ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第14章

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1リーア先生 ◆UktGzzmQ/o

   狭まるエリア。減っていく参加者。傷の増え続ける身体とMS。
   そして、揺れる魂たち。

   終わりに向けて加速し続ける物語。
   その先に待ち受ける運命は?
   そして、最後に生き残るのは、誰?

   宇宙(そら)に、唄が響く。
   La―La――La―La――と、声無き唄声が。



  ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル

        第三回大会、第14章。

      現在 生存 9名。 死亡 17名。


   唄声が導く未来は、希望か、絶望か。  



 第三回大会の新規参加者の募集は、既に打ち切りました。

 何か気になったROMの方は、お気軽に管制室までどうぞ。
 第四回大会の開催も計画されています。

 ルール等の詳細は>>1-15くらいに。

前スレ
ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第13章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1085242314/l50

感想・議論用スレ
ガンダムバトルロワイヤル第十管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1082728780&ls=50

基本情報・人気投票
第三回ガンダムバトルロワイヤル管制室データフォルダー
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/2598/top.html

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/
2リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:06 ID:???
 @ 過去スレ @

・第一回大会 本スレ
第一章:ガンダムでバトルロワイヤルやってみよ〜
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1038/10383/1038324132.html
第二章:【生存21名】ガンダムTHEバトルロワイヤル【死亡1名】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1039/10391/1039169588.html
第三章:【知略】ガンダムバトルロワイアル第3章【陰謀】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041070641.html
第四章:【裏切り】ガンダムバトルロワイヤルpart4【信念】
ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1042612295/
終  章: ガンダムバトルロワイヤル最終戦場(諸事情によりアクシズ)
ttp://ime.nu/www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi/shar/1048332637/

・第二回大会 本スレ
第一章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会 
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1049713319/
第二章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会lt;二章gt;
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1053350734/
第三章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第三章
ttp://pc4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055663266/
第四章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1058684058/
最終章:ガンダムバトルロワイヤル第二回大会終章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063012783/l50

・第三回大会 本スレ
第一章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第一章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1069427705/l50
第二章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第二章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1071387802/l50
第三章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第三章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1073650712/l50
第四章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1074521682/l50
第五章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第五章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075739989/l50
第六章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第六章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1076854569/l50
第七章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第七章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1077892615/l50
第八章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第八章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1078844556/l50
第九章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第九章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1079965231/l50
第十章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第十章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1081145096/l50
第11章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第11章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1082392388/l50
第12章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1083939332/l50
第13章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1085242314/l50
3リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:07 ID:???
・議論、感想スレ
ガンダムバトルロワイヤル避難所
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041000462.html
ガンダムバトルロワイヤル避難所part2
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10418/1041856658.html

ガンダムバトルロワイヤル管制室(アクシズ)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1043595608&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第二管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1052406249&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第三管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1058521848&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第四管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1071500120&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第五管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1074503247&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第六管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1075186692&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第七管制室(間違えて『第六』となってますがそこはスルーで)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1076855882&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第八管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1078064089&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第九管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1079886241&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第十管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1082728780&ls=50


 @ このスレッドについて @

このスレッドでは、一人の参加者が一人の『生徒』を担当し、リレー形式で話を進めていきます。
(すでに第三回大会の新規参加者は、受付を終了しました)

参加希望者は管制室で受けつけをし、クジ引きによって『機体』と『支給武器』を決定しました。
彼らには、「宇宙世紀」という縛りの中で自由にキャラクターの設定をしてもらいました。

それぞれの人がそれぞれの登場人物を受け持ち、その行動方針から行動の結果まで、全て決定します。
常識を外れた過剰な行動を防ぐために、『行動値』や『移動』などのルールが設定され、
また、千日手防止や偶然性の演出などのために、『ID判定』のルールが用意されています。

しかし、それでも参加者の自由度はかなり高いものです。
参加者も読者も、くれぐれも節度を持ってこのスレを楽しむようにして下さい。
4リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:08 ID:???
 @ 行動値ルール関係 @
このスレでは『行動値』というものが設定されています。描写と共に、これを消費しつつ行動を行います。
一人の人間が行動できるのは、現実時間の一日ごとに4P分だけです。

行動値がリセットされるは、現実時間の午前0時です。
行動値が必要な行動としては、
『移動』『探索』『整備』『戦闘行動』『通信』『変形(可変MSの場合)』などが代表的です。
行動値が要求されるのは大きな行動のみで、ちょっとした動作などには必要ありません。
会話も、『通信開きっぱなし』『接触回線での会話』『生身での会話』なら行動値無用です。
ただし、劇中で時たま使われる『全体通信』のみ行動値を2点消費します。注意してください。

尚、行動の描写の後には、位置、所持武器、行動方針、同盟相手等を明記して下さい。
観客の理解や、参加者間の認識の食い違い防止に、大きな助けになります。


 @ 戦闘 @
このスレの戦闘では、最も重要なルールがあります。
それは 『攻撃の結果は、攻撃側の描写を受けて防御側が決定する』 ということです。
撃破されたか、腕が吹き飛んだが、かすったか、シールドで防いだかなど、防御側に決定権があります。
 『先行破壊』は厳禁です!
回避の術のないゼロ距離射撃なども『先行破壊』と見なされることがあるので、注意しましょう。

戦闘時の行動については、
『ビームライフルで攻撃』『ミサイル一斉射撃』『回避』などがそれぞれ行動値1点分の行動になります。
攻撃の際は、攻撃目標を明記するようにしてください。
撤退については、まず戦闘地帯からの『撤退』で行動値1点分になります。
これは同一エリア内での移動なので、隣のエリアに移動する際にはさらに行動値が必要です。

目安として、1点分の行動値の攻撃を防御・回避するのに、1点の行動値を必要とします。
防御を省みずダメージを受けるままにすれば、行動値を使う必要はありません。

ルールとしての縛りは最低限にし、機体や乗り手の優劣は書き手の裁量に任せています。
くれぐれも節度を守っていきましょう。
5リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:09 ID:???
 @ 特殊ルール『達成値』(通称ID判定) @
『達成値』とは、そのカキコで取った行動の成功・失敗をIDで決めるルールです。

このルールは当事者双方の合意があった場合にのみ、使用します。
特に戦闘においては、延々と回避が続く千日手を防止する意味でよく使用されます。

使う場合はメール欄を空欄にしてIDを表示して下さい。
出てきたIDに含まれる数字を使い、その行動の『達成値』を決定します。
基本的にIDの文字列に含まれた最も大きな『数字』が『達成値』となります。

『In3rKPcy』の場合、含まれている数字は『3』のみなので、『3』となります。
『Atw4g6Qg』では、数字の『4』と『6』がありますが、大きい方をとって『6』と判定します。
『oHI+CUmX』のような数字の入っていないIDは『0未満』とします。
大文字の『N』または『T』があれば『9よりも上』です。『sp02X9NK』『a0Tf/jEj』のように。
さらに『Ttw4g6Ng』のように、『NT』の2つの大文字が揃えば『NやT一文字より上』です。
小文字の『n』『t』は、いくら入っていても無意味です。無視して下さい。

 早見表
NT(二文字かつ大文字)>N or T(一文字かつ大文字)>9>8>7>6>5>4>3>2>1>0>数字なし

基本的に、両者の合意があったときのみ使うものです。
戦闘時には使うのが慣例ですが、義務ではありません。戦闘時以外でも使って構いません。
判定後、敗北側は『なんらかの不利な結果』を受けるようにして下さい。その程度は問いません。
IDの値の差の大きさを、損害の程度に結びつける必要もありません。

もしもその気ではなかった場合には、拒否しても結構です。
しかし、IDを出しておきながら判定を拒否したり、無視が多過ぎれば叩かれることになります。
くれぐれも節度を守ってください。


 @ 所持品 @
初期に支給されるものとして、原作通り
『ディパック』『首輪』『コッペパン2つ』『水2g入り2本』です。
さらに今回は、宇宙ステージということで『ノーマルスーツ』も支給されます。
後は、参加者が誘拐された時に持っていた『私物』を持ち込むことができます。
6リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:10 ID:???
 @ マップ @
『A〜Z × 1〜24』の624マスで構成されています。詳しくは後に示します。
毎回、今何処にいるのかを明記して下さい。
禁止領域は放送の時に予告され、放送後、現実時間で48時間後に爆破のスイッチが入ります。
尚、参加者は最初から地図を所持していますが、他の参加者の場所は表示されません。


 @ 移動 @
行動値を1点使うことで、マップ上のエリアを1マス移動することができます。
移動可能な方向は上下左右だけで、斜め移動はできません。
MAや、艦船やSFSに乗ったMSは『開けた空間』なら1点の行動値で2マス移動できます。
ただし、どの場合も『想定以上の荷重』(MSを載せ過ぎるなど)が加わると、ボーナスを失います。
艦船に乗っている場合、一人が艦ごと【移動】すれば、一緒に乗っている人も同時に移動します。
それ以外の場合では、移動時には常に行動値を消費して下さい。
他者の手で受動的に移動した場合でも、それに抵抗しないのならば、移動量に相当分の行動値を消費して下さい。
なお、マップの『外側』は『侵入禁止区域』と同じ扱いになっています。


 @ 索敵 @
どれだけ遠くの敵を察知できるのかは、搭乗している機体ごとに異なります。
策的範囲は、通常機で周囲2マス、艦船・狙撃型で3マス、偵察機で4マスとなっています。

他の参加者の位置を確認し、その範囲内に入っていれば、劇中でも「発見」できます。
当然、地形ごとに見やすさは変化しますが、その点は描写で表現して下さい。
(『開けた空間』ならはっきりと相手の機種まで特定できるでしょう。
 『暗礁空域』に潜む敵は、一度存在に気づいても途中で見失うかも?)
ちなみに、通常の「通信」で通信ができる範囲も、この策敵範囲と同じ範囲です。
「見えている相手とだけ通信できる」と考えて下さい。


 @ 爆弾 @
爆弾は、機体と、参加者の首輪につけてあります。
首輪の爆弾には、タイマーが仕込まれており、タイマー延長コードが定期的に打ち込まれています。
管理側が爆破コードを打ち込むか、延長コードが打ち込まれずにタイマーがゼロになると、爆破します。

明らかにされている首輪の爆破条件は、以下の通りです。
  立ち入り禁止区域に踏み込む/それまでいた場所が立ち入り禁止区域になる
  戦場フィールドの外に出る
  支給された機体を失い、かつ別の機体を獲得できない場合
これ以外にも爆破される条件があるかもしれませんが、詳細は不明です。


 @ 参加者の持つ情報 @
劇中の参加者は、現実世界の読者と同じ情報を持っているわけではありません。

まず、彼らは、(随時スレ内で表示されている)他の参加者の位置を知りません。
他のMSと対面した場合、相手の機体名は分かりますが、性能は分かりません。
初期支給MSと参加者の名前の組み合わせは分かりますが、途中で乗り換えた場合は分かりません。
また、他の参加者が脱落しても、それをすぐに知ることはできません。
脱落者の情報は、定期放送で耳にして初めて知ることができます。

ただし、これらは原則です。
NT能力を発揮したり、現場で乗り換えや死亡を見ていれば、この限りではありません。
特殊な支給品によって情報を得られる場合もあります。
『プレイヤーの知っている事』と『キャラクターの知っている事』の混同に、くれぐれも注意して下さい。
迷った場合は、管制室で相談してみて下さい。
7リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:11 ID:???
 @ 放棄された参加者 @
長期に渡って書き込みがない場合、『スレへの参加の放棄』とみなします。
用事などで書き込みできないことが分かっている場合、管制室で相談して下さい。
何の宣言もなく長期間放置された場合、管理側で『この参加者は『放棄』された』と認定します。
こうして『放棄』された参加者を攻撃した場合、特例として、攻撃側が結果を書くことができます。
つまり、積極的に頑張っている参加者の『肥料』にする、ということです。

目安としては、2週間 音沙汰がなかった場合、この判断を下します。
あらかじめ『参加不可能宣言』が出ていればこの限りではありません。


 @ 戦艦運用ルール @
支給武器や色々なイベントで『戦艦』が手に入ることがあります。
その際は以下のルールに従って運用して下さい。

*戦艦にMSが着艦する際には、衝突しないようかなり注意した操縦が必要です。
 また発艦する際には、機体の起動やカタパルトの操作が必要です。
 これらのことを踏まえ、【着艦】【発艦】にはそれぞれ1点の行動値を消費して下さい。

*ブリッジ(操縦席)と格納庫はかなりの距離が離れています。
 ブリッジ・格納庫間を移動する際は、【移動】として行動値を1点消費して下さい。

*ブリッジにいる人間は、行動値を使って戦艦を【移動】させることができます。
 戦艦は、1点の行動値で『開けた空間』を2マス進むことができます。
 この場合、戦艦に乗っている全ての人間・MSが行動値を使うことなく一緒に移動します。
 ただし、ブリッジに何人いても、24時間で【艦の移動】に使える行動値は合計4点までです。
 艦を移動させた後、MSを【発艦】させて【移動】するのは自由です。

*戦艦の特典の一つとして、格納庫の存在が挙げられます。
 この格納庫にMSを収容することで、簡単な補給・修理作業が行えます。
 ただし初期状態では、ちょっとした補修を行う材料と予備の推進剤はありますが、
 武器・弾薬・脱出用ランチなどは一切搭載されていません。

*本来、戦艦というものは、何人もの専門家が役割分担してやっと動かせる存在です。
 一人でも動かすことは不可能ではありませんが、
 操舵・武器管制・通信の各システムはブリッジの中でもそれぞれ離れた位置にあります。
 (さすがに行動値を使って移動する必要はありませんが、描写の際には注意して下さい)


 @ 要点 @
色々ややこしく書きましたが、

@ 行動は基本的に自由。
@ 戦闘の結果は『攻撃を受けている側』が決める。
@ 『両者の合意があった場合』、達成値を使用する。
@ 自分の居場所を毎回、明記しておく。
@ 侵入禁止区域にいた場合は有無を言わさず死亡。
@ 基本は原作と同様。
@ 分からない点があれば、管制室で先生に聞く。
@ 管制室での抗議は、冷静に、論理的に、相手に敬意を持って。

という以上の8点を守って下さい。あとは、楽しく殺しあいましょう♪
8リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:13 ID:???
 @ 会場宙域地図 @

  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■■□□□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■※
03■□□□□□※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼□□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※■■□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■□□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□□□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□□□■□□□□※※※※※□□■   ▼:小惑星基地
11■□■■■■□□■□□■□■■□□□□※※※□□■■   ≠:崩壊したコロニー
12■■■■■□□□□□□■■■■■■□□□※□□■■■   ▽:爆破された小惑星基地
13※■■■□□□□※□■■■□■□■■□□□□□■□■ 
14■■□■□□□▼□□□■※■□■□□□□□■■■■■   ◎:侵入禁止区域
15■■■■■□□▼□□□□■■□□□□□□□■■※■■   ×:侵入禁止予告区域
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□□※□□■■■
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□≠≠□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□□□□□□□
19□□□□□□■□□□□■■■■□□□□□□□▼□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼□□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼□□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▽▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
9リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:14 ID:???
 @ 各地形の解説 @

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。全部で4基存在しています。
 (うち、ひとつは破損し、空気が失われています。他の3基は空気が残っています)

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 エリア内には、大中小の3つが存在しています。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう。

≠ 崩壊したコロニー
 壁にいくつも穴が開き、空気が全て失われてしまったコロニーです。
 大気と共に色々なものが飛び去ってしまい、また内部は冷たい真空に晒されています。 
 ですがコロニー全体の形はまだ留めており、港湾部の施設などには空気が残っています。
 物資の調達などの目的には、ある程度使えるでしょう。

◎侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

×侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。

▽爆破された小惑星基地
 開始時から禁止エリアだった領域。かつてプログラムを管理する管制室がそこに存在していました。
 期間限定イベント『リセット・チャンス』によって立ち入り禁止が解除され、その後、爆破されました。
 運営管理に使っていたものは残っていません。
10リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:15 ID:???
 @ 各地形の解説 @

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。全部で4基存在しています。
 (うち、ひとつは破損し、空気が失われています。他の3基は空気が残っています)

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 エリア内には、大中小の3つが存在しています。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう。

≠ 崩壊したコロニー
 壁にいくつも穴が開き、空気が全て失われてしまったコロニーです。
 大気と共に色々なものが飛び去ってしまい、また内部は冷たい真空に晒されています。 
 ですがコロニー全体の形はまだ留めており、港湾部の施設などには空気が残っています。
 物資の調達などの目的には、ある程度使えるでしょう。

◎侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

×侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。

▽爆破された小惑星基地
 開始時から禁止エリアだった領域。かつてプログラムを管理する管制室がそこに存在していました。
 期間限定イベント『リセット・チャンス』によって立ち入り禁止が解除され、その後、爆破されました。
 運営管理に使っていたものは残っていません。
11リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:16 ID:???
 @ 最後に参加者様へ @

バトロワ参加者心得

一つ、場の空気を読む努力をする。
一つ、戦闘時、無理やり人を自分の土俵に引き込まない。
一つ、極力、相手がなにをしたいかを考える。
一つ、自分勝手な行動をしない。
一つ、放棄しない。
一つ、観客もいることも頭に入れておく(管制室を読まない読者の存在も忘れずに)
一つ、誤字、脱字、変換ミスには気をつける。
一つ、ID待ちはしない(みんな、案外見てますよ)。
一つ、叩かれたら、怒らず、まずは自分を見直す。
一つ、管制室での質問・抗議・意見などは、穏かな口調で冷静に。決して煽らない。
一つ、全てにおいて節度を守る。自分は職人だと自覚する。
一つ、『生きる』為の戦いではなく『魅せる』為の戦いを心がける。
一つ、死んでも泣かない。
一つ、エロスは大事、でも程々に。
一つ、『キャラは憎めどプレイヤーは憎まず』の精神で、互いに敬意を忘れないでオネガイ
一つ、終盤です。悔いのないよう、気合入れていきましょう。
12通常の名無しさんの3倍:04/06/23 23:29 ID:WccTC594
七色の黄昏降りて来て 風はなんだか涼しげ 土曜日の夜はにぎやか
街角は いつでも人いきれ それでも陽気なこの街 いつでもおめかししてるよ

暗い気持さえ すぐに晴れて みんな うきうき
Down townへくり出そう Down townへくり出そう Down townへくり出そう

シャボン玉のように消えてゆく 今宵限りの恋もまた楽し 夜はこれから
13リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/06/25 22:28 ID:3zLxc0y2
「……痛いんだぜ、これ……。
 でも……、もっと痛むところがあるんだ……」

ヤクト・ドーガが動いた。
ペズ・バタラが何かを投擲したのは既に知覚している。
ハイパー・ハンマーにビーム・ダガーが突き刺さり、ヤクト・ドーガはそのままハンマーを放った。

(そうかい……。
 戦いを止めろとか言っておいて、てめぇやっぱり俺の邪魔するってんだな……)

『……死ねる訳ない!
 ここで死んだら、私の為に生命を投げ出したトリィに、申し訳たたないっ!
 私の為に傷ついたシェラさんに、何も報いてあげられないっ!』

(君のために傷付き続ける俺は、アウトレンジなわけね)

彼はふぅ、と溜め息を吐いた。
――ああ、こんな孤独感を味わうのは久し振りだな……
口には出さずとも、内なるリナルドが呟く。

疎外感と言うか、何と言うか。
……オレノイバショハ ヤッパリココニモナカッタノカモシレナイナ……
寂しいって、こういうことを言うのかな? …………待てよ。
じゃあ、ダグラスを送り出す前のあの言葉は……嘘だったのか?
今、君の隣に俺はいないだろう? あの人がいるんだろう?

「……後ではっきりさせてもらう……。
 この痛みの価値も、君の真意も、その言葉の真偽も、全てを」

今度はしっかりと声に出た。
デュアル・ビーム・ガンを……まずはペズ・バタラに向け、一撃。
二本のビームがペズ・バタラの――今度は牽制ではなく――胴体に向かって突き進む。
そして、ビギナ・ギナに向き直りつつ通信回線を開き。

「お前がまだ正常な思考を失っていなかったなら、あるいは……とも思っていたが……。

 貴様、ヤクト・ドーガを攻撃したな……。
 あの男と組んで何をするつもりだ? あの存在価値も使い道も無い男と組んで。
 先生でも殺しに行くか? むしろ貴様自身の手であのクズを始末しようとでも企んでいるのか?
 何にせよ……邪魔だ。 彼女の往く道の……そして、俺の邪魔をするなッ!」

(あのまま消えていたなら見逃してやってもよかったんだがな……)

いくらかの嘲笑を裏に隠し、話している間にちゃっかりとマークを済ませ、台詞に合わせてロックし。
コクピットに狙いを絞り、容赦なくビーム・ガンは放たれた。

【行動:回避(-1)、通信回線継続(0)、ペズ・バタラに攻撃(-1)、ビギナ・ギナと通信(-1)、ビギナ・ギナに攻撃(-1)】
【位置:U-22・小惑星基地内・通路】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘不調・通信回線継続→ヤクト・ドーガ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・右手に違和感】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/何とかして、三人で『ミョーコウ』に戻る】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード】

※前スレ285から続いてます
14イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/26 17:31 ID:lLUHHDMy
ID確認です
15シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/26 20:06 ID:LXE9OJvo
IDチェック
16シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/26 20:48 ID:???
少しずつ体を起こすビギナ・ギナ。さっきの無理矢理な動きが、
ダメージに繋がっていないかと心配したが、とりあえず深刻なダメージにはなっていないようだった。
だが……。

「……やっちまった……。」
〔……はい?〕
「俺とした事が……やはり無理なのか?素人にプロを殺すのは……。
 そんな事はないそんな事はないそんな事は……。」
〔体は大丈夫ですか?それなりの衝撃でしたが……。〕
「問題ない……背中と肩と胸が痛いが……。
 ……。
 ……バグのないプログラムは存在しないが……
 直せないバグは存在しない……。
 直せないバグは存在しない……。
 直せないバグは存在しない……。誰の言葉だったか……。」
〔……?
 WARNING!〕
「!?」

機体を起こそうとコントロールレバーを必死に操作していると、
モニターの端の方にアビゴルの構えるデュアル・ビームガンのの銃口からビームが発射されるのが映った。
……だがそのビームはビギナ・ギナの上を越え、通路の奥の方へ消えていった。
「……後方……ベルク?」
後ろの状況を確認しようとしたとき、アビゴルから通信が入った。

『お前がまだ正常な思考を失っていなかったなら、あるいは……とも思っていたが……。

 貴様、ヤクト・ドーガを攻撃したな……。
 あの男と組んで何をするつもりだ? あの存在価値も使い道も無い男と組んで。
 先生でも殺しに行くか? むしろ貴様自身の手であのクズを始末しようとでも企んでいるのか?
 何にせよ……邪魔だ。 彼女の往く道の……そして、俺の邪魔をするなッ!』

〔WARNING!〕
「今度はこっちか?回避!」
〔了解!〕
リナルドのデュアル・ビームガンは今度はこちらに向いていた。そして発射されるビーム。
だが、それは一瞬前のゼファーによる回避行動により、ビギナギナの機体に焦げ跡一つ付ける事もなく、床を焼いた。

「ははっ……言われっぱなしじゃ癪だからな、一つ自分で自分を擁護させてもらう。
 先に手を出したのはヤクト・ドーガの方だ。俺はそれに対する反撃をしただけの事。
 そして……貴様に対しても、だ。
 ベルクが仲間?何言ってる?"あの同盟"は既に消滅したんだぞ?」

こちらも通信を返しつつ、ロックオン・マーカーをアビゴルに合わせる。
「……撃て。」
シュウジの命令で、左腕のビームライフルが火を噴いた。
その一瞬後、右足のクルージングミサイルが発射される。
ビームに隠された大型の必殺兵器は、アビゴルのコックピットへ真っ直ぐに向かっていった。
17シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/26 20:51 ID:???
【行動:回避行動(−1)アビゴルと通信(−1)アビゴルをビームライフル&クルージングミサイルで攻撃(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  左腕のみゼファー制御中
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 アビゴル 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:敵機撃破】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 07番ベルク?】
18リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/27 00:05 ID:???
『定期放送のお時間です。

 次の立ち入り禁止区域は、次の8箇所です。
 『D-16』 『F-09』 『K-15』 『M-07』
 『Q-02』 『T-14』 『V-24』 『X-22』

 ……たまには必要事項の連絡だけで終わり、でもいいですよね?
 では♪』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:R-22】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
19リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/27 00:06 ID:???
第14章 >17 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□×□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□×□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎×◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□×□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□×□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎×◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼25▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎01◎▽×◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□×□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・26は同一地点。03・11・14は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
20リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/27 00:07 ID:???
生徒名簿

 先生 リーア・ミノフスキー       (??) 女性  コアブースター(レウルーラ級戦艦)

 01番 シュウジ・アサギ         (32) 男性  ビギナ・ギナ
 死亡 シュヴァイザー・シュタイナー (44) 男性  ボリノーク・サマーン
 03番 イブ・シュウリン          (24) 女性  Vガンダム (ムサイ級戦艦)
 死亡 ユリ・ランブ            (16) 女性  (ゴトラタン)
 死亡 ダグラス・ロックウード     (17) 男性  ゴトラタン(元・ケンプファー→ジム・ライトアーマー)
 死亡 ジェイス・カーライル       (28) 男性  ジェガン
 07番 ベルク・クロフォード       (25) 男性  ペズ・バタラ
 死亡 ヨーコ・クロサキ         (17) 女性  ガズR
 死亡 リオン・フライハイ        (15) 男性  ジオング
 死亡 アシッド・ミニングリー      (29) 男性  ギラ・ドーガ
 11番 サーティア・クワン        (19) 女性  ガンイージ(元・ジム・ライトアーマー→ジャベリン)
 死亡 サブナック・B・アンドラス    (17?)男性  ビグロ
 死亡 ショーン・コネリー        (52) 男性  ガンダム4号機(元・ジャベリン)
 14番 レイモンド・デリック       (31) 男性 ジャベリン(元・ガンイージ)
 15番 リナルド・グレイス        (22) 男性  アビゴル
 死亡 アレン・D・バディアン     (20) 男性  ハンブラビ(元・ガンダム4号機→ジャベリン→ゴトラタン)
 死亡 フィニー・ディクセン       (18) 女性  (ハンブラビ)
 死亡 レニウム・アートナー      (33) 男性  ジ・O
 死亡 ラーズ・フィリー          (16) 女性  ヤクト・ドーガ(クェス機)
 20番 リファニア・ニールセン     (15) 女性  ヤクト・ドーガ(サイコガンダムMk-U)
 死亡 アーネスト・マンソン  (20代後半?)男性  ガザD(+旧ザク)
 死亡 リー・ションロン          (22) 男性  (ビギナ・ギナ)
 死亡 スタンリー・M・イプキス     (33) 男性  クロスボーンガンダムX2
 死亡 ジョシュア・カミンスキー     (31) 男性  ガンダムMk-U(ティターンズカラー)
 25番 ルイ・フィルセント         (22) 女性  R・ジャジャ
 26番 シェラザード・ビンス・マクファーソン (28) 女性  キュベレイMk-U(3号機)
21イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/28 20:19 ID:???
けたたましく鳴り響く警告音の中、ミョーコウの船体を大きな振動が襲った。
広域レーダーの索敵網の隅で息を潜めていたガンイージが突如としてドック内に侵入。
その手に携えたガトリング砲が火を噴いたのだ。
数秒間の掃射が船体表面を舐め、一瞬遅れて各部で小規模な爆発が連続する。
更に数秒続いた断続的な振動がようやく収まったのを確認し、愁林は素早く被害状況を確認した。

「格納庫、小破……機関室、損傷率44パーセント……居住区、損傷率44パーセント。
 サブブリッジ……損傷軽微、メインブリッジ……損傷軽微。被害区域の隔壁自動閉鎖完了……やられたわ」

声に出しながら状況確認を終え、愁林は抑揚を抑えた声で呟いた。
ガンイージ。
彼女の記憶によれば、それはコロニーからの脱出の際に遭遇した、レイモンド・デリックの搭乗機体である。
彼が何ゆえにミョーコウを襲ったかは分からない。
否。単純に彼がこのゲームに乗ったという事だろう。
何故近くのMSではなく、真っ先にこのミョーコウを沈めようとしたのか。
何故ミョーコウを沈めようとしたのがサーティアではなくレイモンドなのか。
其処にはどうしても違和感と疑問とが残ってしまう。
だが、厳然たる事実として彼のMSによる奇襲めいた襲撃は艦に少なからぬダメージを与えている。

「1対2……ちょっとタフな状況ね」

敢えて口に出し、その声に余裕めいた響きを乗せることで自分を奮い立たせる。
レイモンドはサーティア・クワンを攻撃しなかった。
サーティア・クワンではなくレイモンド・デリックがミョーコウを沈めようとした。
此処から導き出される最悪の可能性は、彼ら二人が同盟関係にあるという事。

低い音と共に、艦内を大きな揺れが襲った。
ミサイルの一つが爆発したらしい。誘爆により、更なる爆発が起こる。
左舷後部ブロック、大破。
圧倒的な爆発による衝撃と圧力とが、密閉されたドック内を容赦なく駆け巡っていく。
艦の外にいたMSも、これに巻き込まれれば無傷では済むまい。
次に致命的な一撃を喰らえば、ミョーコウは間違いなく沈んでしまう。
あらゆるデータを携帯端末に引き出し、リナルドから預かったコンパネと共に小脇に抱える。
意を決し、愁林は格納庫へと駆け出した。
22イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/28 20:20 ID:???
続け様に船体を襲う大小の揺れが、被害の程度を知らせてくる。
覚束ない足場を器用に蹴り進み、生きる為にひた走る。
ミョーコウが沈む。
それは悲しい事だが、しかし彼女にとって絶対に防がねばならない事ではない。
無論、防げるのならばそれに越した事は無いのだが―――

大小様々な破片の浮かぶ格納庫、その床を蹴り、装甲を駆け上り、コックピットへと飛び込む。
ハッチを閉め、システムを起動。
コンパネと端末とをシート横のスペースに収め、短く彼女はその名を呟く。

「ダグラス」

フットペダルを一気に踏み込む。
途端、全身を苛むG。それをリニアシートとスーツとが、優しく受け止め和らげる。

「姉さんを見ていなさい」

【行動:艦内移動(-2)、データバックアップ(-1)、出撃(-1)】
【残り行動値:0p】【現在位置:V-21、ドック内】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
        ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
人の意思が揺れているのを感じる。
心が揺れ動いているのが分かる。
限りのない空間のうちの、ごく限られたエリアの中の、至極ちっぽけな場所で、
人間達が何処までも必死に足掻いて、もがいて、苦しんでいる。
それはどうしようもなく愚かで、それ故に哀しくて………だからこそ、愛しいのかもしれなかった。

愛しているから傷ついて。守るために殺そうとして。大切に想うからこそ憎みもして。
人が人であるから存在している矛盾が、純粋とすら表現できる混沌が、ここに渦を巻いている。
シェラザードにとっての絶対であるリファニアも、その渦とは無縁ではない。
自分の愚かさによって深く傷ついた女と心を通わせながら、
少女は自ら進んでその渦に身を投じ、その勢いと激しさを加速させている。

愛する女と愛する男の間で悩みながら、その矛盾に束縛され、乱されながら、
それでもその愛を、その想いを貫こうとして、己の血と返り血を全身に浴びながら刃を振るっている。

それでいいのよ、リファニア。
今のあなたは、とても美しくて、綺麗だわ。
あたしを捧げるにふさわしくてよ。

シェラザードは微笑む。リファニアの迷いに、混沌に直接触れながら、微笑みを絶やそうとはしない。

何かを選ぶことは、何かを捨てること。
大切なものがあることは、他のものは大切でないとすること。
誰かを愛すると言うことは、他の誰かを愛さないと言うこと。
人が人である限り、何もかも思い通りになるわけではない。

好意は幸福だけを感じさせてくれるものでない。
愛は快感だけをもたらしてくれるわけではない。
好きだから、愛しているからこそ、苦しみもする。憎しみもする。傷つくこともある。滅ぶこともある。滅ぼすこともある。


片翼を失ったキュベレイの瞳が、ゆっくりと点滅する。
忠実な死神を従えた女王が、最後の呼吸を整える。

愛は全てよ。幸せも不幸せもくれるのよ。悦びも教えてくれるし、試練も与えてくれるわ。
快感も苦痛も、平穏も混乱も、希望も絶望も、全部くれるの。
本気の愛だから、手加減も容赦もしてくれないわ。
………あなたがもう少し年を取ったら、そういうことを全部ひっくるめて愛だと心から分かるのでしょうけど。

血の紅に染まった唇に浮かべる微笑みが、少しだけ悪戯っぽいものになる。
24シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/28 23:06 ID:/fuhWThd
あなたに散々振り回されたあたしが言う台詞じゃないかもしれないけれど、言わせて貰うわね、リファニア。
あなたは、まだ小娘だわね。いい女になる素質はあるし、魅力に関してはあたしが保証してあげるけど、
本当にいい女になるにはまだ少し色々と足りないところがあるわ。
才能を本能だけで振り回しているようでは、立派な「女」とは言えないもの。
もう少し勉強して、経験を積みなさい。男の泣き言にいちいち振り回されているようでは、まだまだよ。


シェラザードの微笑みが一旦深くなり………そして消えた。


だから、あなたが勉強できるように、経験を積めるように、邪魔者は排除しておかないとね。


キュベレイの紅の身体から赤光が放たれる。
夜空に妖しくうねるオーロラのように、あるいは砕け散る寸前の星のように。
女と女王の意志が、戦意が輝きとなって燃え上がった。

ビギナ・ギナは任せたわよ、遅れてきた白馬の王子様。
その程度の障害を自力でどうにか出来ないようでは、あたしのリファニアの相手は務まらないわ。
リファニアの彼氏を自称したいのなら、自分の力でそれを証明して見せなさい。

キュベレイの瞳が黄色のモビルスーツに向けられる。
それに従うように、ファンネルがペズ・バタラを射線上に捉えた。


あなたは邪魔なの。だから消すわ。


輝きが渦を巻いて。
ファンネルがその渦に乗って。
最後の刃が、嵐となって襲いかかった。

【行動:ペズ・バタラにオールレンジ攻撃(−4)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通、】
【パイロット状況:………】
【武装:ファンネル×11、 ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:最後までミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、03番・イブ】
25リーア先生@代理:04/06/29 00:42 ID:???
第14章 >24 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□◎□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼25▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・26は同一地点。03・11・14は同一地点。
V20にムサイ級軽巡洋艦。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
26レイモンド=デリック ◆a/QqKjfHc6 :04/06/29 09:46 ID:m8XJ94D9
久々のIDチェック
ドックの中を、さほどスピードを出さずにそろそろと進む。
そのわけは他でもない、ここでスピードを出してもあまり意味がない事と、もう1つは
もしもムサイの中に誰かがいた場合、その参加者を刺激しないようにする為。
敢えてムサイがロックオンしやすくする事で、敵意のない事を証明しようとしたのだ。
…まあそれもムサイの出方次第ではある。
もしムサイに誰かがいてそれが好戦的な参加者だったら、これを好機と見て遠慮なく攻撃
を仕掛けてくるだろう。
そうなればこの限定された空間の中で、厳しい戦闘を強いられるかもしれない。
……それは覚悟の上だ。
ムサイに誰もいないならばそれでよし。
誰かいるならば、その人物像をある程度見極める。
その為には、多少の危険はやむを得ないところか。

勿論進入口の捜索もやらなければならない。
見たところ、人の出入りする扉はちらほら見かけられるが、タイヤが入れるようなところ
はまだ見つけられない。
もしかして、どこかに閉鎖された隔壁があるかもしれない。
だがあったとして、それを開けられるのか……ビームキヤノンで破壊したらムサイを刺激
する事になるのではないか。
少々慎重になりながらドックの奥へ進んでいく。

ジャベリンのレーダーに急激な反応があったのはその時だった。
後方からドックに接近してきた機体がある。
俺が機種を確認する前にドックに来たそれは、ガトリングらしき武器を連射した。
……確認するまでもない。
俺が知る限り、あの武器を持っている機体はただ1つ。
サーティアに奪われたガンイージだけだ。

一瞬俺が狙われたのかと身構えたが、ムサイの艦体にいくつもの小さな爆発が起こるのを
見て、それが違う事に気付いた。
サーティアはドックの奥にいる俺よりも、図体のでかいムサイに狙いを絞ったらしい。
それはそれで妥当な選択ではあるが…。
ガトリングの1斉射程度でムサイがすぐに沈むとは思えないが、万が一の時この密閉され
たドックで艦の爆発にでも巻き込まれたらお終いだ。
それを避けるには、とにかくドックから離れるしかない。
進入口が見つからなかった事に思いを引かれつつ、ドックを出ようとタイヤを振り向かせ
ようとした時、ドックが一瞬揺れた…ように感じた。
慌ててムサイを見ると、左舷後部で大きな爆発が起こっている。
やばい……と思う暇もなく、タイヤは爆風で横滑りしながら右側を壁に叩き付けられた。

俺はシートの上で振り回され、右腕をコンソールスティックにしたたかに打つ。
右腕と肋骨の痛みに耐えながら、ダメージチェック。
……ぶつかった角度が良かったのか、ジャベリンの機体とタイヤにはさしたるダメージは
ない。せいぜい擦り傷程度だ。
だが衝撃でショットランサーが1つ千切れてしまったらしい。

(続く)
(くそっ…お気に入りの武器なのに…)

歯ぎしりをしながら再度ムサイを観察する。
どうやら今の爆発は、何らかの弾薬、若しくは燃料に引火、誘爆したものらしい。
現にムサイはそれを示すかのように、もうもうと爆煙をあげている。

(…もう長くはもたない…か)

誘爆を始めた艦の生命は尽きたも同然だ。
経験豊かな艦長と訓練された乗組員がいれば、適切な処置が取られて、事無きを得る事も
可能なのだろうが…。

脱出を優先させ、煙を避けて外が見えるムサイの右舷側に移動する。
そしてそこから見える宇宙と、そこに佇むガンイージの姿。
瞬間、俺の中にあの基地の事が頭をよぎる。
…………。
…なあ、サーティア。
俺の右腕が痛いのは、お前のせいなのか?
…俺の肋骨が痛いのは、お前のせいなのか?
……俺の左目も、左足も、お前の……。
いや、頭ん中であいつが言っていたように、俺が間抜けなだけなのか…?
…なあ、サーティア。
お前を殺したら……俺の痛みは消えるのか?
…なあ、サーティア……。

外に向けて走り始めた俺の目に、ムサイから出てくる1機のMSが見えた。
見覚えのある、ガンダムタイプの機体。
コロニーの戦闘で出会ったあれに乗っていたのは……。
勘と記憶を頼って、通信を繋いでみる。

「今ムサイから出てきたガンダムタイプ。乗っているのはイブ=シュウリンか?こちらは
 レイモンド=デリック。聞こえているなら、なるべくドックから離れろ。このまま誘爆
 が続くようだと艦の爆発に巻き込まれる可能性がある」

彼女が俺を覚えているかは分からないが、とにかく注意は促した。
あとは向こうの受け取り方次第だ。
俺はタイヤの速度を一気に上げると、ドックから宇宙に飛び出した。
同時にガンイージをロックオンして、躊躇なく引き金を引く。
ビームキヤノンが粒子をまき散らしながら、ガンイージに向かって伸びていく。
だが俺は、ビームの行き先や結果などに興味は無い。
すぐさまタイヤの方向を変え、ガトリングの射程から離脱する。

「さて…。どうするべきか」
【行動:ドック内をうろうろ(−1)イブ=シュウリンに通信回線接続(−1)
   ガンイージにビームキヤノンで攻撃(−1)一旦戦闘空域離脱(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:仲間との合流と戦闘、どちらを優先させよう…?】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
30ベルク@代理:04/06/29 15:21 ID:lIWa49Kl
代理IDチェック
ビームダガーはアビゴルに触れる前に
ヤクト・ドーガの持っていたハンマーに突き刺さり
それを振り回しながら今度はハンマーに火がつきこちらに向かってくる。
だが、攻撃前の行動で明らかにハンマーで攻撃をすることが予見できたので
避ける事は容易だった。残りのビームダガーを取りだしそれをつないでいる
鎖を断つとアビゴルのビームガンの銃口がこちらに向いているのが見えた。

(第2波・・・・・・)

それは本体のビームアックスを発動させ飛んできた光の矢を弾いた。
さばききった、そう心の何処かで思ってしまったのか、
その刹那の隙をキュべレイに晒していた。
何時の間にかペズ・バタラを中心に数十機のファンネルが周りながら囲んでいる。

(流石にやべぇな・・・・・・・)

そして、絶間無くファンネルたちの銃口から光が飛び交う。
輝ける光の渦。その中で取る選択は、
―――――――――――― 一つしかないだろう。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」

一直線にキュべレイに突進していく。
光の嵐をかけ抜けて、当然無傷で居られるわけでも無く
ペズ・バタラの至る所を抉り取られる。
残りの右足、スラスター各所、本体の側面の装甲を抉っていくこともあった。
それでも本体のビームアックスを発動させくキュべレイに突進する。

【行動:アビゴル、ヤクトの攻撃を回避(-2)ファンネル回避に失敗(-1)
    キュべレイにビームアックスで突進(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手)ビームシールド、
    (左手)ビームダガー、ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
リファニアのこころに、唄が響いた。切なる祈りの込められた、唄が。
しぼみかけていた生存本能が、かつての強固さを取り戻していた。
忘れかていた、いや、心の引き出しにしまっておいた夢が引き出されかける。
だが、リファニアは、開きかけていた引き出しを、再び閉める事を選んだ。
……今はただ、シェラと共にある為に。
だが、強固な生存本能だけは、リファニアの瞳の奥に宿る獣のそれにも似た光と共に、強く根付いていた。

ペズ・バタラに向かって振るった、ビーム・ダガーが突き刺さったままのハイパー・ハンマー。
推進剤の誘爆により爆ぜ、リファニアの眼前に爆光が拡がった。
爆光に飲まれる様に視界から消える、ペズ・バタラ。
ヤクトの頭部のカメラやセンサーは破損しており、機体各所の予備のセンサーでは、
爆光の向こうに敵機の姿を捉え続ける事が出来なかった。

「……やったの……?」

反応が消えたと錯覚したリファニア。
だが、次の瞬間には、爆光の向こうの闘魚の中に未だに根ずく生命と……。
ベルク=クロフォードの強固な想いを、リファニアは感じ取っていた。

「……まだっ!?
 そう、そうよね……。死ねない理由があるからこそ、これ程までに戦えるのね、みんな……。
 死ねないのは、死なせたくないのは、私達だけじゃない。
 だからこそ、この戦いは続き……シェラさんは、傷ついた……。」

リファニアの瞳に宿る光が揺れる。
その目に雫を溜めながらも、リファニアの瞳は爆光の向こうを見据えていた。

『……痛いんだぜ、これ……。
 でも……、もっと痛むところがあるんだ……』

背後に、リナルドの存在を感じる。
闇に覆われそうな、彼の心。そうさせたのは、私。
……その事実は、痛みは、リファニアの心をも蝕みかねなかった。

「……リナルドは、いつも私に答えを求めるのね……。」

爆光に照らされながら、リファニアが静かに呟いたとたん―――。

>>23-24
シェラの想いが、リファニアに流れ込んでくる。
口から発した言葉でなくても、それは明確な言葉となって、リファニアに流れ込んでくる。
微笑むシェラのイメージが、くっきりと脳裏に浮んでいた。

シェラは、愛してくれていた。リファニアの、全てを。
穏やかに歌うリファニアも、獣のような闘争本能に身を委ねるリファニアも。
にっこりと無邪気に微笑む、素のままのリファニアも、全てを愛してくれていた。
シェラザード=ビンス=マクファーソンこそ……。
リファニアを誰よりも理解してくれた存在だったのかも知れない。

たとえシェラが、リファニアがどのような存在なのか知らずとも。
リファニアも、シェラを蝕んでいた死に至る病を知り得なくても。

それはふたりがわかりあうことのさまたげにはならなかった―――。
33リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/29 17:36 ID:08arecTx
ああ、シェラさん……わたし、まだまだ子供だよね。
わたし、失う事が、こわい。こわくて仕方ないの。誰も失いたくないの。
……わがまま……?
失わなければ、得られないものもある……?
……そう、だよね。受け入れなければいけない事なんだよね。

揺れる瞳から雫を舞い散らせながらも、リファニアはにこりと微笑んでいた。
シェラがリファニアを綺麗にしてくれた時の、微笑みで。
それがたぶん、シェラが最も好きなリファニアの表情であろうから。

シェラさん、わたし、シェラさんみたいに素敵な女性になってみせるよ……。
すこしくらい、男を振り回したって……追いかけられるくらい、素敵な女性に……。

ハイパー・ハンマーの起こした爆光はすでに消え去り……。
リファニアの瞳には、紅い光を全身に纏ったシェラのキュベレイの姿が映る。

ファンネルが、はなたれる。

いのち、もえる……?

「シェラさんっ!」

リファニアは、叫んだ。
シェラの名を呼ぶことで、声を届かせる事で、彼女の傍にリファニアが居る事を意識させる為に。
シェラに、孤独さを味わせない為に……。

「シェラさんっ、シェラさぁぁぁぁぁんっっ!!」

ファンネルの閃光を抜け、ペズ・バタラが光の刃を展開させる。
リファニアは叫びながら、フットペダルを床まで一気に踏みつけた。
咆哮するヤクトのスラスター。
ペズ・バタラに追いすがりながら、リファニアのヤクトがビーム・サーベルを抜き放つ。

「シェラァァァアァァァッッ……!!」

最も心を通わせた存在の名を叫びながら……。
リファニアは右後方から闘魚のコックピットに向けて、サーベルを突き出した。

リファニアの脳裏に、アレンのハンブラビが閃光に包まれた時の映像が蘇る。

リファニアの瞳から、とめどめなく雫が零れて散る。

……間に合ったのかどうかは、わからない。

【行動 : リナルドとの通信継続(0)、シェラの名を叫ぶ(0)
      ビームサーベルでペズ・バタラを攻撃(-1)、残3 】
【位置 : U-22(要塞内、通路の入り口) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 響け……! 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
34サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/06/29 21:03 ID:nm7l/05s
IDちぇっく
 ちっ、レイモンド……
 あの襤褸切れみたいな体で、よくやるわ。

 ABCマントが無ければ、コクピットに一発で終わっていたかしら?

「レイモンドの姿は無い……
 なら、相手すべきは今出撃してきた相手よ、サーティア」

 ムサイに居た、誰かしらね。
 どちらにしたって関係無いわ。

 リオン、見ててよ。私は生きるのよ。

 例え血に汚れてでも。
 全てを屠ってでも、生きて帰ってみせる。

「それが、アナタとの約束よね……?」

 ならば、まずは奴を下す!

「悪いけど、ここでその命貰うわよ!」

 元気出せ。
 気合入れなさいな、サーティア!


【行動 : ガトリングガンを構える(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U−20 → V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数2)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾50%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
36イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/01 10:38 ID:81SnOqKx
IDチェック
37イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/01 10:41 ID:???
どうして、とは問わなかった。
開かれた回線の向こう、現れた満身創痍の男。
何故レイモンド=デリックがサーティア=クワンの機体に乗っているのか。
何故そんなにも傷だらけなのか。
何故、こちらにそんな忠告をしてくるのか。
問いたい事柄は、しかしどれもこの状況下では瑣末な疑問に過ぎない。

「忠告は聞いておくわ。
 ……一つ尋ねるけれど、貴方が乗っていた筈のあのMS、今乗っているのは誰?」

ミョーコウから距離をとりつつ、こちらからもレイモンドへと回線を開く。
彼女の視線の先には、武骨なフォルムのガトリングガンを構えるガンイージの姿がある。
無論、誰が乗っているかなどという情報すら、現時点ではさしたる価値を持つ事は無い。
それでも、愁林はその名前を知っておきたかった。

油断無くガンイージの様子を窺いながら、内壁やムサイの破片が飛び交うドックの中をVガンダムに巡らせる。
また、爆発が起きた。
確かにレイモンドの指摘通り、ミョ―コウの付近に留まり続ける事は大きな危険を伴うようだ。
ならば、もう少し距離を取るべきか。

思い出は胸の中にある。だから、悲しむ事など何も無い。

ともすれば滲み出しそうになる感傷を鉄の理性で殺す。
ガンイージは敵。
脳髄に突き刺さるような鋭い敵意が、彼女にそう判断させた。
またも飛来する瓦礫。
先程の爆発によるそれが、トリガーの瞬間をタイミングよく隠す。
白き騎士の冷たい双眸が敵対者の姿を捉え、その手に構えられた4連装ヘビーマシンガンが徐に火を噴いた。
狙うはガトリングガン、そしてそれを扱うマニピュレーター。

―――先ずは、牙を折られなさい。
38イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/01 10:45 ID:???
【行動:レイモンドへ通信(-1)、瓦礫回避(-1)、タイミングを図っての4連装Hマシンガン→ガンイージ(-1)】
【残り行動値:1p】【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾40%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
戦闘空域から離脱しながら、後方に神経を集中させる。
……爆発らしきものは……ない。
どうやら今の攻撃ではサーティアは倒せなかったらしい。
俺の中に悔しさと安堵が入り混じった、複雑な感情が沸き上がる。

…そして追い撃ちもないようだ。
もっとも、急速に離れていく相手に追い撃ちをしたところで当たるものでもないが。
おそらくサーティアは、離れていく俺よりも正面のガンダムタイプを相手にするつもり
なのだろう。
その判断は最良ではないが、妥当ではある。

突然通信が入り、俺はタイヤを止めた。
相手は…例のガンダムタイプからだ。

『忠告は聞いておくわ。
 ……一つ尋ねるけれど、貴方が乗っていた筈のあのMS、今乗っているのは誰?』

通信機から聞こえてくる聞き覚えのある声。
モニターに映る見覚えのある姿。
…間違い無い、あのコロニーで出会ったムサイのメンバーの1人、イブ・シュウリンだ。
俺は記憶を探り、あの時の事を思い出してみる。

港で戦うジャベリンを奪い合っていた参加者と、そこに加わって猛烈なビーム攻撃をする
サイコ…ガンダムとかいうバカでかいガンダムタイプ。
それを港の外で見守るムサイと、ブリッジにいた少年。
そして同じく見守っていたあのガンダムタイプと…そのパイロット、イブ・シュウリン。

あそこで俺は彼女と少しだけ通信を交わしたが、戦況を判断する目とそれを俺に伝えた時
の口調からすると、相当に冷静な人物のようだ。
それはドックの中をうろつく俺に、何の接触もしてこなかった事からも明らかだ。

その時ドックの方向にマシンガンのものらしき曳光が見えた。
撃たれた場所からすると、ガンダムタイプの攻撃のようだが…。
タイミングを見計らって俺は通信を返す。

「イブ・シュウリン、もうお前には分かっているんじゃないか?……そのガンイージに乗
 っているのは、サーティア=クワン。ついでにもう1つ忠告しておくが……。サーティア
 の操縦技術は、決してなめてはかかれないぞ」

通信を送りながら……俺の迷いは更に大きくなっていく。

【行動:イブ・シュウリンへの通信回線継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:俺は、どうする…?】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
>>31>>32-33
キュベレイの渾身の一撃は、ペズ・バタラを深く傷つけはしたが、その機能を停止させることは出来なかった。
ファンネル達がその身と引き替えに放った刃は、敵の爪を折ることは出来ても、その牙を砕くことは出来なかった。

悔しさを感じなかったわけではない。失望しなかったと言えば嘘になる。
だが、それでいいのかもしれないと、心の中でシェエラザードの一部が呟いていた。

敵はこの自分に、シェラザードとキュベレイに、これほどの深い傷を負わせたほどの相手なのだ。
簡単に斃れてもらうわけにはいかない。
シェラザードの敵として、シェラザードが刃を交えるにふさわしい相手として、その力量を示して貰わなければ。
敵が強ければ強いほど、この自分の存在を輝かせてくれるのだから。

………でも、今はこのザマだけれど。

ペズ・バタラが突っ込んでくる。
最後に残った最強の武器を振りかざして、女王の首をあげようと突進してくる。
ヤクト・ドーガがその後ろから白刃を煌めかせて追っては来ていたが、
どう考えてもその刃がペズ・バタラを捉えるより、ペズ・バタラの刃がキュベレイに届く方が早かった。

敵を迎え撃つ手段が、この傷だらけの女には残されていない。
ビームサーベルは2本とも熔けて無くなってしまった。
ファンネル達は文字通り全力を使い果たして、力なく宙に漂うか慣性のままに漂流すること以外何も出来ない。

何も出来ないのはキュベレイも同じか。
ペズ・バタラの一撃にその身を晒すことしか出来ないのか。
何か無いのか。勇敢だが無礼にも女王に刃を向ける敵を目の前にして、その横っ面に平手のひとつも張れないのか。
何か無いのか。何か武器は………武器は。


あった。


一度は光を失いかけたキュベレイの瞳が、再度輝きを取り戻す。
力なく垂れ下がりかけたその右腕が持ち上がると………残った片翼から最後の刃を引き抜いた。

それはハンブラビのテールランスだった。
リファニアの愛した男の欠片であり、シェラザードをリファニアに引き合わせたのかもしれない存在だった。
ある意味ジャンクに過ぎないのかもしれないそれを右手に構えると、
女王はあくまで女王らしくその敵に相対した。

これが、最期ね………あたしも、あなたも。
41シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/07/03 22:37 ID:SlSaVcSz
戦艦すら一撃で両断しかねない武器を目前にしながら、シェラザードは不思議な落ち着きを保つことが出来た。
ヤクト・ドーガから激流のように迸るリファニアの想いが、傷ついた心と身体を包んでくれていたから。

そんなに大声で叫ばなくても聞こえているわよ、リファニア。
そんなに一生懸命にならなくても、あなたの想いはちゃんと届いているわ。
でも、あなたにそれほど強く、そんなに一生懸命に叫んでもらえるのは、想ってもらえるのは。

シェラザードはもう一度微笑んだ。
ペズ・バタラの攻撃に左腕の肘から先と左脚全部を吹き飛ばされながら、それでも微笑んでいた。

本当に、嬉しいわ。

半身を失うのも同然のダメージを受けながら、女王は最後の力を振り絞った。
愛する少女に微笑みながら、敵の中心目がけてテールランスを振り下ろした。

【行動:被弾(0)、ペズ・バタラにハンブラビのテールランスで攻撃(−4)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、左手の肘から先を喪失、
        左脚喪失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通、】
【パイロット状況:………】
【武装:ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:最後までミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、03番・イブ】
42リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/04 00:14 ID:???
『定期放送のお時間です。

 次の立ち入り禁止区域をお伝えします。
 『B-03』 『D-21』 『J-11』 『L-22』
 『O-19』 『P-03』 『U-13』 『W-16』

 ……みんな、戦いなさい。殺し合いなさい。
 最後まで足掻き続ける者だけが、『その先』に向かうことができる……』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:O-17(前回間違えました、申し訳ない(汗)】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
43リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/04 00:17 ID:???
第14章 >41 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎×◎□□□◎□◎□◎■■□□×□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■×□■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□×◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□◎□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□×◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎×□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□×〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼25▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※×◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・26は同一地点。03・11・14は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦に搭乗。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
44リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/04 00:21 ID:???

彼女は、溜まりに溜まった盗聴記録を再チェックしていた。
大雑把な内容は部下がレポートに纏めている。彼女が細かいチェックをする必要はない。
だが、彼女はあえて、部下が既に確認したテープを聴きなおしていた。

……先ほどから彼女が繰り返し聞いているのは、一人の参加者の『独り言』。
いや、『独り言』と言うにはあまりに断片的な、一人の人間の名前……。

「……やはり、貴女はあの後………」

その発言者の出身からして、『あの時以前』の『彼女』ではありえない。時期と地域が合わない。
同名の別人の可能性も十分に残されているが、しかし……

「……それでも、私は、」

その先は言葉にせず、心の中だけで呟く。

(たとえ、貴女の大事な子を踏み台にしてでも……

 歴 史 を 、変 え る 。
 た だ た だ 、 私 自 身 の エ ゴ ゆ え に 。)

カードは既に揃ったのだ。
後は、それを使うタイミング………。

彼女は、再び「忠実なる管理人」の貌に戻ると、真面目に盗聴記録のチェックを再開した。
今はまだ、その時ではない。


【行動:盗聴記録の確認(−3p)】
【位置:O-17】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
45ベルク=クロフォード ◆TiP5As2jNc :04/07/04 15:38 ID:kQXlPeOi
久々に自分でIDチェック
確かに捕えた、そう思えた。だが・・・・・・
相手が戦意を失うことは無く、輝く斧に身を焦がしながら
右手に握られているテールランスを振りかざし襲いかかってくる。

刹那の出来事、それを感じ取れるのは長年のキャリアを持つベテランか、
噂に聞くニュータイプが感じる何かだろう。
しかし、今の俺はそれでもない何かで感じ取ることが出来た。
命を削る戦い、肉体があることは感じられる。まだ、生命に支障も無いとも。
その中で精神だけは生と死の狭間をさ迷っているのかもしれない
或いは、死の方に近いの感覚がある。
自分の周りの出来事を全て把握できるぐらい精神と魂は高ぶっていた。
それだけ研ぎ澄まされた精神は鋭く、脆い・・・・・・。
そして、肉体の限界―――――――――――――――――

いくら、周りの出来事を全て把握出来ても体が着いて来れない。
キュべレイの振りかざすテールランスを
ペズ・バタラの左手に持つビームダガーで受け止めようと体制を傾ける
後ろからヤクトがビームサーベルを突き出してくるのも判っていた。
それでも、時間的に肉体が動くのが遅く、左手のビームダガーを
マニュピレーターごと消滅させられる。
遅れて体が回避行動を取ってしまい残りのスラスターが噴射、
横に飛び壁に激突する。

ヘルメットを通り越し衝撃が能に伝わり意識が朦朧となるが
精神は繋ぎ止めている。
急激なGで身体が圧迫され息もしにくい。
しばらくその場から動けなかった。

(まだ・・・・まだ・・・・・これをアイツに・・・・・・)

【行動:キュべレイの攻撃を回避するもヤクトの攻撃に回避失敗(-2)
    壁に激突(-1)意識朦朧(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
47リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/07/04 21:43 ID:wPy0VG8d
久々にIDちぇっく
『ははっ……言われっぱなしじゃ癪だからな、一つ自分で自分を擁護させてもらう。
 先に手を出したのはヤクト・ドーガの方だ。俺はそれに対する反撃をしただけの事。
 そして……貴様に対しても、だ。
 ベルクが仲間?何言ってる?"あの同盟"は既に消滅したんだぞ?』

「ヨーコを死なせて、か?
 守るべき人も守れず、仲間……いや、貴様にとっては駒でしかなかったのかもしれないが……
 その立場にあった人間まで殺し。
 情けないことこの上ないな。 やはりあそこで抜けて正解だった」

既に、アビゴルは動いていた。
直後にコクピットのあった場所をビームが貫く。
先ほどの攻撃から、コクピットを狙っての攻撃を想定していたため、反応は速い。
コンピュータ制御の正確な攻撃“だけ”で正確に仕留められるほど、彼は落ちぶれてもいない。
そして当然、それだけで終わるとも考えていない。
二段以上の攻撃で先にビームを撃つ場合というのは、その攻撃速度を利用した不意討ちか
その熱量を利用した傘(隠れ蓑)兼攻撃手段である可能性が高いと習ったことがある。
しかし、ビギナ・ギナの動きからは前者だとは考えられない。
故に後者を想定し、不審な熱量を確認した上で、自らの軌跡をデュアル・ビーム・ガンで貫く。
結果、爆発。
どうせ、もうあまり動かないのだ。 右腕を楯代わりにして爆圧を防ぐ。
灼かれた右腕のうち、肘のステータスがほぼ完全に赤く染まった。
しかし、それはハンデではあるが障害にはならない。
何故なら……

(肩さえ動けば剣は振れる……。 そうだよな、バカ教官)

その言葉自体は当時の教官の負け惜しみだったのだが……今はまさにその通りだった。

「どうした? ゼファーに頼ってばかりいないで、お前の力で俺に立ち向かってこいよ。
 それとも、ゼファー無しじゃ何もできないとでも喚くつもりか? 貴様は」

そして、油断無くビギナ・ギナに視線を向けつつ、意識を“向こう側”に傾ける。
先ほどから、赤いイメージが頭の中を駆け巡っていたためだ。

……
あんたはあんたの敵を討てばいいんだよ。
ペズ・バタラが、ビギナ・ギナが敵だと言うのなら、あんたが討てばいいんだ。
俺がビギナ・ギナと戦っているのは、奴が俺とリファニアの敵だとわかっているからだ。
『あんたの敵だからじゃない』。
だいたいあんた、虫がよすぎるんだ。
俺はリファニアと生きてここから帰るために散々手を尽くしてるんだぞ。
あんたのことだって助けようとしてたんだ。
なのにその邪魔ばかりした挙句、そのリファニアまで奪っていった。
リファニアに、俺を裏切らせた。 あんたが殺したダグラスの前で誓った言葉を裏切らせた。
その上今度は勝ち逃げか? いい加減にしろってんだ。
ビギナ・ギナを墜としたって、あんたからリファニアを取り戻した証明にはならない。
俺がこの手で、あんたを打ち倒して上回らなきゃならないのに。
何が『あたしのリファニア』だ。 手前勝手にリファニアの価値を限定するな。
あんたリファニアが大事じゃないのか?
あんたはリファニアを道連れにしようとしてたんだぞ。
決して這い上がることのできない昏い闇の底に、リファニアごと落っこちようとしてたんだ。
未来を見なかったあんたが、未来を見るために戦ってた彼女を評価するな。
長ったらしい御託ばかりぐだぐだ並べてその体たらくのあんたに、偉そうに何かを言う資格なんて無いんだ。
あんたの存在がリファニアを縛ってるんだ。 これ以上、彼女の未来を危険にさらすな、バカ。

キュベレイから流れてくる“もの”に対し、リナルドははっきりとした意思をもって“返信”する。
腹立たしい。 本当に腹立たしい。
一時は(あくまでリファニアのことを考えて)シェラザードにも首輪カバーを預ける気でいた。
だが、この女はどこまでふてぶてしいのだろう。
何故、リファニアを愛しているはずなのに彼女を縛り付けるのだろう。
大事ならば、何故危険にさらすようなことしかしないのだろう。

……リファニアは、よりにもよってダグラスの前での言葉を裏切った。
少し向こう側に意識を傾ければ、それははっきりとわかる。
今、リファニアの隣にはシェラザードがいる。
彼女自身、それはわかっているはずだ。
“裏切った”という自覚こそ無いかもしれないが、それは明白な“事実”。
やっと見つけた希望に裏切られた痛みは、青年の心を荒ませるだけで。

『裏切り者め……』

ふたつの声が重なった。
ひとつはリナルド自身の声だったが……、もうひとりの声は果たして誰のものだったのだろう?
内側にいるリナルド? それともマヤ? ……それは、少なくともリナルド自身にはわからない。
わかったところでそれは何の意味も持たない。

『シェラザードはもうすぐ死ぬ。 死ぬなら俺たちを巻き込まないで、ひとりで勝手に死ね』
『シュウジは愚かで浅はかな男に成り下がった。 奴は敵だ』
『存在する価値があるのか?』
 『リファニアは俺を裏切った』
『リファニアは裏切り者だ』
『俺が余計に傷付くのを知っていて、まだ裏切り続ける』
 『……嫌だ』
『言ってやりたいことが山ほどある』
 『まだ……信じたい』
『リファニアが俺のところに帰って来てくれるなら』
 『リファニアは帰って来てくれるのかな?』
『俺は……バカだ』
 『信じさせてくれ、リファニア』
『多分、これが俺に耐えられる最後だから』
 『最後でもいいんだ。 信じたいんだ』
 
  『だから――』

『 コ レ イ ジ ョ ウ  オ レ ヲ  ウ ラ ギ ル ナ 』
『もうひとつの声』に、再びリナルドの声が重なる。
そう。 糾弾は後でいい。
この戦闘が済んだ後で、全てをはっきりさせればいい。
しっかり言ってやればいい。 今感じている怒りの、悲しみの、孤独感の、その全てをぶつけてやればいい。
そして、見極めればいいのだ。 彼女の価値を。 彼女の夢の価値を。 この想いの価値を。
そのために。
敵を滅ぼす。
怒りは全て敵に向けろ。 悲しみは彼女に向けるために仕舞っておけ。

「……同盟、か。
 ヨーコは貴様が守ってあげなきゃいけない人だったんだ。
 その彼女を放っておいて、貴様は同盟潰しか。
 自分で作って自分で壊してちゃ、世話ないね。
 やっぱり貴様はその程度の器量と価値しか無い男だったようだな。
 “デキる奴”だと見せ掛けていただけの……」

黒いものが、内側から沸き起こる。

「……ただのクズだ。
 鬱陶しいから、早く消えろ」

毒を吐きつつ爆煙を突き抜けたアビゴルは、ビギナ・ギナの真上から垂直に――
右手のビーム・カタールを振り下ろし、そして。
フィン・ノズルという名の翼が砕け、消えた背中に。
左手のビーム・カタールを突き入れた。

――砕け散れ、シュウジ。

【行動:回避(-1)、迎撃(-1)、“返信”(0)、通信継続(0)、ビギナ・ギナに攻撃(-2)】
【位置:U-22・小惑星基地内・通路入り口】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線継続→ヤクト・ドーガ、ビギナ・ギナ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・右手に違和感】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:もう一度、『価値』を見極めよう】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード】
リファニアのこころに、ふたつの声が、ひびく。

>>40-41
ひとつの声は、幾度と無く心重ね、わかりあった姉のような女性。
傷つき、生命の温もりが失われようとしていながらも、彼女は微笑んでいた。
その笑みに返すべきものは、ただひとつ。
浮かべられる限りの、最高の微笑みだけ。

その微笑みを浮かべたまま、アレンを見届けた時と、同じように―――。

シェラザード=ビンス=マクファーソンの全てを、少女はその瞳に焼き付けようとしていた。

>>46
シェラのキュベレイが、蒼いテール・ランスを突き出す。
リファニアのヤクトが、ビーム・サーベルを突き出す。
共に、コックピットを狙った必殺の一撃だった。

その攻撃に対し、ペズ・バタラは驚異的な反応を見せた。
サーベルは闘魚の片腕を抉ったが、コックピットを貫くには至らなかった。
……そして、テール・ランスの一撃も、届く事は無かった。

だが、ペズ・バタラの回避運動は、多分に無理があったようだ。
バランスを崩したのか、激しく壁に叩きつけられて、その動きを止める。

スラスターをほぼ最大に吹かしていたリファニアのヤクトは、減速の為に前方に推進剤を吹かす。
つま先のアポジが破損している分は、床にヒールを押し付けるようにして補う。
火花を散らしながらある程度減速した所で、機体の進路を曲げ、眼前に迫り来る壁を蹴って、180°旋回。
背中のスラスターを進行方向の逆に吹かして、最終的な減速を行った所で―――。

もうひとつの声が、ひびいた。

>>48-50
その声は、リファニアに自身の未来の可能性を気付かせてくれた、共に歩んでくれんとしていた青年。

恋人を殺した男にも関わらず、少女の心に芽生えたものは、単純な憎しみだけでは無かった。
すでに死より逃れられなくなっていた恋人の最後の決闘に、相応しい戦いを演じてくれたからだろうか。
その決闘を見守るリファニアの心に満ちたものは、悲しみと……憧憬だった。
己の全てをかけて壁を乗り越えようとする恋人と、帰るべき場所への想いを糧に生を掴まんとする青年。
このひとたちは、なんでこんなにも……輝いているの。
ふたりの姿に見出したこたえ。その時より、リファニアの心の奥に芽生えかけていたこたえ。

生きるという事は、闘争なのだ―――。

少女が乗り越えるべき壁との戦いの中、青年の声を聴いた時。そのこたえが、再び引き出されかけていた。
しかし、こたえを得るには、まだ足りなかった。少女のこころの奥底に宿る絶望は、払いきれていなかった。
絶望は、少女に死への階段を着実に登らせていた。
そして、少女は自らの死を演出するに相応しい舞台を、望んでいた。
ミョーコウと、愛すべき姉は、その舞台に引き込むべき存在では無かった。
舞台の終わりと共に与えられるものは、彼らにとって希望でなくてはならなかったからだ。
……故に、少女は青年を選んだ。愛すべきものを、振り払って。
憎しみはすでに無かった。だが、青年が恋人を殺した男である事は揺るがぬ事実。
青年を共に死の舞台へ上げる事で、復讐を遂げようという念があったのかも知れない―――。

だが、青年は……見出してくれた。
リファニアの生きる意味を、そして、心の内でくすぶり続けていたこたえを。

青年は、リファニアの魂を救ってくれた。
そして、彼もまた、リファニアの中に希望を見出していた。
少女と青年は、互いに絶望よりその魂を救い合った。
復讐の念はすでに無く……少女にとって、青年はいつのまにか共に歩むべき存在へと昇華されていた。

しかし、青年の心は……硝子細工のように、脆かった。

少女を愛するが故か、少女が青年の心に宿る希望そのものだったからだろうか。
少女が変わろうとする度に、青年が思い描く希望より離れてしまいそうになる度に。
少女の瞳が大切なものが失われる現実を目の当たりにして、青年より逸れてしまった時に―――。
青年の心を、再び深い絶望が支配しようとしていた。
そして、絶望は青年の身そのものすら傷つけているのだ。
その心に満ちる声には、シェラに対してのみならず……リファニアに対する怨嗟の声すらも、混じっていた。

「……ごめん、リナルド……。」

そんな青年の名を、呟きながらも。
それでも今は、少女の瞳はシェラに向けられ、離れる事はなかった。

「シェラさんに必要なものは、安らぎなの……。
 シェラさんは、私のこころが冷え切った時に、暖めてくれた。
 私が死に引き込まれようとしている時に、死神を追い払ってくれた。
 ……そんなシェラさんに、今、私がしてあげられる事。
 私が共にあることで、彼女が安らぎを感じる事が出来るから……私は、自ら望んでそうするの。」

そう言葉を紡ぐリファニアの顔に浮かぶものは、姉に向けるべき微笑みだった。

「……ありがとう。
 リナルドによって、私は自分の生命の価値を揺るがないものにする事が出来た。
 ―――だから。
 もし、リナルドにとって私が希望で無くなってしまったのなら。
 私が絶望を与えるだけの存在になってしまったのなら。
 私に価値を見出す事が出来なくなってしまったのなら。
 ……リナルド、わ た し を … … 。」

続く言葉を、口にする事は出来なかった。
それは、リファニアの導き出した答えを否定する言葉だったからだ。
故に、リファニアはその言葉を飲み込んだ。
シェラに向けるべき最高の笑顔を浮かべたまま……リファニアの瞳からは涙が溢れて止まりはしなかった。

「……リナルド、私と一緒に歩むべき人は、変わらないわ。
 ずっと、ずっと、ひと時も、変わらないわ。
 ……それだけは、憶えておいて……。」
 
搾り出すような声で、そう呟いて……顔を上げたリファニアは、ペズ・バタラをその瞳に捉える。
ノイズの走ったモニター越しに映る闘魚は、壁に激突したまま、いまだにその動きを止めていた。

「……シェラさん、私は傍に居るよ。
 たとえシェラさんの刃が折れようとも、私がシェラさんの刃となるよ。
 どうしたいの、シェラさん。あいつを、倒したい?」

微笑みを浮かべながらも、瞳に獣めいた闘争本能の塊のような光を宿し。
だが、その瞳からはいまだに止まらぬ雫を零し。
少女はコックピットハッチを開放し、ノイズの走るモニター越しではなく、自らの瞳でペズ・バタラを見据える。

「……そうしよっか?」

少女の呟きと共に、スラスターを咆哮させたヤクト。
今は動きを止めているペズ・バタラの眼前に立ちふさがるように、跳ぶ。
獲物に飛び掛る寸前の猫のように身を屈め、右手に構えたビーム・サーベルを引いて、一気に突き出そうとした時。

―――まだ・・・・まだ・・・・・これをアイツに・・・・・・―――

ペズ・バタラの中より、はっきりと、強固な念を感じ……リファニアは突き出そうとしたサーベルを止めた。
リファニアの顔に浮かんだ笑みは、そのままだ。だが、その瞳に浮かんだ闘争の色が、複雑な色へと変わる。
少女は、黄色い魚のようなシルエットのような機体を睨みつつ、通信機を指を叩きつけるように操作した。
ペズ・バタラとの通信回線が繋がると共に、少女はベルクに言葉をぶつけ始める。

「……ねえ。
 何でそんなに、アイツに拘るの?
 何でそんなに、アイツの為に、戦えるの?
 何でそんなに、アイツを信じられるの?
 ……アイツに、何を托そうというの?
 リナルドが言うように、アイツは仲間を傷つけ、殺したんだよ?
 殺された人達の怨嗟の声は、私の心にも響いてきたわ。
 ……私も仲間に裏切られて、大切なものを壊されて……だから、彼らの無念はよくわかる。
 そんな男だから、シェラさんは、アイツを見逃してはおけなかったのよ。」

最初は、酷く穏やかな声だった。しかし、その声は言葉を紡ぐ程に荒々しさを増してゆく。
リファニアは、ベルクをただの敵として倒す気は無かった。
自分が何故刃を向けられるのか、それをはっきりと解らせた上で……終わらせてやろうと思った。

「……そんな男を信じざるを得ないあなたに、同情しないでもないわ。
 あなたが仲間を想って戦う心を、尊く思わない事もない。
 ……でも、私にとって、あなたは許しようが無い存在よ。
 理由は、ただひとつ。あなたは、シェラさんを、ねえさんを傷つけ……壊すのよ!」

ヤクトが、再びサーベルを突き出す為に、振りかぶる。
リファニアの声が、激しさを増してゆく。
構えられたサーベルは、いつ突き出されてもおかしくは無かった。

【行動 : リナルドとの通信継続(0)、シェラに語りかける(0)
      ペズ・バタラの前に立ちふさがる(-1)、ベルクとの通信回線接続(-1)、残2 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : シェラの刃となる、リナルドは私をすきにしていいよ…… 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
54シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/07/05 21:34 ID:ie/AFfx4
IDチェック
55シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/07/05 22:27 ID:???
『ヨーコを死なせて、か?
 守るべき人も守れず、仲間……いや、貴様にとっては駒でしかなかったのかもしれないが……
 その立場にあった人間まで殺し。
 情けないことこの上ないな。 やはりあそこで抜けて正解だった』

通信が帰ってきた時、同時にアビゴルは回避行動に移っていた。
ミサイルの爆炎によって姿が隠れるアビゴル。
同時に、ゼファーによる爆発直前の動きから予測したアビゴルの現在位置、被害状況が映し出される。

(……技術を奪って、勝手に去って、よくもまぁぬけぬけと……。
 ……ちっ、腕を焦がしただけ?タフなMSだ……。それ以前に……。)
「コイツ……人か?」
あれだけの攻撃を加えて、未だに目立ったダメージを受けていないリナルドに対し、最後はつい言葉に出てしまっていた。

『どうした? ゼファーに頼ってばかりいないで、お前の力で俺に立ち向かってこいよ。
 それとも、ゼファー無しじゃ何もできないとでも喚くつもりか? 貴様は』

「ふん、所詮人は自分だけの力だけじゃ何も出来んさ。
 貴様はそのやけに防御力のある機体に頼っているだけに見えるが?
 貴様もこちらと同じ機体なら、既に半壊も同然の状態だぞ?
 それにな、俺はプログラマーだ。貴様はパイロットだ。
 貴様は貴様の長所を生かし、闘っているのだろう?
 俺は俺の長所を最大限に生かし、こいつを作った。そしてそれで闘っている。
 その事に文句を言われる筋合いは……ない。」

『……同盟、か。
 ヨーコは貴様が守ってあげなきゃいけない人だったんだ。
 その彼女を放っておいて、貴様は同盟潰しか。
 自分で作って自分で壊してちゃ、世話ないね。
 やっぱり貴様はその程度の器量と価値しか無い男だったようだな。
 “デキる奴”だと見せ掛けていただけの……』

「……後悔は、している……。
 狂ってきているとはいえ、まだそれぐらいの感情は……。」

『……ただのクズだ。
 鬱陶しいから、早く消えろ』

「貴様な……初めに俺の言った事、忘れて……。」
〔来ます!〕
「ちっ……!」
56シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/07/05 22:29 ID:???
爆炎から突如飛び出すアビゴル。相変わらず左右のビームカタールが光っていた。
「……直線的で同じような動きなら、俺でも!……ゼファー、2撃目も多分来る!対応準備!」
真上から向かってくるアビゴルに対し、スラスターを噴かせ、ビギナギナを急進させる。
一撃目はそれで回避しきった。続いて、2撃目に対応するために、機体を捻らせる。
〔間に……合わせます!〕
アビゴルの左腕から繰り出されるビームカタール。
ゼファーはそれをビギナギナの左腕でアビゴルの左肘を押す事で回避しようとする。
だが、押しが足りなかったのかビームの刃が左肩装甲を融解させ、左の一番上のフィンノズルをもぎ取っていった。
「距離を取る!」
ビギナギナがスラスターを逆噴射させるのと同時に、左腕がより力強く押される。
それにより、アビゴルとの間に再び距離が開いた。
(……被害は……まだ問題なし、か。)

「……リナルド、貴様な、少しは人の話を聞け。貴様は小学生以下か。
 俺は何も無差別攻撃をしているわけではない。不意打ちに対する反撃だ。反撃。
 確かに通信を一回もしなかった事は俺にも非があるかもしれないがな、
 問答無用で攻撃しているのはそっちの方だろう。
 未だに同盟を組み続けて……優勝する気があるとは思えないがな。
 俺には貴様らとの交戦意志はない。貴様らはどうなんだ?
 やる気がないならさっさとこのエリアから消えろ。
 こんな戦いをしている暇があるのか?俺を殺しても何も出ないぞ?
 それとも……こんな時に個人的理由で俺を討とうというなら……。
 貴様は俺の障害だ。邪魔だ。俺以下の存在だ。
 
 容赦は、しない。」

【行動:回避行動×2(−2)距離を取る(−1)アビゴルと通信継続(−0)】
【残り行動値:1p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  左腕のみゼファー制御中 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 アビゴル 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:敵機撃破……?】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 07番ベルク?】
57サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/07/05 23:47 ID:Of69FTns
IDちぇく
58リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/06 00:02 ID:???
第14章 >57 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎□◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎□■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□◎□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□◎〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼25▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・26は同一地点。03・11・14は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦に搭乗。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
 ちぃ! ヤロォ……はっやいじゃないの!
 こいつだけはまだ失えないのよ!

「正面……いや、ブースター全開!」

 襤褸切れのようになったABCマントが、はためく。
 宇宙に靡いたマントの擦り切れた隙間から、星が煌いた。

「3,2,1……ファイアッ!」

 ガトリングが盛大な弾幕を放つ。

 弾幕、まずは、相手を見極めなければ……
 私は冷静? 冷静だと嬉しいわ、リオン。
 落ち着くのよ。戦うなら、落ち着かなければ。
 敵の数はまだ減らない。

 けど、手加減は出来ない。
 1戦1戦、最大の力を発揮して、生き残る!

「はぁぁぁぁっ!!」

 ガトリングで牽制したまま、ビームサーベルを引き抜いて接近する。
 この布にこの行動。盗賊? 構うものか!


【行動 : 回避(−1) ガトリングガンで牽制弾幕(−1) 接近(−1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数2・ボロボロ)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾45%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
60イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/06 14:09 ID:sCITpqw+
ID確認します
61イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/06 22:36 ID:???
>39>59
「そう―――」

その動きを何処かで見た気がしていた。
その殺気に覚えがあるような気がしていた。
そして告げられた名前は、彼女の感覚の正しさを証明するものだった。

「―――確かにそのようね」

愁林の仕掛けた攻撃は、寸でのところで見事に回避されている。
再び火を噴くガトリングガン。

弾幕――

  狙いが甘い――

     これは牽制――

        本命はビームサーベル――

―――付き合う必要は無い!

多少の被弾は無視した上で、爆発の影響で放たれた瓦礫の向こう側へ白い機体を飛び込ませる。
展開されたビームシールドの表面に金属製の銃弾が接触し、融解、蒸発していく。
更には残りの弾丸もその殆どが盾にした瓦礫に着弾、Vガンダムがその身に纏う白き鎧には浅い傷が残るのみ。
最早原形を留めていないその瓦礫を点対称の軸とするかのように側面へと回り込み、陰から飛び出し、敵機の進行方向右側後方を確保。
リニアシートでも相殺しきれないGが均整の取れた肢体を苛む。
『牙を折る』
そんな悠長な考えでは、サーティア・クワン相手には通用しない。
『仕留める』
だから今度はその為だけに、見出した一瞬の好機へと灼熱のビームを撃ち込んだ。
62イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/06 22:38 ID:???
【行動:レイモンドへ通信継続(-0)、
     Bシールド防御(-1)、回避(-1)、
     デブリを使った回り込み(-1)、ビームライフル→ガンイージ(-1)】
【残り行動値:0p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率7%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量43%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾40%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
イブのガンダムタイプのバーニアと、サーティアのガンイージのバーニアの流星のような
光がどんどんと近づいていく。
どうやらお互いを完全に敵と認識したらしい。
ここからでも、ガンイージのガトリングがばらまかれているのが確認できる。

俺はそこから離れて様子を伺いながら、自身の行動を模索していた。
選択肢は単純だ。
ここに留まって戦闘を継続するか。
それとも今までの作戦通り、仲間との合流を優先させるか。
…ここでサーティアに会わなければ、迷う事もなかった。
現時点でムサイは、未だ俺にとって敵とは言い難い存在だ。
だからドックで刺激しないよう、気を配った。

だが、サーティアは……サーティア=クワンは……自分で同盟を提唱しておきながら訳の
分からない理由で抜け、俺のガンイージを奪った挙げ句デッキで暴れまわって逃げていった。
間接的だが、アーネストが死んだ原因の1つは、明らかにサーティアの行動だ。

そうだ…サーティアは敵。
俺の……敵。
敵、敵、敵、敵、敵、敵、敵、敵……。
敵の……筈だ。
……俺はそう認識している筈なのに、何故かタイヤを動かす事ができない。

…俺はさっきサーティアにビームキヤノンを放った。
1撃目は何の躊躇もなく撃てた。
2撃目、3撃目もおそらく撃てる。
……それ以上はどうか?
引き金を引き続ける事ができるか?

モニターに映る2機の戦闘を見る。
俺は……。
未だに心の何処かに、サーティアを仲間として見続けている。
まだ何とかなるのでは、などと思ってしまう自分がいる。
勿論、先程ビームキヤノンを撃ったその時に、そんな望みは断ち切られている。
だがそれが分かっていて尚、サーティアを敵として認識しきれないなど……
不様にも程がある。

以前はどうであれ、敵は敵、味方は味方。
さっきまで殺しあった人間が、何らかの拍子に味方になる……またはその逆…。
戦場という特異な環境では、いくらでもあり得るこの状況に迷いを見せている時点で、
俺は……やはりアシッドにはまだ遠く及ばない。

(あいつが……アシッドが今の俺を見たら、俺を心底笑うだろうな…)

不意に自嘲気味な笑みが浮かぶ。

……もう少しだけでいいから、欲しい。
全ての迷いを捨てるだけの時間が。
全ての迷いを捨てさせるだけの強さが。
【行動:迷い(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:仲間との合流と戦闘、どちらを優先させよう…?】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
65サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/07/07 23:22 ID:fXf23q2v
IDちぇっくに候。
>>46
振り下ろしたテールランスは、ペズ・バタラを捉えることは出来なかった。
だが、それを無念に思うことや舌打ちすることはなかった。

そうするだけの余力も余裕も、シェラザードには残されていなかったから。

自らの一撃によるGがその身体にさらなる負荷をかけ、傷口を広げ、ダメージを深くして。
こみ上げてきた3度目の不快感を飲み込むことは、今度は出来なかった。

「   !   」

キュベレイが、内側から朱に染まる。
主人が吐き出した命の源によって、コクピットが血の紅に彩られる。
だが、シェラザードは血に染まりながらも、
むしろ自分の身体に血を吐き出すことが出来る力が残っていたことに驚きすら覚えていた。

………これまで、ね。

>>48-49
全てが遠くなっていきながら、何故か素直に自分の中に入り込んでもいた。
だからなのか、自分があれほど嫌った緑の魔神から流れ込んでくる意識も、
その乗り手の想いも、不思議なほどにそのまま感じ取ることが出来た。

………………まったく。

本当ならリファニアの前できっちり反論したいところだったが、そうするだけの力も時間も残されてはいなかった。
故に、シェラザードは最も言いたいことだけを思うことにした。

勝つだの負けるだの、くだらない愚痴を惚れた女の前で並べているんじゃないわよ。
あなたも男なら、リファニアの全部をひっくるめて愛してあげなさい。
あたしのことを好きになれとは言わない。認めろとも言わない。
でも、少なくともリファニアの前では、男らしいところを魅せなさいよ。
嘘でもいいから、言葉だけで構わないから、リファニアの想いを認めたらどうなの。

『シェラザード、俺はあんたのことが嫌いだ。大嫌いだ。
 でも、そんなあんたのこともまとめて、リファニアのことを俺は愛していく。
 リファニアの中のあんたも全部まとめて、俺が貰う。リファニアの全部を、俺が幸せにしてやる』

それぐらいのことも言えないわけ?
あなたがそんな風に情けないから………

>>51-53
ほら、リファニアが苦しんでしまっているじゃないの。
あたしを否定することは、リファニアのあたしへの想いを否定してしまうことになるのよ。
あなた、男でしょう。リファニアのことが好きなんでしょう。だったら………もう少し頑張りなさい。

自分のことを遠い遠い棚に放りあげて、シェラザードは思った。そう考えた。
それを言葉にすることは、もう出来なかったから。


さて、あの男のことばかり相手にしているわけにも………!


その時、極めて近くに、誰かの戦意をシェラザードは感じ取った。
ペズ・バタラのものではない、リファニアのものでもない、
刃を交わすアビゴルとビギナ・ギナから放射されるものでもない、誰かの戦う意志を。
殺意にしてはあまりに弱々しくて、むしろ限りなく泣き声に近いものではあったが、
それは確かに戦う意志だった。誰かを傷つけても想いを叶えようとする、純粋な気持ちそのものだった。
………R・ジャジャ!

一度は戦う意志を放棄した赤いモビルスーツがマシンガンを構えるのを、シェラザードは認識した。
何があっても戦闘を避けようとしていた女がついに武器の筒先を誰かに………リファニアに向けたのを、
五感以外の何かで感知した。

シェラザードの捉えたその女………ルイ・フィルセントは、泣いていた。
シェラザードにはよく分からない理由に身を震わせ、目に涙を浮かべ、
本来ならば愛らしいはずの表情を歪ませながら、それでもペズ・バタラに相対するヤクト・ドーガを
ターゲットスコープに捉えていた。

それに対して、怒りや敵意は覚えなかった。
それでいいのだとすら思った。
自分にとってリファニアが何よりも大切なように、ルイにとってもペズ・バタラのパイロットは大切な存在のはず。
ならば、その大切な存在が攻撃され、傷つけられ、殺されそうになっているのなら、
何があっても、どんなことをしてでも、守ろうとするのが当然のはずだから。
例え人を傷つけて殺すことになっても、それがどんなに嫌なことでも、
それ以上に大切な存在があるならば、守りたいと思う誰かがいるならば、
自分の手を汚すことを厭うことは許されないと思っていたから。


でも、あなたの想いを達成させるわけにはいかないわ。


シェラザードが笑みの形に唇を歪ませると、キュベレイの瞳が輝きを放った。
それは文字通り最期の輝きだった。
最後に残された機械と生身の力を振り絞り、自らの肉体と機体を溶かし、燃やし、傷つけながら、
キュベレイは己そのものを刃に変えてR・ジャジャに突進した。


取りあえず、最初の道連れになって貰うわね………!


キュベレイが構えたテールランスの穂先が、R・ジャジャの胴体に深く突き刺さる。
そしてその衝撃がキュベレイの機体にも致命傷を与え、中の女にもとどめを刺した。


……ここで……爆発する………わけには………っ!


R・ジャジャごと、キュベレイはこの場を離れようとした。
動くはずのない機体を動かしながら、死んでいるはずのスラスターを全力で吹かしながら、
破片とオイルと血をまき散らしながら通路の奥に向かって、外へと向かって飛んだ。
静かだった。

機体の上げる悲鳴と鳴り響く警報が周囲に満ちているはずなのに、とても静かだった。
単に聴覚が失われているだけなのだろうか。
それとも既に自分は死んでいるからなのだろうか。
理由はどうあれ、とても静かだった。
静かだから、色々なことも考えることが出来た。


イブ。
イブ・シュウリン。
結局、あたしはあなたの努力を無駄にしてしまったのかもね。
せっかく助けてくれたのに、こうしてしまったのよね。
でも、あたしは謝らないわよ。許しを請おうとはしないわよ。
だって変でしょう。おかしいでしょう。あたしが素直にあなたに謝るなんて。
だから、このままサヨナラするわ。別れの言葉も必要ないでしょうから。
あなたはせいぜい生き残って、散々苦労して、ずうっとあたしの悪口を言ってなさい。
その綺麗な顔が皺で埋まるまで長生きして、枯れ木みたいなおばあちゃんになるまで生きて、
あたしのことを愚痴って罵って馬鹿にしてなさい。
あなたはあたしが本気で殺してやろうと思った女なんだから、簡単に負けて死ぬんじゃないわよ。
………出来れば、あなたが本気で取り乱すところを見たかったけれど、それはまた今度のことにしておくわ。


リナルド。
リナルド・グレイス。
あたしはあなたのことが嫌いよ。認めてもいないわよ。
でも、不本意だけど、本気で不本意だけど、リファニアが選んだのは、あなたなのよね。
あたしがいなくなったら、あのコを抱き締めてあげられるのは、あなただけなのよね。
だったら、仕方ないから、愚痴っても意味がないから、しっかりやりなさい。
どうせすぐに飽きられて捨てられるでしょうけど、取りあえず今はリファニアを助けてあげられるのはあなただから、
あたしのことを考えている暇があったら、その分リファニアに集中しなさい。
あなたは今までリファニアの側にいなかった。
リファニアが危険にさらされている時に、あなたは何もしていなかった。
なのに今更出てきて白馬の王子様を気取るなら、遅れてきた分のツケはしっかり払うのよ。
全力を尽くそうが何をしようが、大切なのは結果であって過程や理由ではないのだから。
もし失敗したら………覚悟しておきなさい。女の恨みは、怖いわよ。


痛みが薄れてゆく。
苦しみが遠ざかってゆく。
それは解放であると同時に終焉でもある。
痛みや苦しみを感じることすら出来なくなっていくと言うことの証明でもある。

あたし、死ぬのね。

怖くないわけではない。
恐れていないわけではない。
死ぬのは怖い。恐ろしい。死ぬのは嫌だと、死にたくないと、思わないと言うことなど出来はしない。

でも、少なくとも、あたしは病気で死ぬわけではないわ。

病院のベッドで緩慢に進んでいく病状に怯えながら、枯れ木のように朽ちていくわけではない。
夜には朝に目覚めることが出来るかどうかと言うことに怯え、
朝になれば再び夜を迎えることに怯えながら、
恐怖と焦燥に魂と肉体を消耗させられるだけの日々を送るわけではない。
自分は、シェラザードは、最後まで自分らしく、シェラザードらしく生きることが出来た………そう思うことは出来たから。

それは………一番はあなたのおかげよね。

少女の面影が、闇の中に浮かんだ。
リファニア。
リファニア・ニールセン。
………
………………
……………………
……………………………リファニア。

シェラザードの中で、リファニアは笑って、泣いていた。
笑いながら泣いて、泣きながら笑っていた。
リファニアを微笑ませたのも自分で、泣かせたのも自分で。
大切にしたのも自分で、傷つけたのも自分で。
愛情も憎悪も、好意も悪意も、自分の全部をぶつけたのがリファニアで。

リファニア、あたしはあなたに言ったわよね。
あなたにイブを任せて、あなたと一旦別れた時に。
『追ってきたら、怒るわよ』って。
その言葉は、今も有効だからね。

守りたいから、傷つけたくもなった。
好きだからこそ、失われるぐらいならいっそ自分の手で、そうも思った。
全部欲しかった。全部したかった。全部されたかった。それは酷く子供じみた独占欲だったのかもしれない。
30近くの大人が思うことではなかったのかもしれないけれど。することではなかったのかもしれないけれど。

あたしの後を追ってきたら、本当に許さないから。
あたしに続いて途中退場なんかしたら、お仕置きの一つや二つじゃ済まないわよ。
あなたはちゃんとこの場を乗り切って、この狂った世界から抜け出して、
あたしが認めたあなたにふさわしい人生を送るの。
色々な経験を積んで、色々な恋愛をして、あたし以上のいい女になるの。
あなたはあなた一人のものじゃないのよ。あなたはあたしのあなたでもあるのだから。
あなたの中のあたしを簡単に殺すのは許さないからね。

もっと色々したいことはあったけど。
一緒にしたいことは山ほどあったけど。


いいこと、リファニア。良く聞きなさい。


今、言いたいことは。伝えておきたいことは。


あたしは、あなたに会えて、良かったわ。


リファニアが遠くなる。
何か言いたげな少女の姿がどんどん薄れて、遠くなる。
これで本当に全てが終わるのだと思って瞳を閉じた………その時。





別の誰かが、シェラザードそのものに触れた。
………ダグラス………?


それはダグラスだった。シェラザードが殺したはずの、シェラザードを殺すはずの相手だった。
困ったような、戸惑ったような、照れたような、嬉しいような、
何とも形容しがたい………とにかくダグラスらしいとしか言えない笑みを浮かべて、
ダグラスはシェラザードの前に現れていた。

あなた………あたしに、会ってくれるというの。
このあたしに。あなたを殺したあたしに。イブとの未来を奪ったあたしに。

闇の中に立ちつくすシェラザードに、ダグラスが微笑みながら手を伸ばす。
優しく差し伸べられたその手に、シェラザードが恐る恐る手を重ねようとする。

これは夢?
これは幻?
それとも……罰?
手を握ろうとした瞬間、あなたは消えてしまうのかしら。
重なったと思ったら、遠くに行ってしまうのかしら。
そしてあなたはあたしのことをあざ笑うのかしら。
お前みたいな女を迎えに来るはずがないだろうと、憎らしげに睨み付けるのかしら。

でも、それでもいいわ。

無視されるよりは。
忘れられるよりは。
憎む価値があると思ってもらえるだけ、嬉しいから。


震えながら、怯えながら、シェラザードがダグラスの手を掴もうとする。
ダグラスは微笑みを絶やそうとはしない。


でも、お願い。
あたしを、連れていって。


2人の手が重なろうとした、その瞬間。



R・ジャジャごとキュベレイは弾けた。
2機のモビルスーツは火球と化した。

そして、シェラザードの存在は、そこで途切れた。


【25番ルイ=フィルセント及び26番シェラザード=ビンス=マクファーソン死亡】
 直後、奴のビームライフルが輝く。
 避けられるかどうか、解らないタイミング。

 といってもまぁ、避けなくちゃどうしようも無いのだけど。

 けど、よ!
 このタイミングで避けられるかってぇの!

「がぁぁっ!」

 眼前が光り輝き、次いで襤褸切れが擦り切れて宇宙の深淵に散った。

「っちぃ……やっりょッ!」

 悪いわね、けど、マントの御陰で速度は落ちてないのよ。
 右腕を舌から上へ捻りこむ。

 そして突き出す。何処かで見た、フェンシング方式の見よう見真似。

「リオン! なんで勝手に死んだのよォ!」

 生きると約束しておきながら、悔しい。
 そしてそれ以上に、悲しい。
 眼前の敵は確かに敵。倒して私は生き残らな”ければならない”。

 だけど、敵なのだけれど、リオンが見ているような気がする。

 見てないで、手伝って欲しいな……
 あなたが死ぬのは早すぎる。
 もう少し、甘えさせて欲しかったのは、私のエゴかしら?


【行動 : ビームサーベルでイヴを攻撃(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(焼失)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾45%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
それが何なのか、俺にはすぐには分からなかった。
基地の方から……いや正確には中から、何かを感じた。
腹に得体の知れないものが突き刺さった感触……。
いや、それを感じたのは俺自身ではなく、俺の中にいるあいつだったかもしれない。

(……?……何だこの……感じは?)

基地が妙に歪んで見え、右腕の傷が何かを伝えるように疼く。

基地を凝視していて気が付いた。
それがあの基地で、アーネストを失った時と同じだという事に。
それは、ある種の喪失感。
何か大切なものを失ったという、理屈で説明できない感覚。
今の俺にそれを感じさせるもの。
それは…………。

そう思うや否や、俺はタイヤの向きを変えて走り始めた。
もう向こうの戦闘など目に入らなかった。
それどころではない。
あそこで何があったのか。
あそこで何が…失われたのか。
俺は、確かめなければならない。

(ルイ、ベルク……生きていてくれ……)

さっきの感覚が間違いであると……ただの気のせいであると思い込みながら、それでも俺は
心の中でそう念じずにはいられなかった。

(くそっ……!心を乱すな……!こんな事では、見つかるものも見つからないぞ…!)

俺は頭を振ると、再び侵入口を探すべく基地に取り付く。

それを待っていたかのように基地内からレーダーに現れた、2つの影。
レーダーに表示される文字に反射的に目を走らせる。
その正体が判明するのに、時間はかからなかった。

「R・ジャジャ……?ルイ!」

俺の声には、仲間が無事だった事への安堵の響きが混じっていた。

(…俺の勘はあまり当てにはならないからな。…さっきの嫌な感じも、結局は傷の痛みを
 俺が悪い方に取ってしまったからなんだろう…)

だが苦笑してばかりもいられない。
R・ジャジャは例のキュベレイと戦闘中なのか、一緒になって飛び出してきた。
場所は近くはないが、急行すれば十分に間に合う距離だ。
俺はタイヤをレーダーの反応に向けて走らせる。
2機がレーダーに現れた辺りから基地内に入れる筈だ。
そして、その先にはベルクもいるだろう。

(そう言えば約束したものな、ルイ。俺とベルクと、3人でまたあの基地に戻ろうって。
 はやくベルクとも合流して、今後の対応も考え……)

次の瞬間。
遠くに火の玉が見えた。
レーダーからルイのR・ジャジャとキュベレイの反応が消えた。
何も見えなくなった。
ただ呆然とした俺だけが残された。

右腕の傷が熱く疼いていた。
【行動:何かを感じた(0)U-21に移動(−2)呆然(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:V-20→U-20→U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:基地内に入る】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
74イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/10 14:42 ID:h3/aaqBx
ID確認します
75イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/10 15:11 ID:???
>71

捉えた。
そう思った瞬間、愁林は己が目を疑った。
ガンイージの纏っていたマントが直撃を受けて消滅。
しかし肝心の機体には、何らダメージを与えられていなかったのだから。

―――あれが噂に聞くABCマント……。

その存在だけはかつて師と仰いだ女性から聞いた事があった。
木星帝国戦争に於いて、名も無き宇宙海賊達が用いた対ビーム兵器用防御兵装。
敵に回せば厄介な事この上ないが―――しかし、最早その機能は失われた。

ガンイージはそのまま大きく旋廻し、再び直線的な動きでこちらに向かってくる。
速度を殺さぬ為のその機動は、対応する行動を取らせるに十分な時間的猶予を愁林に与えた。
だが。
突き出されるビームサーベル。
それは、愁林の予想を遥かに超えた鋭い一撃だった。
直撃を受ければ、ガンダムの後継たる愁林のMSでも無事では済むまい。

「……っ!?」
76イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/10 15:15 ID:???
刹那。
その幻視は訪れた。

―――シェラザード……。

宇宙がまた少しだけ、広く寒くなる。

―――そう……ダグラスが迎えに来たのね。

だが、暖かいモノも確かに其処には在った。

―――どうせ貴女の事だから、最期まで私には憎まれ口しか残さないのでしょうけれど。

唇の端に、僅かに苦笑が浮かぶ。

―――貴女の遺す想いも、誰の想いも私は背負う気なんて無いわ。
      私みたいな弱い女が死者の想いを十字架を気取って背負っても、それは重荷になるだけだもの―――

浮かんだそれは、やがて穏やかな微笑へと変わる。

―――私にとって十字架は、背負うものではなく胸に抱くもの。例えばこのロザリオみたいにね。

淡く輝くその色は、穏やかな銀色の光。
其処に在るのは、ダグラスの遺した温かな想い。

―――シェラザード。
      精々、貴女には到底似合いはしない天国で。
       どうしようもなく優しい、お人好しのダグラスの傍で。
        貴女の不倶戴天の敵である、この葉愁林の胸の中で。
          安寧の中で、精々居心地の悪さを味わっていなさい―――

そして、幻視は終わりを告げた。
77イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/10 15:19 ID:???
「―――死ねないっ!」

半身になったVガンダムの胸部装甲の表面を、光の刃が浅く裂いた。
それはまさに紙一重の回避。
僅かなタイミングのズレでもあれば、愁林はコックピットごと消滅していたであろう。
安堵の溜息を漏らす余裕など無い。
両手に射撃用の武器を装備したこの状況では、インファイトに応じるなど愚の骨頂だ。
ヘビーマシンガンの弾幕をばら撒きながら、愁林はVガンダムを一気に後退させ再び彼我の距離をとった。

―――言ってやりたい事はまだまだ色々あるけれど、今はあと一つだけ。私も結構必死なのよ。

「生きてあげるわ。
 シェラザード、貴女よりも、もっと眩しくね!!」

その言葉と共に彼女の指がトリガーを引き絞る。
新たな想いが、ロザリオに刻まれる。
弔砲の如く放たれたビームの弾丸は、一直線にガンイージへと向かっていった。

【行動:幻視(-0)、 回避(-1)、
     4連装ヘビーマシンガン→ガンイージ(-1)、ビームライフル→ガンイージ(-1)】
【残り行動値:1p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率11%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量37%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾32%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア】
78サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/07/10 16:47 ID:shuz9q6U
IDチェック
「当るかァ!」

 その場に群れるムサイが残骸を、一撃の下に蹴り飛ばす。
 所詮、マシンガンの弾丸如きものは、この程度の盾があればどうとでもなるのよ。
 私が今まで得てきた戦いの知識、いや、直感!

 それを最大限にあてにさせてもらう!

 この残骸の裏に居る物体を、ビームライフルのような直線兵器で捉えられる訳がない!
 遅い! 全部が遅いのよ!

 私だってプロじゃあない。
 けど、アマならアマなりに、MSを使ってきた。
 それに戦いに必要なのは機転だと学んできた!

「そんな甘っちょろい攻撃ごとき、どうもなるもんか!」

 テメェら相手に、多対一で潜り抜けた私の腕を、舐めんじゃないわよ……!

 右横をメガ粒子が走った……今、いける!

「リオン! 居るなら出てきなさいな!」

 装甲板から飛び出すと同時に、大型ガトリングをばら撒く。
 機体単位のロックオン……下手に狙うよりも数段はあたり易い!

 それにね、必殺の一撃があんのよ。

「目ェ潰れろォ!」

 作業用クレーンを掴み……振り回して……投げる!
 この質量の攻撃、機体ならともかく、頭部程度なら簡単に拉げる……。

 ガトリングガンの嵐の中を、クレーンが回転して飛んで行く。

 満身創痍? 冗談じゃない。 リオン、アナタね、少し生意気よ。
 アナタが強いのは心でしょ? 私には真似も出来ない。
 機体や、技術じゃないんだからさ。
 戦闘の時は私に任せなさいって!


【行動 : ムサイの残骸を蹴って盾に(−2) 大型ガトリングガンで攻撃(−1)
         作業用クレーンを投げて攻撃(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(焼失)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾30%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>53

「んなもんわかんねーよ。
 殺された奴の気持ちが俺にわかるわけないだろ。」

朦朧とした意識が徐々に戻ろうとしている。
そんな中、向けられた問いに答えようと思う言葉を吐き出す

「所詮、人の意思の食い違い・・・・・・個々の思い
 それが、ここでは殺意に変わる。
 高みで見下ろしている奴らの思惑道理に・・・・・・これでは道化だ。
 今の俺達は道化に過ぎない、

 死者の思いに流される者。
 
 生者を想い守ろうとする者。

 死者は恐怖を呷り、恐怖は生者に剥けられ、生者は恐怖を振り祓う為、新たな死者を創り出す。
 終わりの無い連鎖は、巡る人の想い。

 ・・・・・・・・・・もう、道化に成るのは嫌だ。
 だから、断とうと思った。
 この終わらない連鎖から抜け出し、その鎖を切る為に
 その為には、彼の能力が必要だと思った、否、必要なんだ。
 俺は馬鹿だからな・・・・・・それぐらいしか思い浮かばなかった
 アイツが協力してくれる可能性が少ないと分かっていても信じたい。
 それなのに、俺はまた呑まれてしまった。巡る連鎖の輪に・・・・・・・」

身体にも感覚が戻ってくる。
しかし、未だ完全ではない。それが後悔することになる。
人の思いは止められない。
戦場を離れたと思っていた彼女が戻ってきていた。
彼女は俺を助けようと望まぬ武器に手をかけてまで・・・・・・・

頭の中に最悪のビジョンが鮮明に映し出される。
意識はハッキリしていた・・・・・・身体が動かなかった。
未だ力が入らなかった。

(どうして・・・・・)

分かりきった結果をただ呆然と見ることしか出来なかった。

(どうして・・・・・)

テールランスにコクピットを貫かれ押し出される光景

(どうして・・・・・こんなに・・・・・・)

感覚が完全に戻ったときにはそれを追っていた。
遅かった・・・・・あまりにも・・・・・・
ニ体の鋼鉄の人形が眩い閃光と共に消え去った。
それをただ見送ることしか出来なかった俺は・・・・・・・

「どうして・・・・こんなに俺は無力なんだろうて思う。
 もう、こんな気持ちに成りたくなかったから決意したのに
 俺は・・・・・・・絶対に奴等を許さない。」

自然と涙がこぼれていた。
悔しさと怒りが拳を握らせた。

「君は、こんなことが繰り返されるのを黙って許せるのか?」

【行動:ヤクトと通信(-1)感覚が戻る(-1)
    キュべレイとR・ジャジャの後を追う(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
82リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/11 00:01 ID:???
『はい、まだ生き残ってる皆さんのための定期放送です☆
 え〜〜、つい先ほど、ほぼ同時に2名の脱落を確認しました♪

 脱落したのは、
   25番 ルイ・フィンセント
   26番 シェラザード・ビンス・マクファーソン
 の二名です。

 一気に2名減って、残り7人☆
 無傷のMSはもういませんし、案外決着も早いかも!?
 この調子で頑張っていきましょう♪

 次の立ち入り禁止区域は、次の通りです。
  『B-05』 『E-21』 『G-15』 『K-11』
  『N-01』 『Q-24』 『R-16』 『Y-06』
 以上です。

 今回の指定エリアは、意味がない場所が多いようですねぇ。
 この時点で「入れる」エリアはかなり狭くなってます。
 ……まぁ、移動管制室であるこの戦艦のコトも考えに入れると、
 みなさんがマップ見て思ってるより、さらに狭くなってるんですけどね☆

 おっと、これ以上は薮蛇ですかね? では、さようなら〜♪』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:O-17】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
83リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/11 00:02 ID:???
第14章 >81 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■×■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎□◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□×□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□×□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎×■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□×▼□□◎□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□×□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□◎×◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□07▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■×◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・15は同一地点。03・11は同一地点。07・14は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
84イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/11 09:48 ID:uMyJSd39
IDチェックです
85イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/11 21:32 ID:???
鳴り響くロックオンアラート。
ミョーコウの陰から飛び出したガンイージが放ったのは無数の実弾の雨と―――

「クレーン!?」

その一撃は、確かに愁林の意表を突くものであった。
加えてこの重厚な実弾の嵐だ。
不用意に回避を試みれば、軽傷では済まされない。
だが。

―――致命傷にならなければ十分よ。

投擲されたクレーンとガンイージを結ぶ直線の延長線上に機体を留める。
それにより回転するクレーン自体が遮蔽物となって、ガトリングガンの弾幕はVガンダムへの有効打足り得なくなる。
無論それらが本命でない事は愁林とて承知しているが。

最後に、クレーン自体を落ち着いた動きで難なく回避。
相手に一瞬の意識の空白を生むべく敢えて狙った紙一重のタイミングで機体を回転させ、そのままライフルの銃口をガンイージへと向ける。
脇を通り過ぎるクレーンが視界から消えるより早くトリガー。
万全の状態にある最先端のFCSのサポートを受けたその光弾は、極めて正確な軌道を辿っていく。
続け様に更に一撃。
今度は反対の腕のヘビーマシンガンが、相手の回避軌道を潰すよう、ミョーコウと敵機との間を中心に厚みのある弾幕を形成する。
そして、最後にもう一本の光の矢が命を奪うべく放たれた。

―――私は負けない……このロザリオを胸に抱く限り!!

【行動:回避(-1)、4連装ヘビーマシンガンによる牽制→ガンイージ(-1)、ビームライフル×2→ガンイージ(-2)】
【残り行動値:0p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率16%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量25%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾26%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア】
86サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/07/11 23:42 ID:PDRkpNDO
IDちぇく。
>>80
サーベルを振りかぶりながら、サブモニターに映るベルクを見据えながら、彼の言葉を聴くリファニア。
笑みは叫びと共にいつのまにか消えており、ギラついた瞳が次第に細められてゆく。

「道化か……それは、私もわかっていたよ。
 暫くのあいだ、忘れてしまっていたかも知れないけど。」

かつては最終目的地としていた場所、W−22。
今は何も残されていない管制側の根城だった場所を睨みつつ、リファニアは静かに呟いた。

「無力なのは、私だって同じ。
 だからあなたのもどかしさ、解らなくはないかもね。
 一人だったら、私はとっくに散っていたもの。
 そんな私を救ってくれた一人が……あなたが生命を奪おうとしている、
 シェラザード=ビンス=マクファーソンよ……。」

ちらりとアビゴルに視線を送り、すぐにベルクへと視線を戻す。
一瞬、リファニアの瞳に宿る光が、穏やかさと、優しさと、悲しみの混ざった複雑な光を宿した。
……こんな時にでも、リファニアを案じるシェラの想いに触れたからだ。
そこには、リファニアの問いかけに対する答えは無かった。
シェラの魂は、すでに怒りや敵意を超えた所に居た。
……だが、リファニアは構えた刃を下ろしはしなかった。
 
「……この戦い、私たちはスタンスが似ているのかもね。
 だからといって……いや、だからこそ、刃を引く事は出来やしないけど。」

戦ったからといって、シェラの傷が癒える訳じゃない。
脱出への光明が見えてくる訳でもない。
それでも、刃を引けない確固たる理由はある。
これはシェラの尊厳を、戦ってきた意味を、護る為の戦いなのだから。

「……これで、終わらせる。外しはしない。
 私は、MSを駆って人を殺す事のみを期待されて生まれた、子供の皮を被った悪魔なのよ。
 そんな私に喜びをくれた一人、シェラ……。彼女の生命を奪うあなたを……私は殺す。
 そう、ころ……。」

リファニアが刃を突き出そうとした瞬間……何者かの強い意志が流れ込んできた。

「………!?」

その意志の主が駆るMSに、リファニアはいつの間にかマシンガンの銃口を向けられていた。
意志は、殺意ではなかったが故に……反応が遅れてしまっていた。
戦いを否定し、その身を投げ出してまで止めようとしていたルイ=フィルセント。
ただ、ベルクを護りたいが為に。
殺意を伴わずとも、MSを引き裂き、駆るものを殺すに充分な巨銃を、リファニアに向けていた。

照準……コックピットに……?

まに……あわない……?

リファニアの瞳孔が、あまりの予想外の事態に見開かれる。
ルイの意志は、MSを手足のごとく駆る少女戦士の意志を……挫いた。
それは、リファニアが今まで向けられた事の無い激情であると同時に。
自分が何度と無く敵へと向けていたであろう激情だったが故に……取り込まれ、呑まれた。
……死……?

それは、いつも突然やってくる。
前触れもなしに、突然に。
死神が、頭上へと舞い降りた気がした。
死神がかつて殺した男の顔をしていたのは……リファニアの想像の産物だろう。
死の匂いは、常にその男と共にあったから。

だが、その死の匂いを振り払ってくれたのは……常に。

リファニアは、みた。
すでに力を失ったキュベレイより、光の鱗粉が舞うのを。
シェラの駆る紅の女王が、R・ジャジャにその身を叩きつけるのを。

紅が、混ざり合ったまま。

光と共に、眼前より飛び去るのを。

リファニアは、微動だにせずに見つめる事しか、できなかった―――。

>>81
ペズ・バタラが、二機を追うように飛び去る。
呆然としたまま、アームレイカーを動かして機体を旋回させようとしたリファニアは、手を滑らせてしまった。
……思うように、機体を動かせない。視界を霞ませるのは、おそらくは自らの流した涙だろう。

「……どうしてっ……!」

悲痛な叫び声が、ヤクトのコックピットに響き渡る。

「……私が、護らなきゃいけない筈だったのに……。
 シェラさんの最後の安らぎは……私が護らなきゃ……ならなかったのにっ……!」

叫んだ直後、リファニアの心に穏やかなる魂が触れた。

>>69
シェラザード=ビンス=マクファーソン―――。

彼女のメッセージのひとつひとつが……リファニアの魂に、楔を打ち込む。

その中でも、一際強く響き渡った、メッセージ。

―――あたしは、あなたに会えて、良かったわ―――。

それとともに、シェラの存在がふと、遠くなる。
シェラが失われてしまったのだと……リファニアには、残酷なほどにはっきりと、解ってしまった。

「好きだった、好きだった……。
 こんな時に、こんなにも穏やかな心を向けてくれる……。
 そんなシェラさんが、私、ほんとうに……好きだった……。」

その言葉は、すでにシェラに届かないのかもしれない。
それでも、リファニアは言わずには居られなかった。

「もう、私を優しく包んでくれたシェラさんの身体に……触れる事、できないんだね……。
 シェラさんは、私の手の届かない所に、いっちゃったんだね……。
 ……追いかける事を……シェラさんは、望んでいないんだね……。」

シェラのエプロンを抱き寄せながら、何処から沸いて出てくるのかも解らない、
止まる事の知らぬ涙を瞳から溢れさせ続けた。
『どうして・・・・こんなに俺は無力なんだろうて思う。
 もう、こんな気持ちに成りたくなかったから決意したのに
 俺は・・・・・・・絶対に奴等を許さない。
 君は、こんなことが繰り返されるのを黙って許せるのか?』

その瞳に悔しさと怒りを宿しながら、瞳から涙を零しながら、ベルクが言葉をかけてくる。

>>82
直後、定期放送により、残酷なる現実が確かなものだと知らされる。
溢れる涙を止める術はない。だが、少女の瞳の奥に宿った光は……脆弱なものではなかった。

「……シェラさんとルイ=フィルセントを殺したのは、死なせたのは……。
 わたしと……あなたよ。」

サブモニターのベルクに、強い光を宿したブルーの瞳を向けながら、リファニアは答える。

「……何をすべきかは、決まっている……。
 見失ったりなど、しないわ……。」

エプロンを胸に抱きつつ、リファニアはアームレイカーを動かした。
激突するリナルドとシュウジへと機体を向けて。

「……リナ……ルドォ……。」

リファニアの為に戦い続ける騎士へ呼びかけるとともに、ヤクトを激突する二機へと向けて突撃させる。

「……退くっ……!
 ……無駄に……できるかっ……!」

ヤクトの右腕が上がり、ショルダーアーマーより三発のミサイルが放たれる。
三発のミサイルは、MSへと向けられた訳ではない。
ミサイルが着弾したのは、二機が対峙する間の、通路の壁。
爆発が沸き起こり、二機のMSを黒煙が覆い隠す。

「……私は……生きるっ……!
 ……リナルドも……生きなきゃっ……!!」

リファニアは、躊躇せずに爆風へとヤクトを突っ込ませた。
開かれたままのコックピットの前に腕を掲げ、破片が飛び込んのを防ぎつつ
沸き起こる爆風を抜けると共に、二機の脇を抜け、リファニアのヤクトはU-22を離脱した。

【行動 : リナルドとの通信継続(0)、ベルクとの通信継続(0)、シェラの魂に触れる(0)
      ミサイルで撤退支援(-1)、離脱(-1)、移動U-21へ(-1)、残1 】
【位置 : U-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、私の生命を好きにできるのは私だけよ…… 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
俺の中で繰り返される思い。
無駄だと分かりつつも繰り返される悔恨。
叶わないと知りつつも繰り返される願い。

(何故……こんな事に……)

(俺が……余計な寄り道を……したから……)

(こんなのは……嘘であって……夢であってくれ……)


『はい、まだ生き残ってる皆さんのための定期放送です☆
 え〜〜、つい先ほど、ほぼ同時に2名の脱落を確認しました♪

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

場にそぐわない明るい声が、俺の心を現実に引き戻そうとする。
やはり……俺は、夢を見ているわけではないらしい。
その証拠に全体放送には、ルイの名前が脱落者の中に入っていた。
……今この放送を聞いている俺自身が夢だったなら……どれだけ楽だったか……。

夢から覚めたら、そこはまだあの基地の中で……俺はたまたまカレーを作っている最中に
居眠りしていて……ルイがカレーを作りながら笑って文句を垂れて……食堂のテーブルで
は、サーティアとベルク、アーネストがカレーを待ちながら雑談している……。

もう2度と戻ってこない風景。
だからこそいっその事、俺そのものを夢にしてしまいたかった。
マリーを自分の手にかけた時のような、アーネストを失った時のような、あんな思いは
もうしたくはなかった。

昔の哲学者だかが、こんな事を言っていた。

『蝶になった夢を私が見ていたのか、私になった夢を蝶が見ているのか』

この俺の全てが……人生が、花に留まり佇む蝶が見ている夢であったなら、俺という人間
は、その蝶が夢を見てくれる限り全てをやり直す事ができるのだろうか。

いや……そうであるならば、ルイは死んだのではなく、ルイの夢を見ていた蝶が目を覚ま
しただけなのかもしれない…………。

(続く)
……相変わらず、右腕は疼いている。
俺に現実を見ろと囁く、不快な疼き。

俺は虚空を見つめていた。
何かをするでもなく、ただ見つめていた。
マリーを失った時のように半狂乱になるわけでもなく、アーネストの時のように取り乱す
わけでもなかった。
もしかしたら普通では見えない何かを、俺の意識は捉えていたのだろうか。

その時、ヘルメットの中に漂うものが目に入った。

(……何でヘルメット内に、水が?…これは……)

涙――。
1滴…たった1滴だけ涙の粒が漂い、目の前を横切ったのだ。
まるで、俺に気付いてほしいとでも言うように…。

俺が涙を流すなんて、何年ぶりだろう。
いや、もう十年以上なかったかもしれない。
どうやら俺の感情はなくなったわけでも、麻痺したわけでもないようだ。

「はは…。やっぱり、悲しかったんだな……俺は……」

涙の粒はふわふわと漂いながら俺の下唇に触れた。
それを舌ですくい取り飲み込むと、少しだけしょっぱい味がする。
その涙の味も、俺の心を現実に向けてくれた。
…………?
不思議と、意識が冴えている。
ついさっきまで、サーティアの存在に迷っていたのが嘘か冗談のようだ。

再び俺は基地を目一杯凝視する。
そしてR・ジャジャが出てきた辺りをカメラで拡大して目を凝らすと、基地表面の岩陰に
ぽっかりと開いた隔壁が見えた。

「…あの中にベルクがいる。……行こうか、ルイ」

やっと見つけた基地内への道。
おそらく、あの先にベルクはいる。
そこがどのような状態なのか。
戦闘中か、否か。
シュウジの存在、及びその他の参加者の有無、全体的な戦況。
全て自分の目で、頭で確認しなければならない。

ゲートを通過して一気に基地内へ。
と、いきなりレーダーにいくつかの反応が出てくる。
しかも、1つは目前に迫ってきている。
機種は……ヤクト・ドーガ……と言われてもよく分からないが…。

しかし……味方でない以上は、基本的に警戒はするべきだ。
闇の中から朧げに輪郭を見せはじめるそれに、全ての武器を向ける。
……現れたそれは俺の知る機体だった。

俺は無言で通信を繋げる。

(続く)
「待て。説得力はないが、一応撃つつもりはない」

たしかに、武器を向けておいて撃つ気はないというのは全く説得力がないが、相手が味方
でない以上、そして自分が味方だと証明するものがない以上仕方がない。
それに、ここで無闇に戦火を広げてこれ以上合流を遅らせるわけにはいかない。
今は取りあえず、情報が聞ければいい。

「この局面でこう言うのも変だが、俺の名前はレイモンド。レイモンド=デリックだ。
 ここに仲間を探しに来た。差し支えなければお前の名前と目的、あと……この通路の先
 で何が起こっているのかを分かる範囲で教えてくれ」

全て答えてくれるとは思えないが、向こうの事が少しでも分かれば対応もしやすい。
勿論こちらも何か見返りを出すべきではあるが。

「無論ただでとは言わない。俺が知る限りの外の情報を教える。
 ……今のムサイの状態とか、な」

最後は少しかまをかけてみた。
相手がムサイのメンバーならば、何らかの反応があってもいいが…。

【行動:暫し物思い(−1)基地内へ突入(0)ヤクト・ドーガに通信回線接続(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-21(基地内)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:基地内の情報入手】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
U-21に侵入し通路を突き進むと、突然、レーダーが高速で接近する機体の反応を捉えた。
ベルクのペズ=バタラではない。
それは、かつてアレンが駆っていた機体……ジャベリンだった。

「……サーティア=クワン……。」

ジャベリンのパイロットならば、彼女である可能性が高いだろう。
ある意味、今一番会いたくない相手だった。
彼女と「ミョーコウ」は、リファニアは、あまりにも因縁が深すぎる。
接触したのならば、戦闘は避けられないだろう。
かつてのコロニーでの戦闘の記憶が、蘇る。
あの時の様子から察すれば、彼女は間違いなくこちらに刃を向けてくる筈だ。
リファニアは、彼女の大切な仲間を殺した男の恋人であり……その男と共に刃を向けてきた、
いわば仇も同然なのだから。

「……私がベルクやシュウジに刃を向けたのと、同じ。
 今の私は、きっと、それに応えてしまうよね……。」

シェラによって生かされた、この生命を繋ぐために。
当然、それによって大切な人がこれ以上傷つくのも、許されない。
為すべき事を見失ってはならないと心に念じ、必死で平静さを保とうとしているリファニア。
だが、それはあまりにも綱渡り的なバランスの上に成り立っている。
……いったん心乱されれば、容易に攻撃行動に転じかねない危うさを、リファニア自身自覚していた。

すでにジャベリンの反応は、間近に迫っていた。
前方へと続く通路の闇の中から、次第にそのシルエットを露わにする……ジャベ……リン?

「……へっ?」

……現れたのは、巨大なタイヤだった。
このプログラムに参加させられて以来、リファニアはその存在を知りもしなかった数々の機体に遭遇してきた。
小型のMS達は皆、リファニアの知っているMSの機動性を凌駕するものだった。
魚のような異形のシルエットのペズ=バタラ。リファニアの愛する騎士の駆る、緑の悪魔アビゴル。
これらの機体の形状や武装は、リファニアの知り得ぬ特異なものだった。
さすがに、これ以上の物は無いと思っていたが……。

眼前に立ちふさがるのは、巨大なタイヤだった。
ジャベリンが、なかば身を乗り出すように、その輪の中に収まっていた。

「……シェラさん、私、泣きそうかも……。」

思わず、エプロンをぎゅっと抱きしめてしまうリファニア。
こんなもの、どう相手すれば良いのかさっぱり見当もつかない。
サーティア=クワンのノートPCには、数々のMS改造案が入っていた。
……この巨大なタイヤも、サーティアの作り出した物なのだろうか。

呆然と立ち竦むしか無かったリファニアだったが。
そのタイヤの脇に装備されたビームキャノンらしきものが自分に向けられているのを確認した時。
その瞳が、戦士の色を取り戻した。
感覚を研ぎ澄ませ、相手の行動にいつでも備えられるように、身構える。

「……畜生、馬鹿にして……。
 あんなふざけたカッコして、私を殺そうというのね。
 いいよ、やってやるんだから。
 こんな所で、ふざけたタイヤなんかに……殺られてたまるか!」

サーベルを抜き放ち、ビームの刃を形成させるリファニア。
……向こうの武装は、かなり充実しているようだ。
だが、見た感じでは、機体の損傷は向こうの方が酷いようにも思える。
……残る一基のファンネルが、切り札になる。
数が少なくても、その分細かいコントロールが可能なんだから。
自分の長所を活かせるだけ活かして……勝利を掴んでやるっ!

>>92
『待て。説得力はないが、一応撃つつもりはない』

だが、リファニアの高められた戦意とは裏腹に……。
ジャベリンより送られてきた通信は、敵対意志を示すものでは無かった。

「……サーティアじゃ……ない?」

相手の火器はこちらに向けられたままだ。故に、こちらもサーベルを納める事はしない。
高められた戦意の持って行き場に困りつつも……リファニアは相手の言葉を聴き、返答する。

「……私、リファニア。リファニア=ニールセンよ。
 レイモンドさんは、以前ムサイに、私達の『ミョーコウ』に接触してきた、ガンイージのパイロットだよね?
 なんでサーティアが乗っていたジャベリンに乗っているのか、気になるけど……。
 まあ、それはあの時サイコに乗っていた私にも、言える事かな。」

サーティアの機体に乗っているという事は……彼女と機体を取り替えたのか、それとも……機体を奪い合ったのか。
……以前の放送の内容と、かつてのサーティアの行動から察するに、後者である可能性が高いかもしれない。
油断は、禁物だ。
レイモンドは、仲間を探していると言った。
現在残っている生徒は、少ない。まず、ミョーコウのメンバー。同盟を崩壊させた、シュウジ=アサギ。
眼前のレイモンドを除けば、残るのは、ベルク=クロフォードと……サーティア=クワンのみだ。
サーティアとレイモンドは敵対している可能性もあるし、この方向へ向かって来たという事は……。
彼が探している相手は、ベルクである可能性が、高い。
その仲間のルイ=フィルセントはこちらとの交戦の果てに、生命を落としている。
与える情報によっては、敵対関係になる可能性も、高い。

……シェラさんの冷静さ、私にもわけてね……。

リファニアは、自分に発揮出来得る最大限の冷静さで以って、この局面を乗り切ろうと、必死だった。
エプロンを抱きしめ、心を何とか落ち着けつつも、声に僅かながらも震えが混じってしまうのは仕方ない。

「あなたが攻撃して来ないのなら……今の私に戦う意志は、無いよ。
 ……今は、一刻も早く、ミョーコウへ戻りたいもの。
 ミョーコウの事を知っているって事は、接触したんだよね?
 そっか、ギブ&テイク、だったよね。」

この先で何があったのか。
その答えしだいでは、リナルドがさらなる危険に巻き込まれてしまう可能性もあった。
かと言って、全くの嘘を貫き通す自信も無かった。
……出来る事と言えば。

「……この先で、戦闘があったの。
 もう、終わりかけているんだけどね。
 ベルク=クロフォードは、すでに離脱したよ。
 残るのは、リナルド=グレイスと、シュウジ=アサギだけ。
 でも、戦う理由が無くなったから……もうすぐ戦闘は終わると思うよ。」

出来るだけ情報を曖昧にして、交渉を引き延ばす事くらい……だよね。
ベルクの安全を教えたから、たぶん、それ程焦る事は無いと思うけど……。
……リナルド、早く来てよ……そんなには保たせる事、出来そうもないよ……。
【行動 : リナルドとの通信継続(0)、レイモンドへの通信回線接続(-1)、残0 】
【位置 : U-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、私の生命を好きにできるのは私だけよ……、リナルドを待つ 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
96リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/13 00:09 ID:???
第14章 >95 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■◎■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎□◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□◎□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎▼□□◎□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□◎□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□07▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・15は同一地点。03・11は同一地点。07・14・20は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
通信を送ってからすぐに、目の前のビームサーベルを抜いた機体を眺めてみる。
よく覚えているのは、なんと言っても特徴的な頭部。
……間違いなくシュウジと出会ったコロニーで見た鳥頭だ。
見たところ機体に多少傷を負っているらしく、コクピットハッチも壊れたのか開き放し
になっている。
その傷が以前についたものか、それとも通路の向こうでついたものなのかは分からない。

ビームサーベルを構えているところからも分かるように、向こうもこちらを警戒している。
それがビームキャノンへのただの威嚇なのか、それとも既に殺しあう気なのか、とにかく
最悪のケースは想定しておいた方がよさそうだ。

油断なくヤクト・ドーガを見つめていると向こうからの返信があった。
どうやら問答無用という事態にはならなかったようだ。
先に武器を向けたのを棚に上げて、俺は内心ほっとした。

だが次の瞬間、俺は驚きのあまり言葉を失う事になる。

『……私、リファニア。リファニア=ニールセンよ。
 レイモンドさんは、以前ムサイに、私達の『ミョーコウ』に接触してきた、ガンイージのパイロットだよね?』

通信機から聞こえてきたのは、年端もいかない少女の声だったのだ。
てっきりごつい男の声が聞こえてくるかと思っていただけに、一瞬自分の耳の方を疑って
しまったくらいだ。

しかも彼女…リファニア=ニールセンは俺のことを知っているらしい。
どうやら以前ムサイに接触した時に見た、サイコガンダムのパイロットが彼女のようだ。

(別人が乗っていると思ったからかまをかけてみたが、全然意味がなかったな…)

少し寂しくなりながらもリファニア=ニールセンの言葉を聞く。
簡潔だが、要領を得た分かりやすい説明だった。
そして、そこからとりあえず分かったのは……

(続く)
1つ、リファニア=ニールセンに今のところ交戦意志はない事。
2つ、彼女の今の目的は「みょーこー」(ムサイの事らしい)に戻る事。
3つ、通路の先では戦闘が行われている事。しかし、彼女の話では終結しつつあるらしい。
4つ、そこにいるのはベルクの他にシュウジ=アサギとリナルド=グレイスで、ベルクは
   戦闘からは離脱している事。
5つ、なぜか同盟の仲間の筈の、シュウジとリナルドが戦闘している事。
   
さっき予想したように、リファニア=ニールセンが全てを話したとは思えないが……それ
でも、これだけでもそれなりの判断材料にはなる。
ただ、更なる疑問も出てきたのも確かなのだが…。

(彼女の話では、今のところベルクは危険を脱しているらしいが、さて…)

時間があるうちは聞いておける事は聞いておきたいが、まあ彼女の言う通り情報はギブ&テイクだ。
俺も与えられる情報は与えておかねばならない。

俺は軽く笑って通信を送った。

「役に立つ情報を感謝する、リファニア=ニールセン。じゃあ俺も約束通り現在のムサイ
 の状況を教える。……まあ、君の話を聞いたあとでこれを話すのは、いささか心苦しい
 のだが……」

そこで1回言葉を切り、誘爆するムサイを思い出し表情を曇らせた。
約束とは言え、リファニア=ニールセンのような少女に伝えるのは少しためらわれる。
しかし、約束は約束だ……俺から破る事はできない。
俺が伝える現実を……彼女はどう受け止めるのだろうか。

「……今君のムサイは炎上している。俺は外から見ただけで、内部の詳しい状況までは分か
 らないが、おそらく弾薬、若しくは燃料への引火だろう。ほんの10分ほど前の事だから
 まだ誘爆が続いているかもしれない」

【行動:ヤクト・ドーガへの通信回線継続(0)状況判断(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-21(基地内)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:基地内の情報入手】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
「当るか!当るか!当るかァ!」

 弾幕の壁をビームシールドで突破しつつ、ビームライフルをかわす。
 あんたの弱点なのよぉ、発想に奇抜さが無いんだってばぁ!

「あははっ、絶好調ってやつ!?」

 正面からの攻撃ならば、避けるに難しくは無い。
 残骸を蹴って回転し、スラスターやブースターによって加速を織り交ぜて、
跳ねる。奴の下方に回りこみ、隙を与えずにガトリングを……

 ……

 は? 照準がぶれる!?

「まずい!」

 電子機器に”ガタ”が来たかッ!

「けどっ、今一度っ!」

 自動修正プログラムが展開されて、修復までは後数十秒掛かるか、それとも多いか。
 どちらにせよ断続的にやられるかしら?

 ……えぇい、リオン、サイコミュみたいなものよね?

「……ッ!!」

 そうよ。なら、直接狙うまで!


【行動 : 回避(−3) ガトリングガンで攻撃(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復中)】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(焼失)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾30%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>97-98
こちらの声を聴くなり、レイモンドの態度が心なしか柔らかくなったように思える。

少し、意外だった。
以前、ボーナスタイムを獲得した時に、リファニアは自らの名を叫んでいるのだ。
その事から、すでに他の生徒を殺している人間であるとの認識を持たれているのかとも思ったが。
……こちらが子供だったが故の安心か、油断か。
確かに、このような状況でリファニアのような子供に出会ったならば、
気遣いの心を見せるのが普通の反応なのかも知れない。
……かつて、スタンリーも、そうだった。
だが、そのスタンリーの生命を奪ったのは、他ならぬリファニアなのだ。

私って、怖い子なのかも知れない……。
リナルドは私が変わってゆくと言っていたけど……彼に会う前から、戦いに躊躇する事は無かったもの……。

そう思いつつも、レイモンドの穏やかな態度に、多少心を落ち着ける事が出来たのは事実。

……だが。

その心は、続くレイモンドの言葉に、容易に乱される事となってしまった。

「……ミョーコウが……炎上……?」

震える声で呟きながら……リファニアの瞳は落ち着き無く揺れはじめる。

ミョーコウの傍を離れている間に……いったい、何が……?
イブの名は、定期放送で呼ばれていない。だから、イブの生命は無事だ。
……ただし、生命が無事なだけかも知れない。
彼女の身体は、少なからず傷ついているのだ。
そんな彼女に一人で危険な目に遭わせるのは、気が気では無かった。

「……どういう事なの……?
 炎上って、一体何が起こったの……?
 イブさんは、イブ=シュウリンは無事なの……?
 ……何でもいい……知っている事を教えて、早くっ!」

すでに声は震えてはいない。
情報の相互交換という条件も忘れて、ヤクトのコックピットから半ば身を乗り出しかねないような勢いで、
リファニアはレイモンドに詰め寄った。
ブルーの瞳が、ジャベリンの頭部へ、真っ直ぐに向けられていた。

……これ以上、大切な物が傷つき壊される事だけは……。

【行動 : リナルドとの通信継続(0)、レイモンドとの通信継続(0)、残4 】
【位置 : U-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、ミョーコウの状況を聞き出す 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
101イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/14 16:12 ID:JgZVt4iX
ID確認します
俺の通信に対する返答はすぐにあった。
その反応も、ある程度俺の予想通りだった。
俺の伝えた情報が彼女…リファニア=ニールセンにとってショックであった事は、彼女の
それまでになかった狼狽した口調と、急に早くなった呼吸で手に取るように分かる。

彼女にとってイブ=シュウリンとムサイは、このプログラムを戦い抜いてきた、言わば戦友だ。
いかに交換条件とはいえ、戦友の危機を伝えて目の前の少女を苦しませてしまっている事
に、俺は心の痛みを感じていた。
そして俺は、更にその危機の状況を彼女に詳しく話さなければならない。
はっきり言えば、嫌な役目だ。
戦友のうちの片方……ムサイはもう絶望かもしれないってのに。

だが、開いたコクピットハッチから身を乗り出すようにジャベリンを見つめる彼女の、バ
イザー越しの真摯な瞳を見ていると、やはり話すべきだと思う。

なぜなら彼女が…リファニア=ニールセンがイブとムサイを思うその気持ちは、立場は
違えど俺がルイとベルクを思うその気持ちと全く同じものだったから。
仮に俺が彼女と同じ立場であっても、絶対に彼女と同じ事を聞いただろうから。
たとえそれが、絶望的な情報であったとしても。
たとえそこが、爆発と炎に包まれた場所であったとしても。
心を通わせた仲間を見捨てるわけにはいかないのだ。

だから俺はリファニア=ニールセンに俺が知る限りの、嘘偽りない事実を伝える。
俺の情報が彼女の判断材料になればと思うから。
これが俺の、彼女の仲間を思う気持ちへの精一杯の敬意だから。

俺は極力感情を表に出さないように話した。
意味のない行為かもしれないが、こちらもしっかりと彼女を見つめ返す。
どんな時も会話は、お互いの目を見て行うものだ。

「今から少し前、ムサイはサーティア=クワンのガンイージの攻撃を受けて炎上、暫く
 してから誘爆を始めた。憶測でものは言いたくないが、俺がドックを出る時も誘爆が
 続いていたから…おそらくムサイの航行は不可能だと思う。ただし沈んだかどうかは
 定かではないが」

一旦言葉を切り、一息いれてから続ける。

「誘爆が始まって暫くして、イブ=シュウリンの乗ったガンダムタイプがムサイから脱出
 するのを確認した。機体の動きに大きな乱れはなかったから、おそらく爆発による怪我
 はしていないだろう」

通信を交わした時にモニター越しに見たイブ=シュウリンには、特に怪我を苦しむような
仕草は見られなかったから、これはほぼ間違いはない。

「脱出したイブ=シュウリンの機体は、そのままドック付近でサーティア=クワンのガン
 イージと戦闘に入っている。俺は途中までしか見ていないが、戦況は互角といったとこ
 ろだろう。……俺がムサイについて知っているのはここまでだ」

俺の話がどこまで彼女の参考になったかは分からないが、あとは彼女自身が判断し、決断
しなければならない。
そして俺はその決断に異義を唱えるつもりは毛頭ない。
それは、ここまで戦い抜いてきたリファニア=ニールセンという一個の人間が自分で考え
、決めた事。
それがどのような道であっても、俺がそこに介入する余地は微塵もない。

少し間を置いてから、再びリファニアに声をかける。

「リファニア=ニールセン。君はどうするつもりだ?」
【行動:ヤクト・ドーガへの通信回線継続(0)ムサイについての情報提供(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:基地内の情報入手】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>102
「……サーティア=クワン……そう、彼女が、ミョーコウを……。」

コックピットからなかば乗り出した身を、シートに静かに座り込ませて、リファニアは呟いた。
その心に渦巻くものは……数々の想い出の象徴であり、ダグラスの遺したかけがえのない「ホーム」である
ミョーコウが沈もうとしている事への虚無感と……サーティアに対する恐れと憤りの入り混じった感情と。
そして、とりあえず今はまだイブは無事らしいという僅かな安心感だった。

……ミョーコウは、まだ沈んでいるとは限らない。
管制側との戦いの切り札にと温存しておいた、愛機サイコガンダムMK-Uは無事かも知れない。
ミョーコウを脱出の方舟にする事は叶わなくなってしまったかも知れないが、まだ、諦めるのは早い。
今すべき事は、サイコの回収と……これ以上、かけがえの無い存在を傷つけさせない事。

……リナルド、大丈夫だよね……?

心の中で呟くと共に、U-22に向けて振り返ったリファニア。
暫くそちらを見続けていたが……すぐに、自らの向かうべき場所へと向き直った。
アレンのギターを手に取って暫く見つめた後、何かを決意したように頷く。

『リファニア=ニールセン。君はどうするつもりだ?』

そんなリファニアに、レイモンドが問いかけてくる。
レイモンドが、決してリファニアをただの子供と侮っている訳ではなく、
自らの道をきちんと進む存在として扱ってくれている事が何となくわかって……。

リファニアは、彼ににこりと微笑みを返す。

「教えてくれてありがと、レイモンドさん。
 私のすべき事、やっぱり変わらないよ。
 ミョーコウへ行って、イブさんを助ける。
 ……これ以上、失いたくはないもの。」

サーベルの刃を納めてから、リファニアはヤクトの歩を進めた。
ジャベリンの脇を抜けて、V-21へ続く通路へと入ろうとする。

……だが、その前に。

リファニアは再びジャベリンへとヤクトを向き直らせた。
誠意を向けてくれたレイモンドに対して、偽りたくは無いと思う心があるが故に。

……戦いたいと、思える人じゃ……ないよね。
でも、だからこそ、言っておかなければならない事……あるよね。

「……レイモンドさん。
 あなたの探していた仲間が、ベルク=クロフォードならば……。
 あなたには、私を討つ理由があるかも知れないよ。
 その仲間のルイ=フィルセントが死ぬ事になった原因の一つは、私。
 ……もし、私を許せないというのなら……私は、逃げはしないから。」

……私、やっぱり、馬鹿みたい。
シェラさん、叱って。
もう少し、お利口さんになりなさいって……。
【行動 : リナルドとの通信継続(0)、レイモンドとの通信継続(0)、残4 】
【位置 : U-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、ミョーコウへ行く 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
通路を先に進もうとするリファニア=ニールセンから告げられた言葉。
しかし、本来ならすぐさまビームキヤノンを撃ってもおかしくない告白を聞いても、俺の
中にさほど敵意は湧いてはこなかった。
それは位置的にその事に薄々感づいていたからなのか、それとも彼女のひたむきさがそう
させるのか、俺には分からなかった。
仲間を救う為に、敢えてムサイに戻るという決意を聞かされたあとでは尚更だ。

モニターの彼女に微笑みかける

「リファニア=ニールセン。正直に話してくれた事に感謝する。ただ、それを全て君に
 押し付けるつもりはない。ルイの事は……間に合わなかった俺にも責任の一端がある
 のだからな……。それに……」

そこでふと、ある事に気が付いて付け加えた。

「ルイのR・ジャジャと一緒に爆発した、あのキュベレイのパイロット……。おそらく
 君の……ムサイの仲間だったのだろう?」

リファニアは自分の事をルイの死の原因の1つと言っていた。
それならば直接の原因であるキュベレイも、ムサイと何らかの関係を持っているのでは
ないかと推測してみたのだが…。

「キュベレイのパイロットとは、1度だけ戦闘になりかけた事があったんだが……。やり
 方に少々難があったが、ただ1機で3機を相手取ろうとしていた勇敢なパイロットだった」

「……勇敢だった」

自分に聞かせるようにもう1度呟いた。

「……お互いにかけがえのないものを失ってしまったな、リファニア=ニールセン」

だが……。
俺は通路の奥に目を向ける。
その先にはきっとベルクがいる。
そして、リファニアにも助けるべき仲間がいる。

「だが……リファニア=ニールセン。君も俺も、まだ全てを失ったわけではない。お互いに
 助けるべき仲間がいる。……今は、その仲間の為に全力を尽くそう」

言ってから俺は、タイヤを通路の奥へ向けた。

「このプログラムが続く限り、近いうちにまた会う事になるかもしれない。…もしもその時
 刃を交えなければならなかったら……俺は、パイロットの……戦士の誇りをかけて正面か
 ら受けて立つ」

(…願わくば、その時が来ないのを祈りたいものだが…)

言葉にならなかった声を心の中で噛み締めて、俺はモニターに映るリファニアに敬礼を送った。

「君と、君の仲間達の武運長久を祈る。…だが、決して無茶はするな?」

そこまで言い終えると、俺は通路を奥に向かって走りはじめた。
どこかにいる仲間を求めて。
【行動:ヤクト・ドーガへの通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:ベルクを捜す】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】

>>106
レイモンドは、刃ではなく……微笑みで以って、リファニアに応えた。
そればかりでなく、レイモンドは、シェラの戦いぶりを認めるような言葉すら口にした。
レイモンドが戦士として敬うべき人間だと、この会話と、何よりも彼の纏った雰囲気より、感じられた。
……そんな一流の戦士の口から、シェラの戦いぶりを賞賛する言葉が出たのだ。
それが、素直に嬉しくて。僅かながらも、救われた気がして。
リファニアは必死で堪えようとしたものの、瞳から涙がぽろぽろと零れるのを、止める事は出来なかった。

「……ありがとう、レイモンドさん。
 その言葉で、シェラさんも少しは報われる……。」

レイモンドが、通路の奥を見つめる。
その先に、彼の求める仲間、ベルクが居るのだろう。

『……お互いにかけがえのないものを失ってしまったな、リファニア=ニールセン。
 だが……リファニア=ニールセン。君も俺も、まだ全てを失ったわけではない。お互いに
 助けるべき仲間がいる。……今は、その仲間の為に全力を尽くそう』

そのレイモンドの言葉に、リファニアはこくりと頷いた。
彼が仲間を想う気持ちと、リファニアが仲間を想う気持ちは、寸分変わらない。
護るべき者は違えども、互いの志は極めて近しいと、リファニアは感じていた。
レイモンドが、彼の向かうべき場所へ愛機を向けるのと同じように、
リファニアも、自らの向かうべき場所へとヤクトを振り向かせる。

『このプログラムが続く限り、近いうちにまた会う事になるかもしれない。…もしもその時
 刃を交えなければならなかったら……俺は、パイロットの……戦士の誇りをかけて正面か
 ら受けて立つ』

「……うん。
 もし、その時が来たら……私は自分の全てを懸けて、あなたを超えてみせるから。
 レイモンドさんのような人に、こんな事を言うのは失礼かも知れないけど……手加減したら、許さないよ。」

……むろん、出来れば彼のように尊敬に足る人物と、殺し合いなどやりたくは無い。
その為には、何としてでも、繋がなければならない。

『君と、君の仲間達の武運長久を祈る。…だが、決して無茶はするな?』

「……私、未熟だから。戦うことそのものが無茶だから、それは約束できないかもね。
 でも、何としてでも生き残るつもりだよ。
 レイモンドさんも……無事に仲間に会えるといいね。」

互いに言葉を交えて、ふたりの戦士はその場を後にする。
それぞれの心に思い描く、仲間の下へと。

レイモンドとの通信回線を切って、V-21へと続く通路を進みながら、
リファニアはリナルドへと通信を送る。

「リナルド。ミョーコウが攻撃を受けているの。
 だから私、急いで戻るね。もうすぐ通信可能域から外れてしまうから、通信はここで切るよ。
 ……死なないで、絶対に。」

彼の無事を切に願いながら、通信回線を切るリファニア。
V-21を抜け、ミョーコウの停泊しているV-20へと進入する。
ミョーコウの停泊していた港は、近い。

アレンのギターを再び手にとって、胸に抱く。
リファニアの頭に思い描かれるのは、短くも充実していた、アレンと過ごした時間。

アレンの声、アレンの歌、アレンの腕、アレンの唇……アレンの、血。

「……アレン、楽しい想い出を、ありがとう。本当に……楽しかった。」

瞳を閉じて、リファニアは静かに呟く。
その声は、酷く穏やかで……とても、これから闘いへと赴くようには思えない。

「アレンを愛した女として、私は、けじめをつけなきゃいけない。
 ……それは、アレンの振るった刃の代償。その刃は、私を護る為に、振るわれたんだもの。」

静かに瞳を開き、通路の先を見据えるリファニア。
戦いの地は、眼前に迫っていた。

【行動 : リナルドとの通信継続→切断(0)、レイモンドとの通信継続→切断(0)
      移動U-21→V-21→V-20(-2)、アレンのギターに誓う(0)、残2 】
【位置 : V-20(要塞内通路) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
110イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/16 17:30 ID:???
迫り来る銃弾の嵐は、タイミング的にはほぼ不可避の攻撃だった。
だが。

―――僅かに照準が甘い?
     これなら避けられ……!!

フットペダルを踏み込もうとしたその瞬間、一瞬だけ意識が遠退く。
喉を灼く熱い感触が愁林を現実に引き戻した時には、既に弾幕は目前にまで迫っていた――

「……っ」

口の中に広がる鉄の味を敢えて無視しながら、すぐさま被害状況の確認を開始する。

―――外装損傷率27パーセント……右肩部装甲はほぼ原型を留めていない……頭部右側のバルカンも使用不可能……。

あのタイミングでこの程度の被害で済んだのだから、これは僥倖というべきかもしれない。
だが、それはあくまで機体自体の損傷の話である。
最早ただの鉄屑と化したショットランサー、否、ショットランサーだったものをモニターの端に捉え、小さく舌打ちする。
三次元の空間戦闘に於いて、面で攻撃できる火器の有効性は非常に高い。
現に、愁林のVガンダムはガンイージのガトリングガンが張り巡らす弾幕を前に、自由な動きを幾度も封じられている。
ショットランサーに備え付けられていた4連装のヘビーマシンガンは、そんな相手に対抗しうる数少ない手段の一つだったのだ。

―――こっちの方はどうにでも誤魔化せるけれど……。

唇の端から、つうっと赤い筋が伝っていく。

―――あのマシンガンを奪われたのは、少々手痛いわね。

それでも愁林の脳は、冷静に状況分析と戦術の構築を続行する。
弱さを見せられる相手は、もういない。
ならば愁林は、強くある他に道は無いのだ。
111イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/16 17:32 ID:???
「……違うわね」

レーダーに現れた新たな反応。それは、見覚えのある機体のものだった。

リファニア=ニールセン。

愁林が、かつて一度だけ弱さを見せ、そしてそれを受け入れてくれた少女。
ダグラス=ロックウードが守ろうとした、ミョーコウのクルーの一人。
そして、その想いを胸に受け継いだ愁林が、守るべき大切な仲間。

訂正しよう。
彼女が強くあらねばならないのは、誰にも弱さを見せられないからではない。

「守りたいものがあるからに……決まっているでしょう」

愁林の視線がガンイージを捉える。
顎まで伝いかけた血を親指で拭い、彼女は不敵なまでに美しく微笑んだ。

たおやかな指が、トリガーを2度引き絞った。

【行動:ビームシールドによる防御行動:半失敗(-1)、回避行動:失敗(-1)、ビームライフル×2→ガンイージ(-2)】
【残り行動値:0p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率27%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量13%)、Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア】
112サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/07/17 01:21 ID:dSJtrsS0
判定対象は回避のみ。
今回の私から攻撃は、ID無視して下さいまし。
当るも避けるもおまかせします。

という訳で、前置きしてからIDちぇく。
 レーダに新たな反応……敵機ね。
 いや、敵機以外居ないんだし?

「二機だろうと! 何機だろうと! 相手してやるわよ!」

 まずは、奴!
 ガトリングは当った、右半身の動きも鈍っている。

 今なら、殺れる!

 ……跳。

 背部のスラスターを限界に引き絞り、駆け抜ける。
 左手でガトリングガンを構えて、乱射!
 敵のビームを……チィ!

「白いのォ!」

 更に迫るビームが、頭部の右側面を削り、画面が瞬時ぶれる。
 見事に貫かれし左手のガトリングを手放す。
 奴、攻撃に滑りが有る……。

 アカ……

 ……血?

 嘘。 はぁ? 何笑ってんのよ!

「ダグラス=ロックウードォ!」

 ……誰よの事よ、私が言ってるのは。
 ん、あぁ、ムサイの……。

 ……何よ、何だって言うのよ!?
「何で! 庇いに化けて出るっ!?」

 ビームサーベルを持つ手首が、高速で回転する。
 動……転じて、発!

 突如回転を止め、流れるように突きを繰り出……

 どうして、アナタまで出てくるのよ。
 リオン……。

 そっか、彼だけじゃ、ダグラスとかいう人だけじゃ……
 庇っても私が止めやしないって、そう思ったんだ……

 でも御免ね、もう、遅いわ。
 少し遅いのよ。今繰り出したビームサーベルは……もう戻せない。

 ……けど、一つだけ教えてよ、リオン。


 これは、私の幻覚?
 それとも、現実ではない、事実なの?

 笑ってないで、答えて欲しいな……

 アナタは知ってる? ダグラスとか。
 そ、アナタも知らないの……

 ……私が現実を認めたくないだけなのかしら。
 誰も死んでない。そう思いたいから?

 それとも、本当に私を止めたくて出てきてくれてるの?
 本当にそうなら、止めても良いかな……

 だから……
 答えてよ……


 ねぇ……誰か……


【行動 : 回避(−1) ガトリングガンで攻撃(−1) ガトリングガンに被弾(−1) ビームサーベルで攻撃?(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復中)、頭部右側面に損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾5)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
通路を先に進みながら、先程の会話を思い返して思わず苦笑した。
別に会話そのものに苦笑したわけではない。
リファニア=ニールセンという、自分の半分くらいの歳の少女に尊敬の念を持った自分自身
に苦笑してしまったのだ。
それもこんなプログラムの中で。

(……いや、このプログラムの中だからこそ、か)

少し前までの、平和だが何の変哲もない日々ならばそんな事はなかっただろう。
道ですれ違っても、たとえ知り合ったとしても敬意までは持つ事はないだろう。

このプログラムの中だったからこそ。

リファニアの持つ人間としての優しさと強さ、戦士としての資質。
そしてそれが混じり合って放たれる、輝き。
それは、ひたすら戦士として生き死んでいった、アシッドとは異質なもの。
俺は多分それに惹かれ、尊敬しているのだ。

そして。
モニター越し、バイザー越しに見えたリファニアの、戦場で浮かべるものとは程遠いあどけ
なさの残る微笑み。
その向こうに一瞬だけ垣間見えた……

ゴン。
ヘルメットを小突き無理矢理思考を停止させると、俺は再び意識を前方に向けた。
少なくとも今は、そんな思考に耽っている場合ではない。
レーダーには既にベルクのペズ・バタラの機影がはっきりと映っている。

ペズ・バタラも先程から、だんだんこちらに近づいてきている。
リファニアが言っていたように、ベルク離脱していたようだ。
いや、たしかに彼女はベルクは戦闘から離脱したと言ってはいたが、無事にとは一言も言ってはいない。
…俺はベルクが無事である事を祈るしかなかった。

(もう近くにいる筈なんだ…。近くに……ん…こっちか…!?)

レーダーの反応を頼りに角を曲がる。
……いた!
曲がった先、通路の奥にペズ・バタラがうっすらと見える。
動いているという事は、とにかくベルクは生きている。

ベルクは生きている。
そう信じているからこそ、ここまで来れた。
ルイも……きっと側で見ていてくれる。

「ベルク!俺だ、レイモンドだ!……ベルク!」

急いでペズ・バタラに通信回線を繋ぐと大声で呼び掛け、ベルクの応答を待った。
【行動:基地内移動(−1)ペズ・バタラへの通信回線接続(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:ベルクを捜す】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
通路の先が、赤い光に満ちている。
それは、港が戦場となっている事を意味している。
赤は、炎の赤。
それは、ミョーコウが炎上している事を示していた。

MSの反応は、二機。共に激しく動き回っているのが、レーダーに映った光点の動きでわかる。

「サーティア=クワン。イブさんはやらせはしないよ。
 イブさんを死なせたら、私、ダグラス君に申し訳たたないもの。
 ……いや、それ以上に。」

フットペダルを踏み込み、ヤクトを加速させながら、自らに言い聞かせるように呟くリファニア。

「……私自身が、イブさんに生きていて欲しいと願うもの。」

リファニアの頭に思い描かれるイメージ。

閃光に包まれるアレン。
眼前で血にまみれた羽毛を散らすトリィ。
その身体を冷たい鋼の刃が貫こうとも……。
その顔に微笑みを浮かべたままの、ダグラスとシェラの姿が、重なる。

「これ以上、失うのはゴメンなの。
 これ以上、背負うのはゴメンなの。
 ……だから。」

ヤクトが、通路より港へと飛び込む。
瞬間、眼前に広がるのは……数々の想い出を残してくれた、傷ついた時には優しく包んでくれもした、
まさにリファニアの"母"艦たるミョーコウが、炎に包まれようとしている光景だった。

ヤクトの銀色が炎の反射で赤く染まり、もとの紅と混ざり合う。
激突するイブのVガンダムと、サーティアのガンイージ。
二機を見つめるリファニアのブルーの瞳に、炎の赤が映り込んで……。
まるで、瞳に紅蓮の炎が宿ったようにも見える。

「……ここでその流れを、絶つわ。」

ヤクトのビーム・サーベルが抜き放たれる。

>>113-114
互いに激しい火線を交差させる、Vガンダムとガンイージ。
突如、ガンイージが構えた光剣の軌跡が、円を描く。
必殺の一撃への布石となる、フェイント。

「イブさんっ!これ以上、イブさんの傷ついた身体に無理をさせやしないからっ!
 ……けじめは、アレンの遣り残した事は……私がっ!
 私がつけるっ!」

イブへの通信回線を開くと共に、フットペダルをさらに踏み込んで、スラスターを咆哮させる。
サーベルを構えたまま、ガンイージへと突撃するヤクト。
通り抜け様に、斬りつけようとしたその瞬間―――。
そして、ガンイージがフェイントから転じた必殺の突きを、Vガンダムに放とうとした瞬間―――。

ガンイージの前に、二人の少年の幻を……見た気がした。

「……!?」

そして、その一人は……リファニアもよく知っている。

ガンイージの中から、まるで悲鳴のような叫びが、響いた。
リファニアは、ほぼ無意識のうちに、ヤクトの機動を修正していた。
今、まさに放たれんとしている突きから、Vガンダムを庇うようにその身を晒す、リファニアのヤクト。
右手に携えたビーム・サーベルで、ガンイージの突きを受け流さんとした。
サーベルが交差して、激突するメガ粒子が火花を散らす。
開かれたコックピットハッチから飛び込む光が、リファニアの瞳を焼いた。

……突きの軌跡は、僅かに逸れた。
サーベルがヤクトの腰部を抉り、そのまま左肘から先をも、持っていかれる。

抉られた腰より火花を散らせながら、リファニアのヤクトはサーティアのガンイージと、対峙する。
背後には、ミョーコウと……イブのVガンダム。
ガンイージを見つめるリファニアの瞳は、炎を背にしているが故か、赤い輝きを映す事はなく。
澄んだブルー瞳の奥に、穏やかな光を宿すのみ。

リファニアは、サーティアのガンイージへの通信回線を開く。
その口から放たれる声は、酷く穏やかだった。

「……サーティア=クワン。
 私は、リファニア=ニールセン。
 あなたの大切な仲間を殺した、アレン=D=バディアンの恋人だった女だよ。
 ……そして、アレンと共に、あなたに刃を振るった女。」

アレンのギターを掲げてみせて、リファニアは言葉を続ける。

「……アレンは、私と共に居るわ。」

アレンの魂は、すでにここには無い。
リファニアの内なるアレンも、あの時より応える事はない。
……リファニアも、すでに死したアレンの魂に縛られる事を選ばなかった。
だが、アレンがリファニアに遺してくれた、目の前の壁を真っ直ぐに乗り超えようという姿勢。
そして、自らの魂が限りなく広がってゆくような、アレンの最後のライブの時に味わった、
何物にも代え難い陶酔感。
アレンからもらったかけがえの無いものは、リファニアの中に揺るがない夢として、根付いている。

「そう、アレンは、ここに居る。
 もし、あなたが刃を振るう理由が、あの時の戦いだというのなら。
 私は、その刃を受けるよ。」

……もちろん、生命を捧げるという事ではない。
全力で相手をするという事だ。
結果、どちらが生き残るのかは、互いの技量と、運と……生きる執念が、決める事だろう。

「……だけど、もし、刃を収められるのなら……。」

……私も、刃を納めてもいいや。
あなたの機械の知識、きっと、大きな力になってくれる筈だから。

ダグラスの幻を見てしまったからだろうか。
リファニアは、互いに大切なものを傷つけ合った、因縁深き相手を赦そうとの気持ちを、
心の片隅に抱いていた。
ミョーコウが沈もうとも、その姿は想い出と共に、心の内に描けるから。

腰より火花を散らせながら、サーベルを構えてガンイージと対峙するヤクト。
激しくも、穏やかにも、リファニアはサーティアを全力で受け止めようとしていた。
【行動 : イブとの通信回線接続(-1)、相手のサーベルを受け流す→受け流しきれずに損傷(-1)
      サーティアとの通信回線接続(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部左側に深めの損傷(火花が散っている)
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に痺れるような感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
120リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/18 00:00 ID:???
『定期放送のお時間です☆

 残り7名、ここからが大変なトコですね〜。
 MSもボロボロですし、心身ともに疲れているでしょう。
 そういう時こそ、駆け引きの上手さが問われます☆

 何を隠そう、前大会の「最後の生き残り」も、終盤は舌先三寸で乗り切ってますから♪
 NTだって幽霊だって、必要があれば嘘はつくんですよ〜。「人間」ですから☆
 みんな、くれぐれも気をつけましょうね〜。

 それでは、次の立ち入り禁止区域を発表します☆
 『C-05』 『G-07』 『H-24』 『L-14』
 『O-13』 『S-04』 『W-19』 『Z-21』
 以上で〜す。

 次の放送の時は、ちょっとしたプレゼントを用意できるかもしれません。
 今、色々と準備しているので、もうちょっと頑張って下さいね♪』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)、移動(O-17→O15)(−1p)】
【位置:O-15】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
121リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/18 00:01 ID:???
第14章 >119 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■◎■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎□◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□×□◎□■※◎■
05□◎×◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□×□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□×□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□×※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎▼□□◎□■■99□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□◎□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎×◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□07▼▼◎□×
22◎□◎□□□◎◎◎※※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎×■◎◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・15は同一地点。03・11・20は同一地点。07・14は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
122イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/18 12:30 ID:sgLGsIVb
ID出します
123イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/18 12:37 ID:???
それは、実に奇妙な感覚だった。
引き金を引こうと指に力を込めた瞬間、誰かの手がそっと添えられたような、そんな温もりが手に伝わってきた。
一つは励ますような温かさ。
もう一つは、祈るような柔らかさ。
そのどちらにも、愁林は覚えがあるような気がした。

光の矢が、ガンイージの側頭部を削る。
出鱈目とも思えるほどに弾丸を乱れ撃つガトリングガンに、もう一本の矢が突き刺さる。

それでも、目の前の修羅は止まらなかった。

一切の躊躇いも無く―――
いや、垣間見えた躊躇いや孤独すら切り裂くように、迫り来るビームサーベルの一閃。
銃弾の波より数瞬遅れて襲い掛かってくる切っ先は、悲壮なまでに美しい鋭さを見るものに感じさせた。

「え?」

瞬間。
眼前に在ったのは、緑色の鳥のようなシルエット。
見紛う筈も無い。
自分と同じような無茶をやらかせるお人好しは、このゲームの中でそう多くは無い。
そして彼女の判断を裏付けるように、ヤクト・ドーガから通信が入った。

ロザリオが温かい。
或いはそれは、ただ愁林の温もりが移っただけの錯覚なのかもしれない。
彼女の弱さが呼んだ、ただの幻覚なのかもしれない。
それでも。

―――ありがとう、ダグラス。少しだけ元気が出たわ。

確かにその温もりは、少年との口付けの際に感じたものだった。
124イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/18 12:39 ID:???
「全く……これではどちらがお姉さんか分からないわね」

苦笑交じりにリファニアからの通信に返す。

「私も貴女を守りたい。
 だから、もう少し格好付けさせなさい―――ね」

管制室から入った放送を適当に聞き流しながら、愁林は微笑んだ。
幽霊などに、元より縋るつもりは無い。
嘘や偽りなど、8年前から滝のように浴びせられてきた。

「伴侶と定めた相手がいるのなら、今後はこんな無茶は控えなさい」

それでも今は、こうして他人を信じられる。
想いの温かさを素直に受け入れられる。

油断無くサーティアの様子を伺いながら、彼女はリファニアの言葉の行方を静かに見守る事にした。

【行動:回避行動:失敗(-1)、通信回線接続→リファニア(-1)】
【残り行動値:2p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量13%)、Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア】
『……シェラさんとルイ=フィルセントを殺したのは、死なせたのは……。
 わたしと……あなたよ。
……何をすべきかは、決まっている……。
 見失ったりなど、しないわ……。』 

そう告げて、ヤクトは去っていった。

(分かっているさ、人の思いは他人を動かしてしまう
 どんな場合でも・・・・・・。
 俺が心配だったから彼女が帰ってきてしまった。
 俺が弱かったから彼女が死んだ。
 俺の為に・・・・・・。)

――――――――――――漂っていた。
何も考えず。
何も感じず。
何も見ず。
ただ、空になりたかったから
それは一時の安らぎ、
それでもほんの少しでもいいから
全部空っぽになっていたかった。
次の運命に抗う為に・・・・・・時を待つ。

―――――――――――――――――――――――。

『ベルク!俺だ、レイモンドだ!……ベルク!』

俺の止まっていた意識が聞き覚えのある声に呼び戻される。

「聞こえてるよ。」

始めに出た言葉が応答。そして、

「すまなかった。」

冤罪。

「助けられなかった。助けてやれなかった。
 見えていた。目の前だった。
 動こうとした。動けなかった。
 追いつこうとした。遅かった。

 後悔ばかりが流れつづける。
 でも、それも終わりにしなければ・・・・・・先へは進めない。
 ルイが繋いでくれた俺の運命・・・・・・果たさなければ意味が無い。
 
 こんな頼りない脆弱な俺でも、まだ共に来てきてくれるか?
 ――――――――――レイモンド=デリック 。」

一度空っぽになった俺はまたこれまでの全てを詰め込む。
存在を、罪を、運命を、
再び、動き出す為に・・・・・・・・。
【行動:レイモンドと通信(-1)空虚の時間(-1)】
【残り行動値:2】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
『聞こえてるよ』

ベルクからはすぐに返答があった。
しかし、その声には感情が感じられなかった。
それを訝しむ間もなく続けられる、謝罪の言葉。

俺は気が付いた。
ルイの死を間近で見ていたのは他でもない、ベルクだった事。
ルイの死に際して、ベルクは誰よりもそれを悔いている事。
…そう、これはベルク自身の懺悔。

だが、その罪を許すのは神などではない。
ましてや俺でもなければ、死んだルイでもない。
ベルクを……彼を許すのは、他の誰でもないベルク自身だ。
言い方を変えれば、ベルクの中にできたルイの死という大きな穴を乗り越えるのは、
やはりベルク自身にしかできないのだ。

そしてベルクは、自身の中で整理をつけようとしている。
大切な仲間の死を乗り越えようとしている。
…もしかしたらそれは表面上だけかもしれない。
仲間を失ったショックは、そう簡単に克服できるものではないからだ。
…俺も同じようなものだ。
俺はただベルクを助けるという目的に集中する事で、悲しみを紛らわせているだけ
なのかもしれない。

いや、たとえ空元気でもいい。
今はまだ、やらねばならない事が山ほどある。
無気力のままでいるよりかは何十倍もましだ。

「…どんな人間だって弱い面を持っている。それは、俺とて例外ではない。問題は
 、その弱さを如何にしてカバーするか、だ」

俺はベルクに笑いかけた。

「ベルク。お前は自身の弱さを自覚し、それを力に変える術も心得ている。共に戦う
 仲間として、これほど心強い事はない」

通信を送りながら考える。

(ペズ・バタラは予想以上に傷付いている。今後の行動は慎重に模索しなければ…)

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:さてどうするか…】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
128リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/07/20 12:06 ID:???
第14章 >127 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■◎■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□◎□□□□◎■◎■※
03◎◎◎□□□◎□◎□◎■■□□◎□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□◎□◎□■※◎■
05□◎◎◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□◎□◎□□□◎□◎□◎□□◎◎◎□□◎□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎◎◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■◎◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□◎▼□□◎□■■99□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎◎◎◎◎□□□◎□□□□◎□◎□◎※□◎◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21◎◎□◎◎◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□07▼▼◎□◎
22◎□◎□□□◎◎◎※※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎◎■◎◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・15は同一地点。03・11・20は同一地点。07・14は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
『…どんな人間だって弱い面を持っている。それは、俺とて例外ではない。問題は
 、その弱さを如何にしてカバーするか、だ。
ベルク。お前は自身の弱さを自覚し、それを力に変える術も心得ている。共に戦う
 仲間として、これほど心強い事はない』

サブモニターに映るレイモンドの顔は笑っていた。

「俺もだよ、レイモンド。
 片腕を失っているにもかかわらず、生きて戻ってきてくれた。
 それほどの強者が共に来てくれることほど心強いものは無い。
 感謝する。」

俺も自然と微笑み返していた。

「心配するな。動けないことは無い。
 それに、こいつの自慢の愛刀は健在だ。
 これだけ在れば十分さ。」

レイモンドの表情に不安げな感じを察したので、あらかじめ答えておいた。
大体の考えていることは分かる。
機体の破損具合が酷いのは確かなのだから
だが、これからの行動目的には支障はあまり無い。

「これが何かわかるか?」

レイモンドに見える様に特殊情報端末の画面を映す。
その、表示されている画面の99番を指で示しながら言葉を続ける。

「どういう訳か知らんがどうも今は手の届く位置にいるらしい。
 ならば、この期を逃すわけには行かない。
 武器を揃えて置きたいのだが、それだけでは不充分でな
 電子情報に詳しいシュウジの協力が欲しい。
 武器は簡単に手に入るが、シュウジが協力してくれるかどうかは望みが薄い。
 だが、他に頼れる奴も居ない。だから、アイツを説得する必要があるし
 今は、リナルドと交戦中だ。のんびりともしていられない無いんだが
 不甲斐ないが俺の機体はこれ以上壊れるわけにはいかないのでな
 戦闘になり、愛刀さえも失うことは避けたい。

 すまないが、シュウジの説得を頼めるか?
 必要なら可能な限り俺も着いていく。」

【行動:レイモンドと通信中(-0)特殊情報端末を見せる(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
俺達は改めてお互いの存在を確認しあった。

それは儀式だったのかもしれない。
それは相手を信頼する為の儀式。
それは相手を許す為の儀式。
お互いにルイを救えなかったというわだかまりを解く為に、必要なものだったかもしれない。
お互いの価値を認める事で、自分の中にできた空洞を埋めようとしたのかもしれない。
しかし、たとえそうであったとしてもベルクが自然に笑いかけてくれた事は、俺の心の負担
を随分減らしてくれた。

もしかしたら俺達は、自分でも気付かないうちにルイの言っていた、『笑いは世界を救う』を
実践していたのだろうか?
まだ2人だけの、小さな小さな世界ではあったが……。

それからベルクは、俺に何らかの情報端末らしきものを見せてくれた。
モニター越しで見難い部分はあったが、大体のところは理解できた。
最も目につくのが、この基地の北西に居座る99という番号。
少し考えれば、答えを出すのは簡単だ。
99が実在するのであれば、それは参加者ではありえない。
ならば何か?

……どうやらベルクは、俺と全く同じ答えを導き出しているようだ。
まあこの場合、違う答えを出す事の方が難しいわけだが。

何にせよ、今の俺達にはシュウジの能力が必要らしい。
その事と俺の説得については異論はない。
シュウジとはどちらにせよ、このあとで会ってみるつもりだった事もある。
それに俺はあの同盟に殆ど関わっていなかったから、そちらの方が話しやすいかもしれない。
あと、ベルクに手伝ってもらうわけにもいかない。
万が一戦闘になった時に、ペズ・バタラのカバーまでしきれるか心もとない。

ベルクに通信を返す。

「まあシュウジの方は俺が対応するから、ベルクはさっき言っていたように武器の調達をし
 ておいてくれ。調達できる場所はもう限られているが、マップによるとこの基地内か、U-
16の戦場跡だが…」

マップを眺めて少し考える。

「手間がかからないのが基地内で、身を隠すのに適したのが戦場跡、といった感じか…。ど
 こで調達するかはベルクに任せるが?」

そして最後に思いついた事を付け加えた。

「あとシュウジについて知っている事を教えてくれ。俺は彼について何も知らないからな。
 何でも知っている範囲でいい」
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
「ふ、ははは……」

 ゆらりと、ビームサーベルを下げる。

「成る程ね、つまりは……」

 しかし下がりきる前にそのサーベルは輝きを増し、上に跳ね……

「私のスコアを増やしてくれるわけね」

【行動 : ビームサーベルで攻撃(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復中)、頭部右側面に損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾5)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
『まあシュウジの方は俺が対応するから、ベルクはさっき言っていたように武器の調達をし
 ておいてくれ。調達できる場所はもう限られているが、マップによるとこの基地内か、U-
 16の戦場跡だが…
 手間がかからないのが基地内で、身を隠すのに適したのが戦場跡、といった感じか…。ど
 こで調達するかはベルクに任せるが? 
 あとシュウジについて知っている事を教えてくれ。俺は彼について何も知らないからな。
 何でも知っている範囲でいい』

「ああ、そうだな。
 異変が起こったのは、T-17に向かっている時だ。
 不意に全体通信が入った、お前は戦闘中で気にも止められなかったんだろうが
 それは、シュウジの声だった。
 そのときに居た同盟者に向かって叫んでいたのかもしれない
 事の発端はティーチャ―からの定時放送での企画、それは知っているよな。
 そして、W-22に乗り込む為には二人の犠牲が必要だった・・・・・・。
 大体は想像がつくだろう。その時、俺は信じたくなかったが
 最初の同盟で組んでいた仲間の一人に女の子が居たんだ。
 シュウジはその子を守る為に同盟と計画を作ったと言っていた。
 でも、その娘とはうまく行かなかったみたいで全体通信が終わった頃には
 その娘の生命反応は消えていた。
 シュウジが殺したとは思えないその間に合わせて三人の死者、二つの
 危険区域の解除、・・・・・・・数が合わない。
 その時のシュウジの同盟者は三人、彼を含めれば四人
 一人は、離脱後死亡。他者の手によるもの
 残っていた三人の内二人が死亡どちらかは自殺か巻き込まれたか
 ぐらいで、カウントされなかったとみる。
 これは、全体通信を聞いて特殊情報端末の表示から推測したものだ。
 この結果から、シュウジは目的の為に同盟者を確実に一人は殺している。
 つまりは・・・・・・・・・・裏切り。」

大体の出来事と推測を交えてレイモンドに告げた。
そして、それに対する俺の答え

「だが、それも無駄になった。その娘が死んでしまったから。
 一度目的を失ってからどんな答えを見出したかは分からない
 でも、例え浅はかな希望でも彼をまだ信じたい。
 可笑しいだろ彼は裏切者なのにまだ信じている。
 笑ってしまうが、彼にまだその意思があると思ってな。確証は無いが
 想像と違う答えを彼が出していたら危険が伴う。
 気をつけて行ってくれ、お前まで失いたくは無い。」
 
【行動:レイモンドと通信中(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
>>124
『全く……これではどちらがお姉さんか分からないわね。
 私も貴女を守りたい。
 だから、もう少し格好付けさせなさい―――ね』

サーティアと対峙するリファニアに、イブが通信を返す。
苦笑交じりにイブが言った言葉に、リファニアは心の中で呟く。

……そんな事、ないよ。
私が人の為に尽くすのは、私のエゴに過ぎないの。
イブさんを励ました時だって、私の物語を完結させるために必要なものを、
壊さないようにする為に、やっただけだったんだもの……。
……でも、イブさんは違う。
イブさんの優しさは、イブさん自身の優しさなんだって事……私には、わかっているの。
私とは、ちがう……本当の、優しさ。

「……やっぱり、お姉さんはイブさんだよ。」

>>120
リファニアが小声で呟くと共に、リーア=ミノフスキーの放送が耳に入るが……。
その煽り文句は、自分達にとってはあまりにも無意味だ。

『伴侶と定めた相手がいるのなら、今後はこんな無茶は控えなさい』

イブの言葉と微笑みに対し、リファニアが返すものは……。
敵と対峙しているにも関わらず、いつもと変わらぬ……いや、以前にも増して輝く微笑み。
微笑みの輝きは、そのままリファニアの心の強さと……暖かさを、表していた。
リファニアは自分ではあまり気づいていないかも知れないが……。
シェラの為に尽くそうとしたり、イブを護りたいと願うのは、純粋に相手を想うが故に。

リナルドの言葉によって、失いつつあった自身の価値を見出されて。

自分の行く末を希望を以って見据える事が出来るようになったリファニアが、
大切な存在に向ける気持ちに……打算など、ない。

「うん、そうだね……。無茶は、できるだけ控えるね。
 だからイブさんも、絶対に無茶しないでね。」

今のリファニアに危うさがあるとすれば、何でも出来ると思い込んでしまいがちな事。
イブに窘められて、リファニアは何となくそれに気づく。
ポジティブシンキング、大いに結構。
だが、慎重さを、冷静さを、忘れてしまってはいけない。

きっと、シェラさんにも叱られるだろうなあ。
自分の戦いに酔っちゃ……駄目ね。
135リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/07/22 21:09 ID:7fSo5diA
>>132
サーティアのガンイージから、返信はない。
だらりと下げられる、ビームサーベル。
交戦を止める意思表示かとも思えたが……刹那、ガンイージの纏った空気が、変わった。

リファニアの全身がピリッと疼くと共に、汗腺がきゅっと引き締まる。
感覚より数瞬遅れて身体が反応し、アーム・レイカーを操作する。
サイコ・フレームによって駆動系に伝えられたリファニアの意志が、
そのタイムラグを打ち消すかのように、ヤクトの右腕を素早く反応させた。

輝きを増すと同時に斬り上げられる、ガンイージのビームサーベル。
それを流すべく、打ち合わされるヤクトのビームサーベル。

イニシアティブは、サーティアが握っていた。
数瞬遅れたリファニアは、完全にサーベルを受け流す事かなわず。
跳ね上げられたガンイージのサーベルが、すでにその機能をほぼ失っているヤクトの頭部をもぎ取る。

リファニアの全身から、冷や汗が噴出する。
だが、リファニアは臆しはしない。
サーティアの応えは、その行動によって示された。

「……だったらっ。」

リファニアのするべき事は、決まっている。
受け止める、全力で。サーティアの激しさに、自身の激しさで以って。

「応えるのみよっ!」

サーベルを斬り上げるリファニアのヤクト。
本体への斬撃というより、相手のサーベルを払いのけるように、振り上げられる。
間髪入れず、フットペダルを踏み込むリファニア。
ヤクトを前方へと弾き飛ばそうとする力がかかる瞬間、
リファニアは振り上げたサーベルを、相手の右袈裟へと振り下ろした。

前へ、前へと突き進む。

その戦い方は、かつて少女が愛した青年を、髣髴とさせるものだった。

【行動 : イブとの通信回線接続(0)、サーティアとの通信回線継続(0)
      受け流し失敗(-1)、斬り上げ(-1)、ガンイージに突進と共に袈裟斬り(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部喪失、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部左側に深めの損傷(火花がバチバチ)
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
先生の企画……。
これは俺もよく覚えている。
他の参加者を脱落させた者には、1人につき1ケ所だけ侵入禁止空域を解除するというものだった。
…実は俺もあの企画を聞いた時にある事を思いついたのだが、それは果たせなかった。
まあ過ぎた事は蒸し返しても仕方がない。

で、その期間中に何人かの参加者が脱落し、おそらくこの基地内にあったと思われる管理者側
の施設(指令部か?)の侵入禁止空域が解除されている。
施設の解除は全体通信で堂々と宣言されたから俺も覚えて……って……あれ?

「……。……ああ、そうか」

俺はその宣言をした声に聞き覚えがあった。
それも、ごく最近に。

(あそこを解除したのは、彼女だったのか…)

ふと彼女の……リファニアの先程の戦場には似つかわしくない笑顔を思い出した。
侵入禁止空域を解除したという事は、それは他の参加者を脱落させたという事。
リファニアがどのような思いで解除したか……俺には知る由もない。
あの時のリファニアには、その事に対する怯えや後悔のようなものは窺えなかった。

誰かを殺すという事。
それはその人間の全てを奪うという事。
俺は初めてその行為を犯してからここまで、自問自答を続けている。
膨大な罪とその償い、俺の生きる意味、生きる価値、死ぬ価値と、その覚悟。
昔は何を考えても答えには辿り着かなかった。
ひたすら螺旋を描くように思考がぐるぐる廻っていただけだ。

ただこのプログラムで死と隣り合わせで生きてきて、死というものを間近に感じて、朧げなが
ら見えてきたものもある。
それが形になるまで生きていられたら、たとえ死ぬ事になっても俺は満足できるだろうか?

(続く)
生徒名簿を見直し、脱落者リストと比べてみる。
おそらくリファニアが脱落させたのは…ラーズ=フィリーという参加者だ。
それならば彼女が鳥頭に乗っているのも納得がいく。
それとほぼ同時期に、ヨーコ=クロサキとジェイス=カーライルの2人が脱落している。
ベルクの言っている3人の死者とは、この3人だろう。

この中で、シュウジが脱落させたのは…おそらくジェイスだ。
シュウジが守ろうとしていた女性がラーズかヨーコである以上、可能性が高いのは自然とジェ
イスになる。
そしてラーズと合わせて考えると、ヨーコが何らかの別の理由で脱落したという事か。

「シュウジは、守るべきものを失った事で取り乱しているのか、はたまた錯乱しているのか…」

もし、シュウジがそうだとすれば…それは俺にある事を思い出させた。
それは俺の中に封じられた、苦い記憶。

「感謝する、ベルク。シュウジの説得には最大の努力をしよう。絶対とは言い切れないが…」

……俺もかつて…守るべきものを自らの手で壊してしまった時に、全てが見えなくなるくらい
に半狂乱になり、殺しを繰り返した。
…シュウジは、あの時の俺に似ている。

「万が一戦闘になってもそんなに心配はするな。このタイヤの足ならそうそう追い付かれない
 し、今シュウジが乗っている機体…。ビギナ・ギナの事は1から9くらいまで知っているか
らな。…じゃあベルク、ここで一旦別れよう。…そしてまたあとで会おう」

そして俺は再びタイヤを走らせはじめた。
シュウジのいる場所はすぐ近くだ。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
『感謝する、ベルク。シュウジの説得には最大の努力をしよう。絶対とは言い切れないが…
万が一戦闘になってもそんなに心配はするな。このタイヤの足ならそうそう追い付かれない
 し、今シュウジが乗っている機体…。ビギナ・ギナの事は1から9くらいまで知っているか
 らな。…じゃあベルク、ここで一旦別れよう。…そしてまたあとで会おう』

「ああ、お前には期待している。
 どんな結果になっても良い、また生きて帰って来い。」

そして、レイモンドは通路の奥に消えていった。

(さてと、この周辺でも探すか)

必要なものは、武器。それも人が扱うもの
ほぼ間違い無く、奴等は移動要塞的な巨大戦艦で移動しているはず
ならば、突入時に武器は必要不可欠、
厳しいセキュリティーシステムと防衛システムが組まれているのは当然
生半可な武装と戦術では玉砕すら出来ないだろう。
多くの武器を持つより予備弾倉、信頼性の在る物を選択し扱う必要がある。
その辺を考えながら武器を探し始める。

(ここか。)

MSを停止させ、ノーマルスーツの機密性を確認し
コクピットを出て、ドアをあける。

「ヒュー、ビンゴ。」

目の前には、選り取り緑の武装の数々、
対侵入者用の撃退用にでも置いておいたのだろうか。
この大きめの小惑星基地には当然の装備なのだろうか。
どちらにせよ早速、武器を選択し始める。

【行動:レイモンドと通信中(-0)武器倉庫へ移動(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
139イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/25 11:51 ID:nGxsNZKZ
ID確認します
140イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/07/25 21:11 ID:???
>132>134
『うん、そうだね……。無茶は、できるだけ控えるね。
 だからイブさんも、絶対に無茶しないでね。』

そう言った少女が今、戦っている。
サーティア・クワンの心には、リファニアの言葉は届かなかったのか。
或いは届いていても、響く事は無かったのか。
残念であり、また予想通りでもあった。
何れにせよ―――

「―――やるべき事は決まっているわね」

射撃武器ではリファニアを巻き込みかねない。
だからと言って手を拱いてみているなど許される筈も無い。
ならば攻撃手段は自ずと限られてくる。

無茶をしない。無茶をさせない。
その為には、少しでも早くケリをつけねばならない。

―――見守れだなんて言わないわ。

抜き放った柄から、光の刃が虚空に生える。
磁界収束された超高熱のメガ粒子の束が剣となり、周囲の闇を淡く照らした。
虚を突いたのでもない限り、完全な挟撃は同士討ちを誘い易い。
そう判断した愁林の白き騎士は、ガンイージの左側面上方へと回り込み、タイミングを僅かにずらして鋭く突きを放った。

―――姉さんの事、大人しく見ていなさい!

【行動:回り込み行動(-1)、ビームサーベル:突き→サーティア(-1)】
【残り行動値:2p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量13%)、Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる、勝つ】
【同盟:リナルド、リファニア】
「売り言葉に買い言葉、か。
 やはり底は知れているな」

小学生以下と扱われて、彼が漏らした感想の第一声は、それだった。

「どちらが先に手を出そうと……
 貴様がリファニアを撃ったのは事実だ。
 俺にとって、その現実以外はどうでもいい」

その言葉は半ばフェイクだ。
どうでもいいということはない。
ただ、目の前の男は危険な存在だということだけ。
リファニアにとって、残された時間の少ないであろう彼にとって、
明らかに危険だということが目の前で証明されてしまったのだから。
それだけで、『討つ』理由が発生してしまう。
もっとも、ここに限らず戦場には後付けの理由がごろごろと転がっているわけだが……

そこに、再び――三度だったか?――紅いイメージが彼の脳裏をよぎった。


全く……、俺たちはどこまで行っても平行線だな。
もう多くは言わない。
そんな暇も無さそうだしな。
ただ――

俺は簡単に『幸せにしてやる』なんて言わない。
二人で幸せになるんだ。
あんたは二人で幸せになるための試練の辛さも、その報酬の価値も知らないから、
『幸せにしてやる』なんて言えるんだ。
だから、俺はあんたを認められない。
認めるってことは、二人で幸せになるための努力を放棄することと変わらない。
そう、思ったんだ。
間違ってるのかもしれないよ? でも、俺はそう思ったんだ……。
それが、俺の答えだったんだ――

もうひとつふたつ、言わせてもらうと――

死に逝く者の意思を足蹴にできるほど、冷たい人間になった覚えは無いけど……
俺はあんたの存在を認めない。 あんたの遺志も引き継がない。
俺は俺の意思でリファニアと共に生きる。
今を生きる人間が、死に逝く存在に足枷を作られちゃ……たまったもんじゃあない。
あと、いつまでも一言余計だぜ、あんた。
あんたが俺をどう評価しようと勝手だが……俺は何もしていなかったんじゃない。
俺だって、『誰かを殺すために戦う』以外の方法で、リファニアのために戦ってた。
それだけは譲らない。 死に逝くあんたに対してでも、絶対にだ。
……だからさ、やっぱり俺はあんたを認めることができないんだ。
戦って悲しみを広げる選択しかしない、他の手段を考えないあんたをさ。


そして、意識の邂逅からどれくらい経ったかは知らないが……

「……そうか……、――行ったか……」

抑揚の無い声で、彼は呟いた。
それが、彼女に対して直接語られた、最後の言葉。

≪続く≫
……リナルドは、機体を疾らせていた。
激痛に表情を歪ませ、それでもペダルを踏み込んでいた。
操縦ミスを修正しやすいよう速度は遅く、それでもどこかふらついてすらいる。
やがて、アビゴルは通路の端に寄り、そのまま動きを止めた。

……その痛みは、突然襲ってきた。
身体の異変を感じ、それは後回しだと自身を窘め、その場を離れた瞬間。
彼の警戒状態が解かれたわけではない。
にもかかわらず、それは物理的な激痛を伴って彼を攻め立てた。


……リナルド、大丈夫だよね……?

声が、聴こえた。
返す言葉は発せられない。
その代わりだと言わんばかりに、彼の口元からは紅の一筋。
口腔内を切ったか、はたまた内臓器官をやられたか。
とにかく、彼女にこの血を見せるわけにはいかない。
バイザーを開け、弱々しい手つきの右手で流れた血を拭う。
そして、改めて認識させられた。

(……握力、無くなってきてるな……)

あの時から、少しずつ右腕に感じられていた違和感。
これも代償なのだろうか? あまりに非現実的な現象に、彼は思わず失笑してしまう。

(大丈夫……と言いたいところだけど、このザマじゃあな……。
 どこまで隠し通せるか、すら……わかったものじゃない)

ただただ、痛みに耐えるだけの時間が過ぎる中で、再び、リファニアの肉声が彼の耳を打った。

『リナルド。ミョーコウが攻撃を受けているの。
 だから私、急いで戻るね。もうすぐ通信可能域から外れてしまうから、通信はここで切るよ。
 ……死なないで、絶対に』

『ミョーコウ』が攻撃を受けている……。
つまり、それは、そういうことで、そういうことなのだろう。
休んでいる暇など無い。
いや……元より、彼には安息など永遠に訪れないのかもしれない。
そういう身体なのだと、彼は今更ながらに痛感する。
ふと、笑みがこぼれた。
それは、嘲笑。 自嘲の微笑み。
痛みが薄れ始めたのを感じ、リナルドは再びペダルを踏み込んだ。

「マヤ……いるのか?」

答えは、無い。

「答えないか……まぁ、いいや」

首輪カバーと、エミュレータのためではなく。
攻撃を受けているということは、おそらくイブは迎撃のために戦っていることだろう。
リファニアは加勢するのだろう。
ならば、彼女のナイトはどうするか。
決まっている。
プリンセスに向けられる刃を受けるべく、そして返しの刃を叩き込むべく。
アビゴルは、V-20へと向かって加速した。

≪続く≫
既に、リファニアやシュウジとは別のMSの反応がふたつ出ている。
ペズ・バタラ、ベルク・クロフォード。
ジャベリン、ショーン・コネリー……は既に死亡しているから、別の誰か。
ベルクはあの通りの男だ。 能動的に仕掛けなければこちらを攻撃することはないだろう。
もっとも、既に『能動的に』仕掛けた後だ。 どうなるかはわからない。

それよりも、ジャベリンに乗っているのは誰だろう?
位置から考えて、リファニアと接触していてもおかしくはない。
ならば、こちらも接触するべきか?
否、そうしたいのはやまやまだが、今はリファニアやイブと合流するのが先だ。
構っては、立ち止まってはいられない。
直接出会わなければいいのだ。 そう心掛け、進路を変える。
通路が完全な一本道なら問答無用で接触しなければならなかったのかもしれないが、
そうではないのが実際のところだ。
アビゴルは横道に逸れ、もちろん二機のレーダーに入ってはいるが、
直接出会うことのないコースでU-21を潜り抜けた。
追ってくるようなら……適当にあしらうまで。


――その光景は、彼の中にどのような感情をもたらしたか?
炎上する『ミョーコウ』。
戦い続けるヴィクトリーと、容赦無く襲い掛かるガンイージ。
そして。
頭部を失い、さらにヴィクトリーを庇って胴体左側部から火花を散らす……ヤクト・ドーガ。

(……後ろを取れば、相手は反応せざるを得なくなる)

通信可能範囲外に出てしまったために切断された通信回線を再び繋ぎ、
先程は出せなかった声を今度は明確に出しつつ、彼はアビゴルと共に戦場へと飛び込んだ。

「リファニア」

ガンイージから見て、正面からヤクト・ドーガが、右上からタイミングを上手くずらしてヴィクトリーが、
それぞれビーム・サーベルで仕掛けるのを眼下に見下ろし。

「俺に絶対に死ぬなと言うのなら、君も絶対に生き延びろ。
 イブさんが死んでいいわけがない。
 だけど、自分の生命を安易に危険に晒すようなことはするな。
 機体の損傷だって随分酷いじゃないか。
 何より――」

ヴィクトリーの一撃とほぼ同時に、アビゴルは静かにガンイージの背後へと降り立った。
その動作とは対照的に、リナルドは声を荒立てる。

「生き延びる気があるなら、まずはコクピットハッチを閉めろ!」

おそらく、リファニアは退かない。
先程『生きる』と宣言したばかりの彼女が機体にあれほどの損傷を受けても退かないところを見ると、
このわがままなプリンセスには退けない事情でもあるかのように見える。
少なくともリナルドはその事情を知らないし、知ることもできない。
そうである保証も無い。 ……実際はそうであったのだが。
とにかく、彼女は退かないだろうと、リナルドの頭脳は理解していた。

それに、今は戦闘中……話は後。
生き延びなければ、再び言葉を交わすことも、想いをぶつけてやることも、話を聞いてやることもできない。
受け止めてやらねばならないのだ。 リファニアとて、失った痛みに耐えているのだから。
そのために。

両手のビーム・カタールが再び輝く。
ただフェイントのためだけに後ろを取ったのでは、ない。
【行動:U-22→U-21→V-21→V-20(-3)、通信再接続(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線継続→ヤクト・ドーガ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:忘れていたこと、思い出したから/三人で、生きて帰ろう】
【同盟:20番リファニア 03番イブ】
俺は今、U-22ポイントに入ってすぐの小さなデッキにタイヤを止めている。
いくつか理由があって少し寄り道をする事にしたからだ。

1つ目の理由は通信の問題を解決する為。
これからシュウジと話すにあたって、話の内容は絶対管理者側には聞かれてはならない。
必然的に通信は筆談になるわけだが……俺は紙とペンを持っていなかった。
シュウジに頼めば貸してくれるだろうが、俺も持っていた方が話もスムーズに進む。
それにそのうち、ベルクの分も必要になるだろう。

俺はデッキにあった事務所らしき部屋で、筆談に使えそうな書類の束とペンを3本手に入れた。
ペンを3本にしたのはシュウジが持っていなかった時の為だ。

そして俺がここに来た2つ目の理由は、シュウジの状況を判断する為。
俺が同じポイントにいるのは、シュウジにも分かるだろう。
先程リナルドの機体と、レーダー上ですれ違った。
それはこの先の戦闘が終わった事を意味する。

それでもシュウジが、リナルドを追いかけた時。
その場合、シュウジが冷静な判断ができなくなっている可能性が高い。
シュウジの機体のレーダーにも、俺のジャベリンは映っている筈だ。
自分の近くに新たな参加者の反応があるにも関わらず、終わった戦闘を継続しようとする。
それは自機の周囲の状況の把握という基本も知らないか、それとも俺が想像したように、
錯乱して戦闘を終わらせる気がなくなっている可能性が考えられる……。

それを確認する為にシュウジに回線を開く。

「聞こえるか、シュウジ=アサギ。レイモンド=デリックだ。今お前のすぐ近くのデッキに
 いる。レーダーでも俺の反応が分かるだろう?戦闘が終わっているのなら、こっちへ来て
 くれないか?ちょっとした話がある」

さて、暫くはここでレーダーを睨みながら待機だ。
俺はシートに身体をもたれると、ペットボトルの水を飲んだ。

(今はシュウジが冷静である事を祈るしかないな…)

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)U-22に移動(−1)筆談道具探し(−1)
ビギナ・ギナへ通信回線を開く(−1)水分補給(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21→U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得、待機】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
146シュウジ@代理:04/07/27 00:30 ID:???
『売り言葉に買い言葉、か。
 やはり底は知れているな』

『どちらが先に手を出そうと……
 貴様がリファニアを撃ったのは事実だ。
 俺にとって、その現実以外はどうでもいい』

「……そうだな……。」
それだけ言うと、さっさと通信を切ってしまった。

「……阿呆らしい。」
〔……マスター。これからどうするのですか?〕
「プランC……使うとは思ってなかったんだが……。」
〔プランC、ですか?〕
「なんだかおすすめできないって口調だな。」
〔そうですか?口調を変化させる機能は付いていないはずですが。
 ……プランC、RUNNINUG。〕
「プランC……優勝のためのプラン……。単純明快かつ低いものの最も高い成功確率を誇るプラン……。
 後何人だ……?後何人殺せば終わりだ……?
 15と20、これは仲間……として、ん?25と26は死んだのか。はて、定期放送は流れてたか……?」
〔流れてましたよ?今から再生しましょうか?〕
「いや、いい。
 で、他はどうなんだ……?あぁもう……、移動しなければ埒があかない。
 ゼファー。移動するぞ。こんな所で引きこもりしてる場合じゃない。」
〔了解……待ってください。14番から通信です。〕
(グットタイミング……か?)

『聞こえるか、シュウジ=アサギ。レイモンド=デリックだ。今お前のすぐ近くのデッキに
 いる。レーダーでも俺の反応が分かるだろう?戦闘が終わっているのなら、こっちへ来て
 くれないか?ちょっとした話がある』

「……わかった。そちらに向かおう。
 が、そっちに向かうまでにそこで話す事の概略を教えて欲しい。
 ……いや、いい。何となく解るからな。少し待っていろ。中途半端に隔壁が閉まっているから時間がかかる。」

(どうせ脱出か反撃の事だろうな……。
 後者だとしたら呆れるな……これは不意打ちでなければ成功する確率は皆無だというのに……。
 未だ使ってない”アレ”を取引材料に使えれば……どうにかまるく収まるか……?収まらないだろうな。)

「ゼファー。とりあえず射撃管制はリミッターを掛けろ。
 準戦闘状態で前進。前方のデッキへ向かう。」
〔了解しました。〕
(……どうにか、二人が脱出という事で収まれば、いいが。)
147シュウジ@代理:04/07/27 00:30 ID:???
【行動:通信(−1)デッキへ移動(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
俺はシートに身体をもたれたまま、シュウジからの返信を聞いていた。
聞きながら、記憶に残っているコロニーで会った時のシュウジと比べてみる。
聞こえてくる声のトーンと速さに、モニターに映るシュウジの表情の起伏を注意深く
観察していく。

……シュウジの様子は、どうやら以前会った時とさほど変わりはない。

『……いや、いい。何となく解るからな。少し待っていろ。
 中途半端に隔壁が閉まっているから時間がかかる』

その口調も、表情も見た限りでは冷静そのものだ。
戦闘終了直後にこれだけ冷静な対応ができるのであれば、おそらく錯乱の心配はないだろう。

俺は内心ほっとすると同時に、すぐさまシュウジに伝える事を紙にまとめようと……。

「あっ!!」

重大な事を見逃していた事に気付き、俺は思わず声を上げてしまった。

(そう言えば俺……利き腕無くなってたっけか……)

そう。
俺の視線の先……右腕の手首から先は存在しない。
まあ要するに…筆談が非常に困難という事だ。
ここのところ片腕での操縦に慣れてきていた為、利き腕の状態の事を失念していたのだ。
間抜けな話だが。

それでも、左腕で何も書けないわけではない。
俺は時間がかかるのを承知で、左腕で紙に書きはじめた。
ただ書くだけならいいのだが、相手に読ませる字となるとかなりの難行だ。

(こんな不格好な文字で向こうにも読めるかな…。大丈夫だと思いたいが…)

初めて文字を書く幼児のような気持ちで丁寧に書いていく。

それから暫くして、まだ書き終わらないうちにビギナ・ギナがデッキに入ってきた。

(続く)
(……ビギナ・ギナ、か)

俺はその懐かしいフォルムに字を書くのを止めて、暫し見入った。
コスモ・バビロニア戦争で1機だけが投入されたCVの試作MS。
丁度その時期コスモ・バビロニアに帰還したロナ家の長女がパイロットとして搭乗し、ザビ
ーネ隊長が補佐をしていた関係で、我が黒の部隊と共に行動した。
かく言う俺も訓練に実戦にと、何度かその姿を間近に見ている。

デッキに入ってきたビギナ・ギナはさすがに戦闘後らしく、機体のあちこちに爆炎に撫でら
れた痕が見える。
そしてビギナ・ギナの1番の特徴と言えるフィン・ノズルが片方損傷して、いささか酷い様
になっているのは残念だった。
いや、それでも全体的な美しさが損なわれていないのは、根本の造形美が優れているからか。

……ビギナ・ギナから紙に目を移した。
未だ紙に書き終わっていないから、少し時間を欲しいところだ。
俺はシュウジに話し掛ける。

「久し振りだ、シュウジ。色々あったかもしれないが…お互い生きていて何よりだ」

これはもう俺自身色々あったから、自分で話していて何だか感慨深い。

「さっきの通信で俺の話が何となく解ると言っていたが、何だと思う?シュウジの想像
 できる範囲で言ってみてくれ」

まあこのくらいは筆談でなくとも大丈夫だろう。
管理者側だって、俺達が攻撃なり、脱出を謀っている事は百も承知だろうから。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    紙に字を書いている(かなり必死w −1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
「つぇいッ!」

 駆動系の操作が重い。
 重く、ゆらりと動く腕が、奴の右腕を抑えた。

 くるりと一回転。
 力を受け流す……。
 力むな。
 落ち着け。

 こいつは……弱い。

 背負うものの力も、戦う為の力も、何もかも。
 弱い筈!
 弱くないと……困る!

「私は……」

 続いて左のビームサーベルを振るい。

 負けない。
 全てを終わらせる。

 奴の機体は流し、左へ流れていて……
 今、もう一騎よりの機体を捌く!

 アポジモーターへの細かな配慮。
 敵機と自分の相対位置。
 AMBCを考慮へ入れた、四肢の駆動。
 駆動に伴う、攻撃の面。そして線。

「そこっ!」

 冷静に。冷徹に。非情に。
 今私が必要なのは、情けではなく、力ではなく、頭脳ではなく。
 ただ一点。この完全なる嘘。若しくは虚。

 ……活。

 一撃。 回転を殺さない。
 一転を貫き、引導を渡す。
 奴等には私の動きを取らせてもらう。

 まずは、眼前の敵。
 搦手は、次いで仕掛ければ良し。

「殺しあおうじゃないのさ!」

 ビームサーベルで突くよりも早く、右腕にライフルを掴む。
【行動 : リファニアの攻撃を受け流す(−1) イブの攻撃をビームサーベルで防御(−1)
         ビームサーベルでリファニアを攻撃(−1) 右腕にライフルを掴む(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復中)、頭部右側面に損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾5)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>150
叫びと共に、斬撃を放つリファニア。
ガンイージはゆらりと右腕をあげると、サーベルを振り下ろさんとするリファニアのヤクトの右腕を受け止め……。

……!?

いや、受け流した。
ガンイージの脇へと流れようとするヤクト。
自分は、決して生易しい攻撃を仕掛けた訳ではない。
隙を抑えるように、切り返しは最小に。
そして、MSだからこそ可能な、スラスターによる加速力を味方にした鋭い斬撃を放った筈だ。

驚愕のあまりに目を見開いてしまうリファニアだったが。
あくまでもそれは、ほんの一瞬。
ガンイージが、リファニアのヤクトを円の動きで以って受け流そうと試みた時には、冷静な判断力を取り戻す。
以前にサーティアと対峙した頃のリファニアでは、考えられない事だっただろう。
だが、リファニアは常に、失う度に何かを受け継いで来た。
それが死んでいった者への最大の酬いとなると、リファニアは信じ。
受け継いだ物を糧として、今まで生き残る事が出来たのだ。

戦闘の高揚が、一瞬の思考を可能とする。

連邦系の機体―――ガンイージも、おそらくその流れをくんでいる機体だろう―――は、
その人間的なフォルム故、柔軟な動きが可能だと聞く。
実際に、かつてのRX−78や93は、人間の格闘家のような動きを見せたと言う話をパパから聞いてもいた。
その発展形であると思われるガンイージがあのような動きをしても、何の不思議も無い。
むろん、サーティアがその特性を引き出しているが故に、可能な動きなのだろう。

そう、自らを納得させ。
流される動きに、逆らわず。
全身で感じられるGによって、自らの動きを知り。
静かな殺気により、襲い来る斬撃を察し。
リファニアは一瞬、フットペダルより爪先を離し。

次の瞬間、蹴飛ばすように、踏み込んだ。

消えたスラスター光が一瞬、弾けるように膨れ上がり。
飛蝗のように跳ねた機体が、サーベルの斬撃を回避する。
バランスを失い、コントロールをも失ったかのように無様に流れ、ガンイージより離れるヤクト。
だが、リファニアの腕はアームレイカーをしっかりと握り。
その爪先は、フットペダルの操作に神経を集中させていた。

Gの流れに逆らわないように、フットペダルで最適な推進力を調整し。
リファニアのヤクトは一気に旋回し、動きの流れを止める事なく、再びガンイージへと向かって行く。

>>143
ふと、リファニアの視界の端に、見慣れた緑の死神のシルエットが映り。
リファニアの耳に、聴き慣れた声が……かつてのように、朗々と響いた。

見放されていなかった事。
自分を取り戻してくれた事。
そして、何よりも彼が無事であった事。

リナルド=グレイスの姿を確認したリファニアの心に、ぽっと暖かな灯火が、再び灯る。
「おかえり、リナルド。」

微笑みと共に通信を送り。

「無茶はしないよ。うん、しない。
 でも、コックピットハッチは、閉じないよ。
 相手の姿は、はっきりと見据えなきゃいけないもの。」

一瞬で、対峙すべき相手に意識を戻し。

>>140
イブのVガンダムが冷静な戦術的判断のもと、鋭い突きを放ち……ガンイージが、それを受け流すと共に。

ヤクトの肩よりファンネルが離れ、加速するヤクトの後方へと流れてゆく。

左手にサーベル、右手にライフルを握り締めたガンイージの姿が、眼前へと迫り。

―――殺しあおうじゃないのさ!

ガンイージの全身より感じられる気のようなものが、まるでそう言葉を発しているかのように、感じられた。

「い・や・だっ!」

傷ついて、傷つけ合って。
そんな憎しみに起因した戦いなど、私は二度としない。

これは、私が私として生きて行く為に避けられない戦い。

私は、けじめをつけて……生き抜いてみせるんだからっ!

照準器は、リファニアの瞳そのもの。
迫るガンイージの姿を見据えたまま、リファニアはヤクトの左肩のアポジを吹かす。
ロールしたヤクトの姿が、ガンイージの正面より外れると共に。
ヤクト自身によって隠されていたファンネルが、破壊の閃光を放つ。

刹那、限界まで踏み抜かれたフットペダルが、ヤクトを前方へと弾き飛ばす強烈な力を導き出し。
リファニアのヤクトはサーベルを振るい、ガンイージの脇を一気に駆け抜けた。

【行動 : ビームサーベル回避(-1)、リナルドへ返信(-1)
      イブとの通信回線接続(0)、サーティアとの通信回線継続(0)
      ファンネルでブラインドアタック(-1)、サーベルで攻撃(-1)、残0 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部喪失、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部左側に深めの損傷(火花がバチバチ)
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
154シュウジ(代理):04/07/30 00:21 ID:???
幾つかの回り道をして、やっと指定されたデッキに到着した。
隔壁を開けばいいと言えば確かにそうなのだが、
一応この小惑星基地をあちこち眺めておきたいというのもあったので回り道をする事にした。

デッキに到着したところで、一度、モニター端に映っているレイモンドを見てみた。
(これはまた……。満身創痍、と言う奴か。)

『久し振りだ、シュウジ。色々あったかもしれないが…お互い生きていて何よりだ』

(果たして本当に生きていて良かったやら……。)

『さっきの通信で俺の話が何となく解ると言っていたが、何だと思う?シュウジの想像
 できる範囲で言ってみてくれ』

「……まぁ、俺の場合通信を受ける時って言うのは同盟関係の事が多いな。
 と言ってこの期に及んで俺に対して優勝するための同盟を組む可能性は限りなくゼロに近い。
 他にも信じれる奴、戦力になる奴はいくらでもいるからな。
 ……なら残るはティーチャー共に直接的反抗もしくはここからの脱出などの行動を取るため、
 俺の知識と技術を欲するために同盟を組もうとする。その関係の話だろうと思っている。
 もしくは……あの同盟が崩壊した理由を聞くとかな。あ、いや、それじゃ呼び出す必要はないか?」

此処まで一気に喋ったため、一度此処で一呼吸置く。そして再び話し出す。口調は平行線そのままだ。

「……先に言っておくがティーチャーに反抗する気も、ここから脱出する気も、今の俺にはない。
 首輪に関する事は時間的制約で解決不可。機体も同様。
 切り札を用意したがそれも予想通りの結果を出す確率は限りなく未知数。
 ……というのもあるが、奴らに対抗する理由が、今の俺にはない。
 以上の事から、俺は今のところ優勝狙いなんだがな……。
 ……
 どうする?」

(どうする……って同盟に誘っておいた俺が、何言ってるんだか……。)

【行動:通信継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】

(代理人注:シュウジ氏の代理カキコ依頼は 2004/07/29(木) 22:10です)
シュウジの言葉を聞き終えて、俺は小さく息を吐き出した。
…シュウジの話は特に驚くには値しなかった。
そりゃあそうだ。
同盟が崩壊し仲間を失ったシュウジがとれる道は、脱出でも管理者への攻撃でもない。
どちらもシュウジだけでは荷が重い作戦になる。
それは自然と、優勝という選択肢を選ばざるを得ない事を意味する。

しかし俺とベルクが加わった場合はどうか?
3人というのは残りの人数からすれば、それなりの戦力になる。
更に攻撃目標が管理者側という点で、ムサイの参加者の協力を仰げる可能性がある。
そうなればおそらく戦力は6〜7人となり、管理者側の戦艦(多分)に対抗できるだろう。

…ただしここで気になるのが、シュウジの言葉の中にあった首輪についての時間的制約。
彼の言葉通りだとすると、何もかもが手遅れという事になりかねない。
いや、シュウジは管制者側の船が身近にいる事を知らない。
それによっては判断が変わる事もないではない……かもしれない。
とにかくそこらへんはもう少し深く聞いてみるべきだろう。
こういう重要な事柄は、自分の頭でしっかり理解しておかなければ…。

ペンを動かす手を休めて話し掛ける。

「どうする…って、それはここで戦うかって事か?……やめとけ。俺が何の為にこんな狭っ
 苦しいデッキに呼んだと思う。ろくに身動きのとれないここで戦うのは自殺行為だ。お互
 いにな……。それに、最初に言っただろう……俺はお前と話がしたいんだって」

この狭いデッキではお互いの長所である機動力が使えない。
従って戦闘は、真正面からの撃ち合いになる。
そんな相打ちになりかねない戦闘には意味がない。

「まあそんなどうでもいい話は置いといて、だ。俺の本題の前にもう1つ教えてくれ。……
 さっきの話の中に首輪の時間的制約という言葉があったが、一体それはどういう意味なんだ?
 いつかの放送で言っていた時限装置の事ではないよな…」

こういう時、自分のそっち方面の知識の無さが少し恨めしい。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    更に紙に字を書いている(なかなか進まない(汗) −1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
(まずは手榴弾だな
 戦艦内などの通路みたいな狭い場所では有効に使える。
 数個持っていこう。
 
 それにアサルトライフルに携帯可能な拳銃。
 予備弾倉も5セットほど頂いて行くとしよう。)

必要と思われる武器や弾薬をバックにしまい込み
またはホルダーを巻き、そこに引っ掛けて携帯した。
そして、他の状況も想定した武装を選ぶ

(出来れば、使う状況に成りたくはないが
 一様、携帯していておく必要はあるな。)

手にとって皮のホルダーから、鋭利な刃物を取りだし
刃を覗きこみながら考えていた。

ナイフ。
達人級の人なら上手に使えるのだろうが
そうでないものには扱いずらい代物である。
だが、必要ないとも言えない
携帯も容易で他に使うこともあるかもしれない。

他にも、グレネードやサブマシンガン等いろいろ置いてあったが
すでに選択した武器で十分な備え及び携帯可能な範囲などで
あえて選択しなかった。

レイモンドはまともに応戦できないのでその分の武器は用意しなかった。
外での牽制とMSの回収に回ってもらうようにするからだ。

後は多少の食事をそそくさと済ませ
レイモンドからの連絡を待った。

(戻る時間が遅ければ様子を見に行くか。
 ・・・・・・と言うより。遅かったらなにかあったってことだしな。
 無事でいてくれ。)

【行動:レイモンドと通信中(-0)武器選択(-3)食事(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-21】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 】
157シュウジ(代理):04/07/31 00:17 ID:???
『どうする…って、それはここで戦うかって事か?……やめとけ。俺が何の為にこんな狭っ
 苦しいデッキに呼んだと思う。ろくに身動きのとれないここで戦うのは自殺行為だ。お互
 いにな……。それに、最初に言っただろう……俺はお前と話がしたいんだって』

「……。」
(俺とした事が……場所の意味をもう少し考えるんだったなぁ。
 やはり動揺しているのか?……とりあえずデッキ内見渡してみるか。
 ……
 なるほど……。)
デッキ内を目だけ動かして見渡し、なるほどと言った感じで一人うなずいた。

『まあそんなどうでもいい話は置いといて、だ。俺の本題の前にもう1つ教えてくれ。……
 さっきの話の中に首輪の時間的制約という言葉があったが、一体それはどういう意味なんだ?
 いつかの放送で言っていた時限装置の事ではないよな…』

「ん?あぁ。これは二つの意味を持つ。一つは言うとおりに時限装置の事。
 もう一つは時限装置に対処するための装置を作る時間がない事。
 これは俺の立場にも問題がある。
 今の俺は裏切り者であり、信じてくれと土下座して相手に言っても通じない状況。……言う気はないがな。
 そして俺もこの状況を理解しているから、周りを信用しようとはしていない。
 要するに、俺には対時限装置用の装置を作っている間、のうのうと機体の外にいる事は出来ないって事だ。
 武器調達とか、それぐらいの事ならまだしも装置の製作というこの行動は俺の行動方針から言って+にならない。
 とまぁ。こんなところだ。」

これだけの事を、やはり相変わらず表情は変えずに喋りきった。
だが、映像の外なので気が付かないだろうが、コントロールスティックを握る腕の力がわずかに強くなっていた。

【行動:通信継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
158イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/01 12:14 ID:???
>143>150>153
ヤクト・ドーガの振るった刃を受け流し、Vガンダムの繰り出した突きを防ぐその動きは、美しかった。
無駄を極力排除したその挙動は、絶対に生き残るという執念の表れか。

―――でも……。

静かにかぶりを振り、不意に浮かんだ感情を隅へと追いやる。
リファニア、リナルド、そして愁林。
対するはサーティア・クワンただ一人。
3対1。
普通に考えれば、この数の優位性は勝負を決定付ける大きなアドバンテージとなる筈だ。
だが、そう考える事を許さない相手と愁林たちは今、対峙している。
そんな相手を前に感傷を抱けるほど、彼女に余裕は残されていない。
口腔に僅かに広がった鉄錆の味を飲み込み、愁林はフットペダルを踏み込み、操縦桿に力を込めた。
ビームサーベルを防がれた際に乱れた体勢をAMBACによる姿勢制御で立て直し、一旦距離を取るVガンダム。
サーティアから負の感情が流れ込んでくるような感覚をカットし、FCSに意識を向けて機を窺う。

スーツの下、アンダーウェアの更に下。
肌に軽く食い込むロザリオの感触が、心強い。

ファンネルとビームサーベルによる、リファニアの連携攻撃がガンイージを襲う。
機は今。
目まぐるしく揺れるロックオンカーソルが、意識に呼応するかのようにターゲットと重なる。
狙いはガンイージ、背部スラスター。
旋廻するVガンダムが、ヤクト・ドーガと共にガンイージを挟撃するように回り込み、その手に構えられたビームライフルが2度、破壊の光を放った。

【行動:挟撃の為の回り込み行動(-1)、ビームライフル×2:スラスター狙い→サーティア(-2)】
【残り行動値:1p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量1%)、Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる、勝つ】
【同盟:リナルド、リファニア】
(俺の勘もやっぱり捨てたもんじゃないな)

時限装置という部分が当たって、何となく嬉しくなってしまった。

しかし、シュウジの言う時限装置の時間的制約とは何なのか?
たしか時限装置が作動するのはエリアの外に出た場合だから、言葉通りの意味には取れない。
おそらく…首輪に細工する時間的な余裕の事を言っているのだと思うが…。
だがそれとて全く時間が無いわけではない。
まだこの基地も使えるし、破壊されたとはいえコロニーも残っているから、材料を集める事は出来る。

…あとはシュウジ本人の感情の問題か。
俺は筆談の文が出来上がってから再び口を開いた。

「……シュウジ。お前は、自分が裏切ったという事に引け目を感じているのか?いや、許しを
 請うつもりがないのだから、引け目などは感じていないのだろう?……そのつもりがないの
 なら、自分の選択に後悔していないのなら、分かりもしない他人の心に怯えるな」

他の参加者にアンケートを取ったわけでもないのに、自分の事を『土下座して相手に言っても
通じない状況』などと決めつけるのは、どこかに自分に迷いを持っているからではないか?
しかしそのあとで『言うつもりもない』とも言っている。
これは、この状況を克服したいというシュウジ自身の意志の表れではないか?

ならば俺の言う事は自然と決まってくる。
シュウジに、そういう状況でないという事を示せばいい。
『言うつもりもない』ではなく、『言う必要がない』という事を……まだ信じている人間が
いる事を教えればいい。

「シュウジ…俺はここまで来たら生き延びたいと思っている。それは仲間との約束でもある。
 そしてそれを果たす為には、お前の知識と技術が必要だ。……今別行動を取っているベルク
 が言っていた。『俺はまだシュウジを信じている』と。俺にも、もとよりお前を信じない
 理由が存在しない」

一旦息を吸い込んで、はっきり言う。

「機会は少ないだろうが、チャンスはいずれ来る。シュウジ=アサギ……力を貸してくれ」

管理者側に感づかれないよう、「いずれ」というまだ見つけていないかのような表現を使う。
本題は紙に書いてあるのだから、一向に構わない。

そして俺は書き上げた紙を目の前に差し出した。
シュウジにもよく見えるように。

……俺のカードはきった。
あとはシュウジの判断次第だ。

『少し前、ベルクがこの基地の北西方向に生徒名簿にない番号の機体を発見した。考えるまで
 もなく管理者側のもの……おそらく戦艦クラスで、爆破された指令部の機能を移転させた
 管制艦だと思われる。
 ただ、どういう事なのかは知らないが、この艦は進入禁止空域の外にいる。……管理者側が
 こちらを誘引している可能性もあるが、とにかく我々の手の届く位置にいる以上、これが
 めったにないチャンスである事には違いはない。

 質問があれば筆談で頼む。俺に分かる事であれば答えよう。

 PS…お前の分の紙とペンもあるが、いるか?』
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
161シュウジ@代理:04/08/01 23:32 ID:???
>>159

「……俺を?
 ……
 ……
 ははっ……甘い……。甘いぞ……。
 お前なぁ……ふざけるなよ……後悔していない?
 あれだけの事をして、後悔していないような人間を仲間にする気か……?
 後悔してるに決まってるだろ……。
 無理してるんだよ……自らの意地を通すために。」

怒りと、悲しみと、それが表情に出ようとするのを抑え込もうとする理性とが頭の中で競い合う。
結果、若干の怒りが表情に出ていた。だがそれに気が付かず、話し続ける。

「分かりもしない他人の心……?他の者は深く考えるまでもなくまず俺とは組まないと思うが?
 さっきもリファニアとか言う奴と、その後リナルドと戦闘をしたがな……
 あいつらも多分脱出かティーチャー共への攻撃を考えているんだと思う。
 だが、あいつらにとって、俺は危険分子以外の何物でもないからな……
 見事に先制攻撃を食らったさ。素早かったな……このエリアに入ってすぐだった。
 それが普通の人間の反応だ。
 それが何だ……お前は疑う事を知らないのか?元、脱出を考えていた者だからって、
 信じない理由がないってのはおかしいだろ?
 だから計画には……少なくとも、直接的には……乗れない。
 そんな甘い男に……ましてや半死半生の身のお前が奴らに勝てるとは、思えない……。
 ……すまない、いろいろと言い過ぎだな……こんな俺を誘ってくれたというのに……。
 ……もしかしたら、俺の作った切り札が役に立つかもしれない。
 計画具体案を教えて欲しい。考えてないなんて言うなよ?時間は後わずかなのだから……。」

(何を言っている俺は……。教えてくれるわけが無かろう……敵に……。
 決裂したなら、闘うまで……ここは俺にとって有利な地形なのだから……。
 なのに……何故聞く?手に遠く場所に奴らが居ると聞いて、決意が緩んだのか?)


【行動:通信継続(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
シュウジの言葉を聞き、俺は軽く驚きを覚えた。
シュウジのような前線に出たことのないような技術畑の人間が、この極限のプログラムの中で今もまだ
後悔という人間らしい感情を維持しているという事に。
そしてそれを表に出さず、尚正気を保っている意思の強さに。

2つ目の驚きは、最後のシュウジらしからぬ質問に。
ただこれは、俺の中ですぐに訂正された。
俺とベルクの状態を知らないシュウジが、この質問をするのは仕方がないだろう。
俺はまだ慣れない手つきで質問の答えを書きながら、話しかける。

「……正直、俺の人を見る目も大したことないな。俺はシュウジのような前線に出たことのない
 技術者は、このプログラムの中では正気を保てないと思っていた。この環境の中で人間らしい
 感情を失ってしまうのではないかと思っていた」

俺の中にあの時突然おかしくなったサーティアの姿が蘇える。

「……だがお前は人間としての感情を立派に持っている。そしてそれを見せずに振舞えるだけの
 意思の強さも持ち合わせている。…意思の強さは、目的を遂行するための意志の強さに繋がる。
 だからこそ余計にお前には力になってほしいんだが、な。……何にせよ、先ほど失礼な事を言
 ったのは謝罪する」

そして、俺は書き上げた紙をまたシュウジに向けて見せた。

『質問の答えだが……俺からは教えることはできない。というよりも俺も知らないのだから教えられ
 ない。何故ならこの作戦は極秘裏に準備し、決行しなければならない。従って内容の相談は筆談で
 行わなければならない。…しかし俺とベルクはさっきまで筆談の手段を持っていなかったから、
 当然発案者のベルクは内容を俺に伝えられない。
 
 だから俺は作戦の内容を聞く為に、ここで紙とペンを入手した。…今からその事も含めてベルクを
 ここに呼ぶから、詳しい内容はベルクの答えを待ってくれ』

シュウジに紙を見せながら、通信の繋がっているぺズ・バタラに話しかける。

「ベルク、聞こえるか?聞きたい事があるからU-22にあるデッキまで来てくれ。そんなに迷う事はない筈だ」

通信を送ってから、紙に言葉を付け足してシュウジに見せた。

『俺が想像する案でよければ、ベルクが来るまでに書いて見せようか?
 まあお前にも十分想像できる事だと思うんだが』

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    再び紙に文を書く(少し慣れてきた? −1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
163シュウジ=アサギ@代理:04/08/03 13:19 ID:???
>>162
レイモンドからの返信。それを聞いている間に、表情は元の表情に戻っていた。

「これでも見た目と職業以上にハードな人生送ってるからな……。
 直接人を殺した事はなくても……仲間が殺される場所には何度も遭遇しているし、
 ある奴を死にまで追い込んだ事はあった……。」

そこまで言うと、モニター端に映っていたはずのレイモンドの姿が消えており、その代わりにメモが見えていた。
それを少しの時間を掛けて読み切る。

(文字が変だと思ったら、そう言えば利き腕がないのか……。)

「……いいのか?そんな簡単に想像の付く案で。
 ……俺としては、構想三日ぐらいで、成功率少なくとも50%はある緻密な案を期待したいんだがな……。
 いや、よく考えたら無理か……。情報が少なすぎる。
 ……
 情報だ……もっと、情報がないとな……。」

そこまで言い、ディパックから紙とペンを取り出す。
そして、何かを書き、レイモンドに見せる。そこにはこう書かれていた。

[たとえば、戦艦の機種とかな。]

その紙を見せてから、何か思いついたのか、その紙にさらに何かを書き込み、もう一度レイモンドに見せた。

[通信の映像による筆談は危険だと考えられる。
 もしかしたらティチャーが監視用の何か装置を仕掛けている可能性がある。]

(十分に考えられる話だ……。むしろ、それどころか俺なら機体のモニター情報は全て監視しておくな……。
 ……と、いうことは筆談するにはMSから降りなければならない事になるな……。
 レイモンドは利き腕の問題上、多分大丈夫であるとして……ベルクは……どうだか。)

【行動:通信継続(−0)筆談(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
 ヤクト……あの状況で、よくやるっ!

「冗談じゃないっ!」

 ファンネルの利点はその別機動。
 つまりは、多対1の戦いへと戦況を切り替える事。
 そして更に、イブとやらが乗る機体からのビームライフルの光。

 今の私に、搦手が効くかっ!?

(サーティアさん、動きがぶれてる。危ないよ)

 ……オーケイ、焦っていたわね。
 そうよ、多方向からの攻撃は、私がやっていたわね。
 そうでしょ? ゲームの彼。

 展開角度、敵機位置。
 ……落ち着け。射撃の筋の狭間を見つけなさい。

 流れるビームの意識……
 ファンネルのビームを左肩をずらし、致命傷をかわす。
 避け切る事が出来ずとも、被害を最小限には!

「ライフル……」

 奴のビーム、避けきれるか?

 一発がビームシールドで弾かれるが、ヤバイ。
 遅かったか、もう一発で右足の先を損傷……ね。

 牽制?
 次が来る……。
『照準機器ノ修復ガ終了』
「ビンゴォ!」

 奴のヤクトがビームサーベルをかざしている。
 これで、今まで動かずに確保した位置が生きて来る……。
 脚で残骸を、左手で奴の機体をそっと押す。
 ガンイージの機体がふわりと浮いた。

 浮き、アポジモーターを最大で稼動させる。

 ヤクト・ドーガの位置、ファンネルの位置、それぞれの方向を横一直線へ……捕らえた!
 あのアビゴルが仕掛けてくる前に、一機でも多くッ!

「ッの、落ちろォ!」

 機体を回転させつつ2連打。
 ファンネルへ一撃、そして奴の機体へ……
 機体へ……何故照準がずれるのさ!
 今撃てば殺せた! 殺せたのよ!

 明らかに、ビームライフルの方向をずらしたまま、機体は動きを止める。


【行動 : ビームライフルを回避(−1) ビームサーベルを回避を回避(−1) ファンネルをビームライフルで攻撃(−1) リファニアへライフルで攻撃・失敗(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
(モニターを…。たしかにこれだけの技術を持った組織だから、それくらいの事は
 容易いか。……ちょっと迂闊だったかな)

シュウジの話を聞いた俺に、僅かに後悔の念が芽生える。
が、俺はすぐにそれを打ち消した。
もう済んでしまった事は仕方がない。
それに、モニターの話が本当だったとしても、まだ俺達は要の話はしていない。
管理者側が動かなければ、挽回は可能だ。
今は……それを祈るしかない。

俺は言葉を選んで話す。

「事ここに至っては、あまり複雑な作戦は練るべきではないな。シュウジの言うよう
 に考える時間がないのもたしかだが、俺から見たら訓練する時間もない。
 簡単に言えば、だ。人がMSを乗りこなせるようになるまで、どのくらいかかると
 思う?そこから更に、編隊を組んで乱れずに飛べるようになるまでどのくらいかか
 ると思う?」

MSを乗りこなすというのは、簡単にはいかない。
歩ければ良いとか、そういう問題ではないのだ。
特にそこが軍隊であるならば、尚更の事。
いくら才能があるとは言え……例えば俺の時代では既に伝説となっているパイロット
……アムロ・レイやシャア・アズナブルでさえ、相応の時間を必要とした筈だ。

「要するにそういう事だ。作戦が複雑になる程メンバーの一糸乱れぬ行動が必要に
 なるが、統一された行動ができない俺達では、作戦そのものが足枷になりかねない」

作戦が複雑で難しくなるほど、それに適応した訓練を何十回も繰り返さなければならない。
目標が戦艦ならばそれに似た標的艦を。
基地や要塞ならば同じような規模の施設を。
だが俺達には訓練に適した疑似目標も、訓練に費やす時間さえもない。

「だから、作戦は単純明快なものがいい。誰にでも理解できて、即実行可能な……。その分
 成功率は低くなるが、それでも、たった1人の優勝者を決めるよりかは高くする事はできる」

更にこの首輪と、機体に付けられた爆弾の処理の状態によって作戦の内容も変わってくる
わけだが、そのへんもベルクが来たら相談しなければならない。

最後に、簡単に書き上げた紙をシュウジに見せる。

『艦種についての俺の予想は、ベルクが来てから説明する』

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得、ベルクを待っている】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>164-165
また……この動きっ……!?
リーチは、比べ物にならないほどこちらが長いのにっ……!
機体のコンパクトさを活かして、間合いの内側に飛び込んでくるっ……!

ガンイージに機体そのものを受け流されながら、立て続けにライフルの射撃を浴びせられるリファニア。
殺意の煌きを感じ、回避行動に移るも、前方へと弾けるように飛ぶ軌道の修正は困難。

ビームがファンネルを掠め、その機能を殺す。
リファニアのヤクトへと放たれたビームは、紙一重で逸れた。

や……るぅ。

機体の不調なのか何なのか、私への射撃は、外したというより外れたって感じね。
直撃かどうかはわからなかったけど……今のタイミング、果たしてかわしきれたかどうか怪しかったよ。

こちらの連携を掻い潜っておいてなお、それだけの攻撃を可能とする。
……驚異的な集中力。いや、執念?
彼女の中にはただ、生き残ってやるという一念しかないか。
……私達を殺す事は、優勝への過程の一つにしか過ぎない訳ね。

でもね。

「……優勝なんて、認めない。」

私は、独りじゃないから。
……誰にも、私自身でさえも、優勝なんてさせやしない。

モニターの中のイブとリナルドにちらりと視線を送り、再びガンイージへと視線を戻す。

今、一番攻撃能力が無いのは、私のヤクト。
幸いにも、相手は私を狙ってきている。
イブさんも、リナルドも、仲間としてこれ以上無いくらい信頼できるもの。
私は、派手に動いて……囮になればいいっ!

損傷したファンネルが、爆ぜる。
リファニアは爆発に乗じて、ガンイージの蹴った残骸の裏へとヤクトを回り込ませた。
ヤクトの腰より散る火花が、一瞬、輝きを増し。ヤクトを覆う残骸を、照らす。
サーベルをアイドリングさせたまま、リファニアはヤクトの左肩を残骸に押し付ける。

「幾ら動きが軽快で、パワーがあったって!」

ヤクトのスラスターが、再び咆哮する。

「この質量と加速度なら、どうだぁ!」

残骸をシールドに、その質量と、ヤクト自身の質量を武器に。
リファニアは、ガンイージへと体当たりを敢行した。
【行動 : リナルドとの通信回線継続(0)、イブとの通信回線継続(0)、サーティアとの通信回線継続(0)
      回避行動……失敗?(-1)、爆発に乗じて残骸の裏側へ回り込む(-1)、
      サーティアに残骸と共に体当たり(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部喪失、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部左側に深めの損傷(火花がバチバチ)
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚 】
【武装: 両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
 リオン! 貴方は私を殺したいの!?
 そっちへ行って欲しいの!?

「何故止めるのよ、リオン……」

 解らない。
 何故、後で見ていてくれて……。
 危機を救ってくれて……。

 それでいて、何故!
 奴等を殺す事を止めるの!?

 殺って欲しくないの!? それはこのゲームで死ねって事なのに!
 私を守って死んだ、貴方が一番良くしれを解ってるでしょう!?

 解ってるでしょ……?
 私はそんな綺麗じゃないのよ……
 奴等を殺しても、今更何も変らないんだから……
 だから、殺らせてよ。

「撃たせて。 撃たせてよォ!」

 私はジェイソンよ。
 血を好む。血を好んでる!

「殺さずして何の存在価値!?
 私にどーしろっての!?」

 こうやって来る攻撃も……避けられる。
 避けて、致命傷を防げて、相手を殺すタイミングを掴んで……

 ビームライフルを……撃つ。

 あぁ……また、ずれる。
 何よォ……
 どうしてよォ……

「そんな意地悪する事無いじゃない……」

 私は……ただ……こうする事が……
 こう、生きて帰る事が、優勝する事が、
 死んでいった貴方との約束になるって信じてるのに……

 リオン、貴方にとっては、違うの……?

「やだ、私もう疲れた……
 何をどうすれば良いのか、解らないよォ……」

 貴方は、何時も答えをくれたじゃない。
 なのに何故、手を広げるの?

 笑っている貴方を……私は撃てないのに……
 知っていて、そうやって手を広げる。
 それって意地悪って言わないの?

 私の命を守る事なら、貴方は手伝ってくれるのに……
 何故他人の命を奪わせてくれないの?
 貴方も、奪われた一人じゃないの……


【行動 : タックルを回避(−1) ビームライフルで攻撃?・失敗?(−1) 】
【残り : 2P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾2)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
『ベルク、聞こえるか?聞きたい事があるからU-22にあるデッキまで来てくれ。
 そんなに迷う事はない筈だ。』

レイモンドから通信きた。
武器を詰め込んだバックを持ちコクピット内に戻り返事を返す。

「ああ、わかった。すぐに行く。」

(迷いか、そんなものは無いんだがな。
 いや、迷い過ぎてるのかもしれない
 だから、必死に何かをすることしかできないのかもしれないな。)

そして、指定された場所まで移動を始める。

(聞きたいことか、まだシュウジを説得できてはいないようだな
 と言うよりも俺の計画次第で協力するか否かを決めようとしているのか
 だとするなら、呆れるだろうな。
 単純で危険極まりなく成功確立は限りなく低いような策に好んで乗ろうとはしないだろう
 それでも、彼の知識が無くては、最後の扉にたどり着いても開けることが出来ない
 ならば、彼等の安全だけでも約束しなければならない
 それが危険なことに突き合わせる為の最低限の義務。
 ・・・・・・・・・・状況がどちらに傾いても死ぬのは俺だけで十分だ。)

考え事をしている内に指定された場所に着いた。
そこには、あの時に見た見なれない機体とレイモンドの機体がいた。
特殊情報端末には彼らが乗っていることを視めいていた。

「久しぶりだなシュウジ、レイモンドも無事の様だな。
 話しぐらいは聞いてくれる様だな、それだけでもうれしいよシュウジ。
 本題に入るが聞きたいことがあるのは判る。まずはなにから話そうか?」

【行動:レイモンドとシュウジに通信(-2)移動U-21→U-22(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?15番 14番 レイモンド=デリック 】
172シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/07 23:19 ID:???
>>166

「訓練時間……そりゃ、そうか。
 だが、一つだけ違うな……。俺にとっては、優勝した方が生き残れる確率は高いんだよ。
 だから俺は優勝を目指す。
 それに……俺は奴の踏み台になる気はない……いや、不確定の話をしてもしょうがないな。」

(そう、不確定だが……奴は以前の俺と同じく歴史を変えようとしている可能性がある。
 タイムパラドクスの問題上、未来は変えられないはずだが……。
 ……以前平行宇宙理論と言うのを聞いた事がある。
 確か宇宙には無限の可能性があって、それが枝分かれしているとか何とか……。
 まぁ、確かにこの理論が正しかった場合、未来と過去は変えられると言う事になる。
 だからティーチャーの言っていた「死んでいるとは限らない」だったか……?その言葉もうなずける。
 だが……そのための踏み台にされるのは、まっぴらごめんだ。)

〔ペズバタラ接近、ドック内に入ります。敵戦力上昇。〕
(……確かにこれは数の上での敗北だが……。四肢のない機体ではどうしようもないな。)

>>171

「……話聞くだけだぞ?それ解ってるんだろうな?アニメとか小説とか映画とかみたいに、
 今更手を取り合う気は毛頭無いぞ?解ってるんだろうな?
 はっきり言って俺に出来るのは切り札の譲渡ぐらいだ。それを解っておけよ。
 で、手間掛けて作った切り札を無駄にしないために聞きたい事だがな。」

先ほどレイモンドに見せた紙を再度取り出し、一部を消して、ベルクに見せる。

[戦艦の機種]

「それとな……レイモンドにも聞いておきたいんだが、外の状況はどうなってるんだ?
 さっきまで長丁場の戦闘をしていて、どういう同盟が出来ているのか何が何だがさっぱりだ。」


【行動:通信継続&接続(−1)筆談(−0)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
シュウジの話を聞いて俺は眉をひそめた。
優勝を狙うという話は分かる。
シュウジにはシュウジのプランがあり、それを検討した結果としてその道を選んでいる
だろうからだ。
シュウジがそう信じている限り、その方針を変えさせる事は俺には出来そうになかった。

(ま…技術者って、自分の技術や理論の事には頑固な面が結構あるからな…うん)

俺は勝手な事を考えて自分を納得させる。

ただ、そのあとに出てきた「奴」という言葉。
それがどうもイマイチ分からない。

「奴」という言い方をするからには男なのだろうが、踏み台とはどういう事なのか…。
事情が飲み込めない俺にはチンプンカンプンな話だ。
まあさし当たって「奴」という言葉が当てはまるのは、リナルド=グレイス…だろうか?
それがベルクだった場合、ここに呼ぶ事も承諾しないだろうし、管理者側にそのような
知り合いがいるとも思えない。
…もしかしたらそこが、シュウジとリナルド=グレイスが戦った理由なのかもしれない。

直後にベルクから、すぐに来るという返事があった。
それを受けて、俺はまた紙にペンを走らせ始める。
書くのは勿論、管理者側の機体の考察だ。
本当はあの端末を持っているベルクに聞くのが手っ取り早いと思うのだが、ただ唯々諾々
と人の意見を聞くのも何だったから、俺の意見も書く事にしたのだ。

暫くして俺が文を書き終える頃に、ペズ・バタラがデッキへと入ってきた。
ベルクの方の首尾は上手くいっているのだろうか。

ベルクから通信が入る。
続いてシュウジからも通信が入ってきた。
俺は順を追って、まずベルクから通信を返していく。

「わざわざ来てもらってこんな事を言うのもなんだが、シュウジの説得は難しいようだ。
 それでも間接的に協力してくれるらしいから、お前に来てもらったんだが。
 あ、それとここからの会話は重要な事は筆談にしたいんだが、ベルクは紙とペンを
 持っていないだろう?渡したいから、ちょっと出てきてくれ」

そう言って俺はコクピットハッチを開けると、ディパックを担いで外に出た。
次いで、シュウジにも通信を送る。

「んじゃまあ、シュウジも出てきてくれるか?…質問の答えだが、ここにいる3人を除く
 他の参加者のうち、単独で動いているのがサーティア=クワン1人。ムサイに集まった
 同盟がリファニア=ニールセンとイブ=シュウリン。あと、シュウジと戦闘をしていた
 リナルド=グレイスは…向かった方向から判断するとムサイのメンバーのような気がする。
 これはまあ、想像の域を出ないけどな」

俺が現時点で知るだけの情報を返す。
だがこの情報も、もしかしたら過去のものかもしれない。
今この瞬間にもイブか、またはサーティアか、それともリファニアか、誰かが命を散らし
ているかもしれない。

戦況は変化していく。
誰もが時間がない事を認識しているが故に。
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
175シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/09 22:20 ID:???
>>173

「確かにリナルド=グレイスはムサイの同盟のメンバーだろう。
 リファニア=ニールセンを守るような挙動と言動を見せていたからな。
 そうか……優勝を狙っているのは後一人か……。」
足のホルスター内の拳銃を取り出し、残り弾数と安全装置を注意深く確認しながら通信に答える。
(後16発……か。)
拳銃の確認を終えると、ディパックを担いで開いたコックピットハッチの上に乗った。

「ベルク降りるまでここからで失礼する。
 すまないな。どうも過剰に警戒心が強くなってしまっててな。
 特にペズバタラなどという巨大ビーム兵器が横たわっている所に先に降りるわけにはいかん。
 確かにお前が先に降りたという以上、信じるべきなんだろうがベルクは未だ信用しきれていないんだ。」

(……確かに前回キュベレイから逃げ切ったのはベルクのおかげだった気もするが……。
 その前の同盟離脱で差し引きゼロ……。
 いつまで経ってもこいつの考えている事は理解に苦しむ……。)
しばらくハッチの上で考え事をしていたが、急に何かを思いついたのか、再びコックピット内に戻った。

「ゼファー。今の内に”盾”をノートPCのディスクの方にコピーしておいてくれ。
 使うかどうか解らんが後で用意するのはめんどくさい。後B−02Aも。」
ディパックの中からノートPCを出し、ゼファーにケーブルを繋ながら指示を出す。
その直後、いつも通りの〔了解。〕と言う声が聞こえた。
ちなみにB−01Aとは機体爆破装置解除法を記したファイル名だ。

(そういえば優勝したら……こいつ、どうするんだ……?)

【行動:通信継続(−0)データコピー(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
>>172

「”切り札”かそれがどんな物かは分からないが
 どんな形であれ、力を貸してくれるのならば頼もしいよ。」

>>173

レイモンドからも通信があったのでそれに答える。

「了解。そのほうが良さそうだ。
 シュウジのことはそれほど気難しい男とは分かっているさ
 最初から簡単に説得できるとは思っていないよ。
 話し合いの場を設けてくれただけでも十分さ。」

「シュウジその話しは、降りてレイモンドも交えて話そう。」

指示どうりコクピットハッチを開きMSから降りようとするが
腰に巻いてあったホルスターをはずし、バックもコクピットに置いてきた。
無駄に警戒心をあおがないためだ、と言っても
バックから銃口がはみ出していて、なおかつ拳銃とナイフを収めた
ホルスターを巻いたまま出てきたら
確実に警戒され最悪、誤解すら招いてしまうからだ。
だが、特殊情報端末だけは手に持って出ていく

丸腰になって下に降りレイモンドの近くに移動した。
レイモンドは先に話しを切り出してきた。

「いや、リナルドは確実にムサイのメンバーだ。
 数日前からその三名は他の参加者とともに行動していた。
 大体1箇所に固まっていたし、俺とシュウジとの戦闘で
 それは確認済みだ。

 サーティアについてはあの様子からすると
 他人と手を組むことは無いだろう。
 それを考慮した上で俺達を除く参加者は
 1箇所に集まっているそれが表す意味は
 戦闘中という可能性が高い。
 それが、今考えられる中での外の状況だろうな。

 シュウジさっきの質問だが・・・・・・・・・。」

ここから先は一様レイモンドから紙とペンを借り
そこに書き記す。

特殊情報端末を見せながら紙を渡す
[俺にもそれは分からない、分かる範囲はMSの種類、搭乗者名、死亡表示、
大体の移動経路をリヤルタイムで示されることだけだ。
前にムサイと出会ったことがあってその後これを拾った。
その時からムサイが表示されていない所を見ると戦艦は範囲外らしい。
戦艦にはあまり詳しくなくてな、どれほどのものかは分からないが
その後の定時放送を問題無く流している点からして
以前の機能をそのまま持った戦艦だとするなら最新型クラスの物だと思う]
【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)MSを降りる(-1)筆談(-0)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
>>169-170
残骸越しに、MSの装甲越しに、相手の生命を感じる……。
全身に走るピリッとした痛みに似た感覚、また強くなってきた。
でも、前と違うのは……その痛みが私の感覚を殺しはしないという事。
むしろ、研ぎ澄まされて……動いたっ!?

リファニアの体当たりを避けるなり、ガンイージは即座に反撃行動に出た。
ヤクトのコックピットに、ロックオン警告音が響く事は無い。
センサー類へのダメージは、それ程までに深刻なのだ。
だが、サイコミュの助けを借りれば、あるいは借りなくても……。
研ぎ澄まされた感覚は、戦いにおいて、センサーよりも遙かにアテになる。

ガンイージの携えしビームライフルから、メガ粒子の塊が撃ち出されるタイミングは、
並の相手ならば撃墜へと至るタイミングであっただろう。

「けど……並じゃない自信は、あるっ!」

たとえそのタイミングがわかろうとも、機体がそれに応えてくれるかどうかは別問題。
実際に動くのは、一部アポジモーターが潰れ、AMBAC機能も低下している満身創痍のヤクト。
リファニアがとった行動は……残骸を蹴った反動を利用しての回避しつつ接近。
それは、先ほどサーティアが見せた機動の応用。
優れたものは素直に優れていると認め、貪欲に取り込む。
戦闘に、セオリーなどというものは無い。それに捉われた時点で、死に補足されたに等しい。
……パパが、厳しい顔をしたまま、そう教えてくれたっけ。どう?ちゃんと、出来て……!?

ビームライフルの砲口が煌き、射出されたメガ粒子がヤクトを掠め、残骸を貫く。
装甲表面がチリチリと焼け、リファニアはまるで機体とシンクロしたかのように、ピリッとした感覚を味わった。

攻撃は逸れこそしたものの、リファニアは先ほど撃たれた時と同じような違和感を、再び感じていた。
残骸を蹴ったヤクトの脚部は、期待していたような動きを見せてはくれなかった。
どうやら、間接部にかなりの負荷がかかっていたようだ。
リファニアの感覚が確かならば、結局、今の射撃は避けきれたかどうか怪しい。
相手の照準器の狂いかとも思えたが……果たして、そうなのだろうか。

……いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。
サーティア=クワンが戦いを望むならば……全力で応えることが、私なりのけじめのつけ方。
一切の手は、抜かない。抜ける相手でもない。
囮になりつつ、攻撃のチャンスは逃がさない。
流れを掴みつつ、自分を見失わない者こそ……戦いの勝者となるっ!

アイドリング状態のビームサーベルを脇に構えながら、回避行動の動きの延長で、ガンイージとの間合いを一気に詰め。
サーベルの刃を形成させつつ、相手の腰部に向け、振るおうとした時。

リファニアの内に悲鳴のような声が飛び込んでくると共に……眼前に、微笑みを浮かべた少年の幻が、立ち塞がった。

振るわれようとしていた刃が、止まる。

交戦状態に入る前にも見た、少年の幻。その少年が何者なのか、リファニアにはおおよその見当はついていた。
コロニーでの戦闘の終わり際に感じた、サーティアを護るような穏やかな魂。
彼こそが……リオン=ハイフライ。アレンがその生命を奪い、おそらくはサーティアの戦いの理由となっている少年。

「……あなたね。あなたが壁になっていたのね。」

サーティアの生命を護ろうとするだけでなく……彼女自身の攻撃でさえ、阻もうとする存在。
それが、リオン=フライハイの魂そのものなのか、それとも、サーティアの想いが作り出した幻なのか。
どちらにせよ、眼前に立ち塞がるのは、リオン=フライハイの存在である事に変わりはない。
違和感の原因が何だったのか、疑問は一気に氷解した。

彼の笑顔に応えて、リファニアの顔にも、穏やかな笑顔が浮かぶ。
「あなたの想い、尊いとは思うよ。
 ……でもね。
 生者を縛り続ける事は、感心しないよ。
 だって、私達は……生きているんだから。
 この戦いも、生きている私たちが選んだ結果なの。
 生きている私たちが……けじめをつけなきゃいけないの。」

笑みを浮かべつつ、リファニアは彼のイメージへと、穏やかな声で語りかける。
答えが返ってくる事は無い。だが、それでいい。
それは、自分自身への語りかけでもあったのだから。

リファニアの笑みが、立て続けに飛び込んできたもう一つのイメージによって、かき消される。
白い、恐ろしく無機質な仮面のイメージ。
それは本来のスポーツ競技用のマスクというより、もはやホラー映画の古典のイメージの方が強い。

それがあなたを縛る、もう一つのもの?
それは、あなた自身の内に眠る衝動が具現化したもの?
でも、仮面が必要って事は……迷いがあるって事だよ。

「……サーティア=クワン。仮面を取って。演じる必要なんて、ないよ。
 ここで決着をつけるにしても、そうじゃなくても……あなた自身が、やるべきだよ。
 縛られたままで、刃を振るう……それって、不幸になるだけだよ。」

戦士の娘として、自分のMS操縦技術にそれなりのプライドを持つリファニア。
迷いの残った相手に翻弄された事が、悔しくもあったが。
けじめとは、何もサーティアと全力で戦うという事に限る訳ではないという事を、思い出し。
リファニアはヤクトのサーベルの刃を納めて、サーティアへと語りかけた。

「……あなたの目的は、私たちを殺す事?それとも、生き残る事?
 もし、ここで殺しあう以外の道を選ぶ選択肢が、あなたに残っているのなら。
 ……これが最後の選択になると思う。仮面を脱いで、刃を収めて。」

脇腹より火花を散らす、傍目には死に体にも見えるヤクト。
かつてサーティアがやったように、右手をかざして……にぎにぎさせる。

【行動 : リナルドとの通信回線継続(0)、イブとの通信回線継続(0)、サーティアとの通信回線継続(0)
      何とか……回避?(-1)、サーベルで攻撃未遂(-1)、壁となる存在を確認(0)
      サーティアに語りかける(0)、残2 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部喪失、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部左側に深めの損傷(火花がバチバチ)
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚 】
【武装: 両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
180イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/10 12:46 ID:???
まるで誰かの後押しがあるかのように、ガンイージの機敏な動きは愁林たちの攻撃を致命傷へと至らせない。
ビームライフルをシールドで防ぎ、ファンネルからの攻撃を紙一重で回避。

「!!」

そのまま絶妙のタイミングでライフルの引き金を――

――え?

ガンイージの引いたトリガーは、その決定的な瞬間を逃していた。
何故。
愁林には理由が分からない。FCS関係に不具合でも生じたのだろうかと推測するが、確証は無い。
どうにも、そういった系統のトラブルとは違うようにも思えたが……。

ヤクト・ドーガの仕掛けたタックルを避け、生じた隙へとビームライフルを――

撃ち込まない。
放たれた光は、またも微妙に照準がずれているように見えた。
外したのか。外れたのか。
余裕か。焦燥か。

或いは、何れでもないのか。

エネルギー残量がほぼ底を突いたビームライフルをパージし、両脚部のハードポイントへと手を伸ばす。
2挺のビームピストルを両手に構える白き騎士。
懐に抱かれた主の意のままに、ガンイージへと照準を合わせ、その指が引き金を引くべくゆっくりと動き始めたその瞬間。

「……?」

胸に走った刹那の痛みに、愁林は思わずレバーから手を離してしまった。
何故、その瞬間にダグラスの顔が脳裏を過ぎったのかは分からない。

―――今は撃つべきじゃない、そういう事なの?

幽霊か、幻覚か―――何れにしろ、タイミングを逸したのは確かだ。
回線越しに漏れてくるリファニアの語らいに耳を傾けつつ、愁林は状況の推移を静かに、注意深く見守る事にした。
ナンセンス。
まるで機械のように戦う『彼女』なら、そう言うかもしれない。
そんな事を思いながら、不出来な教え子は胸元に一瞬だけ手を重ね、再びレバーのグリップを握り締めた。
181イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/10 12:48 ID:???
【行動:ビームライフル廃棄(-1)】
【残り行動値:3p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:腹部軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる、勝つ】
【同盟:リナルド、リファニア】
「シュウジの言う事は間違ってはいない。プログラムの性格を考えれば、こうして何の躊躇もなく
 外に出てきている俺の方が無謀と言われても仕方がないからな」
 
いや、現に俺だって、それなりに緊張してはいる。
ここでシュウジが変な気を起こしてライフルを1発撃てば、それだけで俺とベルクの運命は決まる。
ただ・・・。

「ただシュウジ。お前はあのコロニーで会った時に、生身の姿をガンイージの前に晒している。
 あれを見て俺はお前を信用したんだ。であるならば・・・お前の信用を得るのであれば、俺も
 このくらいはできるさ」

この言葉は嘘偽りではない。
シュウジのあの行為がなかったら、俺はここまでシュウジに仲間になってもらおうとは思わなかっただろう。

紙に言葉を付け足しながら更に考える。

(リナルド=グレイスはムサイのメンバーか・・・。彼がドックへ向かっていった時にある程度
 予想はついていたが・・・。こうなるとムサイの3人という人数は大きいな・・・。敵になる
 にせよ、味方となるにせよ・・・)

それが分かったからには、管制艦への攻撃には彼らの協力を得た方がいい事は明らかだ。
ただし、彼らとベルクはつい先ほどまで戦闘をしていた・・・。
そこをどのようにするべきか・・・。

そこまで考えたところで、書き上げた紙をベルクとシュウジに見えるように広げる。

[管制艦についての俺の考えを述べるとベルクとあまり変わらないが、俺から見て疑問なのは、
 管理者側があまりにも堂々と姿を見せている事だ。向こうだってベルクが端末を持っていること
 くらい知っている筈。だが、それにも係わらず進入禁止空域に入ろうともしない。
 これはおそらく俺たちの行動を一目できる事からきた余裕か、若しくは万が一不意を突かれても
 独力でそれを退けるだけの戦力を持っているかのどちらかだと思う]

もしかしたら故障したのでは、という考えもないではなかったが、管理者側がこの局面で温存して
いた艦がこんな早期にに故障するわけはないと思い、却下した。

[これが前者であった場合は好都合だ。然るべく準備が整ったら、俺のタイヤのような足の速い
 機体で油断しているところを奇襲を仕掛けるのもいい。・・・ただし、後者だった場合。これは
 管理者側が、相当防御戦力の整った艦に乗艦しているとみて間違いはない。司令部のシステムを
 まるまる移転できて、しかも防御力のある艦・・・。おそらく戦艦でかなり大型のものだろう。
 分かりやすい例を挙げるならばジオン公国のグワジン級、とかな]

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    少し長めの筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
183シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/13 22:50 ID:???
レイモンドの言葉を聞きつつノートPCへのデータコピーをしばし待つ。

『シュウジの言う事は間違ってはいない。プログラムの性格を考えれば、こうして何の躊躇もなく
 外に出てきている俺の方が無謀と言われても仕方がないからな』
「……。」
『ただシュウジ。お前はあのコロニーで会った時に、生身の姿をガンイージの前に晒している。
 あれを見て俺はお前を信用したんだ。であるならば・・・お前の信用を得るのであれば、俺も
 このくらいはできるさ』
「……だがもう、あの頃とは違う……。
 今の俺はより確実に生きるために成功率の低い計画への参加を止め、
 あの頃は考えもしなかったこのゲームへの参加を決めた、愚かな存在さ……。
 そんな存在に、誠心誠意の行動など、意味はない……。」

〔マスター、コピー完了しました。〕
「……んじゃ、行ってくる。留守番頼むな。
 周囲偵察は密に。
 何かあったら俺を回収しつつ、部屋の端にある冷却パイプと送電ラインを破壊しろ。」
〔……?了解。〕
床に降り立つベルクを確認した後、ノートパソコンを抱えると、ハッチを蹴る。
だが拳銃はホルスターに入れたまま。ベルクがわざわざ丸腰になってきた事には気が付いていないらしい。
そして、デッキの床に降り立つと、ベルクのメモと特殊情報端末を交互に見る。
その目は、ある場所で止まった。

(……最新型クラスの物か……。)

次にレイモンドも紙を書き上げていたので、そちらに目をやる。
やはりレイモンドも同じように、戦艦はかなり高性能の物だろうと予測しているらしい。

(当然と言えば当然か……。)

頭の中で考えをまとめつつ、とりあえず戦艦に関する考察をメモに書いて、二人に渡した。

[戦艦の性能だが、奴らが程度は知れないものの未来の人類である以上、どんなトンデモ戦艦かは解らない。
 だがもしも此処が宇宙世紀のいずれかの時代であるのならば、その時代の最新鋭艦だろう。
 もし前者の艦であった時、破壊された場合残骸をその時代の住民に発見されたらエラい事になる。
 だが此処が奴らの時代のどこかの宙域である場合、もしくは仮想空間である場合、前者の戦艦でも全く問題ない。
 此処がどんな時代の宙域か解らず、実際に戦艦を見た事が無い現状況では、戦艦の性能を考察する事は無意味だ。
 ……あと、前者の戦艦である場合、俺の切り札は意味を成さない可能性がある。
 俺が用意した切り札は主に奴らのコンピューターに対して攻撃を仕掛けるものだからな。
 ……あくまでUC0093年のコンピューターを対象にした。]


【行動:通信継続(−0)筆談(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
>>182-183

レイモンドが見せてきた紙を見て考える。

(疑問としてはティーチャーの不可解な行動。
わざと自分の身を危険に晒すような行動が目立つ
危険区域に守られていたはずの場所を放棄する状況にしたり
数人の参加者を待っていたり、今度は手の届く範囲に姿を現している
余程の自信があるのか、リスクを楽しんでいるのか、どちらにしても
"奴等"の本意ではないような気がする。俺がティーチャーなら
こんな危険なことはしないな。誘っているのか?、それとも・・・・・・)

シュウジも考えを書いた紙を渡してきた。

二人の意見についての感想と俺の考えている作戦を書いて二人に見せる。

[レイモンドの意見については前者と後者の両方を備えている
と考えるべきだろう。戦艦は最新型クラスのもの
だとするなら戦艦の戦力も高いと見るべきだ。
それに、奴等が姿を見せている時点で油断していることは考えない方が良い
それほど馬鹿ではないさ。

シュウジの切り札に関してはこの状況下では望みは薄いが
やってみる価値はあると思う。やらないよりは可能性は高いからな。
シュウジにはこれとは違う方法で協力してもらおうかと思っていてな。

     本題。

俺の作戦は相当シンプルなもんだ。
まず、俺はペズ・バタラのビームアックスで戦艦に穴を空け内部へ進入
シュウジ、レイモンドの両名は戦艦の足止めor俺の機体の回収。
内部へ侵入した俺は、中核であるブリッチを何とかして占拠し
シュウジの機体に通信を繋げ、必要な中のデータを取り出してもらう
データを取り出すには必ず防壁を突破していかなくてはならないはず
そんな技術を持っているのはシュウジぐらいだと思うからこそ協力しけもらいたい。
戦艦内部では通路での戦闘になる小人数でも武装さえ揃えれば対抗できると思う
からこそこの作戦なんだが、どうだろうか?
俺の反応が消える。または、これ以上は危険と判断した時点で
撤退してくれれば良い、状況がどう傾いても
死ぬのは俺だけ、お前達の生還率は保証できる。
この作戦で唯一の確証の持てるところだ。] 

【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)筆談(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
(愚かな存在、か…)

シュウジの言葉を聞いて、心の中で呟く。
確かに普通の感覚からすれば、仲間を裏切り1人だけで生き残ろうとするシュウジの行動は
非難される部分は多いかもしれない。
俺もそうだが、ムサイの同盟の人間からしても許されるものではないだろう。

だがシュウジは、自分の事を愚かな存在と言った。
やはりシュウジはどこかで、このような行為をした自分を許せなく思っているのかもしれない。
だからこそ間接的とはいえ、俺とベルクに協力してくれるのだろうか。

愚かな存在。
それを言うならば、そもそもこんなプログラムを作った得体の知れない連中……。
そいつ等が1番愚かな存在に決まっている。
俺は……いや、俺達は、無理矢理プログラムに参加させられて、それでもその中で何とか
生き残ろうと彷徨い、信じ、そして…戦ってきた。
…そして味わった怒り、悲しみ、後悔、虚無感。
それを経験したのが俺だけだと、誰が言い切れるのか?
ベルクもリファニアも、そしてシュウジも俺と同じような……もしかしたらもっと過酷な
体験をしてここに至っているのかもしれない。

その側面を知らずに、シュウジを愚かと決めつける事は俺にはできない。

勿論俺は、信じた仲間を裏切る事はしない。
だからと言って、俺の概念……価値観をシュウジに押し付けられない。
シュウジも俺も、自分が最も生きる可能性のあると信じる道を選んで進んでいる。
選ぶ過程でそれぞれ何かがあったとしても、その果てに選んだ道を悔いる事はないと信じる。
その道が、お互いを敵として導く可能性を秘めたものであるとしても。

(続く)
コクピットから降りてきたシュウジの筆談の紙を見せてもらう。

(…なるほど、たしかに管理者側が未来の人間と思われる以上、既存の戦艦のデータは当て
 はまらないかもしれないか。同じなのは外見だけ、という可能性もあるしな…。
 だからと言って、分かりもしない戦艦に怯えるわけにもいかないから、結局はシュウジの
 時代のデータで試してみるしかない…。まさしく一か八か、だな)

まだぎこちない手付きで紙に返事を書きつつ、俺はそんな事を考えていた。
途中でベルクも自分の考えを書いた紙を見せてくる。

(ベルクの作戦は…たしかにシンプルではある。だが……ああくそっ、書こうと思っている
 事にペンが追い付かない!)

考えはポンポン浮かんでくるのだが、如何せん手が追い付かない。
とにかくまずは、シュウジに対して書いた分を見せる。

[シュウジの言う事は尤もだと思うが、ここが何処かとか、見た事もない戦艦の話は、キリ
 がないからやめにしておいた方がいい。それならもともと博打の要素が強いのだから、前者
 の可能性は捨てて俺達の知識でカバーできる事を考えるべきだろう。
 
 後者のみで考えた場合、もう少しだけ戦艦の種類を絞り込めるかもしれない。
 例えば、先生の趣味?から考えてみる。…俺達のMSは殆ど運だけで貰ったようなものだが、
 責任者である先生ならば自分の趣味でMSや戦艦を配置するかもしれない。
 シュウジは管理者側のMSとか、見た事はないか?戦艦がいるんだから、MSもいてもいいとは
 思うんだが…。

 もしあるのなら、そこから何か分かるかもしれない。大雑把に考えてもジオン系か連邦系
 くらいの判断はつくような気がするんだが。
 …ま、この考え方自体が結構博打だけどな]

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得、行動の考察】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
187シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/15 23:17 ID:???
>>184

「シンプル・イズ・ベストって言うけどなぁ……。
 いや、問題はそこじゃないか……。」

ベルクの渡した作戦書と言うにはあまりにもお粗末な物に、思わずため息が出た。
作戦自体に無理があるという理由でもあるのだが、もう2つ理由があった。

こちらの意見をメモに書き始めようとしたとき、レイモンドのメモが視界を塞いだ。
それに視線を走らせ、書かれていた事に対する返事を当初書こうとしていた事に足し、二人にそのメモを渡した。

[まずティーチャーの機体について。俺が見たときはドライセンに乗っていた。
が、以前見た事のある第二回大会のデータに、ドライセンがあった。
ベルクは既に知っていると思うが、ティーチャーは第二回大会の優勝者。
ティーチャーはその関係でドライセンに乗っていた可能性があるため、
ティーチャーの期待は判断材料にはならない。

続いて作戦内容について。
この作戦内容の場合、俺の切り札は使用不能だ。
なぜならこの切り札はコンピューターを使用不可もしくは
最低でもその動作を遅くするために作ったものだからだ。
そのため通信によるデータの転送を行う今作戦では切り札は使えない。
あと、全然俺の生還率は保証できてない。
ティーチャーの戦艦を足止めした時点で首輪爆破確実だ。]

「後もう一つなんだがな……。」
二人が読み終わったぐらいのタイミングを見計らって口を開いた。
「何で、直接的反抗を計画しているんだ?
 ……ティーチャーが憎いから……。
 その後ろの奴らが憎いから……。
 まともな営みを急に奪われたから……。
 此処に来て会った仲間を失ったから……。
 他人を殺したくないから……。
 単純にルールに従うのが嫌いな性分だから……。
 確かにいろいろと理由は想像できる。だが、この大半は脱出という行為で十分に反抗は達せられる。
 なのに何故、直接的攻撃を行うのか……。
 俺達のような存在を二度と作らないため、それとティーチャーが気に入らないから。
 ……俺は当初、この目的で動いていた。
 だが、もしこれが国家的に行われている事だったら?
 そのバックは途方もなく大きく、もしデータを流出させてももみ消せるだけの能力を持っていたら?
 前者の理由はこの考えのため、潰えた。
 そして後者の理由……これは、ティーチャーとの接触で失われた……。
 奴は……推測だが、俺達の襲撃を望んでいる……
 俺達が襲撃を行ったその時、奴の何らかの望みは叶うのではないだろうか…。
 そう思い立ったとき、俺は襲撃の道を捨てた。俺はティ-チャー……いや、リーア=ミノフスキーが大嫌いだからな。
 脱出は……考えるまでもない。俺にその権利はない。
 話が少しそれたな。
 要するに俺は……"何をするのか"ではなく"何故するのか"。それを改めて知りたい。
 "What"ではなく"Why"をな。」
188シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/15 23:18 ID:???
【行動:筆談(−0)会話(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
「……サーティア=クワン。仮面を取って。演じる必要なんて、ないよ。
 ここで決着をつけるにしても、そうじゃなくても……あなた自身が、やるべきだよ。
 縛られたままで、刃を振るう……それって、不幸になるだけだよ。」

戦士の娘として、自分のMS操縦技術にそれなりのプライドを持つリファニア。
迷いの残った相手に翻弄された事が、悔しくもあったが。
けじめとは、何もサーティアと全力で戦うという事に限る訳ではないという事を、思い出し。
リファニアはヤクトのサーベルの刃を納めて、サーティアへと語りかけた。

『……あなたの目的は、私たちを殺す事?それとも、生き残る事?
 もし、ここで殺しあう以外の道を選ぶ選択肢が、あなたに残っているのなら。
 ……これが最後の選択になると思う。仮面を脱いで、刃を収めて』

 生き”残る”事よ……。
 最も可能性の高い、生き残る為の手段……。
 汚しても、何ででも、日を見るまで、死なない……。

 ……サーティア、ここで貴方が選べる選択肢はみっつよ。

 彼女等と手を打つか。
 それとも、銃を撃つか。
 或いは背中を見せてすたこら逃げるか、ね。

 さっ。選びなさい。

「……」

 選べる訳無いでしょうが!
 殺しも出来ず、どうしろってのよ……。

「……」

 待ちなさいって。
 リオンの事、貴方無視するの?

「リオン……」

 良いわリオン。
 貴方の判断力に、もう一回頼らせて頂戴。

「……ひとつだけ、条件が有るわ。
 この仮面は、外さない。
 私のけじめよ……」

 リオンが笑ったような気がした。
 気がしただけ、だけれど。


【行動 : 通信中(−0) 】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
文字を書く俺の手が止まった。

(あの先生が…このプログラムの優勝者…だと?……どうりで…この首輪の性能の用意周到さ
 はプログラム経験者だからこそ、か……。だが……)

何故プログラムの事を……この悲惨さを知る人間が管理する側にまわって、俺達を苦しめる?
もしかしたらその悲惨さ故に、精神に異常をきたしているのか…?
そうだとすると元参加者にしてはあの陽気な声、というのも分からないでもないが…。
だが…シュウジの言っているように、何かを狙っているのだとしたら…?
管制艦のあの位置は管理者側としては、どちらかと言えば不利といってもいい位置だ。
それをそうさせているのは勿論、現場責任者である先生…リーア=ミノフスキーしかいない。

…そうだとすると、シュウジの言う説……先生が襲撃を望んでいる……が俄然現実味を帯びてくる。
まあそれが即俺達にプラスになるとは思えないが……しかし、状況を変える何らかの力には
なるかもしれない、という事か。

「……面白い」

ぽつりと呟いた。
せっかく向こうが姿を見せているのだ。
ここで動かなくてどこで動く…!?
先生が何を考えているのか知らないが、例えそれが罠であってもそれごと食い千切る。
それがMSパイロットの……戦士の1つの生き様だ。
アシッドとの戦い以来鳴りを潜めていた俺の中のモノが、静かにたぎりつつあった。

だが…今のまま襲撃を仕掛けても、それは只の蛮勇でしかない。
言い方を変えれば、犬死にでしかない。
襲撃を実行するには、いくつかクリアしなければならない条件がある。
それがベルクに対する返答でもあるのだが。

俺は書き終えた紙を、今度はベルクへ見せた。

[残念ながらその作戦案には無理がある。…管制艦への攻撃には幾つかの前提条件が必要だ。
 まずは首輪とMSの爆弾の処理。少なくとも俺の首輪とMSの爆弾は射出した当時のままだ。
 これでは攻撃はおろか、近づいただけで爆破される可能性が高い。

 あとは人数の問題。シュウジの直接の協力を得るのは、おそらく無理だ。では俺とベルク
 だけで攻撃ができるのか?答えは勿論不可能だ。俺は管制艦の事を防御戦力の整った艦と
 言ったが、それは装甲が厚いとか火力が優れているとか、それだけではない。
 おそらく管制艦には防衛用のMSも搭載されている。これは先生専用のMSが存在する事から
 も、推測して然るべきだろう。
 そして、実際に搭載されていた場合……俺とベルクだけでそれに対応するのは不可能だ]

もう少し書きたい事はあったが、シュウジにも書かなければならない為、ここだけにしておいた。
少ししてからシュウジへの返答を見せる。

[質問に対する返答だが……半分はシュウジの考えた通りだ。少し前までなら、俺は只脱出
 するという手段で良かった。そこに仲間達がいるのであれば…。だが……アーネストとルイ
 は、もう一緒に脱出する事はできない。…俺はルイとアーネストが直面した恐怖を、少しでも
 奴等に思い知らせてやりたいんだよ。

 あとは…まあ、俺の心の問題かな。
 これは、シュウジには絶対分からないと思うが……パイロットの性分みたいなものだ。
 同じ脱出するなら、戦って、勝って脱出したい。今俺はそう思っている。
 ああ、あと爆弾に関する技術的な問題もあるけどな]
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン3本】
【行動方針:シュウジの説得、行動の考察】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
最後に声を聞いてから、一体どれだけの時間が過ぎたのか?
そんなに経ってはいない。 ……戦闘は続いていたのだから。
それほど短かったわけでもない……と、思える。 ……感覚の問題だが。

リナルドを迎える声の温度は、その時と変わりなく。
空には罅が走り、大地には細かい欠片たちが突き刺さった、その痛みも……
――いや、傷そのものさえ癒していくような。
そんな気分にさせてくれる温かさを保ったままで。

「ただいま……」

彼は、小さな声で呟いた。
戦闘中、挨拶に現つを抜かすわけにもいかない。
だが、問答無用と言わんばかりに、けたたましい叫び声が頭に届く。


 ――! ――!!

 ――殺し合おうって?
 冗談じゃない、あんたの都合にいちいち俺たちを巻き込むな。
 ったく……(ぴしっ)……う!?


いくら彼女の声でも痛みを消し去るほどの力を持つわけではなく、
その忌々しい“音”は、痛みを伴って再び襲い掛かった。

アビゴルは動き出そうとする。
リナルドの頭も動けと命令する。
だが、痛みにより一瞬だけ神経が遮断され、操主たる腕も、足も動かない。
そのため、攻撃に参加するタイミングを逃してしまう。

(く……なら……せめて、援護射撃だけでも……!)

歯を食い縛って耐えると、今度はきちんと身体が動いた。
ヤクト・ドーガとガンイージの戦闘を観察。
ファンネルとサーベルでの攻撃を捌き、ライフルでの反撃を外し(……外れた?)。
ヤクト・ドーガの体当たりをかわし、ライフルを構えたガンイージに左腕――デュアル・ビーム・ガンを向け、
そして、彼の指はトリガーを……引かなかった。

「……あれは……」

みえた。
みえた、としか言えない。
ガンイージを守るように、庇うように。 その両腕を広げて。
あれは……

(撃つなと……言うのか?
 ……マヤ? リファニア……? ……違うな。
 君は……誰だ……?)

左腕を掲げたまま。
銃口を向けたまま。
ロックだけはせず。
アビゴルは動きを止めた。
その体内に、愛しきプリンセスの声を響かせ。
その体内に、言葉に耳を傾けつつも神経を尖らせることをやめないナイトを抱き。

≪続く≫

『……あなたの目的は、私たちを殺す事?それとも、生き残る事?
 もし、ここで殺しあう以外の道を選ぶ選択肢が、あなたに残っているのなら。
 ……これが最後の選択になると思う。仮面を脱いで、刃を収めて』

『……ひとつだけ、条件が有るわ。
 この仮面は、外さない。
 私のけじめよ……』

ヤクト・ドーガに対し開かれている回線から流れ込んだ声を聞き、
リナルドは油断ならない面持ちで両目を見開いた。

(……何、考えてるんだ?
 まさか、まさか引き込むつもりじゃないよな……。
 そんな余裕、もう俺たちには……)

確かに、ただ戦うだけがけじめをつけるということではない。
だが、この女は敵のはずだ。
今の今まで本気でこちらを殺そうとしてきた。
こちらとて、倒そうとした。
敵。
その、はず。
違うのか?
少なくとも、仕掛けるまでに……シュウジと、この女は。
出会ってしまったならば、殺さなければならないはずの存在。
言うなれば、危険な存在。 の、はず。

(違う……のか?
 君は何をしようというんだ……?
 ……見守るしかない、か)

銃口は下がらない。
尖らせた神経もそのままだ。
まだまだ、信“頼”には値しない。
例え信“用”できるレベルにまで至ったとしても。
そう、彼女はリファニアやイブとは違うのだ。
何かが、違う。 そう見えた。

相変わらず痛む身体に時折顔を顰めながらも、
彼の視線は正確にモニターの一点、ガンイージを捉える。
必要なら、一度は引き掛けたトリガーを再び引かねばならないから。
そうしてリナルドは、次のアクションを待った。

【行動:攻撃キャンセル(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線継続→ヤクト・ドーガ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:三人で生還する/様子を見てみる】
【同盟:20番リファニア 03番イブ】
>>189
『……ひとつだけ、条件が有るわ。
 この仮面は、外さない。
 私のけじめよ……』

……もしかして、踏み込んじゃいけないトコに土足で踏み込むような真似をやっちゃったかな。
でも、彼女は撃っては来なかった。話を聞いてくれた。
……こういう結果を導けるのが、パパの言ってたニュータイプって事?
違うよね。そんなの、関係ないよね。
そういう能力が助けにはなるかも知れないけど、導き出すのは人としての私達だもの。

いつのまにか、瞳の端にうっすらと涙が浮かんでいた。
……こういう事が出来てさえいれば、死なずに済んだ人も居た。間違いなく。
済んだ事で済ます事なんて、出来ない。ここはそういう場所なのだと、割り切る事は簡単。
……でも、それはやっちゃいけない事。少なくとも、私は、もう……絶対に。

「……わかった。
 あなたにとってのけじめだと言うのなら、それを否定する事なんて私には出来ないよ。
 でも、もう、いたずらに傷つけあう事、やめようよ?
 ……あのコロニーで、殺意を込めた刃を向けた私が言うには、あまりにも滑稽な言葉かも知れないけど。
 同じ戦いでも、すべき戦いと、すべきでない戦いがあるって……身を以って知ったから。
 ……だから、こんな事、言えるのかな。」

少しぎこちなくなってしまったが、微笑みを浮かべながら、モニターに映るサーティアに語りかけて後、
言葉を一旦切り、アレンのギターを手にとって、暫し見つめた。

アレン、これが私にとっての、けじめのつけ方よ。
私を護る為に奮われた刃の代償は、私が受ける。
代償を含めて、あなたを愛したの。
だから、激しくも、穏やかにも、全力で、受けるの。

再びサーティアに視線を向けた時、リファニアの笑顔からはぎこちなさが消えていた。
先ほどのリオンの笑顔を思い出しながら、それに負けないような微笑みを浮かべる。

戦いで決着をつける事は、一つの道。戦士としての私は、それでも構わないと思ってる。
でも、私自身は……素の私自身は、もっと別の道があるんじゃないかって、試してみたくなったのよ。
きっかけを作ってくれたのは、あなたなのかな?リオン……くん……って呼ぶべきなのかな。
……そんな権利は、私にある訳ないか。

でもね。

それでも、ありがとうって、言っちゃうから。

「あなた自身の言っていた、生き残る事って目的。
 その目的は、私達も、同じだよ。
 ……そう、"私達"も。
 その為に、今まで全力で抗って……そして答えが、出かかっているのよね、イブさん、リナルド?」

ヤクトの掲げた手はそのままに、モニターのイブとリナルドに笑みを向ける。
酷く、心が軽やかだった。
心に深く打ち込まれた楔がひとつ、抜けたような。
そんな、清々しい気分だった。

「……こう、なっちゃった。私の我侭かな?でも、こうする事が、今は一番だって、思ったの。
 だから、彼女を……。」

―――――――――CAUTION―――――――――

続く言葉を打ち消すかのように鳴り響いた、警告音。
無機質に鳴り響く警告音に導かれて、サブモニターに表示された情報へとリファニアが目を向けた瞬間―――。

リファニアの脳裏に、腰部より爆ぜるX2のビジョンが浮かび―――。

次の瞬間、コックピット下方より全身を揺さぶるような衝撃と共に。
少女の耳に、やわらかいものが貫かれるような音と、固いものが激しくぶつかり合うような音が聞こえ。
数瞬の後、何か巨大な物に激突したような衝撃がコックピットを襲い、少女は、為す術も無く揺さぶられる。

ヤクトの腰より散っていた火花は、ついに爆炎へと姿を変えたのだ。
出来の悪い操り人形のように手足をばたつかせながら、ヤクトは炎上するミョーコウへ向かって流れ。
その艦橋へと、左肩より突っ込んでいた。
破片がコックピットへ飛び込んで来なかったのは、運がよかったのか、悪かったのか。
なかば艦橋へとめり込むように座礁したヤクトのコックピットから、薄れゆく意識の中リファニアが見たものは……。
炎に包まれつつある、ミョーコウの艦橋内の光景だった。

炎を映して紅く煌くのは、コックピット内を舞う、割れたモニターの硝子と、
爆発の際に下方よりひしゃげたコックピットブロックに飛び込んできた、金属的な破片だろう。
……煌く破片の中に、血の珠が混じる。
リファニアの左腕を、金属片が痛々しく貫いていた。

……あつ……い……。

炎が、コックピットを炙るように、眼前に迫りつつあった。

【行動 : リナルドとの通信回線継続(0)、イブとの通信回線継続(0)、サーティアとの通信回線継続(0)
      信回線断絶(0)、残4 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ミョーコウ艦橋) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部喪失、爪先のアポジモーター破損、脚部にガタ
        左腕の肘から先喪失、腰部損傷(機体中破)、コックピットブロック破損、通信機破損
        MS爆弾解除スイッチ付、コックピットハッチ開放 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、左腕を金属片が貫いている 】
【武装: 両肩部3連装ミサイル×1、ビームサーベル 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
シュウジから帰ってきた返答はあまり良いものではなかった。
レイモンドからも同じような返答が帰ってきた。

(ま、突然考えたことだしな計画性の欠片もないか・・・・穴があり過ぎたな)

そして、何故かシュウジは筆談を止め、口を開き出した。
それは当然の質問、シュウジの立場上それを聞きたいのは当然なのだろう。

それには、俺も言葉で返す。
筆談では言葉の感情は表せないからだ。

「何故するのか?か・・・・・・・
 あえて言うなら、心底アイツがムカツクから・・・・・かな?
 これまでいろんなことが在ったそれ全部ひっくるめた答えだ。
 それに、無駄だと分かっていても何もしなければ何も変わらない。
 最初から諦めてその通りになる方がもっとムカツクんだ。
 自分が許せなくて・・・・・・・・だから
 出来る限りのことをやってからでしか俺は、終わらない・・・・・終わりたくない。
 可能性は低くても0じゃない。なら、やらなきゃ最後まで分からないだろう。
 襲撃を望んでいるのならそれでも良い、また可能性がややこしくなるだけさ。
 危険だと判断したら乗ってくれなくて良い、
 こっちのわがままに突き合してるだけだからな、命を預けてくれとは言わないさ
 ただ、意見を聞きたかった。これは大胆過ぎるが、お前ならもう少し使える様に
 考えてくれるかもって勝手に思ってただけだから
 それに、以前の計画の”3番くらいにあった物”を作ってあるんじゃないかって
 思って当てにしてたのもある。少しぐらいなら時間稼げるかな・・・・・ってな。
 自分勝手で単純で他人任せな奴てな感じだけど、俺はこれだけはやり遂げたい。
 どんな結末を迎えても・・・・・無駄でもやる事やって笑って死にたいよ。」

また自然に笑っていた・・・・・・自分でも気づかない内に何かが俺の中で変わっていた。

【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
>>194 43行目あたりの台詞修正です。

誤)あなた自身の言っていた、生き残るっていう目的。

正)攻撃を止めてくれたって事は、生き残る事そのものが目的なんだよね?

スレ汚し、申し訳ないです。
198シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/17 22:46 ID:???
>>190
「全く、パイロットと言うのは困った人種だな……。」
そう言う自分の顔はかなり久しぶりに笑みを浮かべていた。これがたとえ苦笑であろうとも。

「これを……渡しておこうか。」
すぐに表情を元に戻すと、ディパックの中から首輪カバーを4つ、取り出した。

「……形と大きさで意味は何となく分かるよな?
 14時間だ……。これも意味は分かるな?」
コロニーから出、軍事基地で一時休息していた際に作った、未完成の首輪カバー。
使えば最後、ティーチャー達と決着をつけない限り生き残る事は出来なくなる諸刃の剣。
これを渡し、彼らがこれを使えば、多分……死ぬ事になる確率が高い。
だが、渡さなければ結局、船に侵入する事もなく、死ぬ事になるだろう。
同時に、一つのメモを書き、レイモンドに渡す。
キーワードを言わないように気をつけて言うのは面倒くさくなってきたからだ。

[四つ渡すのは……他に渡したい奴が居たときのためだ。
 リナルドも持ってるし、もしかしたら改善して時限装置に対応した物を作っている可能性もある。
 まぁ、こんな場所だ。何が起こるか解らない。俺は一つあれば十分だしな。]


>>196
「やる事やって、か。ま、それも一つの道か……?
 まぁ、俺は"やるからには成功させる。"って思考だからな。
 ……もう、裏切られるのはごめんだ。他人にも、自分にも……。」
今度はレイモンドの時のように苦笑も浮かべていなかった。
依然と同じ無表情。……いやわずかにその表情は歪んでいる。

(……果たして俺は笑って此処を出る権利はあるのか……?
 殺すべき相手は後一人……だが、一と零には天地の開きがある……。
 俺は、サーティア・クワンを殺していいのか……?)

「……そうだ。」
何かを思い出したのか、新たなメモを書き、二人に渡した。

[機体の爆破装置の解体方法だが、俺の持ってるディスクの中に入っている。
 だがそこには、俺の"切り札"の使用法も入っている。
 使えば前も言ったとおり、使えばコンピュータが使用不能になる。
 どうする?"切り札"は使うか?使わないならそのデータを消してくる。]

【行動:筆談(−0)会話(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット (首輪カバー×5) ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
リナルドは、その名を叫ぼうとした。
叫ぶ前に、手足が動いていた。
……声は、出なかった。


 やはり、そうだったのか。
 やれやれ、といった趣の小さな溜め息をひとつ、彼は漏らした。
 その表情は……ついさっきまでの厳しいものではなかった。
 ――いつものことだ。
 ――彼女はわがままなんだ。
 ――いつものことだと気にしなければいい。 どうにかするのが俺の役目なんだろう?
 バイザーの内側には、ふたつめの小さな溜め息が生まれた。

 彼女は、笑った。
 あれほどの笑顔を……今までに見ただろうか?
 リナルドは、自分が『ミョーコウ』に降り立ってからのことを思い出し始めた。
 ――艦長君、イブさん。 サイコガンダムで応対したあの女とリファニア。
 ――スパゲッティ・ペペロンチー"にっ"だったっけ? あれはうまかった。 もう一回は食べておきたいな。
 ――この小惑星基地で……いろいろあった。 あまり思い出したくもないが、忘れてはいけないことが。
 記憶を探ることは容易かったが、時間の流れはそうし続けることを彼に許してはくれなかった。

 一瞬、通信回線の向こうからアラートが聴こえた。
 オレンジのひかりが広がるようなイメージが、リナルドの脳裏を駆け抜け……
 次の瞬間――

 「爆……発――?
  あ……ああ……あ……!」

 腰から爆炎を吹いたヤクト・ドーガはふわふわと『ミョーコウ』のブリッジに向かい。
 そして、接触し……めり込んだ。
 激突ではなかったのが、彼にとっても彼女にとっても不幸中の幸いといったところだろうか。

 リナルドは、その名を叫ぼうとした。
 叫ぶ前に、手足が動いていた。
 ……声は、出なかった。


ぱきん。

何かが割れ、砕ける“音”がした。

――構うものか。

アビゴルはビーム・カタールを仕舞い、警戒態勢と解きつつ跳び上がる。
向かう先は、彼女のもと。
肘の使えない右腕で機体を固定し、正面からコクピットブロックをモニター越しに目視する。

――みえる。 あれをこわさないようにとりだせばいいんだ。

リファニアの姿が見えたのではなかった。
ただ、生命のかたちとでも言うべき彼女のかたちが、そこにみえた。
だから、そのかたちを引っ張り出せばいいだけの話だ。
不幸中の幸いと言うか、コクピットハッチは開いている。

≪続く≫

リナルドは、左腕のマニピュレータで入り口を作ると、
左腕を足場代わりにヤクト・ドーガのコクピットに飛び込んだ。
血球と金属片が舞い、あちこちのモニターが潰えたコクピットの中に、
ギターを抱えた彼女はいた。
見れば、左腕には金属片が突き刺さっている。

「どうして、こんなになるまで……。
 リファニア、しっかりしろ!」

声を掛けつつ彼女の身体を左脇に抱え、持てる範囲の荷物を両手に満載する。
明らかに内容量の違うデイパックがふたつあったが、
彼は見覚えの無い方に見切りをつけてコクピットを飛び出した。
帰りは来た道を戻るだけだ。

ヤクト・ドーガのコクピットから飛び出し、アビゴルの左腕に着地したところで、
ふと、リナルドはヤクト・ドーガの方を振り返った。
……そこに、コクピットにいたのは、青い髪の少女……ラーズ・フィリー。
今は亡き、ヤクト・ドーガの主。 ……リファニアが殺した少女。

「リファニアを、君がいる“そっち側”にはやらない。
 生きていてもらわなきゃ困るんだ。
 返してもらうぞ……!」

マヤのように現世に舞い戻ったのか、あるいはただの幻か。
たったひとつだけ、彼が考えたことは。

―― 知ったことじゃない。

そして、アビゴルのコクピットに戻り、ハッチを閉める。
このままヤクト・ドーガを放っておけば、確実に『ミョーコウ』を巻き込んで大爆発だ。
荷物をシートの後ろに追いやり、リファニアを膝の上に載せると、
ブリッジ部分にめり込んだヤクト・ドーガの左肩にアビゴルの右爪先を引っ掛け、
力任せに思い切り蹴り上げた。
ヤクト・ドーガはブリッジから離れ、ミョーコウの停泊している港口に繋がっていた通路のひとつ、
その奥に向かって飛ばされていく。
リナルドはすぐに通信回線を開き、イブに警告を出した。

「イブさん!
 いつ爆発するかわからない、距離を取って!」

警告を終えると、『ミョーコウ』を背に機体のバランスを取ってから救急箱を取り出し、
リファニアの左腕に刺さった金属片を引き抜き、消毒と止血を施し始めた。

「リファニア、気をしっかり持て。
 ……君に言ってやりたいことも、話して欲しいこともたくさんあるんだ。
 だから……!」

果たして、彼の言葉は、想いは、語られなかった言葉の先は届いていたのだろうか?
それは、彼女にしかわからない。
【行動:回収・収容(-1)、ヤクト・ドーガを蹴り飛ばす(-1)、通信→ヴィクトリー(-1)、手当て開始(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部・ミョーコウ/ブリッジ付近】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ヴィクトリー】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物(ラーズの遺品は放棄)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:三人で生還する/とにかく、救出】
【同盟:20番リファニア 03番イブ】
シュウジは苦笑したような笑顔で俺に何かを手渡してきた。

(シュウジが苦笑したくなるのも分からないでもないな…。だが、戦いに慣れたパイロット
 なんて…皆似たようなものだ)

パイロットは、自分の任務遂行の為に、そして戦場で生き残る為に敵を殺さなければならない。
俺のようなパイロットは皆、敵を殺す事で道を切り開いてきた。
大切な仲間を失い、傷つけられ、それでも生き残る為……約束を果たす為ならば、今の俺は
いくらでも戦う覚悟ができている。
もう、心は決まっているのだ。

手渡された物は、丁度首輪と同じくらいの大きさのカバーだった。
一目で何に使うものか、見当はつく。

(14時間…)

シュウジは細かい事は言わなかったが、おそらくこのカバーが電波を遮断できる時間の事を
言っているのだと思う。
事を終えるまではプログラムの空域から出るつもりはないから、時限爆弾はとりあえず気に
しなくてもよさそうだ。

(このカバーをはめてから、14時間が勝負、か)

俺は無意識のうちに、そのカバーを玩びながら考えた。

ベルクにも何かを話していたシュウジが、不意に新たな紙を見せてきた。
これについては俺の答えは決まっている。
俺は急ぎ紙に書くと、シュウジに渡した。

[俺の答えは勿論、ディスクも使わせてもらいたいと思う。攻撃の手段は2手、3手とあった
 ほうがいいし、何よりも機体の爆弾の処理は必要不可欠だからな]

次いで、ベルクにも簡単な一言を書いて見せる。

[ベルクも、別にディスクを受け取っても構わないだろう?]

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本】
【行動方針:行動の考察】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
リファニアは、ぐったりとシートにもたれかかったまま、動けなかった。
揺さぶられた時に頭でも打ったのだろうか。次第に、意識が遠のいてくる。
ぼんやりと霞む視界の端には、炎に包まれつつあるソファーが、映っていた。

あれは、アレンが良く腰掛けていた、ソファー……。
あそこで横になったり、私の特製カレーを食べたり、ギターを弾いたりしてたソファー……。

虚ろな瞳のまま、場にそぐわぬ事を思い出すリファニア。
自らの置かれている状況すら把握せぬまま、死に捉われようとしていた。

『……無様なものね。』

ふと、どこかで聞いた声が、聴こえたような気がした。それは、女の声。
イブではない。シェラでもない。……サーティアでもない。だが、確かに聞いたことのある声だった。

ぼやける眼前に、青い髪の少女の姿が浮かんでくる。
このヤクトの前のパイロットであり、戦いの中リファニアが殺してしまった少女……ラーズ=フィリー。

『……寝惚けてないで、目を覚ますのよ。
 抗えって言葉、そっくり今のあなたにぶつけてあげる……。』

……抗わなきゃ……。

薄れゆく意識を、何とか自らの意志で保たせたリファニア。
青い髪の少女の姿は、意識がハッキリした途端に、眼前より掻き消えていた。

視界はぼやけたまま。頭もハッキリしない。身体も、思い通りに動いてはくれない。
そんな状態ではあるが、リファニアは何とか今自らが置かれている状況を把握しようとした。

コックピットの外は、ミョーコウのブリッジ。
炎が渦巻きつつあったが、前方の方はまだ無事のようだ。
オペレーターシート付近に浮かぶ数個の輪っかのようなもの……あれは、何だろうか。
どこかで、見覚えがあるような気がした。酷く、大事な物のような……?

近くで確認するためにシートから立ち上がろうとしたリファニアの脚が、コンソールパネルに引っかかる。
コックピットブロックがひしゃげた影響か、シートとコンソールパネル間隔が、酷く狭まっていた。
そして、リファニアはその間に、大切な物の変わり果てた姿を確認してしまった。
アレンのギターが挟まって……無残にひしゃげていた。
……ギターには、無数の破片が突き刺さってもいた。
ギターがなければ、リファニアの脚が挟まれ砕かれていたかも知れない。
あるいは、爆発で飛散した破片に身体を貫かれていた可能性も高い。

リファニアの瞳が見開かれ……少女は夢の象徴たるギターを無我夢中で、両の手で抱き寄せようと……。

……。

ギターにかかった手は、右手だけだった。
リファニアの意に反して、左腕の、手首より先が……動かなかった。
少女は、そこで初めて、自分の左腕に突き刺さる金属片に気がつき。
壊れたギターと感覚が死んでいる自分の左腕を見比べて、それが何を意味しているのか理解した。

「……イヤ、認めない……。」

かすれるような声で呟く少女の瞳は、濡れていた。
だが、見開かれた瞳に宿る生きる意志は、いまだに潰えない。
唇を噛みながら、壊れたギターとシェラのエプロンを掴んで抱き、何とか心を落ち着ける。

出血の影響だろうか。……再び、視界が霞みだした。
ギターとエプロンを力いっぱい抱き、意識をしっかりと保たせながら。
リファニアは通信機を操作して、リナルドへ連絡を取ろうと試みる。
……だが、通信機は、何の反応も示さなかった。

「……まだ、終われないよ……。」

リファニアは呟いて、何とかシートから身を起こそうとするも……。
身体が、言う事を聞いてはくれない。

「……リナルド……。」

意識が、再び遠のいてくる。
抗わなきゃ、抗わなきゃ。
そう、強く念じても……視界が霞んでくるのを、止める事はできなかった。

……その時だった。
霞む視界に、突如としてリファニアの騎士の姿が飛び込んで来たのは。

『どうして、こんなになるまで……。
 リファニア、しっかりしろ!』

ぼうっとする意識の向こうに聴こえた声と、少女の身体を優しく抱き起こそうとする青年の肉体の温もりは、
それが幻ではないと、リファニアに実感させていた。
ギターとエプロンを抱えたまま、少女はリナルドによってアビゴルのコックピットへと運び込まれる。

アビゴルのコックピット内で、ヤクトがアビゴルに蹴られ港から姿を消して行くのを、うっすらと開いた瞳に映し。
リファニアはリナルドに身体を預けたまま、ゆっくりと瞳を閉じた。

リナルドが、リファニアの左腕に刺さった破片を抜き、応急処置を施す。
破片が抜かれる際に鋭い痛みが走り、リファニアの桜色の唇から、小さく嗚咽が洩れた。
だが、その痛みが、若干ではあるがリファニアの覚醒を促してくれた。

『リファニア、気をしっかり持て。
 ……君に言ってやりたいことも、話して欲しいこともたくさんあるんだ。
 だから……!』

リナルドに言葉をかけられて、リファニアはうっすらと瞳を開いて、久しぶりに間近で青年の顔を見た。
特に意識などしなくても、自然に、今出来る精一杯の笑顔が浮かんでくる。

「……なんか、すっごく久しぶりな気がする。
 こうやって、直接触れ合えるのって。
 暫くこうしていたいけど……。」

通路より港へ爆風が飛び込んで来た。
アビゴルの巨体すら揺るがす爆発。
ヤクトが、そのあらゆる機能を停止した証。
このプログラムにおいて、機体を失った者に待ち受ける運命は……ただ一つ。
以前の放送によると、爆破までには若干の猶予があるらしいが……。

「のんびりしてたら、私、死んじゃうね……。
 ……リナルド。私、サイコの所へ行かなきゃ……。
 確か、自分で乗り込んで……起動させなきゃいけないんだよね。
 大丈夫、コレくらいの怪我、なんでもない……。」

首輪への恐怖を隠せずに震える右手で、リファニアはバイザー越しにリナルドの頬に触れる。
瞳には、怯えの色は出ていない。ただ、生きてやるという意志が宿るのみ。
【行動 : 通信失敗(-1)、アビゴルのコックピットへ運ばれる(-1)、残2 】
【位置 : V-20(要塞内、港、アビゴルのコックピット) 】
【機体状況 : ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(包帯ぐるぐる)、左腕応急処置中
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、軽い脳震盪 】
【武装: ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギター……、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢……』、自分の意志で生きる、けじめはつける 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
206イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/19 17:58 ID:???
サーティア・クワンが停戦の意思を示した直後、愁林の目の前で事態は急転する。
映像回線が断絶する間際に聞こえてきたのは、耳障りな響きのアラーム音だった。
愁林の背中を冷たいものが伝う。
剥き出しの破損箇所から数多の火花を散らしながら、ミョーコウの艦橋に衝突するヤクト・ドーガ。

「リファニアちゃん!?」

思わずロザリオに手が伸びる。
その小さな十字架の、かつての主と同じように、今また一人の少女が死んでいくのか。
彼が守ろうとした命がまた一つ、目の前で散っていくのか。

―――ダグラスの守りたかったモノ、また私は守れないの?

死は理不尽だ。
誰にでも訪れるが故に平等ではあるが、しかし平等であっても決して公平ではない。
その様な事は愁林にとって周知の事実。
その事実の残酷さを、このプログラムは幾度も彼女に見せ付けてきた。
そして、今度もまた―――
助けなければ。
死なせてはならない。
口中に広がる鉄錆の味を意識から追い出し、ヤクト・ドーガに迫るべくフットペダルを踏み込もうとした瞬間、眼前を緑色の風が通り抜けていった。

『イブさん!
 いつ爆発するかわからない、距離を取って!』

声の主に向かって頷き、愁林はVガンダムをゆっくりと後退させる。
嗚呼、確かに彼の方が相応しい。
紅を差したように紅く瑞々しい唇の端を、微笑の形に小さく歪めながら彼女は思った。
目の前の二人を守るのはダグラスの遺志。
そして、愁林自身のエゴに基づく代償行為でもある。
だから愁林は、アビゴルのコックピットへと繋げられた回線に向かってこう口にした。
207イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/19 17:59 ID:???
「二人とも、死んではダメよ。
 勝手に死んだりしたら、黒社会の総力を挙げて末代まで苦しめてあげるから。
 香港マフィアのお嬢様の怖さ、味わいたくないなら絶対に生き残りなさい」

鉄錆の匂いの鬱陶しさを振り払い、不敵に凄んで、そして穏やかに笑ってみせる。
想いは背負えば十字架になる。
十字架を背負った先に、待っているのはゴルゴダの丘だけだ。
だが、抱き締めれば十字架もロザリオになるだろう。
だから、伝える想いはできるだけ軽く。そして、できるだけ温かく。
ユーモアのセンスは―――足りないモノは仕方ない。

―――嗚呼、ロザリオが温かい……。

【行動:アビゴルとの回線接続(-1)】
【残り行動値:3p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:腹部軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷、(?)】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、生きる】
【同盟:リナルド、リファニア】
208リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/20 14:37 ID:???
第14章 >207 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
10□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   
11◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   
13◎◎◎□◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎□■■99□◎□□□□■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎□□□□◎□◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□03▼□◎□
21※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22※◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。00番ティーチャーのコアブースターも収容。
01・07・14は同一地点。03・11・15・20は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 03イブ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
209リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/20 14:38 ID:???
定期放送は、しかし「定期」の名に反し、しばらく途絶えていた。
これまでも少し遅れた例はあったが、丸々1回2回、何の予告もなく途絶えた例はない。

はたしてその間、何が管制側にあったのか。少し、時を遡ってみよう。

 *  *  *

――本来なら定期放送の準備を始めねばならない時刻、彼女は作業に没頭していた。
自室に閉じこもっての機械弄り。ハロやら得体の知れない基盤やらを常に組んだり壊したりしている。
管理スタッフたちにとってはいつものことだった。
この『上司』の気まぐれな個人的趣味に辟易している者も少なくない。
……それが、どれほど大きな事を引き起こすのか知っていれば、辟易などしてられなかっただろうが。

「ティーチャー、そろそろ定期放送のお時間ですよ!」
「ごめん、今、手が離せないの! 大事なトコだから!
 放送担当のヒトに、少し遅れるって言っておいて!」

扉の向こうからの部下の声に、作業を続けたまま彼女は答える。
こんなやり取りにも慣れてしまっているのだろう、扉の向こうの気配は、溜息ひとつついて歩み去る。
定期放送の義務よりも大事なことなど、そうそうありはしないのに。

彼女の手元では、ハロVがその口を大きく開け、内部の機械を露出していた。
……そう、管制室の爆破のどさくさに紛れ、単独行動を取っていたあのハロである。
そのとなりには、黄色い色をしたハロYが鎮座している。
定期放送で少しお喋りをしたこともあるハロYだが、その『隠された機能』は未だ発揮されてない。
そう、彼の能力は、いまこの時点より発揮される代物なのだ。

「……ハロVからのデータ習得完了。じゃあハロY、お願いね」
「リョウカイ! ハッシン!」

ハロの黄色い声が部屋に響く。
『発進』でも『発振』でもなく、『発信』。
電波の擬態もこなす高度な通信機能が、ハロYの真の機能だった。
210リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/20 14:40 ID:???
 *  *  *

「……んん??」
「どうした、何かあったか?」
「いや、生徒は何ともないんだがね。リーア先生の首輪の信号が、今少し妙な表示になって」
「どういうことだ?」
「一瞬、『死亡』を意味する表示が出た後、一秒程で元に戻った。
 バイタルサインも位置データも音声データも、全部普通に送られてきてる。
 ……何だったんだ、今の表示は?」
「誤作動か何かだと思いたい……が、相手は『あの』リーア先生だしなぁ」
「俺、ちょっと直接確認してくる。この場は少しお願い」
「分かった」

 *  *  *

……それは、厳しい賭けの連続でした。
部下の不審の目を感じながらの『リセット・チャンス』。
私を殺す気で向かってきた生徒たち。
そして、そこまでして手にした解除コードが、本物であるという証拠もない。
数年がかりの自信作とはいえ、ハロVとハロYの能力が十分だという保障もなかった。
今この場で私の首が飛んでいた可能性は十分にあったのです。

けれど、ひとまずの山場は乗り越えました。
この先も賭けが続きます。命がけの、ギリギリの、
挑発的言動と狂人の論理、そしてハロたちに仕込んだ技術で渡る、綱渡り。
けれども、他に道がないなら、その細い綱の上を駆け抜けるしかないでしょう?

「ティーチャー! ティーチャー! 大丈夫ですか!?
 いるなら返事してください! ティーチャー!」

ほら、次の山場が来た。
さて、うまく乗り越えられるかしら? これも危険な賭けだけど。
……そこで私を見ててね、キャット。私が殺した、愛しい人(マイダーリン)。

そうね、ここは少し冷静さを奪うのが得策でしょうね。都合よく男性スタッフのようだし。
裸なんていくら見られても、今更だもの。
ここに到達するまでに受けた恥辱と苦痛の数々に比べたら、この程度……ね。
211リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/20 14:41 ID:???
 *  *  *

「……何かありましたかぁ?」

ひょいと扉が開き、いつもの笑顔を見せた彼女に、その部下も毒気を抜かれたようだった。
白衣の彼女の胸元には、例の髑髏ではなく、黄色いハロが抱かれている。
その首には、彼がここに来た理由――例の首輪が、しっかりと嵌っているのが見える。

「い、いえ、今ティーチャーの首輪のデータが少し乱れたので、大丈夫かな、と……
 そ、それはともかく、ティーチャー」
「なに?」
「ふ、服を着て下さい」

そう、彼女は下着さえない素っ裸の上に白衣だけ、という格好で扉を開けていたのだった。
黄色いハロで胸元だけ隠した様子が、計算されつくした『無邪気な色気』を醸し出している。

「ああ、そういえばそうね。すっかり忘れてたわ」
「そ、それから、定期放送が随分と遅れています。服を着たらそちらに向かって下さい」

赤面し顔をそらしたまま、純情な青年部下は必要事項の伝達だけを行う。
そして、バツが悪そうに扉を閉める。
そう、首輪の確認ができたのだから、何の問題もないではないか。
あれはきっと何かの誤作動だったんだ。間違いない。

閉じた扉の向こうで、彼女が歪んだ笑みを浮かべたことに、彼は気づかない。
そして、ここに来た理由――首輪の確認が不十分だったことにも、彼は気づかない。
首に嵌っている様子を視認するだけでは不足だったのだ。
ちゃんとロックがかかっていることを確かめ、首輪がちゃんと機能していることをチェックせねば。
彼女への抑止力である、爆破用システムも確認しておくべきだったろう。
電波に乗って各種のデータが送られていることだけで満足してはいけない。
その電波は、ひょっとしたら首輪以外のところから送られているのかもしれないのだ――
例えば、彼女が薄い胸に抱いていた黄色いハロ、のようなところから。

 *  *  *

これが、およそ半日前にあった出来事である。


【行動:ハロVの持ち帰ったデータの解析(−2p)、
    首輪の機能停止&首輪電波の偽装発信開始(−2p)
    脱衣(0p)、部下との会話(0p)】
【位置:O-15】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう? 『行動』開始】
212通常の名無しさんの3倍:04/08/20 15:15 ID:???
あげ
>>194

 滑稽、ね……。
 確かに滑稽と言えば滑稽だわ。
 良くもまぁ、私も馴れ合える。

「けど、貴方……」

 言い掛けるより早かった。

「っに!?」

 ヤクト・ドーガは爆発を起こし、そこへアビゴルが駆けつける。
 そう、私のやらかした攻撃ね……。


 ……今、殺っちまうか……


 えぇい! 落ち着きなって、私!
 リオンとの約束まで破って、今更何になる。
 こんなガンイージ、くれてやる……

「他に機体は無いの!?」

 ブリッジへ足をたてつける形でガンイージは動きを止め、アビゴルへ振り向く。

「こんなボロくれてやるわ!
 アールセン! 貴方は私からこのガンイージを奪ったのよ! 良いわね!?」

 アビゴルへ向けてコックピットハッチを開く。
 まっ、私から奪った機体なら、自分で起動する必要無いからね。

「それから何かオンボロでいいから、MS頂戴! 動けば良い! 何かあるでしょ!?
 薬品は一式ガンイージのコクピットに有るわ。治療用の器具は修理器具で代用しておいて!
 ムサイは標準ムサイね!? それならメディカルルームの位置は解る。
 それからヤクトドーガの投棄! ムサイ巻き込んで吹き飛ぶわよ!?」

 あんた等の都合も何もあるもんか。
 やるとなりゃ、ぐずぐずしてらんないわよ。
 ったく、甘いのがうつったかな。まぁ良いか……


【行動 : アビゴル横へ移動(−1) コクピット開放(−1) 通信中(−0) 】
【残り : 2P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
214通常の名無しさんの3倍:04/08/20 17:29 ID:vCB1YwkT
ageとこ。
>>207
モニターにロザリオを握り締めたイブの姿が映ると共に、言葉をかけられる。

『二人とも、死んではダメよ。
 勝手に死んだりしたら、黒社会の総力を挙げて末代まで苦しめてあげるから。
 香港マフィアのお嬢様の怖さ、味わいたくないなら絶対に生き残りなさい』

少し黒いユーモアを交えた励ましの言葉をかけて後、穏やかな聖母の笑みを浮かべるイブ。
黒社会出身者らしく振舞う時は、有無を言わさぬ威圧感を放つが、
ロザリオを握り締めながら穏やかに微笑む時は、まさに聖母のようにも見える。

……イブさんって、ほんと不思議なひとね。
底が知れないというか……仲間として、すごく頼もしいし、それに暖かい……。

リファニアは余裕を見せようと、苦笑交じりに微笑みながら、言葉を返した。

「……あはは。イブさんが言うと冗談に聴こえないって。
 末代まで苦しめられちゃたまらないから……いよいよ死ねないかな。」

そう答えるリファニアの顔は、蒼白だったが……。
左腕を除いては、若干だが身体が言う事を聞いてくれるようにもなっていた。
頭を打った影響が、少し和らいできたのだろう。
……もっとも、相変わらず視界は朦朧としたままだ。

……でも、イブさんだって、傷ついているんだもの。
これくらい、何とか乗り越えて……いかなきゃ。

>>213
アビゴルの傍に寄って、ミョーコウの艦橋に脚をかけた不敵な姿勢をとるサーティアのガンイージ。

『他に機体はないの!?
 こんなボロくれてやるわ!
 アールセン! 貴方は私からこのガンイージを奪ったのよ! 良いわね!?』

入ってきた通信を聴いて、リファニアは驚きと嬉しさのあまり、瞳を目一杯見開いてしまった。

『それから何かオンボロでいいから、MS頂戴! 動けば良い! 何かあるでしょ!?
 薬品は一式ガンイージのコクピットに有るわ。治療用の器具は修理器具で代用しておいて!
 ムサイは標準ムサイね!? それならメディカルルームの位置は解る。
 それからヤクトドーガの投棄! ムサイ巻き込んで吹き飛ぶわよ!?』

通信が続くと共に、ガンイージのコックピットハッチが開く。

……本当に、わかってくれたんだ。機体まで、預けようとするなんて……。
言葉は、本当に力なんだね……。

「……リナルド。とりあえず私、サーティアさんの好意に甘えてみるね。
 少し休めば大丈夫だと思うけど……今は正直、格納庫まで行くのもツラいかも。
 今は、少しでも早く……首輪の恐怖から逃れたい。」

リナルドにそう告げた後、アビゴルの通信機を操作して、ガンイージへ返信する。
嬉しかったけど、ひとつだけ……。

「……私は、アールセンじゃなくてニールセンだよ。
 でも、リファニアって名前で呼んでくれると嬉しいかな。
 あなたの厚意、受け取らせてもらうね。
 ……でも、とりあえずでいいよ。安全性が確保されるまででね。」
「モビルスーツは、三機。
 格納庫にあるニ機の一つは、大破しちゃったゴトラタンだけど……。
 もう一機は、あなたが乗っていたGMライトアーマーだよ。
 私も何回か乗ってみたけど、パワーはないけど操縦性は良好でなかなかいい機体だったと思う。
 肩の調子がイマイチなんだけど……それ以外は、結構調子いいよ。
 あとは……HLV格納庫に、私のサイコがあるけど……。
 ……これは……おすすめしないよ。この子のサイコミュ、強力すぎて使いこなすには素質が要るの。

 ガンイージ……ひとまず預かるって形でいいかな。
 あなたのその機体の扱い、すごく上手だったし、相性がいいかも知れないよ。
 これでも私、戦争と共に生きた本物の戦士から、戦闘訓練うけてるんだから。
 そんな私を翻弄できたあなたの腕、素直に凄いと思う。」

言葉の終わりと共に、ぱちりとウインク。
……つい先ほどまで戦い、その結果深く傷つけられた相手に対しての態度とは思えなかったが、
こんなプログラムの中、機体を譲るとまで言われた事が、気持ちよかったのだ。

【行動 : イブとの通信継続(アビゴル)(0)、サーティアとの通信回線接続(アビゴル)(-1)、残3 】
【位置 : V-20(要塞内、港、アビゴルのコックピット) 】
【機体状況 : ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(応急処置)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、軽い脳震盪 】
【武装: ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギター……、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢……』、自分の意志で生きる、けじめはつけた? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、11 サーティア=クワン? 】
レイモンドに首輪ぐらいのカバーを手渡しながら
シュウジがそれの説明をしてくれた。

『……形と大きさで意味は何となく分かるよな?
 14時間だ……。これも意味は分かるな?』

(十分だ。それだけの時間が経つ前に答えは出る。
 だが、レイモンドの生還率さえも無くなってしまう
 無駄な犠牲は避けたかったんだがな。)

続けてシュウジが何か書いた紙を渡してきた。
そこには機体の爆破装置の解体方法と”切り札”の
入ったディスクについてのことだった。

レイモンドがそのことについてのことを紙に書き見せてきた。

「ああ、俺もそれで良い。
 感謝するよシュウジ。
 お前はお前の信じる道を行ってくれ
 俺達も最善を尽くす。」

そういって、手を出しシュウジに握手をした。
 
「レイモンドもすまないなこんなことに突き合せてしまって
 やっぱ止めるんなら今の内だぜ。」

【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
218リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/21 22:19 ID:???
>>211続き)

……服を着た彼女は、しかし定期放送のためにすぐに部屋を出ようとはしなかった。
そんなことよりも、先にやらねばならないことがあった。

(ハロYの能力が有効なのは分かった。
 けれど、いつもハロを抱いているわけにはいかない。
 これまでの行動パターンが変化すれば、こちらの目論見が発覚する恐れもある。
 ……それにもう一体、内部の皆に警戒され過ぎているハロがいる………)

彼女は、部屋の鍵をかけなおすと、再び工具を手にとった。
ハロYを、その外殻と内部構造物とに手早く分離する。
そして、二つの物体をその脇に並べる――大きさという点ではハロYに匹敵する、二つの球体を。

(まずは、電波発信装置を「ハロYの中身」から外して、「こっち」に移さないとね。
 「ハロYの殻」を使った仕掛けは、後回しだわ)

すでに大幅に遅れている定期放送のことは気になる。
このことで、部下や「上層部」の人間に睨まれる危険は少なくない。
けれど――この欺瞞工作は、いまここでやっておかねばならないのだ。

大丈夫、今まで積み上げた「信頼」と「変人ぶり」が、この「サボリ」を覆い隠してくれる。
他に何か、ミスなり不幸な事故なりが重ならない限り。

 *  *  *

その、「他の何か」が今まさに起こっているとは、流石の彼女も気づかなかった。
――何しろ、工作に忙しくて、生徒たちの会話の盗聴データを確認する暇もなかったのだから。
219リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/21 22:21 ID:???
……生徒の会話を盗聴していた通信兵たちは、ある生徒たちの交わす会話に色めきたった。
「おい、これは……!」
「ああ、もし本当だとしたら、俺たちは……!」
小惑星基地の片隅で行われていた、生徒同士の会話。
ノイズは酷いし、筆談も混ぜているのか、時折それは不自然に途切れる。
けれど、聞こえてくる範囲内だけでも、それは彼らの顔色を変えるに十分なものだった。

「……ティーチャーは! ティーチャーは聞いてるのか、この内容を!?」
「いや、未だ部屋に閉じこもって機械弄りをしている。定期放送にも遅刻している」
 、、、、、、、、
「それはラッキーだ! 早く、ティーチャーが気づく前に対処しろ!」
「今から身柄を押さえにいく!」
「気をつけろよ! 完全武装でいけ!」

大慌てで兵士たちが駆け回る。
……今更、生徒の一部の叛意を知ってうろたえる彼らではない。脱出も反抗も予想の内だ。
だが……これは彼らの覚悟の範疇を超えていた。
その可能性に気づいてはいたが、信じたくなかった――とでも言うべき内容だったのだ。

 *  *  *

……扉が予告もなく蹴り破られた時、リーア・ミノフスキーは一瞬にして悟った。
何か、自分がミスをしたか、不測の事態が起きたか……なんにせよ、「賭けに負けた」ことに。

「動かないで下さい。ハロが動いても撃ちます」
自動小銃を構えた兵士たちは、冷たい声で告げた。
例によって無数のガラクタと作りかけのハロに囲まれたティーチャーは、顔色ひとつ変えない。

「……これは、どういうこと? 何かあったの?」
「あなたの釈明は、通信室で聞きます。そのまま我々に従って来て下さい」
「……“キャット”を連れて行ってもいい?」
「それくらいならいいでしょう」

兵士たちは、警戒を緩めることなく、彼女が髑髏を抱え上げるのを見守った。
……現時点では、嫌疑だけだ。容疑が確定したわけではない。
だから彼女を拘束することも、髑髏という「彼女の拘りの品」を取り上げることもできない。
ただ、もしも少しでも反抗的な行動を取ったら、その時は……

「では、行きましょうか。何があるのかは知りませんけど」
「ああ、ティーチャー、お待ちください」

髑髏を抱え上げ、素直に部屋から出て行く彼女。
その後ろに続こうとする例のハロたちを見て、兵士の一人が声を挙げた。

「例の、青い殺人ハロだけは置いていって下さい。念のために」

 *  *  *
220リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/21 22:22 ID:???

完全武装の兵士たち。つい先ほどまで忠実なる部下だった者たち。
彼らの銃口に囲まれたまま、彼女はその録音テープを聞かされた。

 >>187
 『そして後者の理由……これは、ティーチャーとの接触で失われた……。
  奴は……推測だが、俺達の襲撃を望んでいる……
  俺達が襲撃を行ったその時、奴の何らかの望みは叶うのではないだろうか…。
  そう思い立ったとき、俺は襲撃の道を捨てた。
  俺はティーチャー……いや、リーア=ミノフスキーが大嫌いだからな』

シュウジ・アサギの『声』。
『ティーチャーは俺たちの襲撃を望んでいる』。
……薄々は、兵士たちも考えていたことだ。
まさかそれはあるまいと必死になって否定してきたことだ。
だが、こうして、参加者の中でも推察力では随一のシュウジの言葉として、聞いてしまったら。
彼らはもはや、この『元生徒』のティーチャーを信じることなどできなくなっていた。

「……これを聞いて、何か申し開きはありますか?」
「ないわ」

 バキッ!!

現時点で艦内の事実上のトップ・管制艦の艦長は、彼女の顔面を容赦なく殴り飛ばした。
渾身の拳を顔面に受け、『元ティーチャー』の小柄な体は打ち倒された。
倒れてなお、彼女は『キャット』の髑髏を手放そうとはしない――
まるで、それが彼女にとって最後の命綱であるかのように。

 *  *  *
221リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/21 22:23 ID:???
……ああ、そうか。
私は、彼らを買い被り過ぎていたのかもしれない。
あるいは、極限条件の下で、どれだけ思考力が低下するかということを、忘れていたのかもしれない。

 『盗聴』のことを知っていて。
 『襲撃の意図がバレている』ことを知っていて。
 『現場の最高責任者が襲撃を望んでいる』ことに勘付いていて。
 そして、『組織が艦の撃沈を望んでいるハズがない』ことにも思い至っている。
 私と直接会話を交わして、私がどういう人物なのかも薄々分かっている。

ああそれなのに、シュウジ・アサギ、なぜこの結果に考えが及ばなかったの?
なぜそれを無造作に口にしてしまったの?
その場には筆談のための紙とペンがあったのでしょう?
『管制側に知られて不利になる情報』をやり取りするための、筆談でしょうに。

それとも……運営側への反抗よりも、仲間(?)たちの希望よりも、私への憎しみの方が深かったの?
それほどまでに『リーア・ミノフスキーが大嫌い』なの?
もし、本当にそうだと言うなら……あなたは、私個人に対して、最大限の損害を与えたわ。
誇っていいわ。喜んでいいわ。
あなたに、地に倒れ伏した今の私を見せてあげられないのが、残念だけど。


けれど……まだ、私は、終わってない。まだ、一回負けただけ。
まだ、挽回のチャンスは、残っている………私の真の願いを叶えるための、挽回のチャンスは。
……ねぇ、そうでしょう? キャット?

 *  *  *

リーア・ミノフスキーは、現場の兵士たちの独断により、その場で拘束され権限を剥奪された。
これが、しばらく前に起きた出来事である。
……定期放送が予告なしに途切れてから、これで二回分ほどの時間が経ったことになる。


【リーア先生の行動:ハロY解体(−1p)、
          ハロYの部品の一部を『あるもの』の中に隠す(−1p)
          ハロYの外装を『あるハロ』と交換(−1p)
          移動(半ば強制的に)(−1p)、 拘束されて独房へ(−1p)】
【管制スタッフの行動:盗聴データ検証(−1p)リーア先生殴打&拘束(−2p)】
【位置:O-15】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 拘束され計画修正中】
【管制スタッフの行動:管理をつつがなくやり遂げる、裏切り者・リーア先生の処分を考える】
222シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/21 22:34 ID:???
>>202 >>217

「OK。俺の"切り札"と僅かに残っていた意志、確かに託したぞ。」
そう言うとベルクと握手を交わし、ディスクをノートPCから取り出すとベルクに手渡した。
同時に一枚の紙急いで書き上げ、手渡す

[使い方だが、先に"盾"と書かれているファイルを機体にインストールしておいてくれ。
 そして一番上のファイル、"unlimite melody"と書かれているのを起動させるだけだ。
 しかし、これだけは守ってくれ。起動させるのは最後、どうしようもなくなったとき。
 発動させるのは、その時だ。
 あと、これは無差別に攻撃するプログラムだ。
 これの影響を受けさせたくない全ての者に"盾"を渡しておけ。]
 
「……さて、俺が協力できるのはここまでだな。
 まぁ、後出来ると言えば助言程度だな……。」

そこまで言うと、目を閉じ、一つ、ため息をする。肩の荷が下りたような、そんな気分だった。
(これで渡すべき物は全て渡した……。
 後は……同じ優勝を目指す者、サーティア・クワンを殺すだけだが……。
 未だ戦闘中なのか、もう死んだのか、まさかとは思うが同盟したのか……
 糞っ、定期放送はどうした?これでは生きているか生きてないかも解らないじゃないか。)

「……ゼファー、定期放送までの時間は後どれぐらいだ?」
〔もし予定が守られたとしたら、あと数十分ですが……。〕
「最近は滞りがち、か。全く、貴重な情報収集源だというのに……。」
何か起こった、と言うのは間違いないだろう。
それが運営が不可能になるレベルではないとしても。
今、管制官では何かが起きている。この遅れ具合はそうとしか思えない。

(……何が、起きている?いや、まさか……起きようとしているのか?)

彼は気が付いてはいなかった。半分は彼が原因である事には。


【行動:ディスク譲渡(−1)筆談(−0)会話(−0)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン&ペズバタラ(書き忘れてました)】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝】
【同盟:なし】
ベルクもディスクを受け取ることに賛成してくれたらしい。
俺はジャベリンの足元に腰掛けながら、シュウジがベルクにディスクを渡すのを見ていた。
・・・これで俺たちは、管理者側への報復の第一歩を印した事になる。
これからまだまだするべき事は多いが、このまま当てもなく参加者同士で殺し合いを続けるより
はよほどやりがいのある作業だろう。

(・・・これからの行動には、より一層注意を払わなければならないな。攻撃を匂わせるような
 迂闊な言動を察知されたら、管制艦を取り逃がす原因になる。いや、だからと言って慎重すぎる
 のも考えものだ。こうしている間にも、空域はどんどん狭くなっていくのだから・・・)

ふと顔を上げると、ベルクとシュウジが握手を交わしていた。
それを見ながら考えを進める。

(慎重なのは勿論だが、行動は素早くしなければならないだろう。例え管理者側にばれずに管制艦
 が動かなかったとしても、そこへ通じる道が進入禁止空域になってしまったら逃がしたのと同じ
 事になってしまう。このカバーでは時限装置を無効にできないから、進入禁止空域を通り抜ける
 こともできないしな・・・)

一息ついたところで、ベルクが言葉をかけてきた。
俺は苦笑すると、紙に返答を書いてベルクに投げた。

[ベルクなりに気を使ってくれているんだろうが、はっきり余計なお世話だ。これを止めるという
 事は、俺に傍観者になれと言うことだぜ?冗談だろ?・・・管理者側に一泡吹かせるチャンスを、
 そうそう見過ごすわけにはいかないんだよ。いいか?これは一回きりの乾坤一擲の大勝負だ。
 お前1人が行動して失敗しました、じゃ済まないんだ。俺は、生きるために奴等に戦いを挑む。
 この思いは・・・誰にも妨げさせない]

・・・そうだ。
これは俺たちが自由を勝ち取るための、最初で最後の戦い。
俺が戦士として・・・そして人間として、他人に何ら恥じる事のない誇りある戦い。
この戦いは誰かに任せるのではなく、あくまでも自分で行うことに意義があるのだ。
奴等に戦士の戦いをを見せつける、最初で最後のチャンスなのだ。

(・・・そういえば・・・)

俺はふと思ったことを紙に書いて、シュウジに見せる。

[ディスクには機体の爆弾の処理法もあると言っていたが、その処理はこのデッキ
 の設備でもできるものなのか?昔デブリ回収やってたついでで解体も手伝って
 いたから、そっちの作業なら片腕でも何とかなりそうなんだが]

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    筆談(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ】
【行動方針:行動の考察】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
「……なんか、すっごく久しぶりな気がする。
 こうやって、直接触れ合えるのって。
 暫くこうしていたいけど……」

「……そうだな……」

微笑みには微笑みを。
止血の処置は続いていた。
やがて、応急処置が終わるか終わらないかというタイミングで、
予測していた振動がアビゴルを襲う。

「のんびりしてたら、私、死んじゃうね……。
 ……リナルド。私、サイコの所へ行かなきゃ……。
 確か、自分で乗り込んで……起動させなきゃいけないんだよね。
 大丈夫、コレくらいの怪我、なんでもない……」

「バカ。 なんでもないわけあるか……」

みっつ目の溜め息と共に紡がれた言葉にこそ諫めるニュアンスが含まれてはいたものの、
その声は安堵のものに違いなかった。

(まだだな……。
 まだ、俺の身体も崩れてない)

『二人とも、死んではダメよ。
 勝手に死んだりしたら、黒社会の総力を挙げて末代まで苦しめてあげるから。
 香港マフィアのお嬢様の怖さ、味わいたくないなら絶対に生き残りなさい』

「……あはは。イブさんが言うと冗談に聴こえないって。
 末代まで苦しめられちゃたまらないから……いよいよ死ねないかな」

「うちって、一応俺が末代なんだけどなあ……。
 ま、マフィアを敵にまわすってのは御免こうむりたいね」

よっつ目の溜め息は、トリニティの一人に送られた生存のサイン。
そこに、目の前に現れたガンイージから通信が飛び込んできた。

『他に機体はないの!?
 こんなボロくれてやるわ!
 アールセン! 貴方は私からこのガンイージを奪ったのよ! 良いわね!?

 それから何かオンボロでいいから、MS頂戴! 動けば良い! 何かあるでしょ!?
 薬品は一式ガンイージのコクピットに有るわ。治療用の器具は修理器具で代用しておいて!
 ムサイは標準ムサイね!? それならメディカルルームの位置は解る。
 それからヤクトドーガの投棄! ムサイ巻き込んで吹き飛ぶわよ!?』

「……リナルド。とりあえず私、サーティアさんの好意に甘えてみるね。
 少し休めば大丈夫だと思うけど……今は正直、格納庫まで行くのもツラいかも。
 今は、少しでも早く……首輪の恐怖から逃れたい」

そして、リファニアがサーティアというらしいガンイージのパイロットに格納庫の中身を説明する。
ならアビゴルでサイコまで送ろうかと申し出ようとして……リナルドは、申し出ることを止めた。
サイコガンダムMk-Uに乗せたくないというより、少しでもサイコミュに触れさせたくなかっただけだ。
大体、彼女のもともとの乗機はサイコガンダムなのだ。

≪続く≫

「そうだな……、わかった。
 サイコとHLV格納スペースのドッキングは外しておこうか。
 それから……」

ガンイージのコクピットに、ゆっくりとアビゴルを接近させつつ。
再び、以前の温かな口調で。

「サイコに乗るなら、サイコミュ……できるだけ切っておけよ。
 この状況で倒れられたりしたら、迷惑どころの話じゃないからな。
 俺だけならまだしも、イブさんにまで余計な負担を掛けるのは君としてもよろしくないだろ?」

しっかりと釘を刺し、アビゴルの左手をガンイージの右肩に掛けて固定すると、
リナルドはリファニアが繋いだ回線でサーティアに呼び掛けた。

「あんた、こっちに移れば格納庫まで送っていくぞ。
 どうする?」

そして、今までそうしてきたように、左手をリファニアのメットの上にぽんと乗せ。
今までそうしてきたように、微笑みと共に。

「もう、あまり無茶はしてくれるなよって、何度言わせたら気が済むんだか……。
 私物は置いていってくれれば俺がサイコまで運ぶ。
 君はその機体の中で休んでいるなりHLV格納スペースまで自力で来るなり、
 とにかく、無理・無茶のないようにな?
 俺としては、これ以上寿命を縮められたくはないしね」

冗談交じりといった趣の口調で、彼は最後に一言付け加える。
実際には冗談ではなく、8割方事実だったのだが……
リファニアがリナルドの症状を具体的に何も知っていない以上、
今、この場においてこれは“冗談”でしかない。
リナルド自身はそれでいいと思っていたし、彼女のために自分を削ることを躊躇う理由など
もはやどこにも無くなってしまって久しい。
今までは何か勘違いをしていただけだ。 自分を可愛がっていただけだ。
自ら炎に飛び込んだ時……あるいはこの場に掛け付けた時……または、それ以前かもしれないが。
剣ではなく、楯でもなく。 騎士として、共に歩む者として。
ようやく、抱え込んでいた矛盾をひとつ払い落としたのだ。
ただ、気付くのが遅かっただけだ。 もう気付いた。
だから、冗談で結構。 それでいい。

「……イブさん。
 ここでもいい、どこか落ち着けそうな場所で一旦休んだ方がよくないか?
 俺もリファニアもこんなだし……そっちも戦闘が終わったばかりだろ?
 機体の整備と補給もそろそろ必要だろうしね」

最後に、頼もしい仲間に一言告げると、彼は再び姫に向かってにっこりと微笑んだ。

【行動:応急処置終了(-1)、通信回線継続(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部・ミョーコウ/ブリッジ付近】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ヴィクトリー、ガンイージ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物(ラーズの遺品は放棄)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:三人で生還する/これから……】
【同盟:20番リファニア 03番イブ】
226リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/24 00:06 ID:???
(大分遅れて『いつもの放送』が始まる。……いや、いつもとは少し雰囲気が違う……?)

『……痛たぁ……まだ喋ろうとすると痛いですねぇ……歯が折れちゃったかな?
 もう、艦長ったら本気で殴るんだからぁ♪
 ……え? あれ、もう放送始まってるって? あ、失礼しました☆

 あ〜、え〜、定期放送ならぬ、不定期放送のお時間です♪
 少しトラブルがあって、放送が途絶えてしまっていました☆
 みなさん御迷惑をかけて申し訳ありません♪

 前の放送から今までの間に死んだ人はいないようですね。
 それでは、次の禁止区域の発表です

 『A-08』 『B-24』 『D-23』 『F-10』
 『H-02』 『K-09』 『K-22』 『L-16』
 『N-13』 『P-01』 『Q-08』 『S-15』
 『T-05』 『V-21』 『X-20』 『Z-12』

 以上、前回放送ができなかった分も含め、一気に16箇所が禁止区域になります。
 みなさん、ご注意を♪

 あ〜、それから、みなさんに悲しいお知らせです。
 先生、ちょっと用事ができて、ここを離れなきゃならなくなりました。
 いつまでかかるか、そもそも戻ってこれるかどうかも、今の時点では分かりません。
 というわけで、下手したらこれで永遠のお別れかもしれませんね♪
 ちなみに、私の不在中は、管制艦の艦長さんが先生の代わりをしてくれます。
 定期放送も彼がしてくれますが、彼は忙しいので多少時間がブレるかもしれませんね♪

 みなさ〜ん、代理の先生のとこでもちゃんと頑張るんですよ〜。
 悪いことばっか考えてた子も気をつけて下さいね〜。艦長先生は、私よりも厳しいですよ〜。
 悪巧みだけならともかく、実際に悪さしたら、私みたいに優しくないでしょうから☆
 『レウルーラ』には『ギラドーガ6体』いるし でも人手全然足りないから『対空砲火は甘い』んですよね
 『V-27』の『ゲート』から応援来るのには時間かかるだろうs
  ~~~~~
 (バキッ!!)ヒッ! (ドガッ!!)ぐぇッ! (ゲシッ!! バシッ!!)

   (……ブチッッ!!)』

(妙に早口になった最後の文章を強引に断ち切る、重い打撃音。かすかに聞こえる悲鳴と呻き声。
 そして唐突に切れる放送。
 ……久しぶりの『定期放送』ならぬ『不定期放送』は、不穏な余韻を残して終わった)

【リーア先生の行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【管制スタッフの行動:リーア先生殴打(−1p)放送を中途で打ち切り(−1p)】
【位置:O-15】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 最後のお仕事・不定期放送】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、裏切り者・リーア先生への対処】
227リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/24 00:08 ID:???
第14章 >225 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
10□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   
11◎■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎×   
13◎◎◎×◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎□■■99□◎□×□□■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎×□□00◎□◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□03▼×◎□
21※◎※◎□◎◎□◎□▼×▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22×◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。91番は管制側所属のギラドーガ1号機。
01・07・14は同一地点。03・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。

01シュウジ 03イブ 07ベルク 11サーティア 14レイモンド 15リナルド 20リファニア
228リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/24 00:08 ID:???
……放送を打ち切っても、なお『艦長』の激情は収まらなかった。
殴られ倒れ、足元で身を丸める女に、なおも蹴りを叩き込む。
つま先が腹に食い込み、女はさらに吐瀉物を吐き出す。

「ハァ、ハァ……コイツめ、コイツめ……!」
憎々しげに蹴りを叩き込みながら、かつての上司・『元ティーチャー』を見下ろす。
――この女を、ブチ殺してやりたい。
それが彼の偽らざる気持ちであり――周囲を取り囲む兵士たちにとっても、それは同じだった。
『上層部』からの『命令』がなければ、このままリンチを続けて殺していたに違いない。

『裏切りの司令官』リーア先生を拘束した兵士たちは、上層部に指示を仰いだ。
ティーチャーの行動が許し難かったとはいえ、これは一種のクーデターである。
艦長をはじめとする兵士たちは、上層部に対する叛意はないことを釈明する必要があったのだ。
……事情を聞いた上層部は、彼らの罪を一切問わないことを約束した。
ただしその代わりに、いくつもの条件を出してきたのだ。

 リーア・ミノフスキーに、今まで溜まった分の定期放送をさせること。
 放送終了後、リーア・ミノフスキーに『ゲート』まで出頭させること。
 彼女に対する正式な裁きと罰は、上層部が直接判断して決定すること。
 決して現場の独断でリーア・ミノフスキーを殺さないこと。
 そして、彼女が場を離れている間の、管制艦運用に関する細々としたこと……
  例えば、別命あるまでこのエリアから艦を動かしてはならないこと、など。

……しかし、放送の内容についての指示は一切なく、ゆえにあれは全て彼女の独断ということになる。
管制艦の戦力を暴露し、管制側の内情を覗かせ、そしてよりによって『ゲート』の存在を明かし。

「貴様はッ……! 叛意の明らかな生徒どもに情報を流すような真似をしてッ……!
 我々を殺す気かッ!! 生徒の味方をする気かッ!!!」
「……だ……じゃない……」

艦長の罵声に、彼女は苦しそうな小声を返す。
一連の暴行で肋骨でも折れたのか、彼女は脂汗を額に滲ませ、声にはまるで力がない。
苛立ちも露わに、艦長は彼女の髪を掴んで無理やり引き起こす。

「何だって? 今何といった!?」
「……あなたたちが死んでもいいと思っているのは……私だけじゃない……
 ……上層部だって……ここにいる人間を切り捨てる覚悟がある……」
「!!!」

涙と汗と吐瀉物でグチャグチャになった顔のまま、しかしなおも彼女は嘲う。
その言葉に、艦長以下の兵士たちは金縛りにあったように動けない。
229リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/24 00:09 ID:???
「……艦長……あなたは、『元の時代』でどんな犯罪を犯してきたのかしら?」
「!!」
「艦長だけじゃない……この艦に今乗っている人たちは、どれも『帰る場所のない』人々。
 犯罪者、逃亡者、敗戦国側の戦犯、切捨てられたスパイ、故郷を失った者――
 『元の時代』で居場所を失い、時を越えて“組織”の人間にスカウトされた人々。
 その中でも、“組織”内での地位も実績も低い、立場の弱い人間たち……
 時を越えられる“組織”にとっては、いくらでも補充の利く人間。
 “生徒たち”とほぼ同等の価値しかない存在なのよ」
「……黙れ、黙れ、黙れ!!」
「黙らないわ。だってそうでしょう?
 組織の中でも、小惑星基地に留まっていた『高位の』人たちは、既に脱出したわ。
 あなたたちは、見捨てられたのよ――私と、一緒に」

そう、すでに、“組織”内で高い地位にいる人々は、安全な場所に移動している(12章>256参照のこと)
あるいは、最初からこの場になど来ていない。
参加者の生死を賭博の対象にしながら、高みの見物を決め込んでいる。

「あなたたちも、そして私も――“参加者”なのよ。
 生徒たちよりも有利で、生徒たちとは違うルールに縛られているけれど……ね。
 生徒たちが徹頭徹尾“生徒同士の殺し合い”を拒絶した時、
 それでもなお“殺し合い”を成立させるための“隠し参加者”――それが、あなたたちよ」
「…………」
「ま、頑張りなさい。生徒たちに比べたら格段に有利な条件が与えられているんだから。
 無事に生き残れば、“組織”内での地位も上がるでしょう。
 次からはもう少しマシな場所に配属してもらえるはずだわ」

艦長たちに、言葉はない。
『格段に有利な条件』――確かに、そうかもしれない。
彼らの位置は分かるし、会話やバイタルサインも全部手にしている。
彼らの『直接攻撃』があった後ならば『首輪爆破』も許されている。
レウルーラの戦力を100%出すに足る人員はいないが、持っている戦力は彼ら全員よりも上だ。

しかし――彼らには、覚悟と必死さがなかった。
つい先ほどまで、“管理側”という立場に甘んじ、油断しきっていた彼らである。
心の中に不安が膨らんでいくのを、止められなかった。

 *  *  *

大雑把な、あまりにも不十分な応急手当をされただけで、彼女はコアブースターに乗せられた。
彼女の手元には例の髑髏。周囲には赤・黄・紫の3体のハロ――青いハロはいない。
コアブースターには、寄り添うように一体のギラドーガがついている。

「いいの? 貴重な戦力を私の『お見送り』なんかに使ってしまって」
「あなた一人を勝手に行かせたら、何をしでかしてくれるか分かりませんからね。
 変な動きをしたら、後がどうなろうとも撃ちます。いいですね?」
「はいはい♪」

コクピットに銃口を突き付けられたまま、コアブースターはギラドーガを乗せてゆっくりと発進する。
裁きを受けるために。あるいは、最後の悪あがきをするために。


【リーア先生の行動:部下たちに真実を告げる(−1p)、コアブースターに移動(−1p)、
          発艦(−1p)、移動(O-15→O-16)(−1p)】
【管制スタッフの行動:リーア先生に殴る蹴るの暴行(−2p)、リーア先生に応急手当(−1p)
          ギラ・ドーガ1体発艦(−1p)、移動(O-15→O-16)(−1p)】
【位置:管制艦O-15、リーア先生O-16】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、リーア先生からこれ以上悪影響を受けないようにする】
>>222 >>223

(レイモンドの意思も堅そうだな・・・・・。)

レイモンドがシュウジに何か書いた紙を渡したときに
まだ、聞こえるはずの無い声が聞こえてきた。

>>226

「どうするシュウジ?土壇場になって分岐点が増えちまったぞ。」

そう良いながら、紙に文を書きシュウジとレイモンドに渡す

[やはりティーチャーとその他の奴等の意向に相違点が合ったらしいな。
そして、ティーチャーの何らかの思惑が漏れたか何かでそれがバレた腹いせか
生徒達(俺達に)重要な情報をわざと流した・・・・・・・と言う考えが一つ

あるいはもっと深い罠を張っていると見るべきか・・・・・どちらにしても
新たな状況が増えたことと嘘か本当か奴等の戦力および状況が見えたことについて
俺的には”チャンス”だと考えている。
言葉の後に流れてきた多数の雑音からして信じても良い情報のような気がする
お前も言ったとうりティーチャーが襲撃を望んでいて、襲撃中のどさくさに紛れて
何かをするつもりだったかもしれない。
それを察知され今の現状に至った、と俺は考えたんだが
現にティーチャーの動きがあった。これを機に”ティーチャーの捕獲”と言う考えが浮かんだ
今、奴は”ティーチャー”という立場を失った同時に俺達の影響力も無くなったと思う
『V-27』の『ゲート』と”ここを離れるという”キーワード”からそこに
何かがあるのは誰にでも想像がつくだろう。
確証と情報を手に入れるため”ティーチャーの捕獲”するか
マップの座標に無い『V-27』の『ゲート』に即向かうか・・・・・・・
二者択一、これは俺の考えだ他に思うところがあるなら意見してくれ
出来るだけ早く決断して行動に移したい・・・・・こんな状況は今だけしかないだろうから]

二人に渡したメモとは別にシュウジにもう一枚メモを渡す

[それと、シュウジ。
いくらお前が計算高い男でもそれを予想しての会話だったのか?]

【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
>>224-225
『そうだな……、わかった。
 サイコとHLV格納スペースのドッキングは外しておこうか。
 それから……』

以前と同じ穏やかな口調で、リナルドはリファニアに言葉を返す。

『サイコに乗るなら、サイコミュ……できるだけ切っておけよ。
 この状況で倒れられたりしたら、迷惑どころの話じゃないからな。
 俺だけならまだしも、イブさんにまで余計な負担を掛けるのは君としてもよろしくないだろ?』

まるで妹を嗜める兄のように、穏やかながらも、しっかりと釘を刺すリナルド。

「……うん、たしかにね。ただでさえ迷惑かけちゃってる私だもん。
 少しは自重しないと、とっておきのデコピン喰らいそう。
 ……イブさんは、それどころじゃ済ませてくれなそうだしね。」

リナルドとモニターに映るイブに、ばつが悪そうに微笑みながら、ぺろりと舌を出すリファニア。
……こういった遣り取りも、本当に久しぶりだ。
本来は、こんな事をやっていられる状況ではないのだが、心の余裕を演出するには、悪くない方法だ。

サーティアに、アビゴルに移るかどうかを訊いて後、
リナルドはリファニアのメットに掌を乗せ、微笑みと共に言葉を向けてくる。

『もう、あまり無茶はしてくれるなよって、何度言わせたら気が済むんだか……。
 私物は置いていってくれれば俺がサイコまで運ぶ。
 君はその機体の中で休んでいるなりHLV格納スペースまで自力で来るなり、
 とにかく、無理・無茶のないようにな?
 俺としては、これ以上寿命を縮められたくはないしね』

最後に付け加えられた言葉の意味には、リファニアは気がつかなかった。
……それは、ただの冗談だと思っていた。
リナルドの微笑みが、あまりにも穏やかすぎたからかも知れない。

「リナルドがいくら年上だからって、寿命を気にするほどお爺ちゃんじゃないでしょ?
 ……信用ないかもだけど、ほんと、自重します。
 疑うなら、私の目を見て……これが嘘を言っている目?」

だからリファニアは、いつも通りに、微笑みで以ってリナルドに応える。
……わずかに頬を染めた、恋人に向ける微笑みで以って。

リナルドが、イブに向かって休息の提案をする。
……リファニアも、休みたくてたまらなくはあったが……。

リナルドの微笑みに対し、再び微笑みで以って返して後……リファニアは、少し真面目な表情になる。
今後の基本方針を決めるのならば、幾つか言っておきたい事があったからだ。

ミョーコウの中には、数々の大切な遺産が残されたままだ。
この先の戦いで、必ず力となってくれるであろう……ミョーコウの遺産となってしまうかも知れないものが。

「それよりも先に、火災を何とかしないと。
 この艦の中には、まだ使えるものが沢山あるはずだよ。
 例えば、メガバズーカランチャーとか……ね。」

だが、二人の会話にリファニアが割り込んだ途端……。
話の流れを切りかねない程に衝撃的なものが、コックピット内に流れた。
>>226
すごく……すごく久しぶりの定期放送。
その内容は、今まで流れた定期放送の中で、群を抜いて衝撃的な内容であったと思う。
殴打されるような音で締められた、あまりにも多くのメッセージが含まれた、定期放送。

「……リーア=ミノフスキー……?」

リファニアの表情が、驚愕の表情を浮かべたまま、固まった。
やはり、リーア=ミノフスキーは、忠実な管理者ではなかった。
かつて接触したリファニアと……少なくとも、共に接触したリナルドには、それが解っていたと思える。
……そしてそれは、ついにリーアの身に災厄となって降りかかった。

自分達の生命を、彼女の目的を果たす為……それが何かは解らないが……の駒にしようとした事。
それは、絶対に許せない。
だが、許せないだけで完結する程、彼女に抱く想いは、単純ではなかった。
……彼女も奪われ、そして抗う者だからだ。
リーア=ミノフスキーの存在が敵の隙を生み出す原因になるのならば……最大限、利用してやる。
それを以って、彼女の贖罪と見なしてやっても良い。

リーア=ミノフスキーが先生たる権利を剥奪された事。
……このタイミングでそれが起こった事は、あまり歓迎できないかも知れない。
代理人は、彼女と違って真面目な管理者だろう。
……反抗的な生徒に対しての処罰は、より厳しくなってくる筈だ。

だが、リファニアは、心の奥底でほくそ笑んでいた。

激情にまかせて先生を殴打する……おこりんぼさん。
リーア=ミノフスキーに比べて、かなり役者が落ちるんじゃない?

……それに、リーア=ミノフスキーの最後の言葉。
レウルーラ……。
艦内部の事はさすがに知らないけど、その特性なんかはバッチリわかる。
……対空砲火の薄い部分もね。
ギラ・ドーガ6機……。
明らかに、戦力不足よね。運用面では、極めて優れた機体。
でも、あの時代の量産機は、単機の戦力は、重視されていないの。
圧倒的な火力と防御力を誇るMAに太刀打ちするには、いかにも荷が重いのよ。
戦史がそれを……何よりも物語っているの。
αに捻り潰されるジェガンのように……私のサイコで薙ぎ払ってやる。

それに、一番気になる言葉……『ゲート』……門?
V-27……エリア外、か。
どんな物かは解らないけど……間違いなく、脱出の鍵となるモノね。

……こんな思考は、前のリファニアではありえなかったと、自身で自覚していた。
まるでシェラが耳元で助言してくれているみたいで……心強かった。

リファニアは、その瞳に強い決意の光を宿しつつ、リナルドに顔を向けた。
言葉は、発さなかった。発さずとも、リファニアの意志はリナルドに届いていたはずだ。
……リナルドもおそらく、同じ想いを抱いている事だろう。

ふと、思い出した事があった。
艦橋で見た、幾つもの輪っかの事だ。
……あれは、リナルドか、イブかは解らないが……仲間が用意した物に違いない。
そして、艦長室でリナルドがイブに渡した大き目の首輪……おそらく、抗うための鍵となるモノ。
艦橋に浮かんでいたあれは……間違いなく、それと関係がある代物だろう。

「ねえ、リナルド。私、艦橋で、大切なもの見たかも知れない。」
両手で輪っかをつくろうとして……左手が動かない事を思い出す。
少し物悲しそうな表情を浮かべるが、すぐにその表情は掻き消えた。
……夢は、消えてはいないから。
右手で左手を支えるようにしながら、輪っかをつくるリファニア。

「……こんなのが、あったの。大切な、モノだよね?」

大切な事を告げた後、にこりと微笑んで、リファニアはリナルドに抱きついた。
ヘルメットを脱いで、リナルドのヘルメットのバイザーをあげると、彼の唇に桜色の唇を、軽く重ねた。
軽く……今は、あくまでも軽く。
自分が抑えられなくならないうちに、離れないといけないから。

「……じゃあ、ガンイージのコックピットに行ってくるね。
 私の荷物は、リナルドの言うとおり、置いておくよ。」

リナルドの唇より桜色の唇を離し、リファニアは吐息がかからんばかりに顔を近づけたまま、
囁くように語りかけ……リナルドより、離れた。
日記帳とペンをサイドポケットに入れ、壊れたギターを手にとったリファニア。
暫くギターを眺めた後、なかば押し付けるように、リナルドに差し出した。

「……これも、預けておくからね。」

……この役割は、リナルドにやってもらうの。
だから、私の夢は、壊れた事にはならないの。
アレンは、イヤがるかな?
でも、これは私がリナルドに課した贖罪なの。
リナルドは、逃げる事は出来ないんだから。
         イ キ ノ コ ル
絶対に―――逃がさない―――。

再びにこりと微笑みかけて、リファニアはヘルメットを被ると、よろめきながらも立ち上がった。
リナルドがバイザーを閉めるのを待って、アビゴルのコックピットハッチを開く。
リナルドが気を遣ってか、すぐ傍に寄ってくれていたので、
ガンイージのコックピットに移るのはそう辛くは無さそうだったが……。

……視界が朦朧として、上手く距離を掴めない。

それでも何とかガンイージのコックピットに乗り移ったリファニア。

「……きたよ、サーティアさん。これからよろしくね?」

ガンイージのコックピットの縁に立って、サーティアに右手を差し出す。
……いざ乗り込むとなると、さすがに若干の緊張を伴う。
彼女が殺そうと思えば、今のリファニアほど恰好の獲物はないだろう。
だが、リオンの笑顔を見たリファニアは、それはありえない事だと信じていた。

【行動 : フレンチキス(-1)、ガンイージに移る(-1)、あくしゅ(-1)、残1 】
【位置 : V-20(要塞内、港、ガンイージのコックピットの縁) 】
【機体状況 : ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(応急処置)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、軽い脳震盪 】
【武装: ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢……でしょ?』、自分の意志で生きる、けじめはつけた? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、11 サーティア=クワン? 】
234イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/24 22:45 ID:???
「あら、驚いてくれないのね。
 ちょっと残念だわ。新鮮なリアクションを期待してたのに」

それはあくまで余裕の演出。
実際には自分たちに与えられた猶予など、極々限られた代物でしかない事は愁林とて重々承知している。
けれどもそんな状況だからこそ、焦燥に心を奪われてはならないのだ。

 鉄の味が鬱陶しい。
 鬱陶しいから、意識の外に追いやる。

『……イブさん。
 ここでもいい、どこか落ち着けそうな場所で一旦休んだ方がよくないか?
 俺もリファニアもこんなだし……そっちも戦闘が終わったばかりだろ?
 機体の整備と補給もそろそろ必要だろうしね』

「休めるだけの時間的な余裕があるかしら。
 ……そうね、今後の動き方についても話し合っておいた方が良いでしょうし。
 休息をとるかどうかはともかく、落ち着けそうな場所を探すのは悪くないわね」

モニター越しに二人の仲睦まじい様子を見つめていた愁林は、リナルドからの問いに暫し思案してからそう答えた。

 ロザリオが温かい。
 この温もりは、込められた想いが与えてくれるもの。
 それだけだ。

「ここの基地の中に、まだ使えるドックが残っていれば良いのだけれど。
 基地の見取り図、データがあれば送って貰えないかしら?
 無ければ、適当に管制室の端末から呼び出してみるわ」

そんな提案と共に、リナルドから預かっていた端末をさりげなく掲げてみせる。
                                         ジョーカー
その中に伏せられているのは、彼が見出した生き残るための最後の切り札。
ゲームのルールをぶち壊し、胴元に喧嘩を売る為の重要なデータ。
少女と青年とが、夢を掴む為に欠かすことの出来ないそれを、愁林は文字通り体を張って守り抜いた。
如何なる事情があったかは知らないが、伏せた札をひっくり返すタイミングは胴元側からもたらされた。
後は、ジョーカーを元の持ち主に返すだけ。

愁林の視線がガンイージに向けられる。
つい先程まで殺しあっていた相手が、今は心強い味方になっている。
つくづく、この世はお人好しで満ち溢れているようだ。

    スミンツァンゾミンイウン
―――使命創造命運……ね。

何時だったか、今は亡き母親から聞かされた言葉。
それをふと思い出し、彼女はロザリオから手を離した。
235イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/08/24 22:46 ID:???
【行動:アビゴルとの回線継続(-0)、リナルドへの提案(-0)】
【残り行動値:4p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:腹部軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷、(?)】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)
      コンパネ、端末】
【行動方針:切り札を返す、皆が生き残るために最善を尽くす】
【同盟:リナルド、リファニア、サーティア】
236シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/24 23:41 ID:???
〔マスター。定期放送予定時間を過ぎました。〕
「……まぁ、禁止区域は増えないし、いいんだがな……。」
結局、予定されていた時間に定期放送はなかった。
その事が、シュウジの中で疑問を着実に大きくしていた。

(……只の気まぐれとかにしては、期間が長い……。
 何かあったにしては、何らかのアクションがなさ過ぎる……。
 向こうも、混乱している……?)

>>223
「ん?」
思考は、レイモンドによって止められた。どうやら、解体法について聞いているようだ。
とりあえず、返事を書く。時間的余裕が無い分、このような筆談がもどかしく感じる。

[本格的な設備は必要ない。簡単な電子工作の工具と、長いコードがあればそれで十分だ。]

そう書いた返事を渡すと、再び思考を張り巡らす。

(通信装置の只単なる事故……あり得ないでもないが、
 未来の人間である奴らが修理にこんなに時間がかかるとも思えない。
 上……有るのかどうか知れないが、奴らの上司に当たる奴らにティーチャーが呼び出された……。
 いやしかし禁止区域の更新もなされないと言うのはおかしいか?
 ……反乱?
 ……誰が?)

「……リーア=ミノフスキー???」
〔マスター、定期放送です!〕
「!」

>>226
「……おいおいおいおい……ってまさか……。」
久々の"不"定期放送。内容はいろいろな意味で興味をそそるものだ。
そして、一つの事に気が付いた。

「そのまさか、だよなぁ……。」
(さっきの会話……。確かに、ティチャーに反乱の兆しがありそうだと言ったが……。
 しかしそれはあくまで"憶測だが"と言う言葉を挟んだ上での発言だ。
 それを解っていながら一参加者の言葉を本気にして、上(?)へ送還するとは……。
 しかし何故、そのような反乱分子に放送を任せる?情報を漏らされる危険性を孕みながら。
 情報が上手く伝わってないのか?上と現場レベルの意見の食い違いか?)
237シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/24 23:43 ID:???
>>230
『どうするシュウジ?土壇場になって分岐点が増えちまったぞ。』
「……考え中だ!」
思考を中止されて、思わず大声になってしまった。それに気づき、すぐに「すまない。」と付け加える。
そして、もう一度思考を始めようとしたが、ベルクがなにやら紙を書いていたので、中止する事にした。
しばらく待っていると、書き上げたのか紙を渡してきた。さらに、こちらにだけもう一枚。
大きい方のメモを二度、小さい方は一度読むと、返事を書く。

[捕獲する事によるメリットが低くないか?
 まぁ、奴が首輪の解除コードを持っていれば話は別だが。
 そしてゲートとやらに行くのは問題外だ。時限装置の都合上、本気で"逝く"ことになりかねない。

 ……もし、ティーチャーを捕獲する場合、
 レーダーに入るなり通信もさせる間もなく、一撃でその輸送している何かのコックピットを
 ティーチャー以外だけ破壊する必要がある。
 しかも、管制者にその用事であそこまで言ったという事を悟られないように別の理由でティーチャーの元まで行って。
 ……難しくないか?

 後、この事態は予測していなかった。
 流石に、一参加者の憶測をここまで本気にするとは思ってなかった。

 もう一つ。俺はそろそろ此処を出るぞ。
 今思い出したんだが、三方を危険区域に囲まれた場所にはあまりいたくない。]

……あの放送の所為だろうか。少し、頭が痛くなってきた。半分は自分の所為なのだが。

「いわゆる自業自得……か。」

【行動:筆談(−0)会話(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:U-22 デッキ】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 通信中 ジャベリン&ペズバタラ】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 ……?】
【同盟:なし】
シュウジから返ってきた答えは、予想外に簡潔なものだった。
まあ簡潔ではあっても意味は通じているから、問題はないわけだが。
それによると機体の爆弾の処理は、大掛かりな設備がなくともできるものらしい。
…シュウジに言われた物であれば、このデッキの中でも揃える事ができそうだ。

(あとは事務室にあったパソコンを使って、ディスクの中身を確認して…作業はそれからだな。
 MS2機の処理にかかる時間は……)

そこで割り込んできた放送で、俺の思考は一旦中断を余儀無くされた。

久し振りに聞く、先生の定期放送。
先生の口調は今まで通り明るく、異常があったようには聞こえない。
だが、内容は今までの放送と明らかに違っていた。

(……)

俺は手元の紙に、気になるフレーズをなるべく手早く書いていく。

(用事…離れる…永遠の別れ……艦長……レウルーラ…ギラ・ドーガ×6…人員不足で対空砲火
 減少…V-27のゲート………)

とにかく耳に残った言葉を紙に書いていく。
そして最後に柔らかいものを殴るような音と共に、放送は途切れた。

再び訪れた沈黙の中、今の放送の内容を考える。
…管制艦(レウルーラというのか…)で先生の身に何かが起きた事は確実だ。
自分で用事で離れると言っている以上、殺されたという事はないと思うが……最後のの扱いから
して、用事で離れるというよりは、シュウジが言っていたような何らかの企みがばれて、出頭を
言い渡された…と考えた方が自然かもしれない。

(ん……?シュウジが…『言って』いた?……もしかして、さっきの、あれ…か?)

少し強引な考えだが、他に先生があのような扱いを受ける理由が今は見当たらなかった。
だがそう考えると、辻褄が合うのも確かだ。
何よりも結果的に今の放送は、管制艦の弱点をいくつか如実に示してくれた。
現時点では無理でも、いずれはこれを利用しない手はない……。

放送があってから何かを書いていたベルクが、俺に紙を手渡してきた。
内容は予想通り今の先生の放送について……。

先程の放送で、このエリアの周りは進入禁止空域に囲まれてしまったらしい。
時間がない事を察知した俺はベルク答えを書いて渡したあと、その場から立って歩き始めた。

(続く)
[確かに罠についての可能性は捨て切れない。ただ、ベルクの端末を向こうも知っている以上、
 可能性自体は低いものだと思う。待ち伏せをしても端末に表示されてしまうからな。…今1
 番怖いのは、先生がいなくなった事で管制艦が進入禁止空域に移動してしまう事だ。
 ベルクは管制艦の動向を注意してくれ。
 
 先生の保護についても、結局は向こうの動向次第だろうな。ゲートを使うのならこの付近に
 来る可能性はあるが、早々に進入禁止空域に入られたら俺たちにはどうしようもない。
 
 あと、そのゲートについてだが…。これは今は気にする必要はないだろう。俺たちの持っている
 首輪カバーではあそこまでは行けないし、例え行けたとしても情報が少なすぎる。
 先生は放送でゲートの存在を話したが、それがどのようなものかは全く話してはいない。
 たしかにそこに行けば、ゲートはあるかもしれない。…だからと言って、それが俺たちに使え
 るものとは限らない。何らかの許可証が必要かもしれないし、パスコードの入力も考えられる。
 普通、『門』は外部からの侵入者を防ぐ為に設置するものだ。……当然それを開ける事ができる
 のは……内部の人間、という事になる。
 そう、リーア=ミノフスキー。
 これだけでも先生を保護する価値はあるとは思うんだがな…。

 じゃあ俺は機体の爆弾を処理する為の道具を探しに行ってくる。まずは爆弾の処理を済まさない
 事には、今後何も行動できないからな]

俺はさっき、事務室の隣に見つけた倉庫へ行ってみる事にした。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)筆談(0)
    倉庫に移動(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ】
【行動方針:行動の考察、機体の爆弾の処理】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
>>237

何かを考えていた最中だったのか、シュウジが怒鳴るような口調で
返事をした。その後言いすぎたと思ったのかすぐに謝ってきた。

「いや、俺の方が悪かったすまない。」

流石にこちらも、この状況下で
ふざけたような言動をしてしまったことに謝る。

そして、シュウジが即急に思いついた作戦についての
返事が返ってくる。
もう一つの方はやはり偶然だったらしい

それについての返事を書き、シュウジに渡す。

[それよりは少し楽かもしれん
 ティーチャーは今コア・ブースターに乗っている
 数人の護衛はついているだろうがさっきの情報が正しければ
 レウルーラにはギラ・ドーガ6機といっていたなら、
 多くて2機、少なくとも1機はついているだろう
 高性能だがまだ何とかなるかもしれない
 それにティーチャーが、奴等を良く思っていないなら
 俺等を利用しようと考え、その為に一時期だけでもこちらの要求を
 飲むかもしれない。]

「最後に、状況が変わってもその様子では以降の協力はしてくれそうに無さそうだな
 だが、十分協力をしてくれて感謝する。
 気をつけろよ1ブロック進むだけで相手の索敵範囲に入る。すぐ近くにいるからな。」

>>239

レイモンドの意見は少々問題があると書いてはあるが納得してくれたらしい
その紙を俺に渡した後、レイモンドは倉庫に移動した様だ。

「レイモンド。片腕だけでは不自由するだろう、
 手伝って欲しいことがあったら遠慮無く言ってくれ。」

【行動:レイモンドとシュウジに通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)】
【残り行動値:4】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
241通常の名無しさんの3倍:04/08/26 00:36 ID:???
第14章 >240 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎□■■99□◎□◎□□■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎◎□□00◎□◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□03▼◎◎□
21※◎※◎□◎◎□◎□▼◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎◎□◎□□□□◎01◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎□◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。91番は管制側所属のギラドーガ1号機。
01・07・14は同一地点。03・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
その倉庫の中はかなり整然としていた。
使っていた人間が几帳面なのか、それとも元々誰も使っていなかったのか。
今となってはどうでもいいことだが、散らかっているよりかは探しやすくて良かった。

(電気工具と…コード、だったっけな)

ここはデッキを使っていた船――といっても小型艇だろうが――を整備する為の道具などを
置いてある所らしい。
所々に何かのスペアのような部品が置いてある。
それを横目で見ながら、棚を端から調べはじめた。


『レイモンド。片腕だけでは不自由するだろう、
 手伝って欲しいことがあったら遠慮無く言ってくれ』

ベルクからの通信が入ってきた。
俺は少しだけ棚を漁る手を止める。

(…ベルクの手が空いているようなら、事務所のパソコンでディスクを爆弾処理のところを
 プリントアウトしておいてもらいたかったが…)

俺はそれを口に出せなかった。
さすがにディスクの事を管理者側に聞かれるのはヤバいと思ったからだ。

例の艦長とやらが本当に先生の業務を行っているのなら、そして、リーア=ミノフスキーが
言ったように厳しい人間なら、些細な事で首輪、若しくは機体を爆破されかねない。

(それだけは何としても避けなければ…)

そこで棚の下にあった、大きめの工具箱が目に入る。
開けてみると……そこには俺の期待通り、ドリルやカッターなどの電気工具が入っていた。
俺は頷くと、今度はコードを探して中を見渡していく。

「ベルク、聞こえるか?もう少し待っててくれ。すぐに終わると思うから」

ベルクに簡単な通信を入れると、手早く棚や壁を探していった。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    倉庫で道具探し(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ】
【行動方針:行動の考察、機体の爆弾の処理】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
243シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/26 22:50 ID:???
>>240
「ま、最善を尽くせ。だが、諦めるな。
 諦めて優勝を狙おうというのならば、俺はお前達を敵と見なし、殺す。
 狭いフィールドだ。言う必要はないだろうが言っておく。
 さらば、だ……。」
そう言うと床を蹴り、ビギナ・ギナの元へ戻り、コックピット内に入るとハッチを閉め、ヘルメットを脱ぐ。
そして、左目を覆っていたガーゼと包帯を取り、恐る恐る左目を開けた。

「……見える、な。塞いだままよりはましそうだな……。
 よし、ゼファー、移動を開始する。目的地はU−21。目的は武器調達。それらしき倉庫を検索しておけ。
 最悪の場合、サイコMK−2を相手にする可能性がある。もっといい武器を集めとかないとな。」
〔了解、ルート検索を開始します。〕
「警戒レベル二桁上げ、内部隔壁を開けるから最短距離で移動しろ。移動開始。」
〔移動、開始します。〕
通路を進むビギナ・ギナ。そして、次々と解放される小惑星各隔壁。
三歩進んだ頃には小惑星の内部隔壁は全てが解放を終えていた。

「……さて、殺し合い再開といこうか?」
〔現状ではムサイ同盟と闘って勝てる可能性は低いですよ?〕
「……だから武器調達するんだよ。」
〔したとしても、です。〕
「……そこは知恵。どうにかなるだろ。脱出と襲撃を画策するよりは。」
〔下手に私を使って内蔵が破損しなければいいですが。〕
「笑えねぇ冗談だなぁ……。」
〔私は冗談と言えどもマスターに嘘は言えないはずですが……。〕
「……はぁ。」
ため息をつく。また頭痛が悪化しそうだ。これは自業自得なのだろうか?


【行動:会話(−0)傷の様子を見る(−0)U−21へ移動(−1)隔壁解放(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-21】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
        フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 武器調達 ムサイ組の動向調査】
【同盟:なし】
244艦長先生代理 ◆UktGzzmQ/o :04/08/29 00:02 ID:???
(聞きなれない、威圧的な男性の声で定期放送が始まる)

『前回の不規則な放送から間もないが、定期放送の時間である。

今回指定される立ち入り禁止区域は次の8箇所である。
『C-20』 『H-06』 『J-03』 『M-10』
『Q-16』 『U-15』 『W-24』 『Z-08』

前回の放送で少々不適切な内容もあったが、真に受けないように。
改めて言うまでもないことだが、
貴様ら『生徒』が生き残る方法はただ一つ、他の『生徒』全員の抹殺である。
ゆめゆめ忘れぬように。

以上だ』

(尊大に、ぶっきらぼうに言い捨てると、放送が途切れる。
 そこには、今までの『ティーチャー』にあった遊び心も余裕も何もない)

【管制スタッフの行動:定期放送(−2p)】
【位置:管制艦O-15】
【残り行動値:∞】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる】
245リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/29 00:03 ID:???
第14章 >244 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎□92■99□◎□◎□×■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎◎□□□◎×◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎00□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□03▼◎◎□
21※◎※◎□◎◎□◎□01◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎×◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
07・14は同一地点。03・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
246リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/08/29 00:04 ID:???
「……もっと速度は出ないのですか?」
「Gがかかると折れたアバラが痛むのよ。見える、この脂汗?
 これで精一杯なのよ」
「ではせめて禁止区域になっている暗礁空域を通りましょう」
「暗礁空域って、岩を避けるたびにGがかかるのよね……」
「…………」
「私も、なるべく問題なく行きたいんだけどね。無駄に怪我しちゃったからねぇ」
「……では、できるだけ速やかにお願いします。これ以上の厄介事は御免ですから」

 *  *  *

「さて……我々はこれからどうするべきか、意見のあるものは率直に言ってくれ」
「艦長。私たちも生徒たちのやり方に倣ったらどうでしょう?」
「と言うと?」
「武装強化です。他のMSはともかく、サイコガンダムはあまりに大きい。
 何らかの戦力増強策を取るべきかと思います。
 そのために、ギラドーガの一部を暗礁空域や小惑星基地に派遣して探索に当たらせては……」
「なるほどな。時間が惜しい、早速動かせよう」


【リーア先生の行動:ギラドーガ1番機と接触通信(0p)、
          移動(O-16→O-17→O-18)(−2p)】
【管制スタッフの行動:ギラドーガ1番機移動(O-16→O-17→O-18)(−2p)
    2番機・3番機 発艦(−2p)、2・3番機移動(O-15→N-15→M-15)(−4p)】
【位置:管制艦O-15、リーア先生&ギラドーガ1番機O-18、2・3番機M-15】
【戦力状況:管制艦レウルーラにギラドーガ4・5・6番機残留 全機完全武装(通常兵装)】
【残り行動値:∞】
【リーア先生の行動方針:??? 『ゲート』の所まで出頭する】
【管制スタッフの行動方針:管理をやり遂げる、武装強化のために2・3番機派遣】
でこぴん。
久々に聞いたその言葉に、彼は少し吹き出してしまった。
ここが殺し合いの場であるということを、つい忘れてしまいそうになる――
実際は、忘れてしまいたかったのだが――……、そんな気分にさせられてしまう。

「リナルドがいくら年上だからって、寿命を気にするほどお爺ちゃんじゃないでしょ?
 ……信用ないかもだけど、ほんと、自重します。
 疑うなら、私の目を見て……これが嘘を言っている目?」

ほんのりと頬を赤らめた表情で微笑みながら、リファニアはリナルドに問い掛ける。

――本当に、愛しい……――

だからこそ、彼女の夢を、生命を明日へ繋ぎたいと思っている。
それは偏にエゴと呼べるものかもしれないが、それが支えであり、力の源であり。
彼が“生きる”ということに執着する、最大の理由だったから。

……だが、いくら年上であろうとも。
既に寿命を気にしなければならないほどに痛めつけられた身体で、
お爺ちゃんになることはもはや叶わないと決定付けられた身体で、
彼はこれからも彼女と共に在ろうというのだ。
 それを悟られてはいけない。
 せめて、全ての戦いに決着がついてから。
 今の彼女に告げることはできない……いや、したくない。
 まるで拷問のような痛みに苛まれ続けても。
……そう考えていたからこそ、彼女を騙してただ微笑むことしかできなかったのが
彼には心苦しく感じられてならなかった。

「それよりも先に、火災を何とかしないと。
 この艦の中には、まだ使えるものが沢山あるはずだよ。
 例えば、メガバズーカランチャーとか……ね」

そんな本心を隠し、彼がイブに基地のデータはコンパネに無ければ無いと伝えたところで、
リファニアがもっともな提案を挟み込む。
彼は言葉を返そうとして……それは、久々の不定期放送に遮られる結果となった。
その内容に、録音して後で聞けばいいとスイッチに伸ばされた彼の指は硬直している。

(……先生……)

ふと気付いてみれば、リーア・ミノフスキーの身を少なからず案じる自分がいた。
その現実に、彼は閉口する他なく。
必死に頭を切り替え、もたらされた情報を分析する。

(先生は何て言ってた?
 レウルーラに……ギラ・ドーガが6機だっけ?
 レウルーラの内部構造は知らないんだよなあ……。
 終戦の時、投降が確認できてないって聞いたしな……。
 ギラ・ドーガなら問題無い。 相手がシャアや強化人間ならともかく……
 今まで散々墜とした機体だ、戦い方を忘れるはずもないさ。
 それより、気になるのは……)

ちらりとリファニアを見ると、同じくリナルドを見ていた彼女と目が合った。
V-27。 そこに、全ての希望を繋ぐ――あるいは、打ち砕く――、ゲートという文字通りの門がある。
それが、時を超える門なのだろうか? あるいは、そこからまた別のステップを踏むのだろうか?
いずれにしても情報が足りない。 一度は、レウルーラに足を踏み入れる必要がある。
あの艦ならきっと……『あれ』が――

≪続く≫

「ねえ、リナルド。私、艦橋で、大切なもの見たかも知れない」

ブリッジ……。
思い当たる節はある。 無ければ健忘症の可能性大だ。

(あ……そうだったっけ……)

「……こんなのが、あったの。大切な、モノだよね?」

動かすのも辛いであろう左腕をも使い、リファニアは指で輪をつくる。

「……そうだな……。 その通りだ」

無理をしているはずの指を解くべくリナルドが手を掛けようとすると、
それより早く彼女は彼に抱き付いていた。

そして……いつか彼がそうしたように、今度はリファニアがリナルドのメットのバイザーを開け、
いつか彼がそうしたように唇を重ねた。
短いキスの後、彼女は囁くように言った。

「……じゃあ、ガンイージのコックピットに行ってくるね。
 私の荷物は、リナルドの言うとおり、置いておくよ」

(リファニア……俺は……)

当のリファニアは何を思ったか、暫く考え込んだ後、
リナルドに壊れたギターを押し付けた。

「……これも、預けておくからね」

リナルドが釈然としない表情でギターを受け取った瞬間、彼の背筋を何かが駆け抜けた。
目の前には彼女の笑顔がある。 それを見たから?
悪意ではない。 が、それは確かに背筋を駆け抜けた。

「……あ、ああ……わかった」

リナルドはバイザーを閉めると、リファニアの背中と渡されたギターを交互に見やり……
やがて、ギターに視線を落としたまま目蓋を閉じて――
そして、コクピットハッチの開く音で目蓋を開き、去り行く背中を呟きを以って送り出した。

「……ごめんな、リファニア」

(俺は、もう……ヒビだらけなんだよ…………くそっ)

それでも戦いをやめるわけにはいかない。
戦いをやめるということは直接死に繋がってしまうし、何より……
これは、リファニアに夢を叶えてもらうための戦いでもあったのだから。

「……イブさん。
 後でリファニアの左腕を診てやってくれないか?
 ブリッジに突っ込んだ時に何かの破片が突き刺さってて……。
 俺じゃ応急処置しかできないし、少しでもそっちの心得がある人に
 診てもらった方がいいと思うんだ」

ディスプレイの向こう側にいるイブにそこまで話すと、
彼は大きく一息ついてギターを眺め始めた。
【行動:会話(0)、通信回線継続(0)、分析(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内・港湾部・ミョーコウ/ブリッジ付近】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・右肘破損・通信回線→ヴィクトリー、ガンイージ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)、リファニアの私物(ラーズの遺品は放棄)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:三人で生還する/…………】
【同盟:20番リファニア 03番イブ】
250シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/29 11:39 ID:???
「……。」
〔やはり、先ほどと同じ、ミサイルを中心とした装備にすべきかと考えますが。
 マウントラッチは同様の物が使えますし。〕
「……しかしなぁ。リナルドには効かなかったしなぁ。弾速が遅いんだよ。」

U−21、MS格納庫兼簡易整備所。隔壁は周囲全ての物を3層づつ閉鎖済み。
補給を受けつつ佇む一機のMSとそのコックピットハッチの上で胡座をかいて腕を組むシュウジ。
周りには格納庫や武器庫からかき集めたミサイル、マシンガン、バズーカ等の実弾系を中心とした武器類。
シュウジはそれらを眺めつつ、どの装備をビギナ・ギナに施すべきか吟味していた。

「見ただろう?さっきの戦闘。信じられないが弾頭真っ二つだぞ?しかも喰らってもあれだけの動きが出来たんだ。
 大型ミサイルは切り裂かれ、マイクロミサイルは効かない。だとしたら……。」
〔バズーカかマシンガン系が残りますが……。〕
「しかしそれを持つとビームライフルが使えなくなるんだよな。
 マウントラッチにつけてもいいんだが装備変更時のタイムロスがなぁ。
 しかもバズーカとなると取り回しが難しい。」
〔マシンガンは威力不足ですし。〕
「だよなぁ。サイコに撃っても意味はないだろうな……。
 威力があって取り回しが良くてビームライフルと兼用できて弾速の速い武装……。」
〔難しいですね。〕
「……いや、いいのが一つあるぞ……。
 威力はそこそこ、弾速は速い、取り回しとビームライフルの件は改造次第でどうにかなりそうな武器が。」
〔……?〕
「だがこれをすると機動力が落ちる。どうする?」
〔回避は反応次第でどうにかなります。〕
「OK。けっこう大改造になりそうだ……。」
改造を始めようと立ち上がったその時、いつもとはひと味違う定期放送が流れた。

>>244
「面白くない定期放送だなぁ……。前の方が聞き応えがあったぞ……。」
〔これが普通だと思いますが……ところで、前のティーチャー、リーア=ミノフスキーは嫌いだと聞きましたが?〕
「……嫌いだから聞き応えがないわけではない。あれは定期放送として、聞き応えがあったんだ。」
〔言い訳ですか……?〕
「……半分そのとうり。」

【行動:推進剤補給(−1)武器探索(−2)武装吟味・決定(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 推進剤補給中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 武器搭載のため機体改造 ムサイ組の動向調査】
【同盟:なし】
「・・・これでいいのか?」

壁にかけてあった束ねたコードを見つけてぽつりと呟く。
これをどう使うか俺にはよく分からないが、あまり太すぎても困るだろうし、適当に
自分の親指と人差し指で輪っかを作ったくらいのものにしておいた。
どのくらい使うか、これも分からないから、とにかく壁にかかっているだけ持って行く。

かなりの重さのそれを肩にかけ、デッキへ向かって歩き始めた俺の耳に、聞き慣れな
い男の声が聞こえてきた。

『前回の不規則な放送から間もないが、定期放送の時間である。・・・・・・』

どうやら、こっちが正しい定期放送の時間らしい。
・・・勤勉に時間を守ってくれるのは悪いことではないが、しかし、俺たちにとっては
もう死活問題になっている。
このデッキは、只でさえもう三方を進入禁止空域に囲まれているのだ。
さすがの俺も放送のペースの早さに、心穏やかではなくなってきた。

放送は必要最低限の事だけを告げると、何事も無かったように切れた。
艦長はどうやらリーア=ミノフスキーと違い、根っからの軍人らしい。
報告を短く簡潔に、そしてそして正確に伝えるのは軍人として当たり前の行動だ。
管理者側の人間とはいえ、身についたものはなかなか抜ける事はないらしい。

(ははっ。・・・そうだよ、艦長。俺たち軍人が動かすのは口や舌じゃあない。・・・
 俺たちは、ただ黙って引き金を引く。それで十分だ)

管理者側にも軍人と呼べる人間がいる。
それだけでたぎり始めた俺の中のモノが、今にも咆哮をあげそうだった。
迫ってくるタイムリミットへの不安と、来るべき戦いへの渇望。
中のモノが呟いたような気がした。

それをも楽しめと。
全てが、後の戦いを楽しむ為の、餌なのだと。

(もう少しだ。もう少しで、少なくとも俺とベルクの準備は整う。ムサイの参加者が
 どう考えているのかは知らないが・・・少なくとも俺だけは、な)

工具箱とコードを持ってデッキに出た俺は、そこにもうビギナ・ギナがいない事に気づいた。
シュウジはシュウジの目的を果たす為に・・・出て行った。
残念だったのは、シュウジに直接礼を言えなかった事か。

(随分世話になったからな、シュウジには・・・。全てが上手くいったなら、きっと
 また会って礼を言える時も来るだろう・・・)

俺は黙って、シュウジが出て行ったデッキの出口に向かって頭を下げた。

だが、俺たちも急がなければならない。
俺は持ってきた物をジャベリンの足元に置くと、紙に簡単にペンを走らせベルクに渡す。

[早速作業に入りたいから、ベルクは急いで事務所のパソコンで、ディスクの爆弾処理
 の部分を2人分プリントアウトしてきてくれ。あと、作業の順番について何かあったら
 言ってくれ。無ければ俺のジャベリンから作業に入りたい]
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ビギナ・ギナへ通信回線継続(0)
    倉庫で道具探し(−1)倉庫からデッキへ移動(−1)筆談(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ、工具箱、コード】
【行動方針:機体の爆弾の処理】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
『ベルク、聞こえるか?もう少し待っててくれ。すぐに終わると思うから。』

「了解。」

実際、片手だけと言う問題ではない治療してあると言っても
レイモンドの身体の状態はあまり良くは無い
不自然に肥大している所や、左眼の視力は正常ではないだろう。
 
(片手だけでは無い言うのに他人の手を借りようとしないなんて
 その自分への厳しさは、尊敬に値するな。)

その後、シュウジからの通信がきた。

『ま、最善を尽くせ。だが、諦めるな。
 諦めて優勝を狙おうというのならば、俺はお前達を敵と見なし、殺す。
 狭いフィールドだ。言う必要はないだろうが言っておく。
 さらば、だ……。』

そう言うとMSに戻ってその場から去っていった。

(その心配することは無いさ、・・・・・・・俺の末路は大体決まっている。
 再び合間見えることは無いだろう。)

続けて定時放送。
これまでとは違い陽気な放送ではなく、厳格とした男の声だった。
これはこれでやはり勘に触る放送であった。

しばらくしてレイモンドが工具箱とコードを持って戻って来るなり
紙に書いた文章を渡してきた。

それに対し自分の返事を書く

[了解。だが、爆弾処理の部分は俺が担当する。
 流石にその身体状態では細かい作業は手間取るだろう。
 お前は、ディスクの中身をMSにインストールしてくれ
 仕方はもう一つのシュウジが書いた紙に書いてある。
 その方がまだ楽だろう、作業の順番に問題は無い
 お前のMSから作業を済まそう。]

その紙とシュウジの書いたディスクの中身使用法を書いた紙を渡して
事務所に移動した。
急いでパソコンを起動させディスクの中のテキストファイルを
開きプリントアウトを実行する。
プリンタからの機会音が鳴り、印刷された紙が出来あがり
それを持ってパソコンからディスクを抜き出して
デッキへ戻ってレイモンドにディスクを渡し
ジャベリンの近くの工具箱とコードを持ち早速作業に取り掛かった。

「んじゃ、さっさと済ませ様か。」
【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)事務所へ移動(-1)
    デッキへ戻る(-1)ディスクの中身をプリントアウト(-1)作業に取り掛かる(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
255シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/08/30 23:07 ID:???
「右。」
〔可。〕
「左。」
〔可。〕
「両方。」
〔可。〕
「稼働、よし……と。」
改造を開始してから3時間。格納庫内は相変わらず銃器が散乱しているが、二つ違う事があった。
一つ目はシュウジの位置。コックピットハッチの上から機体の足下へ移動し、ビギナ・ギナを見上げている。
二つ目はビギナ・ギナの両肩アーマー。端の突起物が切り取られ、代わりにモーターが。そしてそれに、二本の鉄柱が繋がっている。
鉄柱の名は"ドラム弾装式120mm専用マシンガン"ゼク・アイン第三種兵装用に開発された装備だ。
そして、肩アーマー後部には専用のドラムマガジン。
気が付いてみれば、自分が使っているとこの機体の優雅さは薄れ、代わりになんだか粗野な感じになってきた気がする。
まぁ、格好良さとか、そういう事を競う場ではないので、その辺の事は気にしない。

「後は実射試験とAMBACのテストか……。ゼファー、外に出るぞ。」
無論、両肩にこんなに大きな装備を搭載すると、機動等に支障が出る。
そのため、改造が終了してから実働テストを開始する前まで、ずっとOSの書き換えを行っていた。
OSを書き換えたのはAMBACやスラスターの出力値の変更等、多岐にわたった。
そしてそのテストは、流石に中では行う事は出来ないので、一度外に出る事にした。

〔マスター。テストを行う前に一つ確認したいのですが、この設定値は本当なんですか?〕
「あぁ。」
〔しかし、機動力を上げるためとは言え、このスラスター出力では、熱量過多で部品が速く劣化しますが……。
 最悪、爆発の危険性もありますよ?〕
「何ヶ月か使い続けるならば、その設定値はいつか爆発しかねない。
 だが、この戦いは後長くても数日だからな。」
〔しかし……。〕
「多分、推進剤に引火して死ぬよりも、OSを書き換えずに出撃して落とされる方が速いと思うがな。」
〔了解しました。テストを開始します。〕
「……外壁解放。出るぞ。」
開かれる小惑星外壁。そして、ビギナ・ギナが以前よりもややゆっくりとした動きで宇宙空間に出て行った。

【行動:機体改造(−2)OS書き換え(−1)外壁解放(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(右6斉射分 左6斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー ノートPC)
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 動作テスト ムサイ組の動向調査】
【同盟:なし】
256通常の名無しさんの3倍:04/08/31 13:53 ID:???
第14章 >256 現在 (低容量版マップ)

  K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
12◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎◎   
13◎◎◎◎◎□◎◎◎□◎◎□◎◎■   □:開かれた空間
14□◎※■□■◎□□◎□◎■◎◎◎   ■:暗礁空域
15◎□92■99□◎□◎□◎■◎■◎■   ※:戦場跡
16◎◎□□□◎◎◎□◎※□◎◎■■   〓:コロニー
17□◎◎■□□□□≠≠□□□◎◎■   ▼:小惑星基地
18◎■◎◎00□□□◎□□□◎□□◎   ≠:崩壊したコロニー
19□■■◎◎□◎□□□□◎◎◎◎□   ▽:爆破された小惑星基地
20◎□■□◎◎□◎◎□□03▼◎◎□
21※◎※◎□◎◎□◎□01◎▼◎□◎   ◎:侵入禁止区域
22◎◎◎□◎□□□□◎07◎▽◎◎□   ×:侵入禁止予告区域
23◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24◎※◎■■■◎◎□◎□◎◎◎□◎   ?:情報のないエリア(侵入禁止)
25????????????????   門:『ゲート』?(詳細不明)
26????????????????
27???????????門????

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00番はティーチャーのコアブースター。
91番は管制側所属のギラドーガ1番機、92番は2番機、93番は3番機。
07・14は同一地点。03・11・15・20は同一地点。00と91は同一地点。92と93は同一地点。
03と同位置に無人のムサイ級戦艦(半壊)。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24・25・26死亡。
『……私は、アールセンじゃなくてニールセンだよ。
 でも、リファニアって名前で呼んでくれると嬉しいかな。
 あなたの厚意、受け取らせてもらうね。
 ……でも、とりあえずでいいよ。安全性が確保されるまででね。』

 とりあえずだろうと、ずっとだろうと、構わない。
 それは構わないのよ。ここまで来れば一蓮托生で仕方ないし、どうせ、奪ってきた機体なんだから。

 でも! 名前くらい、間違うわ!
 誰でも間違う筈よ。そうね。うん。

『モビルスーツは、三機。
 格納庫にあるニ機の一つは、大破しちゃったゴトラタンだけど……。
 もう一機は、あなたが乗っていたGMライトアーマーだよ。
 私も何回か乗ってみたけど、パワーはないけど操縦性は良好でなかなかいい機体だったと思う。
 肩の調子がイマイチなんだけど……それ以外は、結構調子いいよ。
 あとは……HLV格納庫に、私のサイコがあるけど……。
 ……これは……おすすめしないよ。この子のサイコミュ、強力すぎて使いこなすには素質が要るの。

 ガンイージ……ひとまず預かるって形でいいかな。
 あなたのその機体の扱い、すごく上手だったし、相性がいいかも知れないよ。
 これでも私、戦争と共に生きた本物の戦士から、戦闘訓練うけてるんだから。
 そんな私を翻弄できたあなたの腕、素直に凄いと思う』

 流石に少し照れくさかった。

「……実戦よ。ただ、必要に迫られたから、慣れただけ」

 サイコガンダム。確か記憶にある。

 誰だったかな。
 仲間の、誰だかが、アングラからかっぱらって来たデータで、確か……。

 人を戦いに駆り立てるとか、何とか。
 そういう夢のような話だったけど……あながち嘘とは言い切れない。
 こういう”場”ですもの。 強化されてたっておかしくない。

 サイコミュ、か……。
 スイッチ気っておけば、まず、良いでしょうね。
 ……戦力としては、欲しい。欲しいけど、疑いを招く。

 けど……。
 ライトアーマーは、歴然とした事実として、古いのよ。
 パワーが無いし、何より行動一つをとってみても重いっ!
 それはガンイージやら何やら、色々乗り換えてきたからには、解るし……。

 実際に、大火力とやらを使ってみたいという魅力も、大きいけれどね。

『あんた、こっちに移れば格納庫まで送っていくぞ。どうする?』
「そう? なら頼むけど」

 そういってハッチから身体を宇宙に晒した。

「……きたよ、サーティアさん。これからよろしくね?」

 差し出される右手。
 ……私には、まだ、無理ね。

「悪いけど、まだ握手は出来ないわ。
 出来るようになったら、改めて、この手を出すから」

 ふいと横を向き、アビゴルへととんだ。
 管制側の定期放送が響く。

「……罠ね」

 とっさに思いつく。これは、罠。
 普通に考えればね……。

 ただし、罠と見せかけて疑心を誘っている可能性も無い訳じゃない。
 そればかりは判断がつかなかった。


【行動 : アビゴルへ移動(−1)】
【残り : 3P 】
【位置 : V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷】
【身体 : 錯乱・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
ベルクから返事と一緒に、プリントアウトした爆弾処理の紙とディスクを受け取った。
まずは爆弾処理の紙に目をやる。
……見ていると、改めて感心してしまう。
無論、限られた状況の中でこれだけの事を考えついたシュウジの頭脳に対してだ。
俺はとにかく、シュウジに会えた事を神にでも感謝しなければならないだろう。
もし生きて帰れたら、これから夕食の前に祈りを捧げてやってもいいくらいだ。

(…あとシュウジを選んでくれた管理者側にも、少しは感謝するべきかな…?)

シュウジに少し失礼な事を思い浮かべて俺は苦笑する。

細かい事は置いておくが、爆弾の処理はシュウジの方法によると、自爆装置からコクピット
までコードを繋げるらしい。

(ディスクのインストールはすぐに終わるから……余った時間でコクピットにコードを
 通す穴でも作るか)

コクピットに戻り、ベルクから受け取ったディスクを機体のコンピュータにインストールし始める。
俺は正直、こういったコンピュータの操作はあまり得手ではない。
CVで教わっていなかったら、何も分からずにおろおろしていただけだったろう。
だがその得手ではない操作も、片手での爆弾の処理に比べたらおそらくずっと楽だ。

…ここにきて俺は、再び仲間の大切さを思い知っていた。
基地で怪我を処置してくれたア−ネストもそうだが、今この場にベルクがいなかったら、
俺は片手では絶望的な作業をしなければならなかったのである。

(本当に俺は…借りばかり作ってるよな)

インストールの合間に、アシッドとの戦いで壊れたモニターを外しながら思う。

俺には、何も報いる事ができない。
シュウジのように、頭がいいわけでもない。
ベルクのように、役に立つ道具を持っているわけでもない。
俺は、昔から戦う事しかできなかった。
戦って、奪う事しかできなかった。
だから…。
だから俺は、戦う事で恩に報いるしかない。
幸い、ジャベリンもタイヤも傷付いてはいるがまだまだ全力で行動できる。
…まだ…俺の牙も、爪も折られてはない。

アシッドとのどつき合いで既に外れかけていたモニターの枠は、工具箱から1つ持って
きたドライバーで案外簡単に外す事ができた。
更にそこから何やら色々な部品を取り除いていくと、コクピットブロックの外壁に行き当たる。

「…あらら」

思わず声が出た。
そこには俺が苦労して開けずとも、どつき合いでできた歪みによって、溶接の境に
いびつな穴が出来ていた。

(穴がを開ける手間は省けたが…。だが、放っておいたら危ないよな…これは。
 コードを通したらトリモチで補修しておいた方が安心だ。)

[コクピットブロックに穴を開けといたから、繋ぐコードはそこから通してくれ。
 俺はまた倉庫に行ってくる]

これだけ書いた紙をメンテナンスハッチの向こうで作業しているベルクに手渡すと、俺は
再び倉庫へ移動した。
【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)ディスクインストール(−1)
倉庫に移動(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ】
【行動方針:機体の爆弾の処理】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
261イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/01 20:02 ID:???
リファニアの腕の治療を依頼してきたリナルドに向かって頷いて見せ、愁林はサーティアの挙動へと視線を戻した。
不器用なコミュニケーションを交わし、アビゴルのコックピットへと飛ぶ彼女。
その光景に僅かばかりの安心感を覚えた途端―――意識に霞が掛かる。
まだだ。
まだ、やるべき事がある。

使命創造命運。

自分の使命は、まだ終わっていない。
霞を振り払い、無理矢理意識を叩き起こして行動を再開する。
リナルドに預かっていた『ジョーカー』を返し、リファニアの腕の傷を診て、必要な措置を施す。
今やるべきはその二つ。
愁林にできる事は、もう、その二つだけ。

鉄錆の味が、鬱陶しい。

Vガンダムをアビゴルに寄せる。
ヘルメットの気密を確かめた上でコックピットハッチを開き、真空中へとしなやかな肢体を躍らせる。
流石に3人では狭いか。
そう判断してアビゴルのハッチの縁に手を突き、そこから中を覗き込むようにして。

「先ずは、預かっていたものを返すわ。あとコレ、何かに使えるかもしれないし、持っておいて」

コンパネと端末とをリナルドに向かって泳がせた。
先ず、一つ。

「それと……怪我の治療、するなら早い方が良いでしょう?
 医務室の場所は覚えているから……早速、彼女を連れて行くけど構わないわね」

質問ではなく確認。
故に回答は不要。そもそも否定される筈など無い。
アビゴルの装甲板を蹴ってミョーコウへと飛び移る、その途中で一度だけ振り返り、視界に納めたのはサーティアの姿。

―――責任、取って貰うからね。

穏やかな表情で一瞥して、愁林はミョーコウの中へと向かう。
数分後、戻ってきた彼女が手にしていたのは、包帯などの入った医療セット。
ガンイージのコックピット目掛けて飛び、リファニアの傍らに降り立ち、

「早速、治療を始めましょうか。
 とは言っても、あまり本格的な事はできそうにないけれど、ね」

そう言って彼女は少女の肩を軽く叩き、コックピットの中へ入るよう促した。
262イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/09/01 20:03 ID:???
【行動:アビゴルへ移動(-1)、返却及び譲渡(-0)、ミョーコウへ移動・内部探索(-2)、ガンイージへ移動(-1)】
【残り行動値:0p】
【現在位置:V-20】
【特記事項:腹部軽症(手当て済み)、覚醒、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷、(?)】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、両肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)
       外装損傷率29%、ミョーコウ中破(現状ではまだ航行可能?)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)、医療セット】
【行動方針:リファニアの怪我の治療、皆が生き残るために最善を尽くす】
【同盟:リナルド、リファニア、サーティア】
(これをはずしてから・・・・・・ここを繋げる
 ・・・・・・繋いだ奴をこっちに・・・・・ここを付ける・・・・・・)

プリントアウトした紙を頼りに構図と説明文と自爆装置に
目線を何回も往復させながら作業を進めていく。

多少、機械をいじる事は出来たので構図と説明文さえあれば
そんなに難しいことは無かったがそれでも自信が無い分
一つの工程をすると再確認といった念入りな作業内容だった。

(ここも、これであって・・・・・る。よし、後はこのコードを・・・・・・。)

と思ったときに、レイモンドがメモを渡してまた倉庫へ向かっていった。
メモに書かれていた通り穴は空いていたが

(空けたというより、空いていた・・・・・という感じだな。)

微妙な感じもしたが穴自体に問題があるわけではない
だが、少々危険な感じがするが後で直せば問題無いだろう
というか直す道具が足りないのでそのまま作業を進めた。

レイモンドのジャベリンの自爆装置への作業は一通り
終えたので今度は自分のMSの方の作業を始めた。
今度は、十分余裕を持ちながら作業を進めていく
流石に同じ作業をするのだから当然なのだろう

ふと思う。

これから死ぬかもしれないというのに頭は冷たかった
不思議な気分だった。
脈は速く、心臓の音が感じられるほどに激しいのに
――――――――――――――冷静で居られる。
今、何かに集中している時だけなのかもしれない
自分が不思議だった。でも、

・・・・・・・・・・・悪くない。

一通り作業も終えしばらくボロボロになったペズ・バタラを
見上げながら、レイモンド待っていた。

【行動:レイモンドと通信中(-0)筆談(-0)会話(-0)
    ジャベリンからペズ・バタラへ移動(-1)作業に終了(-2)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、右足膝部損失、本体側面装甲各所損傷
      コクピット内機械一部損傷、スラスター各部損失(出力50%低下)
      左手マニュピレーター消滅】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手甲部)ビームシールド、
     ビームダガー×1本 】
【所持品:ディパック 水2g三本 十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど
     アサルトライフル 予備弾倉5セット 拳銃 予備マガジン5セット
     手榴弾 六個 ナイフ】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ 14番 レイモンド=デリック 】
>>258
『悪いけど、まだ握手は出来ないわ。
 出来るようになったら、改めて、この手を出すから』

リファニアの差し出した右手に対する、サーティアの回答だった。
サーティアはふいと横を向き、リファニアの脇を通り抜け、アビゴルのコックピットへと移る。

瞳を静かに閉じるリファニア。

けじめは、まだ、つけられてはいない。

あの時の出来事は、彼女の歯車を決定的に狂わせた。
狂った歯車が戻ったその時こそ……必ず手を差し出してくれる事を信じて。

「その為に、全力でぶつかる事こそ、私のけじめだよね―――。」

サーティアと入れ違いに、ガンイージのコックピットに乗り込もうとするリファニア。
途端に目の前がフッと暗くなり、急速に意識が、薄らいでゆく。

「……あ……確かに、サイコを起動させるだけの余裕、なかったかな……。」

所詮、皆に見せた態度は、強がりだった。
もっとも、リファニア本人は何とか動けるつもりではあったが、
彼女の肉体は元気印は保障されているものの、あくまでも15の小柄な少女のものなのだ。
サイコミュの反動で受けた神経へのダメージや、度重なる戦いによる疲労が、
彼女の意識が闇に沈む事を促していた。

>>261
『早速、治療を始めましょうか。
 とは言っても、あまり本格的な事はできそうにないけれど、ね』

唐突に、言葉をかけられた。
ポンと肩叩かれた時の感覚は、以前にも味わったものだった。

「……イブ、さん……。」

意識が闇に飲み込まれそうになりながらも、リファニアは何とか彼女に笑顔を向ける。
……彼女の身を蝕む"何か"に、今のリファニアが、気づく事はなかった。

イブに促されるまま、ガンイージのコックピットへと身を投じるリファニア。
シートに背をもたれかけさせながら、額に脂汗を浮かべつつも、穏やかに微笑む。

「……私、イブさんに何度助けられているんだろう。
 最初から、ずっと……世話になってばかり……。」

ミョーコウに暖かく迎え入れてくれた事。
死の現実を目の当たりにして震えるリファニアを、言葉で以って勇気付けてくれた事。
スタンリーによって傷つけられたリファニアを、優しく介抱してくれた事。
自らの身を傷つけてでも、リファニアが姉と慕うシェラを、助けてくれた事……。

「……イブさんも、おねえさんだね。
 私の大切な、姉さん……。」
リファニアが言葉を続けようとすると……。
ふと、左腕の傷が痛みだした。

金属片を抜かれる際には、強烈な痛みを感じたものの。
それ以外では、全くと言っていいほど痛みを感じなかった左腕。
いや、痛みどころか一切の感覚が途切れていた左腕が、ジワジワと痛みを増してゆく。
やがて、その痛みは耐えがたい程に強くなっていった。

「……う……うう……。」

左腕を襲うあまりの激痛に、呻くリファニア。その痛みは、少女の瞳から容赦なく涙を流させた。
だが、その痛みはリファニアにとって、希望となり得るものだった。
左腕はまだ、死んでいない。その痛みは、その可能性を物語っているからだ。
事実、ぴくりとも動かないと思われた指先が、僅かに痙攣する程度であるが、動いていた。

【行動 : ガンイージに乗り込む(-1)、リナルドとの通信回線継続(0)、残3 】
【位置 : V-20(要塞内、港) 】
【機体状況 : LM111E02ガンイージ(預)
        機体各所にダメージ、電子機器に被害、照準機能障害(修復完了)、
        頭部右側面に損傷、右脚部損傷、左肩装甲損傷 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩軽傷(治療済)、頭軽傷(包帯巻)、左腕重傷(応急処置)、
           ノーマルスーツ着用、メイク済み♪、全身に痺れるような感覚、眩暈 】
【武装:  頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、ビームライフル(残弾3)】 】
【所持品: 首輪、ノーマルスーツ、ナバン61式拳銃、日記帳とペン
      (以下、リナルドのアビゴルのコックピット内)
      ディパック、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空) 、ジオン女性士官の制服、
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬 、アレンの遺したギター、トリィの羽根、
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン 】
【方針 : 『揺るがせてはならない夢』、自分の意志で生きる、けじめはつけた? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、11 サーティア=クワン? 】
266シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/09/01 22:50 ID:???
「……動き、重かったな。」
〔……これを重いというのであれば、重かったですね……。〕
U-21宙域を漂うビギナ・ギナ。先ほど動作チェックを終え、今はOSの再調整を受けつつ、只、漂っていた。

(問題はそこではない……それよりも重大な問題は思っていたよりも熱量の増加速度が速い事だ……。
 まずいな……このことを考慮に入れて予測される戦闘可能時間は長くても……。)
〔マスター。〕
「!?……なんだ?」
〔軌道を計算したのですが、このままの軌道と速度では
 10分後にU-20と危険宙域の間を通過し、V-20に到達します。〕
「そうか……どうこうしようにも、OSの機動関係は調整中だしな……このままの速度で前進……というか漂流する。
 10分もあれば再調整できるだろう。警戒レベルもう一桁上げ。
 火器管制リミッター解除。攻撃があった際は反撃を許可する。」
〔了解。〕
「……そう言えば、レーダーの反応はどうなっている?そろそろ明確な情報が入ってもいい頃だが。」
〔少し待ってください。……変ですね。〕
「何がだ?」
〔各反応が近い……いえ、近すぎます。
 11番とそれ以外が戦闘を行っているにしては、11番の反応がムサイに近すぎます。〕
「ムサイにはそう簡単には近づけさせないはず……ということは、戦闘は……終わった?」
〔その可能性はあります。〕
「……やばい!大急ぎで再調整しないとな。下手したら動けないところに数の暴力を受ける!」
〔再調整が完了したとしても、この状況での戦闘は危険です。調整終了後、撤退しますか?〕
「攻撃を受けたらな!そのためにも調整を全速力ですまさないと……。
 あー……どうして元同盟者とは闘って、戦闘していた相手とは仲良くなれる!?」


【行動:動作チェック(−1)U-20→V-20へ移動(−2)OS再調整(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:V-20とU-20の境界周辺 小惑星外】
【機体状況:対自爆装置用改造済み 左肩装甲融解
      フィン・ノズル4個損傷、表面装甲損傷軽微 機動関係OS調整中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷 若干の頭痛】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左70%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×1
     ドラム弾装式120mmマシンガン×2(残弾:右5斉射分 左5斉射分)】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー)ノートPC
     拳銃(残弾16発) 工具セット ゼファー】
【行動方針:優勝 OS調整後、攻撃を受けたら逃げる】
【同盟:なし】
「たしか…こっちの方にトリモチがあったと…」

倉庫に戻った俺は、携帯用のトリモチ銃を探していた。
さっきコードを探している時にチラッと見たような気がするのだが…。
スペアの部品や修理用の工具が置いてある事からしても、ここにあるのはほぼ間違いないと思う。
勿論置いてあればの話であるが。

そんな俺の心配をよそに、程なくトリモチ銃は見つかった。
これでしっかり補修しておけばある程度はコクピットブロックの強度を補えるし、無用な空気
漏れなども起こり難くなるだろう。

それを小脇に抱えてデッキに戻ってみると、ジャベリンの作業は既に終了しているらしく、隣
のペズ・バタラから僅かに作業の音が聞こえてきた。

(俺も急がなきゃな)

俺はコクピットに入ると、持ってきたトリモチ銃をコードの通してある穴に向かって構えた。
右手でしっかり固定すると2回、3回と引き金を引く。
開いていた穴に粘着質の液体がへばりつき、完全に塞いでいく。
俺は塞がったのを確認すると、インストールが終わったディスクを抜いてコクピットから降り、
ペズ・バタラへと向かった。

【行動:ペズ・バタラへの通信回線継続(0)倉庫とデッキの行き来(−2)トリモチ探し(−1)
補修作業(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22(小さなデッキ)】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み、ショットランサー1基消失
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×1
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(84%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本、食料21/3日分、シャベル(小)、蕎麦団子1個、
     拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚、書類の束、ペン2本
     首輪カバー4つ】
【行動方針:機体の爆弾の処理】
【同盟:ベルク、シュウジ(?)】
268通常の名無しさんの3倍
次スレ。

ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第15章
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/x3/1094042712/l50