」って次回配本じゃなかったのか。
今秋って。

俺としては、国書がSFに力を入れだしたみたいなのが嬉しいな。
ステープルドンの幻のアレが。

それに、「未来の文学」シリーズだって。

ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』柳下毅一郎訳(第1回配本)
イアン・ワトソン『エンベディング』山形浩生訳
シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保譲訳
トマス・ディッシュ『ベスト・オブ・ディッシュ』若島正編
R・A・ラファティ『宇宙舟歌』柳下毅一郎訳

サンリオの再来か。
継続していろいろ出して欲しいところだ。
クリストファー・プリーストとか、ジャック・ウォマックとかを今出すとすれば
ここくらいしかないのでは。そういやティプトリーも未訳の長篇があるはずだが。
953吾輩は名無しである:03/06/10 22:00
>>952
これちょっとすごいですね。
しかし、こうやって見るとSFって停滞しているのかな?

マイクル・コニィーも翻訳希望
954吾輩は名無しである:03/06/10 22:10
プロントメク高過ぎ>マイクルコニー
955吾輩は名無しである:03/06/11 01:06
>950
報告ありがとん。そして、次スレよろ。


SFはイーガンとかチャンとかユリイカで特集したスティーヴンスンとか訳され
てるじゃん。ニール・ゲイマンも出るらしいし。
956吾輩は名無しである:03/06/11 03:56
次スレのテンプレどーすんべ?
957吾輩は名無しである:03/06/11 12:06
>>956
シンプルに↓こんなのでいいんじゃないの? 立てられる人よろしくー。

■■海外現代文学総合スレッド2■■

前スレ
■■海外現代文学総合スレッド(××派編)■■
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1018191713/l50
958吾輩は名無しである:03/06/11 13:03
シンプルでいいね。
「総合」の意味が今にして思うと深いよ、実に。
ずいぶんいろんな本が出てきたから…。

952の未来シリーズは、どれが「買い」かな?
ディッシュとラファティしか知らなくて。
959吾輩は名無しである:03/06/11 18:18
■■海外現代文学総合スレッド 2 ■■
9601:03/06/11 22:17
あ、スレタイは
■■海外現代文学総合スレッド 第二回配本 ■■
でどう?

おいらは
イアン・ワトソン『エンベディング』
が期待です ヽ(´ー`)ノ
961吾輩は名無しである:03/06/11 22:31
で、この板の関連リンクなんだけど

ラテンアメリカ文学
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1046131855/
キングぶったぎりキング。スティーブン。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1033139070/l50
【軽さ】イタロ・カルヴィーノ【速さ】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1036610249/l50
★★リチャード・パワーズ★★
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1010834033/l50
ボ ル ヘ ス 命
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/999870287/l50
日系英国人作家★カズオ・イシグロは?
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1035385054/l50
ゴンブローヴィッチどうよ?
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1043588600/l50
【トマス】ヴァインランドの訳注の注【ピンチョン】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1042446065/l50
J・G・バラード はなんで凄いのか
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1012183151/l50
【衒学】ウンベルト・エーコの半島スレ【長靴】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1048591113/l50
962吾輩は名無しである:03/06/11 22:31
■■カート・ヴォネガットのゆりかご■■
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1018016184/l50
【幻視者】スティーヴ・エリクスン【ヴィジョナー】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1042966185/l50
ミシェル・ウエルベック
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1037234149/l50
ニコルソン・ベイカーをめぐって
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1035069304/l50
現代アメリカ文学最大『アンダーワールド』
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1029133601/l50
【Marguerite】マルグリット・デュラス【Duras】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1036915926/l50
レイモンクノー
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1027851825/l50

見落としてるのあったらよろしく
963吾輩は名無しである:03/06/11 23:13
新スレ立てますた。
>>957-962サンクス!

■■海外現代文学総合スレッド2■■
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1055340588/l50
964吾輩は名無しである:03/06/12 00:47
あとこのスレどうやって埋め立てするの? (´・ω・`)
965吾輩は名無しである:03/06/12 06:32
海外現代文学
オールタイム・ベスト3やるとか?
966ixion ◆ySh2j8IPDg :03/06/12 15:13
スレ消費。

イアン・ワトスンって、いまいちつかめない作家なんだよなぁ…。
黒き流れ三部作って、結構すがすがしい(いや、もちろんああいう
認識・意識変革系にしては、ってことだけどさ)SF作品だったけど、
短編になると「奇想」(って言葉も何いいたいのかわからん言葉
だが、便利なのであえて使う)SF作家って感じになってくる。
一方で、社会批判の眼差しもしっかりしてて、だからジェンダー
の問題とか、高度機械文明から外れた、しかし力のある文明を
描いたりさせるとなかなか良い。でも最近はあんまりSF書いて
ない(マヤの本はSFじゃないだろ^^;)しなー。
で、『エンベディング』は読んでないけど、言語構造に関わる話
らしい…全く、いったいどういう作家なんだろう?

で、俺が読んだこの作家の「奇書」ナンバーワンは
Chekhov's Journey (1983)です。催眠術で自分をチェーホフだと
思い込んだ役者が、いつの間にかチェーホフ&未来の宇宙飛行士
になって(というか、時空転移でもしたんだっけ、覚えてねーや^^;)
いろいろ起こる、って話なんだけど、いたって真面目だったりする
SF作品。随分昔だけど、読み終わったあと「なんだかなぁ」と
思った覚えがある。今手元にないのが残念。
967ixion ◆ySh2j8IPDg :03/06/12 15:21
て言うか、今気づいた >>950

その作品名だけは聞いていた『パラディソ』が出るのか!!
<国書 文学の冒険

米国の出版社で、その作品ラインナップには定評がある
Dalkey Archive Press(勝手に米国版国書刊行会だと
思っているのだが^^;)のラテンアメリカ作品のなかでも、
高い評価を受けていた作品だった。

読もう読もうと思ってた作品、今から楽しみー!!
968吾輩は名無しである:03/06/12 23:20
>>965

んじゃ、埋め立てイベント
★2ちゃねらーが選ぶ!!海外現代文学 オールタイム・ベスト3★
おいらからいくよ〜
暗黙の了解で60年代以降ね。

『百年の孤独』マルケス
『重力の虹』ピンチョン

う〜ん、 あとひとつが難しいねぇ・・・
『真夜中の子供達』? 『薔薇の名前』? 『抱擁』?

取り敢えず『抱擁』


>イアン・ワトスン
確か『エンベディング』は処女長編で、
それを含めて初期の長編は奇想てんこ盛りタイプ
ってことらしいですね


>『パラディソ』
あと国書にはフェンテスの『我らの大地』にも手をつけて欲しいです。
969次スレ11w:03/06/13 00:32
ジョセフ・ヘラー『キャッチ22』よろしくお願いしたい。
今引っ張り出したら、なんとか1961出版だった。
970吾輩は名無しである:03/06/13 10:10
ぺレック『人生 使用法』
ティム・オブライエン『カッチアートを追跡して』
クンデラ『冗談』
辺りも入れて欲しい。
971吾輩は名無しである:03/06/13 19:14
パワーズ「ガラティア2.2」
ピンチョン「ヴァインランド」
ミルハウザー「三つの小さな王国」
972吾輩は名無しである:03/06/13 20:17
ヴォネガット『母なる夜』
クノー『青い花』
ピンチョン『V.』
973吾輩は名無しである:03/06/13 23:25
おなじく、ヘラー「キャッチ22」
最初に読んでから20年以上たつが
いまだに心の中に残りつづけている。
私にとって、ほかにはこんな作品ない
974吾輩は名無しである:03/06/13 23:32
Martin Amis の本読んだことある方、いませんか?
ガーディアンの記事でいつだったか特集読んで
気になってるんですが…。
翻訳された作品ってあるのかな?
975973:03/06/13 23:35
ベストスリーだった。こめん。
じゃあ
1. ジョゼフ・ヘラー「キャッチ22」
3. ゴールディング 「蝿の王」
2. マルケス 「世界で一番美しい水死人」…あれ?間違ってるかも。
短編も入れてしまった。
読んだ直後の衝撃よりも、読後心に残る時間の長いものを選びました。
したがって、かなり個人的。
976吾輩は名無しである:03/06/13 23:35
質問スレにも書いたのだけど、こちらにも。
今ベンジャミン・フランクリンを調べようとしています。
フランクリンのアメリカ文学に与えた影響についてです。
どなたか、フランクリンがどの作家にどの様に影響を与えたか
ごく簡単でかまわないのでご教授ください。お願いします。
977吾輩は名無しである:03/06/13 23:38
>調べようとしています
じゃなく、「調べています」の状態で質問しろよ
978976:03/06/13 23:42
>>977
というより調べ始めたと言う感じ。
979973:03/06/13 23:44
>>974
Martin Amis "Money"
今読むと、もしかすると古いかもしれない。が、かなり文章がいい
翻訳もあるのでは?
980吾輩は名無しである:03/06/14 00:05
>974
『時の矢』『サクセス』も面白かった。
前者はバラードにそっくりの短編があるな……。
981吾輩は名無しである:03/06/14 00:14
>Martin Amis
マーティン・エイミスって
キングスレー・エイミスの息子だね

以下が翻訳されてるもの。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%82%B9%2C%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3/249-4093117-4025955
982969:03/06/14 00:22
>>975、自分も一作だけあげてたスマソ。投票形式かと。
改めて
ヘラー「キャッチ22」
マルケス「百年の孤独」
あと、客観的な評価は別として、消防〜厨房時代に初めて読んだと
言ってもいい(世界名作劇場の類じゃないw)文学作品。
バーナード・マラムード「修理屋」
983吾輩は名無しである:03/06/14 15:52
ヘラーの評価が高くてびっくり。でもあえてセリーヌを。

1セリーヌ「城から城」
2ミルハウザー「エドウィンマルハウス」
3メリル「性爆発」
984吾輩は名無しである:03/06/14 16:06
>3メリル「性爆発」 って?
985吾輩は名無しである:03/06/14 17:24
サイモン・メリルの作品ですね。
そういうのならアルフレート・ツェラーマンの
「親衛隊少将ルイ十六世」もええよ。
986吾輩は名無しである:03/06/14 19:05
ブクオフでカミロ・ホセ・ミラ「二人の死者のためのマズルカ」を見つけたので購入。
ノーベル賞作家の最高傑作と言われてるにかかわらず、
ネット上にほとんど情報がないyo

でもこの人に限らず、ノーベル賞作家って影薄いね。
987吾輩は名無しである:03/06/14 19:08
>>985
それ読んでみたいんだけど、どこで読めるの?
988吾輩は名無しである:03/06/14 20:07
>>986
パスクァル・ドゥアルテよりすごい出来なのかな?

『キャッチ22』も、双璧のティム・オブライエン『カツィアトを
追跡して』も、ピンチョンも…、現代米文学の大作をまるで読んで
いないから何か肩身が狭い気がするし、しかもリストアップ苦手
なんだよねと言い訳しておいて…。

エリアーデ 『ムントゥリャサ通りで』1967
ギャリコ  『七つの人形の恋物語』1954←ちと古い
ギンズブルグ『ある家族の会話』1963

次点:エンデ『モモ』
   A・M・リンドバーグ『海からの贈り物』
989吾輩は名無しである:03/06/14 20:10
自分を納得させた理由としては…

『ムントゥ〜』社会、それも冷戦下の東の管理社会を描いている。
「幻想」とはこういうものなのかということを思い知らされる。
論理的で重層的な物語構造をもちつつ、神話・伝説の要素がある。

『七つの〜』ぼろぼろ泣ける恋愛物である。「パーソナリティー
分裂」という現代社会の大きな問題を読み取れる。視覚的な描写の
魅力。訳が矢川澄子さんだから。

『ある家族の〜』感性に流されず、しかし深い愛情で家族を描いている。
「言葉」の豊饒や意義を再三認識させられる。須賀敦子という物書きを
この世に生み出した。ユーモアと生活への悦びに満ちている。

バランスで選んだ感じ。こうしてみると、現代物はまだまだ
これから読まなきゃという気がする。
990吾輩は名無しである:03/06/15 21:49
みんな渋いの挙げてるなぁ・・・
正直「キャッチ22」は盲点だった。目から鱗。
991吾輩は名無しである
3月に開設した若島正氏のサイトでリンク貼っている
 ttp://www.complete-review.com/main/main.html
ほんとに充実のコンテンツ。

難点は英語だということなんだけどw、向こうの
いろんな雑誌や新聞の評価も一覧になっているから、
それだけ見てても選書の手がかりにはなる。

それにしても、若島さんの愛称「ただぴょん」には
かなり萎えたよ〜ん。端正にしてユーモアを解すと
いうのは、小説でも人間でも好みだけどね。