【ルール】
・テーマを決めて、それに沿った SS、シチュなどを書く。
・書き手は全員名無し(書き手の知名度で作品の評価が変わるのを避けるため)
・書き手の騙りを防ぐために、作品ごとのトリップを推奨する。
但し、普段コテでトリップをつけている人は、それとは別のトリップをつけること。
・投稿作品とそれ以外の書き込みを区別するために、投稿作品の前後には宣言をする。
・告知及び投稿期間→感想期間→総括期間、という流れ。投稿期間終了までは一切感想をつけない。
・感想期間では、参加作品について感想、評価などを行う。
・総括期間では、書き手の挨拶、運営への意見、次々回のテーマの決定などを行う。
また、感想期間で評価が高かったもの選び、最優秀作品として推す。
・各期間は以下のように設定する。
投稿期間: 2 週間
感想期間: 1 週間
総括期間: 1 週間+α(そのときに応じて期間は変化する)
【関連スレ】
第八回顔文字選手権大会
http://choco.2ch.net/kao/kako/1015/10156/1015675389.html
【注意】
※必ず名無しで投稿して下さい(誰だか判らなければ良い)。
※特に、普段トリップをつけている方はご注意を。
(そのトリップと違うトリップなら構いません)
それ以外の手順は SS 投稿スレに準じます(以下に転載)。
|【投稿の手順】
|
|1:まず、投稿する旨を告知するカキコをすると良い。
| 「今から SS 投稿します。なお、××な内容です」など。
| 鬼畜・陵辱・スカなどのジャンルでは特に。読むのを嫌がる人もいます。
| (時間帯・スレの状態・信念・その他で省略可)
|2:書いた SS を 30 行程度で何分割かしてひとつずつ sage で書き込む。
| (名前欄に、タイトルと通しナンバーを入れると分かりやすい)
|3:回しは不要。旧スレからの変更です。
|4:最後に sage で作者名・タイトル・あとがきなどと共に、
| アップしたところをリダイレクトする(
>>1-2みたいな感じ)と トッテモ(・∀・)イインチョ!
【よくあるかも知れない質問】
Q.複数の作品を投下するのは OK ですか?
A.構いません。期間内でテーマに沿っていればいくつでも結構です。
Q.もうすぐ完成するから、締め切りを伸ばしなさい(`□´)くわっ
A.終了間際の混雑などを考え、締め切りは延長される可能性もあります。
その際は、一言その旨をこのスレに書き込んでください。
ただし、完成まであまりにも時間がかかりそうな場合はその限りではありません。
Q.締め切りが過ぎてから完成したんだけど、ここに投稿していい?
A.締め切りを過ぎたものについては、葉鍵的 SS Training Room や
内容に見合った別の SS 関連スレに投稿してください。
このスレは、決められたテーマと期間の両方を満たす SS を対象にしています。
Q.気に入った SS があったけど、みんな名無しだから作者がわからない。
A.締め切り後にこのスレで訊いてみましょう。教えてくれるかも知れません。
Q.投稿した投稿作品がリアルリアリティに汚染されてます。
A.ときには厳しい意見が付くこともありますが、別にあなたが憎いわけじゃありません。
良い感想職人さんはちゃんと理由も書いてくれますから、次回に役立てて下さい。
【告知】
現在このスレは、第十四回投稿テーマ:『風』の投稿期間に入っています。
投稿期間: 5 月 14 日の午前 9:00 から 5 月 28 日の午前 9:00 まで。
テーマを見て、思いついたネタがあればどんどん投稿してみましょう。あと一時間ほどですが……
それが終わった後は、感想期間に入ります。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)
※投稿される方は
>>2-4 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが
・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない
※の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。
# また、次回のテーマは『結婚』で、開催時期は 6 月になる予定です。
# 「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方はこちらの執筆に力を
# 注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
立てて早々ですが、投稿しますので、「乙」などはしばらくご遠慮願いますw
Kanonもので激しくネタバレあり。ヒロインは美坂姉妹、ということで。
20レス超の予定です。
7 :
風が運ぶ願い:03/05/28 07:58 ID:ou5mZaW6
時刻は深夜。だというのに、美坂栞は制服姿で、その上からストールを羽織り、今から登校するのだというように靴を履いている。
玄関の扉を開けた途端、行方を遮るかのような突風が、僅かな隙間をくぐり抜けてくる。
栞は一瞬身をすくめ、逡巡したが、そんな自分を嘲笑うような、不健康な笑みを浮かべる。
「今さら……だよね」
孤独に慣れるに従って、口をついて出るようになった独り言。
その中に諦めの微粒子が混ざるのは、珍しいことではなかった。
抵抗するドアを押し開け、すり抜けるように外に出て、音を立てないように閉じる。
数日ぶりに吸い込んだ外気は思った以上に冷たくなっている。そして空は暗く、風は強かった。
ぎゅっと手で押さえても千切れそうにはためくストールが、耳元でばたばたと鳴る。
街灯は絶え間なく軋んで、栞の影が不安定に揺らめく。
闇空では濃い灰色の雲が、恐ろしい速さでうねりながら流れてゆく。
後方に飛んでゆく冷えた空気の刃が、栞の体を切り裂き、熱を奪っていった。
それを栞はむしろ心地良く感じながら、誰もいない住宅街を一歩、また一歩と進んでゆく。
時折風によろめき、壁で体を支えながら、長い時間を掛けて、ようやく栞は目的地に着いた。
彼女の母校だ。
九カ月ぶりに見る校舎は、闇の中に白く浮かびあがっていて、どことなく不気味に思えた。
8 :
風が運ぶ願い:03/05/28 07:59 ID:ou5mZaW6
校門を閉じる一メートルほどの柵を乗り越えるのに、ひどく苦労した。
昼間なら学生たちで賑わうグラウンドも、閑散としていて薄ら寒い。
巻き上げられた砂が頬に当たり、慌てて昇降口へと避難する。
まさか開いてないだろう、と、半ば期待せずに手を掛けた扉は、意外なほど軽くスライドした。
――開いてる!?
たまたま閉め忘れでもしたのか、それとも超常的な力でも働いたのか。
運命かも知れない、とさえ思う。
自分を止めてくれるはずの障害が取り除かれていることに、戦慄と諦めと緊張とが、程良く混ざって襲いかかる。
栞は半分ほど開いたままの扉を長い間見つめていたが……意を決し、その中へと足を踏み入れた。
避難口を示す緑色のライトが、薄く昇降口を照らす。
記憶を頼りに自分の下駄箱を探し、見つけ、開いたものの、半年以上も放置されていた上履きを履く気になれず、
ただ、懐かしい独得の形状に目を細めた。
「一度だけしか掃いてない、っていうのも、なにかの記念みたいで格好いいです」
冗談めかして小さな扉を閉じた。
廊下を歩く音が、革靴だけにやたら高く響く。
栞も最初は恐る恐る歩いていたが、その内開き直り、あえて靴音を鳴らして歩く。
よく考えたら、ドアを開けたのは泥棒とかかもしれない……と考えたが、今さら怖がるのもバカらしかった。
階段を登り、自分の教室につく。
たった一日登校しただけだから、思い入れもなにもないはずなのだが、どこか懐かしさを覚える。
教室の中程まで歩き、自分の席だった場所に座ろうとして、そこに教科書が詰め込まれていることに気づいた。
何度か席替えがあって、栞の席は誰もくじを引かなかったどこかに移ってしまったのだろう。
他人の椅子に座る気にもなれず、ただ、その場所から黒板を見た。その視界が不意に歪む。
顔を覆った手が、熱い滴に触れた。
――もう、自分の場所は、ここにもないんだ。
そんな疎外感が栞を打ちのめして、摩滅してしまったはずの感傷を呼び起こした。
とっくに絶望しきっていたはずなのに、泣ける自分が不思議だった。
不思議がる自分は別人のように、ひたすら冷めていたけれど。
9 :
風が運ぶ願い:03/05/28 08:00 ID:ou5mZaW6
しゃくり上げるうちに、ふと、思い出す。
前の席に座っていた、自分と同じように不安と緊張とで固くなっていた、ショートカットの女の子。
高校生活初めての友達になるはずだった彼女は、元気でいるだろうか? 自分のことを覚えていてくれているだろうか?
栞の記憶からは、彼女の輪郭は視界同様、ぼやけてしまっている。
それが無性に悲しくて、また少し、泣いた。
栞は力無く階段を登る。
ここに来たのは、いくつかの賭けだった。
ただ外から見るだけで満足するかも知れない。そもそも入れるとは思えない。頑張る気力が湧くかも知れない。
全部逆だった。
巨大な鎌を持った何者かが、予定された結末へと栞を導いているようにすら思える。
だから、最後の扉も、すんなり開くに違いない。
キシィッ。
――やっぱり開いた。
屋上に通じる扉が。
目の前に広がるのは、フェンスに囲まれた空間と、灯りの絶えた街並み。ここが栞の目的地だった。
高さのせいか、横殴りの風はますます強く、栞を吹き飛ばそうとする。
よろけながら、流されながら前に出て、フェンスへと辿り着く。
二メートルほど高さはあるが、ちょっと頑張れば、簡単に乗り越えられそうだ。
隙間から下を覗くと、雪がうっすらと積もった中庭が見える。
白い地面に散らばる朱の色は綺麗だろうか。それともやっぱり醜いだろうか。
この高さで大丈夫だろうか。下手に生き残ったりしたら格好悪いけど……自分の運勢は最悪に近いから、きっと平気だろう。
そんなことをぼんやりと考えていた脳に、不意に甲高い金属音が飛び込んでくる。
栞が振り向く。
上がってきた階段の上。踊り場を覆う僅かなスペースを舞台にして、剣舞を舞う女性のシルエット。
栞と同じ制服を身につけた女性――川澄舞が、一瞬こちらを見た。
目が合った。
……本当なら、こんな時間に学校に入れて、屋上に出られるはずはない。
なにかの間違いがないように、厳重に鍵を掛けているはずだ。でも、開いている。
だからこれは、運命なのだと思う。自分が病気になったのと同じで。
今日、死ねって、言われているんだ。
そんなドラマみたいなことを考えていたけど、違った。ただ単に、彼女が必要だから、開けていたんだ。
なんのためかは知らない。
舞は1人なのに、まるで誰か相手がいるかのように剣を振るい、隅に追いつめられ、弾き飛ばされる。
地面に叩きつけられた舞は、即、受け身を取って天を振り仰ぎ、仰け反るように後方に視線を――栞の方に送る。
同時に、動けない栞の前に、風圧のような塊が降り立つ。得体の知れない恐怖が栞を金縛りにした。
――これが『死ぬ』ということなんだ。
背筋を走る戦慄が、理屈を越えて、それを理解させる。だが、脳には混乱が飛び交うばかりで、一向に行動に結びつかない。
動けない栞とは対照的に、舞は悩む間も惜しむと言いたげに行動を切らさない。
落ちた勢いのまま後方にくるりと回転すると、弾かれた矢のように、つっこんできた。
脇に構えた剣が、鋭く突き出される。
栞の顔のほんの十センチ横を掠める、無慈悲な鋼鉄の刃。金属が断たれる嫌な音が通り過ぎてゆく。
なにかが集束して、霧散してゆくのが、見えない栞にも感じられた。
「え……う……?」
無意味に呻く栞の目の前には血の付いた頬があって、その上の鋭い眼光が栞を射抜く。
ずるずるとへたりこむ栞の上で、舞は剣を引き、無造作に頬の血を拭う。
そして栞にはまるで興味を示さずに、長い髪を風になびかせながら歩み去った。
栞はただ驚愕と恐怖とで、屋上の隅で固まっていた。
風が鳴っていた。
美坂香里は自室のベッドの上で、電気もつけないまま、体育座りでうつむいている。
パジャマの腕に痛いほど指を食い込ませ、震えを抑えようとするが、まるで役に立たない。
香里の焦りと不安を表現するかのように、風は今もなお荒れ狂っていた。
その轟々と逆巻く音の中になにか変化はないかと、必死で耳を澄ます。
最悪の想像ばかりが頭をよぎるのに、体は固まったまま動かない。
もう何時間もたった気がするのに、時計の針は体感時間の半分も傾いていない。
夜明けは絶望的なまでに遠かった。
気が狂いそうな時間が延々と続き、悪夢と現実の区別が揺らいできたとき、玄関の開く音が彼女を引き戻す。
乱暴に開けられたドアは、乱暴に閉じられ乱暴に鍵を掛けられ、次いで勢いよく階段を上がってくる音が響く。
まるで追い立てられるような勢いで隣の部屋のドアが開き、栞の帰宅を告げる。
こんな深夜に何をしてきたのか、何があったのか、分からない。
それでも香里は安堵で胸をいっぱいにして、膝の間に顔を埋めた。
やがて背中が震え始めた。
夜が明けると、昨夜の荒れ模様が嘘のように澄んだ青空が広がっていた。
昼休みに入る少し前、大幅に遅刻した生徒が校門をくぐる。ビニール袋を手に提げた、私服姿の栞だった。
栞が中庭につくと同時にチャイムが鳴り、廊下に生徒が溢れ出す。その群を栞の視線が探っていた。
探しているのは昨晩出会った女生徒だが、学年もクラスもさっぱり分からない。
流石に剣は持っていないだろうし、顔もよく見えなかった。
だが、あの鋭い眼光を見れば、1発で分かりそうな気がする。
キョロキョロと視線を走らせるうちに、逆に自分が注目され始めた。
やっぱり制服姿で来るべきだっただろうか……と、考えたが、注目を浴びているのは栞だけではなかった。
背後で妙に荒い息と呻り声がすることに、ようやく気づく。
なにか昨日と状況が似ていると思いつつ、恐る恐る振り返ると、全身で飢えてますと表現した野犬が栞を睨んでいる。
昨日の恐怖には比べるべくもないが、現実感があるだけに、身近に恐怖を感じられる。
じり、と下がると、その分野犬も間合いを詰めてくる。
背を見せたらやられる。視線を逸らしてはいけない。死んだふりはかえって危険。などの教訓が頭をよぎった。
そこへまたしても。昨日の戦いが今も続いているかのような勢いで、例の女性――舞が飛び込んできた。
すわ、斬り殺すのかと思いきや、その手には剣の代わりにスコップ。
本人はそれで手加減しているつもりなのかも知れないが、十分すぎるほどに剣呑な凶器で野犬をはたき倒す。
その大胆かつ容赦ない攻撃と急展開に、栞はついていけない。
振り向いた舞に、「お弁当」と言われても満足に返事もできず、ただ「え? え?」うろたえるばかりだった。
そして、これで何度目か、またも栞の背後から足音が迫る。
諦めにも似た境地で振り向くと、手に大きな包みを提げた女生徒――倉田佐祐理が、こちらに走ってきていた。
「はい、舞」
その包みはフェンスを貫きも犬を殴り倒しもせず、舞に手渡される。
舞は黙って包みを受け取ると、中の弁当を惜しげもなく犬に与えた。
ゴシゴシと、頭を撫でてやっている仕草を見ていると、先ほど犬を倒した張本人とは思えない。
「あ、あのっ」
ちら、と栞を見た視線が、すぐに犬の方に戻る。
「助けてくれて、ありがとうございましたっ」
舞は視線を上げない。昨日のことは気づいていないのか、それとも無視しているのか。
「昨日のこと……ちょっと、聞いてもいいですか?」
栞は意を決し、尋ねてみたが、
「……」
沈黙しか返ってこない。ひょっとして昨日のことは全て悪い夢だったのだろうか、と思いたくなる。
「あのー」
見かねて佐祐理が助け船を出した。ぽん、と手のひらを胸の前で合わせ、
「よろしければ、お昼ご一緒しませんか?」
「はい?」
「あ、ちょっと待っていて下さい。お弁当なくなっちゃいましたから、買ってきますね」
言うが早いが佐祐理は駆けて行ってしまった。ぽつんと取り残される、舞と栞と犬とお弁当。
その様子を二階の廊下から、香里がじっと眺めていた。
「どうしたの、香里? 学食混んじゃうよ」
「……そうね、急ぎましょ」
名雪に促され、無理矢理に視線を引き剥がした。
やがて、佐祐理が両手いっぱいにパンを抱えて帰ってきた。
犬はおとなしく山に帰り、三人は中庭のベンチに陣取る。寒いこの時期、こんなところで食事をしているのは彼女らだけだった。
「はい、舞」
舞に渡されたパンが、栞へとリレーされる。
「あ、ありがとうございます」
無視されているんじゃないと分かってほっとしたものの、手中の『カレーパン』の表示に総毛立つ。
「あ、あのっ。私、自分の分ありますからっ」
「ふぇ? そうなんですか?」
「はいっ」
ビニール袋からバニラアイスを取りだし、掲げて見せる。
「それだけじゃあ、お腹空きませんか?」
「小食だから、これで十分なんですっ」
栞が必死に主張している間に、舞は1人で袋を破って、食べ始めていた。
合間に自己紹介をすませ、ようやく探していた人物の本名を知る。
「それで、舞とはどういったお知り合いなんですか?」
一瞬栞は答えにつまる。正直に答えていいものかどうか……。
悩んでいたら変なことを思いついて、ちょっとためらって、でも好奇心が勝って、言ってみた。
巧みに舞のかじりつくカレーパンから目を逸らしながら。
「実は私のお姉ちゃんなんです」
「……」
「ふぇーっ、そうだったんですかぁ。舞に妹がいたなんて初耳ですーっ」
本気で驚いている佐祐理をよそに、舞は黙々と食事を続けている。
「否定してくださいっ、信じちゃったじゃないですかっ」
「……妹じゃない」
「遅すぎですっ!」
「あははーっ」
対照的なマイペース2人に巻き込まれ、食事をするだけなのに、栞はどっと疲労した。
おかげで結局、昨日のことを聞きそびれ、ただ、無駄な時間を――無駄だけど、楽しい時間を過ごすだけに終わった。
佐祐理にはなぜだかたいそう気に入られ、名字でなく名前で呼ぶように促され、おまけに、
「よかったら、明日も来てくださいねーっ。明日は佐祐理のお弁当をごちそうできると思いますから」
と、誘われたが、曖昧な笑顔でごまかす。
もう他人の食事を見ているだけでも、気分が良くないのだから。
結局、夜の間じゃないとまともに話ができそうにない。
そう考えた栞は、今夜も家を抜け出す。ただし制服でなく、私服で。
夜が更けるに従って、また強くなってきた風に逆らい、栞は学校に急ぐ。
舞がいるかどうかは分からないが、なんとなくいるような予感はしていた。
はたして、今夜も舞はいた。
昨日とは対照的に、落ち着いた様相で廊下に佇んでいる。剣はそのまま手に提げていた。
外では風が唸っているのに、そこだけ世界が切り取られたように静かに感じられる。
一種独特の存在感が声を掛けるのをためらわせるが、自分が何をしたいのか分からないまま、ただ、浮かんだ疑問を叩きつける。
「……何をしているんですか?」
脳裏に浮かぶのは昨夜の出来事。あそこで栞は二重の意味で命を救われた。
が、頼んだわけではない。どころか望んですらいなかった。
だから、身勝手だと知りつつ、被害者ぶってその不満を疑問に変えてぶつけた。
だけど舞は、じっと窓の外を眺めたまま、動かない。
結局彼女も、ただ戦いたかったとか暴れたかったとかだけで、自分を助けたいと思っての行動じゃなかったのだろうか。
栞自身がどうこうではなく、ただ、結果的に栞を救っただけで。
それを認めるのが、そして無視されるのが悲しくて、昼間みたいに興味を無理矢理引こうと――失敗したけど――語り出す。
「私、昨日なんでここに来たんだと思いますか?」
舞がちらりとこちらを向いた。
「私、死にに来たんです」
自虐的な喜びを覚えつつ、栞はその視線を引き寄せるために話し続ける。
「ずっと病気で学校に来てないって、昼間話しましたよね。あれ、本当です。だから、最後の記念に、学校を見ようと思ったんです。
そして、校舎の屋上から、飛び降りるつもりでした」
「どうして?」
「どうせ死ぬからです」
短い言葉を引きだしたことに快哉を叫びつつ、乱暴な口調で得意げに言い放つ。
歪んだ喜びを奇妙に交えながら、栞の演説めいた告白は続けられる。
「そうは見えないでしょうけど、私、病気なんです。次の誕生日まで持たないだろうって、お医者さんには言われています。
ちょうど後一月くらいです。いろんな治療法を試したけど、全部だめでした。可能性0%です。
なら、もう生きていても楽しくないなら、早めに楽になった方がいいって、そう思いませんか?」
舞は否定も肯定もしない。
「……一度しか来ていない学校でしたけど、入学式の日は一日中嬉しくって、
これからの学校生活が凄く楽しみで、わくわくしていました。
結局、そのわくわくはその日の内に吹き飛んじゃったんですけど……だけどもう一度その気分を味わいたくって、
わざわざ制服を引っ張り出して、学校に来たんです。
本当は、ただ見るだけで満足するかも知れない。屋上になんて出られっこないしって、ほんのちょっとだけ安心してました。
そうしたら、おあつらえ向きに扉は開いていて、教室にも入れて、屋上に出られて……、
舞先輩のおかげで、もう完璧に死ぬためのお膳立てが整えられていました。
それで飛び降りられていたら、ありがとうございますって言うところですけど」
凄惨な皮肉を叩きつけても、舞に目に見える変化はない。
逆に栞は話す内にどんどん感情が高まり、饒舌に、激しい口調になってゆく。
「そうですよ。本当なら飛び降りて、死ねたはずなんです。
なのに、舞先輩が屋上にいて、変なのと戦っていて、襲われて、助けられて……。
せっかくいいところまでいったのに、最後の最後で邪魔をして……」
涙を流していることにも気づかないまま、舞に言葉を叩きつける。
「どうして、どうして私を助けたりしたんですか!? あそこで死ねたはずだったのにっ!
私……恐くて逃げ出しちゃったじゃないですか! 変ですよ、死にたかったはずなのにっ!
死ぬのが恐くなって、逃げ帰るなんて……舞、先輩が……あんなところに、いなければ……いなければっ……私はっ!」
決定的な言葉を吐き出しそうになった寸前、舞が栞の手を引く。よろめく栞の後頭部を風圧が通過した。
「え?」
舞が栞をかばう形で剣を振るっている。縦横に剣を振り回し、魔物を寄せ付けない。
横薙ぎに振るわれた爪が、壁に舞を押しつける。舞は潰されまいと力を込めるが――。
「っ!」
舞の視線が驚愕を帯びて、栞の後方に飛んだ。
その理由に気づいて、背後に立つ何者かを感じて、何度目かの戦慄を、諦めに似た境地で受け入れる。
――死ぬんだ。死ねるんだ。それが私の望み。最後のお願い。
――だったら、なにもせずに突っ立っていれば、それで全部……たぶん、あっと言う間に。
――なのに、なんで。
前に身を投げ出すようにして、よけていた。
舞は恐ろしい勢いで目の前の敵を弾き返し、栞の前に立ちはだかる。
それから先はよく覚えていない。ただ舞が滅茶苦茶に剣を振り回し、魔物を追い立てていった事だけは分かった。
その間、ずっと疑問符が頭の中で渦巻いていた。
自分が本当は、何を望んでいるのだろうか、と。
やがて帰ってきた舞が、へたり込んだままの栞の側にしゃがみ込む。
相変わらず無言でいるから、栞から嗚咽混じりの声で話しかけなくてはならない。
「なんで……」
本音だと信じていた虚構が、口をついて出る。
「なんで、助けるんですか……迷惑、です……」
「死にたがってないから」
それを舞は一言で断ち切る。
「そんなこと……」
「本当は、死にたいなんて思っていない」
栞の頭に、そっと手を置いた。暖かい重みが髪を撫でる。
「やめてください……子供じゃ、ないんですから……」
「……こうして欲しいかなって思ったから」
「う……く……」
ずっと栞を苛んでいた混乱や恐怖や後悔や不安を、久しく感じてなかった他人の体温が引き出し、流し落としてゆく。
栞は舞にすがりつき、とっくになくしたと思っていた感情を思い切り溢れさせる。昔、姉の胸でそうしたように。
舞は無表情なまま、優しくその髪を撫で続けていた。
夜は更け、魔物を撃退したものの、まだ舞は帰ろうとしない。
舞は立ったまま警戒を続け、栞は体育座りで膝に顔半分を埋めている。
「一つだけ教えてください。舞先輩は、どうして戦っているんですか……?」
「……私は魔物を討つものだから」
それだけでは答えになっていなかったが、それ以上の答えは得られなかった。
ただ、なにかを決意したその瞳は、今の栞にはない強さを持っていて、それがとても美しく感じられた。
栞は立ち上がり、尻をはたく。
「今日は帰ります」
涙で赤く腫れた目を笑顔の形に変えて、
「でも、また明日も来ますね」
「……どうして?」
「分かりません」
唇に指を当て、ちょっと悩むふりをする。
「生きたいって気持ちを、確認するためかもしれませんね」
どこか儚い笑顔だったけれど、もう自分を嘲るような色はない。
「今のセリフ、ドラマみたいで格好いいですよね」
舞はよく分からない、と言いたげに、微かに首を傾げた。
栞は頭を下げ、夜の校舎を去った。
外はまだ激しく荒れていた。
カリカリと、苛立たしげな音が耳障りに響く。
香里の綺麗に揃えられた爪が、木製の写真立ての裏を、ひっかいていた。
香里は今日も膝を抱え込み、昨日よりもなお遅い栞の帰りをひたすらに待つ。
虚ろな目で闇を見据え、カリカリ、カリカリと、気に入らない音を立て続けながら。
二週間がすぎた。
栞の夜の外出は日課になり、一緒にアイスクリームを食べるようになり、魔物は三体倒された。
舞は相変わらず口数は少ないが、前よりも色々な言葉を返してくれるようになった気がする。
あまり人には話せないようなことも、舞にはすんなりと話せるのは、彼女が誠実だからだろうか。
言葉は足りないし、ぶっきらぼうだが、ほんの少しの嘘も混じっていないことは分かる。
だから、舞と話すのは楽しかったし、舞も少なくとも嫌がってはいないようだった。
自室で閉じこもっている間に考えた様々なことを、舞に語る。
「想い出って、なんのために作るんだと思います?」
前フリに、視線で疑問符を返された。
「やっぱり名前の通り、いつか未来に、こんなことがあったなぁ……って、想い出すためのものだと思うんですよ。
でも、その『いつか未来』がない人は、なんのために想い出を作るんでしょうね?」
一人でいると、どうもこういう暗い思考に陥りやすい。
だけど舞は、ただひたすらに前だけを見据えた答えだけを返す。
「……誰にでも未来は来る」
「来なかったら?」
「来ないかも知れないのは、私も同じ。誰でも、理不尽な理由で命を奪われる可能性はある。でも――来ると、信じる」
たったこれだけの文章を、言葉を吟味しながら、五分くらいかけて、ゆっくりと語る。
なぜか今回の答えには、今までにない重さのようなものも感じられた。
「未だ来ないから未来っていうんですよ?」
生真面目な舞に、意地悪な返しを入れるのが、栞の楽しみになりつつあった。
「いつか来るから、今は、まだないだけ」
「禅問答みたいですね」
「栞は、さっきの一分後の未来を手に入れた。だから、もう一分先の未来も手に入れられる。もっと先も。ずっと先の未来も」
「ずっとずっと……でも、永遠なんてないんですよね」
「見たことはないけど、あるかもしれない」
それは舞の目の前に、絶望という扉が閉まってないからこその発言だ。
栞はそう思いつつも、この人なら何があっても未来を見続ける。そんな気がしていた。
不意に栞が立ち上がった。
「どこへ行くの?」という視線での問いに、
「ちょっとお花を摘みに……」
「……こんな季節に?」
遠回しな比喩は通じなかった。
「……トイレです」
「トイレに花は咲かない」
おまけに相変わらずの気真面目っぷりだった。
「とっ、とにかくトイレなんですっ!」
首をひねる舞を置き去りにして、栞は小走りにトイレに走った。
舞がふと、窓の外に目をやると、細かく降っていた雨が風に翻弄されながら強くなり始めていた。
このところ妙に天気が不安定だが、今日はことさら悪くなりそうだ。
――と、廊下の闇の先から、水滴の垂れる音がした。
魔物ではない。だが、まともな人間がこんな時間にここに来るとは思えない。
ぺたぺたと粘る足音を立てながら、それは近づいてくる。
パジャマ姿で、髪を雨で重く濡らした、ある意味滑稽だが、どこか不気味な雰囲気を纏った、美坂香里が。
「なんなのよ……」
深くうつむいているせいで、顔は見えない。そのせいもあってか、声は低く虚ろに広がる。
「せっかく、なにも感じられないようになっていたのに……」
ガン、と壁を拳で叩く。
「栞のことを全部忘れて、もう空気みたいに思えるようになって、痛みも悲しみも寂しさも、全部なくしたと思っていたのに……」
ガン、ガン、ガンと、苛立たしげに鈍い音を響かせて。叩きながら、近づいてくる。
「どうしてあなた、栞を惑わせて、あたしを苦しめるのよ……」
上げた視線は、まるで幽鬼のように深い闇を湛えていた。
「ねぇ」
ゆっくりと伸ばした手が、舞の襟元をつかみ、引き寄せる。
ぼやけるほど近くに顔と顔を近づけて、舞の瞳を覗き込む。
「なんとか言いなさいよ」
舞は苦しそうにしながらも、それが返事だとでも言うように、視線を外そうとはしない。
「毎日毎日、栞をこんな夜に誘いだして。
栞が帰ってくるまでの間、あたしがどれほど不安に怯えているか分かる?
いつ死んでもおかしくないあの子が、どこかで倒れていたら、苦しんでいたらどうしようって、
震えながら無限にも思える時間を待ち続けているあたしの気持ちが、あなたに分かるのっ、ねえっ!」
「……心配したいなら、すればいい」
「いやよっ!」
血を絞るような拒絶の叫び。
「だって栞はいなくなるのよ! 消えてなくなるの!
この世界で一番大切な者が失われると知ったときの絶望が、あなたに分かるの!? ――死ぬのよ、栞は!
消えたときになんにも感じないように、そのことに気づかないようにって、ずっとずっと、心を殺してきたのに……」
雨とは違う滴が、頬を伝ってこぼれ落ちる。嗚咽のせいで、時折言葉が途切れた。
「あたしだって抱きしめたい。あの子を甘えさせて、優しくしてあげたい。けど……。
恐いのよ……その暖かさをもう感じられないって思ったら、私……」
まるで栞を鏡に映したかのように、姉の香里も舞を責め、糾弾し、泣きながら胸に顔を埋める。
「だから、忘れようとしていたのに……なんであなた、無理矢理に栞をあたしの視界に入れてくるのよ……」
淡雪のように溶けて消え去る予定だった想い出を、深く心に刻ませるように。
舞は何も言わない。言わないが、香里の気持ちは分かる。なぜなら、過去に自分も近い境遇にあったから。
だけど舞は香里と違い、一度乗り越えた強さを持っていた。
だから告げる。
「どうして願わないの?」
と。
香里は嗚咽を止め、顔を伏せたまま呟く。
「……なにがよ」
「生き抜くことを」
そんなことはとっくにやった、と笑おうとしたが、上手くいかず、表情を歪ませる。
「……願ったわよ。神様でもなんでも、栞が助かるのなら、なんでも良かった。
信じてないけど、これ以上ないってくらい、一生懸命祈ったわ。
でも、栞の病状は悪化してゆくばかりで、日に日にやせ細っていって、食事もろくにとれないあの子を見て……。
希望を持てばその分だけ、余計に辛くなっていくのよ……」
「それでも――栞はまだ生きようとしている」
香里は何を否定したいのか自分でも分からないまま、激しく首を振った。
突然舞が香里を突き放し、走った。
しりもちをついた香里が、一瞬呆然とした後、慌てて後を追う。
廊下の突き当たりで急停止した舞が、その影に飛び込んだ。金属を引っ掻くような音が香里の耳にも届いた。
僅かに遅れて、香里も角を曲がる。
呆然と突っ立っている舞の足元で、栞が倒れ込んでいた。
断ち切られ、胸の上を覆ってたストールの中央に、じわりと赤い染みが浮かぶ。
悲鳴が上がった。
繰り返される呼びかけの声と、揺さぶられる衝撃で、栞は目を覚ました。
夢にまで見た、大好きな姉の顔が目の前にあった。
涙を目にいっぱい溜めて、数カ月ぶりに栞の名を呼んで。
「栞っ、栞っ!? ねぇ、平気なのっ!?」
「うー、ちょっと大ピンチ気味かも……」
「バカね、こんなの軽傷よ。ちょっとつばつけたらすぐ治るんだからっ」
「あはは……お姉ちゃん、汚い……」
ひとしきり笑って、笑いあって、ボロボロと涙を互いにこぼした。
栞の傷は出血こそ派手だったが、薄皮一枚切った程度で。
だけどそのおかげで、香里は今までずっと閉じこめていた感情を解放できた。
「ねぇ……、あんまり、心配かけないでよ……」
「ごめん、なさい……」
「もう諦めるのも、絶望するのも、いやなんだから……」
「私も、やだ……」
表に出る性格こそ違うが、弱くて、意地っ張りで、ネガティブで、互いのことを思うが故に傷つけ合った似たもの姉妹が、
暗く長い時を経て、ようやく、本音を吐露し合った。
状況は、絶望の一歩手前からまったく変わってはいなかったけれど、
闇の中に星があるように、その中にも僅かな希望や喜びを探すことができる。
1人ではなく、2人で。
舞は静かに、いつもと同じ表情のまま、ただ涙だけを溢れさせていた。
――それじゃあ、私達は帰りますけど。
――いつ終わるの、その魔物退治って。
――今日仕留めたから、あと、一体だけ。
――なら、上手くすれば、明日片づきますね。
――……分からない。
――はぁ。……分かったわよ。協力はできないし、さっぱり話が見えないけど、最後までつきあうわ。
――わーい、お姉ちゃん、大好きです。
そして、最後の夜。
空気は恐ろしいほどに静かだった。
三人は屋上に上がり、妙にリラックスした面もちで、フェンスに寄りかかって談笑している。
話題は栞と舞の初めて出会った時のことだった。
「……やっぱりあなた、飛び降りなんてしようとしていたのね。やめなさいよ。死体が見れたもんじゃないわよ」
「えぅー、そんなこと分かってます。でも切羽詰まっていたんです」
「……落ちると痛い」
「当たり前でしょっ」
そんな不吉な話題も、笑い話にできるようになっていた。
やがて話題が尽きる頃、それは現れた。
宿敵と出会った、と言うよりは待ち人が現れたというように、舞は剣を構えた。
一番最初の、一番強く、一番深い、舞の生み出した魔物。
あれは舞の絶望だ。
舞の『約束がなければ帰ってこない』という思いこみが生み出した、強迫観念。
それが形を取って襲いかかってきたものだ。
舞に命の危険を与えることで、より強く、約束が叶うように願うことを強要する。
だけど、いつの間にか、舞も栞の生きたいという意志に感化されていた。
そして、舞が死を拒めば、彼女を死に至らしめようとする要因も消失する。
だから魔物はもう出ない。最後の一体を倒せば、これ以上増えない。
これは決別の儀式だ。
偽りに満ちた約束なんかなくても、いつか、帰ってきてくれると信じよう。
願いが形を変えても、そこに秘められた思いが同じなら、きっと叶うはずだ。
栞と香里が隅に避難したのを確認して――最後の戦いが始まった。
長い年月を経て、魔物は舞の意志をまったく受け付けないほどに強大になっている。
傍観者の2人が目で追うのもやっとなほどの、激しい剣戟の応酬。
突き、払い、体を入れ替え、跳躍し、駆ける。
ただ月だけが照らすステージの上で、舞の生命が躍動し、ぶつかり合う。
栞は時折悲鳴じみた短い叫びを上げるが、香里は息もつかず、ただ見守っている。
戦いは互角に見えたが、時間が経つほどに舞は疲労が蓄積し、じわじわと追い込まれていった。
ステージ中央で剣をぶつけ合っていたが、勢いよく弾き飛ばされ、フェンスに叩きつけられる。
栞は身をすくめて目を閉じ、香里は目を見開いて硬直する。
中央に立っていたそれが、舞に襲いかかる流れが見えた。
そこで舞は――振り向いて、フェンスに剣を振るった。
「なっ、なにやって……」
向き直り、飛び込んできた魔物を、カウンター気味に串刺しにすると、そのままフェンスに押しつけられる。
先ほど入れた切り込みが大きく開き、舞の体が空中に投げ出される。
今度は香里の悲鳴が上がり、栞が目を見開く。
舞は空中で回転し、全体重を掛けて、剣を抉りこんだ。そして地面に叩きつける。
深々と剣は突き刺さり、魔物の体をクッション代わりに、舞の体が跳ね飛んだ。
「舞先輩っ!!」
浮かんだ舞の体は、やたらゆっくりと落ちているように見えた――まるでふわりと風が受け止めたように。
フェンスを指に痛いほどつかんで、動けないでいる2人。
一分ほど――あるいは数秒だったかも知れない。地面に横たわる舞の体が、もぞりと動いた。
何事もなかったかのように立ち上がり、屋上の2人を見上げる。そしてVサイン。
美坂姉妹は仲良くへたり込んだ。
戦いを終え、美坂姉妹と舞がわけの分からないままに喜びを分かち合った夜から、一月と少々時は過ぎた。
この日、舞は卒業を迎えていた。
佐祐理と共に、晴れ着を着て花束を抱えた舞は、ふと、視線を感じて足を止める。
美坂香里が立っていた。
「卒業おめでとう、先輩」
「……ありがとう」
香里は佐祐理に断って、舞を少しの間借り受ける。そして、思いでの屋上へと登った。
優しい風が吹いていた。
卒業にふさわしい、穏やかな、これ以上ない晴天だった。空の向こう側さえ透けて見えそうな。
屋上は、舞と香里の2人だけの場所だった。
フェンスに指をかけ、遠くを見ながら香里が呟く。
「今朝、栞が逝ったわ」
舞の体が震えた。
「急にね、容態が急変して。これまで頑張って、頑張って、頑張り抜いて、でもその無理が一気にたたっちゃって……、
やっぱり、奇跡なんて早々起こるもんじゃないわよね」
軽い口調で、声が震えるのを必死で隠そうとする。
「たった一月。だけどそれだけの期間生き抜くのがどれだけ大変だったのか……。
ひどく苦しそうで、息なんかか細くって、体中に管いっぱいつけて。
――でもあの子、笑っていたのよ。最後までずっと、私のこと、お姉ちゃんって呼んでくれて……。
あなたや倉田先輩や、名雪に囲まれて、いっぱい友達ができて嬉しいですって……」
喉が詰まって、声が上手く出ない。だけど、栞の代わりに、伝えなければならないことが、たくさんあった。
「だから、あなたには感謝している。
きっとあのまま栞が死んでしまっていたら、あたし、二度と笑顔を作れなかったんじゃないかって思うわ。
栞も笑顔で最後を迎えるなんて事、なかったでしょうね。
最後の最後で、あたしたち、ちゃんと姉妹として別れることができた……」
押さえようがないほど、肩が震える。
「悲しいけど、本当、死にたくなるほど悲しいけれど……でも、あなたに伝えないと……」
香里は顔を上げて、涙でぐしゃぐしゃになった笑顔で、栞の別れの言葉を。
「栞が、あなたに『ありがとう』って……」
後は声にならなかった。
ただ、2人で泣いて、行き場のない感情を溢れさせた。
涙をハンカチで拭っていたつもりで、それが、栞のストールであることに気づいた。
「……そう。これ、どうしようかと思ったんだけど……。
一緒に燃やしたら、なんだかあの子が天国で右往左往するような気がして、ちょっと燃やせないのよね」
目元を擦りながら、ストールに火がついて慌て回る栞の姿を想像して、少し笑う。
「どうするの?」
同じように、目を真っ赤に泣きはらした舞が、鼻をすすり上げながら聞いた。
香里はじっとストールを見つめていたが、
「……やっぱり、捨てることにするわ」
寂しさを振り切るような笑顔を浮かべて。
「これを見るたびに、泣いてしまいそうだから……そんなの栞も喜ばないだろうし」
こくり、と舞が頷いた。
香里が空を見上げる。ただ、無造作に捨てるよりは、そこに返すほうが、正しいような気がした。
両手でストールを捧げ持つと、風が吹いて、する、と手の中から逃げた。
羽根の付いたような風は、ふわりとストールを舞上げ、高く、遠くへと運んでゆく。
2人は小さくなってゆくストールを、それが覆っていた少女の細い肩を思い描きながら、じっと見送る。
ストールははためき、時に捻りながら、地面には落ちようともせずに、空を流れてゆく。
まるで空に旅立った栞の後を追うように。
高く、遠くへと。
>>7-27 「風が運ぶ願い」です。
まさかスレ立てまでさせられるとは思わんかったが……w
では、よろしくお願いします。
「木に揺れる風」投稿します。
1スレです
心地よい風が、開かれた窓から部屋の中へと入り込む。
つい先ほどまで、激しく愛しあっていた耕一と楓は、ぐったりと肌を重ね合い
ベットに横たわっていた。
汗まみれになり、火照った体を冷やすにはちょうど良い涼風だった。
「ねぇ、耕一さん」
楓は子猫が鳴くような小さな声で耕一に問いかけた。
「どうして、私の名前、『楓』という字は『木』に『風』と書くのでしょうか」
「ん、そういえば、どうしてだろう」
耕一の大きな手が、楓に髪を優しくなで上げる。
「多分誰かの心みたいに、少しの事ですぐに揺れるからかな」
「その言葉、原因の風さんが言ってはいけません」
猫が爪を立てるように、楓は耕一の胸をかりかり引っ掻いた。
「昨日の夜、どうして初音の部屋にいたのですか?」
「いや、あれは、リネット……じゃなくて、つい前世の記憶が……」
「今日の朝、千鶴姉さんと何をしていました?」
「え? 朝って何の事……」
「忘れ物があって、家に帰って来た時に見ました」
「いや、その、あ、あれはたまたま……」
「一昨日なんて、梓姉さん、私の顔を見た瞬間、真っ赤になって逃げだしましたけど」
胸を引っ掻く力が、徐々に強くなっていく。
「耕一さんを独り占めしたい……そうすれば、心も揺れなくてすむのに」
「一番好きなのは楓ちゃんだよ」
「誰にでもそう言っているんじゃないですか……きゃっ!」
耕一は楓の腕を掴むと、胸の上から布団の上に楓の体を押し倒した。
「じゃあ、行動で示せばいいのかな」
まだ、乾ききっていない楓の陰部に耕一の指が差し込まれる。
「あ……ん…」
楓の木の如く、体が紅潮するまで、さして時間はかからなかった。
「木に揺れる風」でした。
以上、お粗末様です
すいませんが2時間ほど延長を希望して良いですか?
33 :
1000!:03/05/28 09:04 ID:aY4hTMc2
1000ゲット!
34 :
動画直リン:03/05/28 09:04 ID:0fZX8bgR
>>1 スレ立て有り難うございました。
並びに、ギリギリの事態になってしまったことをお詫び申し上げます。
>>32 承知しました。
他に延長希望の方はおられますでしょうか?
>>36 了解です。それでは作品を投稿します。長さは10レス。
接続の状況が悪いで、間が空くかもしれません。
暗い海底から明るい海面にゆっくりと上昇するように、祐一の意識が覚醒していく。
自らの意識を、おぼろげながらもコントロールできるようになった時、最初にやって
来た感覚は、身体の痛みだった。
「くっ……寝違えたかな」
祐一が呟きながら辺りを見渡そうとすると、自分の周りが暗闇に閉ざされている
事に気付いた。そして身体が触れている地面からは堅さと、冷気が伝わってくる。
ここはどこだ……?
どうやら、家でないことは確かなようだ。祐一は今までの出来事を思い出そうと
試みた。が、頭をぶつけたらしく、記憶の再現がスムーズに行われない。
「ふう……」
祐一は気を落ち着けて深呼吸した。身体は痛いが、骨折や脱臼のような、耐え
難いものではなさそうだ。そうしているうちに、五感が戻ってくる。すると、頭上から
一条の光が差しており、見上げると、ぽっかりと空いた場所から、空が覗いていた。
どうやら、ここは竪穴らしい。いや、というよりも、水のない井戸か……?祐一が
そこまで考えたとき、彼の脳で神経細胞が繋がり、記憶が鮮明に甦ってきた。
カタン、カタン……。
小さな地震かと思うほどに、窓枠が震え、扉がきしんだ音を立てる。
この家はそれほど古いものではないが、今日のように強い風が吹くと、家全体が
落ち着かなさそうに小刻みに揺れる。
「うぐぅ、早く止まないかなぁ……」
祐一の部屋にあがりこんで、毛布を被っている少女の名前は、月宮あゆといった。
その頬には赤味が差しており、瞳はけだるい光を帯びていた。
「今日はずっと家にいるしかないだろ」
祐一は読んでいた漫画を伏せて、あゆに向かってそう言った。口調はぶっきらぼう
だったが、じっと相手の様子を窺っていた。新しい実験に取りかかる、繊細な化学
者のように。
「でも、せっかくの休みなのに……」
それほど注意深く観察しなくても、目の前で所在なげにジタバタしている小動物が、
祐一に対して気兼ねというか、申し訳なさそうにしているのが見て取れる。もちろん、
自然現象の発生などに、彼女が責任を感じる謂れはない。問題は彼女の内側に
存在していた。
あゆが奇跡の生還を果たしてから数ヶ月が過ぎた。懸命なリハビリによって、運動
機能はほぼ完全と言えるまでに回復していた。しかし、事故の記憶は、精神的な
外傷となってあゆの体にとどまり続けていた。すなわち、彼女は強風に対して強い
拒否反応を示すようになったのである。今日のような気象条件で、無理に出歩こうと
すると、パニックを起こしてしまい、眩暈と動悸で歩けなくなってしまうのだ。
「ごめんね、ボクのせいでこんな事になっちゃって」
ここ最近、あゆは金曜の晩に水瀬家を訪れ、日曜日の夕方に自宅へ帰るのが常と
なっていた。土曜日の今日は二人で一緒に出かけるはずだったのだが、あいにくの
風で家にいることを余儀なくされているのだった。
「そんな事、いちいち気にすんなよ。少なくとも俺達の間ではな」
「うん……」
二人で他愛もない話をしていると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「祐一さん、あゆちゃん、昼食の準備が出来ましたよ」
「あっ、秋子さん!今日のご飯は何?」
「せっかくあゆちゃんが来てくれたから、お寿司を握ったのよ」
「うわあ、凄い!」
今までの憂鬱さはどこへやら、あゆが飛びあがって喜んでいた。
「あの、祐一さん……」
「はい?何ですか、秋子さん」
昼食後、祐一は秋子に呼び止められた。あゆは部屋に戻っており、ダイニングには
二人しかいない。
「あゆちゃんの調子は、どうですか?」
「そうですね、現状維持ってところですか。良くもならず、悪化もせずという感じで」
「そうですか……」
「なんとか治してやりたいんですけどね、無理矢理歩かせるわけにもいきませんし」
「こういうのは、あまり無理して病気に立ち向かわない方が良い事もあるんですよ」
「そんなもんですかね」
祐一が首を傾げる。
「ええ、あゆちゃんにとっては、まだ『数ヶ月前の出来事』ですから、記憶が鮮明なん
だと思います。事故の記憶の劣化と共に後遺症も和らぐんじゃないでしょうか」
「じゃあ、俺はどうしたら良いんです?」
「あゆちゃんのそばにいてあげて下さい。あゆちゃんの心を楽しい出来事で一杯に
してあげること。それが今のあゆちゃんには一番良い薬のはずです」
そう言って、秋子は頬に手を当てた。
祐一は秋子の言っている事は十分理解できたので、現段階で積極的に行動を
起こすのは控えようと思った。それゆえ、今後の展開はあくまで成り行きであって、
彼の本意でなかったことは確かである。
「なあ、あゆ。この街にある古い言い伝えがあるのを知っているか?」
と、部屋に戻ってあゆに言った。
「えっ、なにそれ?」
「この街の何処かに霊験あらかたな井戸があってな、願いをかなえてくれる力が
あるんだ」
もちろん、真っ赤な嘘である。それでもあゆを喜ばせる事ができればそれで良いと、
祐一は思っていた。ところが、その当人は、
「へえ、凄いねぇ、そんなのがあるんだぁ。ねぇ祐一君、それが何処にあるか、知ら
ないの?」
……思いっきり信じこんでいた。
「残念ながら知らない」
「そうなの……。もし見つかったら、一緒にお願い事をしようね」
などと、あゆががっかりしながらも、健気なところを見せたりしたものだから、
「よし、それなら俺が探してきてやる」
などと、つい安請け合いしてしまった。
「本当に?祐一君、ありがとう!」
と、あゆは祐一に飛びかかって抱きついていた。
「だから、お前はおとなしくお留守番しているんだぞ」
「うん、わかったよ」
祐一は、暗い穴の中でやや窮屈な姿勢を強いられながら、おおよその経緯を
思い返していた。門外漢の彼には、街では井戸が見つけられず、途方に暮れていた。
そんな時に、街の外れ、かつて祐一とあゆで遊びまわった『学校』からほど近いところ
に、井戸があった事を思い出した。おおよその見当は付いていた筈だったが、七年前の
ことゆえ、なかなか見つからなかった。夕闇が迫り、足元が見えにくくなったために、
祐一はもはや使う者のいない井戸がぽっかり口を空けていることを、察知できなかった。
穴の周りは草が生い茂っていたせいもあり、祐一は井戸に転落したのだった。
大きな怪我が無かったのは、不幸中の幸いだろう。祐一は己の運の強さに感心した。
しかし、ここから出られなければ、その悪運も良運とはならない。
祐一は時計をみる。文字盤は見えにくかったが、針は七時を過ぎた辺りを指している。
この時間では、人が通りかかるのは望み薄だろう。そうすると、自力で脱出する方法を
探さなくてはならない。祐一は立ち上がって手を伸ばしてみる。上までは1mくらいはある
だろうか、まだ大分遠い。垂直飛びをしても、縁に手が届かない。
登れないものかと、石でできた壁を確かめてみたが、壁面は滑らかで、取っ掛かりが
少ない。足をかけようとしても、滑りおちるのが関の山だ。道具があれば別だが。
ジャッキー・チェンのように手足を突っ張らせて壁を上がる……常人には到底出来無い
芸当だ。
それから1時間ほど、外に向かって声を出していたが、やはり人の来る気配がなかった
ので、座りこんで、ため息をついた。疲労から、思考力が低下してくる。
あるいは、願いには、人身御供が必要なのかもしれない。もしそうなら、ここで運命が
終わるのも仕方が無いのかもしれないないな、と祐一は思った。それであゆの病気が
良くなるのならば……。
その時、遠くから聞き覚えのある声が祐一に聞こえてくる。
「祐一くーん」
あれはあゆに違いない。
「おーい、あゆ!ここだ!」
すると、バタバタという足音と共に複数の人影が見えた。
上から祐一を覗きこんだのは、あゆと秋子の二人であった。
「あっ、祐一君!良かったぁ、無事だったんだね」
「怪我は無いですか?祐一さん」
祐一は、あゆが探しに来たという事は、井戸の上では風もだいぶ収まったのだろう、
と考えていた。それから20分ほどして、二人が見つけてきたロープを使って、祐一は
脱出に成功した。
ところが。
祐一が引き上げられたとき、外では風がびゅうびゅうとうなりをあげていたのである。
「あゆ!お前、こんな風で外にいたらダメじゃないか!」
祐一は秋子に問いただすような視線を送る。
それを受けて、秋子が口を開いた。
「すいません、祐一さん。あゆちゃんがどうしてもというものですから」
「祐一君、秋子さんを怒らないで」
「……いや、そもそも落っこちた俺が馬鹿だったんだ」
あゆは、祐一が今まで滞在を余儀なくされた穴を、ふたたび覗きこんだ。
「これがその井戸なの?」
「……ああ。ちゃんと願い事はしておいたぞ」
「ありがとう。だったら、ボクはもう大丈夫だよ。だって、祐一君がお願いしてくれた
んだから」
そういってにっこり笑うあゆに、祐一も釣られるように笑みをこぼしたが、そのとき、あゆ
の身体が震えていることに気付いた。
……俺のために、直ったように見せているんだ。本当は立ってるのも辛いはずなのに。
祐一はあゆを引き寄せて、強く抱きしめた。
「うぐ?祐一君、苦しいよぉ」
それでも祐一は彼女を離さなかった。涙を見られたくなかったから。しばらくの間、
そのままの姿勢をとっていた。
次の日。疲労困憊で眠りこけていた祐一は、昼近くにようやく起き出した。
1階の、外に通じる窓を開け、秋子と一緒に縁に座る。
「それにしても秋子さん、よく俺がいる場所がわかりましたね」
秋子の作ってくれたサンドイッチを頬張りながら祐一が言った。
「地元の人間を甘く見てはいけません。現在、この街で使用されている井戸は三つあり
ますが、そのどれにも祐一さんがいらっしゃらなかったので、使用されてない井戸が
あった事を思い出したのです」
「はは、秋子さんには敵いませんね」
祐一は庭先で遊んでいるあゆに向かって、視線を送る。
「ねえ秋子さん」
「はい」
「俺がやった事は余計な事だったんでしょうかね?結果的にあゆを強風の下で歩かせて
しまって……」
「そんな事はありませんよ。祐一さんが帰って来ないときの、あゆちゃんの瞳に浮かんだ
決意の色は、精神的成長を思わせるものがありましたから」
「へえ、あのあゆが、ねぇ……」
昨日の風は雲を残らず吹き飛ばし、空は一面抜けるような蒼さだった。シルフィードが
舞踏を楽しむような穏やかな風に乗って、鶯の鳴き声が聞こえてくる。日差しの温かさは
春が終わり、夏の到来を告げているようだった。
「道具か……」
ポケットを探ってみる。携帯電話は所有していない。まず財布。中には、紙幣に硬貨、
カード類、あゆと撮ったプリクラ、学生証などがあった。他には、ハンカチ、家の鍵、
ボールペンがあった。どうやら、この状況の打開するものは無さそうだった。
……いや、そうでもない。
祐一はハンカチに今の状況を簡潔にボールペンで書いた。投げやすいように、硬貨を
ハンカチで包んで上に向かって放り投げる。チャリンという音が、ささやかな成功を伝え
てくる。
「まあ、あのハンカチが見える場所なら、声を出してりゃ気付くと思うがな」
それでも、何もしないよりははるかにましだった。
「あっ、そう言えば、ここは……」
はたと祐一は自分の目的を思い出した。ここは願いの井戸なのだった。たとえ他の人間
からは唯の枯れ井戸だったとしても、祐一とあゆの、二人の間ではそうなのだ。
祐一は財布を取り出し、金貨の替わりに残っていた硬貨を投げた。ちょっと考えてから、
あゆの具合が良くなりますように、と祈った。それにしても、祈願者が穴の底にいるのと
いうは、皮肉な話だった。人の心配するより自分の心配をしたらどうだ、と苦笑してから、
もう一枚投げた。今度は、ここから出られるようにと。
感想つけたいのだけ、適当に超個人的に体面を気にせず描きます。
まともな感想は他人任せ。
>掌の世界
タイトルがこれな理由がよくわからないが、1レスということもあり、よい。
この手の文章は俺は大嫌いなのだけれど、この短さであればまぁ「なるほど」
と思えるレベルだと思うし、えいえんから帰ってきた浩平の気持ちを端的に
示していて、いい。
彼女が長森に限定されていないところも、すごくいい。
どんなヒロインともとれる文章使いは好感が持てた。
>あおい
まるでOVAかなにかでも見ているようだった。
ていうかテーマは?風は?
俺が盲目でわからなかったんだろうか…?
内容はなんというか、お決まりすぎた感があったが、
でもSSとしては読みやすい部類だと思う。
浩之がもっと動いても良かったんじゃないかと俺は思うがどうだろうか?
あそこまで言われてほとんど言い返さないのはちょっとどうかと思う。
他はまぁ…いいかな。
ストーリーさえきちんと練れば、化ける。
>あおい
よくみたら最後が風になる、だったな。
でも、なんかちょっとテーマが弱いかな。
>屋上には紅い風が吹く(瑠璃子・みさき)
雫やってない人間の感想。
うん?なんだこれ?
ってのが正直な感想というか。
瑠璃子とやらのほうがなんかするのは知らんキャラだしよくわからんけれど、
みさき先輩は?屋上にいるから使ってみたと言う感じか?
俺には評価できない。
もともとこの手の文章は好きじゃないんで。
>思い出は風と共に(Kanon)
正直言うと、読みながら「さっさ終わらんかな」っておもった。
何が何やらさっぱりわからんです。やっぱり俺の読解力がないからなんだろうか?
よくわかんなかったのでもう一回よもうとしたけれど、きつくて3レス読むのがやっと。
何か高尚な狙いがあるのかもしれないけれど、読者ライクな文章じゃないんじゃない
かなって思う。
AIRみたいな文章の使い方も妙に気になった。
で、もう一回読んで「風が祐一だか往人だか(?)に話し掛けてるってこと?」
って思ったんだけれど。あってる?
>>629 おもしろい。
特に冒頭なんか、いよいよ読者を惹きつけるには十分過ぎるほどいい文章だと思う。
タイトルと内容のシンクロもとてもいい。
アイディア性、文章力はおそらくこの手のSSを書き慣れた人のものだと思う。
ただ、あれがあまりに強引すぎ。
まぁ俺がエロSSになんの魅力も感じない人間だからなのかもしれないけれど、
まるで付けろといわれて付けましたって感じで「はぁ?」って思ってしまう。
とはいえ、それでも読んでておもしろかったし、別にいいです。それで。
629ってなんだよ。
>風を祈る姉妹
の間違いです
>手向けの鈴
なかなかいいと思うです。
アイディア性やテーマ性としてはなかなか。
ただ、描く内容のわりに文章が多すぎるとか、どうにも「あ、そうなんだ」
で終わってしまうと言うか。
何かもう一工夫ほしかったかなとは思います。
>いつか見た夢
やっぱりわかりにくい。
祐一と真琴のやりとりはなかなかおもしろいが、なんか美汐の
独白シーンは見てて疲れる。
いや、内容はわかるけれど…なんか美汐が自分の悲観に酔ってんじゃねぇか?
とすら思える。なんであんなに表現を仰仰しくする必要があるんだろ?
まぁ、何かしらいい効果が本当はあるのかもしれないけれど俺はいいや。
>風が運ぶ願い
きつくて全部読めなかった。悪いね。
>木に揺れる
わざわざ名前の由来を出しておきながら、なんかあまり効果的じゃないような
気がしたね。なんだろう。これでテーマが風といわれてもなぁ、と思う。
SSとしてはまぁ1レスだし悪くないと思うけれど。
>あいにくの風で
麻耶の小説思い出した。いや…まぁそれはどうでもいいか。
あゆシナリオの補完的役割、ストーリー性、アイディア性。
バランスよくできていて、読んでいてもそれほど疲れなかったしなかなかよいです。
願いみたいな陳腐なもので奇跡がおきたとかわめいてあゆが治る、
なんてこともなかったし、作者の真摯な姿勢が見えてよい。
その分盛り上がりにもかけたけれど、今回のでは一番好きかな。
抜けちゃったのはかわいそうだけれど、まぁ、別にそれよまなくても結構平気だったし。
流し読んで、ちょっと気になった作品に感想のようなものを少々。
思い出は風と共に(Kanon)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1049154107/607-613 これ、テーマはすごく好き。あゆの辺りなんて少し涙腺が緩んだ。
でもその他、みさき先輩、とか舞とか真琴の辺りは無理やり詰め込んだような印象。
無い方がいいか、というとそういうわけでもないので、もう少しさらりと読めるような工夫をして欲しかった。
それから切り株の風に対する語りかけが、はっきり言っちゃうとくどい。居酒屋でくだまいてるオヤジみたいだ。
>なぜか今日の私はちょっとセンチメンタルな気分でな。
とか、もう少しなんというかこう……さりげなさと言うか……
歳のいった存在なんて大体そんなもんだろうと思うけど、リアリティーよりは読後感が欲しかったな。
それからこの「風」と言う存在、最初は往人か何かだと思ってたけど、なんのことはない、そのまま「風」だったみたいだね。
変にこじつけられるよりこの方がよかった。うまいと思う。
いつか見た夢(美汐)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1049154107/615-627 これはちょっと……好きか嫌いかで言うと嫌い、でもよく出来てるって感じのSSかな。
まず一番嫌だったのは、「トートロジー」という取って付けたような単語を主に持ってきた点。
祐一のキャラ的には、こういう言葉で相手を煙に巻くってのはいかにもやりそうなんだけど、
それが二次創作でやられると途端に鼻についてしまう。
他人のキャラでこういう言葉遊びをするのって好きじゃないんだ。俺はね。
それから全体的なセンス。これはもう相性の問題なんだろうけど、
>さいっこうにご機嫌な時。
>いくら美汐だって嬉しい時はスキップぐらいするし、口笛だって吹くでしょ
……ごめん、こういうセンス俺駄目。
それもオリジナルに近い「あの子」でやられちゃうと、どうにも。
あいにくの風で(祐一・あゆ)
>>38-43 >>47 >>44-46 やっちゃったねw
まあこの手のコピペミスは2CHではつきもの。保管所で直してもらいませう。
内容的にはちょっと強引な印象。話自体は悪くないと思うけどね。
まず井戸なんだけど、街を途方にくれるまで探すなら最初から秋子さんや名雪にありそうな場所を聞けよ、とか。
井戸と聞いていきなり『学校』の近くの井戸を思い出した、ってんならまだ納得できたけどね。
それからせっかく第三者視点なんだから、あゆが恐怖を克服して祐一を探しに出かけるまでの描写が欲しかった。
これがないから、せっかく感動的なはずの救出シーンがなんだか薄っぺらくなってしまっている気がする。
更に言えば最後の秋子さんのセリフ、
>精神的成長を思わせるものがありましたから
ここはもう少し言葉を選んだ方がよかったと思った。
秋子さんの言葉にしては堅すぎる、というか説明的すぎる。
なんだか苦言ばかりでアレだけど、もうひとつだけ。
句点はもう少し控えた方が読みやすくなるかな、と。
行頭スペースが無いのも併せて、最初のレスでちょっと読む気を削がれた。
>>60 ん? 両方とも面白かったけど……。
アニメ版の栞を思い出しましたよ(笑)。
続のほうってパンツ履いてなかったと言うことなのか
もしくは栞がふたなりだと思い込んでいた祐一が・・・ごめん
保管所への収録、完了しました。
>>49 ありがとうございました。お手数をおかけしまして申し訳ありませんでした。
>>60 承知しました。削除しておきました。
>>61 ああ、アニメのノーパン疑惑か。
今気付いた。
そして改めて(;´Д`)ハァハァ
65 :
60:03/05/29 00:30 ID:F9EzQcnH
>進行役氏
うわ、もうアップしちゃってたんだ。
お手数かけます。申し訳無い。
>>61 まあ言っちゃえばネタのパクリだし。
投稿作品として扱ってもらうわけにはいかないですよ。
>屋上には紅い風が吹く
面白かった。瑠璃子さんの相手は誰だろう? と考えながら読んでて、
最初は千鶴さんか楓たんかなー、以外と芹香先輩? とか思ってたら…
なるほど、夕陽の屋上繋がり。ちょっと意表をつかれました。やるなー(ニヤソ
楽しんだのはたしかだけど、組手のシーンがちょっと冗長に思えた。
意図はわかるんだが…もう少し、こう、スピード感があって映像が目に浮かぶ
ようだったら良かったかな、と。まあ、好みの問題だろう。
あと、告知のところで、キャラ名(瑠璃子・みさき)になってるのは
なんかネタバレっぽくなっちゃって残念にゃり…。
自分は、相手が分からなかったのが、良かったから。
でもまあ、そこまでまとめ人さんに望むのは、酷というものですな。
mente
68 :
58:03/05/31 14:05 ID:phHXUV18
69 :
58:03/05/31 14:08 ID:phHXUV18
掌の世界(浩平)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1049154107/552 ええと、個人的な意見としてなんだけど、こういった特に長さに関する制限の無いところで
短く纏める事に余り意義を見出せないので、基本的に「手軽に読める」以外の評価はし辛いです。
ただこの作品に関しては、「敢えて省く事により生まれるよさ」を活かしていると思う。
物語、と言うより一種のシチュだね。題材としてはありふれた浩平の帰還シーンだけど、見せ方がうまい。
爽やかで好感が持てる良作。でもやっぱり、それだけって印象しかないんだよなあ……
Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜(往人・観鈴)
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1049154107/655-667 タイトルも語り口も俺の好みからかけ離れたところにあるSS。
行単位ではなく段落単位の読み辛い行頭スペース、変なところで切られてたり全く野放しだったりする改行。
だけど中身はとてもよかった。なんか悔しいなw
というか12レス目の最後でちょっと深読みしてしまいますた。はずかちぃw
でもひとつだけ。寸前で飛び降りるのを拒否するような女の人が、どうして
>彼は彼女を何度も何度も説得したが、と
>うとう祭りの日までに彼女のことを止めることはできなかった。
という状態になるのか疑問。
字面だけ見ると、彼女は祭りの日まで自ら死ぬことを志願していたようにしか見えないのだが。
それを説明できるだけの描写は作中に無かった気がする。
崖の名、気になるなあ……
「屋上には紅い風が吹く」
ぱらぱらとスクロールしていたら、このSSが目に止まった。
くだらない内容をハッタリかまして大げさに書いてみた、というところだろうか。
ネタ作りもキャラの壊し方も好みではないが、その心意気を買いたい。
次作書いたら読ませてくれ。
感想あんまつかねぇな。
風だけに、寒いのが多かったからな。
「あいにくの風で」
急ぎ足にも見える展開だけど、起承転結はよく纏まっていて、組み立てとしてはこれで分量相応なのではないかと思う。
ただ、いかんせん淡々とした説明的な展開が退屈なんだな。
例えるなら、あらかじめ用意された原稿を前から順に棒読みしてるだけって感じ。
すぐれたプロットでも、ただなぞるだけではつまらない。もう少し、読み手を引き込むような話術が欲しい。
「木に揺れる風」
上手いアイデアのような、せこいような……。
初っ端の「風」シリーズが一番ワラタ。
他はまぁ、どんぐりの背比べだな。
『あおい』
葵らしさが良く表現できていると思うし、作品自体の持つテーマも
悪くない。風とあまり関係無いところが困りものだけど(w
葵の主観的解決で話が終わっていて、綾香との試合が
重視されていないあたりが、盛り上がりの欠ける要因か。
『屋上には紅い風が吹く』
これは微妙だな……。瑠璃子とみさきという、闘争とはあまり縁の
無さそうな屋上繋がりの二人による格闘もの。かといって二人が会話
をするだけで終わったていたら、妙味が薄いものになっていたかも。
それを考えたら意外性として評価すべきなのだろう。ラストのみさきと
浩平の掛け合いは面白い。
『思い出は風と共に』
基本的に、語られている事は原作に依っているのだが、語り手を
樹木にすることで新鮮なものとなっている。その着眼点に脱帽。
風の辿り着く場所などという言葉まで引っ張り出し、あまりのリリカル
さに鳥肌が。あゆの件は、まあおそらくグッドエンドなのだろう。木の
目の前で消えてるし。あえて苦言を呈するなら、木が人間的過ぎ。
『いつか見た夢』
これも語り手の主観的解決がメインテーマかな?せっかくの筆の
上手さや、SSとしての雰囲気も、難解で歯切れの悪いプロットとは
相性が悪く、装飾過多な印象を与えてしまう。個々の技術には見る
べきものがあるが、歯車の一つの狂いが全体に歪みを生させている
と思う。
『風を祈る二人の姉妹』
このキャラの選定は難度が高い。腕利きメイドに完璧超人、能力の
曖昧な魔法使いと、下手をすれば御都合主義に堕しかねない。反面
近親相姦や主従関係を描くにはどうしても外せないと言う諸刃の剣。
これを作者はセリオの行動に制限を設け、巧みな書き分けでもって
役割分担を成功させている。しかしながら後付け設定やとってつけた
状況も多く、綱渡り的な危うさも感じる作品。エロに関しては……まあ
切迫した状況での性行為という、ある種アイロニカルなものを書きたくて
しょうがなかったんだろう。純粋にプロットからは不必要とは思うけどね。
『手向けの鈴』
これはちょっと厳しいかも……。人に見せる以上、どこかで読者の
楽しめる部分がないとねえ。起承転結がなくても、晴子の心情の変化
とかが表現できれば(鈴を見たくらいじゃ変わりようがないけどさ)良い
のだけれど。
『Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜』
第一印象ではノーマークだったが読んでみたら面白かった。話運びの
上手さや、祭りのエピソードの挿入など、熟練の技を感じさせる。コメディを
散りばめつつ、しっかりとシリアスで締めるというのはそうそう簡単に出来る
ことではない。その繊細なバランス感覚は大したもの。術中にはまるのが
嫌なので、崖の名前は敢えて聞かない(w
『風が運ぶ願い』
栞と舞という珍しい組み合わせ。かつ祐一が登場せず、栞がそのポジション
に座った形となっている。言って見ればバッドエンドルートですな。自殺を考え
ている病人が、最後の時まで精一杯生き抜こうとするっていうのは普遍的な
テーマだけど、それだけに感動するものがある。結構長めの話だけどストーリー
は安定していて読みやすかった。
ただ、舞が決着後生きていたり、栞を能力使って治す可能性に触れていない
あたりが引っ掛かる。おそらく魔物とは分かれて以来異なる成長を遂げたから
倒しても舞は死なないとか、そのため能力との融合をしてないとかの裏設定が
あると思うのだが。そういう事を曖昧なままにしてあると不味くない?
『あいにくの風で』
全体的に粗密の差が激しい作品。テーマ性や設定はこだわりが感じられる
ものの、後半に進むにしたがって文章ストーリー共に手抜きっぽくなっている。
ところで、秋子さんの家にはもうひとり家族がいたような……。
今回のテーマは難しかったようで、おそらく相当苦労された事でしょう。
しかしそれとは関係無く、わかりにくい話が多い気が。満場一致で面白い、
という作品はどうやら無いようで、ベスト3は接戦でした。
第1位 思い出は風と共に
第2位 Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜
第3位 風を祈る二人の姉妹
以上、長文失礼しました。
81 :
名無しさんだよもん:03/06/02 12:36 ID:EfNZVx0X
1 あいにくの風で
2 風を祈る姉妹
3 掌の世界
とりあえずはこんな感じと言うことにしておいてください。
「あおい」
葵SSとは珍しいな。
新鮮で楽しめたし、萌えSSとしてなかなかの描きこみかと思う。
が、格闘少女が苦手な自分にはそれ以上の読み込みは出来ず。申し訳ない。
あえて言うなら、心情的な部分だけで終わらせず、目に見える成果を見せて欲しかったかな。
「思い出は風と共に」
これは考えたネタだと思う。素直に驚いた。
……が、そこまで。
自然物とは言え、事実上のオリキャラが延々語るだけなんで、興味の対象外。
いやそれにしても、さすがにクドすぎないか?この語り。
「手向けの鈴」
なんで敬介と晴子が打ち解けとるんや、というツッコミはともかく。
ものすごい力技ネタ。必然性も説得力も何にもない。神奈らしいといえばらしくて痛快。
ただ、敬介と晴子があっさり納得してるのはいかんと思うです。
この2人は、AIRの中では超常現象に懐疑的な奴ら。それなりの描き方をして欲しかったところ。
84 :
名無しさんだよもん:03/06/03 00:03 ID:TVl3Ux8g
:長谷部悠作 ◆QaQ4.DcHqQ :03/05/26 20:58 ID:F1pjJf3b
>>120 長崎にイベントあるのは知ってるけれど、とてもじゃないが行く気にはなれんなw
ヲタ友人で福岡までいってるやつがいるけれど、正直キモイ。
まぁそいつからバンバンエロゲコピーしてもらってるからどうでもいいけれどねww
長谷部悠作 ◆QaQ4.DcHqQ :03/06/02 19:44 ID:ZdtbHMd8
とりあえず君たちの絵とSSが僕は見てみたいなぁ(´,_ゝ`)プ
僕は論より証拠、な人間なんで。
もちろん俺なんか太刀打ちできないくらい凄いものが並ぶんでしょうね。
まぁここから下は「おぃおぃ、来ないって話じゃなかったのかYO!」
って並ぶんだろうけれどね。
悔しかったら僕の意見にきちんと反対して見せたらどうですか?
ちなみにSSは面白いと今日初めて言われました。
どうやら少しずつ評価はあがってきているらしいです。
あ、絵や文章晒せないやつは俺に文句いうなよ。
だってそんなの
チ キ ン 野 郎 だ か ら な !!(w
長谷部悠作 ◆QaQ4.DcHqQ :03/06/02 20:43 ID:ZdtbHMd8
俺の作品は既に認められてますが何か?
「風に祈る二人の姉妹」
出だしは面白そうな暴走SSだと思ったが、うむむ……。
来栖川姉妹の暴走に、セリオ的な理屈と、孤島の現実感をかみ合わせようとして、結局どっちつかずになってしまったという印象を受ける。
部分部分のネタは面白いんだけど、全体的に中途半端な破壊力。
さらに後半のHシーンが、あらゆる理屈を吹き飛ばしてしまった。
セリオが風車になろうが金属片になろうが、この世界では芹香お嬢様のご意向が全てなのです。はい。
……セリオがどこか哀れに見えたのは、自分だけだろうか。
「いつか見た夢」
うぐぅ、難解。
凝った演出は毎度作者さんの趣味だろうし、特に気になるところもないから、別にいいとして、
ストーリーに目を転じると、ほとんど何にもないような気がしてならない。
文章装飾に埋没して見逃しているだけかもしれないけれど、ただ思い出に浸っている以上のものが見えてこなかった。
さらにその思い出さえも、このSSでは美汐だけのものであり、祐一も真琴も理解してなさそうなのが悲しい。
これは正統な美汐萌えSSなのかもしれないけれど、自分はネガティブな話は嫌いなんだ。
彼女自身ネガティブなキャラだし、だからこそ周りの人間が彼女をサポートする姿を見たかったりする。
86 :
73:03/06/03 04:49 ID:O4uDdsN3
さらっと読みの一言感想なんで、適当に流して読んで下さい>作者各位
・掌の世界
短いだけに弱い。
1レス作品はもっと「言いたいこと、書きたいこと」をわかりやすく鋭く書いて欲しいところ。
・いたずらな風
イマイチ美汐のイメージ(らじかの含む)に合わない。嫌いじゃないんだけど。
・あおい
葵の話を書きたいのか格闘の話を書きたいのかが微妙にわかりづらい。
もっとキャラを活かすために、話の枝葉の取捨選択を厳しくして欲しい。捨てるのもまた勇気だから。
・屋上には紅い風が吹く
個人的にはお気に入り。テンポよく読めた。
目が見えないと違う感覚が鋭くなるのか。しかも瑠璃子さん負けてるし。
・思い出は風と共に
「センチメンタル」という単語がなんか引っかかった。他の部分が古風な文章なだけに特に。
それ以外は全体的に秀逸。文章が多少拙い感もあるが、逆に効果的とも見える。
・いつか見た夢
難しい。持って回った言い回しとオリキャラ「あの子」が絡み合ってさらに難易度アップ。嫌いじゃないけど。
あと、「トートロジー」について美汐がいかにも辞書的な知識を持ってるのがなんか不自然。
・風を祈る二人の姉妹
エロは不要、むしろ蛇足的に感じた。それだけが強烈に頭に残った。
・手向けの鈴
時が経てば人も変わるものなのかなぁ、とか思ったり。
あと、神奈参上の後に響無鈴が残った方が御伽話度はアップしそうな感じ。
・Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜
AIRに地方伝承を加えたのではなく、地方伝承にAIRを振りかけたような感じの話。
往人と観鈴はある程度書けてるとは思うが、どうしても文章密度の差が見えてしまう。
あと、往人が旅先の1イベントについてそこまで詳しく記憶しているとも思えない気が(w
・風が運ぶ願い
組み合わせの妙、きっちり殺ったあたり、香里の原作忠実度等は評価したい。
ただ、舞が自力で魔物関係イベントを克服してるあたりが中途半端に思える。いや、舞を殺れと言ってるわけじゃないけど(w
・木に揺れる風
で、楓はどうして木に風という名をつけられたんでしょうか?(w
次回作は「木を食べたら辛い」(耕一・梓)をキボンヌ(w
・あいにくの風で
秋子の最後のセリフに変に違和感を覚えた。説明的すぎるというか。
話そのものは悪くないけど、強い魅力も無いのが惜しい。「ありがちな話」におさまってしまっている。
以上です。
最優秀に「思い出は風と共に」、最萌に「屋上には紅い風が吹く」。
以上2作に投票しておきます。
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレは投稿期間を終え、感想期間に入っています。
今回投稿された作品の一覧は
>>49 となっています。また、
http://sscompe.tripod.co.jp/ss/14/index.html からでも投稿された作品を見ることができます。
目に留まった作品だけでもいいので、よろしければ感想を書き込んでください。
あなたの一言が、未来の SS 職人を育てるかもしれませんYO!
感想期間は 本日の午前 9:00 までとなっていますので、
まだの方はお早めにお願いいたします。
過疎スレの宣伝、ウザイ。
この2作は、作者の予想がついちゃったんで主観入りまくり。
「Wish You Were Here(以下略」
小ネタが楽しいね。悪ふざけぎりぎりのラインでシリアスをこなすのが往人らしいと思った。
観鈴の頭が真琴互換なのはあんまし萌えないけれど、むむ、これも本編どおりか。
ストーリー。伝承の部分は実話か創作か分からないながら、それなりに興味深かった。一からの創作だとしたらなかなかのアイデア。
もう一つの日常パートは正直難解。伝承ネタに話を合わせようとした結果、行動の動機がどうにも不自然で分かりにくいものになってしまった気がしてならない。
往人観鈴ともに思考回路が全く掴めなかったし、そのせいで読後に感じるところも少なかった。
とはいえ、もともと往人と観鈴は意味のない行動を多発するキャラだから、これも本編どおりか……。
AIRのSSに突っ込みを入れるのって難しいな(泣。
あと、文章は相変わらず怪しい。上手いと思うところもあるが……。
それから。感想期間終了までは黙っとけ、と。そりゃ癖のある作風だから推測されやすいだろうけど、だからといって宣伝は
「風が運ぶ願い」
舞x栞というアイデアおよび文章だけ見るなら完璧に近いと思う。
序盤の導入から、舞の戦闘シーン、ほどよい原作エピソード挿入に、ラスト付近の二転三転。プロットも練られているし面白かった。
舞が完璧超人気味に描かれているのには疑問を感じざるを得ないし、栞が他人に八つ当たりするのもらしくない気がするんだけど(つか香里と栞って性格が全然違うと思うんだけどな)、それらを抜きにしても読ませてくれる。
で、個人的に気になるのが主題の曖昧さ。設定に不備があるのはさほど気にならないんだけど、何が言いたいか分からないのは気になるんだ。
最初栞の話と思いきや、途中から香里が出てくるわ、かと思えば舞シナリオの話があったり、ちょこっとだけ出てくる佐祐理さん、栞は結局退場のまま、最後は捨てるのかよ、と。
何でもありの魅力と言えばそうなんだけど、自分には焦点を絞りきれていないように見えて仕方がない。連載ならいいんだけど短編読みきりということであれば、一シーンであれ副題が主題より出張るとマズイと思う。
今回読んでいて思ったことは、テーマ「風」は難しかったなーと言うこと。風という単語からは色々なイメージが湧くものだけど、その観念的なイメージが具体的なものにまで落とせていたSSは少なかったように思います。
かく言う私も今回はダメだったわけで、そういう後ろめたさもあって感想は名無しに逃げました。タイトルを「」で括ってる一連のものです。チキンで申し訳ないです。
最優秀は選びづらいけれど、ネタの使い方に必然性が感じられるという点で「風を祈る二人の姉妹」に。風力発電とセリオの組み合わせは、今回最強のアイデアだと思いました。
最萌は……「ぱんつはいてない」に決まりかと思ったのに取り下げられたので、「風を祈る二人の姉妹」に。百合好きなだけなんだけど。今回はシリアス傾向のSSが多くて、気軽に萌えるものは少なかったのが残念。
というわけで、今回は、
私的最優秀&最萌「風を祈る二人の姉妹」
次回、萌えられるSSが増えるといいな。
【告知】
ただ今をもちまして、感想期間を終了させていただきます。
投稿された書き手の皆さん、感想をつけてくださった読み手の皆さん、
そして生温かく見守ってくれていた ROM の皆さん、どうもご苦労様でした。
引き続きこのスレでは、今回の運営への意見、書き手の挨拶、
次々回のテーマの決定などを行いたいと思います。
上記のものやそれ以外にも意見が何かありましたら、書きこんでください。
※他に募集すべき話題もあるのですが、まとめる時間がありませんでした。
※今日中にまとめたいと思います。申し訳ありません。
※次回のテーマは『結婚』に決定しており、開催時期は 6 月中旬になる予定です。
※今回決めるのは次々回のテーマです。お間違いのないように。
94 :
動画直リン:03/06/04 09:04 ID:OPLtfnwX
感想の中で、評価が高かった作品は以下のとおりです。
『思い出は風と共に』
>>80 >>88 『あいにくの風で』
>>82 『屋上には紅い風が吹く』.
>>88 『風を祈る二人の姉妹』
>>92 ということで、第十四回の最優秀作品は『思い出は風と共に』のようです。
おめでとうございます。
96 :
1012:03/06/04 09:25 ID:z0Rj+VWd
とりあえずはせやん、嬉しいのはいいけどちょっともちつけ、と。
きっと未だ嘗て、母親以外から何か誉められた体験が何一つなかったんだろうよ。
察してやれって(藁
Wish You Were Hereの作者でやす。
わざわざ皆様のお目汚し、申し訳ないやらありがたいやら。
特に感想をわざわざ付けて頂いた方には、まったくもって感謝の
気持ちは言葉にはできないほどでございまする。
以下の文章は、お目汚しの極みでございますのでお読みになりたくないかたは
あぼーんするなり読み飛ばすなりしていただくと有難い。
まず、Wish You Were Hereなんて臭いタイトル。
これは実は、PinkFloydというバンドのアルバムタイトルから取ったものであります。
タイトル自体には意味はありません。
好きな言葉だったのでなんとなくいれてみただけでありまする。
正直申しますと、このアイディアは締めきり前日に思いついたものであり、
書いていてとうとう締め切りを迎えたおかげで推敲もままならなかったというのが
実情でありまして、相当不安だったのです。
つまり、自分自身としては前回書いたものより不味かったかと思っていたのですが…
意外や意外。
皆様にはなかなかな評価を頂けまして、真に驚きでございまする。
>>69氏
まずは、わざわざ気に入らない文章であっても最後まで読んでいただけた
という、その心意気に感謝感謝であります。何と気持ちを表現していいやら。
まことに、2ちゃんねるでのSS投下というものには慣れていない身であり、
苦痛を伴う読書を強制してしまったことについては、なんとも申し訳ございません。
中身はよかった…
いやぁ、その言葉は体の芯に染みました。
なんという有難きお言葉。
普通、内容が良くても読みやすさやら文体やらが気に入らなければ酷評してしまい
がちになるのが人間と言うものですが、客観的に評価していただいたというのは
これ以上無き幸せにございます。
SS書きとして純粋に褒めてもらったのは実は初めてでございますので、氏の言葉
には小躍りしてしまいたくなるほど喜んでしまいましたです。
氏の疑問ですが、この小賢しい作者の自分としては、どれだけ命を捨てる覚悟
をしていても死を恐れるものだと言うことを書きたかったのであります。
それと、制度の反抗というのが自分の中でのテーマの1つでありまして…
いやいや、そう大層なものでもございません。
しかしながら、確かにそれを納得できないような不自然な描写になったというのは
完全なるこちらの落ち度でございます。
いやはやこれは、これからの創作活動の心に留めておこう。
>>79霧の感想人氏
いやいや、わざわざそれほど評価していただけるとは…
こんな駄文には全く以って勿体無きその御言葉、有難く頂戴させていただきやす。
やはり皆さん、第一印象というのは良くないようで…
タイトルの臭さや、序盤の文章に魅力が無いなどというところが欠点というところで
ございましょうか?これはまた一つ、解決せねば点が増えた。
しかししかし…熟練の技でございますか。
はぁ…果してこのような糞にそんな熟練などと言える技巧が…
自分ではなかなか無理のある締め方をしてしまったんじゃないかと、内心不安が
隠しきれなかったのですが…おや、こんないい訳はみっともないですな。
重ね重ね申し訳ありませぬ。
バランス感覚、ですか。
これは全く、自信を付けて頂かせる言葉。
このような糞には感動の極みでございます。
感想のお言葉の旨、確かに頂きました。ありがとうございます…
>>86氏
なんとなんと…10点満点の10点…。
これは糞にとってはもはや天災と等しいほどの衝撃にあります…
いやはや…こんな評価などは果して頂いてしまって良いのやら。
なんとも言葉にできるようなものではございませんな。
キャラクターにおきましては、極力口癖を使わないという努力をしておりまして、
果してそれが吉とでるか凶とでるかと悩んでおりましたが、今回ばかりは
功を奏したようで、なんとも胸を撫で下ろす、というものでございますな。
まさか萌えてもらえるなんてものまで感想を頂けるとは。
正直、萌えは今回眼中に無かったので…
これは嬉しい誤算と言うものでございますな。
わざわざこのような糞の文章をお読み頂き、有難き幸せであります。
>>88 地方伝承にAIRを…なるほど、糞の自分でも及ばなかった域の
説明、感服いたしました。
あまりそこまで意識していたことではございませんが、なるほどなるほど、
言われてみれば、おやおやそのように出来ている。
往人と観鈴…
ふむ、それはあり難いお言葉。
文章密度の差、これは確かに確かに。
実は糞の自らが最も気にしていた点も実はこれでございまするな。
このような後からのいい訳など、全く以って無駄であり、陳腐ではございますが、
それをずばりと見抜く氏の洞察力には完敗でございます。
これは幾度もの推敲とセンスによってどうにかしなくてはならない点。
次作ではきっちりと「練り」をして参らねば。
往人の記憶…でございますか?
うむ、どうでございましょうか。
旅人たるもの旅先での記憶が彼らの全てではないかと思っていますので…
今回は語り手として機能していただく以上、どうしようもなかったのかもしれませぬ。
とはいえ、是非とも留意すべき点ですな
>>91氏
キャラの技巧においては皆様から好評のようで、なんとも安心
させて頂きました。小ネタは、ちょっとやりすぎたかとも思っていたのですが
一応は皆様には認めて頂いたようで…これまた喜びでございますな。
伝承の部分、これは実は全くの創作であります。
モット練りこめたのではないかとも思ったのですが、何分急ぎの作品で…
おやおや、これまた悪い癖が。
いい訳などには聞く耳持たれないのは当然でございますな、いやはやまったく。
伝承とのシンクロ部分…
あぁ、これも耳が痛い。これもそう。全く持って、糞の自分が気にしていた部分で
ありました。正直、風で動きを止めるなどというのは無駄なものだったんじゃないかと
さえ思われますな。いやはや、面目無い。
これはAIRもそうだからな、などというのは全くの逃げでございますし
これは真摯に受け取らせてもらいますです。
文章…はぁ、やはりそうでございますか。いやはや、全く持ってまだまだ修行の
身でございますからな。様々なことを意識的に試してみ、糞なりの技術向上を
目指させていただきます。
わざわざのお目汚し、失礼いたしました。そして、感謝の気持ちもまた同様。
有難うござい。
これにて糞の返事を終了させていただきます。
スレを無駄に消費させてしまいまして、まことに申し訳ございません。
それでは、このスレのますますの繁盛を祈り、ここらで糞は退散させていただきます。
さよなら
さよなら
さよなら
LAqwQGCLって長谷部だよね?
露骨に名乗らなかったとしても、
規定が有名無実化するようなアクションには配慮してくれまいか。
書き手も感想人も。
感想期間中だけでいいから。
ところで次々回のテーマには「後悔」を希望。
108 :
58:03/06/04 22:12 ID:TOLrbOpA
>LAqwQGCL
自分のことを糞と言うのはあんたの勝手だけど、その糞の書いたSSを褒めた人間が
それを見てどう思うか考えて書いたかい?
>>107 正直、スマンかった。
テーマだけど、次々回は決まってるから次々々回のお題だよね?
俺も「後悔」に一票。
後悔…悪くはないと思いますが、俺は次回のテーマの座を「結婚」と最後まで争った
「海」に一票。
ちょうど7月20日には海の日がありますし。
えー、業務連絡です。
今回の総括期間で募集したい話題が数点あります。
・次々回(7月予定)のテーマ
これはまあいつもと同様です。
・次々々回(8月予定)のテーマ
前回の総括期間で決まりました通り、8月期は
「テーマ無し」あるいは「過去のテーマ」、ないしはそれに類するテーマで行おうと思っております。
また、この期のテーマは早いうちに決めておいた方が盛り上がるのでは、との意見もありましたので、
前回の総括期間で予告しました通り、今回の総括期間で次々回のテーマと同時に募集したいと思います。
・SS収録ページのデザイン、及びtxtファイルの要不要について
これも前回からの持ち越しになりますが、ご意見お待ちしています。
以上です。よろしくお願いいたします。
「手向けの鈴」を書いた人です。
>>54さん
感想ありがとう。
ほのぼのと言うには内容がシリアスだし、シリアスと言うのは感情の表現に乏しい。
そんなSSになっちまった。勉強します。
テーマに少しでも感じるところがあったのなら、良かったと思うけど。
>文章多すぎ
がーん。下手な文章でゴメン。でも俺は少なすぎだと思うんだけど。
>>58さん
>>68 感想ありがとう。
>晴子さんに「きゃっ!」
「可愛いところもあるじゃないか」なセリフを敬介に言わせるための伏線だった。結局使わずにそのまま。ダメじゃん漏れ。
>キモの部分となる3レス目
指摘ありがとう。気づかなかったです。肝心なところでミスです(泣)。
>それから神奈様には喋らせない方がよかったかも。
うーん、どうだろう。夏だとか、変わった場所にある墓地だとかをリアルに描く(描けてないけど)変わりに、そこの無茶は許して欲しいところです。
このセリフを言わせたくて書いたSSだから。
でも、乖離を感じられたのなら、漏れの力不足なんだろう。勉強します。
>>霧の感想人さん
>>78 感想ありがとう。
とても個人的なSSなんです。正直あまり読者を意識せずに書いた。
そんなん投稿するなと言われたら、鼻白むしかないけど。うぐぐ。
こうSUMMER編とAIR編に接点が欲しかった。クリアした後、「翼人伝はどうなったんだー」と思って、寂しかったから。
>>83さん
感想ありがとう。
>なんで敬介と晴子が打ち解けとるんや
ええ? エピローグ付近では和解してませんでしたか?
敬介も晴子に「家に来ないか」とか言ってた気が……。
>力技
そう思われたら負けですね。がくり。
>敬介と晴子があっさり納得
超常現象への懐疑より、観鈴に何かを手向けたくれた人がいた喜びの方を二人は取った――というシーンのつもりです。
筆力不足ですね。がくり。
>>88さん
感想ありがとう。
>御伽話度はアップ
なるほど。そのほうが説得力もあるし、いい感じですよね。
以上です。
読んでくれた人に感謝。
文体や文章量はかなり好みが分かれるからね。
受けた指摘はよく吟味した上で、
最終的には好きなようにやるのがいいかと。
>>107 外部で自己主張した書き手の作品については、評価対象外にする&感想付け禁止&永久追放。
このくらいやっても問題ない気がするね。どうせバカは死んでも治らないんだし。
>次々回テーマ
そろそろ「えろ」限定ってのを見てみたいところ。「夏だ!外でエッチだ!」から一周年なわけだし。
>次々々回テーマ
「過去のテーマ」に1票。コンペスレの性質上、一応でもテーマは決めておきたい。
テーマ「制服」
116 :
73:03/06/05 04:23 ID:OzBxd44q
ヤター(・∀・)ゼンブヨンダヨー!
あれ?もう感想期間終わったの?
まあいいや、どうせ最優秀に影響しないから。
前スレ分の感想は
>>73>>86に。
『風が運ぶ願い』
>>7-27 は微妙。
最後にちょこっと「風」が出てきたかもしれないけど・・・
無理にコンペに出さなくていいじゃん。
他のスレでなら絶賛したのに、もったいない。
『木に揺れる風』
>>30 楓はいいんだけどなー耕一がなー、俺はどうもハーレムがダメなんだわ。
『あいにくの風で』
>>38-43>>47>>44-46 ちょっと構成が・・・。
回想の中に回想があるし、回想が終わったと思ったらすぐ話も終わっちゃってるんで。
やや強引な設定なら、むしろ徹底してシチュエーションにこだわるという手もあるような。
ネタやテーマは良いから、それを捻り込んで盛り上げてってのがほしいかな。
一番面白かったのは『Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜』
もちろん作者の後書きにはかなり気分を害した次第だよ。
>>110 >・次々々回(8月予定)のテーマ
>「テーマ無し」あるいは「過去のテーマ」、ないしはそれに類するテーマで行おうと思っております。
でいいんじゃないのかな。何を決めるの?
次々回は「混沌・虚無」キボン
自分も「海」かな。抽象的なテーマは縛りとしての意味合いが弱そう。
次々々回は「過去のテーマ」で。>117の言うとおり、このスレには縛りが欲しい。
まあ、あまり固定的に考えることもなかろうて。
テーマによって制約の強い回と弱い回がある方が面白いんじゃない?
可塑性はこのスレの魅力だと思うし。
121 :
117:03/06/05 23:04 ID:jkTPDTtB
>119
いや、わしは縛りなしでいいと思ってるってことを書いたんだけど……。
一回限りの祭りってそういうんでいいと思うし。
>117→>114の間違いかな?
122 :
118:03/06/05 23:28 ID:+sZvL9+e
>121
ボケてました。スマン。恥ずかしー。
またやった。
上の名前欄118じゃなくて119ね。
こんばんは、思い出は風と共に、作者です。
まだまだ未熟者ながら、優秀作に選ばれたことは大変光栄に思っています。
この嬉しさを、次回の参加につなげたいと思っています。
ところで、現在、SSのネタは葉鍵問わずかなりの飽和状態になっていると個人的には思っています。
文章表現に秀でている方ならその文章力で読み手を引きつけることが可能でしょうが、
今の私にはまだそれだけの文章力がないので、新しいネタで読み手を引きつけることが私のSSの目標です。
ですから、私はいつもネタに重点を置いて考えているのです。(いつもと言っても、こんぺはまだ二回目の参加ですが)
今回のネタに関しては、Kanonで行こうとは早い段階から決めていました。
曲の中に「風の辿り着く場所」「風を待った日」「生まれたての風」と風に関する名前が多いので、
うまく使えないかな、と思っていたのです。
そして試行錯誤の結果、ムリに人間と風を絡ませるよりは自然の風をそのまま使おう、
でも、風だけでは面白みに欠ける上に葉鍵SSである必要性が薄れてしまうので、風とでも話せるような自然のキャラ―――
例の大木の切り株を使ってみようという結論に達したのです。
今回はある意味挑戦でした。
結果として評価は分かれましたが、こういうネタを評価してくださる方もいてくれて、個人的には満足しています。
では、個別のレスを。
>>52さん
分かりにくくてすみませんでした。
別にAIR風にしたわけではないのですが、確かに一般向けの文体ではなかったですね。
次回はもっと分かりやすいものを目指します。
ちなみに、このSSは「切り株(あゆが登って落ちた木)が、Kanonの街で生まれ、帰ってきた風に話し掛けている」という話です。
>>58さん
>でもその他、みさき先輩、とか舞とか真琴の辺りは無理やり詰め込んだような印象。
これらの話は、「風が世界を巡っている」という印象を与えるために入れたシーンのつもりでした。
しかし、書き方に問題があったように見えたのなら、それはやはり私の未熟さゆえですね。
さりげなく読み手に読ませる書き方、あまり意識したことはなかったのですが、今後は頭に入れておきたいと思います。
木の語り口調については……今回はリアリティーを追求したせいですね。
いちおうあの木、かなりの老木だと思っていますから、ついあんな感じになってしまいました。
的確な指摘と評価をありがとうございました。
>>73さん
あそこで「風の辿り着く場所」を入れたのは、前述の通りネタを考えてるときにそれらのタイトルを思い浮かべたからです。
「風」「切り株」「旅人」などの断片的なテーマを設定し終わった後、実は真っ先に考えたフレーズだったりします。
>>霧の感想人 ◆DIkaNSOFOg さん
ええ、あれはあゆのグッドエンドのつもりです。
二度も目の前であゆとの別れを経験してしまった木。
せめて彼には、3度目のあゆとの出会いをいつの日か……
そんな願いも実は込めていました。
木が人間臭すぎるのは、やはりここでも言われてしまいましたか。
文章にリアリティをもたせるつもりだったのですが、やはりちょっと失敗だったようですね。
>>83さん
お気に召さなかったようで……失礼しました。
ネタはいいものが用意できたんですが、その調理法がまだまだ未熟なのが今の私だと思います。
いちおう起承転結はつけたつもりでしたが、確かに最初から最後まで延々と木がしゃべっているだけではつまらないかもしれませんね。
やはり語りがくどいのは今回の私の最大の失敗のようです。ご指摘ありがとうございます。
これについては、次回同じ過ちをしないように注意することにいたします。
>>87さん
言われてみれば……「センチメンタル」、これだけ妙に浮いていますね。
ここは素直に「感傷的」とでもしておけばよかったと思います。反省。
ちなみに、文章が拙いのは狙ったわけではなく、本当に私の今の実力の限界です。お恥ずかしい話ですが。
あ、ちなみに私としては、
次々回のテーマ……今まで出てきた中では、「海」が一番書きやすそうかな、と思います。
8月のテーマ……私は前回から参加したばかりなので、「過去のテーマ」なんて面白そうですね。
SS保管庫……私は現状のままでいいと思っています。
テキスト文章は正直「あってもなくてもいいんじゃないかな」というのが第一印象でしたが。
以上です。
読んでくださった方々、そして感想を下さった方々、
本当にありがとうございました。
遅れた長文失礼します。
上から順番に、独断と偏見でつけた感想です。今回も総括期間になってしまいました。
『掌の世界』
中々キレイに纏まって、読後感も良い掌編。発展性が感じられないという嫌いはありますが、
仮に一スレ縛りというジャンルがあったならば、上位に来るだろうと思わせるSSでした。
技術:★★★(安定感があります)
構成:★★★(特に論うことなし)
設定:★(目新しいことなし。まぁ、一スレに期待する方が酷なのかもしれません)
テーマ:★★★(ありがちな使い方ではあります)
総合:★★★(良くも悪くも無難といった感じ)
『いたずらな風』
噴き出しました。かのらじチックなみっしーは愉快なり。
『続・いたずらな風』
こんな感じで全キャラやりませんかw
『あおい』
うーむ。ストーリーを楽しむよりも先に、ある種の粗っぽさが幾つか目に付きました。
まず、構成が適当だということ。4レス目、葵が感情を爆発させるシーンでは前振りがないために
唐突感を覚えます。以下も、キャラが動くのではなく、作者に動かされているという印象が常に
付き纏いました。また、心理描写……というより、葵の心中での独り言という形をとった説明が、
随所に挿入されるために鼻につきます。文章は、最初と最後の格闘シーンにもっとスピード感を
持たせたほうがよろしいかと思います。
素直な書き方なのは良いことなのですが、変化球も投げてみられてはいかがでしょう。
技術:★★(説明ではなく、描写が欲しい)
構成:★(時系列を順に描くのではなく、回想を挟むなどするとメリハリがつくのでは)
設定:★★(綾香が崩拳を会得したという設定を生かし切れてないでしょうか)
テーマ:★(ラストだけでは弱いように思います。せめて伏線が張ってあれば……)
総合:★(趣味に合いませんでした)
『屋上には紅い風が吹く』
ほのぼのシチュ。上手く纏めてあるようで、安心して読めました。どうせなら、一レス刻みで
交互に描写した方が、対比がより明確になったのではないかと思います。5レス目と6レス目の
対応が面白そうだったので。
技術:★★★★(リズム感のある描写です)
構成:★★(もっとアクションを緊迫感のあるものにすると、落差があって更に良いかも。
全体としては、さらりと読める点が逆に物足りなさに繋がるでしょうか)
設定:★★★(珍しいクロスオーバーでした)
テーマ:★★★(ラストでの使い方はありがちでしょうか)
総合:★★★(長所と短所が表裏一体なようです)
『思い出は風と共に』
手法上仕方のないことなのでしょうが、どうしても切り株が作られた枠の中で語っているように
思えて、いまいち話にのめり込むことが出来ませんでした。特に、「センチメンタル〜」の件では
思わずこちらが赤面してしまったほどです。いや勿論、ラストは良かったのですけれど、そこに
辿り着くまでの過程で転んでしまいました。
技術:★★★(しかしまぁ、饒舌な樹ですねぇ)
構成:★★(一つのSSとしては、要素が詰め込み過ぎなようにも思いましたが、↓)
設定:★★★★(着眼点は中々面白いです)
テーマ:★★★★(正面からお題に勝負を挑みました)
総合:★★★(1エピソードごとにぶつ切りな印象が拭えませんでした)
『風を祈る二人の姉妹』
Kanonこんぺの「楽園日記」を彷彿とさせる設定でした。文体や雰囲気は大分違うのですけれど。
文章では、視点のふらつきが気になりました。三人称神視点はやや扱い難いので避けた方が
安全かと思います。後は、他の方も言及されておられるようですが、やはり後半の展開に唖然と
しました。結局何が書きたかったのかが良くわかりません。エロでしたら、前半は大幅にカット
出来そうですし、無人島ものが主眼なのでしたら、後半はベクトルがずれてしまっているのでは。
技術:★★★(好みの文体ではありません……が、視点以外は特に不満なし)
構成:★(やるゲーのシナリオのようでした)
設定:★★★(この設定を生かし切れてないかもしれません)
テーマ:★★(風力発電、ですか。確かにイメージが噛み合いません。天下の来栖川グループが
そんな運任せのシステムを取るでしょうか?)
総合:★★(後一歩、突き抜けない感じです)
『手向けの鈴』
雰囲気は好きです。書こうとしたことにも好感が持てます。しかし、如何せん文章量が足りない
ような気が……。もっと綿密に、濃厚に描いて下されば文句なしだったのですが。
技術:★★★(多少怪しい箇所もあるように思いますが、描写の仕方がとても好みです)
構成:★★★(もっと盛り上げるべきところを盛り上げて欲しかった)
設定:★★(特には。手向けということに重点を置いても良かったかもしれません)
テーマ:★★(いまいち、風の必然性に薄いかな)
総合:★★(今後に果てしなく期待します)
『Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜』
タイトルに鳥肌。そして、作者挨拶やら何やらにも別の意味で鳥肌。どうも、SS単体での公平な
感想つけは出来そうにありません。本当に申し訳ありませんが、今回はスルーさせて下さいな。
『風が運ぶ願い』
なるほど、祐一がいなかった場合のifシナリオでしょうか。またもや三人称神視点であるものの、
文章力はそつがないように思います。最後は急テンポになりましたが、冗長になるよりは遥かに
良いでしょう。疑問点はただ一つ。どうしてコンペスレに出したんだろう……。一応風に関係は
あるようですが、真面目に話を追っていくと、栞が風に弄ばれたようにも見えます。この設定なら
別に風を出さなくても良かったのでは。
技術:★★★★(安定感がありました)
構成:★★★(本編との絡め方にも違和感がないです)
設定:★★★(TRUEENDなことはわかるのですが、心情的には安直でもいいから栞に生きさせて
あげたかったかな)
テーマ:★(コンペスレである以上、主題に深く関わることを希望します。あくまでも、自分個人の
見解ですが)
総合:★★★(出し場所を間違えた印象)
『木に揺れる風』
耕一が羨ましくてたまりません。こういう一発ネタは好きです。ただ、星付けをするのはちょっと
難しいですね。
『あいにくの風で』
構成に疑問を抱きました。1レス目と6レス目の頭ですね。言わば、ストーリー上の二重表現
でしょうか。最後の秋子さんの台詞にも少しがっかり。描写でそれを読者に思わせてなんぼでは
ないかと思います。それと8レス目、
>その時、遠くから聞き覚えのある声が祐一に聞こえてくる。
となっているのに、9レス目では
>外では風がびゅうびゅうとうなりをあげていたのである。
と書かれています。あゆの声が聞こえるのなら風の音も同様に聞こえるはずですし、風の音が
聞こえないほど深い井戸ならば、あゆの声も聞こえないのではないでしょうか。些細なことかも
しれませんが、気になりました。
技術:★(1レス目が文章的には一番良かったかもしれません)
構成:★(作者さんの掌の上でストーリーが進んでいるようです)
設定:★★(特筆すべきことなし)
テーマ:★★★(無難といえば無難かな)
総合:★(キャラスレで読んだなら、迷わずマンセー感想をつけていたのですけれど)
以上。
続きが気になる、読みたくなるSSが今回はやや少なめだったように思います。
最優秀賞は逡巡の末、該当SSなしの方向となりました。
優秀賞は、作者の愛が感じられた『屋上には紅い風が吹く』を推します。
特別賞はシンプル一番、『いたずらな風』『続・いたずらな風』に。
今回は『屋上には紅い風が吹く』を書かせていただきました。
頂いた感想をまとめると、今回の作品は、
テンポはいいが、スピード感はない、といったところでしょうか。
あと、全体的に文章が短い。
組手描写に関して、やはり体育会系ではないキャラの限界、というか、
下手に格闘家のような動きをさせると違和感が出ると思ったので控えめです。
スピード感のない原因の一つは恐らくそれでしょう。
攻防が三転とせず、攻、防、攻、防の正味2ターンで終わっているのも一因かも。
瑠璃子さんの電波によるよくわからない加速描写も効果はなかったようです。
テーマに関しては、「風」→「屋上」→「夕焼け」、と突発的に思い、
普通に会話させても面白みに欠けるかなあ、と考え、
ならいっそのこと言葉じゃなく拳で語ってもらおうか、などと悪巧みの後、
よし、夕陽の屋上女王決定戦開催決定、とばかりに悪ノリした結果でした。
タイトルも某HPのもじりですし。完全に勢いで書いてしまいました。はい。
感想に「元ネタゲーム未プレイ」が含まれる記録も更新中です。
いつかは元ネタをプレイしてもらえることを願います。いや、わりと本気で。
今回も、作品のほうは拙作HPの方にアップしましたので、
気が向いたら御検索くださいませ。最萌Tでやった嘘格闘系SSもありますし。
それでは、また次回。
今回はボコボコにされた…。
ええと、つまり星付氏は「いつか見た夢」の作者さんってことかな?
80 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:03/06/07 16:34 ID:osmcXsUY
>>71 Pink Floydがメタル??????
はぁ??????
大体、ビリージョエルとフロイド、どっちがCD売上枚数でかいのか知らんのか…。
>>73 すまない、確かにクールじゃなかったな。
なんていうかな、好きなものを貶されると頭にかっとくる体質なのでな。
ただ、内容とタイトルに差がありすぎるとかっていうだけのいい方なら我慢できたんだが
まるでこの言葉を最初から駄目みたいな言い方されると…ね。
---
なんていうかな、好きなものを貶されると頭にかっとくる体質なのでな。
なんていうかな、好きなものを貶されると頭にかっとくる体質なのでな。
なんていうかな、好きなものを貶されると頭にかっとくる体質なのでな。
なんていうかな、好きなものを貶されると頭にかっとくる体質なのでな。
かっとくる体質なのでな。
かっとくる体質なのでな。
かっとくる体質なのでな。
かっとくる体質なのでな。
かっとくる体質なのでな。
>>137 バカを相手にするな。そんなコピペしてもつけあがるか喜ぶかどっちかだろうが。
またこのスレで同じようなことしたら晒して、感想一切つけないようにする。
それで充分だろ。
>バカを相手にするな。
そっくりそのままあなたに捧げましょう
>>139 そういうこというと、もし万一似たような文体の人とかを長谷部と
勘違いしてしまって、そいつが被害者になるぞ。
143 :
名無しさんだよもん:03/06/08 21:14 ID:hiceH+/h
気質ならまだわかるが、体質っつーのも凄いよな。
どうも、こんばんは。
感想書きのみなさん、HMX氏、いつもありがとうございます。
今回は「いつか見た夢」を書きました。
一応主題らしきものもあったりなかったりたぶんないのですが、頂いた感想を集約すると
難解……というよりも、わかりにくい・装飾多いよ、といった感じでしょうか。
文章に関しては
>>85さんの仰るとおり、完全に趣味なのです。
悪癖だとはわかっているのですが、なんともかんとも。
わかりにくいと大勢の方に言われたことも、これまた反省。
小難しく書いてやろうなどという考えは一切ありませんでした。
単純に筆力不足なのでしょう。今後はしっかり書き込むことを目標にします。
Σ(゚Д゚;)<そもそもこれ、コンセプトは真琴美汐祐一萌えSSだったはずでは
次回があったら、ホントのホントに萌えSSを書きたいなぁと思っております。
それでは。
追伸。
>>136 Σ(゚Д゚;)<しー!
『風を祈る二人の姉妹』の作者です。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
なお、前回は『でんぱのさくら』を書きました。
「風」というテーマは難しかったですね。非常に苦しかったです。
人間が風を必要とするような場合を考えてみましたが、風力発電くらいしか思いつきませんでした。
セリオの頭に風車でも立ててみようかとも思ったんですが、それだけでは話にも何もならないので、
では無人島に流してみれば、風力発電も使い道があるのではないか、と考えました。
それで、こういうお話になったわけです。
エロシーンが突然すぎるという声をたくさんいただきました。
濡れ場が得意でないのは自分でわかっているのですが(決して嫌いなわけではないですが)、
なぜわざわざ無理矢理にまで入れたのかといいますと、いくつかご指摘いただいたように、
「切迫した状況なのに何をやってるんだ」などと思わずツッコミたくなるようなシーンしたかったのです。
そのためには、できるだけそれまでのシーンとの落差が大きくした方が、より馬鹿馬鹿しくなっていいだろうと考えました。
唐突にそんなシーンに入って、あれよあれよというような、頭がクラクラするような感覚を味わえるものにしたかったんですが……
やりすぎというか、もともとの意図が良くなかったようです。
やはり、話の本筋と関係ないことをするのは、まずかったですね。
無理のある設定の連続で、まともな話として面白くなるかどうか自信がなかったので、お馬鹿な話にしようとしたんですけど。
それならそれで、馬鹿度が足りなかったでしょうか。
では、感想をくださった皆様、誠にありがとうございました。
またご指導お願いいたします。
『掌の世界』の作者です。
最近時間がほとんど取れないため、逆に思い切って極短編を目指してみました。
ただ、自身にそれで『お話』として書き込むだけの技量が足りないため、
割り切って「文章で描く風景」というのを趣旨とし、
自分のイメージした一枚の絵を必要最低のパーツと文章のみで表すようにしてみたのが今回の作品です。
今回、私が『風』と聞いた時に一番最初に出てきたイメージは、
「窓からの風を受けながら外を眺める姿」というものでした。
普段イラストを描くときならば物憂げに頬杖をついている女性でも描くのでしょうが、
文章ですから風に何らかの鍵としての意味をこめたいと思い、
その結果、今回のようにありふれた場面に必要なものとして感じるように、
かつそれが露骨過ぎるものとして感じない程度になるように組み込んでみました。
どうでしょう、浩平が帰還した直後の姿が、雰囲気が、 明確なイメージとして伝わったでしょうか?
もしもそう感じていただけたならば幸いですし、そうで無かったならばさらに精進に励みたいと思います。
ちなみに、『掌の世界』というタイトルはこの作品のみのものではなく、
本来は同様の趣旨で書き溜めている文章群全体のタイトルだったりします。
本当はこれ単体にきちんとした題を考えてあげるべきだったんでしょうけど……
こういうところで手を抜いてしまってゴメンナサイ。
あと、行数制限について。
制限って35行でしたっけ?
私、ずっと25行だと思っていたのですが(汗)
あまりにも中途半端なところで切れるのは嫌だし、
かといってパラグラフでレスを分けるのも雰囲気を損なうしと悩み、
一応2レスと言いながらもまとめて投稿してみたら問題なくいけたもので、
ちょっとびっくりしました(苦笑)
今回の総括期間って、いつまで?
>>147 早ければ今日の9時まで。
遅ければいつまでもいつまでも。
高樹のぶ子の選評から抜粋
生活体験の乏しい若い人が、二、三百枚の長篇を書こうとするときの困難さが、
今回候補作六篇を読んでいて、強く印象づけられた。まず、知り得た世界が
狭く限られているので、人間関係が親族中心になりがち。登場人物たちは外部
の異質な人間と知り合ったり格闘したりしない。親や兄弟姉妹、あるいは婚姻
や性関係も含めて、みな同じ小さな円盤の上に乗っている。その小さな円盤上
の人物を動かして小説を書かなくてはならない、となると、登場してくるのは
心理的な病癖である。幻が視えたり記憶障害にかかっていたり。限られた舞台
を小説的に深めようとする場合、病癖はとても便利な道具なのだ。病癖まで行
かなくても、エキセントリックな人物が必要になってくる。
(中略)
「エキセントリックな性格」をもった「限られた人間関係」が、都合よく「説明」
されていく、と言えば少々酷かも知れないが、やはり幼いのだ。それでも単行本は
出版される。賞の候補にもなる。候補になれば受賞するかも知れない。
そうやって、若さという商品価値が消費されていくのだろうか。
何が言いたいのかわからんが
生活体験豊かな奴のほとんどは小説なんて書かないだろう
二次創作に至っては何をかいわんや
討論スレにでも行けよ。
目障り。
152 :
151:03/06/11 22:10 ID:+OgGpObH
他スレからのコピペ。そう悪いことはいってないと思うが、
スルーしる。
正直、そろそろ『投稿期間』に入ってもいいんじゃない?
『総括期間』が2週間は長すぎる
変な煽りも増えるしね
一意見として次回以降に反映させてくれと提言するならともかく、
急にああしてくれと要望するのはどうかと思う。
個々人のスケジュールもあるだろうし。
SSが一つ上げられてると「ほうほう、読んでみようか」と思うけど、
最終日に一気に10個とか出されると「う、時間がある時に読も・・・」ってなるの俺だけ?
俺なんて「うあ、だる、もういいや」って……
今回も俺は感想期間に間に合わなかったわけだが、
投稿期間の最初ら辺に上げられた作品は3週間近く読む時間があるのに対して、
最終日に上げられた作品は1週間しか読む時間が無い。
この差が結構大きいように感じた。
投稿を分散させるような良い案があれば一番いいんだけど、
どうしても集中するなら投稿1週間・感想2週間でいいじゃんとか思うんだが。
構想を練る時間・書く時間の方は1ヶ月以上取れるようになったんだしさ。
だから前に俺があれだけ提案して……!
ってのはともかく。
次々回あたりでもう一度考え直してもいいとおもう。
書き手としてはやりづらいかもしれんけどさ。
発表の場である以上、やっぱり読み手のことを第一に考えるべきだと思うし。
>>160 いや、第一は書き手だな。
他に読み手がいなくても書き手同士で読むという可能性があるけど、
書き手がいなかったら読みようがない。
まあ、両方大事なんだけど。
書き手第一vs読み手第一の論争は荒れるだけだからやめようぜ。
俺も書き手だが、やっぱり最後にくるようなのはどうしても質が
悪くなるものが多いと想ってしまう。
自分もそうだけれど「どうせなら出しとくか」みたいな感じになってしまって
きちんと完成して出せているかどうか。
直前まで推敲したいからって人もいるんだろうけれど、そういう人ばかり
でもないような気がするな。
質はともかく、読む気は減退するな。
全部面白いってわけでもなし、ズラッと並ぶと
よさげなのを探す気もなくなってくる。
じゃあどうすればいいか、ってもうまい案はないわけで。
うぅむ……
165 :
159:03/06/13 00:38 ID:d+QejJUt
全く良い案が思い浮かばないながら苦し紛れに考えてみる。
1週間後が一応の締め切り日という事にして、
延長希望の人が出る度にずるずると最大1週間まで延長できるとか。(ウザがられそう)
1日3作品までしか投稿してはいけない事にするとか。(締め切り直前は修羅場)
普通に感想期間一週間、感想+総括期間一週間で、
最終日に最優秀賞発表と次々回テーマ発表を同時にするのは?
業務連絡です。
現時点をもってテーマ投票を締め切らせていただきます。
投票結果ですが、
次々回テーマ:『海』
次々々回テーマ:『過去のテーマ』(第一〜十六回のテーマから自由選択)
とさせていただきます。
SS収録ページのデザインは現状維持、txtファイルは次回からは省かせていただこうと思います。
投稿期間と感想期間についてですが、とりあえず次回は現状のまま、投稿2週感想1週でいこうと思います。
変更するかどうかなどについては、次回の総括期間のテーマとしたいと思います。
一応、投稿&感想期間中での意見交換場所を用意しました。ご意見有る方は是非ご利用下さいませ。
http://kita-kao.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/test/read.cgi?bbs=sscompe&key=1055435436 第十五回『結婚』の開始についてですが、申し訳ありませんが当方の都合で、
本日6月13日の『午前10時』とさせていただきたく思います。
同じく投稿期間の終了は、6月27日の『午前10時』となります。どうかご了承下さい。
>>146 32行ですよ。行数制限以外に容量制限もありますけど。
あの……
「風」の感想書いてもいいですか?
>>169 ではお言葉に甘えまして。
・掌の世界
エピソードのような印象があって、新規性を求める人には物足りないかも。
でも本編のその後を期待する人には、優しい癒しがあると思う。
・いたずらな風
ニヤニヤしていい? 電波な娘は嫌いじゃないです。
・あおい
主人公の気持ちにはなんだか共感。嫉妬を隠すために卑屈な自分を肯定しようとしてる
とこなんか、自分にとってもヤなセリフでした。
・屋上には紅い風が吹く
言葉で投げつけられるイメージが突拍子もなく、驚きました。でも、とても嫌いじゃない。
思わずフフフと笑っちゃう読後の感じは、とっても悪くないです。
・思い出は風と共に
なんというか、リズムがあって、ぐいぐいと読ませる文章だなぁと感じました。
・いつか見た夢
感覚に訴えかける表現がとても好き。中盤にさしかかり美汐にフォーカスが合ってきて、
タイトルとのリンクをにおわせて終わるのがいいです。
・風を祈る姉妹
ちょっと詰め込みすぎた感じ。連載形式で何話かに分けて公開した方が持ち味を出せたと
思います。展開の面白さという点ではポテンシャルの高さを感じる内容です。
・手向けの鈴
清らかな読後感があります。ただ、本編を知らなければ意味を取りかねるかも。また、
本編を知るならばもう一押し、盛り上がりが欲しいところでは、と感じました。
・Wish You Were Here〜あなたがここにいてほしい〜
新しい情報を違和感なく物語に織り込む技術がとても良いと感じました。語り口や
登場人物の振る舞いは生き生きとして魅力的です。終わり方も味がある。佳いです。
・風が運ぶ願い
短編としてすっきりとまとまった内容が素敵でした。恐く悲しいお話ですが、読むうち
人物達の温かみが伝わってきます。精一杯生きて、という主張がとても佳いです。
・木に揺れる風
思わず何度もお読み返したくなるシチュエーションです。楓の嫉妬が可愛いです。
・あいにくの風で
面白いプロットだと感じました。それだけに、この長さでは消化不良という印象で、
少々残念でした。
>次々々回テーマ:『過去のテーマ』(第一〜十六回のテーマから自由選択)
>とさせていただきます。
「なんでもあり」は廃棄されたのれすね……。
某所こんぺ並みの力作群を期待してたのだが。
ていうか、この数百行書いた草稿はどうしよう……。……とりあえず、寝よう……。
感想を一つだけ投下します
・風を祈る姉妹
正直言いまして、この作品は楽しめました。作者の意図とは違った意味で(藁
文章として読見やすくて良いのですが、突っ込みどころが大杉(;´Д`)
>豪華客船だろうがなんだろうが、沈むときは沈むのである。
普通、豪華客船はすぐには沈みません。
あのタイタニックでさえ、救命ボートを降ろす余裕はありました。
その余裕すらない状態というと……大津波に襲われたとか、台風が直撃したとか、魚雷が命中(?)
して轟沈とか、海に投げ出されても生きている確率が低そう。
せめて、セリオの操縦していた自家用ジェット機が故障して不時着の方が良かったのでは?
>船からナイフを二本持って来ました。
豪華客船にサバイバルナイフって常備しているものでしょうか?
そんなもの探し出す余裕があるのなら、ライフジャケット持ってきたほうが良いのでは?
>「風力発電です」
あの足の中に、プロペラとか入っていたのでしょうか?
>セリオがポケットに少しだけ缶詰を持ってきてくれていた。
そんな物持ってくる余裕があるなら、発煙筒もってこ来い。
>サケのような川魚やら
普通、鮭のように大きな川魚がいる川となると、かなり大きめの川だと思うのですが……。
小さな無人島には無理です。
>「私の腕に信号弾が装備されています。それをお使い下さい」
一番最初に教えとけ!(゚Д゚)
他にも細かなところ突っ込み出したらきりがないので止めておきます。
確信犯という事は読んでいて判りましたが、もう少し考えようよ(;´Д`)
ただ、この作品が、今回のテーマで一番印象に残りました。良い意味でも、悪い意味でも(藁
【告知】
第十五回投稿テーマ:『結婚』
投稿期間: 6 月 13 日の午前 10:00 から 6 月 27 日の午前 10:00 まで。
テーマを見て、思いついたネタがあればどんどん投稿してみましょう。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)
※投稿される方は
>>2-4 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが
・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない
※の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。
それでは、投稿開始っ!
# また、次回のテーマは『海』で、開催時期は 7 月中旬になる予定です。
>>172 今回の総括期間の書き込みでは、「過去のテーマ」の方が多かったようでしたので。
申し訳ありませんが、ご了承下さいませ。
「欲ばりなエンゲージ−リング」投稿します。
ONEです。ネタバレ少しあります。
りんご〜んりんご〜ん
丘に立つ教会の鐘が派手に鳴る。
それは結婚の象徴。
式は10:00からの予定だったが、大幅に遅れてお昼近くに
なってしまった。
いや、正確には今だに遅れ続けているのだが・・。
「だからっ!折原はあたしに惚れてんのっ!」
「でも、やっぱり浩平を一番分かってるのは私なんだよ」
「浩平くんはわたしに後悔しないって言ってくれたよ?」
「川名先輩、それは冗談なんだよ」
「ど、どうして?」
「浩平の今までの行動パターンを考えると・・ほにゃららほにゃらら」
「七瀬さんの場合・・。単に、その制服が好きなんだと・・思います」
「な、なんですって!?あたしじゃなくて制服がっ!?」
「・・はい」
「そ、そんなわけっ・・。ならっ、あんたも取り寄せて着れば
よかったじゃないのっ!」
「・・ふっ。嫌です」
「きーーっ!!」
女4人の争い。
醜い。
そもそもは、チャンスとみると誰とでも節操なく繋がってた自分に
原因があるのだが・・。
それにしてもギャーギャー、ギャーギャー耳がおかしくなりそうだ。
そんな光景を前に長引く事を察知した列席者一同は、漫画を読んだり
UNOをやったり、適当に時間を潰している。
その時、正面玄関が勢いよく開いたっ!
バタムッ!
「まぶしいっ!」
天井のステンドグラスの明かりを頼りに薄暗かった教会内へ、
強烈な光が差し込まれる。
その真っ白い世界の先にいた者は・・・・浮浪者か?
結婚式とはかけ離れた、その浮浪者と見まがう出で立ちに、
列席の面々も困惑気味だ。
しかしそいつがそんな事を気するはずもなく、一直線にズンズン
俺の方へ歩き、少しだけ頬を赤らめながら一枚の紙片を差し出した。
「こ、これはっ!」
「みゅー・・(ぽっ)」
こいつもか。
それはどこで調べたのか俺の住所や本籍、親類関係まで逐一
書き込まれた婚姻届だった。
後は俺のサインと印鑑を待つばかり・・って、こいつはそもそも
何歳なんだっ!!
「あんた・・ガキだガキだと思ってたけど、ついにライバルに・・」
「私、繭の事好きだよ。でも、浩平は渡さないんだよ」
「あうあう・・。見えないよ〜」
「・・子供ですね」
「みゅー!」
ドガッシャーンッ!!
その大音量に教会全体が揺れる。
「うわぁっ!」
「な、何っ!?」
「やはり・・来ました」
それは二人目の来訪者。
粉々に砕け散ったステンドグラスをばりばり踏みしめながらそいつは
パッと起き上がる。
ガラス片を軽くはたくと、背負っていた長方形の物体をしっかと
手に持ち直した。普段のとろくさい動作からは想像もつかない機敏さだ。
そして1回大きく息を吸い込むと、意を決したかのように巨大な
スケッチブックをかざしながら突撃開始!
そこには馬鹿でかい文字で「結婚なの!」と書かかれていた。
「ふっ・・。まさかそんなところからやって来るとはね」
「・・詩子まで・・来ませんよね?」
4人が6人になり、口論はさらに熱を増す。
ギャーギャー、キーキー奇声がうるさい。
俺はそんな醜い光景を傍観しながら・・幸せに浸っていた。
何はともあれ校内屈指だった美少女6人が、俺を求めて争っているのだ。
これが幸せと言わいでか!
・・はっ。幸せな時間?
この感覚・・覚えがあるぞ!
「この幸せが永遠に続くと思ってた(ボゴォ)」
「続くかぁっ!このアホォっ!」
「・・痛い」
七瀬の裏拳が顔面を直撃する。
鼻の骨が折れたようだが、はっきり言って幸せだ。
「折原、この際すっぱりきめてよね!誰を選ぶの?あたし?」
「浩平、私だよね?」
「浩平くん・・やっぱり私じゃだめなのかな?」
「みゅー!」
「(バッ!)『結婚なの!』」
「浩平は・・私のものです」
うーーっうーーっうーーっ・・
俺は必死に誤魔化しながら全く別の事を考えていた。
誰かを選べばこの幸せが終わってしまう。
何か方法があるはずだ・・何か都合のいい抜本的な解決方法が・・。
「みんな・・聞いてくれ」
「え?」
今にも掴み合いになりそうだった6人が口論をぴたりと止まり、
一斉にこっちを向く。
俺の一言で従順に動く6人。
ああ、なんてかわいいんだ!
この幸せ、何が何でも終わらせてなるものかっ
「今の俺の気持ちを正直に伝えるとだな、誰も選べない」
「・・・」
「6人とも・・みんな・・素敵でかわいくて・・大事な、
俺にとってかけがえのない大事な人なんだっ」
「・・・浩平」
「みゅー・・」
「浩平くん・・」
「でも、このままじゃ済まない。百も承知だ。よく分かってる!
時間は常に動くものだから・・」
「・・・」
「だからっ!!」
「・・・(ごくり)」
固唾を飲む一同。
全てを飲み込み、克服し、なお余りある究極の選択。
遊んでいた列席者も、いつの間にか一人残らずが俺の次の言葉を待っていた。
ふっ。
キめるぜ、こんちくしょう。
「みんなで留年しようっ!」
「・・・・・・・・・・」
「それでもう一年みんなで学園生活を満喫してだな、
それからまた考えればいいんじゃないか?」
そんで来年もまた留年すればいい。
我ながらグッドアイデアだと思った。
さすがに高校に行きながら結婚生活は難しいだろう。
保留、保留。
由起子さんを思うと少し心が痛むが、学費はバイトでもすればいい。
「あれ?どうしたみんな?」
水を打ったように静まり返る式場。
「最低(一同)」
「え?」
「あんたバカじゃないのっ?」
「解決・・してない?」
「殺人的に解決してないわよっ!
ああ、一時でもこんなアホに入れ込んだなんて不覚だわっ」
「浩平ってやっぱりバカなんだね・・」
「な、なんでだよ。どうして・・?」
「浩平・・頭おかしいです」
「浩平くん、わたし卒業してるんだけど・・」
「うー・・やっぱこーへー、いらない」
「(ばっ)『成田結婚なの』」
「ば、バカな・・さっきまで」
「アホねぇ。女心は移り気が激しいのよ」
「浩平がもう少し大人になったら考える事にするよ」
りんご〜んりんご〜ん。
リミットが鳴る!
「・・・うー、お昼ごはん」
「(ぺらり)『お寿司』」
「みんなで・・山葉堂行きませんか?騒いだらお腹が減りました・・」
「あ、それいいかも」
「うん。そうしよっか」
さっきまでの熱気が嘘のように、わいわい仲良く教会を後にする6人!
あんなに俺を取り合ってたのに・・なぜなんだっ!
「さすが折原の結婚式だな。訳わからんわ」
「いや、式挙げてないだろ」
「とりあえずパーティー会場の食い物だけはGetしようぜ」
列席していた住井や南森の感想は他人事だった。
何かが顔の前をヒラヒラかすめる。
よく見るとそれはビリビリに引き裂かれた婚姻届。
このかけら、集めた方がいいのか?
こんなに悲しい事があるなんて知らなかった。
知らなかったんだ。
俺、居るんだぜ?
そんでまた、つい求めちゃったんだ。
今度は長くなりそうだ。
〜Fin〜
すみません。名前」欄が表題なんですね。
色々確認したつもりだったんですが、レス数も抜けてました。
本当にごめんなさい・・
その辺の事は「読みやすいから出来れば」と言う程度で、強制ではなかったはず。
あんまり気にしなくていいと思うよ。
>>187 ありがとうございます。
でも、やっぱりみんな統一した方が読みやすいですよね。
今後気を付けます。
>HMX73059.I氏
いつもごくろうさま。
仕切ってもらえるのは有り難いんだけど、
できれば締め切る前に一度「あと三日で〜」とか、
アナウンスを入れるようにしてくれないかな。
意見が出そろった(と見えた)後、まとめの段階があった方がいい。
唐突な印象もなくなるし。
主宰さんも都合があると言っているので是が非にでもとは言わない。
けど一考してもらえると嬉しい。
>>189 それはある。前も「いきなり締め切られて…」って声がなかったっけ?
総括期間がきっちり区切られてるわけじゃないからね。
特に一番乗り狙ってる人にはきついでしょう。俺からもお願いしときます。
>総括期間がきっちり区切られてるわけじゃないからね。
基本的には1週間の筈です。
ただ、議論がまとまらない時に限り+α 延びる事になっているわけで。
まあ、総括期間区切るのは、1日前とかでいいんじゃない?
正直、才能の無い人間は不特定多数に向けての表現行為はしない方が良いんだが…。
最近は手軽に行えるので「枯れ木も山の賑わい」「裾野が広くなければ山は高くならない」
のような勘違いをしてる人間が増えたが、現実的にはノイズを増やして迷惑をかけている
だけ。
なんだ? 急にノイズが……
煽ってる暇あるならSS書け
ほしゅ
ほしゅ
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレでは投稿作品を募集しています。
今回のテーマは『結婚』です。
投稿の締め切りは 6 月 27 日の午前 10:00 までとなっています。
テーマを見て、思いつくネタがあればどんどん参加してみましょう。
その際に
>>2-4 のルール、FAQ に一度お目通しを。
また、次回のテーマは『海』で、開催時期は 7 月中旬になる予定です。
「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方は、こちらの執筆に
力を注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
>>189 >>191-193 承知しました。次から参考にさせていただきます。
HAHA!
200げとー
( ´_ゝ`)流石だよな
201 :
名無しさんだよもん:03/06/18 00:08 ID:N3Q8OAb9
創作の原理と市場の原理が本質的に解離してるので永遠の問題ですね。
ちょっと違った視点で云うと読者にとって未知のもの・異質なものを
提示するのが古典的な意味での「表現」です。
しかしこの手のSSでは同質で既知のパターンを大量生産している訳だけれど
作り手と受け手の関係はどうなるのか?という疑問を持ってます。
ほしゅ
あと少しなんだが、あと3割で書き終えるんだが、
筆がすすまないのは、なじぇ・゚・(ノД`)・゚・。
今から投稿します。レス数は六回分です。
内容は『スタッフ』もの。
「駄目だ!」
何が駄目かと簡単に説明すると――
「絶対に間に合わなねーよコンチクショウ!」
刻は1999年初冬ーー
つまり、kanonのシナリオが落ちそうなのである。
「久弥ー! 締め切り延ばしてくれ!」
「……またかい、准?」
「ああ、まただ。しかし、シナリオのクオリィティを落とす訳にもいくまい」
「まあ、当然だね。今回は、僕の企画であることだし、そうされると困る」
「分かってるよ。ONEの時は世話になったしな……」
「それに、大事なKEYとしての初めてのソフトになるからね」
だが、と久弥は剣呑な目で准を見やった。
「准は音楽の方に初め力を入れてたから、こういう状況になるんじゃないのか?」
「ぐわ、きつ。俺が音楽を聞きながらシナリオ書くのは、久弥だって知ってるだろう」
「知ってる、でもそれでシナリオを疎かにするんじゃあ、本末転倒もいいとこだよ」
「いや……俺もメインが久弥より一本分、少ないからな。油断してた……」
「確かにそうだけど、准は……佐祐理シナリオも追加するらしいじゃないか?」
「おうよ、『kanon-外伝ー、さゆりん☆さーが』。これで、オタクもいちころさ、ボブ」
「なぜ、そこだけアメリカンなんだ、というか――ボンジュール?」
「あははーっ、ジュテーム」
何故か二人は、互いに肩を叩きながら大笑いした。
「にやり」と握手すら交わしている。
「……あいつらヘンでしゅ」
「みきぽん、見ちゃ駄目よ。麻枝がうつるわ」
「久弥の方はすでに感染してるんじゃないのか?」
「バイオハザード発生ね」
開発室の隅では、四人の男女がひそひそと囁いていた。
「だが、准。すでに発売日は雑誌に告知してしまったぞ。どうする?」
「まあ、それなんだが。これを見てくれ」
「……うん? 何だこれ?」
手渡されたものを見た久弥の目に困惑の色が混じる。
『kanon-外伝ー』
超大作RPG『さゆりん☆さーが』企画概容ーー
あるところに少女ありて、
まあ、少女って言っても十八才以上なんだけどさ。
大人の都合ってやつ。
でも見た目は、アレなんだ。
ほら、分かるだろ?
というか、少女がいるんだよね。
魔法のステッキを持って、
ビシバシ魔物を張っ倒して行くんだよ。
魔法? いやさ腕力さ。
つまり、魔法少女さゆりん。やったね。
え? どこら辺が魔法かって?
うーん、何ていうか。
あは波ーっ、とか使えそう、かなーなんて。
「えい!」
「わ、俺の企画書が!」
久弥はびりびりと力の限り企画を破る。
「久弥――何すんだよ!」
「こんなものの為に発売日を伸ばせると思うか?」
涙目で語る准に久弥は冷静に言う。
「く! 俺が三日間寝ないで上げた企画書だぞ! どうして?」
「三日も掛けるなこんなもん!」
「こんなもんだと! 最後まで見ないで――久弥ちんの馬鹿!」
「馬鹿という奴が馬鹿だ! やーい馬鹿!」
「何を! 俺はアホだ! 訂正しろ?」
「このアホ」
「わ、むかつく。しかも即答? つーか誰がアホちんだ!」
「どうしろと言うんだ!」
「あいつら何か――駄目人間?」
「とても、業界を代表とするシナリオライターには見えないでしゅ」
「久弥もすでに麻枝がうつっているか。手遅れだな」
「……と言いますか、誰も止めないんですね?」
「だって、見てて面白いもん」
いたるの言葉にしれっと答える他三名だった。
「くそ。確かに俺は音楽作ってて遅れてるよ」
「ふふん。分かってるじゃないか」
「でも、お前なんか折戸さんに『ヒロインらしい曲』とか発注して困らせてたじゃないか」
「あ、あ、あ、言っちゃいけないことを。よくも言ってくれたなっ!」
「ほんと? 折戸君?」
「ああ、ありゃあきつかったわ〜」
「うーん、久弥君らしいけどね」
「でも、栞のストールの柄はCG泣かせでしゅ」
四人は少し早めの休憩、ティータイムを取っていた。
「准だってKanonのPR文に――
『カスタマイズ――イカスナイス!』を掛けた死語連発してたくせに!」
「過去の古傷を! アレは魔がさしたんだぁー」
しかし准も黙ってはいない。
「スーパードールリカちゃんの面白さも分からないくせに!」
「別にいいわーンなもん!」
「何でだー! リカちゃんなんだぞー!」
「リカちゃんなんて見ない! 見れない! 見れるかーーーーーーーーーーーー!」
「ま、マコピー語を――人のネタ使うなんて。だったら、俺は!」
准は手を頬に添えてにこやかに笑う。
「了承」
と、准は気づく。
「――しまった! 了承してしまった! というか、しまった連発!? 駄洒落は俺の趣味じゃねー!」
「もういいよ准……」
優しい目で久弥は准を見て頷く。
「久弥……」
准も縋るように久弥を見た。
「スーパードールリカちゃんを見て、『さゆりん☆さーが』を創りたくなったんだろ?」
「……ああ」
「本当は、大作RPGが出来るなんて思ってなかったんだろ?」
「……ああ」
「本当は、真琴シナリオが遅れてて、佐祐理シナリオに逃避してただけなんだろ?」
「…………ああ」
「本当の本当は、『狂気少女めりけん☆かおりん』にしたかったんだろう?」
「……いいえ」
流石にそこは譲れなかった。
「何でだ! 良いじゃないか『めりけん☆かおりん』だぞ! 最高だぞ!」
「俺は『まじかる☆さゆりん』が良いんだ! 魔法と剣の世界にめりけんさっくは用無しだ!」
「じゃあ延長はなし。真琴シナリオとっとと書いて来い!」
「俺の『さゆりん☆さーが』企画を――ちくしょう! 久弥ちんのアホちんの分からんちん!」
准は不貞腐れて自分の机に戻った。
「勝負あったわね」
「いやはや、久弥もYETさんほどではないが、麻枝の使い方が上手くなった」
「くわー、子供の喧嘩を見てるようでストレス溜まるでしゅ!」
「みきぽん、禁句をさらりと言わないで……」
四人も作業に戻るべくそれぞれの机にと戻った。
「くそう! 久弥をぎゃふんと言わせるシナリオを書いてやるぜ!」
准はパソコンを起動させると物凄い速度で打ち込んでいく。
真琴シナリオ終盤――
甦った九尾! 世界は混沌の闇に飲み込まれていく。
「相沢さんは九尾の真琴、覚醒の生贄に選ばれたんです!」
「何だって! じゃあ、真琴は……」
「もう手遅れです。覚醒するに当たって今までの記憶は消えていくことでしょう」
死体と血痕に満たされた雪の街での戦い!
人類は敗れるかと思われたその時――
「……祐一さんはやらせません」
「誰だ!?」
「どこだ? どこにいる?」
「――見ろ! 学校の屋上だ!」
「魔法少女まじかる☆さゆりん――天に代わって九尾を滅殺です!」
突如、出現した謎の美少女、まじかる☆さゆりんに世界の命運は委ねられたのだ!
そして、准は久弥にシナリオを見せに行った。
「ぎゃふん!」
と、言わせて准は恍惚の表情を浮かべた。
「何だコレ? というか何でだ!」
「いや、今まで書いた『さゆりん☆さーが』のシナリオ無駄にするのもどうかなって……駄目か?」
「駄目! 絶対に駄目! 世界観めちゃくちゃ!」
「でさ、『まじかる☆さゆりん』の正体は実は佐祐理で、祐一はびっくりするんだよ」
「冷静に続きを言わないでくれ!」
「そして、戦いを乗り越えていく過程で二人の間に芽生える感情……それは、恋? いやーん」
「人の話し聞けよ! 頼むからさ!」
「なに! じゃあ、俺の書きたい最後の祐一と佐祐理の結婚式のシーンはどうしろと言うんだ!」
「これ真琴シナリオだろ? 祐一と真琴が結婚する展開にすりゃあいいじゃないか!?」
准の動きがぴしっと石化して止まる。
「………………………は!」
「何か、今初めて気付きました……とか言う顔するのやめてくれ……」
「くくく、流石は久弥。俺のライバルだけはある」
額の汗を拭いつつ准は言った。
「いや何つーか、全然、嬉しくないんだけど……」
「しかし、問題は書き直してる時間がないことだが……久弥ちん、どう?」
「分かった。僕が悪かったよ。
准を計画表通り動かすなんてナンセンスだった。延ばせばいいんだろう? 延ばしてやるさ!」
「本当か? やったー! これで存分に真琴に愛を注ぎ込めるぜ!」
「もう、いや……」
『どうしてKEYのゲームは遅延するの?』と言われるとすごく困って返事が出来ないという話し。
余談だが、久弥はこれが原因でブランド脱退を決意したとか何とか。
以上です。
今回は早めの投稿してみました。
【告知】
締め切りまで一週間を切りました。
作品の執筆は計画的に。
今回のテーマは『結婚』で、締め切りは 6 月 27 日の午前 10:00 です。
また、次回のテーマは『海』で、開催時期は 7 月中旬になる予定です。
さらに、次々回のテーマは:『過去のテーマ』(第一〜十六回のテーマから自由選択)で、開催時期は 8 月になる予定です。
「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方はこちらの
執筆に力を注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回及び次々回の募集開始までお待ちください。
香里「……」
祐一「どうしたんだ? キーボードに突っ伏したりして」
香里「……ぶった……」
祐一「は? ぶった? 誰かに叩かれたのか?」
香里「また被った! あたしがレスしようとしたのに!! 誰に断ってあたしのネタ使ってるのよホント!!!」
祐一「……また掲示板か……なになに、ケコーンしてください? はは、香里もてもてだな」
香里「冗談じゃないわ……鏡見てから出なおしてきなさいよ……と」
祐一「ひでえ……しかも書き込むんかい!」
香里「でもあたしもまだまだね。こんな素人みたいな被り方するなんて。牛鮭定食どころか、ギョクとか言って通ぶってる人すら笑えないわ」
祐一「どっちもどっちだと思うが……」
美汐「あ……」
祐一「どうした?」
美汐「ちょっとこちらを読んで頂けますか?」
祐一「なになに? ……えーと、ケコーンしてくだちい……なんだこりゃ」
美汐「そんな、こんな昼間から、しかも学校のPC教室でプロポーズだなんて!」
祐一「……は?」
美汐「なんて大胆な……少々破廉恥な気もしますが、それがまた男らしいと言うこともできるのかもしれません」
祐一「ええと、天野さん?」
美汐「でも確かにこういったシチュエーションに劣情が刺激されるのはわかりますが人もいますし私達もまだ若いですし心の準備と言うものもありますし」
祐一「……おーい」
美汐「これからの午後の授業もありますしもしもし万が一衣服を汚したりしたら大変な事になりますしああっでもお気持ちは痛いほど!」
祐一「ええと」
美汐「いいんですよ私は……!」
終わり。
唐突でスマソ
それは式前夜のこと。
チーム一喝鋼の掟に乗っ取り、制裁は行われた。
美穂は床で眠る玲子の耳を掴むと、乱暴に引き起こした。
痛みで彼女が目覚めたようだ。
「・・・・・・!?・・・・」
突然の出来事に唖然としている。
そのまま一気に左耳を引き千切り、金属バットを胸に叩き込む。
「・・・くふっ・・・」
壁に勢い良く叩き付けられ跳ね返ってきた所へ、今度は顔面にフルスイングだ。
「がっ!」
鼻が潰れ、折れた前歯がこぼれ落ちた。頬骨も砕けたのだろうか、
顔が奇妙な形に曲がっている。
顔を抑えてうずくまったところへ、まゆが後ろから歩み寄る。
そして彼女の両腕をつかみ逆にねじりあげ・・・一瞬、宙に体を浮かすと、
全体重を掛け、自分諸共床に倒れこんだ。
「ぎゃうふっ!!」
両腕が嫌な音を立てた。間違い無く根元から両方とも折れたろう。
続けざまに玲子の両腿をバタフライナイフで滅多刺しにする。
「ぐふうっ!!」
くぐもった悲鳴をあげた彼女の腹にもまゆはナイフを突き立てた。
「ひぎゃ!!!くうううううう・・・・・」
「ちょっと!もう殺しちゃったの!?死んだら遊べないんだよ?」
夕香が声をかけると、美穂がクスリと笑う
「大丈夫よ。奥様はそれくらいじゃ死なないの・・・よっ!と」
這って逃げようとしていた玲子の横腹に、彼女のつま先がめり込んだ。
「・・・・・・っ・・・・・・ごふっ・・・!!」
血を吐き悶絶する玲子。半分失神している。
「頑張ってよ、玲子。まだまだ…まだまだこれからなんだから」
夕香は、悶える玲子の上に馬乗りになると、大きな棘の付いたメリケンサックを
両手に装着し、そう言って微笑んだ。
ぐちゅっ。
ぐちゅっ。
ぐちゅっ。
それはハンバーグ用のひき肉をこねる音によく似ていた。
2人がかりで大の字に取り押さえられた玲子に夕香が馬乗りになっている。
メリケンサックを装着した拳で、柔らかい顔面を何度も打つ。打つ。打つ。
拳撃の度に肉が千切れ飛び、部屋の壁にへばり付いた。
部屋に血の臭いが充満していく。
まるで粘土のように玲子の顔は変形していった。どんな形も夕香の思うが様である。
鼻を砕いてからさらに同じ部分を殴打し骨を肉に埋め込む。
細い顎が気に入らなかったから頬をがつがつ殴る。たちまち腫れ上がり豚のできあがりだ。
途中から、玲子の反応が全く無くなったので、心配した夕香は呼気を確かめる。
ひゅう、ひゅうと短い息の音。玲子の生が判るとほっとため息をつき、夕香は美穂と交代する。
「まだ終わらないよ…。あたしの後はまだ、まゆの分が残ってるんだからね…」
最も単純な暴力による制裁は数時間続いた。
度重なる鉄の衝撃で全員の手が潰れなければ、一晩中殴り続けていただろう。
玲子の顔面はもう人としての原型を保ってはいなかった。
目鼻の判断もつかない。性別すらも判らない。
砕けた骨と潰れた肉の混じり合った皮袋である。
…しかし、彼女の死に顔に表情があったとしたら、それは笑顔だったに違いない。
青春を共に過ごした、チーム一喝の友人一堂に看取られて逝ったのだから。
以上です。
今回は早めに投稿してみました。
>>221 ダークものは初めにきちんとジャンルを書いた方が良いよ?
こういうの嫌いな人もいるから。
それコピペ。放置しとけ。
本当なら元のをリンクしてくれ。じゃなきゃ他の人間には判断できん。
226 :
223:03/06/21 03:17 ID:1hw7aWob
ありがとう。少なくとも俺(225)と224は初見だったモヨリ。
今後もこういうのはみつけたら即各自報告すべ。
作者が同一人物で、別スレに貼った後でコンペに出してみた、って場合はどうするの?
それならそのことを明記した上でコンペに出せばいい。
今回のは名前変えたのもあったという報告もあるし、
玲子スレでもコピペ指摘されてるので、
陵辱スレかなんかからでたものなのだろうな。
本人が陵辱スレに書いた後、玲子スレにも投下、そしてコンペに出品の場合は(r
>>230 同じでしょ。
なにも説明がないならコピペと取られても仕方ない。
さゆり「あはは〜、私、こんな服着るなんて思ってなかったよ〜。」
舞「・・・はちみつくまさん。」
ガチャ。
祐一「準備できたか、二人と・・・も・・・」
さゆり「?どうしたの?」
祐一「い、いや、その・・・なんていうか、あの・・・」
ビシッ!
祐一「イテッ!?」
舞「・・・早く言う。」
祐一「ああ、いや・・・その、二人とも、似合いすぎてて、さ。綺麗だよ。」
ポカ!
祐一「イッテ!なにすんだよ舞!!」
さゆり「あはは〜、舞は照れてるんだよ〜。」
ポカポカ!
さゆり「キャ〜〜〜♪」
「すみませんが、そろそろお時間でございます。」
祐一「あ、はい。今行きます。さあ、行こう。舞、さゆり。」
さゆり「はい、祐一『君』!!」
舞「・・・はちみつくまさん。」
俺たちは、今日、結婚する。
といっても、もちろん形だけだ。
正式な結婚はできないものの、それでもいいと二人は言ってくれた。
同居を始めて早2年。俺も高校を卒業し、現役大学生として二人と一緒の大学に通うことができた。
高校最後は地獄だったな・・・なんてったって、俺には二人みたいな頭は無かったからな。
おっと、こんな席でこんなこと考えるのは不謹慎か。
それにしても、思ったより結構な人が集まってくれたな。
さゆり家の親類と、舞家の親類。それと俺の親父とお袋。
あとは・・・ん?あそこで軽く手を振ってくれてるのは、北川か?
そうか、来てくれたんだな、北川『夫妻』も。
実は、北川と香里は、高校を卒業するとすぐに婚約したんだ。
付き合いだしたのは、あの時だ。あの時香里が俺に抱きついたのを何処からか北川が聞きつけたらしい。
そして香里に、「どういうことだよ!」と問い詰め、
すると香里が、「どうしてあなたにそんなこと言わなきゃならないの?」言った。
そこで北川が、「どうしてもこうしても、俺が一番お前のことを好きなんだ!ほかの奴には渡さねぇ!!」と・・・
まあ、売り言葉に買い言葉って言うか、勢いってやつだな。
だが、香里は今でも「それがプロポーズの台詞よ♪」と北川をからかっている。さらに、北川が言うには、
ギュッ!
北川「(イテッ!?)」
香里「(いつまで手を振ってるの?恥ずかしいじゃない!)」
・・・完全に尻にひかれてるそうだ。哀れな奴。
「う・・・ぐ・・うぐぅ・・・」
うん?泣き声は・・・あゆか?
あいつは、あのタイヤキ屋のところで修行をしてるんだそうだ。
俺は「おいおい、客に炭食べさせて大丈夫か?」とからかったんだが・・・
この前あいつの作ったタイヤキを食ったら、不覚にもうまいと思ってしまった。くそう。
それに、あいつはあの「うぐぅ」とか「ボク」とか言う口癖を克服したらしい。
今じゃあのタイヤキ屋は、『美人(?)が作るおいしいタイヤキ』で大人気だ。
やっとあゆも、大人らしい大人に・・・
あゆ「ぐす・・・うぐぅ・・・祐一クン、ボク、ボクゥ・・・」
訂正。『子供っぽい』大人になったようだ。
そうなんだよな。あいつ、俺の前だとまだあの癖が出るんだよ。なんでだろう?
あ、でも、あゆはいるのに真琴はいないのか。まあしかたない。
あいつは保育士の仕事が忙しいからな。
なんと、真琴は意外にも、もう一度保育氏として働き出したんだ。
正確には天野の保育士『見習い』なんだけど。
まさか天野も保育士になるとはな・・・
保育園では、天野は『美汐お母さん』、真琴は『真琴ちゃん』の愛称で呼ばれてる。
どうやら、天野はあのおばさ・・・ゲフン、『物腰が上品』な所がお母さんっぽく見られてるようだ。
そして真琴は・・・まあ、精神年齢低いからな。お姉ちゃんのようにしか見えないんだろ。
それでも、二人とも保育園の保母さんの中で一二を争うほどの人気だそうだ。これもまた意外。
だが、一番意外なのは・・・
栞「(ふふ、祐一さん、幸せそうですね。私もいつかあんな結婚式、してみたいな〜。)」
久瀬「(それは、プロポーズと受け取っていいんですか?)」
栞「(わわ!な、何を言うんですか!?)」
久瀬「(・・・クス、冗談ですよ。)」
栞「(えう、そんなこという人、嫌いですぅ。)」
・・・やっぱりこいつらだ。
まさか、栞と久瀬がくっつくとはな〜。予想もつかなかったぜ。
栞は高校に入ってすぐに生徒会に立候補。そこで久瀬と会った。
そして、ここだけの話、久瀬はなんと、舞のことが好きだったそうだ。本人から聞いたから間違いない。
久瀬は、何とか舞を守ろうと生徒会の中で一人頑張っていた。
しかし、他の生徒会員がこともあろうに理事長に訴えた。
いくら久瀬でも理事長には逆らえない。だから、せめて自分の口で生徒会の意思を伝えたかったんだそうだ。
そして、そんな優しい面を栞は好きになったらしい。
いやでも、なぁ?さすがにびっくりしたぞ。あいつらが付き合いだしたって聞いたときは。
香里に聞いても「あたしも驚いてるのよ」って言われるし、栞にも「そんなこと聞く人、嫌いですぅ」って言われるし。
でも、あいつらがそれでいいって言うなら、それでいいんだろうけどな。
それにしても、名雪までいないなんてどういうことだ?あいつは「絶対行くんだお〜!」って言ってたのに。
あ、そうか。マスコミがうるさいのか。もう一般人じゃないしな。
名雪は今陸上会の期待の星だ。さすが元陸上部の部長さんだ。
なんてったって、プロ宣言してから初のマラソンでいきなり日本新をたたき出したんだ。マスコミが黙ってるはずが無い。
それに―これは俺と名雪だけの秘密だ―あいつ、高校の卒業式の日に大寝坊しやがって、遅刻しそうになったんだ。
そしたら、「百メートルを7秒で走ればまだ間に合うよ!!」とか言って俺を無理矢理引っ張って、マジに学校に間に合ったからな。
あと、秋子さんは副職にしてたジャム屋が大当たりして、『A・M・J』として超大手会社に成り上がった。
秋子さんは、「まさか副職が当たるなんて思って無かったわ。」って言ってたけど・・・じゃあ、あなたの本職は何ですか?秋子さん。
さゆり「(祐一君?)」
舞「(・・・祐一?)」
祐一「どわ!?」
クスクスクスクス・・・
舞「(・・・何やってる?)」
祐一「(っと、す、すまん。)」
イカンイカン。ちょっとボーっとしてたみたいだ。
さゆり「(祐一君、出番だよ?)」
舞「(・・・祐一、行く。)」
祐一「(お、おう。)」
さあ、ここから気合を入れていこう。結構緊張するし。
神父「汝、・・・達、健やかなる時も、病める時も、互いに愛し合うことを誓いますか?」
神父の、ちょっと変わったお決まりの台詞。
さゆり「あはは〜♪」
舞「・・・はちみつくまさん。」
神父「は?」
祐一「あ、いえ、続けてください。」
さすがに神父も途惑うか。しかたないけど。
神父「ゴホン!あー・・・汝健やかなる時も、病める時も、互いに愛し合うことを誓いますか?」
祐一「誓います。」
あたりまえだろ?
神父「では、指輪の交換をしてください。」
俺はさゆりに、さゆりは舞に、舞は俺に、それぞれ指輪の交換を行う。
神父「では、誓いのキスを・・・」
―ドキドキドキドキ―
自然、胸が高まる。これで、俺達は本当の夫婦に・・・
「ちょっと待つんだお〜!!」
バン!
一同「「「「!?」」」」
祐一「な、名雪!?お前、何を・・・!?」
名雪「待つんだお、ストップだお、即刻中止だお〜!!」
美汐「ちょ、名雪さん、早すぎ・・・」
真琴「あ、あう〜・・・」
祐一「んな、お前等まで!?いったい何が・・・」
さゆり「はえ〜。」
舞「・・・ぽんぽこたぬきさん。」
秋子「私から説明します。」
さゆり&祐一「あ、秋子さん!?」
舞「・・・びっくり。」
秋子「実は、私の働き掛けによって、ついに多夫多妻制が適用されたんです。」
一同「「「「んなばかな!?」」」」
祐一「あ、秋子さん・・・あなたはいったい・・・」
秋子「企業秘密です♪」
真琴「もぅ〜、大変だったんだから〜。真琴なんて、狐の姿に戻らされムググ!?」
秋子「き・ぎょ・う・ひ・み・つ・で・す♪(にっこり)」
真琴「あ、あう〜・・・」
こ、恐い・・・秋子さんが・・・
秋子「つまりです、祐一さん。あなたと結婚したがってる人達は沢山いるという事はわかりますよね?」
祐一「・・・は?」
ま、まさか・・・?
美汐「そう。」
真琴「そういうこと。」
名雪「なんだお〜。」
って、ことは・・・
秋子「だから、この結婚式は、認められません♪」
美汐・真琴・名雪「「「祐一〜!!」」」
祐一・さゆり・舞「「「う、うわ〜〜〜!!!」」」
以上、コピペでした。
祐一「に、逃げるぞ二人とも!!」
さゆり「は、はい!」
舞「・・・はちみつくまさん!」
名雪「待つんだお〜!!」
真琴「逃がさないんだから〜!」
美汐「私から逃げるなんて・・・そんな酷な事は無いでしょう!!」
香里「あ、待って相沢クン!!」
北川「な、香里!お前には俺が!」
香里「あら、聞いてなかったの、潤?『多夫多妻制』が適用されたのよ?この際、もう一人夫を増やしてみるのも悪くないわ♪」
北川「え、ちょ、香里〜〜〜!?」
久瀬「・・・行かなくて、いいんですか?」
栞「え、で、でも・・・」
久瀬「僕のことは気にしないでください。最愛の人が幸せになること。それが僕の幸せですから。」
栞「久瀬さん・・・はい!!行ってきます!!」
あゆ「祐一く〜ん!!」
祐一「げ、あゆ!!舞!『まい』を出してくれ!」
舞「・・・はちみつくまさん!」
ヴォン!
あゆ「祐一、う、うぐぅ〜!!どいて〜!!」
ドカァ!!
舞「・・・なんて破壊力!」
祐一「言ってる場合か!」
さゆり「あ、名雪さん!?」
名雪「だお〜〜〜!!」
祐一「速ッ!くそ、とにかく外へ!!」
バン!
マスコミ「出たぞ!水瀬名雪だ!!」
祐一「しめた!マスコミに紛れて・・・」
名雪「どけ〜〜〜!!」
舞「・・・人が飛んでる。」
祐一「うそだろ!?」
秋子「ふふふ・・・」
さゆり「はえ〜、いつのまに?」
秋子「あの子達だけなんて、ずるいですからね。」
祐一「え、それって!?」
秋子「了承。」
舞「・・・何に?」
秋子「もちろん、自分自身に♪」
祐一「勝手にしないでくださいーーー!!」
こうして、俺たちの世界は終わりを告げた。
そして、また新しい世界が始まる。
そう、幸せに・・・
一同「「「「「祐一(君)ーーー!!」」」」」
祐一「う、うわ〜〜〜〜!!!」
・・・続く世界が。
初投稿してみました。
これ、Webサイトからのコピペじゃん。本人?パクリ?
なんか変な奴にとりつかれたのか?
まあSS関連スレにはそういうのよく来るしなあ。
今回に限ってなぜかトリップなしで投稿してる奴も多いし。
推奨されてる、投稿時にトリップ付けるのは、「コテハンになれ」ってことじゃなくて
「実際に書いた人間であることの本人証明」なんだよ。
あとでもう一度そのトリップを出せれば、本当の作者であることを証明できる。
>・書き手の騙りを防ぐために、作品ごとのトリップを推奨する。
安全のために、投稿する前に、投稿方法とかは一度は全部目を通してみてホスイ。
>>1-4
まぁ証明されなければOKということで>パクリ
ソースも提示できないんじゃただの言い掛かり。
帰れ。
つーか長谷部の件もあったし、いい加減荒らしをスルーするのが苦痛になってきたよ……
スルーしないで一々相手する方が苦痛だと思うぞ。
バカはあぼーんしとけ。
まぁ……いつか起こる問題だとは思っていたが、すっかり忘れていた頃に起こるとはw
他スレ、サイトからの投稿を禁止にしても、問題ないような気もするけどね。
いままで一本もなかったはずだし。
249 :
名無しさんだよもん:03/06/22 21:35 ID:ebgkfOli
長谷部…こんなところでも暴れてたのか…
つか、言い掛かりで荒らす時は名無しのチキンでつか?
氏ね。
つか、いい加減放置しる。
「長谷部」をあぼーんに設定すれば問題の半分以上は解決だよ。
彩スレとかで、なりきりネタを見逃す可能性があるが…(w
あげで釣ってるのとかもいちいち相手にしないで放置で。
>>248 その辺も、いまは置いといて詳しくは統括期間に話し合いだね。
これから投稿する人は
>>244を参考に、気を付けて。
あと今回から統括期間予告無しにいきなり打ち切りはなしでお願いね。進行さん。
初心者的質問で申し訳ないのですが、トリップのつけ方を教えていただけませんか?
ちなみに私、近日中には作品投稿予定です
>>253 調べてこいやヴォゲがぁ!
といいたいところだが投稿するというなら無下にするわけにもいくまい
好きな名前のあとに # を入れよう
やってみよう
ほれみろできたじゃないか
258 :
#:03/06/24 03:41 ID:wXhaWzRA
おろおろ・・
?
投稿します。
琴音ヒロインの東鳩SS「君に届くなテレパシー」です。
たった1レスですが、メンテじゃありませんw
こんにちは、姫川琴音です。
見えますか? 高く澄み渡った6月のさわやかな空が。
聞こえますか? その空に響く、若人を祝福する鐘の音が。
今日は結婚式。
誰の? と聞くまでもなく、私と藤田さん……いいえ、浩之さんとの結婚式です。
私と浩之さんが、誰もいない夕暮れの校舎で結ばれてから約三年――思えば長い日々でした。
浩之さんの卒業を待って籍を入れ、私の卒業を待って待って待ち続けて、今日ようやく、晴れて式を挙げることになりました。
おかげで二人の愛の結晶も、すでに二才です。
学生の身でありながら子供を作ったために、白い目で見られたりもしましたが、元々私はいじめられっこの超能力少女。
今さらその程度どんと来い、です。これが母は強し、って言うやつでしょうか? 私もずいぶんとたくましくなった気がします。
当時、「三ヶ月です」と報告したとき、浩之さんが惚けた顔をするのを楽しむ余裕すらありました。
寝耳に水もいいところだったでしょうが、でも女の子の「今日は安全日」という言葉を信用しちゃいけませんよね。
そう――虐げられてきた私にとって、好奇心半分だったとはいえ、優しくしてくれた浩之さんは、まさに救世主そのもの。
浩之さんは、最初にして最後の運命の人だったかもしれないのです。
これはもう逃してなるものか、です。
はしたないとは思いましたが、浩之さんの腰を足で封じ、真白き愛の証を受け止めたときの得も言われぬ至福。
そして予定通りに、私の内側で互いの愛が実を結んだと知ったときには、生まれて初めて神に感謝を捧げました。
パパになってしまった浩之さんは、驚愕と混乱の波に長いこと揉まれていたようですが、やがて開き直ってくれました。
さすがは私が見込んだ生涯の伴侶です。
両親に伝え、浩之さんは土下座し、お父さんが日本刀を持ち出し、学校にも報告し、校長室に呼び出され、
長岡先輩によってマッハの速度で噂が広まった結果、神岸先輩は茫然自失、アニメ設定は忘れましたごめんなさい佐藤さん。
その他、様々な艱難辛苦を一人ではなく二人で乗り越え、そしてついに、私は人生の勝利者となったのです。
私は白いウェディングドレスを身に纏い、神父さんの前で、浩之さんと永遠の誓いを結びます。
浩之さんは純白のタキシード姿で優しく微笑み、私の手に銀に輝くリングを――。
――という妄想が脳に流れ込んできて、俺は慌てて射精寸前だった腰の動きを止めた。
2レスになってしまいました(汗
むぅ、入ると思ったんだが……タイトル入れるのも忘れてるし。
一応アンカー入れとくか。
>>262-263 「君に届くなテレパシー」
でした。失礼。
改変コピペうざい。
>>254さん、
>>258さん、ありがとうございます。
うまくいくかどうかは分かりませんが、とりあえずトリップを付けてみます。
もしうまく行っていたら作品投下します。
タイトル「あなたには幸せを わたしたちには思い出を」
うたわれるものSSで、8スレ予定です。
薬草を採りに行ったとき、
道端で小さな花を見つけました。
小指の先くらいの、小さな小さな白い花。
名前も知らない花でしたけれど、その花は、
精一杯生きていることを誇るかのように立派に咲いていました。
「おそらく間違いはないと思います」
「ほ、本当か!?」
わたしの確信を持った言葉に、期待半分不安半分だったオボロさんの顔が太陽のように明るくなりました。
わたしの隣では、ユズハちゃんが表情を変えずに布団に横たわっています。
「はい、間違いなく、ユズハちゃんのお腹には赤ちゃんがいます」
「………よかった」
その言葉でようやく安心したのか、ユズハちゃんがほっとしたように安堵の息をつきました。
「ユズハ……よかった、よかったな!!
お前の望みは叶ったんだ!! 本当によかった……」
オボロさんがユズハちゃんを抱きしめました。
ユズハちゃんは見えなかったでしょうが、オボロさんの目には涙が光っていました。
ユズハちゃんにハクオロさんの子供が出来るということは、オボロさんにとってもユズハちゃんと同じくらいうれしかったのでしょう。
オボロさんがユズハちゃんをいかに大切にしているか……それがよく分かります。
「ありがとうございます…お兄様、エルルゥ様」
正直に言えば、わたしは少し複雑な気分でした。
ハクオロさんがわたしたちの前から姿を消して3ヶ月。
みんなも少しずつ立ち直りつつあるとはいえ、ハクオロさんがいない寂しさはなかなか消し去ることは出来ません。
アルルゥも、夜中に寝言で『おとーさん……』などとまだ口にしています。
わたしも今までと変わらないような何気ない日常、けれど今まで以上にやることが増えて忙しくなった日常の中で、
ふと気を抜くと泣いてしまいそうになることがありました。
それなのに、ユズハちゃんとは違い、わたしはハクオロさんの子供を宿すことは出来ませんでした。
もしもわたしにもハクオロさんの子供がいたら……そうだったら、どんなに生きていく上で支えになってくれたことでしょうか。
そう思ったことも一度や二度ではありませんでした。
かといって、わたしはユズハちゃんに嫉妬する気持ちはまったくありません。
わたしだって、自分がある程度はやきもち焼きだと言うことを自覚しているのですが……今回は不思議とそうならないのです。
それはきっと、ユズハちゃんがどれだけハクオロさんを愛していたかがわかっているから。
ユズハちゃんが残りわずかな命を、ハクオロさんのためにどれだけ必死に生きようとしているかがよく分かっているから。
ですから、わたしは心から祝福します。
ユズハちゃん、オボロさん、そしてハクオロさん、おめでとうございます―――と。
だから今、わたしはユズハちゃんのために出来る限りのことをしてあげたいです。
ユズハちゃんに残された短い時間の中で、もう1つ。
みんなと分け合える思い出を残してあげたいです。
女の子ならだれもが憧れる、特別な日を。
結婚式という、一生に一度限りの晴れ舞台を……。
「まあ……」
「ユズっち、綺麗……」
「とてもお似合いですぞ、ユズハ殿」
「ああ、さすが聖上の花嫁さんだ。凄いっすよ」
「ありがとうございます、みなさん」
ユズハちゃんが、みんなに囲まれた輪の中で少し照れくさそうに微笑みます。
その身には、私たちの村で花嫁さんが着るような、質素な礼服を纏っています。
皇族が着るような豪華な衣装とは程遠い、花や木の実で飾り付けをしただけのものですが、とてもよく似合っています。
城の隅のほうにある、小さな広間。
普段はみなさんの憩いの場として使われるこの広間が、今日はユズハちゃんの結婚式の舞台です。
ベナウィさんに相談したところ、国で公式な結婚式は挙げられないそうです。
それは残念だけれど仕方が無いことかもしれません。
ユズハちゃんは立場上はハクオロさんのただの側室の一人にすぎない上に、今はハクオロさんも国を空けています。
そういう状況で、国のお金を使って盛大に式を挙げるわけにはいかないでしょう。
だけど、それでいいんです。
ユズハちゃんはそんな豪華な結婚式なんて望むはずありませんから。
わたしたち身内だけの小さな結婚式でいいんです。
わたしたちからの温かい祝福と、みんなで一緒に過ごせる時間があれば、それだけで十分なんですから。
だから、わたしたちは非公式に結婚式を開きました。
「ユズハよ。貴方は夫・ハクオロの妻として、生涯夫を愛し、また、支えてゆくことを誓いますか?」
「はい、誓います」
ベナウィさんが、契りの句を読み、ユズハちゃんがそれに答えます。
ハクオロさんの分の句は省略です。
もちろん、誰もそれを気にする人はいません。
本当なら、ハクオロさんにはここにいて欲しかった。
帰りを待っているみんなのため、そしてユズハちゃんのために、今日だけでもいいから帰ってきて欲しかった。
正直に言って、それだけが残念と言えば残念です。
「ではここに、大神ウィツアルネミテアの名において、ユズハ・ハクオロ、両人を正式なる夫婦と認めます」
パチパチパチパチ……
参加者のみなさんから大きな拍手が沸き起こりました。
「それではみなさん、しばしの間、料理や談笑でお楽しみください」
そう言って、結婚式はみんなが待ち望んでいた展開へと移りました。
皇族の結婚式ならば、誓いの言葉の後に各国の使者からの祝辞や、大神への国家永代のお祈りなどがあるそうですが、
公式でない以上は不必要なものですし、なによりそんなものをユズハちゃんが喜ぶとも思えません。
わたしの村がそうであったように、みんなで集まってお料理を食べ、お酒を飲み、
歌って踊って、楽しめばいいのだと思います。
「俺は! 俺は生きててよかったぞぉ! ユズハの晴れ姿をこの目で拝める日が来ようとは……。
ううっ、兄者……兄者にも見せたかったぞ、このユズハの天女のような美しさを!
……そうだ、よし、今から俺が首に縄をつけてでも兄者を引っ張ってこよう! 待ってろ兄者!」
「「わ、若様、落ち着いてください!!」」
わー、オボロさんが早くも酔っ払っています〜。
飲ませたのはカルラさんですね、絶対……。
そんなところで面白がってないで、オボロさんを止めてくださいよ〜。
「いやぁ、このチマクは美味いっすねぇ大将!」
「本当に貴方は花より団子ですねクロウ。チマクなどいつも食べているではありませんか」
あちらではクロウさんとベナウィさんがお酒を飲み交わしているみたいですね。
クロウさんもいつにも増して陽気にお料理を食べてくれているようで嬉しいです。
「何言ってるんですかい大将。
あんな綺麗な花嫁さんが主役の結婚式で食べるチマクだからこそ、いつもよりずっと美味しいんすよ」
「ふふ、確かにそうかもしれませんね」
「俺は本当に幸せっすよ! そしてこんな舞台を用意してもらえる聖上もユズハちゃんもトゥスクル一の幸せモンだ!
聖上! 本当にこんなキレイな花嫁さんほおっておいて何やってるんすかあぁ〜〜!!」
「やれやれ、少しは落ち着きなさい、クロウ。それではオボロと同類ですよ」
……ふぅ、クロウさんも、ちょっと飲みすぎみたいですね。
あちらはベナウィさんがついていてくれるので大丈夫だと思いますけど……。
「ユズっち〜」
「やっほーユズっち。」
両手にお料理と飲み物を抱えて、アルルゥとカミュちゃんがユズハちゃんの元へ向かいます。
ユズハちゃんは今は1人、主役として飾りつけられた席の上で落ち着いています。
「ユズっち、とっても綺麗だよ〜。おめでとうユズっち」
「……ん。ユズっち、とっても綺麗」
「2人とも、ありがとう」
「…ね、ねぇユズっち。ちょっとお願いがあるんだけどなぁ」
「なんですか?」
「その服、ちょっとだけ触ってもいい?」
ああ、もうアルルゥにカミュちゃんったら。
ユズハちゃんにあまり迷惑かけたらダメだってば〜。
「ええ、いいですよ」
……ふぅ、本当に、ユズハちゃんがいい子でよかった……。
「ユズハの衣装、そんなに綺麗なんですか?」
「うんっ。首の周りや袖のところには綺麗なお花がいっぱい飾ってあるし、胸や腰には綺麗な木の実も付いてるよ」
「でも、一番綺麗なのはユズっち。ユズっちが着てるからとっても綺麗に見える」
「そんなことないですよ。でも、嬉しいです……」
ううん、わたしもそう思います。
確かに衣装もみんなで協力して飾りつけをしましたけど、それはやっぱりユズハちゃんが着ているから一段と綺麗に見えると思います。
今日のユズハちゃんは、どんな花よりも木の実よりも、そして宝玉よりも、色鮮やかに見えます。
それはやっぱり、花嫁さんになったから、なんでしょうか。
「でも、カミュち〜もアルちゃんも、いつかユズハのように着られる日がきっと来ます」
「そうかな? えへへ、楽しみだよ〜」
「ん。アルルゥも大きくなったらおとーさんと結婚して、その服着たい」
……ちょ、ちょっとアルルゥ!?
わたしを差し置いて、ハクオロさんと結婚するなんて、他の誰が許してもわたしが許さないからね!
さ、先にハクオロさんと結婚するのはわたしなんだから〜。
「あ、じゃあカミュもおじさまと結婚する!」
か、カミュちゃんまで……。
「うふふ、さすがはトゥスクルですね。こんなに楽しい結婚の儀は初めてです」
「ああ〜、ユズハ殿、可愛いにゃ〜」
「ユズハ。あなたもいかがですか? 美味しいですわよ」
「こらカルラ! ユズハに酒を飲ませるな!!」
「カルラ様、お酒とはそんなに美味しいのですか?」
「ああっ、信じるなユズハ! お前には酒はまだ早い……」
これがわたしたちの結婚式です。
豪華なお料理も、飾り付けも、女の子なら誰もが目を輝かせるような綺麗な花嫁衣裳もありません。
けれども、そこには確かな幸せがありました。
みんなが楽しく笑っていました。
いつもと同じように、みんなでお料理を食べ、お酒を飲み、大騒ぎをしていました。
そして、みんな心からユズハちゃんを祝福していました。
それ以外になにが必要だというのでしょう。
今日の主役のユズハちゃんは、終始嬉しそうに、そしてちょっと照れくさそうに、みんなの輪の中に囲まれていました。
その姿は、わたしが今まで見てきた中でも間違いなく、一番綺麗だと思いました。
「ユズハちゃん」
宴も終盤に差し掛かった頃、わたしはユズハちゃんの隣に座ります。
「あっ、エルルゥ様」
「おめでとう。体の方は大丈夫?」
「はい」
そう言って、ユズハちゃんは優しく微笑んでくれます。
その微笑みに浮かぶのは、少しでも触れたら壊れてしまいそうな儚さ。
そして、その儚さが見せる、小さな花のような美しさ。
「本当に、ありがとうございます、エルルゥ様」
「え?」
「私は、結婚式というものがどんなものかもよく分かりませんでしたが、実際にやっていただいてよく分かりました。
こんなに楽しく、そしてこんなに嬉しい気持ちになったのは初めてです」
「そ、そんな。ユズハちゃんがそう思ってくれたのなら、私だって嬉しいから」
それはわたしの素直な気持ち。
ユズハちゃんの幸せを願わない人がいったい何処にいると言うのでしょう。
「神様がいるのでしたら、私はこう伝えたいです」
そう言って、ユズハちゃんはまだあまり膨らんでいないお腹に優しく両手を当てました。
「私にも、幸せを与えていただき、ありがとうございます。……そして、この子が産まれてくるその日まで、
もう少しだけ生きる我侭を、ユズハにお許しください……と」
穏やかな声で。
優しそうな声で。
でも、確かな決意を秘めた声で、ユズハちゃんは誰に聞かせるともなしに言いました。
人を愛し、子供を産む。
そんな、女の子として当たり前の人生を幸せと感じられるユズハちゃんの純粋さと、それに立ちはだかる運命に、
思わず涙を流しそうになるのを、わたしは必死でこらえていたのだと思います。
気がつけば、わたしはユズハちゃんの顔を胸に押し当て、そっと抱きしめていました。
「エルルゥ様…?」
最初はやや戸惑っていた様子でしたが、すぐに力を抜き、わたしに体を預けてくれました。
ユズハちゃんの体は本当に細くて、軽くて……。
「我侭なんかじゃない……我侭なんかじゃないよ」
「エルルゥ様………」
ああ、もし本当に神様がいるのなら、
どうかこの子には……本当の幸せを与えてもらうわけにはいかないのでしょうか……。
わたしも、そして他のみんなも、決して今日と言う日を忘れることは無いでしょう。
ユズハちゃんが結婚式を挙げた、今日と言う日を。
ユズハちゃんが一番輝いていた、今日と言う日を。
そして、儚くも精一杯生きている、ユズハちゃんという白い花が綺麗に咲き誇っていたことを……。
後日、薬草を採りに行ったとき、
前に見た小さな花は枯れていました。
名前も知らない花でしたけれど、その花は、
精一杯生きたことを誇るかのように静かに眠っていました。
わたしは忘れません。
一瞬でも綺麗に咲いていたあの花を。
わたしは幸せです。
あの花が一番輝いていた瞬間を見ることが出来たのですから。
その身には、きっと新しい命が宿っていることでしょう。
そうやって、命は続くのです。
たとえそれが、名も無き花だとしても、
命はどこまでも続いていくのです―――。
完
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレでは投稿作品を募集しています。
今回のテーマは『結婚』です。
投稿の締め切りは 6 月 27 日の午前 10:00 までとなっています。
テーマを見て、思いつくネタがあればどんどん参加してみましょう。
その際に
>>2-4 のルール、FAQ に一度お目通しを。
また、次回のテーマは『海』で、開催時期は 7 月中旬になる予定です。
「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方は、こちらの執筆に
力を注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
今から投下します
タイトル「いつもの夢」
内容『痕』 18禁
16スレ
いつもの夢
トントントントントン。
包丁に叩かれた俎(まないた)が、リズミカルな音をたてる。
その横では、ふつふつとコンロにかけられた鍋が湯気を立てていた。
楓は沸騰する寸前に、出汁(だし)取り用の煮干しを網ですくい上げると、まず赤味噌を、
それが溶けると、白味噌を味見しながら溶かした。味噌の良い香りが、フワッと鍋から立ち上る。
なめこ、豆腐、麩、最後に先ほど刻んだネギを入れて一煮立ち。
楓の後ろでは初音が、コリコリと音を立てながら、ほうれん草のゴマあえに使う白ゴマ
を鉢で擦り潰していた。
たまたま東京の大学から帰省していた梓が、妹達の手際の良さを感心しながら見つめていた。
楓は一歳年上の姉に、出来上がったばかりの味噌汁をお椀に少しすくい差し出した。
梓は、ふーっと少し熱を冷まし口をつけた
「おいしいよ楓。これ、あたしが作るより美味しいと思う」
姉に褒められ、楓は頬を少し赤らめた。
「ちゃんといつも出汁を取っているんだろ。それだけでも偉いよ。あたしは面倒で出汁入
りのお味噌使っていたからね。それに赤味噌と白味噌混ぜるなんて、よくそんな手間のか
かる事する気になったね」
楓は梓の問いに、微笑(ほほえ)みを浮かべただけで返答はしなかった。
答えたくなかったから。
理由は簡単だった。
愛する人の喜ぶ顔が見たい。
ただ、それだけだった。
その愛する人の名前は柏木耕一。
来年結婚する一番上の姉、柏木千鶴の婚約者。
しゃかしゃかしゃか。
納豆を混ぜる音がテーブルのあちこちから聞こえてくる。
「初音、悪いけどお醤油取ってくれる」
「はい、梓お姉ちゃん」
「サンキュ。ところで、この11月に台風来てるって本当?」
「梓、知らなかったの? さっきニュースでやっていたわよ。観測史上二度目の遅さだそうよ。
あ、私にもお醤油頂戴」
手早く自分の小鉢に醤油を差すと、梓は姉の千鶴に手渡した。
「ねぇ梓。東京での生活はどう?」
「ああ、順調だよ。授業も思っていたより面白いし」
梓は空いている席に、ふと気がついた。
「あたしの入れ替わりに都落ちしたアレは、まだ起こさなくて良いの?」
「耕一お兄ちゃんなら、さっき洗面所でお髭を剃っていたと思うけど……、あ、来たよ、梓お姉ちゃん」
初音が答えると同時に、紺の背広に茶色のネクタイを締めた耕一が、食卓に姿を現した。
「こういち〜。大学を中退して社会人になった感想は?」
「毎日昼まで寝ていた頃が懐かしいね」
そう言いながら、耕一は椅子を引き自分の席に座った。
「もう一年くらい経つけど、鶴来屋の仕事は慣れたの?」
耕一は首をフルフルと横に振った。
「全然。まだまだ憶える事が多くて大変だよ。旅館のアルバイトなんてした事なかったしね。タダでさえ、
周りからのプレッシャーが厳しいし、千鶴さんの気持ちが良く判ったよ」
「大丈夫ですよ。耕一さんはスジがいいって、みんな褒めていますから」
千鶴はやんわりフォローを入れると、お椀に味噌汁をすくい手渡した。
「そうだと、いいんだけどね」
耕一はお椀を受け取ると口をつけた。
その様子を、楓が無言で見つめる。
一口含んだ後、耕一は楓の方を見た。
「楓ちゃん、味噌汁の味噌変えた?」
こくんと、楓は頷いた。
「お口に合いませんか?」
耕一は笑いながら慌てて首を横に振った。
「いつもよりとても美味しいと思うよ」
楓は思わず安堵の溜息をついた。
「良かったね、楓お姉ちゃん」
初音の声に頷きながら、楓はあることを思い出した。
「耕一さん、洗濯に出されたワイシャツですけど、ボタンが取れていたので繕っておきますね」
「ありがとう楓ちゃん。確かワイシャツの替えは他にも何枚かあるよね」
「ええ、昨日二枚アイロンがけしておきました」
「楓、あんた耕一のシャツにアイロンまでかけているの?」
梓が呆れるように言った。
「ご飯作って、洗濯して、家の掃除までして………。千鶴姉、このままだと誰が耕一の婚約者か
判らないねぇ」
梓は意地悪そうな顔をつくり、千鶴の顔を覗き込んだ。
「だって、その、ここのところ仕事が忙しくて……」
バツの悪そうな顔をしながら千鶴は呟(つぶや)いた。
「楓ちゃんは、きっと良いお嫁さんになれるよ」
耕一の言葉に、楓の表情が少し曇る。
「ごちそうさま」
初音は自分の食器を片づけると鞄を手に取った。
「車に気をつけるんですよ」
小学生の頃から変わらない言葉を、千鶴は投げかけた。
「うん。行ってきます」
初音は廊下をパタパタと音を立てて、玄関の方に去っていった。続いて、耕一、梓、千鶴の
順で席を立つが、楓は皆が席を立っても、まだ朝食を食べていた。
「楓、あんたいつからそんなにご飯食べるの遅くなったの?」
梓の問いに、楓は無言で頷く以外何も答えなかった。
『耕一さんの顔を、少しでも長く見ていたいから』
そんな言葉は死んでも口に出せなかった。
家族が出かけた後、楓は朝食の後片づけをし、洗濯に取りかかった。いつも掃除と洗濯
は一日置きに交互にしていた。それが一段落すると、自分のパート先に向かった。
学生時代、楓の成績は常に上位ランクに入っていた。誰もが大学に進学すると思っていたが、
楓は周りの説得をふりきり、地元の企業に就職した。しかしその会社も一ヶ月も経たないまま
退職。今は十一時から夕方の四時迄事務のパートに就いていた。
「家の家事に専念したいから」
楓は家族にそう説明した。
梓が東京の大学に進学した当初は、楓と初音が家事を分担してこなしていた。しかしその直後、
耕一が大学を辞め、鶴来屋に就職するため柏木家にやって来た。必然的に家事の手間も増大して
しまった。千鶴は仕事が忙しく(手伝っても足を引っ張るだけなので、手伝わせてもらえないと
いう理由もあるが)、耕一も幹部候補とはいえ、入社したての新人であり何かと帰宅が遅く、と
ても家事を手伝う余裕はない。まして初音は今年大学受験生である。楓が家事を全て取り仕切る
と言ったのは、そんな時だった。
初音は当初、姉に負担をかけることを心苦しく異を唱えたが、
「初音は学生なんだから勉強に専念しなさい」
楓に大義名分を言われては反論のしようがなかった。千鶴や耕一も、楓にすべて押しつける事
に後ろめたくはあっても、現時点ではそれが一番良い方法に思えた。
もっとも当の本人にとって『家族の為』というは建前にすぎないのだが。
午後四時。楓は職場を出るといつものように夕食の買い出しをして帰宅。先にお風呂の掃除を
すませ、食事の用意に取りかかった。
夕食後は初音に後片づけを任せてお風呂に入り、自分の部屋へと戻った。
カチャリ。
楓は部屋に入ると素早く鍵をかけた。
これから自分のすることを知られないために。
楓の腕には、ボタンをつけ直したばかりの耕一のワイシャツが抱き締められていた。
それをおもむろに自分の抱き枕に着せると、抱きしめ臭いを嗅いだ。
まだ洗っていないそのシャツには、耕一の汗や腋臭の臭いが染みついていた。
楓は、とりあえず、現状は幸せだった。
大学に進学しなかったのは、耕一が鶴来屋に就職するのを知っていたから。
耕一の為に食事を作り、耕一の着る服を洗濯し、耕一の部屋を掃除した。
いつもあの人の喜ぶ顔が見たい、あの人の側に居たい。あの人の役にたちたい。それら
の願いはすべて叶えられた。だが、それらとは別に、どうしても叶えられない願いもあった。
それは耕一に抱かれる事。
人間、欲張り過ぎることは自分の身を滅ぼす。そう思い、楓はこの願いだけは断念した。
でも、時折一人で寝ていると、言いようのない孤独感に襲われるときがある。あの人に抱
いてもらえたら。そんな思いが募る時、楓は耕一の衣服を借りてそれを抱き、臭いを嗅ぎ、
夢という名の妄想にふけった。
耕一と二人きりで朝食を取る夢。耕一と二人で旅行に行く夢。耕一と結婚する夢。耕一
に抱かれ子供を宿す夢。
現実では決して叶わない夢を、叶えてはいけない夢を、楓は毎晩妄想に溺れる事により
自分を慰めた。ただ、心の奥底から込み上げてくる涙だけは、止めようがなかった。
翌日、梓が東京に戻るため、駅まで楓が車で送って行くことになった。
空はどんよりと曇り雨がぱらついていた。
「台風、こっちに直撃みたいね」
助手席に座った梓が、運転手である楓に呟いた。
「そうみたい」
楓は覇気のない声で答えた。
「どうしたの、楓」
「ちょっと、風をひいたみたい。少し微熱気味で頭がボーッとするだけ。それより、電車は
大丈夫なの? 梓姉さん」
「大丈夫だと思う。台風がコッチに来るのは夜だし、北陸線を東に進む電車で帰るから、多分
台風が近づく頃には新潟に抜けている筈」
「それなら、いいけど」
町中は台風に備えてか、昼間から雨戸を閉めている家があるほどだった。すでに家を出てから、
風が少し強くなってきたように楓は感じた。
「楓、東京に来ない?」
交差点で信号待ちをしている時、梓は優しい声で語りかけた。
「今のままだと、あんたこの先辛いだけだと思うよ」
「どうして、そんな事を私に?」
「耕一の事好きなんだろ」
楓の表情が硬くなる。
「楓、今はいいかもしれないけど、来年二人は結婚するんだよ。このままだと……」
「梓姉さん、私はとても幸せよ」
信号が青に変わるのを視認すると、アクセルを踏み込んだ。
「私、都会に行っても、きっとなじめないと思う。それにみんな仲良くやっているのに、
どうして辛くなるなんて梓姉さんは思うの。私は今のままで充分幸せよ」
梓は少し考えた後、楓の顔を見てこう言った。
「楓、あんた千鶴姉に似てきた」
「え?」
「今のあんた、二年前の千鶴姉そっくりだよ。自分の本音を隠し、外面の良い言葉を並べる、
その偽善くさい仕草とかね」
「………………」
楓は車を駅の駐車場に止めると、二人で駅の改札口に向かった。
「じゃあ、後はよろしくね」
「梓ねえさんこそ、元気で」
「楓、東京に来たくなったら、いつでも連絡よこしな。あんたが居候するくらいのスペース
はあるからさ」
そういうと、梓は改札をくぐりホームへと消えていった。
完全に姿が見なくなるのを確認して帰ろうと思ったとき、遠くから人が走ってくる足音を
楓は聞いた。
「間に合った」
それはとても聞き慣れた声だった。
「千鶴姉さん?」
ふと見ると、千鶴がショルダーバックを抱え、息を切らしながら緑の窓口で切符を購入していた。
千鶴も楓の存在に気がついたのか、お金を払い終えると、財布を懐にしまいながら楓に声をかけた。
「楓、梓を見送りに来たところなのね」
「千鶴姉さん、今からどこかへ行くの?」
「鶴来屋が外食産業を経営しているのは、楓も知っているわよね。実は東京支店の幹部が会社のお金
を着服している事が判明して、私が行かないと問題が解決しないらしいのよ。すでに足立さんは前の
電車で向かったわ」
「長くなりそう?」
「早ければ明日には帰って来ると思うけど。ただ、台風が来ているから、耕一さんにはなるべく早く
帰るよう言っておいたわ」
「気をつけて」
「あなたも気をつけてね」
楓は千鶴の背中を、手を振って見送った。
「……六時のニュースです。大型で風の強い台風は現在速度を速めながら北上しており……」
楓は夕食の準備をすませ、テレビを見ながら初音と耕一の帰りを待っていた。
外は風が強まる一方で雨が激しく雨戸を叩き始めた。
プルルルル。プルルルル。
電話の受話器を急いで取り上げる。
「もしもし、柏木です」
『あ、楓お姉ちゃん? わたし、初音だけど。今ね、お友達のところにいるの。それでね、もう風が
かなり強くなって、帰るの危険だからって、お友達の両親がいうの……』
「そうね。今帰るのは私も危険だと思う」
『じゃあ、泊まってくるね。明日には帰るから』
「気をつけてね。お友達のご両親によろしく言っておいて。それじゃ」
楓は受話器を置いてから、ふと気がついた。
今夜は、耕一と二人きりだということに。
だが、すぐ頭を振って邪念を追い払った。別に二人だからといってどういう事はない。いつもの
ように振る舞えばいいと。
その後、一時間以上が経過したが、一向に耕一は帰ってくる気配を見せなかった。
ついでに風邪のせいか頭が重かった。
とりあえず耕一が帰って来るまで、自分の部屋で少し横になっていようと階段を登り、
自室のドアノブに手をかけた時だった。
ガラガラガッシャーン!!
突然、けたたましい大きな音が聞こえてきた。
なんだろうと思い、音のした方に向かうと、洗濯物を干す場所に辿り着いた。
ガッシャーン!!
再び、戸の向こうから大きな音が聞こえてくる。
楓は危険を承知のうえ、戸を思い切って開けた。
突風と雨が廊下に吹きこんで来る。それにかまわず外を覗いた。
大きな音の理由はすぐに判った。洗濯に使う物干し竿が突風に煽られ一階に転げ落ちた音だった。
3本の内、2本が下に落ちている。残りの一本もすぐにでも落ちそうな雰囲気だった。
変なところに落ちると困ると思い、楓は思い切って、戸を開き物干し台に出た。とたんに服が風
雨でびしょ濡れになる。
楓は構わず風に跳ばされないように進み、一本だけ残っていた物干し竿を床に降ろした。
家の中に戻ろうとした時、風切り音が耳に届いた。
楓は咄嗟に体を傾けると、間一髪で目の前を黒い物体が通過した。壁に当たり砕けたそれは屋根
瓦のように見えた。
体の血の気がさっと引く。
早く中に戻ろう。
そう思い、家の中に戻ろうとした時、さらに、何かが飛んでくるのに気いた。楓はさっきと同じ
ように、それを避けようと体捻った。
その瞬間、強い突風が楓を襲った
ゴオウッゥウウウゥ!
体が一瞬にして床から離れた。
「しまっ……」
次の瞬間、楓は二階の高さから、地面に叩きつけられた。
耕一が家の異変に気がついたのは、帰ってすぐの事だった。食事の用意がしてあるにもかかわらず、
家の中に誰もいなかった。この嵐の中を外に出かけるとはとても思えない。
二階に上がると、家の中に吹き込む風音から、物干場への戸が開いているのに気がついた。
「どうして、ここの戸が?」
独り言を呟きながら、念のためと思い濡れるのもかまわず物干場に足を踏み入れた。
暗いなか周りを見回し、ふと地面に目を向けたとき、耕一は我が目を疑った。
「楓ちゃん?!」
地面に横たわる楓。耕一は一瞬、息が止まった。
次の瞬間、耕一は物干場から地面へと飛び降りた。
着地すると同時に、泥を拭くんだ水飛沫が勢いよく飛び跳ねた。
耕一はすぐさま楓の体を抱き起こした。
「楓ちゃん! 楓ちゃん! 楓ちゃん!」
耕一は楓の体を強く揺すった。
服は泥に染まり、髪も乱れていた。
「楓ちゃん! 楓ちゃん!」
楓はゆっくりと意識を取り戻した。
「こ……、いち……さ…ん?」
「良かった………。怪我はないかい?」
「頭が少し痛いです……」
「病院に行こうか」
「そこまでは、痛くないです」
楓は耕一に捕まりながらも、よろよろと立ち上がった。
「とりあえず、家の中に戻ろう」
二人は強風に押されながら、倒れ込むように玄関へ辿り着いた。
耕一が急いで開き戸を閉める。
「本当に大丈夫かい?」
耕一は楓の体を見回したが、多少擦り傷が有る程度で特に目立った怪我は見あたらない。
ただ、長時間雨に晒された為か、寒そうに震えていた。
「シャワー浴びたほうがいいね」
楓は無言で頷いた。それと同時に、フッと家中の電気が一斉に消えた。
「停電か」
耕一が一目で分かることを口にした。
「どうする、楓ちゃん。暗い中だけどシャワー浴びるかい」
楓は首を横に振った。
「家の給湯器は、確か電気で制御していたはずです。お湯は多分出ないと思います」
「とりあえず、着替えてきた方がいい」
そういうと、二人はお互い手探りで自分の部屋へと向かった。
濡れた衣服を脱ぎ、乾いた衣服に身を包んだ。耕一は濡れていただけなので問題なかったが、
楓はそうはいかなかった。体中泥がついているため、タオルで体を拭きながら着替えた。髪の
毛は拭いただけでは泥が落ちず、洗面所の冷たい水で凍えながら髪を洗うほかなかった。冷え
た体を暖めようにもポットにお湯はなく、コンロも電気式のものに変えたため役に立たなかっ
た。エアコンも停電で動かない。結局、楓は自分の部屋で、毛布と蒲団にくるまって暖を取る
しか方法がなかった。
「楓ちゃん、部屋の中に入ってもいいかい」
「はい……」
ドアが開くと同時に、懐中電灯の光が部屋の中を照らし出した。
「楓ちゃん、初音ちゃんはどこにいったの?」
「初音はお友達の家にいます。この雨と風で帰れなくなったみたいで」
「そうか。無理して帰るよりいい。安全だからね」
そう言いながら耕一は、液体の入ったカップを手渡した。
震える手で差し出されたものを受け取ると、楓は素直にそれを口にした。
「ジンだから、体が少しは暖まると思うけど」
一口ずつ楓はカップの中の液体を飲み込んだ。
「耕一さん……胃の中は熱くはなったのですが……」
体の震えは一向に収まる気配を見せなかった。
耕一は迷った。楓の体調が刻一刻と悪化している。今すぐに体を温めないと間違いなく風邪
を引くだろう。でも、どうやって?
ひとつだけ妙案が頭に思い浮かんだ。しかし……その方法を取ることに耕一は躊躇した。か
といって、他に良い考えが有るわけでもなし。もし、このことが原因で、楓が肺炎にでもなっ
たら………。やはり命には代えられない。耕一は覚悟を決めた。
「楓ちゃん、ごめん」
それだけいうと、耕一は楓の毛布を取り上げ、楓に後ろから抱きつき、再び二人の体を
毛布で包んだ。
「楓ちゃん、暖かくなった?」
楓は予期せぬ出来事に思わず固まった。
返事が無いのをみると、まだ寒いと思ったのか、耕一は楓の体を自分の方に向けると、
正面から体を抱き締め直した。
こんなに細かったんだ……。
少し力を加えただけで折れてしまうように耕一は感じた。
腕の中にいる楓は両掌を耕一の脇腹に、顔を胸の中に埋め、親犬に寄り添う子犬のように、
じっと体を重ねたまま動かなかった。
あれはいつからだろう。
ふと気がつくと、耕一は楓の姿を探していた。
姿を見ないと母親を見失った子供のように、寂しく不安になってしまうのだった。別段婚約
相手である千鶴に不満が有るわけではない。現に彼女の事を愛している。しかし、楓と目を合
わせると言いようのない幸福と安堵感に心が満たされてしまう。理由は判らなかった。ただ、
楓に対する想いだけが、日に日に増していくのを実感していた。
もしも、楓が千鶴の妹でなければ、もしも、千鶴と婚約の契りを交わしていなければ、耕一
は間違いなく楓に胸の想いをうち明けていただろう。そして、華奢な体を思いっきり抱き締め、
その唇を心ゆくまで吸い続けていたに違いない。
だが、耕一は千鶴を裏切る事は出来なかった。千鶴は自分を必要としている。結婚して一生
支えてあげると約束してしまったから。
朝会えば「おはよう」と挨拶をした。料理を「美味しいよ」と褒めてあげた。眠る時は「お
やすみなさい」と声をかけた。
それで我慢した。
我慢してきた。昨日までは……。
今、何時なのだろう。楓を抱き締めてから30分ほど経過していた。楓の体の震えも収まっ
ていた。耕一としてはこれ以上、事を起こすつもりはなかった。もし、さらに一歩進んでしま
えば、もう引き返せなくなるのが判っていたから。
もう、離れてもいいだろう。
そう思い、名残を惜しむようにもう一度、楓の体を強く抱き締めた。
「耕一さん」
今までずっと沈黙していた楓が、耕一の名を呼んだ。
「耕一さん」
か細く消え入りそうな声で耕一の名を呼んだ。
「なんだい、楓ちゃん」
耕一は答えながら、ゆっくりと腕の力を抜いた。きっと自分から離れたがっているのだろうと思ったから。
「耕一さん、これは夢ですか?」
「夢?」
「これって、夢ですよね。そうでなければ、私が耕一さんに抱かれる筈がありません」
楓は小さな声で、訥々(とつとつ)と語った。
「私はいつも夢を見ていました。決して叶えてはいけない夢を………」
ゆっくりと耕一の背中に腕をまわした。
「耕一さん、どんな夢だと思います?」
クスリと自嘲的な笑いが口の中から漏れた。
「……馬鹿な私は毎日その夢の中で、愛する人の胸に抱かれ、口吻(くちづけ)を交わしてるんです。
所詮、実現不可能な事と知りながら、何度も何度も何度も自慰行為のように夢想していました」
「楓ちゃん………」
「だから、これは夢ですよね、耕一さん。現実の世界で、私が耕一さんに抱いてもらえる筈がありません。
だって、そんな事、決してあってはならない事でしょう?」
耕一の胸から顔を上げた楓の顔から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「お願いです。現実の世界なのなら、今すぐ私から離れて、この部屋から出ていってください!
これ以上、これ以上、私に辛い思いをさせな………」
楓の唇が耕一の唇によって塞がれ、別離の言葉を遮った。
お互いの腕が背中でお互いを強く抱き締めた。
長い長い接吻の後、耕一は楓に言った。
「これは……夢だよ」
「夢、なんですか?」
「そうさ、夢さ。そうでなきゃ、大好きだった楓ちゃんと、こうして抱き合えるはずがない」
「耕一さん!」
再び二人は唇を吸い有った。永い間離ればなれになっていた恋人が再会するように、お互いを求め合った。
「ねえ、楓ちゃん。夢の中ではこの後何をしていたんだい?」
「そ、それは………」
耕一は慎ましやかな双丘の膨らみにそっと手を乗せた。
楓が短い声を上げる。
乳房の上に乗せられた掌が、楓の乳首を探し出すと、指の間に突起を挟み込み優しくもみ上げた。
「あ……、もう少しやさし……ァア…」
徐々に膨らんでいく乳首を刺激しながら、耕一は楓の首筋に舌を這わせた。
その瞬間、楓の体がびくりと硬直する。
「楓ちゃんて、けっこう敏感なんだね」
「多分、夢ですから……」
「夢だと、敏感になるのかい?」
「ええ、夢ですから、どんなに恥ずかしい事されても平気です」
楓の右手が耕一の股間に触れた。
「恥ずかしい事もできるのかい?」
「ええ、耕一さんが気持ちよくなるのなら、どんな事でも……」
細い指が、布越しに耕一の男根を包み込むように刺激した。
「じゃあ、俺も楓ちゃんをもっと気持ちよくしてあげる」
耕一は楓のパジャマを下着ごと剥ぎ取ると、楓の秘部に指をあてがった。
「どうじて、こんなに濡れているのかな」
既にクリトリスは皮が捲れ、真珠のような陰核が顔を覗かせていた。
耕一は楓の腰を自分の方に引き寄せると、赤く充血した陰唇に舌を這わせた。
「嫌……耕一さん、そこは汚いから……は、ふはぁああ!」
楓が短い悲鳴を発しながら、悶え体をよじった。
「だめ! 耕一さん、イッちゃう!」
「イキたいのなら、イッてもいいよ」
「イヤ、イヤッ!」
楓は激しく首を横に振った。
「私、イクなら耕一さんとイキたい……。ひとりでイクのは嫌……」
「判ったよ楓ちゃん」
耕一は楓の下腹部から顔を離した。
「二人で一緒に行こう……」
ゆっくりと楓の膣口に自分の性器をあてがった。
「楓ちゃん、痛かったら我慢せずに言ってね」
楓は耕一の言葉にクスリと笑った。
「耕一さん。これは夢なんでしょう。痛いわけありません」
「それもそうか」
耕一も思わず笑い返した。
「じゃ、入れるよ」
楓は目をつむると首を縦に振った。
それを確認すると、耕一は下半身に力を加えた。
ぬろっと、耕一の男根が楓の体内に進入する。途端に耕一の背中にまわしてあった楓の腕が、
強く耕一を抱き締めた。
楓の膣内は狭く、耕一の分身を強く締め付ける。
「大丈夫かい?」
楓は涙を浮かべながら無言で頷いた。その涙が波瓜の傷みによるものか、歓喜の涙なのか、
耕一には判別しかねた。
耕一は注意深く奥まで進めると、後はゆっくりと前後に刺激し続けた。お互いの熱い吐息と、
下半身の擦れ会う音が部屋の中に満ち溢れた。
耕一は一分事に己の中で膨れ上げる、楓への愛情と欲情に溺れていった。このまま二人で何時
までも繋がっていたいと真剣に考えた。
「楓ちゃん、俺、そろそろ………」
「そのまま、イッてください」
「え……」
「私はかまいません」
「でも……」
「お願いです。後生ですから、最後まで夢をみさせてください」
「判った」
耕一は楓と掌を会わせると、腰を楓の膣深くへと突き上げた。
「耕一さん、耕一さん、耕一さん!」
「楓ちゃん、楓ちゃん!」
ビクッビクッビクッビクッビクッビクッ。
耕一の子種が楓の小袋の中に注ぎ込まれていく間、二人は涙を浮かべながら互いの唇を吸い合った。
その後、二人は夜が白み始めるまで情欲に溺れた。
コトコトコトコトコト。
味噌汁を暖める鍋が、沸騰の近い事を音で知らせる。
楓はコンロを止め、あらかじめ刻んでおいたネギを、さっと鍋の中に入れた。
耕一がシャツのボタンをハメながら、台所に姿を現した。
「おはようございます。耕一さん」
「おはよう、楓ちゃん」
いつもの挨拶を二人は交わした。
「ごはんの準備ならできていますよ。そこに座ってくださいな」
「ああ」
「今日は寝坊したので、少しおかずが少な目ですけど」
茶碗にご飯を盛ると、耕一に手渡した。
「初音からさっき連絡がありました。朝はこっちによらずそのまま学校に行くそうです」
「そうか」
いつもの朝食。いつもの会話。すべてがどこか、ぎこちなく聞こえた。
「味噌汁のお味はいかがですか?」
「うん、美味しいよ」
「良かった……」
楓は味噌汁を一口すすった。
「耕一さん。私、この家を出ることにしました」
耕一が驚いて顔を上げた、そして何か言おうとして、言葉を詰まらせた。
「私は昨夜、夢を見ました。決して見てはいけない夢を………」
「楓ちゃん……」
「きっと私の事ですから、また昨日の夢を見たいと思うことでしょう。そして私はその思いを押
さえることが出来ないと思います。初音や千鶴姉さん、そして耕一さんにも、迷惑をかけるのは
判っています。でも、このまま私がここに居続けたら……もっと取り返しのつかない事になって
しまうと思いますから」
「そうか……」
「耕一さん。私は後悔していません。きっとあの夢を一生忘れることはないでしょう……」
楓は急須を手に取り、お茶の葉を入れるとお湯を中に注いだ。
お茶の香りが周りに漂い、湯飲み茶碗を耕一に手渡したとき、楓は有ることに気がついた。
「耕一さんもしかしたら、これも夢なのでしょうか?」
楓は微笑みを口に浮かべながらこう言った。
「こうして、耕一さんと二人っきりで朝食を食べるのも、私の夢でしたから」
(終わり)
以上終わりです
行数制限引っかかってしまい、結構時間がかかりました。
> ◆HMX73059.I 氏へ
誤字が何カ所かありました。
申し訳ございませんが、HPにUPするときに訂正願います(^^;
>>279 観測史上二度目→観測史上二番目
>>289 顔を上げた楓の顔から→顔を上げた楓の両目から
>>290 「どうじて、→「どうして、
>>292 楓の小袋の中に→楓の子袋の中に
>>293 楓は有ることに→楓は或ることに
おお、今回はみんな早いね。
今から投稿します。
東鳩の綾香で、9レス予定です。
タイトルは『団扇以上電池未満』
ぱたり、ぱたりと目の前で脚が左右する。脹脛はほんのり小麦色に焼けて、
しなやかな筋肉が無駄なく配置されている。爪の先ほどの産毛に汗の珠が溜まり、
一筋の線を引いて垂れていく。
引き締まったそれと対照的に太腿は、誰かが柵を作って線引きしたかのように白い。
けれど健康的な明るさである。服を纏わぬ剥き出しの脚は、女神ヴィーナスにすら
歯ぎしりをさせるぐらい美しいと思う。
思わず頬擦りしたくなるほどの脚、足首から太腿にかけてをぼんやり見ながら
言った。
「なぁ、綾香」
「んー?」
「結婚しようぜ」
「えー、やだぁ」
「頼むから」
「面倒ぉー」
「あ、そう……」
全くもって暑い夏の昼下がり。カーテンなんて、台風時のビニール傘程度にしか
役に立っていませんよ、とでも言いたげな太陽の直射。たぶん、こいつは天体の
中でもぶっちぎりに嫌われているに違いない。性格悪そうだし。
南向きのリビング、日当たり抜群遮る物なし! なんて売り文句に心惹かれて
この一戸建てを購入した母親の思惑はすっぱり裏目に出ていた。本当に遮る物が
ない。このリビングに金魚鉢でも置いた日には、三日で只の壺と化すだろう。
金魚の死骸が底に転がったシニカルなガラスの壺。金魚よ永遠なれ。
しかしながら、そんな金魚を笑っているわけにはいかないのも事実である。このまま
三時間もすれば、哀れな金魚の仲間入りをすることは間違いなかった。リビングに
転がった男女二人。シュールな事件。昼のキチガイニュースが尻尾をぶんぶん振って
飛び付きそうなネタだ。
この非情なまでのサバイバルを生き抜くためにはどうすれば良いか。頭をフル回転
させつつ、ゆっくりと暗闇に堕ちていく。
ぺしっ。ぺしっ。
「いてぇ」
綾香が足の甲で頬をはたいてくる。酷く失礼な気がするのは気のせいか。世の中には
これで喜ぶ倒錯的な性癖の持ち主もいるらしいが、残念ながらまだその段階にまでは
達していないのだ。
「寝たら、ダメよ」
当の綾香は顔だけこちらに向けて、フルマラソンを走り終わった犬のように舌を口から
だらしなく垂らしていた。背中にシャツがびたりと張り付いて、背骨が透けて見える。
角度的にはぎりぎり胸元が見えそうで見えないあたり、さすがであると思う。
フローリングの床は、芋虫みたいに転がって、少しでもひんやりとする場所を求める
綾香のせいでそこら中が汗で水浸しになっていた。ガラス戸を開けようにも、熱風
ばかりが吹き込んでくるのでは意味がない。
「いい人生だった」
べしっ、べしっ。
「最期に綾香が傍にいてくれて、良かった」
ぺしり。
心持ち、叩き具合が弱まる。いいのか、それで。
「お釈迦様に会う前に単三電池は買ってきてぇ」
「……死ぬ時は一緒だな」
がっし、と足首を掴む。うーうー綾香がのた打ち回るが、決して離さない。逆に体を
引き寄せて腕の中に包み込んだ。両脚をこちらの脚で挟んで、ご自慢の黒髪に鼻を
埋める。汗の匂いがした。
「あぁぁつぅぃぃい。はなしてぇぇー」
動けば動くほど熱が放出されることに気づいたのだろう、綾香がいやいやをするように
顔だけを左右に振った。よくよくそれを眺めれば、既に半ベソである。尤も顔中汗だく
なので、これが全て涙かどうかは判別し難いところでもあった。
「さしものチャンピオンと言えども、夏の太陽には適わないようだな」
ふははは、と高笑いをしていると、綾香が腕ひしぎの変形型のような関節技を極めてくる。
油断も隙もないチャンピオンであるが、やっぱり途中で力尽きて、遂にぐんなりと全身から
力を抜いた。
「浩之だって暑いでしょ……」
「死なばもろとも」
呆れたような顔をして目を閉じた綾香に追い討ちをかけるようにして、さっきから断続的な
音を立てていたエアコンがぴたりと黙り込んだ。熱された静寂が頭上に重く圧し掛かる。
もう一度、「うぅ」と唸った綾香の耳元に、悪魔みたいに囁く。
「ここはもう、結婚するしか方法がないぞ」
「えー」と綾香が片目を開いて弱弱しく抗議する。
「えーじゃない、えーじゃ。エアコンはぶっ壊れている。不埒な修理業者は今週一杯休み。
物置から引っ張り出した埃まみれの扇風機は電池切れ」
「買ってきてぇ」
「んなアホな。こんな日に外に出たらコンビニ着く前に茹って唐揚げになっちまう」
「水風呂」
「もう暑くて風呂まで動けん。扇風機探しに手間取ったのが痛かったな」
「うちわ」
「あれは結局、物理学の見地では熱量的に大損してるらしいぞ」
「シャツ」
「それを脱いだら別の意味でヤバい。もっと暑くなる」
「セバス」
「遥かオーストラリアだ。先輩と一緒に」
「怖い話」
「そんなレベルの暑さじゃない」
「カキ氷」
「一体誰が作るんだ」
「飲み物」
「全部飲まれた」
「ベランダ」
「死ぬ気か」
「お腹すいた」
「知ってる」
「じゃあ」
「結婚」
言葉に詰まって、またも綾香が呟く。うー。子供をあやすように背中を撫でる。
「ここに来てるの秘密なんだろ。綾香の家の人を呼ぶ訳にはいかないけど、結婚する
って宣言すれば堂々と呼び付けられる。そしたら、とりあえず車で綾香んち行って、
冷房! 快適に飯も食える。ついでにもう隠さなくてもいい。一石三鳥じゃないか」
「そんな理由?」
「世間一般の結婚は概ねこんな感じだ。確か親父はあれだ、税金対策に配偶者
控除を受けたいがためにお袋に結婚を申し込み、お袋はお袋で学生時代からの
ライバルが三日前に婚約したから、それに勝つために一言でオーケーしたらしい」
この事実を知った純真無垢な小学生は、一時期真剣に自らのレーゾンデートルを
怪しんだものだ。
むぅ、と口をへの字に結んだ綾香の耳に、そっと唇を寄せる。
「な、いい……」
「やだぁ」
即答綾香。気を取り直して、どうして、と額にも口づけ。
「結婚は人生の墓場だって言うじゃない」
「それは男の、しかも最低部類に入る男の台詞だ。んなこと言っていると比喩じゃなしに
棺桶に入ることになるぞ。死因は日射病、なんて嫌だろ」
「でもね、あの雰囲気ってどうも耐えられないのよね」
「あの雰囲気?」
「ほら、結婚式会場のね、なんて言うのかな、そういう厳粛……というか変に重々しい
空気ってあるじゃない。浩之、行ったことある?」
「いんにゃ」
「わたしは何回か、お呼ばれで行ったことあるの。来賓席で置物みたいに微笑んで
さえいればいいんだけど、どうにもこうにも」
「暴れ出すのか」
綾香が苦笑する。
「さすがにそれはないわよ。でもね、ついつい欠伸をしちゃうのよね。それも規模が
大きければ大きいほどダメだし、佳境になればなるほど眠くなっちゃうの。この前
なんて、『御二人の初めての共同作業です』、って部分で『ふわぁぁあ』。後でトイレに
抜け出した時に見たけど、セバスチャンが向こう先の両親に土下座してたような」
「……おいおい」
「だからね、わたしが結婚すると、その結婚式は絶対大変なことになると思うのよね」
「うぅむ」首を捻る。「そういうのって、自分他人関係なく欠伸が出るものなのか」
「わかんないけど、実際やってみて、永久に愛を誓いますか、誓いふわぁす、なんて
洒落にならないんじゃない」
綾香が再び腕から逃れようとしてきた。応戦しながら言う。
「んじゃやんなくていい」
「え?」
「結婚式。籍入れるだけ」
「んー、そうしたいんだけど、一応体面ってものがあって」
「替え玉使おう。来栖側グループの技術力をもってすれば余裕余裕」
新郎新婦が共に精巧なギミックの結婚式。現代社会にアンチテーゼたらん。
「ん……」
鼻にもキスする。そうすると、綾香はいつもくすぐったそうに喉を鳴らすのだが、
今日は少し勝手が違った。
「どうしたんだ?」
心なしか、窓越しに見える庭で陽炎が揺らいでいるように見えた。芝生にもそろそろ
水をやらないと枯れてしまうかもしれない。
「あのね」綾香は言いにくそうに顔をしかめている。「結婚って、やっぱり一生に一度の
ことじゃない」
「んあ」
「別にウエディングドレスを着たいとか、そんなシンデレラチックな願望は持ってないの。
でもね、なんていうか、うん。タイミングっていうか、シチュエーションっていうか」
綾香にしては珍しく、食中りにでもあったかのように歯切れが悪い。もごもごと語尾を
濁らせて、しおらしく身を預けてきた。綾香の額が胸に当たって、こちらからは首筋しか
覗けない。背中に回している手は、もうどちらの汗で濡れているのかわからない。
湿っているかどうかも認識できない。お互いの体温を感じるだけだ。力一杯抱きしめれば
一緒にバターになるんじゃないか、と奇妙ことをふと空想した。
「だから、わかるかしら。難しいけど」
「うぅむ」
「うーんと、ほら。例えばの話だけど、今朝起きたら、わたし声がらがらだったじゃない」
そりゃまぁ、昨日の晩にあんなに高い声で鳴いてたら喉が嗄れるのも当たり前だ。
隣近所に響いていなければいいが、といつも冷や冷やする。先日はそれまで面識も
なかった三十代の主婦に「若いのはいいけど、もうちょっとボリューム下げてね。
こっちまで辛くなっちゃうから」などとウインク付きで忠告されたのだ。
ただ、あの嬌声が聴きたいばかりにわざと激しく責め立てているのも一因ではある。
「そっちは想像しない」
どんな顔をしていたのか、頬に朱の線が混じった綾香に軽く睨まれた。咳払いで
誤魔化す。
「朝の話だってば。のど飴ちょうだいってわたしが言ったら、その前に水だ、って
コップに汲んできてくれたでしょ」
「ああ」
「つまりはそういう話。一応、どんなものにも順序はあるんじゃないかしら」
つまりは、こういうことか。最初から服を脱がそうとしても綾香は逃げるけれど、鼻への
キスから始めていけば自然とそういうムードになる、と。
暑さに託(かこ)つけてなんとかしようと思ったけれど、一事が万事。こういうことでも
強引だったと反省する。
「わかった」、せっかちだった、と言い掛けると。
「じゃ、電池買ってきてね」
綾香は上目遣いで、祈るような仕草をした。
「あぃ?」
「電池。単三を二本。扇風機の。このままじゃあ、暑くて電話するのもままならないの。
重大発表するんなら、それ相応の重々しい声が必要でしょ」
「外に出たら倒れるってば」
「ぶーぶー」手を組んだポーズのまま、唇を尖らせる。
「代わりにうちわで扇いでやっから、な」
「何回ぐらいよ」
「え? 大体……百回ぐらいか」
「それはちょっと安上がりなんじゃない」
「ていうか扇風機があればいいんかい、結婚」
綾香が何かを言い掛けて、ぐぅぅっと腹の虫が鳴る。思わず二人で顔を見合わせて
笑った。
「じゃさ、冷やし中華でいいわ、冷やし中華。材料はあるでしょ。作ってよぅ。腹が
減ったら戦はできぬ、って昔から言うし」
「どこの誰と戦をするつもりなんだ」
「もちろん、家のみんなとよ。色々大変なんだから」
ふん、と綾香は力こぶをつくってみせる。そのあっけらかんとした口調に脱力する。
「一生に一度のことが、冷やし中華でいいのか」
「世間一般の理由なんて、そんなもんじゃない?」
「そうかなぁ」
「ね、いい……」
「いやだ」
「ぶーぶー」ぐりぐりと頭を擦りつけてきた。「しようよー。この家蒸し風呂並に暑いん
だから、早く脱出したいんだけど」
「ていっ」額をデコピンで弾く。「こんなシチュエーションは嫌だ。もっとちゃんとした
時に改めて言うわい」
「えー」
「えーじゃない、えーじゃ」
只今時刻は午後の二時。日付は大暑、一年で一番暑い時期である。夏の午後は
怠惰な顔をして、長々と寝そべっていた。
まだまだ、太陽の仕事はこれからが本番である。
「ねぇ、浩之」
「んー?」
「結婚しようよぅ」
「冷やし中華目当てだろ」
「お願いね」
「そんなに価値が軽いもんかっ」
「ぶーぶー」
(・∀・)イイ
投稿します。
タイトルは『四畳半の誓い』
6レス予定。
「ねえ、あなたたち結婚とかしないの?」
今日は、月に一度のお鍋の日。
ぶしゅう、と。
普段からすればかなり豪勢な食卓の上に、突如として噴水が四つ発生した。
「な、何を言い出しやがるかなてめーはっ!?」
「そーよそーよっ! ヒトの心臓に悪いこと言い出さないでよ!」
顔を真っ赤にして声を荒立てるのが二人。
短気な悪魔イビルと、お調子者の天使コリン。
その剣幕に圧されることもなく、発端となった台詞を吐いた女性であるところの、
享楽的な魔女メイフィアが、茹で上がった肉をぱくりとつまみながら答えた。
「だって、二人が付き合い始めてからもう結構経ってるじゃないの。お互いに好き合ってるんだから、
結婚とかしてもいいんじゃない? ってなーんとなく思って」
「却下却下却下! んな思いつき却下だ却下ぁ!」
「そうよ、反対反対反対っ! 悪魔の意見に珍しく賛成っ!」
左右からの絶えない口撃に、メイフィアは臆すことなく平然と返す。
「仲いいわね、あなたたち」
「誰がっ!」
「こんなのとっ!」
息もぴったりと、視線をメイフィアに向けたまま指を突きつけあうイビルとコリン。
それを見てくすくすと笑いながら、メイフィアは言葉を紡ぐ。
「いや、別にいくら仲良しだからって、あなたたち二人に結婚しろって言ってるわけじゃないんだし」
「当然だッ!」
「当たり前よッ!」
やっぱり仲がいいんじゃないですか? と、タオルを取りに行きながらアレイは思った。
「で、そこんとこどうなのよ?」
メイフィアの言葉は、無言で俯いている残りの噴水台二人に向けられた。
ほんのり頬が赤いのは、わめいて顔を真っ赤にしていた二人とは別の理由だろうと知れる。
真面目な人間、城戸芳晴と、無口な死神、エビル。
お互いの顔をちらりと見てはすぐに俯いてしまうのは、微笑ましいと共にもどかしくもあった。
「けど、エビルも本当に可愛くなったわよねぇ、ほんの数年前までは、何があってもずーっと無表情で、
照れてほっぺたを赤くするなんてことなかったのに」
「……からかわないでくれ」
「いーやいや、おねーさんは本気よん? あなたたちみたいな初心なカップル見てると、世話焼きしたくなるの」
「まるでお見合いの席のおせっかいババアにゃりぃ」
一人、鮎の塩漬けにかぶりつきながら、怠け者の猫又、たまがそう言ってケラケラと笑う。
「で、どうなの?」
両手をぱんぱんと叩きながら、メイフィアが変わらぬ笑顔で二人に訊ねる。
「い、いえあの、どうなのと言われても」
芳晴の視線が、部屋の隅で血溜まりに沈んでいる猫又の残骸の辺りを泳ぐ。
ああ気にしないで気にしないで、と微笑む魔女に、言い知れない恐怖を感じつつ。
「平たく言うと、うちのエビルを幸せにする気があるのか、飽きたらぽいと捨てちゃうのか、ってこと」
「捨てるなんて、そんな!」
「芳晴はそんな奴じゃない」
「そーよ、何考えてるのよこの油絵!」
メイフィアの質問に、途端に反論を飛ばす三人。あらあらどうどう、とそれを宥めながらメイフィアがウインクする。
「それだったら決まりじゃない。迷う必要なんてないわよ?」
「ぐっ……」
そう言われると言葉に詰まってしまう。
それでもやはり、ハイそうですねと答えられるものではない。
お似合いですけどねえ、と思いながらアレイは、タオルを渡しながら鍋の火を弱くした。
「そ、そんなことイキナリ言われたって、俺はいいですけど、江美さんの方の気持ちだって――」
「そうだそうだ! いいかエビル、嫌なことは嫌だってはっきり言うんだぞ」
今度は、芳晴の言葉に便乗してイビルがエビルに話の水を向ける。
(ちなみに江美とはエビルの人間としての名前である)
いつものように無言で頷く反応を期待してのことだったが、今回はそれが裏目に出る。
「私は……芳晴がいいなら、それでいい」
「いいっ!? おいちょっと待てエビル!」
「え、江美さん」
思わぬ反応に慌てる二人に、エビルはじっと芳晴を見つめて言葉を続ける。
「それともやっぱり、芳晴は嫌なのか?」
「な、何言ってるんですか! 嫌なわけないでしょう!」
お互いに、真っ赤な顔をしながら見つめ合う芳晴とエビル。
そこに割り込むコリン。半分浮きながら食卓の上に身を乗り出している。
そんなコリンに追随して、イビルも大きく声を上げる。
「ちょおーっと、待ったぁ〜! 芳晴がよくても、パートナーのこのあたしが許さないわよッ!」
「そうだ! エビルがよくても相方のアタシがよくねえっ!」
「あら、ちょっと待ったコールなんて懐かしい」
そう言って、メイフィアが笑いながら片手でコリンを押し戻す。ついでに肉と野菜を一切れづつ小皿に取って。
ちなみに、コリンと芳晴はペアで『ナイトライター』と呼ばれる退魔業を営んでいたりする。
イビルとエビルも、コンビを組んでからの付き合いはかなり長い。
「じゃあ、振られ者同士あなたたち二人でペア組んじゃいなさいな」
「誰がッ!」
「こんなのとッ!」
共闘意識の膨らまないうちに、同名をあっさりと瓦解させる一言。
気を逸らされて、大人しく席に戻るコリン。
皆さんが食べないと煮詰まっちゃいますねえ、と呟きながら、アレイは小皿に具を取り分けていた。
「あああ、ええっと、それで、あの、その、ですから……」
「お茶、どうぞ」
「あ、有難う」
多少パニックに陥ったものの、横から自動人形フランソワーズに薦められたお茶を口に含み、人心地つく芳晴。
ふう、と一息入れて、真剣な顔をする。
「江美さんのことは好きですし、できたらけ、結婚もしたいと思ってますけど」
「芳晴……」
ぽ、と一層頬を紅くするエビル。照れそうになる自分に喝を入れながら、なんとか言葉を続ける。
「……それでも、式を挙げるとか籍を入れるとか言う話になると、俺たちだけの問題じゃなくなりますから」
「別のモノ入れるぶんには、お互いの気持ちだけで充分なのにねえ」
びしゅう。
食卓上に、再び水の華が咲く。今度は五つ。
なんでそんなにいいタイミングで汁気のあるもの口に含んでいるかな、というくらいに絶妙のタイミング。
メイフィアも、その辺狙って言っているのかもしれない。
「て、て、て、テメエわあああぁぁっ!」
「な、な、な、何言い出すのよぉぉっ!」
「め、め、メイフィアさあぁぁんっ!?」
「ん、なあに? いいじゃない別に。二人が週末にデートの予定入れてたって」
イビル、コリン、さらにはアレイまで一緒になって絶叫するが、平然と受け返すメイフィア。
デートの予定、の一言に、いつもなら突っ込むところを、今ばかりは安心して席に戻る二人。と、ついでにアレイ。
動揺しながらも落ち着いたところで、再びお茶を口に含む。
「まあ、デート帰りにどこに寄るかまでは知らないけど」
ぶぴゅう。
食卓に、三度、水の華が咲いた。
噴き出されて飛び散ったものを、ごめんなさい申し訳ありませんと謝りながら、アレイは慌てて拭き取っていた。
「なんでメイフィアさんがデートのこと知ってるんですか」
「それは企業秘密……って、ヤバ」
半眼で彼女を見つめる芳晴の問いに答え、不穏な空気を感じ取ったメイフィアは、慌てて逃げ出そうとする。
だが、その額縁をがっしりと捕まえる者の手が、それを許そうとはしなかった。
「く、くくくふぅ。メイフィアも道連れニャロメぇ」
「あ! こ、こらたま、ちょっと、放してってば、放……して……」
言葉の最後は尻すぼみになってしまう。それもこれも、ゆらりと立ち上がるその姿を見たから。
誰もが揃って無言になる。彼女が今の今まで話に加わろうとせずに、黙っていたのは何故だったか?
初々しい二人と、怒りっぽい二人をからかう様を、微笑ましく眺めていただけだろうか?
答えは否。
最初にお茶を、味噌汁を、豆腐を、タレを噴き出したときに、それを浴びたのは誰だったか?
アレイが慌ててタオルを取りに言ったのは、何故だったか?
ずっと無言でいたのは、口を開くと我慢が利かなくなりそうだったからではないのだろうか?
そして、なんとか最初の噴水の飛沫を拭き取り、乾いたかという頃に、二撃三撃と追撃を受けたのは誰だったか?
「あんたたち……おふざけも大概にしなさいっ!」
激怒。カミナリ。
溜め込まれ、膨れ上がった怒りの感情が、あたり一面に闇を伴って吹き荒れる。
すっくと微笑んで立つ魔界の貴族、ルミラの目は、決してにこやかに笑ってはいなかった。
アレイは恐怖で気を失っているし、フランソワーズは人形に戻ってどこかに隠れている。
コリンとイビルは普段の仲違いも気にせず、抱き合ってがたがたと震えていた。
芳晴とエビルはぎゅ、とお互いの手を握って、これを決して放すまい、と身構えて。
たまとメイフィアは、竦みながらも放せいや放さない、と組み合っているうちに。
「おしおき」
夜の住宅街に、恐怖と絶望の絶叫が響いた。
「まあ、メイフィアの話もあながち、からかいだけじゃないわけよ」
からかい半分なのは間違いないけど、と続け、肉を口にするルミラ。
「社会的にも経済的にも問題は山積みだけど、結婚したいって言うなら止めないし、協力もしたげるから」
そこまで言って、どう? と返答を促すルミラ。
答える側の芳晴とエビルは、そんなルミラの向かいに並んで座って謹聴していたが。
「……芳晴」
「江美さん」
二人見つめあい、コクリ、と頷く。
卓袱台の下で繋がれた手に力が篭り、意を決して口を開く。そして宣言する。
「俺たち、結婚します」
――と。
「……で、結婚するならどんな式? 和服のエビルって一回見てみたいのよねえ」
「ちょっとちょっと、芳晴はクリスチャンなんだから、式は教会で上げるに決まってるでしょ!」
「でもせっかく日本でやるんだし、ちょっとは和風でもいいじゃない?」
「引き出物はアユ塩にするにゃー!」
「黙れバカ猫! おめーは招き猫でもやってろ!」
「あのあのっ、私はエビルさんのウエディングドレス姿も見てみたいです!」
「どうせなら両方やっちゃおう。三々九度と指輪交換とか、別々でもまとめてでもいいし」
「でも、色々やるとなると先立つものが」
「結局そこか。城戸家はそこそこお金あるわよね?」
「あー、でもあそこ代々退魔の家柄だから。死神を結婚なんて、許さないんじゃないかなあ」
「そうなったら私が力づくでも首を縦に振らせてやるわよ、心配ないって」
「それが一番心配なんですけど」
そんな感じでワイワイと騒ぐみんなを見つめながら、芳晴とエビルは苦笑する。
――やっぱり、後悔した? ――いいや、別に。楽しくていいじゃないか。
そんな無言のやりとりと。
繋がれた手は、優しく、そしてとても力強く、互いを愛しむように合わされていた。
かーっ!今日はツイてる
いいものみたぜ グッジョーブ!
【告知】
締め切りまで残り 11 時間を切りました。
最後の追い込みがんばっていきましょう。
今回のテーマは『結婚』で、締め切りは 6 月 27 日の午前 10:00 です。
締め切りギリギリまたは少し越えて投稿をしそうな方は、
前もってお伝えください。それについて考慮いたします。
また、締め切りを過ぎても即、投稿期間終了というわけではありません。
締め切り間際で他の方の作品と交錯する恐れや、最悪の場合、アクセス禁止が
かかる可能性があります。焦らず、落ち着いて投稿してください。
これより投稿します。
タイトルは『蟷螂』(とうろう)、主人公は秋子さんです。
少しダークというか、ブラックかもしれません。不快に思う人がいたらすみません。
直接的にグロテスクな描写や、キャラが酷い目にあうようなシーンは避けたつもりですが。
それではよろしくお願いします。
水瀬秋子には愉しみがあった。
真夜中の台所で、冷蔵庫の扉を開けた。そこには色とりどりの小瓶が並んでいた。
それらはすべて手製のジャムである。秋子は昔から、ジャムを作ることを得意としていた。
彼女のジャムの中には、他人はまず作らないような、珍しいものもあった。
独身時代には、新たなジャムを作るため、資料を集めるのに熱中したこともある。
外国の文献を探し求め、それのためにヨーロッパやアラビアの古い言語を学習することさえした。
ことジャムに関していえば、おそらく彼女ほどの知識を有するものはいないだろう。
秋子は冷蔵庫の奥から、ひときわ大きな瓶を取り出した。
電灯の光に透かしてみると、その中身は赤黒みを帯びて、やや毒々しくも見える。
やがて彼女は、やにわにその瓶を両の乳房の間に押し付けた。
そして亡夫の面影を掻き抱くかのように、「あなた……」と一声呟いた。
秋子は瓶の蓋を開け、中身を少し指で掬った。
粘性はあまり高くなく、ジャムというよりクリームに近いかもしれない。
舌の上に乗せた。
それはまるで媚薬のように、彼女の官能を刺激した。
痺れるような感覚が背中を走ったあと、ようやく口の中にその味が広がるのを感じた。
それは甘味や酸味よりも苦味が特徴的で、どこか金属を思わせる匂いがあった。
秋子はパジャマのボタンを外し、胸を露わにした。
まろび出た乳房は若々しい。成熟しているとはいえ、清楚な感じでもあった。
その肌の瑞々しさは、高校生の娘を持つ年齢としては、異様ともいえるほどだった。
ジャムを指につけると、乳輪に沿って擦り込んだ。
丹念に肌に馴染ませる。ジャムは少しざらついた感触がした。
秋子の胸が熱を帯びはじめる。乳頭が硬く張り詰めた。
彼女は目を閉じ、ある愛撫の記憶を意識の奥から探った。
「あなた……あなた……」
漏れる吐息の中に、亡夫の名前が混じった。
その時、秋子は背後に人の気配を感じた。
「あれ、お母さん……何してるの?」
娘の名雪の声だった。
「──何でもないのよ」
秋子は素早く胸をしまうと、娘に振り返った。
いつも通りの、穏やかな笑みを向ける。
「名雪こそどうしたの、こんな夜中に」
名雪が真夜中に起きて、寝惚けてもいないのは珍しい。
「うん。えっと、なんか喉が乾いちゃって」
「そう」
秋子は冷蔵庫からポットの麦茶を出して、グラスに注いでやった。
「あ、お母さんありがと」名雪はそれを受け取って飲んだ。
飲み終えたグラスを水道でゆすぎながら名雪が尋ねた。
「お母さんは何してたの?」
その質問に秋子は一瞬緊張したが、努めて冷静を装った。
「ちょっと考え事をね」
「ジャムのことを?」
「ええ、まあね」
「ふうん」
名雪は少し黙り込むと、ためらいがちに言った。
「お父さんのこと、思い出してたの?」
やはり先程の声を聞かれてしまったのかしら、と秋子は少し狼狽した。
「そうね、まあ、思い出すこともあるわ。それより……」秋子は話題を変えることにした。
「それより名雪、祐一さんとはどうなの?」
「え……?」
祐一という名前に、名雪は明らかに動揺したらしかった。
「年頃の男女が同じ屋根の下にいるんですものね。惹かれあうのも当然だわ」
「え、え、何言ってるの、お母さんっ」
もはや名雪の頭からは先程のことなど消え去っているようだった。
「隠さなくてもいいのよ。あなたの気持ちなんてすぐにわかるわ。親子だもの」
名雪はただ、赤くなって俯いている。
「あなたたち、似合いのカップルよ。わたしも祐一さんのことは好きだし、本当の息子になったら嬉しいわ」
実際、秋子は祐一には好意を抱いていた。
歳の差がなければ、叔母と甥の関係でなければ、娘の思い人でなければ、自分が彼を愛したかもしれないとさえ思う。
「それで名雪、祐一さんの気持ちは確かめた?」
「えっと……まだ」名雪は俯いたまま小さな声で答えた。
「祐一がわたしのことをどう思ってるのか、よくわからないし」
「わたしが見たところ、祐一さんもまんざらじゃないと思うけど。機会があったら、それとなく聞いてみてあげましょうか?」
「そんな、いいよっ」名雪は慌てて首を振った。
「遠慮しなくていいわよ。亀の甲より年の劫。お母さんにまかせなさい」
「も、もうっ、お母さんってば、知らないっ」
「あ、名雪」
拗ねたふりをして出て行こうとする名雪を、秋子は呼びとめた。
「そのうち、ジャムの作り方を教えてあげるわね」
「え? ……う、うん」
なぜ突然ジャムの話になるのか、名雪は訝しんだ様子だったが、とりあえずは頷いて部屋に帰っていった。
再び台所で一人になった秋子は、足元に何か柔らかいものが触れるのを感じた。
「あら、ぴろ」
それは、いつのまにか水瀬家の一員になっていた猫だった。
「おなかがすいたの? じゃあ、おやつをあげましょうね」
秋子は一つまみの鰹の削り節を小皿に入れてやった。
猫はすぐにそれに飛びつくと、喉を鳴らしながら食べ始める。
「よしよし」
背中を撫でてやった。猫は頭を小皿に突っ込んだまま、嬉しそうに尾を垂直に立てた。
「おまえは可愛いわね」
表情が緩む。秋子も猫は大好きだった。
秋子は昔、猫を飼っていたことがあった。
可愛がっていたので、寿命とはいえ死んだ時にはいたく悲しんだ。
その死骸をただ処分するのが忍びなく、考えを巡らせた。
そして、ジャム作りの資料に集めたフランスの古文書の、ある一節を思い出した。
それは、不老不死の研究をする錬金術師の話だった。
最愛の妻を失ったその錬金術師は、その骸を特殊な方法で加工した。
それは、動物性の蛋白質をジャム状にしてしまう、というものだった。
錬金術師は愛妻の肉体をジャムに変えて保存しようとしたのだ。
それは、成功した。
完成したジャムに、錬金術師は異常なまでの偏愛を抱いた。
やがて彼は精神に変調をきたし、このジャムこそが不老不死の薬だ、などと主張して回った。
そして最後には異端者として裁かれたという。
秋子はその話に奇妙に惹かれるものを感じた。
愛するものの血肉をジャムの瓶に閉じ込めて、永遠の存在にできるなら。
彼女は、愛猫の死骸を用いて、その方法を試してみた。
それは一応は完成したが、失敗作だった。
材料のせいか、作り方のせいかは分からないが、それは一年も経たずに腐ってしまったのだった。
秋子はそれを庭に埋めてやって、猫が死んだ時以上に涙を流した。
ぴろは鰹節を食べ終わると、満足げに台所から出ていった。
娘の部屋の方は行かなかったので、秋子は安心した
家族が猫アレルギーだと、いろいろと気苦労がある。
(名雪が猫好きなのにアレルギー体質っていうのも、何かの因果かもしれないわね)
秋子はジャムの大瓶を愛しげに撫でながら、そんなことを考えた。
「あなた……」
無意識のうちに呟きが漏れる。
愛猫で失敗してから後、彼女はさらに動物性ジャムに関する資料を探し、研究を続けた。
そして、それは彼女自身の最愛の人には間に合ったのだった。
「あれ? 秋子さん、ジャムの瓶なんて眺めてどうしたんですか?」
声に振り向くと、そこには祐一がいた。
「あら、祐一さん。いえ、ちょっと昔のことを思い出していたんですよ」
「はぁ、そうですか」
祐一も喉が乾いていたらしく、冷蔵庫から麦茶を出した。
それを飲み終わるのを待って、秋子が声をかけた。
「ちょうどよかった。祐一さんとちょっと話がしたいんですけど、いいですか?」
「ええ、かまいませんけど」
秋子と祐一はテーブルの向かい合わせに座った。
「祐一さん、名雪のこと、どう思ってます?」秋子はいきなり切り出した。
「え?」祐一に表れた動揺の色は、先程の名雪と同じものだった。
「え、ええっと、そりゃ、嫌いじゃないっていうか、好きですけど、それはやっぱり幼馴染だし、従姉妹だし……」
しどろもどろに答える祐一の純朴さが、秋子には微笑ましかった。
わが甥ながら本当にいい子だ。男性としての魅力も、これからますます磨かれるだろう。
名雪も本当にしっかりしないと、そのうち誰かに取られちゃうわよ。
お母さんだって、祐一さんと結婚できたら、なんてちょっと考えるくらいだもの。
しばらく黙り込んでいた祐一が、急に表情を引き締めた。
「ええい、この際だから秋子さんに白状しちゃいますけど、俺……名雪のこと本気で好きです」
「そう、やっぱり」
「気付いてたんですか?」
「ええ、それとなく」
祐一と話を続けながら、秋子の意識はテーブルの上のジャムの瓶に注がれていた。
このジャムも、だんだんと減ってきちゃったわ。そんなことを彼女は考えていた。
「ねえ、祐一さん」
いつか名雪にも、ちゃんとジャム作りを伝授しないといけないわね。
「わたし、祐一さんが将来、名雪と結婚するようなことがあればいいな、なんて思ってるんですよ」
今から投稿します。
タイトルは『悔恨』
14レスを予定しています。
三月一日。
霧のような雨の日。
あたしの誕生日。
今日もあたしは彼と寝る。
日常となった情事。互いに求め合う肉体。
あたしたちには、それしかなかったから。
事が終わった後、あたしが荒れた呼吸を整えている間に、彼はこちらに背を向けてため息をついた。
深く、長い、大きなため息。
それは繰り返される約束事のようなもの。
「どうしたの?」
あたしは問う。答えなんてわかっているくせに。
「……いや、なんでもないさ」
そして彼もまた、同じような返事を繰り返す。
―――こんな日でさえも。
窓の外では静かに雨が降り注いでいる。
その目に見えないほどの小さな雫たちは、まるでずるいあたしを責めるかのように、音も無く、暗闇に紛れて、でも確かに地表へと舞い降りていた。
今から約一年前、あたしの妹が他界した。
死因すらはっきりとわからないほど難しい病気。
その時には医者も、そしてあたしを含めた家族でさえも、表向きは既に覚悟が出来ていた。
だから葬式の当日ですら、声を上げて泣いていた者はいなかった。
静かに執り行われる葬儀に参列することもせず、ただ一人、家の裏手で泣いていた彼を除いては。
彼は自分を責めた。誰の責任でもない、誰にもどうすることも出来なかった事のはずなのに、自分を責め続けた。
あたしはそんな彼に近づき、彼もそれを受け入れた。……多分、妹の代わりとして。
そう。その時の彼は、そしてきっとあたしも、ただ温もりを求めていただけ。相手なんて誰でもよかったのかもしれない。
その時から彼もあたしも、栞のことは口にしないことが暗黙の了解になっていた。
彼はあたしを抱く事に罪悪感を感じていた。あたしとの行為が代替行為だとしても、その事を決して口にしたりはしなかった。
そしてあたしは死んだ妹の彼氏と、傷を舐め合うように身体を重ねつづけた。
―――それから一年近い月日が過ぎた。
「ほら、プレゼント」
まるであたしの問い掛けを誤魔化すかのように、脱ぎ散らかした服のポケットから小さなリボンのついた包みを取り出した。
「あ、憶えてくれてたんだ」
あたしも、そんなことを考えていることなどおくびにも出さず、素直に喜ぶ。
「当たり前だろ。……開けてみろよ」
「うん」
感謝されるのが照れくさいのだろう。彼は頬杖をついたまま、なんだかそわそわしつつ視線を泳がせている。
質素な青い包装紙を丁寧に開くと、中から鈍く光る金属の輪が顔を出した。
「あ……指輪……」
くすんだ銀色の、ひょっとしたらその辺の露店で売っているような、飾り気のないシンプルな指輪。
「サイズが合えばいいんだけど」
頷いてさっそく中指にはめてみる。恐らく適当に選んだであろうそれは、奇跡的にあたしの指に馴染んだ。
「お、合ったみたいだな」
「ぴったり……」
薄暗い室内灯にかざしてみると、色のないはずのそれが暖かな白熱灯の光に照らされて、燃えるように紅く輝いていた。
「所詮は居候の身だからな。少ないバイト代からひねり出したから、そんなに高いもんじゃないけど」
照れくさそうに後頭部を抑えつつ言う姿は、怒るかもしれないけれど、とても可愛らしかった。
「嬉しい……ありがとう、相沢君」
甘えるように彼に抱きつくと、彼は優しく抱擁を返してくれる。
温かな彼の胸の中、合わせた肌がとても心地いい。
「まあ、いつかは」
そして彼は、鼻の頭なんて掻きながら。
「本物を買ってやるさ」
こんなことを言うのだ。
冗談を言っているような調子ではなかった。
彼の真摯な言葉は、確かな温もりとなってあたしの胸の奥に染み渡る。
嬉しい。
嬉しいけど、いや、嬉しいからこそ。
今日は聞いておかなくてはいけない気がした。
「相沢君、こういうことの後っていつも考え事してるわよね」
彼の腕の中から離れ、真っ直ぐに目を見て問う。
「……そうか?」
彼はせっかくの雰囲気を壊されたためか、少しだけむっとした顔をしていた。
「そう。いっつもよ」
「……」
彼の表情が硬くなる。
それはまず間違いなく、あたしの想像が正しいということを意味していると思う。
あたしの中でもう一人のあたしが、もうやめよう、何もこんな時に聞かなくても、そう言っている。
でも違う。こんな時だからこそ、聞いておかなくちゃいけないんだ。
「栞の事考えてるんでしょ」
部屋の空気が、凍った。
帰らない人、届かない想い……起こらなかった奇跡。
彼はその想いを今も引き摺っている。
「そんなわけないだろ」
見え見えの嘘。それであたしを騙すことができないなんて彼もわかっているはずだ。
自分でも騙せると思えない嘘なんて、最初からつかなければいいのに。
「相沢君、嘘つくの下手よね」
「……」
「あたしとしてる時にあの子の事を思い出してたんでしょ」
「そんなわけないって言ってるだろ」
「あたしの誕生日って事は、あの子が―――栞が死んでからほぼ一年よね」
「……それがどうかしたのか」
「あの子の身体、一年たっても忘れられないほどよかったの?」
「―――っ!」
鋭く息を呑んだ彼が平手打ちの形で右手を振り上げる。
叩かれる、と思っても、あたしは不思議なほど静かな気持ちでその光景を見ていた。
彼は手を振り上げたまま、怒っているような、それでいて泣いているような目でこちらを見据えている。
その時あたしは気がついた。彼の顔に浮かぶもう一つの表情……それは何?
どうしてそんな目であたしを見るの?
「…………」
考えている間もその手があたしの頬に振り下ろされることはなかった。少しの沈黙の後、振り上げた手が震え、彼は静かにその手を元の場所に戻す。
「なんで、そんなこと言うんだ」
そして彼は苦しげに、まるでうめくように、それだけを吐き出していた。
否定しない。肯定もしない。
ただ純粋に、栞を貶めるようなことを言ったあたしを怒るだけだ。
「……否定しないの?」
あたしはそんな彼を追い詰める。
本音を聞かなくては意味がないから。
「違う、そもそも比べるようなことじゃない」
彼がその答えをはぐらかす。
嘘で逃げたりしない。それはなぜ?
「栞が生きていても、あたしのことを抱いてくれた?」
あたしは、一体何を言っているのだろう。
「……」
彼は困ったように押し黙ってしまう。
わかっている。
比べるようなことじゃないなんてこと、言われるまでも無くわかっている。
だけど、これはどうしても必要なこと。
「あたしは結局、いつまでたっても栞の代わりなのよね」
「……」
それを聞いても相沢君は黙ったままだった。
そう。
いずれ訪れる破局なら、取り返しがつかなくなる前に終わらせてしまいたい。
それがどんな結末を生むことになろうとも。
サァ……
沈黙が支配する部屋の中、窓の外で静かに降り注ぐ雨の気配だけがあたしの意識に届いていた。
彼の顔がまともに見れない。
何か言って欲しい。
あたしの事を抱くのなら、嘘でもいいから安心させて欲しい。
でも……
そう思うのと同じぐらい、そんな嘘は聞きたくないと思っている自分がいる。
栞のことを忘れて欲しくないと思っている自分が―――
サァ……ッ
雨が、微かにその強さを増したような気がした。
「……ごめんなさい」
先に折れたのはあたしの方だった。
彼はなにも言わず、もう一度その腕であたしのことを包みこむ。
温かな場所。子供のように甘えられる場所。
……栞がいるはずだった場所。
「どうしてあたしを抱くの……?」
その背中に腕を回し、思い切り抱きしめると、自然と涙がこぼれ出てくる。
どうしてあたしがここにいるのだろう。
どうしてここにいるのがあの子ではないのだろう。
彼の腕に抱かれて嬉しいはずなのに。
その思いをかき消すように誤魔化しようのない罪悪感が湧き上がり、胸を引きちぎらんばかりにあたしの心を蹂躙する。
自分でもどうしようもない、この二つの相反する想い。
彼を想えば想うほど、それと同じぐらい……むしろより強烈に、栞に対する悔恨の念が湧き上がる。
二人でいる時はできるだけ押さえ込んでいた。すくなくとも、表に出さないように押さえ込もうとはしていた。
でも、忘れることなんてできるわけなかった。
それはあたしの、一生かかっても償いきれない罪なのだから。
「……あたし言えなかったのよ」
彼は先の問いにも答えず、黙ってあたしの言葉を聞いている。
あたしはまだそんな彼のほうを見ることができずに、その胸に顔をうずめたまま独白を続けていた。
「いままで辛くあたってごめんって、こんなお姉ちゃんを許してって、最後まで言えなかったのよ……!」
胸の奥底から、堰を切ったように今まで押さえ込んでいた言葉が噴き出してきた。
だけどいくら後悔しても、どんなに自分を責めても、その想いは死んだ者には届かない。
どうしてあんな仕打ちをしてしまったのだろう。
無視して、冷たくあたって、すぐに後悔して。
部屋に戻って一人で泣くぐらいなら、どうして手を差し伸べてやれなかったのだろう。
あの子の笑顔が痛かった。遠くからあたしを見る視線が苦しかった。
「相沢君がいなかったら、あたし、あの子が死ぬまで他人として接するつもりだった。最後の日だって」
ザァ……ッ
窓の外の雨足が一層強くなる。
「あの子が死ぬ間際になって、怖くて傍から逃げ出してたのよ……!」
だけどその音は、もうあたしの耳には入っていなかった。
「栞は……お前に無視されるのが一番辛かったんだ」
ふと、それまで黙っていた相沢君が口を開く。その声にあたしは、背けていた目を彼の方に移した。
「それはわかってるよな?」
彼は悲しそうな目であたしを見ながらそう言うと、部屋の隅に置かれたストールに目を移す。
もう誰も身につけることのないそれは、畳まれたままひっそりと息を潜めていた。
栞の形見。あの子はいつだって、あたしから贈られたそれを身に纏っていた。
「……わかっているわ」
そう。わかっている。
あたしはそれを身に纏う栞を、いつも気が狂わんばかりの気持ちで見ていたのだ。
あの子はこんなあたしを、不甲斐ない姉を最後まで慕っていてくれた。
「それでも栞は、お前と距離を取った。お前を悲しませないために」
あたしにはそれが逆に辛かった。
栞がストールをいつも身に付けていたのは、あたしへの愛情表現であると同時に、愛する妹の存在を心から追い出そうとしたあたしへの、ささやかな復讐であったのかもしれない。
「あいつは最後まで笑っていた。辛くても、苦しくても、残された俺たちが悲しまないように、無理をして笑っていたんだ」
ふと、あたしを包む彼の腕が震える。
「悲しまないなんて……そんなこと、できるわけないのにな」
あたしはその時、相沢君が泣いているのかと思った。
そう思って彼のほうを見たけど、辛そうな顔をしながらも、涙を流しはしていなかった。
「もっと何かできることがあったんじゃないか。もっと何かしてやれたんじゃないか。
俺にもそういう考えがずっと付きまとっていた。そして多分、今も」
一年振りに彼の口から漏れる、後悔の言葉。
「香里の言う通りだよ。お前を抱いている時、どんなに頭から追い出そうとしても、栞の姿がちらつくんだ」
付き合うようになってから、初めて聞いた彼の本音。
でもその言葉は、予想していたような痛みはなくて、むしろあたしは安堵を感じていた。
「……そう」
「でも、香里は香里だ。栞の代わりなんかじゃない。栞の事を忘れるなんて出来ないけど、お前のことだって愛している。大切に思っているんだ。
……あきれたか?」
そう言って不安そうにあたしのほうを見る。彼の事を責める権利なんてあたしにはない。責める気もない。
「あなたが他の人を想いながらあたしを抱くのは辛いわ。
……でも、それ以上に」
あたしはもう一度彼の胸に顔をうずめ、力いっぱい彼のことを抱きしめる。
「お、おい」
「栞の事……妹のことを想い続けていてくれた事、それをあたしに言ってくれた事が……嬉しいのよ」
そう。あたしは結局、あたしだけを想ってくれている彼より、栞を好きでいてくれている相沢君が好きだったのだ。この心の痛みを理解し、許容してくれる人だからこそ、彼に惹かれたのだから。
傷を舐め合うのも悪くない。その傷が、二人の心にできた同じ傷ならば。
長い間凝り固まっていたわだかまりが溶けたような気がする。
「あたしは多分、あの子に嫉妬してた。いなくなってしまってからも、相沢君の心を掴んで離さないあの子に。
でもそれ以上に、あの子はあたしの可愛い妹なのよ」
心が軽くなる。全てを吐き出して、ようやく彼を正面から見る事ができるようになった。
「だから、あの子の事を忘れないでいてくれて、嬉しかった」
あたしはそっと彼の唇の自分のそれを重ねる。
どちらからともなく互いを求め合い、自然、身体を重ね合う。
ザァ……ッ
強くなった雨足は衰える気配も見せないけど、今のあたしには、その音がやけに心地よくて。
あたしは今、初めて彼と一つになれた気がした。
「あたし、子供が欲しいな」
事が終わったあと、あたしは中指にはまった銀色の指輪を見つめながらそう言った。
「……そりゃまた随分と気が早いな」
「もちろん、今じゃなくてもいいわよ。五年でも十年でも、相沢君があたしを嫌いにならなければ」
「馬鹿なこと言うなよ」
ぐっ、と、それほど逞しいとはいえない腕であたしを胸の中に引き寄せる。
あったかくて広い胸に顔をうずめて、あたしはこの上ない安心感と幸福感に包まれるのだ。
「そうだな。高校を卒業して、秋子さんの所から独立できるようになったら―――」
一瞬だけ言葉を切って天を仰ぐ彼は、ひょっとしたらあたしと同じことを考えていたのかもしれない。
「そういうのもいいかもな」
まっすぐにあたしの目を見ながら、似合わない真面目な顔をする彼がおかしくて。
「ふふっ」
つい、吹き出してしまった。
「おい、俺が一世一代の決意をしたっていうのに、笑うことないだろ」
途端に情けなさそうな声を出すもんだから、余計におかしくなってしまって。
「あはははは」
あたしは声を上げて笑ってしまった。
「はあ……ははっ、全く。本気なんだか冗談なんだか」
彼も一緒に苦笑い。
あたしの目からたまらず零れ落ちた涙は、笑った拍子に流れ出たにしては量が多かった。
「あはは。冗談なんて言うわけないじゃない」
「信じられん。またからかってんだろうが」
「そんなに拗ねないの。……子供、ほんとに欲しいんだから」
「名前もね、もう考えてあるのよ」
「女の子だったら予想がつく気がするな」
「そう? じゃあ、男の子だったら?」
「それは想像がつかん」
「男の子だったらね、栞」
「おいおい、男でもか」
「そう。男の子でもよ」
「……そうだな。それもいいかもしれないな―――」
三月一日。
あたしの誕生日。
窓の外はまだ雨が降っている。
その小さな雫たちは、真っ直ぐに、何かを乗せているかのように、確かに地表へと降り注いでいた。
以上です。
1レス投下します
タイトルは「stay and pray」
です
新郎は十字架の元に立ち、敷き詰められた絨毯の先、教会の入り口をじっと見つめていた。
開け放たれた扉の向こうから父親に手を引かれ歩んでくる花嫁をただ待っていた。
しかし、彼の目に映るは、茜色に染まった夕刻の陽射しのみ――
「なあ……いつまで浸ってるつもりだ?」
静寂を破ったのは、ただひとり来賓席に残っていた青年。
きっちりと正装しているが、セットし損ねたのか、髪の毛が一房だけ不自然に跳ねていた。
「君の方こそ、いつまでそこに座っているつもりだ?」
言い返しつつ、いかにも神経質そうな仕草で眼鏡を押し上げる新郎。
前の列の背もたれを抱きかかえるように行儀悪く猫背になりながら、さあな、と青年。
「しかしまあ、見事な攫いっぷりだったな、相沢の奴」
「ああ。まるっきり『卒業』のラストシーンだった」
改めて彼女が去った方向へ視線を向ける。
混乱と罵声のさなか、バージンロードを踏みつけて駆けていく姿が目に焼き付いて離れない。
「お前、相沢が花嫁攫いに来るってわかってたんだろ。ていうかさりげなく倉田先輩の背中押してなかったか?」
「もし彼が川澄さんを同伴でもしようものなら、殴り飛ばす準備もできていたんだが」
新郎がおもむろに始めたシャドーボクシングはかなり様になっていた。
悪友の前歯の健在であることを、青年はいちおう喜んだ。
「……よかったのか、本当に」
愚問だという自覚はあった。それでも訊かずにはいられなかった。
「どうせ政略結婚だ。愛情はなかった」
「嘘吐きは地獄に落ちるぞ」
青年が顎で十字架を示す。
「今更、だろう?」
新郎は皮肉っぽく唇を歪めた。
「身の程知らずにも籠から逃げたカナリヤと、カナリヤ泥棒を祝福してやってくれ、せめて君くらいは」
以上です
今から投下します。7レス予定。
カノンの佐祐理で、タイトルは『The Graduate』です
お父様からその話を聞いた瞬間だった。自失の後、私は生まれて初めて神様を恨んだ。
「もう『クラタ』は保たないんだ。佐祐理、久瀬さんと結婚して欲しい」
静かに、でも確かに震えながら、お父様はそう言った。自分の娘を『クゼ』に差し出そうと言うのだ。見返りは、『クラタ』の従業員数千名の生活。
不況の煽り食って、『クラタ』の事業は暗礁に乗り上げていた。思い切った先行投資は失敗し、取引先は次々と契約を打ち切り、ついには今月不渡りを出すと倒産するところまで来ていた。
生き残りを賭けて、お父様は奔走した。
そんな中、『クゼ』の会長から提案があった。
『クラタ』と『クゼ』を合併しようと言うのだ。私と久瀬さんとの結婚を条件に。
お父様は、条件を飲んだ。
今まで省みてこなかった娘に対する羞恥からだろうか。お父様は唇を噛みしめながら項垂れていた。――だけど、
「分かりました。お父様」
私はそう言った。他に選択肢なんか、ありっこなかった。
「すまない」と一言だけ、お父様はこぼした。
次の日、電話で事のあらましを舞に伝えた。彼女には話しておこうと思ったから。
会って話がしたいと言う舞と、喫茶店で待ち合わせることにした。
溢れるような初夏の日差しの中、私は商店街に向かう。これで見納めになるわけではない。だれど『クゼ』に輿入れしてしまえば自由になる時間は持てないように思えて、ウインドウショッピングをしながらゆっくりと歩いた。それは、いつもと違って見えた。
交差点の信号を待ちながら、店のウインドウごしに、退屈そうにしている舞の姿を見つける。舞も私に気が付いたみたいだった。私は軽く手を振った。
「ごめんねー、待った? 舞」
言いながら、私は窓際の席に掛ける。舞は「待ってない」と答えた。
やってきたウエイトレスにアイスコーヒーを注文してから、私は「今日は暑いねー」と言った。
「佐祐理は、それでいいの?」
舞は憮然とした表情で訊いた。
「はぇ? だって暑いから、アイスコーヒーでいいよ」
「そうじゃない」
表情を変えずに、舞はじっと私を見据えた。その視線が、私には痛かった。
「あははーっ、あのことね。大丈夫。久瀬さん、きっといい人だから」
「……うそ。佐祐理は祐一が好き。祐一も佐祐理が好き。だから、うそ」
「何を言ってるの、舞。そんなわけないよー」
舞は答えずに、仏頂面のまま、夏色に染まり始めた街並みに眼を移す。
ウエイトレスがアイスコーヒーを運んできた。私はシロップを入れずに、ミルクだけを注ぐ。ストローでカラカラと氷をかき混ぜる。
「それでね、舞。そのこと、祐一さんには話さないでいて欲しいの」
「なぜ?」
驚きに、私は目をむいた。
舞が怒っている。それはとても僅かな表情の変化だけれども、私には彼女の静かな怒りを感じ取ることが出来た。
「佐祐理はいつも一人で決める。何か困ったことがあるなら、どうして相談してくれない?」
「……舞」
「私や祐一は、役に立たない?」
ここに来る前に、私はある決意をしていた。今、あらためて覚悟を決めた。
「役に、立たないよ。舞……」
舞は、言葉を失った。私は続ける。
「全然、役に立たないんだよ。舞や祐一さんに五十億円用意できる? 無理だよね」
「……」
「佐祐理の家はね、普通とは違うから。それにね、これは、佐祐理の問題。舞や祐一さんに迷惑は掛けられな――」
「迷惑なんかじゃないっ!」
舞は立ち上がった。
「佐祐理がつらいときは、私だってつらい。祐一だって、きっとそう。それでも関係ないみたいに言うの?」
私は目を伏せた。
「……ごめんね、舞。でも無理だもの。二人に相談したって、なんにもならないから」
「もういいっ!」
舞はそう言い放つと、足早に店を出て行った。
……うん。これでよかったんだと、そう思う。
だって、あの二人は優しすぎるから。本心を話せば、私のために頑張って何とかしようとするだろう。それは分かり切っていたから。
舞にも祐一さんにも、私の抱えてる問題、嫌な世界には関わって欲しくなかった。
だけど、胸にぽっかりと穴があいたみたいで、大切な親友を失ったみたいで、その喪失感が、やっぱり、つらかった。
それから少し経ったある日の夜だった。私の家に久瀬さんを招いて晩餐会を開いた。
お父様は最高クラスのシェフを臨時に雇った。豪奢なディナーが食堂に並んだ。
私達のもてなしに久瀬さんも満足したのか、その日は雄弁に私達の将来や合併後の経営方針などについて語った。
「――情報化の波に立ち後れたのが『クラタ』の敗因でしょうな。今投資すべきなのはIT関連事業ですよ。情報資産のグローバルシェアリングこそ今日の企業に必要なものです。いやなに、我々にお任せ下されば最適化されたソリューションを……」
べらべらと知識を衒う彼。お父様はさも興味深そうに耳を傾けていた。そんなお父様の姿に、私は目を背けた。
『――困ります! 今大事なお客様が――』
『――少し話をするだけだ――』
不意に玄関の辺りから騒々しい声が聞こえた。
お父様と久瀬さんは、訝しそうに食堂の入り口を見る。次の瞬間、バタンと派手な音を立てながら、ドアが開いた。
そこには祐一さんが立っていた。
「佐祐理さん、話がある」
「祐一さん……」
「本当なのか、久瀬と結婚するって」
口止めは無駄だった。いや、舞のことだから、さんざん悩んだ末に祐一さんに話したのだろう。
はっきりと言わなくてはならない。決別の言葉を。
「……帰ってください」
「佐祐理さん?」
祐一さんは信じられないといった表情で言った。
「帰ってください、祐一さん。佐祐理は、久瀬さんと結婚します。だから、……迷惑、なんです」
振り絞るように言った。悟られてはいけないから。
食堂に、久瀬さんの嘲笑が響き渡った。
「相沢君、聞いたかね? 倉田さんは帰れと言っている」
「久瀬、貴様……、佐祐理さんのどんな弱みを握った?」
「人聞きが悪いな、倉田さんの意志だよ」
「ふざけるなっ!!」
祐一さんは久瀬さんの胸ぐらを掴んだ。
「おやおや、また暴力かい? もっとも、今度はブタバコ行きだが」
煽る久瀬さんに、祐一さんは激昂して拳を振り上げる。
「やめてくださいっ!!」
私は叫んでいた。
「祐一さん、やめてください。言ったでしょう? 迷惑だって。佐祐理は久瀬さんと結婚するんです。それが望みなんですっ!」
「……佐祐理さん……嘘だろう?」
私は首を振った。
「さようなら、祐一さん。もう会えません」
久瀬さんの笑い声だけが、辺りに響いていた。
ウエディングドレスを着た私は鏡の前に立って、その中の自分の姿をただ見つめる。
あの日から祐一さんにも舞にも会っていない。ただ時間だけが足早に駆け抜けていった。
「倉田さん……いや、もう佐祐理と呼ぶべきかな」
タキシードを着た久瀬さんが控え室に入ってくる。
「もちろんかまいませんよ、お好きにお呼び下さい」
そっけなく、私は答えた。
中指で眼鏡のフレームを上げながら、久瀬さんは溜息を吐いた。
「まぁ、いいでしょう。そろそろ時間です、行きましょうか」
「……はい」
私は久瀬さんの腕を取った。
礼拝堂の扉が開く。
祭壇に続く真っ赤な絨毯。その先に吊られた大きな十字架が目に入る。ステンドグラスごしの淡い光に照らされて、礼拝堂には荘厳な空気があった。それで、もう引き返せないのだと、実感する。
両脇には沢山の来賓客がいた。『クゼ』の関係者だろう。見知った顔は無かった。
やがて、オルガンの奏でる賛美歌が響き始めた。
それに合わせて、私と久瀬さんはゆっくりと歩く。
祭壇の前には、司教が待っていた。
お決まりの文言を歌うように言った後、二つの指輪を取り出して、私と久瀬さんに誓いの言葉を促した。
「誓います」
久瀬さんは言った。
司教は私の方に視線を移す。
誓いの言葉を、言わなくては。
『――合格!』
『なにがですか?』
『俺の嫁に』
『そんなこと言ったら、みんな祐一さんのお嫁さんになっちゃいますよー』
どうして今、こんなことを思い出すのだろう。決別ならすませたはずなのに。
忘れなければならないのに。あの記憶が、私の心を激しく揺り動かす。
353 :
名無しさんだよもん:03/06/27 03:22 ID:z0f1be59
1000!
――小さな教会で、ささやかだけど心のこもった式を挙げる私と祐一さん。舞が微笑みながら私達を見守ってる。
何度も脳裏に描いては消した、そんなシーン。
眼から溢れた冷たい滴が、頬をつたって、こぼれ落ちた。――その時だった。
「佐祐理ぃぃ――――っ!!」
叫び声が、礼拝堂に響き渡った。
私は振り返る。
赤い絨毯の向こう、開け放たれた扉。その光の中に、祐一さんがいた。
「佐祐理さん、――来いっ!」
祐一さんはそう叫んで、右手を差し出す。
「祐一、さん……」
まるで時間が止まったように、静まりかえった礼拝堂の中で、私は立ちつくしていた。――祐一さんが、来てくれた。
溢れてくる暖かい気持ちを、だけど、危うい理性が押さえ込む。どうしていいのか分からずに、私はお父様の方を向いた。
お父様はゆらりと立ち上がて、言った。
「佐祐理、自分で決めなさい」
私はハッと息をのんだ。
「決めるんだ。佐祐理はどうしたい?」
遮るように、久瀬さんは怒鳴る。
「倉田さん、それはどういうことでしょうか?」
私にではない、お父様に彼は言った。それで、私は、意を結した。
司祭から指輪をむんずと奪い取り、それを床に叩き付けた。
「久瀬さん、私、貴方とは、――結婚できませんっ!」
そう言い放った後、私は駆けだした。
バージンロードのちょうど真ん中、そこで祐一さんは私を抱き留める。ふわりと抱きしめられて、くるりと廻った。
「佐祐理さん、逃げるよ?」
祐一さんは、囁くように言った。
「はいっ」
私たちは手を取りながら、教会の扉をくぐり抜ける。その後に礼拝堂の中がどよめいているのを感じた。
「佐祐理さん、こっちだ。バス停がある」
ちょうど停車していたバスに飛び乗って、最後尾の座席になだれ込んだ。
発車するバス。
息を切らせながら、私たちはお腹を抱えて笑い合った。
「祐一さん」
名前を呼んで、彼を覗き込む。それで、顔が腫れ上がってるのを知った。
「どうしたんですか? それ」
祐一さんは痣にてお当てながら、「舞だよ」と言った。
「ふぇ? 舞ですか?」
「ああ、あいつ、泣きながら殴るんだぜ? 佐祐理を迎えに行け、行かないと一生恨むからってな」
「舞が……」
「それで思い知らされたよ。いちばん大切なのは、気持ちなんだってな」
「祐一さん……」
「佐祐理さん、先のことなんて分からない。だけど、付いてきてくれるか?」
答えなら決まっていた。
(エピローグ)
ここで、結婚式を挙げ損なった教会に、話の舞台を戻す。
すっかり人が引けた後の礼拝堂に、久瀬は一人残っていた。ステンドグラスに装飾された聖母マリアと天使を、ただ見つめている。
ギィと扉が重たく鳴った。一人の女性が礼拝堂の中に入ってくる。
「川澄か……」
久瀬は呟いた。
舞はコクリと頷いた。
「二人は?」と彼女は訊いた。
「行ったよ。思惑通りにな」
「……そう」
舞は何かを思い悩むように、顎先に手をあてた。
「久瀬」
「なんだ?」
「……久瀬は、器用じゃない」
久瀬はククッっと笑った。
「言っただろう? 全ては『クゼ』の為だ。倉田さんはパートナーとなる企業の後継者だからな。将来のトップが精神的に脆弱では困るのだ」
合併ではなく、提携。では彼の提案した条件とは?
「……そのために、久瀬は大芝居を打った」
舞は言った。
「そうだ。正直倉田さんの弱さは目に余るのでな。左手首の傷、知ってるのだろう? ライバル企業ならしておいてもいいが、提携企業となると話は別。相沢君には彼女を支える役を担ってもらう。すべては『クゼ』の利益のため。ただそれだけだ」
「そして私に話を持ちかけた」
「協力者が必要だったからな。我々の目的は同じだった」
「ああでもしないと、ダメだったから。佐祐理も祐一も、意地っ張り」
久瀬はふんっと鼻を鳴らした。
そんな彼を舞はじっと見据える。そして、
「ありがとう」
ただ一言、そう言った。
「勘違いしないで欲しいと言った筈だが……」
「……」
舞はそれ以上何も語らずに、踵を返した。
その姿が扉の向こうに消えるほんの一瞬、彼女はもう一度だけ久瀬の方を振り返る。彼女の口許には、淡い微笑みが浮かんでいた。
それを見た久瀬は、何かを許されたような気分になっていた。そして、そんな自分自身を、苦笑した。
やべー締め切り今日だったの?
せっかくだから投稿します。
4レス
『色褪せない日々』
『色褪せない日々』
抜けるような青空に白い花束が舞う
6月の花嫁が投げたブーケは弧を描き
「わたしのー」
さすがの瞬発力で落下地点に到達し、両手を広げる名雪の頭でバウンドして
ポスッ
と、後ろにいたみしおたんの手の中に納まった
「あら」
目を丸くして自分の手の中にあるブーケを見つめるみしおたん
ワッと周りで歓声があがる
ナイスコントロール!とばかりに親指を立てる祐一に香里がウィンクで応えた
式の前に、祐一はブーケをみしおたんに投げるよう香里に頼んでいたのだ
まさか名雪にあんな結婚願望があるとは思わず一瞬ヒヤッとした祐一だったが
まあ、それも結果オーライだ
「わたしの・・・」
その名雪は残念そうな顔で頭を押さえながら、ブーケと香里を交互に見ていた
どうやら親友のウェディング姿を見て羨ましくなったらしい
新郎新婦がオープンカーに乗って退場したところで晴れやかな式も滞りなく終了
あの花嫁綺麗だったわねーなどと歓談しながら皆ぞろぞろと散開する中
何かタイミングを見計らってるかのように動こうとしない祐一
なにやらさっきから深呼吸をしている
「相沢さん?」
いぶかしげに見上げるみしおたんの肩をポンと叩いて、祐一は思い切って言った
「次は俺たちの番だな、天野」
相沢祐一、一世一代のプロポーズ大作戦である
「は?」
みしおたんからは実にすっとんきょうな声が返ってきた
「いや、だから、花嫁の投げたブーケを手にした者は次の花嫁になる、という言い伝えがあってだな・・・」
「それは存じていますが、受け取ったのは相沢さんではなくて私ですよ?」
「いや、だから、その受け取った天野と、お、俺がだな、その、なんだ、次にだな、こう・・・」
「あ、ひょっとして私たちが一番結婚に縁遠いのにねっていう頓智ですか?」
「と・・・いや、だから、俺たちがその・・・結婚をする番だと」
「は?相沢さんが?誰と?」
「天野と」
「どちらの天野さんですか?」
「今俺の目の前にいる天野美汐さん」
「・・・」
「・・・」
「・・・ま、またまたそんな、からかわないで下さいな」
「本気だ」
真剣な祐一の眼差しに思わず目を伏せるみしおたん
祐一は
「だって・・・相沢さんにはあの子がいるじゃないですか・・・」
みしおたんがポツリとつぶやいた
「私だって、そういうことを考えた時期もありましたよ、そうなったらいいなって・・・」
「天野、」
「でも!」
顔を上げたみしおたんの目には涙がいっぱいに溜まっていた
「相沢さんにはあの子がいるじゃないですかっ!だから私は、私は・・・私・・・」
「天野・・・」
「相沢さんはもうあの子のことを忘れてしまったんですかっ?!」
「それは違うよ、美汐」
いつの間にか名雪がそこに立っていた
「名雪、悪いが・・・」
「祐一は黙ってて、時間が無いの」
二人きりにしてもらおうとした祐一を制し、名雪はみしおたんの腕をつかんだ
「おい、名雪・・・?」
「美汐、祐一は真琴のこと忘れてなんかいないよ」
「あの・・・?」
「三人での生活に慣れて、忘れそうになって、それを一番恐がってるのは祐一なの」
いつもののんびりした名雪とはまるで別人のような顔つきだ
「この5年間ずっと一人で悩んでた、美汐への気持ちに気づいてからはもっと悩んでた」
「気づいてたのか名雪・・・」
年々色褪せていく写真、輪郭が霞んでいく記憶、遠くなっていく声・・・
自分ではどうすることもできなかった
「それを天野に知られるのが一番怖かった」
「相沢・・さん・・・」
「この間、二人であの丘に行ったとき、天野は言ったよな」
『相沢さんと一緒にここでこうしていると、いつでもあの頃の自分に帰れるような気がします』
「俺も天野と一緒なら、いつでも、いつまででも真琴を待っていられる」
みしおたんはただ黙って祐一の言葉を聞いている
「もし好きになったのが天野以外の人だったら、俺は結婚なんて考えなかっただろうな」
再び涙が込み上げてくるみしおたんの手を取る名雪
その手に持っていたブーケをみしおたんの胸に押し当てる
「そうよ、美汐だから大丈夫、美汐だからあたしと結婚した祐一と結婚していいの」
「え?」
「あたしは祐一と結婚式をあげて嬉しかったの、それだけで嬉しかったの」
「なゆ・・・真琴、お前真琴なのか?!」
名雪の・・・姿を借りた真琴の肩を揺する祐一
「あぅーっ、そんなに揺らしたらダメだってば祐一っ」
「帰ってきたのか真琴!?なんで名雪の格好なんかしてるんだ?」
「本当に真琴なんですか!?」
「ちょ、ちょっと二人ともダメよぅっ、起きちゃうじゃないっ」
二人に両手を引っ張られて名雪の顔をしかめる真琴
「真琴、帰ってきたんじゃないのかよ!?」
「あたしはいつだって祐一と、祐一と美汐の二人と一緒にいるんだから・・・」
真琴の声がかすれていく
「あぅ、もう行かなくちゃ・・・もっと言いたいこといっぱいあったのに・・・」
「待てよっ、俺も言いたいことは山ほどあるんだっ」
「美汐を泣かしたら・・・許さないんだからね・・・祐一・・・」
「真琴っ、あの丘で待ってるからなっ」
「私も待っていますからっ」
「・・・ふぇ、誰を?」
いつもの間延びした名雪の声だった
「名雪さん、これ欲しいのでしたらあげます」
みしおたんが手にしたブーケを差し出した
「え、いいの?」
「ええ、私には必要ありません」
「あ、天野・・・?」
「言い伝えよりも確かなものがありますから」
そう言って祐一を見上げるみしおたん
「あ、ああ、そうだな」
照れたように鼻をこする祐一
「ありがと〜」
無邪気に喜ぶ名雪
「なあ、それって手渡しでもいいのか?」
「それもそうですね、では行きますよ、名雪さん・・・それっ」
抜けるような青空にもう一度、白い花束が弧を描いた・・・
モロ被り・・・?同じ人?
締切延長希望の方はおられますでしょうか?
【告知】
ただ今をもって、投稿期間を終了させていただきます。
参加された書き手の皆様、どうもご苦労さまでした。
それでは、これから感想期間に入ります。
投稿された SS について感想、討論などをご自由に行ってください。
期限は 7 月 4 日の午前 10:00 までとさせていただきます。
367 :
サル君:03/06/27 10:07 ID:LGFs5oPM
私たち極悪非道のアストラルバスターズ。
ネタもないのに、メンテするわよ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ _ ノ >>¥<<
,, '´ ヽ '´ `´ ヽ . ´ ̄ ヽ
〈 从リハ))〉 ! iノリノ)))〉 ! 从ノリ)〉
. `(!(,!'゚),(!) ((∩し^ヮ゚ノァ ノli(! ゚ ‐゚ノ
(( ⊂)水∩ )) !ヽ)i水!つ)) ((つ水!つ))
く」」_〉 ヽく/_|〉 くノ_ハ〉
しヽ.) (./し' しヽ.)
最初の方をいくつか読んでみたので、感想のようなものを少々。
欲ばりなエンゲージ−リング(ONE)
>>178-185 いやあもうなんて言うか、俺妄想爆発って感じでいいね。粋な壊れっぷりだぜ浩平。
UNOやったりマンガ読んでる列席者がいい味出してた。
でもまあ、全員留年の提案はさすがにどうかと思う。
いや、その提案自体がどうというより、その一言で一斉に白けてしまうのがなんだかなという感じ。
もう少し個別に反応の違いみたいなものが欲しかった。いや、普通はあきれると思うんだけどさw
フィクションなんだし、もう少し狙った方がよかったのではないかと。
それに浩平なんだし、馬鹿な事言っても「はいはい」とか言ってスルーされそうな気がするし。
というか奴には、いっそのこと全員を幸せにしてやるぜ!ぐらいの意気込みを見せて欲しかったなあw
……でも俺のイメージだと、浩平がこういう馬鹿な事を言った時って
瑞佳だけついてきそうな気がするんだけどね。しょうがないなあとか言いながら、あとからこっそり。
あなたには幸せを わたしたちには思い出を(うたわれるもの)
>>267-274 独白形式はいいね。読みやすいし、語り手の感情がスムーズに入ってくる。
こういうわいわいと勢揃い的な雰囲気って好き。キャラも活き活きしてたし。
このゲームってハクオロが一人に入れこむ事がないから、どの女の子に対しても微妙に淡白なんだよね。
逆に全員がほのぼのと「仲間」的な雰囲気を作ってる。
良くも悪くもそこが特徴だと思うし、このSSはその「良さ」を活かせてると思う。
嫉妬に狂う女の情念も良いけど、同じ男を愛することから生まれる連帯感、っていうのもいいかなと。
ちょっと気になったのは、ベナウィの口調がクロウに話しているにしては丁寧過ぎたような気がしたけど、
だいぶ前にプレイしただけなので原作でどうだったかは忘れた。的外れだったらすまんです。
371 :
名無しさんだよもん:03/06/28 01:16 ID:3utFLgd6
_,, 、 ,,,
/´ i ゝヽ_/〈i゙ヽ
i! OV'" .,、ヾ) l! バカばっか
i! ,〈,ノノリハ))〉,i! .、 ,,_ .、 ,,_ ∩
!l 从.i|┰ ┰i l!/Dヽ―<〈 i゙ヽ /Dヽ―<〈 i゙ヽ ((
リノソ .リゞ―^ 'リソ'i!(i/"ト、 ゙VO i! _ i!(i/"ト、 ゙VO i!__))
/ (^う. i!〈((リ ))iハ) | .l!/n_) .i!〈((リ ))iハ) | .l! 〈⌒、
_| スニ- 、 .l! |i -、 ‐-リノ. lレ'=,ノ⌒l! |i┰ ┰|iノ l! 人 ヽ ))
( -ヽ/__ ) ⊂リ⊂二 ⌒)从リ_ ノ 从リ" ^―'.リ'从ノつ`- ー '
372 :
名無しさんだよもん:03/06/28 01:28 ID:eHrz7C4M
373 :
_:03/06/28 01:30 ID:vMADQdcF
374 :
_:03/06/28 01:37 ID:vMADQdcF
375 :
名無しさんだよもん:03/06/28 02:14 ID:BoOPGuRF
376 :
_:03/06/28 03:15 ID:vMADQdcF
377 :
_:03/06/28 06:10 ID:vMADQdcF
378 :
_:03/06/28 09:02 ID:vMADQdcF
379 :
_:03/06/28 10:27 ID:vMADQdcF
俺はせっかくだから、最後から感想をつけてやるぜ!
『色褪せない日々』
ネタばれ有り(藁
三人称の視点で書くのであれば『みしおたん』より『天野』もしくは『美汐』にすべきじゃないかな。
『葉鍵の住人だから『みしおたん』とかけば、天野のことだと判るはず』という姿勢はあまり関心できない。
ついでに『みしおたん』と書いた時点で、作者が『天野』というキャラに思い入れがあり、話の展開が読めてしまう。
さらに言うなら、作者が『天野』を贔屓にしているのが露骨に見えるのも、名雪ファンなどから見れば、先を読む気が
なくなってしまうのでは?
一人称でキャラクターが『みしおたん』と思っているぶんには、不自然さは感じないけどね。
内容的には、うーん、ちょっとご都合主義かな(^^;
生き霊である『あゆ』なら、まだ判らなくもないが、狐の『真琴』に、人に取り憑く能力ってあるのかな。
『物の怪だから』と言われてしまうと、反論のしようが無いが。
381 :
380:03/06/28 17:08 ID:LwUdOq1p
『The Graduate』
>倉田さんはパートナーとなる企業の後継者だからな。将来のトップが精神的に脆弱では困るのだ」
この展開だと、祐一と佐祐理は戻らず、どこか遠くに駆け落ちして、二度と家に戻ってこないような
気がするんですけど。
なんか、このスレでは久瀬が『実はイイ奴』というパターンが多いね。
話的にはありふれたパターン。最後で毛色を変えようとしているけど、少し強引な幹事が否めない。
文章としては、所々読みづらい場所が有るけど、数をこなせばよくなるでしょう。
382 :
380:03/06/28 17:22 ID:LwUdOq1p
『stay and pray』
なんというか、見事にネタが『The Graduate』とかぶってるね。
比べてしまうと酷ではあるが、こちらの作品は書きたいと思うことを、端的に書いてある分、
印象に残る。
欠点をいえば、主人公が誰で、話しかけている人間が誰なのかは文中に明記すべきだと思う。
あと、『攫い』など見づらい漢字を出すときは『攫(さら)い』というように、読み仮名をつ
けるべきだろう。読者が読めなければ、それまでなのだから。
383 :
380:03/06/28 17:42 ID:LwUdOq1p
『悔恨』
得てして長い文章の場合、最初の1ページ目で勝負が決まる。面白いと思えば次が読みたくなり、
つまらなければ、それっきりで終わる。そしてこの話は……漏れ、この手の話好きやねん・゚・(ノД`)・゚・。
まず、技術的に申し分ない。スラスラと最後まで一気に読んだ。
読み終わった後、心に残るものもある。
欠点を言えば………テーマの『結婚』がちょっと薄いかなぁ。
あと、人の死によって話を作るのは、簡単でそれなりのものが出来る分、漏れ的には減点対象。
総じて良作だと思う。
384 :
380:03/06/28 17:57 ID:LwUdOq1p
『蟷螂』
し、知らなかった。秋子さんのジャムに、こんな秘密があるんなんて・゚・(ノД`)・゚・。
水瀬家の男って、全員死亡フラグが立っているんですか?
技術力は問題なし。話の展開も予想を裏切る形で進行し、楽しく読めました。
題名の意味もなかなか意味深げでOK。
欠点は………テーマの『結婚』が薄いかなぁ……。
385 :
380:03/06/28 18:14 ID:LwUdOq1p
『四畳半の誓い』
>「別のモノ入れるぶんには、お互いの気持ちだけで充分なのにねえ」
大笑いしますた(^^
話としては、出演者が多数のわりに『よくここまでまとめた』という感じ。
鍋をつつく辺りやら、全体的にホンワカとした空気がまた心地よい。
悲劇を書くより、喜劇のほうが難しいしね。
ただ、人数が多いせいか状況説明が長くなり、文章が少し読みづらい感じがしたかな。
あと、
『できたらけ、結婚もしたいと思ってますけど』→『できたら、け、結婚もしたいと思ってますけど』
上記のようにしたほうがいいのでは。
最初「『できたらけ』ってなんだろう?」と思いました。
386 :
380:03/06/28 18:29 ID:LwUdOq1p
『団扇以上電池未満』
えーっと、正直いいまして、内容の割には文章が長いかなぁ。
この長さで起承転結がないと、途中で飽きてしまう。
話的には悪くないが、読書後の余韻が残らない。
暑苦しい雰囲気だけは堪能出来ましたけど(^^;
387 :
380:03/06/28 18:42 ID:LwUdOq1p
『いつもの夢』
ちょっと文章が少しくどい感じがする。
あと、テーマが少し弱いかな。
話としては悪くないと思う。
出来れば、千鶴と耕一との結婚式の場面も欲しかったかなぁ。
388 :
380:03/06/28 18:52 ID:LwUdOq1p
『あなたには幸せを わたしたちには思い出を』
うーん。この作者は作品を通して何が訴えたいのだろう。
『幸せになりました』というのは内容で有ることはよくわかったが、『だからどうした』
と突っ込みを入れたくなってしまう。
他の人がどう思うかは判りませんが、漏れとしては批判しか思いつかないかなぁ。
389 :
380:03/06/28 18:59 ID:LwUdOq1p
『君に届くなテレパシー』
> ――という妄想が脳に流れ込んできて、俺は慌てて射精寸前だった腰の動きを止めた。
うまい!(^^
最後でこんな見事なオチがくるとは思わなかった。
いやーお父さん、一本取られちゃったよ。
作品とは、まったく関係ない話だが、琴音って確か染色体が半分という設定だったような気が……。
子供って出来るのかな?
390 :
380:03/06/28 19:17 ID:LwUdOq1p
『世界が終わる、少し前』
うーーん、パス1。
ハーレム的な話が嫌いという訳ではないが、唐突に意味もなくハーレム状態というのは何とも。
悪く言えば、作者の自己満足の作品になりがち。
題名もあまり意味がないような気がする。
391 :
380:03/06/28 19:22 ID:LwUdOq1p
『つまらない日常』
どうせやるなら、名雪や栞とかもやって欲しかったかな。
あと、文章を投下するときには、最初に発表する作品の題材と簡単な内容、
レス数を書いて投下するように。
392 :
名無しさんだよもん:03/06/28 19:24 ID:7RmJzNVZ
どっちにしても感想貰いたがる奴は、
自分でサイト作る手間よりも、
このスレでウザがられるほうが楽だと考える、
無神経タイプ。
393 :
380:03/06/28 19:32 ID:LwUdOq1p
『らすとりぐれっと』
パス2〜。
現実に実在する人物のSSは悪いけど、アウトオブ眼中。
『欲ばりなエンゲージ−リング』
パス3〜。
理由は前の感想にもかいた通り『唐突に意味もなくハーレム』が好きではないから。
しかし……この手の話、鍵作品が多いのはなぜ?
394 :
380:03/06/28 19:46 ID:LwUdOq1p
『結婚』の総評
最優秀作品 該当無し
佳作作品 『蟷螂』『悔恨』『四畳半の誓い』
特別賞 『君に届くなテレパシー』
佳作作品はどれも出来が良い物の、『蟷螂』『悔恨』はテーマがいまいち薄かった為、
最優秀作品には届きませんでした。
今回のテーマは、実は書きやすそうで、書きづらいテーマだと思います。
『結婚して幸せになりました』では、やはり話として深みが足りない。
或る意味、技術が試されるテーマといえるでしょう。
久しぶりに全作品、感想をつけてみましたが、全体的にレベルは上がっていると思います。
蛇足ながら『締め切り間際に作品が集中すると、感想をつける気が無くなる』とか言う香具師は、
単 に 気 合 い が 足 り な い だ け
だと漏れは思う。
395 :
380:03/06/28 19:48 ID:LwUdOq1p
追伸
無駄にレスを消費してしまい申しない。
まとめて、感想を投下すれば良かった。
>380
あんたの言いたいことはわからないでもないし、
どこか俺も言いたいことと共通するものはある。
でも、曲がりなりにも自分の都合でパスしてたりするくせに
そうやっていかにも偉そうな意見をつらつら並べてるのを見ると
何様だと言いたくなる。
少しは感想を書く方なりの謙虚さを持って欲しい。
398 :
380:03/06/28 21:09 ID:LwUdOq1p
>>396 煽っている暇があるなら、作品の感想を書け
>>370 感想ありがとうございます。
>>UNOやったりマンガ読んでる列席者がいい味出してた
ここと、ヒロインが争う場面は、正常な価値観が働いていない世界観を分かって
もらうため絶対必要だったので、ここを受け入れてもらうと本当に嬉しいです。
>>いっそのこと全員を幸せにしてやるぜ!
確かにそっちのが楽しそうですね。ああ・・何とかそっちに行きたかった。
何とか「あっ」と言わせるどんでん返しも入れたかった・・。
僕はその場の盛り上がりだけで書くのですが、どうしても浅くなってしまい
悩みます。
でも、時間をかけても、単に墜ちていくだけな気がして、また悩みます。
それ以外でも、はっきりは分かっていないのですが、根本的な甘さがあるので
見つけ次第潰していこうと思います。
掘り下げねば・・。
>>393 感想ありがとうございます。
う〜・・視野が広がるよう精進します。
399です。
最終日のはパソコン使えなくなったので読めなかったけど、そこまでで一番印象に残ったのは、
『あなたには幸せを わたしたちには思い出を』
よくあるお涙ちょうだいものだって?
そういうのが好きだから葉鍵やってんだよ俺は。
ストレートに、そしてスマートにそれが出てて良かった。
>>399 誰か一人感想付ける度に後書き&ネタバラシやるつもりかい?
感想期間が終わってからまとめてやって。
>399-400
作者としての返答は総括期間にしてくださいませー。
>>399-400 作者は一週間後の総括期間までは書き手の挨拶禁止だよ。
詳しいことは
>>2移行に書いてあるからそれ読んでくれ。
できれば今までのコンペ見て雰囲気つかみぃ。
第1回 「花」14
第2回 「走る」9
第3回 「雨」15
第4回 「夏だ!外でHだ!」12
第5回 「嘘」27
第6回 「絶体絶命」11
第7回 「夢」17
第8回 「キス」11
第9回 「旅」11
第10回 「初め」9
第11回 「プレゼント」11
第12回 「耳」15
第13回 「桜」15
第14回 「風」13
第15回 「結婚」14
計 204作
今回で200越え
ああ・・本当すみません。やっちまった
406 :
403:03/06/28 23:17 ID:OecsqOJv
ふっ、テーマが結婚とは言え三人がかりでケコーンストリームアタックしてしまうとはw
いじめるつもりじゃなかったことだけは分かってくれ。ではまた総括期間にでも。
407 :
名無しさんだよもん:03/06/29 00:07 ID:kATzxcLN
やれやれ、うっかり返事しただけでこの袋叩きか…。可哀想に。
>>407 そら、サッカーの試合中にいきなりボールを手でつかんで走り出したら袋叩きにあって仕方ないわな。
409 :
名無しさんだよもん:03/06/29 01:18 ID:9xuZzAL2
>>408 馬鹿だなぁ…
面倒だから突っ込まないけど。
>>408 スルーしとけ。
409みたいに絡まれるのが落ちだから。
>>404 ということは、記念すべき200作目は『蟷螂』だったわけか。
100作目はなんだったのかな。
>>411 先ほど数えてみたが、第七回の「目覚め」のようだ。
ちっ、あと少しずれていれば俺のだったのにw
くそ、一つ違いで200ゲトし損ねた!
……まいっか。
例の、作品投下ごとに一行煽り入れてく奴とかが
貼りついてるみたいだね。コピペ改変投稿近辺も何か変だったし。
変なレスだと思ったらその可能性を思い出してスルーすべし。
何が変で何が変じゃないかはっきりしているわけではない。
その状態でスルー徹底した所で、ルール無用のストリートファイトになるだけ。
かと言って無用な煽りもする意味が無い。
脳内ルールを振りかざさず、冷静に話し合えば良い。感想期間が終わってから。
↑
早速来た。
これはスルーで。
毎度。たまにしか出てこない駄目出し突っ込み型解説人です。
変なことに着目するのである意味参考になるようなならないような。
こんな構成はどうだろう、と言うのが度々出てきますが、まぁ参考程度に。
とりあえず順番に……真ん中から五本ほど。感想一本書くのもけっこう時間がかかるので。
「あなたには幸せを わたしたちには思い出を」
うたわれ未プレイです。ので推測混じりだが、素直に読んで感じた感想を。
少し気になるのはエルルゥの思いこみ。ユズハの心情を確信しすぎている。
>ユズハちゃんはそんな豪華な結婚式なんて望むはずありませんから。
特にここらへんね。他にもエルルゥが他人の心情を代弁しているところがやたら目に付く。
多分外れてはいないんだろうけど、そう人の心は断定できるもんではないのでは。
エルルゥ一人称のために、周りの状況を彼女に全て語らせたがための失敗かな。
も一つ、そのせいで、少し説明的な文が多い。多少くどく感じる。
の割には
>>272の冒頭、キャラを口調だけで立てているのが気になる。
結婚式全体の雰囲気はいいと思うんだけど。
白い花をユズハに例えているところから推測すると、ユズハは子を産んで息絶えてしまったのだろうか。
ふむ……いっそそれならユズハ一人称の方がもっと深いものを書けたかもしれないな、と思う。
なによりも幸せだった彼女を描きたいのなら、子を産むところまで描いた方が良かったかもね。
テーマが弱くなってしまうけど。
最後をエルルゥで締めるにしても、その子に伝える(わかんなくてもいいから)、などの手法で強化は可能。
もう一伸び欲しかったね。
「いつもの夢」
いきなり細かい突っ込みしてみたり。>家の家事。RRですか楓ちゃん。
次に千鶴さん、社内の着服問題なんて重大なことを、おいそれと口にしちゃいけません。
とくに仕事のことで家族には心配をかけたくないはずです、あなたは。
そこは「急に東京の方に出なくちゃいけなくなって」とか言いつつ、地の文で適当にごまかしましょう。
まぁここら辺は細かいことなんでいいのだが……
>だが、耕一は千鶴を裏切る事は出来なかった。千鶴は自分を必要としている。結婚して一生
>支えてあげると約束してしまったから。
耕一が、なんだか義理で千鶴さんとの結婚を決めているような表現が気にかかるのですが。
なんだか千鶴さんも楓嬢も可哀想です。楓が切ない思いを抱えているだけに、余計。
エロイのはいいです(断定)。テーマ的にはどちらかと言えば「夢」向けですね。
最後は「微笑み」の上に、もの悲しいとかつけた方がいいでしょう。雰囲気的に。
もったいないです、この作品。結構上手いとは思うのですよ。さりげなく鋭く、気を回す梓とか。
>「団扇以上電池未満」
ぬぅ……いいな。(なぜそれで第一声が『ぬぅ』なのか)
そこのバカ共とっとと結婚しろ。電池なら俺がくれてやる。冷やし中華は好きじゃないからざるそばだ。
てーかいちゃつくのはいいから素直に水風呂入ってエロでもやって俺を楽しませろおまいr
『ただいま不穏当な発言がありましたことをお詫びいたします』
ちとくどく感じるところもあるが、変な例えとか金魚のくだりとかは嫌いじゃない。
最後にセリフの逆転現象が起きているから、そこら辺くどく思えるのはしゃーないな。
つか読んでたら暑苦しくなってきた。責任取ってくれw
一つつっこむところがあるとすれば、
頬を足の甲でぺしぺし叩いてきつつ、うつぶせで胸元をぎりぎり見せないという綾香は一体どんな姿勢なのか。
浩之→  ̄|_|○\_○_ ←綾香 こうか?
でもその体勢だと、尻とパンツを見せつつ上半身ひねって胸も見せるという、
エロゲピンナップにありがちなポーズ並に無理があって、間違いなく腰がいかれるからやめておけ。
「四畳半の誓い」
いやまいきなりイビルとコリンが結婚とはまた大胆な。イビル似合うなタキシードw
てーのは狙ったんでしょうな。どうせ違和感があるのだから、もちっと早めにネタばらししてもいいと思うが。
エビルが吹き出すのもちと想像しがたい。彼女だけは別枠でよかったような。
ルミラ様への反応が展開の都合上無視されてしまったというとこはあるけど、許容範囲。
でもアレイだけでなく、エビルもさりげなくそっちのフォローに回しても良かったかも。
初っぱな慌てまくっていたわりには、結論が性急気味なところはあるかな。芳晴だけにねぇ。
結婚するとも言っていないのに周りは勝手に式のこととかで盛り上がって、
置いてけぼりにされた二人がひっそりと誓う、そんなんで締めてもいいかもと思う。
なんつーか見てる方が恥ずかしいな、この二人は。
俺がイビエビ好きなのをさっ引いても、悪くない出来だと思う(←俺にしてはけっこう褒めている)。
たまがメイフィアに瞬殺される辺りも、お約束だけどいい。
「蟷螂」
やっぱダークっつーかグロのような気もするが……(苦藁
「た」で締める文章が多くて、リズムが単調なのが気になるところも。
なんでも分かっているけど、あえて見守る傾向の秋子さんにしてはちと干渉しすぎかなぁ。
結婚方面に持っていくために、秋子さんに喋らせすぎたっていう違和感が出てしまっている。
名雪に対しても、祐一に対しても。
独得のジャム解釈には興味深いものもあるけどね。
どうせダークならいっそ洗脳ジャムかなんかで祐一を誘導したってもいいんじゃないかこの秋子さんならw
「腐らないジャムもありますよ」なんて笑顔で言い出す秋子さんを想像すると恐い。
あ、グラスが落ちてる。せっかくだから祐一と間接キスでもさせて、からかってあげれば良かったのに。
しかし真夜中にここまで一斉に起きてくるのはやはり声が聞こえていたのだろうか? なぁ、ぴろ。どうなのだ?
……まさか真琴が出てこないのは、すでにジャムにされ……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
今日はこんな所で。
スルーで。
421 :
370:03/07/01 13:24 ID:ejL0Jrfp
感想追加〜
らすとりぐれっと(スタッフ)
>>208-213 とりあえず言わせて。
>「絶対に間に合わなねーよコンチクショウ!」
誤字はやっ!w
普通の誤字ならそれほど気にしないんだけど、出だしの部分は読み手を惹きこめるかどうかの
大事な部分だから、山場の部分並に念を入れて推敲しませう。
中身に関しては『さゆりん☆さーが』というのがツボに入らなかった。
わざとチープにしてるのはわかる。
でも、やっぱ受け付けないもんは受け付けないんだからしょうがないさね。
文も勢いで読ませようとしてるのはわかるんだけど、確かに面白い部分もあるんだけど。
なんだか俺の想像する麻枝・久弥像からかけ離れてたせいか、いまいち笑いきれなかった。
それから最後の落ち。悪いけど強引過ぎ。なんか神坂某の量産物みたいな流れに引いた。
なんであれだけ『さゆりん☆さーが』にこだわってた麻枝が、真琴と祐一の結婚で納得しちゃうの?
まあネタ物だし、理屈より生理的に受け付けなかった、という感じだけど。
実在する人を題材にするのは難しいね。というか、いいのかな?w
422 :
370:03/07/01 13:27 ID:ejL0Jrfp
四畳半の誓い(ナイトライター)
>>309-314 上手いなあ、というのが第一印象。原作をプレイしていないけど楽しめた。
というか作者に地力があるおかげで、むしろプレイしていないから原作とのギャップとかを考えずに
素直に読めた、という面もあるかもしれない。
SSとしてではなく、一つの読み物として楽しみました。
中身では、一レス目のイビルとコリンがすごくいい反応してる。
ここだけでこの四人がどういう関係なのかおおよその推測が出来るね。
天地無用とか好きだった俺にはこういう雰囲気はツボです。いいなあ芳晴君。
本人がどう思ってるかは知りませんがw
で、気になったところ。上でも指摘されてるけど、エビルが吹き出すというのに違和感。
原作知らないから会話の感じからの印象なんだけどね。
stay and pray(Kanon)
>>345 これだけは突っ込ませてくれ。
なんで北川が来賓席におんねん!!!
久瀬とも佐祐理さんとも全然関係無いし。
なんだかやたら久瀬とフレンドリーだし。さすがにこれは強引過ぎ。
一レス物はどうしたって説明不足になるんだから、説明の要らない配役にして欲しかったな。
久瀬と北川が知り合う過程を想像して楽しんでくれ、ってことなのかもしれんけどさ。
原作から類推できないんじゃ強引と取るしかないよ。
他は悪くなかった。
でも久瀬はああ言ってるけど、どうせ後で舞と合流するんだろうなw
とりあえず少しだけ感想を書かせていただきます。
個人的に気に入ったのは、「団扇以上電池未満」と「四畳半の誓い」。
前者は、まずタイトルから引き込まれた。
結婚と団扇と電池にどんな関係があるねん! → あー、なるほどなるほど。
といった感じ。やっぱり最初のインパクトは重要。
会話シーンも少なくとも俺は気に入った。
ただ、文章の改行があまりされてないせいか、やや読みにくかったのが欠点か。
後者は雰囲気が好き。
ハーレムものじゃない賑やかな話って俺は好き。
各キャラの性格がよく出ている。(俺も原作未プレイだが)
エビルが吹き出すのに違和感という意見が上であったので改めて読み直してみると
たしかにそう見えるかもしれない。
しかし俺は最初は違和感を感じなかったからそこまで気にしなくてもいいのでは?
ちなみに私自身もSS投下した参加者なので、公正にするために最優秀作品は選びません。
ところで、ここではSS作者が他人のSSを評価するのはOKなんでしょうか?
>ところで、ここではSS作者が他人のSSを評価するのはOKなんでしょうか?
それは書く前に聞いて欲しかったなぁ。
一応OKだけど、変な問題を引き起こさないために、
感想期間中は作者を明らかにしての感想は禁止って事になっている。
名無しなら問題ないんだけど。
というか、総括期間まではトリップはださないのが基本。
……って、テンプレに書いてないのだな、ここら辺。
ともかく、そういうことなんで、以後よろしく頼みます。
あと、も一つ。
>しかし俺は最初は違和感を感じなかったからそこまで気にしなくてもいいのでは?
これは個人の感じ方の違いだから、他人が口を出すところじゃないと思う。
原作未プレイでキャラ知らないならなおさらね。
>>423 大歓迎。
それでもまあ、名無しさんでやった方が角は立たないかもですけれど。
あれ、禁止じゃなかったっけ? 俺の勘違いか……(;´Д`)?
違ったらスマソ。でもたしかに名無しの方が無難。
感想自体は大歓迎なんだけどね。
バレなきゃ問題はない⇒作者トリップ明示しての感想はちょっと。
って感じ。
素知らぬ振りで感想付けるのがベター。
SS書きの人格と感想書きの人格は違うんですよー、みたいに。
最優秀云々も個人の自由だけど、厳格に公正を期する必要もないんじゃないかな。
そもそも理念は「最優秀っぽい」賞だからw
玲子タソをボコボコにする話があったような気がするが、何処行ったん?
「悔恨」
これ、栞エンドの後だよね。ただし栞が助からなかった、という一点だけ違って。
で、その状況下でなんで祐一自分を責めているんだ? これが真っ先に感じた疑問。
それを流しつつ読んで見たんだけど、あまり目新しいものを感じないのが一番弱いかも。
栞死亡後の香里との関係って、良くある話で、あまりひねっていないよね。
悪くはないんだけど、カタルシスがない。香里ももっと派手に喧嘩して、罵らせても良かったのでは。
それに、傷の痛みが簡単に癒されすぎているんだな。
その象徴が13/14。ちょっと本音をもらっただけで、香里すっかり上機嫌。
で、思いを寄せられたままのはずの、栞のことをすっかり忘れてしまっている。
一年抱えてきたもやもやが、たった数分の受け答えで解消されてしまうのがなんとも。
どうせなら抱かれながら互いの思いを交わしあったり、痛みを感じたりとか、そういう流れに持っていく方がいいかなぁ。
そうすると、香里の苦悩とか、悲しみとかも増すと思うんだよね。
祐一も、指輪を渡すという――正式なものではないにしても――行為に至るまでに、どんな決断があったのかも見えてこない。
それは半分は栞に対しての思いが込められたものではなかったのだろうか?
落ちも言っちゃなんだがありがち。テーマも弱い。
などと駄目出しばかりだけど、駄目な作品ではないのだよなぁ。
「stay and pray」
ふむ。1シーンの切り取りか。
なんとなく、起こった光景とこれからの道程を想起させる文章は悪くないね。
1レスでありながら、良くまとまっていると思う。
北川と久瀬が親しげというのは謎だが、生徒会の名前だけメンバーだされるよりはいいかな。繰り返すが1レスだしね。
善久瀬らしいと言えば善久瀬らしい話かも知れない。
しかしま、今時の日本で政略結婚ってあるのだろうか。と、「The Graduate」と合わせて思ったり。
そういや舞はどうしてんだろう……。
431 :
417:03/07/02 00:36 ID:pywUMbhJ
「The Graduate」
いきなり冒頭だが、
>お父様からその話を聞いた瞬間だった。自失の後、私は生まれて初めて神様を恨んだ。
この一行どうにも据わりが悪いね。不自然だし。パパのセリフをオープニングに持ってきていいと思う。
なんだか全てのものを説明しようとするせいかな、文章の重苦しさは。ちとこなれてないね。例えば、
>ウエイトレスがアイスコーヒーを運んできた。私はシロップを入れずに、ミルクだけを注ぐ。ストローでカラカラと氷をかき混ぜる。
これ、本当にどうでもいいことを描写しているだけ。わざわざ書くなら、佐祐理の心境なりを含ませた方がいい。
ベタだけど、なにも入れずに思わず飲んで、笑ってごまかして動揺している様を表すとか。
あるいは舞がいなくなってようやく届くなどして、アイスコーヒーなんて今の佐祐理にはどうでもいいことだと強調するか。
んで、今度は悪久瀬か、と思いつつ期待して読んだのだが……ちっ、偽悪者かw ま、それはいい。
全体的に、けっこう強引な展開が気になるなぁ。
数千人の社員とか五十億円とかそういう規模の話なのに、久瀬ごとき小僧(世間的にはそんなもん)の思惑が入りすぎ。
父親もいきなり土壇場で「自分で決めなさい」。なんで? 娘を犠牲にすることに決めていたんだろう。
今さら情に負けるのかこの腑抜けがっ!(←鬼畜)それとも結婚式まで準備しておいて、パパも久瀬の片棒担いでるのですか?
祐一も後先考えないただのガキンチョだしなぁ。舞に言われるまで動き出せないというのがヘタレてるし。
しかもバスかよ! せめて自転車にしとこう。そっちの方がタンデムできてよい。演出に使える。
厳しい言い方をすれば、わざとらしい作りのドラマを見せられている気分だった。
最後もひたすら説明口調だしね。もうちょっと頑張って、匂わせる、とかほのめかす、とかいう技術を身につけてくれ。
432 :
417:03/07/02 00:37 ID:pywUMbhJ
「色褪せない日々」
みしおたんはよせぃ、みしおたんは。ネタスレじゃないんだから。シリアスな雰囲気をぶちこわしにするだけ。
んで、思ったこと。まずは、名雪の前で美汐にプロポーズって、鬼か、祐一。
美汐も露骨に思えるプロポーズなのに、ぼけすぎ。ブーケ譲るのも……どうも、勝者の余裕みたいで気に障る。考え過ぎか。
「それは違うよ、美汐」って、名雪としては明らかに不自然な口調なのに、祐一も美汐も突っ込みなし。
で、シナリオ全体の方だけど……なんだろう。結局祐一は自分に都合のいい理屈しか述べていないように思える。
いっそ真琴のことを吹っ切るくらいの勢いであれば、共感もできたのに。
それで、わざわざ出てきた真琴もそのことを押すような展開にすればよかったんじゃないか?
結婚式を挙げられただけで嬉しかった、とまで言っているんだから。
全員を幸せにしようとするご都合主義が垣間見えるのが難点なのかなぁ。
で、真琴は帰るとも何とも言っていないのですが、いつまで待てばよろしいのでしょうか。
今回顔を出しただけでもちょっとした奇跡のように思えるのだが。なにせ五年ぶり。
……香里の結婚相手にはつっこむまい。
「欲ばりなエンゲージ−リング」
えーと、タイトルの「−」はなんだろう。それは打ち間違いとしても、そもそもリングが出てきてないし。
こういう話は嫌いじゃない。けど、オチがちょっと弱い。盛り下げつつフェードアウトって、どうも食い足りないな。
……そもそも浩平、いるのに放置されているのか。ここは「どっち!」(@ガンパレ)な、迫られる展開が欲しかったところだ。
あまり余裕ぶってないで、追いつめられ、悩みに悩んだ末に、という展開の方が王道だと思う。
幸せなのに苦しいというジレンマ。で、溜めに溜めてから、「みんなで留年しようっ!」、と。
で、これが大事なセリフなのは分かった。でも1レス使うとどうしても流れが切れるので、前後開けすれば、強調は十分だと思う。
……それに今さらこの程度で手のひら返すとは思えないなぁ。浩平のことはよく知っているだろうに。
最後はいっそエイエソにでも逃げ込んで、みずかに慰めてもらえば良かったのに。で、ふられる二重オチ。
繭や澪の登場シーンは好き。
>>423-427 だいたい流れに同意。
これまでもふつうに行われてたし。
全作品感想する人は、自分の作品にもダミーの感想入れる人が多かった。
投票に関しても、人それぞれの考え方だけど投票しても問題はないと思う。
ただ自分の作品に投票するのだけは勘弁ってことでw
434 :
370:03/07/02 11:31 ID:7dqQQCCn
もうちょっと追加。
色褪せない日々(Kanon)
>>359-362 お。みしおたんの人だ。おひさー
この人の場合作者も作風もバレバレなので、「コンペ投稿作品」というより
「コンペスレ名物みしおたん」として感想を書きますですw どうせ俺、最優秀とか選ばんしね。
相変らず愛情にあふれた我が道を行く作風。
プロポーズが嬉しいくせに戸惑っちゃうみしおたん萌へ。でもちょっとわざとらしいかな?w
今回はちょっとシリアス気味で、「みしおたん」って呼び方が一際浮いちゃってたのが残念。
この二人はやっぱり、傷を舐め合うような付き合い方が一番合ってるね。
でも結婚した後に真琴や「あの子」が帰ってきたら、この夫婦はどうなっちゃうんだろう?
円満に「家族」として迎え入れそうな気もするけど、Hとかは気まずくて大変……かな?w
>三人での生活に慣れて
これって名雪と秋子さんのことなのかな?
それしか想像が出来なかったんだけど、だとしたら「あの家での生活」とか、
「今の生活」って表現にした方がわかりやすかった気がする。
変に具体的な数字を入れちゃうと、それに意味があるように思えてしまうから。
特にこの流れだと美汐が数に入っていないのは不自然。
もし俺の勘違いでほんとは意味があったのなら、もう少し前後から推測できるようにして欲しかった。
435 :
370:03/07/02 11:32 ID:7dqQQCCn
団扇以上電池未満(綾香・浩之)
>>297-305 暑っ!!
ダルそうなこいつらの性格が一層暑苦しさを増してるね。描写力は抜けてると思う。
ただせこいツッコミすると、
> フローリングの床は、芋虫みたいに転がって、少しでもひんやりとする場所を求める
>綾香のせいでそこら中が汗で水浸しになっていた。
その圧倒的な暑さの描写が逆に、この一文を浮かせちゃってる。すぐ蒸発すんだろ、こんだけ暑けりゃw
むしろ、汗が黒い染みを作り、すぐに蒸発してしまうと、部屋の中にもかかわらず陽炎が出来た……
なんて様を浩之に見させてその感想を言わせてやると、一層暑苦しくてよかった気がする。
……いや、暑苦しいのがいいのかどうかは知らんけどw
なんだか浩之が結婚を迫るというのに違和感があるなあ。
こいつは逆に結婚なんて嫌がりそうなイメージがあるんだけど。……逆玉?w
ここに違和感を持っちゃったせいで、いまいちのめり込めなかった。持ってるキャラ像の違いかな。
で、結局綾香は結婚したかったわけですか。タイトルはむしろ「冷やし中華以下」?w
素直じゃないねえ、このお嬢様。
こいつらって絶対、「めんどくさい」ってだけの理由で大抵の事は放棄しちゃうんだろうな。
ただ、二人のめんどくさいと感じる基準は、なんだか魅力的な物である気がするけど。
436 :
417:03/07/02 18:33 ID:pbV7JYLl
「らすとりぐれっと」
最初に断っとくと、俺はスタッフにあまり興味ないのでよく分からない。
さらにキャラクターの立て方が作者の思いこみに依存し、葉鍵二次創作としては、不適切だと思う。
それはそれとして感想は書く。
うーむ。ここ、面白いと思わせようとしている部分だ、というのは分かるけど、当惑の方が大きいなぁ、どうしても。
1/6のラスト四人とか、説明がほとんどないからさっぱり。必要な部分かどうかの判別すら付かん。
狭いネタなんだから、そういうところが不親切なのはマイナス。地の文少ないしね。
どっちのキャラもテンション高いから、セリフの区別もつきづらいし。つーか分からないまま読み進めた。
しかし祐一と佐祐理の結婚シーンが描きたいと言っておいて、真琴とのが書ければそれでもいいというのはどういうことか。
祐一の白モーニングが見たかっただけなのか?
と思いつつも結婚関連がこれだけではあまりにも弱すぎる。
でも『狂気少女めりけん☆かおりん』は見たいと思った。で、クラナドはいつでるんや?
「つまらない日常」
SSと言うよりは、小ネタですな。名前付きだし地の文ないし。
んー、もうちょっと膨らませられるんじゃないかな。
どうせケコーンでかぶるのなら同時刻の出来事にして、美汐のパートナーは真琴に変更or香里のパートナーを栞に変更。
おまいらケコーン汁という第三者のお約束のレスに対し、ひたすら真正直にレスを返す美汐と、
ひたすらマジぎれして煽り返す香里とか言う対比の方が良かったんじゃ。お約束だが――、
向かい合ったPCで。
437 :
417:03/07/02 18:35 ID:pbV7JYLl
「世界が終わる、少し前」
初投稿かぁ。俺の感想は容赦ないとこもあるから、初心者さんにはあんましお薦めできないかもしれないが。
さてと。んー、テキストがゲーム的だなぁ。擬音で行動を表そうとしてしまっている。
まぁ模倣から入るのは基本ではあるけど、SSはゲームと違って、絵も音も演出もないって事を忘れては駄目。
そしてこのスレでは原作を知らない人が見ることもあるって念頭に置かないと。
んじゃ内容。……いやまて二人と結婚するの親族公認なのかよ。ダミー結婚式とはいえ。
むぅ。Kanonクリア後の話で、都合のいい展開ひたすらかき集めてきましたみたいな感じやなぁ……。
で、その展開を説明するのが全て祐一のセリフで、その間ずっと作者のスピーカーにしかなってないような印象も受ける。
あまり難しいこと考えないどたばたコメディにしたかったんだろうけど……ありがちで中途半端。
どうせ多夫多妻制なら結婚式を中止になどせずに、名雪も真っ先にウェディングドレスで参戦。
列席ヒロイン全員ドレスをばっと脱ぎ捨てると、その下には予期してたかのようにウェディングドレス。
北川と久瀬も、ぴろもたい焼き屋の親父も、通りすがりの人までなにからなにまで。
とか自分で書いてても駄目だとは思うが、どうせなら悪夢落ちで跳ね起きた瞬間、
膝枕してくれてた舞の顎に頭突きをかまして、またも追われることにでもするかな。
実のところ、この手のもて祐一展開はありふれすぎていて、よほどのことでもない限り評価されないんだよなぁ。
まぁ色々他人の作品とかも読みつつ精進してくれ。
438 :
417:03/07/02 18:40 ID:pbV7JYLl
「君に届くなテレパシー」
なんかどこかで見たような壊れねこっちゃがw
これはもう……最後の一行が全てだね。琴音SSと思わせといてこう来たか。
でもカニバサミは炸裂してるとしたら、この後は「絶体絶命」な状況になりそうだw 出すに出せん。
確かにこんなとこまで妄想されたら中出しは恐い。が、寸前まで高まった状態でどこまで我慢できるものか。
初体験の最中にこれだけの妄想を紡げる琴音も凄いが。ねこっちゃ必死だな(藁
細かいこというなら、琴音はテレパシーは使えないんじゃねーかなってとこだけど、ギャグならありかな。
タイトルはPC版OPの「君に届けテレパシー」ってとこからかな。でなきゃ日本語として微妙だしな。
悪くない。しかしどこのお父さんも日本刀持ち出すのだなぁ。
おーしーまーい。ふぅ、疲れた。
良かったのはこの五本かな。んでも最優秀投票はパスで。
君に届くなテレパシー(琴音)
いつもの夢(痕)
団扇以上電池未満(綾香・浩之)
四畳半の誓い(ナイトライター)
stay and pray(Kanon)
全感想お疲れさん。
>毎度。たまにしか出てこない駄目出し突っ込み型解説人です。
前回出たのはいつ頃か、問題なかったら教えて欲しいかも。
>>439 諸事情あるのでそこら辺は秘密で。
ただ手を変え品を変えキャラを変えて感想つけてる。
さぼるときもあれば数本にしかつけないこともあるし、もちろん参加者であることもある。
参加しててもぬけぬけと全感想つけることもある。
つーかこういう感じのキャラで出たのはいつだったっけ……。
423です。
トリップを付けての感想はまずいということですね。
本当に申し訳ありませんでした。言い訳はしません。
次回からは感想を付ける際は名無しでやることにします。
ご迷惑をおかけしました。
>>441 気にするなYO!
明文化してなかったルールにも落ち度はある。
それに迷惑たって、こっちはなんにも被ってないわけだし。
要は、自作SSの評価に影響が出るんじゃないか、という点で
感想期間内の作者感想は避けた方が無難かな、と。
またよろしくー。
>>441 442は最近よく出没する、このスレを荒らすことだけが生き甲斐の阿呆だから気にしないように。
んじゃまた次回にでも。
446 :
いちおうやっとくか:03/07/04 03:43 ID:wkb5HWH+
【告知】
現在、葉鍵的 SS コンペスレは投稿期間を終え、感想期間に入っています。
今回投稿された作品の一覧は
>>368 となっています。また、
http://sscompe.tripod.co.jp/ss/15/index.html からでも投稿された作品を見ることができます。
目に留まった作品だけでもいいので、よろしければ感想を書き込んでください。
あなたの一言が、未来の SS 職人を育てるかもしれませんYO!
感想期間は 本日の午前 10:00 までとなっていますので、
まだの方はお早めにお願いいたします。
あれ……もしかして未だ最優秀の投票ってないのか?
初の該当作なしキタ━━━━(゚∀゚)━━━━????
【告知】
ただ今をもちまして、感想期間を終了させていただきます。
投稿された書き手の皆さん、感想をつけてくださった読み手の皆さん、
そして生温かく見守ってくれていた ROM の皆さん、どうもご苦労様でした。
引き続きこのスレでは、今回の運営への意見、書き手の挨拶などを行いたいと思います。
上記のものやそれ以外にも意見が何かありましたら、書きこんでください。
#次回のテーマは『海』に決定しており、開催時期は 7 月中旬になる予定です。
#また、次々回のテーマも『過去のテーマ』(第一〜十六回のテーマから自由選択)と決まっており、
#今総括期間ではテーマの決定は行いません。
>>446 ありがとうございます。また、当方のミスで終了予告を落とし損ねてしまったことをお詫び申し上げます。
感想の中で、評価が高かった作品は……
>>447 そうみたいですねぇ……。
ということで、第十四回の最優秀作品は該当作無しのようです。
450 :
名無しさんだよもん:03/07/04 10:07 ID:wkb5HWH+
確か今までだと
>>394(380)みたいなのでも投票として数えてた気がする。あくまで「評判のよかった」作品だから。
あとは
>>401ぐらいかな?
>>434(370)と
>>438(417)と
>>423は投票しないと明示してるし、他にそれっぽいレスが無いなら……
……四作品同率?w
まあ、無理に選ぶ必要も無いと思うけど、前代未聞だよなあ……
451 :
名無しさんだよもん:03/07/04 11:44 ID:28VAIJDd
投票がどうとかより、コテハン感想書きが一人も書いてないのが…見放された?
まあ、たまにこういう回があってもいいとは思うけどね。
>>450 いや、「最優秀は該当なし」って言ってる人の投票は今までも数えてなんかいないはず。
最優秀には届かないと明言してる394をわざわざ計算する意図がわからん。
401は微妙な線だと思うが、しかし寂しいことこの上なし。
>>401は最終日に投稿されていたものは読んでいない、
と言う時点で書かれたものらしいので、数えるのはどうかと。
掲示板の方で出ていた「最」外すってー意見はどうだろうか。
複数投票上等の「優秀賞」選出。一票でも入ったらランクイン。
これだともうちょい気楽に投票できそうだし、なんとなく順位付けも分かるかも知れない。
えー、業務連絡です。
補助掲示板で出た意見を参考に、最優秀作品一覧を作ってみました。
保管所のトップにリンクを張ってます。
ご意見等ありましたらよろしくお願いします。
同じく補助掲示板で出た話題ですが、より広く感想を求めるための方法として、
「感想期間の延長」など、幾つかの意見が寄せられています。
(詳しくは、保管所トップから行ける補助掲示板をご参照下さい。)
こちらについてもご意見等よろしくお願いします。
あくまで個人的な意見ですが、とりあえず「投稿期間10日、感想期間10日」で様子を見てはどうかと思うのですが。
むしろ投稿期間長過ぎ。その間は閑古鳥なワケだし。
お題は前から提示してあるんだから、3日位が適当かと。
いきなり2週間から3日にしちゃうのは、ちとやりすぎかと。
とりあえず「投稿期間10日、感想期間10日」で様子を見る
に賛成です。
>>457 投稿期間の短縮ねぇ。
外部掲示板では一気に作品が来ると読む気力をなくす、みたいな意見もあったが。
で、それって残った期間は全部感想期間に回すの?
投稿3日、感想18日、総括7日みたいな感じでさ。
日程の変更を申し出る人は全体の調整案を言ってほしい。
他の期間変えずに投稿期間だけ縮めたら、実質執筆期間が減るんだし。
一書き手の心理としてはあんまり投稿期間を縮めないで欲しいというのはあるけど、他の人はどうだろう。
区切りがないと、書く心構えができない、みたいなところはあるんだよな。
あと、このスレは一時的に閑古鳥が鳴いても全然問題ないと思う。
実は、議論や煽り合いが泥沼化する前にシステム的に
一時沈静させるという隠れた効果もあったりする。これまでを見るに。<閑古鳥期間
461 :
401:03/07/05 21:13 ID:eORvYW5B
>>449 全部読んでないってだけで最優秀外すのには反対だけど、
俺だけしか投票しないというならその時点で最優秀の意味が無いので、
一票以下の場合は該当無しでいいと思う。
>>461 一票以下っていうと……確か第七回の夢だかが一票ずつ取って同率一位ってのが
三作品あった気がする。
そういう場合も該当なしの方がいいのかな。
どんなもんだろう?
>>462 あのときは後から数え漏れていた票を数え直して、
二票ずつで同点だったんじゃなかったっけ?
結局同じ三作品だったんだけど。
今回は全投票数が一票以下だったしなあ。
>>463 もしかして……と思って確認したら、それらを追加すると結局2票ずつゲト、のレスって俺が勝手に書いたものだった。
どちらにせよ順位が変わらないなーということに気づいて、書いてみただけだったのだが。
結果が変わらないせいか、結局有効票かどうかは不明のまんまだ。
>>464 感想期間を過ぎたら、投票は参考扱いじゃないのかな。
多分、今までそういう認識でやってきたと思う。
ごめん↑は勘違い。
……日本語が読めてなかった(;´д`)
あの回も感想少なかったけど、総括期間に一気に増えたんだっけ。
ううむ。
そういや恒例作者の挨拶がないな。
えー、今回「人生の墓場論」を執筆した者です。
そもそもこのSSで書きたかったのは「結婚の不幸せ」でした。
価値観の相違により、ある人の幸せはある人の不幸せである、というのが主眼でした。
ですが、イマイチな手応えでした。作者本人が言うべき言葉ではありませんが。
何より、長くなりすぎたのが最大の問題でしょうか。
10レス超えた作品で、しかも内容が濃いわけでもなく、どうにも冗長な描写になってしまいまして。
もっと話の密度を濃くするよう考える必要がありそうです。
梓と耕一のキャラ性の相違については、申し訳の仕様もありません。
なにせ、痕未プレイでして。
葉鍵板で入手した知識だけでSSを書くのは、やはり問題があるということでしょう。
今後は一応でもプレイした作品で書こうと思います。
以上、中途半端に書いてしまって結局投下できなかったSSの作者挨拶でした。
次回こそは、SS書きかけで終わらず、完成させてこのスレに投下したいと思います。
遅れた長文失礼します。
上から順番に、独断と偏見でつけた感想です。今回もまたまた総括期間でごめんなさい。
↓コピペ。
技術(描写力など)・構成(ストーリー展開)・テーマ(お題をどう料理するか)は★三つが基本。
設定は独自性重視、通常★二つ。どんぶり勘定になることが多いです。
総合は上記4分野の他に自分の好みが色濃く反映されます。
★五つ:コンペが終わった後も、ちょくちょく読み直すかも。
★四つ:まず、最優秀に推すかな。
★三つ:ボーダーライン。他のSSによっては優秀作に。
★二つ:目立った粗があります。
★一つ:あんまり好きじゃないか。
『欲ばりなエンゲージ−リング』
>>178-185 コメディチックなハーレムもの。微笑ましい設定なのですが、やはりこういうSSに付き物の
「ありがちだ」という謗りを免れないようです。全員にフラれてしまうというオチも、どうも
予定調和気味で、本SSの核になるべきな浩平の台詞(「みんなで〜」)のインパクトが
打ち消されがちです。また、ただ結婚を迫るだけのヒロイン十把一絡げにするのではなく、
一人一人の個性を描いてみるのも面白いのではないでしょうか。
技術:★(まだまだ上達する余地がありそうです。テンポを変えるために情景描写を挿入
してみてはいかがでしょう)
構成:★★(最終段落はリリカルで面白いのですが、如何にもな冒頭があれです(どれ?))
設定:★(個人的には、ハーレムものはよほど目新しい設定がないと食指が動きません)
テーマ:★★(王道といえば王道。誰もが思いつくネタでもあります)
総合:★(文体か設定かオチか。何かを光らせることは大切です)
『らすとりぐれっと』
>>208-213 おバカなお話で、特に突っかかることなく読めました。久弥と准のノリが良い会話は結構
笑ったところもあったのですが、最後の落とし方が勿体ないです。発売日を延期することが
こんなに簡単にできるのなら、今までの掛け合いはなんだったのでしょう。それと、こうして
久弥は退社云々というオチもいくつか読んだ覚えがあります。まぁ、他に上手い締め方と
いうのも思いつかないので、難しいところなのかもしれません。
技術:★★★(このリズムは実は得難いものか)
構成:★(締めで大暴落)
設定:★★(スタッフSSの中では比較的よくある設定かと思います)
テーマ:★(てっきり久弥と准が結婚するものだと……アホでした。さすがに結婚の絡み方が
これだけでは弱いかな)
総合:★★(キャラクターは好きなんですけどね)
『つまらない日常』
>>216-217 ショートシチュですねぇ。ただ、中途半端になってしまった印象があります。どうせでしたら
全キャラコンプリートするか、二人に相関性を持たせてみるか、ネタを広げた方が良かった
のではないでしょうか。台詞の書き方は何となくこなれているようにも思いました。
技術:――(これだけではなんともかんとも)
構成:★(この二人を使うことの必然性が見えませんでした)
設定:★★(生かしきれず)
テーマ:★★★(上に同じ)
総合:★(どちらかというとキャラスレ向けのネタかもしれません)
『世界が終わる、少し前』
>>232-240 情景描写は、決して主人公の口から語らせるべきものではありません。読者が知らない
事実を提示する時に、説明臭さを如何にして消すかが書き手の腕の見せ所だと思うのです。
それと、おそらく本編に準拠されたのでしょうが、SSの場合、三点リードは「……」の方が
一般的にはベターとなっております。細かいことはどうだっていいじゃん、と言う向きも
ありますが、やはり形式を整えないよりはきちっとしておく方が変な減点は避けられるでしょう。
文体というか、書式に関してはいくつか突っ込み所がありまして、SSの筋を楽しむところまでに
至らなかったというのが正直なところです。作者さんの作品への愛は存分に感じられました。
SSを読んだり、書いたりしながら、さらなるスキルアップをされることを期待します。星付けは
申し訳ありませんが、スルーさせて下さい。
『君に届くなテレパシー』
>>262-263 うん、良いです。文章も熟れている感じがしますし、書き慣れておられる方なのでしょう。
もう少し文章全体をコミカルにしても良かったように思いますが、これは好みの問題かな。
不満を言うならば、1レスに収まらなかったことか。
『あなたには幸せを わたしたちには思い出を』
何となく、BUMPのハルジオンを思い出しました。暖かい話をストレートに描いたSSですね。
導入や落とし方、タイトルまで引っ括めて、ほのぼのというジャンルのど真ん中に位置する
印象です。ただ、私はうたわれ未プレイのために、エルルゥ(そもそも、作中の「わたし」が
エルルゥかどうかも自信ないくらいです)の
>かといって、わたしはユズハちゃんに嫉妬する気持ちはまったくありません。
という台詞に疑問しか浮かばなかったので星付けはスルーさせて下さい。
うたわれ、買おうかな……。
『四畳半の誓い』
>>309-314 そつのない文章。テンポの良い掛け合いにキレイな終わり方。良いです。でもねぇ。
ナイトライターは触ったこともありません。5レス目のネタばらし。ここで、普通だったら膝を
打つのでしょうが、はぁ、こんな人もいるんだ、としか思えませんでした。残念無念。
技術:★★★★(上手い。書き分けも出来ているようです)
構成:★★★(一気に読める分量には好感)
設定:――(元ネタをさっぱり知りません)
テーマ:★★★(今回のSSの中では、将来を想像すると一番微笑ましかったです)
総合:★★★★(いつも「元ネタわからん」と言われる作者さんですよね)
『いつもの夢』
>>278-293 長くなったので分割。
うーん。終わらせ方は結構良いと思うのですよ。重い主題も。ただ、文章や構成がどうも
気になりました。読者に提示しなくてもいいところまで書かれた描写や、くどい地の文
(例えば、> 早く中に戻ろう。> そう思い、家の中に戻ろうとした時、 RR気味です)
説明調な台詞(7レス目、千鶴の「鶴来屋が〜」はその代表例でしょう)、視点の混合
(一例。耕一視点の場面で> 楓は予期せぬ出来事に思わず固まった。)、エロシーン
(別にヌかせることを目的にしないのでしたら、きっぱりカットした方がいいような。楓の
自慰シーンみたいに暈すとか)、擬音語の多用など。
それと、さすがに毛布と布団があるなら抱きしめる必要はないのでは。いや、そういう知識は
ないのでわかりませんが、他の部屋からも毛布やらは持ってくることは出来るわけですし。あと、
> 今、何時なのだろう。楓を抱き締めてから30分ほど経過していた。 現在の時刻は
わからないのにどうして30分と判別できるのでしょう? 体内時計が正確過ぎやしませんか。
さらに、初音が学校に行っていることから察するに、冒頭は平日のようですが、何故梓は
11月の平日に帰省出来たのでしょう? 「たまたま」ってどんなたまたまやねん。
(続)
さらにさらに。耕一最低。千鶴が可哀想、というのもありますが、行為に突入してからの
>「ねえ、楓ちゃん。夢の中ではこの後何をしていたんだい?」
>「楓ちゃんて、けっこう敏感なんだね」
>「夢だと、敏感になるのかい?」
>「恥ずかしい事もできるのかい?」
>「どうじて、こんなに濡れているのかな」
いやさ、別にヤるのはいいからさ。それなりに罪悪感をもって湿っぽくやってくれと。
>「判った」
〜、腰を楓の膣深くへと突き上げた。
……それだけは、人間として、わかったらいけない場面だと思うぞ。しかも、奥深く。
その前に遡れば
> ぬろっと、耕一の男根が楓の体内に進入する。
ぬろっと、って……処女にぬろっと入る……よほどナニがあれなのですか。いや、むしろ
楓が y=-( ゚∀゚)・∵;; ターン
そうして、翌日。
> 耕一が驚いて顔を上げた、
うむ。この場面で驚く、ということはこのまま何とかなると思っていたのかな。あんまりにも
あんまりじゃないか。それなりの落とし前をつけようと決心しておいてほしかったところ。
せめて、「耕一は視線を楓が作った味噌汁に落としたまま、そうか、と呟いた。喉仏が
動いたのが、楓からもはっきりとわかった」などとやってくれ方が、こっちの気持ち的にも……。
言葉が乱れがちだったことをお詫び致します。
技術:★★(将来伸びる方だと思います)
構成:★(←全ては耕一に責があります。)
設定:★★★(掘り下げれば、ありがちですが秀作になるテーマでしょう)
テーマ:★(うーん……掠っている程度かな)
総合:★★(今後に奥深く期待)
『蟷螂』
>>319-326 ジャム――(((((゜д゜;)))))ガクガクブルブル 怖い人です、秋子さん。でも個人的には
彼女は祐一に結婚云々などと言わない人だと思うのですが、どうでしょう。それと、胸を
露出して喘いでいたら背後にいようがなんだろうが、何をしていたかバレるのでは。
祐一やピロも起き出して来たあたり、家中に響き渡っていたという線が濃厚かな。毎晩
やっているようですし、気付いていないのは秋子さんだけ、というオチ。
ところで、結局このSSはテーマであるところの「結婚」に関係あるのでしょうか。死体を
ジャムにするようですし、別に結婚はなくてもいいような。
技術:★★★(無問題)
構成:★★(ご都合主義な嫌いがあります)
設定:★★★★(ガクガクブルブル)
テーマ:★(お題:「愛」とかでしたら、しっくりきたのですが)
総合:★★(ジャムの解釈以外に、もう一歩ほしかったかな)
『悔恨』
>>329-342 導入や締め、文体など好きなSSではあります。願うのは一点。この倍の長さで描いて
下さっていたら。まぁ、そうするとコンペスレ向きではなくなるのでしょうが。栞BADEND後、
という主題はこんなに簡単に終わらせて良いテーマではないと思うのです。設定が
ありがちなために、先人の同テーマの名作も何本もあります。それらと比べられるのは
あるいは本意ではないかもしれませんが、やはり乗り越えてなんぼでしょう。
技術:★★★★(こういう雰囲気は好みです)
構成:★(もったいない)
設定:★★(特筆すべきことなし)
テーマ:★★(主題とはずれているように思います)
総合:★★★★(今のままでは、良くある話という枠を脱しきれていないかと)
『The Graduate』
>>348-356 いやもうなんか、8レス目が蛇足。そんな直球に偽善チックな久瀬は見たくないです。
どうせならその後、舞が祐一たちと落ち合って久瀬をさんざコケにする、とかかんとか。
ギャグになりますけど。
他のSSと比べるのはよくないと思うのですが、それでも配置がよろしくなかったです。
説明やら前後関係やらを描いた分、こちらの方がごてごてしまった印象。
ところで瑣末なことですが、導入はSSの中で一番気を遣うべきだと思うので、少し。
> 〜。自失の後、私は生まれて初めて神様を恨んだ。
うーむ。一弥が死んだ時よりもショックが大きかったということでしょうか。
> 〜。――だけど、
これがどこに掛かるのかがわかりません。
技術:★★★(いくつか気になったところはありますが、特に論うことはないでしょう)
構成:★(ラストの説明は酷い……)
設定:★(至極真面目な顔で言われると、なんだか不思議になってしまいます。数千人の
従業員を抱える会社の合併問題に子供の思惑は果たして絡むのでしょうか)
テーマ:★★(結婚+ありがち=結婚式?)
総合:★★(ツイていないSSでした)
『色褪せない日々』
>>359-362 こんにちは、みしおたん。僕はみしおたんはギャグの方が似合うと思うよ。ていうかもう、
自分の作風を確立していている人にかける言葉はあんまりないけどね。みしおたんは
ギャグチックなところの方がシリアス風味になったところより映えるんじゃないかな。
星付けの意味ってないよねー。ばいばい、みしおたん。
『stay and pray』
>>345 一レスとしてはかなり良いです。纏まって、かつ発展性も感じられます。キャラの名前を
一度も書かずに描写するなど、文章も自分のものにされているように見えて好印象です。
……あーでも、一レスってあんま書くことないですねぇ。いやまぁ、普通のSSと比べても
面白かったですが。
技術:★★★★(多分、筆が達者な方でしょう)
構成:★★★★(一レスですし)
設定:★★★(舞を一切描かない、というのも思い切りがいるのでは)
テーマ:★★(結婚=結婚式……なんだかなぁ)
総合:★★★★(一レスということで、どうしても基準が変わってしまいがちですが、これは
そういう点を差し引いてもなかなかだったように思います)
『人生の墓場論』
>>467-469 ちょっとダーク気味な、考えさせられるSS。きっと。ただ、描写に凝っているのは良いの
ですが、その分カタルシスが薄れてしまったような気がします。気だけ。7レス目の梓の台詞、
「所詮、人間なんてそんなもんだよ」に冷笑的なこのSSのエッセンスが詰まっているの
でしょうが、前後の不必要に長い街並みの描写に埋没しているのでは。おそらく。
痕未プレイとのことですが、個人的にはキャラに引っ掛かることはありませんでした。多分。
導入部分とオチは結構頬が緩んだので、この辺りの緊迫感(というのも違うかな)をもっと
膨らませ、軸にされたら如何でしょう。適当。
技術:――(悪くはないんじゃない?)
構成:――(あまり良くないんじゃない?)
設定:――(梓がパイロット、という設定は意外だったんじゃない?)
テーマ:――(結構捻っていたんじゃない?)
総合:――(ちーっす)
以上。
結婚というテーマは、すぐに結婚式という方向に発想が進んでしまいがちですが、そこを
どう手綱捌きをするかがポイントだったのではないでしょうか。
今回は全体的に題名が面白そうだったように思いました。
最優秀賞は、残念ながら該当SSなしです。
優秀賞は、韻を踏んだタイトル『stay and pray』を推します。
特別賞は毎度申し訳ない『四畳半の誓い』に。
>>432 感想ありがとうございます。
「-」は調べたらそうだったのでそうしたのですが、何か間違えたかも知れません。
「リング」は語呂だけが頼りです。
それでご指摘なのですが、口惜しいけど、全くその通りだと思いました。
「留年しよう」も溜めて溜めて出せば、かなり変わってきたと思います。
もっと言えば浩平がしょっぱなから焦ってるだけで、もう少し面白くできたかも
知れません。
最後にみずかにフられるのも全然思いつきませんでした。一度もその提案に
行き着かなかったのは、何か情けないです。
それで今後は、直感にだけ頼らず、もう少し考えを深めて望みたいと思います。
感想、ご指摘、本当にありがとうございました。
>>470 感想ありがとうございます。
>>予定調和
これは気を使ったつもりだったのですが、「ふられる」という所で6人一緒に
なったので、まずかったと思います。
確かに6人同じ発想で浩平に迫ってるので、もっと凝ったオチが思いつかなければ、
避けるべきだったかも知れません。
「光らせる」とは考えて無かったのですが、あらかじめ何らかの焦点を
置いて、そこに向かわせる大切さは痛感しました。
ただ言い訳を言わせてもらうと、あんまり長くしたくなかったのです。
僕なりに気を使った点は、テンポ、勢いでした。
稚拙になっても、その点だけで作ってみようと思いました。
しかし、それにしても少なすぎた情景描写と「誰もが思いつく」というご指摘は、
率直に受け止めます。
今後は語彙とそれを展開できる力を深めて、楽しいものを書けるように改善します。
ありがとうございました。
479です。何かドジ踏むなぁ・・
481 :
名無しさんだよもん:03/07/06 11:16 ID:Ip4MIk/w
長文ウザイ。
482 :
名無しさんだよもん:03/07/06 11:21 ID:k86bCzDC
483 :
名無しさんだよもん:03/07/06 20:40 ID:HyNaRmYs
ええと、つまり星付氏は「団扇以上電池未満」の(ry
まあそれは別として、一つ提案があります。
投稿期間の告知に「推奨文章形式」を載せてみませんか?
一応匿名性を旨としている場ですし、今回のように初参加の人がいらっしゃった場合に
混乱しないように、あくまで「推奨」という形で。
三点リードとか改行とか行頭スペースとか、現状の各個人に任せるやり方だと
それだけである程度作者の予想がついてしまうんですよね。
まあ文体とかでバレバレな人もいますけどw
特に三点リードなんかはいちいち指摘とかするのもアレだし、色々ひっくるめて
無難な形式を提示しておけば無用なトラブルが防げるかなあ、と。
前進行役の言っていた「文章だけで勝負する」という理念にもかなっていると思うのですが。
具体的な内容は別スレで詰めるとして、とりあえず賛否の意見を聞きたいです。
どうでしょう?
>>475 ミス発覚。
『悔恨』の総合は★★★でした。申し訳ないです。
推奨文章形式、ですか。
どの辺りまでを推奨とするかが問題だと思います。
三点リードはあるていどフォーマットが定着しているのでいいとしても、
例えばどこで改行するか等というのは個々人によってばらつきが出るところでは。
賛成ではあります。
「あなたには幸せを 私たちには思い出を」作者です。
今回も感想・評価をありがとうございました。
今回は、「結婚=女の子にとって幸せな瞬間、そして、女の子がみんなの前でもっとも綺麗に見える瞬間」をイメージし、そのイメージに該当させたいキャラとしてうたわれるもののユズハを選びました。
そして、うたわれるものの補完話として書いてみました。
感想を見る限りではうたわれを未プレイの方が何人かいて、題材選択にはちょっと失敗したかな?
という感じです。
しかし、「四畳半の誓い」のようにゲームを未プレイの方が読んでも評価が高かった作品もあったので、今回はやはり私の実力不足だったと思います。
>>370さん
確かにうたわれは女性キャラがみんなハクオロに惹かれている割には仲がいいですよね。
その雰囲気がお気に召したのなら幸いです。
>ベナウィの口調がクロウに話しているにしては丁寧過ぎたような気がしたけど
私もプレイしたのはだいぶ前なので、そう言われると自信がないです。
ベナウィなら誰にでも丁寧な言葉づかいだったと思っていたのですが。
>>380さん
この作品で言いたかったこと……ですか。
うたわれをやった方なら知っていると思いますが、ユズハはEDでハクオロの子を産み、亡くなってしまいます。
ユズハは生きた証を残せて幸せだったとは思うのですが、私としてはもう1つ、ユズハに生まれてきた幸せを与えてあげたかったのです。
それで、ユズハの結婚式を挙げる、という話にしました。
しかし、それがあまり読み取れる文章では確かになかったかもしれませんね。
>>401さん
嬉しいお言葉をありがとうございます。
私もそうです。葉鍵をやっている以上はやはり何らかの感動が欲しいと思っています。
>>417さん
うたわれ未プレイですか。残念です。
名作ですから余裕があればプレイすることをおすすめします。
そうですか……言われてみると、他人の心情をちょっと断定させすぎですかね。
エルルゥはユズハの主治医的な立場で、よく接しているのでユズハの性格は把握しているだろう、と
思ってのことだったのですが。
それと、ユズハは盲目ですので、彼女の視点にすると情景描写が非常にやりにくくなってしまうのです。それを踏まえてのエルルゥ視点だったのですが……それに最後にあまり入れすぎると、テーマの「結婚」と離れてしまいますからね。
今回は難しいところでした。
それでも、私にも確かに工夫の余地はまだあったはずですので、真摯に受け止めさせていただきます。
>>独断と偏見@星付さん
上でも書きましたが、うたわれは名作ですよ。
原作未プレイのために正当な評価をされないというのはちょっと哀しいので、余裕があったら
ぜひプレイをお勧めします。
それでも、ほのぼの感が少しでも伝わったのは嬉しいです。
今回は最優秀が出なかったということですが、感想期間一週間はやはりちょっと短いかもしれませんね。私は投稿10日、感想10日でもいいと思います。
これまで以上に最終日に投稿が集中する恐れも出てきますが、一度試しにやってみては?
推奨文章形式に関しては、必要最低限に限るのなら賛成です。
しかし、やはり書き手によってどうしても改行や間の取り方に癖は出てしまうので、
ある程度は許容して欲しいと思います。
では、次回のテーマ「海」も頑張りたいと思います。
みなさんありがとうございました。
最低限必要なフォーマットって何よ?
読むのにほとんど支障を来さない三点リーダーなんかを揃える意味がどこにある?
この事はもうとっくに終わった話だと思うんだがなあ。
>文章形式の提示
一般的な形式を示しておくのは悪くないと思います。
ただ、「推奨形式」ではなく、もう一段下げて「参考形式」という言葉にしません?
「推奨」だとスレからの要請になってしまいそうですし。
484氏の意図とはズレるかも知れませんが、
文章の中身についてはなるべくフリーハンドでやってほしいので。
投稿形式や開始終了記号はある程度揃えられると思います。
内容次第ですが基本は賛成。
改行は最長40字位にしてくれ。三点リーダはどっちでもいいけど。
外の鯖にはあまり書き込みたくないんだけどな
外部の掲示板はここの避難所的な位置づけだろ?
総括期間になったら向こうに上がってた意見も全部こっちに持ってくるのが本筋じゃないのかい?
495 :
名無しさんだよもん:03/07/08 15:19 ID:3Ijc/KcY
今回は『四畳半の誓い』を書かせていただきました。
おおむね良好な感想、有難うございます。
星付氏曰く、いつもの「元ネタ未プレイで〜」、は、御想像の通り。
今回もまあ、継続中ではありますが、それでも感想スルーはなくて一安心。
ひとまず、元ネタを知らずとも楽しめるものには仕上がったようで。
参加当初よりの一目標が達成できたことは素直に嬉しく思っております。
で、「噴き出すのはエビルらしくない」という御意見ですが、言われてみればその通り。
それでも、メイフィア曰く「可愛くなったわよねえ」というように、芳晴の存在が、
ある程度の感情を表に出すようになったことのいち例、のつもりでしたが、その辺、
いくらか過剰に過ぎたようで。
あ、でもその描写に違和感を覚えるくらいに原作未見の読者が、
エビルの性質を理解してくれたと考えれば、これまた嬉しいことかもしれません。はい。
『ナイトライター』にはシナリオ分岐がない分、公式で一本道のストーリーが定義されており、
そこから、芳晴とエビルのほのラブぶりを一歩推し進めてみようか、という感じで、
今回のテーマ『結婚』を書かせていただきました。
まあ、感想にもあるとおり、結論急がせすぎた感もありますが。
でもあそこでああ言われて、そこで返事を返さないというのは男じゃないと思います(笑)
掛け合いネタは、書いてて最萌を思い出しました。懐かしい。
……今回の作品も、拙作HPにアップさせていただきますので、
気が向きましたら、ぐーぐるででも御検索くださいませ。
それでは、また次回。
497 :
名無しさんだよもん:03/07/08 21:00 ID:Llwpox6r
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少し失礼してご挨拶させて下さい。
今回「悔恨」を投稿した鍵系SS書きです。
シスコン香里ってすごく好きです。
栞と祐一の初々しいカップルをあきれたような冷めた目で見守っている彼女が好きです。
祐一なんぞにはもったいないなんて言いつつ、心の奥では感謝してて、さらに奥ではほろ苦い思いを抱いて……そんな香里さんが大好きです。
そういう状況から、もし栞が死んでしまっていたら……?
今回はそういうコンセプトで書いてみました。
実はこれ、三月一日に香里スレへ投下しようと思っていたSSのリメイクだったりします。
結局間に合わなかったのと、書いているうちに長くなりすぎてしまった上に該当スレが荒れだしてしまったため、落とすのが気まずくなってHDでカビが生えていた代物でした。
だからテーマがずれていたのか……というとそういうわけではありません。
というか、俺としてはこのSSで何が一番上手くいったかというとテーマ処理が上手くいったと思っていました。
どうやら俺の「テーマ」に対する意識は他の住人の方達とずれているようです。むー。
それでは、以下個別にお返事などを。漏れがあったら申し訳無い。
>>383 この手の話が好きですか〜。とても嬉しいです。
ただ確かに「死」をもって話を作るのは反則に近いですよね。
ズルをした、とは思いませんが、安易な方向に走ってしまったかもしれません。デモスキヤネン…
>>430 くは、これはかなり手厳しい。
>それに、傷の痛みが簡単に癒されすぎているんだな。
特に、この指摘を受けてから自作を読み返して悶絶しました。
これに関しては返す言葉もありません……もともとHDに眠っている時点で13・14レス目を先に作ってしまっていた為、そこに繋がるようにと話を強引に持って行ってしまったような気がします。
書いているときはそれほどおかしいとは思わなかったのですが……やはり人に読んでもらうと欠点が浮き彫りになりますね。ご指摘ありがとうございました。
>>475 >>485 >『悔恨』の総合は★★★でした
ヽ( `Д´)ノ
……じゃなくてw
雰囲気にはかなり気を使っていたので、それを気に入っていただけたのは嬉しかったです。
>先人の同テーマの名作も何本もあります
これはきついです。かなりへこみました(´Д⊂
ただ、それらと比べられて乗り越えられなかったとの評を受けたのは、ひとえに俺の実力不足なのでしょう。
確かにすぐに考え付くような話ではありますが、俺、基本的に他の人のSSをあまり読んだことが無いので……
差し支えなければお勧めを教えてください。
結局のところ、香里や祐一の心理に対する掘り下げが浅かった、というのが今回の……というか、俺の反省点でしょうか。
自分ではわかっているつもり、説明したつもりになっていても、客観的に見なおしてみると脳内だけでだった、という。
人に何かを伝えるって難しいですね。
ツッコミどころの多いSSですが、それでも自分的にはかなり気に入ってたりします。
ただ、気恥ずかしいので後で読み返すことはしないかもしれないですがw
それでは最後に、読んでくださった全ての方に感謝を。
ありがとうございました。
>>498-500 星はホントごめんなさいw
栞END後の話で、私が信奉してやまないSSはDEEPBLUEさんの『幻冬歌』です。
ただ、おそらく出発点は498さんのSSと同じですが、到着点と若干の過程が違っています。
そういった意味では、もしかしたら比較する対象ではないのかもしれません。
カノンSSリンクで開かれた第二回SSこんぺ短編部門の19位に入っています。
ご覧になる時はそちらからどうぞ。
テーマについて。
「結婚」というお題を念頭に置いて読むと、確かに上手く処理されているように思います。
しかしながら、このSSの主題は何か、というスタンスから眺めた場合に疑問が残りました。
「赦し」、もしくは結婚というよりも広義の希望の形がテーマになるのでは。
まぁ、そもそものお題をどう使うかに関しての考え方が人それぞれだと思いますので、
それほど気にされることではないかと。
どうも、こんばんは。
感想書きのみなさん、HMX氏、いつもありがとうございます。
今回は「団扇以上電池未満」を書きました。
綾香萌え、をコンセプトにしたつもりだったのですが、誰からも言ってもらえぬということは
私には萌え文を書く力がないのでしょう。切ないなぁ。
暑苦しい雰囲気だけを伝えてしまったことはなんと言えばいいのやら。
お詫びにクールダウン致しましょう。
このSSのメインは、私の実体験を基にした半実話です。
随分昔に不慮の事故で彼女と別れてしまったのですが……その時はここに大変お世話に
なりました。
ttp://www.naxnet.or.jp/~zacco/sinda.html それはともかく。
私は自分のSSを客観的に把握する能力に欠けている向きがありますので(主に綾香の
姿勢とか体勢とかポーズとか、あと床の汗)、このスレは非常に勉強になります。
次回があったら、あったかいシリアスか、爽やかなほのぼのを書きたいと思っております。
それでは。
「stay and pray」作者です。
何はともあれ、「The Graduate」の作者さん、すみませんでした。
いや、謝るのも何か違うと思うのですが、あまりにもあまりなタイミングで……
次に、拙作を読んでくださった方々、ありがとうございました。
結婚→結婚式→「卒業」のラストシーン
という単純な連想から書いた作品ですので、テーマのさばき方の安易さについては何も反論できません。
もう少し詳しく言うと
「『卒業』で、主人公は花嫁さらってハッピーエンドでいいだろうけど、
花嫁をさらわれた脇役にも言い分はあるよなぁ」
「いや待てよ、主人公は主人公で花嫁をさらった後が大変なんじゃないだろうか?」
と思い、脇役たちの視点でKanon版「卒業」として書いてみたのが「stay and pray」です。
当初はもっと何レスも続く予定だったのですが、
久瀬と北川がだべるだけの話なのでどうにも動きが乏しく、伸ばせば伸ばすだけ単調になってしまう。
それならばいっそ――と、1レスに切りつめました。
おかげで1レスにしては相当密度の濃いものになったと思います。
しかしその反動で、地の文は代名詞や省略などを乱用しすぎてわかりにくかったかも知れません。反省。
北川は久瀬と並んで脇役代表ということで起用したのですが、確かに強引でしたね。
原作でこの二人の接点と言ったら……舞踏会くらいでしょうか。
舞を出さなかったのは祐一の決心のようなものを表したかったからです。
久瀬に殴られるまでもなく、あの場に他の女を連れていったりしたら最低ですから。
祐一は舞に「絶対に来るな」と釘を刺して(間接的に舞を振って)一人で乗り込んできています。
一番恐れていたのは「オチてない」というツッコミだったんですが、なぜかありませんでしたね。
1レスだからと大目に見ていただけたのでしょうか。それとも言うまでもないということなのでしょうか。
コンペにはすこぶる久しぶりに参加したのですが、意外に好評をいただいてニヤついています。
これに味をしめて次回も参加するかも知れません。
では、またご縁があれば。
『蟷螂』を書いた者です。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
ちなみに前回は『風を祈る二人の姉妹』を書きました。
今回は「結婚してください」というセリフがゾッとするものにできないか、などと考えました。
秋子さんが祐一に直接プロポーズできたら良かったんですが、叔母と甥は結婚できないはずなので、
「祐一さんが名雪と結婚してくれたら……」になりました。
『結婚』というテーマも薄くなるし、オチとしての切れ味もよくないかな、とは思いましたが。
それから、秋子さんがおせっかいすぎるのは不自然だというのも問題点でした。
どうせなら、その違和感が不気味な感じになるように演出できればよかったかもしれません。
内容が内容だけに、なるべく下品にならないよう注意したつもりでしたが、どうだったでしょうか。
ちゃんと怖い話になっていたら嬉しいのですが。
それでは、失礼いたしました。
えー、業務連絡です。
特に大きな問題がないようでしたら、次回の投稿期間の開始を
7/14の10:00としたいと思います。
投稿期間と感想期間の調整については、あと数日の意見を待ちたいと思います。
>>461 「後から読めるかも」という意図を言外に(勝手に)読んでしまったために、
票に数えそこなってしまったようです。申し訳ありません。
ですが、確かに
>>461で言われている通り、一人しか投票していない状態では
該当無しとした方が良いのかもしれませんです。
>>484 「推奨」ではなく「参考」程度で例示するのは悪くないとは思います。
「守っておけばやや安心ですが、守らなくてもペナルティはありません」って感じでしょうか。
もう少し皆さんの意見をうかがってみたいところです。
>>493 そうですね。外部のスレに決定権を持たせるつもりはありません。
まあ新規提案のフォーマットを組むくらいでしょうか。
>>504 なんかアブノーマルなシチュ好…いや、なんでもね。
507 :
484:03/07/11 01:52 ID:TCq36LWo
>進行役氏
>守っておけばやや安心ですが、守らなくてもペナルティはありません
ええと、俺の認識的にはこれが「推奨」だと思ってましたw
皆さんが「参考」という言葉にそういうニュアンスを感じてらっしゃるなら、俺も「参考」を推します。
>>507 漏れにとって「推奨」は
「守らない理由がないなら守っとけ。まあ守らなくてもペナルティは無いけどな(プ」
って感じです(w
>>505 だから向こうの議論を全部こっちに持って来いっての。
……
どうして人に押し付けるだけで自分でまとめて持ってこないのだろう……。
hosu
513 :
484:03/07/11 21:16 ID:TCq36LWo
正直なところ外部掲示板で話し合う事を嫌う理由がわからないのですが、
あちらでの書きこみも止まっているようですし、現状の確認をする意味でもまとめてみます。
一応俺が提案したのは
1、三点リーダ(「……」で統一が一般的かと)
2、行頭スペース(内容的な改行毎に入れる、「」の前は入れない)
3、改行文字数(内容的な改行のみにするか、文字数を決めて揃えるか)
4、顔文字(禁止という方向で)
5、投稿時の名前欄(無難な形を模索しませう)
の5点です。
1・2に関しては大体の方に賛成していただけたようですが、推奨として要請する事に
反発する方もいたようです。参考として提示するだけなら問題無いのかもしれません。
3に関しては規定しないで欲しいという意見が多かったようです。
しかしこれも参考という形でなら「このぐらいなら見栄えがしますよ」という文字数を
提示しておいてもいいのではないでしょうか。
4に関してははっきり反対されました。これはまあ、俺もやりすぎかなと思ってたりします。
5に関しては現状で多いであろうフォーマットを考えて
・名前欄は 題名・(現レス/全レス)
・トリップは任意で投稿開始時に付ける
という形を提案したのですが、これに関しては意見の提示がなされていないようです。
こんな形が無難かな?という形式はありますでしょうか。
俺の提案に関してはここまでです。今後もご意見お待ちしております。
514 :
484:03/07/11 21:18 ID:TCq36LWo
次に他の方からの提案ですが、
・「感想期間中は作者による感想返しを禁止する」という項目の明文化
という意見が出ていました。
これは上記項目だけでなく、今現在明示されていないにも関わらず、行うと反感を買う、
或いは場の空気を悪化させる恐れのある不文律を、一度全部洗い直した方がいいのかもしれません。
>進行役氏
というわけでどんどん大変になっていく(俺が大変にしている?)ような気がしますが、
まとめ役頑張ってください。
どっちつかずな意見に関しての最終的な決定は、結局のところあなたの裁量にかかっていると思うので。
ここの事を外部掲示板で話し合う理由が1mmも分からないんだが。
俺は今帰省中でその掲示板全く見れないし。
>>515 1、期間を考えずに話し合いを続けることが出来る(投稿期間や感想期間の妨げにならない)
2、本スレの荒れを防止出来る(スレが議論でぐちゃぐちゃになるよりは外部でやった方が)
3、レスの消費を抑える(まぁこれはどうでもいいわな)
普段はこの期間はROMなんだけど、せっかく持ってきてくれたのでMy意見を。
>1、三点リーダ
妥当だと思う。一般的かどうかはともかく、無難ではあるということで。
>2、行頭スペース
特に気になったことはないなぁ。
行頭スペースを使わない(代わりに空行で処理する)のが2chの本来的な作法かとも思っていた。
原稿用紙風に整形したいという考えも分かるし、正直どうでもいいかと。
>3、改行文字数
一定文字数ごとに改行を入れるのは面倒だ〜。推奨されてもまず守らない。きっと。
>4、顔文字
いや、2chだし。むしろ大歓迎にょ。AAも見たいにょ。
>5、名前欄
題名+現レス/全レスは扱いやすいけれど、題名が長いと煩わしかったりするし、
基本スタイル程度の認識でいいんじゃない。
耳かき(略には萎えたからなぁ。
>「感想期間中は作者による感想返しを禁止する」
明文化されてなかったのか(びっくり)。早急に明文化するがいいと思われ。
感想返しに限定せず、「特定作品の作者としての発言を禁止する」とかでも。誤字脱字の訂正が例外扱いになっちゃうけど。
あと、場の空気への配慮っていうと……理不尽な作品・感想叩きはスルーしましょうとか、
感想内での作者ばらしは原則自粛しましょうとか、作者様が感想書く場合は名無しか別ハンでお願いしますとか、
レスが厨でも生暖かく見守りましょうとか、感想書きの逆ギレはみっともないのでやめてくださいとか、
正体探しをやるなら黙ってやりましょうとか
>515-516
統括期間にはここでやるべきだと思うなあ。そのための期間なんだし。
自分も外部板苦手。
>516
そうだよね。
外部板は総括以外の時に使う板だと認識してるよ。
他の期間中に問題があった時とかね。期間外のテーマの感想も。
まあ、住人が区分けされないようにする方法は必要かもしれんね。
>フォーマットの提示
(外部板の書き込みへのレスも含めて)
スレの理念に関しては過去にだいぶ衝突もありました。
落としどころとしては、参加目的は各々の参加者次第というものだったと思います。
共有されてるのは理念じゃなくてルール(匿名投稿や期間設定)という感じ。
んでは改めて。
「こういう場合に作者バレの原因になるケースがあるので注意して下さい」
「どうしていいか分からないときはこうすると無難ですよ」
…といった感じの、参考情報としての形式を提案します。
書き手が頭の隅に匿名性のことを置いてくれれば目的は達せられるかと。
初心者への配慮も同様。
あまり特定のスタイルを「推奨」とは言いたくないのです。
>1三点リーダ&2行頭スペース
書き手のスタイルですから、定着していると変えがたいでしょうね。
しかし、わりと作者予想の種になってしまうものでもあります。
その旨を書いておくといいかな。
提示すべき「無難な例」としてはご提案の通りで問題ないかと。
>3改行文字数
これも書き手のスタイルに関わる問題ですね。
もし提示するなら、「この字数だとこういうメリットがある」ぐらいの書き方で。
>4顔文字
言及する必要はないと思います。
>5名前欄
いくつかの形式を並記してもいいかも知れません。
作者バレを防ぐことを考えると、毎回変えるのが有効なのかも。
微妙に面倒になっちゃいますけど。
あと、場面転換で使う区切り記号もリストに入れといてほしいです。
こういうやつ>「* * * *」、「〜・〜・〜・〜」
そろそろ初投稿しようかと思ってる時代錯誤なヤシなんですが。
3の改行文字数。分かってて言ってるんだろうけど、
プロポーショナルフォントで行の幅揃えるのは、死ぬほどめんどくさいでつ。
文字数で揃えると、かな〜り汚くなります。
「内容的な改行」にワロタ。確かに最近は(SSに限らず)、段落とは言えない改行連打が多いよなぁ。
521 :
515:03/07/12 23:44 ID:IfhqSr5R
>>516 一時的にグチャグチャになってもどうって事ない期間が総括期間ってのが俺の認識。
何が問題なのかやっぱり分からないな。
ところで、外部掲示板で提起された問題は他にもあると思うんだけど?
前回の続きもあるはずだし。
お前うざすぎ。なんでも人任せかよ。
見れないなら諦めろ厨房
無理に見なくても、見てる奴は大勢居るしな。
ちと確認。
ネタ出しは外部で構わないけど、
正式な提案は全てこのスレでやるというイメージでいいんだよね?
議論の流れがこのスレ一本で追えなくなると後々面倒だと思う(ネタ出しは別として)。
こっちに持ってきてない提案はないものとして扱うということで。
525 :
484:03/07/13 02:42 ID:/HDJKl1W
>>524 いいのではないでしょうか。
俺の提案も元々まとまったらこちらに持ってくるつもりでしたし。
あちらは期間外の避難所として使う他に、ネタ出しや細部を詰める、
という相談所的な使い方をするといいかと思います。
526 :
524:03/07/13 11:03 ID:LUJMgmqi
うーん。期間中はこちらで見えるようにやった方がよくない?
途中経過も、こっちの住人の目に触れるようにしたい。
最後に持ってこられた時点でコンセンサスにズレがあると二度手間になるし。
「その話はあっちでさんざんガイシュツだろうが!!」
「ハァ? 避難所の話なんか知らねえよ」とか。
527 :
484:03/07/13 20:12 ID:/HDJKl1W
二度手間は仕方がないと思いますが……
というか、意外と外部スレを嫌う人が多くてびっくりしてます。
あちらは基本的にHMX氏が進行役を止めない限りDAT落ちの心配とかないし、
ログが残るという意味でも、本スレを楽屋裏の議論で殺気立たせないためにも
いろいろ使って行ったほうがいいかなと思ったのですが……
突発的な提案の駄目出しとしてのみ使うほうがいいのでしょうか。
>>521 >一時的にグチャグチャになってもどうって事ない期間
それは常連の目から見ての話ではないでしょうか。
ふらりと訪れた一見さんが議論で殺気立ったこのスレを見て、
「ああ、総括期間だから仕方ないな」とは思わないでしょう。
いいから早く結論を出してくれまいか。
個人的にはどうでもいい話題だと思えてならないんだが…
文章作法から作者をESPする感想人も、意識して匂わせる作者も阿呆だ。
いちいち標準書式を設定しなくても、各人の良識に任せるということでいいじゃないか。
本当に正当な評価が欲しい作者はいらない自己主張なんてしないし、
感想人は前後関係なんて意識せずに評価を下すべきだろう。
結論:現行ママ
>>527 2chが殺伐としてるのは当たり前。
なれ合いよりずっとマシ。
531 :
484:03/07/13 23:51 ID:/HDJKl1W
>>528 誤解しているようですが、
>本当に正当な評価が欲しい作者はいらない自己主張なんてしないし、
>感想人は前後関係なんて意識せずに評価を下すべきだろう。
これを守るために、気付かないうちに自己主張をしてしまう事を防ぐための提案です。
あなたの言うように文章の「形式」なんてどうでもいいことだと思います。
だからこそ無難な形を例として挙げて、迷った時の指針としようという意図ですから。
>進行役氏
そろそろ総括期間が終わるので纏めてみます。
他の方達も含めて、内容・文章に関しての反論をお待ちしています。
投稿の形式に関しては、以下に一例を挙げます。
これを無視した形式で投稿されても、特にペナルティのようなものはありません。
これはどうしよう、などで迷った時の参考にしてください。
・三点リーダは「……」が無難のようです。
・行頭スペースは改行毎に開け、「」の前は開けない方が読みやすいようです。
・場面の転換に際して記号を入れる場合は、
「* * * *」「〜・〜・〜・〜」等を使う方が多いようです。
・投稿時には、名前欄に「題名」「現レス/全レス」を入れると読む場合に便利です。
題名は「」『』などで、レス数は()などで囲う方もいるようです。
俺の提案に関しては以上でしょうか。
避難所から持ってきた他の意見に関してですが、「作者の感想期間中の〜」以外に関しては
今無理に決めずにもう少し話し合った方が良いかと思われます。
532 :
484:03/07/14 00:00 ID:P5FoIAsG
失礼、避難所から持ってきた意見というより
>>517氏の
>あと、場の空気への配慮っていうと……理不尽な作品・感想叩きはスルーしましょうとか、
>感想内での作者ばらしは原則自粛しましょうとか、作者様が感想書く場合は名無しか別ハンでお願いしますとか、
>レスが厨でも生暖かく見守りましょうとか、感想書きの逆ギレはみっともないのでやめてくださいとか、
>正体探しをやるなら黙ってやりましょうとか
という意見に関してです。
533 :
名無しさんだよもん:03/07/14 00:16 ID:+iAplvGz
長文ウザイあげ
age荒らしuzeeeeeeeee
長文ウザイというとこのスレでSSが読めませんが
>>515 自分が考えてる「理由」は、
>>516の1のみです。
投稿期間及び感想期間は、純粋にコンペを行うスレとして機能してほしいと思ってましたので。
実際、総括期間に外部掲示板板で話し合う理由は無いと思います。
>>524 ええ、そういうことでいいと思います。
で、ちょっと早いですが、今回の総括期間のネタのまとめを簡単に。
>「作者の感想期間中の〜」等、スレテンプレについて
とりあえず「明記した方がよい」という意見が多いようですので、
次スレが立つまでに新しいテンプレを考えてみます。
補助掲示板で推敲してみようと思いますので、お時間有る方はご協力お願い致します。
>SS推奨書式、あるいはSS参考書式
今回は保留ということで。
次の総括期間までにテンプレートを作ってみたいと思います。
これについても補助掲示板で推敲しますので、こちらもよろしくお願い致します。
で、それを次の総括期間に当スレに提示して、その上で採用不採用(このスレのスレテンプレ及び
SS保管所に掲示するかどうか)の判断を仰ぎたいと思います。
>投稿期間と感想期間
今回は保留ということで。投稿期間2週間、感想期間1週間のままで行こうと思います。
次回の総括期間に再び提示したいと思います。
えーっと、そういえばもう次々回のお題は決まっているんだっけ。
>>535 賛成です。
つーか、もうそろそろ投稿期間に入った方がいいみたいね。
538 :
名無しさんだよもん:03/07/14 01:31 ID:hdqxX1j9
539 :
名無しさんだよもん:03/07/14 02:19 ID:+iAplvGz
540 :
名無しさんだよもん:03/07/14 02:20 ID:yxvEatdj
くそなど
「いつもの夢」を書いたjo(如風)です。
感想を書いてくださった方々、厚く御礼申し上げます。
今回も例に漏れず、誤字脱字が爆裂していました(鬱
実はこの話、テーマ『夢』のときに時間切れで落としたものです。
予定では2部構成にするつもりで、この話の後に、もう1話(千鶴と耕一の結婚式の話)
をUPするつもりでしたが……間に合いませんでした〜・゚・(ノД`)・゚・。
テーマが薄いのはそんな理由でございます。
楓の台詞は最初、「私に夢をみさせてください」というものでしたが、私が久しぶりに感動した
アニメ『カウボーイ・ビバップ』の中に出てきた「これって……夢よね」「そうさ、悪い夢さ……」
というワンシーンが心に残り、今の形に急遽変更しました。
感想を書いてくださった方々にはUPした後『もしかしたら、突っ込まれるかも』と危惧していた
部分すべてが指摘されていました(^^;
前半部分は或る程度書きためした部分なので問題なかったのですが、後半の耕一が出てくる辺りは、
もう少し再考すべきだったかなと反省しています。
最近ずっと痕の話ばかり書いているので、次は別の作品で投稿したいと思います。
【告知】
第十六回投稿テーマ:『海』
投稿期間: 7 月 14 日の午前 10:00 から 7 月 28 日の午前 10:00 まで。
テーマを見て、思いついたネタがあればどんどん投稿してみましょう。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)
※投稿される方は
>>2-4 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが
・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない
※の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。
それでは、投稿開始っ!
# また、次回のテーマは『過去のテーマ』(第一〜十六回のテーマから自由選択)で、開催時期は 8 月中旬になる予定です。
# 「二週間じゃ短すぎて書けない」「テーマが難しい」という方はこちらの執筆に力を
# 注いでもらっても構いません。ただし、投稿は次回の募集開始までお待ちください。
代理乙〜
え、始めちゃうの…?
「特に問題がなかったら」って書いてあったから、テーマに関する
書きこみがあるまで延長するのかと思ってた。
テーマ決めはどうする?このままこのスレで募集?避難所?
とりあえず俺も過去に出た候補を読み返してみるか。
545 :
名無しさんだよもん:03/07/14 12:20 ID:6cNEJgp3
>>544 以降は避難所で続けるのが無難なんじゃない?
そりゃ、何もかもきちんと決めてから投稿期間に入るのが理想ではあるけど
この調子じゃまたズルズルと議論が長引いて、投稿期間の開始が遅れそう。
コンペのための議論で、コンペそのものの開催が妨げられたら本末転倒だと思う。
いつ見ても話し合いばっかりで肝心の企画が動いてなかったら萎えるよ。
投稿期間と同時進行ってのも勘弁してもらいたい。せっかくのSSが議論レスに挟まれたら…
投稿しやすい空気を台無しにしてでもこっちで話し合いたい、
向こうの板には書き込みたくない、とかわがまましか言わない人はこの際放っておいていいと思う。
>>544>>546 というかだね、次々回のお題は既に『過去のテーマ』と決定しているので。
今回は決める必要がなかったのだよ。
549 :
544:03/07/14 14:54 ID:oU++kI8z
あ、そういえばそうか。
メンテ
今回の『海』も、実は書きやすそうで難しい罠
海水浴でいちゃつくだけ、は不可ね。
サンオイル、スイカ割なんてもっての他。
不可って……
そういうありふれた題材を料理して面白いものに出来たなら、それは評価するべきだろう。
方法論で視野を狭くしてたら、U−1叩いてる痛い奴らとあまり変わらんぞ。
てーか、どう考えても有り触れたネタしか浮かばないから今回はスルーの予定。
お題の斬新な処理を見せてくれる人いないかな?
砂浜に首だけ出して埋めたら潮が満ちて来て
「波の間は息を止めてれば」ってクリープショー冗談も食傷。
つーか見苦しいからもうやめれ
あまり続くと、また例の奴か?って思っちゃうが。
超リキ入った最優秀狙いも、息抜きで書いたようなベタネタも
書き手の自由に参加してよしってところもこのスレのいいところじゃネーノ。
なんで斬新にネタ使わなくちゃなんないわけ?
名作って斬新なのを言うわけ?
ただの背景として使ったら問題なわけ?
マジ厨は死ねよ
こうして斬新な物を否定するクセにありふれたつまらない物を作るヤシが吠えるわけです
ありふれてるけど面白い物ってイパーイあるよねー
やっぱり書き手の腕が伴わないとねー
だ よ ね ー ?
水着買いに行くのに付き合うってのもサムいよな。
「高校の文化祭でミスコン」「盛り上がる生徒会長選挙」位には寒々しい。
NGワード設定……、と。
もっと早くしとけばよかった。
これ以上ネタを云々言うと、物凄く投稿数が少なくなる予感がしてたまらない。
名雪が浜茶屋で苺のカキ氷食たら減点1
ネタつぶししてるつもりの人達って、
自分はこの程度の凡庸な発想しかできませんと暴露してることに気づいてないのかね。
シチュ自体にダメ出しするのはやめようよ……
投稿者を萎縮させるようなことをして何の得がある?
斬新であれ王道であれ面白いモノは面白い。ということで結論
━━━━━━━以下何事もなかったように━━━━━━━
「可愛い系低露出デザインの水着」を子供っぽいとカラカウの禁止な。
リアルでやると、かなりの高確率で絶交モノの傷つく行為だ。
>>566 いや、それは問題ないだろう。
葉鍵の女の子にまともな脳の持ち主はほとんどいn(ターン
>>566 そこまで露骨でなくとも、その手の失敗やっちゃうと、
その日、一日中気まずいよな。
ゲームだと平気でやるけど。アレは何故だろう。
栞がアイス食ったら減点2
もうちょっとパクリたくなるような面白いネタ希望。
571 :
名無しさんだよもん:03/07/19 03:34 ID:JPbxLdPo
「水着…あたらしいんだけど…」
なんだか投下しにくい空気ですが、作品投稿します。
タイトル「観鈴ちんと海の思い出」 作品はAIR。 ほのぼの系?
10レス予定です。
果たしてこのネタは認めてもらえるか分かりませんが。
ザザァ…… ザザァ……
波が砂浜に打ち寄せ、また海へと引き戻されていく。
聞こえるのは波の足音。そして、遠くで歌うカモメの鳴き声。
そんな砂浜を、私は1人で歩いていた。
お母さんは仕事。往人さんもお金を稼ぎに商店街。
観鈴ちんは1人。家にいてもつまらない。だから私は海へ来た。
今日も空を映した海は青く、どこまでも広がっていた。
人気のない砂浜の上を歩くたびに新しい足跡が生まれ、そしてすぐに波にかき消されて行く。
真上にさんさんと輝く太陽は今日もぎらぎらと砂浜を照らしていて、海から吹く潮風が心地よく頬を撫でる。
今度は往人さんと一緒に来たいと思う。もし日曜日だったら、お母さんも一緒に3人で。
うん、とっても楽しそう。
誰もいない砂浜を、私はずっと歩いていく。
足に触れる、冷たい波の感触を確かめながら。
「……あれ?」
ふと、私は海岸線の向こうに何かを見つけた。
なんだろう。何だか黒っぽくて、お母さんのバイクぐらい大きくて、よく見るともぞもぞと動いている気がする。
……生き物なのかもしれない。気になる。うん、行ってみよう。
もしかしたらお友達になれるかもしれない。
「……わ」
その「もの」の正体を知った私はびっくりして、思わず口をぽかんと開けて呟いた。
でも、その驚きはすぐに感動に変わった。
「恐竜さんだ……」
そこにいたのは、本物の恐竜さんだった。
首長竜と呼ばれる恐竜さんに似ていて、首が長く、両手はヒレのようになっている。
恐竜さんにしてはちょっと小さい気がするけど、小さい方が可愛いからこれでもいいかも。
でもよく見ると、恐竜さんはピィピィと叫びながらもがいているようで、なんだか苦しんでいるようにも見える。
かわいそう。よし、もうちょっと近づいてみよう。
近くで恐竜さんを見て、苦しんでいる原因が分かった。
細い釣り糸が全身に絡まっている。
糸から抜け出そうと恐竜さんがもがけばもがくほど、釣り糸はもっと体に絡まっていく。
大変、助けてあげないと。
恐竜さんを怖がらせないように正面に回る。
突然現れた人間にビックリしていたみたいだけど、私が頭を撫でてあげるとおとなしくなってくれた。
「大丈夫だよ。今助けてあげるからね」
そう言って微笑んであげると、恐竜さんもちょっとだけ笑ってくれたように見えた。
もしかしたらこの恐竜さんはまだ子供なのかもしれない。
恐竜さんが痛くないように、気をつけながら釣り糸を解いていく。
釣り針は幸いにも刺さっていないみたい。よかった。
「……うん、これでよし」
釣り糸を全部外すと、恐竜さんの背中をそっと撫でてあげる。
初めて触る恐竜さんの体はちょっとごつごつしていて、でも温かかった。
「ありがとうございました」
………え?
「しゃ、しゃべった……?」
「はい、しゃべりましたよ。それより助けていただいて本当にありがとうございました」
私の目線の高さに合わせて、にっこりと笑いながら恐竜さんが言った。
「い、いえ。どういたしまして……」
びっくり。恐竜さんってしゃべれるんだ。観鈴ちん新発見。
「私はこの海の底の竜宮城に住んでいる首長竜です。ちょっと散歩のつもりで陸にあがろうとしたら、
人間が捨てた釣り糸に絡まってしまって……あなたには本当に感謝しています。あなたのお名前は?」
「私? 私は神尾観鈴。観鈴でいいですよ」
「観鈴さんですね。分かりました。それで観鈴さん、もしよろしければ、ぜひ助けていただいたお礼がしたいのです。
竜宮城へご招待したいのですが、私と一緒に来ていただけますか?」
「わ、竜宮城?」
「はい。私が連れて行ってあげます。それはもう、この世のものとは思えないほど美しくて楽しいところですよ」
なんだか浦島太郎みたい。本当にそんな話があるなんて、観鈴ちんびっくり。
「竜宮城……うん、行ってみたい」
恐竜さんともっと一緒にいられるし、おとぎ話みたいな世界に行けるチャンスなんてそうそう無いと思う。
「分かりました。では、私の背中に乗ってください。私の周りにいれば水中でも呼吸できるので大丈夫ですよ」
「よろしくお願いします」
飛び乗った恐竜さんの背中は思ったより大きく、乗り心地がよかった。
恐竜さんは私を乗せたまま海に向かうと、そのまま沖を目指して泳ぎ始めた。
海の中に潜ろうとしたときはさすがに不安だったけど、恐竜さんは大丈夫だよと言ってくれた。
その目は嘘を吐いている目には見えなかったから、私はそれを信じて一緒に潜った。
恐竜さんの周りは空気の球のような物で囲まれ、本当に水の中でも息が出来た。
最初は驚いたけど、水中では息の出来ない私はやっぱりホッとした。
そのまま、私たちは海の中を進んでいった。
まだ見たことも無い、夢のような世界・竜宮城へと向かって。
海の中は、まるで別の世界だった。
海上から降り注ぐ太陽の光が幾筋もの柱となって海底を明るく照らしていた。
色とりどりの魚や海草やサンゴや貝さんたちが自由に泳ぎ、揺らぎ、踊っていた。
群れをなして泳ぐ小さなお魚さんたちは、まるで一匹の大きな大きなお魚さんのように見えた。
海の中は青く、それでいてどこまでも澄んでいて、果てしなく青い世界が広がっていた。
空の青さとはまた違った青色。それでいて、空と同じようにどこまでも続いていく透き通った青色。
まるで切り取った空を私たちの世界に持ってきたかのようだった。
こんな景色をいつまでも見ていたいと思った。
どれくらい深くまで潜ったんだろう。
私たちの進む先に、大きな建物が見えてきた。
近づくにつれて次第にはっきりと見えてくる。あれがきっと竜宮城。
この青い海にはちょっと不釣合いな人工物のはずなのに、それはまるでここにあるのが当然と主張したがっているかのように、大きくそび立っていた。
竜宮城の門が静かに開き、私たちはそのまま中に入っていった。
お城の中には水のかわりに空気があるみたいで、恐竜さんから降りた私も普通に息ができた。
「私は乙姫様を迎えに行きますので、観鈴さんはここでちょっと待っていてください」
そう言って、恐竜さんは城の奥へと行ってしまった。
私はひとりで入り口に残されてちょっと寂しかったから、入り口のあたりを見て歩いた。
さっき見た海の中も綺麗だったけど、竜宮城の中もとても綺麗だった。
どこからか差し込んで来る光が、サンゴや貝殻や石で飾り付けられた壁や天井に反射して煌めいていた。
見たことも無い色とりどりの海草があちこちに飾ってあった。
そんな、おとぎ話の中でしか見たことの無い世界が目の前にあった。
「観鈴さん、お待たせしました。乙姫様がおいでになりました」
その言葉につられて、声のした方を振り返る。
そこには恐竜さんと、1人のきれいな女の人がいた。
……え? あれ? あの人って……?
「……ちっす。ようこそ、竜宮城へ」
「と、遠野さん!?」
乙姫様と呼ばれたその女の人は、どう見ても私のクラスの遠野美凪さんだった。
華やかな着物みたいな服を着ているけど、本当に顔も仕草もそっくり。
「……遠野さん? 私? 私は乙姫……乙姫は遠野さん?」
遠野さん……じゃなかった。乙姫様は、遠野さんと同じように手を頬に当てて首をかしげた。
「観鈴さん、このお方が乙姫様ですよ」
恐竜さんが慌てて乙姫様を紹介してくれた。
「あ、ご、ごめんなさいっ。私の知っている人にすごく似てたものですから、つい……」
とてもびっくりした。考えてみれば遠野さんがこんなところにいるわけないんだけれど、本当によく似ていた。
「……そうでしたか。それは気にしないのでへっちゃらです……。それより、この子を助けていただいたそうで、ありがとうございます。
お礼といってはなんですが、あなたを歓迎しちゃいますので、よろしければ心ゆくまでお楽しみください」
恐竜さんの頭を撫でながら、乙姫様がぺこり、と丁寧にお辞儀をした。
「あ、ありがとうございます」
ぺこり、と私もつられてお辞儀を返す。
「……では、こちらへどうぞ」
竜宮城の大広間。
他のところよりもひときわ豪華に飾り付けられたその場所の真ん中に、私はいた。
タコさんやイカさんが、次から次へと食べきれないほどのお料理を運んできた。
食べたことのないような珍しいお料理ばかりで、とても美味しかった。
タイさんやフグさんが優雅に舞っていた。
ヒラメさんやカレイさんが華麗に踊っていた。
サザエさんやホタテさんが笛を吹き、イルカさんが歌を歌っていた。
お魚さんたち以外にも、乙姫様みたいな綺麗な女の人たちがたくさん現れて、音楽にあわせてみんなで踊った。
その中の1人、髪の短い可愛い女の子が私の方へやってきた。
診療所の霧島先生の妹さんに似てるな、と思ったけど、今度はなんとか声に出さなくて済んだ。
霧島先生の妹さん!? なんて言ったら、また変に思われちゃうかもしれないから、危なかった。
「ねぇ、あなたも一緒に踊ろうよぉ」
その子は笑顔で私に手を差し出してくれた。
私はとても嬉しかった。
私に手を差し伸べてくれる人がいたことが、とても嬉しかった。
「うんっ」
その手を取ると、私は立ち上がってみんなと一緒に踊った。
初めてだったからあまり上手く踊れなかったけど、とても楽しかった。
最初の踊りが終わると、みんなが拍手してくれた。
拍手なんてもらったのは本当に久しぶりだったから、やっぱりすごく嬉しかった。
踊って、疲れたら休んで、お腹がすいたらお料理を食べて、みんなの踊りを見て、また私も踊って。そんなことを何度も何度も繰り返した。
どれくらいの時間が経ったかなんて関係なかった。
その瞬間があまりにも楽しかったから、時間の流れなんて気にしていなかった。
そして、時折窓から見る海の中の風景も、時間の流れなど感じさせないかのように、いつもゆったりと動いていた。
「……楽しいですか?」
休んでいた私の隣にやってきた乙姫様が、唐突にそんなことを聞いてきた。
「うん、すごく楽しい」
私は思ったままに答えた。前からずっと何かが足りない気がしていたけど、でも楽しいのは本当のこと。
「……最高?」
「うんっ、最高」
その言葉が嬉しかったのか、乙姫様は口元を緩めて、かすかに微笑んでくれた。
「……あなたさえよければ、ずっとここにいても構いませんよ」
「……え? ずっと……ここに?」
ずっとここにいる。ずっと、ここに。
いつまでも地上に戻ることもなく、家にも帰らないで、ずっと、ここに………。
そのとき、私は無くしていた記憶の1ピースを取り戻した。
私がここにいる間、かすかに感じていた違和感。楽しいけれど、でも、何かが足りない。
本当はもっともっと楽しいはずなのに。
どうしてなのか、その答えに今ふと辿り着いた。
ここにはお母さんも往人さんもいない。
竜宮城の人たちはみんな優しくていい人たちばかりだけれど、ここには私の大切な人たちがいない。
だから楽しさが半減だった。私はきっといつも心の奥底で寂しさを感じていたんだ。
私はそれを忘れてしまっていた。お母さんも往人さんもいなかったから、ずっとどこかに違和感があったんだ。
「……どうしました? 神尾さん」
「私……」
いったん思い出してしまうと、とたんに寂しさが募ってくる。
ダムが決壊して水が溢れ出すように、お母さんと往人さんに会いたい気持ちが一気に溢れてきた。
「やっぱり私、ずっとここにはいられない。帰らなくちゃ。お母さんと往人さんが待っている、私の家に」
「……そうですか」
目を伏せて、残念そうに俯く乙姫様。
ちょっと悪いことをした気もするけれど、私はもう十分に楽しませてもらったから。
それに、きっとお母さんも往人さんも心配してる。
だから、もう帰らなくちゃいけない。
私が本当にいるべき場所へと。
あの恐竜さんが帰りも送ってくれることになった。
竜宮城の入り口で、みんなが見送りに来てくれた。
「……では神尾さん。お土産にこれを」
そう言って、乙姫様がきれいな箱を手渡してくれた。この展開って、どこかで聞いたことがあるような気がする。
「もしかして、玉手箱?」
「……正解」
ということは、これを開けたら私はおばあちゃんになってしまうのかもしれない。
危ない危ない、気をつけないと。
「……決して開けないで下さい。開けたら大変なことになっちゃいますので」
「うん、分かった」
「それでは行きますよ、観鈴さん」
「うん、よろしくね恐竜さん。乙姫様も、みんなも、とても楽しかったよ。ありがとう」
「……お元気で」
「楽しかったよぉ。またねぇ〜」
たくさんのお友だちと手を振ってお別れをして、私たちは再び海の中へと進んでいった。
来たときと変わらず、海はいろいろな世界を私に見せてくれた。
竜宮城の人工的な美しさとはまた違った、この海の中の美しさは、この星が生み出した自然の神秘だと思う。
魚が群れをなし、海草がゆらゆらと揺れ、太陽の光が何本もの光の柱を形作る。
海の中には、本当に、「時間」という概念はないのかもしれない。
「では、お元気で」
私を砂浜まで送ってくれた恐竜さんが、再び海へと潜っていく。私は恐竜さんが見えなくなるまでずっと手を振っていた。
さあ、急いで家に帰らないといけない。
お母さんも往人さんもきっと心配してるから。
でも、何だか町がヘンな感じがした。
最近まで確かに空き地だったところに、赤い屋根の家が建っていた。
武田商店があったところにはコンビニができていて、どろりシリーズを売っていたはずの自動販売機もなくなっていた。
……なんだか嫌な予感がした。
急いで家に戻った。焦りと不安から、早足はやがて駆け足へとなっていった。
……そして、恐れていたことは現実になった。
私の家は無くなっていた。
外見も、表札の苗字も全然違うものに変わっていた。
呼び鈴を押そうと思ったけれど、もし中から全然知らない人が出てきて、『どなたですか?』と聞かれるかもしれないと思うと怖くて、手足がガタガタと震え、押せなかった。
そのまま私は家を後にすると、あちこちを駆け回った。
商店街だった所には大きなショッピングセンターが出来ていて、人で賑わっていた。
往人さんと2人で遠野さんと出合った駅は取り壊され、新興住宅街が出来ていた。
学校は元のままだったけれど、すれ違った生徒らしい女の子の着ている制服のデザインが変わっていた。
……私は防波堤の上に座っていた。
足を棒にして駆け回ったけれど、結局、知っている人には誰も会えなかった。
……お母さんも、往人さんも、みんな、もう何処にもいない。
頭では認めたくないけれど、目の前にはそれを認めざるを得ない事実が突きつけられていた。
浦島太郎と同じだった。竜宮城にいる間に、地上では何百年もの月日が経っていたんだ。
そう考える度に涙が溢れてきた。完全に独りぼっちになってしまった私には、それを止めることは出来なかった。
「お母…さん……往人……さん……ひっく、ひっく……」
日が傾き、辺りが茜色に染まるまで、私はただ泣き続けた。
自分のどこにこんなに涙が貯められていたんだろうと思えるくらいに泣いた。
いつしか泣き疲れ、泣き止んでいた私は、1人で海を見ていた。
「こんな時でも……どんなに時間が経っても……海って綺麗なんだ……」
空の青色を映していた海は、今は夕焼けの茜色をどこまでもどこまでも映し出していた。
私に残されたのは、楽しかったあの日々の思い出と、乙姫様からもらった玉手箱が1つだけ。
「……開けよう、玉手箱」
そう呟くと、私は玉手箱の紐を解き始めた。
おとぎ話では、浦島太郎はおじいさんになった後、鶴になってどこかへ飛んでいってしまう。
私もそうなりたかった。
悲しさも、寂しさも、切なさも、全てを忘れてはるか遠い空の向こうまで飛んでいきたかった。
そして箱が開いた。予想通り、空けた瞬間に中からは白い煙がもくもくと出てきた。
その煙に包まれた私は、まるで夢を見ているかのような不思議な気分だった。
これが夢だったらいいのにと思ったけれど、煙が晴れた後、私が見たのはさっきと同じ茜色の海と砂浜だった。
けれど、景色ではなく私自身に、さっきまでと違う点が1つだけ確かにあった。
おばあさんにも鶴にもならなかったけれど、代わりに私の背中に翼が生えていた。
翼が生えたことへの驚きも喜びも無かった。私はただ、感じるままに背中の翼を羽ばたかせ、大地を蹴った。
そして、私は飛んだ。
みるみるうちに地上は遠ざかり、空で私は風と1つになった。
上には夕日を受けて茜色に染まった入道雲。下にはどこまでも広がる大海原。
はるか遠くへ。はるかなる高みへ。
果て無き水平線の向こうにある、空と海の境界線を目指して。
辿り着く場所もわからないまま、私は風となり、大空を飛んでいった―――――。
「……おい、観鈴」
「なあに? 往人さん」
「なんなんだ、この昨日の日記は」
部屋で一緒に遊んでいた往人さんが、ちょっとあきれたように私の夏休みの日記帳をひらひらさせながら聞いてきた。
開かれたページには、私が見た夢の内容を書いた昨日の日記が大きく載っていた。
タイトルは、『観鈴ちんと海の思い出』。 わ、読むなら読むって言って欲しかった。
勝手に日記を見られて恥ずかしい……だけど、見られちゃったものは仕方が無いかな。
「あのね、昨日そういう夢を見たの」
私がそう言うと、往人さんは『はぁ……』とため息を1つ吐いた。
あれ、私何かヘンなこと言ったかな?
「あのなぁ観鈴。日記なんだから実際に起こったことを書けっ」
「え? でも、実際に夢で見たんだから、実際に起こったことだよ」
「む? ……そうなのか? いいのか? いやしかし……」
なんだか往人さんが1人でブツブツ言いながら悩んでいる。
にはは、やっぱり往人さんって面白い。
でも、もし夢が本当になるのなら。
私は往人さんと、そしてお母さんと一緒に竜宮城に行きたい。
1人じゃない。大切な人たちと一緒だからこそ、楽しさも嬉しさもどこまでも大きく膨らむから。
みんなで一緒に歌って、踊って、ご飯を食べて。
それはとても楽しく、そしてかけがえの無い瞬間。
やっぱり、こんど3人で海に遊びに行こう。
ふと、開けっ放しの窓から一筋の風が部屋に流れ込んできた。
私の前髪をそっと揺らしたその風は、かすかに潮の薫りがした。
完
585 :
名無しさんだよもん:03/07/19 18:41 ID:nPVFf9xk
何桁目を縦に読むのか、位は示して欲しいな。
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
オツカレ、感想は後ほど書くべ
↓以下勢いに乗ってドゾー
我に帰ったときは海の上に浮いていた。
苦しいから爪でもって矢鱈に掻いたが、掻けるものは水ばかりで、掻くとすぐもぐってしまう。
水から岸までは四寸余もある。足をのばしても届かない。飛び上っても出られない。
呑気にしていれば沈むばかりだ。もがけばがりがりと石に爪があたるのみで、
あたった時は、少し浮く気味だが、すべればたちまちぐっともぐる。
もぐれば苦しいから、すぐがりがりをやる。
そのうちからだが疲れてくる。気は焦るが、足はさほど利かなくなる。
ついにはもぐるために水を掻くのか、掻くためにもぐるのか、自分でも分りにくくなった。
その時苦しいながら、こう考えた。こんな呵責に逢うのはつまり海から上へあがりたいばかりの願である。
あがりたいのは山々であるが上がれないのは知れ切っている。
出られないと分り切っているものを出ようとするのは無理だ。無理を通そうとするから苦しいのだ。
つまらない。自ら求めて苦しんで、自ら好んで拷問に罹っているのは馬鹿気ている。
「もうよそう。勝手にするがいい。がりがりはこれぎりご免蒙るよ」
と、前足も、後足も、頭も尾も自然の力に任せて抵抗しない事にした。
次第に楽になってくる。
苦しいのだかありがたいのだか見当がつかない。
水の中にいるのだか、座敷の上にいるのだか、判然しない。
どこにどうしていても差支えはない。ただ楽である。否楽そのものすらも感じ得ない。
日月を切り落し、天地を粉韲して不可思議の太平に入る。
吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい。
完
まんま夏目漱石じゃねーか
590 :
名無しさんだよもん:03/07/20 09:24 ID:qolh3/C6
デビュー作だっけ
いま読むとさしたる内容でもないけど当時はセンセーショナルだったんだろうな
591 :
子錦:03/07/20 09:33 ID:6ygpK3nh
592 :
子錦:03/07/20 09:44 ID:6ygpK3nh
↑
業者ウザイ。
>水から岸までは四寸余もある。
近っ!(w