ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第15章

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1リーア先生 ◆UktGzzmQ/o

  ついに不誠実なる“教師”は更迭された。
  不定期放送の向こうからは私刑らしき殴打の音。
  リーア・ミノフスキーの声はそれ以来聞こえてこない

  そして明かされた『ゲート』なるものの存在と、管制艦の戦力
  果たしてそれは、どこまで信じていいものか  
  疑心暗鬼と未来への希望が生存者の心を揺り動かす


  ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル

        第三回大会、第15章。

      現在 生存 7名。 死亡 19名。


      どちらにせよ、決着の時は近い。


 第三回大会の新規参加者の募集は、既に打ち切りました。

 何か気になったROMの方は、お気軽に管制室までどうぞ。
 第四回大会の開催も計画されています。

 ルール等の詳細は>>1-15くらいに。

前スレ
ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第14章
ttp://comic5.2ch.net/test/read.cgi/x3/1087999569/l50

感想・議論用スレ
ガンダムバトルロワイヤル第十一管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1093755404&ls=50

基本情報・人気投票
第三回ガンダムバトルロワイヤル管制室データフォルダー
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/2598/top.html

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/
2リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:45 ID:???
 @ 過去スレ @

・第一回大会 本スレ
第一章:ガンダムでバトルロワイヤルやってみよ〜
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1038/10383/1038324132.html
第二章:【生存21名】ガンダムTHEバトルロワイヤル【死亡1名】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1039/10391/1039169588.html
第三章:【知略】ガンダムバトルロワイアル第3章【陰謀】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041070641.html
第四章:【裏切り】ガンダムバトルロワイヤルpart4【信念】
ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1042612295/
終  章: ガンダムバトルロワイヤル最終戦場(諸事情によりアクシズ)
ttp://ime.nu/www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi/shar/1048332637/

・第二回大会 本スレ
第一章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会 
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1049713319/
第二章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会lt;二章gt;
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1053350734/
第三章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第三章
ttp://pc4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055663266/
第四章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1058684058/
最終章:ガンダムバトルロワイヤル第二回大会終章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063012783/l50

・第三回大会 本スレ
第一章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第一章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1069427705/l50
第二章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第二章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1071387802/l50
第三章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第三章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1073650712/l50
第四章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1074521682/l50
第五章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第五章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075739989/l50
第六章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第六章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1076854569/l50
第七章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第七章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1077892615/l50
第八章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第八章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1078844556/l50
第九章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第九章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1079965231/l50
第十章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第十章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1081145096/l50
第11章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第11章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1082392388/l50
第12章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1083939332/l50
第13章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第13章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1085242314/l50
第14章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第14章
ttp://comic5.2ch.net/test/read.cgi/x3/1087999569/l50
3リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:47 ID:???
・議論、感想スレ
ガンダムバトルロワイヤル避難所
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041000462.html
ガンダムバトルロワイヤル避難所part2
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10418/1041856658.html

ガンダムバトルロワイヤル管制室(アクシズ)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1043595608&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第二管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1052406249&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第三管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1058521848&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第四管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1071500120&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第五管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1074503247&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第六管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1075186692&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第七管制室(間違えて『第六』となってますがそこはスルーで)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1076855882&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第八管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1078064089&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第九管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1079886241&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第十管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1082728780&ls=50


 @ このスレッドについて @

このスレッドでは、一人の参加者が一人の『生徒』を担当し、リレー形式で話を進めていきます。
(すでに第三回大会の新規参加者は、受付を終了しました)

参加希望者は管制室で受けつけをし、クジ引きによって『機体』と『支給武器』を決定しました。
彼らには、「宇宙世紀」という縛りの中で自由にキャラクターの設定をしてもらいました。

それぞれの人がそれぞれの登場人物を受け持ち、その行動方針から行動の結果まで、全て決定します。
常識を外れた過剰な行動を防ぐために、『行動値』や『移動』などのルールが設定され、
また、千日手防止や偶然性の演出などのために、『ID判定』のルールが用意されています。

しかし、それでも参加者の自由度はかなり高いものです。
参加者も読者も、くれぐれも節度を持ってこのスレを楽しむようにして下さい。
4リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:54 ID:???
 @ 行動値ルール関係 @
このスレでは『行動値』というものが設定されています。描写と共に、これを消費しつつ行動を行います。
一人の人間が行動できるのは、現実時間の一日ごとに4P分だけです。

行動値がリセットされるは、現実時間の午前0時です。
行動値が必要な行動としては、
『移動』『探索』『整備』『戦闘行動』『通信』『変形(可変MSの場合)』などが代表的です。
行動値が要求されるのは大きな行動のみで、ちょっとした動作などには必要ありません。
会話も、『通信開きっぱなし』『接触回線での会話』『生身での会話』なら行動値無用です。
ただし、劇中で時たま使われる『全体通信』のみ行動値を2点消費します。注意してください。

尚、行動の描写の後には、位置、所持武器、行動方針、同盟相手等を明記して下さい。
観客の理解や、参加者間の認識の食い違い防止に、大きな助けになります。


 @ 戦闘 @
このスレの戦闘では、最も重要なルールがあります。
それは 『攻撃の結果は、攻撃側の描写を受けて防御側が決定する』 ということです。
撃破されたか、腕が吹き飛んだが、かすったか、シールドで防いだかなど、防御側に決定権があります。
 『先行破壊』は厳禁です!
回避の術のないゼロ距離射撃なども『先行破壊』と見なされることがあるので、注意しましょう。

戦闘時の行動については、
『ビームライフルで攻撃』『ミサイル一斉射撃』『回避』などがそれぞれ行動値1点分の行動になります。
攻撃の際は、攻撃目標を明記するようにしてください。
撤退については、まず戦闘地帯からの『撤退』で行動値1点分になります。
これは同一エリア内での移動なので、隣のエリアに移動する際にはさらに行動値が必要です。

目安として、1点分の行動値の攻撃を防御・回避するのに、1点の行動値を必要とします。
防御を省みずダメージを受けるままにすれば、行動値を使う必要はありません。

ルールとしての縛りは最低限にし、機体や乗り手の優劣は書き手の裁量に任せています。
くれぐれも節度を守っていきましょう。
5リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:56 ID:???
 @ 特殊ルール『達成値』(通称ID判定) @
『達成値』とは、そのカキコで取った行動の成功・失敗をIDで決めるルールです。

このルールは当事者双方の合意があった場合にのみ、使用します。
特に戦闘においては、延々と回避が続く千日手を防止する意味でよく使用されます。

使う場合はメール欄を空欄にしてIDを表示して下さい。
出てきたIDに含まれる数字を使い、その行動の『達成値』を決定します。
基本的にIDの文字列に含まれた最も大きな『数字』が『達成値』となります。

『In3rKPcy』の場合、含まれている数字は『3』のみなので、『3』となります。
『Atw4g6Qg』では、数字の『4』と『6』がありますが、大きい方をとって『6』と判定します。
『oHI+CUmX』のような数字の入っていないIDは『0未満』とします。
大文字の『N』または『T』があれば『9よりも上』です。『sp02X9NK』『a0Tf/jEj』のように。
さらに『Ttw4g6Ng』のように、『NT』の2つの大文字が揃えば『NやT一文字より上』です。
小文字の『n』『t』は、いくら入っていても無意味です。無視して下さい。

 早見表
NT(二文字かつ大文字)>N or T(一文字かつ大文字)>9>8>7>6>5>4>3>2>1>0>数字なし

基本的に、両者の合意があったときのみ使うものです。
戦闘時には使うのが慣例ですが、義務ではありません。戦闘時以外でも使って構いません。
判定後、敗北側は『なんらかの不利な結果』を受けるようにして下さい。その程度は問いません。
IDの値の差の大きさを、損害の程度に結びつける必要もありません。

もしもその気ではなかった場合には、拒否しても結構です。
しかし、IDを出しておきながら判定を拒否したり、無視が多過ぎれば叩かれることになります。
くれぐれも節度を守ってください。


 @ 所持品 @
初期に支給されるものとして、原作通り
『ディパック』『首輪』『コッペパン2つ』『水2g入り2本』です。
さらに今回は、宇宙ステージということで『ノーマルスーツ』も支給されます。
後は、参加者が誘拐された時に持っていた『私物』を持ち込むことができます
6リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:58 ID:???
 @ マップ @
『A〜Z × 1〜24』の624マスで構成されています。詳しくは後に示します。
毎回、今何処にいるのかを明記して下さい。
禁止領域は放送の時に予告され、放送後、現実時間で48時間後に爆破のスイッチが入ります。
尚、参加者は最初から地図を所持していますが、他の参加者の場所は表示されません。


 @ 移動 @
行動値を1点使うことで、マップ上のエリアを1マス移動することができます。
移動可能な方向は上下左右だけで、斜め移動はできません。
MAや、艦船やSFSに乗ったMSは『開けた空間』なら1点の行動値で2マス移動できます。
ただし、どの場合も『想定以上の荷重』(MSを載せ過ぎるなど)が加わると、ボーナスを失います。
艦船に乗っている場合、一人が艦ごと【移動】すれば、一緒に乗っている人も同時に移動します。
それ以外の場合では、移動時には常に行動値を消費して下さい。
他者の手で受動的に移動した場合でも、それに抵抗しないのならば、移動量に相当分の行動値を消費して下さい。
なお、マップの『外側』は『侵入禁止区域』と同じ扱いになっています。


 @ 索敵 @
どれだけ遠くの敵を察知できるのかは、搭乗している機体ごとに異なります。
策的範囲は、通常機で周囲2マス、艦船・狙撃型で3マス、偵察機で4マスとなっています。

他の参加者の位置を確認し、その範囲内に入っていれば、劇中でも「発見」できます。
当然、地形ごとに見やすさは変化しますが、その点は描写で表現して下さい。
(『開けた空間』ならはっきりと相手の機種まで特定できるでしょう。
 『暗礁空域』に潜む敵は、一度存在に気づいても途中で見失うかも?)
ちなみに、通常の「通信」で通信ができる範囲も、この策敵範囲と同じ範囲です。
「見えている相手とだけ通信できる」と考えて下さい。


 @ 爆弾 @
爆弾は、機体と、参加者の首輪につけてあります。
首輪の爆弾には、タイマーが仕込まれており、タイマー延長コードが定期的に打ち込まれています。
管理側が爆破コードを打ち込むか、延長コードが打ち込まれずにタイマーがゼロになると、爆破します。

明らかにされている首輪の爆破条件は、以下の通りです。
  立ち入り禁止区域に踏み込む/それまでいた場所が立ち入り禁止区域になる
  戦場フィールドの外に出る
  支給された機体を失い、かつ別の機体を獲得できない場合
これ以外にも爆破される条件があるかもしれませんが、詳細は不明です。


 @ 参加者の持つ情報 @
劇中の参加者は、現実世界の読者と同じ情報を持っているわけではありません。

まず、彼らは、(随時スレ内で表示されている)他の参加者の位置を知りません。
他のMSと対面した場合、相手の機体名は分かりますが、性能は分かりません。
初期支給MSと参加者の名前の組み合わせは分かりますが、途中で乗り換えた場合は分かりません。
また、他の参加者が脱落しても、それをすぐに知ることはできません。
脱落者の情報は、定期放送で耳にして初めて知ることができます。

ただし、これらは原則です。
NT能力を発揮したり、現場で乗り換えや死亡を見ていれば、この限りではありません。
特殊な支給品によって情報を得られる場合もあります。
『プレイヤーの知っている事』と『キャラクターの知っている事』の混同に、くれぐれも注意して下さい。
迷った場合は、管制室で相談してみて下さい。
7リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 21:59 ID:???
 @ 放棄された参加者 @
長期に渡って書き込みがない場合、『スレへの参加の放棄』とみなします。
用事などで書き込みできないことが分かっている場合、管制室で相談して下さい。
何の宣言もなく長期間放置された場合、管理側で『この参加者は『放棄』された』と認定します。
こうして『放棄』された参加者を攻撃した場合、特例として、攻撃側が結果を書くことができます。
つまり、積極的に頑張っている参加者の『肥料』にする、ということです。

目安としては、2週間 音沙汰がなかった場合、この判断を下します。
あらかじめ『参加不可能宣言』が出ていればこの限りではありません。


 @ 戦艦運用ルール @
支給武器や色々なイベントで『戦艦』が手に入ることがあります。
その際は以下のルールに従って運用して下さい。

*戦艦にMSが着艦する際には、衝突しないようかなり注意した操縦が必要です。
 また発艦する際には、機体の起動やカタパルトの操作が必要です。
 これらのことを踏まえ、【着艦】【発艦】にはそれぞれ1点の行動値を消費して下さい。

*ブリッジ(操縦席)と格納庫はかなりの距離が離れています。
 ブリッジ・格納庫間を移動する際は、【移動】として行動値を1点消費して下さい。

*ブリッジにいる人間は、行動値を使って戦艦を【移動】させることができます。
 戦艦は、1点の行動値で『開けた空間』を2マス進むことができます。
 この場合、戦艦に乗っている全ての人間・MSが行動値を使うことなく一緒に移動します。
 ただし、ブリッジに何人いても、24時間で【艦の移動】に使える行動値は合計4点までです。
 艦を移動させた後、MSを【発艦】させて【移動】するのは自由です。

*戦艦の特典の一つとして、格納庫の存在が挙げられます。
 この格納庫にMSを収容することで、簡単な補給・修理作業が行えます。
 ただし初期状態では、ちょっとした補修を行う材料と予備の推進剤はありますが、
 武器・弾薬・脱出用ランチなどは一切搭載されていません。

*本来、戦艦というものは、何人もの専門家が役割分担してやっと動かせる存在です。
 一人でも動かすことは不可能ではありませんが、
 操舵・武器管制・通信の各システムはブリッジの中でもそれぞれ離れた位置にあります。
 (さすがに行動値を使って移動する必要はありませんが、描写の際には注意して下さい)


 @ 要点 @
色々ややこしく書きましたが、

@ 行動は基本的に自由。
@ 戦闘の結果は『攻撃を受けている側』が決める。
@ 『両者の合意があった場合』、達成値を使用する。
@ 自分の居場所を毎回、明記しておく。
@ 侵入禁止区域にいた場合は有無を言わさず死亡。
@ 基本は原作と同様。
@ 分からない点があれば、管制室で先生に聞く。
@ 管制室での抗議は、冷静に、論理的に、相手に敬意を持って。

という以上の8点を守って下さい。あとは、楽しく殺しあいましょう♪
8リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 22:00 ID:???
 @ 会場宙域地図 @

  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■■□□□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■※
03■□□□□□※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼□□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※■■□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■□□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□□□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□□□■□□□□※※※※※□□■   ▼:小惑星基地
11■□■■■■□□■□□■□■■□□□□※※※□□■■   ≠:崩壊したコロニー
12■■■■■□□□□□□■■■■■■□□□※□□■■■
13※■■■□□□□※□■■■□■□■■□□□□□■□■   ◎:侵入禁止区域
14■■□■□□□▼□□□■※■□■□□□□□■■■■■   ×:侵入禁止予告区域
15■■■■■□□▼□□□□■■□□□□□□□■■※■■
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□□※□□■■■   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□≠≠□□□□□■   門:『ゲート』?(詳細不明)
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□□□□□□□
19□□□□□□■□□□□■■■■□□□□□□□▼□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼□□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼□□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▽▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
25??????????????????????????
26??????????????????????????
27?????????????????????門????
9リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 22:01 ID:???
 @ 各地形の解説 @

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。全部で4基存在しています。
 (うち、ひとつは破損し、空気が失われています。他の3基は空気が残っています)

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう。

≠ 崩壊したコロニー
 壁にいくつも穴が開き、空気が全て失われてしまったコロニーです。
 大気と共に色々なものが飛び去ってしまい、また内部は冷たい真空に晒されています。 
 ですがコロニー全体の形はまだ留めており、港湾部の施設などには空気が残っています。

◎ 侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

× 侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。

▽ 爆破された小惑星基地
 開始時から禁止エリアだった領域。かつてプログラムを管理する管制室がそこに存在していました。
 『リセット・チャンス』によって立ち入り禁止が解除され、その後、爆破されました。

? 情報のないエリア(侵入禁止)
 生徒に与えられた行動範囲の外のエリアです。マップにも載っていません。

門 『ゲート』?
 不定期放送で存在が明かされた管理側の施設です。名称以外は一切不明です。
10リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/01 22:03 ID:???
 @ 最後に参加者様へ @

バトロワ参加者心得

一つ、場の空気を読む努力をする。
一つ、戦闘時、無理やり人を自分の土俵に引き込まない。
一つ、極力、相手がなにをしたいかを考える。
一つ、自分勝手な行動をしない。
一つ、放棄しない。
一つ、観客もいることも頭に入れておく(管制室を読まない読者の存在も忘れずに)
一つ、誤字、脱字、変換ミスには気をつける。
一つ、ID待ちはしない(みんな、案外見てますよ)。
一つ、叩かれたら、怒らず、まずは自分を見直す。
一つ、管制室での質問・抗議・意見などは、穏かな口調で冷静に。決して煽らない。
一つ、全てにおいて節度を守る。自分は職人だと自覚する。
一つ、『生きる』為の戦いではなく『魅せる』為の戦いを心がける。
一つ、死んでも泣かない。
一つ、エロスは大事、でも程々に。
一つ、『キャラは憎めどプレイヤーは憎まず』の精神で、互いに敬意を忘れないでオネガイ
一つ、終盤です。悔いのないよう、気合入れていきましょう。
ペズ・バタラの側には既に作業を終了したらしいベルクが佇んでいた。
作業の早さに内心驚くが、表情には出さなかった。
俺はすまん、という意味を込めて左手で拝むような仕草をすると、早速コクピットに入った。

(時代が変わってもコンピュータってのは、あまり変わらないもんだな)

ディスクをインストールしながら考えた。
まあそれを言うなら、コクピット自体が似たような物なのではあるが。
コンピュータもコクピットも、人間が扱いやすいように時間をかけて形を変えてきた。
その弛まぬ努力と研究があるから、コンピュータは飛躍的に性能が上がり、MSも生還率が
昔よりも格段に上がった。

(そして最終的には、このプログラムがあります…か?……ちっ)

微妙に腹が立ったのでそこで取りあえず考えるのを止めて、作業に没頭する事にした。
10分程のち、ペズ・バタラのコクピットの穴を補習したころにはインストールも終わり、
俺は抜いたディスクを持ってコクピットから降りた。

「作業が遅れてすまない、ベルク。……しかし…お前随分と手際がよかったな。少し驚いたよ。
 …もしかして、道間違えたんじゃないか?ま、俺も初めてにしては上手くトリモチが使えた
 と思ってるんだけどな」

待っていたベルクに軽口を叩く。
この内容なら、俺たちが爆弾を処理していたようには聞こえない筈だ。
しかし……内容に気を付けていたとは言え、随分久し振りに気分よく話せたような気がする。
あの基地を出てからずっと緊張が続いていた。
それはそれで悪くはないのだが、たまには軽い口をきくのもいい。
ようやく爆弾への対処の目処がついた事が、俺の心を少し軽くしてくれたのかもしれない。

だが、俺も単に軽口を叩いたわけではない。
同時に、こう書いた紙もベルクに見せた。

[レウルーラと、リ−ア=ミノフスキーの様子は?]

その様子如何によっては、俺たちも行動を起こさなくてはならない。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)インストール(−1) 補修作業(−1)筆談(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:そろそろ行動?】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
12イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/03 17:49 ID:???
リファニアの言葉に、ただ頷いて微笑みを返すと、愁林は早速傷の手当てを開始した。
ハッチを閉め、気密を確認した上で少女の纏うノーマルスーツを脱がせ、傷口を露出させる。

「少しの間、我慢しなさい」

清潔な三角巾をリファニアの口に噛ませながら彼女は言った。
先ずは止血。
腕の付け根をゴムで縛り、きつく結んで手当ての間の余計な出血を防ぐ。
赤い肉の見える傷口を念入りに洗浄・消毒し、医療用の糸を使って縫合を開始。
麻酔があれば使いたかったが、疲労した体には却って有害であると判断し、敢えて用いない事にした。

「痛む?
 大丈夫、生きている証拠よ」

しっかりと閉じた傷口の上から瞬間接着剤を塗って固め、更にガーゼと包帯とで保護する。
これで、手当ては完了。ゴムを外して肌蹴たスーツを着せ直し、愁林はホッと一息ついた。

「……後は、生き残ったらちゃんとした病院で診てもらいなさい。
 腱も神経も無事のようだし、頑張れば充分動かせるとは思うけど、無理をしてはダメよ。
 無茶も程ほどに、ね」

これまでの、そしてこれからの状況もそんな甘さを決して許しはしない。
理解しつつも、彼女は目の前の少女にそう言い聞かせずにはいられなかった。

伝えたいことは他にもたくさんある。伝えたい気持ちはたくさんある。
でも。

時間が無い。
13イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/03 17:50 ID:???
ヘルメットを外す。
ほどけた黒髪が、流れるようにふわりと広がっていく。
次いで、自らのスーツの胸元を肌蹴た。
眩しいほどに白く、きめの細かな肌が露わになる。
両の鎖骨と乳房との丁度中間、じっとりと汗ばんだ肌の上に銀色の十字架があった。
首から下げたそれを両手で外し、ガーゼで表面の汚れを拭う。

「お守り。傷が早く治るように」

言って、リファニアの首にロザリオを掛ける。
少女の胸元に納まった銀色の輝きを見て、愁林は満足そうに頷いた。
口の中の鉄錆の味も、今は全く気にならない。

「使命創造命運(スミンツァンゾミンイウン)―――使命があるから、運命は造られる。
 多分、私は使命を果たせたと思う。次は貴女の番よ」

そう言って笑って、少女を胸の中に抱き締め―――直後、顔を背けた愁林の口から、大量の血液が零れた。
赤い液体は計器や内壁に当たって滴となり、無数の紅い球体となってコックピットの中を漂う。

―――ゴメン。コックピット、汚してしまったわね。

未練が無いと言えば嘘になる。
やりたい事は一杯あったし、気がかりな事もたくさん残っている。
彼女達を見届けたかった。
許されるなら香港に戻り、自分なりのけじめを付けたかった。
死ぬのだって、恐い。
14イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/03 17:51 ID:???
でも、今ならきっと、笑って死ねる。
あんなに綺麗な歌声の持ち主を、こんなに綺麗な心の持ち主を。
愁林は、守って死んでいくのだ。

綺麗なものが好き。
奇麗事が好き。

それはかつて、彼女が愛した少年に向かって言った言葉。
たくさんの嘘と見栄を支える、彼女なりの揺ぎ無い真実と意地。
信念だとか、そんな格好良いモノだとは思っていない。
けれども、自分はそれを貫いて死ねるのだ。
ならば自分を誇ろう。
意地を貫き、見栄を張り通した自分を誇ろう。
リファニア・ニールセンという綺麗な存在を守って死んでいく自分を、誇って、笑って死のう。

「幸せになりなさい。夢を、叶えなさい。
 それが貴女の使命。良いわね?」
15イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/03 17:51 ID:???
ああ、だけど。
今の私は、上手く笑えているのかしら。
もう体の感覚が殆ど無い。
ごめんなさいね、ダグラス。
もっとたくさん生きて、色んな事を経験して、両手一杯の土産話と一緒にそっちに行くつもりだったのだけれど。
ちょっと、予定が早まっちゃったみたい。
そんな顔をしないで。
笑って死ぬ人間を、泣き顔で迎えるのは失礼よ。
隣のシェラザードみたいに不服そうな顔をしてた方がまだマシというものだわ―――ごめんなさいね、シェラザード。
困ったような顔をしないの。
それとも何? 何かやましい事でもあるのかしら?
冗談よ。
ほら、笑いなさい。

貴方の笑顔が、姉さんは一番好きなのだから。

【行動:リファニアの傷の治療(-1)、ロザリオを渡す(-1)、遺言(-1)】
【残り行動値:0p】
【所持品:思い出と、誇り】
【行動方針:「上手く笑えたかしら?」】
【大切な仲間たち:リナルド、リファニア、サーティア
           シェラザード、ダグラス】
【死亡:No.03 イブ・シュウリン 肋骨骨折、肺及び各種内臓器官損傷による失血死】
『作業が遅れてすまない、ベルク。……しかし…お前随分と手際がよかったな。少し驚いたよ。
 …もしかして、道間違えたんじゃないか?ま、俺も初めてにしては上手くトリモチが使えた
 と思ってるんだけどな。』

しばらくしてレイモンドは戻ってくるなりメモを見せながら声をかけてきた。

「別に、手際が良かったわけではないよ。
 ご丁寧な分かりやすいメモがあったからな
 問題は無い、不安なら後で自分で確かめておけ
 あ、あの穴は流石に塞いで置けよ。なんか歪だったからな。」

自分も普段道理のような会話をしながらメモを書き、
特殊情報端末と一緒にレイモンドに見せた。

[前にも説明したが、俺が分かるのは俺達に共通する物が
 付いている対象のみだ。
 前回の参加者であった元ティーチャーも首輪を付けているらしく、
 レウルーラに乗っていた時にはそれごと探知出来ていたのだが、
 今はコアブースターに乗っていてレウルーラ自体は今は見つけられない、
 動いていなければ、以前の場所付近に居るはずだが望みは薄い。

 幸い元ティーチャーの反応は表示されているが今からでは
 禁止区域内に入られてしまい14時間内に加太をつけなければ
 アウトだ。それを踏まえた上で決断しろ

 今急いで奴を追うか?

 それとも今後の移動経路を見ながら先回りするか?
 
 どちらにしても、もう14時間の猶予しかなくなる。

 それと、ディスクはお前が持っていてくれ発動させるタイミングは
 お前に任せる。俺に機体は長持ちしそうに無いからな。]

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
>>12-15
イブさんは、微笑っていた―――。
いつもと変わらぬ、深い、深い、深すぎて底の見えない、聖母の微笑みを、その顔に浮かべ―――。


『少しの間、我慢しなさい』

そう告げると、イブはリファニアのノーマルスーツの上半身を肌蹴させ、左腕の傷口を露出させる。
怪我の痛みに涙を流させられながらも、リファニアは蒼白な顔に感謝の笑みを浮かべ―――。

「……むぐっ。」

笑みは、強制的に銜えさせられた三角巾によって、崩された。
それが、これから行われる手術の痛みに耐える為に必要な処置だと、何となく気づき。
リファニアはその痛みを想像し、つい身体を強張らせてしまった。

腕の付け根をきつく縛られて後、傷口を消毒される。
傷口に染み、リファニアは瞳をきつく閉じ、銜えた三角巾を力一杯噛んで、その痛みに耐える。
やがて消毒が終わり、リファニアがうっすらと瞼を開くと……。
イブが、糸を通した針を、傷口へと運ぶ姿が、少女の瞳に飛び込んできた。

思わず、ごくりと唾を飲み込んでしまうリファニア。
……麻酔無しの、縫合。傷口は、決して小さくは無い。何針、縫うのだろうか。
リファニアは再びきつく瞳を閉じて、間もなく襲いくるであろう激しい痛みに、耐える準備をした。

「……〜〜〜ッ!!」

やがて襲い来る、激しい痛み。
きつく閉じられた瞼の間からも、大粒の涙が雫となって舞い散る。

『痛む?
 大丈夫、生きている証拠よ』

イブの言葉は、いつも簡潔だ。
簡潔ながらも、力強い―――。
そのイブの言葉を、リファニアは心に抱いて痛みに耐えた。
生きているからこそ、痛みを感じもする。
痛みを感じるからこそ、きっと、まだ―――。

………。

手術が終わって後にかけられたイブの言葉は、リファニアに希望を与える言葉だった。

『……後は、生き残ったらちゃんとした病院で診てもらいなさい。
 腱も神経も無事のようだし、頑張れば充分動かせるとは思うけど、無理をしてはダメよ。
 無茶も程ほどに、ね』

―――きっと、まだ、壊れていない。
両の手はまだ、夢に向かって伸ばす事が、出来る。
ならば、リナルドにギターを預ける必要は、無かったのだろうか?
……いや、そんな事は、ない。
夢は、リナルドと共に。
歩むべき未来を、リファニアはとっくに、そう決めていたのだから。
リナルドには、何があろうとも生きてもらわなければ困るのだ。
……その為に、彼が死ねない理由を、つくったのだ。

酷く不吉な何かを……少女は、感じていたのかも知れない。
だが、抗えない運命なんて何も無いと、少女は信じていた。
たとえ力及ばず、失い続けたとしても……それでもまだ、信じていた。

「……ありがとう、イブさん。とっても痛かったけど、かえって目が醒めたよ。」

いつもの強がりの言葉をはき、いつもの微笑みを浮かべるリファニア。
イブの忠告は、心に留めておこう。できる限り、無茶はしない。
無茶をするとすれば、管制側に対し、傷ついた身体と傷ついたMS、
そして、決して折れぬ心で以って、立ち向かうという程度のものだ。

そんなの、ぜんぜん、無茶じゃない―――。

そんなリファニアの視界に、唐突に、美しい黒髪がふわりと広がった。
少女の目から見ても、その艶やかな輝きは、思わずどきりとさせられてしまう。
そんな少女に向かって振り返ったイブは、ノーマルスーツの前を、肌蹴ていた。
白く美しい肌―――その白さは、儚さすら感じさせる程で―――その胸元に、銀のロザリオが輝く。
イブは、首から下がったロザリオを外し―――。

『お守り。傷が早く治るように』

……えっ……?

リファニアの首に、そっとかける。
呆然とするリファニアを他所に、イブは、満足そうに頷いた後―――。

『使命創造命運(スミンツァンゾミンイウン)―――使命があるから、運命は造られる。
 多分、私は使命を果たせたと思う。次は貴女の番よ』

……果たした……?

「イブさ……。」

―――微笑みを浮かべたまま、イブは少女を、その胸の中に抱きしめた。

暖かい―――
                                ―――ケド、ツメタイ。

心はこんなに、暖かいのに―――。
―――身体はなんで、こんなに冷たいの?

抱擁を解き、リファニアに背を向けるイブ。
直後、リファニアの視界に飛び込んできた、紅い、生命の液体。
無数の血の珠が舞い、カンイージのコックピットを、紅く染めた。

……だめ、だめ……。

……イブさんは、生きなきゃ、だめ……。

……向こうへ行っちゃ、だめ……。

……ダグラス君も、望んでないよ……。

……私だって、私だって……。

「……私も、イヤあぁぁぁっ!!」

叫びは、届かない。
イブの耳に、届く事は無い。
すでに、決定的な何かが、途切れていた。
流れ込んで来る、想い―――。
何故、イブも、シェラも、自分に対して、こうまで価値を認めてくれるのか―――。

『幸せになりなさい。夢を、叶えなさい。
 それが貴女の使命。良いわね?』

イブは、リファニアに使命を課した。
他の誰でもない、リファニア自身の為の、使命。

……それがイブの、最後の言葉だった。

「……イブさんっ……!!」

叫び、イブの身体を必死で抱き寄せるリファニア。
急速に失われてゆく温もりを取り戻すべく、必死で抱きしめても……。
閉じられてゆくイブの瞼を、止める事は叶わなかった。

瞼が閉じられると共に、イブの身体から、生きるための力が……ふっと、抜けた。

二度と瞼を開く事の無い、リファニアが姉のようにも慕った女性。


イブ・シュウリンは……まるで、恋人に遭う少女のような笑みを浮かべ……眠っていた。


………。


コックピットの中を、重い沈黙が、支配する。
暫くして、少女は静かに、口を開いた。

「……イブさん、私ね……綺麗なんかじゃ、ないの……。
 人を、殺しもした。
 自分を見失ってたなんて、言い訳もしない。
 はっきりと、自分の意志で、やったの。
 人の生命を、弄ぼうともした。
 ……人の生命を踏み台にしてでも、私と、私が大切に想う人達を、生き残らせようとした。
 結局、それをする事は、なかったけど……ね。

 ……汚れてるの。
 汚れてるはずなのに、前と同じようにね、微笑む事が、できるの。
 ……私、化け物よ、きっと。
 子供の皮を被った、悪魔よ。
 ぜんぜん、綺麗なんかじゃ、ないよ……。」

いくら明るい顔をしても、前向きに生きているように見えても……。
少女の心の奥底に打ち込まれた黒い楔は、未だに全て抜け落ちては居ない。
……抜け落ちる事も、無いかも知れない。

「……綺麗なのは、イブさん……。
 その黒髪も、白い肌も……全てが綺麗で……憧れちゃうよ。
 イブさんみたいに、心の底から暖かくなるような笑顔なんて、浮かべられないよ……。
 ……この十字架は、私には、重いよ……。」

少女の、泣き言。
だが、言葉とは裏腹に、少女はしっかりと、十字架を握り締めた。
「……でもね、イブさん。
 私は、努力する。
 綺麗になろうって、努力する。
 精一杯、努力する。」

十字架をきつく握り締めるリファニア。掌に、血が滲む。
まるで、自らの血を、十字架に吸い込ませるように。
……それは、少女の決意の表れだった。

「……イブさんみたいに綺麗になろうって、努力、するから……。」

搾り出すように言葉を発した後。

少女は、イブの亡骸を抱いたまま、慟哭した。


ごめん、イブさん。
ほんとは、歌ってあげたいけど。

―――すぐには歌えそうに、ないよ。

【行動 : リナルドとの通信回線継続(0)、残4 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : LM111E02ガンイージ(預)
        機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、
        頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、眩暈 】
【武装:  頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめはつけた? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン? 】
21通常の名無しさんの3倍:04/09/04 19:30 ID:???
第15章 >20 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■◎■◎◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□◎□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎◎◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□◎□◎□■※◎■
05□◎◎◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎◎◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□◎◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□◎□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08◎◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□◎□◎□※◎□□□◎   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□◎◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■◎□□◎□□□◎□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎▼□□◎□92■99□◎□◎□◎■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎00□□□◎□□□◎□□◎   門:『ゲート』?(詳細不明)
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□
20◎□◎□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□11▼◎◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□01◎▼◎□◎
22◎□◎□□□◎◎◎※◎◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□
23◎■◎◎□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※◎■◎□□◎◎■◎◎※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎
25??????????????????????????
26??????????????????????????
27?????????????????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
07・14は同一地点。11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は同一地点。
11と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
22通常の名無しさんの3倍:04/09/04 19:32 ID:???
生徒名簿

 01番 シュウジ・アサギ         (32) 男性  ビギナ・ギナ
 死亡 シュヴァイザー・シュタイナー (44) 男性  ボリノーク・サマーン
 死亡 イブ・シュウリン          (24) 女性  Vガンダム
 死亡 ユリ・ランブ            (16) 女性  (ゴトラタン)
 死亡 ダグラス・ロックウード     (17) 男性  ゴトラタン(元・ケンプファー→ジム・ライトアーマー)
 死亡 ジェイス・カーライル       (28) 男性  ジェガン
 07番 ベルク・クロフォード       (25) 男性  ペズ・バタラ
 死亡 ヨーコ・クロサキ         (17) 女性  ガズR
 死亡 リオン・フライハイ        (15) 男性  ジオング
 死亡 アシッド・ミニングリー      (29) 男性  ギラ・ドーガ
 11番 サーティア・クワン        (19) 女性  ガンイージ(元・ジム・ライトアーマー→ジャベリン)
 死亡 サブナック・B・アンドラス    (17?)男性  ビグロ
 死亡 ショーン・コネリー        (52) 男性  ガンダム4号機(元・ジャベリン)
 14番 レイモンド・デリック       (31) 男性 ジャベリン(元・ガンイージ)
 15番 リナルド・グレイス        (22) 男性  アビゴル
 死亡 アレン・D・バディアン     (20) 男性  ハンブラビ(元・ガンダム4号機→ジャベリン→ゴトラタン)
 死亡 フィニー・ディクセン       (18) 女性  (ハンブラビ)
 死亡 レニウム・アートナー      (33) 男性  ジ・O
 死亡 ラーズ・フィリー          (16) 女性  ヤクト・ドーガ(クェス機)
 20番 リファニア・ニールセン     (15) 女性  ヤクト・ドーガ(サイコガンダムMk-U)
 死亡 アーネスト・マンソン  (20代後半?)男性  ガザD(+旧ザク)
 死亡 リー・ションロン          (22) 男性  (ビギナ・ギナ)
 死亡 スタンリー・M・イプキス     (33) 男性  クロスボーンガンダムX2
 死亡 ジョシュア・カミンスキー     (31) 男性  ガンダムMk-U(ティターンズカラー)
 死亡 ルイ・フィルセント         (22) 女性  R・ジャジャ
 死亡 シェラザード・ビンス・マクファーソン (28) 女性  キュベレイMk-U(3号機)

 00番(元ティーチャー)リーア・ミノフスキー(??) 女性  コアブースター
23艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/05 00:02 ID:???
(前回と同じ男性の声で定期放送が流される)

『定期放送の時間である。

 先の定期放送より今までの間に、1名の生徒が『脱落』している。
 脱落者は 03番 イブ・シュウリン である。
 以後も皆、頑張るように。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『B-09』 『F-13』 『H-20』 『L-15』
 『R-02』 『T-21』 『W-03』 『X-06』

 以上だ』

【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
24リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/05 00:03 ID:???
第15章 >23 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎×■■99□◎□◎□◎■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎00◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□11▼◎◎□
21※◎※◎□◎◎□◎×01◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
07・14は同一地点。11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
11と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
25リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/05 00:05 ID:???
「前ティーチャーは何をノロノロしているのかね?」
「1号機からの報告によると、『折られた肋骨が痛いので速度が出せない』とか」
「チッ、全身の骨がヘシ折れる速度で吹っ飛ばしてしまえ、あんな女。
 1号機にもっと速度を上げるよう命令しろ。
 ……で、探索に行った2号機と3号機はどうしてる?」
「ようやく小惑星基地に侵入したようです。これから軽食を取った後に探索を開始するとのこと」
「食事なんて暇があるならさっさと仕事しろ。それで、あの基地に何か残ってるのか?」
「生徒も得てない詳細なマップがありますからね。何か見つけてくるでしょう。たぶん、ですが」
「ふん、なんとも頼りないことだな。全く使えない連中だ。
 秘密兵器の一つや二つ隠してあるくらいのこと言えんのか」
「…………」

……名もなき通信兵は、尊大なる艦長の暴言に眉を寄せた。
一体この人は何が不満なのか、敵味方を問わず常に他人を見下し罵倒している。
おとなしいのは自分よりも目上の人間の前だけだ。
それでいて、前のティーチャーと違って自分では何もしようとはしない。
裏切り者の指揮官と横暴な指揮官、どっちがマシなのだろう、と彼は考えた。
そして、どちらも同じくらい最悪であるとの結論を得て、ため息を漏らした。


【リーア先生の行動:移動(O-18→P-18→P-19)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(O-18→P-18→P-19)(−2p)
         2・3番機移動(M-15→H15)(−10p) 小惑星侵入(−2p)】
【位置:管制艦O-15、リーア先生&ギラドーガ1番機P-19、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
ベルクの説明を見て、俺は唸った。
俺は実は、ベルクの端末は首輪に関係なく位置を表示できるものと思っていたが、実際はそこまで
便利なものでもないらしい。
たしかに俺の目に映る端末に表示された識別番号はリーア=ミノフスキーのものだけで、レウルーラ
のものはない。

(まいったな・・・。リーア=ミノフスキの周囲の様子とかも知りたかったんだが・・・)

考えを巡らせながら、少しずつ返事を書いていく。 

・・・裏切った人間の移送に見張りを付けないわけがない。
問題は、それにどれだけの戦力を割いたか、という事だ。
現状でレウルーラが攻撃される危険はさほどない筈だから、ギラ・ドーガを最低でも2機くらいは付けているだろう。
リーア=ミノフスキーは管理者側の内情をよく知る人間だから、中途半端な戦力はつけられない。
もしも彼女が、俺たち参加者に協力したらどうなるか?
向こうもそのデメリットを考えないわけではないだろう。
・・・いや待て。
ベルクはリーア=ミノフスキーも首輪を付けていると言った。
もしかしたら、管理者側はその首輪も爆破することが可能なのではないか?
それならばいちいち見張りを付けずとも、彼女が変な動きをしたら爆破して済む話だ。
だからといって、見張りがいないと決め付けるのは・・・。

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分からん。
 ・・・・・・ま、こういう時は基本に忠実にいこう)

残りの文を書き上げると、ベルクに渡した。

[今急ぐのは得策ではないな。タイヤに乗っているジャベリンはともかく、お前のペズ・バタラは
 損傷が激しいから、無理はさせられない。それにリーア=ミノフスキーの現在位置はさっきまで
 レウルーラが端末に映っていた位置から近い。今仕掛けると増援がすぐに駆けつけてくる。
 ・・・仕掛けるならば、T-19がいい。ここならば上下のポイントからの挟撃が可能な上、近くに
 ムサイもいる。上手く運べば、一気に決めることができるかもしれない。

 で、だ。俺はこれから戦場の基本に立ち返って、偵察に出る。リーア=ミノフスキーの見張りに
 どれだけの戦力がいるか調べたい。
 あと、できれば彼女とムサイのメンバーにコンタクトをとっておきたいと思う。

 この首輪カバーを3つ渡しておく。俺にもしもの事があった時の為だ。
 ディスクは一応俺が持っておく。言っておくが、片腕の俺では戦闘中に作動させるのは難しいかもしれないぞ?]

俺の分を除いた3つの首輪カバーを置くと、俺はジャベリンに乗り込んでエンジンを作動させた。
静かな、心地いい振動がコクピットに響いてくる。

(・・・いい感じだ。ジャベリンも・・・俺も!)

ベルクへの挨拶代わりにジャベリンの腕を軽く振り、俺はタイヤを勢いよく走らせた。
【行動:首輪カバーを渡す(−1)機体始動(−1)移動ボーナスでT-19に移動(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22→U-21→U-20→U-19→T-19】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、トリモチ銃(40%)、ディスク】
【行動方針:偵察】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
レイモンドからの返事には後者の方を選んだ解答だった。

(やはり、考えることは同じか・・・・・。)

首輪カバーを3つ俺に渡したレイモンドは
早速ジャベリンに乗りこみタイヤを走らせ偵察に向かっていった。

(行ってしまったか。
 俺も万全の体制を整えておく必要があるな。)

自分もペズ・バタラのコクピットに戻り、
拳銃やナイフを収めてあるホルスターを再び腰に巻き
銃を取り出すと、マガジンの残弾を確認したりと
点検漏れが無いか確認していた。

(そい言えば、ムサイのメンバーとコンタクトを取りたいと
 書いてあったが、シュウジが戦闘をしているかもしれない
 のに危険過ぎる気がするな、ましてや彼は規定に法った
 勝利者になろうとしているのであればなお更・・・・・・ 
 偵察から直接戻っきてもらえると、助かるんだがな。)

その辺は、こいつで確認するほか無いだろう
一通り武装を点検し終わった後、
特殊情報端末の画面を観察していた。

これだけでは詳しいことは分からない
だが、様子が変であれば行動に現われる
それを見落とさないよう、感知されている反応を確認していた。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    MSに戻る(-1)武装点検(-1)特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
29リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/07 00:01 ID:???
第15章 >28 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎00◎□□14□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□01▼◎◎□
21※◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
11と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
T-19ポイント。
リーア=ミノフスキーがここを通るならば、俺はここで彼女を保護する為に攻撃を仕掛けたい。
ただ、そう考えたからといって、それが実行に移せるかはいささか心許なかった。
まずはとにかく、彼女にここに来てもらわねばならない。
全てはそこからになる。
そして彼女の首輪の問題。
先程の俺の予想通りならば、迂闊な行動をすると彼女の首輪が爆破されるかもしれない。
そして俺たちのタイムリミットの問題。
管理者側に攻撃を仕掛けるからには、一気に全てを決めるくらいの覚悟が必要だ。
だからこそムサイの参加者にもコンタクトを取らねばならない。
最後の選択をさせる為に。
イブ=シュウリンが脱落した今、彼等にも決断が必要になる。

俺は筆談の文を書きながら、リーア=ミノフスキーがいる筈の方向を見る。
彼女とコンタクトを取る、と言っても殆ど時間は取れない。
あまり長いこと留まると、それだけで管理者側の疑惑の目が彼女に向いてしまう。
だから俺は1度だけ回線を繋ぎ、筆談の紙を見せる。
あとは……彼女が理解してくれる事を祈るしかない。

リーア=ミノフスキーの首輪の問題。
これは更に賭けにでる必要がある。
俺(協力してくれるならばムサイ組も)が攻撃を仕掛けて見張りのギラ・ドーガを牽制。
その隙に首輪カバーを持つベルクが彼女と接触……そしてカバーを付けさせるしかない。
許される時間は、いいとこ数分くらいだろう。

(彼女がここに来るかどうかは賭け。そして彼女を助けられるかどうかも、賭けか。
 ま、分かっていても改めて考えると、どうにもキツいな。…だが…それでも……)

リーア=ミノフスキーへ見せる簡単な文を書き終えると、ベルクの端末に示されていた彼女がいる
と思われるポイントに向かって走りはじめた。
彼女がまだ動いていなければ、レーダーに捉えるのにそんな時間はかからない筈だ。

そこに向かって走りながら考える。

(リーア=ミノフスキーか。…俺たちを死地に送りだした人間を助けなきゃならないとはな…。
 全く…一体どんな顔で接すりゃいいんだか…。『お助けに参りました、姫』って恭しく
 礼でもするか?…まあ、最初よりは違ったものも見えて……!!)

「うわっと!な、何だ?」

レーダーに突然現れた光点に驚きの声を上げる。
半分は演技、もう半分は本気で。

「何でこんなとこにMSがいるんだよ!」

あくまでも偶然の接触を装いながら、俺の目はレーダーに、そして左手は通信機に伸びている。

(見張りのギラ・ドーガは…1機だけ…!?どういう事だ……。…ちっ、考えるのはあとだ!)

思考を切り替えると、俺は回線を繋いだコアブースターのモニターに移るように紙を広げた。
俺はそこに、分かりやすく一言だけ書いていた。

[リーア=ミノフスキーへ
 何とかしてT-19に来てくれ。こちらも何とかする]

(続く)
俺は広げた紙をモニターに2、3秒見せたあと、そこに映る女性に向かって敬礼の姿勢を取る。
そして素早くタイヤの向きを変えると、もと来た道を引き返した。

「ったく…。あぶねえな…」

勿論最後まで偶然を演出する事は忘れずに。

それから…俺は最初の予定を変更して、一旦ベルクに連絡を取る事にした。
偵察の結果を含めた計画を伝える為だ。

正直、ギラ・ドーガが1機だけ、というのは俺も驚いた。
そこに考えられる可能性はいくつかある。
1つ……首輪がある為に、さほど多くの見張りが必要ない。
これが1番妥当だろう。
リーア=ミノフスキーがおかしな真似をしても、そのギラ・ドーガが報告すればいいだけの事だ。

2つ……罠。
これもあり得ないでもない。
リーア=ミノフスキーと1機だけのギラ・ドーガを餌にして俺たちを誘き寄せ、攻撃させる。
それを見計らって、後続させた残りのギラ・ドーガを投入して俺たちを一網打尽にする。
…ただ、管理者側がそこまで積極的に干渉してくるとは思えない。
第一それで万が一ギラ・ドーガ隊が敗れた場合、レウルーラを守る傘がなくなってしまう。

3つ……実はリーア=ミノフスキーはさして重要ではない。
あり得ないではないが……。
ついさっきまで現場責任者だった人物が重要ではない、というのはいくら何でも……。

ベルクへの文を書きながら考えたが、基本的には1つ目の説の線で進めるべきだろう。
…だからこそ、首輪カバーは必ず渡さなければならない。
タイヤはそれを伝えるべく、基地にへ近づいていく。

【行動:移動ボーナスでR-19に移動(−1)コアブースターに通信回線接続、切断(−1)
筆談(0)移動ボーナスでU-20へ移動(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-19→S19→R-19→S-19→T-19→U-19→U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能右肩装甲損傷、左肘
      ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基
      消失、機体爆弾処理完了
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
暫く走り続け基地の近くで一旦機体を止め、ベルクに見せる文を書きはじめた。
隣のポイントにはシュウジとムサイのメンバー――と言っても今はもう、リファニア=ニールセン
とリナルド=グレイスだけだが――とサーティアがいる。

(まずいな…)

内心に焦りを感じて、自然に口元が歪んだ。
リーア=ミノフスキーT-19に来てくれるならば、なるべく早くにムサイのメンバーに協力を要請
したいのだが、元からサーティアがいる所にシュウジまで加わっては協力どころではなくなる
可能性が高い。
作戦を成功させる為に何とかムサイのメンバーを引き込みたかったが、この状況では俺とベルク
だけで実行するのもやむを得ないか…。

書き終えると同時にベルクに通信を繋げ、状況を伝える。

「ベルク、聞こえるか?西の方へ行ってみたんだが、さっき先生が言っていたギラ・ドーガが
 いたから、向こうには行かない方がいいな。面倒な事になりそうだ」

表向きの偵察結果を伝えながら、そして本命の紙を見せた。

[リーア=ミノフスキーが信用してくれるかどうかは分からないが、とにかくメッセージを見せてきた。
 見張りにいるギラ・ドーガは1機だけ。これはチャンスと見る。
 で、詳しい作戦の内容だが…。
 リーア=ミノフスキーがメッセージ通りにT-19へ来たら、俺がタイヤの機動力を活かして
 ギラ・ドーガを牽制し彼女を逃がすから、ベルクは一刻も早く彼女と接触して、預けてある首輪カバー
 を渡してくれ。
 リーア=ミノフスキーの首輪を爆破させるわけにはいかない]

ベルクからの返事を待ちながら、続きの文を書く。
そうしながらも、隣のムサイの様子も気になって仕方がなかった。

【行動:ペズ・バタラに回線接続(−1)筆談(0)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
33リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/08 23:07 ID:???
>>30-31
接近してきたアインラッドは、ギラドーガとコアブースターの存在に気づき、足を止めた。
数秒ほどその場に停止し、慌てた様子で引き返していく。

「全く……ヒヤヒヤしましたね。引き返してくれてよかったですよ、ねぇ?」
「…………」
「……? ……もしもし? どうしたんですか?
 聞こえてますか? リーア・ミノフスキーさーん? もしもーし!?」

 *  *  *

……ギラドーガ1号機のパイロットの声は聞こえていたが、彼女はすぐに答えなかった。少し考え込む。
レイモンド・デリックの通信方法は非常に冴えたやり方だった。これなら確かに管制艦にも把握されない。
そして、彼の表情と敬礼の動作から、彼の『策』こそ分からないものの、その『意思』は理解できた。
問題は……
(そこまで無理をできるか、そしてその価値があるかどうか……ね)

コアブースターのコクピットから、チラりとギラドーガを見る。
銃口をピタりとコクピットに突きつけたまま、静かについてきている。
『ゲート』までの進路を考えても……少し、遠回りになってしまう。
T-19を経由しようとすると、小惑星の角が進路の邪魔になるのだ。
(……やりたいことも教えてくれれば、もう少し考えてあげられたのに)

「……もしもし! もしもし!!」
完全無視の態度を示す彼女に、ギラドーガのパイロットが半ばパニックになって通信してくる。
腹を決めた彼女は、ようやくその通信に反応を返す。

 *  *  *

「……もしもし! もしもし!!」
ギラドーガからの再三の呼びかけに、ようやくリーアは気づいたようだった。
ハッとした様子で周囲を見回し、慌てて通信機器に手を伸ばす様子がキャノピー越しにはっきり見える。
34リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/08 23:08 ID:???

『ああ、ゴメンゴメン!! ちょっと考え事してたわ。
 さっきのアインラッドは戻っていったのね。何をしたかったのかな?
 私たちを《どこかに誘き出したかった》のかしら。 
 別に《こっちには用事はない》し、何かしてくれるつもりだったとしても《自分のことは自分でできる》のに。
 ねえ、どう思う?』
『どう思うって、私も分かりませんよ、そんなことは』
『でも戦闘にならなくて本当に良かったわね。今の私は《怪我のせいで事実上MS戦はできない身体》だもの。
 ま、彼らが襲うとしたら私たちでなく《動いてない》レウルーラだとは思うんだけどね。
 あっちのみんなは大丈夫かな……《私の監視に1機》出して、《戦力強化の探索に2機》出してる最中でしょう?
 私が指揮する立場なら、そんな戦力の分散はさせないのに』
『今さらあなたの考えることじゃないでしょう……
 ……って、ちょっとちょっと! リーア先生、いやもう先生じゃないけど!
 通信が《全体通信》になってますよ! 早く切って下さい!』
『……え!? あ、ほんとだ、ヤバッ(ブチィッ!!)』

キャノピー越しに見えるのは、慌てて通信システムを操作している彼女の姿。全体通信は切れたようだ。
先ほど慌てて操作した時にスイッチを間違えたのだろうか。
彼女の周囲を、3体のハロが馬鹿にするように飛び跳ねているのも見える。
両手を合わせこちらに向かって謝って見せる彼女の姿に、ギラドーガ1号機のパイロットは苦笑した。

……だが、冷静に考えれば、これは苦笑で済ませられる話ではない。
こちら側の話、管制側の内部事情が無造作に話されてしまっていたのだ。
彼女のお目付け役として、あの短気な艦長に怒鳴りつけられるのは避けられないだろう。
彼は艦に戻った時のことを考え、深い溜息をついた。

コアファイターとギラドーガは、進路を少し曲げる。
しかしその方向は、T-19に向かう直進ルートではなかった。
相変わらずのゆっくりとしたスピードで、2機はマップの外に向かって進んでいく。


【リーア元先生の行動:全体通信(−2p)移動(P-19→Q-19→Q-20)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(P-19→Q-19→Q-20)(−2p)
           一番機、リーアと通信(−1p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機Q-20、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】

(付記:全体通信で垂れ流された部分は、二人の会話の『』で囲まれた部位です。
    また《》の中の部分は、聞き方によっては不自然にも感じられるアクセントで語られています)
特殊情報端末の画面に表示されている反応のなかで
頻繁に動いているMSを見ていた。

(移動するペースからしてレイモンドの状況に問題は無いようだな
 もうすぐ戻って来るみたいだし。)

レイモンドが2ブロック先で待機し通信を入れてきた。

>>32

「ああ、禁止区域も多いしな
 ちょっとしたミスで首が無くなっちまうことだってある
 今は慎重に動いた方がいい。」

それに答えつつ、モニターに映るメモの解答を書く

[ギラドーガ1機なら何とかなりそうだな
 だがあまり無理はするな1機だけでも十分手ごわい
 奴への説得に関しては自信は無いが出来るだけ手早く
 済まそう。偵察ご苦労さん]

と書いた紙をレイモンドに見せた。
その時、聞こえるはずも無い声が
何の前触れも無く聞こえ始めた。

>>34

(そう都合良くことが運ぶことはないか。)

ちょっとした鬱状態になったが気を取りなおして
この不意に入った全体通信の会話を聞くなりメモを書き始める。
書き終わるとそれを再びレイモンドに見せる。

[これだけあちら側の状況が分かるのは嬉しいことなのだが
 流石にこれだけの失態、奴等も彼女をこのままにしておかないとも限らない
 だが、それぐらい彼女も分かっているはずだ
 だとするなら自分に何らかの保険をかけているかもしれない
 彼女の安全は軽視していても問題は無いかもしれない
 問題は誘いに乗ってもらえなかったことだ。
 ムサイ組の協力はどちらにしても難しそうだしな
 シュウジに関してはこれ以上関わるとこちらまでも標的にされる可能性もある
 残念だが、自分達の存在にリミットをつけて作戦を行うしかないだろう
 しかけるタイミングは彼等が俺達に最も近づいたときだ。
 他に策が無いのであれば玉砕覚悟の強行手段に出るしかない
 どうする?レイモンド。]

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
ベルクの返事を受けて、更に文を書き加えていこうとしたその時、不意に全体通信が入った。

(ん・・・?定期放送には早すぎ・・・)

またレウルーラからの放送かと思ったのだが、その予想あっさりと覆った。
故意か偶然かは、知る由もない。
だが彼女・・・リーア=ミノフスキーはその全体通信で再びレウルーラの情報を流した。

暫くしてベルクが通信を聞いて書いたのだろう、文を見せてきた。
前半については俺も全面的に賛成だった。

・・・どうやら俺の賭けはいきなり外れたらしい。
まあ、俺としてもあの文で信用してもらえるとは、あまり思っていなかった。
全てを伝えて、万が一にもそれを利用されることを恐れたのかもしれない。
もしかしたら罠ではないか、という疑心が拭えなかったのかもしれない。
とにかく、俺も結局はリーア=ミノフスキーを信用し切れなかった。

(・・・その時点で、勝ち目のない賭けだったのかもな)

俺の中に微かな後悔の念が生まれるが、極力表に出さないように努めた。

さっきまで書いていた紙を丸めて、新しく文を書き始めた。
リーア=ミノフスキーの言葉を考察すると、どうやら彼女は自分なりの策を持っているようだ。
そしてそれを堂々と言うところからして、彼女は現状では――少なくともゲートに着くまでは――
殺される事はないらしい。
彼女がゲートに着くまでに何かを仕掛けるのか、それともゲートに着いてからになるのか俺には
わからないが、こうなった以上ギラ・ドーガを1機なるべく遠くまで引き付けてもらうしかない。

途中まで書きあがった紙をとりあえずベルクに見せた。

[リーア=ミノフスキーについてはそれほど気にしなくてもいい。どちらかと言えば俺たちでは
 なく、ムサイの参加者との交渉材料にしたかったんでな。そのムサイも今は交渉ができる状態
 ではなさそうだし、まあ、ちょっとつまづいた程度に思っておいてくれ。
 
 あと、お前の言う玉砕覚悟というのは反対だ。・・・俺がこうして考え行動しているのは、
 あくまでもレウルーラに勝つ為だ。勝って、ルイとの約束を果たす為だ。
 その為に戦い抜き死ぬ事を恐れはしないが、初めから死ぬ事を前提にした戦いはしない]

そこまでの文を見せながら、俺はレウルーラの情報とこちらの戦力を秤にかけていた。
口元に静かに笑みを湛えながら。

(ここまでの情報が真実ならば・・・)

紙を持つ手に力がこもる。

(少しレウルーラを突付いてみるのも面白いか・・・)
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
慟哭は、いつの間にか収まっていた。
眠りと覚醒の狭間で、少女は黒髪の女性の亡骸と共に、静かにそこに居た。

「……イブさん、ダグラス君の所に行けたよね、きっと。
 満ち足りた顔して、眠ってるもの……。」

傍らに眠るイブの顔を覗き込みながら、呟く。
仮初めの、安らぎの場所で。
殺し合いの道具の、狭いコックピットの中で。
本来ならば、安らぎとは無縁であろう場所。
だが、このプログラムでは、そこに居る限りとりあえずの安らぎは保障される。
人機一体であることを、強制的に求められる殺し合いのプログラム。
だからこそ、少女は今まで生き残ってこれたのだ。

プログラムの、戦いの終わりは近い。
突然入った全体通信も、その事実を物語っていた。

>>34
……世界は、動いている。
私が止まっていたといしても、動いているんだ。
私は、広大な世界の中のちっぽけな輝きのひとつ。

だけど私は、消えたくない。
もっともっと、輝いていたい。
あの人のように。
アレン=D=バディアンのように。
強く、眩しく、輝いていたい。
たとえその輝きの色が、異なっていたとしても。

動かなきゃ、巨大な流れに飲み込まれないように。
私が示せるのは、方法ではなく、姿勢だけだけど。
それでも、道を示す灯火くらいには、なれるだろうから。


朦朧とした意識は、心なしか幾らかマシになってきたように思える。
まるで、イブが生命を分け与えてくれたかのような……そんな感じがして、
哀しくとも、決して折れてはならないとの思いを、リファニアは前にも増して強く抱いていた。
 
>>前スレ266
突然、レーダーが接近する機体の反応を捉えた。
いや、接近するというより、すでにすぐそこまで迫っている。
……機体は接近していたが、その反応は酷く微弱だ。
おそらく、スラスターを使用せずに、慣性にまかせて漂っているのだろう。
反応が極端に小さいのは、そのせいか。

機体がここまで接近すれば、機種の特定も可能となる。
その機種は……ビギナ=ギナ。
パイロットは、おそらくはシュウジ=アサギ。かつて、戦った相手だった。
リナルドの元同盟相手で、その同盟を自分から崩壊させた男。
そして、シェラと戦い、傷つけ……もしかしたら、イブの負傷の原因ともなった相手。
……直接その話を聞いた訳ではないが、あの時の状況と、
その後のシェラの行動から、ほぼ間違いないだろうとの確証があった。
だからこそ、あの時は互いに刃を交える事となったのだ。
……結果は、リファニアの完敗と言っても良かった。
リナルドが来てくれなければ、確実にリファニアは生命を落としていた事だろう。

「………。」
レーダーの光点を見つめるリファニアの表情からは、その心は読み取れない。
心を乱されないように、感情を殺しているのだ。
少女の内に渦巻く激情は、あの時歯が立たなかった口惜しさか、シェラを失ったやるせなさか。
それとも、イブを失った事による激情をぶつける相手を目の当たりにしたからか。

……それとも……?

レーダーの光点を見つめながら、少女はリナルドとサーティアに語りかけるように、
通信機に向かって口を開いた。

「……リナルド、サーティアさん。
 私は、もう動けるから。色々と気を遣わせてしまったみたいで、ごめんね。
 サーティアさん、ガンイージ、ありがとう。コックピット、血で汚してしまってごめんね。
 ……左腕ね、使えないの。今の私じゃあ、モビルスーツに乗っても、戦力外。
 でもね、サイコなら、コントロールの一部をサイコミュに依存させる事ができる。
 今の私でも戦力になるし、私にとって特別な機体だから、私に使わせて欲しいの。
 もし、使いたいのならば、イブさんのVガンダム、使ってあげて。
 誰かに使って貰った方が、イブさんも喜ぶと思う。」

少女の声は、普段よりも心なしか低いトーンだったが、はっきりとした響きを持っていた。
……その声色からは、なんの感情の色も出てはいなかったが。

少女の心が、崩壊した訳ではない。
サイコに乗るのであれば、激情は身を滅ぼす。
まして、今のリファニアでは、尚更だ。
少女は、サイコミュに飲み込まれないだけの強固な意志を保つべく、努めて心を殺していた。

リファニアは、ガンイージのシートにしっかりと身を沈めると、
ゆっくりと、慎重に、機体を動かし始めた。
初めての機体である上に、左腕が使えない。
ただ格納庫まで行き着くだけで、相当な労力となる。


苦心しながらも、何とか格納庫に辿り着く。
サイコの鎮座する、HLV格納スペースではない。
まずは、シェラの遺したサイコの為の武装、巨大なシールドと、ヒートグレイブを用意する為だ。
少しでもサイコミュの負担を軽くするために、なるべくサイコミュに頼る必要の無い武装を用意する。
サイコでは、直接格納庫に入る事はかなわないので、ガンイージで作業する必要があった。
作業といっても、転がっている矛と盾を格納庫外まで押し出すというだけの話だが。

格納庫外にゆっくりと流れてゆく巨大な矛と盾の脇を抜け、
再び艦外へと出て、ガンイージをHLV格納スペース付近まで向かわせる。

HLV格納スペースの周辺は、炎の勢いがかなり強かった。
以前に起こった爆発地点より、かなり近かったからだ。

だが、紫の悪魔は、ミョーコウに抱かれるようにしながら、その無事な姿をリファニアに示してくれた。

「……久しぶりだね。」

リファニアの表情が、僅かながらも緩んでしまった。


イブの黒髪を愛しむようにまとめ、その亡骸にメットを被せ。
自らもメットを被り、ガンイージのコックピットハッチを開くリファニア。
イブの亡骸を右腕で抱きながら、炎に炙られつつも、サイコのコックピットへ向かって、跳んだ。

「……開いて。私を、招き入れて。
 戦う力を、もう一度、私に……与えて。」

宙を漂うリファニアを招き入れるべく、紫の悪魔のコックピットハッチが開放される。
その胎内に、リファニアを優しく受け入れた途端に……悪魔のコックピットが、長き沈黙から目を覚ます。
沸き起こるサイコミュの波動は、荒々しくて……そして、少しだけ、優しかった。
そう感じられるのは、リファニアだけなのかも知れなかったが。

「……ふふっ、本当に、久しぶりね。
 人の作り出した悪魔、サイコガンダム。
 私はあなたの事、嫌いじゃない。
 だって、人の作り出した悪魔って、お互い様でしょ?
 もっとも、悪魔にだって微笑む権利くらいあると思うし……。
 綺麗に生きようと頑張ったって、それは罪じゃないよね?」

……そう、綺麗に生きる。
傍らに眠るイブ・シュウリンに、誓った事だ。

「……さてと、今すべき事、出来る事……。」

サイコミュの波動に飲み込まれる事は無いと判断したリファニアは、
高揚しそうになる心を鎮め、レーダーに映った光点に、再び目をやった。

「……ビギナ・ギナ……。」

その機体の名を呟く少女の声色は、先ほどと同じように、無機質なものだった。
紫の悪魔の拘束が、解かれる。

【行動 : リナルドとの通信回線継続(ガンイージ)(0)、格納庫へ(-1)、矛と盾を放出(-1)
      出撃(-1)、サイコに乗り換える(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤモヤするような感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
>>36

レイモンドからのメモの返事を踏まえて
これからの行動についてのことを書いた。

[わかっている。俺もただで死ぬつもりは無い。 
 玉砕覚悟と言ったのはそれぐらいの気を持たないと
 半端で終わってしまうぞと言う気持ちだったんだが
 誤解を招いてしまったようだ。

 元ティーチャーの捕獲に付いて俺は貴重な情報源だと思っている。
 レウルーラに攻め込んでも何があるか判らない状態では
 現状対処で精一杯だ。それよりも多くの情報を知っていた方が動きやすい
 今はまだ俺達に時間は残されている分、余裕がある
 今までの移動ペースを見て見るとコアブースター
 に乗っているにもかかわらずゆっくりと行動している
 身体に負担をかけない為かギラ・ドーガの移動速度に
 合わせているか、理由はどうであれ手の届く位置に居ることは確かだ。
 俺はまだティーチャーの捕獲を諦めたわけじゃない
 
 前の文でも書いた通り、ティーチャーが近い位置にきたとき
 俺は行動を起こそうと思う。
 何も無理に付き合えとは言わないお前はまだカバーを付けずに
 待機していてくれれば俺が何とかティーチャーから情報を聞き出せた時
 それをお前に伝えればお前には何のリスクも無い、その後は保証しかねないがな
 
 他に策があるなら提案してくれ、俺の作戦は信頼性の欠けるものだからな
 実現性の高いものならなお良いんだが。]
 
書きあがった紙をレイモンドに見せながらもうすぐ流れてくる
定時放送を待っていた。

その間、特殊情報端末にある変化が現われた。

(―――――――――サイコガンダムだと!
 パイロットはリファニア・・・・・あの時のヤクトに乗っていた彼女か
 ・・・・・・シュウジ、状況は不利だぞ。)

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
42艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/12 00:01:34 ID:???
『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『A-24』 『E-03』 『J-21』 『M-08』
 『P-14』 『R-01』 『V-18』 『Z-15』
 以上、くれぐれも気をつけるように。

 ……え〜、それから、その、なんて言えばよいのかな………
 しょ、諸君らが不確かな情報を元に軽挙妄動しないことを私は望んでいる。
 数少ない残りの生徒を出し抜き、是非とも優勝を掴みとって頂きたい、うん。

 以上だ』

(いつもの通り、無愛想かつ尊大な定期放送。だが……
 最後の方は少し言葉に困っている態度が手に取るように分かる)

【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
43艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/12 00:02:12 ID:???
第15章 >41 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎※■□×◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎×   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□×◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□1401▼◎◎□
21◎※◎□◎◎00◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
11と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとVガンダムもムサイと同位置。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
20番リファニア、乗機変更(サイコガンダムMk-U)
44艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/12 00:03:46 ID:???
>>34

「……ったく何を考えてるんだあのクソ女は!!」
「艦長、落ち着いて下さい」
「これが落ち着いてなどいられるか!!」

激昂する艦長。それを諌めようとした部下を躊躇なく殴りつける。
しばらく前――護送中のリーア「元」ティーチャーが「間違えて」全体通信をしてからずっとこうだ。
それを遠巻きに見ていた部下たちの間から、誰ともなく溜息が漏れる。

この感情的な荒れようといい、先の定期放送の説得力のなさといい……
明らかに、リーア「元」先生よりも劣っている。
劣っているというより……逆境に弱い。予想外の事態への対処能力が低い。
スタッフの誰もが、彼の平常時の能力の高さを知っているだけに、その落差は大きかった。

「あの全体通信が偶然か!? 本当に偶然か!?
 ……そんなハズないだろう!! 全く、見え見えな嘘をつきやがって……!!」
「艦長、それよりも……」

先ほど殴られた男がなおも艦長に話しかける。
彼だってこんな上司の相手をするのは嫌なのだが、自分たちの命が掛かっていれば必死にもなる。

「探索に出た二機のギラドーガが、小惑星基地の探索に入りました。
 生徒たちの踏み込んでないエリアを中心に探索中です。
 彼らが戻ってくれば、傷だらけの生徒などなんとでも……」
「遅い! さっさと何か使えるものを持って来い! でないと、でないと……!」

見ている部下たちのほとんどが、「そりゃないだろ」と思うものの口には出さない。
そして、実感する――自分たちが本当に、殺し合いの「管理者」ではなく「当事者」なのだということを。

ああ、そうか。
その覚悟が最初からあったから、『彼女』はあれほど余裕があったのか。
今更ながらに、失われたものの大きさを実感する。

【リーア元先生の行動:移動(Q-20→Q-21→R-21)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(Q-20→Q-21→R-21)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機、休息&武器探索(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機R-21、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
ベルクからの返事を見る。
・・・どうやらベルクは自暴自棄にはなっていないらしい。
俺の早とちりってやつだ。
苦笑しながら先を読んでいき、腕を組んで考えに耽る。

(ベルクはまだリーア=ミノフスキーとの接触を諦めてはいないのか・・・。たしかにあの
 端末を持っているベルクなら、彼女との接触も容易いが・・・)

ベルクがリーア=ミノフスキーの保護を諦めていないのであれば、レウルーラへのちょっかいは
今は止めておいたほうがいいか。
さすがに俺1人で残りのギラ・ドーガ3機と渡り合うのは無理だろう。
・・・いや、目的を達するだけならば俺1人でも出来ない事はないが、さっき賭けに負けた俺と
しては、すぐさま次の賭けに出る気にはなれない。

俺は考えをある程度まとめてから返事を書いていった。
と、その途中でレーダーに新しい反応が現れる。

(サイコガンダム・・・。リファニア=ニールセンか・・・!?)

その強力な火力でコロニーの港を破壊した、巨大なMS。
俺が見たその後ろ姿は、あの華奢な少女が操縦していたとは思えない程に凶悪だった。
・・・そのMSに再び彼女が乗った。
おそらくサーティアか、進入してきたシュウジを迎撃するつもりだろう。
噛み締めた歯が鈍い音を立てるのが分かった。

(このままではムサイの周辺は魔女の釜になる・・・。だが・・・今俺が行ったとしても
 状況を混乱させるだけだ。くそ・・・!)

字を書く手が小刻みに震える。
今はシュウジの状況判断と、リファニアが無茶をしない事を祈るしかなかった。

(レウルーラに勝つには、ムサイの参加者の協力が必要だ。変にちょっかいかけて
 状況を混乱させないでくれ、シュウジ・・・。お前が何もしなければ、ムサイの敵は
 サーティアだけなんだからな)

イブ=シュウリンの脱落をサーティア=クワンのものと思っていた俺は、ムサイ周辺の
戦況をそのように解釈していた。

更に今度こそ本物の(?)定期放送が入ってきた。
しかしその放送は何とも締まらない、曖昧な口調のものだった。
俺は小馬鹿にしたように声もなく笑い、書きあがった紙を確認する。

(やはりリーア=ミノフスキーが言っていた事は真実か。艦長)
 
(続く)
俺は艦長の事を同じ戦場に生きる戦士だと思っていたが、どうやら勘違いだったらしい。
あの全体通信に慌てたのは分からないでもないが、艦長は今の放送で、全体通信の内容が
嘘であることを証明しなければならなかったのだ。
ギラ・ドーガは全機揃っているでもいい。
我が艦は随時移動しているでもいい。
・・・こちらに確認する術は殆どないのだ。
艦長が言った言葉は、真実としてこちらに刻み込まれただろう。

(しかし艦長。あんたはそれを怠った。明確な言葉にしなかった。
 ・・・あんたは戦時の艦長には向いていないよ)

しかし・・・そうと知った以上、ここであまり時間を食うのは得策ではない。
ベルクに返事の紙を見せながらレーダーのムサイに目をやる。

[俺のほうこそ早とちりしたようだ。すまない。
 で、ベルクの方針は了解した。ただリーア=ミノフスキーを保護するのはいいが、彼女
 が進入禁止空域の向こうにいた場合、俺たちの時限装置に対応していない首輪カバー
 では1発で爆破される危険があるぞ。
 禁止空域に入らないよう、通信のみで情報が聞き出せればいいんだが・・・。
 若しくは俺がやろうとしたように、禁止空域外へ誘導できれば、な。
 とにかく危険と判断したら、禁止空域に入るのは止めるんだ。

 俺はムサイの状況を睨んでここで待機しているから、手助けがいる
ようであれば遠慮なく呼んでくれ。
 このタイヤならあっという間に着く。]

本当は今すぐにでもレウルーラの尻を蹴飛ばしてやりたかったが、俺はムサイの
様子を見るのを優先した。
そりゃあ、彼らが協力してくれるとは限らない。

だがそれでも、可能性だけは捨てるわけにはいかなかった。

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>42
新たなる管理者、いや、もはや参加者と言えるかも知れない者からの定期放送が入る。
明らかに落ち着きを失っているその様子からは、哀れさすらも感じさせられた。

再び意識をサイコに向け、サイコミュの波動に語りかけるように、口を開く。
先ほどと違い、穏やかで、優しい声だった。

「……よし、私のサイコ。そっと、離れようね。
 あなたを優しく抱いてくれた、母なるミョーコウから。」

炎の中からゆっくりとその姿を現す、禍々しい姿の機動要塞。

「……よし、立って。そして、掴んで。」

ミョーコウから離れるや否や、その真の姿、巨人の姿へとその身を変える。
そのまま、湾内を漂う巨大な矛と盾を掴もうと、手を伸ばした。

「シェラさんがあなたの為に用意してくれた、矛と盾。
 ……そうよ、あの、お姉さんのような人が、見つけてくれたのよ。
 私達にとって、因縁が深いものだけど。大切な仲間の血を吸った刃だけど。
 だからこそ、意味の無いものにする訳にはいかない。使いこなしてみせなきゃね。」

ヒートグレイブと、兄貴分にあたる機体のものであるシールドを構えた、紫の悪魔。
その姿は酷く無骨で、威圧的で、コックピットに座る少女のイメージとは、前にも増してかけ離れていた。

「よし、良く出来たね。
 ん……この反応……。」

紫の悪魔のレーダーは、何の不足も無く、周囲の機体反応を察知してくれる。
このエリアを漂うシュウジ=アサギのビギナ・ギナ。
そして、一つむこうのエリアに現れたのは……。

……レイモンド、さん。あの人か。
あの、戦士の鏡のような、気持ちのいい人。
あの人は、敵じゃない。
でも、シュウジ=アサギの仲間なの?
ただ、少し距離を置いているようにも見える。
とりあえず、ベルク=クロフォードを含めて、互いに戦った訳じゃなさそうね。
こんな近くで戦いが起こっていれば、私には感じられるはずだから。

……ならば、私が今すべき事は。

再び、リファニアの表情が無機質な物となる。
感情を、波立たせないように。
努めて、心を殺す。
二人の仲間が居るアビゴルに向かって向き直り、グレイブを掲げて見せ。
港のゲートまで、ゆっくりと歩みを進めるリファニアのサイコ。

「……ごめんね、イブさん。
 弔いは、必ずするから。
 今は、私をそこで、見守って。」

傍らのイブに亡骸に優しく声をかけ。
少女は紫の悪魔を、ゲートより宇宙へとその姿を晒させる。
門に立ちふさがる守護者のように、グレイブの石突きを床へと突き立て、歩みを止めた。
デュアル・カメラにいまだ輝きを灯さぬ頭部を、ビギナ・ギナの漂う地点へと向け。
リファニアは、ビギナ・ギナへの通信回線を開いた。
波立つ心を殺したまま、少女はその口から、無機質な声を搾り出した。

「……シュウジ=アサギね。
 あの時のヤクトのパイロット、リファニア=ニールセンよ。
 このエリアで、わざわざ停滞している理由……。
 通信を送って来ないという事は、機を伺って私達を撃破しようとしていたの?
 それとも、別の目的があるの?
 ……ここの戦いはね、終わっているの。
 そして、私には、あなたと戦う理由は……ない。」

ざわり。

少女の心の奥に沈む闘争心が、かすかにざわめく。
感情の流れをサイコミュが敏感に拾い、激しく心を波立てようとするが……。
リファニアは、胸のロザリオを握り締めて……その心を凪へと変えた。

「その意志を示す為に、私はこの身を晒しに来たの。
 かつて、闘いを仕掛けた私だからこそね。
 ……だけど、もし、あなたが闘いを仕掛けてくるのであれば。
 私にではなく、この奥にいる誰かに闘いを仕掛けるつもりであっても。

 ……その時は、全力で、相手をする事になるよ。」

言葉を切り、シュウジ=アサギの反応を待つリファニア。
静かな威圧感を放ったまま、紫の悪魔は沈黙を保っていた。

【行動 : 発進(-1)、MS形態に変形(-1)、矛と盾回収(-1)、ゲート付近へ(0)
      シュウジへの通信回線接続(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ゲート付近) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤモヤするような感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
49シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/12 21:48:29 ID:???
小惑星脇を漂うビギナ・ギナ。コックピット内では、シュウジがビギナギナのOSと格闘していた。

>>23
相変わらずつまらない定期放送が入った。興味を引いたのは久々の死亡報告。
(確か……ムサイのメンバーだったな……。
 しかし……戦闘は終わったんじゃなかったのか?
 怪我が原因か?)
思考のため、少しの間キーボードを叩く手が止まる。
(他人の事を気にしている場合ではないな……。)
そう考えると、再び作業の方に入った。が、作業速度は確かに落ちていた。
(……怪我……その原因は?
 やはり戦闘か?いや、もしそうならサーティアをそのままにしておくわけが……。
 では原因は?……そんな事はどうでもいい!)
無理矢理、その思考を頭の中から追い出そうとする。が、作業のスピードは低下したままだ。

>>34
続いて、全体通信が入った。……今までになかった対象から。
〔マスター、この声は……。〕
「考えるな、ゼファー。今は考えるときではない。」
(アインラッド……聞いた事がない単語だな……前方から機体が来てないという事は……レイモンドか?
 結局ティチャーを捕らえる事にしたのか……。
 ……考えるなといった自分が考えてどうする!)
ヘルメット越しに頭を二度叩く。が、効果はあまり無いようだ。

>>42
二回目の定期放送が入った。
と、言う事は相当の時間、漂っていた事になる。なのに、作業は未だ完了していなかった。
そして、ムサイ側からの反応もなかった。
(……何故何の反応もない?やはりイブ・シュウリンの死が原因か?
 ……糞っ!このOS、以外に手こずらせる……。)
明らかに、シュウジには焦りが見られた。それもそうだろう。いつ撃たれて、死んでもおかしくない状況なのだ。
冷や汗は止まらないし、さっきからミスタイプが目立つ。そのため、さらに焦りはつのる。
そして、その通信は突然来た。

50シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/12 21:51:14 ID:???
『……シュウジ=アサギね。』
「!!?」
〔リファニア=ニールセンからの通信です。〕
「通信か……。」
>>48
通信を聞きつつも、キーボードを打つ手は止まらない。
そして、彼女が言い終わるのと最後のEnterを押すのは同時だった。
無事再調整が終わった安堵感からため息をつくと、通信に答えるべく口を開いた。

「……通信に答えなかったのは、その余裕がなかったからだ。
 このことを信じてくれとは言わない。今となっては別にどちらでもかまわない。
 そして、ここに来た目的は、"確認"だ。
 元々は、サーティア=クワンの撃破だったんだがな……。
 戦闘が終結した事により、目的は確認に変わった。
 何を確認したいのかだがな。
 "ここに優勝を狙っている者がいるのかどうか"だ。
 いるのであれば、倒さなくてはならない。
 いないのなら、一つ頼み事をしたい。
 用は、それだけだ。」

言いつつ、手はノートPCをシート後ろのディパックに押し込み、コントロールレバーを握っていた。
そして、少しレバーを引き、サイコとの相対速度を0にする。
(……サイコが出てきたか……何が意志を示すためだよ……おっかない。)
いつでも闘う事は出来る。が、何かが頭の、むしろ心の奥で引っかかっていた。

【行動:前進中止(−1)通信接続(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 確認】
【同盟:なし】
>>42

今度こそ本当の定時放送だったが、
さっきの元ティーチャーが(間違って?)全体通信を
使ってしまったことが尾を引いているのか
以前には無かった言葉の乱れが感じ取れた。

(器量の低い上官だな、クソ真面目で厳格な正確であっても
 あれでは上に立つ者としての意味が無い。
 アレに従う部下も不憫だろうな。)

定時放送を聞き終えるとレイモンドのメモがモニターに映っていた。

(通信か・・・・・・・!?いや待て確か。)

レイモンドのメモを見て、ふとある考えが頭を横切った。
急いで特殊情報端末での現在位置と元ティーチャ―の進行方向を確認する。

(今踏みきるには早い、まだこれが可能かもしれない。)

とっさに浮かんだ考えをペンを走らせ紙に映しだしレイモンドに見せる。

[レイモンド、お前の行動は無駄ではないかもしれない。
 今、俺達はモニター越しに筆談をしている。
 その行為は監視されているかもしれないが今まで
 それに対する奴等からのペナルティーが下っていない
 以前ルイは言葉で発したことでその行為がばれて
 俺達はペナルティーとしてその場お追い出された。
 だが、今の俺達にはペナルティーが与えられていない
 まだ確信はないが、監視されているのは
 俺達の位置と音声だけだと推測できる。

 以前、お前は元ティーチャーに”メッセージを見せた”と書いたな
 つまり、今の俺達と同じ行為を行ったことになる
 それなのに、さっきの定時放送では何もお咎めは無かった
 それよりも以前の放送の時もだ。

 要するに”モニター越しでの筆談での秘密情報交換”が可能なことを意味する。
 元ティーチャーの進行方向から考えてもうすぐこの付近を通る可能性が高い
 その時、短い間ではあるが彼女と情報交換を交わすことが可能になる
 彼女自体、自衛は出来ると言っていたことから捕獲は断念かもしれないが。
 一部の情報を流している点から見て
 捕獲せずとも情報を教えてくれるかもしれない。
 甘い考えではあるがやってみる価値はあると思うんだが。]

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
52リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/14 00:10:07 ID:???
>>前スレ258
リファニアとの不器用な遣り取りを経て、サーティア=クワンはアビゴルへと移って来る。
彼女の顔に被せられた仮面は、古のホラー映画に出てくる殺人鬼を連想させた。
もっとも、その映画自体は、観たことなどは無かったが。

(まったく、ご大層な趣味だな。
 リファニアも、厄介な奴を招きいれたもんだ。)

相手の尋常ではない様子に、思わずため息を漏らしてしまうリナルド。

(ほんとに、とことん苦労性よね、お兄ちゃんは。)

(……うるさいな。自分から買って出た苦労だ。)

マヤにからかわれ、苦笑しつつも、リナルドは移ってきた客人を招き入れた。

「……確か、サーティア=クワンだったな。
 リナルド=グレイスだ。
 戦を止めてくれたって事は、戦う意志は無いと受け取っていいんだよな?」

彼女の挙動一つ一つに油断無く目を光らせながら、リナルドが自己紹介をした時。

>>前スレ261
アビゴルの傍に、イブの駆るVガンダムが寄ってくる。
コックピットハッチを開き、宙に身を躍らせたイブは、アビゴルのハッチの縁に手を置くようにして、動きを止めた。

『先ずは、預かっていたものを返すわ。あとコレ、何かに使えるかもしれないし、持っておいて。
 それと……怪我の治療、するなら早い方が良いでしょう?
 医務室の場所は覚えているから……早速、彼女を連れて行くけど構わないわね』

切り札となる情報全てが詰まったコンパネと、延長コードの割り出しに用いた端末……、
つまり、サーティアのノートPCを、イブより受け取ったリナルド。

「ああ、イブさん、ご苦労様。
 それに……!?」

笑みを浮かべ、美しき女戦士に労いの言葉をかけようとした時。
リナルドは自らの体の内より、得体の知れぬ苦痛を感じ……続く言葉を吐くことが出来なかった。
身体の内側から沸き起こる激痛は、自分が先ほどから感じていたものなのか……それとも……?

踵を返し、イブがアビゴルより離れる。
ミョーコウへと流れる間、一度だけ彼女は……こちらを、振り返った。
……正確には、サーティア=クワンにだ。
イブの顔に浮かぶのは、穏やかな聖母の表情だった。
それが、リナルドの見た、彼女の最後の顔になるとは……露ほども思わず。
リナルドは心の片隅に腑に落ちない違和感を感じ、サーティアの仮面に覆われた顔に、目を向ける。

(全く、何がなんだか解らないが。
 リファニアだけじゃなくて、あのイブさんまでもが、認めているらしいな。
 ……こうなったら、彼女を仲間と見なす他、ないよな……?)

数分後、ミョーコウより戻ってきたイブが、ガンイージへと移る。
通信機から流れてくる、イブとリファニアの、深い信頼が根付いている事を現す遣り取り。

(……俺が護りたいものは、これだ。
 リファニアも、イブさんも、俺が護るべき大切な存在だ。
 ……だが、俺は、サーティア=クワンの事を、そう感じる事が出来るのだろうか?
 今の俺に、その生命を背負うだけの余裕があるのか?)
53リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/14 00:16:07 ID:???
間もなく、イブがリファニアの傷の治療を始める。
麻酔無しの、縫合手術。
開かれたままの通信回線から、リファニアの苦痛に満ちた呻き声が響き。
リナルドの表情が歪み、その顔に皺が刻まれる。
その痛みを与える原因となったのは、間違いなく、目の前の女だ。
……とても、許せそうにない。許せそうに、無かったが……。

(それでもリファニアは、戦いを止める事を選んだ。
 何故そうしたのか、彼女らの間に過去に何があったのか……。
 途中からミョーコウのクルーとなった俺には、見当もつかないけど。
 それでも、彼女が戦いを望まないのであれば。それを見守るのが、俺の役目なんだよな……。)

……あと、どれだけ、あのわがままな姫の傍に居られるのか。
リミットが刻々と近づいている事を、リナルドは自分自身で自覚していた。
ならば、できるだけ、彼女の望む事をさせてやろう。
もし、それで彼女が危険に晒されるのであれば……その時こそ、この生命を燃やして護ればいいさ。

壊れたアレンのギターにちらりと視線を送る。
……リファニアの、夢の象徴。
彼女の夢は、このギターと同じように、壊れてしまったのか?
……いや、違う。
このギターは、壊れた俺だ。壊れたのは、俺で……充分だ。

イブから渡されたノートPCとコンパネを手にとって。
リナルドはコンパネに文字を打ち込みながら、サーティアに向かって話しかけた。

「このノートPC、格納庫にあるGMからリファニアが持ってきたんだが……。
 確か、あんたの物だって言っていた。
 そう言えば、GMの元々のパイロットは、あんただったものな。
 悪いけど、中身を拝見させてもらったよ。
 解った事は……あんたが、かなり優秀な技術者だって事だ。
 ……アテに、させてもらって構わないよな?」

〔こうなったら、俺も腹をくくってあんたを仲間と認める事にするさ。
 直接口で言わないのは、管制側に聴かれては、うまくない話だからな。
 今までも、この方法で遣り取りしてみたが……奴等に内容を把握されているとは、思えなかった。
 だから、この方法の安全性は、ある程度保障されていると言って良い。
 俺が、あんたにこれから話すのは……優勝以外に、生き残る方法だ。
 おそらく、今となっては、優勝以上に生還率が高いと言えるかも知れないな。
 管制側が、あの体たらくじゃな。 
 ……あんたも、ここで戦闘をやめたんだ。
 だったら、生き残る為には……この話に乗るのが一番良い方法の筈だ。

 俺達が導き出した、抗うための術。
 それは、首輪の無力化と、機体の自爆装置の無力化だ。
 詳しくは、イブさんから渡されたこのコンパネに、全て入っている。
 ……今は、あんたの機体を確保する事が先決だからな。
 詳しい説明は、後にする。計画に必要な物を、取りに行ってから。〕

文字を打ち込んだコンパネを、サーティアに見せ。
リナルドはシートより立ち上がると、ディパックとコンパネを持って、コックピットから出ようとする。

「俺はこれから、リファニアが見つけてくれた忘れ物を、艦内に取りに行く。
 このアビゴルは、一旦あんたに預ける。とりあえずの安全性は、確保できる筈だ。
 格納庫へは、その後に行けばいいだろう?」

通信機からは、いまだにリファニアの悲痛な呻き声が、聴こえてくる。
本来ならば、励ましの言葉をかけ続けてやりたい位だが。
彼女らが今、生命の戦いを演じているように、リナルドも、自らの戦いをせねばならないと思い。
ミョーコウのブリッジへと、その身を躍らせた。
54リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/14 00:26:23 ID:???

炎はすでに、ミョーコウの至る所に広がっていた。
ブリッジも、例外ではない。破損箇所から、内部を炙られ、炎が、飛び込み。
すでに、ブリッジの後ろ半分が、炎に包まれていた。

「くそっ、燃えている物が物だけに、尋常じゃなく熱……くない……?」

本来ならば、ノーマルスーツを着ていたとしても逃れられないだけの熱を、その身に受けている筈のリナルド。
その証拠に、全身から激しく汗が噴出していたが。
リナルド自身、熱いという感覚を、かけらも感じる事は、出来なかった。

……視界が、霞みだす。

「くそっ、はや……過ぎる……。
 ……まだ、なんだよ……。
 俺が、ここに来た意味……。
 護るべき者を、護れないでっ……!」

ブリッジの前方の、CIC席付近に浮かぶ、幾つもの輪。
6つの首輪カバーと、6つのエミュレーターと、12個のバッテリー。
霞む視界の中、何とかそれらを確保して。
それらを荒々しくディパックに詰めたリナルドは、再び艦外へと出ようとする。

ブリッジの外壁を蹴り、アビゴルの元へ飛ぼうとするリナルド。
……唐突に、脚の力が抜け。
リナルドは、無様に宙を舞ってしまう。

(……お兄ちゃん……!)

「大丈夫だ、マヤ。
 ……俺の役目は、終わってないんだ。
 最後まで、彼女の傍に居てやらなきゃ、ならないんだ。」

ノーマルスーツのエアを噴射し。
リナルドは、流れる身体を何とかアビゴルのコックピットへと飛び込ませる。
危うく、サーティアに激突しそうになりながらも。
ハッチの淵をがっしりと掴み、何とか流れる身体を静止させた。

「……無様な姿を見せたな。お待たせだ。」

愛機のコックピットへと辿り着いたリナルド。
リファニア達の様子を伺うべく、モニターに映る、通信回線の映像に目を向けた時に……。

>>12-15
リナルドの視界に広がった色は……酷く、紅かった。

流れ込んで来る、穏やかな意志……。

穏やかながらも、それは、死の匂いに、満ちていた。

「……嘘……だ……。」

リナルドの瞳孔が、きゅっと開く。
瞳にこびりついた、紅い色は……何故か、そのまま、薄まる事は無かった。
リナルドの瞳から流れ出す、紅い涙。
通信機より飛び込んできたリファニアの慟哭とシンクロするように……。
リナルドは、声にならない叫びを、あげた。
55リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/14 00:35:32 ID:???
>>39
……コックピットに飛び込んできた、無機質な声を聞くまで……リナルドの意識は飛んでいた。
それが、愛する少女の発した声とは思えないくらいに、その声は、普段と異なっていた。
淡々と、必要な事だけを述べるリファニア。
だが、リナルドは、彼女の心の内に渦巻く悲しみを、誰よりも強く感じ取っていた。

その瞳に殺気を込めて、リナルドはサーティアを睨みつける。

(この女が来なければ、この女と戦わなければ……。
 イブさんは、ここで死ぬ事は無かった筈だっ!)

「……貴様がっ……!」

……だが、その言葉を発しきらないうちに。
レーダーに機体の反応が映り、その反応に、リナルドの視線が釘付けとなる。

(……シュウジッ!
 こんな時に、畜生っ!
 何しに来たっ!
 何でそこに、留まっているっ!
 混乱に付け込んで、俺たちを撃破するつもりなのかっ!?)

その時、サイコに乗り込むリファニアの姿を、紅く霞む視界の端に捉え。
彼女が、シュウジへと対応する為に、再び紫の悪魔の贄となる事を選んだと解り。
リナルドの心に、焦燥が芽生える。

(……畜生、イブさんが逝ってしまったならば、尚更……。
 俺は、リファニアを支えてやらなければ、いけないんだよ……!)

サイコへの通信回線を開き、リナルドは叫ぶ。

「……駄目だっ、リファニア!
 今の君は、サイコミュに抗う術を持たないだろう!?
 俺が、戦うっ!俺が、俺がァッ!」

>>48
だが、リファニアのサイコは、悠然と巨大な矛と盾を掴み……。
こちらに向かって、その巨大な矛を掲げてみせ。
ゆっくりと、力強く、ゲートへと歩いてゆくサイコの姿に……。
今のリファニアの、揺るがない精神を、見た気がした。

リナルドの両の瞳から、涙が溢れ出る。
紅くは、無い。
澄んだ、清らかな、涙だった。

……ははっ……。
君は、強いよ……本当に。
まるで、俺の助けなんて、必要じゃないみたいだ。

だけど……。

あまりに張り詰めすぎて……見ていられないんだよ……。

壊れたアレンのギターにちらりと視線を送る。
壊れるのは、俺で……充分だ。
56リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/14 00:38:28 ID:???
再び、サーティアに視線を向けるリナルド。
その瞳には、殺意の色など、もはや浮かんでは居なかった。

「格納庫に向かう必要、無くなったな。
 ……好きな機体に、乗りなよ。
 リファニアがあんたを怨まないならば、俺もあんたを怨む訳には、いかないんだ。」

穏やかな声で、サーティアにそう告げ。
リナルドは、ゲート前に立ちはだかる、サイコの巨躯に視線を向ける。

彼女が、姿勢を示すならば……俺は、手段を示す事ができるんだ……。
後は、その手段を……伝える、だけじゃないか……。

マヤが、その瞳に一杯に、涙を湛えて、そんな自分を見守っているような。
ふと、そんな気がした。

【行動:通信回線継続(0)、ミョーコウのブリッジへ(-1)、切り札回収(-1)、
    アビゴルへ(-1)、サイコでの通信回線接続(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部・ミョーコウ/ブリッジ付近】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ヴィクトリー、ガンイージ、サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・感覚崩壊】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレーター(停止中)x6、バッテリーx12】
【行動方針:………】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 11番サーティア】
>>52-56 は、代理による書き込みです。
U-20ポイントの中で機体を停止させて、幾分か時間が過ぎていった。
V-20にムサイ、U-22にベルク。
何かがあった時に対応しやすいよう、モニターとレーダーを交互に見つめる。
特に今はムサイに気をつけるようにしていた。
ベルクの方は、進入禁止空域に踏み込まない限り危険は少ないと判断したからだ。

ムサイ周辺にいる4人の参加者。
レーダーでは分からないが、戦闘をしていたサーティアは勿論、進入したシュウジもお互いを
目視できる所まで近づいているだろう。
V-20の方に目を向けてみる。
ここから見た限りでは爆発の光などは分からない。
宇宙は、その本来の静けさを俺の目に見せてくれている。
暴発しそうな、狂気を孕んだ静けさを。

一瞬先の事なんて分からない。
ちょっとした動作やほんの些細な言葉が、ムサイの周辺を再び死の光が飛び交う戦場に変える。

だが今、俺は祈るしか術を持たない。

あの心優しき少女、リファニア=ニールセン。
彼女がイブ=シュウリンを更に失い、どのような心理状態にいるかも見当がついていながら、
そこに行って何の励ましもかけてやれない。
勿論、ここから通信で声をかける事も可能だ。
だが…俺は現在のムサイの状況を正確に把握していない。
もしそこが一触即発の状態だった時、俺の言葉は彼女の気を逸らすだけの邪魔な存在になってしまう。
そして俺も、ベルクという大切な仲間を放っておくわけにはいかないのだ。
少しの間目を閉じ、リファニアとシュウジの無事を念じる。

ただし俺は神になんぞ祈りはしない。
この戦場で全てを決めるのは神ではなく、参加している俺たち自身だ。
俺たちが考え、選択し、引き金を引き、命が駆ける。
そこに神が介入する隙間など、ない。
だから俺は、リファニアの…シュウジの心に念じ、祈る。

(続く)
目を開けるとベルクがまた紙を見せてきているのに気付いた。

(………なるほど……うん…)

…たしかにここまでの通信結果を考えれば、ベルクの言う通りだろう。
管理者側はモニターの映像まで掌握しているわけではなさそうだ。
もし向こうがモニターも掌握していたら、管理者側への叛意を明らかにしていた俺の首はとう
に無くなっていただろう。

(最近頭を使う事が多いな。…俺らしくもない)

妙な事が思い浮かび苦笑しながら、ベルクに対する返事を書く。
ベルクの案も1つの賭けではある。
まず、無事にこちらの通信範囲に入ってきてくれるかどうか。
そして、リーア=ミノフスキーが何か書くものを持っているかどうか。
これをクリアすれば、何らかの情報が得られるかもしれないが…。

(………返事はこんな感じか)

少し不安はあったが、俺はベルクに頼んでみる事にした。
理由は成功した時のメリットが大きい事と、失敗した時のデメリットが少ない事。
成功すれば俺たちはリーア=ミノフスキーから、更に情報を入手できる。
それはレウルーラの事でもいいし、ゲートの事でもいい。
どんな情報でも、こちらに損はない。
逆に失敗してもやはり損害は少ないと思う。
リーア=ミノフスキーに書くものがなければそのまま通り過ぎるだけだろうし、ギラ・ドーガ
も彼女の監視という任務がある以上、必要以上にこちらに近づかないだろう。

そしてベルクに返事を見せる。

[俺もベルクの案に異論はない。もしもリーア=ミノフスキーが通信範囲内に入ってくるよう
 だったら、通信を試みてみてくれ。
 通信の内容はベルクに任せる。彼女の情報は、今の俺たちにはどんな事でも貴重だからな。
 …だからと言って彼女の趣味とか、レウルーラの食堂のメニューなんてのはいらないぞ(笑)
 あと分かっていると思うが、ギラ・ドーガの動きには十分注意を払った方がいいな]

俺はそれを見せながら、ここからでもできそうなベルクのサポートを考えはじめた。

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)祈る(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
60リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/14 13:55:59 ID:???
第15章 >59 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎※■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□1401▼◎◎□
21◎※◎□◎◎00◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
11と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとVガンダムもムサイと同位置。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
15番リナルドは「放棄」扱い

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
>>55
通信回線より飛び込んでくる、リファニアを制止しようとするリナルドの声。
リファニアの歩みを止める事は……叶わなかった。

リナルドのアビゴルとの、通信回線を開く。

「ごめんね、止まれないの。
 ……私を、信じて。」

それだけを告げ、少女は再び、ビギナ・ギナの浮かぶ宙域へと、目を向けた。


……私ね、悪魔じゃなくて、死神なんじゃないかって、ふと、思ったの。
私に関わった人ね、みんな、みんな……壊れちゃうの。
砂のようにね、みんなの生命が、指の隙間から零れていくの。
その砂はね、風に吹き散らされてしまって、もう、二度と、掬えない。
もちろん、それが私のせいだなんて思うことはね、みんなに凄くね、失礼なんじゃないかって、思う。
そうね、結局、私は、ただ……。

「……添い遂げたい。」

二度とね、零したくない。
だってね、これ以上ね、零れてしまったら。
私自身が、砂になっちゃう……のかな。

……ううん、なれないね……。


>>50
シュウジ=アサギから、返信が来る。

「……サーティア=クワンの、撃破……。」

サーティア=クワンは、殺す。
サーティアは、壊したから。傷つけたから。
私達の、ミョーコウを。アレンを。イブさんを。

沸き起こる、禍々しいサイコ・ウェーブ。
……コロニーでの戦いの記憶が、蘇る。


私が初めて、本気で人を愛し……本気で殺意の刃を向けた出来事。
今の私の根本となる何かが、それで変わった。
……その出来事は、まだ、終わっていない。

私はね、昔に戻りたいなんて、思わない。
今、ここに居る私。
それが、紛う事なき今の私。
……愛しい、私。生命を愛せる、私。

まだ、私は、納得できていない。
あの時の出来事の結末を、見届けてなんか、いない。
……見届けなきゃ、今の私は、進めない。

「……見失いたくない。」

私は、刃をかざす事ではなく。
見届ける事で、その結末を見よう。
リオン=フライハイの笑顔を、見たのだから。
あの笑顔が出来た時……私はきっと、本当に綺麗に、生きられるから。
リファニアの瞳に映りこむ、星々の輝き。
何処からか、エールが聴こえた。


再び、表層を凪に戻し。
シュウジの問いに対する、答えを返す。

「優勝を望む者なんて……。」

サーティアの、仮面のイメージ。
リオンの笑顔が、重なる。

「い・な・い。
 ……ここには、いない。
 いないよ、そんなの。
 誰も、望んでなんか……いないよ。

 ……あなたは、狂っているのだと、思ってた。
 大切な人を、自ら傷つけて……護るべきもののことごとくを、自分から壊して……。

 でも、今のあなたは、そうは思えない……気がする。

 ……頼みごと、きいてあげる。
 それが、私達に出来る事なのか、わからないけど。

 この、殺し合いのフィールドで、頼み事をするって事。
 きっと、その頼み事には、大きな意味が、あるって事だから。」

背中に、生命を感じる。
ひとつの、生命。もうひとつの、生命。
不吉な心音が、ドクン、ドクンと、鳴り響いている。
はずなのに。
―――今は、聴こえない。

【行動 : シュウジとの通信回線継続(0)、リナルドとの通信回線接続(-1)、残3 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ゲート付近) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤモヤするような感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
63シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/14 23:03:31 ID:???
>>62
リファニア=ニールセンからの返信。それを聞いたシュウジは、表情から警戒の文字を少し消した。
だが、その部分に悲しみが入ってきたような気がした。

「……いや、狂っている。俺は……狂っている。そうでなくてはならない。
 俺が正常だとは、言ってはいけない……。
 それに、俺は……ヨーコを……。
 いや、過去の事は今話すべき事ではないな。今話すべきはこれからの事だ。
 頼み事だが、多分今U-20周辺に居るであろうベルクとレイモンドと話をしてほしい。
 彼らは仲間を欲している。ここまで生き残った者ならその意味は分かるな?
 もしも……話をする事が出来ないと言うなら、彼らに会った時に出来るだけ戦闘を起こさないようにしてほしい。
 彼らは彼らの道を進む事を決めた。これは同じ道を進めなくなってしまった者の彼らにしてやれる手助けだ。
 頼みはそれだけだ。
 あと一つあるとすれば……
 優勝を狙わず、それ以外の道を進むと決めたのなら、最後までやり通せ。
 もし、途中で優勝を狙おうものなら、貴様達を殺……さなくてはならない。」

途中と最後の部分で詰まった以外は、なんとか言い切る事が出来た。
が、内心は今すぐにでも通信を切りたい衝動に駆られていた。

(……俺じゃない……殺したのは俺じゃない……。
 だが……傷つけたのは……俺か……。
 壊したのは……俺か。
 死んだのは……俺のせいか。
 殺したの……は……俺……か。)

「……俺の所為……か。」

【行動:通信継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 頼み事 ……?】
【同盟:なし】
64サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/14 23:56:12 ID:???
「ふ、警戒してるわね……
 リファニア辺りから、私の白兵戦の話でも聞いた?」

 冗談でも言っていなければ気が持たない。

『……確か、サーティア=クワンだったな。
 リナルド=グレイスだ。
 戦を止めてくれたって事は、戦う意志は無いと受け取っていいんだよな?』

「今のところはね?」

 そうとしか言いようが、無い……。
 私が彼女たちと協力しているのは、リオンが止めるから。
 リオンが止めなければ、私はきっと戦っている。

(あら、私のじゃない、それ……)

 リナルドからの問のへ軽くうなずく。
 PCに書く以上、理由はともかく聞かれちゃまずいって事でしょ?
 まぁ、私にとっては意外な相棒と再開できた、ってわけね。
 ……長い間留守にしてたじゃない。

(……生き残る術、ね。
 確かにそれは確実なのかもしれない。
 首輪が本当に無力化出来るのであれば……)

『構わない、貴方達に協力させてもらう。
 それが今の私にとっての最善の手段だろうし』

 キーを叩き、出て行くリナルドを見送る。

 少しの間。
 ……私は何をしているのだろう。
 ここへ来て、何を出来たのだろう。

 私が殺した人の数は一体何人かしら……
 ゲームの彼、リオン、ギター野郎も私は大怪我を負わせた、レイモンドは腕が飛んだ。
 要塞での皆は、聞く限り殆どが死んだ。
65サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/14 23:59:31 ID:???
>>39 >>55

 ……そしてシュウリンも私が殺したわけね。
 御疲れ様……。
 それだけは、言っておくわ。
 誰だったっけ、ダグラス、とか何とか……まぁ、良いわ。

「何? 殺りたけりゃ、殺りあっても良いけど?」

 リナルドへと、一言言葉を残す。
 良いわ。イヴの姉さまが使ってたヴィクトリー、借りるわよ。
 ヴィクトリーだなんて皮肉で良いじゃない。
 コクピットへ座り、確実に機体を把握する。

「誰か知らないけど一つ言わせて貰うわ!」

 ヴィクトリーの通信回線を全開。

「私は優勝を考えているって事よ!
 けどね、そうやって聞いてくるアンタ……」

 鬱陶しいのよ。
 アンタ喧嘩売ってるわけ?

「ケツの穴が小さいのよ!」
 

【行動 : ヴィクトリーへ移動(−1) ヴィクトリー把握(−1) エリア全体通信(−2)】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ヴィクトリー 】
【状況 : 不明 】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 不明 】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>63
シュウジ=アサギの声色が、変わった。
その様子からは、激しい後悔が伺えた。
……当たり前だ。
もし、自分がその立場だったのなら……。

……シェラさんは、やっぱり、強かったのね……。
シェラさんは、シェラさんのままだったもの。

リファニアは、その事について、これ以上の言葉を重ねる事を、やめた。
……今は、作り笑いのような、無機質な笑みになってしまうかも知れないが。
何とか微笑んでみせて、シュウジの頼みに対する答えを返した。
リファニアが自身で自覚していたのよりは、遙かに柔らかな、笑顔だった。

「……わかった。
 その頼み、出来る限り、聴いてあげるよ。
 あの、レイモンドさんって人、また話をしたいって……思ってたしね。
 あの人は、なんというか……"高み"って、感じなの。

 ベルク=クロフォードは……きらいだ。シェラさんを、殺した。

 ……でも。
 道を見失わないって、誓ったから。
 せいぜい、利用してやるんだ。
 ……そう思って、自分を誤魔化す事にした。」

瞳を閉じて、開いた時。
瞳は、輝きを灯さぬ凪ではなく。
澄んだブルーの輝きが、戻りつつあった。

「……だから、私達が、あなたと戦う理由なんて、ないんだよ。
 あれ、そうなると、あなたが戦う相手なんて、居なくなっちゃうんじゃないのかな?」

そう、言葉をかけた時。
この戦場に居る、ありとあらゆるモビルスーツのコックピットに、声が響いた。

>>65
リファニアの瞳が、見開かれる。
ブルーの瞳が、次第に輝きを、失ってゆく。

……敵。優勝を望むものは、敵。
殺す。シュウジ=アサギが殺す。
……敵。サーティア=クワンは、敵。
ミョーコウの、敵。狂った、歯車。
戻らない……壊す。

「……うるさいな、君は。私の意志に、干渉しなくていいの。」

全体通信のスイッチを、パチリとONにして。
最初の一言は、静かに。
だが、続く言葉からは、搾り出せる限りの声で、叫んだ。
「何の、意味がある……。
 優勝なんて言葉に、何の意味が、あるっ!
 捉われるんじゃないっ!
 その言葉をそうまで意識するって事は、このゲームに染まりきっているって事じゃないっ!
 ……悔しく、ないの?悔しく、ないのォ!?

 あああああっ!!」

悪魔のコックピットに、サイコ・ウェーブが渦巻く。
禍々しい赤と……穏やかな緑が、混ざっていた。

「私は、悔しいぃぃぃっ!!」

悪魔の全身の至る所に、光が灯り。
その光は間もなく破壊の閃光となって、周囲に放たれる。

ゲート周辺に、爆光が沸き起こり、爆煙によって紫の悪魔の姿が覆い隠される。
宇宙に放たれた幾条もの光は、ビギナ・ギナの居る空域を中心に、放射上に広がっていった。

……放たれた光は、誰も傷つける事はなかった。

やがて、爆煙が晴れ。
沈黙する紫の悪魔の姿が現れる。
そのデュアルカメラは、未だに光を灯さず。

「……悔しい……。」

そう呟いて後、コックピットの中の少女は、再び凪へと戻っていた。

不吉な心音は―――誰のもの?

【行動 : シュウジとの通信回線継続(0)、リナルドとの通信回線継続(0)
      全体通信(-2)、全身メガビーム砲発射・ターゲット無し(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ゲート付近) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤモヤするような感覚、抵抗 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
それから数分後。
俺の思考は早くも暗礁に乗り上げようとしていた。
ここからベルクをサポートする方法が浮かんでこなかったからだ。

第一、リーア=ミノフスキーとの交渉を任せているのに、これ以上俺に何ができるのか…。
普通に通信ができるのならば連絡を取り合って…又は俺もリーア=ミノフスキーに通信を繋いで
交渉に加わる事が可能なのだが…。
筆談という只でさえ時間のかかる会話方法では、3人での交渉は少々無理がある。
前にシュウジと話した時はお互いにまだ時間に余裕があった。
…だがリーア=ミノフスキーの場合は、通信可能なポイントを通り過ぎるまでに交渉をし、情報
を聞き出さなければならない。
それならば俺は余計な口出しはせず、ベルクにフリーハンドで交渉してもらった方がいい。

(俺ができる事といえば…万が一ギラ・ドーガがベルクを攻撃してきた時の援護くらいか…)


軽く息を吐いて再びレーダーを見やった、その時…。
コクピットに響き渡った聞き覚えのある声。

それは、挑発だった。
それは、叫びだった。
それは、感情の沸騰だった。
それは、感情の爆発だった。
それは、いら立ちを含んだ怒りだった。
それは、悲しみをたたえた怒りだった。

誰かに向けられた叫びだった。

(サーティア=クワン……リファニア=ニールセン……!)

いつでも発進できるようコンソールスティックを握り締めて、レーダーを凝視する。

まず心配したのが、聞きようによっては管理者側への反抗と取られかねないリファニアの言葉だった。
ただこの手の言葉は先にルイが散々言っていたし、サーティアがはっきりと優勝を狙うと言った
事で、彼女の言葉は反抗とはみられないかもしれない。

サーティアは更に戦火を拡大するのだろうか。
通信自体が短かった為誰に向けられたものかは判断しにくいが、明らかに攻撃の意思を示している。
その鉾先はシュウジか…?
それともリファニアか……リナルドか…?

(どうする…?シュウジやリナルドが制止するのを期待するか…?
 それとも、ベルクから一旦離れて俺もムサイに向かうか…?)
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)色々な思考(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
レイモンドからの返事は少々冗談交じりの
文でもあったが作戦に納得してくれた様だった。

[分かっている。
 奴等もそんなに鈍感ではないだろう事は慎重に進めるさ
 お前も、聞き出したい情報があるなら伝えてくれ
 俺の聞きたいこととお前の聞きたいことに違いがあるかもしれないからな
 
 失敗してもその後の行動は一つしか無いから今の内に体を休めとくか
 その時の状況でも考えておいた方が良いな。
 だが、周りの警戒を怠るなよ。]

と書いた文をレイモンドに見せた後
ティーチャーに聞きたい情報を頭の中で整理し紙にメモしていた。

その時、思考を中断させる全体通信が流れてきた。

『何の、意味がある……。
 優勝なんて言葉に、何の意味が、あるっ!
 捉われるんじゃないっ!
 その言葉をそうまで意識するって事は、このゲームに染まりきっているって事じゃないっ!
 ……悔しく、ないの?悔しく、ないのォ!?

 あああああっ!!

 私は、悔しいぃぃぃっ!!
      …悔しい……。』

流れてきたのは聞き覚えのある声ー―――――――――悲痛の叫び。

(この声は、やはりヤクト・ドーガの・・・・・・・・
 今はサイコガンダムか、危険な状態なのか?それとも戦闘に入ったのか?)

その言葉は、誰に向けられたものなのだろうか

対峙しているであろうシュウジへか?

未だ優勝を狙っているかもしれないサーティアなのか?

遥か高みでこの状況を作った元凶に対してなのか?

わからない・・・・・・・・・。

(また、新たな道化に成る気か。)

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
71シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/15 23:25:29 ID:???
>>66
シュウジの話を聞いた少女は、笑顔を浮かべながらレイモンド達と話をする事を了承してくれた。
柔らかな、ほっとするような、だがしかし、どこか無機質なような。
そんな笑顔を浮かべながら。

「頼み事を聞いてくれて、感謝する。
 ただし、自分の気持ちを無理に誤魔化してまで話しに行かなくってもいい。
 彼らは彼らで上手くやっている。確かにお前達が行けば大きな戦力となるだろう。
 だが、確かな団結力を持っていたときの話だ。
 だから、無理をして彼らに会いに行かなくってもいい。
 ……殺す、相手か……。
 確かに、"此処には"居なくな……。」

その時、シュウジの言葉を遮るように一つの全体通信が入った。
その主は……何となくわかった。というか、あいつぐらいしかいない。
サーティア=クワン。元々俺と同じ優勝の道を辿っていた者。

>>65
通信の内容は、直前に目の前の少女が発した言葉とは矛盾した優勝を狙うという宣言と、挑発だった。

「……はぁ……。」
〔どうかしましたか?……まさか、此処で戦闘を起こすとか言いませんよね?〕
「……あぁ、そう言うのじゃなくてな。
 挑発してくるお前は何ここから見えない場所でコソコソやってるのかと。
 そう言いたいんだよ。まぁ、どうでもいい事だな。通信を繋げるだけ時間と労力の……。」

そこで再び、全体通信によって言葉が遮られた。
こちらも送信者はすぐわかった。というか、目の前の少女だった。

>>67
こちらの内容は、優勝という道筋を否定する言葉。いや、言葉という物を超越し始めている。

「……なんだ……?光……?赤……?緑……?ゼファー!サイコに何か反応はあるか!?」
〔ぜ、全センサー反応なし!いえ、サイコMK−2の各ビーム砲門に熱源!〕
「……反応なし……?サイコ、ウェーブ?あれが?サイコミュの?
 何故俺に見える!俺はNTでも強化人間でもないと言うのに……!
 普通の人間にも視覚可能なサイコウェーブ……あれが……サイコMK−2の……リファニア=ニールセンの力か?」
〔回避します!〕
ゼファーが叫んだとき、サイコを中心とし、爆発が起きた。いや、それはよく見ると幾条ものビームの濁流だった。
余りもの眩しさに目をつむるシュウジ。ゼファーが回避した事によるGは感じられなかった。
と、言う事は……。
72シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/15 23:27:03 ID:???
「……死んだ……?
 やっと、死ねたのか……?
 結構、俺にしては楽に死ねたな……。」
〔マスター!まだ生きていますよ!ビームは外れました!〕
「……!」
急に視界が回復し、モニターに映る漆黒の宇宙空間が見える。
その景色は、先ほどのビームの濁流が来る前とほとんど変わらなかった。
変わったところと言えば、デブリが少し減ったぐらいだろうか。

「……まだ、生きてる……か。」
〔しっかりしてください!〕
「……すまない。俺とした事が、こんな楽な死に方を出来ると未だ思っていたとはな。
 その上"死ねた"だ。悔しさで押しつぶされても生きようとした俺がだ。」
〔……とにかく、撤退を提案します。この状況下では……。〕
「……。
 リファニア=ニールセン。
 俺も、優勝を道とした者だ。ルールに染まったものだ。
 悔しいな……悔しいさ。こんな屈辱を受けたのはエルザに裏切られたとき以来だ。
 だけどな……悔しくても、屈辱を受けてでも、俺は生き残りたいんだ。
 そして、
 俺と同じ道にいて、
 前に立ちふさがった者は、
 倒す。
 ……だから、その道を開けろ!」


【行動:通信継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 ……?】
【同盟:なし】
73サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/16 01:47:39 ID:???
 サイコから放たれる光が、一瞬全面に広がった。

(……オドシ?)

 ここで終わるか。
 それとも続くか……

「ハン、ビギナ・ギナ……殺りあいたけりゃ、
 お仲間を先に潰しゃあ良いのにさ……」

 だから言ったのよ、ケツの穴が小せぇってね。
 私には元々、失うモノはこの命しかないのよ。
 テメェらとは訳が違う……。

 通信回線を一方的に開く。

「案外呆気無いのね、リファニア。
 貴方私に言った事忘れたわけ?

 ……。

 そんな事じゃ、この機体に乗ってた、貴方の姉が泣くわ……」

 そうよ。
 私はリオンを泣かせたくないから、今はまだ眼を閉じている。
 優勝の無価値を説いたのなら、最後まで節を通してよ。

「貴方そのサイコに飲み込まれるくらいなら、私にサイコを貸しなって。
 飲み込まれて、邪魔になりそうなやつらを皆殺しにしてやっても良いのよ……
 貴方の目的は何よ。優勝じゃないんでしょ?」

 サイコガンダムMk−Uへ機体を接触させる。
 ……そのサイコミュは、一体何さ。
 人の革新なのか、それとも悪魔の箱なのか……。

 随分色々溜め込んできている。
 気分悪いわ、リオン……。
 こいつのサイコミュは、とうの昔に流れが淀んでたように思えない?

 ……

「リファニア、そこを開けなさい」

 コクピットを飛び出し、頭部へ近づく。
 ただ、今回は今までの工具用品なんて生半可なモノを持ってじゃない。
 あの時回収した、ショットガンを持って。
74サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/16 01:48:29 ID:???


【行動 : サイコMk−Uへ接触(−1) コクピットから移動(遊泳中)(−1) リファニアへ通信(−1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>72
『俺と同じ道にいて、
 前に立ちふさがった者は、
 倒す。
 ……だから、その道を開けろ!』

全体通信のスイッチを、戻し。
再び、心の表層を凪に戻し。
リファニアは、シュウジの言葉に対する答えを返した。

「……退けない。
 退けないの。
 私のうしろに、あるもの。
 私にとって、どれも大切なもの。
 大きな意味の、あるもの。
 ……壊させないよ。」

グレイブを、構える。
サイコのデュアル・カメラが―――ぼんやりと、光を灯しそうになった時。

>>73
『案外呆気無いのね、リファニア。
 貴方私に言った事忘れたわけ?
 ……。
 そんな事じゃ、この機体に乗ってた、貴方の姉が泣くわ……

 貴方そのサイコに飲み込まれるくらいなら、私にサイコを貸しなって。
 飲み込まれて、邪魔になりそうなやつらを皆殺しにしてやっても良いのよ……
 貴方の目的は何よ。優勝じゃないんでしょ?』

サーティアの叱咤の声が、コックピットに響き。
Vガンダムが、サイコに身を寄せる。

……姉が、泣く。イブさんが、泣く。
そうね、サイコミュに取り込まれた私は。
きっと、綺麗じゃ、ないもの。

Vガンダムのコックピットハッチが開き。

『リファニア、そこを開けなさい』

ショットガンを構えたサーティアが、宙に身を躍らせた。

「……ふふっ、三回目。
 もう、驚かないよ。」

そう、銃を向けられるのは、これで三回目。
……今度は、どんな結果が待っているのか。
……間違えては、いけない。後悔の、無いように。

右のマニュピレーターに握ったグレイブを離す。
巨大な刃は、ゆっくりと、ごくゆっくりと、右に流れてゆく。
右のマニュピレーターを、頭部の前に持って行き。
その甲を「上に」向け、足場を作り。
サーティアに向かって、通信回線を開いた。

「……サーティアさん、ううん、サーティア。」

さん、を外した。
それは、彼女に対する畏れのようなものが、無意識のうちに言わせていたものだったから。
「この子はね、私にとって特別なの。
 大切な人を送るときも……人の生命を、奪ってしまった時も。
 私はこの子に抱かれながら、やってきた。

 時にはね、この子に取り込まれてしまいそうにもなった。
 ……コロニーでね、あなたに刃を向けた時も。
 私はきっと、この子に取り込まれていたんだと思う。
 でもね、だからこそ……私はこの子から、逃げちゃいけなんだと、思う。

 さっき機体を預けてくれた借り、あるけど。
 ただの、私のわがままかも知れないけど。
 それでも私、この子のシートを譲る事は、出来ない。
 さっきはね、ちょっと刺激が強すぎてね、"くしゃみ"しちゃったようなもの。
 でもね、もう、大丈夫。

 ―――証明して、見せるから。」

サイコ。
あなたが一番輝いていた時って、戦いの時?
その荒々しいサイコウェーブで、私をパーツの一部と化して、破壊の閃光を思う存分放った時?
……私は、そうは、思わない。

ヘルメットを、外す。
すでに赤黒く変じた血で汚れた、オレンジがかった金髪が、ふわっと広がる。

あなたが一番輝いていた時。
それは、あの時。
私が夢のきっかけを、見つけた時。

ひとのつくりだしたものならば―――。
ひとに、やすらぎを―――あたえてみせなさい。
ひとの、こころのひかりを―――みせてみなさい。

……あなたも―――わたしも。

「……イブさん。
 さっきはね、歌えなくて、ゴメン。
 ……今、聴かせてあげる。」

全体通信のスイッチを、再びONに。
今は、どこまでも、魂を開放したい気分だったから。
表層の凪を崩し。内なる想いを、解き放ちたい。

少女の脳裏に蘇るは、朗々と祈りの歌を歌う、パパの姿。
戦に傷つき、救いを求めるその姿は、決して偽装ではなく、真に癒しを求めてのものではなかったか。
意味などは良い。縋る訳ではない。その響きで以って、癒すべく……。
少女は、ロザリオを握り締め―――高らかに、歌う。
       ♪
What a Friend we have in Jesus, All our sins and griefs to bear.
What a previlege to carry Everything to God in Prayer.
O what peace we often forfeit, O what needless pain we bear,
All because we do not carry, Everything to God in Prayer―――
 ♪                  ♪
Have we trials and temptations? Is there trouble anywhere?
We should never be discouraged, Take it to the Lord in prayer.
Can we find a friend so faithful Who will all our sorrows share?
Jesus knows our every weakness, Take it to the Lord in prayer―――
               ♪
Are we weak and heavyladen, Cumbered with a load of care?
Precious Savior, still our refuge, Take it to the Lord in prayer.
Do thy friends despise, forsake thee? Take it to the Lord in prayer,
In his arms He'll take and shield thee, Thou wilt find a solace there―――
        ♪                      ♪

厳かなる調べと、少女の内から沸き起こる、躍動感。
アレンより継ぎし、熱き魂。
混ざり合って。

不吉な心音は―――弱く、弱く……。

【行動 : 全体通信OFF(0)、グレイブを離す(0)、サーティアの足場を作る(0)
      シュウジとの通信回線継続(0)、リナルドとの通信回線継続(0)
      サーティアとの通信回線接続(-1)、全体通信(-2)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ゲート付近) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤモヤするような感覚、開放 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
78シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/16 23:19:56 ID:???
>>75
『……退けない。
 退けないの。
 私のうしろに、あるもの。
 私にとって、どれも大切なもの。
 大きな意味の、あるもの。
 ……壊させないよ。』

「……全てを……守る事など出来ない。
 人は、犠牲なしには何かを成す事は出来ない。
 お前の目の前にいるサーティア=クワンは優勝を望んでいる。
 優勝を望む者は、何かを壊さなくてはならない。
 そして自分も、壊されるかもしれない。
 優勝と違う道を取ったお前が俺達の戦いに干渉するな。
 干渉は……今の俺には邪魔だと認識される。」

右腕のビームライフルと、マシンガンがサイコMK−2の向こう側に僅かに見えるガンダムらしき機体を捉える。
若干ぶれる照準を、ゼファーが修正し、しっかりとコックピットを捉えた。
だが、その姿はサイコMK−2の頭部に隠された。ガンダムが肉薄といえる距離まで接近したのだ。

(……移動しようにも、どうしても無防備になるか。
 下手に移動すれば……サイコのビーム砲に撃たれる。
 ……どうす、る?)

撃つべきか、接近すべきか、此処を見捨てて撤退するかで思考が交錯する。
どうするべきか考えているその時、またしても全体通信が入った。

>>77
歌だった。先ほどの叫びとは真反対とも言える、"癒し"と言う言葉がもっともに合いそうな歌だった。
歌っているのは目の前の少女。明らかに戦いの意志を持つ者を前にしながらも、高らかな歌声だった。

そしてそれを聞いていたシュウジは、困惑していた。
困惑しながらも、戦闘寸前というこの状況で流れてきた歌声に彼はしばし呆然と聞き入った。


【行動:通信継続(−0)Lock.ON(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 ……?】
【同盟:なし】
もどかしい時間が過ぎていく。
1回きりの全体通信のあと、リファニアもサーティアも、どちらの動向も掴めない。
レーダーに映る機影だけでは各機の様子など分かる筈もない。
コンソールスティックを握る手の平に汗が滲む。

ベルクは既に返事の紙を見せてきている。
このままベルクと打ち合わせをしながら様子を見るか、それとも状況を混乱させる事を
覚悟の上でムサイの現状を確かめに行くか…。

(やはり、ここはムサイの様子を確かめてくるべきか…。
              今は余計な戦闘は避けたいところだが…)

とにかくレーダーだけを見ていても埒があかないのは確かだ。
今は比較的安全な場所にいるベルクには待機していてもらい、ムサイ周辺の参加者の状況
をできる限り確認し、適宜対処する。
その旨をベルクに伝えようと紙に書こうとしたその時、再び通信回線が開かれた。

通信機から聞こえてきたのは、歌だった。

俺の記憶にはない、歌だった。

しかし……俺はその歌声を何処かで聞いた事があった。

あの時俺は、それがうるさくてすぐに通信を切ってしまった。

彼女は……再び歌っている。

この静かな、忌わしき戦場で。

その声の主……リファニアは、俺の心配など杞憂だと言いたいかのように小気味よく、
朗々と歌い続けている。

コンソールスティックから手を離し、ベルクへの返事を書きはじめた。

俺は何となく、本当に杞憂なのかもな…と思った。
少なくとも、この歌声が戦場に流れているうちは。
…俺のこの思いは、戦場に有りがちな先入観からくる思い込みだったかもしれない。
だがリファニアの声は、その思いに疑念を抱かせないくらいに生気に満ちていた。

そして俺はこの歌を聞いていて、1つ確信を持つに至った。
この声は、死に逝く人間の発する声ではあり得ない、と。

(続く)
書き上げた紙をベルクに見せる。

[俺がリーア=ミノフスキーに聞きたい事か…。1つか2つあるな。
 レウルーラについては基本的にもう必要ない。これまでに艦の防衛戦力や内部事情、
 それに現在は動けない事などを聞いているからな。さっきの放送で艦長の事も分かった
 し、これ以上は無理して聞く事もないだろう。

 俺が聞きたいのはゲートの事だな。レウルーラの攻撃が成功した時、使えるならば
 ゲートを使って脱出する者もいるだろう。
 だからまず、ゲートは俺たちに使用可能なのか?
 そして可能であるならば、その方法は何か?
 …俺が聞きたいのはこのくらいかな。

 休憩は…そうだな、もう一頑張りしてからさせてもらうとするよ]

そう…俺ももう少し…いや、ここからが頑張りどころか。
…やはりムサイのところへは行かなくてはならない。
状況の把握もそうだが、レウルーラに攻撃をかける協力を頼むのに、この離れた場所から
通信を送ったのでは、それは非礼というものだろう。

……いや、それは建て前なのかもしれない。
レーダーの機影を見ながら苦笑する。

俺は只、もう一度あの声を間近で聞きたいだけなのかもしれない。
あの少女の生気に満ちた声を。

リファニア=ニールセンという幼き戦士の声を。     

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)歌に聞き入る(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>77

前回の全体通信から少し時間がたってから
次は、歌が流れ始める
少女の声、心にまで響く彼女の歌に安堵感さえ感じてしまう。

(不思議な娘だな、こんな状況だと言うのに歌を歌っていられるなんて
 でも――――――――――――――――――悪くない。)

しばらくその歌声に耳を傾けながら時間を過ごすと
レイモンドからの返事を書いたメモがモニター映し出されていた。

”もう一頑張りしてからさせてもらうとするよ”

と最後に書かれていた。
最初は何を頑張るんだ?と思っていたのだが
レイモンドの様子から大体の見当はついたので
紙に書く必要も無くレイモンドに答えた。

「わかった。
 行ってこい、レイモンド。
 後は俺に任せてくれ何とか最善を尽くすよ
 それとあまり無茶するなよこの後の事だってあるんだからな。
 行ってどうしたいのかは分からないが
 良い知らせを期待してるぜ。」

俺も行きたいという気持ちが無かった訳ではない
しかし、自分自身行きたいと思う理由が見つからなかった。
ただそこへ・・・・・・・・・・・何かを求めていたのか。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)特殊情報端末での監視(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
82リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/17 21:44:50 ID:???
開かれたままの通信回線から流れてくる声。
酷く、遠くから聴こえているような気がする。
混濁する意識の中。
リナルドは、今の彼に出来る戦いを、ただ、ただ、続けていた。

『お兄ちゃん……。』

マヤの声が、する。
心配そうに兄の姿を見守る、妹の声が。
この世に生を受ける事すらままならなかった、妹。
だが、自分の中では、マヤは確固として存在し続ける事が出来る。
自分が死ぬときこそ、マヤがこの世を去るときなのだ。

「……すまない……。」

リナルドには、ただ謝る事しか出来なかった。
それは、傍らの妹に対してだけではなく……。
その小さな背中に巨きな物を背負いつつも、その重荷に押し潰されまいと必死で立っている、
あの、愛しい少女に対しての、言葉なのかも知れなかった。

リナルドは、イブが護り通した切り札を形にすべく、作業の締めに取り掛かろうとしていた。
すでに延長コードの解析は、大詰めを迎えていた。

リナルド、リファニア、そして、イブ。
ミョーコウの仲間達のコードは、イブがほぼ特定してくれていたので、さしたる労は必要ではなかった。
100%ではない。だが、限りなくそれに近いとの自信があった。
もっとも、そのうち二つは……すでに、無用のものとなってしまっていたが。

そして、リナルドは、さらに……。
残りの参加者の延長コードの解析をも、進めていた。
サーティア、シュウジ、ベルク。
すでにこの三人の分は、充分過ぎるデータを受信装置で受けている。
解析も、そう労せずに行えるだろう。
自らのデータを解析して見せたノウハウ。
そして、三人のコードそのものではなく、ダミーコードについての解析は、イブの解析したデータが役に立つ。
それらを弾き、延長コードを導き出す事は、ゼロから始めるのとは比べ物にならない位、容易になる筈だ。

(……後は、レイモンド=デリック。
 彼の分だけは、一切のデータが、無いんだよな……。
 いざとなればそれくらいは、サーティアには当然だが、リファニアにだって出来るよな……。)

サーティアはともかく、何故、同盟相手ではない者のデータまで、解析しようとするのか。
シュウジ、ベルクは、はっきりと敵対した相手の筈だ。

……だが、残りの参加者の数は、少ない。
管制側の戦力に対する優位性は、すでに崩れ去った。
切り札は、多いに越した事は無い。

(……シュウジ、これは、お前に対する恩返しのようなものだ。
 お前が首輪カバーと機体の自爆装置の解除を考えてくれたからこそ、
 俺はこの答えを導く事が、出来たんだ。
 必死で、考えたさ。どうしても……繋ぎたかったんだ。
 もし、ヨーコが生きていてくれたのなら。
 俺とは比べ物にならない優秀な頭脳を持つ、お前の事だ。
 これ位の策は、考え出した事だろうが……な。)
83リナルド=グレイス ◆y265QavDe. :04/09/17 21:47:19 ID:???
残りの生命を燃やすように。
混濁する意識を必死で引き戻しながら、解析作業を進めるリナルド。

港を揺るがす破壊の閃光も、構えられた散弾銃も。
……今の彼の瞳には、映って居なかった。


ふと、リナルドの耳に、少女の声が、聴こえた気がした。
それは、暖かくて、力強くて、愛しくて……。

「……リファニアが、歌ってる気がする……。
 でも、もう、良く聴こえないんだ……。」

哀しいくらいに、遠くて。

「………まだ……足りない。
 もっと……愛したい……。
 何で、そんなに……遠いんだよ……。」

リナルドの瞳から、清らかな幾つもの雫が、舞い散った。

「……マヤ……。
 ……歌って、くれないか。彼女の、かわりに。
 お前の声は、はっきりと、聴こえると思うから……。」

リナルドの嘆願するような声に……。
マヤは、その双眸に涙を溢れさせながら。
ゆっくりと、頷いて。
歌いだす。

『What a Friend we have in Jesus, All our sins and griefs to bear.
 What a previlege to carry Everything to God in Prayer―――♪』

アビゴルのコックピットに響く、二つの歌声。
通信機より流れる少女の声と、マヤの、上手くはなくとも暖かい歌声が……混ざり合った。

【行動:通信回線継続(0)、コード解析(-4)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ヴィクトリー、ガンイージ、サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・感覚崩壊・意識混濁】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレーター(停止中)x6、バッテリーx12】
【行動方針:手段を示す】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア】

※リファニア=ニールセンによる代理カキコです。
84艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/19 00:02:22 ID:???
『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『A-17』 『C-12』 『G-23』 『J-01』
 『M-14』 『Q-04』 『U-22』 『X-08』

 以上だ』

(あまりにあっけない放送が終わる……
 そのそっけなさは、どこか、
 「必要以上の情報を渡したくない」という必死ささえ感じられる。)


【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
85艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/19 00:02:59 ID:???
第15章 >83 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎×◎◎■◎■◎◎◎◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□◎□◎◎■■■◎□◎◎□□□◎■◎■※
03◎◎◎□◎□◎□◎◎◎■■□□◎□□◎□□□◎■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□×□◎□◎□■※◎■
05□◎◎◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎◎◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□◎◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□◎◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□◎□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08◎◎※◎□◎□◎□◎〓□◎◎□□◎□◎□※◎□×□◎   ※:戦場跡
09■◎◎■◎◎◎◎□□◎◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■◎□□◎□□□◎□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■×◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎◎□◎※□◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□◎×■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎92□□◎◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎◎   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■
17×◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   門:『ゲート』?(詳細不明)
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□
20◎□◎□□◎□◎◎□◎□■□◎◎□◎◎□1401▼◎◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎◎※◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎
22◎□◎□□□◎◎◎※◎◎◎□◎□□□00◎×◎▽◎◎□
23◎■◎◎□◎×□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■◎□□◎◎■◎◎※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎
25??????????????????????????
26??????????????????????????
27?????????????????????門????
28????????????????????門門門???
29?????????????????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は同一地点。
07はU-22(×印)。
01と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーもムサイと同位置。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
15番リナルドは「放棄」扱い  11番サーティア、乗機変更(Vガンダム)
86艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/19 00:03:52 ID:???

「探索に出ていた二人から連絡がありました」
「何と言っている??」
「え〜っと、
 『強力なSFS発見、されど破損状態にあり。簡単な修復の後、帰還する』
 とのことです」
「……早くするよう、言ってくれよ………」

溜息と共に、艦長は思う。
……禁止区域を、こちらの意思で決められれば、どれだけ楽だろうか、と。
全く……あと1マス、O-17を塞げば安心できるというのに……
『上』の人たちは何を考えている??

 *  *  *

「『上』の人たちは、何を考えているんでしょうねぇ……」
コアファイターの中、リーア先生は呟く。
スタッフ用の特別用マップの中には、これから向かう『ゲート』の大きさがはっきりと映し出されている。
マップ上のエリアにして5マス分。コロニーさえも丸ごと通過できる巨大なドーナツ状の構造物。

「まあ、きっと……何も考えてないんでしょうね」


【リーア元先生の行動:移動(R-21→S-21→S-22)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(R-21→S-21→S-22)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機、武器探索&修復(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機S-22、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
ベルクからの返事をもらってからさほどしないうちに、再び全体放送が入った。
今度の放送は素っ気も何もあったもんじゃない。
必要最低限の事を告げると、さっさと切れてしまった。

…もしかしたら、前回のあの不様な放送の事を自覚しているのだろうか?
艦長がどんな顔をして放送しているか想像して、思わず吹き出しそうになった。
…まあこちらもさすがに、今の放送からは重要な事は何も読み取れなかったが。

しかしここでの問題はそんな事ではなく、U-22が進入禁止空域として発表された事だ。
ベルクは今、リーア=ミノフスキーと連絡を取るべくU-22にいる。
…残された時間は、少ない。

俺は紙に簡単な文を書くと、まず直接ベルクに話しかけた。

「ベルク、今の放送を聞いただろう。そこもじきに進入禁止になる。特にそこでする事が
 もうないなら、すぐに基地から脱出するんだ」

続けて紙も見せる。

[まだリーア=ミノフスキーと連絡が取れないのなら、無理をする事はない。
 俺たちの目標はあくまでもレウルーラであって、彼女ではないのだから]

そうだ。
リーア=ミノフスキーが通信可能範囲に入ってくるか分からない。
例え上手く連絡が取れたとしても、彼女が応答してくれるとは限らない。
…そんな危険を犯すくらいなら、余裕のあるうちに脱出した方がいい。
俺の脳裏に、遂に基地から出てこなかったアーネストの事が思い出される。

(何もできずに死ぬのは御免被りたいものだ。
           俺が死ぬのも、仲間が死ぬのも、な)

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
定時放送。
その内容は俺にとって賭けに近い状況になった事を意味するものだった。

(流石に警戒しているな。
 これ以上の情報流失の可能性となることを防ぐために
 元ティーチャーに出来るだけ近づけ無いよう仕掛けやがった。)

放送終了後、レイモンドから通信が来る。

『ベルク、今の放送を聞いただろう。そこもじきに進入禁止になる。特にそこでする事が
 もうないなら、すぐに基地から脱出するんだ。』

そう言いながらメモを書いた紙も見せていた。

俺も、返事を紙に書いてから通信を返す。

「ああ、わかってるよ。
 ま、もう少しのんびり行こぜすぐに爆発するわけじゃないし。」

言葉では非常にのんびりとした口調だったが
内心、焦っていた。
それでも態度を変えずにメモを書いた紙をレイモンドに見せ
尚且つ笑って答えていた。

[前に見せた文に書いたはずだ。
 これぐらいの覚悟が無いと半端なままで終わってしまうと
 心配すんな、ほんとにやばくなったら迷わず逃げるさ。]

(・・・・・・・・・・そろそろ、ギリギリ通信エリアに入っくるな。)

予め用意してあった紙を取りだし
元ティーチャーのコア・ブースターの反応が現われると同時に
通信を開始、同時にモニターに用意した紙を見せる。
[時間が無いので、即急に返答を頂きたい。
 貴方が奴等をもっと焦らしたい思う気持ちで答えてくれても構わない
 以下の質問に答えてくれ。
 最もこれは俺にとっては重大な情報源になる。
 答えてくれる気が無いのであればこちらも貴方の計画に反した行動を取らせてもらう
 人にものを頼む態度で無いことは分かっている。
 だが、こうでもしない限り貴方と交渉できない状況だったことを許して欲しい。

 1、首輪の解除は貴方自身で解除可能ですか?
   可能ならば実行して頂きたい。
   又、コードさえ分かれば生徒自身で解除可能ですか?
   貴方自身での首輪解除が無理であれば教えて頂きたい。

 2、1の質問でどれにも当てはまらないのならば
   コードの分かる場所は何処ですか?
   又は、コードの入力方法は?

 3、ゲートは生徒自身で使用可能なのか?
   そして可能であるならば、その方法は何か?

 4、最後に貴方の望みはなんですか?

 以上のことを可能か限り私に即急で伝聞にて返信していただきたい
 それとこれまでの情報、不本意ではあるがありがたく参考にさせてもらっている
 以降の貴方の運命に御武運を・・・・・・・・。]

(残り時間の猶予は・・・・・・・・・・・・・あとどれくらいだろう)

紙を持っていた逆の手にはシュウジが作った首輪カバーが握られていた。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)特殊情報端末での監視(-1)
    元ティーチャーと通信(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の入手】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
90リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/09/19 18:40:01 ID:???
>>88
入ってきた通信に、彼女は思わず微笑んだ。

「近くに参加者がいますね……。ペズ・バタラですか。
 まあ、この距離なら何もできないでしょう」

ギラドーガ1番機のパイロットが、呑気に声を上げる。
しかし、彼女はそれに答えない。

(紙……ペンもないわね。あんな形で追い出されさえしなきゃ、用意するヒマもあったのに)

手近な道具で少し考えるが、ちょうどいいものが思い当たらない。
(仕方ないわね……)

「しかし、ほとんど慣性航行だけど、ヒマね。
 戦闘もないし、ノーマルスーツ脱いでも大丈夫よね?」
「ちょ、ちょっと、その……!」
「あ、映像だけカットさせてもらうわね」

 *  *  *

ヘルメットを取り、ノーマルスーツを上半身だけ脱ぐ。
アンダーウェアだけになるが、全く構わない。
通信機を操作し、ギラドーガへの通信の映像をカットし……
彼女は、自分の右の親指の腹を、噛み千切る。

 *  *  *

ベルク・クロフォードのペズ・バタラに、通信が入る。
音声カットのまま、映し出される半裸の彼女の笑顔と、黄・赤・紫の3体のハロ。
そして……掲げられた髑髏の額に、短く赤い筆記体が躍る。

《 Go to the Flagship and cap the bridge !! I'm going to open the Heaven's door. 》

(旗艦に向かい艦橋を占領せよ。私は『天国の門』を開けてくるわ)

それは血文字だった。髑髏の額という狭い空間に、文房具もなく書き殴られた短文。
そして――おどけた表情で、彼女は、自分の首輪を、あっさりと何の苦もなく外してみせた。
そのまま、右手で銃の形を作ると、自分のコメカミに当ててみせ――

通信は、唐突に、断絶した。

 *  *  *

(……時間もなかったけど、分かるかな? ま、伝わらなかったら、その時はその時ね。
 あの子たちの面倒、最後まで見てあげるつもりないし)

コアブースターとギラドーガは、小惑星をかすめてゆっくりと飛び去っていく。
まるで、何事もなかったかのように、ゆっくりと、ゆっくりと。


【リーア元先生の行動:脱衣(0p)ギラドーガとの通信操作(−1p)
           07番ベルクに通信(10秒ほどで通信切断)(−1p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機がリーアに通信(通信継続)(0p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機S-22、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
『近くに参加者がいますね……。ペズ・バタラですか。
 まあ、この距離なら何もできないでしょう。』
『しかし、ほとんど慣性航行だけど、ヒマね。
 戦闘もないし、ノーマルスーツ脱いでも大丈夫よね?』
『ちょ、ちょっと、その……!』
『あ、映像だけカットさせてもらうわね。』

通信中の音声からギラ・ドーガのパイロットや
元ティーチャーからの会話が聞こえてくる。

彼女がギラ・ドーガとの映像通信を切ると
ノーマルスーツを上半身だけ脱ぎ、口に親指を付けたかと思うと
そこから紅い液体が溢れだし、抱えていた髑髏の額に塗り付けていた。

モニターにはそれぞれ色の違う三体のハロと
上半身裸で額に血文字を書いた髑髏を掲げた女性が笑顔で映っている。
どこぞの狂気的な画家のモデルに成りそうな絵だが
それを深く考える気にはなれなかった。

髑髏の額に描かれた文字を紙にメモすると彼女は
自身の首輪をさも当然の様に外していた。
そして、右手の指で簡単な銃の形をあらわすと
コメカミを撃ち抜くポーズを見せて通信が途切れる。

(なっ!)

しばし唖然としていたがすぐに意識をハッキリさせ
血文字で書かれていた文をメモした紙を見ていた

《 Go to the Flagship and cap the bridge !! I'm going to open the Heaven's door. 》

[旗艦に向かい艦橋を占領せよ。私は『天国の門』を開けてくる]

(やはり、まずレウルーラに向かえって事か。
 艦橋・・・・・・・そこにコードが・・・・・
 だが、最後のあの仕草の意味は・・・・・・・・・
 本能的に何かはわかるんだがそれを具体的な答えに出来ない。
 何かが、引っかかっている感じがする。だが

 情報は少なからずもらえた。今はここを出ることが最優先だな。)

「んじゃ、レイモンドそろそろそちらに向かうよ。」

そうレイモンドに告げると壊れかけのペズ・バタラを起動させ
小惑星基地を抜け出した。
 
【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    元ティーチャーと通信終了(-1)移動 U-22→U-21(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の入手】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
ベルクの返事は、俺の予想通りだった。
そして俺は、それ以上は何も言わなかった。
ベルクにはベルクの、パイロットとしての誇りと意地がある。
それを曲げてまで基地から逃げろとは言えなかった。
ベルクは何らかの結果を出すまで、あそこに留まるつもりなのだろう。
それが俺たちにとって望まざるものだったとしても、それでもたしかに、前進の糧になる
には違いないのだから。

最後の通信から10分は過ぎただろうか。
俺はムサイへ行くのを一旦止めて、ベルクが出てくるまで待つ事にしていた。
…ここにいたからといって俺に何かができるわけでもないが……ベルクが覚悟を決めて基地
に留まっているのだ。
俺もベルクの結果を見届けるまでは、ここを動くわけにはいかない。

無言でレーダーの機影を見つめながら、時間の経過を気にする。
まあ、進入禁止空域に指定されたとは言え、今すぐ爆破されるわけではないから少しは余裕
を持ってもいいのだろうが、以前の事を思うとなかなかそうはいかなかった。

デジャヴ――

思えばあの時も、俺はこうしてア−ネストが基地から出てくるのを待っていた。
そこが永遠の別れになる事に気づきもせず…。
勿論今回がまた同じ結果になるなんて、夢にも思っていない。
ベルクには、まだまだやるべき事がある。
それを果たさずに死ぬなど、あってはならない。
…多分に勝手な思い込みかもしれなかったが、俺はそう思う事で、自分にのしかかってくる
不安と戦っていた。

それから更に暫くして…待ち望んでいた通信がジャベリンに届いた。

こちらに来るという通信の通り、ペズ・バタラはU-22からU-21へ脱出していく。
それを確認すると、俺は大きく1回息を吐きシートに身体をもたれた。

「御苦労さん。何にせよこれで一先ずホッとした」

ベルクに通信を送り、そして考えながら紙にも書き出す。

(ベルクの最後の通信から脱出まで、少し時間差があった。…という事は、だ)

…という事は、その時間差の間にリ−ア=ミノフスキーと連絡が取れたのではないか?
勿論それが成功したとは限らないが、きっちりと結果は知っておきたい。
失敗したなら失敗したで、そこから得られるものもあるかもしれない。

[…で、リ−ア=ミノフスキーとは連絡は取れたのか?
 何かあったら教えてくれ]
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
94リーア先生 ◆qkSDl8fmTU :04/09/21 00:12:52 ID:???
第15章 >93 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□1401▼◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□00◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
01と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーもムサイと同位置。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
95リーア先生 ◆qkSDl8fmTU :04/09/21 00:13:28 ID:???
>>94
訂正



  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99□◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□1401▼◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎07◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□00◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????
96リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/09/21 02:26:51 ID:???
――終わりになんて、するつもりはないんだ。
   まだ、まだいけるはずだろ?
   俺の身体、まだ動くよな?
   『俺』、まだ生きてるだろ?
   動けよ。 『お前』は俺だ、俺は『お前』だ。
   何、呑気にくたばってやがる?
   立てよ。 起きろよ。
   俺はまだ立てるんだ。
   この程度……なんてもんじゃないけど、ここでくたばっていいような身体じゃないんだ。
   リファニアはまだ戦ってるんだ。
   見えないのか? 聴こえないのか?
   『お前』の目には何も映っていないのか?
   『お前』の耳には何も届いていないのか?

――うるっさいな、『お前』だってそうだろうがな、内側じゃもっとヒドイことになってるんだぞ。
   疲れたんだよ、とっくに疲れ果ててんだよ。
   もう動きたくなんてないんだよ。
   『お前』だってもうボロボロじゃねェか。
   休ませろよ。 『お前』は俺だ、俺は『お前』だ。
   全身が『休みたい』って言ってるじゃないか。
   立てるわけない。 起きたくなんてない。
   俺はもう立てないんだよ。
   わかってると思うけどな、とっくに三回はくたばっててもおかしくないんだ。
   わがままプリンセスがどうしたって?
   ああ、見えないさ。 ああ、聴こえないさ。
   俺の目には何も映ってない。
   俺の耳には何も届いちゃいないんだ!


(それは違うでしょ。
 私が歌ってるんだから。
 届いてないわけ、ないの。
 そりゃ、私が抜けたんだからその分内側は辛いんだろうケドさ。
 あなたは聴きたくないだけ。
 聴けば、否応無しに身体が動いてしまうでしょ?
 良くも悪くもそれがあなた、お兄ちゃんでしょ)

――……どうなっても知らないぞ。
   そのために、わがままプリンセスを泣かせることになったって、
   誰も助けてはくれないんだからな……。
   頼みの綱のイブさんだってもういない。
   俺たちの役割、増え過ぎてないか?

――あのな、俺たちはもうとても長生きできるような身体じゃないだろ。
   今からリハビリしたって、長くて40ってトコだ。
   どう考えたって俺たちの方が早い。
   遅かれ早かれ、泣かせることになるんだよ。
   同じ泣かせるんだったら、もう少し足掻いてからにしないか?

――『お前』……いつの間に、そんなに前向きになった?

――さあて、いつからかな?
   それほど前向きでもないと思うけど。

(はいはい、そこまで。
 いい加減に起きなさーい)

≪続く≫
97リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/09/21 02:29:21 ID:???
……そこで、リナルドは我に返った。
歌声が聴こえる。 それは、先程より遠くはなかった。
彼の耳を打つのは妹の声ではなく、確かに彼女の歌声。

(右手の握力の次は、聴覚か……。
 完全に聴こえなくなったらアウトだな……)

そうなる前に、事を全て終えることができなければ……
その時は、少女の慟哭がこの宇宙に響くことになるのだろうか。
――もっとも、彼女はその声すら殺してしまうかもしれないが。

視覚は生きている。 以前よりピンボケが少し酷くなった気がしたが、
もともとディスプレイは目と鼻の先だ。 おそらく影響は無い。

触覚はまだあるようだ。 無かったらそれはそれでと諦めていたかもしれない。
味覚・嗅覚は確かめようが無い。 無かったら悲しいことだが、今は気にしていられない。

バイザーを開け、涙を拭う。
水を何度か含んで飲み下し、彼は止まっていた手を再び動かし始めた。

「ん……けほっ、けほっ」

数分後。
突然の小さな咳に、一瞬だけリナルドの手が止まる。
これは初めての症状ではなかっただろうか。
考えを巡らせながら再び手を動かす彼だが、当然今は咳よりも優先すべきことがある。

……そして。
ようやく一通りの作業を終えた彼は、データをエミュレータに落とし込みながら
ちらりとサイコガンダムを見やり、リファニアに声を掛けた。

「リファニア、少しの間サーティア=クワンは君に任せる。
 俺はシュウジと話をしなくちゃならないからな」

不思議と、とても穏やかな声が出た。
とても、本気で殺し合った相手とこれから話そうという雰囲気には見えない。
彼自身も少々驚いていたが、穏やかに話せるのならそれに越したことはない。

「ああ、それと……何て言うか。
 君はね、死神なんかじゃないと思うんだ。
 死神にああいう歌は歌えない。 野暮な感想だけど、そう思う」

慣れた手つきでコンパネにテキストを打ち込みつつ、余計かとも思える一言を付け加え、
もっと気の利いた台詞は言えないのかと苦笑する。
そして、ヴィクトリーへの回線を切り、彼はとうとうビギナ・ギナへの通信回線を開いた。

≪続く≫
98リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/09/21 02:33:05 ID:???

「……一度は本気で殺し合った相手にこんなこと言うのもおかしいとは思うけど……
 俺はもう、お前と戦おうなんて思ってないし考えてもいない。
 リファニアとお前が戦うことも望んでないし、そうならないために俺は全力を尽くす。
 少しでいいんだ、俺の話に付き合ってくれ。

 リファニアとレイモンドとやらはどうやら仲良くやっていけるようだし……
 お前は、もう俺たちと一緒に来ることはできないのか?」

彼にとってその問い掛けは半ばダミー、半ば本心だった。
様子を見る限り、シュウジの頭脳は未だ頼りになる。
共に来てくれればゼファーと共に心強いことこの上ない。
それだけではない何かが、彼の中に渦巻いているというのもまた事実。
だが、やはり半ばダミーの話題であって、本命はこちら。
正確には、本命と併せてようやく意味を成す質問とでも言うべきだろうか。

言葉と同時に、リナルドの両手がカメラの前に掲げられる。
右手にはテキストを表示したコンパネ。
左手には……首輪カバーとエミュレータが、載せられている。

〔お前が用意した首輪カバーと先生がもたらしたタイマー延長コード。
 ふたつを組み合わせて、首輪を『外す』以外の方法で長時間無力化できる手段が6人分、ここにある。
 無論、機体の自爆装置無力化が前提になるが……
 レウルーラに対して仕掛けることも、充分可能だ〕

あとはサーティアとシュウジのリアクションを待つのみ。
願わくば、最悪の事態が起こらないことを。
祈るべき神を持たない彼でも、願わずにはいられなかった。

【行動:水分摂取(-1)、解析終了(-1)、ダウンロード(-1)、
                        通信回線継続(0)、切断(0)、ビギナ・ギナへ通信(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ガンイージ、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2.9、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:手段を示す】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア】
「安心しろこんな所でくたばるつもりは無い。」

そう返答すると紙に元ティーチャーが伝えてくれた
文を付け加えたメモを見せ
最後に見せた右手の指で簡単な銃の形を作り
それをコメカミに当てるポーズをしながらレイモンドに伝える。

[連絡は取れたが質問をはぐらかされた感じだな
 すまない。詳しい答えは教えてもらえなかったが
 変わりにこんな一文を返答してきた。

《 Go to the Flagship and cap the bridge !! I'm going to open the Heaven's door. 》

(旗艦に向かい艦橋を占領せよ。私は『天国の門』を開けてくる)

 それと最後にこんなポーズを取ってから通信が途切れた。
 どう言う意味かは言葉に現しにくいが、
 最後に”何か”をしなければならないのかと俺は感じている。
 お前はどう思う?レイモンド

 それと、彼女は自分についていた首輪を
 さも当然のごとく簡単に外して見せた。
 それにも、意味が込められているのだとしたら
 余り楽観的な推測を述べるのは好ましくないが
 他の首輪も外せるのではないのかと思う。]

レイモンドにメッセージを伝え終わると
ペズ・バタラはジャベリンの居る区域に移動しそこで停止した。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)移動 U-21→U-20(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
100サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/21 22:49:02 ID:???
 返答とともに返された答は、歌。
 どうにも、暖かくて嫌な歌だわ……。

 あぁ、そういや……。
 あのバンド野郎のバンドは、それ程嫌いじゃなかったかしら。
 歌はロックに限るのかな……。

「ま、良いわ」

 顔を蹴り飛ばして、コクピットに戻った。

「リファニア……」

 通信画面に移るリファニアの顔は、酷く憔悴しているようにも見えた。
 けれど同時に、とても明るい顔にも見えた。

「けど、一つだけ言っておく……」

 ヘルメットを首から乱暴に外して、マスクを止めるバントを外した。
 マスクに手を掛け、ゆっくりと流して素顔を晒して行く。

「貴方には責任が有る。
 人に夢を見せた責任が有る。

 簡単には、くたばらせない。
 楽にも、させないわ……」

 自分でもどういった顔をしているのか良く解らない。
 きっと、見た人次第でどうにでも見える顔だったのだと思う……。

 笑わないでよリオン。
 ちょっとだけ、ちょっとだけ、あの御姉様の癖が映っただけよ、きっと。
 だから私は、死んだ人も忘れてないのよ。

 だから、笑わないでって。
 馬鹿にされてるんじゃないって事は、解るけど、けど……。
 そういう笑い方をされると、気恥ずかしいわ。


【行動 : コクピットに復帰(−1) リファニアへ通信・続(−0) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
歌が、終わる。
傍らに眠るイブに贈る歌、そして、自らの魂の色を示す歌。
歌の終わりと共に、悪魔のコックピットに渦巻く緑のサイコウェーブが拡散し、
コックピット内に静寂が戻った。

>>97
アビゴルとの通信回線から、リナルドが語りかけてくる。

『リファニア、少しの間サーティア=クワンは君に任せる。
 俺はシュウジと話をしなくちゃならないからな』

穏やかな声だった。
先ほどから聴こえていた不吉な心音が、止んだ気がした。

『ああ、それと……何て言うか。
 君はね、死神なんかじゃないと思うんだ。
 死神にああいう歌は歌えない。 野暮な感想だけど、そう思う』

リナルドの言葉に対し、晴れやかな、淀みなき笑顔を浮かべて答える。

「……ありがと、リナルド。
 でも、もう、大丈夫だから。凄く、スッキリした気分。
 心の内側から沸き起こって来た熱いものがね、淀みをぜ〜んぶ吹き飛ばしちゃったみたい。

 サーティアの事は、任せて。
 シュウジさんとの交渉の続きは、リナルドに任せるよ。
 でもね、前みたいな口喧嘩はやめてよね?」

最後の一言は、少し冗談めかしてみる。

……薄々と、感づいてはいた。リナルドに、何かしらの異常が起きているという事は。
だが、今のリナルドの穏やかな声からは、不吉な色は混じっていないように思えた。

だから、リナルドがリファニアを信じてくれたように、リファニアもリナルドを信じる事に、決めた。

>>100
『ま、良いわ』

……サーティアの手に携えていたショットガンは、ただの脅しではなかっただろう。
だが、それが放たれる事はなく。
サーティアは一言だけ言葉を発し、サイコの頭を蹴り、ヴィクトリーのコックピットへと戻って行った。

「……良かった、かな。私の為にも、彼女の為にも。
 サイコミュに身を任せるままに敵を皆殺し……それって、自らサイコのパーツになるって事だもの。」

リファニアが呟いた途端、ヴィクトリーのコックピット内より言葉の続きが送られた。

『リファニア……。
 けど、一つだけ言っておく……』

ヘルメットを脱いだサーティアの手が、マスクのバンドにかかり。
ゆっくりと、マスクが引き剥がされてゆく。

『貴方には責任が有る。
 人に夢を見せた責任が有る。

 簡単には、くたばらせない。
 楽にも、させないわ……』
言葉をぶつけてくるサーティアの顔は、一言ではとても言い表せないような、複雑な表情をしていた。
だが、今のリファニアにとっては、マスクを外してくれた事が嬉しくて。
彼女がうっすらと笑み浮かべているようにすら、感じられた。

「……うん、わかってる。
 自分の責任、果たす事を誓うよ。
 あなたがリオン君に誓ったように。
 私は、イブさんに誓う。
 さっき歌ってみせた事にはね、そんな意味も、込められていたの。」

穏やかに微笑んで見せるリファニアの目に、ふと、真っ赤なリボンが飛び込んで来た。
一瞬だけ、リオンの笑顔が浮かび。
それが、決して忘れてはならない大切な物であるという事を、心に留めた。

……刃の代償は、決して消える事などはない。
それは、リオンの事に留まりはしない。
示すべき姿勢は、すでに決まっていた。

レーダーに映った機影は、いつの間にか増えていた。
それは、全ての参加者が、ここに集っている事を意味していた。
……いずこに居るとも知れぬ、レゥルーラを数に含めないのであれば。

「そろそろ、旅立ちの時。
 ……最後の、締めをしなきゃね。」

サイコの右側に漂うグレイブを掴み。
リファニアはMS用のゲートより、サイコを歩ませる。
閉じられたままの巨大な門は、港の本来のゲート。
その、艦艇用メインゲートの前に立ち、仰ぎ見るサイコ。

グレイブを構えた右腕を振りかぶり。
巨大なヒートグレイブを、ゲートの隙間へと突き入れる。
巨大な刃でもって、ゲートを塞ぐ固まったトリモチ弾を切除して、メインゲートを開放させた。

踵を返して、ミョーコウの傍らへと向かうサイコ。
ミョーコウの傍に転がるガンイージを、ミョーコウよりそっと離す。

そのまま、ミョーコウのMS格納庫前にサイコを向かわせて、その入り口に手をかけさせる。
ヘルメットを被り、MS格納庫へと身を躍らせたリファニアの向かった先は……。
格納庫の片隅でひっそりと佇む、GMのコックピットだった。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、グレイブを掴む(0)
      ゲートをこじ開ける(-1)、メインゲート開放(-1)、ガンイージをミョーコウより離す(-1)
      再び、格納庫へ(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ミョーコウ格納庫) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
103シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/22 22:11:55 ID:???
少女の歌に聴き入り、終わった後も目を瞑ったまま微動だにしないシュウジ。
ゼファーも、何かを言い出すにも言い出せないような感じだった。
しばし、ビギナ・ギナのコックピット内はそうした静寂に包まれていたが、
通信が接続された事によるアラーム音が、全体通信でも破られなかった静寂を破った。

『……一度は本気で殺し合った相手にこんなこと言うのもおかしいとは思うけど……
 俺はもう、お前と戦おうなんて思ってないし考えてもいない。
 リファニアとお前が戦うことも望んでないし、そうならないために俺は全力を尽くす。
 少しでいいんだ、俺の話に付き合ってくれ。

 リファニアとレイモンドとやらはどうやら仲良くやっていけるようだし……
 お前は、もう俺たちと一緒に来ることはできないのか?』
「……。」
それはリナルド=グレイスからの通信だった。
一方、通信を聞いたシュウジは無言だった。しかし、今は目を開けて、ディスプレイの向こうにある物を見ていた。
自分が渡した首輪カバー、小さな機械、そしてテキストを表示したコンパネ。そのテキストの内容は、こうだった。

〔お前が用意した首輪カバーと先生がもたらしたタイマー延長コード。
 ふたつを組み合わせて、首輪を『外す』以外の方法で長時間無力化できる手段が6人分、ここにある。
 無論、機体の自爆装置無力化が前提になるが……
 レウルーラに対して仕掛けることも、充分可能だ〕
「……。」
これを見たシュウジは未だ無言だった。いや、今度は機体のコンソールに突っ伏し、そして何かをブツブツ呟いている。

「(……ヨーコ……。俺は……どうするべきだと思う?)」
答えを待つように、また黙り込む。当然、答えはなかった。

「(……何をするのが、正解だと思う……?この状況を作り出した奴らを殺す事か?
  生き残る事か……?死ぬ事か……?
  俺はどうすればいい……?どうすればお前に、示せる……?
  お前を裏切ったわけではないと。お前を最後まで守ろうとしていたという事を。
  俺は……生き残りたかった。より長く生き残って、その中で示したかった。
  でも……もし長く生き残っても、示す機会がなければ……。
  首輪の問題が完全になくなった今がその機会なのだろうか……。
  いいよな……?此処で一度信念を曲げても。一度ぐらいは……。
  いいよな?許してくれるよな?俺はこの時のために生きてきたんだとしても、お前は許してくれるよな?
  いいよな?そうだよな?OKだろ?)」
コンソールから急に手を離し、ガバッと身を起こすシュウジ。
そして今度は、はっきりとした口調でリナルドに告げた。

「……OK。わかった。いいだろう。……了解した。
 俺はお前達に協力する。俺は俺の道を曲げ、お前達の道に加わろう。
 俺の持てる能力とゼファーの力を、この計画に使うことにする。
 
 ……ゼファー。データ内のプランに関するデータをリセット。全ての計画の見直す。
 ただし警戒レベルは維持したまま。未だ一人、安全かどうか分からない奴が居る……。」
〔……了解!〕

「(これでいい……よな?ヨーコ?)」
104シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/22 22:12:50 ID:???
【行動:通信接続(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解 通信中(サイコMk−2・アビゴル)
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:ムサイ組と道を共に  示す 】
【同盟:???】
「……ん〜」

ベルクの文を読み終え、俺はシートにもたれたまま腕を組み唸った。
頭の中では、またも思考が渦を巻いている。

(これまでリ−ア=ミノフスキーが、危険を犯してまでレウルーラの情報を流してくれた
 事から考えると、艦橋を占領しろと言う文に嘘はないと思うが…。
 問題はそのあとの天国の扉というフレーズと、彼女が見せた行動か)

天国の扉は、普通にゲートの事を指していると見ていいだろう。
この地獄のプログラムから抜け出す為の、天国の門……Heaven's gate…。

(天国の扉、外れた首輪、頭に向けた銃…。……う〜〜〜ん……。
 ……ダメだな。仮定はいくらでも立てられるが、決定的な要素がない)

とにかく考えた事をベルクに伝えようと、ペンを走られていく。
この左手で字を書くという行為は、俺にとってなかなかいいリハビリになっている。
書けば書くほど、それがスムーズになるほど、右利きだったころと同じような感覚に戻って
いく実感が感じられる。
今のところ、殆ど筆談と機体の操縦でしか使っていないが、もうちょっと訓練すれば日常
生活にも支障がなくなるんじゃないかと思えてくる。

…この左手を日常生活で使うには…まずはここで生き残らなければ意味はない。
その為に俺は、残された左手で死と破壊を生み出していく。

(だが、その死と破壊が向けられるのは…空域のどこかでふんぞり返っている、お前等だ…)

ともすると滲み出てきそうな殺気を抑えつけるように、ペンを動かしていった。

やがて、同じポイントに入ってきたベルクへ書き上げた紙を見せる。

[リ−ア=ミノフスキーの行動については、その見方によるな。
 俺たちへの忠告と見るか、アドバイスと見るか、はたまた意味はないと見るか。
 1つ仮定を立ててみると、だ。
 首輪を外す動作と、銃をこめかみに当てる動作。それは
 
 『ゲートを使用したいなら、レウルーラの艦橋を占領し首輪を外してからにしろ。
  さもなければ…頭が吹き飛ぶ』
 
 という忠告なのかもしれない。
 
 だが今のところ、どういう仮定を立ててもそれを決定付ける要素がない。
 …だから今は分からない事に悩むよりも、確実な事からこなしていこう。
 まずはレウルーラの艦橋だ。……まあ心配しなくても大丈夫だ。
 分からなかったら、レウルーラで艦長にでも聞くさ]

そしてベルクが読み終える頃合に次の紙を出す。

[俺はこれからムサイに行って協力を頼んでくるつもりだが、ベルクはどうする?
 この先に破壊されたコロニーがあるからそこで待機していてもいいし、俺と
 一緒にムサイに来てもいい。…判断は任せる]
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
メモも見せた後、レイモンドは少し悩みながらも
返答を紙に書いていた。
文を書くペンの走り方は、
以前はぎこちなかった左手の動作も
慣れてきている様子だった。

(流石、と言うべきか。
 かなり左手の使い方が慣れてきているな
 だが・・・・・・)

俺がジャベリンに近づいた頃にレイモンドが
書き終わった文を見せてきた。

それに対しての返答を書き
レイモンドに見せる。

[そうだな、分かっていることから順に消化していけば
 答えが自然に分かってくるかもしれないしな。
 散らばっていたパズルのピースが必然的に分かってくるように

 それとムサイ組の協力に関しては、
 俺はあのリファニアて娘には嫌われてるだろうから
 仲間を殺されて相手を憎まない奴なんて居ないし
 俺としては割りきっているんだが向こうは言い顔しないだろう。
 
 だが、危険かもしれない所に負傷しているお前一人
 行かすわけにいかない、余り気は進まないが当然一緒に行くつもりだ。]

その文を見せた後、レイモンドの身体上での気になっていることを告げる。

「それと、その左手。だいぶ慣れてきているようだが
 少し休めていた方が良い。
 自分では自覚が無いだろうが
 普段、余りなれていない動作を続けると疲労が溜まりやすい
 慣れてはきているのは良いことなんだが、
 したことの無い動作での疲労は脳が覚えていないから
 自分が感じるまでに時間がかかり突然その疲労が襲ってくることもある
 いざって時に、手が吊っちまったら元も子もないだろう 
 使うなて!事は出来ないだろうから、こまめにでも休めておけ。」

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
GMのコックピットに移り、起動させた途端。
衝撃と共に、艦が揺れる。
それは、弾薬庫への誘爆が再び始まった事を意味していた。
隔壁の閉鎖により多少の時間稼ぎは出来ていたようだが、
人員が居なければ、消火活動もままならない。
それに、ミョーコウを襲ったジャイアント・ガトリングガンの掃射は、
過去の戦史において幾隻ものムサイ級を沈めているのだ。
ここまで保った事が、そもそも奇跡と言えたかも知れなかった。

「……ミョーコウ、まだ、沈まないで。
 最後の仕事が、残っているでしょ?」

GMを動かして、格納庫に転がるメガ・バズーカランチャーを運び出す。
……これだけの作業だが、ガンイージに比べて、片腕だけでGMを操作する事は、遥かに負担が大きかった。

格納庫の入り口で再びサイコへと移り、GMとメガ・バズーカランチャーをサイコに抱えさせて、
先ほどガンイージを置いた場所まで、運ぶ。

……これで、ミョーコウの中に残されたものは、何も、何も、無くなった。
思い出の他には……何も。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)
      GM起動(-1)、メガ・バズーカランチャーと共に入り口へ(-1)
      サイコに戻る(-1)、GMとメガ・バズーカランチャーを運ぶ(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ゲート付近) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
109艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/25 21:00:17 ID:???
『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『B-12』 『F-06』 『K-21』 『M-01』
 『P-15』 『S-24』 『V-17』 『Y-03』

 以上だ。
 どうもこのところ、戦闘行為が見られないようだ。
 諸君らのさらなる努力を期待したい』

【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
110艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/25 21:00:51 ID:???
第15章 >108 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99×◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□×□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□0701▼◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎00◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎×◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・11・15・20は同一地点。07・14は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
01と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーもムサイと同位置。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
111艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/25 21:03:38 ID:???

……三つの小惑星基地のうち、最も小さな基地。
二人のギラドーガ・パイロットが、格納庫のひとつで作業をしていた。

「しっかし、どうなるのかね、今回の大会は……」
「反抗心ある参加者が多く残ったみたいだからな」
「この『コイツ』を持って帰って、意味あると思うか?」
「無いよりはマシだけど……サイコガンダムとやりあうのはなぁ」
「ああ、レウルーラに帰りたくねぇ。このまま逃げてぇ」
「でも逃げるってどこに逃げるんだよ。『ゲート』にでも逃げ込むか?」
「それも後で叱られそうだしな。ああ、面倒臭い」
「ま、あんま気にしなくていいよ。本当に連中が攻めてくるわけねえって。
 心配性の艦長のために、コイツを持ち帰ればそれで俺らの仕事は終わりさ」

「……とりあえずこれでいいか。でも少し休憩してから帰ろう」
「そうだな。急ぐ必要ねえし。軽く食事して交代で仮眠取ろう」

【リーア元先生の行動:移動(S-22→T-22→T-23)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(S-22→T-22→T-23)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機、武器修復&休憩(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機S-22、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
(嫌われてる…か)

それはおそらく、ペズ・バタラが傷を負った基地内での戦闘の事を言っているのだろう。
…俺は直接、ベルクの戦闘の現場に居合わせたわけではない。
ただリファニアが……。
何よりも仲間を大事にしていたあの少女が、ベルクに対して良い感情を持っていないという
のは、何となく俺にも想像はできた。
あの通路で、リファニアがキュベレイのパイロットの為に流した涙は、何よりも彼女の仲間
に対する思いを代弁していた。


(やはりベルクについてきてもらった方がいいな)

俺は思う。
もしリファニアとその仲間がベルクに良い感情を抱いていないとしても、この先もし協力し
あう事になった場合、それを戦闘に持ち込むわけにはいかない。
だから別の場所で待機してもらうよりかは俺と一緒にムサイに行き、少しでもお互いの溝を
埋めておいた方が良い。
例えそれでお互いが……若しくはどちらかが心を殺さねばならなかったとしても、だ。

俺の中にあった選択肢に、ベルクの待機はなくなった。
そしてそうとなれば、早めにムサイに移動し交渉しなければならない。
俺が返事を書いている間にも、新たな全体放送が入ってきている。

…それによると、ムサイ周辺では戦闘行為は行われていないらしい。
俺の目的からすれば有り難い事だが、あまりそれが長引くと管理者側に怪しまれ、余計な
介入を許す事になるかもしれない。
あくまでもレウルーラ攻撃は極秘の作戦なのだ。
今それを感づかれるわけにはいかない。

[俺の身体に気を使ってくれるのは有り難い。が、さっきも言った通り、休憩を取るのはムサイ
 との交渉が済んでからだ。…そうしないと俺も安心できないしな。
 あと…ベルクの気持ちも理解できるが、ムサイの参加者相手に、感情的になるのはやめてくれ。
 協力してくれた場合は、彼等も仲間なんだ。
 
 色々あったかもしれない。忘れる事はできないかもしれない。納得だってできないかもしれない。
 それは、俺からしてそうだからな…。…だが、それを引きずってはならない。
 戦場での思考と気持ちの切り替えは素早く。
 …生き残る為に、必要な事だ]

「じゃあ行こうか、ベルク」

筆談の返事を見せてから軽く声をかけ、俺はタイヤをムサイへと走らせる。
……あと、もうひと頑張りだ。
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)V-20へ移動(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-20→V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
定時放送が流れ終わってからレイモンドがメモを見せてきた。
メモの内容からレイモンドは俺の気持ちを察しているのだろうが

(わかっているさ。それぐらい兵士であったのならばなおさらな。)

戦場で私情を気にしていられるほどの余裕は俺には無い
その点に関してはいつもどうりしていれば何も問題は無いはずだ
それが、生き残る為のことなんてのは分かっている。

返事を書こうと思った時、やはり筆談をしている間は
彼の左手を休ませるのは難しそうだと改めて思った。

『じゃあ行こうか、ベルク』

そう言うとレイモンドはタイヤを使って走り始めた。
俺もそれに続いて移動をしながらレイモンドにメモを書き見せる。

[安心しろ俺が感情的になることは無い
 俺の中では割りきっているから、俺も彼女も仲間を守りたかっただけなんだ 
 仕方無かったとはいえ仲間を殺した相手を憎まない奴なんて居ない
 だからといってあの娘を殺そうとも思わない。
 お互い守り方を間違っただけなのさ、ルイを守れなかったのは俺のせいだよ。

 でも、仲間になったからって馴れ合うつもりは無いよ
 あくまで奴等を倒す為の仲間だ、お互い一線を引いて接した方が一番良い。
 下手に感情を出すと無駄に気持ちが乱れるだけだからな。
 お前も下手に気を使うな俺は大丈夫だから。]

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)移動U-20→V-20(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
115艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/09/28 00:16:03 ID:???
第15章 >114 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■■99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠□◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□▼01▼◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎00◎▼◎□◎□
24※◎■■■◎◎◎◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・11・14・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
01と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーもムサイと同位置。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
116通常の名無しさんの3倍:04/09/28 00:17:02 ID:???
age
117サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/09/28 11:31:01 ID:???
「……うん、わかってる。
 自分の責任、果たす事を誓うよ。
 あなたがリオン君に誓ったように。
 私は、イブさんに誓う。
 さっき歌ってみせた事にはね、そんな意味も、込められていたの」

 リファニアが笑う。
 沈むミョーコウを横に、私は自分の手を見ていた。

 恐らく、呪われてるのね、私は。
 ゆっくりとマスクを被り直す。

「次は誰よ……」

 何か知らないけど、くさい。
 何処もかしこも酷く匂うのよ。

 殺すたび死なす度に何かが圧迫してくる。

 奴は誰よ。
 何をしたいのよ。

「それで、これからどうするの?
 管制室の奴等でも殺す? 仲良く殺し合いって訳じゃぁ、無いんでしょ?」


【行動 : リファニアへ通信・続(−0) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
118リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/09/28 22:20:13 ID:???
返ってきた答えは、彼を安堵させるには充分なものだった。
シュウジに協力を取り付けることができたのならば、
レウルーラに対する行動の制約はかなり緩和できるはず。

「ああ、頼りにさせてもらうよ。
 正直なところ、頭脳労働は俺の畑じゃないからな……」

(……これで肩の荷がひとつ下りたのかな……。
 いや待てよ、これはこれでひとつ増えたと見るべきなのか?)

リナルドは、ゼファーにエミュレータの詳細なデータを渡しておくべきだと判断した。
今更改良している時間はないが、イブが死んでしまった以上は
他に詳細を知っている存在が必要だと考えたのだ。
自分ひとりの胸の内に納めておいて、そのままあの世まで持って行ったのでは
ここまでしてデータを集めた意味が無い。

……そこまで来て、彼はアラートにようやく気が付いた。
いつの間にか、ジャベリンとペズ・バタラがエリア内に現れていた。

(気付かなかった? 聞こえなかった?
 ち、集中して警戒してなきゃこんなものか……にしても)

シュウジはエミュレータのことを知らないはずだ。
ならば、新手を説得するなり何なりと、再びリナルドが矢面に立たねばならない。

(やれやれ、まだまだ休ませてもらえそうにはないのな……)

補給とビーム・シールドの修理もしなければならない。
問題は山積み、減る様子は一向に無いようだ。
何はともあれ、まずはシュウジに声を掛ける。

「俺としてはもうくたくたなんでな、
 お互いの持っているデータを交換して補給なり修理なり休憩なりといきたいところだが、
 またお客さんが増えたようだ。
 データは少し待ってくれよ」

(これでこのエリアに一応全ての生存者が揃ったことになる。
 もし全員に殺し合う意思が認められなければ、
 少なくとも連中がそう判断した時は、『こいつ』がドカンといくのかもしれない……。
 その時は全員一緒だろうな。 余計な反感を育てなくて済む。
 だとすれば、安易に協力を求めたり取り付けたりはできない。
 筆談で意思の疎通を図るにしても、限界があるよな……。
 必ずどこかで無理が出る。 その無理が俺たちの生命を掻っ攫っていくかもしれない。
 全く……難儀なことだな。
 いずれにせよ、とにかく通信か)

リナルドは、視線をサイコガンダムに向ける。
何か一声掛けようかとも思ったが、それはやめておいた。
任せると言ったのだから、任せておけばいい。
そうして溜め息をひとつ残し、彼は少し迷った末にジャベリンへと通信回線を開いた。

「えーと、俺が聞き知ったところによると……レイモンド=デリックだな?
 ごちゃごちゃと前置きをするのは面倒だ、率直に聞く。
 ここへはどういう目的でやってきた?」

(これで少しでも手の内を見ることができれば手っ取り早いんだけどな……、
 ま、そうそう簡単にはいくまいな……。
 時間稼ぎじゃないが、少し様子を見た方がいいか?)
119リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/09/28 22:20:45 ID:???
【行動:通信回線継続(0)、ジャベリンへ通信(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ガンイージ、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア 01番シュウジ】
繋ぎっぱなしの通信回線から流れて来た会話からすると、どうやらシュウジとの交渉は上手くいったようだ。
コンパネに打ち込まれた文字による遣り取りを確認する事は出来なかったが、リナルドの手に乗せられたそれは、
まず間違いなく、この忌々しい首輪を覆うカバーだろう。

そう言えば、あまりにも色々な事がありすぎて、いまだにリナルドから策の内容を聞く機会がない。
リファニアのとった行動も、その一因だったりもするのだが……。
……それを、今更後悔などしたりしない。
シェラを助ける事は出来なかったが……あの時傍に居た事で、
彼女は少なくとも孤独なまま生命を落とす事は、無かったのだから。

……そう、割り切った振りをしながら、レーダーに映る機影を見る。

ガンイージと、ペズ・バタラ。
これで、正真正銘全ての参加者がここに集った事になる。
……だが、戦闘は、起きていない。
当然の事ながら、管制側は不安に感じている事だろう。
……迅速に、動かなければならないかも知れない。

>>117
『それで、これからどうするの?
 管制室の奴等でも殺す? 仲良く殺し合いって訳じゃぁ、無いんでしょ?』

再び仮面を被ったサーティアが訊いてくる。
彼女が纏った気のようなものが、酷く不安定なような……そんな、気がした。
ミョーコウの炎がVガンダムの白いボディに映り込む。
それは、彼女の中で未だ、いや、いつまでも消え得ぬかもしれない何かを表しているようにも感じられた。

……できれば、あの仮面は、もう被っては欲しくなかった。
リファニアに、彼女にとってあの仮面が何を意味しているのかは、わからなくとも。
少し、もの哀しげな笑みを浮かべながら、リファニアは彼女に言葉を返す。

「……サーティアは、殺すために戦いたい?
 戦いの中、死って避けられないものだと思うけど。
 ……殺すための戦いで得られたもの、私は今まで一度も無かったな……。
 私は、戦いを否定なんてしない。
 でも、私達がすべき戦いって、生きるための戦いだよね。
 サーティアも、生きる事が目的だって、言ってくれたでしょ?」

そんな言葉と共に、何とか右手だけを使って日記帳に文字を書き、提示する。
少々ミミズが走ったような字になってしまったが、何とか読めるレベルだろう。

〔もち、レゥルーラを落とす事が、私達の目的だよ。
 管制室の機能が移ったのならば、レゥルーラを抑えれば、首輪の解除コードを手に入れられるでしょ?
 ……でも、大切なのは、彼らを皆殺しにする事じゃない。容赦をするつもりは、一切ないけど。
 あくまでも、私達の目的は、生き残る事。それで、いいよね?
 艦を落とすのに必要なカードは、たぶん揃ってる。
 ……リナルドが、首輪の対策を用意しているみたいなの。
 それに、機体にも自爆装置があるみたいで、それの解除も彼なら出来る。
 ……私には、まあ、聞かないで。
 機械を操る事は得意でも、イジる事になると、ちょっとね……泣けるくらい駄目なの。
 メイクは、出来るようになったんだけどね。〕

……そう、シェラが、教えてくれたから。
ちらりと、レーダーの機影を見やると共に、瞳が落ち着き無く揺れる。
だが、すぐに心を平静に戻す。
……戻したと、自らに、言い聞かせる。
レイモンド=デリック。そして、あの、ベルク=クロフォード。
管制側との戦いは、MSで戦えば済むという話ではない。
艦橋を抑えるという目的を考えると、実質、こちらに圧倒的に戦力が足りない事には変わりはない。
……彼らの協力は、必要不可欠なのだから。
しかし、今は、ミョーコウのクルーとしての最後の仕事が残っている。
ミョーコウが沈みつつある事は、誰の目にも明らかだ。
だが、そのエンジンは、まだ、死んではいない。

「……じゃあ、私、最後のお別れをしてくるね。
 ミョーコウに、そして、イブさんに。」

サーティアにそう告げた後、再びサイコをミョーコウに向け、艦橋へ向かって機体を浮き上がらせる。 
炎に包まれつつある艦橋を見て、その機能を使う事はもはやかなわないと察し。
サブブリッジに最も近そうなエアロックへとサイコの手を差し伸べさせて、
イブの亡骸を抱えつつ、エアロックより内部へと進入した。

サブブリッジのある区画は、まだ炎が侵入してはいなかった。
ガトリングの砲火に晒されてはいなかったらしく、損傷は見受けられない。
だからこそ、防火区画が本来の役割をきちんと果たしていたのだろう。

サブブリッジに辿り着いたリファニア。
キャプテンシートへとイブを座らせて、ミョーコウのエンジンを起動させる。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)
      メッセージ書き書き(-1)、イブと共にミョーコウへ(-1)、サブブリッジへ(-1)
      ミョーコウ・エンジン始動(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ミョーコウサブブリッジ) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
「・・・そうだな。もしも協力してもらえたら、付き合い方は任せる。仲間割れさえ
 しなければいいさ。・・・あとすまないな、ベルク。お前を下に見るような事を言って」

ベルクからの返事を見て1つ頷くと、俺はベルクに頭を下げた。

さっきの言葉は、俺の気の使いすぎだろう。
方法は何であれ、ベルクもここまで生き残ってきた戦士の1人だ。
それにベルクはルイの死を乗り越える意思の強さと、気持ちの転換の早さを兼ね備えている。
その戦士に対して俺の言葉は、余計な一言だったかもしれない。

ベルクはベルクの意思で選択し、行動している。
・・・俺はその邪魔にならないようサポートすればいい。

V-20に入って暫くして、ジャベリンに通信が入ってきた。
通信元はアビゴル・・・リナルド・グレイス。

(いきなりこちらに通信を入れてくるという事は、ここでは本当に戦闘はしていないのか。
 ・・・それは・・・戦闘をする必要がなくなったという事。俺とベルク以外の4人に戦闘
 を終結させるだけの、共通の理由があるという事だ・・・)

先ほどのリファニアの全体通信。
優勝を狙っている筈のサーティアもが戦闘を停止している理由。
もしかしたら・・・。

俺は紙になるべく簡潔な文を書いた。
そして管理者側の耳を誤魔化す為、リーア=ミノフスキーに接触した時と同じように、文とは
違う意味の言葉を話す。

「ん?ああ、さっきまでこっちで戦闘が行われていたのは知ってたからな。その結果がどう
 なったのか、確かめにきたんだよ。見たとこ、ぽつぽつ生き残ってるみたいだが、な」

言いながら書き上げた文を見せ、指を指す。

[今ここでいきなり全てを語る事はできないが・・・。少し話をしに来た。
 簡単に言うとだ。ちょっとレウルーラの尻を蹴飛ばしてやろうと思ってな]

常に目はレーダーを見ている。
俺の考えは根拠のない予想でしかない。
彼等がまだ優勝を狙っている場合、傷ついたジャベリンとペズ・バタラは格好の標的だろう。
アビゴルが不審な行動をとるようなら、こちらも素早く動けるようにしていなければ駄目だ。

(まったく・・・胃が痛くなりそうだ・・・)
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)筆談(0)アビゴルに通信回線接続(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-20→V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、協力を取り付ける】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
『・・・そうだな。もしも協力してもらえたら、付き合い方は任せる。仲間割れさえ
 しなければいいさ。・・・あとすまないな、ベルク。お前を下に見るような事を言って』

レイモンドが謝罪しながら頭を下げていたので少し申し訳無かった。

「構わないさ、心配かけるようなことを言った俺が悪いんだ。」

(・・・・・・・・・・律義な男だな。)

慌てて自分も謝罪する。なんか最近こんな会話ばかりな気がする。
別にレイモンドの言っていることが間違っているわけではない
実際、俺よりも彼の方が人生を長く経験している分
他人の心情が少し分かるのだろう、俺でも心の表面は分かる事が出来るが
レイモンドは俺の心の奥で抑えている感情を見抜いたのだ。

だが、当たってもいない。
俺は常に自分の感情をコントロール出来るからだ。
仲間を殺されてすぐに割りきれるわけではないが
こみ上げてくる思いを抑えつづけることで常に冷静な判断を実行する。
いつもそうして来た様に、それが俺なりの割りきり方なのだ。

一線を引いた接し方をすることで相手に深く関わらないで済む
それが一番誰も傷つけないで済むから
・・・・・・・誰が?
相手が?・・・・・・・・・いや、自分なのかもしれない。

しばらく進んでいくとレイモンドの通信から新たな声が聞こえてくる
声の主はリナルドだと分かった。

(今はいたって穏便そうだが・・・・・・・警戒はするに越したことは無いな。)

通信中のレイモンドも平然と会話と筆談をしながら警戒を怠ってはいない様だ。
流石に、きつそうな様子が感じられた。

ペズ・バタラをジャベリンの斜め前にゆっくり移動させ
いつでも庇いにいける位置に停止させる。

「レイモンド、余り気負うな
 俺がお前の分を何とかする。もう少し気を楽に持て。」

レイモンドに少しでも負担をかけまいと
二人分の警戒を俺が請け負うと言う気持ちから声をかけた。
それで、レイモンドが楽になってくれればと思いだった。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)移動(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
「Sweet hour of prayer, sweet hour of prayer
 May I thy consolation share ……♪」

ミョーコウの機関部がスタンバイ状態になるまでの数分間。
少女はイブが背を預けるキャプテンシートにもたれかかりながら、歌っていた。

歌が終わり、少しの間を置き、再び歌おうとした時。
ミョーコウの機関部に火が入った。

……このまま続けて、歌ってしまおうかとも思った。
歌が終わらない限り、別れの時は、来ないから。

だが、外ではリナルドが矢面に立ち、来訪者達との交渉にあたっている。
サーティアも、出来るだけ独りにさせておきたくはない。
それに、いつまでもここに留まっている訳にはいかない。
……管制側も、このままの状態が続いて、黙っている訳もない。
今後の動きには、今までとは比較にならない迅速さが必要となるだろう。

「……イブさんも、歩みを止める事なんて、望んでいないものね。」

イブの手に自らの手を重ね、呟き。
少女はスッと立ち上がって、コントロールパネルへ向かって歩む。

「艦首は、ゲートに向かって真っ直ぐに向いている。
 そのままミョーコウは目的地へと向かってくれるよね。」

航行プログラムをセットする。
5分後に、メインノズル点火。そのまま、真っ直ぐに進むだけだ。

「目的地は、"ダグラス=ロックウード"。
 途中、シェラさんを拾ってくれると嬉しいな、ミョーコウ。」

セットし終わり、再び、イブの傍へと寄る。
彼女の亡骸をひし、と抱きしめて……。

「……私は、このプログラムで最初にイブさんに拾われた。
 もしそうならなかったら、今の私がここに居る事はありえない。
 夢を見つける事だって、出来やしなかったよ……。
 ……ありがとう。イブさん、そして、ミョーコウ。
 またね、はないよね……。」

言葉を紡ぐ少女の瞳は揺れていたが……涙は、零れ落ちはしなかった。
スッと立ち上がり、サブブリッジを後にしようとするリファニア。

「さよなら……。」

最後に、一言残す。
いつからか、少女は別れ際に、"またね"と言う事は、無くなった。

イブの穏やかな寝顔を、その瞳に焼き付けて。
少女はくるりと踵を返して、サイコのもとへと戻るべく、サブリッジを後にした。
エアロックより飛び出し、差し伸べられたままのサイコの腕を伝って、コックピットへと入る。

「通信、聴こえている人!
 ミョーコウの、ムサイの進路から、離れて。
 進路は、ゲートから飛び出てただただ真っ直ぐよ。」

サイコに戻ってすぐ、開いたままの回線より、警告して。
サイコをミョーコウより離して、艦の旅立つ姿を見守るように、メインゲートの脇で待機した。

もう少しで私は、ミョーコウのクルーじゃなくなるんだ……。
これからは、残りの参加者達と共に、生きるための戦いを演じるだけ……。

ミョーコウのノズルに、火が灯る。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)
      航行プログラム設定(-1)、エアロックへ(-1)、ミョーコウよりサイコへ(-1)
      警告(0)、ゲート脇へ(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港、メインゲート脇) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、11 サーティア=クワン 】
127シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/30 23:38:43 ID:???
『ああ、頼りにさせてもらうよ。
 正直なところ、頭脳労働は俺の畑じゃないからな……』
「そうやって俺に仕事を押しつける……。
 俺は技術屋であり、戦略家では……はぁ、もういい。」

リナルドの返信に、溜息混じりで答えるシュウジ。
とりあえず戦闘はなさそうだったので、
ヘルメットを外し、ノーマルスーツのファスナーを少し開けて外の空気を入れた。

「ふぅ……さて、サーティア=クワンの方はどうなったのかな……?」
〔マスター。少し待ってください。07番と14番がこの宙域に侵入しました。〕
「あの二人か……これですべての参加者がそろった、と言うわけだ。
 戦闘になるか、それとも……。」
〔マスター、そう言う事はあまり口に出して言うべきでは……。〕
「俺はあくまで可能性を述べているだけだ。
 まぁ、前回はその所為で奴らはとんでも無い早とちりをしてくれたわけだがな?
 ……よし、通信接続。」
と、ゼファーに指示を出したその時、通信機から再度リナルドの声が聞こえた。

『俺としてはもうくたくたなんでな、
 お互いの持っているデータを交換して補給なり修理なり休憩なりといきたいところだが、
 またお客さんが増えたようだ。
 データは少し待ってくれよ』

「了解……果たして休む時間があるか……微妙なところだがな。
 では俺は、言われたように少し考え事でもしておこうか。」
〔計画案の再入力を希望します。このままでは倫理基準2が意味消失したままとなります。〕
「そうか……そうだな。」
何か納得したように一つうなずくと、シュウジはノートPCを取り出し、
コードをゼファーに繋ぐとなにやら打ち込み始めた。
途中、リファニア=ニールセンの声が聞こえたが、とりあえずは自分にはあまり関係のない事柄のようだったので、
とりあえずは今は作業に没頭する事にした。

【行動:通信継続(−0) 作業(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:V-20 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解 通信中(サイコMk−2・アビゴル)
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:ムサイ組と道を共に  示す 】
【同盟:???】
128事務員:04/10/02 22:12:10 ID:???

「……ということで、生徒たちの反抗心は強くなっているようです。
 なにしろ、公然と『管制室の奴を殺すか?』と言う者までいる始末です。
 そして現状では、彼らが全員協力した場合、管制艦の防衛も困難です。
 『ゲート』からの援軍を重ねて要請いたします」
「こちらでも状況を把握している。そして先ほど一つの決定が下った」
「と、言うと?」
「これより援軍を編成して、そちらに派遣する。
 こちらの防衛もあるので多くは出せんが、参加者を抑えるくらいはできるはずだ」
「ありがとうございます」
「ただし、今から部隊編成に入るので、移動も含め相当の時間を覚悟して欲しい。
 時間としては、定期放送3、4回分は必要だろうな。もっとかかる可能性もある。
 それと……奴らに殺し合いをさせるのは、貴官らの仕事だ。もう少しうまくやれ」
「分かっております」

 *  *  *

「……よしっ! これで、これでなんとかなるぞ!」
通信を終えた艦長は、嬉々として拳を突き上げた。

「艦長、武装強化に出ていたギラドーガ隊がこれより帰還するそうです」
「いやもうアレはいいから。メガライダーたった一台くらい」



【リーア元先生の行動:移動(T-23→U-23→U-24)(−2p)】
【管制スタッフの行動:『ゲート』との通信(−1p)
           ギラドーガ1番機移動(T-23→U-23→U-24)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機、小惑星基地から脱出(−2p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機S-22、2・3番機H-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)
      ギラドーガ2・3番機、メガライダーに搭乗(二機で一台に)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】

129事務員:04/10/02 22:13:15 ID:???
第15章 >127 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎■□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■×99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠×◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎×◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□▼01▼◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□□□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24×◎■■■◎◎◎◎00◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・11・14・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は画面外(H-15)。
01と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)(移動中)。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
01シュウジ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
130事務員:04/10/02 22:16:23 ID:???

『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『E-22』 『G-08』 『I-14』 『L-24』
 『N-15』 『P-19』 『U-17』 『Z-03』

 なお、本艦の防衛力の強化が決定された。
 これより追加部隊が編成され、こちらに派遣される予定である。
 無意味な企みなど諦め、優勝に向けて努力するように。

 以上だ』

(どことなく、嬉しそうな雰囲気の漂う口調で放送が流される。
 しかし……どこから援軍来るのか分からないが、今から部隊編成……?)


【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】

ミョーコウのノズルに火が灯り。
停泊していたミョーコウは、ゆっくりと、ゆっくりと。
最後の力を振り絞って、自らの巨体を港の外へと運んでゆく。

それは、最後までミョーコウを護り通したイブ・シュウリンの巨大な棺であり。
ミョーコウに関わった全ての魂を、然るべき場所へと導く最後の渡し舟であり。
少女にとっては星々の輝きの中へと旅立つミョーコウは、自らの旅立ちの象徴でもあった。

この、プログラムにおいて。
ミョーコウは、少女の世界の全ての礎であった。
少女は、ミョーコウに依ってプログラムを生き抜いてきた。

だが、依存する時間は、もう終わり。
これからは、自らの僅かな力と、手にしたあらゆる手段でもって。
生き延びる為の戦いを、演じねばならない。
共に戦うべき者の多くは、かつての敵同士。
もちろん、今は互いに敵として認識してはいないかもしれない。

だが、甘えは、許されない。
その者達は、ミョーコウのクルーとは、違うのだ。

……自分自身で、自分の価値を、証明してみせないと。
私が出来る事って、何なのか。よく、考えないと。

「……リナルド。」

彼のみは、リファニアの甘えも享受してくれるだろう。
……共に生きる事を誓った、"つがい"なのだから。
だが、少女は彼に甘える事を、良しとはしなかった。
いまは、生き残るのに、全力を尽くす時。
生き残った後に、好きなだけ甘えればよいのだ。


ミョーコウが、サイコの眼前を通り過ぎる。

港より宇宙に姿を現した、ミョーコウ。
暫くの後、ノズルの灯が膨れ上がり。
所々が爆ぜつつも、その姿は、急速に遠くなってゆく。

光の尾を引きながら、ダグラスの棺の向かったその場所へ。

ミョーコウは、少女のとってのホームは、次第にその輝きを星々の中へと溶け込ませてゆく。

敬礼ではなく、ロザリオを握り締めて、その姿を見送るリファニア。
それは、彼女自身の今の在り方を、示していた。
>>130
そんな少女の耳に、新たな定期放送が飛び込んで来る。
艦の防衛能力の、強化。
……追加、部隊。
ことごとく、歓迎し難い報だ。

少女の顔が、引き締まる。

……脅しておけば、殺し合いが円滑に進むと思う管制側。
奴らは、こちらに抗うための術が揃いつつ有る事を、知らない。
もっとも、抗う術が揃っていたとしても。
この定期放送の内容は、こちらを尻に火を点けるのに充分なものだった。

……リナルドの策について、しっかりと聞いておいた方がいいのかも知れない。
いざとなったら、一人でも動けるようになっておかないと、出来なくなる作戦というのも、あるだろうから。
多くの戦いを仕掛けた私は、自分で自らの身の証を立てなきゃ駄目。
サイコは、その為に、これ以上無い位におあつらえ向きな機体よね。

レゥルーラ攻略の為の策を、教わった様々な戦術を思い出し、必死で考えながら。
港内部に戻り、リナルドのアビゴルへとサイコの巨体を寄せた。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、残4 】
【位置 : V-20(要塞内、港、港内部) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
レーダー越しにアビゴルを監視する俺の耳に、ベルクからの通信が聞こえた。

(…俺の分も…か)

俺は僅かに笑みを浮かべた。

どう贔屓目に見てもベルクのペズ・バタラは酷い損傷を受けている。
アビゴルがどの程度の状態なのかは知らないが、まともに戦ったら危ないのは確かだ。
それを顧みずにベルクはアビゴルの監視を買って出ている。
その決断に応えるには……俺は全力で交渉に集中するしかない。

「すまないが頼む」

短く一言伝えると俺はレーダーを見るのを止め、考えはじめた。
途中で全体放送が入ったがとりあえず無視だ。
そっちを考えるのは、あとでもできる。
今は……。

(しかし…。リナルド=グレイスの返事が遅いな……。おそらく俺の言葉が本当かどうか
 判断しているのだと思うが…。
 たしかに突拍子もない言葉だとは思うが、もしかしたら、ここにいる参加者もそれを狙って
 いると思ったからこそ、俺は話したんだからな……)

(続く)
「ん?」

ちらっと目に入ったレーダーに、基地から離れていく影が映った。
あのムサイだ。
一瞬こちらに向かってくるのかと思ったが、そうではないようだ。
…ムサイはどちらへ転舵するでもなく、ただまっすぐに進んでいく。

基地の方を見ると、遠くにムサイのものと思しきノズルの光が見える。

近くで見たらおそらく、ムサイは濛々たる黒煙に包まれているだろう。
俺からすれば、あの爆発が起きてまだ航行できる事が信じ難いのだ。
そう……あのサーティアの攻撃を受けたあの時、ムサイの……彼女の役目は終わったのだ。
リファニアやイブ=シュウリンを、その体内で包み込む事が出来なくなったのだから。

勿論あれは誰かがムサイを発進させたのだろうが、俺には彼女が、爆発し醜く崩れていく己が
姿を晒さない為に去っていく姿に見えた。
寿命を悟った象がひっそりと群れを去っていくように、役目を終えた彼女も1人静かに眠りに
つく事を選んだのかもしれない。

俺は去っていく遠くの光に向かって敬礼を送った。
リファニア達と共にプログラムを必死に戦った戦士の、最後の勇姿に。

「…さらばだ」

ぽつりと呟いた。

「いつかバルハラで再会する、その時まで……」

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)アビゴルに回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、交渉】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
135リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/10/04 19:45:07 ID:???
レイモンドの返答、そして紙に書かれた真意。
そのどちらもが、リナルドに溜め息をつかせるには申し分のない内容だった。
思わず、どことなく自嘲的な溜め息が漏れてしまう。

(本気か、こいつは……。
 まさか、俺の他にそんなことを考えている奴がいるとは……
 協力者になり得るか? それとも……?
 それだけに返答に困るよ……)

先生が明かしてくれた『ゲート』を、生徒である自分たちが使用するためには。
レウルーラの航行データやログを入手するしかない。
それ以外に、『ゲート』の詳細を知る術は存在しないはず。
レウルーラのお供のギラ・ドーガにデータが存在することを期待するのは危険すぎる。
常に最悪の事態を考えろ。 希望に夢破れた時ほど惨めなものはないのだから。
……それが、首輪対策を始めたリナルドが『ゲート』の存在を知ったときから
自分に言い聞かせてきたことだ。

確かに、ここまで生き残ってきた腕前は信じてもよさそうだ。
ベルクのように、リファニアと衝突したわけでもない。
だが、ここで彼に協力を求める旨を口頭で伝えることは難しい。
既に反逆の意思が相手側に知られているのは百も承知だが、
『全員が手を組んで』反抗すると相手に知られてしまったら?
管理側はどのような手段で対抗してくるか?
仕掛ける以前の問題になる。 当面の気掛かりはそこだ。

>>130
リナルドがさてどうするかと考え、コンパネにテキストを打ち込んでいると、
そこに恒例の放送が入って来た。

(……増援か……、いただけないな。
 レウルーラの具体的な位置だってわかってないし。
 今から蹴飛ばしに行ったんじゃ、挟み撃ちになるかもしれない……。
 とは言え、あまり悠長に構えていることもできないか。
 最低でも、補給と簡単な修理だけは済ませないと……。
 たださ。 それを言ってしまうのはどうかと思うよ)

知らなければ、対処だってできない。

>>126
やがて、リファニアの言葉通り『ミョーコウ』は宇宙へとその巨躯を預け、
徐々に小さくなっていった。

(じゃあな、イブさん。
 あとどれだけ掛かるか知らないが、その内そっちにいくぞ。
 そしたらさ……いや、やめとこ)

今、自分には他に優先するべきことがあるのではないか?
彼女に語り掛けることはいつでもできる。
今でなくてはできないことがあるはずだ。
――そう自分を納得させ、リナルドは別れを早々に切り上げ踵を返した。

近付いてくるサイコガンダムを尻目にテキストを打ち終えると、
彼の両の目はディスプレイの向こうを、レイモンドを捉えた。

≪続く≫
136リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/10/04 19:48:12 ID:???

「返信が遅くなったな、失礼。
 ……なるほど。
 それじゃあ……律儀に返信を寄越したってことは、
 ぽつぽつ生き残ってる俺たちと『今』、『ここで』、やりあう気は無いと判断していいのかな?」

〔こちらもレウルーラに仕掛けることを考えている以上、手を組んだ方がいいのは明白なんだが……
 全員が手を組んだと連中に知られた時、どのように動くのかがわからない。
 連中からしてみれば、機体の自爆装置も、この首輪も……保険はあるからな。
 こちらがレウルーラの索敵範囲に入れば、連中は禁止区域に逃げ込む。 仕掛けりゃ、ドカンだ。
 その辺の対策がどうなっているのか……ぜひ聞いておきたい。
 こちらの手の内を明かすのはその後だ〕

(通信を少しでも誤魔化して、何とか会話を繋げないと……。
 偽装はまだまだ続くな、こりゃ)

【行動:通信回線継続(0)、筆談?も継続(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ガンイージ、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア 01番シュウジ】
137シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/04 22:24:00 ID:???
「……よし、と。これでいいか?」
〔……大きな問題は有りません。〕
ゼファーへの計画案の再入力が終了した。
と言っても今はおおざっぱな計画案だけのなで、さほど時間はかからなかったが。
それ故、若干問題は残る物の一応ゼファーは動く事は可能なので、とりあえずはこれで良しとした。

「さ……て。次は。」
次にやるべく事をしばし考える。
時間がないために、重要度の高い事から効率的に終わらせなくてはならないからだ。
しばし考え込むと、何かの考えに思い至ったのか、コントロールスティックを握った。
そして、機体を移動させようとしたその時、定期放送が入った。

>>130
(まずいまずい。のんびりしている暇はなさそうだ。速攻で作業を終わらせないと。
 ……っにしても……素か?馬鹿か?教えなきゃいいのにな……。こっちを焦らせてどうするんだよ。
 増援来る前に大挙押し寄せたらどうする気だ?まぁいい……。)
「さっさとやるべき事を終わらせるか……。」
〔計画案の煮詰め直しですか?〕
「その前に……やる事がある。」
〔何ですか?〕
「まぁ、少し待て。」
そう言うと、ビギナ・ギナを港湾部ゲートへ移動させた。
ミョーコウと呼ばれるムサイがいなくなったその場所は無駄に広い気がする……
と思いきや、瓦礫などが散乱しており、結構狭く感じた。
シュウジはその瓦礫をかき分けながら港湾部を探索すると、目当ての物を見つけた。

〔ガンイージ、ですか?〕
「そうだ。
 リナルド……もしくはリファニア=ニールセンか?
 一つ聞きたい事がある。港湾部に放置されているこのガンイージ。
 この機体を使う者はいるのか?もしいないなら俺がもらってもいいだろうか?
 あと、もしそれでいいなら、少し時間をもらってもいいだろうか?
 少し……"修理"の時間が欲しい。」
若干修理という部分を強調して言う。
もちろん"修理"とは自爆装置の無効化するための改造も含まれる。
彼らにその部分が伝わったかは謎だが……
まぁ伝わってなくてもさほど困るわけでもないので、筆談はなしにした。

(……レウルーラに行くとなると戦闘が予測される。
 しかも勝負は速くつけばつくほどいい。
 となるとゼファーを100%の性能で使わなくてはいけないからな……。
 俺用の機体は早めに調達しておかないとな。)


【行動:通信継続(−0) 港湾部へ移動(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:V-20 小惑星 港湾部】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解 通信中(サイコMk−2・アビゴル)
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:ムサイ組と道を共に  示す 機体調達】
【同盟:???】
俺がムサイを見送り終えるのを待っていたかのように、リナルド=グレイスから返事がきた。
すぐに俺の意図を察したらしく、彼も俺に合わせて言葉と筆談を別々にして送ってきた。

そしてその文面を見た俺の顔に、また小さく笑みが浮かぶ。
思った通り、ムサイのメンバーはレウルーラに対して反攻を企てていた。
いや、シュウジとサーティアが戦闘をしていない事を考えると、もしかしたら2人もその
企てに乗っているのかもしれない。
…そうだとしたら、何故シュウジとサーティアが乗る気になったのかが気になるが、何にせ
よ戦力が充実するのは悪い事ではない。

「さーて、どうするかな。確かにここにいるのは4人。俺たちの倍だ。だが俺には単純に
 お前たち4人が協力関係にあるとは思えないがな…。サーティアの行為を知っている俺
 としては、特にな」

リナルド=グレイスに言葉を返しながら、長々とした文を書いていく。
実のところサーティア云々に関しては、俺の素直な疑問ではあったが。

(目的が同じならば、情報を与える事に抵抗はない。元々交渉のカードとして使う為の情報
 だったようなものだからな…。
 リーア=ミノフスキーから聞いた事も、少しは参考になるだろう)

暫く紙にペンを走らせ少々長い文を書き上げると、まずは1枚目を見せる。

(続く)
[その場合、まず問題になるのは首輪と機体の爆弾になるが、俺たちはある程度解消されて
 いる。以前シュウジに会った時に貰った情報で機体の爆弾の処理はしてあるし、首輪につい
 ても、同時に貰った首輪カバーがある。
 それで何故『ある程度』という言い方をしたかというと、今持っている首輪カバーはまだ
 不完全なもので、普通の爆破は阻止できるが時限装置は止められない物らしい。
 だから進入禁止空域に入る事はできないのだが…。
 ただ俺は、レウルーラが進入禁止空域に逃げる可能性は大きくはないと見ている]

「それにシュウジもさっき会った時に、個人で優勝を狙うような事を言っていた。
 そのサーティアとシュウジが、ここにきて『じゃあ仲良くしましょ』なんて事言うとは
 思えない。…つまり、4人が4人、仲間とは思えないんだよ」

再び適当に言葉を言いながら、頃合をみて2枚目も見せる。

[さっきの全体放送で、奴等は増援が来る事を俺たちにばらしている。…何故だか分かるか?
 普通に考えれば増援の話はばらさない方が良いに決まっている。何も知らない俺たちが仕掛
 けた時に、レウルーラとで挟撃できるわけだからな。
 それなのにわざわざ教えた理由…。まあただ単に馬鹿だったという可能性もあるが…。
 
 俺がみたところ…管理者側は、俺たちが反攻するのを恐れている。首輪と機体の爆弾で圧倒
 的に優位にいる筈の奴等がだ。敢えて増援の話をしたのは、その話によって俺たちにプレッ
 シャーを与え反攻の気勢を殺ぐ為だったのではないか?

 以前リーア=ミノフスキーが教えてくれた、レウルーラの情報を思い出してくれ。
 彼女はレウルーラが動けないと言っていた。…どのような理由で動けないのかは知らないが
 、現在位置から動けない管理者側が俺たちの反攻を恐れている。…俺はそう感じている]
 
最後にちょろっと書いた文も出す。

[あくまでもこれは俺の勘だ。絶対ではない。
          そちらにも何かあれば話を聞きたいが]

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)アビゴルに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、交渉】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
通信回線から流れている声からすると、リナルドはレイモンド達との交渉に臨んでいるようだ。
リファニアがサイコを空けている間に交渉に入ったようで、流れをイマイチ把握できない。
こちらからもレイモンド達に声をかけようかとも思ったが、まずはリナルドに策を訊いておかなければ、
ここから先の方針についてはどうにも判断がつかない。

頃合を見計らってリナルドに声をかけようとした時、先にシュウジに声をかけられる。

>>137
『リナルド……もしくはリファニア=ニールセンか?
 一つ聞きたい事がある。港湾部に放置されているこのガンイージ。
 この機体を使う者はいるのか?もしいないなら俺がもらってもいいだろうか?
 あと、もしそれでいいなら、少し時間をもらってもいいだろうか?
 少し……"修理"の時間が欲しい。』

リナルドが交渉中だという事もあるし、一時的にガンイージを預かった立場という事もある。
ここは、自分が答えておこうと思った。

「うん、構わないと思うよ。
 その機体、サーティアの物だったんだけど、彼女はVガンダムを選んだみたいだし、
 今はフリーって事になるのかな。
 直してくれるみたいだし、構わないよね、サーティア?」

その口ぶりからすると、シュウジはメカニック知識には自信があるようだ。
サーティアは当然の事として、リナルドもリファニアから見れば充分過ぎるほどその分野に明るく見える。
それに加えて、シュウジ=アサギだ。
……レゥルーラ攻略において、これほど心強いメンバーはないだろう。
自分が出来る事が彼らに比べてあまりにも少ない事を思うと、少々気後れしそうにもなる。
だが、出来る事が少なくても、出来る分野でその分頑張ればいいのだ。
少なくとも、サイコの性能を引き出す事に関しては、相当の自信があるのだから。

なにはともあれ、彼がそういった分野に明るいのであれば、機体を修理するついでに頼みたい事があった。
相変わらずあまり見てくれのいい字にはならないものの、何とかメモにその内容を書く。

〔ガンイージ譲るかわりって訳じゃないんだけど、頼みがあるの。
 ガンイージの所に転がってるメガバズーカランチャー、使えるように出来ないかな?
 私が知ってる限りでは、ゲルググ二体くらいの出力があれば使えるみたいなんだけど。
 ということは、このコのジェネレーターからエネルギー供給したら、かなり撃てるんじゃないかな?
 レゥルーラふっ飛ばしちゃったら話にならないけど、脅しにも、派手な目くらましにも、使えるでしょ?〕

メモを見せ、にこりと微笑んでみせるリファニア。
互いに正当な代価を払う事で、遠慮の気持ちもなくなるだろうとの考えも、あった。

「ガンイージ持っていくなら、サーティアの私物が残ったままだから、彼女に返してあげてね。
 あっ、私もリナルドのアビゴルの中に、大切なもの置いたままだ……。」

そう言い残して、開きっぱなしの通信回線よりリナルドに話しかけつつ、日記帳に短文を書く。

「……リナルド、私の大切な荷物、預けたままだよね。
 これから、そっちに取りに行って良いかな?」

続けて、書き上げた短文を見せる。

〔まだ聞いていない例の策も、知っておきたいしね。
 リナルドも、いつまでも私の子守は、疲れちゃうでしょ?
 ……いざとなったら、動けるようになっておきたいの。〕
【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、書き書き(-1)、残3 】
【位置 : V-20(要塞内、港、港内部) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
142シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/09 00:28:30 ID:???
>>140

リファニア=ニールセンからの通信。とりあえずは機体の使用許可は出たようだ。
が、サーティア=クワンがどう言うかが問題ではある。まぁ、これよりも優れた機体に乗っているから問題はないだろうが。
しかし、少しややこしい課題が出たが。とりあえずそれに関する返答を紙に書いて、見せる事にした。
「OK。この機体、確かに譲り受けた。」
と言うのと同時に、文章を書いた紙を見せた。

[エネルギー伝達系を改造するのは了解した。
 が、一つ問題がある。たしかにサイコMK−2と繋げばジェネレーター出力的には連射も可能になるのだが、
 いかんせん冷却性能と耐久性自体がそれに追いつかないかも知れない。
 本格的な改造をする時間もないし、部品も足りない。このままでは発射しすぎれば自爆する危険性もある。
 と言っても、二、三発の発射なら問題ないレベルだが……。
 それでいいのなら、こっちで改造をしておこう。]
そしてリファニアの返答を待つ間にサーティア=クワンにも連絡を入れておくべきだろう。と思って通信機のスイッチを操作した。

「サーティア=クワン。今リファニア=ニールセンから聞いただろうが、お前の元乗機を俺が譲ってもらう事になった。
 もし不服があるなら連絡を入れてくれ。後私物だが、後で纏めてお前に渡す。」
半事務的に通信を入れると、今度はガンイージにも通信回線を繋いだ。
そして、改造と修理箇所を絞り込むべく、データをビギナ・ギナに送り始めた。

(……疲れたな……腹減ったな……そんな場合じゃないのは分かってるが……。
 集中力が落ちてきた……。)

【行動:通信継続(−0)筆談(−0)サーティアに通信接続(−1)ガンイージと通信接続(−1)データ送信(−1)】
【残り行動値:1p】
【位置:V-20 小惑星 港湾部】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解 通信中(サイコMk−2・アビゴル・Vガンダム・ガンイージ)
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:ムサイ組と道を共に  示す 機体調達】
【同盟:???】
>>142
シュウジの返答は、充分に満足出来るものだった。
幾らサイコのジェネレーターでもメガバズーカランチャーを連射すれば、
本体の火力も維持できなくなってしまう。
2、3発、妥当な所だ。

まずは一射、その威力を知らしめる。
おそらく、相手はメガバズーカランチャーを最大限に警戒する事となるだろう。
次の一射と共に、別働隊が艦に取り付く。
考えている作戦の流れは、大雑把に言えばそんな所だ。

〔うん、それでいい。ここ一番で撃てれば、それでね。
 このコじゃ大きすぎて扱えないから、誰かに射撃は任せる事になると思う。
 エネルギーチューブは長めに見た方が良いかもね。〕

そう、シュウジに対して筆談で返答し。
先ほどの通信に対するリナルドの返答を待った。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、書き書き(-1)、残3 】
【位置 : V-20(要塞内、港、港内部) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
『すまないが頼む。』

レイモンドがそう一言告げると交渉を続け始めていた。
それを確認した俺はペズ・バタラに残された武装の一つ
ビームシールドを何時でも展開させれるように
左手の甲を正面に移動させる。
既にマニュピレーターは使い物にならないほど損傷していたが
盾が使えない訳では無いだろうが使えなければ
この身を削ってでも守れば良い。

レイモンドも苦汁の決断だったのだろう今のペズ・バタラの損傷を
考えれば信頼性も無いし無理もさせられないというのが普通だ。
だが、それは俺も同じだ。
ペズ・バタラよりジャベリンは損傷は少ないとはいえ
レイモンド自身の怪我は俺より酷い上に慣れてきてはいるが
普段使わない左手での筆談、加えて言葉を選択した会話
それに警戒に気を使うのは負担が大きすぎる。
だから、どれか一つでも俺が補いレイモンドの精神面だけでも
楽にさせてやりたかった。

交渉中のレイモンドが気になっていたが
今は周囲のモニターに気を配って何一つ見逃さない様
警戒を怠らない様にする。この交渉が終わるまで・・・・・・・・・・・。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)警戒(-2)】
【残り行動値:2】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
145リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/10 00:04:53 ID:???

コアブースターとギラドーガが、『戦闘エリア』から抜ける。
……戦闘エリア、と言っても、物理的に何か線が引かれているわけではない。
見た目だけでは、開けた宇宙が広がっているだけだ。
それでも……大きな違いは。

「見えた……『ゲート』……!」

マップ表示システム上、V-25、本来ありえない数字のエリア。
ここまでくると、一般MSのセンサーにも巨大な『ゲート』の存在がはっきりと分かる。
偵察機でもない限り、戦闘エリアの端に来ても感知できない巨大構造物が、虚空に浮かんでいた。

「……みんなは、どうしたかしら。そろそろ……動かないと間に合わないわよ?」

コアブースターの中の『元教師』は、誰にともなく、呟く。
そして、コクピットの中に浮かぶハロの一体に手を伸ばす。
……お喋りだけが取り得、と管制艦の皆に思われていた、紅いハロ。

「ハロR、そろそろあなたの出番よ。大丈夫ね?」
「マカセトキ〜♪ ハロR、任務了解ヤ〜!」

いつものインチキ関西弁で答える赤いハロ。
彼女はニッコリ微笑むと、彼の口から一本のコードを引き出す。
そしてそれを、コアブースターのコンソールに突き刺す。

ハロR。その真価は、饒舌なまでの高い会話能力にはない。むしろそれは副産物。
リーア・ミノフスキーが、かつてその地位を利用して手にいれた、『最も進んだ時代のハロ』。
高い判断力を持ち、口からシャボン玉を吐き、ワイヤーとスラスターを利用して無重力でも自在に動く。
そんな『最新ハロ』の持っていた多彩な能力の中の一つを、彼女はハロRに与えていた。

「まあ……さすがに、操縦テクニックでは『ゼファー』には及ばないけどね。
 それでも、この子を信じるしかないわね」

何やら不穏な準備をしつつ、彼女のコアブースターは『ゲート』に近づいていく……。


【リーア元先生の行動:移動(U-24→U-25→V-25)(−2p)、
           ハロRとコアブースターの操縦系をリンク(−1p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(U-24→U-25→V-25)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機移動(H-15→I-15→J-15)(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機V-25、2・3番機J-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)
      ギラドーガ2・3番機、メガライダーに搭乗(二機で一台に)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
146リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/10 00:06:10 ID:???
第15章 >145 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎◎◎◎◎◎■◎◎◎◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□◎□◎◎■■■◎□◎◎□□□◎■◎■※
03◎◎◎□◎□◎□◎◎◎■×□□◎□□◎□□□◎■◎◎
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□◎□◎□◎□■※◎■
05□◎◎◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎◎◎□◎□□◎
06■□◎□◎◎□◎◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□◎◎□   □:開かれた空間
07※×■◎◎□◎□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08◎◎※◎□◎◎◎□◎〓□◎◎□□◎□◎□※◎□◎□◎   ※:戦場跡
09■◎◎■◎◎◎◎□□◎◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■◎□□◎□□□◎□◎□◎□※◎◎◎※◎×■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎◎◎◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎◎□◎※□◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎◎□□◎◎×□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎▼□92◎◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□×□◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■
17◎◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠◎◎□◎◎■   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
18◎□□◎×□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   門:『ゲート』?(詳細不明)
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎◎◎□□□□◎◎◎◎□
20◎□◎□□◎□◎◎□◎□■□◎◎□◎◎□▼01×◎◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎◎◎◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎
22◎□◎□◎□◎◎◎※◎◎◎□◎□□×□◎◎◎▽◎◎□
23◎■◎◎□◎◎□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■◎□□◎◎■◎◎◎◎■■■◎◎◎◎□◎◎◎□◎
25?????????????????????00????
26??????????????????????????
27?????????????????????門????
28????????????????????門門門???
29?????????????????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・11・14・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は同一地点。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
11番サーティア・クワンは放棄扱い。
147艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/10/10 00:07:16 ID:???
『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『B-07』 『E-18』 『I-16』 『M-03』
 『N-14』 『R-22』 『W-20』 『Y-10』

 だいぶ、移動可能な範囲が狭くなってきた。
 隣接する禁止区域に踏み込んでしまわないよう、くれぐれも注意して頂きたい。
 なにしろ、空中にはエリアを区切るラインなど引かれていないからな。
 逆に、それを利用して他人を陥れるのも手だろう。

 以上だ』


【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
148シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/10 22:53:52 ID:???
>>143

リファニア=ニールセンからの返信。それを聞くと共にガンイージの状態を見、
修理するべき点、融合炉の位置、コックピットの位置、それを考慮した上での配線経路、コードの長さを計算する。

「……OK。」
短く答えつつ、内心では別の事を考えていた。

(……自爆の危険性……。それを明かしても、俺に改造を要求するか……。
 これは俺を信じているのか、ただたんにそうする事が出来ると気が付いていないのか……。
 ……いや、考えていても仕方がないか。あれは確かに俺にとっても切り札の一つにはなるかもしれないしな。)

思考を頭を振って追い出すと、ノートPCを畳んでディバックに入れ、
コックピット片隅に固定されたゼファーを取り出しながら言った。

「これからガンイージの方に俺は移動する。よって、以前と同じようにお前にこの機体を任せる。」
〔了解。〕
「後……この近くで作業が可能な場所は?」
〔艦への大型資材搬入路の奥に一カ所有ります。
 と言っても本格的な整備施設ではなく、作業が可能な最低限の施設ですが……。〕
「十分だ。行くぞ。お前は一応警戒しつつ付いてこい。」
〔了解しました。〕

ゼファーをコックピットの端からシート上へ移動させ、固定する。
そして、ディバックを担ぐと、ハッチを開け、ガンイージに移る。
ガンイージにたどり着くとハッチを開け、まずサーティアの私物を纏め、
そののち移動を開始した。機体の操作性を確かめながら。

「損傷さえしていなければ……いい機体だな。」


【行動:通信継続(−0)作業準備(−1)移乗作業(−1)荷物を纏める(−1)港湾部整備所へ移動(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:V-20 小惑星 港湾部整備所】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル・Vガンダム)
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー)】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に 機体調達 メガバズーカランチャーの改造】
【同盟:???】
149リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/10/11 22:32:25 ID:???

(子守……ね。 まあ……、今気にすることでも……ない、よな?)

掲げられた短文の文面に一抹の不安を感じつつ、それでも言葉で返さなくてはならない。
コンパネにはレイモンドへ宛てた書き掛けの文章が表示されているからだ。

「……わかった。 コクピットハッチを開けておく……」

(……それにしても、よくもまあ互いに合わせ難い話題で偽装してるなあ……。
 奴も、俺も……。 不自然じゃないかな? バレてないかな……)

ディスプレイをサブモニターに移し、アビゴルはその胸部を開いた。
リファニアが来るまでの間に何とか返信を済まそうと、リナルドはキーボードを叩く。

(やれやれ……って、何度目だ、俺?)

溜め息も、何度目だろうか?
身体の痛みより、胃のキリキリとした痛みの方が深刻なのではないか?
ついつい、リナルドはそんなことを考えてしまう。
そして、彼はおもむろに口を開くと、ゆっくりと話し出した。
……当然、レイモンドがコンパネの文章を読み、考え、そして文章をまとめるための
時間的猶予を生み出すためだ。

「ふむ……四人が四人とも仲間とは思えない……ねぇ。
 ……確かに、『ミョーコウ』……ああ、ムサイのことだ、そこに集まっていた仲間ほどの
 強い結び付きも、信頼も……。 それらに匹敵するものは無いのかもしれない。
 でもな。 ここまで生き残って、そして
 少なくとも俺、リファニアとシュウジは曲りなりにも手を組んだんだ。
 サーティアの方はリファニアの方で協力を取り付けたみたいだし。
 これでもしここから優勝を狙うって言うのなら、ここにいる自分以外の五人を全滅させなきゃならない。
 さすがに一人で五人も相手にするバカはいないだろ。
 程よく数が減って、程よく消耗したところを叩くんじゃないか?

 ……つまりな、紆余曲折あったとは言え同盟が生まれている以上、
 もっと人数が減らなきゃ牙を剥こうにも剥けないってこと。
 サイコガンダムもいるし、もしやるとすれば、返り討ちにあう危険が減ってからだと思う。

 ……というのが俺の判断だ。 前提が前提だし、論理的にもまだまだ甘いけどな。
 少なくとも、今はそれでいいと思っている……。 幸い、絶対的な信頼を置ける人間もいることだし。
 俺はサーティアが何をしたのかは知らないが……彼女はリファニアの言葉を聞いてくれた。
 それでいいと、思っている」

〔勘でも構わないさ。
 実際にもたらされた情報からの推測なら、あながち外れちゃいないだろ。
 レウルーラが動けない理由に関して情報が無いのはちょっと厳しいけどな。

 その首輪カバーの欠点……
 タイマーを止めることはできなくても、長時間無力化できる手段がこちらにはある。
 そのために必要なデータも、加工は必要だが揃っている。
 さて、そこまで知ったお前は……どうする?
 殺してでも奪い取るか……、
 俺たちと――水面下で、ということになるのかもしれないが―― 組むか。
 何にせよ、時間はあまり無いけどな〕
150リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/10/11 22:33:15 ID:???

【行動:通信回線継続(0)、筆談?も継続(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ガンイージ、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア 01番シュウジ】
>>147
定期放送で言われた通り、エリアは相当に狭くなってきた。
もはや、進むべき方向すら限定されている。
その形状から伝わってくる管制側の意志は、殺し合えという一念に尽きる。
……正直、このエリアがとっくに禁止区域に指定されてもおかしくはないとは思っていたが、
それだけは今の所、何故か避けられていた。

>>148
シュウジは手短に答えると、ガンイージへと移ったようだ。
残されたビギナ・ギナは……。

「……ええ〜〜っ!?な、何?何が起こってるの〜〜?」

パイロットは居ないはずなのに、動いていた。
……あの機体には、何か悪いものでも憑いているのだろうか。
それとも、あれが以前戦った時の妙な「意思とのタイムラグ」の正体なのだろうか。
考えてもさっぱり解らないので、頭をぶんぶんと振って、とりあえず意識の外へと押しやった。
今は、策について聞く方が先決だ。

>>149
リナルドが、コックピットハッチを開ける。
移る前に、聞いておきたい内容についての文を書いてから、
サイコのコックピットハッチを開き、アビゴルのコックピットへと跳んだ。

アビゴルのコックピットには、二つのディパックがあった。
そのうちの一つからは、見覚えのある布の一片が、姿をのぞかせていた。
ディパックを開き、エプロンを取り出す。

「……あった、シェラさんの、エプロン。
 やっぱりあの思い出、忘れたくないから……。
 リナルドも、あの時私達がつくったパスタ、食べたものね?」

白とピンク、二つのエプロンを抱き寄せながら、呟いて。
リナルドへと向き直り、彼の周囲にある首輪のようなものを確認しながら、
先ほど書いた文を見せた。

〔その輪っか達、首輪の爆弾に対抗する為のものだよね?
 今まで色々な事があり過ぎて、聞く機会がなかなか無かったけど。
 シュウジさんとの交渉に使ったって事は、その効果、期待できそうなのかな?
 ……別に、駄目だからって、リナルドを責めたりなんか、しないよ。
 頑張って、くれてるもん。
 私だけじゃ、頑張ろうにもどう頑張っていいのかすら、解らなかったもの……。

 それが効果あるなら、使い方と効果を教えてくれないかな?
 機体の自爆装置はもう解除できてるし、首輪を何とかできればレゥルーラに討って出る事も出来るよね?
 ……もちろん、その時は、できるだけ多くの人が協力してくれるに越した事はないよ。
 だから、首輪も、機体の自爆装置の対策も、みんなに教えてあげていいんじゃないかなあ。〕

ここまで見せて、ちょっと小悪魔的なからかいの笑みを浮かべながら、ページをめくって次の文を見せる。

〔とりあえず、シュウジさんにはメガバズーカランチャーをサイコに繋げて使えるようにしてって頼んでおいたよ。
 サイコ自身じゃ撃てないから、誰かに撃ってもらう事になるだろうけど。
 ……ふたりを繋ぐ愛の糸って事で、リナルドがやってくれると嬉しいかも?〕
見せ終わって、ふと、モニターに目を向ける。
レイモンドのジャベリンとの間に開かれたアビゴルの通信回線。
彼の顔がモニターの一角に映っているのが目に留まる。

戦士として、互いに戦い合うのではなく。
共に轡を並べて戦う事に、なりそうだよね。
奴らを射程距離に収めるまでは、距離を置く事になっちゃうかも知れないけど。
……あなたとは、戦いたくはなかったから、ちょっと、嬉しいかな。

そんな事を、思いながら。
さりげなく、回線の向こうのレイモンドにウィンクしてみせた。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、書き書き(-1)
       アビゴルに移る(-1)、私物確保(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港、港内部、アビゴルコックピット) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
リナルド=グレイスの返答を見て、さっそく俺も返事を書きはじめた。
向こうが首輪についてそこまで用意してあるのならば、こちらも無理して不完全な首輪を
使う必要はない。
時限装置を無効にする事ができるのなら、レウルーラを攻撃するのに、これほど便利な物
はない。
効果も一時的なもので十分だ。
どうせ、攻撃は一撃のみなのだから…。

「サーティアがねぇ…」

書きながら一言呟いて、暫く無言になった。

仲間を裏切った人間は、二度と信用される事はない。
ましてやサーティアが何故あの時裏切ったのか、未だに分からないところが多い。
俺はリオン=フライハイに関係ある事かとサーティアに問いただしたが、彼女は何も言わなかった。
…それが正解かどうかは、今となってはどうでもいい。
港でサーティアのガンイージに引き金を引いた時、俺の中の気持ちに迷いはなくなっている。
ただ安易に信用して、またあの時のように裏切られたらたまったものじゃあない。
そしてその気持ちが、俺に先の言葉を言わせようとさせなかった。

無言で書き終えた紙を見せようとすると、モニターの向こうに動きがあるのが見えた。
俺の目に映ったのは、見覚えのある小柄なノーマルスーツ。

「ま…」

危うく言葉に出しかけて、少し慌てて軽く咳払いをした。
そしてそんな自分に思わず苦笑する。

(また、会ったな。リファニア=ニールセン)

…どうやらリファニアもリナルド=グレイスに何かを伝えにきたらしく、筆談の物らしき
紙を見せている。
ここから少し見えた彼女の表情に、イブ=シュウリンとムサイを失った悲しみは見えなかった。
悲しくない筈はない。
どちらもあの通路で、あれほどに気にかけていた仲間なのだから。

(続く)
だがリファニアは乗り越えたのだ。
その途方もない悲しみから。

あらん限りに叫び、心を曝け出して。

気持ちの赴くままに歌い、心を透明にして。

リナルド=グレイスという1人残った仲間を、心の拠り所にして。

…そしておそらく、リファニアがムサイを送り出したのだろう。
考えたら当たり前の事だ。
ムサイを送り出すのは、他の誰でもない彼女の権利であり、役目なのだから。
そして今彼女は、イブ=シュウリンとムサイに頼る事のない、自分だけの歩みを踏み出している。
…俺にできるのは、彼女の進むその道が、この先の未来へ続くものであるのを祈るだけだ。

モニターの俺に気がついたのか、リファニアがこちらを向き軽くウィンクをした。
やはりその目には、負の感情は感じ取れない。

(本当に…強い娘だ)

俺は静かに笑うと、ふと思いついた言葉を別の紙に書いた。

「色々考えてみたが……シュウジについては信用できるだろう。彼は頭がイイからな。
 自分の置かれた状況と周囲の状況を照らして考えれば、その結論に至るのも分かる」

言いながら、まずはリナルド=グレイスに向けた返事を出す。

[もし奪ったとしても、俺もベルクもそんな細かい細工なんてできないからな。
 もしそちらに首輪カバーの数に余裕があれば頼みたいし、余裕がなくてもベルクが
 いくつか持っているから、彼から受け取ってくれ。
 
 礼は……レウルーラの現在位置の情報で、どうだ?]

「サーティアについては……何とも言えないな。俺が言おうとしても、どうしても中立
 的…というか、客観的なものの見方ができそうにないからな……。何にせよお前の言う
 事が事実ならば、確かに俺たちの方が圧倒的に不利ではあるがな。
 …いや、これだけの時間、サーティアが動かないところを見ると…事実と見ていいのかな?
 それとも、俺とお前が戦うのを望んでじっと息を潜めているのか……」

それからリファニアに向けて、もう1枚の紙を向けた。

[俺が昔読んだ事がある、前世紀の詩人の詩の1部分だ。
 
 『涙を堪えて 悲しみに耐える時
  愚痴を言わずに 苦しみに耐える時
  あなたの眼の色が深くなり 生命(いのち)の根が深くなる』

 …少し会わなかっただけだが……大きくなったな。リファニア=ニールセン]

もう1度、静かに笑った。
【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)アビゴルに回線継続(0)筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、交渉】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
156サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/15 21:09:30 ID:???
>>120
生きる事が目的……。
確かに、そう。生きるために歩む道を選ぶ事は、とっくの昔に止めたのよ……。
ただ、生きるだけ。生き残るだけ。手段は、どうでもいい。過程も、どうでもいい。
リファニア、あんた達を殺さないのは、リオンが微笑んでくれているから。
ただ、それだけの理由にしか過ぎない……。

「……でもリオン。
 あなた、微笑んでばかりで、何も言ってくれやしないのよね……。」

リファニアが、もの哀しげな笑みを浮かべる。
こいつも、殺した筈なのに。
私と同じく、他者の生命を貪り食って、生き残ってきた筈なのに。

その笑顔は、とうの昔に私が忘れたものだった。
そして、私の目の前で失われたリオンの笑顔に、近いものだった。
……少なくとも、私の笑顔、それよりは。

仮面の裏で、私はどのような表情をしていたのか。

再び、仮面を被らざるを得なかったのは。
……その表情を、晒す訳にはいかなくなったからだ。

誰に、見せたくないのか。
リオン、だろうか。
それとも、モニターの向こうで微笑む小娘に?

「……卑怯なのよ、アンタは……。」

聴こえない程の小声で、呟く。

 ……愛される者の余裕を、振りかざしているだけなのよ……。
 満ち足りた者と、持たざる者の違い……。

 でも、いいわ。

 ……私はずっと、自分の力で生きてきたのよ。
 リオン、あなたがどう言おうと、私は、ジェイソンレディ。
 殺人鬼の仮面を被っている私が、今まで生きてきた私自身のありのままの姿。
 ……でも、それの、何が悪い。

 私は、卑下も、後悔も、しちゃいないわ。


ムサイが、宇宙に放たれ。

定期放送で、追加部隊の派遣について、語られる。

……これで、奴らを殺して生き残る事は、絶望的になった訳だ。
たとえレゥルーラを抑えたとしても、その後どうやって脱出する?
……時間は、無為に過ぎていく。
手段があると、奴らは言ったけれども……失った時間を取り戻す事など、誰にも出来やしない。

でも、いい。
何も、変わらない。
私のする事は、何も、変わらない。
アンタ達に付き合うか、否か。
……ただ、それだけの違い。
157サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/15 21:12:58 ID:???
>>140
リファニアが、シュウジにガンイージを譲って構わないか、聞いてくる。

「……その機体は、アンタに譲ったのよ。
 好きに、使えばいいんじゃない?」

……仮面の奥の、表情は、誰にも見えやしない。

>>142
シュウジが、リファニアとの交渉内容を、確認してくる。

「……それなら、纏まった頃に、そちらに向かわせてもらうわ。」

通信を繋いで、返答する。

……視線が、コックピット内に転がるあるものに向いた事も、仮面の奥に、隠されていた。

シュウジが、ガンイージに移り。
リファニアが、アビゴルに移る。

ビギナ・ギナが不気味に動いている事が気になりはしたが。
……たとえ動けたとしても、戦闘に耐えうる代物ではないだろう。

Vガンダムを、ガンイージへと近づける。

「荷物、取りに来たわ。
 コックピットハッチを開くから、寄こしなさいよ。」

そう述べた後にコックピットハッチを開いて、ガンイージへと、さらに機体を寄せた。

仮面の奥の表情は、誰にも見えやしない。
リオンの微笑みも……私には、見えやしない。

【行動 : リファニアへ通信・続(−0)、シュウジ(ビギナ・ギナ)へ通信(-1)
      シュウジ(ガンイージ)へ通信(-1)、コックピットハッチ開けガンイージへ寄る(-1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】

※リファニアによる代理書き込みです。
158リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/17 00:01:23 ID:???

『ゲート』。
それは、コロニー一つが余裕で通過できるほどの穴を持つ、巨大な人工物である。
全体のシルエットとしては、大小の突起の突き出たドーナッツ、といったところか。
直径だけなら、生半可な小惑星よりも大きい。厚み自体はさほどでもない。
……よくよく見れば、その歪なドーナツ状の構造物には、二つの異なる質感の部分がある。

そのほとんどを占める、円周部分。
人工物なのは確かだが、しかしパッと見た限りでは素材さえ確かではない。
何のために創られたのか確かではない構造物が、その表面のあちこちに散在している。

もう一つの部分は、後から付けられたとおぼしき、ドーナツから生えた大小の突起。
こちらは、コロニーの一部分だったり、宇宙ステーションの一部だったりする。
所々に防衛用の固定砲台まであるのがよく見える。

――どういう経緯でか手に入れた「ゲート」の素体に、後から居住区などを追加した――
少なくともリーア・ミノフスキーの聞いた限りでは、これはそういうものだったらしい。
大元になった「ゲートの素体」の正体は、彼女は知らされていない。
噂では、「それ自身が時空を越えて出現した」とも、「太陽系外から漂流してきた」とも言われている。
いずれにせよ、その真実を知っている者は組織の中にも少ない。

ただ、確かなのは――
この未知のテクノロジーで創られた「素体」部分が、時空を越えた飛翔を可能としていることだった。
ドーナツの穴部分を「時空を越える門」に変える――それが、この「ゲート」の持つ能力だった。

 *  *  *

「遅くなって申し訳ありません。リーア・ミノフスキー、ようやく到着しました。
 どこのゲートから中に入ればよろしいでしょうか?」
「事情は分かっている。悪いが、V-27の港は出発する部隊の準備で混雑している。
 U-28の港に回ってもらえないだろうか?」
「了解しました。速度が出せないので遅くなりますが、ご理解下さい」
「分かっている。それと、ギラドーガ1番機は、もう帰っていいぞ。ご苦労だった」
「はッ! ではこれにて失礼させて頂きます!」

コアブースターは進路を変え、ギラドーガは来た道を戻るルートに乗る。
至近距離で通り過ぎた『ゲート』の港湾部の中に、何隻もの戦艦の姿が見える。
どうやら、レウルーラに送られるという『援軍』は、ちょっとした艦隊規模になるらしい。
道理で時間がかかるわけである。この調子ではまだまだ時間がかかるだろう。

「あらあら……。いくらあの子たちでも、これ相手に正面から闘うのは大変でしょうねぇ。
 悪いこと考えずに、素直にプログラムやってくれればいいんですけど」

彼女は呟き、そして、その後の言葉を口に出さずに飲み込んだ。

(あるいは……援軍が到着する前に、さっさとレウルーラの方を片付けちゃうか、ですね。
 正面から撃破するのは大変でも……逃げて眩ませて、傍を駆け抜けるならなんとかなるでしょう)

【リーア元先生の行動:移動(V-25→V-26→V-27)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(V-25→V-26→V-27)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機移動(J-15→K-15→L-15)(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機V-27(ゲート外)、2・3番機J-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)
      ギラドーガ2・3番機、メガライダーに搭乗(二機で一台に)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』のU-28まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣、一番機帰還】
159リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/17 00:02:27 ID:???
第15章 >157 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎◎◎◎◎◎■◎◎◎◎■■■◎■□◎
02◎◎■□×◎□◎□◎◎■■■◎□◎◎□□□◎■◎■※
03◎◎◎□◎□◎□◎◎◎■◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□◎□◎□◎□■※◎■
05□◎◎◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎◎◎□◎□□◎
06■□◎□◎◎□◎◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□◎◎□   □:開かれた空間
07※◎■◎◎□◎□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08◎◎※◎□◎◎◎□◎〓×◎◎□□◎□◎□※◎□◎□◎   ※:戦場跡
09■◎◎■◎◎◎◎□□◎◎□□◎□□×□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■◎□□◎□□□◎□◎□◎□※◎◎◎※◎◎■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎◎◎◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎◎□◎※□◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎◎□□◎◎◎□◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15×◎■◎■□◎▼□□◎◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□◎□◎◎×□□◎◎◎□◎※□◎◎■■
17◎◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠◎◎□◎◎■   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
18◎□□◎◎□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   門:『ゲート』?(詳細不明)
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎◎◎□□□×◎◎◎◎□
20◎□◎□□◎□◎◎□◎□■□◎◎□◎◎□▼01◎◎◎□
21◎◎□◎◎◎×□◎◎◎◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎
22◎□◎□◎□◎◎◎※◎◎◎□◎□□◎□◎◎◎▽◎◎□
23◎■◎◎□◎◎□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■◎□□◎◎■◎◎◎◎■■■◎◎◎◎□◎◎◎×◎
25??????????????????????????
26??????????????????????????
27?????????????????????00????
28????????????????????門門門???
29?????????????????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・11・14・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93はL-15の◎印。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
11番サーティア・クワンは放棄扱い。
160艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/10/17 00:02:58 ID:???
『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『A-15』 『E-02』 『G-21』 『L-08』
 『M-16』 『R-09』 『U-19』 『Y-24』

 以上だ。
 ……この調子では、案外早く決着がつきそうだな。

 生徒諸君の、全員爆破という結果をもって。

 もちろん、侵入禁止エリアで覆い尽くされる前に決着つけば、それに越したことはないがね』

(虚勢なのか脅しなのか。いつになく挑発的な言葉で、艦長による定期放送が流される。
 確かに、今いる小惑星基地は周囲を禁止区域に囲まれている。あと一箇所で狭い場所に閉じ込められる。
 とはいえ、基地を出たところで、大して広がるわけでもないのだが……)


【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
161シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/17 21:21:53 ID:???
「……これで良し……。」
簡易整備所に佇む自爆装置の改造を終えた薄緑色の機体。
ガンイージ。宇宙世紀として分かっている範囲内では最後期に開発された、小型MS。
威容こそはシュウジが暮らしていた時代のMSに比べて劣るが、性能は遙かに上を行く。
……完璧な状態であればこそだが。

「足は……諦めるしかないな。」
〔マスター。11番・サーティア=クワンが接近中です。〕
「荷物を受け取りに来たか?
 ……警戒レベル一桁上げ。ビギナ・ギナはガンイージの左前10メートルに待機。」
〔了解。〕
指示通り、ビギナ・ギナがガンイージの左前に移動する。
それとほぼ同時に、Vガンダムが整備所内に入ってきた。
Vガンダム。ガンイージとほぼ同時期に開発されたガンダムの名を持つ小型MS。
その背中に装備された推進装置は空をも飛ぶ能力を持ち、
それでありながら初代ガンダムと同じ、コア・ブロックシステムを持つMS。
性能は、言うまでもなく高い。

>>157
『荷物、取りに来たわ。
 コックピットハッチを開くから、寄こしなさいよ。』
Vガンダムからの通信。と同時に、コックピットハッチが開かれていた。
その中に乗っているのは仮面を付けたサーティア=クワン。
その顔色も、表情も仮面の下に隠されていた。

(……旧世紀の映画かよ……。確か……名前が思い出せないな。まぁいいか。)
「あぁ。すまないな。わざわざ此処まで来てもらって。
 今そっちに一つずつ投げる。」
表情を見せない相手に対する声は、シュウジ自身が驚く程無表情な声だった。
自分の表情が今どうなっているのか、自分でもよく分からなかった。
とりあえずコックピットハッチを開け、一つずつ荷物を投げ始めた。

「……これで最後だ。ところで一つ聞いていいか?
 お前はど──」
最後の荷物を投げ終えつつ言う。が、質問したい内容は通信に遮られた。

>>160
それはいつもと同じ定期放送だった。
いつもと違うのは、若干挑発的な言葉。その中でも危険な言葉。「全員爆破」
危険地域の多さから言っても、もう時間がないのは明らかだった。

「……そんな事を聞いている暇はないようだな。
 また、違う機会に聞くとしよう。そんな機会があるとすれば、だが。」
そう言うと、今度はメガ・バズーカランチャーの外部制御システムに接続した。
そして、各部損傷部を詳しく解析し、外部接続コードの形式を調べ始めた。

「……時計の針は戻す事は出来ない。急がなくてはな。」
162シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/17 21:22:50 ID:???

【行動:通信継続(−0)自爆装置解除作業(−1)荷物を渡す(−1)メガ・バズーカランチャー解析(−1)】
【残り行動値:1p】
【位置:V-20 小惑星 港湾部整備所】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル・Vガンダム)
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー)】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に メガバズーカランチャーの改造】
【同盟:???】
163サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/17 22:50:48 ID:???
>>161
目の前には、かつて自分が乗っていた機体、ガンイージがある。
その機体には、今はシュウジ=アサギが乗っている。
もっとも、その機体も結局は、自分がかつてレイモンドより奪った代物に過ぎないのだが。

そのガンイージのすぐ傍らに、ビギナ・ギナが寄って来る。
……パイロットが居ないはずなのに、動く機体。
相当優秀なAIプログラムで制御されているのだろう。
スタンドアローンでMSを動かす事のできるAIなど、聞いた事が無いが。
技術的には、不可能では無いようには思える。
……ただ、やらなかっただけなのだ。
人の意志より離れて動く巨人の存在を、まともな技術者ならば、畏れて当然なのだろうから。

 それに、人を超える柔軟性を持つとも、思えないしね……。
 MSの真価は、その柔軟性にあると、私は思う。
 手足の如く動いてくれる、愛しい殺人機械……。
 私の殺意を、巨大な力に変えてくれる。
 シリンダーにかかる圧力も、間接の軋みも……。
 私には、自分の手足のようにすら、感じられる。
 感じられるからこそ……殺れてきたのよ。

『あぁ。すまないな。わざわざ此処まで来てもらって。
 今そっちに一つずつ投げる。』

シュウジの無表情な声と共に、ガンイージのコックピットハッチが開き。
自分の荷物が、放られてくる。

私の右腕が、ぴくりと動き。
コックピットに転がる、あるものを掴みたくて、掴みたくて、疼きだす。

右腕を前に伸ばして……掴んだものは、投げて寄こされた、自分の荷物だった。

『……これで最後だ。ところで一つ聞いていいか?
 お前はど──』

最後の荷物を放りながら、シュウジがなにやら質問を寄こそうとする。
その言葉が終わらないうちに、伸ばされた右腕は放られた荷物ではなく、
"あるもの"へと伸ばされようとしていた。

……が。
164サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/17 22:53:56 ID:???
>>160
まさにその瞬間に流れた定期放送に、柄にも無くびくりとしてしまう。
自らに舌打ちし、伸ばした手で最後の荷物を掴んで、定期放送を聴く。
……言われている内容については、充分すぎるくらいに、承知していた。

『……時計の針は戻す事は出来ない。急がなくてはな。』

「……そのとおりね。
 ほんとうに、そのとおり……。」

シュウジの言葉に、機械的な声で答え、コックピットハッチを閉じる。

一つの好機は今逃してしまったが、あくまでも、一つにしか過ぎない。

両手の全ての指をゴキゴキと動かして……アームレイカーを、両の手でしっかりと掴む。

頭の片隅に残った、笑顔の残像を振り払って。

ジェイソン・レディの瞳は仮面の奥で、眼前の獲物へ向かって禍々しい光を放っていた。

【行動 : リファニアへ通信・続(−0)、シュウジ(ビギナ・ギナ、ガンイージ)へ通信・続(0)
      荷物を受け取ってハッチ閉める(-1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】

※リファニアによる代理書き込みです。
165リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/17 23:57:06 ID:???
開かれたハッチから、小柄なノーマルスーツ姿がコクピットに入り込んできた。
彼女の言葉に、リナルドも応える。

「……あった、シェラさんの、エプロン。
 やっぱりあの思い出、忘れたくないから……。
 リナルドも、あの時私達がつくったパスタ、食べたものね?」

「……そうだな。 悪くない思い出だからこそ、また味わいたくもなる……」

それはもはや叶わない。 あのパスタを作ったメンバーのうち、二人はもう死んでしまっている。
『だからこそ』、過去を惜しんだり懐かしむ念に駆られるのだろうか。
……今は、そのような時間など無いのも事実だが。

リファニアが差し出した文章に目を通すと、リナルドはレイモンドからのふたつの返信にも意識を傾けた。
まずはノートPCを起動し、リファニアのためにデータを呼び出す。
ただデータを見ただけでは何が何だかわからないだろうが、
簡潔な説明を加えれば大丈夫だろうとの算段だ。
もののついでに、彼は少し思ったことを書き加えておいた。
口頭でやりとりされなかったことを口に出すわけにもいかないのだ。

〔砲手をやるのはいいけど、レウルーラを沈めるわけにはいかないし、
 実際に乗り込んで制圧しなけりゃならない。
 いつまでも砲手を務めることはできないし、お荷物になるようなら君の判断で切り離せよ。
 それでいいなら、引き受けよう。

 次、首輪対策。
 遠隔爆破の電波を遮断するためには首輪カバーだけで充分だが、
 それでは内蔵タイマーの餌食になってしまう。
 そこで、首輪と管制艦の間でやり取りされているデータ……
 簡単に言えば、タイマー延長コードを含む電波を首輪カバーの内側から送信する機械を作った。
 これで、首輪カバーで遠隔爆破を防ぎつつ内蔵タイマーの作動も防ぐことができる。
 もっとも、バッテリーで動かすから永久駆動というわけでもないんだけどな。
 節約を考えて組んだから、レウルーラを制圧する分にはお釣りが過ぎるだろうね。

 ……まあ、ここでミスがあったら……
 首輪がドカンといった後、向こうでイブさんにあわせる顔が無いしな。
 その辺は慎重に事を進めたつもりだよ。

 (中略)

 ……それと。
 俺たちの関係は『子守』レベルじゃないだろう? 違うよな?
 言われた方は随分と虚しくなるんだぞ?
 要はあれだ、単にモチベーションの問題なんだけどな……〕

打ち込み終わってリファニアにディスプレイを向けつつ、今度はコンパネのキーボードを叩き始めた。
程よく打ち込みが進んだところで、先ほどと同じようにリナルドはゆっくりと話し出す。

≪続く≫
166リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/17 23:58:24 ID:???

「……どのような思惑があるとて、実際に動かないのであれば利も害も無い。
 贅沢言っていられる状態じゃないし、人手があるに越したこともない。
 今のところ、直接こちらに害を与える様子も無いからな……。
 大体俺はエスパーじゃないし、動いたところで対処することしかできないさ。

 それよりも、大事なことは。
 『あんたたち』が俺たちと今、ここで事を構える気があるのか無いのか、ということだ。
 はっきりと答えたくないのなら、一時休戦ってことでもいいんだろうけどな……」

〔カバーの数はぎりぎりだが足りている。 足りてはいる。
 が。
 こちらの持つ最大の切り札を渡すんだ。
 こちらも最大限を要求するぞ。

 1.レウルーラに関する情報。
  どういうからくりで位置がわかっているのかはさておき、観測はそちらに任せよう。
  確かな情報さえ入ればいい。
 
 2.レウルーラ制圧への協力。
  下準備も増援や不測の事態への対処も含めて、だ。
  一時休戦ってことなら多少一緒にいても怪しまれないだろう。
  制圧後のことは、向こうでどれだけ情報を得られるかに掛かってるから何とも言えないが……
  とにかく人手が足りないんだ。 整備とまでは行かなくても、補給くらいは手伝ってもらう。
  俺は俺で、しばらくパソコンとにらめっこしなけりゃならないからな……。

 これならできない相談でもないと思うけどな。

 できれば堂々『手を組みましょう』と誘いたいんだがな……
 レウルーラの連中の手前、大っぴらにやるわけにもいかない。
 やれやれだよ……〕

……鈍い眼光は、未だレイモンドを捉えている。
少し慎重すぎるのかもしれない。
リナルドは、それでも言質を取る必要があると考えていた。
例え偽装の会話でも、こちらを『撃たない』という言質が。
所詮は言葉であっても。 保証になどならなくとも。

【行動:通信回線継続(0)、筆談?も継続x2(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ガンイージ、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処】
【同盟:20番リファニア 11番サーティア 01番シュウジ】
>>154
レイモンドの言葉からは、かつてサーティアとの間に、
何らかのアクシデントが起こっていたのだろうという事が窺い知れた。
機体もその時に入れ替わったのだろうという事は、想像に難く無い。
一抹の不安をおぼえたが、いざとなれば、彼らの間は、自分が取り持てばいいのだ。

交渉内容の要となる部分は、レイモンドもこちらと同じように筆談で示していた。
が、交渉の内容とは別に、リファニアに対して掲げてきた一文もあった。

文を見せ静かに笑うレイモンドに、照れ臭そうに微笑んで、こちらも文を返す。

〔レイモンドさんって、見かけによらず、結構詩人なんだね。
 ちょっと、心に響いちゃったよぉ。
 ……私、そんなに大きくなったのかな?
 でも、元がちっちゃいから、まだ人並みにはなっていないかなあ。
 リナルドにも、レイモンドさんにも、まだまだ見習わなきゃいけない事、多いよ。〕

まともに接したのは、ほんの二度目。
互いに、かつて戦いあった者同士の仲間であるとの、背景すらある。
にもかかわらず、リファニアはレイモンドに対して親しみに似た感情すら抱いていたし、
レイモンドは、リファニアを本気で気遣ってくれているようにも見える。

リファニアにとっては、彼に「あるひと」に近い匂いを感じるのだろう。
すでに巣立っていれども、その懐かしさに似た匂いは、心地良かった。

>>165
リナルドが、首輪の対策についての説明文を示してくる。
首輪の仕組みは、わかる筈も無いから、省いていたが。
その使い方や効果がわからない程、リファニアも馬鹿ではない。

それが実際に効果があるかについての疑念は、全く無かった。
もし仮に、効果が無かったとしても。
リナルドが最大限努力してくれている事は、解っている。
その方法に自らの命を委ねる事に、一切の後悔はない。

……ただ、彼の張り詰めた気を紛らわす為にリファニアが交えた冗談は、
あまり効果的ではなかったようだ。

少し表情を曇らせながら、返しの文を書く。

〔その首輪カバーとエミュレーターだっけ?
 どういう物なのかは、すごく良く、わかったよ。
 ……考えて見ると、リーア=ミノフスキーって、この答えを導ける為のヒント、くれたのかもね。
 もっとも、わたしには、ぜ〜んぜん、解らなかったけどね。

 ごめんね。さっきの私の言葉。気分、悪くしちゃって。
 これからの戦い、何が起こるかわからないでしょ?
 だから、もし、離れ離れになっても……心配しないでって、言いたかったの。
 
 赤い糸の事もね……冗談半分だけどね、冗談でもなかったの。
 考えたくないけど、最後になっちゃうかも知れないでしょ?
 だから、出来るだけ傍で一緒に戦いたかったんだ。〕

その一文を見せてから、さらにもう一文を書き上げる。
今度は、こちらからの提案だ。
表情を引き締めて、リナルドに文を提示してみせた。
〔もちろん、いつまでも繋がったままじゃ作戦成り立たないのは、わかってる。
 私もね、ちょっとね、作戦考えてみたの。シュウジさんには、おおまかには言ってあるんだけど……。

 メガバズーカランチャー、もちろん艦を沈めるんじゃなくて、派手なオトリに使おうと思ってるの。
 メガバズーカランチャーの恐怖を自分の肌で知ってる奴らならば、もし艦をその大出力ビームがかすめたら、
 嫌でもその視線はこちらに釘付けになるでしょ?
 もちろん、中途半端な脅しじゃ駄目。艦を結構派手にブッ壊しちゃうくらいじゃなきゃね。
 そうすればたぶん、護衛のギラドーガ、必死でこっち、狙ってくるんじゃないかなあ。
 それをひきつけるのが、私の役目かな。サイコなら、ピッタリの役目でしょ?
 で、みんなは艦の統率が乱れた隙を狙えば、艦内に侵入する事もできるだろうし、
 ブリッジ行くのに障害も減るんじゃないかなあ。
 
 ……レゥルーラの艦内の詳細はさすがにわかんないけど、艦のおおまかな構造については、私、知ってるよ。
 どこを狙えば、沈めやすいか。逆に、どこなら壊しても、沈まないか。そういうレベルだけどね。
 ムサイと比べて、ダメージコントロール能力のレベルが違うから、狙う場所を間違えなければ、沈む事はないと思うよ。

 どう、こんな感じの作戦?
 単純だけど、奴らのメガバズーカランチャーに対する恐怖心を考えると、結構イケそうじゃない?〕

……奴らの定期放送からは、「全員爆破」などとの言葉すら、混じり始めている。
当然だろう。このまま禁止区域が拡大し続ければ、間違いなく、そう遠くないうちにそうなってしまうだろうから。

「……リナルド、あまり、気張らないでね。」

レイモンドとの交渉に気を張り詰めているリナルドの肩にそっと手を置いて、声をかけた時。

唐突に、背後より得体の知れないプレッシャーを感じたような気がした。
それが、かつて確かに感じた事のあるプレッシャーだった事が、リファニアの不安感をいっそう強くさせる。

振り返ると、港の奥にはシュウジのガンイージと、サーティアのVガンダムの姿。
……酷く、淀んだ気が満ちているような気がした。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、
       書き書き対レイモンド(-1)、書き書き対リナルド(-1)、残2 】
【位置 : V-20(要塞内、港、港内部、アビゴルコックピット) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
リナルド=グレイスに返事を書きながら、口を開く。

「そりゃまあ、さっきの放送を聞いたら贅沢なんて言ってられないのは分かるがな。それでも
 俺はサーティアという人間の事がよく分からないんだよ。…俺だってこれだけ人生を生きて
 きて、それなりに人を見る目も備わったと思う。
 そんな俺でもサーティアだけは、何を考えているのか全然分からない。……全く……何を
 どうすればあんな行動を取れるようになれるんだ…?」

話しているうちにいささか怒りが篭ってしまったのは、やはり右手の事があるからだろう。
たしかに『あいつ』の言っていた通り俺が甘過ぎたのかもしれないが、それでサーティアの
行為を容認できるわけもない。
アーネストの事。
右手の事。
…直接の原因ではなくても、ルイの事も…。

1つ溜息をつくと、気を取り直してリファニアへの返事を書いた。
俺はさっきベルクに『感情的になるな』と言ったばかりだ。
その俺が感情的になってしまってはどうしようもない。
さらに続けて口を開く。

「まあサーティアの事はどうでもいいさ。どちらにしろ係わっているのはそちらだしな…。
 とにかく質問には答えよう。今のところこちらが撃つつもりはない。当たり前だが。
 …どうして戦力的に不利なこちらが無謀な戦闘を仕掛けなきゃならないんだ?
 だからと言って、休戦というのも安易すぎだ。そう言って安心させておいて……という
 可能性も考えられるしな」

そう言いながらも、俺はベルクに合図を送るとジャベリンをアビゴルの方へ近付けていく。
レウルーラからは誰がどこのポイントにいるかは分かっても、ポイント内の参加者の細かい
動きなどは分からないだろうから、相当に近付いても大丈夫の筈だ。
第一、近付かない事には首輪カバーも受け取れない。

まずはリナルド=グレイスへ返事を見せた。

(続く)
[先程の俺の予測が間違っていないのなら、レウルーラはO-15にいる筈だ。
 動いていないという保証はないが、色々な都合でこれ以上調べられないんでな。
 2つ目は協力しても良いが、時間はかけられないぞ。只でさえ管理者側から睨まれている
 んだからな。
 …お互いに不様な死に様は見せたくないだろう]

続けてリファニアへの返事も出した。

[見かけに寄らず、というのが少し気になるが…。…昔の話だ。まだ俺が…人としての心
 を……命を慈しむ心を持っていた頃のな。…今の俺が口に出せる詩ではないが、それでも
 君の励ましになったのなら幸いだ。

 リファニア=ニールセン…君は自分で思っている程小さい人間ではない。…だからといって
 君1人で大きくなったわけでもない。大きなものでも、些細なものでも、様々な出会いと
 別れが君を育ててきた。それを忘れてはいけない。
 忘れなければ…君は俺などよりも、もっと大きな人間になる事ができる。

 …生き残れ。
 そして、これからも良き出会いを]

【行動:ペズ・バタラに回線継続(0)アビゴルに回線継続(0)筆談(0)
     アビゴルへある程度接近(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、交渉】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>160

そろそろ自分の身の安全を確信してきたのか
代理のティーチャーの定時放送には余裕の感じられる。
それもそうだろうマップを確認すれば明らかだ
まだ、動ける道はあるものの1ヶ所を覗いて危険区域に囲まれている。
当然、いち早くここを出るに越したことは無いが準備も整っていない状態
状況では動くに動けない。

――――――――――――――――!

不意にレイモンドが俺に合図を送ってきた。
その意味はもう警戒しなくとも良くなったのだろうか?
交渉が成立したのだろうか?
否、”俺に任せてくれ”と言う意味のような気がする
ジャベリンはアビゴルに近づいていきながらもまだ交渉中のようだ。

俺は、念のため紙にペンを走らせレイモンドに見せる。

[分かってはいるだろうが予め確認しておく
 もうこの場に留まっていられる時間が少ない。
 最悪、次の定時放送までにはここを出る準備ができていないと
 奴の言う通り、全員爆死か、殺し合うことになりかねない。
 そのことを考慮しているとは思うのだが
 準備にはそれなりの時間がかかる。早々に事を決めないと間に合わないぞ。]

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)警戒(-2)】
【残り行動値:2】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
172艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/10/24 00:00:56 ID:???

『定期放送の時間である。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『B-23』 『D-03』 『H-07』 『L-10』
 『O-14』 『S-09』 『U-20』 『X-04』

 以上だ。そろそろ本気で取り組むように。

 ……ククッ』


(思わず漏れた含みのある笑いを余韻に残し、シンプルかつ紋切り型の放送が終わる。
 重要な情報を込めつつ、しかし、うっかりすれば聞き流してしまいそうな抑揚のない声。
 いい加減、定期放送にも馴れてしまった頃に仕掛けられた悪意……)



【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】

注)今回の『予告区域』→『禁止区域』への移行は、変則的な処置を行います。
  劇中での扱いは変わりませんが、参加者に多少の猶予が与えられます。
173リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/24 00:01:51 ID:???
第15章 >171 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎◎×◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎◎□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠◎◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎◎◎□□□◎◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□×01◎◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□◎□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■■■◎◎◎◎□◎◎◎◎◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25??????????91????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????
28?????????00門門???
29??????????門????


99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・11・14・15・20は同一地点。92と93はN-15の◎印。
02・03・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
11番サーティア・クワンは放棄扱い。
174艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/10/24 00:02:33 ID:???

「やはり、反抗的な猛獣は狭い檻に閉じ込めるに限るな」
「ようやく『ゲート』の方々もその決断をされたということでしょう」
「意図的なのか、ランダムなのかは知らんが……有難い。
 そういえば、元ティーチャーはもう向こうに着いたのか?」
「相変わらずのんびりしているようです。でもそろそろ入港する頃かと」
「援軍は?」
「まだまだ時間がかかるそうです」
「まあ……これで援軍も不要になるかもしれんしな」


【リーア元先生の行動:移動(V-27→U-27→U-28)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(V-27→V-26→V-26)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機移動(L-15→M-15→N-15)(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生&ギラドーガ1番機V-27(ゲート外)、2・3番機N-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)
      ギラドーガ2・3番機、メガライダーに搭乗(二機で一台に)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』のU-28にこれから入港】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、1・2・3番機帰還】
>>172

定時放送からは予想していた最悪の状況を伝えてきた。
聞こえてくる声の口調からもそのことをものがたっている。

(このタイミングで・・・・・・・・・・この状況下、
 全員の準備が整っていない現状で小惑星基地からの退去
 ――――――――――――最悪だ。
 頼みの綱は破壊されたコロニーだが余り期待も出来ない
 だが、ここはやはり脱出を最優先にするべきだな
 残された数時間の間に何が出来るかだが
 必要物を持ち出すぐらいが限度だろうな。)

レイモンドに見せていた紙を戻し急いで新たに文章を書く

[状況がもうここへは止まらせてはくれなくなった。
 仕方が無いが必要な物を即急に選んで運び出そう
 俺は、もう揃っているからすぐにでも移動するが
 レイモンドも早くここを出んだ。]

そう書いた紙を再びレイモンドに見せ全体通信のスイッテを入れる。

「取り込み中すまないが状況がどうであれ、戦闘になるのらな、
 エリアをこのブロックに限定されるのは少々やりずらくてな
 うかつに行動して不本意に脱落するのはごめんだ。
 悪いが先に場所を変えさせてもらおう。」

移動する名目として言葉を選んだつもりだが
聞く者の感じ方によっては嫌は気分になるだろう。
それでも奴らに不信がられずにここを離れる正当な理由になれば
仕方の無いことだった。

そう伝えた後、今度は俺がレイモンドに合図を送り
ペズ・バタラを動かしここを去った。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)全体通信(-2)
    移動V-20→U-20→T-20(-2)】
【残り行動値:0】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
176サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/24 23:17:44 ID:???
最初の獲物は、シュウジ=アサギ。
デクのようなビギナ・ギナに護られているつもりで、奴は作業に従事している。
奴を撃ち、向かう先は、要塞の奥。
V-20エリアと一概に言っても、それはこの港湾区にとどまりやしない。
シュウジを撃破できれば上等。
できなくとも、そのまま狭い要塞内に奴らを引き込めれば、そこは自分にとって有利な戦場だ。
多対一の不利を緩和する事もできるし、サイコのデカブツは思うように動けないだろう。

出口も、なにもこの港だけという訳ではない。
頃合を見計らって、別の出口から撤退。再び機を見て戻り、攻撃。休む暇など、与えやしない。
自分に比べて、奴らの身体はボロボロだ。
先に参るのは、奴らの方である事は間違いない。

>>172
だが、そのプランも、実行に移す直前に、破棄せねばならなくなってしまったようだ。
次に禁止区域に変じるのは、U-20。
小競り合いをしているうちに閉じ込められてしまっては、元も子もない。

チッと舌打ちし、プランの修正案を思案する。
幸い、自分はまだ攻撃を実行してはいない。

「先にT-20へ行ってるわよ。
 このまま閉じ込められてしまうのは、ご免でしょ?
 グズグズしてないで、さっさとついてくる事ね。」

そう、このエリアに残る「お仲間」に、全体通信で呼びかけて。
くるりと踵を返して、港のゲートより外部へ出る。

そのまま、ゆっくりと、ごくゆっくりと、U-20の宙域へと進入して。

ジェイソン・レディは最初に追いついてくる「お仲間」を歓迎するべく、
仮面の奥で、瞳をぎらつかせた。

【行動 : 全体通信(-2)、基地の外へ(-1)、U-20へ(0) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】

※代理カキコです。
177サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/24 23:19:18 ID:???
>>176
【行動 : 全体通信(-2)、基地の外へ(-1)、U-20へ(0) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】



【行動 : 全体通信(-2)、基地の外へ(-1)、U-20へ(-1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U−20 】

へと修正いたします。
>>170
港の奥より感じられる悪寒に、身を震わせていると……。
レイモンドの返事の文面が、目に飛び込んでくる。

心に穏やかさを取り戻して。
リファニアは、にっこりと微笑みながら、返事の文をみせた。

〔命を慈しむ気持ちがなければ、シェラさんの死を悼む言葉なんて、言えないよ。
 レイモンドさんの言葉ってね、傷ついた人だからこそ出せる優しさが溢れてて……。
 私はそういうの、好きだな。

 ありがとう。生き残ってみせるよ。
 生き残ってやらなきゃいけない事、一生かかってもできるかどうかわからないくらい……。
 いっぱい、あるもの。〕

>>172
そんな時。
心温まる遣り取りを吹き飛ばすべく、定期放送が入る。
いやらしい笑いを最後に、放送が終わる頃には。
少女の表情からは、一切の笑みが消えていた。

もっとも、恐慌状態に陥った訳ではない。
その時が、来てしまっただけなのだ。
動かねばならない時が、きてしまっただけなのだ。

その表情は、来るべき戦いの時に向けて、引き締まっていただけなのだ。

>>175
ベルク=クロフォードが、エリアを離れるのを見て。

>>176
不吉な気を発するサーティアも、それに続くのを見て。

傍らのリナルドと、アビゴルの通信回線の先のレイモンドに、
この後にとるべき自らの行動を、伝える。

「……リナルド、グズグズしてらんないみたいね。
 レイモンドさんも、こんな狭い檻に閉じ込められるのなんて、ゴメンでしょ?

 サーティアが言った通り、私、T-20で待ってるから。」

リナルドのバイザーに自分のバイザーをあてて、
ほんとうはキスの一つでもやりたいところであったが、今はそうも言っていられない。

「……いろいろ気苦労ばかりかけてるみたい。
 ごめんね。後でたっぷり、優しくしてあげるから。
 期待しちゃっていいよ?」

どこでおぼえたのか、小悪魔的なある種の色気のにじみ出た表情で、そんな言葉を残して。
自分の私物を持って、サイコのコックピットに戻るリファニア。

まずは、繋ぎっぱなしのサイコの通信回線で、奥にいるシュウジに連絡を取らねばならない。

「シュウジさ〜ん!その作業、後でいいよ〜っ!
 今は早く、開けたエリアに出ないと、身動きが出来なくなっちゃうよ〜っ!
 私はサーティアを追うから、みんなも急いで〜っ!」

そう、自分の意思を伝えて。
港区に残る友軍機へ向け、敬礼のようなポーズをとり。
リファニアのサイコは、港の外部へとその巨体を晒す。
スラスターを吹かし、サーティア、そしてベルクの向かった地点へと、サイコを向かわせるリファニア。
……先ほど感じた淀んだ気のようなものは、まだ、消えてはいなかった。
檻から脱するという目的は、当然ある。
それとは別に、例の気を発する存在のもとへ、一刻も早く向かわなければいけないとの意識もあった。

……けじめをつけると、決めたのだから。
彼女が乱れるのであれば、全力でそれを止めるのが、自分の役割なのだから。

サイコが、U-20へと到達する。
あと数刻の後には、デス・エリアと化す場所で。
それは、スラスターの推進力を絞って、待っていた。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、
       書き書き対レイモンド(-1)、サイコに戻る(-1)、要塞脱出(-1)、U-20へ(-1)、残0 】
【位置 : U-20 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
180サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/25 00:44:58 ID:???
>>179
最初の獲物は……。

「……リファニア、か。
 これも因縁なのかも、知れないけど。
 今の私にとっては、アンタは単なる獲物の一人にしか過ぎない。」

サイコに背を向けたVガンダムのスラスター光が、一瞬にして膨れ上がり。
サイコの頭上へと向かい跳んだVガンダムは、鋭くターンすると共に、手にしたビームピストルを、放つ。

「デス・エリア一歩手前のこの領域で、死を友とする私に狙われる不運を呪いなさい。
 ジェイソンの目の前でイチャつくガキどもはねぇ、みんな、みんな、ブチ撒けられる運命なのよ……。」

【行動 : サイコへビームピストル射撃(-1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : U−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク 】
【放置品: ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>180
背を向けたままのVガンダムに接近するリファニア。
Vガンダムの纏う不吉な気が、明確に殺意と化して、流れ込んできた。

「サーティ……っ!?」

声をかけようとした矢先、膨れ上がるスラスター光と共に、
Vガンダムがその持てる圧倒的な機動力を発揮し、頭上へと消える。
刹那、殺気のようなものを感じたリファニアは、サイコを全力で後退させた。

Vガンダムのビームピストルから放たれた閃光は、俊敏な動きの白騎士と比較すれば
遥かに緩慢な回避運動しかとれない紫の悪魔へと、真っ直ぐに伸びて行く。

だが、放たれたビームは、サイコを傷つける事はかなわなかった。
機体に到達する直前に、Iフィールドによって拡散される破壊の閃光。

損傷こそはなかったが、明確な殺意が含まれた攻撃を受けた事で、
悪魔のコックピットのサイコミュは戦闘に対する強制力を増し、凶暴な波動がリファニアを襲った。

「……サーティア、やめてよ……。」

Vガンダムは、動きを止める事はない。
スラスター光の尾を引きながら、一気に距離を詰めようとしていた。

「やめてよっ!誓ったんじゃ、ないのっ!?
 リオン君の、笑顔に。
 これ以上、傷つけ合うことなく生きる道を模索するって……。
 攻撃をやめてよ……。これ以上、私を刺激しないでっ!」

リファニアの増幅させられる闘争本能を解き放つべく、サイコの腹部が輝き、
幾条もの閃光が、Vガンダムの足を止めるべく、放たれた。
閃光は、Vガンダム自体を目標としては放たれていない。
……だが、このまま戦闘が続けば、どこまでもつかは保障できなかった。

「サイコミュを抑えるのだって、限界がある……。
 戦いでけじめをつけるなんて、やりたくないの……。
 リオン君の笑顔、壊したくないの……。
 私もあんなふうに、綺麗に、なりたいの……。」

急速に凶暴さを増してゆくサイコミュの波動に抗いながら、少女はあくまでも呼びかける事をやめなかった。
少女の頭の片隅に、殺意をむき出しにしてサイコのビームを放つ自分の姿が浮かび上がる。

……逃れたかった。自分の中に住まう、獣性から。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、 拡散ビーム砲で威嚇射撃(-1)、残3 】
【位置 : U-20 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
182サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/25 13:31:58 ID:???
>>181
Iフィールドバリア……。
そうか、そうだっけね。
モビルアーマー、そのデカブツどもには、そんな護りが備えられていたっけね……。

「……ふん、だからといって。
 この機体、ヴィクトリーといったか。
 この圧倒的な機動性ならば、デカブツの懐に入り込む事なんて問題じゃない。」

リファニアの呼びかけが、コックピット内にこだまする。
殺意を伴って、尚も接近する事をやめないVガンダムに向かって、
サイコの胸の拡散メガビーム砲が、幾筋もの光条を放つ。
……沸き起こる光の渦は、所詮は殺意のこもらぬ、脅し。
そんなものは、ジェイソン・レディには通じやしない。

通信機のスイッチを叩きつけるようにONに。
エゴを善意として押し付ける小娘に、言葉を返す。

「……前から思っていたけどねえ……。
 アンタが、リオンの名前を軽々しく口にするな!
 リオンの笑顔を隠れ蓑にして、自分の罪を曖昧にして……。
 小賢しいのよ……。
 どこでそんな余計な知恵を身に着けた、メスガキがっ!」

僅かに余力を残していたスラスターを、全開に吹かしながら。
両腕に携えたビームピストルを乱射しつつ接近する。

「リファニアぁ……。
 サイコガンダム、確かに強大な戦闘力を持っているわねぇ……。
 けどねぇ……私の機体は、白い"ガンダム"なのよ。
 デカブツがガンダムに勝った事なんてねえ……殆どありは、しないっ!」

ビームがIフィールドで防がれようが、構いやしない。
拡散されるビームは光の膜と化し、奴の視界を奪うだろう。
奴のセンサーをも、眩ませるだろう。

僅かでも隙ができればいい。
この圧倒的な機動性で、懐に入り込んで……オシマイ。

【行動 : リファニアに通信回線接続(-1)、ビームピストルの閃光を隠れ蓑にしつつ懐へ(-1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : U−20 】
【機体 : 左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       Bピストル×2(E残量40%、両脚部外側HPにマウント)、
       グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>182
激情と共にぶつけられる、サーティアの言葉。
リファニアの表情が、一瞬凍りつき。

「………っ!」

そして、揺さぶられる心を、サイコミュはいとも簡単に拾い上げてしまう。
……ただし、刺激されたのは、闘争心ではなく。
リファニアの心に打ち込まれた、罪悪感という楔だった。

その感情の揺らぎは、いとも簡単にサーティアに付け入る隙を与えてしまう。

ビームピストルより放たれる幾筋もの光条を、避ける術はなく。
Iフィールドによって拡散されたビームの光が、リファニアの視界を封じる。

気づいた時には、Vガンダムは眼前に迫ろうとしていた。

……しかし、リファニアとて、今まで生半可な痛みに耐えてきた訳ではない。

「……サーティア、ごめん。」

リファニアに多くを遺し、託し、失われていった大切なものの数々。
痛みの記憶は、同時に、成長の記憶。
ねじ込まれる楔の痛みは、同時に、託されたものの大きさを、思い起こさせて。
それを糧とする事で、少女は、いまだに血を流し続ける魂の傷の痛みに、耐える事が出来た。

「……あなたの言ってること、間違ってないよ。
 でもね、それで歩みを止めてしまったら、それこそ一生笑えなくなっちゃうでしょ?
 私の笑顔、それなりに好きになってくれる人、いるから……。
 だからね、私、あなたに討たれる訳には、いかないよ。」

輝きを取り戻したリファニアの瞳が見据えるのは、サーティアのVガンダム。
視界そのものは、ほぼ封じられているにもかかわらず、リファニアの視線は、
Vガンダムの動きを大雑把であるが、何とか追う事ができていた。

懐に飛び込もうとする、Vガンダム。
その姿を追う為に見据えていた物は、隠しようの無い、パイロットの殺気だった。

「……悪いけど、けじめはつけさせてもらうから。
 サーティアの目、覚まさせて、T-20に連れて行くっ!」

間合いの内側に入り込む直前のVガンダムに向けて、巨大なヒートグレイブが、振るわれる。
切っ先を、殺気の中心より僅かに逸らせて。まるで、殺気が刃と化した先端を刈り取るべく。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、 ヒートグレイブで攻撃(-1)、残2 】
【位置 : U-20 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚、眩惑 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損)
      大型ヒートグレイブ、サイコガンダム用シールド 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
リファニアからの返事を見て、俺は自然とヘルメットを掻く動作をしていた。
…柄にもなく照れたらしい。

(…ホント、柄でもないな。初めて女の手を握った餓鬼じゃあるまいに…)

ただ、俺自身にとってこの感情は悪いものではなかった。
14才で初めて人を殺して…それから現在まで人生の半分を血で染めてきた俺に取って、今のこの
瞬間は、いつもマリーが隣にいたあの時を、少しだけ思い出させてくれた。
その放送が入ってくる、その瞬間までは。

放送が終わったその時、俺の顔は再び1パイロットの顔に戻っていた。
放送自体はさほど驚くものではない。
管理者側が今まで通りに進入禁止空域を選び、放送を送ってきただけだ。
そして今回、たまたま隣のポイントが選ばれただけにすぎない。
ベルクも全体通信を発したあと移動を開始したようだ。
普通ならベルクのように、ここに閉じ込められる前に移動してしまうのが賢明ではあるが、もし
かしたら、リナルド=グレイスは首輪カバーを完成させてから移動しようとするのだろうか?

…それははっきり言って、まずい。
カバーが完成すれば、ここに閉じ込められても心配はいらないのだろうが…。
だが……!

俺は急いでリナルド=グレイスに向けた文を書きはじめた。
リファニアもこちらに通信を寄越したあと、アビゴルのコクピットから出ていったようだ。
…暫くして、サイコガンダムの巨体がT-20の方へ向かっていくのが分かった。
それとほぼ時を同じくして俺の文も出来上がり、俺はタイヤの向きを変えながらそれを見せた。

[リナルド=グレイス。今の放送にあった通りだ。至急、移動する事を勧める。
 お前は、首輪カバーを完成させれば、ここに閉じ込められても大丈夫だと思うかもしれないが、
 それはやめろ。何故なら、それは俺たちにとって、切り札の1つ。それの存在をここで知られる
 という事は、管理者側との戦闘の上で好ましくないからだ。
 
 これの存在は最後まで隠しておいて、レウルーラへの攻撃の時に知られるのが丁度いい。
 奴等に、首輪の爆弾が作動しないという精神的動揺を誘い、それから立ち直らないうちに一気に
 レウルーラへ襲いかかる…。俺はそれがいいと思っている。
 その為にも、ここでカバーの存在を知られるわけにはいかない。

 カバーは、何もここでなくとも完成させられるのだろう?崩壊してはいるが、コロニーもある。
 いざとなれば……未完成だが、俺とベルクが持っているカバーもあるからな]

(続く)
暫くその紙を見せたあと、俺はタイヤをベルクのいるU-20に向けて走らせた。
あとはリナルド=グレイスの判断に任せるしか…ない。

……U-20へ向けてタイヤがT-20に入り暫くして……視界の中に激しいスラスターの光が見えた。
どう見てもそれは、戦闘行動のもの……。
そしてそれは、遠くは、ない。
…レーダーに映ったのは、サイコガンダムとVガンダム。

(リファニアと……サーティアか!)

それを認識した瞬間、俺はタイヤの速度を一気に上げてその光へ向かった。

…近付くにつれ、ビームのものらしきいくつもの光も目に入ってくる。
サイコガンダムはさしたる被害を受けてはいないようだが、命中による光はリファニアの視界を
塞ぐのには十分に見えた。

(……サーティア……。懐に飛び込むつもりか…!)

…サーティアの考える事が手に取るように分かる。
それは、俺がサーティアの立場でもそうしたであろうから。
だが、サーティアにとって誤算があるとすれば、それはここに俺がいた事。
…俺が躊躇する理由は、どこにもない。

サイコガンダムに接近するVガンダムに照準を合わせ、引き金を引こうとしたその時。
サイコガンダムが、その手に持った巨大な武器を振りかぶるのが分かった。

…そうなのだ。
俺にも分かるサーティアの意図…。
それは、サイコガンダムを駆る、リファニアにも承知している事なのだ。
何故なら、自機の持つ利点と弱点。
それを知っておくのは、パイロットとして……戦士として当然の事だから。

サイコガンダムの……リファニアの一撃を、俺はその場で見届けた。

【行動:アビゴルへの回線継続(0)ペズ・バタラへの回線継続(0)筆談(0)
U-20へ移動(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:V-20→U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
186サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/25 20:35:42 ID:???
>>183
放たれたビームは、ほぼ全て、Iフィールドに叩きつけられていた。
リファニアから返された言葉に、気持ちを苛立たせながらも。
一気にフィールドの内側へと飛び込んで、苛立ちと共にビームの雨を叩き込んでやるつもりだった。

「……ガキめっ!
 ロック野郎が死んだと思えば、新しい男を見つけ出しやがってっ!
 そうやってお姫様に祭り上げられて、いい気になっていられる余裕があるからこそっ……!?」

光の膜の向こうから、唐突に巨大な刃が伸び、咄嗟に回避運動をとったサーティアの言葉を、途切れさせる。
直後、機体を衝撃が襲い……刃は、ガンダムの右手首をビームピストルと共に、持って行く。

モーメントの急激な変化により体勢を崩し、サイコの脇を掠めるVガンダム。

 ……こいつ、どこに目がついていやがる……。
 以前も、完全な不意打ちを避けてみせもした……。
 
「ニュータイプ……つまり、戦闘の化け物。
 ハハッ、これはいい。化け物だからこそ、アンタの不可解な行動の数々だって、納得できるというもの。
 ……だけどねぇ、殺意のこもらない刃じゃねえ、私は殺せやしないのさっ!」

しかし、驚愕に身を震わせるのは、一瞬だけだった。
機体の体勢を立て直すと共に、左腕のビームピストルをパージする。
怪我の巧妙か、サイコの裏に回り込む事ができていた。
素早くマシンガンを携えて、サイコの背面へと突撃する。

「……私は、一人で耐えなければいけなかった。
 リオンの温もりを思い出そうにも、アンタの達のおかげで、私はそもそも味わえもしなかった。
 この宇宙はねえ、独りでは、寒すぎるのよ……。」

仮面の奥が、濡れていた。
それが、たまらなく、不快だった。

「私がそんな思いをしている中、アンタはリナルド=グレイスとかいう泣き虫野郎と暖めた合っていた訳?
 アンタが私にけじめをつけるというのならねえ……。」

マシンガンに備え付けられた、グレネードランチャー。
3発全てを、サイコの背面のメインスラスターへと、叩き込んだ。

「さっさとリタイアして、それを私への償いにしろっ!」

レーダーに映った、新たなる機体反応。
それに気づかぬ程に、眼前の小娘を消す事に、執着していた。

【行動 : リファニアとの通信回線継続(0)、回避失敗(0)、敵背面にグレネード全弾叩き込む(-1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U−20 】
【機体 : 右手首切断、左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%】
【状況 : 不明 】
【身体 : 血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
       90mmマシンガン(6斉射、腰部左側HPにマウント)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、
       ショットガン(残弾32)、ジェイソンマスク、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、お弁当×6 】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
(躱した!?)

目の前で起きた事が、一瞬信じられなかった。
リファニアの一撃は、紛れもなくサーティアの不意を突いていた。
それが、躱されるとは…。

いや、今はそんな事を考えている時ではない。
Vガンダムは右手首を失いながらも、サイコガンダムの後ろに回り込み、新たな武器を構えている。

しかし…。
しかしそれは、俺に背を向ける事になるのを、サーティアは気づいているのだろうか?
残った左手でサイコガンダムに構えるVガンダムに、対処は難しいだろう。

(サーティア。お前の機体が俺と同じ右手首を落とされて、俺への対処ができなくなるとはな…。
 本当に…因果なもんだ)

再びタイヤを急接近させながら、思わず苦笑する。
ジャベリンの左手には、ビームサーベル。

(思えば…今残っている参加者の中で1番付き合いが長いのは、俺だ。
 なら…。
 なら、俺がきっぱりとけじめをつけてやる)

Vガンダムの背中にビームサーベルを突き出す瞬間。

俺の顔に浮かんでいたのは、勝利の笑顔でも裏切りへの怒りでもなく。
…かつて仲間として勝利を目指した者への別れの笑みだった。

【行動:ペズ・バタラへの回線継続(0)筆談(0)Vガンダムにビームサーベルで攻撃(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、サーティア…】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>186
ヒートグレイブの一撃は、ガンダムの片腕を、もぎ取っていた。
……さすがに、一撃で戦闘不能に陥らせる事が出来るには、不利な条件が揃い続けている。

「……くぅ、目がチカチカする。」

>>184
小声でそう呟いたリファニアは、レーダーに新たなる機影が映っている事を、確認した。

だが、それ以上の情報を得る余裕など、サーティアが与えてくれる筈もない。
素早く体勢を整えたVガンダムは、背後へと回り込んでいた。

「……くっ、あのガンイージより、さらに速い!?」

言葉をぶつけると共に、殺意を乗せたグレネードを放つサーティア。
その言葉はリファニアの魂に、直接響いてきてすらいた。

機体の持てる旋回力を最大に発揮して、何とか機体を振り向かせたリファニア。
決して俊敏とは言えないサイコでは、せいぜいグレネードを盾で防ぐ事が、精一杯だった。
二発のグレネードが直撃し、サイコの盾を中心から真っ二つに割る。
そして、最初に放たれた一発のグレネードは、スラスターより僅かにそれて、サイコの背面に着弾していた。

「……うぐっ……まだ、沈まないよ……。」

機体を衝撃が襲い、コックピット内で揺さぶられるリファニア。
スラスターが完全に死ぬ事は避けられたようだったが、かつてリナルドが修理してくれた部分は、
決して無事では済まなかった。

サーティアのVガンダムへと向き直りつつ、接近する新たなる機体を視界へとおさめたリファニア。
それは、レイモンドの、ジャベリンだった。

……レイモンド、さん。
私の戦いを、見守ってくれている……?

でもね、ここは、私が……。

「……サーティア!
 愛せる人が居るってね、悪い事じゃないのよっ!」

彼女を止めて、みせるんだからっ! 

「サーティアだって、絶望する事なんて……っ!?」

>>187
Vガンダムの背後に、いつの間にかジャベリンが迫っていた。
その手に携えたサーベルを、ガンダムの背中へと、突き立てるべく。

「レイモンドさん、駄目ェェェェェっ!!」

レイモンドに向かって、叫びながら。
スラスターを最大に噴かして、Vガンダムに向かって手を差し伸べるようとするリファニア。
損傷したスラスターの鈍い加速を、恨めしく思ったが……。
加速が止まったように感じられるのは……スラスターのせいでは、なかった。
【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、サーティア)(0)、
       盾で防御(-1)、レイモンドへの通信回線接続(-1)、残0 】
【位置 : U-20 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚、眩惑 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、けじめは絶対につける、??? 】
【同盟 : ALL 】
190シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/25 22:49:13 ID:???
[サーティア=クワンの腕が銃に伸びようとしていた事は確かです。
 やはりしかるべき対策をすべきでは……。]
「……。」
ディスプレイに表示されたゼファーの言葉にもたいした反応を見せず、無言で作業を続けるシュウジ。
ゼファーの言葉に反応できないのは、ガンイージとノートPCを使い、
メガバズーカランチャーのデータ確認と、この倉庫内にある材料の在庫情報の確認を同時に行っていたからだった。
ゼファーもそれを察したのか、今はディスプレイへのメッセージの表示を止めていた。

「よし、準備するモノはこれだけか……。結構たやすく作業は済みそうだな。」
[マスター……。]
「……確かにサーティアは危険だ。」
[!]
「だが攻撃しようとしても、此処に攻撃が届く事はない。お前の方が圧倒的に速く動けるからな。」
[……そうですが。しかし放置というのも。]
「あいつが攻撃してきた際は、無許可で攻撃してもいい。これでいいだろ?」
[勿論です。]
「OK。今から用意する物のリストを出すぞ?俺は工具の準備をするから、準備しろ。」
〔了か……定期放送です。〕
「ん……そんな時間か。」

>>172
「……チッ。」
〔マスター!〕
「解ってる。」
『先にT-20へ行ってるわよ。
 このまま閉じ込められてしまうのは、ご免でしょ?
 グズグズしてないで、さっさとついてくる事ね。』
「解ってるって……。」
サーティアの全体通信に一人呟きつつ、ある物を探す。

「あった!」
その目的の物は、格納庫を少し見渡すだけで見つかった。
探していたのはMSの胴体程度の大きさのコンテナ。
メガバズーカランチャー改造用に使おうと目をつけていた部品が入っているコンテナだ。

「行くぞゼファー!お前は前を行け!」
〔了解!〕
『シュウジさ〜ん!その作業、後でいいよ〜っ!
 今は早く、開けたエリアに出ないと、身動きが出来なくなっちゃうよ〜っ!
 私はサーティアを追うから、みんなも急いで〜っ!』
「解ってるっての!今出る!」
リファニアの声に怒鳴り気味な口調で返しつつ、
ガンイージにコンテナを持たせ、さらにメガバズーカランチャーに掴まる。
まずビギナ・ギナがそれに続きガンイージ格納庫から全速で飛び出し、
港を越えて外に出ると、進路を即座にTー20方面へ向けた。
そしてそのままさっさとU−20を抜けていくつもりだったのだが……。
191シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/25 22:50:33 ID:???
「……死ぬつもりか貴様ら!?」
目の前で繰り広げられていたのは、闘いだった。
闘っているのはリファニアとレイモンド、それにサーティア。
前者二人が後者と闘っている、そうとしか見えなかった。

「馬鹿か……。此処をどこだと……。」
〔……どうしますか?〕
「さっさと終わらして移動!全火器使用許可!目標Vガンダム!」
〔了解。攻撃を開始します。……!〕
「な……!待て!」
そう叫んだときには既に遅かった。
ゼファーもそう判断したときには既に攻撃命令を機体の回路に走らせたところだった。
両肩に装備された120oマシンガン。そこから発射される弾頭が、
サーティアの乗るVガンダムと、ジャベリンからの攻撃を庇おうとVガンダムに向かうサイコMK−2に一直線に向かっていった。

【行動:U−20へ移動×2(−2)Vガンダムを120oマシンガンで攻撃×2(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-20】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル・Vガンダム)対自爆装置改造済み
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右4斉射分 左4斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー)コンテナ】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に メガバズーカランチャーの改造 ……!】
【同盟:???】
(!!?)

コクピット内に響いた、少女の叫び声。

背中を向けたVガンダムに左手のサーベルを突き出す、その刹那。

コンソールスティックを操作した左手の殺意とは無関係に、俺の足は反射的にタイヤに
急ブレーキをかけていた。

みるみる迫る、Vガンダムの背中。

それを止めようと手を伸ばそうとするサイコガンダム。

更には突如レーダーに映った新たなる反応と、その機体から見えた発射光。

サーティアを倒すという必殺の意思と、リファニアの声に反応した戸惑いの意思が、俺の
中で混ざりあい、渦を巻き、次の瞬間、思わず俺は目を閉じていた。

【行動:ペズ・バタラへの回線継続(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、サーティア…】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
193リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/25 23:26:05 ID:???

「……やれやれ……わかったよ」

リファニアの見せた“小悪魔的”な表情に、リナルドは幾度目かの呟きと溜め息を吐き出す。
期待したいのなら、彼も共にこの戦場から生還しなければならない。
一先ずの勝利条件は彼女の生還、恒久的な敗北条件は彼女の死亡。
自分のことはどうでもよかった。 ただ、彼女が死んでしまうということは、
リナルドを含んだ『ミョーコウ』のクルーが『本当の意味で』敗北してしまうことだと考えていた。
それは間違っているのか? それとも真理なのか?
……彼は、それを考える時間は与えられなかったと思っていた。 そんな時間は無かったと。
願わくば、正解ではなくとも間違っていて欲しくはないと。 それでよかった。

……そんな思考を、彼女は毎回の如く綺麗に打ち崩す。
希望は時に、絶望までの道程を引き延ばす存在になる。
だというのに、彼女はそんなことを微塵も感じさせずに戦場へ赴こうとする。

今、俺は何を優先するべきなのか?

それははっきりしていた。 移動だ。 もうじきこのエリアは禁止区域に囲まれる。
一応彼には脱出が可能だった。 その手には“切り札”があるのだから。
だが、それは今使うべきものではない。 ある程度まで準備を整えなければ使うことはできない。
なのに、彼はノートPCと例の受信装置を接続している。

……死にたいのか?

タナトスは既にそこまで迫っているのだ。
ただ気まぐれに足踏みをしてくれているだけなのだ。
その足踏みが終わる前に欠けた“切り札”を用意しなければならないのだ。
……その思考に、レイモンドがメッセージと共に踏み込んできた。

(…………)

無意識のうちに解析を進めようとしていたリナルドの手は止まった。
確かにレイモンドの言う通りだ。 彼の思考の方が圧倒的に正しい。
何故、こんなに簡単なことさえきちんと考えられなくなってしまったのだろう?
……ここで、彼はふたつの選択をすることとなった。

(……もう少し、生きることに執着してみてもいいのかもしれない……)

彼はレイモンドに伝えようと、コンパネに手を掛けた。
せめて、身体のことを誰かに知っておいてもらいたかった。
それにはレイモンドが適任なのではないかと、思い始めていた。

しばらくして、リナルドはノートPCをデイパックに押し込み、T-20に向けて移動を始めた。
……結局、彼は誰にも伝えずに移動することを選んだ。
明かすとしても今ではない。 明かさないという選択肢もある。

(それが、絶望への到着時間を引き延ばすだけの行為だったとしても)

死にたくないと思えば、この恐怖に打ち克つことはできない。
ならば、言葉を変えて“生きたい”と思ってみることにしよう。
それが、ふたつめの選択だった。

(君の存在は、紛い物の希望じゃないんだから……)

口には出さない。 聞こえれば、少しは喜んでくれるかもしれないが……
万が一、レウルーラを刺激するようなことになったら面倒だ。

そうして、彼は目撃することとなってしまった。
濃紫の希望に牙を剥く、白いマスクの姿を。
194リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/25 23:30:46 ID:???
アビゴルがU-20に入り、リナルドが最初に見たものは。
ヒート・グレイブを振り下ろすサイコガンダムと、その脇をすり抜けるヴィクトリーだった。
何が起こってしまったのか、彼の頭は瞬時に理解した。

(サーティア・クワン……、動きやがったんだな……!)

サイコガンダムの脇をすり抜け後ろを取ったヴィクトリーは、グレネードを放つ。
間に合わない。 リファニアが撃ち落とすなり回避するなりするしかない。
ヴィクトリーのレーダーにも、既にアビゴルは映っている。
レーダーにはジャベリンも映っているが、レイモンドは何をしているのだろう? 

ビーム・カタールに、再び刃が現れる。
開きっ放しの回線から、ふたりの声が流れてくる。

『……悪いけど、けじめはつけさせてもらうから。
 サーティアの目、覚まさせて、T-20に連れて行くっ!』

『アンタが私にけじめをつけるというのならねえ……。
 さっさとリタイアして、それを私への償いにしろっ!』

狙うは左腕。 高速移動からの攻撃ゆえにロックはできない。
今までどおり、充分に距離を詰めてから……

そこで、ジャベリンが動いた。
ビーム・サーベルを構え、ヴィクトリーに向けて突撃していく。
ガンイージとビギナ・ギナも既に宙域に入っている。
ビギナ・ギナが仕掛けるようだ。

(俺は……)

ジャベリンもビギナ・ギナも背中から。 ならば、ワンテンポ遅らせてアビゴルは上から。
あの時とほとんど同じだ。 イブと共に、サーティアと戦ったあの時と。
あるのはメンバーと前後の違いくらいでしかない。
ジャベリンがビーム・サーベルを突き出し、ビギナ・ギナが動き、アビゴルも動こうとした瞬間。
……そのタイミングで、リナルドは彼女の声を聞いた。

『レイモンドさん、駄目ェェェェェっ!!』

サーティアを庇おうとサイコガンダムが前進する。
ビギナ・ギナの射線上に、濃紫の巨躯が割り込んでくる。
リナルドにはスイッチを押し、ペダルを踏み変えるまでが精一杯で。
アビゴルは一瞬でその姿をデュアルタイプへと変え、
かなり強引な軌道でサイコガンダムとビギナ・ギナの間に割り込んだ。
それでも咄嗟にビギナ・ギナに対して機体上部を向けたのは正解だった。

直後、アビゴルを120mmの弾丸の嵐が襲う。
背部ビーム・カッターのエッジが吹き飛び、周囲には幾重にも銃創が刻まれる。
衝撃はコクピット内にも及び、リナルドは嵐が過ぎ去るまでシェイクされる羽目になった。
結果としてサイコガンダムへの直撃はかなり防いだが、
二門のマシンガンの射角を考えれば、完全に防げたわけではないはずだ。

「つぅ……馬鹿野郎、殺す気か!
 それに、リファニア! よりにもよって何てとこで戦ってんだ!」

何枚かのパネルにノイズが走るコクピット内で、被害状況を確認しつつ、
シェイクの際に打ったと思われる部位を抑えながら、リナルドはマイクに向かって声を荒げた。
195リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/25 23:32:06 ID:???

【行動:通信回線継続(0)、解析準備(-1)、V-20→U-20(-1)、変形(-1)、援護防御(-1)】
【位置:U-20】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・両肩、背面損傷・一部ディスプレイ不調・
      通信回線→ジャベリン、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
      ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・数箇所打撲・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処は続く】
【同盟:20番リファニア 01番シュウジ 11番サーティア?】
196サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/26 00:32:18 ID:???
>>188
「アハハ、何、血迷ってやがる。
 私が、絶望しているように、見えるって……!?
 絶望なんて、私にとって最も縁の遠い言葉だってのよっ!
 そんなヤワな精神でやっていける程、お上品な場所で生きてちゃいないのよっ!」

そう、リファニアの言葉を否定しつつも。
接近する機体に対する反応が遅れたのは、目の前の小娘が発する言葉が癇に障ったからに、他ならない。

何を思ったか、無防備にこちらに手を伸ばすサイコ。
奴の頭部に向けて、マシンガンの照準を合わせる。
奴にとって豆鉄砲に等しいマシンガンも、この距離で頭部にぶっ放せば、
中のパイロットをミンチと化す事など、容易だろう。

『レイモンドさん、駄目ェェェェェっ!!』

「……愛するも、愛されるも、挽き肉になっちまえばできやしないだろう?
 無残に死にな。かつてアンタが言った暴言を、この場でそっくりお返ししてやる。
 ……レイモンド!?」

トリガーにかかった指を引こうとした瞬間、リファニアの叫びに鈍く反応したサーティア。

>>187
そこで初めて、コックピット内に警告音がやかましく鳴り響いているのに、気がついた。

とっさにフットペダルを踏みつけようとするサーティア。
直後、装甲の融解する不気味な音と共に、コックピット内のありとあらゆる警告灯が、一斉に点灯する。

ジャベリンのビームサーベルが、ガンダムの胴を、刺し貫いたのだ。
コックピットが刺し貫かれる事は、とっさにフットペダルを踏みつけた事によって、紙一重で避けられた。
……もっとも、それすらも、レイモンドがアインラッドに制動力をかけていなければ、かなわぬ事だっただろう。

「……殺られたっての……?
 レイモンド=デリック……アンタが、私を殺ったっての……?
 いや……まだだっ!」

この機体は、他ならぬガンダムだ。
ガンダムには、暫し、緊急脱出装置として、コアブロック方式が用いられる。
このヴィクトリーも、例外ではなかった。

「……生きてさえいれば、あんな死にぞこないどもに、遅れを取る訳はない……。
 くぐってきた修羅場が、違うってのよ……。」

即座に、ドッキングアウトの操作をする。
これがRX-78のようなタイプならば、胴を貫かれた時点で終わりだろうが……。
ヴィクトリーは、幸いにも胸部にコアブロックが存在しているのだ。
197サーティア=クワン ◆y265QavDe. :04/10/26 00:37:50 ID:???
火花を散らすボトムパーツをパージ。
腕が異なる為に、トップファイターとしては機能しないトップパーツも、続けてパージする。

「……ハハッ、ありもしない希望に、せいぜい縋っていればいい。
 私は、この場を………リオ……ン!?」

久しく、見ていなかった気がする、リオンの姿。
唐突に、眼前に、浮かんできた。
スロットルレバーに手をかけ、押し込もうとしつつ、眼前のリオンのイメージに語りかける。

「……わかってるわよ。
 貴方によって繋がれたこの生命、ここで無駄に散らすつもりはない……。
 でもね、貴方。
 どうして、笑ってくれな………っ!?」

>>191
サーティアの言葉は、突如襲ってきた激しい衝撃に、強制的に途切れさせられた。
何が起こったのか、一瞬、理解できなかった。
理解する頃には、背後から迫り来る灼熱の光に身を包まれていた。

ビギナ・ギナより放たれた、120mmの砲弾が、アビゴルの防護を縫い……。
今まさに飛び立とうとするコア・ファイターのエンジンを、貫いていた。


―――あつ――い―――――…

     ―――ねえリ――――オン――――…

          ―――どうし―――て笑っ―――てくれな――いの――……


―――泣かないで――――笑って―――……

    ―――わらって―――……

        
         ―――わらって――――………



―――あ。


―――笑って、くれた!


【生徒番号11番:サーティア=クワン―――死亡】
【死因:ゼファーの攻撃がコア・ファイターのジェネレーターに直撃、爆死】
ジャベリンの左手から確かに伝わってきた、手応え。
それは、俺が繰り出した攻撃がVガンダムにダメージを与えたという、ジャベリンからの声なき言葉。

閉じていた目をゆっくりと開き、レーダーの反応を確認する。
そこに映っていたVガンダムの反応は、少しして……消えた。

(リファニアは、サーティアを庇おうとしていた……。
 ……まだ……サーティアを信じていた……)

俺は……。

…………。

俺は今……どんな顔をしているのだろう?
笑っているのか?
泣いているか?

…リファニアは……無事のようだ。
…あとから来たシュウジと思われる機体も、リナルド=グレイスのアビゴルもいる。

深く…。
本当に深く、静かに深呼吸をして、気分を落ち着けるよう努力した。
それが功を奏しているかどうかは分からないが、管理者側に動揺を悟られるわけにはいかなかった。
そしてサイコガンダムに通信を繋げる。

ゆっくりと落ち着いて話した。
声が震えないように、最大限の力を振り絞って。

「ここが閉じられるまで、そう時間はない。…なるべく早く移動しよう。
 ……まだ……見られる未来があるうちは……前を見よう」

最後は、むしろ自分に言い聞かせた言葉だったかもしれない。
心のどこからか湧いてくるものを、抑えつけようとしているのかもしれない。
それを悟られないよう、自然に振る舞えるうちにタイヤを走らせ、T-20に向かう。

「……すまない。…攻撃を…止められなかった」

最後に一言、ぽつりと言い残して。
 
【行動:ペズ・バタラへの回線継続(0)サイコガンダムに回線接続(−1)T-20に移動(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-20→T-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
眼前で、ガンダムが光の刃に貫かれる。
直後、ガンダムが幾つにも分かれ、その中枢たるコア・ファイターが、戦場より飛び立とうとした時。
どこからか放たれた火線が、コア・ファイターを、貫いた。

同時に、紫の悪魔の機体を襲う衝撃は、何なのだろう?
コックピット内で、幾つかの警告灯が灯ったようだったが、深刻な被害には至っていないようだ。

『つぅ……馬鹿野郎、殺す気か!
 それに、リファニア! よりにもよって何てとこで戦ってんだ!』

耳に飛び込んでくる、もはや聞き慣れた怒声。
それすらも、今のリファニアの耳には、遠かった。
差し伸べられた紫の悪魔の手が指し示す先で、光に消えようとしている、一つの生命。
少女の魂の傷は、ぽっかりと大きな穴と化していた。
その穴からは、もはや、血を流す事すらないだろう。
それは、決して塞がる事は、ないのだろう。
……けじめをつける事は、もはや永遠に叶わなくなってしまったのだから。

コア・ファイターを打ち貫いた火線の放たれた方向へと向き直る、リファニアのサイコ。
視界に飛び込んでくるのは、二機のモビルスーツ。
ガンイージと、ビギナ・ギナ。
ビギナ・ギナの肩に装備されたふたつのマシンガンが、こちらに……。
……正確には、先ほどまでコア・ファイターのあった場所へと向けられていた。

理解した。

先ほど機体を襲った衝撃は、マシンガンから放たれた、流れ弾だろう。
それは、決して、こちらに対する害意のもとに放たれたものでは、なかっただろう。

同時に、その流れ弾の大部分より、リナルドが身を挺して護ってくれたことも、理解できた。
アビゴルは、決して軽くはない損傷を、被ってしまったようだ。
アビゴルの位置からすると、流れ弾は、本来ならばサイコの頭部周辺に着弾していた可能性が高かった。
……ここに至ってもまだ、リナルドは身を挺してまで、リファニアの生命を護ってくれた訳だ。

リナルドの身を案じるように、優しげな笑顔を浮かべるリファニア。
しかし、その瞳に宿るものは、虚無感だった。

「……ありがとう、リナルド。
 でもね、自分の身を、もうちょっと労わって。
 私なんかの為に、傷ついてしまうなんて……つまらないよ。
 だってね、私なんて……。」

そこまで言って、言葉を飲み込む。
その先は、決して言ってはならない言葉だった。
……それを口にしてしまっては、今まで口にしていた信念らしき言葉を、
無意味な奇麗事に、してしまうからだ。
……それは、大切なひとたちへ誓った事のことごとくを、
そして、自分自身の最も深い部分をも、裏切ってしまう事になる。

「……なんでもない。
 もう少しで、本当に、救いのない馬鹿になるところだったかも……。」

自嘲気味な笑みを浮かべるリファニア。
先ほどから、サイコミュの荒々しい波動がコックピットに渦巻いていたが、
それに応えるほどの覇気すら、今のリファニアは持ち得なかった。
……不幸中の、幸いと言っていいかもしれない。
本来ならば、今のリファニアは、容易にその波動を受け入れてしまっただろう。
砲門が向けられる相手は、間違いなく、シュウジ=アサギ。
頭では、彼が敵対行動をとった訳ではないと理解していたし、恨みの念は、ない。
それでも、今、激情をぶつける相手がいるとすれば、対象は彼になってしまうだろう。
>>198
そんなリファニアに、落ち着いた声で、レイモンドが語りかけてくる。

『ここが閉じられるまで、そう時間はない。…なるべく早く移動しよう。
 ……まだ……見られる未来があるうちは……前を見よう』

レイモンドの真似をした訳ではないが、リファニアも深い深呼吸をして、心を落ち着けようと試みる。

「……そうだね。前、見ないとね。
 それってさんざん、私自身で、言ってきたことだもの。
 言ったからには、率先して実行しないと、ね。」

空元気としか言いようがない、不自然に明るい声。

「さ、リナルド、シュウジさん。
 早くここから、離れないと。
 私達まで、死に捉われる訳にはいかないもんね?」

無理やり作り出した、ポジティブな雰囲気。
指で軽く弾けば砕けそうなほどに、酷く脆く思えた。

レイモンドが、先にT-20へと向かって行く。

『……すまない。…攻撃を…止められなかった』

去り際に彼が残した一言が、少女を、決壊させた。
少女の両の瞳から、大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちる。

「……謝らないで、たのむから……。
 謝らないでよう……。」

リファニアの存在がなければ、このような事態は起こらなかった。
そんな考えは、先ほど必死で否定した、決して口にしてはならない事と、大差はない。
……そう思いつつも、リファニアは自らの内に沸き起こる罪悪感を、止める事は出来なかった。

サイコにグレイブを掴ませ、U-20を後にするリファニア。
心が再びばきばきに折れ曲がりそうになったとしても、歩みが止まる、事は無い。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、レイモンド(0)、T-20へ(-1)、残3 】
【位置 : T-20 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(細かい被害は……?)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚、どうしようもない虚無感 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
201シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/26 22:14:56 ID:???
シュウジは、見た。火線に割り込む機体と、その後ろで起きた爆発を。
ゼファーは、見た。自らが発した火線にアビゴルが割り込み、身を挺して二体を守ったが、
分離したVガンダムに弾丸が命中し、それによって起きた爆発を。

『つぅ……馬鹿野郎、殺す気か!
 それに、リファニア! よりにもよって何てとこで戦ってんだ!』
『さ、リナルド、シュウジさん。
 早くここから、離れないと。
 私達まで、死に捉われる訳にはいかないもんね?』
「……?」
〔マスター……?〕
「何が、起きた?」
〔まず、アビゴルがマシンガンから二体を庇いました。
 同時に、ジャベリンがVガンダムの胴体にビームサーベルを刺しましたが、
 コックピットには届かなかったらしく、Vガンダムは脱出しました。
 そこにマシンガンの流れ弾が命中し、爆発しました。〕
「……俺のせいか?」
〔仕方の無かった事です。それよりも早く、移動を。
 死んでしまっては謝罪も何も出来ません。〕
「……わかった。」
とりあえずゼファーの言う事に従い、T−20へ移動した。
そこで一度レーダーを確認したところ、全員が此処にいるようだ。
……サーティア一人を除き。

「……すまな、かった……。
 中止命令が間に合わなかった……。
 …
 …
 すまない……本当に。」

そこで通信回線の内、画面情報の接続を切った。
自分が今どんな表情をしているのか。今あるべき表情なのか自信がなかったからだ。

【行動:T−20へ移動×2(−2)】
【残り行動値:2p】
【位置:T-20】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル)対自爆装置改造済み
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右4斉射分 左4斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー) コンテナ】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に メガバズーカランチャーの改造】
【同盟:???】
202リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/26 22:41:31 ID:???

ピーッ、ピーッ、ピーッ……

アビゴルのコクピット内に、アラートが響く。

「熱量……上昇?
 ……ッ、爆発する!?」

すぐに機体を変形させ、少し距離を取る。
爆散の跡に残ったのは、パージされたと思われるヴィクトリーのパーツだけだった。

(コア・ファイターが……爆発したのか……)

『……ありがとう、リナルド。
 でもね、自分の身を、もうちょっと労わって。
 私なんかの為に、傷ついてしまうなんて……つまらないよ。
 だってね、私なんて……。

 ……なんでもない。
 もう少しで、本当に、救いのない馬鹿になるところだったかも……』

(…………)

何も言わない。 フォローもしない。
リナルドは、ただ黙ってリファニアの言葉を聞いているだけ。

『ここが閉じられるまで、そう時間はない。…なるべく早く移動しよう。
 ……まだ……見られる未来があるうちは……前を見よう』

『……そうだね。前、見ないとね。
 それってさんざん、私自身で、言ってきたことだもの。
 言ったからには、率先して実行しないと、ね。

 さ、リナルド、シュウジさん。
 早くここから、離れないと。
 私達まで、死に囚われる訳にはいかないもんね?』

明らかに演技の香りが漂う言葉と共に、ジャベリンとサイコガンダムが移動を始める。
アビゴルも、その列に続いてT-20へと向かった。
コクピットに佇むリナルドは、リファニアを励ますべく微笑むでもなく、
逆に厳しい表情でサイコガンダムの背を見つめているだけ。

先程までの彼女はどこへ行ったのだろう?
もし、もし……ここで本当に折れてしまうのであれば。

(俺は、もう少し……)

ここまで来て、戦う理由を失くすわけにはいかない。
戦えなくなってしまうわけにはいかない。
何としても、再び希望として輝いてもらわなければならない。
それが彼女にとって重荷でも。 彼に希望を見せた以上は。
仮に、どちらが先に消えるとしても。

……リナルドは、それだけは考えないようにしていた。
それを考えると、ただでさえ痛む胸が、さらに痛んでしまうのだから。
再び考えなければならなくなったのだろうか。 再び決断しなければならないのだろうか。
今の彼には、そうならないことを切に願うことしかできない。
203リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/26 22:42:21 ID:???

【行動:変形(-1)、U-20→T-20(-1)】
【位置:T-20】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・両肩、背面損傷・一部ディスプレイ不調・
      通信回線→ジャベリン、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
      ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・数箇所打撲・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処は続く……】
【同盟:20番リファニア 01番シュウジ】
危険区域から一足先に抜けてしばらくしてのことだ。
レーダーにも特殊情報端末の画面にもV-20にいた全員が
こちらに移動してきていると分かったが危険区域に指定され
もう数時間しかないのにもかかわらずU-20に全員が足を止めていた。

(どうしたんだ?何故、そこに止まっている?)

だが、その問いは考えることも無く理解してしまった。

レイモンドとの繋ぎ続けている通信回線から聞こえてくる
会話それが俺に理解させた・・・・・・・・その場の状況を
そして、彼等が居ると思われる座標に一瞬の輝きが見えた
それと同時に特殊情報端末の画面から11番の表示が消える。

(サーティア・・・・・か。)

こうなることは前から分かっていたのかもしれない。
彼女が俺達の前から去ったときから、俺とルイに剣を向けたときから
否、リオンと言う人物が居なくなった時からかもしれない。
彼女が俺に懺悔を話してきたとき、リオンの事を話してくれた
その時は、少しだけでも気が楽になったと言ってくれたが
彼女にとってはそれは一時の納得でしかなかったのだろう。

(俺には、それだけの力しかないのか・・・・・・・・・・・・。)

その時の懺悔を話してくれた人がそれを吹っ切れずに逝ってしまう。
失望、自分への失望、ただそれだけが今の自分に渦巻いていた。

しばらくしてレイモンドのジャベリンとリファニアのサイコガンダムが
こちらに移動してきた。続いてシュウジとリナルドも危険区域から
抜けてきた様だ。

戻ってきたレイモンドに声をかける

「レイモンド。サーティアはやはり・・・・・・・・・・・。
 すまない。こんな時、どんな言葉をかけて良いか分からないんだ。」
 
なにも考えずに話しかけてしまった。せめて気休めだけでもと・・・・・・
感情がそうさせたのだろうがうまく言葉が浮かばない。

ただ・・・・・・・・一言だけ

「お帰り・・・・・・レイモンド。」 

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:T-20】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
205リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/27 00:01:18 ID:???
第15章 >204 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎◎◎◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎◎□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠◎◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎□□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19■■◎◎◎◎□□□◎◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎01◎▼◎◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□◎□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■■■◎◎◎◎□◎◎◎◎◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25??????????91????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????
28?????????00門門???
29??????????門????


99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番はティーチャーのコアブースター。
ZPはゼファー制御のビギナ・ギナ。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
01・07・14・15・20・ZPは同一地点。92と93はN-15の◎印。
02・03・04・05・06・08・09・10・11・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
01シュウジ 07ベルク 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
206リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/27 00:02:52 ID:???
生徒名簿 
(生存者は現行の機体。死亡者は死亡時の機体。{ }内の機体は初期支給機体)

 01番 シュウジ・アサギ         (32) 男性  ガンイージ
 死亡 シュヴァイザー・シュタイナー (44) 男性  ボリノーク・サマーン
 死亡 イブ・シュウリン          (24) 女性  Vガンダム
 死亡 ユリ・ランブ            (16) 女性  ゴトラタン
 死亡 ダグラス・ロックウード     (17) 男性  ゴトラタン {ケンプファー}
 死亡 ジェイス・カーライル       (28) 男性  ジェガン
 07番 ベルク・クロフォード       (25) 男性  ペズ・バタラ
 死亡 ヨーコ・クロサキ         (17) 女性  ガズR
 死亡 リオン・フライハイ        (15) 男性  ジオング
 死亡 アシッド・ミニングリー      (29) 男性  ギラ・ドーガ
 死亡 サーティア・クワン        (19) 女性  Vガンダム {ジム・ライトアーマー}
 死亡 サブナック・B・アンドラス    (17?)男性  ビグロ
 死亡 ショーン・コネリー        (52) 男性  ガンダム4号機 {ジャベリン}
 14番 レイモンド・デリック       (31) 男性 ジャベリン {ガンイージ}
 15番 リナルド・グレイス        (22) 男性  アビゴル
 死亡 アレン・D・バディアン     (20) 男性  ハンブラビ {ガンダム4号機}
 死亡 フィニー・ディクセン       (18) 女性  ハンブラビ(+ムサイ級戦艦)
 死亡 レニウム・アートナー      (33) 男性  ジ・O
 死亡 ラーズ・フィリー          (16) 女性  ヤクト・ドーガ(クェス機)
 20番 リファニア・ニールセン     (15) 女性  サイコガンダムMk-U
 死亡 アーネスト・マンソン  (20代後半?)男性  ガザD(+旧ザク)
 死亡 リー・ションロン          (22) 男性  ビギナ・ギナ
 死亡 スタンリー・M・イプキス     (33) 男性  クロスボーンガンダムX2
 死亡 ジョシュア・カミンスキー     (31) 男性  ガンダムMk-U(ティターンズカラー)
 死亡 ルイ・フィルセント         (22) 女性  R・ジャジャ
 死亡 シェラザード・ビンス・マクファーソン (28) 女性  キュベレイMk-U(3号機)

 00番(元ティーチャー)リーア・ミノフスキー(??) 女性  コアブースター {ドライセン}
 番外 ゼファーファントム・システム    人工知能  ビギナ・ギナ
リファニアがT-20に到達すると、そこにはレイモンドのジャベリンと、
ベルク=クロフォードのペズ・バタラの姿があった。
少し遅れて、リナルドのアビゴルと、シュウジのガンイージとビギナ・ギナも追いついてくる。
全員無事に、禁止区域に囲まれつつある檻より、抜け出す事が出来た訳だ。

……ただ、一人を除いては。

U-20へ向かって振り返り、その宙域を見つめるリファニア。
サーティアにぶつけられた言葉が、耳に残って離れなかった。
あれほどまでに他者に自分を否定された事など、無かった。
自分の存在が再び揺らぎそうになる事など、無いと思っていたが、
サーティアの言葉の刃は、あまりに鋭かった。

揺らいでは、ならない。揺らぐ事は、許されない。
そう、わかっていながらも。
リファニアは、心を埋め尽くそうとする虚無感に、
必死で抵抗しなければならない程に、追い込まれていた。

>>201
『……すまな、かった……。
 中止命令が間に合わなかった……。
 …
 …
 すまない……本当に。』

シュウジが、言葉をかけてくる。
ざわりと波立つ、リファニアの心。
怒りや憎しみではなく、哀しみに近い感情だったが。
ありとあらゆるネガティブな感情を拾い、サイコミュの戦いへの強制力が強まる。

「……ごめん、今は、黙って。」

シュウジには聴こえないくらいの小声で、そう呟いて。
リファニアは、サイコミュシステムを、停止させる。
サイコミュは、合わせ鏡。
今の自分では、ネガティブな感情が増幅されれば、それに抗いきる自信など、皆無だった。

面をあげて、モニターに映るシュウジの顔を見て返事を返そうとするが、
モニターに映るのは、"SOUND-ONLY"の文字のみだった。
それでもなお、モニターを見つめながら、言葉を返す。

「……あの時の私、向けられた銃口から逃れる事、考えてもいなかった。
 レイモンドさんやシュウジさんが攻撃を加えなかったならば、私の命はあそこでおしまい。
 だからね、謝らなくて、いいよ。ううん、謝らないで。」

ちらりと、リナルドに視線を向ける。
いつになく、険しい表情をしている、リナルド。
頭に酷くモヤがかかっているようで、彼の心を感じ取る事はできなかった。
そっと瞳を閉じて、誰に対してでもなく、あるいは、自らに語りかけるように、言葉を続ける。

「私も、謝らない。サーティアに、謝らない……。
 サーティアの事、わかったつもりになってた私を……サーティアは全力で否定した。
 そんな私には、謝る権利すらないんだなあって……思うよ。

 でもね、私は……認めない。
 認める訳には、いかないの。
 彼女にぶつけられた、言葉を。私を否定する、言葉を。

 私は前に、進もうとしているだけ。
 たとえ、償いきれない罪にまみれようとも……。
 精一杯綺麗に生きようと頑張る事の、どこがいけないの?
 失ったものを取り戻そうとする事の、どこがいけないの? 
 それを否定する事なんて、誰にだって、させやしない……。」

強がりを言うのも、正直疲れちゃったかもね……。
だからといって、歩みを止めてはいけないのが、私の、私達の置かれた立場。

止まったら、私は、二度と、笑えない。

誰も、笑いかけてはくれない。

瞼をゆっくりと開き、通信回線のつながっていなかったベルクの機体との回線を繋げて、
止まった足を進めるべく、全員に行動を告げる。

「……ここに居たって、仕方ないよね。
 向かう先は、ST-17コロニー?
 ……ST-17、コロニーか……。」

ST-17コロニー。
……因縁の、場所。
失った、場所。
そして、出遭った場所。

「……先に、向かってるよ。
 すこしだけ……ほんのすこしだけ、休みたいから。」

そう、自分の意思を告げると、サイコの進路をST-17コロニーへと向けた。
通信可能域から外れない程度の距離を保ちながら。
……人との繋がりが、折れそうな心を支えてくれそうだったから。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、リナルド、レイモンド)(0)、ベルクへの通信回線接続(-1)
      T-20→T-19→T-18へ(-2)、残1 】
【位置 : T-18 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(被害不明)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態、サイコミュカット 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤッとした感覚、虚無感に抗う 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
T-20。

到着した俺をベルクが迎えてくれた。
まだ俺には、こうして迎えてくれる仲間がいる。
その有り難みを感じつつ、少しだけ小さく笑みを返す。
…本当ならばベルクに『気にするな』とでも言いたかったが、生憎、今の俺にはその言葉を
口にするだけの余裕がなかった。

…俺のあとに続いて、リファニアのサイコガンダムがやってくるのが、レーダーで確認できた。
しかし俺は、それを自分の目で見る事ができなかった。
結果として、サーティアを殺した事。
その後ろめたい感情が、俺にそうさせていた。

本来ならそんな事を感じる必要など、全くない筈だ。
実際、ビームサーベルを突き出すその瞬間まで、俺の中に迷いや戸惑いなど欠片もなかった。
何故あそこで、俺は攻撃を止めようとしたのか。
何故リファニアに対して、こんなにも申し訳ない気持ちになるのか。

…たしかにリファニアは、サーティアを信じてはいた。
だが、それが今のこの気持ちに繋がっているとは思わない。
むしろ感じるとすれば、驚愕とか、そういう類だろう。
あの局面でサーティアを信じ続けるのは、殆ど自殺行為に等しい。
事実、Vガンダムは何の躊躇もなくサイコガンダムに攻撃を続けていたからだ。

俺の見つめるレーダーに次々と反応が現れる。
まずはどういう原理で動いているのかは知らないが、ビギナ・ギナとガンイージの2機。
そして俺の意見を容れてくれたらしい、リナルド=グレイスのアビゴル。
これで、生き残っている参加者は再び全員が集まったわけだ。

それを見計らったかのように、リファニアから通信が入った。

(……その通りだ。本来なら当然の事をした俺が謝る必要はない……筈…だ。
 なのに、何故、俺は…?)

レーダーを見つめたまま、取り留めもなく考える。
何も見出せないまま、時間だけが過ぎていく。

(続く)
通信機から、またリファニアの声が聞こえる。
相手を特定するわけではなく、淡々と話し続けるリファニア。
そしてその中のある言葉に、俺は目を見開いた。

『精一杯綺麗に生きようと頑張る事の、どこがいけないの?』

(精一杯綺麗に生きようと…頑張る事……)

そのまま、暫くピクリとも動かずにいた。


…何となく、分かった。
俺のこの、後ろめたい気持ちのわけが。

(…俺は……リファニアの生き方が、眩しいんだ。自分が殺される危険を犯して、それでも
 その相手を信じられるリファニアの…綺麗に生きようと頑張る姿が…)

リファニアは、たしかに俺と同じ戦士だ。
しかし、その根本にあるものは全く違う。

俺はあくまでも、敵は倒すという前提の元に周囲を見る。
…そこに信じるという要素は殆ど含まれない。

サーティアや、その他死んでいった参加者。
それだけではなく、元は敵だったリナルド=グレイスやシュウジ。
リファニアはそんな個々だけではなく、もっと、大きいもの…。
もしかしたら、人間そのものを信じようとしているのではないだろうか?
普通なら戦場において最も否定されるべきものを、リファニアは信じているのではないか? 

些か誇大な考えかもしれないが、あの少女が時折見せる生きる為の光は、俺にその誇大な考えすら
納得させるものがあった。

この考えを聞いたら、おそらくリファニアはそれを否定するだろう。
彼女は自分の大きさを、良くて人並みと言っているし、それはある面では事実であろうからだ。
だがリファニアが今の生き方を貫けば、きっと彼女はもっと大きな人間になれる。
多分、俺の誇大な考えが真実になるほどに。

だからこそ、俺はリファニアに生き残ってほしいと思うのだ。

(続く)
そのリファニアは、ST-17という行き先を告げて移動していく。
当然ながら、俺とベルクも行かなければならないだろう。

リナルド=グレイスが、首輪カバーを完成させるならば受け取らなければならないし、もしそう
でなくとも、俺とベルクの持つ首輪カバーを渡さなければならないからだ。
そして、俺自身が少し休みたいという欲求もないではなかった。
要塞を出てから色々な事があった。
アシッドとの戦闘。
ルイと、ア−ネストの死。
様々な交渉と、慣れない作業。
…正直、心身が休息を望んでいた。

アビゴルに再び通信を繋ぐ。
管理者側を刺激しないよう、言葉を選ぶ。

「リナルド=グレイス。先程の休戦の件だが、そうしてもらえると有り難い。
 …前世紀の戦争には、例え戦闘中であっても休戦日というものを設けて、敵味方が交流したと
 いうものもあったらしいからな。いわゆる、騎士道精神、というものだったらしいが…。

 残った時間は少ないが、だが温故知新というのも悪くはないと思うが?
 …昔、俺がいた軍も似たような気風を持っていたから、俺には違和感はないしな」

続いてベルクに声をかける。

「じゃあベルク。さっきのお前の勧め通りに、少しだけ休息しようと思う。
 敵と一緒というのは気分良くないかもしれないが、残された空域が少ないから我慢してくれ」

そう言うと、サイコガンダムを追い抜く勢いでタイヤを走らせていった。

途中でそのサイコガンダムに追い付いた。
そして、今度はその巨体を自分の目で見る事ができる。
それに多少の満足感を抱きつつ、通信を送った。

「リファニア=ニ−ルセン。機体の調子はどうだ?先程の戦闘で至近距離から撃たれて
 いたが…。飛行状態などに異常はないか?」

遠くにコロニーが見える。
そして…あのコロニーで、全ての準備を整えなければならない。
少しの休息の後で。

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダムへの回線継続(0)アビゴルに回線接続(−1)
移動ボーナスを使いT-18に移動(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:T-20→T-19→T-18】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
212シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/27 22:15:04 ID:???
>>207-208

リファニアからの返信。その間シュウジは、ヘルメットを無為で、両手で顔を覆ったまま、沈黙していた。
途中、通信が後半に入ったときに一瞬肩が僅かに動いたが、それ以外の動きは全く見せなかった。
だがそれも数分の間で、すぐに顔を上げると、通信回線を元に戻した。
そして、誰にも聞こえないぐらいに小さな声で、一人呟いた。

「強いんだな……例えそれが、強がりでも……。」
『……ここに居たって、仕方ないよね。
 向かう先は、ST-17コロニー?
 ……ST-17、コロニーか……。』
「……!」
続いて入ったリファニアからの通信に、一瞬動きが止まる。

「ST−17……。そうか。そこしかないからな……。
 そうだな……仕方がないか……。
 しかし……まぁいい。
 しかし行くならT−17の方がいいだろう。
 S−17の宇宙港は俺の所為で大破しているから……な。」
何とか平静を装ったつもりだったが、少し声が震えていた。
見ると、ここから移動するためにコントロールスティックを操作する手も震えていた。足もだ。
むしろ、全身が震えているのかも知れない。

(……恐れている……俺は恐れている……。あの場所に向かう事を……。
 出来る事ならもう行きたくない場所だったが……。
 結局、戻る事になったか……。)

ST−17コロニー。それはシュウジにとって、もっとも特別な場所だった。
すべての始まりの場所であり、
もっとも多くの時間を過ごした場所であり、
愛した者の故郷であり、
その者との別れの場所であり、
仲間との別れの場所であり、
大きな過ちを犯した場所。
そして、シュウジが今もっとも訪れたくない場所でもあった。


【行動:T-20→T-19→T-18へ移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-20】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル)対自爆装置改造済み
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右4斉射分 左4斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー) コンテナ】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に メガバズーカランチャーの改造 ST−17へ】
【同盟:???】
迎えの言葉の後、レイモンドは笑顔で居てくれた。
だが、感じるその笑顔の中に悲しみや悔しさが混ざっていることが・・・・
その笑顔は俺への精一杯の気遣いなのだろう。

>>208

(やはりあの崩壊したコロニーに向かう様だな。
 まあ、其処しかもう行く意味が無いから当然か。)

集まってからしばらくしてサイコガンダムが移動を始めると
それに続いて次々と移動を始めていた。

『じゃあベルク。さっきのお前の勧め通りに、少しだけ休息しようと思う。
 敵と一緒というのは気分良くないかもしれないが、残された空域が少ないから我慢してくれ』

そう言うとレイモンドも移動を始めた。
俺もそれに続き移動を始める。

「そうだな。空を飛びつづける鳥でさえも時には枝に止まり
 羽を休ませる。みんなも同じような状態だろう。
 今は、許される時間の限り休むといい・・・・・・
 再び、空へ飛びたてる様その羽を休められる
 いろんな思いの詰まった俺達の枝で・・・・その時間だけは・・・
 安らぎを・・・・。」

【行動:レイモンドとリファニアに通信中(-1)筆談(-0)会話(-0)
    T-20→T-19→T-18へ移動(-2)】
【残り行動値:1】
【位置:T-18】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
214艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/10/31 00:07:58 ID:???
『定期放送の時間である。

 前回の放送から今までの間に、一名の生徒の脱落が確認されている。
 出席番号11番、サーティア・クワンだ。
 諸君らには、今後もこの調子で励んで欲しい。

 今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
 『C-13』 『E-01』 『G-10』 『L-19』
 『R-07』 『T-18』 『U-02』 『Z-16』

 以上だ』

【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
215リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/31 00:08:39 ID:???
第15章 >215 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎◎◎◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎◎□□◎◎◎□◎※□◎◎■×   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠≠◎◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎×□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19×■◎◎◎◎□□□◎◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎15◎▼◎◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□◎□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■■■◎◎◎◎91◎◎◎◎◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????
28?????????00門門???
29??????????門????


99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番はティーチャーのコアブースター。
ZPはゼファー制御のビギナ・ギナ。91番は管制側所属のギラドーガ1番機。
01・07・14・20・ZPはT-18の×印。
02・03・04・05・06・08・09・10・11・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
01シュウジ 07ベルク 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
216リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/10/31 00:09:29 ID:???
……管理官の青年は、緊張していた。
反抗の疑惑を持たれた「ティーチャー」リーア・ミノフスキーが、この「ゲート」にやってくるのだ。
そして……当面、その行動を監視する任を任されたのが、この青年だった。
緊張する面々の前で、港側からの誘導に素直に従い、コアブースターが到着する。

港湾エリアに空気が満たされると同時に、青年管理官は武装兵士を連れてコアブースターに近寄った。
同時に、コアブースターのコクピットが開き、若い女性が顔を出す。

「……リーア・ミノフスキーですね?」
「ええ、そうよ。それにしても物々しい出迎えね」
「貴殿にかけられた疑惑を思えば無理もないでしょう。
 変な行動を取った時には、即座に射殺しても良いといわれています」

青年はそう言いながら、服の上から、ポケットの中にあるスイッチを確かめた。
射殺するまでもなく、このスイッチを一押しすれば、彼女の首輪は爆破される。
念のためと、上の人間から託された切り札であった。

「疑惑ねぇ……。艦長が何を報告したか知らないけど、私は別に反抗したつもりないんだけど」
三色のハロを撫でながら、その「疑惑の彼女」は柔らかな微笑みを浮かべた。
「むしろ、私としては艦長を告発したいのよね。上司への反抗の罪状で。
 上のヒトたちに申し開きして、早く管理任務に復帰したいわ。艦長の拘束命令も持って」
「あなたは、まだ『ティーチャー』を続けるつもり……だと?」
「そうよ。だから、その物騒な銃を下ろさせて、ね?」

ニッコリ微笑み、彼女はコアブースターから降り立つ。紫と黄色のハロも無言で彼女に続く。

「コアブースターには、燃料だけ補給しといて。申し開きが済んだら直ぐにレウルーラに戻るつもりだから。
 燃料補給以外はいらないわ、むしろ変なコトしたら怒る怒るわよ? ハロR、お留守番お願いね」
さも当然のように彼女は兵士たちに命令する。
コアブースターのコクピットからは、赤いハロが元気に答える。
「マカセロ! ガッテンデイ!」
「じゃあ、偉いヒトたちの所に行く前に、医務室と、情報端末のある部屋に連れてって。
 折れたアバラにちゃんとした治療して欲しいし、鎮痛剤も貰いたいし。
 今の進行状況知らないと、申し開きするにも説得力なくなっちゃうし」

銃を向けられているにも関わらず、平然としている彼女。
その様子に青年も兵士たちも、「ひょっとして本当に彼女は反抗なんてしてないのでは?」と感じていた。

「……まあいいでしょう。こちらも、急いでつれて来いとは言われてませんしね。
 ただ、監視は常に複数でさせて頂きますよ」

青年と兵士たちは、髑髏を抱えた彼女の背に銃を突きつけた形のまま、彼女を手近な医務室へと連れて行く。
半信半疑、疑心暗鬼の状態のままで。


【リーア元先生の行動:ゲート入港(−1p)、会話(0p)、医務室へ移動(−1p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(V-25→U-25→U-24)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機移動(N-15→O-15)(−2p)
           ギラドーガ2番機3番機、レウルーラ着艦(−2p)】
【位置:管制艦O-15、リーア元先生U-28(ゲート内)、ギラドーガ1番機U-24】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ2〜6番機残留 全機完全武装(通常兵装)
      メガライダーも一機保有】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、1番機帰還】
217通常の名無しさんの3倍:04/10/31 07:30:06 ID:???
ST-17コロニーで態勢を整える事に、みんなは同意してくれたようだ。
もっとも、そこ以外に適した場所がある訳でもないのだが。

リナルドが遅れている事が気になって仕方なかったが、そろそろ疲労が限界だった。
もともと、全くの健康体ではないのだ。その上に、連戦に継ぐ連戦だ。
倒れない方が不思議なのではというくらいに、ふらついていた。

>>211
レイモンドが、愛機に少なからず被害を被ったリファニアを、気遣ってくる。
彼との間に、互いに確かな信頼感が芽生えつつある事を感じて、
多くの仲間を失った喪失感が、少しだけ、癒された気がした。

「……う〜ん、推進力が低下しているけど、実はもともと損傷してて、こんなものだったの。
 殆どの戦いはそれで乗り越えてきたんだから、大丈夫だよ。推進剤の漏れもないみたいだしね。
 壊れたのは、応急修理した所が殆どみたい。
 ……ああ、リナルドがせっかく直してくれたのになあ。」

最後にはぁ、と、ため息ひとつ。
点灯している細かいチェックランプについては、レイモンドに言わなかった。
エネルギー伝達系に若干の損傷がでているらしかったが、
使用可能なメガ粒子砲の数などは、以前と殆どかわらないように思えたからだ。
……それに、それを直している時間など、すでにありはしないのだ。

>>212
シュウジの声は、かすかに震えていた。
……魂の震えは、それ以上だっただろう。
自分も何度と無く味わった悪寒を、彼のなかに感じたような気がした。

そっか……。
シュウジさんは、このコロニーで、大切な人を死なせてしまったんだよね……。
私、以前に、直接じゃないけど、その古傷を抉るような事言っちゃったんだよね……。
魂を殺しあうような戦いだけは避けなきゃいけないって、自分でそう誓っていたはずなのに。

>>213
繋がったままの通信回線から聴こえてくる、ベルクとレイモンドの遣り取り。
彼らの強い信頼感があらわれているようだった。
ベルクの言葉への感想を述べるリファニア。
からかいも含まれていたが、その声は、あまりわだかまりを感じさせない穏やかなものだった。

「……レイモンドさんもだけど、あなたたちって、詩人コンビ?
 でも、その優しい表現、キライじゃないよ。
 許される時間、そう多くは……。」

>>214
だが、そのリファニアの言葉を中断して、定期放送が入る。
"彼女"の名が呼ばれる時、リファニアは一瞬、身体を震わせてしまった。
そして、次の進入禁止区域は、他ならぬ、この場所だ。
……まるで管制側が、残った参加者達を追い立てているかのようだった。

「……そう多くは、ないけど。
 定期放送が鳴った直後だもの、休むなら、今すぐがタイミング的に良いと思う。
 私、シュウジさんの言ったとおり、T-17に向かうから。
 ……そこでちょっとだけ、休ませてもらうね。」

そう、言いかけた言葉を続けて、T-17へと機体を向かわせた。
そこは、かつて一つの決闘が行われた場所。
……その時の光景が、目の前に蘇ってくる。
アレンの最後の言葉、「この殺し合いに参加できて良かった」という言葉が再生される。

……考えてみると、けっこうとんでもない人だったのよね。
それでも、私には、私達ミョーコウのクルーにとっては……優しかったのよ。
私は、彼の何一つをも、否定しない。
彼が罪を犯したのなら、その罪は、私自身の罪。

私は、自分で犯した罪を含めて、どれだけ贖罪しなきゃいけないんだろう。
それもこれも、全ては生きていなければできやしない事。

リナルドの居る宙域を振り返る。

リナルド、早く傍に来てね。
リナルドも、贖罪しなきゃいけないんだから。
……私の傍で、私の魂を暖めてくれなきゃ、いけないんだから。
もし、途中で居なくなってしまったら、私、泣いてなんかあげないよ。
……そんな事で逃げようとしたら、私、一生許さないんだから。

再び前方へと向き直り。

T-17に進入したリファニアは、港より機体をコロニーに侵入させる。
まずは、いつ動いてもいいように、補給作業くらいは終えておいたほうがいいだろう。
ハンガーデッキに侵入し、補給チューブをサイコへと繋ぐ。
推進剤とエアが機体に満たされていくのをコックピット内で待っているうちに、急激に、眠気が襲ってきた。

……最後に眠ったのは、いつのことだったか。目覚めてから、どれだけの事が起きたのか。
おそらく、自分にとって最も長い「一日」だった事は、間違いないだろう。
そんな事を考えていと、意識がだんだんと、闇へと沈んでいった。

……おはようは、そう遠く無いよ。
だからせめて、今は何も考えないで休もうよ。
ゆっくりお休み、リファニア=ニールセン……。

【行動 : 通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、T-17へ(-1)、リナルドとの通信可能域オーバー(0)
      港へ進入(-1)、ハンガーデッキへ(-1)、補給(-1)、ダウン(0)、残0 】
【位置 : T-17 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(被害不明)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態、サイコミュカット 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にモヤッとした感覚、おやすみ…… 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
僅かな間を置いて、リファニアがサイコガンダムの状況を知らせてくる。
…聞いた限りではサイコガンダムは、致命的な傷は1つも負っていないようだ。
もう1度その機体を眺めてみる。
俺にはサイコガンダムのようなMSの事は殆ど分からないが、確かに外から見た感じでも、飛行
に極端な支障が出ているようには見えなかった。

リファニアには整備の知識はないらしいし、俺のプチモビの整備経験など、欠片の役にも立た
ないのは百も承知だ。
時間があるのなら、またリナルド=グレイスやシュウジに整備してもらうのもいいのだろうが、
あの崩壊したコロニーでは資材が揃うかどうかも微妙なところか。
…だが、別に直らなくてもいいのだ。
あと少しだけ……もう1、2回だけ戦闘ができれば、それで十分だ。
俺たちの選択が吉と出ようが凶と出ようが、このプログラムはもうすぐ終わる。

願わくばその時。
プログラムの結末を自分の目で見れるように……俺は全霊をかけてジャベリンで宇宙を駆ける。

そんな事を思いながらコンソールスティックの感触を確かめていた時、珍しく(?)リファニア
がベルクに話しかけている声が聞こえた。

(詩人、か。たしかにベルクは、そういった趣のある言葉を時々使うな…)

先程俺が書リファニアに書いて見せた詩は、俺の記憶に残っている他人のものを書いただけだ。
それとは違いベルクの言葉は、その時その場面で見た事、感じた事、それが自然と口から出てくる
ような印象を受ける。
それは、何者にも犯されていない、純白の言葉。
そしてそれは、時として物事の本質を鋭く見抜く力にもなり得る。
ベルクがプログラムに参加する前は何をやっていたのかは知らないが、俺にはベルクやリファニア
の素直な言葉が、少しだけ羨ましい。

リファニアに軽く声をかけようとした時、またも定期放送が入ってきた。
しかも御丁寧に、ここをピンポイントで指定してきた。
俺は無言でヘルメットの上から頭を掻く仕草をする。

(まあ…。わざと狙ってきていると見てしまうのも、仕方がないな)

先程の放送と違い、今度は焦る…というか、注意するような事柄も見当たらない。
既にリファニアがST-17への移動を宣言している為、得に行き先を論議する必要もない。
管理者側に追い立てられているような気分もしないではないが、そんな事を気にしていたら、奴等
への反攻なんてできはしない。
モニターに映るベルクに目で合図をして頷くと、先に行ったサイコガンダムのあとを追い掛ける
ようにコロニーの中へ入っていった。

(続く)
崩壊しているコロニーの割に、港はさほど破壊されてなく、その機能を辛うじて(?)維持して
いるようだ。
進んでいくと、先に入ったサイコガンダムが推進剤の補給をしているのが確認できる。
俺は視線を移して、ジャベリンの推進剤の残量をチェックした。

(そうだな…。ジャベリンも補給しておいた方がいいか)

要塞を出てから、戦闘、そして長距離の移動をしてきた。
小型MSだけに、戦闘行動が長引くと推進剤の消費も早い。
今後の憂いを1つでも無くす為には、ここで補給するしかないだろう。
タイヤを港に止めるとジャベリンを降ろし、サイコガンダムから少し離れたハンガーに着けた。

早速チューブをジャベリンに繋ぎ、補給を開始する。

アシッドとの戦闘で、機体の所々が歪んではいるが、運良くタンクに亀裂が入るような事にはなら
なかったらしい。
取りあえず、これで推進剤切れで漂流…などという目に遭わずに済みそうだ。

その様子を横目に見ながら、俺はデッキの壁に寄り掛かった。
これで…久し振りに、何も考える事なく休める。

《よー。おめえ、よくもまあそんなナリで生き残ってこれたなぁ?》

頭に響く久々の声。
……少し休ませてくれ(泣)

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)T-17に移動(−1)、
港のハンガーへ移動(−1)、ジャベリンに補給(−1)】
【残り行動値:1p】
【位置:T-18→T-17】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
222シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/10/31 20:55:27 ID:???
相変わらず、コロニーにはいる事を拒むように小刻みに体を震わせながら機体を操作するシュウジ。
だが、彼の意志に反し、機体は進み続ける。
さらに、定期放送という追い打ちが掛かった。

>>214

「チッ……。狙い澄ましたかのように……。」
〔意図的な物を感じずにはいられませんね。〕
「昨日の今日だからな。本当に、俺達はあいつらに信用がない。
 そろそろ……か。」
コロニーが近づいてきたので、進路を変更し、港湾部へと機体を侵入させた。
機体をハンガーに着け、港湾部を見回してみると、既にサイコMK−2とジャベリンが補給作業に入っていた。
こちらはと言うと、ビギナ・ギナの方は目立った戦闘は行っていなかったので問題なかったが、
ガンイージの方は補給が必要そうだった。
続いて、修理すべき部位はないかと二人に言おうとしたが、モニターの向こうの少女は既に眠っていた。

「やれやれ……信じすぎだぞ?とりあえず、出来る事をやっておくか。」
そう言うとコックピットハッチを開け、外に出るとビギナ・ギナにチューブを繋げた。
そして、小惑星基地から持ってきたコンテナを開く。

「あれと……あれと、あれ。よし、全部有るな。
 さて……さっさと済ませるか……。」
材料が全てある事を確認すると、早速作業に取りかかった。
疲労がないかというと、そうでもない。
ここまでずっと作業やら交渉やら作業やらで、全然休息を取った試しはなかった。
が、眠る事も出来そうになかったのだ。
眠ったら、嫌な夢を見そうだったから。
だがら、今は作業に没頭する事にした。


【行動:T-17へ移動(−2)補給作業(−1)メガバズーカランチャー改造作業(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-17 コロニー内港湾部】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル)対自爆装置改造済み
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 疲労】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右4斉射分 左4斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー) 】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に メガバズーカランチャーの改造】
【同盟:???】
223リナルド=グレイス ◆4hTS22brJs :04/10/31 21:00:43 ID:???

『……ここに居たって、仕方ないよね。
 向かう先は、ST-17コロニー?
 ……ST-17、コロニーか……』

あのコロニーへ。 再び戻る時が来たのか。
リナルドにとっての、戦いの始まりの場所へ。

(皆……覚えてる。
 俺は……、結局あそこに戻るのか)

長い苦しみと、安らぎの繰り返しが始まった場所。
彼女が、大切なものを失った場所。
……彼女の、大切なものを奪った場所。

『……先に、向かってるよ。
 すこしだけ……ほんのすこしだけ、休みたいから』

やはり、どうしても思い起こしてしまうのだろう。
リナルドにとっても、それは同じだ。 意味合いは違うにしても。
だが、既にそこしか拠点は残されていない。
切り札を隠しておくためには、コロニーに向かうしかなかった。

『リナルド=グレイス。先程の休戦の件だが、そうしてもらえると有り難い。
 …前世紀の戦争には、例え戦闘中であっても休戦日というものを設けて、敵味方が交流したと
 いうものもあったらしいからな。いわゆる、騎士道精神、というものだったらしいが…。

 残った時間は少ないが、だが温故知新というのも悪くはないと思うが?
 …昔、俺がいた軍も似たような気風を持っていたから、俺には違和感はないしな』

「ん……? ああ……、わかった。
 こちらもそれで構わない」

他の機体がエリアを去るのを見ながら、リナルドも後に続いた。
じきに懐かしい、そしてある意味では忌まわしくもあるコロニーが視界に広がる。
全機とも、T-17のハンガーに入るようだ。
アビゴルもそれに続き、サイコガンダムの隣に機体を止めると、
リナルドも先着に倣って補給を始めるべくコクピットを出た。

【行動:T-20→T-19→T-18→T-17(-3)、入港・ハンガーへ(-1)】
【位置:T-17・コロニー内・ハンガー】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・両肩、背面損傷・一部ディスプレイ不調・
      通信回線→ジャベリン、サイコ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
      ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・数箇所打撲・一部身体異常……】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx2,8、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、ノートPC、愛用眼鏡、配線修理用工具一式
      首輪カバーx6、エミュレータ(01)(03)(07)(11)(15)(20)、バッテリーx12】
【行動方針:対処は続く……】
【同盟:20番リファニア 01番シュウジ】
近づいてくる崩壊したコロニー。
否、自分で動いているのだからコロニーに近づ居ているのは俺の方だ。
どうやら極度の緊張感の開放とこれまでの疲れから感覚さえも鈍ってきたらしい。
一度目を閉じ、しばらくしてから目蓋を空ける。
一定時間、五感の一つを停止させることにより多少なりとも、
感覚の正常化を促すことが出来た。

『……レイモンドさんもだけど、あなたたちって、詩人コンビ?
 でも、その優しい表現、キライじゃないよ。
 許される時間、そう多くは……。』

>>214

レイモンドとの会話を聞いていたのか
突然リファニアが話しかけてきた。
だが、新たな定時放送が流れリファニアが言葉を止めてしまう。
この頃の放送には急かされることが多い。

『……そう多くは、ないけど。
 定期放送が鳴った直後だもの、休むなら、今すぐがタイミング的に良いと思う。
 私、シュウジさんの言ったとおり、T-17に向かうから。
 ……そこでちょっとだけ、休ませてもらうね。』

(詩人か・・・・・。
 あいつに言われたことがこんな時に出てしまうなんてな。)

まだ、俺が教会で働いていたときのシスターから言われた言葉。
あの時は・・・・・・・・・



思考を突然中断させジャベリンに繋いでいた映像から
レイモンドが目で合図を送ってきたのを確認する。
サイコガンダムが先にコロニーへ入ってから後からレイモンド、シュウジ、リナルドが
コロニー内へ入っていくのを見ながら、俺も後に続きコロニー内へ入った。

最後に俺がジャベリンの近くにペズ・バタラを止め補給を行う。
その間にコクピット内で持ってきた武装の点検をしようとバックを
探していると、ふとモニターに目をやる。
そこには、ぐっすりと眠り込んだ少女の顔が合った。

「今だけは、良い夢を彼女に・・・・・・・・・。」

【行動:レイモンドとリファニアに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    T-18→T-17へ移動(-1)補給(-1)】
【残り行動値:2】
【位置:T-17】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
《おいこら。せっかく久し振りに話しかけてやったんだから、返事くらいしろっての。
 ここまでおめえに気を使って黙ってたんだから……》

俺の返事がないとみるや、頭の中で延々と喋りはじめるあいつ。
このまま何も言わなかったら、プログラムが終わるまで喋っていそうだ。

(…いくら久し振りだからって、ホント五月蝿いぞ)
 お前だって多分分かっているだろうが……本気で俺は休みたいんだ)

面倒臭いといったふうに俺は返事を返す。
とにかく、今は静かに休ませてほしかった。

《けっ。何を言ってやがる。俺様が珍しくおめえを誉めてやろうってんだから、黙って聞け!》

(……誉める?お前が、俺を?)

意外と言えば意外な言葉に、俺は眉をひそめた。
こいつに出会ってから17年間、誉めてもらった事など記憶にない。
……いや記憶にあっても、全く嬉しくもないが。

《今言ったろ。よくもそんなボロボロの体で生き残ってこれたもんだ…ってな》

(そういう事か。…まあ…昔の勘が戻ったからな。
 それに、俺はまだ死ぬわけにはいかないんだよ)

今度は間を置かずに言葉を返す。

死にたくない。
そしてその為に戦う理由。
プログラムが始まった時から俺が考えている事。
訳も分からず連れてこられて、無理矢理プログラムに参加させられて。
これを考えない奴はあまりいないだろう。

《そうだろうな。戦っている時もおめえの中から、そんな執念みたいなもんが感じられたしな。
 その感情もそうだが、その結果もたらされる死と破壊も俺様にとっちゃ心地良いもんだ》

ただプログラムが進んで昔の自分を取り戻すにつれ、俺の中で『死にたくない』という言葉の
意味が変化してきた。
それは、ただ自分が死にたくないというのではなく、戦士として仲間の為に、そして仲間と交わ
した約束の為に、ここで死ぬわけにはいかない……というふうに。

《おめえ以外の人間も殺し合いをやってるし、まあここは、俺様が黙ってても満足できる場所
 って事だ。だからおめえがあの、MSってのに乗ってる時は話し掛けねえさ。
 下手に話し掛けて死んじまったら話にならねえしな》

(続く)
サーティアに初めて出会った時、話した事がある。
『俺は戦う理由を探している』と。
……俺は確固たる理由が欲しかった。
死にたくないという利己的なものだけでなく、プログラムを生き抜く為の力になる、確固たる理由が。

今、俺にはそれがある。
ベルクという、要塞から一緒の仲間がいる。
リファニアという、未来を見せてやりたい少女がいる。
ルイと交わした約束がある。

俺は……死ぬわけには、いかない。

(そうだな。なるべくならそうしていてくれ。
 …でなきゃ、俺もお前も損をする事になるからな)

《…俺様はおめえが死んだところで、大した損にはならないんだけどよ。まあ長年の付き合いだ。
 これからも俺様を満足させてくれるならいいさ》

ジャベリンを見上げる。
小型だけにタンクの容量も大きくはない。
推進剤の補給ももうすぐ終わるだろう。

(…俺が生きている間は……結果的にお前の期待に応える事になるんだろうな)

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)あいつと会話(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:T-17】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
227リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/11/02 00:01:48 ID:???
第15章 >226 現在 (低容量版マップ)

  .L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
13◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14◎◎◎◎◎◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎■◎99◎◎□◎□◎■◎■◎◎   ※:戦場跡
16◎◎□□◎◎◎□◎※□◎◎■◎   〓:コロニー
17◎◎■□□□□≠01◎◎□◎◎■   ▼:小惑星基地
18■◎◎□□□□◎◎□◎◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19◎■◎◎◎◎□□□◎◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20□■□◎◎□◎◎□◎▼◎◎◎□
21◎※◎□◎◎□◎◎▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎□◎□□◎□◎◎◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎◎■■■◎◎◎◎91◎◎◎◎◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25???????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26???????????????
27??????????門????
28?????????00門門???
29??????????門????


99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番はティーチャーのコアブースター。
ZPはゼファー制御のビギナ・ギナ。91番は管制側所属のギラドーガ1番機。
01・07・14・15・20・ZPはT-18の×印。
02・03・04・05・06・08・09・10・11・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
01シュウジ 07ベルク 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
チューブからの注入がストップし、推進剤の補給が終わった。

《さあ、やることやったんならとっとと殺しにいけよ》

(お前はそれでいいかもしれないが、俺はまだここでする事があるんだよ)

ジャベリンからチューブを外しながら、苦笑しつつ答える。

さて、これからどうするか。
コロニー内に入る事も考えたが、特に必要なものがあるわけでもない。
それに休むだけならここでも十分にできる。
レウルーラへの攻撃の相談も、大丈夫だろう。

コクピットに入り、カメラで周囲を確かめる。
あいつとの会話で気づかなかったが、近くにはベルクのペズ・バタラがいる。
そしてシュウジのビギナ・ギナとガンイージもここに来ている。

(シュウジは…どうやって2機いっぺんに動かしているんだ…?)

ごくごく当たり前の疑問が脳裏に浮かぶ。

(…まあいいか。まずは休む事だ。あとで聞いても遅くはないだろ)

そこまで考えると、俺はディパックを肩に担ぎコクピットから降りて、デッキの中をうろつく。
はじめに思った程、この港は破壊されていないようだ。
崩壊したのはあくまでも内部の方で、だからこそここは機能を維持しているのだろう。
もしかしたら、まだ空気の残っている所もあるかもしれない。
そう思った俺は港の施設の中への入口を探す事にした。

そしてデッキの一画に見つけた扉。
この先はどうやらエアロックらしい。
躊躇せずに中へ入る。
そして久し振りに感じる重力と、酸素。

俺はエアロックからすぐ近くにあった警備室に入ると、ディパックからタッパーを出した。

「ま、とりあえずは食欲だよな…うん」

カレーは一晩置いた方が美味しい。
たとえ冷めていても、ルイが作ったカレーだ。

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)施設内に移動(−1)
カレーを頂きます(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:T-17】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
229シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/11/02 23:05:29 ID:???
[The completion of energy transfer]

「……ひとまずはこれで良し……と。後は撃ってみないと解らないな……。」

逃げるかのように作業に没頭すること数時間。
没頭していたからか、作業は思ったよりも簡単に済んだので、
今はサイコの外部接続用コネクタに取り付き、メガバズーカーランチャーとのリンクのチェックを行っていた。
そして、その結果、持ってきたノートPCのディスプレイには接続完了との表示が映っていた。
その結果にひとまず満足したのか、ノートPCとコードを引き抜くと、サイコのメンテナンスパネルを閉じた。

「さて……どうするかな……。」
することが無くなったので、とりあえずもう一度格納庫内を見渡す。
すると、傷だらけのアビゴルと、その近くにリナルドの姿を見つけた。
しばし考え込むように腕を組むシュウジ。そして数十秒後、リナルドの方を向き、通信を入れた。

「リナルド。よければ機体の方を修理させてくれないか?
 状況が状況だったとは言え、壊したのは俺の機体が撃ち出した弾丸だしな……。
 このままじゃ後味が悪いし、俺自身、今は何か作業をしていたい気分なんだ。
 別に、断ってくれてもかまわない。俺も立場は解ってるつもりだ。
 最初はサイコの方が先に来たからそっちから済ますつもりだったんだがな……既に寝てるみたいだ。」


【行動:チェック(−1)リナルドに通信(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:T-17 コロニー内港湾部】
【機体状況:通信中(ビギ・ナギナ経由でサイコMk−2・アビゴル)対自爆装置改造済み
      機体各所にダメージ、電子機器に被害、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 疲労】
【武装:ガンイージ:頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)
     ビギナ・ギナ:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
             フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
             ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右4斉射分 左4斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット (ゼファー) 】
【行動方針:"示す" ムサイ組と道を共に】
「・・・やっぱりカレーは美味いな・・・」

1人だけの警備室で、1人だけの食事。
少なくとも、あの食堂でルイと一緒にこのカレーを作っている時は、こんな食事を取ることに
なるとは思ってもいなかった。

テーブルの上にタッパーを置き、右手でずれないように押さえながらカレーを口に運ぶ。
ルイが香辛料を控えめにしたのだろう。
辛口が大の苦手の俺だったが、そのおかげで美味しく食べることが出来た。

(この味を、あの食堂で味わえたら良かったんだがな・・・)

要塞で、ルイと馬鹿騒ぎしていたのが・・・遥か昔の事の様な感じがする。



『あー。そうや、そうや。 自己紹介遅れてすまへん、すまへん。
 アタシの名前はルイ・フィルセントや。 以後よろしゅーなっ!!』

ルイのカンサイベンでの自己紹介。
まあ、挨拶からして只者じゃなかったんだけどな・・・。

『みよ。あの、芸人の星があんなボケじゃなさけないっちゅーて泣いとるで。
 あの星を泣かしちゃあかんのや。 あの星が腹を抱えて笑い転げるほどの芸人に
 なってるって幼い頃に 誓ったのを忘れたんか!!
 忘れたとはいわせへんで!!』

・・・すまん、ルイ。
まだその、芸人の星っていうのが、俺には見えない。
一流の芸人っていうやつへの道は、まだまだ遠いらしいな。

『まさか・・・・・・まさか、プロポーズ?
 おっさんがプロポーズ。おっさんの春。おっさん、恋の季節到来!!
 あっというまに髪の毛も抜け落ちて秋になってしまいそうやけどな』

残念だが、今でも俺の老後はロマンスグレーと信じて疑っていない。
勿論生き残ればの話だが。

『………な、何故俺のボンノーパワーを知っている!俺にボンノーパワーが備わっ
 ている事を知っているのは、俺の他には誰もいない筈だ!……君は何者だ?』

『ふっふっふ。ふが三つ。 とうとうボロを出しよったな、おっさん。
 いや、ボンノーカイジンオサーン!! アタシの正体は聞かれて名乗るのもおこがましいが
 聞かれてないのに名乗るのはもっとおこがましい正義の味方。
 カメンライーダのルイルイとはアタシの事やー!!
 さー。退治されとうなかったら、ボンノーパワーで台所をとっととさがすんやな』

『な、何!お前があの、さーちんも泣いて嫌がるという抱きつき魔、カメンライー
 ダルイルイか!?くっ!……だが俺も、秘密結社ニョッカーにオサーンありと言
 われた男。そう簡単にはやられはしない!』

『…だがしかし、惜しい事に今日は近所のマドモアゼルの占いで、戦ってはいけな
 いというお告げを受けているのだ。本当に、ひじょーうに残念だが今日のところ
 は勘弁して、大人しく食堂を探してやろう!…ふっ、運のいい奴よ…』

・・・何をやってたんだか・・・(苦笑)
あの時はなんだかんだ言って、一流芸人への道を歩み始めてたんだろうか・・・?

(続く)
『おっさーん、あーたんが食堂の場所知っとるって言うとるよ。
 こっちやて。 じゃ、お先に!!
 後についた方が先についた方を奢るっちゅーことで!!』

あの時は食堂まで競走したんだっけか。
結構気持ちの良い汗がかけたんだけどな。

『通常の三倍やて。そんなの甘い甘い。アタシは通常の十倍食べる乙女のルイやでー。
 アタシのほうが倍率は高いんやー!!』

・・・どうせなら食堂で本当に十倍食べて、俺を驚かせてほしかったよ。
・・・お前自分で作ったカレー・・・1口も食べてないじゃないか。

空になったタッパーを投げ捨てる。
・・・口元が、僅かに痙攣しているのが分かる。

『しか〜し。
 次の勝負は負けへん!!
 首根っこ洗って待っとるんやな。あはははははのは〜』

次の・・・勝負か・・・。

「・・・ルイ・・・。
 その、勝負は・・・俺の勝ちだな・・・。
 俺はまだ生きていて・・・。笑って・・・怒って・・・。
 ・・・・・・泣く事が・・・できる・・・」

両の目から流れた涙。
あそこで失ったもの。失った時。
1人になってそれを実感した時、俺の涙腺はそれに耐えることができなかった。

食事にベルクを誘わないでよかった。
こんな顔、とても見せられたもんじゃない・・・。


警備室の奥に仮眠用のベッドがあった。
薄い毛布があるだけだが、そこらへんで寝るよりかはよっぽどいいだろう。
ベッドに横になり、天井を見つめる。

『アタシの答えはYESかNOが答えろっちゅーたらNOや。
 アタシは他の人を殺してまで生き延びるなんてしとうない。
 そないな事しても楽しゅうないし、御飯もきっとおいしく食べれなくなる。
 これからの人生もきっと楽しくなくなってまう。そんなん嫌や。
 誰かを殺さんといて逃げるっちゅー事やったら間違い無しにYESといえるんやけど
 そうじゃないんやったらNOや』

・・・ルイがサーティアに向かって言った言葉。
あのあと、サーティアはおかしくなった。

(ルイ。お前は自分の中に曲げられない、守りたい事があった。
 だからサーティアの案に反対した。それだけなんだろ?

 ・・・俺も今、守りたいものがある。だからこんな体でも頑張れる。
 ・・・お前が貸してくれたあのタイヤ・・・返すことは出来なくなったが・・・。
 どこかで見ていてくれるなら、ベルクや、リファニアの為に力を貸してくれ)

最後まで自分を曲げなかった1人の女性。

その女性は、言葉では言い表せない何かを、俺の中に残していた。
【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)、思い出(0)仮眠(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:T-17(警備室)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
外界の何ものをも、自分の内なる声さえも、今の彼女は感じる事はない。
ありとあらゆる感覚をシャットダウンして、ただ、傷つき疲れ切った心身が欲するままに。
夢すら見る事のない、深い眠りについていた。

―――pi――pi―――

MSの接近を示す警告音がコックピット内にこだましても、彼女は微動だにしなかった。
シュウジにより、外部からメンテナンスパネルを開かれた事による警告音が鳴って、
リファニアはようやくその音に反応し、僅かに身をよじらせた。

やがて少女は、薄目をあけた。
何もなければ、このまま延々と眠り続けていた事だろうが、今はそれが許される状況ではない。
度重なる休息と戦闘の繰り返しが、少女に戦士としての活動リズムを刻み込みつつあったのか。
戦場の空気が、彼女の覚醒を促していた。

「……ん……。」

瞼を開くと、そこは相変わらずコックピットの中だった。
戦う為のマシーンの中枢部。
寝床にはおおよそふさわしくも無いこの場所でこうも眠れてしまうのは、
マシーンの一部になりきってしまっているからだろう。
モビルスーツ、確かにキライではない。
だが、それを駆るだけの存在として、終わるつもりなど毛頭ない。

……もし、プログラムを終えてなお、生き残っていたのならば。
それからの自分は、どこに行くのだろう。
かつて住んでいたコロニーには、戻れない。あそこには、もう、パパはいない。
あの連中、戦争の生み出した亡霊どもの所にも、むろん戻るつもりはない。
おそらく戦うだけのマシーンである事を強要するであろう、奴らの所には。

モニターより機外を見る。
リナルドとシュウジが、何やら相談をしているようだ。
映像を、拡大してみる。
……ふたりとも、酷く疲れた顔をしているように見えた。

それほど長い時間眠っていた訳ではないが、自分自身の疲労感はずいぶんマシになったようだ。
どうやら、意外に自分はタフなようだ。
……そうでなければ、ここまで生き残ってくる事などできやしなかっただろうが。

「……それに、支えが、あったからね。」

ノーマルスーツの前を少し下げて、首より下げられたロザリオを手に取って眺める。
……あの艦の人々の想いが集約しているとも言える、大切なロザリオ。
それを握り締めながら、再び機外の二人へと、視線を移す。

……二人は、生き残るために必要な準備を、してくれている。
私には、ロクに手伝う事なんて出来ないけど。
せめて、戦いの時に足手まといにならないように。
……いや、人一倍働いてみせないと。

そのために今するべき事は、自分のメンテナンス。

傷口を消毒するべく、ノーマルスーツの上半身をはだけさせたリファニア。
……開きっぱなしの通信回線の映像が生きている事をふと思い出して、
赤面しながらも、特に取り乱さずに落ち着いて映像のみをOFFにした。

酷く染みる消毒薬も、かえって生きている実感を感じられて、有難かった。
傷口の消毒を済ませて、包帯を取り替え終えた時。

くぅ〜〜〜〜と、大きくお腹が鳴ってしまう。
……そういえば、長い事何も口にしていない。
喉だって、カラカラに渇いている。
ディパックを漁ると、水の入ったペットボトルと、コッペパンがあった。
ペットボトルの水をゴクゴクと半分くらい飲んで、続けてコッペパンを平らげようとしたが、
ふと、みんながまともな食事を摂っているのかが気になった。
少なくともリナルドは、まともな食事を摂ってはいない事は間違いない。

……作業を手伝えないのであれば、せめて、食料の調達くらいはできるはずだ。
このコロニーを後にしたが最後、後は戦いに赴くのみ。
それがどれだけ長引くのか。戦いを終えた後、どうなるのか。
それを考えると、ある程度の食料を確保する事は必須と言えた。

ノーマルスーツをきちんと着なおして、ディパックをもつ。
コックピットハッチを開いて、リナルド達の方へ向かって飛びながら、通信を入れた。

「ふたりとも、ご苦労さま。
 ごめんね、何も手伝えなくて。
 せめて、食料とか、調達してくるね。
 港湾施設の中なら、捜せばどこかにあると思うから。」

そのまま、手近なエアロックから、施設内へと入り込む。
エアが充分に有ることを確認すると、ヘルメットを脱いだ。

その時、リファニアの鼻腔を、なじみ深い匂いがくすぐった。
その匂いは微かでしかなかったが、腹が背につきそうなほどに空腹感に満ちていた
リファニアは、その匂いを見逃しはしない。

……このにおい。

「まさか……。」

その匂いは、すぐ近くの扉へと続いているようだ。
そこは、警備室のようだ。
くぅと鳴るお腹の音を、隠そうともせずに。
警備室の扉を開いて、中に入るリファニア。
香ばしいカレーの匂いが、よりいっそう強くなる。
どこかどこかと捜すリファニアの目に、空になったひとつのタッパーが、飛び込んできた。

「……だれか、居る?」

警備室の奥には、仮眠スペースがあるようだ。
そこに、誰かの気配を感じた。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、シュウジとリナルド(ノーマルスーツ)に通信(-2)
      施設内へ(-1)、探索(-1)、残0 】
【位置 : T-17(警備室) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(被害不明)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態、サイコミュカット 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本空、1本半分) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
最初に予定してた行動と書き込みの内容が異なったため、行動欄が実際の行動と異なってしまいました。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、シュウジとリナルド(ノーマルスーツ)に通信(-2)
      施設内へ(-1)、探索(-1)、残0 】

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、傷の処置(-1)
      シュウジとリナルド(ノーマルスーツ)に通信(-2) 、施設内へ(-1)、残0 】

に訂正いたします。スレ汚し申し訳ないです。
   カチャ カチャ

今コクピット内を満たしているのは
銃を整備する音と、鉄の匂い。
一度整備はしたがそれ以降使ったことは無いはずなのに
また、銃をいじっていた。
補給を終えるまでの時間潰しもあるだろうが
何かをしている方が気が楽なのかも知れない。
だが、そういう束の間の時間は思ったより短かった。

ペズ・バタラへの補給も終わり本格的にすることが無くなった。

(この場合、休んどくのがセオリーなんだが・・・・・・・・
 今はそういう気になれないな。)

ガチャ
整備し終わった武装を再びバックの中へしまい
外へ出るためコクピットから降りる。

周りを見渡すとメガバズーカーランチャーとサイコの間を
行き来しているシュウジの姿があった。どうやら作業中らしい。
気づけばレイモンドの姿が無い。

(何処へ行くかぐらいは言って欲しかったな。)

そして、俺も当ても無くこの場を後にした
行き付く先は、何を思ったのか崩壊したコロニーの廃墟となった町だった。
広大な宇宙に住むための人の作りし巨大な揺り篭。
それの熟れの果てを。

いろんな、思いの詰まったこの町をただ・・・・・・・・

        眺めていた。

【行動:レイモンドとリファニアに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    武装の整備(-1)移動(-1) 崩壊した町を眺める(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:T-17】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:情報の整理】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック】
俺は…夢を見ていたのだろうか。

見ていたようにも思うし、見ていないようにも思える。
見ていたとすれば、それはルイの夢だったのだろうか。
それとも、アシッドとの戦闘の夢でも見ていたのだろうか。
人は、眠りから目覚めるとそれまで見ていた夢を忘れてしまうというから、例え夢を見ていた
としても、それはもう俺には関係ない事だ。

ただ、目覚めた俺の目が涙で潤んでいたのは、目覚めのだるさのせいだけではなかったらしい。

…とにかく俺は、仮眠スペースに入ってきた少女の声で、微睡みから覚める事になった。

「君は…リファニア=ニールセン…か?」

あのサイコガンダムに乗っていた、モニター越しでしか見た事のない少女が、目の前にいた。
内心の動揺を抑えつつ、ゆっくりと起き上がる。

まだその夢の不快感、というか、悲しみは残っていたが……。
急速に覚醒していく意識が訪問者の少女にそれを悟られまいと、心に喝を入れる。

それが成功したかどうかは分からないが、俺は極力モニター越しに話していた時と同じように
リファニアに話し掛けた。

「こんな所にどうしたんだ?リファニア=ニールセン。君は、休まなくてもいいのか?」

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)仮眠の続き(−1)
     リファニアとの会話(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:T-17(警備室)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー3つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
『君は…リファニア=ニールセン…か?』

仮眠用のベッドから起き上がった人物は、レイモンド=デリックだった。
どうやら自分の不意の訪問が、彼の眠りを妨げてしまったらしい。

「……あ、レイモンド、さん?
 ごめんね。もしかして、寝ていた所を起こしちゃったのかな。」

ぺこりと頭を下げて謝ったのち、顔をあげて、レイモンドを見る。
……モニター越しではわからなかった事だが、彼の右手首が失われている事に気がついてしまった。
それだけではなく、片目は痛々しく傷ついていたし、その他にも少なからず負傷しているようだ。

一瞬、息を呑んでしまう。
自分もいい加減ボロボロだと思っていたが、彼は更に酷かった。
だが、それだけの負傷を受けてもなお、サイコミュなどのサポートも無しに、
あそこまでの戦闘をやってのけて見せるのが、レイモンドなのだ。
当たり前であるが、戦士としての懐の深さの違いを、彼に感じずにはいられない。

『こんな所にどうしたんだ?リファニア=ニールセン。君は、休まなくてもいいのか?』

続けてそう訊いてくるレイモンドは、モニター越しに話しかけてくる時の様子と
ほぼ変わらないようにも見えたが、何故かどことなく硬いように思えてしまった。
そんな彼の心を和ませるべく、柔らかく微笑みながら、少女は答える。

「……少し眠ったから、もう、大丈夫だよ。
 このプログラムに投下されてから、もうかなり時間が経つでしょ?
 戦ったり休んだりの繰り返しで、こんなリズムにも慣れちゃったみたい。

 ……ここに来たのはね、シュウジさん達、機体の整備とかで忙しそうだったけど、
 私、そういうの苦手で役に立てるとは思えなかったから。
 でも、食料を確保する事くらいはできるでしょ?
 それでね、食料探そうと港湾施設に入ったら、いい匂いがしたような気がして。
 気がついたら、導かれるままにこの部屋に来ていたの。」

カレーの匂いが、再び鼻腔をくすぐり、思わずお腹がくぅ〜〜〜と元気に鳴ってしまう。

「……いい、匂い。懐かしくなっちゃうなぁ。
 ミョーコウでね、私もカレー、作ったんだ。
 まさか他にもカレー食べてる人が居たなんて、思いもしなかったなあ。
 ……これ、レイモンドさんが作ったの?」

空腹を隠そうともせずに、遠慮無く鳴り続けるお腹と、
食べ物に釣られてふらふらとここまで来てしまった自分が、恥ずかしくてたまらない。
赤面しつつも、誤魔化すように言葉を続けた。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、レイモンドと会話(0)、残4 】
【位置 : T-17(警備室) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(被害不明)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態、サイコミュカット 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本空、1本半分) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
『……あ、レイモンド、さん?
 ごめんね。もしかして、寝ていた所を起こしちゃったのかな。』

そう頭を下げたリファニアが俺を見た瞬間、息を飲んだ。
おそらく俺の右手や、左目の怪我を見たせいだろうと思う。
静かな……お互いの呼吸の音しか聞こえないくらい静かな部屋の中で、息を飲むその音は
どうしても俺の耳に届いてしまう。
…だからといって、俺がそれを気にする事はなかった。
実際自分で見ても酷い怪我だと思うし、リファニアのような少女には、見慣れないものだった
だろうから。

いくら何でも寝起きの体勢では失礼だから、体を少し移動してベッドの縁に腰掛ける体勢になり、
再度リファニアに向き直る。
その俺にリファニアは、人なつこい笑みを浮かべて話し掛けてくる。

『……少し眠ったから、もう、大丈夫だよ。
 このプログラムに投下されてから、もうかなり時間が経つでしょ?
 戦ったり休んだりの繰り返しで、こんなリズムにも慣れちゃったみたい。』

…引き込まれそうな笑みとは今のような笑みを言うのだろう。
それは、さっきまでモニター越しに見た笑みより、何倍も魅力的に映った。
そしてそれは、俺が遥か昔に忘れてしまった笑み。
人間、リファニア=ニールセンの迸る生命の輝き。
数々の戦いを経て生と死を乗り越え、人と出会い生きる喜びを知り、人と別れ死の虚しさを
悟った、リファニア=ニールセンだけの微笑み。
その微笑みが俺に向けられた事に、正直、喜びを感じていた。
だからこそ俺の顔にも自然と笑みが浮かんだのだろう。

リファニアの話は続く。
…それによると、リファニアはシュウジ達の為に食料を探しに来たらしい。
で、たまたま俺と同じエアロックから入ってきて、俺が食べていたカレーの臭いに誘われて
ここに辿り着いたという事のようだ。

途中で腹の虫を鳴かせてしまい頬を朱に染めながら話すリファニアは、誰が見ても年相応の
少女にしか見えず、そしてそれがまた微笑ましかった。

(続く)
…しかし。

『……これ、レイモンドさんが作ったの?』

リファニアが何気なく言った言葉に、俺の表情は自分でも分かる程固くなった。
表情の変化を見られてはいけないと思い、さっと顔を俯き加減にする。

「…あ、いや…。それ…は…」

まずい事に、発した声もあからさまに固くなっていた。
だが、質問に答えないのは不自然極まりないし、何よりもリファニアに余計な心配をさせる
わけにはいかない。
とにかく別の事から話して、声を落ち着けるように努めようとした。

「…起こした事は…気に、しなくてもいい。以前軍に在籍していた頃から、スクランブルには
 慣れてる。…それに、睡眠の度合いは長さで…測るものではないからな」

そこまで話してから小さく息を吸い、呼吸を整える。
どうにも不自然な会話だ。
声が落ち着いたかどうか分からないが、このまま不自然な会話を続けるわけにはいかない。

「カレーは…」

そこで1回息を止め、一気に話しはじめる。

「カレーは、以前サーティア達といた要塞でルイが……。
 ルイ=フィルセントが作ってくれたんだ。…皆で食べようって…」

あの食堂の厨房で、喜々とした表情で包丁を振るっていたルイ。
俺の質問に嫌な素振りも見せず、笑顔で答えてくれたルイの姿が浮かんでくる。

【行動:ペズ・バタラ、サイコガンダム、アビゴルへの回線継続(0)リファニアとの会話(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:T-17(警備室)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
     装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー3つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー1つ、ディスク、トリモチ銃(40%)】
【行動方針:今は行動あるのみ、少しだけ休息を…】
【同盟:ベルク、リファニア、シュウジ(?)】
少し固さを感じさせていたレイモンドの様子が、会話を続けているうちに、柔らかくなっていく。
だが、リファニアが何気なく口にした言葉が、彼の様子を一変させた。
それを隠そうと、顔を俯け気味にするレイモンド。
しかし、リファニアは彼の表情が酷く固くなった事に気がついてしまった。
そして、彼の口から発せられる言葉も、また。

『カレーは…』

搾り出すようなレイモンドの声。
リファニアは自分の言葉が彼の様子を変えてしまった事が気になってしまい、心配そうに彼の顔を覗き込んだ。
―――そして。

『カレーは、以前サーティア達といた要塞でルイが……。
 ルイ=フィルセントが作ってくれたんだ。…皆で食べようって…』

溜め込んだ息を吐き出すようにレイモンドが口にした言葉に、リファニアは瞳を一気に見開いた。
よろよろと後ずさるリファニア。脚がベッドに当たり、そのままぺたりと座り込んでしまう。

少女の脳裏に蘇ってきた光景と、当時の感情。

シェラザードの敵を討つという目的が、あの時ルイ達に銃口を向けた大きな要因であった事は間違い無い。
だが、それだけでは無かった。
マシンガンから放たれる弾丸に乗せられた感情には、シェラの力になりたいという想いだけではなく、
そこにはルイに対する確かな殺意が混じっていたのだ。

自ら決めた道とはいえ、その手を血に染めた少女には、ルイ=フィルセントの吐く言葉は、眩しすぎた。
故に、許せなかった。言葉を吐くだけで殺し合いの連鎖から逃れられると思っている彼女の事が。
……どうしても、認められなかったのだ。
言葉を吐くだけではなく、力で示せばいい。それが出来もせずに、理想を語るだけの貴女は、許せない。
だが、リファニアと違い、ルイ=フィルセントは、果たして戦士としての訓練を受けていたのだろうか?

「……ルイ=フィルセント……かの…じょが……?」

俯きながら、掠れ気味に声を出すリファニア。
……レイモンドに、顔を向ける事ができなかった。
リファニアの存在が、ルイを殺したと言えるからだ。
ベルクに剣を向けるリファニアを止めるため、ルイは向ける事を望まぬ銃口を向け。
死に逝くシェラはそれを止めるべく、彼女を道連れにする事を選んだのだから。

……リファニアの脳裏に、嬉々としてカレーをつくる彼女の姿が、浮かんでくる。
彼女の事は殆ど知らないにも関わらず。
不思議なほどに、その姿を自然に思い浮かべられてしまう。

……そんな彼女に、銃口を向ける事を選ばせて、死へと向かわせたのは。

「前にも言ったよね……。
 ルイ=フィルセントを殺したのは……私だって。」

はっきりとした声で、それを口にして。
リファニアは面をあげて、レイモンドの姿を見据える。
……少女の瞳は、かすかに揺れていた。
「私は、殺すつもりでマシンガンの銃口を向けた。
 シェラさんを護る為だけじゃない。
 彼女に敵意が無い事なんて、解っていたのに。
 ……汚れない彼女の言葉が、面白くなかったのよ。」

腰の拳銃を、抜く。
だが、グリップに手がかかってはいない。
リファニアの右手が握っているのは、拳銃の背の部分だった。

「そんな気持ちで、シェラさんを救おうだなんて。
 きっと、罰が当たったのよ。
 でも、罰を被ったのは、私じゃなくて……シェラさんだった……。」

拳銃を見つめながら、言葉を続ける。
最初ははっきりとしていた声も、次第に震えを増していった。

「……ルイさんが生命を落としたのは、確かに私の放った銃弾が直接の原因じゃない。
 でもね。私の殺意が、彼女を追い詰めた事は事実よ。
 そして、私がベルクさんに剣を向けた事が、彼女に引き金を引かせ……。
 それを止めようようとしたシェラさんと一緒に……生命を、落とす事になってしまった……。」

自分の生命がすでに自分だけの物ではない事は承知していたが。
……それでも、裁きをレイモンドに委ねなくては、気がすまなかった。
彼の事を、仲間だと強く意識し始めていたから。
……かつての自分の罪を、曖昧にしてはおけなかったのだ。

「レイモンドさんにとって、彼女は大切な人だったんだよね……。
 その敵が目の前にいて、ニコニコ笑いながら、彼女の残した料理の事をぬけぬけと口にする……。
 レイモンドさんにとって、我慢できないよね、そんなの……。」

手にした拳銃を、レイモンドに向かって放る。
レイモンドに向けられたリファニアの瞳は、揺れていた。
 
「自分でも、馬鹿げた事やってるんだなって、思うよ……。
 でもね、私、どうやって……償えばい…いの……か…。」

……自分のやってる事が、最も愚かしい逃避だという事は、承知していた。
このような安易な道に逃げようとする自分が、情けなかった。
自分への失望感と、罪の意識が、いつのまにか少女に冷たい涙を流させていた。

【行動 : サイコの通信回線継続(シュウジ、レイモンド、ベルク)(0)、レイモンドと会話(0)
      銃を委ねる(-1)、残3 】
【位置 : T-17(警備室) 】
【機体状況 : MRX-010サイコガンダムMk-U
        表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、背面に損傷、スラスター損傷(推力70%)
        機体表面に弾痕(被害不明)、MA時バランサー異常、自爆装置改造済み、MS形態、サイコミュカット 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(処置済み)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身にピリッとした感覚 】
【武装:  胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5 、大型ヒートグレイブ
      腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン、イブのロザリオ
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本空、1本半分) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で綺麗に生きる、??? 】
【同盟 : ALL 】
243リーア先生 ◆UktGzzmQ/o
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