スクールランブルIF16【脳内補完】

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268FAREWELL, MY LOVELY
「あ〜、明日はとうとう文化祭か〜」
 塚本天満が感慨深げに呟いた。その声はいつも元気な彼女らしからず、
少しばかり固かった。そんな天満に美琴が悪戯げに微笑みながら言った。
「大丈夫か〜? あんたはいざって時にポカやらかすタイプだからね〜〜」
「言わないでよ美コちゃん〜〜」
 美琴の言葉に情けない声で天満が答える。それというのも天満が2ーCの
出し物である演劇の主役に選ばれたからだ。天満の演技自体はなんというか
学芸会のような雰囲気はあるものの、元気と思い切りの良い演技は彼女らしい
愛らしさがあり悪くなかった。だが演技とは関係無い部分で、転んだり、背景や
小道具を破壊したり、共演者に体当たりをかましたりと失敗が多く、それは結局
最後まで治ることはなかった。天満の発言はこれを気に病んだものだった。
「ま、なるようになるわよ」
 頭を抱える天満に沢近が言った。そう言われても天満はそうかな〜、といまだ
不安そうだった。想い人である烏丸の前でみっともない姿は見せられないのだ。
あ〜、烏丸クンはバンドできっとカッコイイんだろうな〜。
「でも、早いものよね〜。もう文化祭か〜」
「そうだな、二年になってからもう半年経っちまったってことだもんな〜」
「そっか〜もう半年なんだね〜」
 沢近と美琴の言葉に天満が思い出したように言った。言ってから天満は自分で
言った言葉になにか引っかかりを感じた。烏丸クン、二年、半年、烏丸クン……。