1 :
名無し物書き@推敲中?:
感想は当面「感想文集」スレに書き込んでください。
三語関連スレを不当に増やさない為の暫定処置です。また片方しか見ない
人への誘導の意味もあります。
感想が見にくかったり、なにか問題が発生したらまた立てると言うことで。
略語は「競作スレ」を提案します。
あとは今まで通り"本スレ""感想スレ""良作選スレ""裏3語スレ"で良いのでは
ないかと。
3語競作感想スレが立ったら、そのとき考えましょう。
こんなもんかな?
なにかあったら簡素スレに書き込んで下さい。
現在のお題「粒」「深遠」「再興」7/10からです。
では、ごゆるりと…
3 :
うり「粒」「深遠」「再興」7/10:02/11/05 11:03
「きゃーかわいい」「ふわふわしてるよー」
お前等うざいんだよ、俺様に気安く触るんじゃねえ。イテテ、耳を引っ張るんじゃねえ。
「うさぎさんってさびしいと死んじゃうんでしょ、なかよししてあげる」
あー、もういいから放っといてくれ。お前等に弄り回される方が寿命が縮まる。
俺様がこじか幼稚園の檻に閉じ込められてからどれだけの月日が経つだろう。
あの広い野原では俺様が王様だった。最初はここから逃げ出して王国を再興する事ばかり考えていた。
だが今じゃ諦めが俺様を支配している。奴等の管理体制は厳し過ぎる。
仕方無く俺様は逃げる事を諦めたかわりに自由を奪った奴等に復讐してやる事にした。
「なんでうさぎさんの目って赤いの?」
うるせえよ、俺様から自由を奪ったお前等に復讐したくて血走ってるんだよ、ボケ。
お前等に俺様の深遠な考えが分かってたまるか。
「うさぎさんってあったかーい」
お、チャンスだ。俺様を抱き抱えているこのガキに復讐してやる。ほれ。
「せんせー、うさぎがウンコしたー」
少女の手の平や洋服に粒々のウンコがこびり付いた。
いらねーじゃんこのスレ
5 :
名無し物書き@推敲中?:02/11/06 09:13
本スレは投稿数伸びてるけど、このスレは・・・・。
この企画は失敗かな?
三題スレの乱立は本スレの過疎化を助長するだけだと思うな。
7 :
名無し物書き@推敲中?:02/11/06 16:17
10作品は多いんじゃないかな。5作品くらいだと流れがいいと思う。
または、お題を簡単なものにして、書きやすくする。
ひねりたい人は簡単なお題でもなんとかするんだろうし。
骨折り損のくたびれもうけ。(ToT)
>108さん
多分みんな、あっちこっち書いてる時間が無いんだよ。
三語って考えるの意外と大変だし。
今度はクリスマスとかイベントにちなんでやってみようよ。
平次は眼下に泡立つ潮のうねりを体全体で感じていた。望まなくとも鼻につく
磯の匂い、荒れ狂う海粒の波音と時折混じる鴎の鳴。その波のもたらす岩場の
揺れが平次を取り操るが如くに足を震わせる。否、果たして彼の足は大海原に
よってのみ震っているのではなかった。この押し寄せる波以上に獰猛で無慈悲
なものが平次の近況を覆い尽くし、喰いちぎり、切り刻んだ結果、彼は自決の
名所として名高い岩壁の上に佇み、震っているのであった。
取引先のひとつが破綻した頃、まだ平次は安穏とした心持ちで不動産屋の主人
という椅子にどっかと腰を据えていた。後に深遠するに、その頃が絶頂だった。
程なく、持ち物件は雪崩のように不良債権へと様変わりし、追い討ちをかける
かのように銀行が融資を絶った。客足が途絶えた代わりに経営の不振を杞憂し
た債権者がぽつりぽつりと現われだし、やがて倒産へと相成った。
再興の断念を促す弁護士によって計算された総負債額を見た平次は、まず笑う
しかなかった。そして次に、この問題の解決法は自らの命を絶つことより他は
ないと思うに至ったのだった。
かくして平次は脱いだ靴を丁寧に揃え、次なる世界へ飛び込まんとしていた。
11 :
「粒」「深遠」「再興」8/10 :02/11/06 20:12
小さな鉛の粒を汚れた指先で玩ぶたび、微かな音が廃墟に響く。
気紛れにまだ解していない一発をビルの割れ目の深遠に撃ち込むと、先程ショットガンの弾から取り出した粒達がコンクリートの床の上で跳ねた。
この都市の再興まで、と考えかけ、すぐに止める。そんな事に、意味など、無い。
>8
「骨折り損のくたびれもうけ」でもないですよ、少なくとも自己満足にはなりましたから。
ダブった…。
私のが「9/10」ってことで。
御免なさい。
>>3をコピペして使ったんで「うり」さんの名前が入ってしまいました。
>>10は「うり」さんではないです。
14 :
「粒」「深遠」「再興」10/10 :02/11/06 20:36
米粒のような、それでいて愛らしい眼で僕を見つめる彼女に、
僕は別れの言葉を告げた。好きな人が出来た、と。
彼女は十月に訪れる季節外れの台風を感じているかのような、
何とも間の抜けた表情をし、次第に涙を浮かべてこう言った。
「最後の日は今日だった」
深遠するに、彼女と過ごした二年余りはメリーゴーランドに
乗った2頭の子豚のような、無邪気で臆することのない日々だった。
その例えどおりに二人で連れ立って人気の疎らな遊園地に行って
メリーゴーランドにも乗ったし、有り金全てをはたいて風来坊のように
旅行もした。三日三晩寝ずに語り明かしたこともあったし、
安酒で酩酊した挙句に街外れの小川で朝を迎えたこともあった。
そのような若者然とした日々も、今や既に忘却の彼方に落ち込みつつある。
別れ際、彼女はもう一度、昔ふたりでよく聴いていた歌の歌詞を呟いた。
「最後の日は今日だった」
次は「雪」「道路」「落ち葉」でどうでしょう?
15 :
14です。訂正です。:02/11/06 20:39
>そのような若者然とした日々も、
は、
>そのような若者然とした日々が再興することなく、
です。スイマセン。
「お母ちゃん、雪だよ雪!」
たーちゃんの声で我に返った。私たちはバス停のベンチで待ち続けていた。たーちゃんは私の顔をしばし見つめてから、ベンチから歩道に飛び出し雪と戯れてみせる。なぜかその顔はこわばり不安で曇っている。ああ、何の事はない、それは私の顔でもあったのだ。
たーちゃんは暗澹がうきだした私の顔を、いつだったかの朗らかな笑顔に変えようと彼なりの努力をしている。わたしは努力して微笑みと優しい声をなげかけた。
「風邪引くわよ、お隣にきなさい」
多少なりとも不安が和らいだらしい、たーちゃん落ち葉で雪をすくうと大事そうに
持ち帰ってきた。雪が降る季節に街路樹から切り捨てられた落ち葉・・・。
それは夫に捨てられ打ちのめされた私と似ていた。
あなた、なんで私たちを置いて消えたの?
返しきれない借金があっても、生活が苦しくても一緒に暮らしていきたかった。
どんなに雪が積もっても葉を捨てずに冬を超え、ささやかな花をさかせ実をつける椿のように支え合いたかった。
ましてやこの子の為なら濡れ落ち葉のようになってでもついていく覚悟だった。
私の手に冷たさが走った。見るとたーちゃんが私の手を握っていた「お母ちゃんの手温かい、でもお母ちゃんは冷たそうごめんね」
「いいのよ、相手の事を思いやれるなんてやさしい子の証拠よ」
たーちゃんが笑った。そうしている間にバスが来た、けれどもあの人は来なかった。
乗り込もうとすると「ちょっと待って」たーちゃんが街路樹にかけより落ち葉を戻した。
バスの中でたーちゃんに尋ねると、落ち葉の裏にテントウムシが冬眠していたから布団を
とっちゃ寒そうなので返しにいったそうだ。
私にもできるだろうか。あの落ち葉のように冬を超えこの子が自分の春を歩み出すまで寒
さから守る事が、自信にも愛にも飢えさせない事ができるのだろうか。
家までずっとつないだ手の温かさをわたしは忘れない。
17 :
「雪」「道路」「落ち葉」2/10:02/11/07 23:11
道路に舞い散る落ち葉のうえに、朝の雪が淡く積もる。
彼は憂鬱そうにうつむきながら情けない足どりで歩いていた。
入学試験当日なのに腹は痛いし滑って転ぶし、気分はなぜか冴えないのだ。
手に取るように答えが知りたいと彼は望んだ。
すると電信柱から薄い紙を振る手が伸びているのに彼は気づいた。
不審がりながらも彼は受け取ると、なんと問いに対する答えがそこに印字されてあったのだ。
そして実際入学試験を受けてみると、その試験の解答だということを彼は理解した。
彼の人生は安泰とはいえなかったが、なにかの節目ごとにその手はどこからか伸びてきて、なんらかの回答を示した手紙を提示してくれた。
彼はそのたび安堵の息を漏らし、苦渋に満ちたうねりをなんとか乗り越えてこれた。
人生の後半にさしかかったある夜彼がベッドで眠りかけたころ、そばで人影が立ちつくしていることに彼は気づいた。
幻影はしだいに輪郭を満たし、やがて彼とだいたい似たような男の姿が現れた。
そしてその男の手は彼の人生を救った見覚えのある手だった。
「おい、俺のことを知っているだろうな」
「もちろんです。なんとお礼をいったらいいか」
「そうだろ、けっこう危険な目にもあってきたんだぜ」
「でもなんで今まで私のことを助けてきてくれたのですか?」
「それは俺も同じ目に遭ってきたからさ。人生はプラスばかりで終わらない。そうだろ?」
「はあ」彼は曖昧に答えた。
「世界を平衡に保つためにはどこかで埋めあわせをしなければいけない。俺は充分補った。今度はおまえの番だ」
男がようやく責任や負担から逃れられたというような解放感に満ちた表情を浮かべて成仏したと同時に、彼は息を引き取った。
「星」「ネクタイ」「ハロゲンヒーター」
目覚めた時から、ずっと黒い雪が降り続けている。今日の朝も、昨日の朝も。
セラミックの装甲服で外界を遮断し、さらにハロゲンヒーターで身体は充分に
暖められているはずだ。しかし放射線はそのような遮蔽物をものともせず、君の
神経を狂わせた。今もまた、断続的な悪寒が襲ってきている。
道路には、癌に侵され、なお生命活動を止める事のない人々があふれている。
あの日の前にはネクタイをしめ、サラリーマンとして生活を送っていただろうに。
彼らは今、住居らしい住居を持っていない。放射性物質の雲が切れる度に降り
そそぐ紫外線が、建物を劣化させ人々を外へ追いやったのだ。
落ち葉で焚き火をするくらいしか、彼らに暖をとる手段がない。その落ち葉も
すぐになくなるだろう。樹木が葉をつける事は二度とないのだから。
核ミサイル発射をよく観察するため、君は崩壊しかかった建物を昇った。
灰色の空を突きやぶって、残り少ないミサイルが飛んでいく。
そのうちどれだけが地球と太陽の重力をふりきり、遺伝子情報や歴史を誰かに
伝える事ができるだろうか。
君は祈る。地に平和を。星に未来を。そして、全ての幸福を。
次は「島」「宇宙」「鉛筆」でお願いします。
ブラウザが変になって誤爆した。
お題は使っているので、18は3/10という事で。
>>18 本スレが穢れるのでココに簡素つけるあるね。
日教組教師が喜びそうな駄文。朝日すら裸足で逃げ出しそう(笑
なんか、最近、朝日信者の間では終末思想が流行ってるの?
「君」に呼びかけて信者を増やそうとしているのか?
真面目に論評する気を奪い尽くす超ド級の駄文を久しぶりに見たYO。
21 :
名無し物書き@推敲中?:02/11/09 21:59
4/10「星」「ネクタイ」「ハロゲンヒーター」
部活からの帰り路でいきなり朝鮮人に会った。朝鮮人てこんな顔してるんだ。ふーん。とか
思う間もなく、麻袋みたいなので覆い被せられちゃって、叩かれたり殴られたりして
船に連れ込まれた。怖すぎ。朝鮮人、最悪。でも、そんなことは思わなかったね、その時は。
朝日新聞読んでるのだから。天声人語も国語教師に勧められて読んでる。爪が剥がれたけど。
散々殴られた。殴られるたんびに恐怖感は増して来るんだけど。殴られれば、
体を動かさない方がイイとか思って、諦めた。そしたら、チクッと注射された。
なんか知らないけど、招待所とかで、星のマークの朝鮮国旗とかを拝まさせられた。
朝鮮語、覚えたら、日本に帰れるんだね。良かった。おかあさんに合う為にガンバるぞ。
ネクタイした先生が朝鮮語を教えてくれた。もうすぐ、日本。お母さん。
何時まで経っても返してくれない。なんか、あの先生の様子が変。私を狙ってる?
ハロゲンヒーターのついた暖房器なんかも貰っちゃった。日本製品らしい。
早く帰りたい。
22 :
御題は「雪」「道路」「落ち葉」だよ:02/11/09 22:11
次は「雪」「道路」「落ち葉」4/10。
「星」「ネクタイ」「ハロゲンヒーター」はイレギュラーです。ご注意を。
つーか、嵐か…?
色んな意味で自分のミスです、すんません
25 :
「雪」「道路」「落ち葉」4/10:02/11/10 01:08
コニチハー♥ お久しブリブリ〜!!
この前東北地方にお邪魔いたしました。寒いオモタら、雪降テたヨ。
はじめてね〜、雪、見たの。道路も空も頭も真っ白。銀世界。大阪いうたら新世界。
あう、そんな話ちゃいまんねんな、NO、NO、今日は、落ち葉見に来たね〜。
ニポンのAUTUMN LEAVES トテモ綺麗ね〜。日光のモンキーのおしりみたいで、
真っ赤っ赤ヨ! ドリフト族、UZAIでしたです。とくにランエボに乗ってた人、
サイアクです。美味しんぼに出てきたあの人にソックリでした! マキネンさんに
似てた名前の、と、と、トミイ部長・・・。あんまりマフラーふるさかったカラ、
頭の毛、ソルバーグ・・・。
ワターシ、書きながら日本語STUDYしてます。簡素はイリマセーン。またね〜! チャオ!
26 :
Vu ◆sAO62Cbyi. :02/11/11 04:46
雪の降り積もる日、妻が私を散歩に誘った。珍しいことだ。普段、彼女は雪の日は外に出ようとしない。
私が行くところについて行くから、と妻が言った時、私は既に何か感じていたのかもしれない。
散歩道は、妻と初めて出会った、街路樹の並ぶ歩道を選んだ。傍らの道路は、当時から数えるほどしか車の姿を見ていない。
雪があらゆる音を吸い取ってしまったかのような静寂の中、私たちは腕をからませて歩いた。
「秋の暮れだったな、お前と会ったのは」
散り、舞い、積もる落ち葉の中、音もなく歩いてきた妻に一目で惚れたのは――いつのことだったろう。
「あなた――」
妻が、不意に足を止めた。言うな、と私は言いたかったに違いない。けれど、言葉にはできず、私はただ前を見ていた。
私は知っていたのだから。この日が来ることを。
「――ありがとう」
呟くように妻が言った時、私は絡めた腕に力を込めた。のがさぬように。離れぬように。
けれど、空を漂う真綿を掴めなかったように、彼女の気配は、ふ、と消えた。
ある確信を――彼女と出会った時から抱いていた確信を持って私は振り向いた。
雪積もる歩道には私の足跡だけがくっきりと残っていた。
落葉に音もなく現れた女は、今また、音もなく積雪に消えたのだった。
「雪」「道路」「落ち葉」5/10
道路に落ちていた落ち葉を、拾った。
昨夜から降りつづけた処女雪の下に埋もれていた、落ち葉を。
手はかじかんでいた。痛みすら感じる。
何故そんなことをしたのだろうか。
私も落ち葉のようなものだからだろうか。
「違う」
私は声に出して、はっきりとそれを否定した。
私はまだ木の上にある。
木の上にあって、紅く燃えて、人々を愉しませているはずだ。
(…………)
(もしこういうシチュエーションでヒロインと出会ったら…)
(そんで、女の子の名前は紅葉っていう名前で…)
(萌え萌え〜)
(……………)
女流美少女ゲームシナリオライターも、大変なのだ。
(萌え萌え〜)
かくれんぼをしていると、ふいに自分が何処にいるのか分からなくなって、
隠れ続けているのが自分だけのような気持ちになってこない?
あれはね、本当に、何処か別の所にいるから、そうなるの。
風に落ち葉が舞い上がり、はらはらと落ちる。煙る落ち葉の向こうには、赤い上着の女の子が立っていた。
ねえ、ほら、早く隠れなくちゃ、見つかっちゃうよ。
と、女の子は、枯れ木ばかりの林の中に身を深くいれ、褪せた木の皮と無数の落ち葉を囲い込んだ。赤い服が驚くばかりに同化する。
僕も、急いで同じ場所に身を投じた。鬼役の子が道路を駆けて来る音を聞いたからだ。
二人とも、同じところに隠れちゃ、駄目だよ。
声を潜めてそう言ったが、女の子は別段厭そうでもなく、結局二人一緒に隠れ続けた。
鬼が、目の前の道を、山のほうへ走って行くのが見えた。そのまま少しの間息を潜めていると
不意に、女の子が口を開いた。
ねえ、場所を変えよう。
え? 駄目だよ。ルール違反だよ。
いいじゃない、同じところばかりいると、すぐに見つかっちゃうわ。
でも、あなたが行かないなら、それでもいいけど。
と言うと、周りを見渡し、女の子は道へ出た。振り返り、僕のほうを一度だけ見ると、そのまま山のほうへ登って行った。
秋も終わりの、雪の降り出しそうな、冷たい空の下だった。
あの時、女の子は、可愛らしいピンクの手袋をつけていた。
それ以来、僕は、女の子の姿を見ていない。
29 :
「雪」「道路」「落ち葉」8/10:02/11/18 02:56
椰子とバナナに、うららかな陽の光。そこは常夏の島だった。
陽炎に揺らぐ道路の向こうから、巡回ショーのトラックがやってくる。
「いよいよこの島にも<ウインター・ショー>がやって参りました。
お代はオウム一羽でOK。これを逃すと、一生冬は拝めませんよー!」
常夏の島。この島で生まれ、この島で死ぬ人生。ショーは連日満員だった。
ショーといっても、それは情けないものだった。
落ち葉を敷いただけの「冬ワールド」。
冷蔵庫に保存しておいた雪に顔をうずめる「冬エクスペリメント」。
そんなショボいものでも、皆は感涙にむせび、何度もやってくる。
「今日ね、僕ね、雪を!なめちゃったんだよ。テレビじゃないよ、本物だよ。」
「本当に葉っぱが赤いなんて!黄色や赤が混ざって…」
翌日。珍しくショーの団長と団員達は、浜辺で疲れた体を休めていた。
ここの島でも好評だった。金は順調にたまってる。
がんばろう。
息も凍る地獄。シベリアに置き去りの妻子を、ここに呼び寄せるその日まで。
スィンクという名の小さな小さな妖精が生まれたのは、丁度、木々の葉っぱがほんのり赤や黄色にお化粧をして、やがて落ち葉となって静かに散っていく秋も深い頃でした。
スィンクが生まれて一番最初に目にしたものは、紅い実のなる大きな大きな木です。
大きな木はスィンクに向かって微笑みながら、「元気な坊主になるんだよ」とささやきました。
同じ頃、スィンクの仲間たちもこの世に生を受け、落ち葉の中からぽっかりと顔を出し始めました。
スィンクは仲間たちの中でも一番のやんちゃ坊主で、いつもはしゃぎまわっていました。
遊びつかれて眠くなったときは、落ち葉の布団にもぐりこみます。
落ち葉のお布団はとっても暖かくて、スィンクは仲間たちと一緒に丸まって眠りました。
その年初めての淡い雪がちらちらと舞い始めた日、スィンクは「雪」という魅力的なものに夢中でした。
降っては消え、また降っては消える雪を追いかけるうちに、スィンクは知らないところに迷い込んでしまいました。
そこはとても怖いところでした。
道路には「ニンゲン」という得体の知れない生き物がうじゃうじゃと居り、小さなスィンクはあっという間に踏み潰されてしまいそうで、とても怯えてました。
しばらく恐怖でうずくまっていると、だれかがスィンクの体をひょいと掬い上げました。
スィンクがおずおずと顔をあげると、そこには真っ赤なほっぺたの女の子の顔がありました。
「こんにちは、妖精さん。わたし、ゆかちゃん。もう大丈夫だよ。」
にこりと微笑む女の子の笑顔が、大きな木の笑顔とそっくりだったので、スィンクはほっと息をつきました。
ゆかちゃんはとても優しい女の子だったので、すぐにスィンクとお友達になりました。
やがて楽しい冬はあっという間に過ぎてしまいました。
ぽかぽかと暖かくなって、雪が溶けはじめるとスィンクの仲間たちはお別れを始めます。
そしてとうとう、スィンクの番が廻ってきました。
「ありがとう、大きな木さん、ゆかちゃん。たのしかったよ」
スィンクは微笑みながら、消えていきました。
スィンクが消えた跡には小さな若草色の芽が芽吹いていました。
☆童話を書いたのは、実に高校入試の日以来です。
(面接までの時間が長かったので、一本仕上がってしまった)
簡素をつけるなら、どの作品がすきとか評価して欲しいな。
32 :
「雪」「道路」「落ち葉」10/10:02/11/23 01:47
緑のロード・スターで高速道路をぶっとばす。
憂鬱な女が物憂げに煙草を吹かす。
ラジオからは無意味なトークが流れつづける。
ひたすら北へと走るばかりで、目的などなにもない。
この先雪が積もれば、この車では走りつづけられないだろう。
それから先女がどうするつもりなのかは、誰にもわからない。
女自身でさえ想像もつかないのだ。
落ち葉の舞う季節から、雪の舞う季節まで。
ただ底に落ちたかというほどの悲しい事件を体験してから、影を引きずるように彼女はラインを突き抜ける生活を送ることができなくなっていた。
彼女の胸に潜む衝動を発散させなければ、前へ進まないのだ。
すべては新しく生まれる世界のためにも、女はなんらかの行動を示さなければいけない。
不明瞭ながらもより良い未来を信じて、彼女はうまく動きつづけなければいけないのだ。
本スレよりも書き込みの少ないスレで。
次のお題は「おいしい水」「万事快調」「アイデア」でいきましょうか。
33 :
名無し物書き@推敲中?:02/11/27 02:17
裏より下がっているのはオカシイ!!!!!
絶対にオカスィ!!!!!
新規作家開拓アゲ
>>32には悪いけど、御題は「クリスマス」一本の、変則連作なんか、どう?
しかもクリスマス(25日の23時59分)まで、御題継続。
だって、ここ、動きないし。
sageとく。もし、誰も書かなければ、どっちみち、このままでしょ?
反対なら、
「おいしい水」「万事快調」「アイデア」で逝きましょう。
>>35具体的にどういうものですか?
変則連作って?
>>36 つまり、「3語で書け」ではなくて、「(クリスマス)の1語で書け」ってことかな。
テーマがクリスマスなら、クリスマスって言葉が入ってなくても構わない。
NGなら無視してね。そして、
「おいしい水」「万事快調」「アイデア」で逝きましょう。
38 :
「おいしい水」「万事快調」「アイデア」1/10:02/12/23 08:50
国事に没頭する余り、嫁をとろうとしない王子。
「なんとかならないものか」大臣は、一つのアイデアを思いつきました。
そして年末も迫った王国に、一つのお触れが出されたのであります。
「輝け!王国対抗・クリスマス水着大会」
経過は万事快調。国中の娘達が色とりどりの水着姿で集まりました。
なのに、可哀想な義妹のシンデレラには、そんなものは何もありません。
それでも、勇気をだして、学校の水着で参加するシンデレラ…
「まあ、あれをごらん、なんてみすぼらしい水着なの」
後ろ指をさされても、涙をじっと堪えて水面を見据える彼女でした。
そこに一人、彼女を指差しこう呟く若者がおりました。王子様です。
「あの娘…」王子はもう一度呟きました。「あの、スクール水着の娘!」
気色悪さを直感し、その場を後にする彼女。
「待ってくれ、娘よ!」でも大丈夫。
彼女の水着の背中には「王立南高校1年C組 シンデレラ」とありました。
ガラスの靴もなにもいらない…なんておいしい水着なのでしょう。
※あああくしゅみ^^;
「売れてませんな」
「は…」
私は立ちつくし、汗を拭いつつも頭を下げるしかなかった。反論はたやすい。しかし今ここでスポンサーに臍を曲げられる訳にはいかない。
「これではもう、洋酒メーカーとは言えませんな」
「仰るとおりで…」
「ジュース部門は万事快調。150%の売上増。しかし肝要の洋酒部門、特にウィスキーでは前年比28%の売上減ですか」
やはり我が社最大の弱点を真正面から突いてくる。創業以来の屋台骨、ウィスキーは現在の我が社にとってはお荷物でしかない。
「ビールはそこそこ、前年比維持ですか。しかし2大メーカーがシェアの80%を握っている以上、これ以上の食い込みは難しいでしょうな。
なんといっても御社はブランドイメージが弱い。何か打開策の一つも考えておいでですか?このままでは、本行としても御社への融資は…」
蛇の目だ。眼鏡の奥で光るこの男の瞳は、我が社をしゃぶり捨てる時期を伺っている。
「アイデアは幾つか提案されております。いずれもビール販売戦略の中で編み出された、実践に即した内容です」
「是非伺いたいですな」
私はもう一度汗を拭い、話し始めた。
「ビール業界は現在、多様化するニーズの全てを網羅すべく、極端とも言える多彩なブランドを産み出すことで収益を上げております。
工業製品と異なり、新製品の開発に新たな設備投資を必要とせず、既存の設備投資を流用して、これに対応しております」
「ほう?」
「ウィスキーについても同様です。潜在化した需要を掘り起こすためにも、既存の単一ブランドに固執することなく多様化する道を模索しております。
現在検討中の案として、日本各地にあるおいしい水をベースとし、地域ブランドを展開することで…」
「面白いじゃありませんか、それ」
蛇の目が商人の目になった。正直、私は呆気にとられた。我が社の苦境からして、相当な苦戦を覚悟していたからだ。
「それ、実行の可能性も勘案した上でプレゼンしていただけますか?稟議にもよりますが、多分御社の要望に添える形になるでしょう」
正直、私は呆気にとられた。
推敲してまだこれか…俺。気付けよ。
無様だ。
(^^)
(^^)
(^^)
44 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/07 00:21
がぬばれ
山崎が来ないと日の目を見ないとは・・・(メール欄)
46 :
「おいしい水」「万事快調」「アイデア」3/10:03/02/08 14:34
朝ひとりコーヒーを飲みながら考える。
風のない穏やかな晴れの日に。
俺は彼女と結婚しよう。
それはとても素晴らしいアイデア。
おいしい水を飲むように決心がしみわたる。
ふと時間を見ればもうすぐ出社の時間。
あわててコーヒーを飲み干すと、ふちからもれて白いワイシャツにこぼしてしまう。
カップを置いて頭を掻く。
万事快調ってわけにはいかないみたいだ。
まるで墓を掘り起こすように上げてみました。
シンプルなハッピー・エンドってことで、これが最後だったりして。
47 :
名無し物書き@推敲中?:03/02/17 15:03
>>1 態度がでかいですね。
命令長の掛け声がいやだな。
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
パンパンパンパンッ。
今朝も洗面所から、綾が顔をパッティングする、かなり大きな音が聞こえてくる。
いつか近所から苦情が来るのではないか、と少なからず怯えているのだが、綾はまったく気にならないらしい。
今若い女性に大ブームの『海のおいしい水』は、海洋深層水で造られていて、身体にとってもいいらしい。毎朝『海のおいしい水』で洗顔を済ませた後は、この水でいれたハーブティーを2杯飲むのが綾の日課だ。
「今日も身体は万事快調、お肌もスベスベよ。やっぱりこの水は評判通りね。お肌の張りが全然違うもの。」
綾は『海のおいしい水』のCMにでてくるモデルと同じセリフと同じポーズをとって見せた。
「真希に彼氏が出来たのも水を替えてからでしょう。お肌が綺麗になったおかげよ。彼氏が3年もいないなんて、悲惨な人生よ。生活用水を全部『海のおいしい水』に替えて良かったでしょう?我ながら、グッドアイデアだと思うわ。」
このセリフには少なからずカチンときたけど、ま、仕方が無いか。
毎日『海のおいしい水』の買出しをしているのは私。でも実は、本当に買っていたのは最初の2週間だけ。その後は空のペットボトルに、水道水を汲置きしているだけなの。
汲み置きして1昼夜たてばカルキの匂いは無くなるから、汲置きの水は私の部屋のクローゼットに隠しておいて、翌日、さも買ってきたようにして出してくるだけ。
そして毎日の『綺麗な水』購入代金2000円也は、私の家賃に化けている、という訳なの。
綾みたいなワガママな娘と一緒に住んでるんだから、それ位のメリットがなきゃやってられない。それで綾も幸せなんだから、いいよね。
これこそ本当のグッドアイデアよね。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
sage
(^^)
58 :
おいしい水、万事快調、アイデア 5/10:03/08/02 16:26
20XX年10月22日午前4時38分。
新太陽系の探索のため乗組員12名を乗せた宇宙艦隊コーゼオンは、
予想を遥かに上回る恒星の重力に、なすすべなく引き寄せられていた。
シュニートはあと数時間で本艦隊が恒星に衝突することを艦内放送したのち、
操縦室の席を離れた。スクリーンいっぱいに映し出される新恒星の
禍々しい緋色を見るに耐えなかったのだ。
艦内は混乱に溢れかえっていたが、一番端の自室へいき扉をしめきると
いくらか静かだった。彼は母星に向けて通信を試みた。
一時間ほど、短い電子音が続いた後、彼の妻の声がきこえてきた。
『ハーイ、シュニート!そっちはどう?早くあいたいわ。
あたしあなたより年上になっちゃったわよ』
彼女の声の明るさに、いくらかその明るさに救われたように思った。
「やぁリリー。元気だよ。こっちは万事快調だ。来年当たりそっちに戻れるはずだよ」
『嬉しいわ!宇宙食は飽きない?はやくこっちのおいしい水や食べ物を
食べてちょうだい。あなた帰ってくるといつも顔色が悪くなってるんだもの』
「そうだな。久しぶりに君の手料理が食べたいよ。あの不可思議な創作料理が懐かしいな」
『失礼ね。あ、ねぇシュニートあたしいいアイデアがあるの』
「なんだい?」
『帰ってきたらあたしの3Dフォトグラフあげるわ。
おたがいに交換するの。そしたらあなたきっと宇宙でも淋しくないわ』
艦内の温度が急上昇し始めた。新恒星に引き込まれているのだ。
ここはまるで蒸し風呂だ。
しかしシュニートの心は穏やかだった。
「そうだな…君の歌を吹き込んでいてくれないか。眠れない夜のために」
『ええ…いいわ』リリーの笑い声が聞こえる。
温度はますますあがっていく。
視界が窓の外の紅炎で真っ赤になる。
「リリー愛してるよ」
シュニートがそういい終えるやいなや、通信装置が炎で溶解したのか
砂嵐のようなノイズばかりになった。
ノイズはもう耳にはりついて離れなかった。
ここに書いたのは初めてだから感想が欲しいんだが、
それはどこに付くんだろう?
おいしい水のくみ上げ作戦は
博士のアイデアにより万事快調だ。
完
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
63 :
名無し物書き@推敲中?:
良スレ認定アゲ