スクールランブルIF16【脳内補完】

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78パンプキン☆クラーク
「ヒゲ、あんた何で皆が集まって仮装してるかわかってる?」

「あ?知らねーよ。大事なことなのか?」

眼前で黒い布をマントのように羽織りこちらを見下すように眺める女性を播磨は見上げた。
そうなのである。この播磨という男、今日どんなパーティが催されるのか全く知らないのだ
が、塚本家で行うということだけ耳に挟みこの場で浮ついていたのであった。

「はぁ〜あ、やっぱりね。日本出たことないアンタにわかるワケないと思ったわ。」

その言葉通り、さして期待していなかったと言わんばかりに播磨の目の前の女性は仰々しく
両手を広げ肩を上下させる。そのあからさまに馬鹿にしたポーズを前にして、流石の播磨も
堅く拳を握りその塊を震わせる。
(うるせーな…漁船でなら日本出てんだよチクショウ。)
播磨にしてみればこの女性と関わるのは極力避けたいと常日頃から考えているのだがどうい
うわけか絡まれてしまう。最近では、この女は俺にケンカを買ってほしいのか?と少しだけ
本気で思ってしまうほどだ。

「仕方ないから海外在住経験の豊富なこのア・タ・シが無知な猿に教えてあげるわ。今日は
 ハロウィーン・パーティでね。所謂仮装パーティなの。そもそもこの起源は…

そう聞き及んだところまでで播磨の意識は奥の部屋の方へと移った。それは勿論その奥の部
屋に彼の想い人、塚本天満その人がいたからである。今まさにカボチャのマスク(?)を被り、
マスクの後頭部あたりから触角のように結った髪をピョコンと出しているのが目に入った。
(天満ちゃん…お面を被ってもその愛らしさは滲み出てるぜ…)
と、一人悦に入って楽しんでいたのだが、突然その視界を眼前の女性の美しい金色の髪と綺
麗に整った顔に遮られた。

…って、ちょっと!聞いてんの?アンタの為に説明してやってんだからね!」