抜け駆けした玲子をシめてやるっ!
チーム一喝鉄の掟に乗っ取り、制裁は行われた。
美穂は床で眠る玲子の耳を掴むと、乱暴に引き起こした。
痛みで彼女が目覚めたようだ。
「・・・・・・!?・・・・」
突然の出来事に唖然としている。
そのまま一気に左耳を引き千切り、金属バットを顔面に叩き込む。
「・・・くふっ・・・」
鼻が潰れ、折れた前歯がこぼれ落ちた。
思わず顔を抑えてうずくまりかけるが、まゆがそれを許さない。
彼女の両腕をつかみ逆にねじりあげ・・・一瞬、宙に体を浮かすと、
半回転させて激しく床に叩き付けた。
「ぎゃうふっ!!」
両腕が嫌な音を立てた。間違い無く根元から両方とも折れたろう。
続けざまに玲子の両腿をバタフライナイフで滅多刺しにする。
「ぐふうっ!!」
くぐもった悲鳴をあげた彼女の腹にもまゆはナイフを突き立てた。
「ひぎゃ!!!くうううううう・・・・・」
「ちょっと!もう殺しちゃったの!?死んだら遊べないんだよ?」
夕香が声をかけると、美穂がクスリと笑う
「大丈夫よ。人間はそれくらいじゃ死なないの・・・よっ!と」
這って逃げようとしていた玲子の横腹に、彼女のつま先がめり込んだ。
「・・・・・・っ・・・・・・ごふっ・・・!!」
悶絶する玲子。 半分失神している。
「頑張ってよ、玲子。まだまだ…まだまだこれからなんだから」
夕香は、悶える玲子の上に馬乗りになると、両手にメリケンサックを装着し、
そう言って微笑んだ。
ぐちゅっ。
ぐちゅっ。
それはハンバーグ用のひき肉をこねる音によく似ていた。
3人がかりで大の字に取り押さえられた玲子に夕香が馬乗りになる。
メリケンサックを装着した拳で、柔らかい顔面を何度も打つ。打つ。打つ。
拳撃の度に肉が千切れ飛び、部屋の壁にへばり付いた。
部屋に血の臭いが充満していく。
まるで粘土のように玲子の顔は変形していった。どんな形も夕香の思うが様である。
鼻を砕いてからさらに同じ部分を殴打し骨を肉に埋め込む。
細い顎が気に入らなかったから頬をがつがつ殴る。たちまち腫れ上がり豚のできあがりだ。
途中から、玲子の反応が全く無くなったので、心配した夕香は呼気を確かめる。
ひゅう、ひゅうと短い息の音。玲子の生が判るとほっとため息をつき、夕香は美穂と交代する。
「まだ終わらないよ…。今のはあたしの分。まだ、美穂とまゆの分が残ってるんだからね…」
最も単純な暴力による制裁は数時間続いた。
度重なる鉄の衝撃で全員の手が潰れなければ、一日中殴り続けていただろう。
玲子の顔面はもう人としての原型を保ってはいなかった。
砕けた骨と潰れた肉の混じり合った皮袋である。
もはや目鼻の判断もつかない。性別すらも判らない。
…しかし、彼女の死に顔に表情があったとしたら、それは笑顔だったに違いない。
青春を共に過ごした、チーム一喝の友人一堂に看取られて逝ったのだから。