ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第13章

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1教育実習生

 ついに、山が動いた。

 管制側から示された、ボーナスタイム。
 先生のズレたセンスで命名された『復活! リセットチャンス・タイム』。

 この時間、誰かを撃破すれば、禁止区域を一つ通常エリアに戻してもらえるという。
 破綻しかけていた三大同盟の参加者にとって、これは格好の燃料だった。
 マップのあちこちで巻き起こる激しい戦闘。
 そして、ついに……管理側が陣取っていたW-22エリアが、解放される。

 しかし、果たしてそれは、本当に救いに至る道なのだろうか。

 闇の中、ライトグリーンのドライセンが、彼らと対峙する。



   ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル

         第三回大会、第13章。

       現在 生存 10名。 死亡 16名。


 未だにわだかまる第二回大会の亡霊。ようやく消えるのか、それとも。



 第三回大会の新規参加者の募集は、既に打ち切りました。

 何か気になったROMの方は、お気軽に管制室までどうぞ。
 第四回大会の開催も計画されています。

 ルール等の詳細は>>1-15くらいに。

前スレ
ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1083939332/l50

感想・議論用スレ
ガンダムバトルロワイヤル第十管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1082728780&ls=50

基本情報・人気投票
第三回ガンダムバトルロワイヤル管制室データフォルダー
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/2598/top.html

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/
2リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:13 ID:???
 @ 過去スレ @

・第一回大会 本スレ
第一章:ガンダムでバトルロワイヤルやってみよ〜
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1038/10383/1038324132.html
第二章:【生存21名】ガンダムTHEバトルロワイヤル【死亡1名】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1039/10391/1039169588.html
第三章:【知略】ガンダムバトルロワイアル第3章【陰謀】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041070641.html
第四章:【裏切り】ガンダムバトルロワイヤルpart4【信念】
ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1042612295/
終  章: ガンダムバトルロワイヤル最終戦場(諸事情によりアクシズ)
ttp://ime.nu/www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi/shar/1048332637/

・第二回大会 本スレ
第一章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会 
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1049713319/
第二章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会lt;二章gt;
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1053350734/
第三章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第三章
ttp://pc4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055663266/
第四章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1058684058/
最終章:ガンダムバトルロワイヤル第二回大会終章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063012783/l50

・第三回大会 本スレ
第一章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第一章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1069427705/l50
第二章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第二章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1071387802/l50
第三章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第三章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1073650712/l50
第四章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1074521682/l50
第五章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第五章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075739989/l50
第六章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第六章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1076854569/l50
第七章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第七章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1077892615/l50
第八章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第八章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1078844556/l50
第九章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第九章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1079965231/l50
第十章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第十章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1081145096/l50
第11章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第11章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1082392388/l50
第12章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第12章
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1083939332/l50
3リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:14 ID:???
・議論、感想スレ
ガンダムバトルロワイヤル避難所
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041000462.html
ガンダムバトルロワイヤル避難所part2
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10418/1041856658.html

ガンダムバトルロワイヤル管制室(アクシズ)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1043595608&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第二管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1052406249&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第三管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1058521848&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第四管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1071500120&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第五管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1074503247&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第六管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1075186692&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第七管制室(間違えて『第六』となってますがそこはスルーで)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1076855882&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第八管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1078064089&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第九管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1079886241&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第十管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1082728780&ls=50

 @ このスレッドについて @

このスレッドでは、一人の参加者が一人の生徒を担当し、リレー形式で話を進めていきます。
(すでに第三回大会の新規参加者は、受付を終了しました)

参加希望者は管制室で受けつけをし、クジ引きによって『機体』と『支給武器』を決定します。
彼らには、「宇宙世紀」という縛りの中で自由にキャラクターの設定をしてもらいます。
(ただし原則として、アニメやゲームなどに登場した人物はお断りしています)

それぞれの人がそれぞれの登場人物を受け持ち、その行動方針から行動の結果まで、全て決定します。
常識を外れた過剰な行動を防ぐために、『行動値』や『移動』などのルールが設定され、
また、千日手防止や偶然性の演出などのために、『ID判定』のルールが用意されています。

しかし、それでもゲームとしての自由度はかなり高く、それだけに参加者の厨化の危険もあります。
また逆に、読者の方が無思慮に参加者を叩いた場合、参加者がやる気をなくすこともあります。
参加者も読者も、くれぐれも節度を持ってこのスレを楽しむようにして下さい。
4リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:15 ID:???
 @ 行動ルール関係 @
このスレでは『行動値』というものが設定されています。
描写と共に、これを消費しつつ行動を行います。
一人の人間が行動できるのは、現実時間の一日ごとに4P分だけです。

行動値がリセットされるは、現実時間の午前0時です。
行動値が必要な行動としては、
『移動』『探索』『整備』『戦闘行動』『通信』『変形(可変MSの場合)』などが代表的です。
行動値が要求されるのは大きな行動のみで、ちょっとした動作などには必要ありません。
会話も、『通信開きっぱなし』『接触回線での会話』『生身での会話』なら行動値無用です。
ただし、劇中で時たま使われる『全体通信』のみ行動値を2点消費します。注意してください。

尚、行動の描写の後には、位置、所持武器、行動方針、同盟相手等を明記して下さい。
観客の理解や、参加者間の認識の食い違い防止に、大きな助けになります。


 @ 戦闘 @
このスレの戦闘では、最も重要なルールがあります。
それは 『攻撃の結果は、攻撃側の描写を受けて防御側が決定する』 ということです。
撃破されたか、腕が吹き飛んだが、かすったか、シールドで防いだかなど、防御側に決定権があります。
『先行破壊』は厳禁です!
回避の術のないゼロ距離射撃なども『先行破壊』と見なされることがあるので、注意しましょう。

戦闘時の行動については、
『ビームライフルで攻撃』『ミサイル一斉射撃』『回避』などがそれぞれ行動値1点分の行動になります。
撤退については、まず戦闘地帯からの『撤退』で行動値1点分になります。
これは同一エリア内での移動なので、隣のエリアに移動する際にはさらに行動値が必要です。

基本的に、1点分の行動値の攻撃を防御・回避するのに、1点の行動値を必要とします。
ただし、防御側が描写や行動を工夫すれば、1点の行動で複数の攻撃を回避しても構いません。
あるいは、防御を省みずダメージを受けるままにすれば、行動値を使う必要はありません。
目安として、どれだけ多数に袋叩きにされても(1日4点の行動値のうち)1点くらいは他の行動に当てて構いません。

ルールとしての縛りは最低限にし、機体や乗り手の優劣は書き手の裁量に任せています。
くれぐれも節度を守っていきましょう。
5リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:16 ID:???
 @ 特殊ルール『達成値』(通称ID判定) @
『達成値』とは、そのカキコで取った行動の成功・失敗をIDで決めるルールです。

このルールは当事者双方の合意があった場合にのみ、使用します。
特に戦闘においては、延々と回避が続く千日手を防止する意味でよく使用されます。
(ただしこれは、強制でも義務でもありません)

使う場合、メール欄を空欄にしIDを表示するようにして下さい。
出てきたIDに含まれる数字を使い、その行動の『達成値』を決定します。
基本的に、IDの文字列に含まれた最も大きな数字が『達成値』となります。

『In3rKPcy』の場合、含まれている数字は『3』のみなので、『3』となります。
『Atw4g6Qg』では、数字の『4』と『6』がありますが、大きい方をとって『6』と判定します。
『oHI+CUmX』のような数字の入っていないIDは『0以下』とします。
『sp02X9NK』『a0Tf/jEj』のように大文字の『N』または『T』があれば、『9よりも上』です。
さらに、『Ttw4g6Ng』のように、『NT』の2つの大文字が揃えば『NやT一文字より上』です。
小文字の『n』『t』は、いくら入っていても無意味な存在です。無視して下さい。

 早見表
NT(二文字かつ大文字)>N or T(一文字かつ大文字)>9>8>7>6>5>4>3>2>1>0>数字なし

基本的に、両者の合意があったときのみ使うものです。
戦闘時には使うのが通例ですが、義務ではありません。戦闘時以外でも使って構いません。
判定後、敗北側は『なんらかの不利な結果』を受けるようにして下さい。その程度は問いません。
IDの値の差の大きさを、損害の程度に結びつける必要もありません。

もしもその気ではなかった場合には、拒否しても結構です。
しかし、IDを出しておきながら判定を拒否したり、無視が多過ぎれば叩かれることになります。
くれぐれも節度を守ってください。


 @ 所持品 @
初期に支給されるものとして、原作通り
『ディパック』『首輪』『コッペパン2つ』『水2g入り2本』です。
さらに今回は、宇宙ステージということで『ノーマルスーツ』も支給されます。
後は、参加者が誘拐された時に持っていた『私物』を持ち込むことができます。
この私物については参加者の自由に任せますが、ある程度の節度をお願いします。
6リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:17 ID:???
 @ マップ @
『A〜Z × 1〜24』の624マスで構成されています。詳しくは後に示します。
毎回、今何処にいるのかを明記して下さい。
禁止領域は放送の時に予告され、放送後、現実時間で48時間後に爆破のスイッチが入ります。
尚、参加者は最初から地図を所持していますが、他の参加者の場所は表示されません。


 @ 移動 @
行動値を1点使うことで、マップ上のエリアを1マス移動することができます。
移動可能な方向は上下左右だけで、斜め移動はできません。
MAや、艦船やSFSに乗ったMSは『開けた空間』なら1点の行動値で2マス移動できます。
ただし、どの場合も『想定以上の荷重』(MSを載せ過ぎるなど)が加わると、ボーナスを失います。
艦船に乗っている場合、一人が艦ごと【移動】すれば、一緒に乗っている人も同時に移動します。
それ以外の場合では、移動時には常に行動値を消費して下さい。
他者の手で受動的に移動した場合でも、それに抵抗しないのならば、移動量に相当分の行動値を消費して下さい。

なお、示されているマップの『外側』は『侵入禁止区域』と同じ扱いになっています。


 @ 索敵 @
どれだけ遠くの敵を察知できるのかは、搭乗している機体ごとに異なります。
策的範囲は、通常機で周囲2マス。 艦船・狙撃型で3マス。 偵察機で4マス。となっています。

他の参加者の位置を確認し、その範囲内に入っていれば、劇中でも「発見」できます。
当然、地形ごとに見やすさは変化しますが、その点は描写で表現して下さい。
(『開けた空間』ならはっきりと相手の機種まで特定できるでしょう。
 『暗礁空域』に潜む敵は、一度存在に気づいても途中で見失うかも?)
ちなみに、通常の「通信」で通信ができる範囲も、この策敵範囲と同じ範囲です。
「見えている相手とだけ通信できる」と考えて下さい。


 @ 爆弾 @
爆弾は、機体と、参加者の首輪につけてあります。
首輪の爆弾には、タイマーが仕込まれており、タイマー延長コードが定期的に打ち込まれています。
管理側が爆破コードを打ち込むか、延長コードが打ち込まれずにタイマーがゼロになると、爆破します。

明らかにされている首輪の爆破条件は、以下の通りです。
  立ち入り禁止区域に踏み込む/それまでいた場所が立ち入り禁止区域になる
  戦場フィールドの外に出る
  支給された機体を失い、かつ別の機体を獲得できない場合
これ以外にも爆破される条件がないとは限りません。


 @ 参加者の持つ情報 @
劇中の参加者は、現実世界の読者と同じ情報を持っているわけではありません。

まず、彼らは、(随時スレ内で表示されている)他の参加者の位置を知りません。
他のMSと対面した場合、相手の機体名は分かりますが、性能は分かりません。
初期支給MSと参加者の名前の組み合わせは分かりますが、途中で乗り換えた場合は分かりません。
また、他の参加者が脱落しても、それをすぐに知ることはできません。
脱落者の情報は、定期放送で耳にして初めて知ることができます。

ただし、これらは原則です。
NT能力を発揮したり、現場で乗り換えや死亡を見ていれば、この限りではありません。
特殊な支給品によって情報を得られる場合もあります。
『プレイヤーの知っている事』と『キャラクターの知っている事』の混同に、くれぐれも注意して下さい。
迷った場合は、管制室で相談してみて下さい。
7リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:18 ID:???
 @ 放棄された参加者 @
長期に渡って書き込みがない場合、『スレへの参加の放棄』とみなします。
用事などで書き込みできないことが分かっている場合、管制室で相談して下さい。
何の宣言もなく長期間放置された場合、管理側で『この参加者は『放棄』された』と認定します。
こうして『放棄』された参加者を攻撃した場合、特例として、攻撃側が結果を書くことができます。
つまり、積極的に頑張っている参加者の『肥料』にする、ということです。

目安としては、2週間 音沙汰がなかった場合、この判断を下します。
あらかじめ『参加不可能宣言』が出ていればこの限りではありません。


 @ 戦艦運用ルール @
支給武器や色々なイベントで『戦艦』が手に入ることがあります。
その際は以下のルールに従って運用して下さい。

*戦艦にMSが着艦する際には、衝突しないようかなり注意した操縦が必要です。
 また発艦する際には、機体の起動やカタパルトの操作が必要です。
 これらのことを踏まえ、【着艦】【発艦】にはそれぞれ1点の行動値を消費して下さい。

*ブリッジ(操縦席)と格納庫はかなりの距離が離れています。
 ブリッジ・格納庫間を移動する際は、【移動】として行動値を1点消費して下さい。

*ブリッジにいる人間は、行動値を使って戦艦を【移動】させることができます。
 戦艦は、1点の行動値で『開けた空間』を2マス進むことができます。
 この場合、戦艦に乗っている全ての人間・MSが行動値を使うことなく一緒に移動します。
 ただし、ブリッジに何人いても、24時間で【艦の移動】に使える行動値は合計4点までです。
 艦を移動させた後、MSを【発艦】させて【移動】するのは自由です。

*戦艦の特典の一つとして、格納庫の存在が挙げられます。
 この格納庫にMSを収容することで、簡単な補給・修理作業が行えます。
 ただし初期状態では、ちょっとした補修を行う材料と予備の推進剤はありますが、
 武器・弾薬・脱出用ランチなどは一切搭載されていません。

*本来、戦艦というものは、何人もの専門家が役割分担してやっと動かせる存在です。
 一人でも動かすことは不可能ではありませんが、
 操舵・武器管制・通信の各システムはブリッジの中でもそれぞれ離れた位置にあります。
 (さすがに行動値を使って移動する必要はありませんが、描写の際には注意して下さい)


 @ 要点 @
色々ややこしく書きましたが、

@ 行動は基本的に自由。
@ 戦闘の結果は『攻撃を受けている側』が決める。
@ 『両者の合意があった場合』、達成値を使用する。
@ 自分の居場所を毎回、明記しておく。
@ 侵入禁止区域にいた場合は有無を言わさず死亡。
@ 基本は原作と同様。
@ 分からない点があれば、管制室で先生に聞く。
@ 管制室での抗議は、冷静に、論理的に、相手に敬意を持って。

という以上の8点を守って下さい。あとは、楽しく殺しあいましょう♪
8リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:19 ID:???
 @ 会場宙域地図 @

  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■■□□□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■※
03■□□□□□※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼□□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※■■□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■□□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□□□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□□□■□□□□※※※※※□□■   ▼:小惑星基地
11■□■■■■□□■□□■□■■□□□□※※※□□■■   ≠:崩壊したコロニー
12■■■■■□□□□□□■■■■■■□□□※□□■■■
13※■■■□□□□※□■■■□■□■■□□□□□■□■   ◎:侵入禁止区域
14■■□■□□□▼□□□■※■□■□□□□□■■■■■   ×:侵入禁止予告区域
15■■■■■□□▼□□□□■■□□□□□□□■■※■■
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□□※□□■■■
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□≠≠□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□□□□□□□
19□□□□□□■□□□□■■■■□□□□□□□▼□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼□□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼□□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▼▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
9リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:20 ID:???
 @ 各地形の解説 @

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。全部で4基存在しています。
 (うち、ひとつは破損し、空気が失われています。他の3基は空気が残っています)

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 エリア内には、大中小の3つが存在しています。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう。

≠ 崩壊したコロニー
 壁にいくつも穴が開き、空気が全て失われてしまったコロニーです。
 大気と共に色々なものが飛び去ってしまい、また内部は冷たい真空に晒されています。 
 ですがコロニー全体の形はまだ留めており、港湾部の施設などには空気が残っています。
 物資の調達などの目的には、ある程度使えるでしょう。

◎侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

×侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。

[W-22 エリア]
 開始時から禁止エリアだった領域。
 かつてプログラムを管理する管制室がそこに存在していた。
 そのことは、少なからぬ参加者が「ティーチャー」から知らされている。
10リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:21 ID:???
 @ 最後に参加者様へ @

バトロワ参加者心得

一つ、場の空気を読む努力をする。
一つ、戦闘時、無理やり人を自分の土俵に引き込まない。
一つ、極力、相手がなにをしたいかを考える。
一つ、自分勝手な行動をしない。
一つ、放棄しない。
一つ、観客もいることも頭に入れておく(管制室を読まない読者の存在も忘れずに)
一つ、誤字、脱字、変換ミスには気をつける。
一つ、ID待ちはしない(みんな、案外見てますよ)。
一つ、叩かれたら、怒らず、まずは自分を見直す。
一つ、管制室での質問・抗議・意見などは、穏かな口調で冷静に。決して煽らない。
一つ、全てにおいて節度を守る。自分は職人だと自覚する。
一つ、『生きる』為の戦いではなく『魅せる』為の戦いを心がける。
一つ、死んでも泣かない。
一つ、エロスは大事、でも程々に。
一つ、『キャラは憎めどプレイヤーは憎まず』の精神で、互いに敬意を忘れないでオネガイ
一つ、主役は生徒のみなさんです。先生は脇役です。……先生が言っても説得力ないかもしれませんが _no
11リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:22 ID:???
第12章 >275 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□×□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□□□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□×□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□×■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□×□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□□□※□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■
16■□◎■□◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□□□◎×■□□07□≠01□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□×■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■■■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22×□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□99□◎▼◎00▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼×□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□□□◎

00番はリーア先生の乗る緑のドライセン。99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・ZP・26は同一地点。07・11・25は同一地点。10・14は同一地点。03・15・20は同一地点。
15はムサイ級戦艦に搭乗。15の機体もムサイ級戦艦に収容。
V-20に乗り手不在のジム・ライトアーマーとヤクト・ドーガ。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
12リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 01:23 ID:???
生徒名簿

 先生 リーア・ミノフスキー       (??) 女性  ドライセン(専用カラー)
 01番 シュウジ・アサギ         (32) 男性  ホビー・ハイザック(+ゼファーinビギナ・ギナ)
 死亡 シュヴァイザー・シュタイナー (44) 男性  ボリノーク・サマーン
 03番 イブ・シュウリン          (24) 女性  Vガンダム
 死亡 ユリ・ランブ            (16) 女性  (ゴトラタン)
 死亡 ダグラス・ロックウード     (17) 男性  ゴトラタン(元・ケンプファー→ジム・ライトアーマー)
 死亡 ジェイス・カーライル       (28) 男性  ジェガン
 07番 ベルク・クロフォード       (25) 男性  ペズ・バタラ
 死亡 ヨーコ・クロサキ         (17) 女性  ガズR
 死亡 リオン・フライハイ        (15) 男性  ジオング
 10番 アシッド・ミニングリー      (29) 男性  ギラ・ドーガ
 11番 サーティア・クワン        (19) 女性  ガンイージ(元・ジム・ライトアーマー→ジャベリン)
 死亡 サブナック・B・アンドラス    (17?)男性  ビグロ
 死亡 ショーン・コネリー        (52) 男性  ガンダム4号機(元・ジャベリン)
 14番 レイモンド・デリック       (31) 男性 ジャベリン(元・ガンイージ)
 15番 リナルド・グレイス        (22) 男性  アビゴル
 死亡 アレン・D・バディアン     (20) 男性  ハンブラビ(元・ガンダム4号機→ジャベリン→ゴトラタン)
 死亡 フィニー・ディクセン       (18) 女性  (ハンブラビ)
 死亡 レニウム・アートナー      (33) 男性  ジ・O
 死亡 ラーズ・フィリー          (16) 女性  ヤクト・ドーガ(クェス機)
 20番 リファニア・ニールセン     (15) 女性  サイコガンダムMk-U
 死亡 アーネスト・マンソン  (20代後半?)男性  ガザD(+旧ザク)
 死亡 リー・ションロン          (22) 男性  (ビギナ・ギナ)
 死亡 スタンリー・M・イプキス     (33) 男性  クロスボーンガンダムX2
 死亡 ジョシュア・カミンスキー     (31) 男性  ガンダムMk-U(ティターンズカラー)
 25番 ルイ・フィルセント         (22) 女性  R・ジャジャ
 26番 シェラザード・ビンス・マクファーソン (28) 女性  キュベレイMk-U(3号機)
13イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/23 14:35 ID:???
本物の猟犬ならば、そして此処が地上であったならば。
嗅覚を研ぎ澄ませれば、狩りの獲物を追うのは然程難しい業ではない。
猟師は耳を済ませて音を拾い、土をなぞって獣の痕跡を辿っていけば、いつかは獰猛な威嚇の声に追い立てられた哀れな鹿の姿に出会えるだろう。
しかし此処は宇宙。
そして、愁林が駆るのは機械仕掛けの人形に過ぎない。
ましてや捕らえるべき相手は、哀れと呼ぶにはあまりにも強かな真紅の魔女だ。
匂いを追う事も叶わず、耳を欹てる事も意味を成さない漆黒の海の中、頼れるのは微妙な計器の反応と己の直感のみ。

「……」

気持ちばかりが急く。
残された時間は少なく、そして残された参加者は未だそれなりの数を示している。
彼らのうちの誰かがシェラザードと接触し、戦闘に入っているかもしれない。
今この瞬間にでも、こちらに向かって襲い掛かってくるMS反応が現れるかもしれない。
狂気に呑まれ、或いは端から愁林たちにとっての狂気をこそ自らの正気と為して振舞う連中が、いないとどうして言い切れよう。

「……」

だから愁林はひた走る。
遠く星々の煌く暗黒の大海を、微弱すぎる残留熱量と自らの直感とを羅針盤にして、滑るように進んでいく。
どうしようもなく大嫌いで、絶対に馬が合う筈の無い、いけ好かない女。
恋人となれる筈だった男を寝取り、誤って殺し、耐えかねて逃げ出した女。
客観的に見れば、シェラザードはそんな女に過ぎない。

「だから何」

知らず、愁林は呟いていた。
世間一般の尺度に何の意味がある。
凡百の視点に何の意味がある。
大事なのは愁林自身の視点、自分自身をシェラザードの目の前で証明してやる事だけ。
即ち彼女を捕まえて、仮令首輪をつけてでも連れ帰る事だけ。

怖れと憧れは、或いは同じ銀貨の表裏に過ぎないのかもしれない。

そんな思いが過ぎる暇すらなくひた走ったその先、索敵範囲内に3機のMSの熱源反応が現れた。
その内の1機は、紛う事無くキュべレイMk-2のモノ。
戦闘中か。
そう思ったが、この距離からでは如何なる干渉も不可能である。
逸る気持ちを抑えながら、愁林は只管先を急いだ。
仮令戦火の真っ只中にその身を晒してでも、彼女はシェラザードを連れ戻さねばならないのだから。
14イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/23 14:36 ID:???
【行動:V-20→T-20→T-18(-4)】【残り行動値:0p】
【現在位置:T-18】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「絶対に連れ戻す」】
【同盟:リナルド、リファニア、(シェラザード)】
15悪女@規制中につき携帯:04/05/23 15:40 ID:2PSJQXQP
IDチェック
12章>>276>>280-281
攻撃はどちらもかわされた。正確に言うと、目標の側にいたビギナ・ギナに防がれた。

よくまあ、そんな男を守る気になるわね………!

お返しとばかりにビームが飛んでくる。鋭い一撃だ………シャクルズに乗ったままではかわせない。
キュベレイがシャクルズから離れるのと、ビームが機械仕掛けの騎馬を貫くのはほぼ同時だった。
その爆発に乗るようにして女王が舞う。
滑るように、踊るように、輝きと殺意を全身から振りまきながら戦場で軽やかなステップを踏む。

恒例の全体通信が入る。詳しい状況の確認は後だ。
ここが立入禁止区域でないのが分かれば、今はそれでいい。

墜とされたのは、3人。目の前の男を狂わせたヨーコを殺したのは誰なのかしらね。

続いてハイザックから通信が入る。その表情と口調は、取りあえずは狂気とは縁遠いものに見えたのだが。
かといって、応答する必要があるかどうかは別の話だ。

W22に用がある? 誰かに会わなければならない?
だからどうした。それはこちらが道を譲る理由にはなりはしない。
無差別も何も、殺さなければ自分が死ぬのだ。だからこうして攻撃している。
攻撃を止めて欲しければ、それなりの見返りなり取引なりを示すべきだろうに。

あなたの都合にこちらが付き合う必要はないわ。

真の幻? 笑わせる。この期に及んで芝居じみたハッタリか。
そんなに行きたい場所があるなら、問答無用で自分を排除しようとするべきだろう。
見せられるものなら見せて貰おう。二流以下の芸なら、笑ってやる。

結論。応答する必要はない。より正確に言えば、言葉を持って答える必要は認めない。

だからキュベレイはハイザックには答えない。敵にかける言葉はない。
女王は右の翼から何かを取り出すと、恋した女を二重の意味で失った男に投げつけた。
それはトライブレードと似たような速度と軌道でハイザックに向かう。

だが、それは装甲を切り裂くものではない。構造材を貫き、砕くものではない。
それが貫くのは、パイロットの瞳。それが失わせるのは、人間と機械の視力。
腕のいいパイロットだからこそ、自分を狙うものを注視せざるを得ないはず。
それが何であるか、どのような軌道で自分に近づこうとするのか、意識せずにはいられないはずだ。

だが、それはトライブレードではない。注目がそのまま命中を意味する、フラッシュグレネードだ。
さあ、あたしの敵を消してきなさい、ファンネル達!

フラッシュグレネードが炸裂するタイミングに合わせて、キュベレイのスカートからファンネルの群れが飛びだす。
花火のように闇の中に尾を引いて、しかし花火のようには消えることなく、
それぞれが小さな死神と化してハイザックに襲いかかる。
上から、下から、左から、右から、前から、後ろから、あらゆる方向と角度から。
ただひたすら主に命じられたままに、敵を破壊の光で貫くために。

鱗粉と呼ぶには凶悪に過ぎる光をまき散らしながら、ファンネル達がハイザックにその砲口を向ける。
そして、タイミングを見計らって次々とビームを放った。
 
【行動:回避失敗・シャクルズ喪失(−1)、
    ホビーハイザックをフラッシュグレネードで攻撃(−1)+オールレンジ攻撃(−2)】
【位置:T17】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:(ほぼ)完調】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:イブを試す・ミョーコウに危険を及ぼしそうな相手は全て排除】
【同盟:無し(?)】
サイコをHLV格納スペースへと入れたリファニア。
イブのVガンダムは、次第に遠ざかり……じきにレーダーに映らなくなってしまう。

イブさん……きっと無事に帰ってくるよね。
でも、それって、シェラさん……あなたに、会えなくなっちゃうという事なのかな……?

コックピットに転がるふたつのエプロンをぎゅっと抱きしめると……。
リファニアが着たピンクのエプロンのポケットに、何か硬いものが入っている事に気がついた。

「……これ……って……。」

口紅だった。かつてリファニアの唇をローズピンクに彩った、想い出の品。
それを手にとって、暫く眺め……再びポケットに戻す。
顔を上げたリファニアの眼差しは……W−22、その一点のみを見据えていた。

あの二人の戦いに、私は割って入れやしない……。
だったら、ここで悩んでないで……私は私のするべき戦いに、赴くのみよ。

シェラのエプロンを抱え、サイコのコックピットから出ようとした時に……。

前スレ>276
定期放送が流れ、W−22への進入が可能になったという事が告げられる。

……ノイズが混じってる。たぶん、MSか何かから流されているんだ。
リーア=ミノフスキーを同じ土俵に引きずりおろす事に、成功した訳ね。
もっとも、実際は向こうから降りてきてくれただけなんだろうけど……ね。

リファニアの首輪も、爆破されなかった。……明らかに、反逆行為だというのに。
リーア=ミノフスキーの目的は見当もつかないが、会わない訳にはいかない。
リナルドの言うとおり、全ての終わりがそこにある訳ではなくとも。
そこに、かつて乗り越えるべき壁として認識していた、リーア=ミノフスキーが居るのだから。

サイコのコックピットハッチを開き、港に身を躍らせるリファニア。
向かったのは、ヤクト・ドーガのコックピット。
すでに開いているヤクトのコックピットに乗り込んで、シートに身を納める。
……コックピット内には、ラーズ=フィリーの私物が未だに残ったまま。 
ヤクトの状態をチェックすると……損傷らしい損傷は、殆ど見受けられなかった。

「……要塞内じゃあ、サイコは取り回しが悪すぎるものね。
 やっぱりこっちを使わせてもらうよ。」

そう呟いた後、ヤクトの隣に立つGMに目を向けるリファニア。
このコも、れっきとしたミョーコウの一員。いつまでも艦外に放置は、さすがに可哀想だよね。
……放置したのは、他でもない私なんだけどね。
ごめんね、と舌を出しつつ、GMをヤクトに抱えさせて、ミョーコウの格納庫へと共に入る。

格納庫には、リナルドのアビゴルと共に、ラーズの使用していたメガ・バズーカランチャーが置いてあった。
リファニアより先に、リナルドはすでに到着していたという訳だ。
メガ・バズーカランチャー。
リナルドが言っていたとおり、第二管制室となる艦があるのならば、
このメガ・バズーカランチャーとサイコが、切り札になり得る筈だ。

GMをかつてその身を納めていたハンガーに納めさせて後、ヤクトからひとまず降りたリファニア。
ダグラスを送って後、格納庫に降りる事は無かったので、ギターと自分のディパックは格納庫に置いたままだ。

……夢の象徴は、常に私と共にね。さっきはバタバタしてて、そのまま出ちゃったけどね。

ディパックとギターを肩に担いだリファニアは、再びヤクトのコックピットに、跳んだ。 
【行動 : サイコ格納(-1)、ヤクトに乗り換え(-1)、GMと共にヤクト格納庫へ(-2)、残0 】
【位置 : V-20(ミョーコウ、格納庫) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーに会う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
痛い。
耐えてはいるものの、じわじわと痛む。
この痛みは何だ?
この痛みはどこから来る?

荒い息遣いと共に、機能が制限され照明の落ちた通路を進む影がひとつ。
その息遣いの原因は痛みだけではないのだが、やはり痛みによるものが大きい。

(……そうだ……。
 リファニアには……知られないようにしなきゃ……な。
 力のことはまだしも、こんな……副作用のこと、リファニアが……知ったって、どうしようもない……。
 今頃……格納庫に入っているはずだ。
 いつも通りに、今まで通りに……。
 やって見せろ、リナルド=グレイス……!)

胸を抑えた手を放す。
二回、深呼吸をして。
格納庫の扉を開いた。

格納庫では、ヤクト・ドーガが動いていた。
リファニアはヤクト・ドーガで行くつもりなのだろうか。
確かにその方がいろいろと都合がいいだろう。

……そうだ、イブに何かメッセージを残しておかなければ。
機体に放置されたままの救急箱から大きめのガーゼを取り出し、
メッセージを書き込むと、テープで通路へのドアに貼り付けた。

〔イブさんへ

 リファニアと一緒に、W-22まで行ってきます。
 留守にするため、艦の機能を最低限残してシャットダウンしました。
 必ず二人で戻って来るので、出港の用意でもしながら待っていて下さい。

                           リナルド=グレイス

 追伸
 首輪のこと、機体と艦の自爆装置のことなどは、
 今やるべきことが一段落してからにしましょう〕

そして、アビゴルのコクピットに戻ると、ヤクト・ドーガに通信を入れる。

「リファニア、W-22へは俺も行く。
 今の君を一人で行かせるわけにはいかない。
 艦が目視以外で探知されないように、機能は落としてきたし……
 嫌だって言われたって、一緒に行くからな」

そう告げると、彼は以前掻き集めた部品をいくつか見繕って組み立て始めた。
それは、ささやかな反抗の始まり。
まだ完成はしていない。 作り上げたのはハード部分だけだ。
ソフトはこれから。 例のノートPCを使って。
さすがに夏休みの工作レベルではないし、彼にもうまく作れるかはわからないが、
できるかどうかが問題なのではなく、やるかやらないか……それが問題なのだ。
【行動:ブリッジ→格納庫(-1)、書き置き(-1)、通信(-1)、作業(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・格納庫】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・ヤクトと通信中】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(未完成)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ (01番シュウジ?)】
22リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/23 23:41 ID:???
「……………」

コクピットを開け放った、ドライセンの中。
彼女はひたすら待ち続ける。

「……………」

周囲に3色のハロを、音もなく遊ばせながら。
静かに、膝の上のドクロを撫でながら。

「………一体だれが最初にここまでたどり着くのかしらね。
 ねぇ、キャット、あなたはどう思う………?」


 *  *  *

「……もうすぐ、Q-21エリアに到達します」
「ようし、減速用意。ティーチャーが来るまで、この宙域で待機するぞ」
「……彼女、来ますかね?」
「来なけりゃ彼女が死ぬだけさ。気にすることはないよ。
 それより、俺たち自身の身の安全を考えないとな。
 メガバズーカランチャーやら大型ミサイルやらを使われたらたまらん」
「そうですね。警戒を続けましょう」

 *  *  *

……紫の球体は、ようやくそこでの仕事を終えた。
彼の拙い人工知能には、それが何を意味するのは理解できない。
ただ、「それ」が自分の仕事であることは理解していた。
そして、彼女の元に帰るまでが任務であること、そして仕事はここで終わらないことも理解していた。

彼は小さく跳ねながら、もと来た道を戻っていった。

【管制室の行動:移動(R-22→Q-21)(−1p)】
【リーア先生の行動:生徒が来るのを待つ(0p)、ハロV、管制室から格納庫に戻る(−1p)】
【位置:先生:W-22、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3】
【残り行動値:リーア先生:2p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
23シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/24 00:54 ID:MOy5+aTP
IDチェック
24シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/24 01:37 ID:???
>>16-17

「……返答はなしか……。」
シャクルズを失いながらも、踊るように戦場を駆けめぐるキュベレイ。
途中全体通信が入るが、気にしている場合ではなかった。ラーズが死亡した。と言う辺りは気になったが。
キュベレイの動きをしばし観察していると、右のバインダーからなにやら取り出し、投げた。

「何か投げた……?」
〔……!〕
[Cautions!Flash Gurenedo!]
ディスプレイに表示されるゼファーからの警告メッセージ。
「流石の反応だな!入光量調整!次攻撃に備えろ!」
次の瞬間、フラッシュグレネードが弾けた。続いて、キュベレイから何かが射出されるのが見えた。
(ファンネル……NTか!?)
無数のファンネルが縦横無尽にランダムな動きでこちらに近づいてくる。
動きを読む事はそれこそNTや強化人間……あとはゼファーぐらいにしか不可能だろう。

「速い……素人には追う事すら不能……か。」
〔援護します。〕
「……頼む。」

ファンネルとハイザックの間に割ってはいるビギナ・ギナ。
左腕のビームシールドを展開し、一発目を防御。
続いてハイザックを右肘部分で押す。
直後、ホビーハイザックがさっきまでいた空間を、ビームが通り過ぎていった。

「……っつ!危ない危ない……。
 私もつくづく運が悪い……こんなキュベレイなんてMSを手に入れたNTに出会うとは……。」
〔どうしますか?〕
「……返答がわりの攻撃……か。」
〔では……やはり?〕
(ティチャー共と闘う事になる時までは取っておくつもりだったが……。
 しかたがないな。ただでさえ機体に負荷がかかるというのに……。)
25シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/24 01:41 ID:???
「……幻よ。今こそ我の前にその真の姿を現し、
 抗う全ての者に分け隔て無く慈悲無き破壊を、絶望を、死を与え給え。
 Zephyr.Phantom.System.-Natural-起動用意。」
〔……!
 パスワード・声紋認証されました。-Natural-起動用意。
 機体情報、チェック。……イエロー。活動限界時間、627秒。〕

「言語機能限定、
 C−01/02/03解放、
 FCS解放、
 統合操縦システム、リミッターカット。
 対G制限システム、リミッターカット。
 独自戦闘モード、コードA−1からA−23随時変更しつつ対応。」

[All limiter separation.
 Mode setup.
 The completion of starting preparation.]

「Zephyr.Phantom.System.-Natural-起動!
 600秒フル稼働最大戦速で一気に殺る。
 目標、前方MS、キュベレイMk−2。
 塵も残すな。
 撃ち抜け!切り裂け!叩き潰せ!薙ぎ倒せ!」

[Target setup.
 The completion of attack preparation.]

「……後悔する暇も与る気はない。征くぞ。
 COMBAT.OPEN。」

[yes my master.
I start a battle.]

人を救うために創られた人ならざる者が、その真の姿を現す。
抗う全てのモノを破壊しつくし、全ての者に死を招くために。
これは皮肉だろうか?いや、必然なのだろうか……?

各スラスターを噴かし、キュベレイに人外の速度で躍りかかるビギナ・ギナ。
その間にも銃弾を叩き込むのは忘れない。途中でジャムったマシンキャノンを投げ捨て、
ビームサーベルを装備させ、一気に後ろに回り込み、ビームサーベルを背中からコックピットに突き刺そうとした。
が、その狙いは少し外れていた。
正確には、コックピットから少し外れた腰部の辺りをビームサーベルは捉えていた。
26シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/24 01:43 ID:???
【行動:攻撃防御・回避(−2)-Natural-起動(−0?)マシンキャノンでキュベレイ攻撃(−1)
    ビームサーベルでキュベレイ攻撃(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-17】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー-Natural-制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:破壊】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
27イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/24 01:47 ID:Sh6iSU1w
ID確認
28イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/24 10:41 ID:???
義を見てせざるは勇無き也。
若しくは、根っこの部分でどうしようもないお人好しだったか。
自らの言葉の真実を証明しようだとか、或いは彼女をリファニアの元に必ず連れて帰るだとか。
そんな理由を思い出したのは、大き過ぎるGに一瞬朦朧とした意識が漸く戻ってきた時であった。
何も考えずにフットペダルを只管に踏み込み、最大加速のまま右腕のビームシールドを展開。
レッドアウトしかけた視界に、お互いの磁場が干渉しあい反発しあう光の刃と盾の映像が映った時、愁林は何とか自分が間に合った事を知った。
弾かれたビームサーベルが、右肩の装甲を浅く削りながら緩く虚しく振り下ろされた。

「かは……っ」

ぴしゃり。
バイザーを濡らす鮮烈な朱色が、自分の吐血によるものだと気付き、愁林は苦笑する。
無茶な加速と緊急停止、そして無茶な防御行動とが相まった結果、それらによるGと衝撃とが彼女の内臓器官に幾許かのダメージを与えたらしい。

意識はしっかりしている。
当然だ。シェラザードを連れ戻すという誓いはまだ果たされていないのだから。
命を賭ける事で、彼女に自らの誠を証明できるとは限らない。
仮令、そうする事でしか身の証を立てられないような不器用な人間だったとしても、それでも今は落ちてしまう訳には行かないのだ。

「何をこんなところで油売っているの?
 早く、あの子のところへ戻りなさいよ……ね。
 他の参加者に戦闘を吹っ掛けてる場合じゃないでしょう」

くらっ。

遠退きかける意識を必死に繋ぎ止め、シェラザードへと開いた回線にそう叱咤の声を飛ばす。
疲労しきった体は、主に絶え間なく休暇を要求してくる。
だが、その要求を呑む訳には行かない。
そしてまた、その要求に抗っている事を目の前の女に悟られてもいけない。

「わざわざ敵を増やしてどうするのよ。
 貴女がやるべき事は、もっと他にあるでしょう?
 こんなところで死なれたりしたら……あの子に銃を向けてまで、貴女と相対する権利を手に入れた私の立場が無いじゃない。
 次に無闇に誰かと事を構えようとしたら、首に縄を付けてでも無理やり連れ帰るから覚悟なさい」

だから、浮かべるのはいつもの穏やかな微笑み。
その裏にどれだけの苦痛が潜んでいようと、自分からそれを見せる事だけは決してしない。
ヘルメットを外す。
血に覆われたバイザー越しでは、上手く相手に表情を伝えられそうに無かった。
見栄と意地とを背骨に通し、真っ直ぐ伸ばした背筋をそのままに、真っ直ぐな瞳をシェラザードに向ける。
29イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/24 10:43 ID:???
第一、この方が自分達らしいではないか。
そんな考えがふと頭を過ぎった。
顔を合わせる度、文句や皮肉を言い合う間柄だったのだ。
……愁林の方が一方的に噛み付いていた事が多かったようにも思うが、それはこの際気にしないでおく事にした。
いきなり聖女の如く相手を受け入れようとしても、お互い必ず何処かに歪みが出てしまう。
ならば、こんな二人を置いて先に逝ってしまったあの少年に、死んでからも尚気苦労を味わせてやるぐらいが丁度良い。

―――出会い方が違えば、喧嘩しあうぐらいの仲にはなれたかもしれないわね。

愚にもつかないそんな夢想を一笑に付し、血に濡れた唇を指先で拭う。
朱色の汚れはその程度では到底落ちきる事は無いが、それでも少なくとも唇の色だけは、彼女本来の美しい朱色を取り戻していた。

「ホビーハイザックのパイロット……貴方が『乗っている』側の人間じゃないのなら……このMSにも、刃を収めさせて貰えないかしら。
 貴方がまだこちら側に踏み止まっている人間なら……っ……私たちは、同じ目的の為に協力し合える筈よ」

自身の記憶が確かなら、シュウジ・アサギはW-21の禁止区域指定を解除させた張本人。
僅かでも可能性があるのなら、それに賭けてみるのも悪くは無い―――

「ぁ……はぁ……っかはっ……ぐ……」

立て続けに二度の吐血。

「ごめんなさい。はしたないところをお見せしてしまったわね」

それでも浮かべた笑みは美しく、見据える瞳は濁る事は無い。
果てない宇宙のように澄んだ光を湛えた双眸は、最後までシェラザードとシュウジとに向けられたまま。
その瞳よりも、その髪よりも尚黒い闇の中に、愁林の意識は沈んでいった。

何時の間に取り出したのか。
銀色に淡く輝くロザリオを、その手にしっかりと握り締めたまま―――

【行動:T-18→T-17(-1)、Bシールド防御(-1)、キュべレイMk-2に通信(-1)、ホビーハイザックに通信(-1)】
【残り行動値:0p】【現在位置:T-17】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷による吐血? 気絶】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「絶対に連れ戻す」】
【同盟:リナルド、リファニア、(シェラザード)】
30トコロ=ジョージ:04/05/24 13:04 ID:???
「私が粛清してやろう」トコロ=ジョージはそういうとおもむろに
アクシズを落とし始めた。「やめるんだトコロくん」そういって現れた
のはテム=レイだ。しかしトコロはまるでいうことを聞かない
そこでテム=レイは逆転の発想をつかった「ならば地球がなくなったらどこに
アクシズを落とすのかね」トコロ「まっまさか地球破壊爆弾を使うというのか?!」
テム「はっはっはくらうがいい!!」
土語ーん!!!!!!!!!!!!!!!!!
こうして地球は破壊されてしまった
生存者0ゲーム終了
31通常の名無しさんの3倍:04/05/24 17:58 ID:???
糞スレ晒しage
リファニアの感覚は、鈍っていた。正確には、鈍らせざるを得なかった。

サイコ・ガンダムの凶暴なサイコミュの波動。
かつてはその凶暴な波動をも手なずけ、自らを見失わずに乗りこなして見せていたリファニア。
だが、疲労のせいもあったし……自ら人を手にかけるという行為を覚悟していたとはいえ、
どこか拭い去れぬ罪悪感を抱いたまま戦いに赴いた事が、サイコミュに抗えるだけの強さを奪い去り……。
そして、なかばサイコミュに取り込まれた結果が、今のリファニアの全身に拡がる痺れを伴った痛みなのだ。
戦意と共に感覚を強制的に広げさせて、ニュータイプ能力と称される力を増幅させるサイコ・ガンダムのシステム。
システムに取り込まれて、その能力を際限無く増幅させられ続ければ……。
強化人間ではないリファニアの神経は、その過負荷に耐えられない。

過負荷がかかった神経を休ませる為、リファニアは無意識の内に感覚を閉じていた。

よって、リファニアは感じ取る事が出来ない。

リナルドの苦しみも……イブとシェラ、二人の姉と思える存在に迫る危機も。

>>20
『リファニア、W-22へは俺も行く。
 今の君を一人で行かせるわけにはいかない。
 艦が目視以外で探知されないように、機能は落としてきたし……
 嫌だって言われたって、一緒に行くからな』

ヤクトのシートに身を埋めるリファニアに、リナルドが通信を入れてくる。

「うんっ、もちろんだよ。行って、示さなきゃね。
 私達の、決意の強さを。抗う意志を、ね。」

彼に対し返信しながら向ける笑みは、強い疲労感を感じさせない程に晴れやか。
その眼差しは、かつてない程強い決意の眼差し。
身体的には最悪のコンディション。だが、精神的には最高のコンディション。

―――私はついに、辿り着く。限りなく高く、そして遠いと思ってた、壁に―――

格納庫の一角に並べられた武器に目を向ける。
シェラの使った105mmザクマシンガン。マウントする場所は無いので、予備の弾倉はもたない。
ダグラスの残した、ザクバズーカ。シェラの見つけた、ハイパー・ハンマー。
ハイパーハンマーを肩に巻きつけ、二つの火器を両腕に携える。
これで、装備は充分だろう。

リナルドと繋がったままの回線の映像に目を向けると、リナルドは何かの機械を組み立てていた。
……それが、前にリナルドが言っていた対抗策なのだろう。
出発前に完成させる事が出来るのなら、それに越した事はない。

「リナルド、私、ちょっとこのコの慣らしをしてくるねっ!
 あなたの作業が終わったら、行動開始よっ!」

リナルドにそう告げて、リファニアはミョーコウの格納庫から出撃したリファニア。
イブが出たMS用のハッチから、ヤクト・ドーガは宇宙へとその身を投げ出した。

サイコミュに頼らない闘い。経験はともかく、技術は不足無い筈だ。
感覚に頼らない闘い……それはまさに、シミュレーターと同じなのだから。
一万回にも及ぶシミュレーター搭乗回数。
1/3は、歴戦の戦士であるパパが相手。
1/3は、ジオン歴代の戦士のデータが相手。
1/3は、仮想ミッションだ。

「私は、戦士の娘だ……。ニュータイプとかそんなの、関係無しに……やってみせるっ!」
【行動 : リナルドに通信(-1)、武装準備(-1)、出撃(-1)、宇宙へ(-1)、残0 】
【位置 : V-20 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーに会う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>32
『リナルド、私、ちょっとこのコの慣らしをしてくるねっ!
 あなたの作業が終わったら、行動開始よっ!』

その声と共に、ヤクト・ドーガが飛び出していく。
一人残されたリナルドは、ノートPCのテキストエディタを起動した。
プログラムというものを組み上げるのに、特別なソフトウェアなどは必要無い。
使用に当たってはコンパイラが必要になるが、そもそもコンパイル(マシン語に変換)されたプログラミング言語など
可読性も何もない。 数値の羅列に可読性を求める方がお門違いだ。

ずきん。

「……ッ!」

気を抜くと、すぐに痛みが身体を苛む。
気を取り直して、その指をキーボードの上に走らせていく。

一通り目的のプログラムを組み終えると、すぐにデバッグを行う。
どんなに細心の注意を払って組んだプログラムでも、大体はどこかに記述ミスがあるものだ。
特にこのプログラムの用途上、どんなに些細なバグでもそれが直接死に繋がる。
コンマひとつ、括弧の閉じ忘れひとつ、演算子の等号記述ミスひとつ許容できない。

見つかったエラーを修正し、再度デバッグ。
今度は大丈夫。 ブラックボックステストでも、与えた仮想の数値をしっかりと反映している。
もう一度、注意深く各行を点検し、エラーが無いことを確認してからコンパイル。
出来上がったオブジェクトコードを先程組み立てたマシンに転送する。

起動。 チェック。
異常無し。 テスト開始。
……状態、良好。
動作、続行。
以後、半永続稼動。

ふぅ、と大きく息を吐く。
人間、相応の知識さえあれば意外とやれるものだ。
プログラミングを教えてくれた今は亡き僚友に目を伏して感謝すると、
彼は静かに艦を後にした。


リファニアの『慣らし』はまだ続いているだろうか?
慣らしで消耗されても困るので、リナルドは開きっ放しだった回線をそのままに
モニターの向こうのリファニアに話し掛けた。

「こっちは終わったよ。
 君さえよければ、出発しよう」

【行動:プログラム作成&デバッグ(-1)、エラー修正&デバッグ(-1)、コンパイル・転送&起動・テスト(-1)、
     発進(-1)、通信<継続>(0)】
【位置:V-20・小惑星基地内】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・ヤクトと通信中】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(稼動中)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ (01番シュウジ?)】
35リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/24 23:38 ID:???
「……何を考えてるのかまでは分からないけど……
 ずいぶんと、強い想いね………」

目を閉じたまま、長らく動かなかった彼女が……動いた。
見えず、聞こえぬ、形のない「何か」を感じたかのように。

「最初の想定よりも時間がかかっているようだし……
 念のため、いくつか準備はしておきましょう。
 この様子だと、必要になるかもしれないわ」

格納庫の中、緑のドライセンが、ゆっくりと動き出した。

 *  *  *

さほどの時間は、かからなかった。
どこに何が納められているかは知っていたし、さほどの作業が必要だったわけでもない。
地形は全て熟知しているし、作業用の道具は全てこの格納庫に揃っている。
なによりこれは、彼女の本来の専門分野でもある。

「……うん、これでよし。少しパーツの干渉が気になるけど……なんとかなるでしょう」

一人うなずく彼女。
そして、再び格納庫の真ん中に――見るからに無防備な場所に――機体を戻す。

「それにしても……時間かかるわね。
 てっきり、取るものも取り合えずくるのかと思ったけど……。

 時間が貴重なものであることは、何も変わってないのに。
 わたしが気まぐれを起こしたらどうするつもりなのかしら?」

楽しげに呟くと、再び同じ位置で、同じようにコクピットを開けたまま、待ち始めた。

【管制室の行動:なし(通常の官制業務)(0p)】
【リーア先生の行動:武器類を集める(−1p)、非殺傷系トラップ(?)設置(×2)(−2p)
          ビームシールド発生器取り付け(−1p)
【位置:先生:W-22、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ネットガン、ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:2p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
>>24-25
信じられなかった。
オールレンジ攻撃を防がれたのは………まだ理解できないわけではなかった。
その後にビギナ・ギナが見せた常識はずれの機動が、シェラザードを一瞬の半分だけ凍らせた。

嘘………!

あの機動、あのスピード………尋常などと言うものではない。
あれでは機体もともかく中のパイロットが耐えきれないはず………!

衝撃。激震。
マシンキャノンの銃弾がキュベレイの華奢な右脚を襲い、その膝から下を引きちぎった。
機体のバランスが崩れ、コントロールが乱れる。
機械とパイロットがどうにか姿勢を立て直そうとした時………背後に、死が迫っていた。

殺られた。

背筋に走った悪寒と震えに肉体が硬直し、精神が凍り付く。
次の瞬間に降りかかってくる破壊と終焉を肌で感じた………その瞬間。

自分の喉に突きつけられた死神の大鎌が、肌に食い込む寸前で止まった。

>>28-29
信じられないことばかりだった。
ビギナ・ギナのサーベルの一撃がキュベレイを貫かなかったことも。
その刃が光の盾で防がれたと言うことも。
常識はずれの速度と鋭さを兼ね備えた攻撃を防いだのが、伝説の名機の後継機であることも。
イブが、自分を救ったと言うことも。

絶句するとは、こういうことを言うのだろうか。

紅の女王を救った純白の騎士………Vガンダムから通信が入る。
モニターの中に、ヘルメットのバイザー越しでもその美しさがはっきりと分かる女が現れる。
東洋的な美貌に浮かぶのは、いつもながらの穏やかな笑み。
だが、その強固で見事な仮面の下には、彼女が覆い隠そうとしている何かが存在していることは分かった。

白い肌によく映える赤い唇から、言葉が紡ぎ出される。
まっとうな言葉。そして間違った言葉。この場にふさわしく、そして不似合いな言葉。
殺さなければ殺されるこの世界で、敵を増やすなという言葉。
自分がその大切な存在を理不尽に奪った少女の元に返れと言う台詞。

何なのよ、あなたは。

本当に自分を追いかけてどうするのだ。
自分を助けてどうするのだ。
そのために無理をしてどうするのだ。
時間と労力を費やすなら、無茶をするなら、傷つくことを受け入れるなら、
もっと他に適切で適当なことがいくらでもあるだろうに。やるべきことがあるだろうに。

それを、どうして。
思わずいっても仕方のないことを言い返そうとした時、モニターの中に赤い玉が浮かんだ。
ヘルメットという拘束から解かれて舞うように広がる黒髪と輝くような白い肌を彩るように、
一つ、二つと緋色の玉が宙に浮かんでいる。

それを生じさせたのは、血のように赤い………いや、血で染まった唇だった。

!?

情景が重なる。過去に見た光景と、眼前の映像が奇妙に重なる。
紅の機体に乗った、紅に染まった少年艦長。
白い機体に乗った、朱に染まろうとする女。
まさか、それをもう一度見ることになるとは。
再び、自分の前で不吉な紅玉に彩られながら意識を失う誰かの姿を見せつけられることになるとは。

「………………!」

だからどうした。それが自分と何の関係がある。
生き延びるために殺さなければならない相手と言うことでは、ビギナ・ギナもVガンダムも同じこと。
このまま時が流れれば、いつか彼女とも殺し合う。
ならばこの瞬間に将来の敵を片づけておくことには十分な理由がある。
少なくとも、イブが意識を失ったからと言ってハイザックとの戦闘を中断する理由はない。

そして、シェラザードは決断する。

………ファンネル!

キュベレイの機体から、その意思が炎となって立ち上る。
主の明確な意思を受けて、最初の一撃で敵を葬ることに失敗した兵士達が再び戦意を取り戻す。
それぞれに槍を構え、剣の切っ先を敵に向け、弓につがえた矢を引き絞り、
あらゆる方向から敵を殲滅する態勢を整えると。


ファンネルの群れは素早くその身を翻し、キュベレイとVガンダムを守るようにその前面に展開した。
右腕で白の騎士を抱きかかえるようにした紅の女王と、その敵との間に立ち塞がった。
………あたしも、つくづく救われないわね。

イブを機体ごと抱いたまま、シェラザードがゆっくりとキュベレイを移動させる。
女王に何処までも忠実で、忠実であることしかできない兵士達の壁を連動させながら、
U軸を背にするようにしてハイザックとビギナ・ギナに正対する。

あたしもキュベレイも、まだまだ戦えるわ。
でも、今は刃を納めてあげる。そちらが続けようとしないのなら。

キュベレイが左手を真っ直ぐ伸ばし、T軸プラス方向を指さす。
それは意思表示だった。
このまま真っ直ぐマップ下部へと進み、ぎりぎりまでU軸に入らないのならば。
T21まで直進し、それからU軸に入って最短距離でW22を目指すのなら。
この馬鹿な女に免じて、その命がけの仲介に敬意を表して、道を譲ることを許そうとするものだった。

我ながらどうかしてるけど。先に喧嘩を売ったのは、あたしなのにね。

「………右折と左折を1回ずつだけ認めてあげる。W22に行きたいのなら、それで十分でしょう」

念のためにハイザックに通信を入れる。
果たして相手は受け入れるのか。最初の通信を無視して攻撃を仕掛けた自分の言葉に頷くのか。
頷かなければ、虫がよすぎる話だと拒絶するのなら………それはそれで新たな覚悟を決めるだけだった。

【行動:被弾(0)、Vガンダムと通信接続(−1)、Vガンダム確保(−1)、
     ファンネル再配置・示威行動(−1)、ハイザックに通信(−1)】
【位置:T17】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:一時停戦?】
【同盟:無し(?)】
39リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/24 23:59 ID:???
第13章 >38 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□□□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□□□※□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■
16■□◎■□◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□□□◎◎■□□07□≠01□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■■■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□15▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□99□◎▼◎00▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□□□◎

00番はリーア先生の乗る緑のドライセン。99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・03・26・ZPは同一地点。07・11・25は同一地点。10・14は同一地点。15・20は同一地点。
V-20に無人のムサイ級戦艦。乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uを収容。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
『ッっけんじゃねぇよ!
 何なのよ手前等! 自分から生きる事放棄しやがって!
 自分の命なんだと思ってやがんにょ!?

 初っ端から人生を投げ捨てておいてぇっ!』

さーちんの叫び声。
その時、アタシの中で何かが元に戻った気がする。
だから、さーちんに話しかける。

「その通り!!
 そやから、こないなけったいなゲームとかいうんは
 とっとと終わらせて戻ろう。
 いつもの日常に。」

通信をおくりながらさーちんに近付いていった。

【行動 : さーちんに通信(1) さーちんに近寄る (1) 残り 2 】
【位置 : Q−17 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO!!】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 冗談いえたんか〜(笑)
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
41内田:04/05/25 12:33 ID:???
本物の猟犬ならば、そして此処が地上であったならば。
嗅覚を研ぎ澄ませれば、狩りの獲物を追うのは然程難しい業ではない。
猟師は耳を済ませて音を拾い、土をなぞって獣の痕跡を辿っていけば、いつかは獰猛な威嚇の声に追い立てられた哀れな鹿の姿に出会えるだろう。
しかし此処は宇宙。
そして、愁林が駆るのは機械仕掛けの人形に過ぎない。
ましてや捕らえるべき相手は、哀れと呼ぶにはあまりにも強かな真紅の魔女だ。
匂いを追う事も叶わず、耳を欹てる事も意味を成さない漆黒の海の中、頼れるのは微妙な計器の反応と己の直感のみ。

「……」

気持ちばかりが急く。
残された時間は少なく、そして残された参加者は未だそれなりの数を示している。
彼らのうちの誰かがシェラザードと接触し、戦闘に入っているかもしれない。
今この瞬間にでも、こちらに向かって襲い掛かってくるMS反応が現れるかもしれない。
狂気に呑まれ、或いは端から愁林たちにとっての狂気をこそ自らの正気と為して振舞う連中が、いないとどうして言い切れよう。

「……」

だから愁林はひた走る。
遠く星々の煌く暗黒の大海を、微弱すぎる残留熱量と自らの直感とを羅針盤にして、滑るように進んでいく。
どうしようもなく大嫌いで、絶対に馬が合う筈の無い、いけ好かない女。
恋人となれる筈だった男を寝取り、誤って殺し、耐えかねて逃げ出した女。
客観的に見れば、シェラザードはそんな女に過ぎない。

「だから何」

知らず、愁林は呟いていた。
世間一般の尺度に何の意味がある。
凡百の視点に何の意味がある。
大事なのは愁林自身の視点、自分自身をシェラザードの目の前で証明してやる事だけ。
即ち彼女を捕まえて、仮令首輪をつけてでも連れ帰る事だけ。

怖れと憧れは、或いは同じ銀貨の表裏に過ぎないのかもしれない。

そんな思いが過ぎる暇すらなくひた走ったその先、索敵範囲内に3機のMSの熱源反応が現れた。
その内の1機は、紛う事無くキュべレイMk-2のモノ。
戦闘中か。
そう思ったが、この距離からでは如何なる干渉も不可能である。
逸る気持ちを抑えながら、愁林は只管先を急いだ。
仮令戦火の真っ只中にその身を晒してでも、彼女はシェラザードを連れ戻さねばならないのだから。


42内田:04/05/25 12:39 ID:???
/                                 \
|   アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ  |
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   ̄V ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄
  ∧ ∧            ∧_∧        ∧,,∧
  (,,゚∀゚)       '' ̄ヽ  (  ゚∀゚ )       ミ゚∀゚ ミ
  ./  | ( ゚∀゚ ) .| ゚∀゚ .|  /つ⌒l'~O  ∧_∧  ミ  ミ
 (___ノ (∩ ∩) └ ー ┘ (l、__(_)___)( ゚∀゚  )  ミ,,,,,,,,,ミ
/                       ~~~~~~~      \
ヤクトの特性を掴む為、そして今の自分がどこまでやれるのかを確かめる為。
アクロバティックに飛び回ったり、適当な目標に照準を合わせたりして、試してみる。
果たして、その結果は……リファニアを満足させるものでは無かった。

に……ぶい。

私の反応も、機体の動きも。
私がどれだけ、フィーリングに頼ってマシーンを扱っていたか痛感する。
それに、このコ……サイコミュによって機体の動きがサポートされているみたい。
サイコみたいに強制力や圧迫感はないけど……今の私じゃ、能力を引き出しきれないかもね。

ふう、と溜息をつくリファニア。
だが、アレンのギターにちらりと視線を送り、彼から受け継いだ物を思い出して、気持ちを奮い立たせる。
……このプログラムで学んだ事が、一つある。
道を切り拓くのに何よりも大切なもの。力は、大切だ。智も、大切だ。仁も……とても大切だ。

でも、何よりも大切なものは……信念であり、意志なんだ。

>>34
『こっちは終わったよ。
 君さえよければ、出発しよう』

リナルドが、先ほどから作り上げていた何かを完成させたようだ。
モニターの向こうのリナルドの瞳をしっかりと見ながら、返答する。

「うん、わかった。
 じゃあ、私はこのまま要塞の外部を通ってW−22に向かうね。」

そう告げた後、ヘルメットを脱いで、シェラのエプロンから口紅を取り出したリファニア。
口紅が落ちかけた唇を、再びローズ・ピンクに彩る。

「……あの時の話の続き、まだ終わってないよ。」

頬を紅く染めながら、ブルーの瞳を揺らしながら……リナルドににっこりと微笑みかけるリファニア。
そのまま、口紅でヘルメットの側頭部に文字を記し、リナルドに掲げて見せた。

その文字は―――。

―――If you can dream it, you can do it―――

「だから、絶対に……戻って来よう?」

再びヘルメットを被り、迷い無き戦士の表情となるリファニア。
機体を港に向け、港に身を収めるミョーコウに向かって敬礼を捧げる。

「グッド・ラック、ミョーコウ。
 絶対に、帰って来るからっ。私も、リナルドも。
 それに……イブさんも。シェラさんにも、帰って来て欲しい……なぁ。
 だから、それまで絶対に沈んじゃ駄目だよっ。
 アレン、トリィ、ダグラス君……ミョーコウを、護って……。」

言葉を終えて敬礼を解き、機体をW−22に向けて―――。
リファニアがW−22を見据えると共に、ヤクトのモノ・アイが煌く。
メガ・バズーカランチャーの一撃では飽き足らないぞと、言わんばかりに。

「―――Auslaufen!」

リファニアの出撃の意を示す言葉と共に、ヤクトのスラスターに光が灯り。
ヤクトは要塞の外郭をなぞるように飛び、W−22へと猛進してゆく。
疲労も全身の痺れも忘れ―――今のリファニアにあるのは道を拓こうとする強固な意志だけだった。
【行動 : 慣らし(-1)、リナルドとの回線継続(0)、W-20経由でW-22へ移動(-3)、残0 】
【位置 : W-22(要塞外部) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーに会う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
「それは、お前のただの傲慢な考えにしか過ぎない。
 人に死を与えることを選んだ者に、
 命の在り方を・・・・・・・・・とやかく言う筋合いは無い。
 ―――――――――――――――――俺も含めてな。

 サーティア・・・・・・・牙を剥く相手が違うとは思わないのか?
 俺も間違っていた、俺達が戦うことが無駄だと言うことが。
 これも自分の考えでしかないが言わせてもらう。
 俺は、奴等の思いどうりに掌で踊っているのは気に食わない!
 本当に牙を向ける相手は高みで命を弄んでいる奴等ではないのか。
 サーティア、貴様はそうは思わないのか?!』

『その通り!!
 そやから、こないなけったいなゲームとかいうんは
 とっとと終わらせて戻ろう。
 いつもの日常に』

 コイツラは、何を言ってる!
 私の生き方を知ってる積り!?

 暫しの沈黙……そして口を開く。

「全てが命に変わり無いって、言ったのはルイよ!
 他に脱出の選択肢は無い……
 そうよ、奴等完成側を殺す意外にはね。
 ならっ! 私はっ! より生き残る可能性が高い選択肢を選ぶっ!」

 パネルに拳をたたきつける。

「全て、生きる為に戦ってるのよ。
 罪でも何でも無い、生きる為の戦いよ。
 そう、この戦いは……徴税ね。
 高い税金だわ!
 でもね! 支払わなければ生きられない税金なら、
 私はもう支払う事にしたのよ!」

 だから、邪魔はさせない。
「やつら管制側を殺しに行きたいなら、行けば良いわ!
 私はそんな事はしない。

 このクソゲームを生きて帰るのよ……
 私は! リオンと生きるんだから!

 私は所詮最下層民よ!
 人の手のひらの上で生きる事なんて慣れている!
 いいえ、当たり前よっ!

 人のお零れにあやかって生活を送る。
 それが宇宙のジャンク屋、たとえ友人と過ごす時間が楽しくともね。
 雲の上の存在の意向一つで、税金滞納を理由に宇宙へ放り出される可能性だってある。
 盗みもやった!
 恐喝もやった!
 強盗もやった!
 殺しもやった!
 使いっ走りだってやらされた!

 オ カ ネ モ チ
 拝金主義者相手に身体も売った事もある!
       オエラガタ      ウラカイドウ
 えぇそうよ、政治家相手だろうとマフィア相手にもね!
 あぁ、そういえばあの時の殺し屋は良い男だったわ。
 寝るのが珍しく嬉しかったわよ!」

 今私が笑っている事は、自嘲的な笑いかもしれない。
 私に対して笑ってるのか、世界に対して笑ってるのかも、解らないけれどね。

 けど、そういう生き方して来てる。
 むかつこうが、それでも私は生きていられる。
 今は、ただ私にリオンが居る限り……。


【行動 : 通信中(−0) 】
【残り : 4P 】
【位置 : Q17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
47シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/25 23:45 ID:???
戦場を駆けめぐるビギナ・ギナとゼファー。
何の不思議もない。これがゼファーの本来の姿なのだ。
そして、ビギナ・ギナもマシンスペックギリギリを出しているに過ぎないのだ。
ただ、それだけだ。だがその意味は大きい。
極端に言うと、人間は最高の柔軟性を持った制御ユニットである代わりに、
その耐久性の低さから機体性能を押さえつけているリミッター……いやむしろ足枷のような物だ。
……例外として強化人間という物があるが。
ゼファーは思考力・判断力・勘と柔軟性の若干の欠如、殺気を感じられないという欠点を物ともせず、
その機体が耐えうる限界の機動が出来るという長所を最大限に生かし、
NTをも完全に翻弄していた。結果、キュベレイの右足をもぎ取り、
コックピットにビームサーベルを……刺せなかった。
「……増援!?」
キュベレイの後方になにやら光の壁が見える。
見ると、ビギナ・ギナのビームサーベルを白いMS……多分ガンダムの後継機であろう機体がビームシールドと呼ばれる物で受け止めていた。
「……あのスピード……奴もPhantom!?
 いや、生身の人間か?だとしたら……無事ではないだろうな。」

[Please give directions.]
ディスプレイに表示されるゼファーからのメッセージ。それに対し攻撃命令を出そうとしたところで、通信が入った。

>>29
やはり無茶な機動で内臓器官をやられたのだろう。ディスプレイの向こうにいる女性は、かなり弱っているように見えた。よく見ると、血が浮いているのが見える。
その女性は吐血しながらも、こちらに協力の意を伝えてくる。目は強い意志をたたえており、その言葉も弱っている割には強い物だった。
そして言葉を伝え終わると、そのまま意識を失ってしまった。
「……。」
(……こいつも、ティチャーに抗う者?こいつが現れたのは南から。小惑星基地から来た可能性が高い。
 おそらくW−22解放要請の通信を送った者の仲間だろう。
 しかし、ではなぜ同じく南から来たキュベレイはこちらに攻撃を?
 もし仲間ならなぜW−22が奴らの本拠地である事を知らなかった?
 敗走?いや、だったら何故無傷でここに来れた?
 ……よく分からないな。
 ……どうする?)
48シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/25 23:46 ID:???
[Please give directions!]
「少し、待て……。」
思案を巡らしていると、キュベレイが急に動いた。
ガンダムを抱え、ファンネルをあたかもビギナ・ギナと二体を隔てるように展開する。
背にはU-17。そして、右腕でT-18の方向を指さす。さらに通信が入った。

>>38
「……ゼファー。残り戦闘可能時間は?」
[104 seconds.]
「……何故そんなに……そうか。推進剤の消費が予想以上に?」
[yes.]
「……現戦闘宙域を離脱。T−19へ移動する。システム、ノーマルへ。後方警戒レベル最大。」
ホビーハイザックのスラスターを噴かせ、慣性移動に入る。
ビギナ・ギナもそれに続くように。しかし、正面は二体に向けたまま移動を開始する。

「……助けに入った奴に感謝しておけ。
 ……それとな。Q−17で戦闘が起こっている。
 一人はさっき全体通信で叫んでた奴。サーティア=クワン。
 一人は以前全体通信で助けを乞うた奴。ルイ=フィルセント。
 もう一人は私の元仲間。ベルク=クロフォードだ。
 前者一人と後者二人の戦いだ。白い機体の奴を巻き込ませたくなければ、レーダー範囲には入らない事だな。
 ……
 最後にもう一つ教えておいてやる。お前の闘った機体。私の作ったシステムを積んだ無人機だ。
 無茶な機動はその所為だ。おかげでいい物を見せてもらったよ。
 ……もう会う事はないだろう。
 ……運がよくても、な。」
そこで通信を切った。

「何とも……いろいろな事があったにも関わらず、結局私のお人好しな性格は直らないみたいだな……。」
〔W−22に向かいます。少し休んでいてください〕
「あぁ。そうさせてもらう……と言っても、寝れそうにもないがな……。」

初の"真の幻"を使った戦闘は意外な形で幕を閉じた。
後は向かうだけだ。W−22へ。
49シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/25 23:48 ID:???
【行動:通信継続(−0)戦線離脱(−2)? T−18へ移動(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-18】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:W−22へ】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド?15番リナルド??07番ベルク?03番 イブ?26番 シェラザード?】
>>43
『うん、わかった。
 じゃあ、私はこのまま要塞の外部を通ってW−22に向かうね』

どこから取り出したのか、口紅を塗り始めるリファニア。
可愛らしい唇が、以前の彩りを取り戻していく。

『……あの時の話の続き、まだ終わってないよ』

リファニアが微笑む。 微笑みには微笑みで。 リナルドも微笑み返す。
と、リファニアが自分のメットに何やら施し、掲げて見せた。

―――If you can dream it, you can do it―――

『だから、絶対に……戻って来よう?』

いつかと同じく、ふ、と笑みがこぼれる。

「ああ、当然だ」

その言葉を皮切りに、アビゴルが動き出す。
W-22へ向けて。 あの人のもとへ。
開かれた道を辿り、前へと進む。

……

W-22。 格納庫らしき開けた空間。
メガ・バズーカ・ランチャーの一撃によって穿たれ、貫かれた痕が残る空間。
アビゴルの数十メートルほど先に、ライト・グリーンのドライセンが立っている。
ヤクト・ドーガはまだ来ていない。 もっとも、じきに到着するだろう。

(ドライセン……。
 外装の目立った変化は無いが……、何だ? あの色は……。

 そういえば、確か……前回の大会でドライセンを支給された人間がいたんだっけ。
 名前は……ええと……そう、グリーン=キャット。
 あの緑はその名前に則したものか、はたまたゾックのカラーか……。
 ――に、しても……)

無防備過ぎる。
格納庫の中央に立つのはまだしも、何故コクピットハッチを開く必要があるのだろう。
理由が、意図が見えない。

(……待っている? 誘っている……?
 もしそうなら、何を?
 この場合は……攻撃……か?
 あるいは、接近?)

様々な仮定がリナルドの脳裏に渦巻く。
どれもそれらしく、またどれもそれらしくない。

≪続く≫
(誘っているとすれば、ここには何かのトラップが?
 センサーにもレーダーにも何も引っ掛かってないし……。
 とにかく、何をするにも突っ込んでいくのは危険だな……)

そういった考えを巡らすのとは別に、彼にはもうひとつ考えていることがあった。

(……取り敢えず、何を言えばいいのやら……)

こうして会うまでは、言ってやりたいことがたくさんあったはずだった。
しかし、現実として会ってみると、そのどれもがどうでもいいことのように思えてならなかった。
決してどうでもいいわけではなかったのかもしれないが――しかし、ここで言及するべきことではないように思えた。
故に、最もストレートで、おそらく明確な回答の得られない問いを掛けるしかなかった。

「聞こえてますかー?
 ……初めて貴女と話した時も、こうやって……通信越しだったっけ。
 お久し振り、先生。 お変わりの無いようで何よりだ。
 首輪を外せと言ったって外してもらえるわけでもないんだろうし、答えてもらえるかどうかも怪しいが……
 貴女の過去を少しは知った上で、俺からの質問はふたつ。

 ひとつ。 貴女は何を考えている?
 ボーナスタイムでの強力な武器の支給や禁止区域のリセット、さらには無償でのアイテム投下……。
 まるでこちらを攻撃して下さいと言わんばかりだな。
 貴女の部下たちからすれば、気が気じゃなかっただろう。 死んだ人間だっているはずだ。
 ただ殺し合いを幇助するだけにしては、俺たちから見たってやり過ぎに見える。
 そこに何かの意図が無いとは、どうしても思えない。
 ……ま、素直に答えてもらえるとは思ってないんだけどね。

 ふたつ。 貴女はここで何をしている?
 コクピットハッチを開けて、広い空間で無防備に佇む……。
 メガ・バズーカ・ランチャーの第三射があるかもとか、貴女ほどの人が考えないわけないだろう?
 俺が貴女の立場なら、ここに何かしらの仕掛けなり理由なりが無ければ、そんな待ち方はできないな。

 それから……この様子じゃあ、管制室の機能をどこかに移したな。
 大方戦艦だとは思うけど……、貴女は責任者だろう? そこに行かなくていいのか?」

(多くを話してもらえるとは思えないけど……、知りたい……。
 この人が、何を考えているのか……知りたい……)

【行動:V-20→W20→W-21→W-22(-3)、通信(-1)】
【位置:W-22・小惑星基地内】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・ヤクト、ドライセンと通信中】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(稼動中)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ (01番シュウジ?)】
52リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/26 19:51 ID:???
……最初の一人は、ちょうど「彼」が戻ってきた時にやってきた。
紫の球体が静かにドライセンに向けて跳ねていく。
それに気づいているのかいないのか、十数メートルまで近づいた15番の通信が入る。

>>50-51>>43-44

リナルド・グレイスの緊張した問いかけに、彼女はニッコリと微笑んだ。
そして、通信を返す。

『お久しぶりです、リナルド・グレイスさん。
 それから、この子たちは始めまして、かしら? 声だけなら聞いた子がいるでしょうけど。
 可愛いハロたち……こっちからハロR、ハロY、ハロB』

次々にハロを手に取り、示す。彼女の紹介に合わせ、ハロたちが耳を振る。
そして、3体のハロを紹介し終えた、まさにその瞬間……
格納庫の隅から飛び跳ねてきた最後の一つが、彼女の手の中に飛び込んできた。

『そして、この子が、ハロV。
 ……ハロV、お願いした『お使い』は上手くいった?
 ……そう、いい子ね。助かるわ』

なんとも呑気に、今来た紫のハロを撫でている。
そして次に、ふと思い出したかのように手にしたのは、例の白いドクロだった。
まるでハロたちと同じように、リナルドに紹介する。

『最後に、これが『キャット』。
 私の大事な人、グリーン・キャットです。
 ……こんな格好になっちゃってるけど、なかなか男前でしょう?』

彼女は髑髏をその薄い胸に抱え込み、クスクスと楽しげに笑った。

 *  *  *
53リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/26 19:52 ID:???

 リーア・ミノフスキーは、リナルド・グレイスの問いに答えない。
 身構えもしない。逃げもしない。
 ……分かっているからだ。
 リナルドが、好奇心の虜になっていることを。
 彼女のことをもっと知りたい、そう感じていることを。

 リーア・ミノフスキーは、リファニア・ニールセンの接近を感じている。
 身構えもしない。逃げもしない。
 ……分かっているからだ。
 リファニアも、何らかの言葉を交わすまでは、決定的な行為に踏み切れないことを。
 問答無用で殺しにかかることはできないということを。

  精神が触れる。
  リナルドの心を読む分、リーアの心も溶けていく。
  リファニアの魂を感じる分、リーアの想いも姿を顕す。
  刻が、見える。

   そこにいたのは、安全地帯で高見の見物を決め込む人間ではなかった。
   八方塞りの状況の中、なおも足掻きつづける存在。

   彼女もまた、囚われ人。首に感じ続けるのは虜囚の証。
   望むものは自由。「愛する者と過ごす」素敵な未来。
   そのためなら己の命を賭けることも、他人の命を踏み台にすることも厭わない。

   それは、このプログラムの監視者というより……
   未だ続く第二回大会の、参加者の姿。


    さらに深く。その魂の奥底にあるかたち。

     それは深淵。
     あらゆるものを飲み込む闇のイメージ。
     狂気へと誘う混沌の大渦。
     「それ」に触れ、「それ」に呑まれ、しかし「それ」から脱し。
     彼女の魂は、もはやこの地上の「ヒト」の範疇を越え、そして……

     深く広い闇の中、小さな小さな『希望』だけが光って。

    パンドラの箱に残りし最後の災厄は、その代償に数十人の命を望み。
    彼女は震える手を、その小さな、光に、向かって、伸ばし、そして、××、×××、


  『深淵を覗き込もうとする者は、心せねばならない。
   あなたが覗き込む時、深淵もまた、あなたを覗き込んでいるのだから』
54リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/26 19:55 ID:???

 *  *  *

実際の時間にしたら、ほんの一瞬のことだろうか。
深き闇のイメージは消えうせ、そこに広がるのは広々とした格納庫の風景。

NT能力による精神感応、その接触を、彼女が途中で打ち切ったのだ。
そもそも、彼女の送った漠然としたイメージがどこまで伝わったかは分からないが…
強烈なまでの『揺ぎ無い魂』だけは、伝わったはずだった。

リーア・ミノフスキーは、なおもそのまま、開いたコクピットを晒したまま動かない。
ニコニコと満面の笑みを浮かべたままで。

『……用事が『それだけ』なら、そろそろ失礼しましょうかしら。
 わたしも、大体見たいものは見れましたしね……』

その笑みは限りなく冥く、しかし同時に、底なしに明るかった。


【管制室の行動:なし(通常の官制業務)(0p)】
【リーア先生の行動:15番リナルドと通信(−1p)、ハロVを回収(−1p)
    リナルド・リファニア相手に、NT能力による精神共鳴を意識して起こそうとする(−2p)】
【位置:先生:W-22、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ネットガン、ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、生徒たちと対面する、自由を求めて……??】
55シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/26 21:54 ID:???
宇宙空間を"進む"と言うよりは"漂う"様にして進むビギナ・ギナとホビーハイザック。
ホビーハイザックを先頭に、ビギナ・ギナがその後ろに背中合わせになって進んでいた。
推進剤の欠乏からあまりスピードを出せないのだが、その所為もあってか、焦りばかりが募っていた。

「……現在位置報告。」
〔T−20です。〕
「……っつ……気が緩むと……傷が痛むな……。」
〔痛み止めを投与すればいいのではないですか?〕
「……眠気覚ましにはちょうどいい……さ。
 こう移動している間にも考えなきゃならない事が多すぎる……からな。」
〔いざというときに倒れられても困るのですが……。〕
「……寝ろと言う方が無理だと思うがな。
 こうしている間にもW−22に他の参加者が入っている。そう思うと……な。」
〔とにかく、少しは休んでいてください。〕
「……努力する。」

【行動:T−20へ移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:T-20】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:W−22へ】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド?15番リナルド??07番ベルク?03番 イブ?26番 シェラザード?】
>>47-48
ハイザックから通信が入る………どうやら向こうも矛を収めるつもりになったらしい。
見逃してやるとでも言いたげな口調が気に障ったが、この有様では反論は難しかった。
Q17に3人の生徒がいるという情報は、取りあえず心の片隅に留めておく。

しかし、何より意識せざるを得ず、そして気に障った言葉は。

無人機、ですって。

それならば、ビギナ・ギナの動きと速さの納得がいく。
人間は耐えられない機動は、人間がいないからこそ可能なわけだ。それは理解できる。

だが、無人機とはすなわちパイロットの否定だ。
それはパイロットの技量を、経験を、それを身につけるための努力を、その存在そのものを否定するものだ。
血も汗も通っていない、複製も入れ替えも一瞬で完了するプログラムがモビルスーツを完璧に動かせるのなら、
何のためにパイロットは存在することになるのだろう。
今まで積み重ねてきた訓練は、流してきた汗と涙………そして血は、
どんな意味を持つことになってしまうのだろう。

機械が人間を上回るのなら。
戦闘と戦闘に人間を必要としなくなるのなら。
自分は、自分達は、パイロットという人間は、この世に存在する意味を保ち続けられるのだろうか。

一度は消えかけた炎が再び燃え上がろうとする。
主の意思を感じた兵士達が鞘に収めようとした剣を改めて抜きかける。

右腕に意識を失った騎士を抱いていなければ、その手中に黒髪の女の命を握っていなければ、
パイロットとしての誇りと恐怖が女王を戦いへと駆り立てたのだろうけれど。

………覚えてなさい。

ファンネルをスカートの中に戻すと、キュベレイはVガンダムを抱きかかえたままU軸に後退した。
そのままマップ下方に、ミョーコウが還らぬ主を待っているであろう小惑星基地に向かって移動を開始する。
少なくとも今のところは、気絶したイブを抱えて向かうことの出来る場所としては、他に頭に浮かばなかった。

救われない女同士、行ける場所は他にないもの。

レーダーに映るハイザックとビギナ・ギナの位置を油断無く確認しながら、
紅の女王と白い騎士はかつては楽園だったはずの場所へと帰りはじめた。

【行動:ファンネル回収・チャージ開始(−1)、T17→U17→U18→U19に移動(−3)】
【位置:U19】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失・Vガンダム運搬中】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:取りあえずミョーコウへ】
【同盟:無し(?)】
>>45>>46

「なら、行かせてもらうことにするよ。
 このまま、貴様が追ってこないのならな。」

それ以上のことは話さなかった。
話していても結果は変わらないと思ったからだ。

人と人の思いが強ければ強いほど

心が弱ければ弱いほど

残された人の心を縛る鎖は強い。

彼女がそれを望んでいるのならもう、何も言うことは無かった。

そして、何故か残っていたルイに通信を入れる。

「おい、聞こえてるか馬鹿娘。
 もう、T-17へ行っても意味が無くなった。
 俺は先に進む。着いてくるか来ないかは自由だ。
 後は、自分で決めろ。だが、ここには留まるなあまり良い場所ではない。」

特殊情報端末の画面を確認し様子を覗う。

(んっ?新しい反応が在る番号00欠番か?
 位置がW-22にある点からしてティーチャ―か?
 まあ、どの道そこへ向かうつもりに変わりは無い丁度良いさ。)

その情報から最も安全な移動コースを選び
ここから、移動した。背後を警戒しながら・・・・・・・

【行動:サーティアと通信終了(-0)ルイに通信(-1)
    移動Q-17→R-17→R-18→R-19(-3)】
【残り行動値:0】
【位置:R-19】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント 】
W−22。リファニアが到達する事を求めてやまなかった地。
しかし、そこはすでに、抜け殻と化していた。
ただ一つ、リーア=ミノフスキーという存在が居る事を、除いて。

「……ウッ……!」

要塞内へ侵入したリファニアのヤクトの眼前を、数人の遺体が漂った。
ラーズの放ったメガ・バズーカ・ランチャーの一撃。
それは、一瞬の間にこのプログラムで死んだ者以上の生命を、奪ったのだろう。

……報い、と言っていいよね。
こちらの決して手が届かない所から、私達に殺し合いを強要して、ほくそ笑んでいたような連中だもの。

たとえその手を血に染めようとも、生命を尊く思う気持ちは、リファニアの中に強く残っている。
尊く思えばこそ、道を拓く為に他者を犠牲にするような業を、自ら背負ったのだ。
人にやらせて、自分はぬくぬくとしている事など……この連中と同じだと思ったから。
だが、生命を尊く思えども、生命を冒涜するような連中は例外だ。
そのような連中に対してかける慈悲は、リファニアは持ち合わせてはいない。
敵と認識した相手には、徹底的に残酷になれるのもまた、リファニア=ニールセンなのだ。

レーダーに映る機体―――おそらく、リーア機だろう―――の反応と、リナルドのアビゴルの反応が重なる。

>>51
じきに、リナルド機と繋がっている回線から、彼の声が聴こえてくる。
その内容は、リファニアがリーア=ミノフスキーに聞こうと思った事と、そう大差は無い。
違いは、リナルドほど平静を保てそうになかっただろうという事くらいだ。
……いきなり攻撃行動に出る事は無かっただろう。
だが、その声は間違いなく震えてしまっただろうし、その言葉はまともな形を為し得なかったかも知れない。

……おかげで心乱す事なく、彼女と対峙出来そうね。

リナルドがワン・クッション置いてくれた事で、リファニアの心にだいぶ余裕が出来た。
レーダーに映る光点に向けて、すでに人気の無くなった要塞の通路を、奥へ奥へと進んでいく。

>>52-54
続けて、リナルドとの回線越しに、リーア=ミノフスキーの声が聴こえた。
相変わらず、飄々とした態度で、彼女の友達であると思われるハロ達を紹介しているようだ。
声は遠いので、聴き取りづらくはあったが、何を言っているのかは理解出来た。

「キャット?こんな姿に?……もしかして、あの髑髏の事……?」

大事な存在……恋人だったのだろうか?
アレンのギターに手を伸ばして、触れてみるリファニア。
リーア=ミノフスキーにとってのキャットの髑髏と、リファニアにとってのアレンのギター。
それは、一見似たような意味を持つ物かとも思えるが……。
はっきり言える事は、リファニアは、決して縛られてはいないという事だ。
リファニアにとって、アレンのギターは停滞を意味するものではない。
前へ進む事の、夢の象徴なのだから。

通路をさらに奥へと進み、レーダーに映った光点の地点へと、どんどんと近づいてゆく。
この先の開けた空間で、リーアとリナルドが、対峙している。
リファニアのヤクトが通路から格納庫へと飛び出ようとした瞬間―――。

「……あうっ……!」

リファニアの魂に、何者かが触れて―――強力な感応波が流れ込んで来る。
全身の感覚が、なかば強制的に研ぎ澄まされると共に……。
爪先から頭頂部まで、痺れる様な痛みが走り、リファニアの口から小さな悲鳴が漏れる。
だが、リファニアは―――。

感覚を、閉じなかった。

痛みに耐えながら、リーア=ミノフスキーから流れ込んで来る思念を、彼女の魂を、感じ取っていた。

彼女は、足掻いていた。
リファニアと同じように、共に歩んでくれる存在と共に歩む未来を思い描きながら―――。
リファニアと違い、たとえその存在が失われて久しくとも―――絶望的な闘いを続けていた。
そして、そのさらに奥にある深淵に……リファニアは、触れる。
闇、狂気、混沌―――。
その渦の中、小さくともしっかりと輝く光。
炎に引き寄せられる虫のごとく、その光に数多もの魂が吸い寄せられてゆく。
ヒトの魂に、触れている気がしなかった。
そしてリファニアは―――共鳴しかけていた。
リファニアも、その領域に踏み込む可能性が、あったからだ。
だが、リファニアは、踏み込まなかった。

リファニアの魂の扉が、開いてゆく―――。

柔らかく包み込み癒すような輝きと、猛々しき獣の瞳の如き輝きを抜け―――。
パパ、ダグラス、トリィ……そして、アレン。
その出会いを確かな糧として、大切なものを受け継いだひとたちのイメージを抜け―――。
その魂の一番奥にあるものは、決して乱れぬ、穏やかながらも力強く奏でられる、旋律だった。
その旋律が、リファニアの内に触手を伸ばそうとする深淵を、討ち払おうとした所で……。

唐突に、リファニアの意識は、引き戻された。

ゆらりと、顔をあげるリファニア。
その瞳に宿る光は―――未だ曇らぬ澄んだブルーの輝き。
だが、その瞳からは、流れ落ちる一筋の涙があった。
それがリーア=ミノフスキーに対する憐憫の情による物かは、わからないが。
ただ、一つはっきりしている事は―――。
リーア=ミノフスキーに対する怒りの情が、すっかり失せているという事だった。

『……用事が『それだけ』なら、そろそろ失礼しましょうかしら。
 わたしも、大体見たいものは見れましたしね……』

リーアがその言葉を発した直後、遂に格納庫へと辿り着くリファニア。
緑のドライセンと、対峙するアビゴル。その二機の真横から、ヤクトは姿を現した。

ドライセンへの通信回線を開き、凛とした声でリファニアは言葉を発する。

「私は……あなたの深淵に、引き込まれたりなんか、しない。
 これ以上魂をすすろうというのならば……この引き金を引く事、躊躇しない……!」

リファニアのヤクトが、ドライセンへとマシンガンの銃口を向ける。
モニターに映る、その魂をまさに体現した笑みを浮かべたリーア=ミノフスキー。
リファニアのブルーの瞳が、リーアの瞳の奥に宿る深淵を、真っ直ぐに射抜いていた。
瞳に宿るは怒りではなく―――ただ強固な意志の力だった。
【行動 : 基地進入(-1)、リナルドとの回線継続(0)、リーアとの回線接続(-1)、残2 】
【位置 : W-22(要塞内、格納庫らしき場所) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リーア=ミノフスキーと対決?、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
『全てが命に変わり無いって、言ったのはルイよ!
 他に脱出の選択肢は無い……(省略)』

「それで?
 それがどーしたんや、さーちん。」

何事でもないように言う。

「他人の掌で踊っておるんは誰でも当たり前。
 世の中そう言う風に出来取るやからしょうがあらへんよ。
 ただ、誰の掌で踊ってるかが違うだけやん。
 アタシはちょっとひねくれものやから、ただ普通に踊ってるだけやとつまらない。
 掌から邪魔やって退かされる位激しく踊ってやるんや。」

その話しの最中に、べるべるから通信が入る。

「おい、聞こえてるか馬鹿娘。
 もう、T-17へ行っても意味が無くなった。
 俺は先に進む。着いてくるか来ないかは自由だ。
 後は、自分で決めろ。だが、ここには留まるなあまり良い場所ではない。」

そう告げて、べるべるは先に言ってしまった。
アタシは先にさーちんに通信の続きを送る。

「さーちんは帰るにはルール通りに進めるか、
 ゲームマスターを殺すしかないって言っておったけど
 アタシはそれ以外の方法。
 誰も殺さない。誰も死なない方法を探すよ。
 今はまだ思いついてないけど。
 どんなゲームにもバグはつきもんやからそのバグをアタシは探してみる事にする。
 とりあえずアタシは先に行くけど、もし成功したら一緒に帰ろ。必ず。」

それだけ告げると背を向けてべるべるの後を追いかけ始めた。
「べるべる。さっきアタシの事を馬鹿娘って呼んだな〜。
 ひっどいな〜。
 ところでさっきまでボーっとしとったせいで状況がよくわからんのやけど
 状況分かるんやったら教えて!」

【行動 : さーちんに通信継続(0) 移動Q-17→R-17→R-18→R-19 (-3) べるべるに通信 (1) 残り 0 】
【位置 : R−19 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO!!】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる ひっど〜い(笑)
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
U20宙域に入る。ここからV軸に移動すればミョーコウは目の前なのだが。

………入れなくしたのはあたしなのよね。

ミョーコウが宇宙空間に出るための扉を封印したのは、他ならぬこの自分だ。
あの時はまさかこうなるとは思わなかったから、足止め代わりにトリモチを撃ち込んだのだが。
キュベレイでVガンダムを運ぶ羽目になった現状では、あの時の自分を後ろから蹴飛ばしたくもなる。

遠回りするしかない、か。イブも多分そうしたのでしょうし。

モニターで様子をうかがう限り、イブの様子に変化はない。
見て分かるほど悪化もしていないが、回復しているようにも見えず、相変わらず気を失ったままのようだ。

何時までもそうやって寝ているつもりなら、その綺麗な顔に落書きしてやるわよ。

その想いはひねくれた思いやりなのか、不器用な心配なのか、それとも最悪の予想からの逃避なのか。
自分でも何を考えてどうしたいのか把握しきれないまま、キュベレイはU21から小惑星の内部へと入った。

ここにもう一度戻ってくるとは、ね。

途中、自分が探しておいた武器をまとめておいた場所を通過した。
そこには、何も残っていなかった。どうやら餞別代わりの武器やら何やらは受け取ってもらえたらしい。
その後に「あの場所」を通り過ぎることになったが………あえて何かを考えようとはしなかった。
ただ黙って通り過ぎた。それだけだった。

更にいくつかの角を曲がり、複雑に分岐する通路をミョーコウへと進む。
そろそろV20エリアにたどり着く………その時。

>>52-54
それを感じた。ほんの一瞬の、ごくわずかに意識に触れた、その感触を。

何………?

通路が交差する部分、V20とW21への分かれ道で、騎士を抱きかかえた女王が歩みを止める。
不器用に重なり合う白と赤が、知っている場所と知らない場所への分岐点で立ち止まる。

何よ、今の。

分かるような、分からないような不思議な何か。
殺気でもなく、気配でもなく、それでいて両方でもあるような、表現しがたい微弱な存在。
強いて言うなら、かつてリファニアに感じた、あの少女から伝わってきたような波動に近いような気もする。
だが、似ているようで全く違うようでもあった。

気にならないわけではない。気にならないわけではないのだが………ヒロインを演じるには少し年を食っているかもしれない
眠り姫を抱えたままでは、状況を把握できないまま知らない場所に突撃するわけにもいかない。

紅の女王が、困ったようにその目を瞬かせた。
【行動:ファンネルチャージ継続(−1)、U19→U20→U21→V21へ移動(−3)】
【位置:V21・ミョーコウへの最短経路上にある交差点】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝から下を喪失・Vガンダム運搬中・Vガンダムと通信回線接続中】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:取りあえずミョーコウへ・でも妙な気配を感じる……】
【同盟:無し(?)】
65リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/27 21:54 ID:???
紅いヤクト・ドーガが、ドライセンに接近する。
しかし、緑のドライセンは、なおも動かない。
>58-60
精神の触れ合い、そして向けられた銃口。
……それはある程度、彼女が予想した通りの結末だった。

「あなたとわたしとは、似て非なる存在だものね……」

 理不尽な『プログラム』の中で、
 誰よりも大事な愛すべき人を、失ったとはいえ……
 心通わせた仲間を、目の前で失ったとはいえ……

 彼女は、被害者だった。
 それがたとえ望んでのことではないにせよ……やはり、違う。

「ここまで到達したご褒美に、一つだけ教えておいてあげる。
 わたしを撃っても、代わりはいくらでもいるのよ。
 管制室を潰しても、延長コードが永遠に失われてみんな死ぬだけ。
 銃口を向ける相手を、そして今やらねばならないことを……間違えないようにね」

彼女は笑顔で手を振ると、コクピットハッチを閉じた。
2体のMSに、無防備にもクルリと背を向ける。

「それから、ここはもうすぐ爆破されるから。
 ……志半ばに倒れたくなければ、早く脱出なさい♪」

彼女の言葉と同時に……唐突に、黒い雲が格納庫の中に噴出する。
格納庫の物陰に隠された、煙幕発生器が発動したのだ。
真空の宇宙でも効果を発揮する黒色ガスの煙幕が、格納庫を満たしていく。

……しばらくして煙が晴れた時には、もはや緑のMSの姿は残されていなかった。


【管制室の行動:なし(通常の官制業務)(0p)】
【リーア先生の行動:15番リナルドと継続通信(0p)、20番リファニアと通信(−1p)
          仕掛けておいたトラップ(黒色ガス煙幕)を電波で作動させる(−1p)
          撤退(−1p)、移動(W-22→V-22)(−1p)】
【位置:先生:V-22、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ネットガン、ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、生徒たちと対面する、自由を求めて……??】
66シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/27 22:52 ID:???
長きにわたった半漂流もついに終わりを告げ、ついに南端小惑星基地に到達した。
シュウジとゼファーはとりあえず岩の陰に身を隠し、中の様子を探っていた。

「これが最大の小惑星基地……。でかいな……。」
〔現在位置、U−21です。〕
「……隔壁は……開けてあるな。」

開けっ放しのMS用ゲートから中に侵入する二体。
通路をいくつか抜け、とりあえずMS格納庫に身を落ち着かせた。
「周囲に敵は?」
〔レーダーに反応。V−21に先ほどの二体。
 ……!V−22にも反応!未確認の機体……反応はドライセン!
 名簿にない機体……これは……ティーチャーです!〕
(やはりW−22からは移動していたか……。
 しかし遅い。遅すぎる。W−22で他の参加者に足止めでも喰らったか?)
〔どうしますか?〕
「……聞く必要も無かろう?推進剤はまだなんとか保つ。接触する!」


【行動:T-21→U-21へ移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21小惑星内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:ティーチャーと接触 V-21警戒】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド?15番リナルド??07番ベルク?03番 イブ?26番 シェラザード?】
67シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/27 22:54 ID:???
長きにわたった半漂流もついに終わりを告げ、ついに南端小惑星基地に到達した。
シュウジとゼファーはとりあえず岩の陰に身を隠し、中の様子を探っていた。

「これが最大の小惑星基地……。でかいな……。」
〔現在位置、U−21です。〕
「……隔壁は……開けてあるな。」

開けっ放しのMS用ゲートから中に侵入する二体。
通路をいくつか抜け、とりあえずMS格納庫に身を落ち着かせた。
「周囲に敵は?」
〔レーダーに反応。V−21に先ほどの二体。
 ……!V−22にも反応!未確認の機体……反応はドライセン!
 名簿にない機体……これは……ティーチャーです!〕
(やはりW−22からは移動していたか……。
 しかし遅い。遅すぎる。W−22で他の参加者に足止めでも喰らったか?)
〔どうしますか?〕
「……聞く必要も無かろう?推進剤はまだなんとか保つ。接触する!」


【行動:T-21→U-21へ移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21小惑星内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:ティーチャーと接触 V-21警戒】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド?15番リナルド??07番ベルク?03番 イブ?26番 シェラザード?】
68シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/27 22:55 ID:???
二重書き込み……。スレ汚しすいません_| ̄|○
69イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/27 22:55 ID:???
朱い紅い血の雫。
暗い昏い星の海。
天国にしては殺風景、煉獄にしては寒々しい。
ならば此処は地獄か。
自分は死してコキュートスにでも落とされたか。
カエサルらの姿は無く、咎人を齧り喰らうルチフェルの威容も見当たらないが。
すると此処は最下層ではないらしい。
当然か。
罪を犯しても、御主と御母への敬意は忘れた事は無いのだから。
ならば此処は比較的浅い階層か、或いは煉獄の何処か。
恐らくはそのどちらかの入り口辺りなのだろう。

―――お世辞にも真っ当な人生とは言えなかったものね。

ああ、間違いない。
その証拠に、目の前にはやたらきついメイクをした年増の獄吏が―――

「……あら?」

漸く、自分が何処にいるかを愁林は正確に把握した。
地獄でも煉獄でも何でもなく、彼女が今いるのはMSのコックピットの中。
殺風景で寒々しいのは外が宇宙だからであり、獄吏に見えた女は紛れも無く……。

「シェラザード、そのメイク、やっぱり少しキツイと思うわ。肌にも悪いわよ」

―――違う。言うべきは、こんな事ではないわ。

コンソールを操作し、自らの座標を知った愁林は、気を失った自分を目の前の女が此処まで運んでくれた事にも気付いていた。
幸いにして、モニターに映る相手の様子に異変は無い。
機体の状況も、自分が気を失う前と変わった様子は見当たらない。
ならば、言うべきは一つ。

「……良かった、無事で。それと、運んでくれてありがとう……」

少しばかりくらくらする頭の中で整理した言葉を、愁林はそっと口にした。
70イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/27 22:58 ID:???
【行動:キュべレイMk-2に通信(-1)】【残り行動値:3p】【現在位置:V-21】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷及び貧血】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「絶対に連れ戻す」】
【同盟:リナルド、リファニア、(シェラザード)】
>>65
『あなたとわたしとは、似て非なる存在だものね……』

リーア=ミノフスキーが、リファニアに向けて言葉を放つ。
銃口を向けられども、全く動じた様子は見られない。
リファニアが撃てないと、たかをくくっているのか。

『ここまで到達したご褒美に、一つだけ教えておいてあげる。
 わたしを撃っても、代わりはいくらでもいるのよ。
 管制室を潰しても、延長コードが永遠に失われてみんな死ぬだけ。
 銃口を向ける相手を、そして今やらねばならないことを……間違えないようにね』

「……やるべき……事……?」

ここでリーア=ミノフスキーを撃つ事……それは今、するべき事ではない。
……何となく、それは解っていた。
リナルドに言われた事もあるし、リファニア自身、何となくそう感じたからだ。

このヒトに、代わりなどいない……。
その心の深淵を覘いた私には、よくわかるもの。
このヒトの存在、もちろん私達にとって脅威だけど……管制側の人間にとっても、きっと幸を呼ぶ存在じゃない。
……ならばっ……!

リーアは笑顔で手を振ってきた後、ドライセンのコックピットハッチを閉じ、こちらに背を向ける。
その背に対し、マシンガンの照準を合わせるリファニア。
殺しは、しない……でも、逃がしもしない……。
マシンガンの照準は、背面のスラスターに向けられていた。
ザクマシンガンでは、重MSであるドライセンに対し、そう易々と致命的な損傷を与えられやしない。
それがかえって、この場合は好都合だ。

……動けなくするだけでいいっ!暫くの間、虜になってもらうわっ!

リファニアが引き金を引こうとした瞬間―――。

『それから、ここはもうすぐ爆破されるから。
 ……志半ばに倒れたくなければ、早く脱出なさい♪』

リーアの言葉と共に、あたりに闇が満ちた。

「………っ!待てっ!」

トリガーにかかったリファニアの指に、一瞬だけ力が入るが……銃弾は、放たれなかった。
……下手をすれば、リナルドに当たってしまう恐れも有るからだ。

やがて、闇が晴れると……緑のドライセンの姿は、何処にも無かった。
レーダーを見ると、それはすでに今は手の届き得ぬ場所……禁止区域内へと、その身を潜めていた。

「……再び手の届かぬ場所へ、か……。」

ふぅ、とため息をつくリファニア。
みすみす逃がしてしまった事への空しさは少し有ったが、心を乱す程のものでは無かった。
マシンガンを下ろし、通信回線が開いたままのリナルドに、声をかける。

「リナルドっ!ここはもう、ヤバイみたいっ。早く……離れよう?」

くるりと踵を返して、W−22を後にするリファニア。
……果たして、W−22に到達して得たものとは、何だったのだろうか。
具体的な形としては、何も得る物は無かったかも知れない。
だが、それでも、リーア=ミノフスキーに会うことで、
彼女がどのような存在なのか、ある程度理解出来たような気がした。
【行動 : リナルドとの回線継続(0)、リーアとの回線継続(0)、W-21へ移動(-1)、残3 】
【位置 : W-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>52-54
彼女からの返信は、ハロと髑髏の紹介だけ。
望んだ答えも、望まぬ答えも、イレギュラーな答えすら返って来ない。
これでよかったのかもしれない。
答えを出されてしまったら、その瞬間に取るべき道の選択肢がことごとく消えてしまいそうな気がしたから。
不思議と、リナルドの心は平静を保っていた……が。

ドクン。

ふと、『あの衝動』にどこか似ていて、それでいて何かが違うような、そんなものに触れた気がした。

ドクン。

心臓の鼓動が高鳴る。

ドクン。

(……何だ、この感じ……)

どこまでも落ちていくような、どこまでも昇っていくような……
   どこまでも広がっていくような、どこまでも収束していくような……
      大きなものに自分が溶け出していくような、逆にひとつの形に固まっていくような……

   この感覚は、何だ?

景色が歪み、うねり、脈動しながら広がり――

彼の目の前には、ふたつの世界が現れた。

……

ひとつは、何度か見た世界。
淡い虹色に彩られた、不可思議な空間。
でも、違っていた。 その様相は、以前と違ってしまっていた。

世界に刻まれた、闇色の亀裂。
今はまだ空に数条の線が引かれているだけだが、これから先、徐々に増えていくのは明白で。
それが何を意味するのか、見れば誰にでもわかるだろう。

もうひとつは、恐ろしいまでに深く、恐ろしいまでに昏い世界。
そこで足掻き、抗おうとするかたちがあった。
これが先生? ……わからない。
やがてかたちは世界と同じく闇の色を纏い、世界の奥深くから現れた輝きへと向かって――

そこで、意識は現実へと引き戻された。

≪続く≫
(なるほどね……。
 この痛みの原因はやっぱりあれか)

声にも出さず、自虐的な笑みが漏れる。
あの世界はまだ『耐えられる』。 が、亀裂が増え、もし崩れ去った時は……
長い永い、欠片集めの旅が始まるというわけだ。 戻って来れるかどうかすらわからない。

『……用事が『それだけ』なら、そろそろ失礼しましょうかしら。
 わたしも、大体見たいものは見れましたしね……』

リナルドの表情が、自虐的なものからどこか温かみを持ったものに変わる。
それが何を意味するのかは……彼にしか、わからない。

「私は……あなたの深淵に、引き込まれたりなんか、しない。
 これ以上魂をすすろうというのならば……この引き金を引く事、躊躇しない……!」

すると、ヤクト・ドーガがザク・マシンガンを持った腕をドライセンに向けた。

駄目だ、いけない。

『あなたとわたしとは、似て非なる存在だものね……。
 ここまで到達したご褒美に、一つだけ教えておいてあげる。
 わたしを撃っても、代わりはいくらでもいるのよ。
 管制室を潰しても、延長コードが永遠に失われてみんな死ぬだけ。
 銃口を向ける相手を、そして今やらねばならないことを……間違えないようにね』

そう……今、先生を撃っちゃいけない。
管制艦を潰してもいけない。
ならば、導き出された答えは、残された道は……

『それから、ここはもうすぐ爆破されるから。
 ……志半ばに倒れたくなければ、早く脱出なさい♪』

やれやれ……といった趣の溜め息がひとつ、吐き出される。
背を向けたドライセン同様、リナルドも来た道を引き返そうとしたところで……
闇が、増大した。

ヤクト・ドーガのマシンガンは、未だドライセンにポイントされていた。
要するに、撃つ気なのだろう。
所詮ザク・マシンガンだ。 まず致命傷にはならない。
だが、万が一ということがある。

(……止めなきゃ……。
 先生をこれ以上死の危険に晒すことには、何の意味も無い)

でも、アビゴルは動かない。
ドライセンを庇えば、リファニアはどう思うだろう?
マシンガンを撃ち抜けば、リファニアはどう思うだろう?
だから、動けない。
すると。

ドライセンを包むように、黒煙が噴き出された。
それはみるみるうちに視界を奪い、唯一レーダーがドライセンの後退を告げる。

「スモーク・ディスチャージャー、か」

(先生……、もう一度会って、この戦場に終わりを告げさせるまで……死ぬなよ。
 貴女は生き延びる必要は無くとも、死ぬべきではない人なんだ)

≪続く≫
煙が晴れ、徐々に視界が戻っていく。

『リナルドっ!ここはもう、ヤバイみたいっ。早く……離れよう?』

リファニアからの通信が入った。
あの“接触”のおかげか、激昂の色は無い。
その点でも、爆破のことを教えてくれた点でも、やはり先生には感謝しておくべきなのだろうか?

「ああ……。
 まだやるべきことが山積みなのに、こんなところでバラバラにされるわけにもいかないからな」

彼女に従い移動しつつレーダーに目をやると、新たに四機の反応が現れた。
V-21にヴィクトリー・ガンダム、キュベレイMk-U。
U-21にホビー・ハイザック、ビギナ・ギナ。
キュベレイがいるということは、イブが彼女を連れてきたのだろうか。 それとも……?
シュウジの動向も気には掛かる、が……。
シュウジが先生を殺すことは何の意味も持たないということに気が付かないほどの
浅はかな男に成り下がっていたとしても、先生は管制艦に辿り着くだろう。
例えゼファー・システムを使っても、ドライセンを捉えることはできない。
何故かはわからないが、不思議な確信があった。

脳裏にこれからのプランを浮かべつつV-21を避けて艦へと向かう。
無意識のうちに最悪の可能性を想像したからだろうか? それは誰にもわからない。
実際にそんなことは無く、ある意味では相応に近い事態になっていたのだが……
今のリナルドはそれを知ろうとしなかった。
誰かが出迎えなければならないだろう。 この再会が、どちらの意味であったとしても。
ただ、そう考えていたのは確かだった。

艦に入ると、まずは伝言を回収する。
自分の口で言えば済む話になったので、いつまでも貼り付けておく義理も理由も必然も無い。

さあ、次は艦の機能を回復させなければ。

【行動:W-22→W-21→W-20→V-20(-3)、着艦(-1)、伝言回収(0)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・格納庫】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(稼動中)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 17番シェラザード? (01番シュウジ?)】
「何処へなりと行けば良いわ……」

 聞こえたかどうか解らない、その一言。
 先生と戦えば勝てるとは思えない。
 ルイの言う手段も、思いつかない……。

 なら、私はどうするのよ。
 他の参加者を探す?
 この禁止区域ばかりのエリアで……?


【行動 : 通信中(−0) 】
【残り : 4P 】
【位置 : Q17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
「何処へなりと行けば良いわ……」

 聞こえたかどうか解らない、その一言。
 先生と戦えば勝てるとは思えない。
 ルイの言う手段も、思いつかない……。

 なら、私はどうするのよ。
 他の参加者を探す?
 この禁止区域ばかりのエリアで……?


【行動 : 通信中(−0) 】
【残り : 4P 】
【位置 : Q17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
>>69
ファンネルのエネルギー充填が完了するのと、
W軸方向に感じていたプレッシャーらしいものが消えるのはほぼ同時だった。
そして、聞きたかったのか聞きたくなかったのか判断に迷う声が鼓膜を震わせたのも、そのタイミングだった。

『シェラザード、そのメイク、やっぱり少しキツイと思うわ。肌にも悪いわよ』

望む望まないにかかわらず。殺し合わねばならない人間からかけられる言葉にしては。

『……良かった、無事で。それと、運んでくれてありがとう……』

自分の男を殺した女と殺された女の間に交わされる会話にしては。

「………助けるなら、最後まで助けなさいよ。あたしを助けるあなたがあたしに助けられて、どうするの」

それはあまりにも平和で、それ故に不自然で、あり得るはずのないものだった。

「それに、化粧もしてない女からメイクについてどうこう言われたくないわね」

自分は何を話しているのだろう。
どうしてここにいるのだろう。
何の理由があってイブとこれほどまでに穏やかに話しているのだろう。

分からないことばかりだ。世界も、イブも、そして自分も。

「………で、いつまであたしはあなたを抱えていればいいのかしら?
 華奢なこのコに重い荷物をいつまでも抱えさせておくつもりはないのだけれど。
 何だか知らないけれどこんなにごちゃごちゃ武器を持たせて………」

ざっと見ただけでも、白の騎士はこれでもかと言わんばかりに銃器やら何やらを抱えている。
ビームライフルにランスの類にビームピストル、それにマシンガン。
武器というのはやたらと持てばいいと言うものではない。
必要以上の装備は単なるデッドウエイト………運動性と機動力を殺す重りに過ぎないし、
想定以上の負荷をかけられたジェネレーターはいつ悲鳴を上げるか分からない。
ガンダムだからそれだけ得物を抱え込んでも大丈夫なのかもしれないが。

ガンダムのイメージじゃないわ。

右手にビームライフル、左手に盾、頭部にバルカン………それが「ガンダム」という機体のイメージだ。
嵐のように降り注ぐ敵弾を身軽にかわし、左手の盾で攻撃をしっかり受け止め、
バルカンで敵を牽制しつつ、ライフルやサーベルでモビルスーツや戦艦を撃破し、切り裂いてゆく。
その「一般的」な………あるいは身勝手な………ガンダムのあるべき姿と、
女王の右腕に抱えられたガンダムの姿は、少なくとも自分にはかけ離れているように見えた。

そんなことが気になったのは、やはり現実逃避以外の何物でもないのだろうけど。

「少しダイエットした方がいいんじゃない?」

自分でもよく意味の分からない言葉を舌に乗せて唇から放つと、シェラザードは小さく笑った。
他にどんな表情を、自分の顔を向ければいいのか分からなかったから。
【行動:ファンネルチャージ継続・完了(−1)、Vガンダムと通信継続(−0)】
【位置:V21】【行動値残り:3】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失・Vガンダム運搬中・Vガンダムと通信回線接続中】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:どうしよう………】
【同盟:無し(?)】
リファニアに続いて、リナルドもW−22を去った。
まもなく、W−22は爆破されてしまうのだろう。

……爆破するという事は、見つけられるとまずいものがあるって事よね。
先生を捕らえていたら、それを探すだけの余裕、あったかも知れないのに……。

そう考えると、今更ながら口惜しくなってもくるが、ここで地団太踏んでいても始まらない。

……それに、今はごちゃごちゃ考えるのより……休みたい……。

さすがに、限界だった。
ラーズとの戦闘開始以前から、疲労は溜まっていたのだ。
そこに、戦闘によるさらなる疲労とサイコミュによる過負荷がかかったのだから、たまらない。

ミョーコウに帰ったら、まずはしっかり休んで……それからイブさんを探しに行かないと。
イブさん、シェラさんに会えたかな……やっぱり、戦ってしまうのかな……。

そんな事を考えながら、リナルドと共に、ミョーコウへの帰路を急ぐリファニア。
……が、唐突に、リファニアのヤクトの動きに異変が訪れる。
次第にアビゴルより遅れ出すヤクト。じきに、その動きを止めてしまう。
レーダーに映った光点と、表示された機体名……。
隣のV−21に、Vガンダムと、キュべレイの反応を確認したからだ。
U−21にも二機のMSの反応があるが、そんなものはどうでも良かった。

リファニアは、いつのまにかリナルドの向かった道から外れ、V−21を目指していた。
コックピットの中のリファニアは、果たしてどのような顔をしていたのであろうか。
嬉しくもあり、不安でもあり……恐ろしくもあり。
だが、結局、最も強くなった感情は……安心感だった。

「……あ、ああ……。」

リファニアは、少しぎこちない笑顔を浮かべながら、瞳を潤ませていた。

……どんな形でも、二人が無事だったのなら……。

……生きていてくれたのなら……。
V−21に到達し、かつてラーズが開けたトンネルを横切り―――。
通路が交差する場所に辿り着くと、まるでVガンダムを抱えるような、キュべレイの姿があった。
リファニアの瞳からぽろぽろと涙が零れ、ヘルメットの中を舞う。
二機への通信回線を開くリファニア。

「……イブさん、シェラさん……。
 良かった……本当に、良かったよぉ……。」

モニターに映ったシェラは、以前と少し違うメイクをしていた。
前のメイクの方が好きだったが、それでもシェラはシェラだった。
……リファニアが大好きな、シェラだった。

そして、イブの姿を見て―――。

リファニアは言葉を失い、その瞳が、大きく見開かれた。

イブの座るコックピットに、血の珠が舞っていたからだ。
イブの顔は、血に汚れ……その顔色も、決して良いとは言えなかった。

……そういえば、キュべレイの片脚も、損傷している。
イブと違って、シェラには特に負傷しているような様子は見られなかったが、それでも―――。
主のイメージをまるで体現したかのような、美しい紅の女王が傷ついた事には、強いショックを受けた。

「……なにが、あったの……?
 二人を傷つけたのは、だれなの……?」

リファニアのローズピンクに彩られた唇が、小さく開き……酷く低い声が漏れる。
そのブルー瞳の奥に、殺意の炎が浮かぶ。

「……あいつらが、やったの……?」

U−21の二機のモビルスーツ。
ホビー・ハイザックと、ビギナ・ギナ。
レーダーに映る二機のMSの光点を、リファニアは睨みつけた。

【行動 : V-21へ移動(-1)、イブに通信(-1)、シェラに通信(-1)、残0 】
【位置 : W-21(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、二人を傷つけたなっ……!!、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>81
位置の修正です。V−21(要塞内、十字路)に修正です。
スレ汚し申し訳ないです。
83リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/28 23:12 ID:???

バシュッ。
ネットガンが発射され、通路いっぱいに網を広げ、空間を塞ぐ。
撃ち終えたネットガンの砲身を投げ捨て、彼女はつぶやく。

「……これでよし♪ ファンネルや無人機でも少しは時間を稼げるでしょう☆」

この通路以外にもV-22に来る道はあるが、しかしこれ以外は多少回り道だ。
自ら来た道を塞いだ後、彼女はレーダーをチェックする。

「……あらあら、二人とも慌てて逃げちゃって。
 慌てなくても、『私自身が』安全を確保する時間は、ちゃんとあるのに」

軽く笑うと、今度は通信機を操作する。

「……聞こえる?」
『はい、ティーチャー。ご無事ですか?』
「ええ、大丈夫よ。ひょっとして、心配した?」
『全くですよ。で、そろそろ管制室を爆破しますか?』
「できれば、私がもう少し離れるまで待って。巻き込まれたらたまらないわ。
 そうね、私が次のエリアに入ったら、こっちからの電波で爆破するわ」
『分かりました。ではもう少し待ちましょう。
 我々はQ-21エリアで待機してますので、早く追いついて下さい』
「了解♪ じゃ、またね☆」

ノイズの混じるモニタの向こうに手を振ると、彼女はゆっくりと機体を動かした。
基地内部を迷路のように走る通路を、慣れた様子で進んでいく。

 *  *  *

しばらくして、大きな振動が基地全体を襲った。
W-22エリア、かつて管制室のあった場所が、仕掛けられた爆薬で破壊されたのだ。
通信施設、メインコンピューター、居住スペース、MS格納庫、武器庫……
そこに蓄えられていた、貴重な品々が、爆炎に呑まれていく……!


【管制室の行動:リーア先生と通信(−1p)、(通常の官制業務)(0p)】
【リーア先生の行動:ネットガン発射でW-22との通路を塞ぐ(−1p)
      特別回線で管制艦に通信(−1p)、移動(V-22→U-22)(−1p)
      W-22エリア爆破(−1p)】
【位置:先生:U-22(基地内部)、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、生徒たちと対面する、自由を求めて……??】

注)爆破されたのはW-22エリアの内部構造物だけです。
  小惑星基地自体は巨大なため、あまり大した被害を受けていません。
84リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/28 23:15 ID:???
第13章 >83 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□□□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□□□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※■■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■□◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□□□◎◎■□□11□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■■■□◎07□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□0115▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼03▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎00◎▽▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□□□◎

00番はリーア先生の乗る緑のドライセン。99(Q-21の◎に位置)は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・ZPは同一地点。03・20・26は同一地点。07・25は同一地点。10・14は同一地点。
15はムサイ級戦艦に搭乗。15の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uを収容。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
85シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/28 23:44 ID:???
ティーチャー補足から数分後。未だに二体は格納庫にいた。が、何もしていなかったわけではない。
ホビーハイザックのコックピットは開かれており、そこからはコードが一つ延びていた。
それはシュウジのノートPCに繋がっている。もう片方は小惑星要塞の端末の一つに。

「ゼファー。ティーチャーをこちらに誘導するにはどこを閉鎖すればいいか、
 我々は何処に行けばいいのか。それを検索しろ。
 ティチャーはこの小惑星を出るために、ゲートに向かうはずだ。
 それを踏まえ、検索しろ。
 私はその間にここのシステムを掌握する。」
〔了解。〕
「さて……?ここのシステムは……。一端末からでは……流石に弾かれるか。
 ………
 ……
 …
 防壁突破、アクセス……。
 基本的にロックはかかっていないようだな……。
 ゼファー!どうだ?」
〔検索完了……待ってください!ティーチャー、移動!U-22に侵入しました!
 後方、W-22方向で熱量増大!〕
「自爆か……?まぁ、計画に大きな支障はないが……やはりあそこは管制室だったと言う事だな。
 いまさら、と言う感じだが……。
 ……急ぐぞ!奴が危険地域にいない間に接触する!」
〔了解!〕

コードを引き抜き、コックピットハッチを閉める。
そしてフットペダルを踏みしめて床を蹴り、格納庫を後にし、通路を突き進む。それに続くビギナギナ。
少し進み、U-22のとある通路で動きを止めた。無理矢理停止したために床との摩擦で火花が散る。

〔ここは……。〕
「小惑星の構造上、外部ゲートに行くにはここを通る確率が一番高い。そうだろう?」
〔はい。検索結果ではそうなってました。〕
「他の通路の隔壁閉鎖……よし、これで時間は稼げる。
 さぁ……姿を現せ……。ティーチャー!」

【行動:システム掌握(−1) U-22へ移動(−2) 隔壁閉鎖(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:ティーチャーと接触 V-21警戒】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク? 03番 イブ?26番 シェラザード?】
86イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/29 16:24 ID:???
「ふふ……そう言えば私、自分でメイクなんて殆どした事なかったわ。
 大事な会合の時はいっつも、侍女たちが化粧や衣装合わせまでやってくれたし……。
 ……こう見えても私は元お嬢様なのよ。乗り物も少しは飾っておきたいじゃない」

他愛の無い言葉の遣り取り。

―――悪くないわね、こんなのも。

所詮は束の間の現実逃避に過ぎないのかもしれない。
だが、それが美しく感じられるものであるならば、その美しさにだけは価値を認めても良い筈だ。
綺麗なものが好きなのは、決して愁林だけではない筈なのだから。

>81
「……ただいま、リファニアちゃん」

今にも泣き出しそうな、或いは怒り出しそうな少女に、血に塗れた顔で愁林は優しく微笑みかけた。

「ダメよ、そんな顔をしては。
 私はね、笑顔の貴女が見たくてシェラザードを連れ戻してきたんだから」

ノーマルスーツの袖口でごしごしと顔を拭い、大雑把に血糊を取ってからもう一度笑顔を浮かべる。

「この怪我は、彼女に貸しを作った証拠……というか、私が少し無茶をし過ぎただけなの。
 ホント、大きな貸しを作って頭が上がらないようにしてやろうと思ってたのに……これではお相子ね」

冗談は余裕を演出する為の小道具だ。
実際の彼女は、あとどれだけ保つか分からないほどに辛い状態にある。

「さあ、シェラザード。
 リファニアちゃんに言うべき事があるのではなくて?」

この先彼女が自分達の元に留まるかどうかは分からない。
彼女達の間で交わされるであろう会話の結果を確かめてやりたいところだが、どうも自分にはそれだけの時間は残されていないらしい。
その事に気付き、愁林は苦笑しながら静かに眼を閉じた。
再び、深い闇が彼女の意識を捉え、その深淵へと容赦なく引きずり込んでいく。
体力は既に底をつき、視界一面に掛かった薄絹のヴェールは幾重にも厚みを増していくようだ。
87イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/05/29 16:24 ID:???
「あら?
 ……ごめんなさいね……もう、限界みたい……」

そして、闇の底へと完全に沈み―――

「すぅ……」

決して抗えぬ睡魔に、愁林は屈してしまったのだった。

【行動:キュべレイMk-2に通信継続(-0)、ヤクトドーガに通信(-1)、睡眠(-1)】
【残り行動値:2p】【現在位置:V-21】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷及び貧血、睡眠】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「けじめ、つけられたかしら?」】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
88リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/29 21:03 ID:???
『……ティーチャー』
「何?」
『01番が無人機と共に、先回りをしている模様です。
 盗聴音声を聞く限り、隔壁閉鎖してあなたの行く手を阻むつもりのようです』
「……ありがと♪ まぁ、大体見当はついてたけどね☆」

部下からの忠告を受け、彼女は微笑んだ。
基地の入り組んだ通路の中、ドライセンは足を止める。

「01番かぁ……彼の腕なら、ローカルエリア限定なら基地機能も掌握できるでしょう……
 どうしたものかしらね。ここで閉じ込められてもつまらないし」
『それから、そろそろ定期放送のお時間です。そちらのことも考えて頂かないと』
「……じゃぁ、彼と接触する前に、定期放送を録音してしまいましょう。
 今から読み上げるから、時間になったらそっちで放送して」
『分かりました、では……』

 *  *  *

おそらくは彼女の動きを待っているであろうシュウジを無視して、定期放送の読み上げを終える。
きっと彼からは、何もせずにU-22エリアの端で立ち止まっているように見えただろう。

……そう、既に、お互いの存在くらいは、ノイズ交じりのセンサーの向こうに感知できている。

「じゃぁ、天才ハッカーさんと会ってくるわね」
『こちらからも状況の推移を見守らせて頂きます。いざとなれば、01番の……』
「それは正直、つまらない結末ね。なるべく手出しはしないでね♪」
『……分かってますよ、それくらいは……』

そして、ドライセンは動き出す。
待ち受ける2体のMSの下へ。

『……お待たせしました♪
 01番 シュウジ・アサギさん、何の御用でしょうか?
 本当は、あなたとお会いするつもりはなかったんですけどね☆』

いつもの笑顔で、彼女はシュウジに通信を入れた。
モニタの中には、4体のハロと白い髑髏も写りこんでいる。


【管制室の行動:リーア先生と継続通信(0p)、定期放送録音(−1p)】
【リーア先生の行動:管制艦と継続通信(0p)、定期放送録音作業(−1p)、
        エリア内の移動(−1p)、01番シュウジ・アサギと通信(−1p)】
【位置:先生:U-22(基地通路内)、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、01番との対面、自由を求めて……??】
89ベルク=クロフォード@代理:04/05/29 21:38 ID:???
―――――――――――――闇

―――――――――――――闇

―――――――――――――闇

ただ暗い暗黒と暗黙の空間。

その中を特殊情報端末の画面を頼りに進みつづけていた。
そこへ、静かな沈黙を破るようにルイが話しかけてきた。

『べるべる。さっきアタシの事を馬鹿娘って呼んだな〜。
 ひっどいな〜。
 ところでさっきまでボーっとしとったせいで状況がよくわからんのやけど
 状況分かるんやったら教えて!』

「だから、馬鹿娘だと言ったんだ。
 敵意のある相手が居るのに何だその態度は”ボーっと”していただと?
 大体お前は――――――――――――――――

 (その後、移動中延々と説教が続いた。)

 ―――――――――――――――――――――と言う事だ。
 今後はいくら、考え事をしていても、敵意を持った相手がいる以上
 生き残ることを最優先に考えるんだ。
 分かったな。」

そして、新たに特殊情報端末の画面に動きがあった。

(ティーチャーが動いた。何処へ向かう気だ?
 シュウジも同じ区域に居る。とりあえずそこえ・・・・・)

「もう、少しでティーチャーの居る区域に入る。
 今度は、気を引き締めろよ。」

【行動:ルイに通信中(-0 )移動R-19→S-19→S-20→T-20→T-21(-4 )】
【残り行動値:0】
【位置:T-21】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
『だから、馬鹿娘だと言ったんだ。
 敵意のある相手が居るのに何だその態度は”ボーっと”していただと?
 大体お前は――――――――――――――――(割愛しつつ省略)』

「いやだな。お説教ばかりで(汗)
 ちょっと昔の事の嫌な思い出を思い出してただけや。
 ついでにさーちんのおかげで大事な事もちゃーんと思い出したし。
 たぶんもう大丈夫だよ。うん。大丈夫大丈夫や。

 んで、この先に先生がおるか・・・・・・
 ってなんで先生がおるねん!!」

【行動 : べるべるに通信継続 (0) 移動R-19→S-19→S-20→T-20→T-21(-4 ) 残り 0 】
【位置 : T-21 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO!!】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる ひっど〜い(笑)
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
>>80-81>>86-87
『ふふ……そう言えば私、自分でメイクなんて殆どした事なかったわ。
 大事な会合の時はいっつも、侍女たちが化粧や衣装合わせまでやってくれたし……。
 ……こう見えても私は元お嬢様なのよ。乗り物も少しは飾っておきたいじゃない』

侍女。衣装合わせ。お嬢様。
自分には縁のない言葉というか、あまりにも浮世離れしているが故に逆に頷くしかないような単語が続いた。
あまりにもこの場に不似合いな台詞にあっけにとられた、と言うべきかもしれない。

「………ごてごてと飾ればいいってものじゃないと思うけど。
 メイクもアクセも付けすぎは逆効果だわ。
 むしろシンプルにまとめた方が基の良さが引き立つ………!」

その時、通路の向こうから別のモビルスーツ………ヤクト・ドーガが姿を現した。
名簿によればラーズという名前の生徒の機体。死んだはずの人間の機体だ。
とっさに戦闘態勢を取ろうとするが………予想外の機体からは、予想外の声が聞こえてきた。
聞き覚えはあったし、何度も会話を重ねた声であったし、
心のある部分から決して消えなかった存在ではあったのだが。

『……イブさん、シェラさん……。
 良かった……本当に、良かったよぉ……。』

リファニアが泣いている。
哀しみではなく、安堵したことによって涙を流している。
イブが生きていたことだけではなく、自分がこうしてこの世に存在していることをも喜んでくれている。

どうしてこの少女は泣けるのだろう。喜べるのだろう。
大切な艦長さんを、かけがえのない仲間を殺した人間を受け入れることが出来るのだろう。
そして、自分はリファニアにどんな顔を見せればいいのだろう。どんな応えを返すべきなのだろう。
少なくとも、あの男がミョーコウに来てからは、自分は彼女を喜ばせるようなことは何もしていないのだけど。
むしろ嫌われて、恨まれて当然のはずなのに。

自縄自縛という言葉そのままに何も答えることが出来ないでいるうちに、
女王に抱かれた騎士の主人の様子が急変した。

似合わない血化粧をその意に反して施された黒髪の女が、妙な言葉を残して、目を閉じた。

「ちょっと………っ!」

そこまであの時と同じなのかと、 褐色の肌が真っ青になりかける。
細かい話はともかく、あの光景をもう一度見せつけられるのは………耐えられそうになかったから。
自分の意に沿わない、自分の意思に反した人の死を見せられるのは、
自分の無力さと間抜けさを痛感させられるのは、二度と御免だった。

どうせ死ぬのなら、殺すのなら、望んだ上でそれを実現させなければ。

「………………!」

だが、どうやら同じ場所で同じ状況を再現する羽目にはならなかったようだ。
取りあえずイブはまだ生きている。
その豊かな胸はしっかり上下しているし、僅かではあるが唇から吐息がこぼれる音も聞こえる。
だが、外見からは判別できなくても、血を吐いたと言うことは内蔵にダメージを受けていることを意味する。
骨折やら打撲ならともかく、身体の内側の傷は………自分にはどうすることも出来ない。
その時、リファニアの身にまとう空気が一変した。
瞳には涙の代わりに殺意が炎となって浮かび、
愛らしい唇から放たれる声は刃を含んだ種類のものに変わっている。

傷ついたイブの姿と、同じく傷ついたキュベレイの姿が、少女の復讐心に火を付けたのだろうか。
だが、どう説明すればいいのだ。
確かに女王の右膝から下を引きちぎり、
イブの肉体に内側から傷つくほどの負荷をかけたのはU21にいるあの2機だ。
しかし、その原因を作ったのは………先に喧嘩を売ったのは。
キュベレイを傷つけ、イブにこれほどまでに無理をさせたのは、自分でもあるのだ。

………言えないわよ。

映像から見る限り、リファニアも完全な状態にあるとは思えない。
その愛らしい顔には、今は敵意と殺意に歪んでしまっているその表情には、疲れの色がはっきりと浮き出ている。
この状態でその精神にさらに負担をかけるようなことを言ったら。
殺意の赴くままにハイザックとビギナ・ギナ………あの驚異的な性能を誇る無人機を相手に戦うことになったら。

つくづく、滅茶苦茶だわ。

こんな自分を心配するリファニアも。
こんな自分のために気絶するほど力を尽くしたイブも。
そして、そんな2人を目の前にしながら、銃口を向ける気にならない自分も。
殺さなければ生き残れないと自分で何度も確認しておきながら、結局は。

「………リファニア、今あなたが考えなければならないことは過去のこと? それともこれからのこと?
 時間は残り少ないのよ。やれることも、出来ることも、限られているの。
 なら、一番したいことを、一番しなければならないことを優先させなさい。
 それに、イブをこのまま放っておいて戦いに行くつもり?」

どうしようもない、と言うべきだろう。
仇になりきることも出来ず、こうやって優しい人間のふりをしてしまうのだから。
そうすることに何処かで安らぎと喜びを感じてしまうのだから。

「………このバカ女をミョーコウに連れて行きなさい。
 そして少し休ませなさい。これから何をどうするにせよ、こんな状態じゃ何も出来ないだろうから」

キュベレイがヤクト・ドーガに近づき、抱いていたVガンダムを渡す。
半ば押しつけるように、そして名残を惜しむように。

「あたしは………あたしなりにけじめを付けてくるわ。
 今のままでは、あたしは戻れないから。ミョーコウには帰れないから」

けじめを付ける………言葉はともかく、何をどうすればいいのかは分からない。
ただ、このままでは帰れない。戻れない。自分が傷つけたミョーコウに帰ることは出来ない。
せめて、ミョーコウのために、自分を迎えようとしてくれた救いようのないお人好し達のために何かしなければ、
彼女達に危険が及ぶ可能性を少しでも排除しておかなければ、どの面下げてあの艦に戻ることが出来ようか。

「リファニア、あなたはイブを守りなさい。あなたの大切なミョーコウを守りなさい。
 あたしは、あたしに出来ることをしてくるわ。他に出来ることがないからだけど」

そしてキュベレイは再び少女に背を向けた。

「………追ってきたら、怒るからね」

女王は飛んだ。少女の側からもう一度離れることを選んだ。
戦う意味を確認するために。一度は失った生きる理由を、もう一度見つけようとするために。
【行動:Vガンダムと通信継続(−0)、ヤクト・ドーガと通信(−1)、
     ヤクト・ドーガにVガンダムを渡す(−1)、V21→U21→U22に移動(−2)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
94リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/30 00:04 ID:???
(ノイズ交じりの定期放送が始まる。
 ……U-22エリアにいる人間から見れば、そのタイミングは微妙なものと見えるかもしれない。
 緑のドライセンは、別に定期放送をしているような雰囲気にはないのだ)

『はい、毎度おなじみ、定期放送で〜す。

 え〜っと、ひとつ報告を。
 いろいろとありまして、W-22に設置しておいた官制室を放棄しました。
 で、官制機能は、レウルーラ級の戦艦に移転させました。

 これから、ひょっとしたらこの官制艦がみなさんの目にも触れるかもしれませんが……
 決して、下手な攻撃とかしないで下さいね〜。
 きっと、後悔する結果になりますから☆

 それでは、次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『B-13』 『E-16』 『I-07』 『J-17』
 『N-19』 『S-12』 『U-05』 『X-24』
 以上8箇所、チェックをお忘れなく♪

 それでは、先生も急いで管制艦に向かわないと☆
 残り10人、そろそろ終わりが見えてきました。
 今やるべきこと、今やらねばならないことを再確認して、頑張って下さいね〜♪』

【管制室の行動:、定期放送(全体放送)(−2p)】
【位置:先生:U-22(基地通路内)、管制艦:Q-21】【機体状況:万全】
【武装:ビームランサー、ビームトマホーク、前腕部3連装ビーム砲×2、トライブレード×3、
    ビームシールド(左腕部外側)】
【残り行動値:リーア先生:4p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、01番との対面、自由を求めて……??】

※)>88で、先生の残り行動値を間違えました。正しくは残り1pです。
95リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/30 00:05 ID:???
第13章 >93 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□×□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□×□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□×□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※×■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■×◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□×□◎◎■□□11□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■×■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□▼15▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎07▼03▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎00◎▽▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□×□◎

00番はリーア先生の乗る緑のドライセン。99(Q-21の◎に位置)は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
00・01・26・ZPは同一地点。03・20は同一地点。07・25は同一地点。10・14は同一地点。
15はムサイ級戦艦に搭乗。15の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uを収容。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
>>86-87
『……ただいま、リファニアちゃん。』

微笑みながら、リファニアにただいま、を言うイブ。
その顔は血糊に汚れたままだったが、その凄惨さを打ち消して余りある優しい笑みだ。
まるで聖母のような―――とは言い過ぎなのだろうか。

「……おかえり、イブさん……。」

ぽろぽろと涙を零しながら、おかえり、を言ったリファニア。
だが、じきに、リファニアの瞳には怒りと殺意の色が浮かんでくる。
イブをこんなにもした奴―――許せない。
するべき事をも忘れ……いや、憶えていたが、それを心の片隅に押しやる。
イブ達を傷つけた相手に、然るべき目にあわせてやらねば気が済まなかった。

そんなリファニアに、イブは袖口で顔の血糊を拭い取ってから、優しい笑顔を浮かべ言葉を続ける。

『ダメよ、そんな顔をしては。
 私はね、笑顔の貴女が見たくてシェラザードを連れ戻してきたんだから。
 この怪我は、彼女に貸しを作った証拠……というか、私が少し無茶をし過ぎただけなの。
 ホント、大きな貸しを作って頭が上がらないようにしてやろうと思ってたのに……これではお相子ね』

そうイブに言われてハッとなり、リファニアは何とかいつもの笑顔を見せようとした。

「もいちど……。おかえり、イブさん……。
 生きててくれて、ほんとに……良かった……。」

―――結局は、泣き笑いのような妙な表情になってしまった。

……イブは冗談めかして余裕があるように振舞っているが、そんな余裕があるようにはとても見えない。
事実、イブは数言言葉を発した後、眠るように瞳を閉じてしまう。
リファニアの表情が一瞬、恐怖に凍りつくが―――イブの胸が規則正しく上下しているのを見て、
ひとまず安堵のため息を漏らした。

>>92
『………リファニア、今あなたが考えなければならないことは過去のこと? それともこれからのこと?
 時間は残り少ないのよ。やれることも、出来ることも、限られているの。
 なら、一番したいことを、一番しなければならないことを優先させなさい。
 それに、イブをこのまま放っておいて戦いに行くつもり?』

シェラが、リファニアを叱るように、言葉を発する。
……以前も、このような事があった。
あの時も自らの疲労も省みず、リファニアは無茶をしようとしていた。

「……やっぱり、シェラさんはお姉さんだよ……。」

怒りに歪むリファニアの表情が、すこし柔らかくなった。 
どのような形であれ、シェラと敵としてではなく、言葉を交わす機会を与えられたのだから。

『………このバカ女をミョーコウに連れて行きなさい。
 そして少し休ませなさい。これから何をどうするにせよ、こんな状態じゃ何も出来ないだろうから』

シェラのキュべレイが、リファニアのヤクトに抱えていたVガンダムを渡す。
Vガンダムをヤクトに優しく抱えさせるリファニア。

「……確かに、イブさんを早くミョーコウに連れていかないとね。
 こんなところで失われていい人じゃないもの。そして―――。」

―――シェラさんも。
続くその言葉は、他ならぬシェラによって打ち消されてしまった。
『あたしは………あたしなりにけじめを付けてくるわ。
 今のままでは、あたしは戻れないから。ミョーコウには帰れないから。
 リファニア、あなたはイブを守りなさい。あなたの大切なミョーコウを守りなさい。
 あたしは、あたしに出来ることをしてくるわ。他に出来ることがないからだけど』

言葉の後に、リファニア達に背を向けるシェラのキュベレイ。
戻れない……?けじめ……?
引き止める為の言葉を、キュベレイと、抱きかかえたVガンダムを交互に見ながら、必死で考える。
結局、言葉は形を為さぬまま、シェラに追いすがろうとするリファニアだが……。

『………追ってきたら、怒るからね』

その一言に、リファニアはびくんと震え、ヤクトもその動きを止める。
一瞬の後、シェラのキュベレイのスラスターに光が灯り、手の届かぬ場所へと、消えてしまった。

暫し、呆然とその場に立ち尽くすリファニア。
瞳に宿った怒りと殺意はすっかり消えうせ……いや、あらゆる感情の色が失せていた。
……泣けばいいの、笑えばいいの、怒ればいいの?
頭の中がぐちゃぐちゃで、もう何がなんだか解らない。

>>94
定期放送が流れた事で、リファニアの意識が引き戻された。
……内容はあまり頭に入っていなかったが。

「……ミョーコウに、戻らないと。」

結局、リファニアが選択した事はそれだった。
というより、それ以外選びようがない。
リファニアのヤクトの腕に抱かれたVガンダムのコックピット。
そこで寝息を立てる黒い髪の女性は、姉とも思える女性は、生きているのだから。

V−20のミョーコウに辿り着き、Vガンダムと共にヤクトをミョーコウに着艦させたリファニア。
ヤクトから降りるなり、Vガンダムのコックピット目掛け跳ぶ。
格納庫内が充分に加圧されたのを見計らって、コックピットハッチを開くと、血の珠が格納庫内へ飛び出して来る。

「……イブ、さん……。」

ぐったりとシートに身を横たえるイブを、優しく抱きしめるリファニア。
ヘルメットを脱いで、自らの頬をイブの頬にすり合わせる。
その温もりを感じるなり、リファニアの瞳から再びぽろぽろと涙が零れ落ちた。

リファニアは、イブを優しく抱えあげて、Vガンダムのコックピットから降りた。
……降りた時に危うくバランスを崩しそうになったが、何とか足裏のマグネットを押し付けるようにして、堪えた。
イブを抱えたまま、格納庫内に居るリナルドの傍らに寄る。

「……ちょっと遅れちゃった。ゴメンね。
 イブさん、負傷してるみたいなの。外傷は、特に無さそうなんだけど……。」

そんなリファニアの前髪にも、血糊がこびり付いていた。
イブの血ではなく、リファニアの血。
ラーズとの戦いの際、頭を打ち付けた時に額を怪我してしまったのだ。
だが、本人はその事に全く気がついていない。

「……生きて帰って来れたね、私達。」

そう言ってにっこり微笑むリファニアも、この場でばったり倒れそうな程にふらついていた。
【行動 : イブとの通信継続(0)、シェラとの通信継続→切断(0)、V-20へ移動(-1)
      ミョーコウに二機着艦(-2)、ほおずり(0)、イブをコックピットから運び出す(-1)、残0 】
【位置 : V-20(ミョーコウ、格納庫) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、イブを休ませる、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
99シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/30 16:40 ID:???
通路の向こうからドライセンが現れた。
追加されたちぐはぐな装備と、明るい緑色のカラーリングを施された外見以外には
これと言って特筆すべき改造も施されていないノーマルな機体だ。
(中身はどうだか知らないがな……ん?通信……?)

『……お待たせしました♪
 01番 シュウジ・アサギさん、何の御用でしょうか?
 本当は、あなたとお会いするつもりはなかったんですけどね☆』

「貴様の都合など知るか。
 時間がない事は貴様も解っているだろう。手短に聞く。
 恐らく私より先に聞いた奴がいるだろうからうんざりするだろうがな。

 貴様は元プログラム参加者だ。それが何故ここにいる?
 この殺し合いの愚かさが解っておきながら、何故奴らの側に付く?
 内部に入り込むためか?狂ったからか?奴らの要請か?
 どれもいまいち解せないがな……。貴様らの"上"がそんな要請を聞き入れるなんてな……。

 それ以外の事は聞いても答えてくれない事ぐらいは解っている。
 本来はW-22に潜入し、それらの秘密を知るつもりだったが……。
 先ほどの爆発だ。あれではデータの一つも残っていないだろう?
 その時点でここに来た意味も半分は消失した。
 それでもこうして此処に居るのは……先ほどの質問の答えを知るため。
 もう一つは……
 ……
 …
 貴様に死んでもらうためだ。その髑髏は第二回の参加者の物だろう。
 いつまでも死んだ者に囚われているぐらいなら、さっさと死ね。」

そこで会話が遮られ、全体通信が入った。

>>94
(まただ……何故教える。何故管制艦の存在を教える。
 奴の狙いはやはり"上"の組織そのものの破壊?)

〔マスター。T-21に参加者二名。07番と25番です。〕
「どんどん集まってきたな……。
 ティーチャー。お前に会いたがっている奴はまだまだ居るんだ。
 もう少し此処でゆっくりしていけ。」

(此処が……最期の戦場となる……のか。)


100シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/30 16:41 ID:???
【行動:00番と通信(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:U-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕肘部ギア損傷、右足膝部ギア損傷、表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 左肩アーマー破損 通信中】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ
    (ハイザック:狙撃用BL(残弾3)】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:ティーチャーと接触 V-21・T-21警戒】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク? 03番 イブ?26番 シェラザード?】
101リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/30 19:35 ID:???
>>99
シュウジ・アサギの質問に、彼女は少し困ったような顔をした。

『……う〜ん、どう答えればいいんでしょう?
 わたしが「先生」に志願した理由は、答えたらあなたはきっと怒るでしょうねぇ。
 だから――ヒミツです♪
 あなたの推測はちょっとズレてる、とだけ答えておきましょう♪』

答えながら、彼女は端末を操作する。
モニタに開かれたのは、管理者権限で手にした、小惑星基地の詳細な地図。
隔壁の位置を確認し、現在地の周囲を探索し、通路以外の構造物も表示させる。

『わたしにも、上の方々が何を思ってるかはわかりません。
 ただ、首輪があれば最悪の事態は防げるし、首輪の改良案も示したし……
 それなりに役に立つ、と思ってもらえたんじゃないですかね☆』

通信を開いたまま、ドライセンが動く。
……シュウジたちとは別の方向、隔壁で閉鎖されているはずの、U-23方面に向けて。
曲がり角を曲がり、シュウジたちの視界から見えなくなる。

『それから……“彼”は、キャットは、“まだ死んでません”。
 いいえ、確かに私の手で殺しましたが……“死んでいない可能性もある”。
 だから、あなたに殺されたくはないですねぇ☆』

目の前に、通路の真ん中を塞ぐ隔壁が出現する。
多少移動したところで、すぐにシュウジ達に追いつかれるだろう。
破壊やコントロール奪取は不可能ではないが、時間がかかる。
そもそも、道を塞ぐのが目的の隔壁だ。簡単に通れるわけがない。
だが、彼女はかまわず、ドライセンの武器・ビームランサーを手にする。

『あまり人が増えると、面倒なことになりそうですね。
 裏方は裏方らしく、そろそろ舞台裏に引っ込むことにしましょう☆』

そして、ビームランサーは、深々と突き立てられた……
 隔壁の傍、通気用のダクトに目掛けて。

貫通力に関しては最大級の威力を誇る武器が、彼女の欲した細い道を貫き通した。
102リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/30 19:36 ID:???

「……管制艦、聞こえる? 機体を放棄するわ。
 私が十分に離れたら、爆破して」
『了解しました。迎えは必要ですか?』
「そうね、なんとかするわ。MSはなくても、何か使えるモノはあるでしょう。
 もし、彼らが禁止区域内まで追ってきたら、その時の対処はお願いするわ」
『任せて下さい。では、お気をつけて』

シュウジとの通信を切り、開かれたままだった管制艦への通信回線で指示を出す。
そして、シュウジが追いつくよりも早く、彼女はコクピットを飛び出した。
ドライセンの身体を盾に、ビームランサーが貫いた通気用ダクトの中に飛び込む。

「……ダクトの中にも隔壁はあるけど、主通路の隔壁よりは薄いものね。
 もう少し胸があったら、通れなかったとは思うけど」

自虐的に呟きながら、彼女は通風孔の中へと消えていった。
カラフルな4体のハロが、その後を追っていく。


暫くの後、緑のドライセンは、内部からの爆発を起こした。
……そう、彼女は“参加者”ではない。
機体を失ったところで、死ぬわけではないのだ。


【管制室の行動:リーア先生と継続通信(0p)、00番の機体を爆破(−1p)】
【リーア先生の行動:01番シュウジ・アサギと継続通信(0p)管制艦と継続通信(0p)、
        地図検索(−1p)、撤退(−1p)、通気用ダクト破壊(−1p)、
        ノーマルスーツ姿でエリア間移動(U-22→U-23)(−1p)】
【位置:先生:U-23(基地内)、管制艦:Q-21】
【機体状況:現在機体なし(ノーマルスーツのみ)】
【所持品:髑髏、ハロV、ハロR、ハロY、ハロB】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、生徒たちから逃げる、自由を求めて……??】
103ベルク=クロフォード@代理:04/05/30 20:31 ID:???
『いやだな。お説教ばかりで(汗)
 ちょっと昔の事の嫌な思い出を思い出してただけや。
 ついでにさーちんのおかげで大事な事もちゃーんと思い出したし。
 たぶんもう大丈夫だよ。うん。大丈夫大丈夫や。

 んで、この先に先生がおるか・・・・・・
 ってなんで先生がおるねん!!』

「着いて来るか来ないかは自由だと言ったはずだ。
 別にここで分かれても良いんだ、お前の好きにすれば良いさ。
 
 もう一回ぐらいティーチャ―の面拝んで、
 面と向かって聞きたいこととかもあるし、だから行くんだ。」

>>94
定時放送、こういう状況下になっても流す理由は余裕の現われか?

しばらくすると暗い闇の景色に大きな石の塊が現われる。
それはこのマップの中で一番大きい小惑星基地。
中へ潜入しレーダーを頼りに通路を進んでいく。
途中、壁が邪魔押して先に進めなくなり、一旦立ち止まる。

(このブロックの先に反応があるな・・・・・四機
 一機は無人、シュウジのMSとキュべレイ
 そして、・・・・・・・・・ティーチャ―か。―――――――――なら)

ペズ・バタラの中心から光が発生しビームアックスが形作られた。
そのまま、スラスターを全開にさせ轟音と共に壁を突き破る。

――――――――――――――――と同時に正面から爆炎に襲われる。

(――――――――――――ちっ!)

急いでビームシールドを構えて爆炎から逃れる。

それが納まるとその先には特殊情報端末の表示道理、MSが四機、集まっていた
はずだった。

【行動:ルイに通信中(-0)壁を突き破る。(-1)
    移動T-21→U-21→U-22(-2)ビームシールドで爆炎を防ぐ(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
『着いて来るか来ないかは自由だと言ったはずだ。
 別にここで分かれても良いんだ、お前の好きにすれば良いさ。
 
 もう一回ぐらいティーチャ―の面拝んで、
 面と向かって聞きたいこととかもあるし、だから行くんだ。』

「そんじゃ、アタシもついていく〜!」

そう告げて後を追いかけ続ける。

途中でいつもの放送が入る。

『はい、毎度おなじみ、定期放送で〜す。・・・・・・(省略)』

ふむふむ。そゆことやったか。
だったら、首輪解除の方法は二つ。
首輪をどうにかして強引に取り外すか・・・・・・
解除させるか。どっちかやな。

【行動 : べるべるに通信継続 (0) 移動T-21→U-21→U-22(-2) 残り 2 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO!!】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる ひっど〜い(笑)
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
自分は、また、少女を傷つけた。
素直に自分を慕ってくれる少女を、自分が戻ってきたことを喜んでくれる少女を、振り払った。
理由はどうあれ彼女は、リファニアは、自分を好いていてくれるのに。

理由などいらないのかもしれない。
どんなことがあっても変わらないのかもしれない。
人が理性と本能の両方を抱えて生きている以上、その存在そのものが矛盾を抱えているように。
理性と理屈では説明できない何かが確実に存在しているように。
リファニアは、ただ、ひたすらに、シェラザードを好きでいてくれるのかもしれない。
このどうしようもなく愚かで、救われない女を、受け止めてくれるのかもしれない。

にもかかわらず、自分は彼女を拒んだ………リファニアから逃げた。
その純粋さが何処か怖くて、信じられなくて、それをそのまま認めることが出来なかった。
恥も外聞もなく、どう言い訳をしようとも、ミョーコウに戻りたがっている自分を正面から見つめられなかった。

そんな臆病な自分を前に進める口実が欲しかった。
自分自身に、ミョーコウに戻れる理由がまだ存在するということを信じさせたかった。
怯えて竦む心と身体を後ろから蹴飛ばす何かを求めていた。

どう考えても間違っている方法だとは分かっていたけれど。

隔壁やら何やらであちこち寸断された通路をひたすら前進し、その場所へとキュベレイを進ませる。
翼を通路の壁や天井にこすりつけそうになりながら、女王はその速度を落とそうとはしない。
戻れるものなら一刻も早く戻りたいと、そう思っていること自体は否定しようもなかったから。

見つけた………!?

キュベレイがその場に到達するのと、レーダーから光点のひとつが消えるのはほぼ同時だった。
生徒名簿には載っていないモビルスーツ、存在するはずのない機体であるドライセンが、
視界に飛び込んできたと同時に自爆し、消滅した。
その機体に誰が乗っていたのか、何を考えて自ら機体を放棄し、爆発させたのかは分からない。
この状況で確実なのは、この場にはキュベレイ以外に4機のモビルスーツが存在すると言うことだ。

あのハイザックとビギナ・ギナ。それに………右上で見かけたペズ・バタラにR・ジャジャ。
黄色と赤の機体が増えていたのは予想外だったが、予定を変更する必要はあるか?



否。
106シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/05/30 22:47 ID:RTVGhs8I
ペズ・バタラとR・ジャジャは、理由はともかく味方を………ジャベリンを守ろうとしていた。
この世界で、互いに殺し合うのではなく、「仲間」を守るために戦うことを選んでいた。
つまり、程度の差はあるだろうが、彼と彼女はイブやリファニアと同じ「お人好し」だと推測される。
ならばこの2機がミョーコウに接近したとしても、そう簡単に戦闘は生じないはず。
互いに戦闘を積極的に望まないことを分かり合えたなら、交渉が成立する余地は十分にある。

だが、ハイザックとビギナ・ギナは別だ。
彼らは………シュウジとその従僕は、同盟相手を裏切った。
女に裏切られたことで仲間を撃たない理由を自ら放棄し、その旨を全体通信で宣告すらした。
この2機は、ミョーコウにとって危険だ。リファニアとイブに害をもたらす可能性は高いと判断するべきだ。

それに、傷つけられたパイロットとしてのプライドは、実力で癒し、回復させるしかない。

危険は覚悟の上だ。返り討ちに遭う可能性は低くはないだろう。
だが、それぐらいが出来なければ。
その程度の無茶も無理も通せなくて、どうしてミョーコウに戻るという無理を可能とすることが出来るだろうか。

さあ、あたしの可愛いファンネル達、あたし達の力を証明するわよ。

女王の瞳がひときわ鋭く輝くと、そのスカートからファンネル達が一斉に飛びだした。
狭い通路を縦横無尽に駆けめぐり、混沌を具現化した機動を光と共に宙に描き、
そして一斉に破壊を撃ち放った………主を縛る不可視の鎖を断ち切るために。

【行動:Vガンダム・ヤクト・ドーガと通信切断(0)、
     ハイザックに接近(−1)、ハイザックにオールレンジ攻撃(−3)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:3発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
107シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/30 23:09 ID:X61k24ts
IDチェック
108シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/05/30 23:25 ID:???
>>101

ティチャーからの返答。やはり結局の所、質問の核心はうやむやにされてしまった。
「……。」
(生きている可能性がある、か。そう言うのを死者に囚われていると言うんじゃないのか?)

〔マスター!〕
「……!?逃がすか!」
緑色のドライセンが、通路の奥に消える。急いでフットペダルを踏みしめ、急いで後を追う。
「確かあっちは……U-23か!隔壁がある事を忘れたか!?
 ゼファー!ビームサーベルを貸せ!」
〔……?了解!〕

ホビーハイザックの右手のビームライフルと、左手のバッテリーユニットを手放す。
同時にビギナ・ギナから投げられるビームサーベル。
それを受け取ると、一気にスラスターを噴かせ、何故か隔壁にビームランサーを突き刺していたドライセンに肉薄する。
「逃がす……か!」
ビームサーベルを背中からコックピットに一気に突き刺す。
同時に、モニターの端にビームランサーで開けた穴からダクトに入っていくティーチャーが見えた。

「……機体を放棄……?」
〔マスター!敵機機体温度上昇!〕
「……自爆……?全速離脱!」
ティーチャーの意図を理解すると、スラスターを再度噴かせる。
背中に突き刺したビームサーベルはそのままに、放ってあったビームライフルを回収すると全速で離脱する。
次の瞬間、ドライセンが爆発した。
隔壁を閉鎖された事により集中された爆発のエネルギーは、U-22に侵入していた機体達に容赦なく襲いかかった。
途中通り過ぎたベルクのペズバタラと同じように、ゼファーのビギナ・ギナもビームシールドを展開する。
それにより爆風は何とか防げていた。が、突然現れたキュベレイのファンネルまでは防ぎきれなかった。
「な!?」
〔!?〕
気が付いたときには既に遅く、ホビーハイザックは数発のビームの直撃を受けていた。
破壊される右下腕・左腕・左足。コックピットを先ほどの爆発による物以上の衝撃が襲う。
それにより気を失うシュウジ。だが、ゼファーのビギナ・ギナは傷ついたホビーハイザックを引っぱりながらそのままの加速で三体を振り切り、
U-22の奥へと離脱した。

【行動:ドライセンにビームサーベルで攻撃(−1)ビームシールドで防御(−1)ビギナ・ギナに引っぱられ離脱(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微
      ハイザック :左腕大破 右腕下腕大破 左足大破 表面装甲損傷軽微
             頭部・バックパック一部破損 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 気絶】
【武装:ビームライフル(残弾2)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ビギナ・ギナ ゼファー)】
【行動方針:気絶中 】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク? 03番 イブ?26番 シェラザード?】
>>97
「……ちょっと遅れちゃった。ゴメンね。
 イブさん、負傷してるみたいなの。外傷は、特に無さそうなんだけど……」

リファニアが戻ってきた。 その両腕にイブの肢体を抱えて。

――あの人は、戻って来なかったのか……?

それを聞くことは容易い。
しかし、それはリファニアにとって傷に塩を擦り込まれるようなものでしかなく。
ならば、戻って来るまで待ってやればいいだけの話だ。
帰りが遅いのなら、迎えに行けばいい。
家族とは、仲間とは。 そういうものだろう。

「……生きて帰って来れたね、私達」

「……ああ」

リファニアは疲れ切っている。
微笑みというフィルターを通しても、やはり疲れが滲み出ていた。
リナルドも疲れてはいたものの――笑顔には笑顔で対応した。

ふと、彼の目がリファニアの額に留まった。
今まで気付かなかったのが不思議なくらいだが、前髪に血が付いている。
リナルドはふぅ、と一息吐くと、内なる痛みを感じさせない表情と声で彼女に告げた。

「……そうだね。
 君はイブさんを医務室に連れて行って、寝かせてあげて。
 本当は栄養剤の点滴とかするべきなんだろうけど……生憎、俺たちは医者じゃないからな。
 それから……」

シュウジへの点滴はあまりに緊急を要したからだ。
ミスの危険の方が大きいのに、イブに素人治療を施すわけにはいかない。

そうして、リナルドの右手の指が、グラブ越しに、リファニアの前髪をわけて傷口にそっと触れ。

「ここ、きちんと手当てしておけよ?
 それが済んだら君も休め。
 ブリッジには俺が詰めてるから」

グラブの指先に彼女の血が染み込む。
何故、リファニアばかりが血を流しているのだろう?
これは代償なのだろうか?
それは誰にもわからない。 わかるとすれば、それはもはや人間ではないだろう。
人間に、森羅万象の真理を垣間見る権利など、機会などありはしない。

当のリナルド自身も彼女の流血に見合う以上の傷を負っているのだが……
それは言い訳にしかならない。
痛いし、苦しい。 でも、それは力の代償で、当然背負うべき痛みだと考えていた。
だから、表には出さない。 知られたところで、どうしようもない。

以前掻き集めた何かの材料と出発前に組み上げた機械を抱え上げ、
リファニアにそっとキスをすると、彼はブリッジを目指して格納庫を後にした。
【行動:キス(0)、格納庫→ブリッジ(-1)、艦機能回復(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・ブリッジ】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(稼動中)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 17番シェラザード? (01番シュウジ?)】
>>109
リナルドの手がリファニアの前髪を掻き分け、額の傷に優しく触れる。

『ここ、きちんと手当てしておけよ?
 それが済んだら君も休め。
 ブリッジには俺が詰めてるから』

優しく微笑みながらそう言って、彼はリファニアの唇にキスを捧げようとする。

「……んっ……。」

瞳を閉じて、リファニアはそれに応えた。
一瞬、リナルドの唇から妙な感覚が伝わってきた。
感覚が鋭敏化されると共に襲ってくるいつものピリッとした痛みだけではなく……。
身体の芯に響いてくる鈍い痛みのようなものを感じた。
驚き、びくんと身体を震わせるリファニア。
……だが、その痛みはほんの一瞬だった。
痛みが消えると、そのキスはいつもと同じように、心と身体の芯が暖かくなる心地よいものとなった。

キスの後、リナルドはリファニアから離れ、格納庫を後にする。
その背中を見ながら、先ほどの痛みが何だったのかと首をかしげるリファニア。

……きっと私、それだけ疲れているんだよね。早く休んだ方がいいかもね。

そう結論付けたリファニアは、イブと共に、医務室へと向かった。
かつてイブがリファニアにやったような、いわゆるお姫様抱っこは出来ないが。
それでも、何とかイブの身体を抱えるようにして、医務室へと辿り着いた。

イブをベッドに寝かせ、少しでも楽になるように、ノーマルスーツの前をはだけさせる。
……イブの白く透き通った肌が目に触れ、そのきめ細かさと美しさに思わず頬を赤らめてしまう。
女の子同士とはいえ、なんとなく後ろめたいものあるが、今はそのような事を気にしている場合でもない。

続いて、タオルを数枚濡らして、血で汚れたイブの顔を綺麗に拭う。
いつまでも血に汚れさせる事は、イブの美しさへの冒涜だ。
イブの顔がすっかり綺麗になると、まだ清潔な濡れたタオルを畳み、イブの額に乗せる。
熱が出ているので、冷やす必要があると思ったからだ。
……それ位しか出来ない事が、たまらなくもどかしいが。

とりあえず、イブに出来る処置をやったあと、リファニアは自分の額の傷の処置を行った。
しっかりと消毒した後にガーゼを当て、包帯を巻いて応急処置。
むろん、消毒薬が傷に染みるが、その痛みにもすっかりと慣れた。
傷の処置が終わったリファニアは、ベッドの傍らの椅子に腰掛けて、イブの寝顔を見ながらある事を考えていた。
……シェラの事だ。
彼女が向かった先は、他の参加者達の反応があった地点だ。
シェラは、おそらく戦いへと赴いたのだろう。
……彼女は、ミョーコウの敵を討ち払う剣となる事を決心したのだろうか。
それとも、彼女自身の勝利への為か。
どちらにしろ、リファニアの気持ちは、ただ―――。

―――シェラさんを死なせたくない―――。

それだけだった。
すでに温くなったイブの額に乗せたタオル冷たいものへと交換しながら、リファニアは悩んでいた。
……シェラを助けに行くべきか、否か。
シェラは、追ってきたら怒ると言った。
リファニアも、イブを抱えている以上、追うことは出来なかった。

でも、私は、やっぱり……シェラさんを、放っておけないよ……!
彼女を孤独な戦場へ向かわせたままなんて、出来ないよ……!

決意を固め、リファニアは椅子からスッと立ち上がろうとするが……。

……あれ……?

リファニアの意識が、唐突に闇へと落ちていく。

リファニアは、いつの間にか椅子に腰掛けたまま、すうすうと寝息を立てていた。
……肉体の限界。
いくら気持ちを奮い立たせようとも、少女の小さな身体はついに疲労に屈したのであった。

【行動 : 唇を奪われる(0)、イブを医務室へ運ぶ(-1)、イブを介護(-1)、額の傷の手当て(-1)
      ダウン(-1)、残0 】
【位置 : V-20(ミョーコウ、医務室) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、強い疲労感、全身にピリピリとした感覚、ダウン 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、シェラを追う、リナルドと話の続き 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
113シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/05/31 23:15 ID:hNVqMkgP
>>108
今度は、女王は自分が女王であることを証明した。
一度は苦汁を飲まされた相手に、強烈な一撃を加えることに成功した。
一撃必殺とは行かなかったが、それでもハイザックに大ダメージを与えたことに間違いはない。
しかもビギナ・ギナが反撃ではなく主を抱えての撤退を選択したと言うことは、
それだけハイザックのダメージが………それを操る人間の受けた傷が深いと言うことを意味するはず。

ならばこの機を逃す手はない。敵の最も弱い部分を、弱ったところを叩くのは戦術の常道だ。
葬り去るなら今しかない。このチャンスを逃してなるものか。

「!」

ファンネルを一旦スカートの中に戻す。あの状態ならオールレンジ攻撃を使わなくても大丈夫だろうし、
何よりあの2機を片づけて全て終わりというわけではないからだ。
ペズ・バタラとR・ジャジャも、次の瞬間に襲いかかってくる可能性は十分にある。
何より、最初に彼と彼女に攻撃を仕掛けたのは自分なのだから。
この状況で彼らに攻撃を仕掛けるつもりはないが、向こうがこちらの思惑通りに動いてくれるはずもない。
最悪の状況に備えるには、戦力の浪費は避けるべきだった。

この2機がまだ動かないうちに………っ!

忠実な僕達を全てスカートの下に納めるや否や、女王は一気にその身を躍らせた。
殺気を隠そうともせず、紅の身体を戦意で輝かせ、
この場を離れようとするハイザックとビギナ・ギナを追撃する。

ビギナ・ギナはハイザックを引っ張る形で後退している。
ならば、あの時見せたような常識はずれの機動は不可能だろう。
ただでさえ両腕に片足を失った18mサイズのモビルスーツを「荷物」として抱え込んでいる上に、
あのような機動を見せればハイザックの中のパイロットの身体が保つはずがない。

そんなに仲良くしたければ、ずっと一緒にいさせてあげるわ。

キュベレイが左手でトリモチランチャーを構えると、
ビギナ・ギナに全てを委ねているハイザックに狙いを定めてトリガーを引いた。
その砲口から撃ち出された白濁を追うように機体を加速させ、息をのむ間も与えずに距離を詰める。

これで終わらせる!

女王の右手から刃が伸びる。輝く剣が主の意志をを光に変えて煌めく。
キュベレイは全身をひねるようにして力を溜めると、次の瞬間全てを込めて刃を振り下ろした。
【行動:ファンネル回収・チャージ開始(−1)、ハイザック追撃(−1)
    ハイザックをトリモチランチャーで攻撃(−1)+ビームサーベルで斬りかかる(−1)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@弔意?塗装】
【機体状態:右膝より下を喪失】
【パイロット状況:健康@悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:2発)
    トライブレード×1,手投げ式フラッシュグレネード×1】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
115リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/05/31 23:55 ID:???
背後から吹き抜ける爆風。
しかし、十分に距離を置いていた彼女は、わずかにたたらを踏んだだけに留まった。

「追ってはこないようね。
 ……それにしても、あの後どうなったのかしら。
 彼らの様子が分からなくなったのは、少し寂しいわね」

MSの通れぬ人間用の通路を歩きながら、U-22にいる4人に思いを巡らす。
特に、ある意味では彼女に近い境遇となったシュウジについて。

(彼は、私の真意が分かったかしら? あの様子では思い至らないようだったけど……
 私があの時言った“キャットが生きている可能性”というのは……
 そのまま、“ヨーコが生きている可能性”でもあるのよ。
 脱出計画の際、“元の時代に帰る方法”まで考えていたのなら、分かるかもしれないわね)

心の中で、呟く。
……これは、さすがに口に出すわけにはいかない。
ハロと髑髏との生活で独り言がすっかり癖になってしまった彼女も、その辺りはわきまえていた。

やがて、彼女は基地の端末を見つけ、周囲を検索する。

「……外に出るゲートがあるわね。小さな格納庫もある。
 動かせるMSは残してなかったけど、MS以外なら使えるものが残ってるはずよ……」

MSを降りてしまえば、1つのエリアといえどもかなり広い。
彼女はハロたちをひきつれ、ゆっくりとエリアを横断していった。

【管制室の行動:なし(通常の管制業務)(−0p)】
【リーア先生の行動:端末発見(−1p)、地図検索(−1p)、エリア内移動(−2p)】
【位置:先生:U-23(基地内)、管制艦:Q-21】
【機体状況:現在機体なし(ノーマルスーツのみ)】
【所持品:髑髏、ハロV、ハロR、ハロY、ハロB】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、生徒たちから離れる、自由を求めて……??】
116リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/01 00:03 ID:???
第13章 >115 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎〓□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□■□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎10□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※□◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□□◎◎■■◎◎□◎□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□□□◎□◎□◎◎■□□11□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□15▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎01◎▽▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

00番(U-22の◎印に位置)はノーマルスーツ姿のリーア先生。
99(Q-21の◎に位置)は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・25・26・ZPは同一地点。03・15・20は同一地点。は同一地点。10・14は同一地点。
03・15・20はムサイ級戦艦に搭乗。03・15・20の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
ZPは、無人プログラム・ゼファー(01番の私物)制御のビギナ・ギナ。
02・04・05・06・08・09・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。(21番、死亡シーン未描写)
117イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/01 18:52 ID:???
錆付いた鉄の味と匂いが、鼻腔を、そして味蕾を刺激する。
こんな雨の日は特に、むせ返るような湿気が立ち込める臭気を更に強烈なものにして。
正直、辟易してしまう。

―――雨?

違う。自分は香港にはいない筈。
血の海に愁林が舞ったのは遠い昔の筈。
全身に浴びた返り血を、前日から降り続く雨が洗い流してくれたのは、遠い日の出来事の筈。

 ぴしゃり

滴り落ちる赤い雫の音が、やけに耳に残る。

 ぴしゃり

朱色を帯びてぬらりと光るナイフの刃先が、言い様の無いほどに目障りな輝きを見せる。

 ぴしゃり

あの時、血飛沫の中に舞い踊った彼女はあんなにも美しかったのに。

 ぴしゃり

どうして、自分はこんなにも―――

「―――多分、お前がどうしようもないぐらいに甘いお人好しだからだ。
 その感覚を大事にしろ。それがある限り、お前はこちら側に来なくて済む」

―――お人好し……。

「そっか……お人好しだったのね、私」

開いた目に映ったのは、白い天井だった。
医務室だろうか。視界の隅に、薬剤の並んだ棚が見える。
視線を横に向ければ、其処には静かに寝息を立てる少女の姿。
愁林はゆっくりと上体を起こし、ベッドから降りようとして……
118イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/01 18:52 ID:???
「あ……っ」

肌蹴られた胸元から覗く双丘に気付き、思わず赤面して前を合わせた。

出血は既に止まっていた。
洗面台の前に立ち、鏡を覗き込む。あれだけ吐血したにも関わらず顔色は良好。
無論、吐血したにしては、のレベルだが。
血の汚れが拭い取られているのは、リファニアの計らいによるものだろうか。
口の中に残る鉄の味を水で濯ぎ落とし、薬品棚を軽く漁ってからベッドへと戻る。

ずきん

「っ!」

―――大丈夫。疲れているだけ。

栄養剤を自分とリファニア、それぞれの腕に打ち込み、次いで少女の体を抱き上げてベッドへと横たえさせた。
こちらも過労からだろう。体温の上昇と、それに伴う軽い発汗が見られる。
あまり時間は無い。
だがそれでも、少なくとも30分程度は休養を取らねば体が持つまい。
そう判断し、愁林はリファニアと共にベッドに横になった。

「少し狭いけれど……我慢なさいね」

軽く彼女を抱くようにしてそう呟き、ベッドサイドのタイマーを30分後にセットしてから愁林は目を閉じた。
睡魔は、待ち構えていたかのようにやってきた。

―――シェラザードはどうしているのかしら。

そんな大切な疑問すら、呑み込んでしまいながら。
119イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/01 18:53 ID:???
【行動:容態確認(-0)、それぞれに注射(-2)、リファニアをベッドに寝かせる(-1)、睡眠(-1)】
【残り行動値:0p】【現在位置:V-21】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷、睡眠】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、「けじめ、つけられたかしら?」】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
 現在移動中。

【行動 : U−17へ移動(−4) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
121ベルク=クロフォード(代理):04/06/01 21:07 ID:2y/3EyXd
辺りの煙が晴れて来た時には三体のMSしか居なかった。

(逃げた?)

特殊情報端末にはティーチャ―が隣のブロックへ移動していることが表示されている。

―――――――――――――――――――刹那。

キュべレイから複数のファンネルがホビー・ハイザックに牙を剥いた。

「シュウジ!」

ファンネルから飛び出した光の矢がシュウジのホビー・ハイザックを
貫いていく。コクピットは無事の様だがその他の個所が削り取られていた。
残りのもう一機がホビー・ハイザックを庇いながら移動する
それを、キュべレイが追っていった。

「やれせるか!」

とっさに自分も後を追いかける。
そこにたどり着くと第一撃はもう放たれた後だったが続くニ撃目は未だ間に合う
キュべレイの光の刃を振りかぶっている所に、俺はビームライフルの閃光を放った

【行動:ルイに通信中(-0)移動(-1)ビームライフルで攻撃(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E43%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
>>118
リファニアは深い深い眠りに就いていた。夢らしい夢すら見る事が無い程に。
疲れきった身体はありとあらゆる労を拒絶し、ただ己を癒す事のみに努めていた。
イブに栄養剤を打たれようとも、リファニアの身体は身じろぎする事すらしなかった。
ただ、傍らに眠るイブの優しい存在だけは―――。
間違い無く、リファニアの魂を癒すように作用していただろう。

「…………マ……。」

眠りに就いて後、リファニアの口から初めて声が漏れた。
かつてシェラに抱かれて眠りに就いた時と同じ言葉。
眠りと共に、時にリファニアは母胎の記憶を取り戻すのか。
与えられる事すらなかった、母胎の記憶を―――。

リファニアは眠り続ける。その身と心を癒すべく。
彼女が目覚めた時、待っているのは再び生命と魂のぶつかり合い、非情なる生存競争なのだろうか。
それとも、殺すためではなく、救うための戦い―――彼女が真に望む戦いなのか。

目覚めの時は、まだこない。

【行動 : 今はただ、身体を休めるのみ(-4)、残0 】
【位置 : V-20(ミョーコウ、医務室) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、回復中、ぐっすり 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
123シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/01 22:13 ID:9DzXrkJR
IDチェック
イブが目を覚まし、再び眠りに付いた頃……、五感を取り戻した『ミョーコウ』のブリッジ。
シートに掛け、リナルドは黙々と作業をこなしていた。

……少し、時間を遡ってみよう。

まず、彼はブリッジに着くと艦の機能を回復させた。
エンジン以外の全機能を始動。
そして、視覚を甦らせた『ミョーコウ』が即座に敵機の存在を告げる。

U-22に5個の赤いマーカーが出現。
ベルクはおそらく気にしなくてもいい。 彼は、必要さえ無ければ先制攻撃など仕掛けてこないはずだ。
その隙が彼にとっては仇となり、リナルドたちにとっては好機となるわけだが。
だが、暫く会わないうちに心変わりした可能性も無くも無く。
どうにも、リナルドは判断を、対応策を決めかねた。

ルイというのは全体通信で首輪に関してぶち撒けた人のことだろうか。
行動の推移がシュウジのそれと全く異なっている。
おそらく戦闘すらしていないだろう。
ベルクと共にいるということは、戦闘肯定派ではないということだろうか?
だが、例えそうであっても、あまり楽観視することはできそうになかった。

残る参加者は3人だが……位置の特定ができない。
近付いてくれば『ミョーコウ』が警告をくれるが、接近されてからでは少々遅い。
が、こればかりは無理や不平を口にしたところでどうにもならない。
今は『どうにかできること』を『どうにかする』ための準備を整える方が先だ。

――静かに作業が進む。
首輪カバーの弱点を断つための作業。
大前提として首輪カバーが必要だが、そちらは既にいくつかの余裕を持って作り終えている。
そこに若干の改造を加え、スペースの余裕を生み出していく。
改造が済むと、ノートPCを通じて例の機械をチェックし……彼は、概ね満足と言ったようにニヤリと笑い。
そして、持ってきた材料の中から必要な部品を見繕って、首輪カバーと同数のある装置を組み上げ始めた。

彼の疲労は無視できないものだったが、今は我侭を言っていい場面ではない。
リファニアもイブもぼろぼろに傷付いている。
ならば、少なくとも彼女らが幾分回復するまでは休むことなど許されない。
そう自分に言い聞かせ、リナルドは作業を進め続けた。

【行動:首輪カバー量産(-1)、カバー改造(-1)、データ解析&変換(-1)、組み上げ(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・ブリッジ】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバーx6、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、『何かの機械』(稼動中)、『何かの装置』x6(停止中)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き残る/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード? (01番シュウジ?)】
125シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/01 22:53 ID:???
〔マスター!応答してください!マスター!?〕
ホビーハイザックを引っぱりつつ、通路を駆け抜けるビギナギナ。
その動きは鈍く、以前全リミッターを解除したときに比べ、かなり速度は落ちている。
その間にもキュベレイとホビーハイザック・ビギナギナの差は縮まっていく。

〔間に合いませんね……。マスター!応答してください!〕
「……。」
再度シュウジに呼びかけるゼファー。だが、シュウジの返答はない。
指示を与えられぬまま、ひたすらに逃げていると、後方から追いすがってくるキュベレイから何かが発射された。
〔トリモチランチャー……?
 ……!〕
さらにその後方に、ビームサーベル片手に突っ込んでくるキュベレイが見えた。
〔仕方がありませんね……。〕

判断と行動は、例により同時だった。次の瞬間、なんとビギナ・ギナはホビーハイザックを手放していた。
バックパックからコックピット部にかけてビームサーベルに貫かれるホビーハイザック。
〔間に合った……。……詰めにもう一撃!〕
ビギナギナの右腕のみが後ろに向き、キュベレイの"コックピット真下"にビームライフルを撃つ。
それとほぼ同時に、ホビーハイザックが大爆発を起こした。

その爆発からリミッターを掛けた状態で出せる最大速度で離脱するビギナ・ギナ。
その左腕にはホビーハイザックの球形脱出ポットが握られていた。
そう、ホビーハイザックがビームサーベルに貫かれるほぼ直前に一瞬だけ制御対象を切り替え、
ホビーハイザックの緊急脱出システムにより、球形コックピットを強制排除させ、回収したのだ。
そしてさらに核融合炉を暴走させるコマンドを実行させ、再度ビギナ・ギナに制御を移したのだ。
ここまでの動作をほぼ一瞬でゼファーは行っていた。
これもひとえにPhantomの長所と、パーツに高級品を選んだために、急造で作った割には高い演算能力を有したボディーユニットが生み出した結果だった。

シュウジの乗ったコックピットの安全を確認すると、ゼファーは爆発により得られたエネルギーを利用し、再度戦線離脱を計った。
〔マスター!速く起きてください!〕
無論、呼びかける事も忘れずに。


【行動:コックピット回収(−1)ホビーハイザック自爆(−1)ビームライフルでキュベレイを攻撃(−1)再度戦線離脱(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微  左腕に球形コックピット
      ハイザック :大破 自爆により消滅】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 気絶 球形コックピット内】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ゼファー)】
【行動方針:気絶中 】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク? 03番 イブ?26番 シェラザード?】
126シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/01 22:58 ID:3WGHhyvt
IDチェック
>>121>>125
ビームサーベルがハイザックを貫いた直後、後ろから戦慄が来た。
ハイザックの爆発と、背後からのビームライフルの一撃を機体に悲鳴を上げさせながらどうにかかわすキュベレイ。
だが、爆発の中から放たれた光の刃を回避することまでは無理だった。



どうにか直撃は免れた。だが、黒く染め上げた右の翼とそこに納められていた武器がまとめて吹き飛ばされた。
被弾の衝撃はコクピットを激しく揺さぶり、中の主にも平等に襲いかかった。

くっ………

シートベルトが肉体に食い込む。圧迫された筋肉と骨が軋む音が聞こえたような気がした。
苦痛に顔を歪めるシェラザードの前から、ビギナ・ギナが離脱してゆく。
その代わりというように、後方にはペズ・バタラが接近してくる様子がはっきりと映っていた。

【行動:ハイザック自爆回避(−1)、ペズ・バタラの攻撃を回避(−1)、被弾(0)】
【位置:U22】【行動値残り:2】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー及び収納武器消失】
【パイロット状況:悪役風メイク】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:2発)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
目の前でまた戦闘が始まった。
キュベレイmk2とかいうのが先にいたMSを攻撃したり、
べるべるが追いかけて行ったり・・・・・・

(;´Д`)

べるべるの後を追いかけながら通信を入れる

「やいやいやい。この紋所が目にはいらぬか・・・・・・
 やなくて、アタシの目の前で戦闘中止!!
 誰かを見つけたら攻撃する事しか考えられへんのかあんた等はっ!!」

【行動 : べるべるに通信継続 (0) 移動 (1) 全体通信 (2) 残り 2 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? (;´Д`)】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO! 戦闘ヤメイ!! !】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 戦闘ヤメイ
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
129ベルク=クロフォード@代理:04/06/02 21:23 ID:???
キュべレイのビームサーベルがホビーハイザックのコクピットを
貫ぬかれ、その直後もう一機のMSが球体状のものを持って行くのが見えた。
自分が放った閃光は間に合わず、当てられもしなかった。

(当然か、少しでもこちらに注意を向けさせたかったが遅かったか?)

急いで特殊情報端末の画面を見る。
ホビーハイザックの表示は消えていたがシュウジの表示は消えてはいなかった。

(間一髪、脱出したか。)

少しの安堵感が感じられる。
そこへ御なじみの声が聞こえてくる。

『やいやいやい。この紋所が目にはいらぬか・・・・・・
 やなくて、アタシの目の前で戦闘中止!!
 誰かを見つけたら攻撃する事しか考えられへんのかあんた等はっ!!』

「獣が餌を襲おうとしているところにどうやって
 攻撃以外の方法で止めさせることができる。
 話し合いなど聞く耳を持つ状況では無かったぞ 。」

そして、キュべレイのパイロットに通信を入れる。

「彼には、未だ死なれては困るんでね。
 また、アンタとは関わりたくは無かったんだが
 これ以外の方法が見つからなかったんだ。
 この先、彼を追うつもりならここで貴様を足止めするつもりなんだが
 その程度で済ましてくれるなら幸いだな。
 
 こう言うことを言える立場ではないんだが
 出来れば穏便に済ましたい・・・・・・・これ以上の戦闘は回避してもらえるかな?」

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E43%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
>>128>>129
戦いを止めろと呼びかけてきたR・ジャジャ。
ビギナ・ギナを追わなければ戦闘を継続するつもりはないと間接的に表明したペズ・バタラ。

本来なら、素直に受け入れられるはずの言葉であり、受け入れなければならない申し入れだった。
その2機と積極的に戦う必要性は低いと自分でも考えていたのも確かだった。

イブと出会ってからの混乱と、連戦による疲労が積み重なっていなければ。
後ろから撃たれていなければ。
ビギナ・ギナの最後の攻撃をかわしていれば。
さらに傷を負うことがなければ。
ハイザックを撃墜した興奮と、ビギナ・ギナに逃げられた悔しさを同時に感じていなければ。

理由や動機はともあれ積極的に戦う様子は見せない2機のモビルスーツに対し、
片方の翼と片脚を失った紅の女王はすぐには答えなかった。
黙ったまま、その意志無き兵士達に仮初めの休息を取らせていた。
次の戦いに備えるように。
この後も戦い続けられるように。

「………何故、あの男に死なれては困るの?」

しばらくの沈黙の後、キュベレイからペズ・バタラに答えが返される。

「あの男は味方を裏切ったのよ。
 女に振られて、自棄になって、仲間を手にかけたのよ。
 そんな男が生きていることにどんなメリットがあるというわけ?」

口調はあくまで穏やかに、シェラザードは淡々と問いかける。
その表情は、バイザーが生み出すものにしては奇妙に深いような陰に隠されているように見えた。

「あたしがあの男を片づけることに、どんな不都合があるというのかしら」

女王は、戦うためにこの世に生を受けた。
その力の源であり、女王を女王たらしめている根源………サイコミュは、人の意思を戦う為の力とするが故に
自然と人を戦いに駆り立てる存在でもあった。
サイコガンダムのものほど強力でも直接的でもないが、
女王の魂は主の精神と肉体に確実に影響を与えていたのだ。

戦わないと。

遠くで………そしてすぐ側で誰かが呟いている。
シェラザードが心の中で呟いている。
心の中のシェラザードが呟いている。

あたしは戦わないといけない。
あの場所に帰るために。
罪を償うために。
自分がただの間抜けでないことを証明するために。
あのコを守るために。

女王の瞳に浮かぶ光が強まっては弱まり、輝きが沈んでは浮かび上がる。
機体から立ち上る何かが、見えるはずのない存在が陽炎のように揺らめく。
右肩と右脚の傷口からこぼれる火花は、抑えようとしても抑えきれない意志を象徴しているのだろうか。
共に戦い、共に敵を葬り、共に傷ついたことで、主と女王は一層その関係を深め………同化を深めつつあった。

戦わなければならないと信じた女は、戦うために存在する機械の波動に、
自ら望んで捕らわれようとしていたのかもしれない。
何かのために戦うことに専念できるなら、それはそれで幸せなことだと言うことも出来るのだから。
仲間を裏切り、仲間を殺した男。他人と「組む」ことを拒否した男。
ミョーコウに危険を及ぼす可能性が高い男。
その男をなおも庇おうとする男。

あたしはたたかわないといけない。
てきをはいじょしないといけない。
あのこをきずつけるそんざいをいかしておいてはいけない。
これいじょう、あのこをきずつけさせはしない。
あのこをきずつけたのはこのあたしで、あたしだからあのこをきずつけたのだから。
あのこをきずつけていいのは、このあたしだけだから。

ビギナ・ギナの反応はまだそう遠くには行っていない。
目の前には、剣の切っ先が届く位置には2機のモビルスーツが………本来ならば共に生きることは出来ない人間が、
明確な戦闘態勢を取らないままでいる。

ならば、どうする。あと少しで、ファンネルの再チャージは完了する。

【行動:ファンネルチャージ継続(−1)、ペズ・バタラに通信(−1)】
【位置:U22】【行動値残り:2】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー及び収納武器消失】
【パイロット状況:悪役風メイク+?】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:2発)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
132シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/03 22:59 ID:???
「……此処は……どこだ?」
外から聞こえる声に目を覚ました。目を開き、視界が回復すると、そこにはだだっ広い部屋が広がっていた。

『やっとお目覚めかー。』
[これで話を始められるなぁ。]
〈遅すぎるぞ。〉
「……なんだ……?」

辺りを見渡す。右に、左に、正面に。三人の自分がいた。
「……また夢か?」
『まぁ……そうかなぁ?』
[そ、最近よく夢見るよなぁ?]
〈趣味の悪い夢とでも思えばいい。〉

三人がそれぞれ違う事を一気に喋る。言葉が中途半端にハモって、聞き取りにくかった。
視界が暗闇になれてきたところで目の前の三人をよく見てみる。
まず左にいる自分。こいつだけ何故か異常に若い。13ぐらいだろうか?生き生きとした、好奇心溢れる目をしている。
次に正面にいる自分。自分と歳は似ているようだが、着ているのはアナハイムの繋で、若々しく、"精気"に満ちあふれているようだ。
最期に右にいる自分。こいつが自分に一番似ているようだが、自分よりは"生気"が有りそうな顔をしている
「要するに、だ。お前達は過去の私か?18歳以前の私。裏切られる以前の私。プログラム投下後の私。
 本当に趣味の悪い夢だな……。四重人格者になった覚えはないのだがな……?
 と言うか、話す順番を決めよう。」
『んじゃ、俺からな。つーか気持ち悪いぞー、”私”なんて一人称。』
[次は俺な。一人称については右に同じ。]
〈……そんなに気持ち悪いか……?〉
「語尾などどうでもいい……。」
『というか、その喋り方、疲れないの?』
[そうそう。]
〈お前達とは気が合いそうにもないな……。〉
「話し方について指図されるいわれはない。それよりも、だ。何でこんな夢を見ているんだ?
 いまは一刻を争う状況だった気がするからな。さっさと起きさせてもらうぞ?」
『まーまー。ちょっと待てって。起きてどうする気だ?どうするかも決めてないのにさ。
 今のあんた、どんな目してるか知ってるか?』
[本当だ。死にそうな目をしているな……。」
〈私より酷いぞ……。〉
「……こっちの状況を知らないくせに……。」
『いや?そんな事もないぞ?』
[そうそう。]
〈我々の記憶は共有されている。お前の見た事は私の見た事であり、私の見た事はお前の見た事だ。
 共通の人物だから当たり前だがな。〉
「……。」
『ま、俺の記憶だけ忘れてるみたいだけどな?』
[まぁ、そんな細かい事は今はどうでもいい。]
〈我々が聞きたい事はお前は今、どうしたいかだ。
 ティーチャーには逃げられ、追跡不能。首輪カバー・対自爆装置は不完全。今のところ脱出は不能。
 守るべき者は死んだ。戦力は激減した。負傷はじりじり体力を奪う。味方はいない。
 ……八方塞がりだな……。〉

133シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/03 23:02 ID:???
「……解らない……初めは決意していたティチャーへの反乱も、今は酷くおぼろげだ。
 守り、共に脱出すると決めた者……ヨーコも死んだ。
 禁止空域は越えられないから脱出も反乱も出来ない。
 意志も、力も失った……どうすればいい?」
『俺たちに言われても困るって。』
[あぁ、俺たちはあくまで過去の者だからなぁ。]
〈しかし、言える事が一つある。〉
「……?」

『俺からはなぁ……そうだなぁ……もう少し、自分に素直に生きてみようよ。』
[ハハッ……言えてる。今まで周りに引っぱられてばっかりだったからなぁ……。]
〈お前らな……全く……まぁ、今までさんざん周りに尽くし、殆ど一人で脱出を立案してきたんだ。……結果的に失敗だけどな。
 ゴホン……とにかく、だ。最期の数時間か、もしくは数日の命、自分のために使う。そう言うのも悪くはないと思うがな。〉
「……それ、アドバイスになってるのか?同盟を自ら破壊した時点で……。」
『うぁ、ひでぇ……。』
[こういうの考えるの苦手なのにもかかわらず精一杯考えたのになぁ……。]
〈……。〉
「まぁ、俺だからな?」
『ははは。その意気その意気ー。』
[ま、がんばれや。]
〈健闘を祈る。やりたい事はお前が考えるんだ。
 優勝するもよし、脱出するもよし、ティチャーにもう一度会うもよし、自殺も一つの選択肢だな。
 どれにするにしても、ゼファーはちゃんと活かすようにな?〉
「為にならないアドバイスをどうも。まぁ、それはこれから考えるさ。……さて、そろそろ起きるか。」
134シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/03 23:06 ID:???
三人の自分の姿が目の前から消え、再度視界がゼロになる。再び視界が戻ったとき、そこはまた暗闇だった。
しかし前回と違うのは、シートの感触があると言う事と、重力の加速度を体で感じているという事だった。

「……今度こそ、現実か……?」
〔マスター!大丈夫ですか?〕
「……あぁ、ふざけた夢を見ちまったが、生きてる。」
〔ふざけた……?いえそれよりも、指示をお願いします。〕
「現状報告。」
〔キュベレイの攻撃を受け、ホビーハイザックは大破。現在、コックピットのみをビギナ・ギナで運搬中。
 U−22内通路を移動中です。〕
「此処にいるのは危険だな。U−22を離脱。一時W−22の辺りへ退避する。
 ほぼ瓦礫だと思うが……退避でき、なおかつ調査が出来る。一石二鳥だろう?
 乗り換え作業はそこで行う。移動開始!」
〔了解!〕

(……さて……?どうしたものか……?)

その時、全体放送が流れた。思案に暮れていたので全然耳に入っていなかったが、やはりふざけた内容だった気がする。
その間にもビギナギナは中途半端に閉鎖された隔壁を避けながら、W−22へ移動していた。

【行動:ふざけた夢(−0) U−21→V・W−21→W−22へ移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:W-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微  左腕に球形コックピット 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 球形コックピット内】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ゼファー)】
【行動方針:考え中】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク? (二名消し忘れてました……すみません。)】
135リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/03 23:41 ID:???
……しばらくハロを弄っていた彼女は、とうの昔に直し終えていた通信機のスイッチを入れた。
ずっと無言で作業していたわけだし、その欺瞞が露呈する危険はない。

「……管制艦、聞こえる?」
『ティーチャー! ご無事ですか!?』
「ええ、大丈夫よ。
 ……ようやく、通信機が回復したわね」
『今、そちらはどういう状況で?』
「U-23の格納庫で、壊れた“コアブースター”を見つけたわ。
 今、修理しているところ」
『ああ、RX-78系の“修理・改造の材料”として置いておいたアレですね』
「今、コクピット周りの配線を直して……推進部も直せる見込みがついたわ。
 純正部品じゃないけど、材料も道具も揃ってるものね。久しぶりの機械いじり、腕が鳴るわ」
『頑張って下さい』
「ところで、今、生徒のみんなはどうしてる?
 修理しながら聞くから、ドライセンを放棄してからの展開を教えて頂戴」
『そうですね、まずは………』


【管制室の行動:コアブースターを00番の機体として再登録(−1p)
        リーア先生と通信(−1p)、今までの報告(−1p)】
【リーア先生の行動:格納庫の探索(コアブースター発見)(−1p)
          コアブースターの操縦系の修理(−1p)
          ハロVからデータ引き出し・内容確認(−1p)          
          管制艦に特別回線を開いて通信(−1p)】
【位置:先生:U-23(基地内格納庫)、管制艦:Q-21】
【機体状況:コアブースター(ルール上はMAとして扱う)、ブースターの推進部に損傷】
【所持品:髑髏、ハロV、ハロR、ハロY、ハロB】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、コアブースターの修復、自由を求めて……??】
『獣が餌を襲おうとしているところにどうやって
 攻撃以外の方法で止めさせることができる。
 話し合いなど聞く耳を持つ状況では無かったぞ 。』

べるべるから通信が入ってくる。
更にべるべるはキュベレイmk2とかいうのにも通信を
送ったんが聞こえた。
アタシもついでにべるべるとキュベレイmk2に送る。

「はいはい。一旦そこまでや。
 ふたりともケンカせずに仲良くな。
 ここでドツキアイしおっても何にもならへん。
 だから武器を収めて休戦や。
 アタシらの本当に相手にしなくちゃいけへん相手は
 違う所におるんやし。」

【行動 : べるべるに通信継続 (0) キュベレイmk2に通信 (1) 残り 3 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? (;´Д`)】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO! 戦闘ヤメイ!! !】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 戦闘ヤメイ
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
 
>>前スレ245-246
 そう、確信だ。
相手を追い詰めた事により心の中にワキアガルモノは。
逃げる術など存在はしない。惨めな死に様を晒させる。
放り込込まれたなら薄汚い花火を上げるのだろう。それこそ本懐。

 ……?

 最後の抵抗。こちらの押しが少しだけ鈍った。
なんて諦めが悪い奴なのか。さっさと逝ってしまった方が苦しさは減るだろうに。
全く、意地とか執念とか。言葉のみの概念ほど厄介な物は無い。
まぁ、それでもだ。後にも先にもここまでの馬鹿とは会えないだろう。
これからの戦場、少しだけ詰まらなくなるかもしれない。
最後の一押しに移るとしよう。これで 【サ・ヨ・ウ・ナ・ラ】 だ。

 「アシッド……さっき、俺の名前、呼んでくれたろ?フルネームで。
 ……少しだけだが、嬉しかったよ」

 「(……?)」

 そして、閃光。 そして、衝撃。 そして、振動。

 しばらくの後、真っ暗なコクピットで彼は目覚める事になる。
その時間が幾程かも想像がつかない。唐突に気を失い目覚めた。
相手の爆発に巻き込まれたのだろうか。それにしては、暗い。
座標は依然変わらない。自分が突っ込んだわけでもない。
最後に聞こえたのは奴の声。感謝の声。辞世の句?

 わけもわからずコクピットを抉じ開けて、眼の前に飛び散る火花を見て、
悠然とサーベルを構える相手を見上げて、胴体を半分程切り裂かれた機体を見て、
全く動かなくなった相棒を見上げて、何も残っていない自分を見て。

 理解した。

(続き)
だが、当然MS相手にその程度の武装では歯が立つはずも無い。
 フットペダルを何度も何度も何度も何度も踏みつづける。
"プシュー"と言う気の抜けた音。薄い炎が僅かに噴射された。
それでも彼は諦めない。いや、認めない。

 【これで終り──  そんな馬鹿な──

   俺はまだ何も──  俺の体はまだ何も──

 まだ眼も見える。 まだ耳も聞こえる。 腕も動く。 足も動く。

  何も傷などついちゃいない。 まだ俺自身が残っている。

 人の一人や二人殺す事など造作も無い。 そうだろう? 違うのか?】

 "ピッ!"

   【通信機は生きていた 女の声、や 男の声が 入り乱れて 飛び交って

 希望、みたいな、話しているつもりか? 終りなのか? ゲームも戦場も俺も?

   誰に 告げればいい この、腹立たしさ 絶望・挫折 味わっていない

    眼の前のお前にか? お前にぶつければいいんだな… まだ、残っている 俺が!】

 彼は急ぎコクピットの奥に置いてあった自動小銃を持ち出すと
まず未だ放送の続く通信機に向かって銃口を向ける。
火花を散らし、散開する通信機。これで一つの因縁が立ち消えた。
 そのまま銃口は眼の前の青ジムへ向けられ
彼の雄叫びと共に小さな鉄の塊を吐き出していく。
だが、当然MS相手にその程度の武装では歯が立つはずも無い。
しばらくの後、乾いた音を立て自動小銃は動きを止める。

 「(どいつもこいつも…人をコケにしやがって……)」

 荒い呼吸。見開いた目は真っ直ぐ相手を見詰め続け離れない。
"パチ" 小さな火花がコクピット周りを囲った。
最後まで待ってくれたのはこの戦場の相棒のせめてもの好意なのか。
 もう時間は無い。

 「うぉおおおぉぉぉおおおおおぉぉぉおおおお!!!!!!」

 獣の咆哮。
後に残す物も、残す言葉も存在しない。
広がっていく光の中で、虎はどこまでも吼えつづけた。
この戦場に生き残っている全ての者を未だ狩り続けるが如く。

【生徒番号10番 アシッド=ミニングリー死亡】
【死因:14番のサーベルによる機体の誘爆】
139ベルク=クロフォード@代理:04/06/04 22:05 ID:???
少しの間をおいてキュべレイからの返事が返ってくる。

『………何故、あの男に死なれては困るの?
 あの男は味方を裏切ったのよ。
 女に振られて、自棄になって、仲間を手にかけたのよ。
 そんな男が生きていることにどんなメリットがあるというわけ?』
 あたしがあの男を片づけることに、どんな不都合があるというのかしら。』

ついでにルイからも通信が入る。

『はいはい。一旦そこまでや。
 ふたりともケンカせずに仲良くな。
 ここでドツキアイしおっても何にもならへん。
 だから武器を収めて休戦や。
 アタシらの本当に相手にしなくちゃいけへん相手は
 違う所におるんやし。』

一先ず、ルイへの返事は保留にしておく。
そして、キュべレイにさっきの返答を返す。

「彼は純粋過ぎただけだよ。
 好きな相手のため、守りたい人のために彼は鬼になった。
 どんな卑劣な手段を使ってでも・・・・・・あの子を守りたかったんだろうな。
 でも、守れなかった。それで彼がどんなことを考えていたか嘆いていたかは分からない。
 近くに俺達がいたのも関わらず、戦闘を仕掛けず別の所へ移動した、
 その行動から大切なものを失ったことで狂気に走り殺戮を考えることは無かった事はわかる。
 そして、彼はここに居た、その理由は多分ティーチャ―に会うためだろう。
 以上のことから、彼はまだ諦めてはいないのだと俺は考えた。

 だから、例え少ない可能性でもまた、シュウジに会い協力を求めようと思っていたんだ。
 彼には技術スキルがある。それを頼っているんだ。
 これが理由だ、これだけでは不満か?」

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信中(-0)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E43%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
>>130-131
―――戦わないと―――

大切な人の声が、眠れる少女の魂に響く。
失った居場所を取り戻す為に、何処までも孤独な戦いを続ける女性。
その悲壮なる決意は、なかば悲鳴の様な心の声となって、彼女の求める少女のもとへと届いていた。
その声に触発されて、次第にハッキリとしてくる少女の意識。
けたたましく鳴り響くアラームではなく、彼女の声こそがリファニアの覚醒を促した。

「………ぅう……?」

呻くような声と共に、リファニアはゆっくりと瞼を開く。
傍らには、身を寄せ合うように眠るイブの姿があった。
知らないうちに眠ってしまい、イブにベッドに寝かされたらしい。
そして、リファニアはいつのまにか眠ったまま、甘えるように彼女に抱きついてしまっていた。

「……あっ……。」

慌ててイブにしがみついたままの腕を解く。
顔を真っ赤に染めながら、リファニアは上体を起こし、けたたましく鳴り響くアラームを止めた。
アラームの設定時刻は、とっくの昔に過ぎてしまっていた。
二人が眠っている間、アラームは何度となく鳴っていたようだったが、
深い眠りに就く彼女らを起こすには力不足だったらしい。
共に身体を痛めつけられ、強い疲労感をおぼえていたのだから、無理はないだろう。

だが、しっかり休んだおかげか、リファニアの身体中の感覚は、妙にクリアになっていた。
時々ピリっとした感覚が全身に走る時もあるが、それでも以前のように強い痛みを伴う程の物ではない。

「ん〜〜〜っ!」

リファニアはベッドから降りて、思いっきり伸びをした。
それと共に、リファニアの中に無理矢理押し込められていた物が、まるで解き放たれるかのように広がってゆく。
自分の存在がどこまでも広がってゆくような感覚。
ミョーコウの船体を抜け、小惑星基地を抜け、この戦場全てにリファニアの意識は広がってゆく。
このバトルフィールドに渦巻く人の念を、リファニアは感じ取っていた。

>>137-138
その中でも、一際強い念があった。
リファニアの中に眠る獣などとは比べ物にならないくらい、荒々しい魂。
思わず身震いしてしまう程に強烈な威圧感を持った存在。
その存在は、まるで猛虎のごとく咆哮し……暫しの後、霧散する。

「せんしの……ほうこう……。」

戦士の魂に触発されて、リファニアの意識が、否応無く戦闘態勢へと移行させられる。
そして、戦場に身を委ねるシェラの魂をも感じ取り……リファニアはするべき事を、思い出した。

今すべき事 = 今やりたい事。

自分の脚で立ち始めたリファニアを、縛る物などもはや何も無い。
叶えるべき夢は、揺るがない。だが、大切な人を孤独なままにしておく事など出来やしない。
たとえ、リファニアが彼女の望む形で応えられないとしても。

リファニアは、もしかしたら欲張りなのかも知れない。
多くを望み、そしてその全てを叶えるつもりだった。
ベッドの上で寝息を立てるイブに、リファニアは視線を向ける。
穏やかに微笑んで、その寝顔に語りかけるように口を開いた。

「イブさんの想いも、無駄には出来ないものね。
 それに、私の想いも―――同じだもんね。」

リファニアの表情が、穏やかながらも強い意志を秘めた表情へと、変わる。
それは、一切の迷い無き戦士の表情。

「……今は休んで、イブさん。
 あなたが繋いでくれたシェラさんの生命、私が繋いでみせるから……。」

イブの頬に軽く口付けした後、リファニアは医務室より飛び出た。
向かう先はブリッジではなく、MS格納庫。
リナルドに話せば、絶対に止められるだろうと思ったからだ。

「……話の続き、また後になっちゃったね……。」

少し残念そうにしながらも、リファニアは決して悲観していなかった。
今は無理でも、生き残ってから存分に甘えればいいのだから。

格納庫前に辿り着いたリファニアは、日記帳にメッセージを記し、ページを切り取って格納庫前の扉に貼り付けた。
もしリナルドが追ってきた場合、このメッセージを目にする事になるだろう。

〔リナルド、そしてイブさんへ。
 すこし、出かけてきます。二人は、脱出計画の準備を進めておいて下さい。
 私の少ないノーミソじゃあ計画の手助け、あまり出来ないと思うの。
 だから、私は二人が動きやすいように、出来る事をやろうと思います。

 大丈夫、心配しないで。
 私、自分を犠牲にするつもりなんて、ないから。
 絶対に生き残って、夢、叶えるから。
 大切な人も、絶対に死なせないから。

 では、行ってきます。もし、緊急事態が起きたら、全体通信で教えてね。
 どこからでもすぐに飛んでいくから!
 そうそう、私が出た事は緊急事態じゃないからねっ!
 すぐに呼び戻したりなんかしちゃ駄目だよ〜。

 PS リナルド、絶対に生き残って、話の続き、しようね。
    私まだ、伝えきっていないメッセージ、いっぱいあるからっ。
    ……じゃっ、愛してるよっ?〕

メッセージの最後の部分に、ローズピンクのキスマークが添えられる。
話の、続き。リナルドは、その言葉に込められた意味に気づくのだろうか。

……何となく、リナルドってこういうのには鈍そうだよね。

くすりと笑って後、リファニアは格納庫に入った。
ヤクト・ドーガの前に行き、その銀と紅のボディを見上げる。
その容貌は、紅の女王と轡を並べるのに相応しい流麗さを持っていると思えた。
「あなたのご主人様を手にかけてしまった私だけど……彼女の最後の言葉、"最後まで生き残りなさい"。
 ……それを叶える為に、あなたの力を貸してね?」

ヤクトに乗り込み、起動させるリファニア。
サイコ・フレームの作用か、感覚が機体の隅々まで行き届くかのような、強いフィット感をおぼえた。

「これがこのコの本当のフィーリングなんだよね。
 鈍いどころか―――。」

ミョーコウの格納庫から飛び出して、港内をびゅんびゅんと飛び回るヤクト。
以前乗った時とのあまりの機体反応速度の違いに、リファニアはついついはしゃいでしまった。

「凄くいいっ!」

結局、リファニアはMSというマシーンが好きなのだろう。
非力な自分も、MSを操る事で優れた戦士となる事ができるし、宇宙を自由に飛び回る事は純粋に気持ち良いのだ。

びゅーんとヤクトを飛ばして、ミョーコウのブリッジを覗きこませたリファニア。
リナルドの姿がモニターに映って、リファニアは思わず瞳を潤ませてしまった。
新たなる主に連動するように、ヤクトのモノ・アイも揺れるように明滅した。

「……なによ、別に今生の別れってわけじゃないんだからっ!
 絶対に、帰って来るんだからっ!」

かつてシェラがやったように、リファニアはヤクトに敬礼するような素振りをさせた。
両腕が火器によって塞がっているので、マシンガンを掲げるような形になってしまったが。
暫しの後、ヤクトはミョーコウから離れると、推進剤の残光を残して要塞の奥へ消えて行った。

ダグラスの悲劇が起こった場所を抜けて、メガ・バズーカ・ランチャーの傷跡を横切って、さらに奥へと進むヤクト。
じきに、U−22地点に、機種までは判別出来ないが、数機のMSの反応を確認した。
W−22にも反応があるが、戦闘状態らしい事を考えると、シェラが居るのはU−22だろう。

「よぉし、待っててよ、シェラさん。
 あなたは、一人じゃないんだから。
 私が、あなたの背中を護るんだからねっ!」

U−22へ続くと思われる通路へと侵入して、銀と紅の鎧に身を包んだ戦姫は、孤独な女王の下へと急いだ。

【行動 : 目覚める(0)、メッセージ書き書き(-1)、格納庫へ移動(-1)、出撃(-1)、V-21へ移動(-1)、残0 】
【位置 : V-21(要塞内通路) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、シェラさんを一人で戦わせやしない! 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
143イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/05 17:10 ID:???
眩しい決意を胸に、少女が再び戦場へと赴いてから凡そ30分。
目を覚ました愁林は、傍らにリファニアの姿が無い事に気付き、寝起きで朦朧とする意識を頬を叩いて無理矢理覚醒させた。
次いでベッドから降り、軽く筋を伸ばして体も目覚めさせる。
鏡の前に立ち、簡単な自己診断を開始する―――通常業務に支障なし。
頬にほんの微かに残る薄紅の色に戸惑うもすぐにその正体に思い至り、指先で拭い取って唇にそっと当て、微笑む。
寝ている間に乱れた黒髪を両手で落ち着けてから、彼女は駆け足でブリッジへと向かった。

「ご免なさい、すっかり寝入ってしまって……あら?」

ドアの向こう、青年の背中に声を掛けた彼女は、てっきり彼と共にあると思っていた少女の姿が無い事に気付いた。
艦橋に足を踏み入れ、改めて見回してみるが、やはりリファニアは居ない。
シェラザードの姿も何処にも見当たらない。
尤もこちらは、単純に想いが届かなかっただけなのかもしれない。
残念ではあったが、ある意味でそれが当然の結果とも言えた。
彼女と嫌い合う事はあっても憎み合う事は無い。
護られていた時の遣り取りでそれだけは確かだと思えたから、それだけを拠所に愁林は彼女の無事を願った。

「リファニアちゃんは―――」

と、格納庫の状況を示すモニターの表示に目線の動きが止まる。
ヤクト・ドーガの反応が見られない。
続けようとした言葉を、愁林は飲み込んで小さく頭を振った。

「―――さあ、これからの事を考えましょうか」

【行動:容態確認(-0)、艦内移動(-1)】【残り行動値:0p】【現在位置:V-21、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、為すべき事を為そう】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
144リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/05 23:33 ID:???

『……というところです。何かご質問は?』
「そっか、10番と14番の戦闘、決着しちゃったのね……。
 あと気になるのは、動いてる子たちじゃなくて、むしろ『動いてない』子たちなんだけど……
 ま、ここで考えてても仕方ないわね。推進剤を入れ終わり次第、そっちに向かうわ」
『ところでティーチャー、そろそろ定期放送のお時間なんですが……』
「あら、もうそんな時間? 作業してると気づかないものね」
『どうしましょう? 前回と同じように、録音しておいてこちらで流しましょうか?』
「そうね、お願い。データだけ送って。その間に、機体のチェックを済ませておくわ」

 *  *  *

通信機を開きっぱなしにしたまま、彼女はコクピットを出る。
推進部の破損はもう直したし、推進剤の補給もタンクが満たされるのを待つだけだ。
彼女は工具を手に、「最後の作動確認」の“ふりをして”コアファイターの内部を探る。
ジェネレーター部、コクピット周辺、武器であるミサイル発射管回り……

(うん、仕掛けられてないわね。これなら大丈夫)

一通り確認した彼女は、再びコクピットに戻る。
すでにそこには、定期放送に必要な各種のデータが送信されていた。

「あ〜、管制艦、聞こえる? 早速、定期放送用に録音をして」
『はい、いつでも準備OKです。ではティーチャー、どうぞ!』
「……はい、みなさん元気ですか? 定期放送のお時間です。
 まずは、脱落者の発表から…………………」


【管制室の行動:リーア先生と継続通信(0p)、今までの報告(−1p)、定期放送録音(−1p)】
【リーア先生の行動:コアブースター推進部の修理(−1p)、推進剤補給(−1p)
          機体に『ある装置』が仕組まれてるかどうかの確認(−1p)、
          管制艦と継続通信(0p)、定期放送読み上げ(−1p)】
【位置:先生:U-23(基地内格納庫)、管制艦:Q-21】
【機体状況:コアブースター(ルール上はMAとして扱う)、損傷修復済み】
【所持品:髑髏、ハロV、ハロR、ハロY、ハロB】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、コアブースターの修復、自由を求めて……??】
145リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/05 23:59 ID:???
(前回同様、雑音交じりの定期放送が入る)


『……はい、みなさん元気ですか? 定期放送のお時間です。

 まずは、脱落者の発表から。
 10番 アシッド・ミニングリーさんが、つい先ほど脱落しました。
 この調子で、どんどん殺しあって欲しいものです♪

 さて、生き残りがついに1ケタになりました。
 そろそろ、全くの無傷の人はほとんどいないんじゃないでしょうか?
 他の人を倒すにはいい機会ですが、こちらも結構ダメージ受けてる。
 そういう時に役に立つのが、詭弁の数々です♪
 みなさん、しっかり考えて行動しましょうね〜☆

 では、次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『A-23』『D-01』『F-17』『K-12』
 『O-07』『S-05』『W-11』『Y-22』 
 以上です。くれぐれも迂闊な動きはしないよう、気をつけましょう♪』



【管制室の行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:先生:U-23(基地内格納庫)、管制艦:Q-21】
【残り行動値:管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
146リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/06 00:01 ID:???
第13章 >144 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎×□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎×□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□×□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎14□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※×◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□×◎◎■■◎◎□◎□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□×□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠11□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼20▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎07◎01▼×□
23×■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

00番(U-23の◎印に位置)はリーア先生のコアブースター。
99(Q-21の◎に位置)は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
07・25・26は同一地点。03・15は同一地点。
03・15はムサイ級戦艦に搭乗。03・15の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
147シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/06 10:37 ID:???
〔マスター。W−22に到着しました。〕
「ん……もう一歩、移動する。X−22へ移動してくれ。
 よく考えたら先に推進剤と酸素の補給が必要だからな。」
〔了解しました。〕
指示を出しつつ。ビギナギナから送られてくるレーダーの情報に目をやる。
そこには幾つかの熱源が表示されていた。いずれもある程度固まっている。

(現在の勢力図が見えてきたな……。
 まず自分。
 07と25の同盟。これは俺を助けたという辺りからこちらにコンタクトを取ってくる可能性がある……。
 だがしかし、25は甘いというレベルじゃない。いつまでもこの会場で常識が通用すると思いこんでいる。
 次に11番。07、25が此処にいて、まだ死亡報告がされていないという事は、どこかに一人で居る可能性が高い……。
 10と15は片方は音信不通だし、片方はあった事もないから解らないな……。
 最後に03、15、20、26のムサイを中心とした同盟。
 ただ、26のみがどうもよく分からない。
 俺を敵として認識したのならば、一人で来ずに、全員、最低二人以上で潰しに来るはずだ。
 それをわざわざ一人で来たのは……独断か?)

その思考を遮るように、ノイズ混じりの定期放送が入った。

>>145
「これで後9人か……終焉が見えてきたな。
 こちらもどう立ち回るか、早く決めないとな……。」

【行動:X−22へ移動(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微  左腕に球形コックピット 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 球形コックピット内】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 (工具セット 電子部品 ゼファー)】
【行動方針:考え中 補給】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
>>136
R・ジャジャから通信が入ってくる。
喧嘩をするな? 殴り合っていても何にもならない? 本当の相手は違うところにいる?

「まっとうな」人間の言葉だ。「常識的な」提案だ。「狂気に捕らわれていない」反応だ。
だが、そうだからこそ、腹立たしさを覚えてしまう。精神がプラスでない方向に刺激される。

ここで殺し合うことに意味はある。正確に言えば、殺し合わないことにこそ意味がない。
殺さなければ、殺される。他人を全滅させなければ、最後には全員が首輪に全てを吹き飛ばされてしまう。
あの少女の細くて綺麗な首にはめられた悪趣味な道具が、何もかも終わらせてしまう。
それを防ぐために、他に方法はない。少なくとも、目の前の2機からは具体的な「他の方法」は提示されていない。

それに、「本当の相手」って、何よ。

あの貧乳女のことか。それとも、その背後にいるイカれた連中のことか。
確かに元凶はそいつらかもしれない。ここにいる人間は、みんな同じ哀れな奴隷で玩具なのかもしれない。
しかし、だからといって今の自分達に何が出来るのだ。
あの貧乳女を殺したところで、状況は何も変わらない。
ただの現場責任者を人質に取ったとしても、その上の連中は顔色ひとつ変えないだろう。
こんなゲームを主催する人間が、使用人の命に価値を認めているとは思えない。

正論を述べ立てるのはいい。正しいことを大声で叫ぶのも自由だ。
だが、空理空論はそれが正しいほどに無価値なのだ。

>>139
続いてペズ・バタラから通信が入る。こちらも………中身がまっとうなだけに、心にしみこんでは来なかった。
「彼」は純粋だった。好きな女を守るために鬼になった。その女を守れなかった哀しみと嘆きが彼を狂わせた。
それはそれでいい。その純粋さを、愛ゆえの狂気を、認めないわけではない。
だが、それはあくまで「彼」の事情だ。理解はしても許容する必要は認められない。

理由はどうあれ、「彼」は仲間を殺したのだ。
自分を信じていた………背中から撃たなかっただけかもしれないが………その相手を、自ら葬り去ったのだ。
確かに互いに最後まで殺し合うのがこの世界の掟だ。殺される方が間抜けだと言ってしまえばそれまでだろう。
しかし、それでも、そんな人間をあの少女の側に、ミョーコウに近づけるわけにはいかない。
仲間を裏切るような人間が、あのどうしようもないお人好し達に近づくことを許すわけにはいかない。

「彼」の愛情が純粋で深いものであればあるほど、その失意と狂気も深くなるだろうから。
少なくとも、「彼」が他人を生かす理由はないのだ。

目の前の2人が「彼」についてどれほどのことを知っているのかは分からない。
貧乳女に会う理由も、有しているという「諦めていない」何かの内容も分からない。
分かろうとも思わない。知る必要も認めない。
「彼」がどんな材料を持っていようと、それを「他人」のために使うとは考えられないから。

だが、自分が「彼」を拒む理由はそれだけではない。
むしろそれらは単なる口実なのかもしれなかった。

………我ながら、どの口でほざいているのかしらね。

仲間を殺したという点では、自分も「彼」も同じなのだ。
むしろ明確な殺意を持って殺した「彼」の方が、行動としては「まし」なのかもしれない。
殺すつもりなど無く、傷つけようなどとは微塵も思っていなかったのに、
この上なく救われないミスで自分を殺してくれる相手を葬ってしまった自分は、間違いなく「彼」以下なのだから。
149シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/06 22:47 ID:qb1kNRd3
だからこそ、自分は「彼」を認めるわけにはいかない。
自分は「彼」とは「それとは違う」意味で立場を異にしていることを証明しないといけない。
そして、その「彼」を認め、庇う人間をも、受け入れるわけにはいかなかった。

あたしには、まだあのコがいるから。
あのコは、こんなあたしをまだ好きでいてくれるから。

少女に危険を及ぼす存在は全て敵。
危険を及ぼす可能性がある存在も全て敵。
危険を及ぼさないことを証明できない人間も………この世界と状況では、敵だと判断する。

>>145
そこにいつもの定期通信が入る。
また、生きている場所が減った。生きていくことの出来る空間が減らされた。
そして、望まぬ終焉がまた一歩近づいてきた。判断に時間を費やすことすら、許されない贅沢になってきた。

戦いたくないなら、その理由を説明して貰わなければ。
刃をかわすことを望まないのなら、その代わりとなるものをを示して貰わなければ。
限られた時間の中で、可能な限り速やかに、かつ、具体的に代案が示されないのなら。

ファンネルのチャージが完了する………しかし、短時間のうちに攻撃とチャージを繰り返してきたせいで
危機にかなりの負担がかかっていたようだ。
火器管制用のモニターに映る忠実な12機のシンボルのうち、1機が赤く表示されている。
粒子加速器に異常発生、攻撃不能。敵の注意を引く囮以外には使えない。

だが、それだけだ。女王も兵士達も、まだまだ十分に戦える。

シェラザードの口元が歪む。深紅のルージュに彩られた唇が、微笑みの形につり上がる。

「………お話は、以上かしら。だったら、お応えしないとね」

一瞬の空白の後、キュベレイの瞳が強烈な輝きを放った。
直後にスカートが跳ね上がり、一時の休息で力を取り戻した兵士達が弾かれたように外へと飛びだす。

「その程度であたしを満足させようなんて、虫が良すぎるわ!」

まっとうな人間の言葉に対する答えは、ファンネル達が放つビームの嵐という形で返された。
【行動:ファンネルチャージ継続・完了(−1)、ペズ・バタラにオールレンジ攻撃(−3)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー及び収納武器消失】
【パイロット状況:悪役風メイク+?】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×11(1機故障中)、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:2発)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:無し(?)】
151シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/06 23:38 ID:???
−X-22内MS格納庫−

そこは、X-22に侵入してから数分で見つける事が出来た。
とりあえず此処を拠点とすべく入り口の隔壁を通路の物も合わせて三つほど閉じておき、
ハイザックのコックピットの中にあった荷物をビギナギナに移した後、
ビギナ・ギナの推進剤と、自分のノーマルスーツの酸素補給を行っていた。

〔推進剤補給、完了しました。〕
「……こっちのノーマルスーツは……まだかかりそうだな。
 ゼファー。周囲に動きは?」
〔今のところ大きな動きはありません。〕
「引き続き監視、頼んだ。
 ……ん。酸素補給、完了したようだな。ゼファー、少し補修と武器に使えそうな物を探してくる。
 そこで待機していろ。くれぐれも周囲警戒、怠らないようにな。」
〔了解しました。〕

ノーマルスーツを着直し、ヘルメットを被りなおしてバイザーを下げると、
使えそうな物資を探すためにMS格納庫の奥へと向かった。

「さて……何から探すか……。」

【行動:隔壁閉鎖(−1)荷物移動(−0?)推進剤補給(−1)酸素補給(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 球形コックピット内】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー】
【行動方針:考え中 物資調達】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
152ベルク=クロフォード(代理):04/06/07 14:31 ID:2nVAXPZm
代理IDチェック
……黙々と、作業は続いた。
もともと同じものを複製するだけなので、最初のひとつこそ時間は掛かるものの……
ふたつ目以降はただ丁寧に仕上げるだけでしかなく。
それでも細心の注意を払い、それゆえ相応に時間は掛かり――

ようやく、全ての切り札が揃った。


(……だが、まだ足りない……)

忌々しそうに、リナルドは溜め息をひとつ。

(全てを話してない俺も俺だが、あの人はどうしてこう俺の邪魔ばかりするんだ?
 素直に戻ってくれれば何のことはなかったのに……)

せめてこのエリア内にいてくれれば。
それだけで準備の進み具合も全く違っただろうに。

だが、現実としていないものはどうしようもない。
どうしようもないものはどうにもならない。
そう考え、彼が医務室へ女性陣の様子を見に行こうとした時……

ヤクト・ドーガがブリッジの目の前に現れた。

「……え?」

ゆらりと明滅するモノアイ。
敬礼の姿によって掲げられたマシンガン。
リナルドには、一瞬何が起こったかわからなかった。
去り往く背中に通信を繋ごうとして、とにかく通信機に向かって飛び、右手で慣性を殺すと――

かくんと、右の肘が折れた。

「あ、あれ?」

(おかしいな。
 何でこんなちっぽけな慣性に耐えられないんだ?
 そんなに疲れてるのか、俺……)

気を取り直して、通信回線を開こうとするが……ふと、思い留まった。
――これからの会話は盗聴される。 ならば、先生は気付くかもしれない。

    エミュレータの存在に。

リナルドがかつてシュウジを敵に回すことを恐れたように……
今の彼にとって、“エミュレータ”の存在に気付かれることは(少なからず)死を意味していた。
だが、いくら『ミョーコウ』のコンピュータ群が外部からの侵入を阻止するべく
既に対策を施してあっても、発信したメールを読み取られたらアウトなのは至極当然。
故に、通信で上手く伝えるしかない。

……ひとつ、救いがあるとすれば。
それは、先生も管制側の人間たちも、リナルドがW-22に赴くまでに“何をしていたか”
――具体的に知らないということだ。
先生には『リナルドは先生に興味がある(他意なし)』ということは知られているだろうが……
あの短い邂逅の中でエミュレータの存在に気付いたとしたら、
あるいはそこまで辿り着くヒントを得ていたとしたら……
それはもはやオールドタイプでもニュータイプでもないだろう。 エスパーとか、その類だ。
何故なら、あの邂逅の中で……彼の世界に、首輪に関することは何ひとつ置かれてはいなかったから。

≪続く≫
ともかく、リナルドは既に視界から外れたヤクト・ドーガに対して通信回線を開いた。
ヤクト・ドーガの光点がV-21に入るか入らないか、
ちょうどそのあたりの判別が厳しいところで定期放送が入ったが、
ノートPCと接続された機械をちらりと振り返り、すぐに通信機に向き直し――

「リファニア。
 どうしても行くと言うのなら止めないが、必ず次の定期放送くらいまでには戻って来い。
 ……あの人と一緒にな。
 何が何でも俺たちのところに帰って来るんだ。 できなかったら――
 全身全霊全力全開フルパワーのでこぴんを傷の上にお見舞いしてやる。

 ――そうだ。
 もし相手がベルク=クロフォードなら……
 こちらが退く意思を示せば追撃しては来ないはずだ。
 ……彼が変わっていないなら、の話だけど……。
 とにかく戦闘はできるだけ避けて、二人でさっさと戻って来るんだぞ。
 いいな?」

有無を言わさぬ強い口調で、必要と思われる情報も加えて伝える。
これを聞いただけでは、エミュレータに繋がる情報を知らなければ連想はできないはずだ。
通信回線を切ると、リナルドは先程の定期放送のデータをノートPCで解析し始めた。
もともと解析は彼の役目ではなかったので手際はあまりよくないが、全く出来ないわけでもない。
電波を周波数・データ形態別に細かく分類し、それに従って送信されたデータをストックするのは
以前組み上げ、今はノートPCに繋がれている受信装置がやってくれる。
リナルドの役目は、ストックされたデータの中から『タイマー解除コード』の候補をできるだけ多く、
そして確実に見つけ出すことだ。
送信されてくるデータは暗号化されているようだが、エミュレータからも暗号化されたままのものを
発信すれば問題ない。 解読処理は首輪の方でやっているのだろう。

この方法には問題がある。
それは、最低二回は必要なコードを受信しないと、特定ができないということだ。
さらに暗号化やダミーのおかげで膨大な量のデータが溢れている。
故に、解析や取捨選択が必要だったりするわけだが。

……結果。
ノイズや壊れたデータ、さらに明らかに擬装用と思われる用途不明のデータを外し、
データ送信のスパンで分けて、小刻みなものと大まかなものに分類できた。
前者はデータ量から照らし合わせて、おそらくインタラクティヴにやり取りされる座標データやステータスだ。
これは位置や状態を逐一確認できないと禁止区域が意味を成さないからだろう。
大体、こちらに延長コードが含まれるなら、電波を遮断してもしばらく経ったら
禁止区域外の安全な場所で一瞬だけカバーを外すなど、容易に対策が取れてしまう。
ならば。
必然的に、大まかなスパンに分けられたものの中にお目当ての宝物があるということになる。

……自身のデータを解析し、そこまで推測したところで……
ブリッジの扉が開き、紅の戦衣に身を包んだイブが姿を現した。

「ご免なさい、すっかり寝入ってしまって……あら?
 リファニアちゃんは―――」

そこで一旦言葉が切れ、再び紡がれる。

「―――さあ、これからの事を考えましょうか」

リナルドはこくりと頷き、リファニアの話題を擬装にテキストを表示したコンパネをイブに手渡した。

≪続く≫
「身体はもういいの?
 どうやら血を吐いたみたいだったけど……。

 ……リファニアはあの人のところに行った。
 二人でさっさと帰って来ないと強烈なでこぴんを喰らわすぞ……って
 本気で言っておいたから、まあ……そのうち戻って来るだろ。
 遅いようならこっちから出向くまでだ。
 首根っこ掴んで引き摺ってでも連れて来るさ」

〔まず、爆破コード……もとい、電波の遮断には首輪カバーを使う。
 もっとも、先生も前回の殺し合いで同じ機能のカバーを使ったから、
 タイマー式の首輪になったんだろうな。

 首輪対策はもっと話し合って確実な方法を取りたかったんだけど、
 もうゆっくり話し合って煮詰める時間も無いからな。
 【首輪のタイマー延長コードを首輪カバーの内側から定期的に発信することで
  タイマーの機能を麻痺させる】
 策を取らせてもらう。 もう、あとは必要なデータを集めるだけなんだ。

 で、タイマー延長コードなるものにて俺たちは生かされてるわけだけど、
 お手製受信装置で、送信されてくるデータの中から
 延長コードにある程度見当をつけることができる。
 さっきまで解析していたけど、
 どうやら定期放送とほとんど同時に送信されてくるデータの中に紛れてるみたいだね。

 でも、この受信装置の効果範囲はエリアひとつ分が限界なんだ。
 既にデータは俺・イブさん・リファニアの分が一回分揃ってる。
 最低二回は定期放送を受けたいから、あの人の分も含めてもう一回ってことになるのかな〕

実際、リナルド自身のデータは二回の放送分を取り終えていたし、大体あたりをつけることもできた。
しかし、絞り込めば絞り込むほど『ハズレ』の可能性も増えていく。
故に、保険は怠らない。

〔そこまでわかれば後は簡単だ。
 定期放送と同時に送信されてくるデータ群を、そのままエミュレータで
 首輪カバーの内側から発信してやればいい。
 発信の間隔は定期放送より少し短めにしておけば大丈夫だ。
 エミュレータのバッテリーは今言った通りの概算で1週間以上保つはずだから、そこも心配は無い。

 首輪カバー、エミュレータとバッテリーはもう揃ってる。
 この対策に異論が無ければ、このままデータの解析を続けてエミュレータのデータを取る。
 どうかな?〕

この策に確信なんていらない。
不確定要素が大量にあっても、その全てを内包する現存の情報を利用するだけなのだから。

【行動:バッテリー製作(-1)、通信(-1)、解析(-1)、説明(-1)】
【位置:V-20・小惑星基地(ミョーコウ)内・ブリッジ】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:疲労+α@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバーx6、首輪カバーの製造レシピ、自爆装置の無力化レシピ、ノートPC
      材料、受信装置(稼動中)、エミュレータx6(停止中)、バッテリーx12(100%)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード? (01番シュウジ?)】
振り下ろしたビームサーベル。
この状況では狙いのつけようもなかったが、それでもその刃はギラ・ドーガの
腰の上辺りにめりこんだ。
これ以上ない、効果的な一撃。
俺の…勝ち、だ。

だがその瞬間、俺の中にこの戦闘を終わらせる事への疑問が生まれる。
…俺は果たしてこれで満足なのか?
ここで終わらせる事に後悔はしないのか…?
……。
しかしその疑問も瞬時に打ち消された。
もう俺もアシッドも後戻りはできない。
このサーベルを引いてしまったら、俺にあるのは死、だけなのだ。

「………っ!」

俺は構わずそのままジャベリンの腕に力を込める。
ビームサーベルはギラ・ドーガの抵抗を全て無にするべく、その機体を切り裂
いていった。

数瞬ののち…。
俺の目の前には、2つに分かれたギラ・ドーガが静かに…今までの戦闘が何も
かも嘘であったかのように、静かに浮いていた。
不思議と爆発は起こらない。
まるでギラ・ドーガが、まだ俺は戦えると……ここで死ぬわけにはいかない
と、踏ん張っているかのようだ。
…そしてそれは、パイロットのアシッドのしぶとさをを彷佛とさせる。

「似た者同士…ってことか…?」

しぶといパイロットとMS。
おそらくこの2人はベストパートナーだったのだろう…きっと。
パイロットはMSを信頼し、MSはそれに応えた。
そしてそれは時に、カタログデータなどでは測れない力を発揮するのだ。

そんな事を考えながら3度の死闘を繰り広げた強敵を見つめている時、それは起こった。

漂っているギラ・ドーガのコクピットハッチが開いたかと思うと、中から1人
のノーマルスーツの人間が現れた。
誰なのかは、言うまでもない。

2人のパイロット。
正規兵と傭兵。
仲間を作った者と、最後まで1人だった者。
そして、勝者と敗者。
その2人の、ほんの僅かな時間の初めての邂逅。

(あれが、俺が戦った相手…)

そいつは手に自動小銃を持ち、ジャベリンを…いや、俺を睨み付けていた。
バイザーの中の表情も見てみたかったが、残念ながら影になっていて見えない。
そして小銃から放たれる、小さな発射炎。
お前だって、まさかあれでジャベリンを墜とせるとは思ってはいないだろう?
だが、お前は戦う事を止めない。
確実に迫ってくる死を無視しているのだろうか?
戦いこそが自分の存在意義だとでも主張しているのだろうか?

(続く)
初めての戦闘から、お互いを追いかけたり追いかけられたり。
…何が俺達をこうまで引き寄せたんだろう。
全く違う時代、違う環境、違う人生を生きた俺達。
それがたまたまこんなところで出会い、戦い、そして俺はお前を超える事を望み
、お前もまた、俺を倒す事を望んだ。

(戦士の性……いや……魂ってやつか…?)

我ながら似合わない思考だとは思う。
ただ、それが一番納得できるような気もする。
…ようするにここには……この戦場には、そういった俺の預かり知らない、人智
を超えた何かがあるのではないだろうか。
だからこそ俺は、あいつの闘志に応える為に、そして戦士の魂の叫びに応える為に、
最後まで攻撃の手を緩めるわけにはいかない。

そして、ジャベリンが最後の一撃を加えようとサーベルを振り上げた時、あいつの
周りにスパークが走るのが見えた。

「!!」

咄嗟に近くにいるのは危険と判断し、ギラ・ドーガから離れる。

離れる俺の目に機体の各所から炎が吹き上がり、その中に人影が消えていくのが見えた。
しかしその人影は消え去る最後の瞬間まで、俺に向けた小銃を下ろそうとはしなかった。

まるで、勝負はまだこれからだと言うように。

【行動:アシッドの最後を見届ける(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:I-9】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ
保冷シート4枚】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
158リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/07 19:03 ID:2nVAXPZm
>>145
シェラの元へと急ぐリファニアのヤクトのコックピットに、定期放送が流れる。
……また、ひとりの生徒が脱落したようだ。
先ほど感じた猛虎の咆哮のような魂の叫びは、彼のものだったのだろう。
会った事は無いが、彼が戦士として一つの到達点に達していたであろう事が、
彼の最後の咆哮を感じ取ったリファニアには、何となく解ってしまった。
故に、リファニアは戦士として彼に敬意を抱き……暫し、彼の為に黙祷を捧げた。

……生徒の数、どんどん減ってきた。
終わりに近づいているって事なんだよね。
リナルドの策……あのカバーとか、前作っていた機械が関係している事しかわからないけど……。
たぶん、最後には管制艦を押さえる事になるんだよね。
……だったら、それまでは何とか奴らの目を逸らさせないとね。
そして、出来る事なら、出来るだけ多くの生徒をその戦場に集めたい。
いつの間にか、こうなっちゃいましたって感じにね。
……みんながみんな仲間になっていたら、幾らなんでも警戒されすぎちゃうもん。
その為には、出来るかどうかわからないけど……一芝居打たないと。
悪役になってみせて、みんなの注意を引き付けないと。
結果的に管制艦を抑えれば、多くの人が助かる訳だしね。
みんな幸せにする事なんて、無理だけど……それでも、努力はするべきよね。
もちろん、今はシェラさんを助ける事が最優先なんだけどね。

黙祷を捧げて後、しばし考えにふけるリファニアに、ミョーコウからノイズ混じりの通信が入ってくる。
モニターに映ったのは、いつになく真剣な表情のリナルドの顔だった。

>>154
リナルドは、リファニアの予想に反して、引き止める様な事は言わなかった。
ただ、心なしか幾ばくかの怒気を孕んでいるとも感じられる表情と声で語られる言葉は、
リファニアの心に確かな楔を打ち込むに充分だった。

……なんか、ちゃんと帰ってもすっごく怒られそうだなぁ。
可愛くゴメンネ、って謝っても駄目かなぁ。

「……わかった。出来るだけ戻るようにするね。
 リナルドのデコピン、洒落になってなさそうなんだもん。」

申し訳無さそうに、引きつり気味の笑みを浮かべながらリファニアはそう返す。
シェラと合流して後、すぐにはミョーコウに帰るつもりでは無かったが、
考えてみれば、リナルドの計画についてロクに聞かされてはいないのだ。
帰れるものならばシェラと共に一旦帰って、計画の話を聞こうと、リファニアは思い直した。
……動くのは、それからでも遅くは無いだろう。
通信を終え、U−22に急ぐリファニア。
U−21エリアを猛進し、U−22に辿り着いた途端に……。
サイコミュによって猛烈な勢いで膨れ上がるシェラの戦闘意識を感じ取り、ピリっとした感覚が全身に走った。

「……まずいよね、サイコに取り込まれた私みたいには、さすがにならないと思うけど……。」

一刻も早くシェラの負担を軽くしようと思い、中途半端に閉じられた隔壁によって作られた迷路を抜け、
戦闘の行われている地点へと急ぐリファニア。
レーダーに映る光点が、キュベレイMk-U、ペズ・バタラ、R・ジャ・ジャの三機であることが判別出来た。
光点への距離が、次第に近づいてくる。

「ハーイ、シェラさんっ♪
 シェラさんの為に、すっ飛んできたよっ。
 一人でずっと戦い続けるのって、やっぱり辛いと思うの。
 これからは、一緒に背中を護り合うように、戦おうよ?」

キュベレイに通信を入れると共に、リファニアのヤクトは、戦闘の行われている地点へと飛び込んで行った。
その瞬間、目の前に広がるのは、乱れ飛ぶファンネルから放たれる破壊の閃光だった。

「わぁ、まるで花火みたい……。
 シェラさんの想いがおこした、火のアート……。」

目の前で繰り広げられているのは、紛う事なき殺し合い。
にも関わらず、突然眼前に広がった輝きに抱いた感想は、そのようなものだった。
……モヤモヤが吹っ切れた気持ちでシェラに会う事に、少し浮かれているのかも知れない。

【行動 : リナルドに通信(-1)、V-21→U-21→U-22へ移動(-2)、シェラに通信(-1)、残0 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン、ザクバズーカ(残弾3)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、シェラさんを一人で戦わせやしない! 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
160イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/07 22:06 ID:???
「ええ、体のほうはお蔭様で。
 とりあえず多少の無茶では死なない程度には回復してるわ」

受け取ったコンパネに目を通しながら、愁林はリナルドに話を合わせた。

「……そう、やっぱり行ったのね。
 首に縄を付けてでも連れ帰って貰いましょう。
 あんな女でも、ダグラスが護ろうとしたクルーの一員なのだし」

語る間にも、しなやかな指先は静かに、しかし素早くキーを叩いていく。

「リファニアちゃんは彼女が好きなのだし」

〔異論は無いわ。これ以上の案なんて、思い付けそうに無いもの。どちらかと言えば、私は文系なのよ〕

冗談を織り交ぜつつ、打ち込んだ文章をリナルドに向けて示す。

「……あの女と喧嘩するのも、悪くないとは思うしね」

カモフラージュの為の会話。
だからと言って、その内容が虚構のみから成り立たねばならないという理由は無い。

「それより貴方も少しは休みなさい。顔色、少し悪いわよ」

〔作業がコンピュータ任せのオートでできるのなら、私がこの場は受け持つから〕

【行動:2重会話(-0)】【残り行動値:4p】【現在位置:V-21、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、[低反動拳銃(弾丸12発装填済み)]】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、為すべき事を為そう】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
161リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/07 22:37 ID:???

「……そろそろ、小惑星基地を出るわね。
 ちょっと距離あるから、そっちも動いてくれると有難いな」
『わかりました、ではお迎えにあがります。
 そちらの進路上を通るように動きますので、センサーに注意して下さい』
「ありがとう、助かるわ」

短いやり取りの後、コアブースターは発進する。
……すぐ隣のエリアに集まる人々のセンサーには感知されただろうか?
ともあれ、一年戦争時の万能航空/航宙機・コアブースターは、小惑星基地を飛び出した。

「これ、結構なジャジャ馬ね。でも操縦系がMSと共通なのは有難いわ。
 ……ZZの『コアトップ・イージー』を思い出しちゃった。あれよりは操縦しやすいわね」

漆黒の宇宙の中、彼女は“生徒”として参加した前大会を思い出していた。
あの長い戦いの中、彼女はZZガンダム――正確には、その上半身――に乗ったことがある。
自機を破損した彼女は、本来の持ち主だった少年の好意に甘え、第二コクピットに乗せてもらったのだ。
そして――少年からコントロールを奪い、コアベースとコアトップとに分離、別行動に入った。
彼女は“最後の生き残り”となり、そして……少年の生死は、今に至るまで不明だ。

「あの時、首輪カバーを渡してなかったら……私と彼とで殺し合いになっていたのかしら?
 ZZのコアトップとコアベースでの、殺し合い? 
 ……あくまで『もしも』の話だけど、どういう結末になっていたのか、興味あるわね」

まるで他人事のように呟く彼女。
そして、さらに彼女の連想は続く……言葉に出すことなしに。

(……そして……今回の“生徒”たちは、“首輪カバー”を作れるのかしら?
 私が作ったそのままではない、“今回のための”首輪カバーを。
 ヒントを上げてかなり経ったから、思いついてる子もいるかもしれないけど……)

なんにせよ、しばらく彼女は管制室から離れている。
不在中の彼らの行動の詳細については、管制艦に着かなければわからない。
彼女自身が各種のデータを確かめるしか、知る方法はないのだ。

なぜなら……
管制艦の誰もが、彼女の考える『今回用の首輪カバー』については聞かされてないのだから。
ほぼ全ての管制官が、彼女の提示した『改良型首輪』に絶大な自信を持っている。
……疑っていたかもしれない『上』の人間は、もう『外』に出てしまい、ここにはいない。

不誠実なる現場管理責任者は、向かってくるレウルーラ級戦艦に接近していった。
ネオジオンの象徴たる紅い戦艦に、連邦の白い機体が吸い込まれていく……。


【管制室の行動:リーア先生と継続通信(0p)、移動(Q-21→R-22)(−1p)】
【リーア先生の行動:管制艦と継続通信(0p)、小惑星基地から発進(−1p)、
          移動(U-23→S-23→R-22)、着艦(−1p)】
【位置:R-22(コアブースター着艦済み)】
【機体状況:コアブースター(ルール上はMAとして扱う)、損傷修復済み】
【所持品:髑髏、ハロV、ハロR、ハロY、ハロB】
【残り行動値:リーア先生:0p 管制室:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、管制艦との合流、自由を求めて……??】
162ベルク=クロフォード@代理:04/06/07 22:47 ID:???
>>145

定時放送が終了するとキュべレイからの返事が返ってきた。

『………お話は、以上かしら。だったら、お応えしないとね。』

その通信の直後、キュべレイから複数の凶器が放たれる。
それは、野に放たれた獣の様に一斉にこちらに銃口を定める。

(おいおい、自分から質問しといてそりぃや無いだろ。)

そこから、放たれる光の閃光は、
正確にペズ・バタラいる位置に襲いかかる。

『その程度であたしを満足させようなんて、虫が良すぎるわ!』

(・・・・・・・・・・。)
その言葉に、回避運動が中途半端に終わり
右腕を光の粒子に抉り取られる。

「”その程度”・・・・・・・・か。
 ならば、どれくらいの対価を払えばこの戦闘を止めてくれる?
 何を差し出せば、この子とシュウジの安全を確保してくれる?
 それでお前が満足するなら、これを保証してくれるのか?
 俺に差し出すものが在るのなら出来る限りそれを果たそう。

 お前が、この制約でその契約を守ってくれるのなら・・・・・・・・・。」

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信中(-0)回避運動中断(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損傷 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E43%)ビームダガー×3本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
163シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/07 23:45 ID:???
-X-22MS格納庫端-
MS格納庫のあちこちを回るシュウジ。端から見ればただうろついてるようにも見えるが、
その間にも使えそうなパーツを見つけるたび、その一つ一つを記憶していく。

「……ふむ、何とも……以外にいい物がそろってるな。それにしても小型MSというのは勝手が違うな……。
 ゼファー、推進剤補給完了したか?」
〔完了しました。〕
「必要な物を読み上げるぞ。補給パイプを排除し、指定した物をクレーンの所まで運んでくれ。」
〔了解しました。どうぞ。〕

「XM-05 ベルガ・ギロスの残骸。左足およびコックピットブロック補修用。
 F90-S用クルージングミサイル×4。F-71用ビームライフル。
 後……は、そうだ。ヒートナイフ×2。ビームサーベル×1
 どれもこれも破損している品だが……修理すればなんとななるだろう。」

〔了解しました。〕
「あぁそれと。」
〔?〕
「運ぶのが終了したら右腕のビームライフルのエネルギー補給をやる。
 右斜め前の機械の前に置いておいてくれ。」
〔了解しました。〕
「さて……久々の工作だが……楽しんでる暇はないか。……急がないとな。」

【行動:隔壁閉鎖(−1)荷物移動(−0?)推進剤補給(−1)酸素補給(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況 ビギナ・ギナ:コックピット大破 対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
             フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 球形コックピット内】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー 
     以下、破損品 (ベルガ・ギロス F-90S用クルージングミサイル×4 F-71用ビームライフル ヒートナイフ×2 ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化 機体修理 】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
164シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/07 23:47 ID:???
行動の欄間違いです。正しくは……
【探索&移動(−4)】
【残り0】です。スレ汚しすいません……。_| ̄|○
165リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/08 00:01 ID:???
第13章 >164 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□□■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎14□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□□□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠11□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼□◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□00□◎07◎▽01◎□
23◎■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

00番はリーア先生のコアブースター。99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
07・20・25・26は同一地点。03・15は同一地点。00・99は同一地点。
03・15はムサイ級戦艦に搭乗。03・15の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
>>162
一撃で全てを片づけるとは行かなかった。自分もキュベレイもいい調子なのだが、やはり世の中はそう甘くはない。
嵐のような攻撃は、ペズ・バタラの右腕を傷つけるだけで終わってしまった。
ならば反撃が来るだろう。ビームライフルの鋭い射撃か、あるいは背筋も凍るようなビームアックスの突進か………!

だが、返ってきたのは刃ではなく言葉だった。

『”その程度”・・・・・・・・か。
 ならば、どれくらいの対価を払えばこの戦闘を止めてくれる?
 何を差し出せば、この子とシュウジの安全を確保してくれる?
 それでお前が満足するなら、これを保証してくれるのか?
 俺に差し出すものが在るのなら出来る限りそれを果たそう。

 お前が、この制約でその契約を守ってくれるのなら・・・・・・・・・。』

虚をつかれたように女王が動きを止める。縦横無尽に飛び回っていたファンネル達が凍り付いたように静止する。
あり得るはずのない存在を目にしたように、信じられない言葉を聞かされたように、キュベレイの瞳が点滅する。

だが。

「………何よ、それ」

シェラザードの唇からこぼれた呟きは、とてつもなく冷たいものだった。

それほどまでに「彼」を守りたいなら、どうして自分で守ろうとしない。
そんなにR・ジャジャが大切なら、何故それを傷つけようとする存在を排除しようとしない。
大切な存在を守るために、敵に媚びを売り、哀れみを求めるなど………どうかしている。

自分は敵だ。紛れもなく敵だ。なのに、どうしてその自分に頼ろうとするのだ。
そんなに圧倒的な力の差があるわけではないのに、まだまだ戦えるだろうに、
どんな了見で最初から戦いを放棄するのだ。
守りたい人に刃を向ける相手に許しを請おうとするのだ。

大切なものがあるなら、どんなことをしてでも守ろうとするものではないのか。
手を汚すことをためらわず、罪を背負うことから逃げようとはせず、
ありとあらゆる手段と方法を用いてそのために全てを捧げるものではないのか。

敵にやたらと攻撃を仕掛けることが守ることではないのかもしれない。
時と場合によっては敢えて屈辱を甘受し、誇りと羞恥心を自ら投げ捨ててでも敵と交渉するべきなのかもしれない。
だが、今はその時なのか。自分は交渉するべき相手なのか。
最初に出会った時には問答無用で攻撃を仕掛け、悪意に満ちた言葉を叩きつけた。
そして今度は目の前でハイザックに全力で襲いかかった。
そんな自分に、どうして「彼」とR・ジャジャのことを頼めるのだ。

そんなに戦うのが嫌なわけ?

大切なものを守るためでも、人殺しは嫌というのか。
他に手段がないと分かって、なおも現実から目をそらすのか。
………そんな人間の「大切なもの」など、守ってやる価値はない。

一度収まりかけた不可視の炎がふっと揺らぐ。
その時、奇妙なほどに明るい声が女王の背中を打った。
167シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/08 22:46 ID:lWbBZhjt
>>159
リファニア………!?

自分がはねのけてしまったはずの少女が、そこにいた。
傷つけてしまったはずの大切な存在が、すぐ側にいた。

一瞬、何が起こったのか分からなかった。

単純に驚くべきなのか。
他にやるべきことがあるはずなのに自分を追ってきたことを叱るべきか。
あるいは、素直に喜ぶべきなのか。

………それが、今のあなたが一番したいことで、やるべきことだというのかしら。

自分の側にいることが。
このどうしようもなく救われない愚かな女と共にいることが。
自分と一緒に戦い、一緒に業を重ね、罪を背負うことが。

あなたの望みというのなら。

シェラザードは小さく微笑んだ。微笑んだまま、ヤクト・ドーガに通信を入れた。

「ここに来た以上は期待させて貰うからね、リファニア」

キュベレイは振り向かない。ヤクト・ドーガに向き直りはしない。
しかし、それは拒絶を意味するものではない。
無条件に背中を見せることで、無防備な後ろ姿を晒すことで、女王はその信頼と許容を表していた。
少女に背中を預けていた。

「こいつらは敵よ。あたしの敵よ。
 あたしのキュベレイを傷つけた相手を庇って、あたしを撃ったのよ。
 そんな相手を………このままにしておくわけにはいかないでしょう」

シェラザードはもう一度小さく微笑み………その笑みを、獲物を前にした肉食獣のものへと変えた。

「R・ジャジャは任せたわよ!」

キュベレイが声にならない雄叫びを上げる。紅の女王の鬨の声が、その忠実な兵士達を躍らせる。
殺意は波動となってファンネルを加速させ、渦巻く戦意を刃の輝きへと変化させた。

どうすればあたしが満足するのか、って?
何を差し出せばいいのか、ですって?
そんなに知りたければ、教えてあげるわ。

その答えは、四方八方からの無慈悲なビームの奔流という形で示された。
【行動:ヤクト・ドーガに通信(−1)、ペズ・バタラに再度オールレンジ攻撃(−3)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失】
【パイロット状況:悪役風メイク+?】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×11(1機故障中)、
    ハンブラビのテールランス、外壁補修用大型トリモチランチャー(装弾数:2発)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除】
【同盟:20番・リファニア、?、(?)】
169シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/08 23:31 ID:???
〔LINE-A01〜23…OK
 LINE-B01〜27…OK
 LINE-C01〜25…OK……。〕
淡々とシステムチェックを行っていくゼファー。作業開始数時間で、ハンガーに固定されたビギナ・ギナも様変わりしていた。
コックピットブロックの外側は銀色に塗られたベルガ・ギロスの装甲版が上から張られ、中身もモニターが交換されていた。
各種電子機器も交換されている。
機体左脇にはまだ装着はされていないが、これから装着予定のベルガ・ギロスの膝から下の脚部がクレーンで固定されており、
そこからは無数のケーブルが生え、ビギナギナに繋がっている。
周囲には多数の武器が置いてあるが、これらにはまだ手は付けられていなかった。

そしてシュウジはと言うと、ビギナギナのOS調整を行っていた。
元々同じ勢力が作ったものであり、身長も似通った二体のMSであるが、それでも違うMSなのだ。
片足であったとしても無理矢理違う脚部をくっつければ、スラスターの配置位置は元より、その微妙なモーメントの変化により、
AMBACに大きな影響が出、機動力が落ちるどころか、下手をすれば操作不能になる。
脚部の方も改造するのだが、手間がかかるし限界もある。
そこでOSの調整という手段がある。スラスターの出力やAMBAC。これらをOSで補えば、一応を元の機動力を取り戻す事は出来る。
そうでなくともベルガ・ギロスが元々使っていたOSはビギナ・ギナとは違うものだ。だからOSはどっちにしても弄らなくてはならない。
真面目に考えると1から考えるよりも手間がかかり、大変な作業だ。
だがシュウジは、むしろ楽しんでいた。元々こういう事をしている方が楽しいというのもあるのだが、
未知の小型MSそのものやOSを見ているだけでも楽しいものだ。
「急がないとな。」と言っていたし、何よりも殺し合いの場所としては不謹慎極まりないが、
彼はそんな事も一時忘れるほどに作業に没頭していた。


【行動:コックピット・脚部修理作業(−4)
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、左足大破、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー  ベルガ・ギロスの左足
     以下、破損品 ( F-90S用クルージングミサイル×4 F-71用ビームライフル ヒートナイフ×2 ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化 機体修理】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
>>160
イブの了解は得られた。
……が、当のリナルドは上の空と言った表情で考え込んでいる。
実際は上の空ではなかったが、確かに彼は別のことを考えていた。

……うん。 そうだよな。

やがて、悟ったように柔らかな表情で小さく頷くと、彼はテキストを返しつつ声を発した。

「……ごめん、イブさん。
 俺、まだ休めない。
 やっぱり、俺もあの人のところに行く。
 ……もう、あんな悲しみを味わうのも、背負うのも……
 俺は、まっぴらごめんなんだよ。
 もう後悔するのには飽き飽きしたしね……」

〔ここから先の作業は貴女にもこなせるはずだ。
 残念ながらコンピュータ任せのオートとはいかない。
 最後に情報の取捨選択をするのは人間の役割だからな。

 このコンパネに作業のやり方やエミュレータの使い方とか、
 対策に必要なことは全て書いてある。
 だから、これは貴女に預けて行く〕

「それに、俺だってへとへとだけどさ。
 これ以上あの人の我侭に付き合って痛い目を見たり、
 邪魔されたりするのは許せそうにない。
 挙句の果てにリファニアを傷付けられたりでもしたら、たまったものじゃない。

 ……ま、理由はいろいろだし、本当はこんなことしてる場合じゃないってのはわかってるけど……。
 わかってるけど、俺は行く。
 俺たちが戻るまで、艦を頼むよ」

〔首輪カバーとエミュレータ、ノートPCや受信装置のデータは残していく。
 少しでもデータの解析をやっててもらえればありがたいな。

 そうだ。
 機体の自爆装置を無力化する方法もこのコンパネに入ってるから、
 余裕があったら見ておいてもいいんじゃないか?〕

不器用なりに言葉を終えると、コンパネをイブに託し――
戦士は、再び戦場に舞い降りるべく自らの分身のもとへと向かった。

≪続く≫
(本当にいいの?)

「何がだ」

妹の問い掛けに、ぞんざいに答える兄。

(わかってるでしょ? そんなにぼろぼろなのに、また戦ったりしたら――)

「……わかってる。 自分で自分の首を絞めてるってことくらい、わかってる。
 そして、わかっているからこそ、今行かなきゃってこともわかってる。
 ……俺は単純だからな」

(ふぅ……。 全く、呆れ返るほどの大バカよね)

「そんな俺に付き合うお前も、充分過ぎるほどに大バカだ」

(ごもっとも)

見てしまったから。
リファニアのメッセージが、脳裏に焼きついているから。
彼女の文字が、キスマークが、背中を後押ししてしまっているから。
リナルドは、迷うことなく自身を削る。
未来のために。 その未来へと続く、今のために。

「さあ、アビゴル。 分からず屋どものところへ行くぞ」

戦士と剣は、再び昏い通路の奥へと消えて行った。
その意思を貫き通すべく。

【行動:ブリッジ→格納庫(-1)、発進(-1)、任意発動(-1)、V-20→V-21(-1)】
【位置:V-21・小惑星基地内】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/誓いを果たす】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード? (01番シュウジ?)】
再び目の前で始まった戦闘。
新しい来訪者の登場。
カチっと来て通信を入れる。

「だからあんたら止めろっつーてるんや!!
 そんなに他人が信じられへんのか!!」

【行動 : べるべるに通信継続 (0) 全体通信 (2) 残り 2 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? (;´Д`)】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO! 戦闘ヤメイ!! !】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 戦闘ヤメイ
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】


ファンネルが舞い、光の奔流が沸き起こり。
それが収まると、魚のような妙なシルエットの機体―――。
レーダーに映った光点の脇の表示によると、これがぺズ・バタラらしい―――の右腕が、吹き飛ばされていた。

ペズ・バタラからの反撃は、無い。
キュベレイにその前方に尖った異形の機体を向けたまま、ほぼ動きを止めている。
シェラに交渉を持ちかけているのだろうか。
リナルドの言った通り、ペズ・バタラのパイロット―――おそらく、ベルク=クロフォード―――は、
極めて非好戦的な性格のようだ。

……腕を飛ばされたとはいえ、ファンネルの攻撃を凌いでみせたんだ。
腕は悪くない筈なのに、この状況で反撃しないなんて……。

シェラのキュベレイを見ると、以前の損傷に加えて、右のウイングバインダーが消失している。
それを確認したリファニアの額に、冷や汗が浮かんだ。
キュベレイは、シミュレーターで良く使っていた機体なので、リファニアはその特性については詳しかった。
キュベレイのウイングバインダーには、メインスラスターが納まっている。
ファンネルポッドとスラスターが、それぞれ干渉しあわないように設計されているのだ。
無駄のない優れた設計だが、それ故に、片方とはいえウイングバインダーが失われるという事は、
キュベレイにとって文字通り片翼をもがれたに等しいのだ。

>>167
『ここに来た以上は期待させて貰うからね、リファニア』

微笑みを浮かべながら、リファニアに応えるシェラ。
彼女のキュベレイは、リファニアのヤクトに背中を向けたまま。
だが、それが拒絶をあらわす物ではない事は、リファニアには解っていた。

『こいつらは敵よ。あたしの敵よ。
 あたしのキュベレイを傷つけた相手を庇って、あたしを撃ったのよ。
 そんな相手を………このままにしておくわけにはいかないでしょう』

そのシェラの言葉に、リファニアの戦意が刺激される。
いくら好戦的ではないと言っても、シェラを傷つけた奴の仲間と言うのならば、敵対する理由としては充分だ。
……倒しはしない。これ以上生徒が減っては、自分達が目立ちすぎるから。
でも、このまま黙って帰すつもりもない。

『R・ジャジャは任せたわよ!』

シェラはそう叫ぶと、再びファンネルを舞わせ、ペズ・バタラを光の奔流が襲った。

「うん、任されたっ!
 でもね、シェラさん、あまり無理はしないでっ!
 片翼がもがれたキュベレイ、前みたいに上手くは飛べないよっ!」

そう、シェラに返したところで……。
レーダーに新たなる機体の反応が現れ、一瞬、それに目を奪われた。
U−23に突然現れたそれは、かなりの速度でT−23へと向かっている。

速い……MAの類なの?
禁止区域に現れたって事は……まさか、リーア=ミノフスキー!?

そういえば、あたりには見覚えがあるライト・グリーンの破片が舞い散っている。
だが、定期放送からしてリーア=ミノフスキーはまだ生きている。
ここでドライセンを失ったリーア=ミノフスキーは、隣のエリアまで逃げて、別の機体を確保したのかも知れない。
……そして、彼女が向かう先は、管制艦である可能性が高いだろう。

……大雑把だけど、どっちに向かったかの目安にはなるかもね。
174リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/09 03:08 ID:rAhJi7Kl
そんな事を考えていると、全体通信が割り込んでくる。

>>172
『だからあんたら止めろっつーてるんや!!
 そんなに他人が信じられへんのか!!』

今までに何度と無く全体通信で聴いた声だ。
そして、それは目の前のR・ジャジャから流されているようだ。

……ああ、きっといい人なんだろうなと、思うよ。
でもね。あなたは、不用心すぎるの。とても、共に轡を並べられやしない。
だから、時が来るまでは踊ってもらうよ。
生き残りさえすれば……もしかしたら、助けられるかも知れないけど。

彼女の言葉に対してのリファニアの答え。
R・ジャジャに、マシンガンの冷たい銃口が向けられる。

「アロー、アロー。名簿からすると、ルイ・フィルセントさんよね?
 シェラさんを傷つけた奴の片棒を担いだ代償……高くつくよ。
 残念だけど……。」

瞳をぎらつかせながら、唇の端に冷たい笑みを浮かべ、R・ジャジャに通信を入れる。
演技だが、シェラのキュベレイが傷ついた事への憤りによって、かなり真実味を増している。

ヤクトのスラスターの奥に、ボゥ、と光が灯る。
まるで獲物に飛び掛らんとする猫のように、ヤクトは僅かに身を屈める。

「……やめてあげない。」

その言葉と共にスラスターの光が一気に膨れ上がり……銀と紅の戦姫は、R・ジャジャへと襲い掛かった。
猛加速しつつ通路を斜めに横切りながら、右腕に携えたマシンガンから狂ったように弾をばら撒くヤクト。
通路の一方の壁に差し掛かると、その壁を滑るように移動し、R・ジャジャの横に回り込もうとしながら、
ヤクトは弾をばら撒き続ける。

突然、ヤクトが壁を蹴った。
反動を利用して跳び、R・ジャジャの懐へ一気に飛び込みながら、左腕に携えたバズーカが火を噴く。

弾幕と、トリッキーな機動は、この一撃の為の布石よっ。
さあ、生き残りたいなら、抗ってみせてっ!

【行動 : シェラとの通信継続(0)、ルイに通信(-1)、R・ジャジャにマシンガンをばら撒く(-2)
      R・ジャジャにバズーカで攻撃(-1)、残0 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×4、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン(残弾60%)、ザクバズーカ(残弾2)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、シェラさんを一人で戦わせやしない! 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
宇宙の闇の中に咲いた、1つの光の花。
あの光と共に、1人の戦士がその役目を終え眠りについた。
そして…運良く生き残った俺には、まだ果たすべき役目が残っている。
ルイとベルク……そしてシュウジは、まだ生きているのだろうか?
いつもの全体放送の中には、まだ名前は聞いていない。
だからと言ってそれは、現時点で生きているという保証にはならない。

「Sの…17だったか…。遠いな…」

あのタイヤの機動力を使っても、あそこまで行くのは時間がかかりそうだ。
勿論ここで躊躇しているわけにはいかないが、さっきからずっとペダルを全力で
押し続けていた左足に力が入らない。
アドレナリンが忘れさせてくれていた痛みも、また出てきている。

(くそ…情けねえ…!あいつらが今も戦っているかもしれないってのに…)

震える足でペダルを踏みしめタイヤの所に戻り、再び乗り込む。
試しに少し走らせてみたが、今のところは車輪の回転も問題はなさそうだ。
片腕のジャベリンにとって、このタイヤは戦闘を優位に運べる唯一の手段に等しい。
それだけに、ルイ達の為にも少しでも長持ちしてほしかった。


「さてと。S-17はどっちの方だったか…。…ん…?」

その時、S-17の方向を見定めていた俺の目の端にある物が映った。
それは脇に放っておいたディパックの口から、少しだけ見えていた物。
俺は再びマップを開き、暫く凝視する。
マップを閉じてから、更に考えこむ事暫し。
そして大きく息を吐いて、タイヤを走らせ始める。
しかしタイヤは本来の目的地点…S-17へは向かってはいなかった。

(ルイ、ベルク…すまない、少しだけ到着が遅れる。…用事を済ませたらすぐに行く
 から、待っていてくれ…)

遠くにいる仲間に心の中で謝りながら、ジャベリンを乗せたタイヤはK-8ポイント…
…東側だけ残ったコロニーへと向かっていった。

【行動:タイヤに戻る(−1)コロニーに移動(−2)】
【残り行動値:1p】
【位置:I-9→k-8】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ
保冷シート4枚】
【行動方針:所用】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
176イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/09 21:30 ID:???
>>170

「……貴方達の為に鎮魂歌を歌う気なんて更々無いの。だから、ちゃんと生きて還ってきなさいね」

発進してゆく緑色の巨人。
それを駆る青年から託されたコンパネを手に、愁林は艦橋のシートに深く腰掛ける。
其処はかつて、誰よりも大切な存在だった少年の座っていた場所。
その事に気付き、彼女は小さく笑みを溢しながら胸元のロザリオを弄った。

「そっちにはアレン君だっているのだし、賑やかさなら十分でしょう」

感傷に身を任せるのは決して悪ではない。
亡き相手を想う気持ちは、確かに美しいものだ。しかしだからと言って、それに溺れて良い筈は無い。
今は、心地良いだけの感傷は適度に切り捨てるべき時。

ロザリオにそっと口付け、彼女はすっと席を立つ。
一番手近なシートに座り直し、コンパネを膝の上に据えて深呼吸を一つ。
置きっ放しだった拳銃をホルスターに収め、髪をかき上げ十字を切って祈りの言葉を短く呟く。
小さく震える指先を笑い飛ばし、いざ呼び出すは作業の方法。

―――さあ、気合を入れなさい。

脱出という甘い夢に縋るなら、相応の覚悟を以って困難に立ち向かわねばならない。
甘い夢は追い掛けているだけでは手に入らない。
追いつき、組み伏し、ねじ伏せてやるぐらいの気概が無ければ。
故にこれもまた一つの戦い。
砲火飛び交う只中だけが、戦場ではないのだ。

【行動:コンパネ操作(-1)、作業方法熟読(-1)】【残り行動値:2p】【現在位置:V-21、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、為すべき事を為そう】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
177ベルク=クロフォード(代理):04/06/09 22:08 ID:cPExU1NI
代理でIDチェックです
『………何よ、それ』

その呟きには期待していた言葉を指してはいなかった。

(やはり、交渉は無駄か。)

しかも、キュべレイの通信から他の声が聞こえてきた。
その内容からはキュべレイの援護に来た参加者が現われた事を意味する。

『ここに来た以上は期待させて貰うからね、リファニア』

『こいつらは敵よ。あたしの敵よ。
 あたしのキュベレイを傷つけた相手を庇って、あたしを撃ったのよ。
 そんな相手を………このままにしておくわけにはいかないでしょう
 R・ジャジャは任せたわよ!』

(交渉は失敗、状況も最悪。やはり人はこういう選択しか選べないのか。)

『だからあんたら止めろっつーてるんや!!
 そんなに他人が信じられへんのか!!』

「ルイ、気をつけろ。
 今は話し合いの通じる状況じゃない。
 何とかして逃げるんだ。」

キュべレイのファンネルはペズ・バタラを囲み一斉に光を放つ、
それを回避しあるいはビームシールドで防御しながらキュべレイの後ろに回りこむ。

「契約を交わしてはくれない様だな。
 それではただやられるだけで、こちらに何のメリットもない。
 ならば、少々の抵抗はさせてもらうぞ。」

キュべレイの主武装であり、特殊な攻撃方法でもあるファンネルの
動きを止めるには、元の元凶を破壊する必要がある。
―――――――――そう、そこはファンネルが格納、充電が行われるスカート部
そこに狙いを定めビームライフルを放った。

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信中(-0)回避運動and防御(-2)
    ビームライフルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損傷 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E33%)ビームダガー×3本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 リナルド=グレイス??
     14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
179シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/09 23:28 ID:???
「次、足首関節上下動作、チェック。」
〔了解。〕

格納庫内に響くモーター音。それに伴うように、足首が上下する。
幾度にわたる念には念を入れたチェック。
今のチェックで全てが終了した。未だ完璧とは言い難いが、この状況で作ったにしては上出来だろう。

「これで全てのチェック完了……と。
 次は……武器だな。ゼファー、ビームライフルの回線チェック。破損部の割り出しを頼む。
 俺はその間……ヒートナイフ受けでも作るか。」

次の作業に移るべく、材料を再度探しに行こうとしたとき、全体放送が流れた。

『だからあんたら止めろっつーてるんや!!
 そんなに他人が信じられへんのか!!』

「……五月蠅い……何故こんな奴が今まで生きてこられたんだ?
 鬱陶しい鬱陶しい鬱陶しい……こんな事で全体通信を乱用するなよな……。」


【行動:コックピット・脚部修理作業(−4)
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5)
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー 
     以下、破損品 ( F-90S用クルージングミサイル×4 F-71用ビームライフル ヒートナイフ×2 ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化 機体修理】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
K-8ポイントのコロニー。
マップで見る限りほぼ無傷で、立ち入りが可能なコロニーはもうここしかない。
…俺はここにも様々な思いがある。
アシッドとの最初の戦闘の場所。
池の水鳥や魚に餌をやったりして、心安らいだ場所。
港でムサイと出会い、少々感動した場所。
…そう言えばあのムサイは、まだ何処かを航行しているのだろうか。
僅かな時間の接触だったが、あの戦闘の激しさと共に鮮明に記憶に残っている。
あの戦闘は西側の港で行われていたから、こちらには痕跡は全くないが。

「んじゃ、さっさと用事を済ませようか」

適当な小高い岡の上にタイヤを止める。
ディパックを担いでジャベリンから降りると、さっきまで雨が降っていたのか
土の地面が湿っているのが分かった。
どうやら天候管制機能はしっかり作動しているようだ。

俺は日当たりのいい場所を選んで、そこに生えている雑草や、小石などを丁寧
に取り除きはじめた。
さすがに左手だけの作業は面倒臭くてたまらないが、初めて畑を耕した時のあの
苦労に比べればさほどの事はない。
ある程度綺麗になったら、今度はいつも使っていたシャベルを使って土を解していく。
本当は時間をかけてやりたいが、そんな悠長な事は言ってられないから、まあ
大体の感じで終わらせる。
こうして解した土の窪みにさっき目に映った袋の中身……蕎麦の種子を列にして
放り込み、その上から軽く土をかけておく。
最後に水を全体に撒いて、小さいが蕎麦畑の出来上がりだ。

蕎麦は本来なら耕せないような荒れ地でも育つくらい、生命力が強い。
きちっと雨が降ってくれれば、ここなら十分に育つだろう。

俺は小惑星基地があると思われる方向に向かって、手首のない右手で敬礼をした。

「アーネスト。俺はここから先、生き残れるかどうか分からない。だからここで
 礼を言わせてくれ。…お前がいてくれたおかげで、俺は今もこうして戦う事が
 できる。…お前の代わりになんて格好はつけられないが、俺にできる事をやって
 いくつもりだ」

そして今耕したばかりの畑を見る

「蕎麦は生命力がある。荒れた大地でも立派に育っていくだけの、力強さがある。
 例え俺が死んでも、ここの蕎麦は必ず花を咲かせ、実を付けてくれる。…それが
 お前に対しての礼であり、手向けだと思ってくれ」

【行動:久々の畑仕事(−2)】
【残り行動値:2p】
【位置:k-8】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート4枚】
【行動方針:所用】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
181シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/10 20:19 ID:VUDsM5Ul
IDチェック
>>173

『うん、任されたっ!
 でもね、シェラさん、あまり無理はしないでっ!
 片翼がもがれたキュベレイ、前みたいに上手くは飛べないよっ!』

リファニアから応えが返ってきた。自分を許容し、肯定し、そして自分と共にあることの明確な宣言が。
言葉そのものは矛盾しているかもしれない。
片方の翼を失ったキュベレイが、オールレンジ攻撃をもかわしきる相手と刃を交えているのだ。
その状態で戦う以上、無理も無茶もしなければ勝利を掴めるものではない。

だが、そんな矛盾を自然と許してしまう自分がいる。
リファニアが自分を気遣ってくれるということだけで、心が満たされてしまう。

惚れた弱みか、それとも親バカ………姉バカというものかしらね。

R・ジャジャに猛然と襲いかかるヤクト・ドーガの姿が、とても勇ましく………そして愛しい存在として
シェラザードの瞳に映った。


だが、世界は幸福と幸運で満たされているわけではなかった。


!?

リファニアへの想いが切っ先を鈍らせたか、あるいは過剰な戦意が狙いを狂わせたのか、
それともペズ・バタラが想像以上に俊敏だったのか。
理由はともあれ、ファンネル達の攻撃は空を切った。
2度のオールレンジ攻撃を実行したことで、移動はともかく再攻撃には再度チャージを行う必要がある。
ほとんど反射的にファンネル達をスカートに戻そうとした時、黄色のモビルスーツが目の前から消えた。

しまった!

>>178
閃光が背後から襲いかかった。女王の刃を砕こうとする一撃が降りかかってきた。
とっさに身を捻り、スラスターを全力で稼働させて、キュベレイが回避を試みる。
機体にもパイロットにも限界を超えそうな負担をかけながらギリギリでかわした………と思えた時。

全速で主の元に戻ろうとしていたファンネルを、その光が貫いた。

ある意味、そのファンネルは主の身代わりとなって攻撃をその身に引き受けたいうべきかもしれない。
だが、その哀れな兵士が砕け散った場所は、あまりにも主人に近すぎた。
それがビームを撃ち尽くした機体であったなら、まだ被害は装甲の損傷だけで済んだのかもしれない。

しかし、それは撃ち放っておくべきエネルギーを内部にため込んだままの機体だった。
エネルギーはチャージされたものの、粒子加速器の故障でビームの発射が不可能になっていたファンネルだった。
敵の注意を少しでも分散させるため、仲間達と一緒に出撃していた囮役のファンネルだった。

結果として、そのファンネルは敵に向けるべき破壊の光を抱えたまま爆発した。
望まぬ熱と光と速度を与えられた無数の破片が紅の女王に降り注ぎ、
その決して厚くはない鎧を、華奢な身体を傷つける。

そして、最も鋭い破片が、本体と胸部装甲との僅かな隙間をくぐり抜けた。
そのままコクピットハッチを貫き、中の女に突き刺さった。
「……………!?」

最初に感じたのは、衝撃だった。不思議と痛みは感じなかった。
その代わり、焼け付くような熱さと凍り付くような寒さが同時に襲ってきた。

槍のような破片が正面のモニターとシートのバックレストごと自分の腹部に突き刺さっているのが、
まるで夢のような現実感のないものに見えた。
視覚以外の五感はこの上なく「現実」を文字通り痛感しているにもかかわらず。

文句は…言えない…かしら……

こういうものかもしれない。
誰かを傷つけようとすることは、自分も傷つく危険を冒すことなのだから。
何かを奪おうとすれば、何かを奪われるかもしれないのだから。
殺そうとする以上は、殺されてもおかしくないのだから。

身体の中から猛烈な不快感がこみ上げてくる。鉄の味がする、生温くて忌々しい何かが、喉の奥からせり上がってくる。
………だが、シェラザードはそれを飲み込んだ。全身全霊の力を込めて、それが外に飛び出るのを許さなかった。
食いしばった歯の間から、引き結んだ唇の間から僅かに赤いものが染みだしたが、それ以上は何も出さなかった。
出させるわけにはいかなかった。

リファニアが自分の前で戦っているから。その命を危険にさらして、自分と共にいてくれるから。
その彼女に、これ以上の負担をかけるわけにはいかなかったから。余計な心配をさせるわけにはいかなかったから。

… … … … … …

手に力が入らない。フットペダルを踏み込む脚から急激に力が抜けていく。
視界が暗くなり、視野が狭くなる。目の前の世界が霞む。ノーマルスーツの中が脂汗で濡れてくる。
スーツの中を濡らしているのは、汗だけではないだろうけど。

だが、心はまだ折れてはいない。戦意は失われていない。

自分に与えられた機体がキュベレイであることを、サイコミュ機であることを、シェラザードは何かに感謝した。
例え身体が動かなくても、目が見えなくても、このモビルスーツは戦える。
戦う意志があれば、それを力に変えてくれる。
その代償として肉体と精神を削ることになろうとも………今は構わない。構いはしない。

一度は沈みかけた女王の瞳が、再び輝きを取り戻そうとする。
何処か力なく点滅を繰り返しながら、それでも光を失いはしない。
そしてそのスカートがゆっくりと持ち上がると、待ちかねたようにファンネル達が中に飛び込んでいった。
再び目の前の敵を撃つために………最後の一撃を加えるために。

さあ……あたしの……キュベレイ………

まだ動ける。
まだ戦える。
この戦いが終わるまでは、生きていられる。
だから。
キュベレイが左手のランチャーを捨てると、羽ばたくように両腕を大きく広げる。
その両手に構える剣の柄から、光の刃が一直線に伸びる。
翼を大きく広げるように、紅の女王は二刀を天にかざした。
内側と外側に傷を負いながら、不吉な火花を全身にまとわりつかせながら、目の前の敵をにらみつけた。


行くわよ。


傷ついた女と傷ついた女王が、残された力を振り絞って、ペズ・バタラに突進した。

【行動:回避?(−1)、ファンネル回収・最後のチャージ開始(−1)
     ペズ・バタラをビームサーベルで攻撃×2(−2)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通 】
【パイロット状況:悪役風メイク、腹部を破片が貫通】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×11、 ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:ミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、?、(?)】
185シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/10 23:15 ID:???
「……よーし、完璧。なかなか上手くできたな。」
腰のリアアーマーに作られたヒートナイフホルダーを前に、自ら感嘆の声を上げる。
まぁ、自画自賛以外の何物でもないが……。

〔ところで、何故ヒートナイフなどを装備したのですか?
 近接戦闘用装備としてはビームサーベルがありますが……。〕
「まぁ、敵の虚をつく武器として、だな。だから決定的な場面になるまでは使う事は許されない。
 ヒートナイフという物は拡張性の高い武器だ。斬ってよし、突いてよし、投げてよし。
 限界まで近づけばコックピットだけを破壊する事も出来る。そうなればまた−Natural−を使う事も出来る。
 そのような場面が来るまで、使うなよ。」
〔了解しました。
 あと、ビームライフル、破損部を割り出しました。ノートPCに転送しておきます。
 他に何か命令はありますか?〕
「いや……暫くは周囲を警戒しておいてくれ。以上だ。」
〔了解しました。〕

「さ……てぇ。そろそろ折り返し地点かな……?気合い入れていくか。」
一度伸びをして、ビームライフルの元へ向かう。疲労も限界に近づきつつあるが、ここで休むわけにも、倒れるわけにもいかないのだ。

【行動:ヒートナイフホルダー製作(−2)ビームライフル修理(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   疲労】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 】
【武装:ビームライフル(残弾1)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5) ノートPC
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー 
     以下、破損品 ( F-90S用クルージングミサイル×4 F-71用ビームライフル  ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
 ……どうしようかしら。
 奴等の動き、どう見てもそうね。
 本気と書いてマジと読む。
 マジ、死ぬ事確定。

 死ぬのが、見えるわね……。

 今まで生き残って来れた事が、幸運だったのよ。
 アーネストが死んだ時点で、正直彼方たち二人に勝利の可能性は無かった。

 今生き残ってる奴等は大方二種類。
 実力があるか、ひたすら逃げつづけたラッキースターか。

 MAPを確認する。
 ポイントはO−17……
 この一点のみで、左右にスペースが分かれている。
 私が今まで通過してきた経路を考える限り……
 あちらに人が居る可能性は、限りなく低い。
 アシッドか、レイモンド以外はね。
 禁止エリアっていうのも、ありがたいモノだわ。

 レイモンドには戦意無し。
 アシッドも私と見れば無視をする。

 残るは、不確定要素のみ。
 今やたらに動くのは得策じゃないって事でしょ?
 今はまだ、静の時よ……

「けど、趣味じゃないってね」

 ただ、気をつけなさいな。
 静から動へ転ずるタイミング……
 間違ったら地獄へ一直線よ、サーティア。


【行動 : 静止中(−1) 】
【残り : 4P 】
【位置 : U17 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
ほんの数時間前まで、あの小惑星基地でカレーを作っていたのが嘘のように思える。
あの時は仲間が…ましてや自分がこんな事になるなんて、思いも寄らなかった。
敬礼をしていた1分程の間に、色々な事を思い出してしまう。

「…駄目だな…」

いささか女々しくなりそうな自分の頭を小突き、俺はディパックの口を開けて中から
保冷シートを取り出した。
ノーマルスーツを脱ぎ左足のシートを貼り替える。
怪我の度合いからすれば焼け石に水の感が強いが、それでも何もないよりはずっと良い。
立ち上がってノーマルスーツを着て、左足で地面を踏みしめる。

「…………」

僅かに鈍い痛みを感じはするが、これくらいなら暫くはまたフットペダルを全力で
踏む事が出来そうだ。
…そうだ、まだ俺は戦える。
また宇宙を縦横無尽に駆ける事ができる。
そしてその事に俺は、純粋な喜びを得ている。
仲間の役に立てるという喜び。
1パイロットとしての喜び。
またあの、ぎりぎりの快楽を味わえるという悦び。

S-17へ行けば、また強敵と巡り合えるのだろうか。
そいつは、アシッド以上の悦びを与えてくれるだろうか。
いや待て。
まずはルイとベルクの安全を確認するのが先決だ。
いるのなら、シュウジにも会っておきたい。
様々な事を、自分の目で見て話して感じて、戦うべき相手を見定めなければならない。
まあ向こうから攻撃してくれれば、俺としては楽でいいんだが…。

思いを巡らせながらコクピットに乗り込み、ペットボトルの水を飲む。
喉を通る水が、畑仕事で覚えた乾きを潤していく。
ついでに蕎麦団子を久し振りに1つ頬張る。
思わず笑顔を浮かべ、馴染み深い味をよく味わって食べた。

「んー…やはりこの団子はひと味違うな。どれ、もう1つ……」

『だからあんたら止めろっつーてるんや!!
 そんなに他人が信じられへんのか!!』

突然入ってきた全体通信に、団子を取ろうとした俺の手が止まる。
今の聞き覚えのある方言は…間違いなくルイだ。
ルイは、どこかで戦闘中なのか…!

すぐさまヘルメットを被ると、畑を荒らさないようゆっくりとタイヤを発進させる。
今の通信がどこから発信されたものかは分からないが、とにかく俺はS-17へ行って
みるしか手がない。
…それにしても…。
ルイは相変わらず、話し合いで物事を解決させようとしているようだ。
まあそれが彼女の良いところでもあるのだが、それも時と場合だ。

(言った筈だぞ、ルイ。敵に対して引き金を引く事を躊躇するな、と)

本当ならこちらも全体通信を使って伝えてやりたかったが、向こうが戦闘中である
事を考えると、ルイの気を逸らすような真似は慎みたかった。

ジャベリンを乗せたタイヤはコロニーを出て、再び宇宙を走り出していく。
仲間を、そして戦いを求めて。
【行動:シートの貼り替え(−1)軽食(−1)移動ボーナスでM-10に移動(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:K-8→K-9→K10→L-10→M-10】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:取りあえずS-17に向かう】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
189通常の名無しさんの3倍:04/06/11 15:36 ID:l8Bfp2/s
ベルク用IDの確認を代行します
どうして、こうなってしまったのだろう。
そこに至る原因は、一体何だったのだろう。
何故彼女が刃を振るい、血を流しているのだろう。
何故自分は刃を振るうことをせず、血を流すことも無いのだろう。

「……ちくしょう……」

レーダーの端に4つの光点が映った。
キュベレイMk-U。
ペズ・バタラ。
R・ジャジャ。
そして……ヤクト・ドーガ。

「……待ってろよ……」

結局、リナルドは再び自分の心を、意思を……ひとつだけ折った。
リファニアは選んだのだ。 今。
『リナルドではなく』、シェラザードと共にあることを。
だから、選ばれなかった彼の選択はこうなった。
意思をひとつ折ることで、リファニアの隣にいようとすることを選んだ。
どちらにせよ、『彼女と共にあらねばならなかった』。
そうしなければならない絶対の理由が、彼にはあった。
だから、この選択をすることで……絶対の理由を満たす道を進んだ。

……ただ、彼がひとつの意思を折ることを選択しなければならなかった――
その原因は、リファニアだった。
それが、彼の心に再び亀裂を入れた。

「……何であなたは……リファニアを戦わせるんだ……」

全体通信が入る。
……空虚な叫びだ。
それ以外の感想は持ち得なかった。
今の状況を鑑みれば、それ以外の感想は出てこなかった。

「……何であなたは、リファニアを戦いに引き込むんだ……!」

これは誰に対する怒りだったのだろうか。
言葉は明らかにシェラザードへと向けられていたが……
その怒りは、本当にシェラザードへと向けられていたのだろうか?
あるいは、誰に?
リファニア?
管制側?
それとも……自分?
きっと、そのどれもが正しく、そして(ある意味では)そのどれもが間違っている。
これはそういう感情だ。
リナルドは自分にそう言い聞かせ、アビゴルを疾らせた。

≪続く≫

「…………」

……彼は、自分でも驚いた。
自分のとった行動に、素直に驚いた。
そして、小さくも破壊力のある恐怖に駆られた。

――リファニアに、嫌われるかもしれない――


アビゴルの左マニピュレータが、ヤクト・ドーガの持っているバズーカの砲身に当てられている。
R・ジャジャを砕くべく放たれた砲弾は後ろの壁に炸裂し、爆ぜた。
要するに。
ヤクト・ドーガがバズーカを発射する直前、この戦場に現れたアビゴルは――
バズーカの射線軸をずらし、結果としてR・ジャジャを庇ったということになる。
その真意はどうあれ。

やがて、意を決した――それでもどこか怯えていたかもしれない――リナルドは、
双眸を伏せ、接触回線でリファニアに声を掛けた。

「……ハロー・リファニア。
 君の考えてることも、その覚悟もわかってる。
 わかってるつもりだけど……」

そして、伏せられた目が開いた。
リファニアは、その瞳が『普通の人間のそれではない』ことに気付いただろう。
……瞳孔が異常に小さく収縮し、相変わらず湛えられた濁りが渦巻く瞳。
そして、ワントーン低い声のまま、加えて先程からのどうしようもない怒りを声に残したまま、
リナルドは彼女の瞳を射抜く。

「君は何をやっている? 何だ、この有り様は。
 俺は君にこんなことをさせるために送り出したんじゃないぞ」

君には誰も殺させないって言っただろ。
君が俺につける傷は、他の誰につけられるものよりも痛むんだぞ。
そうさ。
『この』痛みよりも痛むんだ……!

視線を被弾の痕が残るキュベレイに移し。
リナルドは怒気を殺して自嘲気味に続ける。

「全く……君まで俺の邪魔をするなんてな。
 あの人が関わると本当にろくなことがない」

初めて会った時も。
   (あんたリファニアに何をした?)
ダグラスの時も。
   (許すとか許さないとか、そういう問題じゃないな、これは)
イブがシェラザードを追って飛び出し、そして戻った時も。
   (ダグラスだけじゃ飽き足らず、結果としてイブさんまで傷付けた)
そして、今も。
   (何やってるんだあんたは。 今度は何を考えてる?)

リナルドが持つ『この戦場で生き延びる』ためのプランを、故意ではないにしろことごとく妨害している。
平たく言えばハード・レディ。
厳しく言えば足手纏い。
厭味をたっぷりと込めて言えば疫病神といったところだ。

≪続く≫
今回のことで言及するなら、素直に艦に戻らなかったことからして既に妨害の域に達している。
これが最初の相手かどうかはともかく、よりにもよって相手はベルク。
今はどうだか知らないが、戦いを好まず、何かに悩んでいた男。
その相方も戦いを望む人間ではなさそうなのに。
無理矢理命懸けのケンカを吹っ掛けて、それにリファニアを巻き込んでいる。
挙句の果てにやり返されてすらいる。

(どこをどう見ても、救いの無い女だ)

だというのに。
……どうして俺はこうなんだ?

「……リファニア。
 どうやら俺も随分とバカになったらしいな。
 君にはもう誰も殺させないぞ。
 話もちゃんと後で聞く。
 今は、この現状を切り拓く」

先程とは打って変わって柔らかい声が響く。
そして。
ペズ・バタラへと通信回線を開き。

「久し振りだな、ベルク=クロフォード。
 何があったのか全てを把握できてるわけじゃないが……
 貴様、俺の――」

一瞬、言葉が途切れる。
どうやら、まだ少し抵抗があるようだ。
そのささやかな抵抗を、ディスプレイの端に映ったリファニアの姿をちらりと見ることで一蹴し。

「……俺の仲間に、一体何をした!」

言ってみると、案外とすっきりするものだ。
瞳の濁りが、少しだけ晴れたような気がした。
気がしただけかもしれない。 後で鏡でも覗き込んでみるとしよう。
リファニアとシェラザードと三人、『ミョーコウ』に戻った後で。

【行動:V-21→U-21→U-22(-2)、砲身の軸をずらす(-1)、接触通信(0)、ペズ・バタラに通信(-1)】
【位置:U-22・小惑星基地内】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続→ペズ・バタラ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/何とかして、三人で『ミョーコウ』に戻る】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード? (01番シュウジ?)】
訂正です。

>>191の12行目
R・ジャジャを砕くべく放たれた砲弾は後ろの壁に炸裂し、爆ぜた。
は先行処理にあたるため、読み飛ばして下さい。

御目汚し失礼しました。
194イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/11 18:53 ID:???
ルイ・フィルセントの放った、あまりに甘く虚しい切なる叫びをその整った形の耳が捉える事も無く。
リナルドから託されたコンパネを前に、愁林は只管慣れない作業を続けていた。
データの解析作業。
取捨選択する過程で僅かでもミスがあれば、すぐさま天国か、或いは地獄への片道切符の予約作業となってしまう重要な仕事だ。
自分ひとりの分ならば、これ程に重くは無かっただろう。
だがしかし、今の愁林はある意味で仲間達の未来を背負っているのだ。
それ故に彼女に掛かってくるプレッシャーは並大抵のものではない。
機体に仕掛けられた爆弾の解除方法に一通り目を通した後、この作業に移ってからずっと、胃の痛くなるような緊張に苛まれていた。

知らず知らずのうちに右手が胸元を弄ろうとする。
其処にある温もりに、縋り付こうとする。
だがそれだけだ。右手は結局ロザリオに至る事は無く、再びキーの操作を再開する。

ささやかなプライド。
ささやかな意地。
薄情者の手助けなど、誰が求めるものか。

思わず、微かな笑みが零れた。
見栄も意地もまだまだ張れる。
どうやら葉愁林は、まだまだ存分に戦えるようだ。

漆黒の瞳が艦橋の時計へと向けられる。

「……そろそろ、次の定期放送の時間ね」

―――貴女たちの名前だけは、リーア=ミノフスキーの口から聞きたくないわ……っ?

リーア=ミノフスキー。
その名を思い浮かべた時、不意に何か奇妙な感覚に愁林は囚われた。
何処かで聞いたような。何処かでその名前を見たような。

―――まあ、珍しい名前ではないものね。

仮令どんなに核心に迫り得る情報であろうと、現在の愁林にとっては瑣末な代物でしかなかった。
最優先で為すべき課題が、困難極まるモノだったが故に。
195イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/11 18:53 ID:???
【行動:コンパネ操作(-1)、データ解析(-1)、機体自爆装置の解除方法把握(-1)】
【残り行動値:1p】【現在位置:V-21、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスを忘れない、「貴いものを守りたい」、「リファニアの綺麗な笑顔を曇らせたくない」、為すべき事を為そう】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
196ベルク=クロフォード(代理):04/06/11 21:26 ID:JDwwehBk
放たれた光はキュべレイのスカート部を貫く前にその手前で炸裂する。

(なっ!)

その光景は、舞い戻るファンネルの一機が光の矢とキュべレイの
間の射線上を通ったことで身を訂して主人を庇ったように見えた。
その破片がキュべレイの装甲に無数に突き刺さっていたが
機体自体にはそんなにダメージは無い様に見えた。

(流石に、簡単には行かないな・・・・・・・。)

だが少し様子がおかしかった。
頭の中に何かが引っかかったような感覚。
それが何かもわからないまま、緊迫した時間は流れ続ける。
そして、まだ周りに浮かんでいる残りのファンネルがキュべレイの元に返っていく。

『久し振りだな、ベルク=クロフォード。
 何があったのか全てを把握できてるわけじゃないが……
 貴様、俺の―――――――――――
 ・・・・・・・・・・・・俺の仲間に、一体何をした!』

突然の通信、その声主は―――――――――――

「・・・・・・・・・リナルド=グレイス。
 事の成り行きを、悠長に説明できる状況では無いと思うのだがな。
 こちらも、出来ることを果たすまで生きる事に執着があるのでね、
 事情が知りたいのなら熱くならず、まず戦闘を止めさせてくれ
 そうでないと、こちらもそれなりの対処を続けざるに負えない。」

―――――――――――!
そう、まだ終わってはいない。
キュべレイにはまだ戦闘意思が感じられる。・・・・痛々しいほどに
キュべレイは両手を大きく掲げ光の剣を携えてこちらに向かってくる。
 
そこ行動にも疑問を感じ取った。
これまでの戦いとは違う何か。
だが、その疑問はすぐに打ち消された・・・・消さず負えなかった。
今の自分にはそんなことを考えられる余裕もなかったからだ。

突っ込んでくるなら、ビームアックスを展開すればいいのだが
コクピットごと真っ二つにする気に成れなかった。

右脚部を軸に機体を後ろ向きに回転させ、輝ける斬撃を交わすと同時に
キュべレイの側面からスカート部を裏拳の要領で左手のビームシールドを
叩きつける様に襲いかかる。

(武器を破壊すれば、人を殺す必要は無い。)

――――――――――――――――――――――そう信じて。

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信中(-0)回避andビームシールドで攻撃(-2)
    リナルドと通信(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損傷 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E33%)ビームダガー×3本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
198シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/06/11 22:04 ID:wB9HlZZK
IDチェック
激しい機動に、ヤクトのコックピット内がシェイクされる。
コックピット内を荷物が舞う事も、お構い無しである。

現実から目を背け、いつまでも変わらぬままで済むと思っているルイ=フィルセント。
かつて、彼女が流した全体通信―――確か、脱出を安易に口にしたものであったと思う。
……それを聴いた時から、リファニアは彼女に対して否定意識を持っていた。

……私は、変わってしまった。変わらざるを得なかった。
生きるために、護るために、拓くために……この手を血に染めもした。
初めて人を手にかけた時、その死の匂いになす術も無く引きずられてしまった。
生身の人間を、愛機のビームソードが焼く時に感じた感覚は……気持ち悪かった。
その時に受けた代償は、今なおこの身体の中に、くすぶり続けている。

「……あなたは、変わらないつもり?
 いつまでも、"普通"で居られるつもり?
 舐めるな。
 "生きる"という事を、舐めるな。」

私にとって、ただ生きるという事だけでも、戦いだった。
自分の生に価値を見出すまでは、それは絶望的な戦いだったのよ。
そのエンディングは、"死"以外、あり得なかったのよ……。

……だからこそっ!

やっと掴んだ私自身の生、夢、そして、私の価値を見出してくれたひとたち―――。
それらを護るためならば、私は幾らでも修羅になってやる覚悟なのよっ!

その甘さで、知らぬうちに人を死に引き込みかねない存在、ルイ=フィルセント。
私は、あなたを否定する。認められるはずなんて、無い。
生きたいなら、意志と行動で示してもらう……。
それが出来れば、認めてあげてもいいよ。
出来なければ……ここで消えてよっ!

殺意のこもった砲弾が、バズーカから放たれようとした時―――。

何者かに、バズーカの砲身が逸らされた。

砲弾が何処へ飛んでいったのかは、解らない。
リファニアの瞳は、砲弾でもなく、ルイ=フィルセントの紅い機体でも無く……。
ここに居る筈もない存在を、映していたからだ。
緑の死神、アビゴル。その体内に身を納めるのは、リナルド=グレイス……リファニアの、騎士。
おてんば姫が幾ら悪さをしても、決して見捨てず暖かい目で見護ってくれる、優しい騎士。
……優しすぎる騎士。

「………あ……ああ……。」

リファニアの顔が、一瞬のうちに血の気を失った。
……見られたく、無かった。
自分が誰かに殺意を向けているのを、リナルドだけには見られたく無かった。
リナルドがそれを決して望まぬ事を、知っていたから。
その行為は、リナルドの心を何処までも深く抉り、傷つける事を知っているから。

「………まだ……定期放送じゃ……ないよ……。デコピンは、痛いからヤだよ……。」

場にそぐわぬ言葉。だが、それを口にしたリファニアの声は、震えていた。
恐怖に見開かれ、弱々しい光しか灯さぬ瞳から、涙がぽろぽろと零れ落ちる。

……リナルドニキラワレル……。
アビゴルとの接触回線が開かれ、モニターに彼の顔が映る。
その伏せられた瞳の奥に宿る怒りの光……そして、収縮した瞳孔。
眼光が、リファニアの瞳を射抜く。

『……ハロー・リファニア。
 君の考えてることも、その覚悟もわかってる。
 わかってるつもりだけど……。
 君は何をやっている? 何だ、この有り様は。
 俺は君にこんなことをさせるために送り出したんじゃないぞ』

怒りを何とか押し殺そうと、しかし、決して押し殺しきっては居ない声で、
リナルドはリファニアにそう語りかける。

「……ごめん……なさい……。ごめん……なさいっ……!」

リファニアはただ萎縮し、謝るしか出来なかった。
この瞬間は、夢も何も、リファニアの中には無かった。
あるのはただ、恐怖だけ。ルイに叩きつけた魂の叫び、それによって再確認した、大切な存在。
彼に否定される可能性から来る恐怖は、何者にも勝ると思えたが―――。

―――次の瞬間、リファニアが味わう事になるのは、更なる恐怖だった。
それは可能性ではなく、実際に起こってしまった出来事だったから。

背後で、爆発が起こった。
こちらを脅かす程、近くは無い。
リファニアの腹部を、一瞬、何かが突き抜けるような激痛が襲う。
だが、リファニアは傷ついていない。

爆発の起こった方向へ、リファニアは振り向く。
目にしたものは、無数の破片が突き刺さった、痛々しい女王の姿だった。
そして、ピリッとした感覚と共に頭に流れ込んできた、シェラのイメージ。
その閉じられた唇の端から、赤い筋が流れるのを―――リファニアは、見てしまった。

リファニアの心臓が、きゅっと痛んだ。
涙は、一瞬にして枯れた。

続くリナルドの声は、聴こえなかった。
リファニアの全ての感覚は、紅の女王と、愛しき姉に、釘付けになっていたからだ。

たいせつなひと。

みんな。

わたしのめのまえで。

こわれる。

―――だめ。
201リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/11 22:28 ID:R9MQSqHA
リファニアの意志に呼応して、ヤクトの肩より一基の破壊の筒が、放たれる。
まるで花弁のようなバランサーを開き、ファンネルは紅の女王の元へ飛ぶ。
破壊の閃光が、闘魚のスラスターを射抜くように放たれる。

―――闘魚の中に宿りし生命を刈るのは、リファニアの役目ではない。

【行動 : シェラとの通信継続(0)、ルイとの通信継続(0)、リナルドと接触通信(0)
      ファンネルでペズ・バタラのスラスターを攻撃(-1)、残3 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×3、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン(残弾60%)、ザクバズーカ(残弾2)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 『揺るがない夢』、………!? 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
202シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/11 22:56 ID:???
「……。」
ほぼ無言で作業を進めるシュウジ。はっきり言って、余裕がないのだ。
この状況においてこれだけの長い間無事にいられた事自体が有る意味奇跡であり、
これ以上余計な事で時間を費やすわけにはいかないのだ。

作業の方だが、ビームライフルは既に修理を終え、元々持っていたものと合わせて二挺のエネルギー補給を行っていた。
その間にも手は休めない。次に取りかかったのは、クルージングミサイル4発の搭載作業だった。
が、動きが止まっている。ミサイルを発射するときのためにコックピット内に搭載しようと思っていた発信器を手に、動きが止まっている。

(……そうか、そうだな。この方法もあったか。だが……今からその作業をする暇があるのか?
 此処でするのは不可能……ここから出れば周りは敵だらけ……。
 今は殺すための下準備をするしかない……か。)

手にした発信器を握りしめると、コックピットに向かった。

【行動:ビームライフル補給作業(−2)クルージングミサイル搭載作業中(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   疲労】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 】
【武装:ビームライフル×2(残弾:補給中)ビームサーベル×1、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5) ノートPC
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー 
     以下、破損品 ( F-90S用クルージングミサイル×4   ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】

>>196
気合いだけで何かを成し遂げることは出来なかった。
覚悟だけで現実を思いのままにすることは出来なかった。
残り少ない生命の炎を勢いに変えた剣の舞は、敵を捕らえることは出来なかった。

キュベレイの舞に、ペズ・バタラが同じく舞を返す。
その黄色い身体を軽やかに回転させて、左手に輝く盾で女王を叩きのめそうとする。

ま……だ………

だが、女王の舞は止まらない。刻むリズムは、軽やかなステップは、例え片方の翼を失っても変わりはしない。
生き残ったスラスターを煌めかせ、優雅ささえ感じさせながら女王の身体が躍る。
受けた傷さえ演出の小道具にしてしまうような身軽さで、敵機の攻撃を鮮やかにかわす。

その衝撃と加速は、中の人間をさらに傷つけたのだけれども。

「…………………!」

強烈なGが、傷ついた肉体とそれに突き刺さる破片に同時に襲いかかった。
それは女の柔らかい肉体に食い込んだ異物を物理的に動かし、
その中身をより深く、より幅広く切り裂かせた。

痛いなどと言うものではなかった。言葉になど出来ない感覚だった。
意識を失わないのが不思議なほどで………ある意味不幸だったのかもしれない。
気を失えば、その具現化した苦痛と絶望から逃れることが出来たかもしれないから。

しかし、シェラザードは意識を手放そうとはしなかった。
救いの存在しない拷問を受け続けることになると知って、敢えてそれに挑むことを選んだ。

ここで気を失ったら、二度と目が覚めないことが分かっていたから。

………ま…だ……ま………だ………

キュベレイが体勢を立て直す。空を切った剣を再び構え直す。
傷だらけの鎧をまとい、噴き出す血のように火花をあちこちに吹き出させながら、再びペズ・バタラに向き直る。
その剣は、まだ輝きを失っていない。
スカートの下のファンネル達も、戦意を失ってはいない。
女王が女王のままさらに攻撃を仕掛けようとした………その時。

その光景が、目に入った。
>>190-192
突如現れたあの男の機体。
不意に現れた緑の怪物。
それがリファニアの攻撃を妨げた姿が、闇に沈みかけようとしている視界にはっきりと映った。

…あ……の……男……は………っ!

自分と共に戦えなどと言うつもりはない。
側にいることを望みはしない。
しかし、まさかこの状況で、あのように邪魔されるとは思っていなかった。

… … … … … …

だが、この期に及んで敵を庇うとは、ふざけるにもほどがある!

あの男は忘れているのか。自分達の首にはまっている首輪の存在を。
生き残るのは最後の一人だけという前提条件を。
この世界で他人は「味方かもしれない存在」ではない。自分以外の人間は全て排除すべき敵であるのが基本なのだ。
殺し合わない方が異常なのだ。刃を交えずに済ませようとするなら、それなりの理由と手段が必須なのだ。

自分とリファニア、それにイブは、今までにそれ相応の絆を深めてきた。
常に順風満帆ではなく、時には本気で殺し合うことも考えたが。それなりに色々なものを積み重ねてきたのだ。
それは理由になる。少なくとも、この狂った世界でも、リファニアを守り、イブを撃たない理由にはなる。
彼女達も、自分を撃たないことに理由は見いだしている。そうでなければ、自分が今ここにこうしていられるはずがない。

しかし、ペズ・バタラとR・ジャジャは彼女達とは違う。その存在は全く異なる。
彼らは戦いを望まないと言った。しかし、ではどうするかと言う代替案を具体的に示さなかった。
R・ジャジャは戦うなとまくし立てただけ。
ペズ・バタラはあるかどうかも分からない他人の技術を頼りにしていると言っただけ。
しかも、それが頼ろうとする相手は、他人を生かす理由を失って仲間を殺した男だ。
それだけでも相手にする理由も価値もない明らかだ。

さらに、停戦を拒んだ自分に、その男は哀れみを乞おうとした。
大切なものを自分の力で守ることを放棄し、敵意を露わにしている相手に許しを請おうとした。
そんな連中を、どうして信用できようか。信頼できる仲間と認めることが出来ようか。

口先だけの正論など、内実を伴わない耳障りがいいだけの空論など、何の役にも立ちはしない。
そんな連中こそが、いざというときには真っ先に裏切るのが世の常だ。
誰だって自分の命は惜しい。死ぬのは怖い。逃れられぬ死を目の前に突きつけられたら、人は容易に変わりうる。
他に手段がないと分かれば、味方も仲間も裏切ってしまう。

リファニアもイブも、その例外ではないかもしれない。いざとなったら、彼女達も変わってしまうかもしれない。
しかし、変わらないかもしれないと思ったからこそ、自分は彼女達を認めたのだ。
信じられる理由があるからこそ、信じたのだ。
2人から感じたものと、それを感じた自分を信じて、それに賭けたのだ。

逆に、信じられる理由を見せてくれない人間は、その価値を証明しようとしない人間は、敵であることに変わりない。
今になって善人ぶろうとしたところで………

ヤクト・ドーガに接触するアビゴルからは、侮蔑にも似た敵意のような意識が伝わってきた。
自分にとってあの男が招かれざる存在のように、あの男にとっても自分は忌まわしき存在だというのだろうか。
ダグラスを殺し、イブに無用の負担を強いる疫病神であり、そして愛しい少女を惑わす魔女とでも言いたいのだろうか。
それならそれで構わない。批判も非難も否定は出来ない以上、甘んじて受けよう。

だが、本当にそれだけか。全部自分のせいで………彼女達は自分に翻弄され、騙され、傷つけられただけなのか。
そうではないはずだ。
ダグラスが、イブが、そしてリファニアが自分に好きにされるだけの人間なら、
自分はあれほどミョーコウに価値を見いださなかったはずだ。
あの失われた楽園の住民達に、これほどこだわり、これほど執着したりはしなかった。

彼らは、彼女達は、リスクを背負うことから逃げなかったのだ。
傷つくことを恐れてもそれを放棄しようとはせず、危険を覚悟で自分の判断したがって行動し、
その結果を受け止めたのだ。だからこそリファニアは消耗し、イブは傷つき、ダグラスは斃れたのだ。

その彼らの傷を、流した涙と血を、耐えた苦痛を、全部シェラザード独りの「功績」にしてしまっていいのだろうか。
それは否定ではないのか。3人が自分に敗北したと決めつける、侮辱ですらあるのではないだろうか。

ダグラスはシェラザードに翻弄され続けた結果、生命を終えたのではない。
イブはシェラザードに振り回され続けた結果、傷を負ったわけではない。
リファニアは自分に惑わされ続けた結果、戦いに飲み込まれたわけではない。
確かにシェラザードは原因の一部ではあろうが、それが全てではないはずだ。

彼らの生命も、人生も、彼らのものだ。シェラザードのものではない。シェラザードが好きに出来るものではない。
彼らは自分を拒むことも出来た。否定することも出来た。排除することも出来た。
だが、そうしなかった。リスクを承知で、危険を覚悟の上で、3人はそれぞれのやり方と形で自分を受け入れた。
そして、その結果を自分で背負った。その罪も責任も、他人に押しつけようとはしなかった。
だから傷つき、斃れた。それをシェラザードのせいにすることが、果たして彼らに対する評価としてふさわしいのだろうか。

それは逃避かもしれない。
あの楽園を失わせたのは自分であるという意識から逃げるための、身勝手な論理かもしれない。
だが、シェラザードはそう考えた。そう信じた。
そうするのが当然であり、あるべき姿であり、礼儀でもあると、そう信じたから。

………………!

またも喉の奥から不快なものがこみ上げてきた。どうにか吐き出すのは堪えたが………次は自信がない。
自信がないと言うより、まず無理だろうという意識があった。

………だったら………

シェラザードはヘルメットを脱いだ。
力の入らない腕を懸命に動かして、言うことを聞かない手と指を無理矢理働かせて、
自分と外界を妨げる一部を脱ぎ去った。

拘束を解かれたプラチナブロンドが揺れる。肌が血の気を失いつつあっても、その髪は艶と輝きを保っている。
戦う力がまだ残っていることを証明するかのように、やれることが尽きたわけではないことを主張するように。

今は…あの男のこと…を…考えて…いる…場合じゃない………か………

僅かに微笑みのようなものを浮かべる。歪む唇が朱に染まる。
血化粧は初めてかなと、そんなことを思ったりもした。


少しでも気を抜けば沈みそうになる意識を、少女の想いが現実に引き戻した。
ヤクト・ドーガから放たれたファンネルの輝きが、自分のなすべきことを再確認させてくれた。

………あなたの援護、無駄にはしないわ!

キュベレイの両手から伸びる刃がその輝きを増す。
本来ならばあり得ない長さに伸び、あり得ない光を放つ。
自らを灼くことも恐れず、オーバーヒートしたサーベルが溶けかけているのも気にせずに、
女王は再度ペズ・バタラに向けてその身体を躍らせ、両手の刃を振り下ろした。

【行動:回避(−1)、最後のチャージ継続中(−1)
     ペズ・バタラをビームサーベルで攻撃×2(−2)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通、ビームサーベルオ−バーヒート 】
【パイロット状況:悪役風メイク、腹部を破片が貫通+ダメージ深刻化】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×11、 ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:最後までミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、03番・イブ、05番・ダグラス】
207ベルク=クロフォード(代理):04/06/12 19:10 ID:VCaRVQmg
代理IDチェックです
208シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/12 22:34 ID:???
両肩後方に一発ずつ、両足に一発ずつ。計4発のクルージングミサイル。
その全ての装備が完了した。後はビームサーベルを残すのみ……。

「今寝ても……定期放送に叩き起こされるだけだな……。
 後少し……。これぐらいの連続作業が何だ……。後ビームサーベルのみ……。」
〔無茶は本当に止めた方がいいですよ……。睡眠不足は作業の失敗を招きます。〕
「大丈夫だ大丈夫だ……。昔は三日ほど徹夜した事もあるからな……。」
〔……。〕
ゼファーに言われずとも無茶をしている事は自分でも解る。
しかし後少しなのだ。
「後……少し……だ。」

【行動:クルージングミサイル搭載作業(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 疲労限界近し】
【武装:ビームライフル×2(残弾:補給中) ビームサーベル×1 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5) ノートPC
     拳銃 工具セット 電子部品 ゼファー 
     以下、破損品 (ビームサーベル×1)】
【行動方針:考え中 武装強化】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
ビームシールドでの裏拳は、キュべレイの華麗なる動きに対処できず
虚空を撫でることしか出来なかった。
その動きは戦闘に集中しているはずの精神にさえ干渉してくるほどに華麗だった。

それは、命短き花が時が来るまで咲き乱れる様に。
消え逝く火が輝きを増すかのように。

「なっ。」

思わず声が出てしまうほどのそれに俺はしばらく眼を奪われた
キュべレイがその動きを止めるまで。

それから、意識を現実に戻すのに時間はかからなかった。
視界に映た浮遊する凶器が脳内に危険を表す電気信号を感知させ
意識が戻る。
だが、視界から入った情報が脳に伝達され身体が反応するまでの
時間が遅れてしまったことで、回避運動が遅れ
光と熱の矢がスラスターの一部を消滅させた。

コンパネの画面に異常を知らせる警告が表示される。

(スラスター出力30%ダウン・・・・・動きが。)

それに、続くようにキュべレイの輝ける刃が振り下ろされる。
すぐさま後ろへ飛び回避しようとした。
普通なら避けられる間合いだったが、”それ”は違った。

それは、光というより業火の轟。

それは、剣ではなく異形の柱。

スラスターの出力低下した機体では避けきれなかった。
その長い2本の業火の柱が、残った右肩と引き遅れた左足を
消し去り、その被害はコクピット内まで及んだ。
周囲の機会が火花を散らせ、壊れた破片が右腕に食い込む。
痛みが電撃のように腕に走り感覚が無くなって来るようだった。

(当たり前の結果か。
 ルイに言っておいたことを俺がしてしまうとわな・・・・・情けない。)

体制を立て直し、一旦距離を取るため、ビームライフルを放ち
また、後ろへ下がる。

【行動:ルイに通信中(-0)キュべレイに通信中(-0)回避失敗(-2)
    リナルドと通信中(-0)ビームライフルで攻撃(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、
      コクピット内機械一部損傷、スラスター一部損失(出力30%低下) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E23%)ビームダガー×3本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
210リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/12 23:39 ID:lev2uzbc
IDチェックです。
銀色の花弁の放った閃光が、闘魚を射る。
紅の女王の闘志を具現化した巨大な刃が、敵の片脚を薙ぐ。
―――まだ、終わりはしない。
命の火花でその身を照らす女王の腰にこそ、その闘志の全てが込められていた。

闘魚が、女王に向けて閃光を放つ。

「……だ・め。」

しかし、闘魚の放った閃光は、女王に届かなかった。
女王を護るべく、リファニアの意志を乗せたファンネルが、ビームの射線上に飛び込む。
光に射抜かれて花弁が散り、リファニアはその身を捩じらせた。

リファニアは、捧げていた。
身も、心も。己の全てを。

二度と交わらぬ筈だった二人が、再び交わる。

―――少なくとも、この瞬間だけは。

【行動 : シェラとの通信継続(0)、ルイとの通信継続(0)、リナルドと接触通信(0)
      ファンネルでペズ・バタラのシェラへの攻撃をガード(-1)、残3 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×2、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン(残弾60%)、ザクバズーカ(残弾2)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 全てを捧げる 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
212リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/13 00:00 ID:???

(前2回と違い、クリアな音声で定期放送が入る)

『定期放送のお時間です。

 え〜っと、うん、まだ死んでないですね。危ないヒトはいますけど☆
 最後まで生き残る一人は、いったい誰になるのでしょう?
 ……結局全員、死んじゃうのかもしれませんけどね♪
 ま、わたしにとってはどうでもいいんですけど。

 では、次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『B-21』 『D-04』 『G-16』 『I-18』
 『P-11』 『S-01』 『V-13』 『X-19』
 改めて言うまでないかもしれませんが……
 立ち入り禁止区域への踏み込みは、そのまま『死』を意味します。
 小細工を弄しても、多少の時間を稼げるかどうか、ですねぇ。
 くれぐれも、くれぐれもお気をつけ下さい』


【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:R-22】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
213リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/13 00:00 ID:???
第13章 >211 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□×■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□×◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□14□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■×□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□×□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎×□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠11□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□×□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼×◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎×□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□99□◎07◎▽01◎□
23◎■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
07・15・20・25・26は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
214リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/13 00:01 ID:???
……管制艦に着艦し、コアファイターをいつでも使えるよう整備員たちに指示を出し。
艦長(といっても先生より下位の位置づけだが)に挨拶し、新しい管制室の間取りを把握し。
今までのログを確認し、定期放送を放送する。

一連の仕事を終え、部下が纏めた「ティーチャー不在中の監視記録」を抱えて、自室に向かう。
小惑星基地の自室に比べれば狭く小さな部屋だが、それでも艦の中では最高級の待遇だ。

「……ノゾキカメラ、ナイ! タブンナイ!」
「そう、ありがとねハロY。これで少しはくつろげるわね」

先に部屋に入った黄色いハロの報告に、ティーチャーはため息をつく。
女の部下に頼んでおいた着替え類が運び込まれているのを確認し、服を脱ぎ始める。

「コレの分析は、後回しね。先にシャワーを浴びてしまいましょう」

手にした書類をベッドの上に放り投げると、彼女は自室のバスルームへと消える。
しばらくして、かすかな水音が、ハロたちしかいない部屋の中に響き始める。
……今の参加者には得がたい、体を清めるという贅沢。


(……ここまで、生徒の中の死者は17名。生徒にすらなれなかった死者が4名。
 管理側の死者が8名、重傷者が7名。
 犠牲者はまだまだ増えるし、それは全て私の責任。
 それでも、それでも私は…………!!)

お湯の滝にうたれながら、彼女は声もなく呟く。
頬を伝う液体は、すぐにお湯に流され――


バスルームを出た彼女は、いつもどおりの底暗い微笑を顔に貼り付けていた。
頭をタオルで巻き、裸に白衣だけの姿で、部下の報告書を手に取った。


【行動:艦内で部下たちと会話(−2p)、自室でシャワー(−1p)、報告書熟読(−1p)】
【位置:R-22】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
215シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/13 11:54 ID:???
コックピット内へ……いや、少し軌道がずれたのか、その少し横へ飛ぶシュウジ。
装甲にコンと当たると、それを少し押し、コックピット内に収まった。全ての動作に生気が感じられず、フラフラとしている。
その後ろには修理を完了したビームサーベルが置いてあった。

コックピット内に収まったと同時に流れたティチャーのいつも通りの定期放送を聞き流すと、瞼を閉じながら
「これで全行程完了……少し寝る……。
 警戒……頼んだ。」
とだけ言うと、そのままヘルメットを脱ぐ事も忘れて寝てしまった。

〔了解。〕と言う声が最後に聞こえた気がする……。

【行動:ビームサーベル修理(−1)熟睡(−3)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 睡眠中】
【武装:ビームライフル×2(残弾:補給中) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:???】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】

モニターの外を流れていく星の群れ。
小さかった頃、父親に抱かれて見上げたあの空と……いや、あれ以上に美しい星達。
このままあの星を追いかけてどこまでも走れたら、どんなにか楽しいだろう。
無邪気に空を見上げていた、あの時のように…。
そう…あの時もコロニーの空に映った星空を掴もうと、一所懸命に手を伸ばしたものだ。
掴めそうで掴めない星…。
届きそうで届かない手…。

今なら…このタイヤなら、あそこに見える星にも手が届くだろうか?
俺の、血で汚れた手でも…届かせてくれるだろうか?
利き腕の無い俺でも、上手く掴めるだろうか?

…………。
ふと我に返った。
タイヤは順調にS-17へ向かって走り続けている。
どうやら外の景色を見ているうちに、物思いに耽ってしまったらしい。

(…あんな昔の事を思い出すなんてな…)

左手をじっと眺める。
コンソールスティックを握り締める左手。
…俺に残されたこの手は、幼い頃の夢を叶えられるだろうか…。
このままタイヤを駆って、星達を追いかけて……。
………ふぅ。
1つ溜息を吐く。
俺の周りにあるのは、脱出不可能の進入禁止空域の壁だ。
そんな事をしたら夢を追い掛けるどころか、脱落した参加者のあとを追い掛ける羽目になる。
…………。
モニターの外を変わらない景色が過ぎ去っていく。


(続く)
『定期放送のお時間です。

 (省略)

 改めて言うまでないかもしれませんが……
 立ち入り禁止区域への踏み込みは、そのまま『死』を意味します。
 小細工を弄しても、多少の時間を稼げるかどうか、ですねぇ。
 くれぐれも、くれぐれもお気をつけ下さい』

何か、俺の心を見透かしたような放送が入った。
そのタイミングの良さに思わず苦笑する。
…そうだ、進入禁止空域に入るのは死を意味する。
例えどんな小細工を弄したところで、結果は変わらない。
……?
いや…今の放送は逆をかえせば、小細工を弄すれば進入禁止空域でも多少の時間は大丈夫
……という事になる。
…だから何だと言われればそれまでだが。
大体、死を覚悟して空域に入って、それで何をしろというのか……。
俺にはこの状況を劇的に変える何かがあるとは、どうしても思えない。
自爆扱いの脱落者が1人増える……ただ、それだけだ。

それにしても……。
それを伝える先生の意図が、俺にはよく分からない。

(何故そんな分かりきった事をわざわざ伝えるんだ…。小細工をして進入禁止空域に入った
 として…その先に何かがあるとでもいうのか?まあ、俺の手じゃ小細工したくても出来る
 訳がないんだが…。何にせよ、訳が分からないな…)

この状況で俺に出来る事は多くはない。
そんな中で、定期放送という現実が教えてくれた確信。
今の俺の左手は星を掴む為でも、ましてや小細工をする為にあるのでもない。
…俺のこの手はただひたすらに、目の前の敵に向かって引き金を引く為にあるのだ。

【行動:移動ボーナスでN-17に移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:M-10→N-10→N-11,12,13,14,15,16→N-17】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:取りあえずS-17に向かう】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
218ルイ・フィルセント ◆nkg.2sWI0U :04/06/13 23:13 ID:dH3V+8VU
IDちぇっく
『ルイ、気をつけろ。 (省略)』
『アロー、アロー。名簿からすると、ルイ・フィルセントさんよね?(省略)』

立て続けに入ってくる通信。反論をする暇すら与えられずに
さっきやってきたMSが片手にぶら下げたマシンガンを撃ちながら迫ってきよった。
イキナリの事なんでほとんど反応できずにコクピットの前にジャジャ馬の手を組ませるので精一杯。
音のしない揺れが絶えずジャジャ馬を遅いかかる。
視界からすら消えたMSが何処にいるのかを確認する前に後ろから何かがジャジャ馬の横を通りすぎてった。
それがそのまま飛びつづけて壁にぶつかり爆ぜた。
外れたん?
後ろを振り向くとまた違うMSが来ておってバズーカを掴んでずらしておった。
一見するとアタシを守ってくれた味方のようにも考えられるけれども
あった事もあらへん人がそないな事をしてくれるともあまり考えられへん。
分かるのは誰かが来たことだけ。
戦うつもりがあるかどうかはわからへんけど。

そのあいだにもべるべるとキュベレイmk2とかいうのは一進一退の攻防を続けているようやった。
間近で見せ付けられるMS同士の戦闘は思っていたよりも動きが速い。
今のままのアタシじゃ動けなくさせるだけというのは出来ないというのはなんとなく分かった。
だったらどうやって止める?
口で止めるしか無い。
どうやって止める?
それを考えているうちにも時間は過ぎて行く。
更に最初に来たアタシに攻撃してきたほうのMSがキュベレイmk2とかいうのと協力を始める。
どうしよか・・・・・・どうしよか・・・・・・どうしよか・・・・・・

結局考えた結果の行動をする。

ジャジャ馬の腕組みを解かせてコクピットを開く。
そんで、のーまるすーつをちゃんと着とるのを確認してから
開いたコクピットから戦闘をしている場所に向かって生身で飛び出した。
そしてまた通信を送る。

「だから全員戦闘をヤメイ!!
 少なくともアタシには戦闘をするつもりはないんや。
 だから今ジャジャ馬から降りた。
 人を殺してしまうなんて何もいい事があらへん。
 アタシにだってそんな経験があるんやから。
 そんでアタシだって正直死にたくはあらへん。
 だけど、他人を殺してまでのうのうと生き残りたくない。
 自分勝手かもしれへんけどアタシの目の前で殺し合いなんてしてほしくあらへんし
 誰も死んだりして欲しくない。
 だから止めよう。こんな事は」
 
【行動 : べるべるに通信継続 (0) 防御 (1) コクピットから移動 (1) 全体通信 (2) 残り 0 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : 問題なーし。 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? (;´Д`)】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO! 戦闘ヤメイ!! !】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 戦闘ヤメイ
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
ステータス修正(汗

【行動 : べるべるに通信継続 (0) 防御 (1) コクピットから移動 (1) 全体通信 (2) 残り 0 】
【位置 : U-22 】
【機体状況 : あっちゃこっちゃに銃創多数 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙)そろそろ直ったかな? (;´Д`)】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 絶対首輪を外してF-05エリアに戻る 三人一緒にGO! 戦闘ヤメイ!! !】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 戦闘ヤメイ
       11番 サーティア・クワン :さーちん  とっとと帰ろう
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 意地を貫くんや。
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん またな!!】
222シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/14 21:29 ID:???
Zzzz……。

周囲で起きている事にも今のところは何も反応もせず、ただ、熟睡している。
全体通信が入ったときに通信機に蹴りを入れた事以外は何の動きも見せることなく、
今までの休息の時間を取り戻すように熟睡していた。

【行動:熟睡中(−4)通信機に蹴り(−0)】
【残り行動値:0p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 睡眠中】
【武装:ビームライフル×2(残弾:補給中) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:???】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
S-17はもう間近だ。
タイヤを走らせながら、再度マップを確認し前を見据える。
もう少し走れば前方にコロニー…正確に言えば、破壊されたコロニーが見えてくる筈だ。
何故あのコロニーが破壊されたのか、俺にはその正確な模様を知る由はない。
ただ以前基地でベルクから聞いた、シュヴァイザーを発端とする仲間内のいざこざ…。
破壊されたコロニーがそれに関係している事は、想像に難くない。

俺はコロニーにいる参加者の可能性を考えてみた。
シュウジがまだコロニーにいるのなら、ルイとベルクもそこにいるだろう。
シュウジのみがいた場合、2人が何らかの理由…おそらくさっきの全体通信の通り、ど
こかで戦闘中の為に来ていないという事か…。
この場合に2人だけで南の小惑星基地に行くとは考え難いから、戦闘場所は他のどこか
…という事になる。
ルイとベルクのみがコロニーにいた場合、シュウジは移動……おそらく南の小惑星基地
にいるだろう。
進入禁止空域が増えた現状では、破壊されたコロニーよりは物資の豊富そうな基地に
移った方が、計画の推進もいくらかスムーズになる筈。
そして誰もいなかった場合は、全員が南の基地にいる可能性が高い。
それは同時にルイが戦っているのはコロニーではなく、基地内だという事になるが…。

遠くに見えていたコロニーがだんだん近づいてくる。
人の姿はなくとも、コロニーそのものが稼動しているK-8のコロニーには、まだ生命の
営みに似たものが感じ取れた。
しかし破壊されて動かなくなったあのコロニーは、まさしくゴーストタウンと呼ぶべき
マイナスの静けさが支配しているようだ。

(全く、嫌な感じだ。シュウジやルイとベルクは、本当にここにいるのか…?)

俺はタイヤをコロニーの手前で止めた。
……別に入るのが怖いのではない。断じて。
コロニーの中から戦闘の気配が感じられないのだ。
戦闘の殺気立った空気が微塵もない。
出来る限りカメラを望遠にして見てみたが、ビームの曳光も爆発の光も、何も見えない。
この目に見えるのは廃虚のみ。
この脳が感じるのは空虚のみ。

さっき俺はこう決めた筈だ。
自分の目で見て、話して、感じて判断すると。
俺は……俺の勘を信じる。
シュウジはおそらく小惑星基地のどこかにいる。
そして一緒に移動した……若しくはシュウジを追って小惑星基地に行ったルイとベルクが
、基地内で戦っているのだと思う。
全体通信がルイの声だけだった為に戦闘の詳細は分からないが、決めた以上は小惑星基地
に行ってみるしかない。

俺はタイヤを南に向けて、また走り出した。
自分の勘を信じ、ルイとベルクがそこにいると信じて。
【行動:移動ボーナスでS-20に移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:N-17→(略)→R-17→R-18→R-19→S-19→S-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(92%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:勘を信じて小惑星基地に向かう】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
リファニアの怯える声。
ベルクからの停戦要請。
続いてキュベレイの前で起こった小さな爆発と、ビーム・サーベルでの反撃。
独特のイントネーションによる叫び。

……何が、起こってるんだ……?

ほぼ同時に起こった複数の事象に対し、いちいち律儀に身体が反応する。
結果、連続した反射に彼の身体は硬直し……そのどれにも対応できないでいた。
その硬直を解いたのは――


キュベレイからの、紅いイメージ。


「何だよ、それ。
 何であなたが赤くなってるんだ?」

震えをそのままに、掠れた声でリアクションが紡がれる。

「赤いのは、キュベレイだけで充分なんだよ」

彼の見開かれた目は、キュベレイの中心をしっかりと捉える。

「赤ってさ……あいつを思い出すんだ。
 だから、正直に言うと……嫌いって言うか苦手なんだよ」

傍らを一基のファンネルが飛んで行く。
そう。
リナルドにはそのファンネルにさえ忌々しい想い出がある。

「シャア・アズナブルを思い出すんだ……!」

リナルドが連邦軍に属するささやかな動機を生み出した男。
戦士が戦士として目醒めた戦場を作った男。
もっとも……それはまた別の話であるのだが。

≪続く≫
>>209>>211>>212>>220
シェラザードの五感は、半ば失われていた。
その残った力は全てが戦いのために注がれていた。
肉体で何かを感じ取るために必要なエネルギーでさえ、戦うために費やされていた。
そうしなければならないほど、残された力は僅かなものだったから。

だが、それでもシェラザードには「見えて」いた。視えてはいなかったが、感じることが出来ていた。
ペズ・バタラを切り裂く確かな………だが完璧なものではない手応え。
限界を超えた力を発揮した故に熔けて失われるビームサーベル。
傷ついた黄色い鮫から放たれた閃光。
その一撃から女王を守るために自らその身を投げ出した、戦姫の僕。
それらの全てが、シェラザードの意識に直接映し出されていた。

討ち果たすべき敵………ペズ・バタラ。
世界を歪めてしまうかもしれない障害………姿無き全体放送。
自分の想いを妨げる力を有する油断のならない存在………アビゴル。
そしてシェラザードが戦うべき理由であり、全てを捧げると決めた故にその全てそのものでもある彼女………リファニア。

それらをシェラザードは感じる取ることができた。それ以外のものは感じられなかった。
だから、女王はR・ジャジャに振り向くことはなく、そこから飛びだした人影に気づくこともなかった。
見えるもの以外の何もかもが、暗く深い闇の中に沈んでいたから。
もし、連邦の白い悪魔の後継機がこの場にいれば、それは「見えた」かもしれないが。


リファニア。


シェラザードがリファニアを見つめる。ほとんど見えなくなった瞳の中に、少女の姿が浮かぶ。
一度は全てを捧げる相手として選びかけ、一度はその繋がりを自ら捨てることを選び、
もう一度最後の相手として選んだ少女。
自分の肉欲を満たすことはなく、情欲を燃え上がらせてくれたわけでもなく、粘膜を重ね合わせたこともない存在。
なのに、どうしてこんなにも、これほどにも、リファニアは。

泣かないで。
悲しまないで。
恐れないで。
あたしは、あなたの、そばに、いるから。

……脳髄がずきりと痛む。
これは……否定?
俺の考えを、俺の意思を、否定……しているのか?
いいさ。 それがあんたの考え、これが俺の考えなんだからな。
けどな。

……ふざけんな。
何が『彼らのもの』だ。
初めて会ったとき、あんたリファニアを独占しようとしてたじゃないか。
あんた、そういう人間じゃなかったのかよ。
そういう我侭な人間じゃなかったのかよ。
それがシェラザードっていう人間じゃなかったのかよ。
確かに俺はあんたの全てを知ってるわけじゃないけどさ。
この期に及んで何が『好きに出来ない』だ。
ふざけんななんだよ。 そういうの。


ふぅ――空しいな。
何をまくし立てたって、リファニアがあんたを選んだのは事実だ。
ダグラスが死んだことも、イブさんが傷付いたことも、あんたが真っ赤になってるのも、
シュウジたちに何かが起こったのも、ヨーコが死んだのも、リファニアが生身の人間を灼いたのも……
全部、事実だ。
こんな反論しかできない時点で、俺はあんたに……敗北しているのかもしれないな。
だけどな……。

「俺は……」

リファニアを。 イブさんを。 そして、あんたを。
助けたいんだ。
そのためにここまで来たんだ。
どれだけの言葉と想いをぶつけあってなお、わかりあえなくても……

「……俺は……」

『助けたいんだ!』

心の内にいる、輝きを纏ったリナルドが咆える。
同時に、不可思議な世界の空に数条の罅が走り――

戦士は、鬼神と化した。

≪続く≫
228リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/06/14 22:52 ID:wVIXPcY8
そこに、水を差すように定期放送が入る。
リナルドの口元が不敵に歪む。
駒は揃った。 あとは、盤面を揃えるだけだ。
そのために……

今、往く道を遮る可能性のある、そして、現実に遮る存在となろうとしているものを。
ハイジョスル。
まずは……約束だ。

アビゴルがヤクト・ドーガの額にマニピュレータを伸ばし――
グーの形から、急に五指を開いた。
モビルスーツ式のでこぴん。
約束は約束。
少々内容に落差があるが……致し方ない理由があるのだ。 このくらいはいいだろう。

そして、ヤクト・ドーガに通信回線を開く。 もののついでにペズ・バタラへの回線をカットしながら。
彼はできるかぎり柔らかに、リファニアへと声を掛けた。
……もっとも、言葉が届いたかどうかはわからなかったが。

「リファニア、気をしっかり持て。
 ……こんなことは早く済ませて、三人でさっさと戻ろうな」

そして、アビゴルは跳躍した。
ずんぐりとした鋼鉄の身体がくるりと回り、踊るように、そして全く無駄の無い動きで両手にビーム・カタールを展開する。
そのまま天井に着地し……
アビゴルは、爆発的な加速でビーム・ライフルを撃ち後退したペズ・バタラの背後へと迫った。

そして、すれ違いざまに一閃。
既に五感がその位置を把握している。
ビーム・カタールの刃は……ペズ・バタラの左腕・二の腕を正確に狙い、おそらくは最良のタイミングで振るわれた。
そして、今度は床に右足を押し付け、さらに左手のビーム・カタールを叩き付けて慣性を殺す。
……外にも内にも、相応の負荷が掛かっている。
今のリナルドはダメージを『受けない身体』なのではなく、『感じない身体』でしかない。
その代償すら、果てしなく重い。
それでも。

(……これが、俺の選択なんだ)

リナルドは、ペズ・バタラに向かうファンネルを見ていた。
だから、知っていた。
[彼女]の意思を、(彼女)の覚悟を。
故に。

(わかってるよ、リファニア。
 仕上げは彼女の役目だ――)

三つのカメラ・アイが、紅く妖しく、爛々と輝いた。

【行動:『受信』(0)、でこぴん(-1)、ヤクト・ドーガに通信(-1)、ペズ・バタラに攻撃(-1)】
【位置:U-22・小惑星基地内】
【残り行動値:1pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続→ヤクト・ドーガ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/何とかして、三人で『ミョーコウ』に戻る】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード (01番シュウジ?)】
ファンネルのチャージが完了する。
一度放たれたならば二度と回復することのないエネルギーが、機械仕掛けの死神達の中に満ちる。

あたしはあなたのことが好きよ。
綺麗なあなたも好きだけど、汚れることを選んだあなたも好きよ。
可愛いあなたが好きよ。勇ましいあなたが好きよ。優しいあなたが好きよ。残酷なあなたが好きよ。
だってあなたはあなただから。あなたはあたしのあなたで、あたしはあなたのあたしなのだから。

何処までも主に忠実で、忠実であることしかできない兵士達を納めたスカートがゆっくりと上がる。
跳ね上がるのではなく、飛び上がるのでもなく、花が咲いてゆくように、花びらが開いてゆくように、
ゆっくりと、優雅に、だが決して止まることなく、その下に収められたもの達の姿を露わにしてゆく。

リファニア、あたしはあなたのことが好きよ。
あなたがあたしのことを覚えている限り、あたしはあなたのことが好きよ。
あなたががあたしのことを忘れたとしても、あたしはあなたのことが好きよ。
あたしはあなたの中にいるのだから。

最後まで開ききったスカートから、ファンネルが一機ずつ離れてゆく。
雛鳥が巣から飛び立つように、あるいは花びらが散るように、静かに、そっと、その揺りかごから旅立ってゆく。
もはや戻れぬ主に別れを惜しむように、再び会うことはない女王に別れを告げるように、
その周りを緩やかに、優美に回りながら、少しずつその距離を大きくしてゆく。

あなたはあたしを好きでいてくれた。
こんなあたしを大切にしてくれた。
あたしのことを想ってくれた。

紅の女王を中心にして、ファンネル達が悠然と円を描く。
静かに渦を巻き、波間に漂うように、風にゆるゆると舞う花びらの群れのように、緩やかに曲線を描き続ける。
最後にその切っ先を向けるのは誰にするか、品定めするようにして。

あなたがあたしのことを好きでいてくれたから、あたしはあたしでいられる。
あなたの好きなあたしでいられる。
あなたのことを好きなあたしを好きでいられる。

その渦に取り巻かれながら、キュベレイは静かにたたずんでいる。
ゆっくりと瞳を点滅させながら、傷ついた身体を戦場に浮かび上がらせている。
何も言わず、身動きもせず、ただひらすらに何かを見つめている。
だから、リファニア、あたしを感じて。


シェラザードが血に汚れた唇を動かす。
もはや声など出せるはずもなく、苦しげな吐息と鮮血以外に吐き出すことが出来ないはずの口を開く。
だが。

「………La………」


その喉の奥から、出せるはずのない響きが放たれた。

「………La……LaLa…La……La…La…La……La…La」

それは歌だった。声であって声でなく、言葉であって言葉でない、魂の表れだった。

「LaLa…La……La…La…LaLa………La……La………」

過去、現在、そしてあり得たかもしれない未来。
昔のシェラザード。今のシェラザード。その先のシェラザード。それらを表現する、空気振動を超えた心の響き。

「La…La…La…LaLaLa…………La……La…La…La…」

リファニアと出会う前のシェラザード。
リファニアを初めて感じた時のシェラザード。
リファニアと出会った時のシェラザード。
リファニアと出会ってからのシェラザード。
リファニアを選びかけたシェラザード。
リファニアを失いかけたシェラザード。
リファニアを取り戻したシェラザード。
リファニアに取り戻して貰ったシェラザード。

「La………La………La………LaLa………LaLaLa……La」

純粋なシェラザード。混沌のシェラザード。
それはシェラザードの全てであり、全てのシェラザードだった。

「…LaLa…La…………La…LaLa……La…La……LaLaLa」

言葉で表現できるものがある。
言葉でしか表現できないものもある。
そして、言葉では表現できないものがある。
言葉では表現しきれないものがある。
人はそれを表そうとする時、歌を選ぶ。
言葉にリズムと音階を、文字では表しきれない要素を加えて、相手に届けようとする。

「La…LaLa…LaLa…La……La……LaLaLa…LaLa…La…」

喜び。怒り。哀しみ。楽しみ。
熱情。慕情。劣情。愛情。
人の情を表すもの………それが歌。

「……LaLaLaLa……La…LaLa……La…La……LaLaLa…」
「……LaLaLaLa……La…LaLa……La…La……LaLaLa…」

子守歌のようでもあり、鎮魂歌のようなものでもあり。
賛美する歌であり。葬送の歌でもあり。
恋を伝える歌でもあり。愛を伝える歌でもあり。
出会いを告げる歌でもあり。別れを告げる歌でもあり。
終焉を告げる歌でもあり。永遠を告げる歌でもあり。

「…LaLaLaLa……LaLaLa……LaLa…La……LaLa…LaLa」

伝えたいことがある………ただそれだけを表す歌でもあり。

「………La…LaLa……La…La……La………La…………La」

それが途切れた時、それは訪れると言うことを示す歌でもあり。

「……………La………………La…………………La…………」

途絶え行く歌であり。

「…………La………………………La…………………………」

それ故に永久に続く歌でもあった。


「………………………………La………………………………」

>>228
歌が途切れた。
歌で伝えるべきことは、全て伝えた………そう信じたから。
だから、次はそれ以外の方法で伝えられることを伝えよう、そう思った。

… … … … … …

何を考えたのか、アビゴルがペズ・バタラに襲いかかる。
その様子を冷たい瞳に捉えながら、女王は最後の呼吸を整えていた。

【行動:最後のチャージ完了(−1)、「歌」う(−2)、ファンネルを舞わせる(−1)】
【位置:U22】【行動値残り:0】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通、】
【パイロット状況:………】
【武装:ファンネル×11、 ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:最後までミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、03番イブ】
232リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/14 23:59 ID:???
第13章 >231 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎□□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□14□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※□□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□◎□◎◎■
14◎■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■□□□□≠≠11□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎□□□03▼□◎□
21◎◎□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□99□◎07◎▽01◎□
23◎■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

14番の位置は保留(217・223-224での移動ミスの訂正待ち)
99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
07・15・20・25・26は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
管制室で指摘された移動の訂正をします。
>>217での移動を
M-10→M-11→N-11→N-12→N-13までにして、

>>224での移動を
N-13→N-14→N-15→N-16→N-17までにします。

それで今日15日の行動値を使って、>>224で移動した位置まで移動します。

【行動:移動ボーナスでS-20に移動(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:N-17→O-17→P-17→Q-17→R-17→R-18→R-19→S-19→S-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(92%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:勘を信じて小惑星基地に向かう】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】

スレ汚し失礼しました。
>>220
リファニアのヤクトの目の前を、女が横切る。
望んだままの言葉を口にしながら、身一つを武器として、戦場に身を投げ出す。
シェラと心を絡ませようとするリファニアに、ノイズが走った。

……それは、許されざる暴挙と言えた。

闘魚は、目の前で甘言を吐き続けるこの女を護るが故に、シェラを傷つけたのだ。
そしてその結果、シェラは朱に染まろうとしているのだ。
戦いが終わる可能性は、もはや皆無。死を以って償わせるしか、終焉はない。
……だが、闘魚の戦いそのものは、認めなくてはならない。
闘魚の戦いは、リファニアやシェラが大切なものを護る為に戦う事と、さほどの違いは無いのだから。

だが、この女はどうだ。
「殺し合いをしてまで、生きたくない。」
そのような言葉を吐き、己が命を預けるMS、失われる事即ち死を意味する一蓮托生の存在を捨て、
身一つを戦場に投げ出すという行為をやってのける。
この、生きるという選択をなかば放棄した女の為に闘魚は戦い、そしてシェラを傷つけたとでも言うのか。

認め……ない。

リファニアの手が、腰の拳銃へと触れる。
ルイ=フィルセントを否定する意志が、危険な衝動となってリファニアを衝き動かそうとする。
リファニアがヤクトのコックピットハッチを開くべく、コンソールに触れた時―――。

>>228
機体を衝撃が襲い、一瞬、モニターの映像が酷くブレた。
視界に映ったのは、緑の手甲に覆われた巨大な掌。
……リナルドのアビゴルの、掌。

『リファニア、気をしっかり持て。
 ……こんなことは早く済ませて、三人でさっさと戻ろうな』

リナルドの"でこぴん"と、続く彼の言葉に、危険な衝動にとらわれかけたリファニアの意識が引き戻される。
それは、ほんの気休めだったのかも知れない。だが、それで充分だった。

ヤクトから離れたリナルドのアビゴルが、闘魚へと向かって行く。
緑の死神、優しい死神の背を見ながら、リファニアは今すべき事を思い出した。

……今は全てを、捧げるとき……。

全ては、隔離された。
世界は、シェラとリファニアのふたりだけの世界となった。
>>226
シェラが、触れる。
リファニアのこころに、触れる。

リファニアは、応えた。
再び、開放した感覚を全てシェラに向ける事で。
シェラのこころに、自らのこころを絡ませる事で。

そばに、いてくれる……?
うん、わたしも、ソバニイタイ……。

リファニアの身体から緑の粒子が舞う。
サイコ・フレームによって、視覚で認識できるほどに増幅された、暖かなサイコ・ウェーブ。
ヤクトより放たれたそれは、緑の風のように舞って、キュベレイに纏わりつく。

>>229-331
キュベレイの周囲に、花びらが舞う。
鮮やかな黄色で彩られた、花びら。
そのひとつひとつに破壊の閃光を宿したそれには、キュベレイの、そしてシェラの全てが込められていた。

『あたしはあなたのことが好きよ』

―――わたしも、すき―――

花びらに、緑の風が纏わりつく。
二人のサイコ・ウェーブが絡み合い、そして、一つとなった。


―――La―――………

シェラの想いが、うたとなる。
彼女の存在そのものが奏でる歌が、リファニアの魂にひびく。

―――La――LaLa―La――La―La―La――La―La―――………

瞳を閉じ、その旋律に己の魂を同調させて、シェラの全てをその身に刻む。
リファニアの知るシェラザード。知らぬシェラザード。
……これからの、シェラザード。

永遠の、シェラザード。

リファニアは、シェラザードの全てを受け入れた。

――――――――――――La――――――――――――………
シェラのうたの終わりと共に、リファニアの口から、自然にうたが漏れた。
聴かせる相手は、ただひとり。
シェラザードの痛みを、苦しみを、包み和らげるように―――。

やさしいうたを、少女はうたう―――。


―――虹の彼方の 空高く

   幸せ あると いう 子守歌―――

リファニアのうたと共に輝きを強める、緑の光。
今のリファニアの魂は、その光のように穏やかで、優しい。
今はただ、純粋にシェラ共に在りたいと願う―――。

―――虹の彼方の 空青く

   夢を 叶える とこが ある―――

【行動 : うた(-2)、残2 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        正常、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×2、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     105mmザクマシンガン(残弾60%)、ザクバズーカ(残弾2)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 全てを捧げる 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
237通常の名無しさんの3倍:04/06/15 20:40 ID:NwRIkaIt
ベルク氏の代理でIDを出します
238シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/15 21:48 ID:???
「……ん……?」
〔……起きましたか?〕

瞼が少しずつ開き、寝ぼけていた頭脳が少しずつ覚醒し始める。
「ふぅ……何時間ぐらい寝ていた?」
〔……およそ……三時間半ぐらいです。〕
「そうか……。周囲に異常は……?」
〔今のところはありません。〕
「未だ……敵、味方、共に現わず……か。
 くーっ……はぁ……。
 ……少し腹ごしらえでもして、それから行くとするかな。」

ヘルメットを脱ぎ、少し伸びをする。体が軋む音が聞こえたが大して意に介する事もなく、
ディパックの中から携帯食料を幾つか取り出すと、数十時間、いや、もしかしたら数日ぶりの食事を取った。

(……今回は妙な夢……見なかったな……。まぁ、見なくて結構なんだが……。)


【行動:起きる(−0)食事(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:X-22 小惑星要塞内部 MS格納庫】
【機体状況:対自爆装置用改造済み ゼファー制御中 
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 】
【武装:ビームライフル×2(残弾:補給中) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:今はひとまず休息】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
牽制の為にはなった光は、ヤクトのファンネルに阻まれ届くことは無かった。

>>212
定時放送。聞こえてはいたが内容まではわからなかった。
それほど集中していなければ今俺はここにはいないだろう。
刹那の間の沈黙。その後、この状況下で頭の片隅にも無いような出来事が起こる。

>>220

―――――――――――――――――!
こんなことをするのは正真正銘の真っ当な馬鹿か、頭の逝かれた馬鹿のどちらかだろう。
そして、タイミング悪くリナルドのMSがこちらに突っ込んできた。

(危ない!)

ビーム・カタールの刃は、ペズ・バタラの左腕を狙っているようだが
一番危険なのはその付近を生身で漂っているルイへの被害。
あまりにも近く、何らかの被害が出る確立は高い。
迫り来るのビーム・カタール攻撃が来るまでの間の一瞬にそれが頭の中を駆け巡った。

力が抜けた様に体制を崩し、輝く槍を避けた。
その一瞬にコクピットハッチを空けルイの位置を確認する。
その動きは舞い散る木の葉の様に滑らかに動き
空けたコクピットがルイに近づいて行く、それは刹那の出来事
強引ながらもルイの腕を掴み、無理やりコクピットに引きずり込んだ。
掴んだ腕がその反動でさらに痛みを増していく。

急いでコクピットを閉じ、後退しながら本体の3連装ミサイルランチャー
と、ビームライフルをありったけ放ち、R・ジャジャの近くへ移動する。

「何を考えてる!
 貴様には学習能力が無いのか?!
 それとも死にたいのか!、頭でも狂ったか!
 もうどちらにしても付き合いきれん!
 今すぐ消えろ!でなければ今度は俺がお前を殺す!
 さっさとR・ジャジャへ戻りここを出ろ!」

ありったけの殺気と苛立ちを言葉に乗せてルイに浴びせる。
彼女にはこれほどのことを言わなければ聞かないと分かっていたからだ。
生半可な言葉では、ルイを危険に晒しつづけることになる。
ならばいっそうの事、脅しをかけてでも戦場から遠ざけたかった。

【行動:キュべレイに通信中(-0)回避(-1)ルイ回収(-1)怒鳴る(-0)
    3連装ミサイルランチャー、ビームライフルでの総攻撃攻撃(-2)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、
      コクピット内機械一部損傷、スラスター一部損失(出力30%低下) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E0%)ビームダガー×3本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
240シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/16 23:02 ID:???
「……ふぅー……。」
ボトルの水を飲み干して一息つくシュウジ。周りには結構な量の食料の残骸が漂っていた。
「……ちょっと食い過ぎたか……?」
コックピットハッチを開け、ゴミを一度全て外に出し、もう一度ハッチを閉める。

「……ふぅ。さて、どうしたものかな……?
 外に出るべきか……さっきの戦闘の結果を見に行くか……途中で確認できたムサイを見に行くか……。」
〔……。〕
「……うーむ……。
 ……よし、まともな愚か者の所へ行こうか。」
〔……?〕
「先ほどの戦場へもう一度移動する。キュベレイの女にはホビーハイザックを破壊された借りもあるからな。
 それよりも……この状況下で殺し合いはしたくないと言うまともだが愚かな考えを持つ女を見てみたいからな。
 未だに戦闘が続いているかは解らないが……それでも、勝者だろうが、敗者だろうが、人に会う価値はある。」
〔まだ戦闘は続いていると思いますが……。先ほども戦闘を止めるようにとの全体通信がありました。
 それよりも……W-22へは行かないのですか?〕
「まだ言ってるのか?……全く、救いようのない奴だな。ベルクも損な奴を仲間にしたものだな?
 W-22か……。さっき通ったときにぱっと見たがな。あの状況ではデータの回収が望めないだろう。
 では……。」

ノートPCのキーボードを数度叩き、三つの隔壁を開く。同時に、ゼファーの制御でビギナギナがゆっくりと立ち上がり、
傍らの二挺のビームライフルを取る。それに繋がれたケーブルが二本弾け飛ぶ。
機体各部からモーター音に混じり、機体が軋む音が聞こえる。それにシュウジは「ちっ」と舌打ちした。
(完璧な状態というのは……難しいか……。)

「では、往くとしよう。愚かな者達が集めた愚かな者達が闘う愚かな戦場へ。」
〔了解。〕

【行動:移動W-22→W-21→V-21→U-21(−4)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-21 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微   】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 睡眠中】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右100% 左100%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:人に会う】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
小惑星基地に向かう途中で、再びルイの通信が入ってきた。
内容から判断すると、まだ戦闘は継続中らしい。
そして戦闘位置もあのコロニーでない事が確定した。
…分からないのは、ルイがじゃじゃ馬…R・ジャジャから降りたと言った事だった。
通信の内容では戦闘中なのに、ルイはR・ジャジャから降りている…。
全く訳が分からない。

(…またとんでもない事をしでかしてなきゃいいが)

一抹の不安を覚えつつ、基地に向かって東に進路をとる。

で、ここで問題になるのは、どこから基地内に進入すればいいか、という事だ。
普通に考えるならば、ここが先生がプログラムを管理している場所の筈。
ならばその警戒は厳重…特に隔壁などは全てが閉じていると見て間違いはない。
俺が持っている技術で開けば問題はないが、それにしたって隔壁を1つ1つ開けていく
のは膨大な時間がかかる。
シュウジやルイとベルクが中にいるのなら、彼等が入った入口を見つければいいのだが
基地の規模が大きすぎて、探し出すのにやはり時間がかかりすぎる。
少々悩みながら更にタイヤを進めていくと、視界に見覚えのある巨体が見えた。

「こいつは……。ここにいたか……」

こいつにこんなところで会うとは、あまり予想はしていなかった。
勿論、ムサイの事だ。

ムサイは基地の中に詰め込まれたように停泊している。
あの状態では再度の出航は難しいかもしれないが、それがかえって、ここから動かない
という不退転の意志を感じさせる。
…そしてムサイは俺に、次の事を予測させてくれた。
まず第一に、ムサイは何故ここにいるのか。
まさか、物見遊山でここまで来たわけではあるまい。
彼等もこの基地が目的で来たのだ……勿論ここに先生がいると知った上で。
そして彼等は基地内でルイ達と出会い、戦闘になった。
そう考えた方がいいだろう。

何故ならば、最低でも2人で行動しているルイとベルクに戦闘を仕掛けられる戦力を
有しているのは、既にムサイだけと考えられるからだ。
同じく基地内にいるとみられるシュウジとの戦闘、という可能性も無いではない。
しかし脱落者のリストから判断すると、シュウジのグループで生き残っているのは
シュウジの他には、リナルド=グレイスのみ。
最近の急激な脱落者の増加を考えれば、そうそう自分達から戦闘はしかけられない。

対してムサイのグループは……俺があのコロニーで接触した時にいた参加者は、俺が
直接話したイブ=シュウリンとダグラス=ロックウード。
そして話してはいないが、乗機の姿を見たリファニア=ニールセンと、あの戦闘でこの
ジャベリンに乗っていたアレン=D=バディアンの4人だと思う。
しかしアレンとダグラスは、既に脱落が確認されている。
このままであれば戦闘など思いも寄らないが、ここでムサイを所持している事のメリッ
ト……その機動性、整備環境、居住環境などをあてにして、新たな参加者が乗っている
可能性もあり得る。
最低でも1人乗ったとして、現在は3人。
万が一に備えて1人ムサイに残したとして、基地内に進入したのが2人。
そして偶然に出会ったルイ達と戦闘になった…。
少々強引だが、考えられなくもないだろう。

(続く)
更に、俺の考えた通りだった場合、シュウジはルイ達とは一緒にいない事になる。
仮に一緒にいた場合その戦力は4人になり、ムサイの参加者では太刀打ちできなくなる。
まあ単純に数を比べるわけにもいかないが、早々仕掛けられる数でもない。
シュウジの性格では、逆にこちらから仕掛けたというのも考え難い。
従ってシュウジはルイ達と行動を共にしておらず、シュウジは基地のどこか、若しくは
基地の外にいるのだ、と思う。

ここで俺にとって重要なのは、ムサイの停泊位置だ。
ムサイの参加者が基地内にいるならば、その進入場所はムサイの付近にある筈。
場所が限定されているならば、入口を探す手間もかなり軽減される。
…問題は誰かがムサイに残っていた場合、俺の進入を許してくれるかという事だが…。
…先手を打ってムサイを撃沈し、そのあとで入口を見つけるというのも手段ではあるが
、ムサイの状態が状態ではあるし、下手に抵抗が長引くと結果的に時間の短縮にならない。

(結局ムサイが留守である事を祈るしかないか。もしかしたら居眠りしてくれている
 かもしれないし…。とにかく、ムサイの動向は注意しておくべきだな)

何とも心もとない決断ではあったが、今の俺は仲間との合流が優先だ。
戦おうと思えば、あとで心行くまで出来る筈…。
多少のはやる心を抑えつけ、ムサイを横目に見ながら俺は基地内への入口を探し始めた。

【行動:移動ボーナスでV-20に移動(−2)、進入口捜索(−1)】
【残り行動値:1p】
【位置:S-20→T-20→U-20→V-20】
【機体状況:右腕消失、頭部バルカン砲1門損傷、モニター一部使用不能
      右肩装甲損傷、左肘ジョイント負荷(40%)、胸部及び腹部
      装甲に凹みと歪み
 アインラッド:打撃による回転不良(小)】
【参加者状況:左肩負傷(処置)、左眼球裂傷(処置)、右手首切断(処置)
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×1、ビームサーベル×1、ショットランサー×2
       ビームシールド
 アインラッド 武装:ビームキャノン×2(92%)、9連装ミサイルポッド】
【所持品:ディパック、水2?入り1本1/4、食料21/3日分、シャベル(小)、
     蕎麦団子1個、拳銃と自動小銃と弾倉、タッパーのカレー4つ、保冷シート2枚】
【行動方針:まずは仲間との合流】
【同盟:ルイ、ベルク、シュウジ(?)】
243リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/06/18 17:37 ID:Fot0SrCh
取り敢えずIDチェック
ペズ・バタラの腕は何ごとも無く付いている。
何やらヤクト・ドーガの前で動きを止めているようだが――。

(外した? 接近が甘かったか……?
何にしても……気に入らない……!)

ただ戦闘を止めろとしか叫ばない女。
口では戦闘を止めろと言いつつも実際は仲間を傷付けた男。
戦闘を止めたらこの首輪を完全な形で何とかできるのだろうか?
戦闘を止めたらシェラザードの傷と生命は癒えるのだろうか?

両方とも、答えはNoだ。

『うざってぇんだよ……』

その女は、『死にたくない』『人を殺してまで生き残りたくない』と言った。
そして、愚かにも(それにも程がある)戦場でMSから降りた。
自分の言葉が何を意味するかも知らず、戦場の真理をも知らず。

彼女は、既に人を殺した人間にはどうしろと言うのだろう。
この戦場で死にたくなければ、敵が何であれ戦うしかないのだ。
そのためにMSが支給される。 そのために様々な情報が与えられる。
なのに。
あまつさえ、己の分身から降りることさえやってのけた。

『誰だって人殺しは嫌なんだよ。
 てめぇだけじゃねぇんだよ。
 それでどうにかなるなら誰が殺し合いなんかするか、バカ。
 けどな、どうにもならないんだよ』

それだけではない。
脱出を企てているリナルドだからこそ、今回は言葉の裏を探ろうとした。
今まで聞き流してきたが、今回はまともに耳を傾けた。
そして、聞いてしまった。
『だから止めよう。こんな事は』
【だから】。 つまり、『嫌だから』、それだけだということ。
ひいては、有効な策が無いということ。
R・ジャジャの性能はそう低くないわけではないが、高いわけでもない。
リファニアの攻撃に対して回避行動を取るわけでもなかった(その暇を与えなかったのはリナルドかもしれない)。
シールドを使わなかったことから、パイロットの技量はそれなり以下というところだろう。
戦場での実戦経験はあっても1回、十中八九無いはずだ。
極め付けが今までの『戦闘を止めろ』コール。
そのイデオロギーが根本的に異なり、脱出に関して可及的速やかに実行できる策を持つわけでもなく、
ましてや戦場での経験も無い……もとい、正確には不明。
見逃す理由は無く、計画に乗せることはできない。 迎え入れるのは論外。
それが、彼女に対する評価の全て。

≪続く≫
その男は、リナルドがかつて身を寄せていた同盟の賛同者だった。
語弊を補完するなら、正確には賛同していたかどうかはわからない。
利用しようとしていた……ということは無いだろう。 むしろ考えにくい。
その男は、リナルドに説教した。
半分も聞いてはいなかったが、偉そうに説教した。
……愚かにも、自分が貫けないことを、他人に説教した。
そして、何を思ったか同盟を抜けた。
シュヴァイザーとの戦闘の後、アレンと戦うことになる直前、……リファニアと出会う直前のことだ。
何をしてきたのだろう。
わからないが……確かなことが、ひとつ。
それは、【この男は、シェラザードを説得できなかった】ということ。
つまり、シェラザードが攻撃を止めるに見合う条件や情報を提示できなかったということになる。
この場合は……自身の持つ具体的な脱出策などの『有用性』、かつ
『ミョーコウ』やシェラザードに敵対する意思が完全に無いことを示す『安全性』あたりだろうか。
リナルドがシェラザードの立場なら、これ以外で『ミョーコウ』に戻らなかった自分を止められるとは思えない。

『あんた、結局何がしたいんだ?
 この期に及んで、【同盟を自ら崩した】シュウジに何かを期待するのか?
 生き残って何をする?
 殺したくない、戦いたくないと言うのなら、どうやって生き残る?
 まあ、具体的に示したところでもう手を止めてやる気も無いんだけどな。
 俺たちに残された時間はもう、そう多くはねーんだ。
 本当はてめェに構う時間も惜しいんだよ。
 なのに、邪魔ばかりしやがって……!』

その上、確かな事実として攻撃を仕掛け、シェラザードやリナルドの攻撃をかわし、
確かな結果としてシェラザードを瀕死の状態にまで追い込んだ。
要請が来たのは実害の前だが、これでよく停戦要請が出せたものだ。
もっとも、今のリナルドにそんなものを聞き入れる気は無かった。
既に、ベルク=クロフォードという男の言うことを聞く気は無かった。
何故なら、リファニアを戦闘に引き込み、かつシェラザードというリファニアの大切な人を、
……リナルドの大切な仲間を、ここまで傷付けた。
既に戦闘を止める理由など無くなっていた。
有用性も安全性も証明できず、言葉を平気で裏切る男を迎え入れるのは愚の骨頂。
それが、彼に対する評価の全て。

……

煌きを放つ『彼』の台詞は実際に声に出されたものではなかったが、
俯くリナルドの表情は、確かに闇に満ちていた。

――お前ら、生きててもしょうがねェからさっさと死んじまえ。

それが、それだけが鬼神の昏い表情から読み取れる台詞だった。
が。

うたが、聴こえた。
開かれている通信回線の向こうから。
ペズ・バタラの向こうに隠れた、ヤクト・ドーガの中から。
目の前でファンネルを展開しているキュベレイの中から。
ライムの煌きに包まれた鬼神が、はっと顔を上げる。
生命の輝きを宿した旋律が煌きと混ざり、闇の意識を解放するリナルドを浄化していく。
もはや、彼の表情は昏い闇の色に支配されてはいなかった。

≪続く≫
浄化と、ペズ・バタラが動くのと、アラートが鳴るのはほとんど同時だった。
うた自体はもっと早くから聴こえていたのだが、具体的な効果が現れたのはリナルドが攻撃を仕掛けた後。
……うたに、リファニアの声が同調した後からだった。

アビゴルに砲を向け、側部に計6門あるミサイル・ランチャーから火を噴きつつも後退するペズ・バタラが、
リナルドの脳裏を掠めた。
反射的にビーム・シールドを展開し、リナルドはペズ・バタラに向かってアビゴルを飛ばした。
次の瞬間、実際にアビゴルに向けてビーム・ライフルとミサイルが乱射され、アビゴルを砕くべく一斉に襲い掛かってきた。

『野郎、殺す気だな……!』

声には出ない。
もはや、鬼神は声を出すことをしない。
お喋り担当は空に罅の入った“世界”の中にいるリナルドの役目になっていた。
……それでも、表情からニュアンスくらいは読み取れたかもしれないが。

以前、ビーム攻撃をビーム・カタールで斬り払ったことがあった。
リナルドの開かれた感覚はその時よりも大分精度が上がってはいたが……、
さすがに複数で迫る亜光速の熱源を全て斬り払うことはできない。
そもそも、急にやれと言われてできることではない。 いくつもの条件がそろってこそ完全に斬り払うことができるのだ。
あの時はほとんど偶然だったかもしれないが、今回は違う。 故に、機体を捻っての軸変更で回避を試みる。
大きく位置を変えたわけではないので、数条が機体を掠める。 それでも、直撃だけは何とか避けたが……
避け切れない数発のうち一発をビーム・カタールで弾き、残りをシールドで受け。
ミサイルは向かってきたもののうち直撃コースのものだけをシールド受け、後はすり抜け慣性と相対速度で引き離す。
ロックされた攻撃ではないし、そもそもホーミング仕様の弾薬ではないので追尾性能は高が知れている。
が、被害は思わぬところからやってきた。

『……消えた、だと?』

コクピットを激震が通り抜けた直後、急にビーム・シールドが消失した。
基部は付いている。 デュアル・ビーム・ガンにもエネルギー供給にも異常は見られない。
なら、考えられる原因は?

『爆風か何かで断線したな……。
 ったく、中にしまっとくんだったか……』

このビーム・シールド一体型のビーム・ガンを取り付けたとき……。
ラーズと戦うために艦を離れたリファニアを追うため、一部のコードやケーブルを露出したままの状態で出撃した。
そしてその後は、先生に会いに行ったり受信したデータの解析を行ったりと、そのままになっていた。
露出と言ってもシールド発生器の底部に這わせてあったのだが……、
それが余計に振動をなどのダメージを与える結果となったらしい。
メガ粒子の発振によって発生した熱による劣化もあっただろうし、
もしかしたらシールドのビーム粒子が当たったのかもしれない。
結論としては、今はそんな推測をしている場合ではないということで落ち着いた。

回避と防御を終え着地したアビゴルは、何の予備動作も無く左腕をペズ・バタラの脚部に向けた。
デュアル・ビーム・ガンの砲身がペズ・バタラの脚部を捉えるべく動きを追う。
敵は既に後退を始めているため、ヤクト・ドーガを巻き込む心配は無い。
故に――リナルドは何の躊躇いも無く、トリガーを引いた。
二門のビーム・ガンが収束されたメガ粒子の塊を撃ち出し、
それはペズ・バタラの向かう先へと吸い込まれていく。

(お膳立てはやっておくさ……。 後はあんたがケリを付けろ)

その直後。
レーダーに、今接触したくないものナンバー3にランク・インする機体の光点が現れた。
それは……ビギナ・ギナ。
その意味を知ってか知らずか先生に牙を向ける、シュウジ=アサギ。
それを表すマーカーが、隣のエリアに現れた。
【行動:回避・防御・カタール防御(-3)、ペズ・バタラに反撃(-1)】
【位置:U-22・小惑星基地内】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続→ヤクト・ドーガ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/何とかして、三人で『ミョーコウ』に戻る】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード (01番シュウジ?)】
「………………………………La………………………………」
歌が途切れると同時に、ファンネル達の動きも止まる。
他の武器を失い、片翼を失い、そして命をも失いかけているキュベレイの動きも止まる。
ただその瞳をゆっくりと点滅させながら、下僕達を引き連れた女王は沈黙と共に静止した。

最後の狙いを定めるために。

… … … … … …

女王の胸の中で、シェラザードがどうにか呼吸を整える。
その豊かな胸を弱々しく上下させながら、凶悪な槍に貫かれた傷口から赤い生命の源を零しながら、
静かにその瞼を閉じて、余計な存在を意識から遠ざけようとする。
もはやその赤茶色の瞳は、光景を映すことはあってもそれを脳裏に届けることは出来なくなっているのだが。

さあ、あたしのキュベレイ、教えて頂戴。
あたしのファンネル達、ちゃんと見定めて頂戴。
あたしが討つべき相手は誰。
排除しなければならない敵は誰。
あたしが倒れる前に、ここからいなくなる前に、片づけておかなければならない邪魔者は誰。

あたしのリファニアにとって一番有害な相手は誰。

五感以外の何かを用いて、シェラザードは掴もうとするとする。
この場にいる人間達と、この場に近づいている人間達の気配を、匂いを感じ取りながら、
次は存在しない一撃を誰に向かって振るうべきか定めようとする。

大切なもの。
それに危険を及ぼすもの。
それ以外のものは、今は「見る」必要はない。

そして。

>>236
歌が聞こえた。
優しい歌が。心地よい歌が。聞いているだけで幸せになれるような、そんな歌が。
その歌は何処までも純粋で、清らかで、どうしようもないほど愛しくて。

そうだわ。
あたしが最初に聴いた歌だわ。
この歌を、唱う少女の清らかさを永遠のものにしたいと、あたしは思ったのよ。

シェラザードは小さく笑った。
唇を血で染めながら、肉体を紅で汚しながら、それでも満足そうに微笑んだ。
構えた剣を振り下ろす直前に、振り下ろしたらそれで全てが終わりという状況で、
それでもシェラザードは微笑むことが出来た。
【行動:ターゲッティング(0)】
【位置:U22】【行動値残り:4】
【機体:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U@片翼、】
【機体状態:右膝より下を喪失、右ウイングバインダー消失、ジェネレーターオーバーロード気味、
        装甲表面に無数の傷、コクピットハッチを破片が貫通、】
【パイロット状況:………】
【武装:ファンネル×11、 ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本(1本は残り三分の二)、
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤11日分
     軍用糧食・飲料水3日分、毛布、救急セット】
【方針:最後までミョーコウに危険を及ぼす可能性のある存在を全て排除しようとする】
【同盟:20番・リファニア、03番・イブ】
250シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/19 22:22 ID:???
U-22へ向かって進み続けるビギナ・ギナ。そして、やっとU-22にたどり着いた。侵入して数秒後、急にゼファーが叫んだ。
〔ちょっと待ってください!〕
「っ!?」
ゼファーの警告と、ミサイルの着弾は同時だった。爆煙に包まれる通路。
その煙が晴れたとき、ビギナギナは無傷で健在だった。
爆発の一瞬前、シュウジがゼファーの警告に驚いて操作ミスで後方にレバーを引いていたのが幸いした。

「……な、何だ……?」
〔恐らく流れ弾だと思います……。この位置ではミサイルのロックオンはどの機体からも不可能のはずです。〕
「まだ戦闘地域まではそれなりの距離があるというのに……おっかないな……。
 これ以上巻き込まれるのは勘弁願いたい……な。
 此処で一時待機する。一応戦闘モード起動準備。レーダーの情報から敵機位置割り出し。
 相手が通路から出てきたと同時にビームライフルが撃てるようにしておけ。」
〔了解。〕
(……この戦いの元凶となった男が現れて……こいつらはどう動くだろうか……?
 とにかく様子見、だな。どう接触してくるか……。)

【行動:U-22へ移動(−1)戦闘準備(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み) 睡眠中】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右100% 左100%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:前方の戦闘沈静化まで様子見】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
爆光が、沸き起こった。
緑の死神が、リファニアの騎士が、爆光に呑まれようとしている。
閉じられた世界を、強引に開かんとする破壊の渦。
ヤクトの足元に至近弾が命中し、爆ぜ、破片によって爪先のアポジモーターが潰れ、右腕からマシンガンがもぎ取られる。
しかし、少女の穏やかなる魂は、再び荒々しい闘争本能に身を委ねる事に……ならなかった。


―――星に 願い 眠り 覚めると

   いつしか 悩みは 消え失せ

   わたし あなたと 出会うの―――


爆光は騎士の生命を奪うに至らなかったし、リファニアの癒しの儀を止める事も叶わなかった。
緑の光はいまだにヤクトとキュベレイを繋げ、少女の穏やかな歌は続く。

シェラさんから流れ込んで来る心の声……。
その中にあるのは……わたし……?
シェラさんはわたしの為にたたかい……きずついた……?

……だからこそわたしは、シェラさんのために。
いまは、すべてを、シェラさんのために。

シェラさんは、シェラさんのために……すべてを、もやして……。

レーダーに、新たなる光点が映る。
……ビギナ=ギナ。以前、シェラのキュベレイと交戦したであろう相手。
こいつを庇ってシェラと戦い、そして傷つけたのが、闘魚。
このビギナ・ギナこそ、今の戦いの元凶とも言える存在なのだ。

……て……き……シェラ……さんの……て……き……。

ヤクトのモノ・アイが紅く輝く。

……あなたをうつ……シェラさんの……のぞみ……。

リファニアの心は、穏やかなままだ。
穏やかながらも、少女の放つサイコ・ウェーブは強く、それに応えてヤクトの肩より破壊の筒が飛ぶ。
通路の奥にたたずむパールホワイトの機体のビジョンが、リファニアの脳裏に浮かぶ。

かくれてないで、でておいで。
いっしょに、おどろ?

ビジョンに映ったビギナ・ギナに向かって飛ぶ、一基のファンネル。
緑の光を纏って、その軌跡に緑の残光を残して、通路の奥へと消えてゆく。


―――虹の彼方へ とぶ 青い鳥

  鳥の 飛ぶように わたしも 飛ぶの――――――


歌の終わりと共に、通路の奥で破壊の閃光が沸き起こった。
252リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/19 23:59 ID:Aqxc6LQo
【行動 : うたのつづき(0)、ファンネルでビギナ・ギナに攻撃(-2)、残2 】
【位置 : U-22(要塞内) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        爪先のアポジモーター破損、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1(一基射出)、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル
     ザクバズーカ(残弾2)、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 全てを捧げる 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
253リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/20 00:01 ID:???
「移動ですか?」
「ええ、この座標に♪」
「で、でも、ここは……!!」
「ここに動けば、生徒のみんなの行動範囲が狭まって、管理が楽になるでしょ?」
「しかし、もし生徒たちが歯向かってきたら……」
「大丈夫よ。みんなのセンサーの範囲外だから、そもそもこの場所に居ても分からないって」
「ですが、例の『特殊情報端末』は……」
「そのときはそのときよ。警告はしてあるんだから、遠慮なく攻撃しちゃっていいわ♪」
「……あなたの命令には、逆らえませんからね。やりますよ」
「素直で助かるわ♪ じゃ、早速移動してね☆」
「ただし!
 ……万が一、この艦が攻撃されて、我々が死んだ場合――あなたも一緒ですからね」
「もちろんよ。命令系統では上でも、この首輪がある限り、私はあなたたちには逆らえないもの☆」
「……そうあり続けることを願いますよ。お互いのためにも」

【行動:艦橋で部下と会話(0p)、移動(R-22→O-17)(ボーナスあり)(4p)】
【位置:O-17】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう、???】
254通常の名無しさんの3倍:04/06/20 00:01 ID:???
第13章 >252 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※×■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎×□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□×□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□×■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※×□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□◎□◎◎■
14◎■□◎◎□×◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠11□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎×□□03▼□◎□
21◎◎□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎01◎▽▼◎□
23◎■×□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・25・26は同一地点。03・14は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
255リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/20 00:02 ID:???
『定期放送のお時間です。

 次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『C-23』 『F-08』 『G-14』 『L-06』
 『N-11』 『S-20』 『V-12』 『Y-04』
 以上で〜す。

 随分狭くなってきましたね〜。
 でも、実際はマップ上で見るよりも狭くなってますよ〜♪
 くれぐれも、ここまでの定期放送でお伝えしてきた『助言』を無駄にしないように☆
 私たちは、嘘はつきませんからね♪

 では、盛り上がってるところ失礼しました♪
 また次の定期放送で☆』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【位置:R-22】
【残り行動値:∞】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
256シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/20 13:05 ID:7Fod/Snk
IDチェック
257シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/20 13:35 ID:???
〔ロック・オン完了。いつでも攻撃可能です。〕
「ところで……敵……此処にいる参加者の機体は?」
〔過去のデータから……ペズ・バタラ、Rジャジャ、アビゴル、
 ヤクト・ドーガ、キュベレイMK−2です。〕
「……まずいな……。」
〔?……!〕

ゼファーがシュウジの指摘に気が付いたその時と、ファンネルの通路への侵入は同時だった。
〔間に合わ……!〕
「……閉鎖、展開。」
〔!?〕
ファンネルから発射される二発のビーム。だがそれは、ビギナギナの装甲届く事はなかった。
一発は間一髪で閉鎖された通路の非常用シャッターに遮られ、もう一発は左腕のビームシールドに遮られていた。
「火器管制・右腕解放、ファンネルを撃て!低出力で十分だ。」
〔了解!〕

指示を受け、右腕が素早く反応し、シャッター越しにファンネルにビームライフルを放つ。
その間に、ビギナギナは少し後退し、通路の陰に隠れる。
「何とか間に合った……か!」
〔すいません……反応が少し遅れました。〕
「……過ぎた事だ、気にするな。確認が遅れた事も原因だからな。
 それよりも……ゼファー、ビギナ・ギナの左腕の制御を頼む。
 左腕のみ、火器管制・制御リミッター解放。」
〔了解しました。〕

(……攻撃か……予想どうりと言えば予想どうりだが……。
 こうもいきなりとはな……。)

【行動:防御(−2)ファンネルを攻撃(−1)一時後退(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  左腕のみゼファー制御中
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微 】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右95% 左100%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×4 】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:前方警戒】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】

258リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/20 18:04 ID:CLOiW9w/
IDチェック
>>257
ファンネルより立て続けに放たれた二発のビームは、ビギナ・ギナに届きはしなかった。
ビームを防いだのは、掲げられた光の盾と……。

「……かべ……?」

閉じられた、非常用のシャッターだった。

「だめよ、だめ。
 カーテンの裏に隠れてないで、出てこようよ?
 女王様が、お呼びなんだから。」

リファニアがそう呟いた途端、ビギナ・ギナの中に、攻撃意識が芽生えるのを感じた。
浮かんでくるビジョンは、構えられたビーム・ライフル。
ビームが放たれる直前にその射線上から逃れるように、リファニアはファンネルを舞わせた。

「ふふっ、だめよ。わたしには、わかっちゃう……の……?」

が、ビギナ・ギナの攻撃は、リファニアの予測を裏切るものだった。
リファニアが感じた攻撃意識と、放たれたビームには、妙なタイムラグがあったのだ。
ビギナ・ギナが放ったビームはシャッターを貫き、紙一重でファンネルを逸れた。
高出力ビームならば、ファンネルはひとたまりも無く撃破された事だろう。

「???」

怪訝そうな表情を浮かべて、リファニアは首を傾げた。
今のはビームを避けたというより……偶然逸れたようなものだ。
もし、これがファンネルではなく、MSだったならば、ビームに貫かれていた事だろう。

「……やっぱり、シェラさんは間違ってないや。
 なんだかわからないけど……不気味な相手。危険な相手だね。」

レーダーに映るビギナ・ギナの光点が通路を後退するのを見て、リファニアはくすりと笑う。
その顔に浮かぶ笑みは、無邪気な少女そのもの。今、少女を戦いに赴かせているのは、殺意ではない。

「待っててね、シェラさん。あなたの前に、あいつを引きずり出してあげるから。」

通路の入口に向けヤクトを飛ばした。
入口から半身を覗かせて、閉じられたシャッターを確認する。

「花束を、贈ってあげる。招待状を、添えてね。」

リファニアの呟きと共に、ヤクトが左腕に携えたザクバズーカを、シャッターに向けてそっと投げつけた。
何者にも遮られること無く、ゆらゆらと漂うザクバズーカ。
バズーカがシャッターに到達した瞬間に、ファンネルから放たれた閃光がザクバズーカごとシャッターを貫いた。
沸き起こる爆光に、シャッターがひとたまりも無く吹き飛ばされる。
遮る物が無くなり、通路の奥へと消えた主賓の下へと、ファンネルは飛んで行く。
通路の陰に隠れる様に潜むビギナ・ギナのイメージを、リファニアは捉えた。

……ふふっ、少し、驚かせてあげる。それだけじゃ済まないかも知れないけどね。

「は〜い、招待状。ちゃんと受け取ってよね。」

ビギナ・ギナの携えた大型のミサイルに向けて、破壊の閃光が放たれた。

【行動 : ファンネルに回避させる(-1)、バズーカをシャッターに向かって投げる(-1)
      バズーカの誘爆でシャッターを吹き飛ばす(-1)
      ファンネルでビギナ・ギナの携えたクルージングミサイルに攻撃(-1)、残0 】
【位置 : U-22(要塞内、通路の入り口) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        爪先のアポジモーター破損、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1(一基射出)、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル 、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : 全てを捧げる 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
261シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/21 02:23 ID:8TpyYsFv
とりあえずIDチェック
 ……暑い……

「はぁ、はぁ……」

 空調の調子が悪い訳では、ない。
 ただ……待つ、というこのパターンが、ここまで疲れるとはね。

「っついわね!」

 ヘルメットは既に外した。
 手袋も、脚の部分のブーツも外してしまった。
 前面のファスナーも真下まで開いている。

 なのになんでこんな暑いのよ。

「くそっ……」

 薬箱から熱冷ましの錠剤を一粒取り出した、けど……
 水が無いからには、唾で飲み込むしかないかしら。
 指で口に運び、唾液の池に放り込む。……熱い。暑いんじゃなくて、熱い。

 この指がリオンのだったら……
 リオンの指は細かった。確か、私と同じくらいだった筈よね……

「んっ、はぁ……」

 知らず、胸に手が伸びる。

「はぁ、はぁ、はぁ、は……ははっ、ははは!」

 正気じゃないわ。
 大概、イカレテ来たわね、私も!
 いい加減人間の道踏み外してんじゃないの!?
 昔から変な性癖してると思ってたわよ、今更何よ!
 マスク被って、ぴっちりしたパイロットスーツ着込んで、胸の狭間から手差し入れて……
 それでもって死人でオナニーね、変態の極み……って奴!

「駄目。お終い。終わり。止め。お終いっつってんのよ!」

 言う事を聞かない自分自身が……憎い。
 両手で顔を抱え込む。
 抱え込んだ手の下から、上半身の裸体が見えている。

 どうすれば良いの、リオン……。

 アナタは、どんな私が好きだったの?
 アナタの髪が宇宙に舞ってからの時間は……短すぎたのよ。

 余りにも早く、アナタは死んでしまった。

 私に教えてくれたのは、その背中だけだった。

「本当、一度で言いから抱いて欲しかった……
 それがいけない事かな、リオン……」


 リオン! 私は、アナタにはなれないのよ!


【行動 : 薬(−1)、U−20へ移動(−3) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U17 → U18 → U−19 → U−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
264シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/21 21:51 ID:???
「来るか……?来るか……?来るか……?」
追撃に備え、左の先ほどまでいた通路に意識を集中させる。
が、すぐに現れると思われたファンネルはなかなか現れなかった。

「まだか……?まだか……?まだか……?」
その時、シャッターに何か当たったのか、ゴンという音が聞こえた。直後、急にシャッターが爆ぜた。

「何?……来るぞ!……2……1……撃て!」
〔!〕
コントロールスティックを動かせる限り操作する。ビギナギナはそれに正確に反応し、機体を回避行動に移らせる。
その回避行動によりファンネルのビームはビギナギナには届かず、壁を少し溶かした。
また同時に、ゼファーがビギナ・ギナの左腕に装備されたビームライフルでファンネルにビームを一発撃ち込む。

「……このまま突撃する!」
〔了解!〕
回避行動に移った姿勢のまま、ビギナギナはシャッターが破壊された直後でまだ煙の立ちこめる通路に突入した。
無理な動きに関節熱量が増加し、自分自身の体も悲鳴を上げる。
「くっ……敵機の種類と位置は!?」
〔ヤクト・ドーガ前方200!モニターに仮想位置を表示します!〕
煙でほぼ埋まったモニターに表示されるヤクト・ドーガの輪郭。
そこに向かって、両肩のクルージングミサイルを二発、叩き込んだ。

急造スイッチを押し込みながら、シュウジは一つの疑問を抱えていた。
(誰だ……?無いはずの機体に乗っているのは……。)


【行動:回避行動(−1)ファンネルをビームライフルで攻撃(−1)ヤクト・ドーガをクルージングミサイル×2で攻撃(−2)】
【残り行動値:0p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  左腕のみゼファー制御中
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微 関節熱量増加】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右95% 左90%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×2】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:敵機?撃破】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 15番リナルド?? 07番ベルク?】
レーダー上に現れた、ビギナ・ギナを表すマーカー。
リナルドが対応を考えているうちに、ヤクト・ドーガが動き出した。
それを見、彼は後を追う。

すると、ヤクト・ドーガがバズーカをシャッターに向かって投げ――
次の瞬間、バズーカが爆発し、シャッターを突き破った。
ファンネルで撃ち抜いたのだろう。
リナルドは、慌てて開きっ放しの回線を通してリファニアを止めようとする。

「リファニア!
 例えシュウジが討つべき敵でも、今すぐ撃たなきゃならないわけじゃない!
 これ以上、無闇に戦域を広げるな!
 今は『ミョーコウ』に戻る方がさk……うぁッ!?」

急に、リナルドの胸に鈍痛が走った。
その痛みは、『それ』の痛みとよく似ていた……が。
『それ』とは何かが違っていた。 違いが何なのか、まではわからなかったが……
まだ、鬼神は倒れない。
歯を食い縛って、耐え抜こうと試みる。

(まだだ……まだ、倒れないぞ……。
 『ミョーコウ』に辿り着くまでは……!

 ……ふふ……、君のおかげでこの身体は、もう……。
 なのに……どうして君が俺の邪魔をするんだよ……!)

……だが、彼を責め立てる異変の攻勢はそれだけではなかった。

(……? 何だ……、これは……)

痛みに耐えつつも、リナルドの両目は彼の右手を直視していた。
おかしい。
右手が、おかしい。
神経が右手の異常を訴えている。
頭脳が異常を調べようとする。
でも、本能がそれを阻止してしまう。
つまり……異常の詳細を知ったところで何がどうなるわけでもないと、
リナルド自身が深層意識のどこかで考えている。

(おかしい……けど、今はそれどころじゃ……ないんだ!)

彼は痛みに耐えつつ、なおもリファニアに声を掛けた。

「く……ッ!
 と……にかく、今は余計な奴を相手にしてる暇は無いんだ!
 頼むから、ひとつくらいは俺の言うこと聞いてくれよ……!
 それとも何か? 俺に、君と同じ夢を見るなって言うのか!?
 違うだろ!?」

(もう、そう長くは持たないかもしれないんだぞ……。
 君が、君が俺を壊すのか? 違うよな……?
 ちくしょう……俺は……何で、泣きそうになってるんだ?)

鈍い痛みが彼の身体を苛む。
痛みが言葉に棘を作る。
単なるジェラシーかもしれない。
それでも、今倒れてしまってはシュウジ……正確にはゼファーの餌食になることうけあいだ。
故に、休むことも目を背けることも許されず。
己を削って、鬼神は立ち向かうしかなかった。
……彼自身を削らせている、その原因を作り続けている少女のために。
266リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/06/21 22:01 ID:fgS+43nd
一応チェック
267リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/21 22:32 ID:t3L1kGy4
IDちぇき
急にレーダー上の光点に動きが生じた。
それはこちらに向かってきて――
ふたつの何かを放つのが、『視』えた。
リナルドの反応は、速かった。

ヤクト・ドーガの前に、防壁のようにアビゴルが立ちはだかり。
そして、燻る煙に向かって突っ込んでいく。
煙の中から現れた二基のミサイルとすれ違う直前。
アビゴルの両腕に輝くビーム・カタールが振るわれた。

左腕が振るったカタールは、そちら側のミサイルの弾頭付近を斬り落とした。
が、右腕で振るったカタールは振りが速かったのか、ミサイルの弾頭に直撃し……
振り抜き、ミサイルは直後に肘の近くで爆発した。
ディスプレイに表示されたステータスのうち右腕の一部、ちょうど肘のあたりが黄色から赤に染まる。
しかし、そんなことは気にしない。
……処理、完了。

爆風に揺さ振られつつも、アビゴルは速度を緩めない。
煙の中に見えた輪郭に向かって突き進み、左腕のビーム・カタールを腰だめに引き。

「ちくしょう……。
 どいつもこいつも、俺の邪魔ばかりしやがって……!」

鬼神の両目から、銀色の粒がふたつだけ、生まれ。

「これ以上、俺の邪魔をするなあぁ―――ッ!」

緑の機士は輪郭の中心目掛け、ビーム・カタールを突き出した。

【行動:通信継続(0)、斬撃・ミサイル処理(-2)、ビギナ・ギナに攻撃(-1)】
【位置:U-22・小惑星基地内・通路入り口】
【残り行動値:1pts.】
【機体状況:MS形態・右肘不調・通信回線継続→ヤクト・ドーガ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、ビームキャノン、デュアルビームガン
   (MA)ビームカッター、ビームシールド(×)】
【生徒状態:覚醒@ノーマルスーツ・鈍痛・右手に違和感】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx3、食糧4日分、私服、拳銃(20)、救急箱
      受信装置(稼動中)
   (以下私物)(MS状態チェック用ポータブルコンパネ)、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアと共に、生き延びる/何とかして、三人で『ミョーコウ』に戻る】
【同盟:20番リファニア 03番イブ 26番シェラザード】
269リーア先生@代理:04/06/22 00:29 ID:???
第13章 >268 現在 

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎◎□□◎□◎■◎◎■□■■◎□◎■■■◎■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎◎■■■◎□□□□□□◎■◎■※
03◎□◎□□□◎□◎□◎■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□◎◎◎□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※◎■
05□□□◎▼◎◎□◎□■◎◎■◎□◎◎◎□◎□◎□□◎
06■□◎□◎□□□◎◎◎◎□◎□◎□□◎□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□◎□□□□□◎□◎□□◎◎◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□◎□◎□◎〓□□◎□□■□◎□※◎□□□□   ※:戦場跡
09■■◎■◎□◎◎□□□◎□□◎□□□□※□※◎□◎■   〓:コロニー
10◎■◎◎■□□□◎□□□□□◎□◎□※◎◎◎※◎□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□◎■◎□◎□◎◎※◎◎■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■◎◎◎□□□□◎◎◎■■◎◎□◎□※◎□■◎■   ▽:爆破された小惑星基地
13※◎■■◎□□◎※□◎◎◎□■□◎◎◎□□◎□◎◎■
14◎■□◎◎□◎◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎◎◎   ◎:侵入禁止区域
15■◎■◎■□□▼□□□□■■□□◎□□□□■◎■◎■   ×:侵入禁止予告区域
16■□◎■◎◎◎□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□◎■◎□◎□◎□◎□◎◎■99□□□≠≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□◎□◎■◎◎□□□□◎□□□◎□□◎
19□◎◎□◎◎■□◎◎□■■◎■□◎□□□□◎▼◎◎□
20◎□□□□◎□□◎□◎□■□◎◎□◎◎□1103▼□◎□
21◎◎□〓〓◎□□◎□※◎※◎□◎◎□◎□▼▼▼◎□□
22◎□◎□□□◎◎◎※※※◎□◎□□□□◎01◎▽▼◎□
23◎■◎□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□◎◎□◎▼◎□◎□
24※■■◎□□◎□■◎◎※◎■■■□◎□◎□□□◎□◎

99は管制機能を持つレウルーラ級戦艦。
01・07・15・20・25・26は同一地点。03・14は同一地点。
03はムサイ級戦艦に搭乗。03の機体もムサイ級戦艦に収容。
乗り手不在のジム・ライトアーマーとサイコガンダムMk-Uもムサイに収容。
02・04・05・06・08・09・10・12・13・16・17・18・19・21・22・23・24死亡。
>>265
『リファニア!
 例えシュウジが討つべき敵でも、今すぐ撃たなきゃならないわけじゃない!
 これ以上、無闇に戦域を広げるな!
 今は『ミョーコウ』に戻る方がさk……うぁッ!?』

通信機より飛び込んできたリナルドの叫びが、コックピット内にこだまする。

「ごめんね、リナルド。
 愚かかもしれないけど……けじめはつけなきゃいけないの。」

静かな声で呟き返すリファニア。
リナルドは、気づいていないのだろうか。シェラは……もう……。

『く……ッ!
 と……にかく、今は余計な奴を相手にしてる暇は無いんだ!
 頼むから、ひとつくらいは俺の言うこと聞いてくれよ……!
 それとも何か? 俺に、君と同じ夢を見るなって言うのか!?
 違うだろ!?』

リナルドの叫びは続く。
モニターに映るリナルドに瞳を合わせずに、リファニアは再び呟き返す。

「今だけは、わたし、すべてをシェラさんの為に捧げるって、決めたの。
 今だけは、わたし、シェラさんだけを見るって決めたの。
 ……今だけは、わたし、夢見る事……やめたの。」

リナルドの痛みを、今のリファニアは知る事はなかった。
リファニアに感じられるのは、シェラの失われつつある生命の温もりと……代償を払わせるべき、敵だけだった。

>>264
ファンネルから放たれたビームは避けられ、ビギナ・ギナの後方の壁を融解させるだけに終わった。
間髪いれずに、ビギナ・ギナの構えたライフルよりビームが放たれる。
相手パイロットの攻撃意識の芽生えと実際の攻撃には、またも僅かなタイム・ラグがあった。
そして、ライフルの照準は異常なまでに正確だった。いとも容易く、ファンネルは撃ち抜かれてしまう。
爆光と共にファンネルの纏った緑の光が弾け、リファニアの身を苦痛が襲う。
だが、リファニアの顔に浮かんだ穏やかな笑みは、消える事はなかった。

……ふふっ、わたし、おかしいよね。殺し合い、してるはずなのに。
なんで、こんなに、穏やかな気持ちで居られるんだろう。
慣れた、から……?ううん、違う。
きっと、わたし、シェラさんの事、本当に好きだったんだ……。
そんなシェラさんの為に、生命を賭けて何かをしてあげる事に、満足してる。
そして、これが、たぶん……シェラさんとの最後の、共同作業になるのね……。
そう、さいご……の………あれ?

その顔に微笑を浮かべたままのリファニアの瞳から、雫が舞い散った。
共同作業の先にあるものが、別離であると……わかってしまっているから。

……いっその事、わたしも一緒に、逝ってしまうというのも……いいかもね……。
そうすれば、永遠に……いっしょに……。

一瞬、そのような考えすら頭によぎった。
リファニアの生への執着は、その瞬間だけは消え失せていた。

ビギナ・ギナがクルージング・ミサイルを放ったのは、ちょうどその時だった。
リファニアの意識は、飛んでいた。それが、致命的な隙となった。
相手の攻撃意識を感じ、意識が引き戻された時、すでに回避行動に移るタイミングを失していた。

「……直撃……?」
>>268
唐突に、リファニアのヤクトの脇を抜けた緑の影があった。
それは、リナルドのアビゴル。
アビゴルが脇を抜けた瞬間、リファニアの中に、リナルド痛みが伝わってきたような……。
そんな気がした。

直後、ヤクトの前に立ちふさがったアビゴルによって切り払われる、大型のミサイル。
一発は弾頭を切り落とされ、一発は爆ぜた。
沸き起こる爆光、揺れるヤクト・ドーガ。全天モニターに、ノイズが走る。
直撃では無かったが、強力なクルージング・ミサイルの爆発の前に無傷では居られなかった。
ヤクトの頭部を襲った衝撃は、モノ・アイを始めとした各種センサーを破損させたのだ。

「……リナ……ルド……。」

だが、それでも、リナルドがリファニアの生命を護ってくれた事は確かだ。
リナルドが切り払ってくれなければ、二発の大型ミサイルはヤクト・ドーガに直撃し、
機体と共に、リファニアの肉体は粉々に砕かれていた事だろう。

『ちくしょう……。
 どいつもこいつも、俺の邪魔ばかりしやがって……!
 これ以上、俺の邪魔をするなあぁ―――ッ!』

リナルドの叫びと共に、煙の向こうに消えるアビゴル。
煙の向こうに確認できるのは、二機のMSのシルエットと、突き出されんとするアビゴルの光輝く刃。
リファニアは瞳を見開きながら、その光景を目に焼き付ける事しか出来なかった。

「リナルドを傷つけたのは……わたし……?
 あの痛みは、私が与えた痛みなの……?」

全身に、ノイズが走るような感覚をおぼえる。
アームレイカーを握ったリファニアの手は、震えていた。

【行動 : リナルドとの通信回線接続(-1)、残3 】
【位置 : U-22(要塞内、通路の入り口) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1(一基射出)、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル 、ハイパーハンマー  】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : ─wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜─ 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
272ベルク=クロフォード(代理):04/06/22 19:50 ID:h51bFQCo
代理IDチェック
273シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/22 20:05 ID:ntlK6Cri
IDチェック
274シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/06/22 21:09 ID:???
爆ぜた。
肩アーマー側面から発射された二発のミサイルは確かに通路の奥のヤクトドーガへ向かっていき、爆ぜた。
が、煙が晴れ始め、通路の向こう側に見えたのは……。

「リナル……ドか?」
寸前で止められた二発のミサイル。原因は緑色の大型の機体……アビゴル。
信じられない事に左右のビームカタールで一発は弾頭のみを切り落とされ、
一発は完全には防ぎきれなかったようだが、外見的にはたいしたダメージはなかったように見えた。
切り札として装備した武装だっただけに、少し動揺も大きかった。

「ちっ……!あれでダメージがあれだけ……?流石未来の大型機と言ったところか……。」
〔マスター!来ます!指示を……。〕
「奴は……今の俺達には……敵だ!」

左腕のビームカタールを構えながら、なおも突っ込んでくるアビゴル。
そして、ビームカタールが突き出された瞬間、ビギナギナは……仰向けに倒れた。

「装甲が厚いからと言って……!」
斬撃のモーションが終了した次の瞬間、ビギナギナは無傷でアビゴルの下に回り込んでいた。

「むやみに大型の機体で突っ込んでくるのは……。」
右腕のビームライフルのロックオンマーカーをアビゴルのコックピットに合わせる。
ゼファーもそれを受け、左腕のビームライフルをアビゴルの……コックピット真横に向けた。

「命取りだ!」
次の瞬間、両腕のビームライフルが一斉に火を噴いた。

【行動:回避行動(−1)アビゴルをビームライフル×2で攻撃(−2)】
【残り行動値:1p】
【位置:U-22 通路】
【機体状況:対自爆装置用改造済み  左腕のみゼファー制御中
        フィン・ノズル3個損傷、表面装甲損傷軽微 関節熱量増加】  
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 打撲 左目周辺に切り傷(処置済み)】
【武装:ビームライフル×2(残弾:右85% 左80%) ビームサーベル×2 ビームシールド
     フック付きワイヤー&ウィンチ ヒートナイフ×2 F-90S用クルージングミサイル×2】
【所持品:ディパック(水2g入り0.5本 食料1.5日分 計画書 紙とペン 医療用セット 首輪カバー×5 ノートPC)
     拳銃 工具セット ゼファー】
【行動方針:敵機?撃破】
【同盟:なし
 中立:14番レイモンド? 07番ベルク?】
275ベルク=クロフォード@代理:04/06/22 23:35 ID:???
束の間だった。

刹那の殺気。

戦闘での経験。

生命危機回避の本能。

いろんなことが脳内を瞬間的に駆け巡り身体が反応する。
ルイを乗せたままのペズ・バタラは光の閃光を避け
そのままR・ジャジャの近くに移動しコクピットハッチを空ける。

「行け、近くにレイモンドが来ている。
 V-20に行けば逢えるだろう
 そこに、別の反応もあるから気をつけろ。」

そうルイに告げると、頷いてはくれた。
ヘルメットを被っていたので表情は判らなかっが”すまない”と小声でルイに謝った。

彼女がR・ジャジャに乗りこみここから移動するのを見送り
再び、戦場へ意識を向ける。

そこには、キュべレイと数10機にも及ぶ凶器が漂っていた。

(流石にヤバいな。今度は全部さばききれる自信が無い気がする。)

しかし未だ動かない。狙っているのか時を
絶好のタイミングを・・・・・・・。

そして、他のMSが見当たらないことに気づく。

(しまった!)

瞬時に回りのモニターを見まわすと突き破られたシャッターの向こうに
残りの2機が誰かと戦闘をしている様だった。
レーダーにももう一機反応が現われている。
それはシュウジがあの2機と戦闘をしていることを確信させることだった。

ニ対一、では通信を送って対処できるほど甘い戦闘では無い
ならば、行動で伝えてみるか

エネルギーの無くなったビームライフルを捨て
ビームダガーを持ちビームを展開させそれをアビゴルに投げつける。
輝く光は輪を描きながら襲いかかる。
そして意識は怪しく沈黙を続けるキュべレイを警戒しながら。

【行動:キュべレイに通信中(-0)回避(-1)R・ジャジャの近くに移動(-1)
    ビームライフルを捨てる(-1)
    ビームダガーをアビゴルに投げつける(-1)】
【行動(ルイ):R・ジャジャに乗りこむ(-1)移動U-22→U-21→V-21(-2)】
【残り行動値:0】
【位置:U-22】
【機体状況:右腕損失、左足膝部損失、
      コクピット内機械一部損傷、スラスター一部損失(出力30%低下) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2(残弾0)(左手)ビームシールド、
    (左手) 無し(E0%)ビームダガー×2本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ??15番 14番 レイモンド=デリック 25番 ルイ=フィルセント】
276リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/06/22 23:38 ID:5vkJ/21n
IDチェック
277リナルド=グレイス ◆Mcwo3DUBbU :04/06/23 01:17 ID:pR3jctts
ID check
リナルドを自ら傷つける痛みは……かつて味わった事の無い苦痛だった。

「……私、馬鹿ね……。
 大切な人を傷つけてばかり……。」

自嘲気味に、リファニアは呟く。
笑みは憂いに打ち消され、機体を覆う緑の光が弱々しく消え入りそうになる。
アーム・レイカーを握った手は、ただ震えるだけで……今は何の役にも立ちそうに無かった。

立て続けに起こった爆発により生じた煙はすでに晴れ、激突する二機のモビルスーツの姿がリファニアの瞳に映る。
その光景の目の当たりにしながら、リファニアは何かの呪縛にかかったかのように、動かなかった。

だが、ビギナ・ギナが両腕に構えたライフルを放とうとした瞬間―――。

>>275
敵機が背後から迫り来るのをリファニアは感じ、力無くゆらりと、リファニアはヤクトを振り向かせる。
ノイズの走るモニターに映るのは、迫り来る闘魚の姿だった。
その残った左腕には、たとえ短くともMSを貫き生命を奪うには充分な、光の短剣が握られていた。

闘魚が、光の短剣を投擲する。
それはリファニアではなく、ビギナ・ギナと対峙するアビゴルに向けられた物だった。

「……リナルドっ!」

リファニアは、無我夢中でヤクトを動かした。
アーム・レイカーを操作する腕と指の動きは酷く鈍く、思ったように機体を動かす事は叶わない。
ビーム・ダガーの軌道に身を晒す、リファニアのヤクト。
光の短剣が、ヤクトのコックピットへと迫っていた。

……ああ、駄目かな……。
リナルドを傷つけてきた私だけど……最後にその生命を護って死ぬのも、悪くないよね……。

迫り来るビーム・ダガーが、酷くスローに感じられた。
そしてそれ以上に、自分の身体の動きが、まるで止まっているかのように鈍い。

……この感じ、前にも味わった事があるよね。
スタンリーに撃たれた時も、確かこんな感じだった。
迫り来る死の前に、私はあまりにも無力で……。
あの時は、死に捉われかけた私を、トリィが身を挺して護ってくれたんだよね……。

ふと、コックピット内に浮かんだ一枚の羽根が、リファニアの視界の端に映った。
アレンのギターの弦に挟んでいたトリィの羽根が、ギターより離れて舞っていた。

……トリィ……。

………。
「……死ねるかぁっ!」

少女は、叫んだ。
ヤクトを覆う緑の光が、再び眩い輝きを取り戻す。
アーム・レイカーを握る腕の呪縛が解け、凄まじい速さで操作される。
それに応えヤクトは身を翻し、左肩に巻きつけたハイパー・ハンマーを、迫り来るビーム・ダガーへと叩きつけた。
ビーム・ダガーが、ハンマーに深々と突き刺さる。

「……死ねる訳ない!
 ここで死んだら、私の為に生命を投げ出したトリィに、申し訳たたないっ!
 私の為に傷ついたシェラさんに、何も報いてあげられないっ!」

ダガーを突き刺したままのハイパー・ハンマーを、ヤクトが振り回し始める。

「お前は……シェラさんを傷つけた報いを受けろっ!!」

少女の叫びと共に、闘魚へと叩きつけるように振るわれたハイパー・ハンマー。
内臓されたスラスターに火が灯り、闘魚を砕くべく、迫る。

【行動 : ビーム・ダガーをハイパー・ハンマーで受ける(-1)、そのままペズ・バタラを攻撃(-1)
      リナルドとの通信回線継続(0)、残2 】
【位置 : U-22(要塞内、通路の入り口) 】
【機体状況 : MSN-03 ヤクト・ドーガ
        頭部センサー・カメラ類破損、爪先のアポジモーター破損、MS爆弾解除スイッチ付 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、頭に軽傷(処置済み)、メイク済み♪
           ノーマルスーツ着用、包帯少女、全身に時々ピリっとした感覚 】
【武装: ファンネル×1、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル 、ハイパーハンマー(爆発寸前) 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン
      ピンクのエプロン(ポケットに口紅)、白のエプロン
      ラーズの遺品(ディパック、飲料水2g入り3本、地図、食糧たくさん、レポート用紙1冊) 】
【方針 : シェラに報いる 】
【同盟 : 26 シェラザード=ビンス=マクファーソン、15 リナルド=グレイス、03 イブ・シュウリン 】
280イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/23 18:02 ID:???
巨大なミョーコウの船内で、愁林はたった一人。
休む事無く只管に、データの解析作業を進めていた。
元よりコンピューター関連の技術に疎い彼女にとって、この作業は決して与し易いものではない。
それこそ神経をすり減らすような緊張感とプレッシャーが、常に彼女を苛み続けていた。
逃げ出したいなどとは思わない。
途中で入った定期放送では、リファニアの名前もリナルドの名前も、そしてシェラザードの名前も読み上げられはしなかった。
彼らはまだ生きている。
ならば、自分も彼らが戻ってきた時に胸を張れるようにしていなくては。

「……ふう」

とは言え、疲労したままではやはり作業に差し支える。
そう判断し、愁林は栄養剤を取りに艦長室へと向かった。
ドアを開き、足を踏み入れ、薬箱の置かれているベッドの傍まで歩み寄り―――彼女はソレに気付いた。
金属製の首輪。
リナルドが、ダグラスの副葬品にどうかと手渡してきた品だ。
ダグラス自身には何の所縁も無い品物ゆえに、葬送用のカプセルには入れなかった。

「?」

またも感じる奇妙な既視感。
自分はこれを何処かで見た事がある。
そう、確か……。

「……コォ……ネ……?」

そうだ。
彼女はそう刻まれた、これに良く似た首輪をしていたのだ。
友人からの預かり物だと彼女は言っていた。
そう。
黒後家蜘蛛の首輪は、今手元にあるこれと酷似していたのだ。

「どういう事……」

知らず、虚空に問いかける。無論誰も居ない室内からは、何の答えも返っては来ない。
静かに首を振る愁林。
今、自分が為すべき事は他にある。心を割くべき仕事が艦橋で手薬煉を引いて待っているのだ。
何度も自身にそう言い聞かせながら、栄養剤を静脈に打ち込み、彼女は艦長室から艦橋へと駆け足で戻っていった。
281イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/23 18:05 ID:???
「!?」

迂闊だった。
レーダーから目を離した僅か数分の間に、一機のMSが極めて近い距離まで接近していた。
幸いにして可動状態に無かったミョーコウは、今のところ相手の注意を引いていない様子。

迎撃に出るか―――否。
相手がこちらに注意を向けていない以上、積極的にリスクを冒してまでリターンを得ようとするのは愚策だ。
為すべき事がある。文句を言ってやりたい相手がいる。
だからこそ、今は生きる事を最優先に考えなければならない。

通信を送るか―――否。
ジャベリンの搭乗者は、記憶に拠ればあのサーティア・クワン。
彼女の仲間の命を奪い、コロニー崩壊の際に刃を交えた自分達との交渉に応じるかは至って不明瞭だ。
仮に彼女が心変わりしていたとして、今の自分達には彼女を招き入れるだけの余裕は無い。
ノアの方舟が救えたのは、あらゆる動物のつがい一つずつだけ。
リナルドが用意した方舟もまた、全ての命を救える訳ではないのだ。

頭痛が走った。
いつもと同じあの痛み。
違う。
これは誰かの痛み。
誰の―――

―――リファニアの、リナルドの、そしてシェラザードの命の痛み。

根拠は無い。
だが、空の青さが一目瞭然であるように、その痛みが彼女たちの痛みであるのは愁林にとって当然のように思えた。

だから歌う。

彼女らの戻るべき場所で、彼女らと共に戦えない身で、切なる願いを祈りに込めて。
282イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/06/23 18:08 ID:???
 Sancte deus, Sancte fortis, Sancte misericors salvator♪
   聖なる神よ、聖なる力よ、聖なる慈悲深き救い主よ
 amarae morti ne tradas nos♪
   私たちを苦しい死に引き渡さないで下さい

愁林にできる、愁林が為さねばならぬ戦いを続けながら。

 Sancte deus...
   聖なる神よ……
 Ad te clamaverunt patres nostri♪
   私たちの先祖は、貴方に向かって叫んだ
 Clamaverunt, et non sunt confusi♪
   彼らは叫び、迷わなかった

照明の落とされたミョーコウ艦橋。
一切の明かりも音も漏らす事無く、鉄の船は沈黙し続けた。

 Gloria, patri, et filio, at spiritui sancto♪
   願わくば父と子と聖霊に栄えあらん事を
 Sancte deus...
   聖なる神よ……

切なる歌声を、その内に木霊させながら。

【行動:艦内移動(-2)、データ解析継続中(-1)、薬剤注射(-1)、祈り(-0)】
【残り行動値:1p】【現在位置:V-21、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、覚醒?、若干の疲労、時折襲う正体不明の突発的頭痛、内臓器官損傷】
【機体状況:左腕Bシールド及びBトンファー使用不可、左肩装甲破損(左腕はゴトラタンのものを移植)】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×1、Bシールド×1、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(Hマシンガン残弾48%)
     Bピストル×2(E残量70%、両脚部外側HPにマウント)、
     グレネードランチャー付き90mmマシンガン(6斉射+グレネード3発、腰部左側HPにマウント)】
【所持品:思い出の銀のロザリオ、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:「貴女達の帰るべき場所は此処にある」、「祈りに乗せて心よ届け」】
【同盟:リナルド、リファニア、シェラザード】
283リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/06/23 23:18 ID:???
新スレです。

ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第14章
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1087999569/l50

容量が満杯になったら移動お願いします。
284サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/06/24 00:30 ID:GmOrKaHa
「戦艦であろうと、何処であろうと……」

 レーダーにも一際目立つ、その戦艦。

「障害物多い方が、私にとっては戦い易いのよ」

 そう、例え敵の数が多くとも、実際には戦えない事は無いわけか。
 ミノフスキー粒子が濃いらしいけれど、残念だったわね。
 その巨体は幾らなんでも隠し切れないわよ……。

 いま、ここで!

「全て……断ち切らせて貰うわ、何もかも!」

 リオンの死から始まった長い旅路はここでお終い。
 ムサイの撃沈ごとき、軽い事よ。
 このガトリング・ガンの破壊力は今までの戦闘で充分証明済み。

 ムサイがこの攻撃をよけられるとは思えない!
 狙うはエンジン! 次いでメインブリッジ! 最後に格納庫!
 完全に破壊させてもらうわ……

 最大速度で加速して、残骸を蹴って飛び出し斜線を作る……
 横側面が広くて有難う、獲物って奴かしら?

「ロック・オン……最大連射ァ!!」

 そのガトリング・ガンが回転を始めた。


【行動 : ムサイへエンジン〜ブリッジへ攻撃。(−2)、V−20へ移動(−2) 】
【残り : 0P 】
【位置 : U−20 → V−20 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 適度・血濡れのリボン・ジェイソンマスク 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2(残弾65%)、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー(残弾ゼロ)、ABCマント(被弾回数1)、ビームライフル(残弾5)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き・残弾60%) 作業用クレーン】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン
       ショットガン(残弾32)、ハンドガン(残弾12×5)、修理部品、修理器具
       ハロ、ジェイソンマスク、お弁当×6】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : なし 】
ビギナ・ギナが消えた。
近隣空間内での物質の移動方向は、下。
リナルドは何の迷いも無く機体を加速させる。

ビギナ・ギナはアビゴルの下方に回り込んだ。
……甘い。
アビゴルは慣性で前方に突き進み続けている。
一方、下方に動いたビギナ・ギナとは相対速度で距離が開き続ける。
故に、ただ機体の下に潜り込んだだけでは攻撃を完全に命中させることなど夢のまた夢だ。
自分が静止するか、最低でも相対速度を0近くにしなければロック・オンなどできるはずがない。

(……所詮は素人だな。
 だが……)

ゼファー・ファントムが相対速度を計算に入れないわけがない。
戦闘に於いて攻撃を命中させるための計算に必要不可欠な要素をゼファーが計算しないとは……。

(欠陥品か……あるいは本当に計算に入れ忘れたのか……。
 どちらにせよ、幻は幻といったところか)

思考は一瞬。
次の瞬間、二本のビームがアビゴルのいた空間を貫く。
離脱が完全ではなかったのか、うち一本がアビゴルに追い縋り左肩のアーマーを削って消えた。
機体を貫かれたわけではないが、それでもかなりの衝撃が一人と一機を揺さぶる。

(……クズめ)

機体を反転させ振り返ったリナルドは、ペズ・バタラには目もくれない。
ほの昏い表情の上で、さらに昏く輝く双眸が開かれる。
今までの戦いの中で、この瞬間ほど目の前の男が鬱陶しかったことは無かっただろう。
だが。
彼はその黒い感情すら一瞬で横に押しやった。
――既に、鬼神は一人の青年に戻っていたのだ。

いつの間にか、涙を流していた。
メットなど、とうに脱ぎ捨てている。
唇は小刻みに震え、双眸は絶望に彩られ。
ただ、その言葉を反芻していた。

「……『今だけは』……?」

振るえる口元が、妖しく歪む。

「……『今だけは』……って、何だよ」

既に、“世界”の中の彼を包む煌きは消え去っていた。
いや……そんなものはこの戦闘の前から消えていたのかもしれない。
再び心を折った、その時から……もう、希望の輝きは失われていたのかもしれない。

「……それじゃ、『いつかは』戻ってくるってことなのかなあ。
 そんな……、そんな都合のいい話って、ありかよ」

うわ言のように、それでもしっかりと、言葉は紡がれる。
開かれた扉は閉ざされなかった。
もう一度扉を閉ざしてしまったら、もう二度と開くことはできないとわかっていたから。
だから、精一杯抵抗した。
だが、そこから漆黒の闇が流れ込み、……再び彼に纏わり付き始めた。

≪続く≫