シーン3
暗い廊下。無音。
累々たる『死体』――敗北者。
「くそっ、どこだ!」
「……おい、こりゃ一旦引いた方が」
「バカ言うな、ここ抜かれるワケにゃいかねぇだろ? しかも相手は」
小声の二人、その背後に音もなく立つ人影。
「たった一人」
「っ!」
「な!?」
驚愕する二人の表情を映し、暗転。
銃声。
「――ごめんなさい」
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「お疲れさま。よかったわよ、つむぎ」
そう言って舞が笑顔で差し出したペットボトルを、はにかみながらも、ありがとう、と
受け取るつむぎ。一口含めば、喉を駆け下りていく炭酸の刺激が快く感じられる。
「急造のバンドにしては上々だったでしょ?」
「言わなきゃ誰も信じないわよ、そんなの。同じクラスの私からしてみれば、異色のメンバー
だとは思うけどね」
「うん、それは私も。その辺は冬木君らしさだと思うけど」