1 :
名無しさん :
2000/02/10(木) 14:35 なんで遺伝し組替え作物は悪者になっているのですか? 遺伝子組換えで作成されたタンパクが人体に悪影響を 及ぼすかもしれないってことかなぁ???
2 :
名無しさん :2000/02/12(土) 18:48
世間では、組換え作物の使用を表示するとかしないとか もめてますけど。ウチの大学の教授は、「絶対安全で 害なんてあるはずがない」と言ってます。 そして、「君達が、そういった事を皆に知らせる役目なんだ」 と言われます。
3 :
国試前(しばらくお休みします) :2000/02/13(日) 02:35
組み替え「作物」とは違いますが、遺伝子組み替えというと 例の大腸菌で発現させたトリプトファン(でしたっけ?)と かの記憶も一因でしょうか? 話は違いますが、胚の分割によるクローンまで問題視されてるけど あれって、世の一卵性双生児に対する挑戦でしょうかね(笑)? 実際、潜在的な理系に対するアレルギーみたいのもあるような 気がします。でも2さんの言うとおり、その誤解を解き、安全なも のを作り、実証していくのが、組み替えを扱うものの役割でしょう。 ただし、どんな意見でも絶えず耳を傾けなければいけないと思いま すが・・・。
4 :
>2 :2000/02/13(日) 16:16
「絶対安全で害なんてないといいきれるものはない」 理系の人間ならそうい理解できないものかな。
5 :
名無しさん :2000/02/14(月) 19:23
>2 とりあえず、その教授が食べていれば安全なんでしょう。 食べれないのであれば、嘘です。 >4 理系の人でも、自分に直接関係無いことは安全なのでは。
6 :
FS太郎 :2000/02/14(月) 19:28
「農学のロマンチシズムに社会科学の冷や水を浴びせ掛けること ここにも農業経済の存在理由がある」と生源寺氏は言っていました。 まあ広い意味で100%安全な食品はないと言う前提にたつ必要が あるのではないかと思います。
7 :
農業経営専攻者 :2000/02/15(火) 22:51
乱暴な言い方ですが、 「なんだかよくわからないけど心配だからいやだ」 という素人筋に対して、 「専門家が安心だから安心」 「素人は無知で勝手でけしからん」 「こういうあほは啓蒙すればよい」 という発想で事に当たるのは馬鹿げています。 (表では言わないが、 専門仲間同士は結構そういう風潮がある)。 専門的な学理の追求はともかく、 社会的にはペケです。もちろん商売的にも。 農薬に関しては、私は個人的なの理性のレベルでは、 社会的に問題にならない程度の安全性は確保されて いると思いますが(リスクゼロは何にせよありえない)、 「それでも心配だ」という社会通念(共同幻想?)は、 農薬そのものの安全性確保の技術レベルが高まる のに反して、皮肉にも定着してしまった。だから、 国も環境保全だとか有機農業を政策に取り入れざる 得なくなったと思います。 遺伝子組み替えも、そうした洗礼は受けざるを得ない と思います。 なぜならば、国民の全てがバイテクとか農薬とか (はては原子力)の専門家になれるわけないのだから。
8 :
名無しさん :2000/02/16(水) 18:39
要は政治の問題で安全性そのものの問題ではない 遺伝子組み換え食品は少なくとも今までの農薬等ほど危険ではない これが世界中の科学者の現時点でのほぼ共通の見解 けれど今の時点で安全性を認めると欧州や日本などの食料輸入国は 農業技術の先進国のアメリカから大量から入ってくる農作物に 歯止めがかけられない だから危険だと騒いでいるのは欧州や日本だけで アメリカでは安全性がどうのこうのという懸念はまるでないのです みなさん元気に遺伝子組み換え作物食べてます 農薬減らして栽培できるので既存のものよりむしろ健康的かもしれません >7 でもこのままでは日本の農家が自分達の利益保護の為に 安全か危険か不明のまま危険だ危険だと煽っている という方向に落ち着きそうだからやりすぎはむしろヤバいと思うよ
9 :
農業経営専攻者 :2000/02/17(木) 08:14
>みなさん元気に遺伝子組み換え作物食べてます 農薬減らして栽培できるので既存のものよりむしろ 健康的かも 私自身は「身土不二」とか「四里四方のものを食べる」 とかいうのは、かなりノスタルジックだとは思いますが、 遺伝子組み替え作物の安全性が理屈でわかっても、 そういう技術を採用する社会システム自体が 「健康的」かどうかというのは、 科学者が決められるわけではないから難しい。 単に素人の無知やノスタルジーということで 切り捨てられない。
10 :
さっきの名無し :2000/02/17(木) 23:08
>そういう技術を採用する社会システム自体が 「健康的」かどうか これはつまりチェックする機関や人間が所詮、役所側だから信用できない という制度の問題ですよね これはやはり早急になんとかしなくてはならない 農薬等も含めて農作物の安全性をチェックする第3者的機関の設立も 現在の状況では必要なのかも知れません しかし大事なのは遺伝子組み換えが品種改良にも関わってくるという点です アメリカではコシヒカリを美味しくしている遺伝子の単離などが 急ピッチで進められていて数年後には日本のものよりもおいしい米が できてしまうかも知れない そうなったら日本の農家は果たしてノスタルジーだけで勝てるでしょうか? 下手をすれば木材のように日本で生産する意味はないとして 農業全体を放棄する姿勢すら出てくるかも知れません 遺伝子組み換え食品に必要以上の抵抗を続けるとその結果 日本の農業が未来を失ってしまうかも知れないのです 現在のさまざまな運動は生産者と消費者を結び付ける運動として 評価もできますが、その輪の中に研究開発者も入っていないと とても弱いものになってしまいかねないというのが残念なところです
11 :
農業経営専攻者 :2000/02/18(金) 10:17
>日本の農家は果たしてノスタルジーだけで勝てるでしょうか? たしかに。 しかし、正否ではなく「ノスタルジー」を戦略にするしたたかさも 少数ですが出てます。 >その輪の中に研究開発者も入っていないと 同感です。 ところで、以前から「エコ系」の運動体なんかは、 横浜国大環境研系とか、摂南大とか、愛媛大とか その筋の人では有名な「告発型研究者」の人達とのつきあいが ほとんどだったみたいですけど、私のいいかげんな実感では、 最近では、バランス感覚としなやかな戦略を持った 運動体とかNGO関係者が増えてきたと思います。
12 :
東北農 :2000/02/22(火) 16:03
皆さんの意見、同じ農学を学ぶものとして大変参考になります。 ただ、この板にはある程度専門知識を持っているヒトしか こないと思うので、社会の板とかでこのような討論ができる といいですね。
13 :
名無しさん :2000/02/23(水) 12:12
東北農さんに同感。 スーパーで買い物してるおばちゃんは、 遺伝子組換え作物がどういう物か詳しく知らない。 とりあえず危険らしいからやめとこうって感じじゃない?
14 :
某遺伝子研究者 :2000/02/23(水) 13:32
ちなみに私は「遺伝子組み換え作物は使用していません」 などと書いてある豆腐やら油やらはなるべく買いません 現状では危険を煽って粗悪品を高値で売るようなメーカーの方を より注意しなくてはと思うからです
15 :
名無しさん :2000/02/25(金) 20:36
>14 粗悪品かどうかはわからないだろう。 それに、単に差別化しているだけで、危険を 煽っているわけでもないだろうに。 P.S. 現在のところ、クローン牛と明示されいる牛肉があったら、 買いだろうね。試験研究機関で大事に育てられた肉牛だから、 変なホルモン剤とか使っていないし、すごく安全だよ。
16 :
名無しさん :2000/02/25(金) 21:24
2000年2月25日(金) 9時10分 遺伝子組替え作物の輸出先、アジアが最適=米専門家(ロイター) [ワシントン 24日 ロイター] コンサルタント企業、ワールド・パースペクティブスのブルッキンズ会長は、米国の輸出業者が、遺伝子組み 換え(GM)食品に反対する欧州連合(EU)対策に時間を費やし過ぎており、GM作物に対して、比較的拒絶感の少ないアジア市場を無視して いる、と指摘した。 米国農家が今年の春に作付けを行う農産物を最終的に決定するにあたり、GMトウモロコシ、大豆、じゃがいも、その他の食品をめぐる市場 の不透明感が大きな問題となっている。 同会長は、米国の穀物輸出業者や食品会社、政府当局者らが、EUのGM作物輸入に対する反対姿勢に重点を置きすぎている、としてい る。一方、日本のビール製造業者や食品メーカーは、GM作物の段階的購入を開始している。
17 :
某遺伝子研究者 :2000/02/26(土) 14:17
あ、もちろん全てのメーカーがそういうことやっている と疑っているわけではないです もともと美味しいものを作ろうとして自家栽培の大豆だけを 使っているような豆腐屋にしてみれば最初から関係ない話でしょうし ただ現状で「遺伝子組み換え作物は使用していません」 という表示を敢えてするというのはメーカーとしても 少々不勉強か不親切だと思わざるを得ないです 産地や品種を明記してこれが一番美味しくできるやり方なんだ と自信を持っていればそれが組み換えであるかどうかは二の次で 逆に組み換えかどうかという視点でしか豆腐を作れなくなったら 結果的には品質は落ちるんじゃないかと思います 必要なのは透明性の確保された安全性の検査機関 そして先端的な技術もどんどん取り入れてよりよい 品質のものを生み出していこうとする努力だと思います
18 :
某遺伝子研究者 :2000/02/26(土) 14:17
あ、もちろん全てのメーカーがそういうことやっている と疑っているわけではないです もともと美味しいものを作ろうとして自家栽培の大豆だけを 使っているような豆腐屋にしてみれば最初から関係ない話でしょうし ただ現状で「遺伝子組み換え作物は使用していません」 という表示を敢えてするというのはメーカーとしても 少々不勉強か不親切だと思わざるを得ないです 産地や品種を明記してこれが一番美味しくできるやり方なんだ と自信を持っていればそれが組み換えであるかどうかは二の次で 逆に組み換えかどうかという視点でしか豆腐を作れなくなったら 結果的には品質は落ちるんじゃないかと思います 必要なのは透明性の確保された安全性の検査機関 そして先端的な技術もどんどん取り入れてよりよい 品質のものを生み出していこうとする努力だと思います
19 :
某遺伝子研究者 :2000/02/26(土) 14:18
連発しちゃいました(汗) ごめんなさいぃぃ(汗)
20 :
名無しさん :2000/04/04(火) 21:50
>「絶対安全で 害なんてあるはずがない」 こういう事言う教授は馬鹿です。 意図すれば、有害な組み替え植物も作れるわけだから。 しかし、農薬の法律違反のデタラメな使い方が横行するこの国で、 組み替え植物だけ槍玉に上げても、ほとんど意味ないですね。
組み替えた遺伝子の遺伝子産物が人間に悪影響を与えることは ほとんどないと思うけど、心配すべきは逸出した場合の環境への影響、 あと、農薬耐性遺伝子を組み込んであるような場合は農薬を馬鹿みたいに使ってる 可能性があるからそれが心配。 組み替え作物の封じ込めって結構大変だと思うけどどうよ。
22 :
名無しさん :2000/04/12(水) 02:47
>21 あら? 結構新鮮な意見やね。 パクってもいい?
23 :
酵母さん :2000/04/12(水) 10:33
>22 いいよ(´ー`)y-~~
24 :
農民1 :2000/04/13(木) 08:33
遺伝子?
25 :
名無しさん :2000/04/13(木) 11:10
>22 そっそんなに新鮮ですか? 学者と社会の対話の必要性を実感しました。 「例の某有名農薬」耐性遺伝子が漏れてるって本当? こえーよー。耐性菌みたくどんな農薬も効かない 雑草がってことにはならないとも・・・。 >20 倫理観うすいよね。この国。 そういえば、日本って未だに乳房炎の抗生物質に色ついてるなぁ。 アメリカじゃ無色だ。 色とると日本ではすぐ違法出荷しちゃうってことか? 加えて消費者の意識も低いから、輸入品はポストハーベストだら けで、あまり文句も出ない。故に輸入食料は農薬まみれ。 輸出国内消費分には使わない農薬まで・・・。
26 :
>21 :2000/04/13(木) 20:37
> 組み換え作物の封じ込め 遺伝子組み換え作物など品種改良した作物は種を買って 自分のとこで増やして使われると次の年には売れないから 種苗会社は不捻にして売りたい 当然品種改良で遅れを取る国々や種を買う農家はそれを止めさせたい 本当は結実なんかさせると管理がずさんになって野性に出る 恐れがあるのは明らかなんだけど、そういう点を騒ぐと 不捻にするのを義務化されたりして余計不利になるから 遺伝子組み換え作物自体が危険だと騒ぐようになるわけね 今市場に出てるのはほとんどが不捻じゃなかったかな ウィルス等が媒介して不捻の作物から遺伝子が移るとかの 可能性は否定できないけど実際にそういうことがあるという 現象の確認は少なくとも今まで報告はないと思う
27 :
酵母さん :2000/04/14(金) 03:06
なるほど、種つけられなくするのね。サンクスコヽ(´ー`)ノ
28 :
花粉症 :2000/04/26(水) 21:48
29 :
名無しさん :2000/04/26(水) 22:58
>28 っていうか今んとこ一応開発前にアレルゲンかどうかのチェックは しているそうだが、もともと天然物でもアレルゲンはたくさんあるし 普通の品種改良でも出るし個人差も大きい 逆に言うとアレルゲンにならないような作物ってのを作ろうとしたら 遺伝子組み換えをやるしかないと思うのだが ダイズなんかやろうと思えばすぐできるっしょ 遺伝子組み換えだからいいとかダメとか低次元の視点は危険っすよ もちろんチェック機関の情報の透明性は確保しなくちゃいけないけど 開発競争で負けてやばいからとかで危険を煽ると将来もっとやばい
30 :
名無しさん :2000/04/27(木) 03:35
で、ラウンドアップの分解化合物って、測定できないんですかね?
31 :
それって :2000/04/27(木) 17:48
32 :
Oxbowed :2000/05/02(火) 12:56
事の発端は穀物メジャーが人類の食について対して考えず、 自分たちの儲けばかり考えていたから? そういえば、発展途上国なんかではGMは受け入れられてるの?
33 :
名無しさん :2000/05/03(水) 04:37
というより EU の農家や農業族議員が輸入削減のために 宗教じみた非科学的な運動を展開してるのが大きいんじゃないかな 別にアメリカでは国内でも販売しているわけだし 農薬の問題と違ってこのケースでは穀物メジャーが悪いわけではない 途上国は農作物輸入できるほど金がないからまだまだじゃない? まぁ危険だなんだと煽ってもそれはたいてい嘘なんだし 気がついたら主要な特許はみんなアメリカに持っていかれて そのうえ将来的には美味しくて安い農作物が入ってくるわけだから このままじゃ日本の農家はなくなるね
34 :
名無しさん :2000/05/03(水) 12:05
遺伝子組み換え作物は、未来の食料不足などを考えると、なくてはなら
ない技術の一つであることは疑いようもない。しかし、科学技術は常に
諸刃の剣である。本当に有用な組み換え作物が作られる一方で、人に害
があるような作物が不本意に作り出されてしまう可能性は常にある。現
に、日本で開発された組み換え作物の中には、アレルゲン蛋白質を組み
込んでしまったのではないかと疑われるような植物体もある。
組み換え植物の栽培試験状況(農水省)
http://ss.s.affrc.go.jp/docs/sentan/guide/develp.htm 蛋白質性アレルゲンの一覧(WHO-IUIS)
ftp://biobase.dk/pub/who-iuis/allergen.list 組み換え作物が世間に出た当初、開発に携わる側は、絶対的な安全性を
強調した。しかしその一方、安全性審査は任意とされ、また組み換え作
に対する表示も必要ないとされた。そこには利潤追求を優先する姿勢が
あったのではないか?心から組み換え作物の発展を願い、また安全に対
して責任を持とうとする意志があったなら、当初から安全性審査を義務
とし、そのデータを公表するべきではなかったろうか。今日のような組
み換え作物に対する反感は、単に一般消費者の無知によるものではなく、
科学的な知識を持つ我々が、科学者としての責務を充分に果たし切れな
かったことによる面も否めない。米国との開発競争に負けるのではない
かという危惧は、無理からぬところである。しかし一旦、これまでの経
緯を反省することは、全く無益なことでなないように思う。今後、本当
に人類にとって有用な、消費者に喜んで受け入れられるような組み換え
作物が、大いに開発されることを望みたい。
35 :
名無しさん :2000/05/04(木) 00:27
36 :
名無しさん :2000/05/04(木) 02:45
前々から疑問に思っていたんだけどササニシキやコシヒカリができたとき これはもしかして有毒なんじゃないか?とかそんなに騒いだかね トマトとピーマンの掛け合わせなんか自然界では絶対にないけど 細胞融合で作って市場にも出回っている けどそんなに騒いだかね 普通の品種改良でもアレルゲンが増加してしまう例なんか 山ほどあるっしょ 鶏肉や卵なんかいい例だし こういうのも本来ならちゃんと同じように厳重に検査しないと 大事なのは 34 も言っているように検査機関の透明性確保だけであって 遺伝子組み換え食品だけがさも危険かのように言ってるのは 宗教じみた健康食品とかで金儲けとか狙っている人達が多いんじゃないかな? こないだ見たHPはまさにそういうとこだったよ
37 :
名無しさん@1周年 :2000/07/13(木) 12:18
おもしろい。 あげ。
38 :
名無しさん@1周年 :2000/07/21(金) 18:11
> GM作物に対して、比較的拒絶感の少ないアジア市場 意外な気がするな。 しかも、欧米とアジアの消費者のどちらが賢いかもよく分からん。
39 :
名無しさん :2000/07/31(月) 01:38
マメ科植物の根瘤細菌との共生のメカニズムを明らかにして、マメ科以外の植物でも窒素固定作用の能力をもたせることは、未だできないのですか?
40 :
名無しさん :2000/07/31(月) 01:41
c3植物にC4植物の遺伝子を組み込むことは未だ、できませんか?
41 :
名無しさん@1周年 :2000/08/30(水) 10:04
age
42 :
名無しさん :2000/08/31(木) 16:22
>>39 共生メカニズムはちょっとずつ解ってきています。
>>40 できてないとおもいます。
遺伝子を特定してクローン化できても、それを目的の植物に入れられるかというと難しいのです。
入れても不明の理由により機能しない場合がほとんど。大豆は数少ない成功例です。
43 :
名無しさん@1周年 :2000/09/20(水) 06:55
最近、話題ですね。
44 :
推進派のケニアの植物学者への :2000/10/11(水) 17:21
45 :
あらら :2000/10/12(木) 08:40
46 :
一研究員 :2000/10/17(火) 01:52
米国で、遺伝子改良ポテト(検査機関の試験にはパス)を使って ポテトチップ会社がポテトチップの試食会を開いたそうな・・・。 で、全員食中毒。ポテトの中のタンパクが変性して毒性物質に変 わったらしい。そのタンパクは、遺伝子導入により生成されたも ので、変性前は無毒だったらしい。でも、米国政府によって事実 は闇の中へ・・・。ヨーロッパでも改良アブラナの花粉を集めた 蜂(養蜂家が飼ってたやつね)が大量死する事件が起こってます。 もっともっと、遺伝子の機能自体を研究する必要があるかもね。
47 :
中間派 :2000/10/18(水) 09:50
>46さん 出所を明らかにしないと、信頼性が薄いですよ。もし本当だとすれば、 大変なことです。可能な範囲でいいから、出所を明らかにしてもらえ ませんか?最近、食品として認可されていない組み換えトウモロコシ が混入した、タコス皮の回収騒ぎが米国で相次いでいますが、日本で 組み換え食品の絶対的な安全性をアピールしてきた人達は、どう思っ ているのでしょう。組み換え作物に対する信頼性を損なわないために も、検査や安全性のチェックは、当初から厳重に行うべきではなかっ たのかなー。日本での組み換え食品の安全性審査は、来年の4月から ようやく義務化されるらしい。よく、こんなに厳重な安全性のチェッ クを経て、とか書いてあるページがありますが、チェックは今のとこ ろ任意なんですよね。よって、別に安全性チェックをしなくてもいい わけです。賛成派の人の意見を聞きたいです。
48 :
アブラナの話って :2000/10/18(水) 17:15
49 :
名無しさん@1周年 :2000/10/18(水) 17:23
50 :
中間派 :2000/10/19(木) 07:55
バイオインダストリー協会が提供している「バイオテクノロジーQ&A」は、
中間的な立場から、よく書かれていると感じます。
バイオテクノロジーQ&A(専門家向け)
http://www.jba.or.jp/q-and-a/ex/non_flame/index.html 34さんや36さんが触れているアレルゲンが作り出される可能性
についても、しっかりと書かれています。やたらと反対してい
る人や、やたらと推進している人には、ぜひ見ていただきたい
と思うページです。反対派の人は科学的な現実のデータを無視
する傾向があり、推進派の人は科学的な現実のデータを隠すよ
うな傾向があるように思うのですが、いかがでしょう?
51 :
奮闘中 :2000/11/01(水) 22:05
はじめまして。ただ今、遺伝子組換食品についていろいろ調べてるんですが、 賛成派の意見が少ないんです。もし、どなたかポジティブな意見をもってい たり、聞いたことがある方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。 おねがいします。
52 :
保奈美 :2000/11/01(水) 22:44
GMとうきび「スターリンク」の問題は年末にかけて、ニュースに なるでしょう。
53 :
名無しさん@1周年 :2000/11/02(木) 03:11
まあ棲み分けでしょうな。組み替え食品と組み替えてない食品の。 まず安いってのが出てくるだろうが、これは作る側の都合で 作った組み替え作物で、結果的にコストが下がって安いだけ。 そのうち美味いとか変に栄養があるとか(笑)そういう付加価値つき のやつも出てくるだろうから、そういうのは食いたいと思う人も 必ず居るからね。安全性とのすりあわせもあるだろうけど、 体にあんまり良くないこと知っててジャンクフード食べるっていう 市場は確実に存在するわけだからさ。
54 :
腐れボカシ :2000/11/02(木) 08:45
うん、あと食物アレルギーの人なんかは食べられるものの 選択肢が増えてイイんじゃないかな。
55 :
FS太郎 :2000/11/02(木) 10:09
>52 日本経済新聞にもここのところ記事が掲載されているが、 朝刊ではなく夕刊に載ることがほとんど。
56 :
保奈美 :2000/11/04(土) 20:44
57 :
農大化学科 :2000/11/06(月) 03:58
遺伝子組み替えって、ただただ危ないっていう風に言われますもんね〜。 そもそも、品種改良っていうのも突然変異で出来たものを摘出して 大量に作ってるだけなのにね… 遺伝子組み替えって その変異を人工的に行うだけのことだと思うんですけどね。
58 :
組換え :2000/11/07(火) 15:52
組み替え? 組み換え? 日ごろこの語句使ってるかつかってないかわかるね。
59 :
高校生 :2000/11/09(木) 10:17
予期しない毒性やアレルゲン性が出てしまう能性は、通常の品種改良であっても遺伝子組み替えであっても、同様にあるわけですよね。 どうして、遺伝子組み替え作物には安全性審査とか検査というのがあって、通常の品種改良には安全性審査や検査は全くないんですか? ただ単にめんどくさいから?
60 :
傘太郎 :2000/11/11(土) 01:28
聞いた話だと、昔は組換え作物にもそれほど厳しい安全性試験は なかったらしい。やはり消費者の声が現状に反映されているそうです。 つまり、ボタンのかけ方一つで放射線などを用いた突然変異体に ついても厳しい試験がかせられた可能性があった訳ですね。 研究者も広報する必要がある時代になったって事やね。はぁ〜。
61 :
名無しさん@1周年 :2000/11/13(月) 20:27
>59 EUや日本では遺伝子組み換え作物が増えて食料自給率が下がると アメリカやオーストラリアのような農産物輸出国に対して強く出れなくなる。 そこで遺伝子組み換え作物を危険視することで輸入量を減らそうとしている。 つまり組み換えだけをヤリ玉にあげる理由には科学的根拠はないけど 食料自給率の低下を防ぐという政治的根拠はあるわけだね。 日本は先進国の中で突出して自給率が低いことも知っておいた方がいい。 ちなみに食料が恒常的に余るというのは幻想で、余るようになったのは 30年程前から石油化学肥料を使用するようになったから。 それまでは世界的に食料不足だった。 つまり石油が枯渇する40年後に今の情勢に変化がなければ 食料自給率の低い国は高い対価を払う可能性が大きくなる。 本質的には遺伝子組み換えでも何でもやって日本でもたくさん取れる 農産物を作っておいた方がいいと思うんだけどね。
62 :
はな :2000/11/14(火) 15:48
質問なんですが、遺伝子組換え作物について 「新たな作物がアレルゲンかどうかのチェック」って 実際にはどういうチェックなんですか? アレルゲンって人によって全く異なりますよね? 「アレルゲン症状が出た過去のある物質」に似た構造の蛋白質をチェックしている ということなんでしょうか?
63 :
名無しさん@1周年 :2000/11/15(水) 10:50
僕の知る限り、アレルゲンかどうかのチェックは主として導入された遺伝子について 1. 「アレルゲン症状が出た過去のある蛋白質」に似ているかをチェック 2. 人工消化液による分解性のチェック (十分に消化できないとアレルゲンになる可能性があると考えられる) ということだったと思います。
64 :
名無しさん@1周年 :2000/11/17(金) 11:54
ご指摘のように、2.の分解性チェックは、アレルゲンになる可能性があることを調べる試験であり、可能性がないことを調べる試験ではない(消化されてもアレルゲンでないとは言えない)。 したがって、アレルゲンになる可能性がないかどうかを判断するには、1.の構造類似性のチェックも非常に重要になってくる。 日本で開発された組み換え作物で発現させらている蛋白質の構造が、既知アレルゲンの構造に類似していないかどうかをサーチしてみると、類似している組み換え蛋白質が実際にあることがわかる(自分で調べて確認してください)。 こういう科学的な情報を、農林水産省の研究所や組み換え作物推進派の人達が、一般に公表せず完全に伏せているのは(まさか故意に?)、やはりどうかと思う。
65 :
はな :2000/11/17(金) 12:30
名無しさん、ありがとうございます。 アレルゲンになるかとどうかについては「可能性が高いか低いか」までしかわからない、ということですね。 疑いだしたらきりはないけれどどこで線を引くかが難しそうですね。 判断する側としては有利な情報、不利な情報きちんとどちらも提示してもらわないと判断ができないのに。 判断はリスクベネフィットでするしかないのでしょうか。 しかしその伏せている事実については調べられるということから 「データ自体は公表している」と言われてしまいそうな気もします。
66 :
名無しさん@1周年 :2000/11/17(金) 13:32
以前日本食品協会というところに連絡したところ、 ・DNA組換え食品の資料については、協会の「食品安全情報相談室」において閲覧のみ可能(コピー不可)。 ・よって知りたければ「食品安全情報相談室」まで「平日の昼間」に行かなければならない。 という返事だった。 (ただし、自由にコピーをとることが可能になったらホームページ上での閲覧ができるように挑戦してみたいといっていました。 それでも、その資料は僕がこの件を問い合わせた時点でも37,000ページを超える分量があったので一筋縄ではいかないでしょう。) 「平日の昼間」に東京(あと大阪も?)まで行かなければ情報が得られないというのは まさに65さんが危惧されているように「データ自体は公表している」といって事実上情報に制限をかけているようなものでしょう。
67 :
くも :2000/11/22(水) 12:02
どうも。初めてここを見たものです。 いろいろとみなさん、いいことを話ていますね。 勉強になります。 もっと、いろんな人がここに書くのを楽しみにしています。
68 :
農NAME :2000/12/26(火) 13:28
age
69 :
あいう :2001/01/24(水) 17:11
自然界で突然変異によってできたものと、 遺伝子組替えによってできたものは何が違うのでしょうか? 後者にだけ人体に害のある可能性があるってことはないですよね? あと、遺伝子組換えによってできたものには、思いもよらなかった タンパク質とかが実は合成されてしまっていて気づかなかった〜 ってなことにはならんのでしょうか。
70 :
まじれす :2001/01/24(水) 19:32
問題点は以下のとおり。 1)農家や消費者には、遺伝子組み替えに関する知識は無い。 2)だから、これらの問題を替わりに考える公的機関が必要。なぜ民間では駄目かというと、アメリカでは種苗の公的機関が民営化されたとたん、特定の企業に有利な判定を出したため。 3)ところが、日本ではヒステリックな連中ばかりがはびこっているため、下手に矢面に立つと何されるかわらん。だから専門家は表立って活動できない。 4)よって日本の遺伝子組み替え作物反対派は、妙な連中ばかりになる。 日本の遺伝子組み替え作物反対運動は、COOP(生活協同組合)と、某ちてい私立女子短大の栄養学(栄養学の教官が遺伝子組み替えの智識があるか!)によってはじめられた物。 あえて個人名は出さないが、単なる「売名行為」の延長であったことを理解して欲しい。
71 :
D-cis :2001/02/11(日) 15:38
66の日本食品協会「食品安全情報相談室」の件ですが、以前別のフロアに用事があった帰りにのぞいてみました。 係りの方に伺うと、「月・水・金の10時〜4時に閲覧のみ可能で、メモ程度ならOK(手書きとはいえ、全部をそのままうつしてはいかんとのこと)」 で、パラパラとめくった資料のその文字の悲惨なこと(笑)。コピーにコピーを重ねたらしく、数字なんか潰れて解読不可能なところが一杯でした。 相談室内のPCでも検索できますが、元が同じ(スキャナーで入れただけ)なので更に見にくいこと請け合いです。 コピーが出来ない理由は知りませんが、電子化を考えておられるなら、せめてキレイなものに替えてほしいなあ。 (あ、どっちにしろ私の分野ではありませんので(笑)、そこから資料をもらうことはありませんが。)
72 :
農NAME :2001/02/12(月) 01:43
>71 細かく見られたら困るんだよ。いろいろとバレたら大変だしな。
73 :
農NAME :2001/02/14(水) 10:38
74 :
農NAME :2001/03/25(日) 18:27
75 :
即レス :2001/03/25(日) 18:36
面白い資料だね。 モンサントが除草剤抵抗性品種と自社の除草剤を抱き合わせ販売することには反対。 だが末尾で出てきたバングラディッシュの例だが、除草剤抵抗性ではなく、増収性や耐病性ならいいような気がする。こういう地域こそ、遺伝子組み替え植物の効果が期待されるのでは?でも除草剤抱き合わせ企業がでしゃばるんだろな。
76 :
75 :2001/03/25(日) 18:40
ちょっと書き足りなかったか 肥料や農薬を購入できない第3世界ほど、遺伝子組み替えによる吸肥効率向上・耐病性・対虫性・増収性品種が必要なんじゃないかな?どうだろう
77 :
>70 :2001/03/25(日) 21:15
訂正、ひいてるのは「糸」だった。(藁 >>75 >>でも除草剤抱き合わせ企業がでしゃばるんだろな。 確かにでしゃばりそうだ。だが、肥料や農薬を買えない第3世界が、ほいほい除草剤と抱き合わせの特許料上乗せ種子を毎年買えるとは思えない。 (エイズ治療薬と同じく第3世界では大幅ディスカウントでもするか?するとアメリカやカナダの農家は怒るだろうな。) この辺は、技術だけではどうにもならないことだと思う。 耐病性は病気によっては系統の違う菌種が多すぎると、組み換えでもなかなか対応出来ない。 現在はまだ、農地の環境を適切に維持することを合わせてやらないと組み換えだけでは難しいんじゃないだろうか? (農水省なんてその両方の技術援助も出来るんだから、もっとアピールすりゃいいのに。)
78 :
75 :2001/03/25(日) 22:52
>>77 大部分同意。
要は毎年種子を更新しなければならないF1品種ではなく、容易に現地で採種可能な品種ならいいような気がする。それなら穀物メジャー等のコントロールを逃れられる。こういう方向なら営利目的の企業じゃなくて、日本のODAなどの無償援助でなんとかできそうな気がする。
また第3世界では遺伝子組み替え植物の導入以前に、もっとドメスティックなレベルの農業レベル向上が求められるのも確か。
さらに耐病性はキツイかもしれないが、ストレス耐性ならばいいんじゃないのか?それを育種の中間母本として現地で活用することもできるし。
農学板でこういう人がいるとは思わなかった。ちょっと脱帽。
79 :
T :2001/04/02(月) 12:07
>78 大部分賛成。自家採種。公的機関による研究。そしてストレス耐性。塩とか乾燥とか冷害とかに強いヤツ。
80 :
農NAME :2001/04/03(火) 00:14
今初めて読ませてもらったが、すごく面白いスレなのであげ!
81 :
農NAME :2001/04/03(火) 23:38
スターリンクあげ
82 :
名無しさん :2001/04/07(土) 12:05
面白いが アフォがいないと盛り上がらない 主婦板でちょいと煽って釣って来ようか(w
>>82 それ、よろしく(藁
ちなみにあたしは抱き合わせ販売賛成。利益が出ないような研究はどこもやらない。
GMという技術に期待しているのなら研究機関がきっちり利益を出せるようにするべき。
それとも大学とか国営機関が良いもんだすか。はっきり言って(日本では)そんな力のある
公的機関は(今は)ないんじゃないの?
84 :
研究者 :2001/04/07(土) 23:15
>>83 みなさん久しぶり。
技術力がない地域では賛成だが(農薬との抱き合わせに限るが)、先進国でこの低落ぶりは情けない。日本頑張れ!
85 :
農NAME :2001/04/07(土) 23:16
86 :
農NAME :2001/04/07(土) 23:48
87 :
ぱりん :2001/04/07(土) 23:53
>>83 力があるどころか、公的機関ってすでにモンサントとかの下請けじゃない(わら
ちょー情けない。
85は面白かったけど、86は痛すぎ。 やっぱ、ここの板が現場の人間が入ってきてるから面白いと思った
>>87 そうはおもわんけどね。ただ、力の差が大きいのは確か
90 :
農NAME :2001/04/08(日) 13:36
91 :
尊農耕道派 :2001/04/08(日) 19:57
取り出し技術は割と確立しているみたいだけど、打ち込みが向こう 任せで何処に入るかわからない。だから周辺に与える影響もわから ない。 異種タンパクって怖いよね。トリプトファンは必須アミノ酸だけど、 二量体になると毒性がものすごい。生物毒の多くはタンパク質だと いうことを知らないと、遺伝子組み換えの怖さがわからない。 3年ほど前、厚生省との交渉に混ざった事があるけど、担当の池田 さんとか言う無知な女性=立派に厚生省の課長補佐だったかと思う けれど、「タンパク質はタンパク質でしょう!」とシラッと言って のけました。これが厚生省ですから、薬害も繰り返すよなぁ。
タンパク質には急性毒性もあればアレルギー性もあるものもあるし、病原性を持つものもある。 ただ、自然界に蓄積するとかそういった面での毒性は考えなくて良い。 それに対虫遺伝子組換え作物が生産するBT毒素は自然界にも広く存在していてるし、人間への毒性が弱いことも証明済み。 わけのわからんことばかり言ってくる連中を相手にする厚生省の人間なら、それぐらいのことは言いたくなるのは当たり前。別に肩を持つわけではないが、前後の話もなにもなく、そこだけもってきて役人はバカだとか言っても単なる煽りにしか見えないな
93 :
尊農耕道派 :2001/04/09(月) 22:04
遺伝子をいじる事→タンパク質をいじる事→その危険性を十分に自 覚していないと怖いよ。その認可機関の役人がその程度の自覚だと いつかまた「トリプトファン事件」を繰り返すよって言ってんの。 自然界に蓄積はしないだろうけど、花粉が飛んで自然交配した種を 栽培してカナダの農家が裁判に負けました。勝手に広がりますよ。 羊のプリオンを牛に食べさせて、その牛を人間が食べると発病しま した。蓄積しなくても食物輪廻のサイクルには乗りました。 目的タンパクよりも、なぜかそこに入って定着したときに、その周 辺に与える影響→そこで歪んだDNAが作ってしまうタンパクって 歪まないって言い切れる?みんなそれを心配しているの。それって 訳のわからない事?訳がわからないから心配するんじゃん。
94 :
農NAME :2001/04/10(火) 08:18
95 :
モーヲタ :2001/04/10(火) 18:21
トリプトファン事件は遺伝子組換え作物とは本質的に全く違う事件ですよ。 どこがどうちがうのか説明いりますか?「遺伝子組換え」というキーワード 以外は全て違うと言っても良いと思いますけど。 あと、93さんは自然なものが全て安全と思っているように聞こえますけど そうなんですか?例えば、ナタデココとかコシヒカリとか新しい作物が 出回ったときにも今回と同じように思いましたか?
96 :
農NAME :2001/04/11(水) 12:05
>>87 某痴呆の「あそこ」のことですね?
わたしたちの税金の適正な使われ方だと思います。
‥‥んなわけない?おれらに使わせろ!(藁)
97 :
研究費よこせ :2001/04/11(水) 12:12
もっともage
98 :
農NAME :2001/04/11(水) 17:18
99 :
名無し :2001/04/13(金) 01:36
面白そうだが、内心怖い。。。
100 :
農NAME :2001/04/15(日) 19:32
>93 自然界に蓄積はしないだろうけど、花粉が飛んで自然交配した種を 栽培してカナダの農家が裁判に負けました。勝手に広がりますよ。 GMOについては完全に否定するわけではないが、環境への影響は無視出来ない。 おまけにこのようなことになるのなら、周辺農家にとってもかなり理不尽な存在になってきているとしか言い様がないな。 どこかから飛んで来たGMOの花粉と自然交配して出来た種子を知らずに植えた場合、その畑の作物(GMO)は収穫前にひっこ抜かなきゃ違法になるんだろ? 自家採取している農家はたまったもんじゃないな。被害はどのくらいなんだろ?
101 :
名無しさん@一周年 :2001/04/15(日) 20:27
わたしは実習で使ったBT農薬で両腕と首、顔がかぶれてしまいました。 アトピーもあるのでそういう人は取り扱いは要注意かも。油断して肌を露出していたから・・・。(同じ経験した人いますか?) 組み換え体のBT毒素タンパクは消化されるのでまた別だと思いますが、なんとなく積極的には食べたくないです。
102 :
農NAME :2001/04/15(日) 21:16
消化される蛋白質はだからアレルギー反応を起こさないという話は、科学的に正しくありません。上の方に出ていた専門家会議の報告書にも書いてあります。この手の話は、某モ〇サ〇ト社の×☆さんが広めたんでしょうけど。
フーン
104 :
農NAME :2001/07/11(水) 18:37
>>100 > どこかから飛んで来たGMOの花粉と自然交配して出来た種子を知らずに植えた場合、
> その畑の作物(GMO)は収穫前にひっこ抜かなきゃ違法になるんだろ?
> 自家採取している農家はたまったもんじゃないな。被害はどのくらいなんだろ?
逆に、うちの自然種が汚染されたと言って訴えることはできないの?
105 :
こんなモンかな :2001/07/11(水) 21:36
106 :
OB :2001/07/13(金) 02:26
小生バイビーね。シュワッチー!!!
107 :
104 :2001/07/16(月) 19:49
108 :
芸能人脱がせました :2001/07/17(火) 10:38
109 :
農NAME :01/09/07 15:36
ここに書き込むのは初めてだと思います。 農学板の「遺伝子組換え食品は危険である」ってとこで、いろいろ研究の助言をいただいているものです。 昨日、食品総合研究所の日野先生の講演を聴いてきました。 ここも、研究の参考にさせていただきます。
111 :
農NAME :01/09/08 23:43
112 :
>>109 :01/09/10 10:29
福本英子(DNA問題研究会会員) 反対派のジャーナリスト 天笠啓祐(市民バイオテクノロジー情報室準備会代表)上に同じ 書いている本の分子生物学に対する知識はめちゃくちゃ 杉田史朗(市民バイオテクノロジー情報室主任研究員) 農工大を卒業して、名古屋で理博。業績はほとんどなし。
>112
ありがとう
こちらも少しサーチしました
天笠啓祐
http://www.no-gmo.org/ 日本消費者連盟 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表
安田節子がいつの間にか代表を辞めてますよ
杉田史朗
Ph.Dですね
なぜか論文はサーチできなかった
(海外で取得?)
ふーん。。。
>>114 (海外で取得?)
ですから112で述べたように名古屋大学で理博です。
116 :
農NAME :01/09/11 11:04
なんで代表やめたんですかね?>114
117 :
農NAME :01/09/11 11:17
118 :
農NAME :01/09/11 11:40
安全なわけね-よ
119 :
農NAME :01/09/11 11:59
日経ビジネスに記事出てたね。 安全説の人。
120 :
農NAME :01/09/11 17:48
安全かどうかは知りませんが、 「遺伝子組換え大豆を使用していません」 と書いてある食品からも検知されましたよ。 IPハンドリングの限界ですかね。
>112 そうだった(^^; また ありがとう! >116 昨年の衆院選に社民党から出馬したのは知ってますが‥‥ 多分その時には辞めていたのでしょう 詳しい理由は不明
杉田史朗氏について少し農工大関係者から情報を仕入れた。農工大の 時のボスが柳下登名誉教授だそうだ。この先生は、ルイセンコの影響を 受けて、一時期は遺伝子の存在を否定していた強者で、研究と政治を 絡める方だったようです。師匠が師匠だからでしも押して知るべしですね。
>>124 >> このHPでもいろいろと突っ込めるところが満載ですね。
あ、そういうのもよろしくお願いします(ワラ
安井氏のHPは、例えば「No!塩ビキャンペーン(事務局:日本消費者連盟)」
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/NoPVCcpgn.htm ↑ここにある説明と同じことで、このような組織中心の運営委員会でその組織が設立の旗揚げをしている新団体というのは、えてしてそれらの組織(事業体)の思惑絡みだということがあるもの
この情報室なるものがNo!塩ビキャンペーンの親団体(テーブル)と似た構図で運営されているであれば、今回もそれらの事業体(運営団体)から、相当額の活動資金が提供されたと見ていいでしょう
事実、今回も参加している組織の幾つかがテーブルとかぶっているみたいです
ある資料で公表されたテーブルの会計報告を見た先輩が、「ここでの生活(ポスドク)10年分よっっっ」と怒ってました(それだけ投資しても環境ホルモン騒ぎで儲かるということ?)(No.123はその先輩からのネタです)
遺伝子組替え反対派も 今までのような反対活動家の言論では 科学性に乏しいとようやく気づき、 このような科学者/有識者(?)を 巻き込んだ反対運動を展開しようと 目論んだのでしょう。 ましてその基軸となる人間が このような“博士サマ”なら 肩書きに弱いシロウトサンは コロッと逝っちゃいそうですねえ。 ああ、怖い、怖い。
いまどき、博士号にコンプレックス持ってるようなイタイぞ。
>127 だからイタイ連中でわ?(藁
飼料用とうもろこし種子から違法なスターリンク「ネオ120」が公表されましたね。 日本の飼料用とうもろこしはほとんどホールクロップサイレージで利用(日本だけでないが。。) されていますから心配ですね。すべての牛肉は食えなくなるのかな?
130 :
>>129 :01/10/12 16:16
だから何が言いたいの?スターリンクを食べた牛に何か問題でも?まさか、 組み換え体を食べたものを組み換え体と見なすとか言う訳はないですよね。 糖尿病でインシュリンを注射している患者は皆組み換え生物になってしま うからね。
時期が時期だけに、色んな推測をする団体があるんじゃないかなと。 とにかく、タイミング悪いですよ。消費者怖い。
ん?まてよ。これだけ組換え体不人気なら市場に余ってないかな? サンプルが不足しかけてるので、どなたか情報ください。
133 :
>>132 :01/10/15 16:23
食品ではないけど最近ムーンダストを打っているところが減ったよ うな気がするな。
134 :
>>133 :01/10/15 21:41
生花は季節ものなので、色や種類等、時期によって扱い量が変動するそうですが‥‥。 以外と人気がなかったのかも。
age
136 :
農NAME :01/11/18 23:01
遺伝子組み替えとは違いますが、タネなしのスイカとか柿とか、 元々は種を植えて育てるんですよね? 果実からは種が取れないわけですが、種になにか細工をするんでしょうか? うーん、うまく書けないな…伝わるかな?
137 :
農NAME :01/11/18 23:29
ありがとうございます。 >カキは種から育てるわけじゃない そうなんだ…知らなかった
139 :
農NAME :01/11/18 23:55
>>136 基本的に果樹は実生させない。
接ぎ木や挿し木でクローンを作って植える。
要するに、種が取れる果樹でもその種を播くわけではない。
140 :
NO! NAME :01/11/19 21:52
組換えであろうとなかろうとどんな食品でも万人に安全なものなどない。 安全だと信じているだけ。
141 :
P.putida :01/11/20 01:33
>140 はげしく同意。 危険の高さおよび人間にもたらす利益の多さから遺伝子組み替え作物が良いのか悪いのかを総合的に判断するべきだと思う。 結局はどちらがより得をするかである。 例えば、危険性があるけどその危険性を覆い隠すぐらいの利益がでればいいのだと思う。
142 :
>>141 :01/11/20 10:42
お、なかなかこったハンドルですね。でも、P.の後にスペースを 入れないとPseudomonasの省略にはなりませんね。マニアックな ハンドルを使うところを見ると、Pseudomonas研究会がらみの人で すか?TOLでも研究しているのですか?TOLなんて古すぎる?
143 :
農NAME :01/11/20 19:35
遺伝子組換え作物は安全だろ。 何が危険なの?
144 :
農NAME :01/11/21 06:44
>143 組換え作物を(1)摂取した場合の人体(または蓄体)への影響、(2)栽培する ことによる環境への影響、に分けて考えるのが良い。 (1)は、アレルゲンの心配以外は具体的にあがっていない。組換えじゃが芋を夏に EUも日本も「有害であると科学的に立証はできない」という委員会結果。積極的に 安全であるとはしかし言えない。疑わしきものを罰するか、受け入れるか。それは 政治問題になってくるのでしょう。 (2)環境への影響の方が重要かと。先般Btコーンの遺伝子がメキシコの非常に 遠隔地の畑で発見されて、Btコーンの輸入を禁じているメキシコとしては、一体 どこから入ったのかと問題になっている。Btで問題なのはBtに耐性をもつ「スーパー ウィード」が発生するのでは、そうすると液状Btを唯一の害虫対策にしている 有機農法農家が使えるものがなくなる。もっと問題なのは不捻遺伝子の自然界への 浸透。自然界にどうにかして種のできない遺伝子が入りこむと、レイチェルカーソン が予期したような死にゆく自然という状況が発生するのではという危惧もある。 あと某会社の農薬耐性作物は、結果的に農薬の使用量が変わらないというのがどこか にあった。ソース探します。
146 :
農NAME :02/02/01 02:38
遺伝子組替え
147 :
農NAME :02/02/20 22:40
donnnakoto
148 :
農NAME :02/04/08 21:02
浮上
149 :
農NAME :02/05/02 16:29
遺伝し組換え食品はこの国日本で売ってるもしくは輸入されてますか? または見たことがありますか?場所は問いません
150 :
農NAME :02/05/02 17:04
菜種油、大豆油、コーン油を調べてごらん。ついでにスターチとか。 後、食品じゃないけどカーネーションのムーンダストは組換え植物体 自体売っているよ。
151 :
農NAME :02/05/02 17:09
152 :
農NAME :02/05/03 04:15
どうして遺伝子組み換え食物が安全ならば堂々と表示しないのだろう。 どうして遺伝子組み換えでない植物ならば堂堂と表示するのだろう。 遺伝子組み換えはだれのために作った技術なのでしょうか。 作る人が手間がかからず、安定した収量をあげるためでしょうか。 それとも、世界企業が市場を独占したいがためにパテントによって 日本のような小さな農業国に農産物を売りつけて自分達が富を得ようと しているのではないか。 私は理論的には安全のような気がしますが私は積極的に遺伝子組み換えのものを 食べようとは思いません。なぜなら、遺伝子組み換え方法はご存知のとおりに、 大変偶然性を用いた手法で行われているため、予期せず影響があるといえるからです。 このことを遺伝子組み換え擁護派のかたがたはリスク論というものを持ち出し カンゼンに安全な食物はありえない。という話が始まります。 農薬散布された野菜をたべるか、遺伝子組み換えで無農薬の野菜を食べるか どちらがより安全化はそれを作り出した専門家でさえ悩むところなのではないでしょうか。
>152 真っ当な科学者や技術者なら、ものごとを軽々しく断定したりはしない。 組換え作物は科学技術の産物だから、安全だなんて表示したりはしない。 反対派は組換え作物を危険だと断定するし、無農薬とか天然物だとか、 よく調べもせずに堂々と表示する。そして賛同者を募る。 ある種の新興宗教だからね。きっとお布施もすごいんだろう。
154 :
農NAME :02/05/05 09:42
>>152 なぜなら、遺伝子組み換え方法はご存知のとおりに、大変偶然性を
>>用いた手法で行われているため、予期せず影響があるといえるからです。
伝統的育種法が大変偶然性を用いていたいとでも?遺伝子組み換えより遙
かに偶然性を用いていると考えるが。遺伝子組み換えの利点の一つは育種の
短期化であるからこれは偶然性を低減していることを意味している。また、
伝統的育種ではトランスポゾンやポイントミューテーションなどによる変異
を利用しているがその偶然性は遺伝子組み換えの比ではない。もうすこし、
勉強してからの投稿を期待する。
>>伝統的育種法が大変偶然性を用いていたいとでも? 伝統的育種法が大変偶然性を用いていないとでも?へ訂正
156 :
農NAME :02/05/05 16:43
放射線育種は安全なの? 考えようによっては、遺伝し組換えよりコワイ気がするんだけど。 しかも、この手法によって作られた作物は世の中に出回ってるし。 また、遺伝し組換え作物でも、低アレルゲン品種作出なんて アリのような気がするけど、どんなもんですか?
157 :
自称ブリーダー :02/05/05 17:08
なかなか面白いスレだ。 現状として組換えの成否を見るために、カナマイシン耐性とGUSの入ったベクターが、 主流でしょ? ほかの有用なマーカーを持ったベクターが、 開発されなきゃ一品目一形質の組換えしかできないでしょ? 社会に叩かれる覚悟で、一形質ばかりの組替えやってそんなに売れるの? 種苗業界なんて、売上トップのタキイでさえ年商470億程度で、 あんまり儲からんから、採算考えたら、 商品開発のための組換えなんて民間はやらんよ。 ただ、よーいドン!で公認されたときのために、 組換えの基礎研究をしている所はあるよ。(うちじゃないけど)
>>157 GUSは組み換えの成否には用いられないよ。
カナマイシンとハイグロマイシンが主流。
でも、個別に組み換えたものを交配で組み合わせれば
いくらでも組み換えたものができる。実際にそうやられてるし。
追加 組換え後にマーカーを除去するベクターも開発されてるよ。
>>159 日本製紙のMAT vectorのことを言っているの?
161 :
農NAME :02/07/24 18:08
age
(^^)
164 :
農NAME :03/01/15 13:28
ターミネーターを組み込むべきですか?
(^^)
166 :
農NAME :03/04/10 17:22
組み替え作物の輸入 どう思う?
167 :
農NAME :03/04/11 05:09
>>166 まだ嫌だ。
地球の主な生物種数十万種の情報を完全に網羅して仮想空間で再現&想定+干渉実験が出来るようになれば、輸入に賛成しないでもない。
(^^)
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。 貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。 黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。 (黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。 また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。 「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。) 彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
∧_∧ ∧_∧ ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕 = ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
173 :
stshtr :03/08/05 05:46
>>2 「遺伝子組換何でもOK」神話にかぶれていて科学者ですか?
セカイの食料問題云ヌン。
>>2 的解決法。
解決するには鮭の3倍体を遺伝子組み換えで作ればいい。
(ジツハ、カナダあたりの Mad Scientistサン がもう作っている)
自然環境に逃げ出して、一般の鮭と交雑し、鮭の遺伝子がグチャグチャ
になっても人間様には知ったことじゃないから問題なし、というわけ???
最初から避妊化しとけばいい!なんて中途半端な答えはやめて下さいね。
その場合、遺伝子組換全般に厳しい規制を掛けるべきだ!と言っている
のと同じ意味になりますよ。
174 :
農NAME :03/08/05 06:36
>>173 解決するには鮭の3倍体を遺伝子組み換えで作ればいい。
染色体の倍数性を変化させることと遺伝子組み換え技術の関係を
説明して下さい。卵割の阻害で4倍体を作成し2倍体と交配させて
3倍体を作ると言うことであるならば、組み換えがどこに関与して
いるのでしょうか?
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
age
178 :
農NAME :04/02/07 03:25
a
179 :
農NAME :04/11/17 17:57:28
良スレあげ
光るメダカは遺伝子組換えだが、規制もなく平然と売られているが問題ないのかカルタヘナ?
182 :
農NAME :04/12/03 13:44:56
age
183 :
農NAME :2005/04/29(金) 13:25:03
北陸農試のカラシナ(中略)稲隔離圃場栽培実験がどうとかで、説明会に来させられた。 何か質問有るか?
184 :
183 :2005/04/29(金) 13:29:32
プロモーターって何?
説明会、終わった。 空気が痛かった。
186 :
ハンタイのサンセイなのだ :2005/05/28(土) 17:10:21
>>183 ,185
乙です。ちょっとageますね。
レスとしては遅いですがもうすぐ隔離農場で田植えなので…
あのイタイ人たちって、どういう損得勘定で感情剥き出しにしてるんでしょう?
いたずらに不安煽って、彼らの言う「風評被害」を自分たちで起こしてまで何故?
1.日本の科学水準を落とそうとする某国(亡国?)の手先
2.不安を煽って人々を思考停止にさせるカルト手法
3.安全な事は分かっているがイデオロギーだから仕方がない
とりあえず思いついた回答。添削求む。
農学板で政治を聞くのもなんだが
今回アメリカ穀物メジャーもラウンドアップも関係ないし.
まぁ、「3」だろうね。 1、2は無いんじゃないかな? あと、自然食品や有機農法を売るためのマッチポンプ、 つまり「4.商売のため」という部分がある。 漏れの見解では組換え反対運動の本質は3、4の結託した姿だよ。
188 :
ハンタイのサンセイなのだ :2005/05/29(日) 21:55:16
dクス 31日の田植えでは何人集まるんだろう???? 20人なのか1000人なのか… もしかすると古い映像でしか見たことのない「ピケ」が見られる???
189 :
183 :2005/05/31(火) 10:06:44
>>186 4だよ。根拠は親父が反対派だから。
見に来たのは100人くらいかな。
今、職員が手植えしてる。
今日は曇りで寒い。
190 :
183 :2005/05/31(火) 10:24:38
1回目の田植え終了。
191 :
農NAME :2005/05/31(火) 13:49:46
>>190 レス早杉(w
センター長のコメント聞いてやれ
まぁ、結局粛々と終わりましたね。つくばでも隔離圃場レベルはやってるんですよね。
次のレスで私も「アジビラ」をうpします。反対派の主張はほぼ網羅されていると思います。
ちょっと長文です。
192 :
農NAME :2005/05/31(火) 13:58:09
私達はライト兄弟の飛行試験に断固反対します。 1903年12月17日 ライト兄弟は次のように主張しています。 「飛行試験は穏やかな風のときにやる。もちろん人里離れた所だから人家にぶつかることはない。飛んだとしてもまだ実験機だ。高度も大したことはないし飛行距離もたかが知れている。本当に飛ぶかどうかわからないから飛行試験をするんだ。」 しかし信用することができるでしょうか?想像を絶する突風で20キロ離れた人家にぶつからないと誰がいえるでしょうか? 考えてみてください。なぜ空を飛ぶ必要があるのでしょう。外国へ行きたければ船を使えばいいのです。船では不満ですか?船は原始の時代から人類が海を渡る手段として使われてきたものです。 空を飛ぶということはすなわち、墜落するということです。墜落したら取り返しがつきません。私はそんなのはご免です。私は空なんて飛びたくはないのです。 みんなが空を飛ぶようになったらどうなると思いますか?地上にいても常に落ちてきはしないかと空を見上げていなければいけないのです。 そもそも、虫よりも、鳥よりも重いエンジン付きの機械が空を飛ぶなんてことが信じられません。ライト兄弟の説明を聞きました。空気の流れがどうとかいうことはだいたいわかりました。でもそれが空を飛ぶことと結びつきません。 彼らの説明も、何か木で鼻をくくったような態度で、誠意が感じられません。 もう一度いいます。私は空なんか飛びたくありません。ライト兄弟の飛行試験を許してはいけないのです。 ドイツのリリエンタールをみてください。何百回何千回飛行に成功してもたった一度の失敗で命を落としたのです。 結局危険だということが証明されたではありませんか。 放っておいたら世界中で何万人もの人が墜落死あるいは墜落に巻き込まれて死亡する危険をはらんでいます。 みなさん、ここ、キティホークを悪魔の生まれた地としては絶対にいけないのです。 声をそろえて反対しましょう!! NO! ライトフライヤー!!
193 :
183 :2005/05/31(火) 15:21:49
>>192 (゚,_ゝ`)プッ
ホット烏龍茶飲む前に読んで良かった。
194 :
農NAME :2005/05/31(火) 18:54:03
195 :
農NAME :2005/06/01(水) 09:58:11
単なる喩えバナシです。「ゼロリスク」を追求するとこうなるなぁ という 1903年時点での話として これを中国の故事で「杞憂」という
196 :
農NAME :2005/06/01(水) 20:54:49
>>195 喩えもへったくれも、ライト兄弟は飛行機を「飛ばそうと」したんだろ。
北陸研究センターの人たちは花粉を飛ばそうとしてるのか?
197 :
農NAME :2005/06/05(日) 22:30:15
/ ̄ ̄ ̄\ |.. | |:::: ●) ●)| ⊂二二二ヽ:::::::....∀...ノ二⊃ | / ブーン ( ヽノ ノ>ノ 三 レレ
198 :
農NAME :2005/06/12(日) 20:13:36
(常陽新聞 6月8日) ――●遺伝子組み換え作物植え付け 市民ら抗議、中止求め騒然 農業生物資源研究所は八日、つくば市観音台の同研究所内で遺伝子組み換え作物のほ場見学会を開き、 消費者団体や農業者団体など約五十人が詰め掛け栽培中止を求める中、遺伝子組み換えダイズやトウモ ロコシの種まきと、イネの田植えを実施した。 抗議行動を行ったのは、五月二十日と六月六日に、農水省や同研究所などに対し、一般説明会開催と試 験栽培の中止を申し入れていた、つくば環境と人権のための市民会議、常総生協、つくば・市民ネットワー クなど消費者団体と、日本有機農業研究会、JA八郷町など農業者団体ら計七団体。 見学会には「展示栽培反対」「実験台はいや」などと書いたゼッケンを付けたり、「ストップGMO」などと書い たのぼり旗を持って参加。ほ場で研究所職員が植付け作業を進める中、「植えないでください」「展示も実 用化もいりません」などとした横断幕を広げ、「国が認めても消費者は認めない」「風評被害が起こったらど う補償するのか」「コメは主食。わずか三年の技術の蓄積で屋外で作ってしまうのは研究者の横暴」「生産 現場は混入、交雑を恐れている」などと口々に抗議。――
199 :
農NAME :2005/06/13(月) 23:49:28
荒れたのか?
200 :
農NAME :2005/06/14(火) 07:39:02
結局植えちゃうんだよな。
201 :
農NAME :2005/06/21(火) 23:09:39
|Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ|
202 :
農NAME :2005/07/01(金) 00:09:44
203 :
かめちゃん :2005/07/01(金) 11:51:12
お尋ねしたいことがあります。キクイムシはゴムを食べることはありますか。この道の専門の方々ですよね。とても困ってます。回答をお願いします
204 :
183 :2005/07/22(金) 15:06:48
ILLUME33号が姉に見つかった('A`) 子供のための科学情報誌を、反対運動に利用される('A`)
205 :
s :2005/07/26(火) 08:48:01
>>183 >186
>まぁ、「3」だろうね。
>1、2は無いんじゃないかな?
>
>あと、自然食品や有機農法を売るためのマッチポンプ、
>つまり「4.商売のため」という部分がある。
>
>漏れの見解では組換え反対運動の本質は3、4の結託した姿だよ。
本当にそう思うならお前はバカだな。
何故、反対運動をする奴らが感情を剥き出しにするか根本的な所を検証してみろ。
206 :
農NAME :2005/07/26(火) 14:53:46
207 :
農NAME :2005/08/02(火) 18:49:04
ILLUME age
ILLUME sage
210 :
農NAME :2005/12/10(土) 19:31:42
あぶないの?
211 :
農NAME :2005/12/12(月) 21:59:23
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
213 :
農NAME :2006/07/10(月) 02:23:37
なんきょう
214 :
農NAME :2006/07/10(月) 14:56:40
そうだろ。遺伝組み換えはまだ危険ですから食べるのを控えよう。 鑑賞園芸くらいならいいけど。
215 :
農NAME :2006/09/01(金) 15:46:24
それもダメ。 近縁種に花粉が飛んだらどうする?
⊂二二(_^ω^)二二⊃花粉なら僕が届けるお
(・x・ノ,'3`ァ)
218 :
◆3zNBOPkseQ :2006/09/04(月) 01:17:38
219 :
農NAME :2006/09/23(土) 12:58:13
キノコの遺伝子組み換えってできるのですか?
遺伝子組替え
221 :
農NAME :2006/12/22(金) 15:50:07
自然農法はピンキリだからあてにならない 減農薬は農薬を例えば30回を28回にしてもその分農薬濃くしてるから意味なし 低農薬も農薬を減らしても回数を増やしているから意味無し 自殺率1番多いのは秋田 次に新潟 農薬使用の食物は生きる気力が無くなる副作用がある 一家全滅も多い 遺伝子組み替え? 論外! 農家に 聞いた
1) 例えば、毒素を作る生物の遺伝子(DNA)をとってくる。(土壌菌が多いらしい) 2) 植物に感染しやすい細菌(ベクター)を探す。 3) この細菌に先ほどの遺伝子を入れる。(組み替えプラスミド) 4) これを基になる植物の細胞壁を破壊した細胞(プロトプラスト)に入れる。 5) これを培養しているうちに、植物細胞の遺伝子が組み替えられる。 6) この細胞を個体として植物体へと再生する。 こんなかんじ?
224 :
農NAME :2007/05/16(水) 16:54:28
今年から青い薔薇が流通するけど、問題はなし?
>>224 まあ食べ物じゃないからね。
でも個人が自分の庭に植えたりしだすと危険がないとはいえない。
あぼーん
227 :
農NAME :2007/07/23(月) 15:41:02
食糧危機を解決する夢の技術だよね!
228 :
農NAME :2007/07/23(月) 21:58:36
その通り
「機能未知のままぶっ壊してウマくいきました」、というのはナシの方向で頼む
試験
231 :
農NAME :2007/09/15(土) 11:28:48
232 :
農NAME :2007/09/15(土) 14:44:34
女性へのリンチは許せない。!!
足立区綾瀬で、少年A=横O祐O(当時 宮O)と少年C=ミOト伸Oは、
プラスティク工場からアルバイトを終えて帰る女子高生を自転車ごと
蹴り倒して誘拐、少年Cの自宅に40日間監禁し暴行して殺害しました。
少年Cの両親と兄は自宅2階での監禁を知っていましたが黙認しました。
少年Cは街で知合った仲間を自宅に呼び込み金を受取り、女子高生を暴行させたり
ヌードダンスを踊らせていました。彼女はどのような気持ちだったでしょうか?
女子高生の遺体の手足には焼かれたヤケドがあり、乳首は溶け落ち、
性器と肛門に異物が挿入され、栄養失調で痩せ細った体でした。
「女子高生コンクリート詰め殺人事件」
http://www8.ocn.ne.jp/~moonston/lynch.htm ご存知かもしれませんが、この事件の副主犯、少年B=神O(旧姓はO倉)は
再び暴行・監禁事件を起こして服役していました。
233 :
農NAME :2007/10/04(木) 15:37:07
■Syngenta社、GMトウモロコシ「Agrisure RW」種子の承認を日本で取得
(GM maize seed approved in Japan)
スイス・バーゼルに本拠地を持つSyngenta社は2007年8月23日、トウモロコ
シの根を食べるコーンルートワーム(日本名:根切り虫)に抵抗性のあるGM
トウモロコシ種子「Agrisure RW」の日本での承認を得たと発表した。
「Agrisure RW」は、日本のほかに、米国、カナダで全面的な承認を取得し、
オーストラリアとニュージーランドでは輸入承認を取得している。
[Biotechnology Japan]
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20046528
234 :
農NAME :2007/10/20(土) 15:37:33
定期age
235 :
ゐう :2007/11/15(木) 10:14:07
大豆から 作ればいいって もんじゃねぇ!! Θ ⌒ ヾ(`・ω・´ヾ)
236 :
農NAME :2007/11/21(水) 03:21:12
意味わからんし、いたらんこと書き込むな!
あぼーん
あぼーん
<神戸大>遺伝子組み換え大腸菌などを一般排水に廃棄の疑い 4月11日11時37分配信 毎日新聞 神戸大大学院医学研究科の久野(くの)高義教授(分子薬理・薬理ゲノム学)の 研究室が、遺伝子を組み換えた大腸菌や酵母を未処理のまま一般ごみとして捨てたり、 一般排水に廃棄していた疑いがあることが分かった。遺伝子を組み換えた生物は生態系 に未知の影響を及ぼす恐れがあるため、法律で処理方法が定められている。不法な 廃棄方法が常態化していたとの情報もあり、大学側が調査している。 同研究室は、がん発症の原因などを解明するため大腸菌や酵母の遺伝子を組み換え、 情報伝達の仕組みなどを研究している。関係者によると、遺伝子を組み換えた大腸菌 や酵母の培養液を一般の排水口に流したり、培養に使う寒天状の「培地」を一般ごみと 一緒に捨てていたという。 毎日新聞の取材に対し久野教授は「昨年12月ごろ、遺伝子を組み換えた大腸菌が 入ったプレートを、学生がそのまま一般ごみとして捨てていたことがあった」と話し、 不適切な処理があったことを認めた。しかし、学生への指示など自らの関与は否定。 「きちんと指導しなかった。黙認したと言えばそうなる。安全なものという認識が私に あり、監督不行き届きだった」と釈明した。 遺伝子組み換え生物等規正法では、遺伝子を組み換えた生物は、拡散防止措置を 取って廃棄しなければならない。久野教授の研究室に関しては今年3月、文部科学省に 「不適切な実験が行われている」という内容の通報があり、大学側が調査。今月4日、 同研究室が同法に基づく大学規則に反し、遺伝子組み換えの大腸菌を実験室の外で 培養していたことを公表したが、不法な廃棄については言及されなかった。大学側は 今後、関係者から事情を聞き、廃棄の実態を把握する。【竹内良和、吉川雄策、岩嶋悟】
>>331 こんな奴らに二度と実験させてはならない。
韓国の捏造大学に拾ってもらうしか生きる道は無い。
日本では終わりました。
266 :
農NAME :2008/04/16(水) 01:16:59
下げたら下がるわけじゃないから。
267 :
農NAME :2008/04/16(水) 10:28:00
266 : 農NAME : 2008/04/16(水) 01:16:59 下げたら下がるわけじゃないから。
「バイオテクノロジー」は、「バイオロジー」(=生物学)と「テクノロジー」 (=科学技術)を合わせた言葉で、生命工学または生物技術などと訳されます。 この技術は生物の組織や細胞、遺伝子を活用して、有用な生物体を生産する技術であり、 既に実用化している分野には、医薬品、工業用酵素、試薬(実験や検査等に使う薬剤) があります。具体的には、ヒトの医薬品としてインターフェロンやインスリン、 衣料用洗剤の酵素などがあります。 農林水産・食品の分野では、交配による品種改良など昔ながらの基本的な技術を 「古いバイオ」と呼んでいます。 それに対して、細胞と細胞を人工的に融合させて両方の性質を持つ細胞を作る 「細胞融合技術」や、植物の細胞や組織(細胞のかたまり)を養分のある液に 植えつけて、一つの植物にまで成長させる「細胞・組織培養技術」、 「組換えDNA技術」などは「新しいバイオ」と呼ばれています。
それぞれの生物の持つ姿形や性質が親から子へと次世代に伝わることを遺伝と言って いますが、これを担っているのが遺伝子です。ヒトや植物等、生命体を構成する細胞は、 真核細胞からなっています。真核細胞の中には核があり、その中にDNAが納まって います。 細胞分裂の時に、核の中で変化を起こし、染色体と呼ばれる棒状の物質が 形成されますが、この染色体はDNAとタンパク質が集まった塊なのです。 例えば、ヒトの場合、23対、46本の染色体が存在し、この46本の染色体を まとめたものをゲノムといいます。ゲノムを構成するDNAが全て遺伝子ではなく、 DNAの中でタンパク質合成を担う情報を持っている部分を遺伝子といいます。 ヒトの場合、タンパク質合成を担う遺伝子の塩基数は、1つの遺伝子あたり2000〜3000 塩基であり、これらは20〜30億ある全ゲノム中の塩基のうちの数%にしか過ぎません。 細菌や植物、動物にいたるまで、すべての生物は、遺伝子を持っています。遺伝子は 蛋白質の設計図で、1つの遺伝子から1つの蛋白質が作られます。DNAの上には、 これら蛋白質の設計図=遺伝子がいくつも並んでいます。 DNAは、体などの形を作るための情報が蓄えられた化学物質であり、A(アデニン)、 T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の物質(=塩基)がたくさん つながった1本の鎖のような形をしています。 この塩基は、その並び方が一種の暗号になっています。例えば、G-T-Cという並び方は、 「グルタミン」というアミノ酸を意味します。このように、塩基3個の並び方が、 1つのアミノ酸に対応しています。この暗号どおりに、アミノ酸をつなげていくと、 ポリペプチドができます。ポリペプチドがさらにつながっていくと、蛋白質ができます。 蛋白質は、体を作ったり、体調の調節をしたり、酵素などとして働きます。
細菌などの遺伝子の一部を切り取って、その構成要素の並び方を変えてもとの 生物の遺伝子に戻したり、別の種類の生物の遺伝子に組み入れたりする技術です。 例えば、細菌の持つ除草剤の成分を分解する性質を発現させる遺伝子を、 植物の遺伝子に挿入することで、除草剤に強い作物を作り出すことができたりします。
遺伝子組換え技術を応用することで、生物の種類に関係なく品種改良の材料にする ことができるようになりました。 従来の交配による品種改良でも自然に遺伝子の組換えは起きており、 人工的に起こした遺伝子の突然変異を利用することもあります。 遺伝子組換え技術が従来の品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み換えるため、 種の壁を越えて他の生物に遺伝子を導入することができ、農作物等の改良の範囲を 大幅に拡大できたり、改良の期間が短縮できたりすることです。
組換えDNA技術を応用した食品は、農作物と、組換え体そのものを食べない 食品添加物のようなものに分けられます。 これまで安全性審査を経たものとしては、とうもろこし、なたね、じゃがいも等の 農作物55種と、キモシン、α-アミラーゼ等の食品添加物12品目があります。 (平成15年7月1日現在)
組換えDNA技術を利用して得られた微生物から、食品添加物を製造する場合がこれに 該当します。具体的には、チーズを作るときに用いられる凝乳酵素「レンネット (キモシン)」や、でんぷん糖の製造などに用いられる加水分解酵素 「αーアミラーゼ」等を製造する場合に、利用されています。 これらは元来、仔牛の胃あるいは菌などに存在しますが、天然のものからこれらの 酵素を得ようとした場合には、大量の生物と複雑な精製工程が必要となります。 そこで、これらの酵素を作り出すDNAを微生物に挿入し、この微生物(組換え体) を培養することで、簡便かつ効率的に大量の酵素を得ることができるようになります。 培養後の精製工程において組換え体そのものは除去されますので、 最終的な製品(酵素)の中に組換え体そのものは含まれません。
現在、グリホサートやグルホシネート、オキシニル系除草剤などの除草剤に強い性質を もつ品種が作られています。それらは、その除草剤の影響を受けないバクテリアや、 その除草剤を分解してしまう性質を持つバクテリアから、バクテリアのその部分の DNAを取り出して植物のDNAに入れ込みます。こうして除草剤に強い植物が作られます。 (1)グリホサート耐性作物 グリホサートは、植物や微生物に特有なアミノ酸合成経路に必要なEPSPS蛋白質の働きを 阻害するため、植物は生育に必要なアミノ酸を合成できずに枯れてしまいます。そこで、 植物が元々持っているEPSPS遺伝子を部分的に変化させたmEPSPS遺伝子を挿入することに より、グリホサートの影響を受けないmEPSPS蛋白質ができるので、グリホサートを散布 しても植物は枯れずに生き残ることができます。 (2)グルホシネート耐性作物 植物は生きるために窒素を利用していますが、その結果、アンモニアという有害物質が 組織内にたまってしまいます。このアンモニアを無毒化する酵素を植物はもっているの ですが、グルホシネートの有効成分であるPPTは、この酵素の働きを阻害するため、 アンモニアがたまって植物は枯れてしまいます。そこで、このPPTの働きを阻害する酵素 を発現する遺伝子を植物に導入することにより、グルホシネートを散布しても、植物は 枯れずに生き残ることができます。 (3)オキシニル系除草剤耐性作物 オキシニル系除草剤は、植物が光合成を行うときの電子の流れを遮断することで、 植物の生育を阻害しますが、オキシニル系除草剤耐性作物には、オキシニル類を 活性成分とする除草剤を加水分解するnitrilase蛋白質を発現するoxy遺伝子を 導入しているので、オキシニル系除草剤の影響を受けずに生育できます。
雄性不稔性とは、植物の雄性器官である花粉や胚のうに異常があるために、 受粉・受精や種子形成が行われないことをいいます。 雄しべができないようにする遺伝子(雄性不稔遺伝子)を組み込んだ植物は、 花粉ができなくなるため、自家受粉でなく他の花の花粉を利用する他家受粉に よって受精を行います。この他家受粉によってできた雑種の種子は、 生命力が強く収穫量が上がるといった”雑種強勢”の性質を有するようになります。 また、稔性回復遺伝子は、雄性不稔遺伝子を不活化する遺伝子のことで、雄性不稔の 植物と稔性回復の植物を交配してできた植物は、再び受粉ができるようになります。
遺伝子組換え食品の安全性の審査は、食品安全委員会において科学的実施されています。 遺伝子組換え食品の開発や実用化は、近年、国際的にも急速に広がってきており、 今後さらに新しい食品の開発が進むことも予想されるため、厚生労働省では 安全性審査がされていないものが国内で流通しないよう、安全性審査を 食品衛生法上の義務とすることとしました。 これにより、平成13年4月1日から、安全性審査を受けていない遺伝子組換え食品 又はこれを原材料に用いた食品は、輸入、販売等が法的に禁止されています。 安全性の審査は、主に 1. 組換えDNA技術により付加される全ての性質 2. 組換えDNA技術に起因し発生するその他の影響が生ずる可能性 について行われます。具体的には、 * 挿入遺伝子の安全性 * 挿入遺伝子により産生される蛋白質の有害性の有無 * アレルギー誘発性の有無 * 挿入遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無 * 遺伝子を挿入したことにより成分に重大な変化を起こす可能性の有無 等について審査を行います。
遺伝子組換え食品の安全性の確保は、あまたの食品と同様、基本的にはそれを取り扱う者 が責任を持って行う必要があります。このため、安全性審査は、当該業者等が行った 安全性評価の詳細な資料を提出させて、その信頼性も含め、これが科学的に妥当なもので あるか否かについて、食品安全委員会における適切な審査を経て、厚生労働大臣が 個別に判断しています。 また、この審議において必要な資料が不足していると判断された場合は、 申請者に対し、さらに必要な追加資料の提出を求めています。 こうした審査の方法は、医薬品や農薬、食品添加物等の審査においても 同様に行われています。
平成15年7月、内閣府に新しく食品安全委員会が設立され、それまで厚生労働省の 薬事・食品衛生審議会で評価されてきた遺伝子組換え食品の安全性は、食品安全委員会に おいて評価されることとなりました。また、同年7月、国際的な食品等の基準を定める コーデックス委員会において、遺伝子組換え食品の安全性評価基準が示されたことから、 食品安全委員会では、これまで用いられてきた基準やコーデックスの基準を基本に、 新しい安全性評価基準を定めました。新しい安全性評価基準は、全体の構成が 変わったり、内容が詳細に記載されたりしていますが、実質的にこれまでの基準と 変わらない内容となっています。
食品衛生法では、厚生労働大臣は公衆衛生の見地から食品等の成分規格及び製造基準を 定めることができることとされ、この規定に基づいて「食品、添加物等の規格基準」 (厚生労働省告示)が定められています。 遺伝子組換え食品についても、この規格基準において、安全性審査を受けていない 遺伝子組換え食品の製造、輸入、販売等が禁止されます。万が一、規格基準に適合しない 遺伝子組換え食品が市場に出回った場合には、廃棄命令、回収命令、輸入食品の本国への 積み戻し命令等の行政処分ができることとなります。また、規格基準に違反した場合、 2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられます。
安全性の審査を経た旨を公表された食品又は添加物について、新たな科学的知見が 生じたとき、その他必要があると認められたときは、食品安全委員会の意見を聞いて 再評価を行うこととしています。その結果、人の健康を損なうおそれがあると 認められた場合は、その旨が公表されます。
「同等とみなし得る」「実質的同等性」とは、当該種子植物の食品としての安全性を 評価するために、既存の食品(種子植物)を比較対象として用いるという方法が 適用できるということです。 「同等とみなし得る」かどうかの判断は、(1)遺伝的素材に関する事項、 (2)広範囲なヒトの安全な食経験に関する資料、 (3)食品の構成成分等に関する資料、 (4)既存種と新品種の使用方法の相違に関する資料の各要素について検討し、 当該植物と既存のものが全体として食品としての同等性を失っていないと 客観的に判断できるかどうかにより行います。 なお、厚生労働省が行う安全性審査の範囲は、既存のものと同等とみなし得る 組換え体としています。その理由は、そのような組換え体において付加された 性質以外の性質については、すでにその安全性が広く受け入れられてきたため、 あらためて考慮する必要がないか、又は、その安全性の評価を行う上で 必要とされる知見等の蓄積が十分になされていると考えられるためです。 なお、同等とみなし得ること自体が、当該組換え体が安全であることを意味するものでは なく、既存の食品との比較において、当該組換え体の安全性評価に必要となる項目に ついて個々に評価をし、安全性を判断するものです。
安全性の確認は、主に * 組換えDNA技術により付加される全ての性質 * 組換えDNA技術に起因し発生するその他の影響が生ずる可能性 について行われます。具体的には、 * 挿入遺伝子の安全性 * 挿入遺伝子により産生される蛋白質の有害性の有無 * アレルギー誘発性の有無 * 挿入遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無 * 遺伝子を挿入したことにより成分に重大な変化を起こす可能性の有無 等を確認しています。
安全性評価基準に基づき、遺伝子のアレルギー誘発性に関する次の(1)から(4)まで の事項(抗生物質耐性マーカー遺伝子を用いている場合にはその遺伝子産物 (抗生物質代謝酵素)についても評価すること。)から総合的に判断して安全性が 確認されています。なお、(1)から(4)までの事項で判断できない場合には、 (5)の事項を含め、総合的に判断して安全性が確認されることとしてます。また、 合理的な理由がある場合には、一部を省略することができます。 (1) 挿入遺伝子の供与体(抗生物質耐性マーカー遺伝子供与体を含む)の アレルギー誘発性(グルテン過敏性腸炎誘発性を含む。以下同じ。)に関する知見が 明らかにされていること。 (2) 遺伝子産物(タンパク質)についてそのアレルギー誘発性に関する知見が 明らかにされていること。 (3) 遺伝子産物(タンパク質)の物理化学的処理に対する感受性に関する事項 以下の(1)から(3)の処理によって、遺伝子産物(タンパク質)の分子量、酵素活性、 免疫反応性等が変化するかどうかが明らかにされていること。分子量はSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって示されていること。免疫反応性は処理前の 遺伝子産物(タンパク質)に対するポリクローナル抗体を用いてウェスタン ブロッティング法及びELISA法あるいはこれらと同等の方法によって示されていること。 (1) 人工胃液による酸処理及び酵素(ペプシン)処理。 (2) 人工腸液によるアルカリ処理及び酵素(パンクレアチン)処理。 (3) 加熱処理;加熱条件はヒトが経口摂取する際に処理される条件で行う。 (4) 遺伝子産物(タンパク質)と既知のアレルゲン(グルテン過敏性腸疾患に 関与するタンパク質を含む。以下アレルゲン等。)との構造相同性に関する事項 遺伝子産物(タンパク質)について、既知のアレルゲン等と一次構造を比較し、 既知のアレルゲン等との構造相同性を有しないこと(抗原決定基(エピトープ)を 示す可能性のある配列を明らかにするためには、アミノ酸配列に関する相同性検索 などを実施する必要がある)。その際、用いたアレルゲンデータベースの名称、 検索条件、検索方法、検索結果が明らかにすること。
(5) 遺伝子産物のIgE結合能の検討 (1)から(4)までの事項等により、ヒトの健康を損なう恐れがないと 判断できない時は、遺伝子産物(タンパク質)のIgE結合能を検討すること。 使用する患者血清の選択は、下記の(1)から(4)のいずれかで行う。 (1) 挿入遺伝子の供与体がアレルギー誘発性を持つ場合は その供与体に対する特異的IgE抗体価が高値の血清、 (2) 既知アレルゲンとの構造相同性が認められた場合は 当該アレルゲンを含む生物に対する特異的IgE抗体価が高値な血清、 (3) 既知のアレルゲンとの構造相同性あ示されないが、 上記(1)〜(3)の項目で、アレルギー誘発性を否定しきれない場合は、 遺伝子供与体の近縁種生物に対して特異的IgE抗体価が高値な血清、 (4) (1)から(3)で適切な血清が得られない場合は、主要なアレルゲン (卵、ミルク、大豆、米、小麦、そば、たら、えび及びピーナッツ)に対して 特異的IgE抗体価が高値な血清を用いる。 挿入遺伝子の供与体がアレルギー誘発性を持つ場合で、遺伝子産物(タンパク質)に 対するアレルギー患者血清を用いた IgE結合能の検討で陰性結果が得られたものの、 なお安全性の証明が十分ではないと考えられた場合は、皮膚テストや 経口負荷試験などの臨床試験データが必要とされる。
ある企業が、大豆の栄養価を高めるために、ブラジルナッツのDNAを入れてみたところ、 アレルギーを引き起こすことが分かり、開発が中止されたという事例があります。 しかし、ブラジルナッツが一部の人にアレルギーを起こすことは、既にわかっており、 はじめから十分予想できたことです。これをきちんと確認し、商品化を とりやめたという点において、安全性評価システムが有効に働いたことを示しています。
安全性評価基準では、組換えDNA技術を応用して生産された食品(遺伝子組換え食品) の安全性審査においては、一律に毒性試験が不要であるという扱いになっている ものではなく、慢性毒性試験等は必要に応じて実施されるべきであるとされています。 安全性評価基準においては、必要に応じて一連の毒性試験(急性毒性に関する試験、 亜急性毒性に関する試験、慢性毒性に関する試験、生殖に及ぼす影響に関する試験、 変異原性に関する試験、がん原性に関する試験、およびその他必要な試験 (腸管毒性試験等))のデータを求めています。科学的に必要がないと 判断されれば省略することができるとされています。 実際、これまでに安全性審査のなされた組換えDNA技術応用食品は、急性毒性に 関する試験を実施しているものもありますが、慢性毒性等に関する試験は 実施する必要がないと個別に判断されたものです。 その理由は、安全性審査においては、まず提出された資料により既知のアレルギー物質、 有害物質等ヒトの健康に影響を及ぼすような新たな物質が産生されていないことを 確認しています。組換えDNA技術を利用することで付加される物質について、 明確な安全性を示す根拠がない場合には、必要に応じて急性毒性試験等の毒性学的試験が 必要とされています。付加される物質が、ヒト体内や既存の食品中に元来存在するもの (内在性物質)、速やかに分解・代謝され内在性物質に変化するものである場合等には、 急性毒性試験の結果から、もとの物質の安全性について評価することが可能です。
組換えDNA技術により、挿入される遺伝子の全塩基配列が明らかにされ、 有害塩基配列が存在しないことが確認されています。 また、目的外の遺伝子の混入がないこと、目的外のタンパク質を発現する オープンリーディングフレームが含まれていないこと等を確認し、 新たな有害物質が作られていないことを確認しています。
なたねには、エルシン酸(エルカ酸)やグルコシノレート等、また、ジャガイモには ソラニン等のグリコアルカロイド等、天然の有害物質が含まれています。これは、通常、 含まれている程度の量では、通常の調理等の過程によりヒトの健康への影響は 生じません。遺伝子組換え技術を用いることによって、こうした有害物質が有意に増えて いないことを確認していますので、その安全性は既存の食品と同様に確保されています。
例えばアワノメイガやコロラドハムシなど特定の害虫に作用するタンパク質を作る バクテリアを見つけだし、バクテリアのその部分のDNAを植物に入れ込みます。 こうして、作物が害虫に食べられても被害が少なくてすむようになります。 土の中に生息するバチルス(Bacillus thuringiensis)という細菌が作るBt蛋白質 (B.t.k.蛋白質やB.t.t.蛋白質)は、鱗翅(りんし)目や鞘翅目(しょうしもく)の 昆虫(アワノメイガ、コロラドハムシ等の昆虫)が食べると、昆虫の消化管に存在する 中腸管上皮を破壊します。すると、昆虫は餌を食べても消化することができなくなり、 死んでしまいます。 これらB.t.k.蛋白質やB.t.t.蛋白質は、ヒトが食べた場合には、アミノ酸まで十分に 消化されてしまいます。もし、十分消化されなかったとしても、B.t.k.蛋白質や B.t.t.蛋白質が付着するための場所(=受容体)は、ガやチョウなどの鱗翅目、 カナブンなどの鞘翅目の昆虫の腸管にしか存在せず、この受容体を持っていないヒトや その他の生物には影響がありません。また、この蛋白質自体は加熱により分解される ほか、胃液により分解されることから、安全性には問題はないものと考えられます。
(1)報告書の概要 1998年8月10日(月)、英国のロウェット研究所(Rowett Institute, 所在地:Scotland, Aberdeen's)のアーパド・パズタイ博士(Prof. Arpad Puztai)は、 英国のテレビ番組で、組換えDNA技術を用いて作出されたジャガイモにより、 ラットに免疫低下などがみられたと公表しました。 この研究で使用されたジャガイモは、タチナタマメ(jackbean)もしくはマツユキソウ (snow drop)中に存在する、レクチンを産生する遺伝子を挿入したものです。 (注:レクチンとは、生理活性を有し、あぶらむしや線虫類の攻撃から植物を守る作用を 有する蛋白質です。とくにタチナタマメから精製されるレクチンは免疫細胞に対し 毒性を有するとされています。) 博士は、このジャガイモを、5匹のラットに110日間投与(人の10年間に相当)した結果、 タチナタマメ由来の遺伝子を挿入したジャガイモを投与したラットにおいては、軽度の 発育不全と免疫機能の抑制が見られ、また、マツユキソウ由来の遺伝子を組み込んだ ジャガイモを与えたラットには、このような影響は見られなかったと公表しました。 なお、このジャガイモは、実験的に作出されたもので、一切市販されていません。 1998年8月12日付けのプレスリリースによれば、本研究発表は研究途中の段階で行われた ものであり、データ全体の評価が終了していないことから、今後さらなる追試・ 評価が必要とされています。また、今回発表を行ったアーパド・パズタイ博士は、 当該研究所より停職を命ぜられました。
(2)パズタイ博士の報告の問題点 1998年10月22日、パズタイ氏はローウェット研究所の要請を受け、 報告書を提出しました。そして、1998年8月に当研究所内に発足した Audit committeeは、この報告書を検証しました。 このcommitteeは、「パズタイ博士は組換えジャガイモの長期投与試験(110日)を 二種類のジャガイモで行った結果、ラットに発育不良が見られ、又免疫系の抑制が みられたとしているが、この結論は不正確な論拠に基づく。」としています。特に、 * 実験に用いられたジャガイモは、その組成が親種ジャガイモと かなり異なるものを使用しており、実験としての価値が低い。 * 組換えジャガイモを与えたラットと与えないラットの臓器重量の変化があったとの 報告に対し、このデータは特定の臓器でしか行われておらず、また、臓器そのものの 湿重量のみを計測しており、ラットの体重あたりの臓器重量の変化を示していない。 * レクチン遺伝子を組み込んだジャガイモを与えたラットと、レクチンそのものを 与えたラットを比較した場合、両ラットの成長に有意差は見られなかった。 * 免疫系については、十分な検査が行われておらず、生物学的な有意差を示唆できない。 といった点が指摘されています。 (参考) その後、英国の学術雑誌ランセット(1999年10月16日号)に、当博士の昆虫、線虫類に 抵抗性をしめすレクチン遺伝子組換えジャガイモを用いて行った実験に関する報告を、 実験の設計や分析について不十分な点が多いという前提で掲載しています。 この実験では、遺伝子組換えジャガイモと非組換えジャガイモ、及び非組換えジャガイモ に挿入遺伝子が産生するレクチンを添加した餌を、それぞれ生及び茹でたジャガイモを 用いて作成し、この6種類の餌をラットに与えたときの影響を比較しています。 ここでも、組換えジャガイモの餌によりラットの一部の臓器や免疫系への影響が 指摘されていますが、この影響が蛋白不足の餌によるストレスや、ジャガイモの 品種や餌の低消化性によるとも考えられ、このような結論は出せないとの コメントも掲載されています。 ランセット編集者はこの掲載の目的は科学者、メディア、一般大衆間で 遺伝子組換え食品についての議論をより活発化することであると述べています。
遺伝子組換え生物等の環境に対する影響については、これまで農林水産省が 「農林水産分野等における組み換え体の利用のための指針」に基づき 審査してきましたが、遺伝子組換え生物等の利用が生物多様性の保全とその持続可能な 利用に及ぼす悪影響を防止するため、遺伝子組換え生物の輸出入等に関する 国際的枠組みとして、「生物多様性条約カルタヘナ議定書」が2000年1月に 採択されたことに伴い、カルタヘナ議定書に整合的な国内法として 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 (カルタヘナ法)が2004年2月に施行されました。 カルタヘナ法では、一般ほ場での栽培等環境中で遺伝子組換え生物等を使用する者は 事前に第一種使用規程を定め、生物多様性影響評価書を添付し農林水産大臣・環境大臣の 承認を受けることとなります。 環境中で使用した場合に、遺伝子組換えにより生育の特性が変化して野生動植物を 駆逐しないか、有害物質を産生するようになっていないか、近縁野生種との交雑性に 変化はみられないかなどについてリスク評価を行い、野生動植物の種又は 個体群の維持に支障を及ぼすおそれがない場合に承認されることになります。
293 :
農NAME :2008/04/27(日) 18:00:07
2000/02/10 …20世紀最後の年のこの頃、 小生はまだ大学生でした。しかも7年生。しかも就職先未定。 その後、波瀾万丈の人生を歩んだのですが、 続きは「遺伝子組換えPart2」スレにてお話ししようと思います。
>>285 遺伝子組み換えでアレルギー誘発ですか
なかなか難しいですな
遺伝子組換え作物を作成する際、目的の遺伝子が組み込まれたかどうかを 判断するために、抗生物質耐性マーカー遺伝子を組み込む場合があります。 そこで、挿入される遺伝子については以下の事項が確認されます。
(1) 挿入遺伝子のクローニング若しくは合成方法に関する事項 挿入遺伝子のクローニング若しくは合成方法が明らかであること。
(2) 塩基数および塩基配列と制限酵素による切断地図に関する事項 宿主に導入しようとするDNA断片について、塩基数および塩基配列が 明らかであること。また切断地図が明らかにされ、制限酵素の名称、断片の数、 サイズなどが明らかにされていること。
(3) 挿入遺伝子の機能に関する事項 挿入遺伝子の機能及び挿入遺伝子から産生される遺伝子産物(RNA及びタンパク質) の性質、機能等が明らかであり、そのタンパク質が有害作用をもたないと判断できる 合理的な理由があること。なお、挿入遺伝子の転写・翻訳の後、生成されるタンパク質が 植物細胞内で切断・消化される場合には、それらの生成物に関しても上記が明らかである こと。挿入遺伝子から産生されるタンパク質と既知の毒性タンパク質との構造相同性に 関する検索方法及び検索結果が明らかにされており、原則として、構造相同性が ないこと。仮に構造相同性がある場合は、安全性に問題がないと判断できる 合理的な理由があること。
(4) 抗生物質耐性マーカー遺伝子に関する事項 ・ 抗生物質の使用方法(経口、静注等)が明らかであること。 ・ 耐性発現の機序が明らかであること。 ・ 耐性発現に関連する代謝物質が安全性に問題のないものと判断できる 合理的な理由があること。 ・ 耐性の対象となる抗生物質の使用状況(使用方法、使用量、使用目的等) が明らかであること。
>>301 そうですか携帯電話は無視ですか
とは言え容量潰しと言われるのは不本意なので
1レスあたりの量は減らす
>>294 かっこ悪くはない
こういう荒れ果てたスレで
>>294-295 のような流れが欲しかった
>>294 のようなレスが増えれば
この荒れ果てたスレは活性化し蘇る
はい はい、 ちょい と かき・こませて もらいます よ。
>>294 がけなされるこんな世の中じゃあ
やってられねえ
大腸菌は、ヒトの腸管内だけでなく、自然界に広く存在しており、 現在数百種類が発見されていますが、そのうち人に対して 病原性を有する大腸菌は、O(オー)157など限られた種類のものです。
遺伝子組換えで使用されている大腸菌は、長い間研究に用いられ、 安全性が確立されたものであり、ヒトに対する問題はありません。
マジレスを待っている。 さあ、このスレを盛り上げていこう。
>>306-307 とりあえずは安心していいんだけども
何か不安が残る
現場での慎重な取扱いを望みたい所です
1) 報告概要 米国コーネル大学の研究者、ジョン・E・ロゼイらは、Btタンパク質を導入した 害虫抵抗性トウモロコシが、チョウに被害を及ぼす恐れがある、 との研究結果を発表しました(英国科学誌ネイチャー1999年5月20日号)。
この実験の内容は、トウモロコシの花粉を振りかけたガガイモ科の植物のトウワタの 葉を、チョウ(オオカバマダラ)の幼虫に摂食させたところ、4日間で幼虫の44%が 死亡し、生き残った幼虫も発育不全になったというものです。
(2) 研究結果に対する農林水産省の検討と見解 農林水産技術会議の組換え体利用専門委員会で検討した結果、以下の結論が得られました (1) 我が国のチョウ目昆虫の絶滅危惧種等へのBtトウモロコシの花粉の影響は、 分布域、生息環境、幼虫出現時期、食草、採餌行動等から判断して、 実際上無視し得るほど小さいと判断されること、
(2) トウモロコシほ場の周囲が生息地の一部となりうるモンシロチョウやヤマトシジミ等 のチョウ目昆虫普通種への、 Btトウモロコシ花粉の影響については、 農業環境技術研究所において得られた試験結果から、危険性を最大限に見込んでも、 ほ場から20m離れれば周辺地域に生息するチョウ目昆虫普通種の種個体群の存続に 関わるような悪影響を与える可能性は、実際上ないと判断されること、
(3) (1)及び(2)より、ネイチャー誌で報告されたBtトウモロコシと同程度の Btトキシンを花粉に発現する Btトウモロコシを一般ほ場において栽培した場合には、 チョウ目昆虫の種個体群の存続に関わるような悪影響を与える可能性は、 実際上無視し得るほど小さいと判断されています。 (4) ただし、花粉におけるBtトキシンの発現量が極めて高い系統が栽培される 可能性を考慮し、Btトキシンを花粉で発現するBtトウモロコシを栽培するための 環境影響評価項目として、以下のとおりとしています。
(3) 評価事項の概要 (1) Btトウモロコシの花粉中のBtトキシンの発現量について ・ 化学的定量法による検出結果 ・ バイオアッセイによる検出結果 ・ Btトウモロコシとその兄弟系統等における発現量
(2) Btトウモロコシの生殖特性について ・ 花粉の大きさ・花粉稔性・花粉量・開花時期・期間等の生殖特性 また、生殖特性が従来品種の変異の幅を超える場合は、以下の事項も評価 ・ 花粉飛散距離及び花粉落下数並びにこれらの関係 ・ 特に、開花時期・期間が従来品種の変異の幅を超えるときは、 環境省レッドリストに記載された絶滅危惧種・危急種・希少種のチョウ目昆虫への影響
4) カルタへナ法に基づく審査 カルタヘナ法に基づき遺伝子組換え生物等を使用する者は、事前に第一種使用規程 を定め、それについて農林水産大臣・環境大臣の承認を受ける必要があります。 承認にあたっては学識経験者の意見を聞いた上で生物多様性影響を生ずるおそれが ないことを確認します。これまでの指針に基づくBtトウモロコシの影響評価は 科学的に行われていましたので、カルタへナ法の下でも同様の考え方で評価が 行われることとなります。
>>302 コピペ馬鹿か?荒らしだべ
自分の言葉で語ってみろや
>>318 煽りはいけませんよ
それよりも荒らしが退散するような
高度な文章を書いたらどうですか
遺伝子組換えに関する高度な議論を展開する事により 荒らしを居づらくさせるという意味です
ほい、分かった 以降コピペは禁止な
まあ、スレが遺伝子組み換えの議論で盛り上がれば コピペなんかすっ飛ぶのになあ
>>310-311 蝶に有害な遺伝子を挿入したトウモロコシなので当然の結果であるが、
漠然とした不安感が残る。
遺伝子組替えの現場には厳密で厳格な運用を求めたいものです。
この事件は、1989年後半、米国において、L−トリプトファンを主成分とする食品を 摂取した者の中から、全身性の激しい筋肉痛と好酸球増多を主な症状とする健康被害 (好酸球増多・筋肉痛症候群:EMS)が多発したもので、報告患者数は米国だけで 1500人以上と言われています。
この事件は、L−トリプトファン含有食品の製造工程で生成された不純物が健康被害の 一因であったと言われており、厚生省の「必須アミノ酸等製品による健康被害に関する 研究班」においては、これらの不純物が組換えDNA技術と直接関連性があるとは 言えないとしています。
(厚生省としては、当該食品に含まれていた不純物の特定等による健康被害の発生機序の 解明等を行ってきたところであり、現在、2種類の不純物の特定までの研究成果が ありますが、これらの不純物と健康被害との関連性については、さらに調査研究を 行うことが必要とされています。)
真紀子
薬事・食品衛生審議会において審査された遺伝子組換え食品については、 食品安全委員会が作成した新しい安全性評価基準と実質的に変わっていない 審査基準に基づく評価がなされていること、また、現時点で新たな科学的知見 もないことから、食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会においても 改めて評価を行う必要はないということとなりました。しかし、今後、 新たな科学的知見が生じたときや、その他必要があると認めるときには、 再評価を行うこととしています。
本年4月1日から遺伝子組換え食品の安全性審査が義務化され、安全性未審査の 遺伝子組換え食品は食品衛生法違反となることから、厚生労働省及び製造者を所管する 自治体が当該品の回収を指示したところです。また、当該スナック菓子に用いられた 原料として用いられたじゃがいも加工品と同一製造者のものについては、関係自治体に おいて検体収去され、国立医薬品食品衛生研究所にて検査が行われています。現在までに 46検体のじゃがいも原料を調査したところ、全ての検体で安全性未審査のじゃがいも は検出されませんでした。
ロシア科学アカデミー高次機能・神経行動学研究所所属のイリーナ・エルマコヴァ (Irina Ermakova)博士は、2005年10月にロシア遺伝子組換えシンポジウムにおいて、 『除草剤耐性遺伝子組換え大豆を食べたラットから生まれたラットの死亡率が高く 成長も遅かった』と発表し、英国Independent紙がそれを取り上げたことから 話題となりました。
英国食品基準庁「新規食品と製造工程に関する諮問委員会(ACNFP)」はこの実験に ついて2005年12月に声明を出し、『遺伝子組換え大豆か否か以外にもこのような結果 となった理由は多数想定され、報告の中で多くの重要な情報がない以上、この実験から いかなる結論も引き出すことはできない』としています。また声明では実験方法に ついて次のような問題点を指摘しています。
1.齧歯類(ネズミの類)に生の大豆を大量に食べさせると有害な影響が出ることが 一般的に知られていて、遺伝子組換え大豆であるか否かとは関係なく、 この実験においては与えられた生の大豆がラットへ有害事象を生じさせ得る。
2.各グループの餌の間で構成された栄養素、栄養量などが等価であったかの情報がない。 3.各ラットにおける大豆の消費量や従来型の餌の消費量のデータがない。
4.死亡したラットの死因に関するデータがない。 5.マイコトキシン(カビ類が産生する毒素の総称)等、混入物の存在を否定する情報がない。
これに対し、マウスに対し4世代に渡り遺伝子組換え大豆の影響について経過を追った 実験においては、遺伝子組換え大豆はマウスに対して死亡率や成長に影響を与えないこと が報告されています(Brake DG, Evenson DP. Food and Chemical Toxicology 2004;42:29-36)。
厚生労働省ではこの実験内容に関する情報収集を行うこととしています。 なお、わが国では、全ての遺伝子組換え食品について、食品安全委員会において 安全性評価が行われており、この結果、安全性が確認されたもののみが輸入・ 流通・販売されているので、遺伝子組換え大豆を食する場合でも問題はありません。
米国では食品(獣肉及び鶏肉は除く)および食品添加物は、 食品医薬品局 (Food and Drug Administration, FDA) が管轄しています。
これまで、米国においては1992年5月に公示された「新たな植物品種に由来する 食品に関する政策」に基づいて、個々の遺伝子組換え食品について安全性の審査を 行っています。この政策は法に基づいたものではなく、ガイドラインとして 行われていますが、FDAは、2000年5月に, (1)市場流通前にFDAに対しその旨を通知すること。 (2)安全性や表示、混入に係る問題があるかどうかを判断するための資料を提出すること。 を義務づけるという方針を発表しました。今後、専門家による審議を経て制度化する予定です。
表示については、既存の食品と明らかに異なる("significantly different")場合 (栄養素の改変や新たなアレルゲンが存在する場合など)に表示をしなければならない としていますが、遺伝子組換え食品であるかどうかの表示を義務化する制度は 存在していません。
1999年10月に、食品・医薬品法に基づく新規食品規則が公布され、新規食品及び 原材料の安全性を確保するための規制が導入されました。これにより、遺伝子組換え食品 を含めた新規食品について、市場流通前に、食品として販売に供することができるか 否かを決定するための情報を、Health Canada(カナダ厚生省)の Health Protection Branchに提出しなければならないこととされました。
表示に関しては、93年から検討された結果、健康と安全性に関する情報は必要である ことから、栄養成分等の改変がされ従来のものと明らかに異なる場合に限り、 その旨を表示することが義務化されています。
オーストラリア・ニュージーランド(NZ)では、遺伝子組換え食品の安全性審査が、 1999年5月に義務化されました。個々の遺伝子組換え食品は、市場に流通する前に 「遺伝子組換え食品に関する基準」(A18)に基づき、豪州・NZ食品庁(ANZFA)による 評価を受け、かつ、豪州・NZ食品基準協議会(ANZFSC)による承認を受けることが、 義務づけられています。
なお遺伝子組換え食品の表示については、従来、ヒトの健康保護、消費者の選択の 観点からの情報提供と、公正な貿易の促進、食品産業の推進及び国際的な整合性の 5つの目的から、伝統的な手法で作出された作物と同等でないGMOから作られた 食品の表示制度を施行してきましたが、現在すべてのGMOのついて表示を義務づける 方針が公表されました。
EUにおいては、1991年10月から施行されている「遺伝子組換え生物の環境放出に 関する指令(理事会指令 90/220/EEC)」に基づき、個々の食品について EUメンバー国当局が審査を行った後、他の11国とEUによる承認が行われています。 この 90/220/EECを補足する特別法的なものとして、1997年2月にヒトの食用に 供する遺伝子組換え食品について、「新規食品及び新規食品成分に関する規則 (理事会規則258/97)」が制定され、同年5月より施行されました。これにより、 GMOを含めた新規食品の市場流通前の安全性審査と表示が義務化されています。
EUは、すべてのGMOは既存の食品と同等でない("no longer equivalent to traditional food")と判断しており、EUで承認されている大豆とトウモロコシについては、1139/98の 規制に基づき表示を義務づけています。表示内容は、 GMOを含むすべての食品 (組換え微生物も含む)についてその旨を表示する他、アレルギー表示、倫理に関する 表示などについても義務化されています。また、従来、添加物についてはGMO食品の 表示規制の適用範囲外でしたが、2000年1月10日に新たな規制が出され、 添加物もGM食品と同じ規制の下に置くこととされました。
EUでは新たな遺伝子組換え食品の承認をEU全体で凍結している訳ではなく、 現行の指令(90/220/EEC)が多くの加盟国のニーズに対応できず、事実上承認が 停止しているものです。EUは現在この指令を改正すべく作業をすすめています。
なお、食品としての安全性については、現行の指令(90/220/EEC)を補足する 特別法的なものとして、1997年2月に「新規食品及び新規食品成分に関する規則 (理事会規則258/97)」が制定され、同年5月より施行されています。
この規則においては、 (1)遺伝子組換え食品を含めた新規食品は、原則として市場に出す前の行政当局による 個別の安全性確認が必要である。または、 (2)GMO由来だが、GMOを含まない食品等で、従来の食品と実質的に同等なものは、 規制当局への届出のみでよい。 とされています
厚生労働省は、平成13年4月から、厚生労働大臣による安全性審査の行われていない 食品の製造・輸入等を禁止しています。その制度の施行にあわせて、安全性未審査の 遺伝子組換え食品が国内で流通していないことを確認するため、 モニタリング検査を行っています。
具体的には、PCR法等を用いて、安全性を審査した遺伝子組換え食品であるか 否かを調べるものです。
PCR法は目的とする遺伝子が存在するかどうか、遺伝子を増幅して調べる方法で、 感度が高く微量の遺伝子も検出できる方法です。
平成3年度より厚生科学研究として、バイオテクノロジー応用食品等の安全性評価に 関する研究班がつくられ、以下のような研究が実施されています。
(1)バイオテクノロジー応用食品等の安全性評価に関する研究 (2)組換え体の検知等に関する研究
1 姿や形、体質といった生物の持ついろいろな形質は、親から子へと代々引き継がれて いきますが、親から子へと引き継がれる形質を規定している因子のことを遺伝子と呼んで います。細菌や動物、植物に至るまで、生物は全て遺伝子を持っています。 では、遺伝子という因子の「実体」は何なのでしょうか。動植物を例に見てみましょう。
2 動物や植物などの体は、多くの細胞の集まりでできていますが、細胞の中には 核があり、さらに、その中に染色体が含まれています。染色体は 「DNA(デオキシリボ核酸)」という物質でできています。
3 DNAは、糖とリン酸がらせん状になった2本の鎖のような形をしており、 その間をA(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)という 4種類の塩基がはしご段に並んでいます(2本の鎖の間では、 AとT、CとGは必ず対をなして向かい合っています。)。
4 4種類の塩基は、その並び方が一種の暗号になっており、この暗号は、 細胞内でタンパク質が作られる際の設計図となります。例えば、G・T・C という並び方は、「グルタミン」というアミノ酸を意味しており、アミノ酸が 多数つながるとタンパク質になります。タンパク質は、細胞を作る材料となったり、 機能の調節などに使われます。タンパク質の形や性質が違っていればその働きも 異なってくることから、これが生物の形質の違いを規定します。遺伝子の「実体」は、 DNA上の塩基の並び方であり、タンパク質を作る設計図として、 親の細胞から子の細胞へと引き継がれているものです。
1 遺伝子組換え技術は、ある生物から目的とする有用な遺伝子を取り出して 別の生物に導入したり、人工的に遺伝子の塩基配列を改変することにより、 改良しようとする生物に新しい性質を付与する技術です。
2 人類は、非常に古い時代から、衣食住の材料などとして生物の機能を活用すると ともに、自然界からの選抜や交配などにより、より高い機能、より良い形質を持った 生物を求めてきましたが、狙いどおりの特徴を持った生物を発見したり、作り出すのは 難しく、時間も非常に長くかかりました。
3 この問題を解決したのが遺伝子組換え技術です。この技術を用いれば、ヒトの病気を 治す物質を作る微生物や、乾燥に強いイネなどのように、選抜や交配では実現困難な形質 を付与した生物を短期間で開発することができるほか、目的とする形質のみを付与できる ことから、よりきめ細やかな改良も可能となります。
4 実際に、人工合成が困難で非常に高価であった医薬品も、この技術を用いることに より、微生物による大量生産が可能となるなど、私たちの生活に大きく役立っています。 また、農林水産分野においても、付加価値の高い品種や生産コスト削減に資する品種 などの開発、さらには、ますます深刻化が予想される世界の食料問題の解決などに 大きく貢献する技術として、世界中から大きな期待が寄せられています。
1 遺伝子組換え技術は、生物の持つ機能を上手に利用するために開発された 技術の1つであり、この技術を用いれば、交配等では実現できない画期的な 機能を持った生物を作り出すことも可能となります。
2 FAO(国際食糧農業機関)によれば、世界の栄養不足人口は、開発途上国を中心に 約8億人存在しており、この問題の解決が国際的な重要課題となっています。また、 世界の人口は、2050年には93億人に増加すること、このほとんどが開発途上国における 増加であることが予想されており、今後、開発途上国を中心に、食料需要は大幅に 増加することが確実です。
3 栄養不足人口を抑制し、食料需要の増加に対応するためには、食料生産能力の 飛躍的向上が必要ですが、耕作適地には限りがある一方、砂漠化の進展等により、 既存の耕地も劣化している状況では、 (i) これまで耕作不適と考えられていた土地(乾燥地等)でも生産可能な作物 (ii) 極めて収量性が高く、生産安定性に優れた作物 など、画期的な作物の開発が重要な鍵となります。
4 また、地球温暖化などの環境問題が喫緊の課題となる中、石油に代わる エネルギーや化学工業原料として、植物の利用が注目されています。植物を エネルギーや生分解性プラスチックの原料等として用いる場合、植物の 炭素固定能力を画期的に引き上げ、低コストで大量に生産することが必要となりますが、 遺伝子組換え技術は、この鍵となる技術であり、これまでとは全く違った 農作物の利用形態を生み出す上でも有効です。
5 従来の交配による育種では、このような作物の作出は極めて困難ですが、 遺伝子組み換え技術を用いることにより、これら作物の開発が可能となると 考えられることから、遺伝子組み換え技術は、世界の食料問題、環境問題を 解決する手段の一つとして強く期待されています。
遺伝子組換えに当たっては、性質の明らかな遺伝子のみを、これまでの育種などにより 知見が蓄積されている農作物に組み込むので、予想もしないような特性を持った組換え 農作物が出現する可能性はほとんどありません。万が一、予想もしないような特性を 持った組換え農作物が作出された場合でも、現在の安全性等の評価において、食品や 飼料としての安全性あるいは生物多様性への影響の面で問題を生じる可能性がある 組換え農作物は排除できるように評価項目が設定されており、実用化されません。
1 遺伝子組換え技術は、食料生産のほか、医薬品や工業原料の製造など、様々な 場面で広く活用されています。医薬品としては、これまで人工合成が困難であった ヒトの成長ホルモン、インターフェロン、インスリンなどが遺伝子組換え微生物を 用いて大量生産できるようになり、医療の現場で大いに役立っています。また、 毎日の洗濯に使っている洗剤や、ジーンズ・デニムの風合いを出すための 「バイオウオッシュ加工」などに用いられる酵素の生産にもこの技術が使われています。
2 更に、研究開発の現場では、実験や検査に使う薬品などにも遺伝子組換え技術を 用いて製造されるものが多数あるほか、遺伝子や薬の働きを調べるための実験動物の 作出などにも遺伝子組換え技術が用いられています。
3 一方、農林水産・食品分野でも、除草剤の影響を受けないダイズやナタネ、 害虫に強いトウモロコシやワタなどが実用化され、世界各国で栽培されています。 これらの栽培国・栽培面積は、年々大幅に拡大しており、米国で栽培される ダイズでは、既に約9割が遺伝子組換え品種となっています。
4 我が国では、現在、遺伝子組換え農作物の商業栽培は行われていませんが、 遺伝子組換え農産物は、畜産飼料や油糧原料などを中心として大量に輸入され、 私たちの食卓を支えるために不可欠なものとなっています。
1 我が国で一般の方々を対象に実施した遺伝子組換え農作物などに関する アンケート調査の結果では、 (i) 遺伝子組換え技術は農業・食品分野にとって「役立つ」、「ある程度役立つ」 技術であるという回答が58% (ii) 遺伝子組換え農作物を栽培することによって環境への「影響がある」、 「ある程度影響がある」とする回答が53%、また、組換え食品を食べることに 不安を「感じる」、「ある程度不安を感じる」という回答が66% と、技術としての可能性は評価するものの、実際の利用に当たっては不安に 感じる方が多いという傾向が伺える結果が出ています。
2 このようなことの背景として、遺伝子組換え農作物の安全性は関係省が法律に基づき 確認していることを「よく知っていた」、「ある程度知っていた」とする回答は43%に とどまっていること、遺伝子組換えについて現在得ている情報に「満足している」 「ある程度満足している」としている方はわずか7%であることなど、情報提供や コミュニケーションの機会が不十分であったことが一因となっていると考えています。
1 ゲノムとは、親から子へ引き継がれる遺伝情報を指す言葉であり、その実体は、 DNAを構成する4種類の塩基の並び順です。この並び順は一種の暗号となっており、 これを設計図としてタンパク質が作られ、複雑な生命現象を司っています。
2 イネは約4億、カイコでは約5億4千万の塩基がDNA上に並んでいますが、 世界各国の協力の下、我が国は、これらの並び順を明らかにしました。ゲノムのうち、 タンパク質の産生に関わる部分が遺伝子ですが、これら生物のゲノム情報全体が明らか となったことにより、有用遺伝子の特定やその機能解明が大幅に加速されるものと 期待されています。
3 目的とする形質に関する遺伝子が特定できれば、遺伝子組換え技術を用いてこれを 導入・改変することにより、画期的な農作物・農業生物の作出が可能となります。 例えば、味のよいイネ品種にいもち病に強い遺伝子を導入すれば、良食味で農薬が いらないイネができますし、イネの穂発芽しにくいという性質に係る遺伝子を特定して 取り出し、コムギに導入すれば、穂発芽しにくいコムギ品種の実現に寄与します。
4 ゲノムの解析は、生命現象の解明の基盤であり、生物の機能を活用するための 遺伝子組換え技術の発展に欠かせぬ研究成果です。
383
1 遺伝子組換え農作物を作るためのステップは、
(i) ある生物から目的とする有用な形質に係る遺伝子を見つけ、 その遺伝子だけを取り出す (ii) 改良しようとする農作物の細胞の核に、取り出した遺伝子を導入する
(iii) 細胞の中から目的の遺伝子が確実に導入されているものをだけを培養・選抜し、 増殖させ、植物体を再生させる (iv)得られた植物体の中から、有用な形質が発現している個体を選抜する
(v)交配などにより、この形質が次世代に安定的に伝わるかを確認する ことに分けられます。
2 このうち、(ii)に係る遺伝子導入法には主に3つの方法(アグロバクテリウム法、 パーティクルガン法、エレクトロポレーション法)がありますが、(iii)以降のステップ は遺伝子導入法の違いによらず同一であり、最終的には、目的とする形質に関連した 遺伝子が導入され、この形質が安定的に発現するもののみが選抜されることとなります。 従って、遺伝子導入法の違いにより、できあがった組換え農作物が性質を異にするような ことはありません。
3 なお、できあがった組換え農作物を実用化する場合には、環境に対する安全性、 食品や飼料としての安全性の確認のための厳密な調査、試験が行われ、これをクリア できたもののみが栽培・流通できることとなります。
1 現在、実用化されている代表的な遺伝子組換え農作物は、除草剤の影響を受けない 性質や害虫に強い性質を導入したものです。ナタネ、ワタ、トウモロコシ、ダイズ、 アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ、パパイヤ、トマト、アズキなど、 いろいろな農作物が実用化されています。また、メロン、キュウリ、イチゴなどでも 開発が進められています。
2 除草剤は、一般的に植物の代謝経路の反応を阻害することにより、必要な栄養の 合成を止めたり、毒素の蓄積を起こして植物を枯らします。除草剤の影響を受けない 組換え作物では、導入した遺伝子が作る物質が代謝経路の阻害を防ぐので、除草剤が 散布されても枯れることはなく、周辺の雑草だけが枯れることとなります。
3 通常の作物栽培では、雑草や作物の種類に合わせ、複数の除草剤を組み合わせて 数回ずつ散布しています。全ての植物に対して効果を発揮する除草剤もありますが、 肝心の作物まで枯れてしまうため、作物用には使えませんでした。除草剤の影響を 受けない組換え作物が実用化したことにより、除草剤の散布量を減らすことが 可能となりました。 米国では、従来のダイズ栽培に比して、除草剤の使用量が約4割低減したという 調査結果も出ています。
4 一方、害虫に強い組換え農作物は、土壌微生物が元々持っている、特定の害虫だけに 毒となるタンパク質(Btタンパク質)を作る遺伝子を導入したものです。このタンパク質 は生物農薬としても利用されており、ほ乳類や鳥類など、特定の害虫以外には無害です。 これにより、殺虫剤の散布量は大幅に減らすことができるようになりました。
5 農業は、害虫、病気、雑草との戦いだとも言われていますが、これらの組換え作物が 実用化されたことにより、生産者は農薬散布の手間やコストが削減でき、農薬の使用量も 減らせるようになっています。
6 このほか、世界の食料問題の解決に向け、収量性の高い作物や、乾燥地などの 不良環境でも生育する作物などの開発が進められています。 また、私たちの健康に役立つ成分を高めた農作物の開発も進んでいます。我が国では、 スギ花粉症の症状を緩和する組換えイネや糖尿病患者用のイネなどの研究が実用化に 向けて進められています。
1 遺伝子組換え農作物は、これまでの交配等による品種の改良、栽培技術の改良等の 取組みでは実現できない、高品質・高機能、低コストでの食料生産を可能とすることに より、豊かな国民生活の実現に大きく寄与する可能性を有しています。
2 また、今後一層深刻化することが予想される世界の食料問題・環境問題について、 その解決の鍵となる技術であると考えています。
3 このため、農林水産省としては、多様化する国民のニーズに応え、食料供給の 安定を確保するためにも、遺伝子組換え農作物の実用化に向けた研究開発を進めて 参りたいと考えています。
4 なお、遺伝子組換え技術については、遺伝子組み換え作物の食品や飼料としての 安全性及び環境への安全性の確保を図るとともに、新しい技術であるので、その推進に 当たっては、国民の皆様に十分説明し、その理解を得ながら進めることが重要であると 考えています。
1 遺伝子組換え農作物の商業的に栽培されるようになったのは1996年(米国170万ha) からで、その後急速に栽培面積が増加し、2005年では21カ国で1996年時点の約53倍の 9,000万haの栽培が行われています。
2 我が国の輸入状況については、遺伝子組換え農作物を食品として利用する場合は、 食品衛生法に基づき、大豆、とうもろこし、菜種、綿実及び馬鈴薯について、その数量を 「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」「非遺伝子組換え」の区分毎に厚生労働大臣に 届出ることとなっておりますが、飼料用や工業用に利用されるもの等、食品以外の用途に 利用されるものは、届出の対象となっていないことから、組換え農作物の輸入量を 把握することはできません。
3 なお、現在、貿易相手国の組換え農作物の作付が増加している傾向を踏まえれば、 我が国に相当量輸入されていると考えられます。
1 遺伝子組換え技術によって作られた農作物を産業的に利用していく、すなわち、 一般の田畑で栽培し、さらに食品や飼料として用いていくためには、栽培や一般への 流通に先だって、生物多様性に影響を及ぼすおそれがないこと、食品や飼料としての 利用する場合の安全性を確認することが必要です。
2 そのため、 (1)遺伝子組換え農作物を栽培したり、外国から食品・飼料等の原材料用として 輸入した場合に、生物多様性に影響を及ぼすおそれがないことについては、 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に従って、
(2)遺伝子組換え農作物を食品として利用する場合の安全性については、 食品衛生法に基づき厚生労働省が定めた「食品、添加物等の規格基準」及び 「食品安全基本法」に従って、
(3)遺伝子組換え農作物を飼料として利用する場合の安全性については、 「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」及び「食品安全基本法」に従って、
一つ一つの遺伝子組換え農作物毎に、開発者等が目的とする用途に応じて、関係する 法律に基づく申請を行うこととなっています。申請を受けた主務大臣は学識経験者等の 意見を聴いた上でその内容を審査等することとなっています。
こうした審査等によって安全性が確認されたものだけが商品となり、 流通・販売されることとなります。
3 なお、安全性等の評価の方法については、生物多様性条約のバイオセーフティに 関するカルタヘナ議定書、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品企画 委員会(Codex(コーデックス)委員会)、経済協力開発機構(OECD)によって示された 原則などを踏まえて、組み換えられる前の農作物との比較等を行いながら、遺伝子組換え によって意図的に付与した性質、意図しないで付与された性質によって、生物多様性や 人、家畜に影響を及ぼすかおそれがないかどうかを評価することとなっています。
1 カルタヘナ議定書は、生物多様性条約の下の議定書であり、現代の バイオテクノロジーにより改変された生物Living Modified Organisms (「LMO」と略します。)による生物多様性の保全及び持続可能な利用への 影響を防止するための国際的な枠組みを定めたものです。 なお、「カルタヘナ」とは、この議定書が検討された生物多様性条約締約国特別会合の 開催地であるコロンビアの都市の名前です。
2 主な内容は次のとおりです。 (1)議定書の目的 特に国境を越える移動に焦点を合わせて、生物多様性の保全及び持続可能な利用に 悪影響を及ぼす可能性のあるLMOの安全な移送、取扱い及び利用の分野において十分な 水準の保護を確保することに寄与することを目的としています。
(2)議定書の適用範囲 生物多様性に悪影響を及ぼす可能性のあるすべてのLMOの国境を越える移動、通過、 取扱い及び利用について適用されます(人用の医薬品は対象外。)
(3)輸出入に関する手続き (i) 環境への意図的な導入を目的とするLMO(栽培用種子など)の輸出入に際しては、 事前の通告による同意(AIA)手続きが必要、としています。 輸出国(または輸出者)は、LMOの意図的な国境を越える移動に先立ち、 輸入国に対して通告を行い、輸入国は、その情報を踏まえ、 リスク評価を実施し輸入の可否を決定することととしています。
(ii) 輸入締約国の基準に従って行われる拡散防止措置の下での利用を目的とする LMOの輸出入については、AIAの適用除外とされています。
(iii) 食料若しくは飼料として直接利用し又は加工することを目的とするLMO (コモディティ)の輸出入に関しては、 AIA手続きを必要とされていませんが、 コモディティとして輸出される可能性のあるLMOの環境放出(野外試験を除く)を 決定した締約国(当該LMOの生産国であり輸出国となりうる締約国)は、 バイオセーフティに関する情報交換センター(BCH)を通じてその決定を他の締約国に 通報することとしています。 また、輸入締約国は自国の国内規制の枠組みに従いコモディティの輸入について 決定することができるとしています。
(4)リスク評価、リスク管理の実施 輸入締約国は、LMOの輸入の決定に際し、リスク評価が実施されることを確保すると ともに、リスク評価によって特定されたリスクを規制し、管理し、制御するための 制度等を定め、維持することとなっています。
(5)取扱い、輸送、包装及び表示について 議定書の締約国は、LMOの安全な取扱い等を義務づけるために必要な措置をとること、 また、LMOには、必要な情報を含んだ文書を添付することを義務付ける措置を講ずること となっています。
1.カルタヘナ法とは、国際的に協力して生物多様性の確保を図るために、 遺伝子組換え生物等(遺伝子組換え生物あるいは科を越える細胞融合により 得られた生物を指します。)の使用等に関する措置を講ずることにより生物の 多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の的確かつ 円滑な実施を確保することを目的とした法律です。
2.法律では、次のようなことが規定されています。 (1)主務大臣(財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、 経済産業大臣、環境大臣)が、遺伝子組換え生物等の使用等による生物多様性影響 (遺伝子組換え生物等の使用等による生ずる影響であって生物の多様性を損なうおそれ (野生動植物や微生物の種又は個体群の維持に支障を及ぼすおそれなど)のあるもの) を防止するための施策の実施に関する基本的な事項等を定め、これを公表すること。
(2)遺伝子組換え生物等の使用等に先立ち、使用形態に応じた措置を実施する事とし、 (i) 遺伝子組換え生物等の環境中への拡散を防止しないで行う使用等(第1種使用等) の場合は、新規の遺伝子組換え生物等の使用等をしようとする者(開発者、輸入者等) 等は事前に第1種使用規程を定め、生物多様性影響評価書等を添付し、主務大臣の承認 を受けること、
(ii) 遺伝子組換え生物等の環境中への拡散を防止しつつ行う使用等(第2種使用等) の場合は、施設の態様等拡散防止措置が主務省令で定められている場合は、当該措置を とること。定められていない場合は、あらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置 をとること、 を義務づけています。
(3)このほかに、未承認の遺伝子組換え生物等の輸入の有無を検査するための 仕組み、輸出の際の相手国への情報提供、科学的知見の充実のための措置、国民の 意見の聴取、違反者への措置命令、罰則等が規定されています。
424 :
農NAME :2008/05/23(金) 18:11:37
1 カルタヘナ法でいう「生物多様性影響」とは、遺伝子組換え生物等の使用等による 生ずる影響であって生物の多様性を損なうおそれ(野生動植物や微生物の種又は個体群 の維持に支障を及ぼすおそれなど)のあるものをいいます。
2 具体的には、 (i) 遺伝子組換え農作物が、農耕地以外の生態系に侵入して、その繁殖力の 強さ等により、在来の野生植物を駆逐してしまうこと
(ii) 遺伝子組換え農作物が近縁の野生種と交雑して、 野生種が交雑したものに置き換わってしまうこと
(iii) 遺伝子組換え農作物が作り出す有害物質によって周辺の野生動植物や微生物が 死滅してしまうこと などを想定しています。
3 なお、一般の農作物は野生状態で種又は個体群の維持が図られているものでは ないため、生物多様性影響評価の対象にはなりません。
1 生物多様性影響評価は、遺伝子組換え生物等の第1種使用等(遺伝子組換え 生物等が環境中に拡散することを防止する措置をとらないで行う使用等)により 我が国の生物多様性に影響を及ぼすおそれがあるかどうかを明らかにするために 行うものです。最新の科学的知見を踏まえ、遺伝子組換え生物等の第1種使用等 についてカルタヘナ法に基づく承認を申請する者が評価書を作成し、その内容の 妥当性等を学識経験者が科学的な見地から検討することとなっています。
2 生物多様性影響評価の手順・内容は次のようになっています。 (1)生物多様性影響評価を行うために必要な情報の収集 (i) 遺伝子組換え生物等のもととなった組み換える前の生物(宿主) 又は宿主の属する分類学上の種に関する情報 (ii) 遺伝子組換え生物等の調製等に関する情報 (iii) 遺伝子組換え生物等の使用等に関する情報 を収集した上で、これらの情報を踏まえて生物多様性影響評価を行うこととしています。 なお、以下の手順に従って評価を行う際に、これ以外の情報が必要なときは、追加して情報収集を行うこととなります。
(2)手順1:影響を受ける可能性のある野生動植物又は微生物の特定 組換え農作物の場合であれば、 (i) 競合における優位性(野生植物と栄養分、日照、生育場所等の資源を巡って 競合し、それらの生育に支障を及ぼす性質)、
(ii) 有害物質の産生性(野生動植物又は微生物の生息又は生育に支障を及ぼす物質を産生する性質)、 (iii) 交雑性(近縁の野生動植物と交雑し、移入された核酸をそれらに伝達する性質) などの性質に着目し、これらの性質により影響を受ける可能性のある野生動植物又は微生物を特定します。
(3)手順2:手順1で特定した野生動植物又は微生物が受ける影響の具体的内容の評価 手順1で特定した野生動植物等が遺伝子組換え生物等から受ける影響の内容について、 (i)〜(iii)の項目ごとに実験や関連する情報を収集して評価します。
(4)手順3:影響の生じやすさの評価 (i)〜(iii)の項目ごとに野生動植物等の生息又は生育する場所又は時期その他の関連情報を収集して評価
(5)手順4:(i)〜(iii)の項目ごとに手順1で特定された影響を受ける可能性が あると特定された野生動植物の種又は個体群の維持に支障を及ぼす可能性の有無の評価
(6)手順5:それぞれの項目の評価結果を踏まえ、生物多様性影響の生ずるおそれの有無について総合的に判断します。 生物多様性影響評価は、以上の手順・内容で行われますが、宿主又は宿主の属する 分類学上の種について我が国での長期間の使用等の経験がある遺伝子組換え生物等 に関しては、手順1で、評価の項目である遺伝子組換え生物等の性質のすべてについて 当該遺伝子組換え生物等と宿主又は宿主の属する分類学上の種との間で異なるところが ない場合には、影響を受ける可能性のある野生動植物等を特定しなくてもよいとされて おり、、また、手順4においても、当該宿主又は宿主の属する分類学上の種と比較して 影響の程度が高まっているか否かによって判断することができることとされています。
439 :
農NAME :2008/05/24(土) 22:49:12
1.カルタヘナ法に基づく遺伝子組換え生物等の第1種使用規程の承認に当たっては、 主務大臣は学識経験者から意見聴取することとなっていますが、この意見聴取のうち 農林水産大臣がその生産又は流通を所管する遺伝子組換え生物等に係るもの (農作物など)については、農林水産大臣と環境大臣が公表した名簿に掲げられている 学識経験者からなる「生物多様性影響評価検討会」を農林水産省と環境省が共同で 開催して学識経験者の意見を聴取しています。
2.具体的には、 (1)まず、第1種使用規程の申請に係る遺伝子組換え生物等の特性に関し専門的な 知見を有する専門家及び遺伝子組換え生物等の第1種使用等によって影響を受ける 可能性のある生物、生態系等に関し知見を有する専門家が専門的な見地から検討を 行う検討会(これを「分科会」と呼んでいます。)を開催した上で、
(2)次に、分科会での学識経験者の意見の内容を踏まえ幅広い視点から総合的な 検討を行う検討会(総合検討会)を開催するという手順で意見聴取を行っています。
3.なお、生物多様性影響評価検討会のうち総合検討会については、公開で開催する こととしています(議事録、提出資料についても原則公開することとしています)。
4.生物多様性影響評価検討会総合検討会の開催に当たっては、プレスリリースにより お知らせするとともに、農林水産省及び環境省のホームページで情報の提供を行って いますのでご参照下さい。
1 カルタヘナ法に基づく承認の状況は、農林水産省のホームページの中の 遺伝子組換え生物等の生物多様性影響に関する情報コーナー、環境省の バイオセーフティクリアリングハウス(J-BCH)で情報提供を行っています。
2 また、世界各国の情報については、カルタヘナ議定書の バイオセーフティクリアリングハウスをご参照下さい。
1 生物多様性影響を評価する際には、最新の科学的知見を踏まえて評価を行うことと していますが、評価時点では予測できなかった環境の変化や承認以降の科学的知見の 充実により、承認された第1種使用規程に従って使用等を行っていたとしても、 生物多様性影響が生じないとは言えない状況に至ることがある可能性は否定できません。
2 このため、カルタヘナ法では、主務大臣は第1種使用規程に係る承認取得者に対し 必要な情報の提供を求めることができることとしており、また、国は遺伝子組換え生物等 及びその使用等により生ずる生物多様性影響に関する科学的知見の充実を図るため、 これらに関する情報の収集、整理及び分析並びに研究の推進などの措置を講じるよう 努めることととされています。
3 また、承認取得者に対しては、主務大臣から情報の提供を求められた場合に対応 できるよう、承認取得者が承認を受けた第1種使用規程に従って使用等を行っている 者に対し、その第1種使用等により生ずる影響に関する情報の収集を求めることも含め、 第1種使用等の状況、第1種使用等により生ずる影響に関する情報の収集に努める ことを求めています。
4 さらに、環境の変化や承認以降の科学的知見の充実により、承認された 第1種使用規程に従って使用等を行っていたとしても、生物多様性影響が 生じないとは言えない状況に至ったばあいには、第一種使用規程を変更又は 廃止しなければならないことになっています。
465 :
農NAME :2008/05/27(火) 20:13:33
遺伝子組換えダイズの隔離ほ場実験のお知らせ BASFアグロ株式会社は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多 様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づき、独立行政法人農業環境 技術研究所敷地内の隔離ほ場を借用し、本年7月から来年3月にかけてイミダゾ リノン系除草剤耐性ダイズ(CV127, OECD UI:BPS-CV127-9)の野外栽培試験を行 う予定です。なお、本栽培試験は、農林水産省及び環境省から第1種使用規程の 承認が得られた後に開始致します。 栽培計画書をご参照ください。 また、「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」に基づいた情報提供とし て近隣住民の方々を対象とした説明会を 5月31日(土)に開催させて頂く予定 です。説明会へ参加をご希望の方は、5月30日(金)(17:00)までに、お電話 または FAXにてお申し込みください。FAXには、「隔離ほ場試験説明会参加希 望」と明記頂き、「お名前」、「ご住所」、「お電話番号」をご記入ください。 ※ 5月28日(水)(17:00)までに参加お申し込みの方には、後日「参加証」 をお送りいたしますので、説明会当日、必ず受付までお持ち下さい。5月28日 (水)(17:00)以降にお申し込みの方は、当日受付にて、お名前をお伝えください。事前登録の確認をさせて頂いた後、受付にて参加証をお渡しいたしますので、よろしくお願い申し上げます。 日時 平成20年5月31日(土)14:00〜16:30 場所 ホテルニュー梅屋 光陽の間 (〒305-0861 茨城県つくば市谷田部5650-1) 交通 つくばエクスプレス みどりの駅より車で約5分 説明会に関するお問い合せ先 BASFアグロ株式会社 住民説明会受付事務局 / 電話番号:03-3224-6446/ FAX:03-5561-2921
1.遺伝子組換え農作物の第1種使用規程の承認は、その時点における最新の科学的知見 に基づき、生物多様性影響が生ずるおそれがないと認められるときに行われますが、 承認の時には予想することができなかった環境の変化等により生物多様性影響が 生じないとは言えない状況に至ることがある可能性は否定できません。
2.このため、こうした事態が生じた場合に備え、第1種使用規程の申請者に対し、 生物多様性影響が生ずるおそれがあると認められるに至った場合の緊急措置に関する 計画書を定めるように求めるとともに、こうした事態が生じた場合には迅速に必要な 措置をとるよう求めています。
3.緊急措置計画書では、 (i) 申請に係る第1種使用等の状況の把握方法 (ii) 申請に係る第1種使用等をしている者に緊急措置を講ずる必要があること及び 講ずべき緊急措置の内容を周知するための方法 (iii) 申請に係る遺伝子組換え生物等を不活化し又は拡散を防止する措置をとって その使用を継続するための具体的な措置の内容 (iv) 農林水産大臣・環境大臣への連絡の方法 を定めることとしています。
4.また、カルタヘナ法では、生物多様性影響が生ずるおそれがあると認められるに 至った場合には、主務大臣は、学識経験者の意見を踏まえ、第1種使用規程を変更又は 廃止するとともに、生物多様性影響を防止するため緊急の必要があると認めるときは、 生物多様性影響を防止するために必要な限度において、申請に係る第1種使用等をして いる者などに対し、その第1種使用等を中止することその他の必要な措置をとるべき ことを命令することができることとなっています。
いよいよ遺伝子組換え食品大量消費時代の到来だ
遺伝子組換え食品は安全
> ただ、消費者団体の間からは、遺伝子組み換え作物の安全性を不安視する声もあり 安全です
1 「隔離圃場」とは、我が国の自然条件の下で生育した場合の特性が科学的見地から 明らかではない遺伝子組換え農作物について、我が国の自然条件の下で生育した場合の 特性を明らかにするための試験栽培を行う圃場です。
2 隔離圃場は、以下の(1)の設備要件を満たす施設であることが必要であり、 さらにその施設では、(2)の作業要領に従った第1種使用等が行われることを 確保する必要があります。
(1)設備に関する要件 (i) フェンスその他の部外者の立入を防止するための囲い
(ii) 隔離圃場であること、部外者は立入禁止であることなどを記載した標識 (iii) 隔離圃場で使用した機械などを洗浄する設備など組換え農作物が隔離圃場の外に 意図せず持ち出されることを防止するための設備 (iv) 組換え農作物の花粉が広範囲に飛散することが想定される場合は、 防風林、防風網など花粉の飛散を減少させるための設備
(2)作業要領 (i) 組換え農作物及び比較対象の農作物以外の植物の隔離圃場内における生育を最小限度に抑えること。
(ii) 組換え農作物(隔離圃場内で栽培した組換え農作物以外の植物で、組換え農作物と 区別のつきにくいものを含む)を隔離圃場の外に運搬し、又は保管する場合は、 組換え農作物の漏出を防止すること (iii) 組換え農作物の栽培が終了した後は、組換え農作物を隔離圃場内で不活化すること (iv) 組換え農作物が隔離圃場で使用した機械・器具や作業に従事した者の靴などに 付着して、意図せずに隔離圃場外に持ち出されることを防止すること。
(v) (1)の隔離圃場の設備の機能を保持すること (vi) (i)から(v)の事項を第1種使用等を行う者に遵守させること (vii) 花粉が拡散する範囲内に影響を受ける可能性のある野生動植物等が生息又は 生育している場合は、その範囲を含む範囲内においてその野生動植物等への影響の 有無などの調査を実施すること (viii) 生物多様性影響のおそれがあると認められたときは事前に策定した 緊急措置計画書に従った措置を確実に講じること。
3 なお、隔離圃場で組換え農作物の栽培を行う場合も第1種使用規程の承認を 受けることが必要です。この場合、第1種使用規程において、隔離圃場の施設及び 作業要領の具体的内容を明示することが必要となっています。
1 農林水産省技術会議事務局技術安全課が2002年度から2003年度にかけて実施した 「原材料用輸入セイヨウナタネのこぼれ落ち実態調査」の中で、ナタネの輸入港周辺の 道路沿いで組換えナタネが生育していたことが確認されました。
2 我が国は、食用油の原料として、主にカナダ、オーストラリアからセイヨウナタネを 輸入しています。オーストラリアでは組換えナタネの商業栽培は行われていませんが、 カナダではナタネ栽培面積の大半が組換えナタネであり、我が国が輸入するカナダ産の ナタネには相当量の組換えナタネが含まれていると考えられます。今回、港周辺の 道路沿いで生育が確認された組換えナタネは、原材料用としてカナダから輸入された セイヨウナタネ中に含まれているものが、何らかの原因で環境中に逸出し、 生育したものであると考えています。
3 原材料用の輸入セイヨウナタネがどのような原因で環境中に逸出したのかは 特定できませんが、同様のことはカナダから原材料用セイヨウナタネを輸入している 他の港周辺でも生じている可能性は否定できません。
4 なお、2003年度までは、組換え農作物の環境への安全性の確認を 「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」に基づき、 農林水産大臣が確認してきましたが、この中で、栽培を目的としない、 原材料用として輸入する場合についても、何らかの原因で環境中に 逸出することを想定して、環境への影響を評価し、その安全性を 確認してきたところです。今回、生育が確認された組換えナタネも このような安全性の確認を受けている系統に属するものです。 カルタヘナ法上も経過措置が適用され、使用が認められているものです。 また、食品衛生法や飼料安全法の安全性の確認も受けている系統に属するものです。
1.遺伝子組換え農作物を食品として利用する場合、厚生労働大臣が定めた食品としての 安全性を審査する手続きを経ることが食品衛生法上義務づけられています。
2 食品安全委員会では、科学的に食品安全性の評価を行っています。組換え食品の 安全性の評価は、食品安全委員会が検討し、決定した評価基準、評価の考え方等に 基づき行われます。現在、種子植物の場合の安全性の評価基準、評価の考え方等が 「遺伝子組換え食品(種子植物)の安全性評価基準」、「遺伝子組換え植物の 掛け合わせについての安全性評価の考え方」として決定されています。
多能性細胞から外胚葉への分化を決定する遺伝子を解明 - ES細胞の分化制御に新しいメカニズムを導入 - 平成20年5月30日 ◇ポイント◇ * 神経や皮膚の共通前駆細胞である外胚葉細胞へ分化する決定因子を発見 * ES細胞などの多能性幹細胞の初期分化でも、この因子が働く * ES細胞などから選択的に神経や皮膚へ分化する誘導法の開発に貢献 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、脊椎動物の初期胚の発生過程で、 神経細胞や皮膚表皮細胞などを生み出すもととなる外胚葉細胞の分化を決定する因子を 発見しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)細胞分化・ 器官発生研究グループの笹井芳樹グループディレクター、笹井紀明研究員を中心とした 研究グループによる成果です。 研究グループは、アフリカツメガエルや哺乳類の胚性幹細胞(ES細胞)などを用いて、 神経細胞の分化過程を研究し、その分化を試験管内で誘導できる実験系を確立して きました。しかし、初期胚の細胞やES細胞などの多能性細胞※1から神経細胞へ分化する 過程で最初に生まれる外胚葉細胞(神経や皮膚の共通前駆細胞)の分化がどのように 制御されているかは、これまで明らかになっていませんでした。 研究グループは、まずアフリカツメガエルの系を用いて、多能性細胞から外胚葉への 分化を促進する外胚葉決定因子を機能スクリーニング法※2で同定し、それが 「XFDL156※3」というZn(ジンク)フィンガー型核内タンパク質※4であることを 明らかにしました。XFDL156は外胚葉に特異的に発現し、その分化を選択的に促進 します。逆に、XFDL156の機能が阻害されると、外胚葉の発生が起こらないことを 突き止めました。さらに、哺乳類のES細胞からの外胚葉分化の過程でも、 XFDL156相同因子が同様の働きをしていることも明らかにしました。 今回の研究成果は、脊椎動物の初期発生機序の大きな謎であった外胚葉形成の 分子機構を初めて明らかにした点で非常に重要です。同時に、この研究を応用する ことで、ES細胞などの多能性幹細胞※5からの外胚葉由来細胞(神経系細胞など) へのより選択的な分化誘導法の開発が促進されることが期待できます。 本研究成果は、米国科学誌『Cell』(5月30日号)に掲載されます。
1. 背景 哺乳動物を含む脊椎動物の初期胚過程では、受精卵が分裂を繰り返し、すべての 種類の体細胞に分化可能な細胞集団、すなわち多能性細胞を多数生じます。哺乳類の 胚の場合、この多能性細胞は内部細胞塊※6と呼ばれ、その性質を保ったまま細胞株 として樹立したものが、胚性幹細胞(ES細胞)です。その技術的な確立によって、 英国カーデイフ大学のマーチン・エバンス教授は2007年のノーベル医学生理学賞を 受賞しました。カエルなどの両生類では、多能性細胞はアニマルキャップ細胞※7と 呼ばれ、脊椎動物の初期発生の研究に多用されています。 多能性細胞の形成に続いて、この多能性細胞から体細胞※8への系統的な分化が 起こりますが、その最初の過程が胚葉形成です。胚葉形成では、外胚葉、中胚葉、 内胚葉という3種類の細胞への分化決定が起こります。さらに発生が進むと、 外胚葉からは神経系組織、皮膚表皮組織、感覚組織などが、中胚葉からは筋肉組織、 骨格組織、血液組織、結合組織などが、さらに、内胚葉からは消化器、呼吸器などが 発生していきます(図1)。 このように3つの胚葉への分化決定は、多能性細胞から体細胞への分化の初発段階で、 体細胞の多様性を生み出す制御系の最も重要な分岐点となっています。これまで、 両生類やマウスの研究から、多能性細胞から中胚葉と内胚葉への分化は、Nodalと 呼ばれる分泌性タンパク質などが作用することで、制御されていることがわかって いましたが、外胚葉への分化の制御機構は不明な点が多く、謎のままでした。例えば、 外胚葉は、中胚葉と近接した部位から発生し、 Nodalなどの中胚葉分化誘導因子※9に さらされているにもかかわらず、なぜか中胚葉にはならず、外胚葉になりますが、 この疑問に対する明確な答えは得られていませんでした。
2. 研究成果 (1) 外胚葉決定因子の同定 こうした疑問に答えるため、研究グループは、外胚葉の分化決定因子の同定を 試みました。まず、胚葉決定研究が最も進んでいるアフリカツメガエルの系を用いて、 その外胚葉分化を促進し、中胚葉分化を抑制する遺伝子を探索しました。外胚葉で 発現する約2万種類の遺伝子(RNA)をカエル胚への微量注入する方法により機能的に スクリーニングを行ないました。今回そのうちの1つが外胚葉の分化を促進し、 中胚葉の分化を抑制する活性を持ち、しかも外胚葉に特異的に発現していることを 見いだしました(図2)。その遺伝子は、「XFDL156」という核内タンパク質を コードしていました。 XFDL156をアフリカツメガエルの胚に大量発現させると、胚のなかで外胚葉が拡大し、 そのかわりに中胚葉が縮小しました。逆に、アンチセンス法※10を用いて、 XFDL156の活性を胚の中で抑制すると、外胚葉の発生ができなくなり、外胚葉になるべき 部分が中胚葉に変わりました(図3)。 さらに詳細にXFDL156の活性を調べたところ、XFDL156は多能性細胞 (アニマルキャップ細胞)が外胚葉になるか中胚葉になるかという分岐点で、 外胚葉へ分化することを決定するスイッチ遺伝子として働くことが判明しました。 XFDL156が強く働くと、多能性細胞はNodalなどの中胚葉分化誘導因子にさらされても、 中胚葉にはならず、外胚葉に分化しました。逆に、XFDL156が働かない場合には、 微量の中胚葉分化誘導因子にでも反応して、多能性細胞は外胚葉ではなく中胚葉に 分化しました。
(2) 外胚葉決定因子XFDL156ががん抑制遺伝子p53を阻害する 次に、研究グループは、外胚葉決定因子XFDL156の作用メカニズムを明らかに しました。その結果、面白いことに、XFDL156はがん抑制遺伝子「p53※11」に 核内で結合することが明らかとなりました。p53はがん抑制遺伝子として働くほか、 生体内で分化制御や細胞死の制御など多様な働きをしています。胚葉形成では、 p53は中胚葉分化に必要であることがわかっていましたが、その制御機構は全く 不明でした。XFDLがp53に結合し、その働きを阻害することで、中胚葉分化を抑制し、 外胚葉分化を促進していることが明らかとなりました。
3) 哺乳類の多能性幹細胞からの外胚葉分化にも同様の制御因子が働く さらに、研究グループは、同様の外胚葉決定因子が哺乳類の多能性幹細胞からの 分化にも働くのかを調べました。その結果、マウスのES細胞から外胚葉に分化する 過程で、XFDL156のマウスの相同遺伝子であるZfp12とZfp74が外胚葉細胞に発現すること がわかりました。アフリカツメガエルのXFDL156と同様に、Zfp12とZfp74はp53に結合し、 多能性幹細胞からの中胚葉分化を抑制し、外胚葉分化を促進することを突き止めました。
3. 今後の展望 今回の研究成果により、XFDL156およびその関連因子が、これまで不明であった 脊椎動物の外胚葉決定因子として働くことが判明しました。基礎研究的な観点からは、 「受精卵が分裂し生じる単純な多能性細胞から、どのようにして脊椎動物の複雑な体の 形成が発生するか」という生物学の根本的な問題に関係して、新しい制御メカニズムを 導入できたことが最も重要な意義となります。また、XFDL156およびその関連因子が、 がん抑制遺伝子p53を抑制することも非常に興味深い知見で、発生のみならず、がんや 細胞死の制御機構にもXFDL156関連遺伝子が関与する可能性も示唆されることに なりました。 医学的な観点からは、ES細胞などの多能性幹細胞からの外胚葉への分化の制御機構が 分子レベルで明らかになったことは、重要な成果です。多能性幹細胞からの分化制御は、 これらの細胞の再生医療への応用を考える上で、基盤となる技術となります。しかし、 ES細胞などの多能性幹細胞からの有用細胞への分化誘導は、最近急速に研究が進展した ものの、狙った細胞にだけ分化させることはいまだ不可能です。最も効率よく分化 できる神経分化でも9割程度の成功率で、残り1割程度の分化は制御できず、不要な 混入細胞を生じるという問題を発生しています。こうした混入細胞は、がん化を 含めた副作用を起こすリスクを高めることが懸念されています。今回、神経系細胞や 皮膚表皮細胞に分化する一歩手前の前駆細胞である外胚葉への分化決定因子を 同定することができました。この分化決定因子の発現や働きを強化することで、 ES細胞などの多能性幹細胞から、より選択的に神経系細胞や皮膚表皮細胞に分化させ、 純度の高い有用細胞を産生する技術の確立に貢献すると考えています。
1 飼料として利用する遺伝子組換え農作物(遺伝子組換え飼料)については、 「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」に基づき、有害畜産物の生産防止、 家畜に被害が生じることによる畜産物の生産阻害の防止の観点から安全性確認を行うこと が義務づけられています。 遺伝子組換え飼料の安全性確認の手続きは、以下のとおりです。 (i) 確認を受けようとする者が、農林水産大臣に申請書及び安全性の確認に必要な資料を提出。
(ii) 農林水産大臣は、申請に係る遺伝子組換え飼料の使用に伴い有害畜産物が 生産され、又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害される おそれがないと認める場合には、安全性を確認。 確認を行う場合には、農業資材審議会の意見を聴取するとともに、「食品安全基本法」に 基づき、申請に係る飼料を家畜が摂取することに係る畜産物の人の健康への健康影響評価 について食品安全委員会の意見を聴取。
(iii) 農林水産大臣は、確認を行ったときは、その旨を公表。 という流れになっています。
2 遺伝子組換え飼料の家畜等に対する安全性の確認の審査は、「組換えDNA技術 応用飼料及び飼料添加物の安全性審査基準」に基づいて行われています基本的には、 遺伝子組換え食品の安全性評価の場合と同様に、遺伝子組換え飼料が既存のもの (宿主植物)と同等と見なしうると判断できるかどうかが安全性審査の出発点となり、 同等と見なしうると判断できれば、既存のものとの比較において安全性審査を行う ことができるという考え方です。
3 遺伝子組換え飼料の家畜等に対する安全性の確認の審査は、具体的には、 (1)遺伝的素材(宿主、遺伝子供与体、挿入遺伝子)、家畜等の安全な飼養経験 (宿主植物による広範囲な家畜等の飼養経験の有無)、飼料の構成成分等(宿主植物 及び組換え飼料の構成成分の種類及びその量、毒性物質・抗栄養素の種類及びその量)、 既存のものと組換え飼料との使用方法の相違を総合的に判断し、組換え飼料が既存の ものと同等と見なしうるか(比較対象として用いることができるか)どうか判断します。
2)既存のものとの比較において、挿入遺伝子の安全性、挿入遺伝子により産生される タンパク質の有害性の有無、遺伝子産物の毒性の有無、遺伝子産物の物理化学的処理に 対する感受性、遺伝子産物の代謝経路への影響の有無、栄養素や有害生理活性物質等に 関する宿主との差異などについて審査されます。
(3)これらの審査は、申請者が申請の時点で提出した審査に必要な実験データ等に 基づき行われますが、審査はその情報の信頼性も含め、科学的に妥当なものであるか 否かについても審査されます。また、必要な場合には追加の情報を申請者に提出させる こととなっています。
4 なお、遺伝子組換え飼料を家畜が摂取することに係る畜産物の人の健康への評価に ついては、食品安全委員会が行うこととなっており、食品安全委員会では、2004年5月に 「遺伝子組換え飼料及び飼料添加物の安全性評価の考え方」を決定しています。
遺伝子組換え食品は、JAS法(遺伝子組換え食品に関する表示に係る加工食品品質 表示基準第7条第1項及び生鮮食品品質表示基準第7条第1項の規定に基づく 農林水産大臣の定める基準。)及び食品衛生法(食品衛生法施行規則。)に基づき、 遺伝子組換え農産物とその加工食品について表示ルールが定められ、 2001年4月から 義務化されました。
1 栽培実験指針は、 (i) 組換え農作物の開発などの研究については、情報を公開し、 国民の理解を得るよう努めながら推進することが重要であること (ii) カルタヘナ法により生物多様性を損なうおそれがないものとして、 国内の隔離圃場や一般の圃場で栽培することが承認された組換え作物であっても、 一般農家の栽培する組換えでない作物との交雑が生じた場合に、生産・流通上の 混乱が生じかねないこと
を考慮し、独立行政法人の試験研究機関が、組換え作物を用いた野外での栽培実験を 行う場合に、執るべき交雑・混入の防止措置及び国民への情報提供について 定めたものです。 これにより、国民への情報提供を行いながら、組換え農作物が一般の農家が栽培する 農作物と交雑すること、組換え農作物が研究所内で栽培している他の実験材料などに 混入することを防止し、独立行政法人が行う栽培実験に対する安心を確保することが 目的です。
2 なお、栽培実験指針は、カルタヘナ法に基づき承認された第1種使用規程に 記載されている組換え作物を用いて行う栽培実験を対象に、その実施に当たっての 交雑・混入防止や情報提供について定めたものであり、カルタヘナ法とは別の 観点で定めたものです。
1 隔離距離は、これまでに報告のあった科学的なデータに基づき「交雑が生じない」と 考えられる隔離距離としているところであり、この措置によれば交雑は防止できると 考えています。
2 具体的には、花粉源からの距離と交雑率に関して、国内外の信頼できる文献を 可能な限り収集し、適用可能と考えられる文献を基礎に隔離距離の検討を行いました。 これらの文献データは、異なる品種、地域、栽培条件、気象条件等で得られたもので、 これらの要因による交雑率への影響を反映したものとなっています。
3 根拠としている交雑率は自然条件下での実験結果によるものであることから、 自殖性、他殖性、風媒、虫媒といった諸々の要素を含んだものとなっています。 このため、隔離距離は交雑に及ぼす様々な要因を反映したものとなっています。
4 なお、トウモロコシ、西洋ナタネでは、栽培実験指針で定めた隔離距離を超えて 交雑したという文献データもありますが、そのデータは海外で行われた大規模の 圃場試験で得られたものです。我が国で予想される栽培実験は、その圃場規模が 小さいため、花粉の飛散量、飛散距離とも極めて小さくなり、交雑の機会も極めて 低いと考えます。
以上のことから、トウモロコシ、西洋ナタネについても、本指針の交雑防止措置を 採ることにより、交雑防止はできると考えています。
仮に、研究所外に交雑が生じた可能性が認められる場合には、周辺農家・農協に 連絡するとともに、その協力を得て、農産物について交雑の有無を速やかに 検査する等の対応をとることとなります。
1 独立行政法人が行う遺伝子組換え作物の栽培実験に関する情報は、栽培実験を 実施する独立行政法人のホームページで公開しています。
2 また、農林水産技術会議事務局のホームページでも、各独立行政法人が 実施している栽培実験の計画書を公開しています。
1.1999年5月20日のネイチャー誌において、米国コーネル大学のLoseyらが、 トウモロコシの害虫であるアワノメイガなどのチョウ目昆虫に有害なタンパク質 (Btタンパク質)を産生する害虫抵抗性組換えトウモロコシの花粉を、オオカバマダラ (アメリカ国民に最も愛されているチョウ目昆虫の1種)に摂食させたところ、幼虫の 44%が死亡し、生存した個体の生育も阻害されたと報告するとともに、遺伝子組換え 技術を用いたBtトウモロコシに係る安全性評価に必要なデータを集める必要があると 指摘しました。
2.Loseyらの実験に用いられた害虫抵抗性組換えトウモロコシは、アワノメイガなどの チョウ目昆虫に対して特異的な殺虫性を示すものであり、またオオカバマダラもチョウ目 昆虫であるため、この害虫抵抗性組換えトウモロコシの花粉を人工的に摂食させれば オオカバマダラにも影響を与えることは予想されたことですが、この報告は組換え 農作物が野生生物に影響を及ぼす事例として世の中の注目を集めることとなりました。
3.一方、研究者や産業界からは、この報告はあくまで実験室内での基礎的な研究で あって、実際の影響については、花粉の飛散時期とオオカバマダラ幼虫の活動時期が 異なること、実際の圃場では、トウワタに付着する花粉の量は少ないことなどから、 オオカバマダラへの影響は実際上無視しうる程度であるとのコメントが寄せられました。
4.我が国でも、当時、農林水産分野等における組換え体の利用に係る環境安全性の 評価を行っていた農林水産技術会議の組換え体利用専門委員会の植物小委員会が、 Loseyらの報告について科学的な見地から検討を行いました。 植物小委員会は、
(i) Loseyらの報告は、トウモロコシ栽培ほ場の中のトウワタに付着した花粉の密度で 実験されたものではなく、ほ場外の自然条件下では組換えトウモロコシの花粉は飛散して 距離が離れるほど密度が低下すること、トウモロコシの花粉が飛散する期間は1週間から 10日程度とごく短期間であることから、本実験結果をもって直ちに、組換えトウモロコシ が自然の昆虫相に影響を与えると結論づけることは適切でないと判断されました。
(ii) しかし、トウモロコシを大面積で栽培したほ場の近傍にチョウの生息地が在る 場合には、論文で示された懸念が生じる可能性があるため、そのような想定も含め、 周辺生物への影響を検討する必要がある、 との見解をまとめています
5.現在、我が国では、カルタヘナ法の生物多様性影響評価実施要領に基づき評価を 行うこととなっています。カルタヘナ法のもとでの生物多様性影響評価では、 Btトウモロコシが発現するBtトキシンに感受性のある野生動植物への影響の具体的な 内容や、自然環境下での当該影響の生じやすさを詳細に検討し、その結果を踏まえて 生物多様性影響が生ずるおそれの有無を判断することとなっています
DNAの遺伝情報を読み取ってたんぱく質をつくるRNAを光で捕まえて
長期保存する世界初の技術を、北陸先端科技大学院大の藤本健造
准教授が開発した。
体内ですぐに分解されるため謎の多いRNAを保存することで、あらゆる
生命現象や、遺伝子がかかわるがんなどの診断に役立つという。
藤本准教授は三日までに特許を出願し、大手メーカーが診断装置の
実用化に乗り出した。
DNAを生命の設計図とすると、そのコピー版がRNAである。原本の
DNAは傷つかないよう大切に保管されているため、実際に生き物を
形作り、生命機能を維持するのに必要なたんぱく質はRNAの情報に
基づいてつくられる。
RNAの複雑な機能を知るには細胞内から調べたいRNAを取り出して
解析する必要があるが、不安定な構造のため、情報通りにたんぱく質が
作られるとRNAはすぐに分解されてしまう。
早いものでは数分で消え、その機能を確かめるのは非常に困難だった。
藤本准教授は、ある波長の光に反応してRNAと結び付く物質を開発。
溶液にRNAとその物質を入れて光を当てる「光クロスリンク反応」によって、
RNAを二本鎖の安定した形で捕らえることに世界で初めて成功した。
このRNAは冷凍や加熱にも強く、数週間以上の保存に耐えうるため、
実用化されれば解析が飛躍的に進むと予想される。今後は大手メーカーと
光RNA解析装置の共同開発を進める予定で、藤本准教授は「すべての
生命現象の鍵を握るRNAが解析できれば、見逃していた病気の発生
メカニズムなども明らかになる」とさらなる研究に意欲を燃やしている。
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20080604102.htm 北国新聞 2008年6月4日03時34分
※ご依頼いただきました
549 :
農NAME :2008/06/05(木) 16:09:45 BE:2325996689-2BP(75)
8年目っすか
1 1989年、米国内で、トリプトファン(アミノ酸の一種で、動物の体内では合成する ことができないため、食品等を通じて摂取する必要があります)を主成分とする食品を 摂取した人の中に健康被害(筋肉痛、呼吸不全等)が発生したものです。
2 このトリプトファンが組換え微生物を利用して生産されたものであったことから、 遺伝子組換え技術の安全性を危惧する声もありましたが、食品中からいくつかの 不純物が発見されており、また、この問題が生じた直前に製造工程が簡略化された 事実があることから、これら不純物の除去が不十分であったことが原因ではないかと いわれています。その後、我が国の厚生省でも調査研究が行われましたが、これらの 不純物は遺伝子組換え技術と直接関連性があるとは言えないとしています。
1 この事件は、2002年11月、米国のプロディジーン社が開発した医薬品産生組換え トウモロコシが食用のダイズに混入した事件で、同社は厳しく処罰されました。 また、 ダイズは当局に差し押さえられ、市場には流通しませんでした。
2 このトウモロコシを栽培した実験農場には、翌年に大豆が栽培されていましたが、 畑の土に残っていたトウモロコシの種子が芽を出しているところを、巡回していた 米国当局が発見し、トウモロコシを取り除くよう指導しました。しかし、トウモロコシが すべて取り除かれる前に、大豆が収穫されてしまったため、市場に流通されないよう 貯蔵施設を差し押さえました。
3 同社は、「次年度の実験圃場(畑)も注意深く監視しなければならないという 許可条件を満たさなかった」として、罰金の支払いと組換えトウモロコシが混入していた ダイズの保管、焼却、施設の清掃費用および補償金を負わされました。
1 2000年9月、アメリカにおいて、「遺伝子組み換え食品警報」(消費者・環境団体) により、食品としては認可されていない遺伝子組換え害虫抵抗性トウモロコシ 「スターリンク」が、食品中に混入していることが確認された事件で、食品会社の リコールにより、回収処分となりました。 開発会社であるアベンティス社(現バイエル・クロップサイエンス社。ただし、 スターリンクについてはスターリンクロジステックインコーポレーテッド社が継承)は、 「食品用としての承認が得られるまでの間は、スターリンク・トウモロコシの種子の 販売を停止する」旨の声明を出しました。
2 このトウモロコシは、Cry9Cというタンパク質を産生するよう組み換えられています が、この蛋白質がアレルギーを引き起こさないことの確証が得られなかったため、米国で は食品としての認可は得られませんでした。(飼料としては認められています。
3 当時(現在も)日本では、食品・飼料のどちらにおいても、「スターリンク」の 使用は、承認されていませんでしたが、同年10月には、市民団体から日本の食品からも 検出されたとの指摘が出されました。
4 アメリカでの事件および、日本での混入指摘を受けて、安全性が未承認の 遺伝子組換え品種が飼料や食品に混入していないかどうか、厚生労働省・農林水産省に おいてモニタリング検査が開始されました。アメリカにおいては日米合意に基づき、 輸出前検査が実施されています。 なお、飼料に関するモニタリング検査の結果は、独立行政法人肥飼料検査所 ホームページでご覧になれます。
5 また、2002年11月26日付けで「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令」を 改正し、飼料が組換え体を含む場合は、安全性について農林水産大臣の確認を受けたもの でなければならない(ただし、我が国と同等又はそれ以上の水準の安全性に関する審査の 制度を有する外国政府の審査により安全性が確認されているものについて、組換え体の 混入率が1%以下の場合はこのかぎりでない。)ことを定め、2003年4月1日から 適用されたところです。
1 1998年8月、英国のロウェット研究所のProf.Arpad Puztaiが、同国の テレビ番組で、レクチン合成酵素遺伝子を組み込んだジャガイモをラットに 食べさせたところ、ラットの免疫力が低下し、発育不全が見られたと発表しました。
2 ロウェット研究所がProf.Paztaiの報告を精査するために設置した調査委員会は 「Prof.Paztaiのデータでは、レクチン合成酵素遺伝子を組み込んだ組換えジャガイモを ラットが食べて、成長、臓器発達、免疫機能に影響があったとの結論に至らない。」との 調査報告を発表しました。
1 この訴訟は、モンサント社がカナダのナタネ生産者Percy Schmeiser氏に対し、 同社が特許権を有している遺伝子を導入した除草剤ラウンドアップ耐性ナタネを無許可で 栽培した(1998年:約400ha)こと等により特許権を侵害したとして、損害賠償(約140万 円)及び当該ナタネの栽培による利益(約950万円)の支払い等を求めて提訴したものです。
2 Schmeiser氏は、意図的にラウンドアップ除草剤耐性ナタネを栽培したものではない と主張しましたが、2001 年、カナダ連邦裁判所は、除草剤ラウンドアップに耐性を持つ と知りながらナタネの栽培・販売を行っていたSchmeiser氏の行為は特許権侵害に当たる とし、当該ナタネの栽培による利益として約180万円をモンサント社に支払うよう Schmeiser氏に命じました。
3 Schmeiser氏は、侵害行為の認定等について控訴しましたが、2002年に棄却されました。
4 さらに、Schmeiser氏はカナダ最高裁判所に上告しました。2004年、 カナダ最高裁判所は、特許権侵害を認めた下級審の判決は妥当であると 判断しました。ただし、Schmeiser氏は1998年の栽培でラウンドアップを 散布しなかったので、当該ナタネの栽培による利益をモンサント社に支払う 必要はないことになりました。
1 ロシア科学アカデミー高次機能・神経行動学研究所所属のイリーナ・エルマコヴァ (Irina Ermakova)博士が、2005年10月にロシア遺伝子組換えシンポジウムにおいて、 『除草剤耐性遺伝子組換え大豆を食べたラットから生まれたラットの死亡率が高く成長も 遅かった(予備実験)』と発表し、英国Independent紙が取り上げたことから話題となり ました。
2 英国食品基準庁新規食品と製造工程に関する諮問委員会(ACNFP)は2005年12月、 この研究に関して 『結果を説明できる理由は遺伝子組換え大豆か否か以外にも多数想定され、 多くの重要な情報がない以上、この実験から結論を引き出すことはできない』 とする声明を出しています。
3 マウスに対する遺伝子組換え大豆の影響を4世代にわたり確認した実験では影響は 認められていません(Brake, D.G., and D.P. Evenson. 2004. /Food Chemistry and Toxicology/42:29-36)。
4 国際アグリバイオ事業団(ISAAA、
http://www.isaaa.org/ )によると、2005年
世界の大豆の栽培面積の約60%が遺伝子組換え大豆です。そしてその多くが食用油を
搾った後に牛や豚などの家畜飼料として用いられていますが、家畜の子供に影響を
及ぼす等の問題は生じていません。
5 日本国内に輸入・流通・販売されている遺伝子組換え食品は全て、食品安全委員会の 専門家が科学的知見に基づき安全性を評価しており、食品としては安全性が確認されたものです。
6 なお、農林水産省では引き続き、この実験内容に関する情報収集を行うこととしています。
多発性硬化症の治療薬に道 発症の仕組み解明
中枢神経の一部が炎症を起こし、視覚や運動などさまざまな障害が出る難病「多発性硬化症」は、
特定の遺伝子の働きが高まることで炎症を起こす物質が放出されて発症するという仕組みを国立
精神・神経センター神経研究所の山村隆部長らが解明、9日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に
発表した。
この遺伝子を標的にすれば、病気の進行を抑える薬の開発につながるという。
多発性硬化症は免疫機能の異常で、脳や脊髄の神経細胞を結ぶ細長い軸索を取り巻く「さや」の
部分に炎症が起きて発症。リンパ球の一種、T細胞が中枢神経に入り、さやを攻撃することが原因と
されるが、詳しい仕組みは不明だった。
山村部長らは、多発性硬化症の患者で働きが活発になっている「NR4A2」という遺伝子に注目。
マウス実験などで、この遺伝子がつくるタンパク質が、炎症を引き起こすサイトカインという物質の
分泌に関与していることを突き止めた。
この遺伝子の働きを弱めるとサイトカインの分泌が減り、病気のモデルマウスの症状が軽くなった。
2008/06/10 11:42 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008061001000315.html
遺伝子3種類で「インスリン」細胞…マウスで米大教授ら成功
【フィラデルフィア(米ペンシルベニア州)=矢沢寛茂】膵臓(すいぞう)に3種類の遺伝子を
入れるだけで、血糖値を下げるインスリンを分泌するベータ細胞を作り出すことに、
米ハーバード大のダグラス・メルトン教授らのグループがマウスの実験で成功した。
11日、当地で始まった国際幹細胞研究学会で発表した。様々な組織の細胞に変化する
胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞(iPS細胞)を使わずに簡単につくることができ、
ベータ細胞が破壊され、インスリンを作れない1型糖尿病の治療への応用が期待される。
メルトン教授らは、遺伝子操作でベータ細胞を作れないようにしたマウスの膵臓に、ウイルス
を運び役にして膵臓に関連した遺伝子を注入。1100種類を試し、受精卵から膵臓ができる
過程で働いている3遺伝子がベータ細胞を効率よく作るのに欠かせないことを突き止めた。
この3遺伝子を入れた2割のマウスで、膵臓の95%を占める外分泌細胞の一部が、ベータ
細胞と極めて似た細胞に変わった。インスリンが分泌され、血糖値が下がるのも確認された。
直接、ベータ細胞の状態に変わったとみられる。
1型糖尿病患者は、インスリンを注射するしか血糖値を調節できないため、ベータ細胞を
ES細胞やiPS細胞などから作製する研究が世界中で行われている。メルトン教授は、
「狙った細胞を体内の狙った場所に作れることが分かった。とてもミラクル。神経や肝臓細胞
などにも応用できるのでは」と話している。
(2008年6月12日14時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080612-OYT1T00507.htm
遺伝子は食べられます。魚や肉、野菜などのすべての細胞の中に、遺伝子は入っていて、 私たちは毎日、たくさんの遺伝子を食べています。
遺伝子は、生き物すべての細胞の中に入っています。
例えば、人の体は60兆個を超える細胞からできていますが、その細胞の一つひとつの 核の中に染色体が存在しています。この染色体に親から子へと受け継がれていく遺伝を 司るDNAという物質が含まれているのです。 DNAには、どんな蛋白質を造るのかを 指示した遺伝情報が暗号化されています。DNAの中で、遺伝のための役割を実際に 果たしているものだけを遺伝子と呼んでいます。
このようにDNAは「いのちの設計図」として働きます。生物によって、細胞の数や 遺伝子の量、並び方こそ違いますが、DNAの構造や遺伝情報の暗号化と解読の しくみなどは、地球上に住む全ての生物に共通しています。
私たちの食卓に並ぶ魚や肉、野菜などの細胞の中にも、もちろん遺伝子は入っています。 いったんそれを口に入れると、遺伝子組み換え食品でも遺伝子組み換えでない食品でも、 遺伝子がつくった蛋白質は消化酵素によって分解されます。また、遺伝子そのものも 蛋白質とともに分解されます。
「遺伝子組み換え」と聞くと、何だかDNA全てが組み換えられているようなイメージが ありますが、ただやみくもに遺伝子を組み換えている訳ではありません。他の生物から 採ってきた有用な遺伝子だけを、DNA配列の中に加えるものです。
遺伝子組み換え技術とは、ある生物がもつ有用な遺伝子を、他の生物のDAN配列の中に 組み入れて、新たな性質を加える技術です。農業場面においては、品種の改良の為に 使われます。別の生物が、品種改良の為に役立つ遺伝子を持っている場合、その遺伝子 だけを取り出してきて、品種改良したい作物に加えるのです。
例えば、既に開発されている「ゴールデン・ライス」は、体内でビタミンAになる βカロチンの合成にかかわる遺伝子を、おコメに導入したものです。できたおコメは βカロチンを多く含むため黄金色をしていることから、この名前がつけられました。 現在、発展途上国を中心に世界中の約4億人がビタミンAの欠乏に苦しんでいると いわれています。ゴールデン・ライスは主食となるおコメからビタミンAをとることが でき、多くの人の栄養状態を改善することが期待されています。
このように「より優れた農作物をつくりたい」とする目的は、これまで行われてきた 交配などの品種改良技術と同じです。違うのは、必要とする遺伝子だけを農作物に 組み入れることができることで、この点からいえば交配などの品種改良よりも 効率がよいといえます。
禁煙の成功には遺伝子が大きく関わっていることが、新しい研究で示された。 米国立薬物乱用研究所(NIDA)のGeorge R. Uhl博士率いる研究グループにより、 ニコチン補充療法(nicotine replacement therapy)や禁煙薬bupropionブプロピオン (商品名:Zyban、日本国内未承認)による禁煙治療の成否の可能性を示す 指標となる複数の遺伝的変異が特定(同定)されたという。 Uhl氏によると、禁煙の能力に遺伝的要素(inheritable component)が含まれて いることを示す多数の証拠があるという。「単独で喫煙に関わる遺伝子はなく、 多大な影響を及ぼす遺伝子もないが、禁煙能力の個人差をもたらす複数の 異なる遺伝子を特定した」と同氏は述べている。 今回の研究は、米国立衛生研究所(NIH)、たばこ会社フィリップ・モリスおよび 製薬会社グラクソ・スミスクラインの支援により実施されたもので、医学誌「Archives of General Psychiatry」6月号に掲載された。 Uhl氏のチームは、禁煙に関する研究に参加した喫煙者550人のDNAを解析。 被験者には、ニコチン補充療法、喫煙に有効とされる抗うつ薬Zyban (※編集注= もともとは抗うつ薬として開発されたが、服薬者で喫煙欲が減退する傾向が 認められたため、禁煙薬としてリパッケージして販売)ないしプラセボ(偽薬)の いずれかが無作為に割り付けられていた。その結果、41の遺伝子変異体が ニコチン補充療法での禁煙に成功した喫煙者と関連しており、26の遺伝子が Zybanによる禁煙の成功と関連していることがわかった。 Uhl氏は、このような遺伝子変異だけでは禁煙治療の成否を予測するには 不十分だとしつつも、この知見により、禁煙治療への反応が人によって異なる 理由が説明できると述べている。 同氏らは現在、この情報を用いて禁煙治療の効果を増大させることができないかを 検討中。将来的には、特定の禁煙治療に反応しやすい喫煙者を知ることによって、 個人に合わせて治療法を調整できるようになる可能性もある。
遺伝子組み換え技術を使った方が、より確実に、より効率よく改良を行えます。また、 種にとらわれる事なく、有用な遺伝子を幅広い生物の中から選んで利用する事が 可能となります。
私たちが現在、口にするおコメや野菜は、どれも品種改良によって得られたものです。 例えばトマトは、元々は今のプチトマトよりもはるかに小さくて硬いものだったのが、 原産地の南米でインカ帝国の時代に品種改良が行われ、ヨーロッパで更に改良されて、 現在のトマトになりました。
しかし交配では、病気に強い遺伝子をもつ植物を探してかけ合わせても、味が劣るなど 不要な性質までついてくることもあって、なかなか「おいしくて、大きくて、病気に強い 農作物」というゴールには行き着きません。したがって、何度もかけ合わせを行い、 選抜を繰り返さなくてはならないのです。
そこで、登場したのが遺伝子組み換え技術です。この技術を用いれば、ある生物がもつ 遺伝子のうち有用な部分だけをつけ加えることができるため、早く、しかも確実に ゴールにたどり着きます。ゴールデン・ライスのように、種にとらわれずに有用な 遺伝子を利用できるため、これまでの品種改良では不可能だった新しい品種を開発することも可能となります。
細胞が卵子や精子(生殖細胞)になるのに必要な遺伝子の働きを、理化学研究所
(神戸市)の斎藤通紀(みちのり)・哺乳(ほにゅう)類生殖細胞研究チームリーダーと
栗本一基特別研究員らがマウスの細胞を使った実験で解明した。
この遺伝子は細胞が一般的な細胞(体細胞)に変化するのを防ぐブレーキ役をしていた。
さらに、生殖細胞にとって重要な、どんな細胞にも変化できる能力(多能性)の維持に関係していた。
15日付の米科学誌「ジーンズ・アンド・デベロップメント」に論文が掲載される。
斎藤さんらは、生殖細胞形成に重要だとみられた遺伝子「Blimp1」を、人為的に
欠損させた受精卵を作り、正常な受精卵と比べた。
その結果、正常な受精卵は受精後6〜8日で、一部の細胞が生殖細胞に向かって変化し始めた。
一方、Blimp1のない受精卵では、生殖細胞になるはずの細胞で、皮膚や骨などの
基になる体細胞への変化を促す遺伝子が次々と働き出した。多能性維持に重要な
別の遺伝子「Sox2」は働かなかった。
Sox2は、京都大の山中伸弥教授らがつくった人工多能性幹細胞(iPS細胞)に必要な
遺伝子の一つ。斎藤さんは「Blimp1はヒトにもある。何らかの共通の働きをしている
可能性がある」と話している。
ソース:
http://mainichi.jp/select/science/news/20080615k0000e040001000c.html 毎日新聞 2008年6月15日 6時15分
遺伝子組み換え技術はバイオテクノロジーの一つです。
バイオテクノロジーとは、そのまま訳せば生物技術という言葉どおり、生物の 持っている機能を上手に利用する技術です。昔から行われてきた農作物の育種を はじめ、ビールや納豆、みそ、醤油、パン、チーズなどの発酵食品も、広い意味では バイオテクノロジーの産物です。
しかし、このところバイオテクノロジーというと、20世紀になって実用化した 生物技術を指す事が多くなっています。組織培養や葯培養、細胞融合などがそれに あたり、遺伝子組み換え技術もその一つといえます。応用範囲は食品だけには とどまらず、医薬品としてインターフェロンやインスリン、実験に用いる試薬なども 開発されています。また、身近なところではコンパクト洗濯洗剤などの酵素 (セルラーゼなど)も、組み換え微生物がつくったものです。
独立行政法人日本原子力研究開発機構と国立大学法人群馬大学は、癌遺伝子Bcl-2が 働いてガンマ線やX線に抵抗性を示す(死ににくい)癌細胞に対して、炭素イオンなどの 重イオンビーム(重粒子線)では高い致死効果があることを明らかにしました。 このことは、ガンマ線やX線などによる従来の放射線治療が効きにくい癌に、重粒子線に よる治療が有効である可能性を示すものです。これは、群馬大学大学院医学系研究科の 浜田信行COE准教授、原孝光COE研究員、中野隆史教授ならびに原子力機構量子ビーム 応用研究部門マイクロビーム細胞照射研究グループの小林泰彦リーダーらによる研究成果です。 癌の中には、ガンマ線やX線など従来の放射線治療ではあまり治療効果のみられない タイプがあります。その一つに、癌遺伝子Bcl-2の働きによってアポトーシス(細胞の自殺)が 抑制され、癌細胞が死に難くなるタイプがあり、乳癌の約8割、大腸癌の半数以上、 メラノーマ(悪性黒色腫)の6割以上、肺癌の約3割、膵臓癌の約4分の1など、実際の癌の 半数近くがこれにあたります。 これまでに、原子力機構と群馬大学は、高崎量子応用研究所に設置されているイオン照射 研究施設(TIARA)を用いて癌細胞への重イオン照射効果の研究を進めてきましたが、 今回、癌遺伝子Bcl-2を組み込んで人為的に過剰発現させた培養癌細胞に重イオンビームを 照射したところ、抵抗性を示さないことを発見しました。
_これまで実用化されている代表的なものとして、害虫に強い性質や除草剤の影響を 受けない性質を導入した大豆、トウモロコシ、キャノーラ(ナタネ)、ジャガイモなどが あります。また、健康によいオレイン酸を多く含む大豆やゴールデン・ライスなど、 消費者に直接メリットのあるものも開発されています。
1994年に世界で初めての遺伝子組み換え食品が、米国で誕生しました。これが フレーバー・セーバー・トマトと呼ばれるもので、完熟した状態でも日もちがよいのが特徴でした。
その後も、害虫に強い性質や除草剤の影響を受けない性質を持った農作物の開発が 進められ、既に大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの農作物が、米国やカナダなどで 栽培されています。これら商品の開発によって、農家を悩ませてきた害虫退治や 雑草取りによる手間やコストが減って、使用する農薬も減り、収穫量が増えるようになりました。
また、私たちの健康や栄養に直接メリットをもたらす農作物もあります。たとえば、 高オレイン酸大豆のように、従来の大豆の脂肪酸組成よりも健康によくて、しかも 新鮮さが長もちするものなど、その代表例といえるでしょう。 _このように、遺伝子組み換え農作物は、従来の農作物に役に立つ性質がつけ加えられたものなのです。
遺伝子組換えに期待しよう
_私たち日本人の殆どは、既に遺伝子組み換え食品を食べています。市場に 出回っている食品は、全て厚生労働省が安全性を確認したものです。
平成8年、厚生労働省(当時、厚生省)が遺伝子組み換え食品として安全性を確認した ものについて輸入が可能になり、その年から市場に出回るようになりました。 平成13年4月現在で、わが国において食品として安全性が確認されている 遺伝子組み換え農作物は、大豆、トウモロコシのほかに、ナタネ、ワタ、 ジャガイモ、テンサイの6作物です。
これらの遺伝子組み換え農作物は、醤油や油などさまざまな加工食品の原材料となって、 私たちの口に入っています。
ちなみに、農林水産省の発表によると日本における大豆の自給率は4%で殆どが輸入に 頼っており、米国からの輸入は76%を占めています。飼料と工業用のトウモロコシに ついては自給率ゼロ、全て輸入に頼っており、そのうち96%は米国からのものです。
食品としての安全性が確認されている農作物 大豆 除草剤の影響を受けない オレイン酸を多く含む ジャガイモ 害虫に強い ウィルス病に強い ナタネ 除草剤の影響を受けない 雄性不稔性 稔性回復性 トウモロコシ 害虫に強い 除草剤の影響を受けない ワタ 害虫に強い 除草剤の影響を受けない テンサイ 除草剤の影響を受けない
人など脊椎(せきつい)動物の祖先は、これまで考えられていたホヤ類ではなく、
ナメクジウオの仲間であることを、日米英など国際チームが突き止めた。
ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒト、ホヤなどと比較したもので、
成果は19日付の科学誌ネイチャーに掲載される。
哺乳(ほにゅう)類や魚類など背骨を持つ脊椎動物は、5億2000万年以上前に、
背骨の原形である棒状組織「脊索(せきさく)」を持つ脊索動物から進化したと
考えられている。
脊索動物には脊索が尾側にある尾索動物のホヤ類と、頭部から尾部まである
頭索動物のナメクジウオ類があるが、詳しい進化の過程は分からなかった。
研究チームは、約5億個の化学物質(塩基)からなるナメクジウオのゲノムを解読、
約2万1600個の遺伝子を発見した。すでにゲノム解読されているホヤ、ヒトと
比較した結果、脊索動物の中でナメクジウオが最も原始的であることがわかった。
これは、脊椎動物がナメクジウオ類から直接進化したことを裏付けるもので、
ホヤ類を祖先と見る従来の説を覆す結果となった。
研究リーダーの一人である京都大学の佐藤矩行教授(動物学)は「ダーウィン
以来の懸案だった脊椎動物の起源が初めてはっきりした」と話している。
ソース:
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080618-OYT1T00930.htm 読売新聞 2008年6月19日03時07分
インスリンなどの医薬品、洗剤などに入っている工業用酵素、環境汚染物質を分解する 微生物など、遺伝子組み換え技術はさまざまな分野で応用されています。また、 色変わりカーネーションなどがすでに日本で商品化されています。
まず医療分野では、この技術によって医薬品などの生産が行われています。例えば、 糖尿病の治療に必要なインスリンは、これまではブタからインスリンを取り出し、 そのまま使用するか、化学反応を用いて異なる部分のアミノ酸をヒト形に変換して、 ヒトインスリンをつくっていました。しかし最近では、遺伝子組み換え技術によって ヒトインスリンの遺伝子を大腸菌に組み込んで、大量に生産できるようになりました。 さらにバイオテクノロジー技術で、ヒトインスリンのアミノ酸配列を更に変換し、 より効果が持続するヒトインスリンも商品として登場しています。これによって 価格が安くて高品質なインスリンの大量供給が可能となり、インスリン注射が必要な 多くの糖尿病患者を救うことになりました。そのほか、インターフェロン、 B型肝炎ワクチンなども、遺伝子組み換えの技術を利用して生産されています。
更に、遺伝子組み換え技術を用いて、環境問題に取り組もうという研究も進んでいます。 例えば、土や水の中で自然に分解する生分解性プラスチックをトウモロコシから生産する など、これまで石油原料からつくられていた産物を植物原料に置き換える取り組みが、 現在行われています。
生物が持つ化学物質の分解能力、蓄積能力などを利用して、様々な汚染物質を浄化する 植物を開発して、土壌汚染や海洋汚染の浄化に役立てる試みも進んでいます。タンカーの 座礁事故などにより、原油が流出して海を汚染する事故が世界中で起きていますが、 現場では原油を処理する方法の一つとして、原油を分解する微生物を増殖させる方法も 検討されています。 今後はこうした環境にやさしい分野での開発が期待されています。
遺伝子組み換え食品には、健康・栄養面におけるメリット、味や品質向上のメリット、 環境へのメリット、経済上のメリット、食糧供給のメリットなどがあります。
1. 健康・栄養面でのメリット 最初に消費者にとって、もっとも気になる健康面におけるメリットはどんなものがあるのでしょうか。
高オレイン酸大豆 脂肪酸の中でもオレイン酸は、血中の善玉コレステロールはそのままで 悪玉コレステロールだけを下げる働きがあるものです。高オレイン酸大豆油は、 従来の大豆油の3〜4倍ちかいオレイン酸を含み、脂肪酸の8割以上を占めています。 さらに、血中のコレステロールを増加させるといわれている飽和脂肪酸が従来品に 比べて30%ちかくカットされています。
害虫に強いトウモロコシ トウモロコシの害虫はフザリウム菌の運び屋でもあります。フザリウム菌は トウモロコシの穂や穀粒を腐らせるだけではなく、動物や人に有害な毒素を 発生させます。害虫に強いトウモロコシでは、害虫は多くの被害を与える前に 死んでしまいますから、害虫が運び込んでくるフザリウム菌の数はたいへん少なく、 トウモロコシを食べた人や家畜が毒素の被害を受ける危険性はずっと低くなります。
ゴールデン・ライス 既に開発されているゴールデン・ライスは、βカロテンを多く含むおコメです。 WHOによると世界中に4億人いるといわれているビタミンA欠乏症の人の、 栄養状態改善のために役立ちます。
低アレルゲン米 アレルギー成分を少なくしたおコメの開発が進められ、おコメにアレルギーのある 人たちから商品化が待たれてています。
低蛋白米 おコメの蛋白質のうちの一つ、グルテリンを減らした稲の開発も進んでいます。蛋白質が 少ないと、ご飯としての味もよく、日本酒などの加工用に適するといわれています。 また、腎臓の機能に障害のある人たちは蛋白質の摂取が制限されることから、 医療現場においても商品化が望まれています。
医療分野での応用 発展途上国の子供たちを感染症から守るために、例えばB型肝炎ウイルスに対する ワクチンをバナナに入れるなど「食べるワクチン」の開発が進められています。
2. 味・品質向上のメリット 味がよく、日もちがするトマト 1994 年に遺伝子組み換え食品として米国で初めて商品化されたフレーバー・セーバー・ トマトは、トマトの実を軟かくする働きを抑えることで、日もちをよくしたトマトです。 このトマトは真っ赤に完熟させてから収穫することができるため味がよく、熟していても長もちします。
除草剤の影響を受けないキャノーラ(ナタネ) キャノーラは、除草が完全に行われない場合、収穫時に雑草のカラシナがキャノーラと 一緒に刈り取られてしまいます。このカラシナが入っていると、油を搾る際にカラシナの 悪い成分が混じってしまう事がありました。除草剤の影響を受けないキャノーラは、 雑草が完全に取り除かれるのでカラシナの混入がなくなり、油として品質のよいものが 得られるようになります。
高オレイン酸大豆 高オレイン酸大豆からつくられた大豆油やその油を使ったスナック菓子などは、 油が酸化しにくいため、新鮮さが長もちします。
ウイルス抵抗性パパイヤ 病気による味の低下を防ぐため、品質のよいものが得られます。
3. 環境におけるメリット 環境にやさしい農業のために、バイオテクノロジーの果たす役割はたいへん重要です。
農薬の使用量を減らせる 例えば害虫に強いトウモロコシを栽培する事によって、農薬の使用を減らす事ができます。 トウモロコシに大きな被害を与える害虫に、ヨーロピアン・コーン・ボーラー (アワノメイガ)があります。その被害額は米国だけでも平均年間1,200億円に のぼるもので、対策として、これまでは殺虫剤を散布してきました。殺虫剤は ヨーロピアン・コーン・ボーラーの幼虫がトウモロコシの葉や茎についている 場合は有効ですが、一度茎の中に入りこんでしまうと、効果が届きません。 Btコーン(害虫に強い性質が導入されたトウモロコシ)は、害虫が茎の中に 入っている間も殺虫効果があり、またヨーロピアン・コーン・ボーラーと その仲間だけに殺虫効果があるので、益虫を含む他の昆虫や動物には影響を与えません。
不耕起栽培により土壌の流出を防ぐ 米国などでは頻繁に土地を耕す為に土壌が侵食され、表土が流出して農地が失われる という問題が深刻化しています。その対策として不耕起栽培(耕さない農業)が 有効とされてきました。しかし、耕さないと耕起による栽培前の予防的な雑草防除が できないので、通常の栽培に比べて雑草量が多く農作物は雑草に負けてしまいます。 このため雑草をいかに抑えるかが不耕起栽培のテーマでした。除草剤の影響を受けない 農作物は大きくなってしまった雑草でも効果的に雑草防除ができ、不耕起栽培を 可能にしました。
燐による環境汚染を防ぐ 家畜の糞尿から排泄される燐による環境汚染が問題となっていますが、 バイオテクノロジーを利用したこの問題への取り組みも行われています。 燐は、家畜の成長に欠かせない栄養素の一つですが、トウモロコシ中では、 フィチン酸という家畜には利用できない形となっているので、通常はそのまま 排泄されてしまいます。バイオテクノロジーによって、燐を家畜が利用できる 形にする事が可能となり、燐の環境への放出が防げます。
4. 経済上のメリット 害虫に強い農作物や除草剤の影響を受けない農作物など、既に実用化されている 遺伝子組み換え農作物について、経済上のメリットはあるのでしょうか。
害虫に強い農作物 従来の農作物では、害虫が猛威をふるう年には、収穫量が激減し、例えばトウモロコシは 米国だけでも平均年間1,200億ドルの被害を受けています。しかし害虫に強い農作物の 場合、害虫が猛威をふるう年でも安定した収穫量が得られます。トウモロコシの場合、 いくら殺虫剤を散布しても一旦茎の中に入ってしまったヨーロピアン・コーン・ボーラー の幼虫は殺せません。しかしBtコーンは全栽培時期を通して殺虫効果がみられるため、 害虫の被害による影響を受けることなく、安定した収穫が得られます。農家にとっては、 農薬散布の為の費用と手間がかかりません。ヨーロピアン・コーン・ボーラーの発生の 少ない年は収益の差はあまりみられないので、Btコーンを導入するかどうかは農家の 判断にまかされるところです。
除草剤の影響を受けない農作物 除草剤の影響を受けない大豆は1996年に商品化されましたが、栽培面積は年々増加し、 2001年には米国の大豆の作付け面積の68%になりました。これは、農薬等の資材及び 労働力が大幅に削減されて、農家が経済上のメリットを実感している事にほかなりません。 このように遺伝子組み換え農作物の栽培によって、農家は環境の影響を受けることなく 収穫できるため、農家の負担が減り安定供給が可能となります。安定供給によって食品の 価格が安定し、今後は消費者の家計にも直接メリットをもたらすことになるかもしれません。
5. 食糧供給のメリット 20世紀の100年間、世界の人口は4倍に増え、1999年には60億人を突破しました。 このまま増え続けると、50年後には100億人近い人口となりますが、その一方で 人口の増大に見合う食糧をいかに確保するかが重要な問題となってきます。
現在でも発展途上国の一部では、年によっては数十万から数百万人の餓死者を 出しています。都市化に加えて、森林破壊や砂漠化、旱魃など地球環境の悪化や 天候不順が重なり、耕地面積は年々減少してきているのに、人口は増え続けています。 今後、食糧問題はますます深刻になっていくでしょう。
こうした食糧問題を解決するキーテクノロジーの一つに、遺伝子組み換え技術が あります。害虫や雑草の被害を少なくして、単位面積あたりの収穫を最大限に 上げる事に役立っており、今後の食糧供給にもメリットがあると考えられます。
今後更に安定供給を可能とする為には、過酷な土地でも育つ新しい農作物の開発が 期待されます。砂漠の緑化、砂漠での農業を可能にする為には、乾燥や塩害に強い 作物の開発が望まれており、少しでも耕地面積を増やす事が人類全体の課題なのです。
更に遺伝子組み換え技術による栄養成分の改良によって、同じ作物でも栄養価を上げて カロリーを増やしたものを開発する事も期待されます。例えば同じ大豆でも、 カロリーが高い飼料が栽培されれば、一定の耕地面積でより多くの家畜が養えます。
現在、バイオ企業の一部では、途上国に対して自らが開発した有用遺伝子の技術支援を 行っている所もあります。それを受けてケニアの科学者がウイルス抵抗性サツマイモを、 インドではサツマイモゾウムシという害虫に強いサツマイモの開発を行っており、収量を 上げる事に成功しています。
現在、栽培が行われているのは米国、アルゼンチン、カナダ、中国、南アフリカ共和国、 オーストラリアなどで、合計5,260万ヘクタールの面積に栽培されていると推定されています。
_米国コーネル大学のクライブ・ジェームズ博士によると、遺伝子組み換え農作物が
本格的に販売された1996年、世界の組み換え農作物としての栽培面積は170万ヘクタール
でした[ISAAA(International Service for the Acquisition of Agri-biotech
Applications)のサイト
http://www.isaaa.org 参照]。それが2000年には4,420万
ヘクタールと増えて、2001年には5,260万ヘクタールまで増加しています。
国別内訳は米国が最も多く3,570万ヘクタール、次いでアルゼンチンの1,180万 ヘクタール、次にカナダ(320万ヘクタール)、中国(150万ヘクタール)と続きます。 上位4カ国の合計で全体の99%を占めています。なお、日本の全ての農作物の作付け面積 は2000年456.3万haとなっています。
また、栽培されている作物の内訳をみると大豆が63%と最も多く、次いでウモロコシが 19%、ワタが13%、ナタネが5%と続きます。なお性質別では除草剤の影響を受けない 作物が77%、害虫に強い作物が15%です。
日本においても農林水産省や民間の研究所、各県の農業試験場などで、低アレルゲンイネ やウイルス病に強いメロンなど、実用化を目指してさまざまな研究が行われています。
日本でも遺伝子組み換え技術の研究は行われており、その開発は多岐にわたります。 特に日本人の主食であるイネについては、ウイルス病に強いイネ(品種は日本晴や キヌヒカリ)、低アレルゲンイネ(キヌヒカリ)などの開発が積極的に行われています。
最近開発されたものの中には、おコメの蛋白質のうちの一つであるグルテリンを 減らしたイネも開発されています。一般に、低蛋白質のおコメはご飯としての味も良く、 日本酒などの加工用にも適するといわれていますし、腎臓の機能に障害のある人たちは 蛋白質の摂取が制限されることから、医療現場においても商品化が望まれています。 食品としての安全性を確認した後、市場にも登場することになるでしょう。
イネ以外においても例えば、ウイルス病に強いメロンやトマト、害虫に強い小豆など、 商品化を目指して多数の農作物が開発されていますが、日もちの良いトマトのように 消費者の理解がまだ十分でないことを理由に、開発が進みながらも商品化が見送られたものもあります。
遺伝子組み換え技術の現状は、研究・開発に早くから取り組んでいる欧米企業が基本特許 の殆どを持っており、日本はその後を追っているという状況にありますが、最近は 日本政府もバイオテクノロジーに本腰を入れ始めました。経済産業省、厚生労働省、 農林水産省、文部科学省の 4省は、バイオ関連の施策を実行するため、2001年には 1,000億円を超える大幅な予算を組んでいます。特に日本が先頭を切っている イネ・ゲノムの解析には重点が置かれています。
遺伝子組み換え食品は、厚生労働省による安全性審査が義務付けられていて、 多項目にわたって、専門家グループによる厳しい審査を受けた結果、安全性が 確認されたものだけが販売や流通を認められています。
また、遺伝子組み換えによって新たにつくられる物質は蛋白質です。蛋白質は食べた後、 消化されてしまいます。ですから、私たちの体に蓄積して、悪影響を及ぼす心配はありません。
私達は、毎日いろいろな作物を調理して食べていますが、これらの食べ物の安全性は、 人類が長い間食べ続けてきたという食経験に基づくものです。また、ジャガイモの芽の ように毒のあるものは皮をむいて毒の部分を取り除いたり、大豆のように生で食べると おなかを壊してしまう様な場合は加熱してから安全に食べる知恵を身につけてきました。 遺伝子を組み換えた農作物の安全性を評価する場合のポイントは、組み込む前の農作物が 安全で、なおかつある機能を持った遺伝子を新たに組み込んだことによって、もとの 作物と比較して何らかの変化が生じたのかどうか調べることです。そして、変わった 点がある場合には、その変化が私たちのからだに悪影響を及ぼさないことを確認しなくてはなりません。
例えば遺伝子組み換えジャガイモであれば、もともとジャガイモに含まれている ソラニンのような有毒な成分が、新しく組み込まれた遺伝子のせいで増えてしまって いないか、ビタミンやミネラルなどの栄養素が減ってしまっていないかを分析して 調べます。成分に変化がなければ、今までと同じように調理して食べる事ができるわけです。
遺伝子組み換え食品が従来の食品と異なる点は、導入された遺伝子がつくる蛋白質が 新たに含まれる事です。私達は毎日、食物からたくさんの種類の蛋白質を摂取して いますが、蛋白質は胃腸の中でアミノ酸に分解して吸収され、体の中で再び蛋白質に 合成されます。従って、ある種の有機塩素系化合物(例えばPCBなど)のような脂溶性の 化学物質と違って蓄積性はありません。ですから長い間食べつづけて、私たちの体に 蓄積して、悪影響を及ぼす事はありません。
_遺伝子組み換え作物中に新しく加わった蛋白質についても、他の蛋白質と同様、 胃腸で消化されてしまう事が確認されなければ、商品化は許可されません。
_各国の厚生省にあたる部局が審査を行い安全性を確認します。遺伝子組み換え作物の 安全性を評価する時の大前提は、遺伝子を組み入れる前の作物に安全性があることです。 もともと安全なものであれば、新たに植物ゲノム(植物のDNA配列)中に遺伝子を 加えた事によって何が変わったのかを調べ、その変化がもとの作物の安全性に影響を 与えないかを検証します。
遺伝子組み換え作物中には、ある役に立つ機能を持った遺伝子が加えられていて、その 遺伝子の働きにより蛋白質がつくられています。開発メーカーは以下の点全てに 答えられるように、多岐にわたる実験データや資料を提出し、専門家がそれを検証します。
■ 遺伝子を組み込む前の作物は、もともと安全な食べ物として長年食べてきたものであるか ■ 組み込まれた遺伝子は、由来とその働きがわかっていて毒性がないものであるか
■ 組み込まれた遺伝子は途中で変化せず、目的の蛋白質しかつくっていないか ■ 組み込まれた遺伝子がつくる蛋白質は、胃腸中できちんと消化されたり 加熱により壊れるなどして、毒性を持ったりアレルギーの原因になったりしないか
■ 遺伝子組み込んだことによって、予期しないものがつくられないかを ■ 遺伝子を組み込んだ事によって、ジャガイモのソラニンのような有害成分が増えていないか、また各種栄養素に増減がないか ■ 栄養素に増減が見られる場合には、それが健康に悪影響を及ぼす心配はないか
提出された資料の全てが安全性を示すものであれば商品化が許可されます。データの 中に少しでも危険性を示すようなものがあれば、以下の動物実験により更なる確認が 行われない限り商品化は許可されません。現在市場に流通している農作物について、 これまで動物実験が必要になったものはありません。
■ 急性毒性に関する試験 ■ 亜急性毒性に関する試験 ■ 慢性毒性に関する試験 ■ 生殖に及ぼす影響に関する試験 ■ 変異原性に関する試験 ■ 発癌性に関する試験 ■ その他必要な試験(腸管毒性試験など)
安全性が確認されていれば、動物実験は必要ありません。しかし、データの中に 少しでも危険性を示すようなものがあれば、動物実験によりさらなる確認が 行われることがあります。
遺伝子組換え農作物について、組み込む前の作物はもともと食経験のある安全なもので、 そのうえ組み込まれた遺伝子がつくる蛋白質は消化されてしまうため、ある種の 化学物質のように体内に蓄積される懸念はありません。もともと動物を使った 長期毒性試験というものは、ある物質が体内に蓄積された場合に、どんな毒性を どの程度の濃度で発現するかを調べる目的で行われます。ですから提出されたデータ により、遺伝子組み換えによってできた新たな蛋白質がきちんと消化されて、体内に 蓄積されることがないことがわかれば長期毒性試験を行う必要はないのです。
導入された遺伝子によってできるものは蛋白質であり、これが胃腸の中で消化されて アミノ酸になれば、ほかの食物と同じように、栄養分として吸収されてしまいます。 従って、人工胃液や人工腸液で消化される事がわかれば、毒性試験は原則的には 不要であると判断されるのです。それでも必ず動物実験を行った方がよいという考えは、 根強くあります。しかし、特定のリスクが限定できなければ、動物実験をする意味はありません。
そのかわり食品としての視点で、化学物質とは異なる視点から別の試験は行われています 。食品の中にはジャガイモのソラニンのように、体に毒の成分も含まれます。ですから そうした成分が増えていないかという事を調べることは重要です。また、化学物質では 行わないようなアレルギー試験もその一つです。アレルギー試験については、必要に 応じて人の血清を用いたアレルギー試験が行われる事もあり、詳細に実験を行います。
また、実際には給餌試験など、さまざまな動物を使った実験が、各国で行われていて、 従来の農作物と同じように食べても安全である事が確認されています。 農林水産省でも、鶏や豚、牛を用いた試験で安全性に問題がない事の確認を行っています。
現在の科学では「ある食品がある人にアレルギーを引き起こす心配がまったくない」と いい切る事はできません。この事は、遺伝子組み換え食品だけでなく全ての食品について いえる事です。遺伝子組み換え食品の場合は、現在の科学知識をフル動員して、これまで の食品に比べてアレルギー性が増える心配がない事をさまざまな角度から徹底的に検証 してから商品化されています。
同じ物を食べてもアレルギーになる人とならない人がいたり、今まで大丈夫だったのに ある日突然アレルギーになってしまったり、また、一口に「大豆アレルギー」といっても 実際に大豆中のどの蛋白質がアレルゲンなのか完全にわかっていなかったりと、アレルギ ーの問題は非常に多面的で複雑です。でもだからといって、遺伝子組み換え食品がアレル ギーの原因となり得るかどうかを調べる方法がないわけではありません。実際に、現在の アレルギーについての知識をフル動員すれば、アレルギーの心配が非常に小さい事を確認することができます。
私たちは、毎日何万種類もの蛋白質をいろいろな食品から取っていますが、その中で、 アレルギーの原因となる蛋白質はおよそ100種類です。アレルギーについての科学知識が 深まるにつれ、アレルゲンには共通の特徴がある事がわかってきました。アレルゲンと なる蛋白質は、ある似通ったアミノ酸配列を持ち、胃腸の中の消化酵素や胃酸で消化 されにくく、熱にも強いという特徴を持っています。また、その食品中に高濃度に 含まれることも大きな特徴です。
現在市販されている遺伝子組み換え農作物中に産生されている蛋白質については、既知の アレルゲンと配列の類似性がない事、胃腸中で速やかに分解されてしまう事、熱に弱い事 が証明されています。また、遺伝子組み換えによって新たにできた蛋白質については、 その量も0.01%未満と極微量にしか作物中に含まれません。こうした結果を総合的に 評価して、この蛋白質がアレルギーを引き起こす可能性はないと判断されるのです。 これらの項目について、一つでも既知のアレルゲンの特徴との類似点がある場合には、 卵、ミルク、大豆、おコメ、小麦、ソバなどに対するアレルギー患者の血清を使った 試験などでさらなる確認が行われます。
食品としての安全性審査は厚生労働省が行い、環境に対する安全性と飼料としての 安全性審査は、農林水産省が行います。その他、実験段階における審査は、 文部科学省の指針に基づいて行われます。なお、わが国では、これまでも厚生労働省の 安全性審査に合格した農作物だけが流通していましたが、更に2001年4月からは 安全性審査が法的に義務づけられています。
これらの審査では、科学者や各界の有識者が集まって専門家委員会をつくり、 各開発企業から出されたデータを時間をかけてさまざまな角度から厳しく チェックします。チェックするのはデータだけでなく、試験方法が適正だったか どうかまでも含まれるもので、必要な場合は追加データの提出を開発企業に求める事もあります。
企業が出したデータだから、信用できないという声も一部ではあるようですが、 実験方法は科学実験を行う場合のルールに基づいて、国が行っても民間が行っても、 同様の結果が出るように適正に設計されています。このように企業が出したデータを 国が審査するのは、医薬品や食品添加物でも同じシステムです。万一、不適正な データが提出されたとしても、それを見抜ける専門家が集められおり、時間をかけて 審査が行われています。
蟲を殺すといっても、蟲と私達とでは體の仕組みが違うので、私達にも害を及ぼすという 事はありません。幾ら私達がBtコーンを食べても、人と蟲は消化管内の環境が異なる 為、人の胃の中でBt蛋白質は活性を持たない形に分解されてしまいますし、人には害蟲 が持つような受容体もありません。
害虫に強い農作物(害虫抵抗性農作物)とは、特定の昆虫だけをやっつけてしまう農作物の 事です。今からおよそ70年前に、日本の科学者が土の中にいるバチルス・チューリンゲン シス(Bt)という微生物に、特定の害虫を殺す蛋白(Bt蛋白質)を持つ性質がある事を 発見しました。その後この微生物は、微生物農薬として40年以上も有機栽培場面などで 使用されています。害虫に強い作物とは、この微生物からBt蛋白質をつくる部分の 遺伝子を取り出して、農作物に導入したものです。一番よく知られているのが、 Btコーンと呼ばれるトウモロコシで、トウモロコシにつくヨーロピアン・コーン・ボーラーという害虫に殺虫効果があります。
Bt農薬やBtコーンを通して、ヨーロピアン・コーン・ボーラーがBtタンパク質を 食べると、消化管の中で殺虫効果を持つ形に活性化され、消化管に存在する「受容体」と 呼ばれる部位と結合して、消化管の細胞が破壊されてしまいます。このため ヨーロピアン・コーン・ボーラーが Btコーンを食べると死んでしまうのです。
しかし、人の場合は胃の中は酸性で、消化管内の環境が虫とは異なるため、消化酵素の 働きでBt蛋白質は活性を持たない形に分解されてしまいます。しかも人には害虫が もつような受容体がもともとないため、毒になりません。
Bt蛋白が、人では分解されて、害虫には毒になる
「実質的同等性」とは、「これまで安全に食べてきた経験のある現在の作物・食品を基準 にして、遺伝子組み換え作物の安全性を評価する」という基本概念で、遺伝子組み換え 農作物の安全性を評価する場合についてのみ、用いられるものです。
遺伝子組み換え農作物の安全性を評価するときの大前提は、遺伝子を組み入れる前の 作物に安全性があることです。もともと安全なものであれば、新しく植物ゲノム中に 遺伝子を加えた事で何が変わったのかを調べて、その変化がもとの作物の安全性に 影響を与えないことが証明されれば、「この遺伝子組み換え農作物の安全性は従来の 食品と実質的に同等である」と結論することができます。
私達が毎日安全に口にしている作物も、科学的に100%安全といい切れるかというと、 そうではありません。現在の作物は、従来の育種法により様々な遺伝的変化を経て 改良されてきたものですが、実際にどの遺伝子が変化に関わっているかはわかって いません。作物中には體によい栄養成分が多く含まれていますが、ジャガイモの芽に 含まれるソラニンや大豆中のアレルゲンのように有害物質が含まれることもあります。 作物中に含まれる主要・微量栄養素についてはかなりのデータがありますが、それでも 成分の全てが判明している訳ではありません。つまり、今食べている作物でさえ 「100%の安全性」を科学的に保証する事は不可能なのです。それでも、私達は食経験に よって、現在の作物が食べても安全であることを知っています。
遺伝子組み換え作物が登場して初めて、専門家が集まって「作物」の安全性をどう 評価するかについての話し合いが行われました。その結果、「作物」特性を踏まえて 「良い成分も悪い成分も含めて、これまで安全に食べてきた経験のある現在の作物・ 食品を基準にして、遺伝子組み換え作物の安全性を評価する」という基本概念に 到達しました。これが「実質的同等性」の考え方です。
例えば大豆の場合なら、ある特定の除草剤に耐性を持たせる為の遺伝子を組み込んだ事に よって、トリプシンインヒビターなど数種の抗栄養素が増えないか、そして蛋白質や 脂質、繊維質、ミネラル、アミノ酸組成、脂肪酸組成、ビタミン類等々の栄養成分に 変化がないかを、何ヶ所も野外試験を行ってサンプルを集め証明します。また、 組み込んだ遺伝子が目的とする蛋白質以外をつくらないことを証明した上で、この 蛋白質に毒性やアレルギー性がないことを証明します。全ての分析結果が従来の大豆に 見られる変動の範囲内で、新しくつくられる蛋白質も安全である事が証明されれば、 遺伝子組み換え大豆も従来の大豆も、その安全性が実質的に同等であると結論されるのです。
現在、遺伝子組み換え飼料として出回っているトウモロコシなどの穀物は、厚生労働省と 農林水産省からそれぞれ食品および飼料としての安全性を確認されてから商品化されて います。そもそも家畜が食べているのは、人間が食べても安全なことを確認された 農作物なのですから、その肉や乳、卵を人間が食べても大丈夫です。
飼料としての安全性は、農林水産省の指針に基づいて確認されています。この指針は、 従来のものと比べて、外観、栄養価、成分などが変わらない事を確認するもので、 食品としての安全性審査と同じ概念に基づくものです。
実際には、蛋白質、脂質、炭水化物、食物繊維などの栄養素ごとに細かく調べて、 従来のものと栄養素が変わっていないか、予期しない変化が起こっていないかなどを 調べます。その結果を農林水産省に提出して、審査を受けるというしくみです。
なお、飼料についても人間の場合と同様、家畜が食べてしまえば胃液や腸液で消化されて しまいます。蛋白質も遺伝子も消化されてしまうわけですから、家畜の体内で組み換え 遺伝子やその遺伝子がつくる蛋白質が残って、肉や乳、卵に含まれたり、蓄積されたり、 濃縮されたりすることはありません。
環境に対する影響は、農林水産省の指針に基づいて安全性が確認されています。 日本の環境に悪い影響があるとわかった場合は、審査をパスしませんので、商品化 されることはありません。
遺伝子組み換え作物を栽培する事で、周囲の環境に及ぼす影響はどんなものかを調べる 為に、農林水産省では隔離圃場で試験的な栽培を行って、以下の点を確認します。
■ 生育のしかたはどうか ■ 花粉の飛散などにより、遺伝子がほかの植物に移ってしまわないかどうか ■ 移ってしまった場合の影響はどうか ■ 雑草化しないか ■ ほかの生物の生育に及ぼす影響はどうか
ここで、従来の作物に比べて環境に悪い影響があるとわかった場合、商品化は許可 されません。 ただし、害虫に強い農作物を続けて栽培した場合、抵抗力の強い害虫が 発生するのではという懸念もあります。そこで商品化された後も、モニタリングを 行いながら栽培が行われることになります。
2001年4月からJAS法(農林物資の規格化および品質表示の適正化に関する法律)に 基づき、遺伝子組み換え表示制度が実施されています。
最近、豆腐や納豆などに「遺伝子組み換え大豆を使用していません」といった表示を よく見かけますが、こういった表示は今のところメーカー側が自主的に行っている ものです。メーカーによっては、遺伝子組み換え原料を使っていなくても、「不使用」 の表示をしていない場合もあります。
遺伝子組み換え原材料を使用している場合でも使用していない場合でも、消費者に とっては選択の為に、表示を統一して欲しいという声が寄せられていました。それを 受けて農林水産省は、消費者の選択の目安となるよう、2001年4月からJAS法に 基づく遺伝子組み換え表示制度を実施しています。表示をしていなかったり、不当表示が おこなわれている場合、新制度では罰則も設けられています。なお、厚生労働省でも 遺伝子組み換え食品の表示の義務化について平成13年4月から食品衛生法に盛り込んでいます。
大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、ワタの5種類の農作物と、大豆及び トウモロコシを原料とする24品目の加工食品について、「遺伝子組み換え」と 「遺伝子組み換え不分別」の表示を義務づける制度がJAS法に盛り込まれ、 平成13年4月から実施されています。平成15年1月からは、ジャガイモを主な 原料とする6品目の加工食品についても表示が義務付けられます。
新制度によって、遺伝子組み換え農作物を原材料として使っている場合は 「遺伝子組み換え○○使用」、遺伝子組み換え農作物と非組み換え農作物を 分けずに使用している場合は「遺伝子組み換え不分別」などと表示しなければ ならなくなりました。ただし、表示されるのは遺伝子組み換え農作物が主な 原材料として使われている場合だけです。主な原材料とは、原料中の重量割合が 上位3位以内で、かつ全重量の5%以上含まれる場合だけですから、含まれる 割合がわずかな場合、表示しなくてもよいことになっています。これらの表示は IPハンドリングに基づいて行われます。
また、IPハンドリングによって非遺伝子組み換え農作物を分別して使用した場合には 「遺伝子組み換え○○不使用」と表示することができますが、この表示は義務ではなく、 書いても書かなくてもよい「任意表示」です。
一方、同じ大豆製品でも豆腐やみそは表示をしなければならないのに対して、醤油や サラダ油などは表示を義務づけられていません。醤油やサラダ油は発酵や加熱、 分離などの工程で、組み込まれたDNAやタンパク質が分解してしまいます。 このため、遺伝子組み換えの痕跡が残らず、組み換えか非組み換えかを確認する 分析方法がないため、表示はしなくてもよいということになりました。
また、平成13年9月には、組成や栄養成分が従来の農作物と著しく異なる遺伝子組み換え 農産物を使用している場合は「△△遺伝子組み換え」「△△遺伝子組み換えの物を混合」 など、△△に形質を明記して表示することが義務付けられました。
義務表示の対象となる食品については、遺伝子組み換え農産物の流通実態やDNA検出方法 の進歩をみて、1年ごとに品目を見直すことになっていて、平成14年2月、ジャガイモを 主な原料とする6品目の加工食品が追加されました。ジャガイモ加工食品の表示は 平成15年1月から実施されます。
「遺伝子組み換え不分別」とは「分別生産流通管理(IPハンドリング)をしていない」、 つまり「非遺伝子組み換えのものと遺伝子組み換えのものを流通過程で分別していない」 という事を意味します。通常、大豆やトウモロコシなどでは、分別生産流通管理は 行われていません。コストを下げるために各生産地からのものを一箇所に集積して、 大量輸送を行っています。
大豆を例にとると、現在、世界で使用されている大豆の殆んどは、流通の各段階で 各生産地のものが混ざった不分別の大豆です。「不分別」というのは、 「分別生産流通管理を行っていない」、つまり、「非遺伝子組み換えのものと 遺伝子組み換えのものを流通過程で分別していない」という意味です。 特定の 大豆を分別するためには、農家から集荷所、荷積み拠点、港湾荷役施設、港、 コンテナ、サイロ、倉庫など、すべてのチェックポイントで専用のルートを 確立しなくてはなりません。このための余分な費用がかかります。
分別管理をしないで流通している場合は「不分別」という表示が義務づけられています。 これは、「組み換え」「非組み換え」の両方が原料に混ざっている可能性があるということを意味します。
ちなみに、新しい表示制度では、「遺伝子組み換え原材料不使用」と表示してもよい事に なっています。非組み換えのものが、きちんと分別されているかどうか、その根拠となる のが分別生産流通管理システムです。これは、農作物を生産から加工までの各段階に おいて分別管理し、そのことを書類などによって証明するもので、各流通段階において 管理方法などが明記された流通マニュアルが定められています。この流通マニュアルに 則って分別して初めて、「不使用」と表示することができるのです。
「遺伝子組み換え」というのは作物の育種方法の1つです。育種には、交配や細胞融合、 胚培養、突然変異とさまざまな方法がありますが、方法がどうであれ、できたものは 安全な食品であることが大切です。このため安全性が確認されていれば、育種方法の 区別について、表示を義務づけないというのが、米国の考え方です。
米国では、国内に流通する肉以外の食品の表示について、食品医薬品局(FDA)が規制を 行っています。米国の食品表示は「真実でなければならない」「消費者に誤解を与える ものであってはいけない」「科学的根拠に基づくものでなくてはいけない」という3つが 基本原則です。例えば、アレルギーなどの問題がある場合や栄養成分に大きな変化が あった場合、食品表示はそれを伝える有意義な情報でなくてはなりません。
どんな育種方法であれ、できたものは何なのか、また安全であることが大切ですが、 米国でも遺伝子組み換え食品については安全であることが確認されたものだけが 流通します。遺伝子組み換え食品に表示をすることで、あたかも特別なもののような 印象を与えることになってしまえば、逆に誤解を与えることになりかねません。 こうした基本原則にそって、遺伝子組み換え表示は行わないのです。
平成13年4月からJAS法で表示が義務づけられたので、表示をみれば、ある程度は 可能です。非組み換えのものは、IPハンドリング(分別生産管理システム)によって 保証されていますが、現実問題として現在の農作物の流通システムや科学的な 検証方法には限界があり、組み換え農作物を完全に避けることはきわめて困難です。
JAS法による表示制度が平成13年4月から始まった事から、表示をみれば遺伝子 組み換えかどうか、わかるようになります。しかし、表示制度は特定の品目に 限られていて、醤油や油など表示義務のない品目については、任意表示の あるものを除き、遺伝子組み換え原料を使っているかどうかはわかりません。
更に、遺伝子組み換え原材料がちょっとだけ使われている場合はどうでしょうか。 表示しなければならない24品目を原材料とする食品の場合、全原材料中重量が 上位3品目で、かつ全重量の5%以上のものは、表示しなくてはなりませんが、それを 満たさない場合、表示義務はありません。従ってこの場合でも、やはり遺伝子組み換え 原料が混入している可能性はあります。
また、マニュアルに従ってIPハンドリングを行って「非組み換え」などの表示をしている 場合でも、現実問題として意図しない一定の混入は避けられません。そのため、大豆と トウモロコシでは「意図せざる混入」の上限値を設定していて、5%以下の混入は 認められています。このため「非組み換え」と表示されていても、やはり遺伝子組み換え 原料が混入している可能性があります。
それでも全ての原材料にさかのぼって、特別なルートや店を頼って、100%国産原料の ものを探せば可能かもしれません。しかし農作物によっては、輸入自給率がゼロに近い ものもありますし、現実的には難しく、当然、価格も高いものと思われます。
1998 年、イギリスのロウエット研究所のパズダイ博士が、レクチンという蛋白質を作る 遺伝子を導入した遺伝子組み換えジャガイモをラットに食べさせたところ、免疫力の低下 がみられたとテレビ発表して、大騒ぎになりました。しかし、実験は不完全なもので、 しかもここで用いられたジャガイモは実験用に作られたもので、安全性が確認されて 市場に出回っているものではありません。このため、この結果をみて、全ての 遺伝子組み換え食品が危ないと結論づけることはできません。
博士が実験結果をテレビで発表した後、ロウエット研究所ではすぐに調査を行い「実験は 不完全で、しかも発表するのであれば学会などの場を通さなくてはならないというルール も無視したもので、誤解を招く結果になった」として、博士は免職されました。
その後も英国アカデミーとロウエット研究所がこの実験について詳細に検討、評価を 行ったところ「懼�タジャガイモをラットに生で食べさせた結果と、加熱して与えた結果を ゴチャゴチャに評価して、実験結果の分析に一貫性がない懼�チサンプル数(5匹のラット) が少ないため、正しく評価できないなど、実験そのものと結果分析にかなり問題がある事 がわかり、ここからは博士の言う主張が導き出せない」という結論を出しました。
また、ここで実験用に用いられたジャガイモは、安全性が確認されて販売されているもの ではなく、この結果から全ての遺伝子組み換え食品が危ないとは言えません。このジャガ イモについて、安全性を確認するための試験を行って審査したとしても、認可されること はないでしょう。
この話は、日本企業が遺伝子組み換え技術によって微生物に作らせたL−トリプトファン を、米国で健康食品として販売したところ、その製品を利用した人のうち39名もの死者が 出たという事件で、1990年のことでした。その後、米国食品医薬品局(FDA)が原因を 調べたところ、製造中で不純物を除く工程が不十分だったことによるものではないかと されており、遺伝子組み換え技術に原因があるとは断定されていません。
当時、米国では必須アミノ酸である「トリプトファン」を、不眠などに悩む人に有効な 健康食品として、何社か製造を行っていました。しかし、日本の大手化学企業が製造した トリプトファンを利用した人の間だけで、痙攣や筋肉の痛み、麻痺などの症状がでる EMS(好酸球・筋肉痛症候群)という病気が多発し、FDAは販売を禁止しました。
この製品は遺伝子組換え技術によって、ある微生物に必須アミノ酸であるトリプトファン を作らせて、それを抽出、精製して販売したものです。事件後原因を調べたところ、 トリプトファンそのものに問題があるのではなく、EBTとPAAという二つの極微量の 有害不純物が混ざっていた事がわかりました。その後、更に原因を究明するために200件 以上の科学的な研究が行われたところ、精製の工程において、用いる活性炭の量が不足 していた事がわかり、その為に極微量の不純物が混ざっていたという結論が有力になって きました。しかし、開発企業が和解金を患者に払うことで、事件に終止符がうたれ、この 問題の原因究明は途中で打ち切られました。
このように、遺伝子組み換え技術に原因があるとは断定されていません。その後、1993年 には米国で別の企業が遺伝子組み換え技術を用いたトリプトファンを製造・販売しました が、現在に至るまで問題もなく、この問題が遺伝子組み換え技術が原因だとはいえない事 を間接的に示しています。
米国のある企業が、ブラジルナッツから得た遺伝子を大豆に組み込んで、栄養価を高めた 大豆を開発した事がありました。しかし、商品化前の安全性評価の段階で試験を行った ところ、この蛋白質がブラジルナッツのアレルゲン(アレルギーの原因物質)であった 事がわかり、開発は即座に中止され、市場には出回りませんでした。したがって、 遺伝子組み換えが原因となって、アレルギーになった人がいるという事実はありません。
このケースでは開発前から、ブラジルナッツに対してアレルギーを示す人がいることが 知られており、組み込んだ蛋白質がブラジルナッツのアレルゲン蛋白質であるかも しれない事は予想されていました。この為、ブラジルナッツにアレルギーを示す人の 血清を用いて、開発された大豆のアレルギー性をテストしたところ、組み込んだ蛋白質が アレルギーを引き起こす事がわかり、この研究によってブラジルナッツのアレルゲン (アレルギーの原因物質)も特定できました。このように開発段階でアレルギーの 可能性がある事が明らかになれば、当然その時点で開発は中止されます。
現在、市場に出回っている組み換え農作物は、全てアレルギー性の評価を行って、問題 ないと結論されたものばかりです。また、遺伝子組み換え農作物は 1996年から流通して いますが、これまで遺伝子組み換えによってその作物のアレルギー性が高まったことは 報告されていません。
なお、大豆は牛乳、卵と並んで食物アレルギーの中の三大アレルゲンといわれており、 アレルギーの原因物質になります。 遺伝子組み換えであろうとなかろうと、アレルギー を引き起こす可能性にはかわりありません。
遺伝子組み換えの際に、目的遺伝子がきちんと入っているかを確認するための目印 (マーカー)として、カナマイシンなど抗生物質に耐性をもたせる遺伝子を一緒に 組み入れる場合があります。この遺伝子やこの遺伝子がつくる蛋白質が体内に入っても、 短時間に消化されてしまい、抗生物質を効かなくさせるようなことはありません。
抗生物質耐性遺伝子は抗生物質を働かなくさせる蛋白質をつくります。ですから、 抗生物質が効かなくなる心配がないかという点については、目的遺伝子以上に特に 詳細な検討が行われています。
どんな蛋白質も、消化や加熱により分解されてしまえばその機能を発揮できません。 現在、遺伝子組み換え作物に利用が許可されているマーカー遺伝子がつくる蛋白質に ついても、ほかの蛋白質と同じように、胃腸中できちんと消化されたり加熱により 壊れる事が証明されたものだけが使用を許可されています。更に、毒性のないことや アレルギー性を持たないことも証明されています。
また、抗生物質耐性マーカー遺伝子が腸内の細菌に移ってしまう事を懸念する声も ありますが、人が食べた作物の遺伝子が腸内細菌に取り込まれた例はこれまで報告 されていません。更に、抗生物質耐性マーカー遺伝子も他の遺伝子と同じように、 胃酸や胃腸中の酵素の働きによって消化されてしまいます。つまり、作物に組み込まれた マーカー遺伝子やその蛋白質が、胃腸に機能を持った形で運ばれて、私たちが飲んだ 抗生物質を効かなくさせてしまう心配はありません。
安全性上は問題のない抗生物質耐性マーカー遺伝子ですが、消費者の遺伝子組み換え作物 への安心感に配慮して、開発メーカーはできる限りマーカー遺伝子を使わない開発を進めています。
この実験は米国の大学の研究室で行われたもので、大量の花粉をまぶした餌を オオカバマダラという蝶の幼虫に食べさせたところ44%が死んでしまったと いうものです。その後、米国を中心に世界各国で20以上の研究者グループが 野外で調査を行ったところ、Btコーンの栽培が、自然界でオオカバマダラの 種の存続に影響を与える可能性はないことが確認されました。
実験は米国コーネル大学の研究者が、害虫に強い農作物であるBtコーンの花粉を、 オオカバマダラという蝶の幼虫に食べさせたところ、44%が死んでしまったという もので、1999年に発表が行われました。翌年、アイオワ州立大学でも同様の実験を行い、 Btコーンの栽培がオオカバマダラの生存に影響を及ぼす事を発表しました。しかしこの 二つの実験結果は、当然予想される事でもありました。オオカバマダラは、標的害虫で あるヨーロピアン・コーン・ボーラーとは同じ鱗翅目(りんしもく)ですから、 Bt蛋白質の受容体を持っていて、Bt蛋白質を食べると死んでしまいます。このことは 以前からわかっており、鱗翅目に属する虫への影響も予め調べられていました。
コーネル大学の発表後すぐに、米国を中心に世界各国で20以上の研究者グループが調査を 行ったところ、実際には自然界でオオカバマダラの種の存続に影響を与える可能性は 殆んどない事が確認されました。オオカバマダラという蝶の幼虫は、トウワタ (ガガイモ科植物)の葉っぱしか食べず、通常は花粉を食べることはありません。また、 母親のオオカバマダラは卵を産むときに、トウワタの葉っぱがたくさんあるところを 選んで産卵しますが、もともとトウワタは雑草なので、トウモロコシ畑にはほとんど 生えていません。一方、トウモロコシの花粉が飛散するのは一年間で10日間ほどですが、 この時期とオオカバマダラの卵が幼虫となる時期は約1ヶ月ずれていて、幼虫が トウモロコシの花粉を口にすることはほとんどありません。なお日本でも農林水産省の 一般圃場で追試試験を行ったところ、蝶の生態を脅かす可能性はほとんどないことが確認されています。
また、米国における蝶の愛好家によるオオカバマダラの観測リポート「モナコウォッチ」 によれば、オオカバマダラの数は、Btコーンの作付けが始まった1996年以降減ったと いう報告はありません。
害虫に強い農作物を何年も続けて栽培すれば、抵抗力の強い虫が登場する可能性が あります。害虫の方がもっと強くなれば、せっかくの「害虫に強い」という性質も 失われてしまいます。そこで栽培現場では、抵抗力の強い虫の発生を少しでも 遅らせるための栽培管理が行われています。
農業は害虫と雑草との戦い」とよくいわれます。現在農業現場では殺虫剤を用いて害虫を 駆除するのが一般的ですが、どんな殺虫剤を使っても更に強力な害虫が出現してくる事は 農家の最大の悩みでもあります。Xという殺虫剤で駆除した筈でも数匹でも生き残れば、 生き残った害虫が「殺虫剤Xで死なない遺伝子」を子孫に残し、やがて殺虫剤Xでは駆除 できない害虫が広がって収穫に大きな被害をもたらすのです。そして、新しい別の殺虫剤 が必要になります。この害虫との終わりのない戦いにおいて、私たちができる事は抵抗性 を持つ害虫の発生・拡大を少しでも遅らせる事だけです。この事は害虫に強い遺伝子組み 換え農作物にもあてはまります。
このため米国においては、害虫に強い農作物を栽培する際に「害虫の抵抗性の管理 プログラム(IRM)」を実施する事が米国環境保護庁(EPA)により義務づけられています。 Btコーンの場合は、開発者と種子会社、全国トウモロコシ生産者協会(NCGA)が共同で プログラムを作成し、農家はBtコーンの種子を購入するときに、IRMプログラムに従って栽培を行うことに合意します。
プログラムの目標は、万一害虫が生き残ってしまった場合に、生き残った害虫が 持っている「Btコーンで死なない遺伝子」がそれ以上広がらないようにすることです。 具体的には、農家はBtコーンを栽培する際に、畑の中または周囲に非Btコーンを 栽培する区域を20〜50%設けなければなりません。そうすることによって、たとえ 生き残り害虫が「Btコーンで死なない遺伝子」を持っていたとしても、Btコーンを 食べずに育った虫と交尾してBtコーンで死なない性質を弱めることができるのです。 さらに、農家、種子会社、地方の農業試験場が協力してモニタリングを行い、少しでも 生き残り害虫が発生している兆候が見られたら、モニタリングの頻度を増やします。
現在栽培されている遺伝子組み換え農作物は、環境に対する影響について事前に 安全性が確認されています。
トウモロコシやナタネのように他家受粉する作物の場合、野生の近縁種が近くに存在して 開花期が同じであれば、飛んでいった花粉が受粉する可能性があります。これを交雑と いいますが、日本には交雑可能なトウモロコシの野生植物はありません。ナタネの場合 は、近縁種の植物が近くにあれば交雑しますが、畑から離れた場所での交雑の可能性は きわめて低いと言われています。
ところで、除草剤の影響を受けない農作物とは、遺伝子組み換えによって、ある特定の 除草剤の影響を受けない性質を持たせた農作物です。具体的には、数多くある除草剤の うち、グリホサートの影響を受けない大豆や、グルホシネートに耐性のあるトウモロコシ などがあります。これは、「自然界での生命力が強くなる」とか「どんな除草剤をまいて も枯れない」遺伝子を組み込んだものではありません。ですから、もし仮に、この遺伝子 が雑草に移ったとしても、その雑草が自然の環境で繁殖して、人間の手におえなくなる 事はありません。また、他の除草剤をまけば枯れてしまいますので、どんな除草剤でも 効かないような雑草ができてしまうこともありません。
さあこれからも遺伝子組替えを続けていこう
■英環境相の発言が波紋、「遺伝子組み換え穀物は世界の食料危機を解決する」
(GM crops needed in Britain, says minister)
フィル・ウーラスフ英環境相が19日、英高級紙「インデペンデント」
「遺伝子組み換え穀物は世界の食料危機を解決する」とする発言を行ったことが、
英国内で波紋を呼んでいる。
イギリスも加盟している欧州連合では、輸入販売に関しては原材料表示を行
うことを条件に許可しているが、域内で遺伝子組み換え作物を栽培するする
ことは禁じており、ウーラスフ英環境相の発言は遺伝子組み換え穀物の栽培
解禁を目指すものだとして、グリーンピースやフレンド・オブ・アースといっ
た環境保護団体は反発の姿勢を強めている。
しかし、その一方で英ブラウン政権の主力閣僚が遺伝子組み換え穀物の肯定
的な側面を取り上げて発言を行ったことは、賛成、反対と広範囲に渡る、議
論を巻き起こすものとなっている。
[Technobahn]
http://www.technobahn.com/news/2008/200806231555.html
「バイオテクノロジー」は、「バイオロジー」(=生物学)と「テクロジー」 (=科学技術)を合わせた言葉で、生命工学または生物技術という言葉で表す ことができ、生物の持っている機能を上手に利用する技術です。
例えば、微生物を利用して作られる酒やビール、ワイン、納豆、醤油、パン、 チーズなどの発酵食品は、バイオテクノロジーの産物です。
また、昔から行われてきた農作物の品種改良もバイオテクノロジーといえます。
20世紀に入ると発酵技術を応用してクエン酸やアミノ酸、抗生物質なども生産される ようになりました。これら昔から利用されている技術はオールドバイオと呼ばれる こともあります。
最近は、バイオテクノロジーというと、20世紀になって実用化した技術を指すことが 多くなっています。細胞融合、遺伝子組換え技術などがそれに当たり、1970年代以降に 急速に発展しました。バイオリアクターやクローン技術などを含め、これらは ニューバイオテクノロジーと呼ばれています。
テレビや新聞などでも「DNA」や「ゲノム」という言葉をよく耳にするように、21世紀は 生命科学の世紀であるともいわれています。バイオテクノロジーは我々の生活をより 豊かにする上で大きく貢献すると考えられているからです。
また、20世紀に科学技術は目覚ましい進歩を遂げた一方、環境問題やエネルギー問題、 医療問題、食料問題など、解決すべき様々な問題も残されました。バイオテクノロジー は、これまでの技術では解決できなかった、これらの問題を解決しうる技術として 期待されています。
例えば、環境分野では、環境への負荷を低減させる技術など、持続可能な技術開発が 期待されています。また、バイオテクノロジーを活用して環境の保全や修復を行う 研究が進められています。
医療分野では、テーラーメード医療など個人の体質にあった治療や予防を行ったり、 再生医療や遺伝子治療の発達が期待されていると同時に、新薬の開発への応用が 進んでいます。
食料分野では、より生産性を高めて食料を増産したり、高品質で高機能な食料生産に つながると期待されています。
エネルギー分野では、化石資源の枯渇の恐れや原油価格の上昇などの要因に伴い、 バイオマスを原材料とした効率的なバイオ燃料の開発などへの利用が期待されています。
現在、バイオテクノロジーは、医薬品をはじめ、農林水産品、化成品、環境など 様々な分野で応用されています。
○医療分野 エリスロポエチン(腎性貧血の治療)やヒト成長ホルモン(小人症の治療)、 ヒトインスリン(糖尿病の治療)、インターフェロン(肝臓がんやB型肝炎の治療) などの医薬品が生産されています。これらの医薬品は、バイオテクノロジーによって 純度が高く安価な製品の大量供給が可能になりました。 また、モノクローナル抗体や遺伝子組換え抗原を利用したインフルエンザなどの病気や 妊娠の体外診断薬も広く実用化されています。
農林水産分野 作物では、遺伝子組換え大豆やトウモロコシなどが開発され栽培されています。また、 組織培養によるウイルスフリーのイチゴなどが広く実用化されています。 作物以外では、受精卵クローン技術を利用した肉牛、全雌化や3倍体技術を利用した 魚などがあります。 花卉(き)では、洋ランはほとんどが組織培養によって増殖が行われており、 遺伝子組換え技術を用いた青色のカーネーションが実用化されています。
○食品分野 細胞融合は酵母や麹菌の育種に広く応用されていて、パンや日本酒、焼酎、ワインなどの 生産に実用化されています。 また、異性化糖やオリゴ糖、甘味料の製造などもバイオテクノロジーを応用して行われて います。チーズ製造に用いるキモシンもバイオテクノロジーを応用したものがあります。 最近では、機能性を重視した食用油なども酵素変換によって開発されています。
化成品 洗剤などに入っている脂肪分解酵素や、紙の生産に使用される組換え酵素などが 応用されています。特に土や水の中で自然に分解する生分解性プラスチックの市場は 年々拡大しています。
遺伝子組換え技術は、食料生産のほか、医薬品や工業原料の製造分野など様々な場面で 広く活用されています。
医薬品としては、これまで人工合成が困難であったヒトの成長ホルモン、 インターフェロン、インスリンなどが遺伝子組換え微生物を利用して 大量生産できるようになり、医療の現場で大いに役立っています。糖尿病の 治療に必要なインスリンは、かつてはブタからインスリンを取り出し、 そのまま使用するか、化学反応を用いてヒト型と異なる部分のアミノ酸を ヒト型に変換してヒトインスリンを作っていました。しかし現在は、 遺伝子組換え技術によってヒトインスリンの遺伝子を大腸菌に組み込んで、 大量に生産できるようになりました。これによって価格が安くて 副作用のない高品質なインスリンの大量供給が可能となり、 インスリン注射が必要な多くの糖尿病患者を救うことになりました。
また、毎日の洗濯に使っている洗剤や、ジーンズ・デニムの風合いを出すための 「バイオウオッシュ加工」などに用いられる酵素の生産には、この技術が使われています。
さらに、研究開発の現場では、実験や検査に使う薬品などにも遺伝子組換え技術を用いて 製造されるものが多数あるほか、遺伝子や薬の働きを調べるための実験動物の作出などに も遺伝子組換え技術が用いられています。
一方、農林水産・食品分野でも、除草剤の影響を受けないダイズ、ナタネ、害虫に強い トウモロコシやワタなどが実用化され、世界各地で栽培されています。これらの栽培国・ 栽培面積は、年々大幅に拡大しており2007年では1億1,430万ヘクタールに達しました (国際アグリバイオ事業団(ISAAA,2008))。例えば、米国やアルゼンチンで栽培される ダイズでは、9割以上が遺伝子組換え品種となっています。
我が国では、現在、海外で生産された遺伝子組換え農作物は、畜産飼料や油糧などを 中心として大量に輸入され、私たちの食卓を支えるためには不可欠なものとなっています。
このほか、食品以外では、これまでにない花色のカーネーションなども商品化されて、 店頭に並んでいます。
人類は農耕を開始して以来、農作物にさまざまな改良を行ってきました。例えば、 キャベツの野生種から品種改良によって、いろいろな種類の野菜が作られました。
現在、私たちが目にする美味しくて収量の高い農作物や、多種多様な色や形の園芸植物の 多くは、そのような品種改良の産物です。このような従来の育種技術による改良でも、 遺伝子組換え技術を利用した改良でも、「遺伝的な変化が起こった結果、新たな品種が 得られる」という点では同じです。
しかし、従来の育種技術による改良では、どのような変化が起こるかは偶然に任せられて いるのに対し、遺伝子組換え技術による品種改良では、目的とする遺伝子だけを組み込む ことができます。
従来の育種では実際にどのような遺伝子が改良に関与しているのか良くわかっていません でしたが、遺伝子組換えによる品種改良では、組込む遺伝子の働きがわかっているので、 より正確に、かつ、計画的に品種改良を進めることができます。
それに加えて、従来の育種との大きな違いは、異なる種の遺伝資源を利用できる事です。 このため、種にとらわれることなく、有用な遺伝子を幅広い生物の中から選んで利用する ことができることになり、品種改良の可能性が大きく広がります。
人類はこれまで、既存の育種技術を用いて、天然の植物を人間の都合が良い作物へ作り 変えてきました。ただし、交配などの育種技術で効果を上げるには、多様な遺伝子が 含まれる多様な『遺伝資源』の存在が必須です。この遺伝資源は生産性の高い近代農業の 普及に従い、急速に減少しいるとともに、各国の遺伝資源に対する権利意識の高まりから 、自由に使えなくなる傾向にあります。
遺伝子組換え技術は、生物の持つ機能を上手に利用して、求められる遺伝資源を計画的に 作り出すことで、育種の可能性を大きく広げることができる技術です。
また、地球温暖化などの環境問題が重要な課題となる中、石油に代わるエネルギーや 化学工業原料として植物の利用が注目されています。植物をエネルギーや生分解性 プラスチックの原料などとして用いる場合、植物をアルコールや生分解性プラスチックへ 変換しやすくしたり、植物の炭素固定能力を画期的に引き上げ、低コストで大量に 生産することなどが必要となります。このような遺伝資源は自然界に存在しない以上、 遺伝子組換え技術は、この鍵となる技術であり、これまでとは全く違った農作物の 利用形態を生み出す上でも有効です。
従来の交配による育種では、このような作物を作り出すことは極めて困難ですが、 遺伝子組換え技術を用いることにより、これら作物の開発が可能となると考えられる ことから、遺伝子組換え技術は、世界の食料問題、環境問題、エネルギー問題を 解決する手段の一つとして強く期待されています。
遺伝子組換え農作物を作るためのステップは、次のような手順を踏みます。 ・ ある生物から目的とする有用な形質に関係する遺伝子を見つけ、その遺伝子だけを取り出します。 ・ 改良しようとする農作物の細胞の核に、取り出した遺伝子を導入します。 ・ 細胞の中から目的の遺伝子が確実に導入されているものだけを培養・選抜し、増殖させ、植物体を再生させます。 ・ 得られた植物体の中から、有用な形質が発現している個体を選抜します。 ・ 交配などにより、この形質が次世代に安定的に伝わるかを確認します。
例えば「病気に強い」遺伝子組換え植物を作る場合、まず植物や微生物などの中から、 「病気に強い」性質を持っている生物を探します。そして、その生物が持つ多くの遺伝子 の中から、「病気に強い」性質を持たせる遺伝子を見つけます。
見つかった「病気に強い」遺伝子だけを取り出し、改良を行う対象の植物の細胞に 導入します。実際には、対象植物の葉や種子などの組織やカルスを用います。
導入の方法としては主に、アグロバクテリウム法とパーティクルガン法が使われています。 アグロバクテリウム法は、アグロバクテリウムという微生物が、植物の細胞に自分の 持つDNAを送り込むことができる性質を利用した導入方法です。 パーティクルガン法は、目的の遺伝子を結合させたタングステンや金の微粒子を、 高圧ガスなどの力で植物細胞に打ち込むことによって、遺伝子を導入する方法です。
導入した遺伝子が、植物のDNAに実際に組み込まれた細胞だけを選抜・増殖させ、 植物ホルモンを与えて、新たに芽や根を分化させて完全な植物体を再生します。
この後は、「病気に強い」遺伝子が目的どおりに働いている植物体だけを選抜して、 従来の品種改良と同じように、かけ合わせを行ったりしながら、改良していきます。 こうして、「病気に強い」という目的の性質を持った品種ができあがります。
なお、できあがった組換え植物を実用化する場合には、環境に対する安全性、食品や 飼料としての安全性の確認のための厳密な試験が行われ、公的機関の審査をクリアできた もののみが栽培・流通できることになります。
「遺伝子組換え」と聞くと、DNAすべてが組み換えられているようなイメージがあります が、目的とする遺伝子だけを、改良したい生物の細胞の中に導入して、目的とする形質を 発現させようとするものなのです。
アグロバクテリウム(Agrobacterium)は土壌中にいる微生物で、植物に感染すると植物の 根元にクラウンゴールと呼ばれる「こぶ」を形成します。この現象は、アグロバクテリウ ムが、自分の持つプラスミドDNAの一部(T-DNAと呼ばれる領域)を切り離し、その遺伝子を 植物のゲノム中に組み込むことによって起こります。
植物は、アグロバクテリウムから組み込まれたT-DNAの遺伝情報に基づいて植物ホルモン と特殊なアミノ酸を合成します。クラウンゴールと呼ばれる「こぶ」は、この植物ホルモ ンの働きによって細胞分裂が促進されて生じます。一方、アミノ酸は、植物は利用できず アグロバクテリウムのみが利用できる特殊なアミノ酸で、アグロバクテリウムはこのアミ ノ酸を利用して、クラウンゴール内で生育することができます。
遺伝子組換え技術に用いるアグロバクテリウム法は、アグロバクテリウムが自分の遺伝子 を植物体に組み込むことができる性質を利用して開発された方法です。
まず、プラスミドの中のクラウンゴールを作る植物ホルモンやアミノ酸を合成する遺伝子 (T-DNA領域)を取り除き、その部分に目的とする有用遺伝子をつなぎます。
次に、有用遺伝子をつないだプラスミドをアグロバクテリウムに戻し、そのアグロバクテ リウムを植物細胞に接触・感染させ、目的の遺伝子を植物細胞の中に導入します。 このような過程を経て、有用遺伝子を植物細胞の染色体上に組み込み、有用遺伝子を 持った植物体を作り出します。
マーカー遺伝子とは、遺伝子組換えの際に、目的とする遺伝子が入ったことを確認する ための目印として、一緒に組み入れられる遺伝子のことです。
薬剤(カナマイシン、ハイグロマイシンなどの抗生物質)耐性遺伝子や、除草剤耐性遺伝子 などが使われます。
例えば、カナマイシン耐性遺伝子をマーカーとして使用した場合、アグロバクテリウム法 やパーティクルガン法で遺伝子を導入した細胞を、カナマイシン入りの培地で培養します 。すると、目的の遺伝子と一緒に、カナマイシン耐性遺伝子が組み込まれた細胞だけが成 長できるため、組換えが起こった細胞を選抜することができます。
医療分野、工業分野など、様々な分野で遺伝子組換え技術の貢献が期待されていますが、 食料分野について述べると、20世紀の100年間で世界の人口は4倍に増え、2007年には66 億人に達しており、国連によると2050年には95億人に達すると推定され、今後、人口増加 に見合う食料をいかに確保するかが重要な問題となってきます。
一方、都市化に加えて、地球温暖化や森林の減少などの影響により、砂漠化や海面の上昇 、干ばつなど地球環境の悪化や天候不順が重なり、耕地面積は年々減少してきています。
現在でも、世界で8億人以上の人々が栄養不足や飢餓状態にあるといわれており、食料問 題は、今後ますます深刻化すると予測されます。こうした食料問題を解決するキーテクノ ロジーの一つとして、遺伝子組換え技術が期待されています。
また、環境分野ではバイオプロセスやバイオマスの利用によって、環境への負荷を低減さ せる技術など、持続可能な技術開発が期待されています。また、バイオテクノロジーを活 用して環境の保全や修復を行う研究も進められています。
エネルギー分野では、化石資源の枯渇の恐れや原油価格の上昇などの要因に伴い、 バイオマスを原材料とした効率的なバイオ燃料の開発などへの利用が期待されています。
これら諸問題に対応するため、農林水産省では、飼料自給率の向上やバイオエネルギーの 確保などを目的として、病害に強く多収のイネ、食料の安定供給のための寒冷・乾燥・塩 害に強い作物、健康の増進を図るための機能性成分を高めたイネ、土壌中のカドミウムや 残留性有機汚染物質を吸収する環境修復植物などに関する開発研究を開始します。
ゲノムとは、その生物が持つ遺伝情報の全体を指します。
生物を遺伝子のレベルから理解するために、様々な生物のゲノムの解読が行われており、 酵母やショウジョウバエ、ヒト、マウス、シロイヌナズナ、イネなどのゲノムの塩基配列 が解読されています。
ゲノムを研究することによって、遺伝子の機能を解明したり、個々の遺伝子がどの時期 に、どの組織で、どのように働いているのか、発現の様子を調べることができます。
また、様々な生物間の違いや、同一種の中の個人差をゲノムの比較によって解明することもできます。
例えば、ヒトにおける遺伝子の個人差の研究では、1つの塩基が置換した1塩基多型 (SNPs)を解析して、病気に対する感受性や、薬物への応答を調べます。それによって、 その人にあった副作用の少ない薬を投薬することもできます。
植物であれば、植物が本来持っている病気や害虫に対する抵抗性の仕組みを解明し、 その機能を高めたりすることができます。
現在、実用化されている代表的な遺伝子組換え農作物は、「除草剤の影響を受けない性質 」や「害虫に強い性質」を導入したものです。ナタネ、ワタ、トウモロコシ、ダイズ、ア ルファルファ、イネ、パパイヤ、トマトなど、いろいろな農作物が実用化されています。 また、コムギ、オオムギ、アズキなどでも開発が進められています。
通常の作物栽培では、雑草や作物の種類に合わせ、複数の除草剤を組合わせて数回ずつ散 布しています。全ての植物に対して効果を発揮する除草剤もありますが、肝心の作物まで 枯れてしまうため、作物用には使えませんでした。除草剤の影響を受けない組換え農作物 が実用化したことにより、除草剤の散布量を減らすことが可能となりました。
米国では、従来のダイズ栽培に比して、除草剤の使用量が約4割低減したという調査結果も出ています。
一方、害虫に強い組換え農作物は、土壌微生物が元々持っている、特定の害虫だけに毒と なるタンパク質(Bt タンパク質)を作る遺伝子を導入したものです。このタンパク質は生 物農薬としても既に利用されており、特定の害虫以外の哺乳類や鳥類などには無害です。 これにより、殺虫剤の散布量を大幅に減らすことができるようになりました。
農業は、害虫、病気、雑草との戦いだともいわれていますが、これらの組換え作物が実用 化されたことにより、生産者は農薬散布の労力やコストが削減でき、農薬の使用量も減ら せるようになっています。
そのため、米国やアルゼンチン、カナダなどの農家が好んで栽培するようになり、 栽培面積は年々急増しています。 このほか、世界の食料問題の解決に向け、収量性の高い作物や、乾燥地などの不良環境 でも生育する作物などの開発が進められています。
また、私たちの健康に役立つ成分を高めた農作物の開発も進んでいます。我が国では、 健康の増進を図るための機能性成分を高めたイネなどの研究が実用化に向けて進められています。
また、色変わりカーネーションとして、青色色素を作らせる性質を持たせた遺伝子組換え カーネーションは、すでに日本での販売が開始されており、同様のバラも近く商品化の予定です
遺伝子組換え農作物の商業栽培が始まったのは、1996年(米国170万ha)からです。
その後、世界において急速に栽培面積が増加し、2007年には、23カ国、 1億1,430万ヘクタールで栽培されています。
これは、世界の耕作面積の約8%、日本の総作付面積の約25倍に相当します。
1994年に、世界で初めての遺伝子組換え食品が、米国で販売されました。これは フレーバー・セーバー・トマトと呼ばれるもので、完熟した状態でも日もちが良いのが 特徴でした。
その後、害虫に強い性質や除草剤の影響を受けない性質を持ったトウモロコシやダイズ などの農作物の開発が進められ、これらを中心に本格的な商業栽培が行われるように なったのは1996年からです。
日本では、この年に厚生省(現在の厚生労働省)が遺伝子組換え食品として安全性を確認 したものについて輸入が可能になり、その年後半から市場に出回るようになりました。 これらの遺伝子組換え農作物は、さまざまな加工食品の原材料となって販売されてきました。
2008年3月現在で、わが国において食品としての安全性が確認され、販売が認められて いる遺伝子組換え農作物は、ダイズ、トウモロコシ、バレイショ、ナタネ、綿実、 アルファルファ、テンサイの合計7作物となっています。
853 :
農NAME :2008/08/05(火) 00:19:30
人体に害はないと言っている科学者は大勢いますが、 実際にはなんらかの害があるそうです。 ある科学者がマウスに遺伝子組み替え食品を食べさせたところ、 そのマウスは生殖機能に異変が生じたそうです。 遺伝子組み替えを食べた人間が病気になったり死亡したりしました。 遺伝子組み替えが原因だとは解明されていませんが、このようなデータがあることには、 注目すべきだはないでしょうか。
854 :
農NAME :2008/08/05(火) 00:35:36
遺伝子組み替えを取り入れれば収穫量が増えるという話も本当なのでしょうか。 ある発展途上国が、収穫高の向上を目的に、国をあげて遺伝子組み替えを導入しましたが、 なんと収穫高が減少したようです。 除草剤耐性農作物により、農薬をかける量が少なくなるというのも、一時的なものにすぎません。 今、農薬耐性雑草、害虫がいるように、除草剤耐性雑草、昆虫が現れはじめました。
855 :
農NAME :2008/08/05(火) 01:02:14
今、アメリカのモン○ント社は遺伝子組み替え苗の特許を持っています。
しかし、植物というのは自然に花粉が飛んで交配をおこないますが
モン○ント社は農地を査察し「契約」していない農家の農地に
自社の特許作物が生えていたら「不正使用」ということで農家を訴えています。
農家はことごとく敗訴し、莫大な「賠償金」の支払いを命じられました。
モン○ント社から言わせてみれば自然に自生したものでも
「不正使用」
のようです。
日本にも日本モン○ント社がありますが、このことを日本で行うことも検討されています。
一例
http://wiredvision.jp/archives/200501/2005011705.html
856 :
農NAME :2008/08/05(火) 01:21:18
1984年「六七O七」という名前が付けられた豚が誕生した。 科学者が首を長くして待っていた誕生。 科学者はヒトに似て脂肪分の少なく大きな豚をつくろうともくろみ、 豚の遺伝子にヒトの遺伝子を組み込んだ。 生まれた豚は動くのもままならなかったが、科学者の手がそれに母乳をのませ、生かした。 しかし、その豚は骨と皮ばかりで成長せず、盲目で生殖器が未発達、関節炎で 立つことも出来ず、最後には死亡した。 この実験は「共食い」などと批判され中止され、闇に葬られた。 植物にも奇形が多く発見されています。
857 :
農NAME :2008/08/05(火) 01:43:26
858 :
農NAME :2008/08/05(火) 01:59:14
現在、日本で食品としての安全性が確認され、販売が認められている遺伝子組換え農作物 は7作物(ダイズ、トウモロコシ、バレイショ、ナタネ、綿実、アルファルファ、テンサ イ)です。
ダイズであれば、ダイズ油、醤油、豆腐、油揚げ、おから、納豆、豆乳、きな粉などの 原材料となります。またこれらの加工食品がさらに利用されて、菓子や惣菜などの原材料 となることもあります。なお、油をとった残りのダイズ粕などの多くは家畜の飼料として 利用されています。
トウモロコシは、コーン油、コーンスナック菓子、トウモロコシ缶詰、コーンフレークス 、コーンスターチなどになります。中でもコーンスターチはこれを素材として、ビールな どのアルコール飲料や糖類(果糖ブドウ糖液糖など)に加工されて清涼飲料水などに用いら れており、二次加工、三次加工と広範囲に及ぶ加工食品の材料になっています。また家畜 用の飼料や工業用澱粉など、直接の食品以外にも利用されます。
バレイショは植物防疫上の理由から、日本へはそのままの形で生で輸入されることは原則 ありませんが、冷凍フライドポテトやマッシュポテト、バレイショ澱粉となって輸入され 、ポテトスナック菓子の原材料などにも利用されます。
ナタネや綿実は植物油に用いられます。 なお、テンサイも、植物防疫上の理由から生では輸入できません。
厚生労働省医薬食品局食品安全部が2008年2月12日現在で公表した「安全性審査の手続き を経た遺伝子組換え食品及び添加物一覧」の概要を取りまとめました。
農業は虫との戦いだとよくいわれます。せっかく丹精をこめて作った農作物も、 一夜にして害虫に食い尽くされてしまうことがあります。
遺伝子組換え技術によって可能となった「害虫抵抗性」という性質は、特定の害虫に 対して被害を受けないようにしたものです。
害虫抵抗性農作物は、もともと土壌に生息しているバチルスチューリンゲンシス (Bacillus thuringiensis)という細菌(Bt菌)が持つ、特定の害虫に対して毒となる タンパク質を作る遺伝子が導入されたものです。 チョウやガ、またはコウチュウ類の幼虫などに対して殺虫作用がありますが、 その他の昆虫はもちろん哺乳類や鳥などの脊椎動物には無害です。
Bt菌は生物農薬としても既に利用されてきた歴史もあり、有機農業でも使用が認められて いますが、遺伝子組換え植物体内のBtタンパク質の濃度は、生物農薬として散布される 濃度よりも格段に低いことが知られています。
こうした性質が加えられた害虫抵抗性農作物は、害虫による被害を軽減し、散布する 殺虫剤の量も大幅に減らすことができます。
現在、害虫抵抗性農作物として、トウモロコシ、綿実、ナタネ、ジャガイモなどで 実用化されています。
872 :
農NAME :2008/08/07(木) 12:49:22
効率の良い生物兵器です〜
>>872 まだこの程度では効率が良いとは言えない
現在、雑草を防除するために、さまざまな除草剤が実用化されています。農家は雑草や 作物の種類に合わせて、いくつかの除草剤を組み合わせ、数回ずつ散布を行います。
除草剤の中には、全ての植物に対して効果を発揮するものがありますが、肝心の作物まで 枯れてしまうので作物用には使えませんでした。
そこで開発されたのが除草剤耐性農作物です。ある土壌細菌の中から、特定の除草剤、 例えばグリホサートやグルホシネートなどの除草剤の作用を阻害する酵素をつくる 遺伝子を見つけて取り出し、それを農作物に組み込みます。すると、この農作物の 栽培中にグリホサートなどの除草剤をまいても、雑草だけが枯れて、作物は全く影響を 受けずに育ちます。
農家にとっては、1種類の除草剤だけで確実に雑草を防除でき、除草のための手間と コストも削減できるという利点があります。
また、除草剤耐性作物は、大陸では効率的な不耕起栽培を可能にすることで、表土流出の 防止や栽培に使う化石燃料の低減の効果もあります。
現在、除草剤耐性農作物として、ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、綿実、アルファルファ 、テンサイなどが実用化されています。
作物がウイルスに感染して病気になると、決定的な被害を受けます。ウイルス抵抗性とは このウイルスに強い性質を持つもので、病気になりにくい性質のことです。
例えば、作物がいったん、あるウイルスに感染すると、それに似た種類のウイルスには 二重には感染しないという作用(干渉作用)が知られています。
そこで、タバコモザイクウイルスの外側をおおっている外被タンパク質に関する遺伝子を 、遺伝子組換え技術によって作物に導入したところ、外被タンパク質ができて干渉作用を 再現することができ、外部からタバコモザイクウイルスに感染しにくい性質が加えられました。
このようにして、さまざまなウイルスに感染しにくい性質が、パパイヤやトマトなどで 開発されています。
日本で現在、食品として安全性が確認されているものにはジャガイモがあります。
現在、ハワイで作られているパパイヤの60%以上は、ウイルス抵抗性遺伝子を組み込んだ 組換えパパイヤであるといわれています。
世界の穀物の生産動向をみると、収穫面積は、農地開発が行われる一方で、過度の放牧や 塩類集積などにより世界全体で1年間に日本の耕地面積を上回る500万ヘクタールの農地 が砂漠化しています。
ストレス耐性植物とは、乾燥に強い植物や塩分濃度の高い土地などでも育つ植物を 指します。これらが開発されれば、これまでは農業ができなかったような土地でも 農作物を栽培することが可能となり、収穫面積の拡大を通じ、飢餓問題の解決にも 効果があると考えられています。
日本では、過剰発現させると乾燥・塩・低温ストレスに対する耐性の向上する シロイヌナズナの遺伝子、 DREB(Dehydration-Responsive Element Binding factor)が 発見され、国際機関とも協力しながらストレス耐性作物の開発が進められています。 また、耐塩性の遺伝子組換えユーカリなどが、研究レベルでの開発に成功しています。
遺伝子組換え植物を用いて、環境問題を解決するための研究が進められています。
例えば、植物を利用して、汚染された土壌中の重金属を取り除く研究があります。 カドミウムは、人の健康に害を与える恐れのある重金属で、農用地の土壌汚染の原因の ひとつです。
アブラナ科の植物は、元々根からカドミウムを吸収する能力が高い事が知られています。 そこで、遺伝子組換え技術を利用する事により、更にカドミウムの吸収力を高められるの ではないかと期待されています。そうすることで、汚染された土地でカラシナなどを栽培 するだけで土壌中のカドミウムを取り除くことができます。
また、広範囲に広がった汚染を比較的安価に処理することも可能です。
このように、汚染物質を環境中から除去する研究のほかに、汚染物質そのものを分解して 環境を浄化する植物の開発も行われています。
また、今まで農業ができなかったような乾燥した地域やアルカリ土壌、塩分濃度が高い 土地でも生育できる植物が開発されれば、環境の緑化にもつながります。
遺伝子組換え技術によって、私たちの健康によりよい農作物の開発が進められています。
例えば、体に良い油として注目されているオリーブオイルより、さらに多くのオレイン酸 を含むダイズが開発されています。オレイン酸には、血中の善玉コレステロールはそのま まにして悪玉コレステロールだけを下げる効果があることが報告されています。
また、β-カロチンを含むコメの開発が進められています。このコメは黄金色をしている ことから「ゴールデンライス」と呼ばれています。β-カロチンは、体内でビタミンAと なるため、開発途上国で深刻な問題となっているビタミンA不足の解消に有効であると考 えられています。特に、東南アジアやアフリカなどの開発途上国では、年間約50万人の子 供がビタミンA欠乏に起因した眼球乾燥症で失明にいたっているという報告(1987年)があ ります。主食であるコメからβ-カロチンを摂取できることにより、ゴールデンライスは ビタミンA不足を解消する手段として期待されています。
また、中性脂肪や血圧を調整する作用のあるタンパク質を多く含むイネの開発も進められています。
さらに、農作物の栄養価をより高めるだけでなく、特定の成分を低下させる研究もあります。
また、ダイズやコメに、もともと含まれているアレルギーの原因になる成分を少なくして 、これらにアレルギーのある人でも安心して食べることができるダイズや米などの農作物 の開発が進められています。
医療分野では、遺伝子組換え技術を用いて、植物に医薬成分や原料を生産させる研究が進んでいます。
更に、ワクチン成分を食用の植物に作らせて、食品として食べて効力を発揮する「食べる ワクチン」の研究も行われています。「食べるワクチン」は、ワクチン成分を精製する 手間と費用が削減でき、保存の為の冷蔵設備も必要ありません。ヒトや家畜の感染症を、 食べるだけで予防することができるので、開発が期待されています。
また、アレルギー疾患の治療に有効な食べるワクチンの研究も進められています。
遺伝子組換え技術によって作られた農作物を一般の田畑で栽培し、食品や家畜の飼料とし て用いていくためには、栽培や流通に先だって、生物多様性(環境)に影響を及ぼす恐れが ないこと、食品として利用して安全であること、飼料として利用して安全であることを確 認する必要があります。
このため、遺伝子組換え技術の開発や実用化に当たっては、安全性確保のための法律が 策定され、国による管理、審査が行われています。
生物多様性(環境)に対する影響については、従来は文部科学省の「組換えDNA実験指針」 や農林水産省の「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」などにより管理 されてきました。
2004年2月に、生物多様性の確保を図る国際条約「カルタヘナ議定書」の円滑な実施を目 的として、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 」(カルタヘナ法)が施行されました。これに伴い、従来の指針は廃止され、カルタヘナ法 に基づき生物多様性の確保が図られる仕組みになりました。
カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物について、閉鎖系での利用か開放系での利用かに よって規制方法が異なります。
実験室や工場などにおける閉鎖系での利用(カルタヘナ法では「第二種使用等」と呼んで います。)については、遺伝子組換え生物の封じ込め確保のために必要な基本条件が法律 に基づいて示されており、それに従って使用することになっています。
遺伝子組換え農作物を栽培したり、外国から食品・飼料などの原材料用として輸入した ときに、生物多様性に影響を及ぼす恐れがない場合(いわゆる「開放系」での利用。 カルタヘナ法では「第一種使用等」と呼んでいます。)については、カルタヘナ法に 従って、我が国の生物多様性を損なう恐れがない場合に限って農林水産大臣と環境大臣 が使用の承認を行っています。
また、遺伝子組換え農作物を食品として利用する場合の安全性については、食品衛生法に 基づき厚生労働省が定めた「食品、添加物等の規格基準」および「食品安全基本法」に 従って、内閣府食品安全委員会と厚生労働省が、安全性を評価(リスク評価)し、承認を 行っています。
遺伝子組換え農作物を家畜の飼料として利用する場合の安全性については、「飼料の安全 性の確保及び品質の改善に関する法律」および「食品安全基本法」に従って、農林水産大 臣が飼料としての安全性確認を行っています。その確認に当たっては、内閣府食品安全委 員会に意見を聴くことになっています。
医薬品については、医薬品などの品質、有効性および安全性の確保のために定められた 「薬事法」に基づいて、特に、遺伝子組換え技術を利用した医薬品については、製造原料 の品質に関する「生物由来原料基準」や「ヒト又は動物由来成分を原料として製造される 医薬品等の品質及び安全性確保について」、製造法に関する「組換えDNA技術応用医薬品 等に係る治験届並びに製造承認及び許可申請等の取扱いについて」、試験法や評価方法に 関する「バイオテクロノジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン、 などの「医薬品などの製造のための法律やガイドライン」に基づいて、厚生労働省が 安全性審査を行っています。
このように、それぞれの遺伝子組換え技術を利用した農作物や医薬品ごとに、審査の 仕組みが決められており、開発者などが目的とする用途に応じて、関係する法律に従って 申請を行うことになっています。申請を受けた関係大臣は学識経験者などの意見を聴いた 上でその内容を審査することになります。
こうした審査によって安全性が確認されたものだけが商品となり、流通・販売される ことになります。
なお、安全性などの評価の方法については、生物多様性条約のバイオセーフティに関する カルタヘナ議定書、国連食糧農業機関(FAO)・世界保健機関(WHO)合同食品企画委員会 (CODEX(コーデックス)委員会)、経済協力開発機構(OECD)によって示された原則などを 踏まえて、組換えられる前の農作物との比較などを行いながら、遺伝子組換えにより 意図的に付与した性質、意図しないで付与された性質によって、生物多様性(環境安全性) や人(食品安全性)、家畜(飼料安全性)に影響を及ぼす恐れがないかどうかを評価すること になっています。
組換えDNA実験を行う際に研究者が守るガイドラインとして、従来は文部科学省で 「組換えDNA実験指針」を定め、この指針に基づいて試験研究が行われてきました。
2004年2月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する 法律」(カルタヘナ法)が施行されたことに伴い、実験室や温室などで実施する組換えDNA 実験については、文部科学省と環境省がこのカルタヘナ法に基づいて運用し、実験は 本法律に基づいて生物多様性を損なう恐れがないよう実施されることになりました。
遺伝子組換えの試験研究のほとんどは、閉鎖された実験室や温室などで行われます。
初めは、空気や水の出入りなども管理された封じ込めの下で取り扱われ、安全性を 確認しながら徐々に実験の規模を拡大していきます。
カルタヘナ法では、組換えDNA実験によって作られた生物が、外の環境に影響を 与えないように、物理的および生物的な封じ込め方法などを定めています。
2002年3月からは、最新の状況に合わせて指針が改訂され、高校などでも組換えDNA実験 を行うことが可能になっていますが、2004年2月にカルタヘナ法が施行されたことにより 、この実験についてもカルタヘナ法に基づいて行うことになりました。
例えば、クラゲの発光タンパク質の遺伝子を大腸菌に組み込んで増殖させ、発光蛋白質を 抽出するような高校の理科室で行う実験も、カルタヘナ法で定められた条件で行うことが 定められています。
遺伝子組換え植物を栽培することによる環境への影響については、従来、農林水産省の 定める「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」に基づいて審査されて きましたが、2004年2月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の 確保に関する法律」(カルタヘナ法)が施行されたことに伴い、この指針は廃止され、 カルタヘナ法に基づき、農林水産大臣と環境大臣が、生物多様性を損なう恐れがない ことを確認した上で栽培を承認する仕組みになりました。
承認申請を行う申請者は生物多様性影響評価書を試験データなどに基づいて作成し、 農林水産大臣と環境大臣に提出する必要があります。
まず、フェンスなどで区分された隔離ほ場で試験的な栽培を行い、我が国の自然条件下に おける遺伝子組換え植物の特性を把握することになります。
隔離ほ場試験を実施する際にも、遺伝子組換えによって生育の特性が変化して野生動植物 を駆逐してしまうような特性を持っていないか、有害物質を作るようになっていないか、 近縁の植物との交雑性に変化はみられないか、などについて実験室内のデータに基づいて 評価を行い、隔離ほ場試験を実施しても野生動植物の種または個体群の維持に支障を及ぼ す恐れがないと判断された場合に承認されることになります。
一般ほ場での栽培については、隔離ほ場試験のデータなどに基づき、野生動植物の種 または個体群の維持に支障を及ぼす恐れがないと判断される場合に認められます。
花などの非食品用途の場合は、農林水産大臣と環境大臣による一般ほ場での栽培承認が 得られると、商品化が可能になります。
従来の植物に比べて生物多様性を損なう恐れがあると評価された場合には、商品化は 許可されません。
「隔離ほ場」とは、我が国の自然条件の下で生育した場合の特性が科学的見地から 明らかではない遺伝子組換え農作物について、我が国の自然条件の下で生育した場合の 特性を明らかにするための試験栽培を行うほ場のことです。
「カルタヘナ議定書」は、生物多様性に関する条約のバイオセーフティーに関する議定書 であり、現在、将来の世代のために『生物多様性の保全および持続可能な利用』が食料、 保健その他増加する世界の人口の必要を満たすために決定的に重要であること、そのため 、遺伝資源および技術の取得の機会の提供、配分が不可欠であること、究極的に諸国間の 友好関係を強化し、人類の平和に貢献することなどの見地から、バイオテクノロジーによ り改変された生物による生物多様性の保全および持続可能な利用への影響を防止するため の国際的な枠組みを定めたものです。
なお、「カルタヘナ」とは、この議定書が検討された生物多様性条約締約国特別会合の 開催地であるコロンビアの都市の名前です。
議定書の締約国は、「議定書」の的確かつ円滑な実施を確保するために必要な措置を とる必要があります。
我が国においては、「カルタヘナ議定書」の的確かつ円滑な実施を確保することを目的 として、2003年6月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保 に関する法律」(カルタヘナ法)が成立、公布され、2004年2月から施行されました。
カルタヘナ法では、次のようなことが規定されています。
1)主務大臣(財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、 環境大臣)が、遺伝子組換え生物などの使用などによる生物多様性影響(遺伝子組換え生物 などの使用などにより生ずる影響であって生物の多様性を損なう恐れ(野生動植物や微生 物の種または個体群の維持に支障を及ぼす恐れなど)のあるもの)を防止するための施策の 実施に関する基本的な事項などを定め、これを公表すること
2)遺伝子組換え生物などの使用等に先立ち、使用形態に応じた措置を実施する事とし、 (1)遺伝子組換え生物などの環境中への拡散を防止しないで行う使用など(第1種使用等) の場合は、新規の遺伝子組換え生物などの使用などをしようとする者(開発者、輸入者な ど)などは事前に第1種使用規程を定め、生物多様性影響評価書などを添付し、主務大臣 の承認を受けること (2)遺伝子組換え生物などの環境中への拡散を防止しつつ行う使用など(第2種使用等)の 場合は、施設の態様など拡散防止措置が主務省令で定められている場合は、当該措置をとること 定められていない場合は、あらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置をとることを 義務づけています。
3)このほかに、未承認の遺伝子組換え生物などの輸入の有無を検査するための仕組み、 輸出の際の相手国への情報提供、科学的知見の充実のための措置、国民の意見の聴取、 違反者への措置命令、罰則などが規定されています。
従来、遺伝子組換え食品は、厚生労働省(薬事・食品衛生審議会)において安全性審査 および承認が行われてきました。
国民の食に対する関心が高まり、2003年5月に「食品安全基本法」が制定され、 同年7月に、内閣府に「食品安全委員会」が設置されたことに伴い、安全性審査の 方法が変更されました。
日本で流通する遺伝子組換え食品については、食品安全委員会が安全性評価(リスク評価) を行い、厚生労働大臣が食品としての利用を認める承認を行うことになっています。
まず、申請者が、遺伝子組換え食品の安全性に関する資料を提出し、その評価に 誤りがないか確認を求めます。
提出されたデータは、食品安全委員会の専門家によって構成される「遺伝子組換え食品等 専門調査会」において、「食品安全基本法」に基づき、安全性評価(リスク評価)が行われます。
安全性に疑わしい点がないか、データに不備がないかなど、最新の科学的知見に基づき 検討されます。その結果、食品安全委員会で安全性が確認された遺伝子組換え食品だけが 、厚生労働大臣の承認を得て、国内での流通が許可されます。
また、厚生労働省では輸入時にモニタリング調査を行って、安全性が確認されていない 遺伝子組換え食品が国内に流通することがないように監視しています。
また、2003年7月には、国際的な食品などの基準を定めるコーデックス(CODEX)委員会に おいて、遺伝子組換え食品の安全性評価基準が示されたことから、食品安全委員会では、 これまで用いられてきた基準やコーデックスの基準を基本に、新しい安全性評価基準を定めました。
新しい安全性評価基準は、全体の構成が変わったり、内容が詳細に記載されたり していますが、実質的にこれまでの基準と変わらない内容となっています。
安全性の審査は、主に、(1)組換えDNA技術により付加される全ての性質、 (2)組換えDNA技術に起因して発生するその他の影響が生ずる可能性について行われます。
所詮法律は守ってこそ成立するもの。 世界中で遺伝子組換えが採用された場合、 自然界への拡散を防止する事など人間にできるのだろうか。 一端拡散してしまったら、取り返しがつかなくなる。
遺伝子組換えは安全である。 遺伝子組換えを更に進め、 農業を発展させよう。
>>954 無法者はどの国にもいます。
遺伝子組み換えが世界の市場に流通した場合、誰が管理できるのでしょうか?
ペットですらワシントン条約うんたらをしても管理できないのに。
一端拡散してしまったら、取り返しがつかなくなりますよ。
★GM食品めぐり論争=英皇太子と政府
遺伝子組み換え(GM)食品をめぐり、チャールズ英皇太子が13日付のデーリー・
テレグラフ紙のインタビューで、「史上最悪の環境災害を招く」と発言、政府が
かみつくなど同国で論争を呼んでいる。
皇太子はこの中で、GM食品の普及を推進する多国籍大企業などを批判した。
これに対し、ウーラス環境担当閣外相は17日付のサンデー・テレグラフ紙で、
「皇太子は幾つかの非常に重要な疑問点を提起している」としながらも、「災害
というなら、その証拠を示してほしい」と反論した。
>>>
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008081700257
遺伝子組換え飼料については、従来は農林水産省の指針に基づいて安全性の確認が行われ てきましたが、 2003年4月に「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」(飼料 安全法)の省令が改正されたことに伴い、指針は廃止され、飼料安全法に基づいて確認が 行われています。
一方、BSE問題など、国民の食に対する関心が高まり、2003年5月に「食品安全基本法」 が制定され、同年7月に、内閣府に「食品安全委員会」が設置されたことに伴い、遺伝子 組換え飼料についても、安全性確認に当たっては、食品安全委員会に意見を聴く事になりました。
まず、申請者が、遺伝子組換え飼料の安全性に関する資料を提出します。
この資料などにより、遺伝子組換えによって付加された性質以外のものについて 組換える前のものと比較して実質的に同等であるかを評価します。
同等とみなし得ると評価した上で、遺伝子組換えによって付加されることが期待されて いる性質、遺伝子組換えによって発生する影響および発生の可能性など、遺伝子組換えに よって付加されたすべての事項について評価し、安全性を確認します。また、飼料の利用 および加工方法についても考慮します。
食品安全委員会では、専門家によって構成された「遺伝子組換え食品等専門調査会」に おいて、「食品安全基本法」の下で、飼料を通じて人の健康に影響がないか、最新の 科学的知見に基づいて検討されます。その結果も併せ、農林水産大臣による安全性確認が なされたもののみ、飼料として利用できます。
農林水産省においても輸入時にモニタリング調査を行い、安全性が確認されていない 遺伝子組換え飼料が国内に流通することがないように監視しています。
>>966 この対策ならば何の問題もありません。安心しました。
遺伝子組換えを更に進めよう
生物多様性影響評価書は、申請者(開発企業など)が自らデータを集めて作成することに なっていますが、これは、遺伝子組換え農作物を使用しようとする者が、安全性の確保に ついて責任を持つという考えに基づくものです。
ただし、申請者の評価が十分ではない可能性があるため、学識経験者からなる生物多様性 影響評価検討会において、申請者が作成するデータの他に、公的試験研究機関が実施した 試験成績や第三者が公表している学術論文なども積極的に活用しながら、申請者の評価の 妥当性の検証を行います。 この過程で、必要なデータが不足していると判断された場合 には、申請者に追加データの提出を求めます。これらの結果、申請者が行った生物多様性 影響評価が妥当であると判断されたもののみが承認されることになっています。
なお、こうした申請者のデータなどに基づき判断を行い、使用などを認める審査の方法は 、EUにおける遺伝子組換え体の安全性審査や、我が国における医薬品や農薬、食品添加物 、遺伝子組換え食品などの安全性審査においても同様に行われているものです。
開発段階の遺伝子組換え農作物は、一般の環境に影響を与えることがないように、初めは 空気や水の出入りなども管理された閉鎖系の実験室内で取り扱われ、安全性を確認しなが ら研究が進められます。
また、遺伝子組換えに当たっては、性質の明らかな遺伝子のみを、これまでの育種などに より知見が蓄積されている農作物に組み込むので、予想もしないような特性を持った組換 え農作物が出現する可能性はほとんどありません。
このようにして開発された遺伝子組換え農作物を、一般環境中で栽培したり、実用化する に当たっては、事前に環境への影響がどのようなものか確認を行う制度が設けられています。
万が一、予想もしないような特性を持った組換え農作物が作出された場合でも、生物多様 性への影響の面で問題を生じる可能性がある組換え農作物は排除できるように評価項目が 設定されており、そのようなものは実用化されません。
具体的な確認は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に 関する法律」(カルタヘナ法)において定められた方法に基づいて実施され、フェンスなど で外界と仕切られた隔離ほ場において試験的な栽培が行われます。
412 :農NAME:2006/09/03(日) 21:30:03 組み替え、組み換え、組替え、組換え、組替、組換、 どれが正しい?? 413 :農NAME:2006/09/03(日) 23:17:22 専門用語では「組換え」。 「組み換え」も可。 414 :農NAME:2006/09/04(月) 09:39:33 専門用語とゆーか行政用語だね〜 < 組換え
>2000/02/10(木) 14:35 このスレも古いな
8年6ヵ月
いよいよクライマックスか
8年6ヵ月
記念
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