ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章

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233リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/20 22:39 ID:???
 *  *  *

……衝撃が収まり。
無数のMSの残骸が飛び散り、数人分の作業員だった「モノ」が浮かぶ元・格納庫。
その片隅、ビームによる大穴の対角線上に、一体のMSがあった。
ライトグリーンの塗装がなされた、ドライセン。

『ティーチャー、大丈夫ですか!?』
「……私は運良くMSに乗っていて、無事よ。何が起きたの??」
『19番がメガバズーカランチャーで攻撃してきました。
 ちなみに、その直後に19番は20番に撃破されています』
「そう……そういうことなのね。
 格納庫は酷い状況だけど、他の被害はどう?」
『居住区を中心に、エア漏れが進行しています。
 電力供給も不安定になっています。
 メインコンピューターや、管制システムには異常は出てませんが……』
「分かったわ。では被害を確認し、負傷者や死者を回収すると共に、艦に管制システムを移す作業に入って下さい。
 W-22エリアは、作業終了と共に放棄します」
『……分かりました』
「それから、19番が20番に撃破されたのは間違いないのね?」
『ええ、今回は疑問の余地はありません。事実上の自殺かもしれませんが、ね』
「では、私のこの回線を20番に繋いで。リセットチャンスの告知を行います」

 *  *  *

『はい、20番リファニア・ニールセンさん、おめでとうございま〜す。
 19番ラーズ・フィリーさんの撃破で、リセットチャンスをゲットです!

 自分の出席番号と、リセットして欲しいエリア名を、全体通信で叫んで下さい。
 その宣言を持って、希望受け付けとします。
 受け付けた後、切り換え作業のためにちょっと時間をもらいますね〜。
 では、宣言どうぞ〜〜♪』

一方的に通信を入れ、回線を切る。
……リファニアたちには見えるだろうか?
ラーズが空けた長い長いトンネル、その向こうに佇む緑のドライセンの姿を。
今はまだ手の届かない、禁止区域のむこうに見えるティーチャーの影を。


【リーア先生の行動:専用カラーのドライセンに飛び乗る(−1p)、19番の攻撃を回避(−1p)
          管制室にいる部下に通信(−1p)、20番リファニアに通信(−1p)】
【管制室の行動:損害確認作業(−2p)、負傷者・死者回収作業(−2p)、
        管制機能の移転作業(−2p)、19番の脱落状況の確認(−1p)】
【位置:W-22】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
どれだけの間蹲っていたんやろか。
ふと、顔を上げたら戦闘が始まっているようやった。
宇宙の為、音もせず派手に光が瞬いて妙に現実感が抜けてる気がした。
それを、なんとなく見つめてた。

【行動 : 見てる(1) 残り 3 】
【位置 : Q−17 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) ボーッ】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO!!】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 冗談いえたんか〜(笑)
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
>>186
 空虚な笑い声が何時までも響く。
息も途切れ途切れになるほど笑っているのは当然敗者。
この場で力及ばず敗れた者。互いの意地をぶつけ合って砕けた物。

 「アシッド!お前…もう諦めたとかふざけた事言う気じゃねえだろうな!?
  ……まだ動くだろう、そいつは!?動くなら戦えよ!俺は目の前にいるんだぞ!」

 「悪いな…。当たり所が悪かったみたいだ…。」

 交わした言葉は相手には諦めのように捉えられたかもしれない。
動かなくなった機体を目の当たりにして放心する。よくある話だ。
そこに、嘲笑混じりに軽い口調で話し掛ければ勘違いされても当然のことだろう。
だが、彼の中ではすでに相手の激昂以上に激しい物が渦巻いていた。
そこでは諦めも無ければ、形式上の敗北など頑として受け入れなどしない。
すでに次の策は出来上がった。機体が壊れた。それは正確に言えば嘘になる。
戦闘力は確実に失われているが、それは問題ではない。動きさえすればいいのだ。

 「(…まだ、動力部は生きているな)」

 決まりきった事を言うが、当然これからも自分は生き長らえる。
レイモンド=デリック。その中でここまでやってくれた貴様の名前は覚えておこう。
ただし憎しみの対象でもあり厄介な敵として、だ。間違っても好むような真似は無い。
そろそろこの戦いの最後の策を講じる準備が出来てきた。
鬱陶しいその声とも永遠のお別れだ。せいせいさせてもらう。

 浮遊物と化した機体に再び熱がこもって行く。
背面スラスターとまだ動く姿勢制御バーニアが炎を灯らせているのだ。
集中力は極限まで高まる。今この瞬間に張り詰める緊張を出さずに何をするというのか。
なにしろ先程とは違ってチンケなサブカメラで相手を見なくてはいけないのだ。
その苦労が誰に知りえる物か。恐らくは眼の前の相手も分かるまい。

 一呼吸終えたところで"鉄の塊"は再び"AMS-119 ギラ・ドーガ"へと姿を変貌させる。

 狙いを定めたままの高速での体当たり。そのまま相手を押し切るつもりの一撃。
フットペダル常にフルアクセル。呼吸が困難になってくる。肋骨に痛みが走る。
狙いは相手の破壊も兼ねているが、そんな生易しいような物は考えていない。
一番の目的はこのまま制御不能まで追い込んで…隣の禁止区域まで。
もちろん、心中する気など微塵たりとも思ってはいない。

 意識がどこまでも逆立った状態の中
歓喜とも狂気とも言えない笑い声と共に今度は逆に相手へと通信を送り込んでやる。

 「ッハッハッハッハッハ! ァッハッハッハッハッハ!!
 お前如きにやられる気もぉ…諦める気もぉ…オレは考えちゃいねぇんだよぉ!!
 ここで死ぬのはお前だけだ…レイモンド=デリック!!!!」

【行動:14番へ体当たり…というか押し切り (-1P) 14番へ通信 (-1P)】
【位置:I-09】【残り行動値:2P】
【機体状況:左腕部損失・メインモニター損失・各種細かい異常】
【武装:無し】
【所持品:自動小銃2丁 小銃3丁 それらの弾薬】
【行動方針:この戦場を生き残る】【同盟:無し】
236ベルク=クロフォード ◆TiP5As2jNc :04/05/20 23:33 ID:AgPaUaLo
眼には眼を歯には歯をビームシールドにはビームシールド。

(やはりそちらにも付いていたか。)

斬撃は同じ物の盾に防がれてしまう。

(出力が落ちてきている。ビームシールドの展開を維持しすぎたか。)

ビームシールドを停止させると同時にガンイージーの胸部から飛び出した鉄の塊を
態勢を下げて避わす、その頭上をもう一つ別の大きな何かが通りすぎていった。

(妙な武装取りつけやがって・・・・・)

途中、全体放送が流れたのだろうが気にしている余裕は無かった。

そのままガンイージーの真下に潜り込むと
ペズ・バタラの中心から光が溢れだしビームアックスが
形作られる。

(今度はこちらが死角から攻撃をする番だ。)

本体を真上に向かせビームアックスを突き出したまま
急激な加速で上昇する。

【行動:サーティアと通信中(-0)マルチランチャーとコンテナを回避(-1)
    真下からビームアックスで突撃(-1)】
【残り行動値:2】
【位置:Q-17】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つけるand死を招く者の排除】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
     15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント 】
>>210
もはや驚く気もしなくなった全体通信が入った。
01番がW21に入ることを求めている。ヨーコに振られたシュウジが誰かを撃墜したらしい。
何も大声で触れ回る必要は無いと思うのだが。それとも、あの貧乳女からそうしろとでも言われたのか。

心の何処か………ほんの一部でそう考えているシェラザードがいる。
まるで自分には全く無関係の出来事のように聞いているシェラザードがいる。

残りの全部は、シェラザードのほとんどは、扉の向こうにいる女に向けられていたから。
その赤茶色の瞳には、イブの表情を隠す艶やかな黒髪しか映っていなかった。

>>223-225
「………あなた、あたしを怒らせたいの? それとも褒めたいの?
 安い女だの女狐だの言っておいて………持ち上げるのか貶すのかどちらかにしなさいよ」

嘘をついているようには見えない。

「それに、ダグラスとの未来を『そんなもの』呼ばわりするなんて、感心しないわね。
 大切なものなら、大切にしたかったものなら、呼び方にも気をつけなさいよ。
 呼び方はね、言葉はね、そんなに簡単に使っていいものじゃないわ。
 大切なものを大切だと言いたいなら、もう少し考えて言葉を使いなさい」

騙しているようにも思えない。

「あたしを責めたいなら責めればいい。
 頼みたいことがあるなら頼めばいいわ。
 でも、責められながら頼まれても、こちらとしてはどうしようもないじゃない。
 あなた、一体何がしたいのよ。あたしに何をどうして欲しいのよ。
 みんなの未来を全部潰したこのあたしに、この期に及んで何を頼もうというのよ?」

だが、この女は何を言っているのだ。


「おかしいわよ、あなた」


どうしてイブは自分に頭を下げているのだ。
何の理由があって自分にミョーコウに戻れと頼むのだ。
何なのだ一体。何が起こっているのだ。何を考えているのだ、この女は。

「自分が何を言っているのか分かってるの?
 あたしはダグラスを殺した女なのよ?
 あなたの前でダグラスを誘惑して、彼を寝取って、その命まで奪った女なのよ?
 そのあたしに………何でそんなことが言えるのよ?」

敵意を向けられるのだと思っていた。
焼け付くように熱く、凍り付くほどに冷たい殺意を突き刺されて当然だと考えていた。
彼女は復讐者で、自分はその仇だと信じていた。
楽園は永遠に失われ、その扉は自分自身の手で封印したのだと確信していた。

それなのに。
「あたしにミョーコウに戻って欲しい?
 あなたを邪魔だと思うなら、出ていってもいい?
 何よそれは。どういうことよ。何を考えているのよあなたは。
 どうしてダグラスを殺したあたしがミョーコウに戻って、
 彼を殺されたあなたが出ていくのよ。
 おかしいわよ。変とかそう言うレベルじゃないわよ。信じろという方が無理な話だわ」

分からない。
分からない。
分からない。

「………ええ、確かにあたしはリファニアが好きよ。あのコに好かれていた自信もあるわ。
 でも、あたしが戻ってもあなたが出ていくのなら、
 結局あのコが大切な存在を失うことには変わらないんじゃない?」

自分とイブは共存できない。出来ないはずだ。
愛する男を殺された女と殺した女。
時間と空間を共に出来るはずはない。同じ場所の空気を吸えるはずがない。
ないはずなのに。

「あたしのせいでダグラスは死んだ。このあたしが彼を殺した。
 あなた、そのあたしの側にいられる?
 あたしが平気な顔をして生きていることに耐えられる?
 少なくともあたしは無理だわ。あたしはあなたの側にはいられない。
 あたしがあなたの仲間でいられるとは思えないから」

考えれば考えるほど混乱する。
考えを巡らせれば巡らせるほど、意識が迷宮の奥深くへと彷徨ってゆく。
自分なりに冷静に話しているつもりだが………自信はない。
それでも、話すことは止められない。

「あたしはあなただけの仇じゃないのよ。
 リファニアの大切な艦長さんを殺した仇でもあるのよ。
 どうしてそのあたしに戻れと言えるのよ。
 あたしは、あたしは………みんなの、あたし達のダグラスを殺したのよ。この手で、このあたしが!」

声量は何とか抑えられたが、口調は鋭くならざるを得なかった。
………いや、そうしたかったのかもしれない。何かを吐き出したかったのかもしれない。
自分でも、よく分からないが。

「大切なものなら、大切だって言いなさいよ。
 そのことを証明してみなさいよ。
 理由もなく奪われたのなら、取り返そうとするのが当然でしょう?
 傷つけられて壊されたのなら、その相手に罪を償わせようと考えて当たり前でしょう?
 なのに、どうしてあなたはそんなに落ち着いていられるのよ。
 あたしにああまで言われて、何もしようとしないのよ。
 どうしてあたしが生きていることに耐えられるのよ?」

愛が強ければ、憎しみも強くなって当然なのに。
光が強ければ影も濃くなるように、愛情が深ければ深いほど憎悪も色濃くなるのだろうに。
「そんなに簡単にあたしを許せるの?
 あたしにミョーコウを譲れるの?
 ダグラスのミョーコウを捨ててもいいというわけ?
 冗談じゃないわよ。ふざけないでよ。そんなに簡単に譲れるものを貰っても、嬉しくも何ともないわ」

自分がイブだったら、誰よりも大切なダグラスを殺された女だったら、
その仇を許すことはない。許せるはずがない。
ましてや彼のミョーコウを譲るなど、それこそ死んでも出来るはずがないし、何があってもするつもりはない。
例えそれが「間違っている」としても、何も生み出すことはないと分かっていても、必ずそうする。
そうでなければ………耐えられないから。

「………それに、あたしがリファニアを殺さないと言い切れるの?
 ダグラスを殺したあたしがあのコを傷つけることはないと信じられるの?
 あたしにあのコを、ミョーコウを任せて平気でいられるの、あなたは?」

未整理のままの言葉、整合性を保ってはいない意思の表れが、唇からこぼれ落ちる。
コントロールを失いかけたままの状態で、不可視の波がイブに、そしてシェラザード自身に打ち寄せる。

「分からないわ、イブ。あたしにはあなたが分からない………」

大渦に翻弄される小舟のように、悪を背負おうとしたはずの女が揺れている。
今まで隠し通していたはずの、自分に未来がないことを指摘されていながら、そのことには意識が及ばない。
むしろそれを自然に受け入れながら、シェラザードは小さく笑った。
それ以外の表情を浮かべることが出来なかった。

「………ねえ、本当に悔しくないの、あなた?」

どうしようもない愚問と分かっていながら、そんな言葉も出てしまった。
 
【行動:ムサイと通信継続(0)】
【位置:V20(艦艇用出入港口前宙域)】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装(ミョーコウとデータリンク設定済みだったけど)】
【機体状態:(ほぼ)完調】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×2,手投げ式フラッシュグレネード×2、シャクルズ】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:混乱】
【同盟:無し(?)】
>>222
ヤクトに迫る巨大な光剣に宿った気迫の源は、道を切り拓こうとする意志だけではなかった。
純粋に戦士としての血の滾りも、強敵を乗り越える事への喜びも、源となっていた。
サイコミュによって増幅された闘争本能。
だがそれは、リファニアの内に秘められたものが引き出されたに過ぎない。
今のリファニアは、楽しんでいた。間違いなく、この戦いを。

しかし―――。

『…まだ来ないと思っていたけれど…もう遅いみたいね。
 発作が近い…。…どうやら私の負けみたい。どうせなら…敗者は敗者らしく、
 潔く死ぬとするわ。勝者に戦利品を残して。』

なに、これ―――あきらめ―――?

突然、ヤクトの中のラーズに異変が生じた。
リファニアは、ヤクトの中のラーズ=フィリーの存在を、全身で感じていた。
故に、彼女の異変に気がついた。彼女に、抗う力が無くなりつつある事も。
リファニアは、振り下ろされんとしていた光剣を、止めようとした。
全力で抗おうとする相手だからこそ、ためらいも無く討つ事ができる。
あの時の決闘と同じように―――ある種の美しさと、憧れすら抱いたあの時の決闘のように。
戦士の輝きを、ぶつけ合う事ができる。

「駄目っ、駄目よ、ラーズ=フィリー!抗え、戦えっ!
 あなたにはそれだけの力が、あるんでしょ!?」

ヤクトは、光剣を避けようともせずに―――。
構えたメガバズーカ・ランチャーを放とうとしていた。
それがリファニアに向けて放たれようとしていない事も、解っていた。

『でも…生きた証は残させてもらうわ。
 どうせ死ぬんなら…一番腹がたつ相手に一矢報いたいもの。』

リファニアの眼前に、光が広がった。
ヤクトがラーズの生命の輝きに包まれ……それがメガバズーカランチャーより放たれた輝きと一体になって―――。
倒すべき相手、人の命を弄ぶ者達へと、放たれる。

そして、開かれたヤクトのコックピットハッチから身を投げ出す、ラーズ=フィリー。

『私に勝った以上…最後まで生き残りなさい。
 発作の本流が来る前に…霊体にならせて貰うわ。』

「勝ってない!私は勝ってないっ!やめて、やめてよっ!そんなの、認めないっ!」

リファニアの全身から、緑の光の粒子が放たれ……サイコミュの赤い光を、弾き飛ばす。
しかし、振り下ろされんとする紫の悪魔の光剣は、無情にもラーズの身を焼き尽くし……。
瞬間―――生命が砕ける感覚を、リファニアは全身で感じ取った。
しかし、そこから怨嗟の念は、何故か……殆ど感じられなかった。

直後、リファニアの異常に研ぎ澄まされた感覚が弾けると共に、光剣がその形を失い……。
リファニアの爪先から頭頂部まで、まるで電極を押し付けられたような強烈な痛みが襲う。

「はぅっ…!……ぅうっ……。」

びくんと身体をのけぞらせて後……リファニアはぐったりと動かなくなった。
サイコのデュアル・カメラが輝きを失い……紫の悪魔は、その機能を沈黙させた。

………。

………………。
ハイ・スクールの帰路の途中、青い髪の少女が、背後からリファニアの肩を叩く。
振り返ったリファニアに、青い髪の少女が嬉々とした表情で話しかける。
やれ、新しく美味しいパスタの店が出来ただの何だの……。
やれやれ、またつき合わされるのかなぁ。太りたくないんだけどなぁ。
……何でそんなに食べて太らないのかなぁ。栄養がみんなその羨ましい胸に行ってるのかな。
そんな事を考えながらも、リファニアのお腹の虫がくぅ、と鳴く。
顔を赤らめるリファニアに、笑う青い髪の少女。
二人は仲良く並び歩き、心躍らせながら、その噂のお店とやらに向かって―――。

………。

………………。

>>226-229
『……ファニア』

どれだけ時間が経っただろう。
愛しい人の、声が聴こえた気がした。

……リナ……ルド……?

『終わったな……』

おわったの……?なにが、おわったの……?

『……ごめん、何を言っていいのかわからないんだ……』

……どうしてそんなに悲しそうな声を出すの?

ゆっくりと瞳を開いて、上体を起こそうとするリファニア。
突然、全身に痺れるような痛みが走り……苦痛に顔を歪めてしまう。
それでも何とか上体を起こして、モニターに映るリナルドの顔を見る。
そして、主を失ったヤクト・ドーガの姿を見て、リファニアは何が起こったのか、瞬時に思い出した。

ヤクトの主、ラーズ=フィリーはもう居ない。
私が……殺した。その手にかけた。

不思議と、リファニアは落ち着いていた。
ラーズ=フィリーの死の間際に、怨念を感じなかった為か。
そんなリファニアとは対照的に、モニターに映るリナルドは……。

『あんまりだ……、こんなの……こんな、こと……』

その両の瞳から、涙を溢れさせていた。
リナルドの心の内は、何も感じる事は出来なかった。
感じようとすると、再び全身に痺れるような痛みが走り……リファニアは小さな悲鳴をあげた。

『……わかってるんだよ。
 君は決断したんだって。 覚悟を決めたんだって。
 わかってるんだ。
 けどさ。
 やっぱり、つらいんだよ。
 大切な女性が誰かを殺すのは、手を、穢すのは……。
 それを見るのは、知ってしまうのは、とてもつらいことなんだ!
 …………つらい、ことなんだよ……』

それでも、そんな感覚に頼らなくても……リファニアにはリナルドの心が痛い位、わかっていた。
『……ちくしょう……何でだよ……。
 俺の大切な女性の手は、どうしてこうも簡単に汚れていくんだ……!
 うぅ……ぅあ゙あ゙ぁあ゙ぁぁあ゙あ゙ぁ……』

リナルドを支えていた何かが、あっさりと、崩れた……。
崩したのは、他ならぬリファニア自身なのだ。
愛するリナルドを傷つけたのは、他ならぬ、私自身……。

「……リナルド、泣かないで……?」

そんなリナルドに、リファニアはにっこりと優しげに、微笑みかける。
その微笑みは、普段のリファニアと寸分変わらないもの。
ただ一点、その顔色が、酷く白かったという事を除いて。

「……私、へいきだよ。私、かわらないよ?私は、私だよ?
 ほら、前と同じに、笑う事、できるもの。」

リナルドに優しく語りかけた後、リファニアの表情は、次第に強固な意志を秘めたものになってゆく。
その瞳が、モニターの向こうのリナルドの瞳をしっかりと見据える。

「リナルド。私がどういう存在なのか、話したよね?
 ならばこの事だって、知ってるはずよ。
 私が、戦士の娘だという事を。
 リナルド、私は畏れない。
 たとえこの手を血に染めた責め苦を一生味わう事になろうとも……。
 それで歩みを止める事なんて、ない。

 リナルド、私から目を逸らさないで。
 しっかりと、私の瞳を見て。」

ブルーの輝きは、未だに曇らない。

「これが私よ。リファニア=ニールセン。
 私は、変わらない……何も、変わらない……。
 ただ、背負ったものが、少し重くなっただけ。
 一人では押しつぶされるかもしれないけど……。
 一緒に背負ってくれるなら、私は幾らでも前に進めるよ。

 ……だから、リナルド。
 もう、泣かないで。一緒にこの傷、癒していこう?
 前に進み続ければ……それは傷の舐め合いじゃあなくなるから。」

言葉を終えて後、仰向けに横たわるヤクト・ドーガに顔を向けて……胸に手を当てながら、心の中で言葉を紡いだ。

ラーズ=フィリーさん。許してくれなんて言わないし、そんな事を言う権利なんて、私にある筈もない。
でも、私はあなたの言った通り、最後まで生き残って……そして、夢を叶えてみせるから。
そして、青い髪の少女のうた……いつか必ず、聴かせてあげるから。
それが私に出来る……最大の償いだから。
>>210
全体通信が入って来る。

『……生徒番号01番、ティーチャー共にW-21のリセットを要求する!以上!』

01番、シュウジ=アサギ。顔も知らないリナルドの元同盟相手に、リファニアは深く感謝した。
彼が明日を見ていようと、いまいと。目的を同じにしようと、しまいと。
W-22への道は、開かれようとしているのだから。

>>233
『はい、20番リファニア・ニールセンさん、おめでとうございま〜す。
 19番ラーズ・フィリーさんの撃破で、リセットチャンスをゲットです!

 自分の出席番号と、リセットして欲しいエリア名を、全体通信で叫んで下さい。
 その宣言を持って、希望受け付けとします。
 受け付けた後、切り換え作業のためにちょっと時間をもらいますね〜。
 では、宣言どうぞ〜〜♪』

続けて、リーア=ミノフスキーからの通信。
ラーズの生命を代償として手に入れた、希望への……あるいは絶望への、チケット。
首輪に触れる、リファニア。
これを宣言したならば、爆破されるかも知れない。
それを考えると、全身に冷や汗が流れてしまうのを止められない。
瞳を閉じて、受け継いだ物を一つ一つ思い出して……。
拳を軽く握り、開き、握り、開き……最後に強く握り。
ゆっくりと瞳を開いたリファニアに、もう畏れは微塵も無かった。
全体通信のスイッチを入れ、朗々とした声で宣言する。

「出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね。」

通信回線を切って、サイコのコックピットハッチを開き、その身をリナルドのアビゴルの肩に躍らせる。
アビゴルの装甲に触れながら、リファニアはラーズの開けたトンネルの先を凝視した。
感覚を研ぎ澄ませて、その先に居るリーア=ミノフスキーの存在を感じる。
リファニアの全身を耐え難い程の苦痛が襲ってくるが……膝は、折らなかった。

【行動 : リナルドと接触通信(0)、全体通信で宣言(-2)、残2 】
【位置 : V-21(要塞内格納庫) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み、MS形態、自爆装置改造済み 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身に痺れるような痛み 】
【武装: 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
     腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
244シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/21 01:59 ID:???
>>231
こちらが放ったビームは、左腕の”何か”で弾かれたようだ。
あのようなビームを弾くことの出来るであろう物は一つ。
「……ビームシールド……?運がいい奴だな……。
 2射目……冷却開始……。」
〔マスター。全体通信です!〕
「……またか?」
『出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね。』

一瞬、呆然とする。声は以前に聞いたことのある声だ。いつ聞いたかはいまいち記憶があやふやだが……。
とにかく、これで道は開かれた。

(ははっ……ハハハハハハッ!!感謝する!感謝するぞっ!!)
「ゼファー!全速離脱!ここにはもう用はない!」
〔了解!〕
(扉は開かれた!あとは征くのみ!勝手に殺し合ってろ!)

戦闘を続ける三体を一瞥し、二体はQ−17を後にした。

【行動:s−17へ移動×2(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:s-17】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:4連装マシンキャノン(2斉射分) ビームライフル(残弾2)
    ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:w−22へ ヨーコの状況把握】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
『悪いな…。当たり所が悪かったみたいだ…。』

アシッドから返ってきた、半ば諦めに似た言葉。
それを聞いた頭の中が白く染まっていく。
考えたくなかった。
認めたくもなかった。
放浪の果てで相まみえた、全身全霊をかけて戦える相手。
…それが、こんな何でもない事で終わってしまうなど。

しかし、現実にギラ・ドーガは動いてはいない。
…それは戦いの終わりを示す、無情な静物画のように感じられた。
噛み締めた奥歯を緩めると、細く、長く息を吐き出す。
何にせよ、動けないのであれば…やはり止めは刺さなくてはならない。
動けないMSをそのままにして置いていかれるなど、パイロットとしては屈辱だろう
し、そしてそれが……バトル・ロワイヤルだからだ。

しかし、俺はもっとよく考えるべきだった。
アシッドという人間が、いくら当たり所が悪かったとはいえ、カメラを失ったくら
いで簡単に諦めるのだろうか、と。
そして、俺はもっとよく見ておくべきだった。
動かない筈のギラ・ドーガがジャベリンの方へ、突進の前傾姿勢をとろうとするのを。

それは突然にやってきた。
いきなりバーニアを全開にして突っ込んできたギラ・ドーガが、ジャベリンに体当
たりをしたのだ。

「ぐふぁ!」

不様な叫び声を上げてコクピットの中で、滅茶苦茶に揺さぶられる。
今のは…効いた。
油断していた自分に非があるとはいえ、この攻撃はジャベリンにまた何らかの傷を付
けてくれただろう。
そして衝撃で、折れた肋骨もまた痛み始めている。
この痛みが続くようだと、操縦に支障がでるかもしれない…。

ふと気が付いて外を見た。
景色が、凄い勢いで流れている。
アシッドは…ただ単に体当たりをかましたわけではないらしい。
このまま押し込まれていったら、その先にあるのは…侵入禁止区域。

(くそぅが!これを狙っていやがったか…!!)

心の中で悪態をつくが、すでに機体は制御不能なまでに押し込まれている。
このままでは、確実に、死だ。

『ッハッハッハッハッハ! ァッハッハッハッハッハ!!
 お前如きにやられる気もぉ…諦める気もぉ…オレは考えちゃいねぇんだよぉ!!
 ここで死ぬのはお前だけだ…レイモンド=デリック!!!!』

俺の心の中を読んだような通信が入ってくる。

(ジャベリンの手足は既に制御不能だ…。……どうする?どうする?このまま侵入禁
 止区域に放り込まれて自爆だなんて、孫の代まで笑われそうな死に方はできねえぞ?
 どうする…)

再び俺の目が、頭部が破壊されたギラ・ドーガを刺すように睨み付ける。
まだだ、まだ、こんな未練を残して死ねねえ。
こんな頭無くして突っ込むしか出来なくなった奴に……負けられねえ!

(続く)
「アシッド!土壇場の往生際の悪さは、お前の専売特許じゃねえんだよ!」

半ば吠えるように通信を送ると、フットペダルを叩くように踏み込む。
俺はジャベリンの唯一自由の利く場所……バーニアを全開にして押し返そうとした。
勿論これだけ勢いがついてしまうと、押し返すのは不可能に近い。
ギラ・ドーガにジャベリンの腹を押されている為に、体勢も良くない。
しかし、別に押し返さなくてもいいのだ。
ほんの少し……最低限の動きができるくらいにスピードを落とせれば…。

(勝つ!絶対に…勝つ!)

これでもかとフットペダルを踏み、穴も開かんとばかりにギラ・ドーガを睨む。

「う、ぐぅぅうぅ…!」

震動のさなか、肋骨が、そしてフットペダルを踏む左足が痛みの悲鳴をあげる。
知らず知らずのうちに、口の端から漏れる獣のようなうめき声。
しかしそれは決して、痛みによるものではなかった。
それはもしかしたら、俺がこのプログラムで初めて見せた、勝利への執念かもしれない。

その執念が乗り移ったわけでもないだろうが、ギラ・ドーガの突進が鈍り始めた。
同時に制御不能だった左腕も、じりじりと動かせるようになったらしい。
俺にとって幸いだったのは、ギラ・ドーガが体当たりをして間髪を入れずに押し始めた
為に、ジャベリンの左腕をギラ・ドーガの右腕に封じられなかった事。
俺は渾身の力でコンソールスティックを操作して、ビームサーベルを抜く。

メインカメラを破壊されたギラ・ドーガに、ジャベリンの動作が見えたかどうかは
俺には分かりようもない。
俺は、ジャベリンの自由が利くうちに、できる事をするだけだ。

「アシッド……さっき、俺の名前、呼んでくれたろ?フルネームで。……少しだけ
 だが、嬉しかったよ」

俺は左手のビームサーベルを、ギラ・ドーガの背中に振り下ろした。

【行動:ギラ・ドーガに通信回線を継続(0)ギラ・ドーガの突進をバーニアで押し
     返そうとする(−1)ギラ・ドーガにビームサーベルを振り下ろす(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:I-9】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門破損、モニター一部機能停止、右肩
       装甲破損、左肘関節ジョイントに負荷(40%)、胸部及び腹部装甲
       に凹み、一部歪み
       アインラッドに切り傷及び打撃による回転不良(軽)】
【参加者状況:左肩負傷(軽傷)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
   アインラッド 武装:ビームキャノン×2(92%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック、
      保冷シート4枚、タッパーのカレーライス4つ】
【行動方針:ギラ・ドーガの相手】
【同盟:不明?】
247イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/21 19:32 ID:???
「……貴女は、絶対にリファニアちゃんを殺さない。
 同じような過ちを何度も繰り返すような、そんな救いの無い人間ではないでしょう」

ゆっくりと顔を上げる。
モニターの中の微笑に、愁林もまた微笑で返した。

「あの時は、本当に悔しかった。
 ダグラスを寝取った貴女を、その場で撃ち殺してやりたいぐらいだった。
 でも……今は、哀しいだけ。
 貴女を恨もうとなんて思えない。だって―――貴女だって、哀しいのでしょう?」

黒い瞳の奥の光が、穏やかに揺らめいている。

「同じ悲しみを持つもの同士だとか、そんな陳腐な考えは持っていないわ。
 パートナーを亡くした私の悲しさが、貴女には絶対に分からないように……。
 誰よりも愛した男を、自分のミスで死なせてしまった貴女の辛さは、多分一生私には分からないもの。
 私はただ、リファニアちゃんには私の悲しみも貴女の辛さも味わって欲しくないだけ。
 貴女だって、あの子の笑顔が好きなのでしょう?」

そう問い掛けてから、暫しの間口をつぐむ。
まるでタイミングを図ったかのように、二つの全体放送が愁林の耳に届いた。
W-21、そしてW-22を禁止区域の指定から外すというその内容。
後者は紛う事無くリファニアの声だった。

「あの子は強い。
 私や貴女なんかより、余程強い女だと思う。
 それでも……やっぱり、あの子はまだ子供なのよ。
 だから、私たちが彼女の道を阻む茨を払ってやらないと。
 一番傍で支えるのは、リナルドの役目でしょうね。
 でも……その傍に貴女がいれば、リファニアちゃんはきっと、もっと強くなれる筈。
 あの笑顔は、きっと最後まで曇る事は無い筈よ。
 勿論私も、あの子の傍を離れるつもりは無い。
 貴女が言ってくれたように、私だってあの子からはそれなりに好かれてる筈だもの。
 ……ありがとう。その事を思い出させてくれて」

理路整然としているようで、支離滅裂としているような自分の言葉に歯痒さを覚えながら、愁林は言葉を続けた。
248イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/21 19:33 ID:???
「ダグラスのミョーコウを捨てても良いのか、と貴女は言ったわね。
 でも、ダグラスが本当に守ろうとしたのは、ミョーコウじゃなくてそこに乗っている私たちクルーでしょう。
 だから私は貴女に戻ってきて欲しい。
 リファニアちゃんの為……ダグラスの為。
 リファニアちゃんは貴女が大好きだし、ダグラスはきっと、私たちが散り散りになったり殺しあったりする姿は見たくないと思うから」

願いは一つ。それを、上手く言葉にできない自分が情けなかった。

「前に、貴女に言った事があったわね。
 『ダグラスの為に死んでもらうのはどうかしら』って。
 あの台詞、少しだけ訂正させてもらうわ」

言葉が巧く紡げないのなら、せめて気持ちを真っ直ぐ瞳に込めよう。

「シェラザード。
 ダグラスの願いとリファニアちゃんの笑顔の為に、残り少ない命を使って。
 私と一緒に、リファニアちゃんの力になりましょう」

【行動:キュべレイMk-2へ回線継続中(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:V-20、ドック内ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、
        ミョーコウ:サイコMk-2及びアビゴルとのデータリンク中】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスを忘れない、けじめを付ける、「貴いものを守りたい」、
       「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、招かれざる客・ラーズへの対応、仲間達のサポート】
【同盟:リナルド、リファニア、(シェラザード?)】
249シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/21 21:34 ID:???
>>244
【行動:s−17へ移動×2(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:s-17】

【行動:撤退行動(−2)R-17へ移動(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:R-17】
に変更します。スレ汚しすいませんでした。
250リーア先生@代理:04/05/21 21:53 ID:???
『ティーチャー、レウルーラ級バトロワ管制艦、出港準備できました』
『こちら管制室、爆破のためのセッティング、終了しました』
『管制コントロールの切り替え、準備完了です』

格納庫の中に佇む緑のドライセンの元に、次々と報告が入る。

「ご苦労さま。
 では、管制機能をレウルーラに移転。作業終了後、速やかに出港。
 そうね……ひとまず、Q-21あたりを目標に移動しなさい」
『管制室の爆破はどうするのです? それにティーチャーは?!』

部下の質問に、ティーチャーは優しい微笑みを浮かべる。

「爆破スイッチを私に回して、みなさんは先に行って下さい。
 私は、ここで『彼ら』の到着を待ちます。
 せっかくここまで頑張ったんだから、私に会える位のご褒美はあってもいいでしょう?
 そう何人もと会う時間は作れないでしょうけどね。
 彼らの目の前で管制室の爆破をしてから、みんなと合流します」
『そんな! 危険です!』
「危険は承知の上よ。もし万が一、私が合流できなかったら、運営の方はよろしくね」

 *  *  *

「……大丈夫でしょうか、彼女を信用して?」
「大丈夫だろ。『先生』の位置も首輪で把握できるし、妙な動きしたら爆破すりゃいい。
 その辺のことは彼女も十分理解してるはずさ。何もできはしないよ。
 念のため、こっちからの操作でも管制室を爆破できるようにしておこう」
「でもじゃぁ、あの人はなんであんなことを……?」
「きっとクセになってるのさ。前の大会に参加したことで。
 自分の存在をギリギリまで危険に晒す……そのスリルの虜になってるんだろ。
 あの挑発的な放送を聴いてたらわかるだろ?
 俺たちの仲間を少し巻き込んだのは許せんが、それでもこうして俺たちを逃がしてくれるしな」
「………」

 *  *  *
251リーア先生@代理:04/05/21 21:54 ID:???
それからしばらくして。
出港するレウルーラ級戦艦を、緑のドライセンが手を振って見送っていた。
紅い巨体が艦船用通路をゆっくりと抜けていくと、後には恐ろしいまでの沈黙が残される。

一人残されたリーア先生は、ふと何かを思い出したようだ。
狭いコクピットの中に浮かぶハロたちを見回し、声をかける。

「あれ……ヤバ、忘れ物しちゃった♪ 私もここには戻ってこれないのに。
 ……ねぇ、ハロV。取ってきてくれる?」

彼女が手に取ったのは、紫色のハロ。
それは高い殺傷力を示したハロB、放送に登場したお喋りなハロR・ハロYに続く、4体目のハロだった。

『……ナニトッテクル!?』
「分かるでしょう、ハロV。『大事なアレ』よ」
『……リョウカイ。ハロV、ニンムリョウカイ!』

謎めかしたリーアの言葉に、ハロVは了承の声を上げる。
コクピットハッチを開くと、無重力の空間にハロVを送り出す。

『オツカイ、ガンバリヤ〜♪ ハロV〜♪』
『ハロPノ『トモダチ』、イッテラ〜』

赤いハロRと黄色いハロYが、ひとり『おつかい』に行くハロVに見送りの声をかける。
青いハロBは黙ったままだ。

「……あれを忘れちゃ、何の意味もないものね。
 そうでしょう、キャット……?」

先生は呟きながら、膝の上に置かれた白い髑髏を撫でる。
緑のドライセンは、ただ静かに『誰か』の訪れを待っている。

【管制室の行動:出港準備(−2p)、管制室爆破セッティング(−2p)、
        管制機能の移転(−1p)、レウルーラ搭乗(−十数p)、
        レウルーラ出港(−1p)、移動(W-22→W-23→W-24→V-24→T-24)(ー3p)】
【リーア先生の行動:部下と継続通信(−0p)、通信先をレウルーラに切り替え(−1p)
          ハロVに『忘れ物を取りに行かせる』(−1p)、生徒が来るのを待つ(0p)】
【位置:先生:W-22、管制艦:T-24】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3】
【残り行動値:リーア先生:2p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
252リーア先生@代理:04/05/21 22:14 ID:???
第12章 >>251 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□□□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□□□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□□□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□■■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□□□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□□□※□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ○:侵入禁止解除準備区域
16■□◎■□◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□□□◎■■□□0701≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□■■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■■■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼15▼◎□□
22■□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎▼◎○▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼▼□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□□□◎

00番(W-22の○と同位置)はリーア先生の乗るドライセン。
CSは管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・ZPは同一地点。03・26は同一地点。07・11・25は同一地点。10・14は同一地点。15・20は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体はムサイに収容。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
V-20に乗り手不在のジムライトアーマー。V-21に乗り手不在のヤクト・ドーガ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
>>242-243
『……リナルド、泣かないで……?』

その声に、彼は未だ涙の溢れる眼を上げる。

『……私、へいきだよ。私、かわらないよ?私は、私だよ?
 ほら、前と同じに、笑う事、できるもの』

白い。
リファニアの笑顔には、血色というものが欠けていた。
いつもの笑顔なのに、それがかえって彼女の異常を明示していた。

『リナルド。私がどういう存在なのか、話したよね?
 ならばこの事だって、知ってるはずよ。
 私が、戦士の娘だという事を。
 リナルド、私は畏れない。
 たとえこの手を血に染めた責め苦を一生味わう事になろうとも……。
 それで歩みを止める事なんて、ない。

 リナルド、私から目を逸らさないで。
 しっかりと、私の瞳を見て』

戦士の娘が戦士でなくてはいけない理由など無い。
人が戦士たる存在であることに、血縁は関係無い。
そうある選択をするかどうか、それだけだ。

『これが私よ。リファニア=ニールセン。
 私は、変わらない……何も、変わらない……。
 ただ、背負ったものが、少し重くなっただけ。
 一人では押しつぶされるかもしれないけど……。
 一緒に背負ってくれるなら、私は幾らでも前に進めるよ。

 ……だから、リナルド。
 もう、泣かないで。一緒にこの傷、癒していこう?
 前に進み続ければ……それは傷の舐め合いじゃあなくなるから』

どんなに癒したって、傷は消えないさ。
現実として、あの時の痛みは、君と出会った今でも消えない。
少し……痛まなくなっただけだ。
……俺はバカだ。
どこまで行っても、君と対極の答えしか出せないなんて。
なら、この答えを、俺の確信を捨てるか?
それはできない。
俺が俺であることをやめることなんて、できるわけがない。
結局は二律背反の板挟みになるんだな……。
やれやれだ。

『出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね』

シュウジや先生の言葉に続いての宣言に、涙を止めたリナルドはふと疑問を覚えた。
――本当に、リファニアの言う通りになったのか?
   本当に、道は開かれたのか?――

リファニアがサイコから出て、アビゴルの上に降り立つ。
リナルドも、コクピットハッチを開き、彼女の隣に立って。
メガ・バズーカ・ランチャーの穿った道の向こうを見据えた。

≪続く≫
……いる。
この道の向こうに。
あの人が、いる。
それが倒すべき敵なのかどうかはさておき。
確実に、いる。

目を閉じた彼はリファニアをふわっと抱き締め、そして囁いた。

「リファニア。
 これから少し、厳しいことを言う。
 ……許してね。
 ……嫌いに、ならないでね。

 まず……。
 自分が戦士であろうとする理由を、他人に求めちゃだめだ。
 『パパの娘だから』『そういう訓練を受けたから』……それは言い訳にしかならない。
 血縁なんて関係無い。
 戦士でありたいのなら、自分はその選択をしたんだと、胸を張っていればいいのさ。
 いつ、誰が言ったのかは忘れたが……
 【自由】とは、全ての【由】を【自】に求めること……だってさ。
 それと同じなんじゃないのかな。 ……少し、違うかもしれないけど。

 それから。
 俺は俺のスタンスを変えない。
 君と一緒に歩いて行くし、やっぱり、君が誰かと戦う必要が無くなるように戦う。
 だからね、約束して欲しいんだ。
 例えサイコミュに呑まれても、絶対に……誰かを殺すことに、慣れないって。
 絶対に慣れないで欲しい。 むしろ嫌悪さえしていて欲しい。
 もし慣れてしまったら……それはもう戦士じゃない。
 そしてもし、望むようになってしまったら、それはただの殺人鬼だ。

 俺だって、散々殺した割には未だに人殺しは嫌だもの。
 必要なら戦うけど、それでも本当は人殺しなんてしたくない。
 そうあることで、その一点だけで、俺は自分が戦士であることを保っている……。
 そうやって自分の良心を痛め付けることでね。 ……情けないけどな。
 君には、俺のようにはなって欲しくない。
 君が戦士であることを望むわけではないけれど、君が戦士から堕ちていくのは見たくない。
 そうなった君を見たら、俺は……どうなるかわからない。
 第一、君の夢に人殺しの技術は要らないだろ?
 そこへの過程で求められるだけで、それすらも絶対的に求められるわけでもないし。
 ……できることなら、サイコミュだってあまり使って欲しくないんだけどね。
 さすがにそれは、そうもいかないし。

 で、長くなったけど……最後に。
 君とシュウジが解除した禁止エリアのことだ」

そこで一息吐く。
今さっきから、たった今の今まで考えを整理していた。
だから、今度はそれを言葉に変換する。
そのための、一瞬の沈黙。

――The conversion is over.

≪続く≫
「戻ってから暇を見てイブさんにも話すけど……。
 本当に、道は開かれたのかな?
 ラーズがメガ・バズーカ・ランチャーで吹っ飛ばしたんだぞ?
 管制室だって、相応に被害を被ってるはずさ。
 それも直撃だからな。 かなりの被害が出たんじゃないだろうか。
 だったら、データを纏めてどこかに移すくらいのことはやっていてもおかしくない。
 ……そうだねえ……、うん、そうだな。
 俺が指揮官――先生なら……いや、ちっぽけな下士官のひとりでもいい。
 もしそうならさ。 もしもの時の第二発令所扱いの機動戦艦を一隻や二隻は用意するように進言するね。
 連邦の艦艇で言うなら、最低でもラー・カイラム級。 アーガマやネェル・アーガマじゃだめだ。
 戦闘能力とMS運用能力、それから総積載量に優れた艦じゃないと役不足だからね。

 ……この話には何の根拠も無い。
 普通ならそうするだろうってことだけで、それを裏付けることはできない。
 けど、行動方針を決める分には役に立つと思うよ」

要塞ひとつ制圧するより、戦艦二隻を制圧する方が楽と言えば楽だしな。

さすがに、最後の部分は口に出さない。
要塞はどこに隠されたスペースがあって敵が潜んでいるかわかったものではないが、
戦艦ならスペースは限られている。 そもそも隠し部屋なんてものを作るスペースは、戦艦には存在しない。
それだけだ。 もっとも、ただそれだけの差で明暗を分けるのが物事の常だが。

「……随分顔色が悪いよ。
 そんな血の気の引いた顔で笑われたって、余計に不安を煽るだけだ。
 ラーズが遺したものを回収して、さっさと戻って、イブさんたちを見届けよう。
 それが済んだらしっかりと休もう。
 いい加減に俺も疲れたしね」

ああ、やっと言えた。

ようやく労わりの言葉を掛けると、リナルドはしっかりと微笑んだ。

……“それ”は、未だやって来ない。 まだ、来ないだけ。

【行動:抱き締めて、お話を(0)】
【位置:V-21・小惑星基地内】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・データリンク@ミョーコウ・サイコと通信中】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3.5、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC、材料
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ (01番シュウジ?)】
「今大会、MAPエリア外に到着しました。」
「ごくろう。」

・・・・・・

生徒番号19番 ラーズ=フィリーの管制室への直接攻撃。
その被害はいままで詰めていたデータの処理室への直接的な影響は何も無かった。
が、管理者は周りの部下に告げた。

「さて、宴もたけなわと言った所ですか。
 それではそろそろ本部へ帰りましょうか。
 そろそろ次回の準備も始めなくてはいけませんからね。」

そう告げて、すぐに輸送船の準備をさせる。
そして、管制室のいままであった惑星基地から南へ移動しMAP外にまででてきた。

「さて、リーア先生。
 いえ、第二回大会の優勝候補生のリーア=ミノフスキー。
 いかなる方法で運命に逆らうのか。
 みせてもらいましょう。
 そして、参考にさせてもらいますよ。」

男は不気味に呟いた。

【行動:マップ外にまで移動 (?)】
【残り行動値:∞】【位置:MAP外】
【行動方針:自分は安全な場所で観察】
>>247-248
分からない。
相変わらず、イブの言っていることは分からない。

言葉としての意味は、理解できる。だが、その内容が頭に入ってこない。
心が受け入れようとしない。鼓膜の中に入れようとしない。

唯一分かることがあるとすれば、素直に自分の中に入っていくものがあるとすれば、それは。

「……………………」

ふと、自分がミョーコウに仕掛けていた小細工を思い出す。
あれはキュベレイとミョーコウとの間に通信回線が繋がっている限り、
自動的にデータリンクを行うと同時に最終的な識別をこちらで行うようにするというものだったが。

反応は、無いわね。

つまり自分の仕掛けは露見したと言うことだ。
自然に解除される種類のものではない。つまり、誰かによって自分が仕込んだ罠は外されたと言うことだ。
では、誰がそれを発見し、解除したのだ。言うまでもない。

シェラザードはもう一度イブを見つめた。
ミョーコウに2度もタチの悪い悪戯を、腹黒い罠を仕掛けた女を前にして、
なおも瞳に穏やかな光を浮かべていられる女を見つめた。

この女は、何なのだ。
本気で自分を許すつもりなのか。
それとも、憎む価値すらないと見下しているのか。

それも分からない。

ミョーコウを出ていってもいいといいながら、リファニアの側を離れるつもりはないと言う。
自分があの男を嫌っていることを知りながら、リファニアの一番側にいるべきなのはあの男だと言う。
そして、理解できないことを言い続けながら、自分にそれを嘘やごまかしだと感じさせない。

「…………………」

何もかも混沌に飲み込まれそうになった………その時、あの声が聞こえた。
かつて苦痛と絶望に押しつぶされそうになった時、
永遠の闇と孤独をほんの少しだけ切り裂いて、温かい何かを感じさせてくれた、あの声が。

>>243
『出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね。』

それは証拠だった。あのリファニアが、可憐な少女がその手を血に染めたことを明確に示すものだった。
だが、そのことは少女の輝きを曇らせるものではない。
少なくとも、シェラザードは少女のことを悲しもうとはしなかったし、落胆することもなかった。

あなたは、進むべき道を決めたのね。
それが前を向いた覚悟が生み出したものなら、
目の前に立ち塞がる現実と障害に勇敢に立ち向かった結果によるものなら、
返り血にまみれることは美しさを損なわせるものではない。
罪を背負い、業を重ねることは、その魅力に傷を付けることはない。

汚れることで輝きを増す美しさというものは、確かに存在するのだから。

返り血の飛沫は、そのひとつひとつが勲章だ。勇気の証だ。
それだけ大切なものが存在するのだと言うことを、
そのためには何も恐れず何もためらわないという決意の表れだ。
汚れることを恐れず、傷つくことをためらわず、これと定めた目的を達成するために全力を尽くす。
それはただそれだけで美しいものだから。貴重なものだから。賞賛すべきものだから。

誰かを傷つけずに済むのなら、傷つけない方がいい。
殺さずに望みを叶えられるのなら、誰だって殺したくはないだろう。
だが、他に方法がないのなら。
取りうる手段がそれしかないのなら。
自ら進んで悪を背負い、罪を犯し、その重みに耐えてなお進もうとするその姿を、一体誰が非難できようか。
誰が哀れむことが出来るだろうか。
その少女を前にして出来ることは、ただその決意を認め、賞賛し、可能ならばその手助けをすることだけだ。

………だが、自分にそれが出来るのか。
自分がそうしようとすることを、この女は認められるのか。
認められるとしても、自分はそれを信じられるのか。

『……貴女は、絶対にリファニアちゃんを殺さない』

イブの言葉。奇妙な言葉。不思議な言葉。あり得ない言葉。
絶対。
絶対に自分はリファニアを殺さない。
それは絶対にそうなのだろうか。

かつて自分は「絶対に」考えていた。
絶対ダグラスを自分の虜にする。
絶対に最期までダグラスを生き残り、満足しきったところで彼に殺して貰う。
絶対にリファニアに側にいて貰う。
だが、その結果はどうだ? この有様だ。

なのに。

シェラザードが揺れる。その瞳に浮かぶ色が、輝きが揺れる。
何かの狭間で、境界の上で、ふらふらと揺れている。漂っている。

「………あなたは、あたしとは違うの?」

イブの「絶対」は自分の「絶対」とは違うから、そんなことが言えるのだろうか。
自分にとっては絶対に許せない、許せないことであっても、イブにとってはそうではないのか。
この世界には自分の想像を、常識を遙かに超えた何かが存在していて、
自分には理解できない事象もあって当然なのだろうか。

ダグラスを殺した自分が、もう一度ミョーコウに戻ることは出来るのだろうか。
「だったら、それを証明して頂戴」

まだ、分からない。
今までの自分を、常識を、考えを捨てきることは出来ない。
前を向かせようとしない何かを振り払うことは出来ない。

「あなたが嘘をついているとは思わないわ。
 でも、あたしはまだあなたを信じ切れない。
 あたしを受け入れられるというあなたを信じられない」

信じられないことは、やはり信じられないことでなければ覆すことは出来ない。

「だから、本当にあなたがあたしに戻って欲しいと考えるなら。
 ダグラスを殺したあたしを受け入れる覚悟があるというのなら。
 リファニアのためにあたしがどうしても必要だというのなら」

今までの常識を、「絶対」を吹き飛ばすような「非常識」で。

「例えあたしがそれを拒んでも、無理矢理にでもそうさせなさい。
 あたしがどんなに逃げても、どれほど抵抗しても、それをねじ伏せてミョーコウに連れ戻して見せなさい。
 あたしを完全に屈服させて、ねじ伏せて、あなたにそれだけの力と覚悟があることを見せつけて。
 そうでなければ、あたしはあなたを信じられないから」

口先だけの綺麗事では、信用することは出来ない。
それを実現するには、成し遂げるためには、あらゆる障害と邪魔者をはねのけてみせるという覚悟がないと。
それを裏打ちする力量がないと。
そうでなければ、恐怖と疑念には勝てないのだから。
いつ背中から撃たれるか分からないという怯えを克服することは出来ないから。
その存在を信用し、信頼することは出来ないから。

「いい、あたしは無茶を言っているわ。どうしようもない、常識はずれの、とんでもない無茶を。
 でも、それはあなたも同じよ、イブ。
 あなたはあなたの愛した男を殺した女を許そうなんて無茶を言っているのだから。
 だったら、その無茶を貫ける力があることをあたしに示して頂戴。
 そうでなければ………あたしは戻れないから」

そう言うと、シェラザードはキュベレイを飛び立たせた。
イブから逃げるため、そしてイブに追いかけて貰うため。
自分は追いかける価値がある存在だと、
何があってもミョーコウにいて貰わなければ困る存在であるということを、
イブに証明して貰うために。
そのためには手段を選ばないという覚悟を示して貰うために。
我ながら、ふざけた話よね。

まともな人間なら、自分を追おうとはしないだろう。
そのあまりに身勝手な要求に呆れ、相手にする価値もないと突き放し、
付き合ってられないと放置しておくだろう。
そんな馬鹿な女のために、貴重な時間と戦力を費やそうとはしないだろう。
リファニアとあの男と3人だけで、生き残るために必要な努力を尽くすだろう。

だが、もし、イブが自分を追ってくるのなら。
例え自分が抵抗しても、なおミョーコウに連れ戻そうとするのなら。
自分の全力を、今までのシェラザードの全てを超えられるものを持っているというのなら。

あたしは無茶と無理を言っているのよ、イブ。

キュベレイは飛ぶ。深紅の女王が虚空を駆けてゆく。
何かから逃げるように、追われるように………そして、追われることを望むように。
全力で捕まえて欲しいからこそ、全力で逃げるように。

そして逃げながら、シェラザードは翼に納めていた武器の位置を入れ替えた。
右の翼に納めていたテールランスの穂先を左の翼の中に。
左の翼に納めていたフラッシュグレネードとトライブレードを右の翼の中に。

そうしながら、キュベレイは飛翔する。無数の光に飾られた永遠の闇を切り裂いてゆく。
その先に何が待つのかは、シェラザードにも分からない。少なくとも、今はまだ。

【行動:離脱(−1)、V20→T20→T18に移動(−2)、武器入れ替え(−1)】
【位置:T18】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:(ほぼ)完調】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×2,手投げ式フラッシュグレネード×2、シャクルズ】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:試す】
【同盟:無し(?)】
>>253-255
アビゴルのコックピットハッチが開き、姿を現したリナルドが、リファニアの傍らへと跳ぶ。
感覚が広がると共に、全身を襲う苦痛。
その苦しみに必死で耐えながらも、膝を決して折らないリファニアを、リナルドは優しく抱きしめて、言葉を紡ぐ。
包み込まれながら、瞳を静かに閉じてリナルドの言葉を聞くリファニア。

彼の言葉が終わると共に、瞳を開いて……。
ヘルメット越しにリナルドの頬に触れながら、優しい笑みを浮かべながら……。
ただしその声には強固な意志をのせ……答えを返した。

「リナルドの言いたい事は、わかるよ。
 私も、血縁(そんなものは、ないんだけどね……でも、大切なのはそういう事じゃないよね)に縛られて、
 戦士たる道を歩もうとした訳じゃないよ。
 でもね、私にとって、出会いって凄く大切なものだから。
 受け継いだものも、とても大切なものなのよ。
 ……私の夢の終着点に、戦士である事は必要ない。それは私自身、そう思うよ。
 でも、そこへ向かう道のりには、やっぱり必要な事なんだなって、思う。
 だって、出来てしまうんだもん。出来るのに、やらないなんて、私は一番キライだよ。
 それが人の生命が関わってくるなら、なおさらね。」

これは、リファニアの決して譲れないスタンス。
これを否定したら、リファニアが今まで積み上げてきたものを否定する事になる。
……それは、未練であったかもしれないが、決して枷となるものではないと、リファニアは信じていた。

「……でもね、リナルド。……嬉しいよ。
 こんな私でも、嫌いにならないでくれて。
 そして、約束するよ。もう、決して、堕ちないって。
 ……リナルドに嫌われるの、イヤだからね。」

続くこの言葉だけは……少し、声が震えてしまった。
リナルドを傷つけた自分は、彼の望む自分でなくなってしまったかも知れない。
そういう恐れがリファニアの中に確かにあった。

「……ラーズさんが遺したこの機体、きっといつか必要になる。
 これをミョーコウに運び込んだら、私、リーア=ミノフスキーに会いに行くよ。
 ……彼女は、待っている。誰かがそこへたどり着くのをね。
 そして、道を拓いた私自身が……きっと会いに行かないといけないんだと思う。
 それで全てが終わるなんて、思っていないけど……それでもね。」

再び強い意志を感じさせる声で、リファニアはリナルドにそう告げて、彼から離れ、サイコのコックピットに戻る。
サイコミュの波動は、弱々しかったが……それでもリファニアの全身に再び苦痛が襲う。
……ゴメン、すこしだけ、眠っていてね。
苦痛に顔をゆがめながら、サイコミュをカットしたリファニア。
火気管制システムが正常に作動しなくなるが、今は必要無いだろう。
ラーズの遺したヤクトを優しく抱えあげると、リファニアはミョーコウへの帰路を急いだ。

【行動 : サイコミュ封印(-1)、ヤクト運搬(-1)、残0 】
【位置 : V-21(要塞内通路) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み、MS形態、自爆装置改造済み 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身に痺れるような痛み 】
【武装: 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
     腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーに会う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
262サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/05/22 02:29 ID:5Qn/M5pu
あいでぇちぇっく
『出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね』

「冗談……!」

 視界に写らずとも、レーダーには映る。
 機体を捻るようにして攻撃を回避し、機体を見据える。

 自然、全体へ通信するスイッチへと手が伸びる。

「ッっけんじゃねぇよ!
 何なのよ手前等! 自分から生きる事放棄しやがって!
 自分の命なんだと思ってやがんにょ!?」

 何故、誰もが生きるという事を理解できない訳?
 冗談じゃない。
 殺しても殺されても、生命でしょうが。

「初っ端から人生を投げ捨てておいてぇっ!」


【行動 : 全体通信(−2) ビームアックスを回避(−1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : Q17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
264イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/22 13:37 ID:???
>257-260
ホルスターから拳銃を抜く。
グリップに刻まれた言葉は、かつての持ち主より譲り受けた時から、ずっと読めないままだった。
それは今も変わらない。
その銃を、シートの上にそっと置く。
慣性が、黒髪を後ろに引っ張る。
夜の色の流れを背中に残し、愁林は駆け出した。

ナンセンス。
見る者が見ればそうだろう。
残された時間は決して多くない。
無駄にできる時間など、愁林たちには一刻たりとも残されていない。
だと言うのに、彼女は走っている。
一切の迷いとは無縁の表情でコックピットに駆け上がり、シェラザードを追いかけようとしている。

「無茶? 常識外れ? だから何」

それはシェラザードの尺度から見た判定に過ぎない。
葉愁林の尺度から見れば、こんな事は無理でも無茶でも何でもない。

「戻ってきて欲しいから追いかける。それだけの事でしょう」

コックピットハッチが閉じられる。
スクリーンや各種モニターに柔らかな光が点り、白い猟犬が目を覚ます。
西洋の猟犬は獲物を狩るために野を駆ける。
だが、東洋の猟犬は獲物を捕らえるためにこそ、その力を発揮するのだ。
言うまでも無く愁林は東洋の人間。
だとすれば、彼女に従うこの白き猟犬が、逃げゆく相手を捕らえられない理由は無い。

ミョーコウを飛び出し、ゲートのハッチの開閉操作を行なう―――開かない。
不具合が生じたか、或いは何かの仕掛けによるものか。
それを考えるのはナンセンス。今は別の手段を考えるべきだ。
視線を巡らした先に、見つけたのは小さなゲート。
小型の艦艇や、或いはMSが出入りする為に設置されたものだろう。
マニピュレーターを叩き付けるようにしてパネルを押す。
開いた扉の向こうには、真っ黒な宇宙が広がっていた。

残した拳銃は決意の証明。
シェラザードを連れ帰り、リファニアの前に立たせてやる。
ダグラスがその小さな体で精一杯守り抜こうとしたクルー達を、一人も欠かさずにもう一度艦橋に揃えてやる。
為すべき事を果たし、この場所にもう一度戻ってくるという、それは武骨な形をした誓約書だった。

白い装甲が宇宙の闇に鮮やかに映える。
その装甲よりもっと白い肌を持つ女が今、誓いを果たすべく漆黒の大海へと躍り出た。
265イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/22 13:38 ID:???
【行動:拳銃を置く(-0)、艦内移動(-1)、出撃(-1)、ハッチ操作(-1)、宇宙へ(-1)】【残り行動値:0p】
【現在位置:V-20、小惑星基地近辺の宇宙空間】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「絶対に連れ戻す」】
【同盟:リナルド、リファニア、(シェラザード?)】
266リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/22 21:17 ID:???

紫の外殻を持つ彼は、まさにそのために生まれてきた。
かつての大会で、「彼女」に支給された、小さな桃色の同胞。
桃色の彼は電子ロックに侵入・開錠する能力を持っていたが……
同じコンセプトを、さらに強力に、さらに深く追求した存在だった。

無人の管制エリアを、紫の彼は一人跳ねていく。
途中に立ちふさがる電子ロックを次々と外し、奥へ、奥へ。
それはまさに、4体のハロの中で彼にしかできない仕事だった。
彼はやがて、一つの端末の前にたどり着き。

『……IP、ヌイタルデ〜♪』

作業を、開始した。

 *  *  *

「……リーア先生の位置、動きませんね」
「そうだな。てっきり、誰もいなくなった所で何かすると思てたんだが……」
「少し、疑い過ぎてましたかね。性格に難があるのは確かですけれど……」
「ま、いまのうちに、こちらは安全な『禁止区域』に入らせてもらおう。
 部下思いの先生が、問題児たちの注意を引き付けてくれている間に」

 *  *  *

「……………」

格納庫の中、ゾックカラーのドライセンは動かない。
暗く長い穴の向こうを見据えたまま、動かない。

ただ、待ち続けている。

「ハロVが戻ってきたら……ハロY、お願いね」
「リョウカイ!」

黄色いハロが、声を上げる。
……かつて「彼女」が緑と桃色の同胞に与えた、通信機能。
緑の同胞に与えられていた、記録・再現機能。
その二つを発展させた存在が、黄色い外殻を持つ彼であった。

だがしかし、未だ彼の出番は来ていない。彼もまた、自分の時を待ち続ける。


【管制室の行動:、移動(T-24→S-23→R-22)(−2p)】
【リーア先生の行動:ハロVが管制室を移動(−1p)、
          ハロV、放棄されたメインコンピューターに侵入開始(−1p)】
【位置:先生:W-22、管制艦:R-22】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3】
【残り行動値:リーア先生:2p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
267シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/22 21:51 ID:???
「S−17か……。」

S−17のコロニーが見えてきた。ゲート部分はジェイスの自爆で醜く破壊されており、
周囲にはデブリが漂っている。ジェガンの物と思われる緑色の装甲や大型ヒートホークの残骸、
そして……模様の入った銀色の装甲……?

「……周囲に異常な数値は認められず……。
 レーダーに、異常なし……。残留熱量、関知できず……。
 …
 ゼファー。何か隠してるな……?」
〔……倫理基準1に触れるため、お話しできません。〕
「倫理基準1、管理者の命を守る……か…。
 それを聞くと、私が自殺しかねないと言うんだな?」
〔……。〕
「……ヨーコは死んだ。そうだろう?」
〔……!〕
「あの時の状況を話せ。死にはしないから……。」
〔了解。〕
〔実はあの時、ザンネックベースが破壊され、爆発したとき、
 ビギナ・ギナでホビーハイザックを爆風から逃れるため、押しました。
 そのために背部各部を損傷、左足も巻き込まれました。
 その時に、全天周モニターの端に、爆風に巻き込まれ、破壊され、誘爆するガズRが映りました。
 その時に98%以上の確率で死亡したかと……。〕

「……もういい……。お前の判断は間違っていない。あいつは敵として認識させていたからな……。
 解っていた……うすうすと……。
 おかしいと思っていた……。
 あの状況で、ガズRが同方向に飛ばされないはずがない……。
 レーダーに映らないはずがない……。
 ……再び殺しに来ないはずがない……。
 認めたくなかった……。」
〔マスター?〕
「少しの間、この機体を引っぱっておいてくれ、通信も切る。
 ……一人にしてくれ。」
〔了解しました。〕

「……誤解したまま逝きやがって……もう少し待てよな……。
 ……。
 ……。
 くそ……。」
268シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/22 21:52 ID:???
【行動:T−17へ移動×2(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-17】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:4連装マシンキャノン(2斉射分) ビームライフル(残弾2)
    ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:???】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
>>261の行動は本日分の行動です。よって行動値の消費は今回のものと合計します。

V-20のミョーコウの元へたどり着いたリファニア。
全身の痺れるような痛みは、若干マシになっていた。
それでもピリピリとした感覚は残っていたし、時折、一瞬だけ酷く痛む時もあった。

ミョーコウの傍らに鎮座するGMの横に、持ってきたヤクトを下ろす。
格納させる為にサイコを変形させると、バランサーの異常を示す警告灯が、点灯した。

「……そっか、シールド、なくなっちゃったもんね。そのせいかな。」

そこで、レーダーに映る機体反応に気がつく。
敵と識別された機体が近くに居ないので特に警告音も鳴らず、今頃になって気がついた。
イブのVガンダムが、港の外部に出て、さらに港から離れようとしている。
港のハッチは閉じられたまま……いや、脇にあるMS用の小型のハッチが開放されている。

「……シェラさんを、追ったの……?」

リファニアの心が、揺れる。
今すぐイブを追いたくもなったが……リーア=ミノフスキーはそう長くは待ってくれないだろう。

>>263
そんな時、全体通信が飛び込んでくる。
再び、新たなる犠牲者が出たのかと思ったが……。

『ッっけんじゃねぇよ!
 何なのよ手前等! 自分から生きる事放棄しやがって!
 自分の命なんだと思ってやがんにょ!?
 初っ端から人生を投げ捨てておいてぇっ!』

この声は、忘れもしない。サーティア=クワンの声だ。

……あの言葉を聞けばそうも思うよね。

実は、リファニアには狙いがあった。
聞きようによっては、このゲームに骨の髄まで染まってしまったのかとも思える言葉。
……リファニアは、わざとそんな言葉を吐いたのだ。
リーア=ミノフスキーと対峙して後、もしリファニアに生命があったのなら……
一つの賭けに、出るつもりだった。

【行動 : V-20へ(-1)、変形(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内港) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷、右肩アーマー損失、スラスター修理済み、MA形態
        MA時バランサー異常、サイコミュカット、自爆装置改造済み 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
     腕部サイコミュ式 ビームソード×1、全身メガビーム砲×多数(左脛二門破損、右肩全門破損) 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーに会う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>261
毎度のことだが、彼女の言葉には重みがある。
彼女が語る、自らのスタンス。
強固な意志に裏打ちされた、強靭なもの。
少々声が震えているような部分もあったが……それでも、彼女の意思は変わらない。
嫌われたわけでもなかった。
正直なところ、『嫌われたらどうしよう』というある種の恐怖が頭の中を駆け巡っていたので、
『嫌われるのは嫌だ』という彼女の言葉、それだけでリナルドの内心は随分落ち着いた。

(それでいい。
 スタンスを変える必要なんて無い。
 君は君のスタンスを貫いていけばいいんだ。
 そのために、どんなに俺と擦れ違っても……
 俺たちはしっかりと繋がっているだろう? だから、きっと大丈夫。

 それに、嫌いになんてならないさ。
 大切な、大好きな君を守るために、俺はいくらでも自分を傷付けられる。
 傷付いたら、君の隣で癒せばいい。
 それがファンタジーだってことは重々承知してるけど、信じてみるのも悪くない。
 君の全てを受け入れたのに、嫌いになんてなるわけないだろ?

 ……だが。
 君を一人で行かせはしないぞ。
 そうじゃなきゃ、守れないからな)

ヤクト・ドーガを運ぶべくサイコに戻る彼女を見届けてから彼もコクピットに戻り、
続いてメガ・バズーカ・ランチャーを抱え上げる。
こんなところに放置して、他の誰かに使わせるわけにもいかない。
その時。
それは、確かにやってきた。

ぴしっ。

「……?」

何かにヒビが入ったような音が聴こえた。
各種計器をチェックしてみるが、機体のどこにも異常は見当たらない。
真空状態の外から聞こえてくるはずも無い。
当然彼も不審に思ったが、空耳だろうと判断しランチャーを抱えて『ミョーコウ』への帰路を急いだ。
全体通信も入ったが……それはさして気にすることでもなかった。
叫び。 それだけだ。 別に人生や生命を投げたわけではない彼に、その言葉は届かない。
――『にょ』に関しては、少々気になったが。

……

>>264
『ミョーコウ』のあるV-20エリアに入ると、レーダーに動きが生じた。
キュベレイが後退し、ヴィクトリーがそれを追うように要塞を出て行ったようだ。

(参ったな……。
 これから先生のところに行くってのに。
 仕方ない、艦を探知されないように止めてから行くか……)

この小惑星基地にはシュウジが近付いているはずだ。
ラーズの言葉が本当だろうが嘘だろうが、彼とも戦うことになるかもしれない。
ヨーコが死んだ以上、彼の行動を予測するのは難しいわけだ。

≪続く≫
着艦すると同時に、彼は自分の警戒レベルを下げる。
長時間のリミッター解除はあまりによろしいことではない。
できるなら少しでも気を休めたい、という意識もあった。

……そして、いつも通りに襲ってくる激しい脱力感。
水を飲んで、身体を鎮めようと試みる。
普段はこれだけでも随分違うのだが……

今回は勝手そのものが違ってしまっていた。

「ぐうッ!? うあああッ!!」

痛い。
まるで、内側から微塵に切り刻まれているような、そんな痛み。

(な、何だ……これは……。
 今まで、こんなこと……無かったの……に……!)

歯を喰い縛るのはこれで何度目だろうか。
原因の想像はつくが、対処法が無い以上は、ただ痛みが過ぎ去るのを待つしかない。

(胸……?
 肋骨か内臓でも痛めたのか……?
 でも、これは……骨折の……痛み……じゃ、ない。
 何だ? この痛みは、どこから……)

……やがて、痛みが引いていく。
ようやく耐えられる程度の痛みに落ち着くと、彼はブリッジを目指した。

(これは耐えられない痛みじゃない。
 リファニアやイブさんを失う痛みに比べれば、これくらい……。
 大丈夫、我慢するのは慣れてる……。 慣れてる、はずだ)

ブリッジの扉を開ける。
そこには、シートに銀色に鈍く光る拳銃が置いてあるきりだった。
それは必ず戻ってくるという意思表示か、はたまたもう戻れないかもしれないという覚悟の表れか。
前者だ。
イブが後者のような覚悟を決めて艦を飛び出すことは考えにくい。
直感も多分に含んではいるが、リナルドは前者だと捉えることにした。

そしてコンソールを操作し、艦の機能を止めていく。
扉の開閉や生命維持など、最低限の機能を残してほぼ全てをシャットアウト。
これで、目視以外での探知はされなくなるはずだ。
溜まった熱量だって、要塞稼動や先程の破壊の熱量に紛れて探知できなくなるはず。
一息吐いて再び拳銃に目をやると、彼は痛む胸を右手で抑えてブリッジを後にした。

【行動:V-21→V-20(-1)、着艦(-1)、格納庫→ブリッジ(-1)、艦停止(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・ブリッジ】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC、材料
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ (01番シュウジ?)】
大きな光の刃は空をかすめた。

(・・・・・・不発。)

態勢を立て直し、次の攻撃を仕掛けようとした時
事態が動く全体放送が入った。

『出席番号20番、リファニア=ニールセン。リセット希望エリアは……W−22よ。
 このフィールドに居る者に、例外は許されない。これで全員が……参加者になったね』

この放送は聞こえていた。
そうずっと頭の中で考えていたW−22の場所
そこの禁止区域が解除されたからだ。

だが、それは俺達の望んだ希望なのか。

それとも新たな始まりを意味するものなのか。

(しかし、こんなことを黙って許す奴らだとは思わないな。
 何か、保険を賭けているに違いない。そう、何か・・・・・・。)

そして、その放送に対しての抗議を述べた者がいた。
――――――――――――――――サーティア=クワン

『ッっけんじゃねぇよ!
 何なのよ手前等! 自分から生きる事放棄しやがって!
 自分の命なんだと思ってやがんにょ!?』

何故か、語尾が変だったが気にしないでおこう。

『初っ端から人生を投げ捨てておいてぇっ!』

「それは、お前のただの傲慢な考えにしか過ぎない。
 人に死を与えることを選んだ者に、
 命の在り方を・・・・・・・・・とやかく言う筋合いは無い。
 ―――――――――――――――――俺も含めてな。」

(そうだ、また俺は同じ過ちを犯すところだった。
 守る為とはいえ、彼女も同じ犠牲者。敵意を向ける相手じゃない。)
 
「サーティア・・・・・・・牙を剥く相手が違うとは思わないのか?
 俺も間違っていた、俺達が戦うことが無駄だと言うことが。
 これも自分の考えでしかないが言わせてもらう。

 俺は、奴等の思いどうりに掌で踊っているのは気に食わない!
 本当に牙を向ける相手は高みで命を弄んでいる奴等ではないのか。
 サーティア、貴様はそうは思わないのか?!」 

【行動:サーティアと通信中(-0)態勢立て直し(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:Q-17】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つけるand死を招く者の排除】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
     15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント 】
273悪女@規制中により携帯から:04/05/22 23:21 ID:POSjRMVP
IDチェック
>>263
またも入った全体通信。
殺し合いも終盤になってきて、聞いて欲しいことを今のうちに言っておきたい人間が増えているのか。

何をそんなに怒っているのか知らないけれど。

だが、内容そのものは理解できないものではない。
誰でも自分が大切なはず。死ぬのは怖いはず。生きるためには何でもしようとするはずだ。
自分の生存にこだわり、死を免れるために足掻き、恥も外聞もなく命を守ろうとすることは、
間違ったことでも不自然なことでもない。それはむしろ当然のことだ。

自分を大切に出来ない人間が、他人を大切にすることは出来ないから。
生きていなければ、何も出来ないのだから。
死ぬのは、怖いことなのだから。

つまりあなたとあたしは戦わなければいけないと言うことだけど………!

その時、レーダーに反応が出た。

>>267
反応は2つ。機体識別………ホビーハイザックとビギナ・ギナ。
生徒番号01番シュウジ=アサギと、22番リー=ションロン………では無い誰かだ。
彼らはS軸方向から、つまりマップ左側から現れた。
この状況で何の目的もなくふらふら彷徨っているとは考えにくい。
ならば、その目的は、行こうとしている場所は何処だ。

たしか、W21の立入禁止指定を解除するよう言っていたわね。

何を考えているのかは知らないが、わざわざ指定した以上何らかの目的が逢ってのことだろう。
そして、立入禁止指定の解除を求めたと言うことは、すなわちそこに入り込む意思があると考えられる。

ヨーコという女に振られ、自暴自棄になって同盟相手に銃を向け、
恐らくはその哀れな犠牲者をその手にかけた男が、あの基地に向かっている。
仲間を殺した男になおも付き従う誰かを引き連れて、ミョーコウのいる場所に近づこうとしている。
彼女に接近しようとしている。

ならばどうする。
決まっている。

イブ、悪いけど、あたしはただ逃げているだけの女じゃないわ。
条件を厳しくさせて貰うことになるかもしれないけれど………恨むなとは言えないわね。

でも、止めない。止めるつもりはない。

さあ、征くわよ、あたしのキュベレイ。
シャクルズを一気に加速させ、紅の女王が数に勝る敵に一気に接近する。
左手のランチャーを右手に持ち替え、右ウイングバインダーに納めたトライブレードを手にして、
己が討つべき相手と定めた2機のモビルスーツに殺意を向ける。

モニターに映るホビーハイザックの姿があっという間に大きくなる。
揺れていた十字照準がその傷ついた姿の上に固定され、射程に捉えたことを告げる。
ターゲット・ロック。剣は抜かれ刃が輝く。さあ、力を込めて振り下ろせ。

逝きなさい!

キュベレイの右手からトライブレードが放たれ、
直後にその掌から破壊の光がホビーハイザック目がけて一直線に伸びる。
形ある刃と形のない刃。闇に沈む刃と鮮やかな輝きを放つ刃。
その両方が時間差をつけて敵を貫き、切り裂こうとした。

ビームガンの攻撃はある意味囮であり、本命はトライブレードだ。
敵がビームガンの輝きに目を奪われたところに、トライブレードが襲いかかる。
ビームだけを避けて反撃に移ろうとしても、
その時には楕円軌道を描いた質量のある破壊の具現が目の前というわけだ。

女に振られておかしくなった男なんかを、あのコに近づけるわけにはいかないわ。

キュベレイの目が輝く。深紅の身体を、身にまとう鎧を、構える武器を鮮やかに輝かせる。
戦うために生まれた女王は、高らかに鬨の声を上げていた。
 
【行動:T18→T17に移動(−1)、ホビーハイザックをビームガンとトライブレードで攻撃(−2)】
【位置:T17】【行動値残り:1】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:(ほぼ)完調】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×2、シャクルズ】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:イブを試す・ミョーコウに危険を及ぼしそうな相手は全て排除】
【同盟:無し(?)】
276リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/22 23:53 ID:???
(少しノイズの混じった定期放送が、いつもより少し早く行われる)

『え〜っと、そろそろかな?
 定期放送のお時間です。

 これをもって、『復活!! リセットチャンス・タイム!』は、終了します。
 後半戦はみんな頑張ってくれましたね〜♪
 一挙に3名、脱落です!
 では、これまでに脱落した人の名前を発表します。

 06番、ジェイス・カーライルさん。
 08番、ヨーコ・クロサキさん。
 19番、ラーズ・フィリーさん。
 以上3名です。

 3人中、1名は自滅という判断をしました。なので、2エリア分をリセットです。
 リセットする場所は、すでに全体通信で聞いているかと思います。
 最初に告げられた方はもう入れますし、後の方も、この放送終了と共に入れるようになります。

 では、次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『A-22』 『C-03』 『H-08』 『K-18』
 『L-17』 『Q-10』 『W-23』 『Y-09』
 以上、気をつけて下さい。

 では……引き続き、頑張って下さい☆』


【管制室の行動:なし(0p)】
【リーア先生の行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:先生:W-22、管制艦:T-24】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
277リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/22 23:54 ID:???
第12章 >275 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□×□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□□□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□×□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□×■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□×□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□□□※□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■
16■□◎■□◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□□□◎×■□□07□≠01□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□×■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■■■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22×□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□99□◎▼◎00▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼×□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□□□◎

00番はリーア先生の乗る緑のドライセン。99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・ZP・26は同一地点。07・11・25は同一地点。10・14は同一地点。03・15・20は同一地点。
20はムサイ級戦艦に搭乗。20の機体もムサイ級戦艦に収容。
V-20に乗り手不在のジム・ライトアーマー。V-21に乗り手不在のヤクト・ドーガ。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
278リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:25 ID:???
■業務連絡■

第13章、立てました。

ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第13章
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1085242314/l50

こちらの容量が満杯になったら移転どうぞ。
279シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/23 12:58 ID:NKpfxoR7
IDチェック
280シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/23 13:26 ID:???
漂い続ける二体。そこに、高速で接近する紅いMS。
それに初めに気が付いたのは、無論ゼファーの方だった。
シュウジはと言うと、途中入った全体放送にもたいした反応も見せず、目を瞑り続けている。
〔マスター!〕
「……。」
〔失礼します!〕

急な衝撃。ビギナ・ギナがビームを回避するためにホビーハイザックを蹴飛ばしたのだ。
同時に、トライブレードをいつの間にか右手に持ち替えていたビームサーベルで斬り飛ばす。
そして、再び持ち替えたビームライフルを紅い機体に撃ち返す。

「……痛っ……。」
〔大丈夫ですか?〕
「……舌噛んだだけだ……。
 全く……少しぐらい喪に服させてくれてもいいじゃないか……。」
〔離脱しますか?それとも、撃破しますか?〕
「……通信、繋げ。」
〔接続しました。〕

ディプレイに女の顔が映ると同時に虚ろ気な表情を少し引き締める。
「……そこの紅い機体、名簿によるとシェラザード=ビンス=マクファーソン……か。
 何の用だ?……これは愚問だな。どうせ殺しに来たんだろうが……。
 ただ無差別に殺しに来たんであれば、そこを……どけ。
 私はW−22に用がある。そこに参加者がいようが、いまいが、関係ない。
 そこで会わなくてはならない者がいる……。
 ……。
 "真の幻"を見たくなければ今すぐに、道を開けろ……これは、最後通告だ。」
281シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/23 13:29 ID:???
「(ところでゼファー……通信は切れと言ったはずだが?)」
〔(すいません。非常時に備えるためです。)〕
「(……まぁいい。さて、どう出るかな……?)」

【行動:攻撃回避&トライブレード破壊(−2)
    ビームライフルでキュベレイMK−2に攻撃(−1)キュベレイに通信(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-17】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:4連装マシンキャノン(2斉射分) ビームライフル(残弾1)
    ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:突破 そのためには-Natural-使用もやむなし】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
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