政府の都市再生本部(本部長・小泉純一郎首相)は3日、
大阪市の中心部を流れる道頓堀川などの主要河川を水上交通で結び、
「水の都 大阪」を再生させる方針を固めた。
大阪府・市が共同提案していた構想で、4日午後の本部会議で大筋で採択される見通し。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)やミナミの繁華街などの集客施設を“水の回廊”などで結び、
イタリア・ベネチアや中国・蘇州に肩を並べる水辺空間豊かな都市づくりを進める。
構想は江戸時代、三十石船などが行き交う大小の川とともに歩んできた大阪の伝統や水資源に着目。
水上交通ネットワークの充実と水辺環境の整備が大きな柱だ。
実現時期は未定だが、大阪に観光客を誘致して活気を取り戻し、
全国最悪レベルの雇用状況を改善する狙いもある。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20011204k0000m040173000c.html 大阪市では淀川の本流から分岐する大川、堂島川、安治川が大阪湾に注ぐ。
さらに、堂島・土佐堀川▽東横堀川▽道頓堀川▽木津川――の四つの川が
一辺2〜3キロの四角形状になっている。
構想では、各所に桟橋を設けて「回廊」を構成。
水上バスや小型船が往来できるようにし、
現在、中之島東側など一部で導入している水上交通を市内全域に広げる。
臨海部のUSJ(此花区)や海遊館(港区)などと、
内陸部の大阪国際議場(北区)や大阪ドーム、大阪城など集客・観光施設の客を
水上バスなどでミナミなどに呼び込むことも期待できる。
構想と並行して95年度から大阪市が取り組んでいる道頓堀川の遊歩道整備など(延長1・3キロ、事業費240億円)も早急に進める。
水門の開閉による水量調整で川面と川辺の高低差も解消。
東横堀川では、下水の貯留ボックスをつくるなど川の浄化を図り公園や広場、遊歩道を整備。
現在法令で営利目的が制限されている水辺利用を緩和し、カフェテラスなども整えたいとしている。
同本部は4日、御堂筋の再生も採択する見通しで、
水辺を中心にした大阪の都市再生は具体化に向けて動きだす。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20011204k0000m040173000c.html