【記録】イスラエルがやってる事を一々覚えていたい25【in議論板】
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朝まで名無しさん :
2010/04/06(火) 21:30:28 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:33:55 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:35:36 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:37:05 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:43:46 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:44:46 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:46:27 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:47:10 ID:3SkA6fnJ
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朝まで名無しさん :2010/04/06(火) 21:47:57 ID:3SkA6fnJ
「シンドラーのリスト」、220万ドルで販売へ
* 2010年03月23日 22:59 発信地:ニューヨーク/米国
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2712295/5526801 ドイツPlaszowのナチスによるユダヤ人強制収容所跡地にある石碑前に立つオスカー・シンドラー(Oskar Schindler)によりホロコースト
(ユダヤ人の大量虐殺)から救出されたユダヤ人の男性(2008年3月16日撮影、資料写真)。(c)AFP/WOJTEK RADWANSKI
【3 月23日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中、ナチスによる「ホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)」からドイツ人実業家の
オスカー・シンドラー(Oskar Schindler)により救出されたユダヤ人801人の氏名を記した「シンドラーのリスト」が、220万ドル
(約2億円)で売りに出された。民間が保有するリストとしては現存する唯一のものだという。
歴史資料売買業のゲーリー・ジメット(Gary Zimet)氏は、「間違いなく最も重要な第2次世界大戦の資料」であり、「民間に
残っている唯一のリストだ」と語った。
(続く)
>>11 より
シンドラーのリストは、オスカー・シンドラー氏と会計士のイザック・シュターン(Itzhak Stern)氏が1945年4月18日に作成した
13ページに及ぶリストで、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督のハリウッド映画『シンドラーのリスト(Schindler's List)』で有名になった。
リストには男性801人の氏名が職業、誕生日とともに記載されている。収集家向けウェブサイト「MomentsInTime.com」を
運営するジメット氏は、売り主の希望にもとづき、シンドラーのリストを競売ではなく「早い者勝ち」で販売する。
ジメット氏によれば、シンドラーのリストは全部で7つの版が作成されたとされ、現存するのは4部とされている。米国の
ホロコースト記録博物館(US Holocaust Memorial Museum)とドイツ・コブレンツ(Koblenz)のドイツ連邦公文書館にそれぞれ
1部ずつ、イスラエルのホロコースト記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」に2部が保管されている。(c)AFP
入植問題、米とイスラエルの溝埋まらず
特集 中東
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100323-OYT1T01131.htm 【ワシントン=本間圭一】クリントン米国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相は22日、ワシントンで会談した。
東エルサレムの入植問題が発生して以来、両者の直接会談は初めて。会談では、米国が仲介するイスラエル、パレスチナの
間接和平交渉を進展させることで一致したものの、個別の演説では、東エルサレムを巡る両国の思惑の食い違いが改めて表面化し、
交渉の困難さが早くも露呈した。
クローリー国務次官補らによると、両者は間接和平交渉を進展させるための「特別な行動」について議論し、「中核の問題」の
協議を目指すことで合意した。米政府当局者は本紙に対し、治安、国境画定、エルサレムの帰属、難民帰還など幅広い問題を
取り上げる意向であることを明らかにしている。
(続く)
>>13 より
ただ、具体論では、両者の隔たりはなお大きいことが明白となった。クリントン国務長官は22日、ユダヤ系圧力団体
「米イスラエル広報委員会(AIPAC)」で演説し、イスラエルが東エルサレムにユダヤ人入植住宅建設を承認した点について
「相互の信頼を損ない、間接和平交渉を危機にさらす」と厳しく批判。
これに対し、ネタニヤフ首相は同じ夜、AIPACでの演説で、エルサレムについて「ユダヤ人は3000年前にエルサレムを
建設した。エルサレムは入植地ではなく、我々の首都だ」と言明。エルサレムが「永久不可分の首都」で、交渉の余地は
ないとの立場を強調し、双方の歩み寄りはまったく見られなかった。
ネタニヤフ首相は23日にオバマ大統領と会談するが、今後、エルサレムを巡る見解の相違が議論になる可能性が高く、
首相訪米が具体的な成果に結びつくかどうかは不透明だ。
(2010年3月23日23時21分 読売新聞)
駐英イスラエル外交官を追放へ ハマス幹部暗殺で 英国
* 2010年03月23日 23:32 発信地:ロンドン/英国
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2712636/5529254 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)警察が公開した、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)幹部マフムード・マブフーフ
(Mahmud al-Mabhuh)司令官暗殺事件の容疑者グループが使用した偽造英国旅券6冊に使われていた顔写真(2010年2月24日公開)。(c)AFP/DUBAI POLICE
【3 月23日 AFP】(一部修正)英国放送協会(BBC)と衛星放送スカイニューズ(Sky News)は23日、イスラム原理主義組織
ハマス(Hamas)幹部の暗殺事件で、容疑者グループが偽造された英国旅券を使用していたことを受けて、英政府がイスラエルの
外交官を国外追放する見通しだと伝えた。
(続く)
>>15 より
また、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)も、イスラエルのロン・プロソル(Ron Prosor)駐英大使が22日に英外務省に
呼ばれたと報じたため、外交官追放の憶測はさらに過熱している。
デービッド・ミリバンド(David Miliband)英外相は前月、この事件への国際的な調査についてイスラエルに「全面的な協力」を要求していた。
ハマス軍事部門創設者のマフムード・マブフーフ(Mahmud al-Mabhuh)司令官は1月20 日、英国などの偽造旅券を使用した
容疑者グループにより殺害された。
この暗殺にイスラエルの対外情報機関モサド(Mossad)が関与したとの疑惑が広がったが、イスラエル政府は証拠がないとして
退けており、報道によると、英政府もこの点に異議を唱えるつもりはないとみられる。
しかしデーリー・テレグラフ紙は、ミリバンド外相は23日(日本時間24日未明)に出す声明で、イスラエルの保安当局が英国旅券を
偽造したと公式に発表する見通しだと報じた。(c)AFP
>>17 より
オバマ氏が医療保険改革を通す力がないように見えたことは、米国内だけでなく世界中で大統領に対する信頼を損ねた。
外国人は、上院の手続き上の規則などには関心がなかった。彼らが目にしたのは、議会の圧倒的過半数を押さえ、高い人気を
誇るにもかかわらず、重大な国内政策を通せない大統領の姿だった。
医療保険改革を巡る膠着(こうちゃく)状態は、ある不穏なパターンを生み、諸外国と向き合うオバマ政権の外交にもそのパターンが
反映されることになった。大統領就任1年間で、オバマ氏は壮大な目標を打ち出しては、実現し損なうという繰り返しに陥った。
オバマ大統領は中東和平協議を復活させると宣言し、イスラエルに対して、パレスチナ領土への入植活動の停止を要求した。
しかし、和平交渉は実現せず、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は入植について基本的にオバマ大統領を無視した。
内政の成功、外交でも再出発の好機に
オバマ氏は大統領選に勝利した夜に、「危機に瀕(ひん)する地球」を最優先課題の1つに掲げたが、米国は外交面で中国に
出し抜かれ、気候変動に関するコペンハーゲン会議は大失敗に終わった。
また、オバマ政権はイランの核爆弾開発は絶対に認めないと明言したが、イランの核計画は急ピッチで進んでおり、米国勢は
これまで、新たな制裁案に対して国際社会の支持を取りつけられずにいる。アフガニスタン戦争に至っては、オバマ政権は何カ月間も
公然と苦悶(くもん)し、揚げ句、大統領自身さえも納得していないように見える米軍増派を発表した。
(続く)
>>18 より
オバマ氏は海外で次第に、弱腰で決断力を欠き、無力な大統領として描かれるようになった。医療改革法案の可決を受け、
そのイメージは――少なくとも当面は――変わるだろう。その結果、オバマ氏は大統領として、国内だけでなく国外でも再出発するチャンスを手にしている。
もちろん、オバマ大統領が米国内で政治的な勢いを取り戻したことと、大統領が外交政策で成功する可能性には、直接的な
関連性はない。だが、間接的な関係はある。乱暴な言い方をすれば、医療改革法案の可決によって、オバマ氏は敗者ではなく
勝者に見えるようになったのだ。また、このことは大統領が粘り強いこと、そして彼の頑固さが成果を生み出せることを示している。
長期戦の医療保険改革に勝利
医療保険改革は負け戦に見えた。だが、それは実はただの長期戦だった。アフガニスタンや中東、気候変動、イランなどの大きな
国際問題でオバマ氏が勝利を収める可能性はないと決めつけていた諸外国の首脳は今、大統領の粘り強さが最終的に成功をもたらす
可能性を検討しなければならない。
そうなれば、どっちつかずで揺らぐ指導者がオバマ大統領の話を聞き、協力しようとする可能性が高まる。
(続く)
>>19 より
オバマ大統領に軽蔑(けいべつ)的な態度を取ろうとする外国首脳も考え直すかもしれない。今週は、ネタニヤフ首相の
ワシントン訪問にとって良いタイミングではない。
ネタニヤフ首相はユダヤ系圧力団体「米イスラエル広報委員会(AIPAC)」の年次総会で演説する予定だ。もし医療改革法案が
議会で否決されていたら、同首相はオバマ政権の中東政策に対して米国内の反対意見をあおろうとしたかもしれない。しかし今、
オバマ大統領に追い風が吹いている中、大統領との対決はリスクが高い行為に見える。
医療改革法案での勝利は移り気な識者(筆者は、自分もその1人に数えている)に、オバマ大統領就任1年目の功績について、
よりバランスの取れた見解を抱かせる可能性もある。結局のところ、オバマ政権は確かに銀行業界の完全な崩壊を防いだ。また、
米国経済は今、年率換算6%近いペースで成長しており、西側のどんな大国よりもずっと高い成長率を誇っている。
(以下略)
英外相、イスラエル外交官の国外追放を発表
2010.3.24 01:13
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100324/erp1003240114000-n1.htm 【ロンドン=木村正人】今年1月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでイスラム原理主義組織ハマス幹部が暗殺された事件で、
容疑者グループが英国人12人の偽造旅券を使っていたことから、ミリバンド英外相は23日、下院でイスラエルの外交官1人を国外追放すると発表した。
国際刑事警察機構(ICPO)は容疑者計27人を国際手配。犯行に使われた偽造旅券はフランスやドイツ、アイルランドの
欧州諸国やオーストラリアに及んでいた。英BBC放送によると、外交官はイスラエル情報機関モサドのロンドンの最高責任者という。
イスラエル外交官を追放 ハマス幹部暗殺で英発表
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032301001010.html 【ロンドン共同】ミリバンド英外相は23日、イスラム原理主義組織ハマス幹部暗殺事件で、容疑者グループが偽造された
英国旅券などを所持していたことに関連し、イスラエル外交官1人の国外追放を発表した。
外相は英議会で「(偽造旅券に)イスラエルが関与したと判断せざるを得ない理由がある。英国にとって容認できず、再発防止の
保証をイスラエルに求めた」と、イスラエルを強く非難した。
偽造旅券の関係先は英国のほか、フランスやドイツ、アイルランドの欧州諸国、オーストラリアに及んでおり、東エルサレムでの
ユダヤ人住宅建設問題で対米関係を悪化させているイスラエルにとって、外交上の失点になりそうだ。
事件は今年1月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで発生。殺害された幹部が、ハマス支配のパレスチナ自治区ガザへの
武器密輸に関与していたことが判明し、イスラエルの対外特務機関モサドによる暗殺との見方が強まっていた。
テニスウエア姿の犯行グループの2人組がハマス幹部を尾行、同じエレベーターに乗り込む防犯カメラの映像はスパイ映画さながらの
臨場感で、各国メディアの関心を集めた。
2010/03/24 01:11 【共同通信】
入植地建設停止には応じず 米イスラエル首脳が会談
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032401000062.html 【ワシントン共同】イスラエルのネタニヤフ首相は23日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した。会談内容は明らかに
されていないが、ネタニヤフ首相はパレスチナ自治政府側が中東和平交渉開始の前提条件としている占領地東エルサレムなどでの
ユダヤ人住宅建設の全面凍結について応じる考えがないことをあらためて強調したとみられる。
会談は報道陣をシャットアウトして1時間半近く行われた。終了後の共同記者会見や声明発表はなく、イスラエルとの
信頼関係の回復や和平の推進を目指すオバマ政権にとって、特段の成果はなかったもようだ。
ネタニヤフ首相は首脳会談に先立ち、ペロシ下院議長ら米議会指導部と会談。ロイター通信によると、首相は入植活動の
全面凍結は「理不尽な要求」と主張。パレスチナ側が取り下げなければ「和平交渉はさらに1年停滞する可能性がある」と発言した。
イスラエルのメディアは首脳会談前、1600戸の宅地開発計画とは別に、エルサレム市当局が東エルサレムでの入植者住宅
20戸の建設を最終承認したと報じた。
2010/03/24 11:33 【共同通信】
入植者住宅20戸承認=米の反発必至−エルサレム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032400093 【エルサレム時事】イスラエルの複数のメディアは23日、エルサレム市当局が東エルサレムの入植者住宅20戸の建設を最終承認
したと報じた。訪米中のネタニヤフ首相とオバマ大統領による同日の会談を前に判明した新たな建設承認で、米側の反発を招くのは必至だ。
ハーレツ紙(電子版)によると、今回承認されたのは、シェイクジャラ地区のシェパードホテル跡地。ユダヤ系米国人の富豪が1985年に
土地を購入した。エルサレム市当局は昨年7月に同地の住宅建設を承認。米国などから計画撤回を求められていたが、18日に最終承認したという。
米国とイスラエルの関係は、バイデン副大統領がイスラエル訪問中の9日、イスラエル当局が東エルサレムで新規住宅1600戸の
承認を発表して以来、急速に悪化。クリントン国務長官は12日に行ったネタニヤフ首相との電話協議で入植地拡大計画の撤回などを要求した。
しかし、ネタニヤフ首相は米国で行った講演で「エルサレムは入植地ではない」などと主張し、東エルサレムでの入植凍結には
応じない姿勢を鮮明にしていた。(2010/03 /24-10:02)
関係修復で歩み寄れたか 米イスラエル首脳会談
2010.3.24 09:39
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100324/amr1003240941003-n1.htm 米下院の院内総務らとの会談を前に記者の質問に答えるイスラエルのネタニヤフ首相=23日、ワシントン(ロイター)
【ワシントン=犬塚陽介】訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相は23日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した。東エルサレムの
入植地建設問題で緊張状態にある両国関係の修復について話し合ったものとみられる。ただ、エルサレムの位置づけをめぐって両国の
見解は大きく隔たっており、どこまで歩み寄れたかは不明だ。
ネタニヤフ首相は大統領との会談前、ペロシ下院議長ら米議会関係者と面会。パレスチナ側が求める入植地建設の全面停止を
「筋の通らない理不尽な要求」と退け、2008年12月から中断している和平交渉が「さらに1年停滞する可能性がある」と述べた。
ネタニヤフ首相の報道官がメディアに語った。
入植地問題をめぐり、ネタニヤフ首相はエルサレムを「入植地ではなくイスラエルの首都」と位置づけており、反発するパレスチナ側を
よそに強硬な姿勢を崩していない。
一方、米国は入植地建設が「(パレスチナとの)信頼を損ない、交渉を危機にさらす」(クリントン国務長官)と批判。米国とイスラエルの
緊張は「過去30年で最悪」との指摘もある。
入植地問題の打開困難=米・イスラエル首脳会談
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032400163 【ワシントン時事】オバマ米大統領は23日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。東エルサレムでの入植地拡大計画の
撤回とともに、米仲介によるパレスチナとの間接交渉開始に向けた努力を求めたとみられる。しかし、同首相は入植地建設の継続方針を
鮮明にしており、事態の打開は困難な情勢だ。
首脳会談は完全に非公開の形で行われ、共同記者会見も見送られた。AFP通信によると、協議は1時間半にわたって続いた。
ネタニヤフ首相はこれに先立ち、議会を訪問。ペロシ下院議長らに対し、「課題は非常に大きいが、われわれの意志と協調関係も
非常に大きい」と述べ、対米関係重視を強調した。同議長もイスラエルに対する超党派の支持を再確認した。(2010/03 /24-09:58)
米・イスラエル首脳が会談、和平交渉で突破口見つからず
2010年 03月 24日 10:40 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14479420100324 [ワシントン 23日 ロイター] オバマ米大統領と訪米中のネタニヤフ・イスラエル首相が23日会談し、ユダヤ人入植地問題で
悪化している両国関係の修復を模索した。
ただ、中東和平に向けた突破口が見つかるとの見方は少なく、会談は異例の注目度の低さとなった。
会談は非公開で行われ、公式声明が発表される予定もないという。
米国は、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地に新たにユダヤ人住宅を建設する計画を批判しているが、ネタニヤフ首相は譲歩の姿勢をほとんど見せていない。
首相は、オバマ大統領との会談前に米議員らに対し、パレスチナ側が入植の完全凍結という要求を取り下げなければ和平交渉が
さらに1年先送りされる可能性があると述べた。
首相スポークスマンによると、ネタニヤフ首相は、ペロシ下院議長ら議会指導者との会合で「われわれは、非論理的かつ不当な
要求に縛られてはならない。(そのような要求により)和平交渉がさらに1年先延ばしされる可能性がある」と述べた。
協議は、08年12月以来中断している。
一方パレスチナ当局者らは、交渉を宙に浮かせているのはネタニヤフ首相の政策のほうだと反論。イスラエルが1600戸のユダヤ人住宅を
入植地に建設する計画を発表したことを受け、2週間前に間接交渉開始への同意を撤回している。
2010.03.24 Web posted at: 11:11 JST Updated - CNN
ワールド
米イスラエル首脳会談、関係修復に向けた打開は困難か
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201003240005.html ワシントン(CNN) オバマ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は23日夜、ホワイトハウスで2時間余り会談した。両国関係は、
イスラエルが2週間前に発表した東エルサレムへの新入植地建設問題をめぐる対立で揺らいでいる。
オバマ政権はイスラエルとパレスチナの和平交渉再開を促し、イスラエルに1967年の第3次中東戦争で占領した東エルサレムへの
新入植地建設を中止するよう求めている。しかしネタニヤフ首相は22日、新入植地建設計画の正当性を主張し、両国間の緊張を招いた。
各社報道によると、今回の首脳会談は非公開で行われており、公式声明の発表予定はない。事態打開につながる可能性は低いとみられている。
ネタニヤフ首相は首脳会談に先立ち、米議会で民主・共和両党の指導者らと会談。首相は米議員の「絶え間ない支持」と
「不断の友好関係」に感謝を表明した。ペロシ下院議長は、イスラエルをめぐる議会の意見が、和平推進とイスラエルの
安全保障維持などに引き続き取り組むことで一致しているとコメントした。
【福井】
展示物充実協力約束も 在日イスラエル大使館書記官、敦賀ムゼウムを訪問
2010年3月24日
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20100324/CK2010032402000007.html ボランティアガイド(右)の案内で施設を見学するイスラエル大使館のミハル・タル1等書記官(左)=敦賀市金ケ崎町で
写真
東京の在日イスラエル大使館のミハル・タル1等書記官(39)が23日、敦賀市金ケ崎町の市の資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」を訪問した。
敦賀ムゼウムは、第2次大戦中、故杉原千畝・駐リトアニア領事代理から「命のビザ」の発給を受けたユダヤ人難民が、
シベリア経由でロシアのウラジオストクから航路、敦賀港に上陸した歴史などを伝えている。
昨年大使館に着任したタル書記官は、希望して初めてムゼウムを訪問。ムゼウムのボランティアガイドの案内で、敦賀に
上陸した難民の写真や命のビザの複製などの展示物を熱心に見学した。
タル書記官は「写真の表情を見て、上陸したユダヤ人たちがどれだけ安心したかよく分かった」と感激した様子。同行した
市国際交流貿易課の職員に展示物の充実などに協力することを約束した。
また、タル書記官は命のビザの発給を受けたユダヤ人やその家族たちが敦賀港に集う催しを開催する方向で、大使館と
市が検討を進めていることを明らかにした。その際、参加者には船で港に上陸してもらい、当時の様子を再現することも考えているとした。 (立石智保)
米、イスラエル首脳会談 握手場面、撮影させず
2010年3月24日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010032402000203.html 【ワシントン=嶋田昭浩】オバマ米大統領は二十三日夕(日本時間二十四日午前)、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相と
ホワイトハウスで会談した。だが、大統領側は、通常行われる会談冒頭の取材をメディアに認めず、両者の握手の場面を撮影させないという異例の措置をとった。
オバマ大統領は、パレスチナ自治政府が反発している東エルサレムでのユダヤ人住宅建設計画をネタニヤフ首相が撤回しないため、
パレスチナ側に配慮して地味な会談設定にしたとみられる。
一方、ネタニヤフ首相は同日、ペロシ米下院議長らとの会談で、「われわれは(建設計画撤回というパレスチナ側の)不合理な
要求にとらわれてはいけない。(要求が取り下げられなければ)和平協議再開はさらに一年遅れる可能性がある」と述べ、ユダヤ人
入植地問題での強硬姿勢を崩していない。
二十二日に行われたクリントン米国務長官とネタニヤフ首相との会談も、直前になって、会談場所が変更された。
2010.03.24 Web posted at: 15:27 JST Updated - CNN
USA
「空港保安をイスラエル型に」 次期TSA局長が公聴会で語る
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN201003240011.html ワシントン(CNN) オバマ米大統領から米運輸保安局(TSA)の新局長に任命された、元米陸軍少将で黒人のロバート・A・ハーディング氏
は23日、米上院商業委員会の指名承認公聴会で、米国内の空港保安を、イスラエルの空港で実施されている手法に近づけるべきだとの考えを明らかにした。
イスラエルでは空港保安要員が、乗客への厳しい質問や対話で危険性を見極めている。ハーディング氏は米国の保安要員に、
1週間の研修を受講させる方針を明らかにした。同氏はまた、特別に訓練された約2000人の「行動追跡要員」を空港に配置し、
不審な行動の監視にあたらせるとしている。
ハーディング氏は、TSAがこうした手法を導入したばかりで、イスラエルと同水準には達していないと述べ、保安要員4万8千人の
研修を重視する考えを明らかにした。同氏は「変化は非常に早く表れるだろう」と語った。
イスラエル型の手法は世界で最も安全を確保できるとして多くの専門家から評価されている一方、乗客に立ち入った質問をするうえ、
搭乗を拒否する場合もあることから、人権活動家らからは批判されている。
米・イスラエル首脳、異例の非公開会談 入植地問題で進展なし
* 2010年03月24日 16:20 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/article/politics/2712771/5531092 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との会談を終えホワイトハウス(White House)西棟を
後にするベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)イスラエル首相(2010年3月23日撮影)。(c)AFP/Saul LOEB
【3 月24日 AFP】訪米中のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)イスラエル首相とバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は
23日、ホワイトハウス(White House)で2度にわたって会談を行った。だが、両国間で懸案となっているイスラエルの入植地問題に
ついては、大きな進展はなかったと見られている。
オバマ大統領は同日夜、ホワイトハウス内の大統領執務室(オーバルオフィス)内にネタニヤフ首相を招き、90分にわたって
会談を行った。だが、ここ数年で最も意見が対立している両国関係を表すように、両首脳がメディアの前に姿を見せることのない異例の会談となった。
米当局者が匿名を条件にAFPに語ったところによると、激しいやりとりの結果、ネタニヤフ首相は自らの外交スタッフと協議することを要求したという。
(続く)
>>32 より
ホワイトハウス西棟のルーズベルト・ルーム(Roosevelt Room)で1時間ほど協議を行った後、ネタニヤフ首相は再びオバマ大統領との
会談を求め、住居棟から戻ってきたオバマ大統領と大統領執務室で35分の会談を行った。
ネタニヤフ首相は会談後、記者団の質問などには答えず、ただちにリムジンでホワイトハウスを後にした。
米政府当局者は、会談の様子や中身、何らかの合意が提案・合意されたのかなどについては言及を避けている。
■追加の住宅建設計画も発覚
米国は、イスラエルがジョゼフ・バイデン(Joseph Biden)米副大統領訪問中の今月9日、東エルサレム(East Jerusalem)での
1600戸の入植者住宅建設を発表したことに強く反発している。
一方のネタニヤフ首相は22日夜、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた親イスラエル系ロビー団体
「米国イスラエル公共問題委員会(American Israel Public Affairs Committee、AIPAC)」の年次総会で「エルサレム(Jerusalem)は
入植地ではなく首都」だと主張し、オバマ政権に対し妥協することはないとのメッセージを伝えた形となった。
さらに、首脳会談が始まる直前には、エルサレム市当局が東エルサレムのパレスチナ系ホテル跡地に入植者向けアパート20戸を
建設することを承認したいたことも明らかになっている。(c)AFP/Stephen Collinson
イスラエル軍が国連学校近くを空爆 ガザ、けが人なし
2010年3月24日18時54分
http://www.asahi.com/international/update/0324/TKY201003240358.html 【エルサレム=井上道夫】イスラエル軍は24日未明、パレスチナ自治区ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプ付近を空爆した。
けが人はいない模様だ。ガザからの情報によると、空軍機は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校から
約500メートルの地点を攻撃した。イスラエル軍は23日未明にもガザ市内を空爆し、パレスチナ人4人が負傷した。
軍は両日の攻撃について「武装勢力の武器庫を攻撃した」と説明した。ガザの武装勢力は18日から23日にかけて、イスラエル領に
むけロケット弾計11発を発射しており、イスラエル軍の報復攻撃が続いている。
東エルサレム入植住宅計画を最終承認 米国の抗議を無視
2010年3月24日20時2分
http://www.asahi.com/international/update/0324/TKY201003240384.html 【エルサレム=井上道夫】24日付のイスラエル各紙は、エルサレム市当局が占領地東エルサレムで入植住宅20戸の建設計画を
最終承認したと報じた。ユダヤ系米国人の富豪が買収したホテルの周辺の土地に、住宅や進入路を建設する計画という。
この計画に初期段階の承認が下りた昨年7月、米国はパレスチナ和平交渉を阻害するとして、イスラエル政府に承認撤回を
求めたが、東エルサレムを自国領とみなしている同政府は、住宅建設を規制しない方針を堅持した。
東エルサレムでは建設計画中、承認済みの住宅は計5万戸に達しているとされ、同地を将来の首都と位置づけるパレスチナ側は反発している。
2010.03.24 Web posted at: 20:12 JST Updated - CNN
ビジネス
2年内には工事始まらずと、東エルサレムの新規宅地開発
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003240024.html (CNN) イスラエルが占領地東エルサレムで新規宅地開発を発表、パレスチナ自治政府や米国が強く反発している問題で、イスラエルの
メリドール副首相は23日、工事着手までには計画の詳細を詰めるなど準備期間が必要で、今後2年間内には実行されないと述べた。CNNとの会見で表明した。
副首相はしかし、東エルサレムはイスラエルの不可分の領土であるとも強調、1600戸の新規宅地開発計画が最終的には実施される
見通しを示した。また、計画が米国、イスラエル関係に悪影響を及ぼすとは考えないとも指摘。米国は、エルサレムがイスラエルの首都であることを承知していると語った。
東エルサレムでの新規宅地開発計画は、パレスチナ自治政府、イスラエルが、米国が仲介する間接和平交渉の開始に合意した
直後に打ち出されていた。パレスチナ側は反発して、和平交渉参加を拒否、米国も計画撤回を求めている。
ネタニヤフ首相は計画の凍結を拒否する姿勢を見せており、訪米して23日に行ったオバマ大統領との首脳会談でも新規宅地開発問題が
主要議題になったとみられる。
ネタニヤフ訪米、出口見えぬ米・イスラエル関係
2010.3.24 21:08
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100324/mds1003242110000-n1.htm 23日、オバマ大統領との会談を終え、バラク国防相(左)と共にホワイトハウスをでるネタニヤフ首相(AP)
【ワシントン=犬塚陽介】イスラエルのネタニヤフ首相は23日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談し、主要な訪米日程を
終えた。米国が仲介するパレスチナとの間接交渉の開始を祝うはずだった首脳会談は、東エルサレム入植問題で一転、報道陣を
シャットアウトして行われた。会談の多くは30年来で最悪とされる両国の関係改善に費やされたもようだが、イスラエルは入植停止を
求める米国の要求に応じる考えはなく、袋小路に陥っている。
1時間半に及んだとされる首脳会談は完全非公開で共同記者会見や文書による当日の声明発表もない異例のものとなった。
米政府関係者は「交渉内容の公表は得策ではない」と述べており、具体的な成果は得られなかったようだ。
連立政権の右派陣営から厳しい突き上げを受けているとされるネタニヤフ首相は、米国滞在中も入植地問題では強気の姿勢を崩さなかった。
(続く)
>>37 より
23日にはペロシ下院議長ら米議会関係者と面会。パレスチナ側が要求する入植地建設の全面停止を「筋の通らない理不尽な要求」
と退け、このままなら「和平交渉がさらに1年停滞する可能性がある」と述べた。
また、親イスラエル団体「米国イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)の22日の総会で演説したネタニヤフ首相は、「エルサレムは
入植地ではなくイスラエルの首都」と述べ、「ユダヤ人は3000年前にエルサレムを築き上げ、現在も築いている」と正当性を強調した。
イスラエルの強硬姿勢に対し、米国も打開策を見いだせずにいる。クローリー米国務次官補(広報担当)は23日の記者会見で
「イスラエルとの対話を継続し、イスラエルとパレスチナの信頼ムードを構築したい」と従来の方針を繰り返すにとどまった。
オバマ政権が思い切った対応を取れない背景としてAP通信は、11月の中間選挙を控え、ユダヤ系米国人に民主党支持者が多いことを指摘している。
クリントン国務長官も22日のAIPACの演説で入植問題を批判する一方、「イスラエルの安全は米国の利益だ」と両国が協調する重要性を強調していた。
2010.03.24 Web posted at: 21:26 JST Updated - CNN
ビジネス
東エルサレムでアパート建設最終承認 和平交渉の行方さらに不透明に
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003240028.html エルサレム(CNN) エルサレム市当局は24日、占領地東エルサレムのパレスチナ系住民が多い地区での入植者向けアパート20戸の
新規建設計画を最終承認した。イスラエル政府は先に、東エルサレムの別地区で1600戸の新規宅地開発計画を発表、
パレスチナ自治政府、間接和平交渉の仲介役でもある米国の強い反発を買っている。
アパート20戸の建設承認は、パレスチナ、米国の神経をさらに逆なですることは必至で、和平交渉の行方は一層不透明になった。
パレスチナ自治政府は東エルサレムを将来の首都と想定している。
アパート20戸の建設は米国人実業家が進めているもので、用地は1985年に購入していた。同実業家は東エルサレムでのユダヤ人
入植活動の積極的な支持者ともされる。アパート建設で、1930年代にパレスチナ人家族が建てた歴史的な著名ホテルも解体の危機にさらされるという。
アパート建設計画は昨年夏、市から初期段階の承認を受けたが、米国は強く反対して計画棚上げを主張。しかし、ネタニヤフ
同国首相がこれを聞き入れていなかった。
エルサレム市当局はアパート建設について、昨年夏に既に許可していた事業で、土地の所有者が事業推進に必要な経費を
支払ったため自動的に最終承認されたと主張している。
入植地建設は国際法違反 国連事務総長
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032501000068.html 【ニューヨーク共同】国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は24日、イスラエル当局が東エルサレムで1600戸の宅地開発計画に
続き、さらに入植者住宅20戸の建設を承認したことに関し「国際法違反であり、中止しなければならない」と述べ、イスラエルを
強い調子で非難した。国連安全保障理事会の会合に参加後、記者団に語った。
事務総長は「(イスラエルとパレスチナの)2国家共存に向けた交渉」が中東和平実現への唯一の方法だと強調。米国の仲介による
間接交渉を害するような「一方的な行動」を控えるよう訴えた。
2010/03/25 07:18 【共同通信】
イスラエル外交官追放 英、ハマス幹部暗殺事件で
2010年3月25日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010032502000071.html 【ロンドン=松井学】ミリバンド英外相は二十三日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで今年一月、イスラム原理主義組織ハマス幹部が
暗殺された事件で、犯人らが使った英国旅券の偽造にイスラエルが関与したとして、同国外交官一人を国外追放したと発表した。
外相は議会で、犯行の手口や偽造技術の高さから「イスラエルがかかわったと考えざるを得ない理由がある。このような悪用は許容できない」
と強く非難。イスラエル外相に書簡を送り、再発防止の保証を求めたことも明らかにした。
事件で使われた偽造旅券は英国のほか、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストラリアの各国にまたがっている。米国が反発する
東エルサレムの入植地建設問題に加え、イスラエルにとっては各国との関係悪化が避けられない事態だ。ただ、英国は「イスラエルとの
戦略的協力関係は重要で、冷静になる必要もある」(ミリバンド外相)との外交姿勢は崩していない。
国外追放を受けて、イスラエルのリーベルマン外相は声明を発表し、英国の措置に「失望した」と述べた。事件は、イスラエルの
対外特務機関モサドによる暗殺との見方が強まっているが、同国は事件への関与について否定も肯定もしていない。
イスラエル首相と異例の追加会談 オバマ米大統領
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032501000166.html 【ワシントン共同】ギブズ米大統領報道官は24日の記者会見で、23日のオバマ大統領とネタニヤフ・イスラエル首相の会談終了後、
イスラエル側から再会談の申し出があり、異例の追加会談を行ったと明らかにした。
占領地東エルサレムなどでのユダヤ人住宅建設をめぐり強硬姿勢を崩さないイスラエルに対し、オバマ氏が「中東和平間接交渉に
向け、信頼醸成に必要な措置を取るよう求めた」と報道官は説明。イスラエル側の反応も含め会談内容について報道官は言及を
避けたが、米側は建設中止を強い調子で求めたとみられる。
23日の首脳会談は、ホワイトハウス西館の大統領執務室で午後5時半から同7時まで実施。その後オバマ氏は居住棟に戻った。
ネタニヤフ首相は随行員らと別の部屋で協議した後、オバマ氏との再会談を求め、同8時20分ごろから2度目の会談が始まった。
また、事務レベル協議が24日午前0時半ごろまで続いた。
ネタニヤフ首相は24日、ミッチェル中東和平担当特使と会談。イスラエルにとって米国は最大の同盟国だが、ホワイトハウスは今回、
共同記者会見などの取材機会を一切設けず、首脳会談時の写真提供も見送っている。
2010/03/25 09:03 【共同通信】
国連人権理、入植地建設非難決議を採択 米国は反対
2010.3.25 14:21
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100325/mds1003251422003-n1.htm 国連人権理事会は24日、イスラエルによる占領地東エルサレムでの新たなユダヤ人住宅建設を「厳しく非難する」などとした、
パレスチナ問題に関する3本の決議を賛成多数で可決した。米国はいずれの決議案にも反対票を投じた。
採決にかけられたのは、イスラエルが新たに発表した東エルサレムでの入植者用住宅建設の計画を非難した決議のほか、パレスチナ人の
自決権を再確認する決議、パレスチナにおけるイスラエルによる「深刻な人権侵害」と題された決議。
いずれもパレスチナ自治政府やイスラム諸国会議機構(OIC)が提出。入植地建設と自決権に関する二つの決議には欧州諸国や
日本も賛成。反対は米国だけだった。
米政府も住宅建設の中止を求めているが、人権理の決議は「政治の道具にされていて一方的すぎる」(同国代表)との理由で反対に回った。(共同)
ビンラディン容疑者が声明、「米同時テロ容疑者を死刑にすれば報復」
* 2010年03月25日 23:33 発信地:ドバイ/アラブ首長国連邦
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2713503/5535724 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者(撮影場所・撮影日不明)。(c)AFP
【3 月25日 AFP】カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)は25日、米国での起訴が見込まれる米同時多発テロ事件の
主犯格、ハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)容疑者が処刑された場合、米国民は国際テロ組織アルカイダ
(Al-Qaeda)による報復を覚悟せよと宣言する同組織の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の音声テープを放送した。
(続く)
>>44 より
メッセージの中でビンラディン容疑者は「ホワイトハウス(White House)は(モハメド容疑者らの)死刑を望むと公言している。米国が
そうした決断を下す日はすなわち、おまえたちの中の誰をわれわれが拘束しても、その者たちも全員処刑される道を決断することになろう」と述べている。
またアフガニスタンにおける戦闘の激化を指して「ホワイトハウスにいるおまえたちの友人は、いまだ多くの重要な点で、彼の先人たちと
同じ道をたどっている」と批判し、さらに「モハメドをはじめ拘束しているわれわれの人質をも抑圧している」、米国の政治家たちは
「以前も今もわれわれをしいたげている。特にパレスチナの地を占領するイスラエルを支援している」と非難の言葉を連ねた。
米バラク・オバマ(Barack Obama)政権は数週間以内に、モハメド容疑者と4人の共犯格を連邦裁判所で裁くか、特別軍事法廷で
裁くかという重要な決定を下す。(c)AFP
社説:オバマ政権 入植地と「壁」の解決を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100326k0000m070113000c.html 米・イスラエル関係が冷え込んでいる。イスラエルのネタニヤフ首相が、同国への「無条件の支持」をうたう米国にやってきた。
なのにホワイトハウスは、オバマ大統領との握手の場面を記者団に撮影させなかった。尋常ならざる事態である。
その主たる責任はイスラエル側にあるだろう。同国は67年の第3次中東戦争以降、占領したヨルダン川西岸や東エルサレムなどに
ユダヤ人入植地を造り続けた。入植地といえば小さな集落を連想しがちだが、人口数万人の大規模団地もある。
これについて日本は「基本的にジュネーブ条約違反」(外務省高官)との立場だ。戦争捕虜や占領地の扱いなどを定めた同条約は、
占領地への自国民移住などを禁じている。歴代米政権も入植地を「和平の障害」と憂慮してきた。
しかし、イスラエルは今月上旬、バイデン米副大統領の滞在中に東エルサレムでの新規住宅建設を発表した。これを米側が批判すると、
ネタニヤフ首相は米国の親イスラエル団体の会合で「エルサレムは我々の首都だ」と対決姿勢をあらわにした。
同首相は米国のネオコン(新保守主義派)や共和党の支持が厚い半面、オバマ、クリントンの両民主党政権との摩擦が目立つ。
だが、こうした首相の強硬姿勢がイスラエルとパレスチナを平和に導けるのか。改めて首をかしげざるを得ない。
(続く)
>>46 より
国際合意を無視した和平などありえないからだ。エルサレムは公認されたイスラエルの首都ではない。イスラエルが建設する
「分離壁」にしても、国際司法裁判所は「国際法違反」と断じ、国連総会は壁の撤去を求める決議を採択した。だが、入植地問題と
同様、壁の解消を図る動きは米国内でもほとんど見えない。
01年の米同時多発テロ後、ブッシュ政権はテロと戦う姿勢を鮮明にしたが、「何がテロを助長するのか」という問題意識は
希薄だった。テロの黒幕、ウサマ・ビンラディン容疑者は、イスラエルのレバノン侵攻(82年)への怒りから対米テロを思いついたと語っている。
証言の真偽はともあれ、テロを防ぐには不合理の解消も必要だ。多数の犠牲者を生むイスラエルの軍事行動を擁護し、同国に
不利な国連安保理決議案は何度でも拒否権で葬る。それが近年の米国の常だが、あからさまな不合理や不条理を放置すればテロ根絶は難しかろう。
中間選挙を控える米議会には、ユダヤ票への思惑もあってイスラエル支持の声が強い。だが、米国が公正を保つ姿勢を見失えば
テロの土壌が肥え太り、過激派が勢いづく。その矛先は同盟国のイスラエルにも日本にも及ぶことを忘れてはなるまい。
入植問題で閣僚から強硬意見続出 イスラエル
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032601000624.html 【エルサレム共同】イスラエルによる占領地東エルサレムでのユダヤ人向け宅地開発計画が米国などから非難されている問題で
25日、ネタニヤフ連立内閣の閣僚から入植継続を求める強硬な意見が続出した。最大の同盟国である米国との意見の対立に
直面し、主要メディアは早くも野党の連立参加による政権基盤の強化を論じ始めた。
東エルサレムを将来の独立国家の首都とみなすパレスチナ側は開発計画に強く反発。米国を仲介役とする間接和平交渉の開始は困難な情勢だ。
ネタニヤフ首相は23日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談。大統領は宅地開発計画の凍結を強い調子で要求、首相は
凍結に応じる考えがないことを重ねて表明したとみられている。
「気を抜けばすべてを失う」(シャローム首相代理)「われわれは米国の属国ではない」(ヘルシュコビッツ科学技術相)。イスラエルの
メディアによると、右派ネタニヤフ内閣の閣僚からは25日、オバマ氏の要求を突っぱねるよう首相に求める意見が相次いだ。
2010/03/26 16:34 【共同通信】
ガザで衝突、5人死亡 イスラエル軍侵攻
2010.3.27 12:14
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100327/mds1003271217002-n1.htm パレスチナ自治区ガザの南部ハンユニス付近に26日、イスラエル軍が軍事侵攻しパレスチナ武装勢力と衝突、AP通信などに
よるとイスラエル兵2人とパレスチナ人3人が死亡した。パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスなどが攻撃への関与を認めた。
イスラエル軍によるガザ大規模攻撃が2009年1月に実質停戦となって以降、最大規模の武力衝突とみられる。
占領地での入植活動をめぐり強硬論が目立つイスラエル政府が、さらに態度を硬化させる恐れがある。
現場はハンユニス東方の境界付近。軍によると、パレスチナ人が境界のフェンス付近に爆弾を仕掛けていたため戦車などで侵攻、
パレスチナ武装勢力から銃撃を受け、砲撃などで応戦した。
ハマス側は、イスラエル軍が侵攻してきたため攻撃したとしている。(共同)
2010.03.27 Web posted at: 14:34 JST Updated - CNN
ワールド
ガザ南部でイスラエル軍とハマスが銃撃戦、兵士ら死亡
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201003270006.html (CNN) イスラエル軍は26日、パレスチナ自治区ガザで同日、銃撃戦が起き、兵士2人、パレスチナ人3人が死亡したと発表した。
兵士2人が負傷した。ガザでの戦闘でイスラエル軍兵士が死亡したのは過去1年余で初めて。
ガザにある警備フェンス沿いに爆発物を仕掛けていたパレスチナ人グループを発見、銃撃戦になったと説明している。戦車が砲撃を加えたとも述べた。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの軍事部門当局者は記者会見し、南部ハンユニス付近でイスラエル軍と衝突し、
同国兵士を死傷させたことを認めた。ハマス側には死者1人が出たとも述べ、別の1人との連絡が途絶えているともした。また、イスラエル軍の侵攻を非難した。
ハンユニスの病院当局者は、重傷を負った23歳のパレスチナ人が死亡したとも語った。パレスチナ人8人が負傷したとの情報もあるが、確認されていない。
ガザでは、ハマスによるイスラエル領内へのロケット弾攻撃の多発を受け、イスラエル軍が2008年末に侵攻、数週間に
わたって武装衝突していた。ハマスは、イスラエル国家を認知していない。
アラブ首脳会議開幕 ユダヤ人入植地建設でイスラエル非難へ
2010.3.27 20:06
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100327/mds1003272007003-n1.htm アラブ連盟(22カ国・1機構が加盟)の首脳会議が27日、リビアの地中海岸の都市シルトで開幕した。普段は足並みのそろわない
ことの多いアラブ首脳だが、イスラエルのネタニヤフ政権が発表した東エルサレムのユダヤ人入植地拡大計画に対して各国とも
強く反発しており、今回は対イスラエル非難で結束を誇示することになりそうだ。
首脳会議は28日まで。25日の外相会議では、東エルサレムのパレスチナ人に5億ドル(約460億円)を支援する方針を決めた。
イスラエルは今月初め、オバマ米政権がパレスチナ和平交渉開始させようとした矢先に、1967年の第3次中東戦争で占領・併合した
東エルサレムに新たに1600戸の住宅を建設する計画を発表し、国際社会の反発を招いた。(カイロ 村上大介)
リビアでアラブ首脳会議 間接和平交渉など焦点
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032701000809.html 【シルト共同】アラブ連盟(21カ国と1機構)首脳会議がリビア北部シルトで27日、2日間の日程で開幕した。米国仲介による
パレスチナ自治政府とイスラエルとの間接和平交渉について、アラブ連盟がいったん表明した交渉開始への支持を撤回するかどうかが焦点になりそうだ。
間接和平交渉は、3日のアラブ連盟による支持決定を受けて8日、自治政府とイスラエル双方が開始に合意。しかし合意翌日に
イスラエルが占領地東エルサレムで1600戸の宅地開発計画を承認したため、パレスチナ側が激しく反発、開始が危ぶまれている。
中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、会議ではイスラエルの入植活動拡大に対抗するため、東エルサレムのパレスチナ人支援を
目的とした計約460億円の基金創設を協議。またイランの核問題や、イラク情勢なども話し合われるという。
2010/03/27 20:29 【共同通信】
アラブ首脳会議始まる―リビア
主要議題は対イスラエル非難決議
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100327-205744.html 【シルト(リビア北部)鈴木眞吉】アラブ連盟(21カ国1機構加盟:本部カイロ)加盟の首脳によるアラブ首脳会議(アラブ・サミット)が
27日、リビアの中央北部都市シルトで始まった。
28日までの2日間、イスラエルによる東エルサレムへの入植住宅1600戸建設発表に対する非難決議を中心に29項目の協議事項の合意を目指す。
アラブ首脳らは26日から27日にかけて次々にシルトに到着、空港に設けられた、リビアのカダフィ大佐が好むテントに招かれ、民族舞踊とともに歓迎を受けた。
ただ、国家間の諸問題やカダフィ大佐への個人感情もあって、参加首脳は、シリアやヨルダン、スーダン、アルジェリア、パレスチナ自治政府、
クウェート、イエメンなど10カ国余りにとどまり、サウジアラビアやレバノン、イラク、チュニジア、モロッコなどの主要国首脳は欠席した。
ムバラク・エジプト大統領は、胆嚢(たんのう)の手術後の静養のため、欠席した。
(続く)
>>53 より
25日実施の同外相会議では、ジバリ・イラク外相が、カダフィ大佐が、イラクの旧フセイン政権の支配政党、バース党の関係者と
会談、バース党を支持したとして抗議、退場する場面もあった。
一方、同会議には、バン・キブン国連事務総長やベルルスコーニ・イタリア首相、エルドアン・トルコ首相、モラティノス・スペイン外相らも出席した。
アラブ・サミットは例年、アラブ諸国内の対立を抱え、波乱の会議運営が続いたが、今年は、イスラエルによる入植住宅建設発表と
いう絶好の攻撃目標を得、パレスチナ支援、イスラエル批判で声をそろえる可能性がある。バン・キブン事務総長も開会式で、イスラエルの
同発表を「国際法違反」とし、アラブ諸国による一層のパレスチナ支援を促した。
なお、シルトは、カダフィ大佐の出身地。
「昨年の主催国カタールのハマド首長は同日の開会式で、アラブ諸国は、イスラエルを非難するだけでなく、具体的な解決策が必要だと
指摘、また、アラブ指導者間のコミュニケーションを図るための最高会議の必要性を訴えた。
今年の主催国リビアのカダフィ大佐も、「論議よりも行動が必要だ」と訴え、長引く中東和平の即時進展のための行動を促した。
ムーサ・アラブ連盟事務局長はイラン問題にも言及、近い将来アラブ諸国がイランとの対話を再開することへの期待感を表明した。
今回のサミットの議題の一部になるもよう。
2010/3/27 20:57
イスラエルの入植拡大批判相次ぐ=アラブ首脳会議開催−リビア
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032700228 【カイロ時事】リビアの地中海沿岸の都市シルトで27日、アラブ連盟(22カ国・機構で構成)の首脳会議が2日間の日程で
開幕した。国連の潘基文事務総長は演説で、米国が仲介するパレスチナ自治政府とイスラエルの間接和平交渉を支持するよう
呼び掛けたが、同国による東エルサレムでの入植拡大計画への批判が相次ぎ、そうした雰囲気にはないのが実情だ。
連盟のムーサ事務局長は「和平プロセスが完全に失敗に終わる可能性について検討しなければならない。代替案を持つ必要がある」
と述べ、和平交渉は困難との認識を示した。自治政府のアッバス議長も「イスラエルが(現在の)入植政策を維持する限り、
間接交渉を再開することはできない」と強調した。
主催国リビアの最高指導者カダフィ大佐に招待されたエルドアン・トルコ首相も、イスラエルがエルサレムを東西不可分の首都と
主張していることは「狂気だ」と同調した。25日の外相級会合で東エルサレムのパレスチナ人に5億ドル(約460億円)を支援する
方針が決まっており、首脳会議で最終決定される見込み。(2010/03/27-23:38)
2010.03.28 Web posted at: 19:18 JST Updated - CNN
ワールド
イスラエル入植政策非難、和平交渉の崩壊もと アラブ連盟
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201003280008.html (CNN) パレスチナ自治政府のアッバス議長は27日、リビア北部シルトで同日開幕したアラブ連盟(21カ国、1機構)首脳会議で
演説、パレスチナ和平交渉に触れ、イスラエルが現在の入植地政策を維持する限り、前進しないとの見解を表明した。
和平交渉では、米国を仲介役とする間接和平交渉方式にパレスチナ、イスラエル双方が3月初旬に合意。しかし、イスラエル政府が
その直後、占領地東エルサレムでの1600戸の新規宅地開発計画を発表して、自治政府が強く反発、交渉開始の見通しは立っていない。
同連盟首脳会議では、他の参加者もアッバス議長の主張を支持。連盟のムーサ事務局長は和平交渉そのものが全面的に
失敗する可能性にも備えなければならないとの危機感を表明した。トルコのエルドガン首相は、イスラエルの入植政策を「正気とは思えない」と糾弾した。
アラブ連盟は、間接和平交渉への支持を表明していたが、これを撤回する可能性もある。米国もイスラエルに対し1600戸の
建設計画の凍結を求めているが、イスラエルのネタニヤフ首相は応じていない。
パレスチナ自治政府は東エルサレムを将来の首都と位置付けている。
【海外事件簿】ハマス暗殺、これがモサドの流儀 (1/5ページ)
2010.3.28 18:00
このニュースのトピックス:海外事件簿
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100328/mds1003281801000-n1.htm 2月17日、ガザ地区北部で、暗殺されたマブフーフ司令官の写真の前に立つハマス兵(ロイター)
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのホテルで今年1月、イスラム原理主義組織ハマスの幹部が暗殺された。監視カメラの映像
などから、ドバイ警察当局は、イスラエルの情報機関モサドによる犯行とほぼ断定。国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)が
これまでに容疑者27人を国際手配した。当局発表や報道などによると、犯行グループはスパイ小説さながらの手口で標的を殺害。
イスラエルは否定も肯定もしていないが、その手際の良さから、各国では「モサド犯行説」が前提となりつつある。(大内清)
(続く)
>>57 より
予定筒抜け
1月19日、ハマス軍事部門幹部、マフムード・マブフーフ司令官が、活動拠点であるシリアの首都ダマスカスからドバイを訪問、空港近くに
あるアブダビ資本の高級ホテル「アルブスタン・ロタナ・ホテル」に滞在する−。暗殺チームはこの情報をすでに入手していた。目的はおそらく、
兵器の買い付けとハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区への輸送の手配。
18日夜から19日未明にかけて、暗殺チームはパリやフランクフルト、チューリヒ、ローマなどの欧州各都市から次々とドバイ入りした。
フランス人「ピーター・エルビンガー」名義の旅券を持ったリーダー格の男は、午前2時半ごろに到着。メンバーはそれぞれ、ロタナ・ホテルやその周辺に宿を取った。
(続く)
>>58 より
19日朝、リーダー格の男はメンバー数人とショッピングモールで落ち合った。計画を最終的に打ち合わせるためだ。その間、別のメンバーたちは
変装してターゲットの到着を待った。連絡には盗聴防止機能がある無線が使用されたという。
「アブドル・ラウーフ・ムハンマド」名義の偽造旅券を持ったマブフーフ司令官が到着したのは午後3時ごろ。約30分後、この偽名で部屋を
予約していたロタナ・ホテルにチェックインした。ホテルではすでに監視役が2人ずつ交代でロビーを行き来し、司令官の行動と周囲の状況に
異変がないか目を光らせていた。
犯行20分
司令官が部屋に案内してもらうためにホテル従業員とエレベーターに乗ると、テニスラケットを持ったスポーツウエア姿の男2人が横に
すべり込んだ。ひとりは背が低く小太り、もうひとりは長身だった。
司令官と従業員が2階で降りると2人もそれに続き、司令官の部屋が230号室であることを確認。その直後、何者かがホテルに電話を
かけ、リーダー格の男の偽装である「エルビンガー」の名前で、空室だった向かいの237号室を確保した。「エルビンガー」はその少し後に、
同夜のカタール経由ミュンヘン行きの航空券も予約している。
午後8時前後、マブフーフ司令官が外出すると、たくましい体つきの男4人が素早く司令官の部屋に侵入した。部屋の鍵を開けるまでに
かかった時間は数秒から数十秒。エレベーターホールではその間、一般の宿泊客が近づいて来ないよう見張り役が警戒していた。
(続く)
>>59 より
午後8時24分、司令官が部屋に戻ったとき、その場では男4人が待ち受けていたとみられる。約20分後、4人がホテルを出るのに
続いて、237号室にいた仲間やロビーの監視役たちも持ち場を離れて散っていった。数人は2時間弱のうちに出国していることが確認されている。
遺体が発見されたのは翌20日午後だった。当初は病死とみられたが、身元が判明すると一気に事件性が高まり、ドバイ警察が
捜査に乗り出した。検視の結果、死因は強力な筋弛緩(しかん)剤を投与された後の窒息死であることが分かった。
「最強の情報機関」
「99%、モサドの犯行」
ドバイ警察のダヒ・ハルファン・タミーム長官は2月15日、記者会見で、ホテルや空港の監視カメラの映像などから犯行グループを
特定したと発表し、こう語気を強めた。
イスラエルは1948年の建国以来、周辺のアラブ諸国やパレスチナ人組織と常に対立し、大小の戦争を繰り返してきた。その中に
あってモサドは、情報収集や破壊工作で力を発揮。暗殺も数多くこなし、敵対組織から恐れられてきた。世界中に張り巡らされた
ネットワークから「世界最強の情報機関」とも呼ばれる。
タミーム長官はその後、あらゆる機会を使ってイスラエルのネタニヤフ首相やモサドのメイル・ダガン長官を非難。アラブ諸国を中心に、
両者の辞任を求める声も高まっている。
タミーム長官が執拗(しつよう)に糾弾するダガン氏とはどんな人物なのか−。
(続く)
>>60 より
「ケンカ屋」
ダガン氏は2002年、モサド長官に任命された。右派のシャロン首相(当時)とは、軍隊時代から強い絆があったという。
英紙タイムズ(電子版)によると、ダガン氏就任後のモサドは、米欧の情報機関との協力関係を重視する前任者の方針を転換し、
単独行動も辞さない強硬姿勢をとるようになった。08年2月にはレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラのムグニヤ司令官暗殺に
成功。07年のシリア核施設空爆でも、政府の決定に重要な役割を果たした。
モサドの活動に詳しいイスラエル紙ハアレツの記者は、ダガン氏を「頑固なケンカ屋」と形容。こうしたやり方を嫌い、モサドを離れる職員も多いという。
(続く)
>>61 より
常套(じょうとう)手段
ドバイ警察の発表などによると、今回の事件には、暗殺の実行グループとして少なくとも男女27人が関与、それぞれが偽造旅券を使用していた。
犯行に使われた旅券は、英国が12人▽アイルランドが6人▽フランスが4人▽オーストラリアが4人▽ドイツが1人。元の国籍を
保持したままイスラエルに移住して国籍を取得した、実在する人たちのデータで、顔写真だけが別人に入れ替えられていた。英当局は、
旅券の本来の持ち主がイスラエルを旅行した際、ホテルの従業員や空港の係官によって個人情報が盗まれた可能性が高いとの見方を強めているという。
英国のミリバンド外相は今月23日、「旅券悪用の責任はイスラエルにある」と強く非難。モサドのロンドンにおける責任者とみられる
イスラエル人外交官1人を国外追放処分とした。
偽造旅券使用は、イスラム諸国の多くと国交がないイスラエルの常套手段といえる。1980年代には、イスラエル外交官が無記名の
英国旅券8冊を英国から持ち出していたことが判明。偽造旅券の問題は、イスラエルと友好関係にある欧州諸国にとっては常に頭の痛い問題なのだ。
(続く)
>>62 より
裏切り者?
今回の事件処理で頭を痛めているのは、ハマスも同じだ。
2月、事件への関与が疑われるとしてパレスチナ人の男計3人がヨルダンとシリアで逮捕され、ドバイに移送された。いずれも2007年まで
ガザに居住しており、うち1人はハマスの治安当局者とされる人物。ドバイ当局は、この男がマブフーフ司令官の予定をモサドにリーク
していた可能性が高いとみている。
裏切り者が出たとなっては、組織の求心力が低下しかねない。ハマスは裏切り者の存在を否定し、司令官の行動予定が筒抜け
だったのは司令官がインターネットで航空券やホテルの予約をしたためだと主張。尾行や監視を常に警戒する立場の司令官がうかつに
ネットでチケットを購入するとは考えにくいが、そこには、事件の詳細に深入りしたくないとの思惑がにじむ。
一方、今回の事件では、多数の監視カメラによって暗殺チームの行動が“丸裸”となったにもかかわらず、イスラエル政府は、事件への
関与について否定も肯定もしないという態度を貫いている。それによって「モサドは(周囲から恐れられる)かつてのオーラを取り戻している」
(タイムズ)といえるかもしれない。
2010.03.28 Web posted at: 19:15 JST Updated - CNN
ビジネス
ヨルダン川西岸への出入りを制限、ユダヤ教休日でイスラエル軍
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003280020.html エルサレム(CNN) イスラエル軍は26日、占領地のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸への住民らの立ち入りを28日から4月6日
まで制限するとの方針を発表した。バラク国防相が命令した。ユダヤ教の春の祭りに伴う休暇シーズン入りをにらんだ措置で、西岸の
最近の情勢分析を踏まえたともしている。
軍の声明によると、医療手当てを必要としている住民や証明証を保持するジャーナリストらの出入りは許可するとしている。また、
人道援助関係者、医師、弁護士や他の専門職従事者の行き来は許可制となる。
イスラエル政府は過去にも、ユダヤ教の休日などに合わせ、占領地住民の移動を制限したことがある。ただ、西岸では最近、
ユダヤ人入植活動に関連し、パレスチナ人とイスラエル軍との衝突が目立つ。ガザでは26日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスが衝突、5人が死亡している。
イスラエル政府は3月初旬、パレスチナ自治政府が将来の首都と位置付ける東エルサレムで1600戸の新規宅地開発計画を
発表。自治政府はこれに反発し、米国が仲介役となるイスラエルとの間接和平交渉への参加合意から後退している。
アラブ首脳会議が閉幕/交渉前に入植停止要求
2010/03/29 01:05
http://www.shikoku-np.co.jp/national/international/article.aspx?id=20100328000363 【シルト共同】リビア北部シルトで開かれていたアラブ連盟(21カ国と1機構)首脳会議は28日、イスラエルとパレスチナ自治政府との
間接和平交渉について「(イスラエルによる)入植活動の完全停止が(交渉開始の)条件になる」とする決議を採択して閉幕した。フランス公共ラジオなどが伝えた。
イスラエル、パレスチナが交渉開始に合意した直後、イスラエルが入植活動拡大を発表したことに対する各国の反発を踏まえた内容。
イスラエルは自治政府と同交渉の開始に合意した翌日の今月9日、占領地東エルサレムで1600戸の宅地開発計画を承認。
パレスチナ側が激しく反発していた
2日間の会議では連盟のムーサ事務局長が「和平プロセスが崩壊する可能性もある」と述べ、強い危機感を表明。一方でシリアの
アサド大統領がアッバス自治政府議長に対し「交渉をあきらめ、過去の武力路線に戻る」よう求め、拒否される場面もあったという。
中東和平交渉、崩壊の可能性―ムーサ事務局長が指摘
アラブ側の思うつぼとの見方も
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100328-214739.html パレスチナによる第3次インティファーダ勃発の可能性も
【シルト(リビア北部)鈴木眞吉】アラブ連盟(21カ国1機構:本部カイロ)のムーサ事務局長が27日、アラブ首脳会議(アラブサミット)の
開会式で指摘した、「中東和平交渉の崩壊の可能性」が波紋を呼んでいる。
オバマ米政権発足以来、初めて結実した「米国を仲介とする間接交渉」が発表された2日後の3月9日、イスラエル内務省による
東エルサレムへの入植住宅1600戸の発表によって無残にも打ち砕かれ、まず米国が反発し、パレスチナ自治政府及びアラブ連盟が
即座に「猛反発」を示したことにより、「交渉凍結状態」が続いているからだ。
米国が、間接交渉再開の条件とした入植住宅1600戸建設発表取り下げに対して、ネタニヤフ・イスラエル首相は明確に拒否、
その後の同首相とクリントン米国務長官、及びオバマ米大統領との会談でも「拒否」は貫かれ、にっちもさっちもいかない状況にあることが、
ムーサ氏の言葉を引き出したものと見られる。
(続く)
>>66 より
アッバス・パレスチナ自治政府議長は27日、アラブサミット開会式で、「イスラエルが現在の入植政策を維持する限り、前進しない」
と断言、ムーサ氏の考えを追認した。
そもそも、交渉開始に入植凍結を最低限の条件としていたアラブ連盟が、3月初旬の外相会議で“実質、条件を取り下げて”
間接交渉支持を打ち出したのは、アラブ・イスラム世界に好意的なオバマ大統領の顔を立て、米国に仲介努力を期待したからで、
米国がイスラエルに真っ向から反発した時点で、もうオバマ政権とともに、対イスラエルを闘う好条件が出来たと考えたものと見られる。
そういう意味では、米国を抱き込んで戦い得る好機到来との計算が働いているものと見ることができそうだ。いわば、アラブ側の思うつぼに
はまりつつあるとの見方も可能で、イスラエル側にとっては危機的状況が到来したとも言えよう。
ただ、イスラエル側がことエルサレムに関して強硬姿勢を取る理由は明らかで、ネタニヤフ首相が「エルサレムは入植地ではなく、イスラエルの
首都だ」と明言、既に3000年前から都であったことがその理由の第一だ。「東エルサレムへの住宅建設はテルアビブへの住宅建設と
何ら変わらない」とも断言、エルサレム問題では決して妥協しないという強い姿勢を示している。
(続く)
>>67 より
このことは、東エルサレムを将来の首都と考えるパレスチナとは真っ向から対立する立場で、解決は容易ではない。
米国とイスラエルとの不協和音が契機となり、エルサレムでのパレスチナ住民とイスラエルと治安部隊との衝突が激化、26日には
パレスチナ自治区ガザ南部で、イスラエル軍とハマスが銃撃戦を展開、イスラエル軍兵士2人が死亡、パレスチナ人3人が死亡した。
イスラエル兵士の死亡は過去1年余りで初めてのこと。
アラブサミットで、対イスラエル闘争の激化が黙認でもされれば、第3次インティファーダ(民衆蜂起)が勃発する可能性も考えられ、
今回のサミットでのアラブ首脳らの決断の行方が注目されるところだ。
2010/3/28 21:47
アラブサミット、対イスラエル非難決議などを採択して閉幕へ
イランとの関係改善には拒否が多数
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100328-214231.html 【シルト(リビア北部)鈴木眞吉】リビアの地中海沿岸の都市シルトで27日から始まったアラブ首脳会議(アラブサミット:21カ国1機構)
は28日、今月9日に東エルサレムの入植住宅1600戸の建設を発表したイスラエルを厳しく非難する決議を含む29項目の決議を採択して閉幕する。
パレスチナ紙アルクッズ・アルアラビは28日、アッバス・パレスチナ自治政府議長が、リビアの最高指導者カダフィ大佐が空港に
出迎えなかったとして激怒、会議参加を早期に切り上げる意向を示したものの、カダフィ大佐が27日夜アッバス議長と会談、
慰留したもようだ、と報じた。
リビアは、どちらかというと、自治政府よりも、自治政府と対立しパレスチナ自治区ガザを実効支配中のイスラム根本主義過激派組織
ハマスを支援する姿勢を示しており、そのことが基本的な対立要因になっているものと見られる。
一方、ムーサ・アラブ連盟事務局長が27日の開会式演説で提案したイランとの関係改善について、エジプトのアブルゲイト外相は
28日、「27日夜行われたクロージングセッションで、多くのアラブ諸国が反対を表明、論議は28日に持ち越された」と述べた。
なお、日本からは、飯村豊中東和平担当特使が会場を視察、アラブ連盟に対する日本政府の立場を表明したメッセージを配布した。
(続く)
>>69 より
その中で同特使は、日本とアラブ連盟の関係が「新たな段階」に突入したと表現、昨年12月東京で開催された
「第1回日本・アラブ経済フォーラム」の成功に言及して、両者間の今後の経済関係緊密化に期待感を表明した。日本はアラブ諸国に
対し、環境、水、文化、科学、技術などの分野で貢献していく意向を示した。
なお、中東和平については、イスラエルとパレスチナの2国家共存を支持、シリアとレバノンがイスラエルとの領土問題を解決することを
希望、イラクに対しては、アラブ連盟によるイラクの政治プロセス進展支援や、安定と再建支援に謝意を表明、日本は国際社会と
共にイラクの安定化に引き続き尽力する意向を表明した。
また、スーダン政府による、ダルフール問題解決に向けた最近の和平努力を評価、アラブ・アフリカ諸国による同問題解決への努力に
謝意を表明した。また、「イエメンの安定は国際社会の重要関心事」と述べ、昨年開催のロンドン会議がイエメンの政治・経済・
社会的進展を促すものとして歓迎、イエメン政府が貧困などを解決して民主化されることへの期待感を表明した。
日本政府はイエメンに2007年以来約6000万ドルを支援、更に今後、沿岸警備や人道上の基盤整備などで具体的な役割を演じる決意を表明した。
2010/3/28 21:42
東エルサレム入植停止要求=和平交渉再開の条件に−アラブ首脳会議
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032800181 【カイロ時事】リビアの地中海沿岸の都市シルトで27日から開かれていたアラブ首脳会議は28日、イスラエルによる東エルサレムでの
ユダヤ人入植地の拡大停止を中東和平交渉再開の条件とする「シルト宣言」を採択して閉幕した。
宣言は、パレスチナ自治政府が将来の首都と位置付ける東エルサレムのユダヤ人化に対抗する政治的、法的な計画策定を表明。
年内に東エルサレムを守るための国際会議をアラブ連盟が主催することも決めた。(2010/03/29-00:20)
アラブ首脳会議が閉幕 交渉前に入植停止要求
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032801000681.html 【シルト共同】リビア北部シルトで開かれていたアラブ連盟(21カ国と1機構)首脳会議は28日、イスラエルとパレスチナ自治政府との
間接和平交渉について「(イスラエルによる)入植活動の完全停止が(交渉開始の)条件になる」とする決議を採択して閉幕した。フランス公共ラジオなどが伝えた。
イスラエル、パレスチナが交渉開始に合意した直後、イスラエルが入植活動拡大を発表したことに対する各国の反発を踏まえた内容。
イスラエルは自治政府と同交渉の開始に合意した翌日の今月9日、占領地東エルサレムで1600戸の宅地開発計画を承認。
パレスチナ側が激しく反発していた
2日間の会議では連盟のムーサ事務局長が「和平プロセスが崩壊する可能性もある」と述べ、強い危機感を表明。一方で
シリアのアサド大統領がアッバス自治政府議長に対し「交渉をあきらめ、過去の武力路線に戻る」よう求め、拒否される場面もあったという。
2010/03/29 01:05 【共同通信】
イスラエル:連立に不協和音 左派離脱の声も
http://mainichi.jp/select/world/news/20100329ddm007030051000c.html 【エルサレム花岡洋二】東エルサレムへの新しい入植住宅建設計画を巡り、対米関係を悪化させたイスラエルのネタニヤフ首相は、
右派主導の連立政権内で不協和音に直面している。
26日に開いた主要閣僚7人による会議では、首相が表明した計画推進の方針を右派4人が支持したが、中道左派・労働党から
連立再編・離脱を求める声も漏れ始めた。
首相はオバマ米大統領と会談して25日に帰国。米側は入植計画撤回などを求め、文書回答を求めた。首相は返答せず、
帰国後に政権内右派に配慮して入植推進を表明。しかし対イラン政策などで米国との協力関係を維持したい矛盾を抱えている。
イスラエル紙ハーレツのアキバ・エルダー論説委員は「首相は、不可能を可能にしなければならず、極めて難しい局面に追い込まれた」と指摘する。
極右「わが家イスラエル」党首のリーベルマン外相や首相と同じ右派リクード党とユダヤ教超正統派シャス党の出身閣僚が26日の会議で首相を支持した。
一方、中道左派・労働党党首のバラク国防相は会議で、和平交渉再開の前提となる米国への歩み寄りを求めた。労働党内
では連立離脱を求める声も上がっているという。
アラブサミット、特別サミットの9月開催で合意して閉幕
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100329-075540.html 【シルト(リビア北部)鈴木眞吉】リビアの地中海沿岸の都市シルトで27日から開催されたアラブ首脳会議(アラブサミット)は
28日、今年9月に特別サミットを開催し、シルト・サミットでの決定事項の進展検証と地域の発展を論議することで合意し閉幕した。
今回のサミットで結論が出せなかった問題点を再検討することが目的と見られる。
アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アルアラビアが28日、報じた。
報道によると、イエメンはリビアの意向を表明する形で、「アラブ連盟」を「アラブ連合」と名称変更することを提唱、それに対し、
ムーサ・アラブ連盟事務局長は、「アラブ近隣協会(Arab neighborood Association)」を提唱、近隣の友好国トルコと
チャドを加えた組織に改編することを求めた。
カダフィ大佐はかつて、「アフリカ連合」創設を推進・実現しており、中東地域のより強い結束を求めた「中東版アフリカ連合」を主張した形だ。
(続く)
>>74 より
一方、今回のサミットで採択された合意文書では、エルサレムの救済行動(東エルサレムをパレスチナの首都とする)を国連安保理や
欧州連合、ユネスコなどに呼び掛けることを盛り込んだ。
またテロと占領地での闘争の違いを区別する必要性を強調、さらにパレスチナのガザ地区を実効支配するハマスの軍事部門責任者
マフムード・マブフーフ氏の暗殺事件を糾弾した。
オバマ米大統領に対しては、イスラエルの入植活動を停止させるよう影響力を発揮するよう求め、国際社会に対しては、ガザ地区の
閉鎖解除及び境界線の撤廃への尽力を求めた。
なお、サミット終了後の28日午後に行われた記者会見で、ムーサ事務局長は、今までアラブ諸国側が提示してきた中東和平に
対する「アラブイニシャティブ」について、見直しを開始し、数週間後に結論を出す意向を表明した。
2010/3/29 7:55
更新日:2010/03 /29(月)
[海外] パレスチナ/「反テロ」名目の人種差別
──3月3日 ハーレツ・インターネット版
http://www.jimmin.com/doc/1341.htm パレスチナ人配偶者の国籍
最高裁裁判官11人制による国籍法修正条項に反対する陳情に関して、審理が行われる。問題の修正条項とは、アラブ系イスラエル人と
結婚するパレスチナ人が、イスラエル国民またはイスラエル永住者になることを防ぐ規定である。
陳情を出したのは、イスラエル公民権連合、個人の権利を守るハモケド・センター、アダラー(アラブ系少数派国民のための法律センター)、
そして元メレツ党国会議員のザハヴァ・ガイ・オンの4者である。
陳情書は、「修正事項は人間の尊厳と自由に関する基本法に違反し、民族や人種に関係なくイスラエルで家族生活を営む権利を
損なうもので、憲法違反になる」と主張している。
(続く)
>>76 より
1年前にも同じような陳情書が出されたとき、7人裁判官制で審理が行われた。国家検察官ヨヒ・クネシンは、「パレスチナ人は
反イスラエル・テロを支持するので、修正事項が必要だ」と説明した。「パレスチナ人を国民として、あるいは永住者として認めると、
彼らはいつ何時テロを行うか、親族のテロリストの手引きをするかわからない」。
さらに彼女は、「治安機関シン・ベトの監視だけでは万全ではない」と付け加えた。ドリト・ベイニッシュ最高裁判所長は、修正条項は
「暫定的」だが、政府は「暫定」を無期限に延長している、と批判した。それに対して国家検察官は、治安とテロ防止を理由にあげた。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
更新日:2010/03 /29(月)
[海外] パレスチナ/パレスチナ/イスラエルは不払い賃金を返却せよ
──AIC(オルタナティブ・インフォメーション・センター)レポート
占領の経済学
http://www.jimmin.com/doc/1342.htm オルタナティヴ・インフォメーション・センター(AIC)のレポートを紹介する。「占領の経済学」と題されたレポートは、イスラエル国内で
働くパレスチナ人の賃金不払い問題について報告している。序文を抜粋して紹介する。(訳者)
イスラエル政府の給与決済局が、1970年〜2009年にイスラエルで働いた占領地のパレスチナ人労働者の賃金から天引きして
そのままにしているお金は、数十億シェケルになる(1シェケル=約30円)。天引きの名目は、「労働者の社会的諸手当の財源に
充てる」だったが、実際はイスラエル財務省が国庫歳入として奪ってしまった。
換言すると、イスラエルはパレスチナ人労働者に数十億シェケルの借金があり、それは早急に給与決済局の名簿に従って、
本人または相続人に返還すべきである。
(続く)
>>78 より
給与決済局は、表向きには、占領地からの出稼ぎ労働者とイスラエル人労働者の間の所得格差を縮めるために設立された。
1970年に作られ、2009年までは産業・通商・労働省の中の局であったが、現在では、パレスチナ人労働者は「外国人労働者」
と規定されたので、内務省の管轄となっている。
1970年の内閣安全保障委員会の決定によって、パレスチナ人労働者を雇用する事業所は、賃金を直接労働者に支払っては
ならず、総額を給与決済局に移転しなければならなくなった
同局は、その中から各種税金と社会保障関係費用を差し引く。率は、イスラエル労働者と同率である。給与決済局は、天引きに
関しては非常に厳格に履行したが、その見返りの社会保障の適用や諸手当の支給については、まったく怠慢であった。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
アラブ首脳会議、和平交渉の前提として入植活動完全凍結を要求
* 2010年03月29日 10:33 発信地:シルト/リビア
http://www.afpbb.com/article/politics/2714201/5548980 リビアのシルト(Sirte)で、アラブ連盟(Arab League)首脳会議の閉幕式に臨むリビア最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐
(中央)、アラブ連盟のアムル・ムーサ(Amr Mussa)事務局長(左から2人目)ら(2010年3月28日撮影)。(c)AFP/JOSEPH EID
【3 月29日 AFP】21か国と1機構が加盟するアラブ連盟(Arab League)は28日、リビアのシルト(Sirte)で開かれていた首脳会議で、
米政府の仲介による間接和平交渉の前提条件としてイスラエルによる入植活動の完全凍結を求める決議などを採択して閉幕した。
また、米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に対し、和平交渉の「危険な障害」となっている占領地における入植者住宅の
建設を凍結するという当初の基本姿勢を保持するよう要請した。
(続く)
2010年3月29日(月)「しんぶん赤旗」
アラブ首脳会議 イスラエルに批判集中
占領政策 平和に逆行 連盟事務局長
入植拡大に深く失望 国連総長
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-03-29/2010032907_01_1.html 【シルト(リビア)=松本眞志】第22回アラブ連盟首脳会議が27日、リビアの地中海沿岸都市シルトで開催されました。会議では、
ユダヤ人入植地拡大を含むイスラエルのネタニヤフ政権がすすめる不法行為に批判が集中。パレスチナ国家実現と占領地からのイスラエルの
全面撤退、難民の帰還権保障を柱とする中東包括和平構想(アラブ和平案)に改めて注目が集まりました。
包括和平構想に注目
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、アラブ和平案実現のためには東エルサレムを含むヨルダン川西岸での入植地拡大の凍結(停止)が
不可欠だとし、国際社会に東エルサレムのイスラエルの不法行為を監視する調査団の派遣を要請しました。
アラブ連盟のムーサ事務局長は、アラブ世界がトルコやイラン、アフリカなど近隣諸国との平和交流をすすめるなか、唯一イスラエルが
核保有政策の堅持やパレスチナ占領政策の継続によって域内の平和の流れに逆行してきたと非難しました。
同時に、オバマ米政権の入植地拡大批判を例に、イスラエルの不法行為を拒否して「アラブ和平案」を受け入れる国際的な
世論が形成されつつあるとも述べました。
(続く)
>>81 より
会議に出席した国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は入植地拡大計画に「深く失望した」と語り、アラブ和平案ついて
「同じ目標実現に向けて(国連として)強く関与していく」と宣言。この問題でのアラブ連盟との連帯を表明しました。
潘氏はまた、イスラエルのガザ地区封鎖問題に言及し、封鎖解除が域内での国連の活動の「最優先課題」だと強調しました。
来賓として出席したトルコのエルドアン首相は、「エルサレムはイスラエルの首都」とのイスラエル指導部の主張を拒否すると表明、
トルコはパレスチナを含む域内アラブ諸国の問題を共有する立場にあると発言しました。
エルドアン氏はパレスチナ分裂が問題の解決を困難にしているとの認識に立ち、イスラム武装抵抗組織ハマスとパレスチナ解放機構
主流派ファタハの和解を呼びかけました。
アラブ和平案 2002年のアラブ連盟首脳会議がサウジアラビアの提起を受けて採択、07年の同連盟首脳会議が改めて
確認した中東包括和平案。(1)イスラエルの占領地からの全面撤退(2)東エルサレムを首都とし、ヨルダン川西岸とガザ地区を
領土とするパレスチナ国家の樹立(3)パレスチナ難民の帰還権―をイスラエルが承認することを条件に、アラブ諸国がイスラエルとの
関係を正常化するという内容。
順番間違えました。
>>80 の続きはここからです。
2日間の会議の議題を独占したのは、イスラエルが今月承認した、アラブ人が多数を占める東エルサレム(East Jerusalem)に
おけるユダヤ人入植者向け住宅1600戸の新規建設に関する問題だった。東エルサレムは第3次中東戦争でイスラエルが占領・
併合したもので、パレスチナ自治政府は、将来に独立国家が実現した際の首都と位置づけている。
アラブ連盟は「『ユダヤ化したエルサレム』建設を狙ったイスラエルの野望」の阻止を目的に、政治的および法的措置を盛り込んだ
「行動計画」を採択。さらに、エルサレムに居住するパレスチナ人を支援するために5億ドル(約460億円)の拠出を決めた。
一方、東エルサレムでの住宅建設計画に変更はないと言明しているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は
同日、中東和平交渉が2008年12月以来、こう着状態が続いているのは、「パレスチナ側が強硬姿勢を貫き妥協姿勢を
見せないせいだ」と述べ、パレスチナ側を非難した。(c)AFP/Hala Boncompagni
イラン核問題:米仏首脳、イラン制裁「数週内に」 来月中の安保理採択狙う
http://mainichi.jp/select/world/news/20100331dde007030004000c.html 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は30日、核開発を進めるイランに対する国連安保理の追加制裁決議採択について、
「数週間のうちにできると思う」と語った。ホワイトハウスでフランスのサルコジ大統領との会談後の記者会見で述べた。大統領の発言は、
日本が安保理議長国を務める4月中の採択を狙ったものとみられる。
オバマ大統領は決議採択を「この春に成し遂げたい。数カ月も待つつもりはない」と強調。サルコジ大統領も「決断の時がきた」と
応じ、ブラウン英首相、メルケル独首相と共に全力を尽くすことを約束した。
5月は、安保理議長国が対イラン制裁に慎重なレバノンで、国連で核拡散防止条約(NPT)再検討会議も開催される。米仏は
その前の決議採択を望んでいるとみられる。
(続く)
>>84 より
オバマ大統領は、新核軍縮条約で合意したばかりのロシアを含め、国際社会が結集しつつあることを強調した。
一方で、イランが産油国であることから、イランの核開発がもたらす中東地域の不安定化よりも「商業的な利益を重視する国々がある」
と指摘。イランから原油を輸入する中国が制裁に消極的なことを念頭に置いた発言とみられ、国際的な合意形成は「なお困難だ」とも認めた。
アフガニスタン戦争に関して、サルコジ大統領は「オバマ大統領の戦略を支持する」と表明。中東和平を巡るイスラエルのユダヤ人入植地
拡大については「イスラエルの安全保障には寄与しない」と中止を求めた。またオバマ大統領は「持続的な世界経済の復興と
雇用創出に積極的に取り組むことで一致した」と語った。
2010.03.31 Web posted at: 15:57 JST Updated - CNN
ワールド
ガザで反イスラエル・デモ2件、負傷者 軍発砲が原因とも
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201003310012.html (CNN) パレスチナ自治区ガザの病院関係者によると、同地で30日、2度にわたって抗議デモがあり、11人が負傷した。
パレスチナ消息筋は、負傷はイスラエル軍の発砲が原因としたが、確認されていない。
イスラエル軍報道官は、抗議デモはガザとイスラエル南部にある警備フェンス近くの立ち入り禁止地域で起き、デモ隊がフェンスに
接近したたため警告の発砲をしたと指摘した。
同フェンス近くで最近、パレスチナ人が爆発物を仕掛け、イスラエル兵2人が死亡した事件にも言及した。
最初のデモはガザ中央部のブレイジ難民キャンプ近くで発生、3人が負傷した。イスラエルとの境界線近くに向かった際、負傷したと
いう。デモは、イスラエルのパレスチナ政策に反対するものだった。2度目のデモはハンユニスで起き、8人が負傷したとされる。
米、4カ月凍結を要求=東エルサレム入植地建設−イスラエル紙
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010033100742 【エルサレム時事】イスラエル紙ハーレツは31日、米政府が中東和平交渉進展に向けてイスラエルに要求した措置の中に、
東エルサレムの入植地建設の4カ月凍結が含まれていると報じた。イスラエルが提案を受け入れた場合、米国はアッバス・パレスチナ自治政府
議長にネタニヤフ首相と直接交渉を行うよう働き掛けるという。
米政府はこれまで、同国が仲介する「間接交渉」を進めようとしてきたが、パレスチナ側は東エルサレムの入植拡大に反発、
参加を拒んでいる。イスラエルとパレスチナによる直接交渉は、2008年末から09年1月にかけて行われたガザ軍事作戦以来、
実施されていない。(2010/03/31-16:55)
人権と外交:国連理事会で/1 主導権握るイスラム
http://mainichi.jp/select/world/news/20100402ddm007030092000c.html ◇米、オバマ政権で攻勢
政治犯の拷問・殺害、女性・異教徒への迫害、通信・表現の自由の抑圧……。多くの人権侵害を指弾されているイランが、5月に
行われる国連人権理事会の理事国改選に立候補の構えを見せている。
3月1日、同理事会があるスイス・ジュネーブの国連欧州本部。今年の会期初日、イランのモッタキ外相は、途中から原稿に目もくれず、
両手を振り上げ口角泡を飛ばした。
「当理事会の定期審査において、わが国がいかに人権を守っているかは議論された」
「西欧諸国の言うテロとの戦いとは、(自分たちの)テロリストを養成することなのだ。われわれの世界は西欧式人権の二重基準から挑戦を受けている」
アラブ首長国連邦のドバイで1月、イスラム原理主義組織ハマス幹部が殺され、英仏独豪などの偽造旅券を使ったイスラエル特務機関
モサドの犯行の疑いが当時浮上。モッタキ氏はこれを格好の材料に「西欧の人権」を偽善と決めつけて「イスラム教国の人権」と対置させた。
理事国入りへ支持を呼びかける狙いは明らかで、先進国側は苦虫をかみつぶした。
(続く)
>>88 より
イランが殊更にイスラムの連帯をあおるのは、47理事国の多数を占めるアジア・アフリカ・中南米の途上国グループを、
イスラム諸国会議機構(OIC)加盟国が事実上、牛耳っているからだ。
「OICが通そうと思えば、ここではどんな決議でも通ってしまう」。先進国の外交官は肩をすくめる。
象徴的なのが宗教冒とく決議だ。99年、人権理事会の前身の人権委員会の時から毎年OICが提出、採択されている。
冷戦後、西欧に広がる「イスラム嫌い」の風潮を「人権侵害」と非難する趣旨だったが、01年の「9・11テロ」後、英米主導の
「テロとの戦い」に張り合う形で内容が過激化してきた。
しかし今回、OIC側は緊張して臨んだ。人権理に06年の創設時から冷ややかで、08年には自らオブザーバーに退くと宣言した
米国が、オバマ政権発足を機に積極的関与の姿勢に転換。昨年6月に理事国に加わり、初の人権担当大使も任命して、
今会期から本格「参戦」したからだ。
(続く)
>>89 より
4週間の会期中、議場の外では米、欧州連合(EU)とOICが宗教冒とく決議を巡る集票活動で激しくせめぎ合った。OICも
中間国をつなぎとめようと防戦怠りなかった。
理事会ができてから4年間のOIC提案に対する賛否の数は、無投票の国を除くと
06年=33対12(棄権1)
07年=24対14(同9)
08年=21対10(同14)
09年=23対11(同13)
票差は常に10票以上開き、形勢の優位は圧倒的だった。
25日の採決当日。OIC代表で決議提案国のパキスタンは「これは文明の衝突か協調かの選択だ。自分たちの価値観を
普遍的だとして押しつけるのは帝国的な高慢だ」と発言。初日のイラン演説にも通じる対決色をむき出しにした。
正面の巨大パネルに電子投票の結果が表示された。<賛成20、反対17、棄権8>。昨年の12票差は、一気に3票差に
縮まった。棄権があと4票反対に動いたら、初の否決もあり得た。場内に歓迎と落胆の二つのどよめきが広がった。
09年の同決議採決と比べると、米国はアフリカの3カ国を賛成から棄権・無投票へ、メキシコ、韓国、アルゼンチンなど5カ国を
棄権から反対へ、態度を変えさせる剛腕を発揮している。日本も強い働きかけを受けたが、棄権を続けた。
メンツを失したOIC側は翌26日、最終日の採決で、早速「裏切り者」への仕返しに出る。次回以降へ陣営の締め付けを
迫られたのだ。「態勢強化へイランの理事国入りを後押しするのではないか」との観測もある。
(続く)
>>90 より
だが、米国の反転攻勢は、これにとどまらなかった。OIC陣営の優位は揺らぎ、人権政治の対決は先鋭化の様相を呈し始めた。
*
国際報道が世界のどこかの人権問題を伝えない日はない。一方、人権をめぐる唯一の多国間協議の場である国連では、人権に
名を借りた国際政治の縮図が繰り広げられている。人権問題の理念と人権政治の現実は、どこでつながり、どこがずれているのか。
創設5年目に入った国連人権理事会から報告する。【ジュネーブ伊藤智永】=つづく
==============
■ことば
◇国連人権理事会
人権問題に対処する能力を高めるため、経済社会理事会の下部組織であった人権委員会を格上げし、06年に国連総会の
下部組織としてジュネーブの国連欧州本部に設置された。理事会合やワーキンググループで、テーマ別・国別の人権状況についての
報告や審議を行う。日本を含む47の理事国で構成される。
イスラエル軍がガザを空爆、子供2人負傷 ロケット弾攻撃への報復か
2010.4.2 11:42
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100402/mds1004021143003-n1.htm ロイター通信によると、イスラエル軍は2日未明、パレスチナ自治区ガザ市やガザ地区南部ハンユニスなどを7回にわたり空爆、
パレスチナ人の子供2人が軽傷を負った。
イスラエル紙ハーレツ(電子版)によると、これに先立つ1日、同国中部アシュケロン付近にガザ地区からロケット弾が着弾。
けが人はなかった。空爆はこれへの報復とみられる。
イスラエル軍は先月26日、ハンユニス付近に地上侵攻しパレスチナ武装勢力と衝突、イスラエル兵2人とパレスチナ人3人が死亡。
昨年1月の実質停戦以降では最大規模の衝突となった。(共同)
2010.04.02 Web posted at: 12:43 JST Updated - CNN
ワールド
イスラエル軍がガザ空爆 ロケット弾攻撃への報復と説明
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201004020007.html ガザ市(CNN) パレスチナ当局者らによると、イスラエル軍は2日早朝、パレスチナ地区ガザ南部のハンユニスなど8カ所を
空爆した。死傷者は報告されていない。
イスラエル軍は声明で、ガザ北部で2カ所、中部で1カ所の武器工場と、南部で2カ所の武器庫を攻撃したと発表。軍報道官は、
ガザから同国領内にカッサムロケット弾が撃ち込まれたことに対する報復だと説明した。また、同国紙ハーレツは軍の話として、
ハンユニスでイスラエル兵士2人が死亡した攻撃に対する報復と伝えた。
イスラエルは1日、ガザの住民に空爆を警告するチラシを投下していた。
ガザでは、2009年の停戦宣言後も武装勢力によるロケット弾攻撃とイスラエル軍の空爆が散発的に起きている。
人権と外交:国連理事会で/2 「中東和平」なお重荷
http://mainichi.jp/select/world/news/20100403ddm007030017000c.html ◇議論の大半を占有
国連人権理事会を牛耳るイスラム勢に対し、米国が反転攻勢に出たのは「宗教冒とく決議」だけではない。
3月24日、3日間にわたる採決初日にもざわめきが起きた。パレスチナの民族自決権に関する決議の時だ。
賛成45、反対1、棄権0、無投票1。
米国は昨年まで無投票の全会一致だった慣行を破り、あえて投票を要求、47理事国で唯一反対を突きつけた。
「ここはイスラエルをやり玉に挙げる場に悪用されている」。ドナホ米人権担当大使は、パレスチナ問題に偏った人権理の現状を反対理由に挙げた。
理事会設立から4年余で個別の国・地域に関する決議は42本、うち32本はイスラエル非難だ。常設の10議題に
パレスチナ問題だけが組み込まれ、決議ごとにオブザーバーのパレスチナ代表が長い演説をする。人権に関する非政府組織(NGO)は
「世界中の人権問題を話し合う場が、劇場化している」と嘆く。
(続く)
>>94 より
国連軽視のブッシュ前政権はこれを放置した。今回の米国の意思表示は、これからはイスラム勢の勝手にさせないという宣告だ。
「オバマ政権は多国間交渉に新しい精神で臨む。国連に今までにない規模でやる気のあるチームを投入した。人権理の
成果は新しい関与政策の表れだ」
キング米代表部大使は意気込むが、単なる対決は、ニューヨーク国連本部での硬直化した構図を、ジュネーブの人権理に持ち込むだけでしかない。
08年末から09年初めのイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区攻撃について、人権理は昨年10月「戦争犯罪だった」
との報告書を採択し、安全保障理事会に調査を求めたが、手つかずだ。今回、イスラム勢の提案で独立専門委員会
設立を決議したものの、前進の見通しはない。
たとえイスラム勢の優位が崩れても、パレスチナ決議に象徴される人権外交の「形式化」は、既視感のある「硬直化」に取って代わる恐れが強い。
中東和平という国際政治宿年の難題は、国連政治を介して人権外交を縛り、その後に世界中で起きている他の
人権問題の障害であり続ける。【ジュネーブ伊藤智永】=つづく
「イランは核兵器計画停止」との米情報評価、見直しへ
2010.4.3 21:04
このニュースのトピックス:核・ミサイル事情
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100403/mds1004032105005-n1.htm 【ロンドン=木村正人】「イランの核兵器計画は2003年秋から停止している」と指摘した米機密文書「国家情報評価」(NIE)が
見直されるとの見方が欧州で強まっている。
NIEは米国の安全保障について中央情報局(CIA)などが集めた情報をまとめた文書。ブッシュ前米政権下の07年12月、
一部公表され、「イランは核兵器計画を07年半ばの時点で再開させていない。核兵器用高濃縮ウランの製造技術を身に
つけるのは10〜15年の間になろう」と指摘した。
当時、イランの核兵器開発を止めるため武力行使の可能性が取りざたされたが、NIEの公表でこの選択肢は排除された。
(続く)
>>96 より
英紙フィナンシャル・タイムズによると、イスラエルの情報機関は「イランは最高指導者ハメネイ師の指示でミサイルに搭載できる
核弾頭開発を05年に再開した」と分析。英情報機関も「ハメネイ師の指示で核兵器計画は03年に停止されたが、04年後半か
05年前半に再開した」との情報を入手した。英仏独は、イランが今秋にも核兵器能力を得る可能性があるとみている。
IAEAの天野之弥事務局長が2月18日、イランの核兵器開発に懸念を示す報告書を理事国に配布したのはこうした情報が根拠になっている。
米情報機関は今年、NIEを更新する準備に入ったと伝えられている。元米国務次官補代理で英シンクタンク、国際戦略研究所
(IISS)のマーク・フィッツパトリック上級研究員は「前回から2年以上も経過しており、ミサイル搭載の核弾頭の設計を再開したと
付け加えるとみている」と述べている。
2010年4月4日(日)「しんぶん赤旗」
米で高まる入植活動批判
親イスラエル派からも
ユダヤ系市民の過半数
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-04-04/2010040405_01_1.html イスラエルによる入植地活動の継続は、中東和平推進を掲げるオバマ米政権にとって障害となっています。そうしたなか米国の
“親イスラエル派”からも、イスラエルに対して公然と批判の声があがっています。 (ワシントン=小林俊哉)
イスラエルは、バイデン米副大統領が同国訪問中の3月9日、東エルサレムで1600戸の住宅を建設すると発表。エルサレム市
当局はネタニヤフ首相とオバマ氏との会談(23日)直前に、同地での住宅20戸の建設を最終承認しています。
クリントン政権で駐イスラエル大使を2度務めたユダヤ系米国人のマーティン・インディク氏は3月21日放送の米CNNテレビの
番組で、ネタニヤフ氏は米国を「手玉にとっている」と指摘。米外交専門家の主流派にいらだちが広がっていることをうかがわせました。
米国で強大な影響力をもつ親イスラエル・ロビー団体「米国イスラエル広報委員会」(AIPAC)は3月21〜24日、首都ワシントンで
集会を開催。全米から7500人に及ぶ“活動家”が詰め掛け、米政府高官、民主・共和両党の議会指導者などがこぞって参加し、権勢を誇って見せました。
(続く)
>>98 より
席上、クリントン米国務長官は「新住宅建設は、相互信頼を損ない、交渉を危機にさらす」と言明。ネタニヤフ氏が「エルサレムは
入植地ではなく、われわれの首都だ」と公言して喝采(かっさい)を浴びたのとは好対照でした。
そうした状況を反映して主要メディアも二分。ワシントン・ポスト紙が「ネタニヤフ政権を攻撃して、和平プロセスはすすむのか」
(16日付社説)とオバマ政権を批判すれば、ニューヨーク・タイムズ紙は「むしろ問題は、ネタニヤフ氏が本当に和平妥結に自国を
導くだけの意志があるのかどうかだ」(27日付社説)と反論しています。
親イスラエル・ロビーもいまや一枚岩ではありません。
クリントン政権の政策顧問を務めたジェレミー・ベン・アミ氏がAIPACに対抗して2008年に結成した親イスラエル・ロビー団体
「Jストリート」は、先のクリントン氏の演説を支持。「イスラエルは、米国との関係を損なうような過激な入植活動家を放置すべきではない」
とする意見広告をニューヨーク・タイムズ紙に掲載しました。
同団体などが3月17〜19日に実施した世論調査では、ユダヤ系米国人の60%が、両国関係を損なったのはイスラエルによる
東エルサレムの住宅建設計画発表だと回答。米国がイスラエルを批判するのは正しいと答えた人も55%にのぼっています。
エルサレムでイースター 各国からの巡礼者でにぎわう
2010年04月06日
http://www.christiantoday.co.jp/international-news-2851.html 【CJC=東京】聖地エルサレムで復活祭(イースター)を祝おうと世界各国から訪れた巡礼数千人は、十字架から降ろされた
イエスを葬った場所と伝えられる『園の墓』に3月4日早朝集まり、復活を賛美した。
その後、『聖墳墓教会』ではミサが行われた。カトリック教会、東方正教会、アルメニア使徒教会、コプト正教会、シリア正教会
などの共同管理となっている同教会だが、今年は東西教会のカレンダー上の算定方法が一致したため、記念式典も同日になった。
教会の中の洞窟は数千本もの蝋燭が灯され、詰め掛けた巡礼で一杯、そこに聖香がただよって独特の雰囲気をかもし出した。
共同管理する各派の間の主導権争いが聖職者同士の暴力沙汰になり、イスラエル警察の介入を招いたこともあった。
(続く)
>>101 より
ラテン典礼カトリック教会のフアド・トゥワル総司教は、祝日が同時になったことで「今年は、喜びも二重になった。他の人たちの
祈りや賛美の歌も耳障りのようだが、信仰の一致を表す交響曲とも言える」と説教で語った。
イエスがゴルゴダの丘に向かって進んだ最後の道をたどろうとする巡礼のために、イスラエル警察は旧市街での警備を強化している。
祝日の24時間に通った人は1万5000人と当局は推定している。
イスラエルでは、ユダヤ教の「過越し」の祭りと重なっており、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区からの通行を遮断していたが、
パレスチナ人キリスト者1万人以上のエルサレム訪問を認めた。
ハマスが実効支配しているガザ地区のキリスト者500人にもイスラエルと西岸地区への通行を許可された。ただ検問所で長時間
待たされることにパレスチナ人は不満だ。
2010.04.01
4月18日シンポジウム「ホロコーストとイスラエルを考える」
Posted by:情報センター・スタッフ
http://palestine-heiwa.org/news/201004011308.htm 以下、シンポジウムの案内です。
* * *
シンポジウム「ホロコーストとイスラエルを考える」
4月18日(日)午後1時半〜5時半 (入場無料)
明治大学(駿河台キャンパス)リバティタワー 1階教室
第1部 午後1時半〜午後3時半
●シンポジウム
芝健介(東京女子大学教授 ナチズム、ユダヤ人問題史)
山口里子(日本フェミニスト神学・宣教センター 共同ディレクター)
岡真理(京都大学教授 現代アラブ文学、パレスチナ問題)
徐京植(作家、東京経済大学教員 人権とマイノリティ)
司会 鵜飼哲(一橋大学教授 フランス文学、現代思想)
第2部 午後4時〜5時半
●講演 ヤコブ・ラブキン(モンレアル大学教授)
「著者からのメッセージ」(英語/通訳あり)
(続く)
>>103 より
●賛同者(略)
◆主催 『ホロコーストとイスラエルを考える』シンポジウム実行委員会
◆共催 明治大学軍縮平和研究所
◆協力 ケベック州政府在日事務所 平凡社
●実行委員代表 板垣雄三 臼杵陽 長沢栄治 長沢美沙子(コーディネーター)
◆問い合せ・連絡先
[email protected] 03-3296-2292(明大軍縮平和研究所)
(続く)
>>104 より
〈趣旨〉
日本ではイスラエルというと「アンネの日記」が広範な読者層を獲得していることもあってすぐにホロコーストを思い浮かべる。
ヨーロッパの反ユダヤ主義の帰結としてのホロコーストの犠牲の上に成り立った国だというイメージである。他方で、犠牲者で
あったはずの国家の軍隊が2008年12月末、ガザを攻撃し、1400人を超えるパレスチナ人が亡くなった。イスラエルは国際的非難
にもかかわらず、その後も「自国の安全のため」だとして、その攻撃的姿勢をまったく崩そうとはしていない。イスラエルは「対テロ戦争」
を遂行するためには手段を選ばないのである。最近もハマース幹部がドバイで暗殺され、偽造旅券を所持したモサド工作員が逮捕されたと報じられている。
いまやイスラエル・イメージは分裂し、場合によっては衝突さえしている。ヨーロッパで生まれた反ユダヤ主義とシオニズムが
ホロコーストという悲劇を介してどのようにパレスチナという中東地域の問題になったのか。そして「ユダヤ人国家」イスラエルは
これからどこに向かうのか。今こそイスラエルという国を考えてみたい。そのため、このシンポジウムをさまざまな立場から自由かつ
活発に議論できる開かれた場にしたい。
ヤコブ・ラブキン・モンレアル大学教授が、その著書『トーラーの名においてシオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』(菅野賢治訳)
が平凡社から出版される(3月末、定価5670円[税込み])のを機に、再び来日する。教授はこれまでユダヤ教ラビの立場から
シオニズムを内在的に批判する発言を行ってきた。シンポジウムでは著者とともにイスラエルという国が存在する理由をさまざまな角度から議論してみたい。
米国:核見直し 「折衷案」色濃く 同盟国などに配慮
http://mainichi.jp/select/world/news/20100407ddm007030033000c.html 【北米総局】米政府が6日に発表した「核態勢見直し(NPR)」は、当初、核の役割を大幅に後退させる「核先制不使用」が
盛り込まれるとの期待が非政府組織(NGO)には高かった。しかし、抑止力の低下を恐れる政権内の声や同盟国に配慮する形で
大胆な核政策の変更は見送った。
一方、核拡散防止条約(NPT)順守を条件に核攻撃しない方針を決めたのは、「核兵器なき世界」に期待するリベラル勢力に
応えるもので、NPRは「折衷案」の側面が色濃いものとなった。
米国は、どのような場合に核兵器を使用するのか条件を明らかにしない「あいまい政策」をとってきた。それが抑止力に結びつくとの発想が背景にある。
NGOなどはこれに対し、「核先制不使用」を宣言することで、核兵器の使用を極めて限られた場合に限定し、その役割を大幅に
後退させることを求めた。また、日豪政府が主導した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」は昨年、核兵器の目的を核攻撃の
抑止に「唯一」限定することをNPRに盛り込むよう提言した。
しかし、核戦略の柔軟性がなくなると恐れる軍の反発を買い、これらの変更は見送られた模様だ。
(続く)
>>106 より
代わりに盛り込まれたのが、NPTを順守する非核国に攻撃しないという「消極的安全保障」だ。だが米国は95年に「消極的安全保障」を表明した。
オバマ大統領がNPRを巡って名指しで非難した北朝鮮やイランは「消極的安全保障」は適用されない見込みだ。一方、
NPT非加盟で核兵器を保有するとされるインド、パキスタン、イスラエルは不問に付される見通しで、今回の「折衷」案は今後も議論を呼びそうだ。
「核態勢見直し」は今後5〜10年を視野に入れた米国の核兵器の配備や研究・開発の指針となる基本政策で米連邦議会に提出される。
94年、02年に策定され、今回が3回目。米軍はNPRの枠内で実際の核兵器の作戦計画を策定する。
(続く)
>>107 より
◇米核態勢見直し要旨
NPRは今回初めて、核拡散防止と核テロリズムを米核政策の第一課題に掲げた。
米国は世界的な核不拡散体制を強化し、核物質の安定確保を促進する具体策を定義する。また、テロリストによる大量破壊兵器の
入手・使用を支援する国家、テロ組織などの責任を追及する。
NPTを順守する非核保有国に対しては、核兵器を使用しない。核使用を検討するのは、米国や同盟国の重大利益を守るための
場合に限る。米国の核保有は抑止力のためであり、米国は今後も通常装備を強化していく。
米国とロシアは戦略弾頭を1550発に制限、運搬手段の配備数を700、発射装置を800に制限することで合意した。ただし、
米国のミサイル防衛は抑制されない。また、両国間の新たな戦略兵器削減条約(START)下でも、大陸間弾道弾や核搭載型の爆撃機は維持される。
ロシアと戦術核、備蓄核の管理も追求する。
米国はより安定し、透明性のある核関係を促進するためのロシアや中国との2国間対話を追求する。
米国は安全で効率的な核兵器を維持する。米国は核兵器のインフラを近代化させ、科学技術や技術者の水準を維持し、人的資源に投資する。
米国は核実験をせず、核実験全面禁止条約批准を追求する。
米国は新たな核開発をしない。
毎日新聞 2010年4月7日 東京朝刊
イスラエル:国防情報は規制対象、まるでイランのよう イスラエル紙が検閲批判
http://mainichi.jp/select/world/news/20100407dde007030002000c.html 【エルサレム花岡洋二】イスラエルの最大紙イディオト・アハロノトが、同国の検閲制度に抗議する記事を相次いで掲載している。
同国は原則として「報道の自由」を掲げているが、「国家の安全保障」にかかわる情報は検閲・規制対象。これが結果的に、
同国の秘密核開発を支えたとされる。同紙の抗議記事は極めて珍しいもので、注目を集めそうだ。
欧米メディアなどの報道によると、発端は、有力紙ハーレツが内部文書に基づいて08年11月に報じた、違法な疑いのある軍の活動に関する記事だ。
ハーレツの報道後、裁判所はイスラエル・メディアと当事者に、関連報道や証言を禁じたという。国内メディアは決定に従ったが、
米国に拠点を置く在外ユダヤ人向け通信社が先月29日、ハーレツの報道を受けたイスラエル当局の捜査状況を伝え、米AP通信や
英メディアも後追いした。こうした外国報道は、イスラエル国内でもネット上で話題になったため、国民には広く知れ渡っている。
(続く)
>>109 より
そうした中、イディオトは今月1日、「(国内治安機関)シャバクが公開を恐れる情報は?」という記事を掲載した。同紙は
具体例には触れないまま、自国の検閲制度を「イランのようだ」と批判。英語で「Israeli journalist gag(イスラエルの 記者 口封じ)」
をネットで検索するよう勧めた。
さらに6日には、米国のジャーナリストがネットに載せた関連記事を翻訳して転載。1ページのほぼ全面を使った記事のうち、
規制対象となりそうな部分として約6割を黒い太線で消した。同紙は、毎日新聞の取材に回答しなかったが、検閲制度に
抗議する意思を込めたものとみられる。
AP通信によると、シャバクもコメントしていない。
イスラエルではすべての報道機関が、国防情報に限り検閲対象。英紙が86年に核開発計画を暴露した際の情報源だった
元原子力研究所技師のバヌヌ氏は、国家反逆罪で約18年服役し、釈放後も、外国メディアとの接触を禁じられている。
水問題の今を知る「地球の水が危ない」、ナショナル ジオグラフィック日本版4月号
2010年4月7日 23:00
http://www.eco-front.com/news_lvP91odC0.html?right 水も空気もタダではない
水資源争奪戦が始まっているというニュースを目にしたのが数年前。気づかなかっただけなのか、「水」をめぐるニュースがこれほど
クローズアップされたことも記憶にない。
日本だけを見ているとわかりにくい「水」問題、ナショナル・ジオグラフィック日本版は、4月号(3月30日発売)まるごと一冊「水」の特集を組んだ。
日本では「少子高齢化」が問題視されて久しいが、世界の人口は年8300万人のペースで増え続けているという。そして使われる
水の量、地球から汲み上げられる水量は、供給をはるかに上回る。しかも「淡水」の7割は「雪」「氷」。同4月号は、こんな風に不吉な鐘の音を鳴らす。
このまま人口が増加の一途を辿った時、どんな未来が待ち受けるのか。
(続く)
>>111 より
そして掴みだされるのは、またも「水資源の偏在」だ。
世界人口の約半分が水道のない環境に暮らし、途上国では水を求めて女性が往復6キロを歩き、水不足が深刻な地域に住む
人々の数は15年後には18億人になるという。
氷河の崩壊、淡水生物の絶滅・・・
更に同号ではヒマラヤの氷河の溶解によって脅かされる人々の生活、水をめぐる紛争等をレポート。エチオピア、ケニアにおける
支援を絡めた取材も掲載されている模様だ。更にヨルダン川をめぐるイスラエルと周辺国の紛争を例に、水質汚染、旱魃といった問題に
立ち向かう人々の活動が紛争回避のモデルケースとして紹介されているという。
(以下略)
イスラエル首相、核サミット参加見送り
2010.4.9 10:07
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100409/mds1004091012001-n1.htm イスラエルのネタニヤフ首相は、12日からワシントンで開かれる核安全保障サミットへの参加を見送ることを決めた。
ロイター通信が政府高官の話として9日伝えた。
イスラエルは中東唯一の核兵器保有国とされるが、政府は核保有疑惑を否定も肯定もせず、核拡散防止条約(NPT)の調印を拒否している。
首相がサミット参加を見送った理由について、政府高官は「エジプトやトルコなどがイスラエルにNPT調印を迫る方針で
あることが分かった」ためだと言明。イスラム諸国の関心が、核開発を進めるイランに圧力を加えることより、イスラエルの核保有疑惑を
取り上げることに移っているとの認識を示した。
ネタニヤフ首相は7日の記者会見で、サミットに参加する意向を表明していた。(共同)
イスラエル:報道規制解除
http://mainichi.jp/select/world/news/20100409dde007030025000c.html 【エルサレム花岡洋二】イスラエルの最大紙イディオト・アハロノトが検閲制度に抗議し、記事の一部を黒く塗りつぶして伝えた
軍の事件について、裁判所は8日、報道規制を解除した。国外メディアが一斉に事件の詳細を報道し、検閲制度に注目が
集まっていたことに対し、早期の沈静化を図った。
裁判所は、08年に発覚した、違法の疑いがあった軍の活動について、国内メディアが報道することを禁じていた。当該の事件に
ついて規制が解除されたのを受け、国内メディアは事件を詳報した。
同紙が6日付朝刊で黒塗り記事を掲載するなど国内メディアの批判が強まっていた。また海外メディアが詳報し、さらに
インターネットを通じて国民に広く伝わり、規制も実態として意味をなくしていた。今後、検閲制度への批判につながるかが注目される。
核安保サミット:イスラエル首相欠席へ NPT非加盟、批判避ける狙い?
http://mainichi.jp/select/world/news/20100410ddm007030018000c.html 【エルサレム花岡洋二】米ワシントンで12日から開かれる核安全保障サミットに出席を予定していたイスラエルのネタニヤフ首相は
8日、一転、参加を取りやめた。核兵器保有を強く疑われ、核拡散防止条約(NPT)に参加していないイスラエルが、他の中東諸国から
批判され、NPT加盟を迫られるのを避ける狙いとみられる。
核安保サミットは、テロリストなどから核物質を守る「核防護」態勢を強化するのが狙い。欧州各国やエジプト、サウジアラビアはじめ
中東各国など計47カ国が参加する予定。
ネタニヤフ首相は7日「イスラエルはテロ国家ではない」と出席する姿勢をいったん示した。しかし8日夕にヤアロン首相代理らと
会談し、欠席に転じた。代わりにメリドール原子力相が出席する。
(続く)
>>116 より
理由は公表されていないが、中東の非核兵器地帯構想を掲げるアラブ諸国の批判がイスラエルに集中する可能性があったためと
みられる。また占領地・東エルサレムへのユダヤ人入植住宅建設を巡りオバマ政権と対立中で、米国の「擁護」を確信できなかった影響もありそうだ。
イスラエルは核兵器保有について否定も肯定もしない「あいまい政策」をとっている。
核安保サミットには、イスラエル同様NPTに加盟していないインドやパキスタンも参加を予定しており、「核防護」という支持が得やすい
テーマでNPT非加盟国からも協力を得ようとするオバマ政権のもくろみは出はなをくじかれた。
イスラエル/被占領パレスチナ地域 : イスラエルはパレスチナ人に十分な水の供給を得させるべき
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=780 「世界水の日」にあたり、アムネスティ・インターナショナルはイスラエル当局に対し、被占領パレスチナ地域でパレスチナ人が
十分な水の供給を受ける権利を侵害している差別的な慣行をやめるよう促した。
ヨルダン川西岸地区に暮らすパレスチナ人の多く、および2009年10月に発表されたアムネスティの報告書
「Troubled Waters ? Palestinians Denied Fair Access to Water」に出てくるパレスチナ人たちは、水の利用について、
イスラエルによる深刻な妨害に直面し続けている。
「私たちの報告書が発表されて6カ月近くになるが、イスラエル政府は依然として、被占領パレスチナ地域における水資源を
支配しつづけている。パレスチナ人は、違法なイスラエル人入植地へのほとんど無制限な水供給の内のほんのわずかを
許されているにすぎない。私たちが取り上げたケースの多くにおいて、一般の人びとへの目に見える改善点はなかった」と、
アムネスティ・インターナショナルの中東部長マルコム・スマートは述べた。
(続く)
>>119 より
報告書は、中でも南部ヘブロン丘陵地帯にあるツワニという小さい村の窮状を特に強調している。
この村は、その地域の他のパレスチナ人コミュニティと同様に、近くの違法なイスラエル人入植地に水をたっぷり供給している
水道施設とはつながれていないままである。
この村のパレスチナ人はその代わりに、雨水を蓄える貯水槽に依存したり、給水車から購入する水をとっておいたりしなくてはならない。
2009年12月には、イスラエル軍は村人たちが建設した貯水槽を取り壊す命令を出した。
その後、2010年3月初めにツワニの住民たちが村の近くを走る水道施設への接続を再び申し込んだが、その地域を支配するイスラエル軍当局は却下した。
ベイトウラ村の住民たちもまた、イスラエル軍が2008年に雨水を取り入れる貯水槽9つを破壊した後、十分な水の供給を得るために苦闘し続けている。
それらの貯水槽は、食料の安全保障を強化するためにEUが資金提供した農業プロジェクトの一環として2006年6月に
作られたもので、それぞれが一つの家族に割り当てられていた。
(続く)
>>120 より
取り壊し後、地域のパレスチナ人農民たちは使えるものをできるだけ回収したが、そのプロジェクトの恩恵を受けるはずだった
農民たちのほとんどは、破壊の1年後も依然として失業中、もしくは肉体労働者としての中途半端な仕事で生きのびている。
彼らが3月15日にアムネスティに語ったところによると、再び取り壊されることがないと保証されるならすぐにでもそのプロジェクトを
再開する準備はできている、ということだった。
アムネスティの報告書は、西岸地区の村であるダライ・アラサリーンにおいて、イスラエル当局の許可なく建設された9つの貯水槽を
取り壊す命令を、イスラエル軍がどのように出したかについても叙述している。
被占領パレスチナ地域では、井戸の掘削や汚水処理、あるいは単に損傷した管の修理などあらゆる水関連のプロジェクトを実行
するために、パレスチナ人はイスラエル軍や他の当局から許可を得なければならない。しかもそのような許可の申請システムは複雑で、
却下されたり長く待たされることも多い。
ダライ・アラサリーンでの取り壊しはまだ実行されていないが、村人たちが2010年3月にアムネスティに語ったところによると、地域の
羊飼いたちは貯水槽を使用することを禁じられ、移動給水車からの高価な水に依存する状態だという。
(続く)
>>121 より
この地域へ行く道路が 2009年にイスラエル軍によって封鎖されて以来、給水車は通ることが許されず、ダライ・アラサリーンの
住民たちは、給水車からの水を得るために遠くまで出向くことを余儀なくされている。
イスラエルが軍事占領をして40年以上になるが、イスラエルによるパレスチナ人の水利用の制限は、ヨルダン川西岸地区における
水のインフラと設備の発展も妨げてきた。
アムネスティ・インターナショナルの報告書は、ガザのパレスチナ人たちが直面している問題も取り上げている。そこでは90から
95パーセントの水が人間の消費に適していない。3月17日に国連人権高等弁務官によって出された報告書によると、ガザでの
水と衛生の状況は「危険な」ままである。
ガザへのイスラエルの軍事封鎖は水や衛生のためのインフラを維持するために必要な資材の搬入を妨げている。
「数十万人のパレスチナ人が普通の生活をおくる権利、十分な食料、住居、健康、そして経済的発展の権利を否定され
続けている。イスラエルは、パレスチナ人が水資源の公平な分け前を受け取ることを保証する責任を取らなければならない」と、マルコム・スマートは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年3月22日
>>123 より
中国社会科学院米国研究所の樊吉社(ファン・ジーシャー)副研究員は世界新聞報の取材に答え、国連安保理常任理事国の
中で唯一制裁に反対している中国が、きわめて困難な立場に追い込まれたと指摘した。北京大学アラビア語学部の呉冰冰(ウー・ビンビン)
副教授はイランと中国が密接な経済関係にあること、またイスラム原理主義テロリストの脅威が高まる中、イランとの関係は安全保障にもかかわると分析している。
イランと、イスラエルをはじめとする国際社会との狭間に立たされた中国にとって、最も望ましいのは米国とイランの交渉によって問題が
解決すること。もしそれがかなわず国連で制裁案が可決しても、決定的な打撃を与えるような条項には反対するだろうと呉副教授は話している。(翻訳・編集/KT)
2010-04-09 17:13:25 配信
ここからは、アラビア圏メディアの過去記事をしばらく続けます。
ドーハ首脳会議、エジプト大統領出席は不確実。背景にカタールとの対立
2009年03月28日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090403_212546.html ■ ヌーリー・アル=マーリキー首相とムハンマド6世国王は参加へ
■ ドーハ首脳会議、エジプト代表レベル低く、サウジアラビアの和解実現努力が失敗する可能性高まる
2009年03月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ、ロンドン:本紙】
エジプト外務省のフサーム・ザキー報道官は金曜日、来週月曜日にカタールの首都ドーハで開催されるアラブ首脳会議における
エジプトの代表レベルをまだ決定していないと述べた。
ザキー報道官はドーハでエジプト代表団に合流するためカイロを出発する前に記者団に対し、「エジプトはまだアラブ首脳会議での
代表レベルを決めていない。適切な時期に決めるだろう」と語り、ホスニー・ムバーラク大統領の出席は不確実であることを示唆した。
観測筋は、このエジプト政府高官の発言は、エジプト政府とカタール政府の間に立ち込める緊張状態の中、エジプトの代表レベルが
低いものにとどまることを意味するものであり、そのため今年1月のクウェート首脳会議に際してサウジアラビア国王が始めた和解努力が停滞することは確実だと見ている。
(続く)
>>126 より
エジプトとカタールの関係は、昨年の12月22日から今年1月18日にかけてイスラエルがガザに対して行った戦争以来、緊張状態に陥っている。
エジプト政府は、衛星テレビ局「アル=ジャジーラ」がエジプトの政治的立場を批判し、「エジプト政府はラファハ通行所の開放を
拒否し、ガザ地区地区包囲に貢献している」と激しく批判するハマース幹部らの発言を放送するなど、エジプトを攻撃したとしてカタール政府を非難している。
エジプトはカタール政府が今年1月16日に開催した「ガザ緊急首脳会議」をサウジアラビアと共にボイコットした。同会議にはイランの
マフムード・アフマディーネジャード大統領とアラブ12ヶ国の首脳および代表者が参加した。
当時、カタール政府高官らは、カタールがアラブ連盟の傘の下での緊急アラブ首脳会議とすることを希望していたこの首脳会議の
開催のために規定上の必要な出席者数を満たさないようにエジプトとサウジアラビアが干渉を行ったと示唆している。
エジプトの政府系新聞は最近3ヶ月間、カタールとカタール政府高官らに対する非難のキャンペーンを展開している。
一方、別の消息筋によると、モロッコ国王ムハンマド6世はカタール主催のアラブ首脳会議に参加する予定だという。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090403_212546.pdf (翻訳者:飯田桃子)
(記事ID:16127)
ドーハ・サミット開幕
2009年03月30日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090330_223716.html ■ サウジ・リビアの和解
■ アサド、バシール逮捕を断固拒むよう呼びかけ
2009年03月30日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ドーハ:本紙】
ドーハ・サミット開会式でリビアのカダフィ大佐が、数年ぶりの対面を果たしたアブドッラー・サウジ国王に訪問を求めた。サミットを機に
サウジ・リビアの和解を目指した主催国カタルの尽力が報われた形である。
一方アサド・シリア大統領は、バシール・スーダン大統領の逮捕状につき、根本からそれを拒否し、断固とした立場を取るようアラブ首脳らに呼びかけた。
アサドによれば、我々は逮捕状が政治利用されていることに合意している。従って、それを批判したり評価したりするのではなく根本から拒否すべきである。
シリア大統領は、この逮捕状発行をスーダン分割の一段階を告げるものとみなし、委任統治の経験を繰り返そうとする一群の国々が、
スーダンを弱体化しその富を得ようとして分割を企てているとの見方を示した。
アサドは、現在スーダンに起きている事が前世紀の初めパレスチナに起きた事と同じであり、パレスチナについて未だにアラブがそのつけを
払い続けていることを指摘しつつ、スーダン並びにアラブ諸国の細分化に抗するため、この段階でスーダンを支持すべきと呼びかけた。
(続く)
>>128 より
また同大統領は、スーダンの犯罪について言われる事は根拠がないが、パレスチナ、レバノン、イラクで起きた虐殺の犯人が
(国際刑事)裁判所へ引き出されたら、スーダンについても議論しよう、スーダンと違い後者の罪状には確たる証拠が存在すると述べた。
第21回アラブ・サミット定例会合は、月曜(30日)カタルの首都ドーハで、前回の議長国シリアのアサド大統領がカタルの
シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長に議長権限を譲り渡すことにより開幕した。
サミットでは、パレスチナ問題、アラブ・イスラエル闘争、占領パレスチナ、特にイスラエルによる封鎖、攻撃後のガザ情勢、アラブ諸国間の
和解努力推進、バシール・スーダン大統領に関する国際刑事裁判所決定の拒否、ゴラン返還を求めるシリアへの支援等が協議される。
また、経済、文化、社会面でのアラブ諸国間の協力、中東における核廃絶プランに向けた共通の立場などが議題となる。その他、
イラク、ソマリア、モーリタニア、コモロ連合情勢、アラビア語に関する問題、メディア通信手段の統合問題などが話し合われる。
(続く)
>>129 より
アラブ外交筋によれば、首脳陣はサウジ案に基づくアラブ和解声明を出す予定であり、そこでは、アラブ諸国間の問題解決にあたっては
対話と協議の形式に従い、煽動や攻撃的言辞、緊張をあおる言動を全面的に避け、逸脱や反目をなくすようつとめるとの文言が示される。
パレスチナ問題については、公正な包括的和平の実現と、首都をエルサレムとするパレスチナ独立国家創設に向けたアラブ共通の戦略の重要性が記される。
ガザのハマース政府は月曜、ドーハ・サミットに対し、パレスチナ和解実現への支持を求める代表団をEUとワシントンへ派遣してほしい旨訴えた。
月曜、UPI通信向けの声明で、ガザ政府外務省次官アフマド・ユースフは、合衆国とEUを訪問し、オバマ米政権にエジプト主導の
パレスチナ和解努力の後押しを求め、この対話に水を差さないように要請するアラブ各国の代表団が、サミットにより発足することを
希望すると述べた。同氏によれば、占領軍に破壊されたガザの再建を急ぎ、パレスチナの人々に対する不正な封鎖を解くという
目標のため、そのような試みが求められている。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090330_223716.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16098)
ドーハ・サミットが閉幕
2009年03月31日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090427_153445.html ■ カッザーフィー大佐の不規則発言の後、サウジアラビア・リビア間の和解が成立
■ イスラエルの行った犯罪への処罰と、ペルシア湾上の島嶼の帰属問題へのイランの回答を要求、バシール大統領に対する逮捕状を拒否
■ 次のサミット会場はトリポリ、イラクは2011年サミットの招致を希望、ムバーラク大統領はサミットを欠席して存在感を示す
2009年03月31日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ドーハ:本紙、バッサーム・アル=バダーリーン】
カタールで行われていた第21回アラブ・サミットが昨日閉会し、一昨日のアラブ外相会議で準備された決議案の採択と、「ドーハ宣言」の
承認、サウジアラビアとリビアの和解が実現した。開会式でカッザーフィー大佐が突如、激しい不規則発言を行ったことで、サミットが台無しになるところだった。
アラブ連盟のアムル・ムーサー事務総長は、「我々は対話によるアラブ間の対立の解決を強調し、アラブ間関係の強化と、至高の
民族的利益 の保持のために働きかけ、アラブの共同作業の促進を呼びかける」「我々は地域および国際レベルで起こっている新しい動きに
対してアラブの共同作業を有効化するために、努力の継続を呼びかける」などと、対話によるアラブ間の対立解決を確認したサミット閉幕声明
「ドーハ宣言」を読み上げた。
(続く)
>>131 より
声明はパレスチナ民衆にエールを送り、イスラエルのガザ攻撃を非難、〔ガザ地区の〕通行所の開放とイスラエルの行った戦争犯罪や
侵害の処罰を求めている。また、パレスチナ人の団結実現に向けたアラブの努力をサミットは支援すると表明し、こうした努力に
応えるよう、パレスチナ人に求めた。また、イスラエルの入植活動の迅速な停止と、イスラームおよびキリスト教の聖域の保護を要求した。
また声明はスーダン支援と、国際刑事裁判所の〔スーダン大統領逮捕〕決定の拒否を表明し、「我々はスーダンを支援し、
ウマル・ハサン・バシール大統領への逮捕状を拒否する」と述べている。さらに、アラブ・イスラーム国家としてのイラクのアイデンティティと、
アラブの理念に即した形でアラブ国民の各層が完全な(政治)参加を果たすこと を確認した。同様にソマリア大統領選挙と
暫定政権を歓迎し、ソマリア共和国への全面的な援助の提供を求めた。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090427_153445.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:香取千晴)
(記事ID:16304)
アラブ南米首脳会議閉幕、ベネズエラ大統領がブッシュ氏訴追を主張
2009年04月01日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090415_222742.html ■ アラブ南米首脳会議がドーハで閉幕
■ チャベス大統領、人道に対する罪でバシール氏でなくブッシュ氏を裁くよう呼びかけ
2009年04月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ドーハ:本紙】
カタールの首都ドーハで行われていた第2回アラブ南米首脳会議は昨日火曜日の夜、政治・経済・社会・文化など、様々な分野で
アラブ諸国と南米諸国の協力を密にしていくことを呼びかけて閉幕した。
首脳会議では、「土地と和平の交換」の原則と1967年に占領されたアラブの土地からイスラエルが全面的に撤退することを基本条件と
して、中東における包括的かつ公正な和平を実現することが重要であると強調された。
ドーハ首脳会議は33カ国(アラブ22カ国、南米11カ国)が参加して行われ、次回は2011年前半にペルーの首都リマで開催することが決定された。
また会議では、ブラジルで行われた第1回首脳会議以降、参加国間での協力、協調に向けてのこれまでの成果について話し合われた。
(中略、続く)
>>133 より
一方、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は昨日、「国際刑事裁判所の検察官たちは、ダルフール問題でスーダンの
ウマル・ハサン・アル=バシール大統領を起訴するのではなく、アメリカのジョージ・ブッシュ前大統領がイラクで行った犯罪について
起訴するべきである」と述べ、「最近行われたスーダン大統領の起訴は、嘲笑を誘う事件だ。茶番劇だ。国際刑事裁判所はなぜ、
イラクで8年間も、国民を根絶するような残虐行為を行ってきたブッシュを起訴しないのだろうか?」と付け加えた。
バシール大統領は今週、空路でカタールを訪れた。同地で開催されたアラブ首脳会議は、スーダン西部ダルフール地方における
残虐行為の容疑で国際刑事裁判所に起訴されたことに反対し、バシール氏を協力に支持する立場を表明した。
チャベス大統領は、前述の発言をしたのと同じ演説の中で、イスラエルが1月にパレスチナのガザ地区に対して攻撃を開始したことを
非難し、イスラエルが「パレスチナに対する軍事攻撃は自己防衛であった」と述べていることを嘲笑した。また、シリアの
バッシャール・アル=アサド大統領とリビアの指導者ムアンマル・アル=カッザーフィーを称賛した。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090415_222742.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:梶田知子)
(記事ID:16217)
イスラエル新外相、就任早々にアナポリス合意とゴラン高原からの撤退を否定
2009年04月02日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090413_111442.html ■ ネタニヤフ新政権、発足早々に パレスチナ国家を否定
■ リーバーマン外相:「エジプトは重要なパートナー…イスラエルはゴラン高原から撤退しない」
2009年04月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【占領地エルサレム:通信各社】
イスラエル新政権の強行路線を反映した初声明でアヴィグドル・リーバーマン外相は、2007年11月のアナポリス和平会議での、
パレスチナ国家樹立に関する合意を守る義務はイスラエルにはない、と発言した。
前外相ツィピ・リブニからの業務引継ぎの際にリーバーマン外相は、「我々が従うべき文書は一つしかない。それはアナポリス和平会議での
文書ではなく、ロードマップのみである」と断言し、イスラエル政府も議会(クネセット)も、アナポリス合意を承認していないと述べた。
同時にリーバーマンは、地域の安定に貢献するアラブ世界の傑出した国家であるがゆえに 、エジプトはイスラエルにとって「重要なパートナー 」
だと表現し、エジプトを訪問する用意があると述べると共に、アフマド・アブルゲイト外相を含むエジプトの高官らにイスラエル訪問を呼びかけた。
また、「イスラエルは1977年以降、ゴラン高原の数倍以上の面積の領土を放棄してきたのに和平は実現されなかった」として、
リーバーマン外相はゴラン高原からの撤退について否定した。
(続く)
>>135 より
昨日、和平プロセスを多方面 で推進するため全力を尽くすよう、イスラエル大統領が新政府に要請したが、ベンヤミン・ネタニヤフ
新首相はパレスチナ独立国家には言及せず、「前政権は世界の大勢が合意している2民族2国家案を採用した」とのみ指摘した。
そして、新政権の前には数々の課題があるが、最も重要なのは悪とテロの枢軸の脅威からイスラエルの治安を守り、イランが核兵器を
手にするのを防ぐ国際戦線を形成するといった治安問題であると述べた。
よく知られるように、2007年11月にジョージ・ブッシュ元アメリカ大統領の後援によって採択されたアナポリス宣言では、ロードマップの
再開と、パレスチナとイスラエルの2国家樹立という原則を米国が採用することがうたわれていた。
一方、イスラエルのハアレツ紙が報じた世論調査によれば、イスラエル国民の大多数はネタニヤフ新政府に満足しておらず、
必要以上に大きな政府でありすぎると考えていることが明らかになった。同じくイスラエル人の大多数は、リーバーマンを外相のポストにふさわしくないと考えている。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090413_111442.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:松屋直子)
(記事ID:16194)
イスラエル新外相がアナポリス和平合意拒否。国際社会は二国家解決案を堅持
2009年04月02日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090405_163339.html ■ 国際社会、リーバーマン外相のアナポリス和平合意拒否に対抗して二国家解決案を固持
2009年04年02日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面
【ナザレ、ラーマッラー、ロンドン:本紙】
イスラエルのアヴィグドル・リーバーマン新外相は、昨日発足した新政府はアナポリス和平合意を遵守しないと宣言した。これに対して
国際社会は、パレスチナとイスラエルの二国家樹立を基盤とした解決案を堅持する必要性を強調する立場を示している。
ホワイトハウスは昨日、「バラク・オバマ大統領は今でも二国家解決案を遵守する立場である」と強調した。また、米国家安全保障会議の
マイク・ハマー報道官は、「オバマ大統領は『我々は、イスラエルと平和かつ安全に共存する民主的パレスチナ国家建設を一貫して支持する
...我々は、この二国家共存に基づく解決案のために活動し続ける。そして、イスラエル新政府と共に協力してゆきたいと考えている。
我々は、イスラエルの安全を守るという共同の基本的義務に基づき、率直な議論を行っていくものと理解している』と再三述べている」と明らかにした。
(続く)
アナポリス合意を否定したイスラエル新外相の発言に対し、米は合意遵守を明言
2009年04月03日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090413_114823.html ■ リーバーマン外相のアナポリス合意否定に対し、アメリカはパレスチナ・イスラエル紛争解決のため二国家建設案を 遵守すると強調
■ イスラエルが和平協定の履行に失敗した場合、EUはイスラエルとの関係発展の凍結を検討
2009年04月03日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP国際面
【ワシントン:諸通信社】
アナポリス和平合意を批判したイスラエルのアヴィグドル・リーバーマン新外相の声明に対する迅速な対応として米合衆国は、イスラエルと
パレスチナの二国家建設という基本ラインに沿った形でパレスチナ・イスラエル紛争を解決することが必要だと強調した。
ゴードン・ドゥグッド米国務省報道官は、「合衆国はネタニヤフ政権とともに、和平プロセスを推進し、二国家解決案に向けて当事者たちに
働きかけていく」と述べた。ドゥグッド報道官は、「米国政府は、イスラエル新政権がパレスチナ・イスラエル間の地域恒久和平に到達すると
信じている」と明言し、「イスラエル政府からの提案はまだ聞いていない」と述べて、「米国政府は二国家による解決を提唱したアナポリス合意を遵守する」と強調した。
(中略、続く)
>>139 より
一方、リーバーマン外相は、ハマースがガザ地区を支配している限り、パレスチナ人との和平交渉前進を実現するのは難しいと発言し、
イスラエルのハアレツ紙への声明の中で、「和平の前に、まずはハマースの武装解除だ」と強調した。リーバーマン首相は、パレスチナ国家
建設をうたったアナポリス合意にイスラエルは拘束されないと指摘した先の発言で、パレスチナと合衆国を怒らせた。
同じ頃ハアレツ紙は、二国家建設案を受け入れるとのはっきりした誓約をイスラエルが出すべきだと、複数のEU高官が考えていると報じた。
ハアレツ紙によればEUは、もしイスラエル政府が二国家建設案を遵守しないのであれば、EU・イスラエル関係強化のプロセスを
凍結すべきと考えていると指摘している。またハアレツ紙は、この数日間にヨーロッパのイスラエル大使館から、少なくとも10の報告が
イスラエル外務省へ届けられ、ネタニヤフ政権に対するヨーロッパの信頼維持が困難な状況を伝えたとも報じている。報告はそれぞれ、
パレスチナ側との交渉、入植地建設、東エルサレムでの住居破壊とガザ地区での人道状況におけるイスラエルの対応を批判しているという。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090413_114823.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:勝畑冬実)
(記事ID:16196)
米のユダヤ・ロビー団体、リーバーマン外相の続投に反対キャンペーン
2009年04月04日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090413_123638.html ■米ユダヤ人がリーバーマン外相の解任を求め活動
■米国務省、イスラエル外相のワシントン訪問日程が確定したことを否定
■リブニ前外相:「リーバーマンは長年の和平努力を20分間で無駄にした」
2009年04月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】【占領下エルサレム:諸通信社】
イスラエルの新外相アヴィグドール・リーバーマンが、アナポリス会議で決定された二国家原則に基づくパレスチナ・イスラエル紛争の
解決を拒否する声明を昨日発表した後、米ユダヤ・ロビーの諸団体がこれまでで初めて、外相ポスト続投への反対キャンペーンを始めた。
ユダヤ・ロビー団体はインターネットサイト上に声明を出し、リーバーマン外相が続投した場合、アメリカ・イスラエル関係への影響が
懸念されると表明し、団体の支持者たちに対して、アナポリス合意を否定した先日のリーバーマンの声明を批判する公開書簡に署名するよう求めた。
(続く)
>>141 より
同じ頃、アメリカ国務省は、米国務長官とイスラエル外相が近いうちに会合するとのイスラエル発の報道を否定した。
米国務省のロバート・ウッド報道官は、リーバーマン外相のワシントン訪問について現時点ではいかなる合意も存在してないし、
日程も決まっていない と述べ、ヒラリー・クリントン国務長官はイスラエル新内閣発足が公表されるとすぐにリーバーマン氏と短い電話会談を行ったと付言した。
一方、イスラエルのツィピ・リブニ野党党首はリーバーマン氏を痛烈に批判し、「たった20分の先日の声明で、幾年にもわたる
和平への努力を無駄にした」とイスラエル放送に語った。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090413_123638.pdf (翻訳者:中島希)
国連人権理事会がガザ調査団任命、対象を「全ての人権侵害」に拡大
2009年04月04日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090410_163715.html ■ 南アフリカ人判事率いるチーム、ガザにおける「全ての人権侵害」を調査へ
2009年04月04日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター】
国連人権理事会は昨日、ガザにおける調査の範囲を拡大し、イスラエルが行ったものだけではなく「全ての人権侵害」を含める調査とした。
実施には旧ユーゴスラビアおよびルワンダの国際刑事法廷のリチャード・ゴールドストーン元検察官が任命されている。
人権理事会の議長であるナイジェリア人外交官マルティン・イホジアン・ウホモイビ氏は声明で、「人権理事会が目指しているのは、
本当に起きたことを反映した報告書を得ることであり、全ての人権侵害を考慮に入れる必要がある」と述べた。
ウホモイビ議長は、「決議を履行すべき方法に関する私の理解に基づき、指示に従って調査するようゴールドストーン氏に要請した」
と説明した。また、決議の内容はともかく、理事会の「最終的な目標」こそが賭けるべきところであり、「独立し偏りがなく全ての
関係方面から信頼を置かれる」調査任務が組織されなければ、この目標を実現することは不可能である、と説明した。
(続く)
>>143 より
人権理事会は1月12日のガザ情勢に関する緊急会議において、「占領者であるイスラエルがパレスチナ人民に対して犯した」
人権侵害について「真実究明任務」を組織する決議を行った。決議は33対1票の多数決で採択され、理事国のうち欧米諸国が
大半を占める13ヶ国が棄権した。これらの国々は、イスラエル南部の市民に対するパレスチナ側からのロケット弾発射が含まれない
ことを理由に、この決議はバランスを欠いているとみなしていた。
ゴールドストーン氏は任務について、「イスラエルとガザと占領地で行われた全ての人権侵害を考慮に入れる」と強調した。
またゴールドストーン氏は「ユダヤ人であるため」、この任務を率いるよう要請されたことは自分にとって「衝撃」であったことを認めた。
南アフリカ国籍を持つゴールドストーン氏に加え、同委員会を構成するのは、国際法の専門家であるイギリス人クリスティン・チンキン、
パキスタン最高裁判事で元国連人権問題担当のパキスタン人ヒーナ・ジラーニー、アイルランドの退役大佐デズモンド・トラヴァーズである。
(続く)
>>144 より
ゴールドストーン氏は、「私は自分がこの重責をバランスを保ち偏りなく務めることができると思っている」と述べ、決心するのが
「容易ではなかった」こと、任務を受諾するまで「数日間は夜も寝ないで過ごした」ことを明らかにした。また、最終的に任務を受けた
動機となったのは、「中東和平への懸念と、いずれの側であっても殆どいつも無視される犠牲者たちへの心配」であると説明した。
また、「双方で戦争犯罪や人権に対する深刻な侵害があったという訴えを調査することは、パレスチナ人とイスラエル人の利益になる」
とも述べた。ただし、調査の結果は国内および国際レベルでの犯罪捜査に使用することも可能である、と注意を促した。
また、「南アフリカやバルカン半島やルワンダにおける経験から確実に言えるのは、透明性を持つ公式の調査が非常に重要であること...
特に犠牲者にとっては彼らに起きたことが認知されるゆえに重要である」と述べた。また、真実究明作業の結果が「中東の和平プロセスに
具体的に寄与する」ことへの期待も述べた。
調査団のメンバーは「ここ数週間以内に」ジュネーブに集まり、作業計画を立てる予定になっている。また、彼らの報告書が
「3ヶ月以内に」人権理事会へ提出されることが決まっている。
パレスチナのイブラヒーム・クライシー国連大使は、ゴールドストーン氏とチームの任命を歓迎し、1月12日の決議を履行するうえで
「重要な一歩」であるとの見解を述べた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090410_163715.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:森本詩子)
(記事ID:16178)
イスラエル国内の軍基地にパレスチナ人女性が襲撃、ガザ北部でも戦闘
2009年04月05日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090409_175509.html ■ ガザから「潜入しようとした」パレスチナ人2人殺害
■ イスラエル国内でパレスチナ人女性が軍の基地を攻撃
2009年04月05日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ガザ:本紙ファトヒー・サッバーフ】
ベンヤミン・ネタニヤフ右派政権が発足してから2つめの事件が発生した。パレスチナ人の若い女性1人が、イスラエル国内の軍事基地に
拳銃で攻撃をし、殺害された。この事件は、イスラエル軍が「ガザ北部の境界からの『潜入の試み』を阻止し、武装したパレスチナ人2人が
死亡した」と発表してから数時間後に発生した。
イスラエル「国境警備隊」の報道官は、「20歳の女性が警備隊の基地の入り口にやって来て、通行を阻止されると拳銃を発射したため、
警備隊の隊員が応戦し殺害した」と述べた。イスラエル軍側の負傷者や物的損害は報告されていない。AFP通信社が報じた報道官の
発言によると、「女性は背中に鞄を背負っており、自爆攻撃を実行するための爆発物を運んでいることが疑われたが、結局爆発物を
運んでいなかったことが明らかになった」という。
(続く)
>>146 より
イスラエルの複数の情報筋によると、この攻撃はベエル・シェバ近郊のシャウカト交差点で起こった。この攻撃は、イスラエル国内で
行われたものとしては 2006年4月にテル・アビブで発生した自爆攻撃以来のものであり、攻撃としてはネタニヤフ政権発足後2度目
である。イスラエル警察は、このパレスチナ人女性が西岸地区南部のヘブロン地区の出身者であると見ている。ヘブロンでは、
ユダヤ人入植者によるパレスチナ人居住区への襲撃や、農地や家屋、商店などの占拠が続発しており、治安状況は非常に緊迫している。
また昨日[4日]、イスラエル軍は複数の武装したパレスチナ人と衝突した。同軍によると彼らはガザ北部境界線の「キファール・ガザ・キブツ」
付近からイスラエルへ「侵入を試みた」とのことで、イスラエル軍は「ゴラニ旅団はこの武装者たちを追跡してガザ地区に入り2人を殺害し、
同地域で爆破装置を発見した」という。パレスチナ側の消息筋は戦闘が発生しパレスチナ人2人が殉教したことを認めたが、「武装者たちは、
ガザ地区深くに侵入するイスラエル軍を食い止めようとして銃撃を交えた」と述べている。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090409_175509.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:鈴木啓之)
コラム:「アラブ文化の首都エルサレム」を巡って
2009年04月05日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090405_230352.html ■ エルサレムと歴史「嫌悪症」
2009年04月05日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面
【ユースフ・ダムラ(本紙)】
敵シオニストにとっては、子供の投石、原始的なカッサーム・ロケット弾、そして詩歌や物語の間に差異はない。ある一つのこと、つまり
パレスチナのアイデンティティを主張し、守り、育まれてきたアラブ的文脈の中に自らを置こうとする限り、それらはシオニストにとって同じものなのだ。
占領軍は、偉大な詩人マフムード・ダルウィーシュにハイファでの詩の読誦を許可した。しかしその街は、「アラブ文化の首都」と叫ぶ
エルサレムではない。シオニストの、そしてアラブの公式な辞書において、ハイファは既にイスラエル化している。新しいアイデンティティが
議論の余地もなく固持されているかぎり、その街はアラビア語の詩を恐れる必要はない。しかしエルサレムとなると話は別だ。数百という
聖職者の住まいを破壊し数千人を追い出して、イスラエルの「オールシャリーム」などと主張する敵は愚かである。破壊されようと、
追い出されようと、あるいはベルリンの壁に学ぶこともなく分離壁を打ち立てようとも、パレスチナ人、アラブ人たちは、エルサレムの
アラブ的性格は譲らないと、文化的に主張しようとした。
(続く)
>>148 より
3月21日、何という日か!その日、シオニスト占領軍は、パレスチナ人に詩歌を禁じたのだ。
アラブの側では、ガザへの野蛮な攻撃について、我々が原始的なロケット弾を発射して、和平プロセスなるものの歩みを妨げないように、
との配慮であったと理解する人々もいるらしい。和平プロセスは、パレスチナ国家樹立へと導いてくれるのだそうだ。確かにアラブの
公式代表たちは、エルサレムこそその首都だと日々がなり立てている。しかし、アラブ文化の首都エルサレムの祝典を弾圧する必要が
あるだろうか?舞踏や歌唱、詩といった催しを禁じるとは。イスラエルを純粋なヘブライ国家とすべく「浄化」を進めるという敵の指導層に
よる発言以上に、この事態をはっきり説明できるものはないだろう。これには中傷詩(アラブ詩の伝統的なジャンルのひとつ)も値しない。
しかし、中傷詩もまた、弾圧により歪曲され、フェイルーズが歌った古代の小道の苦しみを顧みなくなった今では、アラブが用いるにふさわしくない。
「文化と聞くたびに拳銃に手をやるのだ」と言ったのはゲッペルズだが、アラブ文化の首都エルサレム開会の日、シオニストの戦闘メカニズムは、
それを詩や歌と対決する戦場とみなした。
(続く)
>>149 より
聖書史家たちは、ナザレがエルサレムの歴史、文化、ルーツを賛美するのを望まなかった。彼らはエルサレムの古代の小道で、壁の下で、
その歴史を探し歩き、自分たちが聖なる歴史の多くの民族文明の間にいることを発見する。人類史全体にその存在が及ぶ聖なる
存在の名残を所有する民族の一つであることに狂喜し、神の力を讃える無邪気な過去をねつ造した。
自らを自由国家と名乗るものが、詩や歌や民族舞踊、刺繍の縁取りがついた衣装への嫌悪症にかかっているなど、聞いたことがない。
詩歌の雄弁に鎖がつけられるとでもいうのだろうか。しかし彼らは、今回の戦闘にはリン酸爆弾やクラスター弾、大量破壊兵器は役に
立たないと判断し、そのようにした。相手は「文化」なのだ。それは、乾燥地帯も緑地もお構いなしに長い旅路を経て人間同士の関係を
つくってきた歴史と言葉である。歌は記憶し、詩は深い痛みを叫ぶ。それを彼らは知っている。詩歌には言葉が使われているからだ。
アラブの子供が最初に口にし、殉教者の遺言となる言葉が。どうやってアラブの歴史からエルサレムを取り返そうかと彼らは考えている。
ナザレのフェスティバルは、アラブ文化の首都エルサレムを認めた。つまりジーザスがエルサレムのアラブ的性格を裏付けた。一方彼らは
ナザレのイエスを思い出したくない。過去の罪を糾弾されたくないのだ。
(続く)
>>150 より
母の日を祝っていたマトラーンの学校に彼らが押し入ったのもこのためだろう。母の日とアラブ文化の首都エルサレムの結びつきに我慢ならなかったらしい。
彼らは記念日の祝典を包囲し逮捕しようとした。そこで歌われる俗謡のためではなく、彼らが純粋なヘブライ国家の首都としたエルサレムが、
アラブ文化の首都、つまりアラブのアイデンティティの象徴として、アラブの集まりを招聘することが問題であった。彼らが直面したのは単なる
文化的な催しの集まりではなかった。それはエルサレムのアラブ性をアピールするものだった。
この祝典が、母の日、春を祝う日にあたったのは偶然だろうが、それは、真理、歴史、人間性などと歩みをひとつにするものである。この闘争に、
中傷詩も批判も嘆きも必要ではない。公式なアラブの中傷詩は、エルサレムが代表するもの、人間、歴史と地理の関係に関する思想に
ふさわしくない。アラブが一つとなり、エルサレムをアラブ文化の永遠の首都にすべきである。エルサレムのアラブ的性格を戦略として、
歴史の数々の過ちをただすべきである。歴史を通じて最古の武器、最強の紐帯であった言葉にしかできないことがある。
混乱した過去に苦しむ者は、未来に対しても常に恐怖を抱き先行きに不安を感じる。だが、エルサレムはそうではない。ほっそりした
緑の木が、風に吹かれたわんでも深くおろした根に支えられているように、エルサレムはそのルーツをよりどころとしている。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090405_230352.pdf 同じジャンルの記事を見る
(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16137)
イスラエル国内報道「スーダン経由の対ガザ武器密輸にイランが関与」
2009年04月06日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090428_232144.html ■ イスラエル、イランがハマース向け兵器密輸を再開と非難
■ スーダン経由、シリアとヒズブッラーの協力で
2009年04月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ナザレ:本紙ズハイル・アンドラウス】
イスラエル国内では昨日日曜、「イラン・イスラム共和国は、スーダンを通してイスラーム抵抗運動ハマースへの密輸を再開した」との
報道がなされた。「今回の密輸は同盟国シリアや、アフリカ諸国及びイエメンで活動するヒズブッラーのメンバーの協力で行われている」という。
(続く)
>>152 より
同国内での報道は、「スーダン領内で今年1月、戦闘用の兵器を運搬する数台のトラックからなる車列が爆撃を受けた。
エジプト外相によると、車列の行き先はガザのハマースだった。その時以来、エジプト政府の報告によると、イラン革命防衛隊は
スーダンからエジプトへ武器の輸送を一度ならず試みた後、これを取り止めた」と伝えている。
イスラエルのイディオット・アハロノート紙によると、イスラエル治安機関幹部は、「シリアの首都ダマスカスに拠点を置くハマース幹部らは、
車列への爆撃以来、密輸を再開しようとスーダンを何回も訪れている」と述べた。また同紙によると、「ポート・スーダンで爆撃された
車列の件が明らかになり、別の車列がエジプト当局によって阻止された後、イランは密輸ルートが明らかにされたので別ルートを
開拓する必要があることを理解した」という。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090428_232144.pdf (翻訳者:桑山沙央里)
(記事ID:16316)
>>154 より
イスラエル南部のベドウィンの女子学生、バスマ・アル=ナーディリー(16歳)は昨日、裁判所に提出された日記の中で、「ガザからの
叫びが聞こえてくる。パレスチナのため、ガザのために死にたい」と書いていた。
ネゲブ砂漠地方のベエル・シェバ裁判所は、少女の父親とおじを4日間、母親を1日拘留するよう命じた。警察は、「少女が一人で
決意してやった」という可能性を退け、家族らも事件に関与したと見ているが、彼らは否定している。
今回の事件では、少女がベエル・シェバ近くの国境警備隊の基地入口で警官らに発砲し、警官が少女を射殺した。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090410_170154.pdf (翻訳者:松原翔)
(記事ID:16180)
コラム:中東情勢の変化とレバノンの対外交渉の今後
2009年04月07日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090420_161934.html ■ レバノンはどのように包括的交渉に臨むのか?
2009年04月07日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面
【ズィヤード・アル=サーイグ(著述家、レバノン)】
アメリカ合衆国とイラン・イスラーム共和国の間をはじめとする対話の方向性の前向きな側面に依拠するに拙速であってはならないことは
確かだが、レバノンは、昨今の周辺地域および国際情勢に対する傍観者であり続けるわけには行かない。イスラエル以外に誰が[交渉への]
対応のあり方を決定付けるのかという問いが残っているからだ。それが飴であれ鞭であれ、どのような結果をもたらすかを考えれば、その重大性は
十分に理解できるところであろう。一方、メディアを通しての泡のごとき声明の数々や各勢力の姿勢について言えば、それらは敗者と勝者を
位置付けるようなものではなく、競争的な構図を明確化させる以外の何ものでもない。
(続く)
>>156 より
いずれにせよレバノンは、敵国の殺戮によってであれ、(より苦痛をもたらす)友邦の専横によってであれ、甚大な代価を支払ってきたと
いう確信から、情勢の展開を傍観すべきでなく、レバノンの中立姿勢は今や真剣な検討の対象とするべきである。それは、敵イスラエルとの
対峙から身を引くという意味ではなく、効果的な対峙の最適な手段を選択するという意味においてである。それによって、2006年の
イスラエルの侵略以来つづいている破滅的な影響の深刻化を回避すべきなのである。[イスラエルに対する]抵抗運動の武器は、一時の
憤怒に駆られてレバノン国内に向けられることになった。これはイスラエルを喜ばせる戦略的誤りであった。また、パレスチナ諸勢力の対立が
先鋭化していることについても同様である。これについては、メッカ合意での経験によって、意思の表明とは矛盾する行為の実態の多くが
明らかになったとは言え、エジプトが困難な状況の打開に寄与することを期待したい。ともあれ、傍観しないためには受動ではなく行動が必要である。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090420_161934.pdf (翻訳者:平川大地)
(記事ID:16246)
ファタハ代表団がガザ地区訪問、ハマースその他各派と協議へ
2009年04月08日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090416_182533.html ■ ハマース、アッバース氏やファイヤード氏が率いる内閣を拒否
■ パレスチナ大統領特使2人がガザ訪問、復興と国民の団結について議論
2009年04月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:本紙アシュラフ・アル=ハウル】
ハマースやその他のパレスチナ各派の指導部との会合のため、ファタハの特使2人がガザ地区への訪問を開始した。この訪問は、
政権を争う2大勢力の対立によって停滞している状況を打破するとともに、今月末にカイロで行われるパレスチナ国民対話の新ラウンドを
円滑に進めるための「重要なステップ」となる。
ファタハとハマースは先週木曜日に突然、対話会議の延期と協議の一時停止で合意している。長時間にわたる協議の後、
対立点をめぐって意見の一致が得られず、対立を打開するための新しい案を検討すべく、会議を3週間延期することを決定した。
(続く)
>>158 より
ファタハ中央委員会のアブドゥッラー・アル=イフランジー委員とマルワーン・アブドゥルハミード大統領顧問(開発・復興問題担当)の
両幹部は、マフムード・アッバース大統領から委任を受け、バイト・ハーヌーン(エレツ)通行所経由で昨日火曜日の昼にガザへ到着し、市内の滞在先に向かった。
イフランジー氏はガザ到着直後、記者団に対して、「アッバース大統領は、対話を深め、カイロで行われる対話会議を前に前向きな
空気をつくっておくことを目的として、私とアブドゥルハミード氏をガザに派遣した」と述べ、「ガザ地区の全パレスチナ組織に耳を傾け、
ガザの破壊の規模とその傷跡、市民への影響を視察する」と語った。
またイフランジー氏は、「ハマースやパレスチナ各派の指導部との会合を通して、国民の団結を取り戻し、和解を実現させ、内部分裂を
終結させるよう努めたい」「代表団は、イスラエルが昨年12月27日から22日間にわたって行い、7000人以上の死傷者を出した破壊的な
軍事作戦の後のガザ地区の状況を間近で視察し、同地区の復興について議論する予定だ」と述べた。
(続く)
>>159 より
またイフランジー氏は、ガザでの滞在先に到着した際、「我々は、祖国に、故郷に、私たちの家に、兄弟たちのもとに帰ってきた。
この一歩に歓喜している」と述べ、「我々は、ハマースやイスラーム聖戦をはじめ、全ての組織と会合を行うつもりだ。ファタハ幹部たちや、
我々と会合したいと望む全ての団体もそれに含まれる」と付け加えた。
そして、「今回の訪問は、アッバース大統領が現在進行中の出来事や、国民の団結をより強固なかたちで回復し国民合意内閣を
樹立するための対話に向けた雰囲気について、正しいイメージを提示するためのものでもある。さらには正しい形で早急に国民和解を
実現し、パレスチナ解放機構(PLO)を活性化させ、立法議会、大統領、国民評議会の各選挙の準備を行うためでもある」と指摘した。
代表団に近い当局者らによると、ファタハの代表団は7日間滞在する予定だ。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090416_182533.pdf (翻訳者:梶田知子)
(記事ID:16225)
3日に予定される米・イスラエル首脳会談を前に、アンマンでアラブ6カ国外相会議
2009年04月11日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090421_131557.html ■エジプト政府、イスラエルの入植活動とエルサレムのユダヤ化に対抗して国際社会を動員する考え
■アラブ6カ国の外相、今日ヨルダンでオバマ政権への共同書簡の提出を議論
■パレスチナ国家建設に反対するネタニヤフ政権とアメリカ政府との対決が差し迫る
2009年04月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【カイロ:サーリー・ワファーイー】
【アンマン:諸通信社】
今日、エジプト・ヨルダン・サウジアラビア・パレスチナ・レバノン・カタールの6カ国の外務大臣がヨルダンの首都アンマンで会議を行う。
この会議ではアメリカのバラク・オバマ政権へのアラブ諸国としての対応策と、アメリカ新政権に対するアラブ諸国の要求が盛り込まれた
共同書簡のワシントンへの送付が検討される。エジプトのアフマド・アブルゲイト外務大臣は同会議において、現在の状況に対する
エジプト政府の見解を明らかにする見通しだ。
(続く)
>>161 より
外務省のフサーム・ザキー報道官は、時間を浪費して和平努力の確実な成果への到達を凍結させようとするあらゆる動きの芽を
潰すことが肝心であるというのが、エジプト政府の今後を見据えた見解だと説明した。
さらに報道官は、イスラエルの入植政策の継続と、占領下東エルサレムのユダヤ化、他のパレスチナ占領地から東エルサレムを切り離す
試みに対抗して国際社会を動員する事が、エジプト政府の見解の目指すところであると続けた。
その頃、アラブ外相会議の場では、アメリカのバラク・オバマ大統領へのアラブ諸国の要求が盛り込まれた共同書簡を送るための準備が
行われていた。レバノンのアル・ナハール紙は、このアンマンでの会議は、来る5月3日に行われるオバマ大統領とイスラエルの
ベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談に先立って、アラブ諸国の姿勢をホワイトハウスへ知らせる試みだと伝えている。
同じ頃、イスラエルのイディオット・アハロノート紙は、イスラエルとアメリカの政界筋から確認した話として、イスラエルの隣にパレスチナ国家を
建設する案への支持を拒否するネタニヤフ首相との間で予想される対決にオバマ政権は備えていると伝えた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090421_131557.pdf (翻訳者:川上誠一)
アブドラッボ氏「モスクワ和平会議開催には2国家解決案と入植活動停止への合意が必要」
2009年04月12日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090425_160626.html ■ アブドラッボ氏、モスクワ和平会議開催の条件としてネタニヤフ政権が2国家解決案と入植活動停止に合意することを提示
2009年04月12日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ラーマッラー:本紙ムハンマド・ユーニス】
パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会のヤーセル・アブドラッボ事務局長は昨日(11日)、「ベンヤミン・ネタニヤフ政権がこれまでに
調印された合意、入植活動の停止、2国家解決案を遵守すると表明すれば、モスクワ和平会議は今後数ヶ月のうちに開催される」と述べた。
PLO執行委員会の週例会合直後の記者会見でアブドラッボ氏は、「PLOは昨日の会合で、『モスクワ会議が記念碑的なただの
示威行為ではなく、和平プロセスの歩みの継続に向けた真に政治的な内容を持つものである』必要性について確認した」と明らかにした。
マフムード・アッバース大統領は先のモスクワ訪問の際、モスクワ和平会議の開催についてロシア首脳部と話し合っている。
同時に執行委員会はハマース(イスラーム抵抗運動)との対話を「それを阻むすべての障碍」にも拘わらず継続することを決定した。
アブドラッボ事務局長は、「対話は今この瞬間に到るまで具体的な成果をあげていないが、執行委員会もアッバース大統領も、
望まれる成果の達成のため、賢明かつ辛抱強い姿勢をもってあくまで対話を継続してゆく立場を堅持する」と述べた。
(続く)
>>163 より
そして、「パレスチナ国民対話に求められる諸課題の筆頭は国民和解内閣の樹立である。選挙準備とガザ地区復興の監督のためには、
これに替わる方策はない」と述べ、「選挙の準備、ガザ地区復興作業の監督、治安機関の再建、ガザ地区でハマースが行ったクーデターの
もたらした全ての影響の終結のためには、国民和解内閣が不可欠である」と付け加えた。さらに、「執行委員会は、この対話をファタハと
ハマースの代表の2者会合に限定せずに、対話を成功に導くためにも対話委員会の全メンバーを含む会合とするよう求めている」と続けた。
またアブドラッボ氏は、「アメリカのジョージ・ミッチェル中東和平担当特使が近々中東地域を訪問する」と述べた。しかし、「真に懸念
されているのは、イスラエル政府には、和平プロセスの権威を認め、入植活動を停止し、或いはエルサレムのイスラーム性、キリスト教性、
或いは一般的にアラブ性を侵害する犯罪的な行為をやめる真剣さや意思がないということだ」「イスラエル政府がこれらの要求に
従わないことに固執するならば、和平プロセスの新たな始まりなどあり得ない」と述べた。
(続く)
>>164 より
アブドラッボ氏はさらに、「執行委員会はヨルダン国王アブドゥッラー2世がアラブの立場を全面的に代表するため予定している
ワシントン訪問について議論した」と述べ、「ヨルダン国王は私たち、そしてすべてのアラブのメッセージを携えていくだろうと私たちは
確信している。そのメッセージは、現在のイスラエル政府の政策はこのまま続けば危険なものであり、問題はアラブの立場ではないと
いうことだ。アラブの立場はアラブ諸国和平案を遵守し、その履行のために必要になる全ての事柄を遵守するというものだ」と述べた。
また、「2国家解決案を否定し、政治プロセスの開始を拒否し、中東地域での新たな戦争について云々し、入植活動やエルサレムの
ユダヤ化によって緊張をもたらすイスラエル側に問題があるのだ」と付け加えた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090425_160626.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16289)
イスラエルがエジプトとヒズブッラーの不和を歓迎、スンナ派とシーア派の衝突にも期待
2009年04月14日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090422_110356.html ■ イスラエルはエジプトとヒズブッラーの不和を歓迎
■ ペレス大統領はスンナ派とシーア派の衝突を期待
2009年04月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ナザレ:本紙ズヘイル・アンドラウス】
レバノンの政治組織ヒズブッラーに対するエジプトの告発 について、イスラエルの最初の公式コメントが出された。イスラエルの
シモン・ペレス大統領が昨日月曜日、ヒズブッラーとエジプトがイスラエルと関係のないところで 互いに争うのは大変よいことであると発言したのだ。
このイスラエル大統領の発言は、過去にアラブ人とイスラーム教徒はマムシだと公言したことのある、強硬右派シャス党の精神的指導者
オワディヤ・ヨセフ師を見舞った後に飛び出した。
(続く)
>>166 より
月曜日にヘブライ語インターネットサイトに掲載された内容によれば、ペレス大統領は「遅かれ早かれ世界はイランが中東支配への野望と、
植民地主義的な野望を持っていることを発見するだろう」とも述べ、さらには「中東における多数派のスンナと、地域の支配を試みる
少数派のシーア間の衝突は、必ず起こる」と続けたという。
イスラエルの情報筋は、エジプトが新たな詳細を明かすごとに、ヒズブッラーがハマースに武器を提供していた事実や、去年2月にシリアの
首都ダマスカスでヒズブッラーの軍事指導者イマード・ムグニーヤが殺害されたことへの報復を目的とした、イスラエルを狙った大規模な
軍事作戦の実行間近であったことが明らかにされるだろうと指摘した。
イスラエルはエジプトとヒズブッラーの間で危機が進展し、舞台の背後に潜んでいる者もそこに加わってくることに期待を寄せており、
イスラエルのメディアはここ数日、エジプトの立場を支持しつつ、この危機への大きな関心を見せている。ハアレツ紙はどちらの側につくかは
明らかにしないと強調しつつも、ヒズブッラーとエジプトの間で起きている事態を、イスラエルは安心して見守ることが出来ると論評した。
(続く)
>>167 より
危機の始まりを振り返りつつハアレツ紙は、ナスルッラー書記長が2006年夏の第2次レバノン戦争時以来、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領に
向けてあからさまに侮蔑的な発言を送ってきたのは、ヒズブッラーへの 軍事攻撃を続けるよう、エジプトがオルメルト政府に背後から
圧力をかけていたことをヒズブッラーが発見したためであったと述べている。
そしてハアレツ紙はイランとヒズブッラーの結びつきに関するエジプトの主張を支持しつつ、ヒズブッラーが勢力を拡大し、政権の世襲争いに
直面しているエジプトという国家の心臓部にまで深く浸透していることは、イランの意図に疑いの余地を残さないと述べている。
またパレスチナ問題アナリストのアヴィ・ヤサハロフと、軍事アナリストのアモス・ヘイルは、実際には強硬措置を取っているにもかかわらず、
エジプト側からの反論にはいまだ躊躇が見られると語り、イディオット・アハロノート紙の協力の下、エジプトの体制を支持する立場の
アラビア語紙とヘブライ語紙に掲載された、以下のようなエジプト高官たちの声明を取り上げた。「ナスルッラーはイランの代理人だ」
「エジプトは門番のいない商店ではない」「ヒズブッラーはエジプトを第2のレバノンにしようとしている」。また、体制派の新聞がヒズブッラーを
“テロ組織”と呼ぶように求めていることや、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長への逮捕状発行を要求していることにも着目している。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090422_110356.pdf (翻訳者:香取千晴)
(記事ID:16263)
エジプトに潜入したヒズブッラー細胞の目的はガザ支援ではなかったと拘束中の容疑者が自白
2009年04月14日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090421_142732.html ■ ナスルッラーの計画は、エジプト人とイスラエル人を狙った3つの作戦の実行が目的
■ サーミー・シハーブ容疑者:「作戦の目的はガザ地区の抵抗運動の支援ではなく、エジプト情勢」
■ ヒズブッラー指導者のひとりをはじめとする逃亡中の容疑者24人への訴追が間近に迫る
2009年04月14日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【カイロ:アフマド・ムーサー】
ヒズブッラーの細胞を率いていたムハンマド・ユーセフ・マンスール・サーミー・シハーブ容疑者が、驚くべき供述を明らかにした。
そのうち最も重要なものは、「全作戦はエジプトの国内情勢を標的としており、ガザ地区での〔パレスチナ〕抵抗運動への支援とは無関係だ」という供述だ。
サーミー・ハーシブ容疑者は、「ヒズブッラー指導部は、エジプト領内で外国人、特にイスラエル人の観光客を狙ったテロ作戦実行の
綿密な手配を自分に任せた。ダハブ、タバ、ヌエバ[=シナイ半島のアカバ湾に面したリゾート地]といった、シナイ半島のイスラエル人が
多く集まる地域での自爆、自動車爆弾、時限爆弾などの作戦を行うように指示された」と強調した。
(続く)
>>169 より
本紙記者が入手した情報によれば、最初のテロ攻撃は3ヶ所での同時爆破攻撃を目的としていて、標的はエジプト人・イスラエル人に
加え、人の集まる3つの観光地の重要施設だった。実行後にはヒズブッラー指導部から、[去年2008年2月11日にダマスカスで暗殺された]
ヒズブッラーの軍事指導者イマード・ムグニーヤ殺害への報復であるとの犯行声明が出されるはずだった。
そもそもはヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が、同党情報機関の運営責任者であるナイーム・カースィム副官に指示を出し、
カースィムから現在逃走中のムハンマド・カブラーン容疑者に権限が移譲された。そしてカブラーンから、今回逮捕された
ムハンマド・ユーセフ・マンスール・サーミー・シハーブ容疑者に権限が移されたのである。去年の3月・4月の間にカブラーンは、
ハッサーン・アル=グールという名を使い、偽造パスポートでエジプトに潜入したが、既にこのときからエジプト治安機関の監視下にあった。
カブラーンはアリーシュ[=シナイ半島北部の町]に移動して、今回逮捕された容疑者のひとりの自宅でテロ細胞のメンバーたちと会い、
爆弾や爆弾を装着したベルトの製造を監督していた。
ヒズブッラー党員のサーミー・シハーブ容疑者は、「情報機関責任者ムハンマド・カブラーンの背後にはヒズブッラー指導部がおり、
ヒズブッラー幹部の中から任務にふさわしい専門家を選んで、テロ細胞の編成、アジトや移動用の車の手配、爆発物製造に使用される
物資の購入にあたるよう、彼に命じていた」と続けた。
(続く)
>>169 より
作戦の舞台はエジプトであり、最大の標的はシナイ半島南部地域、特にヌエバ、タバ、ダハブなどに集まるイスラエル人観光客だった。
またそれは、2008 年始めにダマスカスでヒズブッラーの軍事指導者イマード・ムグニーヤが暗殺されたことに対する、イスラエルへの報復のためだった。
シハーブ容疑者は、イスラエル人やその他の外国人観光客が多いシナイ半島の観光地域で標的とした数多くの観光施設やリゾート地を
下見したと認めている。シナイ半島その他の様々な施設の偵察結果を報告すると、ヒズブッラー上層部が破壊工作の計画を立て、
テロ細胞のリーダーに暗号を通じて届けられた。また、エジプト国境を経由してテロ作戦で使われる武器の密輸に加わるスーダン人を
リクルートするという、テロ細胞の第二の役割も指示されたという。
本紙が得た情報によると、エジプト司法は数日中に、ヒズブッラーの情報機関責任者ムハンマド・カブラーンを筆頭とする、
容疑者24人への逮捕状を出す。イスラエル周辺諸国で計画された今回の事件の責任者はムハンマド・カブラーンであり、
逃亡者たちについても追跡のための法的措置が講じられる予定だ。逃亡者は全員、エジプト以外のアラブ諸国の出身である。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090421_142732.pdf (翻訳者:志水創一)
(記事ID:16255)
ヒズブッラー:「エジプトの告発はガザ戦争時にヒズブッラーが取った立場に対する報復だ」
2009年04月15日付 al-Sabah al-Jadid紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090421_145414.html ■ヒズブッラー:「エジプトの告発はガザ戦争時にヒズブッラーが取った立場に対する報復だ」
2009年04月15日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)アラブ世界面
【ベイルート:AFP】
ヒズブッラー副書記長のナイーム・カースィム氏は、昨日水曜日、フランス通信社に向けた談話で、ヒズブッラーに対するエジプトの告発は、
先の〔イスラエルによる対〕ガザ戦争時にヒズブッラーが取った立場に対する政治的かつ報復的な告発であり、根拠がないものであると強調した。
カースィム氏は「エジプトによるヒズブッラーの告発は、ガザ侵攻時のヒズブッラーの立場と、ラファハ検問所を開放すべきとの要求が原因の、
政治的かつ報復的な煽動である」と述べ、エジプトの秘密警察と当局がでっち上げた全ての詳細は、最低限の証拠すら欠く主張であり、
ヒズブッラーに反対するキャンーペンという政治的判断の一部でしかないため、価値のないものであると付け加えた。そして「エジプトの
申し立ては、エジプト国内の治安を脅かすとしてヒズブッラーを非難する試みであり、これは証拠もなく真実ではない」と述べ、エジプトが
していることは政治とメディアの場でヒズブッラーを中傷することであると続けた。
(続く)
>>172 より
また、「エジプト当局の目的はヒズブッラーに報復し誹謗することだが、彼らは失望させられることになるだろう」とも語り、「この件は
全面的に政治的な目的を持っているが、アラブ世界およびイスラーム世界におけるヒズブッラーの名声は非常に高いため、エジプト当局は
しっぺ返しを受けることになるだろう。ガザ支援のために告発されることは、非難ではなく名誉である」と続けた。
ヒズブッラーのメンバーでエジプトで拘留中のサーミー・シハーブが、ヒズブッラー指導部の指示のもとで行動したかどうかについては、
「そうした詳細についてはメディアに話したくない。しかし、彼(サーミー・シハーブ)が他の関係者にフォローアップされることなしに行動
したわけではないことは明らかだ」と話した。
カースィム氏は、「パレスチナ人が装備や物資をガザに搬入するのを助けるというサーミー・シハーブの役目を、ヒズブッラーは誇りに
思っている。これは告発ではなく、われわれとすべてのムスリム国家、ムスリムの人々にとっての責務である」と繰り返し強調した。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090421_145414.pdf (翻訳者:ホサム・ダルウィッシュ)
(記事ID:16256)
ハニーヤ氏、エジプトとヒズブッラーの問題の解決を呼びかけ
2009年04月18日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090425_172839.html ■ ハニーヤ氏、戦争以降初めて公式の場に現われ、エジプトとヒズブッラーの問題の解決を呼びかけ
2009年04月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
解任されたパレスチナ内閣のイスマイール・ハニーヤ首相は、イスラエルによるガザ攻撃の終了から初めて公式の場に姿を現し、
シャーティ(ビーチ)難民キャンプの自宅から近いカルビー・モスクで金曜日の説教を行った際、「メディアで取り上げられているエジプトと
ヒズブッラーの危機問題を大変関心深く大きな懸念をもって見守っている」と述べた。加えて、「我々はアラブ諸国の安定、主権、
安全を尊重している。アラブ諸国の安全は我々の安全でもあるからだ」とも述べた。
(続く)
>>174 より
同じく今年1月18日に停止した戦争以降初めて姿を現したイスラーム抵抗運動ハマースの有力幹部マフムード・アル=ザッハールも、
ガザ市の別のモスクで金曜日の説教を行った。
エジプト国内で組織作りの活動とシーア派化工作を行い、攻撃を準備し、ガザ地区のハマースへ武器を搬送していたとの容疑で
エジプト当局がヒズブッラーに属するとされるグループを拘束し、エジプト政府とヒズブッラーの間で危機が発生していることについて
ハニーヤ氏は、イスラエルがアラブ諸国と地域の諸抵抗運動とを仲違いさせようとしていると警告を発し、「我々はアラブ諸国の安定と
主権と安全を尊重している。アラブ諸国の安全は我々の安全でもあるからだ。しかし、パレスチナやレバノンやその他アラブ諸国での
抵抗運動は尊重されなければならない」と述べた。また、「ヒズブッラーとエジプトの問題がパレスチナ人民や特にガザ地区への支援の
継続に、それが最も必要とされるこの時期に影響を及ぼさないこと」を望み、「我々はお互いの揉め事ばかりに没頭するべきでない」
と述べた。ヒズブッラーの問題については、「政治的な方法や対話、外交的手段を用いて」対応して早急に「幕を閉じ」、大きな
攻撃に晒されているエルサレムやアル=アクサー・モスク、封鎖や通行所の問題など、パレスチナ人民が直面しているより大きな問題に注意を払うよう呼びかけた。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090425_172839.pdf (翻訳者:森本詩子)
(記事ID:16290)
ハマースが近日中に政治局員選挙、マシュアル氏が政治局長再任の見通し
2009年04月19日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090428_172634.html ■ 組織内選挙の第1段階と第2段階が完了
■ ハマースが1か月以内に政治局メンバーを選出
2009年04月19日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【カイロ:本紙ジャイハーン・アル=フサイニー】
ハマース内部の情報筋から本紙が知り得たところでは、ハマースは「組織内選挙の第1段階と第2段階を完了した」とのことである。
同情報筋は、第1段階として「総会もしくは大諮問会議の選挙があり、次に第2段階の小諮問会議の選挙がある」と明らかにした。
そして、ハマースの選挙は4年ごとに定期的に行われると明らかにしつつ、「遅くともこの1か月の間に、ハマース政治局の選挙が終了する見込みである」と述べた。
信頼に足るパレスチナの情報筋によると、ハマースの組織内選挙は、大諮問会議選挙、小諮問会議選挙、運営会議ないし
政治局選挙の3段階で行われる。同情報筋は「政治局員がハマース指導部の全てではなく、他にも指導的立場の人物たちがいる」
と指摘しつつ、その詳細については「ハマースの組織上の事柄については言及する権限がない」として言及を避けた。
(続く)
>>176 より
同情報筋は、「ハマース内部の選挙は最早秘密事項ではない」と述べ、「ガザでの選挙は一般メンバーから諸地区や組織の責任者に
到るあらゆるレベルで行われた」と指摘し、 「ヨルダン川西岸地区では、ハマース幹部の多くがイスラエルの刑務所に投獄されているか、
パレスチナ自治政府の治安機関によって拘束されているため、同地区での選挙の実施は困難である」「ムハンマド・ガッザールや
ハサン・ユースフ、ムハンマド・アル=ナトゥシャなど政治局幹部の殆どが逮捕されている」と指摘した。そして、西岸地区での選挙実施は
治安状況から見てあり得ないとを否定し、対応策としては現幹部の任期の延長か、現幹部が代理人を任命するかのどちらかが考えられるとの見方を示した。
同情報筋によると、「小諮問会議は、パレスチナ域内外の各地域、特に西岸地区とガザ地区をそれぞれの割合に応じて代表する
25人の幹部から構成」され、「小諮問会議のメンバーが即ち政治局員である」という
同情報筋は、レバノンのハマース責任者であるウサーマ・ハムダーン幹部が政治局員に昇格し、ムハンマド・ナッザール幹部が
政治局員の地位を失うことを予測した。政治局での地位を失った者は、組織内で公式ないし組織上の別の任務を与えられ、
指導部の委任を受けることになるという。そのような例として(先の対ガザ地区戦争で死亡した)ニザール・ライヤーン氏が挙げられる。
ライヤーン氏は選挙で勝利し再選されたが、研究活動に専念するため組織の仕事を辞任した。死亡した際にはハマースのいかなる
公式な地位には就いていなかったが、有力幹部の1人であり続けた。
(続く)
>>177 より
政治局長を務める人物について同筋は、「政治局長を指名するのは政治局メンバーであり、相互の合意と組織の利益に応じて
指名が行われる」と述べ、「12 年間にわたってその地位にあるものの、ハーリド・マシュアル氏が政治局長の地位にとどまるだろう」
と予測した。同筋によると「最近になって、現職の政治局長に3期目の立候補をする権利を与える変更がなされた」とのことで、
「ハマース指導者の地位は、基本的に2期までであり、今回変更が行われた」と指摘した。
マシュアル氏の前任者としてハマースの指導者を務めたのはムーサー・アブー・マルズーク副指導者であるが、情報筋はマシュアル氏が
立候補し、勝利して再任するだろうと予測している。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090428_172634.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16315)
イスラエル軍のスーダンでの武器輸送車列空爆はエリトリアが拠点
2009年04月20日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090512_152102.html ■ イスラエル軍のスーダンでの武器密輸車列爆撃はエリトリアが拠点
■ アサブ港はイランとの「情報戦争の舞台」
2009年04月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ロンドン:本紙】
サンデータイムズ紙がイスラエル治安機関関係者の話として伝えたところによると、貧困国エリトリアがイランとイスラエルの情報戦争の
場になっている。同関係者は、「イスラエルは、イラン革命防衛隊がエリトリアに入り込み、ガザのイスラーム抵抗運動ハマースに
スーダン・エジプト経由で兵器を密輸するための拠点にすることを恐れている」と述べたという。
イスラエルはエリトリアに、盗聴とイスラエル軍のドイツ製潜水艦への燃料補給のための諜報基地2ヶ所を設置している。
(続く)
>>179 より
エリトリアのアサブ港は、イランとイスラエルの諜報活動の拠点となっている。先日スーダン経由でエジプトに向かう武器輸送車列が
無人戦闘機に爆撃されたが、作戦を実行したのは、エリトリアから発進した戦闘機であった。この空爆でイラン人を含む車列の同行者
50人以上が殺害されたが、スーダン政府関係者は、死者は数百人だと述べている。
サンデータイムズ紙は、「エリトリアのイサイアス・アフェウェルキ大統領は、1993年にイスラエルの病院で治療を受けて以来、同国との
関係を築き、秘密の同盟者となっている」と述べている。しかしアフェウェルキ大統領がイランを訪問して厚遇を受け、アフマディーネジャード大統領に
その努力を賞賛されたことで、両国の関係は強固なものになっており、アフェウェルキはイランとの経済的および軍事的な関係を構築すると
宣言している。そのことがイスラエルを怒らせている。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090512_152102.pdf (翻訳者:桑山沙央里)
(記事ID:16425)
コラム:ダーバン反人種差別会議におけるアラブの要請
2009年04月20日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090420_212512.html ■ 出席せずしてイスラエルが勝つ
2009年04月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面
本日ジュネーブで、反人種差別会議「ダーバン2」が開始される。150ヵ国の出席が見込まれるこの会議をボイコットする少数派がおり、
その中にイスラエルと合衆国が含まれている。
正式には会議に出席すらしないイスラエルが闘いに勝ち、いつものようにアラブ諸国は、出席し、参加国の多くがその要請を支持して
くれるにもかかわらず、負けることになる。つまり、占領パレスチナにおける人種差別的行いについてイスラエルを糾弾する表現は、
全て(最終声明からは)抹消されている。
残念なことに譲歩は、参加したパレスチナ代表団並びに欧米の圧力を受けたイスラム会議機構メンバー諸国により行われた。最終声明を
修正すれば、アメリカとイスラエルがボイコットを撤回するのでは、との希望の元に。
(続く)
>>181 より
キューバ代表団長でもある反差別諸国スポークスパーソンは、「作為的」圧力と隠れた脅迫のため、より包括的な最終声明への
合意が得られなかったと認めた。またそれは、アラブ諸国がはらった「犠牲」のせいでもあった。国連人権高等弁務官は、
イスラム会議機構メンバー国、特にパレスチナ代表による「素晴らしい協力」を評価したが、つまり、パレスチナ代表団は、「反差別の
歩みを進める合意を実現すべく、重要案件を犠牲にする」ことを決定したのだ。
しかし、このアラブの、つまりパレスチナの犠牲は、合衆国、イスラエル、そしてオランダやイタリアのような欧州諸国を説得し会議ボイコットを
撤回させるには至らなかった。何の対価も得られない無償の譲歩。アラブの悲劇がより醜悪な形で繰り返されただけである。
南アフリカのダーバンで第一回会議が行われてから本日までの間に、人種差別的諸機関と闘いその犯罪を阻止するというこの会議の
崇高な目標が再確認される数多くの事件が起きた。中でも顕著なものは、イスラエルによる南レバノン、並びにガザへの攻撃である。
そこでは、人道に反する罪と国際的に禁じられた武器(白リン弾)の使用という二重の罪が犯された。
ユダヤ国家としてのイスラエルを承認せよというネタニヤフ政府によるパレスチナ人への要請も、人種差別の最たるものだ。この国の
人口の五分の一を占めるアラブ系住民は、ユダヤ教徒ではない故に行き場がなくなる。そこから追われ、亡命地あるいは難民キャンプに
暮らす6万以上のパレスチナ人の帰還も望めない。
(続く)
>>182 より
南アの人種差別体制に対してそうされたように、イスラエルは会議から放逐されるべきであり、ボイコットなどが許される立場にはない。
この国は、パレスチナ人に対し最悪の差別行為を行ってきた。占領地を訪れ、パレスチナ人に対するイスラエルの行いは、南アで
白人政権が様々な段階で行ってきたことの上を行くと述べたデズモンド・ツツ大主教は、ノーベル平和賞の名を汚さなかった。
アラブ・パレスチナの譲歩によっても、会議に対するアメリカの「拒否権」を撤回させるに及ばず、米イスラエル、そして欧州の数カ国が
依然参加を拒否している現状である。アラブ・イスラーム諸国は、最終声明から削除された文章の回復に向け一丸となって努力
すべきだろう。際だって人種差別的に振るまい、パレスチナ・アラブに対し虐殺その他の罪を犯してきた国家としてイスラエルを
糾弾すべきである。この会議に出席してくれと情けなく米イスラエルにすがったアラブ、特にパレスチナの恥知らずな譲歩が帳消しにされる道はそれしかない。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090420_212512.pdf (翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16249)
アフマディーネジャード大統領、ジュネーブで注目を一身に浴びる:シオニストたちの怒りを刺激
2009年04月21日付 Jam-e Jam紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090430_125729.html 【政治部】昨日始まったジュネーブでの反人種主義会議、ダーバン2はイランのアフマディーネジャード大統領の出席と同大統領による
力強い演説によって、さながら「アフマディーネジャード会議」の様相を呈した。
会議初日の数日前からダーバン会議をボイコットしようと広範囲に働きかけを行ってきたシオニスト・ロビーは、昨日大統領が演説を
行う際も、演説の妨害を企てたが、しかし大統領の寛大さと長時間にわたって大統領に声援を送っていた他国の代表者たちの
支持によって、シオニズム支持者たちの努力は徒労に終わった。
アフマディーネジャード大統領の演説が始まり、シオニストたちによるホロコーストの悪用に話が及ぶと、会議に出席していた一部の
ヨーロッパ諸国の代表は会議を退席し、さらに会議に来ていた一部のシオニスト・ロビーたちも会議を混乱させることで、アフマディーネジャード大統領の
演説の妨害を企てたが、しかし大統領は終始落ち着いた態度で、毅然と自身の演説を続けた。
(続く)
>>184 より
シオニスト・ロビーは会議が始まる前から、今回のダーバン反人種主義会議が2001年の前回会議のときのように、反シオニスト会議に
変わることを恐れていた。このため政治的圧力によって、アメリカ、イタリア、カナダ、ドイツ、オーストラリア、その他一部のヨーロッパ諸国の
代表の出席を妨害した。シオニスト体制はさらに、スイス大統領に対しアフマディーネジャード大統領と会談しないよう要求したが、
しかしアフマディーネジャード大統領がスイス入りするやまっさきに、スイス大統領がアフマディーネジャード大統領との会談に赴いたことを
受け、駐スイス・イスラエル大使を本国に召還する措置に出た。
我が国の大統領はこの会議で、一部の国が国連安保理において拒否権を保有していることに触れ、このような特権はいかなる
宗教的論理にも、また正義や法、人間的尊厳にももとるものだとの見方を示した。この発言に対し、出席者らは大統領への
支持表明として、数秒間にわたって、拍手を送った。アフマディーネジャード大統領は安保理が人種主義的なシオニスト体制を
支持していることを批判した上で、安保理こそパレスチナに略奪体制を据え付け、樹立させた張本人だと強調した。
(続く)
エジプト、ヒズブッラーやパレスチナ人からの攻撃を警戒してシナイ半島の警備を強化
2009年04月21日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090427_143129.html ■ パレスチナ人やヒズブッラー細胞メンバーによる攻撃を警戒して、シナイ半島に緊急治安措置
2009年04月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ:本紙】
エジプトは昨日未明から、14.7kmに及ぶガザ地区との国境全域にわたり、治安措置の強化と警察官の増強を開始した。200km以上に
及ぶイスラエルとの国境についても同様の措置を取った。観光施設の近辺や、〔シナイ半島北部〕シェイフ・ズウェイドのシャラーク村にある、
イスラエル向けに天然ガスを送り出しているパイプライン施設 の周囲が特別に強化された。
エジプト警察の要員たちは、スエズ運河の最高地点に架かるサラーム橋や、南シナイへ至るシャヒード・アフマド・ハムディートンネルの
ような、シナイ半島の主要な出入り口にも展開し、シナイ半島の観光地の主要な道路や海岸、特にアリーシュやシェイフ・ズウェイド、
エジプト領側ラファハの海岸線に重点的に展開した。
(続く)
>>187 より
エジプトの治安情報筋は、「このような措置は祝日においては通常のもので、シナイ半島での爆発事故の頻発、特にヒズブッラー細胞の
逃亡中の活動家たちが未だに捜索中であるという最近のシナイ情勢を受けてのものである」と発表した。また治安機関は、3人の
潜入パレスチナ人の逮捕を可能にする措置を講じたと述べたほか、彼らがイスラエルに侵入、あるいはシナイ南部の観光都市に侵入して
爆破を実行するのを防ぐため、国境一帯の治安措置を強化したと語った。
目撃者によると、警察犬と装甲車で護衛されたイスラエル部隊が、第9国際ポイント以降の国境と、シナイ半島中部の合同国境線を
しらみ潰しに捜査していたという。同時に、シナイ半島多国籍軍・監視団(MFO)が通常とは異なる動きをとり、白い最新型の装甲車で
ラファハやシェイフ・ズウェイドの道路をスピードを上げて巡回している。
一方で、エジプト治安機関はサラーフディーン国境門から地中海寄りに200m離れたラファハの農地で地下トンネルを発見したが、物資も
人員も発見されなかった。また、サラーフッディーン広場のアレキサンドリア銀行裏手にあった別のトンネルでの火災消火に成功した。消防車が
その地点に出動し、消火に成功したが、情報筋はトンネル内で燃料が発火したことが火事の原因だと推測する。治安機関は詳細を
調べるため、トンネル付近の住民に口頭で尋問を行うかたわら、それら二つのトンネルが破壊されるまでの間、警備を配置した。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090427_143129.pdf (翻訳者:香取千晴)
(記事ID:16303)
エジプト情報局長官がイスラエル訪問、リーバーマン外相とも会談
2009年04月23日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090425_180354.html ■ イスラエル訪問中のスライマーン情報局長官がリーバーマン外相とも会談、エジプト訪問へ公式招聘
2009年04月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
エジプトのウマル・スライマーン情報局長官が昨日、イスラエルを訪問した。今回の訪問において唯一予想外だったのは、スライマーン氏が
イスラエルのアヴィグドル・リーバーマン外相と会談を行い、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、エフード・バラク国防相と同様にカイロ訪問へ招待したことである。
リーバーマン氏は、数年前にアスワンハイダム爆撃を呼びかけ、また数ヶ月前には、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領が
エジプト・イスラエル和平条約締結から30年が経過したにも拘わらずイスラエルを訪問しないことについて、ムバーラク氏に「地獄へ落ちろ」
との発言をしたことから、エジプト政府高官らの怒りを買っていた。
(続く)
>>189 より
イスラエル政界筋によると、スライマーン氏はリーバーマン外相をエジプト訪問に招待した。しかし、外相はその招待に応ずる
日程を直ちに決定はしなかったとのことである。
イスラエル外務省のアミーラ・オレン報道官は、「リーバーマン外相は、西エルサレムの外務省の執務室でスライマーン長官と
対談し、中東の政治プロセスについて協議した」と明らかにした。「この会合に報道関係者は参加しなかった」という。また
オレン報道官によると、今回の会談ではリーバーマン外相がエジプトを非難して以降悪化していた両者の関係を改善するための話し合いが行われたという。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090425_180354.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16291)
エジプト情報局長官のイスラエル訪問、中東和平関連の動き
2009年04月24日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090423_214255.html ■ マシュアル、英国議会で先例のない「遠隔」審問
■ 捕虜交換に動き、スライマーン、本件と停戦問題の切り離しを主張
2009年04月23日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面
【カイロ、ニューヨーク、ナザレ:ジーハーン・アル=フサイニー、ラーギダ・ダルガーム(本紙)】
捕虜交換問題は、ゆっくりとではあるが確実に進展している。エジプトのウマル・スライマーン情報局長官による昨日のイスラエル訪問は、
その指標の第一としてあげられる。これと平行して、英下院では、「ハマース」政治局長ハーリド・マシュアルの審問という先例のない、
そして議論を呼びそうな動きが起きている。
昨夕の決定によれば、英国議会は、「ビデオ会議」の技術を使って「遠隔」審問を行う予定である。先月ダマスカスでマシュアルと
会見した議員6名を召喚して行われるこのセッションの目的は、ハマースとの対話路線が和平合意達成に重要であるとの見方から
離れつつある欧米に対し、説得の機会を同組織に与える事とされる。議会内の一室で行われるこの会合は、特に許可を必要とせず、
議員に出席の義務はないとされる性質のものではあるが、四者委員会が定めるイスラエルの承認と暴力(的手段)の放棄を
適用しない限り、英国を含む欧州はハマースを「テロ組織」とする立場を崩さないとの表明がなされている背景に鑑みると重要な動きである。
(続く)
>>191 より
一方、捕虜問題が近く議題となる兆しとして、本紙が信頼するパレスチナ情報筋によれば、ガザのハマース指導部内で捕虜問題を
担当するウサーマ・アル=マジーニーがダマスカス指導部との意見交換を重ねている。同筋によれば、スライマーン・エジプト情報局長は、
イスラエル訪問に際し以下のメッセージを携えていた。
「休戦問題と捕虜交換を別々に扱うべきである」
「現在のガザの静けさは、先の戦争が原因ではなく、エジプトとパレスチナ各派との合意と相互理解の成果である」
「ガザの封鎖、通行点の閉鎖により再建がなされない状況が続けば、静けさは保証されない」
イスラエル側の動きとして、昨日ネタニヤフ首相は、火曜に辞任した捕虜問題担当官の後任として、イスラエル国内治安機関(シン・ベト)
長官のユバール・ディスキーンを任命した。
スライマーン長官を迎えたイスラエルは、その政府が政治治安両面でワシントンとの衝突コースに乗っているのではとの不安感に包まれていた。
特に、「ロード・マップ」実施担当官がクリントン国務長官への報告書の中で、イスラエルが「合意から撤退しようとしている」との懸念を示し、
西岸での検問を廃止せずパレスチナ人の行動を妨げている、入植地の解体を行わないなどをその根拠にあげた後というタイミングも
影響していた。米専門家たちは、これらの問題が解決されてこそ、具体的な進展につながり、オバマ大統領が和平プロセス活性化のために
求めた「善意の行い」がなされたことになると見ている。
(続く)
>>192 より
スライマーン長官がリーバーマン外相と会見したかどうかは不明であるが、同相は、ロシア人ジャーナリストによる2週間前のインタビューで、
「アラブによる和平プランは危険で、イスラエルを滅ぼす処方箋のようなもの」と述べた件により物議をかもしている。昨日の縮小治安閣議で
その件を問われたリーバーマンは、アラブ和平プラン全体を指してのことではないとしつつも、難民帰還に関わる条項については、「政府内で
幅広い合意を得ている」と発言した。
他方、安保理議長国ロシアは、来月11日の会合に際し、和平プロセス推進のための閣僚会議開催の意向をメンバー国並びに関係方面へ通達した。
アラブ筋によれば、ロシアは、安保理会合と平行して閣僚級の「四者委員会」開催を働きかけている。同時にロシアは、この
安保理会合声明草案に、二国家解決案実現に向け関係方面が交渉を再開するよう、国際的な圧力を高めるとの合意を盛り込みたい意向である。
ヨルダンのアブドッラー2世国王に続き、ワシントンが来月アッバース、ムバーラク両大統領との会見を控えている点を考慮すれば、
次期安保理会合の重要性がうかがわれる。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090423_214255.pdf (翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16276)
ガザ地区で肉類が極度に不足、“隠れた飢餓”への懸念が広がる
2009年04月25日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090508_183508.html ■ 貧困のために食事の量を減らさざるを得ないガザ住民
■ 「隠れた飢餓」への懸念が広がる
2年前から続くイスラエルによる封鎖が生活のあらゆる面で強化され、貧困ライン以下の生活を強いられるようになったために、
人口が密集するガザ地区では、ほんの僅かな肉が入った“こってりした食事”を手に入れることは、大多数の家庭にとって不可能となった。
ガザ地区では人口が増加し、封鎖によって大部分の産業施設が停止して労働者が解雇されたため、貧困と失業が広がっており、
“生きる糧”を手に入れることが困難になっている。ガザ住民は古くから、金曜の午後には肉を食べる慣わしで、最近までそれを踏襲
してきたのだが、その肉を含めて物価が急上昇したのだ。
住民の大多数はムフスィン・アブーカーミルさんのように、肉類を買えないことに不満を募らせている。封鎖はガザ住民の食習慣を
変えてしまった。ほとんどの人々は野菜料理を主に食べているが、もちろんそれも手に入ればの話だ。野菜の価格も上がっているのである。
(続く)
>>194 より
失業中の建設労働者であるマフムードさんは、10人の家族がいる彼の家庭の収入では肉を買うことができないと語る。裁縫の仕事を
始めた彼の妻が、国際的な支援や、毎週“野菜の入ったかご”を提供してくれる国内の団体などから食料を調達しているという。
会話に加わった彼の妻は、UNRWA(国連パレスチナ難民救援事業機関)が学校で児童にチーズサンドイッチやビスケット、ジュースを
毎日配る代わりに、毎週肉の食事を提供して欲しいと話した。彼女の家ではもう何週間も、鍋に肉のかけらが入れられたこともなく、
こってりしたご馳走といっても、1キロもないほどの肉しか食べられなくなったと語った。
(続く)
>>195 より
貧困の拡大を受けてUNRWAは今年の年頭から、UNRWAが運営する学校に通う難民児童に対し、軽い食事の提供を始めた。
報告書によれば150万人におよぶガザ住民の80パーセント近くが国際支援に頼っており、70パーセントが失業中で、その3分の2以上が酷い貧困状態にあるという。
解任されたハマース政府のムハンマド・アル=アガー農業相は、封鎖が原因の“隠れた飢餓”を警告し、ガザ地区はたんぱく質の
著しい不足に苦しんでいると語った。そして、この事態は健康状態に直接的に反映されており、『たんぱく質を得る戦い』に突入する準備が必要だと語った。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090508_183508.pdf (翻訳者:飯田桃子)
(記事ID:16397)
ヒラリー米国務長官、「パレスチナとの和平を実現しないと対イランのためのアラブ諸国からの支援を失う」とイスラエルに警告
2009年04月25日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090430_104156.html ■ヒラリー国務長官:「パレスチナとの和平を実現しなければ、イスラエルはイランに対抗するにあたってのアラブ諸国の支援を失うだろう」
■リーバーマン外務大臣:「パレスチナ問題の解決はイランの核問題の解決にかかっている」
2009年04月25日付アル・アハラ―ム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】
【占領下エルサレム:諸通信社】
ヒラリー・クリントン米国務長官は、イスラエルがパレスチナとの和平プロセスを前進させなければ、イランに対抗する際のアラブ諸国の
支援を失うことになるだろうと警告した。
ヒラリー国務長官は米下院の外交委員会で、イスラエルがイランに対抗するためにアラブ諸国からの強い支援を受けることを望むので
あれば、パレスチナと距離を取り、和平努力から遠ざかったままでいることはできないだろうと述べた。
(続く)
>>197 より
また、ハマース とのいかなる接触も拒否するとの米政府の立場を確認し、米が提示している三つの条件を承認するまでハマースとの
対話は行わないと述べた。その三つの条件とは、暴力の放棄・イスラエルの生存権の承認・これまでに結ばれた諸合意の遵守であり、
長官は米政府のこの公式な立場に変化がないことを確認した。
これらの発言は、先週の上院議会でのヒラリー長官の証言が巻き起こした論争に返答する形で行われた。ヒラリー長官はその証言で、
ハマースの構成員を含むパレスチナ政府との協力に柔軟な姿勢を示す可能性を示唆していた。
また一方で、イスラエルのアヴィグドール・リーバーマン外務大臣は、イスラエルのエルサレム・ポスト紙への談話 で、イランの核計画の
解決無しにはパレスチナとの紛争解決達成もない と主張し、ハマースを締め上げるべきだ、と述べた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090430_104156.pdf (翻訳者:川上誠一)
(記事ID:16325)
コラム:エジプト当局とヒズブッラーの対立、パレスチナをめぐる主導権争いとエジプト国内治安
2009年04月26日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090518_172229.html ■ 現段階の特徴:国家体制と政治組織の争闘
2009年04月26日付アル=ハヤート(イギリス)HP論説面
【アーディル・マーリク(レバノン人著述家、ジャーナリスト)】
エジプトの治安を悪化させる行為に関わった細胞の逮捕を背景としたエジプト当局とヒズブッラーの対立をめぐっては、次のように結論づけることができるだろう。
国家間の争いが大幅に減少する一方、国家と各種の政治組織や政党との争いや対立の激しさは増している。この種の争いを
もたらしているのは、様々な組織を「抱え込み」、入念に検討されたタイミングで時折国内の「諸問題」の活性化を請負わせる
国家の存在である。地域的性格を持った紛争や危機が発生している原因はそこにある。また、国際的利害と連動し交錯する国内問題の側面も重要である。
(続く)
>>199 より
エジプトとヒズブッラーの危機は、事実関係の究明を誓ったエジプト司法当局の手に委ねられた。ヒズブッラーには、自己弁護に
努め事件の真相を説明すればよい。ハサン・ナスルッラー書記長は、エジプトで逮捕されたのが実際に同党に属していることを肯定し、
党としてはどのアラブ国家とも争いを望んでおらず、エジプトの治安を危険に晒す意図もないことを強調している。しかしヒズブッラーは、
この危機によって示された問いに答えなければならない。エジプトで起きたことは、所謂「主張されざる名誉、否定されざる抵抗と嫌疑」、
すなわち、各抵抗組織を結びつける闘争姿勢からガザのハマースに対して、あらゆる手段を用いて支援を提供することの是非をめぐる
出来事なのである。したがって、抵抗運動がパレスチナ抵抗諸組織の対イスラエル闘争を支援する能力とエジプト国内治安との間の
境界線を見定めなければならないのだ。
(続く)
>>200 より
しかし、今回の危機により大きな広がりを与えた主な要因は、パレスチナ情勢に対するエジプトの支配力を奪い取ろうとする企てを
エジプトが感じ取っていることだ。エジプトのパレスチナへの影響力は、パレスチナ問題およびパレスチナ人、特にガザ住民との歴史的な
関係と結びついている。それゆえにホスニー・ムバーラク大統領は昨今の動きに反発し、最近の演説で「パレスチナ問題を口実にする者」
へ警告を発した。ムバーラク氏は「平和に敵対し地域を奈落の瀬戸際に追いつめ、我々のアラブ世界に自らの影響力を拡大しようと
目論む地域勢力の介入をエジプトは許さない。その勢力はアラブ諸国およびパレスチナの内部対立を煽り、各地の協力者に
エジプト国家の治安を脅かさせ、国境を侵犯させ、安定を揺るがさせている」と強調し、「私は彼らにこう言おう。我々は諸君の計画を
重々承知している。諸君の陰謀を明らかにし、諸君の詭計を諸君の首根っこに突き付けよう。パレスチナ問題を口実にするのは
もう沢山だ。エジプトとエジプト国民の怒りに気をつけよ」と述べた。
(続く)
レバノン情勢:イスラエル協力者の逮捕、「作家達の世界的首都ベイルート」他
2009年04月26日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090426_120654.html ■ 「作家達の世界的首都ベイルート」、活動開始
■ レバノン:イスラエルのために動くネットワークを摘発
2009年04月26日付アル・ハヤート紙(イギリス)HP1面
【ベイルート:本紙】
国会選挙ムード一色と思われた昨日(25日)のレバノンで、二つの事件が起きた。第一として、国内治安軍情報局が、イスラエルと
通じている疑いのある新たなネットワークを摘発、昨日午前、そのメンバー3名を南部で拘束した。一年以上もの捜査の成果とされる。
第二は、「作家達の世界的首都ベイルート」の活動開始を、スライマーン大統領、ムーサー・アラブ連盟事務総長臨席の下、公式に
祝った事である。これにより、今後数ヶ月間、重要なイベントが続くものと思われる。
もちろん選挙関係でも、全国各地での週末の選挙運動の盛り上がりに加え、3月14日勢力も反政府側も相変わらず候補者リストの
確定に四苦八苦している状態である。
(続く)
>>203 より
本紙が入手した情報によれば、イスラエル協力者については、事前の追跡捜査により、直接の対面聴取に十分な情報が収集されたため、
彼らが治安事件を起こす前にと情報局が逮捕に踏み切ったものである。治安筋によれば、拘束された容疑者達は、サイダの
アイン・ヘルワ難民キャンプ、ナバティーエのザバディーン及びマルジェオーンで活動していた。容疑者の一人、アイン・ヘルワ・キャンプ周辺地区
出身のパレスチナ人イブラーヒーム・アウドについては、レバノン当局が指名手配するアブドッラフマーン・アウドの甥であるか否かが
取りざたされている。アブドッラフマーン・アウドは、やはり指名手配中のシャーキル・アル=アバシーに代わり「ファタハ・アル=イスラーム」
指導者の座にいるとされる。他2名は、ザバディーン出身のアリー・ハッサン・ファティシュ、ザハレのハディーサ出自であるがマルジェオーンに
在住していたロベール・クフーリーである。
3名の容疑の具体的詳細については、治安筋は明かさず、昨日以来公開捜査が各人の居住地域で開始されており、成果が出るまでに
一両日かかるだろうと述べるにとどまった。
(続く)
>>204 より
同筋によれば、本件逮捕は、別の(イスラエル協力)組織リーダーとして数日前軍法会議へ送られた退役将校の取り調べの成果ではなく、
他方面からの情報によるものであった。それにより、レバノン治安攪乱を狙うイスラエルのプランにおいて、二つのネットワークが個別に
活動している可能性が出てきたという。
「作家達の世界的首都ベイルート」の活動開始式典においては、スライマーン大統領が、抵抗と平和、憲法の名における対話を体現する
レバノンを強調し、タンマーム・サラーム文化相は、「民主的に国民和平の歩みを支持する機会としての選挙こそ、レバノンが専心する
国民的成熟の証である」と述べた。
(中略)
スライマーン大統領、ビッリー国会議長、セニョーラ首相、「ムスタクバル」派リーダーのサアド・アル=ハリーリー議員らと会談した
ムーサ事務総長は、ヒズブッラーとエジプト間の問題につき、昨日のスライマーン大統領の本紙へのコメントに言及しつつ、「外交努力により解決されるべき」とした。
(中略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090426_120654.pdf (翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16296)
イスラエル軍、「レバノン国境でヒズブッラーが麻薬密輸活動」と非難
2009年04月27日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090503_181123.html ■ イスラエル、「ヒズブッラーがイスラエルを麻薬に溺れさせようとしている」と非難
2009年04月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブ国際面
【テルアビブ:UPI】
イスラエル軍北部戦線司令部の幹部らは、ヒズブッラーがレバノン国境での密輸行為を通してイスラエルを麻薬の海に沈めようと目論んでいると非難した。
インターネット上のイディオット・アハロノート紙のサイトによれば、軍責任者らは「1年半の間、私たちは、レバノンからイスラエルへの
大量の麻薬密輸作戦を阻止するため多大な努力をしてきた」と述べ、「麻薬と引き換えるために、多額の金をレバノンへ運ぶユダヤ人、
ドルーズ、ベドウィンのイスラエル国民がいることを遺憾に思う」と語った。また、「国境が密輸のために突破されていることを証明しようと
する企てが存在するが、私たちは決してこれを許さない」と述べた。またイスラエル軍は、「2007年に比べ、2008年は麻薬密輸未遂の
件数が増加したが、2007年には国境で密輸作戦を阻止したのが1件だけだったのに対し、去年は19件だった」と指摘した。
(続く)
ファタハとハマース、最後のチャンスとなる和解対話を再開
2009年04月28日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090507_223507.html ■ アッバース大統領、イスラエルをユダヤ人国家とは認めず
■ パレスチナ挙国一致政府への同意を呼びかけ
■ ファタハとハマース、国民和解に向けたおそらく最後の対話をエジプトの後援で再開
2009年04月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ、ガザ、ラーマッラー:アシュラフ・アル=ハウル、ワリード・アワド】
ファタハとハマースは月曜日、エジプトの後援によりカイロで対話を再開した。パレスチナで2年前から続いている分裂状態を終わらせる
国民和解の合意に至るための、これが最後の試みになるかもしれない。
MENA(中東通信社)は、4度目となるパレスチナ国民対話は、昼前にエジプトのウマル・スライマーン情報長官も参加して始められた、
と報じた。ファタハ中央委員会のとあるメンバーは、話し合いは少なくとも3日間続くと予想される、と明言した。MENAはさらに、匿名の
エジプト高官の話として、「対話は最終段階に入りはじめ」、「エジプトは前回の会議で、互いの立場を近づけるための提案を
両者に対して行った。彼らのそれへの返答が聞けるだろう」と報じた。
(続く)
>>208 より
今月4月2日に終わった前回の話し合いのあと、あるパレスチナ側責任者は同じく匿名で、〔挙国一致政府の〕方針をめぐる
ラーマッラー政府とガザ政府の間の不一致を、各派の代表者からなる委員会を通して調整や解決することが難しい限り、
挙国一致内閣の組閣問題は先送りするという新たな折衷案がウマル・スライマーン情報長官から提案されたと述べていた。
このエジプト提案の目的は、合意事項については両者に履行させ、残りの問題は総選挙を実施して決着がつくまで先送りすることにあった。
同じパレスチナ側責任者は、こうした調整を行うことによって、パレスチナのさまざまな組織や機関の統合を進め、パレスチナの現場で
動きが出始めるよう、出来るだけ成果を出さなければならないとスライマーン長官は強調していたとも述べた。
しかしながらPLO筋によると、PLOはナビール・アムル大使を通じてエジプト指導部に渡した覚書によって、この提案を拒否したのだという。
(続く)
>>209 より
パレスチナ立法評議会でのファタハ会派の会長で、カイロのパレスチナ対話会議へのファタハ代表団メンバーでもあるアッザーム・アル=アフマド氏は、
昨日月曜日、ハマースは未だにアラブ諸国間の不和にとらわれている、と述べた。アル=アフマド氏は昨日、エジプトのテレビ番組での
インタビューで、今日カイロで分断状態の収束に向けて開かれた4度目のパレスチナ対話会議によって、ハマースの態度が変わることへの期待を表明した。
一方で、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は昨日月曜日、右派主体のイスラエル新政府の、イスラエルをユダヤ人国家と
認めるようにとの呼びかけを拒否した。これは和平実現の主要な障害となっている問題である。アッバース大統領は「しかし私は
受け入れない…国家を評するのは私の仕事ではない。我々はこう言ってやった。『我々はただ、イスラエル国とのみ呼ぶ。自分たちを
どう呼ぼうが、あなた方の勝手だ。“ヘブライ社会主義共和国”と呼んだっていい。』」
(続く)
パレスチナ国民対話、組閣をめぐり対立つづく
2009年04月30日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090508_182403.html ■ ファタハが治安問題について提案、ハマースは検討の意向
2009年04月30日付アル=ハヤート紙(イギリス)アラブ世界面
【カイロ:ジーハーン・アル=フサイニー(本紙)】
月曜日(27日)と火曜日(28日)にカイロで行われたファタハとハマースのパレスチナ国民対話の第4ラウンドに参加したパレスチナの
信憑性のある情報筋は、対話会議の詳細について明らかにし、本紙に対して「組閣問題はまだ決着がつかず、解決策は見つかっていない」
と述べた。また、「組閣問題が唯一の未決着の問題である。...ハマースは、パレスチナ解放機構(PLO)が調印した合意を
内閣が遵守することを拒否している。これまでに樹立されたパレスチナ内閣もこれから樹立される内閣も、自治政府機構の政治的な
傘であるPLOが調印した政治的合意の産物なのだが」と述べた。
(続く)
>>212 より
また同筋は、現在提案されているのは「移行段階においてパレスチナの不変の権利を固守し、封鎖の打破によってパレスチナ人民の
苦しみを和らげる国民合意内閣」だと述べた。さらに、「この内閣の任務は明確なのだが、ハマースはそれを拒否している。このバランスを
実現させるためには独創的な解決策が必要である。マフムード・アッバース大統領(アブー・マーズィン)が「内閣が各派の野合で
あってはならない」と主張しているのはそういうことである。国際社会と対応することができる内閣でなければならない。封鎖解除や
ガザ再建といった政策を実行しうるためには、世界に認められる内閣でなければならないのだ」と述べた。
同筋は「組織としてのファタハはイスラエルを認めていない。PLOがイスラエルを認めているのだ。ハマースが「尊重」の代わりに
「遵守」という言葉を用いることを拒否する立場をとりつづけ、政府がイスラエルを認めないことに固執する可能性が最も高いが、
その場合、解決策としてはエジプト提案しかないだろう」と指摘し、「エジプト提案は事態が袋小路に陥り対話の失敗が宣言される
事態を避けるための適切な代替案である」と述べた。
(続く)
ガザ地区のトンネルにイスラエル軍が爆撃、2人死亡
2009年05月03日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090516_163424.html ■ ガザ:攻撃2日目に死者2人、緊張つづく
■ ハマースは諸組織に停戦順守を要請
2009年05月03日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ガザ:ファトヒー・サッバーフ(本紙)】
ガザ地区を緊張と不安が覆っている。ガザ地区では昨日、2日連続でラファハ地区の国境トンネルを狙ったイスラエル軍の空爆により
パレスチナ人2人が死亡し、治安状況が悪化している。この爆撃と連動して、イスラエル軍によるガザ地区北部への限定的な侵攻が
行われ、加えて南部の農場への発砲も行われた。
イスラエル軍は、「ガザ地区から発射されネゲヴ西部地区の入植地評議会のあるシャール・ハネゲヴ(Shaar Hanegev)に落下した
ロケット弾に対する反撃として、トンネル3ヶ所をミサイルで爆撃した」と確認した。このロケット弾についてパレスチナ側の実行声明はなく、
どの組織が発射したのかは不明である。その後、パレスチナの医療関係者はAFPに対して、「イスラエルによる爆撃の結果、トンネル内で
パレスチナ人2人の遺体が発見された」と発表した。目撃者は、「空爆のあった時、殺害された2人はエジプトとの国境近くのブラジル地区の
トンネルの中にいた」と述べた。
(続く)
>>215 より
ガザ住民たちは、ガザの状態が昨年末のイスラエルの対ガザ戦争の前の状態に戻るのではないかと危惧している。イスラエルの
右派政権がロケット弾発射への報復の名のもとに、ガザ地区に対する軍事的攻撃を激化させることを恐れているのである。同時に
住民たちは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がアメリカのバラク・オバマ大統領と会談するためにワシントンを訪問した後、
米政権とイスラエル政府の間で予想される対立を解決するために、ガザがその流血の舞台と化すのではないかと恐れている。
(続く)
>>216 より
パレスチナ消息筋は本紙に、「エジプトはここ数週間の間に、ガザの解任された政府とハマースに対して、イスラエル側の『ネタニヤフ政権は
ロケット弾攻撃が続く場合は軍事力を持って反撃する』とのメッセージを伝えた」と明らかにした。同消息筋は、「ハマースも先月21日に
イスラーム聖戦、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)およびパレスチナ解放民主戦線(DFLP)と行った抵抗4組織の会合の中で、
このメッセージの内容を伝えた」と付け加えた。ハマースはこの会合で各派に「国民の利益のためにも、パレスチナ人民にこれ以上の
苦難を背負わせてはならない」と停戦の遵守を求めたという。また同消息筋によると、 4組織のいずれもがこのロケット弾発射について
関与を否定している。DFLPは停戦を順守する立場を示しており、イスラーム聖戦とPFLPは現時点ではロケット弾発射を行っておらず、
反撃に猶予期間を設けることを要請しているという。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090516_163424.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16463)
イスラミック・ジハードがイスラエルの軍事行動への反撃を明言、ハマースはガザ封鎖の解除に動かないアラブの弱腰を批判
2009年05月05日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090512_164850.html ■ イスラミック・ジハード、ロケット弾発射を再開すると威嚇
■ ハマースは包囲解除へのアラブの弱腰を非難
2009年05月05日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:本紙アシュラフ・アル=ハウル】
パレスチナの〔抵抗運動〕イスラミック・ジハードは昨日月曜日、ガザ地区からイスラエルの町村に向けて発射されるいかなる
ロケット弾・迫撃砲にも反撃すると最近、イスラエルが威嚇したことを真剣に受け止め、イスラエルの軍事行動がエスカレートすれば
反撃すると脅した。またハマースは昨日、ガザ地区の封鎖を解除することに対するアラブの「弱腰」を批判した。
事情通らは、ガザに課せられている封鎖が継続されれば、イスラエル軍と抵抗勢力との間で新たな事態の激化が起こると予想する。
イスラミック・ジハードのリーダーの一人であるハーリド・アル=バトゥシュは記者会見で、「イスラミック・ジハードとすべての抵抗運動グループは、
イスラエルの脅しにも、ガザへの新たな攻撃にも手をこまねいてはいない。イスラエル領深くへのロケット弾や迫撃砲発射を再開することで、
それに応えるだろう」と発表した。
(続く)
>>218 より
イスラエルの軍情報筋は「イスラエル軍は手をこまねくことなく、イスラエルに向けてガザから発射されるあらゆるロケット弾や迫撃砲に
反撃するだろう。日曜日にラファハの国境線上の5つのトンネルを爆撃した決定は、イスラエル領内に向けて発射されたロケット弾と
迫撃砲3発への報復として行われた」と述べていた。
バトゥシュ氏は、自由や移住や通行所開放の権利を持たないパレスチナ人民には、自身に加えられている不正を抵抗という形で
表現する権利がある、と述べ、「このイスラエルからの脅迫は今に始まったものではないが、我々はヨーロッパやアラブやイスラームの国々に、
彼らの責任を自覚してこの脅迫に立ち向かうことを要求する。なぜならイスラエルは本気で脅しているのであり、数千人もの負傷者や
死者を出したガザ攻撃と、その後に続いている爆撃が、イスラエルの傲慢さのよい証拠だ」と続けた。
(続く)
>>219 より
またバトゥシュ氏は、「ガザ封鎖に対して国際社会が黙認・沈黙している状況で、パレスチナ人民が彼らの権利を得ることが出来ない
限り、この地域全体が闘争状態に置かれ続けることだろう」と述べた。
一方でハマースは昨日月曜日、ガザ封鎖の解除に対するアラブの弱腰を批判し、「イスラエル国旗がアラブ諸国の首都に翻っている
一方で、ガザ地区の封鎖が解除されないというのは正当化できない」との見解を示した。
ハマースのファウジー・バルフーム報道官は記者発表で、「国際機関や人権団体によるあらゆる報告書が、ガザで犯されている人道に
反する虐殺を確認しているにもかかわらず、150万人のガザ市民への封鎖が二年以上も前から継続しているというのは、なんら正当化
できないことだ」と延べ、「彼らには決議を採択することが出来、圧力を加えるためのあらゆるカードを手にしているにもかかわらず、
カタール、クウェート、エジプト、サウジなどで次々と開催されたアラブサミットが、封鎖解除に向けた有効で実際的な決議を採択
しなかったことを我々はいぶかしく、受け入れがたいことだと考えている。もしアラブ側に決断力と意思が十分にあるならば、アメリカとイスラエル
にはアラブ世界全体を罰することなど出来ないだろう」と続けた。
(続く)
>>220 より
さらにバルフーム報道官は「ガザ封鎖は他でもないイスラエルとアメリカによる決定だが、ガザ封鎖の解除は他でもないエジプトとアラブ諸国が
決定することだ」として、「アラブ諸国の首脳や民衆は自分たちの責任をあらためて自覚して、ガザに課されている集団懲罰という政策と不正な
封鎖を終結させるための力強く、効果的な決議や行動を取るべきだ」と求めた。そして、「ガザで我々の民が破壊にさらされ、封鎖のために
緩慢な死を遂げつつあるというのに、イスラーム共同体(ウンマ)がそれを傍観し、アラブ首脳たちが犯されている犯罪に目をつぶって、まるで
恥じらっているかのような言葉を発しているだけだとは、理解しがたいことだ。今のところアラブ諸国が公式に示している姿勢は、封鎖と
破壊のためにガザで行われている人道に反する犯罪行為の規模にまったく釣り合っていない」と語った。
(続く)
イラン大統領がシリア訪問、大統領およびパレスチナ各派幹部と会談
2009年05月06日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090515_190000.html ■ シリア・イラン両首脳、抵抗運動支援を強調
■ アフマディーネジャード大統領、ダマスカスでパレスチナ各派幹部らと会合
2009年05月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ダマスカス:カーミル・サクル(本紙)】
イランとシリアの関係が強固なものであり、諸々の国際情勢の変化を経た今なお両国の立場が確固たるものであるとの
明確なメッセージを両国の首脳が発した。シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、ダマスカスで昨日、イランの
マフムード・アフマディーネジャード大統領との共同記者会見の席上、シリア・イラン関係は自然なものであり、枢軸を構成すると
いうだけの関係ではないと強調し、イランが平和的な核エネルギーを保有する権利にあらためて支持を示した。また、
アフマディーネジャード大統領は、「イランとシリアの立場は、地域的にも国際的にもますます強力なものとなっており、地域及び
世界の状況は、両国の立場にとって有利な方向へと急速に向かっている」と述べた。
(続く)
>>223 より
アフマディーネジャード大統領は昨日ダマスカスに到着し、アサド大統領と会談を行った。今回で同大統領のシリア訪問は3回目となる。
アフマディーネジャード大統領は、国際秩序の再構築にイランが寄与する必要性を強調した。また、あらためてイスラエルを非難し、
「シオニストは有害な細菌の温床」であり、シオニズムとは「占領、侵略、大量虐殺」と同義であると述べた。
また、アサド大統領との会談後に行われた共同記者会見で「我々はシオニストを有害な細菌の温床であるとみなしている」と
明らかにし、「このシオニズムは、脅迫と敵意と拷問と大量虐殺のために生み出された。彼らは人種差別を行っている。したがって
パレスチナの抵抗運動を支援することは、人間として、また人民としての義務である」と述べた。また、「幸いにも、シリアとイランは
一致団結して抵抗運動を支援しており、これからも常に抵抗運動の味方だ」と付け加えた。
(続く)
>>224 より
アサド大統領は、近年シリアとイランがとってきた立場におけるヴィジョンの正しさを強調し、イランの核兵器計画の存在をめぐる
疑惑について取り沙汰されていることに言及した。そして、そのような疑惑を提起する勢力に対して、イスラエルの核計画については
自分たちが何をしているのか明らかにするよう求めた。またパレスチナ問題に関してアサド氏は、「安定について語るならば、
パレスチナ問題について、イスラエルの虐待、殺人、テロによるパレスチナ人民の苦しみについて無視することはできない。パレスチナの
抵抗運動や、パレスチナ人民の不屈の闘いを無視することはできない」と強調し、「今日の会談において、パレスチナ人民の不屈の
抵抗運動、名実相伴う真の抵抗運動を支援する方策に議論が集中するのは自明のことだ」と述べた。また最近のイラク情勢、
とりわけ地方選挙ついて「イラク国民がイラクの一体性を欲していることの明確な印である」との見方を示した。一方で
アフマディーネジャード大統領は、「イランとシリアはイラクの安定と安全を歓迎する。統一イラクは、中東の全ての国々の利益だ」と
述べ、治安上の混乱や地域的諸問題は占領の存在に起因するものだとの見解を示した。
(続く)
>>225 より
パレスチナ抵抗運動諸派最高フォローアップ委員会のハーリド・アブドゥルマジード事務局長が明らかにしたところによると、
アフマディーネジャード大統領はシリア訪問中、ダマスカスに拠点を置くパレスチナ諸組織の幹部らと会合を行った。
アブドゥルマジード事務局長は、会合は「イスラエルの過激派とベンヤミン・ネタニヤフの人種差別政府に対する明確なメッセージとなるだろう」と述べた。
この会合には、ハマースのハーリド・マシュアル政治局長、パレスチナのイスラーム聖戦運動のラマダーン・シャッラハ書記長、
パレスチナ人民解放戦線総司令部派(PFLP-GC)のアフマド・ジブリールしょきちょうなどの要人が参加した。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090515_190000.pdf (翻訳者:梶田知子)
(記事ID:16457)
オバマ大統領との会談に向けてパレスチナ・エジプト両大統領が意見調整、ブレア特使は中東和平交渉の“新たな枠組”に言及
2009年05月07日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090519_145909.html ■ 大幅な内閣改造を発表へ
■ 外交担当者の交代についても協議
■ アッバース大統領、ムバーラク大統領と総合的なアラブ和平プランを協議
■ ブレア元首相、交渉の新しい枠組みを米政府が準備中だと明かす
2009年05月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
[ラーマッラー:本紙]
パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、アラブ諸国による総合的な中東和平プランがバラク・オバマ米大統領に手渡されるで
あろうと述べた。その一方で 、中東和平カルテット(=米・国連・EU・露)は、パレスチナ・イスラエル間和平協議のための新しい枠組みについて語った。
カイロで行われたホスニー・ムバーラク大統領との会談後、アッバース大統領は次のように説明した。「オバマ大統領に提出される
解決案は、2002年のベイルートでのアラブサミットで採択された 、アラブ和平提案 の枠組みから外れない内容だ」。その一方で、
中東和平カルテットの特使であるトニー・ブレア元英首相は、パレスチナ・イスラエル間交渉のための新しい枠組みをカルテットが作り出そうとしていると発表した。
(続く)
>>228 より
ブレア元英首相は昨日(7日)水曜日、ヨルダン川西岸地区の ラーマッラーにおいて記者会見 を開き、「“皆もっと楽観的になるべきだ”
と私が発言したのは、米政権とその他の国際社会との最高レベルにおいて、[パレスチナ・イスラエル交渉の」新しい枠組が準備
されつつあるためだ」と述べた。しかしブレア氏は「現時点ではこの提案の詳細はわからない」と説明し、数週間のうちにさらなる情報が手に入るだろうと指摘した。
他方で パレスチナのアッバース大統領は、自身とムバーラク首相との会談は、ワシントンで数週間のうちに米大統領とそれぞれ
会談するのに備え、立場を調整することに力点を置いたものであったと語り、「アメリカ大統領と彼の新政権に提起する予定の
立場について、アラブ側に完全な一致が生まれるよう、十分な準備が出来た」と続けた。そして、イスラエルはニ国家共存という
構想を受け入れるべきであり、あらゆる入植 活動、特にエルサレムにおける活動を停止し、またエルサレムにおける発掘調査も停止するよう、強調した。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090519_145909.pdf (翻訳者:倉井彩)
(記事ID:16487)
米国が初めてイスラエルにNPT加盟を呼びかけるも、イスラエルは拒否
2009年05月07日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090512_143531.html ■アメリカがイスラエルに核不拡散条約加盟を呼びかけるも、イスラエルは拒否
■エジプト:「アメリカの立場は重要な進展を遂げた」「イスラエルに条約加盟を呼びかけたことは前向きな動きだ」
2009年05月07日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【世界各国の首都:諸通信社、カイロ:サラ・ワファイー】
アメリカは昨日イスラエルに対し、初めて核不拡散条約(NPT)への加盟を呼びかけた。米国務省のローズ・ゴットミューラー次官補
が「核不拡散条約の国際的遵守は、米国にとって基本目標である」と発言したのである。しかしイスラエルはこの米による
NPT加盟への呼びかけを即刻拒否し、この条約は無益だとの見方を示した。
アメリカ・イスラエル間でこうしたやりとりが行われていた頃、バラク・オバマ米大統領はイスラエルのシモン・ペレス大統領 と、イランの
脅威について協議する会合をワシントンで行っていた。この呼びかけに対するイスラエルの返答は即時かつ断定的なものであった。
イスラエルのイディオット・アハロノート紙はこの呼びかけについて、「アメリカからの爆弾のようなもの 」だと評し、公的な立場にある
米の高官がイスラエルの核戦力に明確に言及するのはこれが初めてであると指摘した。
(続く)
>>230 より
イスラエル外務省のある高官は匿名で、「この条約は有益性を欠いていることが証明されている。というのは、この条約はイランと
その核危機は言うに及ばす、インド、パキスタン、北朝鮮のような国が核を保有するのを禁止できていないからだ。現時点では
この条約に、世界の核の状況にわずかでも変化をもたらすことができる ような利点はみとめられない」と語った。そして、
ゴットミューラー次官補の声明は、現時点では米国の政策転換を意味するわけではないと指摘した。
一方、本紙との単独会見で、エジプト外務省のフサーム・ザキー公式報道官は以下のように述べた。「米政府高官の声明内容
は、この条約が国際的に受け入れられること の必要性を確認するもので 、米国の立場の重要な進展とみなしうる。しかし同時に、
この件については詳細な検討 が必要だ。というのも、条約の加盟国は5つの核保有国と、残る非保有国とに分けられており、
条約に参加していない国々が加盟するに際しては、法の枠外でそれらの国々が獲得してきた利益が追認されないようにするべきだからだ」。
(続く)
モサド長官の任期更新、レバノン国内での諜報活動活発化
2009年05月07日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090512_013209.html ■ イスラエル、ナスルッラー暗殺に失敗するも彼を標的とする方針...モサドの前レバノン支部長:「イランとシリアの影響ゆえに
モサド諜報員のリクルートを促進している」
2009年05月07日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面
【占領下エルサレム:アーマール・シハーダ(本紙)】
レバノン人諜報員ネットワークの摘発についてイスラエルが沈黙を守っているのは、モサドをはじめとする同国の諜報機関が国外、
特にアラブ諸国での活動に対してとっている政策を物語る姿勢である。この諜報員細胞に関する報道が事実であれば、沈黙はモサドに
有利に作用するだろう。また、どのような場合でもそれは、レバノン人同士の間で対立を拡大させる格好の素材になる。それはイスラエルが
再びレバノン国内に入り込むことに成功したことを意味するからだ。
(続く)
>>233 より
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がモサドのメイール・ダガン長官の8年目の任期更新を決定したのは、レバノン人諜報員の
細胞の存在が明らかになるのと時を同じくしてのことだった。この任期更新には、ヒズブッラーやその軍事力の実状を把握していなかった
ために2006年のレバノン戦争で失敗したモサドが今日では、レバノン国内で諜報員をリクルートすることができるようになり、ヨーロッパの
某国でヒズブッラーが実行を試みたイスラエル関連施設への攻撃を一度ならず阻止することもできるようになった、という明確なメッセージが込められている。
イスラエルの治安関係者によると、レバノンは今日、過去に例を見ないほどイスラエルに対する脅威となっている。というのも、
ヒズブッラーの位置付けが上がり、政治的・軍事的に発展しているうえ、イランからの支援もあるからである。イスラエル軍のレバノン撤退
以前にモサドのレバノン支部長を務めたエリアゼル・ツェヴリールによると、イスラエルの安全保障のためにはモサドが諜報活動を集中的に
展開し、反イスラエル活動の計画について知ることを基本的な任務とする諜報員をリクルートすることが不可欠だという。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090512_013209.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16416)
コラム:エジプトとヒズブッラーの対立に見る中東政治情勢の特質
2009年05月07日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090507_223203.html ■ エジプトと「ヒズブッラー」:相反する二つの政治理論
2009年05月07日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面
【アムル・ハムザーウィー(本紙)】
エジプトに存在した「ヒズブッラーの細胞」事件とそれに続く同党とエジプト国家間の問題は、現下の中東政治において二つの相反する
理論がせめぎ合っていることを鋭く我々に示している。国民国家があり、平時であれ戦時下であれ域内紛争の対処についてはその
権力機構に委ねるという理論が、まず一つである。他方、その国家内で国の正当性も主権も認めず越境して活動する組織や運動に
依拠した破壊、分裂的要素が機能している。中東の主だった闘争の場では、国民国家が不在もしくは脆弱な存在であるという事実が、
この矛盾した状況と交錯し、その現象をさらに増大している。また、中東の大国の幾つかと地域の窓口的役割を果たす湾岸諸国が、
自国の利益を守るため、国民国家主権の原則を無視する昨今の趨勢も、その現象の一端と思われる。実際、国家か非国家か、
その二つの理論の矛盾と呼応を深く考察することにより、エジプトとヒズブッラー問題当事者の立場に肉薄し、更に、「ハマース」、
レバノン国家、イスラエル、イランといった関係方面が、目に付かないところで各々どのようにイデオロギーのアピールやメディア・キャンペーンの
応酬を行ったかを探ることが可能である。
(続く)
>>235 より
エジプト国家、その支配エリートたち、「ムスリム同胞団」を例外として、反体制派も含めた大多数のエジプト世論は、領土内で
ヒズブッラー要員が活動していたことを主権の侵害であり国家の治安に対する脅威とみなしている。ところで、エジプト政府はこの活動に
対処するにあたり国の治安、司法、政治機関を用いたのだが、そうするとエジプト内外で折に触れて行われる公的権力批判と、
この問題についてのエジプト世論はいささか矛盾することになる。ヒズブッラー事件については公的権力が頼られたということは、
国民国家の理論、それが責任ある政治的行動をするという理論が勝利したともいえる。
(続く)
>>236 より
その他に三つの論点があるのだが、第一点は、ヒズブッラー指導部の発言に代表される。彼らは、ガザのハマースへ物資を
提供することによりイスラエル占領に抵抗するパレスチナを勝利に導くことが、エジプトでの活動の目的であったと主張している。
この言い分は、エジプト国家が行っている支援、交渉を通じてパレスチナ人に正当な権利を回復させようとの動きに対し激しい圧力を
かけるものである。人命においても財産においても多大な犠牲を要した軍事的冒険(先のガザ戦争)へパレスチナ人を追いやった
事だけがエジプトの役割であったと一部では思われている昨今では、なおさらだ。第二点として、レバノンにおけるヒズブッラーの
位置づけがここに絡んでくる。エジプトの公式見解によれば、武装抵抗組織である彼らは、レバノン国家が軍事力を占有することも、
公的機関として尊重される事も妨げてきた。ヒズブッラーは、レバノンにもたらした「無秩序」を中東地域へ輸出しようとしており、
その中に長年の安定を誇るエジプトも含まれているというのがエジプトの見方である。
(続く)
>>237 より
第三点として、ヒズブッラーの行動と域内国家としてのイランの戦略との間には揺るぎない結びつきがあるという見解がくる。域内での
影響力拡大を図るイランは、アラブ諸国家への内政干渉を政策として確立させている。イラクにおけるイランの役割、バハレーンでの
敵対的立場、アラブ首長国連邦から三島を獲得し、抵抗をお題目に「ヒズブッラー」を通じてレバノンへ、「ハマース」を通じてパレスチナへ
継続的に介入してくることについて、エジプト首脳部は大いに神経質になっている。言い換えれば、ここでのヒズブッラーは、イランの手先として
中東各地で国民国家の安定を揺るがす域内政策に奉仕するものの代名詞でしかない。最後に、エジプトの公的立場を国内へ向けると、
そこには、ヒズブッラーとパレスチナ抵抗支援というその目的の正当性を擁護する声もある。「ムスリム同胞団」関係とそれに思想的に近い人々、
あるいは左翼的ライター達がその立場を礼賛する一方で、公式見解の方は、このようなグループを非国民的とみなす。国家権力に
とって彼らは、国の主権を防衛し治安を守るという神聖な任務と、エリート支配体制に反対することを混同する危険な人々である。
ヒズブッラー事件に関するエジプト国民議会の討議によっても、「国の安全は、抵触してはならないラインである」ということをムスリム同胞団に
納得させることはできなかった。同胞団に対する公の攻撃は少しは緩和されたが、2009年4月22日付の声明で同胞団は、「抵抗支持の
立場を固持する。……エジプト政府は、公正さをもって汚職と闘い抵抗を支援することによって我々の国民としての安全を守ったうえで、
その治安をないがしろにしようとする者と対峙せよ」と述べている。これにより、同胞団が果たしてどの程度、国民国家とその主権を
優先させる用意があるのかが疑わしくなった。
(続く)
>>238 より
一方、ヒズブッラーは、「抵抗の正当性」並びに「抵抗を支援する正当性」という二つの言い分を組織的に用い、エジプトでの事件に
ついては、国民国家理論では応じてもらえない側を擁護するとの立場を示す。それにより彼らは、パレスチナの人々に正当な権利を
回復させることのできない国民国家の失敗、中東の主立った戦線でそれらが不在もしくは弱い存在であること、たとえ存在してもその
主権は、正当な抵抗運動を敵視する域内外の大国により常に侵害されているという現状を指摘する。
(続く)
>>239 より
ナスラッラー書記長、シェイク・ヌアイム・カーシミー副書記長等の発言によれば、ヒズブッラーは、パレスチナ独立国家実現に向け
イスラエル・アラブ交渉に携わったエジプト並びにその他のアラブ諸国の国家的不能と、ヒズブッラーのような第三者が、ハマースを
筆頭とするパレスチナ抵抗運動支援において正当性を得たことの間に因果関係があるとみなすに至った。そしてヒズブッラーは、
ガザ封鎖、イスラエルによるガザ戦争におけるエジプトの立場を繰り返し攻撃し、エジプト国家の役割は実際には不在である、イスラエルの
度重なる攻撃からパレスチナ人を守る事もできなかったと宣言する。ヒズブッラーがレバノン国家を破壊し軍事力占有を許さず、
混乱を他国に広めているとのエジプトの嫌疑を前に、ヒズブッラー指導部は伝統的見解を保持する。つまり、レバノン国家の脆弱性、
その国土を防衛することもイスラエル占領から解放することもできない無力さ、それらこそが、ヒズブッラーを抵抗組織として発展させ、
ついにはレバノン国土を解放させるに至った。そして現在、国民国家のない占領地でいかなるアラブ国家の支援もうけず活動する
パレスチナ抵抗を救援しようとしている。この言い分は、治安と主権の神聖さを強調し、そのために闘うことを重要とするエジプトの
立場を過小評価するヒズブッラーの見解と合致している。ヒズブッラーの政治イデオロギーの文脈においては、抵抗活動を敵対視する
イスラエルとその同盟者たちにより治安が乱されている国民国家に優先順位はなく、抵抗の正当性を上回る主権の適用など認められない。
(続く)
フェルトマン米国務次官補代理、シリア外相との対話を「建設的だった」と評価
2009年05月08日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090515_002658.html ■フェルトマン米国務次官補代理、和平プロセスを遵守するとのオバマ大統領の約束をシリア側に伝える
■「米政権はシリア側との共同作業が可能になりつつあるとの感触を得た」
【ダマスカス:本紙:カーミル・サクル】
ジェフリー・フェルトマン中東担当米国務次官補代理は昨日木曜日、米政権はシリア側との共同作業が可能になりつつあるとの認識を得たと語った。
アメリカ大使館が記者向けに発表した声明には、「約2カ月前にシリアを訪問して以来のワリード・アル=ムアッリム・シリア外相との協議を
通じて、シリア側との共同作業が可能になりつつあるとの認識を得た」との、フェルトマン国務次官補代理の発言が引用されていた。
フェルトマン氏は「国家安全保障会議のダン・シャピロ氏と私は、モーラ・コネリー在シリア・アメリカ大使館代理公使も参加して
シリア側との対話が行われたことを喜ばしく思う。なぜならシリアとアメリカには共通の利害がある一方で、いくつかの重量課題への
見解には相違点もあるからだ」と述べており、さらに声明は以下のように続いている。
(続く)
>>242 より
「どこで前進が可能でどこで互いの利害がすれ違うかを見極めるために、また私たちのいくつか政策に関して残されている相違点を
乗り越える橋を共に築ける地点を探るために、外交と対話を用いるとのオバマ大統領の約束の一環として、私たちは本日ここへ来た。
本日(昨日)の協議は建設的であったと、私は評価する」「私たちはムアッリム外相と彼の同僚に対し、シリア・イスラエル間を含め、
あらゆる交渉チャンネルおいて、アラブ・イスラエル和平問題への関心を継続するとの誠実なオバマ大統領の約束を伝えた。そして
我々は、ダマスカスとワシントンでの対話継続に期待しているところだ。我々はこの二国関係を利用して、不和を乗り越え、
共通の利害を強化しようと試みている」。
(続く)
>>243 より
フェルトマン氏は昨日木曜日、ダマスカスでシャピロ氏と共にシリアのワリード・アル=ムアッリム外相と協議した後、アメリカとシリアの
立場を近づけるための対話の継続を約束した。
会談後にフェルトマン氏は「シリアとアメリカは共通の利害を持っている。しかしそれは、多くの問題において両国間に意見の相違が
存在することを否定するものではない」と述べつつも、「共通の問題においてシリアとアメリカの立場を近づけるため、外交と対話の利用を
継続する」と誓った。そしてシリア外相との会見は「建設的」であったと評し、バラク・オバマ米大統領は、シリア・イスラエル交渉を含め、
中東問題の解決に誠実に取り組むと約束していると指摘した。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090515_002658.pdf (翻訳者:青山沙枝)
(記事ID:16449)
ハマース、停戦とパレスチナ国家樹立に関して柔軟姿勢を表明
2009年05月10日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090517_181503.html ■ ハマース、オバマ大統領への政治書簡で、停戦と国家建設支援の用意を表明
2009年05月10日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ダマスカス、ガザ:ヌールッディーン・アル=アウサル、ファトヒー・サッバーフ(本紙)】
ハマースは、アメリカのオバマ大統領に対して、停戦と和平プロセスについて柔軟に対応する意向を間接的に示す政治的な
メッセージを発した。ハマースのハーリド・マシュアル政治局長は、ハマースと抵抗諸組織は「1967年の境界線に基づくパレスチナ国家を
建設する意思が国際的、地域的レベルで存在する」ならばこれを「支援するだろう」と表明した。また、解任された[ガザのハマース]
内閣のターヒル・アル=ヌーヌー報道官は、ハマースにイスラエルとの停戦順守の用意があることを公表した。
(続く)
>>245 より
マシュアル氏は、昨年ダマスカスで開催された「パレスチナ国民会議」の最高フォローアップ委員会が開いた記者会見で、ハマースと
パレスチナ抵抗勢力の大多数が「2006年の国民合意文書を通して、1967年の領域全体に、全入植地の解体後、エルサレムを
首都とする完全な主権を有するパレスチナ国家を建設することを受け入れている。帰還権が実現され、地上と上空、国境、各通行所の
完全な主権を有する国家でなければならない」と述べた。またマシュアル氏は、イスラエル国家の承認、イスラエルとの間で調印された
合意の承認、暴力の放棄という条件について、「4者委員会(カルテット)の示す条件については依然反対である。それはその条件が
不公正なものだからであり、パレスチナ内部和解プロセスをこの条件によって規定することは認められない」と強調した。
また一方でマシュアル氏は、最近マフムード・アッバース自治政府大統領が発表した拡大内閣の首相にサラーム・ファイヤード氏を
任命するとの提案が再度示されていることについて、ファタハとハマースの間で今月16日に開催される予定の「対話を妨げ停滞させるものである」との見解を述べた。
(続く)
>>246 より
ガザでは昨日、解任された内閣が、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領とイスラエル極右政権のベンヤミン・ネタニヤフ首相が
明日(11日)にシャルム・シェイフで行う予定の会談を先取りし、停戦順守の準備があることを発表した。ヌーヌー報道官は本紙に
対し、「当政府は、諸組織が停戦というステップを踏み出すことを決定するならば、占領軍との停戦が成立した場合、国民合意を順守する」と発表した。
この発表は、ムバーラク大統領が、ネタニヤフ首相に停戦合意の受け入れについて納得させる手助けになるだろうと予測される。
この停戦合意は、3ヵ月以上前にエフード・オルメルト前政権のもとで諸抵抗組織とイスラエルが取り決めたものだが、発効予定の
数時間前に履行の拒否が発表されたものである。
(続く)
>>247 より
来月初めに中東地域を訪問する予定のオバマ大統領に向けられたものと見られる発言の中でヌーヌー氏は、「当政府は、占領の
終結と封鎖の解除が、中東地域の安定と、人民に正当な権利を回復させる和平達成を実現する鍵だと考えている」と述べた。
そして、「私たちは、分裂状態を終結させ、国民和解を実現するパレスチナ内部合意を達成するためのエジプトの努力を支持することを確認する」と付け加えた。
そして、オバマ大統領とネタニヤフ首相に再度言及しつつ、「当パレスチナ政府は、国民対話や停戦、中東地域の安全と安定を
目指す取り組みなどいくつもの局面においてエジプトが行っている努力をつぶさに見守ってゆく」と述べた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090517_181503.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16471)
ネタニヤフ首相が今日エジプト訪問
2009年05月11日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090531_183703.html ■ リクード党首、本日エジプト訪問。ゴラン高原からの撤退なしと公約
■ イスラエル・ヨルダン・エジプト3ヶ国首脳会談開催へ連絡協議
■ ヨルダン・ムスリム同胞団とハマース、ネタニヤフ首相の訪問を非難
2009年05月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ナザレ:ズハイル・アンドゥラウス】
イスラエル情報筋は昨日日曜、「来月のベンヤミン・ネタニヤフ首相の訪米をひかえて、今週末にアンマンでイスラエル・エジプト・
ヨルダン3ヶ国首脳会談を開催するための連絡が3ヶ国間でとられている」と述べた。
同筋によるとこの会談では、イスラエル・パレスチナ間の政治プロセスとアラブ和平帝位案に関する協議に焦点が当てられるという。
(続く)
サウジアラビアの非礼を許すな:メッカ巡礼をめぐるイラン・サウジ対立(2)
2009年05月11日付 Jam-e Jam紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090517_010519.html 「サウジアラビアの非礼を許すな(1)」のつづき
小巡礼の巡礼者が増加中、でもどうして?
モスタファー・ハークサール・ガフルーディー巡礼参詣庁長官がサウジアラビアの巡礼省大臣との合意文書に署名し、第9政権下で
小巡礼の巡礼者数が2倍に増えたことを誇らしげに発表した上で、「快適なサービスの提供が実現されれば、小巡礼を行う人の
数がもっと増える可能性もある」と話したのは、今年オルディーベヘシュト月上旬〔4月下旬〕のことだった。
問題は、何を犠牲にして〔巡礼者数が〕このように増加しているのかということだ。イラン人巡礼者が世界のイスラーム教徒たちと
同様に、あるいはそれ以上にメッカ巡礼を熱望していることは事実だ。しかし、このような増加は何を犠牲にして可能となったの
だろうか。イラン人巡礼者に対する非礼が繰り返され、サウジアラビア国内での安全もままならず、〔安心して利用することのできる〕
快適な施設もない‥‥、この国のこのような状況に責任を負うべきなのは、一体誰なのだろうか。
(続く)
>>251 より
先週巡礼の旅から帰ってきたあるテヘラン市民は、次のように証言する。「私たちの巡礼団のリーダーはことあるごとに
イラン人女性たちに、サウジアラビアでは一人でタクシーに乗らない方がいい、夫や身内の人が一緒のときも夫や同行者の
男性が先に乗車すべきだ、なにしろ全く治安が確保されていないから、と言っていたものです」。
この人物はさらに、「この国のワッハーブ派〔※4〕の人たちはいつもイラン人巡礼者に攻撃を仕掛け、ドゥアーやニヤーイェシュ〔※5〕
のときに嫌がらせをしてくる。イラン人当局者も、こういった連中の無礼な振る舞いに対して何も言ってくれない」と訴えている。
ワッハーブ派の振る舞いに対するアーヤトッラー・マカーレムの反応
アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはこれまで何度も、イラン人シーア派巡礼者に対する急進的なワッハーブ主義者
たちの攻撃を批判し、当局者たちにこの件の追跡調査を求めてきた。
同師はサウジアラビアへの巡礼者の派遣を見直すよう求め、サウジアラビア国内でイラン人巡礼者の安全が確保されていないことに不満を表してきた。
(続く)
>>252 より
同師は昨日も、〔メッカにある〕アル・ハラーム・モスク(神聖モスク)の集団礼拝導師がシーア派を異教徒呼ばわりしたことに対する
反応として声明を出し、シーア派に背教徒宣告〔※6〕を下すことはイスラームの教えからの逸脱であるとの判断を示している。
アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィー閣下の声明は以下の通りである。
慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において
背教徒宣告を振りかざすワッハーブ派が、シーア十二イマーム派〔※7〕に背教徒宣告を下し、罪なき者たちの流血の原因を
作ったのは、これが初めてではない。このような行為に対し最後の審判の日に申し開きすることなど、彼らには間違いなくできないだろう。
彼らは悪名高いイギリスのラジオ、すなわちBBCを喜ばせるような行いを働いたのだ。
残念なことに、アル・ハラーム・モスクの礼拝導師は無知であるあまり、彼がインタビューに応じたこのイギリス・メディアは、ガザ侵攻の
際やその後、ほぼ全世界がイスラエルを非難したときも、イスラエルを非難しようとしなかった張本人であるという事実をご存知ではないようだ。
対立を煽る敵どもの政策にお気付きでないこの導師には、次のように言わねばなるまい。すなわち、「あなた方がシーア派を
背教徒宣告し、他の人々があなた方を背教徒宣告しても〔=互いに背教徒だと言って罵りあっても〕、問題の解決に資さない
ばかりか、〔イスラーム教徒同士の〕対立を引き起こすという目的をイスラームの敵どもに叶えさせてしまうことにもなる」と。
〔中略〕
(続く)
>>253 より
あなた方は、イスラームとイスラーム教徒の最大の敵、すなわちイスラエルを打ち負かし、その鼻先を地面に押さえつけた
シーア十二イマーム派に最大の感謝の念を抱くべきである。あなた方はアル・ハラーム・モスクで礼拝が終わるたびに、世界の
シーア派信徒たちの発展に何の影響も与えないような根拠のない主張を繰り返し、イスラームの敵どもを喜ばせるのではなく、
世界のイスラーム教徒が名誉を得るきっかけとなったシーア派信徒たちのために祈り(ドゥアー)を行うべきである。
なおアル・ハラーム・モスクのシェイフ・カルバーニー集団礼拝導師はBBCとのインタビューの中で、シーア派を異端であると呼んでいた。
〔後略〕
(続く)
>>254 より
※4コーランやスンナ(預言者の言行録)の字義通りの解釈を主張し、スーフィズム(神秘主義)や聖者信仰など、後世に
添加された慣行を激しく糾弾する、厳格で急進的なイスラーム改革思想を唱える人々。自称はムワッヒドゥーン(一神論の徒たち)
であり、他のイスラーム教徒(特にシーア派)を多神教徒に近い存在とみなして批判する。
※5定められた礼拝とは別に行われる、神への(ときに涙ながらの)祈願・嘆願を伴う祈りのこと。
※6背教徒宣告(タクフィール)によって「背教徒」と見なされた人物は処刑の対象となる。そのため、特に近代に入ると一部の
急進的なイスラーム主義グループは、「タクフィール」を行うことで、要人の暗殺やテロをジハードとして正統化した。例えば、
エジプトのサーダート元大統領を暗殺したジハード団(1981年)や、ルクソールで日本人を含む観光客62名を殺害したイスラーム団(1997年)など。
※7シーア派最大の派。初代イマーム・アリー(第4代カリフ)をはじめとする12人のイマームの教えを重視する。イラン人の大多数が同派に属する。
「サウジアラビアの非礼を許すな(1)」を読む
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090517_010503.html この記事の原文はこちら
http://www.jamejamonline.ir/papertext.aspx?newsnum=100906425137 (翻訳者:佐藤成実)
(記事ID:16466)
エジプト大統領、今月25日に米国を公式訪問の予定
2009年05月12日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090514_123928.html ■ ムバーラク大統領、5月25日にワシントンを公式訪問の予定
■ オバマ米大統領と和平強化 策を協議の予定
2009年05月12日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン:フダー・タウフィーク、アースィム・アブドゥルハーリク】
【中東通信(エジプト)】
エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は今月25日から27日までの予定で、米国の首都ワシントンを公式訪問する。その間、
バラク・オバマ大統領や同政権の高官ら多数と面会する予定。アフマド・アブルゲイト外務大臣が昨日発表した。
(続く)
エジプトのイスラーム集団がアル=カーイダに米新政権との対話を呼びかけ
2009年05月13日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090520_191424.html ■ エジプトのイスラーム集団、イランと同様にオバマ氏と交渉するよう「アル=カーイダ」に要求
2009年05月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ:フサーム・アブー・ターリブ(本紙)】
イスラーム集団(ガマーア・イスラーミーヤ)がアル=カーイダに対してアメリカ政府との古い対立を乗り越えるよう呼びかける声明を
発表し、政界を驚かせている。同声明はまた、アメリカのオバマ新大統領の登場という機会を活かして緊張緩和の端緒とし、
正義と寛容と、権利を有する人々が権利を獲得しうるような価値観の支配する新たな現実の構築に努めるよう呼びかけている。
また声明はアル=カーイダに、アメリカ新政権との対話のチャンネルを開き、「今日の友となり得る」オバマ大統領のエジプト訪問という
機会を活かし、オバマ大統領の訪問とイスラーム世界に向けた演説を歓迎するよう呼びかけている。
(中略、続く)
>>258 より
声明文には、オバマ大統領のエジプト訪問が良い結果に終わるための条件が記されている。イスラーム集団の見解によればそれは、
「アメリカ大統領がパレスチナ、イラク、アフガニスタンのイスラーム教徒人民への抑圧をなくすよう働きかけ、イスラエルがガザ地区封鎖を
解除するよう圧力をかけ、エルサレムのユダヤ化を停止させ、アル=アクサー・モスク構内への侵害行為を止めさせ、アブドゥッラフマーン師を解放すること」だという。
イスラーム集団評議会のナージフ・イブラヒーム副議長は「アル=アラビーヤ・ネット」のインタビューに応え、声明の内容と意図について、
「アル=カーイダは、アメリカ新大統領のイスラーム世界に対する姿勢と動きに最も関心を持って」おり、「アル=カーイダの指導部は、
国家の立場や政策は変わるものだということを知るべきだ。昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵になるかも知れないのだ」と述べた。
また同副議長は、その実例としてイランの場合に言及し、同国が早急にオバマ大統領のイニシアティヴに早急に応えて和解を
提示したことを指摘し、「オバマ大統領の存在によってもたらされる新しい状況の下で、将来イランが様々な分野で得る利益は
想像に難くない」と述べた。そして、「イスラーム運動は誰よりも、国際的現実や世界レベルで起きている変化を理解した上で行動し、
決定を下さなければならない」と述べた。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090520_191424.pdf (翻訳者:梶田知子)
(記事ID:16497)
ホワイトハウス:「和平は米・パレスチナ・イスラエルにとって利益になる」
2009年05月14日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090615_144757.html ■ ホワイトハウス:「和平はアメリカ・パレスチナ・イスラエルにとって利益になる」
■ オバマ大統領、ムバーラク大統領・アッバース大統領 ・ネタニヤフ首相に対し、和平実現への関与を確約 へ
■ ライス米国連大使:「パレスチナ国家実現の夢は、暴力を放棄し過去の協定を承認する政府を作れるかどうかにかかっている」
2006年05月14日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン・ニューヨーク:アーシム・アブドゥルハーリク、ターリク・ファトヒー】
ホワイトハウスは中東和平と2国家解決案への到達について、米・パレスチナ・イスラエルの全てにとって利益になる目的だとして、
バラク・オバマ大統領がその実現を約束している点を強く主張した。
(続く)
>>260 より
一昨日 、ホワイトハウスの ロバート・ギブズ報道官は、「オバマ大統領は、米国の活発かつ継続的な参加無しには、中東における
長期的な和平の実現は難しくなるだろうと信じている」と述べ、中東和平プロセス の前進を保証するためには米の参加がトップレベルの
ものである必要があると大統領は確信 していると付け加えた。
またギブズ報道官によれば、オバマ大統領は近日中にホワイトハウスで行われるホスニー・ムバーラク大統領、イスラエルの
ベンヤミン・ネタニヤフ首相、パレスチナのマフムード・アッバース大統領 との個別会談で、恒久平和の実現に向けた行動を継続する
重要性を訴えるつもりだという。また同報道官は、「オバマ大統領はホワイトハウス入りして以来、和平のために働き、[和平問題への]
アメリカの継続的な参加という約束を果たしており、今後もそうし続けるだろう」と述べた。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090615_144757.pdf (翻訳者:松屋直子)
(記事ID:16699)
ローマ教皇、キャンプを訪問しパレスチナ難民との連帯を表明
2009年05月14日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090526_134132.html ■ 教皇、故郷への帰還を切望するパレスチナ人との連帯を表明
■ 分離壁の撤去を希望し、帰還権への支持をほのめかす
2009年05月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ベツレヘム:本紙ワリード・アワド】
昨日水曜日、ローマ教皇ベネディクト16世は、パレスチナ・イスラエル紛争を解決するための外交努力は、両国民が憎しみの
連鎖から抜け出すことを望まない限り成就しないだろうと語った。
教皇はヨルダン川西岸地区のアーイダ難民キャンプを訪れた際のスピーチ で、関係各方面に対し、「全当事者 の法的主張を
尊重した恒久かつ公平な解決策のために行動し、彼らが国際法に合致する平和と尊厳のもとで生活できるように」とあらためて
呼びかけ、「パレスチナとイスラエルの民衆が憎しみの連鎖から抜け出すことを望まない限り、政治的な努力は成功しないだろう」と言葉を続けた。
(続く)
>>262 より
難民キャンプの若者たちに向かっては、「将来、パレスチナ人の問題に責任ある立場に立った時のために、努力を新たにして欲しい」
と語りかけ、難民キャンプの人々には「将来のパレスチナ社会において指導的な位置に立つにふさわしい人々が足りなくなることの
ないよう、あなた方の子どもたちの学業を助け、才能を育てなさい」と述べた。
さらに教皇は「私は礼拝するときに、世界中のパレスチナ難民、とりわけガザでの最近の争いによって家や愛する者たちを失った
パレスチナ難民のことを思っているのだと確信して欲しい」「このキャンプの、この地の、この地域の人々がどれだけ平和を望んでいることか。
この時期には特に〔イスラエルの建国によって故郷を追われた〕1948年5月の出来事と、それに続いた争いの月日がひとしお
思い出されることだろう」…(中略)…「永続的な住処と独立したパレスチナ国家へのあなたがたの合法的な希求はいまだ実現していない」などと語った。
この演説は教皇が5日間にわたるイスラエルとパレスチナへの訪問を開始して以来、もっとも政治的傾向が明らかな演説とみなされる。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090526_134132.pdf (翻訳者:竹内咲貴)
(記事ID:16535)
イスラエル首相が訪米、ガザ地区への食糧搬入許可へ
2009年05月14日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090515_194934.html ■ ネタニヤフ首相、米政府に対しガザ地区への食糧物資搬入許可の遵守を伝える
2009年05月14日付アル=ハヤート紙(イギリス)アラブ世界面
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエルの「ハアレツ」紙が昨日報じたところによると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は月曜日(11日)にホワイトハウスで
バラク・オバマ大統領と会談する際、「イスラエル当局がガザ地区への食糧物資搬入に課しているあらゆる制限を撤廃する」との約束を伝えるという。
同紙は、イスラエルがガザ地区封鎖と通行所閉鎖を継続している問題は、アメリカやEUの関心事になっていると指摘した。
先週、EU高官4人がイスラエルのアヴィグドル・リーバーマン外相とエフード・バラク国防相に抗議の文書を送り、ガザ地区への
人道支援物資搬入のためにイスラエル・ガザ地区間の全ての通行所を即時かつ恒久的に開通するよう求めている。
(続く)
ギュル大統領、シリア訪問―パレスチナ国内統一を訴える
2009年05月15日付 Yeni Safak紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090516_071051.html ギュル大統領は、「トルコは、地域的問題に関して常に善意をもって対処しており、常に建設的だ。私はパレスチナで一刻も
早く国内統一が得られることを望む。そうでなければ、パレスチナ問題の解決に、最も大きな害を与えることになるだろう」と述べた。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、トルコが地域的問題に常に善意をもって対処しており、常に建設的であり、この方向で貢献
していると述べた。ギュル大統領は、公式訪問が実現したシリアにおいて、バッシャール・アサド大統領と人民宮殿で、およそ
3時間に及んだ二者会談と、代表団間の会談の後、共同記者会見を行った。シリアがトルコの「親友であり兄弟」であることを
述べたギュル大統領は、2003年から今日まで、二国間の関係において「模範的な前進」が得られたと語った。
(中略、続く)
>>266 より
■「パレスチナを早急に解決しなくてはならない」
ギュル大統領は、アサド大統領との会見で、地域的、国際的問題にも触れたことを明らかにした。トルコがイラクの痛みを分かち
合っていると述べたギュル大統領は、イラクの国土の一体性と、政治的統一をもたらす方向で、アサド大統領と見解が一致していると述べた。
ギュル大統領は、パレスチナ問題についても重きをおいて話し合ったと説明し、「パレスチナの正当な訴えを、結実させなくてはならない。
これは、パレスチナの人々が自らの国家を建設する権利だ」と言った。ギュル大統領は、イスラエルと独立したパレスチナ国家が平和の
うちに共生する環境は皆の願いであると述べ、世界が、諸問題の解決を対話と平和理解により見出し得ると考え始めたと語った。
■「利用するつもりはない」
新聞記者らの質問にも答えたギュル大統領は、シリアとイスラエル間の間接会見プロセスでトルコに示した信頼について、
バッシャール・アサド大統領に謝意を述べた。
イスラエルのガザ攻撃後、トルコの態度が明確になったと述べ、将来、この地域でどのような役割を担うのかと質問したある
シリアの記者に、ギュル大統領は次にように答えた:
「トルコとして、我々は問題の解決に建設的な形で支援しようとしている。諸問題と取り組むとき、『トルコはこれらの問題に
関わり、必要となればこれを利用しよう、これにつけこもう』などという目的はない。『建設的で善意ある形で問題を解決することに、
我々は貢献できるだろうか』と思い、行動している。トルコは地域的問題において常に善意をもって対処しており、常に建設的で、
この方向で貢献している。私は中東に関してのみ言っているのではない、より広い意味で述べている。平和になれば安全問題は
なくなり、関係は発展し、繁栄するだろう。」
(続く)
>>267 より
■分裂したパレスチナには誰も納得しない
ある新聞記者が、最近、アブドゥッラー・ヨルダン国王と、マフムード・アッバース・パレスチナ自治政府大統領がダマスカスを
訪問したこと、パレスチナの指導者の一人、ハリト・メシャルもダマスカスで暮らしていることに言及し、会見でパレスチナ人の
間の分裂が話題となったのかどうかと質問し、これについてギュル大統領は次のように述べた:
「会見で我々が最も話し合った問題のひとつは、パレスチナの統一だ。2つのパレスチナ国家は考えられない。ガザでハマスが
選挙に勝利したとき、我々は善意から助言をした。ここ2年間、我々が正しかったことがはっきりした。今こそ、この統一が
保障されなければならない。エジプトは、この方向で働きかけており、我々もそれを支援している。私はパレスチナで一刻も
早い国家統一が得られることを望む。そうでなければ、パレスチナ問題は最大の被害をこうむることになる。これを何人も
認めることはできない、パレスチナ国家が二つに分裂することに、誰も耐えられない。政治的闘争は、彼らの内部で行えばいい。
統一への努力が、遅延なく結実することを私は信じる。新しいイスラエル政府も、反対者の発言を忘れ、分別をもって振舞うべきだ。」
(続く)
>>268 より
(中略)
■「平和を望むが、我々の土地は諦めない」
バッシャール・アサド・シリア大統領は、シリア・イスラエルの間接的な平和会談に関する、近頃、紙上に出た報道を批判し、
「これらの報道には根拠がない。しかし、トルコのさまざまな試みが成功を収めているということには、誰も疑いを持たないだろう」と述べた。
アブドゥッラー・ギュル大統領と共に共同記者会見を行ったアサド大統領は、「シリア・イスラエル間の問題に関して、信頼する
国々と協力していること」を述べ、次のように語った:
「我々は他国と結果を分かち合うが、我々が信頼する、平和に貢献するだろう国々とのみ分かち合うのだ。誰一人として、
我々にいくつかの問題を強制できない。我々は、私の親友である、敬愛するギュル大統領と、イスラエル・シリア間の間接的会談に
関することでも話し合った。二者で、そして代表団間の会談と両方で、だ。もちろんこのプロセスにはアメリカも支援するだろう。(イスラエルも)。
我々の話し相手が明らかになった後で、この問題についてお話しましょう。」
アサド大統領は、イスラエルと和平協定を結ぶ考えはあるものの、シリアには和平の条件があることを強調し、「我々は平和を
望むが、しかし我々の土地を諦めることは不可能だ」と述べた。
(続く)
>>269 より
■「パレスチナ人の間で和解が得られなければならない」
ギュル大統領と行った会談でパレスチナ問題も話し合われたことを述べたアサド大統領は、「パレスチナ人グループ間で
和解が得られることが必要である」と述べた。
アサド大統領は、パレスチナ・イスラエル間の和平会談が始めることが重要であると述べ、「パレスチナ内での不和の解決が
必要不可欠だ。最初のステップはパレスチナ・イスラエル間の和平会談が始まることであるが、しかし、それ以前にパレスチナ人の
間の合意が達成されていることが必要だ」と述べた。
「パレスチナ・イスラエル和平交渉が展開が不首尾に終わった状況で、望まれる地点に達することはできない」と強調した
アサド大統領は、「パレスチナ・イスラエルの交渉が成功裏に進展してはじめて地域における他の問題も、その解決に発展し得る」と話した。
ハマスの政治局長ハリド・メシャル氏がダマスカスに滞在していることを、誤解しない必要があると述べたアサド大統領は、
「この状況が、シリアが中立でないという意味にはならないこと、対話をもたらす方向で努力していること」を語った。
アサド大統領は、イラクにおける国土の一体性の重要性を指摘し、イラク国民の間でも、協調を得ることが必要であると強調した。
(続く)
>>270 より
■「ダマスカス・アンカラ・テヘラン協力」
アサド大統領は、シリア・トルコ・イラン間の協力に関する質問には、「ダマスカス・アンカラ・テヘラン間で相互協力がある。トルコ・シリア、
そしてイランは同じ目的を持っている。この協力をほかの意味に解釈しようとするものもあるだろうが、それは勝手にすればいい」と答えた。
■「トルコの行ったことを、アラブの国はどこもしなかった」
トルコとシリアの関係が非常に良好であると言及したアサド大統領は、この協力の一層の発展のために努力していると述べた。
アサド大統領は、トルコが、中東問題でその態度を明確な形で明らかにしたと述べ、「トルコは経済的問題だけでなく、共通の
重要性を持つ諸問題においても、その態度をはっきりした形で明らかにした。パレスチナの人々に、ガザ攻撃の間、援助を差し伸べた。
トルコは、このプロセスにおいて、アラブまたは他の国々が行わなかったことをしたのだ。トルコの熱心な努力により、平和の実現にむけての
妥協を成立させるために貢献がなされた」と語った。
この記事の原文はこちら
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090516_071051.pdf (翻訳者:林奈緒子)
(記事ID:16461)
カイロでパレスチナ国民対話会議再開
2009年05月17日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090601_163216.html ■ ファタハとハマース間でカイロ対話再開
■ クレイウ・ファタハ代表団長とアブー・マルズーク・ハマース代表団長が会談
■ 両代表団の口論についての報道を否定
2009年05月17日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【カイロ:ジャイハーン・アル=フサイニー(本紙)】
ファタハとハマース間におけるパレスチナ国民対話会議の第5ラウンドが昨日(16日)、エジプトの後援のもと再開された。両組織の
代表団は、エジプト側も出席する中、エジプト情報機関の建物で3時間にわたって協議を行った。
ファタハ幹部で対話会議代表団メンバーであるナビール・シャアス氏は本紙に対し、「協議では懸案事項について話し合われたが、
どの問題も詳細には協議されていない」と述べ、「国際情勢やガザの現状などについて大まかな概観がなされた」と言葉を付け加えた。
また、「両代表団はエジプトのウマル・スライマーン情報局長官と会談を行う予定である」と述べた。
(続く)
>>272 より
一方、両代表団間で口論があったという情報が取り沙汰されており、昨日朝の会合でメディアに対する黙秘の姿勢が
顕著だったため、この情報を事実とする見方が強まっていたが、エジプトの消息筋は本紙に対して、そのような出来事は
なかったと否定し、「起こったことは、双方が相手方に譲歩を求めたということである」と指摘している。
両代表団は昨日(16日)夜、3つの懸案事項に取り組むための会合を後に再開する前提で、スレイマーン長官との会合を
行ったものと推測される。3つの懸案とは、まず第1に組閣問題であり、第2は、イスラエル承認と暴力の放棄を含む
中東和平4者委員会(カルテット)の条件を移行期間の間に樹立される政府が遵守することにハマースが反対しているため
紛糾している組閣問題を打開するため、各派から構成される委員会を設置するというエジプトの提案である。そして第3は
治安問題であり、これも組閣問題に劣らず白熱している。ファタハ側は移行期間中の治安状況に対処するためガザに
合同部隊を設置することを提案したが、ハマース側はそれを拒否した。また、並立選挙制における最終的な[一般選挙区と
比例区議席の]割合も、対立点であり続けている。しかし選挙法の改正に関する合意の後、この割合に関しては対話を阻害する問題とはなってこなかった。
(続く)
レバノン反対派勢力、「大統領が選挙に介入」と非難
2009年05月19日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090531_175428.html ■ レバノン、イスラエルのスパイ網の問題に関して訴えを準備
■ ナスルッラー書記長、イスラエル軍演習に対する厳戒措置をとると言明
■ 大統領府は非難に沈黙、近くアメリカ副大統領が訪問
■ 3月14日勢力およびその議会選挙候補者らの拡大会合
■ キスラワーンで今日、3勢力合同選挙リスト成立へ
2009年05月19日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は昨夜のナクバ[※1948年のイスラエル建国に伴うパレスチナ人の追放・離散]61周年記念の
演説で、5月 31日から6月4日の間に行われる予定のイスラエル軍の演習に焦点を当てた。金曜夜の演説の反響が未だ完全には
収束しない中、ナスルッラー書記長は国内問題への言及は避けた。
しかし、政治や選挙をめぐる最大の新たな話題として浮上したのは、大統領府が選挙戦に巻き込まれたことである。このところ
反対派勢力の指導者や政治家らが大統領府への批判を展開しているが、これに対して大統領府側は公式な反応を避けている。
(続く)
>>275 より
一昨日にはスライマーン・フランジーヤ元内相が「ミシェル・スライマーン大統領は選挙に介入している」と非難した。これらの非難に
対してバアブダー宮殿[大統領府]は沈黙しているが、「中央通信社」は政界消息筋の話として、「大統領は誰にも誰かへの連絡を
指示してなどいない。これまでに行われた、あるいは今後行われるであろう連絡は、当事者の個人的なイニシアティブによるものであり、
大統領の公式な指示によるものではない」と伝えた。また同筋は、「大統領は自らの事を取り上げた諸声明に不快感を覚えており、
それらは議会選挙の後にまで緊張状態を引き延ばすため、レバノンを2つの枢軸の虜にし、両者の衝突が続くようにしようとする試みだと考えている」と付け加えた。
大統領に対する非難の声の中で、マンスール・ガーニム・アル=ブーン元議員は昨日、キリスト教マロン派の
聖ナスルッラー・ブトゥルス・スファイル総大司教が「大統領を全面的に支持する」と述べ「毎年大統領を変えなければならないのか?」との問いを発したと伝えた。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090531_175428.pdf (翻訳者:平川大地)
(記事ID:16571)
オバマ大統領がネタニヤフ首相と会談、入植停止と2国家解決案をあらためて呼びかけ
2009年05月19日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090528_153501.html ■ オバマ大統領、イランが核計画をめぐる協議に真剣に応じるまでの猶予期間を2009年末までに
■ 入植停止を要求し、二国家解決案をあらためて呼びかけ
■ ネタニヤフ首相はこれを拒否、イスラエルをユダヤ人国家と認めるよう要求
2009年05月19日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ワシントン、ロンドン:本紙】
アメリカのバラク・オバマ大統領は昨日月曜日、ホワイトハウスにてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との重要 会談を終えた後、
二国家案を基にイスラエル・パレスチナ紛争の解決に至るよう、あらためて呼びかけた。
オバマ大統領はホワイトハウスの執務室でネタニヤフ首相と会談したあと、「二国家の建設による解決は、パレスチナのみならず、
イスラエルと米国と国際社会の利益になると考える」と述べた。
オバマ大統領はまた、パレスチナの土地へのイスラエルの入植は「停止されるべきだ」と明言し、会談後、「我々は入植問題での
前進を実現しなければならない。入植は中止されるべきだ」と語った。
(続く)
>>277 より
一方、オバマ大統領との会談後に渋面を見せたネタニヤフ首相は、「すぐに和平交渉を始める用意があるが、パレスチナ側は
イスラエルをユダヤ人国家と認めねばならない」と述べた。
ネタニヤフ首相はパレスチナ国家建設の可能性に言及する代わりに、「もしイスラエルの安全が保証され、パレスチナ人がイスラエルを
ユダヤ人国家と認めるなら、パレスチナ人とイスラエル人が隣り合い、敬意と安全と平和をもって生きていく状況に到達できる可能性が生まれる」と発言した。
イスラエルはイランに外交的な働きかけをするまでの猶予期間が3ヶ月を越えない様、要求しており、協議の場でもネタニヤフ首相は
イラン問題に重点を置こうと試みた。しかしながら米大統領は協議終了後の昨日、イランが核問題の協議に真剣なのかどうかを
見極めるのは今年の年末にすると発表した。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090528_153501.pdf (翻訳者:香取千晴)
(記事ID:16552)
ネタニヤフ首相の「統一エルサレムはイスラエルの永久首都」発言を仏政府が批判
2009年05月23日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090828_171104.html ■ 仏政府、6月の訪問受入れを前にネタニヤフ首相の「統一エルサレム」に関する発言を批判
2009年05月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、MENA】
仏政府は、6月3日に予定されているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の訪問を前に、同首相がエルサレムは「イスラエルの
統一された永久の首都であり続ける」と再度繰り返した発言について批判した。
ニコラ・サルコジ仏大統領とネタニヤフ首相の会見は、ネタニヤフ氏が2月20日に首相に就任してから初めてである。過去には両者は
パリやエルサレムで数回の会見を行っている。
イスラエル首相はデリケートな状況の中で訪問を行うことになる。ネタニヤフ首相が、エルサレムは「イスラエルの永久の首都で
あり続ける」と述べた発言を、仏政府が声明で批判しているからである。仏外務省のフレデリク・デザニョー報道官補佐は、「イスラエル首相が
エルサレムで行った発言は、この都市の最終地位交渉の結果を先取りしようとする行為だ」、「フランスの見解では、エルサレムは
交渉による和平合意を経て2国家の首都になるべきである」と述べ、「紛争に歯止めをかけるエルサレムの最終地位について、
双方が最終的かつ包括的な合意に達するか否かは両者にかかっている。[フランス]共和国大統領は 2008年6月23日の
クネセト[=イスラエル国会]での演説において、エルサレムが2国家の首都として承認され、各宗教の聖地への自由なアクセスが
保証されなければ、和平を実現することはできないと述べている」と説明した。
>>279 より
エルサレムの帰属問題は取り扱いの最も難しい問題のひとつであり、この問題によってイスラエル・パレスチナ間の和平交渉は
難航し、現在は凍結状態にある。
デザニョー報道官補佐は、「パレスチナ人の家屋の破壊やアラブ人街区の変更などの行為は暴力のエスカレートという結果に
繋がる。こうした行為は受け入れられず、国際法にも反する」と注意を促した。また、「概してフランスは、東エルサレムも含め、
入植が続けられていることを非難している。我々は自然な人口増に伴うものも含めて入植活動の凍結を要求したことを指摘しておく」と言及した。
イスラエル首相は昨日木曜日、エルサレムの占領および東半分の併合から42周年記念に際し、この都市が「永続的にイスラエルの
統一された首都であり続けるだろう」と再び発言していた。
(続く)
>>280 より
■ 活動家2人を殺害
現地では朝、ガザ地区南部のカラム・アブー・サーリム([イスラエル名]ケレム・シャローム)通行所の近くでパレスチナ人活動家2人が
イスラエル軍の銃撃により殺害された。
救護・緊急事態局局長であるムアーウィヤ・ハサナイン医師は、「犠牲になったヤースィーン・ジャースィル(18才)と
アブドゥルマジード・サーリフ(18才)の遺体を回収した。2人は占領軍の銃撃の犠牲になった」と述べた。
目撃者は、「朝、激しい銃撃が起こり、イスラエル軍戦車が何メートルか侵入し、その場で犠牲者2人が倒れた」と語った。
イスラエル軍の関係者は、ガザ地区の境界でパレスチナ人活動家2人が攻撃実行の準備をしていたところを殺害されたと
説明し、彼らが爆発物を所持していたと述べた。
「イスラーム聖戦」運動の武装部門「エルサレム部隊」が作戦行動の実行声明を発表し、2人の活動家を追悼した。
ガザ地区南部の国境の町ラファハのトンネルのひとつでは朝、感電したパレスチナ人1人が亡くなった。
(続く)
>>281 より
■ ヨルダン川西岸ではデモ
ヨルダン川西岸の占領地では、イスラエルが建設中の分離壁に反対する2つのデモに参加したパレスチナ人10人が負傷した。
ラーマッラー西部のナアリーン村ではデモ参加者5人が負傷し、うち1人は脚に銃弾を受け、別の1人は催涙ガス弾を頭部に受けた。
隣接するビルイーン村でも、汚物を浴びせたデモ参加者らに向けてイスラエルの国境警備隊がゴム弾や催涙ガス弾を発射した際、デモ参加者5人が軽傷を負った。
パレスチナ人やイスラエル人・外国人の平和運動家は毎週金曜日にこの2つの村でデモを行っており、イスラエルの分離壁に対する
パレスチナの闘争の象徴となっている。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090828_171104.pdf (翻訳者:森本詩子)
(記事ID:17305)
コラム:オバマ大統領による包括的中東和平に向けた新計画
2009年05月23日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090525_232817.html ■「事実」
2009年05月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPコラム面
【イブラヒーム・ナーフィウ】
米政権に近いアメリカ情報源は、バラク・オバマ大統領がアラブ・イスラーム世界に向けてカイロから発信する予定の演説で、イスラエルと
アラブ国家間の包括的和平計画の概要を発表すると公表した。
このアメリカの新計画の中で最も重要な条項は、交渉はすべてのトラック(交渉経路)、すなわちパレスチナ、シリアそして
レバノン・トラックを含むという点である。特にパレスチナ・トラックについて言えば、アメリカの仲介によってパレスチナとイスラエルとの
交渉を行う中で、両者が合意できる若干の変更を受け入れつつ、1967年6月5日以前の国境線に戻すという、明確な原則に
基づく交渉を行うとされている。エルサレムについては二国家の二つの首都とする。すなわち、西エルサレムはイスラエルの首都になり、
東エルサレムはパレスチナ国家の首都になるのである。そして1キロ平方メートルにも満たない東エルサレム旧市街は国際管理下に置かれ、国連が監督にあたる。
(続く)
>>283 より
パレスチナ難民問題の解決については、パレスチナへの帰還を望む難民にはパレスチナ国家への帰還権を与え、帰還を望まない
難民に対しては適切な補償をし、包括的な帰化プランを適用して現在居住している国、あるいは他の国の国籍を付与する。
そして新しく誕生するパレスチナ国家は非武装とし、地域の周辺国家との関係には制限が加えられる。また新生パレスチナ国家は
〔ヨルダン川西岸地区とガザ地区との〕地理的連続性と、あらゆる点での国家主権を享受するものとしている。
米政権の情報源によれば、バラク・オバマ大統領の補佐官たちが現在、6月4日に予定されるイスラーム世界とアラブ世界に向けた
カイロからのオバマ大統領の演説で発表できるように、このイニシアティヴの最終的な調整に現在取り組んでいるという。
(続く)
>>284 より
また同情報筋が確認したところでは、オバマ大統領は彼の最初の任期の終わり、つまり2013年末に行う予定の交渉に
時間制限を設ける方針であるという。さらにこの計画には、交渉プロセスと平行してイスラエルとアラブ諸国との関係を正常化する
計画も含まれており、イスラエルとパレスチナ・シリア・レバノンとの間で和平が締結される際に、〔イスラエルとその他のアラブ諸国間でも〕
外交関係が樹立されるというものだ。
つまり、バラク・オバマ米大統領の中東問題解決のためのプランは、解決はすべてのトラックを包含するものであるべきだとの
明確な展望から来ているのである。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090525_232817.pdf (翻訳者:ホサム・ダルウィッシュ)
(記事ID:16528)
ダヴトオール外相、ダマスからバクーへ
2009年05月24日付 Hurriyet紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090524_232619.html イスラム会議機構(?KO)の第36回外相会議がシリアの首都ダマスカスで始まった。
トルコ代表のアフメト・ダヴトオール外相は本日(24日)の会議終了後、アゼルバイジャンのエルマル・メメディヤロフ外相とともに
自家用機でアゼルバイジャンの首都バクーへ向かう予定である。ダウトオ-ル外相はアルメニア占領下にあるナゴルノ・カラバフや、
天然ガスの料金、トルコとアルメニアの関係改善という状況におけるトルコ・アゼルバイジャン関係をバクー会談で議題にする
予定である。ダマスカスでの?KO会議の方では、イスラム諸国家の安全保障と、平和維持部隊の編成に向けたブレーンストーミングが
行われ、地域的問題、人権、女性の権利、民主化、さらにイスラムフォビア(イスラム恐怖症)のような議題が取り上げられた。
(続く)
>>286 より
■アサド大統領、「イスラエルは平和への障害だ」
シリアのバッシャール・アサド大統領は、行った演説で、「イスラム教とムスリムは、そのことゆえに、ひどい反対宣伝にさらされている」
と述べた。そして「イスラムやムスリムがテロリストであるという汚名を着せられたことは世界の間に深い溝を作り出すことになる。
さあ、我々の宗教と地域を共に守ろう」と呼びかけた。さらにアサド大統領はイスラエル政府を「平和への道の障害」であると言い表した。
この記事の原文はこちら
http://www.hurriyet.com.tr/dunya/11713929.asp?gid=200 (翻訳者:猪股玲香)
(記事ID:16525)
ロシア外相がシリア訪問、アサド大統領およびハマース政治局長と会談
2009年05月25日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090601_180828.html ■ ラブロフ露外相がアサド大統領およびマシュアル政治局長と会談:「和平国際会議の主催を希望」
2009年05月25日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、UPI、MENA】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は昨日、ダマスカスを訪問したロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談を行い、中東に
関する国際会議開催のために「十分な準備」が必要であることを強調した。
シリア・アラブ通信社「サナ」が報じたところによると、ラブロフ外相は、「中東和平プロセスについて協議するためのモスクワ国際会議を
開催する意向がロシアにあること」を確認した。
また同通信社によると、「アサド大統領は、和平問題に関するシリアの立場を明らかにし、国際会議に関しては十分に準備し、
会議開催の目標を定め、紛争に関する当事者の立場を明確にし、公正かつ包括的な和平実現のための基本原則をイスラエルが
どの程度遵守するのかを見定める必要があると説明した」という。
またラブロフ外相はアサド氏にドミトリー・メドベージェフ大統領からの書簡を手交し、「関連する国際協定等に基づく中東地域の
公正かつ包括的な和平の実現にモスクワは関心を持っている」と強調した。
(続く)
>>288 より
■ マシュアル氏との会談
またラブロフ外相は、イスラーム抵抗運動ハマースのハーリド・マシュアル政治局長と会談を行い、パレスチナ最新情勢、特に
パレスチナ国民対話の展開、ガザ地区復興と封鎖の解除、アラブ・イスラエル紛争の諸問題と、それに関する国際的、地域的動向について話し合った。
ハマースは声明で、「ラブロフ氏はハマースとのコミュニケーションの重要性を確認した。またロシアは今日、パレスチナ人民の
多数派の見解を代表するハマースとの関係樹立を決定したことが正しかったと実感している」「ラブロフ氏は、ロシアがパレスチナ国民対話を
支援することを確認した。また、来たる中東和平モスクワ国際会議で、パレスチナ代表団が統一代表団として参加するよう
希望すると述べ、入植活動の停止とガザ地区封鎖の解除に向けてイスラエル政府に圧力をかけることを約束した」と述べた。
(続く)
>>289 より
マシュアル氏は、ハマースに対するロシアの対応は前向きなものであると強調し、パレスチナ人民の利益実現のためにロシアと
連携することを歓迎した。また、パレスチナ国民対話は主に2つの障碍に直面しており、それは対話の内容に外国が条件を
付けている事と、一部の勢力がヨルダン川西岸地区を独占しながらガザ地区情勢のみについて取り上げ、対話の内容を
分割しようとしている事であり、ハマースはそのような論理を拒否すると説明した。
またマシュアル氏は、パレスチナ人民の利益と権利の実現に向けたあらゆる国際的努力を歓迎する立場を表明しつつ、
「もしも正しい入口を見つけられなければ、この努力が益なく時間を費やす作業と化してしまう」ことに懸念を示し、その正しい
入口とは、「敵国イスラエルに圧力をかけて占領を終結させ、パレスチナ国民の権利を承認させることである」と述べた。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090601_180828.pdf (翻訳者:松原翔)
(記事ID:16579)
コラム:中東和平におけるアラブ側の姿勢批判
2009年05月25日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090525_220832.html ■ イスラエル人とイランの恐怖
2009年05月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面
【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】
イスラエルの世論調査が示すところによれば、イランが核兵器を所有した場合、イスラエル人口の三分の一は国外へ避難するという。
アラブの考える「戦略的和平」が逆の結果をもたらしているという一つの指標ではないだろうか。「和平」が、安定と安全、経済繁栄を
実現すればするほど、パレスチナへ到来し入植地を拡大するユダヤ移民が増える。彼らは、占領エルサレムにおけるシオニズム計画を
支持するユダヤ団体の呼び掛けに応じてやって来る。一方、イランは軍事力を増強し核兵器所有に野心を燃やしている。この状況が、
イスラエル人の心中に恐怖を呼び覚まし、カナダ、アメリカ、オーストラリア、欧州などに自分や次世代のための避難所を探そうという
気にさせる。もしもイランがパレスチナと国境を接していたら、もしくは、エジプト、ヨルダン、シリア、レバノンのような近隣アラブ諸国が
核兵器や長距離高性能ロケット弾を開発したり、パレスチナ抵抗勢力に資金援助や兵力支援をしたとすれば、お先真っ暗だという
気分に、イスラエル人はなるのである。
(続く)
>>291 より
昨日リーバーマン外相は、6月4日停戦ラインには断じて戻らないと表明し、続いてネタニヤフ首相も、統一エルサレムはヘブライ国家の
永遠の首都であるゆえに交渉の議題にはならないと断言した。このように挑戦的なイスラエルの立場が、パレスチナを、そしてアラブを
して及び腰にさせ、和平を乞う姿勢にさせる。そして残るのは幾つかの選択肢や代替案のみである。「移行期」があるとすれば、
まずアラブ和平案を引っ込めるべきだろう。次いで、現イスラエル政府、あるいは、同様の方針であればいかなるイスラエル政府とも、
関係を断絶する。欧米の和平使節団には門戸を閉ざす。国際四者委員会に派遣されるトニー・ブレアを門前払いし、アラブ各国の
首都においては彼をペルソナ・ノン・グラータとして扱うべきだ。彼は狂信的十字軍であり、ネタニヤフが二国家解決案の代替策として
構築している「経済的和平」プランの立案者だ。同プランにおいて彼は、イスラエル入植計画に肩入れしていることを隠そうともしない。
また、パレスチナ人には経済的政治的リハビリが必要などという口実で独立国家問題の検討を遅らせようとする。
(続く)
>>292 より
イスラエルが和平と二国家解決を拒否し入植を続けているというのに、その入植者たちには、安全と安定、気楽な生活が
保障されているのはなぜだろうか。権利を侵害されたアラブ人たちが、豊穣な土地、柔らかな風、甘い水、黄金の海辺といった
彼らの生活を乱す気づかいはない。すぐ隣でパレスチナ人たち、その土地の歴史的所有者たちが、劣悪な環境で苦難をしのいでいるのだが。
アラブ、特にパレスチナ人が、年間数十億ドルをイスラエル国庫にもたらす観光産業の繁栄を許しているのはなぜか。ガザでは
150万が封鎖下で飢え、西岸では300万が、650の検問所の前で屈辱をかみしめているというのに。
不道徳にもイスラエルは、西岸、ガザ、ゴラン高原までもイスラエルの国土とした地図を掲げた観光プロモーションの宣伝を
ロンドンで行おうとした。シリア大使館の抗議がなかったら、その宣伝は撤去されなかっただろう。
アフマディネジャード氏が、アラブ首脳たちからさしたる抵抗もうけず、パレスチナ問題の「株を奪った」のも然るべき事であった。
パレスチナに対するイスラエルの暴虐とパレスチナ人たちの日々の屈辱を白日のもとにさらし、そして、先進的軍事開発にいそしんだ。
イスラエル人たちをその政府もろとも、国の内外でおびえさせ、一発の銃弾も放たずに眠れぬ夜をもたらした。懇願する弱者からの
オリーブの一枝ではなく、力が、均衡を破り、ネタニヤフ政府とその過激な立場に見られるイスラエルの傲慢をおしとどめ得るということだ。
(続く)
>>293 より
どこであれイスラム国家における軍事力の成長は、イスラエルの安全、いや彼らの存在そのものに対する脅威となるという事を
イスラエルはよく理解している。彼らはイランを恐れている。唯一のイスラム国家であり、援助や借款を求めてワシントンや
国際通貨基金とつながっていないイランは、独自の決定で動くことができる。
アラブ諸国は、オバマ大統領がカイロを訪れスピーチを行うのを今や遅しと待っている。そのスピーチでは、イスラム世界との
「和解」が提案され、アラブ・イスラエル闘争解決に向けた彼の期待が述べられるという。この和解を喧伝するあまり、占領下にある
西岸での入植を凍結するかわりに、全てのイスラム諸国がヘブライ国家と関係を正常化すべきだ、などと先走って言い出す
向きもある。なんと見返りの少ない譲歩だろう。この新しい案をメディアで宣伝しているアラブ首脳たちは、イスラム諸国の
スポークスパーソンを自任する前に、57カ国のイスラム国家の承認を取り付けたのだろうか。リビア、アルジェリア、スーダン、シリア、
レバノン、モーリタニアといったアラブ国家がそれに賛成したのだろうか。イランは、イスラム国ではないというつもりだろうか。
(続く)
>>294 より
上述のイスラエルの世論調査結果が示すのは、以前のアラブの立場、交渉を拒否し、無償でイスラエルを認めることも
拒否するという立場の方が、より有効であった、少なくとも害はなかったという事だ。もしアラブがその立場を固持していれば、
特に、国際的孤立を打破しようとするイスラエル政府がアラブと同席することを拒まなかった時ならば、我々はより多くの譲歩を
引き出せただろう。独立パレスチナ国家の創設も、公正な和平には譲れない線として保持されただろう。
孤立政策、そして同時に合法的パレスチナ抵抗を支持することは、イスラエルの和平要請運動を強化した。レバノンその他での
イスラエルの戦争に反対する「ピース・ナウ」の呼び掛けに応じた数10万がテルアビブの広場を席巻したのを我々は見ている。
一方、イスラエル側の条件の大半を実現する和平が進展するにつれ、米イスラエルの専横な政策への従属的傾向があらわれ、
イスラエルの人々を過激な方向へおしやり、二国家解決を拒否し、入植地拡大を公約する政府を選出させた。イスラエルの
平和運動は絶滅した。ピース・ナウは、メレツはどこへ行ったのか。労働党の敵はいくつ議席をもっている?
(続く)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090529_230653.html エジプト、ナイル川の水資源分配協定の交渉を再開へ
2009年05月26日付 Al-Ahram紙
■ ムバーラク大統領、ナイル川水資源分配問題の展開を注視
■ 水資源分配協定に関する対話をアレキサンドリアで来月再開
■ アッラーム大臣:「ナイル流域諸国の意思決定へ影響を及ぼそうと狙うイスラエルの動きがある」
2009年05月26日付アル・アフラーム(エジプト)HP1面
【カイロ:イスラーム・アフマド・ファラハート】
ホスニー・ムバーラク大統領はナイル川流域諸国協定問題の展開を注視しており、来月エジプトはナイル川流域各国の
水問題担当大臣をアレキサンドリアに招いて、水資源分配管理イニシアチブの大枠と機構に関する協定および、上流8カ国
[=タンザニア、ブルンジ、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ケニア、エチオピア、スーダン] 間の協力をめぐる交渉を再開する。
(中略、続く)
コラム:レバノン南部解放から9年、遅れる復興
2009年05月27日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090617_121110.html ■ 「解放9年後のレバノン南部の現状」(2回連載、第1回)
■ 国境地域を当局が長期にわたって放置、移住が増加
■ ナイーム・カースィム・ヒズブッラー副書記長:「レバノンには抵抗運動の選択が根づくことを望まない者がいる」
2009年05月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP論説面
【アッバース・アル=サッバーグ(本紙)】
「南部について喋り尽くして、詩はもうネタ切れ。南部のためにと声を張り上げ、激昂して演壇を壊しまくり。殉教者が減ったわけでもなく、
増えたわけでもない。南部の人間が立ちつづけているとすれば、南部の子どもたちによって立ちつづけているんだ。今日声高に
喋っているのは、死んだ人々とは別の連中さ」
ズィヤード・アル=ラフバーニーの歌である。誰かを非難するのではなく、記憶に訴えかける歌だ。
本稿は2部構成である。[レバノン南部]解放から9年を経て、抵抗運動を担った諸政党は何を語るのか。抵抗運動は如何にして
主導権を掌握し、イスラエル当局幹部とその協力者らを掃討することができたのか。イスラーム抵抗運動の幹部に聞いた。
(続く)
>>299 より
解放から9年、南部は貧窮から解き放たれておらず、2000年5月25日の朝から国内に押し寄せた様々な変化にもかかわらず、
均衡の取れた経済開発の恩恵は、南部には行き届いていない。
南部が過去10年間、ナビーフ・ビッリー国会議長直々の、あるいは南部評議会を通しての関心を得てきたことは事実である。
1960年代、故フアード・シハーブ元大統領の時代のIRFED報告以来、公式の呼称として定着した「貧窮地域」の状態と比べて、画期的な変化が起こっている。
(中略)
アイナーターには元々1万5千人の人口のうち千人足らずしか残っていない。アイトゥルーン、マールーン・アル=ラアスやクーニーンその他でも同様である。
(続く)
>>300 より
これらの現状が示すであろうことは、解放後の国境地域における労働機会の不足、そしてこれらの国境地域の村々に対する
投資家らの熱意のなさに他ならない。その最大の理由はおそらく、旧境界線地帯においてイスラエルが常に脅威を及ぼしているという
安全保障上の理由であろう。また、歴代政権が公約の履行を怠ってきたということもある。そうした公約のうちで最も主要なものは、
2000年5月のビント・ジュバイル公立高校における有名な会合での決定事項である。また国民議会でも占領の被害者らに補償金を
支払うことを定めた法律が制定されたが、これらの決定事項や法律のいずれも未だに実行されていない。また、 2006年7月の
戦争以降は補償金が受け取れなくなっているため、南部住民の苦境は一層深刻化している。補償金の支払いの停止の後、
野党と政府の間で繰り広げられた激しい論争には誰もが記憶しているところである。
(中略、続く)
>>301 より
■ カースィム副書記長:「解放は国民全体の問題」
ヒズブッラーのナイーム・カースィム副書記長は、「レバノンは南部において、領土全体の10%をイスラエルの大規模な占領の下に
置かれていた。2000 年5月25日に解放がなされたが、それはあらゆる宗派や村の人々が住むレバノン領土の解放であった。
南部住民の特質がどうであれ、この土地はレバノンの一部であり、2000年の解放は、イスラーム抵抗運動が先頭に立って
実現したものであっても、まさしくレバノン全体の解放なのである」との見解を示している。
(中略)
南部に対する当局の放置についてカースィム氏は、「残念なことに、均衡の取れた開発と言うと、予算配分にあたって宗派や宗教、
地域ごとの思惑が前面に出てきて、一部の地域が歴史的に軽視されてきたことが考慮に入れられない。その筆頭が、22年間に
わたって国家の支援を得られないでいる解放された国境地帯である。したがって、特別の立法や例外的予算、国外からの援助が
必要だ。それらにおいては、リタニ計画のように生活関わる計画を考慮することが必要であり、住民が彼らの土地に残り、復興に
貢献することを可能にする経済開発計画が必要である。我々は今後、この方向で真剣に取り組む意向である。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090617_121110.pdf (翻訳者:平川大地)
(記事ID:16717)
303 :
朝まで名無しさん :2010/04/16(金) 13:25:00 ID:6aeBW013
イスラエル、一部の違法入植地を撤去すると見せかけて、実際には入植地の拡大を継続
2009年05月28日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090609_001134.html ■ バラク国防相、アウトポストを撤去すると見せかけて入植地に数千軒の住宅を建設
■ オバマ米大統領は入植地の建設を例外なく止めるよう求める
■ ハマース:「アッバースには民の名のもとに交渉する権限はない」
2009年05月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ワシントン、ガザ:本紙アシュラフ・アル=ハウル】
昨日水曜日、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官が公表したところによると、バラク・オバマ米大統領はイスラエルに対し
「人口の自然増を理由とするいかなる例外」もなく、ヨルダン川西岸地区への入植活動を停止することを望んでいると説明した。
クリントン国務長官は記者たちに対して、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相のワシントン訪問に際し、オバマ大統領が次のように
表明したと発表した。「入植活動が停止されるところを目にしたい。一部の入植地や無計画入植地〔訳注:違法入植地とも
呼ばれるが、この場合の「違法」はイスラエルの法律に照らしても違法という意味〕だけではない。また人口の自然増による例外もない」。
(続く)
>>304 より
占領と入植に反対するイスラエルの団体「ピース・ナウ」のヤレブ・オッペンハイマー事務局長によると、イスラエルのエフード・バラク国防相は
無計画な入植アウトポスト(前哨基地)を撤去すると見せかけて、その代わりに何千もの新たな住居ユニットを入植地に建設しており、
しかも入植者たちは撤去から数時間のうちには二つのアウトポストを再建したのだという。イスラエルのメディアはオッペンハイマーの
言葉を引用し、次のように報じた。「バラク国防相がテントやバラックの撤去作戦を続けているのは、入植地を撤去すると
見せかけるためであり、その実彼は〔既存の〕入植地の拡大とそこでの追加の住宅建設を許可する決意を固めている」。
これは昨日水曜日の未明にイスラエル警察と国境警備隊とが、ヨルダン川西岸地区南部のヘブロン地区にあるキリヤト・アルバ入植地
近くの二つのアウトポスト、「フェドルマン農場」と「18番丘陵」を撤去したとの発表に、オッペンハイマー事務局長が批判的にコメントした
ものだ。イディオット・アハロノート紙電子版のサイトが報じたところでは、入植者たちは撤去から数時間後の昨日昼前には、両アウトポストを再建したという。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090609_001134.pdf (翻訳者:竹内咲貴)
(記事ID:16632)
イスラエル首相、中東和平への「新たなアプローチ」を表明
2009年05月28日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090601_183650.html ■ ネタニヤフ首相、和平への「新たなアプローチ」を宣言、「機会到来」との見解示す
2009年05月28日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は昨日、アラブ・イスラエル紛争を解決するため新たなアプローチを採用すると宣言した。
そのアプローチは「アラブ諸国の参加、パレスチナ自治政府の経済開発計画の促進、パレスチナ側との政治プロセスの促進」
という3つの柱から成るものであるとしつつ、ネタニヤフ氏は詳細には言及しなかった。また、和平の実現に向けての「おそらく
よい機会が到来した」と述べ、過去の政権では和平の実現に成功せず「むしろロケット弾や砲弾の雨の下で、和平の機運が後退していた」との見解を示した。
(続く)
>>306 より
ネタニヤフ首相は、経済状況についての話し合いが行われた国会で、「新たな方法で中東和平を後押しする試みが必要である。
それには『地域レベルでの解決』も含まれる」と述べた。また、「アラブ諸国を参加させることによって和平は強化され、我々や
パレスチナ人に安定がもたらされる」と明らかにした。さらに、「中東には全員の直面する脅威が存在している。我々の前には
和平の輪を拡大させるチャンスがある。嬉しいことに、アメリカのバラク・オバマ大統領がこのチャンスに対して、我々と同じ視点から関心を持っている」と述べた。
ネタニヤフ氏は、「イスラエルとの関係正常化を進展させるためのオバマ大統領の努力を歓迎する。これは新しく、且つ良いことで
ある。我々の見解は一致している。我々はこの問題に関して多くの事を実行するだろう」と強調した。また、「中東の現実を変える
必要性に焦点を当てた新たなアプローチが生まれている。我々はパレスチナ自治政府の経済開発計画を後押ししており、ヨーロッパ、
アジア、アラブ世界の第三者からの投資を促進するチャンスもある。我々は経済状況を変えるために必要なことを行っていく」と述べた。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090601_183650.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16580)
コラム:ハリーリー暗殺への関与容疑とヒズブッラーの対応
2009年05月28日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090529_111346.html ■ 「ヒズブッラー」ともう一つの見方
2009年05月28日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面
【ハッサーン・ハイダル】
ドイツ誌「ディ・シュピーゲル」によって、ハリーり暗殺に関与しているとの容疑をかけられた「ヒズブッラー」は、同誌の記事をイスラエルに
示唆された、どころかイスラエルによるねつ造とみなすと表明した。これもまた、ヒズブッラーのイメージを損ないレバノン国民の間に
争いの種をまこうとするイスラエルの戦略の一つであるという。そして、ドイツ誌の記事を「(レバノン内戦の引き金となった)アイン・ルンマーナの
バス停よりも危険」と評したワリード・ジュンブラートの発言を歓迎している。しかし、この記事がそれほど危険なものであるなら、
なぜヒズブッラーは、当然の職務としてこの問題に関心を抱くメディアを無視しようとするのか。なぜ、この件に関する反応を
報道しようとした「アル=アラビーヤ」のようなテレビ局に対し、その技能をあげつらって攻撃するような真似をするのだろうか。
問題となっているドイツのニュースが、さほど重要でもないというのなら、メディアを無視するのもわかるのだが。それとも、頭から
毛布をひっかぶって見ないふりをしろというのが、同党が呼び掛けるやり方なのだろうか。メディアに疑念を向けるよりも、ドイツ誌の
記事内容に正面から反駁し、その中でヒズブッラー要員として名を上げられている「グムルーシュ」だの「ハーッジ・サリーム」だのに
ついての情報を提供するというのが、まっとうな態度ではないだろうか。
(続く)
>>308 より
もし、上述のテレビ局がその報道において「行き過ぎた」とみなされるというなら、事はドイツの記事だけにとどまらない。同党は、
(そのようなメディアの姿勢は)政治的に意見を異にする人々によるヒズブッラーの立場への攻撃であるとほのめかす。レバノンや
その同盟諸国に対し武装勢力としての在り方や立場を押しつけている彼らは、政治家、一般市民、メディアを問わず、それに
納得しない方面を反対者とみなす。昨年5月、テレビ局「ムスタクバル」放送に放火した武装集団を我々は知っている。
ヒズブッラーにとって、同党を支持しないものはすべて「被疑者」、「敵」、「裏切り者」である。彼らはレバノンの政治家たちを
こう形容することをためらわない。政治家たちは、イスラエルの南レバノン撤退後、国家再建政治プロセスに参入した彼らに
武装解除を求めただけなのだが。つまり、ヒズブッラーは、自らを抵抗を任とする軍事組織としかみなさないということだ。政府や
国会に参画してはいるが、それは治安面を基準としており、真に政治的営為にかかわっているとは言い難い。彼らにとって
政治とは、自分たちの組織の設立要件からの逸脱であり、(どことも限定されない)「占領地」解放、対イスラエル闘争という
その任務を歪曲するものである。したがって、レバノンをイスラエルとの対立における戦略的人質国としておくことに同意しない
ならば誰でも、国会や閣議で席を並べていたとしても、躊躇なく売国奴呼ばわりする。周辺国は例外なく、公式にあるいは
実質的に休戦措置へと向かい、国内問題の処理や経済成長に関心を移しているというのに、ヒズブッラーにとってレバノン国民は、
抵抗と戦争のための一集団でしかない。
(続く)
米議員400名が「イスラエルに圧力をかけないよう」オバマ大統領に請願書
2009年05月30日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090603_125153.html ■ 米議会のAIPAC支持議員400名がイスラエルに圧力をかけないようオバマ大統領に請願
2009年05月30日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ワシントン:ヒシャーム・ムルヒム記者】
イスラエル支援ロビー団体「アメリカ・イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)の奨励と主導により、米議会上下両院の圧倒的多数の
議員がバラク・オバマ大統領に対し、イスラエルとパレスチナ人の間の和平実現に向けた後押しを継続し、この方面において
「あらゆる努力」を尽くすこと、しかし、「いかなる合意についても詳細に関する」交渉の任務は当事者双方に任せる等の「基本原則」に
基づくべきこと、を要請した。これはイスラエルに対するアメリカの介入や圧力を暗に拒否し、「いかなる和平合意であっても大きなリスクを
冒すことになるイスラエル、我々の同盟国であり民主主義国家である同国と緊密に」協力する必要性を説くものである。
これは木曜日に下院(全435議席)の議員329名からオバマ大統領に送られた書簡で述べられた。同様の書簡に署名した
上院(全100議席)議員76名との協調行動である。
(続く)
>>311 より
書間はオバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官がイスラエルの入植活動への批判と中止要請を強調していることに対する
イスラエルの友人らの不安感を反映したものとなっている。オバマ氏とクリントン氏の要求は、オバマ政権とベンヤミン・ネタニヤフ首相
率いるイスラエル政府が対立する可能性があることを示すものである。書簡では、「疑うべくもなく、両政府は幾つかの問題では
合意し、その他の問題では意見を異にするだろう。進展を確実にするための最も良い方法は、合意の諸分野において、また特に
対立している分野において、緊密に、非公式な形で活動することである。...合衆国はイスラエルの信頼される仲介者、
誠実な友でなければならない」と述べられている。また、「パレスチナ側が暴力とテロと煽動を終結させるという約束を完全に遵守し、
安全な国境の内側でユダヤ国家イスラエルと平和裡に共存することが可能なパレスチナ国家の樹立に必要な諸機関を設立すること」
を米政府が譲らず主張することが必要であると強調されている。
(続く)
>>312 より
書簡に署名した議員らは、「テロリストらによるガザ地区支配を止めさせた後、責任を負うパレスチナ治安部隊が統治や治安維持に
おいて実行力を確実にする力をもっと身につけた後、その時にイスラエルとの合意の実現はより容易になるだろう」との見解を示している。
書簡では、より多くのアラブ諸国が参加し、「イスラエルとの関係正常化に向けて交渉を進めること」も呼びかけている。
米下院関係者によれば、署名者らはオバマ大統領の人気を認識しており、大統領にあからさまな圧力をかけることを躊躇しているため、
書簡で用いられている言葉は「穏健」であり挑発的ではない。また、イスラエルの入植政策を快く思わない議員の数は増えており、
書簡に署名したユダヤ系議員の一部もそこに含まれるという。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090603_125153.pdf (翻訳者:森本詩子)
(記事ID:16599)
ザーヘダーンでのテロ事件、容疑者逮捕
2009年05月30日付 Jam-e Jam紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090602_220242.html 【政治部】スィースターン・バルーチェスターン州知事はザーヘダーンで起きた爆破事件の容疑者が逮捕されたことを明らかにした。
同知事は、治安・情報部隊の努力によって、ザーヘダーンのアリー・イブン・アビーターレブ・モスクでの爆破事件に関わったテロ・グループの
メンバーら数名が逮捕されたと述べた。
〔※「アリー・イブン・アビーターレブ」とはシーア派初代イマーム・アリーのこと。このことから、テロ事件が起きたモスクがシーア派のモスクであることが分かる〕
日没の礼拝時にこのモスクを襲った爆破事件は、殉教者25名、負傷者80名以上を出した。スィースターン・バルーチェスターン州の
アリー・モハンマド・アーザード知事は、テレビでの会見で事件について、「今回の爆破事件を起こし、ザーヘダーンからの脱出を試みた
テロリスト集団は、情報部隊によって逮捕され、現在取調べが続けられている」と説明を行った。
(中略、続く)
>>314 より
テロ事件にアメリカとイスラエルが関与
テヘラン金曜礼拝で演説を行ったアーヤトッラー・ハータミー〔※ハータミー前大統領とは別人〕も、ザーヘダーンのシーア派モスクで
起きたテロ行為について言及し、「信仰心なきワッハーブ派およびサラフィー主義者どもの監督の下、アメリカとイスラエルの手先が
この事件に関与していたことは間違いない。シーア派とスンナ派を分裂させようとする敵の陰謀に注意しなければならない」と述べた。
〔※サラフィー主義とは、イスラーム初期の純粋なイスラームの回復を目指すスンナ派の思想潮流の一つ〕
ハータミー氏は、「ザーヘダーンのシーア派モスクで抑圧主義諸国の手先どもが起こした犯罪行為は、ファーティマ閣下の死を悼む
人々の心を、一層傷つけた。このテロ事件で亡くなったすべての殉教者のご遺族にお祝いとお悔やみのことばを述べなければならない〔※〕」と付け加えた。
〔※ファーティマは、預言者ムハンマドの娘にして初代イマーム・アリーの妻で、シーア派では聖人の一人に位置づけられる。
テロ事件が起きた5月28日は、イスラーム太陰暦でファーティマ殉教記念日にあたり、事件現場となったモスクはファーティマの死を
悼む人々でごった返していた。ハータミー氏がここで「お祝い」と述べたのは、ファーティマが殉教した特別な日に敵の攻撃で「殉教」
したことで、犠牲者たちには天国が約束されると考えたためだと思われる〕
(続く)
アッバース大統領がエジプト訪問、訪米の成果について報告
2009年05月31日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090603_175944.html ■ アッバース大統領、ムバーラク大統領にオバマ大統領との会談の結果を報告
■ 交渉再開に向けたアメリカの決意
2009年05月31日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【カイロ:本紙】
パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、アメリカ合衆国に和平交渉再開の意思があることを確認した。しかし、イスラエルは
見解をまだ具体的に明らかにしていない。アッバース大統領は、「集中的な連絡と協議が、数ヶ月ではなく数週間以内に再開
されるだろう。来る7月の初めまでに何かが起こることは間違いない」と述べ、アナポリスでの交渉は時間の浪費ではなく、「私たちは
アナポリスでの交渉を前提に、国境やエルサレム、入植地などに関する将来の交渉を進めていくのだ」と強調した。
(続く)
>>317 より
アッバース大統領は昨日カイロでホスニー・ムバーラク大統領と会談し、ワシントン訪問の結果を報告した後[の記者会見で]、
アメリカ政府側との協議ではパレスチナ国民対話会議の問題を提起したと述べ、「私たちが強調したのは、対話会議に求められて
いるのは、私たち自身に課したことを遵守する内閣の組閣だということである。私たちは他のパレスチナ諸組織にこれを遵守せよとは
要求しないが、政府のメンバーはこれを遵守しなければならない」と語った。
和平プロセスを推進する最近の動きについて話し合われたこの会談には、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相、ウマル・スライマーン
情報局長官、パレスチナ側からはパレスチナ解放機構(PLO)のヤースィル・アブドラッボ執行委員会事務局長、サーイブ・ウライカート
PLO交渉局長、ナビール・アブー・ルダイナ大統領顧問、ナビール・アムル駐エジプト・パレスチナ大使が出席した。
(続く)
エジプト政府「中東地域で脅威がどれほど多様化しようとも、パレスチナ問題は今後もエジプトの最優先課題」
2009年06月01日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090616_095836.html ■ 「中東地域において脅威がどれほど多様化しようとも、パレスチナ問題は今後もエジプトの最優先課題であり続ける」
■ ムバーラク大統領、カイロで行われる予定のオバマ演説の内容に最大限の関心を向ける
■ 拡大閣議 で大統領、人民議会における女性議員数の増加 案を検討
2009年06月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
昨日ホスニー・ムバーラク大統領はヘリオポリスの大統領官邸で、女性のエンパワーメント と人民議会における女性議員数の
増加のための法案 の検討 を目的とした拡大閣議を招集した。
閣議後にスライマーン・アウワード大統領府報道官は、記者の質問に答えつつ、次のように明言した。「エジプト政府は中東地域を
取り囲む危険や脅威がどれほど多様化しようとも、今後もパレスチナ問題を最優先課題とし続けることを確認した」「また、
ムバーラク大統領が高官たちとの会談で常に表明しているように、中東は和平と安定を求めており、和平の第一歩は公正な解決と
パレスチナ国家の建設、パレスチナ国民と難民の苦難解消 、二国家解決案とアラブ和平提案 に基づく和平の正当性の遵守に始まることを確認した」。
(続く)
>>320 より
さらにスライマーン報道官は「ムバーラク大統領は、カイロで行われる予定のイスラーム世界に向けたアメリカのバラク・オバマ大統領の
演説内容に最大限の関心を向けている。そしてエジプトは、イスラーム世界と米国との関係の中核に位置する中東和平問題に
対する真摯な歩み寄りが演説に含まれており、それによってアラブ人やイスラーム教徒とアメリカとの関係を正しい道に引き戻す
新たな1ページが開かれるよう望んでいる」と語った。
一方、イスラエルがイランの核問題 を米政権の最優先課題にするよう要求したことについての質問に答えた報道官は、「エジプトは
ゲームのカード を混ぜこぜにはしない」と述べて、ムバーラク大統領はイスラエル首相と会談した際、「民兵やよく知られた諸勢力を
通じて湾岸や中東地域での権威を拡大したり、覇権 を確立したりしようとするイランの政策にエジプトは反対する」と明言したと
同時に、「イスラエル国家のユダヤ性なるものをエジプトは断固拒否する」と断言して、宗教と政治を混同することの危険性に警告を発したと指摘した。
(続く)
コラム:米国によるイスラエルへのNPT参加要請について
2009年06月01日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090602_115804.html ■アメリカ風ジョーク
2009年06月01日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面
【ムスタファ・ゼイン】
ローズ・ゴットミューラー米国務長官補佐は、イスラエル、インド、パキスタンに対し核兵器不拡散条約(NPT)への調印を要請した。
これにより、核兵器開発中のイランを脅す一方で武器庫を確保しているイスラエルには目をつぶるのかというアラブの疑念は、一応の回答を与えられた。
この事で、合衆国政治とイスラエルに対するその立場は移行したとみなす向きもあった。しかし、声明を冷静に読むと、それが
オバマ政権による広報戦略の一環であったことは明確である。大統領は、アラブ・ムスリムへのメッセージを携えたエジプト訪問を前に、
自分たちが公正な中東和平を目指しているのだと人々を納得させ、彼らの「心をつかむ」ことをねらっている。
(続く)
>>323 より
イスラエルでは、この声明は侮りと無関心で応じられた。上下両院400の議員は、イスラエルの治安維持を大統領に要請する。
それと対立する用意はホワイトハウスにはない。それ故、たかが国務次官補による声明に、イスラエルは無関心である。更にいえば、
イスラエルはすでに核武装しており、たとえ条約への調印を強制されたとしても、その武器庫を放棄せよと強要することは誰にも
できない。条約は、調印国の兵器保持や開発を妨げるものではない。それは、これらの兵器の拡散を禁じるのであって、所有者から取り上げることはしないのだ。
米声明が侮られた事は、まことに教養深いリーバーマン外相が言い表している。外相によれば、「米政権は、イスラエルが命ずれば
どんな政策でも立案してくれる」。そして両国関係の歴史をその発言の中で示して見せた。外相は、イスラエルを和平の道に
無理やり押しだそうという試みを阻止してくれる、米議会内外の「友人たち」の力、並びに、米国の圧力に屈するならばどんな
イスラエル政府でも追い落としてくれるだろう、ロシア系移民からなる自党の力に全面的に信頼を寄せている。
(続く)
>>324 より
和平への道において、合衆国がイスラエルに強権を行使し得るという夢を我々は垣間見た。設立以来1500億ドル以上になると
いうその無償有償の軍事援助を停止さえすれば、イスラエルの兵器工場は役に立たなくなる。そうすればイスラエルは、非民主的で
「不愉快な」アラブと平和裏に共存するしかなくなるだろうと。しかしこれは夢に過ぎなかった。米帝国主義が民主主義によって
世界を変えるという夢。そこでは、以前の帝国が犯したような過ちも虐殺も繰り返されない。オバマは、この夢から覚め、周囲の現実と向き合う勇気がないらしい。
ワシントンによるイスラエルへのNPT参加要請は、イランに対する偏った態度をうわべだけのモラルで隠ぺいしようとするものに
過ぎない。そして、エジプト主導により核のない中東というアラブ世論を構築しようというもくろみである。さもなくばこれは、イスラエルの
民族主義者しか笑わないアメリカ風のひどいジョークだ。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090602_115804.pdf (翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16587)
オバマ大統領「カイロ演説の目的は西洋とイスラーム世界の誤解を解く対話の扉を開くこと」
2009年06月03日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090611_114214.html ■オバマ大統領:「ムバーラク大統領は地域平和のための安定の要 」
■「カイロ演説は西洋とイスラーム世界の誤解を解く対話の扉を開く」
■「米国はグァンタナモ収容所閉鎖によってよき手本を示すことができる」
2009年06月03日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ロンドン:アブドゥッラフマーン・アッ=サイイド】【ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】
歴史的なカイロ訪問の前夜 、バラク・オバマ米大統領は「ムバーラク大統領は平和のための中東安定の要である」と評し、困難にも
かかわらずパレスチナ・イスラエル間の和平プロセスに取り組むムバーラク大統領の手法を賞賛した。また、「ムバーラク大統領は
大衆受けを狙うことなく 、イスラエルとの和平を維持してきた」と付け加えた。そして、カイロからイスラーム世界に向けて行われる予定の
演説については、「西洋とイスラーム世界の誤解を解くために、対話の扉を開くことを目的としている」と述べた。
(続く)
328 :
朝まで名無しさん :2010/04/16(金) 17:22:18 ID:Awgpbumd
エジプト‐アメリカ会談、本日開催
2009年06月04日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090617_114834.html ■エジプト‐アメリカ会談今日開催
■ムバーラク、オバマ両大統領は一連の会見で二国間関係、パレスチナ問題、イラン問題、過激派の問題を議論
■ホワイトハウス:「大統領はイスラーム社会と共通の利益に基づく関係をとりもつことを個人として誓っている 」
2009年06月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
カイロ大学でイスラーム世界に対する歴史的な演説を行うためにエジプトを訪問したオバマ大統領は、手始めに 今日、
ホスニー・ムバーラク大統領とエジプト‐アメリカ会談を開催する。
両首脳はこの集中協議を通して2国間関係や、パレスチナ問題を筆頭とする地域の諸問題、イランの核計画、過激派やテロへの対策を議論する。
ホワイトハウスの報道官はオバマ大統領が個人として、共通の利益と相互の敬意に基づいたイスラーム社会との関係を尊重していることを確認した。
(続く)
>>328 より
オバマ大統領は中東訪問を昨日のサウジアラビア王国訪問から始め、アブドゥッラー・ブン・アブドゥルアジーズ国王と会談して、
地域和平に向けたアラブ和平提案 の支援策について議論した。その後 オバマ大統領はイスラーム世界に平和の手を差し伸べるために、カイロに到着した。
オバマ大統領は和平の実現とパレスチナ国家の樹立に向けて行動し続ける決意をあらためて表明 し、「このためには
パレスチナ、イスラエル双方がそれぞれの約束を果たすことが求められる」と述べた。またオバマ大統領は個別交渉の場に
おいてであれ、公式声明を通じてであれ、人口の自然増〔を理由にした入植地建設〕も含めた入植地建設の凍結が
その約束に含まれるということを、明確にイスラエルに通達してきたと指摘した。
ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)との会見でオバマ大統領は、「イスラーム世界との関係改善の努力は、アメリカのイスラエルに
対する強い支援を変えるものではない」と述べ、イスラエルは堅固なアメリカの同盟国であり、巨大な文化的つながりや特別な
関係、民主主義的価値感によって両国は結ばれていると述べていた。
(続く)
>>329 より
そしてオバマ大統領は入植停止の要求をイスラエルが拒否していることを重大視せず 、「まだ時期尚早だ。イスラエルは
約一か月前に政権ができたばかりであり、これから双方間で一連の議論ができるだろう」と述べたのだった。そしてこの発言と
同時期にオバマ大統領はワシントンでイスラエルのエフード・バラク国防相と突然の会見を行い、イスラエル国営放送によれば、
入植地問題や今日カイロで行われる予定のオバマ演説の内容について話し合われ、バラク国防相は和平プロセスをめぐって
両国間で高まりつつある緊張を緩和し、ヨルダン川西岸地区での入植地建設停止要求を見直すよう、オバマ大統領を説得しようと努めたという。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090617_114834.pdf (翻訳者:在間咲野)
(記事ID:16716)
オバマ大統領のカイロ演説に対するイスラエルの懸念
2009年06月04日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090610_235031.html ■ カイロでのオバマの演説に対するイスラエルの懸念
2009年06月04日付アル=ハヤート紙HP1面
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエル各紙では昨日(6月3日)、カイロでオバマ大統領が今日(6月4日)行う演説に対するイスラエルの不安を反映する
見出しが躍った。また、オバマ大統領が歴代の大統領と異なり、イスラエルに立ち寄ることなく中東を訪問する「勇気があった」という
事実を指摘することを忘れなかった。また各紙は、イスラエルのエフード・バラク国防相が一昨日、ジェームズ・ジョーンズ国家安全保障問題担当補佐官
との会合中にホワイトハウスでオバマ大統領と短い面会を行ったことを取り上げた。各紙は、オバマ大統領が率先してバラク国防相と
面会したことには2つのメッセージが込められていたとの見方を示している。1つ目は、1967年に占領されたパレスチナの土地での
入植活動停止要求をイスラエルが拒否していることが原因で高まっている緊張を鎮める必要を認識していると「安心させること」であり、
アメリカはイスラエルを今なお強力な同盟国とみなしていると強調するものである。2つ目は、アメリカはあくまでイスラエルの
入植活動停止が必要との立場を堅持するという「厳しい口調の」メッセージである。
(続く)
>>331 より
イスラエル有力紙の見出しには「イスラエルの懸念:オバマはイスラエルを犠牲にしてアラブとの新たな1頁を開く」と書かれ、
太字で「イスラーム世界との和解キャンペーン」と記された。「マアリブ」紙の1面には、「オバマは語る:中東はきわめてネガティブな
方向へと向かっている」との見出しが載り、「サウジアラビア訪問とカイロでの歴史的演説を前に、アメリカ大統領は譲歩の意向を
見せず、『私のイスラエルに対する立場は明確だった』と発言」と付け加えられた。
一方、右派系紙「イスラエル・トゥデイ」はワシントン出発に際してのオバマ大統領の発言を引用して「オバマ:アメリカは
世界最大のイスラーム国家の一つである」「仏メディアのインタビューで:米大統領はアメリカのイスラーム教徒人口の多さを
誇りにしている...バラクと会談し警告:私は入植地問題について妥協はしない」との見出しを掲げた。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090610_235031.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16652)
オバマ大統領がカイロ大学で「劇的な」演説
2009年06月05日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090611_170419.html ■ オバマ米大統領、カイロ大学での「劇的な」演説で、アラブ人およびイスラーム教徒に和解を呼びかけ
■ 「パレスチナ人は存在する権利をもつ」「マロン派教徒とコプト教徒は保護されなければならない」
2009年06月05日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【カイロ:ジャマール・ファフミー】
オバマ米大統領が昨日、カイロ大学からアラブ人とイスラーム教徒に向けて行った、和解の精神に満ちた「劇的な」演説は、
カイロでの前例のない非常警備措置の重圧を緩和するものであった。
コーランの章句より5つの引用が添えられた55分間の演説の中でオバマ大統領は、アメリカ合衆国とアラブ民族および
イスラーム共同体の関係を損なってきた緊張や疑念の主要な原因全てに言及し、アフガニスタンやイラク、アラブ・イスラエル紛争、
イラン核問題、民主主義、女性の権利から、特にレバノンのマロン派キリスト教徒とエジプトのコプト教徒に代表されるアラブ諸国の
宗教的少数派の問題にまで話を向けた。また、イスラーム教スンナ派とシーア派の間で再燃している宗派抗争にも言及した。
(続く)
>>333 より
オバマ大統領は、昨年100周年を迎えたカイロ大学の大講堂に押しかけた約2500人の賓客に対する演説の冒頭、
「アッサラーム・アライクム」と聴衆にアラビア語で挨拶をした。イスラーム教を称賛し、人類の進歩へのイスラーム文明の貢献に
ついて詳しく話した後、オバマ政権にとっての優先順位を反映するかのような順序に従って7つの問題を取り上げた。
まずオバマ大統領は宗教的過激主義の問題を取り上げ、9.11事件とそれに続くアメリカのアフガニスタン攻撃に言及し、
「アメリカはアフガニスタン駐留の継続を望まないし、同国に軍事基地を建設しようと企ててもいない」ことを強調した。
次にイラク問題に移り、「イラクの場合は状況が違う」と述べ、アフガニスタンへの攻撃が避けられなかった一方で、イラク戦争は
様々の対立を引き起こしたと暗に認め、2012年にはイラクからアメリカ軍を完全に撤退させると繰り返し約束した。
(続く)
>>334 より
そしてオバマ大統領は、アラブ・イスラエル紛争を3番目に持ってきた。この紛争を解決するための具体的な方策としては、
従来からのアメリカの政策の不変の前提を固持し、「二国家共存案」に基づく解決の基礎として「ロードマップ」に依拠するなどの
周知の一連のスローガンを掲げつつも、「パレスチナ人はイスラエルが生存する権利を認めなければならない」、「イスラエル人は
パレスチナ人に生存権があり、それが否定できない権利であることを承認しなければならない」というような、従来のアメリカ政府
の言説の中では馴染みのない表現を打ち出した。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090611_170419.pdf (翻訳者:青山沙枝)
(記事ID:16663)
Hasan Cemal コラム:よい始まり、問題はこれから―オバマ大統領のカイロ演説に寄せて
2009年06月05日付 Milliyet紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090606_062755.html バラク・オバマ米国大統領は、昨日(4日)カイロでの歴史的ともいえる演説で、イスラム世界に対して和平の手を差し伸べ、民主主義を呼びかけた。
同時に、米国の外交政策において衝突と戦争に依拠するブッシュ政権が終わる一方で、対話と和解の門戸を開いた。
新しい、そして良い始まりだ。
このあとが続きますように。
私たちはそう願っている、というのも、もし、オバマ大統領がカイロ大学で述べたことが実現されるとしたら、人類はより穏やかな世界で
暮らし始める。中東でもついに、和平と安定の時代が開かれる。
これによってトルコも利益を得る。
例えば、オバマ大統領は、単に中東においてではなく、ほとんど全てのイスラム世界において、不安定さと衝突の、もっと厳密に言えば、
問題の、原点と考えられるパレスチナとイスラエルの問題について非常に率直に述べた。
(続く)
>>336 より
パレスチナ人たちの「独立国家」の権利を断固たる口調で強調する一方で、イスラエルの新しい入植地を建設することに対して
はっきりと反対した。しかし、同時にパレスチナ側での暴力行使が停止されることを求めた。
イランに対話の手を差し伸べた。
米国の独立記念日である7月4日にイランの外交官が米国の大使館に招待されるであろうことを明らかにした。
イランが原子力を平和的な目的で利用する権利を認める一方で、核兵器が完全に存在しない世界のために――そのなかには、
イスラエルとアメリカにはもちろん含まれる――行動することを約束した。
オバマ大統領は、イスラム世界に民主主義と人権を呼び掛ける一方、このテーマにおいて自国の、特にブッシュ政権時代における歴史を批判した。
イラクに関する、また、9.11後の世界に関する(ブッシュ政権の)罪を問題にした。
オバマ大統領の演説は、おのずと、イスラム世界において、アラブ世界において、民主主義と法治国家がどのように実現するかという
問題を想起させる。サウジアラビアを始めとした湾岸諸国は、やエジプトに見られるようなアラブ諸国の権威主義的体制は、門戸を
どのようにして民主主義に開放することができるのか?
(続く)
>>337 より
権威主義的体制における弾圧が、これらの諸国でテロや暴力を政治の手段として取り入れる組織や、イスラム過激派の流れを
助長していることが知られているが、さて、アメリカはこの分野において、何をどの程度どのようにできるのだろうか。
なぜなら、これらの諸国において、民主主義に関してオバマ大統領が操作できる範囲は、それほど広くはないからだ。
カイロ大学で、「政治権力を強制的にではなく、国民の同意のもとで得るべきである」と述べるとき、隣でオバマ大統領の演説を
聞いていたムバラクエジプト大統領はこの演説をどれほど気に入っただろうか?
(中略)
暴力は解決策にはならないことを強調した。アメリカで、「 (刑務所での)拷問」を無条件に禁止したことを述べた。
アメリカがイスラムと対立してはいないこと、アメリカはイスラムといかなる戦争もしてこなかったし、今後もしない、と述べた。
次の点を特に強調した。
未来を見ること!
過去の虜になっていては、すばらしい未来は築けない、ともっともな正論も述べた。
そう、このように、オバマ米大統領は、昨日(5日)、カイロで平和と民主主義に関して素晴らしいスタートをきった。
願わくば、このあとが続きますように。
この記事の原文はこちら
http://www.milliyet.com.tr/Yazar.aspx?aType=YazarDetay&ArticleID=1103039 (翻訳者:小松裕美子)
(記事ID:16616)
オバマ大統領を迎えたドイツ首相、「中東和平実現の好機だ」
2009年06月06日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090611_150855.html ■ オバマ大統領がアラブ諸国にイスラエルに対する積極的な歩み寄りを要求
【ドイツ:諸通信社】
アメリカのバラク・オバマ大統領はパレスチナとアラブ各国に対し、イスラエルに向けて歩み寄るよう呼びかけた。
オバマ大統領はパレスチナに対し、イスラエルへの嫌悪感を煽るような声明を出すことを止めるよう期待していると語り、もしイスラエルが
和平を守ったならば、アラブはイスラエルとの外交的・商業的交流を樹立する用意をするように求めた。
ドイツからの発言でオバマ大統領は、西岸地区へのユダヤ人の入植を停止するようアメリカ政府が求めたことで、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が
政治的圧力にさらされていることを「よく理解している」とも語った。
(続く)
>>339 より 文中「次期」とあるのを「時期」の誤植と判断し修正
そしてアラブとイスラエルの双方に、和平実現のための「困難な選択」に踏み出す よう呼びかけ、近年のアメリカ大統領たちに比べ、
自分は本気で中東和平実現のために行動したと語った。そしてドイツのアンゲラ・メルケル首相との共同記者会見で、自分は
新たな協議 にふさわしい場や雰囲気を作り出したと語った。
メルケル首相とオバマ大統領は共に、中東和平実現のために努力を倍増 すると約束し、メルケル首相からは「新たな交渉を
推し進めるための千載一遇の好機だ」との発言があった。
オバマ大統領はジョージ・ミッチェル中東和平担当特使を近々派遣して各方面との努力を重ねると述べ、協議再開にふさわしい時期だとの考えを表明した。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090611_150855.pdf (翻訳者:飯田桃子)
(記事ID:16662)
カイロのオバマ演説を各方面が歓迎、エジプトは行動の具体化を訴え
2009年06月06日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090611_143833.html ■ オバマ大統領、二国家設立のための困難な譲歩をイスラエルとパレスチナに要求
■ 「米政府は単独で平和を実現することはできない」「中東地域における核開発競争の回避は必須」
■ エジプト政府、オバマ大統領の考えを行動計画 に練り直し、関係各方面に義務付けるよう訴え
2009年06月06日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ドレスデン:諸通信社、ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】
カイロ大学からイスラーム世界へ向けた歴史的演説を行った翌日、バラク・オバマ米大統領はイスラエル・パレスチナ双方に対し、
地域和平と2国家樹立を実現するための困難な譲歩を要請し、今年中に和平プロセスに真摯な進展がある事に期待を寄せた。
オバマ大統領はドイツのドレスデンで開かれたアンゲラ・メルケル首相との共同記者会見で、米国は中東和平交渉再開に向けた
適切な雰囲気を作り出したと述べた。また、米単独で平和を実現することも、平和を当事者らに押し付けることも出来ないが、
対話再開のために誤解を取り除くよう努力すると語り、ドイツのような強力な同盟国に和平プロセス推進のための協力の手を
差し伸べるよう要請したと指摘した。
(続く)
>>341 より
続けてオバマ大統領は、パレスチナのマフムード・アッバース大統領 はある程度の進展を達成したものの十分ではないと述べ、また、
西岸地区での入植地建設停止を米政府が要請したことで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が受けることになった圧力に対し、理解を示した 。
一方メルケル首相はカイロでのオバマ大統領の演説を賞賛し、米新政権は和平プロセス再開に向けた千載一遇のチャンスを
提供していると述べた。また首相はイスラーム世界に向けた演説は、和平プロセスにかかわる 諸問題を解決するために理想的な
基礎を据えるものであると述べ、イスラエルの隣に持続可能な パレスチナ国家が存在できるようにしなければならないとして、ドイツも
和平プロセスに参加することを明言した。
カイロでは外務省のフサーム・ザキー報道官が、オバマ大統領のエジプト訪問は重要かつ成功であったと評し、オバマ大統領の演説は
アメリカとイスラーム世界との関係に新たな模範的状態を作り出すような、前向きのサインに富んでいたと述べた。また、地域に安定を
実現するためにエジプトがアメリカとともに貢献できる分野はたくさんあるが、それは何よりもまず、オバマ大統領が自身の発言を現実の
行動計画に練り直し、それを採用して当事者、とりわけイスラエルに課すという意志 を示すかどうかにかかっていると指摘した。
(続く)
>>342 より
また占領下エルサレムではあるイスラエル高官が、入植地建設停止を求めたオバマ大統領の演説にもかかわらず、イスラエル側の
この問題に関する立場に変化はないと明言した。そして、政府はイスラエル人口の自然増を吸収させるために、西岸地区における
入植地の建設計画を着々と進めていると述べた。
一方ワシントンでは、ナンシー・ペロシ米下院議長が、イスラーム世界へ向けたオバマ大統領の演説は、イスラーム世界との
新たな始まりについて極めて前向きに語ったことで、我々に誇りを感じさせたと述べた。また、アメリカ国内のイスラーム系、
アラブ系、ユダヤ系の各団体もオバマ大統領の演説を歴史的演説であるとして歓迎し、同演説が言及した目標実現の
ための協力を支持者たちに呼びかけた。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090611_143833.pdf (翻訳者:川上誠一)
(記事ID:16661)
全国313大学の学生バスィージ、アフマディーネジャードへのテロ阻止を要望
2009年06月06日付 Iran紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090609_004422.html 全国313大学の学生バスィージは国家安全保障最高評議会事務局に公開書簡を送り、大統領の身辺警護をより厳重に
行うよう要望した。この書簡には、以下のようにある。
イラン・イスラーム共和国大統領は国際舞台で積極的に活動し、ホロコーストなる偽りの神話をはじめとする様々なタブーを破り、
世界人民に国際的支配体制の構造的矛盾を示し、人権や表現の自由などに関する偽りの主張を告発してきた。こうした活躍は、
世界のムスリム、特に気高きイラン国民の名誉を高めることに貢献したが、その一方で敵は大統領とイラン国民・イスラーム革命とを
対立させようと、〔復讐を〕誓っている。実際、シオニスト体制はあからさまに、大統領暗殺計画を立てている。
(続く)
>>344 より
書簡はさらに、次のように続いている。
他方、大統領は内政面で、腐敗集団や《権力と富のクラブ》の強請りに動じることなく、これらとの闘いに真剣に立ち上がって
いるが、そのことは同時に大統領への激しい攻撃をも惹起している。実際、これらの集団やクラブに通じた一連の新聞では、
何千もの誹謗中傷やウソ、個人攻撃などが行われている。
この書簡はさらに、「一部の証言によれば、これらの集団やクラブは、権力に復帰するためには大統領をイランの政治の舞台から
排除する以外にないと考えている」と強調、その上で次のように指摘している。
そのため、大統領へのテロ計画が実行に移される可能性も排除されない。よって国家安全保障最高評議会にあっては、
〔大統領が邁進する〕この聖なる道を継続し、イラン国民の希望をいきいきと保ち、もってイスラーム革命の崇高なる目的と
イマーム・ホメイニーの理想とを手に入れるべく、この問題をきちんと認識していただき、大統領の警護に万全の努力を払われるよう
求める。また大統領を警護する囲みをより厚くし、大統領を傷つけようとするあらゆる謀略を困難ならしめ、もってイスラエルなどの
外国の敵、ならびにこれらと特に外交政策において同一のスローガンを繰り返す国内の傀儡どもの希望を絶望へと変えるよう、お願い申し上げる。
(中略)
関連記事(「権力と富のマフィアが守ってきた最後の一線を踏み破った」:アフマディーネジャードvsムーサヴィーのテレビ討論会の反響)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090608_221407.html 原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090608_221407.html (翻訳者:斉藤正道)
(記事ID:16633)
ハマース、ガザ地区でファタハ幹部や家族を多数逮捕
2009年06月07日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090621_163815.html ■ ハマースとファタハ、カルキリヤでの事件への報復措置となるガザ地区での一斉逮捕の後、非難と威嚇の応酬
2009年06月07日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ガザ、ラーマッラー:本紙ファトヒー・サッバーフ】
カルキリヤでの2回にわたる事件につづき、ハマース軍事部門「カッサーム部隊」の有力幹部であった殉教者ヤヒヤー・アイヤーシュ、
通称「技師」の家が急襲された、西岸地区とガザ地区でファタハとハマースの間の緊張が先鋭化している。これに対してガザの解任された
[ハマース]政府内務省の管轄下にある域内治安機関は、ガザ地区でファタハ活動家数十人を逮捕することで応じ、ファタハ側は
ハマースによって行われたこのファタハ活動家に対する措置について激しく非難している。
(続く)
>>346 より
ファタハ側は、ハマースがガザ地区のファタハ幹部サーミー・ニスマーンを自宅で逮捕しようとした際、その父親のアブドゥッラー・ニスマーンを
死なせたと非難している。一方でハマース政府の内務省は、ファタハの活動家たちがパレスチナ自治政府に情報を提供し、それが
イスラエルに送られてガザ地区でのハマースに関する「新たな情報バンク」が形成されていると主張している。ある人権団体筋は、
ガザ地区各地で逮捕されたファタハ活動家の数は、幹部や活動家など 50人ほどではないかと推測する。しかしファタハからは、
逮捕に関する情報は公表されていない。
ファタハは本紙に送った声明で、「アブドゥッラー・ニスマーンは、ハマースの武装グループが、ガザ地区のファタハ幹部でパレスチナ情報機関の
将校でもある息子のサーミー・ニスマーンを拘束しようとした際に死亡した」と述べた。そして、「サーミ―は家にはおらず、ハマースの
武装グループは彼の兄弟を逮捕し(後に釈放)、父親のアブドゥッラーに暴行を加え、彼はその場で殉教するに至った」と付け加えた。
(続く)
>>347 より
ファタハのファフミー・アル=ザアーリール広報担当は、「ハマースはファタハのメンバーに対する大規模な逮捕作戦を始めており、
ハマースの治安機関員らは『指名手配者』リストに載っている者たちを探している」と述べ、「ハマースは大規模な拉致作戦を
ガザ地区で行っており、ファタハのメンバー数十人がその対象になっている。ハマースは何百人もの名が載ったリストを持ち、
ファタハ活動家の家屋を荒らし、家族に暴行を加え、書類やコンピュータ機器や通信機器など多くの家の物品を盗んでいる」と彼は言葉を付け加えた。
またザアーリール氏は、「ファタハの活動家に対して行われている措置の背後にはハマースの内部危機という事情があり、ハマースは
これが『カルキリヤの事件への報復である』ことを売り込もうと懸命である」と続け、ハマースに対して「ハマースはこの行為によって、
アメリカ政府およびバラク・オバマ大統領の姿勢表明を受けて広がっている国際社会の占領政府に対する圧力から視線を逸らすことで、
まさしくイスラエルの思惑を実現している」と警告する。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090621_163815.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16758)
世界難民デーにあわせて、第1回カイロ難民映画祭が開幕
2009年06月09日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090616_143654.html ■ パレスチナ映画が第一回カイロ難民映画祭のオープニング作品に
2009年06月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面
【カイロ】
エジプトの首都カイロで、今月16日から20日までの期間、初の難民映画祭が開催される。会場は「パフォーミングアートのためのラワービト劇場」
で、 20本のドキュメント映画とドラマ映画が参加し、合わせて世界難民デー〔=6月20日〕の式典も行われる。
映画祭組織責任者の一人であるメイ・シュクリーは火曜日、ドイツ通信社に対し、映画祭は「難民のためのエジプト多文化評議会」
による連帯のためのイニシアチブと、多くの人道支援組織の代表者や弁護士、市民運動の活動家や学生など、暴力と迫害のために
空前のレベルで増え続ける難民の問題への関心で結ばれた人々との協力によって成り立っていると語った。
映画祭の公式スポンサーリストには、Movies that Matter映画プロダクション、在カイロ・オランダ大使館、ドイツ文化センター
(ゲーテ・インスティテュート)、カイロ・アメリカン大学の移民・難民研究センターなどの名が並んでいる。
(続く)
>>350 より
主催者達によると、カイロ難民映画祭はエジプト社会とエジプト国内に存在するさまざまな難民社会との相互理解の強化を
目的としている。グローバリゼーションがこれらの難民達に国境を越えてより安全な地域へ移動することを可能にし、紛争の継続が
故国への帰還を手の届かない夢にしていることで、避難先の受け入れ社会とのローカルな融合が大きな重要性を持つようになっているためだ。
メイ・シュクリーは、映画祭の上映作品の選択にあたっては、啓発や観客の共感をひきおこす力があるかどうかに最も注目したと
言う。難民問題を大衆に提示する目的で、さまざまな難民社会の物語が語られていたり、難民となった多様な人々の生活や闘いや
達成や勝利の詳細が語られている作品に焦点があてられた。
映画祭のオープニングを飾るのは、パレスチナ映画『この海の塩』。監督はアンマリー・ジャースルで、昨年のカンヌ映画祭で「ある視点」
部門で上映されるなど、多くの国際的な賞を得ている。この映画ではアメリカで暮らす第3世代のパレスチナ難民女性の日常が語られる。
彼女は祖父が難民となってから60年の後、祖父の預金を取り戻しに祖国に戻る。またオープニングセレモニーでは、音楽グループ「一方通行」のコンサートも行われる。
(続く)
>>351 より
映画祭では別のパレスチナ映画『スリングショット・ヒップホップ 』も上映される。これはエジプト初公開となる作品で、ガザ地区、
ヨルダン川西岸地区、イスラエル領内に生きるパレスチナ青年たちの物語を集めたドキュメンタリー映画である。彼らはヒップホップ音楽に
出会い、それを占領によって課された分断状態や貧困を克服する手段として利用している。この映画は先の 2008年サンダンス映画祭にノミネートされた。
カンボジアからは、2007年のアムステルダム国際映画祭で賞の一つを受賞した映画『ニューイヤーベイビー』が選ばれた。これは
難民キャンプでカンボジアの新年に生まれた女性についてのドキュメンタリー映画で、クメール・ルージュ政権の時代に離散した家族を
再会させるため、カンボジアに旅する様子が撮影されている。
(続く)
ミッチェル米中東特使、二国家解決案の遵守を確認
2009年06月11日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090614_191131.html ■ ミッチェル特使、パレスチナ側に対して「二国家解決案を遵守」と保証。アッバース大統領、入植地拡大計画の実態を報告
2009年06月11日付アル・ハヤート紙(イギリス)アラブ世界面
【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス】
アメリカのジョージ・ミッチェル中東和平担当特使は3度目の中東歴訪において、パレスチナとイスラエルの交渉再開に失敗した。
というのも、イスラエル側が入植地拡大計画の凍結と二国家解決の原則受け入れを拒否したからである。
(続く)
>>354 より
マフムード・アッバース大統領は昨日、ミッチェル特使とラーマッラーの大統領府で会談を行い、今年も新たな入植地拡大が計画され、
入植地で新たな住居建設の入札が行われていることを報告し、「E1」プロジェクトという名で知られているマアレ・アドミーム入植地の
拡大予定地図を提出した。このプロジェクトは、ヨルダン川西岸地区の北部および中部と南部を隔離し、エルサレム市を西岸地区の
他の地域から分離するものである。また、占領下エルサレムでイスラエルが破壊した住居の数や、破壊命令が出された住居の数についてもリストを提示した。
サーイブ・ウライカートPLO交渉局長は本紙の「ミッチェル特使らはパレスチナ側にイスラエルとの交渉再開を要求してきたか否か」
という質問に対し、「ミッチェル特使らは我々に、『現在各当事者と協議を行っている』と述べた」と応えた。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090614_191131.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16689)
*引用者の責任で、「繰り越された」を「繰り越されて」と訂正
イラン大統領選、結果判明―アフメドネジャードともう4年
2009年06月13日付 Hurriyet紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090614_010231.html 世界がこの結果を固唾を呑んで見守っていた。西側諸国は「変化」に期待していた。しかし今朝、その期待は次の機会へと
繰り越されてしまった。アフマディネジャード大統領は選挙によって政権を「新たにスタートした」……。
イランで昨日(6月13日)行われた第10期大統領選挙について、非公式の結果によればマフムード・アフマディネジャード候補が新たに選出された。
サドゥック・マフスリ内相は非公式の確定結果によって、アフマディネジャード候補が今後4年間の任期を務める新大統領に選出されたことを明らかにした。
内相は、総投票数3916万5191中、2452万7516票(得票率62.63パーセント)を得たアフマディネジャード候補が今回の選挙で勝利したと伝えた。
またミル・ムセヴィ・ルザイ候補は1321万6411票(得票率33.75パーセント)の得票で2番手。他の立候補者ではムフシン・ルザイ候補が
67万 8240票(得票率1.73パーセント)を得て第3番手。メフディ・ケッルビ候補は33万3635票(得票率0.85パーセント)で最終位だった。
(続く)
>>356 より
18歳以上の有権者4620万人がいるこの国で、上記の結果によれば、国民の85パーセントが投票に参加したことがわかる。
宗教的指導者であるアイェトゥッラフ・アリ・ハマネイ氏は、選挙に多くの国民が参加したことについて国民に感謝の意を表す
声明を発表。また同氏は大統領職に新たに選出されたアフマディネジャード候補にも祝辞を述べた。
■イスラエルの反応
イスラエルのスィヴァン・シャロン副首相は、マフムード・アフマディネジャード大統領の勝利を確実なものにした国家指導者の
選挙の結果について次のように語った。「イランが自由主義世界との真の対話をスタートさせる用意があり、また核開発計画を
停止させることになると信じていた人々の顔に平手打ちを食わせたことになる」
リクード党のシャロン氏はイスラエル・ラジオに対して行った声明で、「アフマディネジャードが選出されたことは、世界各国に、
現行の政策を国民全体が広く支持したこと、この政策がこのまま続いていくというメッセージである」と語った。またシャロン副首相は
アメリカ合衆国と自由主義各国が、テヘランの核開発に関連する政策を注視する必要があると語った。
イスラエルのダニ・アヤロン副外相は、アフマディネジャード大統領の今回の選出は、イスラム共和国によって向けられた脅威が
増加したと主張した。また同副外相は国際社会がイランの脅威を止める必要があると語った。
(続く)
>>357 より
■弾圧の強化
イランの反政府グループであるイラン国内抵抗委員会は、マフムード・アフマディネジャード大統領が大統領職を継続することは、
「反政府活動家への弾圧や核兵器保有のための活動が増加すること」に道を開くだろうと述べた。
委員会の声明では、テヘラン政府は投票率を4倍から5倍ふくらませて発表していると非難し、イラン国民の85パーセント以上が
選挙をボイコットしたと伝えた。また声明では「こうした大規模なボイコットがなされたことは、社会的政治的構想において国家が
民主的な解決ができる状態にあることを示している」と述べた。
同じく同委員会のリーダー、メリイェム・レジャヴィ氏によれば、マフムード・アフマディネジャード大統領の大統領職継続は、
「国内粛清、反対勢力への弾圧や核兵器保有のための努力、テロ、原理主義輸出などが増える原因となるだろう」と話した。
この記事の原文はこちら
http://www.hurriyet.com.tr/dunya/11857770.asp?gid=229 (翻訳者:原田星来)
(記事ID:16685)
>>357 より
■弾圧の強化
イランの反政府グループであるイラン国内抵抗委員会は、マフムード・アフマディネジャード大統領が大統領職を継続することは、
「反政府活動家への弾圧や核兵器保有のための活動が増加すること」に道を開くだろうと述べた。
委員会の声明では、テヘラン政府は投票率を4倍から5倍ふくらませて発表していると非難し、イラン国民の85パーセント以上が
選挙をボイコットしたと伝えた。また声明では「こうした大規模なボイコットがなされたことは、社会的政治的構想において国家が
民主的な解決ができる状態にあることを示している」と述べた。
同じく同委員会のリーダー、メリイェム・レジャヴィ氏によれば、マフムード・アフマディネジャード大統領の大統領職継続は、「国内粛清、
反対勢力への弾圧や核兵器保有のための努力、テロ、原理主義輸出などが増える原因となるだろう」と話した。
この記事の原文はこちら
http://www.hurriyet.com.tr/dunya/11857770.asp?gid=229 (翻訳者:原田星来)
(記事ID:16685)
PFLP支持者らがハマースのガザ掌握記念日に大規模デモ
2009年06月14日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090621_185747.html ■ ガザ:ハマースのガザ地区掌握の記念日に和解を支持する大規模デモ
2009年06月14日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ガザ、ラーマッラー:ファトヒー・サッバーフ(本紙)】
パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の組織した大規模デモが、解任された[ハマース]政府の警官隊と間一髪で衝突を
引き起こすところだった。PFLP支持の活動家2人が警官の発砲で負傷し、その他数名に警官が暴行を加えて6人を逮捕した
ためである。逮捕者らは後に釈放された。
この事件は、立法評議会前の広場を最終地点としてPFLPが組織した大規模の平和的なデモ行進が行われていた場所から
100メートルほど離れた、ガザ市西部の無名戦士公園近くで起きた。目撃者が本紙に語ったところでは、「市中心部のパレスチナ広場を
出発して立法評議会に向かったデモの最中、警官複数が PFLP支持者らを激しく殴っていた」。また、「PFLP支持の活動家たちは、
警官の威嚇射撃により軽傷を負い、警察はその他6人を逮捕した。ガザ地区の PFLP指導部が解任された政府とハマースに
連絡をとり、逮捕者たちは釈放され、これが緊張緩和につながった」という。
(続く)
>>360 より
こうしたなか、PFLPはデモの参加者がおよそ3万人であったとの見積もりを発表した。デモ参加者たちはファタハとハマースに対して
西岸地区とガザ地区に分かれた祖国の分裂状態を終わらせ、国民統合を回復するよう求めた。
このデモは、分裂に反対し統一を求めて組織されたものとしては最大級のものであり、2007年6月にハマースがガザ地区を掌握した
記念日に合わせて行われた。このデモにはPFLPやパレスチナ解放機構(PLO)所属の諸組織の有力幹部たちや、国民的な著名人、
無所属の人々や市民運動の指導者らが参加した。それに加えてパレスチナ旗やPFLPの赤旗を掲げたボーイスカウトの子どもたちや、
同じくパレスチナ旗や赤旗で装飾されたバイク複数も参加した。
(続く)
>>361 より
参加者たちは祖国の分裂を批判し、分裂を終結させ国民統合を実現するよう呼びかける愛国的なスローガンを繰り返した。
その中には「アッバースよ、ハニーヤよ、我々は祖国の統一を望んでいる」というものもあった。また国民合意を急ぐよう求めるプラカードや、
「権力争いにノー」、「もうナクバはいらない。国民統一を受け入れないような人間はいらない」といったプラカードが掲げられた。そして
参加者たちは、イスラエルのある刑務所の隔離房で2週間にわたりハンガー・ストライキを敢行しているPFLPのアフマド・サアダート書記長への連帯を表明した。
(後略)
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090621_185747.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:16759)
ムバーラク大統領がレバノン首相、EU代表と相次いで会談
2009年06月15日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090630_153630.html ■ ムバーラク大統領、レバノンのセニョーラ首相とレバノン情勢について、EU代表のソラナ氏と和平に向けた努力についてそれぞれ協議
■ セニョーラ首相:「新政府の組閣は“拒否” ではなく“参加”の原則に基づく」
■ ソラナ氏:「オバマ大統領のカイロ訪問によって 中東和平プロセスを推し進める前向きな雰囲気が生まれている」
2009年06月15日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
昨日、ホスニー・ムバーラク大統領はヘリオポリスの大統領官邸でレバノンのフアード・アル=セニョーラ首相と会談し、同様に
EU共通外交・安全保障政策上級代表であるハビエル・ソラナ氏とも会談した。
会談のすぐ後でセニョーラ首相は、「今回のムバーラク大統領との協議では、レバノン選挙後の動きや目覚しい二国間関係が議題の
筆頭に 上った」と発表した。ムバーラク大統領は「エジプトは常にレバノンとその独立・自由の側に立つ」とのレバノンの国民と大統領に
向けた口頭のメッセージをセニョーラ首相に託した。
(続く)
>>363 より
(中略)
一方、ヒズブッラーの武装やレバノンの国民融和成功のチャンスといったテーマについて合意があるかどうかという質問に、セニョーラ首相は
こう答えた。「前政府は既に対話を始めていたし、新政府もレバノン大統領の呼びかけによる国民対話会議を招集する予定である。
これによって互いの見解に大きな歩み寄りが生まれ、連携や対話、開放路線の強化に向けたレバノン方式の採択にもつながることだろう。
それによってこれから組閣される新政府の活動が支えられて、国家が再びその役割を果たすようになり、完全な統治権と勢力とを
レバノン全土に広げ、イスラエルが占領を続けているシャバア農場やガジャル村の北一帯を取り戻すことができ、さらには攻撃や領空・領海の
侵犯をやめるようイスラエルに圧力をかけられるようになることを望む。これらは全て海外使節、最近ではアメリカのミッチェル中東特使と
協議したことだ。そうした会談の際にレバノンは、イスラエルが安保理決議1701号を順守することの必要性を強調してきた」。
他方、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相は、ハビエル・ソラナEU代表とムバーラク大統領の協議では、中東和平プロセスを推し進め
平和に向けた活動に尽力しているエジプトの見解を検討したことを明らかにした。
(中略)
原文をPDFで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090630_153630.pdf (以下略)
カーター米元大統領がガザ地区を訪問
2009年06月17日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090628_164757.html ■ カーター氏、ガザ地区封鎖解除を要求
■ ハニーヤ氏、ハマースが6月4日境界線での国家樹立に合意と発表
2009年06月17日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アル=ハウル(本紙)】
アメリカのジミー・カーター元大統領は、ハマースの支配を受けているガザ地区到着直後の昨日火曜日、内部分裂を終結させるよう
パレスチナ人たちに要求し、パレスチナ・イスラエル間の紛争と暴力の連鎖の終結の必要性を強調した。そして、ガザ地区をめぐる国際社会と
イスラエルの姿勢を「ガザ地区の住民は動物のように扱われている」と非難した。
ガザ地区訪問中、カーター氏は、ガザ地区でハマースが主導する「解任された内閣」のイスマイール・ハニーヤ首相と会談した。
ハニーヤ氏は会談直後、自らの政権が「67年6月4日時点の境界線に基づき、エルサレムを首都として完全な主権と諸権利を享受する
パレスチナ独立国家を樹立することに合意した」と発表した。
(続く)
>>365 より
ハニーヤ氏はカーター氏との共同記者会見で、「カーター氏とは多岐にわたる議論を交わした」と述べ、「67年6月4日境界線による
解決を真に目指す計画が存在するのなら、我々はパレスチナ独立国家の樹立への動きを推進するつもりだ」と付け加えた。
また今回の訪問について「アメリカ政権に起きた変化」を受けて行われたものだと指摘し、「ハマースは、関心を持ってアメリカの
政策における変化を見守ってきた」と述べた上で、ハマースはオバマ大統領が先日行った演説に「新しい論調と言葉遣いと精神」を見出したと指摘した。
ハニーヤ氏はまた、元アメリカ大統領に対して、封鎖措置によって住民が被っている苦痛について説明し、ハマースがパレスチナ人の
内部分裂を終わらせたいと願っていることを強調したと述べた。また、「カーター氏がハマース幹部らと行った会談では、イスラエルとの
捕虜交換の問題について取り上げられた」とも述べた。
(続く)
>>366 より
一方でカーター氏は、ファタハ、ハマース双方の代表者と会談を行い、和解に向けた努力について議論したと述べ、「近い将来、
パレスチナの諸勢力が合意に到達することを願っている」と付け加えた。また、中東訪問の成果について報告書をアメリカ政府に提出すると述べた。
カーター氏はまた、先日のイスラエルの対ガザ戦争で破壊が及んだ地域を視察する中での記者会見で、内部分裂を終結させ、
復興作業を始めるために団結し、人々の苦難を終わらせ、平和を実現する必要性を強調し、「平和はパレスチナの団結を通じて
実現される」と述べた。また、ファタハとハマースの激しい対立を批判して、「パレスチナ人が互いに争い、ヨルダン川西岸とガザ地区との
間で逮捕行為の応酬が続いていると聞いて、残念に思う」と述べた。
攻撃の行われた地域を視察中、カーター氏は、「非常に衝撃を受けている。この破壊状況を見て、涙が落ちそうになる。起きたことに
ついて、私に何かしらの責任があると感じている。全てのアメリカ人とイスラエル人も同じことを感じるべきだ」と述べ、戦争でイスラエルが
ガザ地区に残した傷跡について「ひどいことだ」と述べた。
(続く)
>>367 より
アメリカン・スクールを訪問した際、カーター元アメリカ大統領は、「私が訪問しているのは、我が国が出資を行い、皆さんの子供たちに
教える学校だ。しかし、我が国で製造されたF16型戦闘機が落とした爆弾によって、故意に学校が破壊されたことを私は目の当たりにした」
と述べた。しかし、カーター氏は同時に、ガザ地区からイスラエル南部に向けて地元製のロケット弾を発射する行為についても非難した。
そして、「全ての暴力行為を停止しなければならない」と述べ、ハマースに対して、「暴力行為に歯止めをかけ、調印された合意を尊重して
イスラエルの生存権を承認し、ロケット弾発射を停止すること」を求めた。
原文をPDFファイルで見る
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090628_164757.pdf (翻訳者:梶田知子)
(記事ID:16816)
シリア情勢:大統領のアルメニア訪問
2009年06月18日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090618_193333.html ■ シリアが、トルコ・アルメニアの仲介役に。
■ シリア各紙、国内アルメニア人の生活を詳細に報道
2009年06月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPアラブ情勢面
【ダマスカス:カーミル・サクル(本紙)】
欧米並びに高位のシリア筋が本紙に述べたところによれば、ダマスカスは、トルコ・アルメニア間の歴史的不和解決のために
仲介役を演じる予定である。 1920年代にトルコ軍がアルメニア住民に対して行ったとされるアルメニア虐殺が両国間紛糾の
原因であり、アルメニア側は虐殺の犠牲者が数十万に及んだと主張する。上述の情報源は、この虐殺問題が、現在2日間の
アルメニア訪問を行っているアサド大統領とアルメニア首脳との協議において重要な議題の一つとなると述べた。また同筋は、
アンカラ、エレバン双方と強い関係を有するダマスカスなら、この、歴史的に重要かつ微妙な問題に対処可能であり、その
下準備のためダマスカス政府は過去数カ月間、両国に対し明らかに柔軟な姿勢を見せていると指摘した。更に、この根深い問題の
終結を好まない複数の国際的勢力が介入しない限り、ダマスカスの試みが成功を収めると予測した。
(中略、続く)
>>369 より
また、アサド大統領は、中東和平問題に関するシリアの見解をアルメニア大統領に伝え、和平パートナーとしてのイスラエルの不在により
プロセスが停止しているが、和平に向けた協議や作業が停止しているわけではなく、交渉相手の用意が整えは和平プランも準備ができると述べた。
シリア国営新聞、テレビ、中でも体制に近いものは、大統領の今次アルメニア訪問報道に多大な時間、紙面を費やし、いかにこれが
両国関係に寄与するかというその重要性に焦点をあてた。また、シリア国内アルメニア人の社会経済状態を詳細に報じ、彼らが経済的、
文化的にシリア社会の重要な構成要素として溶け込んでいる様子を伝えた。
国内アルメニア人の最大人口は、シリアの経済的首都とされるアレッポ在住であり、アレッポ商工会議所には約千名のアルメニア系
ビジネスマンが加盟している。故ハーフィズ・アサド大統領がアルメニアを訪問したのは30年前のことであり、ソビエト連邦が崩壊する前、
つまりアルメニア独立以前であった。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090618_193333.pdf (翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:16724)
「トルコは、いつでもシリア-イスラエル会談を仲介する」トルコ外相談
2009年06月19日付 Hurriyet紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090620_093314.html ダヴトオール外相は、イスラエル―シリア会談において、双方の準備が整いしだい仲介を始められるだろうと述べた。また、
アフメト・ダヴトオール外務大臣は、国際社会とトルコが、イラクへ強力な援助を続けるだろうと述べた。
アフメト・ダヴトオール外相は、国連安保理(BMGK)のイラクに関する会議の後に、国連内で外国人記者陣に対して説明を行い、
質問に答えた。ダヴトオール氏は、国連安保理で、イラクの国土の一体性の保持と、政治的統合、将来に対し、強力な援助が
与えられることに大きな喜びを感じていると述べた。
(続く)
>>371 より
ダヴトオール外相は、また、国際社会とトルコが、イラクのこの重要な時期に強力な援助を与えるだろうと述べ、トルコが、イラクと
イラク会議を非常に重要だとみなしたために、国連安保理のこの会議に自ら出席し、議長を務めることを望み、2週間で2回ニューヨークにやってきたと述べた。
「イラクに全ての角度から強力な援助を与え続けるつもりだ」と話すダヴトオール外相は、この援助がイラクの国民の和解、
経済回復、そして政治的安定のために行われること、イラクの政治的安定が、地域の政治的安定を意味することを強調した。
ダヴトオール外相は、トルコが、イラク、イラク国民、イラク政府に対し、全面的に支援していることを強調したいとのべた。
ダヴトオール外相は、近く任務から離れるパン・ギムン国連事務総長のイラク特別代表、スタファン・デ・ミルトゥルア氏に再度感謝した。
ダヴトオール外相は、質問に応え、イラクが隣国の全てと良好な関係を築くことを望み、トルコとして、イラクの状況が全面的に
正常化することを望むと述べた。また別の質問に応え、経済関係が平和の保障において非常に重要であるとし、トルコとイラクの
間で、経済統一を目的とした条約が署名されたことを強調した。さらにダヴトオール外相は、その他の問題では、国連イラク支援ミッション
(UNAMI)の役割がイラクで極めて重要であること、そしてそれは今後も続くであろうと述べた。
(続く)
>>372 より
■イスラエル−シリア会談
ダヴトオール外相は、イスラエル−シリア間の会談に関する質問に対し、昨年(2008年)トルコの仲介のもと5回の間接的な会談が
行われたこと、そしてその後、イスラエルで新しい政府が樹立されたことを述べた。そして、「双方の準備が整えば、我々は始めることが
できる。トルコは、地域の安定のために非常に重要なこの過程に協力する準備がある」と述べた。ダヴトオール外相は、
ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相のスピーチに関する質問にも応じ、トルコと国際社会のポジションは明確であること、そして
新しいユダヤ人入植が続かないことが必要であること、(イスラエルとパレスチナという)2国家並存が唯一の選択であること、あらゆる
立場の人々がその実現に貢献することを望む、と付け加えた。
この記事の原文はこちら
http://www.hurriyet.com.tr/dunya/11898494.asp?gid=200 (翻訳者:小松裕美子)
(記事ID:16739)
ハマース、シャレット問題解決のため新たな捕虜交換リストを準備か
2009年06月20日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090623_125919.html ■ ハマース、捕虜交換に向けて新しい名簿を準備
■ バラク国防相は密輸問題を協議するためエジプトへ
2009年06月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ナザレ:本紙ズヘイル・アンドラウス】
パレスチナおよびエジプト筋の予想では、イスラーム抵抗運動ハマースが〔ガザで拉致されたイスラエル兵〕 ギラード・シャレットとの
捕虜交換取引を行うために、新たな名簿を提示する可能性を検討中であると、金曜日朝のイディオット・アハロノート紙電子版が
報じた。今後数日内にハマースとイスラエルの間で名簿の交換が行われる予定で、来週のバラク国防相のエジプト訪問は、この件のためだという。
同サイトが高官筋から得たという情報によれば、エジプトはこのところハマースに対し、シャレット問題を終結させるよう圧力を
かけていた。以前にハマースが公表し、オルメルト政権時代に提出されたリストを再考するよう、エジプト側から明確に指示された
ハマースは、オルメルト政権に拒否されたリストがネタニヤフ政権に受け入れられることはないだろうと語ったという。
(続く)
>>374 より
同じ筋からの情報として同サイトは、「ネタニヤフ政府に新しいリストが手渡されるのは間違いない」と続け、確かにハマースは
リストを変更したり、誰かの名前を外したりすることはないと公言しているが、ハマース内部では捕虜交換の実現によって成果を得る
チャンスを無駄にすることなく、シャレット問題をよりよい方法で終結させることが話し合われている、と報じた。特に、ハマースは
アメリカ大統領が中東地域で行っている努力を停滞させる要因になっていると見られたく無いとの事情を抱えており、また最近、
ハマース指導部と国際的な人物や責任者たちとの会見がいくつか持たれたということもある。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090623_125919.pdf (翻訳者:飯田桃子)
(記事ID:16772)
パレスチナ・シリア首脳会談、団結の必要性を強調
2009年06月21日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090912_170612.html ■ アサド大統領とアッバース大統領、ネタニヤフ政権に対抗するためアラブとパレスチナの姿勢の「統一」を強調
2009年06月21日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【ダマスカス:イブラヒーム・ハミーディー(本紙)】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領とパレスチナのマフムード・アッバース大統領(通称アブー・マーズィン)は、入植地建設を
続け、パレスチナ主権国家樹立を「妨害」し続けるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権に「対抗する」ためには、アラブの姿勢の
統一が必要であると確認し、イスラエル政府の措置に対してパレスチナ側が「一つに団結して」立ち向かうことが重要であると強調した。
この会談はアッバース大統領の短時間のダマスカス訪問の中で行われた。今回の訪問はこの数週間で2回目のシリア訪問で、
ハマースのハーリド・マシュアル政治局長が昨夜に予定していた演説を「後日」に延期する決定を行ったことと時を同じくした。
シリア大統領報道官によると、アサド大統領はアッバース大統領と、「ネタニヤフ首相の演説や彼が提示した和平交渉の条件など、
パレスチナおよびアラブ諸国レベルで展開しているパレスチナ問題をめぐる情勢」について協議した。両首脳は、「パレスチナの占領地で
入植地建設を継続し、和平プロセスに伴う履行義務から逃れようと試み、パレスチナ主権国家樹立を妨害しているイスラエルの政策に
対抗するためには、アラブ諸国の立場の統一が必要であることを確認した」という。
(続く)
>>376 より
アッバース大統領は、先月中旬にアメリカのバラク・オバマ大統領とのワシントンでの会談に出向く前にもアサド大統領と協議を
行っている。大統領報道官によると、アッバース大統領は昨日のアサド大統領との会談で「アメリカ合衆国訪問の成果」について報告した。
ファールーク・アル=シャルウ副大統領やワリード・アル=ムアッリム外相、ブサイナ・シャアバーン政治情報担当大統領顧問ら
シリア政府高官が出席して行われた協議では、「パレスチナ和解努力と分裂状態の解消の重要性、そしてアラブ被占領地における
イスラエルの措置に団結して対抗する必要性」などが話し合われた。同報道官によるとアッバース大統領は、「パレスチナ問題の
恒久的な解決を支援するシリアの姿勢を評価」する見解を示した。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090912_170612.pdf (翻訳者:鈴木啓之)
(記事ID:17427)
ロシア大統領、エジプトを初訪問
2009年06月23日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090626_191403.html ■ ムバーラク大統領とメドヴェージェフ大統領が首脳会談
■ 二国間の関係強化や地域問題を協議
■ エネルギー、経済、投資分野で5つの協定に調印
2009年06月23日アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【カイロ:ムハンマド・アミーン・アル=ミスリー】
今日、ホスニー・ムバーラク大統領とドミートリー・メドヴェージェフ大統領が、エジプト¬・ロシア首脳会談を行う。中東和平プロセスの
再生や、パレスチナ・イスラエル二国家解決案に基づく恒久平和の実現、パレスチナ国民合意のためのエジプトの努力などが協議される。
会談では政治・経済レベルでの地域的国際的最重要問題や、経済・貿易分野でのエジプト・ロシア二国間関係の強化策なども
話し合われ、両大統領はエネルギー、経済、投資、戦略的協力関係などの分野で、5つの協定を締結する。
ロシア大統領には多数の高官や実業家から成る使節団が随行し、その中にはロシアの法務大臣や天然資源大臣も含まれている。
またメドヴェージェフ大統領は今夜、アラブ連盟事務総長のアムル・ムーサーや、アラブ連盟の評議会メンバーらとも会見し、中東地域情勢に
対するロシアの立場を説明する。アムル・ムーサー事務総長は、「ロシアの立場はアラブ世界のあらゆる問題の支えになっている」と評した。
(続く)
臨時アラブ外相会議、中東和平に関する米大統領の立場を歓迎
2009年06月25日付 Al-Ahram紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090731_115047.html ■アラブ諸国、オバマ大統領の立場を歓迎
■“見返りなし の関係正常化 ”というネタニヤフ首相の提案は拒否
■パレスチナ内部の対立を収束させ、ゼロ地点に戻ることなく交渉を再開させるとのエジプトの立場に支持
■米政府、入植地建設の継続を理由に、ミッチェル中東特使とイスラエル首相との会談をキャンセル
2009年06月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【マスウード・アル=ヘンナーウィー、ナスル・ザアルーク】
アラブ諸国の外相達は、たった10人の大臣しか出席しなかった臨時会合の閉会 にあたり、地域情勢に対するバラク・オバマ米大統領の
立場に歓迎の意を示しつつ、地域紛争の解決にむけた米大統領の提案 に積極的に対応していくことを約束した。またアラブ外相たちは、
和平交渉再開の条件として 、東エルサレムを含む 地域での入植活動の全面停止をイスラエルが遵守するよう求めた。
(続く)
ギリシャ大統領がシリア訪問、アサド大統領と会談
2009年06月25日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090628_154431.html ■ アサド大統領、ギリシャ大統領と会合後:「和平実現にはイスラエル側のパートナーが必要」
2009年06月25日付アル=ハヤート紙(イギリス)アラブ世界面
【ダマスカス:イブラーヒーム・ホマイディー】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は昨日(24日)、ダマスカスでギリシャのカロロス・パプーリアス大統領と会談し、中東和平の
実現には「イスラエル側のパートナーが必要であり、イスラエルが国際法の理念や関連する国連決議、土地と和平の交換の原則を
遵守することが必要である」と強調した。また、「現在はイスラエル側のパートナーは存在しない」と指摘した。
(続く)
>>382 より
一方、パプーリアス大統領は「既成事実を押し付けるのではなく、対話によって対立を打開する必要がある」と強調した。また
「もし全ての当事者が国連安保理決議を尊重せず、ゴラン高原がシリアに返還されなければ、本当の和平は実現しないだろう」と指摘した。
両大統領は昨日協議を行い、シリアのファールーク・アル=シャルウ副大統領やワリード・アル=ムアッリム外相、
ブサイナ・シャアバーン大統領顧問(政治・広報担当)らシリア政府高官が出席した。協議は、4年ぶりのダマスカス訪問を行った
ギリシャ大統領の公式歓迎セレモニーの後に行われた。この訪問は3日間続き、今日はパプーリアス大統領が北部アレッポに
向かう前に、共同経済フォーラムが開催される予定である。アサド大統領は報道声明で「この協議は前向きかつ建設的なもので、
地域的・国際的諸問題についての両国の相互理解の深さを反映したものである。また我々は、特に中東や世界の状況変化が
加速する中で、両国の政府高官の間で様々なレベルでの協議を強化することで合意した」と述べた。さらに「会談では、中東情勢に
関するシリアの見解を説明した。我々はパレスチナ人民の苦難を取り除き、イラクでの国民和解を支援するために国際的な尽力が
必要であると強調した」と明らかにした。
(後略)
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090628_154431.pdf (翻訳者:梅原春奈)
(記事ID:16815)
イスラエル国内報道「米国がゴラン高原の自然保護区化を提案」
2009年06月26日付 Al-Nahar紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090823_005806.html ■ イスラエル国内報道:「アメリカがゴラン高原の自然保護区化を計画」
2009年06月26日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、MENA】
イスラエルのハアレツ紙は昨日、「アメリカ政府は、ゴラン高原の一部をシリア人とイスラエル人の双方が利用できる自然保護区に
するという和平プランの具体化に取り組んでいる」と報じた。
この提案には、ゴラン高原からのイスラエルの撤退と入植地の解体が含まれているが、数年間かかるものとされ、同時にシリア側も、
パレスチナ及びレバノンの抵抗運動諸派への支援を停止し、イランと段階的に距離を置くなどの措置をとることになる。
(続く)
>>385 より
また同紙によると、アメリカ政府がダマスカスに大使を復帰させることを決定し、米特使が中東訪問を行ったのは、アメリカの主導と
トルコの協力に寄るシリア・イスラエル間交渉を再開するための基盤を整えるためである。この交渉は、ベンヤミン・ネタニヤフ氏が
イスラエル首相に就任したことを受けて停滞状態に陥っていた。
今回の報道に先立って、ハアレツ紙は「ネタニヤフ首相の側近らは、イスラエル・シリア間の『一時的な解決』に関する構想を
検討している」と発表した。この構想は、イスラエルがゴラン高原の小地域から撤退するのと引き換えに両国は「非戦争状態」を宣言するというものである。
またハアレツ紙によると、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は、来る7月7日までにファタハとイスラーム抵抗運動ハマースの
和解を完了させるためのエジプトの努力に、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領の支援を取り付けるように、バラク・オバマ米大統領に促したという。
エジプトの提案によると、パレスチナ諸派は、パレスチナのマフムード・アッバース大統領からの求めに応じて、ガザ地区の状況を
管理するための共同委員会を組織することになる。
(続く)
>>386 より
イスラエルのバラク政権時代に、シリアとの間接交渉においてイスラエル側代表団の団長を務めたユリ・サグウィ氏は数日前、
エルサレムでの講演で、「アサド大統領が『イスラエル・シリア間の相違点の80%は既に解決されていると言える』と述べたとき、
彼は誇張していたわけではない」と述べ、「主要な障害は、水資源の権利や安全保障措置ではなく、どこに国境線を引くかということである」と指摘した。
そうした中、イスラエルのアヴィグドール・リーバーマン外相は、シリアとの和平交渉における第三国の調停を一切拒否し、「イスラエルは
前提条件も調停もなしに、できる限り早急に直接交渉を望んでいる」と述べた。
イスラエル軍のラジオが報じたところによると、リーバーマン外相はシリアからの間接交渉再開に関する申し出を、中東歴訪を
終えたオランダのマキシム・フェルハーヘン外相から伝えられたが、拒否したという。
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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/pdf/pdfNews20090823_005806.pdf (翻訳者:青山沙枝)
(記事ID:17255)
ハマースのマシュアル政治局長がダマスで演説
2009年06月26日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090803_132425.html ■抵抗の継続 と、分裂状態の終結に向けた働きかけを確認
■マシュアル氏、“我々は6月4日時点での国境線を持つ国家を受け入れるものである」「オバマ大統領の立場は十分ではない」
2009年06月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ダマスカス:本紙カーミル・サクル】
ハマース政治局長ハーリド・マシュアル氏は、昨日木曜、〔パレスチナ〕民衆にとって最低ラインを形成する計画とは、1967年6月4日
時点での停戦ラインを国境とし、エルサレムを首都とする完全なる主権国家として、パレスチナ国家を建設することであると述べた。
マシュアル氏は昨日の夕方、パレスチナ各派の指導者たちと、パレスチナ国内のハマース指導部の一部が出席する中、ダマスカスで
行った演説でこう述べた。「パレスチナ民衆にとって最低ラインを形成し、またすでに我々が共通の政治プログラムとして
国民和解文書において受け入れを表明した計画とは、全ての入植地を撤廃し、〔難民の〕帰還権を実現した後、1967年6月4日
時点の停戦ラインを国境とし、首都をエルサレムとする、完全なる主権国家としてのパレスチナ国家を建設することである」と述べた。
(続く)
>>388 より
またマシュアル氏は、バラク・オバマ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の演説を受けて、ハマースが地域情勢を
どう捉えているか についてはこう述べた。「パレスチナ問題とは、自治や統治権、国旗、国歌、治安組織、援助国からの資金と
いった問題ではない」「パレスチナ問題は、祖国や、アイデンティティ、自由、歴史、土地、すなわちエルサレムに対する主権の
問題であり、帰還権の問題である。我々の土地は統治権よりも重要であり、国家の前に解放が必要だ」。
続けてマシュアル氏は、「パレスチナ難民たちの故郷への帰還は、国民全体の権利であり、500万人以上の難民たちが
それぞれ有する個人としての権利なのである。いかなる指導者や交渉人も、彼らの権利を無視することなどできない」として、
「“帰化”や“代わりの祖国”といった考え方、特にヨルダンへの帰化を断固拒否する。ヨルダンはヨルダンであり、パレスチナは
パレスチナなのだ。パレスチナ以外にパレスチナの代わりになるものは無い」と強調した。
(続く)
2010.04.14 Web posted at: 14:03 JST Updated - CNN
ワールド
「テロの危険迫る」 イスラエルがエジプト滞在者に帰国勧告
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201004140010.html エルサレム(CNN) イスラエルのテロ対策当局はエジプトのシナイ半島にいる自国民に対し、テロ攻撃に遭う危険があるとして、
イスラエルに帰国するよう勧告した。
シナイ半島はイスラエルからの観光地として人気が高いが、テロ対策当局によれば、同地で「(イスラエル人が)テロリストにより拉致される
危険が差し迫っている」との具体的な情報があるという。
イスラエル政府は頻繁に、シナイ半島などへの渡航について勧告を出している。
ハンナのかばん:イスラエルで初上演 アウシュビッツ遺品、日本女性追跡の実話
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100414dde041040080000c.html 【エルサレム花岡洋二】ホロコースト(ユダヤ人虐殺)で犠牲となった少女の遺品について、日本人女性が半世紀ぶりに遺族を
捜し当てた実話を基にした芝居「ハンナのかばん」が14日、イスラエル・テルアビブ郊外で初上演される。
NPO法人「ホロコースト教育資料センター」(東京都新宿区)の石岡史子さん(39)が00年、ポーランドのアウシュビッツ博物館から
展示用に借りたかばんを巡る物語。石岡さんは、持ち主のハンナ・ブレイディさんがチェコ出身で、両親のほか本人も13歳の時に
殺されたことを調べた。また家族でただ一人生き延びてカナダに住む兄ジョージさんを捜しだした。
これを基にした児童書「ハンナのかばん」(カレン・レビン著)は約40カ国で読まれ芝居は日本語や英語で、日本、カナダなどで
上演されてきた。今回、児童書の存在を知ったイスラエルの「ネフェシュ劇団」が初めてヘブライ語での上演を決めた。日本の
子どもたちが、ハンナさんの運命を知る心の動きが台本の軸となっている。
同劇団主宰者のハワード・リップさん(55)は「日本の子どもたちの強い関心を知ることでハンナの物語はより普遍的なものになる。
二度と繰り返すまいという教訓を伝えたい」と話す。
舞台あいさつのため現地入りした石岡さんも「差別に立ち向かうことの大切さを知ってほしい」と期待している。
オバマ大統領、すべての国は核不拡散条約に加入すべき
2010-04-14 15:10:09
http://japanese.cri.cn/881/2010/04/14/162s157151.htm アメリカのオバマ大統領は13日ワシントンで、「イスラエルを含むすべての国が『核兵器不拡散条約』に加入すべきだ」と述べました。
ワシントンで開かれていた核セキュリティ−サミット閉幕後の記者会見で、オバマ大統領は、「イスラエルの核施設にどう対応するか」
という記者からの質問に答え、「アメリカは長期にわたって、すべての国が『核兵器不拡散条約』に加入すべきだと主張している。イスラエルに
しても別の国にしても、『条約』への加入は非常に重要だ」と強調しました。同時に、「すべての国が、平和目的の核利用の
権利を持っている」と述べました。(朱丹陽)
2010.04.14 Web posted at: 21:40 JST Updated - CNN
ワールド
モスクの壁にスプレーでユダヤ教「ダビデの星」
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201004140021.html エルサレム(CNN) イスラエル軍とパレスチナ当局によると、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ナブルス近郊で14日、モスク
(イスラム礼拝所)の壁に、三角形を二つ重ねたユダヤの象徴「ダビデの星」などが描かれているのが見つかった。
何者かが13日夜、スプレーで描いたとみられる。ダビデの星のほか、イスラム教の預言者ムハンマドに関するスローガンが、ユダヤ人に
伝わるヘブライ文字で書かれていた。現場ではさらに、車2台が放火され、1台が破壊された。
イスラエル軍はこの行為を非難し、当局者らが落書きを消した。同軍はパレスチナ当局に、「聖地の冒とくは重大な問題とみなす」との立場を伝えたという。
西岸地区では昨年12月、モスクが放火される事件があった。イスラエル政府がユダヤ人入植地建設の凍結を発表したことに対する抗議行動だったとみられる。
記者の目:イスラエルで見た世論の多様性=前田英司
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100415k0000m070096000c.html ユダヤ人は議論好きと言われる。「2人いれば政党が三つできる」と評されるほど意見は多様で、日本の井戸端会議なら
敬遠されがちな政治や宗教談義も全くいとわない。むしろ、それが話題の中心だったりする。先月までエルサレム特派員として3年半、
現地で生活して、イスラエル世論の複雑さを実感した。中東和平を巡っても、ネタニヤフ同国首相は強硬姿勢を示しているが、世論は「一枚岩」とは言えない。
◇「宗教」VS「世俗」
一般的に、イスラエルと聞いて連想する都市はエルサレムや、商業の中心地テルアビブだろう。では、どちらが国の「顔」なのか−−。
日本人に「日本を代表するのは東京か、大阪か」と迫るような乱暴な質問だと承知の上で、あえて取材したことがある。イスラエルは
67年の第3次中東戦争で、ヨルダン支配下にあった東エルサレムを占領・併合した。そして、国際社会の反発を無視してエルサレム全体を
永久不可分の「首都」と位置付ける。何よりユダヤ教の聖地「嘆きの壁」がある地だ。答えはエルサレムに違いないと思い込んでいた。
しかし、意外にもテルアビブを挙げる人が多かった。
(続く)
>>396 より
実は、この2都市は趣が全く異なる。端的に言えば、エルサレムは「宗教」、テルアビブが「世俗」の中心地だ。
エルサレムは人口約76万人(東エルサレムを含む)の約3割を超正統派のユダヤ教徒が占め、黒装束の独特の姿を
よく見かける。ユダヤ教の教えに従い、金曜日の日没から土曜日の日没にかけての安息日には商店やレストランの多くが
休業する。この間の「労働」は厳禁なので、異教徒の私がしばしば信仰にあつい隣人からエアコンの温度調節を頼まれたり、
電気を付けてほしいと呼び出され、代わりに「労働」した。車の運転も禁止だから、超正統派が集まる地区に入り込まないよう
迂回(うかい)して走らなければならない。
これに対し、人口約120万人のテルアビブの暮らしは安息日でも普段と大差ない。超正統派は少ないから、宗教上の
制約を受けない。テルアビブに住むエルサレム出身の知人は「『普通』の生活がしたかった」と転居の理由を説明した。
政府職員にさえ、同様の「脱出組」はいるという。「首都」であるはずのエルサレムに居を構える閣僚も、確かにごく少数だ。
(続く)
>>397 より
地中海沿岸のテルアビブは開放的で自由な雰囲気だ。一方、エルサレムは政治的、宗教的な摩擦のイメージが強く、
重たい空気がのしかかる。以前、地元メディアがユダヤ人を対象に実施した世論調査で、信仰の濃淡で居住地区を分けるべき
だとの意見が半数を超えた。一口に「ユダヤ教徒」とくくれないほど、世俗派と宗教的な人々の生活スタイルは大きく異なっている。
◇テロ件数は激減
こうした違いは中東和平についての見解でも顕著だ。例えば、パレスチナ側との当面の最大の争点である占領地における
ユダヤ人入植地問題で、イスラエル政府は入植者人口の「自然増」を理由に、住宅増設などの必要性を訴えており、子だくさんの
超正統派はもちろん支持する。だが、人口増の実態は、安価な住宅を求めて移住する「社会増」の要素を多分に含んでいる。
「親が東京に住んでいるから、子供も東京に住めるようにしなければならないなんて理屈が、日本で通用しますか?」。
良識ある世俗派の市民からはそんな憤りが漏れた。
(続く)
>>398 より
2月下旬以降、イスラエルの占領地ヨルダン川西岸や東エルサレムでは、パレスチナ人とイスラエル当局の小規模な衝突が
相次いだ。現地ではしきりに、パレスチナ人による自爆攻撃が頻発した「第2次インティファーダ」(00年に起きた反イスラエル抵抗闘争)
に続く「第3次」が勃発(ぼっぱつ)する可能性が話題になったが、かつてのように燃え広がらなかった。パレスチナ政策調査研究センターの
シカキ代表は沈静化の背景に、パレスチナ世論の「疲弊」を挙げる。暴力に訴えても被占領状態は終わらないと理解して「冷めている」と分析した。
ある意味、イスラエル側も冷めていると私は思う。和平交渉が暗礁に乗り上げようとも、この数年、イスラエル国内での
テロ件数は激減した。政治停滞イコール情勢安定という、いびつな現状にあぐらをかいているように感じた。
世論の複雑さはネタニヤフ右派政権の存在にかき消されて、「外の世界」に伝わりきらない。一面化した「強硬なイスラエル」という
イメージが、ただでさえ判然としない中東和平の行方をますます見えなくしているように思う。(外信部)
中国、パレスチナとイスラエルの和平交渉再開を期待
2010-04-15 11:16:21
http://japanese.cri.cn/881/2010/04/15/161s157197.htm 国連駐在中国参事官の龍舟氏は14日、「中国は一貫して、和平交渉で中東問題を解決するのが唯一の道であると主張している。
関連各方面が交渉の信念を強め、パレスチナとイスラエルの和平交渉をいち早く再開することに寄与するよう期待している」と述べました。
これは、龍参事官がこの日、中東問題の解決に関する国連安保理の会合で述べたものです。「いち早く中東問題を解決するのは、
地域と国際社会の安定と平和に繋がっている。国際社会は共に期待しており、関係各方面の利益を満たす」と述べました。
中国政府はパレスチナ国民の合法的な権益と事業を支持しています。関連各方面と共に国連と安保理の関連決議や
『土地と和平の交換』原則に基づいて、『2国家併存案』を実現することに力を入れています。(万、吉野)
パレスチナに平和を!ヒップホップの叫び
< 2010年4月15日 16:37 >
http://news24.jp/articles/2010/04/15/10157461.html パレスチナ自治区ガザ地区は、イスラム原理主義組織「ハマス」が支配していることを理由に、イスラエルによって境界が封鎖されていて、
経済的に壊滅状態が続いている。08年12月から23日間続いたイスラエルによる軍事作戦で大きく破壊されたガザ地区。多くの
ガレキが撤去されたが、復興は遅々として進んでいない。
そんなガザ地区には珍しい黒人ファッションに身を包んだ5人組がいる。その名も「DARG Team(ダラジ・チーム)」という
ヒップホップグループだ。訳すと、「アラブの革命児軍団」。彼らは、紛争地域であるガザの現実を音楽で世界に伝えようとしている。
1400人以上のパレスチナ人が死亡した09年1月の紛争終了直後、ダラジ・チームは新曲を発表した。ガレキの中で撮影された
ビデオクリップ「23Days」では、死が身近にある現実を歌っている。力強い彼らのサウンドは、紛争後の09年5月に開かれた
パレスチナ自治区内のヒップホップコンテストで見事1位を獲得、賞品として、デンマークへのコンサートツアーが用意されていた。
主催者がビザを手配し、フライトチケットも手配済みだったが、イスラエルの封鎖でガザから出られなかったという。
(続く)
>>401 より
リーダーのファディ・バヒートさんは「封鎖のため、われわれは身動きが取れません。何度も境界に行ったけど、結局出られませんでした」
と話した。「イスラエルによる封鎖」とは、「事実上、ガザから出ることさえほとんどできない」ということだ。それでも希望は捨てないという
ファディさんは「われわれはもう一度このプロジェクトにかかわってガザを脱出し、ガザを代表してスイスなどでツアーをできるように挑戦している」と語った。
新曲「宗教」のレコーディングが行われたガザ地区で唯一のスタジオは、物が自由に入ってこないため、防音ドアは板張りのままで
修復できていない。ファディさんは「宗教」について、「平和や人間同士の調和を訴えている。地球の住人はみんな同じ神・アラーを
いただいているのですから、そのメッセージは同じなのです」と、宗教がイスラエルとパレスチナの対立の理由ではないと話している。
(続く)
>>402 より
現在、パレスチナ自治区は、ハマスが支配するガザと穏健派・アッバス議長率いる「ファタハ」が支配するヨルダン川西岸で分断状態が
続いている。パレスチナ人同士の抗争について、曲の中でダラジ・チームはこう訴えた。「♪何もできない俺たちは、イスラエルが『勝利』を
宣言するのを見ているだけさ。ハマス、アッバス議長、政治家さんたちよ!白リン弾まで使われたのに、パレスチナ人同士でさえ団結
できていないときてる!もう流血はたくさんだろ?自分たちが仲間割れしている間にも、白リン弾は燃え続けてる。何とかしてくれよ!」
ダラジ・チームは、子供たちのための活動に力を入れている。ファディさんは、幼稚園などで活動する理由について「子供たちに
(イスラエルに対する)新しい非暴力の抵抗を伝えたいのです。音楽を通じて話しかけて、自分たちの声・主張を訴えていく、そうした
新しい方法を訴えたいからです」と話している。去年12月、紛争が始まった日に発売された「Rebuilt by us(自分たちでの再建)」
の歌詞には、「子供」というフレーズを登場させている。
(続く)
>>403 より
ダラジ・チームの活動の拠点はファディさんの自宅。ガザでは娯楽が限られているが、ここではビデオクリップを見たり、シーシャ(水たばこ)を
吸ったりしながら、作品作りを行うという。曲作りに行き詰まったときは、ガザの西に広がるビーチに行く。ただ、「開放的な雰囲気の
ビーチでさえ、自由を感じることはできない」とファディさんは言う。ビーチからは、沖で見張りをしているイスラエルの軍艦がいて、海からガザを封鎖しているからだ。
本来、彼らはガザを出て、スイスに招待されているはずだった。しかし、封鎖のため、今もガザを出られないままだ。ガザから出て、
世界の人たちの前でパフォーマンスができることを信じて、ダラジ・チームは魂の叫びを歌い続ける。
パレスチナ:自治政府の議長選 実施の見通し立たず
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20100416k0000m030043000c.html 【エルサレム花岡洋二】今年1月に予定されていたパレスチナ自治政府の議長と評議会(国会)の同日選挙が延期されたまま、
新たな日程が決まる見通しが立っていない。ヨルダン川西岸とガザ地区の二つに分裂している自治区のうち、ガザ地区を支配する
イスラム原理主義組織ハマスの合意が得られた場合、6月28日に実施する案もあったが、告示期限の3月末を過ぎて実質的に消滅した。
ハマスと、自治政府を主導するパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの双方に、選挙を実施する動機付けが弱い。
エジプトが両組織の和解と6月選挙に向け仲介してきたが、不調が続いている。
(続く)
>>405 より
アッバス議長側近である評議会のアブドラ政治委員長は、毎日新聞の取材に「期日まで90日を切った。準備を考えると、
選挙実施は非現実的だ」と明かした。そのうえで「パレスチナでは新議長が選出されるまで、現職議長が機能する仕組みに
なっている」と説明し、“政治空白”は起きないとした。アッバス氏の任期は既に、議長選が行えないことに伴い2回にわたって延長されている。
ハマスは06年の評議会選で勝利してファタハと連立政権を組んだが、07年のガザ制圧で敵対したファタハへの根強い不信が
残る。また、イスラエルのガザ地区封鎖による困窮に対する住民の不満がハマスに向きつつあり、選挙で敗れる可能性も指摘されている。
一方、自治区では今年7月に地方選が予定されている。ハマスは地方選実施に同意していないため、ファタハ主導の自治政府が
機能する西岸地域だけでの実施となる見込み。パレスチナ政策調査研究センターのシカキ代表は「西岸だけでも地方選が
成功すれば、議長・評議会選の実施に向け、西岸単独の可能性も含め、なんらかの転機になる可能性はある」と解説する。
核廃絶、平和利用アピール=イランが軍縮・不拡散会議
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010041700256 【テヘラン時事】イラン外務省が主催し、原子力エネルギーの平和利用や核兵器廃絶を論議する「軍縮・不拡散国際会議」が
17日、首都テヘランで2日間の日程で始まった。欧米などが核兵器開発を疑うイランをめぐり、追加制裁論議が進展する逆風下、
同国が繰り返す「核の平和目的利用」との主張をアピールする場となった。
アハマディネジャド大統領は開幕演説で、米国による広島・長崎への原爆投下や核兵器の継続保有を批判し、同国の
国際原子力機関(IAEA)加盟資格を一時停止すべきだと主張。その上で「核廃絶や不拡散を監督する独立した国際的機関を設置すべきだ」と訴えた。
会議にはイラクやシリアなど一部諸国が外相や次官級を送ったが、米国など主要国の要人は加わっていない。5月にニューヨークで
開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議を前に、アハマディネジャド大統領は核開発の正当性を強調、中東唯一の
核兵器保有国とされるイスラエルへの欧米の「二重基準」を批判した。(2010/04/17-21:24)
『米は唯一の核犯罪国家』 イランが廃絶国際会議
2010年4月18日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010041802000064.html 【テヘラン=内田康】核兵器廃絶と核技術の平和利用促進を求めるイラン政府主催の国際会議が十七日、二日間の日程で
テヘランで始まった。イランの核開発が平和目的であることを訴え、国連の追加制裁を回避する狙い。国営放送は六十カ国の代表が
参加したと伝えた。「米国は唯一の核犯罪国家」と批判した最高指導者ハメネイ師のメッセージが発表されるなど、反米色の強い会議となった。
会議冒頭でアハマディネジャド大統領は「米国は核兵器を使い、核兵器で他の国を脅している。国際原子力機関(IAEA)の
加盟国資格を停止するべきだ」と訴えた。
シリア、レバノン、イラクの外相が相次いで演説。イランの訴える核の平和利用の権利を擁護し、イスラエルが核拡散防止条約(NPT)に
未加盟で核兵器を保有していると批判した。
(続く)
>>408 より
一部アフリカ諸国の大臣級も参加した。イランの衛星放送プレスTVは、外相派遣国は少なくとも十四カ国に上ると伝えた。
AFP通信によると、イラン当局者はロシアは外務次官、中国は「外相の特別な側近」を同会議に派遣すると述べた。原油などの
資源をイランに頼る中国は欧米が訴える対イラン追加制裁に慎重だが、一方で中東の親イラン国のように重要閣僚までは派遣せず、
イランとも一定の距離を保った格好だ。
会議では、鳩山首相の「核不拡散は最も重要な課題だ」とするメッセージが紹介されたが、十七日午前の会議には日本政府関係者は
姿を見せなかった。米国にも配慮し、今会議への関与は限定的とみられる。
>>411 より
メモは秘密扱いだったが、米紙ニューヨーク・タイムズは17日、その存在を報道し、ゲーツ長官がメモの中で「米政府にはイランを
阻止するための政策が欠如している」と指摘したと伝えた。ゲーツ長官はこれを受け、報道内容の一部を否定する形で声明を出した。
これに関連して、米軍制服組トップのマレン米統合参謀本部議長は18日「軍事的行動は(核開発を)遅延させる効果がある」
と語り、イランの核関連施設の空爆は核開発の阻止に役立つとの見解を表明した。「現時点では、最後の選択肢が空爆だ」と
強調しつつも、武力行使の選択肢を排除していないことを示した。ニューヨークで記者団に語った内容を、ロイター通信が伝えた。
イラン核問題を巡り、オバマ政権は当面、欧州諸国と連携し、国連安全保障理事会の枠組みによる追加制裁に全力を挙げる
方針。イランが使用可能な核兵器を開発するまでには「3〜5年」(カートライト統合参謀本部副議長)かかるとみている。
ただ、米国の同盟国でイランと敵対するイスラエルは核開発の進展に神経をとがらせており、米政府はイスラエルが単独で空爆に
踏み切ることを最も懸念している。米高官が相次ぎイランへの武力行使の選択肢に言及したのは、イスラエルに自制を求める意味合いもあるとみられる。
周辺は核保有国だらけ、中国は「最小限」で世界に貢献―新華社
2010/04/19(月) 16:19
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0419&f=politics_0419_007.shtml 新華社が発行する国際問題専門紙「国際先駆導報」は19日、核問題を紹介する解説記事を掲載した。核武装国家が
最も集中しているのは中国の周辺で、「中国は最小限の核の威嚇力だけを保有することを順守」などと主張した。
同記事は、2008年の米議会報告にもとづき、1945年から製造された核兵器は12万 8000発で、うち7万発以上は米国、
5万5000発はソ連(ロシア)が作ったと紹介。多くが廃棄され、現在残るのは2万5000−3万発だが、それでも全人類は頭の上に
1人当たり3トンのTNT火薬をぶらさげられていることに相当すると指摘した。
核兵器を持つことを望む国が増えだしたのは、地域的な国際政治における困難を打開しようと考えるからで、1国が持てば
近隣の「宿敵国」も核保有を望むようになると分析。北朝鮮が核兵器を手に入れたことで、韓国東亜研究院の09年6月の
調査によると、同国民の60.5%が核保有を望むようになったと紹介した。
(続く)
>>413 より
北朝鮮の、もうひとつの「宿敵国」である日本については、「その気になりさえすれば、1晩にして核兵器1000発を製造することも可能」と主張した。
同記事によると、「核武装国家」が最も集中しているのは中国の周辺。保有国としてロシア、北朝鮮、インド、パキスタンを
挙げ、それ以外にも、日本や韓国、ミャンマーなどは、核兵器を持つ能力があるか、開発疑惑があると決めつけた。一方で、
「中国は最小限の核の威嚇力を維持することを順守」、「保有米国で開かれた核安全サミットでも、胡錦濤主席が5つの提案」、
「核の先制使用は行わないと宣言。米ロにもできないことだ」などと、核の安全問題で積極的に貢献していると強調した。
米国に対しては「二枚舌」と非難。北朝鮮やイランに対しては厳しい姿勢で臨むのに、イスラエルやインドの開発は黙認
していることが、新たに核を持とうとする国に口実を与えていると主張した。(編集担当:如月隼人)
イラン核問題:露外務次官「信頼回復には決議履行を」
http://japanese.ruvr.ru/main.php?lng=jap&q=3738&cid=106&p=19.04.2010 ロシアのリャプコフ外務次官は18日、タス通信からの取材に応じ、イランの核問題について、「外交的な解決を目指すのが
ロシアの立場だが、国際的な制裁は不可避」との立場を示した。
リャプコフ氏は同問題で交渉役を務める主要6カ国のロシア代表を務める。この日までテヘランで開かれていた核軍縮に関する国際会合に出席していた。
取材では、政治外交的な解決法を模索するロシアの立場に変わりがないことを強調。一方で、「イランが2月に開始した
濃縮率19.75%ウランの製造」や「コム近郊での新たな濃縮工場建設」、「安保理決議履行の硬直状態」といった要因が
揃ったことで、国際的な追加制裁は不可避になる可能性があると述べた。
(続く)
>>415 より
また、「制裁は最も効果が薄いやり方との考えは変わらない」「イランには核開発の権利がある」と述べつつ、核計画が
民生用であるとの主張が信用を取り戻すには安保理や国際原子力機関(IAEA)の決議履行は不可欠とするなど、従来どおりの立場を確認した。
イラン側の発表によれば、テヘランでの核軍縮会議には56カ国から代表が出席。閉幕時には核拡散防止条約の締結国に
対し民生用核開発の権利を認めるよう呼びかける共同宣言を採択した。開幕冒頭のメッセージで同国最高指導者の
ハメネイ師が米国の核不拡散政策を批判したほか、出席したイラクのジバリ外相がイスラエルにある核施設への査察を
主張するなど、ギクシャクした国際関係を反映する場面もみられた。
19.04.2010
イスラエルはイラン攻撃目標を選定―米研究所
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100419-224816.html 【ロサンゼルス宮城武文】米シンクタンクのワシントン中近東政策研究所がこのほど発表した報告書によると、イスラエルは
イランの核開発を阻止するためにすでに攻撃予定地を選定している。同研究所と米中央司令部が今年初めに行った会議で、
米専門家が語った内容をもとに報告したもの。
「イランとの完璧な握手」と題した報告書によると、イスラエルが攻撃予定地として選定しているのは、アラクで建設中のプルトニウムを
生産できる重水炉、ナタンツの遠心分離機濃縮施設、そしてイスファハンのウラン転換施設としている。イスラエルの攻撃は、
短期間で限定的なものになるとし、長距離爆撃機もしくはミサイルを使用したものになるという。
ナタンツでは1万基の遠心分離機が核燃料生産で稼動しており、アラクの重水炉は2011年に完成する予定とみられている。
(続く)
>>417 より
報告書によると、イスラエルはイランまでの1000キロの距離を戦闘機F15とF16を使って飛行させるルートをいくつか選定しており、
2007年にシリアの核施設を攻撃した際に利用したシリアとトルコ国境の上空を通過するルートの可能性が高いという。
報告書によると、イスラエルのイラン攻撃の準備は、米政権がイランの核武装がもたらす中東における影響を認識せず、手を
こまねいているとの対米不信を反映したものだとしている。
しかし、イスラエルはイランの軍事攻撃は最後の手段としており、すべての手段が講じられるまで待つ姿勢でいるという。イランの
核開発に関しては、昨年末をタイムリミットとして開発中止に応じるよう米英仏などの国際的警告が出され、ボルトン米元国連大使は
2009年末のイスラエルによるイラン軍事攻撃を予想した。しかし、イランの核開発の意図は変わっておらず、イスラエルのイラン攻撃に
端を発する「2010年危機説」は極めて現実味を帯びてきている。
2010/4/19 22:48
ドキュメンタリー映画:「沈黙を破る」 福島大生らが上映を企画 /福島
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20100420ddlk07040258000c.html ◇パレスチナ問題の現実知ってほしい
パレスチナ問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「沈黙を破る」が「フォーラム福島」(福島市曽根田町)で上映されている。
福島大の真田哲也教授のゼミ生が企画した。メンバーの鈴木智和さん(20)は「どこにでもいる人間が、銃を持つことで凶暴になる
現実を知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
映画はジャーナリストの土井敏邦氏が監督。パレスチナの難民キャンプの様子や、イスラエルの元兵士の声を伝える。
企画したのは国際経済を学ぶ3年生。真田教授に勧められて作品を見た。帰還後、心に傷を負うイスラエル兵の姿に
「占領する側にも、人生を破壊された被害者がいる」と痛感したという。
23日まで。問い合わせはフォーラム(024・533・1717)。【種市房子】
15年までに米到達のICBM=イラン、北と中国が支援−米国防総省
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010042100117 【ワシントン時事】イランが2015年までに米本土に到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発する可能性があるとする
米国防総省の分析が20日までに、ゲーツ国防長官が議会に提出したイランの軍事力に関する報告書で分かった。
報告書は、「イランは恐らく15年までに米国に到達する能力があるICBMを開発し、試験することが可能になる」と記述。
08年と09年にイランが多段式の宇宙ロケット「サフィル」を打ち上げたことが、「ICBM開発に関する技術の進展があったことを示している」と懸念している。
また、イランがミサイル開発計画を進める上で、「北朝鮮と中国から支援を受けてきた」と指摘。北朝鮮のノドンをベースにした
中距離ミサイル「シャハブ3」はイスラエル全土を射程に入れているとしている。(2010/04/21-08:54)
2010年4月13日配信
良品計画 フィリピン、イスラエルに「MUJI」出店
http://online.ibnewsnet.com/news/file_n/gy2010/gy100413-01.html (株)良品計画は、新たな海外展開としてフィリピンおよびイスラエルに出店すると発表した。両国ともに出店国の既存企業と
ライセンス契約を結び、商標のライセンス供与ならびに商品供給を行い、同企業が運営する同国の店舗にて「無印良品(MUJI)」
を展開する。フィリピンでは2010年中にマニラに 1店舗を出店予定。2011年度3店、2015年までに最大7店舗程度の出店を予定。
イスラエルでは2011年中にテルアビブまたはエルサレムに1店舗を出店予定。
現在良品計画では18の国と地域で約117店舗(2010年3月末現在)を展開し、うち、ライセンス供与/商品供給店舗を
展開しているのは、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、スペイン、台湾、タイ、トルコ、インドネシア。
イスラエル、イランへの単独攻撃のメリット検討
* 2010年 4月 21日 13:46 JST
http://japan.wsj.com/US/Politics/node_53354 【エルサレム】米国の対イラン制裁の準備が遅々として進まず、一方でイランが核能力を着実に高めているとみられるなか、イスラエルの
安全保障担当者の間では、イランへの攻撃を決めた場合、米国の承認を必要とするかどうかについて意見が分かれている。イスラエル当局者が述べた。
イスラエル建国62周年の記念行事(20日、エルサレム)
一部のイスラエル当局者は会見で、米国が核武装したイランを甘受する兆しが見えると述べた。イスラエルはこうした事態は受け入れ
られないとしている。イスラエルの懸念の背景にあるのは、軍事的選択に抵抗する週末の米当局者らの発言だ。ゲーツ国防長官は18日、
核武装したイランの封じ込めを含む新たな戦略が米国には必要、とのメモをジョーンズ大統領補佐官(国家安全保障担当)に渡したことを
明らかにした。これは、外国が軍事力で阻止しようとしなければ、イランは核兵器を製造する能力を持つに至る、ということを示唆している。
(続く)
>>422 より
マレン統合参謀本部議長は18日、イランに対する攻撃は「最後の選択肢」の一つだとする米国の立場を繰り返し表明した。
イスラエルは、米国主導の対イラン経済制裁キャンペーンを支持するとしている。しかし、イスラエル当局者は、制裁を実施するための
外交努力のペースが鈍いことにますますいらだちを強めている。
イスラエルと米国の関係はこの数週間、気まずくなっている。これはイスラエルのネタニヤフ政権が、東エルサレムへのユダヤ人入植を
凍結するよう求める米国の圧力に反発していることに伴うものだ。米国は同地への入植は中東和平努力にとって逆効果だとしている。
関係悪化のもう一つの兆しは、イスラエル当局者らの発言にうかがえる。当局者らは、イラン(アハマディネジャド大統領はイスラエルを
破壊しろと言っている)は決定さえ下せば、1年以内に核弾頭を開発できるだろうと述べているのだ。ただ、外部の専門家はこれには
数年を要すると見ている。イラン自体は、核計画は平和利用のためだとしている。
(続く)
>>423 より
こうした関係悪化によってイスラエルでは、米国の制裁キャンペーンが失敗すれば、イランに対する両国の立場は急速に離れ、
イスラエルがイラン攻撃を決定した場合には単独で行う以外に選択肢はないとの不安が高まっている。
米国の軍幹部はイラン攻撃は中東での米軍事施設などへの報復、あるいはヒズボラとハマスによる広範なテロ攻撃を招くとみている。
マレン統合参謀本部議長は18日、イランへの攻撃は「意図しない結果」をもたらす恐れがあると述べた。同議長は、攻撃を行えば、
米国がイランの隣国であるイラクとアフガニスタンに派兵している最中に地域を不安定にする可能性がある、と長らく警告してきた。
米上級当局者は、米国はイスラエルの一方的行動に反対していると同国に伝えたとしながらも、米政権内部には米国の反対にも
かかわらずイスラエルがイランを攻撃する可能性があるとの懸念が引き続き見られると語った。
記者: Charles Levinson
シリア大統領、急遽エジプト訪問、4年ぶり
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100421-202643.html 【エルサレム森田陽子】シリアのアサド大統領は21日、急遽エジプトを訪問し、ムバラク・エジプト大統領と会談する。イスラエル紙
ハーレツ電子版が同日、報じた。アサド大統領のエジプト訪問は4年ぶり。
ハーレツ紙は、アサド大統領が、シリアとイスラエル間の戦争勃発を憂い、ムバラク大統領と急遽会談することになったと報じた。
アサド大統領は先週、シリアがレバノンのイラン系イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに、スカッド・ミサイルを提供したとの事実を否定している。
両首脳は会談で、パレスチナのアッバス自治政府議長率いるファタハとガザ地区を実効支配するイスラム根本主義過激派組織
ハマス間の和解問題も話し合う見通し。
(続く)
>>425 より
エジプトとシリアの関係は、2006年7月、イスラエルがヒズボラを攻撃した際、アサド大統領がヒズビラ支援をアラブ指導者に
呼びかけたことを機に悪化していた。サウジアラビアもそれを機にシリアとの関係が悪化している。
サウジアラビアはその後、シリアが、レバノンのハリリ首相就任を支持したことを機に関係改善、昨年10月、アブドラ・サウジ国王が
ダマスカスを訪問、関係を修復した。しかし、ムバラク・エジプト大統領は関係改善を拒否していた。今回の会談実現の背後には、
シリア側からの何らかの“妥協”があったものと見られる。
2010/4/21 20:26
平成22年4月22日
米、イラン制裁で岐路に、「有志連合」論の高まりも
http://www.worldtimes.co.jp/today/kokunai/100422-3.html 【ワシントン時事】国連安全保障理事会での対イラン追加制裁交渉の出口が見えない中、オバマ米政権のイラン政策に対する
風当たりが強まっている。「有志連合」による圧力強化を求める声も高まっており、政権は「次の一手」をめぐる岐路に直面している。
ゲーツ国防長官、イラン政策の欠如を警告−。18日付のニューヨーク・タイムズ紙は、政権筋の話として、同長官がイランの
核開発続行に備えた長期戦略の欠如を指摘する極秘メモを政権幹部に送ったと報じた。
同長官は同日中に声明を出し、メモは「警告」のために書かれたものではなく、政策決定に資する提案や問題点を示したに
すぎないと反論。ギブズ大統領報道官も「実際に伝えられていないことを伝える能力に驚いた」と不快感を示した。
(続く)
>>427 より
ただ、記事は結果的に政権のイラン政策を的確に描写しているとの評も多い。マケイン上院議員(共和)は「極秘メモで
指摘されるまでもなく、一貫した政策がないのは極めて明白」と酷評。ワシントン・ポスト紙は社説で「政権に次善策がないのは公然の秘密」と皮肉った。
安保理での討議は、中国が制裁を受け入れていないことに加え、制裁に前向きなロシアは石油精製品の禁輸には否定的。
非常任理事国のトルコやブラジルも外交的解決を求めている。
また、制裁消極組のレバノンが5月に安保理議長国となる。その上、同月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議開催中に
制裁討議を推し進めれば、全会一致方式の会議の成果を損なうのは必至。オバマ大統領が目指す「今春中」の決議採択は困難な情勢だ。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は、「安保理の外で実現するしかない」として、有志連合による強力な制裁の実施を要求。
米国内でもホイヤー民主党下院院内総務が、石油精製品の禁輸に関する上下両院の法案を数週間以内に一本化する方針を
表明しており、オバマ政権は早晩、安保理の結束と有志連合による圧力強化の間で厳しい決断を迫られることになる。
【宮家邦彦のWorld Watch】外交能力「大リーグと少年野球」 (1/3ページ)
2010.4.22 07:53
このニュースのトピックス:米国
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100422/amr1004220755002-n1.htm 核サミットで、オバマ大統領と握手する鳩山首相(AP)
イスラエルがついにイラン核施設に対する軍事攻撃に踏み切った…。とはいっても、あくまで架空の「ゲーム」の話。4月上旬の週末、
60人の有識者、専門家の参加を得てキヤノングローバル戦略研究所が実施した政策シミュレーションでの出来事だ。
イランの核疑惑については昨年このコラムで、イランが核兵器追求を断念することはなく、イスラエルによる対イラン核施設攻撃も
「ない」とは言えないと書いた。少なくとも外交ゲームという仮想空間ではこれが実行されてしまったことになる。
ゲームは2011年にイランのウラン濃縮率が60%を超えたとの想定で行われた。結果は暗澹(あんたん)たるものだ。イスラエルは
米国の了解なしに単独で攻撃し、イランは地対地ミサイルで報復した。原油価格は急騰し、1バレル当たり240ドルを超えた。
米イスラエル関係は険悪化し、パレスチナなどで大規模戦闘が始まった。世界経済は文字通り大混乱に陥った。ゲームコントローラーを
務めた筆者自身も、シミュレーション終了後、「これが現実でなくて本当に良かった」とうなったほどだ。
(続く)
>>429 より
似たようなシミュレーションは過去数カ月間、ブルッキングスやMITなど米国・イスラエルの有力シンクタンクでも実施されている。
いずれもイスラエルの単独攻撃、中東情勢の泥沼化という点では、われわれのゲームとほぼ同じ結果になったようだ。
当然米国政府も同種のゲームを実施している。「外交の失敗」は中東での米国権益に壊滅的打撃を与えると学んでいるはずだ。
されば、現在米国はイスラエルに対イラン攻撃を断念させるべく、あらゆる外交的資源を動員しているに違いない。
こう考えれば、最近の「核兵器のない世界」を目指すオバマ政権による一連の外交的イニシアチブの目的が、一般的な核軍縮や
核テロの防止だけではないことが容易に想像できるだろう。
それにしても、最近の米外交には切れ味がある。新たな核軍縮条約を結んでロシアとの利害関係を再調整した。人民元
切り上げ要求をちらつかせながら、中国の抱き込みを始めた。中露など47カ国が参加する核セキュリティー・サミットを主催し、国際的連携を強化した。
これらはすべて、国連安保理で追加制裁決議を採択してイランに圧力をかけ、イスラエルに対イラン攻撃を思いとどまらせるための
「布石」でもあると見てよいだろう。オバマ大統領は実に精力的、戦略的に動いている。
(続く)
>>430 より
このことを核サミットに出席した鳩山由紀夫首相はどこまで理解していたのだろうか。米側の真の意図が分かっていれば、
日本が独自に対イラン圧力を強めるなり、アラブ諸国に対する働きかけを行うなりした上で、それを普天間飛行場移設問題に
絡ませる工夫の余地もあったろうに。
結果は悲劇に近かった。報道によれば、オバマ大統領から「キャン・ユー・フォロー・スルー?(ちゃんとやれるの?)」と言われた
ようだが、そう言われても仕方なかろう。夕食会冒頭10分の「非公式会談」は、日本の「政治主導」によるアマチュア場違い外交の失敗を示すものだ。
主要国間の虚々実々の外交が「大リーグ・ベースボール」だとすれば、現在の日本のトップは「少年野球」レベルにしか
見えない。普天間問題は日米関係悪化の「原因」ではなく、日米間の外交能力格差の「結果」である。
◇
【プロフィル】宮家邦彦
みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、
在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。安倍内閣では、首相公邸連絡調整官を務めた。
現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
ヨルダンからイスラエルに2発のロケット弾が発射される、ヨルダン領内に着弾=治安関係者
2010年 04月 22日 20:01 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK864073220100422 [アンマン 22日 ロイター] ヨルダンの治安関係者によると、ヨルダンのアカバからイスラエルに向けて2発のロケット弾が
発射されたが、ヨルダン国内の無人倉庫に着弾した。
ヨルダンの情報担当大臣は「アカバ北方の冷蔵倉庫で限定的な爆発があり、若干のダメージを受けた」と述べた。
アカバはイスラエルのエイラートに近接している。
一方、イスラエルの治安関係者は、エイラートには何も打ち込まれていないと述べた。
エジプトの関係筋は、シナイ半島からロケット弾が発射された事実はない、と否定した。
米に「入植停止拒否」通達 イスラエル政府
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042201001128.html 【エルサレム共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は22日、イスラエルのネタニヤフ首相が最近、占領地
東エルサレムでのユダヤ人入植活動の全面停止を拒否する意向を米政府に正式に通達したと報じた。イスラエルの
メディアによると、同国首相府も報道内容を認めた。
ネタニヤフ首相は3月下旬にオバマ米大統領と会談。大統領は、パレスチナ和平交渉を再生するため入植停止に
応じるよう首相に要求したとされ、イスラエル政府が対応を協議していた。
東エルサレムを将来の独立国家の首都とみなすパレスチナ自治政府は、入植活動の全面停止を求め、イスラエルとの和平交渉を拒否している。
2010/04/22 22:11 【共同通信】
ヨルダンからイスラエルに向けロケット弾2発発射
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2010-04-22T212206Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-149549-1.html 【カイロ鈴木眞吉】ヨルダン南西部の港湾都市アカバから22日、イスラエルに向け2発のロケット弾が発射され、
アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アルアラビアによると、うち1発がアカバ北方の無人倉庫に着弾し、もう1発は同湾の海中に落下した。
「イスラエルの港湾都市エイラートへの着弾」や「エジプトのシナイ半島からの発射の可能性」など一部で報道が混乱したが、、
ヨルダンのナビル・シャリフ広報相は「早朝、アカバ北方の冷蔵倉庫で限定的な爆発があり、若干のダメージがあった」と述べた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは同日午後、発射されたロケット弾はシンプルなカチューシャロケットで、誰が発射したかは今のところ不明だ、と報じた。
中東地域では、シリアが、イスラエルと厳しく対立するレバノンのイラン系イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに、スカッド・ミサイルを
提供したとの情報をめぐり、アサド・シリア大統領が、イスラエルとの戦争勃発の危機を感じて、ムバラク・エジプト大統領と4年ぶりに
会談するなど、緊張状態が続いている。
2010/04/22 21:22
月末にもイラン制裁決議 米副大統領が見通し
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042301000165.html 【ワシントン共同】バイデン米副大統領は22日放映のABCテレビのトーク番組に出演し、ウラン濃縮活動を続けるイランに
対する国連安全保障理事会の追加制裁決議について「今月末か来月の初め」には可決されるとの見通しを示した。
バイデン氏は「中国も制裁に同意するだろう」と述べ、国際社会の合意形成に自信を示した。また、イスラエルが米国の同意なしに
イラン核施設を攻撃する恐れはないと語った。
2010/04/23 09:00 【共同通信】
米の中東和平特使、イスラエル・パレスチナ首脳と会談
2010/4/24 9:54
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E6E2E2E28DE0E6E2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=ALL 【カイロ=安部健太郎】米国のミッチェル中東和平担当特使は23日、訪問先のエルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相、
ヨルダン川西岸ラマラでパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談した。頓挫している中東和平交渉の再開策について双方の
妥協点を模索。ロイター通信によると、アッバス議長は後ろ盾であるアラブ連盟(22カ国・機構)が5月上旬に開く予定の
中東和平に関する委員会に、交渉再開策などについて相談する方針を伝えたもようだ。
米国は数週間以内に、自ら間接交渉を仲介する形で和平交渉再開を実現したい意向とされる。ただネタニヤフ首相は
パレスチナ側や米国が求めた東エルサレムへのユダヤ人入植活動の凍結を拒否しており、交渉入りのめどは立っていない。
ミッチェル特使は3月上旬にイスラエルとパレスチナ双方から、いったんは間接交渉入りの合意を取り付けた。しかし合意翌日に
イスラエルが第3次中東戦争で併合した東エルサレムへ新たに1600戸の住宅を建設することを決めたため、交渉入りは頓挫している。
>>440 より
◆重要な川の守り◆
万博会場は、長江に合流する幅約500メートルの黄浦江両岸に位置する。この水上警備に投入された大小の巡視船は
なんと65隻に上る。市政府関係者は「2008年にインド・ムンバイで起きた同時テロでは、テロリストが海上から侵入したと
みられており、川の守りは重要だ」と話す。
同関係者によると、イスラエルから対テロ先進兵器を大量購入、使用法についての訓練も受けたという。全国一のコンテナ取扱量を
抱える下流の外高橋港では、貨物船内の不審人物を探知するため、人間の心音だけを探知する精密機器による検査も
行われている。3月、モスクワの地下鉄で起きた連続自爆テロの教訓から、地下鉄駅にも武装警察が大量投入されている。
民間軍事研究所「漢和情報センター」(本部・カナダ)発行の月刊誌「漢和防務評論」によると、上海市南部には、
射程200キロのロシア製対空ミサイルが配備され、長江デルタ全体を上空からの攻撃から守る態勢を整えたという。
パレスチナ自治政府議長、来月訪米へ、オバマ米大統領と会談
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100425-214232.html 【カイロ鈴木眞吉】アッバス・パレスチナ自治政府議長は来月、米国を訪問し、オバマ米大統領と会談する。
アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アルアラビアが25日、報じた。
パレスチナ自治政府のアリカット交渉局長によると、オバマ大統領からの招待状は、ミッチェル米中東特使により23日、
ヨルダン川西岸で、アッバス議長に手渡された。それに対し、アッバス議長は前向きの反応を示したという。
米国の目的は、バイデン米副大統領のイスラエル訪問時、イスラエル内務省が、東エルサレムへの1600戸の入植住宅建設計画を
明らかにしたことをめぐって一時、実現不可能になったイスラエルとパレスチナ間の米仲介による間接交渉を開始させることにある。
パレスチナ側は、イスラエルの入植計画承認に対して猛反発、入植全面停止の保証が無い限り、間接交渉には応じられないとして態度を硬化させていた。
イスラエルとパレスチナとの交渉は2008年12月のイスラエル軍によるガザ地区侵攻以来、中断している。
2010/4/25 21:42
米 アッバス議長を訪米招待
4月26日 4時51分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100426/t10014074251000.html アメリカのオバマ政権は、パレスチナのアッバス議長をアメリカに招いてイスラエルとの和平交渉の早期再開を大統領みずから
説得する考えを示しましたが、現地では占領地でのユダヤ人入植をめぐる対立が続き、交渉再開の見通しは立っていません。
パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長の側近は、25日、この日まで現地入りしていたアメリカのミッチェル中東担当特使から、
議長がアメリカ訪問の招待を受けたと明らかにしました。招待はオバマ大統領みずから中東和平交渉の早期再開を説得するためで、
パレスチナ側は来月中に会談が実現するだろうとしています。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、先月、交渉再開の合意が
破棄される原因となった東エルサレムでのユダヤ人入植について、占領地ではないと主張し、継続の姿勢を崩していません。
現地では25日も、パレスチナ人住民の立ち退きを求める右派のユダヤ人のデモ行進が住民と衝突するなど、厳しい対立が続き、
交渉再開の見通しは依然、立っていません。このため、アッバス議長がオバマ大統領の前で交渉再開に応じるには、イスラエル側の
何らかの譲歩が不可欠で、ミッチェル特使は来週、あらためて現地入りし、双方の調整にあたることにしています。
革命防衛隊がミサイル試射、軍事演習終える イラン
* 2010年04月26日 08:02 発信地:テヘラン/イラン
http://www.afpbb.com/article/politics/2721198/5668474 ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)に近いイラン南部で発射された「ヌール(Noor、光)」ミサイル(2010年4月25日撮影)。(c)AFP/FARS NEWS/MEHDI MARIZAD
【4 月26日 AFP】イランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)は 25日、地対艦ミサイルと艦対艦ミサイル計5発の発射試験を
行った。国営イラン学生通信(ISNA)が報じた。
革命防衛隊は戦略的に重要なペルシャ湾(Persian Gulf)のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で22日から4日間にわたり
軍事演習「Prophet V」を実施し、25日はその最終日だった。
イラン学生通信は、それぞれ射程が異なる国産ミサイル「ナスル(Nasr、勝利)」、「サエゲ(Saeqeh、稲妻)」、「ヌール(Noor、光)」の
試験を行ったとアハマド・バヒディ(Ahmad Vahidi)国防軍需相が語ったと伝えた。バヒディ国防軍需相によると、サエゲは「適切な弾頭を
積んだ巡航ミサイル」だという。これに先立ち国営テレビも、5発のミサイルが同時に目標に命中したと伝えていた。
(続く)
>>446 より
■「レーザー兵器」も?
また、数機の国産無人機も演習に参加し、「敵の動きを地上部隊に伝えた」という。国境を接するアフガニスタンに駐留する
米軍はイランの無人機に神経を尖らせている。さらにバヒディ国防軍需相は「国産のレーザー兵器」も試験し、「100%の正確さで
目標に命中した」と述べたが、詳細については明らかにしなかった。
イランは、イスラエルや中東にある米国の施設を攻撃できるミサイルを保有しているとしているが、西側の軍事専門家の間では、
イランの弾道ミサイル開発計画がその主張通りの成果を収めているのか疑問視されている。
22日は、1979年のイスラム革命を率いた最高指導者故ホメイニ(Ruhollah Khomeini)師の命令によって革命防衛隊が発足
してからちょうど31年目だった。(c)AFP/ Farhad Pouladi
中東和平交渉:米中東特使訪問 間接交渉が5月にも再開か
http://mainichi.jp/select/world/news/20100426k0000e030020000c.html 【エルサレム花岡洋二】イスラエルによる東エルサレムへの新たな入植住宅建設計画などを巡り中断している中東和平交渉の
再開に向け、米国のミッチェル中東特使が23〜25日、イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長と
相次いで会談した。表面的に両者の溝は埋まらなかったが、米側は、実質的な建設凍結を議長に「保証」することで
交渉再開を促しているとみられ、5月中旬にも間接交渉が始まる可能性も浮上している。
ミッチェル氏は23日、ネタニヤフ首相とアッバス議長の順で個別に会談。25日にも首相と面会した。内容は公式発表
されておらず、表向き大きな進展はなかった。
しかし、25日付のイスラエル紙「ハーレツ」は、交渉に携わる情報筋の話として、オバマ米大統領が「イスラエルは(間接)交渉中は
併合地・東エルサレムで『重大』な行動を控えるだろう」という趣旨の手紙を議長に送ったことを明かした。「重大」な行動とは、
争点となっている東エルサレムでの入植を指し、3者は「完全凍結」の発表がなくても間接交渉を再開できる妥協点を探っているとみられる。
(続く)
>>448 より
ネタニヤフ首相は公式には、東エルサレムでの入植を凍結しないとする従来の立場を繰り返している。右派主導の連立政権で、
表だって態度を軟化できずにいるとみられる。
一方、アッバス議長は「実質的な凍結」の口約束が破られた時に政治的な窮地に追い込まれるのは必至で、慎重に判断
している。しかし、別のパレスチナ外交筋は毎日新聞に「国際社会の支援が欠かせないパレスチナは、交渉の阻害要因と
みなされることを恐れ、イスラエル側の態度変化がなくとも間接交渉に応じる用意がある」と明かす。来月1日にカイロで開かれる
アラブ連盟の外相会合で、間接交渉の是非が話し合われる見通しだ。
米国務省は25日、ミッチェル氏が5月の早いうちにイスラエルとパレスチナを再訪することを発表した。何らかの進展があったことを示唆する結果と見なされている。
毎日新聞 2010年4月26日 10時53分
イラン核問題で「圧力」も=岡田外相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010042600761 岡田克也外相は26日、外務省で、イスラエルのメリドール副首相兼情報相と会談した。副首相は、イランの核開発問題に
ついて「国連安全保障理事会が迅速に、十分有効な決議を採択することが必要だ」と指摘し、日本の協力を求めた。これに対し、
外相は「イランの核問題の現状を深刻に懸念しており、『対話』のみならず『圧力』も考えるべき時期に至っている。わが国として
安保理で役割を果たしていきたい」と応じた。(2010/04/26-18:26)
ガイ・リッチー監督、反イスラエル運動に参加した友人を裁判で擁護
2010年4月26日 23時37分 tweet
http://www.cinematoday.jp/page/N0024023 ガイ・リッチー監督
[シネマトゥデイ映画ニュース] ガイ・リッチー監督が、2008年の映画『ロックンローラ』で脚本家として製作に参加し、自身の
12年来の友人でもある男性の裁判で、人格証言を行った。
脚本家のマーティン・アスキューは、2009年1月ロンドンのイスラエル大使館付近で起きた、イスラエル軍のガザにおける活動に
抗議する運動に参加し、暴力騒擾罪に問われている。リッチー監督は陪審員に向けた声明の中で、アスキューについて「物静かで
優しく、寛大で、尊敬できる人物です」とコメント。「私自身、注目される立場にあることで、本当に信用できる人物とともにいることが
大切です。マーティンとは、家族のパーティーなどにも招待しあう仲であり、彼は家族や友人を思いやる、信頼できる人物です」
と友人をサポートした。さらに、脚本家としてのアスキューについても「創造力にあふれ、勤勉で、常に自分の技術を磨こうと
努力している脚本家で、共に働くことは喜びでした」と、全面的に擁護する証言を行った。
更新日:2010/04 /26(月)
[海外] パレスチナ/ネタニヤフとファイヤドの「経済和平」1年間
──2月10日 「電子インティファーダ」 ジヤアド・ルナート
http://www.jimmin.com/doc/1348.htm パレスチナ内部で進む格差と分化
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、占領地=ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人と「『経済和平』を実現する」と公約した。
パレスチナ人の雇用と生活を改善し、経済発展させれば、「諸問題」が解決し易くなる、という論理であった。
元IMF職員で、ラマラのパレスチナ自治政府(PA)首相に指名されたサラム・ファイヤドは、「ネタニヤフ・ビジョンに飛びつき、昨年8月に補足計画を提案した。
「経済和平」案は国連、EU、米・オバマ大統領─和平プロセスを指令する四重奏団─の支持を得た。トニー・ブレアも、
ファイヤドを「一流政治家だ。プロで、勇気があり、聡明」と誉めた。もちろん、ネタニヤフへの「ピースメーカー」との賛辞も忘れずに。
占領状態のまま、パレスチナ人の生活を改善する。これこそが、パレスチナ人の窮状の解決策だというコンセンサスが、政治家や、アラブ諸国の首脳の間で生まれている。
(続く)
>>433 より
ネタニヤフは、シルヴァン・シャロム副首相を経済和平特別委員長に任命し、ブレアとPAとの調整に入らせた。
この「ネタニヤフ・ファイヤド計画」は、外国資金を引き寄せる磁石であった。
昨年7月、米国議会は2億ドルをPAに送り、ファイヤドの直接管理下に置く決定をした。9月には、国連総会で決定された
4億ドルの対PA援助金を、 09年末までに各国が送ると約束された。1月には、EUが「PAが80551人の公務員の給料と
退職者年金の1月分を支払うための援助」として、2100万ユーロを送った。
この経済開発政策は、失敗したブッシュの民主主義促進政策に代わるものである。
06年の民主的選挙によって、パレスチナ人はハマスを選んだ。しかしハマス政権は、「カルテットの要求(その多くは国際法違反)に
合わない」と、イスラエルと西側諸国からボイコットされた。
カルテットは戦略を変え、「穏健派」のパートナーを求めた。その穏健派とは、PA議長マハムード・アッバスだった。彼は先月に
2回目の任期切れ(09年初めに曖昧な形で1年延期された)だったが、そのまま居座らせている。
(続く)
>>454 より
西側の援助国は、ファイヤドを首相に据えさせた。しかし、彼が率いる「第三の道」党は、2006年選挙で3%以下の得票しかなかった。
彼はPA国庫を独占的に管理しているので、巨大な権力を手にしている。「西側は彼をアッバスとすげ替えるのではないか」という憶測が、PA内部でも流れている。
経済開発「西岸地区第一」政策と「経済和平」は、同時にPAへの警告でもある。
「イスラエルと西側援助国に従わないと、ガザの二の舞(=経済封鎖)にするぞ」という脅迫が現実になるからである。ハマスは、
そんな圧力によって、少しずつ追い詰められ、「少しでも援助金の分け前を得たい」という姿勢を見せている。
ネタニヤフの経済和平の効果は出始めている。政治面では何ら進展はないが、治安面におけるPAとの協力関係は、これまでになく
好転した。米国に訓練されたパレスチナ保安隊が西岸地区で不満分子を抑えて、「秩序」を維持している。夜間イスラエル軍の
襲撃がある時は、パレスチナ保安部隊が速やかに姿を消す。情報交換し合うため、「抵抗分子」の逮捕が効果的になった。
(続く)
>>455 より
英ガーディアン紙は、「パレスチナ保安隊が、米CIAと緊密に協力して反対者を迫害」と報じている。昨年12月、イスラエル入植者が
殺害された時、アッバスの保安隊は「超過勤務」で容疑者捜査を行い、数百人の同胞パレスチナ人を逮捕した。
PAの広報担当官は、その入植者殺害事件までは治安状況は「ほぼ満点」だったのに、と語った。その意味は、PA保安隊が
毎日起きているイスラエル軍や入植者によるパレスチナ人襲撃を防ぐことができなかった、というのではなかった。逆に、これまで
パレスチナ人によるイスラエル人攻撃を完璧に防いだきたのに、ということだったのだ。入植者殺害事件後、アッバスが「同胞弾圧」に
乗り出したが、イスラエルの死の軍団がナブルスに侵攻し、報復にパレスチナ人3人を殺すのを防ぐことはできなかった。
イスラエルはPAを、《西岸地区を植民地化する入植者たちの安全を勤勉に守ってくれるパートナー》と見ている。だからこそ
ネタニヤフは、道路閉鎖と、パレスチナの町村間の移動を妨げていたチェックポイントをいくつか解除したのである。
それでも西岸地区内では、578箇所以上が封鎖されている。国連によれば、「封鎖解除によって移動が少し楽になったが、
パレスチナ人は土地の喪失、交通網の崩壊、西岸地区の断片化という犠牲を払っている」。
「揺るがぬ約束」を再確認 米大統領がイスラエル国防相と会談
2010.4.27 10:22
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100427/amr1004271024005-n1.htm オバマ米大統領は26日、ホワイトハウスでイスラエルのバラク国防相と会談し、イスラエルの安全保障に関する「揺るがぬ約束」を
再確認し、包括的中東和平実現に向けた決意をあらためて伝えた。ギブズ大統領報道官が記者会見で明らかにした。
ジョーンズ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とバラク氏の会談に、オバマ氏が立ち寄る形で会談した。
イスラエル政府が、和平交渉開始の障害となっている東エルサレムでのユダヤ人入植を事実上凍結したとの一部報道については、ギブズ報道官は確認を避けた。
オバマ氏は同日、エジプトのムバラク大統領とも電話会談し「中東和平の雰囲気づくり」の重要性で一致した。(共同)
回良玉副首相、イスラエルとの協力強化を期待
2010-04-27 15:11:13
http://japanese.cri.cn/881/2010/04/27/162s157874.htm 中国の回良玉副首相は26日北京で「今年は中国とイスラエルの国交樹立18周年に当たる。中国はこれをきっかけとして、
両国交流を一層緊密なものにし、政治面での信頼関係を強め、経済貿易や農業、水資源などの分野における協力を強化していきたい」と述べました。
回副首相は当日北京を訪れているイスラエルのヘルツォーグ社会問題大臣の一行と会談しました。回副首相はその中で
「両国は仲良好的な交流を行っている。中国は相互尊重、平等互恵と内政不干渉の原則を堅持し、イスラエルとの友好協力を
推進している」と述べました。また、代表団の質問に答え、青海大地震の救援活動の様子を紹介しました。
ヘルツォーグ社会問題大臣は、被災地住民に見舞いの意を示し、中国政府と人民が迅速で効果的救援活動を展開していることを高く評価しました。
ヘルツォーグ氏を初めとする代表団は、中国民政省の招きに応じて中国を訪問し、両国が民生及び災害救援分野における
協力の推進を目的としています。(翻訳:ZHL)
アッバス大統領 中東和平交渉再開に期待
27.04.2010, 12:41
http://japanese.ruvr.ru/2010/04/27/6960897.html パレスチナ自治政府のアッバス大統領は26日、イスラエルのテレビ局からのインタビューに答えた中で、アラブ連盟が今週中にも
パレスチナ・イスラエルの和平交渉の再開を承認するよう期待を表した。また大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と協力していく用意があることを明らかにした。
アメリカのミッチェル中東和平担当特使は23日から25日にかけて、中東を訪問し、和平交渉の再開に向けてイスラエルの
ネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス大統領とそれぞれ会談。アッバス大統領は来月1日にエジプトのカイロで開かれる
アラブ連盟の外相会合で、ミッチェル特使が提示した複数の案を基礎に、間接対話の是非をめぐって話し合うと約束した。 一方の
ネタニヤフ首相は26日、自身が率いるリクード党の党会議の中で、パレスチナとの間で早期に交渉を再開するよう期待を表した。
イスラエルとパレスチナの和平交渉は、イスラエルが行っている入植問題を理由に1年以上前から中断している。
追加制裁でイランは変わる=イスラエル副首相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010042700991 来日中のイスラエルのメリドール副首相兼情報・原子力相は27日、都内で記者会見し、イランの核開発問題について
「米国を中心に国際社会が政治的・経済的圧力を掛ければ、イランの態度は変わり得る」と述べ、国連安保理による
対イラン追加制裁決議の早期採択を強く求めた。
ただ、イスラエル自身の核問題には口が重く、ニューヨークの国連本部で5月3日から再検討会議が開かれる核拡散防止条約
(NPT)へのイスラエルの加盟の可能性について聞かれると「(オバマ米大統領の打ち出した)『核なき世界』の理念は共有できる」
とだけ述べ、言葉を濁した。(2010/04/27-20:11)
梅
生め