3 :
名無しさんだよもん :04/03/26 00:40 ID:0lds9N3X
>>1 暗黙の了解をスレタイにする必要は無いと思うけど。
まあ乙。
4 :
名無しさんだよもん :04/03/26 00:42 ID:YW6xww/m
ここはdend並のレベルでもok?
>>6 なんでそんなの用意してあるの? しかも一人分だけ……本人?
10 :
名無しさんだよもん :04/03/26 03:22 ID:YW6xww/m
でんど最高
12 :
名無しさんだよもん :04/03/26 04:33 ID:YW6xww/m
即志望し
どこが関連スレなんだ?
14 :
名無しさんだよもん :04/03/26 07:10 ID:YW6xww/m
デンド繋がりじゃねーの?
このスレは語尾にdendとつけて語り、あぼーんを多発させるスレになりましたdend
前スレはただの糞スレになっちなったしdend
前スレの職人達、どれだけ此処についてこれるのかなあ?
dend=
>>1 だけはいるからdend隔離スレとしては問題ない。
>>11 を関連スレと断言できるなんてdendだけだ。
バキューン!!dend
20 :
名無しさんだよもん :04/03/26 18:29 ID:YW6xww/m
dend
「参謀本部は現場を何もわかっていない。」 一弥は怒っていた。 佐祐理の無知さに、参謀本部の見識の甘さに、 佐祐理を罵りたくないのか、それらを全て参謀本部の所為にしていた。 「え?」 佐祐理は苦しそうに奥歯を噛みしめる一弥に驚いた。 「だってそうじゃないか。いくら新しい大砲を集めたって、所詮六門程度、気球は練度、隊員数共に未熟で、できたばかりの騎兵隊の偵察はお粗末なものだ。 前方に見える保塁群が分かったとしても、その後ろ、そのまた後ろの保塁群はあるのかどうかすらわからない。そんな状態で、穴抗作業も未熟だったら。この前と同様の結果になると思わないんですか!?」 一弥は最初のうちは地面に向かって言葉を発していた。 しかし、語調が強くなるにつれ、だんだんと顔を上げ、最後には佐祐理に面と向かって話していた。 佐祐理はその気迫に押されて、居すくんでしまった。 「ご、ごめんなさい・・・だって、いつも何も言わなかったから。」 「それは、僕が作戦のことについて話しても、よくわからないとか、違う話をしましょとか、いつも話をほぐらかすから。 言えなかったんだ。日が経つにつれて、この作戦は無理があると皆思ってたんだ。さっきの止めに入った上官だっていつもは、この時間じゃ間に合わないから師団長に総攻撃の時期を延ばすよう具申してくれと、何度報告を受けたことか。 お姉ちゃん。師団長からの具申書知ってるはずだよね」 佐祐理はびくっと痙攣した。 戦時報告、行軍記録、補給状況、砲兵配置、工兵掘削状況、地図作製など全て、参謀達、それも久瀬参謀長一人にまかせっきりだった。 そんな具申書など、もちろん見ていない。参謀本部内で佐祐理がやっていることといえば、会議で決をとることと、一弥に勧められて始めた漢詩書きくらいだった。 「え、あ、ご、ごめんなさい。」 一弥は斜め横を向いてため息をついた。 「やっぱり、返事が全く返ってこない閑古鳥だって、師団長が言っていたから。何度も書き続けたのに。」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ご・・な・い」 佐祐理は泣き出した。 目から水滴がどんどんこぼれ落ちていく。 下を向いて必死に涙が落ちないよう、手で目を拭いている。 しかし、涙は止まらないで汚い泥水の上に混ざっていった。 「ごめんなさい」 佐祐理の顔を隠すように、一弥は佐祐理を抱きしめた。 背は同じくらいだったが、佐祐理が下を向いていたので、なんとか周りには見えない。 そして、数分が経った。 佐祐理が目を赤くして、ようやく涙がこぼれるのが収まったところで、 雨が降ってきた。 何故かしょっぱっかった。 佐祐理の代わりを一弥がするように、一弥の眼からは塩水がでていた。 一弥はもう一度いった。 「ごめんなさい。でも、仕方なかったんです。あの光景をもう一度見たくないから・・・」 佐祐理は上を向いて、一弥の眼を見た。 一弥の涙でぼやけた眼には何が映っているんだろう。 佐祐理はそんなことをずっと考えていた。
23 :
名無しさんだよもん :04/03/26 19:53 ID:YW6xww/m
支援
25 :
名無しさんだよもん :04/03/27 03:45 ID:VRDF+68f
あげ
1〜2年くらい前にあったバイクのSSってなんのスレにあるんだっけ? ちょっと読みたいんだが。
夜の会議が始まる少し前。 「ちょっと、来てくださいませんか?天野中将さん」 「なんですか?」 天野中将を呼び止めた。 これが佐祐理が本当の”倉田司令官”になるための一歩。 一弥とこの時代の国の人のために、普通の女子高生を捨てて、満州軍第三軍司令官となる道への一歩だった。 佐祐理は呼び止めた理由も話さず、天野の手を掴んで、ある部屋へと強引に連れて行った。 不思議がる天野は慌てつつも悪い気はしなかったようだった。 コンコン ドアを叩く。 すると即座にドアが開いた。彼が自分の部屋にだけつけたチェーンロックの間から、久瀬参謀長は顔をぬっと出した。 「なんですか?もうすぐ会議が始まりますよ。」 久瀬は不機嫌そうだった。 「手短かに終わらせます。」 久瀬はいぶかしんだ様子を見せたが、機転をすぐに変え、ドアをバタンと閉めた後、鎖をはずす音がして、開けられるぎりぎりまでドアを一気に開いた。 「どうぞ」 久瀬は手を動かし、中へと誘った。
中に入ると、よく整頓された高そうな机、何やら色々な装飾の飾ってある棚や、重厚な桐だんすがあった。それにどこから持ってきたのか壺やら、陶磁器やらが何点か飾ってある。この部屋は間違いなく第三軍内で一番豪華だろう この部屋を見れば誰しもが、久瀬が職権を乱用していると思うにちがいない。 だが、その豪華な装飾品の上、壊れそうな程ギッシリと詰まった棚に、整理前の大量の本があるのが見える。佐祐理には大金を払う調度品よりも、本の方を重宝しているような印象を受けた。 「それで話とはなんですか?椅子は勧めませんよ。時間も無いですから。」 佐祐理はずいずいと久瀬の前にいくと、持っていた書類を机の上に置いた。 「何ですか?これは、」 「作戦変更案です。とりあえず読んでみてください。」 「第二次総攻撃は明日ですよ?いまさら大きな変更はできませんが、砲兵の局所的な配置変換というのなら可能ですが、大局的な変更はできません。それくらいわかって・・・」 「わかりました。ですから、とりあえず読んでください。話はそれからにしましょう。」「たくっ、これだから箱入り娘は・・・」 久瀬は本人のいる前で悪態をつく。ここらへん久瀬の嫌われる所なのだろうが、本人に改善の意志は無い。眼鏡をくいっとあげるとすさまじい早さで眼の瞳孔を水平に動かしていった。 一行を0コンマの単位で読んでいく。そして、一枚のレポート用紙くらいの紙を、ものの10秒程で読んでしまうのだった。久瀬は世に言う速読術を身につけていた。 そして、最後の紙をみくり10秒程経つと、久瀬は言った。 「駄目ですね。第二次総攻撃の延期ですって?全く、誰にこんな馬鹿な話を吹き込まれたんですか?」 佐祐理は怯まなかった。 「いいえ、このまま攻撃を開始すると必ず失敗します。それにこの具申書に書いてある通り、」 「あのですね。こんな報告書は毎日定期便のように届いて、耳にたこができているんです。 」 「だったら」 久瀬は首を振った。
「現場の人間は大局的に物事を見られないから、こんなことを書くんです。時間が延びれば延びるほど、旅順の要塞は修復され、どんどん新しい保塁が作られていきます。半月も延期したら、第一次総攻撃で受けたダメージが完全に回復してしまいますよ。」 「例え要塞が強固になっても、要塞内にいる人間の数は変わりません。中で武器を操縦する人間がいなくなれば、拡張する利点は無いと思います。」 久瀬はキッと佐祐理を睨めつけた。 「倉田さんねぇ。あなた何回会議に出ているんですか?」 「毎日です。」 佐祐理は気圧されないよう、即答した。 「言っておきますけれど、この作戦案は何度会議に提出され、そのたびに否決されたのは覚えているんですか?」 「ええ」 佐祐理は嘘を言った。会議の内容など、今の今まで、聞いていない。 ここで佐祐理がよくわからない、などとは自分の無知さをさらけ出すので言えなかった。 そこで天野中将が割って入った。 「あの・・・倉田司令官?延期するなんて作戦案は一度も会議に提出されていませんが、」「え?」 久瀬は笑った。それはかた一方の頬を釣り上げる、久瀬得意の嫌味な笑みだ 「やっぱりね。あなたは会議の話を何も聞いていない。かまをかけたんですよ。天野中将の言うとおり、そんな話はでていない。 そんな人の話を聞かない人の意見が通るとでも思っているんですか?どうせ、諸処の質問に答えられないから、私を仲間に引き入れて、私に回答させようとしたのでしょうが、 あまりに稚拙、あまりに傲慢、あなたはガキですか?」 佐祐理はぐうの音もでなかった。そのまま久瀬の言うとおりだった。 「自分の作戦案くらい自分で言いなさい。おっとちょうど会議が始まるころですね。では行きましょうか。」 久瀬は壁掛けの時計を見ると、ドアからでていった。 二人は久瀬の後を追い、会議室に入った。
「・・・では、決を採ります。」 会議は全会一致で、否決された。 歩兵の配置転換の場所をどうするのか?佐祐理は答えられなかった。砲兵の後退作業までの時間をどうするのか?佐祐理は答えられなかった。それでは、半月という作戦延期案はどのように計算されたのか?佐祐理は答えられなかった。 種々の質問に焦りながら、手振り身振りばかり使って教える佐祐理の行動を見かね、天野中将が議決を要請した。 誰も席を立たなかった。 最後に全員が退出するとき、皆、司令官の罵詈雑言を言いながら出て行った。 ただ一人、天野中将だけは「すいません」と頭を下げて、出て行った。 そして、翌日、朝日が昇り、第二次総攻撃は開始される。
速読って瞳孔あまり動かさないよな
オレに速読を語らせたら煩いぜ?
33 :
名無しさんだよもん :04/03/28 19:49 ID:qVx69WVI
じゃあ、語れ
34 :
名無しさんだよもん :04/03/28 20:30 ID:BOuoRFHk
俺に速読ネタを振ってしまったことを後悔するんだな
一応つっこんでやる。 語らせたら煩い(わずらい)ってなんだ。
こういう時、どういう顔したらいいかわからない。 てか、そんな難しい漢字か?
嘲笑えばいいと思うよ
ウェーハァーハハ
ニヤソ
十月二十六日、朝食はご飯に佃煮とみそ汁だった。 食べ終えて、早速前線を見に行こうとしたが、参謀達に止められる。 前線は混乱しているため、司令官を危険な目に遭わすことはできないとのことだった。 何度も必死に頼んだ。 何度も何度も頼んだ。 天野中将にも頼んだ。 久瀬参謀長にも頼んだ。 しかし、参謀は後方にいるべきだ。という一致的な見解が司令部には行き通って いて、誰も賛同はしてくれなかった。 久瀬参謀長からは、あまりわがままなことばかりしないでほしい、と言われた。 その夜はあまり眠れなかった。
第15連隊機密日誌 十月二六日 曇り 作成者 倉田一弥中尉 塹壕前の山は間断なく、小さな銃眼からでている機関銃からの連続射撃と、人間の身長の数倍もある横長の大砲からの砲撃で、そこは細かな黒点と濁りきった黒煙の舞い散る粉塵の大地となっていった。 日本兵はその粉塵を避けようともせず、縦隊を組んで登っていく。 一番に土嚢を登り、土色の大地へと出て行った部隊は、機関銃の弾を胸に何十発も受けて倒れるか、はじけ飛ぶ砲弾に身の一部をもぎ取られて、 その場にどさっと倒れ込んだ。運良く手と足だけもがれた者でも、その後の機関銃の連射で体を震わせ死んでいった。 そいつらを敵が打っている間に、塹壕内で準備していた兵が出て行く。 そしてまた、そいつらを敵が打っている間に、また塹壕内から兵を出す。 これを何度も繰り返して、仲間のまだ固まっていないぐちゃぐちゃな肉を踏みつけて、高みにいる敵保塁まで登っていくのだった。 しかし、運良く到着できても数人であり、すぐに殺された。 僕も突撃すると連隊長に報告したが、副官が死なれたら困ると怒られ、許可は下りず、 この日は伝令の任務に走り回っていた。 土嚢の隙間から、朝に数十人、昼には数百人、夕方には、800か900に達しそうな仲間の蝋人形の群れを見た。 その中に昨日夜、一緒にご飯を食べた同じ隊の顔があった。 歯痒かった。
十月二十七日、朝食はご飯にたくあんとお吸い物だった。 今日もまた、前線視察を頼み込んだ。 当然拒否された。 昼頃に歩兵突撃の死傷者が予想より多いとの報告が電話からあり、 久瀬参謀長は夜の会議で決めると連絡員に伝えた。 それでは遅いと、電話の相手との口論になっているようだった。 その夜の会議で、主攻撃を穴抗による爆破へと変え、歩兵突撃を少なめにするという決議がなされた。 その会議後、天野中将を呼び止め、明日秘密裏に前線にいくから、混乱しないように、出て行った後、久瀬参謀長に報告してくれと言った。 天野は了承してくれた。 そして、また愚痴をいうかもしれませんね。と冗談も言った。天野が先に笑い。佐祐理も笑った。 会議室の前で二人は笑っていた。
第15連隊機密日誌 十月二七日 曇りのち雨 作成者 倉田一弥中尉 敵保塁を覆う巨大な黒い雲があがった。 それは28センチ砲からの弾で、毎回15分おきに黒雲はあがった。 最初はその雲が上がるたびに皆歓喜したが、 敵はコンクリートに身を固めているため、砲撃中でも容赦なく、弾雨は降ってきて、歩兵突撃による被害はあまり変わらない、だからその声もだんだんなくなっていった。 こんな無駄な歩兵突撃はすぐ止めるべきだが、参謀本部の命令で続行された。 何故参謀本部がここまで死傷者が出ているのに、攻撃を続けたのかと、疑問に思い、連絡員に聞いてみた。連絡員は嘲笑しながら、夜に会議があるからだそうだ。と言った。 参謀本部に殺意が沸いた。(連隊長:提出の際は削除するように。) その夜、要塞爆破の一大攻勢が始まった。 敵保塁前のロシア側塹壕線の下側から爆破攻撃を行い、敵保塁前塹壕線を壊滅させるという作戦だ。これにより、敵保塁までの侵入が容易となる。 開始早々、塹壕内に日本軍は入ると、ひたすら銃剣でロシア兵を斬りまくった。ロシア兵は案外冷静で、すぐに逃げるか、手を挙げて投降していった。 当初予想していたより数段早く、ものの数分で塹壕は占領できた。 だが、いまだ敵保塁はあの白い堅固な図体を異様に保ち続けていた。 それでも一時の成功を讃え、侵入した兵は見下げた丘に広がる死屍累々の山に頭を下げた。
十月二十八日 朝食はご飯に卵焼きと味付けのりだった。 久しぶりに甘いものが食べられて、すごく美味しかった。 今度料理長にいって、卵焼きをもっと出して貰おう。 佐祐理は2日も会えなかった一弥と会う今日の日を凄く楽しみで、昨日の夜寝れないから、目にくまができてないか心配だったが、天野中将に無いよと言われ、ほっとした。 見つからないよう馬舎から外にでた。ここらへんこのかわいい日本馬でよかった。 手伝ってくれた天野中将に手を振ると、一弥のいる前線に行った。 そこで佐祐理は・・・ ・・・ ・・・ 帰ってきてから、よくわからなかった一弥の気持ちが分かった。 ともかく、佐祐理はその夜、疲れ切ってすぐ寝てしまった。
第15連隊機密日誌 十月二八日 曇り 作成者 倉田一弥中尉 この頃じめじめした日が続いていた。 そのせいかもしれない。少し早い気もするが、前の総攻撃と同様の腐臭がしてきた。 卵がくさった臭いだとか、ザリガニの臭いだとか、色んなことを皆いっていたが、僕はどれも違うと思った。これはもっと強烈で、もっと酸っぱい、たぶん旅順からでていったら永遠に嗅ぐことがない臭いだろう。 1000人の腐臭とはそれ程凄かった。 電話が復旧して、伝令の作業が少なくなってしまったので、今日は死傷者の墓作りをすることにした。といっても埋めるだけだが。 たぶん前と同様、本格的な死体収容は一時休戦してからだろう。日露両方、この臭いには堪えられなかった。 埋める中には第二次総攻撃の前に死んで、ほっぽとかれた死体があり、うじとはえだらけで近寄れないほどだったが、我慢して埋めた。 その彼を埋めていた時、塹壕で参謀がこの腐臭を嗅いで、吐いたという噂を聞いた。 参謀はやっぱり腰抜けだと僕は言った。話相手も同意した。 そして、時が経つにつれ噂はどんどん明確になり、昼頃には倒れたのはどうやら倉田司令官だったらしいと分かった。 僕はそれを聞き、スコップで墓穴を作り終え、僕が頭を、彼が足を持ち、体を横にして、その上からざくざくと土をかぶせて埋めた。 丁寧に丸い盛り土を作ると、後は他の人に頼んでくれと彼にいった。彼は驚いたが、強引にスコップを渡すと、僕は療養所へと走った。
乙
前線に近づいていくと、卵がくさったような臭いがしてきた。 私が今日、卵焼きを食べたように、ここの朝食も卵焼きだったのかな?と思った。 でも、違った。 様々な人間が草の生えていない、茶色い大地に文字通り、足の踏み場も無いほど、倒れていた。 それらは、瞳孔が開き、口から血を出し、体は変な形に硬直して、鼻や口や目の中にムカデとか、蟻とか入り込んで、死んでいた。 五体満足なものは少なく、頭蓋骨が削られ脳が飛びちる、右脇腹がごっそり無くなる。腕、足、が無い。 その上、 ・・・ ・・・う ・・・ 十月二十八日 朝食はご飯に卵焼きと味付けのりだった。 間違いない。嗚咽した口からでてきたそれはまだ、消化されていないから。原型をとどめていた。もう卵焼きは食べたくない。 ふらつき、馬から降りると、ぐにゃっとした感覚が足にあった。 人の腕だった。肩からとれ、薄白い骨とピンク色の肉がみえた。 たじろいで、右足を後方に引っ込めた。 ぶしゃっという音がして、目玉を潰していた。 それから、空がうっすらみえた。
手が温い。 誰かが佐祐理の手を掴んでいるのだろうか。 その手は細かくざらざらした粒子がまざっていた。土の匂いがする。 「大丈夫?お姉ちゃん?」 声が聞こえて、目を開けると、佐祐理と同い年くらいの男の子がいた。 この雰囲気、昔、どこかで感じたことがある。 白いシーツ、白い天井、小さめなベット。 ああ・・・病院ですね。 佐祐理と一弥が反対になっただけで、全く同じ・・・。
佐祐理は目を覚まし、 「おはようございます」 と言った。 寝入っていた天使のような彼女に見とれていた一弥は、白雪姫が起きたくらいの驚きを受けた。 「ここはどこなんですか?」 「え・・うん。ここは野戦病院だよ。簡単なテントを張っただけの」 顔を横にして、周りを見ようとした。 その時、一弥が佐祐理の目を覆った。 「はぇ?」 「いや、見ない方がいいかなと、」 「なんで?」 「ここは野戦病院なんだよ。まあ・・・あっちこっちで、いろんなことをしているんだ」 「いろんなこと?」 「・・・」 一弥の周りは破傷風で腕を切断中の男とか、体中を包帯で巻いた男とか、大量出血蒼い死に顔をした男とか、まさに地獄絵図となっていた。 一弥はそのまま目を瞑らせながら、佐祐理を外に出した。 ここに連れてきた衛生兵を睨みながら・・・ その衛生兵は嫌な笑いをしていた。
外はいい風が吹いていた。 前線から少し遠くの砲弾に焼かれず、草が残っている場所だった。 そこから、佐祐理はそこで死ぬ者が見えず、黒煙の舞い上がる丘を見ていた。 佐祐理は空想の中だけで、あの風景を思い出した。 「一弥はいつもあんな光景をみていたんだ。」 「・・・」 一弥は何も言わず、ただ丘を見続けた。 「だからあの時も、あんなに怒ったんだね。」 「あんな怖いものばっかりみてたから。あそこまで、止めていたんだよね?」 「怖い・・・」 一弥は軍帽を下げ、目を隠した。 「それは違います。あれを見た兵は皆、感傷はしても、恐怖は感じません。恐怖を感じるのは、何もしていない時です。」 一弥は続けた。 「兵隊というのは、上からの命令を最大限の力を振り絞って、成功させるのみです。仮にその命令が無謀であったとしても、逃げ出すことはできません。 ただ、自分の体と頭と心を使い切るのみ。恐怖は仕事の妨げになるため、自然と消えてしまいます。」 佐祐理は黙っていた。 「だから、お姉ちゃんも最大限の力を振り絞って成功してもらいたかった」 一弥は涙を流していた。 「ごめんなさい」 それだけいって、佐祐理は丘を見続けた。 煙立つ丘にしか見えなかった。 これからは彼らを見続けよう。 見えない彼らに心の中だけで喋っていた。 十月三十一日に第二次総攻撃が中止されるまで、 参謀本部の反対を押し切り、前線に身を置き、倉田佐祐理第三軍司令官は彼らの勇姿を見届けた。
>>31 う、ばれたか。ばれないと思ったんだけどな。
(*´Д`)y―┛~~
先にすさまじい早さでって書いちゃったんで、他の表現が思いつかず、雰囲気的もいけるって思ったんで、そのままにしちゃったんですけど。
まあ、すまね。集中しまくったと脳内変換してくだちぃ。
>>46 ありがとでやんす。
52 :
名無しさんだよもん :04/03/29 07:32 ID:k3BlLVp4
>>52 YES
「おはようございます。」 「おはようございます。では今日は砲兵の配置を考えましょうか。倉田さん。」 「はい。わかりました。」 天野と佐祐理の二人は天野の寝室にいた。 雀がないている。まだ空は暗かった。 天野は電球の外側のガラスを回して、電球をつけた。 二人は地図を広げ、これはだめ、あれは良いと、さかんに議論を交わし、鉛筆でバッテンやら矢印やらを書いていく。 彼女たちは第三次作戦計画をねっている。 第二次総攻撃が終わって、半月、朝も昼も手軽なものにして夜までこれを続けていた。 「だめですね。」 鉛筆を持つ手を急に止め、椅子にどさっと天野は座った。 「やっぱり・・・だめですか?」 佐祐理は情けない表情をする。彼女はこの頃こんな顔ばかりだった。 「東北の保塁群は堅固すぎです、爆破工作でたぶん落ちるのでしょうが、時間が掛かりすぎます。人生うまくいかないものですね。もっと決定的なものが必要・・・」 佐祐理は指を指した。 「この203高地は落とさないんですか?」 「203高地・・・?ああ、海軍が攻撃しろと要請しているものですか?こんなところ取っても、観測地点くらいにしかなりませんよ。」 「え、でも海軍の方からは、28センチ砲の観測地点だけでなく、ここより東北の保塁群を砲撃するってことも聞きましたよ。 前からでなく、横または後ろから砲撃することにより、敵保塁の比較的弱い後方部位の施設を破壊することが可能である。と、報告書に書いてありました。」 「後ろから・・・?ああ、なるほど。そうきますか。」 「これなら、数万人の死傷者を出した、3大永久保塁(東鶏冠山北、二竜山、松樹山)も落とせるはずですよ。」 「ふふ・・・この戦勝ちましたよ。」 天野がいきなり豹変した。目がぎらぎら光っている。
「はぇ?」 「これで、久瀬参謀長と総司令部に一泡ふかせます。ふふ、そして昇進して、総理大臣になるのです。」 「あ、あははー。凄いですね」 「そして、全ての金銀財宝はこの天野美汐のものに!」 かーかー カラスが鳴いていた。 「あははーー、それでは具体的な話に持って行きましょうか。」 「つっこんでくださいよ。恥ずかしいじゃないですか。」 天野はぽっと顔を紅くした。 マジでは無かったようだ。佐祐理は危ない人でなくてよかったと、ほっとした。
「203高地は第10、13、15連隊が一番近いですね。彼らをここに置きましょう。」 そういって、天野は凸という記号を203高地手前に書いた。 第十五連隊。一弥のいる部隊だ。 「それで、ですね。・・・倉田さん?」 佐祐理は鉛筆を止めて、ぼーっとしていた。 「どうしたんですか?倉田さん?」 佐祐理は天野の顔を見た。 「あ、すいません。ちょっとしたことを思い出したので、気にしないで続けてください」 「もしかして、弟さんのこと?」 佐祐理はじっと天野の顔を見続けて、観念したかのように頷いた。 「はい。この頃会ってないから。どうしたのかなって、ただそれだけです。あははー、そんなことより早く終わらせましょう。佐祐理はお腹ぺこぺこで夜ご飯早く食べたいです。」 「このごろ、ずっと会ってないですからね。前は毎日会ってらしたのに、明日は昼頃から始めましょう。朝は前線視察ということで。」 「あ、いえ、いいんです。第二次総攻撃の最初に会っただけで、それ以降は他の戦地で一弥のことを見に行きませんでしたから。この半月一度も会っていません。」 「それはまた何故・・・いつもご熱心にいらっしゃっていたのに。」 「あ、本当にいいんですよ。さ、早く進めましょう。」 佐祐理は鉛筆を強く握り、第十、十三、と凸の下に書いていく。 十五と書こうとした時、天野が手を握って、書くのを制止させた。 「よくありません。悩みは抱え込むべきではありません。私たちは友達ではないんですか?」 二人は数秒見つめ合った。そして、佐祐理が落ち込んだ様子でいった。 「・・・・・・わからなくなったんです。一弥の考えていることが、一弥と同じ戦場を見ても、 一弥は情けないとか、誇らしいとか、神聖な場所でも見ているように言うんですけれど、佐祐理には苦しみと悲しみの地獄のような場所にしか見えない。 昔は一弥の気持ちがよくわかったのに、成長した今はなにを考えているかわからなくて、 いや、最初から一弥ではなかった。ただの幻だったのかもしれません。そう思えば・・・楽になれます」
天野は握っていた手を離した。 「それだけですか?」 「え?」 天野は微笑んだ。 「それなら大丈夫です。そのうちわかりますよ。」 佐祐理は聞き返した。 「天野さんは一弥の気持ちがわかるんですか?」 「いいえ」 天野は即答した。 「なら何故?」 「少し話が長くなります。それでも良ければ。」 「はい」 天野は真剣な表情で言った。 「いきなり、突拍子もない話ですが、私は元々この世界の人間ではありません。100年後から来ました。そこで、冬のある日、秘蔵図書室を一人で清掃していました。当時は図書委員という役職だったので、その時、ある本を読んで、この世界に流れてきました。」
「その世界にはものみの丘の妖狐というものがいました。私はある偶然で、その子、いえその妖狐と知り合いになりました。毎日が楽しくて仕方がありませんでした。 一緒に洋服を買ったり、肉まんを買ったり、やんちゃで畳や本を色々汚したりしましたが、かわいかったです。たぶん。 でもある日、言葉が喋れなくなりました。 お医者さんに見せても直りませんでした。内科、外科、心療内科、果ては占い師、祈祷師まで・・・ そして、死んでしまいました。 あっけなかったです。 ・・・ ・・・ ・・・すいません。」 天野はその子が死んだ時のことを思い出しているようだった。 「続けます。言葉がしゃべれなくなった辺りから、意思疎通に大変苦労しました。その子と私で漫画を読んでいた時、ページを進む早さが早すぎて怒られたんです。だぁーだぁーと言われて、初めて早すぎるのに気づきました。 漫画は見るものだと思っていたんですが、その子にとっては読むものだったんです。 服を買いに行った時も、できるだけかわいくて似合っているものを選んでいたんですが、その子は嫌がり、一番機能性の高いスポーツ用品を買いたがっていました。 私はその子のことを全然分かっていなかったことに気づきました。 わかっているように思っても実際は違うことをその子は思っていたわけです。言葉が無いとそれが痛いくらいわかりました。」 「そのまま、分からないままだったんですか?」 天野は首を軽く横に振った。
「少しづつだけど、その子の仕草や動きを見ていけばだんだんとわかっていきました。 それでもわからない部分がありましたけど、ただ着実にわかっていったんです。漫画のことがわかった時。 その時が一番嬉しかった。いつも、何時間も音読させられましたから。分かった日は声がガラガラになるまで読んでいましたよ。」 「そうですか、でも」 佐祐理は一弥とその子は違うと言おうとした。 その声を遮って天野は 「人間、そんなに変わらないものですよ。私の場合は人間にあらざる者だったんです。それでもできたなら、肉親である一弥さんなら大丈夫。今度会いに行きましょう。」 佐祐理は戸惑った。 「そんな・・・でも・・・」 「私たちは戦場にいるんです。明日にでも一弥さんは死ぬかもしれないんですよ。 そんなことは想像したくありませんが、今この瞬間を大事にしてもらいたいんです。いいですか。これは命令です。」 「私の方が上官なんですけど・・・」 「友達からの命令です。それだけでは強制性はありませんか?」 佐祐理は天野の強引な親切心を不思議に思った。 「なんで、そんなにしてくれるんですか。」 「私のように後悔して欲しくはないんですよ。」 それだけ言うと、天野はちゃっちゃと地図を片づけて、書物類を棚にしまった。 「晩ご飯に行きましょう。」 「私のように」という言葉がその日胸につっかかって、あまりおいしい食事を採れなかった。
ドサッ 30枚程の作戦書類が長々とした机に置かれた。 一番後ろに座っていた女が、立ち上がる。 背は他の男達と同じくらいで、風格は温和だが堂々とした感じ、厳かな威厳を醸し出していた。 もう一人の少し小さめ、といってもこの時代では巨漢にあたるだろう女がテーブルの中央に地図を広げた。 「それでは第三次総攻撃案を始めます。」 佐祐理は即席で作られた四角い木の駒を持ち、説明しながら一歩進め、またその補足や質問などを天野が行った。二人には気迫があった。 その日の会議はいつもと違い、緊迫した雰囲気となっていた。 海軍のように駒を使っての図上演習は、参謀達を驚かせたが、やってみると案外分かり易く、彼らはすぐに慣れて、しばしの間二人の作戦を聞き入っていた。 彼女達の精密で明確な説明が終わると、参謀達は拍手喝采でこの作戦計画を承認した。 一人、久瀬参謀長を除いて。 彼は会議中、嫌な顔をし続けていた。 会議が終わって、満足した表情で自室へ帰る佐祐理を暗い会議室からでてくるドアの前で一人の男の子が待っていた。 一弥だった。 佐祐理は天野の方を見た。 天野はにやつきながら、手を振って去っていった。 廊下で話すと皆の邪魔になるため、佐祐理と一弥は佐祐理の寝室へと入っていった。 そして、各々ばらばらに自室に帰り、会議室はいまだ座り続けている久瀬一人だけになった。 「フフ・・・クク・・・ハハハハァッハハッハッハ!」 久瀬は笑った。会議室に響き渡る声で笑い続けた。声が枯れるまで笑い続けた。最後には目が充血し、こめかみが硬直、頬には血管が浮き出るまで笑い続けた。 もう10:00を過ぎ、月もなく辺りは暗い。もし、ここに人間がいれば、不気味な顔をして笑う久瀬は悪魔のように見えただろう。
うーん。ヤヴァイ。全然天野じゃない・・・ま、いいか。もうでないし。
部屋に入ると、椅子の脚が壊れていたため、佐祐理はベットに座った。そして、少し恥ずかしがる一弥を隣に座らせた。 「何か悩んでいるんですか?」 一弥はいきなり、私の心髄を突いてきた。 「何も悩んでいませんよ。あはは」 一弥はにじりよる。 「天野さんに聞きました。言わないでくれと言われましたけど。」 佐祐理は少し、寂しそうに 「ごめんね」 と言った。 「姉さんは本心を隠しすぎると思うよ。・・・」 一呼吸おいて、 「僕には僕にしかわからない部分がありますし、当然姉さんのこともわからない部分があります。 僕たちは本当の家族で、姉弟じゃないの?違う場所で生き、ばらばらに育った他人とは違う。日清戦争の時も、義和団事件の時も、この旅順の時も、ずっとずっと一緒に過ごしてきたんじゃないの?」 佐祐理は自分が知らない記憶の事を聞いて悲しくなり、泣きそうになった。 それをぐっと押しとどめた。 一弥ははっとして、悲しそうな顔をした。 佐祐理は震えていた。これを語ることは、佐祐理と一弥の仲が引き裂かれるかもしれない、それが本当に怖かった。 世界が無くなってもいい。 だが、言わなければ佐祐理は一生、一弥の裏切り者になる。 佐祐理は意を決した。
「佐祐理は違う世界から来たんです。」 「え?」 一弥は不思議そうで、恐そうで、何故か微笑みの混ざるよくわからない顔をした。 佐祐理はその顔に怯えた、でも話した。 「佐祐理には病気の弟がいました。あなたと同じ顔で、同じ優しい性格、身長は佐祐理の方が大きかったんだけどね。佐祐理達はお金持ちで、大きな病院の個室の大きなベットに佐祐理の弟はいました。」 一弥は手をこねて、そわそわした。たぶん、驚きすぎて混乱しているんだろう。 「でも直らない病で、すぐに死んでしまった。最後の顔はあまり思い出したくないです。」 「そして、友達ができたり、生徒会に入ったり、色々なことがあったけど、一弥のことは一時も忘れませんでした。そこで、ある日偶然。ある人に連れられて、学校の秘蔵図書室に入ったんです。 そこで、久瀬・・いえ、ほんの偶然でKANON的日露戦史という本が開いて、この世界に来ました。これは本当です。嘘偽りの無い。だから、」 佐祐理は落ち着いた様子で 一弥のふせめがちな目を見た。 「だから、お姉ちゃんは全く違う他人なの。」 佐祐理はずっと思っていた事を言った。一弥がこの話を拒否すれば、二人の関係は崩れるだろう。でも言わなければならなかった。もう佐祐理には隠しきれなかった。 偽りの関係を続けられなかった。 「・・・」 一弥は数秒黙って、 「お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ」 「例えお姉ちゃんが別の世界から来ても、僕にとっては変わらない。記憶なんかなくても僕はお姉ちゃんだと思えるよ。」 そして、一弥は佐祐理に倒れ込んだ。 佐祐理は一弥の行動には驚かなかった。 ただ、「良かった」と言った。 一弥は少しよろめいた。 その夜、二人は重なり合った。
エロシーン書くのだるくなってきた・・・ エロ無しでいいすか? レス無しなら、エロ無しの方向で、もう少しで作品とりあえず終わらせます。 長々と占領しているのは悪いのでとっとと退散をば。
もうここまで来たら好きにしろよ
余計なこと言わなきゃ、表現として省略という手を選んだという結果だけが残るのに。
上から一つずつボタンが取れていく。 下着もブラジャーも取れていく。 体に着ているものが無くなった。 一弥は手をふるえさせながら、ふれる寸前で手を止める。 佐祐理はその手を自分の胸までもっていかせた。 「温かい雪みたいだ。すごい白いのに、やわらかくて、触れても溶けない。白い雪のようだ・・・」 佐祐理は軽く目を閉じた。あれをする合図だった。 二人はキスをする。 冬のためか、渇いていた唇の感触が一瞬、ふれあう感じがしてすぐに無くなった。 キスが終わって目を開けると、一弥は必死で目を閉じている。 一弥の手が下へ、誰にも触られたことが無い部分に入っていった。 手は冷たくて、小さい。ひやっとする感触で体をひねって我慢した。 敏感な部分を一弥がさわる。 堪えられず、体を仰け反ると、一弥は恐がったのか手を止めてしまった。 「大丈夫だから」 一弥は苦しそうな顔をしていた。兄弟が触れ合う禁忌を犯しているためだろうか。 佐祐理はそんなことを思った。 おもむろに一弥はズボンを脱ぐ。 佐祐理は見ようとせず、薄汚れた天井を見つめ続ける。 「いくよ」 「うん」 中に入っていく感覚がする。 つきぬける痛み膣の中を何度も擦り抜ける。 体がだんだん火照ってきて、お腹の底から焼けただれるようだった。 一弥が抱きしめてきた。 「ごめんなさい。」 何度も何度も体をゆさぶられる。 気持ちよくはないけど、体は温かかった。 一弥の匂いがして、一弥の温度がして、一弥と一緒に・・・ 佐祐理たちは眠る。
起きると朝日が出ていた。机にくしゃくしゃの紙に書かれた書き置きがおいてあった。 それには、短く 「今度、旅順市内で会おう」 とだけ書いてあった。
何故あんな女に負けなければならない。 この僕、久瀬参謀長が必死に戦争の勉強をして、弱冠18歳で第二次総攻撃を指揮をしていたのは、他でも無いこの僕だけ。天才でなければなせない技だ。 それを参謀のやつら、僕の完璧な北東正面突破作戦を事前に聞いていたのに、何故、孫子も戦争論も、何も知らない普通の女子高生の奴の作戦が選ばれるんだ!? あいつはいつもそうだ。生徒会長として学校の全ての生徒から慕われて選ばれたはずのこの僕が、あいつが入った瞬間に倉田が生徒会長のようになっていた。 あの問題児も倉田が入ったら処分するつもりだったが、倉田派の面々により、あえなくご破算。僕が入学から計画していた生徒会式卒業式も否決。この3年。どれだけ苦労したと思っているんだ。 あいつは問題児共と遊んでいやがっただけだぞ!?実際の生徒会活動は僕だけがやってきた! 仁徳だがなんだか知らんが、あいつには負けられない! 奮迅の努力が天性の才能に勝てないわけがない。それを僕が証明するのだ。 この旅順要塞戦がその初出となるのだ。 第三次総攻撃は失敗する。それをもって次の第四次総攻撃で旅順を落とすのだ。 参謀共は馬鹿ばかり、倉田の作戦の欠点には気づかない体たらくだ。どうゆう軍隊教育を受けてきたんだろうな。 主力である東北正面、東京から送られてきた新戦力と第一師団精鋭部隊を混ぜた、白襷隊は失敗することは間違いない。夜間の奇襲戦法など、馬鹿馬鹿しすぎる。そんなことで落ちれば苦労はしない。 そして、203高地を攻めるのには兵力不足だろう。最初から、203高地を攻めれば足りるかもしれんがな。何を思ったのか、 東北正面に突撃を開始して、もし落ちなかった場合、203高地を中心に攻める2段構えの作戦にしている。203高地の徳利を最後の最後まで信じ切れなかったのかもしれんな。 その203高地を攻める部隊に弟がいたな、死ぬかもしれん。 まあ、どれも言わないでやろう。 作戦が失敗に終われば、倉田司令官の発言力は失墜、そしてまた総司令部の作戦権限は僕に映る。もう少しで旅順は落ちるのに、その旅順要塞陥落の栄誉をあの倉田に渡してたまるものか。 二度とこの僕の苦労を奴の功績に変えてたまるか!?
203高地からの電話を受けた参謀が会議室へと入ってきた。 「第一・第七師団より!すぐに救援送られたし、203高地一時占領しつつも維持にはいかん難き次第!即時増援兵力を!」 「そんな。もう予備隊はありません。最後の予備隊である第七師団の投入で、最後です。頑張って死守する他ありません。」 「・・・ですが、このままでは確実に全滅。」 「・・・」 「わかりました。そう取り次ぎます。」 その参謀は電話口へと走っていった。 東北正面の突撃は全滅という結果に終わり、即時203高地に主目標を変更。 最初、第一師団のみで203高地西側を占領したが、ロシア側の反撃により占領下兵力は全滅。増援として、本国からの最初で最後の予備隊、第七師団を投入。 苦戦相次ぎ、一進一歩の形勢を保っていたが、ようやく203高地東側を占領した。 しかし、11月30日の現在に至り、上記のようにほぼ全滅の形で第三次総攻撃は失敗に終わろうとしていた。 他の参謀は電話や戦時状況の筆記などで出払っていた。今、会議室の中は久瀬参謀長と倉田司令官の二人きりである。 「倉田司令官。やはり、突撃は失敗しましたか?まあ、私は最初から失敗すると思っていましたけれどね。 あの作戦には失点が多すぎた。まあ、あえて言わないであげましたけど、これが失敗すれば、指揮権はほとんど私のものになりますから。」 「な・・・」 佐祐理は久瀬の発言に驚いた。この男は今、戦っている人のことをなんて思っているの? まるで舞との時と同じ、他人より自分の政争を勝ちきることしか考えていない久瀬に心から腹立った。 「これで、僕がこの旅順を落としたものとして、歴史に名を刻むのだ」 「そんな、これが失敗すれば、旅順が落ちるかどうかさえわからないんですよ?どっちが陥落させたかなんて、どうでもいいじゃないですか? あなたは戦地で戦っている兵隊のことをどうゆう風に思っているんですか?」
「兵隊?僕がのし上がるための道具。価値にすれば、そんなものに過ぎない。ルーズベルトだって、マッカーサーだって、毛沢東だって、世界の偉大な政治家は全てそうしてきたじゃないか。」 佐祐理は久瀬をひっぱたいた。玄関近くにいた久瀬はよろめいて、開いていた扉から会議室の外に出てしまった。 「あなたは人として欠けた部分があります!あなたのそんな権威欲のために死んでいく人たちのことはなんとも思わないんですか!?」 久瀬はひっぱたかれても、怯まず会議室の中にいる佐祐理に冷たい眼光を投げかけた。 「この戦争だって、人間の欲望の固まりじゃないか。いや戦争だけじゃない。何だってそうだ。倉田が川澄とつきあっているのも、相沢とつきあっているのも、弟とくっちゃべっているのも、 お前ら全員が全員、毎日そんな低レベルなものでも、欲求に動かされて生きているんだろ?だが、まあその欲求も果たせまい。一弥とはもう会えないかもしれんからな。」 「え?」 「死ぬかもしれんってことだ。今日の攻撃はいっそう酷い。死ぬ可能性が高いぞ。死んだらどうする?まあ、どうしようもないか。死んじまったら何もできんからな。今から第15連隊だけ後退させればどうだ?」 久瀬の魂胆はわかっている。司令官の弟がいる部隊だけ撤退させれば、作戦に私情をはさむ司令官として発言力が著しく下がる。そのことを狙っているのだ。 前と違って久瀬に打ち勝つためではない、佐祐理は一弥のため、絶対にそのことを受け入れなかった。 「それは、一弥の気持ちに反します。どんなことがあっても、たとえそれで一弥が死んだとしても、できはしません。」 「いいのか?死ぬぞ?」 「・・・はい」 久瀬は笑い、後ろを向いた。 「ふ、まあいい。どっちにしろお前は終わりだ。せいぜい最後の司令官としての一日を満喫するんだな。」 そして、久瀬は会議室を出ていった。 佐祐理の仕事はまだ終わっていない。時々刻々送られてくる戦時報告を受けるため、扉を閉めて、暗い会議室の椅子に腰掛けて、次に送られてくる戦況を待っている。
「くそ!電話線が切れてやがる!」 第15連隊長は受話器を地面に叩きつけた。 彼は一弥中尉を睨めつけた。 「至急前線司令部に行き、増派を頼むよう言ってくれ。このままでは、ここは数分持たない。」 「はっ!わかりました。」 一弥は言うやいなや、塹壕を這い出て、203高地の下部に位置している司令部へと矢継ぎ早走っていった。 連隊長は消えていく一弥中尉の人影を見終え、言った。 「お前を殺すわけにはいかんからな・・・」 ウラー ロシア人達の突撃する声が聞こえて、その塹壕には機関銃弾の雨が降ってきた。
周りは何もない土色の大地が大きくうねり、そこここで繰り返させる血と弾と煙の殺戮がよく見える斜面を一弥は全力で走っていった。後方から聞こえるロシア兵の声、明らかに近くから聞こえてくる弾の音。 急がなければならなかった。走って走って走り尽くして、時間を減らさなければならない。この203高地が落ちれば、あの長い日々が終わる。これで終わりだった。 今聞こえる203高地を守り続けている人、今見える戦っている人を救うためにも、できるだけ早く増援要請をしなければならない。 僕は焦った。そのためかもしれない。地面に転んでしまった。 僕は急いで起きあがろうとした。 だけど起きあがれなかった。 (早く立たないと。) 頭では分かっているのに、体が動かなかった。 何故だろう。体が動かなかった。 「ガハッ!」 口から血が出た。 背中と足が微妙に熱い。ほんの少しだけだったけど、熱かった。 自分の体を見ると、胸とお腹と足先を丸い穴が貫通して、赤い血が流れ出ていた。 僕は足が使えないことが分かると、仕方がないのでほふく前進で前に進んでいった。 数分すると、手も動かなくなった。 今度は顔だけで前に行こうとした。だけど、数ミリほども前には進まなかった。 203高地を守り続けている人の声が聞こえなくなった。戦っている人の姿が見えなくなった。 一弥はまだ動く口から血を吐きだして、言った。 「増援要求!第15連隊より前線司令部へ!!」 声はこだましていた。 言い終わると一弥はもう一言だけ言おうとした。 「おねえちゃん。・・・もういちど・・・あえて・・・よか・・」 口も動かなくなる。 でも心臓は動き続けている。
水師営で会った時からおかしいと思っていたんだ。 いきなり抱きついてくるなんて、いつものお姉ちゃんじゃなかった。 いつものお姉ちゃんはもっと堅苦しいというか、ずっと無言でむっとしてる感じなんだけど、その時からお姉ちゃんは、おしゃべりになって、よく笑うようになった。 でも、僕の世界のお姉ちゃんと同じ気がして、嬉しかった。 次の日にいきなり変わらないか恐かった。 でも、その日も”別人のお姉ちゃん”になっていて嬉しかった。 それから、お姉ちゃんがとんちんかんな行動しだすようになったのは、びっくりしたよ。ウィンナーが欲しいとか、総司令官なのに一般兵と一緒に塹壕を掘ったり、 砲を取り付けたり、あ、でも12センチカノン砲の付け方間違えてたよ。みんな畏れ多くて突っ込まなかったけど。 今だから言うけど、あの具申してきた二人は演技だったんだ。ごめん。 第二次総攻撃の時も怒ってごめん。 でも、本当に謝らなくちゃいけないことがある。 僕があの雪の町の一弥。本物の一弥だってことを言わなかったことだ。
大きな病院の個室の大きなベットで僕が最後を迎えようとしていた時。 お父さんがどこから持ってきたのか。KANON的日露戦争という本を買って持ってきていたんだ。 僕は日露戦争なんて、歴史の時間にしか聞かなかったから、興味が無くて読んでなかったんだけど、 最後、インターホンも押せず、手をばたばたと動かしていたら、本が床に落ちて、僕は光に包まれていた。 気づいたときには、陸軍士官学校の入学試験をしていた。 焦ったよ。いきなり、漢文やら数学やらを解かされて、一問も解けなかった。 昔の倉田佐祐理はそのことを聞いても、次頑張ればいいって言った。全くの別人だっ たけど、嬉しかった。 だから、次の入試試験は受かったんだ。顔だけでも、お姉ちゃんに見えたから。 それから、長い間軍人として過ごした。だから、僕はお姉ちゃんがいたときより、別の世界の記憶を持って、成長して、昔の僕とは違うかもしれないと思った。 昔のお姉ちゃんと今のお姉ちゃんが違う人間だとしたら、違う世界で生きながらえた記憶の違う僕は違う人間。現代の人と変わりすぎて、この近代の人に成り代わってしまった。 だから、恐くて言えなかった。 あのお姉ちゃんの寝室に入ったとき、言おうと決心してきた。 でも、
「天野さんに聞きました。言わないでくれと言われましたけど。」 お姉ちゃんは少し、寂しそうに 「ごめんね」 と言った。 「姉さんは本心を隠しすぎると思うよ。・・・」 それは自分のことだ 何いってるんだ僕は もしかしたら お姉ちゃんは本物じゃないのか 卑しいこいつはかまをかけた 「僕には僕にしかわからない部分がありますし、当然姉さんのこともわからない部分があります。僕たちは本当の家族で、姉弟じゃないの? 違う場所で生き、ばらばらに育った他人とは違う。日清戦争の時も、義和団事件の時も、この旅順の時も、ずっとずっと一緒に過ごしてきたんじゃないの?」 お姉ちゃんは悲しい顔をして、その後震えていた 最低だ 何故こんな事をきいたんだ 僕が勇気が無いせいで お姉ちゃんは悲しんでいる 「佐祐理は違う世界から来たんです。」 「え?」 僕はわざとらしく驚いてみせた 我ながら名演技でたぶんばれなかったと思う でも心の中ではばれた方が良いと望んでいた お姉ちゃんは怯えた顔をしていた。 「佐祐理には病気の弟がいました。あなたと同じ顔で、同じ優しい性格、身長は佐祐理の方が大きかったんだけどね。 佐祐理達はお金持ちで、大きな病院の個室の大きなベットに佐祐理の弟はいました。」 僕はここで言おうかどうか迷った
「でも直らない病で、すぐに死んでしまった。最後の顔はあまり思い出したくないです。」 「そして、友達ができたり、生徒会に入ったり、色々なことがあったけど、一弥のことは一時も忘れませんでした。そこで、ある日偶然。ある人に連れられて、学校の秘蔵図書室に入ったんです。 そこで、久瀬・・いえ、ほんの偶然でKANON的日露戦史という本が開いて、この世界に来ました。これは本当です。嘘偽りの無い。だから、」 全く同じ体験 そうだここだ ここで言おう このタイミングしかない 「だから、お姉ちゃんは全く違う他人なの。」 言えなかった 恐くて言えなかった 「・・・」 変わりに前一度言ったありふれた言葉で繕った 「お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ」 「例えお姉ちゃんが別の世界から来ても、 やめてくれそんなこと言わないでくれ 僕にとっては変わらない。 何故そんなことを言う 記憶なんかなくても僕は これ異常嘘で埋め尽くすのはやめてくれ お姉ちゃんだと思えるよ。」 やめてくれ そして、一弥は佐祐理に倒れ込んだ。 僕は最低の人間だった 「良かった」 嫌悪感で吐きそうになった。
結果としてはこの方が良かったのかもしれない。 余計な悲しみを与えないで済む。 ただ気がかりなのは機密日誌に、一部始終が書き込まれていることだ。 連隊長が削除してくれたらいいが、いや、たぶん消してくれないだろう。 だったら、自分でやる・かない。 日誌を・・・消しゴム・・・消す・・・ そうしないと・・・ 心臓が止まった。 一弥は土の大地と同じ意味のない風景の一部となった。
「急電!急電!」 参謀が部屋に入ってきた。ついに全滅したのだろう。これまでの結果を見れば次に送られてくるものは大体分かる。 「ついに・・・ですか?」 参謀は申し訳なさそうな顔をして、言った。 「違います。第15連隊所属倉田一弥中尉が・・・」 参謀は帽子で目を隠した。 「戦死されました。」 倉田佐祐理は椅子に座ったままであった。 何も変わらず、何も起こらなかったように、書類を見ていた。 そして、ふっとその参謀の方を見て、 「そうですか。」 と言った。 「え?」 参謀は驚いた。 「あ、あの・・・お悔やみを申し上げます。それで、その・・・」 倉田司令官は冷静に落ち着いた様子で、参謀の目を見て、はっきりとした口調で、 言った。 「それで、203高地の戦時報告はありませんか?」 「え・・・あ、はい。203高地東は大規模なロシア軍の反撃により、ほとんど全滅状態にあり、各部隊から増援の報が飛び交っております。」 「しかし、我が軍には予備隊がありませんね。」 「はい、ですので、このまま現状を維持せよと。」 「30分程前に伝えましたね。つまり、戦争は進行していないということですね。」 「はい・・・」 「次の戦時報告が来るかもしれません。早く持ち場に戻ってください。」 「はっ!わかりました!」 その参謀は会議室のドアを開けた時、倉田司令官を見たが、先ほどと同じようにずっと書類を見て、座り続けている。 その参謀は倉田司令官を私事より公事を大事にする凄い人だと思って出て行った。 バタンとドアは閉まり、電球ひとつの暗い部屋。いや、電球が切れた真っ暗な部屋となっていた。 倉田司令官は蝋燭に火をつけ、また書類を見続けた。
夜が明けると203高地東全滅の報が届いて第三次総攻撃は終わった。 その後一弥中尉の遺品として、機密日誌が倉田司令官に送られてきた。 誰もいない寝室で一人、佐祐理さんはそれを見ていた。
とりあえず、旅順敗退戦は終わりです。 その後の話はまとまってから出します。 ロシア人、エイリアンかよ!(゚∀゚ )とか、ぶっちゃけ史実と違ってるぞ(゚Д゚)ゴルァとか つうか乃木がエロってるの考えらんねぇぞy=ー( ゚д゚)・∵. ターン とか、全てフィクションですので、気にしないで。 オネゲーダカラ。
GJ!! がんがれ
dendとか中の人とか犬せりとか、どこいっちゃったんだろ。 見かけないと意外に寂しいものだ。 こんなスレにいたよとか、消息誰かプリーズ。
犬はみそぎ中なのでは・・・?
犬氏はどうやら自サイトを立ち上げて細々とやっているようですな。 名無しをやめて、あえて批評を受ける立場に立ったのは多少褒めてやりたい。 これで自分の作品に責任が生じたわけだからな。 Cold dayの中の人とdendは知らん。
結構好きだったのにのぉ。惜しい者を無くしたもんじゃ。
89 :
名無しさんだよもん :04/04/03 13:56 ID:47QW397V
一応聞くがkanonである必要性は?
1を3で割ると0.3333333333333....と3が限り無く続きます この0.3333333333333....と3が限り無く続く数字に3を掛けると 0.9999999999999....と9が限り無く続くだけで1に戻らない? いえ、これは1です その証拠に1から0.9999999999999....と9が限り無く続く数字を引いてみましょう すると0.0000000000000....と0が限り無く続くわけです 0が限り無く続いて0以外の数字は出てこないということは0です つまり1と0.9999999999999....と9が限り無く続く数字との間には これっぽちも差がないということですね
>>90 なかなかそれだと直感に届きにくいかと。
0.9999999999999...の10倍が9.9999999999999...
これと元の数の差は9、これが10倍から1倍を引いた、9倍の数であるので、
元の数は9÷9=1、のほうがわかりやすくないか?
ほう
>>87 ぐぐったら出てきた
犬せりお氏の作品好きだったので
ありがd
dendまだ〜?
まあ、どうでもいいけどさ。
>>87 自サイト立ち上げてやるんだったら
最初からそうしてれば、自作自演もなかったろうに
>名無しをやめて よく意味が分からないんだけど、どういう事なんですか?
98 :
コテとトリップ :04/04/12 23:43 ID:ObOleuWB
欲のある人の気持ちは欲のない人間にはわからないってこと
>>87 葉鍵板のコテSS書きという人々は、自画自賛や自演擁護を名無しで行うものなので、
自サイトを立ち上げて葉鍵板にSSを投下しなくなれば、名無しで書き込む必要性がない。
そのように受け取れるのですが。
それと他人様のサイトに対して細々とはどうかと。
と、
>>99 =犬せりおがまた自作自演してお届けしております
101 :
名無しさんだよもん :04/04/13 23:00 ID:uQveTtM5
図星ですか(苦笑
103 :
名無しさんだよもん :04/04/13 23:14 ID:uQveTtM5
コテハン忘れてますよ(苦笑
SSコンペスレに間に合わなかったので、こちらに投下させてもらいます。 題名「願い事」 内容 痕
「楓お姉ちゃん、初詣に行こう」 わたし(柏木初音)は、炬燵で丸まるくなりながら『紅白歌合戦』を見ている、 一つ年上の姉に声をかけた。 「初詣?」 寒いのは嫌だなぁ的な視線で、わたしの顔を見た。 「うん。初詣」 「梓姉さんは?」 どうして私を誘うのと言わんばかりの声だった。 「梓お姉ちゃんは、部活のお友達と一緒に、さっき出かけちゃったの」 「そう……」 ちらりと、楓お姉ちゃんは時計に目を向けた。 「わかったわ。初音を一人行かせるのは可哀想だし」 そう言いながら渋々立ち上がると、壁に掛けてある紺色のコートを手に取った。 「ごめんね。無理言って」 わたしも茶色のコートに狐さんの襟巻きを首に巻き付けると、ストーブの火を消し、 炬燵のスイッチを『切る』にした。 シャリ、シャリリ。 降り積もった雪をブーツで踏みしめる。 暗く寒い夜空の下、遠くから重く沈んだ音が、一定の間隔を持って聞こえてきた。 「楓お姉ちゃん、除夜の鐘だよ。後で突きに行こうよ」 黄色いマフラーで顔を覆った姉は、こくりと首を縦に振った。 神社に近づくにつれ、少しずつ明かりと人が増えていく。 目の前を、白い帽子を被った子供が元気よく駆けだし、親らしき大人が後を追いかけていった。 「10、9、8、7…」 突然、周りの人がカウントダウンを始めた。 「3、2、1…」 静寂の暗闇を歓声が打ち破る。 「ハッピーニューイヤー!」 「開けましておめでとう」 新年を祝う挨拶が彼方此方で始まった。
どこか遠くで、花火の鳴る音も聞こえる。 「楓お姉ちゃん、開けましておめでとう」 「開けましておめでとう。今年もよろしく」 「うん、こちらこそよろしくね」 二人とも変にかしこまって頭を下げる。 顔を上げると同時に目と目が合い、クスリと笑い合った。 「あら、あなた達も来ていたの?」 わたしは声のする方を振り向いた。 「あ、千鶴お姉ちゃん。開けましておめでとう」 「初音も楓も、開けましておめでとう」 黒のコートに身を包んだ千鶴お姉ちゃんが、優しく微笑んだ。 「千鶴お姉ちゃん、耕一お兄ちゃんは一緒じゃないの?」 「飲み物を買いに……、あ、戻ってきたわ」 毛糸の帽子を被った耕一お兄ちゃんが、わたしの顔を見て手を振った。 「初音ちゃん、楓ちゃん、開けましておめでとう」 「おめでとう、耕一お兄ちゃん。今年もよろしくね」 わたしはぺこりと頭を下げた。 見ると、楓お姉ちゃんも耕一お兄ちゃんに深々とお辞儀をしている。 「耕一さん。開けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします」 「楓ちゃん、今年もよろしくね」 耕一お兄ちゃんも合わせるように、頭(こうべ)を垂れた。 「私と耕一さんは、これから除夜の鐘を突きに行くけど、あなた達も一緒に行く?」 「ううん。ふたりの邪魔しちゃ悪いから、いいよ」 わたしは首を横に振りながら答えた。 千鶴お姉ちゃんと、耕一お兄ちゃんが付き合っている事は、薄々気づいていた。 だから、大晦日の夜くらい、ふたりっきりにさせてあげたいと思った。 「あら、そう?」 千鶴お姉ちゃんは少し残念そうな顔をした。 「それじゃ、あなた達、気をつけて行くのよ」 「うん」
わたし達はお互い手を振って別れた。 「楓お姉ちゃん、行こう」 返事はなかった。 「お姉ちゃん?」 ふたりが遠ざかっていく姿を、楓お姉ちゃんはじっと眺めていた。 「行くよ」 わたしの声に気づかないのだろうか。 不動のまま、何かを見据えたように無言で見つめ続けている。 「楓お姉ちゃん」 そっと肩を揺すると、ハッとした表情でわたしの顔を見た。 「何かあったの?」 「べ、別に……」 小さな声で、そう呟いた。 神社は初詣の人で、それなりに賑わっていた。 わたしはお賽銭を投げ入れ、今年も良いことがありますように。家族みんなが幸せな一年で あるように、神様にお願いした。 楓お姉ちゃんも手を合わせ、わたしよりも長い時間頭を下げていた。 何をお願いしたんだろう。 興味を持ったわたしは、本殿を後にしながら聞いてみた。 「楓お姉ちゃんは、神様に何をお願いしたの?」 「え………」 不意に、姉の足が止まった。 表情が一瞬して曇った。 「どうかしたの?」 わたしの問いに、おずおずと顔を上げた。 一瞬、唇がわずかに動いたものの、無言のまま再び視線を地面に落とした。 まるで何かに怯えるように。
「べ、別に無理して話さなくてもいいよ」 わたしは慌てて両手を胸の前で振った。 「楓お姉ちゃんの願い事、叶うといいね」 すると今度は、とてもバツの悪そうな顔で、わたしを見た。 悲しさと寂しさの入り交じった瞳で。 そして、ふっと溜息をつくと、ゆっくり首を二回、横に振った。
以上、4スレでした。
>「願い事」 核心部分だけがあって肉付けが全くない、といった印象。 短いSSだとしても、楓の内面を暴露しただけ、では内容が薄すぎます。 また、地の文が、"キャラクターの行動を具体的に解説"することに終始しがちです。 文章が、浅くてぎこちないものになります。
寂しいなぁっていう感情は分かるんだけど、それ以上の内面が見えてこないなぁってかんじです。 タイトルはあまり関係ないのかな? なんというか話を象徴するテーマみたいなものが欠けていると思いますよ。
ちょっとだけ補足
この作品を投下しようとした、SSコンペのお題は『願い』でした。
たぶん他の人は、夢や幸せを願うといった題材が多いんじゃないかな〜と思い、この作品を思いつきました。
まあ、中身が薄いのは事実ですけどね(´・ω・`)
>>11 >>12 早速のご感想、ありがとうございます。
後日の創作活動に、参考にさせて頂きます。
描写も丁寧だとおもうし、個人的には、わりと読後感がよかったけど・・・ 別に隔離しなくてもええやん(汗
描写が丁寧なのは分かるがそのディテールがストーリに必要か?または話のリズムを壊していないか? ってのが大事なんじゃないか?この場合そこまでの必然性は俺が読む限りはあんま感じなかったな。 書きたいっていう意欲と技術はあるけど書きたいもの(主題)がなかったイメージだ。
116 :
699 :04/04/21 03:38 ID:jPK9ilYZ
落ちたら困るSSスレ
でも落ちる
いや、落ちない
圧縮も耐えたようだし 一応他の書き手もいないようだからそろそろ完結させようと思います では第13話「破壊者の行進」どうぞ。
俺は北川が乗っていた車を奪い、モンタナコーポレーションへと向っていた。 俺の作戦は強いてあげれば「作戦なし」だ。 俺は新たに手に入れた「ブースト」と「ハイジャンプ」というスキルとこの車に積まれていた武器を使って 力押しの強行策に出るつもりだ。
え? 今回これで終わり?
外は大吹雪だった。 俺はワイパ−でフロントガラスの雪を払い、ヒ−タ−を使って雪が近寄らないようにした。 しばらく車を走らせていると後ろから何台かの車が近づいてくる。 そして車から何人か人が乗り出すと手にしていた銃で俺の運転している車に銃弾を放ってきた。 俺はこの車に装備されていたタイヤを溶かす溶液を垂れ流して敵の車のタイヤを溶かしてやった。 敵の車は見事にスリップした! だが敵の攻撃はこれで終わりではなかった!
すでにあったことを追記しているような文章だな。
今度は正面から敵の車が現れ! 更に後方からは大型車で体当たりを仕掛けてきた! しかも敵の武装もさっきのような生易しいものではなく、ロケット砲で俺を狙ってきた! 幸いそれには追尾機能がなかったため何とかかわす事はできた・・・ 俺はこの車に実装されていたミサイル砲で前方の敵を排除し、先の溶液で後方の車のタイヤを溶かしてやった!
その後も敵は執拗に狙い続け、何とかやり過ごせたがついにそれにも限界が訪れた! それは、ようやくモンタナコ−ポレ−ションが見える距離に近づいたときだった・・・ どこかからロ−タ−音が聞こえてきたかと思うとビルの屋上部分から一機のヘリが現れた 俺の乗っている車の武装では先ず届かない距離を保ちながらヘリは俺に対して攻撃を仕掛けてくる 向こうのミサイルの攻撃を交わしながら俺は隣にある駐車場ビルに入っていった!
屋内なら何とかヘリの攻撃をかわすことができる、だがそれも時間の問題だ 長居すればここが包囲されるのは目に見えている、そして俺は屋上に向かっていった 屋上に出たとたんヘリの容赦ない銃弾の歓迎が行われた! 俺は車の走行を信じとにかく突っ走る! ヘリのほうは俺の狙いがまだわかっていないらしい、そして俺が淵に近づいたときようやく俺の狙いが読めたのか あわてて俺のほうに銃弾を放ちながら近づいてくる! そして俺は淵から飛び出すとそのままモンタナコ−ポレ−ションへと突っ込んだ! 窓ガラスが割れる大音がビルの中で響いた! こうして俺はモンタナコ−ポレ−ションの7階に突入したのであった
次回第14話お楽しみに GW中には完結させる予定です
お疲れさん。 もしかしてリアルタイムで書いてるの?
131 :
名無しさんだよもん :04/05/01 21:20 ID:+4UI1FHQ
それって下書きとかしてないってことなのか?だとしたらdendも見上げたもんだな
遊 ん で い て キー を 押 し た ら 掲 示 板 に の っ て い た 。
魔が差す、という言葉がある。 万引きしてとっつかまったヤツが口にする言い訳としてよく使うアレだ。 人はほんの些細な、実にちょっとしたはずみでとんでもないコトをやらかしてしまう。 ご大層な脳ミソを持っていても、人間てのはそういう風にできているんだろう。 いつになく静かな教室の中、俺は教科書を前にそんなことを考えていた。 黒板の前では先生が何か喋っている。が、ほとんど頭に入らない。 俺はちらりと眼だけを動かし、北川の方を見た。 性格には、北川の後頭部を。 あいつの頭にはアンテナのようにそそりたった毛がある。 今、その“アンテナ”はしなびたように垂れ下がっていた。 別にあいつが髪型を変えたわけじゃない。原因は俺だ。 俺はいったん眼を黒板に移し、それから真っ白なノートを見た。 そして、もう一度北川の方を見た。 あいつの頭にあるアンテナ。その根元にはハサミが絡まってブラ下がっていた。
最初っから説明する必要があるだろう。 コトの起こりはついさっきの休憩時間だ。 俺と他数人の友人は、いつものように他愛もない雑談に興じていた。 「俺は幼稚園の時だなー。親父が飲んでたウイスキーを横からひったくって飲んだよ」 「なんてガキだ」 「いや、麦茶だと思ったんだよ。ノド渇いてたんで一気にあおってさ。 ムセるわマズいわなんか熱くなってくるわで、もうパニック」 「親父さんの方が気の毒だな」 ちなみにこの話題は“教えて初体験・あなたとお酒の甘い出会い”だ。 雑談の中で、ひとりが『正直、酒ってマズくねぇ?』と言い出したのをきっかけに、 『いや、ウマいだろ』『慣れだ、慣れ』『いっぺん吐くまで飲め』という 飲み屋に常駐してるオヤジのような意見が続出し、『オマエら何歳から飲んでんだ』 という話になってきたわけだ。 「俺は小学2年か3年の時だったかな。冷蔵庫ん中にあった親父の買い置きを一本持ち出してよ。 こっそり飲んだのはいいんだけどあまりのマズさに流しに捨てちまったんだよ。 たけど、捨ててる真っ最中にお袋が帰ってきてな…」 こういう感じでバカ話に花を咲かせていたんだが、俺はその途中で北川がいないことに気付いた。 「あれ、そういや北川は?」 俺のつぶやきに何人かが『そういやアイツいないな』といった顔であたりを見回す。 探すまでもなかった。北川は自分の机にうつ伏せになって眠っているだけだった。
大抵は率先してバカ話をしている北川には珍しい光景だった。 「何だアイツ」 「そういやさっき体ダリィとか言ってたな」 北川でも体調を崩すことがあるのか。珍しいこともあるもんだ――と思いつつ、 談笑の輪に戻ろうと北川から視線をそらしかけた時、俺の眼に何か不思議なモノが映った。 「―――?」 もういちど振り向く。視線の先には北川が寝ている。その、頭の上。 アンテナの様にそそり立った癖っ毛が、風に吹かれてゆらゆらと揺れていた。 やつのアンテナヘア自体は見慣れている。だが、いつも活発な北川がピクリともせず、 あの毛だけが別の生き物のように動いている様は、なんというか、シュールだった。 俺の眼は、その微妙に奇妙な光景に釘付けになっていた。 人間の頭の上で、ゆらゆらとゆれる“アンテナ”。 それを見ているうちに、俺の中にある衝動が芽生えてきた。 『切 り て え』 あの毛にざっくりとハサミを入れ、根元から切断してみたい。 何の意味もないし、ウケが狙えるわけでもない。くだらない思い付きだってことは分かってる。 でも、俺はそれを実行に移したくてたまらなくなった。 ―――冷静になった今、俺は分かる。これこそが“魔が差した”ってことなんだと。
>>135 終わりなの?
では第14話「用心棒」どうぞ
そういう御題と文量の指定してリアルタイムSS合戦とか面白いかもしれんな。
「悪ぃ、ちょっと」 俺はつぶやくように言って談笑から外れた。 アンテナに視線を固定させたまま、俺は自分の席で香里となにか話している名雪の前に立った。 「名雪」 名雪はほんの一瞬だけきょとんとした表情を見せたが、すぐに笑顔で 「なに?」 と返してきた。 「ハサミ貸してくれ」 「はさみ…? うん、いいよ」 机の脇にかけたかばんの中から小物入れを取り出し、その中から赤い柄のハサミを手に取った。 「はい。ちゃんと返してね」 「おう」 差し出されたハサミを手に取る。見ると取っ手の部分が赤く、ところどころに黒い斑点らしきものがある。 まさかとは思うがこれもイチゴを模してあるんだろうか。 「何に使うの?」 香里のごく真っ当な質問を「ん、ちょっと」とごまかし、俺は北川の席まで来た。
北側の頭を見下ろす。そこには例の“アンテナ”が、待ち受ける運命も知らずにゆらゆらと揺れていた。 俺は残酷な笑いが頬に浮かぶのを自覚した。 「おい相沢。何してんだよ」 さっきまで話してた級友たちが怪訝そうに声をかけてくる。 俺はハサミを数回シャキシャキと鳴らしながら答えた。 「切る」 「何をだよ」 空いた方の手で北川の頭を指差した。 「この毛」 「毛?」 「坊主にすんのか?」 分かっていないようだ。 「違う。この一本だけ自己主張してるアンテナを切るんだよ」 「はぁ…?」 「いやでも切るっつったってお前、ソレ工作用のハサミじゃん」 「俺は切りたいんだよ。理由はないけど、とにかく無性にコレをきりたくなった」 自分でも無茶苦茶なことを言ってる自覚はある。でも、もう止まらなかった。 一度、深呼吸をして、毛のすぐ上でシャキシャキとやってみる。素振りだ。 そのうち『なになに、なにすんのー?』『散髪?』てな感じに他のクラスメートも寄ってきた。 「よし」 何がよしなのか自分でも分からないが。とにかくよし、と思った。 俺は呼吸を止め、アンテナの中ほどをつまんだ。 いつの間にか、クラスにいる全員が息を止めて俺の一挙手一投足を見守っている。 休憩時間としては異様なほどに静まり返った教室の中で、俺は半ば恍惚となって――― ―――そして、根元にハサミを入れた。
北側も大変だな。
昨日はいろんな意味で申し訳ない。 リアルの事情とかあってかけませんでした、お詫びとして今すぐ書きますので
「ヤツが来た!」 「殺せ!」 魔女の兵隊どもの声があちこちで響いた 俺は武装と力でやつらを次々排除しながら上に向かっていった。 魔女のオフィスは上の階にあり、やつは普段そこで生活しているからだ。 だが当然そこに向かうには特殊なロックを外さなくてはならなかった。 外し方は三つだ。 1:モンタナ及び彼女の「ファミリー」の網膜 2:彼女に入室を許可される 3:ロックの制御装置そのものの破壊 当然俺の取る方法は3だ
警備室までは徒歩で向かった、さすがにあの車で内部を行動するには狭すぎるからだ。 警備室にはシスアドと思しき男がいた。 「な、何だね君は!?」 「オフィスのロックを外してもらおうか?」 「わ、わかった。や、やるよ」 「いい子だ」 そいつは何かの端末を操作した、そして警報が鳴り響いた。 「ま、待ってくれ! こんなはずはない! パスワードが書き換えられたんだ! 信じてくれ頼む!」 そいつの言葉が本当である可能性はあった、さっきの電話で俺の襲撃を察知したあの女がやりそうなことだからな。 そして警備室に何者かが入ってくる音がした。 「命令よ、そこにいる二人を殺しなさい」 通信機の声の音量が大きいのかその声は俺にも聞こえた、そして・・・ 「ギャー!!」 シスアドは殺された
中に入ってきたのは5人の幼女だ、手には体に不釣合いな巨大な重火器を所持している。 俺はすかさずそいつらに銃を発砲した、そして俺の眼を疑う光景を見た やつらはものすごいスピードで銃弾を正確によけたのだ! そして俺に銃を向けてくる! 俺はブ−ストを使ってその場から離れた! そして、用心棒たちは俺を追いかけてきた。 おそらく俺と同じ状態、いや俺以上の性能のブ−ストで。 それでも俺に追いつけなかったのは単純に身長差によるものだと思う
俺はどうにか奴等をまくとあのオフィスに向かう方法を思案した、あそこに戻ってもやつらが待ち伏せしている可能性がある やつらとまともに戦っても俺には勝ち目はないだろう。 そして何気に窓を見たときふとあるアイデアが浮かんだ。 俺はあの警備室に戻り遠目からなるべく気配を殺して様子をうかがった。 どうやらあそこに残っているのは金髪のツインテールの黒人らしい。 俺はストロボを投げ込み、ストロボがフラッシュした瞬間に手榴弾を10個投げ込み、そしてすぐにその場から離れた。 しばらくすると大きな爆音がした。 これでようやくオフィスに向かうことができる。
オフィスに向かおうとするとさっきの女が連絡したのか他の4人と合流して俺を追跡し始めた。 俺は比較的攻撃範囲の広いショットガンで相手を牽制しつつある場所へと誘導する。 そして俺は連絡ブリッジに到着した。 モンタナコーポレーションは10階までは何の変哲のない形だがそれより上の階は4つのエリアに分断しており 彼女のオフィスがあるのがエリアA、そして警備室があったのがエリアBであった。 ちょうど今俺たちはエリア間をつなぐ連絡橋にいるというわけだ。 やつらは俺に銃をぶっばな地ながら近づき始めてきた、俺は死に物狂いでジグザグに動いて的にならないように走った! そして連絡橋を渡り終えるとすかさず俺は連絡橋のシャッターを閉めた。 そして俺はすぐに手にしていたリモコンのスイッチを押す。 大きな爆音がした! 俺があらかじめ連絡橋にC4を設置し連絡橋そのものを破壊した音だ。 こんな手でも使わなければ勝てなかっただろうからな・・・ そして俺はエレベーターで彼女のオフィスのある階へと向かっていった
次回第15話お楽しみに
「−美しい桜ですね」 「……そうだね」 桜の咲き誇る並木道。 そこを、セリオとふたり歩く。 「−桜が綺麗な訳、ご存知ですか?」 「いや、急に言われても……」 セリオはどこか悪戯っぽい目で言葉を続ける。 「−桜の木の下には、死体が埋まっているのです。だからこんなに綺麗に咲くんですよ」 「今度はどこからそんな与太話を覚えてきたの」 「−あら、ご存じないのですか?これは本当の話なんですよ」 立ち止まり、セリオは一本の桜の幹に手を添える。 「−昔、罪人などの死体は穴を掘って一箇所に埋めていました」 「−しかし、それだけではそこだけ更地のままになってしまいます」 そっと幹を撫でる。 桜を通して、何かをいとおしむように。 「−雨などが降れば、当然剥き出しになってしまう死体もあったでしょう。ですから……」 「その上に、桜を植えた?」 「−はい。一度根付けば、長くその地を守り、花を咲かせては、その土地のマイナスイメージを払拭させる……」 「なるほど……そういう理由があったんだ」 「−……もちろん嘘ですけれど」 ……。 「セリオーっ!」 「−ちょっとした冗談に、そんなにむきになられても困ります」 「信じちゃったじゃないか!ちょっと明日会社でみんなに話したくなっちゃったじゃないか!」 「−恥をおかきにならなくて、何よりです」 「……っ」 腹が立ったので、そっぽを向く。 「−……マスター?」 ……。 「−お怒りになられているのでしょうか、マスター?」 「僕は怒ってなんかいませんよ」 「−……申し訳ありません」
気がつくと、隣を歩いていたセリオは一歩遅れてついてきていた。 その微妙な距離が、今のセリオなりの反省の態度なのだろう。 「セリオ、なんで桜は咲くのか知ってるかい?」 「−……受粉のため……いわゆる生殖行為のためでしょうか」 「違うな……それだったら、こんなに人の目に鮮やかに咲いて見せる必要は無い」 「−では、何のために……?」 立ち止まり、セリオと相対する。 じっとその瞳を見つめると、不思議そうに小首をかしげた。 「桜はね、プリマベーラからのすべての生き物への贈り物なんだ」 「−プリマベーラ……Primavera……検索……『春』ですか?」 「そう、プリマベーラは春の使い。そして、とても優しい……」 そっとセリオの肩に手を触れる。 ぴくっと反応するセリオ。 「……ほら、プリマベーラからの贈り物だよ」 僕がつまんだ指先には、小さな花びらがひとつ。 「自分の身に触れた花びらに願い事をすると、プリマベーラが神様に伝えてくれるんだ」 そっとセリオに手渡す。 恐る恐る、花びらを手の平に受け取る。 そして、そっと両手で握りこむように、胸元に抱える。 瞳を閉じた彼女。 さっと一陣の風が吹き、彼女を無数の花びらが包み込む。 風になびく彼女の髪と、揺らめく服と……。 「−私のお願いは、ただひとつです……」 そして、桜色に染まった彼女の頬。 そっと瞳を開く。 「−いつまでも、マスター、あなたと春を迎えられますように……」
なんかdendのSS読んでると、頭の中で勇午の絵が動く
おっ、犬せりだ。 時期的に外してるけどまぁ頑張れ、頑張れ。面白けりゃ、文句ないし。 俺、dendは擬音無い時は読まない。
>>151 申し訳ありませんがその擬音とやらはもう止めます。
あと犬セリオキター!!
それでは第15話「人形〜doll〜」どうぞ
俺の手にはモンタナに対する一発と魔女に対する1万発の銃弾がある。 エレベーターは俺を魔女の元へと導いていた。 だがエレベーターは途中で停止した。 「相沢祐一、あなたを招いた覚えはないわ」 エレベーターのスピーカーが魔女の声を発する、まさかモンタナにこれの管制権があったとは 「お引取り願います、ミスター・アイザワ」 モンタナは丁寧な言葉でそういうとエレベーターの外壁部分のシャッターを開放した そこにはさっき俺のことを執拗にねらってきたヘリが待機していた。モンタナ冷酷で忠実な人形だ 俺の乗っているエレベーターは広さからいって4人か5人が定員といっても過言ではないものだ 当然スティンガーミサイルなど使えない。 俺はブーストとハイジャンプでエレベーターの天井を壊し、そのままロープ部分にぶら下がり一気に最下層まで滑り降りた。
最下層と入ってもさっきエレベーターに乗ったあそこに戻るだけだ、俺は完全にもとの場所に戻る事を余儀なくされたのだ 俺は必死に別の方法を考えた、そしてあのシャッターを強制的に閉鎖状態にさせるようにすることを思いついた。 あのシャッターはコントロールルームで管理しているのでそこを制圧し、シャッターを強制閉鎖すればヘリに狙われずにモンタナのオフィスに向う事が出来る とはいえ、それも一筋縄ではいかない。なぜならそこに向うにはさっき爆破した警備室を経由しなければならない。 そしてそこに向うにはさっき破壊した連絡橋部分を通過する必要がある。 当然ハイジャンプでも飛び越えられる距離ではない。 俺はさっき爆破の際に閉鎖した連絡橋間のシャッターを蹴破りそこから一気に飛び降りた!
KEY OF THE LEAFの効果なのだろう、俺は高所に対するある種の耐性を身につけていた 俺は先の爆発による瓦礫の山で身を隠しながら向かいのエリアに向った。 俺がドアのすぐ近くにたどり着き瓦礫から身を乗り出したそのとき俺のわき腹に銃弾が命中した! 上を見るとさっきの少女達がそこにいた、それも5人共だ! 俺はスティンガーミサイルでそこを攻撃するとすぐに建物の中に入った。 奴等はまだ死んではいなかったのだ!
「奴が来たぞ!」 「殺せ!!」 コントロールルームにはモンタナの兵隊達が警備をひいていた。 俺はそいつ等を始末し、外壁シャッターを全て閉めるとその装置を破壊した。 これでシャッターが開く事はないからだ、そしてすぐ近くにレポートのようなものが落ちていた。 俺はちょっと興味がわいたのでそれを読んでみた 「プロジェクト〜doll〜 経過報告 KEY OF THE LEAFを投与し・・・」 内容としてはKEY OF THE LEAFを投与した人造兵器の様々なテスト報告であった。 この計画はホームレスやストリートチルドレンを使ってKEY OF THE LEAFの精製テストを行うものであった これまで被験者は大概幻覚等にとらわれ使い物にならなくなったそうだ。 そして唯一の成功者があの5人だという。 いや、その表現は適切ではないのだろう。実際にはこのレポートには6人分の経過報告が書かれていたが 「被験者6」の少女は魔女に造反し、そして自殺したと書かれている、それも今日の話だ。 6人とも事情は違えどいずれも身寄りのない子供達であった、大方甘い餌で餌付けしたのだろう。 そして彼女は魔女の本性に気がついたのか造反した。そんなところだろう。
そのレポートには5人の少女についても細かに書かれていた 被験者1(ショートヘアーの茶髪の白人女性):能力的に異常点はなく多少の依存心はありますが 実戦投入においてさほど師匠はきたさないレベルではある。 被験者2(金髪の髪に対してあまり手入れしていない白人女性):感情の起伏が乏しいが 能力・忠誠は高く実戦投入するに値する 被験者3(金髪ポニーテールの褐色肌の女性):能力などに特に問題はなく被験者間のリーダー的な存在 被験者4(青髪のロングヘアーの女性):能力・忠誠に問題はない、ただ実験時と訓練時は別人と認識しているらしく 訓練時は愛用の眼鏡を必ず外す 被験者5(黒髪のロングヘアーの女性):忠誠には問題はないが戦闘能力にやや難有り 恐らくKEY OF THE LEAFにある程度拒絶反応があると思われる また、記憶能力にもある程度難有り レポートの内容を大雑把に訳すとこんな感じだ、当然これといった攻略法になるような情報などない。 そして俺はコントロールルームを後にした
次回第16話お楽しみに
何度も聞くようだけど君には下書きって発想はないのか?
季節は五月。 今日も柔らかな日差しを窓から受ける我が家。 春というのは、本当に優しい季節だと思う。 何もかもが冬とは様変わりし、目を楽しませる。 新緑は色づき、動物達も目を覚ます。 こんな変化の季節に。 「……セリオさん、何で?」 「−はい?」 「……何で炬燵がまだここにあるの?」 部屋の中央に鎮座するそれ。 電熱器によって、座する者を足元から暖めてくれる文明の利器だ。 冬にはたとえようもなく役に立つ代物である。 だが、今は春。 もうこれが役に立つ季節ではないのだが。 「−何でと仰られましても……マスター好きですよね、炬燵?」 「そりゃ、嫌いじゃないけれど……」 「−私も好きです。炬燵」 セリオさんはいそいそと炬燵に潜り込む。 「−……ホッとします……」 「いいからもうしまおうよ!五月だよ五月!炬燵の時期は終わってるよ?」 「−……ぼーっ」 セリオさんはすっかり炬燵でくつろいでしまっていた。
「出てきなさいっ!」 「−拒否します」 セリオさんは深々と炬燵に潜り込むと、頭だけを出して反抗する。 一体この強情な女の子をどうするべきか……。 「出てこないと、強硬手段に出るぞ?」 「−どうぞご自由に。ぷいっ」 すぽっと炬燵の中に潜り込んでしまうセリオヘッド。 意地でも出てこないつもりらしい。 仕方なしに天板ごと炬燵を持ち上げてみる。 ……がっちりと押さえつけられて、ぴくりとも持ち上がらない。 うむむぅ、かくなるうえは……。 コードについている温度設定ダイヤルを最大にする。 ……。 …………。 「……セリオさーん?」 炬燵からはまったく反応がない。 ちょっと裾を持ち上げて、中を覗いてみる。 中にはぐったりとしたセリオさんの姿。 「あーもうっ、つまらない意地をはるから!」 僕は急いで熱々のセリオさんを抱えると、風呂場へと向かった。
「−……?」 ゆっくりと目を開ける彼女。 不思議そうに、浴槽の水を手ですくう。 「−マスター、なぜ私は服を着たまま水風呂に入っているのでしょう?」 「強制冷却が必要だったからね。まったく意地っ張りだから、セリオさんは……」 ぶつぶつ呟く僕を、じっと浴槽の中から見つめるセリオさん。 そして、ざばぁっと浴槽から上がると、僕の襟首を捕まえた。 「……え?」 一瞬の後には、僕の体は浴槽の真上に。 「ええーっ!?」 ざばーんっ!! ……。 「はっくしょんっ!……うう、酷いよセリオさん……」 ガタガタと震えながら、毛布に包まる。 「−私にしたことの罰です。当然の報いです」 「だからってこんなの……っくしょんっ!」 「−ほらマスター、意地をはらずに炬燵へどうぞ」 炬燵でぬくぬく温まるセリオさん。 「僕は絶対に入らないからなっ!……はっくしょんっ!!」 来年こそは、早めに炬燵をしまおう。 震えながらそう誓う僕だった。
セリえもん?
圧縮が近いので保守。 本日中には16話落としますので
では第16話「逃亡者」どうぞ
彼女のオフィスに向うには必ずあの少女達が待ち構える階に向わなくてはならない。 恐らくあの少女達は戦闘君r5円のようなものを受けているに違いない。 対する俺は超人的能力を得てはいるが動きそのものは素人、勝ち目は0だ。 となると必然的に以下に上手くやり過ごすかが肝要である。 とはいえ上に向う方法はエレベーターか階段の二つしか方法は無い 当然向こうもそれを前提として俺を待ち構えているだろう
エレベーターが開くが開く音と共に銃声がした、銃声が止むと被験者1と被験者2がエレベーターの中に入り エレベーター内部をクリアリングし始めた、といってもそんなに大きなエレベーターではないので中は無人であるとすぐに 二人とも気がついた。 そして二人はエレベーターの天井に向って銃弾を放った。 そしてそこにも俺がいないことを確認すると二人はエレベーターを後にした。 俺は先の襲撃で開いた穴からその一部始終を覗かせてもらった、そして俺はつかまっていたエレベーターの昇降用の ロープから手を離すとそのままエレベーターに飛び移りその階に下りた
リアル事情とかあるのでしばし休憩します
リアルで逃亡せにゃならんようになったか。はよ自首せい。
スレタイ準拠のSSだよな
では続きです
エレベーターから降りた俺は周囲に敵がいないのを確認するとここでの行動方針を真剣に考えた やつらは専門の訓練を受けている、対する俺はまったくの素人だ 正面から戦うなどは愚の骨頂だし、かといってまったく出くわさないようにするのも至難の業だ。 当然俺のことを察知されるわけにもいかない。 となるとここでは戦闘は厳禁だな、敵には一切の例外なく手を出さないほうが賢明だろう そして俺はすぐそばに通気用の金網を見つけた、俺はその通風路に入るとそのまま適当に行動した もちろんはずした金網は元に戻したがな
通風路の果てはどこかのロッカールームであった。 俺が金網から降りようとすると二人の兵隊が入ってきた 俺は最初ここをクリアリングするつもりかと思ったがどうやら違ったらしい。 「しかしわからないな、いくら何でもあんな少女たちにこんな仕事させるなんて」 「これがここの方針だ、彼女の前ではこのことは言うな命がないからな」 「わかっているさ。でも殺し合いを譲る姿なんか見ていてぞっとするぜ、それも無垢な顔出だ!」 「あの娘達はみな結構繊細だ、絶対にそんなそぶり見せるな」 「そうだな、ところで見張りは完全なのか? さっきの爆発で連絡橋の一つを失ってしまった」 そのとき男の一人の通信機に通信が入ったらしい 「うん、そうかわかった。どうやらあの娘たちがそこを見張るらしい」 「それで俺たちは?」 「どうやらこのエリアの索敵に回されたようだ」 「できれば俺たちの手で奴を仕留めてやろう、あの娘達の手がこれ以上血で汚れていくのは見ていられない」 「同感だ、さあ見回りに入ろう」 男たちはそういうとロッカールームを後にした。 これで連絡橋に向かうのは容易ではなくなったな
連絡橋に向かわなければ魔女の元にたどり着くのはまず不可能だ。 しかしそこには奴らが待ち構えている。 連絡橋の付近の角に来たとき俺は催涙弾を投げ込んだ。 連絡橋のほうから咳き込む音が聞こえる、人数は確認していないが彼女たちが待ち構えていたのは事実であると認識させるのは確かだ。 俺は次にそこに火炎瓶を投げ込んだ、するとそこは火の海となった。 催涙弾には引火性のものもある、これは北川の車にあった奴なのだがある種の賭けに近いものであった、スプリンクラーで火の勢いが弱まったときを見計らって俺は角から飛び出し 全力疾走で連絡橋にたどり着くとC4を仕掛け、連絡橋をわたり終えシャッターを閉めると同時に連絡橋を破壊した。 これで俺は逃亡者にならずにすんだようだ
次回第17話お楽しみに
叩き等に負けずに作品を投下し続けるdendの気力と根性には脱帽です これからもそういったものに負けずに作品を書き続けてくださいね
すげぇな
リレーと違って他人のせいにできないしな。
まあ、あれだ衣笠の連続出場記録みたいな意味ですごい
1スレに書き込んだ量でトップはONEのオリキャラ物をスレ立てて書いた奴かな。 多分だけど。
何レスくらい?
183 :
名無しさんだよもん :04/05/21 20:59 ID:+BEKsdLj
>>181 懐かしいな…
全部読んだ上に感想までつけたよそれ。
185 :
コテとトリップ :04/05/21 21:19 ID:xux3oGlH
オリキャラ・・・なんだな、やっぱりw お兄ちゃんも大変だ
187 :
名無しさんだよもん :04/05/21 21:35 ID:54Eb1wFJ
・・・すげぇ悲惨な終わりを遂げたスレだったんだな・・ それなりに読めそうだったけど、この長さには尻込みする罠
189 :
コテとトリップ :04/05/21 22:09 ID:xux3oGlH
ONE2スレに100レスオーバーかました勇者っていなかったっけ?
美凪アフター(?)スレも長くなかったか。 あれぞクラナド、とか。
何か、ここでSS書けって某スレで言われたんでつが。 とりあえず寡黙たん、つか美凪アフターは好きでつた。
>>191 このスレならどんなSS書いても、どんなに好き勝手に進行しても誰も邪魔しないから、好きに書け。
じゃ、漏れがU−1SSを…
目を閉じて精神を集中させていた。 後楽園の控え室。幾多の戦士たちの血と汗を吸い込んだこの場所は、だがそれでいてなお冷たく 私を包み込む。緊迫した空気に絶えられなくなったのか、付き人が部屋をそっと出て行くのが気配で わかった。 初のタイトル戦。 全盛期の過ぎた奴の逃げ……それがプロレス転向を決めた私に下された、世間の評価だった。 確かに、私の実力はもうエクストリームで闘えるレベルにはなかった。パワー、スピード、技の切れ…… 全てがチャンプだった頃より圧倒的に落ちていた。悔しいが認めざるを得ない。 私はエクストリームを引退し、しばらく静かな生活を送っていた。 だが、なぜだろう……仕事もせずにのんびりと暮らすことは、私にとっては強烈な焦燥感に苛まれる だけの辛い生活でしかなかった。 肉体が、いや、魂が……戦いを求めていた。 気がつくと、女子プロレスでは名門と名高い、新女の門を叩いていた。 あれから三ヶ月。私は、 今日、それを証明する! 「時間です!」 付き人が勢いよくドアを開けた。大音量で会場に流れる入場曲「サザンウィンド」が耳に飛び込んでくる。 観客たちの興奮は最高潮に達し、音楽に合わせた足踏みが地響きのように伝わってくる。 タオルを頭からかけた。息を長く吐く。戦いの準備はできた。
葉鍵でガープスリングドリーム
>>191 蔵SSの彼か。
dendと存分に競い合ってくれ(悪い意味で)
サッカー部員A「おい、一ノ瀬」 ことみ「はい?」 サッカー部員A「お前のそのヴァイオリン、修理したら音が良くなったんだって?」 ことみ「うん。前より、いい音」 サッカー部員B「くっくっく、じゃあ俺達がもっといい音になるようにしてやるよ」 サッカー部員C「ほら、貸しな」 ことみ「あっ、だめっ…」 サッカー部員A「うるせーな。じゃあ、お前をいい音で鳴かしてやる」 サッカー部員C「おい、お前こいつを押さえとけ」 サッカー部員B「おうよッ」 ことみ「い、嫌っ!やめてッ」 サッカー部員A「なーに、すぐに良くなるさ」 サッカー部員A「おい、ひさびさにやるぞ。お前、トップバッターな」 サッカー部員C「オス。いいバットがあるし、カッ飛ばすぜ」 ことみ「だめっ!…だめぇっ!」 …… 陵辱は、ことみが無残に気絶するまで、続いた。
まるで山賊のようなゴロツキ集団だな
199 :
名無しさんだよもん :04/05/22 13:38 ID:KMfhckhp
ディックがこんなこと言っている。 「質問:小説が影響力を持つためには、メッセージなり、道徳が必要ですか?」 「ディック:そんなものは絶対不要!小説に道徳やメッセージが必要だなんてブルジョア的発想だ。 貴族が支配した時代には、芸術は教訓をたれたり、精神を向上させる必要はない、 単に楽しませてくれれば上出来だと言う共通認識があった。 エンターテイメントを見くだしてはならない。モーツァルトの弦楽四重奏曲は何かを教えてはいない。 道徳やメッセージが、例えば晩年のベートーベンに含まれているなら教えてほしい。音楽は純粋だ。 文学も。聴衆や読者を教え導いて改善しようなんて目的がなくなったとき、音楽も文学ももっと純粋になる。 とにかく、作家は読者同様にすぐれた道徳の持ち主ではない。 それどころか道徳的には読者より劣っている場合が多い。その作家が読者にどんな道徳を教えることができる? 作家は自分のアイデアを提供するだけでいい」 『フィリップ・K・ディックのすべて』
なかなかに名言だな。 >道徳的には読者より劣っている場合が多い。 自分を含めて、これには頷かされた。
dend・・・GAのエロSSスレで見たような見てないような・・・
タイトル:終わりなき夜に生まれつく 分量 :2レス 内容 :みさおのひとりごと
《…………病室からのね、 夕やけのくもの形が、オバケとかゆうれいにみえちゃうようになったの。血まみれオバケね》 《ずっとむかしはね、夕やけって大好きだったの。みさおって むかしお外であそんでたとき、川べりでおにいちゃんが両手でメガホン作って、まえの日見たドラマをおちょくるみたいにさけんだことあったよね? 夕陽のバカヤロー!とか。 みさおもよくわかんないままに、あの日おにいちゃんの真似してた。わけもわからずばかやろーっ!とか。声が小さいぞみさお三等兵!とか怒られちゃって、それでいっしょうけんめい大声だしてたね》 《……あの日、おにいちゃんとおんなじ言葉をさけぶのが好きだった、とても》 《抱きあうみたいに河川敷にたたずみながら、おなじ夕陽のまばゆさをあびて、とおくに電車の鉄橋越えのレール音をきく》 《そらが遠くのほうから紫と群青いろにうつりかわって、お星さまがまたたきはじめる。 さいごに黄金色の火花を散らしてきょうの夕陽がしずんでいく。 すすきを鳴らす川風が、だんだん冷たくなるからなおさら……おにいちゃんの肌があたたかく感じられて》 《しあわせだったんだよ、あの日のみさおって》
《でも、入院してから……夕やけの想い出がほんとうにつらくなった》 《おかあさんは神さましか見ないひとになって、 由起子おばさんはやさしいけど忙しくて、お見まいにきてくれなくって、 そしておにいちゃんは――健康な、かぜもひかないようなじょうぶなままだったね》 《みさおは病人だった》 《おにいちゃんとはちがう身体になって、そしてもとの元気よさにはもどれないのが、何回めかの手術のあとわかっちゃって》 《そして夕やけがこわくなった》 《病室の窓からひとりぼっちでながめるしかない夕やけが、 夜をひとりっきりで迎えるのが、 もうすぐひとりっきりで、おにいちゃんのいない暗いくにへ旅立たなきゃいけないのが、 そういうのぜんぶがどのくらいさみしいのか、みさおは思い知らされ……ちゃった》 《だからみさおは、窓のカーテンをしめたの》 《あの兄妹、ふたりの月島さんたちみたいに、ベッドの上でえいえんに訪れない朝をまちつづけるために》
205 :
名無しさんだよもん :04/05/22 22:15 ID:26AQs+zj
《……はっ!》 《……なんだ、夢か…》 みさおは目覚めると、朝の布団の中で屁を放った。
終わりなき夜に生まれついた結果がそれか
>>205 ハゲワラ
本文は読んでないんだがオチイイね。
ネタとしてすげえ笑った。 ルビ振りとか芸細かいし。 四文字熟語で爆笑したw
もっと厨房理論で舌戦かましてくれ。
212 :
コテとトリップ :04/05/25 21:32 ID:m5RFsGt8
>>208 こういうのってどこがおもしれえのかさっぱりわからんのだが・・・
色んな意味で俺はここに用がありそうだな。
いつの間にか他人様に優しいスレになってるね、ここ。
216 :
名無しさんだよもん :04/06/01 17:38 ID:PFql1ZD7
>>209 > ネタとしてすげえ笑った。
> ルビ振りとか芸細かいし。
> 四文字熟語で爆笑したw
なんかひどくわざとらしいレスだと思う俺は白濁液にまみれて
るのだろうか。
「ふー……もう俺らも19なんだよなー」 「早いな。でも19になっていいことあるか?」 「んー……エロゲが堂々と買える」 「厨房ん頃から買ってたじゃねーか」 「んー……エロ同人が買える」 「通販だのなんだので買ってたろが」 「んー……」 「でもよォー、最近やりたいゲームなんか無くないか?」 「あー、まーな」 「あの頃の俺たちはバカだったよなぁ……」 「あそこでPS東鳩やらなけりゃ」 「あそこで華音買わなけりゃ」 「「はぁ……」」 「なぁ……知ってるかお前?」 「……何を?」 「最近のゲームはな、女と偽った男が出るらしいんだ」 「へぇ……でもイマドキそれくらい普通なんじゃん?」 「それが、本番直前で判明するんだぞ?」 「……」 「……」 「……切ねぇな」 「あぁ……マジファッキンだ……」
220 :
名無しさんだよもん :04/06/06 21:28 ID:L1lpENi3
遊撃宇宙戦艦クラナド ことみ:本艦ダメージ80%。もう後がないです艦長。 杏艦長:椋、こうなったらあの技しかないわよ! 朋也:おっさん、フォーチュンブラスター援護! おっさん:誰がおっさんだ!!俺は機関長だ!どうなってもしらないからな!準備はいいぞ!! 椋 :了解!定位置へ移動します。 渚通信士:フォーチュンブラスター発動!射線上より離脱願います! ことみ:緩衝増幅器へ全エネルギー集中。 ヒラニプラシステムにアクセス。 解説しよう。フォーチュンブラスターとは、椋の持つ強力な魔力を持ったカードを7枚組み合わせ、 そのパワーを間の全エネルギーによって増幅、発射するものである。結果は必然的にラ ンダムに決定され、何が起こるかは運次第である。ちなみに、このカードたちは1枚のみでも小惑 星を吹き飛ばすほどの力を備えている。 ことみ:エネルギー充填120%!ヘキサグラムスプレッドシート展開! 椋は巨大な六芒星を描いた。そしてそこに7枚のカードが定着する。 椋 :過去、現在、未来、援護、彼、吾、収束! カードに宿りし精霊よ、私に力を!フォーーーチュンブラスターーーーーー!! 光に空間が歪んだ。 そして・・・・・・・・ ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろずぼぼぼっぼおぼぼぼぼぼぼ ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ・・・・・・・・・・・ 大量の団子たちが六芒星から打ち出されていた! ちゅどーんちゅどーん!!ごごごごごーん!! ことみ:敵、99%消失。残りは撤退してゆきます。 杏艦長:止めは私が刺すわ。 操縦桿を握り、ニヤリと笑った。ちゅどーん。 あっけなく幕は引かれたのであった。
名雪「まんこかいいな」 秋子「かけよ」
222 :
人生ブラフ@イリヤタソ(;´Д`)ハアハア :04/06/07 21:19 ID:AlLclhvk
ロザンヌ様がいらっしゃってますね
どうもお久しぶりです。 人大杉が解消されたみたいですね。 それはともかくとして第17話「復讐の弾丸」どうぞ
俺は先の襲撃があったエレベーターに舞い戻っていた。 そして俺は非常用の梯子で上へと向かっていった この上にあの女のオフィスがある、そしてそこでようやく俺の復讐劇が終わるのだ
俺は最上部にあるドアをC4で破壊し、そこに入った。 そこには魔女と数人の護衛がいた。 俺は問答無用で魔女に発砲した、だが防弾ガラスがそれを遮る。 さらに追い討ちをかけるように警察のサイレンが聞こえた。 「ゲ−ムオ−バ−よ相沢祐一、あなたはここで死ぬか警察に捕まるかの2択しかないわ」 魔女はそう言い放った
「ヤツを止めろ!」 魔女はそう言い放つとオフィスから逃走し、取り巻きの護衛たちが俺に銃を向け始めた。 魔女が立ち去るのを確認すると護衛の一人がそのドアをロックしそれを合図に護衛たちは一斉に攻撃を始めた。 俺はブ-ストとナイフでそいつらを斬殺した。
俺はしばらくの間幽閉状態になっていた、そして突如シャッターが開放された。 それとほぼ同時期にさっき俺を執拗に狙っていたヘリが現れた 「相沢祐一、あなたの負けよ。あなたたちには死んでもらわなければならなかった、どうしても、ね」 ヘリは俺のことを執拗に攻撃してくる、俺は避けるのが精一杯であった。 しばらくするとヘリは去っていった、次に魔女が逃げた先から新たな兵隊が現れた 「相沢祐一。あきらめなさい。あなたはここで死ぬのよ」 俺はその兵隊たちを殺すと魔女の逃げた方向に向かっていった
祐一「俺、インキンかも」 名雪「女だとインマン?」
俺は「近道」をするためにバルコニーに向かった。 するとヘリの羽音が再び聞こえてきた、今度はさっきのような「遠慮」は無用だ 俺はスティンガ−ミサイルをヘリに向かって放った。 ミサイルはヘリに命中した、だがヘリは思っていたより頑丈にできていて致命傷には至らなかった。 「敵は対空兵器を持っている警戒せよ!」 その声が聞こえるやはやヘリはビルの向かい側に隠れてしまった、そして俺はその場からハイジャンプで真上のフロアに突入した。
「ヤツを止められないのはどういうことなの! お前達は最高の兵隊なのよ! 訓練も装備もちゃんとしている! 少なくともヤツよりは上のはず!」 さっきまでの余裕は徐々に消え失せているのがわかる、俺は確実に魔女に近づいているのを実感した。 そして俺は大部屋にたどり着いた 「なんとしてでもヤツをここで止めろ! これ以上行かせるな!」 どうやらここは非常に重要なエリアらしく、兵隊達がまさに「必死の攻防」を行っていた。 さすがに俺もここは無傷ではやりのけられなかった、そして手負いになった俺はあらかじめ用意した鎮痛剤と止血剤を用いて処置した後 この部屋を散策した、そこはただの大部屋であらゆるモニターやひとつのデスク意外これといって気になるものはなかった。 デスクの上にはPCがあった これには先の少女達の訓練記録や、ヘリの偵察記録などがあるだろう。好きなのを選ぶといい今の俺には何の興味もない。 腐るほど見てきたからな。 その机には隠しボタンがあった、それを押すと隣の壁がスライドし、その先に長い階段が見えた。 魔女はこの先にいる、そう確信した俺はその階段に足を踏み入れた。
次回エピローグ「光の道」お楽しみに
浩平「ちんこ火傷しちゃった」 長森「どうせいらねえし」
ネタとしてすげえ笑った。 ルビ振りとか芸細かいし。 四文字熟語で爆笑したw
dandってU-1作家なの?
dend作品って一見U−1だけどその実違うよな。 まず原作設定を意外と保守している。 次に祐一は何度か敗北にあっている。 それに女たちは無条件で祐一に惚れてない。 祐一自身も鈍感でもなければ朴念仁でもないし更に思ったことを口に出さない。 ほかにもU−1と違う点はあるけどこの辺で
dendはifものの臭いがまだ残ってるから。
237 :
名無しさんだよもん :04/06/09 19:21 ID:oCY9p7Pp
鈍感でも朴念仁でもない祐一では原作設定に沿っているとは…
でもbang!だから無問題
あそこでKanon買わなきゃ… はぁ・・・・・・・・
240 :
名無しさんだよもん :04/06/13 10:03 ID:M1J0tf8A
まずいぞ、即志望し
de・n・d! de・n・d!
1つ聞くがここは陵辱18禁は可?
どうも久しぶりです。 エピローグ「光の道」どうぞ
これまで俺にとってこの復讐劇はある種の夢であった。だが、今、それが現実のものになろうとしている。 俺はそれを実感しながら階段をゆっくりと上り始める。 するとモンタナがドアを開けて俺に何発か銃弾を発砲し、食らえ!という声とともに手榴弾を投げつけてきた。 それらの攻撃は俺にかすりもせずに素通りしていく。 一連の攻撃を終えると魔女はドアを閉めていった。俺はそのあとを追った。
ドアを開けるとそこは大吹雪であった。魔女はすでに逃走用のヘリに乗り込んでいた、それはこれまで俺を執拗に狙い続けてきたあのヘリであった。 「彼女を拾った! だが風が強すぎる、離陸には若干時間がかかる」 ヘリに向かう通路は魔女の兵隊で固められていた、おそらく時間稼ぎか何かだろう だが配置は巧妙であり、さすがの俺でもそうなかなか動きの取れないものであった。
「離陸まであと60秒」 俺はそのアナウンスを聞いてある種の焦りを感じた、ここを逃せば二度と復讐の機会を逃す。そんな気がしたからだ。 そして俺はブ−ストを使い、銃弾を喰らいながらも兵隊たちを殺していく。 兵隊たちを皆殺ししたときにはヘリは離陸をはじめこんなアナウンスが聞こえた。 「ビルを破壊しろ! 証拠を残すな!」 「しかし、あそこにはまだDOLLが・・・」 「資料はここにある! 何も問題はないわ」 「・・・わかりました」 その言葉と同時に突如地鳴りが・・・いやビル自体が崩壊を始めた。 ヤツはこの爆破の犯人を俺に仕立て上げるつもりなのだ、その後の「事実」の捏造などヤツには造作もない事だろう。 俺は霞み始めた視界の中、スティンガ−ミサイルの照準をヘリに向け始めた・・・ ロックオンの音が聞こえると同時に俺はミサイルを発射した。 視界がぼやけていて良くはわからないが、爆音と鉄屑か何かが落ちた音がヘリの破壊を、そして魔女の死を俺に確かに告げていた。 その音は最後の間鈍譜として俺には聞こえた。
奴等は皆息絶えた、俺は銃から引き金を離す。そしてすべてが終わった、俺自身もまた魔女の居城と共に消えるだろう。 そして、霞んでいた視界が再び鮮明になっていった、そこには一筋の美しき光の道が一直線に伸びていた。 俺はその道を歩み始める、やがて俺の耳に懐かしい声が聞こえてくる。 「あうー、祐一何ボーっと突っ立ているのよ?」 「相沢君、みんな待っているわよ」 「祐一さん、お料理作ったの、みんな祐一さんが来るのを待っているわ」 「祐一、私も眠いのを我慢したんだよ」 「祐一君、ボクずっと祐一君が来るの待っていたんだよ早く早く」 「みんな、そんなに俺のこと・・・」 俺は5人の愛しき人たちの下へと駆け寄った。 「ずいぶん待たせたなお前たち、本当にすまん」 そして5人は俺に銃弾を放ってきた・・・
「な・・ぜ・・・」 そして視界は再び変わり、愛しき人たちの姿は崩れ落ちていき、代わりにそこには5人の無垢にして残酷な死神へと姿を変えていった。 仰向けに倒れた俺に死神は近づいていく。 そうだったのだ、これが現実だ・・・ 愛しき人たちは死に、俺自身も殺人者へと変貌しやがて人間ではなくなっていた、あの「光の道」はあの世への道だったのだ。 おやすみ・・・俺がそうつぶやくとともに銃声がした・・・
俺は再び光の道の上にいた、俺はただただまっすぐにそれを進む。 するとその果てにはあゆがいた。 「祐一君、やっと来てくれたんだね、もう奇跡は起こせないけど祐一君ボクの為にここまでやってくれて本当にありがとう だってそれってボクの事をそれだけ愛してくれていたって事でしょ」 「ああ、そのとおりだあゆ、これでようやく俺たちは誰にも邪魔されないな」 「そうだね、祐一君。この先には名雪さんたちもいるよ」 「行こうか、あゆ」 「うん」 俺たちは今、この希望に満ちた光の道を歩んでいる。
ようやくこの作品を完結させる事が出来ました、私がこのスレでこれを執筆するときはまさか完結するのにこれほど時間がかかるとは思っていなかったので 今、ある種の達成感を感じています。 さて「光の道」ですが、これはもともと「葉鍵的SSコンペスレ」で掲載していたものであり、あの時は未完成のまま発表してしまったので どこかでこの作品の完全版を落とす機会を探していたのです。 さて、実はこの作品当初は予定しなかったのもいろいろあります、たとえば「ブ−スト」と「ハイジャンプ」です。 これは元々入れる予定はなかったものなんです。 それと終盤にでてきた「DOLL」これも元々予定していなかったものなんですが上記のものを思いついたとき連鎖的に発想したというのがあります。 あと、オリキャラの中にはいくつか葉鍵キャラのアナグラムで命名したものもあります、興味ある人は調べてみてください。 とにかくこの作品をようやく納得できる形で発表できたのは感無量です。 今まで作品を応援してくれた方もそうでない方もありがとう。 それでは。
後書きが一番の名文ってのはどういうわけだこの野郎。
253 :
名無しさんだよもん :04/06/18 23:45 ID:8tDIP+0S
圧縮で落ちてしまう可能性が出てきたのであげ
「あのさー、ちょっといいかなァ?」 とある秋の夕暮れ。 学校からの帰り道、人気の無いところで不意に後ろから声をかけられた。 「はい?」 「ちょーっと話したいことがあるんだけど」 振り向くと、そこには……いかにもって感じの不良にーちゃんが3、4人。 そいつらはにやにや笑いで近づいてきた。 っていうか囲まれている。 あぁそうか、これはアレか。 「金、持ってねぇ?」 うわぁやっぱり。 カツアゲされてるよ俺。
「いや、持ってねーです」 俺はそう言ってBACA包囲網をすりぬけようとするが 「ちょー待てコラ」 「っいぶんナメた態度とってんじゃねーかよォ」 「殺すゾ? あ?」 肩をつかまれる。 っていうか、口半開き、半目、猫背。 何でこうも解りやすいんだ、この種の奴らって。 「あ、マジすいません、ホント持ってないんス」 へこへこと頭を下げて言う俺。 まぁ実際のところ、ホントに金欠状態だし。 「いいから財布だせってんだよボケ」 胸倉を掴まれ、ぐっと顔を近づけてくる不良A。 「あ、はい」 とりあえず財布を渡す。 「……あぁ? 小銭しかねーじゃねーかよ」 「だから持ってねーですって―」 ガッ! 顔かよ…… 「っせんだよォ……オラ、さっさとけーれ」 「……」 財布を投げ捨てて、奴らは行ってしまった。
「……」 とりあえずその場に腰をおろす。 ……やっぱ、むかつくな。 どうせナラ今かラ追いカケて…… 「お、おい、どうしたんだ?」 「あん?」 頭上から驚いたような声。 見上げる……が、外灯で逆光になってよく見えない。 とりあえず……ウチの学校の制服? しかも女。 「あー……おう、大丈夫だ」 「何でこんなところに座りこんでるのさ」 「えーっと……不良さんに絡まれて一発喰らってー……」 「えぇ!?」 ……って何素直に話してんだよ俺。 「かっこわるぅ……」 「え?」 「あ、いや大したことないんだって」 早く行ってくれ、頼むから。 「あ、口から血ぃ出てんじゃんっ」 俯いていた俺の顔を覗き込んでくる女。 ……あ、こいつは……隣のクラスの、柏木梓? 「―ほらハンカチ」 「ん?」 「ほらっ」 「え?」 「使えってば」 あぁ。 「お、ありがとな」 遠慮なく、口を拭わせてもらった。
「で、当たり前のごとく汚れてしまったわけで」 白かったハンカチは、赤く滲むように汚れてしまった。 それをぴろーんと広げてみせる。 「じゃ、洗って返すから」 「あ、いーよいーよ」 なに? 「それはどういう意味スか?」 「あげるよ」 「……成る程、俺の血がついたハンカチなんか汚いから返してもらってもしょーがない、と」 「は!? ち、ちが―」 「じゃ、明日返すから。柏木さん、手ぇ洗って待っててくださいね」 「え? あ、あぁ、うん」 「それじゃ」 たたみこむように会話を終わらせて、俺はさっさと逃げ出した。 「……変な奴」 何か聞こえた気もするが、無視。
「―で、そいつの名前は何て言うんだ?」 もごもごと肉じゃがを頬張りながら、耕一が問う。 「ったく、行儀悪いねぇ。えっと……確か『柊 耕太』だったかな? 隣のクラスだったはず」 「梓お姉ちゃんはあんまり話したことなかったんでしょ?」 「うん」 まぁ2、3回はあったかもしれないけど。 「梓の話を聞く限りでは、確かにおもしろい奴ではあるな」 もぎゅもぎゅと肉じゃがを頬張る耕一。 ホント、好きだねそれ…… 「だろ? まるで耕一みたいな奴だったよ」 「俺かよ。俺はそんな変な奴じゃないだろ」 「いやいや、アンタは充分変だよ。でもそれよりも……」 あいつ、もしかしたら…… 「ん? 何だ?」 「あ、何でもない何でもない」 気のせい、かな?
259 :
名無しさんだよもん :04/06/19 22:58 ID:40HZY64b
>>258 乙!
そういえばdendも、犬せりおも、それなりの決着をつけたけどcold dayの中の人はどうしたんだろうか?
260 :
コテとトリップ :04/06/19 23:07 ID:5kz/CMdP
なんか約一名、キャラ違うような違和感が それはそれとしてこれ続きあんの?
なんか約一名、住人が違うような違和感が それはそれとしてここドリフくんの?
「ひ、ひぁ……ぁぁう……」 「むかつくんだよねぇ、ホント」 「お、お前、何なんだよっ!?」 「いや何って、人間ですが?」 「なっ、ふざけん」 「うっさい」 ゴギッ 「いあぁぁぁぁぁっ!!」 「だからうるせーってば」 ゴッ 「がぅ……た、たすけ―」 「あー別に殺さないっスから、心配しなくていーっスよ」 「こ、このクソ野郎……」 「……ちょーっと本気出すかな」 「 !! ……千鶴さん、今の……感じた?」 「……はい」 「そっかそっか♪ また千鶴さんの弱いトコロ見つけちゃったな〜♪」 「あん♪ そんなにいじめちゃイヤですぅ♪」
「ひ……ば、化け物……」 「……」 「来るなよ……来るんじゃねーよっ!!」 「……」 「ぁ、ぅああぁあっ―」 翌朝。 「それじゃ、行ってきまーす」 「おう、気をつけてな。車にひかれるなよ」 「ははん、耕一じゃあるまいし、そんなマヌケな目にはあわないよ」 「へーへー、さいですか……」 やれやれ、と肩をすくませる耕一。 「あ、お弁当つくっておいたから……帰りの電車の中ででも食べて」 「お、気がきくじゃないか。ありがとな。」 耕一は今日アパートに帰る。 また、まとまった休みが出来た時にでもこっちに来るのだろう。 「へへ……それじゃ本当に、行ってきまーす」 そう言って梓は家を出た。 ちなみに他の姉妹は既にいない。 耕一が朝食を実にゆっくりととってくれたために、少々遅れてしまったのだ。 「これは走らないと間に合わないかな……ったく耕一の奴」 ぶつぶつと独り言を言ってみるが、怒っているわけではない。 実際、耕一を置いてさっさと登校することも出来たのだ。 ただ、世話好きの性分からか彼を放っておくことが出来ず、食事が終わるまで待っていた。 自分が好きでそうしたのだから、彼が悪くないことなど百も承知だ。 しかしこんな言葉がつい出てきてしまうのは……まぁつまりは耕一と梓の関係はややこしいということだ。 「―ふぅ、ここらへんまで来れば大丈夫かな?」 自分の学校の生徒の数が増えてきたところで、梓は走るのをやめた。 軽く息を整えながら歩いていると、前の方に人だかりが出来ているのが目に入った。 「なんだアレ? ……ん? 警察?」
>>263 や、割と本人。
話をどうつなげるか悩んだ挙句、台詞だけでつくったらわけわからんものに……
で、
>>262 は無かったことにしてくれると嬉しい。
……つーか梓の喋り方とかよくわかんね。
コンペスレに誤爆してたよ(つд`)
御影道場の裏、個人邸宅用地下核シェルター。 60年代、米ソ冷戦真っ盛りの時代に作られた代物だが、ソ連崩壊後、この場所は家人からも忘れられている。 大庭詠美がそこに監禁されてから、既に四日が経つ。 彼女は全身を布テープでグルグル巻きにされ、頭の角度までがっちりと固定されていた。 瞼までテープで貼り付けてあり自分の意志では目を閉じる事すら出来ない。 そして猿轡をかまされたその姿のまま狭いバスタブにギュウギュウと押し込められ、 彼女の頭上にポタポタと絶え間なく水滴が垂れるよう蛇口の位置を調節してある。 「昔の中国の拷問法なんですよ。囚人はみんな、二日で発狂したそうなんですが…」 南の提案だ。 瑞希と玲子が詠美を拉致しようとしたところへ偶然居合わせた彼女は一目で状況を察し… …止めるどころか積極的に荷担したのである。 外面如菩薩内面如夜叉、人の皮を被った悪魔とはこういう人種のことか。 詠美を眠らせない為、部屋の明かりは煌々と照らされ、短波ラジオの大音量の雑音が鳴り響く。 そして彼女の顔には一面、びっしりと無数の画鋲が突き刺さっている。 画鋲を一つ一つ詠美の顔面に埋め込む時に瑞希が見せた笑顔。まさに狂人のそれであった。 その、狂気の拷問部屋のドアが開き、人影が入ってきた。瑞希と玲子だ。 「詠美ちゃん、まだ生きてるぅ〜?ご飯よ〜。くくく」 「今日もモカ鍋よ〜」 モカ鍋。インスタントコーヒー一瓶をエスタロンモカ内服役で溶き煮詰めた液体である。 一口でも飲めば2晩は眠れなくなること請け合いだ。 これを毎日1リットルずつ飲み込まされている詠美は、この4日間一睡もできず、 24時間休むことなく体のしびれと痛みに苦しみ続けている。 「ぁぁ…ぁぁぅぅ…」 猿轡を外された詠美は弱弱しいうめき声を挙げると、一瞬、瑞希と目を合わせた。
cold dayの人どこ行ってしまったんだろう。 いなくなると寂しい物があるな
おまいらが叩き過ぎたから…
ここなら型月作品とクロスしても誰も文句は言わない気がする 自分はやっていないから書けないが。 一応あげとく
d(ryが書かなくなってからここ廃れてきたな
dの中の人間は悪禁食らった模様
いや、アク禁されていませんよ 久しぶりに書き込んだけど新作とかの予定はありません。 でもお世話になったスレなので定期的に保守はしていくつもりです。
前言撤回 某スレで新作書こうと思います
dendさん、大作おつかれさまの、なでなで。
486 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/07 20:50 ID:7f2PpLTe 昨日つくづく思った。名前ってのはおもしろいもんだなって 実体ってなんなんだろうね。実在から剥離し出す現象と現れ。うんおもしろい 487 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/07 20:53 ID:7f2PpLTe 昔から葉鍵板ってのはおれにとって特化した場所だった 特化していない住人、特化させたくない住人、特化の意味がわからない住人にはさぞや不快だろう その不快感と激情がおれの中の葉鍵板をますます特化させていく。おもしろい。たまらない。愛してる 488 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/07 20:58 ID:7f2PpLTe すろとそうか、やっぱり葉鍵板ってのは現象じゃないんだな 形式じゃなかったんだ。あくまで意識的な外面ではあっても現れきってはいないんだ。奥が深い。深すぎる
490 名前:名無しさんだよもん 投稿日:04/07/07 21:03 ID:m69krywk 昨日からここをコピペばっかしてる阿呆がいるが、勇者君気取りなんだろうなー 491 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/07 21:06 ID:7f2PpLTe 勇者・・・そう勇者。勇者というのは勇気のある人 けっして思慮の欠落している人間を指す言葉ではないはずだ あれはただの、知能欠損 はて、思慮と知能は相互関係はあらざるやいなや あるに決まってんだろバカチン 492 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/07 21:08 ID:7f2PpLTe New!! にとはを使い分けできないのがおれの悪い癖 これは思慮ではなく知能と経験に問題があると見た 正直491は見るに耐えない。ありえない。殺したくなる。死ね 493 名前:名無しさんだよもん 投稿日:04/07/07 21:08 ID:Ea+zjrzP New!! バカチンキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!! 494 名前:名無しさんだよもん 投稿日:04/07/07 21:10 ID:Xg18hogr New!! なんだか今日のコテトリは面白いな。 もっとやれー
535 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/08 00:08 ID:BZqaJleJ New!! 何人もの男達が、私の体の上をただ通り過ぎていきました・・・ 私の体だけに価値を見い出すだけのつまらない男達 そんな男達のなかでも、ケードロをドロケイと呼ぶ人達 100発100中で田舎もんだったにゃりよ 536 名前:コテとトリップ 投稿日:04/07/08 00:09 ID:BZqaJleJ New!! 二行目異常だな。ぶっちゃけありえねえ。駄文の極み。ありえねえ 頭わりいなあこれ。どうしようもねえや
祐一の部屋へ遊びに来ていた佐祐理。 他愛の無い雑談やカードゲームなどをして楽しい時を過ごしていたのだが、 夜の十時を過ぎても佐祐理はいっこうに帰る気配が無い。 遠まわしに時刻を指摘すると、佐祐理は突然頭を下げて謝った。 とても申し訳なさそうな表情で、ぽつりぽつりと事情を話し出す。 明後日、佐祐理はお見合いの予定が入っていた。 本人は拒否したが、父の勝手な判断で話が進められていたのだ。 事情を知ったときには既に日程まで決定しており、困った末に佐祐理が出した結論は当日まで逃げ切る事だった。 「沢山の人に迷惑掛けてしまうのはわかってます。でも、いつもは人格者なお父様が今回の事に関して凄く強引で…。多分、佐祐理の一人暮らしに反対しているんだと思います」 「逃げ切るって、家に帰らないつもりなのか? 」 「もう帰る家なんて無いです…」 佐祐理はすがるように祐一を見つめる。 「舞に相談したら大事になりそうですし、祐一さんにしか頼れなくて…」 「…え」 「お願いします! 佐祐理を祐一さんの部屋に泊めて下さいっ」
年頃の少女がそう安々としてはいけない発言に、祐一の思考が一瞬停止する。 「駄目、ですか?」 「いや駄目とかじゃなくてさ…同じ部屋で寝るってのは夫婦かカップルくらいのもんだし」 「恋人同士じゃないと駄目なんですか…」 「いやなんつーか……何も無くてもやっぱり周りからはそう思われる訳だし…」 返答に困る祐一を見かねたのか、佐祐理は荷物を取ると軽く頭を下げ、部屋のドアノブに手を掛けた。 「…やっぱり迷惑ですよね」 顔を見せないよう下を向いたまま、 「いきなり変な事頼んでしまってすみませんでしたっ」 祐一の言葉を待たずに廊下を出てしまう。 「なっ――! 言ってないだろ迷惑なんて」 すぐさま追いかけ、階段を下りる前のところで佐祐理の腕を掴んだ。 「大体今から出てってどうするんだよっ」 「どこか寒さを凌げるところを探しますから」 「あるわけ無いだろ。凍え死ぬぞ」 祐一に腕を掴まれても全く抵抗しない。 彼女が頼るべきものは始めから一つしかないのだ。 「…わかったよ。協力する」 「え……」 「ただし、秋子さんには言うからな。それで秋子さんが家の了解取らなきゃ駄目って言ったら、素直に帰る」 佐祐理の顔から緊張が解ける。 「すみません……」 「別に謝らなくてもいいって」 佐祐理が祐一の腕を掴み返す。 迷子の子供が、やっと親を見つけられたような笑顔。 「ありがとう御座います」
280 :
■誘導■ :04/07/11 18:45 ID:jUmT0/nb
2004年 KANONの住人達は成人していた。 「よっ、やっぱり日本人なら新風にいれるよな」 「ぷっ、死票覚悟でよくそんなことするわねー。やっぱりマイナー政党だから、ベリーベリー端役の北川君は同情しちゃうのかしら?」 「な、なんだよ。そ、そりゃちょっとはその気持ちはあるけどさ。じゃあ香里は何処にいれたんだよ!」 「もちろん自民よ。全政党の中で一番”マシ”だからね」 「えぇ・・・なんつうか後ろ向きな投票だな。」 「でも一番堅実でしょ?」 「まあ、そりゃそうだけど・・・あ、名雪だ」 「だおー。投票って難しいよー」 「よ!奇遇だな。なぁなぁ名雪何処いれたんだ?」 「私もさっき言ってしまってから何なんだけれど、そういうのは投票場で聞くべき話では無いはね。選挙結果に影響するわ。」 「いいよー香里ー。私はね。民主党に入れたんだおー。小泉さんの北朝鮮の軟弱な外交のせいで、拉致被害者のみんながかわいそうだし、その点岡田さんは誠実だから信用おけるね♪」 「はぁーこれだからTVしか見ない馬鹿女は・・・」 「おい、馬鹿女って・・・」 「いい?ジャスコはね。少し前、ええ衆議院選挙の時までは「五人を北へ返せ」って言ってたのよ。でも今じゃねぇ・・・ずいぶん誠実になったものね。」 「えー?そうなの?でもでも」 「あらーまだわからないの?じゃもうちょっとパソコンでみんなと話そうか?」 「ふぇ・・・それだけは勘弁・・・もごもご」 「な・・・何、何するんだ。まさかエロイことを・・・ハァハァ」
「秋子さーん。ポスター張ってきましたよー。」 「あらあら、ありがとうございます。祐一さんの頑張りと政党の当確を祈って、 今日は豪華に焼き肉しましょう。」 「おおーマジすか!さすが秋子さん!いやー秋子さんがこういう活動してるなんてなー。 てっきり普通の主婦だと思ってましたよ。」 「祐一さん。欧米では普通の主婦がこういう選挙活動するのが多いんですよ。KKKとかドイツ民族主義運動/労働の党あたりが有名ですね」 「秋子さんって知的なんですねっ」 「あらあら、普通の主婦ですよ。それより・・・祐一さんいれましたよね。」 「あ・・・ええもちろん。確か共産党でしたよね?」 「え?何をふざけているんですか?アカに入れたなんて、冗談はよしてください。」 「あ・・・すいません。すいません。社民党でしたっけ?」 「私はあまり冗談が好きではないんですけれど?ええっと私の夫はジャムで事故死してしまったんですよ。あなたも気をつけて・・・」 「ジャムで事故死って、それは毒殺っていうんじゃ・・・」 「はい?で、何に入れたんでしたっけ?」 「あ、も、もちろん。最大与党、世界経済共同体党です。」 「よくできました。」 「あ・・・でも、もしかしたら、いや、そんなことは無いと思いますが、万が一にでも、ありえるかもしれないんですが、 間違って投票しちゃったかもしれません。あ、でも秋子さんならいつも通り了承っていって許してくれま・・・」 「相沢祐一・北川潤・水瀬名雪・美坂香里らは腹を切って死ぬべきだ。 また、彼らはただ死んで終わるものではない。 唯一神水瀬秋子が地獄の火の中に投げ込む者達だ。 彼らの支持者も同様だ。 理由は他人を殺すなら自分が死ぬべきだからだ。 詳しい理由は選挙公報等で熟知すべし」
283 :
名無しさんだよもん :04/07/15 11:31 ID:qUFP3pP0
ほしゅ
うむ
ほしゅするね。 191さんもまだみたいだし。
どれ…
保
保守
ほう?
ほ
>34 :削除屋@cyan ★ :04/08/22 02:36 ID:??? >ここまでみました。 ∫ 略 ∫ >1080227915/ 隔離されるべきSSスレ > あってもいいと。 以下略
297 :
名無しさんだよもん :04/08/24 00:08 ID:RgvfLLL7
ほしゅ
298 :
名無しさんだよもん :04/09/06 23:41 ID:Fci5zFHr
捕手もとい、保守
299 :
名無しさんだよもん :04/09/07 13:37 ID:AcsLgIXr
【ダメKANON】 始めに キャラが壊れている上に、一部不快な表現がありますので、あらかじめご注意下さい。 特に惰眠娘の扱いが、そりゃあもう極端に酷いです。 『第一話 だおー編』 ふと気が付くと、駅前のベンチに座っていた俺の前にだおーが立っていた。 「雪積ってるよ」 「あたりまえだー!二時間も待たせるな。ほら急げ、寒いからとっととお前の家に行くぞ」 俺は罪悪感のかけらもなくのほほんとした顔をしているだおーを怒鳴りつけた。 本当は問答無用で殴り倒してやりたかったが、いくらだおーでも見かけは女である。 まさか公衆の面前で暴力を振るうわけにはいかないから、ここはグッと我慢した。 俺が立ち上がってとっとと歩き出したので、さすがのだおーも少しは慌てたようだ。 多少はうろたえたような口調で俺に声をかけてきた。 「ま、待ってよ、わたしの名前覚えてる?」 おいおい謝罪もせずに最初の言葉が言うに事欠いてそれかよ。 こいつと来た日には罪悪感も危機感もかけらも持っていないね。 本当にあきれちゃうよな。付き合いきれないよ。 そんなわけで俺は歩みを止めないまま、間髪を入れずにだおーに問い返したよ。 「お前こそ俺の名前を覚えるのか?」 「ちゃんと覚えてるよ、祐一だよ。それでわたしの名前は?」 相変わらず急ぎ足のままの俺に、だおーは泣きそうな顔で話しかけてきた。 それだから俺はあっさりと切り返したんだ。 「馬鹿もん!お前ごときに俺の名前を呼び捨てにすることを許した覚えはない、俺の名前 は祐一様と敬称を付けて呼ぶように。それとな、お前の名前はだおーだ」 「違うよ、わたしの名前はだおーだよ。だおーなんかじゃないよ。だおーっていうんだよ」 だおーは最初はそれはもうかんかんに怒りかけたんだけれどね。 でもやがて自分の言葉の異変に気が付いて、訳がわからないと言った表情になった。 「あれっ変だよ、わたしなんで自分の名前をだおーだなんて言ってるのかな?」
なんというか気が付くのが遅いね、ほんとうにとろいやつ。 まあ仕方がないな、あれこれとうるさく聞かれるのも嫌だから一応解説してやるか。 「驚いているようだなだおー。この世界では俺が呼んだ名が真の名となるのだ。従ってお 前の名前は今後一生だおーだ。分かったなだおー」 実は正確に言うと名前だけでなく、俺が形容したとおりの存在になってしまうんだよね。 その点は後で分かることだからここでは特に説明しないよ。 ところでなんでこんな俺が能力を持っているかというと、話の都合、というのは冗談。 何度か時間を逆行しているうちに、いつの間にか身に付いてしまったのだよ。 ちなみになぜ時間を逆行できるかというと……。 それは話の都合である。所詮壊れギャグである、理屈など期待してはいけない。 閑話休題、それで今だおーがどうしているかというと……。 「うー、祐一酷いよ極悪だよ。わたしだおーなんて名前嫌だよー!」 だおーは顔を真っ赤にしてピーピー喚き立てている。 しかし、そのようなことで心を動かされる俺ではない。 だおーには少しでも隙を見せてはダメだ、一生つきまとわれて骨までしゃぶられるぞ。 そのことは今までの数度の逆行で、本当によーく分かっているんだ。 「なにが酷いだ、お前の方がずっと酷い。お前は朝は絶対に起きない、更に起こしてもら っておきながら、起こし方が悪いとさんざん文句を言う」 一気に行きたいところだが長いからここで一呼吸。 「その上、すぐにいちごサンデーを奢らせる。脅迫する。我が儘で自分勝手で、人に依 存しすぎの最低のだおーだ」 さすがにこれだけ言われると、いくらぼんやりとしただおーでも怒るに決まっている。 顔をめいっぱい紅潮させており、口調も明らかにとげとげしいものになっている。 「酷いよ、わたしそんなことしないよ」 「いいやするんだ。人が少しでも甘い顔を見せたら絶対にする。しかも自覚が全くない。 だからお前はだおーだ。分かったな、だおー」 そう言い捨ててなおも俺にまとわりついて喚き続けるだおーを無視して、水瀬家へと向 かう足を速めたのだった。
さて初回こそ家の位置が分からないからずっとだおーを待っていたが、今では目をつぶ っていても着くくらいだ。 とにかく寒いので急ぎ足だったせいもあり、すぐに水瀬家にたどり着いた。 だおーは相変わらず後を着いてきているようだが、さすがに喚き疲れたらしく先ほどか ら黙り込んだままだ。 見るのも嫌だから振り返ったりはしないが、きっと不機嫌な顔をしているに違いない。 まあそんなことはどうでも良いんだが。 それにしても、さすがは陸上部の部長だ。 早足の俺にあれだけ大声で喚きながら着いてきて息も切れないのだから、なかなかたい したものではある。 途中で猫にでも出会えば暴走するだおーを撒けたんだろうが、寒いせいかだおーの猫レ ーダーに引っかかる範囲にはいなかったようだね。 さて水瀬家に着くと容姿だけはだおーに似ているが、内面から滲み出る気品、女の色香 が懸絶し、一億倍も美しい女性が俺を迎えてくれた。 「ああ秋子お姉様、変わらぬ若さ、そして更にお美しく、従兄弟として嬉しい限りです。 とてもだおーの七歳違いの姉上などとは信じられません」 俺の心からの賞賛の言葉に秋子お姉様はさすがに恥ずかしいそうに顔を赤らめはしたも の、内心は満更でもなさそうだ。 「まあ祐一さんったらお世辞がお上手ですね。年上のお姉さんをからかうもんじゃありま せんわ」 「からかうなんてとんでもありません、僕はお世辞なんて言いませんよ、全て本心です」 その直後、我が儘なだおーが横から勝手に口を挟んできた。 どうも自分を無視して仲良くしているのが気にくわないらしい。 こういう場の雰囲気を読めない自分本位なところが、だおーのだおーたる所以である。 「うー祐一、お姉ちゃんとわたしとで態度が違いすぎ。ってあれ?違うよお姉ちゃんはお 姉ちゃんじゃなくてお姉ちゃんだよ」 そこまで話した時、さすがのおおぼけのだおーも自分の話している内容が変だと気が付 いたようだ。 まったく二回目だと言うのに成長のないやつだね。
「???おかしいよ、わたしなにを言ってるのか分からなくなってきたよ」 やれやれだおーのやつ、母であったはずの秋子さんが姉になったという現実を上手く受 け止められずにすっかり混乱しているな。 「所詮だおーはだおーだな」 「本当にだおーは仕方がないわね。こんなのが妹だなんて情けないわ」 もはや秋子お姉様もだおーのぼけっぷりにはあきれ果てておられるようだ。 「お姉様、だおーなんか放って置いて中に入りませんか、だおーに雪の中で待たされたの ですっかり冷えてしまいました」 いつまでも玄関前で話していても寒いからそうきり出した。 「まあ、だおーのせいでそんな酷い目にあって可哀想に。だおーに後でちゃんとお仕置き しておきますからね」 「お姉様、もう遅いですよ。だおーが悪いことをしたときはすぐに叱らないと、今からで はだおーは足りない頭ではなんで叱られたのか理解できませんよ」 「そう言えばそうですね。でもこのままというわけにはいきませんから、だおーの晩ご飯 は甘くないジャムづくしね」 「ガーン」 「さすがお姉様、ナイスセンスです。あの俺達には至高の味に感じられ、他の人にはとて も形容しがたい味としか感じ取れない例のジャムですね」 急に静になったと思ったら、だおーは立ったままで気絶していた。器用だ。 さすがの鳥頭のだおーもあのジャムの恐怖だけは忘れないらしい。 と思ったのだが、だおーのやつは眠っていた。単に睡眠に逃げただけか。 だおーはそのまま翌朝まで目を覚まさなかったが、もちろんそれで逃げられはしない。 当然朝食にジャムを食べることになった。 「だおー!」 だおー編了
『第二話 あゆあゆ編』 翌日のことだがとりあえず暇なので、秋子さんのお使いがてら商店街をうろつく。 こうしているとあゆが釣れるはずである。 「そこの人どいて、どいてよー」 ほら来たぞ。ここで捕まえても良いのだが、一応あゆの好きにさせてやる。 でまあ、あゆに手を引かれるままにたい焼きやのオヤジさんを撒いたあとのことだ。 「なんだお前はあゆあゆじゃないか」 「そう言う君は祐一君だね。うれしいなあゆあゆなんて可愛い名前で呼んでくれて」 さすがあゆあゆはだおーと違って素直である、すぐに事態を受け入れたぞ。 但しちょっと素直すぎてお兄さんこの子の将来が心配だよ。 まあそれは追々教育することにして、とりあえずはこれだよな。 「うむ、その可愛い名前に恥じないように、食い逃げはもう止めるんだぞ」 「わかったよ。ぼくはもう食い逃げなんかしないよ」 「よしよしいい子だ。それでこそ俺のあゆあゆだ。それじゃあ一緒にたい焼き屋さんに謝 りに行こう」 「うん、行こう祐一君」 元気よくそう答えて、あゆあゆは俺の手を引いてたい焼きの屋台の方向にスキップして 進み始めた。 さてアッという間に屋台の前に着いたぞ。 ここのオヤジは元々お人好しなんだけど、まあ念には念を入れてと。 「やさしいたい焼き屋のお兄さん、この子は病気で学校に行ってないので世間の常識に疎 いんです。ちゃんと俺が言い聞かせてこいつも反省しているので、今度だけは許してやっ てもらえませんか」 こう言っておけば、寛大な処置がくだされるはずだよ。 「お兄さんご免なさい。ぼく悪い子だったんだね。お詫びにお手伝いするから許してくだ さい。それでこれからも美味しいたい焼きを食べさせてね」 素直なあゆはちゃんと謝った。偉いぞあゆ、お兄ちゃんは感動だ。
「えらい、ちゃんと謝りに来るとは今時の子にしては上出来だよ。代金も払ってもらった し、反省してくれさえすればいいんだ。それじゃあこれからもご贔屓にしてくれるかな」 俺の言葉の影響ですっかり若くハンサムになったたい焼き屋のオヤジ、もといお兄さん はあゆあゆを優しく見つめてそう答えてくれた。 「うん、わかったよ。お兄さんありがとう。ここのたい焼きは世界一だよ。ぼくお兄さん に弟子入りしてたい焼き屋になりたいくらいだよ」 「ははは、お嬢ちゃんさえよければ作り方くらいいつでも教えてあげるよ」 「わーい、じゃあぼく早速明日からでもお手伝いするね」 「ははは、よろしく頼むよ」 「よかったなあゆあゆ」 「うん、祐一君ありがとう」 うーん、みんな幸せでよいねえ。 あゆあゆ編ハッピーエンド 『第三話 しおりん編』 さてその翌日、約束通りたい焼き屋のお手伝いをしてたい焼きをわけてもらったあゆあ ゆをつれて街をぶらつく、このあたりで栞と出会えるはずだよ。 ほら、あのコンビニから出てきたストールの少女が栞だよ。 「おーい、そこのしおりん、しおりんやーい」 「はいっ、わたしの名前を呼ぶのは誰ですか?」 「俺だよ、通りすがりの優しいお兄ちゃんだ」 「うぐぅ、祐一君、それちょっと変だよ」 うーむ、あゆあゆに突っ込まれてしまった。 「さて、冗談はともかく、しおりんと言う名前では病魔と闘う悲劇の少女は似合わないな。 と言うわけで、今からしおりんはただの普通の病弱少女だ」 「テレビの魔女っ子アニメみたいで素敵です。あらっ、なんだか体が全然楽になりました。 体が軽いです。ふわふわですぅ」 しおりんは本当に浮かびそうに手をふわふわとさせている。それに合わせるようにあゆ あゆもリュックの羽をパタパタ。二人とも愉しそうで、うーん本気で飛びそう。
しばらくのその様子を微笑ましく眺めていたけど、きりがないからこの辺で切り上げさ せるとするか。 「さあ病気が治ったところで、早速かおりんお姉ちゃんと仲直りだ。しおりんの家に向か ってしゅっぱーつ」 「はーい、わたしの家はこっちです」 しおりんの先導でしばらく歩くと、一軒の民家の前で心配そうに行ったり来たりしてい いるウェーブヘアーの女性がいる。 なるほど香里は病弱なしおりんのことが心配で待っていたらしい。さすがはシスコンか おりん、過保護なお姉ちゃんである。 目があったところで、文句を言われる前にこっちから声をかける。 「よっ、かおりん。しおりんなら元気いっぱいだぞ」 「かおりんってなによー」 そう怒鳴りかえしてくるけど、この程度の反応は予想の範囲内だよな。 「いやまあ、妹がしおりんだから姉はやっぱり釣り合い的にかおりんでしょう」 「あんたねー」 「お姉ちゃん、わたしとおそろいは嫌なんですか?やっぱりわたしのことを……」 しおりんは嘘泣きの体勢に入ったよ。結構悪い子だねえ。 「わっ、わーしおりん後免、かおりんでいい、いいわよ。わたしは美坂かおりんよ」 負い目があるからか、かおりんあっさり降伏。なかよし姉妹誕生でめでたしめでたし。 しおりん編ハッピーエンド(かおりんは不幸かも?) 『第四話 真琴編』 今日は秋子さんに頼まれて夕食のおかずの調達なんだが、そうそう確か今日が真琴と 出会う日だったな。 やあ楽しみだな、早く出てこい可愛いマコピー。 俺は昔からああいうちょっと天の邪鬼な妹が欲しかったんだよなー。
「あんただけは絶対に許さないんだからー!」 ほら来た真琴だよ。待ってました。 「おう、誰かと思えば可愛い妹のマコピーちゃんこと真琴ではないか。七年も放って置い て悪かったな。これからはずーっと可愛がってやるからな」 「エッ、エッ?妹?なに?………………思い出した、真琴はお兄ちゃんの妹だったんだ。 お兄ちゃん会いたかったよー」 真琴はしばらく戸惑っていたけれど、すぐに現状を受け入れた。あゆあゆやしおりん同 様、だおーと違って素直でいいねえ。 俺に飛びついてきた真琴をやさしく抱きしめて頭を撫でてやる。 「うんいい子、いい子。真琴は本当に可愛いなあ」 「あぅーお兄ちゃん、気持ちいいけど恥ずかしいよー」 この照れた表情がまた可愛いんだよね。うーん妹っていいなあ。だおーも妹ってことに すれば可愛くなるんだろうか? いや、根性曲がりのあいつじゃあ無理だな。 さてだおーのことはともかく、こうして真琴は俺の可愛い妹になった。 戸籍上もいつの間にかちゃんと相沢家の養女となっている。 前にも説明したとおりこれこそが俺の能力なのだ。やっぱ妹っていいなあ。 「お兄ちゃん大好き♪」 真琴編ハッピーエンド
『番外 ?編』 「さて、これで前ヒロインの設定改変が終了。全員無事に助かってやれやれだな」 「ぽんぽこたぬきさん、まだわたしがいる」 「お前、誰だ」 「ぐしゅぐしゅ、忘れるなんて極悪」 「そう言われても、全然覚えがないぞ」 あははー、種明かしです。だおーさんが苦手で極力接触したくなかったこの世界の祐一 さんは、だおーさんからノートを借りたことが無くって、この少女に出会ったことがなか ったんですねー。それで出番が消えて残念なので、ナレーションをやってみました。 「ぽんぽこたぬきさん。この扱い酷すぎる」 ?編終了
308 :
名無しさんだよもん :04/09/07 16:18 ID:EFvd6Fyi
すげぇ気に入った!
本当の意味で隔離されるべきSSだな
310 :
コテとトリップ :04/09/08 01:08 ID:pjR6YYK8
なんでさ?
流石こてとりだよ
『解放』 どうしてこんなことになっちゃったんだろう?わたしはただ祐一を手に入れたかっただ けなのに。 それがこんなことになるなんて、お母さん……。こんなことになるのなら、祐一なんか どうでもよかった。祐一なんていらなかったのに。 「それが名雪さんの本心なの?」 「あゆちゃん」 わたしの目の前にいるわけがないはずの少女がいる。だってわたしは鍵をかけて自分の 部屋に閉じこもっているんだし、第一あゆちゃんはもう死んでいるはずだもの。 でも、わたしの目の前に死んだはずのあゆちゃんが現れたのは、これが初めてじゃなか った。正確に言うと時系列的には未来かも知れないけど、でも、わたしにとっては過去の 出来事。 あのころわたしはくらい嫉妬に捕らわれていた。祐一はわたしを選んでくれなかった、 わたし7年間ずっと待っていたのに。 3年生になると祐一は家を出ていってアパートで一人暮らしを始めた。隣の部屋には共 同生活を始めた川澄先輩と倉田先輩が、3人は仲良く行き来しながら暮らしている。 そんなの許せない、どうして祐一はわたしは起こしてくれないの?どうして朝祐一と一 緒に登校できないの? 一人自室でそんなことを考えていたわたしの目の前に、一人の少女が姿を現わした。そ う彼女は、つい先日ついに目を覚ますことが無くこの世を去ったはずのあゆちゃんだった。 「名雪さん、名雪さんはどうしても祐一君が欲しいんだね。ねえ名雪さん、もう一度やり 直せるチャンスがあったら、やってみたいと思わない」 何故ここにあゆちゃんが居るのかなんて、そんな疑問はどうでも良かった。祐一をわた しのものにできるチャンスがある、それだけでその時のわたしには十分だった。
「あゆちゃん、本当にそんなこと出来るの?それならわたし、なんだってやるよ」 「そう、別にやること自体は難しくなんかないよ。ただ、代償はあるけどね。名雪さん、 それでも本当にいいの?」 今から思うと、その時のあゆちゃんの表情も口調もは暗く沈んでいたのだと思う。でも、 祐一を手に入れるチャンスがある、そのことに夢中になっていたわたしは、そんなこと気 にかけてもいなかった。 「かまわないよ。わたしは今度こそ絶対に祐一をこの手に掴むんだ」 「わかったよ。名雪さんは今から過去に戻ってもう一度やり直すんだよ。でも気をつけて、 ようく考えて行動してね、今度こそ後悔しないようにね」 あゆちゃんの言葉ともに、わたしの意識はとぎれた。 気が付いたら、わたしは駅前のベンチで雪に埋もれかかっている祐一の前に立っていた。 「雪積ってるよ」 そんな言葉が自然に口から出ていく。ああ、ここからもう一度やり直せるんだね。 わたしは前回の轍を踏まないように祐一に対して積極的に迫っていった。その甲斐あっ て祐一はわたしに好意を持ってくれているようだ。 そしていよいよ運命の1月11日の夜がやってきた。ここがターニングポイント、ここ で祐一を学校に行かせてはいけない。川澄先輩に会わせてはいけないんだ。 だからわたしは祐一にノートを返してって言わなかった。別に実害もないし、どうせあ の時も祐一からノートを返してもらってすぐに寝ちゃったんだから。 この作戦はうまくいった。祐一の側に川澄先輩の姿はない。代わりに何度かストールの 女の子を見かけたけど、やがてその子もいなくなった。 そして川澄先輩は騒動を起こしたり、生徒会と対立することもなかった。だから、あの 退学事件もない。この方が川澄先輩のためにも良かったんだよね。 なんだかんだ祐一にちょっかいをかけていた真琴もいつの間にかいなくなり、わたしは 祐一を独占できていた。わたしは幸せの絶頂にいた。 香里がどことなく沈んでいるようにも見えたけど、有頂天になっているわたしには、その ことすら大して気にもなっていなかった。
でも、その幸せは一瞬で崩れた。お母さんが、お母さんが……。 そして苦労して手に入れた祐一さへ拒否して、自室に閉じこもって膝を抱えたわたしの 目の前に再びあゆちゃんが現れたんだ。 「名雪さん、秋子さんを助けたいの?」 「当たり前だよ!」 「そう、例え祐一君を失うことになっても?」 「それは……」 「そうだよね、そう簡単には諦めきれないよね。でもね、秋子さんの事故は必然なんだ。 名雪さんと祐一君が付き合う以上この事故は防ぎようがないんだよ」 「そんな……」 「だからね、秋子さんを助けるためには名雪さんが祐一君を諦めるしかないんだよ」 あゆちゃんの宣告は到底受け入れられるものではなかった。でも、本当にそうしなけれ ばお母さんは助からないの? 「お母さんさえ、お母さんさえ助かるのならそれでもいい」 かなりの間迷ったけど結局わたしはそう答えた。究極の所わたしにとって祐一よりお母 さんの方が大事だったんだ。 「最後にもう一度だけ聞くよ。本当にいいの?」 「いいよ。お母さんの命には代えられないよ」 「そう、じゃあこの状態を解消するね、元に戻るわけではないけど。名雪さん、今度こそ 永久にさようなら」 あゆちゃんが消え去りそうな声でそう言うと同時に、またもやわたしの意識は途切れた。 翌朝、わたしはお母さんの声で起こされた。良かった、お母さんは無事だったんだ。 遅刻しそうで朝は確かめる暇がなかったけど、学校に着いてから確かめると、今度は時 間を逆行したのではなくて、ちゃんと翌日になっていた。 そして、昼休みになると例のストールの少女が御弁当を持ってやって来て、祐一と香里 と3人で楽しげに食事を始めた。 最初は状況がよく飲み込めなかったけど、そのうちに徐々にわたしが持っているはずの ない記憶が蘇ってきた。
あの子は美坂栞ちゃん、香里の一つ違いの妹、祐一との絆で死亡を宣告されていた重病 から奇跡的に回復し、一度は切れかかった香里との姉妹の絆を取り戻した奇跡の少女。 そう奇跡、わたしがもといた時間軸でも、わたしが変えてしまった時間軸でも、栞ちゃ んは死んでいるはずだった。そうだから、香里にどこか暗い影があったんだね。 この世界では誰かが元の世界と違う行動を取って、そして違う結果が導き出された。た だそれだけ。 最初はこの状況を受け入れることが出来なかった。やっぱり祐一がわたしだけを見てく れないのは寂しい。 でもやがて、祐一はわたしといたときよりずっと幸せに笑っていることに気が付いた。そう 言えば川澄先輩と一緒の時も祐一は今と同じくらい輝いていた。 一体どこが違うんだろう?わたしはわたしなりに一生懸命考えてみた。そしてその結論 は……困難を乗り越えた絆は、幸せは、強く本当のものなのだと思う。わたしと祐一の幸 せは、仮初めのものだったんだね。 そしていつしかそんな状況にも慣れてきた頃、わたしはわたしだけを見てくれている存 在に気が付いた。思い返してみれば、その人は祐一と再会する前から、優しい視線でわた しを見守っていてくれた。 そして今わたしは、本当に幸せだ。今日はわたしと彼の結婚式。彼がお婿に来てくれる から、わたしは水瀬名雪のままだけど、でも、昨日までと違うわたし。 お母さんが優しく見守ってくれている。祐一と栞ちゃんの相沢夫妻、香里と潤君の美坂 夫妻もわたし達を祝福してくれている。 これからずっとよろしくね、斉藤、ううん今日からはあ・な・た。 今になって思えば、わたしは本当は祐一を好きだったわけではなかったんだね。再会の 7年前に拒絶された為に、それで祐一に執着していただけなんだ。 いえ本当は、7年前だって本当は祐一を好きだった分けじゃない。あゆちゃん(そのこ ろはまだな前を知らなかったけれど)と言うライバルの出現で、子供らしい独占欲を刺激 されただけなんだ。
そしてその独りよがりな思いが当然のように否定されたことで、その思いに捕らわれて しまった。わたしにとって祐一は呪縛でしかなかったんだね。 それにお母さんのことが無くても、わたしと祐一は結局はうまくいかなかったと思う。 わたしは祐一に求めるだけで、与えることを知らなかったから。 多分わたしはお父さんの代わりを求めていただけなんだ。 あゆちゃんは本当はそのことを教えてくれるためにわたしの前に現れ、そしてあんなこ とをしたんだね。 だから、一時はあゆちゃんのことを酷く恨んだりもしたけど、今はいろいろなことに気 付かせてくれたあゆちゃんに、心の底から感謝している。 そう、今わたしは束縛から解放され本当に幸せだよ。
317 :
名無しさん@初回限定 :04/09/11 05:25:56 ID:Z7w2fpib
Cold dayの中の人とdendがいなくなってから、活気が落ちたなぁ まぁ、すっきりしたといえば、そうなのかも知らんけど 犬セリオは自サイト持ちになっちまったし、後は細々と職人を待つだけなのかね しかし犬のサイト、一日500hitっていうのは、ある意味凄いのかも分からん
需要はあるんじゃないの? コンペスレや討論スレの連中みたいな文芸ごっこじゃないから ライトな読み手の人には楽しめるものかもしれんし 自演カウンター回し、の恐れはあるが
サーバにコンタクトします ネットワークパラメータを受信中です ↓ ネットワークに接続開始中にタイムアウト サーバが見つかりません サーバ からのレスポンスがありません
ふん、人生の敗北者たち、か。
まだだ!まだ終わらん!
保守
323 :
名無しさんだよもん :04/10/10 22:50:08 ID:qNPK5rvO
「あの夜から、もう3ヶ月になるのか……」 あの夜、それは美坂栞という少女が永い眠りについた夜。 栞の笑顔が忘れられず、気がつけばこんな風に呟いている。 尤も、忘れる気など更々無いのだが……。 この3ヶ月間、俺は表面上何も変わらずに過ごしている。 低血圧の従兄妹を起こし、 世界新を叩き出すのではないかと思う速さで学校へと疾走する。 そして教師の目を掻い潜りながら居眠りを試みては従兄妹からの妨害を受けたりしている。 いつもと変わらない毎日。 俺は、俺の中の日常を過ごす。 購買でアイスクリームを二つ買い、俺は通い慣れた廊下を歩く。 廊下の先にあるのは【あの日】より少し傷が増えた鉄の扉。 この鉄の扉の向こう側に、俺は一つの願望を頭に浮かべてしまう。 だが、それはもう有り得ない事だと。 扉を開けたその先にある現実に気づかされ、打ち砕かれる。 今も増え続ける扉に刻まれた消えない傷。 それは幾度となく打ち砕かれる俺の願望ではないのか────なんて柄にもないことを思い、自嘲の笑いが込み上げる。 我ながらバカな考えだ。 どうせ誰かの、少し度が過ぎた悪戯によるものだろう。
無機質な鉄の扉の向こう側。 そこは数少ない、栞と過ごした思い出の場所の一つ、中庭だ。 思い出の中と何一つ変わらない────と言いたい所だが、今は夏故に雪が積もっていない。 季節が変われば当然の事なんだが、この場だけ時が止まってはくれないだろうかと思う。 袋を片手に、扉の前で立ち止まり、大きく深呼吸をする。 『何を考えている。俺はもう、栞の死を乗り越えたんじゃないのか』 意を決して扉を開けようと手をかける。 手入れが行き届いてるのか、少し力を入れるだけで開いた────── ───────分かっている。 俺の望む少女の姿は、中庭、商店街、この街、この世界にすらも。 もう何処にも在るはずがない。 思い思いに昼食をとる者。 既に食べ終わったのか、地面に座り何をするでもなく、ただぼーっとしてる者。 袋片手に開け放った扉の前で立ち竦んでいる者────いや、それは俺の事だが。 そして─────── 「残念でした。あなたの望む子は、もうどこにもいません………」 美坂栞の唯一人の姉である美坂香里が、栞とアイスを食べたベンチに座り 子供に本を読んで聞かせるかの様に言う。 sage忘れたうわーん
始まりは3ヶ月前だった。 俺は栞が死んでからも、ずっと中庭に通っている。 扉の前で少しの希望を思う度に、現実を知って、情けないことに涙が出てきたものだ。 それからベンチで二人分のアイスを食べた。 余談だが、一連の行動が元で俺は結構有名になっていた。 人伝ではあるが所轄【雪の少年】【中庭の主】【狂人アイスマン】等と噂されているそうだ。 ………最後のは絶対に心の底から何をしてでも否定したいのだが、あながち間違いでは無いので仕方がない。 某サイトで連載中のkanonとFatenoクロスだそうで 、 プロローグを読んだ時点で読む気うせたんだけど…… 仲間内では意見が半々に分かれてしまったが皆はどう思うよ 意見しだいではヌルイ目で見守ってやってもいいかなーと思ってまつ どうか意見キボン
その某サイトが知りたい… というか続きを読みたい…
329 :
名無しさんだよもん :04/10/14 02:13:19 ID:HWwWhMpO
330 :
名無しさんだよもん :04/10/14 22:16:37 ID:lkCs+9UA
┌──________________________──┐ │ \.. 2CHバニラ アイスたっぷり、うまさ大満足age!!. / │ │ /. . \ .│ │ \ ____ . _ ___ . . / │ │ /. ∧_∧ | | __| |_ | | \.....│ │ \. ( ´∀`)  ̄| | ̄ ̄ | |  ̄| | ̄ ./....│ │ /. ( ) | ̄  ̄ ̄|  ̄ ̄| | ̄ | ̄  ̄| \ │ │ \. | | |  ̄| | ̄ ̄ / /  ̄| | ̄ . ./. ..│ │ /. (__)_) |  ̄ ̄| / / | ̄  ̄ | \ │ │ \  ̄ ̄ ̄  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ./. .│ │ /. 希望小売価格<税別>100円 種類別ラクトアイス ..\ ..│ │ \.. /.. .│ └── ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄──┘
331 :
葉田信鍵 ◆.T76NLtXTY :
04/10/26 15:40:58 ID:iZCXaCmO ____ ____ __/_ ー | ヽ _|_ |、 /_l_  ̄ ̄| ̄ 人 | ヽ. / | . | 」 ├ | / \ | | ⊥!ノ \_/