乙
>>1乙
スレ立て宣言しようと思ったらもう書けなくて困った
一応雑談スレには宣言しましたが
これでまた某雑談スレを立てる夢が遠のく…
あぼーん
6 :
Classical名無しさん:04/11/15 23:50 ID:yzjbF2Cw
「あ…あの……播磨さん?」
「いいから…脱げ…」
「あ…はい…」
「……これで、いいでしょうか?」
「よし。…どっちからがいい?」
「…はあ」
「上か下かどっちがいいんだ?」
「え、えっと…下で…」
「じゃあ、少し足を広げるんだ」
「あ、はい」
「(くんくん…)…いい臭いだ」
「あ、有難う御座います」
「よし、次は舐めるからな」
「はい、お願いします」
「(ぺろぺろ…)」
「あ…」
7 :
Classical名無しさん:04/11/15 23:51 ID:yzjbF2Cw
「ん、どうかしたのか?」
「い、いえ…続けて下さい」
「(ぺろぺろ…)」
「あの…播磨さん?」
「どうしたんだ?」
「あの、トイレに行ってきてもいいでしょうか?」
「我慢出来ないのか?」
「はい」
「よし、分かった。…出せ」
「え?」
「いいから、ここで出せ」
「で、でも…」
「心配するな、俺が受け止めてやる」
「分かりました」
「(シャーーーーーーーーーー……)」
「最高だぜ、妹さん。この淡白な味がたまらねえ」
「は、はあ」
「じゃあ、次は本番な」
完
あぼーん
今日は暑苦しい真夏の日だった。
「ふー暑いなー、ここが奈良の学校か・・・」
校門に立つ少年は六商健一。奈良に「一度、僕の学校へ遊びに来なよ」と誘われたので、
高専の下校ついでに寄ってみたのである。しかし栃木から矢神までは遠かった。
「やあ、六商くん!来てくれたんだね!ありがとう!」
六商の姿を目敏く見つけた奈良健太郎が寄って来る。
「六商くんの学校って制服なしの私服なんだ。息苦しくなくていいね!」
私服姿の六商に対し、奈良は白の開襟シャツに黒のズボンである。
「奈良って私服でも学校の制服でも似合う顔立ちなんだな」
「えっ、そうなの?六商くんだって制服が似合いそうな顔だと思うんだけど」
「いや、俺は制服嫌いだから今の高専に入った」
そんな他愛のない会話をしながら、校内へ入っていくと、途中で2人の女子生徒と会った。
「あ、塚本さん」
奈良が挨拶する。
「あー奈良くんだ。だーれ?、その子」
塚本天満が興味津々の目で六商を見ながら、奈良に聞く。
「栃木の小山高専の六商健一くん。今の僕にとって一番大事な人」
「そーなんだー、珍しい名前なんだねー!奈良くんの恋人なんだねー!六商くん、
よろしくねー!」
塚本が満面の笑顔で六商に握手を求めた。六商も慌てて自分の手を差し出した。
「で、隣の金髪の子が沢近愛理さん。帰国子女だよ」
奈良が六商に沢近を紹介した。
「よろしくねー!六商くん」
沢近が六商にウィンクをする。
「ど、どうも・・・」
六商がドギマギしながら挨拶を返す。
「じゃ、奈良くん、六商くんを後生大事にするんだよー!」
塚本が屈託のない明るい声で奈良に言った。そのときだった。
「おう!えーと・・・奈良だったけ。そいつは誰なんだ?」
張りのある声が響き渡った。皆が振り向いた先にはサングラス男がいた。
「わー播磨くん、この子はねー六商くんといって奈良くんの恋人なんだよー!」
塚本が播磨拳児という男に六商を紹介した。
「奈良・・・お前、そういう趣味があったのか・・・?」
播磨が呆れたような声で言う。
「播磨くん、僕が誰と付き合おうと僕の自由じゃない?」
奈良が播磨に反論した。
「別にお前の勝手だがな。塚本にさえ手出さなければ、俺は何も言わないぜ」
「うん、分かったよ」
そんなやり取りをして、2人は塚本たちと別れた。
「いいのか・・・?奈良」
「えっ?」
「塚本とかいう子のことだよ。お前、俺と付き合う前はあの子が好きだったんだろ?」
「ううん、いいんだよ。今はもう何の未練もないからさ。今の僕は六商くんさえいてくれれば、
それで満足・・・だもの」
「うー、そう言われると照れちゃうなー」
「だって、本当のことだもん。僕が髪型変えたのも六商くんに近い髪型にしたかったからだよ」
確かに、最近の奈良は髪を長く伸ばしている。
「俺もそんな奈良が大・好・き!」
六商が奈良の頭を自分の胸元に抱え込む。
「わー、六商くん、苦しいよー。でも六商くんの腋の汗の匂いが嗅げていいね」
その後、2人は帰途についた。しかし、そのとき、突然の大雨が2人を襲った。
「うわー夕立だー!」
「六商くん!どっかで雨宿りをしていこうよ!」
2人は近くにあった建物に入る。が、その建物の看板を見て2人は赤面した。
『シンデレラ城』
俗に言うラブホテルである。偶然とはいえ、こんな建物に入ってしまうとは・・・。
「どうする?六商くん」
「どうすると言ったって、こりゃ入るしかないだろ。エッチホテルなんて俺も初めてだけど」
「う、うん・・・そうだね。ドキドキするなぁ。男同士で入って変な目で見られないかなぁ?」
「大丈夫じゃないか?」
「うん、僕が読んだ本によるとラブホテルでは客とホテルの人が顔を合わせないような
構造になってるらしいよ」
「なるほど、本当だ・・・。ここで部屋のタイプを選ぶのか・・・」
ホテルの入口には部屋のタイプを客が選べるようにパネルが設置されていた。
早速、六商が好みの部屋のボタンを押す。そして、エレベーターで部屋へ向かった。
「わぁ、すげーっ!」
ホテルの部屋の中は、見たこともない絢爛豪華な世界が広がっていた。
「いい趣味だね。さすが、六商くんが選んだ部屋だよ」
奈良はそう嬉しそうに言って、シャワーを浴びに行った。
「六商くん。君もシャワーを使わせてもらったら?・・・何やっているの?」
「万華鏡みたいだな〜と思って」
硝子ばりの天井や壁に向かって、つい百面相をしていた六商に、奈良が声をかける。
「あははは。六商くんにとってここは初体験の部屋だものね。でも早くシャワー浴びない
と雨で濡れてしまった体が冷えちゃうよ」
「それもそうだな。ここのホテル代、どうする?」
「ご安心を。実は、僕、家族カード持ってるから」
奈良がそう言って、自分の財布からクレジットカードを見せる。
「さすが、金持ちの息子だ・・・」
六商が羨ましそうに言った。
その後、六商と奈良はお互いにブリーフの姿でダブルベッドに横たわっていた。
「早く制服が乾くといいね」
「そうだよな。シャツの色も少し落ちたしさ。しかし、奈良が着替えのブリーフを用意している
とは思わなかった」
「たまたま、鞄の中に入れてたんだ。今日、六商くんと会うのは分かってたからね。準備万全
でしょ、僕」
「あっはははは。奈良のブリーフはいいねぇ!」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
「じゃ、そろそろやる?今日は僕が受けで六商くんが攻めだよね?」
「そうだな」
2人はセックスをやり始めてから交替で「攻め」「受け」をするようになっていたのだ。
ベッドに横になっている奈良に、六商の口付けが落とされる。
相変わらず、いい唇だ・・・・。
「ふっ・・・・」
濡れた感触が乳首に落ちてきて、奈良が息をのんだ。
そっちに気を取られた奈良を見計らったかのように、するりと六商の手が内股に忍び込む。
「あっ・・・・・・・」
六商に触れられた所から、何とも言えない感覚がわきでててきて、奈良は思わず声を上げて
しまう。
前をいじられる快感に堪えるのに精一杯で、奈良は抵抗を忘れてしまった。
そして、力の緩んだ奈良の足の間に六商が体を入れて、奈良のナニをくわえてしまった。
「ああ・・・・・っ。六商くん・・・いいよっ!」
ヌメるように絡んでくる六商の舌の感触に、奈良が堪え切れず声を上げる。
何ともいえない快感に、まるで誘うように腰を動けめかせてしまう。
のけぞって見開いた奈良の目に、大きな鏡になった天井が、足の間に六商を挟み込んで
喘いでいる、自分の淫らな姿態を写し出していた。それを見て、奈良は自分が恥ずかしく
なってきたが
「まあ、いいや・・・六商くんがこんなに気持ちのいいことをしてくれるのなら・・・」
と開き直るように自分に対して言い聞かせた。
「さぁて、奈良、いよいよ、行くよー!」
「う、うんっ・・・・!」
六商がのしかかってくると、奈良の下肢に固い感触が当たった。
「少し痛いけど我慢してくれよ」
そう言ってニッコリ微笑む六商に、奈良が引きつった笑いを顔に張り付かせる。
次の瞬間、奈良は地獄に叩き落されたような激痛に襲われた。
「痛かった?ごめん」
六商が謝る。しかし、奈良は首を振って
「いや、いいんだよ。まだ僕は入れられる方に慣れてないからさ。少しずつ慣れていくと思う
からね。でも僕の中に六商くんが入ってきて嬉しいような気分だった」
「奈良・・・俺もだよ」
そう言って、六商が再び、奈良に唇を重ねた。
復習と称した第2ラウンドが始まった。雨が止むまで。2人が満足するまで・・・。
あぼーん
あぼーん
……ん? 播磨拳児……拳児くんについて知りたいだって?
よく分からないが君も物好きだな……。
そうだなあ、一言で言えばバカだ。
どこ突っついても完全なバカだ。
……いや、そういう意味のバカではない。
アイツはな、良くも悪くも一本気すぎる。
真っ直ぐで、前ばかり見て、後ろを振り返ろうともしなくて。
その癖ちょっと躓いたら、そこで立ち止まって泣いてしまう……。
そんなバカだ。
最近はようやく起き上がることも覚えたけどね。まだまだだ。
え? 私? 私は……いいさ。彼が躓いても助けないつもりだし、
これから先何度も躓くだろう彼の傍にいてやろうとも思わない。
ただ――。
そうだな。
ただ、もしアイツが後ろを振り返るようなことがあれば、目の届く
ところにいてやりたい……かな。
……ちょっと待て。お前、私に何を言わせるか!(銃声)
あぼーん
え? 播磨さんについて……ですか?
えと、播磨さんは私の先輩です。よく茶道部に遊びに来てくれます。
高野先輩の名前、未だに覚えてくれないのはちょっと困ります。
……ひょっとしたら、サラも覚えてないのかも。
……わたしのことも、妹さんとしか覚えてない……のかも。
あ、ごめんなさい。
それであの……ええと、ちょっと言えません、ごめんなさい。
わたしはその、播磨さんとそれほど長いお付き合いじゃないんですけど。
(隠れてこっそりと聞いていた謎の眼鏡男、ショック死)
播磨さんは……優しい、人です。
え? 信じられない?
……本当ですっ。播磨さんは、すごく優しいんですっ。ピョートルだって、
ナポレオンだって、伊織だって、みんな播磨さんのこと慕ってるんですっ!
……ご、ごめんなさい。大声出しちゃって……。
でも、本当に優しい人です。ちょっと怖いこともたまにあるけど、いつもすごく
一生懸命な人で……。
わたし……播磨さんがみんなに誤解されるのだけは、絶対にいやなんです。
……や、やだ。わたし、何言ってるんだろ……。
ヒゲぇ?
アンタヒゲの何をどう知りたい訳?
……ま、別にいーけどね。
ヒゲについてねぇ……アホね、アイツは。
つま先から頭のてっぺんまでアホ、アホの塊よ。
アホだけじゃなく、女の子にもだらしないのよねアイツは!
硬派気取ってるくせに、女の子はよりどりみどり!
わたしに告白したその場で女の人に抱きつかれて、美琴にアプローチ
かけたかと思ったら、保険医に手を出して! 挙句に天満の妹にまで!
最低よ、アイツは!
強いてあげるとするなら、運動神経はいいかもね。
……体育祭ではま、それなりに頑張ったんだし。
体育祭……。
体育祭は、あのヒゲは本当に頑張ってくれたなあ……。
ジャージ……あったかかったな。
え、ジャージって何ですって? ……それはその、ノーコメント。
ともかく。
あのヒゲ……じゃなくて、元ヒゲは女の子にだらしないってこと
分かってくれればいいから!
……あ、でも。
天満の妹さんと付き合っているって噂は……ウソ、だから。
え、ハリオについて知りたいの?
そうねぇ……ハリオはね、あれでなかなかイイ男なのよ〜!
あ、信じられない? 信じられないでしょ!
まあ無理もないわね〜。サングラスを外したときの顔を知ってるのは、
私だけみたいだし。
……ふふ。どうやって見たかはナイショ。
サングラスを外したハリオの目はね〜、すっごくキレイなのよ。
透明感のある瞳? うーん、ちょっと違うかな。
そういう純粋無垢って感じじゃなくて、キラキラと輝く少年の瞳……
って感じなの。
前向きで、一本気で、硬派でね……本当、見てるこっちが泣きたく
なるくらい、輝いてるのよ。
……ふふ。まだまだ生徒のみんなには分からないだろうけどね。
大人になると、ああいう瞳を持つことのできる人が本当に貴重だって
分かるのよ。
ましてハリオはもう16歳なのに。……どうして、あんな瞳を持ってる
んだろうねぇ……ふふ。
もし、ハリオに付き合ってくれって言われたら?
うーん……もし、ハリオが好きな女の子のことをスッパリ忘れてくれるなら、
喜んで付き合っちゃうわね。教師のモラル? モラルは愛に勝てないわね〜。
>17
>19-21
という訳で各(播磨にとっての)ヒロイン候補 談話でした。
一発目乙。
>>22 ×各(播磨にとっての)ヒロイン
○各(播磨に惚れてる)ヒロイン
ではないかな?(前者だと天満の意)
今日は暑苦しい真夏の日だった。
「ふー暑いなー、ここが奈良の学校か・・・」
校門に立つ少年は六商健一。奈良に「一度、僕の学校へ遊びに来なよ」と誘われたので、
高専の下校ついでに寄ってみたのである。しかし栃木から矢神までは遠かった。
「やあ、六商くん!来てくれたんだね!ありがとう!」
六商の姿を目敏く見つけた奈良健太郎が寄って来る。
「六商くんの学校って制服なしの私服なんだ。息苦しくなくていいね!」
私服姿の六商に対し、奈良は白の開襟シャツに黒のズボンである。
「奈良って私服でも学校の制服でも似合う顔立ちなんだな」
「えっ、そうなの?六商くんだって制服が似合いそうな顔だと思うんだけど」
「いや、俺は制服嫌いだから今の高専に入った」
そんな他愛のない会話をしながら、校内へ入っていくと、途中で2人の女子生徒と会った。
「あ、塚本さん」
奈良が挨拶する。
「あー奈良くんだ。だーれ?、その子」
塚本天満が興味津々の目で六商を見ながら、奈良に聞く。
「栃木の小山高専の六商健一くん。今の僕にとって一番大事な人」
「そーなんだー、珍しい名前なんだねー!奈良くんの恋人なんだねー!六商くん、
よろしくねー!」
塚本が満面の笑顔で六商に握手を求めた。六商も慌てて自分の手を差し出した。
「で、隣の金髪の子が沢近愛理さん。帰国子女だよ」
奈良が六商に沢近を紹介した。
「よろしくねー!六商くん」
沢近が六商にウィンクをする。
「ど、どうも・・・」
六商がドギマギしながら挨拶を返す。
「じゃ、奈良くん、六商くんを後生大事にするんだよー!」
塚本が屈託のない明るい声で奈良に言った。そのときだった。
「おう!えーと・・・奈良だったけ。そいつは誰なんだ?」
張りのある声が響き渡った。皆が振り向いた先にはサングラス男がいた。
「わー播磨くん、この子はねー六商くんといって奈良くんの恋人なんだよー!」
塚本が播磨拳児という男に六商を紹介した。
「奈良・・・お前、そういう趣味があったのか・・・?」
播磨が呆れたような声で言う。
「播磨くん、僕が誰と付き合おうと僕の自由じゃない?」
奈良が播磨に反論した。
「別にお前の勝手だがな。塚本にさえ手出さなければ、俺は何も言わないぜ」
「うん、分かったよ」
そんなやり取りをして、2人は塚本たちと別れた。
「いいのか・・・?奈良」
「えっ?」
「塚本とかいう子のことだよ。お前、俺と付き合う前はあの子が好きだったんだろ?」
「ううん、いいんだよ。今はもう何の未練もないからさ。今の僕は六商くんさえいてくれれば、
それで満足・・・だもの」
「うー、そう言われると照れちゃうなー」
「だって、本当のことだもん。僕が髪型変えたのも六商くんに近い髪型にしたかったからだよ」
確かに、最近の奈良は髪を長く伸ばしている。
「俺もそんな奈良が大・好・き!」
六商が奈良の頭を自分の胸元に抱え込む。
「わー、六商くん、苦しいよー。でも六商くんの腋の汗の匂いが嗅げていいね」
その後、2人は帰途についた。しかし、そのとき、突然の大雨が2人を襲った。
「うわー夕立だー!」
「六商くん!どっかで雨宿りをしていこうよ!」
2人は近くにあった建物に入る。が、その建物の看板を見て2人は赤面した。
『シンデレラ城』
俗に言うラブホテルである。偶然とはいえ、こんな建物に入ってしまうとは・・・。
「どうする?六商くん」
「どうすると言ったって、こりゃ入るしかないだろ。エッチホテルなんて俺も初めてだけど」
「う、うん・・・そうだね。ドキドキするなぁ。男同士で入って変な目で見られないかなぁ?」
「大丈夫じゃないか?」
「うん、僕が読んだ本によるとラブホテルでは客とホテルの人が顔を合わせないような
構造になってるらしいよ」
「なるほど、本当だ・・・。ここで部屋のタイプを選ぶのか・・・」
ホテルの入口には部屋のタイプを客が選べるようにパネルが設置されていた。
早速、六商が好みの部屋のボタンを押す。そして、エレベーターで部屋へ向かった。
「わぁ、すげーっ!」
ホテルの部屋の中は、見たこともない絢爛豪華な世界が広がっていた。
「いい趣味だね。さすが、六商くんが選んだ部屋だよ」
奈良はそう嬉しそうに言って、シャワーを浴びに行った。
「六商くん。君もシャワーを使わせてもらったら?・・・何やっているの?」
「万華鏡みたいだな〜と思って」
硝子ばりの天井や壁に向かって、つい百面相をしていた六商に、奈良が声をかける。
「あははは。六商くんにとってここは初体験の部屋だものね。でも早くシャワー浴びない
と雨で濡れてしまった体が冷えちゃうよ」
「それもそうだな。ここのホテル代、どうする?」
「ご安心を。実は、僕、家族カード持ってるから」
奈良がそう言って、自分の財布からクレジットカードを見せる。
「さすが、金持ちの息子だ・・・」
六商が羨ましそうに言った。
その後、六商と奈良はお互いにブリーフの姿でダブルベッドに横たわっていた。
「早く制服が乾くといいね」
「そうだよな。シャツの色も少し落ちたしさ。しかし、奈良が着替えのブリーフを用意している
とは思わなかった」
「たまたま、鞄の中に入れてたんだ。今日、六商くんと会うのは分かってたからね。準備万全
でしょ、僕」
「あっはははは。奈良のブリーフはいいねぇ!」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
「じゃ、そろそろやる?今日は僕が受けで六商くんが攻めだよね?」
「そうだな」
2人はセックスをやり始めてから交替で「攻め」「受け」をするようになっていたのだ。
ベッドに横になっている奈良に、六商の口付けが落とされる。
相変わらず、いい唇だ・・・・。
「ふっ・・・・」
濡れた感触が乳首に落ちてきて、奈良が息をのんだ。
そっちに気を取られた奈良を見計らったかのように、するりと六商の手が内股に忍び込む。
「あっ・・・・・・・」
六商に触れられた所から、何とも言えない感覚がわきでててきて、奈良は思わず声を上げて
しまう。
前をいじられる快感に堪えるのに精一杯で、奈良は抵抗を忘れてしまった。
そして、力の緩んだ奈良の足の間に六商が体を入れて、奈良のナニをくわえてしまった。
「ああ・・・・・っ。六商くん・・・いいよっ!」
ヌメるように絡んでくる六商の舌の感触に、奈良が堪え切れず声を上げる。
何ともいえない快感に、まるで誘うように腰を動けめかせてしまう。
のけぞって見開いた奈良の目に、大きな鏡になった天井が、足の間に六商を挟み込んで
喘いでいる、自分の淫らな姿態を写し出していた。それを見て、奈良は自分が恥ずかしく
なってきたが
「まあ、いいや・・・六商くんがこんなに気持ちのいいことをしてくれるのなら・・・」
と開き直るように自分に対して言い聞かせた。
「さぁて、奈良、いよいよ、行くよー!」
「う、うんっ・・・・!」
六商がのしかかってくると、奈良の下肢に固い感触が当たった。
「少し痛いけど我慢してくれよ」
そう言ってニッコリ微笑む六商に、奈良が引きつった笑いを顔に張り付かせる。
次の瞬間、奈良は地獄に叩き落されたような激痛に襲われた。
「痛かった?ごめん」
六商が謝る。しかし、奈良は首を振って
「いや、いいんだよ。まだ僕は入れられる方に慣れてないからさ。少しずつ慣れていくと思う
からね。でも僕の中に六商くんが入ってきて嬉しいような気分だった」
「奈良・・・俺もだよ」
そう言って、六商が再び、奈良に唇を重ねた。
復習と称した第2ラウンドが始まった。雨が止むまで。2人が満足するまで・・・。
ある日の放課後、小山高専の野球部室で六商健一が一人、バットやボールの磨きの
作業をしているところへ客が訪れた。
その客は奈良健太郎だった。六商とは先日に知り合った仲である。
「よう、奈良!久し振りだな!お前が訪ねて来るなんて珍しいな」
六商が作業の手を中断して手を挙げ奈良を招き入れた。
「やあ。六商君。相変わらず、野球に夢中なんだね」
「ああ、野球が俺の生きがいだからな。で、今日は何の用で来たんだ?」
六商が部室の冷蔵庫(これも六商の手作り)から缶コーヒーを取り出し、奈良に投げた。
「うん。実はさ・・・六商君に相談したいことがあって」
「おう。俺に出来ることなら何でも相談に乗ってやるぜ。お前も野球やりたくなった
のか?」
「いや、違うんだ。恋愛の相談」
その瞬間、六商が引いた。
「れ、恋愛・・・うー俺、その方面、苦手だなー。何せ、この学校でもオタクって呼ばれる
ほど女には奥手なんだよなー」
「それはごめんね。でも、僕、今、好きな子がいるんだ。でもなかなかその子に僕の気持ち
伝わらなくて・・・。おまけにライバルって多いし」
「誰だよ?そいつ」
「塚本天満という同級生」
「ほう・・・」
「で、播磨君もその子を好きみたいでさ・・・しかも塚本は烏丸という他の男子高生に惚れて
いるらしく、僕なんか眼中にないみたい」
「そりゃあ、お前、目立たない存在だからだろ」
「六商君!僕が一番気にしていること言わないでよ!これでも気にしてるんだから!」
奈良が突然、大声を張り上げた。驚いた六商が
「ごめん、ごめん。謝るよ」
と手を合わせて謝った。
「候補」だからでないの。
今のトコ、基本的に天満以外はOut of 眼中だしね。
>>22 GJ!
でもなんか大声出す八雲は想像出来ないな。
>22
聞いているのは隣子か?
>>22 GJ!
それぞれかなり良い感じです。
萌えた
35 :
前スレ目次:04/11/16 12:16 ID:erdjDpWw
36 :
前スレ目次:04/11/16 12:21 ID:erdjDpWw
さて……暇があったらアソサラを書くか……言ってはおくけど、前スレの人じゃないよ。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
荒れてんな〜
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
53 :
Classical名無しさん:04/11/16 23:21 ID:/URgLlyg
麻生サラを書くけどシチュリクエストある?
麻生の声ヒドすぎたから、気を付けてね
>>53 プライベートファイルにもあったけど、麻生ファンの女生徒たちかサラファンの男子生徒
たちを出してほしいなぁ。やきもちがほしいです。やきもちが。
や、できたらでいいんですが。
56 :
Classical名無しさん:04/11/17 00:06 ID:2axbmWmg
いえっさー書きますよ。多分明日の夜中。携帯なんで時間かかりますが勘弁して下さい
>>56 おおー、マジですか。やった。
それにしても携帯からとは。パケット代とか打ち込む時間とか大変じゃないですか?
なにはともあれ、期待しております。頑張ってください!
職人さん!降臨キボン。
職人さん!降臨キボン
さて、まあ書いてみたので投下してみます。
皆さんの不興を買わない事を祈りつつ。
題名は「Mistake」で。
街の雑踏に埋もれて歩くのも悪くない…。
そう考えての散歩というわけでもないが。
遠い異国の地において、見識を高める為に必要な事だとも思う。
休日だとて、部屋に篭もりっきりの生活を送っても仕方ないのだから。
ところが彼は、実際には雑踏に埋もれるどころか一際異彩を放っている。
近頃巷では金髪の青年など珍しくもないが、
彼の髪はそんな人工的なものを一切感じさせない自然な黄金色で。
切れ長の目も、優美さを感じさせる長髪も、
そして危険な香りをほんの僅か漂わせるサングラスさえも。
彼は、個性が自由の中に埋没した人々の間でさえ、
その圧倒的な存在感を失うことは無かった。
「やだ、ちょっと離してよぉ!」
女性の悲鳴。
面倒事に首を突っ込むのが性分でも無い筈なのだが、
こと女性に関しては話は別である。
「うるせえ!いーからちょっとこっちに来いよ」
若い男、おそらくまだ十代であろう。
悲鳴を上げる女性の手を掴み上げているのだが、
まあ今のところそう暴力的な行為に出てはいない。
しかし顔色を見るに随分気色ばんでいて、
このまま彼女が抵抗を続けるならどうなるだろうか。
「止めたマエ。淑女への扱いはもう少し丁寧に行うべきダロウ?」
突然の闖入者となった彼に、男女とも一瞬呆気に取られた。
ちなみに淑女と書いてレディと彼は言ったのだが、それはこの際どうでも良い。
「はぁ?てめえにゃ関係ねーだろ」
男が我に返って、さも当然とばかりの主張を述べる。
「確かにそうダガ……。
だからと言って見て見ぬふりをするのも躊躇ワレルのでね。
平和的かつ話し合いだけで解決すると約束してくれたら、
敢えてこちらも暴力に訴えようなどとは言わナイ」
言ってる事は平和的だが、それはつまり相手を完全に格下に見ているわけで。
「消えなヤンキー野郎」
男がポケットからナイフを出した。
女を突き放し、彼に向き直って刃先を向ける。
「日本語は少し分かってるみてーだが、
これで切られたらどうなるかってのは分かってるか?」
ニタニタと下卑た笑い。
Ugly、と彼は心中で笑った。
「Oh!日本人は好戦的デース。
でもそんな物騒なものは、ケガをしないうちに引っ込めた方が良いナ」
HAHAHA、と声に出して彼が笑った途端、
「ぬかせ!」
男が飛び掛かってきた。
そして遠巻きに見ていた観衆、いや野次馬か、が悲鳴を上げたその瞬間。
「!?」
一瞬の出来事だったので、
その場に居た人間には誰一人理解する事は出来なかっただろう。
勿論、今胸元から取り出したハンカチで
血の付いた右拳を拭っている彼を除いては。
「Oh!ちょっとチカラを入れすぎタカナ。大丈夫デスカー?」
白目を剥いてノビている男の顔を心配そうに覗き込む。
当然のことだが、呼吸はしているようだ。
「これ、差上げマス。目が覚めたら使ってクダサーイ」
彼はハンカチをひらりと落とし、男の顔に被せた。
Good-By、と彼は片手を上げ、
御臨終姿の男と未だ呆気に取られ続けている人々を残し、
悠然とその場を去って行ったのだった。
行き止まり。
路地裏の奥で立ち止まった彼が振り返ると、
そこには見覚えのある顔があった。
「よお、ヤンキー兄ちゃん。迷子にでもなったのかい」
大き目の判創膏を鼻に貼った男が、先程と同じ醜い笑みを浮かべていた。
「日本の地理はややこしかったのかよ?」
男の後方から、いかにも柄の悪い連中が溢れ出てくる。
11、12、13…17人まで数えて、彼は数えるのを止めた。
「しかし、さっきは世話になったなあ。鼻の骨が折れちまったぜ」
さも痛そうに自分の鼻を擦りながらニヤニヤと笑う。
その仕種がおかしかったのか、彼は少し吹き出した。
「何がおかしい!」
圧倒的な戦力の差の前で、全く焦らない彼に業を煮やしたのか、
男は激昂して叫び声を上げずにはいられなかったのだろう。
だがしかし彼は、そんな事にまるで構わないかのように。
「HAHAHA。日本のStreetGangはあまりオムツがよろしくないと見えるナ」
なに、と動揺が集団に走る。
何故なら追い詰められた獲物である筈の彼の眼が、
獰猛な肉食獣の光を放っていたからだ。
その余りに剣呑な雰囲気の前には、
オムツとオツムを言い間違えたという事実など取るに足らない事である。
「君達の姿が見えたのデネ……誘い込んであげたノダよ。
ここなら、誰の邪魔も入らないダロウ?」
彼は連中に向き直って拳を構えると、一瞬で距離を詰めた。
彼女がそこを通りかかったのは、全くの偶然であった。
弟から『破天荒ロボ ドジビロン』のレアグッズ入り福袋が
隣町のデパートで売りに出されていたとの情報を入手した彼女が、
彼女の思い人の為にとて足を伸ばしたのも、あながち無理もない事。
そして意外に大人気であった福袋をからくも入手出来たものの、
大きいお友達を押しのけるように移動せねばならなかった為、
帰りの予定時間を大幅にロスしてしまったのだ。
なので、近道とはいえ普段は決して通らないような
人通りの少ない路地裏を通ることにした事も、また無理からぬ事と言えよう。
一部の男子生徒からは『武神』と呼ばれ、
畏怖と崇拝の的にもなっている彼女ではあるが、基本はまだ16歳の女の子。
好き好んで寂れた道など歩く筈もない。
隣を歩いてくれるような伴侶が居ないのなら尚更だ。
そんなこんなで、少し不安な気持ちで歩みを進めていた彼女だったが。
「イヤアァー!」
突然の女性の悲鳴に、その足を止めた。
どうしようかと暫し悩んだ彼女ではあったが、抱えた紙袋に思い至る。
そしてその中に『ある物』を見つけた彼女は、決意を秘めた顔で走り出した。
「全く大したモンだよテメーは。だがこれでこっちのモンだ」
男の下卑た笑いが、益々卑らしい笑みになる。
累々たるノビきった男連中の海の上で、
彼と判創膏男を含めた残り数人は対峙していた。
「フン……。そんなテを用意していたとはナ」
彼は舌打ちして構えを解いた。
男は楽しそうに、脅える少女の頬にナイフを這わせる。
少女は顔面蒼白で、今にも気を失ってしまいそうだ。
「心配しなくても殺したりしねーよ。
ただ、これからテメーが俺らの制裁を避けたりしようもんなら、
その度にこの娘の顔に傷を負わせてやるだけさ」
「…Son of a bitch!」
英国紳士を信条とする彼も、流石に今の男の言葉には吐き気を催した。
「おやー?まだそんな口を利いちゃうのかなー?」
後ろの男が木刀を振り上げた。
勿論彼にとっては止まって見えるような動きである。
躱そうと思えば難なく躱せる、しかし。
「Shit…」
チラと横目で少女とナイフの距離を見て取ると、
彼は木刀の一撃をわざと肩で受けた。
「Ouch!…効くナ、コレハ……」
膝が崩れる。
蹲った彼に、連中は容赦無い攻撃を浴びせ始めた。
「認めたくないものダナ…
自分自身の、浅はかさ故のMistakeというものヲ…」
打撃を受けながらも小声で呟いた、その時。
「あ、あ、あああああ!」
腕を捻り上げられた男が、ナイフを落とした。
骨の軋む音が、彼にまで聞こえたような気がする程の強烈な捻転。
男が泡を吹いて崩れ落ち、その場に倒れる。
そして、その背後に現れたのは。
……『ドジビロン』!?
ちなみに特撮モノの視聴趣味が無ければ、
そんな感想を述べる事は不可能に違いない。
生憎彼にもそんな趣味は無かったので、
謎の覆面少女が現れたとしか思えなかった。
「な、なんだテメーは!?」
連中の一人が叫ぶ。
まあ当然の行為だろう。
だが。
「悪党どもに名乗る名など本来無いが、引導代わりに教えてやろう。
愛と正義の使徒、ドジビロンピンク!」
…などと名乗る訳も無く。
彼女は男の声には構わず、
腰を抜かしてへたり込んでいる少女を引き起こした。
「大丈夫?」「は、はい…」
そんな暢気なやり取りを見て、またもや連中が殺気立ち始める。
「ふざけてんじゃ、ねえ!」
覆面少女の一番近くに居た男が、彼女に飛び掛かった。
「!」
しかし彼女は、男の方を振り返る事もなくその突進を躱し、
背後から抱き着いて、
「う、うわあ!」
そのままバックドロップで投げ飛ばした。
勿論脳天から落としたわけでもなく、肩口を狙って地に叩き付けたわけだが。
「く、くそぉ!構わねえ、囲んでフクロにしちまえー!」
男達が荒げた声を上げたが、不意にその肩に一本の手が置かれた。
「待ちたマエ。ワタシの事を忘れてはイナイカ?」
連中の顔が蒼白になった。
物言わぬ多くの男達が伏している地に、彼はやれやれと腰を下ろした。
口から出ている血を拭おうとしたが、
ハンカチを先程渡してしまった事に気付く。
「あの…どうぞ」
見ると、例の覆面少女がハンカチを差し出してくれていた。
「アリガトウ、君は…?」
「あ、あの、失礼します!」
ハンカチを彼に渡すと、少女は脱兎の如くその場から走り去ってしまった。
彼は暫く小さくなっていく後ろ姿を見送っていたが。
「アノ声……それに何よりアノ動き……フフン」
何かに思い当たったようで、含みのある笑い声を漏らした。
次の日、学校では朝から一部の女子生徒がキャーキャーと騒ぎ声を上げていた。
それもその筈、学校一の美形として名高い
ハリー・マッケンジーが判創膏を口元に貼って登校してきたのだから。
「どうしたのハリー君、その怪我?」
「ケンカ?」
「許せなーい!」
纏わりついてくる女子生徒の矢継ぎ早の質問や怒号に丁寧に笑顔で応えながら、
彼はある場所へ向かっていた。
2−C。
彼女が登校している事を確認すると、彼は近くに寄ってきて。
「昨日はドーモ」
彼がそう声を掛けると、彼女は焦ったように
「え。いや、その……何の、ことでしょう」
「何々?一条、ハリー君と何かあったの?」
すぐ横に居た彼女の友人らしき女子生徒が、彼の言葉に即座に反応する。
が、彼女は真っ赤になって俯くだけで。
「ナルホド…。どうやら勘違いだったらしいデスネ」
HAHAHA、と笑う。
そして俯いている彼女にハンカチを差し出して
「もし昨日の彼女に会ったら伝えておいてクダサイ。
キミには覆面よりルージュの方がよく似合う、とネ」
そう言って彼女に向けた笑顔は、とても美しい笑みで。
少女は真っ赤な顔を益々赤く染めた。
その後、矢神高校の『武神』一条かれんに
ハリー・マッケンジー撃破の伝説が加わった事は、想像に難くない。
end
と、まあこんな感じで。
ちなみに俺はガンダムを殆ど知りません。
何はともあれハリー君、誕生日オメデトゴザマス
73 :
Classical名無しさん:04/11/17 11:53 ID:CQu470Eo
こんなスレがあったとは
74 :
Classical名無しさん:04/11/17 11:55 ID:OuWxYmyk
乙。
ハリーは中々見ないからよかったっす。
コンクリにバックドロップされたら死ぬような気もしたが(゚ε゚)キニシナイ!!w
76 :
Classical名無しさん:04/11/17 16:53 ID:2axbmWmg
投下します。
とある日の昼休み……
「麻生、飯いこうぜ」という菅の声に応じて席をたつ麻生
そこに聞き覚えのある声が耳に入ってきた
「部長、麻生センパイいますか?」
この声を聞いた日にゃあまりいいことはない。麻生は歩を早め、教室の外へ急ぐ。
「麻生君なら後ろのドアから出ようとしてるけど……まさか逃げようとは思ってないわよね?」
高野の言葉が背中に突き刺さる。
「一体何の用だ?あんまりヒマじゃないんだが。」
「いつにも増して素っ気ないですよセンパイ。あからさまに嫌がらなくてもいいじゃないですか……泣いちゃいますよ?」
78 :
Classical名無しさん:04/11/17 17:07 ID:2axbmWmg
弁当らしい包みを持ったサラが言う。おかげで周りからは、女の子泣かせてるぜ…とか、サラちゃんいじめてるよ…という声が聞こえてくる。
「用件を手短に言え」
サラが近づいてきた
「お弁当作ってきたんですけど……」
最悪だ。周りの視線が痛い。
後ろから菅に肩を叩かれた。
「俺にかまうな。食ってやれ……」
全てを達観したかの表情で笑いながら二人を教室の外に追い出した。
79 :
Classical名無しさん:04/11/17 17:15 ID:2axbmWmg
ピシャリとドアが閉まる。
途端に中からいろいろな声が飛び交う。
「あの二人あんな関係だったの?」
「俺のサラちゃんが……毒でも盛るか」
「なんかすごいことになってるんだが…」
抗議する麻生の腕を引っ張って茶道部の部室に連れていくサラ
「ここなら誰もいませんよ。早く食べましょうよ。」
「ここまできたら食うが…何が目的だ?」
80 :
Classical名無しさん:04/11/17 17:19 ID:2axbmWmg
明らかに何かを隠している様子だ。ごまかすように弁当を広げる。
半分ほど減ったころだろうか、今まで喋らなかったサラが口を開いた。
「今度教会で収穫祭をやるんですけど…」
「そりゃよかった。ガキどもも喜ぶだろ」
冷たくあしらう麻生
「それでですね……準備に男手が必要なんですけど………センパイ手伝ってもらえませんか?」
81 :
Classical名無しさん:04/11/17 17:28 ID:2axbmWmg
「それが目的か………いい加減にしろ。いい迷惑だ。おかげで俺は教室に帰れん。」
「センパイごめんなさい……センパイ素っ気ないし、ただ頼んでもやってくれなさそうだったんで…これぐらいしか思いつかなかったんです」
心なしか小さく見えるサラ
「まぁいい。暇な日なら手伝ってやらないことはない。まぁ何だ、弁当もおいしかったしな…ただあんなやり方はやめてくれ。しょうもない噂がたつからな。」
嬉しそうな眼差しで麻生見つめるサラ
「ありがとうございます。よかったぁ〜あ、また作ってきますね。」
その後、教室での2ショットを冬木にフライデーされ、全校にばらまかれたのは余談である
GJ
漏れは旗で超姉なんだが、こっちもいいな。
この2人はなんだか中学生の恋愛みたいでE!
「よ、おはよ」
「……おはよう」
「ったく、ようやく挨拶くらいは出来るまで回復した、ってとこか? ……にしても、今回はまた長かった……あ」
「――周防」
「悪い、今のはまずかったよな、さすがに。ごめん」
「……気にするな。もう過ぎたことだ」
「あのな、そんな言い方するなよ。本気だったんだろ? 八雲ちゃんのこと」
「……」
「つっても、いつだってなんだって本気だけどさ、花井の場合」
「周防……」
「ほらまたんな顔する。毎度だけどさ、フォローするこっちのことも少しは考えてくれよな」
「そう……だな。お前にはいつも迷惑ばかりかけているような気がする」
「そうだよ。これで何回目だっけ? えーっと確か……」
「思い出さんでいい」
「はいはい、分かった分かった。でもさ、なんかこれからもありそうなんだよね、こういうこと」
「……周防。それは僕を馬鹿にしているのか?」
「いやそうじゃなくってさ……まあ勘だよ、ただの勘」
「女の勘、か。まあいい、どちらにせよもう周防には」
「私はさ」
「……なんだ、急に」
「私はさ、別にいいよ、それでも」
「何……?」
「だから、花井がどんだけ落ち込むことがあっても私が面倒みるよ。元に戻るまで、いつもみたいにバカやった私を
怒鳴ってくれるようになるまで付き合ってやる」
「……」
「ダメ、かな」
「……いつまで続けるつもりだ、そんなこと」
「さあ? 花井が嫌だって言うまで……かな」
「……そうか」
「私が言いたいのはそんだけ」
「――なあ、周防」
「ん?」
「お前、そういうことを真顔で言って恥ずかしくないのか?」
「っ、おま、何言ってんだよ! んなの決まってるだろ!? だいたいそのせいで昨日だってロクに寝て……」
「いや、悪かった。言いたいことはもう十分分かったよ」
「……ったく」
「その上で、だ。悪いが僕はお前に面倒をみてもらうつもりはない」
「……そう、か。そうだよな」
「まったく、人の話は最後まで聞けと教わらなかったのか?」
「え……?」
「要するにな、僕はお前がどう思おうと、迷惑をかけたいとは思わないし、かけるつもりもない」
「花井……」
「それでもいいなら、お前の好きにするといい。僕もそれで構わない」
「……なんだよ、珍しくカッコつけちゃってさ。いいのか? そんな大口叩いて」
「ああ、いいとも。少なくとも、今まで周防との約束を破ったことはない」
「……そうだっけ?」
「周防、お前な」
「冗談だよ、冗談。そっか。うん、分かった。……ありがと」
「それはこっちの台詞だろう? 迷惑をかけ通しだしな」
「そりゃなんだよ、さっきのはどうなったんだ?」
「今までは今まで、これからはこれからだ」
「……」
「冗談だ」
「……お前でも言うんだな、冗談」
「……悪いか?」
「いや、いいよ。全然悪くない。――さて、んじゃ行くか」
「ああ、そうだな」
おしまい。
>84
GJ!いいよいいよー。
87 :
Classical名無しさん:04/11/17 19:37 ID:FPNNnq42
>>54 確かにあの声はあんまりだよ…
麻生のイメージ崩れまくりだよ
今週のスクランの考察とこれからを予想するものを投下してよいですか?
待て。さすがに早すぎる。
>>84 GJ!イイヨイイヨー!
縦笛はなんというか心が癒される
いつごろがよいか?
考察ってまず良く分からんのだけど。
ここはSS投下スレなんだからちゃんと小説として書き上げてから投下してよ。
93 :
Classical名無しさん:04/11/17 21:14 ID:2axbmWmg
前あったじゃん。
水曜日に投下すると、「木曜日発売の地域の人の気持ちを考えろ」って言われます。
>>77 リクエストしたものです。ちょっと遅くなったけど、GJ!
携帯で打つのは大変だと思うけど、もし良かったらまた麻生サラ
書いてください。
しかし、そういえば学校ものにしては原作でもお弁当イベントは
やってないなぁ…。いつかやってほしい。
両方ともカレーな話はお弁当に含まれていないのか
97 :
Classical名無しさん:04/11/17 23:13 ID:2axbmWmg
あんな駄文でよければいくらでも。
ただ登場頻度が低いからシチュがなかなかない。
98 :
Classical名無しさん:04/11/17 23:13 ID:2axbmWmg
あんな駄文でよければいくらでも。
ただ登場頻度が低いからシチュがなかなかない。
アニメ見てないんだけど、麻生の声ってそんなにひどいの?
100 :
Classical名無しさん:04/11/17 23:35 ID:FPNNnq42
>>99 まったく漫画のときのイメージにあってない
アニメの麻生の顔はかってに改蔵の作者が書くポリゴン風味の絵に見えた
アニメの麻生の声に耳をすませばの男の主人公を思い出した
>>99 マリみてのユキチと同じ人。
つーか、アニメの話題はアニメスレでどうぞ。
鉛筆まだああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああ?
>103
じゃあこれどうぞ。鉛筆SS。
だから並んで歩こう。それだけでいい。
いつからだろう。ふと気付いた時、お前が隣にいた。
バカみたいにまっすぐな目をして、前だけしか見ていないお前が、危なっかしくて、気になっていた。
そう。最初はただ、それだけだったんだ。
ドキドキが、なかったわけじゃない。だけどそれは、恋のドキドキじゃなくて、何ていうか……
初めて子供が立って歩いた時の、不安感――――うーん、ちょっと違う、のかな?まだ子供を持った
ことなんてないから、わかんねーや。
とにかく、恋、じゃなかった。
かといって、友情、ってのでもなかったような気がする。
あの気持ちを的確に表す言葉を、私は知らない。
だけど。
お前が、倒れそうになった時。
失恋して、ショックを受けていた時。
私が見かねて差し出した手を、お前は振り払った。
「平気だからよ」
笑顔が、強張っていた。
全然、平気じゃないのに、それでもお前は、泣こうとしなかった。
泣けば、辛いから。
お前じゃなくて、お前をフッタあの娘が辛い思いをすると、知っていたから。
その時、なんだと思う。
私がお前を初めて意識したのは。
この気持ちを、私は知っている。
恋。
だけど、私に出来ることはなくて。
側にいること以外に、何もなくて。
結局。
「話すだけ話してみろよ」
そうやって説得して、聞いたんだよな、ずっと。
お前の辛かった気持ちを。想いのたけを。
聞けば聞くほどに、私の心は乱れた。
励ますたびに、惹かれていった。一途なお前に。
だけど、辛かった。お前の想いの強さが、痛いほどに伝わってきたから。
「元気出せよ、播磨」
放課後のマックで。
道場の稽古の後のメールで。
深夜の電話で。
会話の最後にいつもつける言葉。
こめた想いを、お前は気付いてたのかな?
何となく仲良くなって、よく話すようになった私達。
空元気を振り回すお前は、私の前でだけ、少し弱かった。
やせ我慢をしているのがわかったけれど、だけど。
気付かないふりをしていた私。それを見抜いていたお前。
不思議な時間だったよな。
化かしあいにも似ていて、だけど、そういうのとはちょっと違って。
何だろう。
馴れ合い……違う。
傷の舐めあい……そんなもんじゃない。
――――信頼?
うん。多分、そうだ。信頼。この言葉が一番、しっくりくる。
信頼。
私達の間にあるのは、きっと、それだった。
だった。
そう。
信頼が二人の間にあって。
けれどそれは、危ういバランスの上に成り立っているものだった。
私の想いが、日に日に大きくなっていったから。
それが壊れたのは、あの日、だったよな。
「……播磨?」
一人、歩いていた日曜の午後。遠くを歩いている二人に、気付いてしまった私。
お前と、塚本の妹。並んで、楽しそうに話していた。
『あいつら二人、付き合ってるんだよな』
いつかの、自分の心無い言葉が、今、返ってきて。
私を傷つける。
あれは誤解だと言った、お前の言葉を信じていたのに。
「あ……周防!?」
何だよ、その『あ』って。
思ったけれど。だけど。お前の隣にいる子を見たら、何も言えなくなって。
「お邪魔、だったかな」
精一杯の笑顔。
お似合いだと思った。可愛くて、女の子らしくて、清楚で。
男の理想、ってのはきっと、こういう子のことを言うんだろうな。
花井が追っかけてる時は、全然、気付かなかったけれど、今は、よくわかる。
私は、この子に勝てない。
「す、周防。勘違いするなよ、これは、だな」
「あ。私、行くから」
じゃな。言って二人の横をすり抜けようとした瞬間。
「周防っ!!」
肩を、掴まれた。
瞬間、振り払って、私は走り始める。
「周防っ!!」
呼び声を無視して、私は走る。走る。そして、走り続けた。
見られた。
私の頭にあったのは、それだけだった。
見られた。
泣いているのを。
「周防っ!!待てよっ!!」
聞こえた声に、走りながら肩越しに背後を見ると、必死の形相で走ってくるお前の姿があったっけ。
しかも、すげぇ速かった。
リレーの時の爆走を思い出して、私はスピードをあげる。
その時、不思議な既視感を思い出したけれど、深く考える余裕はなかった。
ガードレールを飛び越えた瞬間。
ああ。
私は思い出した。
沢近と追っかけっこをした時だ。あの時は私が追っかける側だったっけ。
そして。
バランスを崩して地面に転がったんだ。
はっきりと思い出した時には、もう遅かった。
――――もうちょっと早ければ、またこけることもないのに。
同じバカを繰り返しながら、私は心の中で舌打ちをした。
擦り傷だらけになりながら、それでも立ち上がって駆け出そうとする私。だがその手を掴まれて、
引きずり戻される。
「危ねぇだろうがっ!!」
叱咤された瞬間、目の前を車が走り抜けていった。
もしも引き止められなかったら、私は……
立ちすくみ、動けなくなった体。
だけど、先にへたりこんだのは、お前だった。
「馬鹿野郎っ!!」
声だけは強くて。けれど、顔からは血の気が失せていたよな、あの時のお前。
支援
「なぁ。あの子……塚本の妹……ほっといて、いいのか?」
「ん?ああ。ちゃんと、言ってきたから」
並んで歩く、私達。
怪我だらけの私を、背負おうか、ってお前は言ったけどさ、出来るわけないだろ?恥ずかしくて。
結局、家に辿り着くまで、何も話さなかったっけ、私達。
「じゃ、な」
「ああ」
その日は、それだけ。
次の日からまた、二人は元通りだった。
普通のクラスメイトとして、普通に喋って。
何となく。
そんな風に淡々と過ごしていく毎日。
きっとこのまま。変わらないでいるのだろう。
いや、このままがいい。
今更、が照れ臭かったのかもしれないし、何かに吹っ切れてなかったのかもしれない。
同じようにして、前は後悔したから、今度は。
そう考えなくもなかったけれど、いつもの朝を迎えて、いつものようにお前の顔を見たら、何も
言えなくなった。
言う気がなくなった。
あの頃から私は、何も変わっていなかった。
臆病なまま。気持ちを伝える勇気を持てないまま。
だからお前が、いきなり告白してきた時は本気でびっくりした。
「……は?」
「だから、よ……周防のことが、好きになっちまったみたい、なんだよ、俺はっ!!」
顔を真っ赤にして、明後日の方向を向いて。
お前らしいといえば、お前らしい告白の仕方だったよな。
「へ、返事はっ!?」
「あ、ああ。すまない」
ボーっとしてしまった私を、まるで叱りつけるかのように答えを求めてくるお前に、返した言葉、
覚えてるか?
――――間抜けだったよな。
「わ、私もっ!!好きっ……だ、ぜ……」
死にたい……
結局、付き合い始めた私達。
お前が悩んでたこととか、初めて知ったんだよな。
失恋した後、慰められた私を好きになるなんて、軽い奴だと思われるんじゃないか、なんて
考えてたなんて……
全然、気付かなかったな。
で。付き合いだして。
結局、何かが変わったわけじゃない。
相変わらずの毎日を過ごす私達。
学校とかでいちゃいちゃするなんて……出来っこないって……
もちろん、帰り道だって。
二人でデート、とかも……その、したいけれど、矢神町だと、誰かに見つかったら嫌だし……
お前には、悪いことをしてるって、思ってるよ。こんな女でさ。
だけど。
きっと、違う。
私達は、変わった。
ふとした瞬間に、絡み合う視線。照れて、すぐにそっぽを向く二人。
それでも心の中には暖かな想いが残って。
例えば手を繋ぐよりも、きっと。
私達は強く、繋がってる。
信頼は、形を変えて、私達の間に残ってる。
例えば、絆。
もしかしたら――――
――――愛情。
〜fin〜
114 :
クズリ:04/11/18 04:46 ID:7mYH8naI
ということで、連載作品はどうしたんだ、と言われることを覚悟しつつ、クズリです。
いえ、何となく、鉛筆SSを書きたくなって……
勢いのままに書いてみました。
それでは、このへんで。
どうかよろしくお願いいたします。
連載作品の方も、出来るだけ早く投稿させていただきますm(_ _)m
では、失礼いたします。
GJ!
夜中にいいもの読ませていただきました。
すごくうまいSSだなーと思ってたらクズリ氏降臨!!
GJでございました
肩身の狭い鉛筆派ですが、これで当分生きていけます
>>114 GJ!
美琴の回想っていう形式がまた良いですね。上手いです。
いつも思うんですが、この二人にはなにか他にはない格好良さがありますね。ハードな感じで。
次の投稿楽しみに待ってます。
クズリさんキテターーーーー
GJ!GJ!
クズリさんのSSは何時も葛藤が上手く書かれてますなあ…
ちょっとハラハラさせつつハッピーエンドでしめてくれるところが最高であります
これからも楽しみにしてます
しかし、この播磨はきっと八雲に恋愛相談をしたんだろうなあ…ひどい男だ…
息詰まるような空気の中、天井に、床に、机に、弾丸の当たる小さな音だけが響く。
――どこだ、どこから来る?
圧倒的に不利な状況の中、それでも周防美琴は最大限の集中力を発揮していた。ひたすらに耳を澄ませ、弾丸の
飛来する方向を特定しようとする。
しかし。
――移動してるってのか? こんな真っ暗な中で、音も立てずに?
彼女とて武道をたしなむ身、発射音は聞こえずともその程度の見当はつく。もっとも、そこから出た結論はあまり
認めたくない類のものではあったのだが。せめて月が出れば、とちらりと外に視線をやるも、運悪く先程からその姿
は大きな雲に覆い隠されている。
「来いよ。どうせこっちにゃ――!?」
なにも出来ねぇんだ、そう言いかけた瞬間、思いもよらない至近距離に相手の気配を感じて、弾けるようにして
その場を飛び退く美琴。狙いを外した必殺の弾丸が天井で乾いた音を立てる。
「――残念。今ので決めたかったんだけど」
まったくそう思っていないような呟きが聞こえ、同時に窓の外では月がゆっくりと顔を出す。
「……なるほどね、どうりで音がしないワケか」
その光に照らし出された相手――結城つむぎの姿を見てぼやく美琴。彼女の手に握られていたのは、銃ではなく
スリング。発射機構も何も存在しない、それ故にこの状況ではその隠密性を十二分に発揮する単純明快な武器。
「ちゃんと許可は取ってあるよ」
「だろうな。高野のやつ、そういうとこは厳しいからな」
ルール違反なんて怖くて出来やしない、そう言って笑った美琴に、そうだね、とつむぎも笑顔を返す。その間に、
再びゆっくりと月はその姿を隠していく。
「でもまあ、これで状況としては五分、だろ?」
「かもしれないね」
ゆっくりと銃を構え直す美琴。目が慣れたせいか、今度はつむぎの姿がはっきりと見えている。彼我の距離を計算
して、これならいけると確信出来る。
「んじゃ第二ラウンド、行くぜ――!」
その言葉とともに、回避行動も考慮に入れた弾丸が一気に放たれる――が。
「なっ!?」
すっと身を低くしたつむぎが、異常ともいえるスピードで机と机の間の狭い隙間をすり抜けていく。物音を立てる
ことさえまるでなしに。結果、美琴の弾丸は虚しく乾いた音を立てるのみ。
「ちょっと待てオイ! 今なんかありえない動きしただろ!?」
「そう? 私は普通に動いたつもりだったけど、周防さんにはどう見えたのかしら」
くすくすと小さな忍び笑いが闇の中から響く。
――見失った。
本能が警鐘を打ち鳴らす。
姿は見えない。
音も立てない。
気配もしない。
――どうしろってんだよ!?
思考が沸騰しそうになった瞬間、一瞬にしてその温度が凍りつきそうなほどに下がる。
何かが見えた、ということではない。
何かを感じた、ということでもない。
――ただ、それが『分かった』。
銃を瞬時に投げ捨てると、背後に突如出現した気配の裏に一息に回り込み、流れるようにしてその腕を極める。
かつん、と。
打ち出されることのなかった弾丸が床に落ちる音がした。
静寂。
互いの呼吸音だけが静かに響く。
やがて、ゆっくりと美琴が口を開いた。
「直接打撃、っていうのはどうなんだっけ」
「さあ、私もそれは聞いてないな」
でも、とつむぎは淡々と続ける。
「――まだ、だよね」
「……だな」
その言葉が示す通り、つむぎはまだ武器を手放してはいない。まさか絞め落とすわけにもいかず、さりとてこのまま
極め続けたとしても、決して折れないだけの覚悟を彼女から感じ取る美琴。
放せばやられる、けれど放さなければどうにもならない。絵に描いたような膠着状態。
「どうするの? もう周防さんしか」
「そんなことないさ」
それなりの痛みは感じているはずなのに、まるでそれを感じさせないつむぎの声。余裕さえ見せるその声を、しかし
美琴はやんわりと遮った。
「そんなことないって。少なくとも、あと一人は絶対残ってる」
そう言ってから、こんな言い方しちゃ他の連中に悪いんだけどな、と苦笑。そこに不安の影はない。
一方のつむぎは、その言葉の意味を考える――否、考えるまでもない。
あと一人。
周防美琴が絶対の信頼をおく相手といえば。
「そっか、信じてるんだ。花井君のこと」
「いや、信じるっつーか……そういうヤツだろ? あいつ」
なんでもないことのように、まるでそれが当たり前だというように、さらりとそう口にする美琴。
それを聞いて、つむぎは、はあ、と溜息一つ。
「――こーさん」
次の瞬間、吹っ切れたように彼女はそう言って、手にした武器を床へと落とした。
「……へ?」
「だから降参。そこまで言われちゃうと、ね」
拍子抜けしたように極めていた腕を解く美琴。けろりとした顔でそれを二、三度振るつむぎ。そうやって異常の
ないことを確認したのか、ん、と一伸び。そこには先程までの戦場の気配は微塵もない。
「……なんかさ。すごいね、結城さんって」
「そうかな? どっちかというとこういうのは私より舞ちゃんの方がすごいと思うけど」
「そうなのか? 私にゃ二人とも全然そんなふうに見えないんだけど……」
女の子はヒミツが多いのです、と冗談めかして笑ってから、今度は一転不敵な表情。
「私はここでリタイアだけど、ウチにはまだ一条がいるんだから。忘れないでね」
「忠告、だよなそれ。なんでわざわざ?」
「もちろんハンデ」
「上等だ。受けて立つぜ」
立場は違えど、互いを認め合った証のように笑みを交わす二人。
「それじゃ、私はこの辺で」
「ああ、気をつけろよ……って言う必要もないか、あれじゃ」
ふっと微笑んで、その言葉だけちゃんと受け取っておくね、そう言い残して背を向けるつむぎ。のんびりと散歩
でもするかのように歩き出す。
と、しばらく行ったところでふとその歩みが止まる。足音も気配もない、けれどつむぎは直感的に誰かの存在を
感じ取っていた。
――これはあれかな。
そう思ったところに、ゆらりと現れる人影。向こうは既に彼女を確認していたのか、周囲を警戒してはいるものの
手にした銃を構えてはいない。
「どうしたんだ? 結城君。こんなところにいては……」
その人影――花井春樹に向かって、ちょっと散歩、と答えるつむぎ。
「……散歩? 君は今どういう状況か分かっているのか?」
若干あきれたようなその声に、平気平気、と言ってみせてから歩いてきた方を指差す。
「さっきあっちで周防さんに会ったんだけどね、なんだか大変そうだったよ」
「何? そうか、ありがとう」
言うや否や、周防、そう声をあげて走っていくその背中を見ずに、つむぎは再び歩き出す。なんでもないって、
そんなやりとりが背後から聞こえたが、決して足を止めない。ただ、ちらりと肩越しに振り返って、暗闇の中に
並んで立つ二人の姿、それだけを確認して。
「とりあえず、今日は負け、っと」
呟いたその顔は、それでも笑顔。
「まだまだこれから。先は長いんだから」
誰の耳にも届くことのない囁き。
けれどそれは確かに彼女の口から紡がれて、そして夜の校舎に吸い込まれていった――
―――――― "Midnight run" or "Secret heart" closed.
……誤解のないように言っておきます。
つむぎ好きですから。ええはい。
なのにこの扱いはどうよ、というのは言わないお約束で。
いや、充分につむぎちゃんを堪能しましたが何か?
GJ!です。
つむぎラブになりそうなSSでした。
縦笛派なのになぁ。
「縦笛」「おにぎり」はわかるが、いまだに「旗」の由来がわからんとです。
そろそろ旗をきぼんしる
上に同意
白旗キボンヌ
じゃあ漏れは黒旗キボンヌ
漏れは赤旗(おい
あぼーん
じゃあ俺は日の丸希望。。。
心地良い春の風が私の頬を撫でて行く
私は校門の前で風になびかれて中を舞う桜の花びらを見つめていた
高校に入ってからの1年間はあっという間にすぎてしまった
その1年間で私はたくさんの人と出会ってきた
そう・・・あの人とも
ついこの間、姉さんが好きだった烏丸さんは転校して行ってしまった
想いを打ち明けずに胸にしまっておこうとした姉さんだったけど、あの人は姉さんを必死に説得していた
自分以外の人と自分の好きな人の仲を応援するのはとてもつらいこと
なのにあの人はつらい想いを押し込めていた
だけど姉さんは結局自分の思いを伝える事はなく、涙ぐんだ笑顔で烏丸さんを見送っていた
あの人は姉さんが決めたことならとそれ以上何も言う事はなかった
(これで・・・いいんだよね・・・)
今私が立っているこの場所で、あの時姉さんは心の中でそうつぶやいていた
見送りに来ていた他の誰にも聞こえる事の無いように・・・心の中で・・・
「やーくも!」
ほんの少しだけ想いにはせていた私は突然呼びかけられた事に一瞬肩をすくめたが、その声が誰のものであるかを悟るのにそう時間はかからなかった
「サラ・・・」
「どうしたの?ボーっとしちゃって」
「ううん・・・何でもない」
「そう?なら良いんだけど」
何でもないって言ったら嘘になるけど、サラに心配はかけたくない
本当に考えていたのは些細なことだから
「どうせまた播磨先輩の事でも考えてたんでしょ〜」
サラは身をかがませて、いたずらっぽく私の顔を覗き込んでくる
「そんな・・・こと・・・」
やっぱりサラには嘘も隠し事もできないなって改めて思った
私の考えてる事はサラには筒抜け
サラはそれをいたずらにつついては微笑んでいる
そんな時、私の携帯から小さな音が漏れ出した
「あっ・・・」
私とサラは同時に声を上げる
多分、私とサラは対照的な表情をしてると思う
私は多分驚いた表情、サラは相変らずにんまりと微笑んでいる
「噂をすれば・・・ふふっ」
「これは・・・偶然」
「いいから、いいから」
サラは私に携帯を見るように勧める
携帯にはあの人からのメールが一通
『急なんだけどよ、ちょっと見て欲しい部分があるんで、屋上まで来てもらえるか?』
との内容だった
「ほら八雲、行ってきなよ」
「でも・・・」
私とサラは一緒に帰る約束をしていたし、この後も一緒に買い物に行く約束も取り付けていた
「私なら平気だから、ね?」
「うん・・・ありがと、ちょっと行ってくるね」
そういい残して私は校舎へと足を戻し始めた
屋上への階段を上りきって、重い扉を開けるとそこにはいつものようにあの人が立っていた
「おぅ、わりぃな、急に呼び出しちまって、平気だったか?」
「あ、はい・・・大丈夫です」
「そうか、なら早速だけどこれ見てもらえるか」
そういって彼が差し出してきたのは漫画の原稿
いつからだったか、彼の漫画を読ませてもらい始めたのは
それから今までずっと読ませてもらい続けている
でも、今日は前に見せてもらったときからだいぶ時間がたっている
私は原稿に目を落とす
主人公の男の子が好きだった女の子は主人公とは別の男の子に恋をしていた
だけど、その男の子がもうすぐ転校してしまう時に、女の子は告白する決心をつけたみたいだったけど
やっぱり心にとどめておく事にした、それに反対したのが主人公の男の子で
何よりも女の子の幸せを願っていた
だけどやっぱり女の子は告白せずに男の子を見送る
主人公の男の子は随分前に女の子の思いを知ってあきらめていた様子だった
だけどやっぱり、つらい思いをしてくじけそうになって
そんな時男の子を支えたのが好きだった女の子の妹で、彼女は前から男の子のことが好きだった
いつもそばにいてくれたせいで彼女の大切さに今頃気づいた男の子はその女の子に告白する
「え・・・?これは・・・」
見せてもらった漫画の結末は前に見せてもらったものとはまったく別のものだった
前に見せてもらったときは主人公の男の子と男の子が好きだった女の子は結ばれてハッピーエンドになっていたはずだった
「その・・・なんだ」
今、私の目の前で照れたしぐさをする彼の心は見えない
だけど、彼の気持ちはとても伝わってくる
ちょっと前までは彼の心が見たくてどうしようもなかったけど、今は違う
本当に私のことを好きでいてくれるのだろうかなんて思ったりもしない
心が見えなくても、十分気持ちは伝わってくるから
「ど、どうかな?」
桜の花びらが暖かい春の風に乗って
恋人同士の私たちの間をゆっくりと舞い、駆け抜けていった
唐突に書きたくなってしまっていきなり初投降です
旗SSじゃなくてすみません
変なところもあるかもしれませんが多めに見てやってください
>142
イイヨイイヨー( ・∀・)
短いながらも堪能させていただきました。
初投稿ではないな
なんで?
>>142 文体や展開等は良いと思います。
後はお約束ですが、「・・・」は「…」にした方が良いとか、
句読点はあった方が良いと思います。とか、そういった整える部分ですね。
今後も期待しておりますYO!
>137-141
GJ!
展開的にはかなり使い古されたパターンだけど。
150 :
雪豹:04/11/19 11:01 ID:R2BqtztQ
えーと、一ヶ月ぶりくらいですか。
また、投稿させて頂きに参りました。
今回は旗です。
時期的にはサバゲー前ということで……
「ん〜、最っ高!」
一つ、大きく伸びをする。
少しひんやりとした秋の風は、気力を根こそぎ奪い取っていった夏のそれと比べ、格段に心地良い。
「夏は暑すぎるほうが良いわね。秋の恩恵を存分に味わえるって感じ?」
先頭を歩いていた愛理は、振り返りながら言った。
「ったく、はしゃぎすぎだっつーの」
「あら、せっかく遠出したんだから、楽しまなきゃソンでしょ? ねえ、天満」
肩をすくめて見せる美琴を尻目に、あっちに行ったりこっちを見たり、愛理と同じく秋の山道を満喫している天満に振る。
「そうだよー、美琴ちゃん」
「ああ、そうだな。楽しむべきだよな。私だって楽しみたいけど……」
背後に異質な気配を感じ、タイミングを合わせて裏拳を一つ。見事に顔面を捕らえた手の甲から、
飛びついてきた今鳥恭介が崩れ落ちていった。
「何でこいつがいるんだ!」
「……花井君を引っ張って来たのは美琴さん」
「そ、それはそうだがな、高野。私が誘ったのはアイツが元気になればと思って、
……とにかく、播磨はともかく、こいつがいるとおちおち安心していられないんだよ!」
彼女たちは、連休を利用して秋の紅葉を楽しみに来ていた。メンバーはいつもの四人に、気分転換にと美琴が連れてきた花井。
本当は来るはずだった八雲のためにと、これまた天満が誘った播磨。そして、誰も誘っていないのに、お約束のようにここにいる今鳥。
要するに、いつぞやキャンプに行ったときのメンバーから、八雲を除いた面子である。
文化祭を前に、本来ならば休日返上で準備に追われていてもおかしくは無い時期であったが、如何せん二年C組は準備以前の問題、
つまり出し物の内容を決める段階で延々と議論を繰り返していた。そのため、わざわざ休日に招集をかける必要も無く、それならば
空いた時間を有効に使おうと、旅行を発案したのが愛理だった。
愛理自身、数週後に迫るイベントへの不安が無いわけではない。しかし、晶曰く「うちのクラスは追い込まれた方が底力が出るんだよ」
との言は妙な説得力があった。それに、何か考えがあるらしい晶の不敵な笑みを見ていると、平行線を辿る出し物の決定についても、
水掛け論が終わるのももうすぐかな、と思ってしまうのも事実である。
――だったら、もっと思い出を詰め込みたい。
愛理は渇望していた。自分の生誕のルーツの半分を占めながらも、近くて遠かった国。遠い英国の大地に立ちながら、
憧憬の念を抱かずにはいられなかった日本にやってきて初めて出来た、自らの全てを預けることが出来る大切な人たち。
そして、彼女たちと過ごす、舞い上がってしまいそうなほど楽しい時間を。
「……ったくよー」
私は今鳥のサービス係じゃないんだぞ、と独りごちる美琴の肩をポンと叩くと、愛理は僅かに歩むスピードを緩めた。
周りを歩く友人たちに気付かれないように、最小限の首の動きで最後尾に目を向ける。
視界の端が一人の男の姿を捉える所まで回転すると、半ば反射的に戻してしまった。
愛理の心を浮つかせる存在はもう一つ、その男が参加していることにもあった。
――播磨拳児
少し近づいてみようと決心したのは体育祭の頃だったか。多くの男性と接してきた中で、形成されかけていた男性観を、
見事に壊してくれた男。普段は本当にバカで、何を考えているか分からなくて……それでも、たまに見せてくれる見返りを
全く求めない優しさがなんだかくすぐったくて、気が付くと、まるで網膜自体が意識を持っているかのように、探してしまう。
これが「好き」という感情なのか。愛理は答えを見出せないでいた。
――塚本八雲と付き合っている。自分が流したような噂は、既に事実として学内の公然としたもの
にまで昇華されている。今にして思えば、きっかけは些細なことだったのかもしれない。しかし、
想いに翻弄された経験が乏しい愛理にとって、一歩を踏み出そうとした矢先に遭遇してしまった
八雲がジャージの名札を縫い直している場面は、彼女のプライドを、自らが望まない方向へと
刺激するのには十分だった。
……後悔は、していないといったらウソになるわね……
最近では満足に話も出来ていない。
一歩先に進むために、愛理は今回の旅行に播磨を誘うかどうか、非常に迷った。結果として
自身が誘うことは出来なかったが、天満の報告を聞いて、素直に喜ぶことが出来たのは、
彼女自身も驚く変化であったと言って良い。勿論、そんなことをおくびにも出す愛理ではなかったが。
播磨が参加した理由に八雲の存在があるだろうことは、愛理の心を少し震わせずにはいられない。
しかしとにかく、妙な場所に迷い込んでしまったらしい心の出口を模索するためには絶好の機会であると、
愛理は考えていた。
……問題は一つ。アイツに、いつもの覇気が感じられないことだけ。
本当に楽しそうにはしゃぐ女性陣プラス一名の後方で、同じように足元を見つめながら歩く男が二人。
肩を並べて歩くという表現が似つかわしいほど接近しながら、一言も口を利かず、黙々と歩き続ける姿は異様である。
播磨拳児と花井春樹。お互いに強引に連れてこられたクチとはいえ、元来お祭り好きで仕切り屋の花井と、
天満絡みの事柄にはとことん没頭する播磨が、ただ静かに歩いているだけというのは、実に不自然極まりない。
「播磨……」
本当に久方ぶりに花井が口を開く。
「何だよ?」
「折角の機会だ。満足のいく説明をしてもらうぞ」
「だからそれがワケわかんねーんだって」
播磨はかぶりを振る。
「まだ逃げるのか? 八雲君とのことだ」
「なっ、だからそれはただ手伝いをしてもらってるだけで……」
「何のだ?」
「……」
「言えないのか。やはりウソなんだな」
花井はそう言うと立ち止まり、播磨の目を睨んだ。
「やましいことがあるから言えないのだろう? お前は本当は八雲君のことをどう思っているんだ?」
播磨は考える。ここまで噂が広がってしまったのは、面倒くさがって否定を怠った自分の責任である。
あまつさえ、自らの独善によって、それからも半ば強引に妹さんを付き合わせてしまった。口には出さないが、
迷惑しているかもしれない。
「……そろそろ潮時かもな」
思わず口にしたその言葉を、花井は聞き漏らさなかった。
「潮時だと? 貴様、やはり遊びだったんだな!」
憤怒の形相で胸倉を掴んでくる花井。播磨は何のことか分からず、思わず振り払うと反射的に構えを取った。
一触即発の、危険な空気が流れる。
「おーい、何やってんだ。もう帰るぞ!」
遠くから、大分離されてしまった二人を促す声が届く。
それによって、張り詰めていた緊張感はあっさりと拭われた。
「ふん、まあいい。逃げられやしないからな」
そう言って先に歩き出す花井。その後姿を見ながら播磨は、思わず呟いた。
「馬鹿野郎。俺だって悩んでんだよ」
ふと、脳裏によぎる一人の笑顔。いつしかそれは、嘗て播磨が不変のものだろうと予想していた人物とは別の顔になっていた。
誤解。人が社会的な関係の中で生きていく上で、必ず幾度かはおとずれる局面。何もせずとも自然と解ける誤解もあれば、
ずるずると深みに嵌っていくものもある。
播磨拳児が直面しているものは、明らかに後者である。
元来の周りの目を気にしない性格と、所詮噂だと思って軽視し、誤解を解く努力をしなかったことから、八雲との関係を
否定するタイミングを逸してしまった。
「妹さんも迷惑してるだろうな……」
最初はただ、想い人である塚本天満に誤解を解き、あわよくば自分の本心を伝えたい。その一心で、外野の声は無視していた。
しかし、頭を冷やしたとき、自分がどれだけ己のことしか考えていなかったか。一番の被害者である八雲の人格が、
自分などと付き合っているという噂を流されたことによって、どれだけ汚されているかを考えるに至った。
本当に慙愧の念に耐えない。
播磨が以前には考えられない思慮を行うようになった変化は、自身の想いに揺らぎを感じたことに端を発する。
想いを疑わず、天満だけを追いかけてきた日々。それが間違いだとも、無駄であったとも思わない。
ただ、他の女性と親しくなって初めて気付いた彼女たちの魅力が、天満に対する想いを薄れさせているのは事実である。
……俺は、簡単に心変わりしちまうような、薄っぺらいヤローだったのかよ……
播磨は悩んでいた。
支援?
「げ。何だよ。ムチャクチャ部屋遠いじゃん。階も違うし」
今鳥があからさまに不満気な声を上げる。
半日かけて山道を踏破し、予約した宿に着いたときには、午後六時を回っていた。
宿は二階建ての旅館。観光客がそれほど多くない穴場だからか、ホテルと呼べるほどの
立派なものではない。しかし、昔ながらの家屋を思わせるその佇まいは、豊かな自然の
景観を損なうことは勿論無く、寧ろ、旅行の実感をより強固なものにするためには最適だった。
「お前の近くでおちおち眠れるか!」
美琴が声を荒げる。
「つまんねーよ。あ、そうだ、くじで部屋割りしようぜ」
「却下」
「ミコチンかてーよ」
「ミコチンゆうな! ……どうせ海のときみたいに何か企んでるくせによ」
「……ひょっとして、あん時起きてた?」
食事を終え、各々が部屋に引き上げようとしていた。
傍から見れば夫婦漫才のようなやり取りを横目に、愛理は思案する。
――とりあえず、事実を確かめてからよね。アイツと八雲が本当に付き合ってるんだったら、
私がどうこう言う問題じゃないんだし――
「えーと、播磨君?」
意を決して話しかける。
振り向いた播磨の顔を見るやいなや、愛理の頭の中は意図せずに真っ白に塗りつぶされてしまった。
しどろもどろになる愛理に、怪訝そうな表情で播磨が返す。
「……変な奴だな。用が無いなら行くぞ」
そう言うと、荷物を抱えてさっさと階段を上っていってしまう。
「あ……」
追いかけるように伸ばされた手が空中で静止する。思わず愛理は、ため息を吐いた。
――避けられてるのかしら――
無理も無いわね、と自嘲気味に呟く。意図したことにせよ、そうでないにせよ、今まで自分が彼に対して
したことを思い出すと、中々酷いものもある。
愛理は、播磨が視界から消えた後も、階段をじっと見つめていた。
思考の渦に意識が飲まれている間というのは、何故こんなにも早く過ぎ去るのだろう。
時計の短針が目盛り二つ分進んでいるのを、信じられない気持ちで見詰めた。
「何だよ。言い出しっぺが元気ないんじゃ、本末転倒だ」
部屋の隅で呆けた表情をしている愛理を見かねて、美琴が声を掛けた。
「……ちょっと考え事をね」
「ふーん」
飲みなよ、と差し出された烏龍茶を受け取りながら、愛理は視線を外す。
「播磨のことか?」
「なっ……」
突然核心を突いてきた美琴の言葉を、受け流す余裕は無かった。
「隠していたつもりだったのか?」
何か言おうとするものの、言葉にならない。金魚のようにパクパクと口を動かしていたものの、
やがて愛理は俯いてしまった。
「……分かんないのよ」
正直な告白。隠匿も、誇張もしていない、愛理自身の偽らざる本音。
そっか。美琴はそう言うと、黙ってコップのジュースを煽った。
決して不快ではないが、ただ永遠に終わらないように思えてしまう沈黙が続く。
shien
「後悔は何も生まないわ」
「晶……」
声の発せられた方向を探す。部屋の対面で、窓から外を眺めていた晶が、振り向きもせずに言った。
「自分の気持ちに気付いていない振りをするのは簡単よ。一番楽で、傷つかないもの。だけど愛理、
あなたはもう、分かっているんじゃないの?」
どうして私の友達は皆、背中を押そうとするのだろう。
愛理は思わず苦笑する。
「まだ分かっていないわ。……確かめるのが怖いだけ」
晶は分かっているんじゃないかと訊く。自身もそう思わないことも無い。けれども、
口をつくのは素直になりきれない否定の言葉。
否。否定ではない。迷っているのだ。この想いを認めてしまって良いものか。出口を目の前にしながら、
嘗て一度も抱いたことの無い感情を受け入れることを拒み、また、想いを拒まれることを恐れている。
出口は、はっきりと見えている。
「らしくないな。私の知ってる沢近愛理は、怖いなんて台詞を吐かないと思ったけど」
美琴の笑顔が、心に染み渡る。
「そうね」
逃げて、答えを先延ばしにしているのでは、何も変わらない。失うことを恐れるよりも、先に進もうと決意したのは自分ではなかったか。
「ちょっと出てくる」
愛理は立ち上がった。上着を羽織り、ドアのノブに手をかける。
「頑張れよ」
「勘違いしないで」
背後から掛けられた美琴の言葉に、少し過剰に反応する。
「考えを纏めるために、少し風に当たってくるだけよ」
そう言い残すと、愛理はするりと部屋を後にした。
「ねえ、愛理ちゃん顔真っ赤だったよ」
電話を掛けに外に出ていた天満が、すれ違いに出て行った愛理の表情をいぶかしんだ。
それを聞いて、美琴と晶はわが意を得たりと顔を合わせる。
ただ一人事情の分からない天満には、納得のいかない光景だった。
と、僅かに感じる違和感に、天満が眉を寄せた。
「あれ、何か変な匂いしない?」
見えないものは遷ろいやすく、形あるものはやがて壊れていく。
嘗て誰かが、こんな言葉を残した。
しかし、播磨はそうは思わない。例えば人の思いのような、実体のはっきりしないものは、それが必死なものであればあるほどに、
より強固になっていくものだと確信している。決して、儚いものなどではない。
塚本天満に抱いていた想い。現在進行形なのか、そうでないのか。
彼自身のアイデンティティ、つまりは男の生き様と呼ばれるようなモノからすれば、長きに渡り思い続けていた女性から簡単に
移り気をすることは、あってはならないことだった。
……それだけに、播磨は自身の内面の変化に戸惑い、また、苦しみに焼かれる。
ふと、飲み干したまま空になっているグラスを掲げる。
淡い光に反射されて朧気に映る自らの顔は、これが自分かと疑ってしまうほどに、弱々しく、頼りない。まるで執行を待つ
死刑囚のようだと、彼は思った。
漫画を手伝ってくれる八雲の整った横顔。包み込んでくれるかのような、姉ヶ崎の優しさ。はじけるような、天満の笑顔。
胸に去来する数々の表情は、その全てが美しく、故に播磨を更なる自己嫌悪の深みへと追いやる。
そして、全ての映像が消え去った後……
「お嬢……」
脳裏に浮かんだのは、艶やかな金髪を翻し、小悪魔という表現がいかにも相応しい表情で彼を見つめる、小憎らしいはずの彼女の微笑だった。
「お前がな……」
どのくらいぶりだろう。慣れてしまった沈黙を破って発せられた声に、播磨の意識が急激に現実味を帯びる。
「お前が本気で八雲君を好きだとして……また、八雲君もお前のことを好きだとしたら、だ」
花井が播磨の目を見ずに零す。
「例え僕がお前よりも彼女を愛している自信があったとしても……何も言わない、と思う」
語る花井の表情は険しく、また、触れれば切れてしまいそうなほど、鋭い。
「だが、お前は答えをはぐらかす。……本気で彼女のことを愛しているのであれば、胸を張って言えることなんじゃ
ないのか?」
愛するという意味を、播磨はいまいち理解しきれていない。確かに、焦がされるような恋慕の情は理解できる。
しかし、愛という言葉を用いるには、何かが、分からないけれども何かが、足りないような気がしていた。
「考え方がかてーんだよな。花井はさ」
「む、どういうことだ?」
布団に横になりながら携帯ゲームをいじっていた今鳥が、そのままの姿勢で口を挟む。
「恋愛なんて、遊びだろ? 想いの強さだとか、考えるだけ馬鹿らしいって」
「遊び人らしい意見だな、今鳥」
花井がにべも無く言う。
「違ーよ。……なんつーのかさ、そもそも播磨に当たること自体がおかしくね?」
「……どういうことだ?」
恋愛はゲーム。花井の考え方を根幹から覆す発言に、思わず語気に怒りの色がこもる。
「自分のカッコ良さだとか、そういうステイタスやレベルを上げてくの。んで、最終的に難攻不落のお姫様を攻め落として、ゲームクリアってワケ」
花井は怪訝そうに今鳥を見やる。
「俺に言わせれば、自分の魅力を高めようともしないで、ヒゲに責任転嫁してるだけにしか見えないね」
まあ、恋愛観なんて人それぞれだけどよー、と頭を掻きながら言う。
今鳥の言葉は、少なからず花井に衝撃を与えた。自分の努力が足りない。考えたことも無かった。
しかし思い起こせば、自分の想いが伝わらないことに苛立つことはあったにせよ、それを鑑みて、
欠点を見つめなおし、改善しようとした記憶は無い。自分に足りないものがあるとも思わず、
ただ、何故彼女が振り向いてくれないのか、憤ることしかしてこなかった。
「お前は……本当に、付き合うとイメージが変わるタイプだな」
今鳥の指摘を受け入れた、花井の本心からくる言葉だった。
――恋愛観はひとそれぞれ、か――
播磨は思う。だったら、頑なに信念を守り続けなくても良いという選択肢もあるのだろうか。己の美学を貫徹することが
間違っているとは思わない。しかし、それに固執するあまり、自分の本当の気持ちを殺してしまうのでは、意味が無い。
ふと、思い起こす。髭を剃られ、挙句に髪まで剃られ。ただ疎ましいだけでしかなかった存在。何時からだろう、
凛とした彼女の強さの中に垣間見える、脆さに、儚さに惹かれていったのは。
……決定的だったのは、あん時だよな……
それは偶然の邂逅。接触したのが彼女の乗る車だったという、余りに馬鹿馬鹿しい喜劇。
そして、一億分の一の奇跡。
車内に運び込まれ、寝た振りを決め込んでいた。
「寝ているの……?」
鮮やかに彩られた瀟洒なドレスより、鼻腔を優しく刺激する仄かな甘い香りより……何よりも、少し潤んだ大きな瞳が、
播磨の心を揺さぶった。
体育祭以降、疎遠になってしまった彼女への想い。自身が気付いていなかった、いや、認めようとしなかった想いが、
その一瞬の邂逅で、溢れた。
サングラスに触れようとした彼女の指先の感触が、今も播磨には鮮明に残る。
そこで、はっきりと気付く。自らの内に根付く想いが誰に向けられているのかを。
ずっと追いかけてきた想い人の面影は、そこにはない。
もう、逃げるべきではないのだろう。己の気持ちから。嘗ての想いへの離別から。
頑なに否定をすることは容易い。しかしそれは、決して幸せなことではないと思う。
……答えは、見えた。
「メガネよぉ」
「む、何だ?」
「少し待ってくんねーか。……やっぱ、こういうのは最初に本人に言うべきだろ」
播磨の言葉に、花井の表情が柔和になる。
「そうか……八雲君も喜ぶだろう」
「妹さんか……そのことも含めてだな。とにかく、後で説明はするからよ」
怪訝な表情を浮かべる花井。しかし播磨は敢えて皆まで言わず、満足そうに言葉を切った。
恐らく、自分は感謝をしているのだろう。五月蝿いぐらいに背中を突かれないと、自分ひとりではこの結論に辿り着くことは
出来なかった。
――人は繋がりが無ければ生きてはいけないのだよ、拳児クン――
荒んでいた自分に向けられた絃子の言葉が、今なら分かる気がする。
「なあ、知ってるか?」
思わず口をついた言葉。
「俺は、前まではずっと、天満ちゃんに惚れてたんだぜ」
他人に素直に話したこと、それ以上に、天満への想いを「過去形」として紡ぐことが出来た事実が、播磨の葛藤を緩やかに溶かしていった。
「なあ……」
ひとしきり騒いだ後、今鳥が周りを見回しながら顔をしかめる。
「何か、変な匂いしなくね?」
171 :
雪豹:04/11/19 12:26 ID:NwNTdeig
ということで、微妙なところでの引きですが、前編はここまで。
後編はそんなにかからずに投稿できると思います。
支援をしてくれた方々、ありがとうございました。
GJ!
だが、surviverではなくsurvivorかと。
「ネット上の駄目なSS」スレ拝見。そこに書かれた「駄目SSの条件」
・セリフの前にキャラクターの名前が付く
・Hシーンが淡白
・読者に解り辛かったり、投げっぱなしのオチ
あぼーん
あぼーん
あぼーん
かつてって、嘗てと書くんですね。知りませんでした。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
・・・・・・・・・・・・うざ
182 :
hime:04/11/19 21:41 ID:m5qqHBEE
あぼーん
あぼーん
あぼーん
超
姉
ま
だ
ー
ー
?
お
ね
え
さ
んでも可
1月某日 刑部邸
絃子「……なるほど。つまり、来月のクリスマスパーティーに向けてダンスを教わりたいということか」
播磨「おう」
絃子「そして塚本君を誘っていいところ見せようという魂胆だな」
播磨「その通りだ」
絃子「……ふむ、いいだろう。そういうことならば私も協力しようではないか」
播磨「本当か? 恩にきるぜイトコ」
絃子「さんをつけたまえ、さんを」
播磨「で、何から始めりゃいい?」
絃子「そう慌てるな。いいかね、ダンスとは簡潔に言えばリズムに合わせてステップを踏むことだ」
播磨「ステップ?」
絃子「まあ、君に口で言っても解るまい」
ジャキン
播磨「……おい、絃子」
絃子「さんを付けたまえ、と言っている」
カチャ
播磨「いや…だから、ナゼ銃口を向けますカ、イトコさん」
絃子「なぜかって……カラダで覚えてもらおうと思ってな。ほら右足からだ」
パンッ!
播磨「うおっ! あぶねえ」
絃子「次は左足だ」
パンッ!
播磨「ぐっ! てめえ!!」
パンッパンッ!!
絃子「そっちではない」
播磨「だからなぁー!」
絃子「余所見をしている場合ではないぞ」
パンッ! パンッ! パンッ!
播磨「ギャーーーー!!」
―― 一月後 ――
播磨「(……なぜ?)」
沢近「ちょっとヒゲ! ボーっとしてないでちゃんとエスコートしなさいよね!」
播磨「なぜだーーーーー!!??」
その後、播磨とのダンスを終えたお嬢はえらくご機嫌な様子だったとさ。
どっとはらい
小ネタ投下。
まだ時期には早いですけど、どうでしょう。
実際、ダンスなんて知らないので、そこら辺適当だなー。
近く同じクリスマスのダンスネタでもう一作書いてみるつもりなので、それまでに調べてみます。
追伸 前スレ「THE CONVERSATION」にご感想頂いた方々、どうもありがとうございました。
191 :
STEP STEP!:04/11/20 08:51 ID:NZMJ3lQs
ミスった
一行目は 11月某日 でした。
あぼーん
>>189-
>>190GJ!
旗SS超姐風味な感じがいい!
「あの、播磨さん。一つ訊きたいことが……」
「おう、なんだ妹さん」
「……結局刑部先生とは、その……」
「 前にも言わなかったか? ありゃただの俺のイトコだ」
「……ですから、その『俺の絃子』っていうのはどういう……?」
「どうって言われてもな。イトコはイトコだからそれ以外に言いようもねぇんだが……
ん? どうかしたのか? なんか顔赤いぜ」
「あ、いえ、その」
「……わりぃ。調子よくねぇんだったら付き合わせちまってまずかったな」
「……そんなのじゃないんです。ただ――」
「ただ……?」
がちゃん。
「うお!? なんだイトコ、部屋に入るときゃノックくらい……」
「うるさい! あのな、私がすぐ隣にいるのくらい知ってるだろう? さっきから聞いてれば
俺の俺のと……いつから私が君のものになった!?」
「ちょっと待て! 一回しか言ってねぇだろ! ……っつーか聞いてたのかよ」
「……聞いてたんじゃない聞こえるんだ! まったく、少しは私の……なんだ、その顔は」
「イトコ、お前も調子悪いのか?」
「……は? 何をどうしたら突然そんな話になるんだ」
「いや、なんつーか妙に顔が赤いしよ」
「っ、誰のせいだと思ってる! ああ、悪いね塚本さん。ちょっとこのバカ借りていくよ」
「え? あ、はい」
「なんだそれ!? ちょっ、待て、俺には原稿……ぐあ、引っ張るな! 耳、耳っ!」
がちゃん。
「俺の、絃子…………」
二番煎じどころじゃないネタだけどおわる。
195 :
Classical名無しさん:04/11/20 11:42 ID:Txy71n6E
サラ「みなさんごきげんよう。今週からやっちゃいます!ついにあの名作が復活!しかも作者は変わってます!しかし面白さはそのまま、むしろ三倍くらいになっているのではないかと巷で話題。今回は刑部先生と二人でお送りします」
絃子「今回はまともな始まり方じゃないか。珍しい」
サラ「いい加減年ですからね…あぁいう派手な始まりは体に響くんですよ………」
絃子「それは年上の私に対する当てつけととっていいのかな?」
サラ「ノー!そんなことは言っていませんですわ。ですからそのデザートイーグルをおしまいになって下さいな」
196 :
Classical名無しさん:04/11/20 11:48 ID:Txy71n6E
絃子「まぁ今回だけは許してやろう。早くすすめてくれ」
サラ「ではでは。サバゲー編になって次々とモブの名前が明らかになり、小ネタが含まれてたりしますがそこは割愛で。かなり予想外の展開になってきましたが」
絃子「バンド組が参戦はみんなも予想してただろう。しかし一条クンではなく彼女とは……」
サラ「びっくりですよ!!どれくらいびっくりかってザブンクルのICBM投げぐらい驚きです。一体どこにあんな大きなものを隠していたのか……α外伝最大の謎です」
197 :
Classical名無しさん:04/11/20 11:59 ID:Txy71n6E
絃子「古いぞ。まだPSではないか。いまや次世代機が出るとか話題になっているのに。結城クンの活躍よりあの武器に驚いたね。スリングだぞ。」
サラ「ようするにパチンコですからね。ただ一つ気になるんでが……あのBB弾の大きさでは飛ばしにくいと思うんですけど……普通はパチンコ弾ですしね。」
絃子「しかしあれだな……あれだけの実力者である周防君に気配を読まれないとは…なかなかやるな。こんど手合わせしたいものだ。」
サラ「実は忍者がらみだってオチとかありそうですね。甲賀中忍結城つむぎ、参る!とか言って分身してほしいですよ!!」
絃子「同雑誌に連載されているあの作品か。さすがに分身はしないだろう。かなり物理法則を無視したこのマンガだが、魔法は出てこない。」
198 :
Classical名無しさん:04/11/20 12:14 ID:Txy71n6E
サラ「そうですか……残念です。さてついに正体が明らかになったナカムラですが、あの人とは先生も交戦しましたよね。戦力バランスがどうとか言って。実は戦いたかっただけとの噂もチラホラ聞こえてきます。
そういえばいきなりあの位置に移動しましたよね。明らかに時間軸に無理が……ハッ!もしや誰かのワープポータルを使って………」
絃子「そこまでだ。デザートイーグルが火を吹くぞ。」
サラ「エアガンが火は吹きません。でも撃たないで…ってノゥッ!神よ………バタッ」
絃子「死んだフリはやめたまえ。一発も当ててはいないぞ」
199 :
Classical名無しさん:04/11/20 12:23 ID:Txy71n6E
サラ「さて気を取り直して進みましょう。噂ではこれでナカムラはひきあげるとも言われていますが。」
絃子「あの含みのある喋りからするとそうとも取れ無くない。むしろ私とサシでやりあうことを考えていそうだ。」
サラ「確かに白熱した戦いを繰り広げるにはセンパイじゃちょっと……接近戦は小回りがきく武器が強いということをわからせてくれましたね。だからシーマは速射砲を装備してるんでしょうか。」
絃子「いい仲になろうかという彼のことを貶すのはどうかと思うが、実力にかなり差があるな。まぁナカムラはプロだが……」
サラ「シーマネタをスルーしないでくださいよ。さっきのROネタといい、ツッコミ無しは切なくなりますから。」
絃子「知らんな。」
サラ「ウサギはさみしいと死んじゃうんですよ!私もそろそろ死んじゃう……」
絃子「こんだけやってるやつがさみしいわけないだろ。とりあえず今残ってるメンツを確認しようか」
200 :
Classical名無しさん:04/11/20 12:34 ID:Txy71n6E
サラ「演劇軍で残ってそうなのはハリマセンパイと舞さん。あと沢近さんとナカムラ。喫茶店は周防さんとセンパイと菅さんと花井さんですね。バンド組は未確認ですが全員いるでしょう。」
絃子「まぁちゃっかりバンド組が勝って終わり、が一番有りそうだが。」
サラ「喫茶店やりながら演劇とバンドをやる、というパターンも考えられなくはないですよ。」
絃子「とりあえず次週以降に面白いマッチアップが続出することだけは間違いないな」
サラ「そうですね〜一つ気になるのが……天満さんが出てきてない……多分喫茶店側だとは思うんですけど。」
絃子「沢近クンがいるなら、多分天満クンとマッチアップするだろうな。余り物どおし。有力なのは一条クンだろうが。」
投下するなら連続して一気にやってくれよ…
間隔開きすぎ('A`)
sage
203 :
Classical名無しさん:04/11/20 13:03 ID:Txy71n6E
サラ「むしろこういうとこにはからまなそうな感じですよね。家で三匹が斬られるを見てそうです。」
絃子「彼女なら十分に考えられるな。じゃあそろそろ次回予告を。」
204 :
Classical名無しさん:04/11/20 13:04 ID:Txy71n6E
サラ「忍者と少林寺の闘い。国境を越えた流派のぶつかり合いに君は何を見たのか?
迫り来る委員長。死線の先で麻生は何を掴みとる。
奴のの狙いははただ一つ。高次元の闘いが火花を散らす。グラサンとメガネが相対するとき、少年の瞳には何が映るのか…今最後の決戦の幕が上がる。
はたして運命の女神は誰に微笑むのか。
次回「Shangli-Laはどこに」君は刻の涙を見る……
205 :
Classical名無しさん:04/11/20 13:08 ID:Txy71n6E
すいません。携帯からなんで書き込みに手間取って…しかも駄文ですいません
>>194 GJ!
噛み合わない会話萌え。
勘違いしてるどこか嬉しそうな絃子さん(*´Д`)でした。
207 :
Happy happy early X’mas(for Sara).txt:04/11/20 13:50 ID:YAjJvZ5Y
それは、12月の中ごろ、わりと暖かい金曜日のできごとだった。
「あれー?八雲どこ行ったんだろ?」
昼休みに職員室に呼ばれ、用事を済ませて1−Dに戻ってきたサラ。教室で待ってるはずの友人の姿を探したが、どうやらいないようだ。
「ああ、塚本さんなら、さっき2年生のセンパイに呼ばれてどっか行ったみたいだよ?」
「結構カッコイイ人だったよねー!」
「なんか知り合いみたいだったけど、ちょっと無愛想っぽい人だったかな?」
教室で昼食をとっていたクラスメイトが教えてくれる。
(カッコイイ先輩?うーん、誰かな…?)
サラは考える。八雲は男性が極端に苦手であるため、男子で八雲とつきあいのある人は限られてくる。
(花井先輩?ううん、カッコイイかどうかはともかく、八雲の前では無愛想どころか、愛想良すぎる人だし…)
(じゃあ播磨先輩…でも今日は会う約束はないって言ってたしなぁ)
それにその2人は(悪い意味で)有名なの有名である。その2人ならクラスのみんなも『カッコイイ先輩』などという表現はしないであろう。
そんなことを考えていると、教室の入り口に八雲が入ってきたのが見えた。廊下に向かって何か言いながらペコリとおじぎをしているところを見ると、どうやら例の『ちょっと無愛想でカッコイイ先輩』と分かれるところなのだろう。
「やーくもっ!どこに行ってたのー?」
サラが八雲を呼び出した相手を確認しようと入り口まで寄っていくと、八雲は驚いて、少し焦った様子になった。
「サ、サラ…!も、もう用事終わってたんだ…?」
「うん!たいした用事じゃなかったから。そんなことより、八雲は今まで誰と一緒に…」
そう言いながら廊下を覗き込んだサラの目に映った人物は、サラがまったく予想もしていない人であった。
「あ、麻生先輩…?」
名前をよばれると、麻生は少しバツの悪そうな表情になり、「…よう。」とだけ答えた。
いや、確かに麻生は『ちょっと無愛想でカッコイイ先輩』ではあるのはサラも非常に納得できるのだが、麻生と八雲という組み合わせが考えられなかったのである。
「2人で何やってたんですか?」少し不機嫌そうな声で麻生に尋ねるサラ。なぜ不機嫌になったのかはサラ自身にも分からなかったが、とりあえず麻生にプレッシャーを与える。
「…ちょっと話をしてただけだ。」と、麻生はぶっきらぼうに答えた。
「へぇ〜、どんな話ですか?」
「さあな。」
「むぅ〜…どーして教えてくれないんですか?」
「別にお前に教える義理もねーだろ。」
「…ふぅーん、そーですかー、先輩は八雲みたいなおとなしくて可愛いコが好みだったんですねー。八雲にはわざわざ呼び出してまで話すのに、私みたいな好みじゃない女の子には、聞かれても何も答えてくれないんですねー。」
「勝手に言ってろ。俺は絶対に教えないからな。」
「むぅ〜!!」さらに不機嫌オーラが強くなるサラ。2人の間の険悪な雰囲気にオロオロする八雲。
そんなやりとりがしばらく続いていると、昼休み終わりのチャイムがなった。
「じゃあ、俺は教室に戻るからな。…塚本さん、例のこと、すまないけどよろしく頼む。」
「あ、はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言って教室に戻ろうとした麻生の背中に、
「もういいです!さよなら、八雲のことがダーイスキな麻生先輩!」
と、無数のトゲがあるサラの言葉がかけられたが、麻生は聞こえなかったかのように2年生の教室に戻っていった。
教室の入り口で口論していたため、教室内のほとんどの生徒が麻生とサラのケンカを目撃していた。クラスメートたちは、自分の席に着いたサラを麻生とのことで質問攻めしたり、冷やかしたりしよう思っていたのだが、
麻生が帰った後のサラは不機嫌オーラが最高潮に達していたため、誰もが恐れ、そんなことをする勇者はいなかったのであった。
2人のケンカの原因になってしまったと気にする八雲が、
「あ、あのねサラ、詳しくは言えないんだけど、別に麻生先輩は…」とサラに話しかけても、
「いいのよ、八雲は気にしなくて。悪いのはぜぇ〜んぶ麻生先輩なんだから!」
と完全に麻生が悪いと決め付けていた。それを聞いた八雲は、『秘密にしておいてくれ』、という昼休みに交わした麻生との、ある約束のため、何も言えないのであった。
そんなことがあった日の翌日は土曜日であった。せっかくの休日なのでサラは2駅はなれた大手有名デパートに買い物にきていた。休日ということもあり、なかなか込みあっている。
今朝、八雲を誘ったのだが、残念ながら、今日は先約があるので行けないとのことであった。他の仲の良い友人も、今日に限ってみんな都合が悪いらしい。1人で行くのも少し寂しいと思い、麻生でも誘おうかとも思ったが、昨日のことを思い出してやめた。
そういう訳でサラは1人で来ているのであった。ちなみに現在地は婦人服売り場。
「う〜ん、久しぶりに買い物にくると目移りしちゃうなぁ〜♪」
フロアをゆっくりと見て歩きながら、たまに試着などしながら、サラは弾むような気分で楽しんでいた。昨日の昼休みのサラとは別人のようである。
普段は、学校やバイト、さらには修道院での活動などで忙しい彼女である。やはり年頃の女の子らしくショッピングは好きであり、ましてそれが久しぶりのものであれば、楽しさも倍増であろう。
一通り婦人服を見終わり、同じ階にある本屋へと向かった。なんとなく見て歩いていると、昨日の下校途中に、八雲が欲しいと言っていた本(時代劇っぽい小説)があった。
(矢神書店にはないって言ってたし、八雲に買っていってあげよっかなぁー。でも、もう買っちゃったかもしれないし…そうだ、電話して聞いてみよう!)
サラは携帯電話(電子機器は苦手だが、電話とメールだけは努力の末できるようになった)で、たどたどしい手つきで八雲に電話をかけたが、しばらくコールを続けても出なかった。
(着信があったのに気づいてくれれば連絡してくれるよね)
と考え、とりあえず八雲から連絡があるまで、ほかのフロアを見て回ることにした。
そして、紳士服売り場で、サラはそれを見てしまった。紳士服売り場に用事があるわけではなかった。アクセサリーでも見に行こうとして、偶然通りかかり、たまたま視線を彷徨わせた先に、その光景があったというだけなのだった。
もし本当に運命をつかさどる神様がいるのなら、よほどイタズラ好きなのだろうか。
それは、八雲が真剣な顔でに男物のコートを選んでいる光景だった。…麻生と一緒に。2人で何かを話しながら、時に微笑みあい、時に照れ合いながら、サラに気づくことなく服を選んでいた。
そんな2人を見つめながら、サラは心が激しく痛むのを感じた。今まで感じたことのない痛み。サラにはその痛みが何なのか分からなかった。しかし、とてもツラい痛みであることだけは分かっていた。
これ以上2人を見ているともっと苦しくなる…そう感じたサラは2人に気づかれないようにその場を去ろうとしたが、足が思うように動いてくれない。
頭で『ここから逃げたい』『今、見てしまったものを忘れたい』と考えても、心が『2人の関係が気になる』と反応しているのだった。
そんなサラには気づかないまま、2人はいつの間にか選んだらしいコートをレジで精算したようだ。
その丁寧にラッピングされたコートが入っている袋を、八雲が麻生に渡した。2人でニ、三言話したあと、麻生が赤くなってそっぽを向いているのが分かった。
それは、普段は無表情と言ってもよい麻生がたまに見せる表情…よくサラが麻生をからかって、麻生が照れたときに見せてくれる表情だった。それをみた途端、「あっ…」とサラは思わず小さく声に出していた。
(あの表情をみせてくれるのは、私にだけじゃなかったんだ…それに、あのコートの代金を払ったのは八雲だった。それを麻生先輩が受け取ったってことは、八雲から先輩へのプレゼント…ってことだよね…?)
それを思った瞬間、サラは少し悲しい気持ちになった。なぜ悲しいのかは分からないが、昨日、麻生に八雲とのことをヒミツにされて不機嫌になった気持ちと少し似ている気がする、とサラは思った。
そんなサラの気持ちなど無視するかのように、2人は次の目的の場所に歩いていく。
そして、サラは2人の後ろを、普段の彼女からは想像もできないような、沈んだ表情で付いて行った。2人に気付かれることもなく…
2人が次に向かった場所は、サラが行こうと思っていたアクセサリー売り場だった。
店内には指輪やネックレス、ペンダントなど、たくさんの装飾品が並んでいた。
2人は一通り店内を回ったあと、その一角の、あるコーナーで商品を選び始めた。あまり近づくと気付かれてしまうので、サラは、ある程度距離が離れた場所で2人を見ていた。
あまりよくは見えないが、八雲と一緒に麻生が頭を少し捻りながらアクセサリーを選んでいるのが分かった。
(前に1度私と買い物に行ったときは全然興味なさそうだったのに)
普段の麻生をよく知っているサラだけに、彼が女の子のために一生懸命選んでいる姿は、なんだかとても可笑しく感じたサラだったが、
それは自分ではない、誰かのためだと思い出すと、また悲しい気持ちが膨れ上がってくるのだった。
(どうしてだろう?麻生先輩が他の子と一緒にいたり、他の子のために一生懸命になっているのを見るとこんなに嫌な気分になるなんて…自分でも分からない…)
そんなことを考えていると、2人の会話が聞こえてきた。どうやら考え事をしている間に距離が近くなってきていたらしい。サラはそれに耳を澄ましてみた。
「これなんかどうだ?」
「あ、いいと思います。麻生先輩、意外とセンスいいんですね。」
「そうか、じゃあこれにしよう。…しかし、意外と、は余計だぞ。」
「ご、ごめんなさい…」
「冗談だよ。実際、女の子がどういうのが好きなのかとか、よく分からないからな」
「…私も男の人の好みとかって、全然分からなくて…」
と、2人は話すとレジのほうへ行ってしまった。どうやら買うものが決まったようだ。
(あの2人、仲よさそうだったな…)
さっきの会話を思い出しサラは思った。普通の人がさっきの会話を聞いても、サラのような感想は出ないかもしれない。
麻生と八雲の両方をよく知っているサラだからこその感想だろう。
麻生も八雲も、異性とのコミュニケーションを苦手としている。だが、さっきの買い物の間は、2人とも楽しそうに(楽しそうに見えたのも普段の2人をよく知るサラだから)話をしていた。
普段のサラなら、八雲が、苦手としている男性と会話をしていれば喜んでいるはずだが、なぜか今回(相手が麻生である)に限っては素直に喜べていない自分が、よく分からなかった。
(八雲も麻生先輩も、両方とも大好きなのに、どうしてこんな気持ちでいるのかな、私…)
会計を済ませ、店から出た2人は、1階にある休憩所で休んでいた。麻生は2人分のジュースを買ってきて、1本をイスに座っている八雲に渡した。
そして少し会話をしながら、ジュースを飲む2人。
(そういえば、あの2人って結構似たもの同士なのかもしれないな…)と、子連れの家族を挟んで2人の後ろの席に座ったサラはぼんやりと思った。
騒いでいる子供の声すら耳に届いていない。
異性が苦手だったり、なんでもできる万能型だったり、本当はとても優しいのに、それをあまり他人に見せなかったり…
案外、そういうところで相性が良かったりするのかなー、とサラは思った。
自分には恋愛経験がないからよく分からないが、もしかして、似ている2人ならお互いに気を使わないで付き合える、というのはあるのではないか。
だが、自分とではどうだろうか…?八雲とは女の子同士だから、そういうのは関係ないんじゃないかと思う。実際、知り合ってから今まで、八雲とはとても仲良くできていると思う。
しかし、自分と麻生とでは、あまりうまくいかない気がする…。性格は正反対だし、自分はいつも先輩を困らせているのではないか…そんな私よりは、やっぱり八雲のほうが先輩にはお似合いなのだろうか…
(…なんか、また悲しくなってきちゃった…)
そんなことを考えていると、またあの悲しみが襲ってきた。心が泣いていて、軋んでいるような痛み…
そんな時、俯いていたサラの耳に2人の会話が途切れ途切れだが聞こえてきた。麻生&八雲とサラの間にいた子連れの家族がいつの間にかいなくなり、若干静かになったからであろう。
もし2人が後ろを振り向いたらすぐにバレてしまうというのに、今のサラにそんなことを考える余裕はなかった。
「今日はすまなかったな。せっかくの休日だってのに、俺に付きあってもらって」
「いえ、そんな…xxxxxxxたから。こちらこそありがとうございました」
「それで、もしよかったらこれをxxxxxxxxx」 さっき買った綺麗に包装されたアクセサリーを出した麻生。
「えっ、私xxxxxxx?」
「ああ、迷惑じゃなければ、でいいんだが…」
「でも、xxxxxxxxx」
「いや、xxxxxxxxx。だから塚本さんにxxxxxxx」
「…分かりました。そこまでおっしゃるのなら…」 それを受け取る八雲。
「…悪いな。xxx。」
「…麻生先輩、xxxxxx、ありがとうございます」
「…べ、別にこれには深い意味はないぞ!、だ、だが、その---------------------------真っ赤になる麻生
ここまでの会話でサラはすべてを理解した。麻生と八雲は、今日はお互いのプレゼントを買いにきていたのだ。
それで、八雲はコートを、麻生はアクセサリーを贈ったということだ。
それを認識した際、またもサラの心は悲鳴を上げているようだった。だが、もうサラにはこの痛みの正体が分かっていた…
「私、いつの間にか麻生先輩のこと…好き、だったんだろうなぁ…」
たくさんの不器用な優しさをくれた人、私が困らせること言うと苦笑いしてくれた人、いつも私を見守ってくれていた人…
いつもあの人のそばにいるのは自分でありたかった。
「でも、自分の気持ちに気付いたときにはもう失恋してるなんて、カッコ悪いなぁ…」
少し離れた場所に座っている愛しい人と、大切な親友を見つめてつぶやく…麻生はジュースの缶を捨ててきたところで、八雲は携帯を操作しているようだった。
八雲は大好きな、大切な親友だ。彼女には幸せになってほしいと、サラは切に願う。
しばらくは麻生に対する気持ちの整理に時間がかかるかもしれないが、そのうちきっと、祝福の言葉を言えるように…
…そういえば、八雲は結局、播磨とはなんでもなかったのだろうか?まあ、今のサラにはどうでもいいことであった。
2人に気付かれる前にそろそろ帰ろうと、サラが深く深呼吸をして席を立とうとしたその瞬間だった。
『♪♪♪♪♪』
サラの携帯電話からかなりの音量で着メロが鳴り出したのだ。
「あっ、えぇっっ!?ちょっと、やだ…!!」
それが普通の、最近の女子高生が使っているような着メロだったら、まだごまかしようもあったかもしれない。
だが、サラの着メロは、そんな流行とは無縁の『アヴェ=マリア』であった。こんな着信音にしている人間はそうざらにはいない。
しかも重度の機械オンチである彼女は、あせりまくっているせいで、着メロを止める方法を忘れているようだ。なぜか携帯を逆さにしたり、激しくシェイクしたりしている。
「…通話ボタンを押せばとりあえず着メロは止まりますけど?」親切な人が教えてくれた。
「あっ、そうか!」言われたとおり、通話ボタンを押すと、相手とつながっている状態となり、着メロは止まった。
「ふぅ〜!ビックリしたー!!あ、ご親切に教えて下さって、どーもありがとうございました!」丁寧にお礼を言い、下げていた頭を上げる。
「…どーいたしまして。」サラが見上げた眼差しの先にあった顔は、見間違えるはずもなく、不機嫌そうな顔をした麻生広義その人であった。ちなみに、
サラの携帯の液晶→『通話中 塚本八雲』 ※サラが、本屋で見つけた本のことで電話したときの不在着信に今、気付き、八雲は電話をかけたのであった。
「…なんでお前がここにいるんだ?」麻生がサラに聞いた。
「…別に。ただのお買い物ですよ。いけませんか?」サラが答える。動揺を見せないように気をつけながら。
「そういうことを聞いてるんじゃないっ!!なんでお前が俺たちのすぐ近くに座ってたんだと聞いてるんだ!!」怒ったように聞く麻生。…いや、実際怒っている。
「………」
サラは黙ってしまった。さすがにこの距離で、麻生たちの後ろにいたサラが気付かなかったというのはムリがある言い訳だとサラも分かっていた。
「…デートのお邪魔かなぁ〜、と思いまして。気を使ってあげたんですよ」
しかたなく、本音とウソが半々混じっている理由を答えた。
「デートぉ?…誰と誰がだよ?」
「八雲と、その八雲のことがダ〜イスキな麻生先輩に決まってるじゃないですか!」
「まだ昨日のこと根に持ってんのかよ!?だから、あれはだな…」
「今日は今日で、楽しそうにお互いのプレゼントを選んでたみたいですしねー!」
「…お前、そんな前から俺らを除いてたのかよ?」
「あ」つい口が滑ってしまった。しまったという顔のサラ。だが対照的に麻生の顔はだんだんと怒ってきているようだった。
「そ、そんな怖い顔したってダメですからねー!私はしっかりこの目で…」
「もういい」麻生が言った。
「何がいいんですか!先輩はよくても、コッチは…」
「もういいって言ってんだろ!!!!」
麻生が怒鳴った。2人のやりとりを昨日と同じようにオロオロしながら聞いていた八雲と、麻生に反論しようとしたサラがビクッとした。
「お前が人のあとをつけて、コソコソやるようなヤツだとは思わなかった」
「あ、あの、センパ…」
「正直、見損なった」
「!!!!!」
それを聞いたサラは、地の底に堕ちていくような気分だった。
(そうだ、いったい私は何をしていたんだろう…?先輩や八雲の気持ちも考えずに、自分のことばっかりで…)
普段は無愛想だが優しい麻生の、厳しい言葉がサラに重くのしかかった。
「…あはは、は…こんな私なんて嫌われて当然…ですよ、ね…すみませんでした、麻生先輩、…ごめんね八雲…」
サラは泣きそうになりながらもなんとか笑顔でそれをいい終えたあと、おもいっきり逃げ出した。「サラ!!」という八雲の声も聞こえたが、サラは止まらなかった。
まさに爆走という言葉が似合う逃げっぷりであった。メタルス○イムや、はぐれメ○ルもビックリの逃走っぷりだった。途中で誰かにぶつかったような気もする。
しかし、デパートの正面玄関の近くにある、まだ装飾が終わっていないのであろう大きなクリスマスツリーの下に行くと、急に失速して泣き出してしまった。周りにはほとんど人はいなかった。。
「ぅぅ…ひっく…ごめんなさい、麻生センパイ…グスン」
どうして泣いているのか、サラ本人も分かっていなかった。失恋したからなのか、麻生に軽蔑されたからなのか、それとも2人をコソコソつけまわした自分自身が情けないのか…
そんなサラになぜか声が聞こえた。近くにはだれもいないというのに、誰かの声がするのだ。
「あ、もしかして…」ふと思い出したのは、先ほどの騒動に一役買った携帯電話。着メロを止めるために通話ボタンをおして、そのままだったのである。
つまり、今も八雲の携帯につながっているということである。
「あ〜あ、通話料ムダになっちゃったな…あとで八雲に謝らないと…」少し苦笑いを浮かべて、通話終了のボタンを押そうとしたサラに、八雲と麻生の会話が聞こえてきた。
『どうしてあんなこと言ったんですか?』八雲の声。八雲には珍しく、その声には非難の色が含まれているように思える。
『…それは…アイツが黙って俺たちを尾行したりしたから…』
『たしかにそれはいけないことだと思います。でも、悪気があってやったことでは、絶対にないと思います。』強い意志のこめられた八雲の言葉。
『………』麻生は沈黙を返す。
『麻生先輩だって知っているはずです。サラが軽々しくそんなことするコじゃないって』
『それは…けど、いったいどういう理由があってあんなこと…』
『それは本人に聞いてみないと分かりません…けど、私はサラを信じています。』
『塚本さん…』
『あと…これはやっぱり先輩が自分で渡してください。なんとなくですけど、これに理由がある気がします。』
『…分かったよ。』電話越しのサラにはわからないが、何か受け渡しがあったようだ。
『…アイツを探してくる。』麻生が八雲にそう言い、走り出そうとする。
『あの…!』八雲が麻生を呼び止めた。麻生は首だけ振り向く。
『もうサラのこと、怒ってないですよね…?』不安そうに尋ねる。
『さあな。本人に理由を聞いてから決めるさ。けど…』
『けど?』八雲が聞き返すと、麻生は首を戻してこう言った。
『俺もアイツを信じてる』多分、顔は真っ赤になっていることだろう。そして、麻生はサラを探しに言った。八雲はそれを、めったに見せない笑顔で見送った。
『…聞こえてた?サラ?』八雲が携帯に話しかける。
『……うん…。』やや沈黙があって、サラが答えた。
『サラ、誤解してるみたいだから話すけど……』
それから八雲はサラに、今回2人で買い物にきた経緯を教えてくれた。
まず昨日の昼休み、麻生は、普段世話になっているという『ある女性』へのクリスマスプレゼントを買いたいが、その人の好みや服のサイズなど、自信がない。
だから、『ある女性』と親しい八雲に明日、買い物に付き合ってほしい、とのお願いをした。
八雲は、明日はバイトも休みであるし、なにより、自分も『ある男性』へのプレゼントで悩んでいるので、自分も麻生から助言をもらうことをお願いし、これを引き受けたのであった。
あと、これはサラには絶対に内密で、ということだったので、昨日はいえなかったのである。
ちなみに、八雲が麻生にコートの入った袋を渡すところの会話は、
『俺が持つよ』 『え、でも…』 『いいから。結構重いだろ、それ』 『…ありがとうございます。優しいんですね。』 『そ、そんなことねーよ』←麻生、赤くなる
あと、休憩所での会話は、
「今日はすまなかったな。せっかくの休日だってのに、俺に付きあってもらって」
「いえ、そんな…こちらも助けていただきましたから。こちらこそありがとうございました」
「それで、もしよかったらこれをアイツに渡しておいてもらえないか?」 さっき買った綺麗に包装されたアクセサリーを出した麻生。
「えっ、私から渡すんですか?」
「ああ、迷惑じゃなければ、でいいんだが…」
「でも、先輩が直接渡したほうが喜ぶのでは…」
「いや、やっぱり直接渡すのとかはガラじゃねぇし。だから塚本さんにお願いしたいんだけど」
「…分かりました。そこまでおっしゃるのなら…」 それを受け取る八雲。
「…悪いな。頼む。」
「…麻生先輩、私の友達を大切に想っていてくれて、ありがとうございます」
「…べ、別にこれには深い意味はないぞ!、だ、だが、その普段バイト先とかで世話になってるからで(ブツブツ…)←真っ赤になる麻生
222 :
Happy happy early X’mas(for Sara):04/11/20 14:24 ID:YAjJvZ5Y
『あ、あのぅ、八雲?麻生先輩の言ってた「ある女性」って、もしかして…』
『うん、サラだよ』なんだか嬉しそうな声で答える八雲。
『え、ええええぇえぇ!!??そ、それじゃあ、さっきアクセサリー屋さんで選んでたのって…』
『うん、サラのだよ』またも嬉しそうな声で答えてくる。
『で、でも、私、先輩には迷惑ばかりかけてるのに…』
サラは今までの麻生との思い出を掘り起こすが、迷惑をかけこそすれ、お世話をした覚えなどまったくない。
『サラ、麻生先輩、私に言ってくれたの。真っ赤になりながら。“疲れたり、嫌なことがあったりした日でも、アイツの笑顔を見てると少しだけ元気になれる気がする。こんなこと本人には死んでも言えないけど”って』
『麻生…先輩が…?』サラの中には『麻生がそんなこと言うなんて信じられないという思い』と、『自分のことをそんな風に思っていてくれて嬉しい』という思いが混同していた。けど、これだけは言える。
(私は麻生先輩が好き…!もし相性が悪いとしても、もし迷惑だと思われていても、この気持ちは変わらない…!人を好きになれてよかった…)そんな幸せを感じながら、八雲に礼を言った。
『いろいろとありがとう、八雲。八雲のことも大好きだよ!』そう言って笑顔を浮かべたサラに、
『ううん、いいの。サラは大切な、友達、だから…』少し照れながら八雲が言った。
『ええ〜!ヒドいなぁ、八雲〜!私は「親友」って思いたいのにー!!』と、ちょっと拗ねたように言うサラ。
『う、うん、そうだね。親友…なんだね』ちょっと恥ずかしそうにする八雲だったが、とても嬉しそうだった。
『じゃあ、今回のお返しに、播磨さんとのクリスマスのこと、全力でサポートしてあげるから、頑張ろーね!!』
『え!?どうしてサラがそのこと知って…!?』本気で驚く八雲。
(気付かないハズないと思うけどなぁー…)ちょっと呆れるサラだったが、そんな親友に愛しさを感じる。
『それじゃ、またあとでね!八雲!』
『うん…。がんばってね。サラ』そういうと2人ほぼ同時に電源を切った。
(頑張る、か…そうだね、八雲。私、先輩に言いたいこと、いっぱいあるから!)
そしてその約2分後、息を切らせた麻生がサラの前に現れた。
「よくここが分かりましたね?」ちょっと驚いて、けれどどこか楽しそうに言うサラ。
「そこで播磨に会って、お前がこっちに走って行ったって聞いたからな」
「そうなんですかー。ご苦労様です!」敬礼の真似をしてみせるサラ。しかし、播磨とどこですれ違っただろうか。がむしゃらに走ってきたのでまったく覚えていなかった。
「まったく…誰かさんのせいで余計に疲れた」大きくため息をつく麻生。しかし、先ほどのような怒りはもう消えているようだ。
サラは急に真面目な顔になって
「あの、麻生先輩、今日は…本当にすみませんでした。私、本当に反省しています。だから、私のこと…嫌いにならないで下さい!気付いたんです。私、麻生先輩のこと…」
「あー、ちょっと待て」麻生が急にサラを静止させた。
「もう〜!!なんなんですかー、人がせっかく気合入れて一気に言っちゃおうと思ってたのにー!!」
サラはふくれた顔になっている。そんな表情を見て、麻生は心がなぜか温かくなるのを感じ、
「まあ待て。先に渡すものがある。」と言って、あの包みを出した。「それは…」
「ほら。やるよ。」急に明後日の方向を向いて、サラにそれを渡した。
「少し早いけどな…メリークリスマス」「私に…ですか…?」「…ああ。」「開けてもいいですか?」「ああ」 ガサゴソ…
「わぁ、綺麗…」サラは素直に感想を漏らした。それは天使の羽をあしらったイヤリングだった。
「えへへ…似合いますか…?」早速つけてみて、無邪気に感想を求めてくるサラ。まるでサンタにプレゼントをもらった子供のようである。
「ああ、悪くないよ」本当はかなり似合っていたのだが、麻生にはこの返答が限界であった。
「えへへー、ありがとうございます、センパイ!」
サラは、その日で最高の笑顔を浮かべた。麻生はそれを眩しそうにみつめ、優しげな表情で微笑んだ。
まだ飾りつけが済んでいないツリーの下、2人の心の中も、飾りなどない素直な暖かい気持ちで満たされていた。
2人は願った…【どうかこの笑顔が、いつまでもそばにありますように…】
麻生とサラの気持ちが、はじめて1つになった瞬間であった。
〜fin〜
初めてSSを書きましたが、すごく大変でした。まぁ、ありきたりなオチだし、最後の方はグダグダだし、キャラの性格違ってるかもだし。
(てゆーかもうラストの方は書くのに飽きてました)
まあ、少しでも楽しんでいただけたらと光栄です。
乙です。アソサラはやっぱいいですねー。
>>224 そういうスタイルなのかもしれないが、台詞の直後に地の文続けるのはちょっと読みにくいよ。
それと「サラ」「麻生」などの人物名を頻出させてるのも気になった。
状況説明、心情説明の部分が多いので「彼」「彼女」「彼ら」などを使って、
もっとすっきり読める文章にすることも可能だと思うんだけどなぁ。
投稿する前には一晩寝かせて、改めて推敲してみるといいかも。
あぼーん
あぼーん
229 :
Classical名無しさん:04/11/20 16:06 ID:/YJTFGNc
>>226 そうゆうのは人によって違うのが
あたりまえだしみんなが一緒みたいな文
書いてたらつまんねーじゃん
>>224 そーゆうわけだから別に自分のやり方で
いいと俺は思うぞ!
俺はおもしろかったしフツーに読みやすかった
次作にも期待してる
乙!
誤字多いかも…
あぼーん
あぼーん
>>224 初めてのSSならば上々と言った所ではないでしょうか。
中々面白かったですGJ!!
後は他の人のSSや小説を読み漁ります。
良い部分は取り入れ、悪い箇所は反映しないよう注視すると良いかと。
ではでは。
234 :
Classical名無しさん:04/11/20 20:42 ID:Txy71n6E
俺のはどう…………
感想がかかれないのは、それが感想。
>234
Sarahと絃子の絡んだ過去にあった似たような作品だろ?
おれはなかなか良かったと思うぞ。。。
もしやる気があるなら来週も頑張ってくれ。。。
ただ、sage進行で行こうな。。。
sageますわ。
あんな感じでいいなら毎週やりますよ。曜日いつごろやればいいんだろ。
別に毎週しなくて良いよ
240 :
Classical名無しさん:04/11/20 23:58 ID:Txy71n6E
じゃあ適当に展開見てやるわ
台詞と地の文が同じ行にあるのは、自分も読みにくいなぁ。
次回からは変えて欲しいと思う。
内容はいいと思うよ、内容は。
>>224 他の人がすでに言ってるので俺からは一つだけ。
>メタルス○イムやはぐれメ○ルもビックリの逃走っぷりだった。
話の内容がギャグやほのぼのとかならまだしも、この話でこういう例えは違和感を感じた。
誰も居ない。奈良きゅんノ肌を貪り尽くすなら今のうち。
まずは前から抱き締めて、首筋を撫でながら耳たぶを口にふくむ。しかる後に
熱いKISS。
ベッドに横たえ、唇を下のほうへと移していく。暖かなおなかに頬ずりして、お臍を
ぺろぺろ。もちろん、わき腹への愛撫は外さない。
それが済んだら再び唇を上に向かわせ、いよいよ楽しい乳首責め。
淡い色をした可愛い飾りに人差し指を伸ばして、くすぐるように引っ掻くように、
優しく優しく責めてあげたい。最初は片方だけ。頃合いを見て両方を。高まって
きた奈良きゅんのお顔が横を向いたら、いよいよ舌で攻撃だ。片方ずつ交代に
ねっとりと舐めてあげたい。
ひっきりなしの吐息。抑えきれない切な声。もじもじと擦り合わされる太もも。
そして、奈良きゅんはついに俺に屈服し、はしたないお願いを…
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
誰も居ない。奈良きゅんノ肌を貪り尽くすなら今のうち。
まずは前から抱き締めて、首筋を撫でながら耳たぶを口にふくむ。しかる後に
熱いKISS。
ベッドに横たえ、唇を下のほうへと移していく。暖かなおなかに頬ずりして、お臍を
ぺろぺろ。もちろん、わき腹への愛撫は外さない。
それが済んだら再び唇を上に向かわせ、いよいよ楽しい乳首責め。
淡い色をした可愛い飾りに人差し指を伸ばして、くすぐるように引っ掻くように、
優しく優しく責めてあげたい。最初は片方だけ。頃合いを見て両方を。高まって
きた奈良きゅんのお顔が横を向いたら、いよいよ舌で攻撃だ。片方ずつ交代に
ねっとりと舐めてあげたい。
ひっきりなしの吐息。抑えきれない切な声。もじもじと擦り合わされる太もも。
そして、奈良きゅんはついに俺に屈服し、はしたないお願いを…
誰も居ない。奈良きゅんノ肌を貪り尽くすなら今のうち。
まずは前から抱き締めて、首筋を撫でながら耳たぶを口にふくむ。しかる後に
熱いKISS。
ベッドに横たえ、唇を下のほうへと移していく。暖かなおなかに頬ずりして、お臍を
ぺろぺろ。もちろん、わき腹への愛撫は外さない。
それが済んだら再び唇を上に向かわせ、いよいよ楽しい乳首責め。
淡い色をした可愛い飾りに人差し指を伸ばして、くすぐるように引っ掻くように、
優しく優しく責めてあげたい。最初は片方だけ。頃合いを見て両方を。高まって
きた奈良きゅんのお顔が横を向いたら、いよいよ舌で攻撃だ。片方ずつ交代に
ねっとりと舐めてあげたい。
ひっきりなしの吐息。抑えきれない切な声。もじもじと擦り合わされる太もも。
そして、奈良きゅんはついに俺に屈服し、はしたないお願いを…
文化祭のフォークダンスで天満と踊り、手を取り合って二人はと妄想する播磨だが悲劇はすぐそこまで来ていた。
「播磨君、いつ告白するの?」
「あぁ、(伝説の木の下で告白したいよなーやっぱ)」
「八雲をあんまり待たせるとひどいよ」
真剣な目で見つめる天満
(あぁ天満ちゃんかわいいぜ)
新たな曲がかかり二人はステップを踏みながら踊り続ける。
八雲の方を向いてブーっと怒っている天満
「その事なんだが、天満ちゃん。俺が好きなのは・・・」
天満の顔を見れずに下を向いて話す播磨
中々切り出せずに前のペアを何と無しに見ると、そこには沢近と花井が居た。
「うぅ、八雲君・・・どうしてあの男なんだ」
「なんで私がつき合わされなくちゃいけないのよ・・・」
花井は八雲という天満の声に反応し、気づかれない様に近寄っていた。
花井がすり足で沢近と踊っているのはかなり目立っている。
高野がビデオで花井を撮影する横で周防はつまらなそうな顔をしている。
「花井君は大人しい子がタイプだと思っていたけど」
「さ、沢近は誰とでもデートするからな、な。」
周防に気づいた花井は自分の足を踏み、バランスを崩し沢近に思わず抱き付いてしまった。
「お、お嬢?」
(なんで抱きつかれてるんだ?)
「播磨君?やっぱり沢近さんが好きだったのね!!」
「え、いや、なんで?」
播磨が天満に詰め寄られ
花井を投げ飛ばした周防がプルプル震える中
沢近は播磨から告白されたと赤面し
八雲はどうしようか途方に暮れていた。
見ていた今鳥が背後から倒れかかる
「あしがすべってついつかんじゃったよミコチン(棒読み)」
「ミコチンっていうなー!」
今鳥が投げ飛ばされ、花井の上に積み重なる。
周防は怒りながら高野と帰った。
「だから、俺は誰とも付き合って無いんだよ!」
動物とは意思の疎通が出来るのに女の子とは出来ない もどかしくも必死に訴える
「姉さん、播磨さんが好きなのは姉さん。あっ・・・」
「えっ」
さっきまで赤面しながらぃゃんぃゃんしていた沢近が素になる、
「そ、そうなんだよ!俺が好きなのは天満ちゃんなんだ!うぉおおおおおおお!!やっと言えたぜ!!!」
反射的に播磨を倒す沢近
「ふたまた?」
「姉さん違う それは違う」
「うぉおおおおおおおおおおおヤクモンゲットだぜー!!!」
さっきまで伸びていた花井が蘇るが、今度は八雲に投げられて再度動かなくなる。
今鳥は周防が帰ったのを聞くとさっさと居なくなってしまった。
「ごめんね播磨君、友達でいましょう?ね?」
「うん・・・・。うん・・・・。」
「今日はもう帰るね」
天満は走って彼方に行ってしまい、八雲が慌てて姉の荷物を持って追いかける。
「すいません、姉さん追いかけます」ペコリ
「ともだち ともだち ぼくたち ともだち ともだちでいましょう・・・」
播磨は倒れたまま正気を失っている
「ちょっと大丈夫?」
「ともだち ともだち みんなともだち」
支援?おわり?
スッ
「お嬢様、埋めますか?」
「そうしたいところだけど、車に運んで頂戴」
「トランクですか?」
「座席よ」
沢近に気合を入れて貰い、正気に戻った播磨は家の近くで降ろして貰う。
「あ、ありがとな。」
「・・・」
「アリガトウゴザイマス」
「フンッ」
家に着き、倒れるようにベットで鼾をかき始める。
沢近好感度 +1
天満好感度 -5
八雲好感度 ±0
体力がゼロに
気力がゼロになりました。
強制的に旅に出ます。
-----------------スクラン アドベンチャー----------------
リセット
★終了
252 :
Classical名無しさん:04/11/21 02:59 ID:1QLGpMnA
終わっちゃたのかな?
乙。所々で変なとこあるからよくわからんかった
元ネタはよく判らないが、なんか味があるな。
バレンタイン当日。
俺は居眠りから目覚めた。
気が付くと、夕方で雪が降っていた。
「帰るか…」
靴を履き替え、校門に向かって歩き出す。そして、中庭を通りかかった時だった。
天満ちゃんが、ヤツに告白する場面だった。
反射的に俺は身を隠した。
天満ちゃんは、顔を真っ赤にして告白しようとしていた。
「あ、あのね、烏丸君。あたし、あたし……」
そこまで言って、もじもじしている。
しばらくそんな状態が続いたが、やがて意を決した顔でヤツに向き直って言った。
「あたし、烏丸君が好きです! チョコ貰ってください!」
精一杯の告白だった。
天満ちゃんは賞状を受け取るような格好で、ヤツにチョコを差し出していた。
ヤツは無表情に言った。
「僕、チョコ嫌いだから」
そう言って立ち去ろうとするヤツ。
ショックを受けて、泣きそうになっている天満ちゃん。
「ちょっと待ったぁぁぁ!」
俺は二人の間に飛び出していた。
(くそ! 何やってんだよ俺!! このまま見過ごしてた方が俺にとって好都合だったじゃねぇかよ…でも…でもよ!!)
好きな女の子の泣き顔は見たくなかった。
ヤツの素っ気無い態度が許せなかった。
「烏丸ぁ! テメエ、告白されてるのにその態度は何だ?『僕、嫌いだから?』ふざけんな! 塚本の想いが解からねえのか!」
ヤツの襟首を掴み、自分の気持ちを吐き出した。
「いつまで誤魔化してんだよ? 本当はテメエも塚本が気になってんだろーが? テメエが…テメエがハッキリしねえといつまでも俺の気持ちにケリがつかねえんだよ!」
一気にまくし立てる俺を天満ちゃんが止めようとする。
「もういいの、もういいから…え? …播磨君…」
俺は涙を流していた。
「俺はな、中学の頃から天満ちゃんが好きだった。2年生になって、天満ちゃんがテメエに惚れてるって解かった時はショックだった…」
「努力したけど、振り向いてもらえなかった。それはいい。けどな、テメエは天満ちゃんの努力を無にしようとしてる」
ヤツは黙って聞いている。
「俺はな、好きな女には笑っていて欲しいんだ。テメエはどうなんだ?」
俺の質問に、ヤツは暫く考えて答えた。
「僕もそう思う」
「なら、天満ちゃんの気持ちを受け取ってやってくれ。頼む!」
俺はヤツに頭を下げた。天満ちゃんに幸せになって欲しい。それだけだった。
「播磨君やめて! 私はそんなにして貰うほどの女の子じゃないよ。お願い、やめて播磨君!」
天満ちゃんが俺を起こそうとするが、俺は頭を下げたままだった。
「いいんだ。天満ちゃんの為なら、頭だって下げてやるぜ」
「播磨君、いいから……もういいから、頭を上げて……おねがい…」
なおも頭を下げる俺に、天満ちゃんが涙声で呼びかけた時だった。
「頭を上げてくれ、播磨君」
それまで黙っていたヤツが口を開いた。
「君にそこまでさせるんだ、塚本さんのチョコを受け取るよ」
そう言って、ヤツは天満ちゃんから受け取った。
「塚本さん。ありがたく戴くよ」
「烏丸君…ありがとう」
天満ちゃんが、嬉しそうに笑っている。俺の視線に気が付くと、向き直った。
「播磨君、ありがとう。でも、あたし鈍感で播磨君の気持ちに気付かなくて……ごめんなさい」
申し分けなさそうな天満ちゃんの肩に、ポンと手を置いた。
「よかったな、天満ちゃん。じゃあな」
俺は天満ちゃんに背を向けて、歩き出した。
人気の無い所まで来ると、俺は立ち止まった。
流れる涙を拭う事無く、俺は立ち尽くしていた。
「悔しいが、初めから俺が入り込む余地は無かったんだよな…無駄な…二年間だったな…は…はは…」
天を仰ぎ、涙がこぼれないように堪える。
でも、涙は溢れるばかりだった。
そんな俺を見つめる視線に気付かずに俺は涙を流し続けた。
お嬢が見ているとも知らずに……
おわり
「バレンタイン」に続き、試し描き氏の絵でSSです。
ここから、あたしじゃダメかなに繋がるわけですね
gj
さすがに烏丸だって考えナシって訳じゃあないと思うんだけど……。
告白されたんならそれ相応の返答をすると思う。
今から作品を書き込みますが、いちおう昨日書いた作品の続きモノです。
まあ素人なりに頑張りました。もうこりたので、これからは、SSは読むだけにしようと思いました…(疲)
麻生がサラを追いかけて行ってしまったので、八雲は一人、デパートの休憩所に座っていた。
(麻生先輩、サラのこと見つけられたかな…)
このデパートはかなり大きく、地下1階から6階まであり、そんな中からたった1人の人間を探すのはかなり苦労するだろう。
(…ううん、きっと大丈夫だよね)
あんなにもお互いを大切に想っている2人なんだから、きっと運も味方してくれるだろう。
なんの根拠もないし、かなりのご都合主義だとは思ったが、彼女はそう思った。そうであって欲しかった。
(でも、あんなにも想ってくれてる人がいるなんて、ちょっと羨ましいな…)
相手のために、喜んだり悲しんだり怒ったり恥ずかしがったり…
そんな風に思える人が自分にはいるだろうか。そんな風に自分を想ってくれる人がいるだろうか…?八雲は考えてみる。
(…私にとっては、姉さんやサラ、かな。それに…)
ふと隣に置いてある袋に目をやる。中には先ほど買った、包装されたコートが入っている。
(いつの間に『あの人』は、私にとって姉さんやサラと同じくらい大切な人になったのかな…?)
最初は『怖い』という印象しかなかった『あの人』。
でも彼の優しさや、一生懸命な一面を見るたび、次第に彼への気持ちは変わっていった。思えばいろいろな彼を見てきた。
伊織を助けてくれたあの人、動物たちを守ろうと必死になっていたあの人、マンガを真剣に頑張っているあの人…
八雲は目を閉じ、彼との出来事を次々と思い出していった…
『…さん。…もうとさん…!…おい…!妹さん!』
「…うぅん…。…えっ!」
どこか遠くで自分が呼ばれた気がして目を開けると、目の前にいきなり見覚えのある顔があった。
「おい、妹さん!こんなとこで寝てちゃあ、風邪ひくぜ!」
「は、播磨さん…!?」
いつの間に播磨が自分の前にいるのか、八雲には理解できなかった。
「どうしてここに…?」
「いや、俺は(絃子に命令されて)買い物に来てたんだが、偶然ここに妹さんがいるのが見えてな。あいさつでもしようと近づいたんだが、寝てたみたいで」
「そ、そうですか…」
どうやら回想している間に、いつの間にか寝てしまっていたようだ。時計を見ると、寝ていたのは5分ほどのようだ。
「お、おい!やっぱり顔が赤いぞ!寝てる間に風邪ひいたんじゃねえか!?」
「…い、いえ。そういうワケでは…」
播磨に寝顔を見られたかと思うととても恥ずかしく、赤くなってしまった八雲だった。
「そうか?それならいいが、あんまりムリすんなよな。体調がが悪いと思ったらすぐに休めよ?」
「播磨さん…ありがとうございます」
八雲は心の中が暖かくなるのを感じた。自分を気遣ってくれる、彼の優しさがとても嬉しかった。
「いや、気にすんな。…それに妹さんに何かあったら天満チャンも悲しむし…」
「? 何か言いました?」
「い、いや!何でもねぇぜ!…ところで、今日は妹さんも買い物か?」
「あ、はい。今日はバイトもないので」
「そーいや、さっき妹さんの友達さんと、麻生に会ったな。一緒だったのか?」
「はい。サラとはここで偶然会ったんですけど」
「へぇ。…ってことは、もともとは麻生と2人でデートってことだったのか?」
「え!?それは、ちがっ…」
「いやー、そうかそうか!まさか妹さんと麻生が仲良かったとは、知らなかったなー!」
「あ、あの、播磨さん…!」
「学校では俺との噂とかで迷惑かけちまったからなー!ちゃんとした相手がいてくれて、俺もホッとしたぜ!」
「……播磨さん……」
否定しようとした八雲だったが、矢継ぎ早に話す播磨に何も言えなくなってしまった。
「妹さんと俺がいつまでもいるとまた迷惑かけちまうからな。んじゃあ、俺はこれで!またな、妹さん!」
そう言って播磨は立ち去ろうとした。
(播磨さん…私と麻生先輩のこと誤解してた…嬉しそうに笑って…)
学校での播磨と付き合っているという噂のせいで、八雲に迷惑をかけてしまったと思っていたが、
八雲にきちんとした恋人がいてくれたことを、播磨は喜んでくれたのだろう。
自分のことを気遣っていてくれたことは、八雲にとっては喜ぶべきことだろう。
しかし、そのときは切ない気持ちで彼女の心はいっぱいになったのだった。
(私が他の人と付き合ってると知っても、播磨さんは喜んでた…
私なんて、所詮播磨さんにとってはその程度の存在でしかない…)
分かっていたはずのことだった。彼には、自分ではない想い人がいること。
そして、他の女の子には目もくれずにその人を必死で追いかけていること…
最初から自分が入り込める余地なんてなかったのだ。
(バカみたいだな、私…プレゼントなんか用意して、何を期待してたんだろう…)
離れていく播磨の背中を見つめながらそう思った。
(…やっぱりサラは羨ましいな…ちゃんと想いを受け止めてくれる人がいて…
そういえば、サラのほうはどうなっただろうか。麻生先輩はまだ戻ってきていないけど…)
ふと、さっきサラと携帯で話した会話を思い出す。
『がんばってね。サラ』
自分はサラにこう言った。それは心からの言葉であったが、今の八雲にとっては、とても無責任な言葉に感じた。
(がんばって、か…サラには偉そうなこと言っておいて、私は情けないな…)
播磨に対して、何も言えないでいる。自分の気持ちを何も伝えられないでいる。大切な『あの人に』…
サラは勇気を出した。自分は無責任な一言でそれを後押しした。ならば、自分も勇気を出すべきではないか?
播磨には想い人がいるし、自分が何を言ったところで、思いは届かないだろうけど…
でも、私が彼を想うのは別に悪いことではない…この想いを、届けたい…!
「播磨さんっ!!」
彼を呼び止めた。普段の彼女からは想像しがたい大声で。
「ん?」
もう随分と遠くまで行ってしまっていたが、彼女の声は届いたようだ。
立ち止まった播磨に八雲は近づいていき、彼の正面で足を止めた。
「播磨さん」
再び名前を呼び、相手の目を見つめる。
「お、おお、何だ?」
その瞳に宿った決意の色に少々たじろいだ播磨だったが、平静を装い、応える。
「…私、麻生先輩とは付き合ってるわけじゃありません。今日は、プレゼント選びに付き合ってもらっただけです。」
「…そうか。悪かったな、誤解しちまって」
自分の勘違いのせいで彼女が怒っていると感じた播磨は謝罪した。
そして、こんなにもハッキリと話す姿に、少し驚いていた。
「いえ、それは別にいいんです。それより、播磨さんにお聞きしたいことがあります」
「な、なんだ?」
八雲の真剣な口調や表情から、どんな質問が来るのか、内心ドキドキの播磨だったが、
「…クッ、クリスマスに、播磨さんとお会いできませんか!?」
「…へっ?」
その質問を聞いたとたんにあっけにとられてしまった。
「ク、クリスマスに?」
「…は、はい…。クリスマスに、です…」
質問の意図がよく分からなかった播磨は考え込んでしまう。
(うーむ…なぜクリスマスなんていう特別な日に、妹さんが俺なんかに会いたがるんだ?
まぁ、クリスマスは特に外出の予定はなかったが…ん?クリスマス…?ま、まさか!!)
なにかに思い当たった播磨は八雲のほうを見る。見ると、八雲はうつむいて真っ赤になっているようだ。
(そうか、そうに違げーねぇ!俺なんかのために、この気配り…流石は天満チャンの妹さんだ…!)
「…妹さん。」
八雲の肩に手を置く播磨。
「は、はい…」
あいかわらず真っ赤な八雲だったが、顔を上げて播磨の目をみつめる。
「本当にいいのか?せっかくのクリスマスを、俺なんかに付き合ってもらっちまって。」
「…はい。」
彼女はうなずいた。…頭と心はオーバーヒート寸前だったが。
「そうか、すまねえ、妹さん。妹さんがいりゃあ百人力だぜ!!」
「…え?百人力…って?」
百人力…(1)百人分の力を持っていること。力もち。
(2)百人の助力を得たように心強く思うこと。
使用例:「君が来てくれれば百人力だ」
百人力?なんともロマンティックなクリスマスには不似合いな言葉だ。
どうして播磨の口からそんな言葉が出てくるのか、八雲には理解できなかった。
「あ、あの、播磨さん、百人力って、いったいどういう…」
「へ?クリスマスに俺んちに来てマンガを手伝ってくれるってことじゃねーの?」
八雲は目を丸くした。
「マ、マンガ…?」
「あ、あれ?違った?俺がクリスマスをテーマにして描こうとしてたのに気づいてくれたのかと思ったんだが…」
「え、えと、それは違…」
「い、妹さん…?」
「………」
気を悪くさせてしまったかと焦る播磨。先ほどまでの会話を思い出し、
(うわー、俺、なんかヤベーこと言ったかー!?)
と、必死で考える。
しかし、そんな播磨に、しばらく黙っていた八雲が見せた顔は笑顔であった。
「ふふっ…播磨さんったら…」
「い、妹さん…?」
どうして笑っているのかわからない播磨は、なんだかマヌケな顔をしていた。
(播磨さんらしいな…こんな勘違い。なんだか姉さんみたい)
「あ、あのー…妹さ…」
「播磨さんの言うとおりですよ」
八雲は笑顔のまま答えた。
「へ?」
一瞬、なんのことだか分からない播磨。
「ですから、クリスマスに播磨さんのお宅で、マンガを手伝います」
「あ、ああ、そうか…じ、じゃあ頼むわ」
「はい、任せてください」
(クリスマスにはたくさんのご馳走を作って、2人で食べよう。プレゼントは、その時に渡せばいいよね)
今日は気持ちを伝えることは出来なかったし、結局勘違いもされてしまったけど、自分にとって大きな一歩ではないかと、彼女は思う。
そう思うと、彼女の心は晴れ晴れと澄んでいくのだった。
恋をすると、人は成長する。それは、姉を見て実感したことだった。
この人はまだなんにも気づいていない。気づいてくれない。
だから自分から動かなくてはならない。またそれによって自分は少しずつ変わっていけるのではないだろうか?
「ん?どうかしたか妹さん?なんだか嬉しそうだぞ?」
「いえ、なんでもありません」
(私も変われるのかな…?変われる…よね…?きっと…)
この人を好きでい続ければ、きっと…
彼女は愛しい彼に微笑んだ。
果たしてクリスマスの日、彼女はこの鈍感な彼に自分の気持ちを伝えることができるのか?
プレゼントとともに、自分の想いを届けることができるのか?
それは誰にも分からない…
だが、願わくば、この少女に、神の祝福があらんことを…
〜fin〜
269 :
Classical名無しさん:04/11/21 16:41 ID:1QLGpMnA
>>268 乙〜
おもしろかっただけにもうSSを
書かないのはちょっともったいない気もするが
まぁ本人が書かないというならしょうがない…
でもできればクリスマス編も書いてほしいかな〜
俺は気長に待ってるぞ!
>>268 GJ!です。
昨日のも面白かったですけど今回みたいな書き方だと見やすくと内容が理解しやすくて良かったです。
>>269さんがおっしゃるとおり自分も今回だけでSSを止めてしまうのはもったいないと思うので
また書きたくなったら書いてもらえると嬉しいです。
>>269 >>270 早速の感想ありがとうございました!
私などの作品にそこまで言っていただき、とても光栄です。
お二人のお言葉に励まされました!また時間があるときに書いて見たいと思います!
乙でした。
マターリ次回作期待してますよ( ´ー`)
そして麻生サラ投下キボンしときますw
どうでも良いが、
今日の府中第2レースにヤクモラブという馬が走ってたw
>>268 おお、続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━! GJ!
こういう引きだとクリスマス編を読みたくなるのが人情。マターリとお待ちしてます。
275 :
Classical名無しさん:04/11/21 21:51 ID:zMuHEA5U
時は12月24日
麻生はバイト先の中華料理店の前に立っていた。バイトの帰りにはサラを教会まで送っていくのが習慣になっていた。
「お待たせしましたセンパイ」
何も言わず歩き出す麻生。それを追いかけるサラ。いつもの光景である。
「さみしいですねぇセンパイ。イブの日にバイトですか。」
「別にイブに何も思い入れはない。お前だってバイト入れてるだろうが。」
「私はいいんですよー。教会は今日身内でパーティーですから。あれスゴイ騒ぎなんで苦手なんですよ…それに………」
両手に白い息を吐きながらつぶやく。
276 :
Classical名無しさん:04/11/21 21:59 ID:zMuHEA5U
「それになんだ?」
聞こえないと思っていたのか麻生の反応に驚くサラ
「いえっ、あっ、何でもないです」
その後無言で歩き続ける二人
教会もすぐそこになったところでサラが口を開いた。
「センパイ、ケーキ食べませんか?多分余ってると思うんですけど……」
無理矢理宿舎に麻生を連れ込む。
「とりあえず座って待ってて下さい。今持ってきますから。」
とるものもとりあえず部屋を飛び出すサラ
足音が近づいてくる。出てった時より元気がない。
>>271 乙です。
どちらのお話もとても面白かったです。
ただ、キャラの心情の変化がやや唐突に感じられたので、もう少し
丁寧だといいなと思ったりしました。
それと昨日のお話で「尾行したことを責められたサラがその直後に
携帯の話を盗み聞き」というのは、サラの心情とか演出とかを
差し引いてもちょっと苦しいかも……あくまで私見ですが。
個人的には好きなお話なので、これからもがんばってください。
278 :
277:04/11/21 22:05 ID:U/OBagKo
途中ですみませんでした
279 :
Classical名無しさん:04/11/21 22:09 ID:zMuHEA5U
「センパイどうぞ。食べて下さい」
あからさまに元気がない。多分自分の分がなかったのだろう。
「おい、お前のケーキはどうした?」
ケーキののった皿を受け取りながら言う。
「今食べてきましたから。ホラ、早く食べて下さい。」
無理に作った笑顔が痛々しい。
「一人で食うのはなんだからな…半分食え。ナイフはどこだ?」
返事を待たずに台所からナイフを見つけ、半分に切る。
「ほら、食べろ。」
ケーキを渡すとサラの表情が明るくなる。
「ありがとうございますセンパイ」
「一人で食べるのは性に合わないだけだ。」
顔を赤くしながら目線をそらす麻生。ふと窓を見ると雪が降っている。
「お、雪だ。珍しいな。」
「ホワイトクリスマスですね……」
麻生の隣に立つサラ。
二人の夜はふけていく…… fin
>>277 アドバイス、どうもありがとうございます。
>尾行したことを責められたサラがその直後に 携帯の話を盗み聞き
>キャラの心情の変化が唐突
実は、この2つの問題点は自分でも気づいておりました。(負け惜しみのように思われるかもしれませんが、マジですw)
私の表現力不足(つーか経験不足)のため、いい改善策が思いつかず、そのまま書き込むという暴挙にでましたw申し訳ないです…
そこに気づいてくれるほどきちんと読んでくれて嬉しい限りです。ありがとうございました!
次回書く機会があれば、できるだけ改善してみたいと思います。
「妹さん、これ以上会っていると天満ちゃんの誤解がさらに酷くなる・・・もう屋上で会うのは止めにしよう・・・」
「でも・・・漫画はもういいんですか?」
顔の陰影を濃くしながら叫ぶ!
「こんなこともあろうかとダミーサークル・・・じゃなくて、同好会を設立したぜ!」
「同好会?」
がっしと八雲の方を掴み笑顔で答える
「もちろん、妹さんは副会長だぜ!」
「・・・」
「と、言う訳でここが活動の拠点となる!」
その部屋にはこたつの上に漫画道具とみかんが用意されていた。
「でも播磨さん・・・狭い部屋で二人きりというのは屋上より誤解されるんじゃ・・・」
「こんなこともあろうかと奈良を下っ端として引き入れた!」
「そ、そんな、水着ズモウを支援してくれるっていうから来たのに・・・」
「それにこの部屋のプレートにヒゲ部って書いてあったんだけど!漫研じゃないか!偽装表示はいけないんだよ!」
「う る せ え な!三下は黙ってベタ塗りしてろ!」
「ささ、妹さんは上座でトーンを」
「・・・播磨さん」
「ん?なんだ?」
「私茶道部なんですけど・・・」
頭を抱えて「忘れてた!」
奈良は逃げようとしてドアの前に立っていた人物にぶつかり尻餅をついた
「イテテ」
「真面目に同好会を設立するから顧問になれと言われたのに、ヒゲ部とは・・・」
「い、イトコ」
「さんを付けろ播磨くん」
「イトコサン」
「な、刑部先生がヒゲ部の顧問なんですか!」
苦笑
「漫研なら美術教師がやるもんだがな・」
「あ、そうだイトコ!ヒゲ部はやめて第二茶道部にするわ!これなら妹さんが茶道部を辞めなくてすむしな!」
「え、えと・・・それだとサラや部長や沢近先輩に説明しないと・・・」
「大丈夫、こたつの上にお茶請けと湯呑置いてあるだろ!」
(なんてわがままなひとなんだ!)
ギロッ
「ひっ、何でも無いよ」
「さて、どうしたものか・・・顧問だから不適切な活動を見逃す訳にはいかないのだが」
ピカーン
「閃いた!男子茶道部にして、妹さんは男子茶道部のマネージャーになれば問題無いぜ!」
「マネージャー・・・」
二日後
男子茶道部(漫画同好会)は監査の目を誤魔化すも、沢近とサラが毎日訪れるようになり
漫画を家で描く事になった。
「結局、今まで通り屋上で漫画を見てもらうとは・・・」
「いいじゃないですか・・・茶道部の人と仲良くなれて」
「とは、言ってもよぉ・・・沢近が毎日紅茶の入れ方をレクチャーしてくるし・・・」
「サラちゃんと会えるだけでぼくは入った甲斐があるよ」
あ、奈良がちゃっかり居やがる
ペシッ
「ブベシッ!」
奈良死亡
「新しい駒割りとトーン処理なんだが、どうだろうか」
「ええこれは..............
二人の居る屋上を見上げると突き抜ける様な青空が広がっていた
-----------------------------------------
奈良死亡END
なんか所々飛んでるんだが…
「むむむ……」
矢神町にある中華料理店の一つ、その店の休憩室の中に、一人の少女の姿。
その少女、サラ・アディエマスは手に持った小さな物体を見つめながら、それを時には裏
返してみたり、振ってみたり、傾けたり持ち上げてみたりしながら悩ましげな声を出して唸
っていた。
その姿は未知の物体に遭遇したような原始人のようにも見えるが、あながちその例えは今の
サラにとって間違いとは言えなかった。彼女が手に持っている物体とは、現代人にとってはも
はや必須のアイテムとも言えるべき携帯電話、しかし操作方法が全くわからない彼女にとって
みれば未知の物体と同意のようなものだった。
「……おい」
携帯電話とのにらめっこに夢中な彼女、休憩時間に入って休憩しに来た麻生は、ドアを開け
ると一瞬不振な人物でも目撃したような気分になりながら声をかける。
「うーん……」
少し様子を見てみてみるも、一向に返事が返ってくる気配はない。
声が届かない程の集中力は驚嘆に値するが、全く行動に伴っていない。
おもちゃと戯れる子供のように携帯電話を眺める彼女、電子機器の扱いというものを根本から
間違っている。見るばかりでボタンに触れようともしないサラがいつになれば気づくのか、それ
を見届けるのもいいかもしれないと少し思った麻生だったが、それだと一体いつまでかかるの
かわからないと判断すると、はぁと一つ溜息をつきサラの元へと近づいていく。
「おい」
「うー…え?せ、先輩!?」
「お前、何してるんだ?」
「え?あ、見てください、携帯電話を買ったんです」
肩を叩かれやっと麻生の存在に気付くサラ。
彼女は振り向くと嬉しそうな笑顔を彼へと向けながらその手に持つ携帯電話を自慢気に掲げ
てみせる。ただ、その携帯電話のディスプレイは予想通り真っ暗だったが。
「で、何してたんだ?」
「はい、携帯電話を買ったんです!」
「いや、それはさっき聞いた」
繰り返し携帯電話を買ったと自慢する彼女に呆れ顔の麻生。
単に買ったことを自慢したかっただけなのか、それとも天然なのか、サラならどちらもありえ
そうな気もしないでもない。
「俺はその携帯電話を使って何をしてたんだと聞いたんだが」
「そ、そうだったんですか」
冷静な言葉に今更ながらにはしゃぎすぎていた自分に気付いて恥ずかしそうに小さくなるサラ。
いつも以上に感情の変化が大きく、今にも火がでそうなくらい顔を赤くして恥ずかしがる彼女は、
本当に子供のように可愛らしく映る、本人にとっては本当に恥ずかしいだけだったが。
「えーっとですね……」
「お前、まさか使い方が解らないのか?」
「うっ」
図星と言わんばかりに反応するサラ、口にはしてないがそうですと言っているようなものだ。
「まあいい、で、何がわからないんだ?」
「じゃあですね、とりあえず電源の付け方を」
「そこからかよ……」
スタート地点にさえ立てていないサラの言葉に教える前からどっと疲れ、はぁと大きく溜息
をつきながら、電源ボタンを押し携帯電話の電源を付ける麻生。
「わぁ、電気がつきましたよ」
「で、次は?」
「それじゃあ電話のかけ方を」
「この数字のボタンがあるだろ、これを押すと画面に番号が出るから電話をかけたい相手の電
話番号を押して、その後に通話ボタンを押すんだ」
「わかりました、やってみます」
電源一つで早くも興奮気味なサラ、そんな彼女を視界の隅に捕らえながら、何だかんだで一
つ一つ丁寧に教えていく麻生、教え方がいいのかサラもたどたどしくではあるがしっかりとつ
いてきていた。
と、そこで着信ベルの音が休憩室に響く、着信音から自分のだと気付いた麻生はロッカー
の上着のポケットから携帯電話を取り出す、ディスプレイを見てみればそこには自分の知らな
い番号、何か嫌な予感がしつつも彼は電話にでる。
「もしもし」
「もしもし?先輩ですか?」
聞きなれた声が耳に入る、それも電話と同時に背後から。
「お前かよ……」
「もしもーし、先輩聞こえますか?」
「この距離で電話する意味なんてないだろ」
「いいんです、気分ですから。ほら、電話で喋ってください」
「もしもし……」
がっくりと肩を落とす彼など気にせず呼びかけるサラ、電話が繋がったため興奮しているのか
いつもよりも少しだけ声のトーンが高い。
「電話がつながりました、先輩すごいです」
「そうか」
「それでですね……」
「まだ何かあるのか?」
「あの、番号の登録とかメールの仕方とかも教えてもらえませんか?」
一瞬トーンの落ちたサラに何事かと思い彼女の方を見つめる麻生だったが、恥ずかしげに笑み
を浮かべながら言った彼女の言葉には大きく溜息を一つこぼしたのだった。
結局この後、彼はメモリの登録の仕方からメールの送り方その他色々と携帯電話の使い方を彼女
に教える事になり、休憩時間を彼女に教えるために費やしてしまったのだった。
ちなみに。
サラの携帯電話のメモリに初めて登録されたのが八雲や晶ではなく、麻生の番号だというのは、
彼女だけの秘密だった。
それ以来アルバイトのある日、放課後サラは携帯電話を取り出すと、いつものようにボタン
を操作する。画面に表示されるのはいつもと同じ、No000 麻生先輩。
通話ボタンに指をかけ耳をすます、聞こえてくるコール音。
一回、二回、そして三回目、いつもと同じ時間、同じタイミング、繋がる。
「もしもし、先輩聞こえますか?」
292 :
蓮水:04/11/22 04:44 ID:uMHQ3pWQ
えー、IFスレに投下するのはすごい久しぶりなんですがこんばんは。
サラの機械音痴っぷりを書きたいなーと思ってこの話を書いてみました。
この話は書きはじめてから途中大分日にちがたってしまってやっと書き上げたものなので大丈夫かなと少し
不安もありますが、よければ読んであげてください。
機械音痴サラ萌え(*´Д`)ハァハァ
乙でした(・∀・)
294 :
Classical名無しさん:04/11/22 08:01 ID:n7S4Kr2Q
とても面白いいいSSなのだが、サラはかなり早い時期から携帯を使っているぞ
>>294 まぁ、それは言わないお約束?俺の記憶じゃ見た記憶がないけど。
297 :
Classical名無しさん:04/11/22 13:37 ID:n7S4Kr2Q
八雲に電話してるぞ
つーかよく携帯使えたな、サラは。
ど忘れしてましたけどサラって電子レンジを爆発させるくらい機械音痴だったってのに。
……やっぱ使う機能は電話だけ?メールなんて高度な機能は使いこなせないよなぁ。
イトコがもしあの時帰らなかった場合
ドアに耳を当て硬直しているイトコ
ギシギシ
「くそっ摩擦が凄いな」
「播磨さん、そんなに激しく擦ったら破けちゃいます・・・」
ギシギシ
(!)
「あとは塗るだけか」
チュポ
(!)
「あ、床が汚れちまった・・・イトコに怒られる・・・」
「タオル持ってきて拭けば跡が残らないと思います・・」
ふきふき
「すまねぇな、妹さん・・・俺一人じゃどうにもならないからって付き合わせちまって・・・」
(!!!)
「さーて、後は明日仕上げるか・・・。妹さんはベットで寝てくれ。」
「播磨さんはどこで寝るんですか?」
「俺は床で寝るから気にスンナ」
カチャ
灯りが消え真っ暗になる
「ではお休みなさい」
・
・
・
(健児クンはなんとか純潔を守ったようだ・・・ホッ・・・)
静かになったのを確認するとイトコはベットに入り、悶々としながら深い眠りについた。
どんな夢をみたのだろうかそれは彼女しか知らない。
おわり
301 :
雪豹:04/11/22 18:32 ID:gACiJkRQ
大丈夫かな?
では後編を投下させていただきます。
今スレ151〜170に続いて
題名のミスのご指摘、ありがとうございました。
もしも花に感情があるとする。
それはきっと、暖かい日差しへの喜びを、愛情を注いでくれる存在への感謝を、真っ直ぐに表現するものだろう。
何時しか感情に仮面を付ける術を覚えてしまった沢近愛理。
しかし、その本質は大輪の花。
ちっぽけな自尊心を取り払ってしまえば、残るのは剥き出しの、少し照れくさい純粋な想いだけ。
親友の後押し。自身の決意。……遮るものは、もう、何も無い。
考えを纏めてくる。
そう言って部屋を出た。しかし、向かう先は勿論、外などではない。
対決をしに行くのだ。播磨拳児と。認めることなく押さえつけてきた想いは、たがを外してしまえば、
熱く渦巻いている。
「どういう顔をするんでしょうね……」
今まで彼に対しては、きつく当たることしかなかったような気がする。今にして思えば、それは照れ臭さの裏返し
だったと分かるのだが、そんなことは、鈍感なアイツには理解し得ることではないだろう。
「からかわれてると思うかしら……」
不安が無いわけではない。想いを否定されたとき、果たして自分は耐えられるだろうか。
――何を今更――
ついつい悲観的な方向に向かう想いを振り払い、己を叱咤する。
あらゆる結果を想定し、例えそれがどんなに辛いものであったとしても、その全てを甘受する決意を固めたのは
ついさっきのことだ。
結果が自分の望むものとは異なっていたとしても、それすら己の成長の糧と思うことが出来るようになった自分を、
素直に認めたい。
……だけど、やっぱり受け入れて欲しい。
階段の下までやってきて、意図せずに立ち止まる。上気した頬の感覚が、鼓動の高まりに拍車をかける。
それはほんの僅かな逡巡。
臆病だった自分と決別し、想いをはっきりと受け入れるための、ささやかな儀式。
胸に手を当て、深く息を吸う。
閉じられた瞳を再び開いたとき、迷いは既に無かった。
その時だった。辺りに立ち込める違和感に気付いたのは。
澄んでいるはずの空気が、燻んだ色を以って存在しているかのような錯覚を覚える。そして、鼻腔が捉える、はっきりとした異臭。
台所に立つ機会が増えてきた彼女にとって、その正体を見抜くまでにかけた時間はほんの僅かだった。
……まさか、でも……
思考が追いつかない。確かに存在している異変だが、現実感を喪失した想像がついてこない。
……ガス、なの?……
初めに浮かんだのは、皆に知らせなければいけないということ。第六感と呼ばれる存在を彼女は信用していなかったが、
今まさに、それがガンガンと警鐘を鳴らしている。
五月蝿いぐらいに早まった鼓動が、愛理を盛んに促す。しかし、意思に反して、足は動こうとしない。
ボン!
遠くで音が聞こえた。ゆっくりとそちらを向いた愛理の視界が、一条の閃光を捉える。
見る見るうちに大きくなっていく閃光は、同時にやってきた暑い風と共に、愛理の意識を奪っていった。
「おい! 大丈夫か、周防」
人混みを掻き分けてやってきた花井が、女性陣の無事を確かめて、安堵の表情を見せる。
「ああ。でも、一体何なんだ?」
それは、本当にあっという間の出来事だった。遠くで小さな破裂音がしたかと思うと、次の瞬間には熱風が障子を焦がしていた。
美琴たちは急いで窓から外に出、二階の花井たちもまた、備え付けの避難用具で脱出していた。……既に木造の建物は、まるで
意思を持ったかのように暴れまわる、紅蓮の炎に蹂躙されている。
不幸中の幸いであったのは、皆が寝静まるには早すぎる時間だったということ。各々の部屋で誰かが異変を察知し、迅速な避難を
行うことが出来た。それに、しっかりとした非常用の器具が備え付けられていたことも大きい。
「塚本がな、変な匂いがするって言ったんだよ。……こりゃあガスだよな」
美琴が呆然と見上げる。
「今鳥もそんなことを言ってたな。……しかし、何てことだ」
「マジ信じられんねー。荷物全部あん中だって」
肩で息をしながら、今鳥が盛んに罵声をあげる。
播磨は違和感を感じていた。
何かが足りない。ここにあるはずの、必要なピースが揃っていない。
「……おい、お嬢はどうした?」
その正体に気付き、思わず美琴に詰め寄る。
「な……お前のところに行ってたんじゃないのか?」
「来てねえ」
「そんな……だって、あれは」
思わず晶を見やる。焦燥が体の中心からせり上がって来る。
「外に出て行く雰囲気じゃなかったわね。それに、外に行ってるんであっても、この騒ぎに戻って来ないわけが無いし。
……播磨君、本当に愛理と会ってないの?」
期せずして震える語尾。いつも泰然としている彼女が見せる驚愕が、事態の逼迫さを雄弁に物語る。
「会ってねえって言ってんだろ!」
彼女たちに当たっても仕方が無いのは分かっている。しかし、嘗て感じたことの無いほどの巨大な焦燥は、どこかに
はけ口を見つけなければ、とたんに暴発してしまいそうだった。
……じゃあ、こん中にいるってのかよ、お嬢は……
見上げる先には、さながら地獄絵図の様相を呈する、炎で覆われた木の塊。パチパチとはぜる音と、闇に向かって
飛んでは消える火の粉は幻想的で、ともすれば播磨の気持ちを奪いかねない。
しかし播磨は、強引にそれを憎しみの対象へと置き換えた。
「ねえ、じゃあ愛理ちゃんは?……」
天満が溢れる涙を拭おうともせずに零す。
「消防車はまだ来ないのか! くそっ、山奥なのが仇か」
地面を叩いた花井の拳から、血が滲み出る。
美琴が懸命に呼びかけるが、返事は当然のように返ってこない。
播磨は、全身の血が冷たくなるのを感じていた。
失われていくものの大きさが、矛となって心を抉る。
恐らくこれは試練なのだ。唐突に思う。
男には一生に何度かは、文字通り生命をかけて、大切なものを守る瞬間が来る。
今がその時なのだと。
「貸せっ!」
わざわざこんなところにまで野次馬にやってきたと思われる、バイクに跨っている男から、強引にフルフェイスの
ヘルメットを奪い取り、走り出す。
「無茶だ、播磨!」
背後で聞こえた美琴の声に、足を止め、振り返る。
そこにあったのは、不安と絶望。そして、ほんの少しの期待と、懇願。
「播磨君……」
「泣くな、天満ちゃん。……今、引っ張ってくるからよ」
大きく頷いて見せた。信頼と勇気を、貰った気がした。
播磨の大きな体は、炎の中へと消えていった。
子供の頃によく見ていた夢がある。
大きな怪物に襲われる自分を、「誰か」が救ってくれるという夢。
その「誰か」は、あっという間に怪物を片付け、手を差し伸べる。
そして、やがて二人は幸せに結ばれるというモノ。
今にして思うと、とてもありきたりで、余りに陳腐なお姫様願望。
だけど、それはそれで微笑ましく思う。
ただ……相手の顔は、いつも見えなかった。
久しぶりに、その夢を見た。
覚醒は突然におとずれた。
体が馴染んだベッドで、柔らかな朝日に誘われるように緩やかに覚醒するのではなく、ただ、唐突に。いきなり回線が
切り替わったかのような、そんな感覚だった。
愛理は意識せずに、普段通りの動きで半身を起こそうとする。しかしそれは、鈍い痛みによって遮られた。
そこでやっと、呆けていた頭が現実を認識する。関節の軋みに悲鳴を押し殺しながらも、何とか壁に背を預ける姿勢をとると、
視界が信じられない光景を捉えた。
「何、これ……」
至る所で炎が燻り、旅館の面影を燃やしている。
「そうだ、確かガスの匂いを感じて……」
そこまで思い出すと、とたんに恐怖が体の奥からせり上がって来た。自身が置かれている状況を認識し、正しく行動する
能力を喪失する。パニックに陥った精神を修復することは、並大抵のことではない。闇雲に立ち上がった結果、灼けた空気を
まともに吸い込んでしまい、激しく咳き込んだ。
その苦しさは、普段の負けん気の強さすらへし折ってしまうほど、強力だった。
何故、自分がこんな目に遭わなければならないのか。期待と不安に心を躍らせ、恐らくは生涯の中で一番緊張するであろう
場面を迎えようとしていたのではないのか。それが、どうして……
余りに非現実的な状況が、生きようとする気力を奪っていく。
ここで眠ってしまえば楽になれる。そんな考えすら浮かんだ。
朦朧とする意識の中で愛理は、先ほどまで見ていた夢を思い出していた。
「……私のピンチなのよ。早く助けに来なさいよ」
まだ見ぬ「誰か」に向かって呟く。
薄れていく意識を押しとどめようとする気力は、徐々に無くなりかけていた。
「……嬢。おいお嬢! しっかりしろ!」
誰だろう、私を呼ぶのは。
もう疲れたのに。今更あの地獄の中で足掻く気力はない。
ゆっくりと瞳を開ける。
「生きてたか。……良かった」
まず感じたのは、そんなことは有り得ないということ。例えどんなに大切な人だったとしても、誰が好んで己の命を危険に
晒してまで助けに来ようか。
「はりま……くん?」
ぼんやりとした視界が男の顔を捉える。煤けた頬が、服の焦げる匂いが、現実感を急激に喚起させる。
――私のために、ボロボロになってまで――
愛おしさが込み上げてくる。気が付けば、無意識に彼の胸に顔を埋めていた。
「怖かったよぉ……」
涙が溢れて止まらない。絶望的な孤独を脱することが出来た安堵から来るものだけではないだろう。彼だから、播磨拳児が
来てくれた事実が、愛理の心を満たしたのだ。
今まで自身が刹那主義者だと感じたことは無い。けれど今だけは、この至福をいつまでも貪っていたかった。
「よし、こっから出るぞ」
ともすれば粗暴に見えていた言動が、今ではとても頼もしく感じる。失いかけていた生への渇望を、愛理は何とか取り戻した。
冷静に周りを見て、実際によく無事だったものだと思う。恐らく、急激に気圧が変化したために起きた風によって
吹き飛ばされたのだろう。おかげで階段の陰に隠れ、直接的に炎を浴びることを避けられたようだ。
「歩けるか?」
その問いに頷いて見せたはいいものの、播磨に支えられて体重をかけた左足が悲鳴を上げた。
どうやら飛ばされた時に打ち付けてしまったらしい。骨までは折れていないようではあるが、その痛みは彼女の気力を
挫くのには十分だった。思わず座り込む。
「駄目みたいね」
何の因果か、体育祭で傷めた箇所と同じところだ。そういえば、あの時もコイツ絡みだったっけ……ふと、思った。
「おい、こんな状況で甘ったれたことを言ってんじゃねーぞ。じっとしてたって助けは来ねーんだ」
「なによ、そんな言い方ないじゃない!」
播磨からすれば、至極尤もな意見だろう。しかし、疲労した体がその言葉に過敏に反応したのか、それともいつもの
条件反射なのか。愛理の口をついて出るのは、まるで場違いな喧嘩腰の言葉だけだった。
「……だから、いいわよ。邪魔だったたら置いていっても」
ひとしきりわめき散らした後、消え入るような声で愛理は結んだ。
本心と裏腹な言葉しか出せない自分を嘲りながら。
sienn?
沈黙が流れる。きっと怒鳴られるだろうと予想していた彼女は、播磨の沈黙がかえって不気味で、本当に置いて
いかれるのではないかと怯えていた。
思わず俯いたその先では、どこかの子供が落としたのであろうぬいぐるみが、煤に塗れて静かに横たわっていた。
「……死なせねーよ」
「え?」
何と言ったのだろう。近くにいる愛理にすら聞き取れないほど微かに零された言葉。その真意を質そうと、反射的に顔を上げる。
そこには、面前に迫った播磨の顔があった。
そして……
躊躇する間もなく、強引に重ねられる唇。それは確かな意思に裏打ちされるかのように力強く、それでいてとても優しい。
状況を完全に認識したわけではない。それでも愛理は半ば本能的に目を閉じ、感情に身を委ねようとした。
しかし播磨は、まるで焦らすかのように、次の瞬間には体を離していた。
「な、何を……」
上気してしまった頬の色を隠すことが出来ない。不意打ちを受けた箇所に手を当て、思わず数歩下がる。
「俺みたいなバカにキスされて、悔しいだろ? 憎いだろ? だったら、ここを出た後でいくらでも仕返しをすればいい。
俺は逃げも隠れもしねーよ。……だから、今はその想いをエネルギーに変えろ」
一気にまくし立てる。愛理はその勢いに押され、ただ頷くしかない。
それを見て播磨が僅かに苦しそうな表情を見せたのに、彼女は気付かなかった。
しっかりと握られた手が、熱を帯びる。
強引に被せられたヘルメットは視界が狭く、半歩先を行く彼の表情を窺い知る事は出来ない。
――場の勢いだけで奪ったの?
もしそうなのだとしたら、自分はまんまと乗せられてしまったことになるのだろう。憎しみだとか、そういう類のものでは勿論無いが、
あれによって足の痛みなどはどこかへ消えてしまったことは事実である。
「……いいわ」
「あん? 何か言ったか?」
「気のせいよ」
意図せずに頬が緩む。
それならば、それでいい。本人がそれを望むのであれば、復讐をしてやろう。ムードも何も無いファーストキスの代償は、
それを補って余りあるくらいの二回目で払ってもらう。
例えどんなに恥ずかしがったって、許さないんだから。
愛理の頬の色が、元に戻ることは無かった。
「よし、こっから出られそうだな」
播磨が安堵の表情を見せる。
ここに至るまでの過程は、決して平坦なものではなかった。
滑落した瓦礫にロビーが埋まり、玄関からの脱出が不可能と知ったときの絶望。炎に巻かれていない部屋を探すために、
再び地獄へと戻ることにどれだけの勇気を必要としたか。
窓を開け、新鮮な空気を吸う。
「ほら、早くしろ」
「ち、ちょっと、いきなり何すんのよ」
後ろから突然に抱え上げられ、愛理は思わず非難の声を上げた。
「サッシが熱くなってんだよ。直に触ると火傷するぞ」
その言葉に観念して体重を預ける。
「やったわ。あぁ、助かった」
肩から崩れ落ち、そのまま反転して仰向けになる。人が集まっている場からは少し離れていて、喧騒がやけに遠くに感じた。
絶望的な状況から脱することが出来たために、わずかな時間であるが、独りよがりになってしまったのだろう。
不覚にも、命を張ってまで救いに来てくれた存在のことを、忘れていた。
ドスンという音が、足元のほうからから聞こえた。振り返った先に、いるはずの存在は、無かった。
「え……何で?」
パニックが押し寄せる。今自分が出てきたはずの道は、崩れ落ちてきた二階の外壁によって、塞がっていた。
そんなことがあってたまるものかと、瓦礫に駆け寄る。しかし、ちょうど彼女の視線の高さに開いた隙間は、
恰もその残酷な事実を見せ付けるためだけのように、存在しているようだった。
「ウソ、でしょ……」
播磨は、閉ざされた道の内側で、呆然と立ち尽くしていた。
「播磨君、播磨君!」
愛理の叫び声に、播磨がその出所を探す。
「何やってるの。早くこれどかして出てきなさいよ!」
「これはさすがに無理、だな」
「バカ言ってんじゃないわよ! 早く何とかしなさい。じゃないと、私……」
期せずして零れ落ちる涙に、他ならぬ彼女自身が驚く。これじゃあ絶望的な状況だということを認めている
ようなものじゃないか。……大丈夫。コイツのことなんだから、きっと突拍子も無い方法で……
「きゃっ」
更に崩壊が進む。既に先ほどの隙間は失われ、大切な人の顔は見えない。
「ちょっと……やだよ」
「泣くな、お嬢」
「播磨君、大丈夫なの?」
姿は相変わらず捉えることは出来ない。けれども、そこに確かな存在を認識出来る事が、これほど愛しく
感じられた瞬間があっただろうか。
「……こんな形で言うつもりじゃなかったんだけどよー」
声が途切れがちになる。
「ちょっと、最後みたいなこと言わないでよ……」
言葉とは裏腹に、全てを聞き漏らすまいと瓦礫に体を寄せる自分に気付く。
「俺は、お前のことが――」
「危ねえ、沢近!」
突然横から抱えられ倒れこんだ愛理のすぐ脇を、まるで彼女の大切な全てを押し潰すかのように、完全に崩れてしまった旅館の
成れの果てが、埋め尽くしていた。
呆けた表情で、隣で激しく肩で息をする存在に目を向ける。
「美琴……」
焦点が合わない。
「そんな……だって、私全部聞いてない。それに私も何も言ってない」
「沢近?」
美琴が怪訝そうな目を向ける。
「播磨君が……はり、ま」
彼女が見つめる方向からは、何も聞こえてこない。
蒼白になった親友の表情から、美琴は全てを理解した。
「い、嫌ァァァァァ」
悲鳴に似た嗚咽は、赤く染まった夜の空に、哀しく木霊し続けた。
――ねえ、声を聞かせてよ。姿を見せてよ。復讐させてくれるんでしょ? 約束は、守りなさいよ――
「捜索を打ち切るとはどういうことだ!」
花井が叫ぶ姿を、残された面々が憔悴しきった表情で見つめていた。
死亡者ゼロ。負傷者38。……行方不明者1。
この規模の災害にしては、奇跡的な被害の少なさだったといっても良いかもしれない。しかし、姿を消してしまった
存在を知るものにとって、被害の小ささは何の慰めにもならない。ただ彼がいないという事実だけが、各々の心に闇を
残していた。
――ただ待つだけの長い一日が、終わろうとしていた。
「……夜間の捜索は、二次災害の危険があります。ここまで建物の崩壊が激しいと、とても。日が完全に落ちてしまえば、
どうしようもありません」
消防隊員の言葉に、花井は力なく胸倉を掴んでいた手を離す。
愛理は、その光景をぼんやりと、まるで夢であるかのように捉えていた。
盛んに薦められた病院行きを固辞したのは、アイツがひょっこりと出てくるのを待っていたから。
アイツの顔を一番先に見るのは、自分でなくてはならないから。
……自分がこの場を去った瞬間に、アイツが本当に消えてしまいそうな気がしたから。
「沢近君。君も安静にしていたほうが良い」
連絡を受けて、明け方近くに飛んできた刑部絃子の掛ける言葉も、耳から耳へと通り抜けていくだけ。
ずっと同じ姿勢でいたことが生じさせる鈍痛も、既に麻痺してしまっていた。
ヘルメットを抱える腕にギュッと力を込める。
「……刑部先生は、アイツと親戚だったんですね」
「ん? ああ。今更隠すことでもないしな」
「アイツの話が、聞きたい」
理由は分からない。だが、自らが播磨の面影を必死で繋ぎとめようとしているのは分かった。
「取るに足らないバカ話ばかりだよ。でも、まあ、そうだね……」
彼女の口から紡ぎだされる数々のエピソードに、愛理は引き込まれていく。
時に大げさだとも思われる表現を用いて誇張するきらいがあるのは、元気づけようとする彼女なりの優しさなのだろうか。
それとも、自身を鼓舞するためだろうか。
mouikkai 支援かな?
「先生は、愛しているんですね」
ふと、呟く。
「……まあ、家族という意味では、そうだね。不良の身内贔屓と言うわけではないのだが、あれはあれで、
いい男だとは思うよ」
「そうですね……」
「君は、そんな彼の魅力を、見つけてくれたのだろう?」
思わず顔を見つめる。
「今の君を見ていれば、誰にでも容易に思い当たるさ。
……しかし、拳児クンも幸せ者だな。君みたいな娘にそこまで心配してもらえて」
「……買い被りですよ」
「そうは思わんがね。……しかし、アイツは一体何時まで待たせるのやら」
その言葉に愛理は、堪えていた涙を溢れさせた。
「先生は、強すぎるわ。何でそんなに信じていられるの?」
「……我々が信じてやらなくてどうする。それに、こういう場合は信じる想いが強ければ強いほどに、通じるものだよ」
「そういうものですか」
「そういうものだ」
恐らく半分は虚勢なのだろう。
しかし愛理は、その中に決して揺るがない強さを見出していた。
まさか、一度投稿したくらいで制限に引っ掛かったか?
その時だった。晴天の霹靂の如く、辺りに声が響き渡ったのは。
「お嬢は! お嬢は無事なのかよ!」
今まで沈痛な表情で雁首を並べていた面々が、互いにあっけにとられた表情で見詰め合う。
「落ち着きなさい。……全く、これが本当に一日瓦礫の中に閉じ込められていた人間かね」
そこには、すっかり黒くなってしまった腕で、一回りも小さい救助隊員に掴みかかる、見慣れた顔があった。
そしてそれは、頑なに信じることを止めなかった人達への、ご褒美でもあった。
「いいかね。君以外の人は無事に救助されているんだ。君が最後だよ。……ほら、あちらで皆さんが君の無事を待ちわびている。
早く無事を報告してあげなさい」
その言葉を受けて、播磨の視線がゆっくりと回転する。
果たして、彼が見た自分たちの表情はどんなものだったのだろうか。
安堵? 喜悦? 少なくとも愛理の表情を彩っていたのは、「歓喜」という名の花であった。
ほら、と背を押され思わず振り向くと、隣で唇を噛み締めていたはずの絃子は、一歩下がって背中を見せている。表情は決して見せようとはしない。
しかし、その胸中に何が溢れているのかは、その震える肩が如実に表していた。
一歩一歩、引きずるようにして歩みを進めていく。その感覚は、恰も綿の中を進んでいるかのようにもどかしく、
遅々として中々進まない。しかし愛理は、そのもどかしさすら、至福のように感じられた。
播磨は一旦駆け寄ろうとする仕草を見せたが、伸ばしかけた手を下ろし、ただじっと愛理が辿り着くのを待っていた。
「……よう。元気そうじゃねーか」
目前に迫った播磨の顔をまともに見ることが出来ず、俯いたままでいる愛理に向けて声をかける。
彼女はただぎゅっと、両のこぶしにかける力を強めた。
「ごめん、なさい。……私のために」
「あん? カンケーねーよ。俺は自分のやりたいようにやっただけだ」
そう言って豪快に笑う様を、ようやく見ることが出来た。
「……復讐」
「あ?」
愛理が零した言葉の意味に思い当たった播磨が、徐々に顔色を変える。
「あ、あれはだな。なんつーか場の勢いってやつで……出来ればオテヤワラカニオネガイシマス……」
尻すぼみに小さくなる声。それを一蹴するかのような素敵な笑みが、愛理の中から溢れてきた。
それは驚愕か、はたまた困惑か。播磨の真意は語られることは無く、一番近くにいる愛理にすら窺い知ることは出来ない。
流れるような動作はとても自然で、他の全てを遮るような空間。ゆっくりと首の後ろで組まれたしなやかな指先の感覚が、
播磨の精神を忘却の彼方へと誘っていく。
背後から聞こえた息を呑む声。
それがファンファーレに変わって、近付いていく唇と、止まっていく二人の時間を、祝福していた。
325 :
雪豹:04/11/22 20:02 ID:UaekKlr.
以上です。
突然マシンの調子が悪くなって、後半難儀しました。
リアルタイムで読んでくれた方には、迷惑をかけたなー、と。
作品自体はネタがありきたりの上、突っ込みどころ満載だと思います。
細かいところに目をつぶっていただければ、少しは面白く読めるかと。
では、創作意欲が湧いた頃に、また。
制限に引っ掛かった?
リアルタイムで読ませていただきました。 GJでした。
あれ、リロードしたら終わってる。
すみません。
>>326は気にしないでください。
>>325 乙です。リアルタイムで読まさせていただきました。
GJ!
播磨×花井のSSを投下してみます。
自覚した瞬間は、今でも鮮明に覚えてる。
何度も振り払おうとした気持ちは、自分では到底手が付けられない程に大きくなってしまった。
これ以上好きになってはいけないと思えば思う程、皮肉にも好きになってしまう。
『ごめん』と『好き』。
多分同じ位、心の中で呟いた。
―
「なあ、お前って俺の事嫌いとか?」
軽い調子の言葉なのに、馬鹿みたいに心臓が跳ねる。
どう答えれば良いのか分からない。
後で冷静に考えれば、そんな事ないよとか何とか。適当に答えてしまえば良かったのに。
その時の俺は、何故か『好き』か『嫌い』、どちらかを答えなければならないと思ってしまった。
「おーい、播磨?」
名前を呼ばれるだけで、一回心臓が死んでしまう気がする。
早く答えなきゃという焦りばかりが募って、自分でも訳が分からないままに口を開いていた。
「好きだ」
言ってから、しまったと思った。
一生誰にも打ち明けないと誓ったのに。
優しかった目が、軽蔑の眼差しに変わってしまう。
全身が心臓になってしまい、まるで判決を待つ囚人のように身を固めた。
「良かった。僕の前だと播磨、異様に口数減るからさ。てっきり嫌われてるかと思った」
そう言って笑う花井を、俺は多分、世界一のアホ面で見てしまったに違いない。
遠ざかる花井の背中を見つめながら、頭の中が少しづつ冷えていく。
―…ああ、そうか。
まさか俺から好かれてるとは、微塵も思わないよな。
安堵する気持ちと、胸の中に空洞が空くような喪失感。
自分の想いがどれだけ異質なものなのか、今更ながら再確認する。
一生、俺が花井を好きな事を花井は知らないんだろう。
それが自分の望む結果だなんて分かり切っているのに。
好きになんて、自分だってなりたくなかった。
いっそ花井春樹なんか知らずに生きていければ良かった。
そうすれば、この痛みも苦しみも知らずに死んでいけたのに。
俺が花井に異質な想いを抱いてしまったきっかけは、今思えば笑える程にバカバカしい。
笑った顔が何となく好きで、見ていて気持ちが良かったから。気が付けば花井を目で追っていた。
花井が笑っただけで、その日一日良い事があった気分になれて、そんな自分が妙だと感じ始めた。
今までは気持ち良かった筈の笑顔が、見ていて苦しくなるものに変わってしまった。
放って置けば冷めると思っていた感情は、まるで俺の予想を打ち消した。
このままでは、一生この痛みを抱えて生きていかなければならないのではという恐怖。
この想いを告げれば、今はまるで見えない未来への展望が唐突に開けるのではという欲求。
俺は、想いを受け入れて貰うためではなく。フラれる為に想いを告げてみようか。
そうすれば、花井を好きではない自分に戻れるだろうか。
「メガネ、ちょっといいか」
この痛みを捨てられるなら、それなりの代償は支払おう。
相変わらず心臓はうるさいけれど、多分それも今日で終わってくれるから。
「ああ、別にいいぜ」
この笑顔が、明日から心地良いものになってくれるかどうかは分からないけれど。
きっと吸い込む酸素は、今よりも少しは軽くなってくれるはず。
ただ悲しいのは。
自分ですら汚いと思ってしまう、俺の想いだ。
ホモきらーい
ハリケーンキック
奈良は播磨に拒絶されても何度でも立ち上がってくる
「ば、馬鹿な・・・」
「はりまくん」
「う、うわぁぁぁあぁぁああああああああああああああああああああああああ」
脳天を宇宙に打ち上げるようなアッパーが奈良の顎を砕く!
「あそあおおおお、ぉあおあぁわ」
顎を砕かれた奈良が言葉にならない声を漏らす
言いたい事があるらしく、地面に何やら書き付けている
痛いの が 気持ちいい もっと やって くれ
播磨はバイクで奈良を三回轢いて黙らせると彼方へと走り去った。
奈良死亡!
いつのまにか801はスレチガイが消えてるじゃねえか
>1氏ねヴォケ!
とりあえず播磨×花井のSSを投下してみます。 にワラタ。
SSは読んでない
やおいは他でやってくれよ……
>雪豹氏
旗分充填120%です!
巧みな表現力とあいまって、とても重厚な感じを受けました。
キスにはキスで仕返しをしようとする沢近の可愛いことといったら!
ネタがありきたりとのことですが、自分には斬新に感じましたよ〜
次回作も激しく期待。
Perfect Job !
>>335 >>1さんに言っても仕方ないから。
結構前のスレからその文句は消えてるぞ。
お互いの体の感触、体温、匂いを感じあったあと、どちらかともなく二人は口付けした。
舌をはげしく絡めあい、唾液を飲み込みあう激しいキスだ。
「ん、んむ、奈良……」
「ちゅ、んんっ、塚本さん……」
相手の名を呼ぶだけで、頭の中で閃光がはじける。自分の名を聞くだけで、体中の骨が溶けていく。二人はお互いの名前を息継ぎのたびに呼び合った。
もちろん二人がそういう仲であることは、誰にも言っていない。
二人とも、秘密の関係に罪悪感を感じないわけではない。特に塚本は烏丸のことを思うと、胸がつぶれそうに苦しくなる。
それでも、いやだからこそ、二人はいっそうこの場この時に集中する。他に何もかんがえられなくなるほどに。
濃厚なキスは、舌の根元が疲れて動かなくなるまで続いた。
口のまわりを、二人分の唾でべとべとにした二人は、ようやく顔を離す。攪拌され、粘度を増した涎がつうっと長い糸を引いて、床にこぼれる。
塚本は、顔を紅潮させながら、奈良に熱くささやいた。
「もう我慢できない!」
「はい、お願いします」
塚本はすとんと膝を床に落とした。ちょうど目の前にきた奈良のズボンの前を、下着と一緒に軽く下げる。
とたんに、奈良の肉棒が飛び出してきた。年齢不相応の、太さといい長さといい傘の張り具合といい、実に立派なものだ。
雌を孕ませんとばかりにいきりたつ奈良のそれを見て、塚本の口の中に条件反射的に唾液が湧く。呼吸が荒くなる。
彼女はためらうことなく、むしゃぶりついた。大き過ぎて、とても全部を飲み込むことはできないが、それでも目一杯頬張る。
次々と湧いてくる唾液を、舌で丹念に塗りこめるような口唇愛撫。隅から隅まで、襞になっているところは舌でかきわけまでして、
余すところ無く舐め回す。
すでに何度となくくわえてきたものだから、どんな形をしているか、舌が覚えてしまったほどだ。
このような行為を覚えるまで、塚本は自分の中にここまで淫乱な本性が潜んでいるとは知らなかった。
男性には興味が湧かないとすら思っていた。それが今や、親友を裏切るような真似をしてでもこの形、
この味、この匂いに触れなければ気が狂いそうになる。 塚本は、最近積極的に書物で調べて得た技巧を総動員して、
奈良の性器を愛した。大量の唾液が、ぽたぽたと落ちて、床に小さな水たまりを作っている。
「うあ……あ、あ、あああっ。塚本さん、気持ちいい、気持ちいいです。あっ、あああっ」
上から降ってくる、奈良のあえぎ声と呼吸音。口の中ではじける、レルッ、ちゅくッという唾液の音とはぁはぁと激しい息継ぎの音。
体の奥底から全身を揺さぶる心臓の鼓動音。
淫らなアンサンブルが、塚本の脳を心地よく犯していく……。
「ゆ、塚本さんっ、出ます、う、受け止めてくださいっ」
奈良が塚本の頭を掴んだ。彼女はその声に応えて、深く陰茎を小さな口の中に押し込む。
びゅるっ、ぴゅっぴゅっ、ぴゅるるるっ。
放たれた精液は、奈良の股間のものの大きさに相応しい量だった。
一杯に満たされた愛しい体液を、塚本は舌全体で味わう。とてもおいしいとはいえないはずの味だが、
塚本は喜んでその味を、粘ついた舌触りを楽しんだ。他の男のものならいざ知らず、
奈良のものとなれば彼女にとっては極上のシロップと変わりない。
やがて、飲み込んでしまうのを惜しむように、塚本は何度かに分けてゆっくりと飲み込んだ。
どろりとしたものが喉を通っていく感触すら喜ばしい。
尿道に残った精液を吸い出し、亀頭に付着した残りを丹念に舐め取りながら、塚本は至福に目をとろけさせていた。
「妹さんに何てことしやがる!」
ハリケーンキック!
「ぐはぁ・・・」
ドンッ! ドッ ドッ バァッン!
奈良は十メートル程バウンドすると壁に打ち付けられ動かなくなる。
奈良死亡END
ドカッ!ドスッ!ドスドスドスドス・・・ボバンッ!
「このサンドバック本物の人間を殴っている感触がするな・・・しかし、何故お前がうちの道場に寄贈するんだ?」
「ハハハ、コレハステルヨテイダッタカラキニスルナ」
「花井!新しいサンドバックを俺にも使わせてくれよ」
「周防ちょっと待て、あとワンセット」
ドスドスドスドスドス ドッ!
サンドバックが回転して脇腹に当たるように見えた瞬間、花井の足の先が見えなくなり、雷鳴がサンドバックに落ちた。
ビリビリビリ・・・ザーザザザザー
床に砂が落ち、山になる。
そして
ドテッ!
サンドバックの中から瀕死の奈良が出てきた。
奈良サンドバックEND
ピポッ
奈良はネットから拾ってきた裸体とプール掃除の半濡れ状態の天満の写真を合成し始めた。
「ブルマの画像が欲しいなぁ・・・よぉーし、頑張って合成するぞぉ!」
クラスのカメコから貰ったピーコホトソップでちまちま作業をし始める。
ぴんぽーん
「奈良くーん、遊びに来たよー」
馬鹿女が遊びに来たようだ。
ウザイから止めれ
つかここのスレッドで書くなや
トタトタトタ
ガラッ
(天満 海水浴に行ってから妙に奈良と親しくなった馬鹿女)
「何してるのー?」
もちろんホトソップは終了させて、天満の目的の掲示板を最大表示させてある。
ニヤリ
ゆっくりと天満の方に顔を向ける。
「掲示板を見てた」
「奈良くんてパソコン使えて凄いなー、私なんか携帯しか持ってないから羨ましいよー」
(パソコン無いならバイトでもして買えっつーの)
「いやー、パソコンなんて簡単だよー」
「あ、そうだ。猫の写真見てもいい?」
「あ、いいよ。じゃあお茶入れてくるね」
奈良はこの日の為に用意しておいた睡眠薬を戸棚から取り出し、濃い目に入れたお茶にさらさらと入れよく混ぜる。
「ふふふ、さんざん馬鹿にされた恨みを今日こそ晴らしてやる!俺をパシリ扱いしやがって!あの糞アマ!」
「奈良くーん?誰か来たのー?」
「なんでもないよー、テレビだよ、テレビ」
「そっかー、お茶まだー?」
(馬鹿女め、油断して俺の家に来たのが貴様の運の尽きよ・・・)
奈良はロープとデジカメとあやしげなマッサージ器をダンボールに入れ、部屋の前にさり気なく置いた。
ガラッ
「新しい写真upされてたー?」
「うんっ、とってもかわいい三毛の写真があったよー。近所みたいだから明日見に行こうと思ってるのー。」
(ふふふ、馬鹿め。その掲示板はローカル鯖に置いたダミーだよ。三毛は昨日保健所が連れてったからもう会えないよ天満ちゃん)
「奈良くん何だか嬉しそうだね、奈良君も猫好きで良かったよ。」
「ハイ、塚本さん用の静岡産のおいしいお茶だよ。」
「奈良くんの家に来るとおいしいお茶がいつも飲めるから、今度は八雲も誘ってくるね。」
(馬鹿女の妹は何故か俺を避けてるんだよな・・・姉ともども制裁しなくては)
「あ、いつもと味が違うみたい」
「そ、そりゃいい葉っぱ使ってるからさ」
(ふふふ、ぐっすりいい夢を見させてやるよ)
「あれ、なんだか急に」
「・・・」
「奈良くんが寝ちゃった・・・」
「zzz」
奈良は天満に飲ませようとした薬物入りのお茶を誤って自分で飲み干してしまったようだ。
(どうしよう、奈良くんが寝ちゃった。ま、いいか。)
天満は気にせず猫の写真を見て、にやにやしていた。
頭がガンガン痛いし、なんか体が動かない、あと肛門が痛い
目を開けるとそこには憤怒の表情で奈良を睨み付けている播磨達が居た。
天満が中々家に帰らないのを心配して八雲が播磨にメールを送って、奈良邸にかけつけた。
奈良に取って運の悪い事に、部屋の前のダンボールに八雲が躓き中身をひっくり返した。
何度もビンタをしても起きない奈良の異常さに播磨は天満が一服盛られそうになった事に気づき、箱の中のロープで奈良を縛りあげた。
播磨は動物達に尋ね、保健所で処理される所だった猫を助けた。
そして奈良のパソコンに残っていた日記を読み、奈良に天誅を下す事にした。
「お前は俺を怒らせた」
「奈良くん酷いよー、私馬鹿じゃないもん。」プンプン
薬を盛られそうになったのに、頬を膨らませて怒っている。やっぱり天満は馬鹿だ。
「播磨さん、この人から変な電波が・・・。気分が悪いので帰ります。」
姉を連れ戻しに来た八雲だが、奈良の電波に当てられたのか気分が悪くなり家に帰った。
「俺の日本海溝より深い憎しみがわかるか!」
「播磨くん、クラスメートなんだからあんまり乱暴な事しないで。」
「天満ちゃんがこういってるしな、もう二度と天満ちゃんに近づくなよ判ったな?」
「わ、わかったよ。それより、お尻に刺さったバイブを抜いてくれよ。」
「てめぇはレイプしようとした、だからてめぇは屈辱を味わえ」
「そ、そんなぁ・・・」
「さ、天満ちゃん帰ろうぜ」
「う、うん。」
奈良はそれから両親が帰宅した後に全裸で縛られ、あはあへ目がいっちゃっている所を発見された。
それからというもの、奈良はMに目覚め毎日いじめられて喜ぶようになりましたとさ。
めでたし、めでたし
「親睦を深めるため、今日は雪合戦でもしようじゃないか!」
唐突にこんなことを言い出したのは、黒縁眼鏡の優等生、花井春樹。
「…またお前はイキナリ訳分かんねーことを…」
花井にツッコミをいれるのは、当然、幼馴染の周防美琴である。
本日は某月某日、冬休みの真っ只中。昨晩より降り続いた雪により、ここ矢神市は一面、白く覆われていた。
そんな中、花井は早朝から美琴の家を訪ねてきていた。
「まぁ、こんだけ雪が積もったんだから、雪合戦をしようとするのは別にいいんだけどよ…」
美琴が少し呆れた様子で花井を見やる。
「…なんでそんなにやる気満々なんだ、花井?」
傍目にも分かるほど、花井は既に汗だくであった。周りの空気が冷たいため、彼の体から湯気が上がっているのも見える。
「案ずるな周防!既にウォーミングアップも済ませてある!」
「いや、だから、なんでそんなに張り切ってんだよ、お前は…?」
「細かいことは気にするな、お前らしくもない!そんなことより、早くメンツを集めろ!」
「…って、肝心のメンバーをまだ集めてないのかよ!」
「当然だ!やろうと決めたのは、ついさっきだからな!」
無意味に威張って言う花井。
メンバーも集めてないのにウォーミングアップまでするなよ!、という周防のツッコミも、虚しく寒空に消えていった。
「そんなことはどうでもいい。ホレ、早く塚本君の家に連絡せんか!」
「は?なんで塚本んちに?」
「何を言っている?塚本君を呼ぶつもりじゃないのか、お前は?」
「いや、まあそれはそうだが…」
「ならば何も問題はあるまい。早く塚本君を誘え!そして八雲君も!」
「…って、それが目的か、お前は!!」
そう、現在は冬休み中である。当然、花井が八雲に会えることなどほとんどない。
結局は、テキトーな理由をつけて八雲に会いたいというだけで、雪合戦を企画した花井なのであった。
「…八雲君、この白銀の大地に佇むキミも、さぞ美しいのであろう…その姿はきっと、雪の妖精の如く…」
完全に妄想モードに入ってしまった花井にため息をつきながら、美琴は尋ねた。
「で?塚本姉妹以外のメンバーはどうするんだ?」
「ああ、八雲君以外のメンバーはお前にまかせる。誰でもいいぞ。」
「…あっそ。」
八雲以外は完全に眼中にない花井に、またもため息をつきつつ、周防は考える。
(さて、他に誰を呼ぶか…まぁ、だいたいはいつものメンバーでいいか。)
あらかたメンバーを頭の中でまとめた彼女は、連絡をとるため、携帯のメモリーを呼び出した。
そして…
「やっほー、ミコちゃーん!」
「おはようございます…」
「まったく…高校生にもなって雪合戦をするなんて…」
「…その割には楽しそうなんだけど、愛理?」
「あ、あの、私もお邪魔していいんでしょうか…?」
「雪合戦って、やるの初めてですー!」
「…オウ。(天満チャン…!防寒着もカワイすぎる…!来てよかったぜ!)」
「ミコチーン!!」
「…ったく、こんなクソ寒い中、なんで俺が…」
「………」
というわけで、メンバーがそろった。ちなみに説明すると、
女性陣は、塚本天満、塚本八雲、沢近愛理、高野晶、一条かれん、サラ・アディエマス、そして周防美琴。
男性陣は、播磨拳児、今鳥恭介、麻生広義、烏丸大路、発案者の花井春樹
というメンバーだ。
結局、美琴が最初に連絡した天満が、他のメンバーを決め、連絡をしたのだ。
メンバーに烏丸がいるのは、それ故である。
「で、メンバーは集まったけど…そーいえば、場所はどこでやるんだ、花井?」
「…あ。」
マヌケな声を出す花井。全員が集まるまで1時間以上かかったため、ウォーミングアップでかいた汗が仇となり、少し寒そうだ。
「…おい。まさか場所も決めてないんじゃないだろーな…?」
もしやと思い、声を掛ける美琴。メンバーも決めてなかった上に、場所もすらも決めていなかったら、アホだ、と思いながら。
「決めておらん!」
アホだった。
(コイツ、ホントに塚本の妹のことしか考えてなかったな…)
こんなのが幼馴染だと思うと美琴は、頭が痛くなってきた。
「ん〜、この辺りで、雪合戦に使える場所なんてあったかな?」
まさか学校や神社でやるわけにもいかないだろう。美琴は考えるが、この周辺に詳しい彼女でもいい場所が思い浮かばない。
「なーに、どうしたのよ?」
と、美琴と花井が話しているところに近寄ってきたのは沢近愛理だ。
「それが、このアホ、どこでやるのかも決めてなくてさー」
「僕は八雲君さえ見れればそれでいい!!」
アホ(花井)は完全に開きなおっている。
「はぁ〜、仕方ないわね…。なら、私のお父様が最近購入した土地があるんだけど、そこでやらない?まだ空き地だし、スペースは充分あるわよ。」
ため息をつきながら、彼女はそう提案した。
「そりゃ、沢近がいいってんなら、ありがたいけど…いいのか?勝手に使っちまって?」
いくら愛理の父の所有する土地とは言っても、さすがに無断で使うのはマズイのではないかと思った美琴だったが、
「構わないわよ。だってお父様が私に買ってくれた土地なんだから」
と、さらりとスゴイことを言ったのける彼女に、
(…やっぱスゲーお嬢だなー、こいつ)と思いつつ、場所を借りることを決めた美琴だった。
「うわー、広ーい!ここが愛理ちゃんのモノなんてすごすぎだよー!」
「それほどでもないわよ。まだ何を建てるのかも決まってないし。」
感嘆の声を上げる天満。他の人もかなり驚いているようだ。
まだほとんど未開発ということもあって、いい感じに障害物となる木が生い茂っていた。本格的なサバイバルゲームさえできそうだ。
「それより早く始めましょうよ。チーム分けとかはどーするの?」
メンバーは全部で12人。単純に分けるとすれば6人ずつになる。うまく分ける方法はないか、一同が考えていると、
「うぉー!!八雲君と僕はと一緒のチームだぞー!!!」
「あっ、メガネ、ずりーぞー!じゃー俺はミコチンと一緒がいい〜!ミコチ〜ン!!」
「なっ、テメーら、何を勝手に!(なら俺だって天満ちゃんと同じチームに…しかしそんなこと言えねーしなぁ…クソッ!)」
3馬鹿が騒ぎ出した。特に今回の発案者である花井の騒ぎっぷりは異常だ。
「うぉ〜!!!ヤクモ〜ン!!!!!」
一同が呆れて(美琴もツッコむのを諦めて)その光景を見ていると、八雲がおずおずと話しかけた。
「あ、あの…」
「ん?どうした八雲くん!も、もしや!キミからも僕と同じチームになりたいと…!?」
「い、いえ、そうではなく…私とサラは雪合戦はやらずに見学していますから…」
「!!??…な、なぜだ八雲君!?…ああ、あの野獣が怖いというのなら安心したまえ!僕がキミを守り抜いて見せるとも!!」
『あの野獣』のところで播磨を指差す花井だった。しかし、それに一瞬不快そうな表情を浮かべたあと、
「いえ、そうではなく、少しだけ風邪気味なので、運動は控えようかと…」
と八雲は答えた。
「むっ…そうか…僕としては残念だが、風邪気味ならば仕方がない…八雲君とサラ君は見学ということでいいんだな?」
「はいっ、八雲と一緒に見学してまーす!」
「はい。」
と2人は答えた。
「八雲君、安静にしながら僕の勇士を見ていてくれたまえ!サラ君、八雲君を頼んだぞ!」
単に花井がイヤだったので、仮病を使っただけなのであったが。
そんなこんなでいろいろあったが、やっとゲーム開始となるのであった。
チーム分けは、面倒だからという理由(筆者的にも)で、男子VS女子ということになった。
高野晶が発案した、頭部もしくは胴部に一撃くらったらアウト、チームの全員がやられたほうの負け、
負けたほうのチームは、勝ったほうのチームのメンバー全員の命令を1つだけきくという特殊ルールになった。
すでに雪合戦というよりは雪玉サバイバルゲームという雰囲気になっている。
ちなみにスクラン本編でも、似たようなサバゲーをやっているというツッコミはなしの方向で。
勝って烏丸くんと…!ウフフ〜♪)
(天満ちゃん…!キミと俺との幸せを勝ち取ってみせるぜ!)
(見ていてくれ、八雲君…キミに勝利を捧げよう!!)
(D♪D♪D♪)
(とりあえず、あのヒゲを倒してやるわ…!)
(今鳥さんとデートのために…が、がんばります!)
(…雪玉に石をいれるのは流石にマズいかしら…)
(とりあえず花井のバカを止めるか!)
(やるからには、本気でいくぜ…!)
(………カレー………)
準備は整った。八雲とサラが見守る中、戦士たちが各々の配置につく。
それぞれの思惑を胸に決戦の火蓋が、今、切って落とされた!
後編へつづく…かな…?
俺ってヒマ人だなぁ、せっかくの休日に何をしてるんだろう…と思いながら、また書いてしまいました。
後編は、気が乗ったら休日とかのヒマなときに書こうかなー、と思ってます。
このまま投げっぱなしにしたらゴメンナサイ
モツ。
結構笑えたので後編も期待ageです。
しかし八雲は仮病使うほどには花井を嫌ってないと思う。
単に雪合戦が嫌だったならわかるが。
しかしアソ、影薄いな…
ひゅーーーーーーーーーーーー
ばきっ
奈良の顔面に石入り雪球が命中する
さらに
ひゅうー ひゅうー ひゅーう ひゅーーーーん
ばき
ばき
ぼき
ぱき
奈良の胸、奈良のみぞおち、奈良の股間、奈良の尻に次々で石入り雪球が命中する
「ホモは死すべし!」
奈良石礫エンド
GJ!
季節の先取りですね。
登場人物が多いので、上手く収束させることが出来れば、いい作品になると思います。
殺伐とした雰囲気を打開してくれたことにも感謝!
しかし、クズリ氏、蓮水氏、雪豹氏と、神SSが連続で来てるのに、
どっかの阿呆のせいで目立たなくなってる……
367 :
Classical名無しさん:04/11/23 22:32 ID:ZAzpQU.g
乙〜
後編期待してまってます!
男チームが勝ったときの今鳥の命令は
簡単に予想できるな…
コンヤ ジュウニジ ナラガ
シヌ!
すいません。356〜362の番外編ってことで
これは、天満たちが配置につくまでの間の、雪玉サバイバルゲームの見学者である塚本八雲、サラ・アディエマスの会話である。
「…ごめんねサラ。私に付き合って、見学させちゃって。雪合戦始めてだって言ってたし、楽しみにしてたんじゃ…?」
「も〜、八雲ったら、気にしない気にしない!ところで、なんで見学する、なんて言い出したの?」
「え…?だから、少し風邪気味で…」
「…ホントに?」
「う、うん…」
「ホントにホント〜?」
「え、えっと…」
「ホントにホントにホント〜!?」
「ご、ごめん…実は、…ウソ。」
「やっぱりね〜!そうだと思った!八雲が少しでも風邪気味だったら、お姉さんが心配して、ここに来させないだろうしね〜!」
「ゴメンね、サラ…」
「それはいいけど、なんでウソついてまで雪合戦やりたくなかったの?」
「それは…」
「花井先輩がイヤだったから?」
「…それもあるけど…」
(確かに花井先輩の思念が強すぎて、あの思念の中で雪合戦なんてやりたくなかったのもあるけど…)
「ん〜?ああ!分かった!花井先輩に言い寄られるのを、これ以上播磨さんに見られたくなかったとか!?」
「えっ!?サ、サラ、それは違っ…!!」
「も〜、八雲ったら〜、そんなに赤くなりながら言っても説得力ないよ〜?」
「…も、もう…!ホントに違うんだから!」
ベシッ
「冷たっ!…八雲ったら〜、いきなり雪玉をぶつけてくるなんて、ヒド〜イ!もう怒ったんだから!…お返しっ!」
バシッ
「キャッ!…サラ〜…!…えいっ」
ヒュン。ベチャ。ヒュッ。ベシッ。
八雲とサラがそんなやりとりをしている中、10人のツワモノ達の戦いが始まったのだった。
371 :
Classical名無しさん:04/11/24 00:18 ID:2SYbCWjc
なんか前にも雪合戦の読んだ気がすんだけど
372 :
Classical名無しさん:04/11/24 00:20 ID:jj1FG8OI
合間の阿呆に、考察を書いた自分は入っていますか?
374 :
Classical名無しさん:04/11/24 00:33 ID:yF4cx/w.
>>371よ
まー別にかぶってもいいじゃん!
おもしろいから
>>370さんの書くSSすきだぞ〜
だから続きに期待
沢近が俺の為に肉じゃが作ってくれるというので夕飯を食べずに待っているのに
何の連絡も来ないので心配です
帰ってきたらおしおきにお尻ペンペンする予定です
花井はセクハラとも思えるほどに女性に触る
サラは俺の嫁が内定しているのに花井のような男がベタベタ触るのは不快だ
沢近パパンが世界を飛び回りながら、その土地その土地で子供を作っていて
愛理に遺産相続権を掛けて勝負を挑んでくるというのはどうだろうか?
インド人
中国人
朝鮮人
ドイツ人
アフリカ人
ロシア人 など
>>371 ネタかぶりまくり…ゴメンナサイ(泣) _| ̄|○
こういうのって、続きは書いてもいいんでしょうか…?
いちおう、もとのSSと、今考えてるこの先の展開とは全然違うんですけど…
違うならいちいちお伺いを取っている暇などない!
書け! 血反吐を吐くまで、新しい世界が見えるまで書け!
どうせ書くなら前のめりに書け!
380 :
Classical名無しさん:04/11/24 02:04 ID:yF4cx/w.
ぜんぜんかまわないからぜひ書いてくれ!
てか書いてください!!
旗ならなんでもいい
>>378 同ネタ・同テーマなんていくらでもあることです、お気になさらずぜひぜひ。
……と、いうかまだ覚えててくれた人がいることが驚き。
今年の頭ですか、懐かしい……
>>378 タイトルが同じだろうがネタが同じだろうが盗作してる訳じゃないんだから気になさらず。
好きなように書いちゃって問題ないと思いますよ。
384 :
Classical名無しさん:04/11/24 16:48 ID:0fWw356o
はじめての人も自由に投稿していいんですか?
叩かれようが反応が無かろうが泣かない覚悟があるなら無問題
まぁ、とりあえず投稿汁
すべてはそれからだ
sageでよろしくです
387 :
Classical名無しさん:04/11/24 17:12 ID:0fWw356o
わかりました!!叩かれても這い出して見せます。
ではさっそく作ってきます。。。。
ありがとね
あと下げような
メル欄に「sage」って書くだけでいいから
無茶があるifストーリー
補足説明
登場人物(新規) 高砂木 雄間(たかさぎ ゆうま)剣道部、県大会3位
美琴のもう一人の幼馴染としておいてください。
本編
「高砂木〜学校おくれるぞ〜」
「わかってるって言ってるだろ!周防!(まったく、なんであいつはこうも世話焼きなんだか。学校くらい一人でいけるし)」
制服を着ながら雄間はつぶやく。
「よしと。(じゃあ行ってくるよ母さん)」
死んだ母親の遺影に笑いかける雄間。
ガチャ。
鍵をかけるとそこには美琴が仁王立ちしていた
「おっそい!」
バン!
「いってーな。かばんは人を殴るもんじゃねーだろ。」
「遅いのが悪いんだよ〜。」
「はいはい悪うございました。」
「まあいいけどさ、もっと早く出てきなよ。こっちまで学校遅れるだろ。」
そういいながら走り始める二人。
「そう思うならお前も来なきゃいいじゃん」
「身寄りのいないあんたを毎日起こしに来てやっている人に言うセリフか?それが」
「あのう親父はいるんですけど。」
少しあせりながら言う雄間。
軽く笑いながら美琴は
「半年帰ってきてない親父、だろ。」
彼の父は半年前出稼ぎに行ってから帰ってきてない。しかし毎月仕送りはある。
「はい、そうです・・・」
わざとらしい泣き顔をする雄間
「どーせろくなもん食ってねえんだろ。」
「周防、それきくの何回目だ?毎日言ってるだろ。」
「あはは、そうか?」
彼女の笑顔は美しかった。
毎日の朝の登校風景。それが彼は一番好きだった。そして彼女の笑顔も・・・
「遅いぞ!周防。それに雄間、何回遅刻したら気がすむんだ。」
「わりいな〜先生。」
「まったく、自覚がないのか?お前らには。」
「すいませんでした。」
頭を下げる二人。
「もういい。早く席につきなさい。」
「教祖〜今日も遅刻か〜」
菅がはやし立てる。
遅刻の教祖、それが彼、高砂木のあだ名だった。
本人は「なんで俺だけなんだよ!」と言っているが誰も周防に矛先を向けない。
「クラスのマドンナと登校か・・・」
「なんか言ったか?」
「い、いやなんでも。」
「それならいいけど。顔にやけてるぞ。」
「気にするな疲れて口が緩んでるだけだ。」
必死に弁明する雄間。
これがかれらの日常だった。
とにかく書いた。まだ続くと思う。今後もよろしく
オリキャラか……クロスオーバーではないが、どうなんだろうな、この場合。
ともかく、オリキャラと既存のキャラがくっつくとかそんな展開は激しく人選ぶというか、ぶっちゃけ嫌われてるからそこは注意を。
まあそういうのでなければいいんだけどね。
オリキャラとか興味ないから自分のサイトででも公開しててくれ。
文章もめちゃくちゃ…。
|-`).。oO(次スレには"オリキャラ、801はお断り"が必須だな・・・)
オリキャラも端役程度ならいいと思うんだが
メインとかメインどころにやたら絡ませるのはちょっと
まあレス見れば分かると思うがもうここに投下しないでいいぞってことだ
いや戦う逃げないと決めたのだから。次回作ひっさげてもっかい戻ってくる。
それまで私は消える。
>>398 うわー、362の続きを書いたんだけど、どうしよう…?
>>400 続きですし、ここのスレで良いんじゃないんでしょうか。
前スレは埋めちまえ
今から前スレに書き込むなら連続物は止めとけ
順番が変わってめんどい
>>384 オリキャラ、特にオリキャラの主人公ってのは、大抵が『=作者』って見られるから
かなーり叩かれる率上がるよ。
まあ、ツッコミ所としては
1.『・・・』は『…』に直そう。『てん』って打って変換すれば『三点リーダ』ってのが出るから。
2.「」の最後に句点(『。』ね)を入れるのは賛否両論……というか、入れないほうが一般的ではある。
まあ、かの有名な川端康成なんかも入れてるから別にいいんだけど、入れないほうが無難かな?
3.エクスクラメーションマーク(「!」ね)やクエスチョンマークの後に文が続く場合は
一マス空けましょう(〜! 〜? 〜 ってな感じに)。
4.先生が「雄間」って呼び捨てにしてるけど、これは別にOKなの?
あの先生が下の名前で呼ぶと違和感バリバリ。
まあ、こんな所かな? 文章に関しては何も言えないかも。せいぜい、良くないって事ぐらい。
もっと、色んな人の作品を読んで勉強かな?
まあ、ぶっちゃけ、大抵の人は初めて書くとこんな感じになっちゃうから
特別に落ち込む必要はないよ。
オリキャライラネ
ヤオイとオリキャラとクロスオーバーは荒れる
えっと、356〜362の続きのつもりで書いたんですが、362の終わらせ方をミスったため、361と362の間のエピソードという
感じになってしまったようです。いろいろツッコミどころはあるかもしれませんが、ゴメンナサイ _| ̄|○
なんか↑までのレスの雰囲気だと叩かれそうな気もしますが、できるだけお手柔らかにお願いします…
まだ少し雲は出ているが、昨晩から続いた大雪は完全にやんでいる。時折優しく肌をなでて通り過ぎてゆく風は、冬にしては暖かだ。
しかし、今だこの町の一面は白雪に包まれており、ときおり太陽を反射して光る様子などはとても美しい。
そんな中、雪をも溶かしそうな熱き闘志を静かに燃やし始めている10人の戦士たちがいた。
ちなみに、八雲たちがいる場所を中央とし、そこからフィールド全体を適当に半分に分け、男子は西側、女子は東側と、ゲームスタート地域を決めた。
当然、この設定はゲーム開始の時だけであり、ゲームが始まればお互いを発見するため、フィールド全体を駆け回ることになる。
バトル開始まであと十分弱。自分たちの開始地点に歩いて向かいながら、周防美琴は女子チーム一同に話かけた。
「ま、やる以上は向こうも本気で来るだろーし、こっちも真面目にやるとすっか!」
「何言ってんのよ、美琴。やるからには勝つ! そんなの当然じゃない!」
それに答えたのは愛理だ。髪を後ろで一つに束ね、彼女の言葉の通り、やる気充分といった様子だ。
「おー、愛理ちゃんハリキってるー!!」
「やっぱり楽しみにしてたのね、愛理…」
天満と晶にヒヤかされる愛理。怒ったように反論する。
「そんな訳ないでしょ! …とにかく、これは真剣勝負なのよ。いい、分かった?」
「分かってるよ〜! カレリン、がんばろーね!」
「塚本さん、カレリンはちょっと…でも、一生懸命頑張ります!」
一条かれんも胸の前で小さく拳を握り締め、天満に答えた。
「おお〜!その意気だよ、カレリ〜ン!」
「あ、あの、だから、カレリンはちょっと…」
当然、天満はそんな一条の言葉など聞いていなかったが。
「なーに言ってんのよ! 一番の不安要素は天満じゃない!」
「ああ〜! 愛理ちゃんヒドーイ!」
「ま、確かになー。その浮かれっぷりじゃあ、1番に脱落しそーだしな!」
「…同感だね」
「も〜う! ミコちゃんに晶ちゃんまで〜! もういいもん! プンプン!」
「あ、あの、塚本さん、落ち着いて…」
「大丈〜夫!! こうなったら、皆に私の本当の力を見せ付けて…あっ!」
ズコッ。…転んだ。何にもないところで。
「だ、大丈夫!? 塚本さん!?」
「…やっぱ不安だ…」
「うぇ〜ん! 烏丸く〜ん…!」
そんなことをやっているうちに女子のテリトリーの奥までやってきた。ここからゲームを開始するのである。
「さて、と。やっぱ、作戦は立てといたほうがいいよな…」
そう発言したのは美琴であったが、全員が同じことを考えていた。
普通に戦っても、まず勝ち目はない。ならば策を練るしかない、と。
単純に考えて、男子に体力面で劣る女子チームは不利である。とはいえ、相手が並みの男子であれば全く問題はない。
運動神経に優れている周防、沢近、高野、そして一条がいるのだ。普通の男子などには引けをとらない。
しかし、相手チームにも、播磨、花井、麻生というエースがいる。烏丸の能力は未知数だが、今鳥の運動神経もなかなかのものだ。
いくらなんでも、策もなく戦うのは無謀だと女子チーム全員が分かっていた。
「ええ〜!? 作戦なんて面倒臭〜い! みんなで一気にドーンといけば大丈夫だよ〜!!」
「………」
いや、一人だけ分かっていなかった。というか、何も考えていないだけだが。
「ゴホン! …とにかく!何か作戦が必要なんだ。誰か、いい案はないか?」
天満によって皆に生じた脱力感を取り除こうと、一つ咳払いをして美琴は意見を求めた。
『………』
しかし、誰も妙案は浮かばないようだ。開始時間は刻々と迫っている。このままだと本当に、天満の『全員で特攻大作戦』になりかねない。
「…はぁ〜、どうしたもんか…」
ため息をつく美琴。こりゃダメかな? と、少し諦めモードになっていると、考え込んでいたメンバーの一人が意見を出した。
「…ねえ、こんなのはどうかしら…?」
ところ変わって、こちらは男子チーム。こちらも、女子チームとは違う意味で作戦の立案で悩んでいた。
「だからお前ら! 僕の話を聞け!! 今から僕が必勝の策を授けると言っておるのに!!」
「作戦なんていらねーよ〜。俺はミコチンを狙うし〜! …そしてドサクサに紛れてあのDカップの胸を…!D〜♪D〜♪」
「おーし、なら俺は天…いや、塚本を狙うぜ!…言っておくが、これに深い意味はねーぞ! 俺は、あくまでチームの勝利のためにだな…」
「………カレー……チキンカレー、ビーフカレー、カツカレー……」
「だぁ〜!!! 貴様ら人の話を聞かんかぁ〜!! 八雲君のためにも、僕は負けるワケにはいかんのだぞぉ〜!!!!」
団結力はどうやら限りなくゼロに近いらしい。
(…ダメだコイツら…。)
大騒ぎしている3馬鹿と、完全に別のことを考えているであろう1人を見ながら、麻生は深いため息をついた。
「…おい、花井」
「ゼー、ゼー…あ、あのアホども〜…! 少しは僕の話を…」
「おい!!」
「…ん?なんだ麻生?」
あまりにも興奮していたため、初めは呼びかけられていることに気づかなかった花井が麻生のほうを向いた。
「今から細かい作戦を立てるのはムリだろう。ヘタなチームワークで作戦を立てるより、この際、各自で単独行動のほうがいいんじゃないか?」
あまりにも収集がつかない状況を打破しようと、麻生は提案した。
本当は、キチンとした策で戦ったほうがいいと思っていた麻生だったが、結局諦めたのだ。
「…うーむ。1対1に持ちこんでの各個撃破を狙うというワケか…ちっ、仕方があるまい。それでいくか。」
花井も渋々それに賛同した。時間が迫っていたため、まだバカ騒ぎしていた播磨たちに手早く説明する。
「じゃあ俺は当然ミコチン担当でいくぜー!」
「おし! 塚本は俺に任せろ! いや、本当に深い意味はねーが!」
「ふむ。では僕は一条君を狙おう。相手にとって不足ナシ!! 八雲君…見ていてくれ…!」
「烏丸は…何を考えているか分からない者同士ってことで、高野でいいか?」
「……(コクリ)………」
「よし。じゃあ俺は、残りの沢近か。油断できないな…」
『ピーッ、ピーッ、ピーッ!!』
男子チームの作戦(と言えるほど立派なものかは置いといて)が決まったちょうどそのとき、
タイマーをセットしておいた携帯電話からアラームが鳴り出した。決戦開始の時間だ。
「よーし、時間だ! いくぞ、お前ら!!」
「命令すんな、メガネ!!!」
411 :
張間☆張雄:04/11/25 01:47 ID:AT2M8Mec
以上です。それではオヤスミナサイ。
「くっ、これまでか・・・天満ちゃん」
花井の猛攻に撤退する播磨、だが隠れる場所が見つからない。
「こっちよ」
掃除用具入れの中から声が
扉を開け中に滑り込むと入れ替わるように花井が教室のドアから中の様子を伺う
パシッ パシッ パシッ
(気づかれたか?)
嫌な汗が背中を垂れる
「おい、居るのは判っているんだ。このまま決着が付くまで出てこないつもりか!」
シーン
花井は播磨が移動したと思ったのか、隣の教室で同じように威嚇し炙り出そうとしている。
「このままじゃこっちが不利だ・・・」
「黙って」
誰かの手が口を後ろから塞ぐ
「(むがむが)」
「あの時と立場が逆ね」
目を後ろに向けると隙間からの月明かりに金髪が見える。
「花井くんは待ち伏せをしている」
「そうだろうな」
「だけど、こちらが二人とはまだ気づかれていない」
「挟み撃ちするのか?」
「いえ、播磨君が囮になって私が油断した花井君を」
(いい加減狭い)
「何?」
「いや、道具入れから出ないか?」
「ここから一歩出れば作戦の変更はきかないわ、もうちょっと練らないと・・・」
普段自分から近寄らない苦手な女子・・・しかもお嬢様
運動後のドキドキなのか恋のドキドキなのか判らなくなってきた
(そうか、これが吊橋効果って奴か・・・相手はお嬢だぞ!しっかりしろ播磨)
「・・・という作戦でどう?」
「お、おう」
本当に聞いてたのかと不審な目でお嬢が睨む
「だ、大丈夫だ。楽勝だぜ!」
身じろぎした拍子にスカートが捲れ上がる
「キャッ!」
「見てねーよ!そんなに騒いだら気づかれるだろ!」
ガタンゴトン ガタンゴトン
花井と思しき人物が教室に忍び寄る
「hold up!」
戸を蹴ると同時に相打ち覚悟で真正面を連射する
ぱらぱらpら
目標に当たらなかったビーズが散乱する
「ふふふ、この花井が真正面に立つわけが無かろう!播磨!ジ・エンドだ!」
勝ち誇り、引き金をゆっくりと引いた。
カチリ
「あれ?」
カチカチカチ
「あ、弾切れだ・・・」
形勢逆転
「花井よ、お前の慢心が負けを招いた・・・」
プシュウフウゥゥゥゥゥゥゥウウウウ
「ガス切れ?」
むなしくカチカチ引き金を鳴らす播磨を見て花井は勝利宣言ならぬ、ドロー宣言を高らかに。
「ハハハ、正義は負けなかったな。引き分けだ!」
スッ
「ぬっ貴様は!」
パシッパシッパシッ!
播磨の影から三点バーストで花井を仕留めるお嬢!だがしかし!
「ハハハ、当たらなければどうという事も無い!」
合気道で鍛えた反射神経と動体視力で全ての弾を避ける花井。
「動きを封じればいいだろ?お嬢」
「そうね」
ガシッ
注意力が途切れた瞬間、椅子から机に、机から後ろに跳躍した播磨が花井を押さえ込む。
「これで押さえ込んでつもりか!」
花井が播磨の拘束を抜け、逆に播磨を押さえ込む。
「お嬢!撃て!俺には構うな!」
パシパシパシパシパシパシ
「痛て痛て痛て痛て痛て痛て」
沢近の放つ弾は全て播磨に当たっている
「おい、ちゃんと当てろ」
「判ってるわよ」
「あ、」
カチカチカチ
「ははは、沢近さんも弾切れか?この辺で僕はおさらばさせて貰うよ」
(くっメガネが生き残るのか・・・このままでは天満ちゃんに褒めて貰えない!)
パシッ
「え?」
油断しきっていた花井のでこに命中
「本当はまだ弾が残ってたの、こっちはサブアーム」
「く、花井一生の不覚!女子に負けるとは・・・・」
「まあ気にするな」
「ありがとう播磨」
「お嬢は俺より強いから当然だ」
「くっ 今回は負けたが次回は雪辱を晴らすからな!」
「さてどうするか・・・ガスが切れた銃しかないし調達しないとな・・・」
「そんなこといいじゃない」
「そんなことってもし負けたら喫茶店になるんだぞ?」
(天満姫とチュー出来なくなる!)
チューすると決まったわけでも無いのに既にチュー出来ると思い込んでいる。
「紅茶好きだもの」
「だったら何で演劇軍に居るんだよ・・・」
「播磨君が居る方を選んだだけよ?」
「なんだよ嫌がらせかよ?」
「こんな回りくどい嫌がらせがあると思うの?ほら、ハートがドキドキしてるのわかるでしょう?」
切なそうな表情で播磨の手を掴み胸に当てる
どくん どくん
(本当だ、ドキドキしてる)
むにょ
「本当だ、プニプにしてる」
「えっち・・・」
「お嬢・・・」
天満の事をすっかり忘れてプニプニを一生懸命感じている
「・・・」
「・・・」
見詰め合う二人
「ごほん・・・」
「ウワァァッ!」
ビデオカメラを持った高野が気づくように咳払いをする
驚いて胸を強く揉み、沢近が痛いと涙をこぼす。
それに気づき飛びのく
「こ、これは違うんだ!信じてくれ!この通り!」
「いいのよ、全部お芝居なんだから」
土下座する播磨を立ち上がらせ、高野が説明し始める。
「なんだ、お芝居か・・・。じゃあサバイバルゲームは一体なんなんだ?」
「サバイバルゲームはクラスの出し物」
「沢近さんと播磨くんのラブバイオレンスムービーをクラスとは別に放映するの」
「な!そ、それだけはご勘弁を!」
(天満ちゃんにお猿さんだと思われてしまう!)
「でも、おさわりしたから中止」
「中止なのか?中止なんだな?良かったー」
「放映しないから、播磨くんは沢近さんの下僕になるの」
「えーそりゃないぜー」
(沢近の舎弟になんのかよ!)
「播磨君、乙女の胸を触ったり撫でたり摘んだり吸ったりしたでしょ?」
「お嬢!お前の方から誘ってきたんじゃねーかよ!」
「はい、ディスク」
高野はディスクを沢近に渡すとどこかに行ってしまった。
「そのディスクを渡して貰おうか?」
拳をニギニギしながら沢近に詰め寄る播磨、沢近はキャーとわざとらしく叫ぶ。
「ん?」
「タカノサン ナニ トッテルノ カナ?」
「沢近さんの胸を揉みしだき、襲おうとしている播磨君」
「な、な、な、なんですとー!!!」
高野のカメラを奪い取り、ディスクを取り上げるがまったく動じない。
「録画した映像は秘密の場所に送ったわ」
「と、いうわけで播磨くんは明日から私の舎弟よ♪」
次の日 沢近に従う播磨の姿があったという
おわり
サラは本職シスター → サラは神の妻 → >376 は神
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
433 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:09 ID:COnwdH5Y
サラ「お待たせしました!今週は地獄の黙示録のテーマにのってお届けします『今週のスクラン解説と考察』お相手は私と刑部先生の二人でお送りします………この番組は談講社、矢神高校と、ご覧のスポンサーの提供でお送りします。」
紘「とりあえずご覧のスポンサーがよくわからないのだが。BGMと合わせて文字で伝わらないネタはやめてくれないか?」
サラ「あまり気にしないで下さい。BGMは筆者が今聞いてるだけですから。」
紘「放っておきたいのはやまやまだがツッコまないとそれはそれで問題だろうが。まぁいい、進めてくれ。」
434 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:15 ID:COnwdH5Y
サラ「さて今週のスクランですが、とりあえず縦笛マンセー!!ということで。」
紘「意外と簡単に結城クンが敗れたな。花井の乱入もあるが。バトルではなく心理で攻めてきたな。あれはマガスペを読めということか。それよりも烏丸クンの強さに驚いたな。麻生クンを一撃だぞ」
サラ「ページと人数合わせと都合でしょう。センパイが残ってるとバランスが崩れますから。」
紘「石山をダミーに使ったりなど、クセモノっぷりが目立つな。」
435 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:19 ID:COnwdH5Y
サラ「彼が石山だったことが一番のサプライズです。失神坂をあのスピードで上ることから運動能力の高さは想像がつきますよ先生。」
紘「ム、今日はマジメに鋭いではないか。」
サラ「天満さんは間違いなくヤラレタと見ていいでしょう。播磨センパイの行動も予想がつきます。」
436 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:23 ID:COnwdH5Y
紘「ウム、『ウォーッッ!天満チャンを撃ったやつは誰だー!』などと叫ぶ光景が目に浮かぶぞ。」
サラ「そんなこと言ったらバレちゃう気がするんですが……」
紘「そこはあれだ。マンガだから気にしてはいけない。」
サラ「そんな理由じゃ納得出来ませんよ!赤い機体が三倍の機動力をもつのと同じくらい納得出来ません。おかしいですよカテジナさん。」
437 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:28 ID:COnwdH5Y
紘「確かに赤い機体は納得出来ないが…まぁ今回は話の展開上納得してくれたまえ。こちらとしても手荒なマネはしたくない。」
サラ「ノウッ!ノー!オーマイガッ!今週はトカレフですか。わかりました。納得したから銃をおろして下さい。ふう〜危ない危ない。あ、トカレフは粗悪なものがおおいので気をつけて下さいね。」
紘「これは純正品だから大丈夫だよサラ君」
438 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:35 ID:COnwdH5Y
サラ「どこから手に入れたんですか!
では続けさせていただきますハイ。次週バンド軍と武神二人の戦いが見れそうですが。」
紘「一条クン以外は速攻やられるだろう。所詮ザコキャラだからな。」
サラ「そうすると人数的に播磨センパイが一人に……もしやゴッドファーザーのテーマとともにあの方が降臨?」
紘「いや、彼女は参加しないだろう。」
サラ「なんとかイチさんを倒したところに烏丸の不意打ちを受け、周防さん死亡、そして烏丸播磨花井の三人で最終決戦が……」
紘「まぁそうなるだろうな」
陳「それノリンコよ!」
440 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:39 ID:COnwdH5Y
サラ「展開が見えてきましたね……エゥーゴとティターンズとアクシズ見たいなもんでしょうか?クワトロとレコアとかクワトロとハマーンとかカミーユとシロッコとか……どろどろした関係が期待できますね。」
紘「いい加減正式に文章で苦情がくるからやめておかないか?」
サラ「ダメです!弾圧に屈しない心が英雄を生み出すのです!逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」
441 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:42 ID:COnwdH5Y
紘「ガンダムからヘタレの初号機パイロットに変わってしまっているぞサラ君」
サラ「主人公がヘタレですからね…ガンダムではありえないキャラです。」
紘「みんな死んじゃえばいいんだ!とか結構危険な発言をするキャラもいるがそこは目をつぶろう」
442 :
Classical名無しさん:04/11/25 10:46 ID:COnwdH5Y
サラ「刻が見える………さぁ気を取り直して次回予告です!
月にかかった雲が晴れる時、最高の二人のダンスが始まる。その二人を待つものは……
満月に響く男の叫び。憎しみは消せないのか。新たな戦火が上がるとき、人々はそれに恐怖する。運命の女神は誰に微笑むのか。
次回、『神に選ばれし者』少年は愛を叫べるのか……」
sageようよ、メール欄にsageってやるだけでいいんだから
なにコレ…
痛すぎ('A`)
>>411さん、GJ!
続きがすごい気になります。
できるだけ早めに投下してくれるのを待ってます。
>>442さん
内容的には適度に痛くて好きなんですけどsageは使いましょうよ。
荒らしに思われますよ。
あ、ゴメン。携帯で書き込むとついsage忘れる。痛いってことは……ダメ?
>>446 以前も言ったけど、出来ればコテハンにして欲しいな。
そうすれば、NG登録してあぼーんできるし。
あとsageようぜ。
そこは察しましょう。
俺も荒らしかとオモタ。
449 :
凪:04/11/25 16:59 ID:COnwdH5Y
あ〜ダメか。俺の文が悪いのかジャンルとしてダメなのかが気になるが。
コテハンで。
両方かな?致命的にだめだな。
次スレの
>>1にはsage進行でって入れた方がいいかもね。
内容はつまらないとは言わないけれど、どうしても前の人と比べてしまうから見劣りしてしまう
二番煎じである以上、力及ばないのは勿論、同じレベルでも良い評価は得られないと思った方がいい
それと、全体的に文章が読みにくい
改行がされていなかったり、句読点の使い方がおかしかったり
(普通「 」の最後に。は要らないが、付けるならそれで統一した方がいい)
出来れば大きな画面で、落ち着いて推敲してから投稿して欲しい
っていうか
これって犬さんにちゃんと了解もらってんの?
了解とってあるなら別にいいけど
この作品は一応まだ本人が続けてるんだよね(超不定期だけど)
だからまだ犬さんが明確に続編は書かないって言ってるわけでも無いのに
勝手に質の悪い続編もどき書かれると読むほうも不快になるよ
つまり韓国版スラムダンク2だな
どのSSに対しての意見なのか分かりづらいレスがいくつかあるな
458 :
454:04/11/25 21:19 ID:aLSCj2cI
>>456 俺のことかな?
犬さんの名前も入ってるし、あの作品を知ってる人には通じると思ってたんだが
分かりづらかったか、スマン
じゃあ改めて
>>454は
>>442へのレスな
つーか、
>>195=433は荒らしだろ?
前回もsageろと言われてたのに今回またsageてないわけだし。
「携帯だから」なんて理由にならないだろ。
わざとやってるとしか思えん。
>>449 チラシの裏にでも書いてろよ。
とにかくここにはもう投下せんといてくれ。
はい、そろそろ叩きは終了ね。
465 :
Classical名無しさん:04/11/25 23:12 ID:xK1rsnxI
>>464の言うとおりもういいだろ…
イジメっ子かお前らは
sageはともかくとして、中身は結構好みだったりしたんだけど………
そんなに叩くようなものか?
そういう適当なこと言って居つかれちゃったら責任取れるの?
犬さんですら避難所に投下してるってのに…
ここをチラシの裏かなんかと勘違いしてるような奴に居てもらっちゃ困るよ。
>>466 個人的に好きな人の作品だから
勝手にパクって続編書かれて腹が立ったんだよ
雰囲気悪くして悪かった
責任も何も、書き込みしちゃいけないわけじゃないんだから別にいいんじゃ?
コテハンだけちゃんとしてもらえば見たくないやつスルーでいいと思うが。ルールに反してるわけじゃないんだし。不定期のものより毎週あるんならそっちのが自分は嬉しいぞ。
>サラ「みなさんごきげんよう。今週からやっちゃいます!ついにあの名作が復活!しかも作者は変わってます!
しかし面白さはそのまま、むしろ三倍くらいになっているのではないかと巷で話題。今回は刑部先生と二人でお送りします」
この台詞からして犬さんを冒涜してるしな
一回だけなら黙ってようかと思ったが、調子に乗って二度目を書いたから叩いた
断りも無く人の作品使って自分の物のように書くのは正直許せなかった
何はともあれスレの空気を乱してしまったから責任とってしばらくROMに徹することにするよ
>>469 あんたの言うルールってのが何かは分からんが
age厨な時点で既に荒らしと判断してる人もいるから
それに人の作品をパクるような香具師はSS書きとしてもこのスレにはいらない
「――まあ、こんなものかな」
やれやれといった口調でそう呟いて、構えていたライフルを下ろす絃子。ゲームの方は校内で
まだ進行中のようだが、アレを撤退させた時点で自身の役目は終わった、という判断である。
「まったく、なんなんだ」
晶が仕掛けておいたカメラからの映像や、自らのぞいたスコープの中のその人影は、およそ
出来れば関わり合いにはないたくない、という類のものだった。
それでも。
「多少は感謝するべきなのか……?」
したくはないんだけど、と心底嫌そうに天を仰ぐ。けれど、彼女からしてみればきっちり勝負
の出来る相手などそうそういるわけでもなし、昔取ったなんとやら、血が騒がなかったかといわれ
れば嘘になる。
「まだまだ若いのかな、私も」
意味もなく饒舌になっている自分に一人苦笑してから、陣取っていた屋上からひらりと舞うよう
にして階下の教室へと戻る。
――と。
「……待ち伏せ、か。参ったね」
小さく肩をすくめた絃子の目の前には、先刻まで標的にしていた相手の姿。位置は察知されている
だろうと判断していたが、この短時間に詰められるのは彼女にしても少々予想外の出来事。
「現役には勝てないね、やはり。しかし、それだけの腕の持ち主がしゃしゃり出てくるのはいささか
どうしたものかと思うんだが?」
「主に尽くすのが執事の役目なりますれば。付け加えておけば、私も既に一線を退いた身、現役など
とは、とても」
既に目的は達し、勝負をするつもりもなかった絃子は早々に白旗を揚げたが、そこは相手――執事、
と名乗ったからにはそうなのだろう。およそそうは見えないが――も同様だったらしい。返ってきた
のはそんな言葉と慇懃な一礼。
「それじゃますます、だな。ロートルに勝てないんじゃ、私もそろそろ火遊びはやめた方がいいらしい」
「何を仰いますか。このような粗忽な作りの銃器を用いたことを思えば、先の銃撃は見事。照準さえ
完調なら、一撃で勝負は決していた――違いますかな?」
「――ハン。そういうあんたもその気になれば当てられたんだろう? あそこから。レンジも何も関係
ないような相手とやるのはこれっきりにしたいもんだね」
仏頂面の絃子に、これは失礼を、と執事はまたもや深々と一礼。しばらくそれに剣呑な視線を送って
いた彼女だったが、らちのあかない相手、と諦める。
「食えないヤツ、というのはこういうときに使う言葉なんだろうね。……で、一応訊いておくんだが、
そのけったいな恰好は一体なんなのかな」
嘆息混じりのその問に、それまできっちりと引き締められていた表情が、
「お聞きになりたい、と?」
にやり、と動いた。
「……いや、いい。どうにも寝覚めが悪くなりそうだ」
「それはそれは」
心の底からげんなりしつつ、『執事』というもののをイメージをあらめる必要があるのかもしれない、
そう思いつつも、それじゃ帰らせてもらうよ、と歩き出す絃子。
「あんたもさっさと帰るんだな。ここに大人の出る幕はないよ」
すれ違いざまに言い残した彼女に、背後から声がかかる。
「――中村、と申します」
「……刑部、だ。だが――」
足を止めて答える絃子。
そして次の瞬間。
「――覚えてもらう必要はない」
予備動作なしに引き抜いた拳銃を、振り向きざまに突きつける――
「……ふん」
――が、既にそこには人の気配など微塵もない、月光に照らされる空間が広がっているのみ。
「やれやれ、だ」
その日もう幾度目になろうかという溜息をついて、今度こそ歩き出す絃子。古びた木造校舎の床板を、
一度たりとも鳴らすことのないその足取りは、ほどなくして屋外へと至る。そこにあるのは、そろそろと
晩秋を感じさせる夜の空気、そして新校舎を見下ろして空に浮かぶ見事な月の姿。
「これが見られただけでも満足するべき、か」
ゲームの方は終わりを迎えたか、はたまた膠着状態下、ぽつりと彼女が呟いた、そんな声以外には物音
一つ聞こえてこない。
「ま、若いうちは楽しむものだよ、なんだってね」
ちらりと校舎を見上げ、誰に向けるわけでもない、あるいは誰もに向けた、そんな言葉を残し、再び
ゆっくりと歩き出す絃子。
銀色の月だけが、その姿を見下ろしていた――
476 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:47 ID:mWzCrixQ
だったら一度目でいうべきでは?
477 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:51 ID:.xG5rNEQ
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
|∵∵/ ○ \|
|∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|∵ | \__|_/ | < sustain!!
|∵ | |┴┴| | \_____
|∵ | | | /
\| \_/ /
\____/
478 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:52 ID:.xG5rNEQ
/ \ _______
/ / \ \ /
| (゚) (゚) | <初体験だぞおめー
| )●( | \_______
\ ▽ ノ
\__∪ /
/  ̄ ̄ \
| | | |
| | | |
|⌒\| |/⌒|
| | | | |
| \ ( ) / |
| |\___人____/| |
| | | |
/"lヽ
( ,人)
| |
| |
| |
ノ ノ
(__人_)
479 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:53 ID:.xG5rNEQ
___
/ \ _______
/ / \ \ /
| ‖(゚)(。) | <うひーーーーーー
| )●( | \_______
\ ▽ ノ
\__∪ /
/  ̄ ̄ \
| | | |
| | | |
|⌒\| |/⌒|
| | | | |
| \ ( ) / |
| |\___人____/| |
| | | | | |
| | ズボ
ノ ノ
(__人_)
480 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:54 ID:.xG5rNEQ
/ ̄ ̄ ̄\
/ \ / \
| (゚) (゚) |
| )●( | l⌒;Σズヴィシッ!
\ ▽ ノ ノ ノ_
\___/ _ / (()_)
<ロ、 `―' >ヽ ▼ ヽ_丿 (()_)
/_ \/ l ( (() ) l||
,_`ヽ―――――― 、 ノ ̄lll
481 :
Classical名無しさん:04/11/26 01:56 ID:.xG5rNEQ
sustain
_____
/ ̄ ̄ ̄ ̄\,, / \
/ −、 −、__ ヽ / ______ \
| | ・|・ | | | / / ─ 、 ─ 、 ヽ \ ヽ
| `-●−′ |___/ | / | ・|・ |──| |
| 三 | 三 6 l |/ ` - c`─ ′ || |
. ヽ (_|___ ,-′ | (____ | l
ヽ ___ /ヽ ヽ / /
/ |/\/ l ^ヽ \ / /
| | | | l━━(t)━━━━┥
な
ん
か
み
え
な
い
のが
つづいてる
沢近のおっぱい吸いたい
沢近父の乳で我慢汁
じゃあ沢近のツインテールを愚息に巻きつけてオナニーするわ
ちょっとごついけどな。
なんか荒れてるなぁ…
488 :
Classical名無しさん:04/11/26 16:54 ID:KI/GziCA
サラに風呂場でご奉仕させるにゃん
>>475さんGJ!
面白かったですよ。
あの2人がどうなったのか気になったので良い補完になったと思います。
けど変なレスが大量にあって埋もれちゃったのが残念。
ここで書き込み禁止な作品は801と18禁表現のあるもの、そして当然のように盗作。
あとはどんな作品でも読者の大多数を不快にさせなきゃ別に何書いても構わないと思う。
以上
491 :
Classical名無しさん:04/11/26 17:52 ID:mWzCrixQ
ん〜なんか俺が擁護したのがいけないのか………?
沢近に剃毛を強要したい
スルーなんだろうが、一言言ってやりたい…うざい
>>490 同意
特に盗作はダメですよね。
でも
>読者の大多数を不快にさせなきゃ
この部分を自分の主観で判断してる人が多くないですか?
最近、初心者の方に優しくないレスが多く見受けられるような……。
ある程度の酷評は覚悟してますが、何となく今の雰囲気だと投下しづらいです。
>>494 確かに、この雰囲気では初心者は投下しづらい… _| ̄|○
>>495 自分はとても書く才能がないので見てるだけですが、張間☆張雄さん
の作品を楽しませてもらっています。
確かに、最近書きにくいという雰囲気は理解できますが、次作の投下
を楽しみに待ってます。
まあ、今の自作をしばらく経ってから見てみると、叩かれている理由が
いやというほどに良く分かった。なんて事はザラだから。
正直、ノって書いてるときって『うわ、ここなんてスゲー良いじゃん? 結構俺って出来るじゃん?』
みたいな感じだからね。時間が経つと悔しいくらいに『なんでこんなの書いたんだ……』って思う。
SS書きに限った話じゃないけど、こういうのは細くても長く続けていくのが
上達するコツだよ。
アドバイスくれる人も居るには居るし、ヘコたれてもメゲないでガン( ゚д゚)ガレ!!
498 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:04 ID:P0oHpkww
とりあえず張間☆張雄さんも
>>433の人も、誰かがその人の作品を望むなら投下していいんじゃね?
そもそも全員がいいというものなんて世の中ないんだし。
取りあえず
>>433は書くんなら犬さんに断ってからにしてくれ
それがせめてもの礼儀ってもんだと思う
初心者ですが、書いてみました。王道派です。
初ですので、全然ダメだと思いますが、投下します。
タイトルは特にないです。
「ピョートル、元気か?」
日曜日の午前、播磨拳児は動物園に来ていた。彼の唯一と言っても良い予定である。
普段なら一人で来てピョートルをはじめとした動物たちと話して帰るのだが、今日は少し違った。
「ピョートルって言うんだ、このキリン…」
播磨の隣で黒髪の少女…塚本天満はそう言った。
普段の彼女よりは少し落ち込んでいる印象を受ける。
「おう、前は俺が飼ってた…のか?まぁ世話してたんだが、さすがに無理だったからここに引き取ってもらった」
視線を少し落とし、天満の方を向いて播磨はそう言った。
しかし天満はぼ〜っとピョートルの方を見ていた。
別にピョートルを見ていたのではない。
何も考えていないのか、それとも別のことで頭が一杯なのか…
おそらく後者だろう。
理由は今週の月曜にあった。
彼女の思い人である 烏丸大路がアメリカへ旅立ってしまったのだ。
さんざん悩んだあげく、播磨の助言などもあって烏丸を見送ることはできたが、結局告白は出来なかった。
落ち込んだ天満を見かねた播磨が動物園に誘って今に至る、と言うわけである。
「……やっぱ、楽しくないか」
少し落ち込んだ声で播磨はそう呟いた。
「…ごめんね、播磨君。せっかく誘ってもらったのに……」
先程よりも更にトーンを落とした声で天満は答えた。
「いや、いいって俺が無理に誘ったようなモンだし…塚本の落ち込んでんのはわかってたしな」
「でも…だから励まそうとして誘ってくれたんでしょ?」
珍しく播磨の意図をくみ取った天満がそう言った。
言われた播磨は少し意外な顔をして、それから少し照れたのか目をそらしてしまった。
それを見た天満は、ほんの少しではあるが、小さな笑顔を浮かべてみていた。
502 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:17 ID:Fa3urlMg
神がSS投下しずらくなるから
もうこの話題終了な
「あ、播磨さん。今日も来てたんだね」
二人がそんなやりとりをして少し経ってから、男性がやってきて播磨に声をかけた。
「あ、伊藤さん。おつかれっす」
播磨は少し頭を下げて挨拶をした。
遅れて天満も頭を下げて伊藤さんに挨拶をした。
彼は飼育係の伊藤さん。ピョートルをはじめとする播磨の動物たちの世話している。
「今日は一人じゃないんだね……彼女かい?」
からかうでもなく、素朴な疑問と言った感じで伊藤さんは言った。
「え!?いや!天…塚本はそんなんじゃなくて…その…」
「いえ、友達です」
播磨がしどろもどろになっていると横から天満がそう言った。
分かってはいたがその言葉は播磨の胸にかなりの痛みをもたらした。
「ところでおじさんは何を?」
「ああ、私はこれからピョートルに餌をやるところだよ。播磨くんはいつも来ているし、彼らと仲もいいから一緒にやっているんだよ」
檻を見ながら伊藤さんはそう言った。
「…そうだ、塚本さんもやってみるかい?」
思いついたように伊藤さんがそう言った。
「いいんですか?」
「まぁ、播磨君の友達だからね。さ、こっちだよ。播磨君も」
伊藤さんがそう言うと天満は嬉しそうな顔をして伊藤さんの後を付いていった。播磨もその後を付いていった。
餌のやり方を教わってピョートルに餌をやっている天満に播磨は見とれていた。
誰の目から見てもここに来たときとは比べ物にならないほど天満は元気になっていた。
「ぼ〜っとしてちゃダメだよ、播磨君」
「あ、すんません」
伊藤さんはまぁ、良いけどねと言って、天満の方を見た。
「あの娘のこと、好きなのかい?」
視線はそのままで先程と同じ様な感じで伊藤さんは聞いてきた。
「……はい」
伊藤さんの雰囲気だろうか、播磨はうろたえることなく素直に言うことが出来た。
「ずいぶん落ち込んでいたようだけど、それを励まそうとして誘った…って所かな?」
「…お見通しっすか」
年の功ってヤツだよと伊藤さんは笑っていった。
「告白はしないのかい?」
「…今して、OKもらったとしても、俺はヤツの代わりくらいにしかなれないっすから」
思い出されるのは駅で烏丸を見送ったあと、号泣する天満だった。
「…それで良いんじゃないかな?」
「え?」
意外な答えに播磨は思わず伊藤さんの方を向いた
「理由がなんであれ、付き合ってくれればいいじゃないか。自分のことを好きに思ってくれるようになって、自分のことだけを見てもらうように時間をかけてなっていけばいいじゃないかな?」
播磨は呆然としてその話を聞いていた。その話は今まで自分が考えもしなかった事だった。
その話をした後、伊藤さんはまぁ、決めるのは君だけどねと言って他の動物たちに餌をやりに行った。
「播磨君?播磨君!」
「お、おぉ…なんだ塚本?」
先程のことを考えていてその場に突っ立っていた播磨だったが、天満に呼ばれたことで戻ってきた。
「もう、餌やり終わっちゃったよ。伊藤さんがもう出ようって」
天満が指さす先にはもう片づけて出口で待っている伊藤さんが居た。
「ああ、そうだな」
そう言って二人は一緒に出口の方に向かった。
「ありがとうございました、楽しかったです」
「いやいや、播磨君の友達だからね。これくらいはさせてあげるよ」
楽しそうに話す天満を見て播磨はほっとしていた。
「伊藤さん、…ありがとうございます」
播磨は軽く頭を下げて伊藤さんにお礼を言った。
伊藤さんは少し笑って、それじゃあと言って戻っていった。
その後二人は昼食をたべて動物園を出た。
播磨がバイクにまたがってエンジンをかけた時に天満に声をかけられた。
「今日はありがとうね、播磨君。元気出たよ」
「……そっか、そりゃ良かった」
二人は笑って動物園を後にした。
帰り道、後ろでしがみついている向かって播磨は話しかけた。
「なぁ、塚本」
「うん?」
「また、一緒に行ってくれないか?」
播磨は顔を真っ赤にして、出来るだけの声で誘った。
「……うん、また一緒に行こうね」
天満も少し顔を赤くして、今までより強く播磨の背中にしがみついて言った。
夕日の中、ゆっくりではあるけれど、やっと二人の物語が始まった。 (終)
以上です。
叩かれるの覚悟です。
王道少ないんで書いてみました。
では失礼しました。
507 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:25 ID:Fa3urlMg
>>502だが邪魔してすまぬ
乙!
初めてとは思えないくらいよかったよ〜
やっぱ王道もイイ!!
王道キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ありがとうと言いたいんですよ僕は。
王道を描いてくれてありがとうと。
もう少しコミカルだったら尚俺好みでした(超個人的主観)。
509 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:44 ID:BUeCvOGk
__ __
= / \\=
≡ // /∧/∧ \ヾ≡ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
=≡ | ; ・・ ・ |│= < かかか感じんじんじるぅるぅうぅうう
=│| ))●(( | |≡= \_______
=ヾ\ ーー ノノ=
= \____//ヴヴヴヴヴ…
510 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:44 ID:BUeCvOGk
___
/ \
/ ∧ ∧ \ ピタッ
| ・ ・ |
| )●( |
\ ー ノ
\____/
511 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:47 ID:BUeCvOGk
___
/ \ ___
/ ∧ ∧ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / \
| ・ ・ | < / ∧ ∧ \
| )●( | \_______ | ・ ・ |
\ ー ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | )●( |
\_____/ > \ ー ノ
______/ \____/
512 :
Classical名無しさん:04/11/27 00:49 ID:BUeCvOGk
513 :
Classical名無しさん:04/11/27 01:08 ID:BUeCvOGk
514 :
Classical名無しさん:04/11/27 10:50 ID:c64C5m5k
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ∧ ∧ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ・ ・ ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / )●( ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ー ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
沢近の足の指を一本一本丁寧に舐って
「じらさないで」と言われたら今度は
手の指を一本一本丁寧に舐りたい
そして沢近のお腹にシロップを垂らしてぺろぺろしたい
いちおう続編ができたので投下します。
356〜362、370、407〜410からの続編です。
雲間から太陽が差し込んできた。どうやら晴れてきたようだ。
これから激戦を繰り広げる者たちを祝福するかのように…
開始早々、男子チームのメンバーは各々の戦うべき相手を求め、散っていった。
まあ、悪く言えば自分勝手に行動を開始したとも言えるのだが。
そんな中、男子チームの今鳥は、自分のターゲットである周防美琴を発見すべく、行動を開始した。
「さーて、ミコちんはどこかなー?あ、とりあえずは雪玉を用意しねーとなー」
一応、少しは雪合戦をやる気があったらしい。今鳥は足元の雪を集め、雪玉を作り始めた。
「ドジッ、ドジッ、ドジビロ〜ン♪ …ふぅ、やっと1個できた。ん…? おおっ、いいこと思いついた!!」
今鳥は何かを思いつくと、急いでもう1つ雪玉を作ると、2つの大きさを整え始めた。そして…
「いえ〜い! 巨乳♪ 巨乳♪」
作った2つの雪玉を嬉そうに上着の中に入れた。
ユッサユッサ。そして自分の雪乳を見て、
「このサイズ…これはまさしくDの大きさ! イエーイ! ちょっと冷たいケド、ミコチンとおそろいのD〜♪ いや、ミコチンのはもっとあるかな〜!アハハハハ…」
満足そうにバカ笑いした。流石は3馬鹿の1人といったところか。見事なアホっぷりである。
高校生にもなって、たかが雪でここまでできる男もそうはいないであろう。
ご満悦の今鳥だったが、そこに、鋭いツッコミが入った。
「くぉらぁあ!! アホ今鳥!! …テメ〜、何、恥ずかしいことほざいてやがる!!」
美琴であった。さっきの今鳥の独り言を聞いていたのであろう。その顔は怒りと羞恥で真っ赤に染まっていた。ちなみに今鳥と美琴の間の距離は10メートルほど。
「あっ、ミコチーン!! ちょうどいいところに! 見て見て〜おそろいだよ〜!」
ユッサユッサ。再び雪乳を揺らす。
「だぁぁぁ!!! もうそれはいい!! …それより、お前、アタシを倒さなくていいのか?」
いつものように今鳥にペースを握られていた彼女であったが、気を取り直して、そう告げた。
「あっ!そうだ!俺、ミコチンをターゲットにしたんだった!」
…雪乳作りに夢中になりすぎて、すっかり忘れていたようだ。
「へぇ〜、このアタシをターゲットにねぇ…。でも、アンタがアタシを倒せると思ってるのかい?」
少しバカのしたように言う美琴。その表情には余裕の笑みさえ浮かべている。そんな美琴に、珍しく熱くなって今鳥は反論した。
「いや、今回だけは意地でも倒してみせる! なぜなら、俺たち男子チームが勝てばミコチンのDカップが俺のモノに…」
「なるわけねーだろーが! このド変態!!」
そう叫んだ後、美琴は元来た道を走って引き返して行った。
「あっ、待て〜! ミコチ〜ン!!」
「へへーん、追いつけるもんなら追いついてみなー、アホ鳥〜!」
それを追いかける今鳥。流石に自分の願いがかかっている分、普段よりも必死な様子が見てとれる。
(へへっ、どうやら、うまく引っかかってくれたみたいだな…沢近と高野の作戦どおり!)
そんな今鳥をチラリと見て、彼女は心の中で喜んだ。こんなにも上手くいくとは思っていなかったからである。
今鳥は自分を追いかけるのに夢中で(バカだし)、例の場所に誘導されていることに完全に気づいていないようだ。
(よーし、もう少し…!)
そして、しばらく走った2人は、少しひらけた場所に出たところで立ち止まった。美琴が走るのを止めたためである。
女子のスタートエリアの、中央部分あたりだ。
「へっへっへ…追い詰めたよ〜、ミコチ〜ン…!!」
半笑いで、木に寄りかかっている美琴に近づいていく今鳥。知らない人が見たら、110番しそうな雰囲気を醸し出している。
今鳥を挑発してから今まで、ずっと走っていたため、美琴は雪玉を用意していない。今鳥はというと、走りながら1つ雪玉を作りあげていた。
「観念したの〜…? ミコチ〜ン…?ならば潔く、俺のモノになるのだぁ〜!!」
「…お前、完全に悪役になりきってるな…それはともかく、観念するのはそっちなんじゃねーのか?」
通常ならピンチと考えるべきだろう。だが美琴は、怯えるどころか不敵に笑ったのだった。
「なに!?」
ガサガサッ!!
今鳥の背後の木の陰から物音がした。
「だ、誰だ!?」
「へっへー、私だよー、今鳥くん♪」
「て、天満ちゃん!? それじゃあ、まさか…」
今鳥はやっと気づいたようだ。自分がここまで誘導され、すっかりはさみ打ちにされたということに。
「さーて今鳥…覚悟はいいよなぁ?」
さっきまで胸のことで恥をかかされた恨みを一気に晴らすつもりなのだろう、彼女はすっかり殺気だっている。
寄りかかっていた木の枝にのっている雪を集めて雪玉を作る気のようだ。天満はというと、すでにたくさんの雪玉を腕に抱えている。
「き、汚ねーぞミコチン! こんな卑怯なことがDのすることかよ!」
「う、ウルセェー!! 胸は関係ねーだろーが、胸は!!!」
美琴は赤くなって反論する。今鳥はこの好機を見逃さなかった。
(チャンスだ!!)
一瞬の隙をついて手にもっていた雪玉を美琴に投げつける。それほどスピードはないが、胴部に直撃コースだ。
「チッ!!」
しかし、流石は武道経験者。鍛えられた動体視力で雪玉を手で払い、空中で破壊する。しかし、とっさの反応だったため、美琴は体勢を崩した。
それを見た今鳥は素早く反転し、背後にいた天満の方向に走る。一気に逃げ切るつもりだ。
(ミコチンより天満ちゃんのほうがトロいし、突破しやすいはず!)
今鳥はそう考え、天満のほうを狙ったのだった。
「マズい! 塚本!! 今鳥に雪玉を当てろ!!」
「ええ!?う、うん、わかった!!」
天満は手に持っていたたくさんの雪玉を次々に投げつけた。
「えいっ!えいっ!…これでど〜だぁ!!」
…しかし、そこは運動オンチの天満だ。とっさに投げて、そうそう狙ったところに行くハズがない。
たくさん投げている分、今鳥のほうに向かって飛ぶこともあるのだが、ルールでは、『頭部もしくは胴部に一撃くらったらアウト』である。
つまり、腕を使っての防御も認められているため、正面からの攻撃では、ほとんど直撃は期待できないのだ。
「やっぱノーコンか…うわっ、あぶねっ! どこに投げてんだお前は〜!?もういい、ストップストップ!!」
この無差別攻撃を続けられたら味方である自分すら危ない。そう思い、天満を止めようとしたのだが…
「あう〜、玉切れだよ〜…」
どうやら打ち止めのようだ。
「へへーん、ラッキー♪ じゃあまったねー! 天満ちゃん、ミコチン!!」
「………」
逃走成功を確信し、笑顔で別れの挨拶をする今鳥。今、ちょうど天満の横を通り過ぎるところだ。
先程も述べたが、この雪玉サバイバルゲームでは腕での防御が可能なため、確実に相手を仕留めることが出来る方法は限られてくる。
相手に気づかれない遠距離や死角からの狙撃、たくさんの雪玉を用意しての一斉射撃(天満の技量ではムリだったが)。そしてあと一つ…
「まだ笑うには早いんじゃないか?今鳥!」
「強がりはよくないよ〜、ミコチ〜ン!!」
そう言った瞬間、今、目の前にある木の陰からなにかが飛び出してきた。最初に天満が隠れていた木だ。
「周防さんの言うとおりですよ、今鳥さん!」
「な…!? い、イチさん!?」
「イチさんはやめてください!」
それは今まで木に隠れていた一条かれんだった。右手には雪玉を一つ持っている。もう一つの必殺の方法、それは接近戦、インファイトであった。
すべては、接近戦では無類の力を誇る一条で今鳥を落とすための布石だったのである。狙われやすい天満は、おとり役として使ったのだ。
…しかし実は、今鳥を発見した時、美琴は気づかれないように雪玉を当てることもできたのだが、
バカなことをしている今鳥におもわずツッコんでしまったため、当初の予定通り、この作戦で行くことにしたのである。
あと、美琴VS今鳥なら、一対一でも美琴が勝つと思うかもしれないが、美琴は今鳥のペースに乗せられやすい。戦闘の相性が悪いのだ。
よって、最も安全かつ確実だと思われるこの作戦を選んだのである。
「ク、クッソ〜! ならば仕方がない…奥の手だ!! くらえ、ドジビロン・Dミサイル!!」
手には雪玉を持ってはいなかったが、ずっと胸に入れていた雪玉(Dカップ級の大きさ)を取りだし苦し紛れに投げつけたが…。
バシッ
あっさり手で切り払われ、子供のようなネーミングセンスの最終兵器は無残にも砕け散った。
「ご、ごめんなさい、今鳥さん! あなたを倒します!」
一気に距離を詰める一条。どうやら本気モードのようだ。
「い、一条、ち、ちょっと待っ…うわぁーっ!!!」
ボスッ
鈍い音とともに、ゼロ距離で今鳥の腹部に押し付けられた雪玉は崩れた。
「うう…ヒデーよ、一条…」
完全に敗北を喫した今鳥が、寝転がってうめく。
「す、すみません、すみません!大丈夫ですか、今鳥さん!?」
大げさに泣きマネをしている今鳥を気遣う一条。悪いことをしてしまったと思っているらしく、オロオロとしている。
「気にすることないよ、一条! 正々堂々と勝負した結果なんだからな!」
「そーだよー! カレリン、かっこよかったよー!!」
「あ、ありがとうございます…!あ、ところで沢近さんと高野さんは…」
美琴と天満に褒められて照れながら、別行動している2人を思い出した一条だったが…
ヒューン…ベチャッ。
「へっ?」
「な、なに、これ、誰が!?」
一条の頭に雪玉が降ってきたのだ。敵かと思い、周りを見渡すが、辺りに人影はない。
「…ふっふっふっ…はぁーっはっはっはっ!!」
突如今鳥が笑い出した。気でも狂ったのだろうか?
「な、なんだ…!?急に…?」
「やっと効果が出たようだな…!必殺、時間差Dミサイル・ドジビロン・サンダーボルト!!」
寝たままの体勢で偉そうに説明する今鳥。やはりネーミングセンスの悪さを窺わせる。
「名前長っ!…って、まさかお前が!?」
「そーいうことだよミコチン…さっき俺が投げた雪玉がそこの木の上にのっかり、時間がたって落ちてきたというワケさ!」
「どー考えても偶然じゃねーか…しかし、いつの間に投げてやがったんだ?」
「全然分かんなかったよね〜!」
「は、はい!目の前にいた私も気がつきませんでした!」
頭に付いた雪を手で払いながら、一条も言った。
「ふっ…甘いな…」
そういうと、今鳥は上体を起こし、今日一番のさわやかな笑顔で言った。
「オッパイは一つじゃない! 二つあるのサ!! 左右に一つずつな!!」
あの時(Dミサイル)、実は両乳同時に投げていた、ということだろう。
「…寝てろ。」
ゴスッ!
かかと落としがキレイに入った。オッパイ星人・今鳥は、頭を抑えながら転がりまわっている。
「さてと。まさか今鳥ごとき相手で一条がやられるとは思わなかったが、とりあえず次のターゲットを探さないとな」
「ごめんなさい。こんなに早くやられてしまって…」
シュンとする一条。自分としても勝利を確信した勝負だったこともあり、少し悔しそうだ。
「いや、アレはまず誰も避けられないし、仕方ないさ。ま、あとはアタシらに任しときな!」
「うん、まっかしといて〜、カレリン!!」
親指を突き出してサインを出す天満。一条は笑ってうなずいた。
「それじゃあ、私たちは塚本さんの妹さんたちの所に戻ってますから。頑張ってくださいね!」
「うあ〜、俺、疲れて動けねーよぉ〜…ミコチ〜ン、おぶって〜!」
「あ、大丈夫です。今鳥さんは私がかついで行きますから。」
「………」
「おう、じゃあ、そこのバカはよろしく頼んだ、一条!」
「じゃあね!カレリン、今鳥くん!」
2人は走って去っていった。今鳥と一条を残して。
「さて、それじゃあ私たちも行きましょう、今鳥さん!」
「…いや、やっぱ自分で歩くわ…」
予想外の相打ちで、いきなり一条という大きな戦力を失った女子チームであったが、天満と美琴はそれほど気落ちしてはいなかった。
最後は今鳥の意外性にやられた形にはなったが、とりあえず当初の作戦通りに計画を進めることができたのだ。
「よーし、あの2人の作戦でいけばなんとか勝てるかもしれないぞ、塚本!!」
隣を走る天満に話しかける美琴。
「何いってんのミコちゃん!やるからには絶対に勝つ!…でしょ?」
そう言ってイタズラっぽく言う天満。
「へへっ、そーだったな。確かにアイツなら、そう言うに決まってるな!」
いつも強気な友人を思い出し、2人は笑いあった。
ちょうどこの時、愛理と晶が窮地に立たされているとは知らずに…
男子チーム:今鳥恭介……脱落
女子チーム:一条かれん…脱落
残り人数:8名
もしかしたら続かないかも…
以上です。長々と申し訳ありません。
この調子で書いていったら、決着がつくまでにかなりの量になりそうなので、続きは書くかどうか迷ってます。
自分の駄文を長々と続けられても迷惑でしょうし、短いほかのSSを書くかもしれません。このまま放置したらゴメンナサイ。
お目汚し、失礼しました。では。
>>526 面白いんで最後までちゃんと書いてくださいな
いやいや、ここで終わるなんて勿体無い!
折角なんですから最後まで書いてください!
>526氏
面白い!ワクワクしながら読んでますよ〜!
続編も期待してます。
530 :
Classical名無しさん:04/11/27 13:25 ID:c64C5m5k
| |
___ _|_|_ ___
/0 \/0 \/0 \
/ ゚ ∧ ∧ \゚ .∧ ∧ \゚ ∧ ∧ \
| ・ ・ | ・ ・ | ・ ・ |
| )●( | )●( | )●( |
\ ー ノ ー ノ ー ノ
\____/\___./\____/
/ ゚ ∧ ∧ \゚ ∧ ∧ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ・ ・ | ・ ・ | < 今年も豊作だったぞおめーら
| )●( | )●( | \
\ ー ノ ー ノ \____
\____/\____/
/ ∧ ∧ \
| ・ ・ |
| )●( |
\ ー ノ
\____/
>>526 GJです
こんな所で終わられたら続きが気になって仕方ないので、できれば
最後まで書いてください
沢近にディープなキスをして
三十分くらいぬめぬめにちゃにちゃした後
何事も無かったかのように紅茶が飲みたい
>>500 グッジョブ!! 伊藤さんイイよ伊藤さん。
こういったオリキャラは正直大歓迎。
まあ、この人の主張が正しいのかどうかはまた別問題だけど、
自分なりの意見で相手に何かしらの新しい道を見せる人っていうのは格好いい。
534 :
春先まみれの山殺し裏切り御免の松葉咲き夢見草に物申す:04/11/27 22:09 ID:VRTGI/AI
>>517-525,526
いいですね。
現に長編を書いてる人もいるので長さは気にしなくてもいいと思うよ。
クリスマスSSを誰か書け
命令だ
さー、いえっさー!!
でも、ここには投下しない(´∀`)
ウソダドンドコドーン
>>536 偉そうにぬかしてんじゃねぇぞ、このインポ野郎!
SSを見たけりゃ、てめぇで書けくされチンカスデブオタが!!!
541 :
Classical名無しさん:04/11/28 04:11 ID:guy.mlbA
>>536 お前が書け、リクエストするならもう少し頼みかたって物があるだろうが
>>540 落ち着け、それともう少し言葉を選べよ
すまん、sage忘れてた
サラの聖水が飲みたいです
みんな落ち着け
545 :
Classical名無しさん:04/11/28 16:05 ID:oqJjZ1AE
____
, ' ´ ` 丶、
/ \
. / / , ヽ
/ / /// //|ト、 ヽヽニニヽ、
__/_ ///_/_∠/ ||_|」、│l
. ",,─‐"′ |/ ///,≠= リr=ル | | |
/ / // 〈〃ル| イ_lソ i_トj'》|//リ
〃∠// / `ー、 ー ' il ´// |
http://pasofactory.site.ne.jp/ ―イ〃/ / / _ /l| \ r ‐ァ ///l |
 ̄// 〃 ィ-‐イ´ | l `>-/‐、//ノノ
イ 〃〆 // l /,--亠、 ><´ / ∠-‐ヽ'、
´// / / ! / `ー--イ7_ `</^〉´ l
// ト、ヽ/ // | |入/_∠ニ-、 |
/ /// / |/l メ /_l,ノ´-、 \ ヽヽ /
// 〉、 l !<二、_ _ 〉 | |ヽl_lノ
〃/ / / lニ | /  ̄<∠ィ_ノ
/ / / / | | | /,/
/ /〃/ | │ _, - //
/ / 〃/ /_-ナ ̄ /ハ |
ヽ l 〈 |/ / ̄ ,/ / ハl |
ヽ'_レイ , イ´| //ヘ | | |
/ // | | // | V/
/ /〆 /│| // | | 〈
/-イ / / // // | | l
/ / / // //| | | |
/ / / ////| | | | |
http://pasofactory.site.ne.jp/story/StoryViewer.php?name=ihie&&index=1&&sendby=index2.php?name=ihie&&edittime=04/07/31&&menu=none
八雲の塩っ気が付いたオニギリが食いたい
過去のほうにクリスマスSS投稿した
「播磨拳児、ストライキ、行きます!!」
掛け声とともに発進する、播磨の駆るBAT−H105 ストライキ。
ストライキーパックはエーロを装備している。
空中で姿勢を制御し、パンツ湿っぽい(PS)装甲を展開する。
続いて、ヤムチャーストライカーを装備した支援機のスカイ爽快グラスパーも発進したようだ。
パイロットは烏丸大路。ナチュラル(天然)だが、凄腕のパイロットだ。
ピーピーピー!!
敵の接近を知らせるアラームがけたたましく鳴り響く。モニターに敵機のモビルスーツが映しだされる。
H102:デュエロ、H103:バストー(胸囲)、そして、H303:ワルイジス。
すべて中立国ハーブの資源衛星「ミニスカポリス」からザブトン軍が強奪した機体だ。
「ストライキィ!!今日こそ落としてやる!!!」
「いい加減に落ちてよね!!」
デュエロとバストーが突っ込んでくる。ちなみにパイロットはそれぞれ、花井春樹と今鳥恭介。
だがデュエロはいつものようにあっさりやられ、バストーはスカイ爽快グラスパーと戦りあってるうちに相打ちになったようだ。
そして…
「ヒゲェェェェ!!!」
すごい気迫でワルイジスを駆る沢近愛理が突っ込んできた。
振り下ろされたビームサーベルをアンチビームシールドで受け止める播磨。
「アナタが美琴を…美琴を堕とした!!!」
「くっ…お嬢…!」
押され気味だったストライキのもとにスカイ爽快グラスパー2号機が駆けつけた。
「播磨さん!!」
「妹さん!?ダメだ、来るな!!!」
ワルイジスの頭部にミサイルを当てるが、PS装甲を展開しているワルイジスには、ミサイル程度では効果がない。
「…チイッ!」
スカイ爽快グラスパーからのビームをかわしながら、左腕に装備されていたシールドを投げつける。
「あっ…」
ワルイジスの盾が直撃し、爆発する戦闘機。
「妹さーーーん!!!」
その瞬間、播磨の中で何かかが弾けた。
「うおおおおおお!!」
急に動きがよくなったストライキに右腕を破壊され、蹴りまで入れられるワルイジス。
また負けるの、コイツに…美琴を堕としたコイツに!?
(私が…アナタを討つ!!!)
そして愛理の中でも何かが弾けたのだった。
「ヒゲェェェェェェェ!!!!!」
「おじょおおおおおお!!!!!」
んでその後、激闘→組み付き→EN切れ→自爆
>549
やるなら最後までちゃんとやってくれよ。SEEDネタ。面白いからさ♪
その手のネタ、ここでやっていいの?
勘弁してください。面白くないし。
553 :
Classical名無しさん:04/11/28 18:23 ID:oqJjZ1AE
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::|:::::::::::::\
/::::::::::::/:::::::::/:::/::/!:::::::l::::|::::l:::::::::::::::::::',
イ:/:::::::::::/::/:/クト/ |::::::/!::ll::::l:::::::l:::::::l:::::l
//::/::::::::::::,'::::|{Tュミ、/ l:::://:ナト、|:::::::|:::::::ト:::|
/ !イ::::::::::::::l::::::! .ヒ'::::ハ |:/ ナ=┼:l::::::,':::::::! |,'
' l::::::::::::::::|:::l:::ト "" ヒ'::ソ|イ:::::/::::::イ
http://pix4.tenten.thebbs.jp/1092282065/I1092282065-766.jpg |::::::::,. 升::ト:ト、 { "" ノ::|::イ::/:::ト
!:/ |...ト::l l \ ー , ィ´T !:::ll´ヽ::::ト}
/ `ト!..| ヽ、ヽ `ー '´ ノノ:::ィ ,':ク:ノ }:/}/
{ l...ト、_ヽ_ r-‐/イ...| イ '´ ノ ,'
', ヽ l....ト、 ` ' '´ !...|/ ,'
', `丶」...! ,'....l' ,'
', |....', ,'....,' ∧
', !......'., ヽ ,'.....! 〃 `ー== 、
', l.........\ { /......l 〃 廿 ̄`ヽ
', ヽ、..........`>弋........! /' lト、|l \
554 :
Classical名無しさん:04/11/28 18:25 ID:NUYV.P9o
玄関の外に付けた鍵が行方不明
なぜか洗濯機を使わずに
母親が手洗いで洗濯を
>>522 すみません ごめんなさい もう二度と来ないんで許してください
誰もイナイ?
ワッショイ
京都ワッソに朝鮮学校ホロン部が参加
1kbで何か書け
書けば判るさ
いち
にー
さん
だー
さっさと書けよこの穀潰しがっ!
>>560 自演乙、糞野郎。
短小包茎チンポの中にある、チンカスを舐めてさっさと寝ろ!
マンカス愛好家生きる汚物!!!
穀潰しって言葉久しぶりに聞いたw
356〜362、370、407〜410、517〜525からの続編です。
前回、感想を下さった皆様、どうもありがとうございました。
とりあえず、『もうヤメロ!』とか言われない限りは続けようと決めました。
書くペースは不定期ですが、なるべく急ぎたいと思います。
では、続きを投下します。
「おいコラ、メガネ!! テメー、なんで俺の後をついて来やがる!! テメーのターゲットは一条だろーが!!」
「いーや、貴様のことだ。塚本君を探しているフリをして、また八雲君に近づきかねん。そんなこと、させはせんぞ!!」
「アホか!? なんで俺が妹さんに近づかなきゃなんねーんだ? 今、俺が探してんのは姉の塚本天満のほうだぜ!」
「ふん、どうだかな! 不良の言うことなど信用できん!!」
スタート直後、全員バラバラに散開し、単独で行動を開始したはずの男子チーム。
だが播磨拳児と花井春樹は、上のような理由から一緒に行動していた。というか花井が播磨に勝手について来ているだけだが。
(チッ…このメガネ、どこまでついて来やがる気だ? せっかく天満ちゃんと2人っきりになれるチャンスだってのに…)
天満をターゲットにした理由はやはりこんな思惑からであった。はっきり言って、今鳥と同レベルの理由だ。
(天満ちゃん…他の男の雪玉に落とされるくらいならば、俺がキミを落とす!! 紳士的に優しく雪玉を当て、俺の魅力を大アピールだ!!
フッ…同時にキミのハートも落としてやるぜ…!待ってろよ、マイハニー!!)
とはいっても、花井は花井で勝手なことを考えているようだ。やはり3馬鹿である。
(八雲君…キミがなぜこんな男と頻繁に会っているのかは知らないが、僕の勇士を見せつけ、
キミにふさわしい男が誰かということを証明してみせよう! 待っていてくれ、マイハニー!!)
まあ双方とも勝手な妄想ではあるが、やる気はかなりのものだ。両手の雪玉を握り締め、決意も新たに2人は進んでいった。
しかししばらく進んでも、天満はおろか、他の女子メンバーも発見できなかった。
作っておいた雪玉も体温で解けてしまい、使い物にはならなそうだ。
播磨と花井は雪玉を作りなおすべく、歩くのをやめ、立ち止まった。
「チッ…塚本、いねーな…つーかこの土地が広すぎなんだっつーの! お嬢め…」
「まぁ仕方あるまい。それに女子チームとて、我々を発見するのに苦労しているハズだしな…播磨、気を抜くなよ!」
「わーってるよ! …ったく。」
(はやく見つけねーと天満ちゃんが他のヤローに落とされちまうかもしれねえ…)
雪玉を用意しながら、播磨が少し焦り始めたその時だった。
「マヌケ面でそんなところに座りこんでいるなんて、随分と余裕じゃない、ヒゲ?」
「…こんにちは、お二人さん」
しゃがみこんで雪を集めていた播磨と花井の前を2つの人影が横切っていった。
「い、今のは、お嬢!?…それに…」
「高野君か!…チイッ! 播磨、追うぞ!!」
どんどん離れていく2人の敵の後ろ姿を見つめながら花井が叫んだ。
「だから命令すんなっつってんだろ!つーか、お嬢も高野も、俺らのターゲットじゃねーだろーが?」
確かに播磨の言うとおりである。沢近愛理をターゲットにしているのは麻生、そして高野を狙うのは烏丸のハズである。
「何を悠長なことを言っているんだお前は!? この広いフィールドでは、自分のターゲットうまくを発見できるとも限らん!
せっかく敵を見つけたんだ、この際相手が誰であろうと構わん!追うぞ!!」
八雲に自分の活躍を見せ付けるとハリキっていた花井であったが、敵が見つからないのではどうしようもない。
このまま撃墜数ゼロという不名誉な戦果でゲームが終わることを恐れた花井は、愛理と晶を倒し、撃墜数を稼ぎたいようだ。
しかし、天満を発見することに執着した播磨は、
「お、おいメガネ!俺は天満ちゃんを…」
と言いかけたが、遠くから声が聞こえた。
「あーら、播磨くん、もしかして私が怖いのかしら?情けないわねー、ゲームが終わったら皆に言いふらしちゃおうかしら?」
愛理の声だった。こうまで言われた播磨、さすがに黙ってはいられない。
「…んだとぉ、お嬢!! 上等だ、いますぐブチのめしてやるぜ!! いくぞメガネ!!!」
「ふん!貴様に言われるまでもない!!」
かくして、播磨と花井の、『沢近・高野追撃戦』が始まったのだった。
『…ねえ、こんなのはどうかしら…?』
ゲーム開始前、いい策が思いつかず苦悩していた女子チームで、そう言い出したのは沢近愛理だった。
『沢近、お前なんかい作戦でもあるのか? とりあえず言ってみなよ!』
渡りに船、といった様子で美琴が尋ねる。他のメンバーも期待の眼差しを愛理に向けた。
『うまくいくかどうかは分からないケド…』
彼女には珍しく、少し自信なさげだったが、彼女はチームメイトたちに作戦を説明した。
誰かがオトリになり敵を1人ずつ誘い込み、3人で確実に落とす。その間、ほかの2人で、他の敵を引き付けておく。
これが愛理の作戦だった。個性が強すぎる(悪い意味で)男子チームの単独行動を読み、3人がかりで1人ずつ落としていく。
とりあえず、最初は落としやすそうな今鳥を狙うことも提案した。
『いいじゃないか、沢近! イケるんじゃねーか、それ!?』
『私もいい作戦だと思います!』
『なんかよく分かんなかったケド、さっすが愛理ちゃんだねー!!』
美琴、一条、天満がそれに賞賛の声を上げる。しかし…
『………』
晶だけが一人、なにも言わずに黙り込んでいた。目を瞑り、何かを考えているようだ。
『なによ、晶。私の作戦に何か不満でもあるって言うの?』
皆に褒められ、自分の作戦に自信のついた愛理が、少しイラついた声で晶に尋ねたところ、
『いえ…他に作戦も思いつかないし、それでいいんじゃないかしら?』
と答えた。晶の態度に何かひっかかるモノを感じながらも、とりあえずは満場一致で賛成となった愛理の作戦の詳細を決めていった。
「やっぱり上手くいったわね、私の作戦!」
そう言いながら会心の笑みを浮かべる愛理。後ろを追ってくる播磨と花井を見ながら、満足そうに笑った。
「…そうね、確かにうまくいっているわ。…今の所は、ね」
いつものポ−カーフェイスでそれに答える晶。その表情からは何も読み取れないが、何か含みのある言動だ。
しかし、自分の思い通りの事がはこんだことで上機嫌の愛理は、晶の言葉の裏にあるであろう意味に気づいていなかった。
「このままうまくいけばいいけど… !? この感じは…」
走りながら、晶が何かを感じとったようだ。何事かと思い、愛理が尋ねる。
「なに、どーしたのよ、晶?」
「………。ちょっと用事ができたわ。愛理、あなた一人で播磨君たちを引き付けられる?」
しばらく考え込んでいた晶だったが、何かを決めたのか、愛理にそう聞いた。
「用事って…いきなり何よ、それ?」
不思議そうに質問しかえした。となりを走っていた仲間に突然用事ができれば、誰だって不思議がるだろう。
「気にしないで。用が済んだらすぐに追いつくわ。それより、どう?一人でいけそう?」
まだ訝しげな顔をしていた愛理だったが、気にするな、と言われたのでとりあえず愛理は気にしないことにし、
「当然。たった2人を引き付けておくくらい、私にとっては楽勝よ!」
と、自信たっぷりに答えた。
「そう…それじゃ、あの2人は頼んだわ。いちおうトラップを一つしかけて置いたんだけど…気をつけてね、愛理。」
晶はそう言うと、直角に右折し、走っていってしまった。
「…用事ってなんなのかしら…? まぁいいわ、私は私の仕事をするだけよ!」
話こんでいるうちに後ろの2人との距離がやや詰まってしまったため、愛理は少し加速した。
「おい! 高野がどっか行っちまうぞ! どーすんだ!?…って、うおおおお!? なんだぁぁぁ!!??」
気づきにくいように足元に張られていたピアノ線に引っかかってしまった播磨の頭上から大量の雪玉が降りそそいできた。
なんとか両腕で頭を隠し、防御しきれたようだ。
「…晶、いつの間にあんなの仕掛けたのかしら? まあいいけど」
驚いたように言うが、普段から謎が多い晶なので、それほど気にはしない沢近愛理だった。
「こんな罠を仕掛けるのは高野君しかいないな…もう姿を見失ってしまったか。仕方がない、このまま沢近君を追うぞ!」
愛理まで見失うことがないように、2人はしっかりと彼女の後をついていった。
愛理と分かれてすぐに、晶は烏丸と対峙した。走っているときに感じたのは彼の視線だったのだ。
「…こんにちわ、烏丸くん…」
「………」
挨拶に対して全く無反応の烏丸。雪玉は用意していないようだ。晶はそれに気を悪くするでもなく、
「私たちは敵同士。なぜ攻撃してこないのかしら?」
と話しかけた。
「………」
またしても無言の烏丸。そんな彼の態度など意に介さないといった感じで言葉を続ける。
「さっき愛理と走っていたときもそう…あなたの実力なら、あの時あなたに気づいていなかった私たちに雪玉を当てるくらいできたハズよ。
あなたの本当の力…私が気づいていないとでも思っていたかしら?」
「………」
「さあ、答えなさい。どうしてさっきも今も、攻撃してこないの?理由によっては、タダじゃおかないわ」
ここに来るまでに用意した雪玉をいつでも投げられる体勢になる。敵にナメられることを嫌がったのだろうか。
晶は普段よりも強い口調で烏丸に言った。
「……カ、レー……」
やっと口を開いた烏丸だったが、出てきた言葉はやはり『カレー』だった。相変わらず訳の分からない男である。
しかし意外にも、その言葉で晶はすべてを理解したようだった。…どうしてかは不明だが。
「そう、そうだったの…なら仕方ないわね…」
構えをとく晶。
「……(コクン)……」
うなずいた烏丸。他からみると、あれだけのやりとりでコミュニケーションが取れているとは考えずらいのだが…
「どうやら誤解してしまったようね。…ごめんなさい。お詫びというわけではないけれど、これをあげるわ」
手渡したのは1枚の小さな紙切れ。それを受け取ると、烏丸は小さく
「…ありがとう。」
と言い、足早に立ち去っていった。…グゥ〜、というお腹の音とともに。
「…本気のアナタと全力で戦える日が来るのを楽しみにしているわ、烏丸君…お遊びじゃない、真剣勝負でね…」
去っていく烏丸の背中を見つめながら、晶はそう呟いた。
「さて、愛理に追いつかなきゃね」
もしかしたらそろそろ危ないかもしれない。そう考えた晶はもと来た道を再び走り始めた。
そのころ、愛理は窮地に立たされていた。
2人を引きつけていた愛理だったが、徐々に差を縮められ、焦りからか転倒してしまったのだ。
地面には雪があるので、ケガこそしなかったものの、その結果2人に追いつかれてしまった。
愛理と晶が引き付け役になったのは、2人の脚力に定評があるからであった。
しかし、相手はあの播磨と花井。皮肉にも、愛理のケガのせいで迷惑をかけたリレーで大活躍をした2人である。
ケガをしていない自分なら、あの2人と速さは同じくらいのハズ。愛理は自分の脚力を過信していたのだ。
愛理も確かに足は速いが、そこは男子と女子の差、2人のほうが当然速い。晶はこれを気にしていたのだった。
いままで追いつかれなかったのは、地面に雪が積もっていて、お互いに全力では走れなかったから。
全力ではなかったため、それほど顕著に差は現れなかったが、少しずつ脚力の差が影響してきたのだった。
「さあ!追い詰めたぞ、沢近くん!!」
「けっ! 口ほどにもねぇな、お嬢!!」
「くっ…」
愛理が悔しそうに口唇を噛み締める。そんな時、3人同時に携帯電話のメール着信音が鳴り響いた。正確にはプレイヤー全員にだが。
脱落したメンバーは他の人に知らせるため、メールにて連絡を入れることになっていたのだ。
『今鳥恭介、一条かれん 相打ちにて共に脱落』
そして、ほぼ同時にもう1通メールが届いた。
『烏丸大路 戦線離脱により棄権 カレーうどんは認めない』
烏丸からのメールには画像が添付されていた。画像を開いてみると、おいしそうなカレーを食べている烏丸が画面に表示された。
カレーの横には、何かの半券がおいてあった。おそらくどこかで手に入れた割引券だろう。…誰かさんから貰ったものかもしれない。
「二条…じゃねぇ、烏丸の野郎! いつの間にソコイチに行きやがったんだ!!」
さすがはカレー好き。携帯の写真だけでどこの店か判別できたようだ。
「しかし、相打ちとはいえ、まさか今鳥ごときが一条君を沈めるとは…アイツにしては上出来だ!!」
満足そうにうなずく花井。もともと烏丸は戦力として考えてなかったため、特に問題はないらしい。
(まさか一条さんがやられるなんて…)
対照的に愛理は悔しさをさらにつのらせた。またも自分の作戦通りにいかない事態だ。
「さて、あの今鳥でさえ男を見せたのだ! 僕も八雲君のため、活躍せねばならん。沢近くん、スマンが覚悟してもらおう!」
花井が攻撃態勢に入る。愛理はまだ転んでから倒れたままだ。このままでは確実にやられる。
「ちょ、ちょっとヒゲ! アンタ、何ボサッとつっ立ってんのよ! 早く私を助けなさい!!」
彼女は反射的にそう言い放った。こんな事を言うつもりはなかったのだが、なぜか彼に助けを求めてしまったのだ。
「何言ってんだオメーは? 俺とオメーは敵同士だろーが。そもそも、なんで俺がオメーを助けなきゃならねーんだよ!?」
もう別のこと(天満のこと)を考えていた播磨は、言い切った。
「…ヒゲ…アンタ、後で覚えときなさいよ…!!」
「おっ、脅してもダメだぞ! これは正々堂々としたゲームなんだからなっ!!」
(この勝負には俺と天満ちゃんの未来がかかってんだ! いくらお嬢の脅しでも、こればっかりは譲れねえ!!)
一瞬、沢近のプレッシャーに怯んだ播磨だったが、とりあえず理由をつけて逃れようとした。
その播磨の正々堂々という言葉に、
(そうよね…正々堂々やった結果だもの…それに、すべては私の作戦ミスのせい…負けたくなんてないけど…仕方、ないわよね…)
と、愛理は諦め、やられる覚悟をしたようだ。
しかし、愛理のその弱弱しい表情を見てしまった播磨。普段、強気な彼女だが、前にもこんな表情を見たことがある。
(そうだ、あのリレーで失敗したときの…って、別にお嬢がどうなろうと関係ねえ! …関係ねぇ、ハズなのに…なんだ、この気持ちは…?)
心のどこかがチクリと痛む。そんな播磨の心境など知る由もない花井は、愛理に止めをさそうと雪玉を持った手を振りかぶった。
「沢近君! 僕と八雲君の愛のための礎になってくれたまえ!!」
「…メガネ!ちょっと待…!!」
とっさに出た言葉。しかし、その声は別の声によってかき消された。
「愛理は…やらせないわ…!」
すでに愛理の近くまで来ていた花井の足元に雪玉が次々に着弾する。花井は身の危険を感じ、バックステップでその場を逃れた。
「この声は…高野君か!!」
颯爽と現れ、倒れてたままの愛理をかばうように立ちはだかる晶。烏丸を倒した(?)あと、すぐに愛理のあとを追った彼女が今、到着したのだ。
「ごめんなさい、愛理。ちょっと遅くなってしまったわね…」
花井たちから視線を逸らさずに愛理に話しかける。その間もまったく隙を見せない。
「…別に。アンタが来なくても大丈夫だったわよ。…でも、一応、お礼は言っておくわ…」
そっぽを向いて言う愛理。相変わらず素直でない友人の言葉に晶は薄く笑みを浮かべた。
「高野君か…今までどこに行っていたかは知らんが、こちらにとっては好都合! 探し出す手間が省けたというワケだ!
この状況でキミが来たところで、僕たちの勝利は揺るがん! 播磨、貴様もはやく攻撃態勢をとらんか!」
ボーっと事の成り行きを見ていた播磨に、花井が喝を入れる。
「あ、ああ。分かってるぜ…」
(俺はさっき、なんで花井を止めようとしたんだ…?アイツは…お嬢は敵だってのに…アイツには色々と恨みもあるし、
第一、この勝負には天満ちゃんとの幸せがかかってんだ…ならどうして俺は…クソッ!分からねぇ!!)
いくら考えても、抜け出せない迷宮に入り込んでしまったように答えが出ない。ヤケになったように播磨も攻撃態勢をとった。
「だぁ〜! この際ンな事はどーでもいい!! お嬢、積年の恨み、今こそ晴らしてやるぜ!テメーを落とす!!」
「へぇ〜…おもしろい冗談だわ。こっちこそ、今までの恨み、一気に返してやるわ!!」
そう言って愛理は立ち上がりながら雪をつかみ、雪玉を作った。
「…待ちなさい、愛理」
一気に攻撃に打って出ようとした彼女に、晶は声を掛けた。
「なによ晶? アンタもはやく玉を用意なさい!!」
晶は花井を退けるために雪玉を投げきってしまったので、今は丸腰だ。
「落ち着きなさい。…冷静に考えて、私たちだけであの2人に勝てると思う?」
「え?…それは…でも、やってみなくちゃ分からないじゃない!!」
確かに冷静に分析すれば、相手のほうが実力は上だろう。ケンカで無敵を誇る播磨と、少林寺全国レベルの猛者の花井。
だからと言って、先程とは違い、晶もいるし、自分も既に起き上がっている。この状況で、素直に負けを認めるワケにはいかなかった。
「…愛理、勝ちたいでしょう?」
「そ、そんなの当然じゃない! 言ったでしょ、やるからには絶対に勝つって!」
意気込んで答える愛理。そんな愛理の言葉にうなずきながら、晶は言った。
「それでこそ愛理よ。勝ちたいのなら…今すぐにここから逃げなさい。そして天満たちと合流して、作戦をつくりなおして。2人は私が食い止めておくわ」
逃げる…? 食い止める…? 誰が…?
最初は何を言っているのか理解できなかった愛理だったが、言葉の意味が分かると勢いよく反論した。
「な、なに言ってるのよ!! …晶を置いて逃げるだなんて、そんなこと…!」
「愛理…勝ちたいのはアナタだけではないのよ。私だって勝利を掴みとりたいの。…チームの勝利をね。
一条さんが落とされた今、これ以上ムダに犠牲を出すことはできないでしょう?」
「あ、晶…」
沢近は、彼女の瞳の奥に宿る決意が、ハンパなものでないことを感じ取った。
「早く行きなさい、愛理。私だって、まだ落とされると決まったわけではないわ。隙を見つけたら当然逃げるつもりよ」
すべては自分のミスのせいだ。本当なら、自分がここで2人を食い止め、犠牲になるべきだろう。
だが、そんなことを言えば、晶の気持ちをムダにすることになってしまう…
しばらく俯いて黙っていた愛理だったが、わずかだが、確かにコクンとうなずいた。
「晶…絶対に落とされないで…また逢いましょう」
かすれた声でそう言葉を紡ぐと、手にもっていた雪玉を晶に手渡した。
晶は、愛理の言葉には答えず、わずかに微笑んだだけであった。
「さっきから何をコソコソと話している…? いい加減、覚悟を決めたまえ!!」
花井が一歩距離を詰めた瞬間、
「さあ、行きなさい! 沢近愛理!!」
「……っっ…!!」
愛理は晶や播磨たちに背中を向け、勢いよく走り出した。
「晶…私、いえ、私たち…絶対に勝ってみせるから!!」
さらにスピードをあげた彼女は、どんどん3人のもとから遠ざかっていった。
「さあ、あなたたちの相手は私よ…」
構える晶。腰を少し落とし、相手の攻撃に反応しやすい体勢になる。
「お、おいメガネ!? お嬢が逃げちまうぜ!?」
小さくなってゆく愛理を見ながら播磨が叫んだ。
「そんなこと見れば分かるに決まっているだろう! 仕方がない…播磨、お前は沢近君を追え! 僕は高野君を落としてから向かう!!」
「チッ…オメーに命令されんのは癪だが、今回はそうするしかねえみたいだな!!」
愛理を追おうと、走り出そうとする播磨だったが、
「!?…うおっ!な、なんだ!?」
鼻先を雪の塊が通りすぎていく。それは、威嚇などという生易しいものではなかった。
「行ったハズよ…あなたたちの相手はこの私ってね」
晶が立ちはだかった。友を守るために。
コイツを倒さないと先へは進めない。そう本能で感じ取った播磨と花井は、気を引き締め、2人がかりで攻撃を開始した。
晶と別れた場所からもう随分と離れた。あの2人が追ってこないということは、足止めが成功しているということだ。
「晶…大丈夫かしら…」
あの2人の攻撃をかわしつつ、隙を窺って逃走を図り、逃げ切るというのは、現実的に考えて、かなり無茶なことだ。
だが、あの謎のベールに包まれた部分が多い晶ならば、もしかして…
そんな彼女の期待を裏切るかのように携帯電話のメール音が鳴り響く。
『高野晶 脱落』
無機的に携帯電話のディスプレイに浮かび上がる文字。無情にも、それは愛理の希望を断ち切る内容であった。
(絶対に落とされないでって言ったのに… ゴメンナサイ、晶…)
しかし、彼女は涙を懸命に堪えた。自分を生かしてくれた友人との約束、『チームの勝利』を勝ち取るまで、挫けてはいけない。
そう自分に言い聞かせ、愛理はさきほどより重く感じるようになった足を動かし、残っている仲間たちを探すのだった。
すべては勝利のために…
「ち。やられた…」
「ハーッ、ハーッ…やっと、倒せた…」
「ゼー、ゼー…こっちは二人がかりだってのに、なんて女だ…避けまくりやがって…」
攻撃を開始してから3分、播磨と花井の攻撃をかわし続けた晶だったが、ついに花井の雪玉が晶の背中を捕らえたのだった。
「まあいいわ。所詮ゲームだし、充分楽しめたし、ね」
晶は自分の脱落を知らせるメールを打ちながら、いつもの感情を感じさせない口調で述べた。
「所詮ゲームってお前…さっきのお嬢、すげー真剣じゃなかったか?」
息を整えた播磨はその一言を聞き逃さず、晶に突っかかった。
「そうね。愛理ったら、ドラマみたいな雰囲気に随分と流されちゃったみたいだし」
「…食えねえ女だ。確かに所詮ゲームだが、逃げるとき、アイツはマジでお前のことを心配してたんだぜ!?」
少し強い口調になる。愛理の真剣さを晶が感じていないような気がして、なぜかイラついたのだ。
「ええ、そうね。…たかがゲームで、あんなに私のことを心配してくれるなんて、思っていなかったわ」
気のせいか、わずかだが嬉しそうな声に聞こえるのは気のせいだろうか?それを感じ取ったのかどうか分からないが、播磨も落ち着いたようだ。
「…ま、ゲームだってことも忘れるほどダチの為にあそこまで一生懸命になれるってのは、アイツのいいところかもな…」
「あら?よく分かってるじゃない。もしかして、愛理にホレちゃったかしら?」
淡々と言う晶。それに対し、絶対にゴメンだ、というように答える。
「…ケッ!だが悪いところが多すぎるからな!あんな奴にホレる奴の気が知れねえぜ!やっぱ俺の理想の女は…」
「…理想は…?」
当然天満ちゃん!…と答えようとして、とっさに口を止めた。コイツに知られたらどーなるか分からねえ。そう考え、話を逸らす。
「どっ、どーでもいいだろ!んなコトはよ!…んじゃ、俺は行くぜ」
「ええ。健闘を祈るわ。…勝つのは『私たち』でしょうけど」
「…さあな。俺らも簡単には負けねえぜ!じゃあな!!…いくぞ、メガネ!」
「む!僕に命令するな!!」
播磨と花井は去っていった。残りの敵を発見するために。
2人を見送ったあと、背中についた雪を落としながら播磨の言葉を思い出し、晶は一人つぶやいた。
「…そうね、あんなに私の身を案じてくれる友達がいるなんて、私は幸せ者ね…ありがとう、愛理」
実はあの時、必死になってくれている愛理を見ているうちに自分もゲームだということを忘れて本気になってしまっていたのだが、播磨には悟られずに済んだようだ。
そして今もどこかで戦っているであろう仲間たちに向けて言った。
「…がんばって、みんな。絶対に勝ちましょう」
すでに晴れきっている空は、今の晶の心のように青く澄み切っていた。
男子チーム:烏丸大路…脱落(ってか試合放棄)
女子チーム:高野晶……脱落
残り人数:6名
たぶん続く…
またも長々と申し訳ないです…_| ̄|○
よろしければご意見・ご感想などいただけると嬉しいです。
では、オヤスミナサイ
がんがれがんがれ
GJです!リアルタイムで読ませていただきました。続き楽しみにしてます。
GJ!
麻生の活躍もみたいね。
続き期待してるぜ!
583 :
Classical名無しさん:04/11/29 05:02 ID:QwvZ5ACc
1:きた ◆7savs3HxXk 04/11/12 21:02:37 HhBTIX1c
ラウンジクラシック板で「∀」「膣」などと
手当たり次第に書き込んでいる荒らしについて
ここに通報してみるスレ
2: 04/11/12 21:04:35 D5iFjJ4c [sage]
>>1 sports2鯖の板はここに報告しても無駄なような気がする
3: 04/11/12 21:05:14 8N7lNfaJ
だ〜か〜ら〜よ〜
sports2鯖は報告の対象外だっつ〜の!!
4:きた ◆7savs3HxXk 04/11/12 21:05:29 HhBTIX1c
>>2 えーっ そうなの・・・
じゃあどこに報告すればいいんでしょうか。。。
5: 04/11/12 21:09:10 kkVcuJ1p
>>1 隔離板の分際で騒ぐなアホ
6:きた ◆7savs3HxXk 04/11/12 21:09:35 HhBTIX1c [sage]
フフ…そうか
俺はとんだ笑いものってわけだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
∀ラウンジクラシック荒らし報告∀
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1100260957/
584 :
クズリ:04/11/29 05:44 ID:byzDKkeA
言っちゃったな。
舌の上でその言葉を転がしながら、ベッドの上で寝返りを一つ。
カーテンは開けない。その向こうに、明かりが灯っていることを知っているけれど。
眠れない夜は、少しずつ、ふけていく。
My place
〜唇に想いを、その手にぬくもりを〜
「ねぇねぇ、ミコチン。デートしよ、デート」
「だぁっ!うるさい奴だなっ!!しねぇって言ってるだろーが」
それはいつもと変わらない午後の一時。毎度毎度、飽きることなく彼女に言い寄る今鳥を、邪険に
あしらう美琴、そしてどこか呆れながら二人を見守る天満達。
「今鳥君も諦めないよねー。すごいなー」
「美琴も美琴よ。いい加減、ビシッと言ってやればいいのに。もう何度、断ったと思ってるのかしら?」
「これで通算千回目……冗談よ」
数えてたのか、と驚く二人に淡々と言ってみせた後、晶はその視線を件の二人へと向ける。しつこ
いなどと言いながら教室を出て行く美琴、それを追いかける今鳥の顔に、晶は一瞬、目を細めた。
「あら……」
「ん?晶、どうかした?」
「――――別に。何でもないわ」
いつもはどこかのほほんとした彼の顔が、わずかに強張っていたこと、その目に初めて真剣な光が
灯っていたことに晶は気付いたのだが、そのことを友人達に話す気にはなれなかった。憶測だけで物
事を語るのは嫌いだったから。
そしてふと気付く。自分と同じように、二人の姿を目で追っていた男がいたことに。その横顔からは、
彼が何を考えているかわからなかった。普段は、わかりやすすぎるほど、わかりやすい男だというの
に。
これも珍しいわね、思って晶はじっと当の彼、花井春樹を見つめ続ける。二人が出て行った後の扉
に目をやっていた彼は、少女が向けてきた視線に気付いたのだろうか、振り向いて彼女の方を見た。
二つの視線が一瞬、ぶつかった。目を細める晶、自然を装ってそらす花井。動揺とも、惑いとも
取れるその行動に、彼女はふと悟る。
ああ、そういうこと。合点がいけば、どうということはない。よくある話だ。
――――だったら、私は何も、することはない、か。
心の中で呟いて、晶は身を翻し二人の親友へと近付いた。きっと、なるようになるだろう。そう、
思いながら。
「ミコチン、ねぇ、ミコチン」
「……………………」
「デートしよ、デート。きっと楽しいよー?」
「あのな、今鳥」
教室を出た後も、珍しくしつこく付いてくる彼から逃げ回っていた美琴は、我慢の限界に達して振
り返った。その瞬間、今鳥は輝かんばかりに表情を変える。
「デートしてくれるの!?」
「違うっ!!どうしてそう、自分に都合の良いように考えられるんだっ!!」
思わず出てしまった大声に、廊下を歩いている生徒達が振り向いてこちらを見てきた。その視線が
、まるで二人が痴話喧嘩をしているのだと考えているように思えて、美琴は顔を赤らめてまた歩き出す。
「あ、待ってよー、ミコチン」
のんびりとした声をあげながら走り寄ってきた今鳥が、肩に手をかけてくる。投げ飛ばしてやろう、
思うと同時に動き出した体、左手で彼のシャツの袖を掴んだ瞬間、
「放課後、旧校舎裏で、待ってるから。話したいことあるし」
そう耳元で囁かれて、美琴は硬まった。そのまま彼女を追い抜いていった今鳥は、軽く振り返って、
ウィンクを一つ飛ばして去って行く。鼻歌交じりに廊下を曲がる彼を、少女は呆然と見送ることしか
出来なかった。自分の頬が不自然に熱くなっていることに、戸惑う気持ちを少し、持て余したまま。
放課後までの数時間。無意識に今鳥へと向かう視線を、抑えようとして叶わず、何度も美琴は授業
中に今鳥の方を振り返る。だが彼は一向に、気付いた素振りを見せない。携帯を手にメールを打って
いたり、机に突っ伏して眠っていたりして、彼女と目を合わせることはなかった。
何だってんだよ、一体。苛立ちともやもやに頭を悩ませる美琴は、気付かなかった。
そんな二人を、花井が見ていることに。
「で、何なんだよ、今鳥」
天満達に先に帰ってくれと言ってから待ち合わせの場所に向かった美琴は、そこに今鳥の姿を見
つけて声をかける。
紅や黄金の葉が、舞う中を木に背を預け、ポケットに手を入れて空を見ていた彼は、その声に初
めて彼女の存在に気付いたかのように、顔を少女へと向ける。
どこか愁いを帯びた瞳に捉えられて、美琴は胸の奥でトクンと、心臓が一つ大きく動いたのを感
じた。見た目、だけはいいんだよな。そんな自分に言い訳をするかのように、美琴は心の中で呟い
て彼から顔をそらす。
「ミコチン。あのさ」
いつの間にか、近付かれてしまっていた。不覚、そう感じるのも一瞬のこと、美琴はじっと覗き
込まれて、身動きが出来なくなる。そこに浮かぶ表情に、普段のおちゃらけた彼はいない。
いつもとは違う。そのギャップに戸惑い、胸が震えた。そんな自分を否定しようとして、なおさ
ら彼女は迷路に迷い込む。高鳴る自分の心臓の音が、耳元で聞こえた。
「な、なんだよ」
そのままでいれば、自分が壊れてしまいそうで。吸い込まれてしまいそうで。
美琴は慌てて口を開いて、微かに身を引いた。それでも絡み取られたように、視線を外すことは
出来ない。
覗きこまれる。じっと、奥まで。まるで裸の――――素のままの自分を見透かされているような
気分に、しかし、嫌悪は覚えなかった。胸の一番奥、心の底に触れられたような感覚が心地よくて、
美琴は、一層に惑う。まるで……
まるで自分が、惹かれているようだ、と。
目の前の、男に。
「い、今鳥?何だよ、そんなマジな顔して」
それでも精一杯の抵抗を、彼女は試みた。乾いた唇を動かして、何とかその名前を呼び、そして
ぎこちなく笑った。
その反応に、一瞬、彼は目を細める。そして、
「デートしよ、デート」
いつもの身軽な口調で言って、笑った。その顔と瞳から魔力は消え失せていて、美琴は目を丸く
する。変わらない、普段の彼の顔がそこにはあって。時間にすればほんの二、三分の出来事。それ
はまるで幻だったかのよう。
「な……こ、こんなところに呼び出しておいて、結局、それかよっ!!」
慌てて彼女は、今鳥から距離をとる。その様子に傷ついた素振りも見せず、ただ、不満げに口を
尖らせて彼は、
「えー。デートしようと、デート。こういう場所で、誘って欲しかったんじゃないの?」
言ってデート、デートと無邪気に繰り返す彼は、朗らかに見えた。
「何、考えてるんだよ、お前は……」
額をおさえて、大きく溜息をついた美琴は、周りに誰もいないことを確かめてから、彼をじっと
睨むようにして見据えた。
「この際だからはっきり言っとくぞ、今鳥。私はお前と付き合うつもりもないし、デートする気も
ないからね。だからいい加減、諦めろって」
「どうして?」
間髪を入れず返ってきた返事に、彼女は言葉に詰まってしまう。そんな少女をじっと見据える今
鳥の顔からはまた、笑みが消えていた。
「ど、どうして……って、そりゃ、その」
「そういや、さ。ずっと前に聞いた好きな人の話。あれ、どうなったの?」
答えを探す美琴に構わず、今鳥は別の質問を投げかける。
「どう、って……その」
頬を染めながら目をそらすが、彼は追撃の手を休めない。
「あれから随分経つけどさ、どうなったの?ちゃんと告白とかしたの?」
「な、何で、そんなこと、お前に言わなきゃならないんだよ……」
抗議の声は徐々に小さくなる。やがて諦めたように溜息をついて答える。
「フラれたよ。っていうか、彼女、出来ててさ。私の入る隙間なんて、なかったな」
「ふーん」
美琴は言って、強がりでない笑顔を見せる。もうすでに、心の整理はついていたから。まだ口に
すると少しだけ、切ない想いが胸を苦しめるけれど、それでも笑っていられる。
そんな彼女の気持ちに、気付いているのか、否か。今鳥は少し考えたあと、ゆっくり顔を上げた。
「じゃあ、さ。今、ミコチンはフリーなわけでしょ?だったら、いいじゃん」
「あのな、そういうわけにも……」
「それとも、他に好きな人でもいるの?」
一瞬、流しそうになるほど自然に、聞かれて。
美琴はまじまじと見つめ返す。今鳥も、また。
沈黙が続く。舞い落ちる葉が一瞬、二人の間を遮った。
「突然、どうしたんだ。周防」
美琴の言葉に、ようやく花井は言葉を返すことが出来た。
幼馴染をやめないか。
その言葉の意味を掴みきれずに、彼は美琴の顔をうかがう。普段ならば、それだけで彼女のこと
が大体わかる。
否、わかってきた。だが、今日は。
深い瞳の奥にくすぶる想いを捉えきれず、花井は戸惑う。いつも、どんな時も、彼女のことでわ
からないことなどなかったのに。たとえどんな小さな心の動きであろうとも。なのに。
「いいから。うん、って言えよ」
ぎこちなく笑う少女は、その顔を近づけてくる。いつもと同じ顔、なのに知らない人間のように
何故か思えた。鈍く輝く瞳は、微かに濡れて、花井の顔を包み込む。
全てをわかることは出来なかった。それでも、小さく震える足を見れば気付かされる。
この問いかけが、彼女にとって大切なものだということが。
「ああ……わかった」
「ホントにか?ホントにわかったのか?」
「うむ……僕とお前は、今日から幼馴染じゃない。これでいいんだろう?」
理由を知りたい、そう思う気持ちははやる。だが、きっと尋ねても答えてはくれないだろう、そ
う思いながら言葉を返す花井を睥睨した後、美琴はやっと、彼から体を離す。
微かに漂う香水の匂い。
ふと気付く。いつ頃からだろうか。彼女が汗の匂いを嫌がって、制汗剤や香水を使うようになっ
たのは。泥だらけになって遊び回るのを避けるようになったのは。
「ま、いいけどさ。じゃ、聞くけどよ」
すぅ。一つ、深呼吸をして、彼女は花井の顔をわずかに見上げた。長い睫毛が、夕に染まる。
「お前にとって、私って、何だ?」
「……何だと?」
「だから、さ。幼馴染じゃなかったら、私ってお前の何なんだ?」
悲壮さはない。軽い問いかけ。
だがそれは装い。
組んだ手を彼女が握り締めたのは、きっと、恐れているから。彼の答えを。
艶やかな黒の髪に映るは夕陽。微かな風にも揺らぎ、乱れて跳ねる光が瞳や顔に絡んで彩る。だ
が、頬が朱に染まるのは、秋の色だからではなくて。
花井の目には、少しだけ彼女が、大人びて見えた。女に見えた。
支援
「周防にとっては、どうなんだ」
胸が圧迫されて、辛くなって、苦し紛れに花井は問い返す。それは逃げだと、彼も気付いていた。
答えを出すことを――――いや、自らの内に探すことを恐れたのだ。
幼馴染でない彼女を自分は、どのように思っているのか。
「私にとって?」
「ああ。周防にとって、幼馴染じゃない僕と言うのは、一体、何なんだ?」
美琴は笑った。薄く。どこか悲しそうに見えたのは、太陽の光の生み出した幻だったのだろうか。
花井には、わからなかった。
「バ、バカ言うなよ。そんな、好きな人なんて――――」
「本当に?」
今鳥の追及は厳しくて、美琴は喉に言葉を絡ませたまま、目を背ける。ゆっくりと近付いてくる
彼の気配に体が強張って。
「俺は、ミコチンのこと、好きだよ?」
そこにはいっさいの、飾り気はなかった。単純に、想いのたけを口にしただけ、駆け引きも何も
ないその言葉はしかし、それゆえに心に響く。
だから彼女は、真っ直ぐに今鳥の顔を見つめることが出来なかった。見てしまえば、紅潮した頬
を彼に晒すことになるから。
「ミコチンは、どうなの?」
「わ、私は……」
答えを待たず、今鳥はわずかに屈んで、下から少女の顔を覗き込んだ。それでも視線をそらし続
ける彼女を見て、彼は小さく笑う。そのどこか悲しそうな笑顔を、美琴が見ることはなかったのだ
けれど。
「……俺じゃダメ?」
それは美琴にとって、心地よい囁きだった。体の芯が熱くなって、とろけそうな。
甘えられるところを想像してみる。彼と付き合ったら、どうなるかを考えてみる。
どうなるか、わからなかった。だけど、好かれている方が幸せなんじゃないか、ということ。
妥協、ではない。それは幸せへの選択なのだ、と。
だけど。
「ゴメン」
言った彼女の顔に浮かんだ苦渋を、今鳥は見つめていた。まるで心にそれを刻み込もうとしてい
るかのように。
「そっかー。ダメかー」
言いながら彼は、落ち葉のベッドの上に寝転がった。黄色と紅を手にすくって空に放り投げると、
ひらひらと舞い落ちて。何度かそれを繰り返すうちに、彼の体は落ち葉の中に半分ほども隠れる。
「あーあ。フラレちゃったー」
明るい声は、枯葉に覆われた下からくぐもって聞こえてくる。その声から、腕に隠された彼の表
情はうかがえない。
「ゴメン」
両の手で自分の体を抱きしめた美琴は何故か、その場から離れがたく、立ち尽くす。
さらさらと風が流れ、落ち葉を舞わせ、時を運び去る。
「謝らなくていいよー。しょうがないし」
やがて立ち上がった彼は、色を抜いた髪に絡んだ葉を払い落とす。わずかにうつむいているのは、
顔を見られたくないからだろうか。
「あのさ、一つだけ、聞いてもいい?」
しばらくの、沈黙の後。まだ後ろ髪に落ち葉の欠片を付けたまま、今鳥は美琴の方に顔を向けた。
目をそらしたくなる気持ちをこらえて、まっすぐに見つめ返す。ここで逃げちゃダメだと囁く自分
の心に、身を任せて。
「ああ。何だよ?」
「――――ミコチンにとって、さ……」
「周防?」
声をかけられて、彼女は一瞬の記憶の彷徨から目を覚ます。怪訝そうに見つめてくる花井に、美
琴は背を向けて、一歩、二歩と石畳の上を歩んだ。
目を閉じて、息を吸う。鎮守の森の空気は清らかで、澄んでいてどこか冷たい。体の内に燻って
いた炎が消えて、開いた目に映る世界は新鮮で。
「私にとって、幼馴染じゃないお前は……」
「ミコチンにとって、さ。花井って、どういう存在なの?」
「え……?そ、そりゃ幼馴染……」
「本当に?」
見据えられて、美琴は、覚悟を決めた。
真っ直ぐな想いには、真っ直ぐに返さないと、と。
「私にとって、花井は……」
言っちゃった、な。
想いを抱えながらベッドの上を、美琴は転がる。
高揚であり、恐れでもあり。
そして葛藤でもあって。
答えを彼からもらってはいない。
ただ、逆光に隠れてわずかにしか見えなかった驚愕の顔が、脳裏から離れなくて。
しっかりしろよ、私。後悔、したくなかったんだろ。
自分を励ます声を、心の中で大きく叫んでみても、どこか空しい響き。
だから美琴は、その言葉を唇に乗せて弄ぶ。抱きしめていないと、心臓の高鳴りに内から弾けそ
うな体を、両の腕でしっかりと抱きしめながら。
彼女にとって、幼馴染ではない、花井春樹という存在は。
「好きな人」
一人の部屋で、美琴はそう、何度も呟くのだった。
594 :
クズリ:04/11/29 06:07 ID:byzDKkeA
というわけで、次回に続きます。
どうにもこうにも、やっぱりSSって難しいですね。上手な人をもっと見習って、少しでもいいSSを書けるよう、
努力したいとおもっております。
ともあれ、皆様、どうかよろしくお願い致しますm(_ _)m
乙ですた。
縦笛もいいなぁ……(*´Д`)ハァハァ
つか真剣な今鳥っておいしすぎて反則だw
今鳥カッコイイよ今鳥。
隠れD派の俺としては
このエピソードだけで十分(`・ω・´)
ともあれ続きも期待してまする。
597 :
月下の華:04/11/29 09:01 ID:GSSAd3jY
2ーCの文化祭の出し物を決めるために開催されたサバイバルゲーム。弾けるように始まり
激しい攻防が繰り広げられたこのゲームも終盤に差し掛かり、校舎内に絶え間なく響いていた
銃声も今では時折聞こえてくるだけになった。
そんな時、廊下に佇む一人の影。
緊張漂う戦場と化した校舎内で、その人物は構えるでもなく自然に、そして誰かを待ってい
るかのようにじっと静かに佇んでいた。
ぼんやりとした月明かりに照らされるその姿は、どこか幻想的で美しい。
「来たか」
影の人物が一言呟く。
その視線の先、耳を澄ませば微かに聞こえてくる程度の足音、しかしいまだ姿さえ見えない
足音の主が誰なのか、それが当然のごとく解っているかのように。
「やぁ拳児君」
「絃子!?なんでここに」
廊下の先から現れた播磨に自然体のまま声をかける影の人物こと絃子。
播磨は自分にかけられた言葉に反射的に銃を構えるも、相手が誰なのか解ると動揺が隠せなか
った。
「私は喫茶店側の助っ人としてここにいる。意味はわかるね?」
ゆっくりとした動作で銃を持った腕上げながら、子供に何かを教えるかのように説明する彼女。
598 :
月下の華:04/11/29 09:02 ID:GSSAd3jY
「お、おい」
「従姉弟のよしみだ、3秒待ってあげよう、私を撃ちたまえ」
「お前何言って」
銃口を突きつけられながらも動揺から立ち直れない播磨、しかし彼の言葉を遮るかのように
絃子は淡々と淀みない口調で続ける。
「3」
無常にも始まるカウントダウン、突きつけられた銃口が彼に選択を迫る。
「2」
「本気かよ……」
苦虫を噛み潰したかのような顔で呟くと覚悟を決めたのか銃口を彼女へと向ける播磨、しか
しその表情は彼女とは対照的に固く迷いがあった。
「1」
瞬間、青白く校舎を照らしていた月が雲に隠れ辺りは暗闇に閉ざされる。
お互いの姿さえもはっきり見えない空間の中で決断の時。
――銃声は、響かない。
「この状況でも撃たないとは甘いね拳児君」
「俺にお前を撃てるわけないだろ」
599 :
月下の華:04/11/29 09:03 ID:GSSAd3jY
腕を下ろしながら当然のように答える播磨、その時、暗闇の中で彼には彼女が微笑んだ気がした。
「さっき演劇側の本陣の辺りで銃声が聞こえた。塚本君もそこに居るんだろう?行ってあげた
まえ」
さきほどまでとは違い、どこか温かみを持った弦子の言葉、今は敵の立場にあるはずの彼女の
言葉に感じられる不思議な温もりの理由、それは播磨には解らない。
「絃子、どうして」
「急がないと間に合わないぞ、行くんだ拳児君」
迷い、戸惑う彼の背中を押すように、そっと、彼女は言葉を投げかける。
「……すまねぇ、恩に切る」
一瞬の間ののち、迷いを振り切るかのように播磨は走りだす。
絃子は闇の中に消えていく彼のその後ろ姿をじっと見つめていた。
「ずいぶんとお優しいのですね」
播磨の姿が闇の中に消え、月が雲間から再び姿を現し静かな光で照らし出すと、彼女の背後
からふいに言葉がかけられる。
「大事な従弟のためだからね、それより、あなたはどうするつもりかな?私と決着でもつけるかい?」
600 :
月下の華:04/11/29 09:03 ID:GSSAd3jY
絃子は振り向き声の主に答える、彼女の目の前にはスーツに身を包んだ執事風の男の姿。
「おや、この格好で会うのは初めてのはずですが?」
スーツ姿の男、中村は彼女の言葉に少なからず驚いていた。
自分は相手の姿を知っているからともかく、実際に会うのは、それもこの姿では初めての事
だったからだ。
「あの時私が撃った相手は沢近君の格好をしていた。しかし沢近君の運動神経が良いといっても
あの状況で弾がかわせるとは思えない。ということは彼女とは別人だ。そして今、私に気付か
れる事なくこの距離まで接近した相手がいる。となるとあの時の人物と同一人物じゃないかと
思ってね」
「なるほど、見事です」
彼女の推測に関心と驚嘆の意を隠さず素直に関心する中村。
「で、どうするのかな?」
「そうですね、あなたなら私を楽しませてくれそうです。と言いたい所ですが、もう止めにし
ておきましょう。ゲームも終盤に差し掛かったようですし、今更私達が争う必要もないでしょう」
「なるほど、もっともだね」
再度問う絃子に答える中村、この戦場で突出した能力を持つ彼にとって、正面から戦い五分の
勝負が出来そうな相手を逃すのは惜しいと思う感情はあるのだろう、しかし、この2−Cの文
化祭の出し物を決めるというサバイバルゲームの中で、助っ人である自分は主役では無い、な
らば決着の近い今、争う必要もないだろうと結論を出した。
そしてそれは絃子にとっても同じだった。
601 :
月下の華:04/11/29 09:04 ID:GSSAd3jY
「こちらからも一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「何かな?」
争う理由が無くなった今、絃子と中村は敵ではない。そこで彼は今まで気になっていた事を
彼女に尋ねることにした。
「あなたは遠距離から狙撃していれば安全だったはず、それなのにわざわざここに現れたのは
さっきの彼のためですかな?」
そう、彼女にとっての役割とは喫茶店側の助っ人。
遠距離から狙撃して演劇側の人を倒し、崩れていた戦力バランスを回復させる。それだけで
よかったはずだった。
それなのにわざわざ発見される危険をおかしてまで校舎内に戻ってきたのか。それが彼には謎
だった。
「言っただろう?大事な従弟のためだからね。と」
ふっと微笑みながら答える絃子、その顔を見て中村は納得する。
彼女が戻ってきたのは自分と同じ理由、大切な人のためなんだと。
「そうですか、失礼な質問をしました。お許し下さい」
「いや、いいさ」
謝罪をする中村に返事をしながら絃子は廊下の窓に近づくとそっと空を見上げる。
「月が綺麗だな、こんな夜はお酒でも飲んでゆっくりしたいものだね」
夜空の闇の中にはっきりと浮かぶ月、その幻想的で美しい光に魅せられて、彼女の口からは
いつしかそんな言葉が漏れていた。
602 :
月下の華:04/11/29 09:05 ID:GSSAd3jY
「ワインならありますが、一杯どうですかな?」
「随分と用意がいいんだね」
かけられた言葉に彼の方を見てみればいつの間に取り出したのか一本のワインとグラス。
この場所と雰囲気にあまりにも似つかわしくないはずのそれが、何故だか今は不思議とそれ
もいいかなと彼女には思えた。
「たとえいつ何時であろうとも主をもてなすのが執事の役目ですので」
「私は主ではないが、いいのかな?」
「目の前にいるレディを放っておくなど、紳士として取るべき行為ではありますまい」
「ふふ、ありがとう。では一杯貰っておくよ」
背筋をはったまま軽く一礼をする中村に、やや笑みを浮かべながらもグラスを受け取る彼女。
見上げれば夜空の星と月、そして戦場と化した校舎内に佇む自分と手の中のワイン。
不思議な雰囲気に包まれながら、彼女はゆっくりとグラスに口をつける。
「拳児君……」
月明かりに照らされる廊下の片隅で、グラスを傾けながら紡がれた彼女の言葉。
その言葉に込められた想い、それは、彼女しか知らない。
夜空に浮かぶ月だけが、ただひっそりと彼女を照らし続けた。
603 :
蓮水:04/11/29 09:28 ID:GSSAd3jY
なにか中途半端に思われるかもしれませんが以上です。
また微妙なネタになってしまった気もするんですが、もしよければ読んでやってください。
では、よろしくお願いします。
作品自体の投稿は大丈夫だったけどあとがきで連投規制。
長いのなんて書いたことないから連投規制始めてくらってかなり焦りました。
>>581 >>582 読んで下さり、ありがとうございます。
次回のメインは麻生の予定ですので、よろしければお楽しみに。
>>594 >>603 GJ!両方とも楽しませていただきました!見習いたいくらい素晴らしかったです。
沢近に乗馬したい
>>604 今更ながら、面白かったです
続きも楽しみにしてますんで
607 :
Classical名無しさん:04/11/29 11:29 ID:D2bJJYAw
マツケンサンバーーーーーーーーッ
烏丸の為に肛門からカレーを入れ、一晩熟成させながら漏らさない様に必死に耐える天満。
肛門からカレーを口で吸引して食べる烏丸。
≫603
GJ!中村と絃子とのテンポがつぼにはまった
俺は天才ヒップホッパー。
烏丸とならだいたい友達。
クズリ氏、蓮水氏、張間☆張雄氏と、人気のあるSSが続いてるだけに、幾つかのキモいレスがウザ…
612 :
Classical名無しさん:04/11/29 17:21 ID:5GOETE0w
>>611 :Classical名無しさん :04/11/29 16:12 ID:AJRdVK9o
クズリ氏、蓮水氏、張間☆張雄氏と、人気のあるSSが続いてるだけに、幾つかのキモいレスがウザ…
グズ 蓮氏ね 張りぼて のうちの誰ですか?
( ´_ゝ`)
もうこれは駄目かもしれんね
人気SS書きさんが作品を投下してくれても荒れるようじゃ
職人さんもここを離れていくだろうな
荒れている時間でSS書け
俺は執筆時間を確保してやってんだ
ありがたくおもえ
お前等スルーしろよ
_________________________
<○√
‖
くく
しまった!ここはSSスレだ!
オレが止めているうちに早く書上げろ!
早く!早く!オレに構わず書け!
. ヽ○
. )ヽ
. く\
. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|§故・糞SS§..|
| §慰霊碑§ |
糞SS書きここに眠る…。
お久しぶりになります。たれはんだです。
前回はいろいろなご意見をいただき本当にありがとう御座いました。
今皿で申し訳ありませんがお礼申し上げます。
さて、ようやくですが次のものが出来ましたので、投下させていた
だきます。
最後まで投下する予定でまので、よろしくお願いいたします。
Locked in Heaven
(なぜ、なんだろ)
最近、頭から離れなくなった言葉。
アイツのことなんてどうでも良かったはずなのに、『あの時』からどうし
ても気になってしまう。体育祭が終わった後だって、私はアイツとフォーク
ダンスを踊って、そして
『・・・いつか、また』
と、つい言ってしまった。多分、聞こえてはないと思う。アイツ、聞き直そ
うとしてたから。確かにあの時は何かしてあげたいと思って、つい独り取り
残されたアイツを誘ってしまったけど、ただそれだけ。アイツは今までと同
じ『イヤな奴』のはず、だったのに。それに今は・・・
「どうかした?」
後からの突然の声。最初は聞こえなかったけど、もう一度聞こえた。確か
に私に対してだったみたい。
「晶、呼んだ?」
後ろを振り向くと、晶は相変わらず本を読んでいた。文庫本らしいけど。
「ええ。呼んだわ」
「一体、何の用? って何読んでるのよ?」
晶は平然と本に目を向けたまま、私の質問を無視して
「悩み事があるなら、相談に乗るけど」
と言った。私は晶を軽く睨んで
「別に何も悩んでなんか無いわよ」
と言ってやった。別に晶を信用してないわけじゃない。と言うか、ある意
味信用できるとは思う。もっとも、私自身何を悩んでるのか分からなくなっ
てしまうくらいで、相談以前の問題なんだけど。
「なら、いいけど」
それで会話は途切れてしまった。そもそも会話になっているかどうかさえ
疑ってしまう。まぁ、今の私にとってはどうでもいいこと。
(・・・)
ちらっとアイツの席を見ると、アイツもまた席に座って本を読んでる。晶
と違って、アイツは明らかに漫画を読んでるみたい。
(なぜ、なんだろ)
またそう考えてしまって、つい、溜息をついてしまった。
「やっぱり」
後ろから、小さく、そして私だけに聞こえる声で晶は呟いた。おまけに溜
息まで。
「何よっ」
ついカッとして、彼女に怒鳴ろうと振り返る瞬間、頬に本のカドが当たっ
た。
「ちょっ、何すんのよっ!」
「やーぃ、ひっかかった」
頬を抑えながら、改めて後ろを振り向くと、本を読み終えたらしい晶が真
顔のまま頬杖を付いて私を見つめていた。相変わらず、何考えてるのか全く
分からないんだけど。
「ちょっと、晶」
「パイロンの詩集」
私が一言言おうとした時、差し出された一冊の本。それはさっきまで晶が
読んでいた本、だったと思う。
「へっ?」
「読む?」
本を差し出されて気が付いた。さっき、晶に何を読んでいるか聞いたんだ。
まあ、ただ何となくで別に知りたいと思ったわけじゃなかったけど、今更答
えるなんて。天満といいアイツといい、もう、どうして私の周りにはこんな
のばかりなのよ。
「読・ま・な・い」
「そう」
怒るのを忘れ、どちらかと言えば呆れた感じで私は前に向いた。
それにしても
(どうしちゃったのよ、私)
***
(結局、今日も一日中アイツの事ばかり。なんなのよ、一体)
独りでの帰り道。ふと、見るとアイツが歩いてるのが見えた。なぜか私の
足は自然とアイツの後をついて行ってしまう。私はアイツのことなんて考え
たくないのに。別について行く必要だって無いのに。
『さてと』
アイツは一軒の店に入っていった。そこは割と大きな本屋で、本だけじゃ
なくてCDとかも売ってて、レンタルもしてるみたい。私にはあまり必要が
無いから忘れてたけど、前に美琴や天満と一緒に来た事があった気がする。
(そういえば、あの時に聴いた曲、何だったかしら)
ふと、前に来たとき店内に流れていた曲が頭に浮かんだ。あの時は特に気
にもしなかったけど、なぜ今になって思い出したのだろう。そんなに何度も
聞いた曲でもなかったはず。
(あっ、いた)
アイツはDVDのコーナーにいた。何を見てるのか気になったけど、気付
かれたくないから、このまま離れて見てることにした。
(前にも同じ事してたような気がするんだけど?)
出来るだけ、さり気なく品物を選んでる振りをして、横目でアイツを見張
ってると、目的のDVDを見つけたのか、顔をニヤつかせながら離れていっ
た。どぉっせアイツのことだから、イヤらしいDVDでも買ってくんでしょ
うけど。そう思うとなぜか余計にアイツのことが気になってきて、内心ムカ
ムカしながらあいつが見てたコーナーを私も見てみた。
(じ、だい、げ、き?)
時代劇。確か『侍』が『刀』を振り回して『チャンバラ』する映画だった
ような気がする。見たことが無いから良く分からないけど。
「これかしら?」
アイツが持っていったDVDがあった場所には、同じ? 物がまだ何枚か残
っていた。下を見ると『最新作』と書いてあったから、たぶん発売されたばか
りみたい。
「えっと、『さんびきがきられる べすとこれくしょん』?」
そういえば、天満が前に『三匹が斬られる』というドラマの『万石』とい
う人物のことで熱く語っていたのを思い出した。パッケージの裏面を見てみ
ると、確かに『万石』という人物の名前と顔写真が載っていた。どうやらこ
の『三匹が斬られる』と言う時代劇の主役らしい。何か「冴えないおじさん」
って感じで、私はあまり好みじゃないわね。
「これって、面白いのかしら」
そう呟いてしまった後で気が付いた。何で私はこんなものを持ってるんだ
ろう? 私は何がしたいんだろう? って。アイツがどこで何をしようが、
何を買おうが私には全く関係ないのに。
(ふぅ)
溜息一つ付き、DVDを元の場所に戻そうとして、手を止めた。
(やっぱり、買って帰ろ)
私は結局、このDVDを買って帰ることにした。その後は何も考えないよ
うにして。
(あっ、ヒゲは?)
私がDVDのことで悩んでいる間に、アイツはDVDを買って帰ってしま
ったみたい。私も元々ずっとついて行くわけじゃなかったから、丁度良かっ
た。
(何やってんのかしら、ホントに)
手には学生鞄とさっき買ったDVDの袋。家に帰っても何もすることが無
いから、時間つぶしに丁度良いかも。そう考えつつ、横断歩道を渡ろうと信
号が変わるのを待っていた時。
(この曲! あの時の!)
交差点の角にあるコンビニから流れてきた曲。それはあの時、あの店で私
が聞いた曲そのものだった。
(ラジオ? それともCD?)
私は横断歩道を渡るのも忘れて、曲が流れているらしいコンビニに駆け込
んだ。店内には人は居ないみたいで、女性の店員が一人だけ。年は20代ぐ
らいだと思う。私はすぐにレジに向かい、その店員に聞いてみることにした。
「さっき流れていた曲だけど、良かったら教えてもらえないかしら」
店員はなぜか陽気な声で
「この曲?ごめんなさいね、私、分からないのぉ。これ有線だからぁ」
と言った。何か癪に障る話し方だったけど、所詮はアルバイトだからと思
いそれ以上聞くのはやめて「そう」の一言だけ言って店を出ようとした。そ
の時、店の奥からもう一人、若い男性の店員が出てきて、女性の店員と何か
話をした後、私を呼び止めると曲名を教えてくれた。
「『カギのかかる天国』?」
その男性は音楽、特にインディーズなどが好きだとかで、偶然知っていた
のだと言う。歌っている歌手は昔は割と有名だったそうだけど、今はインデ
ィーズで細々とCDを出していると、丁寧に教えてくれた。ただ、その歌手
のCDはとてもマイナーだとかで、専門店でも殆ど置いていないとも言って
いた。私ならすぐに手に入るとは思うけど。
「教えてくれてありがと」
男性の店員にそう言って、私はコンビニを後にした。
(もう一度、行ってみよ)
どうしてもあの曲が聞きたくなって、わざわざ帰り道を引き返してあの本
屋へ行く事にした。別にナカムラに頼んでも良かったのだけど、なぜか自分
の手で探したい気分になってしまった。
***
結局CDは見つからず、そのまま屋敷に帰ってきた。やっぱりあのコンビ
ニの店員の言う通り、そう簡単には見つからないみたい。まあ
「見つからないからって、別にどうでも良いわよね」
特に急ぐことも無いから、私は素直に諦める事にした。
「お帰りなさいませ。 お嬢様」
屋敷に帰ると、執事のナカムラが出迎えてくれた。いろいろと良くしてく
れるのはいいけど、得体が知れないと言うか・・・
「どうかなさいましたか?」
「別に。何でもないわ。それよりお父様は?」
お父様は仕事の関係で、自宅に居る事は殆どない。昔からだけど。
「いえ。まだお戻りにはなられてはおりません」
「そう」
慣れたとはいえ、せめて、週に一度くらい一緒に食事をしたり、いろいろ
な話をしたいのに。もちろん、それは私のわがままだとは思ってるけど、な
んと言うか・・・
「今日、夜会用のドレスが届きましたので、お部屋の方に」
「え? そういえば、そうだったわね」
夜会、ね・・・。いつもなら出ること自体別にいいんだけど。今はなぜか
出たくない。どぉっせ、『イロイロな』男に言い寄られるのがオチだし。嫌
いじゃないはずないんだけど、今はなぜか、ね。
「ねぇ、今からキャンセル・・・いい。なんでもない」
「ハッ」
部屋に戻ると、ベットの上に大きめの箱が置かれていた。中には夜会用の
ドレスが入っているはず。ドレスくらいは衣裳部屋に行けばいくらでも有る
んだけど、やっぱり新しいものじゃないと、ってあの時は選んだんだけど。
(ふぅ。何だか、ね)
今更、どうでも良くなった気分になって、カバンとDVDの袋をベットに
放り投げると、仰向けに寝転がってみた。いつも見ている天井。そして、ふ
っ、と一瞬だけ浮かんだアイツの顔。
(・・・DVDでも見よ)
夕食等を済ませて普段着に着替えると、私は買ってきたDVDを見ること
にした。長細いケースにディスクが4枚と薄いチラシのような本が2冊入っ
ていて、ディスクの表面には登場人物らしい4人の人物の写真が印刷されて
いた。そのうちの1枚に写ってるのが『万石』だと思う。
「へっ? 8時間?!」
4枚のディスクのうち、3枚には3時間のドラマが2本と2時間のドラマ
が1本収録されていて、全部で約8時間ぐらい。もう1枚が特典ディスクと
かで、この時間も含めると9時間以上になる。まぁ、『タイタニック』でも
見ると思えば・・・って、内容とか全然違うけど。
(・・・はぁ)
とりあえず、1枚目を見てみることにした。一緒に入っていた本を見てみ
ると、今から2年位前にTVで放送されてた番組みたい。
(つまらなかったら、天満にでもあげ)
始まった。タイトルからナレーションが入り、そして『万石』を始めとす
る登場人物? が画面上に現れた。
(ふーん)
思ってたよりはそんなに悪くないかも。でもやっぱり私の趣味じゃないわ
ね。
(あ。もうこんな時間)
気付いたら時計の針はすでに1時を過ぎていた。おまけにテーブルの上に
は無かったはずのティーセットまで。
(声かけてよね。ったく)
DVDはすでに終わってメニューが表示されてる。結局最後まで見ちゃた
みたい。
(今日は寝よっと)
ナカムラを呼んで片付けさせると私はベットに入り眠ることにした。
***
翌日の昼休み。
私は相変わらず、アイツのことばかり。アイツが八雲と付き合っているの
は分かってる。そうさせてしまったのは私のせい。なのに、今も頭に引っか
かってる。
「でねでね、千石がとぉってもカッコいいの。もうあれは絶対に買いだよ
っ! 美コちゃんもせっかくだから買お。ねっ?」
相変わらず、天満は小さなフォークを握り締めて、千石について語ってる。
昨日あのDVDを買って見たのはまず間違いないわね。あのこのことだから、
朝までずっと見てたかも。
「ね、英理ちゃんは見た? 『三匹が斬られる ベストコレクション』の
DVD。すっごく面白いんだよ。やっぱり万石はサイコーだよね?」
「あのなぁ、沢近が時代劇なんか見るわけ無いだろ?」
「(ムッ)見たわよ。『三匹が斬られる』のDVD。全部じゃないけど」
まるでどうでもいいような感じで答えたんだけど、それがかなり意外だっ
た見たいで、美琴どころか天満まで驚いてた。そんなに意外かしら。まぁ自
分でも意外に思うけど。
「おいおい、まさか沢近まで万石のファンだとか言うんじゃないだろうな」
「別にファン、って訳じゃ」
「ねっ、ねっ、面白かったでしょ。やっぱり見てる人は見てるよねぇ」
このままだと、天満の万石話が延々と続きそうだから、ふと思い出したこ
とをさり気なく聞いてみた。
「ねぇ、この近くに大きなCDショップ、無い?」
「へ? CDしょっぷ?」
「もしかして、『三匹が斬られる』のボックス買うの? いいなぁ。あれ
私も欲しいんだけど、高くて買えなくって。英理ちゃん、良かったら今度」
「違うわよっ! 今、CDを探してるんだけど、中々見つからないのよ。
だから、いい所があったら教えて欲しいんだけど」
「あの、執事、だったっけ? に頼めばいいんじゃねぇのか?」
「まぁ、それでもいいんだけどね。何と言うか」
「うんうん、分かる分かる。欲しいものを自分で探して手に入れるって、
結構うれしかったりするんだよね」
「別にそんなんじゃないけど」
「あたしが知ってる場所、ったら『TATSUYA』とか『アワー』、後
は『MHV』とかぐらい、だな」
「その場所教えてくれる?」
「そりゃ、別にかまわねぇけど。何だったら一緒に探してやろうか?」
「遠慮するわ。そこまで大げさな事じゃな」
「じゃあ、帰りに寄ろっか。晶ちゃんもさそって、ね? でも晶ちゃん、
今日部室によるって言ってたし」
「だ・か・ら、遠慮するって言ってるでしょっ!」
「ぇーっ。せっかく一緒に帰ろうって思ってたのにぃ」
相変わらず、話を聞いてないと言うか、マイペースなのか、話が上手くい
かないんだから、ほんとに。まぁ、本当はこうして一緒に楽しんだ方が、ア
イツのことを少しの間だけでも忘れられるかも知れないから、それはそれで
いいんだけど、天満を見てると今度は八雲の事を思い出しそうで。
「(ふぅ)悪かったわ。でも本当に大した物じゃないし、ただ、思い出し
てるうちにと思っただけだから」
「まぁ、いいけどな」
結局、そんな感じでいつも通り昼休みは終わって、午後の授業が始まった。
(古文って、苦手)
タダでさえ古文とか現国って苦手なのに、最近のユウウツが重なって余計に
集中できない。で、気が付くとアイツの席に目が向いてしまう。珍しくアイツ
は今日も出席してるけど、見事に寝てる。おまけに天満も。
(いいわよね、のんきで。私の気持ちも知らないで)
気持ち? 気持ちって、えっと、私? のよね。(溜息)
ツンツン
頬杖を付いて自己嫌悪な気分になった時、後ろから肩をつつかれた。肩越し
に後ろを向くと、晶が小さな紙切れを渡してくれた。
『CD、探してるって聞いたけど?』
紙切れにはそう書かれていた。一体誰から聞いたのかしら。って、大体の
見当はつくけど。
『ええ。まぁ、そんなに大した物じゃないけど』
普段はどちらかといえば真面目に授業を受ける方なんだけど、ユウウツな
せいもあって、授業は気にせず晶に返事を書くことにした。
『タイトルは?』
返事を書いて肩越しに後ろに渡すと、すぐにまた紙切れが回ってきた。
『『カギのかかる天国』』
別に隠す必要も無いし、タイトルくらいならと思ってメモを渡してみた。
「ふーん」
と、晶の一言。どういう理由で呟いたのか気になったけど、流石に後ろを
振り向くのはマズいかなと思って、返事を待つ事にした。
結局、返事は無いまま授業は終わって、その後聞いてみたら
『ただ、どんなCDを探しているのか気になっただけ』
なんて。いつもの事だし、期待はしてなかったけど。
***
放課後。美琴に教えてもらったCDショップのひとつに寄ってみた。昨日
の本屋に比べると品揃えは豊富みたい。でも探しているCDがあるかどうか
は分からないけど。
(やっぱり無い、か)
探してみたけど、そんなタイトルのCDは見当たらない。店員にも聞いて
みたけど、在庫が無くて取り寄せるのに一週間はかかると言われた。
(やっぱりナカムラに頼んだ方がいいかしら)
探すのをあきらめて、最近癖になってしまった溜息をまたついたとき、意
外な人に声をかけられた。
「あの、沢近さん?」「え?」
声がした方向を向くと、そこにはクラスメイトの一条さんが立っていた。
私と違って、どちらかといえばクラス内でも目立たない方で、特に仲が悪い
とか言うわけじゃないけど、今まであまり話したことは無かったと思う。
「あら、一条さん? こんな所で会うなんて奇遇ね」
「は、はい。あの、沢近さんもCDを買いに?」
「え? えぇ。まぁ、ちょっと寄ってみただけだけよ。それより、一条さ
んは確か、部活、じゃなかった?」
一条さんは確かアマレス部で、今テスト期間中にもかかわらず、今日もト
レーニングなんだとか教室で話していたのを聞いた気がする。
「は、はい。今日は部活が早く終わったので、ちょっと買い物をしてたん
です。弟にCD頼まれて」
「へぇ。テスト期間中なのに大変ね」
「そうでもないです。弟が喜ぶ顔が好きなんです。それに、その」
「何?」
「私も、聞くのが楽しみなんです。ドジビロンのCD」
「そ、そう」
やっぱりいい娘(こ)よね。私と違って。私には兄弟はいないから分から
ないけど、もしいたら一条さんみたいになれたかも。なんて、ムリよね。
「それじゃ、ね」
「はい。また明日」
そう言って、私は一条さんと別れて店を出ることにした。その時、後ろを
少しだけ振り返ると、友達2人とレジ向かう一条さんの姿が見えた。
***
その日もCDは見つからず、その代わりに『三匹が斬られる』のDVDB
OXを買ってしまった。よりにもよって、何でこんなものを買ったのかしら。
重いし、持ちにくいし、よりによって今日は独りだし。買ったのは私だけど。
屋敷に帰ると今日もナカムラが出迎えてくれた。私は今日もお父様の事だ
け確認してから自室へ行って着替えると、早速DVDを見る事にした。本当
はテストの勉強をしたほうがいいんだけど、こっちの方が気になってしまっ
て。
「天満もこんな感じなのかしら」
天満と違って私は別に好きではないし、どうでも良い事のはずなんだけど、
なぜか気になってしまう。まるでアイツの事みたい。あの時アイツが買った
りしなかったら、私だって別に見なくても良かったのに。
コンコン。
ノックの音。多分ナカムラね。
「失礼致します。お飲み物をお持ちいたしました」
ナカムラがティーセットを運んできた。普段なら別にいいんだけど、今日
は気分的に紅茶より、やっぱり「お茶と団子」かしら。
「ねえ。悪いけど別のお茶にしてくれる? えっと、ば、番茶? がいい
わね。それをお願い。あと、お団子もね」
「ハッ」
ナカムラは顔色変えず、返事だけをして部屋の外へ出て行こうとした。私
はもう一つ思いついて、そのことをナカムラに言った。
「別に上等なのでなくてもいいわ。別にお客様に出すわけじゃないんだし」
「ハッ」
ナカムラが出て行った後、私はずっとDVDを見続けた。途中、ナカムラ
が運んできたお茶と団子を『万石』の様に食べながら。あまり行儀の良い食
べ方じゃないとは思うけど、この時代劇を見てると、なぜかこの方が「らし
い」感じがする。
「ヒゲ・・・か」
ただ、ぼーっと見てたんだけど、何だか『万石』がアイツに見えてきた。
もちろんアイツと『万石』は全然似てないし、どっちも別にカッコいいわけ
じゃないんだけど。
「ジョーダンじゃないわょ」
心の中でそう思い込んでみたものの、結局その日に見た夢は『千石』の姿
をしたアイツにお姫様の姿をした私が助けられる夢だった。
(ハーッ、夢にまで見るなんて、サィッッテーッ)
なのに、もう一度だけ、いえ後5分だけでも続きを見てみたいと思う『私』
もいる。今更否定する気も無いけど。
***
(今日は・・・やっぱりいた)
アイツは今日も真面目に教室にいた。でも、こちらを見るたびにビクビク
してるようにも見たい。なによ。別にもう何もする気は無いのに。
「相変わらず、ご機嫌斜め?」
晶が話し掛けてきた。そんなに斜めに見えるかしら。ユウウツなのはいつ
もの事だけど。
「別に」
「まだ、見つからない?」
「何がよ」
「CD。探してたでしょ?」
「まだよ」
結局、CDば未だ探していて見つかってもいない。ナカムラに頼んでれば、
もう手に入っているかもしれないのに。もしくはさっさと諦めても・・・
「はい。これ」
差し出されたのは一枚のメモ。書かれていたのは住所と
「店の名前?」
「CDショップ。中古専門だけど。良かったら行ってみたら?」
「え、ええ。ありがと」
ハーベスト。それが店の名前。全然聞いたことはないけど、もしかしたら
案外見つかるかもしれない。それにしても、晶が教えてくれるなんて。
(後で何かあるかも)
そして放課後、私は晶のメモに書いてあったお店に行ってみることにした。
そのお店は商店街のアーケードから脇道に入ってその更に脇にに入ったとこ
ろに在った。
「ここね、多分」
飲食店の看板が見えるビルの一階に在ったんだけど、本当に真っ直ぐで長
細い店。一応、人の歩くスペースはあるんだけど、何か歩きづらそう。
(とにかく、入ってみよ)
自動ドアをくぐって店内に入ってみた。今は誰もいないみたいで、店員ら
しい人が一番奥のレジにいるだけみたい。
(へぇー。こういうところも案外いいわね)
店内にはジャズらしい曲が流れてるけど、そんなにうるさくなくて、結構
良さそう。ただ、あまり大勢で来るような店じゃないかも。
「いらっしゃい」
支援?
店員に声をかけられてふと見ると、そこには晶が立っていた。
「な、なんで、アンタがいるのよ?」
晶は当たり前のように、晶が身につけているエプロンを指差して
「バイト中」
と答えた。
「そ、そう」
晶が色々とバイトをしているのは聞いてるけど、まさかここでバイトして
るなんて全然知らなかった・・・まぁ、聞かなかったのもあるけど。
「CD、見つかった?」
「今から探すところ」
「ふーん」
あまりジャマをするのも悪いし、他に用事もなかったから、私はサッサと
CDを探す事にした。
「探し終わったら言って」
と晶はレジへと戻っていった。ジャマとかされない分、その方が助かるけ
ど。
(やっぱりここにも無い、か)
店内を探してみたけど、探していたCDは見当たらなかった。
「無かった?」
私が店内を探し終えた頃、晶がまた声をかけてきた。
「ええ。無かったみたい。折角教えてくれたのに、悪かったわね」
「はい」
いつもの溜息をついたとき、不意に差し出された一枚のCD。
「何? そのCD」
「探していたんでしょ?」
「でしょ? って何よ? どういうこと?」
「昨日、店内を探してたら出てきたの。シングルじゃなくてアルバムだけ
ど、探してる曲も入ってるから」
そのCDのタイトルは『Locked in Heaven』。
「『カギのかかる天国』、か・・・」
裏面を見ると確かに3番目にあの曲が入ってた。これでようやく聞く事が
出来る。あら? 待って? 「昨日探して見つけた」って
「何で先に言ってくんないのよ! 無駄に店内を探しちゃったじゃないっ
!」
「その方が面白そうだったから」
「あのねぇ・・・」
そういう性格だったの忘れてた。何だか疲れた。
「それともう一つ有るんだけど」
「今度は何?」
「はい。これ」
出されたもう一枚のCD。それは『三匹が斬られる』のCDだった。
「結構珍しいものだったから。欲しい?」
「い・ら・な・い」
私は探していたCDが欲しいだけで、そこまでは必要なかったんだけど、
「ふーん。じゃあこれは八雲にでもあげちゃおっかなぁ」
と真顔でそう言うもんだから、つられてつい
「やっ、やっぱり買うっ! 買うわよっ! 買えばいいんでしょっ!」
と買うハメになってしまった。何でこうなるんだろ。
「毎度あり」
欲しかったCDと、どうでも良かったCD。その2枚を買って店を出た。
もちろんタダではなかったけど、ようやく手に入れる事が出来たのがちょっ
とだけ嬉しかった。『三匹が斬られる』のCDも本当は少しだけ。
(帰ったら聞いてみよ)
その日、屋敷に帰った後で独り、買ってきたCDを聞いてみた。
(なるほどね。だから覚えていたんだ、私)
彼の事がどうしても好き。だからこそ、そんな自分が嫌い。
「・・・今の私なんだ・・・多分」
そうして、この曲は私のお気に入りの一つになった。『三匹が斬られる』
のDVDも。
***
テストの日の前日。放課後にみんなで勉強会をする事になった。いつもは
こういう時は天満の家に行く事が多いんだけど、今回は色々と理由をつけて、
図書室に変えてもらった。
(なんか、どうでもよくなっちゃった)
古文とか苦手な教科はともかく、他の教科までなんか面倒になってしまっ
て、ノートを開いたまま、ただぼーっとしてた。だから、美琴や天満が私に
呼びかけても全く反応できなかった。というか、全然気が付かなかったんだ
けど。
「おいっ。おいっ、沢近。大丈夫か?」
えっ?
「だ、大丈夫よ。勉強ぐらいキチンとしてるから、問題なんてない
わ。天満じゃあるまいし」
「えーっ、英理ちゃんひどいーっ 私と成績一緒なのにーっ」
「あのね、私が悪いのは」
「そうじゃなくて。最近ずっと休んだり、やっと出てきたかと思えば、
ずっとイライラしっぱなしで、何か変じゃねぇか?」
「イライラなんてしてないわよっ! 別にイライラなんて・・・」
「だって、なぁ」
「うん。してた」
「そうかなぁ。いつも通りだと思うけど」
「あんたにゃ絶対わかんないと思うぜ」
「えーっ、私だってそれぐらい気付くもんっ! ねっ、英理ちゃんっ」
一応、普段通りにしてたつもりなんだけど。そんなにイライラしてるのか
しら。何か他人事みたい。
「播磨君のこと、気になる?」
晶のボソと一声。
「別に気にしてなんかないわよ」
いつも通り、いつもの声で。あくまで気にしてない振りをして。それなの
に。
「それを言うんなら、八雲の方なんじゃない?」
「えっ、八雲? 八雲がどうかした?」
「ねぇ。天満は八雲の事が心配じゃないわけ?」
何とか会話をそらそうとしてる。だからってそれが変わるわけじゃないの
に。
「八雲と、播磨君の事? うーん。お姉ちゃんとしては、少し心配だった
りするけど、相手は播磨君だもん。だいじょーぶだよ、きっと」
「ああ見えて、案外大丈夫なんじゃないか? 播磨もああ見えて結構真面
目な奴だし」
そう、よね。あの二人、とてもお似合いだし。今更私の入る余地なんて。
て、て、何考えてんのよ。
「そうそう。播磨君はいい奴だから」
いい奴。それは分かってる。分かってるんだけど。
(これって、「墓穴」ってやつかしらね)
結局、自分で自分を追い込んでるみたいで。私自身がイヤになりそうにな
った。
***
夜会が終わった、あの日の夜。
私はナカムラが運転する車の中にいた。夜会には出席したものの、やっぱ
りつまらなくて、余計に気分が重くなってしまった。折角手に入れたあの曲
も今は聞きたくない気分。
(あの二人・・・)
テストの期間中アイツは八雲と二人、バイクに二人乗りで堂々とやって来
てはテストが終わるとすぐにまたバイクに乗って行ってしまう。天満は何も
言わないし、どうも気になる。かといって、アイツに直接聞くのも
(ちょっと、ね)
そして、あの通りを抜けた時、私の乗った車とアイツの乗ったバイクがぶ
つかってしまった。アイツは怪我をしているにもかかわらず、談講社の本社
ビルへ行こうとしてた。アイツがなぜ出版社に用事があるのか知らないけど、
あまりに必死だったから、私の車で送る事にした。後でナカムラに聞くと何
かの封筒を渡すためだったのは確かだけど、中身までは分からなかった。
アイツは怪我は大した事は無いといって、病院に行こうとせず、私もあま
り強く言えなくて、結局アイツのバイクを置いた矢神駅まで送ることになっ
た。
『ねぇ、ヒゲ』
『あン?』
『アンタが届けたかったものって、何だったの・・・?
その・・・ケガまでして届けるほど大切なものだったの・・・?』
あの時から久しぶりに交わした、たったそれだけの会話。体育祭のあの日、
フォークダンスを踊ってから、久しぶりのアイツとの二人きりの会話。
『ああ、そうだ・・・』
『それに−
これが間に合わなかったら、塚本の妹さんに合わせる顔がねぇ・・・』
『・・・ふーん・・・』
アイツと八雲の仲が上手くいっていることを確認した、ただそれだけの事。
私にとってはつらいだけの内容だったけど、かえって安心したような気もし
た。
(結構うまくいってんだ・・・)
そうよね。相手は八雲だもの。私なんかより、ずっと・・・
そして、お互い黙ったまま、矢神駅へ着いてしまった。私はアイツの顔を
見る事も無く、そのままここで別れるはず、だったのに。
『もし・・・つかぬことをお伺いいたしますが』
アイツを見送るはずのナカムラがそう切り出した。
『貴方様には今−
交際している女性はいるのですか?』
アイツにそう尋ねた。そして
『いたらこんな苦労してねっスよ』
アイツはそう答えた。
(へっ? うそ? でも、だって、それに・・・)
私は車の中でその言葉を聞いて、つい狼狽してしまった。さらにそのこと
をわざわざ私に確認するナカムラに、恥ずかしくなって顔を見せる事が出来
なかった。
(わかってるわよ。「その言葉」がうれしいと思ってる事ぐらい)
私だって・・・
***
屋敷に戻った後、ドレスはそのままに、途中のままになっていたDVDの
続きを見ることにした。今になって続きが気になってきたこと。そして、ア
イツの・・・
(『いたらこんな苦労してねっスよ』、か・・・)
喜んでいいのか、悪いのか良く分からないけど、望みは出てきたみたい。
って、望みって何よ?
コンコン
ノックとともに、今日も普段通りナカムラがお茶を運んできた。ただ今日
は紅茶みたい。悪くは無いわね。
「ありがと。置いといて」
「何か他に御用は御座いますか?」
「無いわ」
私は自分でもなぜか分からないくらい、気分が良かったせいか
「ナカムラ」
部屋を退出しようとしたナカムラをつい、呼び止めた。
「はい」
「これだけは言っておくけど、アイツには絶対に手を出さないで」
私はTVに顔を向けたまま、ナカムラにそう言った。
ナカムラは時々私を見張っているみたいで、何度か私をナンパしてきた男
をいつの間にか『片付けて』しまったことが有る。ボディーガードとしては
確かにありがたいけど、今日のこともあるし、何かヤな予感がしたから。
「『アイツ』 と申しますと?」
「『アイツ』といったら『アイツ』よ」
「申し訳ございませんが、私には心当たりがございません」
ナカムラはいつも通り平然とそう言った。知らないはずが無いじゃない!
「『ヒゲ』よ『ヒゲ』!! 今日会ったでしょっ!!」
「ヒゲ・・・。ムーンチャイルドレコードの米倉様でごさいますか」
「違うわよっっっ!」
私はつい、映画を見るのをやめて立ち上がり、ナカムラの方を向いて一気
に怒鳴ってしまった。
「今日、帰りに車で引いた『彼』よっ!! 『播磨拳児』! 知らないな
んて言わせないわよっ! 彼には一切手を出さないでっ! 彼にもし何かあ
ったら絶対にタダじゃおかないからっ!」
怒鳴ってしまった後で気が付いた。ナカムラの目が何か笑っているような
気がする。顔は相変わらずの無表情だけど。なんか、初めて見た。って、待
って。私、何かすごくマズい事言ったような・・・
「畏まりました」
呆然としてる私を置いて、ナカムラは一礼だけするとそのまま部屋を出て
行ってしまった。
647 :
Classical名無しさん:04/11/30 00:16 ID:UnuuNYbc
援護射撃?
(えっ、えっ、えっっっっっっ!!)
しばらく呆然として気が付いた。私、さっきとんでもない事言った。
(うそ、なんで)
自分でも顔が真っ赤なのは、鏡を見なくても分かる。相手がナカムラだか
らまだ良かったけど、ってそれでも良くないけど。もし相手が美琴や晶だっ
たりしたら・・・ 或いは天満とか、アイツとか・・・ それによりによっ
て、なんでナカムラがっ、もうっ!
(ふぅ)
結局、頭の中が一杯になってしまって、そのままソファーに倒れこんだ。
(アイツに伝える事が出来たら、どれだけ楽かしらね)
ずっと悩んできたけれど、よく考えてみたら何だか私らしくない気がして
きた。大体、まだ私からは「何も」言ってないんだし。
『いたらこんな苦労してねっスよ』
アイツはそう言ってはいたけど、私の事なんて気にしてもないだろうし、
悩むだけ無駄かも知れない。けど
(でも、そう、決まったわけじゃないわよね。まだ)
こうなったら、絶対に諦めないことにした。やれるだけやって、せめてア
イツにあの言葉だけは言ってやりたい。
「私、アナタのこと−」
end
以上で終了になります。本当はもう少し早く投下する予定でしたが、
中々思うように進まず、今日まで経ってしまいました。
あと台詞との改行も本来はこれまでと同じく改行していたのですが
投下時の改行オーバーと投下回数の増加を防ぐため、縮めてみました。
読みづらくて申し訳ありません。
一応念のために申し上げますが、この物語はあくまで渡し個人の妄想
ですので、
「時間軸がおかしい」とか
「趣味が違う」とか
「沢近の性格が変」とか
いろいろあるかと思いますが、ご容赦くださいますようよろしくお願
いいたします。
650 :
Classical名無しさん:04/11/30 00:23 ID:UnuuNYbc
GJ!
リアルタイムで読ましてもらいました
自分は旗派なのでこうゆうのは
『大好き』です!!
次作にも期待大です!乙〜
651 :
Classical名無しさん:04/11/30 00:29 ID:Nbab/.jU
BJ!
リアルタイムで読みたくありませんでした
自分はおにぎり派なのてこうゆうのは
『大嫌い』です!!
次作にも期待ゼロです!乙〜
GJです!
基本的にはおにぎり好きなのですが、
読みやすかったし楽しめました。
>>649 GJ!
沢近の一人称で進んでいるせいか、まったりしていとても良いです。
晶も良い味だしてましたね。
このほのぼの感は作風でしょうか。読後感が良くて好きだ。
お湯は何度からお湯なんだ?
40度はお湯だよな
30度はぬるま湯だよな
20度は水だよな
10度は冷水だよな
0度は氷水だよな
零下になっても凍らない水は超氷水とでも呼ぼうか
50度以上は熱水
99.974度くらいが限界だから 限界水 と呼ぼうか
100度は一気圧以上に与圧しないと駄目だから 偽水 と呼ぼうか
今日は
・超氷水
・限界水
・偽水
を発明出来た。
明日は空気について考えようと思ふ
だから、どう見ても荒らしなんだからスルーしろって
>>649 ヨカッタヨー!荒ラサレテイタ状況ノ中デ、ヨクヤッテクレタ!!
トコロデ今日ハ天満チャンノ誕生日ラシイネ!王道SSヲ書ク人ハイナイカナー?
さて、そう考えると今日から三日間クズリ神は大忙しなわけだが
じゃあ空気について考えてみる
海の上の空気 海気と呼ぶ
山の上の空気 山気と呼ぶ
河川の上の空気 河気と呼ぶ
そして割合平らな土地の上の空気 地気と呼ぶ
氷雪の上の空気 雪気と呼ぶ
・海気
・山気
・河気
・地気
・雪気
これは二十年後教科書に載るかも知れないから今のうちに覚えとけよ
憶えていて損は無いぞ
>>649 登場人物の名前に誤記のないよう。
二次創作の基本です。
>>658 ここまで荒れてたら、もう投下しないんじゃないかとマジレス
サイト持ちだし
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
愛理はヤリマン
アナルまで開発されていてガバガバ
荒らすな、ガキ共
>>661 ラウンジは荒らし放題の隔離板だからな。
他の板で移転できそうな板とかないのかな?
荒らすな、ガキ共
ぼくらの炎の七日間戦争
雪豹さんの本格派。
たれはんださんの激萌え。
旗派の俺にとって、このスレは天国だ〜!
萌えるやつは(ry
680 :
Classical名無しさん:04/11/30 21:01 ID:M169035Y
こんばんわ。たれはんだです。
名前の間違い、本当に申し訳御座いませんでした。
投下した後で今更気が付いたものの、ミスはミスということで
誤字脱字も含め、以後の反省点として肝に銘じておきたいと思
います。
これからも「三作坊主」にならぬよう、投下させていただきた
いと思いますので、皆様よろしくお願いいたします。
凡ミスくらいで落ち込むな
がんばれ
>>681 乙。
頑張ってください。
ちょっと気になったのは、序盤の説明部分でも山場部分でも一つの描写に対する文章量が同じため、
メリハリが効かずに山場部分の印象が相対的に弱くなってるように感じられることかな。
文章量を均等にしてまったり感を狙ったのなら、個人的には地の文をもっとすっきりさせた方が良いよ
うな気がします。
『ウチで私の誕生日パーティーやるんだけど、播磨君もどうかな?』
――そう訊かれたとき、刹那の間もおかずに彼が頷いたことは言うまでもない。
『烏丸君の誕生日のとき、お世話になったし』
――続く言葉を完全に聞き逃したこともまた、言うまでもない。
播磨拳児、やっぱりそういう男である。
――さて、当日を目の前にした彼はといえば。
「――でな、妹さんに相談なんだが……天満ちゃ、いや塚本はどういうもんプレゼントしたら
喜んでくれると思う?」
よりにもよって八雲にそんな相談をしていたりする。
曰く。
『イトコにゃ訊くだけ無駄だしな。お姉さん? あのヒトにゃもう迷惑かけられねぇ……』
とのこと。
なら八雲はいいのか、という話になるのだが、その辺りは『一番の友人』なので問題ない
ことになっているらしい。
「姉さんが喜ぶもの、ですか……」
「すまねぇ、無理言っちまって。だけどな、全然分かんねぇんだ、そういうの」
先に天満に対し、心がこもっていればなんでもいい、などと言った男の台詞ではない。ない
のだが、人間いざ自分のこととなると結構見えなくなったりもするものである。というかそう
いうことにしていただきたい。
閑話休題。
「……あ」
しばらく考え込む様子をみせていた八雲が、何かを思いついたように声をあげる。
「前に播磨さんから役舎丸さんのサイン、いただいたことがありましたよね」
「ああ、んなこともあったな。あんときゃ世話になったな」
ストレートな謝礼の言葉に、いえ、と八雲はわずかに頬を赤らめるが、気を取り直して続ける。
「……実はあれ、姉さんにあげたんです」
「そうだったのか。いや、せっかくいただいたのに、ってんなこと気にするなよ。モノはともかく
伝えたかったのは俺の気持ちなんだからよ」
それが天満に対するプレゼントに一番大切なことのではなかろうか、ということには気づかない
拳児。んで塚本は喜んでたのか、と話を先に進める。
「あ、はい。姉さん万石さんのファンなんです」
「そうか、ありがとな、妹さん。となると……」
普段使わない頭を使って考え始める拳児だったが、はたと気がついたように八雲に尋ねる。
「ところで妹さんはどうなんだ? やっぱ好きなのか、万石」
「え……はい。好き、ですけど……」
変でしょうか、と最後は消え入りそうな声。
けれど。
「何言ってんだ、全然変なんかじゃねえって! そうだよな、やっぱ分かってくれるヤツは分かって
くれるよな! あのカッコよさったらよ――」
傍目から見れば引きそうなほどに、熱っぽく語り出す拳児。子供っぽい、よく言えばそう言えない
こともないその姿に、小さく微笑みつつ耳を傾ける八雲。
その姿を遠くから見れば――やはり『そういうふう』に見えたかもしれない。
ともあれ。
それから時は流れ、十一月三十日。その日がやってくる――
「――で。なんでアンタまでいるのよ」
「あん? てめえにゃ関係ねぇだろ」
塚本家への道すがら、早速いがみあう二人の姿があったりする。
「あのさ、お前らもう少し仲良く出来ねぇのか……?」
呆れたような美琴の言葉にも、誰がこんなヤツと、と口を揃える二人。それを眺めつつ、喧嘩する
ほどなんとやら、と晶は思っていたりもするが、口には出さない。
「そうだよ、愛理ちゃんも播磨君もケンカしちゃダメだよ」
「そ、そうだな。すまねぇ、塚本」
天満の言葉に手のひらを返したように大人しくなる拳児。それを見て、何故かまたかちんとくる愛理
だが、晶が意味深な視線をよこしているのに気がついて、今度は何も言わない。
その代わり。
「ダメじゃない、しっかり手綱つけておかないと。あなたの彼氏なんでしょう?」
「え? あの、それは……」
八雲にそんなちょっかいをかけていたりする。この場合、どちらが彼女にとって自爆なのかは甲乙
付けがたいところ。
「こんなヤツの言うこと気にすることないぜ、妹さん」
それ以前に俺たちゃ付き合ってるわけじゃ、という言葉が続くはずだったのだが。
「ふふ、八雲は播磨君に大事にされてるんだね」
などと天満に微笑みかけられては、彼としては返す言葉も何もない。後ろでもじもじと、そういう
わけじゃ、と言っている八雲の言葉も誰にも届かず、やっぱり愛理は少しむっとした顔をして。
「なんだかなあ……」
「青春だね」
美琴と晶、二人それぞれの呟きが風に流れて消えていく――
――とまあ、到着まではいろいろとあったものの、実際パーティーを始めてしまえばそんな空気は
どこかに吹き飛んでしまう。規模は小さくともそれは確かに『祭』、その雰囲気に中では多少のいさかい
などないに等しい。
やがて、ひとしきり盛り上がり、あらかた食べ物も飲み物も片付けたころ、主賓たる天満へのプレゼント
が皆から渡される。美琴に愛理、そして晶に八雲と、順々に女の子ならでは、というものが手渡されていく。
そして、最後に。
「――塚本」
「なによもったいぶって。早く出しなさいよ」
「……るせぇなあ。こういうのにゃ雰囲気ってもんが……まあいい、見て驚くなよ?」
大見得切って拳児が取り出したのは。
「は……?」
「何よそれ」
「……サイン」
きょとんとした反応の美琴、愛理、晶。そう、確かにそれはどこからどう見てもただのサイン色紙。
だが――
「播磨さん、それもしかして――」
「妹さんは分かってくれるか。そう、こいつは」
と説明を始めようとした拳児の声が、天満に遮られる。
「は、ははははははりまくん! そそそれってもしかして」
「おう、『三匹が斬られる!』の出演者全員分だぜ」
「すっごーい!!」
文字通り飛び上がって喜ぶ天満。そして、それを見ながら心の中でガッツポーズを繰り出す拳児。これを手に
入れるのに費やした涙ぐましいまでの努力が報われた瞬間。播磨拳児、やれば出来る男なのである。問題は、
そのやる気を滅多に出さない、あるいは空回りさせる、というところなのではあるが。
「播磨君ありがとう! 私一生宝物にするよ!」
女神にも等しい笑顔の天満に危うくふらふらと倒れそうになるが、もう一つやるべきことを残しているために、
どうにか踏みとどまる拳児。
「でな、こっちは妹さんに、だ」
「え……?」
「妹さんも好きだっつてたろ、万石。ホントはこっちも全員分頼めたらよかったんだけどな……」
取り出したのはもう一枚の色紙。こちらは万石こと役舎丸のサインのみが記されている。
「そんな、これで十分です……ありがとうございます」
ぎゅっと胸元にその色紙を抱きしめ、頭を下げる八雲。それを見て、やるじゃん、と笑う美琴に、さすがだね、
と晶。愛理一人が少しだけ面白くなさそうな顔をしている。ちなみに姉であるところの天満は、妹のそんな様子に
当然にこにことしている。
「でも本当にありがとう。私もちゃんとお礼しないといけないね……あ、そうだ。播磨君の誕生日っていつ?」
そのときはすっごいの準備しとくから、と笑顔の天満に、わずかに表情を曇らせる拳児。
「……どうしたの? もしかして、迷惑だったかな」
「い、いや、そういうことじゃねぇんだ」
ただな、と迷う素振りを見せてから、気まずい表情で告げる。
「……実はな、明日、なんだよ。俺の誕生日」
「え? そうだったの?」
心底驚いた、という顔で、八雲知ってた、と尋ねる天満。答える八雲は首を横に振るのみ。
「もう、ダメだよ播磨君。八雲は自分から訊いたりしないんだから、それくらい教えとかないと」
びっ、と指を立てて主張する天満に、いやだからな、と説明を試みる拳児だったが。
「じゃあさ、ちゃんと明日、播磨君の誕生日パーティーしないとね」
「へ? あ、いや、そんな急にしてくれんのか? わざわざ」
――流れ流れて流されて。
「もちろんだよ! いいよね、みんな」
「私はどっちでもいいけど……そうだな、どうせならそれもいいんじゃない?」
「おまかせ」
「……私は別に」
「もう、愛理ちゃんってば……八雲はいいよね?」
「……うん」
「じゃあ決まり! 愛理ちゃんもだからね。……いいよね、播磨君」
「俺は別に、っつーか天満ちゃ……塚本がしてくれるってんなら喜んでだな……」
そして――
「ちょっ、天満! 私は」
「決・ま・り・な・の!」
「……分かったわよ」
「じゃあ明日は播磨君の家だね!」
「お、おう! 任せと――あ」
――こうなるわけで。
さて、後悔先に立たず、という言葉がある。
そう、いつだってそれは後からやってくるものだ。
例えば今回は――
「……ということになったんですが、どうしましょう絃子さん」
「あのさ、前々からずっと思ってたんだが」
「はい」
「馬鹿か、君は」
「っるせぇしょうがねぇだろ! もう言っちまったんだよ!」
「じゃあ何か、この私に一日どこかをほっつき歩いてろとでも言うのか!?」
「だから――」
「そもそもだな――」
「――!」
「――!!」
――とまあ、そんな波乱を含みつつ。
十二月一日、播磨拳児の誕生日は訪れるのだった――
続くかもしれない。
メ欄残ってた_| ̄|〇
さておき、何故か素直に王道にならない二人です。
なんとなくフォーカスのぼけた話になっているのは、雰囲気だけで押し切ろうとしたせいとかなんとか。
続きがあるとすれば、ちょろっと毛色を変えて、になると思いますが、その辺りは神のみぞ知る、ということで。
GJ!
色々な要素があって面白いですな。とても読みやすいし。
絃子さんはどうなるんだろう…。続き、楽しみにしています。
ごちそうさまでした。
いや、この話をみて王道よりもおにぎり展開が萌えと思ってしまう自分は、
ひねくれているのかな?
なにはともあれ、とても面白かったです。
ところで播磨の誕生日が天満の次の日というのは、公式なんでしょうか?
姉妹丼
八雲は沢近攻略ルートに入るために必要
( ´_ゝ`)
>>690 本当ニ楽シメマシタ。グッジョブデス!!
漫画を描いていると知っているリスト
イトコ 漫画を描いているのを部屋の外から見ていた
お姉さん 漫画を読んだ
周防 漫画を描いていると聞いた
沢近 喫茶店で漫画の事を聞いた筈 談講社まで中村と播磨と三人で行っている 気付いていないとしたら 恋の盲目って奴ですか?
八雲 漫画の相談相手になっている
花井 落とした原稿を見ているかも しかし密会が漫画の推敲だと気づいていないので可能性は無いか・・・
ハリーマッケンジー 落とした原稿見ているかも 外人だから思考が判らん
中村 談講社に原稿を届けている
沢近は ”八雲の為に漫画を描いている播磨”と認識している?
これでは漫画を手伝ってもらったり、意見を聞いたりしていると説明しても誤解が解け無い・・・
となると、八雲-播磨カップルは確定?
面白かったです。続き期待しています。八雲がかわいくて良かったです。
喫茶店のときは2人とも聞いてなかったんじゃないかなあ
しかし、中村に聞かれて答えた”そんなひといたらこんなことしてねっす”を聞いた沢近は
”八雲と播磨は異常に仲が良いけど、付き合っていない。漫画は共通の趣味”と推論出来るのでは無いかと思う。
沢近は数学・物理・化学が得意な理系なのだから、推論しているのではないかと思うが過去の事例
・裸で羽交い絞め
・もし、晶が居なかったらそのままチョメチョメ
・半裸で這い寄られた
・お姉さんに言われて認めなかった
・一緒に踊った
・八雲に縫い付けを奪われた
・八雲が播磨を好きだと思っている
やっぱり誤解は解けそうにネーナ
何というかスクランキャラの女子は何か周期性があるような気がしてならない
もしかすると生理が関係しているかもシレナイ
怒ったり、凹んだりしている話数を調べたら生理の周期が出せるかもしれないが変態呼ばわれされたくないのでヤラナイ。
>>700 えーーーー????????????????
てゆーかさー、いつもいつも読んでるだけの人もたまには書けば?
それが出来たらやってるよ…
何でやらないのさ?始めはミンナ素人だった、ってどっかのCMでも言ってたでしょーが!
>>707 王子様。 てゆーか別に喧嘩売った訳じゃなくて、せっかくの王道二人の誕生日なんだからたくさんの人が書いてくれないかな〜、と思っただけなんだけど
おまいら、喧嘩すんな
誕生日SS書いてくれた神々が投下しづらいだろうが
--------------------------------------------------------
↓↓↓何事もなかったかのように再開↓↓↓
>>698 スレ違いな気もするけど一応回答。
美琴と愛理は播磨の話を聞いてない。
つーか美琴は美琴で愛理がその場にいることに焦ってて播磨の話は耳に入ってないし、
愛理は美琴と播磨が仲良く話してる(彼女にはそう見えた)のを見て思考がフリーズ状態に
なって美琴の話すら聞く耳持たない状態に陥ったので漫画のことなんて耳に入ってない。
播磨が漫画を描いているのを知っているのは
八雲、絃子、お姉さん。あとはナカムラと晶(描写はないけど八雲と会っている理由くらい調べ上げてるだろう)。
花井とハリーは原稿なんて目に入ってなかったと思う。
また戦争がしたいのか? アンタたちはっ!?
は?まずお前が書いてからいえって
荒らすな、ガキ共
歯?魔図尾磨絵蛾科射手殻家津手
だから嵐にかまうなよアホ共
君もねw
沢近の一人称で只管おいしい紅茶の入れ方の薀蓄を語るSSというのはどうかな?かな?
なぜ沢近?
>Slapstick
モツ。
GJですた。
絃子さんのオチがよかったですね。
何とか続けてくださいおながいします
続きモノは待ってる時間が待ち遠しいなあ…
つーか播磨、花井に「原稿の怨み」とかいう感じのこと言ってたと思うが
たしかその場に今鳥もいた
今手元に単行本無いんでくわしくはわからんが、たしかキャンプの回
だから花井知ってるんでは?
スレ違い。本スレ行け
原稿って聞いてマンガって築くのは無理だろ
サラっていじわるばあさんだったんだな
納得した
あぼーん
あぼーん
「この紅茶なんかおいしいな」
「みるくたっぷりだからよ」
「ところでお嬢 胸大きくないか?」
「そ、そ、そったらことなかっ!」
「京都弁?!」
むう、京都弁喋る沢近っていうのもいいかも。
問題は、京都弁を俺がまるで知らないことなんだよ……
あぼーん
『天満ちゃんがここに来る』
――もちろん、八雲も美琴も晶も、おまけに大の苦手にしている愛理だって来る……のだが。
どうにもそんなことは関係ないらしい。
『天満ちゃんがここに来る』
――目下のところ、播磨拳児の頭を支配しているのはそれだけで。
彼らしい、といえば確かに彼らしい話である。
――そうこうしているうちにも十二月一日は訪れて。
「いいいいいい絃子っ!?」
「なんだ騒々しい」
奇声としか表現しようのないその大声に、居間でチャンネルをまわしながらテレビを眺めていた絃子が振り
返る。視線の先には、必死の形相をした拳児の姿。
「なんでもう昼なんだよ!?」
「……そりゃ君が今まで寝てたからだと思うんだが」
端的かつ的確な説明に言葉に詰まる拳児。ぐうの音も出ない、という言葉通りの様子。
――さて、ここで彼が何故こんな事態に陥ったのか少し振り返ってみることにする。
『今日は寝ねぇ!』
とはいっても、そんな彼の宣言がものの見事に墓穴を掘ることになっただけなのだが。
もし寝坊でもしたらシャレにならねぇ、という理由によるらしいが、そもそも一日は土曜日で学校は休み、
午前中からパーティーが始まるわけもなく、いくら寝過ごしたとしても問題はなかった。
――が。
変なところで気合を入れすぎて、結果信じられないほどに空回りをするのが彼、播磨拳児である。結果ものの
見事に、とまあそんな話。
余談ではあるが、馬鹿につける薬はない、と昨日は放置していた絃子。一応本当にまずい状況になる前には
起こすつもりでいた、ということを付け加えておく。……本人は絶対にそれを口にはしないが。
さておき。
「ほら、さっさと出かけろよ」
「それが人にものを頼む態度か? まったく……」
なんやかやとしているうちに時間は経過し、約束の時刻を考えればそろそろ来客があってもおかしくはない頃合い。
同居を知っている八雲はともかく、他の面々に絃子の存在を知られるわけにはいかない拳児、先刻から彼女の追い出し
にかかりっきりになっている。
もちろん、絃子の方もぶつくさ言いながらではあるが、ことをややこしくするつもりはなく、単にからかうために
焦らしているだけ、というのが真相。当然そこまで気の回らない誰かさんは気が気ではないようだが。
「だいたいさ、ここは下がオートロックなんだから誰か来れば分かるだろう?」
「それからじゃ遅ぇじゃねぇか!」
――と、そんなことを叫んだときに。
「おや、噂をすれば、かな」
インターフォンが電子音を奏でる。てめぇは黙ってろよ、と絃子に噛みついてから、飛びつくようにして受話器を
取り上げた拳児の耳に入ってきたのは、播磨君来たよー、という天満の声。
「お、おう! 今開けるぜ」
震える指で解錠ボタンを押し、受話器を元に戻す。それだけで重労働でもしたかのように、ぜえぜえと肩で大きく
息をしている。
「それじゃ私も出かけようかな」
「『それじゃ』じゃねぇっ! 今行けすぐ行けさっさと行け!」
がなりたてる拳児に、やれやれ、と溜息をつきつつ、一応の気遣いで目深に帽子を被り、コートの襟を立ててみせる
絃子。ほらこれで、と言いかけた言葉は、先と同様の台詞に掻き消され。
「いいか、変なときに帰ってきたら承知しねぇからな」
最後はそんな脅し文句とともに閉め出される絃子。変なときねえ、と胸の内で呟くも、肩をすくめてから階下への階段
に足を踏み出す。エレベーターですれ違うのも面白いかな、などと思っていたのは彼女だけの秘密である。
「――さて、どうしたものかな」
やがて地上にたどり着いた彼女の口からもれたのは、そんな呟き。その手のひらには、いつかの病院でも使用した小型の
通信機。ただし、今回は受信機能のみの仕様になっている。
さすがに悪いか、という良心と、少しくらいは、という悪戯心。しばらく二つを天秤にかけていた絃子だったが、やがて、
悪いね拳児君、とささやくように言ってから、そのスイッチをオンにする。
――が。
「……うん?」
その耳に入ってきたのは、ノイズ混じりの遠い話し声。想定からはあまりにかけ離れた受信状態に、眉をひそめて表に出る。
心当たりがないわけではないその原因、それを探して辺りを見回せば――果たして、閑静な住宅街にはまったく相応しくない
ような高級乗用車が目に入る。当然それだけで犯人扱いは出来ないのであるが。
「よりにもよって……」
運転席に見覚えある相手の姿を見てしまえば、断定もやむをえない。
――何故なら。
「……なんなんだ、アンタ一体」
「おや、これはこれは」
コンコンと指でノックされたウィンドウを下げてそう答えたのは、先日彼女が学校で見た『変態』――中村だった。
『ふうん、意外に片づいてるわね』
『それぐらいはな』
『へえ……』
『な、なんだよその目は』
『別に』
『でもよ、さっき気になったんだけど、なんでどこにも表札――でいいのか、こういうとこも――なかったんだ?』
『あ、それ私も気になった』
『あーいや、それはだな……』
どうぞお乗り下さい、という執事――一応その説明で納得はした――の言葉に、若干迷ってから助手席に乗り込んだ絃子。
彼女の想像通り、備え付けられたオーディオからはそんな会話が流れていた。
「同じことを考える相手がいるとはね……」
「かの青年には、お嬢様が並々ならぬ関心を寄せておりまして」
しれっとそう言い放つ中村。引っ掛かりを覚える絃子だったが、結局自分も似たようなことをした、と何も口にはせず、
深々と溜息。私も心配性が過ぎるのかな、と心の内で呟く。
『――――』
『――――』
『――――』
『――――』
そんな間にも、スピーカーから流れる会話は進行していく。くだらないといえばくだらない、そして他愛のない、けれど
間違いなく楽しげな気配に満ちた、そんなおしゃべり。
今、この車内に流れているのとは明らかに違う空気が、そこには流れている。
「――アンタは信じないかもしれないけどね」
やがて、瞼を下ろして微笑みを浮かべながら、絃子は呟く。
「私にもあったんだ、あんなころが」
「ほう――」
それに対して中村は。
「――それは奇遇ですな。実は私にも」
そう言って手を伸ばし、かちり、とオーディオのツマミを切り替える。スピーカーからは楽しげな話し声が消え、少し
ばかり気の早いクリスマスソングが流れ出す。来ない相手をたった一人待ち続けるクリスマス・イブ。あまり歓迎したく
はないそんな歌詞が、けれど寂しさなど感じさせないメロディラインで綴られていく。
しばらくの間、なんとはなしにそれに聴き入っていた二人だったが、曲が途切れてDJのトークが始まると同時、さて、
と中村が口を開く。
「よろしければドライブなどいかがでしょうか。そう、数時間ほどでちょうどいい頃合いだと思いますが」
「……数時間二人きり、というのはぞっとしないね。まあいい、行きたい場所と用事も二、三出来たところだ。せっかく
だからエスコートでもしてもらおうか」
かしこまりました、そんな返事とともにゆっくりと、それでも確かに車体は路上へとすべり出し、滑らかな走りで街中
へと消えていった。
――一方、そんなやりとりが外で繰り広げられていたとは知る由もない一同だったが、見込み発車もいいところの拳児の
誕生日パーティーは、どうにかつつがなく終わりを迎えていた。
「今日は楽しかったよ。ね、八雲」
「うん、そうだね……。ありがとうございました、播磨さん」
にこにこと笑う姉に穏やかに微笑む妹。そんな二人に、これくらいどうってことねぇよ、と言ってみせる拳児。その内心が
天満の笑顔で大変なことになっていたのは言うまでもない。
「急だったから何も準備出来なくて悪かったな」
「来年は奮発するよ」
先程までの空気が残っているのか、美琴に加え、晶もそんなことを口にしていたりする。もっとも、彼女の場合それが本心
とは限らないわけだが。
――で。
「さ、それじゃさっさと帰るわよ」
案の定愛理だけがどことなくご機嫌斜め。結局、終始そんな様子をみせていた彼女だったのだが――
「それじゃ、私は八雲と帰るからね」
「うん」
「私は晶と」
「播磨君、愛理よろしく」
「……は?」
「なっ、なに言ってるのよあなたたち!」
不意を打たれた二人をよそに、とんとんと話は進んでいって。
「暗くなるのも早いしな」
「女の子の一人歩きは危険だね」
「よろしくね、播磨君」
「おう、任せとけ塚本」
「ちょっ、待ちなさいよ!」
天満の言葉にあっさり頷いてしまう拳児、気がついたときにはもう遅く、既に歩き出している四人。
「ちゃーんと仲直りするんだよー!」
遠く、天満のそんな言葉を残してそれぞれの姿は曲がり角に消え、二人だけが取り残される。
「どうすんのよ……」
心底嫌そうな顔をする愛理。
けれど。
「――行くぞ」
ややげんなりした表情ながらも、先に歩き出す拳児。
「ちょっと、ほんとに……?」
「天……塚本と約束しちまったからな。それにこれでなんかあったら寝覚めがわりぃ」
「……じゃあ好きにしなさいよ」
そっぽを向いてそう言って、愛理もゆっくりとその足を踏み出す。
「……」
「……」
既に冬を迎えているこの時分、先程まで暮れなずむ様相をみせていた街はもうとっぷりと闇に沈んでいる。そんな中を、
街灯に照らされながら無言で歩く二人。当然といえば当然のその状況、それを先に打破したのは愛理の方だった。
「なんだか、前にもこんなことがあった気がするわ」
アンタは覚えてないんでしょうけど、と。他に誰も聞いていないせいなのか、どこか寂しげな色を帯びた彼女にしては
珍しい口調。
「――あんときゃ、雨が降ってたからな。それだけだ」
そこに返ってくる、思いもかけない返事。期せずして、え、と声がもれる。ちらりと見上げるようにして拳児の方を
見るが、その顔は正面を見据えたまま、彼女の方を見てはいない。
「……そう」
安堵とも非難ともつかない、そんな愛理の呟きを最後に、再び黙ったまま歩き続ける二人。そして、結局そのまま彼女の
邸宅へと至る。
「じゃあな」
一言そう告げると、そそくさと背を向ける拳児。
そこに。
「――」
「あん? なんか言ったか?」
小さなささやきが聞こえたような気がして振り返るが、そこにあったのは、別に、という彼女の言葉。じゃあね、という
別れの挨拶を最後に、今度こそ家路につく。
「……ま、気のせいだよな」
アイツがんなこと言うわきゃねえし、とぼやいて空を見上げる。
「――ありがとう、ねぇ」
――そして、帰ってきた彼を待っていたのは。
「やあ、『久しぶり』だね」
にやにやと笑って玄関口に立つ絃子の姿。
しかも。
「……なあ、そりゃなんかの冗談だよな?」
「ほう、君にはそう見えるか。なら」
もう少し派手なヤツでも用意しておくべきだったか、そんなことを言いながら、手にしたモデルガンを構える。
「ちょい待て、落ち着けって! 今日は俺が悪かったっつーか謝るから! な!?」
「フン、もう遅い――」
思わず背を向けようとした拳児、その目の前で撃鉄が落ちて――
「――馬鹿者め」
――ぽすん、という気の抜けた音とともに、ミニサイズの万国旗が宙を舞う。
「……へ?」
「高野君――ん? ああ、うちの部長なんだよ――面白いもの知ってるなあ……」
呆気にとられた様子の拳児には目もくれず、しげしげとその銃を眺める絃子。
「ちょっとしたサプライズだよ、むしろこれくらいで勘弁してやるんだからありがたいと思うんだな」
そう笑ってみせてから、さっさと入れ、準備はもう出来てるんだ、と手招きをする。
「準備……?」
「来れば分かるよ。――さて、ようやく主賓の到着だ」
先に居間に入った絃子がドアを大きく開け放った、そこには――
「遅ぇよ、兄貴」
仕方ない、という顔をした修治の姿と。
「……絃子」
ケーキと料理がテーブル一面に並ぶ、誕生日パーティーの光景があった。
「別に君のためだけじゃないさ。まあ、修治君の方は昨日済んでるんだけどね、君の様子を私の口以外からも
知りたがってるご両親の意向と合致してね」
よっぽど私に信用がないんじゃなきゃ、君はちゃんと大事にされてるってことだよ、苦笑。
「……たまには帰ってこいよな」
ぽりぽりと頬をかきながら、わずかに照れくさそうにする修治に、お、おう、と頷くしか出来ない拳児。
「その辺はあとでゆっくり話でもするといい……っと、来た来た」
インターフォンの呼び出し音に立ち上がる絃子、何やら親しげな様子で会話を交わしている。
「まだ誰か来んのか?」
「絃子姉ちゃんは特別ゲスト、とか言ってたぜ」
特別、という言葉にどこか嫌な予感を抱く拳児。そして、やがて玄関に姿を現したのは。
「こーんばーんは」
「いいタイミングだったよ、葉子」
「……げ」
矢神高校美術教師にして絃子の古い友人、笹倉葉子だった。ちなみに、『絃子の古い友人』であるという
ことは、同時に拳児の忘れたい過去をもいろいろと知っている、ということで。
「あ、ひどいな拳児君。そんな顔しなくてもいいんじゃないかな」
「……別にんなことねぇよ、ササクラさん」
「今日は学校じゃないんだから、昔みたいに『葉子姉ちゃん』でもいいよ?」
「なっ!?」
「ふふ、相変わらずだね。あ、そうそう、ちゃんとお土産持ってきたよ」
「んなわざわざ……っつーかそれほとんど酒じゃねぇか!」
「私は絃子さんにそう頼まれたんだけど?」
「絃子……」
「いやいや、親愛なる我らが播磨拳児君のためだよ?」
「じゃんじゃん飲もうね」
「酔ってるな? もう酔ってんだろ!」
「あ、修治君にはちゃんとジュースもあるから」
「聞いてねぇっ!?」
「――?」
「――!!」
――とまあ、始めから終わりまでいろいろとあったものの、結果として。
客観的に見れば、『最良』、そう称して申し分ない、そんな誕生日を播磨拳児は過ごしたのだった。
続きになってねぇよ、というツッコミは既に全力で自ら実行したので勘弁して下さい。
当日に間に合ってない挙句、話自体もナナメ展開過ぎてとっちらかってるのも以下同文。
闇に葬り去るのだけはなんなので……
リアルタイムで読ませてもらったぁぁぁ!!!
GJ!スバラシイゼ!!
八雲ルートと沢近ルート、どちらも八雲沢近を播磨に惚れさせるために、
少なくとも二人の中の播磨の存在をやたら大きくするために描いていたと
いうのはどんなバカがみても容易に分かるが、
対して播磨は、二人に心易くなりはしているものの、天満バカ一代は微塵も揺らいでない。
そのあたりから目を逸らして旗だおにぎりだetcと盛り上がるのは、ネタ(シニカル)としてなら
笑えなくもないが、それがこのマンガの本質であるかのように気を吐くアホな信者を見てると、
それは違うんじゃねーのと思う。
念のため、別に播磨×天満を支持してるわけでもない。天満もまた播磨なんぞ眼中に
ないわけだ。
結局、みんな間違えてるんじゃないかと。
よくあるような、実際に両方が好きで、三角関係になって、迷い悩み…、というドラマと。
全然違う。別に両方とも、好きなわけじゃ全くねーんだから。
この漫画は、登場人物が妙に一途で葛藤がない。
>>740 上手いけど正直ナナメ下だったかなぁ。ナカムラとか…。
いや、勝手に期待した自分が悪いんですがね…。
乙でした。
>740
長文お疲れ様です
登場人物がおおくなると途端に地の文がとってつけた風になっているのが残念かも…
>742
議論がしたいのならばれに相応しい場所でやってください
ただのアンチならアンチスレに
そして出来ることならば、世の中は貴方を中心にして回っているわけではないという事を学んできてください
>>740 乙カレーの王子様。
最初沢近だけ送っていくのに違和感を感じたんだが、
前回の救済措置だったんディスネー!
まあ可愛かったのでヨシとしておきまつ。
>>742 俺も播磨→天満→烏丸スキーなので8割くらい同意なんだがスレ違いっぽい
週漫板の本スレかアンチスレで言った方がいいと思う ココで言いたければやっぱ作品を通して言うしかないかも
というか荒らしですから。放置しようよ
742と全く同じ文章をどこかで見た気がする…
>748
お前凄いな。調べたら、確かにコピペだった。
因みに初出は9月25日。
本編が縦笛気味なのでどなたか鉛筆をください。
>>749 んなこと調べられるアンタも十分すごい。
どうやって調べたんだw
ん?普通に専ブラの過去ログ検索機能。
新スレそろそろ?
待て、IF16がまだ50KB残ってる。それを埋めてからでもいいんでないの?
755 :
紅茶花伝:04/12/02 23:22 ID:ezyC4Dag
>>750 避難所行ってみ
最近こっちが荒らされ気味だからあちらが盛況ですよ。
俺の好みで蝶姉SSを埋めに投下しちゃるがや
明後日にな!
播磨とササクラ先生が知り合いってのは公式設定?
漫画読んでるだけじゃ分からない公式設定が増えたね。
>播磨とササクラ先生が知り合いってのは公式設定?
え? 公式なのか? ここの脳内設定だと思ってた。
自分に照らし合わせても、従兄弟の友人、友人の従兄弟なんて
知らねーし。
沢近って大学生に脅されて輪姦されたんだよね
だから一匹狼タイプの播磨に心を許すんだよね
今まで色んな派閥があったのだが、どれも単独だった。
何故重複したものが無いのか、不思議だった。
と言う事で、超姉と旗のミックス。割合は8対2ぐらいですか。
以前上げた、あるSSのやつの時間軸が同列のやつを考えたのですが、色々あって変更しますた。
「あっ、拳児君……」
「ん? なんだ?」
「いや……なんでもない……」
朝食時、絃子は播磨になにやら話し掛けたが自分の方で話を切ると、コーヒーをグイッ
と飲み干し席を立った。いつもとは違う雰囲気だが、播磨は突っ込むこともせず見送った。
しばらくすると、自室で身支度をした絃子は再び居間にやって来た。
「そうそう拳児君、今日は実家に泊まり帰らないから、戸締りをしっかりしておくように。
あと、分かっていると思うが、私の部屋に入ったら殺す……」
絃子はそう言うと、玄関の戸を開け足早に消えていった。秋晴れのさわやかな朝に、な
んとも黒い雰囲気が漂う(笑)。それに対して播磨は何も言わず、マーガリンたっぷりのト
ーストに噛りついていた。
(いつもの絃子じゃん。気のせいか……)
その日、絃子は学校の授業が終わると、早々に車に乗り込み実家へと向かう。その表情
は少し暗く、なにやら落ち込んでいる様にも見られた。
実家では今晩は娘との夕食という事で、母親が張り切って料理をしている。絃子はテー
ブルに載っている空揚げを一つつまむと、コーヒーを持って自分の部屋に入り、夕食まで
学校の仕事をこなしていた。
そのうちに辺りは真っ暗になり、外では帰宅する車のライトが頻繁に行き交う。しばらく
すると玄関では父親の声がした。今日は久々娘との夕食だから、寄り道をせずに帰って
いたようである。
夕食が済み居間でくつろいでいると、母がスクッとその場を立ち、仏間のほうに向かい、
そこでなにやら束になったものを持ち、戻ってきた。
「さてと、じゃあこれから見ましょうか」
母親がニッコリ笑いそう言って見せたものは、お見合い写真であった。
そう。今日絃子が実家に来たわけは、このお見合いの話に他ならなかった。20部はあるで
あろうか、あまりの写真の多さに少し顔が引きつる絃子。何処からそれだけ集めたのか、
母親の本気度が伝わる。
実は昨晩、絃子は母親と電話でお見合いをするように言われたが、絃子はそんなのする
気はサラサラなく、母親と口論になった。しかし、あんまり母がしつこいため、写真だけ見る
と言うことで妥協した。
「母さん、最初に言っておきますが……」
「これなんかいいんじゃない。東大卒よ。こっちは弁護士だって」
母は絃子の話をまるで聞く気が無く、勝手に話を進める。
「だから母さん、聞いてよ。あたしは……」
「あんた幾つになったのよ」
「え゛?!」
そう聞かれると、何故か小さな声で返答する絃子。昔なら絃子ぐらいの年齢になると、
結婚する人がいても普通なのだが、今の時代独身でもなんら不思議ではない。
絃子はあくまで平静を装ってはいるが、頬が少し紅くなったのが分かる。そんな絃子を
見ると、いつもクールな彼女とのギャップから、逆に抱きしめたいほどかわいく思ってしまう。
「あんた付き合っている人いるの?」
「別にいないけど……」
「だったらお見合いしなさい」
「だから、何でそうなるのよ」
母親は、娘に良い人がいないと分かると強固に見合いを勧めるが、絃子の方もガンとし
て首を縦には振らない。しかし、学校では無敵の絃子ではあるが、やはり実の親に対して
は強く言うこともできず、土俵際寸前である。
なにやら、昨晩の続きみたくなってきたので、横で見ていた父親が間に入り、今回は絃
子に警告という事でこの話はチャラになった。母親は少し憮然とした表情を見せるが、自
分の娘の性格も分かっており、これ以上は何も言わないでおいた。
そんな助け舟を出した父親に心の中で感謝して、逃げるように風呂に入りにいった。
「はあ、参ったな……」
浴槽の中で膝を立て、顔を少し湯船につけて物思いにふけっていた。確かに母の言いた
いことは良く分かる。だからと言って、一度や二度の見合いで将来を決めてしまうのも、
あまりに安直といえば安直で、少しぐらいは人並みに恋をしたいとは思っている。
《好きな人いないの……》
そう母の言葉が、頭の中で繰り返される。
「好きな人……か……」
昔は普通にいたが、今はいない……いや、1人だけ頭によぎったのは、以外にも播磨の
顔であった。絃子も初めは播磨の事など、自分の従姉弟で生意気なペットぐらいにしか思
っていなかったが、いざ同居してみると播磨は人に言われる程ワルで無く、逆に結構素直
で真面目な事などが分かった。ただその時はまだ、明確に『好き』という感覚は無かった。
その後、1年以上同居していれば情も移り、それがただの同居人から気になる人に昇格す
るのに、それほど時間は掛からなかった。自分の中でそんな播磨の占める割合が大きくな
った事、さらには、自分自身も変化した事も良く分かっていた。
よく、『好きになるのに理由は要らない、何時の間にか好きになっていた』とはよく言う
が、まさか自分がそうなるとは夢にも思わなかった様である。
しかし、播磨に気持ちが傾いたとしても、未成年・親戚・年齢差、しかも姉さん女房と
いう事がネックになったようで、もし仮にそういったものを除いて自分からアプローチし
ても、天満ラブの播磨は決して振り向いてくれないと思っている。ただ、恐らく播磨は天満
に振られると思い、勝負を賭けるのはその時で、今は静観が1番だと考えた。
ところが、播磨が恋愛ごっこをしているうちは良かったが、以前八雲を家に連れ込んだ
のにはさすがに狼狽してしまい、さらには、沢近とか保健の先生など色々な噂も聞え、
じれったくも不安な日々を送っていた。
絃子もこれを契機に、自分を変えようかと……それには、今までの自分の行動を反省して、
素直で積極的な女になろうかとまじめに考えていた。
とまあ、熟考している内に少しは気が楽になったようで、程よく暖まり風呂から上がると、
晩酌している父の側に行き、何時もお気に入りで飲んでいる焼酎を注ぐ。
「父さん……(さっきは)ありがと……」
「ん……まあ、お前も飲め……」
父娘仲良く酒を酌み交わす。程よく酔いが回った後、明日もあるため自室に戻り床についた。
しかし、しばらく考え事をしているため、眠れないでいる。明日の事を考えているのか、1人
思い出し笑いをしていた。
― 次の日の放課後 ―
帰宅途中スーパーに立ち寄り、今晩の食材を調達した。これからはかわいい女を前面に
出すため、その第一歩として美味い手料理を出す事に決めた。
マンションに帰ると早速料理の本を開き、慣れない手つきで調理している。そこにはい
つものクールな絃子ではなく、一生懸命誰かのために手料理を作る、一人の女がいた。
そして、いつしか鼻歌で歌っていることに気付き、そんな自分に笑っていた。
1時間かけて完成した料理は、まるで本から出てきたかのような出来栄えで、これを食べ
てくれる同居人を、いまや遅しとと待ち侘びている。
770 :
野暮天:04/12/03 15:06 ID:GYYJ3JHY
絃子に、父親はいない。
一方、学校の方では生徒達が文化祭の準備に大わらわであった。それは、ここ2−Cでも
同じで、教室では監督がメガホン片手に演技指導していた。
「ダメダメ、播磨君。ぜーんぜんダメ」
監督にダメだしを食らって、頭の中がパニくる播磨。これ以上播磨に付き合っていたら
他の人達の練習がままならないので、主役の2人は別に練習するよう言われた。
「あんた、だめね」
もう1人の主役である沢近にも、ボロクソに言われる。
「台詞が長いし、わけわかんねえよ……(ってか、何でヒロインが天満ちゃんじゃねえん
だよ。約束違うだろ?)」
「ん? 何か言った?」
「うにゃ、なんでもねえ」
とにかく、このままでは皆に迷惑が掛かるので、2人は気分を変え屋上で練習していた。
しかし、2−Cの連中は練習がスムーズにいったのと、暗くなったからという事で何時の
間にか帰ってしまい、2人は取り残されてしまった。
「信じられない。普通帰る? 明日、美琴達に文句言ってやらないと」
憤慨する沢近だが、帰ってしまったものは仕方が無い。帰り道不安だから中村に迎えに
来るように電話をしたが、沢近の父親を空港まで迎えに行く途中のため、戻ってくるまで
にかなりの時間を要する。
そこで、播磨に家まで送るよう言ったが、勿論播磨は拒否。
「私がもし、途中で何かあったらどうするのよ?」
「あるわけねーだろ」
「私が通り魔に襲われて死んだら、化けて出てやるから」
「はいはい、待ってますよ」
播磨は沢近の脅しに屈する事無く、さらりとかわす。沢近がムッとした表情で播磨を見
ていると、播磨のお腹から腹の虫が鳴る。最近、お昼もろくすっぽ食べていない播磨。
プッと沢近が笑うと、播磨の顔が見る見る赤くなった。そこで交換条件で、途中御飯を
おごる代わりに家まで送る事で話がついた。
SSだしつまみ程度に出すのはOKかと。
リアルタイムで読ませて頂いてます!続き正座してまってます
途中ファミレスで軽く腹ごしらえ。その後、近所の公園で沢近と練習をし、とりあえず
形にはなってきた様である。1時間ぐらい経ち播磨が休憩を提案すると、沢近は近くの自販
機でコーヒーを買い、ベンチで寝そべっている播磨に手渡した。
「ふー、劇って結構難しいわね……ねえヒゲ、あんた演劇ってやった事ある?」
沢近は台本を見ながら播磨に尋ねるも、返事が無い。変だと思い、ベンチで横になって
いる播磨の顔にそっと近づくと、かすかな寝息がする。
「はぁー、よくこんな所で寝られるわね……」
両腕を腰に当て、呆れた表情で播磨を見ている。
しかし、そんな播磨を見て、頭の中である考えが浮んだ。それは播磨の素顔はどんなの
かということである。今までサングラスに隠されて、素顔を見た事が無かった。沢近は播磨
に呼びかけ完全に寝ている事を確認すると、そっとサングラスを取った。
「ふーん……こんな顔してたんだ……」
目をつぶっているのは残念なところであるが、沢近はそんな播磨の寝顔を見て、またま
たよからぬ事を思いついた。
「い、いいかな……(ポッ)」
辺りをグルッと見渡し、人影が無い事を確認する。薄暗い外灯の下でも分かるくらい顔
を真っ赤にし、心臓をバクバクさせ播磨に顔を近づけると、そっと目をつぶった……
「遅い……」
絃子は時計をチラチラ見ながら、播磨の帰りを待った。外は真っ暗で、何処の家庭でも
家族団らんの時間のはずであるが、ここではそんな言葉は無縁であった。
(今日はバイトでは無いはず……)
播磨はバイトが無い時は、夕方時代劇の再放送に間に合うよう帰って来るのに、そんな
時間はとっくの昔である。絃子は播磨がどんなに遅くても、また、帰ってこなくても携帯
に電話などしたことも無かったが、今回ばかりはさすがに絃子の携帯に手が伸びた……
― 再び公園 ―
「ダメダメ。なに考えているのよ、私ったら?!」
キスをしようかと思っていた沢近だが、こんな事はやはりダメだと思い顔を上げ、後頭
をポリポリかきながら反省する。しかし……
「天満ちゃん……ムニャ……」
沢近の体がビクッとし、思わず播磨の方を見る。
そりゃそうだろう。まさか播磨の口から天満の名前が出るとは夢にも思わず、その名が
出た時、沢近の中で何かが壊れた。それはプライド、嫉妬、自制心……いやいや、沢近に
とってそんな事はどうでも良かった。
確かに、寝ている播磨にキスしても何も変わらないかも知れないが、自分の心の中で安
心とアドバンテージを保持していたい沢近は、再び播磨に顔を近づけた。今度は止める気
は120%無い……が……
♪チャンチャンチャンチャチャーチャ……
播磨の携帯が静かな公園に響き渡り、その音にビックリして目を覚ます。沢近はマッハ
その場を離れ、何事も無かったかのように台本を見ていた。台本が逆さまなのはお約束。
播磨はポケットから携帯を取り出すと、電話の向こうから絃子の声がする。
「拳児君、今どこだ?」
「ん、珍しいじゃねえか、電話なんて。今、まだ帰り道だ」
「誰なの?」
沢近が2人の会話に割り込む。その声が絃子の耳に入り、播磨は今誰だか分からないが
女性と一緒だと思ったらしい。しかし、動揺している事を悟られず話を続ける。
「いや、実は今日の晩ご飯は……」
「あ、そうか。今日俺が炊事当番だったな。すまねえ。悪いが、俺食べちまったんだ。
だから自分で何か作ってくれねえか。もう少し遅くなりそうだし……」
「そ、そうなのか。分かった。それじゃあ……」
そう言って播磨は電話を切ると、自分の足元に転がっているサングラスを見つけた。
「あれ? 寝ている間に取れちまった……ん、どうしたお嬢?」
「えっ?! な、なんでもないの……はは……」
沢近は自分の間抜けな行動に汗をかき、真っ赤な顔をして引きつくように笑っている。
(もー、何でこんな時電話が掛かってくるのよ……あと30秒遅ければ……)
沢近は心の中で、最初の時にやっておけば良かったと、地団太を踏み後悔している。
帰り道、播磨にどんな夢を見ていたのか聞いたが、覚えが無いとの答え。気にはなるも
のの、これ以上突っ込んだらボロが出ると思い、聞かないでおいていた。
ただ、色々あったが播磨と一緒に帰る事ができて、ラッキーな一時を過ごした沢近の表
情はとても満足気で、この瞬間がいつまでも続く事を切に願っていた。
(明日もこの手でいこうかな……)
しばらくは、執事の中村が車で迎えに来る事は、無い様である。
― その頃、絃子は ―
「グスッ……拳児の……ばかやろ……グスッ……」
豆電球が光る寂しい自室で、1人枕を濡らす。居間のテーブルの上には無数のビールの空
き缶が散乱し、キッチンの三角コーナーには、播磨のために作った晩ご飯が悲しく眠っていた。
いい女への道のりは、遠く険しい……
終わりどす
父親のとこはPFなんか見てないもんで…
まあ、この部分は削ってもOKですし。
GJ!
ちょっと描写が弱いような気もしたが十分面白かったです。
お疲れさま。
沢近がその気になったくだりを、もう少し描いて欲しかった。
八雲-サラ
イトコ-笹倉
ミコト-テンマ
一条-ララ
レズSS書いてくれよ くれよ くれ よ
新しいのが読みたいんだよヴォケ
ここでは遠慮してほしいかと…
相手せずに消しとけ
沢近って脇が臭そう
「このスレが残り何キロバイト」って、どーやって分かるんですか?
投下したくても、空きが分からないと…
>785
使用している専用ブラウザを書いてくれないと教えようがない。
……IEとか言うなよ?
スクランの女子は運動会で一人も休んでなかったので
全員タンポン派?
臭いで生理だとばれそうなもんだが・・・
>785
ちなみに今は446KBってとこだね
「それで、花井さんのご趣味は?」
「はい、衆道を少々」
!
「冗談だったのに・・・」
その日からホモ奈良が花井に付き纏うようになりましたとさ。
ところで >764 には「超姉と食べるお子様ランチ」派への入会を勧めておこう。
356〜362、370、407〜410、517〜525、564〜578からの続きです。
ホント、長々とゴメンナサイ。できるだけ早く終わらせるよう努力しますので。
読みたくない方はチャッチャと読み飛ばしてください。
「………」
ゲーム開始から既に20分が経過した。彼のもとにも、脱落者を知らせる連絡が先程から次々と入っている。
他の場所では激しい戦闘が行われているのだろう。しかしそんな中、未だに一度も敵と遭遇できていない男がいた。
「……いねえな……」
携帯で、今鳥、烏丸、一条、高野、合計4人の脱落を確認していた。たった20分で4人もの脱落者が出ているという事実を考えると、
自分以外の者はうまく敵を発見できているようだ。
(…ならどうして俺だけ敵が見つからないんだ?)
不満そうな顔で雪を踏みしめ歩くその男、麻生広義は不機嫌そうにため息をついた。
「沢近どころか、誰も見つからねえなんてな。ったく…せっかくやる気になった俺がバカみたいじゃないか」
麻生は手の中で溶けかかっていた雪玉を近くの木の幹にぶつけ、つぶやいた。
彼のターゲットは沢近愛理。彼女の脱落を伝えるメールはまだ入っていない。つまり、まだ生存しているということだ。
「ったく…こんなことなら、家でゴロゴロしてたほうがよかっ… ん?」
そんな独り言を言っていた麻生だったが、視界の端に偶然、動いている『何か』を捉えた。そんなに距離は遠くない。
「チイッ!」
敵か!? 麻生はとっさに近くの木の裏に身を隠し、今、僅かながら見えたモノを考える。
(…チラッとしか見えなかったが、今のは…)
一人ぼやきながら歩いていた麻生の視界に偶然はいってきたもの。それは、この雪の中でも特に目立つ金髪の髪であった。
(沢近、か…やっと見つけたぜ。こっちには気づいてないようだな。だが…)
敵は休憩でもしているのか、立ち止まっているようだった。やっとの思いでターゲットを発見した彼としては、すぐにでも攻撃を仕掛けたいところだ。
だが、彼女は一人ではなかった。彼女の隣には、仲間と思しき者が一緒にいたのだ。
複数の敵と同時に戦りあうには、高度な戦闘技術、もしくは完璧な策が必要だ。軽々しく仕掛けるわけにはいかない。
発見される恐れがあるため、この距離では木の陰から顔を出して敵を確認することはしないほうが得策だろう。
(一緒にいた奴は確か黒髪だった。金髪よりも高いところに黒髪が見えたから、身長は高いな。残っている敵チームから考えると…周防か!)
敵はあの沢近と周防のようだ。ともに運動神経抜群と名高いこの2人を同時に落とすのは至難の業であろう。
ならどうする? どうやって落とす? 麻生は考える。
(…片方ずつ落とすしかないな。どちらかを先に不意打ちで落として、その後、残った1人とタイマンでケリをつける…!)
雪玉を作りながら攻撃プランを組み立てる。そして、少しでも成功確率の高い方法を模索する。
(最初に落とすのは沢近。その後、一対一で周防とだ。これが今俺が実行できるベストな作戦だろう…)
―――周防の鍛えられた反射神経では、不意打ちでも避けられる可能性がある。もちろん沢近の運動能力の高さも知っているが、周防よりは落としやすいハズだ。
それに、自分のターゲットはもともと沢近愛理だ。とりあえず自分の仕事を完遂してから他の敵を狙う―――
このような理由で、彼は最初に狙うのを愛理にしたのだった。
(もっとも、まず沢近を不意打ちで落とせるとは限らないし、タイマンでも周防はかなりの強敵だ。うまくいくとは限らないけどな…)
だがやるしかない。作り上げた両手の雪玉を握りなおす。
せっかくのチャンス。これを逃したら次にいつ敵を発見できるか分からない。
それに…
「黙って敵に背を向けるなんてゴメンなんでな!!」
覚悟を決めた麻生。そう自分に言い聞かせると、隠れていた木の裏から飛び出し、速攻で攻撃を仕掛けた。―――まずは沢近を速やかに落とす!
「悪いが、遠慮はしないぜ! 沢ち―――」
雪玉をぶつける相手に言い放つ。その荒々しい声に反応して振り返るのは美しいブロンドヘアーの少女、沢近愛理!…だったはずなのだが…
「あ、麻生先輩!?」
―――沢近愛理が立っているハズの空間にいる少女。
それは、愛理と同じ金髪の英国娘、バイト先の同僚で1年後輩のサラ・アディエマスであった。当然、隣にいたのは一緒に見学していた塚本八雲。
「な!? お前がなんでここにっ…!」
気づいた頃には、『時、既に遅し』。麻生の手を離れた雪玉は、寸分のズレもなく、確実にターゲットの頭部へ向かって飛び去っていた。
この後の面倒が頭に浮かんできた麻生の瞳には、その光景が妙にスローにみえたという…(後日談)
グシャ。
―――実は、敵を探して彷徨い歩いていた麻生はいつの間にか、ゲーム開始時にチーム分けなどをしたフィールドの中央付近まで来てしまっていたのだった。
それで、フィールド中央にいた見学者、サラ&八雲の2人を発見したのである。
「………」
「………」
「…さて。どーゆーつもりなんですか麻生先輩!? いきなり私の頭に雪玉をぶつけてくるなんて!!」
しばらく続いた気まずい空気の中、サラはそう切り出した。当然怒っている。まあ、彼女の人柄ゆえか、それほど迫力はないのだが。
「まあ、その… すまなかったな」
「『すまなかった』じゃないですよ! 一体どーゆーことなのか、ちゃんと説明して下さい!!」
膨れた顔で麻生に詰め寄る。
「いや…敵を探して歩いている最中にチラッと金髪が見えたから、沢近だと思ってな。」
包み隠さず、本当のことを話した麻生。だが、この言葉によりサラの怒りのボルテージはさらに上昇したようだ。
「むぅ〜!! しかも私を他の女の子と見間違えるなんて! 先輩ヒドすぎです!! サイテーですよ!」
激しく感情を出すサラ。横で見ている八雲はオロオロしている。普段、仲の良い八雲ですら、こんな感情を表に出すサラは見たことがない。
止めたくても止められない、といった感じだろうか。
「仕方ないだろ。見間違えちまったんだから。…悪かったな」
「そーゆー問題じゃありません! 乙女心が全っっ然分かってないです!!」
何をいっても収まらないサラの怒りに、麻生はため息を出すしかなかった。
(ちゃんと謝ってんのに、どーすりゃいいんだ…? つーか、そんなに怒ることか?)
上目使いで睨んでくるサラ。しばらく機嫌は直りそうもない。
―――こういうときは素直に謝るしかない、か…
「その…ホントに悪かったって思ってるよ。ゴメンな」
麻生は、サラの頭についた雪を、優しく手で払ってやりながら言った。
その麻生の行動に少し動揺を見せたサラだったが、すぐに先程と同じように睨んでくる。
「…もう2度としませんか?」
真摯な麻生の言葉で少しは怒りが収まったのか、サラは麻生の目を見ていった。
「もう2度とさっきみたいなことしないって、約束してくれますか…?」
「ん?…ああ。いきなり雪玉をぶつけたりなんか、2度としない」
―――もうこんなに騒がれるのも面倒だしな。
なんとか機嫌が直りそうな様子に、麻生は軽く答えたのだが、サラは、
「そうじゃありません! 私が言いたいのは、『もう2度と、私を他の女の子と見間違えないで下さい』ってことです!!」
と、激しい口調で言い返した。…少しだけ赤くなりながら。
「他の人と間違えられたくなんて、ないです…」
「………」
(見間違えたから雪玉をぶつけちまったんだから、結局はどっちでも同じだと思うんだが…?)
なんだかよく分からない麻生だったが、サラの真剣な雰囲気に、
「あ、ああ。次からはもう間違えないようにする。約束する」
と答えたのだった。
それでもしばらくは、疑っているような瞳で麻生を見つめていたサラだったが、やがて信用したのか、
「約束ですよ…? 絶対ですからね!」
と、いつも通りの満面の笑みを麻生に見せたのだった。
(結局、コイツはなんで怒ってたんだ? あんなに怒ってたと思ったら、やけにアッサリ機嫌直すし。
…相変わらず、変なヤツだ。―――まあ怒っているコイツよりは、今みたいに笑ってるほうがいいとは思うがな)
サラの笑顔で、なぜか心が温かくなるように感じる麻生。
結局よく分かっていなかった麻生だったが、とりあえずサラが機嫌を直してくれたことに一安心したのだった。
(しかし、結局また敵を発見できなかったワケだな…)
やっとターゲットを見つけたと思い、綿密に作戦まで練ったが、その挙句に人違い。しかもサラには怒られる。
精神的疲労が溜まっただけであった。これでは麻生でなくともため息の一つもつきたくなるだろう。
そんな麻生を見て、すっかり機嫌を直したサラが麻生に尋ねてきた。
「ところで先輩、こんなところにいていいんですか? まだやられてないんでしょう?」
ここはフィールドの中央。人目につきやすい場所だ。脱落していない麻生にとっては危険なこの場所に、なぜいつまでもいるのか、サラには分からなかったのだ。
「まあ、確かにまだ落とされてない…と言うか、まだ一度も敵に会ってないんだが」
「へぇ〜、そうだったんですか。何人か失格になった人がいるみたいだから、てっきり麻生先輩も頑張ってるのかと思ってました」
「俺だってどうせなら頑張りたいんだがな…」
またため息をつく麻生。それから少し考えた後、つぶやいた。
「この際、ここで敵を待ってたほうがいいかもしれないな…」
確かにここだと目立ちすぎるため自分は不利になるが、このまま敵を発見できないよりはその方がずっといい。麻生はそう考えたのだった。
「ホントですか先輩!? ここにいてくれるんですか?」
それを聞いたサラが嬉しそうな声で麻生に尋ねる。
「ああ。ここなら敵のほうから見つけてくれるだろうしな。…って、なんでそんなに嬉しそうなんだ、お前は?」
麻生が不審そうな目―――先程さんざん怒られたから―――でサラを見る。
なぜ自分がここにいることでコイツが喜ぶのか? 麻生にはそれが理解できなかった。
「だって、先輩が一緒にいたほうが楽しいに決まってるじゃないですか♪」
麻生は自分のことを、我ながら無愛想な人間だ、と思っている。自分のような奴と一緒にいて何が楽しいのか?―――分からない。
「…お前、やっぱり変わったヤツだ」
「む〜。そんなことありませんよーだ!!」
麻生はそういうと、むくれるサラに構わず、しゃがみこんで雪玉を作り始めた。…前に作った玉はサラに誤爆させてしまったので。
「そういえば…」
ふと、2人のやりとりを少し微笑みながら眺めていた八雲を見て思い出した。
「ところで、塚本さん。さっき風邪気味だって言ってたが、大丈夫なのか?」
「え? ええと…」
急に会話を振られたので驚いた八雲。実は仮病でした、ともいいづらい。
「だ、大丈夫です…風邪気味って言っても少しだけですから…」
と、結局、ゲーム開始前に花井に言ったのと同じように答えた。
「そうか。大丈夫ならいいが…」
本人が大丈夫というのなら大丈夫だろう、と思い、雪玉作りを再開しようとした麻生だったが…
「…クシュン!!」
タイミングよく(悪く?)八雲がクシャミをした。…なんだかバツの悪そうな顔をしている。
本当は風邪などひいていないのだから、今のクシャミは偶然のものだ。誰だって、クシャミくらいたまには出るだろう。八雲には、それが『絶妙のタイミングで今』だったのだ。
「…よかったら、上着貸そうか?」
気を使って言った麻生だったが、それは更に八雲を困らせる。。
「いえ…! 本当に大丈夫です…」
「でも今、クシャミを…」
「い、今のは偶然で…」
「風邪気味なんだから、偶然じゃないかも知れないだろう?」
「えっと、それはそうなんですけど…」
「ならやっぱり上着を」
「い、いえ、大丈夫ですから…」
放っておけば延々と続きそうな2人の会話。困り果てていた八雲は、サラに懇願の瞳を向けた。助けてくれ、と。
その八雲の瞳の意味にサラは気づいたのだろう。
(仕方ないなぁ、八雲も麻生先輩も)
それまで楽しそうに2人の様子を見ていたサラは、少し笑いながら二人の会話に口を挟もうとした、その時だった。
「…ゴホン! 麻生先輩? なんだか八雲には随分と優しい気が―――」
「麻生くーん、覚悟〜!!!!!!」
八雲とのやりとりに気をとられ、完全に周囲の警戒を怠っていた麻生の背後から、ある少女がけたたましい掛け声とともに奇襲を掛けてきたのだった。
白く染められた大地を蹴り、麻生に向かって疾走してくる少女。腕には山ほどの雪玉を抱えている。
油断していた麻生。完全に反応が遅れた。このままでは確実にやられる!
「クッ、しまった!?」
「あ、危ない、麻生先輩!!」
麻生に迫る敵の影。麻生広義は、この危機を乗り越えることができるのであろうか…!?
以上です。まだ続くと思います。
もっと短くまとめられたらいいんですけどね…(泣)
長々と駄文、失礼しました。
ではオヤスミナサイ
>>800 リアルタイムで読ませてもらいました〜。GJです!
続きがどんどん楽しみになるなぁ。
802 :
Classical名無しさん:04/12/04 02:43 ID:12ed0Vhg
>>800 乙〜
僕はあなたにとても感謝している(現在進行形)
よくぞ続きを書く気になってくれた!!
続きにめっちゃ期待
>>800 よーやっと全部纏め読み終わりました。
面白いんだけど本編サバゲでの烏丸のカコよさを見た後だけに
彼の扱いに不満が残ります。って、こんなこと言っても
仕方ないんでしょうけど。
そういや本編だと奴は麻生と沢近(と菅)を瞬殺してるんだよね、凄。
あと40KBほどですな。 IF16はあまり埋まってないし
806 :
らくえん:04/12/04 11:43 ID:w3ob40oU
――その一晩で、街は月世界だった。
『 らくえん 』
〜 The beautiful Memory, The beautiful Reality, The beautiful World. 〜
「せーんぱーい、外行きましょうよ」
「……非生産的なことは嫌いなんだよ」
目の前で両手を腰にあて、絵に描いたようなポーズで口をとがらせる少女――笹倉葉子に対して、
こたつにかじりついたままの少女――刑部絃子はもごもごと反論を試みる。
「そんなこと言ってたら、バンドだってそうじゃないですか」
「ロックっていうのはそういうものなんだよ……」
「じゃあ私の絵はどうなるんですか?」
む、と言葉に詰まる絃子を見て、葉子はここぞとばかりにたたみかける。
「『意味のあるなしじゃない、君は描きたいんだろう? なら描けばいい。それだけのことだよ』」
誰の話でしたっけ、とわざとらしく小首さえ傾げてみせる。返す言葉の見つからない絃子は、
しばらく黙り込んでいたが、やがてぽつりと呟く。
「――寒いじゃないか」
「――寒いじゃないか」
まったく同様にそれを繰り返したあとで。
「じゃないですよっ!」
常日頃からふわふわとした空気をまとっている彼女にしては珍しく、大きな声をあげる。
「見て下さいよほら!」
あー、という絃子の声も聞かず、窓を開け放つ。広がるのは白銀の世界と青い空。
即ち。
807 :
らくえん:04/12/04 11:43 ID:w3ob40oU
「いーとーこーっ!」
「あら」
「……む」
第三者の登場、である。
その声を聞いて微笑む葉子、顔をしかめる絃子。そんな両極端の反応を引き起こした声の主は、
勢い込んで駆け込んでくる。
「すっげー積もってんだ、早く行こうぜ!」
どこに、も、なにを、もない。ただ満面の笑みで、少年――播磨拳児はそう言った。
「そうだよね、拳児君は私の味方だもんね」
「ん? どうかしたの、葉子姉ちゃん」
「……なんでもないから気にするな。まったく、こうくるとはね……」
ぶつぶつと呟きつつも立ち上がる絃子。ん、と伸びをして、軽く頬を叩いたその顔は、つい今まで
外に出るのを渋っていたようには見えないものになっている。
結局のところ、これは彼女にしても葉子にしても結果の見えている中での一種のゲーム。それが伏兵の
存在であっさりと勝敗がついてしまった、そんな話で。
「んじゃ先行ってるぜ!」
入ってきたときと同様、疾風のように去っていく拳児を苦笑混じりに見送りつつ、残された二人も
外へと向かう。玄関から一歩踏み出せば、そこに広がるのはただ二色の色彩。
蒼天は澄み渡り、銀世界はどこまでも続き――
808 :
らくえん:04/12/04 11:44 ID:w3ob40oU
――そして、時は過ぎる。
一人ベランダでたたずむのは、現在の刑部絃子その人。
「すべて今は昔、か。あの日に帰りたい……なんて歳じゃないはずなんだけどね」
ぼやきつつ、隣の部屋へと目をやれば、そろそろ昼も近いというのに、カーテンは未だ閉じられたまま。
どうやらその主はまだまだ惰眠をむさぼっているらしい。
『いーとーこーっ!』
やかましいほどにはしゃぎまわっていた、あの日の少年はもういない。様々なことが時とともにゆっくり
と変わっていく。
「いつまでもそのまま、なんてのも困るんだけどね。それに」
ふっ、と小さく笑って、手にした携帯に目を落とす。表示されているのは、先程受信した一通のメール。
『雪ですよ、絃子さん』
差出人はいうまでもない。
「変わらないものだってある」
記憶も現実も、変わろうと変わるまいと、すべては同じ世界の中での出来事。だったらそれで十分過ぎる
ほどだ、と絃子は微笑む。
――そう、おしなべてこの世は全て『楽園』、だ。
「さて、それじゃ行こうか」
そこに広がっているのは、あの日とは違う、けれど同じ蒼天と白銀の世界――
―――― The Memory is beautiful, and The Reality is beautiful, so The World is beautiful.
>>801 >>802 >>803 感想ありがとうございました!
実は、自分は単行本で読んでるのでマガジンは読んでいません。
本編でサバゲーをやっているという話を聞いているだけなので、烏丸の活躍とかは知らないんです。ゴメンナサイ
毎週読んでいない自分が悪いのですが、何卒ご容赦ください。
>>808 GJ!
綺麗に終わったなぁ。
葉子さんは変わらないですね。(・∀・)イイ!
ゲヒャヒャヒャヒャ(`Д´)
>>808 GJ!
二人の過去話は良いですねー。
上手い!
815 :
Classical名無しさん:04/12/04 16:11 ID:12ed0Vhg
>>809 荒らしの言葉は気にせずどんどん書いてくれ!
↑坊や、何がお望みナノ?
沢近はニーソを履くべきだ
819 :
Classical名無しさん:04/12/05 00:00 ID:Faj0UnQM
ついに今日はスクランライブだ〜!
おまん○〜!!
絃「葉子、また2ちゃんねるか。そこに書いてある事を普通に信じるのか。全く幸せだな、君は」
葉「あ、ひどーい。私だって全部が全部信じませよ。例えば、これ。『親戚の子と恋人になる、
結婚する方法をおしえるよ』だって。変なのw
絃「ちょっと変わろうか」
ワロタw
葉子さん2チャンネラーなのか。嫌だなw
葉「『笹倉展( ゚Д゚)ウマー。キュビズム(・∀・)イイ!!』……と」
絃「自演乙、葉者」
葉「絃者、これで客もたくさんきますよ」
絃「だといいがな」
流れを無視して、
>>549氏と今週号読んで思いついたガンダムSEEDネタ投下します。
SEEDネタって言うか、今号シチュエーションがアレだったんで思いついたんですけど、むしろ本編のIFな感じでSS書きました。
つまらなさそうとか、元ネタありは嫌とか、っていうかそもそも種自体が(ry
って人はIDをNG登録おながいします。あと今週号(1号)のネタバレも含んでいます。まだ読んでない人は気をつけてください。
舞台は今号の最終コマから。
矢神高校、屋上――。
「許してくれなんて言ったか?」
月を背にポーズを決める播磨。
「貴様…どこまでも!」
ギリッ……。
歯噛みする花井。
播磨に合わせサイドアームの拳銃を手に取り、弾倉を確認する。
眼前の敵を睨みつける。サングラスの所為で相変わらず表情は読めない。
(…美コちゃん)
かつての自分、弱かった自分。
彼女のようにあろうと誓ったあの日が、花井の胸に昨日のことの如く蘇る。
美コちゃんが今の自分にとっての原点であり、「正義」の象徴だ。
「…それを…!」
それをこの男は踏みにじったのだ、目の前で!
銃把を握る手にも力が入る。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
花井の咆哮が合図となった。
ダンッ!
ほぼ同時に地を蹴り、両者の距離が一瞬にして縮まる。
パパン!
すれ違いざまの射撃。
しかし、射線はお互いの体を外れ、弾丸は夜の闇に吸い込まれていく。
「チィ!」
歯噛みする花井。
すぐさま体勢を立て直し、播磨へと銃口を向ける――。
「!?」
だが、もう人の影はなかった。
かわりに背後から叩きつけられる殺気。
「!!」
パァン!
銃声。
「うっ!」
弾丸が頬を通り過ぎた。しかし命中はしていない。
花井は振り向きざまに一発射撃する。
それは難なくかわされたが、体を立て直すには充分な時間を得た。
播磨が撃ち、花井も応戦する。二人の動きは止まる事はなく時間が過ぎていく。
跳弾が花井の頬をかすめる、しかし怯むことなくトリガーを引く花井。
パパンッ! パァン! パンッ!
やがて二人の動きが同時に止まった。
「「……!」」
弾切れだ。
播磨は空の弾倉を捨て、新しくカートリッジを入れ替える。
「……やるじゃねぇか」
皮肉を込めた播磨の笑み。
しかし花井は、黙して何も語らなかった。
既に戦闘の収束した喫茶店軍本陣。
ピリリリリリッ……。
無機質な携帯電話の着信音が響く。
「失礼」
高野晶が携帯電話を開く。
届いたメールの本文を、天満と烏丸両方に届くよう音読する。
「……屋上で雌雄を決する最終決戦が始まったそうだよ。生き残った戦士は…花井君と播磨君だそうだ」
ぴくん!
「花井君と播磨君が……」
コク、と無言で肯定する晶。
「……」
ダッ!!
一瞬のとまどいの後、一気に廊下へと駆け出す天満。
「塚本さん」
ぴょこん!
烏丸の声を感知したかのように天満のアンテナが動く。
「…止めないで、烏丸君」
ぽつり、と天満。
「播磨君を助けなきゃ…! 播磨君が負けちゃったら、今までやられたみんなの思いが、烏丸君の決意が、みんなムダになっちゃうんだよ……だから!」
スゥ、と深呼吸する。
「止めないで。烏丸君」
想い人へ、少しの覚悟と少しの勇気を秘めた瞳で告げる少女。
一歩足を踏み出す。勢いをつけて、彼女は迷いなく屋上へと駆けていった。
「…………」
「…………屋上ね」
ぼそっと、晶。
そして、烏丸はついぞ天満に「襟元の糸ほつれてるよ」という忠告は告げられなかった。
「播磨ァァ――――!!」
「うおおお…っ!」
いまだ激しい銃撃戦が続く屋上。
「キサマが周防を! …周防を殺したァァ!!」
「死んでね、っつの!」
激昂する花井の驚異的な戦闘力に圧される播磨。
(…ッそ! このままじゃジリ貧だ…!)
心中で毒づく。
こちらが引き金を引けば既に花井の姿はなく、体勢を崩せばすぐに敵弾が飛んでくる。
もはやいつ撃墜されてもおかしくない状況におかれている播磨。
今の彼には常に照準に捉えられないよう逃げ回る事しかできない。
その時。
バァン!
勢いよく開け放たれる屋上の扉。
「播磨くんっ!」
そこに、塚本天満の姿があった。
「天――塚本っ!?」
これは運命か。自然と播磨の顔が綻ぶ。
「助けに来たよ!!」
パンッ! パンッ! パンッ!
と、銃を乱射する天満。
(助けに――? マズイ!)
播磨は天満が銃を向けている相手が誰なのかを思い出した。
質実剛健、2−C歴戦の勇士。花井春樹だ。
「天満ちゃん! ダメだっ、来るな!!」
とっさに叫ぶ播磨。
オンドゥルルラギッタンディスカー!!
「チッ!」
舌打ちして、銃口を天満に向ける花井。
そこからの出来事は、播磨にはスローモーションに感じられた。
パァ…ン…ッ!
引き金を引く花井。
銃弾はまっすぐ天満の元へと引き寄せられる。
「あ……っ!」
そんな天満の最期の悲鳴を聞いたような気がする。
ゆっくりと屋上のコンクリートへと傾く天満。
「あ……あぁ…あ……あ…!」
声にならない悲鳴を上げる播磨。
ドサァ、と地面に倒れ伏す少女。
「天満ちゃんッ!!」
ズル…。
播磨のサングラスがズリ落ちる。
「…………」
「…………」
沈黙が二人を包み、月だけが彼らの動向を見守る。。
「……くぅ……ッ!!」
ギン! と眼光鋭く花井を睨みつける播磨。
パキィン!
播磨のサングラスが地に落ち、弾ける!
「メェガネ゛ェェェエ゛エ゛ェェ!!」
まさにそれが合図になったかのような獣の如き絶叫。跳躍。
力いっぱい仇敵の名を……名ではないが叫び、一発花井の顔面に撃ちこむ!
ビシ!
「ぐ!」
幸いサングラスが銃弾を引き受け、大事には至らなかった。
しかし、播磨はそのまま勢いを活かし花井の顔に上履きをメリ込ませる!
ドゴォ!
「ぐうぅ…っ!」
播磨の飛び蹴りを受け、端正な顔立ちを歪ませる花井。
体勢を立て直す為、一旦後ろに跳ぶ。
(キサマがどんな傷を負おうが!)
一瞬浮かぶ在りし日の美琴の笑顔。
「僕が……!」
鬼気迫る播磨の顔をターゲットに捉える!
「お前を討つ!!」
パリィン!
花井のサングラスがコンクリートを跳ね、砕ける!
パン! パパンッ! パンパンッ! パァン!!
再び始まる凄絶な撃ち合い。
花井の肩に、腕に、播磨の銃弾が食い込む。
しかし花井は拳銃のトリガーを休むことなく引き続け、殺意の雨を播磨に降らす。
だが播磨は怯まない。たとえ脚に、胸に花井の銃弾が突き刺さろうとも、退けぬ訳がある!
「メガネェェェェェェ!!」
「播磨ァァァァァァァ!!」
月に吼える二人の漢。
カチッ!
「!」
播磨の片方の銃が沈黙した。そこに生まれたスキを逃さんと、地を蹴り距離を詰める!
花井は一気に肉迫し播磨の鳩尾に銃を突きつけた!
「ぐっ!」
ニヤリ……。
口の端を歪め、指をかけたトリガーに力を込める…!
カチッ!
「…ッ!」
カチッ! カチッカチッ!
何度もトリガーを引く。しかし、弾丸がバレルを通る事はなかった。
弾切れ。その現実を突きつけられた花井は歯噛みする。
「…く……チィッ!」
ガシャン!
何を思ったか花井は突然銃を捨てた。
「えっ!?」
おもわず漏れる播磨の呟き。
そして花井は固く拳を握り締め、播磨の顔を――!
バチッ!
「ぐわっ!?」
――殴れなかった。
ドサッと音を立てて崩れ落ちた花井の変わりに現れたのは、高野晶だった。
「…………」
……片手にスタンガンを持って。
「………えっと…」
状況がつかめず困り果てている播磨に、晶は一言こう告げた。
「ジャッジメント」
ジャッジメント。確か裁きだとか審判とかそんな意味の言葉だったはずだ。
「花井君が体に弾を受けたのにそのまま戦闘を続行した。だからジャッジメント」
あー、そっか。と納得しかけて、播磨はあることに気付く。
「……じゃあその場で止めりゃあよかったじゃねえか。だいたいお前、いつから……」
んー、と唇に人差し指を当て、
「おもしろかったから」
「……」
絶句する播磨。
ピリリリリリリ…。
「…!」
再び鳴る携帯電話の電子音。晶は携帯電話を開く。
「もしもし。…ええ。たった今、全ての戦闘が終了しました。……ええ。楽しみにしておいてください」
パチン。
「さて、これから放送室にいかなきゃね。キミはカレを連れて教室へ」
ぴっ、と花井のなきがらを指差す晶。
そして、同じく戦死していた天満を連れ校舎の中に消えていく。
「………どうすりゃいいんだ」
対花井戦により昂ぶった感情の捌け口を失い、しばらく自失する播磨だった。
後にこの戦いの戦績には、こう記されることになる。
――花井の自爆と。
後日。
『美コちゃ――――ん!!!』
『キサマが周防を! …周防を殺したァァ!!』
『僕が……! お前を討つ!!』
高野晶サバゲーベストセレクションが上映され、花井春樹は多大な拍手とひやかしと、周防美琴のイジメを貰ったそうだが、
それはまた別の話。
というわけでスレ汚し失礼しました。
最初はほんの小ネタのつもりだったんですが、思いのほか長引きました。
楽しかったから満足です。でも正直ドキドキもんですわ。いいのかな、コレ!?
おもしろかったよ。
いい感じ。
上に同じく、素直に良い感じ。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
835>GJ!播磨も花井もカッコいかったです。。。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
_,. -─- 、
/ `ヽ
, ' ヽ
/ ! | lvi| !l l l . ヘ
| l | | | l !_| | | | l.....|
| l lv什卅 レ井ミ/| |、:|
lハ l、 | ト::| ト:;;;iY |ノ:/
ヾ、| ゞ' ゞ'"! l:/
|\ `ー ,ィ ,化ニヽ
| |`ー=彳| :公ー シ
/::l |-'7:;: ::| :/ ヾ'"`ヽ
/: : :ヘ |/: :;: // : l:: : : :
./: : : : ∧|: : : : レ:| : : : |: :: : :
/ :: :::/ 〈∧,. っ./ : : :/: : : :
.〈 : : / ///ノ: : : / : : : :
__
_,,r‐ゞ、ヽ,r‐z_
_,r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.、
,r":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ
i:.:.:.:.:.:.:._:.:.:;_:.、ヾヾ:ヾ:、:.;,;,:`、
!:i:.:i:.:i:.:.!`'’ l:.ヾヾ:ヾ:.!ヽ;,;,;,ヽ
!:l:.:.!:.:l:.:.! !:.:l:.:.!:.;N:.:.!r、;,ド
l:.!:.:ト、:ト、! V´!。ヽ`!:.:!カ ,!
`入! fヽヽ、__,l `ー'’!.:.:レ/
__ _,,.-''´ >、 `ー' l ` ‐--'’!:.:l;,l
_,r''¨r‐'¨ ー'′ ヽ_,ノ` ‐''フ /l.:,!,;!
_,,,,,,_,r''´: : : :! _,,r‐''''┬'''i’ `ヽ、 __,/ レ''V____
,r''´: ;r'´ : : : : : : ! _,r'i´! ヾ;! ,r'''i _,,r`´: :`、
. l: : : '’: : : : : : : : :l'´:.:.:!:l¨'i''¨'''┬‐‐‐'7’ /、 , /: : : : : : ;rヽ、
. ! : : : : : : : : : : : : l:.:.:.:.l l:、 ヽ: : :l: : /7’: :! /: : : : _;r''´: : : :ヽ
/: : : : : : : : : : : : : l.:.:.:.:.!:l :ヽ :ヽ :l;/ i: : : :レ': : : : ;r'´ : : : : : : : : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : ヽ.:.:.:l l: : :ヽ: :/ : l: : :/: : : : :/: : : :,' : /: : : : : : :l
`、: : : : : : : : : : : : : : `ー' !: : : : :l‐:- !: / : : : :/,; - -、: :/: : : : :_,; : :!
!:、 : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : :!:.:.:.:レ:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:! :!: : : /: : : :l
! : ` 、 : : : : : : : : : :/:l¨''‐-:.;,__!___l______/__.:.:.:.:.:.:.:.V_,;/ : : : : : !
!: : : : : : : : : : : : : : : :l l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ̄ ̄ ̄l: : : : : : : : : :l、
ヽ : : : : : : : : : : : : : : ! !:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/: : :/ : : : : : :.!:;l
`ヽ、: : : : : : : : : : l !:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/: : :/ : : : : : : :!:;:;!
`ヽ、: : : : : : : / !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/: : :/: : : : : : : :l:;:;:;:!
`ヽ、:___:/ /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/: : / : : :.イ : : : l:;:;:;:;:;!
!、____;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;! /: :,//: : : : :!;:;:;/
/ : : :  ̄ ̄ ̄¨/: /_;/ : : : : l;,;/
/¨''‐--:.;,;,;,;_;r': ://: : : : : : : :/:;:;\
! : : : : : : : : : !:/;/ : : : : : : : : /:;:;:;:;:;:;`、
! : : : : : : : : :/´: : : : : : : : : : : /:!;:;:;:;:;:;r'''’
! : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : :/ : !___;ノ
!: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : !
_,r-.、__,,,r‐'''ヽ、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:,;.:.:\
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:ヽ:.:.ヽ;,;,:.:,;,ヽ、
!:.:.:.:.:.:.;、r、ヽ:ヾヾヾ.:ヽ:.ヽ;,;,:.;,、:.l
. !:.:i:.i;.:.iヾ ヾヾヾ、ヾ-、ト、:ヽ;,_;,ヽ!
!:.l:.:l;,:.l、ヽ ヾ,!ヾ!ヽ。 ,! !:.:.:!7ヾl
ヾ!、ヾ、!ゞ、! `ー'’ !:.:.:.:!/,!l
ヾヾ ヽヽ __ !:.:.:.:l/;/
7:ヽ`¨ ' r'´ ヽ l:.i:.:.:!ヾ!
l:.:.:.:i`ヽ、`ー-''′ !:l;.:.l,,r''¨ヽ _,r‐‐‐‐--..,__
l:i:.:.:! `ー-i'''´ir!ヾ! _,,ヾ`''´/ ,r‐''¨ ̄
V!:.:! i''i¨´ ,r'''´,r' / / ̄¨¨ヾ、
ヾ! _,,,..---┘' - '' ¨/ /::::::i'´::::`、`.、
/´::::l, ,l、 ' /::::::::!::::::::::::`::、ヽ
/::/:::;f´ /::::\ /::::::::::::l::::::::::::::::::::`:ヽ
i::::!::/ /:::::::::::::::`、 /:::::::::::;;i;;:l:::::::::::::::::::::::::::::\
!:l:/ /:::::::::::::::::::::::::`、/:::::::::::::;;;;V;;;;;::::::::::::::::::::::::::
ソ:'´::::::::::::::::::::_;;;-;''''¨¨'';;-;;;_::;;;;;;!、;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::`:、:\
!;´;`;;'';;--;;;'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!ヾ、;;;;;;;`;、::::::::::::::::::::`:、;\
!;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l \;;;;;;`、:::::::::::::::::::::`::、;\
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;/ \;;;;`;、::::;;:::::::::::::::::`;ヾ!
!:;;;::::::::::::::l;;;::::::::::;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;/ `ヾ、ヽ::;;;;;::::::::::::::::::::`ヽ、
l::i::::::::::::::::::!:::::::::::::::;;;;;;;;;;!;/ ヾ、:;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::\
//::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::;;;;;;;ヾ;、 `、;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::\
!:::::::::::::::::::::::::::::!::::::;::::::::::;;;;;;;;;;;;;〉 ヾ、;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::;;;::::::::;;;;;;;;;;;! `、;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::\
r‐''7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::;;;;;;:;;;;;;;;;;`、 \;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::
,r'''''''‐--.,_ _,r‐'´;,;.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
/ ::: l;,:.:.:.:,;,:.:.:.:.;,:,;,;.:.:,;.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 ___,,,,,,,,_
/ :::. l,;,;,:.:,;,:.:.:.:.:.:.:.:.;,;,;,;,;,;:.:.:.:.:.:.;,;l _,r'''´ :::`、
/: ::::. ...:::::l;,;,;,;/;,:/:.:,r:/:.:.;r、;,;ri.:.:.:.:.:.;,l _,r‐''´ ..:::: .. ::`、
l::: :::: :::::::::l;,;,/,;,/;///,;.:./ v !i:.:i:.:.:.:.;! / :::/ ...:::::: :ヽ
!: ::: ::. :::::l,;,!,;,;!;////;,;/ l:l:.:.!:.:.:i;,;!-'" ..::::: /.:: .:ヽ
!: :: ::: :::l;,;,VレレレレV!l !;!.:.l:.:.:.:!;,! .. ::::::/:::. .:::::;!
!: : .::: ..:::l;,;,;i´!:::::。ト、 l,! _,レレ'!:.:/レ..::::/ ,,r' ::: .:::::/
!: :::. :: :::: .::::::l;,;,;,l 、!_,ノ ! /:/7 /レ'::.:::::/ ,r''¨ .::::/′
l:: :::: .:: ::::::::;':!l,;,;i;lヽ ヽヽ ノ‐,' ー' /;,l::::::::/ _/..:: ...: :::/
!: :::::::: :::::;:'::l_!;,;,!l `ー'''’_ ゝ、_/ノ,;!:::_/,/ .::: ..:: .::: .::/
l :::::::: ..::;:'::::l_,,!;,;l;!` 、 `ー′/l;,;,l;/''´ : .:: .:::::: .:::::/
! ::::::: :::;':::: l ヽ,;!! `ー┬''´ l:.:/l!:: .: .:::::: ..: ..::::/
l ::::::...:;':::: ! ヾ! /!`ーr'''レ'.::::: .:: .:::;:':..::....::::/
! .::: ::::::::::..:;:'l'i `、ー 、 ー入 ヾヽ! ::i .:: .: .::;:':::::::::;/
! ::: .::::::::::;':/:;:l'i `ヽ、__,/_ `、ヽ :! .::: .:;:'::::::;/
__
,. -‐  ̄ `ヽ
,.-‐イ \
/ ヘ
/ / ヽヽヽ ヾ
// rv/゙ヽヽヽヽ ヽヽヽ Vゝ
/ i ヽヽヽヽメハ ヘ iヾ
// | | i ヽY ヽV_Vハ ト
/イ i l i | f rこ ハ | ij
リ| ヽ ',ハ Li-サ __ { ヽゝj_ソ i! |
|i ヽ ヽ/「リィ=テ、 Y´ヽ ノ ! |
|ト ヽ ヽ ヘ /ヽう } i `  ̄ i| ト、
iiヽ ヽ ヽ| ヽ`ゝ_ ソ ,ノ ' /| リ `¨¬,┬- .,
丶ヽヽ | `弋‐-‐´ -‐ , ' jノ |;:|  ̄ 丶
`゙`゙`i | ヽ._____ / |;:| \
/ ', ', |;|` :.. .: |;:| \
/ ヽ、 ', |;! ` . .: ,. -‐ |;:| \
/ ヽj }} |:;| \
/ ': || |;:| 「`ヽ.
_ -‐ー―‐- ,
/ ヽ
/ __ ヽ
イ r '  ̄__  ̄ ¬ ',
/ | L-‐Tハヽヽ `' ‐-., | i }
/ | i i ii i ヽヽヽヽヽ ! ! i
. / i | i7ナi iヽヽヽ」レ7i | |
i | レス兀j} i! ヽfj了ラ| ! i
i ! i | ` ´ ` ´ ! | i i
| | ! iヽ. `_ _ / i |
| | |! i ; :iヽ. ,. ィ! i ii
| | ii ', : ; :.`iー ´ // i i |i
', ! |i_.ゝイ ̄L___//,' i | i |
', | |i レ´¨)! /// /へ、 ',i
ヽ | |i /⌒f´ /// / _,\ ゝ、
i ! !i / i / / , ' i!}ハヽ
/! i/ | ,' / 1ヽヽ
/ | ! / i / / | i
{ ヽゝ / ! i Y |i i
i! / / |i! i | ', l
ハ | / 从 i | ハ !
〈__」: レ ' :, ハ ,' ∩i! ヘi
__,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_
,∠,,,,,,_ ヾ;:::::::::`ヽ、
. ,r'r'::/!:!:::i`.、 ヾ:::::::::::`.、
. /,f´::/ i::i::::i;:::i:`.、 .i::::::::::::::::`,
レi::::/ _!;ii;;;;i;::i::::::`i':::::::::::::::::::i
. i;:;!! ´ ゞ-ゝゞ!:::::::i;;;::::::::::::::::::!
'ノ ,_i,__ノ7ー:::;i'''''i::::::::::::::::i,
`、 , , !::::;:::!'´ i;::::::::::::::::!
. iヽ .,!::::;::i_,/:::::::::::::::::i,
. ,r‐-ゝ、___ .,!::::;;:;!i;;;;;;;:::::::::::::::::::i,
__,r''''<''''''''´ ニ_ヾ.i:::::!.,!::::;;i:;! i;;;;;;;;::::::::::::::::::i,
. ,/ ト;.:.ヽ;.:ヽ____,,`、 ヽ!;;;;i.,!::::;i'/,,r''''''i;;;::;;::;;::::::::::'i,
,/ i、`ヽ;.:.ヽ/_,,,>--v,''´./:::/レ´:.:.:.:.:.:`、:;;::;;::::::::::::i,
,/ ´/´/:.!:.:.:./_,,,i:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,;,;`、::;;::::::::'i;:i,
/ ,/ .i/:.:i.:.:././.:..レ.:,;,;.-‐:.:'''''';,r―‐'i:;;;;::::i;::i;:i,
r' ,/ _,,,,7;,;ヽ;レ'-:‐:':´.:.:.:.:.:,r','´ _ , , , ,i;;:;;;i;:::i;::i;:i,
. i ,レ":,;r‐f''''7'''''ー-;,;,;,;,;//-.'.´ / !;;;;;;;i;;::i;::ii;:!
. i ,,/:.:.:.:.:.:.;rヾ,;i,;.:`ヽ:.:.`、 / _,r' ./::i;;;;;'i;;:i.V i;!
. i,  ̄'''''''コ ヾ;.:.:.:.:.:.`、 ,r '´ .イ;;;ii;;;;;!'V
__
, '´ ̄ ̄ `丶、, -───‐- 、
/ ,. '" `ヽ、
/ / `ヽ \_
/ / / ∧ \ ヽ \ト、
/ イ イ / l ト l l | l )
/イ フト、/ l l\ _ト_ | ! 彡|イ
ハッ l/| l /ヽ l` ヽ l '´ヽ! \ ! ! /| |
/ | |トf-.-! ヽ〒.-.-┬| | /// )
/ ヽヽ \ ト、l !:::C !::::::::C | ト、ノ/く
(__ _ < ! T `ー' `ー‐'´| |` }/_ノ
/ | l 〃" "〃 イ / ノT
フ ト、 ト、 _ u ノ/ /<`ー'
\ ⌒j ヽトl`丶、_ (、 ヽ_,. ..::'"l /:::::ヽ
ヽ / T ̄ _ト、:/イヽ::::::::',
', jイ´L '´ ヽ::| L:_:::」
き ヽ , ' ´/ ィ´:} /`丶、
ゅ / / j/:::Τ:ヽ / ヽ
る └ 、 イ //::::イ |::::::ヽ/ / ヽ
る | /l /<:_:::::/! |:!:::::::::> / ',
る `l / ィ 7:::l !:`T´ イ l
ヽ_ / | /:::::| |::::| |
ヽ `ー' └ '
,. - - 、
〃´⌒V
|| /`ヽ ∧
ij __ __ _i i/ ヽ
, ´ \ / 〉
/ ヽ /
, ' ヽ く/´i
. / / i、 、 ト、 、ヽーi V|
レ1 ! i ∧\ \i \ \ー > ´ ヽ
レ'i iN○\i\j ○ \ \Y ー 〈
/l |,,,. ,,,,,, rへ \〜 '
彡r'^cjゝ.__ __r‐ァ__r'^>`>へ \
`´~ `ー‐'
_ ___
rァ二-‐ー‐‐- ._ // ̄ ̄ ̄ヽ
rア´ /' ヽ、
rソ // ゝ、
人 // / / // i i ヽ
〉i // / / / / ! i i | i i |
〈i レ | /レハメ、 /| /ハ/ l | i i
∧ M/fT〒z レ レナ__メ i //i | |
丶〉 ! |ヽヒソ f´jラ/ i /!/ | !
/ ̄∧ | ! ,`´ / //レ' レ'
_,. -‐  ̄ / /ヽ | iヽ ‐- /レイ
∠ __ ´ // / rL| | `r -‐ '´ ! |
〉// / { i |`ー' Y | |‐- 、
∠-〈 〜レ'‐ .,ノ、 rり_」Lィヘ ̄ | ! .,., \
/ `´;:' ' ' ' ' V' | ミミ () /∧' ''レ' '' .,. `'ヽ,
/ ,.;:' i Vo.,.,., () ,., 'oヽ、 ;:; }
/ ,;'' i〉 / ゙'゙'゙,.└= .,. ヽ ; ノ
{ ー _.;:__ i i/ / ,)ミ ゙ヽ,∧ ; /
i ';,  ̄ L / j ヽ i ヽ _ _ i
ヽ ':;, |`‐-V i | Y´` `>
__,,...--‐‐‐--.,_,,..-<X><ヽ、,,,_
,r'´ ̄ ̄ ̄>''''‐-、 `  ̄ ̄ ̄¨'''ヽ、
′ _,r''´ ,r' i i ヽ 、 ヽ、ヾ' 、
,r'´7 ,r' // ! i l i ヽ ヽ ヽヽ:.`ヽ、
,r'´:.:./ / ./ ! ! l ! i !l `、 `、 ヽヽ:.:.:.:.`ヽ、
<:.:.:.:.:/ /! / / / l .l l'i .l i, ll ヽ ! ヽヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.ヽ
ヽ:.:/ / !/ l ! l レ'l!l ! ト、!、 、 i l i i l !:.:.:.:.:.:,r'´
`レ<:.l/ /! l /V‐-、ヽ!ヽ! ヽヽ‐-、 i ! ! l ! l:.:.:,r''’
`! / l i ! / ,r'¨¨i r'''''ヽヽヽ! l !l !'´
!/! .l ! レ! i ::::::: ! l ::::::: l ,! l l レレヽ!
ヽ!Vl !ト、!l ヽ :::o,! ! ::::o,! /l /レ'レ′
ヽ、!ヽ ´ ̄  ̄ `/ レ<
/l i !` 、 っ __,./ ! ト、_,! ,r'7 _,,..-z_
/ ヽl l ! `ヾー-‐''7´ l !,//`、 ,r'’,r'‐"'''''''''¨¨>
/ `、l,! _,,,,,,7vi'´ レレ'/ `、 /!/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._;,r'´
! ¨ヽ、 `<¨:.;,r'7Yヽ ̄ヽ / ,,r''´ l /:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.;r'’フ
! ` 、 ヽ;;;/ ∧ `、;,;,;/ ,r'´ l /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'''´
! ヽ. / ム''ヽ ヽ // //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'´
! ,r' 二<!,r二 ヽレ //:.:.:.:.:.:.:.:.:,r'’
! / Y ヽ //:.:.:.:.:.:.:.:,r'´
,. -- -- 、
/,. --- - 、\
. / ' \ヽ
. // N ,. -- ── - . __
// /リ `ヽ i
li ,. ´ ̄ \`i
リ / `ヽ `ヽ ヽ`ヽ
, ' / / / i ト. ヽ V /ハ ノ
/ / / / /i ハ l ハ ト. i. i //ハヽ
l/ / / / / i l ._l___llム i |_// jイ
i / //,.-i l´l l li !/! .|_/ j 〉
i //il r=く レ,.イ≦テ`ヾ .| ヽイ´
レ' il f k;ヘ i_.イ;:ハリ'´ | }ノ
il. Y じ' ゞ._Yrソ .l l l__ノヽ
il i /// ///// i l リ ヽ
li \ // i i
li i `>/⌒ヽ.__.. <i ! l| i
. 从 リ f_ヲ「 f⌒iハV/ilハ ハ! !
V Y┴ヘ_ノ _j_/⌒i i リ\__!
ト--ヘ/└へ. /.〉.l/ !
ゝ._/\__ ___/廾. | |
ノー‐' i | |
,. --‐ ´ , /ハ└─ '
i(こ二)i /⌒ヽ. / / /__
| . .::| ! /⌒ヽ-- ´__ イ ____`)
ゝ._ _.ノ ` ~´ゝ.__ _`ー´ --´
⌒Y⌒
. ´  ̄ ` .
. / / / i、 、 \ 、
. / /////i .l ヽ ヽ ヽ. Vi
i i i i l十ト、N l-.ハ i !〉
レ'从N O Oi.l トvヌ
iハ"" _ ""リ lノト ヽ
__| i> -- -v'⌒.リ_」ハ.」
/ハfメi / //⌒V
>-' O (\/ ⌒) )
i X⌒Y⌒ヽ /⌒i' く
人__王 王 l ハ `ーァ
ゝ._ __ノ_ノー' `´ ̄
,ィ´「`7´ ̄ ``ー .ィ'´-‐‐-、`ヽ
/i Y、 \ ァ `丶、 \. ヽ
f´j j \ / / ヽ ヽ }
f´i !イ\ / / ! / . l l レ'
V{ノイ! V /``ァ'メ / ! ! l i !
. /∧ Y⌒! |イr=く //! i iリ
〈//ハ ハ (j| i| 、fkリ //リ //
/ん'∧i ゝl l| "" ヽ. レ'
. // / (|'" |i | _, / ,..:〜' "``丶、
ん'〜f´ ノ |l | / ,ィ':.
|ヽ\___Nト、!ーァ' f:.
/\ __ \\ヽ !::.
i `Tヽ\.\ヽ {::.
| !__ \\ヽi ',::.. .., , '
| / \ \ヽト、 ``〜ヘ r'"´
/\ / ヽ ヽ. } ,. -へ
/ V i / ,. --〜/(´ ̄ i
,. -- -- 、
/,. --- - 、\
. / ' \ヽ
. // N ,. -- ── - . __
// /リ `ヽ i
li ,. ´ ̄ \`i
リ / `ヽ `ヽ ヽ`ヽ
, ' / / / i ト. ヽ V /ハ ノ
/ / / / /i ハ l ハ ト. i. i //ハヽ
l/ / / / / i l ._l___llム i |_// jイ
i / //,.-i l´l l li !/! .|_/ j 〉
i //il r=く レ,.イ≦テ`ヾ .| ヽイ´
レ' il f k;ヘ i_.イ;:ハリ'´ | }ノ
il. Y じ' ゞ._Yrソ .l l l__ノヽ
il i /// ///// i l リ ヽ
li \ // i i
li i `>/⌒ヽ.__.. <i ! l| i
. 从 リ f_ヲ「 f⌒iハV/ilハ ハ! !
V Y┴ヘ_ノ _j_/⌒i i リ\__!
ト--ヘ/└へ. /.〉.l/ !
ゝ._/\__ ___/廾. | |
ノー‐' i | |
,. --‐ ´ , /ハ└─ '
i(こ二)i /⌒ヽ. / / /__
| . .::| ! /⌒ヽ-- ´__ イ ____`)
ゝ._ _.ノ ` ~´ゝ.__ _`ー´ --´
'´ ̄ 二ヽ -― −
/ `´ ` ヽ、`ヽ―:-、
〃 , ゙! ゙ 、::::/
′ /l ‖ _,-∨
' ′ | ゛!、 |‐'"_,-‐)
| i ′! `ヽ l 、 | .|‐'"_,-'´゛
l | l / l ヽl、 ヽ! .|‐'" _,-i
ヽN 二ニ、 、 ,-┬‐r |-、‐'"_-")
〃 ヽ ´i ` i ノ .|4}‐'" ノ
∧ `┴' ` ̄! |ノ‐'"t′
l キ ' l |: :|:.:.:l:::::`ヽ
l ヽ -―' ' ': :|:.:.:|::::::::::::゛
. | l ヽ _ " /!: :!:.:.:ハ::::::::::::!
| l ゛r l / l: :|:.:.:| 匕___亅
. | | ┌┴── | ./¬ ┴-'
!| ノ l/ ヽ_
. /⌒ヽ ,. -く乃T7ヽ、
{ >' `メヌ\ハ
. / l i/ヽ メリ
〃 i ト Nく| | 彡Yト、 、
KNトハぐ} | |⌒i | ヽ〉
r' ''" ! リ イ/ム__ソヽ
. ` ー,イ片彡⌒ヽ〜'´
L_) Y/ /Tr'
〈〈´ ̄\y〉
y\/⌒\r- 、__ __
/ `(こへしiJ==.}三三三二二二二 ..>
. /、\__/| |ヘ___ハ ̄
〈ヽ `ー‐/ |、___∧__彡∧
rく `ー‐/ |ノ´`ト仆∠`>ァ-、
/三ミv'´ ∨´`∨`<='/ 〉
/´ ̄`ヽ{ `ー‐‐ ′
ゝ.___ノ
,..-‐ - .,. -‐ー - ..,,
,.-'' '' ヽ __
< " , ' 丶 、, \/´ ヽ、
〈 ヘ ,' ' ,
r' ∧ / ,' / // ii i ' ヽ
〈 l', ', / / / // :ii i ', ヽ ヽ
,;;:;,, 〉i ',. / ヘ / /〃 i i | ', i! i
'''''''';:;; く i rv レ二ニ/// / | ii | ii |
'',, ;:;:Y i i!´! :::: Tヽ/ / | ハi /i / リ
:;:;:;:;:;:;,, ;:;:;:;:;:;:;:;v!i i i',i ::::⊂ ! レ´ イ‐=.,i / i /
''':;:;:;:;:, ;:;:;:;‐: .;:;:i ハ !`ー‐→' / ::j' ノレiヘ レ
'''';:;:;,.,.,.,.,.,←;|:i i :i r ' ‐-,__ ヾ_,ソ/ 、ト、
,..-‐‐‐- ._ li | ;l / ::〉 ∧ ヽ ヽ
. /: : : : : : : : : `'.ゝ! ; iヽi、 :/ _,. ‐'´ ', iヽ, 'i
/: _,.-―--.,,_: : : : : ::i ;ト二`ー-‐' ´_,.r‐'''‐- .ヽ i ヽ,j
X'´; ; ; ; ; ; ; ;;ii ヽ、: : ::V 「 ̄ ̄ Y^〈 : : : : : : : ヽ、i i
/; ; ; ; ; ; _ ‐''r エ、 ',::/: :: _」 -‐- `ヽ、: : : : : : : : Y
!; ; ; ;,-'/,.r‐v'´ 'ト、 i / \: : : : : : : i
i; ; ;/ ,.r''i ! ,,..ゝゝ|/ ,...-―- ...,,, '、: : : : ::|
i,,;,,i :人 ', 〉、 i :i! / >ォ 、 ヽi!;: : :ノ
ヽ;;;;ヽ, ヽ, ヽ--''`'''' ヲヽ, / i!: : :>
ヽ;;_ 'ー'ー''´`''´ノ ', ヾ ヾ / / ji: : :i
`――一''"iヽ ,へ \ ii ii //i!: : :i
〈 /. V / / / / / i !ヽ ヽ丶
/ ̄\ 〈`i V / 、 / / / / /i ! ! i i
⌒\ ヽ 〈 r/ /≦メノ ノ / / .! / ! l |
___ \ } /7/ i「i;:;::::::i`ヾ/ / |_/_ /! .iレ'
___ `ヽ /´ ̄V / i|{_rーソ /´ ィ:´::7 レ' レ'
`ヽ \__ー-- i ハ !/// /t;::/./ ヽ
`ー‐--‐‐从lリ ヽ /´ ̄`ヽ ー' ∧ ヽ ヽ
/´ ̄Z/ /リハ. i|、! V .イ ハ ヽ. ヽ
/ ___\\ `ヽ i| >ー-- ' ,. ---、ヽ i }
レ´ 三 三`ヽ\ l l| ̄`Y´⌒Y´ ヽ l. |
//´,. -‐‐-`ヾ. ヽ ヽ. <こ!_____j V j !
.// / /f⌒Y⌒ヽ i / ___ `ヽ }レ レ'
.l i !f⌒ヽ ヽ 〉r }/ , ´ v. ヽ /
.t,j_j | } }ー' ノ .| / ⌒ii⌒ ', イ
乂 ゝ._ノ ー( __ノ< X 、 ,. , } 〉
弋 __ __ __ _メ. 〉 ミミヾv ィ' イ´/-{
Vメ____/ `ー0---il/--0 ハ. 〉
V r- --T- -- } i!
Vゝ. '"´il ! il ノr 入 /`ヽ, -- 、
r‐‐>-オ ̄ ̄ ̄ ̄「 「 ̄{/´-- `
/ハ | / / / / / | | l ヽヽ
__ >| | ∨ / / ,/ ,/ /| | l ヽ !
/__ \ 〈. |. ∨ />x', イ' ,.イ /' l |. l. | |
ヾ;、 ,入/l jl.ィ==ミ、イ / / | | | ,ハ.|
‐--、 >‐- 」 | | |l ハ{::::}::j. ヽ/ / _,レナ|'' /|. / リ
--、 \ / _ `Y | |. |_ しと /'´ ,イ:::ノ`!|,人j/
\. \. \_゙>| ハ |  ̄ _ {.じリ イ' ヽ ヽ
`ー- 二二 -‐|.「 | | / `ヽ `ー' λ ヽ ヽ
/ /r'`ヽ|l_ | ト、 { / ノ | ト、.〉
/ \> ヽ} ト ヾ、_ / -‐ ´__ | | リ
〈., -',三三ニ¬、 | | ̄`= ̄Lrュf'´ ``| |
//,r‐''_,二''メ、. \ |/ |__≧_」L≦{ | |
/ / /,.イ¬I'ブ\ l / ヽ / \ | /〉
| ,' / /‐'_厂`l| ト、 | / _..⊥⊥. ___ ヽ l//
| | l √/ l ヽr_フ'「゙l/ / _ _ _ ヽ 〉 /
弋YУ\ ヽ,r_,zト--く_|_ / '´ |} ヽ |ーーく
ヽ \__,X_,フ{__,..イ `Y _, t-、 ,ィ j|` T′
`ヽ、..__,. イ 入 ヽ\ヽYi ///}/'| .|
|\_ / `ーQ、ヽトiVム,O' Y |
__,.r;zzュ、__ ___
,イ / ,> '´ ` くr'´ ̄ヽ
/ ∨ヽ.,′ ヽ、 }
,>イ\/ ,ィ'´ / ハ 、.ヽ
)、八/ /ナ-∠ ,イ' l l i |
\|,ゝ! レ' ,ニヽイノ L | |!/
/ ̄{. | | /::rj' ,ィ^Y乂!
! /入! ,.l `" tリ /{
\lイ ,ハ |リ ‐- 、 _/ ヽ
/_r</|/ナ≧-‐,二 | ハ|
,/// ヽ,>‐=ニく.Y´ ̄`!} ノ ノ
/' | 〈 ,.イ「!ヾニ.」ノ′
ヽl. | `T゙了/Y77YiT「|_
| Y'| ̄l/`Y'^l | |_
| ,.ィ' 刄 く. 廾' |
\ / / ,.イ |
ヽ. / { |
/\ / ハ\_ /
/ー- 二 _j L_|
,' |
|
だめぽ('A`)
. ,! ; : : : : :i,:'i; 'i; :i'i;'i; : : : : :彡ヾ: :'i:'i,
,i :i: :i : : : ii i'i;」'レ'_V'ヾ彡;_r'ヾ;i: : i,<
i;! i :ii; : : :i'V'rフ'i,ノ i' ヽi;i: : 'i'i,
V'i,:iヾ; :ノ ヽ" ´ //;i : : i',i
i`i;_r,-、 .i r":i : : :i :'i,
. i: : 'ゝ'ノ /'i: : :i : : i___i,
. i : : i,.` -' i:,: : :'i; : : : :i,
. ii: : : `iヽ.、 / i.; : : :i; : : : :i,
,!i : : : ii:i:::::` -, ´`.、 i:,: : : :'i; : : : :'i,
,!:i: : : : ii:i:::::::::::i:::::::::::ヽ .i;',: : : :.'i,: : : : 'y- 、
. ,!:i : : : :.ii:i:::::::::::i::::::::::::::ヽ i;,: : : : :`> '''´_,,,,,,,`ヽ
//i : : : :ノi:!'i;::::::::i::::::::::::/i ヽ; : :./,r-''´ `ヽ
,r':.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:
,r.、 .,r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.!:.:.:.;r''Y
. i ,f:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!;r''''i ̄ ̄i:.:./`7ト、
`ー-i.:.:.:.:.i:.:__!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;!:.;ri''ー-,-,!;/ ,! i:.:
i:.:.:.:i;rヾ;.`、.:.:.:.:.:.:.:/´' iっ::::i `ヽ,i i、.
i.:.:.:''i;.:.:fi''''''ト、:.:.:,/ ヾ:_ノ i,,,,,,iノ
i:.:.:.:.:.'i;,!.iっ:;!  ̄ /// f´.:
. `、:.:..:.`、`ー' __..,,ノ´i ,/:.`ヽ
`i,:.:.:.:!/// `、 _,,! ,/ `ヾ、
'i;.:.:i、  ̄_,,,,,,_-<!
. i:.:.:.: ̄ ̄ ̄:f´ .i, `iヾ,/
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i _,i,,,/ /
i:.:.:.:.:._:.:.:.:.:.:i''´ `ト、 _,/
i.:.;/ .\;/i .ii, . ̄ ̄_入,/
`´ .`ー┬' ,!ー-‐'"
.  ̄!
i
_,,,..---------..,,_
,r‐''フ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.、
,r' ,r'´,i':.:./|:.:.:.:.:.:.:.;i:.;r‐‐っ:.:.:.:`、
ヽ {:.:.:{:l:.:.;! i;.:.:.:.:.:./レ'、 `z、:.:.:.:_i_
. 7:.i,ト、;!'´ヾ:.:./  ̄'''''l:.ミ:.:;!i_l`.、
. !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'` ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`v、/!l ト、、`i
i:/ ,!:l U, l<_,!
!ヽ、 __ ,r'’:l,,,,,i| `、_!
!:.:.i;`i.、 ´ .` , <´:.:.:.:.:.i,,,,!,
l.:.:lヾ! /ヾ'7、-‐‐7´ ̄,!、.:.:.:.:.:.;!,!|
ヾ;! ` .i,__,,! l. ̄.lヾ'''''´.,ノ''´レ',ノノ
i____ノ. ̄`、`ー'’l
. /  ̄ ̄l′
 ̄!'''''7┬--,--'
. ヽ,/ .!_,,/
/ / , i ト、、 、 、 li !
. ,' ,' l i i !ヽ ヽヽ \ 、 li |
l li i-‐‐ l ! |l i ! l ヽ リ .l
i il i ⊥i i ! リル__l 、l .、 rく リ
l il l.ハif..i | f;:ヾヽ. ヽ// \
. i il i ⊥ノ _i_r='ノ⌒ヽi/ } ヽ
', ', ト、 __'_ ///// // /i_く´`
ヽ. /´___ノ __,イん._/ i ヽ
.//__∠_> __ . ´ |リ// / ! l i
/〈 ´ `)i リ i ___/}// ん」 i〜'
./ /\ ヽ /7´ // /i l l ',
/ / / ヽ i//i // ハi l l ヽ
i /} fi^ーrrォ「_」ー‐ // / > ⌒ヽ.ハ
| / / / il/ / /i、 // / / Vハ
|′// ´ ̄i7 / /. ! V ル' / i !
i ´ /. / | / |ノ
_,,,..--------..,,_
_,r''´;r:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
,r":.:.:,f:.:.:.:.l:.:.:.:i.:.:.:i.:.:.:.:.ト:、.:.:.;r<''''''''ヽ
,!.:.:.:.:,l'l.:.:.:.:.ヾ:.:.ヾ._;i,;,;,;i,;,ヾ.ゞ、! ヾ''7''’
!:.:.:.:.f_,i;,:.-‐''''' ` ` ヽ `、,rヽ,/l´`ヽ、
`ヾi.:.ヽ ;;;;;;;;;;;;;;; / ト、ヽ ヽ
l.:.:,;;;;;;;;;;;;;;' , , , ,!`ー'''l `、,!
l:.:.:.:.i , , ,イ !
l.:.:.:.:ヽ._ r¬. ,/ ! !
l:.:.:.:.:.:.:.: ̄'''7l''フ<、,ノ! !
ヾ,!ヾ,;r、,;,/ !'´,!7'l l `.┬ '’
,/ _/ : レ': :ヾ: : : : l
i,_,r' l: : : _;r‐、: : : : l
`7''´:::::::::`ー'´:!
/:::::::::::::::::::::::::::l
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) ・・・。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
∧_∧
∧_∧ (´<_` )GJ!
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´
_,,,r‐-、
'´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、
l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
`Y;/;r':.;r< `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
l,;iヾ、 ヽ ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,
_/ `、, i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
r'´ ' ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
l 、、 !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,
` 、っ y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,
ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,
レ` 、_,/l, // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,
`ーr'’ Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!
/ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'
/_,/l レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'
`ト、_________,,r'レ''レi'’
l ヽ
l_ ____,,,,..-‐''''''’
l ̄フ''''レ'
`''´