ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第九章

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1教育実習生

   ルールは、簡単だ。

  『与えられたMSと武器を使って、他の参加者と殺しあう』
  『時間と共に立ち入り禁止区域は増える。踏み込めば死』
  『最後の一人だけになるか、全員死ぬかするまでゲームは続く』

   人間性の根源を問う、シンプルなルール。
   暴力の応酬と、不幸の連鎖しか想定していないルール。

   なのに、何故……
   こんな場所で出会った者同士が、友情を結べるのだろう。
   何故、愛し合うことができるのだろう。

   それは彼らの魂の高貴さゆえか。
   それとも、それは彼らの甘さゆえか。
 

   ガ ン ダ ム バ ト ル ロ ワ イ ヤ ル

      第三回大会、第九章。

   現在 生存 16名。 死亡 10名と1羽。


   その戦いの先に見えるは、果たして希望か、絶望か。


 第三回大会の新規参加者の募集は、既に打ち切りました。

 何か気になったROMの方は、お気軽に管制室までどうぞ。
 第四回大会の開催も計画されています。

 ルール等の詳細は>>1-15くらいに。

前スレ
ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第八章
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1078844556/l50

感想・議論用スレ
ガンダムバトルロワイヤル第九管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1079886241&ls=50

基本情報・人気投票
第三回ガンダムバトルロワイヤル管制室データフォルダー
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/2598/top.html

ネタ・遊び・気長な議論
ガンダムバトルロワイアル緊急避難所
ttp://jbbs.shitaraba.com/anime/1156/
2リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:21 ID:???
 @ 過去スレ @

・第一回大会 本スレ
第一章:ガンダムでバトルロワイヤルやってみよ〜
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1038/10383/1038324132.html
第二章:【生存21名】ガンダムTHEバトルロワイヤル【死亡1名】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1039/10391/1039169588.html
第三章:【知略】ガンダムバトルロワイアル第3章【陰謀】
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041070641.html
第四章:【裏切り】ガンダムバトルロワイヤルpart4【信念】
ttp://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1042612295/
終  章: ガンダムバトルロワイヤル最終戦場(諸事情によりアクシズ)
ttp://ime.nu/www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi/shar/1048332637/

・第二回大会 本スレ
第一章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会 
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1049713319/
第二章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会lt;二章gt;
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1053350734/
第三章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第三章
ttp://pc4.2ch.net/test/read.cgi/x3/1055663266/
第四章: ガンダムバトルロワイヤル第二回大会第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1058684058/
最終章:ガンダムバトルロワイヤル第二回大会終章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063012783/l50

・第三回大会 本スレ
第一章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第一章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1069427705/l50
第二章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第二章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1071387802/l50
第三章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第三章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1073650712/l50
第四章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第四章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1074521682/l50
第五章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第五章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075739989/l50
第六章:ガンダムバトルロワイヤル第三回大会 第六章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1076854569/l50
第七章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第七章
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1077892615/l50
第八章:ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第八章
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1078844556/l50
3リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:22 ID:???
・議論、感想スレ
ガンダムバトルロワイヤル避難所
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10410/1041000462.html
ガンダムバトルロワイヤル避難所part2
ttp://comic.2ch.net/shar/kako/1041/10418/1041856658.html

ガンダムバトルロワイヤル管制室(アクシズ)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1043595608&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第二管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1052406249&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第三管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1058521848&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第四管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1071500120&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第五管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1074503247&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第六管制室
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1075186692&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第七管制室(間違えて『第六』となってますがそこはスルーで)
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1076855882&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第八管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1078064089&ls=50
ガンダムバトルロワイヤル第九管制室
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=shar&key=1079886241&ls=50


 @ このスレッドについて @

このスレッドでは、一人の参加者が一人の生徒を担当し、リレー形式で話を進めていきます。
(すでに第三回大会の新規参加者は、受付を終了しました)

参加希望者は管制室で受けつけをし、クジ引きによって『機体』と『支給武器』を決定します。
彼らには、「宇宙世紀」という縛りの中で自由にキャラクターの設定をしてもらいます。
(ただし原則として、アニメやゲームなどに登場した人物はお断りしています)

それぞれの人がそれぞれの登場人物を受け持ち、その行動方針から行動の結果まで、全て決定します。
常識を外れた過剰な行動を防ぐために、『行動値』や『移動』などのルールが設定され、
また、千日手防止や偶然性の演出などのために、『ID判定』のルールが用意されています。

しかし、それでもゲームとしての自由度はかなり高く、それだけに参加者の厨化の危険もあります。
また逆に、読者の方が無思慮に参加者を叩いた場合、参加者がやる気をなくすこともあります。
参加者も読者も、くれぐれも節度を持ってこのスレを楽しむようにして下さい。
4リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:22 ID:???
 @ 行動ルール関係 @
このスレでは『行動値』というものが設定されています。
描写と共に、これを消費しつつ行動を行います。
一人の人間が行動できるのは、現実時間の一日ごとに4P分だけです。

行動値がリセットされるは、現実時間の午前0時です。
行動値が必要な行動としては、
『移動』『探索』『整備』『戦闘行動』『通信』『変形(可変MSの場合)』などが代表的です。
行動値が要求されるのは大きな行動のみで、ちょっとした動作などには必要ありません。
会話も、『通信開きっぱなし』『接触回線での会話』『生身での会話』なら行動値無用です。
ただし、劇中で時たま使われる『全体通信』のみ行動値を2点消費します。注意してください。

尚、行動の描写の後には、位置、所持武器、行動方針、同盟相手等を明記して下さい。
観客の理解や、参加者間の認識の食い違い防止に、大きな助けになります。


 @ 戦闘 @
このスレの戦闘では、最も重要なルールがあります。
それは 『攻撃の結果は、攻撃側の描写を受けて防御側が決定する』 ということです。
撃破されたか、腕が吹き飛んだが、かすったか、シールドで防いだかなど、防御側に決定権があります。
『先行破壊』は厳禁です!
回避の術のないゼロ距離射撃なども『先行破壊』と見なされることがあるので、注意しましょう。

戦闘時の行動については、
『ビームライフルで攻撃』『ミサイル一斉射撃』『回避』などがそれぞれ行動値1点分の行動になります。
撤退については、まず戦闘地帯からの『撤退』で行動値1点分になります。
これは同一エリア内での移動なので、隣のエリアに移動する際にはさらに行動値が必要です。

基本的に、1点分の行動値の攻撃を防御・回避するのに、1点の行動値を必要とします。
ただし、防御側が描写や行動を工夫すれば、1点の行動で複数の攻撃を回避しても構いません。
あるいは、防御を省みずダメージを受けるままにすれば、行動値を使う必要はありません。
目安として、どれだけ多数に袋叩きにされても(1日4点の行動値のうち)1点くらいは他の行動に当てて構いません。

ルールとしての縛りは最低限にし、機体や乗り手の優劣は書き手の裁量に任せています。
くれぐれも節度を守っていきましょう。
5リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:24 ID:???
 @ 特殊ルール『達成値』(通称ID判定) @
『達成値』とは、そのカキコで取った行動の成功・失敗をIDで決めるルールです。

このルールは当事者双方の合意があった場合にのみ、使用します。
特に戦闘においては、延々と回避が続く千日手を防止する意味でよく使用されます。
(ただしこれは、強制でも義務でもありません)

使う場合、メール欄を空欄にしIDを表示するようにして下さい。
出てきたIDに含まれる数字を使い、その行動の『達成値』を決定します。
基本的に、IDの文字列に含まれた最も大きな数字が『達成値』となります。

『In3rKPcy』の場合、含まれている数字は『3』のみなので、『3』となります。
『Atw4g6Qg』では、数字の『4』と『6』がありますが、大きい方をとって『6』と判定します。
『oHI+CUmX』のような数字の入っていないIDは『0以下』とします。
『sp02X9NK』『a0Tf/jEj』のように大文字の『N』または『T』があれば、『9よりも上』です。
さらに、『Ttw4g6Ng』のように、『NT』の2つの大文字が揃えば『NやT一文字より上』です。
小文字の『n』『t』は、いくら入っていても無意味な存在です。無視して下さい。

 早見表
NT(二文字かつ大文字)>N or T(一文字かつ大文字)>9>8>7>6>5>4>3>2>1>0>数字なし

基本的に、両者の合意があったときのみ使うものです。
戦闘時には使うのが通例ですが、義務ではありません。戦闘時以外でも使って構いません。
判定後、敗北側は『なんらかの不利な結果』を受けるようにして下さい。その程度は問いません。
IDの値の差の大きさを、損害の程度に結びつける必要もありません。

もしもその気ではなかった場合には、拒否しても結構です。
しかし、IDを出しておきながら判定を拒否したり、無視が多過ぎれば叩かれることになります。
くれぐれも節度を守ってください。


 @ 所持品 @
初期に支給されるものとして、原作通り
『ディパック』『首輪』『コッペパン2つ』『水2g入り2本』です。
さらに今回は、宇宙ステージということで『ノーマルスーツ』も支給されます。
後は、参加者が誘拐された時に持っていた『私物』を持ち込むことができます。
この私物については参加者の自由に任せますが、ある程度の節度をお願いします。
6リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:25 ID:???
 @ マップ @
『A〜Z × 1〜24』の624マスで構成されています。詳しくは後に示します。
毎回、今何処にいるのかを明記して下さい。
禁止領域は放送の時に予告され、放送後、現実時間で48時間後に爆破のスイッチが入ります。
尚、参加者は最初から地図を所持していますが、他の参加者の場所は表示されません。


 @ 移動 @
行動値を1点使うことで、マップ上のエリアを1マス移動することができます。
移動可能な方向は上下左右だけで、斜め移動はできません。
MAや、艦船やSFSに乗ったMSは『開けた空間』なら1点の行動値で2マス移動できます。
艦船に乗っている場合、一人が艦ごと【移動】すれば、一緒に乗っている人も同時に移動します。
なお、示されているマップの『外側』は『侵入禁止区域』と同じ扱いになっています。


 @ 索敵 @
どれだけ遠くの敵を察知できるのかは、搭乗している機体ごとに異なります。
策的範囲は、通常機で周囲2マス。 艦船・狙撃型で3マス。 偵察機で4マス。となっています。

他の参加者の位置を確認し、その範囲内に入っていれば、劇中でも「発見」できます。
当然、地形ごとに見やすさは変化しますが、その点は描写で表現して下さい。
(『開けた空間』ならはっきりと相手の機種まで特定できるでしょう。
 『暗礁空域』に潜む敵は、一度存在に気づいても途中で見失うかも?)
ちなみに、通常の「通信」で通信ができる範囲も、この策敵範囲と同じ範囲です。
「見えている相手とだけ通信できる」と考えて下さい。


 @ 爆弾 @
爆弾は、機体と、参加者の首輪につけてあります。
首輪については【バトルロワイヤル】原作の首輪と同性能……のハズです。
今回の『ティーチャー』は、前大会でこの首輪の無力化を図りましたが……。
ちなみに、支給された機体を失い、かつ別の機体を獲得できない場合も、爆破されます。


 @ 参加者の持つ情報 @
劇中の参加者は、現実世界の読者と同じ情報を持っているわけではありません。

まず、彼らは、(随時スレ内で表示されている)他の参加者の位置を知りません。
他のMSと対面した場合、相手の機体名は分かりますが、性能は分かりません。
初期支給MSと参加者の名前の組み合わせは分かりますが、途中で乗り換えた場合は分かりません。
また、他の参加者が脱落しても、それをすぐに知ることはできません。
脱落者の情報は、定期放送で耳にして初めて知ることができます。

ただし、これらは原則です。
NT能力を発揮したり、現場で乗り換えや死亡を見ていれば、この限りではありません。
特殊な支給品によって情報を得られる場合もあります。
『プレイヤーの知っている事』と『キャラクターの知っている事』の混同に、くれぐれも注意して下さい。
迷った場合は、管制室で相談してみて下さい。
7リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:26 ID:???
 @ 放棄された参加者 @
長期に渡って書き込みがない場合、『スレへの参加の放棄』とみなします。
用事などで書き込みできないことが分かっている場合、管制室で相談して下さい。
何の宣言もなく長期間放置された場合、管理側で『この参加者は『放棄』された』と認定します。
こうして『放棄』された参加者を攻撃した場合、特例として、攻撃側が結果を書くことができます。
つまり、積極的に頑張っている参加者の『肥料』にする、ということです。

目安としては、2週間 音沙汰がなかった場合、この判断を下します。
あらかじめ『参加不可能宣言』が出ていればこの限りではありません。


 @ 戦艦運用ルール @
支給武器や色々なイベントで『戦艦』が手に入ることがあります。
その際は以下のルールに従って運用して下さい。

*戦艦にMSが着艦する際には、衝突しないようかなり注意した操縦が必要です。
 また発艦する際には、機体の起動やカタパルトの操作が必要です。
 これらのことを踏まえ、【着艦】【発艦】にはそれぞれ1点の行動値を消費して下さい。

*ブリッジ(操縦席)と格納庫はかなりの距離が離れています。
 ブリッジ・格納庫間を移動する際は、【移動】として行動値を1点消費して下さい。

*ブリッジにいる人間は、行動値を使って戦艦を【移動】させることができます。
 戦艦は、1点の行動値で『開けた空間』を2マス進むことができます。
 この場合、戦艦に乗っている全ての人間・MSが行動値を使うことなく一緒に移動します。
 ただし、ブリッジに何人いても、24時間で【艦の移動】に使える行動値は合計4点までです。
 艦を移動させた後、MSを【発艦】させて【移動】するのは自由です。

*戦艦の特典の一つとして、格納庫の存在が挙げられます。
 この格納庫にMSを収容することで、簡単な補給・修理作業が行えます。
 ただし初期状態では、ちょっとした補修を行う材料と予備の推進剤はありますが、
 武器・弾薬・脱出用ランチなどは一切搭載されていません。

*本来、戦艦というものは、何人もの専門家が役割分担してやっと動かせる存在です。
 一人でも動かすことは不可能ではありませんが、
 操舵・武器管制・通信の各システムはブリッジの中でもそれぞれ離れた位置にあります。
 (さすがに行動値を使って移動する必要はありませんが、描写の際には注意して下さい)


 @ 要点 @
色々ややこしく書きましたが、

@ 行動は基本的に自由。
@ 戦闘の結果は『攻撃を受けている側』が決める。
@ 『両者の合意があった場合』、達成値を使用する。
@ 自分の居場所を毎回、明記しておく。
@ 侵入禁止区域にいた場合は有無を言わさず死亡。
@ 基本は原作と同様。
@ 分からない点があれば、管制室で先生に聞く。
@ 管制室での抗議は、冷静に、論理的に、相手に敬意を持って。

という以上の8点を守って下さい。あとは、楽しく殺しあいましょう♪
8リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:27 ID:???
 @ 会場宙域地図 @

  A B C,D E,F G,H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z 
01■■■■□□□□□■■■■□■■□□□■■■■■□■
02■※■□□□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■※
03■□□□□□※□□□□■■□□□□□□□□□■■■■
04□□□▼▼□□□□□■※■□□□□□□□□□■※■■
05□□□□▼▼□□□□■■■■□□□〓〓□□□□□□■
06■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□■□□□□   □:開かれた空間
07※■■□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□   ■:暗礁空域
08■※※■□□□□□〓〓□□□□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□□□□□□□□□□□□□□※□※□□■■   〓:コロニー
10■■■■■□□□□□□□□■□□□□※※※※※□□■   ▼:小惑星基地
11■□■■■■□□■□□■□■■□□□□※※※□□■■   ≠:崩壊したコロニー
12■■■■■□□□□□□■■■■■■□□□※□□■■■
13※■■■□□□□※□■■■□■□■■□□□□□■□■   ◎:侵入禁止区域
14■■□■□□□▼□□□■※■□■□□□□□■■■■■   ×:侵入禁止予告区域
15■■■■■□□▼□□□□■■□□□□□□□■■※■■
16■□■■□□□□□□□□□□□□□□□□※□□■■■
17□□■□□□□□□□□■■■□□□□≠≠□□□□□■
18※□□□□□□□□□■■■□□□□□□□□□□□□□
19□□□□□□■□□□□■■■■□□□□□□□▼□□□
20□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□▼▼□□□
21□□□〓〓□□□□□※□※※□□□□□□▼▼▼□□□
22■□□□□□□□□※※※※□□□□□□▼▼▼▼▼□□
23■■□□□□□□□□※※※□■□□□□□▼▼▼□□□
24※■■□□□□□■□□※※■■■□□□□□□□□□■
9リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:28 ID:???
 @ 各地形の解説 @

□ 開けた空間
 ほとんどデブリもない、開けた宇宙空間。
 移動は極めて楽ですが、遠くからも視認されやすく、物資の獲得はほぼ望めません。
 MAや、SFS・艦船に乗っているMSは、1点の行動値で2マス分移動できます。

■ 暗礁空域
 壊れたコロニーの残骸や、岩塊を中心としたデブリ地帯です。
 移動時には慎重に動かないと、岩塊に衝突して自滅するでしょう。
 身を隠したり生活物資を探したりするにはいいですが、戦闘関係の物資はほとんどありません。

※ 戦場跡
 暗礁空域よりも密度が薄く、戦艦やMSの残骸を中心としたデブリ帯です。
 どうやらここは、昔戦闘があった跡のようです。
 無傷のものはほとんどありませんが、多少は武器や弾薬・推進剤の補給が見込めるでしょう。
 ただ、見たくもないような無惨なものを見てしまうかも知れません。

〓 コロニー
 無人となったコロニー。重力と空気は残っていますが、住民はいません。
 生活用品を中心に、さまざまな物資を獲得することができるでしょう。
 マップ上、2マス分で一つのコロニーとなります。全部で4基存在しています。
 (うち、ひとつは破損し、空気が失われています。他の3基は空気が残っています)

▼ 小惑星基地
 ルナ2やアクシズのような小惑星軍事基地です(その両者よりも小さめですが)。
 エリア内には、大中小の3つが存在しています。
 施設が整っていて、多少の武装強化も望めますが、中は入り組んでいて迷路のようです。
 戦闘するにも探索するにも、緊張を強いられることになるでしょう。

≠ 崩壊したコロニー
 壁にいくつも穴が開き、空気が全て失われてしまったコロニーです。
 大気と共に色々なものが飛び去ってしまい、また内部は冷たい真空に晒されています。 
 ですがコロニー全体の形はまだ留めており、港湾部の施設などには空気が残っています。
 物資の調達などの目的には、ある程度使えるでしょう。

◎侵入禁止区域
 ティーチャーにより立ち入り禁止が告げられたエリアです。
 このエリアに侵入すると、参加者の首につけられた首輪が問答無用で爆発します。
 みなさん、くれぐれも移動の際にはご注意を。

×侵入禁止予告区域
 ティーチャーにより、間もなく侵入禁止区域になることが予告されたエリアです。
 予告から現実時間で48時間経過すると、上の侵入禁止区域に変化します。
10リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/03/22 23:29 ID:???
 @ 最後に参加者様へ @

バトロワ参加者心得

一つ、場の空気を読む努力をする。
一つ、戦闘時、無理やり人を自分の土俵に引き込まない。
一つ、極力、相手がなにをしたいかを考える。
一つ、自分勝手な行動をしない。
一つ、放棄しない。
一つ、観客もいることも頭に入れておく(管制室を読まない読者の存在も忘れずに)
一つ、誤字、脱字、変換ミスには気をつける。
一つ、ID待ちはしない(みんな、案外見てますよ)。
一つ、叩かれたら、怒らず、まずは自分を見直す。
一つ、管制室での質問・抗議・意見などは、穏かな口調で冷静に。決して煽らない。
一つ、全てにおいて節度を守る。自分は職人だと自覚する。
一つ、『生きる』為の戦いではなく『魅せる』為の戦いを心がける。
一つ、死んでも泣かない。
一つ、エロスは大事、でも程々に。
一つ、『キャラは憎めどプレイヤーは憎まず』の精神で、互いに敬意を忘れないでオネガイ

一つ、先生はちょっと春スキーに逝って来ます。しばらく留守にしますがその間ヨロシクw
前スレ>>309のステータスです。

【行動:殺気を感じる(0)、ゼファー回収&材料収集(-1)、自爆装置改造(-1)、天井を見上げてみる(0)】
【位置:S-17コロニー港湾部・MSデッキ】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続(シュウジ・ヨーコ)】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx.4.5、食料4日分、着替え一組、ノーマルスーツ、拳銃(20)、救急箱
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:……】
【同盟:01番シュウジ 07番ベルク? 08番ヨーコ?19番ラーズ??】
サーティアまであともう少しで手が届く。
俺はその時、サーティアの肩を掴めるのを確信していた。
そして俺の手が届こうかという瞬間、それをすり抜けるようにサーティアが移動した。

(他のMSに移るつもりか!?)

そう考え更にサーティアを追おうとした俺の目に移ったのは、パネル操作によって
開いたコクピットハッチだった。

もう迷っている暇などなかった。
サーティアを中に入れてしまったら、外に出してしまったら、俺はプログラムの中
で初めて出来た仲間と、ずっと乗ってきた愛機を一度に失ってしまう。
俺の頭に家族を無くした時の、そしてマリーを失った時の例えようもない虚無感が
駆け巡る。

駄目だ。
サーティア、君とガンイージを外に出すわけにはいかない。
嫌だ。
俺は…俺はこんな形で大切なものを失いたくない!

「駄目だ…。駄目だ!サーティアァ!」

俺は叫び声と共に、コクピットに入ろうとしているサーティアに掴み掛かった。

【行動:サーティアに掴み掛かる(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:F-5】
【機体状況:異常無し】
【参加者状況:健康体】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:サーティアを外に出さない、絶対に】
【同盟:不明?】
13リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/03/24 12:29 ID:dCkYAVoM
※攻撃ID出し、兼ねてます。

前スレ>>300>>301-302>>304>>305-306>>309
シェラのキュベレイに目もくれず、ミョーコウへ向かうスタンリーのX2。
「……まさに猫まっしぐらって感じだね。
 囮作戦は無駄になったけど……その動き、迂闊すぎるよ?」
その行為は、護衛機の容赦のない攻撃に身を晒す事になる。
お互いに撃たれる危険性があるからこそ、照準も難しくなろうというものだ。
だが、相手の攻撃意識が艦にのみ向いていれば……こちらは、全力で攻撃に集中できるのだ。
「作戦変更……攻めるよっ!」
スタンリーはミョーコウを挟んだこちらの死角に入るつもりらしいが……。
今のリファニアはこの宙域の全ての動きを感じ取っているのだ。そう易々と、いいようにさせはしない。

リファニアは、デブリに潜ませたリフレクター・ビットを一斉に動かした。
デブリから出たビットの推進剤をひと噴きさせると、ミョーコウを遠巻きに囲む地点に向け、そのまま慣性にまかせて漂わせる。
そして、紫の悪魔もぼーっとしている訳じゃない。
リファニアはサイコのスラスターを全力で噴かし、シェラに続いて、スタンリーを追いかける。
スラスターの効率が落ちている為、過剰な推進剤の噴射が必要だが……。
「……こちらも、でくのぼうじゃないのよっ!」
紫の悪魔は、その巨体には似合わない意外にしっかりとした加速で、X2を追う。
X2の速さには到底かなわないものの……戦場の動きに、置いていかれる訳ではない。

X2の姿がミョーコウの向こう側に消える。
だが、スタンリーの生命の鼓動は、リファニアにしっかりとその位置を感じさせた。
「……生命を……奪う。」
リファニアが本格的な攻撃態勢に入ろうとした瞬間―――。

リファニアを感じる何者かの意識に触れた。
「……だれ……?……リナルド……さん?」
間違いない。これは、リナルド=グレイスの意識。
リファニアの広がりすぎた意識を、彼は感じ取ったのだろう。

「……リナルドさん。私は、護る為に………いや、違う。
 乗り越える為に、人の生命を奪おうとしている……。
 アレンにとってあなたとの戦いが逃れられない宿命だったとするなら……。
 ……この戦いは、私にとって、そういうものなのかもしれない。
 この戦いに勝利したら……。私は戦士として、少しはあなたに……近づけるかな?」

リナルドの意識に応えるリファニア。
そして、再び戦場に意識を集中させる。

リファニアは、ミョーコウの向こうに、ラケーテン・バズを放たんとするスタンリーの姿をみた。
「……スタンリー。せめてもの情けよ……。"娘"の手で……葬るっ!」
リファニアの意識に呼応して、その戦場を囲むひとつのビットが、向きを変える。
スタンリーの生命の鼓動を感じ取り……そしてそれを消し去るべく……悪魔の手から、ひとすじの凶光が放たれた。
飛び交う火線に、砲弾。火を噴くミョーコウの主砲。
混沌とするバトル・フィールド。
ミョーコウの脇から現れたメガビームが、リフレクター・ビットに反射され……X2の背後から、襲い掛かった。
【行動 : シェラ/ミョーコウ艦橋との通信回線継続(0)、データリンク継続(0)、集中継続(0)
      リフレクタービットコントロール(-1)、X2の背面に向けてメガビーム反射攻撃(-1)、残2 】
【位置 : T-11 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、穏やかな殺意 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5(射出済み4)
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : スタンリーを殺す、ミョーコウを護る 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
15通常の名無しさんの3倍:04/03/24 12:37 ID:???
これ、面白そう!!
『駄目だ…。駄目だ!サーティアァ!』

 捕まれたら、私じゃ逃げようが無い。
 けど……動きが甘いんじゃない?
 何焦ってんのさ!

「だからさ、軍人ってば!」

 屈んで、後ろへ飛ぶ。
 ガンイージのコクピット……。
 中に飛び入りながら、私は腕時計をゆるめた。

 ハッチを閉じるスイッチを押す。


【行動 : ガンイージ奪取?(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き)】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品: 工具箱一式、懐中電灯、頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン】
       アッパー系の麻薬(3日分)、寝袋、マリファナ、ディパック、レーション
       レトルト沢山、毛布、着替え一式、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.21/アーネスト No.25/ルイ No.14/レイモンド No.09/ベルク 】
17スタンリー・M・イプキス ◆ztP6P.BonU :04/03/24 14:01 ID:eC9xxap8
ID
サーティアを掴もうとした手は、またも空を切った。

(くそっ!動作が単純すぎたか!?)

俺の手を小気味よく擦り抜けたサーティアは、体を反転させてコクピットへ入っていく。

「だからさ、軍人ってば!」

サーティアが声が中から聞こえたが、俺はそんな声は聞こえていない。
考えるより先に、体が動いた。
俺もあらん限りの力を振り絞りガンイージの腰部アーマーを蹴って、ハッチの内に
入ろうとする。

(ここでお前達を失うくらいなら……)

シートに座ったサーティアがハッチを閉じようとしているのが分かったが、そんな
事は関係なかった。

(ここでハッチに挟まれて死んだ方が遥かにマシなんだよ!)

次の瞬間視界が逆転し、俺はコクピット内で左肩をしたたかに打ちつけた。
…閉まろうとしたハッチを蹴って中に飛び込もうとしたのだが……。
どうやら強く蹴りすぎてしまったらしい。
左肩に違和感を感じながら体勢を立て直し、シートのサーティアを見据えた。

「一体……。どうしたってんだ、サーティア…」

【行動:コクピット突入(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:F-5】
【機体状況:異常無し】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:サーティアを外に出さない、絶対に】
【同盟:不明?】
「敵艦2番砲塔損壊炎上中。」
現在の状況を口頭で一人でオペレートする。

―キュルルルルル―
警告音、高速熱源接近の報。恐らくマシンガンだろう、高速移動中であった為
後方から追撃をする形で弾が追いかけてくるようになったのだろう。

「前方からビーム!?いや、外れる。」
スラスターの光芒、しかし小さい。
「サイコミュ兵器か!?囮だなビームは。」
弾と同じく後方から接近する。3つの射線は平行線ではなく、機体を中心に集まってくる様にも見える。

「スラスター!間に合わん。」
とっさに手に持っていた、ラケーテンバズを放り投げる。
その反動で、機動修正。鉄鋼弾により、ラケーテンバズはひしゃげビームがそれを貫く。
その後、爆散。貫通したビームは虚空のかなたへとんで行く。

「偏向ビーム!?いや、ビーム偏向ミラーか?」
赤外線レーダーはビームの熱余波の軌道を表し消える。

「敵艦艇から照準!?」
回避のため軌道をそらしたため、ムサイへの砲火照準範囲内まで入ってしまったのだ。
ムサイの主砲のビームがこちらに向かって火を吹く、電子の号令とともに放たれる
砲火は、その物を捕らえるにはあまりにも照準を追うのが遅すぎた。
慣性に浮かぶ機体のすぐ正面を通過し、虚空を引き裂き、その先では2,3個の爆発が起こる。
恐らくはMSのものだろう。

続いて、数条かの砲火。対空砲。
だが、ミノフスキ―粒子と、残骸のため、正確な照準を狙う砲門は少ない。
まるで悲鳴を上げるかのような砲火、熱源となるものを電子の号令とともに引き裂き。
破壊する、MSにとっては悪魔のような火線
「くそったれがぁ〜。」
アポジを吹かしレバーを一気にレッドゾーンに叩きこむ。

Gに目がかすむ。
「くそっ。」
レッドアウト現象。過度のGの推移によって全身の血が一気に頭に上る。

【行動:回避M(1)回避RB(1)回避:主砲・対空砲(2)】
【位置T11】【残り0P】
【機体:足バランス多少悪】【身体状況:左上腕被弾(貫通) レッドアウト】
【武装:60mm頭部バルカン×2両肩部マシンキャノン×2(92%)、ビームサーベル×1、
左足部ヒートダガー×1、両腰部シザーアンカー×2、ブランドマーカー(ビームシールド
兼用)×2  120mmマシンガン×2(予備弾倉1)】
【持ち物:コッペパン1個 水2g入り2本 サバイバルキット 煙草196本 信号弾各4個ー1
自動拳銃(8発)マスク(緑色、木製)   自動小銃1丁 予備マガジン4個】
【方針:ムサイの撃沈】
【同盟:皆無】
20シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/03/24 19:56 ID:fx7qYops
>>19
驚いたことにX−2はこちらからの攻撃を気にしようともせず、
ミョーコウへの接近を継続した。
構えたバズーカが立て続けに4回咆哮する。
忌々しい破壊の意思が4つの光となってミョーコウに向かった。

やってくれるわね………!

さらに、ダグラスのいる方向で光の花が一輪咲いた。あれは、何かの爆発………被弾の証拠だ。
同時にミョーコウの状況を示すデータに変化が生じる。
2番砲塔に被弾、機能消失。自分が迎撃に失敗したことが目の前に突きつけられた。

「!」

怒りに目を見開いたシェラザードの視界に、その神経を逆撫でする光景が飛び込んでくる。
自分、リファニア、そしてミョーコウによる攻撃を見事な機動で回避する黒い死神の姿。
これが味方機なら、あるいは自分たちと全く関係のない映像だったならば、
素直に賞賛できるだろう。感嘆の声を上げることもできただろう。
だが、今は腹立たしいだけだ。
たった1機の敵機に翻弄される自分たちの無様さを見せつけられて平然としていられるほど、
シェラザードは出来た人間でもなければ人格者でもないし、軟弱者でもない。

こうなったら手加減も様子見も不要だ。一気に片を付けるのみ。

あたしの力、キュベレイの力、遠慮なしに見せてあげるわ。

シェラザードが一瞬だけ目を閉じると、キュベレイの瞳が鋭い輝きを放った。
その動きが速度と鋭さを増すと同時に、ファンネルコンテナであるスカートが跳ね上がる。

「さあ、イきなさい、ファンネル達!」

4筋の流星がキュベレイから飛び立った。
殺意を光に変えて、4機のファンネルが無人機ならではの鋭い機動で
X−2を取り囲むようにしてに上下左右から接近する。
位置を変え、速度を変え、一見バラバラに動くように見えて
実は一つの意思の下にコントロールされた女王の下僕達は、
それぞれの判断で最良の射撃位置を確保すると次々に死の刃を放った。

【行動:リファニア・ミョーコウと回線維持(0)、スタンリーをファンネルで攻撃×4(−4)】
【位置:T11】【行動値残り:0】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(4機展開中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤13日分】
【方針:スタンリーを撃破】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
『一体…… どうしたってんだ、サーティア……』

 ……うざい。

「こういう事よ!」

 右手で腕時計を引き抜いて奴の目ぇ目掛けて力の限り振るう。
 鋭利で頑丈なこの最後の砦……。
 宇宙空間の無重力状態なら、十分脅威って訳よ……

 目の一個や二個、潰させて貰うわっ!


【行動 : 腕時計で攻撃(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.21/アーネスト No.25/ルイ No.09/ベルク 】
主砲が咆哮を上げ、宇宙を切り裂くと同時に敵機からのバズーカも放たれた。
砲弾4数、いや、3発。一発は主砲のビームに干渉したらしい。
更に2発が機銃に打ち落とされ、不気味な光芒が散華した。
そして残る一発は、ミョーコウのいた場所を霞めた。

「微速後進。……よし、回避成功。」

バズーカのような直線的な攻撃なら、僕の腕でも回避可能だ。
空振った弾頭は直進を続け、後方の岩塊に命中し、船体を明るく照らした。

敵機との距離が開いた。チャンス、このまま黙っているつもりは無い。

「……敵の突撃に備えてミサイル、近接信管で発射準備!
 ミョーコウ、援護射撃に移ります!一番、三番主砲、一斉発射!!」

友を一基失った主砲群が再び咆哮を上げる。
スタンリー機を中心に×を描くように、4条の光が伸びていく。
目的は当てる事ではない、自由を奪う事だ。

そして小型ミサイルが迎撃用の近接信管を備え、敵機の接近を睨んだ。

【行動:回避運動(−1) 援護射撃(−1) 迎撃準備(−1)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:1p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:薬物投与+摂取中】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む スタンリーを撃退】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
23リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/03/24 23:49 ID:ulrDvrEP
※ID出し兼ねます。

>>19>>20>>22
X2を襲う幾筋もの火線と、ビームの束。
だが、どれもスタンリーの生命を奪うには、至らない。
シェラのキュベレイから送られてくるデータには、X2が健在である事が示されていた。
「よくも……避けた!
 ふふっ、そんなあなただからこそ、乗り越えるべき壁に相応しいんだよね……。」
攻撃を避けられこそしたが、リファニアは自らのビットのコントロールに、満足した。

ミョーコウの脇を抜け、X2とキュベレイの姿をその目で確認したリファニア。
X2を倒すべく、味方の攻撃意識が集中するのを感じる。
「……よし……コンビネーション……!」
シェラから放たれた強烈な殺意が、キュベレイのファンネルに乗り移って、X2を襲い……。
ミョーコウからは、X2の動きを止めるべく、砲火が放たれる。

そしてリファニアも、ビットのコントロールに集中した。
周囲に散らばる、全てのビットが集まる。
狂ったように飛び交うビット。ファンネルのビームの合間を縫って、スタンリーに迫る。

「さぁ……私の胸の中で……楽になろう?」

その言葉と共に、全身のメガビームが放たれた。
リフレクター・ビットに反射され、包み込むようにX2を襲う、凶暴な光の奔流。
……まるでスタンリーを抱擁するかのようなリファニアのイメージが、重なった。

【行動 : シェラ/ミョーコウ艦橋との通信回線継続(0)、データリンク継続(0)、集中継続(0)
      リフレクタービットコントロール(-1)、全身メガビーム砲でX2を攻撃(-1)、残0 】
【位置 : T-11 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、穏やかな殺意 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5(射出済み4)
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : スタンリーを殺す、ミョーコウを護る 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
24スタンリー・M・イプキス ◆ztP6P.BonU :04/03/24 23:56 ID:eC9xxap8
ID出し
25スタンリー・M・イプキス ◆ztP6P.BonU :04/03/25 00:01 ID:SXi/YHH0
日付は超えたか?
沈黙を保っていたサーティアの右腕が僅かに動いた。
俺がそちらに意識を向けた次の瞬間、

「こういう事よ!」
《顔を引け!》
(何!?)

同時に聞こえた声に、僅かに反応が遅れた。
目の前を振り抜かれたサーティアの右腕。
左目に走る鋭い痛み。
思わず左目を抑えた手の間から、出血が漂う。

(………………)

俺は感情のない目で漂う血の塊を見つめる。

《ほんとによお、ざまあねえな。変な優しさを出したばかりにこのザマだ》

(左目は…潰れたのか?)

《完全じゃあねえが、少し傷付いたみてえだな。確実に視力は落ちるぞ》

(そうか……)

眼球が傷付いたとなれば、戦闘において著しい不利は免れない。
普通の生活を営むならまだしも。
それが全て、俺の余計な優しさが招いた…というのか。

《で、どうするよ。おじょーさんはやる気まんまんだぜ》

(…まだ俺の言いたい事は終わってはいない)

《おめえはまだそんな事を………………》

俺は声を無視して、尚もサーティアに話しかけた。

「これで少しは気が晴れたか?」

残った右目で更にサーティアを見据える。

「気が済んだのなら、ここから出て皆のところに戻れ。ここにいる参加者は皆、
 君が声をかけそして君を信用して集まった。君の心中に何があったのかは知ら
 ない。だが、君を信じる人間の心まで踏みにじる真似はしないでくれ」

【行動:説得(0)】
【残り行動値:2p】
【位置:F-5】
【機体状況:異常無し】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:サーティアを外に出さない、絶対に】
【同盟:不明?】
「くそったれがぁ!」
見えない力に鞭打たれた体に無理を聞かせて、軌道を上げる。
機体のレーダーは小型熱源を探知。
「サイコミュか、回避だ。うぉぉぉぉぉぉぉ。」

回避の機動は遅かった。
機体の腰にあったマシンガンを奪い去り爆散させる。

「近接戦闘による・・・。警告?」
機体各所からの警告音―【熱損耗の危険有り、可及的速やかに対応。戦闘続行不能。戦線よりの離脱】

「これらと言うときにこれか・・・。
 本宙域より撤退、トラブルに対しては可及的速やかに対応。」
機体がオーバーヒートこれ以上の戦闘は出来ない。

「敵艦砲撃による、残骸爆散に対する警戒を厳として撤退する。」
その時、ムサイからの砲撃。移動を開始していた機体には当りそうに無い。
その亜光速の矢はバーミンガムへと突き刺さらんと、その爪牙を向ける。

高熱を残して、悪魔の使者は立ち去る。
核の炎に巻き込まれないためにも、そして、体制を立て直すためにも。

【行動:回避(1)離脱(1)】
【位置T11】【残り2P】
【機体:足バランス多少悪】【身体状況:左上腕被弾(貫通)レッドアウト気味】
【武装:60mm頭部バルカン×2両肩部マシンキャノン×2(92%)、ビームサーベル×1、
左足部ヒートダガー×1、両腰部シザーアンカー×2、ブランドマーカー(ビームシールド
兼用)×2  】
【持ち物:コッペパン1個 水2g入り2本 サバイバルキット 煙草196本 信号弾各4個ー1
自動拳銃(8発)マスク(緑色、木製) 自動小銃1丁 予備マガジン4個】
【方針:ムサイの撃沈】
【同盟:皆無】
 左眼に入った!
 利いた!?

『これで少しは気が晴れたか?』

 いや、利いてないっ!

『気が済んだのなら、ここから出て皆のところに戻れ。ここにいる参加者は皆、
 君が声をかけそして君を信用して集まった。君の心中に何があったのかは知ら
 ない。だが、君を信じる人間の心まで踏みにじる真似はしないでくれ』

 リオンが教えてくれた信じる事。

「アリガト」

 そう、だからこそ、私は……
 
「けどね……」

 時計を右手に巻きつけるように掴んだ。

 サーティア、戦闘準備はオーケイ?
 忘れてたものを取り返しましょ。

「悪いけど私生きてるの」

 狙うは、腹。
 この一撃で追い出せれば、それで良し。
 シートでその長い足を、しっかりとくねらせて……
 折り曲げた反動で一気に加速……

 出てけ……蹴り一発で叩き出してやるっ!


【行動 : レイモンドを追い出すように蹴り(−1) 】
【残り : 3P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.21/アーネスト No.25/ルイ No.09/ベルク 】
29サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/03/25 01:15 ID:5nNDDf62
ID出し忘れてました。
30アーネスト・マンソン:04/03/25 07:49 ID:???
 格納庫に駆け込む。

 黒ずんだ塊が、浮かんでいる。
 真球。

 血だ。
 ガンイージのコクピットに張り付いたレイモンドが、
なにやらもみあいをしている。

 やれやれ・・・・・・
「飲まれた」訳か。
 そういえば、あのお嬢さんは、俺よりも先達・・・・・・
 いろいろ事情があってもおかしくはない。

 自分ひとりで生き残る事を選択したなら・・・・・・
 もっとクレバーでいるべきなんじゃないかな、サーティア?

 俺は、跳躍すると、素早く愛機のコクピットにもぐりこんだ。

 素早くガザCを起動する。
 ナックルバスター、エネルギー供給開始。ターゲット設定。
 目標、ガン・イージバックパック。
 この至近距離、しかも格納庫内・・・・・・・仮に回避されても先にあるのは
隔壁、その向こう側にある分厚い岩盤だけだ。問題はない。
 スラスターを潰してしまえば、そのMSはただのゴミになりさがる・・・・・・
 悪いが、俺も自分のプランをやすやすと捨てるつもりはないんでね!
 俺は惑わずトリガーを引いた。
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 ワイヤーホーク×1、スリングクラッカー×2(武装庫に保管)、バズハンマー×1(右手に装備中)】
【行動:MS搭乗(−1)MS起動(−1)射撃(−1、バックパックを目標とした狙撃)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】




 


31アーネスト・マンソン:04/03/25 07:52 ID:0O8z2w1H
IDでつ。
>>27
ファンネル達が放ったビームは一直線にX−2に向かった。
髑髏の顎が外れるほどの激しい回避機動を見せたが、
そう何度もかわされるほどこちらの攻撃も甘くはない。

やった?

小爆発を2つ確認する。だが、機体に直撃したわけではないようだ。
サイコガンダムとミョーコウからの攻撃は見事にかわされる。
漆黒の仇敵は乱れた姿勢を一瞬で立て直すと、戦場の外に向かって一気に加速した。
その動きと速度から判断すると、やはり今の攻撃は機体そのものにはダメージを与えなかったらしい。
ファンネルをスカートに収めたキュベレイが見つめる中、X−2が遠ざかっていく。

逃げた? それとも、迂回して別方向からまた来るつもり?

ダグラスからは、逃げる敵は追うなという指示を受けている。
艦長の命令には従うべきだし、不用意な深追いは避けるというのは戦術の原則でもある。
再来襲が無いことを確認したならば、速やかにミョーコウに戻り、直ちにこの宙域を去る。
それがあるべき形であり当然にそうするべき………だが。

………弱った敵は徹底的に叩くのも、戦術というものだわ。

シェラザードは艦長としてのダグラスを尊重しようとしているが、
それはシェラザード自身が意識してそうしようとしているのであって、
「乗組員としての艦長に対する忠誠心」は決して高くはない。
ダグラスの健気さと真摯さは極めて高く評価しているし、
その少年として、男としての魅力の前では無抵抗で溶けてしまう程なのだが、
戦場での彼に対する評価は全く異なる。
ダグラスの指揮能力や戦術眼に対して、シェラザードは疑念すら抱いているのだ。
真剣なのは分かるし、努力しているのも認める………その評価を一言でまとめればそうなるだろう。

そして、キュベレイのサイコミュがシェラザードの戦意を緩やかに、だが確実に刺激していた。
人の精神を戦闘へのエネルギーとして使用させるその機械は、
実戦でファンネルをコントロールすることで通常よりもその能力を高出力で発揮していた。
その波動がデジタルとアナログの両方からシェラザードに伝わってゆく。

鮮やかな朱を見せる唇がわずかに開いているのは呼吸のためだけなのか。
ノーマルスーツを下から激しく盛り上げている胸が大きく上下しているのは
息を整えるためだけなのか。
コクピットに何かが満ちたまま消えようとしない。それはただの緊張か、あるいは戦意か。
「……………………」

あの男はあたしを撃った。
あの男はリファニアを撃った。そして傷つけた。
あの男はダグラスを撃った。ダグラスを殺そうとした。
その男をこのまま逃がしていいの?

ダメよ。命令には従わないと。
艦長の命令をパイロットが無視しては、戦争にならないわ。
一時の感情に身を任せて暴走することがどんなに愚かなことか、分からないあたしではないでしょう。
あんな男を殺すために積極的に苦労する必要はないわ。

でも、あの男はまた来るかもしれない。
何処かで態勢を整えて、新しい武器を装備して、あたし達を殺そうとするかもしれない。
だったら、今のうちに殺しておいた方がいいのではなくて?
深追いは禁物と言うけれど、あの男には援軍も予備戦力もないわ。

調子に乗るのは禁物よ。
あの男の動きを、あのモビルスーツの性能をその目で確かめたでしょう。
確かに弱らせはしたけれど、大きなダメージを与えたわけでもないわ。
そう簡単に殺れるような相手ではないわよ。

二人のシェラザードが意見を戦わせる。
ここで一気に片づけようとするシェラザードと、ここはいったん退こうとするシェラザード。
どちらもシェラザードであり、シェラザード自身にとって説得力のある意見なだけに、
その議論には簡単に決着が付きそうにもなかった。

………どうする?

迷いを見せながら、キュベレイがサイコガンダムに向き直る。
紫の巨人に問いかけるように、そのデュアル・アイが点滅した。

【行動:リファニア・ミョーコウと回線維持(0)、ファンネル格納(0)、リファニアを見る(0)】
【位置:T11】【行動値残り:4】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(4機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤13日分】
【方針:スタンリーを撃破】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
34リファニア=ニールセン ◆y265QavDe. :04/03/25 12:03 ID:LOE0STww
>>27>>32-33
無茶苦茶な回避運動で、またも光の奔流から逃れるX2。
スタンリーを包み込もうとしていたリファニアのイメージが、弾ける。

「……ふふっ、私を拒絶するんだ。
 もう苦しむ事、ないのに。優しく包んであげるのに……。」

穏やかな声で、そう呟くリファニア。

スタンリーのX2が、この場から逃れようと加速してゆく。
スタンリーの生命の鼓動を完全に捉えているリファニアは、彼の身体がGに悲鳴をあげているのを、感じた。

シェラのキュベレイが、こちらを伺うようにその双眸を光らせる。
それに対して、爛々とデュアル・カメラを輝かせて応える紫の悪魔。

「……リファニア=ニールセン、X2を追撃します。
 敵機がこの宙域を離脱した場合は……ミョーコウに、帰艦します。」

落ち着き払った声で、ミョーコウ、そしてシェラにそう告げたリファニアは……。
サイコのスラスターを最大に噴かして、X2の追撃を開始した。

リフレクター・ビットを先行させながら、X2を追いかける紫の悪魔。
まるで冥府へ引き込もうとする亡者の手のように、リフレクター・ビットがX2に追いすがる。

「もう疲れたでしょう?……楽になりなよ。
 今のあなたに必要なものは……安らぎだよ?」

あくまでも、穏やかな声。
その声とは不釣合いな激しい輝きが、悪魔の胸から放たれる。
広がってゆく、光の渦。そしてそれは、四基のビットによって、X2を包み込むように、収束してゆく。

   ♪
♪Somewhere over the rainbow
 way up high
 There's a land that
 I heard once in lullaby ……♪
        ♪

光の奔流がX2を襲う様を見ながら、穏やかな声で歌うリファニア。
度重なる負荷に耐え切れずに、一基のビットが爆ぜる。

      ♪
♪Somewhere over the rainbow
 skies are blue
 And the dreams that you dare to
 dream really come true ……♪
         ♪

光の奔流の中のスタンリーの生命の鼓動……。
それを摘み取るように……悪魔の全身から、禍々しい光が、放たれた。
【行動 : シェラ/ミョーコウ艦橋との通信回線継続(0)、データリンク継続(0)、集中継続(0)
      追撃(-1)、リフレクタービットコントロール(-1)
      拡散メガビーム砲で反射攻撃(-1)、全身メガビームでX2を攻撃(-1)、残0 】
【位置 : T-11 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、穏やかな殺意 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5(射出済み4)
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : スタンリーを殺す、ミョーコウを護る 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
36レイモンド=デリック ◆a/QqKjfHc6 :04/03/25 12:28 ID:Dis0igH3
ID確認作業始めます
「アリガト」

俺の言葉にサーティアは小さい声で言った。
そして更に続ける。
 
「けどね……。悪いけど私生きてるの」

俺の頭の中に疑問が生まれる。

(生きてる……?)

その疑問の隙をついて、再びサーティアの蹴りが腹に入った。

「ぐぅ!」

後ろに叩き付けられる。
多少腰を打ったが、むしろ左肩の方に響いた。

その瞬間いきなり後ろのハッチが開いた!

「うわびっくりした!」

…どうやらサーティアはどうしてもこのガンイージがほしいらしい。
では何故……?

「サーティア。俺はさっき君を信じている人…「ルイやアーネストの」心を踏みに
 じるなと言ったが、それで何故『私は生きている』という答えを返す?……もしか して、食堂を出る時に言っていた『誓い』とは……以前一緒にいた参加者とのものか?」

そう。サーティアは『私は生きている』と言った。
その言葉の向かう先は、当然生きてはいない人間だ。
ならば俺やルイ、アーネスト、ベルクはこれにあたらない。
思い当たるのは……以前サーティアと一緒に行動していた参加者……リオン。

「君がガンイージを欲しがるのは、リオン=フライハイと何か関係があるのか?
 理由を説明してくれ。それが納得のできるものであれば……」

言った俺の顔はおそらく歪んでいたかもしれない。
この決断をする事に。

「ガンイージは…………君に譲る」

【行動:疑問をぶつける(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:異常無し】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
38シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/03/25 13:02 ID:kY2hu4AQ
>>34
追撃するかしないか………シェラザードの問いかけに、リファニアは首を縦に振った。
敵機がこの宙域から離れるまでは攻撃の手は緩めないという通信が入る。
言われてみれば道理だ。敵はまだすぐ側に、手を伸ばせば届くところにいる。
一度背中を見せたとはいえ、それが擬態でないという可能性はゼロではない。

念のために周囲の状況を確認。キュベレイ、サイコガンダム、ミョーコウのいずれも、
近くに他の機影を確認してはいない。ミョーコウから離れても大丈夫だろう。

「キュベレイよりミョーコウ、こちらもリファニアを援護するわ。
 危険が無くなったのを確認してから戻るから、もう少し待っててね♪」

一度ミョーコウに向き直ったキュベレイがその左手を「口元」にあて、投げキッスを送る。
ウインクをするようにデュアル・アイを煌めかせると、
次の瞬間スラスターを最大出力で吹かせてX−2を追い始めた。

喧嘩を売ってきたのはあなたの方よ。売り逃げは感心しないわね。

闇を駆け抜け、デブリや残骸を鮮やかにかわし、深紅の女王が宇宙に躍る。
戦意に身を輝かせ、遠慮のない殺意を妖精の鱗粉のようにまき散らしながら、
キュベレイはサイコガンダムを追うようにしてX−2を追撃した。

「………………!」

繋ぎっぱなしの通信回線から歌声が聞こえた。今度はリファニアの声だ。
その響きが感じさせるのは………敵意や殺意ではない、もっと穏やかな感情だ。
あえて言うなら憐れみ、だろうか。相手をあらゆる苦痛から解放しようとするような、優しい声だ。

前と同じで綺麗な声………あなたはやっぱり素敵なコね、リファニア。
ますます好きになれそうだわ。

全天モニターの一部が拡大される。X−2を捉えたという証拠だ。
スラスターが一層大きな炎を吐き出し、女王を加速させると共にその姿を虚空の中に照らし出す。
相対距離を示す数字が勢いよく減少し………十字照準が赤から緑に変わった。

お休みなさい、スタンリー。あなたが死んだら、あなたがあたしにしたことは許してあげても構わないわよ。

前を進むサイコガンダムが全てを消し去る刃を振るうのに合わせて、
キュベレイから3筋の流星が飛び立った。
リファニアの歌声に合わせるように3機のファンネルは進み、飛翔し、その身を躍らせて。


 And the dreams that you dare to
 dream really come true ……♪

少女の望みを叶えるために、3方向からビームを撃ち放った。
【行動:リファニア・ミョーコウと回線維持(0)、追撃(−1)、ファンネルでスタンリーを攻撃×3(3)】
【位置:T11】【行動値残り:0】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(4機チャージ中、3機展開中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤13日分】
【方針:スタンリーを撃破】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
40サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/03/25 13:30 ID:5nNDDf62
『サーティア。俺はさっき君を信じている人…「ルイやアーネストの」心を踏みに…』

 何か声が聞こえる……。

『君がガンイージを欲しがるのは、リオン=フライハイと何か関係があ……』

「その名前を口にしないでっ!」

『ガンイージは…………君に譲……』

「そっ、ならこれは貰っ……!?」

 反射的に身を屈める。
 ガザタイプ……アーネストかっ!

 アンタに構ってる暇も無いのよ……!
 ジャベリンのガトリング……構うもんか、もう乗らない。

 ジャベリンのガトリング砲を掴み、レイモンドを斜線上に置いて、アーネスト目掛けてばら撒く。
 対MS用の大口径砲。貫通力、連射速度共に良好……
 このガトリング砲の弾幕……このスペースで避けきれるかしら!?

 そして、ガトリングを連射しながら、Rジャジャの方を伺う。


【行動 : 身を屈める(−1) ガトリングガンで攻撃(−1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.25/ルイ No.09/ベルク 】
41ヨーコ ◆7kXFb9ayC. :04/03/25 14:40 ID:???
「…あ、なるほど。
 私、てっきりシュウジさんが…勘違いしてたのね。」

ふわあぁぁぁ〜〜〜…。

思わず漏れてしまった欠伸。
緊張感を解いたら、けだるい眠気と疲労感に襲われた。
……先ほどの行為の影響だろうか(///)

『そう言えばラーズはどうするんだろうな……?』

眠い目をこすりながら話を聞いていた。

「…はて?ラーズさん…ですか…?
 通信、入れておきましょうか?」

聞きはしていたが、シュウジさんが返答する前に行動に移っていた。
そしてノーマルスーツの通信装置を使い、ラーズさんへと送信した。
……MSの通信装置と同じ要領でOKだったのが助かった。

「…もしもし?ラーズさん…。
 生きてますか〜?
 生きてたら何かアクションをください。」

【行動:会話(0) ブラック・ジョーク(0) 通信(1)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口付近】【残り行動値:残り3p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:ノーマルスーツ(通信→ラーズ) 信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 これからのこと 眠いなぁ…】
アーネストもまたルイを追って
食堂から出ていった。

(彼は”核”をカードと言った。
 それはつまりティーチャ―達相手に”核”を脅迫
 又は、取引の材料に使うのかもしれない。
 だが、それに応じる応じないに関わらず”核”が
 撃たれる可能性も高い。
 やはり、あまりにも悲惨過ぎるかもしれないな。)

自分以外誰も居なくなった食堂内。
腹を膨らます為に盛ってあった御飯にカレーを掻けて食す。
もちろん、アーネストが食べた(辛い方)カレーを食べていた。

   辛い・・・・・・のかな?

(やけに遅いな・・・・・・・・・。何かあったのか?)

【行動:食事(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:F-05(食堂内)】
【機体状況:待機 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
43イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/25 18:57 ID:736SCphO
ID出してみます
44イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/25 19:08 ID:???
前スレ>251-252
ダグラスが自らの腕に注射した薬剤、そのアンプルを見て愁林は思わず息を呑んだ。
次いで投げかけられた覚悟を決めた視線に頷き、シートから立ち上がる。

「ダグラス、ミョーコウからのデータリンク、ゴトラタンとVの両方にお願いね」

その言葉と共に床を蹴り、

「此処は今の私たちの家」

未だ温もりの残る唇に指を添えて微笑み、

「其処は私の特等席。だから私は沈めさせないし、貴方も沈ませないようになさいね」

その指で少年の胸元を軽く指差し、黒髪を靡かせて艦橋を後にする。

前スレ>304-306

艦内通路に低く響く音と振動。
それはミョーコウが敵機の攻撃によって被弾した事を示すものだった。
愛する少年が、懸命に支えてきた戦艦。それが被弾したという事実。

―――許さない。

蹈鞴を踏んでぶつけた際に浅く切った額の端から紅く滴る一筋の血。
指先で拭ったソレで目尻を薄く縁取り、血化粧と成して尚も彼女は駆ける。
髪を結い上げ、ヘルメットを被り、コックピットへ飛び込んでハッチを閉ざす。
_| ̄|○
(今だ迷子中だが)
「アレ?
 いまあっちのほうからガガガガって音が聞こえたような
 気がする・・・・・・行ってみよか。」
あたしはその音が聞こえた方向へのーまるすーつを
着直しながら走っていった。
嫌な予感がしてたんやけど、当たったんや。
なんかMSがうごいとった。

【行動 : 音のした方へ行くんや (0)残り4 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 只今お留守番の最中やー 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉2つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : 言いたい事はキッチリいわんと 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  がんばって
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ノリがけっこうええな
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
46イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/25 19:14 ID:???
>27>32-35>38-39
純白の機体で宇宙空間へ躍り出た愁林の目に、サイコミュ兵器のクロスファイアに晒されるX2の姿が映る。
無論、各種計器類を介した2次的な知覚での話しだが、今の彼女にはそれだけで十分だ。

脳裏に思い描くのは、彼女にあらゆる戦う術を教え込んだ一人の女性の姿。
その動きをできる限り再現しながら、狙うべき唯一の機会を慎重に模索する。
現在位置、未来位置。
彼我、及び障害となる各種デブリに関するそれらを予測し、行なうは針の穴を通すが如き精密な射撃。
命中しなくとも良い。
回避のリズムを一瞬でも乱せば、それで十分。
あの閃光の中を尚も生き残るのだとしたら、それこそあのアムロ・レイやシャア・アズナブルを相手にするような話だ。

「―――Amen.」

自らの技量のみで成し得るかは分からない。
だから、神の加護を願い引き金を引いた。

【行動:艦内移動(-1)、出撃(-1)、追撃(-1)、Bライフル射撃(-1)】【残り行動値:0p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ周辺】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今はダグラスの姉であり続ける、敵の排除】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
47シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/25 21:43 ID:???
>前スレ309

『……あいつと同じになるってか?
 こんなところでビーム・サーベルなんて振り回したら、皆吹っ飛んじまうぞ』

「聞 こ え て る ぞ。
 ゼファーはそこまで馬鹿じゃない。倫理基準の都合上、
 俺に危害が及ぶような攻撃は出来ない。」
(はずだが……外部から干渉を受けたときは保証できない、か。
 まぁ、防壁は攻性防壁含めて何重にも用意してるが……。
 にしても余計なことを言う……。)

>>41

「……?
 あぁ、わかった。ありがとな。

 ……さて。」
ガズRのメンテナンスハッチを開く。そこには他の機体と違うことのない自爆装置。
それを確認すると、早速作業を開始する。
と、同時に格納庫に小破したホビーハイザックが到着した。

【行動:会話(−0)作業(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:S−17 港湾部 】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ・リナルド⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) けっこう腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×6 電子部品 Hハイザック?】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化(ガズR) 細工 ……?】
【同盟:07番ベルク?? 19番ラーズ? 08番ヨーコ 15番リナルド?? 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド】
三機からの追撃及び、猛攻を受け悲鳴を上げ始める機体。
「加速警告まで。」

デブリの多いこの周辺では、加速制限がある。

フェイス部からの強制廃熱である程度は回復した機動で。
ファンネルからのビームをシールドで防ぐ。

「ビーム?ライフルからか?」
脇を掠め、MSの残骸を貫くビーム。その影響で軌道がずれる。
「高出力ビーム?偏向ミラーか?」
サイコガンダムから放たれたビームが機体に迫る。
流石にこれはシールドでは防ぎきれない。
しかし、高速移動中であった事が功をそうし機体からビームがそれる。

その先に有るデブリの残骸に命中。大きな爆発をおこす。
恐らくは核爆発推進剤にも火は回っただろう。

「ぐお、やばいな。」
残骸の破片が、機体を叩く。大きな残骸が時に装甲をえぐる。

「早急に離脱。安全圏に入り次第廃熱。」
今後の方針を手早くドリアンに告げる。
「そうだな、北西に小惑星基地があっただろ?そこで補給・修理をする。」

高熱の塵を残して、黒き忍びは姿を消した。

【行動:防御(1)離脱(1)】
【位置T11ライン際】【残り0P】
【機体:損傷軽微装甲多数傷有り オーバーヒート バランス悪】【身体状況:左上腕被弾(貫通)】
【武装:60mm頭部バルカン×2両肩部マシンキャノン×2(92%)、ビームサーベル×1、
左足部ヒートダガー×1、両腰部シザーアンカー×2、ブランドマーカー(ビームシールド
兼用)×2  】
【持ち物:コッペパン1個 水2g入り2本 サバイバルキット 煙草196本 信号弾各4個ー1
自動拳銃(8発)マスク(緑色、木製) 自動小銃1丁 予備マガジン4個】
【方針:修理・補給】
「乗り越えるべき、壁?
 君はそいつと戦っているのか?
 君は、君自身のステップを昇ろうとしているのか……?」

〔リナルドさん……?〕

「違う、それは違う……。
 ステップを昇り成長するということと、人を殺すということは違うんだ。
 今君がやろうとしていることは、壁を乗り越えることじゃない。
 目の前の邪魔な壁を突き崩すだけの行為じゃないのかな……。
 
 もし君を死なせてしまったら、俺はあの世でどんな顔してあいつに会えばいいんだ?
 もしくは君が殺意をもって誰かを殺し、その返り血を浴びて……。
 血塗れになってまで得た成長の証を、本当にあいつは望むのか?
 君が愛した、あの男は……本当に、君が成長のために血と罪に汚れることを望むのか?
 君自身は……本当にそれでいいと思っているのか?」

実際のところ、ゼファーの音声はリナルドに通じていた。
でも、彼には答える必然が無かった。

「……俺は……、俺は一体どうしたいんだ……?」

≪続く≫
>>49続き

何を迷っている。
ここであの子と別れる前、お前は一体何をした?

「わかっている。
 わかっているんだ……けど」

リナルドの視線がガズRの方を向く。
それほど遠くない位置にシュウジとヨーコが見えた。

あの二人なら、きっと大丈夫だ。

「そうかもしれない。
 けど、そうじゃないかもしれない」

お前はあの子の一番大切な人を奪ったんだよ。
なら、お前がやるべきことは何なんだ?

「……罪の、償い……」

ほら、やっぱりわかってるじゃないか。
じゃあ、お前の本心はどうなんだ?

「俺は……、俺はあの子に……。
 リファニアに、人を殺させたくない。
 俺と同じ殺人者にはなって欲しくない」

でも、今あの子は戦闘中だろう?
反撃しなければ、いつかは死ぬぞ。

「そうだ。
 そして、俺はあの子を死なせたくない」

なら、あいつの代わりに、あの子を守る?

「そう。
 本来あの子を守ってやるべき男は、俺が死なせてしまった」

だから、その役目をお前が引き継ぐ?

「それは違うのかもしれない。
 確かに引け目はあるけど、俺は俺の意思で戦場に身を投じる。
 ただ、あの子に会ってもう一度……話がしたいだけなのかもしれないな」

それが答えか。

「ああ」

≪続く≫
>>50続き

戦士よ、内なる声に答えよ。
内なる声の問いに澱み無く答えることができたなら、
その時は内なる衝動にその身を任せるがいい。

彼がかつて、父が亡くなる前にたった一度だけ聞いた言葉。
その結びはこうである。

内なる衝動は闇となり、お前に無限の力と負債を与えるだろう。

「……負債?
 そんなもの、いくらでも背負ってやるさ。
 負債を背負わずに自分を全うできる人間がどこにいる」

そう呟き、彼はゼファーを見下ろした。
そのままゼファーに指示を与える。

「ゼファー。
 お前にシュウジへの伝言を託す。
 頃合いを見て、お前の頭脳が必要になったと判断したら、メッセージを再生してくれ。
 くれぐれも、マスター命令で再生しないようにな」

〔? わかりました……〕

「じゃあ、言うぞ。
 ……シュウジ。
 もし、お前と俺が戦う時が来たのなら、
 一切の迷いを捨てて確かな意思を持ち、不動の信頼のもとに銃を向けろ。
 タダで撃たれてやるわけにもいかないが、信頼のもとに召されるのなら、それはそれで悪くない。
 ……Over.」

〔録音しました〕

「ありがとう。 ……さて」

コンパネを取り出し、リナルドはメッセージを打つ。
打ち終わると、彼はシュウジに近付いていった。
すぐそこにヨーコがいる。
だが、気にしない。

「シュウジ、お前に頼みがある……」

ゼファーを差し出し、言葉と共にコンパネのディスプレイをシュウジに向けた。

〔首輪を無力化するために作ったものがあるはずだ。
 カバーのようなものだと思うけど。
 あるのなら、俺の分を渡してくれ。
 俺には、今のうちに行っておきたい場所がある。
 今行かないと、後悔するかもしれないんだ〕
【行動:伝言録音(0)、テキスト作成(-1)、シュウジと会話&ゼファー返却(0)】
【位置:S-17コロニー港湾部・MSデッキ】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続(シュウジ・ヨーコ)】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、ノーマルスーツ、拳銃(20)、救急箱
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:……】
【同盟:01番シュウジ 07番ベルク? 08番ヨーコ?19番ラーズ??】
 やけに不恰好になった左腕を掲げるMS。
専門家ならもっと綺麗に確実に仕上げてくれるんだろうが、
内部構造を知っているだけの彼の腕ではそんなところまで手は回らない。
配線が繋がった事が確認できたら、さっさとパテで埋めて最後にお情けの塗装。
何だか、左肩のアーマーの突起物が一つ増えたような感じだ。
その傍らでそれを少し上機嫌そうに見上げる男。
彼としては、まず動いた事が気分を盛り上げてくれたようだ。

 一通りの作業を終えたことを確認すると、彼はその場に腰を下ろす。
片手で非常食を齧り、もう片方の手に掴んでいるのは全体MAP。
機体の心配は一応無くなったわけだが、次の問題として浮かぶのは接触。
残りの参加者が何処にいるのか、見てみたところで分かるはずも無いが、
それでも一応現在地から四方八方を眼で辿ってみる。
膠着が続くと言う事は積極的に動いている参加者が少ないと言う事だろう。
となれば、拠点に篭城がすぐ思いつくが…そんな場所も数が知れている。

 そんな折、MAPを無意味になぞっていた指がある一点で不意に止まる。
その場所はF-05。件の要塞基地。
少し不快な記憶が蘇えり顔を思わず歪めるが、
勝って知ったる場所しか思い当たる節が無いのもまた確かだ。
結局、拘りつづける結果になってしまうが…それもいいだろう。

 意を決して立ち上がると、食べかけの非常食を一気に頬張る。
機体の具合をもう少し確かめて行きたいが、残された猶予も少ない物だろう。
細かい調整は移動中に行いながら向かえばいい。
後は、何か武装があれば理想的なのだが…まぁ、この際構わない。
ここまで来て獲物がこれ一本というのも自分らしい。

【行動:移動 (-3P) 補修作業(-1p)】
【位置:S-05→S-06→R-06→Q-06】【残り行動値:0P】
【機体状況:外装への小ダメージ+14番からの切り傷+完全ではない左腕】
【武装:ビームソードアックス】
【所持品:自動小銃2丁 小銃3丁 それらの弾薬】
【行動方針:戦場を求める】【同盟:無し】
Vガンダムの出撃。
脳裏に過ぎったのは、姉さんとの先ほどのやり取りだった。

『此処は今の私たちの家』
『其処は私の特等席。だから私は沈めさせないし、貴方も沈ませないようになさいね』

結局、僕は最後まで姉さんに声を掛けることなく、彼女の出撃を見送った。
(ごめん、今は艦長である事に集中させてほしい……。)
そう思いつつも、僕の手の中には小さなロザリオがしっかりと握られていた。
(御飯、一緒に食べましょうね……。)
思わず付け足してしまったのは、詫びの一念か。

「データーリンクを各機へ接続。回線、オールフレンドリー。
 レーダー、地形データ、母艦、僚機、敵機の情報を共有します。」

味方機とネットワークを開き、チームとしての反撃に打って出た。

伸びる火線、残光の糸を引く噴射光。
ミョーコウ、各迎撃機共に、ここぞと一斉砲火を浴びせる。
が、XB2ガンダムは奇抜な機動力でそれを避ける、避ける、避ける……。
それでもこの猛反撃に、スタンリーは防戦一方となっていた。

だが、確実に追い詰めつつあるものの、本体への決定打が入らない。
一方、反撃もままならないスタンリーは、撤退の色を濃くして行った。
遂に後ろ姿を見せた彼に対し、リファニアとシェラは顔を合わせる。

『……リファニア=ニールセン、X2を追撃します。
 敵機がこの宙域を離脱した場合は……ミョーコウに、帰艦します。』

「了解、その条件ならば追撃を許可します。」

僕はある程度の追撃を許可した。
これで仕留められるならば、それに越した事は無い。
しかし、暗礁宙域だと、艦船はどうしても足が遅くなってしまう。
各機の連携を保つためにも、同エリアに居る事が最低条件となる。

そして三人の戦姫は、それぞれ渾身の一撃をXB2の背中へ叩き込んだ。
多々の残骸、デブリ、岩塊が爆発、崩壊を起こす。

その余りにも多数の熱源、地形情報を読み取れずにビジー状態だった
レーダーが再探索を開始し、それを確認する僕。
作業が完了し、レーダーが通常に可動を再開した。

―――ッ!!

言葉が詰まった。
確かに点在する、その機影。
あれだけの猛攻撃が故に撃破を予想していた僕は、驚愕の色を露にした。

「……機影捕捉。…敵機、今だ健在です。」

目を擦りってからもう一度その機影を確認すると、
苦々しい口調で索敵結果をオペレートした。
【行動:再索敵(-1)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:3p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:薬物投与+摂取中】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む スタンリーを撃退、無理なら此方が後退】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
56ラーズ ◆C5GRxBlS5o :04/03/26 08:32 ID:???
>41
…通信が飛び込んでくる。…それで目が覚める。
回線を開き、寝惚けたような口調で答える。
「…何…かよう?」
【行動:目を覚ます ノーマルスーツに回線開く。通信に答える。】
【状況:ヨーコと通信回線接続 】
【残り行動値:3p】
【位置:S17】  
【機体状況:電源カーに接続。エネルギー補給中。】
【武装:ファンネル×6、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル・メガバズーカランチャー】
【SFS:スキウレ】
【所持品:ヤクト内(ディパック(中身は『飲料水2g入り3本』『地図』「食糧(彼女にとっての)2、5日分」) レポート用紙1冊 )
手持ち(細長い(そしてかなり大きい)アタッシュケース(中身はライフル(残弾10)) 大型要塞の内部地図データ)】
【行動方針:≪できれば欲しいモノ≫の入手 小惑星にあるであろう薬の入手】
【同盟:シュウジ ベルク リナルド ヨーコ…?】
【特記事項:ノーマルスーツなし】
57ヨーコ ◆7kXFb9ayC. :04/03/26 10:30 ID:???
>>56
『…何…かよう?』

そう答えるラーズさんは…、
眠たそうな顔で目を擦っている表情が目に浮かんだ。

「寝てたんですね。起こしてしまってごめん。
 あの〜…、『何か用?』と聞かれても少し答えずらいんですけれどね、
 シュウジさんとココの件で話してたら
 『ラーズはどうするんだろうな?』と言ってたので
 私が代理で聞いてみることになったもので…。」

『ココ』と言った時に、喉もとをトントン…と人差し指で叩く。
…叩いた音が盗聴されぬための配慮である。


……………。

とりあえず伝えたと言う事で、ラーズさんの返答を待っていた。
そうしている間に、不意にある感覚に襲われた。

「……ふわあぁぁ…。」

(あ…。)

気付くや、ソッコーで欠伸を切るように口を抑えた。

【行動:会話(0) 通信継続(0) 突然にあくび(0)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口付近】【残り行動値:残り3p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:ノーマルスーツ(通信→ラーズ) 信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 これからのこと 眠いなぁ…】
58アーネスト・マンソン:04/03/26 10:35 ID:PNCLQbXj
 運命のIDチェック
59アーネスト・マンソン:04/03/26 10:58 ID:???
 なるほど、本気というわけか、サーティア。
 まったく、このゲームは人を狂わせる!
 
 大量の弾幕。
 ひさしぶりの実戦だが・・・・・・どうやら勘は狂っていないらしい。

 この狭さでの制圧射撃。こういう閉鎖空間でガトリングガンがどれほど
有効かは、うんざりするほど戦場で思い知らされている。
 一手をしくじれば、瞬く間にあの世逝きだろう。
 たまらないね、こういうの!
  MSベッドに隠れるのがひとまずの策。MSの重量を抱えあげられるだけの
強度ある鉄板なら、いくら高速とはいえ所詮小口径弾。
 防ぎきれるだろう。

 操作を変更。
 ガトリングガンの動きから相手の弾幕のラインを見切り、
それを避けるように空中へ。
 弓なりの機動。
 懐にもぐりこみ、左手のバズ・ハンマーをジャベリンのわき腹めがけて振るう。
 くくりつけた大口径成型炸薬弾から発生するメタル・ジェットの
威力は、戦艦の装甲すら射抜く。

 見ていたよ、サーティア。
 君はレイモンドを巻き込もうとした。
 ならば、君の意図がなんであれ・・・・・・・
 容赦はしないということだろう。
 君は今や俺達にとっての危険分子と成り果てたのか、違うのか。
 どちらにせよ・・・・・・・牙はもがせてもらう!
(注・バズ・ハンマーはアーネストが自作した武装で、ジャイアント・バズの
弾丸を3発鉄材にくくりつけたものです。命中時には弾丸から強烈なメタル・
ジェットがはなたれ、機体にダメージを与えます。命中後、バズ・ハンマーは
アイテム「バズ・ハンマー残骸」に変化します)
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 ワイヤーホーク×1、スリングクラッカー×2(武装庫に保管)、バズハンマー×1(右手に装備中)】
【行動:回避(−1)バズ・ハンマーによる白兵攻撃(−1、ターゲット右わき腹)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】
60サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/03/26 11:54 ID:gzyZXRni
先んじてIDチェック。
>>45-46>>54
ファンネルを展開した直後、レーダーに新たな反応が現れた。
識別結果は………味方機。少なくとも、機械の上では。
LM312V04 Vガンダム。登録されているパイロットは、イブ・シュウリン。
ダグラスと共にミョーコウを守っていたはずの彼女が出撃してきたと言うことは、
少なくともミョーコウにそれを可能とするだけの「余裕」があると言うことだろう。
先ほどの被弾による損害は、第2砲塔だけで済んだらしい。
ミョーコウはダグラス一人でも大丈夫、と判断して出てきたのだと考えられる。

………後で何を言われるかわからないけれど、ね。

実質的に迎撃に失敗したことに対して嫌みの一つも言われることは覚悟しておこう。
だが、とにかく今はあの男を片づける方が先だ。

これで終わらせてあげるわ。

キュベレイが、サイコガンダムが、Vガンダムが一斉に攻撃を開始する。
拡散ビームが闇を切り裂き、乱舞するファンネルが破壊の光を撃ち出し、
必殺の念を込めたライフルの一撃がX−2めがけて襲いかかる。
エネルギーの濁流は数多くのデブリや残骸ごと全てを巻き込んで、一切を無に返す………はずだった。
だが。

『……機影捕捉。…敵機、今だ健在です。』

目の前の現実を信じられないようなダグラスの声。
しかし、それを責めるわけにはいかない。何故なら、自分もそれを信じられなかったからだ。
爆発と光の渦から黒い影が飛び出した。多少は傷を負っているのかもしれないが、
動きのキレも速度もほとんど変わらないまま、X−2がこの宙域を離脱しようとする。

アレをかわしきったというの………!

さすがにこれ以上やり合う気はないらしいが、こちらとしても呆然としてしまっている。
あれだけの攻撃を、ほとんど無傷のままで回避しきるなど、冗談としか思えない。
あの男がそれだけ凄腕なのか、それとも自分たちが大間抜けなのか………あるいはその両方か。
自分の力量にある程度の自信は持っていたのだが、こうまでされると本気で落ち込みそうだ。

………やってられないわね、まったく。

何度か首を振って意味のない疑念や弱気を振り払うと、シェラザードはリファニアに意識を向けた。
ファンネルを納めたキュベレイが振り向くと、サイコガンダムは攻撃した姿勢のまま「浮いて」いた。
とにかく、この場での戦闘は終了したと見なすべきだろう。ならば次に備えて、態勢を立て直さないと。

キュベレイがサイコガンダムに近づき、その肩にそっと触れた。接触回線での通話を開始する。

「………リファニア、とりあえず終わったから、あなたはミョーコウに戻りなさい。
 どのみちここからは離れるのだから、ぼーっとしていても仕方ないわ。
 あなたが着艦するのが一番手間がかかりそうだから、ね」

この戦闘で、あの小さな身体にどれだけ負担がかかったのだろうか。
サイコの巨体をあれほどの速さであれだけ振り回せば、パイロットにかかる負担は相当なものだろう。
それに加えて、戦った相手とこの(無様な)結果を考えれば、精神的にもかなり疲れていてもおかしくはない。
今は少しでも早く狭いコクピットから降ろしてあげて、休息を取らせた方がいいだろう。

「………あの男のことは、もう気にしないで。
 あたし達はあの男を撃退した。ちょっとミョーコウに傷が付いちゃったかもしれないけれど、
 誰も怪我はしなかったし、みんなこうして無事に生き残ってる。今はそれで満足しましょう。
 戦いとはこういうものだから、何が起こるかわからないし、元々理不尽なものなのよ。
 何もかも思い通りに上手くいくとは限らないんだから、贅沢を言えばきりがないわ。
 だから、あたしと一緒にミョーコウに戻りましょう。あたし達が守った、あたし達のミョーコウに」
サイコガンダムと接触したまま、イブとの通信回線を開く。

「悪いけど、あたしはリファニアをミョーコウに戻すから、その間の援護を頼めるかしら。
 さすがに今ここでこれ以上何か起こるとは思えないけれど、念のために、ね」

リファニア、自分、イブの順に着艦してからこの場を離れようと、そう提案してみた。

【行動:リファニア・ミョーコウと回線維持(0)、ファンネル回収(0)、サイコガンダムと接触(0)
     イブと通信(−1)】
【位置:T11】【行動値残り:3】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(7機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤13日分】
【方針:ミョーコウに戻る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
(遅い・・・・・。)

食事を終え数分、食堂で待機をしていたが
まだ戻ってくる気配は無い。
気になり椅子から立とうとした時、
微量の震動を感じた。
食卓に置かれたスプーンが微かに揺れているのがそれを物語っている。

(――――――――やはり何かあった?)

俺は急いで食堂を出、サーティア達の後を追う派目になった。

しばらく進んでいると音も聞こえてきた。
そこへ向かうともう一つの格納庫に着く
そこでは何故かMSが戦闘を始めていた。

その近くにルイが居たので何故このような状況になったのか問い詰める。

「おい、どうなってる?何故MSが動いている?」

【行動:移動(-1)会話(-0)】
【残り行動値:3】
【位置:F-05(格納庫)】
【機体状況:待機 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
64イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/26 15:15 ID:???
>54-55>61-62
―――嘘……。
思わず口をついて出そうになったその台詞。
だが、ミョーコウから送られてくるデータ、そしてVの各種計器類が示す情報は全て、通信内容が真実であると伝えている。

「……あの人のように殺すには、私はまだ未熟だったという事かしら……」

遠ざかっていく敵性反応を油断無く見送っていると、ふいに通信が入った。
暫定的な共闘者であるシェラザードからだ。

『悪いけど、あたしはリファニアをミョーコウに戻すから、その間の援護を頼めるかしら。
 さすがに今ここでこれ以上何か起こるとは思えないけれど、念のために、ね』

「そうね。彼女、結構な無茶をしたと思うから……その手当てもしてあげなさい」

リファニアのシェラザードに対する態度や、二人の間の空気から、愁林は彼女達がそれなりに親しい関係にあると察していた。
だからこちらの提案も、あくまでリファニアを労う為のモノ。
そう割り切って愁林は頷いて見せた。

「リファニアちゃん、お疲れ様。ちゃんと彼女に面倒を見て貰いなさいね」

ヘルメットを脱ぎ、結い上げた黒髪を下ろしてから目尻の血化粧を拭い取り、回線を通じて少女に微笑みかける。
次いでミョーコウに通信回線を開き、艦長であるダグラスに向かってシェラザードからの提案内容を改めて伝達する。

「―――私としては異存は無いわ。プロペラントの残量も問題無し、十分に役目は果たせると思う」

そうして、愁林はダグラスからの返答を待った。
65イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/26 15:17 ID:???
【行動:シェラザードとの回線継続(-0)、リファニア/ダグラスとの回線接続(-2)、伝達(-0)】【残り行動値:2p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ周辺】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今はダグラスの姉であり続ける、ミョーコウ並びにクルーの護衛】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>44>>46>>48>>49-52>>54>>61-62、<<64-65
リファニアとシェラを追う様に、イブのVガンダムが戦場に姿を現した。
その手に握られたライフルから光の筋が、X2を襲う光の奔流の中に放たれる。
沸き起こる凶光。爆ぜるデブリ。
だが、そんな暴力的な破壊の宴の中においても……スタンリーの生命はいまだに健在であった。
『……機影捕捉。…敵機、今だ健在です。』
耳に飛び込んでくるダグラスの声。
……リファニアの歌が止まる。
きゅっと締まるリファニアの瞳孔。収束する殺意。
暴力的で危険な何かが……目覚めかけていた。

だが、そんなリファニアに、再びリナルドの意識が触れる。

『乗り越えるべき、壁?
 君はそいつと戦っているのか?
 君は、君自身のステップを昇ろうとしているのか……?
 違う、それは違う……。
 ステップを昇り成長するということと、人を殺すということは違うんだ。
 今君がやろうとしていることは、壁を乗り越えることじゃない。
 目の前の邪魔な壁を突き崩すだけの行為じゃないのかな……。
 
 もし君を死なせてしまったら、俺はあの世でどんな顔してあいつに会えばいいんだ?
 もしくは君が殺意をもって誰かを殺し、その返り血を浴びて……。
 血塗れになってまで得た成長の証を、本当にあいつは望むのか?
 君が愛した、あの男は……本当に、君が成長のために血と罪に汚れることを望むのか?
 君自身は……本当にそれでいいと思っているのか?』

その言葉がきっかけとなって、リファニアの殺意が急速に拡散してゆく。
殺意の消失とともに、この宙域に広がりきっていたリファニアの意識が、彼女の中に収まってゆく。
その瞳には、すでに遥か先へと遠のいたX2のスラスター光が映っていたが……。
今のリファニアには、それが酷くどうでも良いもののように思えた。

「……リナルドさん。あなたともっと、言葉を交わしたい……。」

何故だろう。彼に触れる事で、リファニアを縛る何かの戒めが……解ける気がする。
リナルドの所に飛んでいって、心の内を全てぶちまけたい衝動に駆られるリファニア。
そんなリファニアに、シェラが近づいて来た。サイコに、キュべレイの手が触れる。

『………リファニア、とりあえず終わったから、あなたはミョーコウに戻りなさい。
 どのみちここからは離れるのだから、ぼーっとしていても仕方ないわ。
 あなたが着艦するのが一番手間がかかりそうだから、ね。
 ………あの男のことは、もう気にしないで。
 あたし達はあの男を撃退した。ちょっとミョーコウに傷が付いちゃったかもしれないけれど、
 誰も怪我はしなかったし、みんなこうして無事に生き残ってる。今はそれで満足しましょう。
 戦いとはこういうものだから、何が起こるかわからないし、元々理不尽なものなのよ。
 何もかも思い通りに上手くいくとは限らないんだから、贅沢を言えばきりがないわ。
 だから、あたしと一緒にミョーコウに戻りましょう。あたし達が守った、あたし達のミョーコウに』

接触回線で、リファニアにそう語りかけるシェラ。
そんなシェラに続いて、イブからも通信が入る。

『リファニアちゃん、お疲れ様。ちゃんと彼女に面倒を見て貰いなさいね』

二人の言葉にこくんと頷くリファニア。

「……イブさん、シェラさん。あの人は、亡霊……。
 人としてのあの人は、すでにもう、死んでいる……。
 そんなものに、引き込まれちゃ……いけないよね。
 私達は、人間らしく……生きよう?」

その言葉の後に、リファニアは二人ににっこりと、いつもの微笑みを向ける。
リファニアの心は、先程まで戦闘があったとは思えない程、穏やかだった。

シェラのキュべレイから機体を離し、変形させると、リファニアはミョーコウへ向かった。
リファニアの目に飛び込んでくるミョーコウの姿。
牙が一本もがれていたものの……相も変わらずその頼もしい姿を見せてくれているミョーコウ。
「リファニア=ニールセン、帰艦しまぁす。
 ……ダグラス艦長、ミョーコウをもたせてくれて、ありがとっ。」
まるでシェラの真似をするように、モニター越しにダグラスに投げキッスを捧げるリファニア。
HLV格納庫が開き、紫の悪魔はミョーコウへ着艦した。

「……ふぅ。疲れたぁ……。」
ディパックの中から水の入ったペットボトルを取り出そうとするリファニア。
ふと、リファニアの手に、アレンのギターが触れた。
ギターをそっと手に取って、じっと見つめるリファニア。
「……アレン、トリィ……。私は、生きるべき……なのかな……。」
そう呟いて、ギターをぎゅっと、抱き締めるリファニア。
強烈な睡魔に襲われて、リファニアの瞳がだんだんと閉じてゆく……。
静寂に満ちた悪魔の胎内で、リファニアはすやすやと寝息を立て始めていた。

【行動 : シェラ/ミョーコウ艦橋との通信回線継続(0)、イブとの通信回線接続(0)
      変形(-1)、ミョーコウへ帰艦(-1)、ダウン(全部)、残0 】
【位置 : T-11(ミョーコウHLV格納庫、サイコのコックピット) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、すやすや…… 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : ミョーコウを護る、??? 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>64>>66-67
自分の提案にイブは同意した。もっとも、単純に頷いてくれたわけではないようだが。
リファニアのためになるから首を縦に振った………そう言いたげな様子が伺える。
互いに自分の目的のために相手を利用する、というわけだ。
心温まる関係とは言えない間柄であることに変化はないと言うことだ。
だが、その方がすっきりしていて分かりやすい。
後腐れ無しに付き合えるし、別れることも出来るのだから。

「ありがとう、助かるわ」

だからイブには笑顔を見せた。
自分の意見を受け入れてくれたこと、着艦を援護してくれることに対する謝意を素直に表す。
そして接触回線を通じてリファニアと言葉を交わし、サイコガンダムがミョーコウに戻る姿を見送った。

………しかし、キュベレイはすぐにその後を追おうとはしなかった。
リファニアから伝わってきた何かが、素直にそれに続く気にさせなかったのだ。

あのコ、あたしじゃない誰かのことを見ようとしていた………?

それは錯覚かもしれない。勝手な思いこみかもしれない。
何の根拠もない妄想に過ぎないのかもしれなかった。
だが、シェラザードは感じた。感じ取ってしまった。
可愛いリファニアが、シェラザードのものにしたはずの少女が、
シェラザード以外の誰かを求めようとしたことを。

「………それじゃあ、お願いね」

いつも通りの口調でイブに声をかけると、ミョーコウへの帰還軌道に機体を乗せる。
つい先ほどまであれほど鮮やかに輝いていた紅の女王は、何処か沈鬱な色さえ漂わせているようだった。

どういうことかしら。
あたしはあのコをあたしのものにした。あのコはあたしに心を開いてくれた。それは間違いないはずよ。
でも、さっき、あのコはあたしを見ていなかった。あたしではない誰かのことを考えていた。
あたしは、まだあのコを、リファニアを完全にあたしのものにしていなかったというの?

シェラザードは極めて独占欲の強い人間だ。一度「切れた」と感じた人間関係にはこだわらないが、
「付き合っている」過程においては相手を独占しないと気が済まないのである。
自分の腕の中にいる相手が、自分の胸に顔を埋める存在が他の誰かのことを考えることを、
シェラザードは許さない。自分が与えられる全てを相手に捧げる代わりに、
相手が捧げる事が出来るあらゆるものを要求するのである。

あたしを抱くなら、あたしに抱かれるなら、あたし以外のことを考えるのは許さないわ。

ダグラスはまだ「シェラザードのもの」にはなっていない。
それは自分でも分かっているし、彼を自分のものにする過程を楽しんでいる段階でもあるのだから、
今のダグラスが自分以外の相手を気にすることは(積極的に認めるわけではないが)まだ許せる。
自分とイブの間でおろおろする彼の姿は、見ていて楽しいとすら言えるのだ。

だが、リファニアは違う。
彼女は自分のものだ。他の誰がなんと言おうと、リファニア=ニールセンはシェラザードのものだ。
誰にも渡さない。誰にも許さない。
リファニアはシェラザードだけを見て、シェラザードのことだけ考えるべきなのだ。
自分は彼女を抱いたのだから。誰よりも長く、誰よりも優しく。

戦闘の余韻がまだ残っているのかしらね。どうにも昂ぶっているわ。

理不尽で身勝手な独占欲とは分かっている。分かっているが、直す気はない。
それがシェラザードという人間で、女だからだ。
全てを与える代わりに、全てを求める。それが自分の生き方であり、自分そのものなのだから。
キュベレイが着艦し、無機質の臥所にその身を休める。
戦闘後のチェックを手早く済ませると、シェラザードはコクピットから飛び出した。
目的地はHLV格納庫。そこに彼女のものである少女はいるはずだった。

強くてたくましい悪魔さん、あなたのご主人を渡してもらうわね。

格納庫にMA形態で鎮座する紫の巨神の身体を駆け上がる。
サイコミュの余韻が頭に直接響いてくるが、逆にそれがサイコガンダムというものを教えてくれた。
キュベレイよりもずっと強力で、戦闘的で、それだけに素直で単純でもある波動が伝えてくれる。
リファニアが何処にいるか、どうすれば彼女と会えるのかと言うことを。

開きなさい。

その想いが、コクピットハッチを開いた。リファニアはシートに座ったまま眠っている。
ギターを大切そうに抱いて、それに抱きしめてもらうことを願うようにしながら。
シェラザードは何のためらいもなく中に入ると、その寝顔を少しの間見つめた。

あなたは誰の夢を見ているのかしら。

今は無き彼女の恋人………アレンの夢なら許そう。
勇敢な七面鳥の夢ならばいくらでも見せてあげよう。
でも、例外はそれだけだ。

リファニアを抱き上げ、もう一度その顔を見つめる。
吐息と一緒に何かを吐き出すと、シェラザードは外に出た。
眠り姫を抱いたまま格納庫から居住区へと移動し、適当な居室に入る。
リファニアをベッドに寝かせ、その身体を毛布で覆うと、
目覚めの口づけでもするように顔を寄せた。

リファニア、あなたはあたしのものよ。
あなたの愛した男、あなたの大切なもの、全部まとめてあたしのものだわ。
みんな愛してあげるから、大切にしてあげるから、あたしだけを見ていなさい。
あたしがダグラスを見ているときでも、彼のことを考えているときも、
あなたはあたしだけを見て、あたしのことだけ考えるの。分かったわね。

身勝手極まる想いを込めて、その頬に軽く唇で触れる。
本当は首筋か何処かに自分のものであるという証を付けておきたかったのだが、
流石にそれはやめておいた。跡などつけなくても彼女は自分のもの、そう思いこむ。

「ゆっくり休みなさい、リファニア。料理を教えてくれる約束、まだ有効よね?」

笑顔と共にそう言って、居室を出る。
次はブリッジに行ってダグラスに戦闘報告をして、迎撃に失敗したことを謝らなければ。

【行動:着艦(−1)、艦内移動(−1)、艦内移動(−1)、リファニアを休ませる(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・居住区居室)】【行動値残り:0】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(7機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤13日分】
【方針:これからどうする?】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
『おい、どうなってる?何故MSが動いている?』

「えっと、アタシも来たばかりなんでようワカラヘン」
べるべるに聞かれたんでそのまま答える。
やけど、そのまま視線は動いているMSを見つめて
アレ?なんか人が浮いとる。アレは・・・・・・
「あっ。あないなところにおっさんがおる。
 大変や・・・・・・助けんと!!」
そう思ったが先に、一気に自分のMSの方へ駆け寄る。
急いで操縦席に乗り込んで起動させて外部マイクで
話し掛ける。
「やいやいやい。
 何処の誰かはわからへんけど、此処で暴れるんやったら
 ゲームセンターで緑の笑撃と畏れらよったアタシ。
 ルイ・フィルセントが相手や!!」
思いっきり意地を張りつつおっさんの方へ移動を始めたんや。

(注:参加当初より一切レーダーの類を使用しておらず
   だれがMSに乗っているかすら分かっていません)

【行動 : ジャジャ馬発進やっ (1) 意地っ張り(1) 残り4 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉2つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : おっさん助けへんと 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  がんばって
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ノリがけっこうええな
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
71シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/26 23:01 ID:???
「……安全……確認。作業完了、と。」
これで3機目の自爆装置の改造作業が完了した。
どうやら全機体同じ自爆装置が使用されているらしく、作業は何の問題もなく進んだ。
「ちょっと一休み……するか。」

少し腹が減ったので、ビギナギナに戻ろうとすると、リナルドがゼファーを返すために戻ってきた。
が、それだけではないようだ。コンパネをこちらに見せている。そこには何か文字が表示された。

>>51

「……。」
無言でコンパネに打ち込むシュウジ。そこに
[確かに首輪の盗聴、自爆、その他諸々の無効化用のカバーは作った。
 が、ただでは渡せないぞ?
 一つ。何で出て行くのかの明確な理由を話してくれ。
 
 もう一つ。カバーはこっちの許可が出るまでは使うな。
 要するにここから出るとき、またはW-22に襲撃するときまでだ。
 お前がそれを使えば、遅からず我々がティチャーに対して、
 反逆とも取れる行為をしようとしていることは明々白々となる。
 そうなればどうなる?我々はたちまち全員消されるだろう。
 この条件が呑めないと言うのならばカバーは諦めろ。
 もしくは……無理矢理にでも取っていくかだ。]
と打ち込んだ。

「どっちにしても、何故行くのかは言って行ってもらうけどな……。」

【行動:会話(コンパネ)(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:S−17 港湾部 】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ・リナルド⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) けっこう腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×6 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化 細工 ……?】
【同盟:07番ベルク?? 19番ラーズ? 08番ヨーコ 15番リナルド?? 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド】
戦闘は一応の終結を見た。
肝心の戦果は……とにかく運が無かった≠ニしか言い様が無い。
個々の戦闘力、連携力は見事だった。
しかし、運だけは天に任せるしかない。
今回はスタンリーの方に女神が微笑んだのだろう。
まあ、致命的な損害が無かった事は不幸中の幸いだった。
もしも、彼を倒すために誰かが倒れるような事態になっていたら、
それは今の状況よりも悲惨な状況であった違いない。
今は彼女等の無事を素直に喜ぶ事にしよう……。

そしてイブからコールがかかって来る。
内容は自分が殿となって、戦場より撤退すると言う物だった。
その声、表情から姉さんも又、少なからずショックを受けている事が伺えた。
僕は少し弱気な笑顔で「お疲れ様です、気を付けて帰艦して下さい。」と、その案を受諾し、
そして三機は互いを支えあうようにして帰艦の途につくのであった。

開け放たれた格納庫に、戦士達が舞い戻る。
『リファニア=ニールセン、帰艦しまぁす。
 ……ダグラス艦長、ミョーコウをもたせてくれて、ありがとっ。』
と、リファニア。
シェラにでも教わったのだろうか?僕にキスを投げてきた。
その酒酒落落としたな態度に、少し戸惑ってしまう。
それでも改めて笑顔を作り直し、それに満面の笑みで応えた。
やがて静かな寝息を立てるリファニア。
シェラが彼女の回収へ向かうのを確認すると、僕は労いのコーヒーを入れ始めた。

と、体が変に重いことに気が付いた。
一度それ気付くと、一気に波≠ェ体全体に押し寄せてきた。
体中の関節がギチギチと、まるでオイル切れを起こすように硬くなる。
視界も意識も、何だか自分の物で無くなって来たような……。
……駄目だ。今、此処で倒れるわけにはいかない。
そこそこ皆と顔を合わせたら、早くこの宙域から移動しないと……。
レーダーに映ったままの点を睨みながら、もう一度薬物の山へ手を突っ込む。

……あった。
制服の裾をまくり、前回摂取した痕を探すと、再び同個所にそれを打ち込む。
暫くして立ち上がると、何事も無かったかのように飲み物の準備を再開した。

【行動:通信(-0) 飲み物の準備(-0) 薬物摂取(-1)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:3p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:新たに薬物投与】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む この宙域からの離脱】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
>>71
目を伏せ、しばし考え込むリナルド。

(当然の警戒だが……、どうやって説明をつけたものかな)

やがて彼は目を開け、コンパネに文章を打ち込みつつ口を開いた。

「正直に言って、この衝動が今になって出てきた理由はわからない。
 だけど、俺は行かなければならないんだ。
 お前はヨーコと一緒に歩いて行くんだろ?
 俺は、リファニアと話をして、そして共に歩く。
 この身体が動くうちに、そうしておきたいんだ。
 俺はあの子の一番大切な人を殺してしまった。
 その罪を償いに行くんだ。
 死なせた奴の分まで、俺があの子を守り、生かす。
 そう決めた。
 ……後悔したくはないからな」

そして、言葉を切ると同時にコンパネのディスプレイを向ける。

〔首輪カバーのことは了解した。
 できるなら、お前とは戦いたくない。
 だが、決行の時には戻って来れないだろう。
 カバーは預かり、そして使わない。
 お前には『シュウジ=アサギ』という未完のシナリオがあるように……
 俺自身のシナリオで最後の最後、禁止区域に突っ込む時に必要な物だからな。
 使用のタイミングで言うなら、まずお前たちの方が先になるだろう。
 それでもいいなら、それでも俺を信じてくれるなら、渡して欲しい。
 
 あ、もし俺を信じてカバーを渡してもらえるのなら、
 ついでと言うには値が張るだろうが、このコンパネにカバーの詳細データをコピーして欲しい。
 お前の作ったものを俺が解析するには、まず手に余るだろうから〕

ゼファーをちらりと見て、そして優しい微笑みを湛えるリナルド。

「都合のいいことを言っているのはわかっている。
 でも、守りたいものがあるんだ。
 この生命と引き換えにしてでも、未来へと繋ぎたい生命があるんだ。
 ……シュウジ、俺はお前を信じている。
 願わくば、その信頼に報いのあらんことを」

シュウジが普通にコンパネの文章を読み終わるであろうタイミングを見て、
彼は自分の本心を伝えた。
その時思った、そのままのことを。

彼の目に、再び光が宿る。
強い意志を秘めた、戦士の輝きが宿る。

【行動:会話筆談(0)】
【位置:S-17コロニー港湾部・MSデッキ】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MS形態・通信回線継続(シュウジ・ヨーコ)】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、ノーマルスーツ、拳銃(20)、救急箱
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:01番シュウジ 07番ベルク? 08番ヨーコ?19番ラーズ??】
74イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/27 11:26 ID:???
>67
「そうね……」

少女の穏やかな笑顔に頷き、愁林もまた柔らかな眼差しで返してみせた。

>72
モニターの四角い枠の中、了承の言葉と共に送られてきた少年の微笑み。
その翳りに微かな胸騒ぎを覚えながらも、愁林は他の二機が着艦するまでの殿の役目を果たすべく周囲の警戒へと当たった。
X2との相対距離は依然緩やかに広がっている。
三次元的にマッピングされたデブリの状況も、彼我の実質的な距離を更に広げる役割を果たしている。

―――この状況なら、もう戦端は開かれないでしょうね。

後方のミョーコウでは、既にサイコMk-2、及びキュべレイMk-2の着艦が完了していた。
それからたっぷり600秒を数えたところで漸く愁林も警戒を解き、着艦体勢に入った。

「葉愁林、これより帰艦す『くー……っ』……き、帰艦するわね。ダグラスも、ご苦労様」

その言葉の後、手負いの白い猟犬はその身をゆっくりと寝所たる格納庫へと進入させていった。
空腹を悟られたと顔を真っ赤にしたままの、美貌の狩人を懐に抱いて―――

きっかり60秒。
エアーの充填、気圧の復帰を確認してからコックピットハッチを開き、愁林は機体の外に出た。
ふわりとつま先から床に着地し、それから少し遅れて広がった黒髪が背中に落ち着く。
無言で愛機を見上げ、軽く肩を竦めてから愁林は徐に歩き出した。

>68-69
居住区に差し掛かったとき、ふいに見覚えのある後姿が愁林の視界に入った。
通路の先を行くその背中に床を蹴って速度を合わせる。

「リファニアちゃんの様子はどうなの?」

つい先程まで少女を看病していたであろうシェラザードに、愁林はそう問い掛けた。
75イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/27 11:29 ID:???
【行動:リファニア/ダグラスとの回線継続(-0)、周囲の警戒(-1)、帰艦(-1)、艦内移動(-1)】【残り行動値:1p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ居住区艦内通路】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今はダグラスの姉であり続ける、シェラザードには負けない】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
 カメラに反映され、モニターに映りこむデブリ達。
それを追う形で銃を持つ腕がゆっくりと左右する。
狙いを定める形になると、一際大きい残骸に向かって引き金が引かれ
腕と手首がありもしない反動を受けたように上下する。

 "Bang!"

 命中。と言わんばかりに得意げな顔を浮かべる彼。
西部劇よろしく片手でクルクルと華麗に操り腰のポケットに収めてみせる。
意味も無い頷きを繰り返し、少しの間そのポーズのまま静止。
そして、またすぐに表情を曇らせる。

 また卯建の上がらない無駄な時間がしばらく続く。
考え事は先程嫌になるぐらい行ってしまったため、
本格的に時間を潰す手段が思い浮かばない。
圧迫された物が無いだけでも十分ましなものと言えばそうなのだが。

 再び、小銃を手に取る。
今度は安全装置を解除させる。
そのまま銃口をこめかみに当て、人差し指に力を込めてみる。
これもまたさっきから何度となく繰り返した光景だ。
溜め込んだ感情をこうやって少しでも抑制する。
ただ、繰り返すたびに虚ろになっていく表情と目線は本人も自覚していない。

【行動:移動 (-4P)】
【位置:Q-06→Q-05→P-05→O-05→O-06】【残り行動値:0P】
【機体状況:外装への小ダメージ+14番からの切り傷+完全ではない左腕】
【武装:ビームソードアックス】
【所持品:自動小銃2丁 小銃3丁 それらの弾薬】
【行動方針:戦場を求める】【同盟:無し】
『えっと、アタシも来たばかりなんでようワカラヘン。』

どうやら彼女もここへ来たばかりで状況はわからないらしい。

『あっ。あないなところにおっさんがおる。
 大変や・・・・・・助けんと!!。』

ルイがレイモンドを見つけMSに乗り込んで行った。

(この状況では、何時こっちに被害が及ぶか判らない。 
 一様、俺も自分のMSに戻ったほうが良さそうだな。
 状況は・・・・・ルイやレイモンドにでも通信で報告してもらえば良いか。)

一旦その場から離れ、自分のMSが置いてある格納庫へ急いだ。

【行動:移動(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:F-05(通路)】
【機体状況:待機 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
>>74-75
ブリッジに向かおうとしたところで、後ろから声をかけられた。
振り向いた視線の先に、相変わらず腹立たしいほどの美しさを誇るオリエンタル・ビューティの姿がある。
ノーマルスーツに包まれた自分に負けずとも劣らない見事な肢体を一瞥すると、
シェラザードは小さく笑ってみせた。

「心配するようなことは何もないわ。少し疲れていたようだから、寝かせただけよ。
 あんな小さい身体で、あんな大物を振り回して………凄いというか、とにかく健気なコね」

シェラザードは大人で、腹黒く、善良とはとても言えない女だ。
だからこそ、正直に話すべき時は正直に話す。
1の嘘をつくためには100の本当のことを話す必要があると、そう考えているから。

イブの懸念を払うために必要な表情と身振りを魅せてから、
今度は少しばつの悪そうな顔をする。

「情けないところを見せてしまったわね。単機の相手に2機で立ち向かっておいて、
 まともな迎撃も出来ずにミョーコウを傷つけてしまったわ。
 まさかあの男があれほどやるとは思わなかったけど、何を言っても言い訳ね」

小さく肩をすくめる。ミョーコウでダグラスと共に対艦戦闘に従事していたイブにしてみれば、
迎撃機の不甲斐ない戦いぶりには色々と言いたいことがあってもおかしくない。
その責めを問われるべきなのは、年長者である自分であろうから。
本来ならばイブが出撃する前に片づけておくべきだった………色々な意味でそう悔やみかけたところで。

「………先にブリッジに戻っていてくれる? 
 あたしはちょっと、ね、ほら、寄りたいところがあるから」

困ったような笑みを浮かべながらそう言って、その場を離れる。
床を蹴り、身体を泳がせては壁に手をついて方向を変え、向かった先は………洗面所だった。

「…………………」

スーツケースから薬箱を、薬箱から複数のカプセルを取り出し、水を口に含むと喉の奥に流し込む。
「予兆」の気配を感じたのでいつものペースよりは早めに飲んだのだが、どうなるか。
あの苦痛は定期的に来るとは限らない。
薬を飲まなくてもしばらく何もないときもあれば、1日に何度も襲ってくることもある。
ただ、確実なのは、その間隔が少しずつではあるが短くなっているということだ。
前は3日に1度飲めばよかった。それが2日おきになり、今は毎日飲まないといけなくなっている。

時間は限られているいうわけね。あたしも、この世界も。

鏡に映る自分を見つめる。虚構の平面世界にいる女は、自分で見ても十分に魅力的だ。
だが、それは永続しない。その美しさは、ろうそくが燃え尽きる前に見せる輝きと同じ種類のものだ。
あらゆるものを犠牲にしてあがくことで、ようやく維持している自分自身。

よく頑張っているわね、あたし。

ただ命を繋ぐことを考えれば、もう少し長生きすることは出来るかもしれない。
女であることをあきらめ、シェラザードであることを断念し、生き延びることだけに執着すれば、
多少は寿命を延ばすことは出来るかもしれない。死ぬのを先延ばしすることが出来るかもしれない。
だが、それは自分ではない。シェラザードではない。

あたしはあたし。あたしがあたしでいられなくなったら、それはもうあたしではないから。
シェラザードが微笑みかけると、鏡の中の美人も微笑みを返してくれた。
その顔、その肉体、その全部はシェラザードのままだ。
シェラザードはまだシェラザードでいられるだろう。
少なくとも、地図の全てが立ち入り禁止区域で埋め尽くされるまでは。多分。きっと。

心に浮かびかけた何かをもまとめてスーツケースに仕舞うと、
シェラザードはブリッジへと向かった。

何はともあれ、戦闘終了後にはちゃんと艦長さんに報告しないと。

>>72
ブリッジの扉が開くと、何かいい香りが漂ってきた。
どうやらダグラスが飲み物を準備してくれていたらしい。
相変わらず健気で、抱きしめたくなるような艦長さんだ。
感謝と喜びの笑みを浮かべ、その前に進み、姿勢を正す。

「ただいま帰艦しまし………た?」

敬礼しようとして、持ち上げた手が止まりかけた。
ダグラスの様子が、どうもおかしい………そんな気がする。
具体的に何がどうおかしいとは言いづらいのだが、何か不自然な印象を受けた。

「あたしもリファニアも怪我はなし、機体も損害を受けてはいないけど………」

取りあえず必要最低限の報告を済ませると、ダグラスの顔をのぞき込むようにする。

「………あなたは、ミョーコウは大丈夫だった、の………?」

第2砲塔以外に損害はなかったと思ったのだが、他にも何かあったのだろうか。
半分は女として、もう半分は乗組員として、心配になってダグラスに顔を寄せた。

【行動:イブと会話(0)、艦内移動(−1)、薬を飲む(−1)、艦内移動(−1)、ダグラスを会話(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・ブリッジ)】【行動値残り:1】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(7機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:ダグラスの様子を見る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
80シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/27 22:01 ID:???
>>73

「───………なるほど……な。」
リナルドの目を見る
(俗に言う……「決意を秘めた目」って奴か……。
 止めようとしたら……何が起こるかわかったもんじゃないな。
 ………。
 ……。
 …。
 ……ここまで来て、見捨てられる、か。)

「OK。わかった。」

[だが、首輪カバーの正確なデータは残ってない。
 とりあえず、材料だけ教えとくぞ。後は自分の首輪の寸法を調べて、自分で作れ。]
コンパネにこう打ち込んだ後、材料について打ち込んでおく。
そしてビギナギナのコックピットへ向かい、ディパックを取り出し、そこからカバーを取り出してリナルドに投げる。
ゼファーはここに置いておくことにした。
「機体を……任せる。」
〔了解。〕

「さて……ヨーコ。
 ちょっと……コロニーの管制室まで行って来る。」
そう簡潔に言うと、ノートPCを片手に廊下の奥に消えた。
(俺一人でヨーコを守りつつW−22までたどり着けるか……?
 ホビーハイザックを使えるようにすれば……何とか……。
 その前に……ここでしかできないことを……。
 …
 ……腹減ったな。)

【行動:会話(コンパネ)(−0)カバー投(−1)管制室へ移動(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:S−17 港湾部→管制室 廊下移動中】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ・リナルド⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) けっこう腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化 細工 ……?】
【同盟:07番ベルク?? 19番ラーズ? 08番ヨーコ 15番リナルド?? 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド】
虚空に浮かぶ黒のMS
見た目には醜く傷跡が残るだけの機体では在るが、その中は想像以上に酷い。

「各部熱損耗多大。こりゃあ完全にお釈迦だな。」
ぼやきながら、各所へのダメージを確認していく。
その後嫌な振動と共に右足が脱落する。


機体のダメージチェックには載っていない場所。
コックピットのすぐ隣、人間で言えば脇腹に当るところだ。

サイコガンダムのビームは脇を掠めた、文字通り脇を。
その灼熱の砲弾が機体の第一装甲を溶かし、そして第二装甲も。
そして、この部分にはスラスターへの推進剤と、その着火剤のタンクとポンプが在る。
その二つにも亀裂が生じていた。

「まさか、本当に走馬・・。」
ぼやきは爆音にかき消された。
大きな炎を吐き、機体は空気の抜けた風船の様に宙を舞う。

即死

コックピットの隣で大きな爆発があれば・・・。

推進剤自体に大きな引火性は無い、そのため着火剤を用いる。
その部分にスパークが生じ、火花が散れば・・・。結果はこのようになる。

機体はさらに黒き空間に吸いこまれ、その後大きな光を放った。


【死亡】
【死因;推進剤への引火】
【S11エリア境界線際】
>>80
(え……見捨てる? 違うよ……。
 俺自身が臆病な人間だった、それだけだ。
 止めたかったら、止めればいいのに)

リナルドは無言でコンパネとカバーを受け取り、コンパネのデータを保存する。
と、一つ思いつき、救急箱から包帯とテープ、工具箱からペンを取り出すと、
包帯に文章を残してビギナ・ギナの操縦桿に巻きつけ、テープで仮止めした。
当然ゼファーが反応し、音声を発する。

〔何をしているんです?
 何ですか、この布は?〕

「シュウジに見せてくれ。
 ここを出て行くにあたっての、ただの言い訳だ」

彼はそのままアビゴルへと戻り、取り出したものとカバー、コンパネをデイパックにしまうと、
機体を広いスペースまで動かしてから変形させた。
すると。

(今……、今の、何だ?
 何かが突然抜け落ちたような感じだ……。
 この宇宙から、何かが……消えた?
 誰か……、死んだのか……?)

心残りが不安となり、彼の心を締め上げる。
だが、彼はそれでも行くと決めたのだ。

「ラーズ……。
 君の意思と行動に差し支えない範囲で、あの二人を守ってやってくれ」

初めて彼女の名を口にし、彼は静かに呟いた。

さあ、行くか。
幾分ずんぐりとしたダーク・シアンの機体は、宇宙へとその身を投げ出した。

……

〔お前には世話になった。
 どうやらお前は俺がお前たちを見捨てたと勘違いしているようだが、そんなことはない。
 俺が近くにいれば、ヨーコは不信感から共に戦場を駆けることなどできないだろう。
 俺は、もうここにいて共に戦うことはできないんだ。
 身勝手な話だが、許して欲しい。
 ヨーコやラーズには、誤解を招かないように当たり障り無く説明しておいてくれ。
 
 別れがこのような形になってしまってすまなかったな。
 なるべく長く生きろよ。
 じゃあな〕

操縦桿に巻き付けられた包帯。
そこには、彼なりの感謝の言葉と、別れの言葉が刻まれていた。
【行動:受け取り(0)、言い訳&巻き付け(-1)、変形(-1)、S-17→S-16→S-15→S-14→T-14(-2)】
【位置:T-14】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MA形態・左腕ビームカッター封印】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(01番シュウジ)】
84イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/28 09:15 ID:???
>78
『………先にブリッジに戻っていてくれる? 
 あたしはちょっと、ね、ほら、寄りたいところがあるから』

そう言い残して、シェラザードが消えていった洗面所の方向。
そちらへ向けられた愁林の視線を窺う事は、流れた漆黒の髪の房に阻まれ何者にも叶わないだろう。

「……」

無言のままかぶりを振って彼女は歩き出す。
居住区を抜け、艦橋のドアをいざ目の前にしたところで、不意に何処かで感じた奇妙な感覚が背筋を抜けていった。
宇宙が、ヒト一人分、命一つ分、広く冷たくなったような不可思議な悪寒。
思わず立ち止まった愁林の横を、シェラザードが通り過ぎていく。
ドアが開き、そして閉まる音で漸く我に返った愁林も、その後に続いて艦橋へと入室した。

開いたドアの向こうから、珈琲の濃厚な香りが漂ってくる。
少年艦長が、クルーを労う為に用意したのだろう。
ふっと頬が緩む。
帰艦の報告をすべく口を開きかけたところで、愁林は異変に気付いた。
初めに目に入ったのは如何とも言いがたい雰囲気を纏ったダグラスの様子。
次いで、彼の顔を覗き込むようにするシェラザードの後姿。
その仕草に厭らしいものを感じなかったのは、彼女もまた自らと同じ違和感を覚えたのだと思い至ったからだ。

―――っ!?
85イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/28 09:20 ID:???
胸騒ぎを覚え、咄嗟に艦橋の中に視線を巡らせる。
ダグラスの近くまで歩み寄りながら尚も巡る視線の先に空のアンプルを捉えた瞬間―――

愁林は少年に駆け寄り、その裾を捲り上げた。

「無茶、し過ぎよ……」

肌の上に微かに残る赤い小さな斑紋。
薬剤の経皮摂取の痕跡だ。
溜息をつき、捲り上げた袖を元に戻す。

「ご免なさい、本当は気付かれたくなかったかもしれないけど……」

自分の行動が、艦長たらんとする少年の誇りを傷つけてしまったかもしれないと不安になって、愁林はダグラスに小さく詫びた。

「この宙域を出たら、艦長はしっかり眠って体を休めるべき。
 無論、ある程度の方針を決めてからだけれども。
 それが今、この場にいるクルーの総意で構わないわよね?」

シェラザードを振り返り、確認の問いを彼女は発した。

【行動:艦内移動(-1)】【残り行動値:3p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今はダグラスの姉であり続ける、シェラザードには負けない】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>40
「その名前を口にしないでっ!」

俺の質問にサーティアはいささか過剰な反応を示した。
その反応そのものが、俺の仮定をある程度裏付けているように思える。
それを確かめる為に俺が更に言葉をかけようとしたその時、突然ガンイージが身
を屈めた。

「うわっ!」

コクピットのへりに立っていた俺は、反動で外に放り出される。
かがんだガンイージの脇の隙間から、アーネストのものと思われるMSが見えた。
今の動作はアーネストに何らかの攻撃を仕掛けられたサーティアが、それを躱す
為に行ったもののようだ。
ガンイージはすぐに起き上がり、傍のジャベリンのハンガーへ向かう。

そして少し流された俺が体勢を立て直した先に見たもの。
それは……ジャベリンからもぎ取ったガトリングをこちらに向けようとする
ガンイージの姿だった。

俺の全身を悪寒が走りまくる。
冗談ではない。
こんなところであんなのを撃たれたら、生身の俺など空薬莢1つであっという間
にあの世逝きだ!
放り出された反動で俺の体はゆっくりと下に流れていたが…まだ足りない!

(早く…早く下に着け!そうすれば反動をつけて、一気に移動できる…!)

のろい。
いつもなら何とも思わない下降速度が、今はまさしく亀の歩みのように感じる。
その時上の方で凄まじい発射音が鳴り響いた。
サーティアが射撃を開始したのだ。
俺の真上を空薬莢がすっ飛んでいく。
ガンイージの足下近くにいる俺には直撃する事はなさそうだが、跳ね返ったやつ
だって充分すぎる程危険だ。

やっと地に足が着いた。
そしてその場に屈みこむ。

(よし、早く移動しなけれ……!!??)

ブオン!!
という音と共に、前を向いた俺の鼻先を何かが擦っていった。

(……………………!!!!!)

全身がおこりにかかったように震える。
どうやら空薬莢が通り過ぎたみたいなのだが、頭の中が真っ白になって、何も考
えられない。
ハアッ…ハアッ…ハアッ…
空になった頭の中に、俺の荒い息の音だけが反響していた。

(続く)

「やいやいやい。
 何処の誰かはわからへんけど、此処で暴れるんやったら
 ゲームセンターで緑の笑撃と畏れらよったアタシ。
 ルイ・フィルセントが相手や!!」

時間にして5秒……いや、2、3秒もなかったかもしれない。
俺は聞き慣れた大音響の声で我に返った。
見ると、ルイのものと思われるタイヤに乗ったMSが、外部マイクで怒鳴りながら
こちらに近付いてくる。
…左目が、痛い。
思わず左目を押さえた。
左目からはまだ血が玉になって出てきている。
それは、俺がまだ生きているという証し。

(そうだ…。何やってんだ。手足が動く限り動かせ!俺はまだ生きてる!
 まだ…こんな所で死ぬわけにはいかない!)

思いきり肺に空気を送り込んで、再度前を見る。
そして俺は右手と両足をフルに使って、思いきり地を蹴った。
もう飛んでいる空薬莢なんて目に入らなかった。
床すれすれを進む俺の右目が映していたのは、サーティアが乗っていたジャベリン。

…今の俺が頼るべきはもうジャベリンしかない。
初めての機体で、その上に左目と左肩の負傷。
この状態でどこまで出来るか分からないが、何も出来ないよりかはずっといい。

見てくれは良くないが、必死に手足を動かしてやっとガンイージから少し離れる
事が出来た。
そして状況を確認しようと後ろを振り向いた時、アーネストのMSがガンイージの
右側から何かを叩き付けたのが見えた。

【行動:ジャベリンに向かって移動(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:異常無し】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)】
【武装:頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
>>84-85
ダグラスの状態を詳しく確かめようとさらに顔を近づけようとしたところで、
背後からドアが響く音が聞こえた。
その気配、その足音から、振り向かなくても入ってきたのはイブだと分かる。
自分に続いて彼女も帰艦報告をするのかと思っていたのだが。

「!」

イブが血相を変えてダグラスに歩み寄り、その袖をまくり上げた。
露わになる少年の腕に浮かぶ、赤い跡。自分の唇が付けたものではない。
おそらくは冷たい注射器が彼の腕に無慈悲な口づけをした痕跡だろう。

自分で興奮剤か何かを打ったのね。

そのこと自体にはさほど驚きを感じなかった。
出撃前の頼りない様子と、出撃後に見せた不自然な「元気な」姿の矛盾から、
そうなのではないかと予想はしていた。
積極的に勧められる行為ではないが、あの状況ではそうせざるを得ないものでもある。
足下もおぼつかないような状態で戦場に立つわけにはいかないだろう。

だが、ダグラスに顔を寄せる理由としては、それだけでは弱い。

疲れ切った人間を無理矢理戦わせる薬物については、自分も使用した経験があるし、
使用した仲間達の姿も何度となく見てきている。
木星人を自称するいかれた連中を相手にするには、こちらもそれなりにおかしくならざるを得なかったのだ。
だからこそ薬も使ったし、その後遺症がどれだけ忌々しいものかも知っているし、
それを使った後の人間がどんな様子を見せるのかも分かっていた。

………単に打っただけではないようだわ。

薬物の使用は認められてはいたものの、その程度や回数には厳格な基準が定められていた。
薬物とは即ち劇物で、毒物でもあるからだ。
戦争に勝ったはいいがその後に大量の中毒者や廃人が出てしまっては、
軍の上層部や政治家達にとっては極めて都合の悪いことになる。
当然、使用する本人も、生き残るために使った薬で死んだも同然になる事態は避けたい。
従って、その摂取量や回数、それに使用間隔などについては(必要以上に)厳しい制限が課せられ、
よほどのことがない限りそれは守られていたし守らされていたのだが。

連続しての注射や複数種類の同時摂取は禁物なのに………まさか。

それらのタブーを犯すことが即座に生命の危険を意味するものではないが、
ろくでもない事態を引き起こす可能性は否定できない。
ダグラスから受ける印象、一瞬でも我を忘れたらしいイブの様子から、
事態は楽観視できるものではないらしいと、そう思った。

『この宙域を出たら、艦長はしっかり眠って体を休めるべき。
 無論、ある程度の方針を決めてからだけれども。
 それが今、この場にいるクルーの総意で構わないわよね?』

イブの問いかけに頷こうとした………その時。
>>82
「!」

何かが近づいてくるのを感じた。五感以外の何かが、その感触をつかんだ。
敵意ではない。悪意でもない。感触そのものは穏やかなもので、
こちらに害を与えるようなものではなかった。

だが、嫌だった。本能的に、それから離れたいと思った。
理由も理屈もない。まるで食べ物の好き嫌いのような、自分の意思ではどうしようもないものだ。
………いや、本当にそうだろうか。理由は説明できないのか。

違う、わね。

自分は今のミョーコウが変わるのが嫌なのだ。
シェラザード、ダグラス、リファニア、そしてイブ。
この4人だけで、自分にとってのミョーコウは完結していた。
この小さな世界は既に完成していて、他に何も必要としていないし、何も加わって欲しくはないのだ。
ダグラスを挟んでイブと見えない火花を飛ばし合って、
仲のよい姉妹のようにリファニアと微笑みを交わし合い、
その時間と空間を乱そうとする相手には全員が一致団結して立ち向かう。
それで十分。他には何もいらない。この4人以外の存在は不要ですらなく、有害なのだ。

だから、穏やかな意志と共にこちらに加わろうとする何かは、
シェラザードにとって忌避すべき存在だった。

残りの限られた時間を邪魔されたくはない。
敵ならまだ良い。それに立ち向かうことで、ミョーコウの仲間達は一層固く結びつき、
そして世界は「閉じた」ままでいられるからだ。楽園は楽園のまま、変わることはない。
だが、他の異分子が混じってしまったならば、それは変わってしまう。
シェラザードのミョーコウが、シェラザードのものでなくなってしまう可能性がある。

ダグラスはあたしのもの。リファニアもあたしのもの。
イブは………まあ、あたしの引き立て役として、あたし達の盾として、認めてあげてもいい。
でも、他には誰もいらない。
あたし達はあたし達だけの時間を生きるの。あたし達だけで生きて、あたし達だけで死ぬの。
だから、お願いだから、邪魔をしないで。させるつもりもないけれど。

「………そうね、異論はないわ。でも」

外見と言葉はあくまで忠実なクルーとしてのそれを維持し続ける。

「急いだ方が良さそうだわ。何かが近づいてくるようなそんな気がしてならないの。
 方向は………南のコロニーの方だわ。そっちから、何か嫌なものが来る」

可能な限り嘘はつかない。全てを正直に話すこともないが。

「それに、さっきの戦闘で他の生徒にあたし達の存在が気づかれた可能性もあるわ。
 前の放送だと、あたし達以外にも同盟を組んでいる相手がいるようだし、
 禁止区域が増えて殺気だった連中が獲物を求めてうろついているかもしれない。
 北でも西でもいいから、とにかく少しでも早くここを離れた方がいいと思う」

この状態で連戦は避けたい。
ダグラスとリファニアの回復を待つためにも、他の生徒との接触は避けるべきだろう。

「行き先が決まれば艦はあたしが動かすわ。
 あなたはダグラスを休ませてあげて。
 ………あなたに譲るつもりはないけれど、あたしだって自分のバカで自滅するつもりはないから」
修羅場もキャットファイトも、それが出来る状況になってからだ。
それに、ダグラスを休ませるだけが仕事ではないこともイブには分かるはず。
戦闘態勢の戦艦では、クルーは何よりもまず戦闘に備えなければいけないはずだから。

【行動:イブと会話(0)、「何か」を気にする(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・ブリッジ)】【行動値残り:4】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(3機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この場を出来るだけ早く離れる】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
91シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/28 14:03 ID:???
>>82

「……。」
〔アビゴル、レーダーサイト外へ移動しました。〕
「……識別を中立に。以後、別命あるまで周囲警戒。そうだ、ベルクがいなくなって何時間だ?」
〔了解。 ……106時間です〕
「4日と半日ぐらいか……こいつも識別をイエローに。」
〔了解。〕
「ん……ここか。」
管制室にたどり着いた。どうやらロックされてるようだ。当然とも言えるが。
そういうのの解除は悲しきかな得意分野なので、外すのにさほど手間取ることなく、中に侵入できた。
まず、手近なコンソールに近づき、操作する。

(やっぱり通信履歴がたまってるな……。発信元は不明、か。
 逆探知も可能だが……今はする必要もないな。
 さて……。)
ノートPCを開き、近くの端子に繋ぐ。
さらに、管制室に置いてあったディスクをいくつか拝借し、内容を初期化。
以後、数十分間、「キーボードのタイプ音」のみが管制室内を支配した。

【行動:ロック解除(−1)作業(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:S−17 コロニー管制室】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) けっこう腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化 細工 ……?】
【同盟:07番ベルク?? 19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド??】
草花に満ち満ちた丘を、息を切らせながら駆け上がるリファニア。
丘のてっぺんが、どんどんと近づいて来る。
てっぺんを越えると、眼下に広がるのはコロニーの美しい町並み。
そして、それを見下ろしながら歌う青年の背中と、その傍らで踊るように跳び回る七面鳥の姿があった。
「アレン!」
青年の名を呼ぶリファニア。その声に、歌を止めて振り返る青年。
「まだ……駄目だぜ?」
優しげな微笑を浮かべつつも、少女にそう告げる青年。
リファニアの足が、止まる。
「……まだ……やり遂げていない……から……?」
俯きながら、寂しげな声を出す少女。
こくりと頷く、青年。
「……やっぱり、嫌!戻りたくない、戻りたく……。」
そう叫んだリファニアの足下に、突然大きな亀裂が入った。
亀裂の下に広がる、深い闇に墜ちてゆくリファニア。
聞き覚えのある女の笑い声を耳にしながら……少女は闇に呑まれていった。

……。

…………。

一切の窓が無い、殺風景な部屋。
壁には、得体の知れない赤黒い染みが点在している。
そんな部屋に、幼い少女が一人、ぽつんと座り込んでいた。
無表情で座り込む少女の胸には、ニホンの折り紙とやらで形作られた勲章があった。

突然、暖かそうなベッドがポン!と現れた。
それに続き、ポン!ポン!と姿を現す、おともだち。
大きな鳥さんと、小さな鳥さん。
可愛い子犬さんと、綺麗な黒豹さん。
だが、大きな鳥さんは、泣いていた。怖いお兄さんに、いじめられたらしい。
よしよしと頭をなでる少女。少女と大きな鳥さんは、仲良しになった。
みんなと仲良しになったけれど、大きな鳥さんと一番仲良しになった。
少女の顔に、笑みが広がる。次第に彩りを増してゆく部屋。
壁の染みを隠すように、きれいな壁紙が貼られてゆく。

みんなで楽しく遊んでいると、突然いじめっ子がやってきた。
いじめっ子と大きな鳥さんが、けんかを始める。
大きな鳥さんの羽根がむしられ、いじめっ子が突っつかれる。
「めっ!」と怒る少女。
そのうち、いじめっ子はどこかへ行ってしまったけれど、
大きな鳥さんはひどく羽根をむしられてしまい、かわいそうだった。

そのうち、熊さんがやってきた。
はじめはこわいと思ったけれど、いい熊さんだったので、やっぱり仲良しになった。
突然、大きな鳥さんがお出かけしたいと言いだした。少女は、いっしょにお出かけした。
大きな鳥さんと、熊さんと、お出かけしたけど、熊さんは迷ってしまい、どこかへ行っちゃった。
でも、大きな鳥さんが先に行っちゃうので、仕方ないから少女はついていった。
鳥さんが向かった先に、怖いお兄さんがいた。
怖いお兄さんが鳥さんをどこかへ連れて行っちゃったので、少女はわんわんと泣いた。

わんわんと泣きながら、帰る少女。熊さんも、いつのまにか帰っていた。
黒豹さんと、熊さんと、子犬さんと、小さな鳥さんによしよしとされた少女は、泣きやんだ。
泣きやんで、元気におうたをうたった。

うたっているうちに、今度は綺麗な狐さんがやってきた。
狐さんは優しかったので、少女はすぐに仲良しになったけれど、黒豹さんと熊さんは、狐さんがきらいみたい。

突然、熊さんがあばれだした。
熊さんが狐さんをころそうとしたので、少女と小さな鳥さんは、止めようとした。
でも、止めようとした鳥さんは……熊さんにたべられちゃった。

そして、熊さんは爪を振るい……少女の肩が引き裂かれ、あたりに鮮血が散った。
「熊さんなんて、だいきらい!」
少女の手に、ナイフが握られる。殺意を込めてナイフを振り下ろす少女。
熊さんの腕が切り裂かれて、綿が散った。
「しんじゃえ、しんじゃえ!!」
熊さんにナイフを突き立てる少女。
「死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!」
熊さんの腹が引き裂かれ、綿と共に、真っ赤な血と臓物が、飛び散った。
「死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!」
熊さんが動かなくなっても、そのまま何度も何度もナイフを突き立て続ける少女。
いつの間にか、周囲には誰も居なくなっており、部屋は元の殺風景な部屋に戻っていた。

そして、ナイフを突き立て続ける少女は気づいていなかったが……。
ナイフを突き立てる度に、部屋は少しづつ、狭くなっていた。
少女がそれに気がついた時には、四方の壁と天井は、すぐそこにあった。
びくっと震えて、ナイフを取り落とす少女。
だが、ナイフを突き立てる事を止めても……部屋が小さくなってゆくのは、止まらなかった。
「いやよう……許してよう……。」
恐怖に竦み、震えた声で懺悔する少女。だが、無情にも壁は、迫ってくる。
じきに少女は、身動きが取れなくなった。壁は、なおも迫ってくる。
ギリギリと圧迫される、少女の身体。
「……痛いよぉ、苦しいよぉ……!」
苦痛に呻く少女。だが、なおも壁は少女の小さな身体を圧してゆき……。
「たすけて、たすけ……。」

ぴしゃっ。

何かが潰れるような音が、鳴った―――。
「………ッ!」
がばっと、上体を起こすリファニア。気がつくとそこは、ベッドの上だった。
傍らには、"アレン"の姿はない。
身体が……重い。
すごく嫌な夢を見た気がするが、どんな夢かは思い出せない。
虚ろな瞳で、あたりを見回すリファニア。
……知らない部屋だ。
香水の残り香が、リファニアの鼻腔をくすぐる。
リファニアは、何故かその香りに死の匂いを感じて、身震いをしてしまった。

死の、匂い―――。
死―――。
リファニアは、己が両手を見た。
……一瞬だけ、真っ赤に染まっているように、見えた。
「………?」
首を傾げるリファニア。少し間を置いて、リファニアを強い悪寒が襲う。
「……寒い。」
自らの肩を抱き、震えながらベッドから降りるリファニア。
ベッドの下に転がる"アレン"に気がつき、手に取る。
"アレン"を抱えたまま、ふらりと部屋を出ると、見慣れたミョーコウの廊下があった。
……何故かそこにも、死の香りが満ちているように、感じられた。

死。死。何処に行っても、死……。
この戦場に満ちた死からは……逃れられない。

ふらついた足取りで、シャワー室に向かう。
脱衣室に入ったリファニア。士官服を脱ぐ事もせず、"アレン"を抱えたまま……奥のシャワー室に入る。

     ♪
♪Someday I'll wish upon a star
 and wake up where the clouds are
 far behind me
 Where troubles melt like lemon drops
 That's where you'll find me ……♪
          ♪

歌の続きを歌いながら、ブースのひとつに入るリファニア。
シャワーの前に立ち、リファニアは、蛇口を捻ろうとする―――。

    ♪
♪Somewhere over the rainbow
 Bluebirds fly
 Birds fly over the rainbow
 Why then or why can't I♪
        ♪

この戦場に漂う死の残り香に、リファニアは、取り憑かれていた。
【行動 : 悪夢から覚める(0)、艦内移動(-1)、"死"に憑かれる(0)、残3 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、シャワー室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、死に取り憑かれている 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : ??? 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
96シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/28 21:01 ID:???
[保存完了]
(パスワード変更……。──、と。)
[パスワード変更完了 節電モードに再度移行]
(よし……。)
ノートPCから延びたコードをコンソールの接続端子から外し、拳銃をコンソールに撃ち込む。
管制室内のすべてのコンソールを打ち抜いたとき、拳銃の弾が切れたので、その拳銃を捨て、
代わりに管制室内にあった拳銃を新しく拝借した。
全て破壊したことを確認すると、管制室の外に出て、ドアのコンソールにノートPCを繋ぐ。
[パスワード認証]
(パスワード変更……──よし。)
[パスワード変更確認]
「さて……。戻るか。」

【行動:破壊(−1)探索(−1)】
【残り行動値:0p】
【位置:S−17 コロニー管制室前】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) けっこう腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化 ……】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
 早いっ! こいつMS操作に慣れてた!?

 体勢が悪い……避けきれるか!?

「でぇぇぇぇッ!!」

 機体をのけぞらせるように『棍棒』を避けた……のに。

「……違ッ!?」

 目の前の光景に広がったのは、破裂する棍棒。
 違うっ、これはただの鈍器じゃない!

 散弾バズでも括り付けたっての!?

 咄嗟に展開するビームシールド……。
 間に合うかしら?
 無理……いや、間に合う!

 破裂したハンマーが……まずい!?
 ……コックピットハッチもしめないと、こいつはっ!

 爆発が眼前に広がる。

 全天周モニターに欠陥が出た?
 ちぃ、あっちこっち、カメラを吹っ飛ばされた……って訳ね。
 けど、私は五体満足らしい、か。
 まだ手足も付いてる、十分動く!

 次はアナタの番よ。
 マルチランチャーなら……
 この距離でロックすれば避けられる訳無い!

「……動かない!?」

 あの棍棒っ、何処か電子機器を吹っ飛ばした!?
『やいやいやい。
 何処の誰かはわからへんけど、此処で暴れるんやったら
 ゲームセンターで緑の笑撃と畏れらよったアタシ。
 ルイ・フィルセントが相手や!!』

 ロック・オン出来ないなら格闘戦……
 ブースターじゃ遅いじゃない……っ!
 そうか、此処は基地の中。 壁か! いけるっ!

 地を蹴り、壁を蹴って、R・ジャジャ目掛けて蹴り……
 何処かで見たこの動き……あめ、仮面……レイダー?
 レイダー?
 ……何のMSよ。
 MS? MSだっけ?
 一体誰の記憶よっ!
 何の話よサーティアッ、落ち着けッ、基地から脱出する手段はまだ有るッ!

「私はサーティア=クワンよっ! ルイ、どきぇっ!!」

 タイヤの中から叩き出すっ!
 身動き取れまいっ、体育座りなんてしてれば!

「80年代MSには、小さ過ぎんのよォ!」

 そのタイヤ……リオンの為にも頂くっ!


【行動 : ビームシールド展開(−1) 壁蹴り(−1) レイダーキック(?)でルイに攻撃(−1) 】
【残り : 1P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
99ルイ・フィルセント ◆nkg.2sWI0U :04/03/28 21:26 ID:cvi26Qab
IDチェックや!!
青いMSが緑でマントみたいんのを着とるMSに鉄棒みたいなんをを振る。
それが緑のMSに当たって爆発する。
あ〜。こないなところで暴れるなっちゅーたろうが!!
今度また緑のMSが動き出し、床を蹴り、壁を蹴り
そんでこっちに横手から蹴りを繰り出してくる。
「うわっ!!こっちくんやないっ!!」
そう言いながらフットペダルを思いっきり踏み込む。
すると、タイヤが回りスラスターが火を噴き全力で前進。
その最中にマシンガンのマガジンを左手で持ち出す。
そのまま壁に激突する寸前に強引に90度ターン。
そん時に、左手にもったマガジンを腕の振り合わせての力でガツーンとぶつける。
その勢いでさらに90度ターン。緑のMSの方へ向き直りながらも動きを止める。
弾倉は少し潰れてヒビも入っとる。もう少しや。
そのままマガジンを床に思いっきり投げつける。
それでようやくマガジンが割れて、中身の弾がそこいらにバラまかれる。
そこでもう一度外部マイクで話かける。

「ここで暴れるなっちゅーたやろが!!
 この奥のアタシの友達もおるし、そこに生身のおっさんもおる。
 怪我しよったらどないするねん。
 とりあえず、この中では暴れられんようにさせてもろた。
 今、マシンガンの弾をこの格納庫内にバラまかせてもろた。
 ヘタに武器を使ったり、スラスターの使ったりすると弾の火薬が破裂するで。
 だから、暴れるんやない。
 な〜。2人共話しよ。話せばきっと分かる。話せばきっと友達にもなれるはずや。
 だから、降りてきていっしょに話しよ。
 奥にカレーも作ってあるで。一緒に食べて話しよや。」

【行動 : 全力で前進や (1) 暴れやれんように細工や (1) 友達になろ (1) 残り1 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : おっさん助けへんと 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  がんばって
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ノリがけっこうええな
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
艦橋の扉が開く。
戦姫達の帰艦、一番乗りはシェラ。
敬礼と共に帰艦の報告が告げられる。

『ただいま帰艦しまし………た?』

彼女の言葉は、此方を不自然がるように続いた。
自身の身辺状況を短く報告すると、彼女の顔がグッと寄せられる。

『………あなたは、ミョーコウは大丈夫だった、の………?』

……何か、僕の顔に付いているのだろうか?
少し顔を引き、自分の頬に手を当ててみる。
だが、鏡も無いこの場では自分の顔色を伺うのは無理だった。

「え、ええ……。ミョーコウは問題なく航行出来ますよ。
 僕も何とも……」

会話の途中で再び艦橋の扉が開いた。
……姉さんだ。
脇からそれを確認すると、ふっと頬が和らぐ。
彼女が無事だった事もあるが、先ほどの通信を思い出したからだ。

だが、姉さんは血相を変えて此方に歩み寄ると、
構わず僕の左手首を取り、制服の裾をめくり上げた。
その下に映えるのは皮膚摂取の赤い痕。

『無茶、し過ぎよ……』

それから小さな詫びが入り、姉さんはシェラに確認を入れる。
彼女はそれに応え、移動を急ぐべきだと話した。
もちろん僕も移動は急いだ方がいいと思う。
只、少し気になったのは、南方は控えるべきと付け加えられた事だった。
まあ、彼女が嫌だと言うのなら、別に構わないと思う。元々あてなど無いわけだし……。
それは頭に置いとくとして、姉さんとリファニアさんの意見も聞かなければ。

『行き先が決まれば艦はあたしが動かすわ。
 あなたはダグラスを休ませてあげて。
 ………あなたに譲るつもりはないけれど、あたしだって自分のバカで自滅するつもりはないから』

「あ、あの、僕なら大丈夫ですよ。さっき少し寝ましたし。
 それに、まだ…薬、効いてますし……。
 …………あ、飲み物どうぞ、とにかくお疲れ様でした。」

薬の影響なのかもしれないが、僕は素直に休む気持ちにはなれなかった。
それを証明させんと、きびきびとした動きでコーヒーを渡し始めた。

【行動:会話(-0) コーヒーを渡す(-0)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:4p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:大丈夫だよー】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む この宙域からの離脱】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
『ここで暴れるなっちゅーたやろが!!
 この奥のアタシの友達もおるし、そこに生身のおっさんもおる。
 怪我しよったらどないするねん。
 とりあえず、この中では暴れられんようにさせてもろた。
 今、マシンガンの弾をこの格納庫内にバラまかせてもろた。
 ヘタに武器を使ったり、スラスターの使ったりすると弾の火薬が破裂す……』

 蹴りを避けられて、壁へ接地、膝を大きく曲げる。

『……から、暴れるんやない。
 な〜。2人共話しよ。話せばきっと分かる。話せばきっと友達にもなれるはずや。
 だから、降りてきていっしょに話しよ。
 奥にカレーも作ってあるで。一緒に食べて話しよや』

 通信スイッチを、拳で殴るように、ぶっ叩いて入れる。

「ありがとう、ルイ。忘れたてた事を教わった!」

 通信画面に向かって笑う。
 そうよね、リオン?

「けど、これで終わりよ!」

 目線を、通路の角へ向ける。
 
 かつての赤い彗星がやったって方法、真似させてもらうわ!


【行動 : ルイへお礼(−1) 】
【残り : 0P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
>>89
北上するにつれて、こちらに対する敵意というか悪意というか、そのようなものが強くなっていく。
まるで、リナルドを寄せ付けずに拒んでいるような、壁のようなプレッシャーが強くなる。

(何なんだ、これ……。
 ピンポイントで俺に向かってくる。
 嫌な感じだ。
 あの衝動に近い、嫌な感じだ……)

それでもアビゴルは北上を続ける。
求めるものは、きっとその向こう側にあると思ったから。

やがて、一つの光点と複数のマーカーがレーダー上に現れた。
ムサイ級巡洋艦、LM312V04 Vガンダム、MRX-010 サイコガンダムMk-U、AMX-004-3 キュベレイMk-U。

「サイコガンダム……リファニア……。
 ここに、いるのか?」

壁となる意思の源と共に?

ドクン。

衝動が昇ってくる。

ドクン。

壁となるものを排除せよと奥底で叫ぶ。

ドクン。

うるさい、黙れ。

ドクン。

この身体は俺のものだ。
誰の自由にもさせない。

……ようやく衝動が静まる。
彼の痛々しく胸を打ちつける、黒い衝動。
以前の時よりも短くて済んだものの、その痛みは前回の比ではなかった。

(強くなってきている……。
 おそらく、次はこうやって抑え込めないだろうな……)

力の代償。
無限の負債。
人間一人の人生全てで換算しても足りないほどの、大きなもの。

≪続く≫
>>103続き

やがてアビゴルは暗礁宙域に差し掛かった。
そこに鎮座するは、緑の城……と呼ぶには少々異形な、ムサイ級巡洋艦。
とっくに補足されているだろう。
プレッシャーも相変わらず存在している。
眠っているのか遮られているのか、リファニアの意思は感じられない。
それよりも……。

「何だ、この禍々しいものは……」

彼には、ムサイを包み込む黒い霧のようなものが見えた。
黒い霧、黒い闇、……死?

(いい気分とは言えないな。
 まるで何かに取り憑かれているような……)

こみ上げる不快感に耐えつつも、彼は機体を進めていった。
目の前には、様々な思惑を乗せた緑の城が佇んでいる。

【行動:T-14→T-13→T-12→T-11(-2)】
【位置:T-11暗礁宙域】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MA形態・左腕ビームカッター封印】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(01番シュウジ)】
その瞬間を俺はスポーツ番組のスローモーション映像を見るように感じていた。
ガンイージに「何か」を叩き付けるアーネストのMS。
「何か」の先端に付いているもう1つの「何か」が、そこに太陽を出現させる。
俺は防衛本能の赴くままに、その場に顔を伏せようとした。
が、一瞬でやってきた爆風が俺を吹き飛ばす。

そして、俺の周囲は光に包まれた。

光、浮遊感、衝撃、痛み。
その全てが1度に襲ってきた感覚。
僅かな沈黙と、痛みによる覚醒。
開いた右目がデッキの床を、脳に認識させてくれる。
どうやら、俺はまだ生きているようだった。

僅かに首を動かすと、MSの足らしきものが見えた。
…ジャベリンの足のようだが…。

(…そうか。爆風で飛ばされて…ジャベリンの…脚にぶつかったって、ところか)

朦朧とした意識の中で必死に状況を確認しようとする。
だが、体が動かない。
自分の体の筈なのに、何も出来ない。
動け、動け、動け!
今ならまだ、サーティアを止められるかもしれない。
ジャベリンを、動かせれば……!!

もう1度肺に何とか空気を送り込んで、起き上がろうともがく。
脇腹が痛いのは、肋骨がやられているからだろうか。
足が痛いのは、破片で傷つけられたからだろうか。
だからと言って、寝ているわけにはいかない。
俺は何とか上体を起こそうと、両腕に力を…込め…。

…あれ…?
俺の右手は…いつの間にこんなに短くなったんだろう?

【行動:起き上がろうともがく(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
106イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/28 22:52 ID:???
>88-89>101
シェラザードの提案に、慌てたように自らの健常さをアピールしようとするダグラス。
手渡された珈琲に口をつけぬまま、愁林は首を振った。

「……分かったわ。
 どのみち、薬剤の有効時間内では休む事もままならないでしょうし」

そして、改めて少年の前に進み出る。

「でも、状況が安定したらすぐに体を休める事。
 今の貴方は多分、自分の体がどれだけ疲れているかに気が付いていないだけでしょうから。
 それと、今後は薬の連続摂取は禁止。
 どんな薬だって一歩間違えれば致死毒になるのよ。これは『お姉さん』から『弟』への命令。良いわね」

是非を許さぬ口調でぴしゃりと言ってから、愁林は一歩下がって珈琲に口をつけた。
芳醇な香りが鼻腔を抜け、舌に広がる苦味が心地良く味蕾を刺激していく。

「美味しい……ありがとう、ダグラス」

先程までとは打って変わって柔らかな表情で、労いの珈琲を用意してくれた少年の心配りに彼女は礼の言葉を述べた。
こうした心遣いもまた、この少年の魅力なのだ。
107イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/28 22:53 ID:???
>103-104
ふいに襲った軽い頭痛に、愁林は何とはなしに周囲を見回した。
と、丁度その時。

「未確認機体!?」

マグカップを手近なシートに置き、コンソールに飛びつく。
レーダーにはしっかりと、ミョーコウと同一の宙域に進入してきたMSの反応が捉えられていた。
同時に、いつの間にかX2の反応が消滅している事にも気付いたが、今はさしたる問題とは考えない。
今判断すべきは、この新たな来訪者への対処なのだから。

「速い……っ接触回避は不可能ね……。
 シェラザード、念のためいつでも発進できる準備をお願い!」

高速で接近する機体が、その緑色の威容を現したのと、通信回線を用意した愁林が最初の一言を発したのとは、ほぼ同時だった。
ダグラスに指示を仰ぐ暇などあろう筈も無い。

「こちらムサイ級『ミョーコウ』、当方は交戦を望まない……そちらも同じ意思ならその位置で停まりなさい!」

無防備な姿を晒すミョーコウ。
死をも覚悟した黒曜石の瞳が、招かれざる客の姿をじっと見据えていた。
108イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/28 22:55 ID:???
【行動:リナルドへ通信(-1)】【残り行動値:2p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
109アーネスト・マンソン:04/03/28 23:30 ID:icjy0y0s
 IDチェック

 残骸と化したバズ・ハンマーを手放し、腰にマウントしたワイヤー・ホークの柄を
掴む。
 チャンスが在るとするなら、今しかない。
 MSの体を半回転させ、ハンマー投げに近い要領でガンイージとルイの間に、
ホーク部分を放り投げる。サーティアが乗り込んだガン・イージの速度を
考慮に入れれば、斧の部分ではなくワイヤーの部分がガンイージに当たるだろう。
 絡めとれれば、少しは・・・・・・!
 しかし、俺は同時に叫んでも居た。
「サーティア!戦いを選ぶというならそれもいいだろうさ!
 だが今になって孤独を選び、そのためならば戦いすら辞さない姿勢をとる!
理由ぐらいは聞かせてもらっても、罰は当たらないんじゃないか?!」
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 ワイヤーホーク×1(右手)、スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:ワイヤーホーク装備、投擲(−2)『注:ワイヤーホークは要は鎖鎌仕立ての
ヒートホークです。本体に直結されていないので、斧は熱を発して居ないため、
装甲が切断されることはないでしょう、通信・サーティア(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】

110シェラザード=ビンス=マクファーソン ◆raRByYg.V. :04/03/28 23:40 ID:tcS+l87E
>>101
健気な艦長は、薬物によって身体の内側から鞭打たれているにもかかわらず、
やはり健気な艦長でありつづけた。
どうしたらここまで健気で、そしてお人好しでいられるのだろうか。
コーヒーを渡されたときにほんの少しの間重なった手がとても温かくて、
少しだけ哀しかった気がする。

「ありがとう、ちょうど喉が渇いていたの。
 ………相変わらずあなたは素敵な艦長さんね。素敵すぎるぐらいだわ」

疲れを忘れたような、本当は忘れさせられているだけのその挙措動作が、痛々しい。
この後に彼を襲うであろう倦怠感や何とも表現しがたい不快感のことを思うと、
思わず抱きしめて頭をなでてあげたくなる。
だが、今はそれは出来ない。
この状態で、ダグラスの前でイブともめ事を起こすのは色々な意味で適切ではないからだ。
しばらくは休戦を継続して戦力の回復に努めよう………そう思ったのに。

>>107-108

目と鼻の先に接近していた未確認機体。緊張を露わにしたイブの声。
流石に今回は指揮系統だの艦長としてのダグラスを尊重などとは言っていられない。

「分かったわ! 逃げるにせよ何にせよ、出来るだけ時間を稼いで!」

せっかく渡してもらったカップにろくに口も付けずにブリッジを飛び出す。
通路をほとんど文字通りに飛ぶように走り、格納庫に向かう角を曲がろうとした。
そのとき。

>>92-95



少女の虚ろな表情が、脳裏に直接映った。
自分が生きていることを忘れ、何も気づかないまま死神の固くて冷たい腕にその身を委ねようとしている
少女のイメージが意識の中に広がる。

何をやっているのよ、あなたは!

格納庫へと流れかけた身体を無理矢理ひねり、居住区へとそのベクトルの向きを変える。
自分が質量のある存在であることを忘れたような動きと速度でリファニアの下へと急ぐシェラザード。

「リファニア!」

シェラザードがシャワールームに飛び込むのと、
服を着たままのリファニアがシャワーの蛇口をひねろうとするのはほぼ同時だった。

美しくはあるが乾ききった声で歌われる歌。
その腕の中の………おそらくは死者のかけらであり、「遺品」と思われるギター。
そして生気というものをほとんど失いかけた小さな背中。

「あたしの許しも得ないで勝手に何をしているのよ、あなたは!」

その肩をつかみ、力ずくでこちらを向かせると同時に蛇口から遠ざける。

「あたしは休んでなさいって言ったでしょう! 寝ぼけるのもいい加減に………!」

リファニアのブルーの瞳が、曇っていた。
いつもの彼女の瞳ではなかった。そこには何も映っていなかった。
それは意思の力を失っていた。その魂を映し出してはいなかった。

………まるで、戦場恐怖症にかかった新兵の目だわ。

初めて敵を殺したとき。
初めて身近な人間を殺されたとき。
初めて死というものを身近に感じたときに、感受性の強い人間は自分を見失うことがある。
あまりに強大な死の恐怖に全てを飲み込まれ、自分が生きていることすら見失い、
あらゆる能動的な意思を喪失して緩慢に死へと向かって歩み続けるだけの存在となってしまうのだ。

ここで一度正気に戻しても、放っておいたらどうなるか分かったものではないわね。

それだけのことを一瞬で考えると、
シェラザードはリファニアの肩を左手でつかんだままその右拳を固めた。

「リファニア、ごめん!」

シェラザードの選んだ方法は、リファニアに当て身を入れて気絶させ、
問答無用で自分と行動を共にさせるというものだった。
このままリファニアを抱き続け、自分の体温で彼女を温め続けることで、
リファニアという人間が生きていることを、これからも生き続けていく存在だと言うことを
可能な限り継続して伝え続けるしかない。
自分がその側にいると言うことを感じさせるしかない。
とにかく、リファニアを放置しておく訳にはいかなかった。この少女を放っておきたくはなかった。

………リファニア、この拳はあなたへの罰でもあるわ。
あなたはあたし以外の人間を必要とした。
あたし以外の存在にその心を奪われるような隙を見せた。
だから、あたしはあなたに罰を与える。
あなたの身体に、あたしの拳を打ち込む。
その痛み、その苦しみが、あなたへの罰よ。
それをよく憶えておきなさい。二度と忘れないようにしなさい。

複雑極まる、だが身勝手であることは確実な想いと共に、
シェラザードの右拳はリファニアのみぞおちに吸い込まれようとした。

【行動:艦内移動(−1)、リファニアに当て身を入れる(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・シャワー室)】【行動値残り:2】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12(3機チャージ中)、
     105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この場を出来るだけ早く離れる、この小さな完成された世界を護る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
112ルイ・フィルセント ◆nkg.2sWI0U :04/03/29 00:08 ID:aJY69pUU
IDチェックや!!
『ありがとう、ルイ。忘れたてた事を教わった!』

通信機にふいに灯りが灯り見知った顔が映し出される。
それはさーちんやった。
さーちんはなぜか満面の笑みを浮かべておった。
「えっ・・・・・・」
アタシが疑問を口に出す前にさーちんの言葉が続く。

『けど、これで終わりよ!』

「さーちん・・・・・・終わりってどゆこと?
 なんでさーちんがここで暴れとるん。
 なぁ、なぁ。教えて。答えて。ねぇ、ねぇ。」
何故かさーちんの方を直視できへん。
視線がいろんなところを彷徨い。
そして、おっさんが目に入る。
おっさんの周りに浮かぶ赤黒い塊。血。
不意に昔の事が頭に過ぎってくる。
勝手に目から涙が出てこようとする。
その間にも無情にも時間は過ぎており、青いMSが
なんか今度は違うものをアタシとさーちんの間。
正確に言えばさーちんに向かって投げる。
アタシは反射的にまたペダルを踏み込みその投げられたものを
タイヤで弾き飛ばす。
「ちょいと大変な事になっとるんや!!
 大人しくしとれっ!!」
涙声で外部マイクで話しつつ、おっさんの方へ移動しながら
青いMSの武器をもっとる手に向かってマシンガンを撃つ。
そして、おっさんにすぐ近くまできて空いている左手をのばす。
「おっさん。乗りや。そのままじゃ死んでまうやないか・・・・・・
 だから早く乗って。」

(こちらの全ての会話は外部マイクでだだもれです)

【行動 : 何かをタイヤで弾いたんや (1) 大人しくしとれ!! (1)
       おっさんのるんや (1) 残り1 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる おっさんに向かって左手伸ばしとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) なにがなんだか理解できへん 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 生きとるか?
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
114ヨーコ ◆7kXFb9ayC. :04/03/29 00:42 ID:???
>>57
「あ…、ごめんなさい。
 私、なんだか急に眠くて…。」

そう断ると、シュウジさんが話し掛けてきた。

『さて……ヨーコ。
 ちょっと……コロニーの管制室まで行って来る。』

つかつかとノートPCをもったシュウジさんが
廊下へと消えてゆく。
「私も…」
と言いかけたが、言うのは辞めた。

私がついていった所で彼の役には立ちそうも無いから。

今の私のするべきことは、
彼を想い、彼を愛し、彼を護ること。

そのためには多少の犠牲も……。

「フフ……フフフフ…」

薄ら笑いを浮かべるその唇は
僅かながらもその両端を引きつらせていた。


フラッ…

「あ…あれ?」

【行動:想い(0) 兆候(0)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口付近】【残り行動値:残り3p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:ノーマルスーツ(通信→ラーズ) 信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 これからのこと 眠いなぁ…】
>>107
ムサイ級巡洋艦から通信が入った。
美しく、よく通る声で警告している。

(あら、綺麗な人……。
 声を聞いて、不快な感じは無いし……
 壁になっているのはこの人じゃないな)

アビゴルがムサイ級巡洋艦と相対速度を合わせる。
リナルドは深呼吸し、イブに回答を告げた。

「俺も……、俺も戦う気は無い。
 貴女は……リファニアの仲間?
 俺はリファニアに会うために、ここに来たんだ。
 ほんの少しだけお得な情報と一緒にね」

こうでも言わなければ、即追い払われかねない。
一応嘘は言っていないので、彼に良心の呵責は無かったが。
だが、その内には衝動の兆しが見え隠れしている。
多分、警戒で出てくるのは……壁になっている意思の源。

だが、そんな時でも彼の頭はこんなことを考えていたりするのだった。

(はー……、全く。
 どうして何もしてないのに俺の周りには余計な誤解や敵意が生まれるんだ?
 全部俺のせいか?
 それとも、もう少し付き合う人間を考えた方がいいのかな……)

【行動:ムサイ級巡洋艦と通信(-1)】
【位置:T-11暗礁宙域】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MA形態・左腕ビームカッター封印・通信回線→ムサイ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(01番シュウジ)】
116アーネスト・マンソン:04/03/29 06:45 ID:Rt0BlYWa
おとなしくしとれって・・・・・・
ルイの奴・・・・・・気づいてない!?

打ちやがった!マシンガンか・・・・・・あの小娘らしい、らしすぎる
武器だ・・・・・・いらないときにいらないモノばかり吐き出しやがる!
反射的にレバーを引いて機体をルイのMSから斜め右の方向に後退させる。
ワイヤーホークのワイヤーが切断された。とっさに退いたから、マシンガンは
食らわずに済んだが・・・・・・
「落着けルイ!俺だ!アーネストだ!
 こっちから見えた!レイモンドを回収したんだな!?
 二人がけじゃ操縦もきついだろう!
 サーティアはやる気だ!一度退け!」
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 ワイヤーホーク×1(右手)、スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:ワイヤーホーク損傷(0)通信・無差別通信(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】
(参ったな…。右手がなくなったら、これから畑作業どうすればいいんだろう。た
 しか義手って結構値が張るって聞くしな…。それにしても、切られて少しの間は
 痛感神経が遮断されて痛みを感じないって、本当なんだな…。)

傷口から吹き出す血を見つめながら、俺はどうでもいい事を考えた。
あまりにも非常識な現実に、理性が現実を見る事を拒否しているかのようだった。

「さーちん・・・・・・終わりってどゆこと?…………」

(……ん?)

「ちょいと大変な事になっとるんや!!大人しくしとれっ!!」

(マリー…?いや……ルイ…か…?……何でそんな悲しそうな声をしてるんだ?そ
 んな声、君には全然似合わないだろうに…。それにしても…何か、眠……)

《こんの馬鹿野郎!!!起きやがれ!!!死にてえのか!?》

頭の中に直接怒鳴られた俺は、今度こそはっきり意識を取り戻した。

(…何だ、お前か)

《何だじゃねえ!死にたくなけりゃさっさと止血しろ!!》

言われて初めて俺はその出血の多さを知った。
吹き出した血が俺の周囲を赤く染め上げている。

だが体の方も少しは言う事を聞くようになったようだ。
痛みはあっても、各所ともある程度脳の指示通り動いてくれる。

「くっ……そっ……たれえ…!」

再度力を込めて俺は上体を起こし、ジャベリンの足にもたれ掛かった。
肋骨が痛むが、今目の前にある危険に比べればさほどの事はない。

《おい!おめえ止血くらいできるんだろうな!?》

(まあな…。応急処置くらい、軍隊で教わったさ)

深呼吸を1回…2回…3回…………よし。
まずはノーマルスーツを開け、右腕を出す。
傷口に当てるものは何もないから、ここでするべきは上腕動脈の圧迫による止血。
上腕の内側にある動脈を探し、これを指で力の限り圧迫する。
更に傷口を心臓部位より上に上げるようにすれば、尚止血しやすい。
それをなるべく慌てずに落ち着いて実行する。
慌てればそれだけ心臓の活動を活発にさせ、返って止血しにくくなってしまう。

(続く)
今俺に出来る処置はここまでか。
…いざとなったら…その時はその時だ。
俺は自分をより落ち着かせる為に、もう1度大きく深呼吸をした。

すると、俺を覆い隠すように巨大な影が現れた。
見上げるとルイのタイヤMSが来ていて、左手を俺の傍に下ろしてくる。
そして外部マイクから聞こえる泣きそうな声。

「おっさん。乗りや。そのままじゃ死んでまうやないか・・・・・・
 だから早く乗って。」

(…さっきのルイの声は夢じゃなかったのか……。まあ、いい大人が無闇に女性
 を泣かせるわけにはいかないよな)

俺は止血をしたままジャベリンの足に寄っ掛かるように立ち上がり、差し出され
た手にふわりと乗った。
そしてMSのモノアイに向かってOKの合図代わりと、ルイを少しでも安心させよう
と笑顔を見せる。
血まみれの俺が見せて、どこまで伝わったかは不明だけれど。

【行動:止血作業(−1)MSの手に乗る(0)】
【残り行動値:3p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
 ワイヤー? アンナ場所に仕掛けたって、何の関係も無いわよ。
 勘違いし……ルイ!?
 丁度良いわ、足を引っ張ってくれれば……。

 脚部間接圧力、限界内。
 これからの機動には耐えられる!
 マシンガンだらけの付近。
 火器、スラスター、共に使えないなら…… ジャンプするまで!

「サヨナラよ!」

 壁蹴りを、一回!
 向かう先の壁が迫る。上等、止まってみせる。
 一回転して、もう一度……着地!

「自分で首をしめろぉ!」

 無ロックでマルチランチャーを射出。
 標的は無し。強いて言えばマシンガンの弾丸かしら?

 彼方達は危険でブースターを使えない。
 けれど、マルチランチャーは容赦なく向かうわ。
 切り払う事も出来ない、避ける事も出来ない。かな?

 そしてこの2回目の蹴りで、角を曲がって私はさようなら。
 サーティア、上手くやりなさいよ……
 蹴りを、二回目!


【行動 : 壁蹴り2回(−2) 無ロックでマルチランチャー発射(−1) 】
【残り : 2P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き)】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
120シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/29 11:25 ID:???
(後は……ラーズと、ジェイスの機体の自爆装置解除か……。
 で、その後脱出か襲撃どっちにするか聞いて……。
 あーその前に食事だな。)

格納庫に再び足を踏み入れる。ヨーコ以外に人影は見えない。
MSは4機。俺のビギナギナとハイザック、ヨーコのガズR、ラーズのヤクトドーガ。
「ジェイスはまだ来てないのか……?」
〔まだ来てないみたいですね。〕
「反応は?」
〔コロニー内には入っているようですが……。〕
「ジェイス!我々は今格納庫にいるぞ?とりあえず地図を送っておくからな?」
〔送信、完了しました。〕

床を蹴り、ビギナギナに向かおうとする。が、その前にヨーコの方へ。
「そうだ……。ラーズの方はどうだった?
 あー、眠かったら寝ててもいいぞ?作業は後二機分残ってるからな。
 休めるときに休んで(ぐ〜)おかないと身が保たないしな。

 ……腹が減っては戦が出来ないとも言うがな……。」

【行動:通信(継続)(−0)地図送信(−1)】
【残り行動値:3p】
【位置:S−17 コロニー格納庫】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) 超腹減った。】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り4本 食料三日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化 食事食事食事 ……】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
121ラーズ ◆C5GRxBlS5o :04/03/29 12:14 ID:???
>57
返事は決まっている。それも目的の一つだったからこそ。
…しかし、敢えて悩む素振りを見せる。…しかもかなり長めに。
その上で…一言。
「お願い。…それと…ノーマルスーツの予備、無いとは思うけど一応確認してみるからちょっと待って。」
………あくまで演技。心理戦のつもりで答える。そして実際に探し出す。
食糧等で埋もれかけているラックの方を。…エネルギーの補給完了の表示を確認しつつ。
【行動:通信継続 探索(1p)。】
【状況:ヨーコと通信回線接続 】
【残り行動値:3p】
【位置:S17】  
【機体状況:エネルギー補給、完了。】
【武装:ファンネル×6、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル・メガバズーカランチャー】
【SFS:スキウレ】
【所持品:ヤクト内(ディパック(中身は『飲料水2g入り3本』『地図』「食糧(彼女にとっての)2、5日分」) レポート用紙1冊 )
手持ち(細長い(そしてかなり大きい)アタッシュケース(中身はライフル(残弾10)) 大型要塞の内部地図データ)】
【行動方針:≪できれば欲しいモノ≫の入手 小惑星にあるであろう薬の入手】
【同盟:シュウジ ベルク リナルド ヨーコ…?】
【特記事項:ノーマルスーツなし】
>>110-111
この戦場に漂う、死の残り香とでもいうべきものを感じ……。
そしてそれが、スタンリー・M・イプキスのものだと感覚で理解したリファニア。
この身体に残る強烈な不快感から、自分が殺したのだとも、理解していた。
理不尽だと断定した存在を、自らの手で殺したリファニア。
だが、突然与えられる死に勝る理不尽など……存在しない。
……もう、後戻り、できない……?
リファニアは、理不尽な存在への仲間入りを果たしてしまったのだ。
それも、殺意から解き放たれ、穏やかな気持ちで眠りに就いた途端に、である。
黒き死の波動に対して、今のリファニアは、あまりにも……無防備だった。

虚ろな瞳で歌いながら、蛇口に手をかけるリファニア。
能動的に自殺を図ろうとしている訳ではない。
ただ死に憑かれて、それに引き込まれようとしているに過ぎない。

……たすけて……たすけて……。

リファニアの心の中でそう叫んだが……それが表に出てくる事はない。
リファニアの身体は人形のように、何かに操られ……死刑台への階段を、登ろうとしていた。


リファニアの周りに、壁が現れ、迫ってくる。
頭上には、そんなリファニアを見下ろし、薄気味悪い笑みを浮かべる死神の姿。

……いやっ……いやぁ……。

壁は迫る。リファニアを押しつぶさんと。死へと誘わんと。
逃げられない、逃げられない。
哄笑する、死神。呆然とした表情でそれを見上げるリファニア。

……突然、死神が何かに恐れ慄いたような表情を浮かべ、掻き消えるように姿を消した。
現れたのは、綺麗な狐さん。妖狐の姿が変貌し……褐色の肌の、美貌の女戦士へと変わる。

……シェラ……さん……?

手を差し伸べる、女戦士。その手をしっかりとつかむ、リファニア。
リファニアの身体が引き上げられるのと……その足下で壁が閉じるのは、同時だった。


「ぅぐ……っ。」
リファニアの鳩尾に叩き込まれるシェラの拳。
一瞬の苦痛の後……リファニアの身体は、力無くくずおれた。

だが、その肉体が力を無くそうとも……リファニアの意識は、目覚めたままだった。

【行動 : 死の淵から生還(0)、くずおれる(0)、残4 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、シャワー室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、気絶中? 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : ??? 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
123悪女 ◆raRByYg.V. :04/03/29 14:29 ID:???
>>122
リファニアは全く抵抗しなかった。
少女の肉体に拳が食い込む何とも表現しがたい感触が、
その意識を一時的に封じ込めたことを伝えてきた。
力を失って崩れ落ちそうになるそのか細い身体を右腕で支え、肩に乗せるようにする。
右肩(と右腕)にリファニア。左手にはスーツケース。
シェラザードが大柄で、リファニアが小柄だからこそ出来る技だが、
課せられた負荷の総量で全身の筋肉がきしむようだった。

まったく、この忙しいときに手間をかけさせてくれるわね。

今すぐにでも出撃しないといけないことを考えれば、腹立たしさを感じるのは当然だろう。
だが、奇妙な満足感のようなものをも感じているのは何故だろうか。
リファニアを何かから守れたことが嬉しいのか?
その全てを自分に委ねさせることが出来たことに満足しているのか?
今のリファニアは完全に無防備だ。その生殺与奪の権利は、完全に自分の手中にある。
だが、自分はリファニアを殺さない。誰にも彼女を殺させない。
このゲームにおいては完全に「常識」に反した行動ではあるが、あえて自分はそれをやる。

このコはあたしのもの。誰にも譲らないわ。

この世界で最も大切な存在を抱えたままシェラザードは格納庫に向かおうとして、
一度立ち止まった。少しの間何かを考えてから、その行き先を決める。
シェラザードが向かったのは、格納庫だった………本来ならばHLVが収められる場所へ。

少女を抱えた女の視界を、紫色の巨体が埋め尽くした。
眠っているはずの機械人形が、その主人………あるいはエサ………の接近を感じて
不可視の触手を伸ばしてくる。感覚器を通過して大脳と小脳に直接触れようとする黒い波動に、
シェラザードはあえてその身をさらした。
波動のある部分は受け入れ、またある部分は拒絶しながら、人に戦うことを強いる巨神に呼びかける。

あなたのご主人様と一緒に、あなたもあたしのものにするわ。
あたしを受け入れなさい、坊や。そうすれば、いっぱい戦わせてあげるわよ。

格納庫に見えない何かが満ちる。サイコガンダムとシェラザードがそれぞれ意思と力をぶつけ合い、
互いにそれを許容し、あるいは相手を圧倒し、飲み込もうとしながら、何かの折り合いを付けようとする。

今すぐ戦わせてあげられる、とは言えないけれど。
でも、最終的には全部あなたに許してあげる。
この宇宙に動くもの全部を、あなたの獲物として認めてあげるわ。
あなたの欲望を、このあたしがかなえてあげるから。

所有者に永遠の戦いを強いる妖刀のような機械の巨人が、
まるで同意を示すようにその身体を震わせると、黙ったままコクピットハッチを開いた。

そう、いいコね。ご主人様に似て、あなたも素敵よ。

リファニアと共にコクピットに入る。スーツケースはシートの下に収納し、
少女を横抱きに抱える形でその玉座に身を沈めた。
バックレストに背中を預けるだけで、スロットルレバーを握りしめるだけで、
サイコガンダムは彼自身のことを教えてくれる。
この悪魔がどれほどの能力を秘めていて、どれほどの破壊をもたらすことが出来るのか、
必要な情報は全て教えてくれた。
無論、それは無償ではない。キュベレイのそれとは比較にならないほどの負担が精神にかかってくる。

簡単に乗りこなせると思うな、とでも言いたいのかしらね。

端正な容貌が重圧に歪むが、どうにかそれを笑顔のようなものへと変える。
精一杯の力を込めて、虚勢を張りながら、シェラザードはこの悪魔をねじ伏せようとした。
笑いなさい。笑うのよ。笑ってみせるわ。笑えるわ。
この程度のプレッシャー、これぐらいの辛さ、アレに比べればどうってことないじゃない。
あたしはアレに耐えられる女よ。あたしはあたしなのよ。だったら、イけるわ。

あらゆるプレッシャーをはね除けるように気合いを込めると、
シェラザードはサイコガンダムを発進させた。
ミョーコウから離れた直後にMS形態に変形し、
彼女の小さな世界である戦艦とアビゴルとの間に入り込む。
自分の許可無しにはミョーコウを見ることすら許さないと言うように、
サイコガンダムのデュアル・カメラが強い光を放った。

あたしに不快な思いをさせたのは、こいつね………!

見たことのないモビルアーマーのような機体を睨み付けていると、
急に自分に銃を突きつけたスタンリーの姿が脳裏に浮かんだ。
思い出したくて思い出したわけではない。
このモビルアーマーにあの男のイメージが重なったわけでもない。
ましてやスタンリーを許したわけでも、認めたわけでもないのだが………何故?

「………………!」

その姿を眺めているうちに、不意に、分かったような気がした。
どうしてあの男があれほど自分に敵意をむき出しにしたのか、
理不尽なほどに敵対的であり続けたのか、理解できた気がした。

今のあたしと、同じだったのかもね。

あの男にとっても、自分が来る前のミョーコウは「完成された世界」だったのかもしれない。
あの男、リファニア、ダグラス、イブだけで完成した、あの男にとっての小さな楽園。
その小さくも美しい花園が自分が加わることによって変質するのを恐れて、
あの男は自分をあそこまで強く否定しようとしたのかもしれない。

今の自分が、目の前のモビルアーマーの接触を嫌い、恐れるように。

だからあの男は自分に銃口を向け、引き金を引き、
それを止めようとしたリファニアすら撃ったのかもしれない。
自分をかばったリファニアは、あの男以外の人間を見ようとしたその少女は、
もはやあの男が受け入れようとしたリファニアではなかったのかもしれないから。

自分の手から失われようとするものなら、いっそのこと壊してしまえ、か。

美しい存在は、それが美しければ美しいほど、失うことに耐えられなくなる。
愛しければ愛しいほど、相手の愛が他の誰かに向けられることに我慢できなくなる。
行き場を失った愛は容易に憎しみへと変わる。失意と失望は憎悪と怨念に変質してしまう。
そしてあの男はリファニアを、ミョーコウを憎んだのだろう。
自分を拒絶し、変質してしまった、かつての楽園を。

でも、あたしはあなたのようになるつもりはないわよ、スタンリー。

この楽園はあたしのものだ。あたしだけのものだ。誰にも渡さない。誰にも譲らない。
もし、万が一、この楽園があたしを否定するなら、変わってしまおうとするならば。

あたしはあたしなりの方法で、あたしの楽園を、永遠にあたしだけのものにするだけよ。

リファニアの感触と体温をいとおしく感じながら、シェラザードはアビゴルと向き合った。
【行動:艦内移動(−1)、サイコガンダム起動(−1)、発艦(−1)、変形(−1)】
【位置:T11】【行動値残り:0】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この場を出来るだけ早く離れる、この小さな完成された世界を護る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
>>113
春花…イッたんだね……?
(春花の横に寝て右手で頭を抱き、髪を優しく撫でる)
素敵だったよ、春花……。本当に…。
>>127
すさまじい誤爆。すまそ。
128イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/29 16:49 ID:???
>115
「ええ、確かに私たちはあの子の仲間よ―――」

黒い瞳が、眼鏡の奥の真意を見抜こうと鋭さを増す。
やがて。

「今のところ、貴方に害意が無いのは分かったわ。
 ……全てを語れとは言わない。
 でも、リファニアちゃんとはどういう関係なのか、会ってどうするつもりなのか。
 その二つぐらいは教えてもらえるのでしょうね?」

そこで一旦言葉を区切り、何気ない仕草を装って愁林はダグラスの様子を窺う。
一瞬だけ交錯する視線。
生憎と、この状況では未だ指示を仰ぐ余裕は無い。
ならば―――余裕を演出すれば良い。

「そもそも、初対面なら先ずは自己紹介から始めるのが礼儀ではなくて?
 可愛い女の子を、何処の誰とも分からない相手に会わせる訳には行かないでしょう」

冗談とも本気とも付かぬ口調で、リナルドに向けて微笑みながらそう言った。
129イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/29 16:52 ID:???
>123-125
―――っ!?

突然の頭痛。
脳髄を焼かれるような刹那の感覚に、僅かながら表情が歪む。

「……?」

愁林の予想に反して、出撃したのはサイコガンダムMk-2だった。
紫の巨人が、ミョーコウに寄り添うようにして緑の異形と相対する。
状況は漸くイーブン。
下手な演出をするまでも無く、若干の余裕を持って来訪者に対する事ができる。
だが。

「シェラザード?
 どうしてキュべレイではなくてその機体に……あの子に何かあったの?」

整った眉根を微かに顰め、愁林は回線の向こうのシェラザードに視線を送った。

【行動:リナルドへ通信継続(-0)、シェラザードへ通信(-1)】【残り行動値:3p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>128
(……)

言いたいことはわかる。
だが、リナルドとリファニアを繋ぐ接点のことを話してしまえば、
間違い無く彼はムサイ級の敵になってしまう。
そうなるために、ここに来たわけではないのだ。

「……まず、俺の素性のこと。
 この戦場で、プロフィールに一体どれ程の価値があるのか……。
 これは、そちらに招き入れてもらった後でも何ら支障は無いと思うよ。
 それに。
 あなただって自分のことを教えてくれなかった。
 フェアなネゴシエイションは50:50<ヒフティ・ヒフティ>で進めるべきだと思わない?
 まあ、とりあえず名前くらいは言っておくか。
 俺はリナルド。 リナルド=グレイス」

一息ついて、次の話題に移る。

「俺とリファニアとのことについてもほぼ同様……だけど。
 会ってどうするのか……ということについては話しておいた方がいいな。
 
 ……俺は、あの子と話をして、共に歩み、守り抜いてこの戦場から生還させるためにここに来た。
 そのためなら、いくらでもこの生命を削ってやる……って覚悟でね」

彼はゼファーに向けたものと同じ、優しい微笑みを湛える。

その時。

ドクン。

来た。

ドクン。

壁が来る。

だが――。

≪続く≫
>>130続き

>>124
サイコガンダムが動き出した。
リファニアが警戒に出て来るというのだろうか?
別にそれはおかしいことでもないのだが。
だが、そこにいたのは彼女だけではなかった。

「これは、リファニア……だけじゃない!
 何で……どうして、一緒にいるんだ?
 何を考えてるんだ?」

急いで通信回線を開く。
ディスプレイに映ったのは、目を閉じたリファニアと……これまた美人な壁の源。

(意識が……無いのか……!)

リナルドの瞳に怒りが宿る。
だが、言葉に怒りは込めない。

「……あんた、何考えてるんだ?
 リファニアに何をした? ……いや、それは後でいい。
 何故彼女をこんなところに連れて来た?
 意識が無いなら、部屋に寝かせておけばいいだろう」

奇しくも内なる怒りと衝動がシンクロし、不思議と痛みを感じさせない。
一瞬だけ、アビゴルの輪郭がディープ・ピンクに輝いた。

【行動:交渉継続(0)、サイコガンダムMk-Uと通信(-1)】
【位置:T-11暗礁宙域】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MA形態・通信回線→ムサイ・サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(01番シュウジ)】
>>128-129
ミョーコウから通信が入る。画面に現れたのは、イブだった。
実質的な交渉担当者であるイブが自分を相手に出来る余裕があると言うことは、
目の前の招かれざる客………アビゴルとか言うらしい………との交渉は
そう切羽詰まってはいないということなのか。
それは望ましい状況でもあり、望ましくない状況でもある。
この状態で戦闘は避けたいのだが、自分としてはこの相手をミョーコウの「敵」として認定したいのだ。

『シェラザード?
 どうしてキュべレイではなくてその機体に……あの子に何かあったの?』

イブがいぶかしげな表情を見せる。まあ、それも当然だろう。
さて、どう応えるかだが。

「こっちの方が見栄えがすると思って、リファニアに借りたのよ………ほとんど無断でだけど。
 それにキュベレイはさっきの戦闘で推進剤の残りが少し心細くなってたの。
 少し落ち着いてから補給しておこうと思っていたのに、その前に来られたわけだしね」

キュベレイの推進剤が残り少ないというのは事実だ。
もう一戦やろうと思えば出来ないこともないが、 残量を気にせずに戦える状態ではなかった。
問題はリファニアの件だが………自分の目が節穴だったことを告白することになるが、やむを得ない。

「リファニアは………あたしが思っていたよりずっと疲れていたみたい。
 情けない話だけど、あたしの判断が甘かったわ。
 このコ、さっきの戦闘で精神的に参っていたのかもしれない。
 初めて戦場に出た後の新兵みたいに、ふらふらになって自分を見失いかけていたみたいだから………」

だから、リファニアのことを考えれば、新参者をミョーコウに迎え入れるような真似はすべきではない。
色々な意味で彼女にストレスを与えるような行為は避けるべきだ。
彼女にとって気心の知れた人間達だけで、その心の安らぎを取り戻してあげるのが適切だろう。

それに、ダグラスにもこれ以上の負担をかけたくない。
この相手を受け入れることにした場合、彼は艦長としてさらに余計な責任を背負うことになってしまう。
ダグラスにしてみれば、シェラザードという「新参者」を受け入れた後に起こったスタンリーがらみの騒動が
常に頭にこびりついて離れなくなっていても不思議ではないのではないか。
あのような事件が起こるのは二度とごめんだ、そう考えていて当然だろう。
だから、この相手を受け入れるべきではない。それが当然であり、自然なはずだ。

一度別のモニターに視線を向け、この珍客の名前を名簿で確認する。

「………リナルド=グレイス、っていうのかしら、このお客さん。
 今すぐ撃ち合うってことはないみたいだけど、この状況で何しに来たのかしらね。
 正直に言って、戦うのでもそうでなくても、他の誰かと絡みたくはなれないわ」

今はこいつを追い払った方がいいのではなくて、と言う意味を込めてみる。

「あたしが言うのもおこがましいけれど、スタンリーが起こしたような騒動は二度とごめんだわ。
 あたしはあの男のような真似をするつもりはないけれど、この状況で新しく誰かを迎え入れるというのは
 リスクが大きすぎると思うわよ。何か理由があるというのならともかく………!」

そこまで話したとき、アビゴルから通信が入った。
>>131
『……あんた、何考えてるんだ?
 リファニアに何をした? ……いや、それは後でいい。
 何故彼女をこんなところに連れて来た?
 意識が無いなら、部屋に寝かせておけばいいだろう』

画面に現れたのは、若い男だ。見た目はそう悪くない。
ミョーコウに来る前に会うことが出来れば、こちらから声をかけたかもしれないだろう。
だが、今はミョーコウに来た後だ。自分は既にダグラスとリファニアという、極上の存在に出会っている。
それ以外の存在に、興味はない。

それに、何を怒っているのよ。

確かにここにリファニアをつれてきた自分の行為は普通ではないが、
それには相応の理由がある。自分はそう信じている。
加えて、自分が出撃する必要がなければ、リファニアをベッドで休ませることは十分に可能だったのだ。
外からトラブルを持ち込んできた人間が、どんな顔をしてリファニアを心配できるというのだ。

「そうね、少なくともあなたがここに来なければ、あたしがリファニアをここに連れてくる必要はなかったわね。
 こちらにも色々事情があるのよ。あなたがあなたの考えで善人ぶるのを止めはしないけれど、
 他人を悪人扱いするのは感心しないわね」

一つボタンを掛け違えば、全てのボタンが掛け違うことになる。
ドミノの駒を一つ倒せば、加速度的に全ての駒が倒れていってしまう。
不幸な出会いと、言うべきかもしれなかった。

「それに、質問したいのはこちらの方よ。
 あなた、ここに何しに来たの? それに何故リファニアのことを知っているの?
 まともな挨拶も無しに喧嘩腰で話しかけられても、こちらとしては答える気にもならないわ。
 何をしたいのか知らないけれど、あたし達と戦うことを望むのではないのなら、
 あなたがすべき事はあたしに喧嘩を売ることではなくて、ミョーコウの責任者と話すことでしょう?
 あたしはただの護衛で、ミョーコウのクルーなの。
 当面の交渉相手が誰なのかぐらい分かった方がいいのではなくて?」

笑顔と口調は営業用だが言葉はそれほど遠慮せずに、話す相手が違うだろうと切って捨てた。

【行動:イブと会話(0)、リナルドと会話(0)】
【位置:T11】【行動値残り:0】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この場を出来るだけ早く離れる、この小さな完成された世界を護る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス(?)、No.20・リファニア(?)】
やっと自分のMSが置いてある格納庫に着く。

(ちっ、思ったより時間が掛かった。)

急いでMSに乗りこみルイに通信を開く。

「そっちの状況はどうなってる?
 あのMS達は何をしているんだ?
 パイロットはサーティアとアーネスト何だろ?
 お前の指示をくれ、今俺がそちらに向かっても
 状況がわからなければ余計混乱する。」

【行動:通信(-1)】
【残り行動値:3】
【位置:F-05(格納庫B)】
【機体状況:待機 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つける】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
……からだ……うごかないや……。

愛機のコックピットで、シェラザードに抱かれるリファニア。
リファニアの身体は力を失い、ただされるがままになっていたが……。
その意識は周囲のできごとを、漠然としたイメージではあるが、感じ取っていた。

リファニアを抱く美しい妖狐、シェラザード。
その身体から伝わってくる、リファニアの生命を優しく包み込むような、温もり……。
それにただ身を委ね続けている事は……不快ではない。
だが、それは……リファニアを縛ろうとする鎖でも、あるのだ。

そんなリファニアに駆け寄ろうとする、"怖いお兄さん"。
怖い……?
違う、こわくない……。
この人は、私に答えをくれるひと……。
リナルド=グレイス……。

リナルドとシェラザードが、言葉と意志を、ぶつけ合う。
どちらも、リファニアを生かそうとする意志は……同じ。

……でも。

……私は、生き残るべき存在なの……?

明日が見える人たちを、犠牲にしてまで……。

私には、明日は見えない。
私と共に歩むべき人は……もう、居ないから。
私はスタンリー・M・イプキスの事を、亡霊と言った。
あの人は、明日を見ていないと……おもったから。
そういう意味では、私もすでに、亡霊なのかもしれない……。

わからない、わからない……。
進むべき道が……再び見えなくなりつつある……。
この身体を包む温もりに身を委ねながら……姫であり続けるのか。
それとも、かつて決意した戦いの道を、再び歩むべきなのか……。

ああ、リナルド=グレイス、理想の戦士……。

わたしに、こたえを……ください……。

【行動 : リナルドを求める(0)、残4 】
【位置 : T-11(サイコのコックピット) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、気絶中? 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : ??? 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
136ヨーコ ◆7kXFb9ayC. :04/03/29 21:48 ID:???
>>114
…アハハ。頑張り過ぎたのかしら…。

頭がガンガンする。
激しく眠い。

『お願い。…それと…ノーマルスーツの予備、無いとは思うけど一応確認してみるからちょっと待って。』

「あ、はい…。」

ラーズさんを、首をカックンカックンと上下に振って待っている間に通信が入ってきた。
…どうやらシュウジさんからのようだ。

『そうだ……。ラーズの方はどうだった?
 あー、眠かったら寝ててもいいぞ?作業は後二機分残ってるからな。
 休めるときに休んで(ぐ〜)おかないと身が保たないしな。

 ……腹が減っては戦が出来ないとも言うがな……。』

プッ…

シュウジさんのお腹の音が聞こえてきた。

「シュウジさん……わかりました。
 お言葉に甘えますね。」

朦朧とした中、思わず笑顔がこぼれた。

「…ラーズさんは概ね協力してくれるらしいです。」

【行動:通信継続(0)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口付近】【残り行動値:残り4p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:ノーマルスーツ(通信→ラーズ) 信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 これからのこと 眠気ヤヴァイ】
137イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/29 22:16 ID:???
>132
「そう……同じNTでも、貴方と違って彼女は繊細なのね」

―――何人目からかしら。人を殺す感覚に心が麻痺したのは……。

皮肉交じりの不敵な微笑みの奥、刹那の間瞳に映ったのは、彼女が果たした最初の復讐の光景。
一切の外傷も無く、口から血の混じった泡を吹いて死んだ裏切り者の骸。
あの時も香港は雨に煙っていたと、そんな事を愁林は不意に思い出していた。

「リファニアちゃんの事、頼むわね。その子も貴方に懐いているみたいだから」

また、小さな頭痛。

「彼に関しては……今は、一概には言えないわ」

脳髄の疼きを振り払うように首を振って、愁林は改めてリナルドへと視線を向けた。
138イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/29 22:17 ID:???
>130
「勘違いしないで。
 この状況、身の証を立てるのは先ずそちらからというのが道理でしょう?
 得体の知れない人間をおいそれと受け入れられるほど、私たち、お人好しではないの。
 交渉に入る以前の問題よ」

先程からの遣り取りの中で、愁林の中には更に幾許かの余裕が生まれつつある。
加えて、シェラザードの出撃によって実質的な余裕も確保できた。

「……まあ、貴方の言葉に嘘が無いのなら、受け入れても損は無さそうだけれど……」

チラリと肩越しにダグラスへと視線を送る。
リナルドという男には、シェラザードの時に感じたような独特の"匂い"は無い。
異質な何かを秘めているようにも見受けられたが、嫌な感じがするというほどのものでもないようだ。
だが、今の状況でこれ以上、ダグラスにとっての負担を増やすような事になってしまったら―――

「ダグラス、貴方の意見はどうかしら」

終わりの見えたエデンに留まるよりも、敢えて蛇の囁きに乗るべきか否か。
イブの問いに、愛しきアダムは果たしてどう答えるだろうか。
139イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/29 22:18 ID:???
【行動:リナルド/シェラザードへ通信継続(-0)、ダグラスに問う(-0)】【残り行動値:3p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>137
取りあえず自分がサイコガンダムで出撃したことに関して、イブはとやかく言うことはなかった。
自分と彼女の関係を考えれば、嫌みの一つやそこらは甘受すべきであろう。
それに、少なくとも「リファニアの疑似保護者的存在」として、自分は存在することを認められているようだ。
ならば後ろから撃たれる危険性は低いと考えるべきだろう。しばらくの間は。

だが、問題は実質的なミョーコウの最高権力者であるイブのリナルドに対する感情だ。
今のところは良くもなく悪くもないというあたりらしいが、それでは困るのだ。
かといって自分があれこれと口を出せば、逆効果になる可能性もある。
今のところは黙って見守るしかない。
自分の見るところ、このリナルドという人物はあまり交渉の類が得意ではないようではあるのだが。

済ました顔で交渉決裂を願うシェラザード。
だが、その顔色を変えるような状況はそのすぐ側で………その膝の上で起こった。

>>135
まただ。またこの感触だ。
自分の膝の上に乗っているはずのリファニアの身体が薄れていくような感触が、心臓をわしづかみにした。
しっかりと抱いているはずなのに、気が付いたらいなくなってしまうような錯覚が襲いかかってくる。
気絶しているはずなのに、意識はないはずなのに、リファニアは自分ではない誰かを見ている。
自分以外の人間を求めようとしている。

………どうしてよ。どうしてなのよ、リファニア!

それが怖い。さっきよりも明白に、どうしようもなく怖い。
リファニアに無視されるのが怖い。この少女に見捨てられるのがとてつもなく嫌で、恐ろしい。
でも、それは何故だ? 何をそこまで恐れる? 
一瞬のよそ見かもしれないのに、浮気とすら言えない程度の気まぐれかもしれないのに、
どうして自分はこれほどまでに恐れるのだろう。

あたしはここにいるわ。あたしはここに、あなたのすぐ側にいるのよ。
なのに、どうしてあなたはあたしだけを見てくれないの?

あんなに抱きしめてあげたじゃない。
子守歌も歌ってあげたじゃない。
お化粧もしてあげたじゃない。
二人であんなに話をして、行動を共にして、肩を並べて戦うことすらして、
あたし達はあんなに一緒だったじゃない。
それなのに、どうして!

不思議なほどに取り乱してリファニアにすがろうとするシェラザードの傍らで、
その姿を冷徹に見つめるシェラザードもいる。

ねえ、どうしてあたしはリファニアにそれほどこだわるの?

確かにこのコは魅力的で、素敵なコよ。簡単に捨てることは出来ないわ。
でも、そこまで失うことを恐れなければならない相手なの?
確かにこのコとは今まで色々してきたけれど、普通のお付き合いしかしてこなかったじゃない。
あたしはリファニアとキスもしていない。一つのベッドで寝てもいない。身体を重ねてもいない。
シャワー室で二人っきりになっても、あたしはあのコを押し倒そうともしなかったじゃないの。

涙さえ浮かべて怯えているシェラザードを、
冷たい美貌を保ったままのシェラザードが見下ろす。
シャワーの時だけじゃないわ。
今まであのコを抱く機会はいくらでもあった。チャンスは無数にあったわ。
第一状況が状況なのよ。妙に善人ぶる必要がどこにあったわけ?
目先の欲望最優先で、無理矢理だろうがTPO完全無視だろうが、
リファニアを食べようと思えばいくらでも食べられたのに。
でも、あたしは何もしなかった。あのコの前では、柄でもない善人のふりをし続けたわ。

つまり、あたしの理性をどうにかするほど、あのコは魅力的じゃないってことじゃない。
何もかもかなぐり捨ててあのコに走るほど、あたしはあのコに魅力を感じはしなかった。
ダグラスを墜とすついでに色々楽しめればそれでいいと、その程度の相手じゃないの?
ねえ、あなたはあたしなのよ。それを分かっている?
あたしはあのコを墜として堕とそうとはしなかった。それが全てを物語っているのじゃなくて?

冷たいシェラザードに思い切り見下され、打ちのめされ、言い負かされながら、
それでも無様なシェラザードは怯えていた。
何度も正しいはずの意見で鼓膜と大脳を突き刺されながら、首を縦には振らなかった。

だって。
だって。
だって。

だって何よ。うっとおしいわね。

少女と言うより幼子のように涙で顔を汚したシェラザードが、全身を震わせながら立ち上がる。
泣きじゃくりながら、肩を大きく上下させながら、震える両脚で懸命に身体を支えて、
涙で濡れた瞳で正面を見据えて、全てを分かり切ったような顔をしたシェラザードに立ち向かった。

だって、このコは、リファニアは………

歌うリファニア。
笑うリファニア。
照れるリファニア。
眠るリファニア。
そして、泣くリファニア。
一生懸命、何かをしようとするリファニア。


リファニアは、あたしの側にいてくれた!!


声にならない叫びが、全てに響き渡った。
自分が苦しんでいるとき、あのどうしようもない絶望と苦痛にうめいているとき、
リファニアは側にいてくれた。自分の側にいようとしてくれた。
何処までも孤独でしかなかったあの空間と時間の中で、初めて感じた自分以外の存在がリファニアなのだ。

………何を、何を馬鹿なことを言っているのよ。
確かにあのとき、この馬鹿げたゲームに放り込まれてまだ間もないときに起こったあの発作の最中に、
人のような気配を感じたのは事実だわ。でも、それだけじゃない。
それがリファニアだったという保証はないわ。
仮にそれがリファニアだったとしても、彼女の存在が苦痛を和らげるのに役に立ったとでも言うの?
他人がいようがいまいが、苦しいものは苦しいのよ。
他人にどうにか出来る辛さではないのよ。
そんなことも分からないの?

正論を述べながら気圧されたように後ずさるシェラザードに、
感情をむき出しにしたシェラザードが詰め寄る。

ええそうよ。その通りよ。リファニアはあたしの苦痛に対しては無力だわ。
でも、問題はそんな事じゃないの。痛みが軽くなるとかどうとか言うことじゃないの。
あのとき、あたしは初めて独りじゃなかったのよ。
だからリファニアが欲しいの。リファニアがあたしの側からいなくなるのが怖いの。怖くて当たり前でしょう!

孤独とは最大の苦痛だ。
誰にも自分を理解されず、その存在を認識しようと思ってもらえないというのは、最低最悪の苦しみだ。
独りは、どうしようもなく辛くて、嫌なのだ。
そして、誰かと共にいる幸せを憶えた後に強いられる孤独は、さらに深くて、酷くて、恐ろしい。

矛盾だわ。自分から病気のことを隠そうとしておいて、孤独も何もないでしょうに。
だって隠すしかなかったじゃない。あたしはあの時間を、あの絶望を独りで耐えるしかなかったのよ。
あの時に誰も感じることが出来なかったから、誰にも話そうとしなかったわ。

でも、今は違う。誰もいないのが当たり前だった時とは違う。

リファニアは側にいてくれたの。
あたしの側にいようとしてくれて、精一杯手を伸ばしてくれて、
あたしのことを何とかしようとしてくれたの。
それがどんなに嬉しいことだったか、あなたもあたしなら分かるでしょう。
誰かがいる。自分の苦しみを心から、内側から分かってくれる。
素の自分を見て、実感して、それでも側にいようとしてくれる人がいる。
どんな時でも、どんな状況でも、自分の側にいようとしてくれる人がいるというのは、
とても素晴らしくて、嬉しいことなのだ。

………それは………そうかも………しれないけれど………

冷たいシェラザードの姿がふっと揺らぐ。その存在が薄れてゆく。
それを睨み付けるように、そして同時に愛おしむようにして、
シェラザードが両腕を広げてシェラザードを抱きしめようとする。

ありがとう、あたし。
あなたがいたから、あたしはあたしを分かることが出来た。
あたしがどうしてリファニアを欲しがるのか理解できた。

難しい言い回しはいらない。ただ、思ったことを口にすればいい。

リファニアはあたしと一緒にいてくれる。
このコが一緒にいれば、あたしはあの苦痛に耐えられる。
だから、リファニアと一緒にいると、あたしはあたしが望むあたしでいられる。
だからあたしはリファニアと一緒にいたい。

あたしがあたしでいられる間、あたしはリファニアと一緒にいたい。
あたしを幸せにしてくれるリファニアと一緒にいたい。
リファニアの中のあたしを幸せにして、リファニアとあたしを幸せにしたい。

………だから………あのコを護ることで………あのコに護って欲しいの………?

ほとんど消えかけた、だが完全には消えようとしないシェラザードが疑問を投げかけてくる。

………あのコがいれば………独りじゃないから………だから………?
でも………それは………傲慢だわ………我が儘だわ………
あなたはあたし………あたしはあなた………それは変わらないわ………
あなたの奥にいるのは………やっぱりあたしよ………あたしなのよ………
そのあたしを………リファニアは受け入れてくれるかしら………許してくれるかしら………

そうね。それはそうかもしれない。あたしはどこまでいってもあたし。それはその通りだわ。
多少の妥協は出来るけれど、基本路線は変えられないわね。
要するに、ここまでやって明らかになったことは。

シェラザードは、リファニアを必要としている。
リファニアの騎士として彼女を護り、リファニアの姫君として彼女に護ってもらいたい。

それだけのことね。

随分遠回りというか訳の分からない道をたどって着いた先がそこかと考えると、
少しだけおかしくなった。そして、そのことをどう伝えようかと考えて、さらにおかしくなる。

リファニア、あたしを幸せにするためにあたしのものになりなさい。
そうしたら、あたしもあなたのものになってあなたを幸せにしてあげる。
あたしを幸せにするのがあなたの使命。あなたを幸せにするのがあたしの使命。
あたしのために戦いなさい。あたしはあなたのために戦うから。

出来の悪いプロポーズというか、不器用極まる愛情の売り文句だ。ほとんど押し売りに近い。
ひょっとすると「浮気はダグラスだけにしておくから」などと言う言葉まで付けてしまいそうだ。
どうしようもなく傲慢で、我が儘で、救いようのない、いくら何でも素直に過ぎる口説き文句だろう。
だが、覚悟は決まったと思う。もう、同率1位はやめよう。
もしもリファニアが自分を受け入れてくれたなら、自分にとって、シェラザードにとっての1番はリファニアだ。
そして彼女が受け入れてくれなかったら、
自分のものになってくれず、自分を彼女のものにしてくれなかったら。

その時は、つまりそういうことになるだろう。

【行動:イブ会話(0)、脳内会話(0)、決断(0)】
【位置:T11】【行動値残り:0】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この小さな完成された世界を護る、「優先順位」を決める】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス((?))、No.20・リファニア((?))】
二人は僕の入れたコーヒーに満足してくれたようだ。
さて、僕も一息。ん……、何か味がぼやけてるような……?
少し眉をひそめ、褐色の液体を眺めてみる。

『未確認機体!?』

その声にビクッと体を震わせ、カップに指を掛けたままレーダーに振り被った。
―――近いッ!!
皆の行動は早く、僕がカップを置く前にシェラは艦橋を後にした。

『俺も……、俺も戦う気は無い。
 貴女は……リファニアの仲間?
 俺はリファニアに会うために、ここに来たんだ。
 ほんの少しだけお得な情報と一緒にね』

姉さんの問に答える、男性の声。
何故リファニアの名を、彼女がミョーコウに居る事を知っているのだろう?
イブは彼への対応を続け、僕には理解し難い返答を返すリナルド。
その最中、姉さんがこちらの様子を窺うように、そっと振り返った。
一瞬、視線が交差する。……と、その時。

ズンッ、と艦橋が、船体が振動した。
この重い衝撃は……サイコガンダム!?

艦橋の脇に付く、濃紫の巨人。
コクピットに座っているのは、シェラとリファニア。
何故二人が一緒に居るのか、リファニアはどうして意識を失っているのか。
僕が思ったそのままの事を、イブは質問した。
リファニアさん、寝ていたんじゃ無かったんだ……。
けれど、帰艦していた時は……、僕が気付いていなかっただけ?
彼女の表情に騙されていた……?

……なんだか、気付けない事ばかりだ。
敵機の接近も、仲間の異変も、姉さんの気持ちも、自身の事さえも……。
はあ、これで艦長なんて……。

……止めよ、こう何度も落ち込むのも、飽きたよ。
それにシェラさんの前でも言ったんだから、もう迷わないって。
でも……、後でリファニアさんに謝らなくっちゃ。

『ダグラス、貴方の意見はどうかしら』

姉さんの言葉に、微笑みを返しながら通信席の前へ進む。
すれ違いざまに「穏便に」と耳打ち、軍帽を素早く手直すと、
リナルドの映るモニタの前へ立った。
「始めまして、僕はダグラス=ロックウード。
 このムサイ型軽巡、ミョーコウの艦長を務めています。
 まずは、不戦の意思を表明してくれた事に感謝します。
 我々も無益な戦いは望みません。
 まあ、こんなゲームに有益な戦い等、一つも無い訳ですが……
 っと、話が逸れてしまいましたね。
 貴方がリファニアさんに用が有るのは解かりました。
 只、彼女が目を覚まさないことにはどうにも、
 先ほど、戦闘が終わったばかりで無理に起こすのもなんですし……。
 その上で、リファニアさんの仲間として、幾つか質問させて下さい。
 えっと、もちろん立場は同じ、50:50で。
 シェラさん、サイコを少し後方に下げてくれますか?
 あ、火器のセーフティーロックは掛けたままで。
 ……シェラさん、どうかしました?」

なるべく気楽に、微笑を絶やさないようにリナルドへ話し掛ける。
だが、後退を支持したモニタの先には、シェラが如何ともし難い表情をしていた。
それが気になった僕は、伺い気味に訊ねた。

【行動:返信(-1)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:3p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:大丈夫だよー】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む この宙域からの離脱 リナルドへ質問】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
 ふと、彼の目が何かを見つける。
まだほとんど形が残ったままの一体のMS。型は古い。
胴体の中心部には少し小さめの丸い穴。
搭乗者は何があったのかも分からず落とされたのか、
それともその眼に自分の体が焼けていく光景を眺めつつ逝ったのか。
ただまぁ、そんなことには一切の興味は無い。

 野放図だった体を少しだけ起こし、手早く操作を開始する。
機体のモノアイが紅い光を帯びて2・3度左右に蠢く。
次の瞬間、背部スラスターから上がる青の炎。
背面ラッチから展開されるビームアックス。

 一閃───。

 機体がその場を通り過ぎてから、しばらくの後。
まだ推進剤でも残っていたんだろう。機体が輝きを上げ丸い閃光と化す。
軽く響いてくる振動。炸裂音が聞こえないのが少しだけ寂しい。
光に晒され陰になりながら再び動き出す緑のMS。
全てを元の状態に戻したらまた暗い宇宙の旅路を行く。

 コクピットの中では小さな感嘆の溜息を洩らす彼。
どこまでももどかしい。欲求解消のつもりがさらに積み重なった。
この光景を…幾つもの輝きがとめどなく溢れる場所に早く。早く。早く。
いい年の男がせわしなくはしゃいでる姿はあまりに人に見せるものでも無いが。

 死者への冒涜もこの際だ。忘れてしまおう。

【行動:移動 (-3P) ストレス解消 (-1P)】
【位置:O-06→N-06→M-06→L-06】【残り行動値:0P】
【機体状況:外装への小ダメージ+14番からの切り傷+完全ではない左腕】
【武装:ビームソードアックス】
【所持品:自動小銃2丁 小銃3丁 それらの弾薬】
【行動方針:戦場を求める】【同盟:無し】
>>133
(……もう、綺麗な人に答えたんだけどな……。
 もう一度話すの面倒だし、何より……
 この人は、俺の決断と意思を否定するような気がする……ん?)

>>135
リファニアの声が聴こえる。
通信回線をも通じて、直接頭の中に響いてくる。
同時に世界が広がり、リナルドを摩訶不思議な空間へと放り出した。

虹色――シャボン玉の油膜のような、曖昧な色――の、何も無い世界――。

不思議だ。
リファニアの意識に触れていると、怒りも憎しみも、この衝動でさえも消えていく。
正確にはわからない。
感じなくなるだけなのかもしれない。 内側に引っ込んだだけなのかもしれない。

罪の意識があるから?
リファニアの、大切な人を奪ったから?
だから、負の感情を向けられない?
それは違う。
きっと、リファニアの中には俺が求めているものがあるんだ。
だから、こんなに満たされた気分になるんだな……。


不思議だ。
リーアと一緒にいても、こんなに満たされた気分にはならなかった。
リファニアはリーアとは明らかに違う。
何でリファニアはリーアを明らかに上回るんだ?
何で、俺はリファニアという少女をこんなにも求めているんだ?
俺にはリーアがいるのに。

……あれ? 本当にリーアはいてくれるのかな?
本当にリーアは俺を満たしてくれていたのかな?
何だ、この違和感は……?


後ろを向くと、子供が座り込んでいた。 その子の前には大きな鍵が、鍵穴に差さっている。

ん? 何だろう、あの子は。
どうしてここにいるんだ?

……

ああ、そうか。
あの子は俺なんだ。
いつからか辛い時は自分に鍵を掛けて、自分を閉じ込めるようになって……。
そうしてるうちに鍵を失くして、出られなくなっちゃったんだ。
でも、ちっぽけな意地やプライドが取り残されて、それだけが表に出て……。

リーアと出会って、俺は鍵を見つけたんだ。
この扉は開け放たれるはずだったんだ。
だけど、いつもそれを邪魔する意思があった。
だから俺は怯えて、鍵を持っていたのに、鍵穴に差し込むことまでできたのに、
どうしても回すことができなかったんだな……。

≪続く≫
>>148続き

……え? 違うの?
あ……、その鍵、回らないんだ……。
掌を見せてごらん。
そうか、何度も何度も試したんだね……。
こんなに血塗れになって……。

子供の手に触れたリナルドの掌が、突然真っ赤に染まる。

……!
何だ、……どうして、俺の掌が血塗れになっているんだ?
え? 鍵、回してみろって?
回らないんだろ、それ?
……わかったわかった、やればいいんだろ。

がちゃ。

え? 動いた……。
……どういうことだ?

「それは光も差さないあなたの奥底へと続く扉の鍵。
 開ければ、あなたは二度と苦しまなくて済む。
 二度と、哀しまなくて済む」

ああ……違ったのか。
あの子は、俺なんかじゃなかった。
あの子……いや、あいつは……最初から俺の中にいた、闇へと導くものだったのか。

導くものが鍵に触れるリナルドの手に自分の手を添える。

そうか……あの日、お前が俺の鍵を隠したんだな。 この時のために。

「どうだか。 さあ、一緒に鍵を回しましょう」

嫌だね。
リーアの姿を借りたって、お前の言う通りにはならないぞ。

「この部屋の出口は、ここしか無いのに?
 もう、苦しむのはやめて欲しいの……」

導くものが鍵を回そうとする。 でも、動かない。

止せよ。
もう、お前は俺を捉えられない。
シュウジは鍵をくれなかった。
だけど、俺は鍵の在り処を見つけてしまった。

≪続く≫
>>149続き

リナルドの身体が明るく優しいライム色の輝きに包まれる。
鍵が戻り、そして砕かれ、導くものが吹き飛ばされた。
たちまち、扉が錆に覆われていく。

在り処……いや、それも違うんだ。 最初から鍵なんて無かった。
扉はただ、閉ざされていただけ。 この錆だらけの姿こそが真実。
……そうか、リーアはお前が寄越した眠りへの使者だったのか……。

「それがお前の導き出した本当の答えか……。
 でも何故? 何故自ら苦しもうとするんだ?」

大きな罪を犯した。
俺がリファニアを深く、深く傷付けた。
でも、リファニアは俺に答えを求めてくれている。
ならば、俺の取るべき道は、もう決まっている。
そう、これは苦しみなんかじゃない。
このささやかな贖罪は、きっと――。

リナルドが、輝きに包まれた左手を向けた。
導くものに、ノイズと共に無数の亀裂が生じる。

「こ、こんなことをしたって、お前の扉は――」

黙れ。

「もう一つの障害に――」

俺は、闇へと導かれはしない。
そこに希望……リファニアがいてくれる限りは。

導くものが粉々に砕け散った。 その向こう側に、ぼんやりと人影が浮かぶ。

ああ、リナルド=グレイス、理想の戦士……。
わたしに、こたえを……ください……。

こたえを示すことができるかどうかは、わからない。
俺の扉はまだ閉じたままだし、扉が開いてもそこにこたえがあるとは限らないからね。
だけど、それでも俺は、必ず君のもとへと辿り着く。
話をしたいと、思っているから。
共に歩んで行きたいと、願っているから。
守り抜きたいと、想っているから。
君が俺を求めてくれたように、俺も君を求めているから――

きっと、君が俺の扉を開いてくれる。
君と触れ合った時、扉を覆う錆は全部消えて無くなる。
確信があるんだ。

≪続く≫
>>150続き

そこに、赤紫色のイメージが入ってくる。
リファニアの影を包み、決して離そうとしない。

そう……あなたもまた、リファニアを求めているんだね……。
わかるよ。 俺もそうだから。
……けどね。
リファニアはリファニアのものだ。
アレンのものにはなれないし、あなたのものにもなれない。 当然、俺のものにも。
彼女は、彼女以外の人のものに“なれない”。
俺は彼女の(願わくば)友<フレンド>として、騎士<ナイト>として、梯子<ステップ>として、
そして、彼女を求めるもの<ファミリィ>としてここに立っている。
あなたがリファニアを求めるのなら、それはそれでいいさ。
俺だって彼女を求めてる。 同じなら、文句は言えない。
だけど、彼女をあなたに独占なんてさせやしない。
人の中には、他人が決して踏み込んではいけない“聖域”がある。
あなたの想いが、その独占欲が彼女と彼女の“聖域”を傷付ける可能性を持っているのなら、
俺はあなたを認めないし、許さない。

――リファニア、俺はここにいる。 ここにいるんだ。
  会いに来たんだ。 君が俺の意識を、心を感じてくれたから、ここまで来れたんだよ。
  時間はまだあるよ。 これからたくさん話をして、その上で君にとってベストの答えを見つけ出そう。
  リファニア。 可愛いリファニア。 愛しいリファニア。 俺は――

リナルドの身体を包む光が広がり、世界を照らす。
世界が次第に形を持ち始める。
世界にだんだん色が付いてゆく。
ジオラマのような世界が現実感を帯び、すぐにそれが現実となった。

≪続く≫
>>151続き

認識に遅れること数秒、意識が現実に帰還を果たす。
ちょうど、イブからの返信が耳に入った。

『勘違いしないで。
 この状況、身の証を立てるのは先ずそちらからというのが道理でしょう?
 得体の知れない人間をおいそれと受け入れられるほど、私たち、お人好しではないの。
 交渉に入る以前の問題よ』

(言われてみれば当然……だな)

「身の証……か。
 立てられるのかな……?
 俺、色んなものを落っことして、やっとここまで来たからな……」

虚ろな目のリナルドが口を開く。
その瞳はすぐに以前の光を取り戻し、声にも覇気が戻る。
ディスプレイには、艦長服を着た少……いや、青年が映った。

『初めまして、僕はダグラス=ロックウード。
 このムサイ型軽巡、ミョーコウの艦長を務めています。
 まずは、不戦の意思を表明してくれた事に感謝します。
 我々も無益な戦いは望みません。
 まあ、こんなゲームに有益な戦い等、一つも無い訳ですが……
 っと、話が逸れてしまいましたね。
 貴方がリファニアさんに用が有るのは解かりました。
 只、彼女が目を覚まさないことにはどうにも、
 先ほど、戦闘が終わったばかりで無理に起こすのもなんですし……。
 その上で、リファニアさんの仲間として、幾つか質問させて下さい。
 えっと、もちろん立場は同じ、50:50で。
 ……』

なかなか好印象な青年だ。 普通、なのだろう。
ディスプレイに映るダグラスに目を落とし、彼は言葉を紡ぎ出した。

「初めまして、艦長君……。
 そもそも、この戦場にいるのは見ず知らずの人間ばかり。
 それを考えると、何だか証を立てる方が難しいよな。
 ……俺は、どうすれば信じてもらえるんだ?
 俺の中にある偽りの無い気持ちを、どうすれば信じてもらえる?

 嘘を言ったり騙したりする気はさらさら無いが、答えたくないことだって無いわけじゃないから……。
 (特に、リファニアとの関係はね)
 ……その質問とやらに答えれば、信じてもらえるのかな?」

柔らかな微笑みと共に、後半のそれは何とか呑み込んだ。

“俺は、アレン=D=バディアンを殺した男だ”

リナルドが、最も答えたくない質問の答え。
だが、おそらくは聞かれるだろう。 リファニアとの関係を。
綺麗な人はまず間違い無く敵になる。
ダグラス……艦長君は、多分綺麗な人と意見を同じにするだろう。
リファニアは再び深く傷付く。 そんなことはまっぴら御免だ。
壁の人は……、わからない。 これ幸いとばかりに攻撃してくるかも。

しかし、それでも彼は、リファニアのためにここにいる。
【行動:精神世界発現(0)、シェラの意識に感応(0)、リファニアに呼び掛ける(0)、ダグラスに返信(0)】
【位置:T-11暗礁宙域】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MA形態・通信回線→ムサイ・サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(01番シュウジ)】
『落着けルイ!俺だ!アーネストだ!
 こっちから見えた!レイモンドを回収したんだな!?
 二人がけじゃ操縦もきついだろう!
 サーティアはやる気だ!一度退け!』

「えっ・・・・・・あーたん。
 なんであーたんがさーちんと・・・・・・」
思った言葉がそのまま口から出る。
頭の中がぐるぐると回っとる気がする。
ふと、視線をジャジャ馬の左手に向けると
おっさんがすでに手に乗っかってこっちを向いておった。
酷い出血や・・・・・・はよ手当てせんと。
今度はふとさーちんの方を向く。
その時丁度さーちんの緑のMSからミサイルみたいな弾頭が発射される。
うわっ。ヤヴァイ。
こういう場合は・・・・・・一番安全なのは撃った人の近くや。
そう思うと、まずは左手をジャジャ馬の胸に抱くようにやさしく寄せる。
そんで、外部マイクでおっさんに話かける。
「おっさん。ちと暴れるかもしれへんから落ちんように気いつけてや。」
そのままペダルを踏み込む。
タイヤが唸りをあげ加速し、ミサイルみたいなの弾頭を追い抜き
さーちんの緑のMSに迫る。

【行動 : 外部マイクで喋りっぱなしや (0) 急いで移動や (1)  残り3 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 左手を胸の前でやさしくおっさんを乗っけとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) なにがなんだか理解できへん 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 生きとるか?
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
155イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/30 11:30 ID:???
>145-146

ダグラスに通信席を譲るべく、愁林は一歩下がって少年の後ろに控えた。

『穏便に』

耳元で囁かれた言葉に小さく頷き、耳に掛かった髪をかき上げてモニターを見据える。
言葉と共に首筋に届いた息遣いがやけにくすぐったかったが、そんな事は無論おくびにも出さない。
シェラザードの名前が彼の口から出たとき、一瞬胸の奥がちくりとしたのも錯覚に過ぎない。
余裕を持ったポーカーフェイス。
それが、今の愁林の取るべき表情なのだから。
しっかりとした口調で応対する少年を頼もしく思いながら、彼女はそう自分に言い聞かせた。

また、頭痛。不思議と不快感は薄い。
限りなく薄まっていく絵の具のように、やがて頭痛も消え去っていく。

リナルド=グレイスという人物を見極めようと、夜の色の双眸が煌きを増した。

【行動:リナルド/シェラザードへ通信継続(-0)、ダグラスに席を譲る(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>146
ここで決めようと、そう決断したところで、それを待っていたかのようにダグラスから声をかけられた。
自分がどれぐらい自問自答を繰り返していたのか分からないが、
通信回線が繋ぎっぱなしだった以上、その間の自分の様子はミョーコウに丸わかりだったのかもしれない。
今まで自分がどんな顔をしていたのか聞きたくもあったが、流石に聞けなかった。

『……シェラさん、どうかしました?』

モニターに映るダグラスは、何も変わらない。
相変わらず健気で、お人好しで、甘くて、線の細い、可愛い艦長さんだ。
そして、彼に対する自分の評価も変わらない。
自分にとってのダグラスはダグラスのままで、その価値も味わいもそのままだ。

あなたがいたから、あたしはミョーコウに来たのよね。
あなたは素敵。あなたは可愛い。あなたは美味しい。あなたは気持ちいい。
あなたのことだけ考えていられたなら、それも幸せなことなのよね。

リファニアを肯定することはダグラスを否定することには繋がらない。
ダグラスを肯定することも、リファニアを否定することには繋がらない。
2人ともこの腕で抱きしめていたい。
右の胸はダグラスに、左の胸はリファニアに与えて、3人で何処までも気持ちよくなることが出来たら、
それはどんなに素晴らしいことだろう。
右手でダグラスを翻弄して、左手でリファニアを登り詰めさせることが出来たなら、
それはどんなに心地よいことだろう。
3人の唇を重ねて、舌を重ねて、全部重ねて、一つになることが出来たなら。
それはどんなに、どれほど、どうしようもないほど………

でも。

「………ん? あたしは何ともないわよ。
 こっちのことは気にせずに、あなたは彼の………グレイスさんのことに集中して頂戴」

シェラザードがダグラスにいつも見せている蠱惑的な笑みを浮かべ、ダグラスに応える。
正直な話、ダグラスに訴えたいことは色々とある。
自分はこの男と仲良くは出来そうにないこと。
リファニアを巡ってこの男とは徹底的に対立しそうなこと。
ミョーコウは今までのミョーコウでいて欲しいこと。
余計なものはいらないこと。

だが、今は多くを語る余裕がない。そうするべき時でもない。
今の自分は、ミョーコウの護衛。ダグラスは、ミョーコウの艦長。
彼我不明機を目の前にして、長話をすることが許される立場ではないから。

だから、あなたは考えて。一生懸命考えて。

「あなたが必要な判断を下すまで、あたしはミョーコウを護るから。
 外のことは心配しなくていいから、本当に必要なことだけ考えて。
 あなたはあたしの艦長。あたし達の艦長よ。あたしはあなたを、信じているわ」

ダグラスはこの招かれざる客を否定できないかもしれない。
見ず知らずのシェラザードを簡単に受け入れたように、
見ず知らずのリナルドを受け入れるかもしれない。
理由はともかく、この男は問答無用に戦闘には訴えなかった。交渉を望んでいるようだった。
ならば、彼はこの男を拒めないだろう。ここでの拒絶は、即座に戦闘に繋がりかねないから。
自分が艦長なら、護衛機に足止めを命じて艦を後退させるだろう。
出撃したサイコガンダムにアビゴルを牽制させ、合流ポイントを指示しておいてこの場を離れるだろう。
だが、ダグラスにそうすることは望めまい。ダグラスはダグラスだからだ。
他人を盾にしてミョーコウの安全を図るような真似は、お人好しの艦長には難しいだろうから。

「でも、何だか理由は分からないけど、彼、あたしがリファニアの側にいるのが気に入らないみたいね」

それでも最後にそう付け加えるのが、シェラザードという女だった。
そして指示通りにサイコガンダムを少し後退させ、火器の安全装置をかける………ふりをする。
ロックオンこそしないが、何かあれば即座に応戦可能な態勢は崩さない。
安全装置を先にかけるべきなのは、交渉を求めてきた方のはずだから。

>>148
自分の問いに男は答えなかった。
答えられなかったのか、答える必要を認めなかったのか、それは分からない。
ただ、この男はシェラザードを無視した。その事実だけが残る。

はい、あたしの中であなたは「礼儀知らずさん」に決まり。
礼儀を知らない人と積極的に仲良くしようとするほど、あたしは出来た人間ではないわ。

話しても無駄だと思えるならば、それはそれで構わない。
問答を無意味だと考えるのを、修正しようとは思わない。
だが、礼儀や形式というのは、人が人とどんな形であれ触れあう場合には、必要とされるものなのだ。
正面から話し合おうとする態度をきちんと見せることの意味や大切さを、この男は分かっているのだろうか。

確かにこの世界は何もかも以上よ。常識が礼儀が通用する状況ではないかもしれないわ。
でも、人は異常な事態だからこそ、日常に固執するものでもあるのよ。
そうすることで、自分自身が異常ではないと確認できるから。
自分は平静を保っていると、そう信じることが出来るから。
それを分かっていないのか、忘れているのであれば、あなたも所詮この世界の囚われ人ね。

理由は分からないし分かりたくもないが、この男はこの男なりにリファニアのことを心配しているらしい。
リファニアを護りたいと、取りあえずはそう思っているように思われる。
だが、護りたいと思うことと実際に護ることは、別種の問題だ。
この男が何を考えて何を望んでいようが、今のリファニアはこちらの仲間で、ミョーコウの一員だ。
リファニアを護るのはこちらであって、あちらではない。
リファニアの味方はシェラザードであって、この男は当面の敵ではないだけの存在なのだ。

白馬の王子や正義の騎士様の押し売りなら、いらないわよ。

それに、この男はどうしてリファニアを「護りたい」などと考えているのだろう。
「リファニアを殺したい」というのなら、まだ理屈として理解が出来る。
生徒全員による殺し合いが原則のこのゲームで刃を交わしているうちに、
特定の誰かに強い敵意や恨みを抱くことになる事態や出来事が発生する可能性はあるだろう。
「何が何でもあいつだけは自分が殺す」と思うことがあっても不思議ではない。

だが、その逆はあり得るのか。
あの男の接近を感知したとき、イブやダグラスの取った行動は、
少なくとも「味方機」の接近に対するものではなかった。
今までに発生したありとあらゆる事態が、
あの男がミョーコウにとって「初対面」の存在であるということを示している。
ダグラスとイブが知らない相手が、リファニアのことを知っていて、彼女を護りたいと思っている。
そんなことがあり得るのか? 

あまりに不自然だわ。

別のモニターに生徒名簿を呼び出し、生徒番号と名前を再確認する。
イブが3番。ダグラスが5番。リファニアが20番。自分が26番で最後。そしてあの男は15番。
おそらく番号はこの世界に放り込まれた順番だろう。
つまり、この世界で最も長い時間を過ごしているのがイブとダグラスで、
あの男とリファニアはそれよりも後にゲームに参加させられたことになる。

………でも、あたしがミョーコウに最初に来たとき、リファニアは既にミョーコウの一員だった。

ダグラスはともかくイブに仲間として信頼されるには、それなりの時間を共に過ごして
それなりの関係を築く必要があるだろう。
なら、リファニアは参加直後にミョーコウに加わったのではないか。
少なくとも、ミョーコウの一員ではなかった時間よりもそうである時間の方が長いのではないか。

だったら、リファニアはミョーコウと出会う前にあの男と出会い、その時に何かあって、
それであの男はリファニアを護りたいと思うようになったのかしら………?

だが、それも不自然だ。
リファニアの性格を考えると、彼女が一度「仲良く」なった相手を「捨てる」とは考えにくい。
仮にあの男に「護りたい」と思わせるようなことがあったなら、
その後もあの男と行動を共にするのが自然ではないのか。

でも、リファニアはミョーコウにいることを選んだのよね。

ダグラスとイブが知らなかった男。一方的にリファニアに好意を寄せる男。
………駄目だ、理由が思いつかない。
何故あの男がリファニアを護りたいと思うのか、理解できない。

それとも、ただのストーカーなのかしら。

今のところは、それが一番納得出来る結論かもしれなかった。

【行動:ダグラスと会話(0)、サイコガンダムを少し後退(0)、色々考える(0)】
【位置:T11】【行動値残り:4】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:この小さな完成された世界を護る、「優先順位」を決める】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス((?))、No.20・リファニア((?))】
「えっ・・・・・・あーたん。
 なんであーたんがさーちんと・・・・・・」

上からルイの驚いたような、呆然としたような声がする。
おそらくルイは今の状況を理解しきれていないのだろう。
無理もない。
ついさっきまで一緒にカレーを食べようとしていた人間同士が、殺し合いをしてい
るなんて俺もまだ信じられない部分がある。
ただもう一方ではこれを納得している自分もいる。
人間なんてほんの些細な出来事で変わってしまう。
ちょっとした言葉、ちょっとした仕草、ちょっとした行動。
人間の心は、弱い。
弱いからこそそれを補う為に群れ、そして群れるからこそ、その中に疑心暗鬼を生
みまた1人になっていく。

十人十色という諺がある。
人間は1人1人が違う色をもった個だ。
しかし違う色を持つ複数の人間が集まった時、自分の色と無理なく混ざりあえる色
を持った人間はほんの僅かだろう。
そしてその中にはどんな色とも混じりあえない、色を持った人間も必ずいる。
それがサーティアだったとは断言できないが、少なくとも同盟提唱者として俺達の
色と混ざり合う為に苦労していた事は確かだろう。
そういう意味ではサーティアが変わったのは、必然だったのか。
彼女は俺達と混ざり自分の色を無くすよりかは、敢えて1人になり自分の色だけで
生きていくのを選んだのかもしれない。
それもまた、サーティアの後悔しない生き方なのだろう。

「おっさん。ちと暴れるかもしれへんから落ちんように気いつけてや。」

またルイの声が聞こえ、MSが俺を胸に抱くような動きを見せる。
今の俺にはもうできる事はない。
いや…あるとすれば、ルイを信じる事。
それだけだ。

そしてタイヤが動きだし、俺はそのGに負けないよう歯を食いしばった。

【行動:手の中で我慢(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
160補佐官 ◆ooE1auhXS6 :04/03/30 13:45 ID:???
第九章 >159 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□□□□■◎◎■□■■◎□□■■■■■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎■■■■◎□□□□□□■■■■※
03■□□□□□◎□◎□□■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎□□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼07◎□◎□■◎■■□□□◎□□□□◎□□◎
06■□◎□□□□□◎◎◎10□□□◎□□□□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎□◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□□□◎〓□□◎□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□◎□□□□◎□□◎□□□□※□※◎□■■   〓:コロニー
10◎■◎■■□□□◎□□□□□◎□□□※◎◎◎※□□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□03◎※□□■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■■■◎□□□□□◎■■■◎■□□□□□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□■◎■□■□■◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14■■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎■◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■■■□□▼□□□□■□□□◎□□□□■◎■◎■
16■□■■□□□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□□■□□□□◎□□□◎■■□□□□01≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□■■◎◎□□□□□□□□◎□□◎
19□◎□□◎□■□□◎□■■■■□◎□□□□◎▼□□□
20□□□□□◎□□◎□◎□■□◎□□◎□□□▼▼□□□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※※□□◎□◎□▼▼▼◎□□
22■□◎□□□◎◎◎※※※◎□□□□□□◎▼◎◎▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□□◎□◎▼▼□◎□
24※■■◎□□□□■◎□※◎■■■□◎□◎□□□□□■

01・06・08・19は同一地点。03・05・15・20・26は同一地点。07・11・14・21・25は同一地点。
03・05はムサイ級戦艦に搭乗。03・05・26の機体はムサイに収容。
乗り手不在のゴトラタンもムサイに収容。
02・04・09・12・13・16・17・18・22・23・24死亡。
>>140-144
リファニアを包むシェラザード。
いや、彼女は本当に、リファニアを包んでいるのだろうか。
怯え、震え、求め……。
まるでリファニアに縋りつくような彼女の心が、伝わってくる。

……重い……。

今まで、シェラザードを重いと感じた事など、なかった。
シェラザードは、リファニアが自分を保てなくなってしまいそうになる度に―――。
リファニアを優しく……包み込んでくれたから。
アレン亡きいま、シェラザードの存在が、間違いなくリファニアの安らぎの源だったから。

……でも、重い……。

シェラザードは、リファニアに答えをくれる存在ではないからかもしれない。
答えを導き出そうと、前へ進もうと必死で足掻くリファニアに、足掻くことを忘れさせるような存在なのだ。
……今まではそれで良かったのかも知れない。
リファニアの前にも後ろにも、道はあったから。たとえそれが、途中で途切れてしまう道であっても。
だが、今は……。
リファニアの後ろに、道はない。後戻りする為の道は……崩れ去ってしまった。

リファニアを、鎖が縛ろうとする。足を踏み出そうと思っても……踏み出す事は、かなわない。

>>148-153
そんなリファニアに、リナルドの意識が触れる。
彼の心を覆わんとする闇と戦うリナルド。
そしてリナルドは、自らその闇を打ち払う。
きっかけとなったのは、リファニアの存在なのかも知れない。
だが、勝利したのは他でもない、リナルド自身だった。

……私は、闇に負けそうになった。
一人では、乗り越えられなかった。
だからこそ、私は……あなたに答えを、求めるの。
リナルド=グレイス……。私を、鍛えて……。
『リファニアはリファニアのものだ。
 アレンのものにはなれないし、あなたのものにもなれない。 当然、俺のものにも。
 彼女は、彼女以外の人のものに“なれない”。』

そのリナルドの言葉に……リファニアを縛る鎖が……次第に断ち切れていく。
思い出される、愛しき人の言葉。

『………リファニア、俺様の名前はなんだ?
 俺様はスーパースター、アレン=D=バディアンなんだぜ?
 君を死なせる事も、イブもダグラスも死なせる事もしねーさ、ヒーローだからな。』

ふふっ、そうだったね、私のヒーロー。
アレンの全てを見届けた私は、アレンの輝きを、受け継いだんだもんね。

私自身の、確固たる意志のもとにね。

……私の道は、もう決まっている。ただ、忘れていた、だけ。
リナルドさん、あなたの言葉が……気づかせてくれた。

――リファニア、俺はここにいる。 ここにいるんだ。
  会いに来たんだ。 君が俺の意識を、心を感じてくれたから、ここまで来れたんだよ。
  時間はまだあるよ。 これからたくさん話をして、その上で君にとってベストの答えを見つけ出そう。
  リファニア。 可愛いリファニア。 愛しいリファニア。 俺は――

リナルドさん。答えは……見つかりそうだよ。
あなたの言葉がきっかけになって、私の中のアレンが、教えてくれた。
でも、それをより確かなものにする為には……もう少し、言葉を交わす必要がありそう。
お互いに顔をみて、しっかりと、ね。

そして、私の言葉を求めている人が、私に触れている。
……さあ、私。しっかりと、答えてあげなきゃ駄目だよ。
その口で紡いだ、言葉でもって。

言葉は意志。言葉は力。言葉は―――。
「………ン……。」
リファニアの瞳が、開かれる。
開かれた瞳に宿るは、強固な意志。決意の、輝き。

澄んだブルーの瞳が、シェラザードを見つめる。
リファニアを求め過ぎるが故に、リファニアを縛ろうとする意志を、彼女に感じる。
静かに口を開くリファニア。その声は穏やかであったが……決して揺るがぬ何かが、込められている。

「シェラザード=ビンス=マクファーソン……。
 私は、誰のものでもない。私は私、リファニア=ニールセン。
 誰も私を縛る事など、できやしないの。
 あなたにも……リナルドさんにも……アレンにだって……私は、縛られない。
 シェラさん、人は完全に誰かのものになってしまったら……。
 その人はその人自身で居られなくなってしまうの。
 ……特に私はね、弱いから。
 あなたはそうなってしまった私に……。
 人形になってしまった私に、価値を見出すことなんて、出来ないでしょう……?」

私がシェラさんだけを見つめ続けるという事は……。
私が止まる事を、意味する。私は、止まれない。止まってしまったら、否定する事になる。
出会いを……受け継いだものを。
それは、今の私自身をも否定する事に、つながるのだ。
今更リセットする時間は、ない。
私は、乗り越えなければならない。
大きな壁を、今までよりも遥かに大きな壁を……。

「でもね、シェラさん。」

リファニアはコンソールを操作して、艦外とつながっている通信回線の映像を、カットした。
そして、瞳に優しい光を灯しながら、シェラの顔を見つめる。
そして優しく微笑みながら、顔を近づけ―――。
シェラの唇に自らの唇を、重ねた。
自分よりも大柄なシェラを、包み込むように抱きながら、時にその頭を優しく撫でながら―――。
―――唇を、重ねあう。

暫しの後に、唇をシェラから離し、シェラの耳に囁くように、語りかける。

「あなたは一人じゃない。
 あなたが私を求める時……私はあなたを拒みはしない。
 包んであげる、優しく、包んであげる。
 あなたが私にそうしてくれたように……私もあなたにそうしてあげる。」

言葉の後に、今度は頬に軽くキスして、唇を離す。

「……私自身が、そう望むから。」

鎖が……崩壊した。
シェラから身体を離すリファニア。
コンソールを再び操作し、映像を回復させると、ミョーコウのブリッジに居る、ダグラスの顔を見る。
……明らかに、やつれている。ごめんね、ダグラス君。気苦労ばかり、かけちゃっているね。
そう、心の中で謝りつつも、口から出た言葉は、彼に決断を迫るものだった。

「艦長。私は、リナルド=グレイスの受け入れを希望します。
 彼は、スタンリーとは、違う。私は戦士としての彼を知っているから……わかるよ。
 もし、受け入れてくれないのならば……私はミョーコウを、降りる事になるかもしれない。
 そうならない事を……願います。」

……たとえそうなったとしても、私はミョーコウを捨てる訳じゃない。
ミョーコウを胸に抱いたまま、戦い続けるの。
そして、護ってみせる。あなたたちに明日を……みせてあげる。

心の中でそう呟いたリファニア。
モニターの向こうのリナルドを見て、その瞳をしっかりと見据えた。
彼の瞳に宿る決意の光を確認し、口をひらく。

「リナルド=グレイス。
 あなたがここに来る為に、どれほどの覚悟を要したのか、私には誰よりもよくわかる。
 ようこそ、リナルド=グレイス。私の剣になることを、望むもの。
 ……な〜んて、ちょっとかっこつけすぎかな?」

言葉の終わりと共に、にっこりと微笑むリファニア。
……あなたの想いに応えてあげられるかどうかは、まだわからない……。
あなたと交わした言葉は……まだ、少ないもの。
けどね、あなたが共に歩むべき戦士だという事は……確かだよ。

そんな事を考えていると……。

くぅ〜〜〜〜〜〜〜。

あろうことか、こんなタイミングでお腹から可愛い音が、鳴った。しかも、長々と。
……当たり前か。結局、スタンリーの襲撃で、何も食べていないんだもんね。

「シェラさん、お料理の約束……憶えているよね?
 ……ミョーコウに戻ったら、一緒につくろうね?」

そうだ、リナルドさんの歓迎会を兼ねよっか。
……ミョーコウは、受け入れてくれるよね、きっと。

【行動 : 目覚め(0)、リナルドとの通信継続中(0)、ミョーコウ艦橋との通信継続中(0)
      映像カット(-1)、シェラにくちづけ(0)、映像回復(-1)、残2 】
【位置 : T-11(サイコのコックピット) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』 】
【同盟 : 03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン
      (15 リナルド=グレイス) 】
>>161-164
いつの間にか、忘れていたのかもしれない。目をそらしていたのかもしれない。
世界とはこういうものだということを。現実とはそのようなものであるということから。
あるいは、気づきたくなかっただけかもしれない。
夢の世界に浸りきっていた故に、
朝が来たと分かっていながら無理矢理目を閉じたままでいようとしていたのかもしれなかった。

リファニアの視線。
リファニアの言葉。
リファニアの唇。
その全てが、そうであることを告げている。

リファニアはあの男を見ている。
リファニアはあの男に話しかけている。
リファニアはあの男を必要としている。
リファニアはあの男を選んでいる。

シェラザードは何も言わなかった。唇を閉じたまま、自分を取り巻く世界を見つめていた。
その赤茶色の瞳に、モニターに映る男に話しかけているリファニアの姿が映っている。
自分が否定しようとした男を受け入れようとする、少女の姿。
シェラザードが求め、すがろうとした、可憐な少女。

何かがとても、遠かった。

長いとも短いとも言えない間沈黙を保った後、シェラザードはゆっくりと口を開いた。
その唇からこぼれるのは、いかにもシェラザードらしい口調で語られる、シェラザードの声。
以前と何も変わらない、シェラザードの言葉だった。

「………ごめんなさい、リファニア。あたしはあなたにとって重かったのね」

リファニアを抱いていた腕の力を抜く。少女に息苦しさを感じさせないために。

「あたしの我が儘であなたに迷惑をかけてしまっていたわ。
 ………年上なのに、情けないところを見せてしまったわね。面目ない、って言うのかしら。
 これからは気をつけるから、出来れば見捨てないでいて欲しいのだけれど、ダメ?」

シェラザードは微笑む。何故なら、シェラザードは美しい存在が好きだから。
可愛いものを愛するから。そして、リファニアは美しくて、可愛いから。

「約束も、もちろん憶えているわよ。
 だってあなたが料理を教えてくれるのだもの。忘れるはずがないわ。
 あたしはあなたの生徒だから、先生の言うことはちゃんと聞くわよ」

もう一度微笑むと、コントロールレバーから手を離す。

「このコを勝手に借りていたけど、あなたに返すわ。
 このコもやっぱりあなたの方が好きですって。年増の女は趣味じゃないみたい」

一瞬、サイコミュの波動が脳髄を直接刺激した。
やはりそれに一瞬で応えると、シェラザードは胸の中の何かを吐き出すように息をついた。

「………キュベレイに浮気者って怒られそう。戻ったら、あのコの世話をしてあげないとね」


リファニア、一つ、教えておいてあげる。
唇にするキスはね、お互いに目を閉じてするものよ。
楽園は失われた。
シェラザードは何も変わらなかった。
全てが最初に戻った、それだけだった。

【行動:決断(0)、リファニアと会話(0)、サイコのコントロールを返す(0)、サイコミュの波動に応答?(1)】
【位置:T11】【行動値残り:3】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:最初に戻る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
167アーネスト・マンソン:04/03/30 19:56 ID:GiFwNqq+
IDチェックですよ?
168アーネスト・マンソン:04/03/30 20:08 ID:GiFwNqq+
 三角蹴り・・・・・・空間機動って物がわかってるじゃないかサーティア!
「サーティア!去りたいと言うならこれ以上追うつもりはない!
 だが所以がわからない!せめて決断の理由ぐらい聞かせてもらおうか!
 ここに居る全員が全員、偶然とはいえまとまってるのは君の言葉によってだ!
全員を見捨てるんなら、当然それなりの理由があってのことだろう!?」
 全周囲レーザー通信を実行しながら、サーティアのMSの動作に気づく。
 マルチランチャーを使うつもりのようだな・・・・・・
 ターゲットは・・・・・・ルイか!
 糞・・・・・・ッ!
 一か八か。 
 機体を全速で突進させる。ルイのMSとサーティアのMSの間に割り込む為に。
 その間にナックルバスターを再起動。
 砲身角を材料にランチャー弾の弾道をIMPACに計算させ、照準させる。
 射撃はオートモード。俺が見てからトリガーを引いたんじゃ間に合わない。
 射撃動作に入った瞬間が勝負どき・・・・・・
 破片が散るのもまずい、レイモンドはまだ機体の外だ・・・・・・
ランチャーの弾は一撃で蒸発させる!
 ランチャーの弾丸が、見えた、気がした。
 ナックルバスターから、強烈な閃光を伴いビームが放たれる。
 
 ・・・・・・南無三!
 
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 ワイヤーホーク×1(右手)、スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:サーティアとルイの間に割り込み(−1)通信・無差別通信(−1)射撃、目標ランチャー弾(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】
169サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/03/30 20:41 ID:fTVsXh6R
ちぇっく。
170サーティア=クワン ◆Y9kguUm6vs :04/03/30 20:50 ID:fTVsXh6R
 ルイ、まだ、追うつもり!?

「…っこいのよォ!」

 あのタイヤは撃破するのは難しいわ。
 やるなら中身。
 Rジャジャさえ何とかしてしまえば……

「タイヤ恐れるに足らず!」

 なら、撃破の方法。質量兵器で満場一致!
 近くに有った操作クレーンを根元から掴んで、無理やり外す。

『サーティア!去りたいと言うならこれ以上追うつもりはない!
 だが所以がわからない!せめて決断の理由ぐらい聞かせてもらおうか!
 ここに居る全員が全員、偶然とはいえまとまってるのは君の言葉によってだ!
 全員を見捨てるんなら、当然それなりの理由があってのことだろう!?』

「ルイに聞けば良いじゃない!
 命は平等っ!
 ならっ、私はリオンを…… リオンを殺らしぇはしない!」

 ルイのジャジャを見る。
 クレーンの先に付いているのは、巨大なコンテナ。
 質量は十分。つまりは、破壊力は十分っ

「…っつォべぇ!」

 ……目で見て瞬時に行う判断。それよりも早く、体が動く。

 コンテナを振り回す。
 チェーンが激しい音を掻き立てて、こすれる。
 ただ、なんとなく、狙いをつける事も無く、本能的に。

 一回転! そして一直線よっ!


【行動 : クレーン奪取(−1) クレーン+コンテナでルイを攻撃(−1) 】
【残り : 2P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き) 作業用クレーン+大型コンテナ】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
>>161-164
彼の頭に、再び、リファニアの声が届く。

リナルドさん。答えは……見つかりそうだよ。
あなたの言葉がきっかけになって、私の中のアレンが、教えてくれた。
でも、それをより確かなものにする為には……もう少し、言葉を交わす必要がありそう。
お互いに顔をみて、しっかりと、ね。

「ああ……、そうだな。
 この扉も……」

自分の胸に手を置いてみる。

「……扉は開く。 必ず開く。
 君と言葉を交わして、俺の手で開いてみせるさ」

リファニアが目を開く。
彼女の目に、確かな意思が宿る。

すると、ディスプレイの表示がSound Onlyになった。
その向こう側からリファニアと壁の人の声が聞こえてくる。

(何だろう、拒絶感っていうのかな?
 そういう壁となる意思が、変わっていく……)

やがて映像が戻り、リファニアがその姿を見せた。

『艦長。私は、リナルド=グレイスの受け入れを希望します。
 彼は、スタンリーとは、違う。私は戦士としての彼を知っているから……わかるよ。
 もし、受け入れてくれないのならば……私はミョーコウを、降りる事になるかもしれない。
 そうならない事を……願います』

ああ、リファニア、ありがとう。
でも、艦長君たちは俺に訊きたいことがあるそうだ。
おそらくその質問は、再び君を傷付ける……。
その質問が来ないことを、祈るしかないのかな?
それとも、君が顔を上げたように、俺も立ち向かっていくべきなのかな?
君は後者を推すんだろうね、きっと。

そんなことを考えていると、ディスプレイのリファニアが彼を瞳を射抜く。
久し振りに聞く彼女の肉声は、確かな成長を感じさせる力強さがあった。

『リナルド=グレイス。
 あなたがここに来る為に、どれほどの覚悟を要したのか、私には誰よりもよくわかる。
 ようこそ、リナルド=グレイス。私の剣になることを、望むもの。
 ……な〜んて、ちょっとかっこつけすぎかな?』

フッ、と表情に笑みを持ち、彼は彼女に言葉を返す。

「いいや、最高にクールだね。
 でも、それに付け加えるなら……。
 俺は君の敵を討つ剣<ソード>にも、全ての敵意から君を守る楯<シールド>にもなる。
 ま、そういうことだ。
 ……何だよ、俺の方が格好つけてるじゃないか」

わかっている。
共に歩みながらでいい。 君のペースで行こう。

≪続く≫
>>171続き

すると。

くぅ〜〜〜〜〜〜〜。

何とも気の抜ける音がした。
ハイスクールでも、クラスの奴がよく昼休み前に鳴らしていたっけ。

「ぷっ……、〜〜!」

不思議と自然に笑えた。
表情が自然と笑いの形を取った。
でも、何とか大笑いするのは避けた。
満たされている故、だろうか。
だから何なのだろう。 リファニアに失礼ではないか。

「あ、いやっ、ごめん……。
 久し振りに、そういう音、聞いたから……(くくっ)」

全然フォローになってない、と自分で自分に突っ込んでみる。
あの人に通信返すの忘れてたし……、全く、最近の俺はレディに失礼だな。

彼は笑顔を崩さず、笑いだけを呑み込む。
大丈夫。 決してバカにしていたんじゃないんだ。
リファニアは怒ったりしないよ。

ここに来て良かった、と思える思い出ができた。
後は艦長君の質問に答えるだけ。

【行動:リファニアと通信(0)】
【位置:T-11戦場跡】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MA形態・通信回線→ムサイ・サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアのもとへ】
【同盟:(20番リファニア 01番シュウジ)】
173ルイ・フィルセント ◆nkg.2sWI0U :04/03/30 21:19 ID:TIOVa7g9
IDチェックや!!
174シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/03/30 21:40 ID:???
──ビギナ・ギナコックピット内──
「……。」
〔よく食べますね……。〕
「そりゃぁ……いつだっけ?前に食事したのは。
 ……検索はしなくてもいいぞ?それよりも……。」
〔?〕

ノートパソコンをゼファーの横に置き、コードを繋ぐ。
「計画追加データを入れておいた。ダウンロードしておけ。」
〔了解。〕
「確かティーチャーは出掛けてるんだったな……。定期放送がないが……。」
〔はい。そうです。しかし、マップの更新はされています。〕
「帰ってくると……一気に増えそうだな。禁止区域。」
〔その可能性は高いです。
 ……DL完了しました。〕
「さて……後2体……あ、3体か。さっさと済ませるか……。」

【行動:飯(゚д゚)ウマ-(−1)計画追加データDL(−1)】
【残り行動値:2p】
【位置:S−17 コロニー格納庫 ビギナギナコックピット内】
【機体状況 :レーダー不調? 通信ヨーコ⇔シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み)】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化  ……】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
さーちんの緑のMSが近くにあった
大きなコンテナの付いたクレーンを強引にボキッっともぎ取る。
それをぐるんと回転させ投げてくる。
標的は・・・・・・アタシ?
えーい、間に合うやろか。
ジャジャ馬を強引に右の方へ体を振り過重を移動させる。
バイクで言うハングオン状態になる。
タイヤの左のほうがちゅうに浮き、右の方へ過重が偏り右へ
軌道が逸れて行く。
昔からアタシは何か乗り物に乗るとすぐに乗りこなせた。
なんとなくやけど、その乗り物の動きが分かった。
どう動かせばどう動くかもなんとなくで分かる。
そやから今回もイケルという勘を信じる!!
案の定コンテナとクレーンの軌道から外れて避ける事が・・・・・・
ちょっとだけ間に合わんかもしれへん(汗
こうなれば、さらに加速や!!
その状態のままで更にタイヤの回転速度が上がる。
そして、コンテナの端っことタイヤの左の端っこが接触。
だが、ものすごい回転のタイヤがそれを弾き、軌道を変えて
更に加速させて後ろナナメの壁に弾き出す。
ドカンッっと大きな音。は、ジャジャ馬の中じゃ聞こえへんけど
すごい事にはなってそうや(汗
とりあえず、左にまた体を振り過重を元に戻す。
タイヤが床に付く。
あ、このままさーちんを追いかけるか。
血達磨のおっさんの手当てが先か・・・・・・
考えるまでもあらへん。
タイヤの回転方向を変えて、急ブレーキにしてその場に止まる。
そんときに通信が入ってきよった。
>>156-157
シェラはいつも通りの反応を示した。
こちらには話を進めるようには言ってきたものの、
最後の一言がどうも気になった。
むしろ、僕はシェラの気持ちを知りたかった。
クルーとして、この来客をどう思っているのか。
だが、そんな事聞ける訳も無く、彼女もこれ以上言葉を続ける気は無いだろう。

>>152
僕の事を艦長君≠ニ呼んだ彼。
……面白い呼び方するんだな。少し、心の中で笑った。
それはともかく、質問の了承は一応取れたようだ。
果たして、彼はこの質問にどう返してくるだろうか?

「勿論、嫌なら答えなくても結構ですよ。
 では……リナルドさん、アレ……」

>>163
『………ン……。』

リファニアが目を覚ます。
マズイ。吐き出そうとしていた質問を、咄嗟に口の中へ押し戻した。
彼女の前で、アレンの事を聞くのは、気まずいと思ったからだ。
……それで、肝心の質問はどうしよう……。
今更、『やっぱりいいです。』なんて答えるわけにも行かない。
舟はもう沖へ出てしまったのだ。

と、一方、目を覚ましたリファニアは……。
彼女とシェラとの会話は小さくて聞き取れないが、
その行動は、僕の動きを止めるのに十分だった。
僕はソレ≠唖然と傍観する事しか出来なかった。

『艦長。私は、リナルド=グレイスの受け入れを希望します。
 彼は、スタンリーとは、違う。私は戦士としての彼を知っているから……わかるよ。
 もし、受け入れてくれないのならば……私はミョーコウを、降りる事になるかもしれない。
 そうならない事を……願います。』

シェラとの絡みを解いた彼女は、僕に申告する。

「えっと、えーと……う、うーん?」

回答に困る僕。僕の質問とさっきの光景、リファニアの言葉らが混ざり合い、
僕の思考を邪魔し、やたら掻き乱していた。

どうしよう、なんて答えようか、なんて答えようか……。
言葉が出ないまま、焦りだけが募る。

と、その時。
くぅ〜〜〜〜〜〜〜。
通信を介してもハッキリ解かる、リファニアの腹の虫の音色。
刹那的に閃いた。

「あっ、あれ、アレです。
 リナルドさん、お腹減ってませんか?
 いや、僕達も食事を久しく取っていない物で……。
 ここで信用するだのしないだの、結論を急ぐのも何ですし、一緒に食事でもどうですか?
 まだお互いに知りたい所は有ると思いますし。
 我々に向かって引き金を引かない≠アれだけを守って下されば、僕は貴方を歓迎します。」
必死に思いつきを並べ、とにかくまくし立てた。
後ろの人影は、友軍機のモニタに映る二人は、コレをどう思っている事か……。
僕は顔で笑っていたが、心では余りの情けなさに泣いていた。

【行動:質問(-0)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:4p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:大丈夫だよー】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む この宙域からの離脱 リナルドへの質問、どうしよう……。】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
『そっちの状況はどうなってる?
 あのMS達は何をしているんだ?
 パイロットはサーティアとアーネスト何だろ?
 お前の指示をくれ、今俺がそちらに向かっても
 状況がわからなければ余計混乱する。』

「ア、アタシもようワカラヘン。
 さーちんがさーちんでなくなってもうて
 あーたんとさーちんが格納庫で暴れておって
 おっさんが血達磨で・・・・・・
 指示ゆうてもアタシにも何にもワカラナイ!!」
べるべるの声を聞いて、状況を考えたらまた涙出てきよった。

【行動 : 回避〜!! (1) 半泣状態で返信してもうた (1)  残り1 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 左手を胸の前でやさしくおっさんを乗っけとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 半泣き 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん 生きとるか?
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
179アーネスト・マンソン:04/03/30 22:55 ID:???
「ルイは何もわかってない様に見えるんだけどね!」
 叫ぶ。あんなに振りまわされては・・・・・・レイモンドが持たない。
慈善家になるつもりはないが、奴が死んでは面倒が増える!
「いい加減に落着け!!」
 さけびつつ・・・・・・サーティアのMS目掛け、とび蹴りを
放つ。
 空中を飛びながら、ガンイージの動きを見・・・・・
 足裏部に装備されたビーム砲のトリガーを引く。
 狙うは胸部。
 ジェネレータだのコクピットだのを打ち抜かないよう、
願うばかりだ・・・・・・・。
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:とび蹴りと見せ掛けて脚部メガ粒子砲発射(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】

180イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/30 23:29 ID:???
>176-177
すっとダグラスの隣に身を進め、笑みを湛える少年の横顔に眼差しを送る。

―――背伸びはできる範囲ですれば良いのよ。気落ちするのは仕方ないけれど、ね。

この場では敢えて言葉にはせず、支える想いだけを黒い瞳に語らせる。
そして小さく頷いて見せてから、愁林はリナルドらを大写しにするモニターと向き合った。
リファニアは、恥じらいの中にも見違えるような凛々しさを帯びて、ダグラスを見つめている。
その様子から、彼女自身が煩悶を乗り越えた事は愁林にも容易に察しがついた。
―――一方。
シェラザードの見せる表情に、一瞬だけ感じた微妙な違和感。
すぐに消えたソレを深く気に留める事もせず、もう一度ダグラスへと顔を向ける。

「私も艦長の決定に異存は無いわ―――でも、体に無理をさせてはダメよ」

改めて同意する旨を伝えてから、最後にマイクが拾えないぐらいの小さな声で自愛するよう念を押し。
愁林は半歩下がって少年艦長の傍らに控えた。
パートナーは両手を繋ぐ必要など無い。
片手だけしっかり繋いでおけば、お互いちゃんと立って歩けるのだから。

―――でも、弱音を吐きたくなったらいつでも繋いだ手を引き寄せなさい。受け止めてあげるから。

それが、愁林の彼に対するスタンス。
181イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/03/30 23:30 ID:???
【行動:リナルド/シェラザード/リファニアへ通信継続(-0)、異議なし!(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
『ア、アタシもようワカラヘン。
 さーちんがさーちんでなくなってもうて
 あーたんとさーちんが格納庫で暴れておって
 おっさんが血達磨で・・・・・・
 指示ゆうてもアタシにも何にもワカラナイ!!』

「ちっ、やっぱ直接行くしかないか。」

ここに留まっていてもどうにもならないので
もうサーティア達の居るの格納庫へ向かおうとするが
格納庫のシャッターがしまっていて出るに出られなかった。

(仕方がない。こいつの性能を実験代わりに使ってみるか?)

ぺズ・バタラの縦中央部からビームアックスが展開される
スラスターを全開でそのままシャッターに突撃した。
コクピット内に震動が走るがどうやらシャッターを突き破れたらしい。
後はもう一つの格納庫を探すことだが
サーティア達の居る格納庫の大体の位置は確認してあったので
見つけるのには苦労しなかった。

ビームアックスを展開したまま同じように
シャッターを突き破り格納庫内に入った。

そして、暴れていたニ体のMSに通信を入れる。

「サーティア!
 アーネスト!
 直ちに戦闘行為を止めろ、無駄な殺し合いは好かない。
 事のいきさつは解らんがこのまま戦闘行為を続けるのであれば
 ―――――――――――全身全霊を持ってお前達を止めるぞ。」

【行動:シャッターを突き破る[2回ほど](-2)移動(-1)通信(-1)】
【残り行動値:0】
【位置:F-05(格納庫)】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つけるand戦闘行為を止める】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
>>176-177
予想通り………希望には反して………ダグラスはリナルドを受け入れた。
この状況ではあまりにも平和的に過ぎる「会食」という形での交渉が提示される。
つまり、食事を共にすることで、リナルドはミョーコウの一員になると言うことか。
彼を喜んで迎え入れる気にはなれないことには変わりがない。
だが、強く拒絶する気にもならない。ダグラスが決めたことだから、それでいいとすら思えた。

艦長の決断に、乗組員が異を唱えるわけにもいかないし、ね。

自分の膝の上のリファニアと、モニターの中のリナルドは、
まるで気心の知れた親友のように………あるいは恋人候補同士のように、
親しい様子を隠そうともせずに会話を続けている。
それを映画でも見ているように眺めながら、ふと、ダグラスのことが気になった。

そういえば、ダグラスとはしばらくまともに話をしていないわね。

リナルドとは別の画面の中で、泣き顔と大差ないように見える笑顔を浮かべているダグラス。
その彼と最後に話したのは、一体何時のことだっただろうか。

スタンリーの罠をどうにか切り抜けて、この暗礁宙域に休憩するために来て。
二人で話をしたいと彼を誘って、彼が場所を艦橋に指定して、15分で慌てて準備を整えて。

………アレは、気持ちよかったわ。

彼を思うがままに貪って、彼の思うがままに貪らせて、二人で何処までも快楽に溺れようとして。
鍵をかけ忘れていたせいで、イブに邪魔をされて。

それ以来、かしら。

考えてみれば、その後自分はリファニアにかかりっきりだった。
イブに悪戯を仕掛けて………その結果は結局分からずじまいだったけれど………から、
自分は今までずっとリファニアと一緒に時間を過ごしてきた。
ダグラスとはろくに話しもせず、まともに顔を合わせることすらなく、ここまで来てしまった気がする。

自分がリファニアとずっと一緒だったように、ダグラスはずっとイブと一緒だった。
初めて会ったときから姉弟以上恋人未満だったような彼と彼女は、
自分の知らないところでどんな話をして、どのように時間を共にしてきたのだろうか。
相変わらずのままなのだろうか。それとも、関係をさらに進めて深めたのだろうか。

ダグラス。
あたしがここにいることを決めた理由。
あたしがこの世界に来てから、あたしを直接に一番気持ちよくしてくれた男。
ただ一人、あたしと心と体を重ねたひと。

まだ、間に合うのだろうか。
自分の居場所はあるのだろうか。
入り込む隙は、重なることが出来る余裕は残っているのだろうか。
遅すぎると言われても、手遅れだとはねつけられても、文句は言えないかもしれないけれど。

………ごめんなさい、ダグラス。あたしはあなたをあまりにも疎かにしていたみたい。
「艦長………ダグラス」

久しぶりにその名前を口にしてみる。
自分の声が唇を震えさせ………その振動が、響きが、妙に心地よかった。

「あたし達が外にいる必要はなさそうね。彼と、リナルドと一緒に、ミョーコウに戻るわ」

ダグラスに微笑んで見せながら、リファニアの肩にそっと触れる。

「戻りましょう、リファニア。ダグラスは彼と一緒に食事をしたいって言ってるから」

リファニアは相変わらず温かい。その感触は、気持ちいい。
だが、シェラザードの目はダグラスから離れようとしなかった。

【行動:ダグラスと話す(0)、リファニアと話す(0)】
【位置:T11】【行動値残り:3】
【機体状況:サイコガンダムMk-U:表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MS形態】
【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ+リファニアと一緒】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:最初に戻る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
>>176
さて、リファニアと共にいるあの人に何と言って詫びようか……。
艦長君の質問も、何かうやむやになりかけているしな……。

彼がそれを考えようとした時、ムサイ級から通信が入った。

『あっ、あれ、アレです。
 リナルドさん、お腹減ってませんか?
 いや、僕達も食事を久しく取っていない物で……。
 ここで信用するだのしないだの、結論を急ぐのも何ですし、一緒に食事でもどうですか?
 まだお互いに知りたい所は有ると思いますし。
 我々に向かって引き金を引かない≠アれだけを守って下されば、僕は貴方を歓迎します』

(艦長君は何を取り繕っているんだ?
 それに、彼は何かがおかしい気もする……)

それが何か、判断がつかないのがもどかしいけれど。

>>180
そんな艦長君の隣に綺麗な人が進み出て、意見を告げる。

『私も艦長の決定に異存は無いわ――……』

(何だ? 今の唇の動きは……。
 『でも』『無理を』……?
 何にせよ、艦長君は何かしら無理をしているんだな……)

別にこちらにだって異議は無い。
そんなものは最初から持ち合わせていない。

「俺にも異議は無い。
 とりたてて腹が減っているわけじゃないけど、一緒に食事をする分には構わないよ。
 それに、俺には君たちに銃を向けて引き金を引く理由なんて無い。
 そんなことをすれば、リファニアは傷付き、悲しむだけだ。
 とにかく、そちらさえよければ誘導を頼む。
 俺の方から入っていくわけにもいかないからな」

不思議だ。
微笑みを絶やさずに言葉が出せる。

【行動:ムサイ級と通信(0)】
【位置:T-11戦場跡】
【残り行動値:4pts.】
【機体状況:MA形態・通信回線→ムサイ・サイコ】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:(20番リファニア 01番シュウジ)】
>>165
『………ごめんなさい、リファニア。あたしはあなたにとって重かったのね』

その言葉と共に、リファニアを抱くシェラの力が抜ける。

……ごめんね、シェラさん。私が気付くのが遅すぎたの。
シェラさんは優しかった。私を、暖かく包んでくれた。
そんなシェラさんの事―――わたし、ずっと"おねえさん"だと思ってた―――。

『あたしの我が儘であなたに迷惑をかけてしまっていたわ。
 ………年上なのに、情けないところを見せてしまったわね。面目ない、って言うのかしら。
 これからは気をつけるから、出来れば見捨てないでいて欲しいのだけれど、ダメ?』

微笑むシェラザード。その微笑みは、何処か悲しげ。

……わがままなのは、私。一方的に、自分の意を通してしまったもの。
私は、シェラさんの想いに応えなければならなかったのに。
シェラさんは、あれほど強く私を求めてくれていたのに。
……救って欲しいと、求めていたのに。
わたしは差し伸べられていた手を……無情にも、振り払ってしまった。

『約束も、もちろん憶えているわよ。
 だってあなたが料理を教えてくれるのだもの。忘れるはずがないわ。
 あたしはあなたの生徒だから、先生の言うことはちゃんと聞くわよ』

そう言って、サイコのコントロールを開放するシェラザード。
言葉こそいつものシェラと変わらなかったが……リファニアは明確な違いを、感じていた。

『このコを勝手に借りていたけど、あなたに返すわ。
 このコもやっぱりあなたの方が好きですって。年増の女は趣味じゃないみたい。
 ………キュベレイに浮気者って怒られそう。戻ったら、あのコの世話をしてあげないとね』

そのシェラの言葉に、リファニアの胸がちくりと痛んだ。
無言で、サイコのコントロールを代わるリファニア。

もう、戻れない―――。

そう思うと、リファニアの瞳から、一滴の涙が舞い散った。
別れの涙は、一滴。
限りなく純粋な、一滴―――。

「シェラさん、私の言葉、忘れないで。あなたが私を求めた時、私はそれを拒まないって。」

それはある行為を示唆する言葉。
すでにその行為は、傷の舐め合いにしかならない事を承知しながら。
……それでも言わずには、いられなかった。
>>171-172
そんなリファニアに、リナルドが明るい声で、先の言葉に対する返事を返してきた。

『いいや、最高にクールだね。
 でも、それに付け加えるなら……。
 俺は君の敵を討つ剣<ソード>にも、全ての敵意から君を守る楯<シールド>にもなる。
 ま、そういうことだ。
 ……何だよ、俺の方が格好つけてるじゃないか』

その言葉に、再びにっこりと微笑みを返して……口を開いた。

「……その言葉、忘れないでね。」

無邪気な微笑みを浮かべながら……その声は、酷く真面目な声だった。

リナルド=グレイス。私にとってのあなたは、目標であると共に……。
"恋人を殺した男"でもあるの。
それはアレンが望んだ事だから、私はあなたを憎いとは思わないよ。
言葉を交わしてみて―――むしろ可愛い人だとも、思える。

リファニアのお腹がなって、リナルドが笑った時……。
リファニアも共に、クスクス笑った。
そんな時間が、楽しいとも思えたが……。

……リナルドさん。私は、あなたを死の淵に引きずり込もうとしているのかも知れないのよ。
私の決意した戦いをシェラさんに話せば、きっとついて来てくれたんだろうと、おもう。
でもね、私はシェラさんにも生きて欲しいから……。
あなたが私に"触れた"時……私は思ったの。あなたを引き込もうって。
恋人を殺したあなたなら……道連れにしても、罪悪感は……ないって。
そして、あなたもそれを拒みもしないだろうって。
……あなたは、律儀な人だからね。

心では、いつのまにかそんな事を考えていた。
そして、自身でそれに気付いたリファニアは―――。
自らの頬を、ぴしゃりと打った。
>>176
『あっ、あれ、アレです。
 リナルドさん、お腹減ってませんか?
 いや、僕達も食事を久しく取っていない物で……。
 ここで信用するだのしないだの、結論を急ぐのも何ですし、一緒に食事でもどうですか?
 まだお互いに知りたい所は有ると思いますし。
 我々に向かって引き金を引かない≠アれだけを守って下されば、僕は貴方を歓迎します。』

リファニアへの返答を兼ねたと言える、ダグラスの言葉。

「……私もそれがいいかなって、思ってたの。
 艦にかえったら、私、シェラさんと料理つくろうと思ってたから。
 食材があまりないから、そんなにたいしたもの、できないけど……。
 それでも、ひさしぶりのまともな食事でしょう?」
 
ひさしぶりの……そして、あるいは最後の食事になるかも知れない。
ダグラスに返答しつつ、そんな事を考えるリファニア。

>>184
『戻りましょう、リファニア。ダグラスは彼と一緒に食事をしたいって言ってるから』
そう促すシェラに、リファニアは頷くと、愛機を変形させた。

「それじゃ、リナルドさん。待ってるよっ。」
モニターの向こうのリナルドにウィンクして、愛機を着艦させるリファニア。

「じゃあね、シェラさん。ブリッジでねっ。」
なんとかいつもの笑みを浮かべて、シェラそう告げる。
そして、リファニアはディパックを左肩にかけ、愛機から降りた。
HLV格納庫から出て向かう先は、MS格納庫。

リナルドさんを案内してあげないとねっ。

MS格納庫の前の廊下で、壁に背を持たれかけさせながら、リナルドが来るのを待った。

【行動 : 変形(-1)、着艦(-1)、艦内移動(-1)、残1 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、MS格納庫前廊下) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
俺はMSの手の中でもみくちゃにされていた。
ただでさえ乗り心地の悪そうなタイヤに生身で、しかも戦闘中に乗っているのだ。
その震動たるや、嵐の中でカヌーに乗っているようだ。

ビシャッ
傷口から吹き出た血の塊が顔にかかる。
もう俺は顔と言わず体と言わず、そこらじゅうが自分の血で赤く染まっていた。
…分かっている。
俺が施した処置など、失血死するまでの時間を先延ばししているだけだという事を。
元々手首を切断するような傷の出血を、上腕動脈の圧迫だけで止めようというのが
無理なのだ。
その証拠に、傷からは勢いは弱まったものの、今も出血が続いている。

俺の体は、あとどのくらい出血に耐えられるだろう。
俺の指は、あとどのくらい脈を押さえていられるだろう。
俺の精神は、あとどのくらい体を動かしてくれるだろう。
俺の生命は、あとどのくらいその火を灯していられるだろう。

朦朧としてくる意識の中取り留めのない考えが浮かんでは消え、それが辛うじて俺
の意識を現世に繋ぎ止める。
そして繋ぎ止めた意識を全て、動脈を押さえる指に注ぎ込んだ。

いつの間にかタイヤが停止していた事も気が付かない程に。

【行動:手の中で我慢に我慢(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
190ラーズ ◆C5GRxBlS5o :04/03/31 11:39 ID:???
探索して十分近く経った後……食糧に埋もれて隠れていた
ノーマルスーツの予備を探り当て、着用する。
「……あ…あったのね…。」
…そのまま、ハッチを開いて出て行くようだ…。
【行動:ノーマルスーツの予備入手。】
【残り行動値:4p】
【位置:S17】  
【機体状況:エネルギー補給、完了。】
【武装:ファンネル×6、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル・メガバズーカランチャー】
【SFS:スキウレ】
【所持品:ヤクト内(ディパック(中身は『飲料水2g入り3本』『地図』「食糧(彼女にとっての)2、5日分」) レポート用紙1冊 )
手持ち(細長い(そしてかなり大きい)アタッシュケース(中身はライフル(残弾10)) 大型要塞の内部地図データ)】
【行動方針:≪できれば欲しいモノ≫の入手 小惑星にあるであろう薬の入手】
【同盟:シュウジ ベルク リナルド ヨーコ…?】
>>186-188
リファニアの瞳からこぼれる、一粒の涙。
その美しさを否定はしない。その純粋さを認めないわけではない。
だが、シェラザードは動かない。その涙はシェラザードを変えることはない。

泣けるのは、まだ余裕がある証拠。涙を流せば、気が済むという証。
シェラザードは、そう考えているから。

強烈な本能を満たすために生きようとする故に、シェラザードは理性と理屈で武装してもいる。
だから、シェラザードを変えられるのは、理性ではない。理屈でもない。
その本能を刺激しなければ、欲望を満たさなければ、シェラザードはシェラザードのままだ。
そうである限り、シェラザードは自身の論理に従って、自身の理性によって判断し、行動する。

シェラザードを否定したリファニアの判断は、おそらく人間として正しい。
それはシェラザードも分かっている。その正しさを理解はしている。認めてもいる。
だが、受け入れなかった。自身が誤っていて、その望みが不適切なものであることを知りながら、
あえてシェラザードはそれを欲した。そして、ある意味当然にそれは否定された。

もし、リファニアがシェラザードの求めを受け入れていたら。
シェラザードのものになる代わりに、シェラザードを彼女のものにしていたら。
その理不尽な我が儘を全て認める代わりに、彼女の理不尽な我が儘を認めるよう求めていたら。
………今はもう、全ては「もし」の話になってしまった。

リファニアがサイコガンダムをミョーコウに戻す。
それは、リファニアがシェラザードを否定したことの最初の具現化。
これからは離れてゆき、遠ざかっていくであろう二人の道へそれぞれが踏み出す、最初の一歩。
緑の戦士に背を向けた紫の巨人は、もはやシェラザードのものではなかった。

シェラザードに声をかけ、コクピットから降りるリファニア。
その行き先は………シェラザードと同じ、MS格納庫だった。
当然のように着艦してくるはずのあの男を最初に出迎えようと言うのだろう。
その後ろ姿を見ながら、しかし隣に並ぼうとはせず、シェラザードも格納庫へと向かう。

やっぱり、可愛いわよね、このコ。

格納庫の前で足を止め、人待ち顔でたたずむリファニア。
すれ違いざまにその肩を軽く叩くと、シェラザードはそのまま格納庫へと入った。
照明のスイッチを入れると、3体の機械人形達の姿が浮かび上がる。
その中に、確実に彼女のものである紅の女王がいた。

ごめんなさいね、あたしのキュベレイ。浮気したことは謝るわ。
あなたもおなかが空いてるのよね。さあ、食事の時間よ。

推進剤の補給を開始する。今度からは、帰艦した後にはすぐに補給するようにしなければ。
この世界では何時何処で何が起こるか分からないから、可能な限り準備は整えておかないとならない。
今のように推進剤不足が怖くて動きが制限されるようなことはあってはならないのだ。
………そろそろ、あの男が入ってくる頃かしら。

念のためコクピットに入り、ハッチを閉じる。だが、起動はしない。
非常灯だけがついている自分だけの空間で、シェラザードはバックレストにもたれかかった。

これからどうなるのだろう。
あの男はここに入ってきて、出迎えのリファニアと一緒にブリッジへと向かうのだろう。
ブリッジでダグラスとイブに挨拶をし、改めて自己紹介などをするのだろう。
そして、会食というか食事会になるのだろうか。
リファニアが料理の腕を振るい、彼女が作った料理を囲んで、楽しい御飯というわけだ。

豪華ではないけど心のこもった料理を前に、新たな団結を誓うのね。

そうだ、自分はリファニアを手伝うのだった。
あの男の歓迎会の準備をしなければならないのだ。
それが約束だったから。約束を守ると言うことは、そういうことだから。

………一緒に作る約束はしたけれど、一緒に食べることまでは約束はしてないのよね。

会食のメンバーは艦長であるダグラスに、主賓であるあの男と、あの男を呼び込んだリファニアは確定。
副長であるイブも参加しておいた方がいいだろう。
彼女も新たに「仲間」になるあの男とは色々と話をしておきたいだろうし。
だが、全員で食事というわけにもいくまい。誰かが万一の事態に備えて、ブリッジに詰めていなければ。

あたし、自分で思っていたより真面目なクルーなのかもね。

正直な話、影響はまだ残っていた。余韻は消えきってはいなかった。
そんな状態で、あの2人と一緒に食事をする気には、なれなかった。

【行動:艦内移動(−1)、推進剤補給(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・MS格納庫・キュベレイコクピット)】【行動値残り:2】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U・補給中】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:態勢を整える】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
苦し紛れに出した即興の提案。一応、全員の賛同を得ることが出来た。
様子見だったイブ、余り乗り気には見えなかったシェラ。
それでも、渋々ながら僕について来てくれた事に、感謝の念を深く覚えた。

「格納庫及び隔壁開放、ガイドビーコン発信。
 リナルドさん、コードをR02に合わせ、自動着艦に任せてください。」

いつも通りの対応。思えば、今までもこうして何人も受け入れて来たんだっけ……。
先にサイコガンダムがHLV格納庫へ納まる。
艦長としてリナルドを迎えに行こうかとも思ったが、
MSデッキへ上がる二人を確認すると、やはり艦橋に留まる事にした。

「ふう」と軽く息を付くと、軽いめまいを感じる。
しかし、肉体の疲労は感じない。どうやら覚醒剤の効果は持続中らしい。

通信を終えると、イブに背を向けたまま、三度薬の山へ手を伸ばす。
そこでふと思った。……ガーゼ類が極端に少なくなっているのは、何故だろう。
ま、別にいいか。と、ポケットから純白無地のハンカチを取り出し、それに消毒液を染み込ませた。

「ここ、大丈夫ですか?」
改めて歩み寄り、イブの頬をハンカチでそっと拭う。
彼女の頬に出来た切り傷。実は暫く前から気になっていた。
だが、皆がいる手前、なかなか実行に移し難いところがあったのだ。

その透き通るような肌は、微塵の傷をも浮き上がらせていた。
この程度なら痕も残る心配も無いだろうが、ついつい気にしてしまう。
「ん、これでよし、と……。」
最後にハンカチの乾いた面で湿気を取ると、満足そうに微笑んだ。
手に残ったハンカチ、白い布地に滲んだワインレッドが鮮明に浮かぶ。
(……姉さんの、血……。)
ついつい、そのハンカチに目を奪われる。
数秒後、我に帰り、その血痕を内側に折り畳むとそれをポケットへ納めた。

「……姉さん。姉さんは彼の事、どう思う?」

それから一歩二歩下がると、少し自信なさげに聞いてみた。

【行動:ハッチ開放(-0) ふきふき(-1)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:3p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:大丈夫だよー】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む この宙域からの離脱 リナルドへの対応を模索中】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード】
194ヨーコ ◆7kXFb9ayC. :04/03/31 22:43 ID:???
「ラーズさん…、出てきたところで悪いのですが……
 少し、休ませてください…。」

ガズRの足に腰を掛け、全ての通信回線を切ると、

「…もう、限界……。」

そのままドロのように眠った…。

【行動:仮眠(0)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口付近】【残り行動値:残り3p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 これからのこと】
>>193
「了解。
 コードR02に合わせ、自動着艦する」

リナルドは誘導に従い、アビゴルを進める。
ムサイと言えば、MSの運用に対応していると言ってもかなり旧式の戦艦だ。
加えてアビゴルは20m級のMSということもあり、デュアルタイプのまま格納庫に入った。
Ζガンダムがウェイブライダー形態のまま格納庫に入っていくようなものだろうか。

ふと、周囲を見渡してみる。
新旧様々なMSに混じって、キュベレイMk-Uがいた。
サイコガンダムにしろ、彼がその目で実物を見るの当然ながら初めてだった。

そのキュベレイは、様々な色――でも、暗い色――で構成された複雑な感情を内包しているように見えた。

パイロット……あの人が乗っているのか。
俺がここに来なければ、あの人はこんなにも複雑な感情を抱いたりはしなかったんだろうか。
俺がここに来なければ、あの人はリファニアともっと楽しい時を過ごすことができたんだろうか。
俺がここに来なければ、あの人は……

(……止めよ。
 考えるだけ、こっちの気が滅入るだけだ)

彼は頭を振り、暗い思考を一掃する。
キュベレイの中にいる人だって、そんな同情は御免こうむるだろう。
そうこうしながら、機体を空いているスペースへと運ぶ。

ハッチが閉まり、エアが満たされたことを確認してからコクピットハッチを開く。
彼は例によって機体の起動シークエンスをロックし、デイパックに着替えを詰め込んで機外へ出た。

バイザーを開け、メットを外す。
一つ深呼吸をすると、通路へと通じるドアへと跳び、ちらりとキュベレイを振り返ってからドアを開いた。
すると、そこにはリファニアが立っていた。

「……」

無言でリファニアの頭に手を乗せる。
その手をぽふぽふと軽く優しく上下させながら、リナルドは微笑みと共に優しい口調で、
それでいて確かな意思を込めた声でブルーの瞳を見つめ、言った。

「……リファニア。
 俺は自分が死の淵に引き込まれようが何だろうが構わない。
 君に望まれるなら、地獄にだって冥府魔道にだって黄泉比良坂にだって堕ちてやる。
 だけどな。
 この先何があっても、例え何が犠牲になっても、俺は君を死なせない。
 君の剣となり、君の楯となり、そのために戦う。
 君が戦うと言うのならそれでいい。
 もう、その手を汚させない。 俺が文字通り剣となって君の敵を討つ。
 道連れにはならない……いや、道連れなんてさせない。 楯が主を守って消えるなら、それでいい。
 ……まあ、君と共に歩むと言った手前、そう簡単に消えるつもりも無いけれど。

 俺が君に“生きていて欲しい”と望み、願うのは、きっと傲慢なことじゃないよな……?」

リファニアの頭に乗せていた手を下ろすと、微笑みと優しい口調だけはそのままで、彼は言葉を続ける。

「さて、ブリッジに案内してくれるかな?
 俺、ムサイ級の内部構造はよく知らないから」
【行動:着艦(-1)、起動シークエンスロック(-1)、意思を伝える(0)、案内を頼む(0)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・格納庫前】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (01番シュウジ)】
197イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/01 10:00 ID:???
>193
『ここ、大丈夫ですか?』

肌の上にそっと押し当てられる布の感触。
アルコールの冷たさが心地良い。
その時になって初めて、愁林は傷のことを思い出した。

「え……あ、うん、平気よ。少し切っただけだから……」

ダグラスの気遣いが嬉しくもあり、一方で少し気恥ずかしくも感じてしまう。
事実、頬は微かに朱色を帯びて上気していた。
何しろ―――

『ん、これでよし、と……。』

「あ、ありがとう」

リファニアのシェラザードへのキスが、更にその前の自分と彼との口づけを思い出させているような状況なのだから。
無論、それらの質の違いというものは愁林も理解している。
それでも視覚的な情報から想起される以上は、その違いも殆ど意味を為さないまま。
加えて鉄壁の見栄も、通信のカットされた艦橋という二人きりの密室の中では容易に綻んで解けてしまうようだ。

ダグラスの体が、顔が、唇が、全て軽く手を伸ばせば抱き寄せられる位置にある。
TPOというものを弁えているので、流石に実行に移す事は無かったが―――

無意識のうちに唇に触れた指先を何気ない仕草で下ろす。
少女の如き胸の高鳴りを努めて表に出さぬようにして、愁林は微笑を浮かべた。
198イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/01 10:02 ID:???
『……姉さん。姉さんは彼の事、どう思う?』

「そうね……信頼できるかどうかはまだ分からないけれど、信用はしても大丈夫だと思う。
 何と言っても、あのリファニアちゃんのお墨付きなのだから。
 人物像だとかそういったモノは、食事の時にでもじっくり見極めましょう。
 食事の時の作法や仕草一つに、その人の性格って思いのほか表れるものなの。
 だから、貴方の咄嗟の判断は実はとても理に適っていたのよ」

明るくそう言って、ダグラスの手を取る。
両手で柔らかく包み込み、温もりを伝えようとするかのようにそっと手の甲を撫でる。
ノーマルスーツ越しである事が、今は何とももどかしく感じられた。

「大丈夫、もっと自分に自信を持ちなさい。
 慢心して間違えても良いだなんて、そんな事を言うつもりは無いけれど。
 パートナーの"お姉さん"と二人三脚で支えあう。
 ヒトの歴史は長いもの、一人ぐらいそんな艦長さんがいたって良いのではないかしら?」

私はそれが嬉しいのだし、と付け加えてから、更に一言。
但し、今度は少しだけ悪戯っぽく。

「それと、無理な背伸びはダメよ。その内、私みたいな見栄っ張りの捻くれ者になってしまうわ♪」

そして少年の手の甲に唇で触れ、愁林はそっと彼の手を離したのだった。
199イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/01 10:03 ID:???
【行動:意見陳述/励まし(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、現状の打開】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)】
>>193>>195
暗いコクピットに、音と振動が伝わってきた。

格納庫から空気が抜ける。
ハッチが開く。
何かが入ってきて、固定される。
格納庫に再び空気が満たされる。
誰かがそこから出てきて、内部に続く通路に入る。

ダグラスがあたしを迎えたときのイブの気持ちって、こんな感じだったのかしら。

見事な黒髪のオリエンタル・ビューティーの顔が一瞬だけ脳裏に浮かぶ。
思いを共にしようとは思わないが、その時の彼女の気持ちは分かったような気がした。
だからといって、何かが変わるというわけではないのだが。

推進剤の補給が終了し、格納庫から人の気配がなくなったことを感じてから、
シェラザードはキュベレイのハッチを開けた。
その瞳に、物言わぬ機械の騎士達がたたずんでいる光景が映る。
白い機体が1機。赤い機体が1機。オレンジの機体が1機。
そして、あの緑の機体が1機。

………緑よりは、黒の方が好きだわ。

ふと、青い何かが視界の片隅に入った。頭を動かしてそれを正面に捉える。
ウエポンラックに収められた、武器のかけら。
シェラザードをこの艦に連れてきたのかもしれない、名前しか知らない男の遺品。
ハンブラビのテールランスの切っ先が、ライトに照らされて鈍く輝いていた。

「…………………」

少しの沈黙の後、別の音と振動が響いた。
それらが止まったとき、テールランスは再度キュベレイの右ウイングバインダーの中に収められていた。

キュベレイ、また少し留守にするわ。
何かあったらあなたにお願いすることになるけれど、それまでは、お休みなさい。

【行動:補給完了(0)、テールランスを収納(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・MS格納庫・キュベレイコクピット)】【行動値残り:3】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U・補給中】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:ひとまずはブリッジに・リファニアとの約束は守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
『サーティア!
 アーネスト!
 直ちに戦闘行為を止めろ、無駄な殺し合いは好かない。
 事のいきさつは解らんがこのまま戦闘行為を続けるのであれば
 ―――――――――――全身全霊を持ってお前達を止めるぞ』

『いい加減に落着け!!』

 ちぃ……幾らなんでも、多勢に無勢。
 機体の調子も悪いし……。

 退くっ!

 アーネストのビームを避け、牽制のバルカンをあたりに散らしながら壁を蹴る。

「有難う、ある意味で掛け替えの無い時間だったわ……」

 出入り口のハッチへ、近づいていく。


【行動 : 壁蹴り(−1) バルカンで牽制(−1) 】
【残り : 2P 】
【位置 : F5 】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き) 作業用クレーン+大型コンテナ】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
>>191
リファニアの肩をポン、と叩き、格納庫へ入るシェラ。
その後姿をみて、追いかけたくなる衝動に駆られるが―――。
リファニアの脚は、その場にはりついたように、動かなかった。

>>195
シェラが格納庫に消え、暫くの後に、リナルドが格納庫から出てくる。

まるで妹をあやすように、リファニアの頭に優しく触れるリナルド。
そうされる事は嫌じゃなかったし……むしろ心地よくもあった。

『……リファニア。
 俺は自分が死の淵に引き込まれようが何だろうが構わない。
 君に望まれるなら、地獄にだって冥府魔道にだって黄泉比良坂にだって堕ちてやる。
 だけどな。
 この先何があっても、例え何が犠牲になっても、俺は君を死なせない。
 君の剣となり、君の楯となり、そのために戦う。
 君が戦うと言うのならそれでいい。
 もう、その手を汚させない。 俺が文字通り剣となって君の敵を討つ。
 道連れにはならない……いや、道連れなんてさせない。 楯が主を守って消えるなら、それでいい。
 ……まあ、君と共に歩むと言った手前、そう簡単に消えるつもりも無いけれど。

 俺が君に“生きていて欲しい”と望み、願うのは、きっと傲慢なことじゃないよな……?』

全ては、リファニアの為に。
それを意味するリナルドの言葉を、心から嬉しくは思う。
……だが。

「……嬉しいよ、リナルドさん。
 でもね。
 ……あまり私を、甘えさせないで。
 あなたが私に甘えるのはいいよ。……そのくらいは、報いてあげる。
 でも、私に対しては……厳しくあって。」

リファニアは凛とした声で、リナルドにそう告げた。
ただ甘えるだけの存在に戻ってしまっては、シェラにしっかりと自分の意志を示した事が、無意味になってしまう。
……そう、思えたから。
だが、そんな言葉を吐いておきながら……。
リファニアは、リナルドに抱きついてしまいたくなる衝動を、抑えられなかった。

「間に合わなかったの……。間に合わなかったのよ……。」

リナルドにしっかりと抱きついて……擦れるような声で、そう言った。
右手を、リナルドに見せる。
リナルドのそれより、はるかに小さな手。
……見る者が見れば、それは朱に染まっているようにも、見えただろう。
 
「見て、リナルドさん。……真っ赤でしょ。
 ……私はもう、戻れないの。
 だから、私はもう、恐れない。……この手を血に染める事をね。
 ……そうしたい訳じゃない。でも、安穏と生きる事をこのゲームは許してはくれない。」

リナルドから離れて、言葉を続けるリファニア。

「私の生きる道は、もう決まっている。あなたと同じように、剣となり楯となって……。」

……そして砕ける道。

最後まで口に出す事は、しなかった。出来なかった。
リファニアを何としてでも生かそうというリナルドの気持ちに……。
……その言葉を口にする事が、ためらわれてしまったから。

「……いこっ。ブリッジに。案内してあげるね。」

憂いを打ち消すように、にっこりと微笑んで、リナルドと手を繋ぐリファニア。
そのままリナルドの手を引きながら、ブリッジへ向かった。

リナルドの手から伝わる温もりを感じて……リファニアの胸が、ちくりと痛んだ。

【行動 : ブリッジへ移動(-1)、残3 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、ブリッジ) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>202
キュベレイから降りて、通路に出る。
通路には誰の姿も見えなかった。リファニアとあの男は既にブリッジに向かったらしい。
右を見ても誰もいない。左を見ても誰もいない。前を見ても、後ろを見ても、誰もいない。
そこにいるのは、シェラザード一人。その側には、誰もいない。

リセット。初期化。最初に戻る。
口に出すのは容易い。決断した直後は、その気になれる。
だが、冷静さを取り戻し、心の昂ぶりが落ち着くと、揺れ戻しが襲ってくる。

………無様だわ、あたし。

こうするようにしたのは自分。
こうなることを選んだのは自分。
決断したのは自分。責任を取るのも自分。
どうしようもなく愚かで、どうしようもなく救いがたいのも自分。

でも、仕方ないのよ。
あたしは、あのコは、選んだのだから。

床を蹴って前へと進む。進まなければ何も始まらないことも、事実だ。
ブリッジへと向かう途中で、思っていたより汗をかいていたらしいことに気づいた。
スタンリー相手の戦闘とあの男に対する出撃で、それなりに身体も動かしたし緊張もしていた。
今すぐシャワーを浴びたいほどではないし、気にしすぎかもしれないが、
余裕があるなら改めて汗を流しておきたいと、そう思う。

ダグラスの前では、いつも完璧な女でいたいしね。

実は………不安がある。不安が心に浮かんでくるから、それをねじ伏せようとする必要がある。
伏せがちになる目を強引に前に向け、丸まってしまいそうになる背中を伸ばす。
胸はまだしぼんではいないと、必要な分より少しだけ大きく張ってみる。
自分は美しくて、魅力的な女であるはずだから。

ありとあらゆる手練手管を尽くさなければ………あるいは尽くしたとしても、
ダグラスに拒否されるかもしれない。
僕にはイブがいるからと、もうイブを裏切ることは出来ないと、
心から申し訳なさそうに、だが、はっきりと拒まれるかもしれない。
この罪と官能の固まりである肉体がダグラスを感じることは、もうないかもしれない。
あのみずみずしくて甘い少年を貪ることは、二度と出来ないかもしれない。

シェラザードが快楽を与えることが出来る存在は、
シェラザードに快楽を与えることが出来る存在は、
もう何処にもいないかもしれない。
それは誰のせいだ? シェラザードのせいだ。
それを納得できるか。受け入れられるか。素直に頭を垂れて引き下がるのか。

否。

あたしはあたし。
あたしはシェラザード。
あたしはあたしのもの。この世界の全てはあたしのもの。
それを否定する奴は、誰であろうと認めないわ。

その瞳を強烈な意思で輝かせると、シェラザードはブリッジの扉を開いた。
開くと同時に柔和な笑みを浮かべ、いつものシェラザードに戻ってみせる。
「お待たせしてごめんなさい♪」

ブリッジには、既に4人が揃っていた。
ダグラスとイブ、リファニアとあの男。2組の男女の間に、1人の女が割り込む形になる。
それでもリファニアに微笑みかけ、あの男に営業用のスマイルを見せるのがシェラザードだ。
誰かの好意を得るには、まず自分が好意を「表明」しなければいけないから。

愚かなら愚かなりに、大人をやらないと。

イブがダグラスに寄り添うようにしているのが気に入らないが、
あの男の前で揉め事の匂いを嗅がせるのは適切ではないだろう。
今の自分はミョーコウに新入りを迎える側にいる。
艦長に余計な心労をかけるわけにはいかないのだ。
健気な少年艦長に、自分が妖艶な女であると同時に忠実で有能なクルーであることも
認めてもらわなければならない。
そうすることが、ダグラスとの距離を縮めるのに最も有効な手段のはずだ。

だから、シェラザードはダグラスの下に直行するのではなく、
半ば自分の専用席と化している(と思いこんでいる)当直士官席に向かった。
席に座るのではなく、バックレストに肘をついて自分の肢体の曲線を強調するようなポーズを取り、
新たな事態を警戒するのではなく興味深く観察するような表情を浮かべる。

さあ、ダグラス。ここからは、あなたが主役よ。
あたしにあなたを見せて。この事態に対するあなたの姿と態度を見せて頂戴。
そうしたら、あたしもあなたにあたしを見せてあげるわ。

【行動:艦内移動(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・ブリッジ)】【行動値残り:2】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:事態の観察・リファニアとの約束は守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
206シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/04/01 22:19 ID:???
コックピットハッチの開かれる音。その音が鳴ると同時に、無重力の格納庫へ出た。
すると、通信機から声が聞こえてきた。

>>194
「おいおいおい……。」
声の主の方を見ると、MSの足の所で寝ていた。
流石にここには同盟者しかいないとはいえ、危険にもほどがある行為といえるだろう。
「全く……。」
眠りこけたヨーコを抱きかかえると、コックピットの中へ運んでやる。
「ゼファー。何かあったときはこいつの制御を頼む。」
〔了解。OSをDLしておきます。〕

ガズRのコックピットから出ると、ちょうどラーズがヤクト・ドーガから出てきたところだった。
「おっと。」
もう一度、ビギナ・ギナのコックピットへ戻ると、紙にペンで文章を書き、ラーズの方へ向かう。
「ゼファー。ラーズへの通信そっち経由で頼む。」
〔了解。通信回路開きます。〕

「ラーズ、ちょっと……これを。」
そう言って例により紙を手渡す。そこにはこう書かれていた。
[確か計画には乗ると言っていたな?
 自爆装置の解除法をお前がずっとここのコックピットにいる間に発見した。
 もし、よければ解除してやるが……どうする?
 多分ここで解除した方がいいと思う。今現在、周囲に敵影は確認できないし、
 もし他参加者が接近してきて、最悪戦闘に陥ることになっても、ゼファーがいるから問題はないだろう。
 だから今、ここで解体作業をしたいんだが……いいだろうか?]

【行動:ヨーコ運搬(−1)ガズROSデータDL(−1)ラーズに通信(−1)】
【残り行動値:1p】
【位置:S−17 コロニー格納庫 】
【機体状況 :レーダー不調? 通信シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス・ラーズ
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み)】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化  ……】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
>>202-203
「……嬉しいよ、リナルドさん。
 でもね。
 ……あまり私を、甘えさせないで。
 あなたが私に甘えるのはいいよ。……そのくらいは、報いてあげる。
 でも、私に対しては……厳しくあって」

ああ……そうか。
この子も決断を下したんだったな。

リファニアが、リナルドに抱き付いた。
か細い声で、消え入りそうな声で、言葉を形作っていく。

「間に合わなかったの……。間に合わなかったのよ……」

リファニアが、その掌をリナルドに向ける

「見て、リナルドさん。……真っ赤でしょ。
 ……私はもう、戻れないの。
 だから、私はもう、恐れない。……この手を血に染める事をね。
 ……そうしたい訳じゃない。でも、安穏と生きる事をこのゲームは許してはくれない」

わかっている。
俺はムサイにまとわりつく黒い影を見ているんだ。
だから、もうこれ以上君の手を汚させたくない。
俺と同じく、返り血に塗れて欲しくない。

「私の生きる道は、もう決まっている。あなたと同じように、剣となり楯となって……」

そして散る? 俺と同じように?

「……いこっ。ブリッジに。案内してあげるね」

「ああ……頼む」

リファニアが、リナルドの手を引いて前へと進んでいく。
守りたい。 この小さいけれど温かな手の主を、守りたい。
そして、共に歩み続けることができたなら、どんなに幸せなことだろうか?

「……最悪のシナリオは、絶対に完成させない。
 絶対に……、死なせないからな。
 希望は消さない。 ……砕かせない」

そっと呟いてみる。
彼女に聞こえたかどうかはわからない。
彼の声も、消え入りそうなほど小さかったから。

……

ブリッジに入ると、艦長君と綺麗な人が待っていた。
すぐにキュベレイの人も入ってきて、当直士官席に位置を取って艦長君の言葉を待つ。
それに倣い、リナルドも彼を優しい眼差しで見据え、言葉を待った。

……もう、後戻りはできない。
他の道を選ぶことさえもできない。
他の道は、彼が自ら全て壊した。
【行動:ブリッジへ(-1)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・ブリッジ】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食料4日分、着替え一組、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (01番シュウジ)】
タイヤを止めて、コクピットハッチを開いてバックを持って表にでる。
そんで、手の上に乗っかってるおっさんの所へ行く。
おっさんの状態は・・・・・・酷いもんやった。
あたりに血が浮いとるし、怪我は正直直視に耐えられんような状態やった。
だけど、目を反らす事はアタシには出来ん事やった。
バックの中からトレーナーを出して、おっさんの
右肩の付け根と手首のちょっと上に強引にキツク縛る。
「おっさん・・・・・・ゴメンな・・・・・・
 きっとアタシのせいで・・・・・・こないになってもうて・・・・・・」
縛りながら勝手に口が動いた。

【行動 : おっさんの手当てや (1)  残り3 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 左手を胸の前でやさしくおっさんを乗っけとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 半泣き 鬱 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ゴメンな・・・・・・
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
>>198
姉さんの唇が、僕の手の甲にそっと触れる。

ありがとう。
その言葉が、その温もりがあるから、僕は僕で居られる。
そして前が見える、前へ進める。
僕はまだ艦長の仮面を取る訳にはいかないけれど、
いつか必ず、完全な素顔に戻る日が来るから……。

そして、リファニアに手を引かれたリナルドが、艦橋へ入って来る。
『お待たせしてごめんなさい♪』
間も無くシェラも加わり、艦橋に全員が揃った。

三人から注がれる視線。
逆に余裕を見せるかのように、一人一人に視線を送り返す。
胸を張って、威風堂々と口を開いた。

「リナルドさん、ミョーコウへようこそ!
 どうぞ、我が家と思っておくつろぎ下さい。
 そして、この艦が今日まで健在なのは、クルーの皆さんのお陰です。
 改めて礼をさせて下さい。……本当にお疲れ様です、そしてありがとう!!
 ……さて、堅苦しい挨拶は程々にして、久々の食事の準備に取り掛かりましょうか!
 まったく、さっきから腹の虫を鳴らしてるのは、誰ですかねぇ。」

突如、小悪魔のような笑みを浮かべ、イブとリファニアの方を見る。

「それでは、リファニアさんをコック長に任命します。
 どうぞ、好きな人材を引き抜いて、持ってっちゃって下さい。
 最低一人は艦橋に残らなくてはいけませんけどね。
 ……よかったら、艦長を引き抜いても良いですよ。」

意気揚揚と腕を捲り、彼女に向かっておどけて見せる。
ミョーコウのマスコット的存在、辛い時も苦しい時も、決して笑顔を絶やさなかったリファニア。
彼女が居るだけで場が和み、そして沢山の元気を分けてもらえた。
しかし、南方からの使者、リナルドと会ってから、そんな空気が消えたような気がした。
一連の僕らしからぬ行動、それはそれをを自然に察知した反動だったのかもしれない……。

【行動:会話(-0) 勇気を出してハメを外してみる(-0)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:4p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:大丈夫だよー】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む 食事】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード 15番リナルド(一応お客扱い)】
>>210
新客を迎えたばかりのダグラスの言動は、予想に反して妙に明るいものだった。
艦長らしくあろうと落ち着いた様子を見せようとするのであろうという予想を裏切られて、
驚きが少しだけ表に出たかもしれない。
普段のダグラスらしくないとすら言えるこの態度は、興奮剤の影響によるものだろうか。
それとも他に理由があるのか。彼にあえて明るく振る舞わないといけないと思わせた何かが。

………まさか、ね。

自分とリファニアのことは、ダグラスが分かるはずがない。
自分が「決断」を下したことは、あの繊細で敏感な少女は気づいているだろう。
スタンリーを撃退する前に脱衣室で微笑みを交わし合っていたあのころにはもう戻れないだろうということは、
リファニアも感じ取っているに違いないと思う。
………いや、戻ろうと思えば戻れるのかもしれない。
自分が戻ろうとすれば、救いがたい我が儘を少しだけ抑えて、こちらから彼女に歩み寄ろうとするのなら。

でも。

『……さて、堅苦しい挨拶は程々にして、久々の食事の準備に取り掛かりましょうか!
 まったく、さっきから腹の虫を鳴らしてるのは、誰ですかねぇ。』

ダグラスがイブとリファニアに笑顔を見せる。その笑顔は、自分には向けられない。
分かってはいる。ダグラスは自分を無視したのではなく、からかうに足る何かの理由があったからこそ、
彼女たちに親愛の意味を込めてからかうような笑みを浮かべたのだと言うことを。
決して自分を無視したのではないと言うことを。

だが、本当にそうなのか?

ここまで来ると被害妄想以外の何ものでもないと思うのだが。
ダグラスはそこまで意地悪でも冷酷でもない。
自分に何か含むところがあるならば、そのことを隠しきることは出来ないだろう。
個人的な感情と艦長としての責任感の板挟みになって、四苦八苦する様子を見せてくれるだろうに。

強化される一方の仮面の下で、複雑な感情が渦巻く。
複雑な感情が渦巻くからこそ仮面は強化され、表情は穏やかさを保ち続ける。
内に籠もったものは容易に外には現れない。
だが、それは抑制されているだけで消滅したわけではない。

ダグラスがリファニアに食事の準備を命じ、そのために必要な人材を使うことを許可した。
さて、リファニアはどうする? 約束通り、自分を助手に指名するだろうか。
指名されたら拒みはしない。
いかにも自分らしく笑顔を浮かべて頷いて、料理下手なりにリファニアを真摯に手伝うつもりだ。

だが、リファニアは自分を選べるのだろうか。
脱衣室の自分とは変わってしまった自分を、
「最初」に戻ろうとしてしまっている自分と一緒に料理が出来るのか。
自分はいつもの自分でいようとしているから、約束は守る。
しかし、リファニアに約束を守ることを強制はしない。

リファニアが約束を破ったとしても、それはシェラザードが悪いのだから。
【行動:ダグラスを観察(0)、リファニアを観察(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・ブリッジ)】【行動値残り:4】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康、空腹@ノーマルスーツ】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:事態の観察・リファニアとの約束は守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
213イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/02 10:53 ID:???
>210
リファニア、シェラザード、そしてリナルド=グレイス。
彼女らを前にして、ダグラスの口をついて出た言葉は、歓迎と感謝、そして―――

『―――まったく、さっきから腹の虫を鳴らしてるのは、誰ですかねぇ』

視線が泳ぐ。

「……ホント、誰かしらねぇ」

とりあえずしらばっくれてみる愁林。
女性を前に些かデリカシーに欠けるとも言える台詞も、普段の彼を知る者なら少し首を傾げたくなるような態度も。
それら全てが、彼の細やかな気遣いに由来していると分かっている為、愁林は敢えてその計らいに乗る事にした。

くぅ〜

「ぁ……」

否。
このような何とも可愛らしい音を放ってしまってはポーカーフェイスなど保てる筈も無い、只それだけの事だったのかもしれない。
表情は崩れない。
そこは流石に鉄壁の見栄。
伊達に16年間、香港黒社会の頂点に君臨する一家の令嬢を務めてきたわけではない。
尤も肩口から胸元へ流れた一房の黒髪、その毛先をくるくると所在無げに弄る指先を見れば、心の動揺など一目瞭然だったのだが。

―――だ、だって仕方ないじゃない、約束があったから、余計なモノは口に入れないようにしてきたのだし……。

そんな表の様相とは別に、愁林の内側の極めて冷静な部分は、二人の女それぞれの微妙な違和感を注意深く観察していた。
214イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/02 10:55 ID:???
【行動:しらばっくれる(-0)、様子見(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
リナルドと共に、ブリッジに入ったリファニア。
少し遅れてシェラが入ってきて、こちらに微笑みを向けてから、当直士官席につく。
まるで、彼女がリファニアから距離を置いているように思えてしまい―――。
再び胸が、ちくりと痛んだ。

『リナルドさん、ミョーコウへようこそ!
 どうぞ、我が家と思っておくつろぎ下さい。
 そして、この艦が今日まで健在なのは、クルーの皆さんのお陰です。
 改めて礼をさせて下さい。……本当にお疲れ様です、そしてありがとう!!
 ……さて、堅苦しい挨拶は程々にして、久々の食事の準備に取り掛かりましょうか!
 まったく、さっきから腹の虫を鳴らしてるのは、誰ですかねぇ。』

そんな中、ダグラスからかけられる気遣いの言葉と……からかいの言葉。
その言葉に、気持ちが思わず和ませられてしまう。

「あ〜!聞いてたな〜!
 ……その記録、消しちゃってよね、恥ずかしいからっ!」

悪戯めいた笑みを向けてくるダグラスに、顔を真っ赤にしながら答えるリファニア。

くぅ〜

そこで再び鳴った、可愛い音。自分からではなく……イブからだ。
思わずイブの顔を見て、クスクスと笑ってしまう。
先ほどまでの張り詰めた気持ちが、嘘のようだ。

『それでは、リファニアさんをコック長に任命します。
 どうぞ、好きな人材を引き抜いて、持ってっちゃって下さい。
 最低一人は艦橋に残らなくてはいけませんけどね。
 ……よかったら、艦長を引き抜いても良いですよ。』

腕をまくりりながら、そう言ってくるダグラス。
自分が一番疲れているだろうに、それでもこちらに対する気遣いから、明るさを忘れないダグラス。
そんなダグラスの健気さに、リファニアの決意がさらに確固たるものになる。
決意を秘めながら、それでも今は、それを表に出さないように。
最後の晩餐になるかも知れない食事を、心から楽しめるように。
リファニアは満面の笑みを浮かべて、ダグラスの明るさに応える。
「じゃあね〜、まずは〜。」

みんなの中心に立って、周りを見渡しながら考え込むようなそぶりを見せるリファニア。

「シェラさん!……約束してたもんねっ♪」

その言葉と共に、当直士官席のシェラに飛びついた。
シェラと腕を組み、みんなに顔を向ける。

「私が作ろうとしてるのは、スパゲッティ・ペペロンチー"にっ"だよっ。
 思わず"にっ!"って笑みが浮かんじゃうくらい美味しいから、ペペロンチー"にっ"……。
 ……今の、流すトコロねっ。」

誤魔化すようにあははと笑い、言葉を続ける。

「えっとね、だからね、そんなに人手は要らないの。
 でもね、沸きおこる料理への情熱を抑えきれないというのなら……。
 一品じゃあ寂しいし、腕をふるってくれる人、大募集ねっ!
 ……なんか、すっごくやりたそうだから、ダグラス艦長に、頼もうかな〜?
 それとも、イブさん、実は作りたくてウズウズしてる〜?
 とりあえず、先に調理室行ってるから、もし良かったら来てねっ。」

ダグラスとイブにウィンクしてから、いまだブリッジに放置してあるカートの所に向かう。

「……いこっ、シェラさん。」

微笑みと共にシェラにそう促して、カートを押しながらブリッジを出ようとする。

「……じゃあね、リナルドさんっ。
 とりあえず、あなたはお客人なんだから、料理の完成を心待ちにしていなさ〜い。
 よかったら、シャワーでも浴びてて、待っててね?」

そう、リナルドに声をかけてから、ブリッジを出て、調理室へ向かった。

【行動 : 調理室へ移動(-1)、残3 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、調理室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』『最後の晩餐?』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
指の感覚がない。
もうどのくらい、こうして脈を押さえ続けているだろう。
30分以上のような気もするし、5分も経っていないような気もする。
時間の感覚すら分からない中で手首を失ってからここまでの間、指で押さえるとい
う普段なら何でも無い行為は、俺にとってまさに体と生命の火を繋ぐ細い細い命綱
になっていた。

指が震える、肩が痛む、目が霞む、息が苦しい。
もう何もかも投げ出して、楽になってしまいたい。
こんな苦しみから解放されて、ゆっくりと寝てしまいたい。
マリーに…会いたい。

だがそんな思いとは裏腹に、俺の深遠に眠っている本能はただひたすらに生きる事
を欲し、全ての力を5本の指に込めていた。
すでに体力と精神力が限界に近付いてきている現状で、万が一押さえている指を離
したら、もう押さえなおす力が無い事をどこかで察しているのかもしれない。

思えば俺の人生で、こんなにも死というものを近くに感じた事があっただろうか?
バビロニア建国戦争で連邦のMSと向き合った時でさえ、俺は死ぬなどとは欠片も考
えてはいなかった。
アシッドと戦っていた時も緊張感や高揚感こそあったものの、自分の死をイメージ
するまでには至らなかった。
だけれど今、俺の目の前にはぽっかりと開いた死の扉が見えている。
くぐったら2度と戻れない一方通行の扉。

(……………)

その時不意に上腕部に強い圧迫感を感じて、俺は半開きの目をそちらに向けた。
そこには半べそをかきながら、自分のトレーナーで俺の肩口をキツく縛っている
ルイがいた。

「おっさん・・・・・・ゴメンな・・・・・・
 きっとアタシのせいで・・・・・・こないになってもうて・・・・・・」

しゃくりあげながら手当てをするルイに何か言葉をかけたかったが、意識が朦朧と
していて上手く言葉が出てこない。
手を差し出そうにもはっきりと出血が止まるまで離せない為、それも無理だ。
…結局俺が言えたのは、ただ一言だけだった。

「…………あり、がとう」


…目の前にある扉が、少し閉じたような気がした。

【行動:ルイにお礼(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
>>213
かつて自分の肉体から出たこともある間の抜けた………可愛らしいと言うべきかもしれない音が、
予想外の場所から聞こえてきた。思わずそちらの方に目が向く。

まあ、あなたも人間よね。

イブの表情は落ち着き払ったままだが、毛先を弄るその指の動きが内心の実態を教えてくれる。
だが、隠しているのは照れだけではないようだ。相変わらずその目の輝きは鋭いままだから。
全てを飲み込むような黒の瞳が観察しているのは新入りか、それとも自分か、その両方か。
もっとも、彼女にしてみれば見ず知らずの男より自分の方が危険に見えるかもしれない。
何しろ自分はイブにとってある種の明確な敵であるのに、「味方」でもあるのだから。

ダグラスをあたしのものに出来るなら、あなたも一緒にしてあげてもいいのだけれど。

しかし、それはあり得まい。イブは自分ほど度量が広くもなければ節操なしでもないだろうから。
1つのベッドを3人で使うことなど彼女は考えたこともないだろうし、考えようともしないだろう。
自分はダグラスの付属品としてならイブを認める。
イブはダグラスの付属品としての自分を認めない。
違うのはその部分だけで、独占欲が強いことに関しては自分もイブも大差ないと、そう思うから。

>>216
イブのことを考えるのはそこまでにして、リファニアに意識を向け直す。
ダグラスの指名を受けて前に進み出た少女は、少しの間考え込むようなそぶりを見せた。

ここでけりがつくかもね。

あの約束の存在を知っているのは自分とリファニアだけ。
そして、リファニアはほぼ間違いなく知っている。
今ここにいるシェラザードは、約束をしたときのシェラザードとは違ってしまっていることを。
当直士官席で何でもないような顔をしている女は、根本的な部分で嘘をついていることを。

この年頃の女の子は、嘘というものを極度に嫌っても不思議ではないわ。

綺麗ではないもの。美しくないもの。あってはならないもの。根絶した方がいいもの。
少女という純粋でそれ故に残酷な存在にとって、嘘とはそのように忌むべき存在のはず。
だから、前とは違ってしまっていることを隠そうとする自分を、平気な顔で嘘をつく大人を、
少女であるリファニアが嫌うことは不思議ではない。
彼女に拒否され、否定されても、それは当然だとも思う。

積極的に嫌われたいとは思わない。少女が眉をひそめ、嫌悪感をあらわにする顔を見たいとも思わない。
だが、心の何処かで、ほんの少しだけ、そうなることを望んでいたのかもしれない。
リファニアが完全に自分を否定すれば、自分もリファニアを完全に否定することが出来るから。
自分を無様な女にしてしまう未練というものを、綺麗さっぱり切り捨てることが出来るかもしれないから。

なのに。

『シェラさん!……約束してたもんねっ♪』

自分に飛びつき、腕にしがみつくリファニア。
表情も声も明るいまま、いかにも彼女らしい愛らしさを振りまくリファニア。
明るくて、元気で、健気で………痛々しいぐらい「普通に」振る舞う可憐な少女。

どうして………どうして、あなたは、そんなに。

「あ、それじゃ、リファニアの邪魔をしないように頑張ってくるから、
 楽しみに待っててね、ダグ………艦長」

その勢いに飲まれるように、気がつくとブリッジの外に出ていた。
出掛けにダグラスに書けた言葉もかなりしどろもどろだったような気がするが、
何を考えて何を話したのかよく憶えていない。
とにかくこのままではリファニアのペースに完全に巻き込まれてしまいそうだった。

「………っと、ちょっと待ってて、リファニア。
 ノーマルスーツのままで料理ってのも何だから、着替えてくるわ。
 先に調理室に行って待ってて頂戴。すぐに行くから」

途中でリファニアを先に行かせ、手近の居室に入る。
ノーマルスーツを脱ぎ、前と同じエゥーゴの制服に着替えた。
白の制服、ハーフストッキング、ブーツ、紫のスカーフ。
これから料理をするからロンググローブは省いたが、それ以外は全て前と同じだ。
外見上は何も変わっていないのだけれど。

ジオンの制服は、持ってこなかったのよね。

ふと、士官学校で習った戦史の一部を思い出した。
1年戦争後、ジオン公国とエゥーゴの関係はそれほど悪いものではなかったと習った記憶がある。
スペースノイドの権利向上を目的とする点で共通するそれらは、共に手を携えて戦ったこともあったはずだ。
旧ジオン軍人がエゥーゴに参加して連邦軍と、ティターンズと戦った事例は珍しいものではなかったと思う。

だが、両者の蜜月は長くは続かなかった。
エゥーゴはやはり連邦の一部で、ジオンはジオンだった。
グリプス戦役の終了後、連邦主流派となったエゥーゴはザビ家ジオンの残党であるアクシズと敵対し、
これと戦い、アクシズの内部分裂に助けられた形ではあるが辛くも勝利を収めた。
エゥーゴとジオンは、最後には敵同士となったのだ。

ジオンの制服を着たリファニア。
エゥーゴの制服を着た自分。
つまり、これはそういうことなのだろうか。

だったら、どうだと言うのかしらね。
あたしは、もう………決めたのよ。

リファニアはシェラザードのものにはなってくれなかった。
シェラザードを彼女のものにはしてくれなかった。
リファニアにはリファニアの考えが、やりたいことがあって、シェラザードよりもそれを優先したのだ。
何があってもシェラザードを第一にするのではなく、彼女の目的のために動くことを選んで、
それ故にあの男を受け入れたのだろう。シェラザードではなく、彼を相方とすることにして。

リファニアが何を考えているのかは分からない。何を望み、何を企み、何を目的にしているのかも。
だが、彼女が自分を選んでいてくれたら。
自分のものになってくれて、彼女のものにしてくれたら。
例えどんなことがあろうと、自分はリファニアのものであり続けただろうに。
結果が変わらないのなら、何処で死のうと同じなのなら、リファニアと共に歩もうと思っただろうに。

喜んで彼女の道具に、剣に、盾に、なっただろうに。

「…………………」

軽く頭を振って、意識を現実世界に戻す。
右手にスーツケースを持ち、左手にノーマルスーツ一式を抱えて、調理室に向かった。

「お待たせ♪ よろしくお願いします、リファニア先生♪」

邪魔にならないところに荷物を置く。そしてスーツケースを開くとエプロンを2枚取り出した。
胸の部分がハート型のデザインになっている、フリルとレースで過剰に装飾されたピンクのエプロン。
いかにもエプロンと言ったシンプルなデザインの、胸元にヒヨコを遊ばせている白のエプロン。
ピンクのを押しつけるようにリファニアに渡すと、自分は白の方を着けた。
「さあ、指示をお願いします♪」

リファニア、あたしはあなたが何を考えているのかは分からない。
でも、あなたがいつものあなたでいようとするなら、あたしの違いに気づかないふりをするなら、
あたしもそれに付き合うわ。最後まで付き合えるかは、分からないけど。

【行動:艦内移動(−1)、着替え(0)、艦内移動(−1)、エプロンを渡す(0)、エプロン装備(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・調理室)】【行動値残り:2】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康・空腹@エゥーゴコスプレ・エプロン装着中】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:リファニアとの約束を守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
>>210>>213>>215-216
ダグラスの言葉に、浅めの黙礼をもって答える。
続くやり取りを柔らかい表情で見守っていたリナルドだが、
ついさっきのリファニアと今の微笑ましく振舞うリファニアの差に気が付かないほど、彼は鈍くはなかった。

やがてリファニアの話も終わり、彼女はシェラと共にブリッジを後にした。
出掛けに彼女はリナルドに声を掛けていった。

「……じゃあね、リナルドさんっ。
 とりあえず、あなたはお客人なんだから、料理の完成を心待ちにしていなさ〜い。
 よかったら、シャワーでも浴びてて、待っててね?」

(……………………)

「ああ、楽しみにしているよ」

彼女の気遣いを無駄にしたくない。
きっと艦長君だって、綺麗な人だって、キュベレイの人だって気を遣っている。
ならば。

「さて、俺はリファニアに勧められたとおりシャワーを浴びに行くよ。
 
 ダグラス艦長、本日はお招きいただき、誠にありがとうございます。
 この会食がより良きものになるよう、願っております。
 ……それでは♪」

にこやかな一礼と共に二人に告げ、リナルドもブリッジを辞した。
ドアを閉めると、その表情を決意の色に変える。

そうだな。
君がそう振舞うと決めたのなら、俺もそれに付き合うだけだ。
今は食事を楽しむことを考えよう。

彼の表情が自然なものに戻る。
そこで彼は気付いた。

「あ……、シャワー室って……どこだ?」

……

リナルドが道に迷ったのは、ラー・カイラムに初めて降り立った日以来のことだった。
とりあえず無事に脱衣室に辿り着き、シャワー室に視線を向ける。
すると、何故かシャワー室の中にギターが転がっていた。

ギターを見た人間がリナルドでなければ、少し不審に思って退かすだけだっただろう。
リファニアなら、しっかりと回収しただろう。
だが、ギターを見たのはリナルドだった。

感覚が広がる。
再び、“聖域”が発現する。

≪続く≫
>>221続き

……錆、相変わらず貼り付いてるな……。

錆に覆われた扉を前にしての、第一声。
これまた相変わらず明るく優しいライム色の輝きに包まれる彼は、そっと錆をなぞってみた。

ちくり。

指先に走った痛みに、錆をなぞる手を止める。
左手の人差し指から、細く赤い一筋の線が流れ出ていた。

左手を拳に戻し、リナルドは後ろを振り返る。
そこには、先程粉微塵に砕いてやったものが立っていた。

「やあ」

馴れ馴れしいな。
大体お前は俺が砕いてやったはずだろう。

「私たちにそんなことは関係無いさ。
 ヒトの心の内に負の感情がある限り、私たちは何度でも甦る」

このどうしようもない罪悪感も、お前たちの糧になるわけか。

「本来ならそうなんだけどね。
 君がその輝きに包まれている限りは、いくら私と言えど居場所を創ることはできないよ」

リファニアのくれた輝き。
確かにそれは導くものを吹き飛ばし、粉々にした。

それで、何をしに来た?

「いや、私の支配を打ち破った人間なんて初めてだからね。
 君に興味があるの。
 少しだけ、アドバイスと言うか……そのようなものをあげようかと思って」

……いいだろう、聞いてやる。

「ありがとう。
 ……君の力、実は私がいなくてもその負荷が溜まり続けるって、知ってた?
 私はその負荷を増幅していただけだったんだよ」

俺を貪っていた、あの闇のことか。

「そ。 君が君である限り、君は逃れられない。
 力を頼りに戦うことのできない闇の戦士は、あの少女を守り抜けるのかな?」

……話はそれだけか?

「そう、それだけ。
 だから、また砕かれないうちに私は消えるよ。
 ここまで復元するのにだって、随分力を使ったんだ」

それはそれは、大変だったな。
じゃ、また大変な目に遭わない内に消えてくれ。

「当然。 じゃあね」

≪続く≫
>>222続き

導くものは去った。
後に残ったのは、錆に覆われた扉と輝きに包まれた男。

……逃れる気なんて無い。
全部背負って前へ進むと、決めたんだ。
リファニアと一緒に、歩いていくと……。

再び世界が形を持ち始める。
再び世界に色が付く。
扉の錆が少し剥がれ落ち、ジオラマの世界は現実になった。

……

ギターを脱衣室に動かし、ノーマルスーツと下着を脱ぐと、リナルドはシャワー室に入った。
ぬるま湯が身体を伝う。

扉は開く。 もうじき開く。
……でも、扉が開いた時、果たして俺は俺のままでいられるだろうか?

ふと、そんな疑問が彼の脳裏をよぎった。
だが、すぐに頭を横に振り、否定する。

気にしたって、心配したって何もできない。 始まらない。
いつまで経っても俺は俺だ。
こんな不安は、このぬるま湯と一緒に流してしまおう。

シャワー室を出ると髪と全身を拭き、コロニーで拝借した長袖のTシャツとジーンズに着替える。
着替えを済ませると、彼はノーマルスーツとギター、デイパックを抱えて脱衣室を後にした。
脱衣室に来るまでに見つけた洗濯室で空の洗浄機にノーマルスーツを放り込むと、
適当に選んだ士官室に腰を落ち着けた。

そうだ。
彼は士官室のクローゼットを開けた。
ジオン公国軍の制服が二着、私服と思われるパーカーが一着かかっている。
パーカーの持ち主に一言詫びながらハンガーを外すと、
パーカーの袖をベルト代わりにTシャツの腰にまわし、結んで留めた。

再び腰を落ち着けた彼の手には、彼が殺した青年のギターが鎮座している。

【行動:ブリッジ→脱衣室(-1)、“聖域”発現(0)、シャワーを浴びる(-1)、脱衣室→洗濯室→士官室(-2)、クリーニング(0)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・士官室】
【残り行動値:0pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷@私服】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食糧4日分、(ノーマルスーツ)、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)、(ギター)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (03番イブ 05番ダグラス 26番シェラザード 01番シュウジ)】
>>218-220
『………っと、ちょっと待ってて、リファニア。
 ノーマルスーツのままで料理ってのも何だから、着替えてくるわ。
 先に調理室に行って待ってて頂戴。すぐに行くから』
「うん、わかったよ〜。待ってるねっ。」

シェラとのそんなやり取りを経て、調理室についたリファニア。
とりあえず、カートに乗ったままの、カレーの入った鍋を開けてみる。
「……ん〜、残っちゃってるなぁ、コレ。
 ……そりゃそうか。二種類併せて、10皿分以上つくっちゃったし……。」
恐る恐る、残ったカレーを指先につけて、舐めてみる。
「んっ……すっぱい。……こりゃ駄目ね。
 勿体無いけど、廃棄するしかないかぁ……。」
ダストシュートにしぶしぶカレーを廃棄して、鍋を洗うリファニア。

そんな事をやっているうちに、シェラが来た。
大型の食洗器に鍋を突っ込んで、シェラに顔を向ける。

『お待たせ♪ よろしくお願いします、リファニア先生♪』

あくまでも、以前と同じ調子で話しかけてくるシェラ。
それに対し、以前と同じようににっこりと微笑んで、頷くリファニア。
たとえ気持ちがすれ違おうとも、リファニアがシェラザードを好きでいる事には、変わりは無い。
姉のように思える存在として、シェラザードが大切である事に変わりは無い。

シェラが、自分のトランクから何かを取り出す。
出てきたのは、二着のエプロン。
……シェラさんのトランクって、魔法のカバンみたい。
やっぱり、シェラさんは、魔法使いなんだね。

シェラからピンクのエプロンを渡され、身に着けるリファニア。
過剰に可愛らしく装飾されたそれは、本当にエプロンとして使うものなのだろうか。
本来の用途をなんとなく想像し、頬を染めながらも、くるりと回ってみせるリファニア。
……せっかく可愛く飾ってくれたんだもの。その姿は、しっかり見せておきたいよね。

『さあ、指示をお願いします♪』
「は〜い、じゃあ、いっきますね〜。」

以前の記憶を頼りに、材料を探すリファニア。
数分後、並べられる材料たち。
パスタ、赤唐辛子、にんにく、オリーブオイル……。

「え?にんにくなんて食べたら、キス出来なくなっちゃう?
 あはは、大丈夫よぉ。みんなも食べるんだからぁ。」

聞かれてもいないのに、そんな事を言ってしまうリファニア。
努めて明るく振舞おうとしなくても、自然に気持ちが浮かれていた。

「本当は、シーフードとかも入れたいんですけどね〜。
 シンプルでも、美味しいものは美味しいんですっ!
 じゃあ、まずはじめに、この赤唐辛子を輪切りにして……。
 それから、にんにくをこの位にスライスして、ソースを作る準備、しちゃいます〜。」

とんとんと包丁を動かし始めるリファニア。
気持ちのモヤモヤも、こうしていると、薄らいでくるから不思議だった。
「あっ、お鍋の準備、しててくださいね〜。お水が沸騰するまで火をかけちゃっていいですよ〜。」
リファニアは、にこにこ笑みを浮かべながら、シェラとの共同作業を心から楽しんでいた。
【行動 : カレー廃棄(つД`)(-1)、エプロン装備(0)、材料準備(-1)、調理開始♪(-1)、残0 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、調理室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、エプロン装備、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』『最後の晩餐?』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>224
想像していたとおり、ピンクの新妻仕様エプロンはリファニアによく似合った。
どうしてそんなものが鞄から出てくるのかと問われはしなかったが、
「本来の用途」は見抜かれたかもしれない。あえて確認する必要はないけれど。

楽しそうに準備に取りかかるリファニア。本当に料理を作ることが好きなのだと思える。
食材を相手に包丁を握っている間は、純粋にそれを楽しむことが出来るのだろう。
ひょっとしたら、料理だけに集中することで、何か嫌なことを忘れられるのかもしれない。

それとも、誰かに自分の料理を食べてもらうのが好きなだけなのかしら。

そうならば、その気持ちは分かる。
相手を喜ばせて自分も喜びを得るということは、自分も好きだからだ………その手段は異なるけれど。
好きな相手に笑顔を見せてもらえると嬉しいのには変わらないはず。
欲望を満たすという点では同じなのだから。

「お湯を沸かせばいいのね、了解♪」

鍋に水を張って火にかけながら、リファニアがまな板の上に心地よいリズムを刻むのを横目で眺める。
見事なまでに絵になる姿だった。女の自分でも思わず「お嫁さんにしたい」と思ってしまう。
彼女の恋人………アレンという男はこの姿を見て惚れたのだと言われても、心の底から納得できるというものだ。
誰かの人間としての基本的な欲求を他意なく満たそうとするその姿は、純粋に賞賛に値する。

その邪魔をするのは、野暮というものね。

ならば純粋にリファニアを手伝おう。
今このときは胸の複雑な思いも腹に抱える何かも封印して、鍵をかけて、忘れることにしよう。
可憐な少女の素敵な行為を妨げるのは、自分の望むことではないから。
その共同作業の相手であることに徹して、共通の目的達成のために努力しよう。

それを拒む理由は、ここでは見あたらなかった。一時の夢を見ることは、まだ出来ると思った。
夢が覚めた後には現実が来ることは、分かってはいたけれど。

【行動:料理を手伝う(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・調理室)】【行動値残り:1】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康・空腹@エゥーゴコスプレ・エプロン装着中】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:リファニアとの約束は守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
227ラーズ ◆C5GRxBlS5o :04/04/03 10:59 ID:???
>206
通信が入り、紙を手渡される。
「…ん…?…何…?」
内容を読んで…自前のペンを取りに行ってからその紙の裏に
メモを書き出す。
『計画に乗る…じゃなくて、計画に協力する…ね。
後…解除の方は…やってくれるならお願いするわ。
…後、会話はダミーよね?当然。』
その紙をシュウジに受け渡す…と、声で返答する。
「…………料理のレシピ?」
【行動:通信回線オープン。(1p)偽装(0p)】
【残り行動値:3p】
【位置:S17】  
【機体状況:万全。】
【武装:ファンネル×6、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル・メガバズーカランチャー】
【SFS:スキウレ】
【所持品:ヤクト内(ディパック(中身は『飲料水2g入り3本』『地図』「食糧(彼女にとっての)2、5日分」) レポート用紙1冊 )
手持ち(細長い(そしてかなり大きい)アタッシュケース(中身はライフル(残弾10)) 大型要塞の内部地図データ)】
【行動方針:爆弾解除 小惑星にあるであろう薬の入手】
【同盟:シュウジ ベルク リナルド ヨーコ…?】
228アーネスト・マンソン:04/04/03 21:52 ID:lBqPP3uz
アイディーチェック
229アーネスト・マンソン:04/04/03 22:12 ID:???
 着地した瞬間、輝くアイスキャンディーのような何かが大量に
俺のガザ目掛けて飛んでくる。
 バルカンか・・・・・・くそ!
 何発かの弾丸が装甲表面をはぜる。
 ガザの図体では、そしてこの体勢ではかわし切れない!
 機体状況モニターに簡略化して描かれたガザの右足が赤く点滅する。
 被弾・・・・・・ビーム砲への動力バイパスがやられたか!
 起こされた状態のままのMSベッドの影にもぐりこみ、鋼鉄の嵐から
どうにか逃れる。
 ・・・・・・・ある意味でかけがえの無い時間、だと?
 非合理的だ。
 勝利を得たいならば、なぜ全力で俺たちを殺そうとしなかった。
 もっと効率的なやり方はあるはずなのに。
 わからない。
 君という女性が分からないんだ、サーティア!
 さけぼうとして・・・・・・・俺は去り行くガンイージに砲身を向ける。

 去るというならそれもいい。なぜこのような選択をしたのか、今はあえて
聞かないよ。 
 だが・・・・・・俺と君は再びめぐり合う。
 そのときだ。
 そのとき・・・・・・君の答えを聞かせてもらうさ。

 ・・・・・・そういえば、あの二人は?
 MSベッドの陰からナックルバスターの砲身のみを突き出させ、
ガンイージが攻撃態勢に入るようなら即座に反撃可能なよう
警戒しながら、ルイが通信機がついているタイプのノーマル
スーツを着用しているよう望みつつ、全員に通信を送る。
「ルイ!レイモンドは負傷しているのか?!
 もし負傷しているなら状態を教えてくれ!
 ベルク、すまないな!
 サーティアが退いてから事情は説明する!」

 ・・・・・・
 
【位置:F5】
【機体状況:正常、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×2、脚部格闘用クロー×2
 スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:迎撃体勢(−1、サーティアの攻撃に対し警戒)無差別通信(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟:サーティア?レイモンド?、ルイ?】
非常に困った状態になった。
いや、殺し合いなんてやらされている時点で既に困った状態というかふざけた状態。
俺は仕事に来たんだ、殺し合いに来たんじゃねェ。
なんて暢気なことを考えてみるが状況は変わらない。

「完璧に迷ったよな、これはァ…」

気がついたら知らない所。
いや、既にこの殺し合いの場所も宇宙としかわからないけど。
それどころか時代も違うというふざけよう、どうなってんだ俺の人生。

特に何かの主義や主張もなく、特に目標があるわけでもなく。
特に決めた女がいるわけでもなく、特に特技があるわけでもなく。
特に性格に癖があるわけでもなく、特に一日の楽しみがあるわけでもなく。
特に特徴的な過去があるわけでもなく、特に何かを夢を見ることもなく。
特に憧れるものがあるわけでもなく、特に心よせる人がいるわけでもなく。
ただ、ただ、自堕落に生きてきた。

何の特徴もない人生。

不満があるわけでもなかった――
潤いが欲しいというわけでもなかった――
刺激が欲しいというわけでもなかった――

いや、心の中でそう思う気持ちがあったのかもしれない。

子供のころにはそれなりに夢を見ていたから。

スポーツ選手になりたい。
MSパイロットになりたい。
お金持ちになりたい。

だけど、現実は『思う』だけではなれなかった。

そう、現実に疲れた。
正確には現実を思い知っただけ。
いつしか諦めていた。
「それが今になってなァ…」

捉えられた人々、強制されるMSでの殺し合い。
とくわかんない悪の組織、命を削り合う過酷な戦い。
それにぎりぎりで生き残る自分。

―――それは子供のころに夢見た冒険活劇―――

「本当に……本当に……何をやってんだ俺はァ…」

自分が何をすべきか迷っていて、殺すか殺さないかのどっちつかず。

「俺って場違いじゃないかよ……」

それぞれの志しを持った戦士達の生き残るための戦い。
それに紛れ込んだ死にたくないだけの一般人。

「…死にたくないんだよ…」

俺を動かすのは――
ただ、それだけ。

「ジェイス!我々は今格納庫にいるぞ?とりあえず地図を送っておくからな?」

通信。

「……あ…ああ、ありがと」

…………行くか。
地図によると、格納庫はあっちみたいだ。

【行動:煙草(-0p)考え事(-0p)通信中(-0p)格納庫へ移動(-1p)】【残り行動値:残り3p】
【位置:S-17】
【機体状況:左腕、肘の部分から下を切断されている】【罠用:C4プラスチック爆弾】
【武装:頭部バルカンポッドシステム、ビームサーベル、三連装手投げ式グレネード】
【所持品:空ボトル、煙草4箱と1本、ライター、ディパック、コッペパン2つ、水2g2本、ノーマルスーツ、栄養補助食品×10、銃】
【行動方針:……死にたくない……】【同盟:01番 シュウジ・アサギ】
>>223
せっかくギターがあるんだし、何か弾いてみようか。

彼がギターを弾くのは、ハイスクールで射撃部にいた友人から教えてもらった時以来。
故に、最低限のコードだけを辿って曲へと紡ぐ。

リナルドの指が動き、もの悲しいような、淋しいようなメロディが奏でられていく。
アンプが無いので、絃を爪弾く生の音だけが響く。
曲に合わせ、意外と綺麗な歌声が部屋を支配する。

     ♪
♪I take your hands 伝わる温もりが遠く
 Lost my way 誰かの言葉なんて素通り

 悲しすぎてなのか? 悲しみわかんない
 激情の果てに無表情に辿り着く♪


♪Lay your hands 動かないあなたは現実
 すべては過ぎてゆく それだけが真理

 どこかの思想振りかざす僕を笑って
 いざとなれば自分の心すら救えない♪
          ♪

♪All I need is love
 I want to be with you
 All I need is love
 I want be with you
 Dear my place......so long♪

     ♪
♪あてもなく複製文化の街歩いた
 すべてが嘘っぽいジオラマに見えた

 このままいっそ過去に生きてしまおうか?
 こんな僕をあなたはもう叱ってもくれない♪
          ♪
 
 ……

(……何でこんな湿っぽくなるような歌、歌ってんだろ……)

歌声とギターの音が止まり、再び静寂が訪れる。
暫くの思案の後、彼は再びメロディを奏で始めた。
決して明るいわけではない、だが確かな意思を秘めた曲を。

≪続く≫
>>232続き

     ♪
♪今すぐ捨てたい 偽りの仮面つけたこの自分を
 ギラついた月と闇が交差するSpiral sky

 道なき道を進む旅路
 その果てには何があるのか?
 大切な“今日”を重ねて 辿りゆくWinding road♪

♪絡み合う不確かなRelation 時に絆さえ心を縛る
 動けない? それとも動かない?
 孤独を強さに変えて!

 Drastic my soul あるがままこの心を導いて
 Drastic myself 願い越えて新しい自分へと……♪
          ♪

……

そうだ。
まるでかつての自分を髣髴とさせる曲。
まるでかつての自分を象徴するかのような曲。
だからこそ、今、歌おう。
かつての自分との訣別ではなく、かつての自分さえ内包して前へ進むことを選んだのだから。

……

♪憂いの日々重ねる時代は過ぎた
 そう今、変わり始めた自分を知る♪

     ♪
♪Drastic my soul あるがままこの心を導いて
 Drastic myself 願い越えて新しい自分へと……

 Drastic my soul 確かめたい 今ここに生きる意味を
 Drastic myself もっと遠く深い闇突き抜けて
 I believe in Drastic my soul♪
          ♪

【行動:歌(-2)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・士官室】
【残り行動値:2pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷@私服】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食糧4日分、(ノーマルスーツ)、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)、(ギター)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (03番イブ 05番ダグラス 26番シェラザード 01番シュウジ)】
彼女達には少し毒が強かったかと思ったが、
元気を見せ、機体に答えてくれたリファニア。
さっそくシェラと腕を組み、厨房へ向かおうとする。

『あ、それじゃ、リファニアの邪魔をしないように頑張ってくるから、
 楽しみに待っててね、ダグ………艦長』

退出際に、手を引かれたシェラが一言。
考え事でもしていたのか、どこか戸惑ったような雰囲気だった。
確証はもてないが、僕の名前を言いかけたようにも思えた。

(ぺペロンチーノ。
 パスタかぁ、本当は只のデモンストレーションのつもりだったけど、
 本当に手伝いに行ってみようかなぁ。
 麺の茹で方なら、自信あるし……。)

リナルドと礼を交しながら、そんな事を思う。
そして彼も退出し、再び艦橋から賑わいが消えた。
残ったのは、イブ。

「さっきは失礼しました。」
深々と頭を下げ、先ほどの非礼を詫びる。
だが、様子がおかしい。僕の肩が微かに震えている。
顔も耳も、何かを堪えるように赤くなっていた。
まさか、何か体に重大な異変でも起こったのだろうか?
だが、次の瞬間……。

「……プッ……あーっはっは!!
 駄目だ、こらえ切れないよ。さっきの姉さんの反応!
 髪の毛『くるくるー』って、あははは!ひーーーっ!!」

抱腹絶倒。
腹を抱え、今にも転げまわりそうな勢いで笑い出した。
目に涙を浮かべ、それを指で拭う。
笑いを少し落ち着けると、言葉を続けた。

「あー、面白かった。
 でも、初めて姉さんの事を可愛いって思えたよ。
 …んで、どっちが手伝いに行きます?」

笑いの余韻を引きながら、姉さんに聞いてみた。

【行動:会話(-0) 大爆笑(-0)】
【位置:T−11 艦橋】【残り行動値:4p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:そろそろ…】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む 食事】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード 15番リナルド(一応お客扱い)】
235シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/04/03 23:28 ID:???
『計画に乗る…じゃなくて、計画に協力する…ね。
後…解除の方は…やってくれるならお願いするわ。
…後、会話はダミーよね?当然。』
「んじゃ、早速……。」
『…………料理のレシピ?』
「?」
(ヤバイ……俺は料理関係はからっきしだと言うのに……。
 うーむ。)
「……おっと、間違えた!こっちだ。こっち。」
そう言うと紙の裏にさらに書き足す。
[す、すまないが俺は料理関係はさっぱりでな……。
 何か他の偽装でお願いできないだろうか?
 このまま無理に続けてもいいんだが……。ちょっと不自然になるぞ?
 本当にすまない。]

紙を手渡したとき、ジェイスの機体が入ってくるのが見えた。
(そう言えばあの左腕も治さないといけないのか……。
 自分で脱出を言い出したとはいえ、あ゙ー……大変だ。)

【行動:会話(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:S−17 コロニー格納庫 】
【機体状況 :レーダー不調? 通信シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス・ラーズ
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) ちょっと疲労】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化  ……】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
サーティアが乗っていると思われるガンイージーは
バルカンを撃ちながら出入り口のほうへ向かっていく。
それをビームシールドで防ぎながら相手の動向を探る。

(バルカンの狙いが定まっていない。足止め程度か。
 何が何でもここを出ていきたいらしいな。
 戦意さえ見せなければ攻撃はしてこないだろう。)

『ルイ!レイモンドは負傷しているのか?!
 もし負傷しているなら状態を教えてくれ!
 ベルク、すまないな!
 サーティアが退いてから事情は説明する!』

アーネストは返事を返してくるとMSベットを
盾にしながらナックルバスターを構える。
ビームシールドを前方へ構えながらガザDの前に移動する。

「砲身を降ろせアーネスト。
 余計な戦意を見せるな、彼女は出入り口に向かっている
 こちらが攻撃姿勢をとらない限りあちらが攻撃してくることは無いだろう。
 無駄な誤解は出来るだけ避けろ、そのまま行かせてやれ。」
 
【行動:ビームシールドで防御(-1)移動(-1)通信(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:F-05(格納庫)】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つけるand戦闘行為を止める】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
『…………あ・・・・・・と・・・』

おっさんが何かを喋る。
だけど声が小さくて、良く聞き取れんかった。
「えっ。おっさん何?」
おもわず、肩を揺さぶろうと肩を両手で触るが、そこで動きを止める。
こんな状態で揺さぶったら大変な事になる。
手を体に回しておっさんを持ち上げる。
こないな場所やったら、女性の細腕でも持ち上げることが出来る。
そのままジャジャ馬のコクピットへおっさんを連れて入る。
アタシがシートにすわり、おっさんを少々邪魔になるけど
膝の上で横たえさせた状態でレバーを握る。
どうする。どうする。どうする。
基地やからメディカルルームぐらいあるはずや。
そこへ・・・・・・もし、立ち入り禁止区域だったら時間の無駄になる。
コロニーへ向かえば病院はあるはずや。
そこだったら設備も整っているはず・・・・・・そこも立ち入り禁止だったらどうする。
救急車を呼ぶ・・・・・・来るか。アホ!!
思考が疾走して頭の中をぐるんぐるん駆け巡る。
それにあわせてアタシの鼓動もどんどん早くなっていっとる気がする。
そして、考えが一向に纏まらへん。
そんなときに通信が入る。

『ルイ!レイモンドは・・・・・・』

あーたんが何か喋ってる。でも何言ってるかぜんぜん頭に入ってへん。
いい加減、考えの纏まってない今全然役にやってない頭を体が見捨てて勝手に動く。
通信機のスイッチを入れる 。
「・・・・・・誰か・・・・・・助けて・・・・・・・
 おっさんが・・・・・・おっさんが・・・・・・・死にそうや・・・・・・
 きっと、アタシのせいで。
 でも、アタシには何も出来へん。
 だから・・・・・・誰でもいいから助けて!!」

【行動 : 助けを呼ぶ(注・全体通信) (2)  残り2 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 大泣き 鬱 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ゴメンな・・・・・・
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
238アーネスト・マンソン:04/04/03 23:59 ID:???
>236
「撃つつもりなら撃ってる。
 彼女の考えがわからないんでね・・・・・・
 用心に越したことは無い。
 彼女が去るなら撃たない。だが、最後に何かをしていくつもりなら、
それを阻止しなければならないんでね」
 そうベルクに言葉を返す。
>237
「ルイ、どこをどう怪我しているのか教えてくれ。
 まだ俺は動けないが・・・・・・
 幸い、そこに君が居る。
 説明さえしてもらえば、手当ての方法を教えることもできるさ。
俺は・・・・・・その、人間の身体について、いろいろな事情から
『よく』知っているんでね」
【位置:F5】
【機体状況:右脚部メガ粒子砲損壊、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×1(右足のメガ粒子砲損壊)、脚部格闘用クロー×2
 スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:迎撃体勢(−1、サーティアの攻撃に対し警戒)無差別通信(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟レイモンド?、ルイ?ベルク?】


239ヨーコ@規制中につき代理:04/04/04 01:59 ID:???
夢を見ていた。

ある男性と恋に落ち、そして結ばれ、子供が生まれた。
子供の名前は陽子。
私たちにとっての太陽、そして皆にとっての太陽となれるように名づけた。

陽子は日に日に成長していった。
ある日、陽子は言った。
「あのおじいさん、だれ?」

その指先にあるのは黒崎家に旧世紀から伝わる神棚だった。
しかし、そこには人などいない。
でも私にはわかっていた。
「あのおじいさんはね、私達を守っていてくれているの。
 ほら、挨拶しなさい。おじいさんもきっと喜ぶわ。」

きっと先祖の霊でも見えたのだろう。
このころからしきりと陽子には私たちには見えない物を見る力が見うけられた。

ある日学校から帰ってきた陽子の表情が暗い。
何かあったのか心配になり何度も何度もたずねてみても
「何も無い」の一点張りで相手にしてくれなかった。

次の日、陽子はお気に入りだった白いワンピースを着て学校に出かけていった。
帰宅するまで心配だったが、無事に「ただいま」と声が聞こえホッと胸をなでおろした。
私は「おかえり」と我が子を出迎えた。

…が、その姿を見た瞬間絶句した。
お気に入りのワンピースは真っ赤に染まり、顔には真紅の斑点がついていた。
しかし、その表情は昨日とは打って変わって、
今まで見せたことのないくらいに満面の笑みを浮かべていた…。
240ヨーコ@規制中につき代理:04/04/04 02:00 ID:???
ガバッ!!

そこで私は起き上がった。
いつの間にか私はガズRのコクピットの中にいた。

いやな汗をかいている。
きっと悪い夢でも見てたのだろう。
内容までは思い出せなかったけど…。

「疲れがたまっているのかしら…ね。」

一言呟き、まだ少し疲労感の残る体を引きずってガズRを降りていった。

【行動:夢(1) MS降車(1)】 (以下敬称略)
【位置:s-17:MS搭乗口】【残り行動値:残り2p】
【機体状況:リナルド・ラーズ・シュウジ(ノーマルスーツ)】
【現在の状況:信用失墜中→リナルド・マヤ】
【武装:背部ビームキャノン兼ビームサーベル×2(内臓武器)
     大型ヒートホーク(右手) 】
【所持品:デイバック(水2g2本、修道衣)】
【行動方針:生きてきた証 2人で生き残る】
241リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:16 ID:???

……冥い部屋の中、彼女はライトに照らされて立っていた。
普段、肌身離さず持ち歩いている髑髏はない。連れ歩いているハロたちもいない。
それどころか、トレードマークの白衣も、何もかも……。
いつも身に着けている例の首輪だけが、明かりを浴びて鈍く光を放っている。

「こんな格好で呼び出すなんて、臆病ですね、みなさん。
 私が白衣の裾に隠して危険物を持ち込むとでも思われたのですか?」
「……リーア・ミノフスキー。
 その問いには答える義務も、答えるつもりもない。
 発言は我々の質問があった時にのみするように」

この状況でなお微笑を浮かべ答える女に、男の低い声が答える。
ライトに照らされた彼女を囲むように、暗がりの奥に男たちが座っているのが見える。

「今回呼び出した理由がわかるかね? リーア・ミノフスキー」
「ここのところ、『プログラム』からの脱落者が少ないことですか?
 それならば、好戦的な参加者が序盤に潰しあってしまったから、と報告したはずですが」
「その報告書なら読んだ。そんな瑣末事ではないよ」

暗がりの奥、男のため息が聞こえる。他の男が言葉を引き継ぐ。

「我々が知りたいのは、君の真意だ。
 ……報告書だけでは君の意図するところが分からんのだよ。
 何故、定期放送の際、あそこまで生徒たちを挑発する?
 何故、核攻撃まで考えている生徒たちを放置する?
 何故、あれほどの武器を『プレゼント』として放出した?
 今になって思えば、『フィールド内に管制室を置く』という君のアイデアにも、
 別の意図があったのではないかと勘ぐりたくもなってくる」

男たちの疑念に満ちた視線。
その不信のまなざしを全身に浴びながら、彼女はなおも微笑む。
242リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:18 ID:???

「……心配しなくても、何の他意もありませんよ。
 あの放送は彼らに時間が限られていることを忘れさせないため。
 核攻撃は、実行よりも前にグループが分裂するでしょうね。もう少し様子を見てからでも間に合います。
 プレゼントの武器にしても、管制室よりも生徒に向けられる公算が高いと思います。
 フィールド内の管制室は、確かに危険もありますが、管理の効率化には確実に貢献しています」

ひとつ息をつく彼女。
少し目を伏せると、静かに話を続ける。

「ただ、今挙げられた問題の背後にあるものを考えてみると……
 たぶん、私の『プログラム』監督の基本方針があるのかもしれませんね」
「基本方針?」
「ええ。
 『生徒たちにも、ルール外のことを『考える』自由とチャンスがあっていい』
 それが、わたしなりの基本方針です。
 ヒトは、『希望』なくしては生きられないものですから」
「希望、か。
 パンドラの箱に残りし最後の『不幸』を与えるとは、果たして善意かね、悪意かね?」

男たちの一人が、皮肉げな笑みを浮かべる。
その視線を受けても、彼女の柔和な微笑は揺るがない。

……暗い部屋の中、少し空気の動く気配がする。
緊急の報告書を持ってきた部下が、尋問をしていた男たちに資料を配る。

「……ほぅ。どうやら君の『予言』が当たったようだな」
「何かありましたか?」
「F-05に集まっていた連中――核攻撃を企んでた奴らが、仲間割れを起こしたらしい。
 MS戦が開始され、一人が重傷だ。
 全く、君は予言者か何かなのかね?」
「予言ではありませんよ。『経験者』としての経験を活かした、単なる推測です」

彼女は、ニッコリと微笑んだ。
243リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:20 ID:???

 *  *  *

……尋問から開放されて、数時間後。
彼女は、元いた小惑星基地内の管制室への帰途についていた。
一度預かられていた髑髏もハロも、白衣の彼女の腕の中にある。

「……人が生きていくには、『希望』が必要なのよ………」

彼女は口の中で言葉を繰り返す。
片手で、自らの首になおはまったままの首輪を撫でながら。

 *  *  *

伝説によると、ありとあらゆる災厄の詰まったパンドラの箱の中には、ひとつだけ世に放たれなかったものがあるという。
それが、『希望』。
果たしてそれは、どういう意味なのか。

絶望は世に放たれたが、『希望』だけはなお残っているという意味なのか?
災厄がこの世に溢れ、しかし『希望』は箱に閉じ込められ我々の手には届かない、という意味なのか?
我々の知る『希望』は、真の『希望』とは異なるまがいものに過ぎないのか?

あるいは……
『希望』こそが、最も解き放たれてはならぬ『災厄』だということなのだろうか?

 *  *  *

白衣をまとい、髑髏を抱え、ハロを従えた『パンドラ』は、再び戦場に帰ってきた。
彼女もまた、彼女なりの『希望』をその胸の中に抱いて。

【行動:尋問前のボディーチェックを受ける(−1p)
    尋問を受ける(上司たちとの会話)(−1p)
    取り上げられてたものを返してもらう(−1p)乗艦(−1p)出港(−1p)
    移動(マップ外→→Z-22→Y-22→X-22→W-22、戦艦移動ボーナスあり)(−3p)
    W-22小惑星内部、管制室そばの宇宙港に着艦(−1p)、下艦(−1p)】
【残り行動値:∞】【位置:W-22】
【行動方針:『上』の人の呼び出し命令に応じる、『プログラム』監督任務に復帰】
244リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:24 ID:???
第九章 >240 現在

  A B C,D E,F G, H. I ,J K L M,N O.P.Q.R S,T U V,W,X,,Y Z
01◎■◎■□□□□□■◎◎■□■■◎□□■■■■■□◎
02◎◎■□□◎□□□◎■■■■◎□□□□□□■■■■※
03■□□□□□◎□◎□□■■□□□□□◎□□□■■■■
04◎□□▼◎×□◎□□■◎■□□□□□□□◎□■※■■
05□□□◎▼07◎□◎□■◎■■□□□◎□□□□◎□□◎
06■□◎□□□□□◎◎◎10□×□◎□□□□□■□□◎□   □:開かれた空間
07※■■◎◎□□□□□□□□□■□◎□□◎□◎□□□□   ■:暗礁空域
08■◎※◎□□□□□◎〓□□◎□□■□□□※※□□□□   ※:戦場跡
09■■※■■□◎□□□□◎□□◎□□□□※□※◎□■■   〓:コロニー
10◎■◎■■□□□◎□□□□□◎□□□※◎◎◎※□□■   ▼:小惑星基地
11■◎■◎■■◎◎■□□■□■■□□◎□×◎※□□■◎   ≠:崩壊したコロニー
12◎■■■■◎□□□□□◎■■■◎■□□□□□□■◎■
13※■■■◎□□◎※□×◎■□■□■◎◎□□□□◎◎■   ◎:侵入禁止区域
14■■□◎◎□□◎□□□■※■□■◎□□□□◎■◎×◎   ×:侵入禁止予告区域
15■◎■■■□□▼□□□□■□□□◎□□□□■◎■◎■
16■□×■□□□□□□◎□□□□◎□□□◎※□□◎■■
17□□■□□□□◎□□□◎■■□□□□01≠□□□◎◎■
18◎□□◎□□◎□□□■■◎◎□□□□□□□□◎□□◎
19□◎□□◎□■□□◎□■■■■□◎□□□□◎▼□□□
20□□□□□◎□□◎□◎□■□◎□□◎□□□▼▼□□□
21◎□□〓〓◎□□◎□※◎※※□×◎□◎□▼▼▼◎□□
22■□◎□□□◎◎◎※※※◎□□□□□□◎▼◎◎▼□□
23■■□□□◎□□□◎◎◎※◎■◎□□◎□◎▼▼□◎□
24※■■◎□□×□■◎□※◎■■■□◎□◎□□□□□■

01・06・08・19は同一地点。03・05・15・20・26は同一地点(T-11の×印)。07・11・14・21・25は同一地点。
03・05・15・20・26はムサイ級戦艦に搭乗。03・05・15・20・26の機体はムサイに収容。
乗り手不在のゴトラタンもムサイに収容。
乗り手不在のジャベリンがF-05の小惑星内(07・11・14・21・25と同一地点)に。
02・04・09・12・13・16・17・18・22・23・24死亡。
245リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:26 ID:???
生徒名簿

 01番 シュウジ・アサギ         (32) 男性  ビギナ・ギナ(元・ホビー・ハイザック)
 死亡 シュヴァイザー・シュタイナー (44) 男性  ボリノーク・サマーン
 03番 イブ・シュウリン          (24) 女性  Vガンダム
 死亡 ユリ・ランブ            (16) 女性  (ゴトラタン)
 05番 ダグラス・ロックウード     (17) 男性  ジム・ライトアーマー(元・ケンプファー)
 06番 ジェイス・カーライル       (28) 男性  ジェガン
 07番 ベルク・クロフォード       (25) 男性  ペズ・バタラ
 08番 ヨーコ・クロサキ         (17) 女性  ガズR
 死亡 リオン・フライハイ        (15) 男性  ジオング
 10番 アシッド・ミニングリー      (29) 男性  ギラ・ドーガ
 11番 サーティア・クワン        (19) 女性  ガンイージ(元・ジム・ライトアーマー→ジャベリン)
 死亡 サブナック・B・アンドラス    (17?)男性  ビグロ
 死亡 ショーン・コネリー        (52) 男性  ガンダム4号機(元・ジャベリン)
 14番 レイモンド・デリック       (31) 男性  (ガンイージ)
 15番 リナルド・グレイス        (22) 男性  アビゴル
 死亡 アレン・D・バディアム      (20) 男性  ハンブラビ(元・ガンダム4号機→ジャベリン→ゴトラタン)
 死亡 フィニー・ディクセン       (18) 女性  (ハンブラビ)
 死亡 レニウム・アートナー      (33) 男性  ジ・O
 19番 ラーズ・フィリー          (16) 女性  ヤクト・ドーガ(クェス機)
 20番 リファニア・ニールセン     (15) 女性  サイコガンダムMk-U
 21番 アーネスト・マンソン  (20代後半?)男性  ガザD(+旧ザク)
 死亡 リー・ションロン          (22) 男性  (ビギナ・ギナ)
 死亡 スタンリー・M・イプキス     (33) 男性  クロスボーンガンダムX2
 死亡 ジョシュア・カミンスキー     (31) 男性  ガンダムMk-U(ティターンズカラー)
 25番 ルイ・フィルセント         (22) 女性  R・ジャジャ
 26番 シェラザード・ビンス・マクファーソン (28) 女性  キュベレイMk-U(3号機)
246リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/04 03:36 ID:???
(一回の放送中止を挟み、久しぶりの定期放送は、いつもの時間より僅かに送れて流れ始めた。
 相変わらず楽しげな、そして、相変わらず人の神経を逆撫でするような、若い女の声)

『はい、みなさ〜ん、たっだいま〜♪
 少し予定よりも遅れちゃいましたが、先生、無事、帰ってきましたよ〜♪

 みなさん、先生のいない間もちゃんと頑張っていたようですね〜。先生は嬉しいです。
 前の放送から今までの間に、脱落者が1名出ています。
 23番、スタンリー・M・イプキスさん。
 撃破したみなさん、お疲れ様でした♪

 それから、警告で〜す。
 具体的に誰とは言いませんが、機体を奪われちゃったおマヌケさんがいますね〜。
 ここで脱落したくなかったら、今すぐ、何か適当なMSに乗って下さい。
 さらに他の人のを奪うなりなんなり、その辺はご自由に。
 MSに一人で乗って、機体を立ち上げて動かせる状態にしたら、乗り換え完了と見なします。
 う〜ん、そうですね〜。どれくらい猶予あげようかな。
 ……立ち入り禁止予告区域が、立ち入り禁止区域になるまでの時間にしますかね。
 それまでに「乗り換え」を終えてなかったら、首輪を爆破しちゃいますよ〜。

 では、次の立ち入り禁止区域の発表です。
 『C-16』 『F-04』 『G-24』 『K-13』
 『N-06』 『P-21』 『T-11』 『Y-14』
 この放送が遅れた分、実際の立ち入り禁止区域の適用も遅れますので、ご心配なく☆

 それでは、これからも殺し合い頑張って下さいね♪』

【行動:定期放送(全体通信)(−2p)】
【残り行動値:∞】【位置:W-22】
【行動方針:みなさんに殺し合いをしてもらう】
 「だから・・・・・・誰でもいいから助けて!!」

 片一方はあまりに普通の叫びだった。
独特すぎる発音を語尾に蓄え、彼女は内の悲痛さを訴えていた。
個人的すぎる事情が言葉の節々に明らかになってしまう程に
大きな衝撃に感情が揺さぶられているんだろう。
声の主の素性も身辺も知る術は無い。だが至極当然のことだ。
助けを呼ぶために全体通信で呼びかける。在る意味妥当な手段。
こちらとしては少し安堵を覚えたほどよ言っても過言ではない。
これから死に行く者とそれを見守る者。 ま、ご愁傷様。


 「はい、みなさ〜ん、たっだいま〜♪」

 片一方がいつものコレだ。
甲高い声を聞くたびに虫唾が走らされる。気分が悪くなる。
頭に瞬時に浮かんでくる白衣のイメージがまたどうしようもない。
すでにある種の心的外傷になるぐらいに刷り込まれている。 
不必要な情報は全て聞き流し、最後に一拍置いて禁止区域の情報。
これだけでいい。さっさと消えろ。耳障りにも程が在る。
異常さに拍車を掛けるために幾度となく繰り返される挑発。
それに乗る者が一人でもいれば思惑は成功したことになるのだろう。
それもまたこのゲームでの彼女の"役割"ということか。

 ……しかし、だ。

 前出との対照さには、思わず失笑せざるを得ない。

【行動:移動 (-4P)】
【位置:L-06→L-07→K-07→J-07→I-07】【残り行動値:0P】
【機体状況:外装への小ダメージ+14番からの切り傷+完全ではない左腕】
【武装:ビームソードアックス】
【所持品:自動小銃2丁 小銃3丁 それらの弾薬】
【行動方針:戦場を求める】【同盟:無し】
248イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 12:20 ID:???
>234
「……そ、そんなに笑わなくたって良いじゃない……っもう……」

どうしようもなく顔が熱くなっていく感覚に戸惑いながらも、愁林は抗議の声を上げる。
毛先を弄る指を一旦下ろし、反対側の手でサラリと髪をかき上げる際の表情にも明らかな動揺が見て取れただろう。
笑い転げんばかりのダグラスの様子に、羞恥心から顔の紅潮は留まる事を知らないかのように進んでいった。
今や、形の良い耳の先まで真っ赤に染まっている。

「“お姉さん”をからかうものではないわ、ダグラス」

そこは24歳、流石に口を尖らせて拗ねたりはしなかったが―――

『あー、面白かった。
 でも、初めて姉さんの事を可愛いって思えたよ。
 …んで、どっちが手伝いに行きます?』

「……そうね、私が手伝いに行って、豆板醤とタカノツメを思いっきり利かせた麻婆豆腐を作ってあげても良いのだけれど。
 パートナーに手料理を食べてもらうのも、女の幸せの一つだもの。
 勿論、一番のスパイスである愛情は溢れんばかりに―――
 ああ、そう言えばダグラスは辛いものが苦手だったわね。それでは諦めたほうが良さそうかしら?」

こんなささやかな復讐をするぐらいの子供っぽさも、愁林は持ち合わせているのだ。
そして更に、ふと思い出したように彼女は口を開いた。

「……『初めて可愛いって思えた』……ですって?
 それはつまり、今までの私は全然可愛げのない女だったという事かしら。
 自分を可愛く見せたいだとか、そんな風に思う歳ではないけれど……でも、少しショックね」

くるりと少年に背を向けて、拗ねたようにそんな事を口にする。
無論からかい半分の冗談なのだが、可愛いと言われた事への照れ隠しであるのもまた、揺るぎ無い事実であった。
ダグラスは愁林の心を、一糸纏わぬ裸にする。
だから、見栄を張らない彼女はこんな反応を示してからかい返す事しかできなくなるのだ。
249イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 12:25 ID:???
「それでは、可愛げのないお姉さんは、もっと可愛いって思って貰えるように辛いブリッジ勤務を引き受けようかしらね。
 ―――お料理、楽しんでいらっしゃい。私も後で手早く一品作りたいから、一通り終わったら戻って来て貰えると嬉しいわね」

振り返ったその顔は“お姉さん”そのもの。
だが、その瞳の柔らかな光は、パートナーとの安らかなひと時に幸せを噛み締める、女の喜びゆえのモノ。
いつまで自分達が生きていられるかは分からない。
脱出への希望を捨てたわけではない。
寧ろ少年と口づけを交わしてからは、より強くその希望を抱くようになっていた。
だが、それでも死神の無分別さ、容赦の無さを知っている愁林は覚悟を常に忘れずにいる。
だからこそ、こんな何でもないひと時を、愁林は心にしっかり刻み付けておこうと思った。

ふわりとダグラスの頭を撫で、当直士官用のシートに愁林が腰を下ろそうとしたその瞬間。

『……誰か……助けて……おっさんが……おっさんが……死にそうや……
 きっと、アタシのせいで。でも、アタシには何も出来へん。だから……誰でもいいから助けて!!』

予想外の全体通信、名も知らぬ少女の悲痛な叫び声が艦橋に響いた。

【行動:全体通信傍受(-0)】【残り行動値:4p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、「何が起きたの!?」】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
「えっ。おっさん何?」

俺の声が小さかったのだろうか、ルイが聞き返してくる。
俺としては普通に声をかけたつもりだったが、どうやら俺の体力は想像以上に消耗
しているらしい。
どうするべきかぼんやりと考えていたら、いきなりルイが俺の体を抱え上げた。

(うわ……っと…。ルイ……いつの間にこんなに力持ちになったんだ……?これも
 …いわゆる鷹が爪を隠すって事かな……?え…いや違う……。ここはデッキの筈
 だろ?…何を勘違いしてんだ、俺は……?)

混乱している俺をよそに、ルイは俺を抱えたままどこかに……おそらくコクピット
に入り、シートに座った。
俺は自然にルイの膝の上に横たわる格好になる。
本来なら男として喜ぶべき状態かもしれないが、今は狼狽しているルイの姿を見続
ける事になり辛かった。

……妙に感覚が冴えている。
自分自身で満足に話せないのに、そのくせ周囲の声や音ははっきりと認識できる。

『ルイ!レイモンドは負傷しているのか?!……………』

「・・・・・・誰か・・・・・・助けて・・・・・・・ おっさんが・・・・・・」

僅かに首を傾けて手首を見てみる。
ルイが腕と、手首……だったか、2箇所を縛ってくれたおかげで、出血自体はほぼ
止まっているみたいだ。

(問題は…えーと………ああ、ここまでの出血量の多さ……か)

もしかしたら、すでに死んでもおかしくない程の出血があったかもしれない。
現に俺の体は、錨でも巻いてあるのではと思ってしまうくらい重く、だるかった。
状況からして専門の知識が無い俺にも、これ以上の出血が絶対に駄目だという事く
らいは分かる。

(いや…。例えこれ以上の出血がなかったとしても、俺は生きていられるのか…?)

ただ、そうは思っても何とかルイに俺は大丈夫だと、心配するなと、それだけは伝
えたかった。
それだけに、満足に声も出せない今の自分が恨めしい。

(続く)
その時俺の考えに割って入るように、明るい声が通信機から聞こえてきた。

『はい、みなさ〜ん、たっだいま〜♪
 少し予定よりも遅れちゃいましたが、先生、無事、帰ってきましたよ〜♪
 ……………………』

その放送を聞いた俺の目に、僅かに生気が蘇る。

(この野郎…。ずけずけと言ってくれるな……この3流教師……。
 ああ、そうだよ。俺はサーティアを信じてガンイージを持って行かれた間抜けだ。
 だけどな…。…俺は仲間としてサーティアを信じた事に対して……これっぽっちも
 後悔していないんだよ……!)

放送によるとどうやら俺の首輪は…ジャベリンを起動させないと爆破されるらしい。
次の禁止区域が増えるまで…時間はあまり残されていない…。
俺は意を決すると、細胞の1つ1つから絞り出すように声を出した。

「ル、イ………。……ルイ……!」

【行動:ルイに呼び掛ける(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
「あっ、シェラさん、煮立ったら、塩こんだけいれて、弱火キープしちゃっててくださいね〜。」
料理は続く。食材を切り終わり、ソース作りにとりかかろうとした時に……。

>>237
突然入った全体通信。
必死で助けを求める女性の声。聞いた事のない訛りがあった。
リファニアの手が、とまる。

……誰かの命が危険に晒されている。
そんなときに、私は暢気に料理なんて作っている……。
どんな事で突然命が奪われるかわからない。
そんなフィールドに、自分達は放り込まれているのだということが、あらためて実感できた。
私達の見えない場所でも、常に命のやり取りは行われている。
私達が戦い、傷つき、殺し、死の恐怖に怯え、そして一時の安らぎを味わっているときも……。
別の場所で、誰かが恐怖や悲しみを……そして、戦いの興奮を味わっている。

「……ごめんね。」

……私は、あなたを助けられるかどうか、わからない。
たぶん、ミョーコウだけで……精一杯。
そのミョーコウだって、助けられるかどうか、わからないものね……。
……ごめんね、ごめんね。
無力で……自分勝手で。

>>246
続けて、定期放送が入る。
艦内のいたるところに設置された艦内放送用のスピーカーを介して飛び込んでくる、久しぶりに聴く声。

リーア=ミノフスキー……。帰って来たんだね……。
ふん、そうよ。私は、殺した。この理不尽なゲームに乗ってしまった。
哂うなら……哂え。蔑むなら……蔑め。
……でもね。私は、屈しないよ。
どんなに大きな壁だろうが、屈しないよ。
越えてやる、絶対に。
たとえ敗れたとしても……屈するもんか。
前へ、前へ、前へ……目の前の壁に向かって、突き進む。
それが、あのひとから受け継いだ、生き方だもの。
首輪を触り、ひんやりとした感触を味わう。
決意の表情を浮かべ、拳を握り締めるリファニア。
いったん調理台から離れて、通信端末からブリッジに通信をおくる。

「さっきの定期放送、聞いた?
 この地点、たしかT−11だったよね?
 はやめに艦を動かしちゃった方がいいよね。
 でも、ゆっくり動かしてね。
 ……料理長の任務遂行に、支障がでちゃうもんねっ。」

その声は、あくまでいつものリファニアと変わらない声だった。
……先ほどの助けを求める声が気にならないといえば、嘘になる。
でも、今のリファニア達には、食事が必要だ。
腹が減っては戦ができぬ。
……生きる事そのものが、戦いなのだ。
その戦いに勝つためには、ずっと空腹のままでは、無理というものだ。

「シェラさん、つづきだよっ。
 いよいよソース作りにはいりま〜す♪
 コレが簡単なようで……加減が難しいんだよ〜。
 にんにくを焦がしちゃうと、にがにがになっちゃうからね〜。
 シェラさんは、私がおっけって言ったら、パスタ茹ではじめてね〜。」

再び明るい表情に戻り、シェラとの共同作業を再開した。

【行動 : ブリッジに通信(-1)、調理継続(-1)、残2 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、調理室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、エプロン装備、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』『最後の晩餐?』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
「はぁっ、はぁっ……」

 ハッチの外へ出て加速する。
 機体の損傷事態は問題じゃない……見た目上はね。
 それよりもセンサー類の損傷が酷い状態、かな。

「……奇襲をもっと生かすべきだったかしら」

 その奇襲のタイミングを逸したのも、全てレイモンドの制止のせい……。

 やってくれる!

 何よ、必死になってさ……。
 命掛けるわけじゃ、あるまいし。

「リオン、ごめんね。一回修理しなきゃ……
  もう少し、時間掛かるかな」

 まずは……コロニー。
 コロニーへ向かって可能な限り修理しないと。
 以前通りの性能が出せなくったって、今のままって訳にはいかないんだから。


【行動 : H7へ移動(−1) 】
【残り : 2P 】
【位置 : F6 → G6 → H6→ H7】
【機体 : ガンイージ 】
【状況 : 頭部メインカメラ破損、機体各所にダメージ、電子機器に被害】
【身体 : 空腹 】
【武装 : 頭部60mmバルカン砲×2、ビームサーベル、ビームシールド、
       胸部ニ連装マルチランチャー、ABCマント、ビームライフル(残弾6)
       MS用大型ガトリング・ガン(ドラムマガジン付き) 作業用クレーン+大型コンテナ】
【所持品: 頑丈な腕時計、携帯ゲーム機、小説、LD、薬品一式、血塗れのリボン、その他】
【方針 : 優勝 】
【同盟 : No.09/ベルク 】
>>249
「りょーかいっ!
 何かあったら、艦内電話で。」

歯を見せ、無邪気な笑顔で敬礼を返す。
こんな何気ない、普通の会話がとても楽しく感じられる。
もう一度、今度はゆっくりとお話したいなぁ。
殺し合いも、艦長の責任も、何もかも忘れて……。
……おっと、早く厨房へ向かわないと。

敬礼を解き、艦橋を後にしようとしたその時。

『……誰か……助けて……おっさんが……おっさんが……死にそうや……
 きっと、アタシのせいで。でも、アタシには何も出来へん。だから……誰でもいいから助けて!!』

少しノイズの掛かった、全体通信。
その突然の通信に、足を止めた。

女の人の声……。誰、だろう?
近くからの発信じゃ無さそうだけど……。

発信元へ向かってみたい気もしたが、今動くのは適切で無い。
それに、この状態でこれ以上のリスクを抱えこむのは危険だ。
せめて、食事が終って、疲れが無かったらどうかも解からなかったが……。

「では、行ってきますね……。」

その声を振り払うかのように、艦橋を後にした。
沸々と沸いてくる感情は、罪悪感。
だが、今は自分達の事だけで手一杯なのだ。

「おまたせしましたー!」

再びテンションを引き上げると、厨房の扉を開けた。
目に飛び込んだのは……二人のエプロン姿。
リファニアは機能性を無視したフリフリのエプロン。
シェラはその黄色をベースとした、ヤケに色っぽい服。
思わず一瞬、目が点になってしまった。

「あはは……。二人とも、か、かわいい格好ですね。」

目のやり場に困りながら、とりあえず当り障りの無いことを言ってみる。

「…あ、ちょっとまってて下さいね。」

何かを思い出すかのように、厨房のロッカールームへ。
そして2〜3分後。
出てきたのは、首に巻いた赤いバンダナが目を引く、純白のコック服をまとった少年だった。
ちょっとダブついているのは、ぴったりのサイズがなかったためか。

「さて、料理に取り掛かりますか。
 リファニアさん、何か手伝う事は?
 できれば麺の茹でを任せて欲しいんですが……。」
【行動:艦内移動(-1) 変身(-1) 会話(-0)】
【位置:T−11 ミョーコウ内厨房】【残り行動値:2p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:そろそろ薬が…】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む 食事】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード 15番リナルド(一応お客扱い)】
257イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 16:31 ID:???
>255
全体通信の内容に足を止めたダグラス。
再び歩き出したその横顔に、愁林は胸が切なくなるのを感じた。
ドアが閉まる。
誰もいない艦橋の中、彼女は一人静かに瞑目する。
やがて、歌うような祈りの声が響き始めた。

「聖ヨゼフ、苦しんでいる人の痛みを和らげ、悲しんでいる人の涙を拭いてください。
 願わくば、父と子と聖霊とに栄えあらん事を。
 始めにありし如く、今もいつも世々に至るまで。アーメン」

その行為は傍から見れば偽善以外の何物でもない。
それでも、愁林には祈る以外の事はできそうになかった。

「―――Amen.」

連ねられた祈りの言葉の最後に、もう一度だけ小さくそう唱え、愁林はゆっくりと目を開いた。
次いで、艦内電話のスイッチを入れて厨房へと回線を繋ぐ。
管制室からの定時放送の中、読み上げられた次回禁止区域にT-11宙域があった以上、なるべく早めに移動しなければならない。
故に行き先を定めるべく、彼女は艦長としてのダグラスに指示を仰ごうとしたのだった。

【行動:艦内電話(-1)】【残り行動値:3p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、行き先を決める】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
シェラザードは料理を作ることが苦手だ。
美味しく食べたり食べさせたり食べられたりするのは好きだし得意でもあるのだが、
包丁を持ってまな板の上の食材を前にすると、ただの不器用さんになってしまう。
そういう自分の力量と現実を十分承知している以上、
百戦錬磨のリファニアの指示を忠実に従うだけだった。

塩と砂糖を間違えそうになったり、弱火と言われたのに火力調節つまみを回しすぎて
あやうく調理室に地獄の業火を出現させかけたのはお約束というものかもしれないけれど。

>>237
防火服を持ってくるべきだったかしらと思いながら鍋の湯加減を注意深く観察しているとき、
スピーカーから聞き覚えのない声が響いた。
独特のイントネーションと語尾変化がある言葉で話す、若い女の声。
イブの声でもないし、当然ながらリファニアの声でもない。
自分の知らない女………他の生徒による全体通信のようだ。

必死で助けを求める、悲痛な叫び。
だが、その声はシェラザードの耳に響いても心には響かない。

何を考えているのかしら。

ここがまっとうな世界で、助けを求めれば誰かが警察や消防に連絡してくれるとでも思っているのだろうか。
誰を助けて欲しいのか知らないけれど、この状況で「弱み」を露わにすることがどれほど危険か。
ここに弱っている生徒がいるからさっさと片づけてくださいと言っているのも同然だ。
確かに助けは………救いの手はさしのべられるかもしれない。
この世のあらゆる苦痛から解放してくれる、無慈悲で無情な究極の救いとなるだろうけど。

>>246
それに続くようにして、恒例の定期放送が入る。
驚いたことに、スタンリーの死亡が発表された。
てっきり逃げ切られたと思っていたのだが、実は何処かにダメージを与えていたのだろうか。
………死んだ今となっては、どうでもいいことではあるが。倒すべき相手が1人減った、ただそれだけだ。

そして、機体を奪われたという生徒の存在が発表される。
さっきの助けを求める生徒も間が抜けているが、間抜けなのは彼女だけではないようだ。
この状況で自分の搭乗機を失うことが何を意味するのかはあまりにも明確だろうに。
それとも、何か相応の理由があったのだろうか。
取りあえずは「仲間」だと考えていた相手に騙されたというような、そんな理由が。

あたしのキュベレイ………盗まれるわけにはいかないけれど。

だが、少なくとも今のミョーコウでは、そのことをさほど心配する必要はないかもしれない。
ダグラスについては分からないが、リファニア、イブ、それにあの男と、それぞれの機体は
キュベレイよりも強力か、あるいは新しい機体だと思われる。
キュベレイのような宇宙世紀80年代の、しかも扱いの難しい機体を、あえて奪おうとする必要はないだろう。

むしろ、あたしは泥棒扱いされる方よね。

続いて禁止区域の発表。その中で言われたT−11という座標………自分たちが今いる場所だ。
思わず慌てそうになるが、よく考えればブリッジにはダグラスとイブがいる。
2人揃って放送を聞き逃すと言うこともあるまい。どちらかが適切な対応を取るだろう。
後で何処に向かうことにしたのか聞いておけばいい話だ。
>>252-253
さて、この2回の放送を聞いたリファニアはどのような反応を見せるのだろうか。
そう思って、鍋を見つめながら横目で少女の様子をうかがう。
あの貧乳女の声を聞いたときに見せた反応は、予想の範囲内だった。
一瞬だけ見せた、火花のような殺意と敵意。何かを決意しているような、その表情。
その細い指が首輪に触れたのは、心に決めたことを確認するために必要な仕草なのだろうか。

だが、愚かではあるが悲痛でもある叫びに対して見せた反応は、意外なものだった。
リファニアは、その声を無視した………少なくとも、その言葉と行動の上においては。
当然と言えば当然ではあるのだが、リファニアらしくないと言えば全くらしくないとも言える。
平和に料理をしている自分の立場に罪悪感を憶えてうなだれるか、
下手をすると助けに行こうと言い出すかもしれないと思ってはいたのだが。

でも、それでいいのよ、リファニア。

物事には優先順位というものがあり、投入できる戦力には限界というものがある。
今の自分たちは自分たちのことだけで精一杯。他人を助ける余裕はない。
それに対して罪の意識を感じる必要もない。誰だか知らない彼女が間抜けなだけ、それだけのことだ。
大切なものを優先させるには、そうでないものを優先しないことから始めないと。

どうしても気になるなら、心の中でごめんなさいと一言謝っておけばいいわ。
彼女を困っているのは、あたし達のせいではないから。
あなたにとって大切なものを優先させなさい。
あたしは、そうするから。

ブリッジに一声かけてから、調理を継続することを意思表示するリファニア。
それを拒む理由はないし、拒むつもりもない。
リファニアとの共同作業を続けようとすると、意外な人物が調理室に現れた。

>>255-256
『おまたせしましたー!』

ほんの少しだけ不自然さを伴った明るい声と共に現れたのは、ダグラスだった。
ブリッジでのリファニアの誘いに乗ることを決めたようだ。
エプロン姿の美女と美少女の姿に照れた様子を隠しきれないまま一度ロッカールームに消え、
もう一度出てきたときにはコック姿になっていた。
………艦長姿よりも、こちらの方が似合っていると言うか自然かもしれない。

まさか、あなたまでコスプレをしてくれるとは思わなかったわ。

「お疲れ様です、副料理長。料理長がお待ちかねですよ♪」

リファニアに敬意を払い、この場では彼女を正、ダグラスを副としておく。
もっとも、コック見習いのエプロン姿がお気に入りなら、副料理長にはもっと見せても構わないのだけれど。
ダグラスが望むのならば、彼に「料理」されて「食べられ」るのも構わない。
むしろ、そうすることを望んで欲しい。

あなたが好きなのはこの制服? それともエプロン?
お望みならばどちらでもいいのよ。全てはあなたの望むがままだわ。

思わず浮かべた微笑みは、自分で思っていた以上に妖艶なものだったのかもしれない。
無意識のうちに瞳に濡れたような光を浮かべ、微妙にポーズを取りながら、その様子を伺ってみる。
薬物の影響はどうなのか。さっきの放送に対する思いは。
不器用なりに料理に取りかかっている自分の姿への反応は。
薬物に関しては、反応に関しては個人差があるので今のところは何とも言えない。
しばらくはこのままでいるかもしれないし、突然電池が切れてしまうかもしれない。
………それを考えると、あまり火の側には近づけない方がいいのだろうか。
何かあったらすぐに支えられるところにいた方がいいかもしれないと考えて、
一歩踏み出せばその身体を支えられる位置に出来るだけいることを決意する。
そうすれば、自分の存在と魅力をより強く感じてもらえるかもしれないし。

放送の影響については………特に変わった様子は見えない。
どちらの放送を耳にしても何らかの反応は見せてもいいはずだが、
それにしてはダグラスの様子はあまりに「普通」だ。
浮かれてもいないし落ち込んでもいない。まるで放送があったことそのものを知らないようだ。
今さっきまで放送が聞こえない場所にいたとでも言うのだろうか。

………妙な想像は、やめておきましょう。

ひょっとしたらイブと「何か」をしていて放送が耳に入らなかったのではないかという疑念を覚えたが、
そんなはずはあるまいと心の中で強く否定する。
この宙域に来たばかりの時とは状況とは異なるのだ。
新入りであるあの男がいるのにブリッジや何処かで………ということが起こる可能性は皆無に等しいだろう。

ブリッジにいたのがあたしならともかく。

気分を切り替え、料理の手伝いとダグラスの観察に集中しようとする。
麺を茹でるのを任せて欲しいというダグラスの言葉にリファニアがどう答えるか、
そうしたら自分は何をすべきか………そう考えたとき、壁の通信機が軽やかな電子音を響かせた。

>>257

「お電話ありがとうございます。出前のご注文でしょうか、それともご予約ですか?」

電話の応対は見習いの仕事と言うことで、受話器を取る。
相手はブリッジにいるイブだった。ダグラスの指示を仰いでおきたいことがあるとのこと。
どうやら行き先が未定らしい。するとダグラスは行き先を決めずに調理室にやってきたというのだろうか。

そんなに料理がしたかったのかしら。
それとも、料理をするあたしの………あたし達のことが気になったのか、な。
そうだったなら、嬉しいのだけど。あたしが料理をするところ、そんなに見たかった?

「ダグラス、イブからよ。行き先を何処にするか決めて欲しいのですって」

送信口を押さえて、ダグラスにどうするのか聞いた。

【行動:料理の手伝い継続(−1)、ダグラスの位置を意識(0)、
     イブからの通信に出る(0)、ダグラスに話しかける(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・調理室)】【行動値残り:3】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康・空腹@エゥーゴコスプレ・エプロン装着中】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:リファニアとの約束は守る】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
>>255-260
『おまたせしましたー!』
元気な声とともに、ダグラスが調理室に現れた。
こちらの姿を確認して、すこし目のやり場に困った様子をみせる。
『あはは……。二人とも、か、かわいい格好ですね。』
……あはは。シェラさんの格好、すごいもんね。私は別の意味で、すごい格好だけどっ。

『…あ、ちょっとまってて下さいね。』
そう言って、ロッカールームに入っていくダグラス。
数分後、ロッカールームから現れたダグラスの格好は……。
なんというか、シェフっぽいと言えばそうなのだけれども、
首まわりに巻いたバンダナの赤いワンポイントが、妙に気になってしまう。
……リファニア達の格好にあわせたのか、それとも地なのか。
"コスプレ艦長"という、アレンがつけたあだ名が思い出されて、可笑しかった。

『さて、料理に取り掛かりますか。
 リファニアさん、何か手伝う事は?
 できれば麺の茹でを任せて欲しいんですが……。』

「おっ、自信ありげな発言じゃない♪
 それじゃあダグラス艦長もとい副料理長、麺茹でおまかせするね〜。」

ダグラスの提案を、微笑みと共に受け入れるリファニア。
……少しでもダグラス君が気苦労を忘れてくれるなら。

そう考えていると、艦内電話の呼び出し音が、鳴り響いた。
『ダグラス、イブからよ。行き先を何処にするか決めて欲しいのですって』
どうやら、ブリッジからのようだ。シェラがダグラスに代わろうとする。

「ねえ、私達の機体、結構ボロボロだから、なんとかしたほうがいいんじゃないかなぁ。
 どっか設備が充実したところに行ってみるとか、あとは技術者を探すとか……。
 ……危険かな?」

……さりげなく、そう提案してみるリファニア。
特に提案したかったのは……後者だ。
首輪の戒めを解かなければ、壁にたどり着くことすらままならない。
その為には、この艦に居るメンバーでは、手に余るかもしれない。

「まあ、とにかく、艦長の判断に従いま〜す。
 さてと。それじゃあシェラさん、ソースづくり、いっしょにやろうねっ。
 フライパンにオリーブオイルい〜れてっ。さっき切ったにんにくと、唐辛子をいれま〜す。
 で、とろ火でね、こうやってね、炒めちゃうんだよ〜。
 よお〜し、シェラさん、やってみよ〜。」

料理を再開するリファニア。
まずは自分がやって見せたあと、シェラにフライパンを渡す。

「唐辛子はね、くろ〜くなっちゃったら取っちゃうんだよ。
 にんにくはね、ぜったい焦がしちゃだめだよ〜。」

シェラの傍らに立ちながら、指導するリファニア。
……料理が出来たほうが、いいお嫁さんになれるもの。
シェラさんも絶対に、生き残らせてみせるから。だから明日を、考えよう?

……そんな事を、考えながら。
【行動 : 提案(0)、調理継続(0)、残2 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、調理室) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、エプロン装備、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』『最後の晩餐?』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
『ルイ、どこをどう怪我しているのか教えてくれ。
 まだ俺は動けないが・・・・・・
 幸い、そこに君が居る。
 説明さえしてもらえば、手当ての方法を教えることもできるさ。
俺は・・・・・・その、人間の身体について、いろいろな事情から
『よく』知っているんでね』

あーたんから通信が返ってくる。
頭が考える前に口が先に動いて喋り出す。

「右手が無くなってて、血がドバドバ出とった。
 一応、肩と手首の所を縛ってあるんやけど
 大丈夫かどうかわからへん。
 左目からも血が出とる。
 他にも見えないところで怪我しとるかもしれへん。
 なぁ。あーたん。どないすればいい?
 この基地にメディカルルームあるかどうかわからへん?
 それともコロニーに行って病院探したほうがええ?
 どうする。どうする?」

気が動転しててひたすら早口で捲し上げる。
そんときに急に声が聞こえてくる

『ル、イ………。……ルイ……!』

「おっさん、喋らんといて。
 怪我に響くで・・・・・・」

【行動 : あーたんに色々聞く(注・全体通信継続) (2?)  残り2? 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 大泣き 鬱 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ゴメンな・・・・・・
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
264シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/04/04 21:10 ID:???
>>237
>>263
>>246

立て続けに入る全体通信。
一つは聞いたこともない女性からの悲痛な声。
一つは説明するまでもないだろう。
「……おっさん……機体を奪われた参加者……杞憂で有ればいいが……。ゼファー!」
〔はい?〕
「25歳以上の男性参加者の、搭乗機体を検索してくれ。」
〔了解。
 ……
 01番 シュウジ・アサギ    ビギナ・ギナ(元・ホビー・ハイザック)
06番 ジェイス・カーライル  ジェガン
07番 ベルク・クロフォード  ペズ・バタラ
10番 アシッド・ミニングリー ギラ・ドーガ
14番 レイモンド・デリック  (ガンイージ)
21番 アーネスト・マンソン   ガザD(+旧ザク)
 です。おかしいですね……。〕
「どうした?」
〔レイモンドさんの機体欄のみ、括弧が付いています。〕
「……他の参加者で、ガンイージーと言う名前の機体を持つ参加者は?」
〔11番 サーティア・クワン です。〕
「どっからがおっさんと言うのかは疑問が残るが……。
 もしかしたら……レイモンドが死にかけている?」
〔その可能性はあります。しかし……。〕
「確かに杞憂かもしれない。
 しかし……どこにいるのか言ってくれればなぁ……。」

通信と現在更新されている名簿の情報から整理して、レイモンドが危機に陥っているという可能性は高い。
だが、相手がどこにいるのか解らない以上、そこに行くのは不可能だ。
(調べようと思えば調べられるだろうが……今は無理だな。
 大丈夫だろうな……?レイモンド。)

【行動:通信を聞く(−0) 検索(−0)】
【残り行動値:4p】
【位置:S−17 コロニー格納庫 】
【機体状況 :レーダー不調? 通信シュウジ⇔ゼファー⇔ジェイス・ラーズ
       対自爆装置用改造済み 待機中】
【参加者状況:右足重傷(処置済み) ちょっと疲労】
【武装:ザンネックベース(破損している可能性大 移動には問題なし) 4連装マシンキャノン(5斉射分)
    ビームライフル(残弾3)ビームサーベル×2、ビームシールド、フック付きワイヤー&ウィンチ】
【所持品:ディパック(水2g入り2本 食料2日分 ノートPC 計画書 紙とペン 医療用セット)
     拳銃 工具セット 首輪カバー×5 電子部品 Hハイザック? ゼファー】
【行動方針:ヨーコと生き死にを共に。 自爆装置無効化  ……。】
【同盟:19番ラーズ? 08番ヨーコ 06番ジェイス?
 中立:14番 レイモンド 15番リナルド? 07番ベルク?】
265シュウジ=アサギ ◆T2X.xlTDSU :04/04/04 21:32 ID:???
>>264
ルール上、このレスは脳内アボーンでお願いします。
すいませんでした……。
「…………カルルームあるかどうかわからへん?
 それともコロニーに行って病院探したほうがええ?
 どうする。どうする?」

俺が呼び掛けた時、ルイは誰かと交信を交わしていた。
多分俺の治療の話だと思うのだが、今は治療の前にしなければならない事がある。
俺の呼び掛けに気が付いたのか、ルイがこちらを向いた。

「おっさん、喋らんといて。 怪我に響くで・・・・・・」

その言葉に首を振り、俺は更に力を振り絞って話しかけた。

「……ルイ……!た…頼みが…あ、る。……コクピットハッチを……開け、てくれ
 ……」

一旦そこで言葉を切り、ぜいぜいと息を吐く。
…くそ……我ながら情けなくなる。
少し落ち着いたあと、話を続けた。

「さっきの、先生の放送、聞いただろう……。俺、は。ジャベリンに乗り換えなき
 ゃ、ならないらしい……」

【行動:ルイに話し掛ける(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
『お疲れ様です、副料理長。料理長がお待ちかねですよ♪』
シェラもこの時間を楽しんでいるのだろうか、
なにやら……楽しそう……?
にも見えるんだけれど、なにやら普通の笑みでは無さそうな……。

「何を期待しているんだバカ」と自分に言い聞かせ、手をがしゃがしゃと洗い、
仕上げにアルコールジェルを擦りつけた。

麺の担当を快く承諾してくれたリファニア。
さて、久々の料理を楽しもう。
パスタの入った袋を破り、分量を量る。そして手元に多少の塩を用意した。
後はお湯が十分沸騰するまで待つ事に。

『ダグラス、イブからよ。行き先を何処にするか決めて欲しいのですって』

コンロの青白い炎に見入っていると、シェラが呼びかけてきた。
移動?ああ、そういえば定時放送の時間、廊下にいたから……。
という事は、ここが次回の爆破予告地点になった訳か。
……それにしても、シェラさんの服は目のやり場に困るなぁ……。

機体の整備と技術者の探索を希望するリファニア。
応急処置でなくMSの修理となると、やはり軍事施設が一番だろう。
ミョーコウの整備、物資補給もやり易い。
技術者は……そう簡単に見つかるだろうか。それよりも、そう簡単に味方にできるのだろうか?
……とにかく此処では目標地点を決め難い。
一度、艦橋へ戻る事にしよう。

「では、僕は一旦艦橋へ戻って、目標地点を決めてきますね。」

念のため火を弱めると、忙しく厨房を後にした。
そのままコック姿で艦橋へ乗り込み、真っ先にMAPを確認した。

(……一番簡単なのはU列を直進して、U-21の軍事施設へ向かうルートかな。)
「姉さん、リファニアさんが艦載機の整備と修理を希望しています。
 ミョーコウも推進剤が30%を切っているので、補給のためにU-21へ向かうのはどうでしょうか?」

イブに意見を求めた。
推進剤残り30%
見ると、既にMS補給分の推進剤は底をついていた。
今のMSへの補給は、主機の推進剤を代用して行われているようだ。
MS満載状態、しかもサイコガンダムが大飯食らいと来た。
通常航行には問題無い数値だが、あと1〜2回の戦闘が加わると、一気に底をついてしまうだろう。

【行動:艦内移動(-1) 相談(-0)】
【位置:T−11 ミョーコウ内艦橋】【残り行動値:1p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:そろそろ薬が…】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む 食事 移動】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード 15番リナルド(一応お客扱い)】
>>237
悲痛な叫び。
『おっさん』と呼ばれる人を心底心配しての叫びだろう。

確かにリナルドはある程度の処置ができる。
軍で教わることなどたかが知れているが、それでも大抵の負傷の応急処置には困らない。
もし目の前に『おっさん』がいたのなら、できる限りの手当てを施すことだってしただろう。

でも。
今、目の前には『おっさん』も通信を流した張本人もいない。
どこにいるのかも知らない。
第一彼は『ミョーコウ』に来たばかりだ。 ここを出て行くことはできない。
ここにはリファニアがいる。
誓いを果たさずにどこかへ行くことなど、彼にはできない。

非情な選択、であろう。
助けを求める者の手を振り払う選択なのだから。
だが、彼にだって限界がある。
リファニア一人を守れるかどうかだってわからないのに、
他の誰かを救うことなど考えてはそれすらままならないだろう。

自分の限界を知れ。 そして、自分の可能性を認識しろ。

そう自分に言い聞かせてみる。
……それでも、自分の心は偽れない。

「……俺は、無力だな。
 ごめんよ」

呟いても、力を手にすることができるわけではない。
できることをやればいい。
無力ならば、無力なりに。

はあ、と一息つく。
そんな彼の表情を一変させる放送が耳に届いた。

>>246
お間抜けさんについてはどうでもよかった。
本当に間抜けだったかどうか、それはリナルドの知り及ぶところではない。
禁止区域も気になったが、彼が本当に気になったのは別のところ。

どうして、先生はこんなにも挑発的な言動を繰り返すのだろう?

先生という立場上、生徒たちにはもっと殺し合って欲しいのかもしれない。
いや、そうでなければ彼女だって困るだろう。
ボーナスタイムにしても戦場への“プレゼント”の投下にしてもそう。
でも、それが単純に殺し合いを奨励するだけとは到底思えない。
言ってみれば、『やり過ぎ』な感がある。

≪続く≫
>>268続き

先生の放送と共に、リファニアの意識が尖る。
開かれたリナルドの意識がその先端に触れる。

(……壁、か。
 本当にそうなら、俺は先生を討つべく戦うべきなのかもしれない。
 でも、本当にそうなんだろうか……?
 俺たちは……まだ、“真相”に触れてはいない気がする。
 ……じゃあ、“真相”って……何だろう?

 先生はこの戦場を体験している。
 このどうしようもなく理不尽で悪夢のような戦場を。
 なのに、なぜ先生は先生になったんだろう?
 なぜ再びこんな戦場を望むんだろう? しかも、自らの手で生み出してまで。
 あの髑髏……、関係あるのかな?)

デイパックの中には“切り札”がある。
これがあれば、とりあえず先生のところに辿り着けるだろう。
でも、それで“真相”に辿り着けるのなら誰も苦労はしない。
約束もあることだし。

(……まずは、全員の機体の自爆装置を解除……もとい、無力化。
 それと、これの量産……だな。
 材料がわかっているし、実物だってある。
 見た目から完全にそのままコピーはできなくても、機能をコピーしたものを作ることはできるはずだ。
 まあ、量産に関してはこれよりももっといい方法を持った人がいるかもしれないし、
 一度全員と相談したほうがいいだろうけど……)

ギターを置いて士官室を出ると、彼は格納庫の隅にある資材置き場を調べ始めた。
首輪カバーのコピーと自爆装置の無力化のために必要なものを探す。

結果。

(……足りないな。
 完全体のMSを一機バラせば調達できる気もするけど……)

3機分の自爆装置なら無力化できる。
サイコガンダムを最優先するため、2機分ということになるのだろう。
首輪カバーのコピーは1個がいいところだ。
この艦の修理・補給や搭載MSの修理の問題もある。
彼の頭は、できれば小惑星基地、最低でもコロニーに向かうべきだと判断した。

とりあえずブリッジへ向かった彼は、そこにいた二人に相談することにした。

「あれ、何だい、その格好は?
 ……まあ、それはいいとして。
 ここも禁止区域に指定されちゃったし、どこに行くんだ?
 新参者の言うことだけど、この艦やMSの修理と補給だって必要だろうし、
 小惑星基地かコロニーに向かうことを提案するよ」

〔首輪のことも相談したいし、
 機体の自爆装置を無力化するためにも、ね〕

口に出すと同時に、口に指を当てて“声には出すな”と促してからコンパネに打ち込んだ文章を二人に見せた。
【行動:考える(-0)、士官室→格納庫(-1)、資材確認(-1)、格納庫→ブリッジ(-1)、相談(0)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・ブリッジ】
【残り行動値:1pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷@私服】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食糧4日分、(ノーマルスーツ)、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)、(ギター)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (03番イブ 05番ダグラス 26番シェラザード 01番シュウジ)】
271イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 22:23 ID:???
「ご免なさい……」

コンソールを素早く操作しながら、愁林は名も顔も知らぬ少女に詫びた。
最後の一押し。
一方的に接続されたままの回線が、遮断された。
発信側の電波の波長を特定し、受信を拒否する設定を行なう操作。
それを完成させたのだ。
所謂着信拒否というモノであろうか。
少女が再び口を開く前に作業を完了した事に、安堵とそして小さな罪悪感から溜息をついた。

「私たちには、貴方の嘆きを聞くだけのゆとりは無いの。
 恨んでくれても良いわ。但し、恨むなら私一人だけを恨みなさいね。
 これは、私の独断なのだから―――」

―――だから、仮令その人の命が尽きても……私以外を恨んではダメよ。

【行動:着信拒否(-1)】【残り行動値:2p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、行き先を決める】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
『……ルイ……!た…頼みが…あ、る。……コクピットハッチを……開け、てくれ
 ……』

おっさんが行きも絶え絶えに苦しそうに話かけてくる。

『さっきの、先生の放送、聞いただろう……。俺、は。ジャベリンに乗り換えなき
 ゃ、ならないらしい……』

頭の中を強引に整理して、話しを思い出す。

『・・・・・・・
 それから、警告で〜す。
 具体的に誰とは言いませんが、機体を奪われちゃったおマヌケさんがいますね〜。
 ここで脱落したくなかったら、今すぐ、何か適当なMSに乗って下さい。
 さらに他の人のを奪うなりなんなり、その辺はご自由に。
 MSに一人で乗って、機体を立ち上げて動かせる状態にしたら、乗り換え完了と見なします。
 う〜ん、そうですね〜。どれくらい猶予あげようかな。
 ……立ち入り禁止予告区域が、立ち入り禁止区域になるまでの時間にしますかね。
 それまでに「乗り換え」を終えてなかったら、首輪を爆破しちゃいますよ〜。
 ・・・』

緑の機体がおっさんので・・・・・・
そういえば、格納庫にMSが残ってた?
急いでペダルを踏み、来た道を引き返す。
ほんのちょっとの間で酷くボロくなってもうた格納庫
そこに片腕の無い青いMSがあった。
あれを、動かせば・・・・・・
「おっさん。コックピット開くで。
 でも、おっさんはここでお留守番や。
 アタシが行く!!」

コクピットをあけて、体勢を変えておっさんをシートに座らす。
そして、青いMSに向かって跳ぶ。
コクピットをあけて、シートに座り込み、起動させる。
暫くすると思ったよりも静かに起動が終わりよった。
それを確認してから青いMS空いたままのコクピットから
ジャジャ馬のコクピットに跳び、おっさんに話しかける。

「これでもう大丈夫や。
 後はおっさんの怪我を治すだけや。
 そうや。さっき迷子になってもうた時に
 脱出の方法をアタシ思いついたんや。
 だから、おっさん・・・・・・死なんといてな。
 おっさんが死んだら・・・・・・アタシも死ぬ。」

【行動 : 全体通信継続中や (0) 青いMSへの移動  (1) 青いMSの起動  (1) 残り1 】
【位置 : F-5 】
【機体状況 : 体育座りでタイヤにのっかっとる 】
【パイロット状況 : デコ腫れとる(涙) 泣き 鬱 】
【武装 :ビームサーベル、両肩部3連装ミサイル×2、両肩部ムーバブルシールド×2
      120mmザクマシンガン+弾倉1つ
      アインラッド 武装:ビームキャノン×2、9連装ミサイルポッド】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本
      中身のたくさん入ってる財布
      (硬貨が20枚ぐらいお札が40枚ぐらい。あとサービス券とかカードが入ってる
       それと暴漢対策に鉄板が仕込んであって
      ナイフも通さない、銃弾も効かない・・・・・・試した事はあらへんけど。)
      つっこみ用スリッパ(片方だけ) 】
【方針 : ゴリ夢中もとい五里霧中 】
【友達 : 07番 ベルク・クロフォード :べるべる 普通の人やな
       11番 サーティア・クワン :さーちん  なんで・・・・・・?
       14番 レイモンド・デリック :おっさん ゴメンな・・・・・・
       21番 アーネスト・マンソン :あーたん なかなか渋い声やなー 】
>>261>>263>>267>>271
ダグラスがちらちらとこちらを見ているようだった。
見ないようにしながら、気がつくと目が向いてしまう………そんな風に、断続的にではあるが視線を感じた。
もっと堂々と見て欲しいという気持ちと、まるで覗かれているような興奮が入り混じる。
何はともあれコスプレの甲斐があったというものだろう。

健康で健全な男の子なら、女が料理をする姿に魅力を感じるのは当然の事よ。
このあたしがこの格好で台所………ちょっと違うけど………に立っているのだもの。
本来ならこのまま後ろから抱きしめてくれても構わないんだから。

そしてイブからの連絡を受けた。自分がその言葉を伝えた相手はダグラスだったが、
それに対する最初の答えはダグラスではなくリファニアから返ってきた。
少女が望んだのは、機体の整備と、それが可能な技術者又は整備屋との接触。
その意見を考慮する様子を見せながら、ダグラスがブリッジに戻ると言って調理室を出て行った。
行き先を決めたら戻ってくるようだ。調理を放棄するつもりはないらしい。

………もう、余計な邪魔も新入りもいらないわよ。

『さてと。それじゃあシェラさん、ソースづくり、いっしょにやろうねっ。
 フライパンにオリーブオイルい〜れてっ。さっき切ったにんにくと、唐辛子をいれま〜す。
 で、とろ火でね、こうやってね、炒めちゃうんだよ〜。
 よお〜し、シェラさん、やってみよ〜。
 唐辛子はね、くろ〜くなっちゃったら取っちゃうんだよ。
 にんにくはね、ぜったい焦がしちゃだめだよ〜。 』

お手本を見せてくれたリファニアにフライパンを渡される。
かなり危なっかしい手つきで受け取ったのだが………どうしてこうなってしまうのだろう。

唐辛子は焦がしてはダメでにんにくは黒くなったら取る、でしたっけ?
違うわ、逆よ。でも………タイミングがつかめないわ。
ああもう、このフライパン、年増女は嫌いってリファニアを贔屓してるんじゃないの。

手にしている本人よりも周りで見ている人間を心配させるようなやり方で、
それでもシェラザードは何とかリファニアからの命令を遂行した。
唐辛子を取るタイミングは少し早くて、にんにくは少し焦がしてしまったかもしれないけれど。

「こんな………感じ………かしら?」

フライパンとその中身に振り回されるシェラザード。いつもの余裕は何処へやら、になってしまっている。
本来ならリファニアの意見に関して色々と考えるところなのだが、
この時点では精神的にも肉体的にもその余裕はない。

後で落ち着いたら考えましょう、後で………熱っ!

油が手に撥ねた。余所見している暇などないと笑われたような気がする。
今は取りあえず料理に集中しよう、そう考えた。

だからスピーカーから流れかけた悲痛な叫びの欠片にも、それが欠片の段階で断ち切られたことにも、
シェラザードは気づかなかった。

【行動:料理の手伝い継続・悪戦苦闘(0)】
【位置:T11(ミョーコウ・調理室)】【行動値残り:3】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康・空腹@エゥーゴコスプレ・エプロン装着中】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
275イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 22:57 ID:???
>267
シェラザードが電話の応対に出てから数分、艦橋のドアが開いてダグラスがその姿を現した。
その身を包むのは清潔感の漂う白い服。
中々に様になっている彼のシェフ姿に見入っていた愁林に、少年から声が掛けられた。

『姉さん、リファニアさんが艦載機の整備と修理を希望しています。
 ミョーコウも推進剤が30%を切っているので、補給のためにU-21へ向かうのはどうでしょうか?』

「そうね。確かに補給は必要だもの。
 それに、私の機体の腕ももしかしたら直せるかもしれないし……」

ダグラスの隣で共にマップを眺めながら、ほっそりとした顎の先に軽く指を添えて愁林は思案した。

>269
と、そこで再びドアが開く。
現れたのは、リナルド=グレイスと名乗ったリファニアの客。
彼の発言は至極もっともな内容を示していた為、頷いて見せるより他はない。
だが、その視線は打ち込まれた文字の羅列に釘付けになっていた。

「それでは、艦長さんの指示通り、U-21を目指すことにしましょうか」

そう言って、早速コンソールの操作を開始する。
更に口から紡がれる言葉の一方で、素早くキーを操作して別の言葉を愁林は紡いでいった。

〔到着したら、詳しく聞かせて貰えるかしら?〕

ミョーコウのエンジンが、目覚めの時を知らせるように静かな唸りを上げた。
276イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/04 22:59 ID:???
【行動:エンジン始動(-1)】【残り行動値:1p】
【現在位置:T-11、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、U-21へ】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
サーティアがここから出ていき、何とか戦闘は治まった。
その間にルイの悲痛の叫びや、
帰ってきたティーチャーからの全体通信が流れた。
ルイの全体通信は未だ流れているがまだ問題は無いだろう。
――――――――――――問題が起きてからでは遅いが・・・・・。
現在位置さえわからなければ何処かに怪我人が居ると言うだけで
獲物にされ襲われる危険性は無いだろう。

流れてくる全体通信の内容から首輪爆破の危険は避けたが
まだ身体的に危険なのは変わりは無いらしい
一様、応急処置とアーネストが医療関係?に自信があるらしく
レイモンドも何とか助かりそうな気がしてきた。

しばらく見ていなかった特殊情報端末をバックから出して様子を見ていた。

(位置などは大体変わっていないが、 
 リナルドがシュウジ達と別れたか、それ以外は・・・・・・・!?
 あのギラ・ドーガが何時の間にかこちらに近づいている。
 サーティアと接触できる距離か。どうする?
 今は他の参加者との接触を避けてここから移動し
 レイモンドの治療に専念したほうが良いのか?
 それともレイモンドが回復するまでここに留まっていたほうが得策か?)

「ルイ、アーネスト聞いてくれ。
 ここは禁止区域に囲まれかけているし、
 いつ他の参加者がここへ来るか解らない。
 
 レイモンドの状態も考えて選んでくれ。 
 今は他の参加者との接触を避けて急いで適度な応急処置ここで施し
 比較的安全な所まで移動しレイモンドの治療に専念するか?

 レイモンドが回復するまでここに留まるか?」 
 
【行動:ルイ、アーネスト二人に通信(-2)特殊情報端末を見る(-1)】
【残り行動値:1】
【位置:F-05(格納庫)】
【機体状況:異常なし(肩部装甲傷ついてるかも) 】
【武装:(本体)ビームアックス、3連装ミサイルランチャー×2、(左手)ビームシールド、
    (左手) ビームライフル(E53%)(右手)ビームダガー×4本 】
【所持品:ディパック コッペパン一つ 水2g三本 水1g一本 食料ニ日分 
     十字架 聖書 特殊情報端末 チ○ルチョコ20個ほど】
【行動方針:”答え”を見つけるand戦闘行為を止める】
【同盟:01番 シュウジ=アサギ?? 08番 ヨーコ=クロサキ? 
    15番 リナルド=グレイス?? 19番 ラーズ=フィリー?】
イブと次の目的地について検討していると、艦橋の扉が開いた。
中へ入ってきたのは、リナルド=グレイス。

『あれ、何だい、その格好は?
 ……まあ、それはいいとして。
 ここも禁止区域に指定されちゃったし、どこに行くんだ?
 新参者の言うことだけど、この艦やMSの修理と補給だって必要だろうし、
 小惑星基地かコロニーに向かうことを提案するよ』

容姿について効かれた僕は、照れ隠しのように頭を掻いた。
どうやら彼も僕と思っていることに大きな差異は無いらしい。
ならば、やはりU-21へ向かうのが一番か。
その一方、リナルドの打ち込んだ文字に集中した。

首輪の事…?もしかしたら、なにか有効な手立てでも有るのだろうか。
それに、機体の自爆装置についても、今始めて知った事だ。
……なるほど、確かに主催者側が万一を危惧して、
そういった処置を各機体へ施しても、何らおかしくはない。むしろ、当然と言った所か。

「解かりました。では、U-21へ向かいましょうか。
 イブさん、操艦を頼みます。
 リナルドさん、もし良かったら、艦橋でイブさんのサポートへ回ってくれませんか?
 一人だと何か有った時に、色々不便ですし。……では、僕は厨房へ戻りますね。」

お客人の手前、流石に姉さん≠ナはね……。
再び艦橋を後にし、厨房へ戻った。

「ただいまー。目的地を補修、U-21へ向かうことになりましたぁ。」
報告しながら鍋の火を中火へ戻す。
おだやかに泡を立てていたお湯は、直ぐにぐつぐつと煮えたぎった。
塩を少し入れると、いよいよ麺をお湯の中へ入れる。
手の中で束になったパスタを、雑巾を絞るような形で優しく捻る。
そっと水面下へ入れると、手を離した。
すると、花のつぼみが開くように、麺が花咲いた。
茹でること数分、味見する事数回。
パスタ麺は、遂に完成を迎えた。

「はいっ、リファニアさん。シェラさんもどうぞ。
 一応完成ですけど……、どうですか?」
味見を兼ねて麺を数本づつ、リファニアとシェラへ差し出す。
期待と不安で胸を膨らませながら、二人の反応を待った。

【行動:艦内移動(-1) 完成です!(-0)】
【位置:T−11 ミョーコウ内艦橋】【残り行動値:3p】
【機体状況:肩部損傷 格納中】 【身体状況:そろそろ薬が…】
【武装:頭部バルカン×2(残弾90%) ビームサーベル カメラ・ガン  ザクバズーカ(残弾3)
     ビームピストル×2 ビームシールド(破損) クラブ×1 ムサイ級軽巡(損傷軽微 主砲一基破損)】
【所持品:イブのロザリオ 拳銃 家族写真 コッペパン×2 水2リットル入り×2 弁当×1 お菓子少々】
【行動方針:イブと共に歩む 食事 移動】
【同盟:03番イブ 20番リファニア 26番シェラザード 15番リナルド(一応お客扱い)】
>>274
危なっかしい手つきながらも、何とかソースを炒めるシェラ。
『こんな………感じ………かしら?』
「うん、いいよいいよ〜。
 すこ〜し、にんにくが狐色になっちゃったけど〜。
 そこはシェラさんの愛情補正で、どうとでもなるよっ♪」
リファニアが感想を言ったところで、シェラの手に油が飛んだ。
びくんと身体を震わせる、シェラ。
「ああっ、大丈夫〜?」
火を一番小さくしてから、調理台の上に置いてあったふきんを水に濡らして、シェラの手にあてる。

>>278
そんな時に、ダグラスが戻って来た。
『ただいまー。目的地を補修、U-21へ向かうことになりましたぁ。』
……不満はない。ちょっと「近すぎる」事が気になったけど……。
でもまあ、設備とかは一番充実してそうだし、ほかの所は、禁止区域に埋もれそうだしね。

ダグラスが麺茹でを再開するのを横目に、リファニアもソースの仕上げに入る。
塩を加えて、味付けして……あとは、冷めないように、一番小さい火で暖めて……。
そうこうしているうちに、ダグラスの麺が完成したようだ。

『はいっ、リファニアさん。シェラさんもどうぞ。
 一応完成ですけど……、どうですか?』
ダグラスに、麺を一本もらい、それを口に入れてみる。

「どれどれぇ……おっ、すっごくいい感じだよ。私より上手かも〜。
 いい お 嫁 さ ん になれるよ、ダグラス艦長♪」
……さりげなく、ブリッジでからかわれた事に対して逆襲してみる。
しかし実際に、麺の茹で上がり方は完璧と言って良かった。
料理が上手な旦那さんって、素敵だよね。
ダグラス君と一緒になれるひとって、すっごい幸せだと思うなぁ。

「よぉ〜し、じゃあ、仕上げは私がやるね〜。」
ダグラスが茹でたパスタを湯切りして、ソースに絡める。
茹で汁は……捨てない。少しづつ、少しづつ、ソースに加えてゆく。
こうする事で、味に一体感が出るのだ。

ほどなくして、スパゲッティ・ぺペロンチーノは完成した。
かなりの量があるが、みんな相当な空腹状態だろうし、あっという間になくなってしまいそうだ。
ちょっと、味見してみる。……うんっ、悪くない悪くない。
みんなで作ったんだもの、いつもより美味しいとすら、感じるよね。

「二人も、ちょっと食べてみて〜。いい感じだよ〜。」
小皿に少しだけ盛って、渡す。
そして、完成したスパゲティを大きなプレートに乗せて、
お皿と食器を準備して、それらをカートに乗せて、準備完了!
……あ、お水も忘れずに。

「さてと、じゃあ、ブリッジに持って行こ〜。
 あそこなら、みんなそろって食べられるもんね。」
意気揚々とカートを押しながら、ブリッジに向かうリファニア。

「おっまたせ〜♪」
満面の笑みを浮かべながら、ブリッジに入った。
【行動 : 完成!&準備完了!(-1)、艦内移動(-1)、残2 】
【位置 : T-11(ミョーコウ、ブリッジ) 】
【機体状況 : 表面に細かい損傷(幾つかビーム砲損傷)、スラスター損傷軽微、MA形態 】
【パイロット状況 : 頬にうっすらと傷痕、右肩に軽傷(治療済み)、メイク済み♪、エプロン装備、空腹限界 】
【武装 : 胸部3連装拡散メガビーム砲(一門破損)、リフレクタービット×5
      腕部サイコミュ式 ビームソード×2、全身メガビーム砲×多数 】
【所持品: ディパック、首輪、コッペパン2つ、水2g入り2本(1本は空)
      ノーマルスーツ、ジオン女性士官の制服、ナバン61式拳銃
      抗生物質、換えの包帯やガーゼ、消毒薬
      父の形見のジオン十字勲章、アレンの遺したギターとアンプ、トリィの羽根、日記帳とペン 】
【方針 : 『前へ、前へ、目の前の壁に向かって、ただ……』『最後の晩餐?』 】
【同盟 : 15 リナルド=グレイス
      03 イブ・シュウリン、05 ダグラス=ロックウード、26 シェラザード=ビンス=マクファーソン 】
>>275>>278
イブがコンソールを操作する。
艦体に微弱な振動が走り、エンジンが始動したことを知らせる。
と、彼は目の前のモニターに文字列が表示されているのに気付いた。

〔到着したら、詳しく聞かせて貰えるかしら?〕

「解かりました。では、U-21へ向かいましょうか。
 イブさん、操艦を頼みます。
 リナルドさん、もし良かったら、艦橋でイブさんのサポートへ回ってくれませんか?
 一人だと何か有った時に、色々不便ですし。……では、僕は厨房へ戻りますね」

「了解」

退出するダグラスに一言告げると、彼はイブの隣のシートに座り、
『ミョーコウ』のステータスをチェックし始めた。

「エンジン状態良好、推進剤残量27.44%……。
 損傷箇所……主砲・第二砲塔大破、ね……。
 んんー……、復元は無理だな、こりゃ。
 砲身を根元から切断して、口径の合う別の砲身を繋げたほうが圧倒的に早い」

そう呟く間にもリナルドの指はコンソールを叩き、イブと彼の使用している端末に対して外部からのアクセスを遮断した上で
イブの正面にあるモニターにテキストを表示する。

〔まず予め断っておく。
 俺が知っている首輪と自爆装置に関する対策は、100%確実なものじゃない。
 この“プログラム”に対する叛意満々の行為だからな、テストなんてできるわけがないんだ。
 そもそも、もともと俺が考えたプランでもないんでね。
 脱出するにしても戦い続けるにしても、安全をパーフェクトに保証することはできない。
 特に首輪に関しては。
 その方法を使うにしろ使わないにしろ、それは了解しておいてくれ〕

彼の指はせわしなく、しかし確実に動いていく。

「艦載MSの状況……。
 LM312V04/ヴィクトリーガンダム、左腕大破。
 RGM-79L/ジム・ライトアーマー、損傷軽微……補給の必要を認める。
 AMX-004-3/キュベレイMk-U、現在推進剤補給中。
 ZM-D11S/アビゴル、異常無し。 念のため、後で推進剤の補給を。
 サイコは……あった。
 MRX-010/サイコガンダムMk-U、……あー、サイコが一番酷いな。 要補給及び要修理・数箇所」

〔首輪に関してはもっといいアイディアを持っているクルーがいるかもしれないし、
 一度でいいから全員で話し合う機会を作るべきだと思う。
 口に出すわけにはいかないし、そもそもあちらさんに怪しまれたらアウトだ。
 難しいとは思うけど、何とかならないかな?〕

そこまで話し打ち込んだところで、ブリッジの扉が開いた。

>>279
「おっまたせ〜♪」

リファニアがカートを押しながら笑顔でブリッジにやってきた。
それに答えるように、リナルドはシートから立つと笑顔で彼女の傍まで進み出る。

「おやおや……、スパゲッティ・ペペロンチー"にっ"、できたんだね」

わざとらしくそう言って、笑いながら彼女に話しかけた。
【行動:チェック&アクセス遮断(-1)、相談継続(0)、お話(0)】
【位置:T-11・ミョーコウ内・ブリッジ】
【残り行動値:3pts.】
【機体状況:MA形態・機関停止】
【武装:(MS)ビームカタールx2、右腕ビームカッター、頭頂部ビームキャノン、ヒートサーベル
   (MA)ビームカッター、グフシールド(半壊)】
【生徒状態:通常・左首筋に軽度裂傷@私服】
【所持品:デイパック、コッペパンx2、水2gx4.5、食糧4日分、(ノーマルスーツ)、拳銃(20)、救急箱
      首輪カバー、首輪カバーの製造レシピ(材料編)、(ギター)
   (以下私物)MS状態チェック用ポータブルコンパネ、愛用眼鏡、配線修理用工具一式】
【行動方針:リファニアの生存】
【同盟:20番リファニア (03番イブ 05番ダグラス 26番シェラザード 01番シュウジ)】
仲間。
俺は一時でもそいつを信じていられるだろうか?
そいつに命を預け、預けられるだろうか?
身を裂くようなこの恐怖は弱まるだろうか?
若干、緊張しながら格納庫に入る。

MSが4機、いた。

「………怖ェ」

心強い仲間になるかもしれないのに――
俺の心は恐怖しか感じなかった。
これでは駄目だ。

「信じろォ…信じろォ…信じるんだ……」

思いっきり右手を握りしめる。
自分から信じなきゃ、信じてもらえない。
当たり前の事だ。
でも、一度自覚してしまった恐怖はなかなか消えなくて。

「…………クソッ…!」

表面だけ繕っても仕方がないのに。
どうしようもなく怖かった。
……どうする?
……どうする?
……!
差し入れに何かあげれば、いいかもしれない。
コクピットの中にあるものを確認する。

「……水とコッペパンと栄養補助食品………誰が欲しがるんだ、そんなモン…」

マシなものはそれだけ。
そんな食べ物あげたら毒が入ってるとか警戒されるだろう。
……ま、いいや。
腹も減ってきたので自分が食べることにするか。
煙草は……人によっては嫌がられるだろうから持っていかないことにしよう。
銃は……どうしようか?
腰にあるだけで威圧感を感じるだろうか?
信用してないと思われるだろうか?
でも、何かことがあったら必要だし。
銃がないと不安になる……。
ああ、頭痛くなってきた。


結局、無重力の格納庫へコッペパン2つと水2リットル一本を手に持ってコクピットを降りた。
銃は腰に下げてもないし、内ポケットにもない。

【行動:考え事(-0p)MSから降りる(-0p)】【残り行動値:残り3p】
【位置:S-17】
【機体状況:左腕、肘の部分から下を切断されている】【罠用:C4プラスチック爆弾】
【武装:頭部バルカンポッドシステム、ビームサーベル、三連装手投げ式グレネード】
【所持品:空ボトル、煙草4箱と1本、ライター、ディパック、コッペパン2つ、水2g2本、ノーマルスーツ、栄養補助食品×10、銃】
【行動方針:……死にたくない……】【同盟:01番 シュウジ・アサギ】
284リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/05 15:19 ID:???
次スレ用意しておきました。

ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第十章
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1081145096/l50

容量オーバーしたら移動お願いします。
285ラーズ ◆C5GRxBlS5o :04/04/05 15:26 ID:???
>235
偽装会話を聞きつつ…新たに渡された紙を見る。そしてさらっと言う。
「…なるほどね。…何の冗談かと思ったわ。」
それだけ言って出てきたヨーコに視線を向け、言う。
「もう少し休んでたほうが良いんじゃないの?」

……少し待つと、MSが付近に来た。…怖がっているような感覚が…
感じ取れたような気がする。
(……こういうタイプ、下手にからかうと敵になっちゃうのよね…。…はぁ。)
呟くと、自分のMSの方に…荷を取りに向かっていった。
【行動:偽装(0p)会話(0p)】
【残り行動値:4p】
【位置:S17】
【機体状況:万全。】
【武装:ファンネル×6、両肩部3連装ミサイル×2、ビームサーベル・メガバズーカランチャー】
【SFS:スキウレ】
【所持品:ヤクト内(ディパック(中身は『飲料水2g入り3本』『地図』「食糧(彼女にとっての)2、5日分」) レポート用紙1冊 )
手持ち(細長い(そしてかなり大きい)アタッシュケース(中身はライフル(残弾10)) 大型要塞の内部地図データ)】
【行動方針:爆弾解除 小惑星にあるであろう薬の入手】
【同盟:シュウジ ヨーコ…?】
286イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/05 17:29 ID:???
>278
―――イブさん、か……。彼に姉さんと呼ばれるのが当たり前になってたのね、私……。

何とも言えない違和感の原因に思い至り、愁林は僅かに苦笑を漏らした。

>279>281
〔テキストの遣り取りか、後は筆談ぐらいしか思いつかないわ。
 前者はともかく、後者は先ず間違いなく内容を察知される事は無い筈よ。
 首輪の上からノーマルスーツを着る事もある以上、カメラの類いによる監視は無意味なのだし。
 怪しまれない為の手段も、結局はこちらの演技力でカバーするしか無いのではないかしら〕

リナルドの事前の注意に頷いてから、愁林はテキストの形で私見を述べる。
と、丁度その時艦橋のドアが開き、リファニアの明るい声が朗らかに響いた。

『おっまたせ〜♪』

食欲をそそる香ばしい匂いが、辺りに漂い始める。
微かに混じる微妙な香りから判断するに、少々の失敗もあったようだが―――大目に見るべきだろう。

「あら、美味しそうね。
 ちゃんと少し硬めに仕上げたかしら?」

パスタの類いは余熱で仕上げるモノ。ソースに絡めて皿に盛った後も、麺の状態は刻一刻と変化していく。
その事を計算に入れた上で、口に入れるその瞬間に最高の食感を発揮するよう調理時間を加減しなければならないのだ。

―――まあ、お父様の受け売りだけれども。

「あの二人を待って、それからいただきましょう♪ 私はその間にミョーコウを発進させておくわ」

そう言ってリファニアの傍から離れ、操舵の為の作業を再開する。

「エンジン出力、安定……各機関、正常に作動中……。ミョーコウ、発進します」

星々の瞬く漆黒の海原へ、鋼の箱舟は再び漕ぎ出した。
287イブ・シュウリン ◆EVE/axNqpo :04/04/05 17:35 ID:???
【行動:操船(T-11→T-12→U-12 )(-2)、密談(-0)】【残り行動値:2p】
【現在位置:U-12、ミョーコウ艦橋】
【特記事項:軽症(手当て済み)、半覚醒?、若干の疲労、『空腹』】
【機体状況:左腕Bシールド及び同前腕回路切断、同マニピュレーター損傷率71%、左肩装甲破損】
【武装:頭部バルカン×2、Bサーベル×2、Bシールド×2(左腕内蔵側使用不可)、
...    Bライフル(E残量49%)、4連装ヘビーマシンガン付きショットランサー(ヘビーマシンガン残弾48%)】
【所持品:(銀のロザリオ)、銀の腕時計、低反動拳銃(弾丸12発装填済み)】
【行動方針:ダグラスと共に歩む、今は彼の姉であり続ける、彼に無茶をさせない、U-21へ】
【同盟:No.05・ダグラス、No.20・リファニア、No.26・シェラザード(?)、(No.15・リナルド)】
俺の言葉を聞いたルイは何かを考えるように視線を巡らせたあと、タイヤをUターン
させてジャベリンの所まで戻ってきた。

「おっさん。コックピット開くで。 でも、おっさんはここでお留守番や。
 アタシが行く!!」

そう言うが早いか、ルイは俺をシートに座らせてハッチを開けジャベリンに向かっ
て飛び出して行った。
ルイの考えは俺にも手に取るように分かる。
身動きが取れない俺の代わりにジャベリンに乗り込み、起動させるのだろう。
暫くすると、ルイが乗り込んだジャベリンから静かな起動音が聞こえてきた。
…ルイの行動はたしかに先生の言っていた

『MSに一人で乗って、機体を立ち上げて動かせる状態にしたら』

という条件を満たしてはいる。
しかし、不安という言葉が俺の頭から離れない。
先生はたしかにああ言っていたが、それはあくまでも機体を奪われたオマヌケさん
……つまり俺に対する言葉だった筈だ。
であるならば、ジャベリンに1人で乗り込んで機体を起動させるのはどう考えても
この俺でなくてはならない。
その時コクピットにルイが帰ってくる。

「これでもう大丈夫や。
 後はおっさんの怪我を治すだけや。
 そうや。さっき迷子になってもうた時に
 脱出の方法をアタシ思いついたんや」

ルイがなにげにものすごい重要な事を話しかけてくる。
ルイも彼女なりに色々考えていたのだろう。
だが、俺が衝撃を受けたのは次の言葉だった。

「だから、おっさん・・・・・・死なんといてな。
 おっさんが死んだら・・・・・・アタシも死ぬ。」

(続く)
ルイの口からこんな弱々しい言葉が出てくるとは、正直思っていなかった。
…でも心当たりがない事もない。
さっきルイは俺の手当てをしている時にこう言っていた。

『アタシのせい』

今俺の目の前にいるのは、いつも前を見つめて笑っている気丈なルイではない。
そこにいるのは、崩れ落ちそうな己を何とか支えている唯の1人の女性だった。
おそらく今、ルイを支えられるのは俺しかいない。
であればこそ、俺はここで死ぬわけにはいかない…!
そしてその為には、どんな小さな不安も残すわけにはいかなかった。

俺は震える左手をルイの肩に乗せ、頼んだ。

「ルイ……。俺をそこのハッチの、ところまで……肩を、貸してくれないか…?
 やはり、じ、自分で……ジャベリンを、起動させる」

そこでまた息をつく。

「やっぱり、俺が乗る機体、だからな……。俺が、やらなければ……」

【行動:ルイに頼む(0)】
【残り行動値:4p】
【位置:F-5】
【機体状況:右腕消失】
【参加者状況:左肩負傷(症状は不明)、左眼球裂傷(小)、右手首切断
       右肋骨骨折、左大腿骨にひび】
【武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ショットランサー×2
       ビームシールド】
【所持品:ディパック、水2g入り2本半、食料21/3日分、シャベル(小)、
蕎麦団子2個、蕎麦の種子、拳銃と自動小銃と弾倉、マジック】
【行動方針:…………】
【同盟:不明?】
ミョーコウの次の行き先は決まった。
そしてリファニアとの約束は果たされようとしている。

守るべき約束は、もう、なくなろうとしている。
自分は何を守るために、何を守って、何処に向かえばいいのだろう。

>>278>>279-280
リファニアの感想。リファニアの笑顔。リファニアの気遣い。
何もかも、心地よいものであることに変わりはない。
料理は愛情補正でどうとでもなると言う少女。
料理に限れば、そうだと思う。愛情は最高の調味料であるという意見は認めているから。

「あたしの愛が熱すぎたと言うことにしておいて頂戴。
 ………努力と愛情を重点的に評価してくれると嬉しいのだけど」

そうしているうちに、ダグラスが戻ってきた。
次の目的地はU-21………その座標にあるのは小惑星基地だったような気がする。
リファニアの意見を入れて修理と補給を目的としたのだろうか。
補給はともかく修理の方は、専門家がいない以上さほどのことが出来るとも思えない。

ただ、キュベレイの補給作業中に推進剤の残量がかなり心許なくなってきていたのを確認してはいる。
これから何をするにせよ、機械も人間も空腹ではまともに動けない。
代案もないし反対する理由もない以上は、素直に従っておくべきだ。
まだ時間はあるわけだし………確実に残り少なくなってはいるけれど。

ダグラスの手際は見事なものだった。何と言うべきか、とにかく慣れている。
戦艦を指揮したり殺し合いをするよりは、よほど似合ってもいるし様にもなっていた。
思わず見とれる中、パスタは綺麗に茹で上がった。
ダグラスから差し出された麺を舌に乗せ、味わってみる。

「………美味しい………」

店で対価を払って食べる種類のものとは微妙に異なる、とても「温かい」味がした。
技術と愛情が絶妙なバランスを保っている。
料理と食べる人の両方をきちんと愛しているからこそ、この味を出せるのだろう。
素直に尊敬できて賞賛もする………が、ほんの少しだけ、嫉妬したかもしれない。
少なくとも料理の腕に関しては、自分はリファニアとダグラスの足元にも及ばないことが決定したわけだ。

食欲を満たす勝負は、避けた方が良さそうだわ。

そして料理は完成した。
この後は食堂で食事会となるのだと思っていたら、リファニアはブリッジで食べようと言い出した。
その方がみんなで食べられるから………なるほど、彼女らしい発想ではある。
リファニアはてきぱきと動くとルームサービスを持っていくようにして調理室を出た。

問答無用というわけね。まったく、あなたは何時でもあなたなのね。

別に不快というわけではないが、少しばかり気が重くもある。
あの男の顔を見ながら食べるのでは、せっかくの料理も純粋には楽しめまい。
自分からリファニアを「奪った」あの男は、食事を共にしたい相手ではないのだ。
それを表に出す気はないし、出さずに済ませる自信もあるが、疲れることには変わりない。

………まあ、いいわ。様子をうかがわせてもらいましょう。
ふと、調理室を見渡してみる。リファニアがいなくなっただけで、随分寂しくなったような気がした。
料理の完成………それはリファニアとの約束が果たされたと言うことを意味する。
これで自分と彼女を「縛る」ものはなくなったわけだ。明確な「守るべきもの」も失われた。

リファニアと一緒に料理をすることは、もうないだろう。
自分を選ばなかった彼女は、別の道を選んだ以上、その定めた目標に向かって進み出すはずだ。
その道が自分の進もうとする道と交差するかどうかは分からない。
仮に交わったとしても、それがどのような形での邂逅になるか。

ちらりと横目でダグラスを見る。今は彼が目標でもあり、進むべき道の先にいる。
リファニアの持っていったパスタが自分たちの胃の中に消え、皿が空になった時、
彼はどのような道を選択するのだろうか。
その過程に、到達すべき場所に、果たして自分は………シェラザードはいるのだろうか。
もし、最後に残ったのが自分と、ダグラスと………イブだったら、彼はどんな決断を下すのだろう。

「………さあ、あたし達も行きましょう」

半ば強引にダグラスの腕に自分の腕を絡ませて、調理室を出る。
少しでも彼と一緒にいようとする「邪念」が半分、
薬の影響が現れた時にすぐに対処しようとする「善意」が半分の行動だった。
邪念と善意は反対かもしれない。だが、そんなことはどうでもよかった。

出来ることは、出来るうちにしておかないと。

料理が愛情補正でどうにでもなるのなら、他のことも愛情補正でどうにか出来るのかもしれない。
全てを愛でどうにか出来るわけではないと分かってはいるけれど、
可能性があるなら賭けてみよう。リスクも危険も、承知の上だ。

ダグラスの腕に自分の胸が形を変えられる感触を楽しみながら、シェラザードはブリッジへと向かった。

【行動:ダグラスと一緒にブリッジへ向かう(−1)】
【位置:T11(ミョーコウ・通路)】【行動値残り:3】
【機体状況:AMX-004-2(3) キュベレイMk-U】 【パイロット状況:健康・空腹@エゥーゴコスプレ・エプロン装着中】
【武装:ビームサーベル(ビームガン兼用)×2、ファンネル×12、105mmザクマシンガン(弾倉×3)
     ハンブラビのテールランス】
【所持品:ディパック、首輪、水2リットル入り2本、コッペパン×2
      軍用大型ナイフ 青酸カリカプセル1個入りロケット
      デンジャーな衣服・下着・道具類で一杯のスーツケース 抗ガン剤12日分】
【方針:約束は果たした、そして………】
【同盟:No.03・イブ??、No.05・ダグラス、No.20・リファニア?】
292リーア先生 ◆UktGzzmQ/o :04/04/05 21:46 ID:???
次スレへの移動、お願いします。

ガンダムバトルロワイヤル 第三回大会 第十章
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1081145096/l50
293アーネスト・マンソン
>263
 ルイの返事を聞く。

 なるほど、出血が多いはずだ・・・・・・
 ほうっておけば確実に死ぬな。
 手を失っているならもうこのゲームにおいて彼は
死んだも同然。放置するのが一番いいが・・・・・・
 他の二人を敵に回すことになる。一つの命で二人の
人間の協力が得られるなら、利用したほうがいい。
「いいか、なにか・・・・・・そう、長くて太い
布を用意するんだ。
 幅は3センチ以上。
 傷口より、心臓寄りの場所を、その布で縛ってくれ。
紐や針金ではだめだ。細すぎて、十分に血管を圧迫できないからね。
 それに、縛った部分の肉や血管まで痛んでしまう。
 いいか、かならず太さは3センチ以上だよ。
 それと・・・・・・縛った時間を忘れるなよ。
 30分から一時間置きに、縛り布を緩めないと、
縛った部分から先の組織が死に始める。壊疽を起こしでもしたら
最悪・・・・・・いいな。これも忘れちゃいけない。
 処置が終わったら、彼の傷口をきれいな水で洗うんだ。
 傷口からして、おそらく破片か何かに切断されたんだと思う、
傷の内部に異物が入っていたりはしないだろうが。
 もしもぐりこんでいるようなら、それも取り除け。
 奴が痛がって苦しんでも、だ。
 そして、話し掛けるのを、励ますのを忘れるなよ。
 ショック状態に陥ったら面倒なんて言葉じゃすまない。
 急げ、ルイ!」
>277
「ぎりぎりまで待ち、武装・食料を整えてからだ。
 多分、核を使って脅迫、って手の実行は不可能になった。
 他のプランを考えなきゃならないだろう。 
 無論、レイモンドの手当てのことも考えなきゃな・・・・・

 今はひとまず、レイモンドの手当てが最優先だ。
 ここで一人死なれるのもな・・・・・・だろう?」

【位置:F5】
【機体状況:右脚部メガ粒子砲損壊、MS形態】
【パイロット状況:疼く・・・・・・疼くんだよ。頭が】
【武装:ガザD(現在搭乗中)
 ビームサーベル×2、背部ビーム砲×2、肩部5連装ミサイルポッド×2、
 ナックルバスター、足裏部2連装メガ粒子砲×1(右足のメガ粒子砲損壊)、脚部格闘用クロー×2
 スリングクラッカー×2(武装庫に保管)】
【行動:無差別通信(−1)】
【コンテナ武装;ザクT;武装ザクマシンガン×1、予備の30連ドラムマガジン×1、ブービートラップ(クラッカー)×1、
 現在武装庫に保管中】
【所持品: ディパック、首輪、軍用レーション2日分、水入りボトル2本(残り3g)、ナイフ、
 絞殺具、防弾ジャケット(拳銃弾対応)、ノーマルスーツ用酸素ボンベ3本(合計9時間分)、
 拳銃(弾丸15発)+予備カートリッジ2本、アサルトライフル(弾丸16発)+予備カートリッジ2本、天然フリーズドライのお肉800グラム
 ビームライフル×10、てづくりちょこ、てぃーちゃーちょこ、GHB10回分、ガスバーナー】
【方針:俺は、見たい。見たいんだ。結末を】
【同盟レイモンド?、ルイ?ベルク?】