あー、荒れるの承知で書いちゃうけど、 すみ&にえってあんまり好きじゃないんじゃよね。 アクがないっていうか、当たり障りのない粗筋の紹介みたいで。 レビューっていうのはそういうものかも知れないけど。 でも、すみ&にえ以外でコンスタントに翻訳作品読んでるサイトというと思いつかない。
>1 乙一。 さー、来月以降が楽しみだ。 >7 荒れるのか?(´Д`;)ビクビク まー、個人の意見だからそれはそれで良いかと。 自覚なきフェミ書評ではあるけど、真摯な姿勢が看取できるし好感を持ってるよ。
>>7 おいらは、めぼしいところが殆ど網羅されてる点だけでも
素直に感心してしまうけどなぁ・・・
お〜 荒れてきた荒れてきた (;´Д`)
充実のテンプレートお疲れさま!! >おいらは、めぼしいところが殆ど網羅されてる点だけでも >素直に感心してしまうけどなぁ・・・ 同意。 趣味に合う/合わない、面白い/大したことないの評価は自分で読んで 下すものだから、「新刊リストに詳しい粗筋がついたもの」と思って 見るぶんには、すごい情報じゃないか、と。 たまに眺めると感心してしまうよ。 あれだけ反応があると、次から次へ追い立てられるような読書で大変 なんだろうと思うし…。もっとペースダウンして、精選したものを掘り 下げてくれれば良いとは思うけどね。
乙です。
自分も
>>9 に同意だな。なにか読んだ後でネットに検索かけると、
かなりの率であのサイトがヒットするし。素直に読書量がすごいと思う。
今、マキューアンの「贖罪(和訳ですw)」読んでます。82ページに、
(声が)「また高くなったのは、口論だろうか、激しく同意しあう
声だろうか。」という文が出てきて水吹き出しそうになった。
>>11 それは婉曲表現に水を吹いたのか、
「激しく同意」に水を吹いたのか?
わかりづらくてスマソ。 「激しく同意」という表現を2ちゃん以外で見たせいです。 ちょうど水飲みながら読んでいたので。
14 :
吾輩は名無しである :03/06/12 17:20
>>11 思わず原文をあたってしまったよ:
"...talking at once, rising, falling, and rising again,
perhaps in dissent, perhaps excited agreement."(Vintage p65-66)
これかな?
>13 2ちゃんとは限らないが、ウェブ上の掲示板以外で使われてるのは確かに あまり見ないですね
むしろその二つの効果が相乗し合ってワロタよ AA的にはギシギシアソアソみたいな
W.G.ゼーバルトの『アステルリッツ』、7月下旬予定だってさ。たのしみー。
たまたま2ちゃねらー文体になっただけのような気が…。
もちろん訳語に対してはププゥーと楽しめるけど。
「激しい口論」という慣用句を受けて、その「激しい」を
「同意」の形容詞にスライドさせたようにとれるJo。
「禿」に変換されてなくてヨカッタ、ヨカッタ。
exicited agreememtって、この場合ほかに適訳語あるかな?
「興奮がちの同意」とかにすると締まらない感じ。
>>18 どこから出るの?
>>20 『アウステルリッツ』ウが抜けてた。白水社です。メルマガに載ってた。
23 :
吾輩は名無しである :03/06/14 00:24
中国文学に興味津々なこのごろ・・・・
24 :
吾輩は名無しである :03/06/14 09:01
莫言先生age
25 :
吾輩は名無しである :03/06/14 09:52
ほうにゅうひでん を図書館で借りてきた。
26 :
吾輩は名無しである :03/06/14 15:46
蓬乳秘伝?
27 :
吾輩は名無しである :03/06/14 16:42
「ジェネレーションX」ダクラス・クープラント 「ビーチ」アレックス・ガーランド とかって、日本の読書家にはどんな評価されているの? わたしは、わりと好きなんだけれども、だれか聞かせて。
28 :
吾輩は名無しである :03/06/14 16:53
「なんとなくクリスタル」みたいな。今更読むものでもないかと。
なんかこのスレ、一般書籍板化してない?
>>28 「なんとなくクリスタル」を読んでいないのでなんとも。
例に挙げた著書はちょい古いんですけどね…
>>27 の作家
はどういう評価されているのか(いたのか)を知りたくて。
31 :
吾輩は名無しである :03/06/14 17:19
ジェネレーションXは当時アメリカで流行した。 読んでなくても名前は知っている人が多い。 グランジロックを聴きながらってのが定番。 今が一番思い出すのに恥ずかしい時期だと思う。
>>31 >今が一番思い出すのに恥ずかしい時期だと思う。
平和な時代の話だからかな。確かに、911とかあったからねー、
『ハズい』なんとなく理解できるな。
んでは、今の時期を象徴してる、海外の作家さんて、いますか?
まだ、混迷してるのかな?
>>33 芸のない反応をするならデリーロかな。今のアメリカはあの事件から
新しい段階に入ったけどそれが反映された小説が出てくるのは今年か
来年あたりでは?そういう意味ではオースターなんかがどういうもの
を出してくるのか興味ある。あとピンチョンに期待するのは無理だろ
うか?アメリカ以外の作家ではラシュディ辺り。
難しいな。 アメリカ国民の大半がマスコミに洗脳されている(と我々も思わされてる)現在、 申し分なく書くには相当の確信と覚悟が必要だろう。 オースターら優れた作家の一部はユダヤ人であり、彼らがパレスチナ情勢をどう 見るかは非常に興味がある。 (オースターは直接政治的なことは書かないと思うけど)
>今の時期を象徴してる 「9・11以後」とか「米国V.S.イスラム」といった意味でいいのか? むろん手法がリアリズムか寓話かは問わないとして。 家族をはじめとする身の回りの人間関係から見つめ直すという傾向や 歴史に学ぼうという傾向、人間存在の根源を問うていこうという傾向の なかにむしろ、奥深い「米国への警鐘」を読み取れる気がするのだが。
>>11 『贖罪』読了したら感想キボン。
若島正氏が毎日新聞の評で「近年の英国小説における最大の収穫だと
断言しておこう」と書いていた。
それ読んだら、オコナー全短編と『ベル・カント』をクリアしたあとに
読んでみようかと思ったんだけど…。
39 :
吾輩は名無しである :03/06/15 23:35
ヴォネガットに死ぬまえにガツンと一撃期待したい。 死ぬ前の老人でないと好きにやれないというのがなんともだが。
40 :
吾輩は名無しである :03/06/15 23:47
確かに今の世界で政治的イデオロギーに全く抵触しないで文学をつくるのは無理だろうな だけどあんま911以降の事にこだわりすぎても一時期の米ソが遂に核戦争に・・・・・・ってなちょっと 恥ずかしいテーマになりそうな予感 と、いうわけで、メイラーのthe naked and the deadをちょびちょびと読み進めている今日この頃
レス遅れてしまい(マトリクスを見にいっていたw)すいません。
>>34-40 not37
みなさん、ありがとうごさいます。
例にあげていただいた作家の書籍、注意してみてみますね。
>今の時期を象徴してる
そうですね、私見ですが今の時代は、解っていたけれども無視して
来た色んな問題をわりと日常で実感できる時期だと思うので、
最近、日常にリンクする何か丁寧な物語が欲しいな、なんて思ってます。
>>36 >人間存在の根源を問うていこうという傾向
>奥深い「米国への警鐘」
このへん、増えそうですね。
>一時期の米ソが遂に核戦争に・・・・・・
↑これ系のハナシは、もーお腹いっぱいですネ(w
そーいえば、マトリクスの劇中の、テレビの中にブッシュ
さんぽい顔が出てました。良くも悪くも、時代反映してます。
とりあえずオースター狙っておきますー。
42 :
吾輩は名無しである :03/06/18 00:45
重複スレ?の方が上だから一度あげるね。もし荒れたらごめんなさい。 前スレ落ちたっぽくて、文学板の速度はもっとゆっくりだと思っていたので 焦りぎみぽw。 んでもってそれだけだとつまらんから、スレ違い厨房質問。 全然現代文学じゃないんだけどw。ここの住人たちの意見を伺いたくて。 ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」で一番怖いのはアメリカ人家庭教師の のうてんきな突っ走り正義感ぶり? 昔読んだときにはそう思っていたんだけど、新潮文庫の解説読んだら、 彼女に必要な属性は「整然として、堅実で、勇気がある」属性を持ち、 「彼女の語る事実だけが正確に、ありのままに読者の前に浮き出るように、 作家はこれを描いている。」とあってかなり意外な感じで。 この作品、雰囲気は好きなんだけどわかんないよ。厨房質問スマソ。
>重複スレ? え?どこ
どう考えても、前スレと重複スレが間違えられて削除されて しまった気がして仕方ない。 手すきになったら、前スレの書名や作家をチェックしておこうと 思っていたのでズガガガガーンとショック受けた<dat落ち html化は3ヶ月以上先だよね? まあ、それまでに読みたい本は山と積んであるが。 H.ジェイムズ君のスレは不思議なことに、まだ生き残っていたあるね。
>>45 うわ。単独スレあったんだ>ジェイムズ。皆さんスレ汚しごめんなさい。
でも自分は「ねじ」と「アスパン」と短編数作しか読んでいないから敷居が高い。
>前スレと重複スレが間違えられて削除されてしまった気がして仕方ない。
そのようですね(泣。
いや、20世紀文学の先駆けであったとも言われるジェイムズの 名を出すのに、「汚し」ということはないっしょ。 敷居は、おさむ君がまたぎ易いようにしてくれているw。
48 :
吾輩は名無しである :03/06/19 01:16
>>45 もう全鯖が蝉化したのでHTML化は基本的に「されません」
>>49 さん
わざわざ依頼してくれたことに感謝!!
海外現代文学ベスト3って、考えてるうちに
いつの間にか前スレがいなくなってたよ^^;
(ヘラーって結構人気あるんだね)
ピンチョンなら、やっぱ『重力の虹』か。
カポーティ『冷血』も外せない。
ジュネ『恋する虜』も素晴らしい。
グラスのダンツィヒ三部作や、ギャディスの『認識』、
マッケルロイの『女たちと男たち』なんかも入れたい。
F・オブライエンとかバロウズはどうだろう…。
SFにも素晴らしい作品がたくさんあるし・・・。
てことで、やっぱり決まらなかった<ベスト3
あ、ixionさん。 いろんなスレで拝見しています。 多分ヘラースレでもいらっしゃったのでしょうか。 のびませんでしたが、あのスレにも3、4回ほど書き込みましたw。 ヘラーは「古書店めぐりは夫婦で」によると一発屋だったらしいのでしょうがないかもですが、 「なにかが起こった」も「輝けゴールド」も「笑いごとじゃない」もけっこう楽しんだ自分には 悲しかった。(すべて和訳なのが何ともw。このひとの英語に太刀打ちできないと思いPicuture Thisは積読中) うざい個人レスですが、のんびりマターリスレだから許して欲しいスマソ。
>>49 おいらからもお礼。
ぐっじょぶ!
>マッケルロイの『女たちと男たち』
うわ、これも読んでるの!(^_^;)
(確か1200ページの大作でピンチョン系)
紹介たのんます。
>>35 >>41 にタイミング合わせたみたいに、オースター氏の発言が新聞に…。
「政治が極右に侵されている」とマドリード講演会で16日に
ブッシュ政権をこき下ろした、と。
その記事の上(朝日夕刊)に、70歳になったソンタグ女史も、
ドイツ出版業界平和賞をとった、と。
『この時代に想う テロへの眼差し』などが評価された
もよう。やっぱりまだ、単に作家というより、
ラディカルな意志のスタイルのイメージのまま。
>>52 ベスト3選考なんて無茶な真似をw
候補を30くらい挙げて、それから比較してくのが良いのでは?
>>37 先ほど、「贖罪」読了。
ただ、自分は文学作品は好きなんだけど、文学については一般教養程度の
知識しかないので、厨房の読書感想文になってしまうと思うスマソ。
マキューアン、こういう物語もつくるのか、意外。というのが読んでいる途中の
印象。先日「昏き目の暗殺者」読んだこともあって、アトウッドが書いたと言われ
ても信じてしまいそうだ。(女性の回想という形式もあって)
起こったこと自体はかなりわかりやすく提示されていて、読者はもどかしく思い
つつ読み進んでいくことになると思う。
最後の部分を、帰路のガソリンスタンドで洗車待ちしつつ読んでいたんだけどw、
あやうく目が潤みそうになった。安易でスマソ。
かなりのケレン味も含み、「キャッチ22」のあのシーンを思わせるような部分も
あり...。自分はマキューアンは邦訳出たやつは多分だいたい読んでいて、原文は
Cement〜しか読んでいないんだけどw、ものすごく幅の広い作家になりつつある
(なった?)んだな、のがよくわかった。
「夢見るピーター」を読んで、マキューアンをもう少し読もうかと言っている友人が
いて、「いきなり「自家調達」なんて読んだらどうしようガクブル」と思っていたので、
この作品を薦めようと思った。
浅い読み、しかも長文スマソ。もう少し整理してから書き込みたかったけど、さっき
読み終わったばかりの勢いで書き込みたく。
>>11 さん
感想ありがとう。違うマキューアンが読めそうということで期待大。
ヨーロッパ方面で今、目が離せない作家の一人だし上手いのだろうが、
「何かが物足りない」という感じがつきまとってる。
その何かが今回はあってほしいな…と期待。
技巧に走る傾向とか、読者層を知識人に限っちゃうようなところが
あると分析するけど、そこを突き破っててほしい感じかな?
>>56 自分にとってのオールウェイズ・ベスト3かと思ってた。
大作をあまり読んでいないから挙げられない事情もあったけれど、
ここに来る人って趣味の傾向に広がりがあるから、大事に読んだ
3冊を挙げてくれると楽しいな、と…。
キングなんかとても現代的だと思うけれど、文学という枠を
意識すると、挙げる人はいないのかな?
90年代の作品がほとんど出てこないのは、評価が定まっていないから?
こうしてみると、20世紀後半、ヨーロッパ文学はWWUへの贖罪、
米国文学は覇権主義への疑念や抵抗みたいなものが主たるテーマ
だったように取れる。アジアは伝統や体制との確執、ラテアメは
政治色濃いものもあるれど、人間の本性に一番がぶり寄って物語の
豊饒を大事にしているような感じがする。
日本は、何かひとつ通った筋がないような…。
紹介、っつってもねぇ…<McElroy
>>54 さん
読むのに2ヶ月かかった、根気との勝負^^; まさに"a tome"って感じ。
片方に母親が自殺し、インディアンと熱愛したような祖母を持った男、もう片方に
フェミニストのワークショップやってる女。その間に多数の登場人物がいる。
しかもみんなが大体両者の共通の(common→この作品のキーワードのひとつ、
かな?)友人か、その友人の友人というwebの絡み合い。ここらへんはBrian McHale
がいうようにディケンズ的世界のパロディだと思う。もしくは「隣接性/換喩」を示して
いるのかもしれないけど。
"This global network looked so compact, but put yourself in it and your
neighborhood is endless"(1013, Women and Men)
とにかくニューヨークのアパート、いやニューヨークという個が群生(語義矛盾だけど)
している場所で、これだけのwebで結び付けられているにもかかわらず、主人公の
二人はすれ違いまくる。つーか合わない。ジャーナリスト、情報科学、メッセンジャー
なんて、"connect"することを役割とする人々が二人の間にいて、さらに現代版オペラ
「ハムレット」がニューヨーク上演されるときに、その観客はほとんどが二人の知り
あいだったりもするのに、この二人の間にはconnectionが生じない。
冒頭、生誕の場面から始まって、premodernの散文の歴史を追いながら
(まぁトリストラム・シャンディでさえも「生誕」をめぐる愚痴から始まるしね)、
さらに男の母の自殺をめぐる謎やキューバとチリの間での陰謀など、
だんだんmodernの散文へとつながっていき、しかし同時に、二人の
女と男の間にconnectionが不在である、というpostmodern的な散文でも
ある。また作中にはいろいろな情報(bits)が詰め込まれている。
まぁ、ピンチョンほどではないにしても、こういう意欲作はあっていいと思うし、
読みながら後藤明生の楕円や団地の思想を思い出したりもしたよ。
こんなところで許して。もう一回読むのは今は無理^^;
>>59 >マッケルロイの『女たちと男たち』
いえいえとんでもないです。詳細な紹介サンクスです。ヽ(´ー`)ノ
それ読まして頂いただけでおなか一杯。
邦訳紹介はまだみたいなんで、マッケルロイは
(原書無理なおいらみたいなのには、)
ピンチョン系で最後に残った大物って感じなんでしょうね。
何年か前、何かの本の巻末の近刊予告に
ジョセフ・マッケルロイ「プラス」
って見た記憶があったんだけど・・・(´・ω・`)
>何年か前、何かの本の巻末の近刊予告に >ジョセフ・マッケルロイ「プラス」 そういやこれ、ペヨトル工房から出る予定だったね。 ほかにもイアン・バンクス『ブリッジ』とか……、南無。黙祷。
げ、そうなん?<近刊予告『プラス』ペヨトル 南無・・・きっともう出ねぇな、マッケルロイ。 うん。出るとして国書刊行会しかないな。 イアン・バンクスは『フィアサム・エンジン』で俺的に ずっこけたのだが、『蜂工場』は好き。こっちは 翻訳されそうだけどなぁ。 そういや、ダニエレブスキーの短編が訳された、 って、何の雑誌?>all
新潮みたいだね<ダニエレブスキー 紙葉の家、うちの大学の図書館入れてないんだよなぁ… ◆「紙葉の家」著者の初短篇 真夜中のすべての光――サルバトーレ・ヌフロ・オレホン『エロrの物理学』 とリヴィア・バッシル『物理学の心理学』……マーク・Z・ダニエレブスキー 嶋田洋一 訳・解題
さんきゅう!! >63さん てことは7月号か…もう売ってねぇんじゃねーか^^; 6月号なら舞城読むのに買ったんだが…探してみるか。 ダニエレブスキー、大してすごいと思わないんだけど、 一作だけで判断すると間違うからねぇ。
>>62 イアン・バンクスのは両方とも訳されてるでしょ・・・
↑ あ、スマセン 『ブリッジ』が って意味ねん・・・
>>58 =
>>37 さん、しつこいレス失礼。
>技巧に走る傾向とか、読者層を知識人に限っちゃうようなところが
今回は、走るより「激しく技巧的」な気もスル。
(自分の“技巧的”の語の定義が58さんと違う可能性もあるけど)
でもその技巧がものすごいので、その方向で突き破っているかも。
図書館で借りたんで言う権利ないけどw、これで2600円は安いと思った。
あ、わりい。俺も「(マッケルロイに比べて)こっち(=バンクス) は訳されそうだけどなぁ」って意味。ごめんね^^;
69 :
吾輩は名無しである :03/06/23 00:06
>ixion氏 >てことは7月号か…もう売ってねぇんじゃねーか^^; 普通にまだ売っていると思われるが。 三島賞発表号だよん
お、ここ、ちょっとまとも。 ageで書いてるばかが1人混じっているw
は? 誰お前? 意味不明〜
>>11 さん
技巧にねじ伏せられたいので
今回は買ってみることにします。
私もマキューアンは今まで全部
借りて読みました。
読後に手元に置いておきたいから、
買っておこうという作品がなかった。
前スレの最後の方から、
このスレ、何か回転が速いな。
よその板みたいで、ちょっと
ついていきにくい。
>マッケルロイ ウディ・アレンの映画を3本ぐらい観たあとの 気分に、読後感が似ているのかなと推察。
>>72 だね。
>>49 を見て頂ければわかるけど
去年の今頃はdat落ち防止の保守書き込みが
やっとだったよ・・・ (´・ω・`)
はら〜、またーりに戻りすぎ。 ピュリッツァー賞は4月に『Middlesex』に決まっていたんだね。 『ヘビトンボの季節に〜(何たら)』The Virgin Suicidesの作家さん。 あれ映画観てコケたが、Epi文庫に入ったときは、いがーいだった。
映画はあまり好きじゃなかったし、『ヘビトンボ〜』はふつうの 作品だった。思春期というある特定の時期に生きている女の子 にしか分からないことがある、っていうのはわかるが、その 彼女たちの自殺の真相をたどるのが男の「視線」であったりする のが気持ち悪かった…あまり良く覚えてないけど。 (ちょっと厳しいかな^^;) やっと長年探していた『紅い高粱』の翻訳続巻(現代中国文学 選集で、なぜか正・続に分けて刊行された)を手に入れた。 で、あとがきを読んで納得したのは、やっぱり残雪は莫言の ことあまり好きじゃないんだな、ってこと。土俗・神話・民族礼賛 は、残雪みたいな作家にとっては「わざとらしいこと」に思える んだろうなぁ。
中国文学選集、近所の図書館で途中巻までしかなく、 確かに続巻の方が欠けていた。何かの事情で稀本なのかも…。 訳者解説に、ライ病とかに関する情報不足のため無神経な記述が あるというようなことが書いてあったが、ひろすけ童話(今はもう 読まれてないか)程度にしか気にならない問題なんだろうか。 トム・フランクリン『密猟者たち』Poachersという創元文庫で出た アラバマ出身作家の短篇集がよさげなので、ネットでオーダーしてみた。 『Hell on the Beach』という向こうで出たばかりの作品も面白そう。 きょうはジョセフィン・テイ『ロウソクのために〜』を読むつもり。 翻訳出た『魔性の馬』は、しっかりしたハーレクインロマンスみたいで なかなか良かった。20世紀前半の小説でごめんね。
>訳者解説に、ライ病とかに関する情報不足のため無神経な記述が >あるというようなことが書いてあったが、ひろすけ童話(今はもう >読まれてないか)程度にしか気にならない問題なんだろうか。 問題は、莫言が「あえて」そういう記述の仕方を麻風病者に対して とることで、一般の謬見をなぞるだけでそれを超えていないところ なんだよなぁ。あの訳者解説は、共同体の道徳にもとづいての 批判に終始しているが、そんなものは作家にとってどうでもいい 話で、批判としては低級なものでしかない。問題は、作家が 対象を「自分に対する/にとっての応答可能性をもった他者」 として扱ってないところ、つまり単に利用しているだけである ことだと思う。 その点で、残雪の批判は莫言の問題をより深くついている: 「思うに、ああした原始的な民俗、神話の類に粉飾を加え、 いい加減にでっちあげ、生命そのものの衝動に見せかけた まがい物は、われわれの民族にとって、麻酔薬にほかならない」 つまり、莫言にとっては麻風病者でさえも単なる記述の手段に 終始しているわけで、そこから何ら発展があるわけではない んだな。そこが『紅い高粱』の欠点。魔術的リアリズムに 「のっかった」ように書かれた『紅い高粱』は、結局土着的な ものを利用することに終始していて、最後も勝手に(擬似神話 的に、民族高揚の叫びのように)盛り上がって終わる。残雪は こういう作品は嫌いだろうなぁ、って言うのはよく分かるし、莫言 の作品としては決していい出来ではないと俺も思う。
あ、そういや残念ながらダニエレブスキーの短編はつまら なかった。でも教えてくれた人ありがとう。 いかにもアメリカ前衛ブンガクが書きそうなもの(ということ は、もう大体10年前くらいに皆がいろいろやってたもの)で、 もっとすっきり(ボルヘスのように、とまでは期待しないが) 書けるのに、やたらと衒いが目立つ。こちらの想像を 裏切るような「凄さ」は全く感じられなかった。 次の長編が出るまで判断保留だけど、こういう作家は 他にもいるし、その紹介を進めるよりはギャディスの 作品などを翻訳した方がいいんじゃないか、とか思うけど。 短編読んだ他の人の感想キボン
>問題は、作家が対象を「自分に対する/にとっての応答可能性を >もった他者」として扱ってないところ、つまり単に利用している >だけであることだと思う。 たとえば単なる物を描いたにしても、自分との対話可能性を完全に 払拭することはなかなかに難しい。描写にはどんな形容詞を使うか 全く使わないかだって、何かしら作家の観点が入るから…。 だから、ある意味、単に利用しているだけって、すごいハード ボイルドなのかも。まあ、それはネタとして。 「何のための利用だろう。小説の完成度を高めるため、芸術のためか」 と考えて、ピント違いだけれど浮かんできたのが永山則夫の作品。 彼の小説に原形を見たとする援護派と、「犯罪を子供時代の環境に 帰納させるため文学を利用した」とする反対派の論争はよく理解して いないが、とにもかくにも書きつけるという衝動的な行為、 そうする作家の真意のありかの判断は、当人にとっても読み手に とっても永遠の謎というか、白黒をつける問題ではないのだろうね。
読み手の読解力によっても、「魔術的リアリズムに『のっかった』 ように」と欺瞞的なものを嗅ぎ取れる人もいれば、その魔術が もたらす昂揚感に我知らずのせられてしまう人もいる。 となると、読むのがコワくなるw。 オコナー『賢い血』の巻末に掲載された手紙が思い起こされた。 (ああ、1956年の日付で、また古いわw) ――小説は芸術の一つの形です。小説を芸術以外のことに使うときは、 小説を邪道におとしいれることになります。これは私がジャック・ マリタンを通して聖トマス・アクィナスから学んだことです。 もし小説を社会的、宗教的、あるいはほかの目的のために使って成功 するならば、それは小説をまず第一に芸術にしているからです。 その芸術に預かる自分は何のために読むのか自問すると、対外的には 内面の充実(=幸福)とカッコつけるが、惰性なのか、脳の働きを活性化 させておくためなのか、当てのない欲ゆえなのか…。 どうもすみません、フラナリーさん。
ところで、何で名無しで書いてるの?とふと思ったが、俺が思ってるのと 違う人だったりして^^; 俺が逆に莫言がすごい、と思うのは、ある統一したイメージに基づいて 描写を重ねるのがうまいと思うから。『紅い高粱』ならこんあところ: 「むごい4月、燦然と輝く星の光のもとでつがいあったトノサマ蛙が つぎつぎにべとべとした透明な卵のかたまりをほうりだす。強烈な 日の光がしぼりたての油のように河の水をあたため、オタマジャクシ の群れがつぎつぎに孵化して、あたたかい流れのなかでどんよりした 墨汁のようにいくつもの群れをなして移動する」 In the cruel fourth luner month, frogs lay their transparent eggs in the Black Water River under radiant sunlight. Then, in the sweltering heat of the sun, swarms of inky-black, squirming tadpoles emerge into the warmth of water that looks like the slowly flowing river. ここは英訳の方がつかみやすいけど、エリオットの4月(荒地)を ひっくり返して、透明な卵や強い光などを描き、さらにその卵が 孵化して黒い流れになっていく…そのイメージが明確に頭に浮かぶ ような表現をしているんだと思う。 原文で読める人の感想を聞きたいなぁ。
83 :
吾輩は名無しである :03/06/29 13:12
ageはちょ〜(フルッ
――どこかの洞窟の漆黒の闇の中であろうと、何百万の群衆の波の中 だろうと、これらのことばや言いまわしのひとつさえあれば、われわれ 兄弟はたちまちにして相手がだれだか見破れるはずである。 (N.ギンズブルグ『ある家族の会話』) 須賀敦子に焦燥感を抱かせ、書くことへと向かわせたこの部分を再眺する たび、彼女と同じ羨望と感嘆を禁じ得ない。 記名などしなくとも、わずか数語、ほんの一行の書き込みにすら匂い立つ ものが出れば…という自分への挑戦の気持が少しw。でも実際のところは、 名乗ればデメリットがあれこそすれ、名乗らなくても何の不都合もない でしょ? 小説の表現っていろいろあるけれど、畳みかけるように、あるいはめくる めくように重ねられる言葉の迫力より、上のような記述を自分は いとおしく思う。これは書きつけておくべきだという「本物」を逃さない 目と感性。その「本物」を書くに当たって、なるべく自分の素の言葉で 書こうとする姿勢。だから、パスティシュとかメタフィクションとか、 よく分かっていないけれど実験的で凝った試みにはあまり手が伸びない。 というか、文学的背景が浅いので読んでも分からず通り過ぎてしまう。 「現代文学的」でないなー。 莫言もエリオットも神話的に書いたということから、やはりフレーザー 『金枝篇』に学んだ人たちなのでしょうか。
名無しの主人公については、丸谷才一が『闊歩する漱石』で、 「あの有名な名前のない猫」として名作を褒めている。 世界文学史に冠たる放れ技であると…。 (猫だけじゃなく、「先生」とか「坊ちゃん」とか) ――名前のない猫が語り手であり主人公であることは、どういふ効果を もたらすか。前にわたしがバフチンを援用して言つた、哲学的=観念的に なるといふことのほかに、名前といふ制度に反撥し逆らふ快さと寂しさとを 味ははせることになろう。そこには自由と解放の、気楽と切なさとが二つ ながらあつて、作者の抱懐する、禅的なアナーキズムとでも形容するしか ないようなもの、…… そのあとの展開で、メタっぽいもの(丸谷センセは意図的にか、そうは呼びや しないけれど)を紹介する流れでクンデラ『不滅』も挙げている。 プールで見かけた老マダムにアニュスと勝手な名をつけるあの話も、 確かに名無しの「私」が語る、名も知らぬ女性を妄想で物語化した作品で、 「私」はラストでアニュスに勿忘(忘れ名)草を買わせていた。 サラマーゴ『白の闇』も登場人物に名前が与えられてなかったと記憶。 オースター作品にも何かあったかな? 他に、どう? 名のある人もない人も…w。
>>82 中国語は知らないけど 日本語訳の「燦然と輝く星の光」
の部分が英訳では "radiant sunlight" になってるのか?
82の引用、英訳と日本語訳にギャップありすぎるから、 「原文で読める人」が必要なんじゃないかと思った。 中国語の翻訳やってる友だちがいるけど、 映像畑で文学からきしだめなんだよね。 「中国」板も訊くのに適当そうなスレッドが 見当たらなかった。
あ、わりい、そこ"starlight"の写し間違い^^;<sunlight でも、英語で読んだほうがすっきりしてるんだが、日本語の方が より入り組んでいるのは全体について言えること<『紅い高粱』 上の引用部分は第4章の冒頭部分です。 日本語訳のほうが原文に近いんじゃないかなぁ、と思っているん だけど、分からん。今度神保町に行ったときに原書探してみよっ かな(←読めもしねーのに)。 >莫言もエリオットも神話的に書いたということから、やはりフレーザー >『金枝篇』に学んだ人たちなのでしょうか。 莫言が「神話的に書く」っていうのは、むしろ「百姓的に書く」という部分 があって、『紅い高粱』のときはその欠点(「〜的に」という欺瞞)がもろに 出ているところがあるから、残雪に批判されたんだと思う。おそらくね。 『酒国』や『豊乳肥臀』は、『紅い高粱』よりその点については良くなってる のかな。でも、俺が莫言を評価しているのは作り物めいていようが いまいがその描写の巧さなので、やっぱりそれ判断するためには原書で 読めんといかんのだろうか…。今のところ英訳と日本語訳で比べて想像 するしかないわ^^; そういや、残雪の話題とかもあんまり出てなかったね、ここ。
>ixion 残雪はみな絶版だからなー。一般の人が読める内容でないし。 原文は意外と読みやすい。滅入りさえしなけりゃ。 あ、そうだ。莫言、入手したらどこで買ったか教えて。 古書だとあまり見かけない…… さて問題。中国語で何の意味でしょう→「羅丁」
>あ、そうだ。莫言、入手したらどこで買ったか教えて。 >古書だとあまり見かけない…… 原書、ってことだよね? うーん、俺も中国書籍扱ってる店は 2・3店しか知らんからなぁ…大体買っても読めねーぞ^^; 残雪だって『突囲表演』と、何かで訳されてた短編しか 読んでないし。 >さて問題。中国語で何の意味でしょう→「羅丁」 ラテン、とかじゃねーんだろうなぁ、きっと。
>ixion ラテン、正解(w 神保町だと漢籍の占める割合が多くて、現代文は少ないかも。 一、二世代前の作家が限界かねえ。 母校に忍び込むのもアレだし、中国に行く友人に頼むしかないかな(´・ω・`) (んで、最近の中国本土は、規制は緩くなったけど娯楽作が大量執筆される時代 になってて、ここで望まれる様な作品と出会うのは難しくなってる) (上海ナントカが次々出たのは御存じの通り)
>>89 さん
すごい。ちゃんと伏兵がいちゃうわけ。
一般の人が読める内容ではないんですか?
一般の人なのに『突囲表演』、オーダーかけちゃった。
前から名前の由来がカッコええなあ、気合の入ったものを
書いていそうだと気になっていたもので。
北京、がんがんビル建てちゃって、何てったっけあの、中庭のある
古い様式の家がかたまった地区をこわしちゃって…。
文芸もそういう進み方をしているのか。
何年か前、北京中心街の大きめ書店を覗いたとき、どうせ読めない
からと文芸棚はスルー。世界名作の類いが並んでいた記憶はある。
いつかの書道用にと毛沢東と王義之の字の本なんて買ってこないで、
二大巨頭の原書買っておいて、高く転売すればよかったw。
すみませんが、一、二世代前の作家とか、そのあたり世代ごとに
くくって、できれば代表作も添えて(さらにできれば作風、政治色など)
列挙してもらうわけにはいかないですか。
たとえば彭見明がどのぐらいの位置にいる人なのかとか少しでも
知って整理したいので、よろしくお願いします。
とりあえず、読み直したいから『突囲表演』もう一度買おう (←まったく、読んだら見境なく売るからこうなるんだ^^;) 残雪に関しては、英訳も全て絶版なんだよなぁ。とりあえず 『突囲表演』をもう一度読んだらなんか書きます。 でもまた仕事が煮詰まってきたぞ、莫言のせいで(苦笑)
>92 残念ながら、俺は現代中国文学を専攻してない。 ixionのスペイン語と同類(w >残雪 この板に来る人なら大丈夫。 強烈な不条理とフェミニズムを堪能してござれ。 「中国文学には自己否定のシステムが無いから、お先真っ暗だ!」 >世代 ……中国文学概論をやれと? 講義料取るよ(w えーと、中国の現代文学は「清朝末」「中華民国」「抗日戦争」「共和国成立」 「文化大革命」「文革後」「現在」で、時代を区切る。 同じ作家でも、時代で作風が異なる。 世代分けをするなら、文革以前と以後(と未体験)で区切ると明確になる。
>94 ああ、やっぱり取る、講義料? 図書カード払い? しかし、上の時代の区切りに関する4行だけでも、 分け入っていく者には大きな指針。謝謝。多謝。 中国人作家というのは「禁書」によって、物を書いたり考えたりする (自分にとって相応しい時期に読むべき本を読み、語るべきことを 人と語り合う)教養の土台を歪められたということが、ものすごく 大きいことなのだと『お針子』で痛感した。 あれは、恋愛感情のもっていき方すら学べなかった青年たちが、 禁書を読んだ効果でもって恋を不器用に進めていくお話だけれど、 そういうことを考えると、小説がなければ(あるいは他の文化がなければ)、 社会は野蛮に充たされる…という当たり前なことが興味深い。 そこが莫言の「百姓的」(フレーザーの文化人類学的、民俗的な見地)に 書くことの意味へともつながっていくのか…と。よくまとまんないけど。 抑圧されなくても、本など読まない人で暮らす人たちも世界には多いが、 知的好奇心旺盛な人にとって、これはどれほどの現実なのだろうかと、 SF作品の焚書とは違った意味で、考えることが多々あると思う。 文化のホロコースト。そして情報や知識が生半可であったところで 創作される小説への評価。 ――長文つづけすぎたので、しばらく読むのに戻ります。
>95 受講料は現物(書籍)払いで。 「時間」の次は「空間」。 共産革命や文革時には、亡命や下放などで夥しい人口移動があった。 また、近年移動の自由を得た事で、海外へ移住する作家も現れた。 これら、亡命/移住/華僑作家は、移民先の言語を用いた創作などで文化交流を 推し進め、高く評価されている。 米国で反共小説を書いた張愛玲、仏語を用いノーベル賞も受けた高行健、文革後 渡米し英文創作で全米図書賞・PEN/フォークナー賞を受けた金哈、などなど。 一方、台湾も大陸や日本の微妙な影響の下で漢字文学を発達させている。
(続き) 「空間」第二の問題は、中国の少数民族の文学について。 中国では漢民族の他に、独特の文化を継承/発展させた民族が多く存在する。 国内で民族の自覚が高まる(尋根文学)と共に、彼らは強く他者を意識した創作 を始める。 それには公用語である漢語の他に、個々の民族固有の言語も用いられた。 エヴェンキ族でありながら役人の父を持ち、複数の文化の間で育ったウロルトや チベット族のザシダワ、回族の張承志、モンゴル族のオノン・ウルグンゲなど。 世界的視野を獲得した現在、英語や独語、日本語さえ用いて創作がなされている。
情報を元に検索したけど、ほとんど絶版なんだ>中国文学 莫言や高行健も今のうちに読んでおかないと危ないね。
現物払い…内容充実だから高そう。Book 1st.で万引きしてくりゃよかったw。
情報を少し(のつもりでまた長レス)。
Book 1st.、銀座コアにもできるらしく、交通会館に出た三省堂といい、
銀座書店事情が変わった。しかし、三省堂の海外文学の棚はさみしすぎ。
日曜の朝日で三浦しをんがアナイス・ニン『小鳥たち』を紹介したせいか、
反響があった模様。「文芸書の体裁をとったエロ本」というあざとい紹介が、
若い女性のツボにきたのだろう。
しをんさんのコラムの下で『銀のほのおの国』が紹介されてた。
随分なタイミングだね。意外な人たちがROMしているかな、ここ。
…と思えるようなサイトが最近他にもいくつかあるし。
>>77 に書いた『密猟者たち』――『塵に訊け!』にハマった人、
オコナー、マキャモンあたり好きな人、コーエン兄弟の映画ファン
などにお薦めしたい。『Hell on the Beach』はガセで『Hell at the
Breech』が正解。ごめん。
訳者が原文がいいと書いているのが分かる気がする硬派な文体と内容で、
注目すべき新しい書き手だと感じ入った。
『突囲表演』到着。発刊時に検閲で削除された性的表現を、邦訳に当たり
著者が補ったという点も興味深いが、文革で中学進学を阻まれ、製鉄工や
組立工をやってたって経歴が…!。
「労働」を身をもって知るため女工になったシモーヌ・ヴェーユが聞いたら
友情を結んだだろう。読んだらixion氏のBBSにでも感想書いてみたい
(何冊か先の読書予定だけど)。
100 :
吾輩は名無しである :03/07/02 16:04
100
>100 びっくりした。 sageでコソーリ書いているのに、心臓に悪いなwww!!!
102 :
吾輩は名無しである :03/07/02 17:31
【繰り上げ当選、繰り上げ前は落選】 だよ 共産党は「クリ−ン」が売りじゃないか。ブツブツブツブツ 表は政治資金の半分は党に渡して、党として党員が全員均等に使用すると 言っているが、単なるネズミ講式の『上納金式』の資金集めじゃないか。 今回の共産党党本部のビル新築、募金活動が全て。(笑っちゃうよマジに) ○○十万寄付で共産党の記念品ですと? 無利息で共産党へ貸付 すべて『上納』じゃないか。 こんな事が大きく報道されたら、 繰り上げ当選の大門なんか,,,『ただの爺−じゃねーか!』 そうだろう
103 :
林彪 ◆ZJMS.Joo8Q :03/07/02 19:35
>>ixion様 莫言の『酒国』はいわゆる民俗・土着的な要素を特別に扱ってはいませんよ それよりはまさに「酒」というものをixion氏の言うように体よく利用する事によって 物語に不思議な虚構感覚を与えていると思います また舞台も物語の構造上一致していません また莫言の描写がうまいとの事ですが彼の文は美麗字句ではなくむしろ直接的で 卑猥なものさえ感じさせると思うのですがやはり独特の比喩や、 畳み掛けるような文章は大変魅力がありますね 莫言は一時期中国文壇から総スカンを食らったことがありましたがそれは多分に 政治的な含みもあったと思います 失念したので調べたらまたカキコみます どちらにしろ酒国は読んでおいて損はないと思います と言っても私の未熟な中国語ではとても読みこなせないので邦訳を読んでの話です このカキコで不快になられたなら謝ります
631 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 16:46
>>630 うん、俺の中ではixionがそのくらい純化された少年なの
ixionの白い体を抱きしめながら、一緒に本を読みたい
って、俺は脳内バイかな?
632 :吾輩は名無しである :03/07/01 16:48
ixionは昼間からパチスロ打ってそうな普通の兄ちゃんだぞ。
634 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 16:53
>>632 コテハンで書き込んだ時点でixionはそういう世俗的、土臭い現実感を失って
さっき書いたみたいな桃源郷の美少年になるんだ だからそんな、現世に汚されたixionはいらない
タッジオみたいな夢うつつの間をさまよう顔の見えない存在だからこそかわいい
それに比べて美香は・・・・・・・こんな掲示板でもあの下劣きわまるヒヒ女。
635 :吾輩は名無しである :03/07/01 16:58
ixionはチンコ長いよ。
まぶしい陽光の中で戯れる古代ギリシャの少年みたいだけどチンコ長い。
647 :吾輩は名無しである :03/07/01 17:45
林彪よ、もまいもここに書きこんでixionと仲良しになれ
http://6909.teacup.com/ixion/bbs 648 :吾輩は名無しである :03/07/01 17:47
たーるとまだむはixionとメールやチャットで遊んでるぞ
もまいもがんばるのだ
649 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 18:16
僕は恥ずかしいからいい
一人で、想像の世界で、ixionと愛し合う
そういえば、ジュネは二冊読んだ(泥棒、と、鼻のノートルダム
650 :吾輩は名無しである :03/07/01 19:28
>>649 もしネタじゃなかったらキモ過ぎるな(^Д^)ギャハ!
ageなくていいから^^; どうせろくでもない奴らが「必死だな」とか 書いてくるだけだし。 >莫言の『酒国』はいわゆる民俗・土着的な要素を特別に扱ってはいませんよ 知ってる。莫言は訳されたもので『花束を抱く女』以外は読んだから。 「『酒国』や『豊乳肥臀』は、『紅い高粱』よりその点については良くなってる のかな」って書いた(最後に「かな」と付けた非決定性)のは、莫言は『赤い 高粱』以降の作品でも、ところどころであえて「土に従う」といった書き方を してしまったりしてるから、「良くなった」という言い方は怪しいと思ったの。 林彪さんの言うように、「直接的で卑猥」な演出をしたりする癖が莫言には あるんじゃないか、それを残雪は(ああいう作風の人だし、「不誠実な虚構」 には厳しい作家だろうから)見抜いて批判してるんじゃないか、ってことです。 >莫言は一時期中国文壇から総スカンを食らったことがありましたがそれは >多分に政治的な含みもあったと思います 『豊乳肥臀』書いた頃に人民解放軍一級作家(確かこんなの)ではなくなった けど、その前の話?それともその後? 『酒国』は全スレでも誰かに勧めたような気が…気のせいかな。
>>89 さん
今日仕事帰りに神保町寄ったんだけど、『豊乳肥臀』と『花束を抱く女』の
原書ならあった。三省堂のでかい交差点から、東京堂書店に向かって
く道に入って、東京堂過ぎた先にある内山書店ってとこの2階。
残雪は…当然なかったわ^^;
>ixion 奇遇とゆうか、俺も昨日行った(w つーか、東方書店(三省堂とかんたんむの間)は覗かなかった? 残雪も莫言も それなりにあったぞ(高梁は見つからず)。 高行健は戯曲が揃ってたけど、やはり池莉や方方とかの若手は少ないねぇ。 その代わり、2001・2002短編ベスト集成なんてのもあった。 んで、格非コーフェイ作品集『格非』を購入。例に依って邦訳は絶版だけど、カフカや 安部公房が好きな人にオススメの作家です。 そうそう、発売中の『しにか』七月号で、中国系検索サイトを特集してたよ。 データベース化はありがたいなー。
『酒国』と『豊乳肥臀』 どっちがお勧め?
あれ、俺が見つけたの東方書店の方だっけな? 高行健もあったし…。 >奇遇とゆうか、俺も昨日行った(w なーんだ、会って話でもしたかったなぁ。こっちは 中国現代文学は全くの素人だしね。 そういや、中国現代小説、って雑誌あるじゃん? あれにいろいろ訳されてるよね。残雪の短編読んだ のもあの雑誌だった。 格非の短編も訳されてるみたいだね。
あと、ここが良いね。残雪とかも手に入るよ。
ttp://www.frelax.com/sc/ >『酒国』と『豊乳肥臀』 どっちがお勧め?
俺は『豊乳肥臀』 の方が好き。ただし、先述のような
欠点(意図的な土俗化)が引っかかるところはある
けど。面白さなら『酒国』の方が上かなぁ。
>>106 ほとんど読まれたのですか 凄いですね私は至福の時をまだ読んでいないのです
確かに意図的な土俗性というのはあるかもしれませんね ただ酒国の入り組んだ語りなどは
魅力があると僕は思います 作者登場というのは小島信夫他多くの作家が使っていますが
残雪と莫言は作家としての立場が対極にありますから彼の批判もうなずけるものです
ところで鄭義などは読んだ事ありますか
いわゆる文革派の代表と言う事ですが古井戸にも神話的要素が入っていたと思います
あと高行健の英訳はどのくらい出てるんでしょうか
では失礼いたします
高行健は『霊山』『一個人的聖経』や戯曲集などが英訳されて いますよ。 >ところで鄭義などは読んだ事ありますか ないです。読んでみます。 でも、うっかりバロウズの火星シリーズを読み始めてしまった…。
荒らす気は、もう(たく)とうwないんだけれど、 その「林彪」という名前で現代中国文学を語ってるって ものすごくおかしい。Kera Kera,Kera〜〜〜! 文人じゃなく武人だよね?
uブックスじゃないのかな?<エドウィン・マルハウス uブックスはここ一両日のうちに3冊(『舞姫タイス』なんて シブどころも入って)新刊が出たようだから。
『エドウィン・マルハウス』、三日前に読み終えたばかりだ(w 図書館で借りてさ。急いで読むことは無かったのだな。もう少しだけ、じっくり 楽しみたかった。 >鄭義 『神樹』は、カルペンティエルの『春の祭典』と仲良く積み置かれてたり。 ヘタレやな、俺。 『古井戸』は張芸謀の主演/撮影で映画化されてるね。これは見たい。
>>115 林彪は少しだけ僕自身に似ている
文革の歴史を調べているときにそのことに僕は胸を打たれた
また、墜落死するというのも、一種僕の精神の反映のようで切ってもても切り離せない
>>116 僕は「中国の地の底で」と「古井戸」を読みました 神木は未読です
中国の地の底で はぜひお勧めしたい
この本は単なる悲惨のノンフィクションではなく文革に対する新しい提示も含まれている
現在の文革=惨劇という一面的な評価は、同時に現在の中共産に利益のあるものでもあるので
彼はそこに疑問をなげかけています
例えば高級幹部のドラ息子達老兵は一般市民を迫害したが、毛の老兵批判に乗じ次のred guards達は
解放のために戦った つまり民衆も政変を利用し民主主義への戦いを目指したというような言説がある
まあ ひとつの視点として楽しめるのではないかと 惜しむらくは、抄訳であるところ。
>>114 ありがとうixionさん 最近ベケットについて調べているので高の戯曲に興味を持ちまして
>>119 春の祭典もこれまた分厚いですよね 私はまだ読んでいませんが・・・・・・
『エドウィン・マルハウス』復刊.comでまだ100票 いって無かったから、これは快挙ですな。 >『神樹』は、カルペンティエルの『春の祭典』と仲良く積み置かれてたり。 >ヘタレやな、俺。 いや俺なんかそれと仲良く『世界終末戦争』と『イリワッカー』と 『アンダーワールド』と『重 ・・・ ↓ 以下続けてどうぞ(w
…何続けよっかなぁ(w
ダイベックもuブックスになったんだね。ダイベックは子供2人が
ばぁちゃんにシチュー作るためにトリ(だっけ?)の血を手に入れ
ようとして、変な郵便屋にあったりして逃げる話が好き。タイトル
忘れた^^;
>>89 さん
残雪「新生活」読んだ?彼女はこういう「都市の気持ち悪さ」みたいな
ものを描き出すのも巧いなぁ、とあらためて感心した。
(俺が読んでるのは「季刊 中国現代小説 通巻47号」に載ってる奴)
『突囲表演』でも、たしか「大衆の気持ち悪さ」みたいなものを書いて
いたと思うけど、今回は高層ビル・婆さん・エレベーター・『蜘蛛の巣』
のような街、と、とても少ないものを淡々と描いていながら、ちゃんと
残雪らしい不思議文学になってる。とても良いよ。
>ixion 『新生活』は未読……だと思う。短編は原文で幾つか目を通したけど、おそらく それには入ってない(もはや記憶も定かでない('A`) 『中国現代小説』47号は、品切れみたい。 つーか、よくこの雑誌知ってたね。中国語の読み書きが出来ないのに購読してる のは、日本でアナタ一人だけだと思うぞ多分(w そして、今日紀伊国屋に行き、改めて流通量の無さに(´・ω・`)ショボーンとして帰る。 阿来の長編は訳されねえかなァ……
ttp://www.mmjp.or.jp/sososha/novels.html#syomokuroku ここからバックナンバーも注文できるよ。第2期11号(通巻47号)ね。
俺の場合には、気になる作家の分だけ注文してる。
あとは鼎書房の『現代中国女性文学傑作選』とか読んだ。でも
これは「中国現代小説」で訳出されたものの再録だった。
方方の「やがて悲しき」とか最初に読んだのはこれ。
>中国語の読み書きが出来ないのに購読してる
>のは、日本でアナタ一人だけだと思うぞ多分(w
物好き…なのかなぁ、やっぱり(苦笑)
でも、新しい小説が世界のどこで起こってるか分からないじゃん?
欧米なんて世界の一部に過ぎないしさ。
阿来、知らなかった。チベット族の作家なんだね。
スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』買いますた。 そして、折り込みチラシにある『ベケット伝』(上下)の値段に( ゚д゚)ポカーン >ixion 阿来は『中国現代小説』で三回取り上げられてる。 日本企業による松茸の買い付けで、辺境の町が松茸狩りの熱狂に陥る『松茸』。 チベット族の禁漁の習俗に因んだ綺譚『魚』。民話に数々の奇蹟を残す人気者を 主人公にした『アクトンパ』の三作。どれも気に入ると思う。 先月のユリイカのコラムでも、山口守先生が紹介してた。 ところで、マジックリアリズムの影響と言えば鬼子グイズはどうかな?
『現代中国の輪郭』という藤井省三氏の本、1993年に出たものだけれど 情報が豊富で、つまみ喰いしていて面白い(と言うには不謹慎な内容もある)。 『人民文学』に長編が掲載されたときの莫言の略歴に思わず笑った。 こんなユニークな略歴って、見たことない。 「…暮らしが厳しかった時期に、餓えのため彼の頭はおかしくなり、 神経系統は余り正常でなく、好んででまかせを言うが、口に出すと すぐに忘れてしまう。…」 高行健が戯曲「バス停」で『ゴドー待ち』を意識したとか、鄭義『古井戸』 邦訳刊行後、逃亡中の本人から訳者宛てに序文が寄せられて再版時に それを掲載したとか。 母国の言葉を剥奪され、チベット語での読み書きはできないザシダワに ついても言及されている。文革のチベット文化破壊については、ミステリ 『頭蓋骨のマントラ』でショックを受けた。ラサの町に異民族を強制移住 させたり、寺院を破壊する政策に…。 チベット文明って、西欧合理主義に対峙する老荘思想以上に突き抜けた ものがあるだろうから、宗教を介してでなく小説を介して知りたいものだ と思う。
「現代」じゃなくて申し訳ないが、 『フィネガンズウェイク』(柳瀬訳)がとうとう文庫化されるね。>河出 昨日、『西瓜糖の日々』(ブローティガン)と『見えない都市』(カルヴィーノ) 買ったらカバーの袖のところに続刊予定で書いてあった。 カルヴィーノの『柔らかい月』と『宿命の交わる城』もでるみたい。
世界には、小説を介しては知り得ない文明も沢山あるけどね。 映画「緑のアリが夢見るところ」に出ていたアボリジニ族のように、 自分しか部族の生き残りがいなくなって口をきかなくなっちゃった人 とか、沢木耕太郎『イルカと墜落』に書かれていたアマゾン流域の 文明とコンタクトがない種族とか。どんな口承文学があるのだろう。 残雪は、かなりきつい。読んでいて、読者たる自分が疎外される気分で 不条理だw。 短篇集『廊下に植えた林檎の木』で、最初の「帰り道」というのが カフカや安部公房的、いや、それより華がある気がして楽しく読んだ ものの、作者本人が気に入っている表題作は「核」が見つけられず しんどかった。ディックやバロウズなどサイケっぽいのが好きな人 にはいいのかも。ジャンキーの幻覚のように脈絡のないものが出てきて、 ほんとポカーンなのだ。 『黄泥街』も騙し騙し読んでいるが、別の本でリハビリしながらで ないと進めない。『突囲〜』は比較的分かり易いというので期待して いるけれど、辿りつけないかもしれないなー。 右に転んでくれればOKだけれど、左に転ばれるとダメという微妙な ところにいる作家で、やはり一般人にはハードルが高いという印象。
>>126 チベット文化は仏教やその他土着外来問わず宗教が混じりまた対立してて、
一様には捕らええない。
宗教なしに文化に触れるってのも無理だろ。
>126 書き方が悪かった。「宗教を介してでなく」というのは「宗教 なしに」というつもりではない。 教義がどうだとか、それが人々の生活にどう溶け込んでいるかと いう視点(歴史学者や文化人類学者の取り組み)からの紹介でなく、 宗教とあいまった文化のただなかにいる人の生活に根ざした想像力 から生じる物語、そこにあらわれる「思念」のようなもの(あるいは その根源)を知りたいという意味です。 文明を一様には捉えられなくても、特殊な地理や風土(気圧の人体→ 思念に及ぼす微妙な影響ひとつとっても、National Geographicなんぞ には写っておらんし)、そして歴史に左右されるところの、例の「土地の 神話性」――これを作家の言葉から感じとってみたいということに なるのかな(今、書いてて分かってきた気がする)。 自分には、それが作家的「霊感」のひとつだという思いがある。 つまり土地の神話性みたいなものを身に帯びて書くと、意識あるなしに 拘らず、それが書かれたものに表出してしまうことが…。 中国現代文学には「ルーツ派文学」という括りもあるみたいだけれど。 確かに、そのように霊的なものに満ちた小説を『百年の孤独』と 呼ぶのなら、それはそれで便利な用語だと思う。 それより前の作品には使えないだろうけれど。
訂正 >126→>129 我ながら読みにくい文章だな。 きょうは気圧が低い上、朝は血圧が低いんだよと 余計な言い訳しておこうw。
暫く流れをみてて残雪に興味をもったんですが、新刊で読めるのって ほとんどないのね… スーパー源氏で検索したらやたら高いし 古本に定価の倍以上出すのはやだ(w
ぶっちゃけ宗教=文化だしな。 要するに、文化史観的な他者の紹介では満足できないってだけだろ?
>126 残雪は、当事者的な「意識の流れ」を読者の心中に再演する。 読者は抑圧の被害者となりながら、語り手からは抑圧の加害者として糾弾される。 視野の獲得は次第に、感情移入と文学的常識の排除を意味するようになる。 初めて読んだ時は周到さに舌を巻いた。 >132 残雪は、図書館に行けばあると思う。 上のはあくまで私見なので、あまり気にせずに(w
残雪、莫言は読んだ方が良いと。 しかし、次から次に知らない名前が出て来るなー。
>>128 ちょうど『廊下に植えた林檎の木』読み終わった。
>作者本人が気に入っている表題作は「核」が見つけられず
>しんどかった。ディックやバロウズなどサイケっぽいのが好きな人
>にはいいのかも。
残雪って、結構倫理的(って用語が適切かどうかはは置いとくとして)
な作家で、例えば新旧写実の中国文学が、下手すると旧来の大地
礼賛に終始してしまう。だからこそ、生命の力や不可解さを別の形に
託して書いている。でも、その別の形が時折独りよがりに思えてしまう
のは、確かにその通りかもしれない。サイケっぽい、ってのはなるほど
その通りだと思う。けど、光と匂いに満ちたサイケね。
「わたしはこの十数年について、その後について、多少の話をすること
ができるような気がした。それも、普通の人は意識したこともなければ
言ったこともないような話で、わたしはそういうことを文学によって、
幻想の形式によって語りたいと思った。ある抽象的な、同時に純粋な
なにかが、わたしの内部で徐々に凝集してきていた。わたしは書き
はじめた、毎日少しずつ、なぜこのように、あるいはあのように書くのか
完全には知らないままに、ただひたすら自分の天国に執着し、くりかえし
味わい、ひとり楽しんだ。」(「美しい南国の夏の日」近藤直子訳)
「廊下に植えた林檎の木」でも、最初の章にある生誕の不確かさや 崖の上の話が、最後の章「ぼくの最後の夢」につながるようになって いるが、それは男側(祖父−父−僕)に共通する、「自分と折り合い がつかない」という感じかもしれないし、「ぼく」が家の崩壊を願って いるので、現実と夢が不確かに接合されているのかもしれない。 この「家(族)」は、それぞれの確かさ(正しさ・現実)と不確かさ(幻想) との境界を明確につけられない(まぁ、女の方が自分と折り合いを つけている感じがする)のだが、不思議に陰鬱な感じがしない。 それは光や匂いが溢れている(「敢ていうが、わたしの作品は全編 光明に満ちている」)からであり、崖から飛び降りるのではなく 「ぼく」がとどまるのは、実は非常に「倫理的な」選択(フォークナー 『野生の棕櫚』みたいな、とは言わないけど)だと思える。 でも、確かに細かい描写は、こうもり傘とミシンじゃないが、唐突な 物が多くて妙に気負ってる感じもする。その点「新生活」は、もっと すっきりとまとめていて良かった。
すまん、136の文章が変(まぁ勢いで書いてるからいつものことだが^^;)
例えば新旧写実の中国文学は、下手すると旧来の大地礼賛に終始して
しまって、単に読者を「安心させる」ことにだけ腐心する。残雪は逆に、
生命の力や不可解さを別の形に託して書くことで、「魂自身の文学」、
「大衆が公認する現実世界と並ぶもうひとつの、さらに広広としたあの
世界」(「精神の階層」近藤直子訳)のことを扱う文学を打ちたてようと
しているんじゃないかな。で、そういう点で俺は残雪は「倫理的」だと
思うんだな、たとえ作風は不思議文学まっしぐらであっても。
>>130 >歴史に左右されるところの、例の「土地の神話性」
>自分には、それが作家的「霊感」のひとつだという思いがある。
>つまり土地の神話性みたいなものを身に帯びて書くと、意識あるなしに
>拘らず、それが書かれたものに表出してしまうことが…。
俺もそういう文学にはあこがれる。けど、たぶんこういう「霊感」は下手
すると胡散臭い民族礼賛につながってしまうんじゃない?それを
残雪は絶対やりたくないんだと思う。
ttp://webclub.kcom.ne.jp/vc/kondo-n/sub2.htm ここの諸評論を読んでみると、残雪の文学観がハッキリしてくるんじゃ
ないかな?(近藤直子さんは残雪の素晴らしい紹介者だよなぁ…)
>>134 >読者は抑圧の被害者となりながら、語り手からは抑圧の加害者として糾弾される。
>視野の獲得は次第に、感情移入と文学的常識の排除を意味するようになる。
うん、それ納得。受け身の読みを徹底して排除する、っていうふうに、
残雪自身は上の評論のどれかに書いてた。
134と137の読解が自分より深いので、何かムカつく気がしないでもないw。 近藤先生の残雪評論集も入手しようかと思っていたけれど、あんな充実した サイトがあるとはつゆ知らず、紹介に感謝します。 (というか、毎度のことながらフーディーニか引田天功みたいだね) 「美しい南国の夏の日」の「必要なのはただ、魂の渇きだけである」をはじめ として、残雪という作家は空恐ろしい人だと思った。エッセイ集が読みたい。 米国より日本での方が読まれつづけている理由というのが、『村上春樹 ブック』にも引用された『ピープル』誌の記事「世界を生命のあるがままに ミニアチュアの中に封じこめるべく丹精こめて書かれた彼の精緻な文章が ボンサイ的優雅さを解する彼の国の読者に受けたのであろう」の通りかも しれんなー…と思わせられる『西瓜糖の日々』――読みながら、本家本元の 西海岸サイケの軽味に触れ、これもやっぱり一種の霊感だよねと思う。 女の子たちに人気のある作家がプッシュして話題にもなったのだから、ワコー ル手がけるコンビニ“It's Demo”みたいなノリの装丁にすれば売れるのに…。 イッツデモに行っておしゃべりに耳を傾けていると、かわいさと背中合わせの ガーリー(←古い?)の残酷さが、おそらく西瓜糖ワールドしている気がする。
サイケの他にも実は、残雪作品から断片的に受けた印象というのがある。 それが「美しい南国の夏の日」の祖母とのエピソードで得心できた。 「廊下に植えた林檎の木」は普通の肉体をもつ人間ではなく、家族それぞれが 特徴ある異形の者なのだが、そのキャラクター設定とか寝る場所などを読んで いて、ふっと思い起こされたのが日本民話だ。 お節介に過ぎるが、日本の昔話は関敬吾が編集した岩波文庫の3冊を買って おけば、折に触れて読むのに便利だと思う。それと一緒に『日本昔話ハンド ブック』(三省堂)というコンパクトな事典があると重宝する。 そこに詳しいが、昔話のルーツをたどっていくと、西洋にも東洋にも類話が あるシンデレラみたいなお話もあるけれど、日本昔話の場合、過去の文化交流 から当然のこと、大陸から伝来してきたものが多い。 「夜は箱の中で寝る」というちょっとした記述から、つづらや長持ちに隠れる 昔話の人物たちが起ち上がってくる。「こうもり傘とミシン」のような 唐突さ、荒唐無稽さというのも民話ではよくある展開だから、本来の「もの がたり(口承伝承)」を意識して残雪が小説を書いたとしても不思議はないか という気はしていた。 祖母に聞かされたウワバミの民話、日本でも旅の役者「たのきゅう」なんか に登場する。祖母とのエピソードを読んでいて、急に近しいものを感じた。
民話の影響が実際のところどういうものかは分からない。 しかし、「土地の神話性」には大地礼賛、民族礼賛とは異なる要素もあって、 それが民話には結晶されていると私は思っている。 民話は民族の「魂」だとか「ふるさと」だとか言われるけれど、「礼賛」だけで なく、自分たちの置かれた境遇のみじめさを笑い飛ばすような点があったり、 知り尽くせない自然に対する畏怖、そこに潜む異形の物(化物)を描きながら、 権力や体制に対する無力感をも表現して、からり諦める点などがカタルシス として機能する。 このように書くのは、莫言たちルーツ派の感動とは違う方向性だろう。 だけれども、民話的な乾いた笑いは、礼賛とは異なるもうひとつの民族の 尊重の仕方であり、言うなれば「新しい民話」として、作家的「霊感」に満ちた 文学の在り方なのかもしれないと、ちらと考えた。
>>141 具体性に欠けてるし、偶像視しすぎでないかい?
143 :
吾輩は名無しである :03/07/10 17:46
ストーリーテリングの女王 コニーウィリス 宮部みゆき&瀬名秀明絶賛 『航路』 認知心理学者ジョアンナの臨死体験、戦慄と感動のメディカル・サスペンス 死の恐怖に正面から立ち向かう人間の気高さを描く、驚愕と感動のヒューマン・ドラマ! 58章で終わっても感動 『ドゥームズデイ・ブック』 21世紀のオックスフォードから14世紀へと時をさかのぼっていった 女子学生キヴリンの物語。病原菌を巡ったミステリー感動作 盛り上げ方が上手い、ストーリーテラーの女王 もうよんだ? 読書の楽しさを認識させられる、読みやすい一冊。ホワイトデーの日に 読書好きの彼女へプレゼントするのに最適かと。
144 :
吾輩は名無しである :03/07/10 18:06
ニック・ホーンビィ好きなんだけど一般書籍板向けかな?
>>143 宣伝もそうしつこいと、逆に反感をかうよ。どこの変臭だ?
せっかくの良スレに・・・宣伝。
147 :
吾輩は名無しである :03/07/10 18:31
マルハウス復刊って俺もどっかで聞いたけど、ソースってあるの?
149 :
吾輩は名無しである :03/07/10 20:35
せっかく忘れ去られたスレを上げてやったんだから文句を言うな
大森望が大絶賛!
>142
141は民話の一般論が主だから、民話も残雪も「偶像視」する気はないけど、
書かなくていい個人的「仮定」を書きすぎた。お恥ずかしや。
ただ、そういう足がかりをもって「〜林檎の木」をもう一度読んだら、
>>134 の「視野の獲得」が少し可能になった。
>>137 の「ふみとどまる」ラストは『野性の棕櫚』と違うが倫理的…
という解釈は分かる気がする。妹に見とがめられたのをこれ幸い、
ふみとどまって諦めたという情けない消極的選択ではあるけれど、
自分の「分際」を知ることの積極的意味を肯定したのではないか。
『黄泥街』も読み直したら、キッチュなカフカみたいで割に楽しめた。
後半の会話が多い部分はターボかかって読めたし…。繰り返し話のような
民話的要素も少し認められた。
まとめないで語り流していくようなスタイル(言葉を出たとこ勝負みたいな
ノリで積み上げていく)が昔語り的であるし、こういう掲示板にもよく似て
いる。「糞」とか「豚」とか、煽り文句と同じ言葉もたっぷりあるしね。
宣伝 (・A・)イクナイ
153 :
吾輩は名無しである :03/07/10 22:25
ところで今売ってる「紙葉の家」って読んだひとおる? パラパラめくってみてトリストラム・シャンディみたいだなーと思ったんだが。
>>153 前スレでは
それ出たとき、ここの論客が揃って
否定的だったからどーだろ(w
155 :
吾輩は名無しである :03/07/11 02:11
>>154 サンクス。「メリケン吉田戦車」ってやっぱなあ。
まあ伝染るんですは吉田氏だけでなく装丁の祖父江氏の仕事もでかいけど。
あと題名をつけた竹熊氏も。
紙葉の家ってスレも立ってたのかな?
アドレス判る人いないだろうか。
ところで前スレ読んでたらマダムBが『オルガニスト』を推薦していたが
新潮社の日本ファンタジーノベル大賞作品で音楽ネタなら
大声で高野史緒『ムジカ・マキーナ』の方が面白く完成度が高いと言いたい。
>89 中国語で「ラテン」は「拉丁」のはずです。 日本では「羅甸」と書いたみたい。 中国文学は王朔の「消しゴム人間」しか読んでない。
『航路』は第一部がおもしろかった。 その後はサブテクストを表で語り始めたり、メタファーの強調が竜頭蛇尾に終わ るとか微妙だけど。 >155 スレ違いだが、俺は『ムジカ・マキーナ』の文体は少し頂けない。 少女漫画、軍記小説、江戸捕物帖、冒険小説のコードが前触れ無しに入り混じり、 指揮者の不在を感じる。 文体のサンプリングやミキシング等でも無い。 音楽を題に取るなら、そこに気を張るべきじゃないかな? >156 調べ直した。一般にはそちらが通例だね。 羅丁と書いた原文を見た事があって、そっちで覚えてた。訂正ありが屯。
>>155 ふぁんたじーのべるなんて・・どれほど気取ってみせても程度が・厨房
どっちが厨房だよ
>150 その人がまた絶賛しているスタージョン『海を失った男』も出たみたい。 あらすじ読むと、幻想味があって面白そうな作品が多い。 『夢見る宝石』もSF色うすそうだから、読めそうかな? >158 厨房は好きで、きょうはおやつも作ったから都合4回立った。 珈琲も淹れたなー。結構新しいキッチンだが、食洗器に何から何まで 入るわけでないので、片づけがキライ。クリスティーとか川上弘美とか、 厨房派の女性作家って多いみたいだね。厨房派の女性読者もとても多いと思う。 『ムジカ〜』は麻薬っていうのでドラちゃんの『天使のパス 悪魔のゴール』 を思い出したw。機会あったら読んでみます。 『オルガニスト』は「男女の距離感」の描き方が絶妙で良いのだ、とマダムBが 申しておりました。最近は『贖罪』が『抱擁』より気に入ったみたいだよ。
若島正の日記によると、ナボコフ「青白い炎」が文庫化されるそうです。 復刊ブームが来たみたい。
>>161 本命キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
今、訳稿を点検してるとすると、今年末〜来年初頭あたり刊行か?
えらいぞちくま!!
>>161 「第三の警官」も文庫化してくんないかなぁ<筑摩・・・(´・ω・`)
ザシダワってやな名前だ
>165 情報ありがとう。 もう感想書いてる人の選書、面白い。エリアーデの「読み」も参考になる。 けど、「『ムントゥリャサ〜』で現実と幻想が対峙」とか書いてあったのは ちょっと違う気がする。 はなから絵空事のハイファンタジーと違って、エリアーデは幻想の展開して いくところ、どこまでも現実を引きつれていくような書き方をしていると思う。 だから、自分がいつかこの世にあってその境界を乗り越えていってしまい そうな感じが襲いかかってくることがあり、コワくなる。 最近、自分の書き込みの間違い&勘違いを発見しながら、かなり境界を 乗り越えつつあるなと同じ恐怖に襲われるwww。 そういう箇所はよろしくスルーしてね。
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
山崎対策age
17日18:30〜池袋ジュンク堂の若島正氏レクチャー、 誰か行けたらレポート、よろ!
171 :
吾輩は名無しである :03/07/16 22:01
マルハウス復刊はうれしいなあ
172 :
吾輩は名無しである :03/07/21 05:12
ミルハウザーのエドインマルハウスは2,200円ってことは Uブックスでなくてハードカバーですか。
>>172 この手のハードカバーとしては微妙に安いし
新書版サイズにしては幾ら何でも高すぎる。
新装丁版で登場のヨカーン! ヽ(´ー`)ノ
ということは国書の廉価版みたいな四六版のソフトカヴァーかな?
となくると、本棚の飾り用と読書(積読)用と 2冊買わなきゃなんないねぇ(w
掲示板のみなさまはじめまして 友人にここの掲示板のことを聞いて来てみ ました
>コンスタントに翻訳される作家なんだな。 ま、大江健三郎が絶賛してるってのも大きいね・・・
大江健三郎セレクション「文学の王道(正統)」とか何とかシリーズ名つけて、 講談社文芸文庫あたりで出してくれないかな。文庫より、クレストに対抗 意識燃やし四六判フレキシブルバック(並製)でこじゃれた感じにすれば、 売れないことないと思うんだけど…。 リョサ『ラ・カテドラルでの対話』 グラス『ひらめ』か何か マラムッド『修理屋』か『あたらしい生活』 T・ウルフ『天使よ故郷を見よ』 メイラー『鹿の園』 チーバー『短篇大全』 アップダイク『カップルズ』 フォークナー『野性の棕櫚』 ラウリー『活火山の下で』 マードック『切り取られた首』 M・スパーク『死を忘れるな』 絶版じゃないのもあるのかな? みんな講談社の本じゃないからw、ムリか。 全集の端本とかは本棚の場所喰いだから、やってくれると嬉しい。 企画書作って持ち込むにしても、その前に全部集めなきゃか…。現実味のない話。
そうそう、つけたし。 解説はね、全部オーケンじゃもったりしすぎなので、海外の新進作家と対談 してもらって色をつけます。それにオーケンの思い入れ(自作との関連)を エッセイにまとめてもらって添えるという方向で。 喜寿記念とか何とか、まだまだ先か…。
>>179 微妙に渋い選択ね。
リョサ『緑の家』
グラス『ブリキの太鼓』
メイラー『古代の夜』
アップダイク『うさぎモノ』
フォークナー『アブサロム、アブサロム!』
マードック『鐘』
M・スパーク『マンデルバウム・ゲイト』
じゃないのね・・・
代表作とは限らないのでしょうね、作家が作家に影響を受けるのって…。 「新しい場所へ出ていくという意味で啓示を受けた」「悲嘆について考え させられた」「女性の造型を通じて男らしくユーモアを表現してみたく なった」とかツボがあるみたいです。 「大江セレクション」としたのは企画としてのまとまりであり、 手に入りにくくなった名作を手軽に読みたいだけのことです。 遅れてきた読者でない人は、とうに持っているのでしょうがw。 しばらく前に朝日新聞に発表されてきた往復書簡がまとめられ、 グラス、ゴーディマ、リョサ、ソンタグ、鄭義など、ここでも 挙がる興味深い相手が並んでいますが、誰か読んだかな?
O・ヘンリーとか読んでる人いませんか?
185 :
ixion ◆ySh2j8IPDg :03/07/30 23:03
ケルテース出ました、ってことでたまにAGE
186 :
吾輩は名無しである :03/07/30 23:32
チャック・パラニュークの新刊どうよ?
アウステルリッツもきのうかな、出たみたい。
グレック・イーガンも誰か得意な人、解説してケロ。 何から読むとよさそうだ、とか。
>アウステルリッツ 立ち読みした感じではなかなか面白そうだったけど、どうっすか? ピンカーの本買ったのでまあいいかと思い買わなかった。 感想ききたいです。
>>188 早川文庫の90年代傑作選の中の短編なんか
191 :
吾輩は名無しである :03/08/02 11:41
>>188 イーガンは『宇宙消失』が良いんでない?
そういえば奥泉光も褒めてたとか。
192 :
無料動画直リン :03/08/02 11:41
193 :
吾輩は名無しである :03/08/02 22:53
197 :
吾輩は名無しである :03/08/03 09:02
しかし、海外文学耽溺人口と、国内エロゲーハァハァ人口と どっちが多いんだろうね。正直、初心者無視ではどちらも 先細りするしかないような。
>>194 ノサックは岩波文庫『死神とのインタヴュー』だけだが読んだことある。
面白い。器用で多才な人だなと思った。
>198 ちょうど今、それ買って帰ってきた(イーガン短篇集といっしょに)。 古書店で高い値がついているけれど、去年の暮れに復刊したんだね。 面白いですか。近日中に読んでみます。 その解説にもあるけれど、「アウシュヴィッツのあとにもなお詩を書く とは野蛮である」と言われたところの世代なのに、ツェラン、グラス、 ハインリヒ・ベルのようには聞かない名前だったから、へえーと思った。 寓話やSF的に戦時下の体験を書いているというのは興味深い。 戦争つながりで、ケルテス『運命ではなく』――すごいね。 一気読みした、久しぶりに。
前スレのミラーに飛ぼうとすると、変なページに つながるようになった。くわばら、くわばら。
>>202 >前スレhtml化されている
ヽ(´ー`)ノ
>>194 今年に入って岩波文庫から『死神とのインタビュー』が出たばかり
ですよ>ノサック
戦後ドイツの空気が臭いと思うかいとおしいと思うかで評価が変わるような
>204 評価のものさし、ありがとうございます。 落手した岩波文庫は2002年12月の6刷で、しばらく品切れののちの 重版再開かと思われます。 ちなみに初版が1987年2月。1977年のノサックの死から10年の経過を 見ている。やはり生前のうちに刊行されることがめったない「古典」 および「古典候補」のための文庫だと意地をまざまざ感じさせられて…w。 カフカの影響下と分析する研究者がいるようで、楽しみに積んでいます。 集英社の全集には、『死神との〜』所収の短篇がひとつ、入っている みたいです。
206 :
吾輩は名無しである :03/08/07 13:34
マルハウス出たよ。 白水社のサイト更新はまだみたいだけど。
>>マルハウス キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
イアン・マキューアンとロバート・ゴダードのスレが見当たりませんが、なんでだろう? 過去ログ倉庫に行けばあるのかな?
マキューアンやゴダードのスレって見たことない。
マグラアのスレはないですか?
>209 だれかスレ立ててくんないかなぁ。 好きな人多いと思うのだけれど・・・。
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
ゴダードなんかだとミス板に無いの? ちょっと浮上
>214 サンクス!
しびれるサイトを見つけたので、ひとりで見ているともったいない。
貼っとくね。翻訳家の中野善夫さんのページ。
ttp://www010.upp.so-net.ne.jp/ynakano/index.html 世界の書店のリンクが面白い。カナダにあるハンガリー語専門店、
カリフォルニアのアルメニア本の専門店…一生世話にはならないと
思うけど。
日記がいいな。
「本を注文するのに忙しくて読む暇がない」とか「ダンセイニの本は
2冊ずつ買うことにしている」とか「スタージョンの全集は10年近く
買い続けているのに全く読んでいない。しかし、後悔していない」
>10年近く買い続けているのに全く読んでいない。 >しかし、後悔していない なんか力付けられる言葉ね(w
ロシア文学専門のひとにとっては当たり前の話なのかもしれないが、 ビートフって…すごいな、いろんな意味で^^; まぁ、ソローキン初めて読んだときほどの衝撃はないが、 「文学は終わった」と思わせておいて、きちんと「文学は続く」 といった手法(まぁ、要するにそれは「ポストモダン」の「メタフィクション」 とやらなのかもしれないが、そんな怪しげな用語はどうでもいい)を、 やっぱロシア文学でもこれだけ意識的にやっている人はいたのね。 『プーシキン館』は、ロシア文学の素養があまりない俺には、作中の 作中のさまざまなallusion(と思われるもの)は全て分かるわけではない が(まぁ、ナボーコフやベールイはいいとして)、とてもまともな作品 であり、この作家がまだ邦訳されてないのはちょっと惜しい。 (ちなみに、俺が読んだのはすばらしい出版社Dalky Archive Press からでている英訳版) てことで、ロシア文学専門の人、ここにいたらビートフについて いろいろ教えてくださいな!
木曜の夜かな、BSで『オスカーとルシンダ』の映画をやるみたいだね。
221 :
ixion ◆ySh2j8IPDg :03/08/30 08:43
たまにあげよう。 レオノーラ・キャリントン『耳ラッパ』!
222 :
吾輩は名無しである :03/08/30 12:26
イクシオンPDg発見! キャリントン『耳ラッパ』って月刊ペン社?
いや、工作舎だよ>222さん
ttp://www.kousakusha.co.jp/DTL/mimi.html キャリントンやバロは大好きなのだ(ちょうど渋谷で作品展やってますね
>首都圏在住の方)。
それよりなにより、今読んでるヴィトキェヴィチがすごいぞ。なんで
こんなすごい変人、じゃなくて芸術家が日本ではあまり紹介されて
ないんだ???(とりあえず、あまりに気に入ったから久々に自分のサイトに
長文を書いてしまった…)
ポーランド文学・美術専攻の人、もっとこの芸術家を翻訳・紹介してくれ!!
224 :
吾輩は名無しである :03/08/30 16:44
>>223 レオノーラ・カリントン『耳らっぱ』は月刊ペン社から昔出てた。
ヴィトキェヴィチを読んでるなんていかしてるね。
その長文どこで読めるの?
へぇ、昔出てたんですね、『耳ラッパ』。しかも月刊ペン (=妖精文庫、と俺は思ってた…恥)。 じゃあ、最近復刊された、ってことですね。 >ヴィトキェヴィチを読んでるなんていかしてるね。 >その長文どこで読めるの? うーん、お目汚しになると嫌なんでここに貼りたくないっす^^; だって、読んでる人はもうとっくの昔から読んでるん でしょ、ヴィトカツィ。今更読み始めて盛り上がってる 俺って一体、みたいな…。 もしよろしければ、"jacob's mystic heart"で検索掛けて みてください。ご批判やもっと専門的な話などありましたら どうぞよろしく。 では。
つーか、どこをどう辿ってヴィトカツィに流れ着いたのかが気になる
>つーか、どこをどう辿ってヴィトカツィに流れ着いたのかが気になる 1.ケルテース・イムレから辿って、ハンガリー文学をいろいろ読む。 コンラード・ジェルジュ、イエーシュ・ジュラ、そしてエステルハージ・ ペーテル(7月〜8月あたり) 2.ペーテルいいね、と思ってうっかり(ここが俺のバカなところ) 『世界文学のフロンティア3 夢のかけら』を買う。もちろん、 ペーテルの「ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし」は、すでに読んで いた『黄金のブタペスト』に所収されていた。クソウ。 3.そこでわが敬愛する沼野充義先生の読者への案内 「蕩尽された未来の後に」を読む。そこでヴィトキェヴィチの名前を 知る。 4.そういえば、俺の大好きな「ライロニア国物語」を書いた哲学者 レシェク・コワコフスキや、俺の中好きな詩人チェスワフ・ミウォシュ についての、なんかの英文読んだときにも出てきたぞ、この名前。 と思い出す。 5.アマゾンで注文、今日に至る。 …ていうか、知らないこと多すぎ>俺^^;
>>225 イクシのWEB拝読。なかなかの力作。
今後時折寄らせてもらおうかな。
昔ヴィトカツィ読んだときはたまげた。
個人的にはゴンブロヴィッチより好き。
世界には未訳のスゴイのがあるなと。
東欧文学おそるべし。
「狂人と尼僧」は忘れがたい作品だね。
そういえば、ガタリが何か書いていたような気がして、 今日は部屋の大掃除<ヴィトカツィ >未訳のスゴイの 英米圏ならいろいろあるのだが、東欧文学を集中して 読み始めたの最近だからなぁ。そういや、ミウォシュの詩 は前から読んでいたのだが、日本ではまだまとめて訳されて ないね(まぁ、ミウォシュの詩は好き嫌い分かれるとは思うし、 実は彼の散文の方が優れていると俺個人は考えてる)。 エステルハージ・ペーテルも、もっと翻訳してくれ。『心の助動詞』 なんて、英訳も絶版なんだから…。 あとは…ロシア文学、アンドレイ・ビートフも訳して欲しい。 というわけで、ロシア・東欧文学に強い人、 いろいろ面白い作家教えてください!!
230 :
吾輩は名無しである :03/08/31 20:00
面白いレスだからageとこうよ。 ロシア・東欧文学の情報こちらもキボーン
この本は原語からの翻訳で、東欧文学や言語の各研究者が紹介したい作家を
集めたものとして少し話題になった。
ttp://www.michitani.com/books/ISBN4-89642-008-X.html そういう神様たちが降臨するといいね。
ポーランドの詩人って、19世紀人だけどショパンとの絡みでミツキェヴィチの
名前はたまに見る。『バラードとロマンス』がポーランド・ロマン主義の始ま
りという文脈で…。彼の代表作『パン・タデウシュ』はワイダ映画公開で邦訳
出たけど読んでいない。面白そう。
手元に『東欧の民族と文化』っていう本があり、たとえば次のような記述が
あるが、そういう名の作家たちがいるのか…とは思っても、何としてでも
読んでみたいというところには、なかなか行かないな。エリアーデ、カダレ、
あるいはチャペックあたりがまとまって訳されていることだけでも、すごい
ことだと思う。「東欧」という括りすら、その多用な民族・伝統・文化・
言語を考えれば強引なものだという気がする。
[ロマン主義から現代にいたるまで、多くの文学者によって、作品の素材と
して用いられてきたバラード「パニ・パナ・ザビワ(奥方が旦那を危なめた)」
――ワルシャワに始まり、ポーランド及び近隣の国々に広く知られていた
もので、アダム・ミツキェヴィチの「睡蓮(リリイエ)」ほか、レナルト
ヴィチ、カスプロヴィチ、ヴィスピヤンスキ、ガウチンスキらの作品があり
ます――との連関です。このバラードのテーマは妻の夫殺しで、モチーフや
状況はさまざまなのてすが、必ず<犯罪−そのいんめつ工作−証拠の露呈−
処罰>という単純な構成を保つものです]
「連帯」時代の流行歌の一節に触れた記述だが、ここ読んだだけで奥深そう。
232 :
吾輩は名無しである :03/09/01 12:58
>>231 未知谷の東欧文学アンソロジーは私もチェックしました。
未知谷は国枝史郎といい、エライもの出しますよね。
チャペックは日本でも固定ファンが結構いそう。
エリアーデあたりは出版社は頑張ってると思うけど、
読者受容はこれからという気が。
「東欧」とひと括りするのは強引だけれど
専門でもなければしょうがないでしょうね。
西欧では日本も一般的にはアジア文学として括られるでしょうから‥。
>>229 アンドレイ・ビートフについて逆に教えてください。
233 :
吾輩は名無しである :03/09/02 23:34
>ロシア・東欧 ぎゃ〜 全然話題について逝けない・・・ なんか凄いってんで、図書館で「ロマン」の下巻は見てみたけど・・・ あと、ミロラド・パヴィチとか・・・ (・ω・`)
>>233 (上234ミス失礼)
パヴィチもいいね。「ハザール辞典」「風の裏側」は秀逸。
「紅茶で描かれた風景」とかいうやつは未訳かな?
>>232 エリアーデはいいよね。「ムントゥリャサ通り」ほか傑作多い!
チャペックは結構翻訳がそろってきたよね。
「ロボット」って言葉はチャペックの造語らしいね。
東欧文学に関しては恒文社という出版社が地道に刊行してきてた。
名前の出たゴンブロヴィッチの「コスモス」も結構早く出してたしね。
カフカ「審判」をポーランド語に訳したシュルツとのカップリングだったかで。
ポーランドといえば、ヤン・ポトツキ「サラゴサ手稿」の全訳はどうなったんだろ?
確か工藤幸雄氏が‥。
カリンティ・フェレンツ「エペペ」(ハンガリー)や
ヤン・ヴァイス「迷宮1000」などもメジャー路線から少し外れるけれど
なかなかの幻想的秀作。そのほかムロージェックとかいろいろ。
ドイツでいえば、種村季弘が訳しそうな異色作家ってところかな。
>>231 エリアーデ、カダレ、チャペックの邦訳は確かに充実してる。
あと、ダニロ・キシュの「死者の百科事典」なんかも良かった。
アンソロジー「文学の贈り物」は貴重ですね。
>>229 だいぶ昔に白水社から東欧幻想文学の短篇集があったはず。
雑誌「幻想文学」が一度東欧文学の特集を組んでいた記憶が。
ヴィトキェヴィッチは1930年発刊?だったかの「充たされぬ者」
とかいう本がスゴイ傑作らしいと聞いているけれど、
誰か邦訳してくれないだろうか?
沼野充義氏にこれからも頑張っていただきたい。
それから、これはフランス文学だけど ジョルジュ・ペレック「さまざまな空間」が出たね。 デリダ「火ここになき灰」といい、 最近こういう縦長の判型が多いのは 狭い書架には困りものだけど‥。
>236 『エペペ』は確かに、読書好きの人から面白いと上がってくる本ですね。 ヤン・ヴァイスという人は知らなかったな。 ノーベル賞がらみては、ヤロスラフ・サイフェルト(チェコ)…千野栄一氏 あたりが邦訳出している? 旧ユーゴのイボ・アンドリッチは代表作『ドリナの橋』恒文社がまだ大手 書店には並んでいたと思う。どちらもリアリズム系統。 同じくノーベル賞とったカネッティはブルガリア生まれたらしい。 「亡命」ってケースも多いですもんね。 ここではまだ名前が上がってきていないと思ったけど、ゴンクール賞取った ロシアのアンドレイ・マキーヌ。水声社・作品社あたりが地味〜に出して くれているけど、フランス語で書き始めた人。チェコ、スロバキア、ハン ガリーあたりも、地理的なことがあるから多少ドイツ語が通じないでも ないが、インテリはフランス語なんだよって言われたことがある。 スレに関係ないけど、「東欧」って、地理的には確かにその言葉通り なんだけど、「西欧」と「旧ソ連」との区別、それも政治的含みで 使われてきた用語なので、民族のアイデンティティたる言語、文化を 語るときに、やや抵抗が…。スラブ文学とかマジャール文学とかなんだ ろうな、現地の人にとっては…みたいな意識です。 「強引」という言葉を、やや乱暴に使ってしまったけど。
チェコの作家でオタ・パヴェル忘れていた。 千野先生訳の『美しい鹿の死』って良い。 書店でよく見かける手に入りやすい本。 チェコって、大統領のヴァーツラフ(プラハの大通りの名と 同じ)・ハヴェルさんも劇作家だ。 来日したとき、記者会見に向かうところプレスセンター・ビルで 出くわし、ごついSPに「そこ、どいて、どいて」って突き飛ばされ ムッとした思い出がある。かっこいい大統領に免じて許したw。
240 :
吾輩は名無しである :03/09/04 07:57
「エペペ」復刊キボーン ヽ(´ー`)ノ
チェコのサイフェルトは詩人で、訳は数冊出ていましたね(アセ 書店や図書館で題を見かけ素通りしていた本が…。 批判精神というのがノーベル賞受賞理由みたい。 だめだな。分かっている人に教えてもらわないと。
242 :
吾輩は名無しである :03/09/04 11:36
スロバキアのあるフランシスコ会修道士がシュールレアリスム文学やってたらしいが、 これについて知ってる人いますか?
245 :
吾輩は名無しである :03/09/06 09:59
>236に訂正(本を確認、ソーリー) ヴィトキェヴィッチは1930年発刊の傑作のタイトル 「充たされぬ者」→「充たされえぬ心」
ヴィトキェヴィッチでなく、ヴィトカツィの方だ<トップでヒット
げ…嫌だな<トップでヒット あの文章消そうかな^^; ペレック、英訳にはなかった図版がちゃんと収められているから 嬉しかった。
チェコの作家といえばまず「兵士シュヴェイク」のヤロスラフ・ハシェクなわけだが 最近だともうそうでもないのかな。
Witkiewitz, Insatiability買いました。 いつ読めるのかわかりませんが、読んだらまたなんか書きます。 キニャールはなかなかですね。
先週の毎日書評は読みごたえあります。池内先生も時々見られる気のない
書評じゃないしw、若島先生もいつもながらに要領を押えたシャープな
エリアーデの解説。スタージョンもあるしね。
ttp://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2003/0907/ でも、どーなんだろ?
『アウステルリッツ』って何が明らかになっていくのか、人種的なことに
ついては伏せておいてくれた方が親切なような気も…。自分はその情報が
ないまま読んだので印象深く幸いでした。
>ハシェク
そうですよね。243にある「チェコ文学史」のサイトで、第12章「チェコ
スロバキア共和国の社会主義的性格を〜」の第3節にも丁寧な解説あり
ますね。しかし、カウンター550程度とはもったいないサイトです。
米国のDalkey Archive Pressなみの来客数ですね(ここの100冊で500$
とかって売り方すごい。日本の顧客で買う人がいるとすれば……)。
このスレの雰囲気で東欧で面白そうな本というと、沼野先生の書評など集めた 『スラブの真空』に出ていたんだろうな…と思って図書館で確認したら、 ビートフとか紹介されていましたね。でも、同書は古書市場にほとんど 出回っていないみたいで残念。 あと『サラゴサ手稿』などは、同氏の『東欧怪談集』あたりの情報なのかな? こちらは文庫のくせに3000円の値がついていたから、そのうち図書館で取り 寄せることにする。 10年前の「リテレール」見てたら、沼野先生の現代東欧・ロシア文学 ベスト10が出ていて、結構翻訳が実現されたのだなと感心しました。 以下――
記事の抜粋 (1)セルビア/パヴィッチ『ハザールの事典』(翻訳中) (2)チェコ/クンデラ『可笑しな恋』(邦訳『微笑を誘う愛の物語』) (3)ポーランド/レム『完全な真空』(国書) (4)ポーランド/コワコフスキ『ライロニア国物語』(未訳) (5)ロシア/オクジャワ『シーポフの冒険、あるいは今は昔のボードビル』(群像社) (6)ロシア/ソロコフ『馬鹿のための学校』(未訳)未来と過去が交錯する感性の渦のような世界。 (7)ロシア/ドヴラートフ『わが家の人々』(未訳) (8)ロシア/シニャフスキー『ちびすけツォレス』(未訳)小品ながら不思議な気品をたたえた痛切な幻想小説。 (9)ロシア/エロフェーエフ『モスクワからペトゥシュキへ』(未訳、一部「現代詩手帖」に訳)孤塁を守って いる作家の壮絶な「アルコール幻想小説」 (10)ロシア/トルスタヤ『金色の玄関に坐って』(未訳)残酷な現実を描きながら、その現実を光の驟雨の中で 輝かすことのできる文体 番外編(小説以外) (1)ロシア・アメリカ/ブロツキー『一以下』(未訳) (2)ポーランド/ミウォシュ『故郷ヨーロッパ』(未訳) 未訳のものが少しずつ日本語で読めるようになっていますよね。
255 :
漂泊者 ◆CRaxoB3keg :03/09/18 08:34
>>251 レポート期待してる。
>>254 サンクス。
P.S.
創元推理文庫から「東欧SF傑作集」が復刊。
256 :
吾輩は名無しである :03/09/18 22:33
>>255 創元推理文庫から「ロシア・ソビエトSF傑作集」も復刊したね。
マイナーな作家が多いからあんまり部数は作ってないだろうね。
『HOOT(ホー)』は水準の高い児童書だね。 真っ青な地に目玉の絵が印象的なカバーの本で、ずっと避けていたけど。 最後の1シーンがあんまり美しいので、原書も立ち読みしてきた。 最後の1行に泣ける本は久しぶりだった。
「エドウィン・マルハウス」読了。 途中なんだかタルくって、とっとと読み終えたかったけど、ラストでやられた。 しばらく何も読めそうにないや。
板違いだけど、テッド・チャンが訳されたね(ハヤカワSF)。 まぁ、もしかしたらもう新作は書かない(書けない)のかもしれん けど…(それは悲しい―久しぶりにSFの新作ハードカバーで 買ったのがチャンだから)。 「バビロンの塔」と「ゼロで割る」が好き。 ポール・パークの作品集も訳して欲しいなぁ。イーガンは確かに すごいが、それ以外の新進SF作家も面白いんだから。
261 :
◆CRaxoB3keg :03/09/21 18:50
223-254あたりに名前の出た東欧諸国の作家について補足。
『理想の図書館』では《中部ヨーロッパ文学》という名称で扱われている。
その本の50選でこのスレで出た作家の名が結構入っている。
ちなみにベスト10は(順不同)
@『ボスニア物語』アンドリッチ
A『隕石』チャペック
B『禁断の森』エリアーデ
C『フェルディドゥルケ』ゴンブロヴィッチ
D『兵士シュベイクの冒険』ハシェク
E『囚われた思考』ミウッシュ
F『国境の学校』オトリク(これはどんな作家だろう?)
G『肉桂色の店』シュルツ
H『移住』ツルニャンスキ(この作家もわからないなあ?)
I『秋の別れ』ヴィトキェヴィッチ
>>257 『HOOT(ホー)』は面白そうだね。
>>259 テッド・チャンの情報サンクス。
>>262 もちつけ、ハヤカワ文庫の棚のある規模の書店には積んであるから(w
>テッド・チャン カズオ・イシグロにダイエットさせたあとのような顔だ。
>>264 某SF系日記じゃ若い神林長平とか言われてたけど、物書きの風貌なのかねえ。
>>258 激しく同意。ちょうど258さんの書き込みを半分くらいのときに目にして
勇気付けられたw。
つい先程読了。いやはやジェフリー。
『古井戸』『神樹』の鄭義が来日して大江と対談すると新聞にあった。 「自分のために書く」10月7日18:30〜、場所は…プレスセンタービルだ。
馬建『レッドダスト』(集英社)が出ました。 …って、今月もう金がないからまだ買ってないんだけど^^;
十月末に莫言の自選短篇集が出るみたいね。
>莫言 最近でた『白檀の刑』は買いですかい?
年配の男性読書人に固定ファンがついている悪寒<莫言 司馬遼太郎や池波正太郎の穴を埋めるような読み方をされているような…。 ちがう?
順当だよね、今までも候補になってるし。 『敵あるいはフォー』や『マイケル・K』は素晴らしい。 最近のも悪くないけど。
274 :
吾輩は名無しである :03/10/03 10:51
クッツェーは、尊敬する大作家なので、ちょっと嬉しい。 ノーベル賞の権威を維持するためには、必要な人選ですね。 次は、アトウッドあたりかな?
もしこの機会にクッツェーを読んでみようと思ったら、デフォー 『ロビンソン・クルーソー』を読んでから、クッツェー『敵あるいは フォー』を読み、さらにトゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の 冥界』を読んでみると面白いかも…。 文明や宗教などを組織化していくことについての物語でもある デフォーの作品(allegoric historyとしての物語の構築) に対する批判として、クッツェーやトゥルニエは「書くこと」/ 「書かれたもの」が秩序を[創り出す」というのはどういうことか、 そして宗教的な教訓(例えば「勤勉であること」)がそうして 創り出されたものの上に成り立っていることを描き出している。 そして、馬建『レッドダスト』もまた、政治による組織化から 外れて遊蕩しながら、その「創り出されたもの」に対する 辛らつな批判を繰り返す。そして馬建も宗教に近づきながら、 それに対する違和感を隠さない。 「自然から都会へ戻り、人の群れと社会に戻っても、お前は 気にしないだろう。なぜならお前も変わったのだから」 (馬建『レッドダスト』上田クミ訳)
そういや、「信仰」を考える、という意味では、テッド・チャンの 「地獄とは神の不在なり」も面白いよね。 宗教が公共的な合意になってしまうとき、信仰はそれに対立する こともある。前者が単に、他者(もちろん、人間にとっての神もそうだし、 汝の隣人もそうだろう)を巧く包み込んでしまうような、いわば「創出 された伝統」のようになってしまう時、後者は逆にその「他者」が存在 しない(信仰する自分にとってそれが「空白」としてしか認知されない) ことでひたすら「信じる」ことを続けていく…。 ところで、最近のノーベル文学賞って、受賞者を見ていくと至極まっとう な「道徳」に則った作家を選んでいるようでありながら(思い出せる限り ではゴーディマー、モリソン、大江、グラス、高、ナイポール、ケルテース など)、その実作を見てみるとむしろ道徳の先にある信仰(的な倫理) に踏み込んでいる作家ばかり。そこまで読み込んで選んでいるのかねぇ。
277 :
吾輩は名無しである :03/10/03 15:29
イスカンデルの読者はいますか? 『チェゲムのサンドロおじさん』ってのが邦訳であるんだけど。
新聞でクッツェーの「恥辱」のあらすじを読んだけど・・・ かなり鬱になるな。
>>278 何回も立ってる気が・・・
>ノーベル賞
>次は、アトウッドあたりかな?
え、そこまで跳んじゃうの?
それだとラシュディとかイシグロとかハルキ・ムラカミとか
まで入っちゃうよ(w
リョサとかクンデラとか
まだまだ大物がぞろぞろいるじゃん
スタニスワフ・レムのノーベル賞受賞はまだですか?
>>278 どうもありがとうございます。277です。
まぬけな書き込み申し訳なかったです。スレが上がってたのが運の尽きでした。
>>280 他
ところで、レムはそれほどの作家でしょうか・・・
>>281
レムは十二分にノーベル賞級だとは思うけど、 ボルヘスとかも受賞してないし、 あーゆータイプは無理かもしれないですね。
J・G・バラードもノーベル賞級といって差し支えないだろうが SF寄りの作風の人は全然受賞しないからな>ノーベル文学賞
285 :
吾輩は名無しである :03/10/05 15:47
ゴールディングは?
アトウッドは長生きしても無理
287 :
吾輩は名無しである :03/10/05 18:54
>285 1983年にゴールディングは取ってるよ
クッツェーで植民地差別云々の話が出てきたところで―― 一見安っぽい(読むと多義だと分かる)邦題をつけられた『調律師の恋』 The Piano Tunerが良かった。文学的偏差値(こと技巧)で言うと『抱擁』 『贖罪』には敵わないだろうけれど、それらに匹敵する美的感動がある。 西欧人のアジア・アフリカに対する異国趣味に立つ話なので「今さら…」の 設定ではありながら、最近邦訳の出たクレジオ『黄金の魚』、フルミーヌ 『蜜蜂職人』のように物足りなくはない。 『闇の奥』『王道』あるいはモームの『環境の力』をはじめとする一連の作品、 バタイユ『安南』のように、密林という環境(そこに暮らす民族も含め)に取り 込まれ、それまで身につけていた常識や判断に基づく自制を失っていく人間の 様がじっくりと描かれている。一種の狂気のように…。 我々もアジア人でありながら、アジア・アフリカに対する異国情趣というのは 西欧人に近しいものがある。だからその囚われ方、呑み込まれていく過程と いうのが分かり易いのではないか。 呑み込まれた先の結末は、いつかディーネセンの話が出たとき「詩人」の 最後を表現していた言葉――「暗澹たる美しさ」で、同じように表せられる ように感じた。しかし、単に審美的なのではない。 『王道』のような力強い昂揚感も伴っており、さすがに男性作家の くくり方というか、好ましいものだった。
289 :
吾輩は名無しである :03/10/13 14:13
>>261 のリストにあった
「B『禁断の森』エリアーデ」ってどういうやつですか?
邦訳はあるのでしょうか?
エリアーデに詳しい方おしえてください。
>289 作品社から出てる「妖精たちの夜」のことらしい。 以下は解説からの引用。 Noaptea de sinziene(スンジエーネの夜)を私たちは「妖精たちの夜」と訳した。 ギエルム訳のフランス語版の標題『禁断の森』は、原題と無関係ながら、シンボリックな含意がおもしろく、リケッツ訳の英語版にも踏襲された。 ちなみに英語版タイトルはThe Forbidden Forest
291 :
吾輩は名無しである :03/10/17 17:28
>>280 たしかに、クンデーラは、ノーベル賞をとらないと駄目ですね。
トゥルニエとかも候補なのかな?
292 :
星野さん感動をありがとう。さんまvsたけし!踊る大総選挙! :03/10/17 19:05
阪神タイガース優勝バンザーイ!
星野さん感動をありがとう。そして、おつかれさまでした。
落ちこぼれ阪神の優勝は多くの人たちに勇気を与えたと思います。
あらためて、阪神優勝バンザーイ! よーし、次はダイエー相手に日本一や!
でも喜んでる場合やないで〜
大阪の景気は超ドン底最悪状態真っ最中!
大阪の選挙の投票率はなんと全国で最下位!(55.69%)
なさけないわ、ほんま。。。
投票率が低いのは社会、経済に対して自発的な努力が無い証拠やで!
(....43京都 44沖縄 45埼玉 46千葉 47大阪)
こんなことで大阪の景気が良くなるわけないやろが!
大阪を変えたいんや!
11月9日の総選挙、投票率を上げようや。 全国一位をねらおうや!
それが無理でも、せめて、 阪神の勝率(62,7%)を超えるぐらいの投票率をめざそうやー!
大阪人よ立ち上がれー!!!
そして、政権交代で日本を変えたいんや!
イメージとパフォーマンスばっかりで
弱者の痛みを無視するような政策ばっかりの小泉政治はもうアカン!
自民党の利益を失うような構造改革を
自民党自身ができるわけないのは誰でもわかる。
もうだまされへんぞー!
大多数の無知な国民をあざむくのもいいかげんにしろー!
自民の自民による自民のための政治はもう終わりにしろー!
11月9日、踊る大総選挙。
政界の明石家さんまこと小泉純一郎と
政界のビートたけしこと菅直人。
さあ、勝つのはどっち!!!?
http://www2u.biglobe.ne.jp/~over80/shugiin_watching-2000.htm 若者の投票率はめっちゃ低いねん。
若もんの力で日本を変えようや!!
........................................................
>>288 『蜜蜂職人』は確かに、どうしようもなく皮相的な書かれ方をされていたアフリカが、
「宝探し」の舞台に名を貸しているだけでしたね。
アフリカとの接触によって自己が大きく変容するわけでもない。
ただ、異界往還という体裁からくる喜びは充分に感じられたように思います。
もし自己の変容について踏み込んだ描写をしていたとしたら、
異界に現実感を与える結果ともなってしまい、
ずいぶん違った作品になっていたろうと予想できます。
この喜びは、民俗誌的読みものやルポルタージュなどを読む際には
おおいに警戒してしかるべきものです。
しかし、マルドリュス版の『千夜一夜』やマンドヴィルの『東方旅行記』などをふまえて、
異界と触れる喜びだけを追求するナイーブな伝統、みたいなものがあってもいいと思います。
内向きかつ暴力的な伝統なので、あまりほめられたものではないかも知れませんが。
また、前にも書きましたが、そういった異界がマルセイユのかなた、
地中海の向こう側であるのがまたなんともフランス人らしくて興味深かったです。
>>290 ありがとうございます。
『妖精たちの夜』手に入れてみたいと思います。
定期保守サービス(w
『ケリー・ギャングの真実の歴史』出ました。是非。
岩波文庫からブルガーコフの『悪魔物語・運命の卵』出ましたね。 この際『犬の心臓』も出してほしいなあ(←古書高すぎ)。
>>296 今月のミステリマガジンにレヴュー出てました。
これでピーター・ケアリーは2度目のブッカー賞取ったということで、
クッツェーじゃないけど、
>>280 のクラスでは、
一番ノベ賞に近いのかも(w
オーストラリアの作家ってのもポイント高そう・・・
定期あげ(w
300 :
吾輩は名無しである :03/10/29 22:32
スレッド違いかと思うんですが、聞かせてください。 「レ・ミゼラブル」を読みたいと思っているんですが、 普段あまり本を読まないので、出来るだけ難しい言葉を使っていない、 初心者でも読めるようなのは、どこの出版社のだと思いますか? 新潮文庫のがいいって聞いたんですが、どう思いますか? いろいろな人が訳をしているので、どれを選んでいいか迷っています。 アドバイスお願いします。
>293 「異文化(異界)との接触〜自己の変容〜往きて還りし(往きて滅びる) 物語」というのは、植民地ものに限らずオデュッセイア以来、 物語の主流を占める展開パターンで、そのどこが強調されて いるか、どのような内容を盛り込むか、読んだ本を分析するのは 面白いものですね。 >異界と触れる喜びだけを追求するナイーブな伝統、みたいなものが >あってもいいと思います。 >内向きかつ暴力的な伝統なので、あまりほめられたものではないかも >知れませんが。 ビュトールの『即興演奏』読んだら、植民地統治を失った戦後の フランスという切り口でも書かれていて、若い作家から相変らず そういうのが出てくるのってネオ国粋主義かも…と考えたりなど した。『即興〜』は啓発されるものが多い読み応えある本でした。 『レッドダスト』はあきてきてしまって、還れそうにないやw。 高行健の『霊山』は、中途でこれまた放り出した『ある男の聖書』 よりは面白そうに感じるけど、これは往きて滅びるパターンでしょ?
>300 鹿島茂曰く、 「仏文学者でレ・ミゼラブルを完読した者は、国文学者で大菩薩峠を読破した者 より少ない……」 アメコミ並の怪力ヒーロー、ジャン・バル・ジャンが繰り広げる痛快アクション 巨編だ(いやマジで)。 どうにも長すぎるんで、店頭で比べ読みするのを勧める。 角川版の『ダロウェイ夫人』を勧める香具師もいやがるし、他人の意見はあてに ならんっちゃ。 (ドン・キホーテなら、牛島訳が決定版だがなあ!!)
304 :
吾輩は名無しである :03/11/02 05:09
レッドダスト買いました。 莫言とどっち買うか迷ったけど、若さに曳かれて。 しかし、中国は国外に才人が多いんだね。
305 :
吾輩は名無しである :03/11/05 14:18
ドラウパディー(モハッシェタ・デビ)あげ
マグラア『愛という名の病Dr.Haggard's Disease』 またしてもフェイド・アウトの最終行にやられた。 あの語りの自己陶酔感はシェイクスピア的だなと今回初めて思った。 それにしても、「入手不可」の『グロテスク』をどうして 巻末広告に入れるのだ、河出?
もう年内はこれといった翻訳もの無さそうね・・・ (´・ω・`)
スタージョンの傑作集が河出から来るみたいだね<年内 きっとまだある。 台湾の高地の少数民族の文学シリーズなんかも地味に出されている。
>>スタージョンの傑作集 それはちょっと渋過ぎ・・・(w
ナボコフ『青白い炎』発売。 いろいろな誤訳がきちんと直っている(冒頭のメリーゴーランドに関する部分 からして「あ、きちんと直してくれてるなぁ」という感じが伝わってくる)のだが、 まだいくつか残っているような気がする。細かいものばかりだけど。 それよりも、「文庫ではきちんと直してくれるだろうなぁ、若島氏が訳の点検に 参加していることだし」と思っていた、索引のあいうえお順(!!)の配列が、 やっぱり文庫でも踏襲されていて残念。 Zembla, a distant northern land の一言で閉じられるから、この作品は完璧になるのに…本当に残念。 まぁ、余計な手間が掛かるし日本語だから、というのは分からんでもないが、 ナボコフ訳のオネーギン冒頭にある、ナボコフ自身の「翻訳」に対する考え方 からしても、これは大きな「誤訳」に属するものだと思うんだけどなぁ。
来月、ノーベル効果で『夷狄を待ちながら』が文庫化するね。 『フォー』は素晴らしかったから『マイクルK』も復刊してほしい。
>ナボコフ『青白い炎』 おお、文庫化ですか! しかし話変わるけど、 昔は「ユリシーズ」なんか岩波文庫で出てたんだよね(w
莫言『赤いコーリャン』が岩波現代文庫から来月出るね。 翻訳文庫ブーム。 中公のセリーヌも復刊するし
青白い炎、夷狄、高粱………ixion効果か?
「赤い高粱」早くよみたい。 「豊乳肥臀」は確かに面白かった。母親のキャラにノックアウトされた。 「酒国」はポストモダン風で遊び心満載なんだが、オレにはそれほど来なかった。 「中国の村から」はまあまあ。 マルケスと言われるみたいだけど、スティーヴ・エリクソンの方が近いような気がする。
>>314 夷狄、高粱はともかく、
青白い炎はixion氏が生まれる前から
この手の必読書として有名よん。
ただ筑摩世界文学大系の1冊ってのが痛かった。
(高い、デカイ、3段組で読みにくい)
他に同様な環境にあるものとしては
オブライエンの「第三の警官」が有名(w
「青白い炎」文庫買った。うーん、不思議な気持ち。 数年前図書館取り寄せで借りて一度は読んでいるが、 その後ほとんど幻の書状態だったもんなあ。待った甲斐があったよ。 さあ読むぞ〜!!
「第三の警官」もよみたい。 マグナス・ミルズが一番好きな作品らしい。オリエント急行の解説にあった。
しかし、筑摩文学大系からちくま文庫に移せるのなら、素晴らしい作品が いくつもあるよなぁ。『第三の警官』『スウィム・トゥー・バーズにて』もそうだし、 コンラッドの『ノストローモ』なんかもそうだ。 オブライエンはいつか出るだろうけど、コンラッドもよろしく!! >ちくま文庫様 ところで、高行健『霊山』は、なんというか《思い切りの良い》作品だね。 内容が、というのじゃなくて、その創作姿勢が。洗練からは程遠いが、 しかし粗野や粗暴ともまた違う。小説ってのは言葉を「置く」のではなくて、 何らかの内発的な「ドライブ」が必要なんだけど、そのドライブが 過剰に、そして悦ばしく溢れている作品が『霊山』だと思う。まぁ、 その出口は…ではあるが。 でも、『ある男の聖書』もそうだったけど、妙に感傷的になったり繊細に 書いたりしているところがあるのは、この作家の《弱み》なのかもしれない し、またそこがちょっと面白かったりする、かな。
『シルトの岸辺』なんて、集英社の文学全集からもってきて いるしね<ちくま文庫 まだ読みさしだけれど、確かに濃密な香気がただよってて すごいな、これ。上質のブランデー飲みすぎたみたいに くらくらする。 コンラッドは八月舎というところから選集の企画があって、 皮切りとして『オルメイヤーの阿房宮』が出たばかり。 文庫じゃないけど。
『霊山』では、やはり「潔いな、この人」という印象を受けた。 匕首で自分を切りつけていくような言葉の連なり数ヶ所に、その潔さを 感じた。自己希求って難しいテーマで、やりすぎると神経症的な 痛々しさがあるし、スポイルすれば安易な堕落に陥る。 でも、高行健の場合、自己希求に限らず、すべてがニュートラルで バランスが良いせいか、安心してその問い詰めを読んでいられる。 ニュートラルだから「洗練」とは異なるけれど、個人的には それこそが洗練だよという気がしている。 「ドライブ感」というのは、自分の場合も小説を評価するときの指標の ひとつにしているけど、上滑りしない(ここもニュートラルな)昂揚感が 心地よかった。爆風的な昂揚でなく、何というか、端正なスパイラル状の 昂揚…かな? 「小説が哲学と異なるのは、それが感性から生まれることだ。気ままに考案 された信号を欲望の溶液の中に浸透させると、いつの日か、これが予定通り に細胞となり命が生まれる。その誕生と成長を見守るのは、知的ゲーム (哲学)よりさらに面白い。だが生命と同じように、最終的な目標はないの だった」(338P/()は、本文になし) この記述が、あの小説の出口も説明しているように思う。 このように小説を説明しながら、あと1冊書こうが書くまいがどっちでも いいというようなことも語り手に言わせており、そういうところが潔い。 この人、たぶん『レッドダスト』の馬建よりモテるだろーなーw。
>320さん 「潔い」かぁ、なるほどね。男と女、に関しては上で書いたように あんま潔いとは思えんのだが、でも「端正なスパイラル状の高揚」 って表現は確かに分からんでもない。俺は一読したところ そんなに「端正」だとも思わなくて、とにかく、表現したい、という ドライブに導かれて書いているなぁ、と感じた。 出口に関しては320さんが引用された箇所もそうだし、 「有れども回(かえ)り、無けれども回る」(p.514) という一節でもハッキリしている。ただ、馬建『レッドダスト』とは 明らかに違う着地点でしょ?で、俺としては『レッドダスト』の方が むしろ「潔い」着地を見せているように思えるんだけど、どう? ところで、 >307 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:03/11/08 22:47 >もう年内はこれといった翻訳もの無さそうね・・・ (´・ω・`) ショボーンしてないで、予定通りなら最後の決め、 『エリアーデ幻想小説全集 第2巻』 が12月に出るはずです!!! …予定よりずい分遅れたけどね^^;
白水社ほか復刊ラッシュなので、国書の発刊延期やエリアーデの 遅れは、むしろありがたいかも…。法政大出版局がこそっと『ムントゥ リャサ通りで』をカバーデザイン変えて再刊しましたね。けど、具象に しないでほしかった気もする表紙装画。 >ix氏 『レッドダスト』は漂泊について書かれた旅行記であるから、旅の果て としてあのような出口を描いた。『霊山』は物語小説であり、尚且つ 「人生」を焼き付けたものだから、あのようなフェイドアウトにした ――という差異は意識してもいいのではないかと思う。 漂泊にどこでピリオドを打つかというのは、自分が納得できる「旅の果て」 を見極めることであり、その意味で馬建の旅行記は沢木耕太郎(高行健より さらにモテそうw)の『深夜特急』にも雰囲気が似ている。 ただ、宗教への決別が潔い印象を残すのは確か。 「どのような宗教であれ、結局は自己の救済だけが目的だ。 万人を救うことはできない」(281P) このような表現が出てきたので、読み通した甲斐はあったかな (小人は人と争い、賢人は時間と争う…とかいう言葉も残っている)。
ただ、馬建とほぼ同時期(文革がケ小平によって軌道修正され解放へ 向かったころ)に、高行健がガンの宣告を受けながら、やはり中国国内を 漂泊していたという事実は大変に興味深い。 ある意味、高行健の漂泊はヨーロッパまでつづいた。パリという「定点」 に落ち着くまで…。しかし、彼にとっての本当の漂泊は、そこから 始まったのではないだろうか。 自分の体験に読んだ小説の世界を引き寄せて考えるのは芳しいことでは ないだろうが(しかし、これは評論ではないゆえ)、場所から場所への 漂泊を経て定点に落ち着いたとき、じっくり自分を掘り下げられると いうことには深い共感がある。それは果てのない漂泊だ。
二者の著作には、段階的な差があるという言い方も可能だろう。 馬建は若いということもあるが、まだ定点からの小説という段階には 達していない。人生の仮住まいであった漂泊について書いたあとで、 今度はどのような物語世界を構築し、何を書いていくかはこれからの ことなのだろう。 しかし、『霊山』の結末が「潔さ」に至っていないのは、まさに彼の 誠実を証左するもので、人生に答はなく、彼は依然手探りの模索を つづけている。 そして、高行健の描く女性は、告白されているように作家自分の分身 でしかない。自分を深めるための道具でしかない。自己希求をテーマに 小説を描く人にとって、恋愛自体はもはやどうあっても構わないの だろう。男女をそれぞれどう描くか、愛がどうの、関係がどうのという 域を越え、女性はもはや自身の鏡像でしかなくなっている。 むろん恋愛というものはひとつの極限であり、恐怖や絶望に追いつめ られるホラーや収容所の記録などと同様、自己の根源を問われる設定 ではある。でも、高行健の興味は(ジコチューということではなく) 自分の「底」へしか向いていない。 「端正」という言葉は妥当な表現でなく、「混沌ではない」という 状態を表すのに適語が見つけられなかっただけだが、この作家の求める ところはベクトルがものすごくクリアで気持ちが良い。 …ゲロ、長い。戯曲は読んだの?
>320さん なるほど。俺は「宗教」に対して「自己の潔さ」を対置していたから 前述のような読み方になったのだが、探求の姿勢についての 「潔さ」であれば、高行健の方がより深く突いているとも考えられるね。 構成的にスッキリしている/してない、ということじゃなくて、言葉が 自分を「確かめる」方に向かうか、それとも「確かではではないのだと 確かめる」方に向かうか、という違いなんだろうね。 確かに『ある男の聖書』よりもこの作品のほうが、「底」に向かう力強さ を感じさせる。ただ、だからこそあの「終り方」に何か釈然としないもの も残ったんだよね。いや、小さなカエルに託したあの「一言」、を どう受け取って良いのか戸惑ってしまう読み手としての俺自身の 問題なんだろうけど…。 戯曲は「逃亡」しか読んでない(英訳戯曲集が手元にはあるのだが^^;)。 それを先に読んでるから、高行健の男と女の描き方について先入観、 というかちょっとした反感を持っているのかもしれないなぁ。 320さん、他の戯曲も読んでいたらぜひ紹介してください。
325の書き込み、文脈がぼろぼろで鬱…ちょっと拝借^^; ^^; ^^; >ix氏 戯曲はこれから読みたいと思っています。 欧州で上演される『八月雪Snow in August』あたり、ix氏が英訳で 読んでいないかと思ったの。ゴドーを意識した『バス停』も興味 あるが、高行健作品はやはり、長江流域放浪後を読んでみたい。 『八月雪』もそうだけど、『山海経伝』のように古い中国に素材を 求めたものに惹かれる。例の「土地の霊性」を帯びる、という意味 において…。放浪は、おそらくこの作家にそれをもたらしたの ではないだろうか。 『霊山』の最後の章、同じ感動を共有したい、説得したいという気は ないけれど、『ある男の聖書』カバーにも引かれた「おまえは、おまえ 自身の神であり、使徒でもある」という言葉が鍵だと思う。 つまり、カエルもそれに降臨した神も、先述の女性のように己の 鏡像でしかない。だからこれは決して宗教に寄ったのではなく、ノー ベル賞講演の内容の通り「独りごと」にすぎない。ぼやくように、 詰問するように、潔く言い放つように…どれも「問わず語り」でしかない。 その孤高的なものに吸い寄せられる。
中国語で書かれたものの翻訳を日本人が読むことの喜びを二つ感じた。 ひとつは「漢字」が読める喜び。 The story is based on the life of the legendary Huineng (AD 633-713), the Sixth Patriarch of Zen Buddhism in Tang Dynasty China.(米国アマゾンのSnow in August説明より) こんな文章ピンとこないけど、「唐代の禅僧慧能の伝記物語」と 書いておいてくれれば、さーっとイメージが広がる。私たちの教養の基礎は 漢語なのだ。 もうひとつ、上のカエルでもそうだが、万物に霊が宿るという道教的、 仏教的な考え。 外出先から戻り、ホトトギス、すみれなど白や薄紫、薄桃の花々の 中にあって、山茶花の木に凛と一輪、紅い花が咲いているのを見つけた。 冬を迎える精がそこに宿ったのだとはっとさせられた。 風の吹く公園。本を抱え、がさがさ音を立てる落ち葉を踏みしめて いくとき、その音に、逝く季節への弔意を感ずる。 ものに宿る霊性は、ごく自然に感得できる。 感性から生まれるのが小説だという高行建の主張もまた、そのような 考えの延長線上にあるのだろう。しかし、この人の残酷なところは、 文章による自己表現を止めてしまう可能性もあることだ。『霊山』の 表紙装画の筆さばきにぞっとさせられたが、高行健には別の表現手段も あるわけだ。あと何冊の小説を出してもらえるのか、読者としては 心もとない。正直、戯曲より、画集の方がほしい気もしているのだけれど。
329 :
吾輩は名無しである :03/11/18 13:02
「霊山」の最後の章、お二方の読みと違う感想を持ったので書きます。 まず、彼はなぜ主人公格の人間が全て作者の分身でしかないという語りをえらんだのか、それはやむにやまれぬものであると思われます。 現実に他の、誰でもいいけれど作家の登場人物は作者の分身ではないのでしょうか? 枠物語という形をとるにしても、ノンフィクションの形式をとるにしても、はては先行するテキストを取り入れたメタフィクションですら、 作者が自分の経験から作為的に切り取ってテキストとして提出した以上、それは作者の産物であり、言うなれば作者に縛り付けられた存在となってしまうと思います。 ミーハーで申し訳ないですが、クッツェーやイムレ、グラスなどもそれぞれの手段でこの問題を克服しようとしていると思います。 登場人物が作者の分身であると告白していても、書かれたテクストにあっては出来上がった形、つまり物語りは変わらないのではないのでしょうか? 長くなりましたが、あの小説のなかの全てはそのとおり自己内部の独り言(モノローグ)に過ぎない。 そして、81章の蛙は、他者そのものだと思う。ゆえに彼は「神」とは意思疎通ができない。 あの小説の中で、蛙は唯一作者に干渉できないものとして残されている。 高行建はあのような形で最終章によって他者の不可能性の強調をもって、いわば消極的に他者を描写した、などという感想を持ちました。 ホント長くてすみません
>ホント長くてすみません これ、イヤミw? 『青白い炎』を読み通すのがもったいなく、「前書き」を終えたところで 後味が薄くなるまで待とう、ゆっくり読もうと故意に読みさしにしている。 その短い文章のなかにも、すでにして、しびれまくっている部分がある。 「わたしは、ブリーフケースに入れて持参した果物をすでに食べ終えて いたものだから、上等なエール一本だけで十分ですと言ってしまった。 屈託がなく気取らないわたしの態度が皆をくつろがせた」(19P) 厳格な菜食主義だからと、招かれた食事会でこの態度――周囲が鼻白み ながら微笑をとりつくろっていることは見え見えなわけで、この作家の 韜晦と冗談のきつさがとても面白く出た部分だと楽しい。 「独りごと」という某作家のスタイルを意識しつつ、こういう掲示板に とうとうたら〜りと書き込みをしていく行為にオーバーラップさせている。
>329さん 喚起されるものが幾つかあったので、文脈について細かい突っ込みは しませんがw(論点読み取るのに時間かかっただよ)、私の場合は、 「独白」だから「物語」として不足だという指摘はしていません。 論文じゃないので、「独りごとに過ぎない。問わず語りに過ぎない」と 書いていても、それは問題提起ではないです。行間ににじむものを読み 取ってもらうほどの力量がないから誤解されたのかもしれないが、この いささか感傷に流れた説明で言いたかったことは、しつこいけれども やはり高行健の「潔さ」です。 メタとか様々な実験の重視で物語の枠を越えようとして文学としての存在を 知らしめるのではなく、「物語とは独りごとにすぎない」と断ったあとで、 文学の内部へ向けて勢いよく加速してドライブしていく感じが私は好きです。 そのドライブというのが「やむにやまれないもの」と同一と解釈すれば いいのかな。すなわち書かずにはいられない衝動。 『霊山』には実験的な要素がまったくないわけではないが、このベクトルへ 向けてのドライブ感が、それらを圧倒しているように思える。 …それがあなたの書かれた1パラグラフめへ向けての感想。 つづいて、2パラグラフめへ向けての感想。 「他者の不可能性」というタームは刺激があった。これは、埴谷雄高の概念を 意識すればいいのかと勝手に解釈した上で、しかし、「不可能性」は書かれる 対象としての「自己」、ひいては「人間存在すべて」の特徴ではないかと 指摘しておきたい。 人間存在の根源という不可能性に向かうとき、自己も他者も、もうないんじゃ ないかと思う。私はむしろ「積極的に」その不可能性について言及したのが あの章なのだろうと捉えました。
実験の合間だったもんで、ほんと文章でたらめですね… 言いたいことはほぼ2パラグラフめでした。できたら前半忘れてください。 探求の姿勢についての「潔さ」は僕も同意見です。 古いので恐縮ですが、蓮貫重彦の「物語批判序説」に表明されているように、 一時期の欧米文学って語るためには様々な複雑なナラティブや形式を取らざるを得ないという、 脅迫観念みたようなものがあり、物語構造は(自覚的に)破壊されていたような気がします。 (今でも例えば紙葉の家とか) 僕は探求を進めるならば必ず語りの問題には立ち入らざるを得ないと思ってます。 意識において自己も他者も区別できないのだとしても、「語る」というフィルターを通すならその区別は生じてしまう。 「読む」「読まれる」、「見る」「見られる」関係は対称的でも、「語る」「語られる」という関係は非対称である。 であるならば「他者」は消極的にしか描写し得ない。 そのような場において文学はいかに振舞うべきか。ってのが今の僕の興味です。(またすぐかわるでしょうけど) 埴谷雄高大好きです。特に矢場徹吾。彼には語らずに済ませるか、 「敵あるいはフォー」におけるフライデーの役割をしてほしかった。 それは上記のまさに形式自体に企みを仕込もうとするメタフィクショナルな手法です。 しかし最新作の「恥辱」においてはあらゆる実験的要素を排し、なお自己と他者の 絶対的断絶を表さんとしている。 この点は僕には高行健とJ.M.クッツェは同じ意味で潔く感じさせます。 僕にとって「他者」である320さんの意図は、「推し量る」しか不可能ですが、 ベクトルの向きは近いんじゃないでしょうか。 僕はその視点から出発したので、他者を「書く」ことの不可能性と物語への衝動を、 同時に達成しようとするためのひとつの鍵があの語りであり、 最終章はそれを閉じるためのもうひとつの鍵であると思ったわけです。 320さんへの皮肉などという意図はまったくありませんでした。不快に感じられていたら申し訳ありません。 ていうか拙い文の意図汲み取って下さって感謝します。
333 :
吾輩は名無しである :03/11/20 15:34
伝説のネットアイドル、テルミを超えたツルツル頭のナイスガイ、鳴り物入りで衝撃のデビュー
ついに2典に暫定掲載!!!2ch新語誕生
★アホと一言言われただけで数百レスの自作自演で連日煽りっぱなし★
「鼻脂千右衛門時貞後の43」というコテハンが、過去スレで「能無し」みたいな事を一言言われただけで激怒
連日、自作自演で「バカはお前」「激同」と煽り続けてる。自演丸出しなので、通りすがりの人が呆れ様に書き込むと「43に煽られた奴キター」と、全部同一人物と妄想し更に煽る。
毎晩徹夜で自作自演。 通りすがりに一言43を煽ると、数時間後、恐ろしく(レス数も執念も)反論がついてます。
学校や仕事に出掛ける前に、一言煽って出掛けると、帰宅時に自分がどれだけ煽られてるか、スレを開いてみるのが楽しいかもしれません。
ミニゲームとして楽しむスレです。 現在新展開、なんと43は
「 稚 拙 」を「 せ っ し ゃ 」 と 読 む と 思 っ て た 事 が 発 覚。
伝説の目撃者達は43を神厨と崇め、とうとう2ch公式用語辞典に正式に「稚拙(せっしゃ)」が依頼され、
ついに2典に暫定掲載。2ch語「拙者」が誕生。FLASHも製作中の神光臨の噂も。
追いつめられた「鼻脂千右衛門時貞後の43」は、板違いのスレッドを立て仲間を呼び込もうとするが
最後の希望の星となったそのスレッドさえも、削除人さんに即刻削除されてしまい、更に恥をかくハメに。
「鼻脂千右衛門時貞後の43」の立場はますますどん底へ、彼の運命やいかに?!
連日祭は盛り上がる一方、スレは毎回あっと言う間に1000へまで
http://life.2ch.net/test/read.cgi/hage/1068899954/ 伝説の瞬間
ttp://202.212.233.95/cgi-bin/bbs/18/img/4185.jpg
>329さん 1冊の文学作品について他者と掘り下げる機会などなかなか持てないので、 楽しかったです。どうもありがとうございます(もちろんix氏にも…)。 結果として「文学」と呼ばれる作品に興味惹かれている気はしますが、 技法による分類やらどこへ向かうかやらは、ほんと言うとあまり気に かけていないです。読んでいる本も、つけてもらえるレスも「鏡像」 かもしれないと思う。「自己探求」でなく「自己希求」のため、 自分に都合よく解釈していますから。 クッツェーは『恥辱』『〜フォー』だけ読んだ印象では、対象がもっと 「社会」に寄っている印象。「立場」に意識的な作家という気がします。
<文学の冒険>シリーズ 来春以降刊行予定 『フリアとシナリオライター』バルガス=リョサ/野谷 文昭訳 『ハードライフ』フラン・オブライエン/大澤正佳訳 『パラディソ』ホセ・レサマ=リマ/旦敬介訳 『トランスアトランティック』ヴィトルド・ゴンブロヴ ィッチ/西成彦訳 『フリア』はどんどんのびるな。 ま、これまで待たされたんだから、のんびりと(まだまだ)待つかな。
>>335 うん、待ちだしてから、かれこれ15年は経つね(w
国書のもので予告から発売まで最も時間がかかったのはなんでしょうか? 企画自体がポシャったのを別にすれば「重力の虹」でしょうか?これは たしか20年くらいかかってますよね。
『フリア』は具体的な発売日まで決まっていたのになぁ。 探し回っちゃったよ。
>>337 え、そうだったの?
文学の冒険シリーズの第一回配本じゃなかったっけ?
ただ早川書房が長いこと翻訳権もってたって話は
読んだことある。
(それを手放したんで無事国書から刊行ヽ(´ー`)ノ)
文学の冒険より、ハイチ作家短篇集『月光浴』発売。予定にあったっけ? フリア〜はまた延期らしい。 あと、今年はもうめぼしいの無いとかしょげてた香具師、カーシュ出たから買え。
( ・e・) <カーシュって何?
ジェラルド・カーシュの新刊『廃墟の歌声』(晶文社) 既刊に『壜の中の手記』(晶文社)
柴田訳でPearsonのOff the Sweet Hereafterが出たな。 復刊されたヒューズの『ジャマイカの烈風』は結構おもしろかった。
今更気づいたのはおいらだけかもしんないけど 今月のSFマガジン、レム特集じゃん(w 邦訳リストみると、 今にして思えばあの時買っておけば良かったと 後悔する作品がすらり・・・ 国書で全集予定されてるからいいけど、 現状じゃ、ソラリスと国書の二冊以外は 入手難ね・・・
レムのインタビュー、面白いよね。でも、「実のところレムはたいして 科学雑誌を読んでいない」ってなロッテンシュタイナーの小論が 面白かった。 英訳ならなんとか手に入るものもあるけど、やっぱり絶版も多いん だよねぇ…。
New York times notable books 2003を見てたんですけど、 見落としていたというか、でてたの知らなかった作品があったり、 まったく存在すら知らない作家の名をたくさん知ったり(まあ、これは いつもの事ですが)で結構たのしいですよ。 年末、新年にかけて何を読もうかと考えている方、一度チェックしておいた方が いいかも。
>348 サンクス。未知谷さん渋いとこ突いてくるね。
ヤン・ネルダの名前どっかで見たと思ったら 沼野充義編の『東欧怪談集』(河出文庫)だった。 ポトツキ、ムロージェック、コワコフスキ、チャペック、アンドリッチパヴィチ パヴィチ、エリアーデ、ダニロ・キシュ、カリンティ・フリジェシュらが入ってた。
『閉ざされた城の中で語る英吉利人』が中公文庫から出ました。 サン・トワ・マミー、サン=コワ=ド=ヴィ!!!
>中公文庫から出ました。 そういえば、セリーヌも改訳で出てたよね。 本屋から消えてたから、絶版にでもしたのかとおもってた。
いや、それ言っちゃあ元も子もないけど…<渋澤訳 訳者が違う。 そういや、トールキン関係の新刊が結構出てるね。 『終わらざりし物語』『妖精物語について』『指輪物語 追補編(文庫版)』 後者2つは前に出てたやつだけど。 あと、スタージョン『不思議のひと触れ』も出ました。
>ixion 遅レスだけど、若島正『青白い炎』評でも「ゼンブラ、遠い北国」で終わるべき とあったよ。
えー、だったら富士川氏にきちんとそう主張すべきだったのに < Zembla, a distant northern land 主張したのに断られた、とか、出版社の意向で、とかは 言い訳にならないと思う、ナボコフの「意図」をあれだけ大事に する人なんだから、若島さんは。 このままのIndexじゃあ、『青白い炎』という一冊の本自体が ひとつの創作の函になる、ってな構図が日本語の読者には 理解できないままになっちまうでしょ…。
>若島せんせい 『黄金虫変奏曲』はまだでつか?(w
オレも黄金虫の翻訳ずっと待ってる。 もう3年か・・・
>>352 >>354 実はマンディアルグはそれしか
読んでません、恥ずかしい・・・ (;´・ω・`)
『コズモポリス』 ドン・デリーロ 上岡伸雄訳 新潮社より2月刊行予定
ドン・デリーロ キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
キタ━ヾ( )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ( )ノ゛━━!!!!
デリーロ来るのはいいんだけど、 どんな作品? (・ω・`)
金持ち青年、リムジンに乗って散髪に行こうとするが、なかなか 着かないさあ大変。円は暴騰、投機に熱狂、アナーキストに葬式だ (ついでに水道管も破裂して?)。さて、金持ち青年はリムジンの中で 何を考える…。 てな話です。でも、(期待裏切るようで悪いけど^^;)デリーロにしちゃあ 作品の出来が悪いような気がする。文体は『ボディ・アーティスト』 以来の切り詰め方を見せてなかなかなんだけど、こういう話なら B・E・エリスで十分だ。終わり方はかっこよいのだが。 でも、この調子で『ラトナーの星』とかも訳されないかねぇ。
>>367 そういえば以前紹介されてましたね<ixion氏
やっぱ『ラトナーの星』方を翻訳キボン ヽ(`Д´)ノ
369 :
吾輩は名無しである :04/01/05 17:58
たまには高層階で
河出文庫ワッショイ >369 ハイ・ライズ
>>370 ま、今となっては
早川SF文庫で出てた事自体が信じられないが、
河出文庫で復刊されるの?
>371 No! 昨日、河出文庫から出たのはカルヴィーノとジョイス。
早川のepi文庫ってもう消滅ですか? 全然新刊でてないようだけど。
>>357 若島先生のところの、乱読掲示板に事情が書かれていますね。
翻訳の責任者じゃないので主張しても、
ダメなものはダメだった見たいで。
それから日記によると、パワーズは『黄金虫変奏曲』より
『囚人のジレンマ』のほうが先にでるみたい。
どっちでもいいけど、今年中にでるのでしょうか?
我が社の隠し玉に明示的に入っていないのが…。
おお、若島先生のところ、乱読者用掲示板が出来ていたのか! 『ナボコフ─ウィルソン往復書簡集』、ごっつくて鼻血でそうヽ(´ー`)ノ カブレラ=インファンテは英訳? 原書も英語かしらん。 ディッシュは七月か!! ガンガレー! 全部買うからガンガレー!
>>374 あれを読んできちんと納得がいきました。どうせ出版社のこと
だから、費用や手間を掛けたくないっていうだけなんでしょう。
若島さんは悪くないわけだ。
まったく。
Brian Boydはこう書いてます(そして俺も同意):
After the wild wobbling of kinbote's world at the end of the
Commentary, he establishes a tighter control than ever in the
Index. Here at last he has no competition: no other voice can
be heard, no other reality can press for recognition, he can
sum up his world just as he sees it. The orderliness of the
alphabetic sequence highlights the rigorous coherence of
his Zembla, almost seeming to verify its validity and refute
our recent dismissal, until we remember that it confirms
only the relentless method of his particular madness.
遺漏・呵責なき方法=「秩序」としてのIndexだからこそ、
いい加減に扱って欲しくなかったなぁ…。
素朴な疑問(゚听) しかしなんでこの手の本は「大学のセンセ」 しか翻訳しないの? この手の本の翻訳紹介状況が寂しい限りなのは この辺に問題がありはしない? ま、商業的な事情はおいといて(w
>378 柳下毅一郎(バラード)とか山形浩生(バロウズ)とか嶋田洋一(ダニエレブス キー)とかいるじゃん? つーか、エンタメでさえ翻訳じゃ食うや食わずやなのに、まして文学なんてのは。
380 :
吾輩は名無しである :04/01/12 10:31
こそこそやってんじゃねえぞカスシオン
河出文庫のシリーズはとりあえずフィネガンで完結? もっと出して欲しいものですが。がんばって買うからさ。
秋にロレンス・ダレル4冊という企画もあったでしょ。
綿矢りさって読んだことないけど、芥川賞取ってよかったね。 本もいっぱ〜い売れるといいな。 白水社のライ麦効果で復刊がいっぱいされたみたいに、 河出クラシックスの企画、もっと充実するよう期待しています。 賞って、出版社救済みたいな面もあるのは当然だしね。
>>芥川賞 ´,_ゝ`)プ
>>383 文学じゃないが、さっそく今度河出からフランク・ザッパの自伝が復刊されるということで
ザッパマニアな俺は綿矢さんに足を向けて寝られません。
>>385 実は、そういう「文学的貢献度」こそ大事な事だ。
伊達に最年少受賞者やってないね(w
wでなく、ほんとに高いぞ<貢献度 ヴィジュアル系だと新聞社も大きな広告を取り易いし、大きな顔写真の かたすみに、編集者が本当に売りたい柳瀬訳『ユリシーズ』の広告を 入れられたりする。 ロレンス・ダレルの文庫4冊も伸びたりせず、刊行予定通りに出て くれたりするカモ。 綿矢さん、期末試験なんかどうでもいいから、中退して早く新作 書いてほすィ。また、前スリット入りスカートはくようにw 国書、白水社、ちくまあたりは別会社を作り、タレントや宮部 みゆきに書かせたりカフェ経営をするように…
388 :
吾輩は名無しである :04/01/18 00:47
どなたかサマーセットモームの短編小説Homeのあらすじをご存知の方いらっしゃいませんでしょうか
ジョン・アップダイクのSF『終焉』出ていました。 訳は風間さんだ。 未知谷からダダイスト・ヒュルセンベック『ビリッヒ博士の 最期』とかいうのが出てて、種村季弘氏の訳だということで、 感激した。
393 :
吾輩は名無しである :04/01/26 17:53
河出は甘い汁吸ったんだろう?今回の芥川騒動で。 だったらはよ武田泰淳全集出せや。
莫言の『紅い高粱』って岩波現代文庫から復刊されてたのね。 買いに行かねば。
>>394 それより「酒国」文庫にして欲しい・・・ (・ω・`)
赤い高粱は傑作。
397 :
吾輩は名無しである :04/02/05 21:19
このスレ読んでると、むかついてくる。
399 :
吾輩は名無しである :04/02/05 21:52
むかつく。なんでこいつらこんな詳しいんだよ 俺が必死こいて勉強してるってのに。 なんか研究者とつながってるみてーだしよ。
あっ、400だ!
401 :
吾輩は名無しである :04/02/08 00:22
アメリーノートン(仏)の「畏れ慄いて」よ読んだら、やっぱ、日本人でいるのがいやだよ、
(= ゚ W ゚ )ノ ハヤカワ文庫より、イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』、 ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』、オラフ・ステープルドン『シリウス』 が復刊するょぅ。みんな買ってね。 『スターメイカー復刻版』も、はつばいちぅ。
>>402 カルヴィーノも良いが、それより
バラードの『ハイライズ』復刻すれ(w
ヽ(=` W ´ )ノ ぎゃわー! カルヴィーノはガセネタだったー! ……ステープルドンはマジ復刊なんでよろしくね。
新刊はまだ、一昨年暮れ〜昨年はじめのアトウッド、フランゼン、 マキューアンみたいな感じの大きいのがこないね。
ステープルドン『スターメイカー』(国書刊行会)はいいね!!
>>402 アップダイク『終焉』なんかSFじゃない。これぞSF。
宇宙と思弁の「果て」を目指すこの強靭さ。
>>405 トーマス・ベルンハルト『消去』(上・下 みすず書房)
これは「大きい」よ。好き嫌いは分かれるだろうけど。
今や国書に次いで渋いのはみすず書房(w パワーズの諸作にソンタグの「火山に恋して」 さらにモーの「香港の起源」なんて渋いのまで・・・
なんとなくみすずって敬遠しちゃうんだよな 不必要に難解な悪訳で値段の高い哲学書や思想書を出してる ところ、つーイメージが払拭できん
へぇ、テイモシー・モー訳されてたんだ!!
>>408 The Monkey Kingは面白かった。コロニアリズムと家庭(儒教)、
そして香港の《歴史の欠如》と《書くこと》の関係を考えさせる
あたり(細部までは覚えてないけど)。
>不必要に難解な悪訳で値段の高い哲学書や思想書を出してる
確かに(苦笑)。 でもベルンハルトは訳も悪くないと思うし、
何よりこの作家の作品を読めるのが嬉しい。『消去』は良いよ。
>>404 、遅レス失礼。
〃〃∩ _, ,_
⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
`ヽ_つ ⊂ノ
ジタバタ
『レ・コスミコミケ』ガセだなんてヤダー!
ところで自分はここを含めて数スレを巡回しているだけなんだけど、
久々にIEで板ごと見たらえらく荒廃していますね。
ここが巻き込まれませんように(ナムナム)
俺なんかこのスレしか巡回してないよ(w
ベルンハルト「破滅者」は、とりとめがなくて、同じ話をひたすら繰り返してるような感じだったけど。 「消失」は違うのかしらん。
ジュリアン・バーンズってまだ訳されてない長篇幾つくらいあるかわかる? っていうかエッセイも読みたいんだけどやっぱ訳はでないよね・・・。
417 :
吾輩は名無しである :04/02/20 20:47
復刊につづき『最後にして最初の人類』も 国書から出たね、ステープルドン
420 :
ixion ◆ySh2j8IPDg :04/02/27 22:14
『コズモポリス』でましたage
>>420 またまたドン・デリーロが キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
けど、
ますます遠ざかる「ラトナーの星」の邦訳・・・ (・ω・`)
422 :
吾輩は名無しである :04/02/28 14:39
あーステープルドン前から気になってたっ。 この機会に読んでみよう加奈。
>>412 の祈りが天に通じたか、
「レ・コスミコミケ」7月にepi文庫からでるそうです。
epiという手があったか。
426 :
吾輩は名無しである :04/02/29 00:44
ベルンハルト「石灰工場」読んだ人いる?
早川は「ハイ・ライズ」もepi文庫で出せ!
428 :
吾輩は名無しである :04/03/02 20:09
「クラッシュ」と「ヴァーミリオン・サンズ」もお願いしたいです。
429 :
吾輩は名無しである :04/03/02 20:12
ドン・デリーロの『コズモポリス』の感想キボウ
ロブ=グリエ『反復』(白水社)でてますよ。
>430 ラテアメかパルプ・フィクションみたいな表紙 コニー・ウィリス好きな人いるんだっけ? 『犬は勘定に入れません……』が4月半ばに出るらしい。
あー、連続カキコだよ。ユアグロー出るってメールきてたよ。 =================================================== バリー・ユアグロー/柴田元幸(訳)『憑かれた旅人』 本体予定価格: \1,800 出版:新潮社 発売予定日:3月下旬 一人の(パッとしない)男が異国を旅する。想定外の事故、夢のようなアバン チュール、言葉と良識の通じぬ恐怖…それは悪夢や人生にそっくり!? 空想旅行 小説の大傑作。
どーなんだろ、こんどのも構成は掌編なのかな? そのコーネルの本の翻訳は文章が少なそうだし、 何かボーナスみたいなもんなんじゃない? オースターがいっぱい売れていることに対しての。
正直なところ、ユアグローって面白くないんだけどなぁ…。 俺の好みに合わないだけなんだろう。 ところで、『エリアーデ幻想小説全集』2巻はいつ出るんだ。
>>何かボーナスみたいなもんなんじゃない? >>オースターがいっぱい売れていることに対しての。 ワロタ
柴田元幸で検索してたら「ナイン・インタビューズ」ってのがでてきた。 春樹はCDには入ってないみたい。
>>438 中間小説誌上にまで
柴田印が蔓延してたとは・・・ (w
「コズモポリス」はオースター風に書いたのか? デリーロにはもう少しマニアックなものを期待してしまう。 「マオ2」まではかなり好きだったんだけどね・・・。
ピンチョンなんかもそうだろうけど もう枯淡の境地なんだろうね・・・ ま、 「オースター@柴田」風といふのは如何なものかと思うけど(w
>442 オースターは最初から枯淡の境地だったという意味? まあ、それがよく分かる気がしているのだが。 柴田氏、東京創元社からもラブ・コール。 『琥珀捕り』という新刊の解説に登場。
444 :
吾輩は名無しである :04/03/20 16:23
今日べケットの 「マーフィ」 ちょっと読んでみた。 な、なんじゃ、こりゃ〜
445 :
吾輩は名無しである :04/03/21 20:05
最近復刻されたロード・ダンセイニってどう?
ファンタシイ
ブラムラインの「器官切除」を読みました。寡聞にしてバラード読んでいないのですが、 雰囲気的に相通じる部分があるのでしょうか。 正直、「ラットの脳」を立読みして惹かれていた部分が、後になるにつれ色あせる気もしました。 「そのもの」なんてレベッカ・ブラウンが書いてもおかしくない印象。 「家事」もありがちな短編な気が(ハイスミス風?安易ですいません)。 ただ、これが処女作品集ならすごいな、とも思いました。 ところで、私は♀の身なのでピンとこなかったのですが、「男の恩寵を捨てて」は男性には グロテスクなのでしょうか。
話そらして悪いけど、柴田印がらみだし。 レベッカ・ブラウンって面白い? それまでとカラーがちがうと聞いた『私たちのやったこと』だけ 前に読んで、ジュンパ・ラヒリをさらに小粒にした印象しか もてなかった。
>>449 個人的感想:
『体の贈り物』は傑作だと思う。抑制の巧さ。
『私たちのやったこと』は、ちょっとイメージの過剰さ(もしくは抽象性)
に頼っている感じ。だからところどころ粗雑。
『家庭の医学』は、『体の贈り物』に近いけど、ちょっとキツイ。
何が、って、読者がそれぞれの肉親の死を本の行間に挟み込んで
しまうから。
あと、『コズモポリス』は、別に「オースター風」とは思わない。
「琥珀採り」買ってきたけど年度末でしばらく読めそうにない。
452 :
吾輩は名無しである :04/03/23 22:52
>>452 さん
レス&誘導ありがとうございます。
あれから検索してみたところ、かなり興味深いです。読んでみようと思います。
(これまでは映画「太陽の帝国」の原作者という印象が強かったものでw)
>>450 Folie A Deux、『私達のやったこと』は柴田氏訳より野中氏訳の『お馬鹿さんなふたり』の
方が好きw。
やはりあれは同性カップルとして訳出した方が雰囲気でると思う。
>454 野中さんて誰? その話は複数作家の短篇集か何かに入っているの? 『私たちのやったこと』を読んだ限りでは、世界が限られていると いうか、広がりが感じられなかった(ある意味、同性愛はふたりの 世界…っていうのに沿っているのかな)。 むろん小説には小さな世界をまとめるという1つの方向があろうが、 たとえば柴田印でいうとミルハウザーみたいに「小宇宙」的な 感じがないんだよね。少しの器用さ(かなりかもしれない)でもって 特異な思いつきをまとめた、まるでいかにも「創作科の卒業制作」ノリ。 クリスマスによく店頭に並ぶスノードーム(スノーボール)ってあるが、 中に水を詰めて金粉を入れ、サンタの人形などかわいくあしらったもの。 読んでいてあれを思い出した。ただし、透けていなくて向うに広がる 作家の世界が覗けない。
つづき。 まさにそういうイメージで江国香織とか吉本ばななとか川上弘美、 読むのやめちゃったんだよね。 似てないか?
ハヤカワミステリマガジンにて、 普通のミステリィ書評欄と 風間氏の現代ブンガクがらみ書評欄の 両方でデリーロ『コズモポリス』を採り上げていた。 で、普通のミステリィ書評欄の方では、 案の定「オースター風」と書かれてました・・・(w (風間氏の方はデリーロ入門に最適との評。)
>>455 > 野中さんて誰?
野中 柊氏。
1999年に、伊藤桂司氏の画を添えられた形で、この一篇だけの単行本が発行されています。
光琳堂出版。店頭で立読みしました。
「ピュアだからこそ恐ろしい恋愛小説」といういかにもなコピーをつけられて、銀色一色の
これまたいかにもな装丁wでした。
柴田氏はアンソロジー「むずかしい愛」の解説で、野中氏訳との違いに触れていますね。
>まるでいかにも「創作科の卒業制作」ノリ。
大筋で同意。
身勝手で乱暴な言い方をしてしまえば、未読のものを図書館で見つけたら喜んで
借り出すが、買いはしない。
ただ、
>世界が限られているというか、広がりが感じられなかった
それが著者の狙いなんじゃないかと思った。ixion氏が書いているように粗雑な感じが
するかもしれないけれど、あそこまであざとい舞台設定で、閉鎖した空間の恋愛小説を
書ききった(?)ことには脱帽したい。
>458
情報ありがとう。京都の光琳社だね。アートもの出版で凝っていたのに
他事業で潰れてしまった…。伊藤桂司のイラストがいかにもの作り方。
>閉鎖した空間の恋愛小説
確かに、小説は万人に好感もたれるものばかりが価値じゃない。
あの世界がたまらなく良いという人もいることは納得できる。
というより、非常に狭く限られた世界に浸りたいという人のためにこそ
書かれるべきものもあるわけだ。
>>450 ix氏
言い忘れていたけど、レスありがとう。
下のサイトみたいなベスト50とか100とかのリストは苦手かも
しれないけど、読了して「これは」と思った本をコメントつきで
書いていってくれないかな。
ix氏がボリュウムあるものを自分のサイトに並べてくれることを
少なくない人間が期待していると思うよ。
ttp://www3.justnet.ne.jp/~masa-0606/linkp01.htm
アーヴィン・ウェルシュはここでいいでつか? 池田訳最高!
>>460 J・アーヴィング取り上げて「ホテルニューハンプシャー」を取り上げていない時点で
共感できないなぁ・・・
>>462 マラボゥストークはちと読みにくかった。
トレスポで池田訳が漏れのデフォになってしまったからかも知れんけどね。
>463 突っ込みどころはいろいろあるリスト。 マイナー作家もよく押えて読んでいる、読書量はすごそうという 印象はあるけれども、こういうのはコメントを添えないと、 どういう読み込みをしてどういう勘所で選んだか分からないから 実際のところ、つまらないんだよね。 貼っといて何だけど…。
>460 そのリストは参考にしている。 なまじ変なコメントがないだけに先入観なしで新しい作家と出会えるので、 読書の幅が狭い読者としては便利だと思ってる。 カリンティ・フェレンツとかゴンブロヴィチとか、ここで名前を見て なんとなく興味を持ったら大当たりだったし。 つーか、面白いなと思った本読んだあとでgoogleでその本の書評を探してると 必ず引っかかるのよね、そのリスト。 _| ̄|○
>>465 つうか、
カリンティ・フェレンツとかゴンブロヴィチとかは
あのリスト見る以前に押さえておいてよん
( ・e・)y-~~~
常識だったのか。OTL 英米の作家以外は、国書刊行会の文学の冒険シリーズでしか知らないのよね。 ちょっと前だと福武文庫が面白いラインナップだったけど、最近だとどのあたりを読めばよいのやら。
>467 国書よむならゴンブロヴィッチは知ってるはずだろー! ……永遠に次回配本予定な作家としてな。
>465 なるほど、そういう意味では数もあるから良いリストだね。 463さんみたいな「何でホテル・ハンプシャー抜けてる?」という 疑問には答えてくれないけど。 それにしても、DJやってるとかじゃなく、どういうものに 感じ入るかの紹介がほしいかな。
(ガープが入ってりゃホテルは抜けててもいいなぁ・・・) (´-`).。oO
471 :
吾輩は名無しである :04/04/04 03:10
J・アーヴィングそのものが抜けてもいいと思うが。
>>471 それはさすがに有り得んかと。
しかしその二作は好み分かれるな。
漏れは旅行が趣味なので、ホテルのほうが好み。
サーカスの息子も好き。
↑こんなスレならないほうが良い。
翻訳家はほかにもいっぱいいるのだし、その特定翻訳家の話題は そろそろいいかな。 それより、何か掘り出し物はないですか。 軽い気持ちで読み始めたら、「これけっこう文学の大事なテーマを 扱っていたよ」的な・・・。
「ゼーバルト・コレクション」が白水社から出るらしいね。全6巻! 「アウステルリッツ」が良かったので楽しみ。 実際出るのは来年以降みたいだけど、前倒ししてほしいくらい。
おお!!<ゼーバルド
でも、6冊読むと疲れるだろうなぁ…。
Vertigoが好き。って言っても、どれがどれやら
少し細部が曖昧になってるけど^^;
>>459 凄いなそのリスト。でも、リストだけしかないから
「あれもない、これもない」と文句を付けたくなるんだろう
なぁ。選者の方針は何となく透けて見えるが、
コメントもついていると面白いだろうね。
俺は…面白そうだけどやる気力が湧かない。
とりあえずギャディス、マッケルロイ、ソレンティーノ、
フェダマンあたりのメガフィクション系とかは抜けてる
が、まぁギャディス以外はなくても良いかも。
あと、ガートルード・スタインが抜けてる…。
マッケルロイどこか翻訳出してほしい・・・ (・ω・`)
ギャディスも翻訳は1冊しかないわけだが・・・
映画公開に合わせ文庫になった『コールドマウンテン』は誰か読んだ? ニコール・キッドマンの表紙に釣られ買いそうになったけど、どの ぐらいの高揚感が期待できるものだしょうか。
Agape Agapeは長くない。誰か訳せ!! でもJRは、たった700ページ強だけど、あの 混線した会話はなぁ…あれ翻訳するの 辛いだろうな、どうせ売れないわけだし^^;
この手の作家の紹介には必ず殊能たんが出てくるな アヴラム・デイヴィッドスンの紹介サイトもやってるし
しかし『JR』、 >処女作が全然売れず評判にもならなかったにもかかわらず、 >その後20年(しかも33歳から53歳までの20年間だよ)を経て、 >こんな小説を書くという強靱な精神にも心底敬服。 >本物の小説家ってのは、すごいもんです。 とは、凄すぎ。 これに比べりゃ、 かのピンチョンの重力の虹といえども 片手間で書き殴ったやっつけ仕事みたいなもんに 思われてしまうな(w
メガフィクションってその手の「徒労自慢」に終わっている ってことはないですか。
>>486 33歳から53歳までの20年間
だから許してあげて・・・ (・ω・`)
>>487 責めているわけじゃなく、素朴な疑問なんだな。
『アメリカの果ての果て』読んだことあるけど、 途中で挫折しちまった。むむむ。
…。 (「ギャディスに間違われる」って、ギャス自身も 序文でネタにしてるからなぁ…)
そやったそやったあれはギャスやったわ。 やってもーたで。えらいすんませんなー。 で、ジョン・ホークスはどないでっしゃろ?
古典ばかり読んでたのですが、現代文学も読もうと思いはじめました。 そこでみなさんにお尋ねしたいのですが、一時は南米文学と騒がれたことがありましたね? それ以来はどこか勢いのある?もしくは注目されている文学はあるのでしょうか? また、アメリカ、イギリス文学を読みたいのですが、みなさんのお気に入りの作家があれば ぜひお教えください。
長年、スピルバーグの「激突」という傑作映画の原作が ジョン・ホークス『激突』だと思っていたが、調べたら 違うんだね。 ホークスのは何と何が激突するのかな?
ホークスのはただ車と壁がぶつかりますが、 ぶつかる「まで」を追う作品です。 「激突」自体は遅延させられ、ハンドルを握る 男がひたすら独白していく…。 ところで、サザーン『レッド・ダート・マリファナ』 出ました。
>>493 俺も知りたい(w
60年代→中南米
70年代→北米
80年代→非米英語圏
そのあとどうなったの (゚д゚ )?
90年代はクンデラの訳書がいっぱい出たよね。
>>498 いや、国内の状況って訳じゃないんだけど・・・ (;´Д`)
>496 マシスンは中原昌也が名前をあげてたよ
マシスンは、モダンホラー系のアンソロジーによく 作品が載ってますが、もとはアメイジング・ストーリー とかマクガイバーとかの脚本書いてた人ですね。 新潮のモダンホラーアンソロジー『カッティング・エッジ』 に「吸血鬼」が入ってます。
>502 評価してるの? >503 「吸血鬼」が面白いということですか?
あー、変な作品^^;<「吸血鬼」 他にもいろいろ書いてるけど、変な作品として のインパクトが強かったので覚えてる。
>>500 500だ様
うん。知ってる。あとね、トヨタも知ってるし井村も知ってる。
でも、大同の本って普通に買えないんじゃなかったっけ。
たしか図書館でしか読めなかったと記憶しているのですが。
あ、図書館で読めるんだったらTRCか。じゃbk1で探してみようっと。
>506 ごめーん。 一応そのページはチェック済みで、世界幻想「文学」賞なんての獲っているから、 案外カルト文学みたいな感じで、このスレに抵触している気がしてたのだよ。 SF板に行け…ってこと? ディーン・クーンツやマイケル・クライトン、パトリシア・コーンウェル みたいな判断なのかな? でも、キングだと文学板で語ることは許されているよね。 その辺の判断がつかないもので、越境する文学の可能性をさぐっていた つもりだったんだけど。ixionのレスもあったし…。 >白石さん 確かに図書館でチェックしたんだ、大同のシリーズ。 販売しないで寄付が目的で出している本みたいだね。 トヨタもアジア文芸についてそういう事業やってるの? あと井村って、肉マン屋? 企業メセナ出版で結構珍しい本を出していることに感心したのよ。 知ってること、いろいろ教えてください。よろしく。
クレストからゼイディー・スミスの新作が出てることにいまごろ気付きました。 だれか既にお読みになった方いらっしゃいますか?
>>508 500だ、496でもある様
> トヨタもアジア文芸についてそういう事業やってるの?
うん、やってるみたい。調べとくです。
> あと井村って、肉マン屋?
違う。それだったら面白いけど。あ、でももしかしたら絡んでたりするかもし
れません。世の中どことどこが繋がっているかわからない。
井村文化事業財団だったかな。これは取次通して販売してます。本屋でも取り
寄せできるし、ネット書店でも買える。
ネット書店で検索すれば出て来るんだけど出版社で検索できないので適当に検
索ワード書いておきます。ネット書店で検索してみて下さい。
1.持ってて読んだことあるもの。 カムマーン・コンカイ スラック・シワラック 2.翻訳者で検索 冨田竹二郎 吉岡みね子 岩城雄次郎 レヌカー・ムカシントーン 吉川敬子 荘司和子 3.読んだことないけど邦訳が出てて思い出せる著者名カナ表記。 チャート・コープチティ (コープチッティかもしれません) ククリット・プラモート ニッパーン 4.井村じゃないけど出てる人。 ウィン・リョウワーリン ウィモン・サイニムアン トムヤンティ (アジア文庫って書店でしか買えないかもしれません)
>白石さん いろいろとありがとう。検索ワードは特にサンクスです。 『メナムの残照』というのは確かに聞いたことある。 アジア諸国って、識字という点からも、娯楽は本より 映画や踊り音楽なんだろうな。 日本に紹介される文化も、もちろんその方が手間少ないし。 紹介されている数は少ないだろうけれど、でも、アフリカや 南米の作品読むよりアジアの共通感覚みたいなの求めて、 ちょいと読んでみたい感じがする。
タイのバンコクの紀伊国屋では、「メナムの残照」と「バンコク楽宮旅社」が 「紀伊国屋アジア文庫」として、アジア地方限定で売ってたりします。 タイ大好きなのだが、タイ人の本読んだ事なかったなぁ。 いい情報ありがとう>白石氏
ジョージ・ソーンダースの短編の翻訳が SFマガジン6月号に載っています。 「スプロール・フィクション特集2」です。
ああパストラリアのひとか
∧凹∧ (=゚ W ゚ )ノ 更に七月号はアヴラム・デイヴィッドスン、フリッツ・ライバー、 ビッスンにスタージョンと、若島正登場。
>>516 ixion ◆ySh2j8IPDg 様
ねえ、もしかして怒ってる?
>>514 500だ04/04/28 08:50様
> 『メナムの残照』というのは確かに聞いたことある。
なんども映画化テレビドラマ化舞台化されてます。太平洋戦争時代のお話で、
日本人将校とタイ人女性が恋に落ちるのです。
ドラマ化テレビ化されるときは必ずこっちの二枚目俳優が日本人将校役をやり
ます。いわば国を代表する二枚目俳優なのです小堀少尉役は。
> アジア諸国って、識字という点からも、娯楽は本より
> 映画や踊り音楽なんだろうな。
本高いんです。いや、日本の出版物よりは当然安いんですが。僕が出した本の
原書なんて一冊で鶏肉脂飯が四人前食えます。安い定食なら五人前です。
でもそれだからこそいろいろ好き勝手なスタイルで出版できるみたいです。ウィ
ン・リョウワーリンさんの最新短編集なんかB5位のサイズのソフトカバーで各
頁にメタフォニカルな写真が入ってて時折カラーでタイポグラフィック的な手法
使いまくってて贅沢なページの造りになってます。面白そうです。
まだちゃんと読んでないけど。
> 日本に紹介される文化も、もちろんその方が手間少ないし。
手間多いっすよお。タイポップスも盛り上がってきて、夏にはペンエーグ監督
の映画が日本公開されますけどまだまだ手つかずでノーマークのいい映画がたく
さんあるみたいです。
映画はめったに見ないんですけどね。
> 南米の作品読むよりアジアの共通感覚みたいなの求めて、
> ちょいと読んでみたい感じがする。
そういうものをお求めならとりあえずウチの本でも立ち読みしてあげて下さい。
よろしくお願いします。
あ、ついでにガイダンス的なサイト見つけましたので以下に貼っておきます。
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/udo/thaibungaku.htm http://www.geocities.jp/haruasia/loveasia/bakhn/bkh014ud01.htm
>>515 吾輩は名無しである04/04/28 23:18様
あ、でも『バンコク楽宮旅社』は谷恒生さんの小説。だからスレッド違い、と
いいながらバンコクの紀伊国屋書店様では中村(紋次郎)敦夫(議員)の『チェ
ンマイの首』って小説も限定復刻販売してます。
ちなみにバンコクの紀伊国屋書店ではウチの本は売り切れたのでもう売ってな
いです。ってスレッド違いをスレッド通りに是正しようとしたらなんか微妙に宣
伝臭いぞこの俺の書き込み。
> タイ大好きなのだが、タイ人の本読んだ事なかったなぁ。
いや実のところ微妙に回りくどく宣伝しようと言う意識が働いているのかもし
れません。どうやら下心あってのことみたいですのであまり気にしないで下さい。
英文読むときって、意味をとるのであって 日本語になおしてからそこから意味をとると別物になるね・・・。 だから、洋書の翻訳版は意味が微妙に異なるうえに ヘタしたら、日本語めちゃくちゃだから、読む気がおこらん。 とくに物語モノじゃなくて思想関係のものは。 英語スラスラ読めるようになってから原書よもうとおもう (いつになるかわからんが、というか一生読めないかもしれないけど)
>>思想関係のもの 板違い(w
英米思想関係の場合、「意味が微妙に異なる」ってことはないね。 異なるときははっきり異なる。それくらい最近の哲学は精密。 それより困るのが訳書の少なさ。邦訳だけじゃアクチュアルな議論に 全くついていけない。意味の微妙な違いを嘆く以前の問題。だって、 そこに参加できないんだから。
(´-`).。oO(というか一生読めないかもしれないけどとか言ってる暇があるなら 実際に原書を何冊も読んで鍛えればいいと思うんだけど)
エリアーデ幻想小説全集の2巻が出たね。
527 :
吾輩は名無しである :04/05/16 21:10
>>520 白石さんは、タイ関係に詳しい人なんですね。
そこでちょっと意見を伺いたいのですが、梁石日の『闇の子供たち』みたいな作品
をどう考えますか。タイの幼児売春の実態を、作家的想像力を駆使して描いたもの
であり、それなりに反響はあったようです。私的には、隣国タイの貧困と暴力を焦点
にあてるような小説がヒットするのは好ましいことではあります。しかし、タイ社会
を描けているかといえば、ほとんど駄目という感じなのです。この小説の登場人物
である在タイ日本人やタイNGOのスタッフなどについては、かなり非現実的な設定なのです。
文学的評価としては、ちょっと辛いなあというのが、私の感想。
タイじゃなくてフィリピンだけれども、船戸与一の直木賞受賞作『虹の谷の五月』
なんてのは、混血フィリピン人の少年トシオを主人公としたそれなりに面白い作品だけれども、
フィリピン社会を描けているようには思えませんでしたね。とくにヒドイのが、この
小説の文庫版の解説。フィリピンのセブに、前資本主義的な閉鎖的共同体があるかのように
解説してある。
やはりタイや東南アジアを描くのは、現地の作家でなくては、不可能なのかもしれない
と私は思うようになりました。 作家が描けるのは、自分の熟知している国か、旅行記
かもしれないのではないかということです。たとえば、ナイポールのイスラムやアフリカ
の旅行記。あるいは、アフリカを舞台にした小説でも、『深い河』のようにインド人を
主人公に設定したもの。山際素男のインド探訪ものも、あくまで他人の話をインタビューして
そのまま書くという設定だから、リアルな面白さがあった。
中村敦夫の東南アジアものなんかは、そういう意味ではどうなのでしょうか。
篠田節子の「コンタクトゾーン」みたいのは、東南アジア描写という意味では、
嘘ばっかり(冒険ものとして考えると、まあまあの出来ではあるが)
日本人に海外を描くことは出来るでしょうか?たくさん、作品は書かれているけれど。
528 :
吾輩は名無しである :04/05/16 22:54
たぶん既出じゃないと思うので、 アンドレイ・プラトーノフ『土台穴』(国書)すばらしい。 主著の『チェベングール』を早く、訳して。
>>527 様
ほとんど読んだことないんです。宮本輝さんの『愉楽の園』と、三島由紀夫さ
んの『暁の寺』くらいですね。だから例に挙げられたものは全然読んでません。
もしかしたら意図的にさけているのかもしれません。
> やはりタイや東南アジアを描くのは、現地の作家でなくては、不可能なのかもしれ
ない
> と私は思うようになりました。
私もそう思うんですが、自分の仕事で手一杯で読む余裕がないのです。
> 作家が描けるのは、自分の熟知している国か、旅行記かもしれないのではないかと
いうことです。
旅行記もタイ関係はほとんど読まないですね。意図的にさけているのかもしれ
ません。去年一人日本人が王室批判で有罪になってますしね。
と言いながらタイに関するコラムの依頼なんかは引き受けてるのは明らかに矛
盾なんですけどね。(テクニックじゃなくてマナーです。と言い切ったあとの加
藤鷹さんみたいに爽やかに)
> 日本人に海外を描くことは出来るでしょうか?たくさん、作品は書かれているけれ
ど。
それはコメントしたくないです。コメントするより仕事として形に出来ればい
いなあと思っておりますけどいつになるやら。
何にせよ、翻訳ではいろいろ読めます。泰日翻訳は図書館でかなりの数読める
はずです。
わたくしはとりあえず三人ほど目を付けているのでその人達を中心に原書で読
んでいきたいと思いますと言いながらいつになるやら。
白石さん、どうもご返事ありがとうございました。 日本人の書いたものを避けたくなるという気持ちはよくわかるような気がします。 いわゆる大衆的作家、直木賞的作家たちは、東アジアの狭い世界を飛び出し、 東南アジアやイスラム世界をも舞台に小説を書いています。これらは、 ハリウッドの日本人像を見ているようなものなのかもしれません。
>>530 527様
だから、逆を読んでみると少しわかって来るような気がします。外国人が日本
を舞台に書いたヤツ。例えば、カズオ・イシグロの『女達の遠い夏』とか。
読んだけど辛かったです。すごく辛かった。イカンよあんたイギリス人でしょ、っ
て感じでした。
あと読んだことないけどウイリアム・ギブスンの『あいどる』なんてのもある
らしいです。
> 東南アジアやイスラム世界をも舞台に小説を書いています。これらは、
> ハリウッドの日本人像を見ているようなものなのかもしれません。
まあでも訳して持ってって、現地の人に受け入れられば本物なのだと思うので
す。考証とかそんなのは別として作品として何かしらの力を持ってる、って事も
あるわけだし。
と、なんか最近近くのデパートのシーデー売場で流されている『キルビル』の
映像が妙に心に残るあたしでした。いやいけないんですけどね右翼としてはあん
なデタラメに心動かされちゃ。
あ、ちなみに今事務所に来たシナリオライターの人が面白い本読んでた。表紙
がいかにもなサムライものなんだけど、なんか内容は日本かどうかよくわからな
い設定なんだって。で、タイトルが
"TELE OF OTORI BOOK 1 ACROSS THE NIGHTINGALE FLOOR"
著者がLian Hearnだって。タイ語訳去年の九月に初版みたい。どんな本なんだろ?
いやもう気になる本はいくらでもあるんですけどね。
日本人だから日本を書く、日本を書ける。
米国人だから米国を書く、米国を書ける。
先進国の場合には特に、そういうのがナンセンスでもないけど、
文学的価値を捉えにくくなりつつあるね。
政情不安で発展途上にあるような国の場合、国家や民族のアイデンティティを
ぜひとも描きたいという作家の意欲はぎらぎらしているし、受容する
こちらも読みごたえを素直に認められる気がするけど…。
>>497 にもあったけれど、「90年代以降どうなったの?」って質問。
ひとつに挙げられそうなのは、亡命した作家中心に自国に留まった人でも、
国家や民族の枠の向うに飛び出す動きみたいなのが面白いと思うけど、
どうだろう?
飛び出すから寓話性や幻想性が高まった作品が多いわけだろうけど…。
「ナボコフの再来」アレクサンダル・へモン『ノーホエア・マン』も
とても面白かったな。
533 :
吾輩は名無しである :04/05/19 22:38
90年代世界文学を概観すると、
第一に、
>>532 のいうように、「亡命性」「あいだ」といったキーワードで
語られるような流れ。その代表がクレオール。
第二に、ロシア・東欧文学の新潮流。体制が変われば文学も変わる。
第三に、米文学の「大きな物語回帰」。パワーズの登場やデリーロの健在
第四に、クレオールとも関連するけど、ポストコロニアリズムの一層の進展
第五に、ドイツ語圏をみると、「言語の氾濫」。ゼーバルトやベルンハルトに代表される。
>ポストコロニアリズムの一層の進展 ポストコロニアル作家というのは、どういうふうに評価したらよいので しょうね。とくに先進国や旧宗主国に移民してしまった作家たち。 ボク自身は、オンダーチェのANIL'S Ghostなんかは結構おもしろく 読めた(amazon.comでは最初は評判が悪かったみたい。でも、 悪く言う奴らが無能な読者なんだと言う気がした)。しかし、スリランカ人 とかにしてみれば、ケシカランという感じがあるんでは無かろうか。 生まれ故郷でケシカランと思われる文学というのを、我々はどう捉える べきなんだろう。 そういえば、イシグロの日本モノについて、西洋人(イギリス人)に媚びた 描写なんじゃないのかという感想を抱いた人がいた。読んでいないので、私は判断 できないが、日本語の会話はこなれた英語になっているそうだけれど
535 :
吾輩は名無しである :04/05/20 15:15
どこでブームか、という問題もあるよね。 結局、受容する人間がいなけりゃ消費なんて起こるはずもない訳で。 日本でだけ言うなら、バルカンのブームがあったと思う。 ユーゴのミロラド・パヴィチ、アルバニアのイスマイレ・カダレなんかが出て。 俺はいまだに、パヴィチの「ハザール事典」は生涯ナンバーワンの本なんだが。
国書が刊行予定本出したところで、ハヤカワも97年発売予定ジョン・クロ ウリー「エヂプト」出して夢の文学館シリーズを完結させるように・・・
537 :
吾輩は名無しである :04/05/23 14:26
>>536 ま、国書のフリアは出そうだけど、
それはお蔵入りなった悪寒・・・
538 :
吾輩は名無しである :04/05/27 00:36
今新刊が並んでる本で ジョイス・キャロル・オーツとか金芝河なんかはどうですかね?
ラテアメスレにも幾つか書き込みが見受けられますが、 ようやく「フリア」の現物、店頭で確認出来ますた・・・(w なかなかオサレな装丁でグドだす。
フリアおもしろかったけど、なぜこんなに翻訳に時間がかかったのだろうか? それにしても、リョサの他の作品も復刊さないのかね?
>541 まだ読んでいないけど、あとがきでもさらりと流していたね。 言い訳もなしで。
543 :
吾輩は名無しである :04/06/06 20:36
今、2002年度ブッカー賞受賞の Yann Martel, Life of Pi を読んでいるが、激しく面白そう。 英語は、動物名が難しい。
544 :
吾輩は名無しである :04/06/13 13:06
『アカシアの大連』?
卓行もそれいい作品だが四門だ。 蔵人四門。
定期保守
ところで ニコルソン・ベイカー『ノリーのおわらない物語』 の翻訳が白水社から出ました。 一応報告しとかないと、ね^^;
550 :
吾輩は名無しである :04/07/04 21:31
>>548 海外のファンサイトでけちょんけちょんだったやつかしら。
岸本が訳してるの?
>>543 ブッカー賞といえばちょうど俺も2003年受賞の
"Vernon God Little"を読んでるとこ。
映画化も決定したとか…
>>543 「パイの物語」だよね?自分日本語で読んだけどすっげぇ面白かった!
アイン・ランドが出たけど、誰か原書で読んでいたか?
554 :
吾輩は名無しである :04/07/20 22:17
556 :
吾輩は名無しである :04/07/20 22:35
質問です!誰か答えてくださいm(__)m 中国文学で、継子いじめの文学って何かありますか?? 日本文学では落窪物語とか有名ですが・・・
557 :
吾輩は名無しである :04/07/22 16:56
トワイライト・ランデブー
558 :
吾輩は名無しである :04/07/23 19:54
知的なエロさのある小説はないかな?エロさといっても露骨な性的描写ではなく 男女の駆け引き、恋愛哲学などの方面で J・G・バラードのクラッシュとか病的性癖、心理だけど、病的、カルトじゃない 方面で クンデラとか、G・グリーンとか・・ そっち方向で
>>551 なかなか面白いけど
スラング満載だから読みにくかったっす
『ロクス・ソルス』復刊するんだね。読んだことないので楽しみ。
>>558 ソール・べロウ、フィリップ・ロス、ヴィトルド・ゴンブロヴィッチ、
ナボコフあたりはお試しで?
test レス561なのに、なして表示が560だった?
何言ってんだよ・・・
定期age(w
クレストからラヒリの新作出てたことを報告したい。
>>565 昨日の朝日新聞の夕刊で翻訳家・鴻巣季子さんがほめている。
「単純なルーツ回帰の移民文学ではない」とあり、「じゃあ何?」
というのは字数が限られているので書けなかったみたいだ。
それを書かなきゃ意味がないんだがな。
>>567 確かにそのとおりだけど
>>566 の評者が言いたいこともわかる。
人と人との隙間みたいなものを国と国との隔たりに対比させてるのかな。
ここに書いてる人たち程読んでる訳じゃないから偉そうなことはかけないけど
人と人との関係を描くってのは王道だよね?
友季子だ、すまそ。 ここの人たちの読書量にはまるで関係ない話で、その本の紹介は、日本語の 文章として非常にまずい書き方だと思った。 「ルーツ回帰の移民文学でない」と言って、移民文学しての特徴を全否定 しようとしているのか。「単純な」と断っているから、じゃあ「『複雑な』 ルーツ回帰の移民文学なのだ」と言っているのか、どちらか分からない。 ラヒリがインド系移民であり、彼女の文学性をよく知っている人にしか 分からない書き方。インド系移民だと知っていて前作を読んだ自分にも、 どういう方向性かは分からなかった。 分からないから自分で読まなきゃか…と思わせたのは、さすがだ(^o^)
ポーランドのミウォシュが亡くなったね。 93歳。ノーベル賞受賞詩人。
海外の現代詩ってみなさん読まれますか? 自分は原語で読めないうらみでどうも敬遠してしまいます。 未熟な自分が悪いのですが・・・
573 :
ixion ◆ySh2j8IPDg :04/08/15 12:50
>ixion ミウォシュ追悼小論マダ〜? 毎日、日記のぞいているのに。
575 :
吾輩は名無しである :04/08/18 21:40
お勧めの現代作家ないですか?リアリズムの
リアリズムという時点で現代(文学の)作家と言えない。 と、言ってみるテスト(w
577 :
吾輩は名無しである :04/08/25 02:42
>>576 みたいなレスが付いただけで何も書けなくなるようなら
最初からくだらねぇ質問するなと。
578 :
吾輩は名無しである :04/08/26 13:06
ココの人ってどこで新しい作家の情報手に入れてるの?
>>578 やっぱ一番かたくて信頼できるのは出版社からのリリース。
なかんずく読者の期待が擦り切れてボロボロになるまで盛り上げたまま、
世紀をまたいで数年もたったのちに「配本予定」をひょこっと出し、
信頼と不審のあわいを見事にすりぬけてみせる某社の出版予定からは
目が離せませんね。ある意味、出版される物語より実験的でミステリーで
マジックリアリズムな仕打ちです。
予告通りにあっさり出すことに失望感すら抱かせる手管は見事です。
>>582 サンリオ文庫は「世紀をまたいで」いません。
国書だろ
この板なら心配ないだろうけど無意味に保守カキコ。 米山良夫氏って「りょうふ」って名前なのね。 いえ、今なんとなく「怪僧ラスプーチン」読んでいてびっくりしたものだから。
20年以上前に流行ってたよ、柄谷コージンとか吉本リューミンとか荒井ユーミンとか……
dbcピエールのバーノンゴッドリトルってブッカーとったらしいけど 読んだ人いる?おもしろかった?
588 :
吾輩は名無しである :04/09/10 13:59
コロンバイン事件にアイデアをえた小説らしいね! ぷんぷん!
589 :
吾輩は名無しである :04/09/20 14:58:39
カダレ「誰がドルンチナを連れ戻したか」 いまいちだった。アルバニア史と絡めてるらしいが俺知らんからな〜・・・・・・ とにかく物語の過程が刺激もなく進んでいくだけで、オチもなかった (ボルヘス系の作品かと思ってた)
>>589 それは確かに良い意味でも悪い意味でも、民話っぽい小説だったね。
592 :
吾輩は名無しである :04/09/26 00:05:23
ブッカー賞は去年からスルーされてる気が
日本では今、ブッカー賞より国書が熱い。
ペーパーバックで英文学の名作を読み始めたんだけど、 ペンギンよりwordsworth,dover thriftの方が安値で手に入るからいいね。
国書版ソラリスやっとでたね。 しかし全集6巻って少な過ぎないか。
>>595 訳とか一緒だよね?
ハードカヴァーで読むのもいいかもしれないけど ちっと高いなぁ
いや、全部ポーランド語からの新訳の筈
>>595 「コレクション」だから選集だよ。
「未来のSF」の方は好評なら第2期もあるかもと、
SF板で誰かが書いていたね。
好評つーか、ヤマガタさんたらイアン・ワトスンまた延期させてるし(・∀・) まあ、ディッシュとラファティさえ読めれば後はいいよ。
601 :
吾輩は名無しである :04/10/04 08:51:09
ついでに600安打記念あげ
>>599 そうか。
おれはウルフとワトスンだけでいいな。
(なんかSFスレみたいになってしもた・・・)
知らんかった。ケルテース・イムレの時みたいにイクシオン解説してくれ。
すまん、詳しくない
>>604 『トーテンアウベルク』しか持ってないし、
積読でどっかに行ってしまっている^^;
探して読みます。
今読んでるけど、この人ベケットを意識して書く人なのかな。 言葉で微分をしている感じがする。言葉と言葉を極限まで 近接させて傾きを求める、というか。だから、たぶん、原書で 読まないと意味がないのかもしれない(ベケットのように)。 翻訳では音も見えてこないしね。 それでも、『トーテンアウベルク』はハイデガーとアーレント、 もしくはその2人(2つ?)の言葉が近づけられていく(と同時に 決して重なることはない)のが魅力的な作品ではある。言葉を 重ねて、静止=ゼロの直前の無時間性を捉えようとする、 とてもベケット的な試み…「静止、と同時に運動」 「私たちは飛び出すのだが、しかし、私たちはとどまろうと思う、 やがて雪が来るまで。そうすることで初めて、私たちもまた、 一度もここにいたことはなかったということになるのだ。」 (『トーテンアウベルク』熊田泰章訳) この作品を読む限り、この書き手がなぜ「ドイツで最も注目 され、最も憎まれている作家」なのかははっきりしない。 むしろ非常に真っ当な文学作品であり、それも地味すぎる ほど真っ当なのだ。おそらく、他の作品では政治批判や フェミニズムに関する特徴がもっとよく出ているのかも しれないが、読んでないから分からん。 誰か『ピアニスト』『したい気分』の解説頼む。
イクシオン、さんくー 今回のノーベル賞は、平和賞とか見ると、女性に取らせたかったんだと思うな。 これで代表作が翻訳されるだろうから、そのとき確認してみよう。
解説乙。今ピアニスト読んでるよ。 登場人物は30代後半のピアノ教師。強権的で娘を管理したがる母親がいる。 しかし二人の関係は簡単な憎悪関係でも支配関係でもなく、娘は洋服を買うなという母を殴るし 娘のほうも恋人(になる男)ほっといて二人だけの世界に閉じこもりたいとも考えたりする。 恋人(かなり年下)との関係もスムーズでなくちょっとマゾッホっぽい関係になったりもする。 全編現在形で書かれるが時折どうやらエリカの少女時代らしい彼女(太字)の章も紛れ込み、 なんとなくクッツェーの少年時代っぽい雰囲気。 やたら登場人物に醒めた描写で、氾濫しまくる動物のメタフォアもあって妙に非現実感を漂わせる。 それから会話文も「」がない。 「言葉の熱心な女性歯科医であるエリカは、小さなハンマーで現実を叩いて落とす。」 みたいな言い回しとか結構好きだな。
そうそう文章が音楽的ってことはすごく感じる。 上の言い回しみたいの以外にも、主人公がピープショーに行く場面とかあるんだが、 ストリッパーの描写とか似たような構造の文章が流れる感じで。 倒置とか句点で繋いでいくとことか気を使ってるんだろうなってのが伝わってくる。 ただ初版は何故かやたら校正ミスが多い。
ピアニストの訳者の中込啓子さんの書いた、
『「ジェンダーと文学」イェリネク、ヴォルフ、バッハマン』入手。
非常に面白い。ジュディス・バトラー読み直し中。
>>608 ixion
ベケット非常に好きらしいですよ。演劇について、
心理化に反対し、個人化に反対する演劇は、
別に新しい主張ではない。演劇の脱人間化(Entpersönlichung)の類は、
どんなに遅くとも、すでにベケットにはあった。
奇妙なことに、演劇におけるベケットの革新は、ひたすら空転し続けてきた。
ベケット以後の演劇は、何も進んでいない。
美的に一貫したベケット作品は、今日までまだ乗り越えられていない。
だそうな。トーテンアウベルクも戯曲なんだね。早く読みたい。
イェリネクでぐぐると二つばかりかなり読み応えのある論文がヒットします。 上のもその一つ。一般に知られてなかっただけで評価は相当高かったみたいですね。
>613 「上の」ってどぉれ?
申し訳ない。 ベケットについての発言そこからコピペしたって意味。 そら分からんですね…
>608 代表作ってなぁに? 邦訳の3冊は代表じゃなく「準」作品?
ドイツ語圏では、イェリネクは演劇作家として知られていて テレビの演劇批評番組に出演することも多いそうです。 (演劇見ないので聞きかじりだけど)
皆イェリネク確認中なので当分保守(sage)週間か・・・
619 :
吾輩は名無しである :04/10/28 12:53:39
age
月刊age
年末にかけて何か来るかなぁぁぁ………
最近出たみたいな、国書の「未来の文学」のワトスンの処女長編の「エンベディング」は、今更って感じがするけど、かってはサンリオの「ヨナ・キット」と「マーシャン・インカ」は結構興奮して読んだけど、ワトスンはもういいや(w
そういや、訳者やまがた氏がレムスレに来ていたね。
ダレルの四部作が河出文庫から出るという話はどうなったのだ。
そういえば秋にアレクサンドリア四重奏出るとかあったよね・・・
>625 あのニュースが出た直後、古本屋ではじめて4冊揃いを見たが 「来年になれば新本の文庫で手に入るんだから」ってスルーしたのにな。
最近あれだね、ここ 見合いして交際に進展のないカップルのようなノリ
ホーソーン、柴田訳「ウェイクフィールド」購入
629 :
吾輩は名無しである :04/12/14 23:16:43
>>629 パムクか。ちょいまえノ−ベル賞予想すれでも話題になってたな。
確かに面白そうだ。
>>629 おもしろそうなんだが、高いな…。
やっぱこういうのって買う人が少ないから高いのかな。
>>629 600ページ超か。2段組だと辛いな。
カネッティ『眩暈』よりは分厚くて安い。
633 :
吾輩は名無しである :04/12/16 23:50:40
いや、 この手の本で600ページ超で3000円台なら リーズナブルと思うぞ。
ぺレックの『人生 使用法』は5000円でしたからね。
■■海外現代文学価格評定スレッド■■
パムク。きょう手にとって見たけど、感覚的には5千円弱くらい。 地方都市で、3冊も入ってたけど、売れるのかな。
『ジョン・ランプリエールの辞書』も600ページで5000円・・・
グラス『はてしなき荒野』が942ページで7140円 パウル『巨人』が781ページで9240円
クンデーラ『存在の耐えられない軽さ』を英訳で読んで感動したことがあります。 二冊目を読むとしたら何がよいですか。日本語で読みたいです。
>>639 スレの流れからして、ここはひとつ
ページ単価で決めてみては如何か?
>>641 本の内容より印刷とか製本のコストがかかわってくる
だろ・・
「不滅」ですかね。591ページで、1,000円。
>>643 きみは物語を収斂させていく力があるなあ
>>643 複雑な物語を収斂させていく力がきみにはあるなあ。
アンジェラ・カーターの『ブラック・ヴィーナス』出ました。
647 :
吾輩は名無しである :04/12/27 15:21:15
『愛と背徳の香り』ゼルヤ・シャレヴはどう?読んだ人いる??
「アジアの岸辺」トマス・M・ディッシュはどないや?
慎太郎にかわりに逝ってもらいたかった・・・。
若島正氏サイトの↓もう見た? =================================================== 2005年 我が社の隠し玉(翻訳篇) (現在進行中) G・カブレラ=インファンテ『神聖な煙』 ウラジーミル・ナボコフ『XXXX』 (合間を縫って) B・S・ジョンソン『不運な人々』 デイヴィッド・マークソン『ヴィトゲンシュタインの愛人』 シオドア・スタージョン『スタージョン傑作選第2集』 英国幻想短篇アンソロジー (打順待ち) リチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』 ローズ・トレメイン『音楽と沈黙』 ==================================================== 4文字は『ロリータ』か?
>>『黄金虫変奏曲』 打順待ちってことはまだ翻訳に掛かってない ってことか・・・ orz
653 :
吾輩は名無しである :05/01/11 15:08:27
ブンボローゾビッチ? みたいなのすごいの?ポーランドの作家 文学の破壊神って文学界にのってた
654 :
吾輩は名無しである :05/01/11 17:33:49
「ナボコフ=ウィルソン往復書簡」(作品社)若島正訳でたね 凄いよこれ 文学ってこんなに凄いことやってんだって思った
もしかしてコノヤローアッホみたいな人がまぎれ込んでいる?
>653 確かにそれはすごいな。
スレ違いだが 今更阿部和重は無いだろう(w
今じゃもう、審査員より阿部たんの方が評価高いんだが……
阿部たんって、海外現代文学でいうとどういうポジションの人?
90年代にデヴューした中堅どころで ブッカー賞あたりは既に受賞済みレヴェルか、少し下かな。
t
なかなかすごい人なんだ。世界に打って出れるレヴェルだね。
「シンセミア」で伊藤整文学賞と毎日出版文化賞を 取ってんだから当然だろ。客観的な事実としては。
伊藤整はまだしも、毎日出版文化は世界とは何の関係はないのでわ・・・
666 :
吾輩は名無しである :05/01/16 23:15:00
フランスの神町系じゃなかったシブヤ系、ウェルベックのデビュー作 『闘争領域の拡大』は誰か読んだ?
>>666 積読してやった。
Maurice G. Dantecの翻訳が待ち遠しい。
ウェルベックは、秋葉原=神保町系だと思うが。オタでインテリ。 装丁だけなら代官山系やね。
レムからしばらく離れてたけど今度の自伝・エッセイはどうなのか?
670 :
吾輩は名無しである :05/01/17 23:54:35
ウェルベック、今度読むで〜。
671 :
吾輩は名無しである :05/01/18 12:17:19
近頃はなんか、話題の新作はないの?
そういえば来月クッツェーのエリザベス・コステロが出るね。 これに合わせて「恥辱」文庫化されそうな予感。
普通小説だとepi?
674 :
吾輩は名無しである :05/01/18 15:19:34
age
675 :
吾輩は名無しである :05/01/18 15:30:59
文学の破壊神ゴンブローヴィッチ 島田雅彦・中原昌也・西成彦 生誕百年を期に語る、“反逆の狂人”を自称したポーランドの前衛作家の魅力
676 :
吾輩は名無しである :05/01/18 19:19:13
653のブンボローゾビッチに少し期待していたのだが……(w いまだかつてないすごい作家を発掘してくれたのかと
677 :
吾輩は名無しである :05/01/18 22:40:10
このスレみて安部和重のアメリカの夜とニッポニア・ニッポン読んだけどいまいちだった
>677 このスレ的にはシンセミア推奨
>678 では、レム、リョサ、莫言、グラス級だと?
>679 その四人のつながりがわからん。自分で判断してくれ。
>>679 そのクラスよりはあきらかに下と思われ。
682 :
吾輩は名無しである :05/01/19 23:13:03
破壊神は?
683 :
吾輩は名無しである :05/01/20 01:50:25
o
684 :
吾輩は名無しである :05/02/02 11:58:50
お詫びに僕がブンボローゾビッチというペンネームで小説書きます
685 :
吾輩は名無しである :05/02/02 17:10:47
686 :
吾輩は名無しである :05/02/02 22:29:18
マイケルシェイボンってここで語っても良い?
687 :
吾輩は名無しである :05/02/03 10:45:29
だめだ
688 :
吾輩は名無しである :05/02/03 14:42:35
ぱうろ・こえーりょはこのスレで語ってもいいよね?
689 :
吾輩は名無しである :05/02/03 15:59:34
語ってちょ
>>688 それはここはおろか、ラテアメスレでも
語ってはイクナイ(゚A゚)
693 :
日記 :05/02/08 22:02:06
ジェフリー・ユージェニデスの「ミドルセックス」を読了。 面白い…んだが、柴田の言うような 「アメリカ文学を左右する」才能とは到底思えない。 他の大河小説傑作群と比べたらかなり見劣りする。 せいぜい佳作くらいのような気が…。うーん。 「ヘビトンボ」を読んでないから、それを読んで判断します。 ついでに復刊したミルハウザー「エドウィン・マルハウス」も読了。 …これはいい。脱帽。 とにかく描写の細部がキラキラしてる。 「何かが失われていく」ときの描写も ユーモアとペーソスにあふれてて好み。 アメリカではやっぱり一番好きだなあ、この人。
現在、下記の書物を積読しています。 読む優先順位をみなさんで考えて見てください。 ・ミルハウザー 「エドウィン・マルハウス」 ・セリーヌ 「虫けらどもをひねりつぶせ」 ・ドン・デリーロ 「ホワイトノイズ」 ・ドン・デリーロ 「リブラ 時の秤」 ・ウィリアム・バロウズ 「ア・プーク・イズ・ヒア」 ・スタニスワフ・レム 「浴槽で発見された手記」 ・JGバラード 「太陽の帝国」 ・イタロ・カルヴィーノ 「見えない都市」 ・ジャン・ジュネ 「花のノートルダム」 つい今さっきピンチョンの「重力の虹」を読了しまして、次のターゲットを思案中です。 ご助言ください。 「釣り」ではないです。宜しくお願いします。
695 :
吾輩は名無しである :05/02/10 21:45:11
あげます
>>694 ちなみに「重力の虹」読んだ感想書いてみな。
そしたらアドバイスしてあげる♪
「釣り」ではないです。
>>696 感想
・人物の相関関係がさっぱりわからず。
・スロースロップを途中で見失った(夢なのか現実なのか区別がつかず。)
・長編というより短編の集まりとして読むようになった。(それぞれのエピソードが重厚なので。)
→その分全体像が良く見えなかった。
・キンタマを抜かれる描写がオモロイ。
・チャーリー・パーカーのサックスの描写にはビビッた(ファンなので。)
・結構ドタバタ喜劇っぽいなと思った。
・JGバラードやウィリアム・バロウズを思い起こした。(その分飽きずに読めた。)
・フェティズムが結構重要な通低音というかキーワードかな?
もう少し時間が経ったら、もう一回読みたいです。
(ちゃんとメモを取りながら)
699 :
吾輩は名無しである :05/02/10 23:00:42
age
701 :
吾輩は名無しである :05/02/11 19:01:38
>>694 ピンチョンで疲れた後は
さらっと
ヘモンの「ノーホエア・マン」
>>701 レスサンクス。
恥ずかしながら、初耳の作家です。
ググッてみます。
>703 「さらっと」という表現に厳重警戒のこと!
>>704 えっ 難解、重厚、長大の3拍子が揃ったブツですか?
上等です。突撃してみます。
とりあえず、上記の積読書を撃破してから・・・ OTZ
706 :
吾輩は名無しである :05/02/12 13:18:40
>>705 アレクサンダル・ヘモン
アメリカ在住のサラエヴォの作家です。
なにしろピンチョン読了後はリハビリが必要かと。
私も只今「V」に苦戦しております。
>>706 レスサンクス。
情報ありがとう。
たしかに今あまり活字を目にしたくないw
「V.」は上巻は苦戦したけど、下巻になると急に面白くなってきたような記憶があります。
(構成上の仕掛けがうっすらわかってきたというか・・・)
ピンチョンの邦訳モノのなかではいちばん好きかも。
708 :
吾輩は名無しである :05/02/12 16:07:06
あげ
709 :
吾輩は名無しである :05/02/12 17:27:18
原稿プロセッサ
710 :
ブンボローゾビッチ ◆cf5o1uLKtM :05/02/14 12:33:05
>>694 ドン・デリーロは当たり外れあるけれど、その2冊は面白かったので、
次は「ホワイト・ノイズ」「リブラ」の順で読んでは?
個人的にはデリーロは「マオ2」が一番面白かった
712 :
694 :05/02/18 17:52:38
>>711 レスありがとうございます。
迷った結果
・セリーヌ 「虫けらどもをひねりつぶせ」
・ドン・デリーロ 「ホワイトノイズ」
を2冊交互で読みはじめたところです。(飽きがきにくいように)
デリーロについては「「アンダーワールド」が一番好きですね。
ピンチョンのような練りこまれた濃密さに欠けるけど、文章が素直で読みやすかった。
「重力の虹」と同様にバード(チャーリー・パーカー)への言及があってバード信者には堪えられない。
「マオ2」は行間ににじみでる心理描写がたまらないな。
巻末直前にビートルズの楽曲「レボリューション」が出てきて思わず笑った。
同曲には「毛沢東の写真なんか持ってるようじゃ〜」の歌詞があったからもしやと思いながら読んでたから。w
「ボディ・アーティスト」も傑作だけど、不穏な空気感が少なくて、好みからは外れるかな?
「コズモポリス」については・・・ちょっと・・・ポール・オースターが書いたように思えて、「デリーロはどうしたんだ」っておもった。
713 :
吾輩は名無しである :05/02/18 22:10:21
漏れはホワイトノイズ途中で飽きた。 期待してたのに
714 :
吾輩は名無しである :05/02/19 01:05:58
当方も「ホワイトノイズ」 は駄作だと思うぞ。
セリーヌは、小説以外もおもしろい。 小説以上に本気。
う〜ん、「マオ2」が以外と好評ね。 一番地味な作品かと思ってた。 もう入手するのは困難だろうな・・・ orz
717 :
ixion ◆ySh2j8IPDg :05/02/22 22:52:14
ハンター・S・トンプソンが自殺した…。
719 :
吾輩は名無しである :05/02/23 04:53:54
c
インファンテも死んだって、ブドウ球菌感染症で
721 :
吾輩は名無しである :05/02/23 19:48:38
>>720 マジ? 「神聖な煙」の翻訳を待っていたのに・・・
723 :
吾輩は名無しである :05/02/23 22:06:46
ケルテースイムレのfatelessの映画が出来ているらしい。 ベルリン映画祭にノミネートされていたそうな。
「ラスベガスをやっつけろ」読んだけど、自殺したのもはずみでやってしまったのか・・・と思わせる
725 :
吾輩は名無しである :05/02/25 15:43:52
ヨースタインゴルデルの新刊語ってもらっても良い?
>>716 欲しいんなら売ってる所知ってるよ。マオ2。
いまいち買う気がしないが・・・
>>712 「ボディ・アーティスト」は不穏な空気感じまくりだったんだが
うん、ボディ・アーティストはデリーロの作品のなかでも すばらしいもののひとつだと、俺も思う。 ところで、『ハードライフ』やら『エリアーデ小説全集』やら 『エリザベス・コステロ』やら、いろいろ出ましたね。
>>728 『エリザベス・コステロ』どう思うて?スゲぇ好きなんだけど。
730 :
吾輩は名無しである :05/03/13 13:47:45
「虫けらどもをひねりつぶせ」読了あげ
731 :
吾輩は名無しである :2005/03/21(月) 19:34:46
「現代」ではないんだが他にスレがないのでここに書かせてもらう。 ヘミングウェイの「老人と海」を読んだんだけどこれってどこが凄いの? ジジイと少年が海に出てサメを退治するだけだよね。 これでノーベル賞????
732 :
吾輩は名無しである :2005/03/21(月) 19:51:05
サメを退治するんでなくて、全然魚が釣れないジジイが、みんなから厄病扱いされていて、 ある時一人で遠くまで船を出して、見事大物を釣り上げたが、返る途中に、サメに食われて、 戻った時には、骨だけになっていたが、その骨の大きさを見て、馬鹿にしていた人たちも その老人を見直すと言うストーリーでなかったですか? 少年は、みんなに馬鹿にされている時唯一慕っていたなんともいい少年。 感 動 的 じ ゃ な い で す か ひょっとして 釣りですか?
>ひょっとして 釣りですか? ↑ ↑ ↑ ココは笑うところでつか?
ヘミング遺影
>>732 ストーリーはそれであっているが、この作品の神髄は「サメを退治する」ところにある。
>>731 は釣りだろうがいい点を突いている。
736 :
吾輩は名無しである :2005/03/23(水) 11:34:30
話に便乗させてもらうけど、『老人と海』のどこが凄いんだ? 良く「人生のエッセンスがすべて詰まっている」とか云われるけど、 どう深読みすればそんなことを感じられるの? 俺にはさっぱり理解出来ない。 対応関係でいうと 老人=良心的な読者、サメ=評論家、海=作家 らしいね。
737 :
吾輩は名無しである :2005/03/23(水) 11:35:29
あと カジキ=傑作 ね。
738 :
吾輩は名無しである :2005/03/23(水) 12:36:22
質問です! アルバート・カミュはどの作品でノーベル賞をもらったのですか? やっぱり「異邦人」?
>>738 ノーベル文学賞は特定の作品に対して贈られるものではありませんよ。
740 :
吾輩は名無しである :2005/03/23(水) 18:14:10
ノーベル文学賞は作品賞だよ。 それとフランス語読みはアルベール・カミュですよ。
>739 でもいくつかその対象になった作品はあげられるだろ?
現代最高の作家教えて下さい。一人決めるのは難しいでしょうから、3〜5人程度。
>>744 好きな作家、お薦めの作家ならともかく、最高の作家なんていない
主観が入るのはもちろん結構ですよ。巨匠と言われるような人を数人教えていただければ。
747 :
吾輩は名無しである :2005/04/03(日) 23:59:24
u
748 :
吾輩は名無しである :2005/04/05(火) 09:38:22
聞いてどうするのか。
749 :
吾輩は名無しである :2005/04/05(火) 10:37:30
746 村上春樹 jkローリング この二人が、後世に残るとよくいわれてるね
>>750 ありがとうございます。その二人の作品読んでみます。
読んで損はないと思うけどな。いろんな意味で。
754 :
吾輩は名無しである :2005/04/06(水) 08:57:11
村上春樹の『世界の終りと〜』は秀作だな。 最後にしっかり話のオチをつければ大傑作だったと思うのですが。。 春樹、もったいないことをしたな。
スレ違い。 ハルキ・ムラカミと表記すべし しかし、ネタ無いとはいへ最近荒れ放題ね・・・ orz
巨匠といったらヴォネガットだね。 ヴォネガット好きは他にどんなの読んでる? 俺はブローティガンが好きです。
757 :
吾輩は名無しである :2005/04/22(金) 12:55:13
y
フィリップ・ロスを読もうと思うのですが、 何から読めば入りやすいのでしょうか。
>>758 入門編として適当かは分からないけれど、ロスの『ヒューマン・ステイン』は、
重厚で読み応えがありますよ。
『白いカラス』というタイトルで映画化もされています。
以前は集英社文庫でロスの作品が幾つか読めたけど今は全滅なんですね。
「アメリカ野球」持ってるけど未だに読んでない・・・
つうか まず『さよならコロンバス』だろ え? 集英社文庫全滅なの・・・ orz
763 :
吾輩は名無しである :2005/05/08(日) 01:37:46
ただ、俺は『コロンバス』読んで、 他の読む気なくしたけどなぁ。 内容も覚えてないし。
いや『素晴らしいアメリカ野球』だけは残しとけよマジで>集英社文庫
765 :
761 :2005/05/08(日) 18:49:59
>>764 多忙なため部屋の中は積読書の山です。
現在リョサの「世界終末戦争」に苦戦中です。
先日、家人に「いい加減古紙回収に出すぞ」と言われました・・・
ピンチョン、バーセルミ、デリーロ、WSバロウズ、スタニスワフ・レム・カルヴィーノ、ジャン・ジュネ等々未読です。
アメリカ野球を読むのは後何年かかるだろうか・・・
今年になって読んだのは「重力の虹」と「虫けらどもをひねりつぶせ」の2冊のみです・・・orz
766 :
吾輩は名無しである :2005/05/09(月) 00:59:34
『素晴らしいアメリカ野球』って後藤明生と寺山修司が推薦文書いてるんだよなあ。『さようなら、コロンバス』は全然印象違う小説だけど高橋源一郎はロスからかなり影響受けてるのかしらん。
>>765 おれなんかそれらも未だに積読・・・ orz
>>スタニスワフ・レム・カルヴィーノ
気持ちはわかるがこんな作家いないとオモウw
読むべき本読みたい本がたくさんあるだけで 生きる価値はある。 マルケスの自伝3部作の1作目を軽く立ち読み してみたけど、面白そうだなぁ。 バラードの『ミレニアム・ピープル』も途中で 止まってるし。 長生きしよう、うん。
長生き保守
『さようならコロンバス』読みました。おもしろかった! 次は『ポートノイの不満』を読もうっと。(探さなきゃ…) 誰もいませんね。
>>770 様
いますよ。
最近僕アーチン・パンジャパンがツボでツボで。
長生きして鉱山シリーズ全部読まなきゃ。
772 :
吾輩は名無しである :2005/05/31(火) 01:15:45
ロスの「ポートノイ」は難解というより妙に苦渋。(三部作といわれる他の二作「男としての我が人生」「欲望学教授」も同様) コロンバスの爽やかさもないし、野球のような楽しさもない。どちらの系統がロスらしいのか判断のわかれるところだが(後期のザッカーマン三部作もややこしくて苦渋)、オレにはよくわからない大家の一人。
ありがとうございます。 では、次は『素晴らしいアメリカ野球』を読んでみるとします。 あともう一人、ジョン・バースという作家が気になっているのですが、 お薦めなどあれば教えていただきたいです。
774 :
吾輩は名無しである :2005/05/31(火) 01:44:08
バースも疲れるよ。ロスとは全く違った意味で。もう少し短めで判りやすいウィリアム・ギャスとか読んでバースに挑戦した方がいいかもよ。それにロスとは比べものにならないくらい英語のバックグランドが必要。
バースで比較的疲れず胸に残るものがあるのは『旅路の果て』でしょうね。
776 :
吾輩は名無しである :2005/05/31(火) 16:18:47
ロブ=グリエの「快楽の館」初版を神田の古本屋で¥3800で購入した。でも高いと思た。どうなの? ほんとは「ニューヨーク革命計画」がほしかたよ。
高いね。1000〜2000円が相場。
778 :
吾輩は名無しである :2005/05/31(火) 17:27:11
だよね。この半値が妥当かと思ったが、状態がよかったので買ってしまったよ。あとから損した気分になったけど。この店どれもかなり高値 あと「カフカ」マルト・ロベール著・宮川淳訳、晶文社初版も3500円も出して買った。淳のファンだからいいんだけど。これも高い。しめて7300円!!
でも、欲しかった本が手に入ったならそれだけでうらやましいよ。 欲しくても読めない本がいっぱいあるからなぁ。
高行健『母』出ました。
781 :
吾輩は名無しである :2005/06/04(土) 00:16:09
マン・オブ・ザ・ブッカー賞イスマイル・カダレに決まったね! 代表作の「死の軍隊の将軍」早く出版されないかなー。
今年のマン・ブッカーの候補者はレベル高かったね。
783 :
吾輩は名無しである :2005/06/04(土) 13:30:43
784 :
吾輩は名無しである :2005/06/04(土) 23:08:56
786 :
吾輩は名無しである :2005/06/05(日) 00:48:16
ここでもブッカー国際賞の話題が出てたか。 イスマイル・カダレってタブッキとかキシュあたりと近いような、 それでいてボルヘスとガルシア=マルケスを足して割ったような、 そんな感じがしないでもないんだが、まあたいして意味のないレスでスマン。
787 :
吾輩は名無しである :2005/06/05(日) 11:43:01
大江も候補になってたらしいけど残念
>>787 アメリカを除く旧英国領国の英語の作品が
対象の筈だが何か?
ブッカー賞とブッカー国際賞は違う
790 :
788 :2005/06/05(日) 20:53:44
今年創設された国際賞だったのね・・・ すまんです・・・orz
791 :
吾輩は名無しである :2005/06/05(日) 21:50:38
フィリップ・ロスも候補にあがってた。 「男としての我が人生」は結構面白かったよ。 これはゲンイチロウいちおし作品。 バースの「ビックリハウス」はまだ翻訳出ないのか?
「びっくりハウスの迷子」は集英社の『アメリカ短篇24』に収録されているよね。
短編集「びっくりハウスの迷子」の訳出キボ。 後期の長たらしいのは殆ど訳されてるのに 何でこれだけ出ないのか? あと昔むか〜し新潮社から出てた中編集「キマイラ」も 復刊キボ。
794 :
吾輩は名無しである :2005/06/06(月) 23:09:39
ついでにフローティング・オペラもどっかの文庫に入れてくれ!
つまりは国際功労賞的色合いが濃いってことか。 対象地域や言語を限定しない場合、ノーベル賞から どう差別化をはかるんだろうね。 リスト最後のアレフ・ベイト・イェホシュアって人は 邦訳ないの?
ブッカー国際賞 二年ごと。選考委員は三人で国際色豊か。最終候補作の リストを発表。英語で書かれたか英語に翻訳されたフィクションを書いた、存命 中の作家が対象。賞金60,000ポンド(約1200万円)。また受賞作が翻訳だった 場合には、これに加えて15,000ポンドが作者の選んだ翻訳者(たち)に贈られる。 ノーベル賞 毎年。選考はスウェーデンアカデミー(18名。全員スウェーデン人)。 候補作は50年間非公開。対象作品の言語に特に制限はない。ベルグソン、 チャーチルなど哲学書や回想録の作者が受賞した例もあるが、近年では詩人・ 小説家・劇作家に限られている。存命中の作家が対象。賞金10,000,000 スウェーデンクローネ(約1億4000万円)。 ノーベル賞は対象作品の言語に制限がないとはいえ、事実上主要作品が 英仏独語のどれかに訳されていなければ受賞は難しいと思われる。 初めから英語に限定するのは、当然批判もあるだろうけど潔いと言えば潔い。 選考委員の顔ぶれを毎回変えたりするのかどうかはよくわからない。 ま、10人くらい受賞者が出てからでないと賞の性格とかは見えてこないね。
トマス・エロイ・マルティネスって、『サンタ・エビータ』しか 読んだことないけど、これにノミネートされるほどの作家 なのか…。 他に読んだことある人、教えてくれ!
800 :
800 :2005/06/07(火) 08:42:27
ブッカー豚切りスマソ。イギリスのユーモア作家P・G・ウッドハウス、
国書と文春双方から刊行開始。(国書はすでに二月に出している)
しかも内容がかぶってるらしく、俄然興味がわいてきたw
ttp://www.excite.co.jp/book/news/00021117374103.html たしかに、「ス」と「ズ」の違いは気になる・・・ただ、Jeevesなのだから
「ジーヴズ」と濁るのが正しい表記だと個人的には思うけど。
人名や地名の発音表記って、訳者の語学力と仕事の正確さを示す
メルクマールになるので恐いんだよなー。自分も訳読んで「こういう
発音なのか」と思うナマケモノだからなおのこと。
ウッドハウスは翻訳が出て欲しいと前から思ってたので、暇があれば
二つの訳の比較もしてみたいところだが。
斎藤緑雨「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言ひ」
803 :
吾輩は名無しである :2005/06/07(火) 20:05:08
>796 そのリストで思い出したんだけど レッシングの「黄金のノート」はなかなか手に入らない。。。orz あと、ソール・ベロウってまだ生きてたのか!?
804 :
吾輩は名無しである :2005/06/07(火) 21:04:26
>803 ノミネートされた時点ではね。そのページにもあるが今年四月に亡くなった。 たしかこの間『新潮』にイアン・マキューアンによる追悼文が載ってたはず。
805 :
吾輩は名無しである :2005/06/14(火) 10:14:13
age
806 :
吾輩は名無しである :2005/06/18(土) 15:23:06
今更の話題だが、最近アウステルリッツを読んだんだけどかなりいいね。 予想以上によかった。早くゼーバルトの他の本も出てくれないかなあ。
807 :
吾輩は名無しである :2005/06/19(日) 00:17:03
ソール・ベロウって死んでたのか。。。orz
定期保守
809 :
吾輩は名無しである :2005/07/10(日) 20:35:30
『黒い時計の旅』(白水Uブックス) スティーヴ・エリクソン作 柴田元幸訳 8月上旬刊 ■1260円 ISBN4-560-07150-0
812 :
吾輩は名無しである :2005/07/11(月) 21:32:54
2chビュワー使ったら
814 :
吾輩は名無しである :2005/07/18(月) 16:01:06
エリクソンを片っ端からUブックスに入れておくれ!
815 :
吾輩は名無しである :2005/07/19(火) 10:41:23
デヴィッド・フォスター・ウォレスの「ヴィトゲンシュタインの箒」最高!
DFWは『果てしない戯れ』も良いぞー! …全部読んでないけど(笑)
817 :
吾輩は名無しである :2005/07/20(水) 03:41:11
まだ邦訳されてません。原題INFINITE JESTです。 1000ページ超えてます^^; 『ハムレット』の引用だろうから、訳題は『次から次へと 冗談ばかり』とか『無尽蔵の冗談』でも良い。
819 :
吾輩は名無しである :2005/07/20(水) 09:34:57
>>818 それ、原題、聞いたことあります。どこかに「邦訳は絶対無理」
と書かれていた記憶があります。よほど難しいのでしょうね。
「ヴィトゲンシュタインの箒」は口当たりの良い文章で、
読みやすかったような気がするのですが、
同じD・F・ウォレスの「奇妙な髪の少女」所収の
「北北西に進路を取れ」みたいな題の中篇(帝国は西に進路を取る、だったかな?)
は、難しくてよく分からなかった。
820 :
吾輩は名無しである :2005/07/20(水) 20:34:19
いまマジアチぃって感じの作家いね?
821 :
吾輩は名無しである :2005/07/20(水) 22:45:10
最近アンナ・ソフィ・ブラスム「深く息を吸って」を読んだ。 フランスじゃだいぶ騒がれたみたいだけど、 かなりよかったな。 文量も少なめで結構あっさり読めるしお薦め。
822 :
我輩は名無しである :2005/07/21(木) 19:44:09
誰か教えて欲しいんですが。 中学の頃の国語の教科書に出ていた記憶がある小説があるんですが、どうしても思い出せません。 あらすじは、戦争神経症(?)を患っている祖父に恐れを抱いている少年が主人公で、ある日両親が出かけることになって、主人公は祖父と留守番をすることになります。 少年は最初、祖父を怖がりますが、次第に祖父が戦争の頃の体験談を語り始め、主人公と打ち解けていく、という話だったような。 印象に残っているのが鉄兜。銃弾の痕があるとか何とか、というシーンもあったような気がします。 作者はカポーティだったような気もするんですが、全然覚えておりません。 これだけ読んでピンと来る方、誰かいませんか?
823 :
吾輩は名無しである :2005/07/27(水) 01:22:37
白水社から出たリチャード・フラナガンの『グールド魚類画帖』お薦めです。
ムヒカ・ライネス購入記念age
826 :
たけし :2005/08/11(木) 17:06:20
フーコーの振り子っておもろいの?出版元は?
モーリス・G・ダンテックの本はどこかが翻訳を進めているのだろうか たまに気になって調べるが、どこにも情報がない バビロン・ベイビーズを早く読みたい
828 :
吾輩は名無しである :2005/08/13(土) 19:00:03
無いか
イアン・マッキヴァーンが今、旬ですね!
830 :
吾輩は名無しである :2005/08/13(土) 23:12:12
age
エリクソンの新作、あの薄さのわりには高い。現代海外文学の翻訳書 の値上がりってどうにかならないもんなんだろうか・・・。図書館が 買ってくれたそれでいいってことなんだろうか。
10年ちょっと前は「百年の孤独」も1750円だったしね
833 :
吾輩は名無しである :2005/08/30(火) 18:58:59
ケリー・ギャングの真実の歴史っておもしろかった?
>>833 自分は今ひとつだった。
と言っても文学的な理由じゃないのが我ながら恥ずかしいのだが、
「正しく生きようとしているのに環境がそれを許さない」的な話が苦手なようだ。
加えてからだをぼろぼろにしながら子供を量産する貧しいアイルランド系カトリック信者的
世界がどうしても好きになれない。
他の人の批評を自分も待たせてください。
835 :
吾輩は名無しである :2005/09/07(水) 20:21:05
こちらの中の世界のことが全く分からないので、質問させてください。 友人の彼氏(30過ぎ)、日本の二流私立大学卒→その後アメリカの大学→ また別のアメリカの大学院で研究中(多分奨学金あり) (ちなみに日本の大学での専攻とは全く別のものをアメリカでは専攻) 日本の大学卒業後すぐに留学しているため、働いた経験はなし。 友人はすぐにでも結婚するつもりのようですが、大学院を卒業までにまだ少しあるようです。 一般の企業なら、30過ぎで働いた経験がないと難しいですが、 こちらの世界では日本に帰ってきてから就職などあるのでしょうか? ポストがあいていたとしても、初めはやっぱり助手などからスタートですよね? 助手の給料ってどれくらいでしょうか? 学生で結婚をするなど普通はあまり考えられないことですが(就職も決まってない) こちらの世界ではもしかしてよくあることなのかな、と思ったり・・・ ちなみに文化系です。日本の大学への就職希望だそうです。 お嬢様で育った友人のため、結婚してやっていけるか心配でたまりません。 (友人に尋ねたところ、奨学金で夫婦二人生活するのには困らないと言っています。) 私はそんなに甘い世界ではないんじゃないか・・・などとは思うのですが 何しろ全く無知なので、こちらに質問させていただきました。
836 :
吾輩は名無しである :2005/09/07(水) 20:31:26
そんなの教授に相談しろよ。以上。
>>835 1、ドクター号取得が確実であること。
2、「助手」といっても専任の助手であり、続いて確実に専任講師か助教授に進めること。
これは大学によって天と地ほど事情が異なるので、調べた方がよい。
アルバイト並の給与しかもらえないもの、一年で任期が切れ放り出されるところもあるから。
3、日本の大学で指導教授との関係が良好で、留学も教授と相談の上であること。
或いは指導教授以外のコネを持っていること。
以上すべて該当するなら問題なし。
ただ、書き込み見た感じでは、モラトリアムで海外に逃げた可能性もある。
貧乏暮らしでも愛があるから大丈夫、いざとなれば私が養ってあげる、ぐらいの覚悟がないなら止めた方がいい。
それに奨学金というものはいずれ尽きる。
その男は友人に調子のいいこと吹き込んでるんじゃないかと感じた。
違ってたらすまんが、俺の個人的な感想。
スレ違い失敬。
>>839 ジュリアン・バーンズが大本命なんだね。
ノーベル賞は、このスレ的にはだれ?
たぶんあまり日本では知られていない人でしょ。
人間革命を成し遂げた池田大作先生だな
ドリス・レッシングって凄い作家なんですか こないだブコフでなんとなく買ってみたんですが
>>845 ありがとうございます。
なんとなく何気にそこはかとなく凄い作家であることが分かりました。
これから『破壊者ベンの誕生』を読んでみようとなんとなく思っています。
ジョン・ハスケル、いまいちだなあ。ピンとこない。
848 :
無名草子さん :2005/09/27(火) 12:44:24
hug
『冷血』『移民たち』が出たね。 『四月の雪』も出ているわけだが・・・
850 :
吾輩は名無しである :2005/10/05(水) 00:44:16
それより『ロリータ』が・・・
ブロッホの「夢遊の人々」が筑摩から文庫で出てたんですね。しかし文庫であの値段は・・・。
853 :
吾輩は名無しである :2005/10/11(火) 17:44:00
新潮クレストブックからでる本の著者、フィリップ・グランベールって なにものなのかなあ?
イシグロ残念だったなあ。
イシグロって前に受賞してるからいいんじゃないの
857 :
吾輩は名無しである :2005/10/18(火) 23:05:37
ところでコールドウェルのMY OlD MAN AND THE GRASS WIDOWって 日本語訳あったっけ?
ニック・ホーンビィがおもしろかった。
>829 だれ?
誰かイアンのサタデー、読んだ?
861 :
吾輩は名無しである :2005/10/21(金) 10:01:19
あげー
862 :
吾輩は名無しである :2005/10/23(日) 16:46:10
ホゲー
863 :
吾輩は名無しである :2005/10/26(水) 17:38:05
にょれー
864 :
吾輩は名無しである :2005/10/26(水) 17:52:29
mwvぽいえhqvp9
John Banville !!!
コンラッド好きな人〜! ウィリアム・ギブスンやバロウズやボウルズとかが敬愛する作家らしいけど いまいちぴんとこない。短編しか読んでないけど。
>>865 おはよー。
あなたはだぁれ? ひょっとしてわたしを知ってるかしら。
どうしてサン=テグジュペリの初期作品をHNにしたの?
トリップを落っことしている
872 :
吾輩は名無しである :2005/11/16(水) 08:41:59
張平ってどうですか?
874 :
吾輩は名無しである :2005/11/18(金) 01:14:14
ヴォルマン? 『幻想展覧会 -ニュー・ゴシック短篇集』 に収められれた短編「失われた物語たちの墓」を 読んだだけだな。内容忘れちゃたけどw
殺したのはあなただ
>>867 こんばんは。
>>844 『黄金のノート』がいいよ。
>>870 ジョン・ファウルズ亡くなったのね。
サンリオから出てたやつどこかで復刊しないかな。
877 :
吾輩は名無しである :2005/11/23(水) 15:01:06
>>854 バンヴィル、達者ないい作家だと思うけど、なにせ地味な作風なので
邦訳が二冊出て以降続いてないんだよなあ。題材も日本人受け
しにくそうだし。The Untouchableとか面白そうだから、どこか出して
くれないかと思うんだが。
今回のこの作品も、果たして引き受け手があるのか気になるところ。
879 :
吾輩は名無しである :2005/11/23(水) 21:26:46
海外の本(例えばシェイクスピアとか…)は新潮社から出版されたのが一番良いの?
坪内逍遥
>>879 邦訳ということでつか?出版社がメジャー=一番良いなんて
まったく当てはまりません。ためしに自分で調査してみたらいいよ。
図書館で数種類取り寄せたり、ネットで調べたりさ。
シェイクスピアの訳もかなりの数あるが、これが決定訳とか
言い切れるものはないだろうし、完全に好みの問題だと思う。
個人的には河合訳がいいと思う。でも数冊しか出てない。 その次は松岡訳かな? それにしてもスレ違いだよ。
884 :
吾輩は名無しである :2005/12/05(月) 16:22:12
885 :
吾輩は名無しである :2005/12/07(水) 15:24:58
886 :
吾輩は名無しである :2005/12/07(水) 22:28:53
残雪、いいんだけど だからなに、ってかんじもする
「だから、なに」を 自分に向かって掘り下げていく人が 文学向きなのでは?
ということは残雪は文学向きではないということか
,残雪難しくてよくわからん
890 :
吾輩は名無しである :2005/12/11(日) 20:55:38
オランダの作家 ハリー・ムリシュ「天国の発見」上下が出版されて ました。2003年のW・G・ゼーバルト、2004年のオルハン・パムク と、世界の未翻訳作家が毎年のように翻訳されるのはいい傾向だと思います。
891 :
吾輩は名無しである :2005/12/11(日) 21:14:38
>>885 これ見る限りだと、最近はあまり小説書いてないんですかね。
翻訳もめっきり少なくなったって言うか、ほとんど絶版っぽい。
好きなのでがんばってほしいです。
得意の気功法で頑張ってほしいね。
893 :
吾輩は名無しである :2005/12/11(日) 21:30:05
>>876 「黄金のノート」どこにもないのですが。原書買いましたが、
敢え無く挫折。誰か売ってくれー。
ジョン・ファウルズはショック!!「魔術師」は最高に面白かった。
「黒檀の塔」と「ダニエル・マーティン」は読みたいけど、再刊する
ことはないんだろうなー。
ハリー・ムリシュ『天国の発見』なる上下二巻本が並んでいますがどんな感じでしょうか?
895 :
吾輩は名無しである :2005/12/28(水) 16:42:58
河出書房のガーネット著作集だが この作家でどんな感じでしょうか? ブルームズベリーグループときいて 興味を持ったのですが。
ラシュディの「悪魔の詩」ってどう読むの? あくまのし? あくまのうた?
>>897 サンクス。
この事件て当時日本ではどれくらいニュースになったのかな。
小学生だったからまったく覚えてない。
「真夜中の子供たち」がようやく手に入ったんだが
めちゃくちゃ面白かった。
次「悪魔の詩」読もうかと思うんだが
amazonだと評判が悪くて買おうかどうか迷ってる。
このスレの住人は「悪魔の詩」面白かった?
899 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/01/17(火) 23:43:46
>>898 ちょっととっつきにくいかも知れないけど、おもしろいよ。
但し「真夜中の子供たち」にはかないませんが。
>>894 文句なしの傑作。絶対読むべし!!
どうも 現代文学は何を問題にしてるか?ということが気になって、このスレを見てみました。 結局の所、自分が読まないと意味がないのでこれからちまちま読んでいこうと思うのですが、 さすがに全部いきなり網羅は出来ないので、文庫で出ているのから読もうと思ってます。 でも、現在使えるネットの環境が携帯という悲しさです…。 携帯じゃバゲンが変換できないし、ウ゛が打てません…。時間が掛かりすぎてしまいます。 文庫の巻末のカタログのようなものじゃ現在扱っているものがわからないし、 どなたかリストをアップしてくれないでしょうか?
>>900 いったい何をリストアップしろと・・・?
Zスレに 何やらなつかしいような 長文の書き込み
903 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/05(日) 15:13:58
おもろい>903
905 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/06(月) 15:39:52
しぶいベスト100だな 白鯨は和訳にするとピンと来ないなw 個人的には5位ナボコフ「ロリータ」Lolita, light of my life, fire of my loinsがいいな。
906 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/06(月) 16:29:45
名前ってなに? バラと呼んでいる花を 別の名前にしてみても美しい香りはそのまま
907 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/06(月) 20:15:48
国書刊行会のHP更新されてます。 カルヴィーノの短篇集が出版されるらしい。 文学の冒険シリーズにまた割り込みっぽいのがあがってます。 マンガネッリはいつになることやら。
908 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/06(月) 22:34:08
ゴールディングの「THE SPIRE」翻訳されるらしいね。 通過儀礼、可視の闇に続いて開○社の快挙です。 「ブッカーリーダー」といい、なかなか侮れない出版社です。
909 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/07(火) 22:37:12
910 :
名無しさん@自治スレッドでローカルルール議論中 :2006/02/07(火) 22:40:45
>>909 魯迅スレにも貼ってよ。今にも落ちそうだからw
911 :
900 :2006/02/10(金) 22:04:41
すいません…。 数時間ぶっとうしで、見てて。世界にはすげー小説がまだある。と、ハイになって書いてたので、今見るのも恥ずかしいです…。 原著で読んでる人もいるみたいなので、甘えちゃだめだろと。 スレで出てた名前をメモってアマゾンで検索して、自分用のリストを作りました。 お騒がせてすいません。 莫言買いました。 今月はウエルベックと古本屋でも回ろうと思います。 自己完結すいません…。
>900 なんかドキドキ感が伝わっていいね。 世界には死ぬまでかかっても読みきれないほどのすげー小説が溢れていると ため息の出る今日この頃です。
自分が読むにふさわしい本、ふさわしい冊数ってあるみたいだね 付き合う異性とおんなじで
914 :
ギルー :2006/02/15(水) 12:18:17
昨日ココを見て 20年くらい前に『真夜中の子供たち』を買ったまま積んどいたのを思い出し 掘り出してきました。 人それぞれ読む時期ってのもあるんだろうなぁ・・ とりあえず、感謝。
915 :
吾輩は名無しである :2006/02/18(土) 11:59:39
「真夜中」は読んで損しない傑作です。是非読んでみてください。
『悪魔の詩』とどっちが上かな
917 :
ギルー :2006/02/20(月) 14:31:15
ただ今『夜の果てへの旅』下と格闘中。 たぶん『真夜中の子供たち』の方が好みに違いない・・(W
918 :
吾輩は名無しである :2006/02/20(月) 19:54:11
>>916 「真夜中」の方が質的に上だと思う。
「悪魔」は箴言が多く、鼻につくのが多い気がする。
まあ、どちらも傑作で読んで損はないとは思いますが。
2006 PEN/フォークナー賞が発表。受賞作はE・L・ドクトロウ The March
90年に『ビリー・バスゲイト』で受賞して以来2回目。
http://www.penfaulkner.org/winners.htm 南北戦争時にシャーマン将軍が行った壮絶な焦土作戦を描いたものらしい。
全米図書賞の候補にもなっていたがヴォルマンにさらわれた。
>>873 全米批評家協会賞 National Book Critics Circle Awards の候補にも両名が
名を連ねている。
E.L. Doctorow, The March (Random House)
Mary Gaitskill, Veronica (Pantheon)
Andrea Levy, Small Island (Picador)
Kazuo Ishiguro, Never Let Me Go (Alfred A. Knopf)
William Vollmann, Europe Central (Viking)
こちらの発表は3月3日。
920 :
吾輩は名無しである :2006/02/26(日) 04:19:20
>>919 できればカズオ・イシグロにとってほしいけど、全米批評家
協会賞っていつからイギリスの本でも獲れるようになったの?
それと、PEN/フォークナー賞って比較的新人に与える賞じゃ
なかったっけ?
比較的新人・・・なにそれ
比較的、新人に与える(ことが多い) だろ。誰でもわかるあげあし取りカコイイ
923 :
吾輩は名無しである :2006/02/26(日) 09:33:11
ほー、じゃあ文壇に出てどのぐらいの人が新人なんだ?
粘着は神々しい
925 :
吾輩は名無しである :2006/02/26(日) 09:48:18
カズオイシグロの新作は面白くなかった。 以前の重厚な感じが無くなったよ・・・・ まぁ他の候補作読んでないんだけど。 フランク・マッコート好きな人いますか?
926 :
吾輩は名無しである :2006/02/26(日) 09:48:35
すぐに粘着とかいう返しはやめようぜ。わからないならわからない、 無視するなら無視する。素直に聞いてるんだからわかれば答えろよ
どこが、素直なんだ。出直してこい。
(笑)
誰か、みすずから出た張競『アジアを読む』でどういう 作家・作品を扱っているか分かったら、教えてくれるかな。 80篇の書評集成らしいのだが。 しばらくデカい本屋に行けそうにないもんで。 特に亡命作家も含め中国、インド、韓国、台湾。 ラシュディやパムクあたりも入っているのか。よろしく。
>>920 NBCC賞はアメリカで出版された英語の本であればイギリス人のものだろうと翻
訳だろうと対象になる、と公式ページには書いてある。例えば02年にはマキュー
アンが贖罪で、01年にはゼーバルトがアウステルリッツで受賞している。
けれど昔の受賞者は見た限りでアメリカ人ばかりなので、途中から規程が変わ
ったのかもしれない。
P/F賞は、あんまり名前を聞いたことのない人が獲ったりもするけど、90年の
ドクトロウはすでにNBCC賞も全米図書賞も獲得していたし、92年ドン・デリー
ロ、94・01年フィリップ・ロス、04年アップダイクなど超大物も受賞してる。
あくまでその年の作品の中からキャリア関係なしに選ぶという感じなのでは。
932 :
吾輩は名無しである :2006/03/06(月) 21:13:09
イタリア・スペイン・フランスといえば、日本より経済力は劣るが人生や生活を楽しんでいるんだろうなぁ という認識や淡い憧れしか自分にはありません。 南欧の生活や人々の現実、苦悩を描いた現代文学はありますか?
早川書房 4月下旬 『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ/土屋 政雄訳 臓器提供者の介護の仕事をするキャシー・Hは、謎に包まれた学園 での奇妙な青春の日々を回想し、驚くべき真実を明らかにしていく −−『日の名残り』を凌駕する、ブッカー賞作家5年ぶりの最新作。
934 :
吾輩は名無しである :2006/03/07(火) 20:26:49
936 :
吾輩は名無しである :2006/03/10(金) 14:45:11
あー、荒れるの承知で書いちゃうけど、すみ&にえってあんまり好きじゃないんじゃよね
別に好きじゃなくてもいいじゃん。なんで荒れるの?
3月莫言新作、4月カズオ・イシグロ新作、そしてマキューアンの『土曜日』も間近だとか。 あ、ダイベックの新刊も出ましたね。
>>936 久しぶりで見てみたらブログ始めたんだね。
新刊情報は毎日は大変だろうね。
藤原編集室みたいに一覧にまとめといてくれると
見るほうも見やすいのだが。
940 :
吾輩は名無しである :2006/03/13(月) 10:30:14
アクがないっていうか、当たり障りのない粗筋の紹介みたいで
そういうならアクの強い良サイト教えてほしーよ。 すみにえさん並の幅広い読書量で、となるとなかなか無いよ。
話題になりにくい翻訳小説をまめに紹介してくれるだけで貴重。
前スレでもこういう話題が出ていなかった?
>>936 はコピー?
自分の胸にしまっとけ、ってな話題だな
確かに。 わざわざ書く必要ないよな。
945 :
吾輩は名無しである :2006/03/19(日) 00:53:23
E・L・ドクトロウってゲンイチロウが以前に推してたけど たいしたことないような気がするのはオレだけだろうか?
946 :
吾輩は名無しである :2006/03/19(日) 16:00:45
ラグタイムは面白かったと記憶しているが、それ以外はどうだろうね。
947 :
吾輩は名無しである :2006/03/22(水) 01:31:52
オルハン・パムクの傑作『雪』(2002)が遂に出たよ!
949 :
吾輩は名無しである :2006/03/24(金) 21:07:33
>>948 未読なんだけど、パムクの『わたしの名は「紅」』ってどう?
>>945 去年新刊が出て本国ではいろいろ賞をとったみたいだね。
ラグタイムも最初をちら読みしたけど、当時は新しかった
ことが今では古くさく感じられるとこが多そうだった。
951 :
吾輩は名無しである :2006/03/29(水) 18:03:57
イシグロ氏の孤児のやつがepi文庫になったね。
>>949 ここ10年くらいのNo.1。
未読なんて自慢してる場合か!
そんなことより
レムさん死んじまったんだな・゚・(ノД`)・゚・。
ま、歳だし小説もう止め宣言してから
随分経ってはいるけどな。。。
953 :
吾輩は名無しである :2006/04/17(月) 02:58:05
ミルハウザーのスレってないですか?
あるわけないだろ
956 :
吾輩は名無しである :2006/04/17(月) 21:33:51
>>955 ショック!マジですか・・・ご冥福をお祈りします。
「死を忘れるな」でも読み返してみます。
そのつながりで思い出したことを。パワーズに会ったとき、『三人の農夫』のネタ 本の一つは Hugh Kenner のUlysses論ではなかったのか、という質問をしてみた。 実はこれ、『三人の農夫』を読んだときに真っ先に思ったことで、それをある文芸雑 誌の座談会でしゃべったことがある。まあしかし、ただの直感でしゃべったことなので 、その直感が正しいのかどうかは前から気になっていたのだ。 すると、パワーズは実にあっさりと、そうだよと教えてくれた。Kennerの家にも 行ったことがあって、凄かったという話までしてくれた。 言うまでもなく、Kennerも文系と理系の両刀使い。すべてが妙につながってくる 。不思議だ。 若島の推理があたっていたようだ
若島は両刀使い、まで読んだ。
959 :
吾輩は名無しである :2006/04/29(土) 13:31:13
カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』は、 《タイム》誌のオールタイムベスト100(1923-2005) に選ばれる快挙を成し遂げたみたいだけど、 ほかにはどんな作品が選ばれてるの?
>961 ??なに悔しがってんだ?w
ジョイスはベスト100に入ってないのかよ
965 :
吾輩は名無しである :2006/05/12(金) 13:11:59
ビラヴドは確かに面白かった。 二十五年という数字はいいね。 いかにもな作品が入らないようになってる。 日本でやったらどうなっちゃうんだろう。
キーワードage
968 :
吾輩は名無しである :2006/05/28(日) 14:58:53
age
The Art of Seduction という魅力的な標題に釣られて、 Robert Greene のアルス・アマトリアを繙いている。 ときに歴史的に、またときに心理学的側面から、 彼はこの方面のあらゆる権謀術数に対して論理的な分析を試みる。 ラ・ブリュイエールの顰に倣い、わたしはこの痛快な奇書を テオフラストス『カラクテレース』の附録として位置付けてみたくなる。
970 :
吾輩は名無しである :2006/05/28(日) 22:07:15
カズオイシグロ好きなんだけどラヒリってどう?
ラヒリはねー、日の名残りみたいなのが退屈じゃないならきっと好き
クレスト系が苦手なオレが来ましたよ
973 :
吾輩は名無しである :2006/06/05(月) 18:05:36
日の名残りを退屈と言えるとは…(笑) イシグロの作品はより深く独創的なテーマを、意識的に扱うことが多いような気がするから、そういう所が好きな人の場合、ラヒリはちょっと物足りないかもしれないね。でもそれなりによい作家だと思う。 イシグロが好きなら、クッツェーの恥辱なんかはテーマの重さから言って読みごたえがあると思うけれど…。 クレスト系ね…、傑作が並んでいるわけではないから、好き嫌いは分かれるかもなあ。最近ではアンドレイ・クルコフのペンギンの憂鬱なんか面白かったね。
974 :
吾輩は名無しである :2006/06/05(月) 18:30:01
975 :
age :2006/06/11(日) 01:48:46
age
976 :
吾輩は名無しである :2006/06/16(金) 20:05:42
保守
978 :
吾輩は名無しである :2006/06/24(土) 15:33:39
あげ
979 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 20:17:36
age
980 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 21:23:29
南欧文学?アントニオ・タブッキが面白いよ。 白水社からでてる。 インド夜想曲なんか、旅行好きの人にお勧めです。
981 :
吾輩は名無しである :2006/06/28(水) 22:59:05
980越えたしスレ落ちるよ
982 :
吾輩は名無しである :
2006/06/28(水) 23:45:08 ドリス・レッシングはいろいろ受賞してる割には日本ではイマイチかな。