道路に落ちていた落ち葉を、拾った。
昨夜から降りつづけた処女雪の下に埋もれていた、落ち葉を。
手はかじかんでいた。痛みすら感じる。
何故そんなことをしたのだろうか。
私も落ち葉のようなものだからだろうか。
「違う」
私は声に出して、はっきりとそれを否定した。
私はまだ木の上にある。
木の上にあって、紅く燃えて、人々を愉しませているはずだ。
(…………)
(もしこういうシチュエーションでヒロインと出会ったら…)
(そんで、女の子の名前は紅葉っていう名前で…)
(萌え萌え〜)
(……………)
女流美少女ゲームシナリオライターも、大変なのだ。
(萌え萌え〜)