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マンセー名無しさん:
北朝鮮ミサイル 発射なら直ちに国連安保理を(4月2日付・読売社説)
北朝鮮のミサイル発射に対し、国際社会は一致して自制を促している。
その声を無視して北朝鮮が発射を強行すれば、国連安全保障理事会で対応するのは当然だ。
北朝鮮が「試験通信衛星」の打ち上げを予告した「4月4〜8日」まで、残りわずかとなった。
日米韓は各国と協議を重ね、発射中止を求める国際包囲網を形成してきた。
中国とロシアも、北朝鮮に自制を求める立場では足並みをそろえた。
だが、既に3段ロケットを発射台に設置していることをみても、北朝鮮が最終的に発射する可能性は高い。
2006年のミサイル発射と核実験実施を受けた国連安保理決議は、
北朝鮮に「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動」の停止を要求している。
日米韓に加えて英仏も、衛星の発射であっても決議違反にあたるとの立場だ。
オランダでの日米外相会談は、発射すれば安保理で一致して「強いメッセージを出す」ことを確認した。
クリントン米国務長官は、「発射すれば安保理から相応の結果を招く」とも述べている。
これに先立つ日韓外相会談でも「安保理でしっかり取り上げる」方針で一致した。
中露は、今は発射中止に全力を注ぐべきだとの理由で、発射後の対応は明らかにしていない。
北朝鮮の核廃棄プロセスを協議する6か国協議に悪影響が及ぶことを懸念しているようだ。
そもそも北朝鮮に対する脅威認識でも、日米韓とは落差がある。
だが、衛星打ち上げのためのロケットも、ミサイルも、基本原理は一緒だ。
北朝鮮は核兵器の小型化も進めているとされる。
核弾頭を搭載できるようになれば、ミサイルの脅威は飛躍的に増す。
国連憲章にある通り、「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」を負うのは安保理だ。
ミサイルを発射した場合は、安保理で北朝鮮に「相応の結果」を与える必要がある。
北ミサイル「発射は国連決議違反」…日韓首脳が確認
【ロンドン=尾山宏】麻生首相は1日午前(日本時間1日夜)、ロンドン市内のホテルで、
韓国の李明博(イミョンバク)大統領と約40分間会談し、北朝鮮が「人工衛星」だと主張する
弾道ミサイルを発射した場合、国連安全保障理事会決議に違反し、
安保理で対応を協議する必要があるとの考えで一致した。
首相は「北朝鮮は日本を飛び越える形でミサイル発射を計画している。
発射は明確な安保理決議違反であり、安保理で取り上げ、しっかり対応していく」と強調した。
大統領は「完全に同意する。発射が行われれば、国連安保理での対応を含め、日韓米で連携して
対応したい」と応じた。さらに、「日本は国民を守るために、いかなる措置もとることができるし、
韓国としてもそれを認めている」とも述べ、日本のミサイル防衛(MD)システムでの迎撃に理解を示した。
首相はこの後に行われたインドネシアのユドヨノ大統領との会談でも、北朝鮮が発射を強行した場合、
安保理の議題にするとの立場で一致した。
(2009年4月2日02時13分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090401-OYT1T00988.htm
北は「簡易衛星」搭載か、ミサイル実験の「隠れみの」指摘も
北朝鮮が「人工衛星」と主張して発射準備を進めている弾道ミサイルに関し、
日本政府内では簡易な人工衛星が搭載されている可能性が高いとの見方が浮上している。
政府関係者は1日、「イランの人工衛星打ち上げ技術が北朝鮮に供与されている可能性がある」
と語った。別の政府関係者は「簡単な通信機能を持ち、地球を数回周回する程度の人工衛星なら、
北朝鮮でも製造できる」との見方を示した。実際に軌道に乗せるためではなく、
「ミサイル実験の隠れみのにするため、簡易な人工衛星を積んだのではないか」との指摘も出ている。
政府は、仮に人工衛星の打ち上げであっても、その種類にかかわらず、北朝鮮に弾道ミサイル計画の
放棄を求めた国連安全保障理事会決議に違反するとの立場だ。河村官房長官は1日の記者会見で、
「衛星であれミサイルであれ、国連安全保障理事会決議に違反するという姿勢は基本的に変わらない」
と述べた。
(2009年4月2日03時21分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090402-OYT1T00010.htm
北朝鮮制裁措置1年延長、拉致問題など進展なく
政府は2日、今月13日に期限切れとなる北朝鮮に対する日本独自の制裁措置を1年間延長する
方針を決めた。
10日に閣議決定する。従来は半年ごとに延長してきたが、日本人拉致問題などの懸案が進展しない
ため、期間を延長し、北朝鮮が「人工衛星」と主張する弾道ミサイル発射の有無とは関係なく実施する。
北朝鮮がミサイル発射を強行した場合は、輸出全面禁止などの追加制裁を検討する。
河村官房長官は2日午前の記者会見で、自民党などが制裁期間を1年とするよう求めていることに触れ、
「その線で検討している」と述べた。
1年延長の対象となるのは日本の独自制裁のうち、閣議決定が必要な貨客船「万景峰号」など
北朝鮮籍船の入港禁止措置と北朝鮮からの輸入全面禁止措置。2006年10月に北朝鮮が行った
核実験を受け、半年間の期限で発動し、半年ごとに延長を繰り返してきた。
(2009年4月2日14時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090402-OYT1T00647.htm
クローズアップ2009:北朝鮮ミサイル 「発射なら決議違反」
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
北朝鮮が「人工衛星打ち上げのロケット」と主張する、ミサイルの発射まで最短であと2日となった。
ロケットかミサイルかは、搭載物が分かるまで判然としない。政府は着弾の可能性に備え迎撃態勢を取る。
だが、迎撃に成功するかどうかは未知数で、北朝鮮がミサイルを制御できるか疑問視する声もある。
情報が住民に確実に伝わるかにも課題が残る。
◇ミサイルとロケット、搭載物で違い
弾道ミサイルとロケットは基本的な構造は同じ。搭載物が爆弾などの兵器ならミサイル、
人工衛星ならロケットだ。アトラスロケット(米国)やドニエプルロケット(ロシア、ウクライナ)は、
大陸間弾道ミサイルを転用して開発された。ロケットは大気圏外に出るが、ミサイルは最後は地上に戻る。
人工衛星を積んだロケットかどうかは、搭載物が地球を周回する軌道に入ったか否かでも判断する。
地球付近の飛行物体を24時間態勢で監視する北米航空宇宙防衛司令部(本部・米コロラド州)などが
軌道を割り出す。
周回軌道に入るには、切り離し時に一定以上の速度に達することが必要で、
それ以下だと地上に落下する。必要な速度は高度で異なり、高度約670キロで分離された
日本の人工衛星「いぶき」は秒速7・5キロ(90分で地球一周)だった。
人工衛星の打ち上げに成功すると、北朝鮮は世界で10カ国目の自国製ロケットでの打ち上げ
成功国となる。
ロケットでも日米韓が打ち上げに反対するのは、安保理決議1718が根拠だ。
北朝鮮を巡る主な決議には、06年7月のミサイル発射の際に採択された決議1695(非難)や、
同年10月の核実験の際に採択された同1718(制裁)がある。
>10
決議1718は、強制力を規定した国連憲章第7章(平和に対する脅威)に基づき、北朝鮮に対して
(1)さらなる核実験や弾道ミサイル発射の停止を要求
(2)弾道ミサイルに関するあらゆる活動を停止し、ミサイル発射のモラトリアム(凍結)設定の決定、
などとし、ぜいたく品の北朝鮮への輸出禁止などの制裁も科した。
安保理理事国(15カ国)のうち日米英などは、人工衛星打ち上げと弾道ミサイルの発射は同じ技術、
システムを使っているとして「1718決議に違反するのは明らか」との立場だ。
【ニューヨーク小倉孝保、西川拓】
>11
◇政府「落下可能性低い」
北朝鮮の発射情報は、まず米軍の電子偵察機や早期警戒衛星が察知する可能性が高く、
米軍が割り出した発射場所と時刻、ミサイルの種類、着弾時間と地点の5情報が防衛省を経由して
首相官邸などに伝達される。
全情報を空自航空総隊司令官(司令部・東京都府中市)が集約して総合的に判断。
万が一、日本への着弾が予想されると海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を持つ海自イージス艦の艦長や、
地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)を装備する空自高射部隊の隊長に迎撃命令を出す。
日本上空へは発射から10分以内に達するとされ、瞬時の判断が必要だ。
想定されるケースは主に二つある。一つは打ち上げ時や発射の早い段階で不具合が生じて弾道が
低くなり、日本に着弾する可能性。この場合、日本海にいるイージス艦のSM3が発射され、
赤外線探知装置で目標をとらえて高度100〜300キロの大気圏外で迎撃する。
撃ち漏らした時は「2段構え」でPAC3が地上レーダーの誘導を受けて日本上空十数キロで撃ち落とす。
二つ目は秋田県西方沖の日本海上で、第1段ロケットの切り離しなどに失敗して日本付近上空で
ロケットの方向が変わり、日本に着弾する可能性だ。
着弾まで数十秒しかなく、SM3の迎撃は間に合わずにPAC3だけの対応となる可能性もある。
SM3で自衛隊は2回中1回、米軍は16回中13回、実射試験に成功したが、自衛隊幹部は
「核兵器などの着弾防止が目標で、今回の(衛星打ち上げ名目のロケットのトラブル発生の)ケースは想定外」
と漏らす。
PAC3も半径約20キロのドーム状の射程内しか届かず、実際に迎撃できるかは未知数。
命中しても破片が落下して被害が出る可能性も指摘されている。
>12
ただ、政府は北朝鮮の情報などから「我が国の領域に飛来したり落下する可能性はほとんどない」
(内閣官房幹部)とみている。
政府はこれまで、SM3搭載のイージス艦4隻の改修費とPAC3配備で既に8000億円以上の
予算を計上。新型SM3の日米共同開発費の分担金などを含めれば1兆円超となる。
1発の価格はSM3が約20億円、PAC3は約5億円とされる。【本多健】
◇制御不能対応、不透明
今回の北朝鮮のミサイルは3段式とされるが、電子機器の故障やエンジン燃焼の不調で途中で姿勢が
乱れれば制御不能に陥る可能性は高い。日本のロケットの場合は、そうなる以前に自爆指令を送信して
機体を破壊するが、北朝鮮がどのように対処するのかは不明だ。宇宙航空研究開発機構の的川泰宣名誉教授は
「北朝鮮が通告している1段目の落下予測域が日本沿岸ぎりぎりまで延びているのが気になる」と言う。
さらに不明なのが、北朝鮮の追跡管制体制。2段目の切り離しや3段目の点火は、
衛星を軌道に投入する際に極めて重要な段階だ。だが北朝鮮の通告によると、その段階でミサイルは、
北朝鮮からみて地平線下に隠れる位置にあり、データを直接受信できない。
日本は、外国の協力を得て太平洋中央部のクリスマス島や南米、欧州など数カ所リレーしながら
ロケットを追跡している。的川氏は「北朝鮮は海外局を持っていないだろう。
打ち上げの最重要段階を見ていなくていいのか」といぶかる。
ただ、洋上の船舶でデータを受信する可能性を指摘する専門家もいる。【西川拓】
毎日新聞 2009年4月2日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090402ddn003030029000c.html
クローズアップ2009:北朝鮮「ミサイル」(その2止) 住民伝達に課題
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
◇政府「落下可能性低い」
政府は「落下の可能性はほとんどない」としているが、ミサイル発射時の地方自治体への情報提供に
緊急情報ネットワークシステム「エムネット」を利用する。首相官邸から瞬時に情報を各自治体に伝える
システムだが、住民に確実に伝わるか課題もある。06年のミサイル発射時に自治体への通報の遅れが
問題となったが、今回もどこまで対応できるか未知数だ。【石川貴教、坂本太郎、狩野智彦】
エムネットは首相官邸と各府省、各自治体、放送事業者など国民保護法に基づく指定公共機関を
専用回線などで結び、メッセージを送信して専用ソフトが入ったパソコンの画面に表示するシステムだ。
各自治体に遅くとも1分以内に情報が伝わる。
これまでに接続した市区町村は1241(3月27日現在)と全体の68・8%。
住民に瞬時に伝える方法には、人工衛星を介して市区町村の防災無線まで自動的に警報を伝える
「全国瞬時警報システム(J−アラート)」がある。だが、J−アラートは国民保護法に基づき、
武力攻撃が発生したと政府が認定した際にサイレンの警報音が鳴る仕組みで、武力攻撃ではない今回は、
警報音を鳴らせない。
エムネットの情報を住民に知らせるかどうかは、各自治体の判断に委ねられる。
国から自治体への情報提供は、自治体に広報の義務はない災害対策基本法に基づくためだ。
エムネットの他に、総務省消防庁は消防防災無線を用いて各市区町村に都道府県を経てファクスで
情報を提供。送信時間などを考慮すると、伝達には時間がかかる。政府は発射から1時間程度をめどに
河村建夫官房長官が会見で状況を説明。その後、麻生太郎首相が会見を開いて経過を説明する方針だ。
>14
エムネットが県と秋田市にしかなかった秋田県は、1日までに残る24市町村のうち22市町村で整備
し終えた。35市町村のうち16市町村と県だけだった岩手県は、残る市町村への整備を1日、終えた。
情報提供を受けて市区町村は、防災無線や広報車などで住民に警戒を呼びかける。秋田県横手市は
1日、全世帯に「報道に注意し、発射された場合は外出を控えて」と呼びかけるチラシを配布した。
「発射の一報で防災無線のスイッチを入れても間に合わない。事前に気を付けてもらう」と担当者は言う。
同県能代市は広報車を出す予定を取りやめた。担当者は「情報が届くころには頭を飛び越しているの
ではないか」。由利本荘市も「万一落ちてきても、安全と言える場所があるわけでもない」と戸惑う。
PAC3(地上配備型迎撃ミサイル)が配備された岩手県滝沢村は、
「どこに落ちるか分からず、避難などの措置は取れない」としてテレビやラジオの速報に注意するよう
住民に呼びかける。同県の越野修三・防災危機管理監は「落下の可能性は低い。冷静に対処したい」
と話す。
>15
◇函館エムネット、設置以来の不通
政府の緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が、
07年8月に北海道函館市に設置されて以来、不通のままになっていたことが分かった。
システムの不具合とみられ、市は当面、道の防災電話などを通じて情報提供を受ける。【昆野淳】
◇人工衛星、打ち上げ手続き不備 周波数など、国際機関に提出なし
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを4〜8日に「人工衛星」の名目で打ち上げるとしている問題で、
人工衛星打ち上げの際に必要な国際電気通信連合(ITU)への届け出をしていないことが1日、
分かった。手続きに不備があるため、政府内からは人工衛星なのか疑問視する声が出ている。
総務省によると、人工衛星を打ち上げる際、姿勢の制御や地球との交信に使う電波が混線しないように
するため、打ち上げの2〜7年前にITUに衛星の名称や使う周波数などを明記した計画を提出する。
ITUは情報を公表し、影響を受ける可能性がある人工衛星を所有する国からの意見を受け調整する。
北朝鮮もITUに加盟しており、この手順を踏む必要がある。違反しても罰則規定はなく、
軍事目的の衛星は対象外だが、北朝鮮は「試験通信衛星」を打ち上げると公表している。【仙石恭】
毎日新聞 2009年4月2日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090402ddm002030082000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 催し中止相次ぐ 陸自行事、山焼きなど
北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射予告期間(4〜8日)を前に、
各地でイベントを中止する動きが広がっている。陸上自衛隊の各駐屯地は5日の創立記念行事を
相次いで取りやめ、防衛省幹部は「今回は訓練ではなく、緊張感がまるで違う。
業務に支障がない範囲で行事を自粛しているようだ」とみている。
千葉県船橋市の陸上自衛隊第1空挺団は、5日の創立記念行事と駐屯地の一般公開を中止すると
発表した。約1800人の隊員が参加する観閲式や降下訓練が披露される毎年恒例のイベントで、
今年も地元住民らでにぎわうはずだったが「国際情勢を勘案した」という。
群馬県高崎市の陸上自衛隊新町駐屯地と宇都宮市の陸上自衛隊宇都宮駐屯地も、
5日に予定していた創立記念行事をそれぞれ中止、延期とした。
秋田県男鹿市は、市内の寒風山(355メートル)で5日に予定していた山焼きを中止した。
景観維持のため山頂手前の草地51ヘクタールを焼く行事で、約580人が参加予定だったが、
万一のことを考え、多数の人手を取る行事を開くのは難しいと判断した。同県は2日、先月設置した
「危機管理連絡部」を「危機管理対策本部」に格上げし、ミサイル落下時の連絡体制などを確認。
本部長の寺田典城知事は県幹部らに「冷静沈着に、緊張感を持って職務に当たってほしい」と求めた。
東京電力福島第1、第2原発が破壊されれば放射能漏れの恐れもある福島県も、
4〜8日は24時間態勢で情報収集に当たる。
山形県酒田市は離島の飛島との定期船の出港時間を変更することにした。
定期船は1日1往復で、飛島を午後1時半に出港する便が打ち上げ予告時間に重なるため、
4〜8日は出港を午後4時以降にする。
毎日新聞 2009年4月3日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20090403ddm012030006000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 朝鮮総連に対し民団要望書送付 発射自制求める
北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」とするミサイル発射問題で、在日本大韓民国民団(民団)の
鄭進(チョンジン)団長は2日、東京都内で会見を開き、北朝鮮に発射自制を呼びかけるよう求めた
要望書を、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の徐萬述(ソマンスル)議長あてに送ったことを
明らかにした。要望書は2日午前に宅配便で送ったが、朝鮮総連側に受け取りを拒否されたため、
ファクスで送信したという。
民団は要望書で、ミサイル発射は在日韓国人の生活にも影響を与える恐れがあるとし、
北朝鮮側の行動を「東アジア・太平洋地域の平和破壊をもたらす蛮行」と非難している。
鄭団長は「発射が実行された場合は、世界中の同胞に呼びかけるなどして、何らかの対応を取りたい」
と話した。【曽田拓】
毎日新聞 2009年4月3日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20090403ddm012030010000c.html
北朝鮮ミサイル:うす雲、小雨なら発射可能 4日の報道も
北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」と主張する長距離弾道ミサイルの発射予告期間(4〜8日)が
迫っている。米CNNテレビは1日、「燃料注入が始まった」と報道。
液体燃料が注入されれば後戻りは難しいため、不確定要素は発射時の天候などに限られてきた。
液体燃料は燃料と酸化剤からなるが、取り扱いが難しい。燃料の抜き取りは危険を伴うため、
数日以内にミサイルを発射するという前提で注入を始めるのが一般的だ。
日本政府は2日午後の段階で燃料の注入を確認していない。
韓国気象庁によると、発射台のある咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクドファデグンムスダンリ)
一帯の4日の天気は曇りがちだという。ミサイルやロケットの発射には雷が大敵だ。
本体に落雷があれば電子機器に異常が生じるためだ。ただ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、
積乱雲や雷雲以外のうす雲や小雨なら発射可能。
ロイター通信は2日、米国防総省当局者の話として、北朝鮮が予告期間の初日である4日にも
ミサイル発射に踏み切る可能性があると報じた。【西川拓、ソウル西脇真一】
毎日新聞 2009年4月3日 1時14分(最終更新 4月3日 1時36分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090403k0000m030164000c.html
北朝鮮ミサイル:「迎撃には報復」北朝鮮軍幹部
【北京・西岡省二】北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」名目で長距離弾道ミサイルの発射準備を
進めている問題で、同国の朝鮮人民軍総参謀部は2日、日本に対し「『迎撃』行為を敢行したら、
既に展開している迎撃手段だけでなく、重要対象にも断固たる報復の攻撃を加える」と警告した。
朝鮮中央通信を通して「重大報道」の形式で警告を発表した。
米国に対しても、迎撃しないとの立場を明らかにするよう求め、「展開した武力を速やかに
撤収させるべきだ」と訴えた。韓国には「衛星打ち上げ」への「中傷」をやめるよう要求した。
総参謀部は「我々の革命武力は高度の戦闘準備態勢を整えている」と強調。
「敵対勢力が平和的衛星に対するささいな『迎撃』の動きでも見せれば、速やかに報復打撃を加える」
と主張した。
毎日新聞 2009年4月2日 20時22分
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20090403k0000m030060000c.html
日中首脳会談:対北朝鮮、物別れ 胡主席決議採否言及せず
【ロンドン町田幸彦、西田進一郎】第2回金融サミットに参加した麻生太郎首相は2日夜
(日本時間3日早朝)、ロンドンで中国の胡錦濤国家主席と約40分間会談した。
麻生首相は北朝鮮が「人工衛星」とする長距離弾道ミサイル発射に対し新たな国連安保理決議採択を
主張したが、胡主席は決議採択の正否に答えず、「事態を注視している」と述べるにとどまった。
同行筋によると、北朝鮮のミサイル発射問題で首相は「地域の平和安定を損ない、
国連安保理決議採択により強いメッセージを出すことが重要だ」と述べた。これに対し、胡主席は
「北朝鮮は人工衛星を発射すると言っているが、いったん発射されれば日本国民の間で大きな反響を
引き起こすだろう。情勢がエスカレートしないように引き続きよく連携していきたい」と語るにとどまり、
決議案に関する言及はなかった。新決議採択には常任理事国である中国の協力が必要。
日中間の溝が浮き彫りになった格好だ。
また胡主席は中国製冷凍ギョーザ中毒事件に関して「日本側と協力して調査継続していきたい」
と言明した。胡主席は北朝鮮の日本人拉致問題で「今後も必要な協力を提供したい」と述べた。
両首脳は金融危機をめぐりアジア諸国に日中両国の支援を強める重要性を確認した。
東シナ海資源開発問題では首相が「早期交渉解決に向けて胡主席の指導力を期待している」と表明。
胡主席は「昨年の合意原則に変化はなく、今後とも事務レベルで意思疎通を図っていく」と答えた。
日中両首脳はこの会談で、29、30の両日、麻生首相が中国を訪問することで合意した。
日中両政府は3月末の首相訪中で調整していたが、中国側の都合で延期されていた。
首相は会談後、政府専用機で帰国の途についた。
毎日新聞 2009年4月3日 11時06分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090403k0000e010026000c.html
【北ミサイル】河村官房長官、浜田防衛相「万全の準備」強調
2009.4.3 10:56
河村建夫官房長官は3日午前の記者会見で、北朝鮮が「人工衛星」名目で弾道ミサイルの
発射準備を進めていることについて「通告通り行われるのではないかと想定して態勢を整えている。
4日からの可能性が高いと思って準備するのは当然だ」と述べ、
北朝鮮が通告通り4日から8日までの間に発射するとの見通しを示した。
その上で「万が一の場合の態勢については万全を期すように準備を進めている」と述べ、
ミサイル本体やブースターが日本の領土・領海に落下した場合、迎撃して被害の最小化を目指す考えを
重ねて示した。
一方、浜田靖一防衛相は記者会見で「破壊措置命令を出して以降、部隊の展開など準備は順調に
進めている。必要な態勢は整った。緊張感をもって対応していきたい」と強調。
迎撃については「当然、飛んできた火の粉は払わなければならない。淡々とやるだけだ」と述べた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031059018-n1.htm
北朝鮮ミサイル「国連は毅然と対応を」 首相、事務総長に要請
【ロンドン=中山真】英国訪問中の麻生太郎首相は2日夕(日本時間3日未明)、
ロンドン市内のホテルで国連の潘基文(バン・キムン)事務総長と会談した。
首相は北朝鮮が人工衛星を名目にミサイルを発射した場合の対応について
「国連安全保障理事会での決議の可能性を念頭に強いメッセージを発信したい。
事務総長にも毅然(きぜん)とした態度を示してほしい」と要請した。
事務総長は「(ミサイル発射は)全く望ましいものではなく、不必要な緊張をつくり出す。
国連としても懸念を有している。北朝鮮が関連する安保理決議に従うとともに、
6カ国協議に復帰することを期待する」と述べた。
今年末に交渉期限を迎える地球温暖化の「ポスト京都」の枠組みづくりを巡っては、事務総長は
「交渉の妥結のためには政治的リーダーシップが重要だ。日本の指導的な役割を期待している」と指摘。
首相は「米国、中国、インドをはじめとしたすべての主要経済国が責任ある形で枠組みを構築することが
必須だ」と指摘した。 (2009/04/03 11:36)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090403AT3S0202P03042009.html
春・夏・秋・冬
先日、京都府下の学者、文化人、宗教人ら各界人士による
「文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット」設立総会が開かれ、
各地市民団体代表らも含め主催者側の予想を上回る参加者で賑わったという
▼朝鮮が発表した人工衛星打ち上げ計画に対し、あくまで「弾道ミサイル」だと言い張り
「迎撃」「制裁」を大合唱する政府・軍(自衛隊)・メディアによって殺伐とした雰囲気が
造り上げられている中での勇気ある行動に拍手を送りたい。
1998年当時、小渕内閣の官房長官だった野中広務氏も出席し、層の幅広さを実感する
▼現在の状況について、常識あるごく普通の日本市民たちは憂慮し不快だと感じている。
彼らは共通して「自衛隊が前面に出ての『大演習』総動員態勢は初めての体験」だと語る。
それはそうだ。戦後、これまでを振り返ってもなかった。前代未聞の出来事である
▼親子団欒の夕食の時間に、ミサイル配備の映像がおどろおどろしく放映される。
子どもたちの目に、ミサイルの映像はどのように映り脳裏に刻まれていくのだろうか。それが心配だ。
ソマリア沖への海上自衛隊出動といい、実は、かつての日章旗をなびかせ朝鮮侵略へと突っ走った
日本軍と同様、何をしても良いのだという思考の注入をしているのではないかと思う
▼しかし、それら映像も表面的かつ断片でしかない。というのも、自衛隊という名の軍には
諜報部隊も存在する。戦前なら憲兵である。不気味なのは彼らがどういう行動をしているのか、
まったく見えてこないことだ。日本は岐路に立っている。(彦)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/08/0908j0403-00001.htm
列島の狂乱−メディアが駆り立てる「戦争前夜」
朝鮮の人工衛星打ち上げをめぐって、日本列島は狂乱状態に陥っている。
とくにメディアの北叩きは今まさに「戦争前夜」の沸騰点に達したかのようだ。
隣国を敵視し、蔑み、事実を捻じ曲げて、ウソの報道を垂れ流す。
これは、日本が戦争を引き起こしたときの常套手段であった。
日本はかつて「神の国」「世界で最も優れた国」「決して戦争に負けない」と国民を信じ込ませ、
戦争に駆り立てた。
しかし、このような独善的な考えが世界に通用するはずもなく、1945年、日本は惨澹たる
敗戦を迎えた。アジアで2000万人以上の人びとを犠牲にし、日本人もまた310万人も亡くなる
という、それまで経験したことのない膨大な犠牲を払っての敗戦だった。
日本が朝鮮を支配するのに重大な1歩となったのは日清戦争だ。中国と日本が朝鮮の支配をめぐって
争った戦争である。清朝は、朝鮮と深い関係を結んでいた。それが日本が朝鮮に勢力を広げる上で
大きな障害になっていた。そこで、日清戦争で日本は「朝鮮の独立を守る」ことがこの戦争の目的だと
内外に宣言した。中国は国家の独立も認めない国際法をわきまえない「野蛮な国」、
それに比べて日本は「文明国」だから「朝鮮の独立を守る」と言ったのだ。
日清戦争は「文明」と「野蛮」の戦争というわけだ。
その過程で、邪魔者、朝鮮の王后閔氏を惨殺させたのが、
日本軍・政府だったと新刊「朝鮮王妃殺害と日本人」(金文子著)が明らかにしている。
隣国・朝鮮との平和的な共存なしに、日本の安全は保障されない。
日本は醜悪な過去を、まず、反省しなければ、騒いだところで誰も相手にしないだろう。(粉)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/09/0909j0403-00001.htm
民主朝鮮 日本の「外交青書」を非難
3月31日付の民主朝鮮は、日本の2009年度版「外交青書」の内容を非難する論評を掲載した。
要旨は次のとおり。
最近、日本の外務省が作成して自民党外交関係合同部会に提出した2009年版「外交青書」に
盛り込んだ内容が普通の常識を持った人には到底理解できない文言でつづられている。
独島問題に言及した事実を見てもそうである。
独島が朝鮮固有の領土であることはこれ以上論じる余地すらない明白な事実である。
ところが、「外交青書」は、歴史的事実が何だの、国際法が何だのと独島が日本の領土であると主張している。
最近、日本が独島と釣魚島(尖閣諸島)、クリル列島(千島列島)の問題と関連して周辺諸国の
神経をとがらせることだけを見ても、日本の領土野望は度をはるかに超えている。
日本は周辺国家との領土紛争がいかなる外交的な摩擦と孤立を招くのかを全く考慮せずに狂奔している。
国連安全保障理事会の常任理事国入り問題もやはりそうである。今回の「外交青書」を通じて日本は、
自らの安保理常任理事国入り問題を解決しようとする立場を表明した。
安保理常任理事国の座は望むからといってだれにでも与えられる座ではない。
日本は国際社会の前に過去の清算という途方もない借りがある戦犯国である。
しかし、日本はいまだに国際社会の前に自国の過去の清算義務を果たしていないし、
その責任を回避している。
日本の外交というのは深みがまるでなく、非論理的で矛盾だらけである。
親米・事大主義に陥って屈辱外交を行い恥をさらすのも日本であり、見境なくあっちに付いたり
こっちに付いたりした挙げ句、そっけなくあしらわれて決まりが悪くなるのも日本である。(朝鮮通信)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/04/0904j0403-00005.htm
ロシア団体 朝鮮の平和的宇宙開発計画を支持
ロシア大統領政策支持運動執行委員会が3月27日、朝鮮の平和的宇宙開発計画を支持する声明を
発表した。
声明は、西側のマスコミが朝鮮の試験通信衛星打ち上げ問題について騒いでいる目的は、
朝鮮の平和的な宇宙開発を阻むことにあると指摘した。
また、「自主的な国家が最新技術を含む任意の科学技術分野において実験を行うことを禁止する
ことはできない」「朝鮮は国際法の主体として自国の防衛と安全保障に関する権利を持っている」
などと指摘した。(朝鮮通信)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/05/0905j0403-00001.htm
〈朝鮮の論調〉 人工衛星発射問題
◆二重基準は許されない 労働新聞3月29日付
敵対勢力がわれわれの平和目的の人工衛星打ち上げ準備をめぐって騒ぎを起こしている。
米国と一部の追従勢力は、衛星運搬ロケット「銀河2号」による「光明星2号」の打ち上げが
「大きな脅威」になると主張している。また、われわれの衛星打ち上げを「挑発行為」だとし、
長距離ミサイルと同じ技術であるので国連安全保障理事会に上程し、問題視すべきだと騒いでいる。
幼稚な対応だと言わざるをえない。平和目的の衛星打ち上げは国と民族の繁栄、
ひいては人類の進歩に貢献する正当な事業であり、主権国家の合法的権利である。
朝鮮は平和的な宇宙科学研究と衛星打ち上げ分野で国際的な信頼を増進させ、
協力を強化する立場から、すでに宇宙条約と宇宙物体登録条約に加盟した。
また、国際的規定にしたがって国際民間航空機関と国際海事機関などの国際機関に航空機と船舶の
航行安全に必要な資料を提供し事前通告した。いうなれば、わが国はほかの衛星打ち上げ国と同様の
国際的手続きと慣例にしたがって衛星を打ち上げることになる。しかし唯一、米国と日本、
南朝鮮だけが朝鮮の衛星打ち上げを妨げようと、理屈に合わない主張を行っている。彼らは衛星打ち上げ
を止めることができないと知るやいなや、この問題を国連安全保障理事会に上程しようと企んでいる。
国連安保理がこの問題を取り扱おうとするなら、公平にすべての国の衛星打ち上げを問題視するのが
当然である。ここで2重性と偏見があっては絶対ならない。
世界的に9つほどの国が現在まで数千基の衛星を打ち上げたが、安保理に持ち込まれて問題視された
ことは一度もない。このような前例を持つ安保理が、われわれの衛星打ち上げに対してだけ
問題視できるというのか。
>29
安保理が公正さを失い、反朝鮮敵対行為に利用されるなら、朝鮮半島の非核化プロセスを
破たんさせたという拭えない汚点を歴史に刻むことになるだろう。
朝鮮外務省スポークスマンが明らかにしたように、わが国の衛星打ち上げ問題が国連安保理に上程、
討議されれば朝鮮半島の非核化と6者会談は完全に破たんすることになり、われわれはより強い措置を
講じるだろう。すべての責任はこの事態を生んだ張本人たちが負うことになる。
>30
◆「迎撃」騒ぐ日本の狙い 3月31日発朝鮮中央通信
対朝鮮敵視政策を追求する勢力がわれわれの平和目的の試験通信衛星「光明星2号」の打ち上げを
妨げるために躍起となっている。
過去、わが国に最も大きな罪を犯した日本がその先頭に立っている。麻生首相をはじめとする
当局者は朝鮮の人工衛星打ち上げが日本の安保に対する「脅威」になると騒ぎ立てている。
自衛隊の海上および地上配備型迎撃ミサイルと監視手段が朝鮮東海とその周辺地域に機動展開されている。
また、衛星が打ち上げられた場合には独自の追加制裁措置を講じ、国連安全保障理事会に上程すると
騒いでいる。
日本は米国をバックにわれわれの人工衛星を迎撃すると公言したが、朝鮮側の断固たる立場が示され
米国の対応もトーンダウンした後には、段階的に分離される運搬ロケットの
「残骸が日本の領土に落下する場合に限る」と発言を変えた。
日本がわれわれの衛星打ち上げをミサイル技術開発だと主張し、世間を騒がせている目的は
ほかでもない。それは何よりも、6者会談を破たんさせ朝鮮半島の非核化プロセスを遅延させることで、
自身の核武装の野望を合理化することにある。
6者会談が始まって以来、日本がしたことといえば非核化の妨害だけである。
われわれに対する「テロ支援国家」指定解除に反対し、エネルギー支援義務を回避するなど、
非核化に向けた「行動対行動」原則の履行を妨げた。日本の裏切り行為は意図的なもので、
その裏には自身の核武装を正当化する口実をつくろうという打算がある。
>31
第2の目的は、朝鮮の人工衛星打ち上げを日本社会の軍国化と国内の政治危機の解消に
最大限活用するためである。
日本にはわれわれの衛星を迎撃できる保証も確信もない。
日本が狙っているのは、衛星打ち上げに反対する過程を通じて得ることになる政治・軍事的利益である。
腐敗した政治風土に幻滅を感じる国民の視線を「安保脅威」に集中させることで、軍国主義を鼓吹し、
政治危機を収拾する時間的余裕を得て、将来、米国との共同ミサイル防衛システムの展開などの
軍事大国化を本格的に推進するための足場を固めようとしている。
日本が朝鮮の衛星打ち上げに対してのみミサイル技術開発だと言いがかりをつけ、
敵対行為にしがみつくのは「相互尊重と平等の精神」の具現という6者会談9.19共同声明を
否定することを宣言するものであり、結局は6者会談のテーブルを覆す行為になる。
日本が「光明星2号」に対する迎撃を企図しようとしまいと、われわれがしり込みすることはない。
日本があえてロケット迎撃の道に進むなら、われわれはそれを戦犯国日本が第2次大戦後60数年ぶりに
鳴らす再侵略戦争の砲声として受けとめ、最も威力のある軍事的手段ですべての迎撃手段とその牙城を
無慈悲に粉砕するだろう。(朝鮮通信)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/04/0904j0403-00002.htm
朝鮮人民軍総参謀部重大報道 「衛星迎撃すれば報復攻撃」
朝鮮人民軍総参謀部は2日、敵対国による人工衛星迎撃に対して断固たる報復措置で応えるとする
内容の「重大報道」を発表した。報道の要旨は次のとおり。
われわれの平和目的の人工衛星発射準備に対して最も敵対的な反応を示しているのが日本である。
唯一日本だけが、衛星打ち上げと関連した危険区域の事前通告措置にまで言いがかりをつけ、
「光明星2号」の打ち上げを「敵対行為」だと騒ぎ立てている。
朝鮮人民軍総参謀部は現在醸成されている事態に対処し、次のように宣布する。
1、日本がわれわれの平和目的の衛星に対する「迎撃」行為を敢行するなら、朝鮮人民軍はすでに
展開済みの迎撃手段のみならず、ほかの重要対象にも断固たる報復攻撃を浴びせるだろう。
2、われわれの衛星発射に関する立場を明らかにした米国は、被害を受けたくないのであれば、
展開している武力をただちに撤収させなければならない。
3、南朝鮮の好戦勢力は、米国と日本にこびへつらい、民族の誇りであるわれわれの衛星発射を
誹謗してはならない。(朝鮮通信)
[朝鮮新報 2009.4.3]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/04/0904j0403-00004.htm
【北ミサイル】北朝鮮の4日以降の天気は「概ね晴れ」
2009.4.3 14:44
ミサイル発射準備が最終段階に入っている北朝鮮の気象状況について、気象庁では3日午後2時現在、
発射が懸念される4日から8日まで「概ね晴れの日が多い」と予想している。
気象防災推進室によると、予想は長距離弾道ミサイルの発射施設がある北朝鮮の
咸鏡北道舞水端里周辺を対象にしたもので、4日は朝のうち曇るが、徐々に晴れになるとしている。
5、7、8日は、いずれも晴れになる見通し。6日も雲が覆うが、大きくは崩れないと予想している。
同室では、ミサイルが発射された場合、ミサイルの姿や、大気への影響を気象衛星や
気象庁のレーダーなどがとらえる可能性は「ほとんどない」と説明している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031445022-n1.htm
【北ミサイル】額賀氏 政府の警報システム運用見送り方針を批判 「官僚主義的でおかしい」
2009.4.3 11:28
自民党の額賀福志郎元防衛庁長官は3日、民放テレビ番組で、北朝鮮が「人工衛星」と主張する
長距離弾道ミサイルの発射問題で、政府が人工衛星を利用して緊急情報を全国に伝える総務省の
「全国瞬時警報システム」(J−ALERT)の運用を見送ったことを「官僚主義的な考え方でおかしい」
と批判した。
内閣官房は運用見送りの理由を「システムは日本を標的にしたミサイル攻撃を想定している」
と説明しているが、額賀氏は「情報や状況に応じて臨機応変に対応し、国民を安全に守るのが大事だ」
と弾力的運用を求めた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031129019-n1.htm
【北ミサイル】 政府「上空通過」「迎撃有無」 10数分で公表へ
2009.4.3 12:32
政府は3日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルが日本上空を通過した場合、
発射から10数分後に公表する方向で調整に入った。ミサイル防衛(MD)システムでミサイルを
迎撃したかどうかも、北朝鮮の発射後10数分以内に公表する。
政府は当初、ミサイル落下に関する情報の公表は発射の30分〜1時間後になるとしていたが、
安全に関わる情報を早期に発表して国民の不安払拭に努めることにした。
ミサイル発射の第一報は米国の早期警戒衛星の情報に基づき、発射5〜10分後に首相官邸から
自治体などに伝達される。ミサイルは発射から10分以内で日本上空を通過する見通しで、
落下前でも自衛隊のレーダーなどで補足した情報を公表できると判断した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031234021-n1.htm
イージス艦:東北沖を警戒 北朝鮮ミサイル落下に備え
北朝鮮の長距離弾道ミサイル落下に備えた「破壊措置命令」を受け、海上自衛隊のイージス艦が
監視活動を続けている。毎日新聞は3日午前、東北沖の日本海上に展開中の「こんごう」を上空から
確認した。付近には護衛艦なども展開し、4日にも予想される発射を控え、緊張が高まっている。
3日午前10時50分ごろ、黒い海原を緩やかに北上する灰色の艦影が見えた。船首に記した
「173」の番号や、艦前部に取り付けられた多機能レーダーなどから「こんごう」と確認した。
こんごうは海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載。
日本海上には、イージス艦「ちょうかい」も展開している。【平川哲也】
毎日新聞 2009年4月3日 13時10分(最終更新 4月3日 13時36分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090403k0000e040067000c.html
北朝鮮ミサイル基地周辺、発射期間初日は曇りのち晴れ
北朝鮮が「衛星打ち上げ」名目に長距離弾道ミサイルを4日から8日の間に発射する準備をしている
問題で、気象庁は、発射基地のある舞水端里(ムスダンリ)周辺の天気について
「(4日は)初めは曇っているものの、次第に晴れる」などとする「予測」を行った。
防衛省などは「4日に発射があってもおかしくない」と警戒を強めている。
気象庁では通常、朝鮮半島の天気予報は発表していない。
東北地方の自治体や住民の関心が高く、報道機関からの問い合わせも多いため、特別に予測した。
舞水端里に面した日本海周辺の天気をスーパーコンピューターで計算したところ、
4〜8日の5日間は「雲が広がることがあるが、晴れの日が多い」との予測が出た。
宇宙航空研究開発機構によると、H2Aロケットの場合、打ち上げが延期になるのは、
1時間に8ミリを超える雨や半径10キロ以内に雷雲がある場合など。
このため、防衛省などは、気象庁の予測に基づき、打ち上げられる可能性がより高まったとみている。
ただ、H2Aロケットの場合、晴れていても、最大瞬間風速22・5メートルを超える場合は
延期になるという。
(2009年4月3日14時51分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090403-OYT1T00605.htm
北朝鮮ミサイル発射時、日米が安保理新決議案を提出へ
【ニューヨーク=白川義和】日米両政府は2日、北朝鮮が弾道ミサイルや人工衛星を発射した場合、
国連安全保障理事会に、北朝鮮に対する弾道ミサイル関連物資やぜいたく品の禁輸などを定めた
安保理決議1718の徹底を求める新決議案を提出する方針を固めた。
国連外交筋はこれに関し、米国が新決議案の付属文書として、
金融制裁の対象となる北朝鮮の企業など約10団体の指定を検討していることを明らかにした。
日米などが作成中の新決議案は、北朝鮮の核実験を受けて2006年に採択された決議1718の
「厳格な履行」の再確認を柱としている。決議1718には、北朝鮮の核・ミサイル関連企業の
海外資産を凍結するなど金融制裁も含まれているが、企業名などを具体的に指定したリストはなく、
骨抜き状態になっていた。
米国は、新たに制裁対象リストを定めることで、各国に制裁の徹底を促す狙いだ。
米国や日本は、大量破壊兵器の開発に関連する北朝鮮企業などに対し、すでに金融制裁を実施している。
付属文書で指定が検討されている企業は、これらに基づくとみられる。
一方、中国とロシアは決議の必要性には否定的で、議長声明や、報道機関向けの「プレス声明」
による対応を求める構えだ。「人工衛星の打ち上げでも決議違反」とする日米韓などの主張の明文化や、
制裁対象リストの是非を巡って紛糾も予想され、日米は議長声明で妥協するシナリオも視野に準備を
進めている。
(2009年4月3日15時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090403-OYT1T00617.htm
【朝鮮半島ウオッチ】北、日米韓の分断狙うミサイル外交
2009.4.3 16:41
日米韓の離反を画策する北朝鮮のプロパガンダが激しさを増している。
長距離弾道ミサイル発射に警戒を強める日本には「迎撃すれば報復する」と恫喝(どうかつ)。
直接交渉への期待からか米国に対してはオバマ大統領の名指し非難を控える一方、
強硬策の韓国・李明博大統領は「逆徒」と罵倒、軍事衝突もちらつかせている。
ミサイル発射後の焦点は国際社会の結束だが3国間に温度差があるのも事実。
北朝鮮は特に日本の「孤立化」をもくろんでいるかのようだ。(久保田るり子)
■新たなカード
日米韓は北朝鮮のミサイル発射について「国連安保理決議(1718)違反」で
足並みをそろえている。対抗する北朝鮮は6カ国協議を取引材料に持ち出している。
「日米韓などが国連安保理で敵対行為を行えば6カ国協議は存在する基礎も意義もなくなる」
(24日、外務省スポークスマン談話)
「安保理上程なら6カ国協議は崩壊。朝鮮半島非核化のプロセスは水泡に帰す」(1日、「民主朝鮮」)。
これは協議再開で核問題の仕切り直しをはかりたいオバマ米政権への牽制(けん制)であるのが明らか。
ミサイルで核兵器の運搬手段の脅威を見せつけ、
「6カ国協議と切り離した米朝協議への誘い水だ」(朝鮮半島筋)とする見方もある。
北朝鮮メディアの対米論評は巧妙だ。米韓軍事演習は非難するがオバマ大統領への名指し批判は
控えている。また就任前のボスワース北朝鮮特使や民間研究者の訪朝を受け入れる一方で、
中朝国境で取材の米国人記者を逮捕、抑留している。
発射に対する制裁に中国、ロシアは当初から消極姿勢が目立っている。
北朝鮮への影響力確保と地域の緊張回避が目的だが、安保理常任理事国の両国が慎重なことで、
国際社会が結束した新たなペナルティーは困難との見方は強い。
6カ国協議への北朝鮮の言及は国際情勢分析に基づいた揺さぶり戦術といえそうだ。
>41
■連日の対日、対韓批判
2日、北朝鮮の軍総参謀部は「重大報道」として「平和的衛星に迎撃行為を敢行するなら、
重要対象にも断固たる報復の火の雷を浴びせる」と発表。1日には追加制裁措置の検討など
日本の対北政策が「6者会談を崩壊させる」と批判し日本排斥論も展開している。
日本は領土・領海上空を越える北朝鮮のミサイル発射を看過するわけにはいかない。
安保理による制裁決議が難しい場合でも独自制裁を行う方針だ。
しかし日本の認識に対する米韓の温度差は否めない。
韓国は「日本は国民を守るいかなる措置も取る権利がある」(李明博大統領)と理解を示すが、
迎撃による緊張への不安感を隠していない。
南北関係は、李明博政権の対北政策に北朝鮮が反発しており最悪の状態だ。
北朝鮮はことあるごとに開城工団への通行を禁止し前政権までの太陽政策の成果は、
李政権を圧迫する“人質”となっており、現在も職員2人が抑留されている。
李政権はさきに、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への参加の意志表明をしたが、
北朝鮮はこれに反発、「PSIへの参加は宣戦布告とみなす」と繰り返し恫喝。
韓国の対北制裁圧力を弱めようとしている。
【北ミサイル】領内に飛来すれば迎撃 ロシア
2009.4.3 18:08
ロシア太平洋艦隊(司令部・ウラジオストク)幹部は3日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する
長距離弾道ミサイルを発射した場合の対応について「ミサイルがロシアの沿海地方などに飛来すれば、
防空部隊が迎撃することになる」と明らかにした。
同幹部によると、太平洋艦隊は北朝鮮のミサイル発射の動向について、ミサイルの飛来方向が
ロシア方面ではないと予想されることなどから、特別態勢は取らずに通常態勢で監視。
衛星や日本海に展開する艦艇のレーダーなどを使用して警戒を続けているという。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090403/kor0904031809003-n1.htm
【北ミサイル】領土内落下なら緊急招集へ 衆院議運理事会
2009.4.3 18:27
衆院議院運営委員会は3日の理事会で、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルの一部が
4日以降に、日本の領土に落下したり、ミサイル防衛(MD)システムによる迎撃が行われた場合には、
数時間以内に議運理事会を緊急招集することを決めた。6日にも非難決議を行うなど対応を協議するためで、
ミサイルが日本上空を通過した場合でも、7日にも同国を非難する決議を本会議で採択する。
また、自民、公明両党は発射から3時間以内に
「与党北朝鮮ミサイル対策本部」(本部長・細田博之自民党幹事長)を招集し、情報収集する方針だ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090403/stt0904031827004-n1.htm
【北ミサイル】5日の新報道2001 石原知事らが出演
2009.4.3 19:13
5日午前7時半からフジテレビ系列で放送される「新報道2001」は、
北朝鮮が通告してきた4〜8日という弾道ミサイルの発射予告期間に入った。
スタジオに石原慎太郎東京都知事、自民党の中谷元・元防衛庁長官、佐々淳行元内閣安全保障室長、
森本敏拓殖大海外事情研究所所長、朴斗鎮コリア国際研究所所長を迎え、ミサイル問題を話し合う。
番組では北朝鮮軍事担当元高官にインタビューし、北朝鮮に今何が起きているのか、思惑を検証する。
また、万一に備えての日本の迎撃システムは万全なのか、日本の進むべき外交と安全保障の在り方などに
ついて議論する。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031914023-n1.htm
朝日の基地外投稿第181面
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1237973669/l50 212 名前:文責・名無しさん メェル:sage 投稿日:2009/04/03(金) 18:45:41 ID:yegoGmSm0
毎日から、まともなのを1本と微妙なのを1本。
まずは微妙な方
4/3 毎日新聞東京版
WBC韓国チームにもっと賞賛を
無職 池田 祥太郎(千葉県富里市 78歳)
第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日韓両チームの
息詰まるような決勝戦(日本時間3月24日)の果て、ついに日本チームが
勝利の栄冠を手にした。政治の介入のない中で得た勝利である。
スポーツの清廉潔白さのもとでの勝利を、心の底から喜びたい。
そこで思うのだが、スポーツだからこそできる海外の人との親善関係作りに、
もっと前向きになれないだろうか。
たとえばテレビでも新聞紙上でも、韓国チームをたたえる場面が、
もっと多くてもいいと私は思う。選手も、観客も、相手に対する尊敬の念を
持っているに違いない。それを具体的な言葉にしているかもしれない。
それをマスコミがもっと積極的に取り上げれば、両国の親善につながると思う。
日本チームも、韓国チームに改めて敬意を表し、マスコミは、しっかりと、それを報じて欲しい。
金総書記、また雲隠れ? 過去の発射でも
2009年4月3日19時34分
【ソウル=箱田哲也】北朝鮮メディアによる金正日総書記の動静報道が、3月28日の炭鉱の現地視察以来、
途絶えている(3日夜現在)。北朝鮮が人工衛星の打ち上げを予告している期間は4〜8日。
ラヂオプレス(RP)によると、過去に長距離弾道ミサイルを発射した前後にも長期間、動静報道が止まった。
RPによると、98年8月31日にテポドン1を打ち上げた際は1カ月余り動静が報じられず、
最高人民会議を伝える9月6日の報道で総書記が登場した。06年7月5日にテポドン2を含む
ミサイルを発射した時は前日の4日から途絶え、次の動静報道は8月13日だった。
また、06年10月の核実験の際も10日以上、総書記の様子が伝えられなかったという。
韓国統一省の分析担当者は「1週間程度、動静報道が途絶えることは珍しくないが、
いまは北が人工衛星とする打ち上げ準備が影響しているのではないか」と指摘する。
http://www.asahi.com/international/update/0403/TKY200904030277.html
4月3日付 よみうり寸評
毎度のことながら北朝鮮のあの女性の居丈高なアナウンスにはへきえきする。
今回もまた得意の脅しだ
◆「日本が分別を失って迎撃を敢行すれば、すでに展開している迎撃手段だけでなく、
重要対象にも断固たる報復の雷を浴びせるだろう」。これが朝鮮人民軍総参謀部の重大発表だという
◆「分別を失う」なんて、あんた(北朝鮮)にだけは言われたくないセリフだ。
無分別にも北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」を名目に長距離弾道ミサイルを発射するという。
その通告期間(4〜8日)があすに迫った
◆わが本土を飛び越えて、切り離した第1段ロケットは日本海に、第2段は太平洋に落下するという
通告だ。わが方が本土に落下する危険に備えるのは当然のこと
◆天が崩れ落ちると心配したのは、中国古代の「杞(き)」の国の人。
それを杞憂というが、北朝鮮のミサイルあるいはロケットの打ち上げが失敗する危険は、
可能性は低いにしても全くの杞憂ではない
◆北朝鮮は他国をそしるより、無分別な発射を自制すべきだ。
(2009年4月3日13時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column2/news/20090403-OYT1T00600.htm
『MD拡大』には追い風 防衛省・自民 本格配備を力説
2009年4月3日 朝刊
北朝鮮が「人工衛星」として長距離弾道ミサイル発射を予告していることを追い風に、
防衛省や自民党がミサイル防衛(MD)拡大論を説き始めた。
迎撃ミサイル拡充に加え、弾道ミサイル発射を探知する早期警戒衛星の独自保有まで照準に入れている。
「迎撃ミサイルPAC3を常備してほしい」。加藤紘一氏(山形3区)、玉沢徳一郎氏(比例東北)ら
東北選出の自民党国会議員は一日、河村建夫官房長官を首相官邸に訪ね、こう要望した。
自衛隊は今回、PAC3を浜松市から、ミサイルが上空を通過するとみられる秋田、
岩手両県に移動させて対応しているが、今のところ東北地方への配備計画はない。
防衛省の増田好平事務次官は二日の記者会見で「(加藤氏らの)要請も念頭に、防衛計画の大綱、
中期防衛力整備計画で検討したい」と、本格配備に前向きな姿勢を示した。
迎撃ミサイルの配備拡大だけでなく、早期警戒衛星の独自保有論も強まっている。
二日の自民党国防部会・防衛政策検討小委員会の会合では「日本も独自に持つべきだ」
との意見が続出。防衛省は財政事情から「全体的な判断を要する」と慎重な姿勢を示しつつも、
衛星の要である赤外線センサーは、先行して研究開発を進める方針を示した。
早期警戒衛星の保有国は米ロだけ。日本が自前で持てば、探知でも米国への依存度は低くなる。
ただ、MDはすでにかかった七千億円を含め、初期配備だけで約一兆円の費用が見込まれ、
独自の早期警戒衛星を持てば、同盟関係にある米側に警戒感を与えるのは必至だ。
このため、山崎拓元防衛庁長官は会合で「『多々ますます弁ず』でいけば、国防の基本から
論じなくてはならなくなる」と、冷静な対応を訴えた。 (三浦耕喜)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009040302000092.html
米大統領、「制裁決議案」発言せず=韓国側が訂正
【ソウル3日時事】韓国の権鍾洛外交通商省第1次官は3日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の
対応をめぐり、2日の米韓首脳会談でオバマ大統領から「制裁決議案」という発言はなかったと述べ、
「オバマ大統領は制裁決議案を準備中だと語った」としていた韓国青瓦台(大統領府)の発表を訂正した。
国会の外交通商統一委員会で明らかにした。
権氏によると、オバマ大統領は会談で「北朝鮮のミサイル発射は国連安保理決議違反だから、
安保理で何らかの決議案を目指すべきだ」と述べたという。権氏は「従来の決議に制裁が含まれており、
新たな決議案は同じか、さらに強い内容となるのが論理的帰結だ」と釈明した。
(2009/04/03-19:44)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040300849
北ミサイル発射「ほぼ確実」=各国は断固たる対応を−韓国大統領
【ロンドン3日時事】訪英中の韓国の李明博大統領は3日、一部記者団に対し、
北朝鮮が計画しているミサイル発射に関し「実施はほぼ確実だ」と述べた上で、
天候条件が許せば4日にも発射されるとの見方を示した。
ロイター通信などによると、李大統領は「ミサイル発射は国連安保理決議違反」と改めて批判。
国際社会はこの問題で断固たる対応を取るべきだとし、各国の協調を呼び掛けた。
一方、北朝鮮側が同意すれば、韓国が北朝鮮に特使を送る用意があることも明らかにした。
(2009/04/03-19:46)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040300856
北朝鮮ミサイル、4日にも発射 日本は迎撃態勢
2009年4月3日 19時20分
【北京3日共同】北朝鮮は4日にも、試験通信衛星とする「光明星2号」を
咸鏡北道花台郡舞水端里のミサイル発射施設から打ち上げる。日本、米国、韓国をはじめ関係国は、
長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射とみなしイージス艦を日本海に展開させるなど警戒態勢を
強化、日本は自国領域に飛来した場合に備え「破壊措置命令」を発令し迎撃態勢に入った。
打ち上げ後に直ちに招集が予想される国連安全保障理事会での議論に向けた駆け引きも
活発化しているが、強硬な対応を模索する日米韓と、北朝鮮を刺激することは避けたい中国、
ロシアとの温度差は解消しておらず、議論の行方は流動的だ。
北朝鮮は、日米韓などに対し「迎撃すれば報復攻撃する」と繰り返し警告し、武力衝突も辞さない構え。
国連安保理での論議自体も「敵対行為」と非難、議論に取り上げられれば6カ国協議離脱や核開発再開で
対抗することを示唆するなど、軍事、外交両面で強硬姿勢を貫いており、打ち上げは朝鮮半島をめぐる
緊張を一気にエスカレートさせる危険をはらんでいる。
北朝鮮は打ち上げ期間を、4日から8日まで毎日午前11時から午後4時までとして
国際民間航空機関(ICAO)など関係国際機関に危険区域を通告している。発射施設のある
舞水端里周辺の天候は、4日以降は雲がやや出やすいものの、晴れの天候が続くと予測されている。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009040301000630.html
北朝鮮の外交筋「すべて予定通り」
北朝鮮のミサイル問題、JNNの取材に対し、北朝鮮の外交筋が「すべては予定どおりだ」と答えました。
発射予告の日時は4日午前11時からです。
北朝鮮が人工衛星と主張するミサイルは、果たして、4日に発射されるのでしょうか。
日本列島が緊迫する中、ロンドンでの金融サミットを終えた麻生総理が帰国。
滞在先のロンドンで総理はこう述べました。
「この土曜日には北朝鮮のロケット、もしくはミサイルが日本の国の頭上を飛びえていくことは、
極めて我々にとっては大きな話」(麻生首相)
土曜日、つまり4日、ミサイルが日本の頭上を飛び越えると語りました。
北朝鮮の外交筋もJNNの取材に対し、打ち上げについては「すべて予定どおり」と明言。
国際機関に通告されている打ち上げの時期は、今月4日から8日の間ですが、ここに来て、
4日に発射される可能性が濃厚になってきました。
「仮に発射された場合、(国連の)安保理の開催を要請して、各国と緊密な連絡をとって『決議』も
念頭に強いメッセージを発することが大切」(中曽根弘文外相)
既に国内では厳戒態勢が敷かれています。ミサイルが上空を通過するとされる秋田県と岩手県の
自衛隊演習場には、迎撃ミサイル「PAC3」を配備。続々と自衛隊の車両も基地の中に入っています。
演習場の近くに住む人は・・・
「とても怖いと思います。いつ飛んでくるか」
「正直言って不安です。どうしたらいいですか」(秋田市民)
>56
東北地方だけではありません。はるか南の鹿児島県下甑島では、北朝鮮からのミサイルの探知・追跡を
行う、先月31日に自衛隊に引き渡されたばかりの新型レーダー「FPS5」が目を光らせます。
「準備は順調に進んでいる。必要態勢は整ったと」(浜田靖一防衛相)
重要になるのが、その日の天候です。風が強いとミサイルの打ち上げ直後にバランスを崩す可能性が
高まり、雨の場合は、高速で飛行するミサイルの本体が水滴と衝突し損傷するおそれがあります。
いずれも発射には適していません。
最も避けなければならないのは「雷」です。コンピュータなどの電子機器に影響を及ぼすためです。
それでは、発射基地のある北朝鮮ムスダンリの4日の天気はどうなるのでしょうか。
「明日のムスダンリは、午前9時の段階で気圧の谷が日本海にあって高気圧の圏内に入っている。
穏やかに晴れそうです。等圧線の感覚も広がって、雷雲も発生しません」(気象予報士 佐藤大介氏)
予報は「曇りときどき晴れ」。発射の条件を満たしているようです。
しかし、天候がよくても、ミサイルが予定どおりのコースを通るとは限りません。
技術的なトラブルや故障も考えられるからです。
その時、ミサイルはどこへ向かうのでしょうか。ある政府関係者はこう証言します。
「打ち上げ方向の角度が5度変われば、ミサイルは東北方面ではなく、関東方面に向かう。
東京にPAC3が配備されたのはそのため」(政府関係者)
韓国、IMF信用枠を使用する計画はない=企画財政省
2009年 04月 3日 20:01 JST
[ソウル 3日 ロイター] 韓国の企画財政省は3日、国際通貨基金(IMF)が最近創設した
新たな信用枠を活用することは検討していないと表明した。
同省は声明で「韓国は現在、2000億ドル以上の外貨準備を保有しており、
IMF信用枠の活用は検討していない」ことを明らかにした。
韓国紙ヘラルド・ビジネスが、IMFの信用枠を活用する可能性を完全に排除する理由はないとする
同省高官の発言を報じたことを受け、同省が声明を発表した。
同紙は「(韓国は)IMF資金の使用を拒絶する必要はない。
IMFは従来のものとは異なる新たな信用枠を考案した」と高官が述べたと伝えた。
IMFは3月に、一定の条件をクリアした主要新興国向けに「弾力的信用枠」(FCL)を創設した。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-37322420090403
在韓被爆者救援に奔走 豊永恵三郎さん
2009年04月01日
元高校教師の豊永恵三郎さん(73)=広島市安芸区=は、朝鮮半島にいる被爆者たちの権利を
日本政府に認めさせるたたかいをずっと支援してきた。年70回程度の被爆証言を重ね、
数万人もの朝鮮人が原爆の犠牲になった背景を若者らに語る。かつて何も知らなかった自分への
反省も込めて言う。「なぜ彼らが広島にいたのか。きちんと理解しなきゃいけない」
◇
64年前、国民学校(小学校)3年生だった。8月6日は中耳炎の治療のため朝早く自宅を出て
坂町の病院にいて直爆を免れた。翌日、船越町(現・広島市安芸区)に住む祖父らと一緒に、
母と弟を捜しに広島市中心部に入った。
爆心地から3・5キロの尾長町(現・東区)にあった自宅は焼けた。建物疎開作業をしていたはずの
2人はなかなか見つからない。8日、「近くの山の中にいる」と知人に聞いて登った。
むごたらしいやけどを負った何百もの人が横たわっていた。母と弟もそこにいた。
2人は一命を取り留めたが、母の顔は真っ黒にふくれていた。母子3人は船越町の祖父母方に身を寄せた。
>60
◇
転校先の小学校には、在日韓国・朝鮮人児童が多かった。中学では韓国籍の友人ができた。
家に招かれ初めて在日の人々の集落に足を踏み入れた。劣悪な住環境と、漂うごみのにおいに驚き、
その後は足が遠のいた。
大学卒業後、広島市内の私立工業高校の国語教師になった。多くの在日の生徒が日本名で通っていた。
だが、いざ就職となると大手企業は在日というだけで門前払い。中小企業も「日本名で働き続けるならば」
との条件付きだった。やっと就職した生徒も長続きはしなかった。
生徒たちと向き合ううちに、戦前の植民地支配で土地を奪われた朝鮮半島の人々がやむなく
日本に渡ってきた歴史を知った。「なぜ在日韓国・朝鮮人がいるのか」と考えもしなかったことを恥じた。
71年8月、「在日教育に取り組む教員を招きたい」との韓国政府の誘いで訪韓した。
日本を出発する前夜、来日して窮状を訴える韓国人被爆者をテレビで見たのは偶然だった。
滞在中の空き時間を利用し、ソウルの被爆者団体を訪ねた。掘っ立て小屋の事務所にいた被爆者たちは
みな歓迎してくれた。「自分たちには日本からも韓国からも支援がない。存在さえ知られていない」
と聞いた。
帰国後、大阪の市民団体「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」の活動に加わり、
広島支部をつくった。韓国人被爆者が被爆者健康手帳を得るための証人捜しに奔走するうちに、あの日、
爆心地近くに入った自分も入市被爆者だと初めて知った。
>61
◇
「被爆者の知り合いはおらんか」。83年、大阪市内の府立高校にいる知人の教師から電話がかかって
きた。当時、修学旅行の生徒たちに証言をしてくれる被爆者は少なく、教師たちは証言者を確保するのに
四苦八苦していた。「わしも被爆者じゃ」。豊永さんはつい口を滑らせた。家族にさえ語ったことがない
被爆体験を語るはめになった。
11月、220人の生徒たちと平和記念公園で会った。制服を着ていなかったり、濃い化粧をして
いたり……。事前に聞いていた以上の「不良」に見えた。その夜、ホテルで証言に臨むのが怖かった。
「一番つらい思い出を誰にも聞いてもらえなければ惨めだ」
生徒たちは最初、寝そべり、おしゃべりをしながら豊永さんの話を聴いていた。
だが、次第に私語は消えていった。「豊永さん!」。証言を終えた豊永さんに、2人の女子生徒が
涙を流しながら駆け寄ってきた。「いい話でした。ぜひもっと多くの子どもに話してください」
「広島に来る子たちにもっと語りたい」。志を同じくする被爆者13人で84年、
「ヒロシマを語る会」を結成した。勤務先でも、最初の授業で必ず被爆証言をした。
「今日は学校が静かだった」と後で同僚が驚くほど、生徒たちは熱心に耳を傾けた。
01年に高齢化で会は解散したものの、今も全国から寄せられる依頼に元会員たちと応じている。
◇
米国、ブラジル、メキシコ……。豊永さんらの活動を通じ、朝鮮半島以外の国々にも苦しんでいる
被爆者が多くいることがわかってきた。訴訟も相次ぎ、厚生労働省は03年、出国した被爆者への
健康管理手当の支給を打ち切る通達をようやく廃止した。
豊永さんは、広島で原爆関係の訴訟があるときは必ず裁判所に足を運ぶ。
気になるのは、在外被爆者の訴訟だと傍聴者が少ないことだ。
「日本人被爆者ともっと連携していきたい。同じ被爆者なのだから」(秋山千佳)
http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000160904010002
北朝鮮ミサイル:テロ対策班や機動隊も待機 警察庁
北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射に備え、警察庁は東北6県警にヘリコプターや機動隊が
現場に急行できるよう指示を出した。ミサイル燃料が有毒なことから、
不測の事態があれば生物・化学兵器などに対応できるNBCテロ対策班も出動させる方針。
東北6県警には、撮影した映像を警察庁や首相官邸に中継できるヘリコプターが7機あり、
ミサイルの部品や破片などが落下した場合、すぐ飛ばせるよう航空隊員を待機させる。
福島を除く5県警では、ほぼすべての機動隊員が土日も出勤する。【長野宏美】
毎日新聞 2009年4月3日 20時40分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090404k0000m040077000c.html
【緯度経度】北京・伊藤正 中国も頭の痛い北ミサイル
2009.4.3 20:22
8年前の訪日中、偽造旅券行使で国外退去になり有名になった北朝鮮の金正男氏は、
父親の金正日総書記とは対照的なタイプのようだ。
北京に頻繁に出入りしているらしいが、空港でもめったに気付かれない。
お付きを伴わず、北朝鮮大使館の出迎えもなく、タクシーで定宿のホテルに行く。
隠密行動のためではない。数年来、日韓の記者の目にとまり、質問に答えるし、名刺を交換したことも
あった。金正男氏は今年1月下旬、北京空港で目ざとい日本人記者につかまり、金総書記の後継者問題や
健康状態などについて質問に答えた。誠意を感じさせる応対ぶりだったという。
それから2カ月後の3月30日、金正男氏は北京空港で、またも日本人記者につかまった。
マカオに向かう直前の金氏を、フジテレビが直撃取材したのだ。
そこで金氏は、北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」に関し、「迎撃」態勢を取る日本の対応を
「自衛のために当然だと思います」と答えている。「迎撃は戦争を意味し、報復する」
と警告している北朝鮮当局とは正反対の認識である。これはどう解釈すべきか。
フジテレビは金氏をマカオに追い、追加取材している。「なぜ今、ミサイルを打ち上げるのか」
との質問に金正男氏は「それはわかりません」と前置きしこう答えた。
「(核問題をめぐる)6カ国協議と、米国との(直接)対話と深く関係があると思います。
今がそのタイミングだと思います」
この金正男氏の発言は、日本ではあまり注目されなかったようだ。しかし中国当局とも良好な関係を
持ち、「後継者」候補の1人とされる同氏が、政策決定の蚊帳の外にいるとも思えない。
対米対話再開が目的との見方は中国の多くの専門家とも一致している。
>65
思い起こすべきは、2006年10月、北朝鮮が核実験を強行した結果、米朝直接接触が実現し、
核計画の段階的廃棄を条件にマカオの北朝鮮資産の凍結解除、重油100万トン相当の供与などに加え、
米国が北朝鮮をテロ支援国家リストから除外した事実である。
北朝鮮との関係正常化を模索したブッシュ前米政権と違って、オバマ政権は金融・経済危機対応に
追われ、安全保障上も北朝鮮はイラン、アフガニスタンなどより優先順位は高いとはいえない。
健康不安を抱える金正日総書記が、米国との対話を急ぎ、核の運搬手段である長距離弾道ミサイルの
開発を誇示しようとしているのかもしれない。
そうだとすれば、金正男氏が言うように日本の激しい反発も織り込み済みだったろう。
日本のみか韓国で危機感が高まれば、米国は、核を持たない日韓防衛のため北朝鮮との対話要求に
応じざるを得なくなるという読みだ。
こうした中で、中国の立場は極めて微妙だ。北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」を名目にし、
国際機関にも事前通告したのは、建前に弱い中国を意識したもの、と中国の専門家筋は言う。
中国は北のミサイル発射が、日本の防衛力強化の口実になることを強く警戒している。
上海国際問題研究院の呉寄南研究員は中国紙「国際先駆導報」(2日付)に、
日本が北朝鮮の脅威をテコに防衛力を強化してきたと指摘、
ミサイル防衛システムは地域の軍事バランスを崩し、緊張を激化させると述べている。
中国はロシアとともに、国連安保理での北朝鮮制裁に慎重な姿勢を保ってきた。
これは北のミサイルも核も6カ国協議で平和解決するとの原則的立場によるが、
過去の苦い経験から米朝対話の促進には慎重だ。
打ち上げ失敗なら「自爆」=北朝鮮関係筋
北朝鮮のミサイル発射問題で、北朝鮮関係筋は3日、発射物を制御できなかった場合、
「(北朝鮮は)自爆させる」と語った。
同筋は、北朝鮮が2006年7月に発射し、直後に空中分解した弾道ミサイル・テポドン2号に
ついて、「発射から40数秒後に自爆させた。打ち上げの失敗ではない」と説明。
今回の発射でも「失敗したときに自爆させる措置は施してあるはずだ」と強調した。
(2009/04/03-20:24)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040300892
イラク石油省、韓国2社を油田入札から排除
【ドバイ=松尾博文】イラク石油省は2日、韓国石油公社と同国石油大手のSKエナジーに対し、
イラクの油田開発入札への参加を認めないと発表した。韓国の2社が石油省の意向に反して
イラク北部のクルド人自治政府と油田開発契約を交わしたためとしている。
石油省がクルド人自治区へ投資する外国石油会社に制裁を加える姿勢を明確にしたことで、
戦後復興でアラブ人が多数派を占める中南部に先行してきたクルド人自治区の経済開発にブレーキが
かかる可能性がある。バグダッドの中央政府とクルド人自治政府の対立の火種にもなりかねない。
イラクのシャハリスタニ石油相がバグダッド駐在の韓国大使に通告した。
韓国2社は昨年、クルド人自治政府と自治区内の油田8カ所を開発する契約を交わした。
シャハリスタニ石油相は「契約はイラクの法に反している」と説明、
応札を望むなら契約の破棄が必要との認識を示した。
(2009/04/03 21:16)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090403AT2M0300B03042009.html
双日、プエルトリコで現代自動車の輸入販売事業を買収
双日は3日、プエルトリコで韓国の現代自動車製品の輸入販売事業を開始すると発表した。
三菱自動車の現地子会社から同事業を買収した。プエルトリコは年 10万―12万台程度の安定した
自動車需要があり、双日は参入で中南米での自動車事業を拡大する。5年後には2008年の約4倍に
あたる年間1万台の現代車を販売し、10%の市場シェアを獲得することを目指す。
これまでは三菱自の現地子会社が1事業部門として現代車の輸入販売を手掛けており、
同事業部門を双日の完全子会社であるソウジツ・デ・プエルトリコ(サンフアン市)が
営業権や従業員を含めて買い取った。買収額は明らかにしていない。
従来の主力車である乗用車「エラントラ」や「サンタフェ」に加え、今後は積極的に新モデルを投入し、
販売を拡大する。双日は現在、ベネズエラやアルゼンチン、チリ、ペルーなどで現代車の販売を
手掛けている。(2009/04/03 21:01)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090403AT1D0305G03042009.html
【北ミサイル】情報伝達訓練でトラブル発生 本番は大丈夫か
2009.4.3 21:37
総務省消防庁は3日、北朝鮮のミサイル発射に備え、全自治体を対象に消防防災無線を使った
情報伝達訓練を行った。北海道は無線の故障で消防庁の情報を予備のNTT回線で受け取ったほか、
一部の市区町村はファクスの不通といったトラブルが発生し、
「本番」目前に情報伝達の不備が明らかになった。
訓練は3日午前9時半、消防庁が防災無線(北海道のみNTT回線)を使ったファクスで情報を伝達、
受け取った都道府県が市区町村にファクスなどで送った。全都道府県への送信には5分43秒かかり、
「想定の範囲内」(消防庁国民保護室)だった。
一方、市区町村への送信平均時間も想定した約5分だったものの、北海道は18分、
兵庫、宮崎両県は13分かかった。道県内にファクスが不通だった自治体があったためで、
再送を繰り返した結果、最終的には全自治体に到達した。
消防庁は訓練後、機材点検の徹底を求める通知を出したが、北海道の消防防災無線は4日も
故障のままだという。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090403/kor0904032140005-n1.htm
【北ミサイル】4日に発射 韓国大統領が「ほぼ確実だ」
2009.4.3 20:59
【ソウル=水沼啓子】北朝鮮は、実験用通信衛星の名目で準備を進めてきた「光明星2号」を
4日にも打ち上げる。発射されるのは、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型ミサイルとみられ、
東海岸の咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)では燃料注入作業がほぼ終了したもようだ。
日米韓は発射に備え、3日までにイージス艦を日本海に展開させ警戒態勢を強化。
ミサイルの上空通過が予想される日本は迎撃態勢に入った。
北朝鮮は「迎撃されれば報復攻撃をする」と警告している。
英国からの情報によると、訪英中の韓国の李明博大統領は3日、
「(ミサイル発射は)ほぼ確実だ」と述べ、4日にも強行されるとの見方を示した。
発射されれば、日米韓は国連安全保障理事会の決議違反として安保理に厳しい対応を求める方針だ。
北朝鮮が発射を予告している4〜8日(日本時間午前11時〜午後4時)の発射基地周辺の天気は、
おおむね晴れの日が多いという。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090403/kor0904032101004-n1.htm
先ほど、報道ステーションで取り上げられていた
女子プロゴルファーの金田久美子選手って
高校時代にやんちゃしすぎて2chで晒されていた
あの人だよねw
北朝鮮ミサイル発射なら「罰なしでは済まない」…米大統領
【ストラスブール(仏東部)=黒瀬悦成】オバマ米大統領は3日、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」
名目で長距離弾道ミサイル発射を予告通り実施した場合、「北朝鮮は、他国を脅威にさらす行為に及べば
罰なしには済まないと知ることになる」と述べ、関係国と連携して対抗措置を取る立場を強調した。
ストラスブールで行われた米仏首脳会談後の共同記者会見で語った。
大統領は、また、ミサイル発射は「挑発行為」にあたると述べ、実験中止を強く要求した。
米政府は日本と連携して、北朝鮮が弾道ミサイルや衛星を発射した場合、国連安全保障理事会に、
北朝鮮に対する弾道ミサイル関連物資やぜいたく品の禁輸などを定めた安保理決議1718の徹底を
求める新決議案を提出する方針を固めている。オバマ大統領の発言はこの方針を確認したものだ。
(2009年4月3日22時52分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090403-OYT1T01065.htm
発射情報の広報体制万全に…ミサイル問題で首相指示
麻生首相は3日夜、首相公邸に河村官房長官を呼び、北朝鮮が人工衛星と主張する弾道ミサイルを
発射した場合に備え、約30分間対応を協議した。
首相は「国民は(ミサイルが日本上空を)通過して、安全かどうかということを知りたがっている。
きちんとやってほしい」と述べ、発射情報の広報などに万全を期すよう指示した。ミサイルが日本の領土、
領海に落下する場合には、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針も改めて確認した。
発射が確認された場合、国連安全保障理事会の常任理事国である米中露各国の大使を首相官邸に呼び、
安保理への新たな決議案提出に協力を求める方針も決めた。ただ、首相は河村長官に
「中露はニュアンスが違う。特に中国」と語り、決議採択は難航するとの見通しも示した。
(2009年4月3日23時17分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T01108.htm
米大統領、ミサイル発射に改めて反対 北朝鮮の姿勢批判
2009年4月3日22時19分
【ストラスブール=望月洋嗣】オバマ米大統領は3日、北朝鮮が予定するミサイル発射について
「我々は発射は挑発的行為で中止すべきだとの立場を明確にしてきた。
もし実施すれば、適切な措置を取るため国際社会と協調して対応していく」と述べ、
強く反対する考えを示した。この問題で、オバマ氏が公の場で発言したのは初めて。
サルコジ仏大統領との会談後に会見したオバマ氏は、
「6者協議の参加国はすべてミサイル発射を実施すべきでないと考えている。
しかし、北朝鮮は国際的な孤立につながるような対応しかしてこなかった」と、北朝鮮の姿勢を批判した。
http://www.asahi.com/international/update/0403/TKY200904030309.html
北朝鮮ミサイル:周辺国は警戒強化、ロシアは撃墜を示唆
【ソウル西脇真一、モスクワ大木俊治】北朝鮮による「人工衛星打ち上げ」名目での長距離弾道ミサイル
の発射予告日の初日である4日を前に、韓国やロシアなど周辺国は即応態勢に入った。
韓国青瓦台(大統領府)によると、ロンドンを訪問中の李明博(イミョンバク)大統領は3日、
外信記者との懇談で「打ち上げは天候による」と述べ、4日にも発射される可能性を示唆した。
韓国国防省は発射に備え特命部隊を既に設置。政府関係当局も特別チームを編成し、
非常勤務態勢に入っている。
また、ロシア軍はミサイル発射の失敗に備え、落下の可能性がある極東の領海やサハリン州で警戒を
強めている。軍参謀本部幹部はインタファクス通信に「発射後の軌道を追尾するのは我々の任務だ」
と話し、「落下阻止の手段」として撃墜の可能性も示唆した。
北朝鮮が06年7月にミサイルを発射し、ロシア極東・沿海地方の沖合に落下した際には、
ロシア軍はこれを見逃し、後にインターネットで知ったと報じられた。
今回警戒を強めた背景にはこうした事情もある。
米国のオバマ大統領は3日、「挑発的な」ミサイル発射を中止するよう改めて要求。
ギブス大統領報道官は発射への対応策を「準備している」と述べたが、詳細は明かさなかった。
一方、韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮空軍のミグ23戦闘機飛行大隊が、
咸鏡北道(ハムギョンプクド)内の基地から、ミサイル発射台のある花台郡(ファデグン)北の
漁郎(オラン)郡の基地へ移動。
韓国政府情報筋は「日本が迎撃準備を整えたことへの対抗措置」と見ている。
毎日新聞 2009年4月3日 21時52分(最終更新 4月3日 22時43分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090404k0000m030119000c.html
【北ミサイル】エムネット「初本番」 試される成否
2009.4.4 00:17
北朝鮮が4日、「人工衛星」と主張するミサイルを発射する恐れが高まっている。
発射され次第、政府は緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」を通じ、
自治体に情報提供する方針だ。情報は発射5〜10分で届く見込みだが、
同システムが“本番”で運用されるのは今回が初めて。
予行演習では問題なかったが、事前通知なしの場合も含め、成否はまったくの未知数だ。
「北朝鮮が“衛星”を発射した」。米軍の早期警戒衛星が赤外線センサーで噴射の熱などを探知すると、
情報は在日米軍司令部を経て、首相官邸と防衛省の中央指揮所に送られる。
官邸は即時に、エムネットを使って自治体に伝達する。
エムネットは、行政専用のネットワーク「LGWAN」を利用した緊急情報を自治体に伝える
システムで、ミサイル発射や大規模災害などを想定している。
官邸の担当者が「発射されました」「東北地方上空を通過しました」といった情報を
ホストコンピューターから順次送信。各自治体に置かれたパソコンがメッセージを受け取ると、
備え付けのスピーカーが警報音を発して、担当者が内容を把握する仕組みだ。内閣官房は
「官邸が送ってから1分以内、発射から5〜10分で自治体に届くのではないか」と予想している。
エムネットは平成18年から導入が始まり、3月末時点で全国1800市区町村のうち1287市区町村
が参加。“衛星”が上空を通過するとされる秋田と岩手両県内では、全市町村で接続を完了した。
同様のシステムとして、武力攻撃などを人工衛星を用いて自治体に送信する「全国瞬時警報システム」
(Jアラート)もある。だが、「発射は日本を直接標的としているわけではない」(総務省消防庁)
という判断のほか、自治体への普及が284市区町村(1日現在)しかないことから、見送られた。
韓国:女性タレント自殺、事務所前代表に逮捕状
【ソウル西脇真一】韓国の女性タレント、チャン・ジャヨンさんが
「酒席や夜を共にする接待を強要された」とのメモを残して自殺した問題で、
韓国の警察当局は3日、所属していた事務所の前代表について、強要などの容疑で逮捕状を取った。
前代表は日本に長期滞在中とされ、韓国政府は身柄の引き渡しを要請した。
チャンさんは3月7日に京畿道の自宅で自殺。その後、夜の接待を強要されたとのメモの存在が
公になり、警察が捜査していた。韓国では接待相手などに関する大々的な報道が、連日続いている。
チャンさんは高視聴率を記録した韓国版「花より男子」に出演した。
毎日新聞 2009年4月4日 0時22分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090404k0000m030161000c.html
【北ミサイル】北の軍艦が秋田沖に展開
2009.4.4 00:34
北朝鮮が「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイルの発射準備を進めている問題で、
ミサイルの1段目が落下すると予想され、北朝鮮が危険区域に設定している
日本海・秋田県沖の周辺海域に、北朝鮮が軍の艦船を展開していることが3日、分かった。
政府筋が明らかにした。周辺海域の情報収集とミサイルの一部の回収が目的とみられる。
政府筋は「普通は遅くはやらない」と述べて、4日に発射されるとの見方を示した。
北朝鮮は1998年にテポドン1号を発射した際も、1段目の落下地点周辺海域に軍艦船を展開した。
政府筋は、今回の発射で1段目が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した場合の艦船による回収を
「検討している」としており、両国艦船の接近で、緊張が高まることも予想される。
また、北朝鮮が日本海に面した舞水端里(ムスダンリ)のミサイル発射場に近い漁郎空軍基地に
ミグ23などの戦闘機を移動配備したことも分かっている。戦闘機は、日本海に展開中の海上自衛隊の
イージス艦や、ミサイル発射の動きを監視する米軍の弾道ミサイル監視機「RC135S」
(コブラボール)などを威嚇する狙いがありそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904040036003-n1.htm
【北ミサイル】どうなる安保理決議 日米は妥協案を探る
2009.4.4 00:53
【ニューヨーク=長戸雅子】日米両政府は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射後、
国連安全保障理事会の緊急会合の招集を要請し、新たな対北朝鮮決議案を提出する方針だ。
新たな決議案は、既存の安保理決議に盛り込まれている制裁項目の履行、徹底を、
加盟各国に求める内容となる見通し。一方、拒否権をもつ常任理事国の一角である中国とロシアは、
拘束力がない議長声明などに押しとどめる構えをみせている。
日米韓の3カ国は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、たとえ「人工衛星」であろうと、
対北朝鮮制裁決議1718(2006年10月採択)に違反するとの認識で一致している。
これに対し、北朝鮮の友好国である中国とロシアは「人工衛星であれば問題はない」との立場で、
新たな決議の採択には否定的だ。
こうした双方の溝を埋めるための“妥協案”として日米は、新たな制裁項目などを追加した決議案とはせず、
決議1718を“準用”する形とし、中露から譲歩を引き出し採択を実現する方針だ。
決議1718の採択を受け、加盟国は制裁項目の履行状況を定期的に安保理に報告している。
だが、制裁の実施に必要な国内法の整備などに手をつけた国は少数派で、決議が十分に履行されている
とは言い難い状況だ。
このため日米には、決議1718の徹底などを促すことは事実上の制裁強化につながるとの判断もある。
決議1718は中露を含む全会一致で採択されていることから、新たな決議案が、
過去に賛成した決議を再確認する形であれば中露も強硬に反対はしにくい、との読みもある。
決議は加盟国を拘束するため、北朝鮮に対する国際社会の“包囲網”といえ、強い締め付けとなる。
【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 性上納とは?
2009.4.4 03:24
韓国でも近年、地下鉄などでよく痴漢が出る。
「性醜行犯」といっているが、警察には地下鉄専門の痴漢捜査隊まである。
知り合いの韓国人に「最近、目立つねえ」といったところ
「いや痴漢は昔からいたが、以前は女性が黙ってたから表に出なかっただけ」といわれた。
なるほど韓国も日本と似た状況にあるようだ。
昔は儒教的な建前主義で下半身の話はタブーだったマスコミでも、
近年はセックス問題が何かと話題だ。
そのマスコミによく登場する言葉に「性上納」というのがある。
いわば「セックス接待」という意味で、これが今、韓国社会を騒がせている。
最近、有名女性タレントの自殺事件があったのだが、自殺の原因としてプロダクションから
酒席に呼ばれたり「セックス接待」を強いられたりで悩んでいたというのだ。
悩みを記したメモが出てきて、これまでの接待相手の名前まで登場し、
自殺原因との関連で捜査当局も接待の実態解明に乗り出した。ところがその接待リストに
大手新聞社の社長など有力者が含まれているといい、関心が広がっているのだ。
一方、大統領官邸の職員が業者接待でやはり「セックス接待」を受けたという疑惑事件も
持ち上がっている。韓国では「ルームサロン」というホステス付きの個室クラブがあり、
2次会はホテルというケースが多い。大統領官邸は早速、全職員に「ルームサロン出入り禁止令」
を出したが、こうしたことが大問題になるのも時代の流れか。(黒田勝弘)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090404/kor0904040325000-n1.htm
【北ミサイル】首相官邸が“臨戦態勢”
2009.4.4 01:30
北朝鮮が4日に「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイルを発射する公算が大きくなったことを受け、
3日の首相官邸はいつにない緊迫感に包まれた。麻生太郎首相の指示は「迅速性」と「情報開示」の2つ。
国民に不安を与えないことを最優先する方針だ。
過去の北朝鮮のミサイル発射では政府の対応が後手に回ったと批判されてきただけに、
首相は今回の対応をきっかけに政府の危機管理態勢の強化を図りたいとの思いもあるようだ。(坂井広志)
「既定方針通り、万一に備えてくれ。
国民はみないつ発射し、いつ上空を通過し安全かを知りたいんだからそこがポイントだ」
3日夜、ロンドンから政府専用機で羽田空港に到着した首相は皇居で記帳後、首相公邸に直行し、
待ち受けていた河村建夫官房長官にこう命じた。
首相周辺によると、首相は外遊先のロンドンでも北朝鮮の動向に神経をとがらせ、関連情報を
逐一報告させたという。3日未明(現地時間2日夕)、記者団にも「北朝鮮のロケットもしくはミサイルが
日本の国の頭上を飛び越えていくことはわれわれにとって極めて大きな話だ。地域の平和と安定を損なう
ことははっきりしているし、国連安保理決議違反ということもはっきりしている」と厳しい表情で語った。
首相官邸地下の危機管理センターはすでに24時間フル稼働体制。
首相は4日は首相公邸で待機する方針だが、ミサイル発射が確認されれば、
警戒態勢強化などを伊藤哲朗内閣危機管理監らに指示し、自らも同センターに入るという。
内閣官房では、先月27日に設置した官邸連絡室を危機管理監がトップを務める官邸対策室に格上げし、
発射5〜10分以内に「一斉同報システム」(エムネット)を使って全自治体に連絡、
報道機関にも電子メールなどで一斉通知する。
発射自制「最後まで説得」=中国主席、韓国大統領に表明
【ソウル3日時事】中国の胡錦濤国家主席は3日、ロンドン市内で韓国の李明博大統領と会談し、
北朝鮮が「人工衛星」と称して準備を進めてきた長距離弾道ミサイルの発射について
「(中止するよう)何回も説得してきたし、最後まで説得する」と述べ、
北朝鮮に自制を促し続ける意向を伝達した。
韓国青瓦台(大統領府)によると、李大統領は胡主席に対し、中国がこれまで説得の努力を重ねてきた
ことに謝意を表明。北朝鮮のミサイル発射問題は北東アジアの平和と安定に否定的影響を及ぼしており、
発射した場合は関係国間での協議継続が必要との認識で一致した。
(2009/04/04-00:50)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040400015
発射でも「訪朝の用意」=直接対話の継続に意欲−米特別代表
【ワシントン3日時事】米国のボズワース北朝鮮政策担当特別代表は3日、ワシントンで記者会見し、
北朝鮮がミサイル発射を決行しても、「有益であれば、いつでも平壌を訪れる用意はできている」と述べ、
核問題をめぐる6カ国協議の再開に向け、直接対話を継続する意向を示した。
同特別代表は、ミサイル発射が国連安保理決議違反に当たり、対抗措置を取る必要があるとの
見解を示した上で、「発射の再考を望む」として、北朝鮮にミサイル発射の中止を改めて求めた。
その上で、安保理におけるミサイル問題の対応が終わった後、できる限り早期に6カ国協議を再開し、
朝鮮半島の非核化という長期的目標に立ち返る重要性があると強調した。
(2009/04/04-01:37)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040400016
北ミサイルに再び覆い=米衛星写真
【ワシントン3日時事】米シンクタンク、科学・国際安全保障研究所(ISIS)は3日、
北朝鮮・舞水端里のミサイル発射基地の2日現在の衛星写真を公表した。
それによると、北朝鮮が「人工衛星」名目で発射準備を進めている弾道ミサイルには、
いったん外された覆いが再びかぶせられたとみられ、胴体ははっきりと確認できない。
今回の写真も、同基地の様子を継続的に追っている米商業衛星企業「デジタルグローブ」が撮影。
3月29日時点の写真では、3層に分かれたミサイルの胴体がくっきりと写り、
3段式の改良型テポドン2号であるとの見方が強まっている。
(2009/04/04-06:29)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009040400059
北朝鮮ミサイル:きょう予告初日 10分で住民通報
政府は北朝鮮が「人工衛星の打ち上げ」を予告している4〜8日、長距離弾道ミサイルの上空通過に
備えた警戒態勢をとる。韓国気象庁によると、ミサイル基地のある北朝鮮咸鏡北道(ハムギョンプクド)
花台郡(ファデグン)舞水端里(ムスダンリ)の4日の天候は曇りと予想され「4日に発射する可能性が高い」
(日本政府高官)との見方が強まっている。ミサイルが発射された場合、政府はただちに地方自治体へ
通報するとともに、3時間以内に安全保障会議を開いて当面の対応を発表する方針。
北朝鮮の予告時間は4〜8日の午前11時〜午後4時。政府が3日に固めた初動対応要領によると、
早期警戒衛星などで発射を探知した米国からの情報を受け、5〜10分後をめどに緊急情報ネットワーク
システム「エムネット」や電子メール、行政防災無線で自治体や報道機関に通報する。
国民はテレビや新聞のインターネット速報、防災無線などで発射を知ることになる。
その後、麻生太郎首相と河村建夫官房長官、中曽根弘文外相、浜田靖一防衛相が首相官邸で「分析会議」
を開き、太平洋のどこに落下したかなどを確認。さらに安保会議を開く。
政府は日本領土に落下する可能性は低いとみて「平常の生活をしてもらいたい」(河村長官)
と呼びかける一方、念のため自衛隊法に基づく「破壊措置命令」を発令。
迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦2隻を日本海に展開させ、
航空自衛隊の地上配備型PAC3ミサイルを秋田、岩手県などに配備し迎撃態勢を整えている。
発射後の外交対応としては、国連安全保障理事会に対し、北朝鮮への核兵器・ミサイル関連物資の
禁輸などを加盟国に義務付けた安保理決議1718の実施徹底を求める決議案を提出する方針。
日本独自の追加経済制裁も検討する。【松尾良、坂口裕彦】
毎日新聞 2009年4月4日 2時30分(最終更新 4月4日 5時57分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090404k0000m010151000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 東北の漁師ら、繁忙期で漁休めぬ 海に静かな緊迫
北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射予告期間(4〜8日)を目前に控えた3日、
上空通過も予想される東北各地には静かな緊迫感が漂った。緊急情報の伝達訓練がうまくいかなかったり、
初めて危機管理本部を設置する自治体も。十分な情報がない中、日本海で操業する漁師が吐き捨てるように
言った。「おれらは上を見て仕事はできない」
◇自治体、慣れぬ危機対応
■秋田
沖合が危険区域とされている男鹿市では、既に告示されている秋田県知事選に加え、
3日は県議補選が告示された。5日は市長選と市議補選も告示され“四重選挙”となる。
街頭演説や選挙カーのマイクで防災無線の音がかき消される可能性もあるが、市選管の担当者は
「いつ発射されるのかわからないので、陣営に特別の依頼はしていない。情報が入り次第、配慮を求めたい」
と話す。4日は環境防災課11人と各課の管理職が出勤し、万一に備える。
発射されれば防災無線で一報を知らせる。
市内の県漁業協同組合北浦、船川の総括支所によると、4日は競りがなく、休漁する船が多い。
組合員に操業自粛は求めないが、被害が出た場合を想定した連絡態勢を取る。
椿漁港の漁師、腰山公正さん(49)は4日の予定は決めていないが、そのほかは普段通り出漁するつもりだ。
「今月はヒラメ漁が解禁になったばかりで、忙しい時期。おれらは上を見て仕事はできない」
地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)が配備されている秋田市の陸上自衛隊新屋演習場では、
そばを通る県道からフェンス越しに日本海側を向いた発射機の先端が見える。
3日は入り口付近にテレビ局の中継車などが数台停車。
ゲート前は自衛隊員が立ち、ものものしい雰囲気に包まれた。【百武信幸、野原寛史】
>92
■山形
県は3日、午前と午後の2度にわたって、市町村など73カ所へ一斉ファクスを送る情報伝達訓練を
抜き打ちで実施。1回目は8カ所、2回目は10カ所から応答がなかった。危機管理室の担当者は
「受信音を小さくしていたのが原因。受信音の設定は簡単には変えられず、大きな課題を残した」と頭を抱えた。
1日の送信テストで21カ所が無応答だったこともあり、再度実施した。西川町は1日も含めて3回とも
応答なし。柴田栄一町民税務課長補佐は「異動期で机を動かしたりして周囲が騒がしく気づかなかった。
4日は職員が待機するので大丈夫」と釈明した。
酒田市は3日、初めて危機管理本部を設置した。本部長の阿部寿一市長は「飛行ルート上ではないからと
いって楽観できない」と述べた。【林奈緒美、佐藤伸】
■青森
県は各部の危機管理担当職員でつくる危機情報連絡員会議を開き、国からどのように情報が入り、
地元自治体に流すかなどを確認した。3日から担当職員を24時間態勢で待機させている。
八戸市や十和田市なども同様の態勢を取る。
日本海側にある深浦漁協は「メバル漁が最盛期を迎えているため休漁はできない」と判断。
集団操業をしながら警戒する。【山本佳孝】
■岩手
県は3日に「情報連絡室」を設置。自衛隊、県警、消防庁など4機関の連絡員と対応を話し合った。
発射予告期間中は3〜5人程度の職員を夜間を含めて配置。国からの情報収集や関係機関との連絡調整を図る。
越野修三防災危機管理監は「万一の場合の対応を迅速にできるようにしたい」と話した。【岸本桂司】
>93
◇テロ対策班や機動隊も待機
北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射に備え、警察庁は東北6県警にヘリコプターや機動隊が現場に
急行できるよう指示を出した。ミサイル燃料が有毒なことから、不測の事態があれば生物・化学兵器などに
対応できるNBCテロ対策班も出動させる方針。
東北6県警には、撮影した映像を警察庁や首相官邸に中継できるヘリコプターが7機あり、
ミサイルの部品や破片などが落下した場合、すぐ飛ばせるよう航空隊員を待機させる。
北海道、関東、新潟の都道県警でも、大きな被害が出れば応援を派遣できるよう機動隊員を自宅待機させる。
【長野宏美】
毎日新聞 2009年4月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090404ddm041010124000c.html
列島緊迫、迫る北朝鮮のミサイル発射
北朝鮮が「人工衛星」と称した弾道ミサイルの発射を通告している期間まで、あと1日に迫った3日、
ミサイルが上空を通過するとみられる秋田、岩手両県を始め、列島各地で緊張が高まっている。
迎撃用のパトリオット・ミサイル3(PAC3)部隊が配置された演習場の近くでは、
保育所が園児の外出を控えることを決め、発射の事実を広報する際に「ミサイル」という言葉を使うべきか
どうか最後まで悩む自治体も。恒例の山焼きも中止になるなど影響が少しずつ出始めている。
◆ミサイル?飛翔体?◆
北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、軌道の真下になるとみられる秋田県男鹿市はこの日朝、
市内145か所の防災行政無線で「ミサイル打ち上げの可能性があります。テレビやラジオの速報に
注意してください」と2回にわたって注意を呼びかけた。
同市が数日間の議論の末に、市民にアナウンスする際、「ミサイル」という言葉を決めたのは前日の2日。
政府は公式の場では「飛翔体(ひしょうたい)」と呼んでいるが、「新聞報道などで目にする『ミサイル』が、
市民に一番伝わりやすい」(市環境防災課)と考えたからだという。
ところが同じ秋田県でも能代市は「ミサイルでは外交問題になるかも」として「飛翔体」に。
一方、「あえて危機感を伝えるために」と「ミサイル」という言葉を選んだ町もある。
◆演習場付近◆
弾道ミサイルを迎撃するため、秋田、岩手両県と首都圏計5か所に配置されたPAC3部隊。
その一つがある秋田市の新屋(あらや)演習場から1キロほどの保育所「エンジェルハウスかつひら」は
4日から、16人いる園児の外出を控えることを決め、園児全員が1週間は暮らせる食料があるのを確認した。
経営者の高橋摩美さん(39)は「保護者が心配している気持ちが伝わってくるので、大切な子供たちを
しっかり守らなくては」と語る。
同じく岩手山演習場を抱える岩手県滝沢村は、演習場から約5キロ離れた宿泊施設
「国立岩手山青少年交流の家」から、発射予告期間中に営業しても大丈夫かどうか相談されたため、
「心配ない」と答え、施設は通常通りの営業を決めたという。
>95
◆恒例行事も…◆
男鹿市では、5日に予定されていた寒風山(355メートル)の山焼きも中止になった。
消防署員や航空自衛隊員ら約530人が参加する春の恒例行事だったが、
市は「被害が出た場合に、関係者が緊急出動する態勢をとるため」としている。
千葉県船橋市の習志野駐屯地も、5日に予定されていた創立記念行事を中止した。
一般向けの自衛隊車両の体験試乗なども行う予定で、毎年約5000人が訪れていたが、
同駐屯地は「楽しみにしていた市民には申し訳ない」と話している。
(2009年4月4日01時52分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090403-OYT1T01246.htm
北朝鮮、ミサイルきょうにも発射…すでに日本海に観測船
北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と主張する弾道ミサイルについて、北朝鮮が通告した発射の期間が
4日午前11時から始まる。
河村官房長官は3日、記者会見で、関係省庁に万全の対応を期すよう指示したとし、
「通常の発射なら日本上空を通過する」と、国民に平静を呼びかけた。
一方、北朝鮮が発射の観測のため、日本海に工作船を含め複数の観測船を出動させていることが分かった。
日本政府は4日の発射の可能性が高いと見て、警戒を強めている。
国際海事機関(IMO)などに通告された試験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」の
打ち上げ期間は4〜8日の午前11時から午後4時まで。
防衛省などによると、北朝鮮の観測船は、北朝鮮が危険区域と設定した秋田県沖の日本海で確認された。
朝鮮半島に近い海域を中心に数日前から航行しているという。2006年7月の長距離弾道ミサイル
「テポドン2」の初の発射実験の際も、数隻の観測船が日本海で確認されている。
実験ではミサイルの先端部分にミサイルの角度、方向、速度などの情報を発信するテレメトリーという
装置が搭載されており、観測船はこの情報の受信や、落下物の回収、日米のイージス艦の展開状況の
偵察などを行う目的だと見られる。また、北朝鮮のミグ23戦闘機数機が舞水端里(ムスダンリ)の
発射基地周辺で警戒飛行をしていることも確認されている。
日米韓などは、人工衛星でも、弾道ミサイル計画の中止などを求めた国連安全保障理事会の
決議違反として自制を求めているが、一連の状況から発射は不可避との見方を強めている。
自衛隊はミサイルが日本の領土・領海に落下しそうな場合に備え、
地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を国内5か所に、
スタンダード・ミサイル3(SM3)搭載のイージス艦を海上に展開している。
(2009年4月4日03時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090404-OYT1T00053.htm
UPDATE1: 北朝鮮、衛星発射の準備完了=KCNA
2009年 04月 4日 10:28 JST
[ソウル 4日 ロイター] 北朝鮮は4日、朝鮮中央通信(KCNA)を通じ、
まもなく衛星を発射する準備が完了したとし「衛星はまもなく発射される」と表明した。
北朝鮮は4日から8日までの0200GMTから0700GMT(日本時間午前11時から同午後4時)
の間にロケットを発射すると予告していた。
韓国の聯合ニュースは4日、韓国政府高官の話として、北朝鮮が発射を監視する装置を設置したと伝えた。
この高官は「燃料注入の完了、監視カメラの設置から考えると、数時間以内に発射される可能性が高い」
と述べたという。
聯合ニュースはまた、李明博(イ・ミョンバク)大統領の側近が、発射台のある舞水端里(ムスダンリ)
付近で新たな動きがあり、発射が近いことをうかがわせている、と述べたとしている。
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK835249020090404
【北ミサイル】打ち上げ準備作業終了 数時間内にも
2009.4.4 10:14
【ソウル=水沼啓子】韓国の聯合ニュースは4日、政府関係者の話として、北朝鮮咸鏡北道舞水端里
(ムスダンリ)のミサイル発射施設付近の3カ所に観測カメラが設置されたことが分かったと伝えた。
観測カメラは発射されるミサイルの撮影や追跡する装備で、発射直前に設置されることから、
4日中にもミサイルが発射されるとみられると報じている。
聯合ニュースによると、政府関係者はこの日、「燃料注入作業を終え、観測カメラを設置するなどの
状況から、数時間内に発射する可能性が非常に高い」とし、「発射施設の動向を詳細に監視中」
と明らかにした。
また、この政府関係者によると、発射施設の周辺もきれいに片づけられた状況で発射に備えていると
みられるという。
北朝鮮は、実験用通信衛星「光明星2号」と運搬ロケット「銀河2号」を
今月4〜8日午前11時〜午後4時の間に打ち上げると国際機関に通告している。
実際に発射されるのは長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型ミサイルとみられる。
一方、韓国外交通商省は4日朝、権鍾洛第1次官以下、関連部署の幹部による緊急対策会議を開いた。
会議では、核問題をめぐる6カ国協議の首席代表、魏聖洛平和交渉本部長らを中心に北朝鮮がミサイルを
発射した場合の対応策について点検した。
韓国軍も南北軍事境界線周辺などで警戒態勢を強化している。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090404/kor0904041014002-n1.htm
【北ミサイル】発射成功すれば米本土射程内に 前国防総省幹部会見
2009.4.4 09:33
【ワシントン=有元隆志】米政府のミサイル防衛(MD)計画の責任者だったオベリング前国防総省
ミサイル防衛局長は3日、記者会見し、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の実験に成功すれば、
「2段式ミサイルであったとしても、アラスカやハワイ、本土を含めた米国の北西部の多くが射程範囲に入る」
との見方を示した。
さらにオベリング氏は3段式ミサイルの場合、米大陸の半分を、さらにより高度な推進燃料を
北朝鮮が保有していた場合、米国全体を射程に収めることも可能になると指摘した。
そのうえで、「(北朝鮮にとってミサイル発射の成功は)大きな進歩となり、非常に警戒することが
必要となる」と強調した。
オベリング氏は北朝鮮がどの程度高度な推進燃料を保有しているか定かではないとしたものの、
「彼らは1980年代から基礎的な短距離ミサイル・スカッドを超えた能力を示してきた」と述べた。
オベリング氏は発射後数分以内に、ミサイルの軌道などから北朝鮮が主張するような「人工衛星」
打ち上げか、弾道ミサイル発射かを把握できると指摘した。そのうえで、「4つの可能性」として、
(1)人工衛星打ち上げに成功する
(2)衛星を軌道に乗せることに失敗する
(3)弾道ミサイルを発射し、海に落下する
(4)弾道ミサイルを発射し、ミサイル防衛(MD)が作動している空域に落下する−を挙げた。
【北ミサイル】鳥取県でも増員して警戒 漁船は通常通り操業
2009.4.4 10:38
鳥取県庁には4日午前、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に備え、防災局などの職員が登庁。
市町村への情報伝達方法などの確認に追われた。
午前8時半、危機管理チームの職員12人が集合し、各市町村に「緊急情報」を送るための
専用ファクスを点検。すでに3度の情報伝達訓練を実施しており、
ある職員は「訓練を生かし、迅速に対応したい」と冷静に話した。
県漁業協同組合(鳥取市)は、普段の週末は職員1人だが、4日は3人に増員。
金岡紀史専務は「漁船は通常通り操業しているが、どこにミサイルが飛んでくるか分からない」と不安げ。
発射されれば、漁業無線で操業中の船に連絡し、対応するという。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041039013-n1.htm
阪神が日韓オールスター開催を提案へ
2009.4.4 05:00
阪神が今月6日に都内で予定されている12球団実行委員会で、
将来的な『日韓オールスターゲーム』の実現を提案する見通しであることが3日、明らかになった。
「今回の(第2回)WBCで野球の人気が衰えていないこと、そして、韓国との力が拮抗(きっこう)
していることなどを、改めて確認することができた。スポンサーの関係もあるが、積極的に考えていきたい」
と球団首脳が明かした。実現すれば、日本、韓国、台湾、中国によるアジア王者決定戦『アジアシリーズ』
とともに大きな注目を浴びることは間違いない。
http://www.sanspo.com/baseball/news/090404/bsb0904040504003-n1.htm
【北ミサイル】村内に「発射」と放送 岩手・滝沢村
2009.4.4 12:48
地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された岩手山中演習場を抱える岩手県滝沢村は
4日午後0時18分、「飛翔体発射」の一報を受け、防災行政無線を使いミサイルの発射情報を
住民に広報した。
同村は緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」による政府からの
情報提供を受信。すぐさま「北朝鮮からのロケットが打上げされたもようです。
万が一のため、テレビ、ラジオなどの情報にご注意ください」と村内に放送した。
しかし、20分すぎに誤報と判明すると「誤探知でした」と改めて放送し直し、
テレビなどの情報に注意を続けるよう呼びかけた。
村役場に出勤してきている村職員は「まだ、緊張は続いている」と言葉少なに話した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041248026-n1.htm
【北ミサイル】「送信ボタン押すところでした…」 宮城でもドタバタ
2009.4.4 12:50
12時17分、宮城県庁5階の危機対策課では、政府の緊急情報ネットワークシステム
「Em−Net(エムネット)」からミサイル発射の“誤報”を受信。
詰めていた約10人の職員が総立ちとなり、各市町村にファクス、メールで発射情報を送信しようと
したが、4分後、NHKニュースが誤報と報じた。
職員からは「何だよ」。「(メールの送信ボタンは)寸止めです。まだ押してません」。
怒りとも安(あん)堵(ど)ともとれる声が漏れた。
現場責任者の小野寺好男・県危機管理監は「朝から臨戦態勢。みんなピリピリしてるのに、
こういう間違いは…。たまらないですねえ」と漏らした。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041251027-n1.htm
【北ミサイル】職員が大声で「発射された模様です」 秋田
2009.4.4 12:51
秋田県危機管理対策本部は午後0時17分、本部内の大型テレビスクリーンに映された
NHKの報道で「ミサイル発射」のテロップが流れたことで、一気に緊迫した空気に包まれた。
職員らが地図を見たり、関係部署に連絡するなど対応に追われるなか、
間をおかずに官邸危機管理センターから流れるエムネットで、北朝鮮から飛翔体発射の情報が伝わると、
職員が詰めかけた報道陣らに「北朝鮮から飛翔体が発射された模様です」と大声を張り上げた。
しかし、21分過ぎに危機管理センターから誤探知の連絡を受けたことから、
23分には携帯メールを使って各市町村に「先ほどの情報は誤報でした。次の連絡をお待ちください」
と送るなど、今度は事後処理に追われる状態に。
ただ、作業を行う連絡員の間には、緊張した中にもほっとしたような表情が浮かんでいた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041251028-n1.htm
【北ミサイル】秋田市ではホームページに掲載も5分で削除
2009.4.4 12:56
地対空誘導弾パトリオット「PAC3」が配備された陸上自衛隊新屋演習場のある秋田市では、
Em−Net(エムネット)や秋田県からの携帯メールなどを通じて、
飛翔体発射の情報を得た直後の午後0時17分ごろ、市のホームページ上で速報を掲載した。
しかし、エムネットや携帯メールで誤報であった旨の報告を受け、5分ほどで削除した。
同市では同日午前8時半には、先月末に設置された災害警戒対策部の職員約40人が登庁し、
対応にあたっていた。同部の担当者は「正しい情報を流してほしいが、前日から役割分担を綿密に
してきたため、今のところ混乱は起きていない」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041256030-n1.htm
【北ミサイル】航空機や船舶への警戒情報を取り消し 国交省、海保
2009.4.4 13:03
航空機や船舶を管轄、安全確保にあたる国土交通省や海上保安庁にも4日午後0時18分ごろ、
発射情報が入り、管内放送で一斉に職員らに伝えられた。すぐに危険区域とされる秋田県沖の日本海と
千葉県沖の太平洋上空付近を飛ぶ航空機へ注意を呼びかける航空情報(ノータム)が発令され、
船舶にも航行警報が出されたが、約3分後に誤報と判明して取り消された。
東京・霞が関の国交省や海上保安庁には4日午前9時ごろから職員が続々と出勤、
情報収集や関係機関との連絡に追われた。
海上保安庁の報道対応などを行う政策評価広報室にも幹部らが顔をそろえ、危険区域を記した
大きな地図を卓上に広げて、発射を待ち構えた。午前10時すぎに「まもなく発射」の報が
伝えられてから約2時間が経過し、職員の間にも、幾分いらだちが見え始めた午後0時15分ごろに
発射の連絡が入ると、「落下の確認」などと怒声が飛び交った。
職員らは、すぐに情報収集や電話対応に追われたが誤報と判明。
国交省の幹部は「情報は正確でないと不安が増す」などと顔を曇らせていた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904041304031-n1.htm
【北ミサイル】テレビ各局特別番組で一報 あわてて訂正
2009.4.4 13:26
政府が4日午後、北朝鮮が長距離ミサイルとみられる飛翔体(ひしようたい)を発射したもようだと
発表をしたことを受け、NHKと民放各局は放送中の番組を特別番組に切り替えるなどして一報を伝えた。
NHKは同日午後0時16分、放送中だったローカルニュースを中断、
「北朝鮮が飛翔体発射をしたもようだ」と速報した。フジテレビも「FNN報道特別番組」
を編成して放送。他の民放各局も放送中の番組に字幕を出すなどして視聴者に警戒を呼びかけた。
しかし、5分後の午後0時21分、発射情報が誤探知だったことが判明。
NHKとフジテレビは放送中の番組で、政府の訂正を伝えるなど対応に追われた。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090404/biz0904041326011-n1.htm
【北ミサイル】近畿の自治体も「誤探知」で混乱
2009.4.4 14:09
朝から防災担当の職員らが休日出勤したり、前日からの当直職員を増員したりして不測の事態に
備えていた近畿の各自治体も誤報で混乱した。
大阪府では午前9時から、危機管理課の職員ら十数人が情報収集に追われていた。
午後0時16分、政府の緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」を通じて、
「北朝鮮から飛翔体が発射された模様」との情報が送られると、職員が「(発射情報が)入りました」
と大声を上げた。
すぐさま、府内43市町村にファクスを一斉送信するとともに、府のホームページにも情報を掲載。
しかし、直後に「発射は誤探知だった」との一報が入り、あわてて取り消した。
市町村からは情報を確認する問い合わせなどがあり、職員の1人は「こちらから情報の確認が取れない
以上、対応が早すぎるのも逆に問題だ」と危機管理の難しさに頭を抱えた。
また、「このようなことが続けば緊張感が切れる」と京都府危機管理・防災課の職員は誤報に
あきれた様子で、市町村に流した情報を訂正した。兵庫県でも各市町への伝達作業を行った直後に
訂正作業に追われることになり、職員らにいらだちは隠せなかった。
ただ、奈良県の職員の1人は「誤探知の原因は分からないが、市町村からの問い合わせもなく
混乱はない。よい練習になったと考え、今後も万全を期します」と話し、気を引き締めていた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090404/lcl0904041410002-n1.htm
北朝鮮の国営通信、「衛星」間もなく打ち上げと発表
【ソウル=前田泰広】北朝鮮の朝鮮中央通信は4日午前、「朝鮮宇宙空間技術委員会」の通報として、
試験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を運搬ロケット「銀河(ウンハ)2号」で打ち上げる
準備が完了し、間もなく打ち上げると報じた。北朝鮮は4〜8日の午前11時〜午後4時の時間帯に
発射すると国際機関に通告しており、「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイルの発射条件が
最終的に整ったと判断したとみられる。国際社会の度重なる発射自制の要請を無視した行為に対し、
日米韓を中心に各国の強い反発を招くのは必至だ。
朝鮮中央放送は4日早朝、発射基地のある北朝鮮北東部の咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)近くの
気象情報について、晴れで南西の風4〜7メートルが吹くと予報した。
ミサイル発射には問題のない天候と言える。
韓国の聯合ニュースは4日、北朝鮮が舞水端里周辺3か所に観測用カメラを設置したと報道。
ミサイルの航跡を追うための装置とみられている。
「銀河2号」は、弾道ミサイル「テポドン2」と同一か、その改良型とされる。
北朝鮮は3月中旬、国際海事機関(IMO)と国際民間航空機関(ICAO)に対し、
日時を指定して「人工衛星」を打ち上げると事前通報していた。
北朝鮮のミサイル発射に対し、日米韓3か国は国連安全保障理事会を速やかに開いた上で、
「弾道ミサイル開発に関するあらゆる活動の停止」などを求めた2006年の安保理決議1718に
違反するとして、決議の趣旨の徹底を求める新たな決議の採択を目指す方針。
ただ、中露両国は新決議採択には慎重な姿勢とみられ、安保理での議論が紛糾する可能性もある。
北朝鮮は、こうした日米韓の動きをけん制しており、北朝鮮外務省報道官は3月26日、
安保理が議長声明など何らかの非難文書を論議した場合でも、北朝鮮核問題をめぐる6か国協議は、
「消滅する」と警告するなど、国際社会との対決姿勢を鮮明にしている。
防衛省連絡員、秋田でミサイル発射の誤報…15分後に訂正
政府が「飛翔体(ひしょうたい)発射」の誤発表を流す前、秋田県は、ミサイル発射の未確認情報が
入ったとして4日午前、県内市町村の幹部にメールで「発射されました」と連絡するミスを起こした。
一部自治体では防災行政無線などで住民に発射情報を流したが、その後、誤報とわかり、
県は15分後、訂正のメールを流した。
県によると、住民へ伝達したのは秋田市や能代市、八峰町など9市町村で、午前10時54分に連絡。
大潟村ではホームページや携帯電話のメール送信で、湯沢市ではコミュニティーFMを通じて放送した。
県によると、危機管理対策本部に詰めていた防衛省の連絡員が午前10時50分ごろ、
県の職員に対し、口頭で「48分に発射されました」と話したが、防衛省に再度、確認したところ、
誤りとわかったという。
八峰町では「県の誤報でした。まだ発射されていません」と無線で伝えた。
(2009年4月4日11時44分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090404-OYT1T00458.htm
厳戒態勢下、PAC3配備の陸自朝霞駐屯地で恒例の花見
迎撃用のパトリオット・ミサイル3(PAC3)が配置されている陸上自衛隊朝霞駐屯地では
4日午前、敷地の一部を一般開放して恒例の花見が行われた。
同時開催する予定だった創立記念行事は中止としたが、
「地域住民が楽しみにしている」として、北グラウンドの一部に規模を縮小して実施した。
花見客は、駐屯地の正面玄関で金属探知機を交えた手荷物検査を受け、自衛隊員から
「万が一に備え、一時的に建物内に案内することがあります」などと記された注意書きを受け取った。
和光市新倉から訪れた男性(72)は「ミサイルが飛ぶことはないと思っているが、
落ち着いて花見が楽しめないのは残念」と話していた。
(2009年4月4日12時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090404-OYT1T00482.htm
「北朝鮮から飛翔体」と誤報…最新鋭ガメラレーダーが原因
政府は4日午後0時16分、「さきほど、北朝鮮から飛翔体(ひしょうたい)が発射された模様」
と発表したが、5分後に「さきほどの情報は誤り。飛翔体の発射は確認されていない」と撤回し、
「誤探知だった」と説明した。
防衛省によると、千葉県旭市にある防衛省技術研究本部飯岡支所の警戒管制レーダー「FPS―5」
が日本海で「何らかの航跡」を探知。これに基づき、ミサイルの発射情報として伝達したことが原因。
FPS―5は広域探知可能な最新鋭で、通称「ガメラレーダー」と呼ばれている。
同省は探知したものが何だったのか、分析中としている。
北朝鮮のミサイル発射に対しては、米軍の早期警戒衛星(DSP衛星)が高度約3万6000キロの
上空で監視、ミサイルを発射した時の熱(赤外線)を感知する。この情報は米コロラド州の米軍施設から、
在日米軍司令部(東京・横田)を経て東京・市ヶ谷の防衛省中央指揮所に伝達される。
また、韓国国防省にも米軍から同時に連絡される。さらに今回は、日本海に展開する日米のイージス艦の
レーダーと国内3か所に設置された地上レーダーが、発射基地の舞水端里に向けられており、
DSP衛星の情報とほぼ同時刻に、ミサイルの発射情報が伝えられることになっている。
防衛省の豊田硬報道官は「(DSP衛星の)情報はなかった」としている。
第一報後、麻生首相は公邸から官邸に移動し、情報収集態勢の強化など3項目にわたる首相指示を発表、
官邸連絡室は対策室に格上げされた。その後、誤情報と判明したことを受け、首相指示や対策室設置は
取り消された。
一方、日本の誤情報は外国メディアも振り回した。
韓国の聯合ニュースはNHKの報道を引用し、4日午後0時21分に、北朝鮮がミサイルを発射した
模様と緊急電で報道。5分後に、「日本政府が『情報は不正確だった』と明らかにした」と伝えた。
(2009年4月4日14時05分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00493.htm
「間もなく発射」と朝鮮中央通信が発表
2009年4月4日10時56分
北朝鮮は4日朝、「我が国の東海衛星発射場から試験通信衛星『光明星2号』を運搬するロケット
『銀河2号』を打ち上げるための準備が完了した。衛星は間もなく発射される」と発表した。
朝鮮宇宙空間技術委員会の通知として朝鮮中央通信が伝えた。東北部の咸鏡北道花台郡舞水端里
(ハムギョンブクト・ファデグン・ムスダンリ)にある基地から、
同日中にも長距離弾道ミサイル「テポドン2」の改良型とみられる機体を打ち上げるとみられる。
北朝鮮は4〜8日の午前11時から午後4時(日本時間)の間に打ち上げると予告していた。
韓国政府は4日中に発射される可能性が高いと判断。日米などとともに警戒している。
韓国政府によると、基地付近は発射に向けた最終準備が整った状況だという。
韓国政府関係者は「天候は予報よりも良いようだ。きょう発射する可能性が高い」と語った。
ラヂオプレスによると、朝鮮中央放送は4日朝、基地に近い咸鏡北道・清津市周辺の同日の天候に
ついて「主に晴れ、秒速4〜7メートルの南西風が吹く」と伝えた。近くの日本海海上は
「秒速8〜12メートルの比較的強い風が吹く」としている。韓国航空宇宙研究院によれば、
打ち上げには「周辺の風速が秒速15メートル以下」などの条件が必要とされる。
韓国政府によると、北朝鮮は日本海に観測船を配置。1段目のブースター(推進装置)の落下地点や
軌道を確認する態勢をとったという。基地周辺にはミグ戦闘機を配備し、ロケットの軌道や着弾地点を
特定するため、日本海の公海上で活動する米軍電子偵察機RC135Sなどを牽制(けんせい)する
動きをみせている。
>133
ミサイル発射に備え、首相官邸には4日朝、政府高官が次々に入った。
河村官房長官は記者団から政府の対応について問われ、「変更なく予定通り」と語った。
中曽根外相は午前10時半前に外務省に入る際「発射されれば明らかに(国連安全保障理事会決議)違反
ですから、安保理等で毅然(きぜん)とした対応をとって、強いメッセージを出すことが大事だ」と述べた。
浜田防衛相も防衛省に入った。
実際に発射されれば、日本政府は直後から情報開示に努める考えだ。首相官邸のスポークスマンである
河村官房長官は発射30分後をめどに最初の記者会見を開く。麻生首相や主要閣僚らによる分析会議を経て、
発射1時間後をめどに2度目、安全保障会議終了後の発射1時間半後をめどに3度目と、
立て続けに記者会見で現状や政府方針について発表する方針。
首相も発射後、首相公邸を出て首相官邸に入る際、記者団の取材に応じる形で発言する方向だ。
北朝鮮は先月、秋田県沖約130キロから約380キロにかけての日本海と、
日本列島の東南東約2150キロの太平洋の長さ約800キロの海域を危険区域に設定した。
ブースターの1段目を日本海に、2段目を太平洋に落下させる計画とみられ、予告通りなら、
東北地方の上空を通過する可能性が高い。(牧野愛博、有馬央記)
http://www.asahi.com/international/update/0404/TKY200904040039.html
秋田で発射誤報、一時混乱 陸上自衛隊から県に伝える
2009年4月4日12時24分
秋田県で、現地の陸上自衛隊の担当者が発射前なのに「発射された」と県側に伝える騒ぎがあった。
誤報は一部の市町村を通じて住民にも伝えられ一時混乱した。
秋田県によると4日午前10時50分ごろ、県庁に詰めていた陸上自衛隊東北方面の連絡員から
「10時48分に(ミサイルが)発射されました」との連絡を口頭で受けたという。
県は午前10時54分に各市町村の担当者と消防本部の166人に「発射されました」と一斉メールを送信。
大潟村や八峰町など県内の自治体では携帯メールや防災行政無線で住民に伝えられた。
送信後に県が再度、別の陸自の連絡員に発射の事実関係の確認を求め、誤報と分かったという。
誤報について、防衛省は「関知していない」としている。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040091.html
「誤情報、誠に遺憾」と官邸連絡室がコメント
2009年4月4日13時17分
首相官邸連絡室が4日午後、ミサイル発射情報の誤りについて出したコメントの全文は次の通り。
4月4日12時16分、「さきほど、北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様です」
との情報を政府から地方公共団体及び報道機関等に提供しましたが、その情報は誤りでした。
今回の誤報は、何らかの理由で、飛翔体に関する情報を誤探知したことが原因であると推測されますが、
その詳細については現在確認中です。
このような誤情報を出したことについては、誠に遺憾だと考えております。
なお、政府としては、引き続き、北朝鮮からの飛翔体の情報について万全の態勢をとっておりますので、
今後の政府からの情報提供等にご注意ください。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040101.html
発射、日本政府が誤発表 5分後に訂正
2009年4月4日13時45分
日本政府が一時、北朝鮮のミサイルが発射されたと速報しながら、5分後に取り消すミスがあった。
首相官邸の対策室は「誠に遺憾」との談話を発表、「情報を誤探知したことが原因と推測される」とした。
防衛省は自衛隊のレーダーが「日本海で何らかの航跡を探知し、ミサイルの発射情報として伝達された」
と説明しており、この情報が誤っていたとみられる。
官邸対策室は4日午後0時16分、「さきほど、北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様です」
と報道機関や地方自治体に発表した。しかし、同21分、
「さきほどの情報は誤りです。飛翔体が発射は確認されておりません」と訂正した。
北朝鮮がミサイルを発射した場合、米国の早期警戒衛星が熱源を探知、防衛省を通じて首相官邸に連絡が
入り、発射5〜10分後に報道機関や地方自治体に広報する段取りになっていた。
しかし、今回の速報のもとになった発射情報について、防衛省は「早期警戒情報ではない」(報道官)とし、
千葉県旭市にある航空自衛隊のFPS5レーダー(通称「ガメラレーダー」)が探知した航跡であることを
明らかにした。同レーダーは弾道ミサイルを追尾する国産レーダー。
防衛省はこのレーダーが探知した目標が結局、何であったのかは「分析中」としている。
発射情報を受け、麻生首相は首相公邸を出て、同21分に首相官邸の危機管理センターに入ったが、
誤報と確認後、29分に同センターを出て、首相官邸内の執務室に入った。
官邸連絡室は官邸対策室に格上げされたが、誤報と判明後、撤回された。
政府の混乱について、民主党の鳩山由紀夫幹事長は4日、兵庫県宝塚市での街頭演説で、
「情報が正確に伝わらないと、国民が混乱する」と批判した。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040093.html
「発射」「誤探知だ」東北混乱 緊急情報態勢に不安の声
2009年4月4日13時47分
「発射した」「いや、誤探知だ」。北朝鮮が「人工衛星」と称して「テポドン2」の改良型とみられる
機体の発射準備を完了した4日、政府から一時誤った「発射情報」が流れ、関係省庁や発射後に上空を
通過する可能性が高い秋田、岩手両県は混乱した。緊急時の情報伝達態勢に不安の声もあがった。
誤報は午後0時16分、テレビやネットを通じて一斉に報じられた。
地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)が配備された岩手県滝沢村。村役場に発射情報が入ると、
アラーム音が鳴り響いた。村職員が庁舎に隣接する盛岡西消防署滝沢分署に電話連絡。
村内120カ所に設置された防災行政無線を通じ、「北朝鮮からロケットが打ち上げられた模様です。
万が一のため、テレビ、ラジオの情報にご注意下さい」との情報が流された。
まもなく、誤探知だったことが分かり、「先ほどの北朝鮮ロケット打ち上げの情報は誤報でした」
とのアナウンスを村内に流した。職員は「政府が誤情報を流すんじゃ、こちらはしょうがない」。
岩手県庁でも国の緊急情報連絡システム「エムネット」のアラームが鳴った。
「きました」と職員が叫び、数分後には総務省消防庁から届いたファクスを35市町村に転送した。
秋田県庁ではこれに先立つ午前10時50分ごろ、県庁に詰めていた陸上自衛隊東北方面の連絡員から
「発射されました」との連絡を口頭で受け、各市町村と消防本部の166人に「発射されました」と
一斉メールを送信したトラブルが起きた。
1時間半後にさらに流れた誤報に、県担当者は「まさかエムネットでも」と疲れた様子で話した。
>138
PAC3が配備されている秋田市の自衛隊施設に近い勝平小学校の運動場では、
午後0時半からの練習にむけ勝平野球スポーツ少年団の児童約20人が集まっていた。
午後0時17分、NHKのニュースで速報が流れると、ラジオを聞いていた親が「避難しなさい」と指示。
準備をしていた児童らは200メートル離れた体育館に向かって一斉に走り出した。
しかし、5分後、誤情報だと分かると、体育館からグラウンドに戻った。川上智幸監督(41)は
「何もなくてよかった。今日は避難したり、戻ったりを繰り返すのでしょうか」と話していた。
誤報は午後0時16分、首相官邸入り口の首相会見予定場所近くに待機した60人ほどの報道陣にも
一斉にメールで届いた。
4分後、麻生首相が到着し、報道陣の前を何も言わず通り過ぎた。
秘書官が「情報がよくわからないので確認してから対応します」と説明するうちに、
「誤報」との連絡が入った。
「動きがあったときに改めて総理の会見をします」と秘書官は釈明に追われた。
東京・霞が関の水産庁では「発射は誤り」との連絡を受け、あわただしい声が飛び交った。
首相官邸からの「発射」連絡を受けて、職員たちは一斉に漁業団体や都道府県などへの連絡作業に
入っていたからだ。「びっくりした」と、職員の間からつぶやきが漏れた。
国土交通省も航空機に注意を促す航空情報(ノータム)を出したが、すぐに取り消した。
NHKや民放各社、朝日新聞のサイト「アサヒコム」でも政府の発表直後の午後0時17分ごろから、
「政府が北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様と発表した」と報じた。
しかし、数分後には「政府の発射情報は、誤探知だった」と訂正した。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040102.html http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040102_01.html
27便の飛行ルート変更 航空会社も備え
2009年4月4日14時7分
航空会社も対応に追われた。ミサイル発射に備え、日本航空は、国土交通省の指示に基づき、
欧州行きとホノルル行きの航空便の計27便の飛行ルートを変更した。午前10時半、成田空港の
同社オペレーションセンターでは、ミラノ行き便の出発前、機長と運航管理者が打ち合わせをした。
通常の新潟から秋田県沖を通過するルートではなく、青森から北海道・奥尻島を抜けるルートを
飛行するとし、小林宏之機長は「平常心で臨むのが大切だ。お客様は安心して空の旅に臨んで欲しい」
と話した。機内でルート変更を告げるアナウンスを流す予定はないという。
http://www.asahi.com/business/update/0404/TKY200904040104.html
関係省庁、「発射予告」に警戒態勢続く
2009年4月4日14時12分
午前10時すぎ、朝鮮中央通信による「発射予告」に対し、警察庁幹部は「万全の態勢で構えている」
と淡々と話した。警察庁は発射が確認され次第、警備局長を長とする対策本部を設置し、
秋田、岩手両県を中心に落下物がないかなどの情報収集に当たる。
国内に落ちた場合、落下物から有害物質が発生する可能性もあるとして、
NBC(核・生物・化学)テロに対応できる部隊を出動させる方針だ。ある幹部は
「警察が出るのはミサイルが落下するなど最悪の事態。それだけはあってほしくない」と話した。
秋田県沖の日本海。海上保安庁の航空機は4日早朝から船舶が危険対象海域に進入していないか確認した。
東京・霞が関の庁舎では、テレビの「まもなく発射」の情報を受けて、職員が船舶への情報発信の手順など
を確認した。
国土交通省に設置された危機管理連絡室にも幹部らが詰めた。官邸から発射情報が入り次第、
航空情報(ノータム)や航行警報を出す。
ミサイルが通過する予定の東北地方には女川原発や東通原発などに14基の原発があり、
8基が運転中だ。青森県六ケ所村には使用済み核燃料再処理工場もある。原子力施設を受け持つ
経済産業省の原子力安全・保安院では約15人が緊急時対応センターなどで待機した。
霞が関の総務省消防庁3階の消防防災・危機管理センターには職員約30人が詰め、
官邸からの情報収集や岩手、秋田両県に派遣した職員との連絡にあたった。
水産庁でも朝から職員13人が警戒に当たった。
同庁は漁業者に対し、万が一の事態に備えて危険区域に近づかないよう呼びかけている。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040108.html
北朝鮮:「衛星」打ち上げ準備完了…朝鮮中央通信が発表
【北京・西岡省二】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日午前10時(日本時間同)ごろ、
「人工衛星打ち上げの準備が完了した。人工衛星をすぐに打ち上げる」との報道文を発表した。
長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射を予告したとみられる。
同通信は、朝鮮宇宙空間技術委員会の通報として、同国の「東海(日本海)衛星発射場」で
試験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を運搬ロケット「銀河(ウンハ)2号」で
打ち上げるための準備が完了したと伝えた。
北朝鮮は先月、国際機関に4月4〜8日の午前11時〜午後4時に発射するとして
危険区域を通告しており、同通信は「事前に通告した技術資料には変動がない」と強調した。
朝鮮通信(東京)によると、朝鮮中央通信や朝鮮中央放送、平壌放送は4日午後1時(日本時間同)
現在、人工衛星が打ち上げられたとの報道はしていない。朝鮮中央放送は朝鮮労働党機関紙「労働新聞」
先月28日付の政論「われわれは必ず勝利する」の全文を伝えており、平壌放送は歌を流しているという。
毎日新聞 2009年4月4日 10時46分(最終更新 4月4日 14時42分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090404k0000e030014000c.html
日本政府:「発射」誤探知…5分後に発表を訂正
北朝鮮が「人工衛星」として長距離弾道ミサイルの発射を準備している問題で、
政府は4日午後0時16分、「北朝鮮から飛翔体が発射された模様だ」と発表した。
しかし、5分後の同21分、「さきほどの情報は誤りで、飛翔体の発射は確認されていない」と発表を訂正。
同24分、「誤探知」と発表した。官邸連絡室は同57分、
「今回の誤報は、何らかの理由で、飛翔体に関する情報を誤探知したことが原因であると推測されるが、
詳細は現在確認中」とのコメントを出した。
防衛省の中村吉利広報課長は「飯岡(千葉県旭市)のFPS5レーダーが日本海で何らかの航跡を探知した。
それが発射情報として(首相官邸に)伝達された」と説明。
ミサイルの発射情報は、米国の早期警戒衛星からまず防衛省に連絡が入り、
それが首相官邸危機管理センターに送られることになっている。
同センターは発射から5〜10分後に、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」でテレビ、
ラジオなどの報道機関と自治体に通報する体制をとっており、誤情報も各自治体に流れた。
毎日新聞 2009年4月4日 12時36分(最終更新 4月4日 13時58分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090404k0000e010035000c.html
発射成功なら「ICBM級」技術力 米への脅威も強まる
2009年4月4日15時16分
「テポドン2」とみられる長距離弾道ミサイルのロケット技術を用いた北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ。
「成功」が確認されれば、そのミサイル開発が米本土の一部を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)級
のレベルに達したことを意味する。「核」と「運搬手段」の2枚のカードがそろうことで、北朝鮮の軍事的脅威は、
米国にとってより現実味を増すことになる。
2段式のテポドン2(全長35メートル、射程約6千キロ)をもとにした3段式の改良型(同約8千キロ以上)
とみられる。重さ1トン前後の弾頭を積み、グアムやハワイ、アラスカなどに到達するとされる。
いずれも旧ソ連製の短距離ミサイル「スカッド」をもとに、80年代から北朝鮮が独自に大型化を進めてきた。
最も注目されるのは、北朝鮮のロケット開発が98年に発射されたテポドン1以来、どこまで進んだかだ。
日米など各国は、観測データをもとに分析を急ぐことになる。
もしテポドン2の改良型なら、とりわけ第1段目のロケットエンジンは「未知の新型」として関心度が高い。
地球周回軌道への衛星投入に成功したとすれば、より長射程の弾道ミサイルを保有したことを意味する。
弾道ミサイルと宇宙ロケットは、目的がそれぞれ「敵地攻撃」「衛星運搬」と異なるが、用いる技術はほぼ同じ。
主な違いは飛行軌道にある。ミサイル技術に詳しい軍事評論家の野木恵一氏は、野球の「ホームラン」と
「ライナー」の違いにたとえる。「高度や角度などの軌道が確認できれば一目瞭然(りょうぜん)」という。
弾道ミサイルは、最大の距離が出るよう高い角度で打ち上げるのに対し、人工衛星を軌道に乗せる宇宙ロケットは、
それより低い大気圏外を秒速約8キロの高速で水平飛行させる必要がある。
テポドン2を弾道ミサイルとして使った場合、最大高度は約600〜1千キロ。宇宙ロケットとしてなら、
98年のテポドン1(射程約2千キロ)とほぼ同じ約250キロではないか、と野木氏は推定。
「(成功したなら)自前の長距離弾道ミサイル技術を確立させたことになり、米朝の交渉は一つの仕切り直しとなる。
米国は新たな戦略を組み直すほかない」と話す。
>145
ロケット工学の専門家で宇宙工学アナリストの中冨信夫氏は、今回の打ち上げを「ICBM開発のための偽装実験」
と考えている。
「打ち上げに成功すれば、エンジンの燃焼を制御でき、設定通りの軌道に乗せられたということ。
これはICBM技術を同時に習得したことになる。国威発揚にとどまらず、北朝鮮は商品ベースの技術を習得した
といえる」
では米国にとって、その軍事的脅威はどのくらい増したといえるのか。
核弾頭を載せたミサイルを米国に到達させるには、弾頭を小型化し、運搬ロケットを大型化する必要がある。
搭載重量(ペイロード)と飛行距離は反比例するからだ。
米議会調査局(CRS)が2月に発表した資料では、テポドン2は弾頭を200キロにすれば
「ワシントンまで届く」能力(射程約1万キロ)があるという。長崎に落とされたプルトニウム型原爆は
重さ約5トン。推定上、テポドン2のペイロードは約750キロ、改良型は1トン前後とされるが、
今回どのくらい向上したかは精密な分析を要する。
核弾頭の小型化がどこまで進んだのかも、脅威をはかる大きな要素だ。米国防情報局(DIA)は3月、
報告書で弾道ミサイルに搭載できる小型核弾頭の開発に成功した可能性を示唆した。
北朝鮮はすでに日本を射程に収める「ノドン」(射程約1300キロ)を実戦配備、
ノドンに搭載可能な小型核弾頭を保有しているとの民間研究機関の分析もあり、重大な脅威となっている。
韓国はえ縄漁船を拿捕…タチウオ漁獲量を日誌に過少記載
水産庁九州漁業調整事務所(福岡市)は3日、長崎県五島市・女島灯台南西約115キロの
日本側排他的経済水域(EEZ)内で韓国のはえ縄漁船「201ジェウォン」(8人乗り組み、
26トン)を拿捕(だほ)し、船長の林永仁(イムヨンイン)容疑者(46)を漁業主権法違反
(操業日誌不実記載)容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、3月31日〜4月2日のタチウオの漁獲量を操業日誌に実際より117キロ少ない
830キロと記載した疑い。今年の同事務所による外国漁船の拿捕は2件目。
(2009年4月4日10時55分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090404-OYT1T00358.htm
米、ミサイル発射後も北との対話に意欲
【ワシントン=宮崎健雄】スティーブン・ボズワース米特別代表(北朝鮮担当)は3日、
外国メディアとの記者会見で、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の再開に意欲を示し、
ミサイル発射後でも「有益だと思えばいつでも、平壌に行く準備はできている」と述べ、
直接対話の継続に意欲を示した。
ボズワース氏は、北朝鮮がミサイルを発射すれば、「何らかの結果があるだろう」と述べ、
国連安保理で対応する考えを重ねて示した。発射後の米朝関係については、
「冷却期間となるのは避けられない」とする一方、「いつでも対話の窓は開いている」と強調。
「長期的な目的は、朝鮮半島の検証可能な非核化だ」とし、適切な時期に6か国協議を再開したいと
述べた。
また、「現在の状況は、北朝鮮とミサイル問題で対話することの重要性を的確に示している」とし、
6か国協議構成国とミサイル交渉を議題に加えるかどうか協議しているという。
(2009年4月4日10時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00335.htm
「打ち上げ妨害なら黙っていない」…北朝鮮が臨戦態勢
【ソウル=前田泰広】北朝鮮では、「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイル発射を目前に、
人民軍が外泊禁止など戦時に準ずる態勢をとり、民兵組織までも戦争に備えた訓練を行うなど、
緊張が高まっていることが3日わかった。
韓国の民間人権団体「良き友だち」が消息筋の話として伝えたもので、
北朝鮮の40歳代の男性住民は「戦争前夜のようだ」と話しているという。
同団体によると、人民軍兵士は最近、外泊や駐屯地を離れることなどが禁じられ、
「準戦闘態勢」に入った。学生らで構成する民兵組織の労農赤衛隊、教導隊、青年近衛隊も
「戦闘準備態勢」をとっているという。
北朝鮮当局は一般の男性住民に対する旅行証の発行を停止し、移動を制限。
全国の市や郡の党幹部に「人工衛星打ち上げに日米韓が言いがかりをつけている。
敵対国が妨害する場合、我々も黙っていない」などと強調しているという。
聯合ニュースによると、北朝鮮メディアは3日、人民軍総参謀部が2日に明らかにした
「ささいな迎撃の動きでも容赦なく報復打撃を加える」とした「重大報道」の内容を繰り返し
伝えているという。
一方、金正日(キムジョンイル)総書記の現地視察報道は3月28日を最後に途絶えている。
聯合ニュースによると、1998年8月31日に「テポドン1」が発射された当時は、
9月5日の最高人民会議で金総書記が姿を見せるまでの約1か月間、動静報道はなかった。
(2009年4月4日03時09分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00049.htm
衛星名目ミサイル、「まもなく発射」と北朝鮮発表
【ソウル=前田泰広】北朝鮮の朝鮮中央通信は4日午前、「朝鮮宇宙空間技術委員会」の通報として、
「試験通信衛星『光明星(クァンミョンソン)2号』を運搬ロケット『銀河(ウンハ)2号』で打ち上げる
準備が完了し、まもなく打ち上げる」と報じた。
北朝鮮は4〜8日の午前11時〜午後4時の時間帯に発射すると国際機関に通告しており、
「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイルの発射条件が最終的に整ったと判断したとみられる。
国際社会の度重なる発射自制の要請を無視した行為に対し、日米韓を中心に各国の強い反発を
招くのは必至だ。
朝鮮中央放送は4日正午、発射基地のある北朝鮮北東部の咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)近くの
気象情報について、晴れで西の風8〜12メートルが吹くとの予報を伝えた。
ミサイル発射には問題のない天候と言える。
韓国の聯合ニュースは4日、北朝鮮が舞水端里周辺3か所に観測用カメラを設置したと報道。
ミサイルの航跡を追うための装置とみられている。
「銀河2号」は、弾道ミサイル「テポドン2」と同一か、その改良型とされる。
北朝鮮は3月中旬、国際海事機関(IMO)と国際民間航空機関(ICAO)に対し、
日時を指定して「人工衛星」を打ち上げると事前通報していた。
北朝鮮のミサイル発射に対し、日米韓3か国は国連安全保障理事会を速やかに開いた上で、
「弾道ミサイル開発に関するあらゆる活動の停止」などを求めた2006年の安保理決議1718に
違反するとして、決議の趣旨の徹底を求める新たな決議の採択を目指す方針。
ただ、中露両国は新決議採択には慎重な姿勢とみられ、安保理での議論が紛糾する可能性もある。
>151
北朝鮮は、こうした日米韓の動きをけん制しており、北朝鮮外務省報道官は3月26日、
安保理が議長声明など何らかの非難文書を論議した場合でも、北朝鮮核問題をめぐる6か国協議は、
「消滅する」と警告するなど、国際社会との対決姿勢を鮮明にしている。
北朝鮮は9日に最高人民会議(国会に相当)を控えており、「人工衛星」であることを強調しつつ、
打ち上げ成功を大々的に国内外にアピールするとみられる。最高人民会議では金正日(キムジョンイル
)総書記を「国家の最高ポスト」とされる国防委員長に再び推挙する予定で、衛星打ち上げ成功を演出
することにより、金正日国防委員長の「3期目スタート」に対する“祝砲”の意味を込めている模様だ。
(2009年4月4日15時59分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00618.htm
【北朝鮮問題】舞水端里周辺に観測カメラ設置 韓国通信社報道
2009年4月4日
【ソウル=福田要】北朝鮮が人工衛星ロケットと主張する長距離弾道ミサイルの発射準備が進む
北朝鮮北東部、舞水端里(ムスダンリ)の基地周辺3カ所に発射観測用のカメラが設置された。
韓国の通信社・聯合ニュースが4日午前、政府消息筋の話として伝えた。
観測カメラは発射直前に設置されることから、消息筋は「数時間内に発射する可能性が高い」
との見通しを示した。基地内では、装備類の位置を整えるなど発射に備える動きがみられるという。
北朝鮮の朝鮮中央放送は舞水端里の近隣地域の4日の天候について「晴れ」と予報。
風も弱いため、聯合ニュースは「発射に問題はない」と報じた。
北朝鮮は「試験通信衛星」を搭載したロケットを4−8日の午前11時から午後4時の間に発射すると、
国際海事機関(IMO)などに通告している。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0001/list/200904/CK2009040402000243.html
橋下大阪府知事「誤探知」仕方ないこと=斉藤環境相は陳謝−堺
斉藤鉄夫環境相と橋下徹大阪府知事が4日午後に堺市内で会談する直前、北朝鮮がミサイルを
発射したとの情報が入り、同省と府の担当者が「会談中止か」とあわてる場面があった。
すぐに「誤探知」と判明、午後1時からの会談は30分で無事終了したが、
関係者からは「人騒がせな」との声も。会談後、橋下知事は「(誤探知は)仕方のないこと。
敏感に情報収集する方が危機管理としてはいい」と記者団に述べ、政府の対応をかばった。
会談は、同市内に建設中のシャープの工場などを同相が視察した後にホテルで行われ、
環境関連事業の大阪湾岸への集積などについて話し合った。斉藤環境相は会談後に
「はなはだ遺憾。こういうことがないように原因と対策を詰めねばならない」と国民に陳謝した。(了)
(2009/04/04-15:48)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009040400249
衛星発射「誇りに思う」=北京空港で北朝鮮の人々
【北京4日時事】北朝鮮が人工衛星を打ち上げると通告した期日初日の4日、
平壌からの高麗航空機で北京国際空港に到着した北朝鮮の人々は、
「外国メディアはミサイルと言うが、(打ち上げるのは)衛星だ」
「(衛星発射を)誇りに思う」などと口々に語った。
ただ、日本の迎撃準備への感想など敏感な質問には、皆、口を閉ざした。
取材に応じたのはスーツ姿などの人々で、普段着姿の人のほとんどは「知らない、知らない」
と困惑した表情で繰り返した。(了)
(2009/04/04-16:16)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009040400262
ミサイル発射、5日以降に=初日は強風で見送りか−北朝鮮
【ソウル4日時事】北朝鮮は4日、「人工衛星を間もなく打ち上げる」と発表したが、
事前通告の午後4時までの打ち上げ情報はなく、長距離弾道ミサイルの発射は先送りされたもようだ。
発射場のある咸鏡北道舞水端里に比較的強い風が吹いているとされ、発射は5日以降となる見通し。
北朝鮮は国際機関に4日−8日の午前11時から午後4時の間に「人工衛星」を打ち上げると
通報している。北朝鮮は過去のミサイル発射で事前の通報をしたことはなく、
8日までに発射を強行する構えであることはほぼ確実だ。
弾道ミサイルの発射は「天候の条件次第で計画期間の早い段階で行う」(韓国政府関係者)
のが通例のため、4日午前中にも発射されるとみられていた。
韓国のニュース専門テレビYTNは舞水端里の4日の天気について、雲が多く風速7−10メートルの
風が吹くと予想。「強風注意報が出るほどではないが、(発射基地の)周辺施設が揺れる程度の
多少強い風」が吹くと伝えた。また、米CNNテレビ(電子版)も強風で発射が延期される可能性が
あるとの米軍当局者の見方を伝えていた。
韓国のロケット専門家によると、一般的には風速15メートル以下ならミサイル発射は可能という。
しかし、同専門家は「北朝鮮の技術水準は不明。韓国などよりも安全な基準を適用し、
より風の弱い日を選ぼうとしているのではないか」と分析した。
YTNによると、5日午後から晴れ始め、風も弱まるが、8日から再び風が強まるもようだ。
燃料注入などの準備作業は既に終了しており、5日の天気次第でミサイルが発射されるとみられる。(了)
(2009/04/04-16:46)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009040400270
日本政府の誤情報、世界を走る ロイター、新華社など速報
主要な海外メディアは4日、北朝鮮から長距離弾道ミサイルとみられる「飛翔体が発射されたもよう」
との日本政府発表の誤情報に基づき、北朝鮮が「ロケットを発射した」と世界に向け速報し、
間もなく訂正した。
英ロイター通信は、日本政府が同日午後0時16分に発表した直後に速報。
約5分後「日本政府によると発射情報は誤り」と訂正した。
韓国の聯合ニュースは、日本メディアの速報を引用して「北朝鮮が長距離ロケットを発射」
と報道したが、約10分後に「間違いだった」と伝えた。
中国の国営通信、新華社も発射を速報し、約6分後に訂正した。
2009/04/04 16:58 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009040401000450.html
日本で誤報続出と報道=厳戒ぶりは「戦時ほうふつ」−韓国メディア
【ソウル4日時事】韓国メディアは4日、北朝鮮のミサイル問題に関して、
「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射されたもよう」と発表し、直後に訂正した日本政府の対応を
詳しく報じた。聯合ニュースは「誤報騒動が続出し、住民をさらに不安にさせた」と伝えた。
同ニュースは日本政府の発表を受け、「北朝鮮が発射」「発射情報は誤り」と相次いで速報した。
秋田県で誤情報が伝えられたことなども紹介。この「事件」について、「日本政府と自治体が
極度の緊張の中、事実確認よりも迅速な情報提供を重視して発生した」と解説した。
また、ニュース専門テレビYTNは北朝鮮のミサイル発射に備える日本の雰囲気を
「戦時をほうふつさせる高度の警戒態勢に突入した」と報道した。(了)
(2009/04/04-17:37)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009040400292
海外メディアも混乱、ミサイル発射誤報
2009年4月4日19時48分
ミサイル発射の誤情報は海外メディアも混乱させた。ロイター通信は政府発表の1分後、
日本の報道を引用し「北朝鮮がロケットを発射」と配信。5分後に「政府が誤情報と述べた」
と再び報じた。
中国国営新華社通信も「日本政府は北朝鮮が飛翔(ひしょう)体を発射したと表明」と速報。
6分後に「誤りだった」と取り消した。韓国の主要テレビはNHKの速報を受けて特別番組に
切り替えたが、誤情報とわかると数分後に通常番組に戻した。ニュース専門チャンネルのYTNは
「日本政府は国民の不安をやわらげようと初めてシステムを稼働したが、
誤作動により結果的に騒動を広げてしまった」とする東京特派員の報告を伝えた。
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY200904040162.html
ミサイル誤報、野党が批判 「お粗末」「失態」
2009年4月4日19時58分
日本政府が4日、北朝鮮のミサイルが発射されたと誤って伝え、自治体などに混乱を引き起こした
ことについて、野党からは批判が相次いだ。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は奈良県橿原市での街頭演説で「大失態だ。国民に大変な不安を与えた」。
共産党の志位委員長も長野市での講演で「お粗末で責任のない危機対応だ」と語った。
民主党は、政府が誤報に至る過程で米国の早期警戒衛星の情報がなかったとしているため、
米国との連携不足も問題視。鳩山氏は「『日本が情報を伝える』と焦り、日米安保体制で不可欠な
米国への確認をしなかったのではないか」と話す。
別の党幹部は「ミサイル防衛システム運用のための日本の情報が百%ではないとわかった」と指摘した。
また、浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相は「批判が過ぎると、かえって政府から情報が出なくなる」
としたうえで、政府にさらなる原因究明と説明を求めた。
一方、4日夕、自民党本部で開かれた与党北朝鮮ミサイル問題対策本部(本部長・細田博之自民党幹事長)
の会合では、政府側が誤って伝えた経緯を説明したが、出席者からは「遺憾」との意見も出た。
会合後、公明党の北側一雄幹事長は記者団に、「このようなことになったこと自体、極めて遺憾だ。
原因は何か、今後のためにも明確にしなければいけない」と不快感をあらわにした。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040165.html
中国国営中央テレビ「北朝鮮の人工衛星計画」と報道
2009年4月4日20時51分
【北京=坂尻顕吾】国営の中国中央テレビ(CCTV)は4日夕、
北朝鮮のミサイル発射準備をめぐり「北朝鮮の人工衛星開発計画」と題した関連ニュースを報じた。
北朝鮮の主張を盛り込むことで、中国の公平さを訴える狙いがうかがえる。
CCTVによると、北朝鮮は80年代から独自技術で人工衛星の開発に乗り出し、
98年8月に初の試験通信衛星「光明星1号」を打ち上げた、という。
ニュースは北朝鮮が公表した「光明星1号」の写真や周回軌道のイラストなどとともに伝えられた。
ただ、「米国側は98年の打ち上げは失敗したとしている」とのコメントも付け加えた。
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY200904040169.html
ミサイル発射、初日なぜ見送り 天気?トラブル?
2009年4月4日21時5分
韓国政府によると、北朝鮮東北部・舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地は、
発射に向けて最終準備が整った状態という。4日に発射されなかった理由について、韓国政府関係者は
「確実に成功させるため、発射に最適の気象条件になるまで待つことにした可能性が最も大きい」
との見方を示した。
韓国気象庁によると、基地周辺は4日午前、雲が少なく秒速7〜10メートルの風が吹く状態だった
という。韓国航空宇宙研究院によれば、打ち上げには「周辺の風速が秒速15メートル以下」などの
条件が必要。同庁は5日の同地域の風速は秒速5〜8メートルとなり、やや弱まると予測している。
北朝鮮は06年7月、「テポドン2」を発射したが失敗した。
9日には金正日(キム・ジョンイル)総書記も出席するとみられる最高人民会議(国会に相当)があるほか、
国内向けにも発射予告を繰り返し報道しており、失敗は許されない状況だ。
このため、発射のタイミングを慎重に見極めているとみられる。
韓国政府は機体に液体燃料が注入されたことも確認している。いったん燃料が入った機体は再利用が
難しいうえ、ミサイル開発には巨費がかかる事情もあり、発射を中止する可能性はほぼないとみられる。
機体に積んだ電子機器の不調など技術的なトラブルが起きた可能性も考えられるが、朝鮮中央通信は
4日朝、朝鮮宇宙空間技術委員会の通知として「衛星は間もなく発射される」と報じており、
韓国政府関係者は「通知はすべての準備を完了させたうえでの行動と考えられるため、
トラブルの可能性は小さいのではないか」と語った。
同委員会の通知に使われた朝鮮語の「間もなく」は同通信英語版では「soon」と訳されたが、
どれくらいの時間的な幅を示すのかはあいまいで、数時間とも数日とも解釈可能だ。
「4〜8日の午前11時から午後4時まで」とした発射予告期間中の実施を改めて宣言しただけともとれる。
(ソウル=牧野愛博)
http://www.asahi.com/international/update/0404/TKY200904040173.html
「発射」の誤報2回も 防衛省、全国の部隊や官邸に
2009年4月4日21時7分
北朝鮮が発射準備を進めていた長距離弾道ミサイル「テポドン2」の改良型とみられる機体は4日、
予告した時間帯(午前11時〜午後4時)を過ぎても発射が確認されず、発射は5日以降に先送りされた
とみられる。日本政府が4日正午過ぎに速報し、直後に取り消した発射情報は、
防衛省の情報に基づいて伝えられていたことがわかった。自衛隊の陸上幕僚監部も同日午前11時前、
発射情報を全国の陸自関係部署にメールで誤配信。防衛省は午前と午後の2回、
誤報を流していたことになり、政府の情報伝達態勢の不備が浮き彫りになった。
浜田防衛相は4日夕、2回の誤報について、
「防衛省・自衛隊における情報伝達の不手際。国民にご迷惑をおかけした」と謝罪した。
政府は誤報に至った経緯の検証を終えた段階で、関係者の処分を検討する方針だ。
全国の自治体などを混乱させたのは、4日午後の発射情報だった。首相官邸は同日午後0時16分、
防衛省中央指揮所の情報をもとに、「北朝鮮から飛翔体(ひしょうたい)が発射された模様」
と報道機関や自治体に発表したが、「誤探知」に気づいた後の同21分、
「さきほどの情報は誤りです。『飛翔体が発射』は確認されておりません」と訂正した。
防衛省は4日夕、航空自衛隊の航空総隊司令部(東京都府中市)が午後0時16分、中央指揮所に
(1)米国の早期警戒衛星による発射情報が流れた
(2)千葉県旭市にある新型レーダーFPS5(通称「ガメラレーダー」)がミサイルの航跡を探知した
――との誤った情報を流したことが原因だったと明らかにした。
米国の早期警戒情報は実際は流れておらず、ガメラレーダーがとらえた航跡もすぐに見失い、結局、
誤探知とわかった。政府内には、北朝鮮のミサイル基地周辺に展開しているミグ戦闘機だったのでは
ないかとの見方も出ている。日本海に展開するイージス艦のレーダーも発射を探知しておらず、
官邸危機管理センター詰めの防衛省の連絡官が午後0時20分、センター内に誤探知を知らせた。
>166
一方、秋田県で4日午前に起きた誤報騒ぎは、陸上自衛隊幕僚監部の指揮所から全国の部隊など
約900の端末に、誤って発射情報が伝えられたことが原因とわかった。
防衛省によると、コンピューターに不具合が生じたためといい、茨城県にも同様の情報が伝わっていた。
秋田県では、県庁に詰めていた陸自の連絡官がメールで得た発射情報を県に口頭で伝えた。
県は午前10時54分に県内の市町村に一斉メールで連絡。秋田市や大潟村など9市町村は
防災行政無線などで住民にも伝えた。県が陸自側に確認を求め、誤報とわかった。
茨城県では、発射情報を受けた陸自勝田駐屯地が午前10時52分、県消防防災課に電話で伝えた。
県危機管理室は、政府から入るはずの連絡がなかったため、陸自に再確認。誤報とわかった。
防衛省は詳しい原因を調べているが、5日以降も引き続き同じシステムを使うとしている。
誤報の背景について、浜田防衛相は「一刻も早く国民に伝えたい気持ちがあり、少々前がかりになった。
正確さが足りなかった」と記者団に語った。
河村官房長官から注意を受け、防衛省・自衛隊の幹部らに、正確な情報伝達を指示したという。
http://www.asahi.com/politics/update/0404/TKY200904040148.html
韓国、北朝鮮の自国民に「接触自制」「夜間外出禁止」
2009年4月4日21時8分
【ソウル=箱田哲也】北朝鮮の「人工衛星」打ち上げの通告期間が始まった4日、
韓国政府は緊急の関係閣僚会議を大統領府で開きながら、事態を見守った。
経済交流などで北朝鮮側に滞在している韓国人が約580人おり、統一省は同日、
現地の責任者らにこれらの韓国人の安全管理を徹底するよう求める異例の緊急命令を出した。
統一省が4日夜現在で把握している北朝鮮内にいる韓国人は、開城工業団地に540人、
金剛山地域に41人、平壌に1人の計582人。同省は開城と金剛山にいる安全管理責任者らに
「北側との不必要な接触は自制する」「現地での移動は必要最小限とし、夜間の外出は禁止」
などを盛り込んだ5項目を指示した。
業務でこれから訪朝しようとしている韓国人にも、可能なら自制するよう促している。
韓国政府が神経をとがらせるのは、開城工業団地で働いていた「現代峨山」の韓国社員1人が
先月末から、事実上の抑留状態にあるためだ。北朝鮮当局はこの男性が北朝鮮の政治体制を非難し、
女性従業員を脱北させようとした疑いで取り調べていると主張。
事態打開のため、3日に現代峨山幹部らが訪朝したが、北朝鮮側は面会させることも認めなかった。
北朝鮮はまた、中朝国境で取材していた米国人女性記者2人を3月17日、敵対行為があったなどの
理由で拘束している。
一方で韓国政府は、北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げを通告した方向や距離などを勘案し、
自国の国家危機管理システムの稼働対象とはしなかった。
韓国では、米韓の国防当局の判断をもとに関係省庁を通じて地方に情報が伝えられるシステムがある。
大統領府当局者は、日本で誤った発射情報が流れたことについて「韓国では独自に判断せず、
米国との間で確認した上で警戒情報を流すことになっている。誤報はまずあり得ないと思う」と語った。
http://www.asahi.com/international/update/0404/TKY200904040170.html
テレビで知った、誤報流した…情報伝達、自治体へとへと
2009年4月4日21時41分
北朝鮮がミサイルを発射する懸念が高まった4日、全国の自治体や関係省庁は、
政府や自衛隊の「誤報」に振り回された。予告した時刻までの打ち上げはなく、5日以降も警戒は続く。
一方で、街はふだんと変わりなく、「政府もマスコミも騒ぎすぎ」との声もあった。
防衛省による2度の誤報に振り回された秋田県。県幹部らは国への不信と不満を募らせた。
4日夕に記者会見した三浦庄助・知事公室次長は「情報を提供する方できちんと確認してほしい」
と防衛省の対応を批判した。
県自らも誤報を県民に伝えてしまったことに、佐々木誠・危機管理監は
「被害を考慮し、知らせるのが筋と考えた。結果的にご迷惑をかけた」と陳謝した。
県によると、午前11時ごろの最初の誤報を住民へ速報した自治体は9市町村。
その約1時間後の誤報を速報したのは16市町村。2度伝えてしまった上小阿仁(かみこあに)村の
担当者は「北朝鮮と誤報に振り回された一日だ」と話した。
最初の誤報は茨城県庁にも届いていた。
午前10時52分、陸上自衛隊勝田駐屯地から突然、連絡があったという。
県危機管理室の担当者は「ちょっとびっくりした」。動揺したものの、「冷静になろう」と
室員たちは自分に言い聞かせた。「陸自からの連絡は正規ルートではなかった。
それに発射予定時刻の11時前だった。もう一度しっかり確認しよう」となった。
すぐ陸自に確認。11時20分に誤報とわかった。
「冷静になったのがよかった。県が誤報を流さなくてよかった」と室員の一人は振り返った。
>169
国から自治体へ緊急情報を一斉送信する「エムネット」で午後0時16分に届いた2度目の誤報は、
秋田、岩手両県など多くの自治体の防災行政無線やケーブルテレビで住民に伝えられ、
ただちに訂正の放送をすることになった。
ミサイルが上空を通過する予定の岩手県では、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)が配備された
陸自岩手山中演習場がある八幡平市と滝沢村など4市町村が、防災行政無線で速報と訂正を流した。
滝沢村の介護ヘルパー、上澤あやさん(57)は「日本の危機管理に不安を感じた」と話した。
一部の自治体は、自らが混乱に拍車をかけた。
大分県は、エムネットでの発射の情報を受信しそこねた。
受信側のパソコンを操作する担当職員がエムネットのシステムを誤って休止させ、
午後0時16分に国が送信した「発射」のメールも、5分後の誤報と知らせる訂正メールも
受信できなかった。職員たちはテレビで「発射」と「誤報」を知った。
メールが届いたのは、パソコン再起動後の午後0時42分だった。
滋賀県近江八幡市は、NHKの速報を受け、地元ケーブルテレビの文字ニュース用に
「発射の情報が入りました」との緊急テロップを作った。
だが、文字は画面に現れず、何度も送信作業を繰り返すうちに「誤探知」のニュースが届いた。
約25分後に流した訂正のテロップが、第一報となってしまった。
>170
東京・霞が関の中央官庁も混乱した。
海上保安庁は午後0時20分、全船舶に向けて「発射した」と伝える「航行警報」を出し、
16分後に取り消した。16分かかった理由について、
ある幹部は「取り消しは想定外で、文章を用意していなかった」と話した。
水産庁では午後0時16分過ぎ、首相官邸から「発射された模様」と電話で連絡が入ると、
職員たちが漁業団体や漁業無線局、沿岸都道府県にファクスで一斉送信する態勢を整えた。
職員が送信ボタンを押そうとしたとき、訂正の電話が入った。「送信するな!」。
制止の声で作業は止まったという。
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY200904040184.html
ミサイル「騒ぎすぎ」の声も 週末の市民、花見に行楽に
2009年4月5日0時31分
東京・市谷に配備されたPAC3を見ようと、空自市ケ谷基地のさくの外には約50人の人だかりが
できた。携帯電話やカメラでミサイルランチャーの写真を撮る人もいた。正午過ぎの「発射」情報で
緊張が走ったが、すぐに誤りだと分かると、「お祭りらしくなってきたな」の声も出た。
東京都荒川区の吉川みどりさん(48)は「誤報を出すなんて政府の対応に不安を感じる。
でも心配していません。気楽に見物に来るぐらいですから」と話した。
ミサイルの上空通過が想定された秋田県。秋田市の大森山動物園は、普段通り1500人近い家族連れら
でにぎわった。山形県酒田市から家族で来た斉藤英樹さん(46)は「落ちてくる可能性はほとんどない
のであまり気にしていない。心配してもきりがない」と休日を楽しんだ。
桜が満開となった東京・上野公園には、今季最多の20万6千人が繰り出した。
会社の同僚約20人と杯を重ねていた都内の熱田真一さん(36)は、98年に北朝鮮の弾道ミサイルが
三陸沖に着弾したとき、仙台市に住んでいたという。「前回はそばに落ちて怖かった。今回も気になる」。
トイレに立つたび、携帯電話でニュースを確認していた。
東京・渋谷も普段通りのにぎわい。帰宅中だった大学2年の結城歩(あゆみ)さん(19)は
「ミサイルはまったく気にしていない。東京だし、落ちてこないと思う」と話した。
小学校の同級会で東京・銀座に集まった東京都杉並区の久保田倭子(しずこ)さん(68)は
「マスコミも政府も騒ぎすぎ。騒げば北朝鮮はいい気になるだけ」。
埼玉県所沢市の松下ヨネ子さん(68)は「政治家に指導力があれば、水面下で交渉して
こんなことで騒ぐことはなかった。情けない」といい、連れだって「宝塚歌劇団」の公演へ向かった。
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY200904040191.html
ミサイル発射予告でも、中朝国境はのんびり
2009年4月5日1時3分
【丹東=古谷浩一】北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ予告初日の4日、北朝鮮と国境を接する
中国遼寧省丹東で大きな動きは伝えられていない。国境河川の鴨緑江にかかる「中朝友誼(ゆうぎ)橋」
近くは、記念撮影などをする多数の観光客でにぎわう。国境に設けられた鉄条網越しには、
のんびりとした調子で国境警備をする北朝鮮の軍人や、農作業をする住民らの姿が見えた。
中国商務省の統計によると、08年の中朝貿易額は前年比41%増の27億ドル。
丹東はこのうちの約3分の2が経由する中朝間の物流拠点で、今月には中国人の北朝鮮へのビザ無し
日帰り観光も始まる予定と伝えられている。地元の旅行業者は「今のところ何の変化も聞いていない。
打ち上げで情勢が緊張することを心配している」と話した。
http://www.asahi.com/international/update/0404/TKY200904040171.html
ミサイル発射どう探知? 防衛システムの「眼」
2009年4月5日5時13分
日本政府は、北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地を常時監視している米軍の
早期警戒衛星からの発射情報が得られ次第、自治体や報道機関に速報を流す態勢をとっていた。
しかし今回防衛省は、この「早期警戒情報」自体が無かったとしている。
なぜ誤った「発射速報」が流れたのか、原因究明が急務だ。
早期警戒衛星は、赤道上空約3万6千キロの静止軌道にあり、日米の弾道ミサイル防衛(BMD)
システムの「目」の役割を果たしている。弾道ミサイルが発射されると、その際に放出される熱を
早期警戒衛星の赤外線センサーがとらえる。発射地点、時刻、発射の方向などの早期警戒情報は
日米で共有されており、即座に防衛省の地下にある中央指揮所や、
航空自衛隊の航空総隊司令部(東京都府中市)に伝達される。
「情報」が実際に流れた場合には、自衛隊は日本近海に展開するイージス艦に搭載された
「SPY1レーダー」や、秋田県や佐賀県など全国4カ所の空自基地に配備された「FPS3改」
などの高性能レーダーで、発射直後に急上昇する弾道ミサイルを一斉にとらえ、追尾する。
米軍も、06年6月に青森県つがる市の空自車力分屯基地に配備された「Xバンドレーダー」で追尾し、
主に着弾予想地点の特定を担う。日米両国の高性能レーダーは、監視の範囲や精度などの面でお互いを
補完しながら弾道ミサイルの軌跡を追い続ける。
ミサイルの1段目が着水すると北朝鮮が事前通報している日本海には、
海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を備えた海上自衛隊のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」
に加えて、米海軍第7艦隊(神奈川県横須賀市)に属する複数のBMD艦も展開中だ。
韓国海軍も日本海にイージス艦「世宗大王」を派遣した。日本海上空では、
発射前後の北朝鮮の電波情報を収集する日米両国の電子偵察機も警戒飛行を続けている。
露も北のミサイル迎撃態勢、極東の監視強化
【モスクワ=緒方賢一】タス通信によると、ロシア軍の当局者は4日、
北朝鮮が「人工衛星」と主張する弾道ミサイル発射に備え、極東地域で監視を強化し、
最新鋭の防空ミサイル「S―300」で迎撃する態勢を整えたことを明らかにした。
この当局者は、北朝鮮によるミサイル発射そのものは脅威ではないものの、
「大事なのは人的被害を出さないこと」と述べ、
領内に落ちる可能性が出た場合はミサイルを撃ち落とす方針を明らかにした。
(2009年4月4日20時05分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00782.htm
北朝鮮在留の韓国人削減へ…韓国統一省
【ソウル=伊藤彰浩】韓国統一省は4日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射計画を受けて、
北朝鮮在留韓国人の安全確保のため開城(ケソン)工業団地などに残る韓国人の数を減らす措置をとった。
聯合ニュースによると、3日夜現在で906人だった同団地内の残留者数は540人に減少。
経済協力事業のため平壌に滞在していた82人のうち81人が中国の北京や瀋陽に出国する。
同省はさらに、「安全管理指針」を現地に伝え、北朝鮮側人員との必要外の接触を避け、
言動にも注意するよう呼びかけた。
団地内での生産活動は正常に行われている模様だが、
「北朝鮮側の労働者はミサイル発射について全く知らないようだ」という。
(2009年4月4日19時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00762.htm
政治目的?悪天候?故障発生?…発射見送りに憶測飛び交う
【ソウル=浅野好春】北朝鮮は4日、「人工衛星打ち上げ」名目の長距離弾道ミサイル発射について
「準備が完了し、まもなく打ち上げる」とまで発表しながら、結局、発射には踏み切らなかった。
この理由について、国際社会の関心を一層強く引きつける北朝鮮の政治的思惑を指摘する声をはじめ、
天候悪化や何らかの技術トラブルがあったとする見方など、様々な憶測が飛び交っている。
◆「関心ひく常套手段」◆
北朝鮮にとって今回のミサイル発射は、9日開催予定の最高人民会議(国会)で金正日(キムジョンイル)
総書記を「国家の最高ポスト」である国防委員長に推戴(すいたい)する重要行事に向けた
「祝砲」となるうえ、対米交渉用に「核・ミサイル」カードの価値を高める狙いなどもあり、
徹底的に政治目的を達成するために準備してきたものだ。
従って、初日の発射見送りにも政治目的が隠されているとの見方が強い。
韓国政府筋は4日、「まもなく発射する、と国際社会の関心を集中させておきながら、
長引かせて関心をさらに高めようとする北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ」と語った。
韓国国防研究院の白承周(ペクスンジュ)安保戦略研究センター長は
「日本の自衛隊が迎撃態勢をとったことが、初日の発射見送り決定に影響した可能性がある」とし、
「すぐにでも発射すると思わせておきながら、実際には意図的に1日以上遅らせることで、
迎撃態勢に揺さぶりをかけようとしたとも考えられる」と指摘する。
>179
◆強風で断念?◆
気象条件の悪化で見送った可能性もある。
朝鮮中央放送が4日伝えた咸鏡北道・舞水端里(ムスダンリ)付近の気象情報は
「晴れで8〜12メートルの西の風が吹く」とされ、発射に問題はないように見えた。
だが、韓国メディアによれば、地上で天気がよく、風が弱い場合でも、上空では突風が吹くことが
よくあるという。3日付の韓国紙、朝鮮日報によると、北朝鮮の弾道ミサイルは液体燃料を使っている
ため、固体燃料に比べて推進力が弱く、発射時の速度が遅い。このため、発射の瞬間に
風速15メートル以上の強風が吹くと、ミサイル本体が発射台にぶつかる恐れがある。
韓国気象庁によると、舞水端里付近の天候は、5日が4〜6メートル、6日は3〜4メートルの風が吹き、
天気も良好と予測されている。
◆技術トラブル◆
発射直前に部品の故障など何らかの技術トラブルが発生したことも十分考えられる。
日本のH2Aロケットや米国のスペースシャトル打ち上げの際にも、たびたび起こる現象だ。
韓国のニュース専門テレビYTNが4日、韓国軍関係者の話として伝えたところによると、
北朝鮮がまもなく発射すると発表した後も、「遅くとも発射の30分から1時間前には感知される
はずの追跡レーダー波が、全く感知されなかった」という。
追跡レーダーの稼働は、韓国が発射の動きを探知する上で極めて重要なデータとなるものだ。
これが感知されなかったとすれば、レーダーに故障が起きた可能性が高い。
仮に、レーダーの故障だけであれば、修理して5日以降の発射に備えられるとみられる。
(2009年4月4日19時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T00766.htm
政府は引き続き警戒、首相「万全の態勢で」
政府は北朝鮮が「人工衛星」と主張している弾道ミサイルについて、4日の発射は見送られたものの、
発射の意志に変化はないと見ている。
5日以降もミサイル防衛(MD)システムでの迎撃準備や、地方自治体などへの広報態勢などを
継続する方針だ。
麻生首相は4日、北朝鮮が打ち上げを通告していた午後4時を過ぎ、
河村官房長官に「引き続き万全の態勢をとるように。明日もしっかりやってくれ」と指示した。
河村長官は首相官邸で記者団に、4日の発射見送りについて「発射の態勢完了というところで
(北朝鮮の発表は)終わっている。5日以降も引き続き緊張感を持って対応しなければならない。
政府は万全の態勢を崩さないでいく」と強調した。
(2009年4月4日23時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090404-OYT1T01057.htm
「発射」誤発表2回、防衛省の機材不具合や勘違いで
北朝鮮が発射を予告した弾道ミサイルの探知を巡り、防衛省は4日、未発射にもかかわらず
2度にわたり「発射した」という誤った情報を流した。
これを受け、政府や一部自治体が「発射情報」を発表、報道機関に伝えられ海外でも報道された。
防衛省の連絡内容の取り違えや機材の不具合が原因で、浜田防衛相は4日夕、
「情報伝達の不手際で大変ご迷惑をかけた。厳しく指導したい」と陳謝した。
政府は4日午後0時16分に、「官邸対策室」名で、「さきほど、北朝鮮から飛翔体が発射された模様」
と発表。5分後に「さきほどの情報は誤り。飛翔体の発射は確認されていない」と撤回した。
防衛省の説明によると、午後0時16分、技術研究本部飯岡支所(千葉県旭市)に設置した
警戒管制レーダー「FPS―5」が「何らかの航跡」を探知。この情報は防空指揮群(東京・府中市)
経由で、ミサイル防衛システムを運用する航空総隊司令部(同)の担当官に伝えられた。
だが、担当官は米軍の早期警戒衛星からもミサイル発射情報(SEW)がもたらされたと勘違い。
この誤った認識をもとにして、防衛省の中央指揮所(東京・新宿区)の担当官が「発射」と判断、
首相官邸の危機管理センターに防衛省連絡官を通じて伝えられ、発表された。
直後の同17分、「FPS―5」が航跡を見失い、SEWも入っていないことが判明し、
防衛省は同20分に首相官邸に訂正を連絡した。
関係筋によると、「何らかの航跡」は人工衛星だった可能性が高いという。
一方、4日午前10時48分には、陸上幕僚監部指揮所(東京・新宿区)から、「飛翔体発射」の
誤情報が「コンピューターの不具合」により地方自治体との連絡などにあたっていた自衛官約900人に
メールで送信された。このうち秋田県では自衛隊の連絡官がこの誤情報を県庁に伝え、県庁経由で
県内市町村に連絡された。指揮所は同11時8分に誤発表であることを全国の連絡官らに伝えた。
(2009年4月4日22時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090404-OYT1T00931.htm
「発射誤発表」、確認怠り次々伝言
北朝鮮のミサイル発射に備えた厳戒態勢の中、政府は4日、「北朝鮮から飛翔体が発射された模様」
という誤った情報を発表した。防衛省の警戒管制レーダーが、ミサイルとは別の航跡を探知し、
その情報が確認されないまま流れてしまったというのが経緯だ。
一刻を争う状況の中で、誤った情報は、どうして伝えられたのか検証する。
◆発端◆
防衛省A棟地下3階にある中央指揮所では、複数の部屋に分かれて発射情報の収集が続けられていた。
4日午後0時16分、「ミサイル発射」の情報が流れた瞬間、ある部屋にいた幹部は「ウソだろう」と
耳を疑ったと話す。自分の手元には発射を示す情報が何もなかったからだ。
◇
危機管理への信頼を失墜させる今回の誤発表は、千葉県旭市に置かれた防衛省の最新型警戒管制レーダー
が、日本海上空を通過した「何らかの航跡」を探知、それが「ミサイル発射情報として伝達された」
(防衛省)ことが発端だった。
本来、北朝鮮のミサイル発射の第一報は、高度約3万6000キロ・メートルで監視する米軍の
早期警戒衛星(DSP衛星)が、ミサイルを発射した時に発せられる熱(赤外線)を探知し、
その情報が在日米軍司令部(東京)を経由して防衛省中央指揮所に伝えられる。
このほか今回は、米軍の弾道ミサイル観測機RC135Sコブラボールが、発射基地のある
北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)周辺を監視飛行し、日本海には日米のイージス艦が展開し、
その上空では、航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)が目を光らせていた。
重層的な探知態勢の中で、なぜ警戒レーダーの情報が独り歩きしたのか。
>183
◆ガメラレーダー◆
発端となったレーダーはその形状から、通称「ガメラレーダー」と呼ばれる。
2006年7月、北朝鮮が7発の弾道ミサイルを日本海に連射した際にも情報収集の役割を担った。
しかし、設置場所の千葉県旭市から朝鮮半島方向にレーダーを向けた場合、途中に日本アルプスなど
があり、斜め上方に向けてセットしなければならない。06年の時は仰角を4〜6度に設定したが、
ミサイルの弾道が高度100キロ程度と低く、航跡をとらえることはできなかった。
防衛省は今回、北朝鮮の発射基地まで障害物のない秋田・男鹿半島など全国4か所の
空自のレーダーで発射や航跡情報を収集し、舞水端里に照準を合わせられないガメラレーダーは、
主に発射後の航跡の追尾を担うことになっていた。
◆緊迫の日本海◆
北朝鮮のミサイル発射予告期間が迫る中、日本海とその上空では情報収集戦が繰り広げられている。
「何らかの航跡」は、そうした状況の中で探知された。
防衛省幹部は「日本海や朝鮮半島周辺では、日米の防衛体制やミサイル発射台の状況を撮影する
民間の商業衛星や、周辺国の軍事偵察衛星が頻繁に周回している」と話す。今回の「何らかの航跡」
について、「人工衛星の軌道とミサイルの軌道を見誤った可能性が高い」と打ち明ける。
>184
◆複合ミス◆
今回の誤発表には、二つの決定的なミスがある。
その一つは「何らかの航跡を探知」という情報が、自衛隊の複数の部署を介するうちに、
伝言ゲームのような形で間違って伝わってしまった点だ。とりわけガメラレーダーの情報を、
ミサイル防衛(MD)システムを指揮する航空総隊司令部(東京・府中)の担当者が、
「SEW(satellite early warning)入感」
という米軍の早期警戒衛星からの発射情報と思い込んでしまったのは、致命的でもある。
さらに二つ目のミスは、「航跡探知」という情報に加え、「SEW入感」という情報が航空総隊から
伝えられた同省中央指揮所で、実際に早期警戒衛星が発射を探知したかどうかを確認しなかったことだ。
米国が早期警戒衛星でミサイルの発射を探知し、日本側に情報を提供すると、警報音が鳴り響く
システムだが、当時、警報音は鳴らず、しかも日米で共有する情報関係のパソコンなら、
衛星の情報は簡単に確認できるという。だが、中央指揮所の担当者は、気にとめることなく
官邸につながっているマイクに、ミサイルの発射を意味する「発射」と告げてしまった。
同省幹部は「中央指揮所に設置されている早期警戒衛星のモニターに、何の表示もないことを精査
すべきだった」とミスを認めた。海自イージス艦やその他の地上レーダーでは、何も探知しておらず、
海自幹部は「様々な手段で監視しており、クロスチェックさえしていれば誤報は十分に防げたはずだ」
と話す。(編集委員 勝股秀通、政治部 五十嵐文、社会部 石間俊充)
(2009年4月5日00時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090404-OYT1T01152.htm
朝鮮総連機関紙も「発射成功」記事、ネットに30分間
【ソウル=前田泰広】北朝鮮の主張を代弁する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の
機関紙「朝鮮新報」(電子版)が4日、長距離弾道ミサイルの「発射成功」を伝える記事を
インターネット上に掲載し、直後に削除するトラブルがあった。
日本政府だけでなく、身内であるはずの朝鮮総連まで“フライング”した格好だ。
韓国の聯合ニュースによると、問題の記事は、試験通信衛星の光明星(クァンミョンソン)2号に
ついて、「発射成功」「軌道に進入した」などと伝えた2本。日本政府の誤発表より前の
4日午前11時前後に相次いで掲載された。2本とも約30分後にはネットから消えた。
(2009年4月5日03時07分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090404-OYT1T01153.htm
誤発表に右往左往、秋田では小中学校で一時避難
「人工衛星打ち上げ」をうたった北朝鮮による弾道ミサイルの発射通告期間に入った4日、
軌道の真下になるとみられる秋田、岩手両県は、北朝鮮メディアの「まもなく発射」という報道と、
それに続く日本政府の「誤発表」に振り回された。
始業式を終えた直後の中学校では、誤発表によって生徒全員が避難する騒ぎも。
ミサイルの危険海域を避けて操業している漁業関係者は「もう発射はやめてもらいたい」と訴えた。
秋田県北部の小坂町立小坂中学校では、この日昼過ぎ、始業式を終えた2、3年生102人と
教職員24人が教室などにいたところ、テレビで「北朝鮮のミサイルが発射された」という
ニュースが流れた。生徒たちは5日の入学式の準備などを中断し、急いで体育館に避難した。
地上迎撃型のパトリオット・ミサイル3(PAC3)が配備された秋田市の新屋演習場に近い
市立勝平小学校では、校庭で「勝平野球スポーツ少年団」の児童24人が練習していたが、
ラジオで誤情報が流れたため児童たちは体育館に避難した。間もなく誤報と分かって練習を再開したが、
同小6年の伊藤和君(11)は「本当にミサイルが落ちてくるんじゃないかと思って怖かった」と振り返った。
秋田県では政府の誤発表前の午前10時54分にも、県から各市町村に誤った発射情報が伝わった。
このため9市町村で2度にわたって防災行政無線などで広報され、県には「正確な情報を伝えてほしい」
と10件ほどの苦情が相次いだ。
秋田県では、5日に上小阿仁村立上小阿仁小・中学校でも入学式が行われる。
同校では4日、連絡網や避難手順の再確認をしたといい、
佐藤昭洋校長は「子供の安全を第一に考えて式を行いたい」と話していた。
>188
一方、太平洋側でマグロ漁をしている宮城県・気仙沼遠洋漁協はこの日朝、
「午前11時から午後4時までは十分注意するように」と呼びかけた。所属する19隻は、
北朝鮮が指定した危険海域から800キロ以上離れて操業しているが、同漁協の熊谷秀人専務理事は
「8日まで危険海域を避けざるを得ず、漁場が限定される。ミサイルの精度も心配。
もう(発射は)やめてもらいたい」と憤った。
岩手県釜石市の漁船向けの無線通信施設では、職員3人がこの日朝から待機。「発射情報」を受け、
遠洋漁船14隻あてに緊急放送した。しかし、誤発表とわかり、「まだ発射されていない模様です」
とただちに訂正するはめに。職員は「信頼して放送するしかない」と困惑気味だった。
(2009年4月5日03時07分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00111.htm
防衛省、一時は責任転嫁も…官邸との連携に問題
誤発表を巡っては、首相官邸と防衛省の間の連携の悪さも露呈した。
発射に関する情報は内閣記者会にワープロソフトで入力した文書と、メールで配信されていたが、
「誤探知」という説明だけは手書きで走り書きした紙で配られ、首相官邸の動揺を浮き彫りにした。
同じ頃、防衛省の豊田硬報道官は「米軍の早期警戒衛星からの情報はない」と説明。
別の防衛省幹部も「防衛省が官邸に伝えた情報ではない」と、
防衛省に過失はなかったとの見解を示すなど、首相官邸と防衛省双方が対立している印象を与えた。
夕方、浜田防衛相が河村官房長官に電話で、「防衛省の責任」と伝え、責任問題は決着したが、
河村長官は記者団に、「我々の方じゃ、判断のしようがない」と、防衛省への不満をあらわにした。
>190
◆「ミサイル発射」誤発表の経緯◆
午後0時16分
警戒管制レーダー「FPS―5」が「何らかの航跡」を探知。
探知情報は空自防空指揮群を経由して、空自航空総隊司令部へ。連絡を受けた司令部の担当官が、
米衛星による発射情報(SEW)も含まれていると勘違いし、別の担当官に連絡。
同司令部から防衛省中央指揮所に連絡。同指揮所担当官が「発射」とアナウンス。
首相官邸で指揮所の音声を聞いていた防衛省連絡官が「発射」を官邸危機管理センターへ伝え、
官邸対策室が発表。
同17分
航空総隊司令部が中央指揮所に「失探、SEW入感なし」と連絡し、最初の情報を打ち消す。
指揮所の担当官は「誤報」とアナウンス。
同19分
航空総隊司令部から「イージス艦探知情報なし」との情報が中央指揮所を経由して
官邸の防衛省連絡官に伝えられる。
同20分
官邸の防衛省連絡官が官邸危機管理センターに「誤探知」を通知。
同21分
官邸対策室が「さきほどの情報は誤り」と撤回。
(2009年4月5日07時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090404-OYT1T01176.htm
情報漏れ防ぐ?ミサイル基地に近い国境の橋、通行を制限
【丹東(中国遼寧省)=牧野田亨】中朝国境を結ぶ拠点の一つである中国吉林省琿春市の
圏河大橋で3月末以降、北朝鮮からの出国が大幅に制限されていることが4日、
吉林省当局関係者の話で分かった。
対岸は「人工衛星」名目での長距離弾道ミサイル発射基地がある北朝鮮咸鏡北道で、
北朝鮮がミサイル発射に関する情報漏れを防ぐために取った措置とみられる。
この関係者によると、通行制限は3月30日から始まった。現地にある中国側の
出入国管理担当者は本紙の取材に対し、「こちら(中国側)から制限はしていない」と話した。
北朝鮮当局は「橋の修理のため」と理由を説明しているという。通常なら一日に数百台の
トラックが橋を行き来するが、「目に見えて減った」(地元住民)との証言もある。
(2009年4月5日07時44分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090404-OYT1T01147.htm
金総書記のヨット代金差し押さえ=安保理決議違反で数百万ドル−欧州当局
北朝鮮当局者が最近、金正日総書記の家族のため、イタリアの会社と豪華ヨット2隻の購入契約を
結んだものの、欧州金融当局が購入代金の一部の数百万ドルを差し押さえていたことが4日、
分かった。購入代金の出どころが不透明なほか、ヨット購入がぜいたく品の禁輸を義務付けた
国連安保理決議違反に当たる可能性があるためという。欧州の金融関係者が明らかにした。
それによると、欧州駐在の北朝鮮当局者が購入契約を結んだのは、イタリアのアジムット社の
豪華ヨット95型と同105型の2隻で、代金は計2千万ドル(約20億円)弱。
不透明な資金の流れを監視していたイタリア当局が売買契約に気付き、欧州金融当局に通報した。
(2009/04/05-02:33)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2009040400392
北朝鮮ミサイル:米国が危機情報集約、日米韓で共有
【ワシントン及川正也、ソウル大澤文護】北朝鮮が「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイルの
発射準備を整えるなか、米国防総省は、早期警戒衛星や青森県に配備した移動式レーダーからの情報を
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD、米コロラド州)で集約し、日本などと共有する態勢をとっている。
北朝鮮が06年にミサイルを連続発射した際には、7発すべての探知・追尾に成功。
テポドン2号の発射失敗も即座に確認した。
ただ、発射情報は直ちに公表せず、ホワイトハウスが記者会見で全容を公表するまで4時間をかけた。
国務省高官によると、今回は発射が確認され次第、政府の声明を発表する予定。発射スピードや
軌道の分析によって、わずか数分で弾道ミサイルか人工衛星打ち上げ用ロケットか判別できるという。
一方、韓国は日米韓による情報収集と、主に米韓共同の情報分析に重点を置いている。
韓国軍当局は、多機能レーダーを備えたイージス艦「世宗大王」を出動させ、日米のイージス艦と
共同で北朝鮮の発射場を監視。北朝鮮全域の無線信号を捕捉可能な偵察機も出動させている。
3カ国共同で収集された情報は米国中心に分析され、韓国政府はその結果を基に危機管理を
計画・実施しているとみられる。4日、日本が「飛翔(ひしょう)体の発射」を誤発表した後も、
韓国当局者は「そうした情報は入っていない」と述べ、米国との共同体制に重点を置いた慎重発言に終始した。
毎日新聞 2009年4月4日 23時27分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090405k0000m030102000c.html
誤発表:自治体混乱「正確な情報を」、住民からも苦情
「人工衛星打ち上げ」を名目にした北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射情報に関して4日起きた
政府の誤発表に、各自治体は振り回された。秋田県では防衛省側のミスで1日2回誤報が流れ、
住民から苦情も寄せられた。自衛隊の出先機関に自治体から誤報が「逆送」されたケースも。
各地の担当者からは「正確な情報を流してほしい」との声が上がった。
秋田県では、発射予告時間の午前11時から午後4時にかけて部活動を休み、
「万が一」に備える学校もあった。最初の誤報は、予告時間直前の午前10時50分。
危機管理対策本部は各市町村や県施設など計166カ所に「発射された」と断定したメールを送信した。
午前11時8分に訂正情報が届いたが、既に能代市や八峰町など7市町村が防災無線で住民に
発射情報を伝達、2市がホームページやFM局を通じて情報を公表した後だった。7市町村は昼過ぎの
政府による「誤探知」と合わせて2回、防災無線で住民に誤った発射情報を伝えてしまった。
秋田県総合防災課には10件近い電話が寄せられた。同課によると、
「日本には技術力があるのだからしっかり調べてほしい」「防災無線の音が鳴ると、どきっとする」
といった苦情や「本当に今日中に発射されるのか」などの問い合わせがあり、各市町村にも数件の電話があった。
群馬県危機管理室は、午後0時17分に緊急情報ネットワークシステム「エムネット」を通じて
「発射」情報を受信。防災行政無線とファクスを使い、前日の訓練より10秒程度短い約30秒で
県内全38市町村に情報を伝えた。誤報は、陸上自衛隊第12旅団(司令部・榛東村)にも伝えられた。
市民への「誤通知」も続出した。宮城県白石市では、市民に防災情報を配信する
「しろいし安心メール」に登録している市民約1500人の携帯メールに「発射された模様」
と送信した。防災無線で発射情報を放送した同県南三陸町の担当者は
「100%に近い正確な情報を流してほしい」と注文を付けた。
>196
岩手県は、誤報を含めた「不測の事態」に備え、初日の3倍に当たる15人前後に体制を増強する。
県の担当者らは「今回は練習、次が本番」「想定外」。一方で、一部市町村に誤った情報を伝えた
長野県の担当職員は「自治体に連絡するより、テレビの速報を見た方が早い」と苦笑した。
こうした中、大分県では政府の誤報メールの受信を確認できなかった。受信と同時にアラームが鳴る
仕組みだったが、エムネットを休止状態にしていたといい、約25分後にパソコンを再起動すると、
ようやく受信できた。
省庁も振り回された。国土交通省交通局は午後0時18分、航空機に「発射」情報を伝える
「航空情報」(ノータム)を出し、3分で取り消した。海上保安庁も船舶に対して発射情報を伝え、
落下物があった場合の連絡を呼びかける「航行警報」を出した。
毎日新聞 2009年4月4日 22時04分(最終更新 4月5日 4時20分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090405k0000m010088000c.html
誤発表:民主・鳩山幹事長が批判、「大失態だ」
民主党の鳩山由紀夫幹事長は4日、奈良県橿原市の街頭演説で、政府が
「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様だ」と発表後、「誤発表」と訂正したことについて
「大失態だ。冷静さを欠いて誤った情報を流し、一時的にせよ国民に大変な不安を与えたのは、
弁解してもしきれない過ちだ」と批判した。
また鳩山氏は「誤発表」の原因について「いつも米国にいい目をみられている、
今回は日本が情報を伝えるんだという焦りの中で、日米安保体制で不可欠な米国に対する確認もせずに
誤った情報を伝えたのではないか」と指摘した。【佐藤丈一】
毎日新聞 2009年4月4日 19時31分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090405k0000m010052000c.html
クローズアップ2009:「北朝鮮発射」誤発表(その1) 訓練「癖」でミスか
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
北朝鮮が「人工衛星」として長距離弾道ミサイルの発射準備を進める4日、
政府は「ミサイルが発射された模様だ」と誤って発表する失態を演じた。
防衛省内の連絡ミスが直接の原因だが、日本の安全保障に直結する情報の処理を誤ったことは、
「個人の失敗」ではすまされない重大な結果を政府に突きつけている。
◇首相、あわや抗議表明
「すぐに首相を公邸に戻せ」。首相官邸で、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射の情報が
誤りだと報告を受けた河村建夫官房長官は、慌てて叫んだ。
午後0時16分に発射の情報を受けた麻生太郎首相は予定通り、発射の一報直後に公邸から
官邸に歩いて移動を始めた。その後、官邸の玄関で、記者団の前で立ち止まり、
北朝鮮への抗議を表明する段取りだった。
公邸から官邸までは徒歩で1〜2分。歩いている最中に、河村氏の指示が秘書官を通じて
首相の耳に入った。首相は公邸には引き返さずに官邸に入ったが、記者団の前を素通りした。
誤報の判明がもう少し遅れていたら、ミサイルを発射していないのに北朝鮮を批判する
首相の姿が世界中に報じられる大失態となっていた。政府高官は「危機一髪だった」と語った。
今回の誤報の一義的な原因は、ミサイル防衛(MD)を統括する航空自衛隊の航空総隊司令部
(東京都府中市)と、米衛星からの早期警戒情報(SEW)などを受信する中央指揮所
(東京都新宿区)の基本的な情報処理のミスとみられる。
問題の発端は、千葉県旭市にある航空自衛隊の地上配備型レーダー「FPS5」が、
「何らかの物体の軌道」を探知したこと。
>199
レーダーの情報は当初、弾道ミサイル発射を示す「スパーク・インフォメーション」という言葉で
空自の防空指揮群を通じて航空総隊司令部に伝達された。それが司令部内で伝わる過程で、
「早期警戒衛星による探知」の情報が加わり、中央指揮所に伝わった。
空自では普段「スパーク・インフォメーション」とともに、早期警戒衛星による発射感知を意味する
「早期警戒情報入感」という言葉を同時に伝達する訓練をしており、その「癖」がミスを招いた可能性
が指摘されている。中央指揮所での「発射」の声は、首相官邸で同時に聞ける体制となっていた。
関係者の間では、弾道ミサイルが発射されたかどうかの把握に関しては、米軍の早期警戒衛星による
探知が「唯一絶対の根拠」(幹部)が常識だ。FPS5の「誤探知」だけでは「発射」と宣言される
ことはなかったとみられる。
「誤探知」に気づいたのは連絡から1分後の午後0時17分。防衛省幹部は「後になって考えれば、
府中(防空指揮群)と市ケ谷(防衛省)の両方にモニターがあるのだから、よく確認すればよかった」
と後悔する。自衛隊幹部からは「(伝達を)早くしなければとのプレッシャーがあだになった。
肝心の発射を前に、集中が必要な時に残念だ」との声が漏れる。
公邸に引き揚げる前、麻生首相は河村氏に「誤探知の件で誰が悪い、誰の責任と言っている場合
ではない。明日以降、きちんとやることが大事だ」と述べ、ミサイル発射への対応に専念するよう
指示した。だが、その口調はぶぜんとしていた。【古本陽荘、仙石恭】
>200
◇水平線の向こう、探知困難
誤発表の引き金となる情報を探知した防衛省技術研究本部飯岡支所(千葉県旭市)の最新型
地上レーダー「FPS5」は、もともと試験用だった。だが実戦配備を予定している佐渡(新潟県)、
大湊(青森県)、与座(よざ)岳(沖縄県)、下甑(しもこしき)島(鹿児島県)の
4分屯基地での本格運用に時間がかかるため、存続して運用されていた。
日本のミサイル防衛は、早期に発射情報を得てイージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)
で標的を撃ち落とすのを主とする。地上レーダーでは水平線の向こう側の探知は難しく、
北朝鮮のミサイル発射情報は米衛星に依存する。ミサイルが大気圏外に上昇して日本上空に近寄ると、
地上レーダーの役割は増す。
防衛省は、領空侵犯に備えた全国7カ所の既存レーダーのうち加茂(秋田県)、大滝根山(福島県)、
笠取山(三重県)、背振(せふり)山(佐賀県)の4分屯基地の能力を向上させ「FPS3改」として
整備した。
さらに、より高性能の「FPS5」の配備を進めている。
米軍は、06年7月の北朝鮮のミサイル発射を前に、最新型の「Xバンドレーダー」を
車力(しゃりき)分屯基地(青森県)に配備。同レーダーは画質が鮮明で、弾道ミサイルから
分離した小さな弾頭なども捕捉が可能とされる。同基地は北朝鮮と米本土やハワイを結ぶ線上にあり、
米側の防衛に、よりメリットがあるとされている。【本多健】
>201
◇米、日韓に提供−−移動式レーダー情報
【ワシントン及川正也、ソウル大澤文護】北朝鮮が「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイルの
発射準備を整えるなか、米国防総省は、早期警戒衛星や青森県に配備した移動式レーダーからの
情報を北米航空宇宙防衛司令部(NORAD、米コロラド州)で集約し、
日本などと共有する態勢をとっている。
北朝鮮が06年にミサイルを連続発射した際は、7発すべての探知・追尾に成功。
テポドン2号の発射失敗も即座に確認した。ただ、発射情報は直ちに公表せず、
ホワイトハウスが会見で全容を公表するまで4時間をかけた。
国務省高官によると、今回は発射が確認され次第、政府の声明を発表する予定。発射スピードや
軌道の分析によって、数分で弾道ミサイルか人工衛星打ち上げ用ロケットか判別できるという。
一方、韓国は日米韓による情報収集と、主に米韓共同の情報分析に重点を置いている。
韓国軍当局は、多機能レーダーを備えたイージス艦「世宗大王」を出動させ、日米のイージス艦と
共同で北朝鮮の発射場を監視。北朝鮮全域の無線信号を捕捉可能な偵察機も出動させている。
3カ国共同で収集された情報は米国中心に分析され、韓国政府はその結果を基に危機管理を
計画・実施しているとみられる。4日、日本が「飛翔(ひしょう)体の発射」を誤発表した後も、
韓国当局者は「そうした情報は入っていない」と慎重に発言した。
クローズアップ2009:「北朝鮮発射」誤発表(その2止) 世界巡る失態
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
◇緊急情報システム、瞬時に自治体へ
首相官邸から発信された誤報は、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」の電子メールや、
総務省消防庁からファクス連絡を受けた都道府県を通じ、大半の自治体に届けられた。秋田、
岩手県などの一部の市町村はこの誤報に基づき、防災無線などで実際に住民に注意を呼びかけた。
エムネットには全国の約7割の市区町村が接続しており、接続自治体には4日午後0時16分の
政府発表と同時に、官邸から直接メールが送られた。タイトルは「緊急連絡(北朝鮮飛翔(ひしょう)
体情報)」で、「さきほど、北朝鮮から飛翔体が発射された模様です。
テレビ、ラジオ等の情報に注意してください。続報が入り次第、お知らせします」との内容だった。
消防庁の「消防防災・危機管理センター」もこのメールを受け、即座に全国47都道府県の
防災・危機管理担当部局長あてに文章を添付して一斉にファクス送信した。その後、誤情報と
判明したため、「誤探知について」とのタイトルで「官邸より、先ほどの発射情報は誤探知です」
と再度、都道府県にファクスした。
秋田県では、誤報に基づき19市町村が防災行政無線などを通じて住民に注意を呼びかけた。
岩手県でも少なくとも5市町村が誤った情報を住民に流した。
一方、神奈川県は、相模原市などエムネットに接続していない4市町を考慮し、
エムネットのメールを印刷し、全市町村に送る仕組みにしていたが、ファクスの準備作業中、
誤発表と判明したため、送信を取りやめた。
埼玉県は防災行政無線を通じて各市町村に一斉送信しようとしたが、誤発表と分かり、
ぎりぎりで止めた。【森禎行、曽田拓】
>204
◇「速報→訂正」各国で
北朝鮮のミサイル発射をめぐる日本政府の誤発表は、韓国でもNHK報道を基に大々的に報じられた。
通信社の聯合ニュースは午後0時18分(日本時間同)、「緊急」扱いで「北朝鮮ロケット発射」と
速報。だが8分後には訂正を流し、同30分に「そういう情報はない」とする政府当局者の発言を
配信した。
青瓦台(大統領府)では李明博(イミョンバク)大統領が関係閣僚を集め会議中で、
突然飛び込んだ情報の事実確認に追われた。誤報と分かり、弁当を食べながら協議を続けたという。
同ニュースは、誤発表について「確認より迅速な情報提供を優先した結果と受け止められている」
との見方を示した。他のメディアも「世界的な誤報」などの表現で大きく報じた。
世界の通信社も誤発表に振り回された。ロイター通信やAFP通信は日本政府の発表を受け、
東京発で「北朝鮮がロケットを発射した模様」と至急電で伝えた。
だが、「情報は誤りだった。日本政府が発表を撤回した」と至急電で訂正した。
中国国営新華社通信は、聯合ニュースと共同通信の報道を引用して「北朝鮮がロケットを発射した」
と速報したが、間もなく「誤りだった」と訂正した。
ロシアのタス通信も、日本政府の「発射」発表直後に
「北朝鮮が通信衛星『光明星(クァンミョンソン)2号』搭載のロケット『銀河(ウンハ)2号』
を打ち上げた」と至急電で報じ、後にNHK報道を引用しながら「発表は誤り」と至急電で伝えた。
【ソウル西脇真一、北京・浦松丈二、杉尾直哉】
>205
◇発射情報メール、陸幕から誤送信−−秋田県・誤発表
政府の誤発表に先立つ4日午前、秋田県の9市町村で「北朝鮮のミサイルが発射された」という
誤った情報が、防災無線などを通じて住民に流れた。原因は、発射時に流す予定だった一斉送信メールが、
派遣されていた陸上自衛隊員に誤って送られたため。能代市などでは、政府の誤発表と合わせて2回、
市職員が防災無線で発射情報を伝え、その都度訂正する事態になった。
秋田県によると、午前10時50分ごろ、県災害対策本部に派遣されていた隊員に陸上幕僚監部から、
北朝鮮からの発射の連絡があった。これを受け、対策本部が各市町村や県施設など計166カ所に
メールで伝えた。約20分後に誤報と分かり、修正情報を流したが、既に7市町村が防災無線で、
2市がホームページや地元FM局を通じて発射情報を伝えていた。
防衛省によると、陸上幕僚監部が電子メールで発射情報を各部隊に一斉送信しようと準備していたが、
コンピューターの不具合で、事前に各部隊に送られた。【本多健】
◇再発防止へチェック体制構築を−−軍事評論家の江畑謙介・拓殖大客員教授の話
早めに誤った情報と分かり、幸運だった。どうして自衛隊の担当官に、米国の早期警戒衛星からの
情報もあったとの思い込みが生じたのかが問題だ。人間がやる以上、ミスは起こりうる。
だからといって完全には機械に任せられず、短時間に二重、三重のチェックを行うことが重要だ。
最後は総合的に判断することが必要で、人間の作ったシステムの問題点を浮き彫りにしている。
レーダーの信用度は気象条件などで左右され、何重にもカバーして確認する必要がある。
誤報を批判するのは簡単だが、教訓として、二度と起きないように情報チェックの仕組みを
作らないといけない。国民全体として不安になる。
北朝鮮:「衛星発射」通告 「発射」誤発表 空自担当官が勘違い
◇米衛星情報、受信と判断
政府は4日、北朝鮮の長距離弾道ミサイルが「発射された模様」との誤発表をしたことについて、
航空自衛隊の担当者が米国の早期警戒衛星から発射情報を得たと勘違いしたうえ、防衛省の中央指揮所が
チェックを怠ったのが原因だったと発表した。実際は空自のレーダーが日本海上空にミサイルとは
確認できない航跡を探知しただけで、北朝鮮は同日中の発射には踏み切らなかった。
日本の防空能力への信頼を揺るがしかねない失態に、
河村建夫官房長官は「ご心配をかけたことは率直におわびしたい」と陳謝した。
防衛省によると4日午後0時16分、技術研究本部飯岡支所(千葉県旭市)で航空自衛隊が運用する
警戒管制レーダー「FPS5」が日本海上空に何らかの航跡を探知。防空指揮群(東京都府中市)を
経由し空自の航空総隊司令部(同)にただちに伝えられた。
通常は米国の早期警戒衛星からミサイルの発射を感知した「早期警戒情報」(SEW)などが
入らなければ「発射」と判断することはないが、航空総隊司令部の担当官が勘違いして
「SEW入感(受信)」と防衛省(東京都新宿区)の中央指揮所に通報。
判断の権限がない運用企画局の職員が「発射」とアナウンスし、首相官邸の危機管理センターから
各自治体や報道機関に一斉に伝達されたという。
その後、FPS5が航跡を見失ったほか、日本海に展開している海上自衛隊のイージス艦からも
ミサイル発射情報が入らず、SEWが来ていないことに中央指揮所が気付いた。官邸も「誤報」を確認した。
中央指揮所には米国からのSEWを表示するモニターがあるが、誤発表の前にはチェックされなかった。
秋田県の複数の自治体にはこれに先立つ同日午前10時48分にも陸上幕僚監部指揮所から
コンピューターの不具合で誤った発射情報が流れた。
北朝鮮:「衛星発射」通告 予告初日、発射見送り
北朝鮮は4日、「人工衛星打ち上げ」名目で長距離弾道ミサイルの発射を通告した期間
(4〜8日の午前11時から午後4時=日本時間同)を迎えたが、初日の通告時間帯には発射を見送った。
日本政府は5日以降も北朝鮮が「人工衛星」名目で長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射させる
可能性があるとみて、警戒態勢を維持する。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は4日午前10時、朝鮮宇宙空間技術委員会の通報として、
咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクドファデグンムスダンリ)のミサイル発射基地を指す
「東海(トンヘ)衛星発射場」で試験通信衛星を打ち上げるための準備が完了したと伝え、
「すぐに打ち上げる」と宣言した。
しかし、韓国の中央日報(電子版)によると、打ち上げの30分〜1時間前に稼働するはずの
軌跡追跡・探知レーダーが午後3時の段階で動いておらず、北朝鮮の公式メディアも午後10時半現在、
「人工衛星打ち上げ」の動向を伝えていない。
北朝鮮側は理由を明らかにしていないが、韓国気象庁は、発射基地付近に風速7〜10メートルの
やや強い風が吹き、上空の30〜50%が雲に覆われていたとした。
北朝鮮は気象条件を見ながら慎重にタイミングを計っているとの見方が強い。
同庁によると、5日朝には天気は回復し、風も5〜8メートルになる見通しという。
北朝鮮が8日までに発射に踏み切ることはほぼ確実だ。麻生太郎首相は4日、
河村建夫官房長官に「明日も変わらず、しっかりやってくれ」と指示した。【北京・西岡省二、田中成之】
毎日新聞 2009年4月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2009/04/05/20090405ddm001030083000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 発射見送り 「やや強い風」影響か
◇「関心集める作戦」指摘も
北朝鮮は4日「人工衛星をすぐに打ち上げる」と国営メディアを通じて発表したが、同日の発射を
見送った。ミサイル発射基地のある咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクドファデグンムスダンリ)
での気象条件が影響したとみられているが、作業の遅れや国際社会の関心を集める作戦との分析も出ている。
韓国気象庁によると、4日の舞水端里一帯は時折、雲の多い天気で、
風速7〜10メートルのやや強い風が吹いていた。韓国の中央日報(電子版)が伝えた専門家の話によると、
風速15メートルを超えると人工衛星打ち上げは困難になる。同日の風速なら強行という判断も可能だが、
失敗する確率も高くなるとの指摘もある。
北京の外交関係者は「宣言した手前、早く打ち上げたい気持ちはあるはずだが、無理して失敗するより、
気象条件が良くなるまで待つと判断したのではないか」と分析する。
一方、韓国のニュース専門テレビ局YTNは4日「ロケット追跡レーダーの信号が感知されていない
模様だ」と報道。韓国政府当局者は、聯合ニュースに「人工衛星か弾頭を搭載したとみられる上段部分の
覆いの開閉を繰り返していたことが分かった」と語り、作業の遅れを指摘した。
北朝鮮が事前通告した発射時間帯が始まる1時間前に「すぐに打ち上げる」と国営メディアが報じた
ことも憶測を呼んでいる。朝鮮語の「すぐに」は数時間後から数日後と幅があり、単に準備が完了した
ことを宣言したとの受け止め方がある。
その一方で、国際社会の関心を引き付けて宇宙の平和利用を主張し、発射行為を正当化する狙いが
あったとの指摘も出ている。聯合ニュースによると、韓国政府当局者は「北朝鮮が異例の発表をしたうえで
延期したのは、国際的な関心を持続的に集める意図もある」と語った。【北京・西岡省二、ソウル西脇真一】
毎日新聞 2009年4月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2009/04/05/20090405ddm002030134000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 「発射」誤発表(その1) 住民振り回され
◇「正確な情報を」 防災無線やメールで流れ
「人工衛星打ち上げ」を名目にした北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射情報に関して4日起きた
政府の誤発表に、各自治体は振り回された。秋田県では防衛省側のミスで1日2回誤報が流れ、
住民から苦情も寄せられた。自衛隊の出先機関に自治体から誤報が「逆送」されたケースも。
各地の担当者からは「正確な情報を流してほしい」との声が上がった。
秋田県では、発射予告時間の午前11時から午後4時にかけて部活動を休み、
「万が一」に備える学校もあった。最初の誤報は、予告時間直前の午前10時50分。
危機管理対策本部は各市町村や県施設など計166カ所に「発射された」と断定したメールを送信した。
午前11時8分に訂正情報が届いたが、既に能代市や八峰町など7市町村が防災無線で住民に
発射情報を伝達、2市がホームページやFM局を通じて情報を公表した後だった。7市町村は昼過ぎの
政府による「誤探知」と合わせて2回、防災無線で住民に誤った発射情報を伝えてしまった。
秋田県総合防災課には10件近い電話が寄せられた。同課によると、
「日本には技術力があるのだからしっかり調べてほしい」「防災無線の音が鳴ると、どきっとする」
といった苦情や「本当に今日中に発射されるのか」などの問い合わせがあり、
各市町村にも数件の電話があった。
群馬県危機管理室は、午後0時17分に緊急情報ネットワークシステム「エムネット」を通じて
「発射」情報を受信。防災行政無線とファクスを使い、前日の訓練より10秒程度短い約30秒で
県内全38市町村に情報を伝えた。誤報は、陸上自衛隊第12旅団(司令部・榛東村)にも伝えられた。
市民への「誤通知」も続出した。宮城県白石市では、市民に防災情報を配信する
「しろいし安心メール」に登録している市民約1500人の携帯メールに「発射された模様」と送信した。
防災無線で発射情報を放送した同県南三陸町の担当者は「100%に近い正確な情報を流してほしい」
と注文を付けた。
>212
岩手県は、誤報を含めた「不測の事態」に備え、5日は初日の3倍に当たる15人前後に体制を増強する。
県の担当者らは「今回は練習、次が本番」「想定外」。一方で、一部市町村に誤った情報を伝えた
長野県の担当職員は「自治体に連絡するより、テレビの速報を見た方が早い」と苦笑した。
こうした中、大分県では政府の誤報メールの受信を確認できなかった。
受信と同時にアラームが鳴る仕組みだったが、エムネットを休止状態にしていたといい、
約25分後にパソコンを再起動すると、ようやく受信できた。
省庁も振り回された。国土交通省交通局は午後0時18分、航空機に「発射」情報を伝える
「航空情報」(ノータム)を出し、3分で取り消した。海上保安庁も船舶に対して発射情報を伝え、
落下物があった場合の連絡を呼びかける「航行警報」を出した。
毎日新聞 2009年4月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2009/04/05/20090405ddm041030102000c.html
北朝鮮:「衛星発射」通告 「発射」誤発表(その2止) 緊張自治体、肩すかし
◇いら立ち…冷静な声も
ミサイルが上空を通過するとして、緊張が高まっていた秋田、岩手両県は一転して肩すかしの格好。
落ち着かない1日を過ごした自治体職員らは5日以降も続く緊張に、疲労といら立ちの表情を浮かべた。
一方、市民からは冷静な声も聞かれた。
■秋田県
秋田県男鹿市。4日午後0時20分、防災無線が「発射」を伝えた。
芦沢神社での祭りに参加していた鈴木キイ子さん(67)は「怖い」。数分後、誤報の放送が流れた。
会場の別の女性(72)は「深刻に考えても仕方ね」と冷ややかに言った。
日本海を望む同市の寒風山(標高355メートル)頂上付近の駐車場にはアンテナを載せた
自衛隊車両が常駐。近くの食堂店長の吉田和子さん(58)は「(5日の)山焼きが中止になり、
予約の弁当600人分がキャンセルになった。大被害です」。
発射通告時刻が過ぎた午後4時、市役所では待機職員約20人が「はぁー」とため息。
伊藤正孝副市長は「疲れた。明日も同じことをしなければならない」とうんざり顔だった。
■岩手県
岩手県が庁内に設置した情報連絡室。政府の誤発表の対応後は約10人の職員がじりじりしながら、
エムネット端末やテレビが伝える情報を確認する作業を続けた。越野修三防災危機管理監は
「正直早く発射してほしいが、相手の都合。淡々と対応するしかない」と疲労の色をにじませた。
滝沢村内のラーメン店の50代男性店長は「心配しても仕方がない。いつも通りやるだけ」
と手を動かした。
>214
■自衛隊
地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)が配備された秋田市の陸自新屋演習場と岩手県滝沢村の
同岩手山中演習場では目立った動きはなかった。演習場を管轄する陸自第9師団(青森市)の
姫野貴信広報室長は「与えられた仕事をするだけ」と淡々。
◇失態に沈滞ムード
■防衛省
東京・市ケ谷の防衛省では、浜田靖一防衛相ら幹部が11階の省議室に集まり、待機した。
ところが、秋田県で起きた誤報騒ぎに加えて、航空総隊司令部(東京都府中市)と
防衛省地下の中央指揮所が絡む誤報騒ぎで一気に沈滞ムードに。
こうした失態に夕方には、会見場で幹部が2度にわたり記者団から追及された。
背広組幹部は「本当に残念。緊張感がゆるんだり、組織内の連携にひびが入らねばいいが」
と顔を曇らせた。
毎日新聞 2009年4月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2009/04/05/20090405ddm041030122000c.html
【北ミサイル】韓国政府も緊迫 日本の誤報に振り回される一幕も
2009.4.4 19:28
【ソウル=水沼啓子】北朝鮮の朝鮮中央通信が4日午前、「人工衛星をまもなく発射する」と
発表したのを受け、韓国政府はこの日緊迫した動きを見せた。韓国メディアもミサイル発射に
備えた報道態勢を敷いていたが、日本の「発射」との誤報に振りまわされる一幕もあった。
結局打ち上げは延期されたが、韓国ではなぜ発射しなかったのかに関心が集まっている。
李明博大統領は4日午前11時、ロンドンで開催されていた主要20カ国・地域(G20)の
金融サミット(首脳会合)から帰国するとすぐに青瓦台(大統領官邸)の地下別館に外交安保関係閣僚
を招集し、緊急会議を開催した。発射後はただちに国家安全保障会議に切り替えて対応する予定だったが、
発射予告時刻の午後4時を過ぎても発射されなかったことから緊急会議を解散した。
韓国国防省や外交通商省など関係省庁も4日早朝から、緊急会議を相次いで開くなど非常事態の態勢
で発射に備えていた。
韓国メディアは4日、北のミサイル発射関連情報を大きく報じており、とくに緊迫する日本の様子を
各テレビ局が東京からの中継で伝えた。さらに、日本政府が「北朝鮮から飛(ひ)翔(しよう)体が
発射されたもようだ」と発表すると、昼のニュース番組の中で速報で伝え、その直後に訂正するなど、
日本側の誤報に振り回された。
北朝鮮が打ち上げなかった理由については、打ち上げ準備不足のほか、発射施設付近の気象条件や
持続的に北朝鮮に国際社会の関心を向けさせるためのじらし戦術などとする見方が伝えられている。
韓国の聯合ニュースは「北はロケットを探知、追跡するレーダーと観測カメラなどを設置したが、
実際に稼働せず、ロケット上部の覆いの開閉作業を繰り返していたことから、
打ち上げ準備がもっと必要との決断を下したのではないか」という韓国政府関係者の見方を伝えた。
【くにのあとさき】東京特派員・湯浅博 緊張に震える?将軍様
2009.4.5 03:09
北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射が今日以降に繰り延べされた。
全世界が注視する発射だから、金正日将軍は誰よりも緊張に震えているのだろう。
もし、日本のミサイル破壊命令でテポドン2号が迎撃されでもすれば、
北の情勢は劇的に変わる可能性を秘めている。
9日は最高人民会議が開かれ、15日は先代の金日成の誕生日だから、
発射に成功すれば国威発揚の機会だが、撃墜されればメンツ丸つぶれだ。
撃てども逆襲を食らっては、その優劣は明らかだ。発射情報のミスに臆(おく)することはない。
迎撃されれば、北の“首領”としての地位が揺らぎ、伝えられる後継者指名の思惑だって分からなくなる。
核も弾道ミサイル開発も、将軍様の求心力の源泉であり、威信をかけたプロジェクトである。
人々の飢えなど微塵(みじん)も考えず、ミサイルにカネをつぎ込んできたから失敗は許されない。
だからこそ、日本による迎撃のそぶりには、さすがの将軍様も大あわてだった。
朝鮮通信がわざわざ重大報道と銘打ち、「断固たる報復攻撃を加える」だの「火の雷を浴びせる」だのと
最大限の脅しを繰り返した。あれはむしろ、迎撃回避の懇願に違いない。
2006年のように発射から40秒で燃え尽きてしまえば技術改良の失敗であり、
これも将軍様の権威にかかわる。まして、米国のオバマ新政権を挑発して対価を稼ごうとした
思惑がはずれる。実験に立ち会っているというイランへのミサイル技術供与も危うい。
北朝鮮は1993年に短距離のノドンを、98年にはテポドン1号を発射して飛距離を伸ばしてきた。
北はそれ以来、一貫して米国本土に達するミサイルの研究開発と核弾頭の搭載を目指してきた。
>218
過去に、北が日本列島上空にミサイルを通過させても、日本海に7発連射しても、
日米の報復を受けなかったから今回も遠慮なくやろうとした。
北にとっての発射実験は、実入りよりリスクの方が大きくなければやめない。
だが、麻生太郎首相が意外や「破壊命令」を出したから将軍様は仰天した。
それなのに、某官房副長官は愚かにも「ピストルの弾同士が当たるのは難しい」と足を引っ張った。
敵対国に撃墜必至と思わせなければ、発射を躊躇(ちゅうちょ)する抑止にはならない。
安全保障観のない政府高官はごめんこうむる。
中国とロシアも北の跳ね上がりに苦虫をかみつぶしている。
日本のミサイル防衛(MD)がうまく機能して、テポドンがイージス艦や地上配備のパトリオットに
撃墜されると、実戦で「MDの有効性」が立証されてしまう。
北の核が無力化するだけでなく、確率が限定的でも中国の核もまた対日攻撃に使いにくい兵器になる。
北が譲歩するときとは、「体制崩壊」につながる経済制裁か軍事侵攻である。ゲーツ米国防長官が
3月29日の米テレビで、「外交よりも経済制裁の方が成功する」と述べているのがそれだ。
各国は粛々と国連安保理決議違反として国連で経済制裁を取りあげればよいのだ。
北が報復に「6カ国協議を崩壊させる」と息巻いても、あれはすでに崩壊している。
援助がほしければ、日米韓でも日米韓中露とでも交渉のテーブルに着けばよいだけである。
日本にとって重要なことは、MD計画の地道な努力があったからこそ、
北朝鮮の恫喝(どうかつ)にもパニックにならずに済んでいることだ。
逆説的にいえば、北はまたも「そこにある危機」を日本人に気付かせてくれた。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904050310000-n1.htm
【北ミサイル】慎重になった北朝鮮技術陣
2009.4.4 22:13
日米韓3カ国の当局者の間では、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射について「4日正午」とする
意見が大勢を占めていた。だが、結果は「見送り」。その理由を防衛省や外務省でも分析を進めているが
判然としていない。そもそも、北朝鮮の技術レベルと発射するとされるテポドン2号改良型の性能が
細部まで解析できていないのだから分析には制約が伴う。ただ、発射が失敗すれば、
日本列島にその残滓(ざんし)が襲来する可能性もあることから、
北朝鮮の「慎重姿勢」に安(あん)堵(ど)する皮肉な現実も生み出している。(野口裕之)
発射は(1)政治的判断(2)技術的見地(3)環境−の、主に3条件で決定される。
今回の場合、政府部内で真っ先に出た見解は「風」だ。というのも、北朝鮮の長距離弾道ミサイルは
液体燃料が主に使用されるが、固体燃料に比べ爆発力に劣り、離陸速度が遅い。
このため、発射時に秒速15メートル以上の風が吹けば、ミサイルが発射台に接触する懸念があること
などから原則、発射は見送られる。ところが軍事筋は、予報より強かったとしながらも、
現場は風速8〜12メートルであった事実を指摘している。
この辺りから浮上しているのが「技術陣が極度に慎重になっている」という観測である。
北朝鮮は、2006年にテポドン2号の発射に失敗している。
このときは、液体燃料が腐食を誘発するため、注入後速やかに発射しなければならないにもかかわらず、
注入から発射まで2週間以上経過。
(1)腐食で脆弱(ぜいじやく)になったミサイル外板にエンジン燃焼の圧力で大きな傷ができた
(2)軽量化を優先する余り強度が担保できなかった
(3)噴出口の腐食
−などが原因だった、ともいわれる。
>220
技術陣は今回、燃料注入を発射予定直前の今月2日から開始。一連の欠陥克服に向け設計を見直すと
同時に昨年、平安北道・東倉里の試験基地でテポドン2号を横倒しして行う、開発に必須である
燃焼実験を不定期に実施してきてもいる。一方で、06年に比べて全長がより強い推進力が必要となる
10メートル以上も大型になり、一部に固体燃料を使用している可能性がある。
欠陥克服と技術革新に向け背水の陣を敷いた格好だ。
技術陣にはもう一つ、慎重にならざるを得ない理由がある。テポドン2号へ技術供与したイランの
代表団が、発射データの引き渡しを期待して臨場しているとみられることだ。今年2月にイランが
打ち上げた「通信衛星」のデータは、テポドン2号の欠陥を補うことに相当貢献している。
今度はテポドン2号のデータを還元しなければならない立場だ。
それ以上に、実験が成功すれば技術か本体の輸出に直結するため失敗は許されない。
当然、最終チェック段階での不具合発生も観察対象からはずせない。エンジン・信号系統や外板など
ミサイル自体、発射台や観測・支援施設など周辺におけるトラブルが生起した確率も高い。
さらに、金正日総書記が発射を観覧する可能性も挙げられる。観覧しなくても、
技術陣が金総書記の顔色をうかがい、2度と失敗を犯せない立場に追い込まれているといえよう。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042214037-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042214037-n2.htm
【北ミサイル】野党、政府対応を一斉批判、追及へ
2009.4.4 22:22
北朝鮮のミサイル情報で、政府が誤報したことについて、野党は4日、一斉に対応を批判した。
週明けの国会審議などを通し、誤探知の原因究明を求めるとともに、麻生太郎政権の危機管理の甘さを
徹底追及する方針だ。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は、奈良県橿原(かしはら)市などで街頭演説し、
「誤った情報を国民に伝え、大変な緊張感を与えたことは、政府の大失態だ。
情報を分析する冷静さを欠いていた」と指摘したうえで、「北朝鮮に自制を求めたい」と強調した。
同党の山口壮(つよし)「次の内閣」(NC)防衛副担当も、産経新聞社の取材に対し、
「ミサイル防衛(MD)システムは大丈夫なのか、心配になる。党として、国会や政調で検証していく」
と、日本の防衛体制に懸念を示した。
民主党は3日、ミサイル発射に備え、「北朝鮮飛翔体発射対策室」(室長・平野博文幹事長代理)を
設置し、党の対応を迅速に打ち出す方針を決めた。5日以降もミサイルが発射されれば、緊急招集をかける。
また、共産党の志位和夫委員長は、長野市で記者会見し、「お粗末ということに加え、責任は重い」
と非難した。社民党の福島瑞穂党首は、取材に対し、「日本の信用を落とす可能性があり、大失態だ。
国会などで、しっかりとした原因究明と情報開示を求めていく」と強調した。
国民新党の亀井久興幹事長は「国民に心理的な動揺を与えた。政府には、間違いのない情報を
流してほしい。冷静な対応が必要なのに、浮足立っていたのではないか」と皮肉った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090404/stt0904042224008-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090404/stt0904042224008-n2.htm
【北ミサイル】政府謝罪 与党からも批判
2009.4.4 22:26
自民、公明両党の幹部らの多くは4日、都内で待機し、北朝鮮のミサイル発射に備えていたが、
与党幹部からは北朝鮮への非難とともに発射情報の誤報について政府に対する批判も飛び出した。
「そもそも飛翔体を打ち上げること自体が、世界の安全保障に対する約束事を外れている。
日本だけでも1万人くらい、このために働いているんじゃないか。
都道府県、市町村、自衛隊、政府・与党とか、マスコミとか。甚(はなは)だ迷惑な話だ」
自民党の細田博之幹事長は4日夕、同党本部で開いた与党北朝鮮ミサイル問題対策本部の会合後、
記者団にこう述べ、北朝鮮を非難した。
与党対策本部では柳沢協二官房副長官補が、発射がなかったことについて
「強風や機材の不具合が考えられるが一切情報がなく、定かではない」と説明。
また柳沢氏は誤報を謝罪し、自衛隊レーダーが原因とみられるが、調査のうえで後日報告することを
約束した。与党側は「しっかり対策をとってほしい」(北側一雄公明党幹事長)と要請した。
これに先立ち、公明党は4日昼過ぎ、政府からの発射情報を受け、
北朝鮮を非難する太田昭宏代表名の談話をいったん発表したが、誤報と判明したため談話を取り消した。
公明党幹部は誤報について「(政府は)みっともないなあ。こんな大事なことを。
これ自体問題になるよ。みっともない」と嘆いた。北側氏も与党対策本部の会合後、
「(誤報は)極めて遺憾だ。原因を明確にしなければならない」と述べた。
自民党の大島理森国対委員長も同日午後、防衛省の中江公人官房長に電話し、
「何やってるんだ!」と叱りつけた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090404/stt0904042228009-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090404/stt0904042228009-n2.htm
【北ミサイル】発射騒動に列島混乱
2009.4.4 22:34
「誤報」「飛翔体発射の模様」「誤探知」。
北朝鮮のミサイル発射予告期間初日の4日、相次ぐ誤報情報に列島は大混乱に陥った。
予告初日の発射は見送られ、安堵(あんど)の様子が広がったが、さくら満開の週末。
関係者にはなんともいえない徒労感だけが残った。
◯午前9時
朝から青空が広がったミサイル通過コースに当たる岩手県。
「化学防護服のチェックなど準備は昨日中にすべて整った。万全を期して臨む」。
盛岡地区消防本部では危険物質を含むとされる部品落下に備えた。
漁業が盛んな三陸海岸の山田町。
「数キロ先の沖に出ている漁船には、漁業無線で注意を呼び掛けている」
稼ぎ時の週末、盛岡市内タクシー運転手は不満げな様子。「大丈夫だとは思うが、本当に迷惑だ」。
北朝鮮が通告した午前11時まであと2時間だ。
>224
◯午後0時16分
いつか、いつかと待ち構えていた東京・市谷の防衛省。
官邸が「飛翔体発射の模様」を発表直後、テレビ画面に「発射」のニュース速報が流れ、一気に省内騒然。
防衛省では広報課から一報が伝えられることになっていたが、全員がテレビに釘付けなる。
「確認中。どういう状況か全くわからない」。職員が走りながら、記者の質問に答えた。
>225
◯午後0時21分
東京・霞が関の水産庁。漁業団体や都道府県に対し、「発射」をFAXで一斉連絡する準備に入った。
「誤報です。誤探知です」。
官邸危機管理センターに派遣している同庁職員からの電話を受けた職員が叫んだ。
FAXの一斉送信ボタンを押そうとしていた担当官は「もう少しで漁業団体などに誤報を連絡して
しまうところだった。危なかった」。少し表情をゆるませたように見えた。
宮城県危機対策課にも「誤報」の連絡に「何だよ!(市町村への連絡は)寸止めです。
まだ押してません」。怒りとも安堵ともとれる声が漏れた。
>226
◯午後0時21分直後
「先ほど放送しました発射情報は誤りでした」
人口約3300人の秋田県大潟村で何度も防災無線が流れた。春の農繁期だ。
「北朝鮮よりロケットが発射されました。テレビやラジオなどの情報に注意してください」
発射情報と、訂正をそれぞれ2回、繰り返した。1回目が県が「防衛省による情報」としてメールで
送られてきた情報で午前10時54分、2回目はエムネットで官邸からの情報で午後0時16分に
発射情報を流し、直後に訂正した。
「こちらは正しいかどうか確かめる術はない。
何回も同じことを流しては、信頼性や重要性も薄らぎますよね」と村住民生活課の担当者。
【北ミサイル】誤探知で航空機などに一時警報発令も発射なし 「あざ笑っているのか」
2009.4.4 23:47
航空機や船舶を管轄する国土交通省、海上保安庁でも4日午前9時ごろから職員が集まり始め、
北朝鮮のミサイル発射に備えた。直後に北朝鮮が「まもなく発射」を伝え、正午すぎにはレーダーの
誤探知で発射情報が流れて一時は緊張が走った。だが、結局は午後4時の通告時間帯を過ぎても
発射されず、国交省幹部からは「慌てた対応をあざ笑っているのか」という声が漏れた。
すでに航空各社は4〜8日の通告期間中は危険区域を避けたルートに変更、フェリーや貨物船なども
区域を避けた航路を取るなど対策を講じてきた。また、海上保安庁も万一の立ち入りを想定し、
4日午前11時前に航空機を出動させて区域内を調査、船がいないことを最終確認して臨んだ。
4日午後0時18分ごろに国交省に発射情報がもたらされると、すぐに航空機や船舶に注意を
呼びかけるノータム(航空情報)と航行警報が発令された。危機管理対策室設置の準備も進められたが、
結局は誤探知と判明。ノータムや航行警報は3分後に取り消された。
通告時間帯をすぎても発射はなかったが、国交省や海上保安庁では、念のため夕方まで警戒を続けた。
国交省幹部は「『まもなく』と伝えても発射しない。北朝鮮の言うことは信用できないが、
発射通告時期や時間帯は守るだろう。また明日から気を引き締める」と話していた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042347039-n1.htm
【北ミサイル】エムネット正常機能も…自治体ドタバタ
2009.4.4 23:48
列島の緊張感を一気に高めた「誤探知」の報は、緊急情報ネットワークシステム
「Em−Net(エムネット)」で、全国の自治体へ送信された。
わずか5分で「発射」から「誤り」にひっくり返った知らせに、担当部署は混乱。
情報を一斉に送る機能に問題はなかったが、今回の事態に備えて、あわてて加入した市町村は
肩すかしを食った格好となった。
エムネットは、官邸の担当者がホストコンピューターから情報を送信すると、
各自治体に置かれたパソコンがメッセージを受け取り、担当者が内容を把握する仕組みだ。
内閣官房では「1分以内の送受信」を目指し、3日と4日に訓練を実施した。
内閣官房から、エムネットで“第一報”が送られたのは、午後0時16分。
「先ほど、北朝鮮から飛翔体が発射された模様です。テレビ、ラジオ等の情報に注意してください」
というメールが一斉に送信された。各自治体は、おおむね同17分までに受信したとみられる。
その後、内閣官房が「先ほどの発射情報は誤探知です」との訂正を送ったのは、同20分ごろ。
1分以内に自治体の端末が受け取ったもようだ。
約5分間で一転した情報によって、自治体は混乱に陥った。
岩手県八幡平市は、エムネットの情報から30秒後に、あらかじめ録音してあった音声を防災無線で
流し、市民に一報を伝えた。ところが「訂正」のアナウンスを用意していなかったことから担当部署は
パニックとなり、職員があわてながら“アドリブ”で誤報だったことを伝えた。
「さすがに誤報まで想定していませんでした」と同市担当者は苦笑する。
【北ミサイル】京阪神の自治体も誤情報でドタバタ
2009.4.4 23:58
京阪神の自治体も職員らが対応に追われた。
大阪府では危機管理課の職員7人のほか災害対策要員らも駆けつけ、情報を収集。
発射予告時間の午後4時を過ぎると通常態勢に戻り、疲れた表情で自宅に引き揚げた。
職員の一人は「誤探知で対応に追われたこともあり、ぐったりと疲れた」。
別の職員は「今日のような(誤情報の)ドタバタが続くと現場は混乱する」とまゆをひそめた。
一方、橋下徹知事はこの日午後、視察で来阪した斉藤鉄夫環境相と堺市内のホテルで懇談後に
取材に応じ、政府の誤情報について「発射されても情報が全然流れないより、
誤探知になるぐらい情報収集する方が危機管理としては必要なことだ」との見解を示した。
災害対策センターの当直員を1人増員し、防災計画室長と主幹が出勤した兵庫県では、
初日から誤情報の対応に追われ、職員らが「いつまでこの緊張感が続くのか…」と困惑気味。
5日も同じ態勢でミサイル発射に備える。
京都府では危機管理・防災課で普段の当直態勢より4人多い6人が出勤して待機。
誤情報の4分後に訂正情報を受けたものの、すでに「発射情報」を市町村や各振興局などの出先機関、
約200人の防災担当者にファクスと携帯メールで連絡した後だった。
だが、「これでスムーズに連絡が取れることがわかった」と受け止め、5日も同じ態勢で警戒にあたる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090404/plc0904042359041-n1.htm
【北ミサイル】 崩れたシナリオ 誤報に振り回された首相官邸
2009.4.5 00:11
すべてはシナリオ通りに進むかと思われていた。
3日夜に外遊先のロンドンから帰国したばかりの麻生太郎首相は4日午前8時半から
桜が満開となった国会周辺を約40分間かけてウオーキングし、「普段通りの朝」を演出した。
だが、公邸にはすでに首相秘書官らが待機していた。首相はニヤッと笑ってソファに座り、
北朝鮮のミサイル発射準備状況について報告を受け、発射後の対応について最終的な打ち合わせをした。
想定では、首相は公邸で待機し、ミサイル発射の一報が入れば、速やかに
(1)日本領域の安全確認と航空機、船舶の安全確認
(2)情報収集態勢の強化
(3)国民への迅速な情報提供
−と3つの指示を出し、首相官邸地下の危機管理センターに移動。
官邸のエントランスで記者団の取材に応じ、国民に安心を訴えるメッセージを発する手はずだった。
午前10時。朝鮮中央通信が「運搬ロケット『銀河2号』の打ち上げ準備が完了し、
まもなく打ち上げる」と報じた。日本で「まもなく」と言えば1時間以内を指す。
官邸は緊迫した空気に包まれた。
午後零時16分、官邸1階の報道室がどよめいた。
「北朝鮮の飛翔体が発射されました!」
吉牟田剛報道室長が声を上ずらせ、「先ほど北朝鮮から飛翔体が発射されたもようです。
テレビ、ラジオ等の情報に注意してください。続報が入り次第お知らせします」と書かれた
プレスリリースを詰めかけた記者に配布。各自治体にも緊急情報ネットワークシステム
「Em−Net(エムネット)」で同様の文面が一斉送信された。
>233
首相も予定通り公邸を出て官邸に向かった。
この直後だった。「誤探知でした!」。
首相は秘書官の言葉に耳を疑ったが、いまさら公邸に引き返すわけにはいかない。
首相は官邸エントランスに詰めかけた記者団とは目も合わせず、危機管理センターに入った。
「あと1分連絡が遅ければ首相は誤報を元にカメラの前に立ち、世界中に赤っ恥をかくところだった」。
政府高官はそう言って胸をなで下ろした。
「発射」公表から全面撤回まで約5分。なぜこのような失態を演じることになってしまったのか。
原因は航空自衛隊が新型地上レーダー「FPS−5」(千葉県旭市)がとらえた航跡探知情報を
ミサイルが発射されたものと解釈し、首相官邸に伝えたためだ。浜田靖一防衛相は河村建夫官房長官に
「すべて防衛省の責任です。明日(5日)以降万全を期すようにします」と陳謝し、
テレビカメラの前でも「国民に大変なご迷惑をおかけし、心からおわびを申し上げたい」と涙目でわびた。
だが、ある政府高官はこう打ち明ける。
「ミサイルが発射されれば、日本に落下したり上空を通過するのに10分間もかからない。
情報の確度を上げようとすれば、公表はミサイル着弾後になる。
まさに薄氷を踏むような決断の連続なんだ…」
首相も誤報と知った直後はさすがに不機嫌だったが、慌てふためく防衛省幹部の様子に同情したのか、
次第に矛を収めていった。4日中のミサイル発射の可能性がほぼ消えたことを確認すると
首相は河村氏に穏やかな声でこう言った。
「まあ、明日も変わらずしっかりやってくれ!」(石橋文登)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050012000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050012000-n2.htm
【北ミサイル】発射誤情報…無関係な航跡発端 伝達の迅速さと正確さの両立課題
2009.4.5 00:38
4日に起きた弾道ミサイル発射の誤情報問題の発端は、航空自衛隊のレーダーが探知したミサイルとは
無関係の航跡情報が、即座に首相官邸まで伝達されたことだった。その過程で、隊員が発射の根拠を
肉付けする情報を思い込みで加えたり、衛星情報との照合が不十分だったりしたミスも重なった。
情報伝達の迅速さと正確さの両立という重い課題を浮き彫りにした形だが、速報重視に伴う弊害との
見方もある。
一般的に弾道ミサイルの探知の流れはこうだ。
ミサイルの発射時に放出される赤外線を米軍の早期警戒衛星が探知。
その情報に基づき、自衛隊の地上レーダーとイージス艦のレーダーが探知・追尾−。
今回、米軍の早期警戒衛星からは何も情報がなかった。誤情報の元になったのは、
空自が防衛省技術研究本部飯岡支所(千葉県旭市)で運用している新型地上レーダー「FPS−5」が
探知した航跡。このレーダーは高性能で、低い高度を周回する衛星などの航跡も捕捉してしまう。
「スパークインフォメーション」。ミサイルを探知したときに使う言葉で、
飯岡から防空指揮群(東京都府中市)を経て航空総隊司令部(同)に伝えられた。総隊司令官は
ミサイル防衛(MD)システムでの迎撃オペレーションをつかさどる統合任務部隊指揮官を務める。
「飯岡探知」「SEW入感」。SEWは早期警戒衛星情報のことを指す。防空指揮群から連絡を受けた
総隊司令部の隊員は、思い込みで早期警戒衛星もミサイル発射を探知したと付け加え、別の隊員に伝えた。
12時16分、防衛省地下にある中央指揮所に「飯岡探知」「SEW入感」と伝達された。
「発射」。内局運用企画局の担当者は2つの言葉を踏まえ、ミサイル発射をアナウンス。
音声の内容は官邸の危機管理センターにも伝わり、
緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」で自治体などに拡散した。
【北ミサイル】きょうは発射するのか? 天候影響の指摘も
2009.4.5 00:59
北朝鮮のミサイル発射の見送りは天候が左右した可能性があるが、気象庁は、5日の天候について、
ミサイルの発射施設のある朝鮮半島北東部沿岸地域や海上はおおむね晴れ、午後は10メートル前後の
やや強い風が吹くとの予測を示している。
ロケット打ち上げについて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、
「風速や雨量のほか、雷雲の有無などが影響する」とする。
風が強いと、発射時にロケットがポールなど付近の構造物にぶつかる危険性がある。
雨は、ロケットの速度が増した際、機体に損傷を与える可能性があり、雷は電子部品に悪影響を与える。
1月下旬のH2Aロケット15号機打ち上げの際には、
JAXAは「最大瞬間風速22・5メートル以内」という条件を設けた。
このため、15号機では、「降雨量が1時間あたり8ミリ以下」であることや、
発射地点から「半径10キロ以内に雷雲がなく、飛行経路内に積乱雲がない」ことが条件となった。
4日の天候について、気象庁は、「発射場に近い観測点では目立った雲はなく、風も弱かった」
としている。
南西約40〜50キロの観測点のデータでは、4日午後3時現在で雲はなく、南の風約3メートル
だったという。
同庁は「特に崩れた天気ではなかったと思われる」としている。
5日は日本海にある気圧の谷が東へ遠ざかり、晴れ間が広がり、午後から風が強くなる見通しだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050100002-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050100002-n2.htm
【北ミサイル】政府、ミサイル警戒継続「発射の姿勢に変わりなし」
2009.4.5 09:58
政府は5日午前、北朝鮮が「人工衛星」として発射準備を進めている長距離弾道ミサイルについて、
同日中の発射の可能性もあるとみて、日本領域に落下する場合に備えた警戒態勢を引き続き取っている。
北朝鮮は5日間の予告発射期間の初日に当たる4日の発射を見送ったが、
政府は「発射の姿勢に変わりはない」(河村建夫官房長官)としている。4日に発射の誤発表をする
失態を演じた直後だけに、航空自衛隊レーダーなどによる監視態勢に万全を期す構えだ。
麻生太郎首相は、発射の情報が入れば直ちに官邸入りし、10〜30分後をめどに記者団の
質問に答える方針。河村長官や浜田靖一防衛相、中曽根弘文外相ら安全保障会議メンバーも5日、
引き続き都内で待機する。
航空自衛隊は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を秋田、岩手両県に配備。
海上配備型の迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦2隻が日本海、
弾道を追うイージス艦1隻が太平洋にそれぞれ展開している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904050959008-n1.htm
【北ミサイル】官房長官「昨日以上に万全期す」4日の誤探知踏まえ
2009.4.5 10:35
河村建夫官房長官は5日午前、北朝鮮による長距離弾道ミサイル「テポドン」の改良型とみられる
飛翔(ひしょう)体の発射計画について「特に変わった情報はない。昨日(4日)以上にきちっとした
態勢で臨みたい」と述べ、政府が4日に誤った情報を公表し混乱したことを踏まえ、適切な情報伝達に
万全を期す考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
その上で「防衛省側もきちっと対応してくれると思う」と述べた。5日に発射する可能性については
「昨日なければ今日、今日なければ明日という思いで(8日までの)期間内は臨む」と強調した。
首相官邸には5日午前9時から10時ごろまでの間に政府高官らが続々と入り、情報収集に当たっている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051036009-n1.htm
社説:ミサイル誤情報 「勘違い」ではすまない
北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイル発射をめぐり、政府が4日午後0時16分、
「発射された模様だ」と誤った情報を地方自治体と報道機関に流した。
5分後に取り消したが、テレビが「発射」を速報し自治体などに混乱を招いた。
「発射」を国民に速報するのは政府の当然の責任だが、危機管理上の誤情報は深刻と言わざるを得ない。
政府は、自衛隊内の情報伝達で「勘違い」があったと説明している。
詳しい検証が必要だが、お粗末というだけですますわけにはいかない。
単純な人為ミスで安全保障面の重大な事態を引き起こしかねない仕組みに問題があったのではないか。
政府の速報態勢は、早期警戒衛星で発射を探知した米国からの情報を受けた防衛省が首相官邸に連絡し、
緊急情報ネットワーク「エムネット」で自治体や報道機関に通報、国民はマスコミ報道や防災無線で
発射を知るというのが基本だった。
今回の情報の発信源は日本のレーダーだった。防衛省は、弾道ミサイルなどの探知・追尾のために、
固定式の警戒管制レーダー(FPS5、通称・ガメラレーダー)を開発し、
千葉県旭市にある研究試作機を北朝鮮の「発射」対応で実戦運用していた。
このレーダーが、日本海上に「何らかの航跡」を探知し、航空自衛隊の航空総隊司令部に伝えられた。
ところが、司令部の担当者が、米国の「早期警戒情報」でも発射が確認されたと勘違いし、
防衛省の中央指揮所に「発射」と連絡、これが首相官邸に伝わったというのである。
重要なのは、担当者が北朝鮮の基地を静止軌道で注視している米軍の早期警戒衛星からも発射情報が
もたらされたと勘違いしただけでなく、司令部がそれをチェックしないまま速報ルートに乗せてしまった
ことである。安全保障が個人の勘違いで左右される危うい構図の上に成り立っていたことになる。
自衛隊内の態勢に問題があったのは間違いない。
>243
こうした情報伝達の基本的ミスが起こるようでは、北朝鮮が発射した時、必要もないのに迎撃するこ
とはないのか、日本に落下する場合にミサイル防衛(MD)がきちんと機能するのか、
といった疑念もわいてくる。迎撃システムは自衛隊内の正確な情報伝達を前提に成り立っているからだ。
一方、これとは別に、ミサイルが頭上を飛ぶとみられる秋田県で、午前11時過ぎに「発射」の
誤情報が県から全市町村に電子メールで一斉に伝達される騒動もあった。県は現地の自衛隊員から
口頭で情報が伝えられたと説明し、防衛省もコンピューターの不具合によるものと認めた。
こういう形で情報が飛び交うようでは、国民は戸惑うばかりだ。
毎日新聞 2009年4月5日 0時16分(最終更新 4月5日 0時51分)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090405k0000m070108000c.html
余録:ロケットの心理的価格
「ロケットの赤い光、空中で破裂する爆弾、それらを夜通し耐え抜いてわれらの旗はそこにあった」
−−米国の国歌「星条旗」にはロケットが登場する。
1814年の米英戦争で英艦によるボルティモア港へのロケット攻撃を見た詩人が詞を書いたのだ
▲法律家だった詩人フランシス・スコット・キーは抑留された英艦でその様を見て、
夜明けの砦(とりで)に翻る星条旗に感激したという。
花火のようなロケットの派手な攻撃は一種の心理戦だろうし、それを耐えた側の記憶は国歌にまで残された
▲ミサイルと宇宙開発の時代である今日も、力や威信のシンボルとしての心理的オーラを帯びる
ロケットだ。だが食糧や燃料を他国の援助に頼り、国民に極貧を強いながら、
自らが依存する国際社会を打ち上げで脅迫する国は北朝鮮しかない
▲その北朝鮮は4日、「人工衛星」打ち上げ間近と発表した。これに厳戒態勢をとる日本では昼過ぎ
「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された模様」との政府発表があり、国民がかたずをのんで
テレビを見守る一幕があった。だが5分後に「誤探知」との訂正があったのはご存じの通りだ
▲午前には秋田県の一部市町村でミサイル発射の誤情報が防災無線で流れる騒ぎも起こっている。
それぞれ事情はあろうが、もしロケット発射の心理的効果を胸算用する北の独裁者の目に
日本国内が浮足立っているように映るとすれば業腹だ
▲きょうにも予想される発射だが、ここは合理的、冷静に構え、
北朝鮮の愚行には米韓はじめ国際社会と連携して対処したい。
テポドン2号の心理的価格をつり上げたい北の思惑に乗ぜられる騒動は、どんな詩人でも詞にならない。
毎日新聞 2009年4月5日 0時22分
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20090405k0000m070112000c.html
【主張】ミサイル誤認 萎縮せず情報収集万全に
2009.4.5 03:09
北朝鮮が人工衛星と称して発射を予告した長距離弾道ミサイルへの厳戒態勢がとられるなか、
政府がいったん、「北朝鮮からの飛翔(ひしょう)体」の発射を発表し、すぐに取り消す事態が生じた。
緊急情報ネットワークシステムを通じて誤った情報が各自治体にも届いた。国の安全保障に関する
情報が錯綜(さくそう)したことは極めて残念である。浜田靖一防衛相らが陳謝したのは当然だ。
繰り返されてはならないことである。しかし、批判するのはたやすい。
政府や防衛省・自衛隊の担当者らが萎縮(いしゅく)して、今後の情報収集や伝達に支障が出るのでは
本末転倒だ。政府関係者は正確かつ迅速なミサイル防衛(MD)の運用にあたってもらいたい。
予告された発射期間の初日、北朝鮮の朝鮮中央通信が午前10時に「まもなく発射」と伝え、
政府内の緊張状態が極度に高まるなかで誤情報がもたらされた。
ミサイル発射に際し、国民に正確な情報を提供し冷静な対応を求める役割が政府にはある。
それだけに、みずから混乱を招いた政府に対し、関係自治体や漁業関係者らが反発や不安の声を
上げるのはやむを得ないだろう。
防衛省などの説明によると、千葉県旭市にある航空自衛隊の警戒管制レーダーが日本海で何らかの
航跡を探知し、ミサイル発射と誤認したのが発端だったという。
これに、米国の早期警戒衛星も発射を探知したとの誤った情報が加わり、確度の高い情報ととらえた
首相官邸サイドが公表した。
発射情報は、米国の早期警戒衛星がミサイルの熱源をつかみ、防衛省を経由して官邸に伝わることに
なっていた。実際には、米側の情報がないのに、あるものとして伝えられた。
ごく基本的なところで誤りが生じた。
朝日の基地外投稿第181面
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1237973669/l50 234 名前:文責・名無しさん メェル:sage 投稿日:2009/04/04(土) 23:35:38 ID:lI19aamd0
沖縄タイムス 4月4日
迎撃の準備は政治的な演出 福田 充(沖縄市 会社員 51歳)
政府の役人が「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるはずがない」と発言するような
ミサイル防衛(MD)システムが1兆円の予算をかけて実行されていることを今回の北朝鮮ロケット発射騒動で知った。
北朝鮮は人工衛星打ち上げだと言っているのに、破壊措置命令を出し、一隻1400億円もするイージス艦を3隻も配備したり、
地対空誘導弾パトリオットを海上輸送し、秋田や岩手県などに展開し、国民の不安をあおっている。
仮に弾頭が空のミサイルが着弾しても破壊されるのはテニスコート2面分程度であり、むしろ迎撃による被害の方が広範囲に及ぶとのことである。
これは、軍事ジャーナリストの前田哲男氏が指摘する通り、国民を守っているかのように振る舞う政治ショーであり、
MDを実戦的に動かすための予行演習とみた方がよい。
いくら北朝鮮が愚かでも、自分がやったその何万倍もの仕返しを受けるのが確実な戦をしかけるわけがないではないか。
【北ミサイル発射】テレビ各局も臨時特番 テレ東は独自路線
2009.4.5 13:18
NHKと民放各局は、北朝鮮が飛翔体を発射した5日午前11時半すぎ、
一斉にニュース速報のテロップを流し、通常番組を中断して特別番組に切り替えた。
NHKはスタジオに専門家を呼んで解説を交えながら、刻々と入ってくる情報を伝えた。
また首相官邸や防衛省、秋田県などとも中継で結び、正午からの河村官房長官の会見を生で流すなど
列島の動きを追い、午後0時半に15分遅れで「のど自慢」の放送になった。
フジテレビも通常番組をストップし、スタジオに専門家を呼んでミサイルの落下地点などを
地図上で示しながら解説。またエムネットのファクスをそのまま画面で映したほか、
常に画面にテロップで最新情報を流し続けた。
またテレビ朝日も通常番組が情報系の番組だったこともあり、スタジオで解説を交えながら放送。
同時にテロップで最新情報を流した。
一方、TBSは発射直後に特番に切り替えたが、午前11時45分に通常の「アッコにおまかせ!」
をスタート。ただ河村官房長官の会見では生中継に切り替えたほか、番組中でも画面下にテロップで
文字情報で伝えた。
日本テレビも発射直後は特番を流したものの、すぐに通常番組に戻し、テロップでの報道もなかった。
河村官房長官の会見は生中継で対応した。
テレビ東京はニュース速報のテロップは流したものの、通常の「太一×ケンタロウ 男子ごはん」
の放送を続けた。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/090405/med0904051321001-n1.htm
人工衛星「光明星2号」の打ち上げ成功 朝鮮中央通信社報道
朝鮮が5日、人工衛星「光明星2号」の打ち上げに成功したと同日発朝鮮中央通信が伝えた。
報道の全文は次のとおり。
わが国の科学者、技術者は国家宇宙開発展望計画にしたがって運搬ロケット「銀河−2号」で
人工地球衛星「光明星2号」を軌道に進入させることに成功した。
「銀河−2号」は2009年4月5日、11時20分に咸鏡北道花台郡にある東海衛星発射場から
発射され、9分2秒後の11時29分2秒に「光明星2号」を軌道に正確に進入させた。
「光明星2号」は40.6度の軌道傾斜角で、地球から最も近い距離で490km、
最も遠い距離で1426kmの楕円軌道を回っており、周期は104分12秒である。
試験通信衛星である「光明星2号」には必要な測定機材と通信機材が設置されている。
衛星は自らの軌道を正常に周回している。
現在、衛星からは「金日成将軍の歌」および「金正日将軍の歌」のメロディーと各種測定資料が
470MHzの周波数で地球上に電送されており、衛星を利用したUHF周波数帯域での中継通信が
行われている。
衛星は、宇宙の平和利用のための科学研究事業を行い、今後、実用衛星発射に向けた科学技術的問題を
解決するうえで決定的な意義を持つ。
>250
運搬ロケット「銀河−2号」は3段階になっている。
われわれの知恵と技術で開発した運搬ロケットと人工地球衛星は、
国の宇宙科学技術をより高い水準に引き上げるためのたたかいでなし遂げられた誇らしい成果である。
金正日総書記の雄大な構想にしたがって、金日成主席生誕100周年を迎える2012年まで
強盛大国の大門を開くための新たな革命的大高揚の炎が全国で燃え上がっている激動の時期に
なし遂げられた、わが国の宇宙科学技術の飛躍的な発展を象徴する今回の衛星打ち上げの成功は、
わが人民を大きく鼓舞している。
[朝鮮新報 2009.4.5]
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2009/04/0904j0405-00001.htm
【北ミサイル発射】東方向に1発
2009.4.5 11:35
政府は5日午前11時32分、北朝鮮が長距離弾道ミサイルとみられる飛翔体(ひしょうたい)を
東方向に1発発射したもようだと発表した。
政府は「テレビ、ラジオの情報に注意してほしい」と呼びかけている。
日本海側の咸鏡北道舞水端里の発射施設から発射されたとみられる。
政府筋は5日午前、「発射台の北側に位置するミサイルの追跡・制御レーダーシステムの稼働が
確認された」と述べていた。レーダーシステムは通常、ミサイル発射の2〜3時間前に起動するといい、
昨日は稼働していなかった。
朝鮮中央通信は4日午前10時に、「事前の予告通り、試験通信衛星『光明星2号』を
ロケット『銀が2号』でまもなく打ち上げる」と発表していた。
航空自衛隊は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を秋田、岩手両県に配備。
海上配備型の迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦2隻が日本海、
弾道を追うイージス艦1隻が太平洋にそれぞれ展開している。
政府は、北朝鮮が発射したミサイルを「人工衛星打ち上げ」と主張したとしても、
「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動停止」を求めた国連安全保障理事会決議違反の行為だ
として非難、安保理の議論に持ち込む構えだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051136014-n1.htm
【北ミサイル発射】日本政府、「飛翔体」発射を確認
2009.4.5 12:20
北朝鮮は5日午前、東北部の咸境北道舞水端里(ムスダンリ)から長距離弾道ミサイル
「テポドン2号」の改良型とみられる飛翔(ひしよう)体を発射した。
政府が、米国の早期偵察衛星や日本海に展開しているイージス艦のレーダー情報などから発射を確認。
「一斉同報システム」(エムネット)で全自治体に発射情報を一斉配信し、報道機関にも即座に公表した。
政府の官邸対策室によると、「飛翔体」は5日午前11時30分、北朝鮮から東へ1発が発射された。
落下物については、1段目が同37分に秋田県西方約280キロの日本海上、2段目は43分に
日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと推定している。48分、日本の東約2100キロの
太平洋上で「飛翔体」の追尾を終了した。2段目は北朝鮮の事前通告よりも約1000キロ日本列島に
近い地点に落下したことになる。5日正午の段階で日本への落下物は確認されておらず、
被害もなかったもようだ。
一方、日本海側に配備していた海上自衛隊のイージス艦「こんごう」と「ちょうかい」と、
首都圏や東北地方の5カ所に配備していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)は発射しなかった。
政府は、11時32分には「発射されたもよう」とする緊急連絡「北朝鮮飛翔体情報」(第1報)
を一斉同報システム(エムネット)で各自治体や報道機関に通知、同時に首相官邸の官邸連絡室を
官邸対策室に格上げした。これを受け、麻生首相は
(1)日本領域の安全確認と航空機、船舶の安全確認
(2)情報収集態勢の強化
(3)国民への迅速な情報提供−の3点を指示した。
【北ミサイル発射】日本政府、緊急安保理会合招集を要請
2009.4.5 12:21
【ニューヨーク=松尾理也】北朝鮮のミサイル発射を受け、
日本政府はただちに国連安全保障理事会の緊急会合の招集を要請した。
緊急会合は米東部時間5日午後3時から始まり、日米による新たな対北朝鮮決議案が提出される見通し。
オバマ米大統領は訪問先のフランスで、「北朝鮮がミサイル発射を強行すれば国際社会は措置を講じる」
と警告を発しており、緊急会合でも日本と足並みをそろえて北朝鮮に強い姿勢で臨むことになる。
外交筋は今後の展開について、「北朝鮮が(打ち上げについて)どう説明しようと、
日本や米国は明確な国連制裁決議違反との見解で固まっているが、そうでない国もある。
まずは北朝鮮の言い分を検証すべきだという意見が上がるのは確実で、その場合、
議論の入り口の段階で手間取ることも予想される」と指摘している。
ロイター通信は安保理外交筋の話として、「従来の制裁決議(北朝鮮に弾道ミサイル計画に関する
すべての活動の凍結を求めた国連安保理決議1718)の実効性強化をめざす新たな決議案が議論の
出発点となる」と伝えた。
一方、国連外交筋によると、安保理メンバーのうち、現時点で中露を含む少なくとも4カ国が
北朝鮮に対する新たな決議に反対する方針を明らかにしているもようだ。
中国はすでに各理事国に「決議案には賛成できない」との意向を伝えており、現時点では「憂慮」
を示した上で北朝鮮に6カ国協議への復帰を促す内容の議長声明にとどめたい、との姿勢だ。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090405/erp0904051223002-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090405/erp0904051223002-n2.htm
【北ミサイル発射】宮城県も対策会議招集
2009.4.5 12:06
宮城県は午前11時33分、政府の緊急情報ネットワークシステム「Em−Net(エムネット)」
から、「北朝鮮が飛行体を発射したもよう」との連絡を受けた。県庁5階の危機対策課では、
詰めていた職員約10人が総立ちとなり、県内の市町村や消防本部などに対し、
電子メールやファクスで一斉に情報送信を始めた。
作業に没頭しながらも、職員らは口々に「発射確認?」「大丈夫ですね?」…。
前日の“誤報”があるだけに、誰となく声をかけ合い、慎重を期した。
11時40分ごろ、NHKニュースが「飛行体は(日本を飛び越え)太平洋に通過したもよう」
との政府情報を伝えると、職員らは「おおっ」と安(あん)堵(ど)のため息。
昨日の“予行演習”が効いたのか、各市町村や消防本部への情報伝達に混乱は見られず、
11時42分までには関係機関への連絡を終えた。
その直後、ニュースが「国内への落下物なし。破壊措置命令も発動されず」と伝えると、
現場責任者の小野寺好男・県危機管理監は
「まだ油断できない。引き続き緊張感を持って情報収集にあたってほしい」と場を引き締めた。
県は当初の方針通り、発射1時間後の12時半から、小野寺危機管理監をトップとし危機対策課長や
消防課長、県警警備課長ら17人で構成する危機管理対策連絡会議を庁内危機管理センターで開催。
ミサイルの飛行経路や県内での被害の有無など詳しい情報を確認、今後の対応策を協議する。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051208036-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051208036-n2.htm
【北ミサイル発射】「国家の威信を示す狙い」森本敏・拓殖大大学院教授
2009.4.5 12:11
拓殖大大学院の森本敏教授(安全保障)の話
「ミサイル防衛(MD)システムは完成していないが、万が一にも日本の領域に落ちる事態を考えると、
東北へのMD配備はやむを得なかった。北朝鮮では4月9日に最高人民会議、15日が故金日成主席の
生誕記念日と政治的な節目を迎える。健康状態が懸念されている金正日総書記にとって、
国内外に威信を示すためにも(ミサイル発射は)重要だった。
北朝鮮は米国と対等な立場で交渉したいだけで、他国は念頭にない。先の地下核実験と
ミサイルの長射程化が合わさると、米本土への核攻撃が現実味を帯び、米国にとって脅威になる」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051212038-n1.htm
【北ミサイル発射】「やっと普通の暮らしが…」秋田港
2009.4.5 12:41
PAC3が配備された秋田市の陸自新屋演習場から北へ約3キロの秋田港にある、
県内で最も高い建築物、セリオン・タワー(高さ143メートル)。地上100メートルの展望室から、
新屋演習場の敷地が遠望できるため5日も朝から多くの県民が訪れた。
午前11時37分、人々が手に持ったラジオや携帯テレビからミサイル発射の一報が流れると、
「発射だ!」「また誤報じゃないの?」と展望室内は一時騒然となった。
双眼鏡で上空や演習場をのぞき込む人々や「怖い!」と叫ぶ子供の姿も。
大仙市の農業、田口博さん(50)は、
「騒がれていた割には日本は何もできなかった。北朝鮮から人の家に向かってミサイルを打ち込まれ
気分が悪い。何よりパトリオットが作動する事態にならずよかった」と話した。
また、秋田市の会社員、畠山誠さん(43)は息子(4)と演習場にPAC3を見に行った帰りという。
「とうとう飛んだかという気持ち。逃げようもないし、この瞬間まで下手すれば死ぬかも、
という気持ちだった。息子も『怖い、怖い』と言っていた。やっと普通の暮らしができる」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051243044-n1.htm
【北ミサイル発射】秋田県内被害なし 海域の漁船も
2009.4.5 12:50
秋田県危機管理対策本部は5日午後0時10分現在、県内に落下物などの被害はないと発表した。
午前11時48分、県警ヘリ「やまどり」が秋田空港から飛び立ち、落下物などがないか
空から海岸線沿いに確認を行った。
また、飛翔体が発射された当時、男鹿水産所属の「男鹿丸」(約100トン)が
秋田沖約30キロ付近でズワイガニ漁をしていたが、県が無事を確認したという。
飛翔体発射情報はエムネットのほか、午前11時35分に対策本部から携帯メールで県内全市町村に
送信され、これを受けた各自治体は防災行政無線やホームページ、CATV、FM放送などを使って
県民に伝達された。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090405/dst0904051251004-n1.htm
【週刊韓(カラ)から】性上納って? 韓国芸能界の暗部
2009.4.5 13:00
韓国で若者に爆発的な人気を博したドラマ「花より男子(だんご)」(韓国版)に出演していた
女性タレント、チャン・ジャヨンさん(享年29歳)が3月に自殺し、その遺書などからスポンサーなどに
対して酒の接待だけでなく、性の接待まで強要させられていたことが明らかになった。その文書の中に、
チャンさんが接待した韓国の要人らのリストも含まれていたことから、一体誰が相手だったなのかが
注目されている。韓国芸能界における、こうした「性上納」のうわさは以前からあり、
7年ほど前にも捜査当局が動いたことがある。韓国芸能界の暗部を探ってみた。(ソウル 水沼啓子)
7年前の「韓国日報」(2002年8月13日付)は、一部の芸能プロダクションが韓国の財閥2世や
政界などの関係者に、人気女性タレントや新人女性タレントらに性の接待をさせていた疑いがもたれ、
売春を斡旋(あっせん)したとして本格捜査を始めたと報じている。
結局、ソウル地検は内偵捜査のみで、このときは立件を見送った。
ハンナラ党の洪準杓議員は当時、国政監査の場でこの問題を取り上げ、民主党(当時は与党)の
3議員が性上納にかかわったと追及。「芸能プロダクションが国会の関連常任委員会に対して
ロビー活動を行い、関係議員が放送局に圧力をかけ、その結果、所属芸能人が頻繁にテレビに出演した」
と明らかにした。
しかも、「政界の関係者が検察に圧力をかけたため、捜査は打ち切られ、
捜査を担当したソウル地検の部長は地方に左遷させられた」と糾弾している。
こうした韓国芸能界の「性上納」については、芸能記者が同年、
出版した小説「スポンサー」に記されている。著者は「ここに登場する人物はすべて架空の人物だが、
大部分は実在の人物をモデルとしており、ほぼノンフィクションに近い話といえる」とし、
生々しい韓国芸能界の裏事情を明らかにしている。
>284
著書には「タレントの売春はきのう今日のことではない。芸能人の売春は根が深い。
80年代初めにいわゆる秘密料亭事件があった。マンションに“秘密料亭”を準備し、
タレントたちが金持ちの遊び人たちと宴席を設け、セックスまで楽しんでいた」と描かれている。
さらに「政治家とタレントのスキャンダルは今に始まったことではない。
その昔は大統領の夜の相手を務めることは芸能人として不可抗力なことだったが、
今は芸能人たちが自発的に権力者たちとのセックスコネクションを持っている。
つまり彼らの力を借りて、芸能界で何か利益を得ようということだ」と記されている。
「セックスコネクションが構造化しているため、ドラマに主演しようと思ったら、
プロデューサーに身をささげるルールのようなものがあるということだ。もちろんプロデューサーの
すべてがそうではないが、そのような悪い関係者が存在することは事実だ」とも。
自殺したチャンさんも、こうした韓国芸能界の悪習の犠牲者だったとみられる。
チャンさんの同僚らの話では、彼女はソウル市江南区内のルームサロンなどで酒の接待をしていたと
される。このことから、関係店が捜査を受けている。
とくに韓国社会に衝撃を与えたのが、チャンさんが残した「性上納リスト」。
チャンさんが接待したという10人の実名や顔写真が一時インターネット上に流れた。
巷間(こうかん)に流出したリストの真偽は定かでないが、そのリストを見ると、
韓国の財界関係者やマスコミ関係者の名前が多数挙がっている。
【北ミサイル発射】全漁船の安全を確認 水産庁
2009.4.5 13:28
北朝鮮の長距離弾道ミサイルが発射されたのを受け、水産庁は5日、漁業団体や自治体などに
問い合わせを行った結果、午後1時5分、被弾や落下物などで被害を受けた漁船はなく、
全漁船の安全を確認した。
水産庁は、同日午前11時33分ごろ、官邸からミサイル発射の連絡を受けた後、
8漁業団体と海に面した39都道府県、43漁業無線局を通じて、漁船の安全や被害情報を問い合わせた。
その結果、被害を受けた漁船はなかったと確認された。
同庁では、秋田県沖と太平洋側の海域を、危険区域として立ち入らないように、
漁業団体などを通じて呼びかけていた。しかし、ミサイルの一部は、
太平洋側で危険区域外に落下したとみられ、同庁でも漁船の安全確認を急いでいた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090405/dst0904051330005-n1.htm
【北ミサイル発射】オバマ米大統領「明白な安保理決議違反」
2009.4.5 13:39
【ワシントン=有元隆志】欧州を訪問中のオバマ米大統領は5日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に
ついて、「挑発的な行為」であり、「国連安全保障理事会決議の明白な違反だ」と非難する声明を出した。
日本などと連携し、今回のミサイル発射問題を安保理に提起する考えを示した。
北朝鮮に対しては、さらなる挑発行為を行わないよう強く求めた。
北朝鮮は「人工衛星」打ち上げと主張しているが、大統領は声明で「テポドン2号」発射と明言した。
大統領は北東アジアの安全と安定の確保に引き続き責任を果たす考えを示した。
核兵器など大量破壊兵器やその運搬手段であるミサイルの拡散を防ぐことは、
「政権の最優先事項」と位置付け、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すと強調した。
オバマ大統領は3日の記者会見で、「何ら処罰を受けることなく他国の安全を脅かすことはできないと、
北朝鮮に知らしめるためにも、関係諸国と協力して適切な措置をとる」と述べており、
制裁措置も検討していく考えを示している。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090405/amr0904051341004-n1.htm
【北ミサイル発射】「目的なんであれ安保理決議、平壌宣言違反」政府の対北抗議文書
2009.4.5 13:49
外務省は5日、北朝鮮による「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイル発射について、
政府が同日午後0時半(日本時間)ごろ、北京の大使館ルートを通じ北朝鮮に抗議したと発表した。
抗議は「(発射実施は)目的が何であれ、関連の国連安全保障理事会決議、
日朝平壌宣言に違反すると同時に、6カ国協議合同声明にも相いれない行動だ」と指摘し、
弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止などを要求。その上で「この機会に改めて拉致、
核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた具体的行動をとるよう強く求めたい」としている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051351053-n1.htm
【北ミサイル】韓国政府声明「安保理決議違反、具体的対応取る」
2009.4.5 13:58
【ソウル=水沼啓子】韓国政府は5日、北朝鮮のミサイル発射と関連し、
同国の外交安保政策調整会議議長を務める柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商相名で公式声明を発表し、
「今回の北朝鮮の打ち上げは国連安保理決議1718号の明白な違反であり、北朝鮮がどんな主張を
しようと、朝鮮半島および北東アジアの安定と平和を脅かす挑発的行為だ」と批判した。
また「この間、わが政府と米国、日本、中国、ロシアなど関連国は、北朝鮮に対して打ち上げ計画を
撤回するよう最後の瞬間まで警告してきたにもかかわらず、北朝鮮がこれを無視して打ち上げを強行した
ことに対し、政府は深刻な憂慮を表明する」とした。
さらに「わが政府は今後、北朝鮮のどんな挑発にも対処できる万全の備えを強化するのはもちろん、
国連および関連国との協議の下、今回の打ち上げに対する具体的対応措置を取っている」と強調した。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904051401006-n1.htm
【北ミサイル発射】対北追加制裁で官房長官「国際社会の動き見極める」
2009.4.5 14:09
河村建夫官房長官は5日午後1時からの2回目の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射を受けた
対北朝鮮制裁措置の追加について「国際社会の動きを見極め、それを踏まえ速やかに決めたい」と述べた。
その上で13日に期限切れを迎える現在の制裁措置について、1年間延長する方針を重ねて示した。
延長する制裁は貨客船「万景峰92」など北朝鮮籍船の入港禁止と北朝鮮からの輸入全面禁止。
政府は今後、追加制裁として、輸出の全面禁止や日本から北朝鮮に送金する際に外為法で義務づけ
られている3000万円超の報告基準額を1000万円超に引き下げる案などを検討するとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051411057-n1.htm
【北ミサイル発射】鳩山総務相「衛星の電波は確認されていない」
2009.4.5 14:11
鳩山邦夫総務相は5日昼、北朝鮮の長距離弾道ミサイルとみられる飛翔体発射に関し、
「(発射されたものが)静止衛星である可能性はほとんどない。人工衛星の可能性はゼロとは言えないが、
27メガヘルツ帯周辺の電波は確認されていない」と述べた。総務省で記者団に語った。
北朝鮮は1998年8月にミサイルを発射した際、「衛星」から「金日成将軍の歌」などが
27メガヘルツの電波で地球上に送られたと発表していた。鳩山氏は「いま電波が来ていなくても、
それで人工衛星でないという証明にはならない」とも述べ、引き続き電波の受信状況を調べる考えを示した。
また、「(発射は)誠に残念なことだが、わが国の安全保障上、さまざまな危険があるということの
証明でもある。決して安穏としていられる状況ではないということだ」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051412058-n1.htm
【北ミサイル発射】「衛星を国際社会が支持」朝鮮中央通信 打ち上げは報道せず
2009.4.5 14:13
北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、「わが国の平和的な宇宙開発計画をさまざまな国の政党、
団体が支持している」との見出しで、「衛星」打ち上げを国際社会が支持していることを強調する記事を
配信した。
日米韓などが確認した同日午前の打ち上げ自体については、午後1時現在(日本時間)、
まだ報道していない。
記事はロシアやチェコ、ベラルーシ、スペインなどの政党や北朝鮮との親善団体が、
3月下旬から4月2日にかけ、北朝鮮の「衛星」打ち上げを評価する声明などを発表したと伝えた。
北朝鮮メディアは3月から、友好関係にある海外の政党や団体による「衛星」打ち上げ支持の動向を
断続的に報道している。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904051416007-n1.htm
【北ミサイル発射】河村官房長官会見(5日午後1時)「安全保障上、重大な挑発行為だ」
2009.4.5 14:55
河村建夫官房長官は5日午後1時からの2回目の記者会見で、北朝鮮の「人工衛星」名目での
長距離弾道ミサイル発射について「安全保障上の重大な挑発行為だ」と北朝鮮を非難した。
会見の詳細は以下の通り。
「ただ今、情報集約会議を終えましたので、その報告を申し上げます。諸情報を総合的に
勘案しましたところ、本日11時30分ごろ、北朝鮮から飛翔体が発射されたものと判断されます。
当該飛翔体は東北地方から太平洋へと通過し、わが国領域の上を飛び越えたものと判断されますが、
現時点ではわが国領域およびその近傍への落下物は確認されておちません。政府と致しましては現在、
わが国の領域およびその近傍への落下物の有無等について関係機関を通じて鋭意確認作業を実施致して
おるところであります」
「麻生(太郎)首相からは飛翔体の発射後、直ちに日本領域の安全確認と航空機および船舶の安全確認、
第2点として情報収集態勢の強化、3点として国民への情報提供の3点について指示が出されたところであります」
「麻生首相の指示を踏まえまして、首相官邸に緊急参集致しました関係各省の担当局長等から、
麻生首相と私、官房長官が報告を聴取するとともに、その後、麻生首相と私官房長官、
中曽根(弘文)外務相、浜田(靖一)防衛相による情報集約会議を召集致しまして、
首相官邸において飛翔体発射に関して得られた情報の集約等を実施致したところであります」
「その内容は第1点は、北朝鮮が発射した飛翔体からは第1段ロケットと思われるものが
秋田県の西方約280キロの日本海上に落下したと推定され、また、第2段目のロケットと
思われるものが日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと推測をされるものであります。
飛翔体は東北地方から太平洋へ通過したと判断しています。
日本の東約2100キロの太平洋上で追尾を終了いたしました、ということが報告されました」
>303
「首相からは改めて次の3点、指示がございました。落下したと推測される海域を航行中の船舶に
警戒を呼びかけること。第2点、飛翔体が通過したと判断される地域に重点をおいて落下物等による
被害がないか、なお一層の安全確認を行うこと。3点と致しまして、本件飛翔体発射に関しまして、
米国、韓国を始めとする関係諸国と連携をしつつ対処するように。
こういう指示が出されておるところでございます」
「類似の事前の自制の申し入れにもかかわらず北朝鮮が発射を強行したことは安全保障上の
重大な挑発行為であると言わざるをえず、国連安保理決議第1695号および第1718号に
違反する行為でありますから、これは極めて遺憾なことであるというふうに思います。
国連安保理緊急会合を招集することを要請を致したところであります。
と、同時に(在)北京(日本)大使館を通じ、北朝鮮側に抗議を致しました。
いずれに致しましても現在、米国を始めとする関係各国と連携致しまして、鋭意、情報収集中であります」
「新たな情報につきましては、得次第、直ちに国民各位に対しまして提供を行っていく考えであります。
政府と致しましては、情報の収集、分析および今後の対応について協議をするためにこの後、
(午後)2時を目途に安全保障会議を開催する予定でございます。以上でございます」
>304
−−太平洋上に落ちた2段目のロケットだが、防衛省から落下地点の訂正が入ったが、その理由は。
現在、落下地点はどうなっているか
「訂正っていうのはどういう…」
−−落下地点が当初発表されたところではないという発表が防衛省からあったが
「…。あ、北朝鮮側の危険地域ありますね、それよりはかなり手前になったと。
それ以上の訂正が何かありまたか?」
−−というふうに聞いているが
「…」
−−落下を確認していないということか
「これはまだ、そのものの確認はされて(いない)、まさに推測であります」
−−推定というところは変わらないか
「変わりません」
−−落下を確認できていない事情はどういったことか
「これは正確なことは報告を受けておりませんが、追尾等の情報の結果だと思いますね。
イージス艦や色々な情報を得て総合的に判断したものだと、こういうふうに思います」
>305
−−2100キロ地点で追尾を終了したということだが、その地点までは3段目か分からないが、
1段目、2段目以外のなんらかのものが上空を飛んでいたのか
「そういうことです」
−−それが衛星の可能性もあるとみているのか
「衛星であればですね、その衛星に対する情報が入ってくる、あるいは電波が出れば電波を受ける、
こういうことはやりますので分かるはずでありますが、現時点ではまだ確認されておりません」
−−まだ人工衛星かミサイルかは判断されていないということか
「まだ人工衛星であるという確認が取れておりません」
−−それは…
「判断を致しておりません」
−−情報集約会議で追加制裁措置については話はしたのか
「これにつきましては、この打ち上げ強行されましたことが、安保理決議違反の事例でありますから、
まず安保理の開催を要請するように指示をいたしております。
安保理の対応等を見る必要があるのでありますが、日本といたしましては、いかなる今後措置をとるか、
これについては国際社会の動き等も見極めながら、これを踏まえながら検討の中で速やかに決めたい、
このように考えております。ただ、いずれにいたしましても4月13日に期限が来ます。
現在の制裁措置に関する。この入港禁止措置と輸入禁止措置がございます。
これを1年間、まずは延長する、その方向で最終的な調整を進めているところであります」
>306
−−追加制裁になるのか
「今申し上げましたように、国際社会の動き等も踏まえ、安保理の状況等も勘案しながら検討を進めたい」
−−国連安保理では制裁決議など、どういったことを考えているのか
「これまでも安保理でも制裁措置が行われた例はございますが、今の時点で日本がこの措置をと、
そこまでの提案を出す予定はございませんが、まさに安保理の対応等を見極めながら政府としての、
検討状況によって、対応を考える。こういうことになると思います」
−−北朝鮮から抗議への何らかのリアクションはあるか
「現時点ではございません」
−−情報集約会議で麻生首相からはどのような発言があったのか
「首相からはこのような指示があったと」
−−改めて?
「改めて指示があったということです」
【北ミサイル発射】与党が非難声明「断じて容認できない。MD体制のさらなる整備を」
2009.4.5 14:56
与党北朝鮮ミサイル問題対策本部は5日午後、自民党本部で会合を開き、
北朝鮮のミサイル発射を非難する与党声明をまとめた。全文は次の通り。
「北朝鮮ミサイル発射に対する与党声明」 平成21年4月5日
与党北朝鮮ミサイル問題対策本部
本日、北朝鮮がミサイル発射を行った。
今回の発射は、わが国領域の上を越えた危険極まりないものであり、わが国及び世界各国が、
北朝鮮に対して自制を求めていたにも関わらず強行したことは、わが国のみならず、
北東アジア地域の平和と安全を損なう行為であり、断じて容認できるものではない。
今回の北朝鮮の行為は、仮に人工衛星であったとしても、明確な国連安保理決議違反であり、
政府は、断固たる抗議の意思を表明するとともに、国際社会の世論を喚起し、
北朝鮮に対するミサイル関連技術の輸出禁止を含め、国連安保理決議の遵守を強く求めるべきである。
このため、政府に対し、米国・韓国をはじめ関係国と連携し、
北朝鮮のミサイル発射問題を直ちに国連安保理で取り上げるよう、さらなる外交努力を要請する。
また、国連や各国の動きをにらみながら、わが国独自に北朝鮮に対する追加的な措置をとることに
ついても早急に検討し、決定すべきである。
今回のミサイル発射の状況を踏まえ、今後とも、政府としては、国民への情報伝達体制等の一層の充実
を始めとする国民保護措置の強化や、弾道ミサイル防衛体制の更なる整備等に万全を尽くすべきである。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051459062-n1.htm
【北ミサイル発射】北朝鮮に「遺憾の意」 官房長官声明
2009.4.5 15:16
政府は5日、北朝鮮による「飛翔(ひしょう)体」発射を受けて、
「今回の発射は、わが国として容認できるものではなく、北朝鮮に厳重に抗議し、遺憾の意を表明する」
とする河村建夫官房長官声明を出した。
声明では、ただちに国連安全保障理事会の招集を要請し、北京の大使館を通じて
北朝鮮に抗議したことや、今後は
(1)日米同盟に基づく米国との協力を進め、韓国などとも緊密に連携
(2)6カ国協議参加国や安保理メンバーなどとの連携
(3)国内での対北朝鮮措置を速やかに検討−との方針を示した。
一方で、北朝鮮には弾道ミサイル計画の停止を含むこれまでの安保理決議の「即時かつ完全な履行」と、
拉致、核、ミサイル問題の包括的解決に向けた具体的な行動を求めた。
今回の発射は「わが国を含む近隣国が核やミサイルの脅威に引き続きさらされている中での
安全保障上の重大な挑発行為」とし、「安保理決議や日朝平壌宣言、6カ国協議の共同声明とも
相いれないものだ」と強く非難した。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090405/erp0904051517003-n1.htm
【北ミサイル発射】予想外の海域に落下 漁船安否確認に手間取り
2009.4.5 15:43
北朝鮮のミサイルは2段目が予想された危険区域から大きく外れた地点に落下したと伝えられたため、
無線などで安全を確認する必要がある漁船の数は大幅に増え、水産庁では確認作業に手間取った。
太平洋でマグロ漁を行っている漁業団体の安否確認は遅れ、水産庁職員にも一瞬、
「大丈夫だろうか…」と不安がよぎった。
5日午前11時33分ごろ、官邸からミサイル発射情報を受けた水産庁は、
すぐに8漁業団体と沿海の39都道府県や漁業無線局に連絡し、漁船の安全や被害を問い合わせた。
ミサイルの落下海域周辺に漁船はなかったことから、次々と「被害を受けた漁船はない」と連絡が入ってきた。
しかし、太平洋でマグロ漁を行う漁船が多く所属する全国近海かつお・まぐろ漁業協会など2団体と
宮崎県では、1時間以上経過しても安全が確認できず、1時ごろになって、
ようやく2団体から「安全」という連絡が入った。
水産庁によると、太平洋側で予想外の海域にミサイルの2段目が落下したという情報が入ったため、
2団体では、太平洋の広範囲の漁船に無線で安全確認をする必要が生じたことなどから、
連絡に時間がかかったという。
午後1時5分になって最後に「安全」確認の連絡をした宮崎県も、太平洋でマグロやカツオ漁を
行っている漁船が多かった。ただ同県では「落下海域まで考えたわけではなく、一応、
慎重に確認していたら、遅くなってしまった」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051544063-n1.htm
【北ミサイル発射】麻生首相「極めて遺憾だ」「国民は冷静に対処し感謝」
2009.4.5 15:58
麻生太郎首相は5日午後、首相官邸で行った安全保障会議で「度重なる警告を無視して
北朝鮮が飛翔体を発射したことは極めて遺憾だ。このことはオバマ米大統領の声明と共有している」
と述べ、北朝鮮を非難した。河村建夫官房長官が5日午後の3回目の記者会見で明らかにした。
その上で首相は「国民に対する通報など万全を期していただいた。昨日(4日)の誤報もあったが、
十分訓練されて行われたものだと思う。この貴重な体験を今後に生かしていきたい。
国民が冷静に対処したことに感謝したい」と述べた。
◇
麻生太郎首相は5日午後3時25分から、首相官邸で記者団の取材に応じ、北朝鮮による
「飛翔(ひしょう)体」の発射について「極めて挑発的で、断じて看過できない」と激しく非難した。
その上で「国連安全保障理事会決議違反であることははっきりしている。そういったことも含めて
対応していきたい」と述べ、安保理で対北朝鮮決議の上程を求める考えを示した。
また首相は「国民の安全が一番だった。今のところ日本の国土、領海内に落下物による
被災などがなかったのは良かった。国民が冷静に対応したことに感謝する」とも述べた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051603064-n1.htm
発射で「嫌がらせ増えないか」 不安訴える在日コリアン
北朝鮮が5日、ミサイル発射を強行した。「子供たちへの嫌がらせが増えないか」。
批判の矛先が向けられることへの不安を口にする在日コリアンたち。
日本政府の一連の対応を疑問視する声も上がった。
在日韓国人社会を代表する在日本大韓民国民団(民団)は万一に備え、
約10人の役職員が東京都港区の中央本部で待機。報道機関などの問い合わせへの対応に追われた。
ある幹部は「チマ・チョゴリを着た女子学生ら子どもたちへの嫌がらせが増えないか心配」と話し、
「本名を名乗る同胞が増えてきたのに。こういうことがきっかけで、われわれの古い世代がしたように、
本名を隠したりする恐れがある」とみけんにしわを寄せた。
民団は発射後、北朝鮮当局と朝鮮総連に抗議文を郵送。
32カ国の海外同胞団体にも、糾弾を呼び掛ける文書をメールで送ったことを明らかにした。
一方、在日1世たちへの介護サービスなどをしている特定非営利活動法人(NPO法人)
「うり・そだん」(大阪府東大阪市)の在日3世、鄭貴美理事長(52)は
「本当に(日本が)脅威にさらされていたとは思えない。必要以上に騒いだ印象だ」と話した。
2009/04/05 16:02 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009040501000390.html
【北ミサイル発射】総連前はヒッソリ 「日本人騒ぎすぎ」と非難も
2009.4.5 16:31
北朝鮮のミサイル発射を受け、東京都千代田区の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部近くには
5日、右翼団体などが街宣活動を行ったが、大きな混乱はなかった。
発射予告初日の4日に続き警視庁の機動隊員約50人が、街宣車が入れないよう総連中央本部付近の
道路を規制。総連側も門が閉められたままで人の出入りはほとんどなかった。
一方、北区の東京朝鮮中高級学校では5日、入学式が行われたが、式の参加者はミサイル発射に冷めた
反応だった。
孫の入学式に参加した無職の男性(72)は「事前に通告しているし、他国に迷惑をかけた訳じゃない。
日本人は騒ぎすぎ」と日本側の対応を非難。3人の子供を持つ埼玉県朝霞市の主婦(41)は
「以前電車内で(民族衣装の)チマチョゴリが切られたことがあった。
同じようなことが子供たちに起こるのでは…」と不安そうだった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051632067-n1.htm
国連事務総長が「遺憾の意」表明 北朝鮮の発射受け
2009年4月5日14時44分
【ニューヨーク=松下佳世】北朝鮮によるミサイル発射を受け、
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は5日、国際社会の強い中止要請にもかかわらず、
北朝鮮が発射に踏み切ったことに「遺憾の意」を表明する声明を発表した。
事務総長は声明で、「地域の不安定さと、関係当事者による交流の行き詰まりを踏まえると、
このような発射は対話の促進と地域の平和と安定につながらない」と強調。北朝鮮に対しては
「関連の安保理決議の順守」を、関係各国には「信頼の構築と6者協議の早期再開を含む対話の復活」
をともに強く要請した。また、こうした努力に事務総長として「全面的な支援」を約束した。
http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200904050111.html
朝鮮中央通信「衛星発射に成功」「将軍の歌、地球送信」
2009年4月5日16時4分
【ソウル=牧野愛博】北朝鮮の朝鮮中央通信は5日午後、「運搬ロケット『銀河2号』によって
人工衛星『光明星2号』を軌道に進入させることに成功した」と伝えた。
通信によれば、「銀河2号」は5日午前11時20分に発射され、9分2秒後に「光明星2号」
を軌道に正確に送り込んだという。「光明星2号」は地球から最も近い地点で490キロ、
最も遠い地点で1426キロの楕円(だえん)軌道を回っており、周期は104分12秒だとしている。
「金日成(キム・イルソン)将軍の歌」「金正日(キム・ジョンイル)将軍の歌」などを
470メガヘルツで地球上に送っているとした。また、同通信は「銀河2号」が3段式だったことも
明らかにし、「今回の衛星発射の成功は我が人民を大きく鼓舞している」とした。
http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200904050121.html
春秋(4/5)
今の時期、花見といえば桜というのが大方の思いだろうが、菜の花畑の可憐(かれん)な黄も
捨てがたい。この週末、両方を同時に楽しめるのが埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)という場所だ。
蛇行する高麗(こま)川に丸く囲まれた土地の形から、その名が付いた。
▼稲作に向かないこの土地を開拓し水田にしたのは1200年以上前、高度な技術とともに朝鮮半島から
渡来した人々とされる。高麗(こま)郡と呼ばれたこの一帯だけではない。未開拓地だった関東平野の
各地に移住した「北朝鮮の高句麗系の渡来人」は農業などに高い生産能力を発揮したと東京都発行の
東京100年史にある。
▼政治、経済、産業、文化。幕末に黒船が到来する以前の日本では、新しい風はもっぱら西方から
吹くものだった。近年では冷戦終結とアジアの経済成長に伴い、西側に広がる国々の近さを誰もが
日常的に意識するようになった。貿易に観光に文化交流に。モノと人が行き交い、ビジネスが起こり、
互いに富を生む。
▼うれしい話ばかりではない。西風に乗って黄砂が飛来し、海岸には海洋ゴミも漂着する。
これらは技術と知恵でいずれ解決するとして、問題はいま発射台に載せられている「物体」だ。
かつて東アジアの海は、周りの皆に豊かさをもたらす交流の場だった。
まだ遅くはない。引き返す勇気を持て。そう呼びかけたい。
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090404AS1K0400404042009.html
【北ミサイル発射】「もう北朝鮮に支援は必要ない」市民からも怒りの声
2009.4.5 20:01
北朝鮮のミサイル発射強行で、市民からは「もう北朝鮮に支援は必要ない」と怒りの声が上がった。
拉致問題の解決に背を向けたまま核、ミサイル開発を進める暴挙。
拉致被害者の家族は「断固とした制裁措置を」と憤りの声を上げた。
地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された岩手県。陸上自衛隊岩手山中演習場近くの
飲食店店員、伊藤雄樹さん(29)は「PAC3が発動したら破片が落下しないかと不安だった」と話した。
ミサイル発射に対する怒りや不安は、通過ルート以外の各地でも聞かれた。
神戸市須磨区のスカイマークスタジアムで行われた関西独立リーグの試合を観戦した神戸市中央区の
会社員、坂井吉明さん(58)は「(北朝鮮は)自分の国のことしか考えないから信用できない。
もう日本は何の支援もする必要はない」。円山公園(京都市東山区)で花見をしていた神戸市長田区の
会社員、松谷徳子さん(30)は「被害はないということだが、今後何が起こるか、
北朝鮮が何をするか予測できない」と不安そうだった。
日本政府へ注文を付ける人も多く、和歌山県海南市で開かれた菓子祭を訪れた男性(65)も
「国連決議違反で、経済制裁をすべき」。高速道路料金の値下げでにぎわった名神高速道路上りの
大津サービスエリア(大津市)では、名古屋市の無職、須山則料さん(74)が
「被害がなくてよかったが、国には毅然(きぜん)とした態度で臨んでほしい」と話した。
一方、在日コリアンらは発射による影響を心配している。
大阪市生野区のボランティア団体「コリアボランティア協会」の鄭炳熏(チヨン・ビヨンフン)さん
(57)は「たとえ衛星だったとしても、世界を騒がせる事態を引き起こした北朝鮮政府は幼稚で
愚かだと思う」と非難したうえで、「在日コリアンにとって迷惑な話だし、何よりも北朝鮮に住む人が
気の毒だ。日本に住む北朝鮮籍の人たちが悪意を持ってみられることのないように願いたい」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090405/crm0904052002006-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090405/crm0904052002006-n2.htm
【北ミサイル発射】北朝鮮「衛星打ち上げ成功」と発表
2009.4.5 18:14
北朝鮮は5日、朝鮮中央通信の報道を通じ、試験通信衛星「光明星2号」を東海衛星発射場
(咸鏡北道花台郡舞水端里のミサイル発射施設)から打ち上げ、軌道進入に成功、観測データの電送や
中継通信も行っていると発表した。運搬ロケット「銀河2号」は3段式だとしている。
報道は「光明星2号」が「銀河2号」で同日午前11時20分に打ち上げられ、
9分2秒後に軌道に「正確に進入」、軌道傾斜角は40・6度で、地球からの最短距離が490キロ、
最長距離は1426キロとなる楕円(だえん)軌道を1時間44分12秒の周期で周回しているとした。
「光明星2号」からは「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」の旋律、
観測データが470メガヘルツで電送されており、UHF周波で中継も行われているとしている。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904051817008-n1.htm
【北ミサイル発射】ロシア軍警戒、市民は無関心
2009.4.5 18:20
長距離弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を発射した北朝鮮と国境を接する
ロシア極東の沿海地方では5日、軍の防空部隊などが警戒に当たったが、
一般市民はほとんどが「ミサイル発射」に関心を寄せておらず平穏を保った。
タス通信によると、極東のロシア軍当局者は「発射の瞬間から飛翔体の航跡を追尾した」と言明。
北朝鮮が国際海事機関(IMO)に報告した飛行ルートから大きくそれる不測の事態に備えて
通常よりも警戒態勢を強化して対応した。
沿海地方の中心都市ウラジオストクでは、2006年に北朝鮮が地下核実験を発表した際に、
放射能の飛散などを恐れる学生らが抗議のデモを行った。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904051821009-n1.htm
【北ミサイル発射】中朝国境、厳しい情報統制
2009.4.5 18:26
北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げた5日、中国吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市では、
公安当局者らが早朝、中朝国境に取材へ行こうとしていた記者の宿泊先の部屋に押し掛け
「北朝鮮を刺激してはいけない」と、一切の取材を禁止するなど、厳しい情報統制が敷かれた。
ミサイルが発射された北朝鮮・舞水端里から最も近い国境沿いの町、同州図們市では、
国境の豆満江(中国名、図們江)にかかる図們大橋の中国側で、
公安当局者とみられる私服の男性多数が、中国人観光客らを監視。
橋の上に行くチケットの販売所では「外国人は駄目だ」と、理由も言わず外国人が入ることを禁止した。
延吉市の朝鮮民族の男性(43)は「北朝鮮が衛星を発射して何が悪いんだ。
中国も国際社会も騒いで問題を大きくしすぎだ」と、中国当局などの対応を批判した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904051827010-n1.htm
【北ミサイル発射】遺憾で一致、日韓連携を確認 河村官房長官が駐日韓国大使と会談
2009.4.5 17:43
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を受け、河村建夫官房長官は5日午後、
首相官邸で韓国の権哲賢駐日大使と会談し、発射が国連安全保障理事会の決議違反であるとの認識で一致、
今後日韓両国で連携して対処する方針を確認した。
会談で河村氏は「北朝鮮が発射を強行したことは極めて遺憾だ。北東アジア地域の平和と安定のための
6者会合を含めた努力に逆行するものだ」と主張した。これに対し、権大使は「まったく同様の認識だ。
北朝鮮に対して強いメッセージを発信することが重要だ」と応じた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051744073-n1.htm
【北ミサイル発射】もどかしさ募らせる国交・海保
2009.4.5 18:30
北朝鮮のミサイル発射を受け、国土交通省や海上保安庁も幹部らが、航空機や船舶の安全や被害確認
のために追われた。被害はなかったが、ミサイルから切り放された2段目の落下海域は確認できず、
周辺を航行していた船舶の有無特定も困難な状況。幹部は「何から何まで分からない」と、もどかしさを吐露した。
国交省や海保に発射情報が入ったのは5日午前11時32分。4日には北朝鮮は「まもなく発射」
と予告しながら発射しなかったが、実際に発射された5日は何の前触れもなかった。
職員からは「今度は突然なのか」などと驚きの声があがった。
発射情報から2分後には航空機や船舶に対して注意を呼びかけるノータム(航空情報)と
航行警報を発令。国交省に危機管理対策室、海保に対策本部が立ち上げられた。
国交省や海保では、ミサイルの1段目、2段目の落下が予想される秋田県沖と太平洋海域を
危険区域として、事前に立ち入らないように注意しており、船舶・航空各社も航路変更などをしていた
ことなどから、被害は確認されなかった。
ただ、1段目の落下水域は事前通告通り秋田県沖の危険区域とみられるが、2段目は水域が確認できて
いない。日本海側で落下地点を捜索する海保航空機の出動は、民間機の運航を優先させた結果、
ミサイル発射から30分近く経過した5日午後0時12分までずれ込み、
落下周辺海域に到着したのは午後1時10分ごろになった。
幹部は「もう海に沈んでいるだろうし、万一浮いていても上空からは波があって見つけにくい。
被害が報告されていない以上、(出動の遅れは)やむを得ない」と話した。
太平洋側に飛んだ海保の航空機は、具体的な落下水域の情報がほとんどないため、
あてもない広範囲の海上捜索を強いられた。幹部は「もう少し詳しい情報があれば…」と漏らした。
国交省や海保では、これ以上の危険はないとし、ノータムや航行警報を6日以降は解除する方針。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051832075-n1.htm
【北ミサイル発射】2段目ロケットはどこへ?割り出しには時間
2009.4.5 19:07
北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルについて、政府は2段目のロケットが通告地点より手前の
太平洋上に落下するとの予測を出したが、落下を裏付ける明確な航跡は確認できていない。
2段目の落下位置はミサイルの飛距離をはかる重要な要素で、
防衛省でレーダー情報を詳細に解析するなど、分析を進めている。
防衛省は、米早期警戒衛星の情報や地上とイージス艦のレーダーを駆使しミサイルの飛行ルートを予測。
発射直後には、1段目が秋田県西方約280キロの日本海上に、
8分後には2段目が日本の東約1270キロの太平洋上に落下するとの予測を公表した。
1段目は各種レーダー情報を総合して映し出されるディスプレー上で予測地点への落下を確認できたが、
2段目は「画像だけでは物体の落下をはっきり確認できなかった」(防衛省筋)という。
北朝鮮は事前にロケットが落下する危険区域を日本の東側2150キロから先と通告しており、
防衛省の事前予測通りだと2段目は約900キロ手前で落下したことになる。
防衛省は2段目は「切り離されたかどうかも含めて、現時点では断定できない」としているが、
河村建夫官房長官は5日の記者会見で「2段目は日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと
推測される」と明言。「北朝鮮側の(設定した)危険地域よりはかなり手前になった」と述べた。
各種レーダーや衛星情報を詳細に解析すれば解明は可能とみられるが、
正確な割り出しには時間を要しそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904051909077-n1.htm
【北ミサイル発射】週明け金融市場は冷静な反応か
2009.4.5 19:14
北朝鮮がミサイルを発射したことについて、市場関係者は「日本の国土や国民に被害が出なかったため、
週明けの金融市場は冷静な反応を示すだろう」(大手証券)と比較的落ち着いて受け止めている。
野村証券金融経済研究所の木内登英経済調査部長は「地政学リスクの影響が出るのは原油が絡む場合が
多く、(北朝鮮問題を材料に株式市場で)外国人投資家が日本売りをする可能性は小さい」とみる。
外国為替市場への影響についても、JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは
「欧米諸国の関心は低く、世界的な『有事』の手掛かりとはなりにくい」と指摘。
週明けの円相場は、前週末の1ドル=100円を挟んだ動きの範囲にとどまりそうだ。
平成18年7月5日の北朝鮮によるミサイル発射で金融市場は、朝方から株、円、国債が同時に売られた。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090405/fnc0904051914001-n1.htm
【私はこうみる 北ミサイル発射】米議会調査局朝鮮問題専門官 ラリー・ニクシュ氏
「テロ支援国家に再指定を」
2009.4.5 19:18
日本が北朝鮮に最大限制裁しようと思えば、朝鮮総連の活動を禁止し、幹部を北朝鮮に送還することだ。
総連の資金源を絶つことも効果的な制裁となる。
米国の場合、北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、対敵国通商法を再適用することだ。
もっともオバマ政権が再指定に踏み切ることはないと思う。政権が北朝鮮との交渉の責任者だった
ヒル国務次官補を駐イラク大使に指名したことは、ヒル氏が進めた対話路線支持を内外に示したといえる。
政権はこの路線を継承し北朝鮮との対話に踏み切るだろう。
長距離弾道ミサイルの脅威を受けるのは米国だけであり、その脅威も非常に限定的といえる。
日本や韓国にとりより深刻な問題は、テポドン2号よりも中距離弾道ミサイルのノドンに核爆弾が
搭載されることだ。直接の脅威を受ける両国で、核政策の見直しを求める声が出てくるかもしれない。
米国はこうした動きを懸念することだろう。
伝統的に民主党は共和党に比べミサイル防衛(MD)計画に懐疑的だが、
北朝鮮が核爆弾をミサイルに搭載するようになったら、日本での計画を加速するだろう。
米軍のアジア・太平洋での配置も見直し、特にグアムの能力強化を図るのではないか。(談)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090405/amr0904051920006-n1.htm
【私はこうみる 北ミサイル発射】森本敏・拓殖大大学院教授
2009.4.5 19:26
今回の発射には国内、国際的な要因が背景にある。
北朝鮮は2006年7月、テポドン2号の発射実験に失敗した。
金正日総書記の健康不安による懸念を払拭(ふっしよく)する必要もあり、
3年に及ぶ技術開発の成果を見せることで国家の威信を回復し、国内を鼓舞する必要があった。
国際的な最重要課題は米国との関係だが、北朝鮮は6カ国協議が再開されれば寧辺の核関連施設の
査察問題の対応を迫られる。従って米国に常に脅威を与えうる弾道ミサイルの威力を示し、
外交上も高いポジションを維持しようとした。
北朝鮮は事前に人工衛星と宣言し、日米のミサイル防衛により撃墜される可能性を排除しようとした。
公海上に落として国際法上、人工衛星開発の権利を主張し、追加的な国連安保理制裁の回避をもくろみ、
国際機関への事前通告も行った。これは発射が米国の出方次第で中止できるといった性格のものではなく、
一貫したミサイル開発計画に基づいたものであることを示している。
ミサイルの射程が延伸され、核兵器が小型化されて搭載されることを考えると、
日本は抑止力を高めるため、さらなるミサイル防衛の技術開発に取り組む必要がある。(談)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090405/amr0904051928007-n1.htm
韓国、日米と連携しPSI参加へ 南北の対立激化必至
2009.4.5 19:58
【ソウル=水沼啓子】韓国政府は5日、北朝鮮のミサイル発射について、
「国連安保理決議違反であり、朝鮮半島および北東アジアの安定と平和を脅かす挑発的行為だ」
と批判する声明を発表した。日米と連携し今後、国連安保理に新たな決議案採択などを働きかけると
ともに、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に正式参加する予定だ。北朝鮮は、韓国のPSI参加を
「宣戦布告」と反発しており、南北対立がさらに深まることが予想される。
北朝鮮が主張する「運搬ロケット」に人工衛星が搭載されていても、基本原理は長距離弾道ミサイルと
同じ−とする韓国は北に自制を求めてきた。発射強行を受け、韓国は国際社会に厳しい対応を訴える方針だ。
青瓦台(韓国大統領官邸)は5日、打ち上げ直後に「北朝鮮の挑発に対して断固として毅然(きぜん)
と対応する」との立場を表明した。対北融和政策を進めた盧武鉉政権下では北朝鮮に配慮してPSIへの
参加を見送ってきたが、昨年2月の政権発足以降、北朝鮮に対し譲歩しない李明博政権が、
近くPSIに正式参加することで改めてその姿勢を示すことになる。
対北強硬姿勢の李政権に対し、北朝鮮は「逆賊一味」などと激しい非難と挑発を繰り返してきた。
3月には南北経済協力事業である開城工業団地の通行をたびたび遮断して、韓国企業関係者らを“抑留”。
同月末には「体制批判をした」として同団地で働く韓国人男性を拘束し、現在も解放していない。
一方、北朝鮮の朝鮮人民軍は1月、韓国に対して「全面対決態勢に突入する」と警告する声明を発表。
その後、北朝鮮は黄海上の軍事境界線に当たる北方限界線(NLL)に関する南北合意を破棄すると
宣言した。黄海上では過去に南北間の銃撃戦が起きており、軍事衝突の可能性を懸念する声も出ている。
韓国軍合同参謀本部は5日、北のミサイル発射を受け「現在朝鮮人民軍の特異な動きは確認されて
いないが、追加的な挑発に備えており、もし挑発すれば断固対応する」としている。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904052000011-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904052000011-n2.htm
【北ミサイル発射】世界衆目の中、失敗できなかった北朝鮮
2009.4.5 20:08
長距離弾道ミサイルを5日に発射した北朝鮮は今回、「人工衛星打ち上げ」と称し、
発射を国際機関などに事前通告した。北朝鮮としては「国際的な規定と慣例に合致」
(朝鮮人民軍参謀部)し国際ルールにのっとり“正々堂々”と発射したかたちだ。発射前の言動から、
成功への相当な自信がうかがえた北朝鮮だが、一方で発射は失敗が絶対に許されないものだった。
北朝鮮は発射準備を米国が捕捉して間もない2月、早々と「人工衛星」の発射計画を宣言した。
しかも、宇宙条約と宇宙物体登録条約に加盟のうえ、4〜8日の打ち上げを国際民間航空機関(ICAO)
と国際海事機関(IMO)などに事前通知するなど、過去にはない周到な準備の末に発射を断行した。
準備は米偵察衛星の監視を十分承知のうえ、見せつけるかのように行われた。
金融危機やアフガニスタン問題に注力する米国の目を、北朝鮮は自分の方に向けさせたかったようだ。
3月の米韓合同演習を激しく非難しつつも、「米国を交渉の場に引き戻したい」との本音がちらついていた。
北朝鮮は3月初旬からイラン人代表団を迎え、ミサイル発射の準備段階から作業に参加、
視察させたもようだ。ミサイル開発で両国は密接な関係だとされるが、
今回は北朝鮮にとって「商品」としてのミサイルをイランなどに売り込む絶好の機会だった。
9日には金正日総書記の国防委員長への再推戴(すいたい)が予想される最高人民会議(国会)が
控えている。ましてや、北朝鮮は世界に向けてすでに正式に発射を宣言していた。
世界が注目する発射に失敗は許されなかった。
4日に「まもなく打ち上げ」(朝鮮中央通信)を予告したにもかかわらず、
北朝鮮は発射を翌日に見送った。気象などが理由とみられるが、北朝鮮が細心の注意を払い、
万全の態勢で発射したことは確実だ。
北朝鮮ミサイル:米大統領が声明 「平和と安全に脅威」
【プラハ草野和彦】オバマ米大統領は5日、訪問先のチェコ・プラハで北朝鮮について声明を発表した。
声明でオバマ大統領は発射は「(長距離弾道)ミサイル『テポドン2号』の発射は
北東アジアと世界の平和と安全に脅威をもたらす」とし、「明確な安保理決議違反」と非難。
「国際的責務を無視し、明確な自制呼びかけを拒絶した挑発的な行為」で、
「国際社会からの一層の孤立につながる」と警告した。
また、大統領は国連安保理での審議を提起し、
「北朝鮮に対し、国連安保理決議の完全な順守とさらなる挑発的行動の自制を要請する」と表明。
一方、6カ国協議を通じて、朝鮮半島の検証可能な非核化の作業を継続する姿勢を明らかにした。
北朝鮮ミサイル発射に関するオバマ米大統領の声明は次の通り。
一、北朝鮮の弾道ミサイル技術開発と拡散は、北東アジアや国際社会の平和と安全に脅威を与える。
一、ミサイル発射は国連安保理決議1718への明確な違反だ。
一、挑発的行動により、国際社会からさらに自らを孤立させた。
一、日韓など同盟国などと協議し、安保理にこの問題をはかる。
一、安保理決議に全面的に従い、さらなる挑発的行為に及ばないよう強く求める。
一、大量破壊兵器と運搬手段の拡散を抑止することは、私の政権の高い優先事項だ。
一、6カ国協議を通じ朝鮮半島の検証可能な非核化に取り組む。
一、北朝鮮が国際社会に受け入れられる道はあるが、大量破壊兵器断念と国際的義務に従うことが条件だ。
毎日新聞 2009年4月5日 18時19分(最終更新 4月5日 20時14分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030023000c.html
北朝鮮ミサイル:保有数は既に約1000発 韓国側資料
【北京・西岡省二】韓国側資料によると、北朝鮮は既に約1000発の各種弾道ミサイルを保有すると
みられる。射程500キロ以下のスカッドB改良型(北朝鮮名「火星5」)
▽500キロ以上のスカッドC改良型(同「火星6」)やノドンを実戦配備し、
5500キロ以上の長距離ミサイルの開発を進める。固体燃料を用いた短距離ミサイル「KN−02」、
スカッド改良型の「SS22」、旧ソ連のSSN6潜水艦発射弾道ミサイルの改良型などの開発も進めている。
韓国を標的とするスカッドは約600発保有していると言われる。
非武装地帯(DMZ)周辺の地下などに配置され、韓国全域の軍事・産業施設を攻撃できる。
日本や在日米軍を標的とするのはノドンとSSN6で、ノドンは約200発、SSN6は約50発が
日本海側のミサイル基地などに実戦配置されているという。ノドンの日本までの飛行時間は7〜10分と
される。いずれも命中率は低く、軍事目標を狙うより、大都市への無差別攻撃に適しているといわれる。
毎日新聞 2009年4月5日 19時05分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030036000c.html
北朝鮮ミサイル:「テポドン2号」3段式に改良か
【ソウル西脇真一】北朝鮮が5日、「人工衛星」として発射した長距離弾道ミサイルは、
06年に発射に失敗した「テポドン2号」の改良型とみられる。
韓国国防白書は今年、北朝鮮がテポドン2号の「欠陥を補完していると判断される」と指摘していた。
韓国紙によるとミサイルは3段式とみられ、北朝鮮が事前通告した1段目(日本海)と
2段目(太平洋)の落下地点から、最大射程は8000キロ以上と推計される。
テポドン2号の射程6000キロを延ばすため、2段式から3段式に改良した可能性が高い。
韓国国家情報院傘下にある国家安保戦略研究所の南成旭(ナムソンウク)所長は、今回の弾道ミサイル
の開発費用が推定3億〜5億ドル(300億〜500億円)に上ると韓国メディアに語った。
北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記がかつて、
98年のテポドン1号の発射に「2億〜3億ドルかかった」と述べたことからの推定だ。
北朝鮮は93年5月、日本海に向けて中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)を発射。
飛距離は推定500キロだった。98年8月には「テポドン1号」(同約1500キロ以上)の
発射実験を行い、ミサイルの一部は日本列島を越えて発射地点から約1600キロ離れた三陸東方沖の
太平洋に落下したとされる。同年9月、北朝鮮側は「人工衛星を打ち上げた」と発表した。
北朝鮮はさらに、06年7月5日未明から午後にかけて7発の弾道ミサイルを日本海に向けて連続発射。
3発目がテポドン2号だったとされる。ただ、自衛隊は「発射数十秒後に、数キロの高さで1段目を
分離せずに空中分解し、発射地点の近くに墜落したとみられる」と結論付けていた。
毎日新聞 2009年4月5日 19時22分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030039000c.html
北朝鮮ミサイル:関係国に冷静な対応呼びかけ…中国外務省
【北京・浦松丈二】中国外務省の姜瑜副報道局長は「関係各方面が落ち着きと抑制を保って適切に
対応し、地域の平和と安定の大局を共同で守るよう希望する」と述べ、関係国に冷静な対応を呼びかけた。
副局長は「朝鮮(北朝鮮)側は実験通信衛星の発射を事前に宣言していた」と指摘した上で、
「関係各方面の反応に留意している」と今後の推移を慎重に見守る姿勢を示した。
さらに「中国は引き続き建設的な役割を発揮していきたい」と語った。
中国国営・新華社通信や中国中央テレビは発射と各国反応などの事実関係を論評抜きで伝えている。
毎日新聞 2009年4月5日 19時46分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030048000c.html
北朝鮮ミサイル:露外務省「人工衛星」と各国に自重要請
【モスクワ大木俊治】ロシア外務省は「北朝鮮が5日朝に人工衛星を打ち上げた」との声明を発表した。
声明は、事前にロシア側に通告があったことや、現在衛星の軌道を確認する作業を行っていることを
明かし、「緊迫する情勢下で関係各国が独自の評価や行動を自重するよう求める」と述べた。
ロシア宇宙部隊のオスタペンコ司令官は、インタファクス通信に対し
「情報の収集と分析の終了後に(ミサイルか人工衛星か)発射の性格について結論を出す」と述べた。
一方、ロシア軍の極東防空部隊のロシャ副司令官は、ミサイルの方向がそれてロシア領内に落下する
可能性があれば撃墜する用意をしていたことを認めた。
毎日新聞 2009年4月5日 20時11分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030058000c.html
テポドン2同改良型、推定射程1万キロ
北朝鮮は、90年代以降の経済事情の悪化にもかかわらず、弾道ミサイルの長射程化、
命中精度の向上、ミサイルの機動力を高める固体燃料化などの開発研究を継続してきたとみられる。
▽テポドン2・同改良型
米議会調査局によると、北朝鮮が06年7月に発射したテポドン2は全長約35メートルの
2段式ミサイル。05年に生産を開始し、06年に約20基を保有したと分析されている。
改良型はこれに3段目を加え、長射程化したものとみられ、射程は1万キロとの推定もある。
3段目には、液体燃料より扱いやすく、高度の技術力が必要な固体燃料を使用する可能性も指摘される。
長年、ミサイル開発で北朝鮮と協力関係にあるイランは2月、固体燃料を使った人工衛星の発射に
成功したとされる。
98年8月の「テポドン1」発射では、ミサイルの2段目部分は、舞水端里から1620キロ先の
三陸沖に落下したが、北朝鮮が今回、事前通報した2段目の落下地点は約3600キロ先になり、
計画通りなら、10年で射程が2倍以上延びたことになる。ただ、韓国紙・朝鮮日報によると、
北朝鮮が今回通報した2段目部分の落下危険区域の「面積」は、ロシアが最近、衛星ロケット発射で
予告した面積の約13倍に上るという。「ミサイル先進国」との技術力の差を示唆するものと言える。
>342
▽新型ミサイル
このほか、08年版の韓国国防白書は、北朝鮮が射程3000キロ以上の新型中距離弾道ミサイルを
07年に実戦配備したと指摘した。
これまで北朝鮮が実戦配備した弾道ミサイルの中で、最長射程はノドンだったが、
新型ミサイルはアジア太平洋地域における米軍の拠点、グアムを脅かすものだ。
新型ミサイルは、旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を改良したものとされ、
トラックに搭載して移動可能で機動性に優れているとされる。
▽能力・技術
テポドン2の多段式ミサイルに利用されているノドンは、誘導・制御技術に問題があって、
命中精度が低く、日米の専門家らの見方では、半径4キロ程度の広がりを持つ目標を狙っても
半分はその外側に落ちるという。
ただ、北朝鮮は、中東諸国などミサイル輸出先への技術者派遣を通じ、
各国のミサイル関連データを蓄積し、自国のミサイル開発に活用してきたとみられる。
北朝鮮は06年7月、テポドン2やノドン、スカッドなど7発のミサイルを発射したが、防衛省は、
〈1〉夜明け前に発射を開始
〈2〉短時間で種類の異なるミサイルを連続発射
〈3〉射程の異なる弾道ミサイルを一定の範囲内に着弾させた
――ことなどから、確実にミサイルの運用能力を向上させているとの見方を示している。
(2009年4月5日13時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00436.htm
確認されぬ「2段目」、指定区域外れ日本側に落下か
北朝鮮の発射したミサイルは、1段目のブースターが秋田県西方沖約280キロの日本海に落下し、
2段目のブースターの落下場所は特定されていない。
北朝鮮は当初、1段目のブースターは秋田県西方沖約130キロ〜280キロの海域への落下を予測、
さらに2段目については房総半島の東方約2150キロ〜3000キロの太平洋海域への落下と予測してきた。
今回、1段目は予測海域のうち最も朝鮮半島に近い公海上に落下した。
2段目の落下海域は不明だが、海上自衛隊イージス艦の追尾による落下推測地域は、
予想海域より日本列島に近づいた海域であることが推定されている。
北朝鮮は1998年8月に弾道ミサイル・テポドン1を発射し、日本列島を飛び越えて三陸沖の
太平洋に落下させている。この時の飛翔(ひしょう)距離は約1600キロと推定されており、
今回のミサイル発射は北朝鮮にとって最長飛翔距離に達したとみられる。
(2009年4月5日14時02分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00454.htm
日米韓で緊密に連携、日韓外相が電話会談
中曽根外相は5日午後、韓国の柳明桓(ユミョンファン)と外交通商相と電話で会談し、
北朝鮮が「人工衛星」名目でミサイルを発射したことについて、国連安全保障理事会決議違反であり、
容認できないとの認識で一致。日米韓3か国が緊密に連携することを確認した。
中曽根外相は「国連安保理決議も念頭に、安保理でしっかりと取り上げたい」と述べた。
柳外相も「北朝鮮に対して強いメッセージを発信することが重要だ。
日本をはじめとする関係国の努力を支持し、最大限の協力をしたい」と応じた。
(2009年4月5日15時41分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090405-OYT1T00512.htm
「我々の機能は十二分に果たした」…防衛相会見
浜田防衛相の記者会見の全文は以下の通り
◇
私の方から冒頭にご報告させて頂きたいと思います。北朝鮮による飛翔(ひしょう)体発射事案につきましては、
判明している点としては、本日11時30分ごろ、北朝鮮から東の方向に飛翔体が1発発射され、
11時37分ごろ、東北地方から太平洋に通過したものと推定しております。落下物については、
11時37分ごろ、秋田県の西、約280キロの日本海上に落下したものと推定しております。
その他、飛翔中の物体に関する情報については、11時48分ごろ、日本の東、
2100キロの太平洋上で追尾を終了したところであります。
防衛省においては、事案発生直後の11時34分ごろに状況把握のための緊急幹部会議を開催し、
さらに先刻、本件に関する関係幹部会議を開催したところであります。現在までのところ、
自衛隊においては、自衛隊法第82条の2第3項に基づく破壊措置は実施をしておりませんが、
引き続き、艦艇及び航空機により、警戒監視活動を実施中であります。
私からも情報収集、分析と警戒監視活動に万全を期すよう、重ねて指示をしているところであります。
今回の事案については、先般からの我が国を含む国際社会からの自制の要求にもかかわらず、
北朝鮮が飛翔体発射を実施したことについて、大変遺憾であると考えており、今後、関係国と緊密に
調整しつつ、政府全体として毅然とした態度を取ることになると考えているところであります。
以上であります。
>349
――破壊措置は行わなかったということが、ミサイル防衛システムが十分に機能したかどうかを伺う。
追尾終了したのが約2100キロ先ということだが、北朝鮮は2150キロ先付近を危険区域として
設定していた。2100キロで追尾を終了したのは、何か技術的な問題があったのか。
防衛相 これは技術的な問題というよりも、水平線もございますし、我々のレーダーの能力からいけば、
当然、(イージス艦)「きりしま」の太平洋側に出ている、我々のイージスのレーダーも当然、
水平線が切れてしまえば、これから先はなかなか取れないということもありますので、
そういったことも考え合わせてということだと思います。
――午後1時から行われた官房長官の記者会見では、1270キロ先付近に二つめの落下物が
落ちたと説明しているが、先ほどの防衛省との説明とは食い違うが、どうなっているのか。
防衛相 食い違いではなくてですね、我々とすると、その件に関しましては、推測というふうに
していたわけでありますけれども、いずれにしても、確たる分析結果が出てみないと、
そこで内容に差が出るといけませんので、そういう意味では、これから解析をした上で、
もう一度ご発表をさせて頂くことになろうかと思います。
――2段目以降の行方をどう把握しているか。人工衛星の投入は出来たのか。
防衛相 それはまだこれからの分析を待っているところでありますので、今おっしゃったように
人工衛星うんぬんというお話は少々時間がかかると私どもとしては考えているところであります。
――自衛隊の警戒監視態勢を継続するということだが、破壊措置命令はいつ解除する考えか。
防衛相 これに関しましては、当然、我々とすれば、(4月)10日までの命令を出しているわけで
ありますので、随時、その状況に応じて、撤収する形になろうかと思っております。
――2発目、3発目の発射の兆候はあるか。
防衛相 これはあくまでも情報にかかわることでありますので、我々とすれば、今ここでコメントは
差し控えさせて頂きたいと思いますが、情報収集活動は今後も、今、続けておるところであります。
>350
――市ヶ谷のPAC3は既に発射台を降ろした状況だが、警戒は解いていると考えていいのか。
防衛相 一応、PAC3等々については、当然、これは今の飛翔体、我々が警戒していたものに
ついては、我々の頭上を越したわけでありますので、いったんは当然、降ろして、今後の色々な状況に
鑑みれば、今回は頭を降ろして、一応、態勢をそこで形としてはそういった、あまりとパッと立てて
おくというのは非常に住民の皆さん方も不安なことだと思いますので、我々とすれば、
一旦はそれを降ろしたというところでございます。
――昨日は情報伝達の関係で、誤探知があったが、今日の政府の一連の対応についてどう考えるか。
防衛相 我々とすれば、昨日は大変、我々とすれば遺憾な形になったわけでありますが、本日の態勢に
つきましては、そういう意味では、大変うまく情報の伝達態勢はとれたものと思っております。
――第一報が入ったのは、早期警戒衛星、または日本の自衛隊のレーダーだったのか。
防衛相 そこは機微に、我々のシステムにかかわることでありますので、そういった意味では、
すべての情報を勘案しての形で我々とすれば判断したということであります。
――早期警戒衛星からの情報は入っていたのか。
防衛相 当然それも合わせてと今申し上げたように、我々とすれば、色々な情報をすべて勘案して、
判断したということであります。
>351
――北朝鮮が予告していた4日から8日の間に発射された。日本に落下することなく飛行した。
北朝鮮のミサイル開発の技術水準については、どう分析するか。
これは日本に対しての脅威が増大したと考えるか。
防衛相 それは我々とすれば、今後、今、お話にあった件については、これからの分析をしなければ
ならないと思っていますし、そういった意味においては、今ここで技術的なことを私が申し上げる段階
にはないと私は思っております。
ただ、当然、日進月歩の技術というのもあるでしょうし、我々の方もそれに対応して、
色々なシステムを考えておるわけでありまして、そういう意味では、今回の情報の伝達にしても、
ほとんどリアルタイムで情報が出て行ったということもございますので、そういった意味においては、
技術という面においては、当然、年数の積み重ねというのがあるというふうには考えられますが、
確たることは当然、分析の結果を待った後に、我々とすれば、評価すべきことだと思っております。
――分析結果だが、一定のものがまとまった段階で公表する考えはあるか。
1か月とか、公表にかかる時間のメドはどれくらいを考えているか。
防衛相 今日の今日でございますので、具体的な時間というか、日数というのはなかなか申し上げられ
ませんが、我々とすれば、お伝えできる範囲のものは当然、お伝えをしていきたいと思っております。
>352
――今回初めてミサイル防衛のシステムを実任務として使ったことになると思うが、住民への説明など
新たな課題も出てきていると思うが、今の段階で、ミサイル防衛についてどう評価をしているか。
防衛相 我々の持っている機能は十二分に果たしたものと思っております。機能としての部分での追跡、
いわゆるレーダー等々のものに関しては、能力を十二分に発揮したものと思っております。
ただ、今回の場合には、我々とすると、非常にそういう意味では、北朝鮮の対応というのが、
国際機関に色々なものを通報したとか、そういったことがあったわけですので、今回の場合の対応と、
また、他の場合をなかなか区分けして判断するのは難しいところだと思っています。
ですから、そういった意味においては、今回のような場合と、そうではない場合、当然、
これは国民保護法制の関係にもかかわってくると思うんですが、住民に対する説明等々、不測の事態に
どうやって対応するかは、これはまだ我々とすれば、もう一度検証する必要があるのかなと思っています。
ただ、今回のように公開されて国際機関に色んなものが通報された中でのことに関しては、
我々とすれば、確たるものができたのかなと思っております。
――今回のオペレーションで、米軍との連携を密にするということだったが、今回、米軍との連携、
協力は十分に機能したとお考えか。
防衛相 当然、我々、普段から情報収集に、そして、お互いの情報交換等々については、
日ごろからこれを行ってきているところでありますので、そういった意味においては我々とすれば
そこに問題点があったというふうには考えておりません。
>353
――北朝鮮は今回、発射を予告し、海域も指定し、段取りをきちんと踏み、衛星からの監視網にも
公然とミサイルを立てるような行動をとった上で、きれいに発射したという印象を持つ。
この北朝鮮の行動全体についてはどう感じているか。
防衛相 そういう意味では、我が国の上を飛ばすというのは、極めて不愉快でもありますし、
こういったことがない方がいいわけでありますので、我々とすれば、いかに手続きをとろうとも、
やはり他国の上を、こういった飛翔体を飛ばすというのは極めてこれは問題があると思っておりますので、
当然これに対しては、国際機関に対して、しっかりと対応していかないといけない。
これはもう我々、政府全体として、対応を決めていかなければならないと思っているところであります。
――秋田県沖に落ちた落下物を回収する考えはあるか。
防衛相 それが果たして出来るかどうか、今ここで、私の方も、お答えするだけの情報を持って
おりませんので、これはちょっと今後の課題だと思っております。今後、対応を考えることだと。
――平成10年の弾道ミサイル発射の場合は、「北朝鮮は弾道ミサイルの長射程化をにらんだ
技術的課題の検証が目的だった可能性が高いと判断される」と防衛庁が分析結果をまとめていたが、
今回の発射については、どう見ているか。
防衛相 当然、これはいかなるものであっても、技術的な部分というのは、要するに運搬手段としての
能力を上げて、検証するというのはどこも考えていることだと思いますので、頭に載っている物の違い
だけで、ロケットかミサイルかというのもあるわけでありますので、それを運ぶ手段としては、
色んな材料が取れるわけでありますから、技術的な部分を検証するというのは、ミ
サイルでもロケットでも同じことだと私は思いますので、そういった意味においては、
今おっしゃったように、北朝鮮が、どこに意図があるのか分かりませんが、しかし、
そういった色んな要素を含んだものを今回のことで得たということは間違いのないことだと思います。
>354
――人工衛星であればあるであろう電波の発信は受信できているのか。
防衛相 これはまだ時間のかかる話だと思いますし、今、我々の方でそれを確認するすべがございま
せんので、色々な情報を収集した上で、そうであるのか、ないのかというのは分かると思いますが、
ただ、これはすぐに結論の出ないことだと思っておりますので、時間を要するものと認識している
ところであります。
――2段目の切り離しは成功したのかどうか。
防衛相 それも含めて、まだ、航跡も含めて確認しないと、分析をしてみないと切り離したかどうかも
あれですし、すべての、最初からの上がったブースターの燃焼も含めて、やはり、すべて解析してから
ではないと、ちょっと判断がつきませんので、その点についても、ちょっとお時間を頂ければなと
思っております。
――太平洋上の2つ目の危険海域の手前に落下した可能性も念頭に置いているか。
防衛相 それに関しても、ここで継続的に見ている部分もありますから、その部分の解析をして
みないと、今ここで特定的に出来るだけの材料がないので、そこも含めて時間を頂きたいと思っている
ところであります。
――これまでに北朝鮮が危険地域などを想定して告知してきている。
北朝鮮がこう飛ばすだろうという想定と、今回のものは合致していたか。
防衛相 要するに、我が国のはるかかなた上空を飛んでいったラインというのは、そういう意味では、
ほとんど合致しているのではないかと思っております。ただ、距離的なものは解析してみなければ
分かりませんので、我々とすれば、今後しっかりと検証してみたいと思っているところであります。
>355
――当初は4日から発射する予定だったと思うが、昨日見送られ、きょう発射が実施された要因は
どう見ているか。
防衛相 そこはまだ我々とすれば、情報が、判断するだけの情報がまだ全部そろっていないですし、
昨日からも、いろいろなことが言われているわけでありますけれども、我々からすれば、
しっかりとしたものが、今のところ、判断する材料を持っておりませんので、これも含め、
どうなのかというのは分かるかどうか分かりませんが、可能な限り考えてみたいと思いますが、
直接これだというものが今ないものですから、これはちょっとコメントできない。
――アメリカ政府は「テポドン2」と声明を出しているようだが、
日本政府は「テポドン2」「テポドン2改良型」とか、どういうふうな評価をしているか。
防衛相 これに関しては、今はっきりと決めるだけのあれを持っておりませんので、それも含めて、
もう少しお時間を頂きたいなと。解析をさせて頂きたいと思います。
――国民に対して、今回のオペレーションを通じて、どうだったか一言お願いします。
防衛相 大変、昨日、我々とすればああいった誤報ということもしてしまいまして、
大変申し訳なく思っているところでございますが、しかしながら、発射にあたっては、我々とすれば、
情報収集の体制は、大変、確実に出来たと私は思っております。そういった意味で、昨日みたいなことが
ないように、今後もしっかりと情報伝達も含めて、対応して参りますので、今後とも、こういったことに
関するご理解、そしてまた、色んなご指摘を頂ければと思っているところでございます。
(2009年4月5日16時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090405-OYT1T00531.htm
北朝鮮「衛星打ち上げ成功」と報道
【ソウル=前田泰広】北朝鮮の朝鮮中央通信は5日午後、「運搬ロケット『銀河(ウンハ)2号』で
人工衛星『光明星(クァンミョンソン)2号』を軌道に進入させることに成功した」と報じた。
銀河2号は「3段式である」としている。
同通信は銀河2号が5日午前11時20分、北朝鮮北東部の咸鏡北道花台(ファデ)郡にある
東海(日本海)衛星発射場から打ち上げられ、同29分2秒に光明星2号を正確に軌道へ進入させた
としている。「衛星は軌道を正常に周回している」とも伝えた。
衛星からは「金日成(キムイルソン)将軍の歌」「金正日(キムジョンイル)将軍の歌」の旋律と
測定データが周波数470メガ・ヘルツで地球へ送信されていると報じ、
衛星打ち上げを「宇宙の平和利用」と改めて主張した。
(2009年4月5日16時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090405-OYT1T00537.htm
北のミサイル、日本の技術を転用か…万景峰号で不正輸出も
北朝鮮の弾道ミサイルには、日本製の精密機器や日本の高度技術が転用された疑いが、
警察当局の捜査や国際機関の調査などで明らかになっている。
ミサイルに転用可能な精密機器は「ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)」で規制され、
輸出には政府の許可が必要だが、北朝鮮は第三国を迂回(うかい)するなど様々なルートで調達を
図ったとみられている。
2003年5月の米上院公聴会。北朝鮮から亡命した元技官の男性は「北朝鮮のミサイル部品の
90%は日本製」と証言した上で、「(日本製機器は)2、3週間ごとに連絡船で運ばれた」と説明し、
新潟港―北朝鮮間で運航されていた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が、
機器類の調達に利用されていたことを明らかにした。
警察当局はこうした証言を受け、北朝鮮向けの不正輸出の摘発を強化。警視庁公安部では03年6月、
ミサイルの固体燃料の製造に利用できる「ジェットミル」をイランに不正輸出したとして
都内の機械メーカーを摘発し、同社が、北朝鮮にも万景峰号を使ってジェットミルを不正輸出していた
ことを解明した。
これによって、北朝鮮が液体燃料の場合、ミサイルに注入するまで時間がかかることを嫌い、
短時間で注入できる固体燃料に切り替えるため、日本製のジェットミルを入手したのではないか、
という疑惑も浮かび上がった。
03年10月には、福岡県警がミサイルの移動式発射台に転用可能なトレーラーの荷台部分を
北朝鮮に不正輸出した自動車販売会社を摘発。04年1月には神奈川県警が核兵器開発に転用可能な
インバーター(周波数変換器)を北朝鮮に不正輸出した新潟県内の貿易会社の社長を逮捕した。
>358
こうした精密機器について、経産省は02年4月、大量破壊兵器の開発に転用される恐れのある場合、
すべて輸出規制の対象とする「キャッチオール規制」を導入。
さらに、同省は「大量破壊兵器の開発に関与している」としている「外国ユーザーリスト」に、
朝鮮労働党で軍需部門を統括する「第2経済委員会」傘下の「朝鮮鉱業貿易会社」(別称・蒼光信用会社)
や「朝鮮富強貿易会社」など70社以上の北朝鮮企業を記載し、輸出管理を強めている。
それでも07年8月には、ミサイル部品に転用可能な日本製工業用コンピューターを北朝鮮に
輸出していた台湾の商社が台湾当局に摘発され、昨年6月に神奈川県警が捜索した同県相模原市の
メーカーも、台湾経由でウラン濃縮に転用できる真空ポンプを北朝鮮に輸出した疑いが浮上するなど、
北朝鮮が輸出規制の網をかいくぐりながら、日本製品の調達を続けている疑いが強まっている。
北朝鮮のミサイル開発を巡っては、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の関連団体
「在日本朝鮮人科学技術協会」(科協)の幹部で、エンジン工学の権威とされる科学者が
1998年8月と06年7月の2回、「テポドン1」と「テポドン2」がそれぞれ発射された際、
北朝鮮に渡っていたことが判明するなど“ 頭脳流出”の問題も指摘されている。
(2009年4月5日16時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00464.htm
朝鮮総連周辺、右翼団体が機動隊員と小競り合い
東京・千代田区の「在日本朝鮮人総連合会」(朝鮮総連)中央本部周辺では、5日正午過ぎから
右翼団体の街宣車十数台が街宣活動を繰り返し、一部の構成員は、車両の進入が禁じられた
同本部前まで歩いて近づき、警戒にあたっていた警視庁の機動隊員と小競り合いになった。
同本部は日曜日ということもあって、鉄の外扉が固く閉じたままだったが、
北朝鮮の朝鮮中央通信が「人工衛星の打ち上げ成功」と報じた同日夕、
「平和利用を目的とした宇宙開発は、すべての国が持っている当然の権利」とコメントした。
一方、在日本大韓民国民団(韓国民団)は、北
朝鮮の「弾道ミサイル」発射を「民族の名誉をおとしめる蛮行」とする抗議声明を発表した。
(2009年4月5日19時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00674.htm
ミサイル発射で与野党、北朝鮮非難決議を両院で採択へ
北朝鮮のミサイル発射を受け、与野党は5日、「極めて遺憾だ」などと北朝鮮批判を強めた。
衆参両院は7日にも北朝鮮非難決議を採択する。
与党などは日本独自の制裁強化、国連安全保障理事会での新たな決議を求める方針だ。
自民、公明両党は5日、自民党本部で「与党北朝鮮ミサイル問題対策本部」の会合を開き、
「北東アジア地域の平和と安全を損なう行為で断じて容認できない」とする声明を発表。
日本独自の追加制裁も「早急に検討し、決定すべきだ」と求めた。
自民党は6日から制裁の具体案検討に入る。
対策本部では、公明党の北側幹事長が、政府が4日に誤った発射情報を発表した問題について、
「事のてんまつをちゃんと報告し、誰の責任かもはっきりさせるべきだ」
と防衛省幹部に詰め寄る場面があった。
民主党の鳩山幹事長は三重県松阪市内で記者団に「安保理決議違反という思いは民主党も共有する。
さらなる経済的な厳しい措置を取ることも必要ではないか」と述べた。誤発表問題については、
「謝って済む話ではない。原因の徹底究明と責任追及を予算委員会の集中審議などで行うべきだ」と訴えた。
共産党は志位委員長の談話で発射行為を批判したが、安保理決議違反かどうかについては
「発射されたものが何かを見極めた上で、見解を明らかにする」とするにとどめた。
社民党の重野安正幹事長もこの点に関する言及を避けた。
国民新党の亀井久興幹事長は誤発表問題について、「今後、間違いない対応をしてほしい」と語った。
(2009年4月5日19時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090405-OYT1T00677.htm
北朝鮮ミサイル:平壌でTVが報道 市民「国民を鼓舞」
試験通信衛星「光明星2号」を打ち上げた5日の平壌は、日本の彼岸に相当する「清明節」と
日曜が重なったため、墓参りに出かけ、打ち上げ成功を知らない市民も多かったが、
報道に接した人々は「国威を高めた」「国民を鼓舞する出来事」などの受け止めをみせた。
朝鮮中央テレビは同日午後5時からのニュースで、打ち上げ成功を伝える朝鮮中央通信の報道を
放映したが、打ち上げ場面の写真や映像などはなかった。
同テレビのニュースを見ていた平壌市普通江区域の崔英哲さん(47)の家庭では、
家族がテレビの前に集まり、男性アナウンサーが「打ち上げ成功」の報道を読み上げると、
一斉に拍手を送った。
崔さんは「強盛大国を建設するため突き進む国民を大きく鼓舞するだろう」と話した。
「苦しい道を歩んできた国民に、最後は勝利するという確信を抱かせる」と話す許純希さん(39)は、
「国の権威を高めた」と誇らしげだった。
大学教授の鄭秀進さん(55)は「自立的な民族経済の威力を示し、自力更生だけが勝利への道だと
いうことをあらためて証明した」と指摘した。(共同)
毎日新聞 2009年4月5日 20時26分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030061000c.html
北朝鮮ミサイル:かけ離れた北の常識 拉致家族強い怒り
「言語道断の蛮行だ」。北朝鮮が予告通り長距離弾道ミサイルの発射に踏み切った5日、
拉致被害者家族会のメンバーらは、強い憤りの声を上げた。各地で抗議行動も起きる中、
ミサイルが上空を通過した秋田、岩手両県では、前日から不安げに空を見上げていた住民が、
実際に何事もなく安堵(あんど)の表情をみせた。
一方、平和団体や市民からは「冷静に受け止めるべきだ」との声も聞かれた。
◇締め付け強化を
横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(73)らは5日午後、
東京・有楽町で街頭活動を行い、北朝鮮を強く非難した。
早紀江さんは「北朝鮮は我々の常識とはかけ離れている」と述べ、家族会の増元照明事務局長(53)
も「国際社会のルールを破ればそれだけのリスクがあることを北に知らせていかなければならない」
と訴えた。
活動終了後、飯塚繁雄代表(70)は「発射された以上、これを契機に各国で北朝鮮への締め付けを
強化してほしい」と話した。
街頭活動に先立ち家族会は支援団体「救う会」と拉致議連と連名で緊急声明を出した。
声明は「我が国の安全保障に対する重大な脅威で国連安保理の決議を踏みにじる」
「人工衛星といっているが、食糧不足に対して国際社会から人道援助を受けながらなぜ衛星が必要なのか。
狙いは人民を餓死させても核ミサイルを持ち、恫喝(どうかつ)外交を行うことだ」と指摘。
そのうえで、拉致問題に対する不誠実な対応も理由の一つと明示しての追加制裁実施を求めている。
【鈴木一生、曽田拓】
>363
◇ほっとした
広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長(83)は「被害がなかったことにほっとしている」と
話す一方「北朝鮮は最小限の情報しか漏らさなかったが、衛星なのかミサイルなのかを明らかにすべきだ。
核軍縮の時代なのだから『武器よさらば』という姿勢に変わってほしい」と述べた。
長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄(すみてる)会長(80)は「衛星打ち上げといっても核兵器の
開発に直結する可能性がある。核兵器を使えば地球を滅ぼすということを北朝鮮はよく考えてほしい」。
「北朝鮮が世界的に孤立しているから核兵器開発に追い込んでいる側面もある。
日本政府も結局は米国からの情報頼み。より近い国がこれでは問題だ」と指摘した。
沖縄で反基地、平和運動を続ける沖縄平和市民連絡会の当山栄事務局長は
「発射されたのが人工衛星かミサイルなのかをデータを集め客観的に分析することが必要。
日本も人工衛星を打ち上げているのだから、衛星打ち上げなら、そのこと自体を非難するのは
おかしいのではないか」と話し、冷静な対応の必要性を強調した。【井上梢、錦織祐一、三森輝久】
◇偏見が心配
韓国、朝鮮系の飲食店や商店が軒を連ねる東京都新宿区のJR新大久保駅付近の繁華街では、
発射を冷静に受け止める声が多い一方、在日韓国・朝鮮人への影響を心配する声も聞かれた。
韓国料理店を営む在日3世、李仁俊(イインジュン)さん(55)は客への対応に追われ
午後1時過ぎに発射をニュースで知った。「日本に落ちる可能性は小さいと聞いていたので
心配はしなかった。店もお客さんの様子もいつもと同じ」と話した。
ソウルから観光で訪れた大学生、朴秀(パクス)さん(24)も
「もっと騒然としているのかと思ったが、街は静かで何もなかったみたいですね」と話した。
韓国雑貨店を営む女性(44)は「発射で私たち韓国・朝鮮人への偏見が生まれるのが嫌だ。
ワールド・ベースボール・クラシックで日韓がいいムードになっているところなのに」と心配した。
【林哲平】
>364
◇「危害が心配」
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部広報室は、朝鮮中央通信が「人工衛星打ち上げ成功」
と配信した後に「我が国と民族の科学技術発展と繁栄、平和的宇宙開発における国際協力に大きく
貢献することになろう」とコメントを出した。
東京都千代田区の中央本部前には発射直後から街宣車が集まり「ミサイル発射を国民に謝罪しろ」
と抗議活動。警視庁によると5日午後は周辺で右翼団体や市民グループなど約20団体の活動が
確認されたが、逮捕者や大きな混乱はなかった。
朝鮮総連によると、福岡県本部に3月下旬「ミサイル発射やめろ」と書かれた紙に包まれた石が
投げ込まれ、広島や愛知の朝鮮学校には脅迫めいた電話がかかっているという。
総連関係者は「今後、朝鮮学校生徒への危害などが心配だ」と話した。
◇民団も抗議
在日韓国人を中心とした在日本大韓民国民団(民団)は発射後、北朝鮮や朝鮮総連に抗議文を送ったと
発表した。抗議文は「隣国に対する『威嚇行為』で、日本において真の共生社会のため努力している
我々と子弟が日本社会で被る打撃は計りしれない」と非難。
その後、民団職員らが東京・有楽町の街頭で抗議の意思をアピールするビラを配布した。
毎日新聞 2009年4月5日 20時27分(最終更新 4月5日 20時36分)
北朝鮮ミサイル:戦争準備のムード心配…街の声
北海道江別市のタクシー運転手の男性(49) 「日本を狙う」と宣言したのならともかく、あまりに騒ぎ過ぎ。景気が悪いのに、子供みたいな国の相手をしている場合じゃない。
札幌市の主婦、犬伏(いぬぶし)明子さん(62) 物々しい報道ばかりだけどピンと来ない。「じゃあ日本も軍備を強化しよう」「戦争の準備をしよう」というムードにならなければいいが。
東京都江東区の主婦(48) ミサイルを飛ばすこと自体が平和を乱す行為。あまり過敏になってもいけないが、誤発表など日本の対応をしっかり考えないといけない。
横浜市の中学3年、平塚達(とおる)さん(14) 僕たちのお金でイージス艦などを動かしているのはばからしく思う。日本に落ちなかったのはよかったが、あまり騒いでも仕方がない。
名古屋市の会社員、松下清司さん(32) 不愉快だが、被害がなくてよかった。拉致問題もあり、さらに経済制裁などを加えるのもやむを得ないのでは。
津市の女性会社員(26) 東北の人たちは不安だったと思う。東海地方はあまり関係ないと感じ危機感はなかったが、誤発表は困る。きちんと対策を立ててほしい。
石川県小松市の会社員、北口浩之さん(48) 万が一があれば大変なことになっていた。日本と北朝鮮がきちんと対話できる関係になればいいのだが。
大阪市の会社員、井上麻衣さん(19) 日本の上空をロケットが飛んでいたなんて。まったく実感がわかない。
福岡市の会社員、橋田絵里奈さん(28) ニュースで不安をあおられ、いつ飛んでくるかと気になっていた。誤発表をした政府はこれからはちゃんとしてほしい。
宮崎市の写真家、鬼束一洲士(かずし)さん(68) 怖くてニュースが気になっていた。勝手にこんなことをされては国同士が友好的に付き合うのは難しいだろう。
毎日新聞 2009年4月5日 20時31分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090406k0000m040065000c.html
ロシア「まず軍の分析必要」 関係国の自制求める
2009年4月5日19時17分
【モスクワ=副島英樹】インタファクス通信によると、ロシア外務省のネステレンコ情報局長は5日、
北朝鮮のミサイル発射について、まず軍専門家の分析が必要だと述べた。
安保理決議に違反しているかどうかの判断は、その分析を終えてからになるとの姿勢を示したものだ。
外務当局は、朝鮮半島の緊張をエスカレートさせないためにも、関係国は自制が必要だとしている。
一方、ロシアの宇宙軍幹部は、北朝鮮から発射されたのが宇宙ロケットなのか弾道ミサイル発射実験
なのかについて分析していると述べた。
http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200904050142.html
「北朝鮮、人工衛星打ち上げは失敗」と米軍発表
2009年4月5日19時28分
【ワシントン=鵜飼啓】北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は5日、
北朝鮮が発射したミサイルについて「第1段階は日本海に落下し、
残りの部分は先端部も含めて太平洋に落ちた」と発表し、人工衛星打ち上げは失敗だったと明らかにした。
何も衛星軌道に入らなかったという。
NORADの広報担当者は朝日新聞に対し、2段目と3段目の切り離しに失敗したのかどうかなど、
詳細は明らかに出来ないとした。発表によると、日本への破片の落下もなかった。
また、ミサイルは「北米やハワイに対する脅威ではない」と判断し、
ミサイル防衛による迎撃などの対応措置は取らなかったとした。
北朝鮮の朝鮮中央通信は衛星を軌道に乗せることに成功した、としていた。
NORADは米国とカナダが共同で運用している組織で、24時間体制で衛星の状況や、
ミサイルや航空機などによる北米への攻撃がないかどうかを監視している。
http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200904050141.html
【北ミサイル発射】発射費用300億円
2009.4.5 20:35
韓国大統領府高官は5日、記者団に対し、北朝鮮がこれまで「核ミサイル」開発に
約26億ドル(約2600億円)を投じたとした上で、同日強行した「人工衛星」打ち上げの費用に
ついては「3億ドル(約300億円)前後だ」と語った。情報当局の推定としている。
同当局者は、3億ドルは昨年夏の価格でコメ100万トンに相当するとし、
「北の1年間の食糧難を解消できるはずだ」と語った。
さらに金大中、盧武鉉政権の10年間で北朝鮮に対し、
非公式分も含めると50億ドル(約5000億円)程度の支援が行われたと説明。
両政権の対北朝鮮「太陽政策(包容政策)」を暗に批判した。 (共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904052036014-n1.htm
北朝鮮、核爆弾の小型化技術獲得に成功か 米国防情報局
2009.4.5 20:51
【ワシントン=有元隆志】北朝鮮は弾道ミサイルに搭載できるほど核爆弾の小型化に成功しているのか。
ゲーツ米国防長官は現時点での搭載能力に懐疑的な見方を示しているが、
すでに小型化技術を獲得しているとの分析もある。
国防情報局(DIA)のメープルズ局長は3月10日、上院軍事委員会に提出した「脅威評価」
に関する年次報告で、「核弾頭と弾道ミサイルを成功裏に一体化させられるかもしれない」として、
北朝鮮が核爆弾の小型化技術の獲得に成功した可能性があるとの見解を示した。
DIAは、2006年10月に核実験を実施した北朝鮮が、核兵器を弾道ミサイルに搭載するため、
核爆弾を小型化する研究を進めてきたとみている。
ただ、射程が延びれば延びるほど核爆弾の小型化が必要で、技術もそれだけ難しくなる。
ゲーツ長官は3月下旬、ミサイルへの核爆弾搭載が北朝鮮の「長期的な目的」としながらも、
「現時点で北朝鮮が保有しているかというと個人的には懐疑的だ」と述べている。
これに対し、米シンクタンク科学国際安全保障研究所(ISIS)は、北朝鮮が日本を射程に収める
中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ)に搭載可能な、核兵器を製造できる技術を
保有している可能性があると指摘。ブリュッセルに本部を置くシンクタンク国際危機グループも3月末、
北朝鮮が「ノドン」用の核弾頭を配備したとの報告書を公表している。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090405/amr0904052052008-n1.htm
【北ミサイル発射】「打ち上げは失敗」と米宇宙司令部
2009.4.5 20:53
【ワシントン=有元隆志】北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日、
北朝鮮が打ち上げたと主張する人工衛星「光明星2号」について、
「何も軌道に乗らなかった」として、打ち上げが失敗したとの見方を示した。
同司令部は「ミサイル一弾目は日本海に落下し、残りの搭載物は太平洋に着水した」と指摘している。
これに対し、北朝鮮の朝鮮中央通信は、人工衛星が同日、運搬ロケット「銀河2号」によって
舞水端里の東海衛星発射場から打ち上げられ、軌道進入に成功したと報じている。
人工衛星は「午前11時20分に打ち上げられ、9分2秒後に軌道に正確に進入させた」という。
3段式の運搬ロケットと人工衛星は、「国の宇宙科学技術をより高い水準に引き上げるための闘いで
収めた誇らしい結実である」とした。
人工衛星からは「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」のメロディーと観測データが
地球に送られていると主張している。
一方、インタファクス通信によると、ロシア外務省のネステレンコ情報局長は同日、
人工衛星について、「北朝鮮が軌道に乗せた」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090405/amr0904052054011-n1.htm
【北ミサイル発射】「昨日の方が疲れた」 各自治体に緊張走る
2009.4.5 20:54
北朝鮮のミサイル発射を受け、全国各地の自治体にも緊張が走った。
間もなく太平洋上の通過が確認されると、職員らは一様に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「発射された」。午前11時半すぎ、政府の「Em−Net(エムネット)」やテレビニュースが
伝えると、岩手、秋田両県庁は一気に緊迫。岩手県の総合防災室では表情をこわばらせた職員が
大声を上げ、市町村への連絡に追われた。
秋田県庁ではテレビを食い入るように見ていた職員らに、別の部屋で確認した職員が「発射された」
と声を張り上げた。
数分後、「太平洋上に通過したもよう」との情報が流れると「よし、よし」と言いながら
拳を握る職員の姿も見られ、ほっとした空気が流れた。
ある幹部は「ずっと緊張した状態だったが、昨日の方が疲れた」と漏らした。
近畿でも、万が一に備えた自治体が情報の確認や伝達に追われた。
大阪府では、危機管理課の職員が午前9時から待機。正午過ぎに府内で被害がなかったことを確認すると、
午後2時に警戒態勢を解除した。橋下徹知事は「国土・国民の安全と国際社会の平和を脅かす行為であり、
断じて許せるものではない」とコメントした。
奈良県では「太平洋上で追尾終了」「破壊措置なしです」などと県庁職員が逐一声を上げながら
情報を伝えた。滋賀県庁では、発射の一報を防災危機管理局の職員が分担して電話やファクスで
関係機関に伝達。所要時間が8分と事前に行われた訓練と同じで、
同局の森晴紀参事は「訓練通りできて、安心している」と胸をなでおろした。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090405/crm0904052055008-n1.htm
【北ミサイル発射】オバマ政権初の外交試練
2009.4.5 20:56
【ワシントン=有元隆志】チェコを訪問中のオバマ米大統領は5日の演説で、北朝鮮の長距離弾道
ミサイル発射を非難し、「(国連安全保障理事会決議への)違反は処罰されなければならない。
強力な国際社会の対応が今こそ必要だ」と強調した。米政府は安保理を通じ制裁措置を検討していく考えだ。
ただ同時に、北朝鮮に核問題をめぐる6カ国協議への早期復帰を呼びかけているほか、
米朝協議にも応じる姿勢を示している。対話と圧力のバランスをいかに図るか、
オバマ大統領にとって就任後初の外交上の試練に直面したといえる。
ホワイトハウスによると、大統領は5日早朝、ミサイル発射を受けて、
直ちにゲーツ国防長官らから電話で報告を受けるなど、緊急対応に追われた。
オバマ大統領にとっては5日にプラハで核拡散問題に関し重要演説を行う直前の発射であり、
冷水を浴びせられた格好だ。米シンクタンク・ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は、
「金正日総書記がミサイル発射によって、オバマ氏に挑戦状を送った」と指摘した。
オバマ大統領はこの日の演説で、「安全や尊敬を得られる道は、脅しや違法な兵器からは
決してこないことを北朝鮮は知るべきだ」と非難し、国際社会が結束する必要性を訴えた。
「弱腰」との印象を与えないためにも、大統領は強い姿勢をみせたといえるが、
制裁には中国やロシアが慎重姿勢を示している。いかに両国から協力を取り付けるかが課題となる。
米国自身も北朝鮮政策担当のボズワース特別代表が3日の記者会見で、
「有益であればいつでも平壌に行く用意はある」と述べるなど、米朝交渉を継続する考えを示している。
敵対国家との対話を掲げるオバマ政権が、北朝鮮の反発を招くことが予想される強硬な制裁措置は
実施しないとの見方も強い。
【北ミサイル発射】日朝貿易完全停止なら1950年以降初めて
2009.4.5 20:57
北朝鮮が5日、「テポドン2号」の改良型とみられるミサイル発射を強行したことで、
政府は輸出の全面禁止など追加経済制裁の検討に入る。すでに輸入は全面禁止しているほか、
輸出もぜいたく品と大量破壊兵器関連を対象に禁止措置をとっているが、両国間の貿易取引がゼロと
なれば、1950年以降、初めてとなる。ただ、輸出入を合わせた日朝間の貿易総額はすでに
ピークの1%以下にまで減少している。これに対して北朝鮮は中国への貿易依存度を急速に高めており、
日朝貿易が完全に停止しても、北朝鮮に与えるダメージは限定的との見方もある。
日朝貿易の専門家によると、1950年まで統計をさかのぼっても、日朝間で貿易取引がなくなった
記録はない。かつてはアサリなどの海産物や紳士用スーツなどが輸入品目として目立ったが、
日朝貿易の総額は徐々に減少。最近は日本政府が外為法に基づく経済制裁として、北朝鮮籍船舶の日本への
入港制限などを進めた結果、2006年12月以降は北朝鮮からの輸入額はゼロの状態が続いている。
財務省の貿易統計によると、2008年の両国間の貿易総額は約8億円。
08年に日本から北朝鮮への輸出品目で最も多かったのは、医薬品やワクチン、せっけんなどの
「化学工業製品」で、前年比2割減の約1億円だった。
中古の冷蔵庫や建設機械、フォークリフトなどの「機械類」もほぼ同額の輸出があった。
3位は「プラスチック・ゴム製品」で、プラスチック製の食卓・家庭用品など
「日本の100円ショップで売られているようなもの」(関係者)が多く輸出された。
4位は「輸送機器」。その95%程度が中古自転車で、「庶民の足として人気が高い」(同)という。
ただ、日朝間の貿易はすでにピークの1%以下の水準にあり、08年も07年から約3割減少した。
このため、日朝貿易が完全に停止されても「北朝鮮政府への大きなダメージにはつながらない。
困るのは在日関係の一部取引業者だけだろう」(日朝貿易関係者)との見方も出ている。
【北ミサイル発射】世界のミサイル開発 歯止めは困難
2009.4.5 21:01
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に対し、国際社会は有効な抑止の枠組みをもっていない。
弾道ミサイルの輸出規制や発射の通報に関する取り決めはあるが、これらに法的拘束力はなく、
まして北朝鮮は参加していない。
核兵器の運搬手段となり得る弾道ミサイルの保有と開発については事実上、世界で野放し状態だ。
ミサイル規制としては現在、1980年代のイラン・イラク戦争を機に日米など先進国が主導して
整備した「ミサイル関連技術輸出規制」(MTCR)があるが、加盟国はわずか34カ国。
また、MTCRを補完する枠組みに、「弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範」
(HCOC、加盟130カ国)があり、実験の事前通報などを規定している。
しかし、いずれも法的拘束力のない紳士協定にすぎず、米国、ロシア両国は実験の事前通報を
停止しており、有効性は低い。射程300キロ以上の弾道ミサイルをもつ国は約30カ国あるが、
その保有や開発への規制は事実上存在しないのだ。
軍事専門家の江畑謙介拓殖大客員教授は「将来も国際的な規制枠組みの創出は非現実的だ」とみる。
その背景として「ミサイルを持ちたい国はいくらでもあり、ミサイルは政治、軍事的に価値がある
兵器なのだ。また、売れるから市場もある。どの国も規制の枠組み作りの旗振りはしたくない。
(禁止条約のある)対人地雷やクラスター爆弾とは性格が異なっている」と指摘する。
【北ミサイル発射】強盛大国へ焦り ポスト金正日への布石
2009.4.5 21:03
【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮は1998年8月末、初めて弾道ミサイル「テポドン」を発射した後、
最高人民会議(国会)で憲法改正を発表した。これまでの「国家主席」を廃止し最高ポストとして
「国防委員会委員長」を新設し「金正日国防委員長」が誕生した。
これにより金正日軍事独裁体制が強化され、軍事優先に拍車がかかった。
あの時のミサイルも「人工衛星だった」と主張したが、
外部世界では「軍による金正日国防委員長誕生への祝砲であり忠誠のプレゼント」と解釈された。
98年の最高人民会議は新しく選ばれた第10期の最初の大会だった。
9日開催予定の最高人民委員会も新しくなった第12期第1回大会だ。
新たな「ミサイル発射成功」という軍事的成果は今回、何を“祝賀”しようとしているのだろうか。
北朝鮮はこのところ「2012年に上げる強盛大国勝利の祝砲」
「目標は強盛大国−時間は4年」(3月30日付労働新聞)と、「2012年」をしきりと強調している。
この年は故金日成誕生100周年であり、金正日総書記が満70歳になる年だ。
「強盛大国」とは「先軍思想」で明らかなように「軍事強国」である。
金総書記は肉体的に老いと衰えが目立つ。後継問題も当然、視野に入っている。
4年の間に“次の時代”を準備しなければならない。残された時間は長くない。あせりもある。
前回のミサイル発射から約10年の間に、国際社会をあざむき「核保有」を実現させた。
「人工衛星」といっているが、あれは核弾頭の代わりである。
【北ミサイル発射】「平和的な宇宙開発」国営イラン放送
2009.4.5 21:41
国営イラン放送は5日、北朝鮮が「人工衛星」とする長距離弾道ミサイルの発射を解説も交え詳しく
報じたが、「平和的な宇宙開発の枠内」とする北朝鮮側の主張を引用、北朝鮮寄りの姿勢を示した。
同放送は、発射を日韓などが厳しく批判したことに触れ、西側メディアなどは
「北朝鮮の主張はミサイル発射の隠れみのにすぎない」と宣伝していると伝えた。
しかし「中国やロシアはより慎重な立場だ」と指摘、
今回の発射が6カ国協議における北朝鮮の立場を強化するとの見方も示した。
イランは北朝鮮と同様、弾道ミサイルに転用可能とされるロケット技術の開発を急ぎ、
今年2月に国産ロケットによる人工衛星打ち上げに成功したと発表した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090405/kor0904052143022-n1.htm
【北ミサイル発射】防衛省ピリピリ国交省、水産庁で混乱も
2009.4.5 22:03
北朝鮮の長距離弾道ミサイルをめぐり4日に「発射」の誤報を出した防衛省では5日、
情報発信をめぐって終日、ピリピリとしたムードが漂った。
「うまく情報伝達の態勢を取れた」
5日午後の記者会見で浜田靖一防衛相は会見でこう強調した。
同省では発射直後から幹部会議などが続き、浜田防衛相は午後1時を過ぎて記者会見に臨んだ。
4日の「誤報」を意識してか終始厳しい表情。情報収集に全力を尽くす考えを示した。
しかし、その後も発表するミサイル情報が二転三転し、記者側が広報担当者に詰め寄るシーンも。
ある背広組幹部は「相変わらず情報混乱があったのは問題だ」と渋い表情を見せた。
ミサイル迎撃命令は出されず、配備された陸上自衛隊市ケ谷駐屯地の地対空誘導弾パトリオット
「PAC3」は、発射機がゆっくりと下ろされた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090405/dst0904052204012-n1.htm
北朝鮮のミサイル、「テポドン2」と米大統領が断定
【プラハ=黒瀬悦成】オバマ米大統領は5日、訪問先のプラハで声明を発表し、
北朝鮮が発射したミサイルは「テポドン2だった」と断定、北朝鮮によるあらゆるミサイル関連活動を
禁じた「国連安全保障理事会決議1718号に明確に違反している」と強調した。
大統領はその上で、「国連安保理に問題を提起するため、
日本や韓国を含む域内の同盟国などと直ちに協議を開始する」と表明。
さらに北朝鮮に対し、「国連安保理決議の順守と、さらなる挑発的行為の自制」を要求した。
(2009年4月5日21時52分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090405-OYT1T00805.htm
なぜ発射予告期間に?金総書記が劇場視察と北朝鮮報道
【ソウル=前田泰広】北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、
金正日総書記(67)が平壌市内の大劇場を視察したと報じた。
同通信が金総書記の動静を伝えたのは3月27日以来。視察日時は不明。
金総書記は過去のミサイル発射の前後には「雲隠れ」しており、
今回の発射予告期間中(4〜8日)に、あえて存在を誇示した真意をめぐり、憶測を呼びそうだ。
「テポドン1」が発射された1998年当時は、9月5日の最高人民会議で
金総書記が姿を見せるまでの約1か月間、金総書記の動静は伝えられなかった。
発射直前の動静が報じられたのは、金総書記が平常通りに活動していると印象づける狙いだった
可能性がある。金総書記が発射直前に、北東部・舞水端里の発射基地周辺ではなく、
ミサイルと無関係な劇場を視察していたと強調することで、当初から初日の発射を念頭に置いて
いなかったことなどを示唆した、との見方もある。
(2009年4月5日20時53分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090405-OYT1T00728.htm
国連安保理、緊急会合開催へ 新たな決議採択は不透明
2009年4月5日21時16分
【ニューヨーク=松下佳世】北朝鮮の打ち上げを受け、日本政府は4日夜(日本時間5日午前)、
国連安全保障理事会の議長国メキシコに緊急会合の開催を要請した。
安保理は5日午後(日本時間6日未明)から非公開の緊急会合を開く。
日米は新たな決議の採択を目指すが、中ロは慎重な姿勢を崩しておらず採択の見通しは不透明だ。
日米は今回の発射が、北朝鮮に対して弾道ミサイル計画に関するすべての活動の停止を求めた
06年7月と10月の二つの安保理決議に違反しているとの立場。日米は、北朝鮮の行動を非難し、
過去の決議を再確認した上で、既存の制裁の厳格な履行を求める新たな決議を検討しているとみられる。
ただ、新たな制裁は盛り込まない考えだ。常任理事国の英仏は賛同する見込みだが、
中ロは「人工衛星」だとの主張に配慮し、難色を示す可能性が大きい。
◇
麻生首相は5日、首相官邸で記者団に「極めて挑発的な行為で断じて看過できない。
安保理決議違反ははっきりしている」と述べた。中曽根外相はクリントン米国務長官、
柳明桓(ユ・ミョンファン)・韓国外交通商相、楊潔チー(チーは竹かんむりに褫のつくり)・中国外相、
ラブロフ・ロシア外相らと相次いで電話で協議し、協力を求めた。
日本政府は13日で期限が切れる対北朝鮮制裁を1年間延長する方針。
発射を受け、ぜいたく品などを対象にした輸出禁止の全品目への拡大などの追加制裁も検討する。
http://www.asahi.com/international/update/0405/TKY200904050175.html
与野党から北朝鮮非難の声 野党は「誤報」追及も
2009年4月5日21時12分
北朝鮮のミサイル発射に対し、与野党から非難の声があがった。
自民、公明両党は5日、対策本部を開き、「断じて容認できない」とする声明を発表。
一方、野党は政府による発射情報の誤報問題も国会で追及する構えをみせた。
与党の対策本部では、7日の衆参両院の本会議で北朝鮮に対する非難決議を行い、
13日に期限切れになる独自の経済制裁について今週中に結論を出す方針を確認した。
自民党の細田博之幹事長は「延長する際に(追加制裁を)織り込むかどうかも含めて検討する」
と記者団に説明。拉致議連会長代行の中川昭一前財務相は
「すべての輸出禁止や人の移動禁止などの対応をしていく」と語った。
公明党の太田代表は「重大な挑発行為」と抗議する談話を発表。国連安保理での外交努力を政府に促し、
「独自に更なる対北朝鮮制裁措置を検討し、適切かつ速やかに対処すべきだ」と求めた。
一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は5日、三重県松阪市で記者団に
「安保理決議違反という思いは民主党も共有する」と制裁強化を要求。政府の誤報問題について
「昨日の大失態は謝って済む話ではない。徹底的に原因追究をしなければならない」と述べた。
共産党の志位委員長は三重県鈴鹿市で記者団に
「極めて遺憾。外交による解決の道を絶対に踏み外してはならない」。
社民党の重野安正幹事長は談話で「この機会に乗じてミサイル防衛体制の整備を進めようとすることは問題」
と指摘した。
国民新党の亀井久興幹事長は朝日新聞の取材に「国連中心に厳しく対応する必要がある。
また、誤報は国民が緊張するなか必要以上の混乱を招いた」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0405/TKY200904050178.html
課題残した弾道ミサイル防衛システム 自民には拡大論も
2009年4月5日21時52分
日本が弾道ミサイル防衛(BMD)システムを導入して初めての実践の機会となった今回の
ミサイル発射は、多くの課題を残した。一方で自民党内からは、BMDの拡大を求める声が強まっており、
年末の防衛計画大綱の見直しに向けた焦点の一つになりそうだ。
北朝鮮が発射した弾道ミサイルが東北上空を通り過ぎた5日午後、防衛省ではほっとした空気が広がった。
前日には誤報騒動を引き起こしたものの、本番では日米共同で行うミサイルの探知・追尾が
ほぼ想定通り進んだ。地対空誘導弾PAC3の初の実戦展開も大きな混乱なく進んだ。
なにより、国民へのBMDの認知度が急速に進んだことは、防衛省・自衛隊にとって願ってもない成果だ。
内局幹部は「PAC3を見たこともない人に知ってもらった。部隊の士気が上がったのは事実だ」と話す。
一方で、浮き彫りになった課題は多い。
事前の国会審議などで、仮にPAC3で迎撃できても、ミサイルの破片が地上に飛び散るという問題点が
明らかになった。BMDは本来、地上である程度被害が出ることを想定して、住民保護の態勢作りと
セットで考えるべきもの。だが今回は情報提供さえ報道機関や地方自治体に丸投げ状態だった。
浜田防衛相は5日午後、「機能としての追跡、レーダーなどに関しては能力を十二分に発揮した。
ただ、住民への説明、不測の事態にどう対応するかはもう一度検証する必要がある」と総括した。
初めて発令された「弾道ミサイル破壊措置命令」をめぐっては、政府の想定が現実とそぐわないことも
露呈した。
>395
政府は今回、自衛隊法82条2の3項の「日本に飛来する恐れは認められないが、あらかじめ事態の
急変に備え、防衛相の判断で命じる」ケースに当たると判断。命令を非公開とすることを想定した規定だが、
そもそも住民やマスコミの目を避けてPAC3を基地外に展開するのは不可能。
国民の不安を抑え、周辺国の理解を得る必要にも迫られて、命令を公表する判断に落ち着いた。
PAC3の防護範囲は半径数十キロに過ぎない。現在の計画では、10年度中に首都圏、中京・関西、
九州の16高射隊に配備される予定だが、全国をカバーするにはほど遠い。
今回は、北朝鮮が打ち上げの時間・方向を事前に公表したから、何とか対応できたのが実態だ。
北朝鮮は、すでに技術を確立したノドン・ミサイルで、日本全体を射程に収めていると見られる。
2日の自民党の防衛政策検討小委員会では、当面PAC3配備の対象となっていない東北出身議員から、
BMDの拡大を求める声が相次いだ。
だが、予算上の制約に加えて、隊員の育成も必要で、全国配備することは事実上不可能だ。
住民の生命・財産の防護に直結する今後の配備地の判断には、重い政治責任が求められる。
北朝鮮のミサイルの脅威に対し、BMDに代わる手段が今のところ見あたらないのも事実。
これから年末に向けて本格化する防衛計画大綱の見直しでは、
国際平和協力活動やテロ対策などとの優先順位付けが焦点になりそうだ。(石松恒)
http://www.asahi.com/politics/update/0405/TKY200904050176.html http://www.asahi.com/politics/update/0405/TKY200904050176_01.html
韓国戦で北朝鮮が調査を要求 サッカーW杯アジア予選
2009.4.5 23:28
北朝鮮サッカー協会は1日にソウルで行われた2010年ワールドカップ(W杯)
アジア最終予選B組で韓国に0−1で敗れた試合で、Jリーグ1部(J1)川崎でプレーする
鄭大世を含む主力選手が試合前夜から下痢や嘔吐(おうと)などを訴えたとし、
国際サッカー連盟(FIFA)に事態の調査を求める声明を発表した。
朝鮮中央通信が5日、伝えた。
また、声明では失点につながった反則は韓国側の反則だったと主張するなど審判の判断も
公平さを欠いていたとし、オマーン人の主審や日本人のマッチコミッショナーを強く批判している。
W杯アジア最終予選B組は現在、韓国が勝ち点11で首位。北朝鮮は同10で2位につけている。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/sports/soccer/090405/scr0904052330006-n1.htm
【北ミサイル発射】北対応みて「段階的に実施」対北独自制裁
2009.4.5 22:37
北朝鮮による「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイル発射を受けて政府は5日、13日に期限が切れる
日本独自の制裁措置を1年間延長するだけでなく、新たな追加の制裁措置をとる方針を決めた。
具体的には、北朝鮮への送金規制強化や輸出全面禁止、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)など
北朝鮮関連団体の資産凍結−が有力だが、今後の北朝鮮の対応を見ながら段階的に実施していく。
金子一義国土交通相は5日、13日に期限切れとなる北朝鮮籍船舶の入港禁止措置を、
これまでの半年間から1年間に延長する方針を表明した。国土交通省で記者団に語った。
政府は、国連安全保障理事会での新決議採択を目指すほか、日本独自の制裁強化も辞さないとの立場だ。
河村建夫官房長官は5日の声明で、「わが国の対北朝鮮措置のあり方についても速やかに結論を得る
べく検討を進める」と強調。与党の北朝鮮ミサイル問題対策本部も同日の声明で「わが国独自に北朝鮮に
対する追加的な措置をとることについても早急に検討し、決定すべきだ」と指摘した。
麻生首相はすでに3月30日、公明党の太田昭宏代表との間で、北朝鮮がミサイルを発射した場合の
制裁強化の必要性で一致しており、政府・与党が足並みをそろえている。
政府は平成18年秋、北朝鮮による長距離弾道ミサイル「テポドン2号」発射と核実験を受け、
牛肉やマグロなどの「ぜいたく品」24品目の対北輸出を禁じた。
今回はさらに対北輸出を全面禁止とする考えだ。
【新報道2001抄録】(5日)北ミサイル発射について
2009.4.5 22:40
石原慎太郎東京都知事、自民党の中谷元・元防衛庁長官、森本敏・拓殖大大学院教授らが
北朝鮮によるミサイル発射について議論した。
−−4日に政府が「発射したもよう」と誤って発表した
中谷氏「非常に緊張して、とにかく早く伝えなきゃということを優先した結果だ」
石原氏「この問題について、日本人は騒ぎすぎる。北朝鮮が今の時点で、そんなに高度な破壊力を持つ
弾頭を搭載するミサイルを飛ばす能力はないと思う。破壊的な弾頭で攻撃した瞬間に、北朝鮮は自滅する。
もっと強力な報復を受ける」
森本氏「みんな午前11時以降は、何か兆候があったら発射に違いないという頭が先にできていたので、
基本的なミスをしたんだろう」
朴斗鎮・コリア国際研究所所長「金正日総書記はフェイントをかけて人が苦しむのを喜ぶ。
日本はこの程度だと言っているだろう」
佐々淳行元内閣安全保障室長「危機管理の世界では、空振りの三振は許すが、
見逃しの三振は絶対に許さない。4日はもっとひどくて、投手が投げないうちに振った」
森本氏「日本できちんとした情報管理をやろうとするなら、相当高額の予算を投じて早期警戒衛星を
持つ必要が将来ある」
【北からの衝撃】(上)国民の生命と安全 安堵の裏に「次」の課題
2009.4.5 22:43
北朝鮮のミサイル発射直後の首相官邸は異様な緊迫感に包まれた。
「発射!」
5日午前11時30分、官邸地下1階の危機管理センターで防衛省の連絡調整要員が第一声を上げると
他の要員も次々に「発射」を連呼した。4日の「誤報騒ぎ」が脳裏をよぎった河村建夫官房長官が
「ホントに今度は大丈夫なのか?」と念を押すと、伊藤哲朗内閣危機管理監らは「大丈夫です」と胸を張った。
一報を受け、麻生太郎首相も危機管理センターへ入り、河村氏の肩をポンとたたいた。
「こういう時の会見はパッパッと歯切れ良く要領よくやるんだぞ」
首相は午後0時半、中曽根弘文外相や浜田靖一防衛相らと情報集約会議で情勢を分析した後、
首相官邸5階の首相会議室に関係閣僚を集め、27日の「破壊措置命令」以来の安全保障会議を開いた。
「昨日の失敗にもめげず、しっかりとやってくれた。ありがとう」
冒頭で首相は、陪席した折木良一統合幕僚長ら防衛省関係者をねぎらい、
「冷静に対処してくれた国民に感謝しよう」と感慨を込めた。国民の理解がなければ
ミサイル防衛(MD)システムによる迎撃態勢をとることなど、とてもできなかったからだ。
「世界中の警告を無視した極めて挑発的な行為で、断じて看過できない。
安保理決議違反であることははっきりしており、国際社会と連携して対処していく」
ミサイルへの対応が一段落した5日午後3時25分、首相は首相官邸エントランスで記者団を前に
北朝鮮を強く非難し、こう続けた。
>402
× × ×
「いずれにしても国民の安全が一番の問題であり、その意味では日本の国土、領海内で落下物による
被災等々が起きなかったことはよかった」
その表情は険しいながらも安堵(あんど)の色が読み取れた。
5日の政府対応は、「誤報」に揺れた4日とは変わり、「迅速性」と「情報開示」を最優先する
首相の指示はほぼ達成された。
午前11時30分、ミサイルが発射されると2分後の午前11時32分に「飛翔(ひしょう)体発射」
の第1報を公表。11時37分にミサイルが東北地方の上空を通過すると1分後には公表した。
正午には河村氏は1回目の記者会見を開き詳細を説明した。
太平洋上での2段目の落下推測地点をめぐり多少の混乱はあったが、
「日本に落ちるかもしれない」という国民最大の不安は速やかに解消されたといえる。
平成10年8月31日に北朝鮮がテポドン1号を発射した際、
小渕恵三首相(当時)が防衛庁から報告を受けたのは40分後、最初の報道発表は1時間20分後、
政府筋が「ミサイルは2段式で三陸沖に着弾した」と認めたのは10時間後だった。
18年7月4日に北朝鮮がミサイル計7発を発射した際も、
政府が緊急警戒警報を出したのは1発目発射から20分後。
安倍晋三官房長官(当時)が1回目の記者会見を開いたのは発射から2時間46分後だった。
今回は北朝鮮が事前に国際機関などに「人工衛星」打ち上げを通知していたとはいえ隔世の感がある。
【北ミサイル発射】着実に進化している北朝鮮のミサイル技術
2009.4.5 22:46
北朝鮮によるテポドン2号改良型とみられる長距離弾道ミサイルの発射は、
その技術レベルの着実な進歩を裏付けた。北朝鮮は今後、発射データを分析し、実戦配備に向け
「切り離し技術」などに関し改良を重ねていくものとみられる。一方で、北朝鮮が示した技術力は、
既に日本をほぼ射程内に収め実戦配備されているミサイルに、核弾頭が搭載される近未来を予感させた。
日米両国の各種レーダー網や衛星情報を付き合わせたうえでの解析には一定の時間がかかるため、
現時点で実験が成功したか否かは断定できない。ただ、1段目が秋田県西方280キロの日本海に
落下したとの暫定情報は注目に値する。この海域は北朝鮮が事前通告した危険区域内に含まれる。
しかも、日本列島通過までの「7分」という飛翔(ひしよう)時間も、弾道ミサイルとしての速度が
正常に保たれた証左と見てよいだろう。1段目の発射・切り離しが「成功」したとすれば、
その意味は大きい。弾道ミサイルの開発では重力に逆らい上昇する1段目には巨大な推力が必要で、
最も重要な開発部分とされるからだ。2006年のテポドン2号発射の際は、1段目に新型ブースターを
使用したが燃焼は42秒で終了、2段目も分離できなかった。1段目の燃焼時間は「3分以上」という
技術理論から見ても、今回の1段目は十分な燃焼時間を経たものとみられる。
2段目が切り離されたか否かは確認されていないが、少なくとも日本列島の東2100キロまでは
「2段目以上」のミサイルの全部か一部が飛翔し続けたとのレーダー情報がある。
これも通告された危険区域の50キロ手前。長距離弾道ミサイルにとり「50キロ」は誤差の範囲に
過ぎないうえ、さらに飛翔を続けたとの観測もある。北朝鮮が通告した危険地域から逆算すると、
1段目は北朝鮮から650キロ、2段目は3600キロを落下地点として想定されていた。
1998年にテポドン1号が日本列島を越えて三陸沖に着弾した際の飛翔距離は1600キロであった
から、2倍前後に飛翔距離を延ばしていた計算になる。
【北ミサイル発射】外相会談「米仏韓は協力」中は慎重
2009.4.5 22:48
中曽根弘文外相は5日、国連安全保障理事会の常任理事国のうち英国を除く4カ国と、
韓国の計5カ国の外相と電話で会談し、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射について協議した。
米仏韓3国は新たな安保理決議を求める日本の主張に理解を表明し、
ロシアは安保理での議論自体には応じる用意があるとしたが、中国は慎重姿勢を示した。
中曽根氏は、韓国の柳明桓外交通商相とは北東アジア地域の平和と安定が損なわれたとの考えで一致。
柳氏は「北朝鮮に対し強いメッセージを発信することが重要だ」と指摘し、日本や関係国に最大限の協力
を行うと表明した。米国のクリントン国務長官も「北朝鮮の行為に対する深い懸念と非難を共有する」
と述べ、安保理で日米が協力していくことで同意した。フランスのクシュネル外相は国連安保理での
協力について「頼りにしていただいて結構である」と約束した。
一方、中国の外相は日本の関心に理解は示したが「関係国が大局に立って冷静に対処することが重要だ」
との認識を示した。ロシアのラブロフ外相は「安保理の対応については、関係国でコンセンサスが得られる
よう、日本側とも緊密に協議していきたい」と述べるにとどめた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904052249082-n1.htm
【北ミサイル発射】情報通信でトラブルも 福島
2009.4.5 23:05
福島県災害対策課によると、県が5日に防災行政無線を使って市町村や関係施設に一斉送信した
北朝鮮のミサイル発射情報のファクスが、会津若松市と県企業局いわき事業所(いわき市)で
受信できないトラブルがあった。県は約10分後にNTT回線で送信、いずれも受信した。
同課は、会津若松市は別件でファクスを使用中、いわき事業所は電波障害があったためとしている。
情報は政府が緊急情報を自治体へ一斉に知らせるシステム「Em−Net(エムネット)」
で受信できていた。今後詳しい原因を調べるという。
いわき事業所は3日の一斉通報訓練でも機材の紙詰まりでファクスを受信できなかった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090405/plc0904052308084-n1.htm
【北ミサイル発射】政府、米韓連携強化で中露に働きかけへ
2009.4.5 23:09
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を受け、政府は今後、ニューヨークの国連本部で
5日午後(日本時間6日未明)に開催が決まった安全保障理事会の緊急会合で、
新たな決議の採択を目指すなど北朝鮮制裁に向けた動きを本格化させる。中国とロシアは新たな決議に
なお慎重な姿勢を崩していないが、米韓両国との連携強化を背景に、共同歩調を働きかける構えだ。
麻生太郎首相は主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)が行われたロンドンで
1、2の両日、8カ国の首脳と、国連の潘基文事務総長と会い、
「北朝鮮による発射は地域の平和と安定を損なうものであり、安保理決議違反で容認できない」と述べ、
発射後の国連などへの対応に協力を求めた。
首相はミサイルが「日本の上空を飛び越えた」だけに、「安保理できちんとメッセージを出さねば
ならん」との姿勢だ。
北朝鮮への弾道ミサイル計画の停止や核不拡散を求めた安保理決議1695号と1718号に
違反することを再確認し、追加の制裁決議や非難決議に持ち込みたいとしている。
ただ、安保理で拒否権を持つ中国の胡錦濤国家主席とロシアのメドべージェフ大統領は、
日本の立場を理解する程度にとどまったようだ。
とくに中国は、6カ国協議議長国の立場もあり、北朝鮮の協議復帰を最優先にするためにも
北朝鮮を刺激させたくないという思惑もある。麻生首相はロンドンから帰国後、政府高官に
「中国は冷静に対応したほうがいいという感じだった」と、胡主席との会談の内容を漏らした。
5日に中曽根弘文外相と電話で電話で会談した中国外相も「関係国が大局に立って冷静に対処する
ことが重要だ」と慎重姿勢を変えず、ロシアのラブロフ外相も「日本側とも緊密に協議したい」
と述べるにとどめた。
北朝鮮ミサイル:北東アジアに脅威 「非核化」後退も
北朝鮮による今回のミサイル打ち上げで深刻なのは、06年10月に核実験を強行した北朝鮮が、
核弾頭を遠方に飛ばす高度な運搬技術を獲得してしまうことだ。今後北朝鮮が米国を相手に
「核の恫喝(どうかつ)」を強めれば、6カ国協議を舞台にした朝鮮半島の非核化プロセスは
不透明になり、北東アジアの平和と安全が一層脅かされる。
日本政府が今回の危機管理で第一義的に腐心したのは、制御不能になった北朝鮮のミサイルが
日本の領土・領海に飛来し、国民に被害が及ぶのを避けることだった。
日本列島のはるか上空を通過したことで、ミサイル防衛(MD)システムを初発動させての迎撃という
最悪の事態は免れたが、これで脅威が去ったわけではない。
むしろ朝鮮半島の非核化は、今回の「実験成功」で一歩後退する危険性がある。
米本土までにらむような長距離弾道ミサイルの開発に自信を得た北朝鮮が、
強気で米国との2国間交渉に臨むと、6カ国協議の空洞化が進んでしまうためだ。
今後、米国がブッシュ政権末期に見せたような対北融和の姿勢に出た場合、日米関係にも悪影響をもたらす。
国際世論を無視して発射に踏み切った北朝鮮の狙いは、発足間もないオバマ米政権の関心を
自国に向けさせ、米朝の直接交渉に持ち込むことだとみられる。ミサイル技術を背景に「核保有国」
の立場を誇示し、「金正日体制の保証」を最大の目標に米国から譲歩を引き出したいところだろう。
98年8月の「テポドン1号」、06年7月の「テポドン2号」各発射も米朝交渉に結びつけた実績がある。
日本にとっての直接的な脅威は、すでに北朝鮮が実戦配備し、日本全土を射程に入れている
中距離ミサイル「ノドン」だ。北朝鮮が核の小型化に成功し搭載可能になれば脅威は一層深刻になる。
テポドン2号改良型とみられる今回の発射は、米国の関心を長距離ミサイルにシフトさせ、
結果的にノドンの危険性を固定化してしまいかねない。
北朝鮮ミサイル:外貨獲得や体制強化…垣間見える思惑
【北京・西岡省二】北朝鮮が「人工衛星」としてミサイル発射に踏み切った背景には、
対米交渉力強化や科学技術向上のほか、ミサイルビジネスを活発化させたいとの思惑が垣間見える。
また、国内では後継体制をめぐる動きも表面化しつつあり、今回の発射がその「祝砲」に当たるとの見方もある。
北朝鮮には核兵器と弾道ミサイルの開発を並行して進めてきた歴史的経緯がある。
ただ、二つの位置付けは「核は金正日(キムジョンイル)体制維持が目的だが、
ミサイルは外貨獲得という側面が強い」(北京の北朝鮮研究者)との見方が有力だ。
この研究者によると、北朝鮮のミサイル輸出はイランやパキスタン、シリアなど中東諸国が多いと
される。06年7月に弾道ミサイル「テポドン2号」や「ノドン」など7発を試験発射した際も、
中東諸国の軍事関係者が北朝鮮に出向き、視察したという情報もある。
また、北朝鮮政権に近い関係者によると、北朝鮮はアフリカ諸国ともミサイルを含む武器取引で
関係強化を進めてきたという。アフリカでの北朝鮮のミサイル性能に対する評価は高く、
「北朝鮮のミサイルを保有している」という理由で隣国からの攻撃を抑止する効果があるとも指摘される。
特に北朝鮮製スカッドミサイルの需要は高いと言われる。
北朝鮮は今回の発射を「人工衛星」の打ち上げと位置付けているが、ミサイル発射技術を
各国にアピールする狙いがあったのは間違いない。
>414
一方、国内事情も大きな発射要因だ。
北朝鮮では依然、金総書記の健康不安説がくすぶっている。その中で9日には最高人民会議(国会)が
開催され、金総書記が国内最高ポストの国防委員長に3選されると見込まれている。「人工衛星」の
打ち上げには、国威を発揚し、第3期金正日体制のスタートを祝福するという意味合いもあるようだ。
また、北京の外交関係者は「北朝鮮指導部では後継者の内定を祝うという位置付けもあるのでは」
と推測している。金総書記の後継を巡っては、次男正哲(ジョンチョル)氏(28)と
三男正雲(ジョンウン)氏(26)を中心に後継選びが続いているとみられる。
最高人民会議を契機に、後継者をめぐる新たな動きが出るとの見方もある。
毎日新聞 2009年4月5日 21時14分
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030078000c.html
北朝鮮ミサイル:「衛星」は失敗 米国が発表
日本政府によると、北朝鮮が「人工衛星」として準備していた長距離弾道ミサイルが5日午前11時半
ごろ、咸鏡北道(ハムギョンプクド)花台郡(ファデグン)舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地から
発射された。秋田、青森、岩手県上空を太平洋上へ通過したとみられ、政府は迎撃措置をとらなかった。
北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、試験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を周回軌道に乗せる
ことに成功したと報じたが、米国は失敗と発表した。日米両政府は北朝鮮が06年に発射に失敗した
ミサイル「テポドン2号」の改良型とみて「国連安全保障理事会決議1718に違反する」と非難。
国連安保理の緊急会合が6日未明(ニューヨーク時間5日午後)に開かれることになった。
日本政府によると、米国の早期警戒衛星などが5日午前11時半ごろ、発射を探知し、
イージス艦などのレーダーが追尾を開始。ミサイルは2段式か3段式のロケットで進む仕組みとみられ、
1段目が11時37分ごろ、秋田の西方約280キロの日本海上に落下。2段目などは秋田県大館市、
岩手県普代村付近の上空を通過した。政府は2段目とみられる落下物が日本の東方約1270キロに
落ちるとの予測を発表したが確認できず、同48分、東方約2100キロに達したところで
レーダー追尾を終えた。
米本土防衛を担う米北方軍(コロラド州)も同日、ミサイルを追尾した北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)
と北方軍が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」と確認したと発表。「1段目は日本海に落下し、
残りは搭載物とともに太平洋に落下した。いかなる物体も周回軌道には乗っていない」として
「人工衛星の打ち上げ」とする北朝鮮の主張を否定した。
韓国の李相喜(イサンヒ)国防相も同日、「1〜3段目のすべてが海上に墜落し、
どのような物体も軌道に投入できなかったと判断している」と語った。
ただ、韓国は北朝鮮が実際に人工衛星の打ち上げを試みたとの見方を強めている。
>416
北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射は98年8月、06年7月に続き3回目。
98年の「テポドン1号」は2段目が日本の東方約540キロに落下。
06年の「テポドン2号」は発射約40秒後に失速し、基地から約400キロの
日本海に落ちたとみられている。今回は飛距離を伸ばしたことになる。
政府は日本の領土、領海への落下物に備え自衛隊法に基づく「破壊措置命令」を
先月27日に初めて発令。ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する態勢を取っていたが、
日本上空を飛び越える弾道だったため破壊措置はとらなかった。
【松尾良、ワシントン及川正也、ソウル大澤文護】
毎日新聞 2009年4月5日 21時33分(最終更新 4月5日 21時43分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030086000c.html
北朝鮮ミサイル:日米が非難 安保理、緊急会合へ
北朝鮮のミサイル発射を受け、日米両政府は「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動」の停止を
求めた安保理決議1718に違反すると非難。ニューヨークで5日午後3時(日本時間6日午前4時)
から開かれる国連安保理の緊急会合で連携していく方針。ただ、中国、ロシアは決議違反との立場を
取っておらず、安保理が一致した行動を取れるかは不透明な状況だ。
オバマ米大統領は5日、北朝鮮による「弾道ミサイル技術の開発と拡散は、
北東アジア地域や国際社会の平和と安全に脅威を与える」との声明を発表。プラハでの演説では
「この脅威に対応する新たな、より厳しい取り組み」を安保理に提起する考えを示した。
日本政府は同日、安保理議長国のメキシコに安保理の早期開催を求めるとともに、
北京の外交ルートを通じ北朝鮮に「発射は目的が何であれ、安保理決議、日朝平壌宣言に違反すると
同時に、6カ国協議の共同声明とも相いれない。厳重に抗議し、遺憾の意を表明する」と伝えた。
首相官邸で開いた安全保障会議では安保理の対応や北朝鮮への独自制裁などを協議。
会議終了後、麻生太郎首相は記者団に「発射は極めて挑発的な行為で、日本として断じて看過できない。
国際社会と協力して対応したい」と語った。
中曽根弘文外相は同日、クリントン米国務長官、中国の楊外相、ロシアのラブロフ外相ら
安保理常任理事国5カ国外相に加え、韓国の柳明桓(ユミョンファン)外交通商相と相次いで電話で
協議。米英仏韓とは安保理で新たな対応を取ることで一致したが、中露の外相は安保理対応の明言を
避けた。
政府は北朝鮮に対し現在行っている経済制裁が13日に期限切れになることから、
これを1年間延長するとともに、輸出の全面禁止を軸に追加制裁も検討。
10日に制裁内容を決定する。【犬飼直幸、プラハ草野和彦、ワシントン大治朋子】
毎日新聞 2009年4月5日 21時38分(最終更新 4月5日 21時40分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030087000c.html
北朝鮮ミサイル:秋田沖で変色 燃料などの可能性も
北朝鮮が「衛星」発射に伴う危険海域として通告した秋田沖の日本海で5日、
海面の一部が変色しているのを海上自衛隊のP3C哨戒機が発見した。
防衛省によると、同日午後0時15分に半径50メートルの円形に海面が白っぽく光っているのを確認。
さらに午後3時には幅50メートル、長さ3キロに細長く変色が広がっていたという。
ミサイルの液体燃料などの可能性もあるとみて調べている。現場は秋田県沿岸から約320キロ沖の
海域。北朝鮮が通告した長方形の危険海域の西寄りに位置している。
毎日新聞 2009年4月5日 21時46分(最終更新 4月5日 22時49分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m010089000c.html
ミサイル1段目の落下で?秋田沖の海面が変色
2009年4月5日23時20分
防衛省は5日、北朝鮮のミサイルの1段目のブースターが落下したと推定している秋田県沖
西約280キロの日本海周辺を捜索していた海上自衛隊のP3C哨戒機が、海面の変色を発見したと
発表した。
防衛省によると、落下推定時刻の38分後の同日午後0時15分ごろ、
落下推定海域から西に約40キロの海域で、半径約50メートルの円形状の変色を確認。
午後3時ごろには、幅約50メートル、長さ3キロの帯状になったという。
薄く光る状態で、ブースターから液体が流れ出した可能性があるという。
http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY200904050212.html
北朝鮮:「軌道進入に成功」公式表明…打ち上げ映像はなく
【北京・西岡省二】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5日午後、
「我々の科学者、技術者は国家宇宙開発展望計画に従い、運搬ロケット『銀河(ウンハ)2号』で
人工衛星『光明星(クァンミョンソン)2号』を軌道に進入させることに成功した」と報じた。
ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮中央テレビも5日夕からの定時ニュースで「打ち上げ成功」
と伝えたが、打ち上げの模様を示す映像などは放映しなかった。
同通信によると、5日午前11時20分、「東海(トンヘ)衛星発射場」(咸鏡北道花台郡
(ハムギョンプクドファデグン)から打ち上げられ、9分2秒後に光明星2号を軌道に進入させた
とした。銀河2号は3段式であると明らかにしたが、ロケットの落下地点は明示しなかった。
光明星2号は、地球から最短490キロ、最長1426キロの楕円(だえん)軌道を
104分12秒の周期で回り、「金日成(キムイルソン)将軍の歌」
「金正日(キムジョンイル)将軍の歌」のメロディーと測定データを地球に送っていると伝えた。
北朝鮮は98年に「テポドン1号」(北朝鮮は人工衛星「光明星1号」と主張)を発射した際も、
4日後に「初の人工衛星を軌道に進入させることに成功した」と報道。
衛星が同様の歌などを流していると伝えた。
毎日新聞 2009年4月5日 21時52分(最終更新 4月5日 22時13分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20090406k0000m030090000c.html
韓国、PSIに正式参加へ…ミサイル発射で方針転換
【ソウル=浅野好春】韓国は、北朝鮮が踏み切った「人工衛星」名目の長距離弾道ミサイル発射を
受け、米国が主導する「大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)」に全面参加する方針を決めた。
韓国政府筋が5日、明らかにした。
朝鮮半島を取り囲む安保環境が悪化すると予想されるため、北朝鮮への新たな対抗手段として
決断した。だが、北朝鮮は、PSI全面参加を「我々への宣戦布告」と警告しており、
膠着(こうちゃく)状態にある南北関係の一層の悪化は避けられない。
韓国政府がPSIへの全面参加を決めたのは、各国の再三にわたる発射自制要請にもかかわらず、
北朝鮮がこれを完全に無視してミサイル発射という暴挙に出たことが大きく影響した。大量破壊兵器の
核・ミサイル拡散防止に積極的に取り組む韓国の意思を、国際社会に明確に示すのが狙いだ。
近く、米政府に正式参加を伝達する。
韓国はこれまで、PSIの趣旨には賛同し、海上阻止訓練への参観団派遣など一部活動に
オブザーバー資格では参加してきたが、すべての活動への正式参加には慎重な姿勢を示していた。
◆大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)…核・生物・化学兵器や、弾道ミサイル関連物資・技術の
移転や輸送を阻止するため各国が協力する枠組み。北朝鮮などへの拡散防止を目指し、
ブッシュ前米大統領が2003年5月に提唱し、日米英仏露など80か国以上が参加している。
(2009年4月5日22時56分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090405-OYT1T00779.htm
北朝鮮への制裁「強化すべきだ」78%…読売全国世論調査
北朝鮮による弾道ミサイル発射の前後にあたる3日午後から5日夜にかけ、
読売新聞社が実施した全国世論調査(電話方式)によると、北朝鮮のミサイル発射に対して
「日本政府は制裁を強めるべきだ」と思う人は78%と約8割に達した。
「その必要はない」は16%にとどまり、世論の大勢は、日本政府が検討している
対北朝鮮の独自制裁強化を支持していることがわかった。
また、北朝鮮が弾道ミサイルの開発を進めていることに不安を感じるかどうかを聞くと、
「感じる」と答えた人は88%に達し、「感じない」は11%だった。
ミサイル開発に不安を感じる人に限ると、北朝鮮への制裁強化を求める世論は80%に増えた。
制裁強化によって北朝鮮のミサイル開発になんとか歯止めをかけたいという意識の表れと言えそうだ。
(2009年4月5日22時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T00888.htm
「日本は軍事的脅威に免疫ない」 駐日特派員の見方
2009年4月6日5時10分
今回の発射に対する日本社会の反応をどう見るか。東京に駐在する外国人特派員2人に聞いた。
■韓国紙・東亜日報の徐永娥(ソ・ヨンア)・東京支局長(43)
発射予告の後、日本社会は全体的に神経をとがらせすぎていたように見えた。
まるで戦争が迫っているかのように伝えたメディアもあった。
北朝鮮の意図は国際社会の注目を集めることだから、残念ながら日本について言えば、
成功してしまっている。韓国に比べて日本は全体的に軍事的脅威に対する免疫がないのではないかとも思う。
4日には防衛省で情報伝達ミスがあった。緊張した場面でこのようなミスがあるようでは、
本当に軍事的に重要な局面できちんとした対応ができるのか不安になる。
■ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラー東京支局長(42)
ワシントンやソウルの冷静さに比べて、日本は騒ぎすぎた。
北朝鮮は、米国がオバマ政権になりあまり注目されなくなったから、パフォーマンスをやっているだけ。
拉致問題もあり敏感になるのは分かるし、政治家は総選挙前で国を守っているところを見せたかったの
だろうが、北朝鮮に攻撃の意図がないことは分かっていたはず。バランスに欠け、パフォーマンスに負けた
と言える。誤報は、緊急事態の経験不足で起きたのだろうが、全体から見れば大きな問題ではないと思う。
http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY200904050225.html
在日朝鮮人は「過剰反応」と困惑
2009/04/05
横浜市神奈川区の神奈川朝鮮中高級学校はこの日が入学式で、新入生と在校生が登校していた。
ミサイル発射後に、県警の警備車両が正門前に横付けされた。
校庭ではサッカー部が練習に汗を流すなど、校内はいつもと変わらぬ様子。
ただ、北朝鮮問題に絡んで過去に朝鮮学校の生徒への嫌がらせがあったことから、
「万が一に備えて」(同校職員)と、生徒を集団下校させる措置を取った。
集団下校はしばらく続ける見込みといい、職員の一人は「生徒に動揺している様子はないが、
北朝鮮が問題になるたびに緊張を強いられることに慣れてしまった面もある。残念なことです」
と表情を曇らせた。
一方、テレビのニュースで発射を知ったという同区在住の在日朝鮮人三世の男性(31)は
「拉致問題以降、北朝鮮への感情が年々悪化しているのを感じる。迎撃ミサイルを都心に配備するなど、
過剰に反応しすぎではないか」と、今回の日本の対応に困惑していた。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivapr0904132/
踊らされた日本 北朝鮮「ミサイル」発射 政府対応に疑問も 市民「メディアも冷静に」
2009年4月6日 00:32
春休み最後の日曜日、花見日和に不似合いな速報が日本列島を走った。北朝鮮が人工衛星打ち上げ
として「ミサイル」を発射した5日、九州で暮らす在日コリアンや拉致被害者家族、
平和団体関係者からは憤りや困惑の声が聞かれる一方、日本政府の対応を疑問視する意見も出た。
「政治的、軍事的緊張を呼ぶだけで迷惑な話」。在日本大韓民国民団(民団)福岡支部幹部の
宋正満(ソンジョンマン)さん(63)は語気を強めた。支部は福岡市の公園で花見を催し、
「ミサイル発射」の速報が流れた午前11時半すぎには約200人が桜の下で宴を楽しんでいた。
「日本人との関係は成熟してきた。昔のように短絡的に在日いじめにつながることはないと思いますが…」
北朝鮮に拉致された市川修一さんの兄健一さん(63)=鹿児島県鹿屋市=は「ミサイルも拉致も
日本の権益の侵害。対話に応じない北朝鮮にもっと強い姿勢をとるべきだ」と厳しい口調で語った。
「北朝鮮は国際社会の声を無視して挑発するような打ち上げをすべきではなかった」。
長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長(77)=長崎市=はそう指摘する一方、
イージス艦やミサイル防衛システムを展開した政府を「まるで戦争前夜」と表現。
「メディアももっと冷静に対応すべきだった」と振り返る。
原水爆禁止佐世保協議会の山下千秋理事長(61)=長崎県佐世保市=も
「政府は軍事対応ばかりで外交努力が足りなかった」と苦言。
ミサイル破壊措置命令の撤回を求めていた「9条九州ネットワーク」世話人の石村善治・
福岡大名誉教授(82)は軍備増強につながることを懸念し「平和的な解決を図るのが日本の役目」
と説いた。
>426
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)熊本県本部の副委員長朱永徳(チュヨンドク)さん(53)
=熊本県八代市=は「国際機関にも通告した人工衛星の打ち上げに、報道機関を含めて大騒ぎし過ぎ」
と憤慨する。九州朝鮮中高級学校(北九州市)で娘の入学式に出席した後、ニュースを聞いた。
同校はこの日、嫌がらせを警戒して部活動の生徒を集団登校させており
「命の危険すら感じている。怒りを越して悲しい」とつぶやいた。
=2009/04/06付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/87685
北朝鮮がミサイル発射 米「衛星軌道侵入は失敗」
2009年4月6日0時35分
北朝鮮は5日午前11時半ごろ、長距離弾道ミサイル「テポドン2」の改良型と見られる機体を発射した。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は、1段目のブースター(推進装置)は日本海に、
残りは先端部も含め太平洋に落下したと発表した。日本政府は日本の領域に落下する恐れはないと
判断し迎撃はしなかった。国連安全保障理事会は日本時間6日未明に緊急会合を開き対応を協議する。
24時間体制で宇宙の衛星の状況やミサイルなどによる北米への攻撃を監視しているNORADは
5日の発表で、北朝鮮が発射したのは「テポドン2」としたうえで「何も衛星軌道にのせられなかった」
と指摘。北朝鮮が主張するロケットによる人工衛星の打ち上げは失敗だったと明らかにした。
日本政府も米国政府から同様の情報を伝えられた。
韓国の李相憙(イ・サンヒ)国防相も5日、国会で「どんな物体も軌道に進入しなかった。
人工衛星の発射を試みたが軌道進入に失敗したとみている」と述べた。ロケットもミサイルも
基本構造は変わらず、日米韓3カ国などは「弾道ミサイル」の発射として批判を強めている。
防衛省の中央指揮所は午前11時31分ごろ、米国の早期警戒衛星による発射情報を確認。
日本政府は同32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された」と発表した。
政府の推定では、同37分ごろ、日本の領空のさらに上を太平洋上へ通過、ブースターの1段目は
秋田県の西約280キロ、おおむね北朝鮮が事前通告した危険区域内の日本海に落下した。
2段目について、政府は一時、北朝鮮が事前通告した危険区域の約900キロ手前に当たる、
日本の東1270キロの太平洋上に落下するとの予測を発表したが、確認はできなかった。
日本の東約2100キロの太平洋上まで追尾したが、レーダーの捕捉範囲の限界を超えたため、
11時48分ごろ追尾をやめた。
政府は万が一の打ち上げ失敗に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令、
地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)などを配備したが、日本への落下物はなかった。
http://www.asahi.com/politics/update/0406/TKY200904050217.html
麻生首相「安保理決議に違反」 政府、追加制裁を検討
2009年4月5日23時15分
麻生首相は5日、首相官邸で記者団に「極めて挑発的な行為で断じて看過できない。
安保理決議違反ははっきりしている」と述べた。中曽根外相はクリントン米国務長官、
柳明桓(ユ・ミョンファン)・韓国外交通商相、楊潔チー(チーは竹かんむりに褫のつくり)・
中国外相、ラブロフ・ロシア外相らと相次いで電話で協議し、協力を求めた。
日本政府は13日で期限が切れる対北朝鮮制裁を1年間延長する方針。
発射を受け、ぜいたく品などを対象にした輸出禁止の全品目への拡大などの追加制裁も検討する。
http://www.asahi.com/politics/update/0405/TKY200904050211.html
安保理緊急会合始まる 北朝鮮ミサイル発射を受けて
2009年4月6日4時25分
【ニューヨーク=松下佳世】北朝鮮によるミサイル発射を受け、国連安全保障理事会の緊急会合が
5日午後(日本時間6日未明)、始まった。日本と米国は、今回の発射は、北朝鮮に弾道ミサイルに
関するすべての活動の停止を求めた過去の安保理決議に違反すると主張して新たな決議を求める
見通しだが、中国とロシアは慎重な姿勢を見せている。
緊急会合は日本の要請で招集された。
非公開の場で、各国が今回の発射に対する受け止めや、安保理の取るべき対応について意見を述べる。
日米は、英仏も交えて決議案の協議を重ねているが、この会合で提示するかどうかは不透明だ。
決議案は今回の発射を非難して過去の決議を再確認するとともに、既存の制裁の厳格な履行を
求める内容になるとみられる。決議案について、日本の高須幸雄国連大使は協議前、
「安保理でこの状況にどう対応するか協議した後にお話しできると思う」と述べるにとどまった。
ライス米国連大使は同日朝、米ABCテレビのインタビューに「現行の制裁体制を強化したい」
と語った。追加制裁には中ロの反対が予想されることから、既存の制裁の範囲内で、
実効性を高めるのが狙いとみられる。
http://www.asahi.com/international/update/0406/TKY200904050229.html
ミサイル発射、オバマ外交最初の試練 安保理に中ロの壁
2009年4月6日0時32分
北朝鮮が5日、ミサイル発射を強行したことは、関係各国に様々な問題を突きつけた。
対北朝鮮政策の一貫性や国連安全保障理事会での対応を迫られる米国。
北朝鮮と米、日の間で揺れる韓国。中国、ロシアもそれぞれに思惑を抱えて動いている。
北朝鮮のミサイル発射は、米オバマ政権にとって外交面の最初の難題になりそうだ。
国連安全保障理事会での対応には北朝鮮に理解を示す中ロの壁が立ちはだかる。
問題を国連に持ち込めば北朝鮮は核開発再開に動く構えを見せており、
過度に刺激するのも避けたいところだ。
「ルール違反は処罰されなければならない」。オバマ大統領は5日のチェコでの演説で北朝鮮を
強く批判。「北朝鮮は安全や尊敬が兵器を通じて得られるものではないと知るべきだ」と力を込めた。
オバマ氏は大統領選で、北朝鮮が核計画の検証に応じなければ制裁を再発動すべきだとした。
ミサイルと検証は直接の関係はないが、6者協議の取り組みに逆行する点では同じだ。
こうした厳しい言葉通りの行動を貫けるのか、ミサイル発射後の対応はオバマ政権にとって
さまざまな点で試練となる。
安保理での議論では、新決議採択に慎重な中ロの協力がかぎとなる。
足並みの乱れを見せずに対応をまとめられるかどうかが最初の関門だ。安保理での対応を探る一方で、
北朝鮮の反発を抑えて非核化プロセスに引き戻すという難しい役回りも求められる。
北朝鮮のミサイル発射を受けて5日、韓国政府はこれまで北朝鮮を刺激しないよう避けてきた
大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加を示唆。大統領府報道官は
「政府は北の挑発に対して断固、毅然(きぜん)と対応する」と強い姿勢を見せた。
しかし同時に「忍耐と一貫性を持って北の変化を待つ」とも語り、南北関係に改善の余地はあるとの
メッセージを発した。
>431
ミサイル問題で韓国政府の方針は微妙に揺れ続けてきた。南北関係をこれ以上悪化させたくない
という思いがあるうえ、常に共同歩調をとると決めている米国の出方を見極めているからだ。
予告された発射時期が近づくにつれてオバマ政権周辺から「対話重視」のシグナルが出ると、
韓国側の姿勢は少しずつ和らいだ。
一方で、やはり関係を重視する隣国日本では、ミサイル発射に加え「迎撃」問題が熱を帯び始めた。
保守政権として迎撃に反対するという選択肢はないものの、難しい立ち位置を求められることになった。
一方、北朝鮮に対する最大の援助国で軍事同盟も結ぶ中国は「打ち上げたものが人工衛星だったか
どうか」という点に重きを置く。
中国は日米韓が訴える「ミサイル開発」という懸念にも一定の理解は示している。
北朝鮮核問題をめぐる6者協議の議長国として日米韓と北朝鮮の間で板挟みになった形でもあり、
悩ましい立場に立たされてもいる。
このため、5日の安保理緊急会合でも中国側は協議に入ること自体は容認しそうだ。
しかし中国は、協議のなかでどういう態度をとるかを明らかにしていない。
中国が今回、「衛星を搭載していたかどうか」を強調したのは
「人工衛星であれば弾道ミサイル計画には含まれないと主張し、
新たな安保理決議に反対するためではないか」(北京外交筋)との見方が出ている。
ミサイル発射で与野党、7日にも両院で北朝鮮非難決議
北朝鮮のミサイル発射を受け、与野党は5日、「極めて遺憾だ」などと北朝鮮批判を強めた。
衆参両院は7日にも北朝鮮非難決議を採択する。
与党などは日本独自の制裁強化、国連安全保障理事会での新たな決議を求める方針だ。
自民、公明両党は5日、自民党本部で「与党北朝鮮ミサイル問題対策本部」の会合を開き、
「断じて容認できない」との声明を発表。日本独自の追加制裁の早急な検討を求めた。
自民党の細田幹事長は「(制裁内容は)できれば今週中に決めたい」と述べた。
出席者によると、公明党の北側幹事長は、4日の政府の誤発表問題について、
「てんまつを報告し、責任もはっきりさせるべきだ」と政府に強く要求した。
民主党の鳩山幹事長は三重県松阪市内で記者団に「安保理決議違反という思いは共有する。
さらなる厳しい措置を取ることも必要ではないか」と述べた。誤発表問題については
「原因の徹底究明と責任追及を予算委員会の集中審議などで行うべきだ」と訴えた。
共産党は志位委員長の談話で発射を批判したが、安保理決議違反かどうかは
「発射されたものが何かを見極めた上で、見解を明らかにする」とするにとどめた。
社民党の重野幹事長もこの点への言及を避けた。
国民新党の亀井久興幹事長は誤発表について、「間違いない対応を」と語った。
(2009年4月6日01時38分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090405-OYT1T00677.htm
北朝鮮がミサイル発射、日本上空を通過
北朝鮮は5日、人工衛星打ち上げとして事前通告していた多段式の弾道ミサイル1発を発射、
ミサイルは秋田県西方の日本海に1段目を落とし、日本のはるか上空を通過した。
自衛隊は迎撃を見送った。国内に被害はなかった。
政府は北朝鮮に対し、国連安全保障理事会の決議違反だとして厳重に抗議した。
安保理は日本の要請を受け、緊急会合の開催を決めた。
北朝鮮は人工衛星打ち上げに成功したと発表したが、米軍は2段目以降が太平洋上に落ち、
軌道には何も乗っていないとの声明を出した。
ただ、北朝鮮は弾道ミサイルの長射程化に成功した可能性が高い。
◇
>435
日本政府は米軍の早期警戒衛星の情報などから、北朝鮮が5日午前11時30分ごろ、
日本海に面した舞水端里の基地からミサイル1発を発射したことを探知、ただちに公表した。
ミサイルは同37分ごろ、秋田県と岩手県の上空から太平洋上に抜けた。
1段目ブースターは秋田県西方約280キロ・メートルの日本海に落下。海上自衛隊の哨戒機P3Cが
海上の変色(午後3時の時点で幅50メートル、長さ3キロ・メートル)を確認した。
自衛隊はミサイル防衛(MD)システムで迎撃態勢をとっていたが、
発射直後の分析で日本に落下する可能性が無いと判断、迎撃を見送った。日本に落下物はなかった。
自衛隊は同48分、日本の東方約2100キロの太平洋上までミサイルが飛行したことを確認して
追尾を終えたが、ミサイルはさらに飛び続けた可能性もある。
ミサイルの航跡に関し、浜田防衛相は「我が国のはるかかなた上空を飛んだラインは、
ほとんど(事前通告と)合致している。距離的なものは分からない」と説明。
また、北朝鮮が今回の発射で、弾道ミサイルの射程を伸ばすために必要なデータを獲得した可能性が
あるとの見方を示唆した。
政府はミサイルの2段目以降についても、午前11時43分ごろに日本の東方約1270キロ・メートルの
太平洋上に落下すると推測したが、落下物の有無や地点などを確認する作業が続いており、
発表を巡る混乱もあった。
一方、海上自衛隊のイージス艦による分析の結果、ミサイルは人工衛星が地球を周回するのに
必要な速度に達していないことが判明した。日本政府は、人工衛星打ち上げに失敗したか、
人工衛星が搭載されていなかった可能性があると見て詳細な分析を急いでいる。
北ミサイル発射・4月5日ドキュメント
北朝鮮のミサイル発射をめぐる内外の動き。(時間は日本時間)
11・31 防衛省が、北朝鮮のミサイル1発が11時30分頃に東方向に発射されたと発表
11・32 政府が、首相官邸の官邸連絡室を官邸対策室に格上げ
11・33 陸上自衛隊朝霞駐屯地で、地上迎撃型のパトリオット・ミサイル3(PAC3)発射に備え、
周囲の隊員を退避させる赤色灯が点灯
同 政府が「首相指示」として、〈1〉情報収集態勢の強化〈2〉国民への迅速な情報提供――などを発表。
水産庁は全国の漁業無線局などに対し、日本近海で操業中の漁船の安全確認を行うよう要請
11・34 国土交通省が航空機向けの航空情報で、海上保安庁が船舶向けの航行警報で、
それぞれ発射の1報を伝達。秋田県八峰町が防災行政無線で
「ただいま、北朝鮮からミサイルが発射されました」と町民に広報
11・35 1段目のブースターが11時37分頃、日本海に落下するとの予測を防衛省が発表
11・36 麻生首相が首相官邸入り。「まずは安全の確認、情報収集の強化、情報の迅速な提供を
指示したところだ。細目について言える段階ではない」と語る
同 日本海の危険海域周辺で待機する海保の巡視船「えちご」が被害の確認のため出動
11・37 防衛省が1段目のブースターの推定落下地点を「秋田の西約280キロの日本海」と発表。
2段目のブースターは11時43分頃に太平洋に落下すると予測
11・38 ミサイルが、東北地方の上空から太平洋へ11時37分頃に抜けたと防衛省が発表。
2段目のブースターは「日本の東約1270キロの太平洋」に落下すると予測
>438
11・43 東京・市ヶ谷の防衛省グラウンドに配備されたPAC3の発射台の赤ランプが消える
11・45 太平洋での落下物や被害の確認のため、海保の航空機「うみわし」が出発
11・52 防衛省が、2段目のブースターの推定落下地点について「先ほどの情報は未確認」として
取り消し。ミサイルの追尾を日本の東2100キロの太平洋上で終了したと発表
11・53 高須国連大使が、国連安全保障理事会の緊急会合開催を要請(現地時間4日午後10時53分)
12・00 河村官房長官が記者会見
同 オバマ米大統領が滞在先のプラハで「明らかな安保理決議違反」との声明発表(現地時間5日午前5時)
12・15 防衛省が、北朝鮮が指定した秋田沖の危険海域で海面の変色を発見
12・17 海保が5回目の航行警報で「2段目のブースターの推定落下地点は日本の東
約1270キロの太平洋」と伝達
12・30 麻生首相、河村官房長官、中曽根外相、浜田防衛相が、首相官邸危機管理センターで
情報集約会議
13・00 河村官房長官が2度目の記者会見
13・05 水産庁による漁船の安全確認で「被害報告なし」
13・20 米国のズムワルト駐日臨時代理大使が首相官邸で河村官房長官と会談。ズムワルト氏は会談後、
記者団に「北朝鮮の行動は地域の脅威であり、国連安保理決議違反であることで一致した」と語る
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13・25 浜田防衛相が記者会見で、ミサイルの2段目のブースターがどこに落下したのかについて
「解析をした上でもう一度発表をさせていただくことになる」と説明
13・30 岩手県が、県内に被害がないことを確認。達増拓也知事が「県民の生命、財産に被害が
なかったと聞き、安堵(あんど)している」とコメント
13・55 潘基文(パンギムン)・国連事務総長が「遺憾」と表明(現地時間5日午前0時55分)
14・06 首相官邸で安全保障会議。麻生首相は「貴重な体験を今後に生かしていただきたい」
14・30 中曽根外相がクリントン米国務長官と電話会談、日米が共同で対処することを確認。
中国外務省が「各国は冷静な対応と自制心が必要」との声明発表
14・50 河村官房長官が3度目の記者会見で、「予告されたものが発射されたわけだから、
一応(政府の)警戒態勢は解かれた状況にある」と宣言
15・24 麻生首相が首相官邸を出る
15・28 朝鮮中央通信が、人工衛星「光明星2号」を打ち上げて軌道進入に成功したと初めて報道
15・30 河村官房長官が韓国の権哲賢駐日大使と首相官邸で会談。会談後、権大使は
「(発射は)安保理決議1718の明らかな違反であり、北東アジア地域の安全と平和を
脅かす挑発的な行為だ」
防衛省また混乱、2段目ブースター推定落下地点で右往左往
北朝鮮が弾道ミサイルの発射を強行した5日、またしても防衛省で情報伝達を巡る混乱が起きた。
ミサイルの2段目ブースターの推定落下地点について、同省が、いったん公表した情報を発表資料から
削除したことなどで、水産庁は漁船の安全確認に手間取り、海上保安庁による落下物の捜索にも影響が
出る事態に。一方、ブースターの落下によって被害を受けるおそれがあった漁業関係者は
「こんな恐ろしいことは今回限りに」と訴え、
拉致被害者の家族らは「やりきれない。国際社会への裏切り」と怒りをあらわにした。
「訂正というのは?」――。北朝鮮のミサイル発射を受け、この日午後1時から首相官邸で始まった
政府の記者会見。内閣のスポークスマンにあたる河村官房長官は、けげんな表情で報道陣に逆質問をした。
河村長官はこの直前、2段目ブースターの落下地点について「日本の東約1270キロの太平洋上に
落下したと推測される」と説明。防衛省も同日午前11時38分、同じ内容の発表を行い、
2段目ブースターが、北朝鮮が危険海域に指定した日本の東約2150キロより、
はるか手前で落下した可能性を明らかにしていた。
しかし、同省は14分後の午前11時52分、この推定落下地点について発表資料から削除。
河村長官には、この事実が伝わっていなかった。同省幹部は「予測した落下地点の最終確認が取れない
ので資料から削除したが、予測は維持されている」と説明している。
一方、水産庁ではミサイルが発射された2分後、全国43の漁業無線局や沿海の39都道府県、
8漁業団体に、日本近海で操業中の漁船の安全を確認するようファクスで要請した。
その直後、2段目のブースターが危険海域を大きく外れて落下したという情報が官邸から入り、
同庁の緊急事態対策本部は騒然とした雰囲気に。危険海域を避けて操業しているマグロ漁などの
現場に落下したおそれもあることから、安全確認が必要な漁船は大幅に増え、
職員たちは慌てて海図を広げながら、漁業団体などに電話をかけ始めた。
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それでも太平洋で操業する漁船が多い「全国近海かつお・まぐろ漁業協会」などからの回答が遅れ、
全漁船の安全を確認できたのは午後1時5分。
想定の3倍近い時間を要し、同庁幹部は「予想外の情報だけに慌ててしまった」と語った。
落下物の捜索にあたった海上保安庁でも発射の約15分後、航空機「うみわし」を、
防衛省が2段目ブースターが落下すると推定した地点に向かわせた。
午後2時すぎには官邸からの情報を「落下は約2100キロ地点」と誤って受け取るトラブルもあり、
ある幹部は「防衛省は北緯や東経を特定してくると想定したので、正直困った」と話していた。
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◆「本当に恐ろしい」漁業関係者◆
「安全にかかわる情報が変更されるのは困る」「いざ発射されたことがわかると、やはり恐ろしい」。
漁業関係者たちも、ブースターの落下情報を巡る混乱に振り回された。
岩手県釜石市の無線通信施設「釜石漁業用海岸局」では5日午前11時半すぎ、
ミサイル発射の一報を受けて、太平洋上の遠洋で操業中の漁船に向けた無線放送を始め、
ミサイルの発射時刻や、防衛省が、2段目のブースターの推定落下地点と発表した海域について
正午前まで放送を続けた。
ところが、午後0時18分に水産庁から「ロケット2段目の切り離しは確認されていなかった」との
ファクスが届き、「先ほど放送した着弾地域は未確認で、現在調査中です」と訂正放送をする事態に。
同局の担当者は「船舶の安全にかかわる情報が訂正されるのは困る」と不満そうに話した。
一方の日本海側。秋田県北部の八峰町にある八森漁港では、メバル漁に出ていた漁船1隻が、
ミサイルが列島上空を通過したとの情報が発表された直後の午前11時45分頃、帰港した。
1人で出漁したという男性(49)は「実際に起こってみるとやっぱり肝を冷やした。
死んでいたかもしれないし、本当に恐ろしい。こんなことは今回限りにしてほしい」
と怒りが収まらない様子だった。
(2009年4月6日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090405-OYT1T01035.htm
「国内に落ちました」鳥取県が市町村にファクス重大ミス
鳥取県では5日、エムネットで北朝鮮のミサイルに関する情報を受け取った後、
「国内に着弾した」と読み取れる文書を県内の市町村にファクスするミスがあった。
県によると、日本海にブースターが落ちたとの情報を受け取った際、準備していた
「国内にミサイルが落ちた。被害を確認中」という文書を、「日本海に落下物が落ちた」
と手書きで修正してファクスした。しかし、文書の別の個所に「国内にミサイルが落ちました」
という原文が残っており、「間違いでは」という問い合わせでミスに気づいたという。
(2009年4月6日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090406-OYT1T00016.htm