1 :
吾輩は名無しである:
阿部昭、安部公房、井伏鱒二、大岡昇平、小川国夫、梅崎春生、椎名麟三、
島尾敏雄、庄野潤三、高橋和巳、武田泰淳、中村真一郎、野間宏、
福永武彦、安岡章太郎、三島由紀夫....etc(思い付くだけ書いた)
について語ろう。
これだけは語り継ぎたい名作、知られざる名作を教えて下さい。
ところで、野間宏の「暗い絵」、「真空地帯」が手に入らないぞ(怒)
それから、講談社文芸文庫も入手困難多過ぎ(激怒)
2 :
吾輩は名無しである:02/05/23 02:44
講談社文芸文庫に怒るというより、
講談社分tげいぶんこが存在すること自体に俺は感謝するが。
まあ、
>>2のスレで話し合いましょう。
4 :
吾輩は名無しである:02/05/23 05:00
>>1の怒りも分からんでもないが
>>3の言う通り本当は感謝すべきかな。
けど、名作が次々にお蔵入りするのは見てると、
やはり講談社(もしくは、文芸文庫という企画自体)に対して不満を感じてしまうな。
それはともかく、
>>1が挙げてる作家のほとんどが今では過去のものとして完全に忘れられてるな。
そういう状況を目の当たりにすると、日本における文学の在り方に疑問を感じてしまうな。
どうして文学が日本では一般的存在でありえないんだろう。
読む人間は読むが、読まない人間は全く読まない。
そして、読む人間は極僅かだ。
井伏鱒二などはユーモアと平明な文体だから、
国民文学的地位を得てもっと広く読まれてもいいような気がするんだが。
やはり、詰め込み式教育の弊害と考えざる得ない気がする。
>>1のスレ見て久々「暗い絵」読みたくなってきた。
5 :
吾輩は名無しである:02/05/23 05:49
戦後の芥川賞だけど、これも戦後昭和文学だよね。ほとんど消えてるが・・・
↓
【回・受賞年・Eは上半期、Lは下半期・受賞者・受賞作品】
021(1949E) 小谷剛 確証
021(1949E) 由起しげ子 本の話
022(1949L) 井上靖 闘牛
023(1950E) 辻亮一 異邦人
025(1951E) 安部公房 壁
025(1951E) 石川利光 春の草 他
026(1951L) 堀田善衛 広場の孤独・漢奸その他
028(1952L) 五味康祐 喪神
028(1952L) 松本清張 或る「小倉日記」伝
029(1953E) 安岡章太郎 悪い仲間・陰気な愉しみ
031(1954E) 吉行淳之介 驟雨・その他
032(1954L) 小島信夫 アメリカン・スクール
032(1954L) 庄野潤三 プールサイド小景
033(1955E) 遠藤周作 白い人
034(1955L) 石原慎太郎 太陽の季節
035(1956E) 近藤啓太郎 海人舟
037(1957E) 菊村到 硫黄島
038(1957L) 開高健 裸の王様
039(1958E) 大江健三郎 飼育
041(1959E) 斯波四郎 山塔
043(1960E) 北杜夫 夜と霧の隅で
044(1960L) 三浦哲郎 忍ぶ川
046(1961L) 宇能鴻一郎 鯨神
047(1962E) 川村晃 美談の出発
049(1963E) 後藤紀一 少年の橋
049(1963E) 河野多惠子 蟹
050(1963L) 田辺聖子 感傷旅行センチメンタル・ジャーニィ
051(1964E) 柴田翔 されどわれらが日々──
053(1965E) 津村節子 玩具
054(1965L) 高井有一 北の河
056(1966L) 丸山健二 夏の流れ
057(1967E) 大城立裕 カクテル・パーティー
058(1967L) 柏原兵三 徳山道助の帰郷
059(1968E) 丸谷才一 年の残り
059(1968E) 大庭みな子 三匹の蟹
061(1969E) 庄司薫 赤頭巾ちゃん気をつけて
061(1969E) 田久保英夫 深い河
062(1969L) 清岡卓行 アカシヤの大連
063(1970E) 吉田知子 無明長夜
063(1970E) 古山高麗雄 プレオー8の夜明け
064(1970L) 古井由吉 杳子
6 :
吾輩は名無しである:02/05/23 05:50
066(1971L) 李恢成 砧をうつ女
066(1971L) 東峰夫 オキナワの少年
067(1972E) 畑山博 いつか汽笛を鳴らして
067(1972E) 宮原昭夫 誰かが触った
068(1972L) 山本道子 ベティさんの庭
068(1972L) 郷静子 れくいえむ
069(1973E) 三木卓 鶸
070(1973L) 野呂邦暢 草のつるぎ
070(1973L) 森敦 月山
072(1974L) 日野啓三 あの夕陽
072(1974L) 阪田寛夫 土の器
073(1975E) 林京子 祭りの場
074(1975L) 中上健次 岬
074(1975L) 岡松和夫 志賀島
075(1976E) 村上龍 限りなく透明に近いブルー
077(1977E) 三田誠広 僕って何
077(1977E) 池田満寿夫 エーゲ海に捧ぐ
078(1977L) 宮本輝 螢川
078(1977L) 高城修三 榧の木祭り
079(1978E) 高橋揆一郎 伸予
079(1978E) 高橋三千綱 九月の空
081(1979E) 重兼芳子 やまあいの煙
081(1979E) 青野聰 愚者の夜
082(1979L) 森禮子 モッキングバードのいる町
084(1980L) 尾辻克彦 父が消えた
085(1981E) 吉行理恵 小さな貴婦人
088(1982L) 加藤幸子 夢の壁
088(1982L) 唐十郎 佐川君からの手紙
090(1983L) 笠原淳 杢二の世界
090(1983L) 高樹のぶ子 光抱く友よ
092(1984L) 木崎さと子 青桐
094(1985L) 米谷ふみ子 過越しの祭
097(1987E) 村田喜代子 鍋の中
098(1987L) 池澤夏樹 スティル・ライフ
098(1987L) 三浦清宏 長男の出家
099(1988E) 新井満 尋ね人の時間
100(1988L) 南木佳士 ダイヤモンドダスト
100(1988L) 李良枝 由煕
7 :
吾輩は名無しである:02/05/23 06:52
ん?ここは芥川賞一覧スレか?どれどれ、9冊しか持ってないね。
読んだのは40冊以上あるな。へ〜、じゃ、次、谷崎賞たのむ。
8 :
吾輩は名無しである:02/05/23 09:13
戦後昭和文学というと、昭和のうちに逝っちゃった人の文学と
いう意味なのでしょうか。
むずかしそうなスレですね。
私が考えている「戦後昭和文学」というのは、戦争や戦後思潮(全共闘など)という共通経験を前提として、
それを背景に展開される『葛藤』や『闘争』や『快復』が文学的テーマになっている作品の事です。
ですから、戦争経験を直接題材とした作品はもちろん、戦後思想を表現の核とした作品や、
それに対する反発の苦悩を展開した作品も含みます。
よって、必須条件として少なくとも戦前生まれでなくてはならないのではないでしょうか。
文学用語では、「戦後派」や「第三の新人」といった世代にあたるとは思いますが、
既成の分類概念を使う事は避けたいと思ったので、漠然とした「戦後昭和文学」という名称を用いました。
私がもっともシンパシーを感じるのは、阿部昭、井伏鱒二、大岡昇平、清岡卓行、安岡章太郎ですね。
難しく考えず素直なままに、戦後文学に対する「想い」をレスして下さい。
11 :
吾輩は名無しである:02/05/23 20:48
「暗い絵」や「真空地帯」なんて、古本で簡単に手に入ると思うけど……。
12 :
吾輩は名無しである:02/05/23 20:59
「戦後」っていう切り口がもうピンとこないてか、戦中戦前知らないからなあ。
13 :
吾輩は名無しである:02/05/23 21:01
あまりしぼりたくないのは判らんでもないが、漠然としずぎだ。
議論しにくいぞ。
で、アプレゲールの代表格、埴谷が入ってないのはなにゆえ?
14 :
吾輩は名無しである:02/05/23 21:25
1さん、たまには古本屋に行こう(・∀・)!
15 :
吾輩は名無しである:02/05/23 21:28
武田泰淳『富士』、これ最強。
梅崎春生『蜆』、これ最強。
17 :
吾輩は名無しである:02/05/23 21:36
>>16 渋いですなあ。
梅崎のなかでも、所謂代表作ではないですよね。
とはいっても、近年文芸文庫のおかげで入手しやすくなりました。
戦後文学というからには、戦争はもう終わってるわけですが、
でもこの人の中ではずーっと戦争は続いていたんだろうと思うんですね。
『蜆』のような恐ろしい作品を、書いた作家は戦後どれだけ
いたんだろうか?と僕は思うのです。
19 :
吾輩は名無しである:02/05/23 22:18
>>18 しかし、時の経過とともに、作家のなかで「戦争」の意味も変化していきますよ。
そして、何より「蜆」は既に終わった過去の出来事(=戦争)を扱ったのではなく、
生きている「現在」を書いているのです。
>『蜆』のような恐ろしい作品を、書いた作家は戦後どれだけ
>いたんだろうか?と僕は思うのです。
椎名麟三「深夜の酒宴」はお読みになりましたか?
20 :
吾輩は名無しである:02/05/23 23:17
「蜆」は確かにいい作品だね。
批評家・研究者で、この小説に着目している人は少ないけど、
粟津則雄はちゃんと言及してたな。泰淳論の入ったやつだ。
23 :
吾輩は名無しである:02/05/26 15:15
安岡章太郎と阿川弘之もあったはずなんだけど、どこいったんだろう
なんでもかんでも列挙すりゃあいいってもんじゃない。
>私が考えている「戦後昭和文学」というのは、戦争や戦後思潮(全共闘など)という共通経験を前提として、
>それを背景に展開される『葛藤』や『闘争』や『快復』が文学的テーマになっている作品の事です。
>ですから、戦争経験を直接題材とした作品はもちろん、戦後思想を表現の核とした作品や、
>それに対する反発の苦悩を展開した作品も含みます。
で、21、22かい?
>>10以降、折角面白くなりそうだったのに。