狂牛病(牛海綿状脳症)の感染源とされる肉骨粉類のうち、
鶏や豚を原料とするものはペットフードへの使用が解禁されたが、
今月末から出回る国産品には「牛に与えないこと」と表示されるのに対し、
米国やオーストラリア産の輸入品にはこの表示が見送られることになった。
狂牛病未発生国の両国が異議を唱えたためで、国内メーカーから
「農水省が外圧に屈した。国産品が不利になる」と反発の声が上がっている。
農水省は狂牛病発生を受け、肉骨粉類の製造・流通を10月4日に全面禁止。
今月1日からは鶏・豚を原料とするものに限ってペットフードや肥料への使用を解禁した。
関係者によると、解禁の条件として同省が牛への誤用や流用を防ぐための表示をするよう
業界団体のペットフード工業会(会長・椎野雅博日本ペットフード社長、会員27社)に要請した。
ところが、外資系企業が反発、米・豪両大使館の担当者も
10月下旬に農水省に説明を求めるなどしたため、
国産品に限って表示することになったという。
同工業会は「米・豪は狂牛病未発生国なので表示は必要ないという結論になった」と説明。
米国系業者も「あくまで業界の自主的判断で、義務ではない。
輸入品はもともと問題ないのだから表示の必要はない」と話す。
一方、国内の業界関係者は「『牛に与えていけないものをペットに食べさせて大丈夫か』という不安を
消費者に与えるので、できれば表示はしたくない」と、不公平感を募らせている。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20011129k0000m040160000c.html