1 :
名無しさん@ピンキー:
!注意!
このスレにはさまざまな女装シチュエーション愛好家が集います。
スレの流れによってはあなたとは異なる嗜好の作品が投下される場合もあるかもしれませんが、
自分はその女装シチュは好きではないからと言って否定的な発言をするのはやめましょう。
スレから作者を追い出すなどというのはもってのほかです。
気に入らない作品は専ブラのNG機能等を利用し、黙殺するようにしてください。
あなたが気に入らない作品を好む方もおられますし、その逆もあり得ます。
どうか、このスレに集う皆のことを考えて下さい。お願いいたします。
【その49】
万雷の拍手に迎えられ、一歩一歩上座に据えられた新郎新婦席へと向かう俺たち。
ちょっと高めのヒールを履かされているためか、足元が少々おぼつかなく、
これから人生をともに歩む頼もしい新郎に導かれ、
寄り添うように従う花嫁という姿を、図らずも自ら演出してしまっている。
そんな俺の姿を「綺麗」だとか「かわいい」とか、
参列している同級生や同僚たちが言っているのが口の動きでわかる。
かわいいとか綺麗とか言われても恥ずかしいだけのはずなのだが、
なぜだかそれとは違う感情が胸の奥に湧き上がり、
じわりと温かく恥ずかしさを覆うように広がっていく。
知らずのうちに、だんだん心が花嫁になってきているのだろうか。
少し恐ろしくなり小さく震えると、亜希子が少しだけ俺のほうを向くと
「大丈夫、心配いらないよ」とささやいた。
その力強い言葉で、なんとなく安心してしまったのは、やっぱりまずい気がしてきた。
間違いない、だんだんと染められている。
【その50】
ようやく上座に設けられた新郎新婦席までたどり着くと、
この道ン十年の司会者が開宴を告げられ、
媒酌人である常務によって、俺たち新郎新婦の紹介が始まった。
亜希子がいかに有能ですばらしい『男』かというアピールと、
俺がたおやかで優しく、そして気配りができる美しい『女性』かという話。
一連の紹介で本当に恐ろしいのは、1つも嘘は言っていないというところだろう。
話の切り口で印象などいくらでも変わる、変えられる。
こうしているうちにも、常務の話術によって参列者のなかにある俺のイメージは、
どんどんとすばらしい女性へと変化していっていることだろう。
まるで洗脳音波のような新郎新婦紹介が終わり、長く、退屈な主賓挨拶が始まった。
なぜこういう式典には、お偉いさんのつまらない挨拶が多くあるのだろう。
誰も聞いちゃいないと思うのだが。
少し退屈になって横目で亜希子のほうを見ると、真剣なまなざしで主賓の言葉を受け止めている。
彼女のあまりに立派な振る舞いに、早く終われと祈っている自分がなんとなく恥ずかしくなってきた。
長い長い主賓挨拶が終わり、今度は乾杯の音頭をとるために
俺が亜希子の秘書になるまでの上司だった男が司会に招かれ前にやってきた。
「本日はお日柄もよく」など、形式的な祝辞を述べる元上司が
乾杯!と高らかに宣言すると、清く澄んだ音色が一斉に鳴り響く。
俺も手元のシャンパングラスにそそがれたかすかに泡立つ黄金色の酒を
口紅がグラスにつかないよう慎重に口元に運んだ。
すっと入り込む独特の香味を持つ液体が、
緊張と恥ずかしさでカラカラになった喉をやさしく潤していく。
【その51】
そして披露宴最初の山ともいうべき、ウェディングケーキが台に乗せられ運ばれてきた。
最近は流行らないという、大きな3段のセレモニーケーキだが、
これだけ大きな会場となると、生ケーキよりも見栄えのするこちらのほうがいいのだろう。
あらかじめ言われていたように、2人してそっと立ち上がり、ケーキへと近づく。
そして亜希子に促がされるままナプキンに包まれている
リボンで装飾されたケーキナイフを両手で握ると、
彼女は俺の腰に左手を回し、右手を俺の手にそっと重ねてきた。
すると式場の照明が消え、かわりに俺たち2人にスポットライトが当てられる。
「これより亜希子さん貴明さんのお2人に、ウェディングケーキにナイフをお入れいただきます。
カメラをお持ちのお客様は、どうぞお近くでお撮りになって結構です」
この世にも珍しい夫婦のケーキ入刀を写真に残そうと、
何人もの即席カメラマンが俺たちをぐるりと取り囲む。
もちろん、プロのカメラマンが混ざっているのは言うまでもない。
「そして皆様、ケーキにナイフが入りましたら、お2人を祝福の拍手でお包みいただけますでしょうか?」
亜希子に優しく後ろから抱きかかえられながら、2人でゆっくりとケーキへナイフを入れていく。
ケーキは少しも抵抗することなく、すっとナイフを受け入れ、
次の瞬間、目もくらむようなフラッシュと拍手の嵐が俺たちを包み込む。
皆が写真撮影が済むまで入刀のポーズのまま動かず、一生懸命微笑み続ける俺。
きっと参列者の写真には、人生最高の瞬間に美しく微笑む花嫁の姿が残されることだろう。
【その52】
ケーキ入刀が終わると、今度はファーストバイトなる儀式が待っていた。
殆どが食べられないイミテーションのウェディングケーキだが、
入刀した部分だけは本物で作られている。
その部分をとりわけ、お互いに食べさせあうのだという。
まずは新郎亜希子から、新婦である俺に向かって、
ひとくちサイズのケーキが差し出される。
下品に見えないよう、あまり大きな口をあけずに、亜希子の手からケーキを食べる。
新郎から新婦へのファーストバイトは「一生食べるものに困らせない」という意味があるらしい。
つまり、生涯愛する妻を養っていくという誓いの儀式な訳だ。
そして今度は俺から夫・亜希子へ向かって、同じくケーキをひとかけら。
『男』らしく、大きな口をあけてそれを受け入れる亜希子。
こちらは「一生おいしいものを食べさせてあげる」という意味合いを持つ。
これは新妻による「家庭を守ること」の宣誓ととっても問題ないだろう。
もっとも、結婚式に先立って寿退社させられ、
家庭に入ることを義務付けられた俺には、
いまさら誓いなおす意味があるのかという疑問が残されるのだった。
【その53】
ケーキ入刀が終わり、招待客はもてなしの料理に舌鼓を打ち始める。
参列できなかった友人やら取引先からやらの祝電をBGMに、
当然のように亜希子も目の前のごちそうをためらいなく食べ始めるが、
俺はウェストがガッチリ締められているためか料理が口に入っていかない。
舐めるようにミネラルウォーターを口にして時間を潰していると、
係のものがやってきて、俺に中座するよう言ってきた。
お色直しの時間だ。
司会による花嫁中座の挨拶があり、サプライズでエスコート役に高校時代の友人が指名された。
いや、サプライズを演出しているが、実際には亜希子から連絡がいっていたのだろう。
2人のクラスメイトだった田中と秋本に連れ添われ、
俺は衣装を変えるため会場を後にした。
披露宴会場へと続く扉が閉められると、
それまでにこやかに笑っていた田中と秋本が、
いじわるそうににやにやして俺に話しかけてきた。
「一度別れたって聞いてたけど、まさか2人が結婚するとはねぇ」
「しかも貴明くんのほうがお嫁さんになるなんて!」
口々にはやし立てる、かつてのクラスメイト。
「で、なんで花嫁になることになったの?」
「それは・・・・・・言えない」
まさか家族を守るため、俺自身を売り渡したなんて、口が裂けても言えない。
これは花嫁に、新妻になる運命を負った俺の、男としての最後の矜持だ。
「じゃ、亜希子の言ってた事は本当なのかな?」
「?」
「『貴明くんが土下座して花嫁になりたいっていうから譲ってあげた』って」
なんてことだ!確かに土下座して亜希子に屈服した俺だが、
あの姿がこのような形にゆがみねじれまげられて伝えられているとは!
たぶん、クラスメイトには俺がどうしても花嫁になりたいと願ったため、
このような結婚式になったという風に伝わっているのだろう。
あまりの衝撃に、このまま気を失って倒れてしまいたいぐらいだ。
【その54】
着替えるため控え室についた俺は別室待機となる2人と別れ、
大慌てで違う衣装に着替え始めた。
スタッフの手によって、見る間にウェディングドレスをひん剥かれ、
あらかじめ準備されていたドレスを身にまとう。
今度のドレスはワインにも似た赤が眩しいハイウェストに作られたカラードレス。
このドレスも先ほどまで着ていたドレス同様ストラップがなく、
肩や鎖骨が露出しているというデザインになっている。
当然ながら背中も大きく開いており、
アクセントとしてドレスと同じ色をしたレース布で作られたリボンがあしらわれ、
左胸には、やはり同じ色をしたコサージュが飾られている。
そしてドレスにあわせ、髪型も変更する事に。
いままでは緩やかなウェーブを活かしたかわいらしいものだったが、
今度は後頭部の上のほうで編み上げてまとめたものに変更された。
これによって背中に流れる髪の毛はなくなり、
より背中が開いているドレスのデザインが強調されることとなった。
今日はここまで
これで披露宴は半分ぐらいまで終わったのかな?
カラードレスじゃなくて打ちかけもやりたかったけど、
そんな余裕なし(´・ω・`)
次回で披露宴終わるかなぁ
ウホッ
リアル更新キタコレ
相変わらず神
いいねぇ!この外堀から埋められてる感じ確実に包囲網は狭まってる。
なんか亜希子にヤンデレを感じてGJ
つC
お色直しキタコレ
【その55】
着替えが終わると、部屋の隅に作られた簡易撮影ブースに移動させられた。
そこでまたも新しいブーケを持たされ、「一生の思い出に」と写真を何枚も撮られる。
これ以上、恥ずかしい思い出を残さないでくれと思うが、
それをカメラマンに要求される笑顔でなんとか隠し切る。
気がつくと、俺同様にお色直しを済ませ黒のタキシードを着込んだ亜希子が、
俺のことを温かい目で見つめていた。
あれは間違いなく愛する新妻が美しく着飾っているのを喜んでいる夫の目だ。
「近くで見ても花嫁にしか見えねぇとは、よく化けたなぁ貴明」
亜希子のお色直しをエスコートしてきたのだろう、高校時代の悪友・佐藤が俺を見るなり笑い出した。
「化けたなんて失礼な。美しく着飾ったと言ってくれ」
嘲りにも似た笑い声にカチンときた俺は、高校時代のように反論してしまう。
田中と秋本が「こんな綺麗な花嫁さんに失礼ね」などと、
いっしょになって悪態づいた佐藤を攻撃してくれるのがなんとなくうれしい。
俺を花嫁として認めてくれたのだと内心で喜ぶのも束の間、
ニヤリと笑う亜希子を視界の端に捕らえ、そんな気分は一瞬にして吹き飛んだ。
なんで花嫁姿をほめられてうれしく思ったんだ?
恥ずかしいだけのはずだったのに?
環境が人を作るというが、俺も今の境遇に慣れてだんだんと花嫁化してきているのだろうか。
【その56】
友人たちのエスコートによって、再び会場へと舞い戻る新郎新婦。
真っ赤なドレスで艶やかに姿を変えた俺と、
黒のタキシードでより凛々しさを増した亜希子は、万雷の拍手で迎えられる。
お色直し後の再入場につきもののキャンドルサービスの時間だ。
ケーキナイフと同様リボンで飾られたトーチを2人で握り、
2人で参列者のテーブルを回って、キャンドルに火を灯していく。
照明が落とされた式場内に、1つ、また1つと柔らかく暖かな光が浮かび上がる。
テーブルを1つ1つ回るということは、イコール参列者のそばに近づくという事で、
今までじっくり見ることをためらっていた常識ある人々も、
ここぞとばかりに俺の花嫁姿をまじまじと観察している。
エステで磨かれた鎖骨や肩から二の腕にかけてのシルエット、
そして髪を上げて露わになったうなじや、そこから続く背中のラインは、
いまやグラビアアイドルにも負けないものを持っていると自負できるが、
それでも近くで見つめられると手にしたトーチで焼身自殺を図りたくなるほどの恥ずかしさ。
俺の顔が熱いのは、決してキャンドルの温かみのある光に照らされているからではないのだ。
【その57】
キャンドルサービスで各テーブルを回っていてわかったが、
俺の花嫁姿は、女性の招待客にはおおむね好評のようだ。
意外に女の人は女装というものに抵抗がないのだろうか?
逆に男の招待客、とくに年配になるほど、軽蔑のまなざしを向けてきたり、
人を小ばかにしたような笑みを浮かべたりと、露骨に悪意を見せる。
それを口に出さないというのは、ここが晴れの舞台ということよりも、
亜希子の父親の影響が大きいだろう。
偉きゃ白でも黒になるというが、あれは本当だと思い知らされる。
そして俺の両親が座る席へと到着し、いままで育ててもらったお礼を述べつつ
キャンドルに火を灯そうと試みた。しかし、なぜか手が震えてうまくいかない。
2度、3度と挑戦して、ようやくキャンドルの頭にぽっと明るいともしびが生まれるのだった。
ゆれる炎の向こうに、俺に対して謝罪のまなざしを向けながら、
固く黙り込む親父が浮かび上がる。
果たして、俺の決断は親孝行だったのか、親不孝だったのか、
なんだかわからなくなってきてしまう。
そしていよいよメインキャンドルに火を灯すときがやってきた。
ほかのテーブルに置かれたキャンドルとは作りからして違う、
ツリー状に飾り付けられたキャンドルの決められた場所に点火すると、
ツリー全体のキャンドルへと炎が走り、見事な炎の芸術へと変貌を遂げた。
ゆらゆらと揺れ動くエネルギーの彫刻は、やがて係員によって消されてしまったが、
あの炎を見ていると今の境遇を忘れられるような気がして、
俺としてはあのまま燃え尽きるまで放置してもらいたかった。
キャンドルサービスが終わると、続いて余興やお祝いのスピーチの時間。
お偉いさんがたのどじょうすくいやら手品やらが披露されるが、
正直言って面白くもなんともない。
こういうのを自己満足といわずしてなんというのだろう。
いい加減気づいてもらいたいが、気づかないからこそ今の地位を築いたのかもしれない。
【その58】
そして俺の友人代表として、田中が壇上へとやってきた。
「貴明『ちゃん』の高校時代からとてもかわいらしく、
クラスでも狙っている男の子が多かったけど、
まさか亜希子『くん』がそのハートを射止めるなんて思ってもいませんでした」
まさか過去のエピソードまで俺が女性扱い受けるなんて思ってもみなかった。
「一度は不幸な形で別れたって聞いたけど、
またこうして出逢って結ばれるのだから、2人の絆は本物です。
でも、私たちクラスメイトの中で、貴明ちゃんが一番最初に花嫁になるなんて!
ウェディングドレス姿、とっても綺麗だよ!結婚おめでとう!」
今、ここにある現実はさておいて、誰だって俺が花嫁になるなんて思うはずがないだろう。
ある意味でマヌケな、かつ強烈なスピーチが
ボディーブローのように俺を叩きのめす。
続いて新郎の友人代表も、俺がクラスの男たちのアイドル的存在で、
みんな狙っていたなんていう嘘を並び立てる。
いや、もしかしたらスピーチの内容が本当で、
ずっと今までそうだと信じ込んできた人生が偽物だったのかもしれない。
なにが嘘で本当か、俺の中の真実まで揺らいできてしまった。
【その59】
友人代表のスピーチが終わると、新婦がいままで育ててくれた両親に対してお礼を述べるという、
披露宴で一番盛り上がるだろう瞬間がやってきた。
緊張で口の中が一瞬にして乾いてしまったが、
ここを乗り切らなければ披露宴は終わらない。
俺は意を決して両親への挨拶の言葉を、精一杯紡ぎはじめた。
「皆様、本日は遠いところから私たちのために、この結婚披露宴にご出席くださいまして、
本当にありがとうございます。
本日は雲ひとつない晴天に恵まれ、絶好の行楽日和にもかかわらず、
私たちのためにご都合つけていただきまして、感謝の気持ちで一杯です。
こうして華やかな衣装に身を包み、ここにいらっしゃる出席者の皆様から
温かい祝福を頂戴いたしまして、感激で胸が詰まりそうです
これもひとえに、ご媒酌人を務めていただいた野村常務ご夫妻と、
皆様方のご尽力の賜物と感謝しております。
おかげさまで、本日の披露宴は生涯忘れる事のない、すばらしいものとなりました。」
マイクにノイズが載らないよう慎重に安堵の息を吐く。
亜希子に何度もダメ出しされながら、必死で作った文章も一字一句間違えず言う事ができた。
しかし、まだ続きがある。ひとつ大きく息を吸い、俺はスピーチを続けた。
【その60】
「お父さん、お母さん、私は今日、あなた方の許から巣立って亜希子さんの妻となります。
2人の優しさのおかげで、今日の私がいます。
2人が支え続けてくれたおかげで、私は亜希子さんと出会うことができました。
お父さんとお母さんの『娘』に生まれてきて、私は本当に幸せでした。
これからも、ずっとお父さんとお母さんの『娘』です。
今日まで25年間、本当にありがとうございました」
スピーチの途中から、なぜか親父やお袋と過ごした日々が思い出され、
胸になにかがこみあげてくるような、そんな衝動が俺を責める。
そして、最後の言葉を言い終えようとしたそのとき、
亜希子がそっと俺にハンカチを差し出した。
スピーチで両親への感謝の意を述べている途中で、
知らずのうちに感極まって泣き出してしまったらしい。
そっと目頭や頬をハンカチで押さえても、溢れるものを止めることはできない。
俺は泣きながら、亜希子といっしょに両親へ花束を渡すと、
いままで我慢していたものがこらえきれなくなったのか親父もボロボロと泣き出した。
結婚式によくあるといえばそれまでだが、
父と『娘』の美しい親子愛に、場内はいままでで一番大きな拍手に包まれる。
その瞬間、俺は冗談ではなく本当に嫁いでいくんだということを、
心から実感するのだった。
【その61】
図らずも涙で演出された花嫁挨拶も終わり、
両家代表として亜希子の父親が壇上でスピーチしはじめた。
なにかチクリと言われるかと思いきや、
意外にも俺たち2人の結婚を祝福しているようで、少し安心した。
しかし、早いところ孫を生んで欲しいというが、
どうやったら男の俺が妊娠できるのだろうか。
あるならばその方法を教えて欲しいと思ったが、
本当に何らかの手段を用意されそうな気がして怖くなった。
俺を花嫁に仕立て上げるぐらいだ、そのぐらいのことは絶対やってのける。
【その62】
そしていよいよ、披露宴の最後を飾る新郎亜希子の挨拶の瞬間がやってきた。
次から次へと謝辞をつづる亜希子だが、
その言葉には嘘偽りなく、本当に心から感謝の気持ちでいっぱいなのだろう。
「本日皆様から頂きました沢山の励ましのお言葉を胸に、
これから二人の理想の家庭を目指して共に努力して行きたいと思いますので、
どうか今まで以上のご協力をよろしくお願いします」
結婚生活に対する決意の言葉は、いままで語ったどの言葉よりも力強く、
妻である俺を幸せに導くというはっきりとした意志が伝わってきた。
――この人なら、一生を添い遂げられる
先ほどのスピーチで涙腺が緩んでいるのか、
彼女の頼もしい言葉に、また知らず知らず涙を浮かべてしまうのだった。
【その63】
長かった披露宴も終わりを告げ、ようやく堅苦しい儀式から開放された喜びと、
これから歩む結婚生活への思いで胸がいっぱいに満たされる。
今日はこのまま式場系列のホテルへと直行し、そこのスイートルームで宿を取ることになっている。
俺と亜希子はいままで着ていた衣装のまま用意されたリムジンへと乗り込み、
宿泊予定のホテルへと向かうのだった。
到着先のホテルでは、ずらりとボーイたちが立ち並び、
支配人自らも挨拶に来るという、熱烈な歓迎振り。
考えても見れば、このホテルも亜希子の父親が持つ企業の1つに過ぎず、
そういう観点から見れば、この歓迎もなっとくといえるだろう。
手荷物をボーイに預ける際、『奥様』と呼ばれたのはなんとなく恥ずかしかったが、
世間的に見れば俺は若奥様であり新妻なんだろう。
できればずっと男扱いしてもらいたかったが。
今日はここまで。
なんか最後のほうは駆け足だったけど、
よーやく披露宴も終了。
次回からはいよいよベッドシーンに突入する・・・・・・はず。
>>15 間違いなく亜希子はヤンデレです。
彼女の中の動機やここにいたるまでの戦略戦術作戦なんかも構想にありますが、
うまく作中に落としこめるかどうか。
>>16 お色直しは1回で終わらせてしまいました(´・ω・`)
ああ、なんかもったいない気がしてきた。
「これは新婦のお母様が結婚式のときにお召しになった内掛けです」
とか、いまさらアイデアが出てきてしょんぼり。
>>26 楽しんで読ませてもらっています。
気が早いと言われるかも知れないが、この話もどこかで完結すると思います。
だがこの話だけで次回作は無しっていうわけではないですよね。
そのアイデアは次回作以降に使ってほしいですね。
続きは今晩ですか? 楽しみにしています。
つC
昨秋出席した従妹の結婚式を思い浮かべつつ読んだ。
いよいよ初夜か。これまた楽しみ。
前スレからの続きを投下させて、いただきます
「あ〜おもしろかった。やっぱりアギトはカッコイイなぁ」
テレビの画面からはスタッフロールとエンディングが流れる。敬二は背伸びをすると、テレビのスイッ
チを消す。敬二が今からどうしようかと、部屋をキョロキョロ見渡していると、由利が時間を見計らった
ように敬二がいるリビングに向かってくる。もちろん、手には先ほど見つけた衣装を持って。そして、由
利が敬二の後ろから声をかける。
「ケ〜イちゃん。ちょっといい?」
敬二が振り向くと、いつもはあまり笑顔を見せない由利が後ろに手を回しニコニコしながら話しかけて
いる。そして、初めて聞く呼び名。敬二は、咄嗟に後ずさりして、警戒する。
「……な、なに?そんなニコニコしちゃって……。それに、後ろになにもってるのさ…」
「な〜に怖がってるのっ。ケイちゃん、仮面ライダーが好きだって言うからね、プレゼントしようかと思
って持ってきたのよ。」
敬二はそれを聞くと、糸も簡単に警戒心を解き、由利に擦り寄ってくる。
「え…!なになに??もしかして…」
「そのもしかしてよ。ケイちゃんは私のかわいい弟だもんね〜。お姉ちゃん特別に買ってきちゃった。」
その言葉を聞いたとたん、敬二の目がきらきら光る。もう、頭がプレゼントの中身のことでいっぱいだ
った。
「あ、ありがとう、由利姉!!じゃあ、早く早く!」
「わかったから、そんなに興奮しないの。それでは、ケイちゃんにこれを進呈しま〜す!」
由利はそういうと、後ろに回していた手を敬二の前に突き出す。すると、みるみると敬二の顔が期待から
落胆に変わっていった。
「やった……あ……?な、なにこれ…?」
「ふふ…これはね、東京限定発売のやつで超レア物のアギトの変身スーツセットなの。」
敬二は、まじまじとその衣装を見る。それには、ヒラヒラのスカート、でっかいリボン、ベルトや肩の部
分にはハートに形とった飾りがつけてある。男の敬二にはとても、仮面ライダーが着るものだとは思えなか
った。
「えぇ〜?こんなの女子が着るものだよ。男は着ないよ〜。」
当然のごとく疑う敬二。当たり前だが由利はこんなこと想定済みだったので、すぐに反論する。
「馬鹿ね。東京じゃこの変身スーツがほしいって駄々こねる子がいっぱい居るのよ。それに、こんな田舎じ
ゃ流行ってないけど、このハート型の飾りとか、リボンとか、スカートとかすごい流行ってるのよ。私東京
に去年行ったけどね、ほんとにみんなスカートとか穿いてるのよ。」
もちろん、まったくのでたらめである。ちょっと考えたら、小学4年でもあり得ないとわかる嘘だが、由
利が去年東京に行っていた事は事実ということと、あまり物事を深く考えない性格が相まって敬二は本当だ
と信じこんでしまう。
「そういえば、なんかカッコイイかも…それにこの黒色の服もカッコイイかも。」
「カッコイイかも、じゃなくてカッコイイのよ。でも、ケイちゃんが嫌なら別にあげなくてもいいよ。欲し
いって人はい〜っぱい居るんだから。…あ、そうだ。そういえば私の友達の弟も欲しがってたなぁ〜。その
子にあげちゃお。ケイちゃん要らないんだからあげてもいいよね?」
「え…いや…それは……」
いきなり、取捨選択を迫られ露骨に焦る敬二。そんな様子を見て、由利はついニヤけてしまう。
(馬鹿ね…こんなのどうみたって女物じゃない。まぁ…そんなアホの子っぷりもかわいんだけどね。)
しばらく様子を見ても敬二は悩んでいるだけで一向に決めようともしない。そんな様子を黙って見ていた
由利の口が開く。
「悩むぐらいだったらいらないってことだよね。じゃあ、これあげてくるからお留守番頼むね。」
そういうと、由利は玄関のほうに向かって歩き出す。そんな様子を見て敬二は、急いで由利を引き止める。
「あ…だめ!由利姉!」
敬二が後姿の由利に向かって大声を出し引きとめようとする。それを聞いたとき、由利は何度も小さくガッ
ツポーズを取る。しばらくして、冷静さを取り戻したのか、敬二のほうを振り向いて話しかける。振り向くと
敬二は少し俯き半泣き状態だった。
「それ…俺のプレゼントなんだろぉ……ひどいよっ…」
「ごめんごめん、あんまり嫌そうだったから。嫌いなのかなぁ〜って思って。じゃあ、これあげるから機嫌直
して。」
由利は敬二の頭をなでながら、衣装を渡す。受け取った敬二は俯いて涙を見せないようにしていたが、少し
泣いていることがわかった。
「もしかして、泣いてる?」
「な…ないてなんかない!目にごみが入っただけ!」
敬二は目を手で荒々しくこする。そして、顔を上げるが明らかに涙の後が残っていた。よっぽど他人に渡るの
が惜しい代物だったらしい。そんな敬二を見て由利が少し顔を赤くする。
(か、かわいい…しかもツンデレとな……こんなかわいかったっけ……)
「そ、そうだよね。ごみが入っただけだよね。ごめんね。私ったら早とちりしちゃって…」
「い、いいよ。そんなの。」
少しの沈黙が二人の間に訪れる。そんな沈黙を始めに破ったのが由利だった。
「あ、そういえば、今日はアギトごっこやらないの?」
アギトごっことは、仮面ライダーアギトが終わった直後に興奮が収まらない敬二が、勝手に由利を敵扱いして
由利の部屋に突撃して、アギトの物まねをやることである。普段は相手にするのがめんどくさい由利はすぐに、
『やられたー』と棒読みで言ってベットの上にねっころがる。そして、敬二が出て行くまで狸寝入りする。
その言葉を聞いて思い出したのかハッとする敬二。しかし、すぐ拗ねた表情になる。
「あ、そうだ。やるの忘れてたよ。…でも由利姉あんまりやる気になってくれないし…今日はいいよ。」
「あら、つれないのね。今日はせっかくプレゼントした変身スーツ着てやってみようという気にはならないの?」
「そりゃ…やってみたいけど…」
「じゃあ、やろうよ。私も今日は特別にちゃんと敵役になりきるからさ。」
そういうと、敬二の表情が晴れる。
「やる気になったみたいね。じゃあ、私はいつもの通り部屋で待ってるからさ。それに着替えて…あ、いや『変身
』しておいで」
「うん、待ってて。すぐ着替えるから!」
よっぽどうれしいのか、敬二の顔に笑顔があふれる。そんな敬二を見て、(違った意味で)由利の顔にも笑顔が
あふれる。敬二が脱衣所に着替えに行くのを見送ると、由利はゆっくりと階段を上り自分の部屋へと向かった。
今日はここまで。
>>26 ベットシーンwktkしながら待ってます
35 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 07:25:35 ID:j6/h00rW
≫32楽しみだ
アギト見てる子がプリキュア知らんとかありえんような気もする…というのはヤボなツッコミか(汗
>>35 ちょ、それ安価違う(何
ぬ、確かにそうかも・・
そこまで考えてなかったです・・
すまんかった
【その64】
案内された部屋は、ホテルの最上階に設けられた
超がつくほどの最高級グレードのスイートルーム。
調度類はどれも見た目はシンプルながら、
それでいて仕事のよさが伺えるというすばらしいものばかり。
こういう高級な部屋にはホテルの威信を見せつけるために、
これでもかと派手な高級家具を据えたがるところも多いのだが、
そうならないというのは、伝統と格式に裏打ちされた揺るぎない誇りからだろうか。
南側の壁一面は一枚硝子の開放感あふれる大きな窓になっており、
夕陽に染まる街並みが一望できた。
そのすばらしい眺めに吸い寄せられるように、俺は窓に寄り添うように立ち、
だんだんと闇を深めていく景色を見つめていると、
突然後ろから包み込まれるように抱きしめられた。
「やっと、2人きりになれたね」
結婚式をともに乗り切った新妻をねぎらうかのように、甘くささやく亜希子。
大きく開いたドレスの背中からじんわりと彼女の体温が伝わってきて、
俺の心までなんだか温かくなってくる。
【その65】
しかし、それでは状況に流されたまま。
ずっとこのまま花嫁で、新妻でいるわけにはいかない。
「・・・・・・これで、満足なのか?」
俺は亜希子のほうに振り向かず、小さくつぶやいた。
新婚夫婦が生み出す甘い雰囲気が一瞬で吹き飛び、
重苦しい空気が辺りを支配する。
言葉を継ぐのがためらわれるような、痛く辛い沈黙が続く。
「・・・・・・愛しているから。貴明を、愛しているから」
沈黙に耐えられなくなったのか、亜希子が言葉を搾り出す。
「貴明を!あなたを!ずっと手元においておきたかったから!!」
悲痛な叫びが鼓膜を震わせる。耳だけでなく、心まで痛い。
確かに、最初に裏切ったのは俺だ。
しかし、それでもこれは、その償いにしても悪ふざけの度合いを大きく超えている。
愛ゆえの行為といえば聞こえはいいが、気が狂っているとしか思えない。
【その66】
抱きしめる手を振りほどき、亜希子に反論しようと振り向いた刹那、
今度は正面から抱きしめられ、唇も奪われた。
今日3度目となる、あの官能的で甘いキス。
舌による受身の愛撫は、どんどん口の中を性器に変えてゆく。
脳がしびれ、体が火照り、下腹部がキュっとせつなくなり、
思考能力だけでなく、亜希子への憤りすらみるみる低下していくのがわかる。
まるで悪魔のような、魔法のような、永い永い、永遠に続くかのようなくちづけ。
一瞬、頭の中が真白になり、言いようのない快感が全身を電気のように駆け巡る。
どうやら軽くイッてしまったようだ。
膝がガクガクゆれはじめ、もはや立っていられず亜希子の胸に体を預けてしまう。
快楽に負けた俺に追い討ちを掛けるように、亜希子はスカートの上から撫で回し始める。
その手の動きは、男性を求める女性のものではなく、
男が女性に快楽と愛を与えるものだったが、
既に思考能力が低下していた俺は、その愛撫をすんなりと受け入れていった。
いったんここまで投下
続きはもうちょっとあとで
【その67】
快楽は波のように引いては押し寄せ、押し寄せてはまた引いてゆく。
肩で息をしないと間に合わないぐらい、息が詰まるほどの気持ちよさ。
ただキスをされ、体を撫でられただけなのに、
脳の処理が追いつかなくなるほど強烈な快感に、
体はこれ以上耐え切れないと悲鳴をあげているが
心がもっと欲しいと求め叫びをあげる。
亜希子が首筋に舌を這わし、ゆっくり耳に向かって舐めあげてると、
舐められたところが熱く燃え上がるように火照りだす。
彼女の唇が耳たぶにあたり、その吐息で全身がゾクゾクと痺れる。
「もし、私の、俺の『妻』になることを本当に受け入れたら・・・・・・もっと気持ちよくしてあげる」
ファウストに取引を持ちかけるメフィストフェレスの如き悪魔のささやき。
もう少し思考がマトモだったら断ることができただろう。
だが、この怒涛のように全身を貫き、心を砕く快感に、
理性は防壁としてまったく役に立たなかった。
俺は亜希子の胸の中で、小さくうなづいた。
その瞬間、ガクンと膝の力が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまう俺。
顔を上げると、優しく微笑む夫の顔が見える。
そのときの俺の顔は、きっと愛する人を潤んだ瞳で見つめる女のものだったに違いない。
【その68】
快楽に負けて妻に、女になることを認めた俺を、亜希子は横抱きに持ち上げる。
あのときは屈辱と恥ずかしさだけしかなかったお姫様抱っこも、
いまは夫のたくましい腕に抱えられる心地よさしか感じない。
心境が変われば、感じ方も変わるのだろう。
俺がきゅっと抱きしめ返すと、亜希子は優しく微笑んで軽くキスをしてきた。
お姫様抱っこで運ばれた先は、キングサイズのベッドの上。
純白のシーツの上に、真っ赤なドレスがふわりと広がった。
「綺麗だよ、貴明」
嫌がらせにしか聞こえなかったその言葉も、いまは純粋にほめ言葉として受け入れられる。
亜希子は俺の上に覆いかぶさるようにまたがると、
大事なプレゼントのリボンを解くようにドレスを脱がしだす。
俺自信にはどういう構造になっているのか見当もつかないドレスも、
彼の手で簡単にはがされてしまった。
美しいレースで彩られたブライダルインナーだけにされた俺は、
愛する人に下着姿を晒すという恥ずかしさと、
これから始まる行為への不安感で亜希子から視線をそらしてしまう。
そんな俺に対し「怖くない、俺に任せて」と甘くささやく亜希子。
まるで初恋の相手に純潔を捧げる少女のような感情が、
俺の心をキュンと高鳴らせる。
【その69】
亜希子はガッチリ固められたコルセットタイプの下着を、やはり簡単に剥ぎ取った。
エステで艶やかに磨かれたとはいえ、それでも男の胸にはかわらない。
生まれて初めて、ふくらみがないことを恥ずかしく感じてしまう。
そんなつつましい胸に咲くつぼみに、亜希子はそっと唇を寄せた。
いままで体験したことのない柔らかな感触によって生み出される快感は、
一点から全身へと波紋のように広がっていく。
しゃぶられ、舐められ、転がされ、ねっとりと乳首が愛撫されていく。
もちろん、もう片方の『おっぱい』も、亜希子の手でこねられ、撫でられ、しっかり愛されている。
彼の舌が舞うたび手が踊るたび、俺の口から小さく嬌声が漏れ出してしまう。
その声を聞いて、亜希子の愛撫はさらに優しく、温かく、そして激しく、熱くなっていく。
快楽の波はだんだんとその周期を狭め、やがてひとつの線となって昂ぶる脳を貫いた。
間違いない、イった。確実に絶頂に達した。それも、胸への愛撫だけで。
今日はとりあえずここまで。
>>27 現在の想定では、たぶん【その90〜100】ぐらいの間で終わるような感じです。
アイデアは転用の効くものは転用して、
効かないものは塩漬けになるかと。
次回作は一応構想あるものの、別スレになにか投下してからになるかも。
>>28 どびび〜ん
>>29 ようやく初夜ですが、挿入はまだです(´・ω・`)
次こそぐっちょんぐっちょんいきたいよぅ
>>34 ここから敬二きゅんがどんなキュアブラックっぷりを発揮するのかwktkですよ!
そして由利がどんなイタズラ(性的な意味で)をするのかも!
なんとゆう生殺seeds
そんなジックリねっとりした描写が大好きです(*^ρ^)
あと差し支えなければ別スレっての教えてもらえまいか?
嫁視点で新婚カップルSSが出来ました。
10レス超のわりにエロ少な目でごめんね。
男×女装妻で嫁さんの顔は意図して描写してません。各自にお任せ。
バナナマンだろうがどう見ても小学○なショタだろうがお好みの顔でどうぞ。
スカトロ、浣腸を若干含むので駄目な方はNG推奨。
あとなんか女装してる意味が無いっつーか女装である必然性が無い…。
本番に入ると全裸でも通用しちゃうよママン。
なんでこうなったんだろう。
なのでそれが気になる方もNG推奨。
では投下ー
キッチンに立って肉じゃがを煮込みながら左手を見る。
飾り気の無い白金のリングが薬指に輝く。
今は見えないが、その内側にはD to Mと刻まれている。
“大祐から美樹へ”を意味する頭文字。
私の本名は芳樹と書いてヨシキと読ませる。
美樹と書いてミキと読ませるのは大ちゃんがくれた妻としての名前。
それを見る度に、幸福と少しばかりの申し訳なさで涙が零れそうになる。
自分には生涯縁の無いと思っていたもの。
三日前に愛する人から贈られたもの。
生涯を捧げる誓いのしるしが、今左手にある。
時計を見ると午後5時半。そろそろ旦那様、大ちゃんが仕事を終える頃だ。
晩御飯は肉じゃがと小松菜のお味噌汁ときんぴらごぼう。
きんぴらと肉じゃがは出来上がっているから、後は大ちゃんが帰って来てからお味噌汁に豆
腐を入れるだけだ。
火を止めて、寝室にあるサイドテーブルの一番下の引き出しから浣腸器を取り出す。
本当のことを言えば、浣腸はすごく苦しいし体力を消耗するからあまりしたくない。
口に出してもらって飲むほうが幸せを感じる。
でも、男の子ならやっぱり入れたい筈だと思う。
それで大ちゃんが気持ちよくなってくれるのなら、私は我慢できる。
トイレで何度も注入しては出してを繰り返して、ようやく水が濁らなくなる頃には30分が
経っていた。
まるで一日寝込んだような倦怠感が体の芯にある。
脂汗で前髪が額に張り付いているけど、それをかきあげるのも億劫だ。
シャワーを浴びて汗を流し、無駄毛の処理をする。
脱毛が進んで大分薄くなったけど、それでもまだ女の子みたいに綺麗とは言えない。
近くで見れば、産毛が女の子よりもずっと太い。心底自分が男であることに嫌気が差す。
鏡で見る体も、首から下は完全に男だ。
広い肩幅、胸囲はあるのに薄い胸、くびれの乏しいへそ周り。
そしてなにより、股間にぶら下がる赤黒い肉棒と、皺だらけのたるんだ皮袋。
気持ち悪い。いっそ引きちぎってゴミ袋に叩き込んでやりたい衝動に駆られる。
いつまでも自分の体に絶望していても始まらない。
体を拭いて、昼の間着ていたジーンズとポロシャツを洗濯機に入れる。
白のブラとショーツはネットに入れてから洗濯機に入れる。
寝室の鏡台の前に座り、ファンデーションで髭を隠す。
大ちゃんはスッピンでいいと言うけれど、それは男のひとの考え方で女の感じ方じゃない。
どんな時でも好きな人の前では最善の自分でありたいのが女というものだ。
ファンデーションと、ほんの少しのチークとアイラインでスッピン風のメイクを作る。
これだけで中性的な顔立ちが女性寄りになるのだから安いものだ。
あざとくならないようにこのあたりで切り上げ、今夜の衣装選びに移る。
時計を見ると、もう七時を回っていた。
そろそろ大ちゃんの乗った電車が駅に着く頃だ。急がないと。
浣腸器を使ってローションを直腸に注入する。
前以て仕込んでおけば、冷たいローションに気分を盛り下げられることも無い。
それにローションが泡立つと、出し入れするたびにいやらしい音がして大ちゃんが喜ぶ。
これは塗っただけじゃ分からない。
今日は何を着て抱いてもらおうか。
昨日はスカートが膝上丈のセーラー服だった。一昨日はナース服。
一昨昨日は初夜(勿論二人にとっては初めてではなかったけど)だから裸だった。
やっぱり女として抱くからには、女の子の服の方が大ちゃんは興奮するらしい。
服次第でオチンチンの反応が違って面白い。
大学時代に初めて大ちゃんの家に来た時に、チアガール物のDVDがあったことを思い出す。
あの頃はただの友達で、まさか大ちゃんとエッチ出来るなんて思わなかった。
決めた。今日はチアガールのコスプレでしてみよう。
箪笥から衣装と一緒に黒の下着とソックスを出す。
レースのブラは75のAでパッドが一枚入っている。
脇腹と背中から皮下脂肪をかき集めて乳を作り、なんとかカップに収める。
ここまでしても、まったく谷間が出来ないのがあまりにも情けない。
思わず溜息が出る。
どんなに「おっぱいは大きさじゃない」と言っても、それは元からある程度大きい人の理屈だ。
パッド入りの胸を触ってみると、掌が浮くか指先が余るかのどちらか。
大ちゃんはそのままで良いと言ってくれるけど、満足しているわけが無い。
パイズリ出来る位とまでは言わないから、せめてパッドが必要ない程度には大きくしたい。
一つ大きく溜息を吐いて、無理矢理気分を変える。
同色の紐パンを右側だけ結び、睾丸を付け根の窪みに押し込んで竿を後ろに回す。
右手で股間を抑えたまま、左手で左腰の紐を引いて生地を密着させ、右手を抜いて紐を結ぶ。
これで恥丘に見えないことも無い。
本来ならこの上にレオタードを着てからスパッツやブルマを穿いて、さらにアンスコを穿くこともあるらしい。
コスプレとしては実用性にかけるので、今日は直接紺色のブルマを穿く。
プリーツスカートの生地は黒で、ウエストとボックスプリーツの内側の生地がオレンジになっている。
シャツの身頃は白で、襟と袖、裾が黒い生地になっていて、境目にオレンジの縁取りがある。
着姿を鏡に映すと、胸の平らかさとくびれの乏しさがいくらか誤魔化せたように見える。
これなら大ちゃんも少しは欲情してくれるだろうか。
エプロンを締め、キッチンで念入りに手を洗う。
肉じゃがとお味噌汁を暖めなおしながら豆腐を切っていると、チャイムが鳴った。
私が玄関に出るのと大ちゃんが鍵を開けて入ってくるのはほとんど同時だった。
「ただいま」
優しいバリトンの声が耳をくすぐる。
私より拳二つは高い大ちゃんの頭が、今は少し下にある。
紺のスーツ、白いシャツ、黒い革靴と鞄、短く切りそろえられた黒髪、ほのかに香る汗の匂い。
どこにでもいそうなひと。
私を愛してくれるただ一人のひと。
「おかえりなさい」
ちゃんと今日も無事に帰ってきてくれた。それだけのことで、涙が出そうになる。
涙声になっていなかっただろうか。
こんなことで大ちゃんに心配させちゃいけない。
私に鞄を渡すと、大ちゃんは廊下に座って靴を脱ぐ。
ちゃんと靴紐を緩めて、靴べらを使って脱ぐ。
節くれだった指がしなやかに動いて靴に触れる度に、その靴にさえ嫉妬しそうになる。
人にも、物にも優しいのは大ちゃんのいいところだと思う。
でも、それでも嫉妬してしまう。
私だけを大事にして欲しいという嫌な気持ちが鎌首をもたげてくる。
大ちゃんの大きな背中を眺めてその嫌な気持ちを振り払う。
その背中には一昨昨日につけた爪痕が、首筋には歯形が今もおそらく残っている。
私が謝ると、大ちゃんは「感じてくれたみたいでちょっと嬉しい」とはにかんだ。
「俺を傷つけていいのはおまえだけだ」とも。
それを思い出すたびに、私はこのひとにとって特別な存在なのだという自信が沸いてくる。
「なあ、美樹」
「はっ、はい」
大ちゃんが靴にシューキーパーを差し入れ、廊下に立って私を見下ろす。
ちょっと驚いて敬語になってしまった。
「はい、ただいまのチュー」
大ちゃんの厚くてしっかりした唇が私のおでこに触れる。
思わず肩が震え、小さく声が漏れる。
唇同士でしたわけでもないのに、私はそれだけで感じて動けなる。
大きな手で頭を撫でられると、目を開けていられなくなり、息が荒くなってしまう。
大ちゃんに女にされてから、私の体はもう自分の意思では動かせなくなった。
いつでも大ちゃんの思うがままに動くように調教されてしまった。
でもそれは不便ではなく、むしろ幸福だとさえ感じている私がいる。
私の全てはこの人のためにのみ存在しえるのだ。
掌で優しくぽん、と叩かれると、金縛りが解けたように体に自由が戻る。
「今日はチアガール?可愛いな」
可愛い。そう素直に言われると面映い気分になる。
「うん、そういえば大ちゃんこういうの好きだったなと思って。
ご飯にするから待っててね」
そう言って私はキッチンに戻る。
というのは建前で、大ちゃんに褒められたのが恥ずかしくて逃げ出したかっただけなのだけれど。
大ちゃんは今夜もおいしいおいしいと言ってご飯を食べてくれた。
こうして食器を洗っていても思わず頬が緩む。
「美っ樹っちゃ〜ん」
洗剤を全て流して一つずつ食器を拭いていると、後ろから大ちゃんが抱きついてきた。
ひゃう、と変な声が漏れ、思わず食器を取り落としそうになる。
「だ、大ちゃん……?」
つんとした汗の匂いの中にある、僅かに甘い男のひとの匂いが鼻腔をくすぐる。
まずいなぁ。エッチのスイッチが入っちゃいそうだ。
「んー、エプロン締めたチアガールってのも良いなあと思って。
ごめんな。ちょっと我慢できない」
大ちゃんは私が食器とタオルを置くのを待って、私の左手を取った。
そのまま肩越しに薬指を舐め始める。
「ん……あっ!」
大ちゃんの唇が指輪を嵌めていたところに触れたとき、背筋に電気が走ったような快感を覚えた。
指輪は濡らさないように今はポケットに入れている。
まさかただの指フェラで声が出るとは思わなかった。
「んっ……ちゅぱっ……。ほら、俺のも舐めて」
目先で大ちゃんのごつごつした左手がひらひらと踊る。
薬指の指輪が蛍光灯の灯りを受けて閃く。
言われるままに私は右手でその大きな左手を掴み、口元へと持っていく。
指輪に一度口付けると、あとは止まらなかった。
じゅる、ちゅぱ、と大きな音を立てて執拗に薬指だけをしゃぶり続ける。
あるときは根元まで咥え込み、またあるときは舌先で舐める。
一番感じるのは指輪に触れたときだった。
暖かい金属の感触を感じると背筋を貫くような快感が走り、さらに指フェラに没頭していく。
大ちゃんはしばらく私の指フェラを愉しむと、やわやわと舌を動かし始めた。
始めは全体を嬲るように動かしていたけれど、次第に動きが速くなっていく。
その間も私の奉仕は加速していく。
ところが、途端にその余裕がなくなった。
「は……ん、ゃ……あっ」
大ちゃんが薬指の根元周囲を舌先で転がすように舐め始めたのだ。
舌の動きに合わせて、ぞくん、ぞくんと断続的な快感が襲ってくる。
もう私の奉仕は止まって、ただ咥えているのが精一杯だ。
「やっ、はっ…んっ、あっ……にゃっ」
私がただ喘いでいる間にも大ちゃんの責めは速くなり、立っているのも辛くなる。
大ちゃんが唇を耳に近付け、小さな声で呟く。
「美樹ばっかり気持ちよくなってずるいなぁ……。
ねぇ、もっと俺のも舐めてよ」
「ごっ、ごめんなさっ、……んんっ!」
私が奉仕を再開しようとすると、大ちゃんが根元を唇で挟んで強く吸ってくる。
あまりの快感の強さに腰が逃げて、大ちゃんの股間にお尻を押し付ける格好になる。
大ちゃんのオチンチンは、もう完全に勃起していた。
お尻が当たっているのは分かっているはずなのに、大ちゃんは敢えて無視して責め続ける。
私の口の中はいつの間にか奉仕すべき薬指に蹂躙されていた。
舌は裏表問わず撫でられ、それに反応して絡めようとすると逃げられて歯茎や上顎を撫でられる。
「あっぅ、やっあっあっ、ふゃっあっ!」
恥ずかしげもなく喘ぎ、尻を夫の股間に擦り付ける。
膝はがくがくと震え、大ちゃんの右腕に抱えられていなければ立っている事も出来ない。
目は開いていても何も見えず、音は聞こえていてもそれが何を示しているのかわからない。
今は触覚と嗅覚と味覚しか働いていない。
大ちゃんの動きが、匂いが、味が、その全てが私を高みに押し上げる。
「噛んでもいいか……?」
「うん……、うん!」
わけも分からずただ首を縦に振り、身を委ねる。
痛みと言うには穏やかな、圧力と言うには鋭い感触が薬指から伝わる。
それは強くなっては弱くなりを繰り返し、少しずつ力を強くしていく。
背筋にはその度にびりびりと快感が走り、私の思考力を奪っていく。
かわりに腰のあたりには、ずん、と重いものが溜まっていく。
快感に耐え切れずに、愛する人の指が口中にあることも忘れて歯を食いしばる。
そして前歯に伝わる硬い骨の感触。
それにさえ快感を感じ、顎の力は一層強くなる。
ほぼ同時に私の薬指にも締め付けられるような痛みが走る。
すると腰の辺りにあった重いものがはらりと解けるように消え、全身に力が入らなくなって崩れ落ちる。
「はぁっはぁっはぁっ、はぁっ、はぁ、はぁ、はぁー……」
前のめりに崩れ落ちたはずだったが、大ちゃんに抱えられていたおかげで倒れはしなかった。
床にへたり込んで息を整えていると、大ちゃんに頭を撫でられる。
「すごいな。指フェラだけでイッちゃうんだ。随分エッチになったんじゃない?」
「ちっ、違っ!これは、薬指で、大ちゃんだから……!」
そう弁解してから、却って恥ずかしいことを言っていると気付く。
顔が真っ赤になっているのが分かる。
俯いて何も言えずにいると、ひょいと抱き上げられる。
「ちょっ、大ちゃん!?」
大ちゃんは何も言わず、どっかどっかと大股で寝室に入る。
私を抱き上げたまま、ダブルベッドに勢い良く腰を降ろす。
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。そこまで言われちゃあもう止まらんぞ」
大ちゃんは私を股の上に座らせ、後ろから胸を揉んでくる。
先程絶頂を迎えたばかりの私にとっては、着衣のままでも十分な刺激となる。
大きな掌、骨ばった指、男らしさの象徴のような手が私の胸をまさぐる。
その見た目とは裏腹に、その動きは優しくしなやかだ。
「はぅ、んっ……ぅやぁ」
エプロンの上からではろくに確認できない私の胸を掌で掬う。
大ちゃんの手が大きいことを差し引いても、指先が随分余っている。恥ずかしい。
掌で乳首を包み、8の字を書いたり円を描いたりして私の胸をもてあそぶ。
気持ちいい。気持ちいいけれど、物足りない。
「腰、動いてるよ」
耳許でそう言われて、初めて自分がお尻を擦り付けていたことに気付く。
「あれ?止まっちゃった」
白々しい。そんなことを言ったら私が我慢するのを分かって言っている。
普段はすごく優しいのに、エッチの時の大ちゃんはすごく意地悪だ。
どうせこの後も、「入れて欲しかったらおねだりしてごらん」とか言うに決まってる。
でもそれはあまり嬉しくない形で裏切られた。
「俺の愛撫が足りないのかな。ごめんね。もっと気持ちよくしてあげる」
大ちゃんはそう言うと、上衣の下に手を差し入れる。
裾が捲れあがって、くびれの無い脇腹が覗く。
大ちゃんの手はすぐには胸に行かず、おなかを撫でさする。
「やっ、やだっ!恥ず、かしい……よぉ……」
エプロンの脇から、上衣によって隠されていた脇腹が大ちゃんの目に晒される。
見せたくない。胸もそうだけれど、胴から腰にかけてのラインは誤魔化しきれない男の証。
ブラで誤魔化せる胸の方がよほどマシだ。
「なんで?エプロンから覗くお腹とかすっごいエッチで可愛いよ?」
大ちゃんの唇が首筋に触れる。ぞくぞくした快感が腰の少し上から背筋を昇ってくる。
嫌なのに、くびれの無いウエストを見られるのは本当に嫌なのに、唇一つで私の体から自由は失われる。
私の意志とは裏腹に、息は荒くなり、歯の根は合わなくなる。
嫌だ。これじゃあまるで感じているみたいだ。いや、みたい、じゃない。多分実際に感じている。
男の部分を見られて感じているなんて、お嫁さんじゃない。
キスが気持ちよすぎて喋れない。涙が出てくる。
大ちゃんの手が胸に伸びる。ブラを上にずらし、さっきより強く胸を揉む。
ブラで嵩上げされていた胸は一層平らかになり、情けない有様になる。
恥ずかしいし、申し訳ないけれど、お腹で感じるよりはずっといい。
乳首を摘まれて引っ張られると少し痛い。皮が伸びて膨らみが出来るのが少し嬉しくもあるけれど。
「また腰が動いてきたね。それじゃ、そろそろイかせてあげよっか」
入れてもらえる。犯してもらえる。その期待はまたもや裏切られた。
大ちゃんは右手で乳首を摘んだまま、左手でスカートの裾を持ち上げる。
そしてブルマに手を差し入れてショーツの紐を左側だけ解き、私の最も醜い部分に触れる。
「や、らぁ……、はぁっ、やめ……へぇ……」
私の精一杯の抵抗は、却って大ちゃんを煽る結果しか招かなかった。
ブルマから取り出されたそれは赤黒く、大きく、グロテスクで、先端からは先走り汁が迸っていた。
こんなにも気持ち悪いものが自分の肉とは思えない。思いたくない。
それなのに、それは大ちゃんの手の動きに敏感に反応して、絶頂の瞬間を今か今かと待ちわびている。
感じたくないのに感じてしまうのがこんなにも嫌悪感を伴うものだなんて知らなかった。
「ほら、先っぽが膨れて、今にもイッちゃいそうだよ」
大ちゃんの唇が首から離れる。いくらか体の自由が戻る。
両手で大ちゃんの左手を必死に掴む。
「やだ……やだやだやだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだぁっ!」
やっとまともに喋れた。堰を切ったように涙が出てくる。
嫌だ。これじゃあ大ちゃんを困らせてしまう。どうにかして止めないと。
「美樹?ごめんな?痛かったか?」
大ちゃんの右手が乳首から離れ、遠慮がちに頭に置かれる。
ああ、やっぱり困らせてしまった。これじゃあ、大ちゃんに嫌われちゃう。
「ごめっ、なさい……。大丈夫、気持ち……いいの。気持ちいいのから、嫌なの。
でも……私は、大ちゃんのお嫁さんだから……オチンチンは、触られたく、ないの……」
大ちゃんは、ゆっくり頭を撫でながら黙って聞いてくれている。
「ごめんね……おっぱいはペタンコだし、お腹だって太いし、結婚式も挙げられないし、
それに、赤ちゃんも産んであげられない……。 これじゃあ、つまんないよね……」
不思議だ。
いつもは頭を撫でられるとどきどきして、エッチな気分になって体が動かなくなる。
それなのに今は、一撫でごとに落ち着いていって涙が退いていく。
ああ、やっぱり私は大ちゃんが好きだ。大好きだ。
だからこそ、嫌われたくない以上に、大好きな人には満たされていて欲しい。
「ねぇ、大ちゃん。浮気しても、良いんだよ……?たまには女の子も欲しいでしょ?
私、我慢するから。赤ちゃんも、作っていいから。だから、好きでいても……良い?」
大ちゃんの手が止まる。やっぱり男の子じゃあ女の子には勝てないんだろうか。
「美樹、指輪出して」
大ちゃんの声が冷たい。怖い。嫌われるだけなら良い。
もともとあるはずの無かった関係だ。諦めもつく。
でも、好きでいることすら拒絶されたら、私はどうすればいいのだろう。
おそるおそるエプロンのポケットから指輪を取り出す。
大ちゃんはそれを荒々しく奪うと、私の指を無理矢理ねじ込んだ。
「なあ、『結婚は人生の墓場だ』って言うだろ。墓場ってな、良いもんだなあと、俺は心底思ってる」
大ちゃんのぶっきらぼうな声が耳を打つ。それはつまり、
「いいか?俺はお前が思ってるよりずっとお前に惚れちまってるんだ。
やれって言われたって他の女なんか抱けねえよ。」
左の薬指を力強く掴まれる。
舐められた時とは違う、腹の底を締め付けられるような、切ない快感を感じる。
だめだ。今日は何をされても涙が出てきてしまう。涙腺が壊れてしまったみたいだ。
「でも、ごめんな。お前も気持ちよくさせたいと思ったけど、やり方が悪かった。
どうすれば気持ちいいか、教えてくれるか?」
大ちゃんの気遣いが心にしみると同時に、より一層の申し訳なさを感じる。
好意を無碍にしてしまったことに、その愛を僅かでも疑ったことに。
「うん……、私こそ、ごめんね。
私はね、大ちゃんが気持ちよくなってくれるのが、一番気持ちいい。
身体じゃなくてね、心が……、気持ちいいの。
『ああ、私でも女の子の代わりが出来るんだ』って、凄く嬉しいの。
だから、あのね……?女の子にするみたいに、して欲しい……」
薬指が開放される。それを名残惜しむ間も無く、ブルマの下に左手を差し入れられる。
お尻を撫でられ、涙で滲んだ視界が急に鮮明になる。
上半身が倒れそうになるが、右手で胸を直に掴まれて身動きが取れなくなる。
「やっ!あっ……!」
下には弱く優しい刺激が、上には強く痛みさえ伴う刺激がもたらされる。
全く対極の刺激なのに、どちらも気持ちよくて思考が蕩けてゆくのを感じる。
「優しくできなかったら、ごめんな」
「ふあっ……あああ……はうぅ……」
大ちゃんの指が入ってくる。まだ濡れていないから、突っ張って少し痛い。
それでもオチンチンに比べればずっと細い指は、ずぶずぶと根元まで埋まってしまう。
入り口に硬い金属が触れたことから、薬指が入っているとわかる。
「ほら、美紀の好きな薬指」
大ちゃんの触れているところが熱い。
熱したナイフをバターに突き入れたように、理性が溶け出していく。
指を出し入れされる度に、関節が引っかかって入り口の辺りが熱くなる。
「よだれ、出てるよ」
「ぁ、や、やらぁ……」
唾液を飲み込もうとしても、大ちゃんが指を動かすだけで舌がうまく動かなくなって飲み込めない。
それでも歯を食いしばって、せめて零すまいとしていると、お尻の中で薬指を曲げられる。
「ひんっ!ひゃぁう……!はっ……!ふわっ……!」
鉤状に曲げられた指でお腹を中から背中側に圧迫される。
指が中で動くと、指先の触れているところがむずむずする。
前立腺を突かれているときの感覚とも違う、重く持続する快感。
動きに合わせて声が出るのを抑えられない。
やだ、よだれが零れちゃった。
今はそんなことどうでもいいはずなのに、凄く恥ずかしいように感じる。
ぐちっ、ぬちゅっ、とお尻から音がする。
指を曲げたまま出し入れされたせいで空気が入っている。
中を綺麗にしたとは言っても、いくらか臭いがする。
「や、やらっ……!や、め……!臭い、から、んゃぁっ!」
恥ずかしいのに、大ちゃんはやめてくれない。
それどころか、私の抗議を妨害するように責める。
「ん?いい匂いだよ?」
そう言って大ちゃんは指を引き抜いて鼻を鳴らす。
「うぅ……、変態ぃ……」
入れられている時は苦しいとさえ感じるのに、引き抜かれると途端に名残惜しくなる。
私も大概、変態だ。
うつぶせになって、ブルマから半分顔を覗かせているお尻を高く持ち上げる。
右手でお尻を割り開くと、大ちゃんの指によって緩められた穴が口をあける。
自分でしておいてなんだが、身体の中を見られるというのはやっぱり恥ずかしい。
視線で身体の中まで犯されているような気がして、こうしているだけで興奮が高まる。
この体勢だと大ちゃんの顔がよく見えないのが少し寂しい。
「ねぇ、お願い……。入れて……?」
待ちきれなくなって、つい自ら腰を揺らしてねだってしまう。
顔は見えないけれど、大ちゃんがにやついている様がありありと想像できる。
恥ずかしいけれど、大ちゃんが喜ぶならそれもいいかと思える。
大ちゃんの両手が私の腰を掴む。
唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。
それがどちらのものだったのかはよくわからない。
私はただ期待感に陶然とすることしか出来なかった。
あたたかい、瑞々しい感触がお尻の穴に触れる。
もう今にもはちきれそうだ。
ぐい、と腰を引き寄せられる。
同時に肉茎が力強く前進してくる。
漏れ出たローションで充分に濡れていたそこは、いつもより一回りは大きい肉棒を容易く飲み込む。
よだれがだらだらと顎を伝うのがわかる。
熱い。お腹の奥がかっかと熱くなって、自分の輪郭さえあやふやに溶けてしまったようだ。
それなのに、大ちゃんの触れている部分だけはやたらと鮮明な快感を伝えてくる。
大ちゃんの肉棒が更に前進し、直腸の奥に、こつん、と当たる。
脳天まで鉄の杭で、あるいは雷で貫かれたような感覚に襲われる。
腰が勝手に痙攣する。
私の腰は逃れようと左右にのたうつのに、大ちゃんは腰の前進をやめてくれない。
結果的にS字結腸を亀頭でこね回されることになる。
快感は留まることを知らず、それどころか動くごとにその強さを高めていく。
もう自分が感じているのか苦しんでいるのか、喘いでいるのか泣いているのかも判然としない。
ふと、大ちゃんの腰がわずかばかり引かれる。
快感の波が一段落し、まともな呼吸が出来るようになる。
「大丈夫か?白目剥いてたぞ」
大ちゃんの左手が腰から離れ、ベッドに着いていた私の左手に重ねられる。
かちり、と指輪の触れ合う音が骨を通じて伝わる。
貫かれるような快感ではなく、じんわりと、お風呂に浸かっているような快感に包み込まれる。
「ら、らい、ひょう、ふ……。らから……、もっろ、ひれ……?」
自分でも何を言っているのかわからない。こんな有様で大丈夫も何もあったもんじゃない。
それでも大ちゃんは、ゆっくりと腰を前後し始めた。
とん、と腰が打ち付けられるたびに、快感に身体を貫かれる。
引き抜かれる際には、左手を中心に快感に包み込まれる。
その相乗効果で、私は快感のさらなる高みへと押し上げられる。
大ちゃんの腰の動きが速く、深くなる。
自然、腰を打ち付けられる際の快感は鋭く、大きくなる。
「ひゅき……ひゅきぃ……!」
自分としては「好き」と言ったつもりだったが、果たして正しく発音できただろうか。
「ちょっ、美樹……それ反則……!」
大ちゃんのオチンチンがぷくりと膨らむ。
もうイキそうになってる。いつもよりずっと早い。
それだけ感じてくれたということなら、これに勝る悦びは無い。
お腹がきゅぅんと切なくなって、知らず知らずお尻が締まる。
「ひゅき…、ひゅき、ひゅき、ひゅき、ひゅきっ、ひゅきっ、ひゅきっ、ひゅきっ!」
もうだめだ。さっきからずっとイキっぱなしで、好き以外のことが考えられない。
大ちゃんの両手に力が入る。左手も、腰も、ぎりぎりと締め上げられて骨が悲鳴を上げている。
「ごめ……っ、美樹、も……出……!」
大ちゃんの手に、より一層の力が入る。
私の腸内でオチンチンがひくひくと震え、じわりと暖かいものが広がる。
ああ、私でイッてくれた。そう身体で理解すると、腰の奥から弾けるような快感が広がり、私の意識は途切れた。
次の朝、私が起きたのは大ちゃんが仕事に行った後だった。
寝起きの呆けた頭で前日の夜に何があったかを思い出して七転八倒し、サイドテーブルにある
「仕事に行く。何処も痛くないか?愛してる。大祐」
と書かれたメモを見て不覚にも涙を漏らす。この素っ気無さと正直さが大ちゃんらしい。
同棲中も、結婚してからも心のどこかにあった負い目が、「愛してる」の一言で氷解するのを感じる。
きっとこれから死ぬまで、私は女に生まれたかったと思い続けるのだろう。
でもそれでも私は、「大ちゃんの妻だ」と自信を持って言うのだろう。
それが私の、大ちゃんの想いに対する誠意だ。
さて、今晩は何を食べさせてあげようか。
了
これで終わりです
特に続編の予定は無し
改行がちょっと気持ち悪かったりしてごめんなさい
俺もこんな旦那様がいたら薬指渡すのになあ
前スレ>540-542、>545をはじめ期待していただいた皆様に感謝を
楽しんで頂けたでしょうか
最後まで楽しく書かせていただけたのは皆さんのおかげです
満足できなかった方は申し訳ないです
よろしければ駄目出しなど頂けるとありがたいです
どうも心理描写に重点を置きすぎてエロがぶつ切りになった感が……要精進ですね
つーかそもそも女装に対する愛が欠けてる悪寒……orz
それではお休みなさいまし
GJ!!
描写がすばらしいなぁ
自分も頑張らないと
このラブラブ加減は反則級だろう
GJ
それでは今から投下
【その70】
男性器から得るものとは明らかに違う、いままで体験したことのない気持ちよさ。
普通ならば達したあとは放物線を描くように虚しくしぼんでいくだけだった快感が、
今もまだ体中に残留してじんじんと刺激しつづけている。
女性が得る快楽は男性のそれの10倍だとか25倍だとか言われているが、たぶん本当だ。
俺の脳は許容量以上の快楽でショート寸前となり、
酸欠でもないのに呼吸は大きく乱れ意識が朦朧としている。
何をすべきか、したいのか。それすらわからない。
ただ、今はもっと快感が欲しい。
定まらない視点で、それを与えてくれる唯一の存在・亜希子をぼーっと見つめる。
気がつくと、彼は既にタキシードを脱ぎ捨て、パンツ一丁になっていた。
黒い革のパンツ。股間にそびえるのは、イミテーションの男性器。
いや、たとえイミテーションであったとしても、それは紛れもなく夫のペニスであることに違いない。
いよいよ、純潔を散らすときが来たようだ。
男本来が持つであろう、自らに男性器を受け入れるという嫌悪感は、なぜか感じない。
今はただ、これから夫を迎えるという幸福感と、
初めて体験する行為への期待と不安で胸がいっぱいだった。
【その71】
亜希子は俺の股間に顔を寄せ、そっとショーツを下ろし始めた。
既に一度絶頂を迎えてしまったため、その内側は精液でぐちょぐちょになっている。
ペニスとの間にねっとりと糸を引きながら、するすると脱がされていくショーツ。
そして俺に残された衣服は、ガーターベルトと太ももまでを覆うストッキングだけになった。
もう服を着ているというのもおこがましい状態だが、
逆にそれが俺の『女』を一層引き立てる格好になっている。
「もうぐっしょり濡れてるんだね」
俺自身が放出した粘液にまみれた股間を見て、微笑みながらつぶやく亜希子。
見られてはいけない、恥ずかしいところを見られた気がして、
体の芯が燃え上がるように熱くなる。
「ひゃっ!」
玉袋と肛門の間、いわゆる蟻の門渡りを突然舐められ、一瞬腰が浮いた。
胸を愛されているときとは違う、一番気持ちいい部分を薄皮一枚隔てて撫でられるような独特の感覚。
その気持ちよさに、竿はピキピキと硬さを増し、玉は切なくキュンと締まりあがる。
【その72】
亜希子の舌が動くたび、俺に残された最後の『男』は快楽から開放されようと悲鳴をあげる。
「貴明のココ、苦しそうだね」
触れたらきっと爆発するに違いない俺のペニスを見て、亜希子は悪戯っぽく笑う。
「でも、コレは女の子には必要ないものだからね。触らないよ、絶対にね」
俺にも触ることを禁じ、再び亜希子は俺の股間を舐め始める。
しっとりと、じっとりと、ねっとりと。時に激しく、時に優しく。
ただ舐めているだけにも拘らず、決して単調にならない亜希子の舌技から生み出される快楽は、
俺の体を鎖のように縛り上げ、キリキリと責め続ける。
苦しさにも似た快感から逃れようと、自然と脚に力が入る。
なにかにすがろうと、強くシーツを握り締める。
開放されたい、だけどもっと堪能したい。
相反する感情が胸の中で渦巻き、ぶつかり、火花を散らすたびに視界は白い闇に包まれ、
そしてその向こう側に待つ『なにか』に到達できそうな、
そんな形容できない感情が、心にずんと降り積もっていく。
【その73】
「ひゃぅっ!」
ふいに、肛門に舌が触れ、自分でもびっくりするほどの嬌声が唇から漏れる。
「そ、そこは・・・・・・やめて・・・・・・」
快楽の鎖で縛られて息をするのも苦しいなか、なんとか言葉を吐き出す。
「貴明の『女の子』は、もっとして欲しいってヒクヒクしてるよ」
俺の肛門に、亜希子はそっとキスをする。
舌とは違う、柔らかく暖かな快感。
自然と肛門に神経が集中してしまう。
まるで自分とは違う生き物のように、更なる快楽を求めて蠢いているのがわかる。
「!」
きゅっと締まったつぼみを割るかのように、亜希子の舌がねじ込まれる。
俺の唇を凌辱したように、肛門を舐め、転がし、撫で上げる。
その動きにあわせて玉袋が切なそうに悲鳴をあげ、
ペニス本体はこれ以上ないぐらい反り上がって痛みすら覚える。
早く俺の『男』に触れて欲しい、開放して欲しい。
だが亜希子は執拗に肛門や、蟻の門渡りを責め続ける。
ペニスの痛みが限界まで達したとき、白い闇に覆われた視界に黒い光が差し込み、
さっきからずっと到達しそうで出来なかった領域、そこにたどり着いた気がした。
ペニスとは全然違う場所から、全身にじんわりと広がる強い衝動。
全身が細かくけいれんするほど激しい快感。
脳はこれでもかと快楽に揺さぶられ、脳内麻薬が一気に放出される。
今、この瞬間、俺は肉体も亜希子に屈服し、『女』であることを受け入れたということを悟った。
【その74】
いまだ全身が軽くけいれんを続け、呼吸することすらつらい。
シーツを強く握り締めたままの手が、しびれるほど痛い。
男性器を一度も使わず、2度もイった。
射精はしたみたいだが、放出したあとに虚しくなるあの感覚は一切なく、
体は更なる快楽を求めていまだ火照っている。
もちろん体だけでなく、心も快楽を貪ろうと待ち構えている。
一連の激しい快楽で男としての脳の配線が焼き切れ、
女のものとして再構成されたような、生まれ変わったような、そんな気分。
次はどんな快感が待ち受けているのか、ドキドキしながら亜希子の行動を待つ。
我が愛しの旦那様は、股間の猛々しいものを俺に見せつけるように立ち、
そして旦那様の分身になにやら液体をとぷとぷと掛けはじめた。
さらりとして、それでいて粘り気のあるように見える液体は、
亜希子の男性自身を包み込み、ただでさえ黒光りするモノをさらに輝かせるのだった。
【その75】
いよいよ、俺の『女性』が亜希子の『男性』を受け入れるときが来た。
亜希子は何も言わないが、そのぐらいはわかる。
ごくり。
自分のツバを飲み込む音が、やけに大きく聞こえる。
やはり同じように、亜希子の喉が鳴るのが見える。
期待と、不安と、緊張と。
まるで先ほどまでの濃厚な前戯などなかったかのように、
新鮮な気持ちで向き合う俺たち新郎新婦。
初夜に愛する人を抱く夫と、愛する男に守り通した貞操を捧げる新妻、
いま、世界中のどんな男女の間にあるものよりも、純粋な愛がここにある。
心からそう断言できる。
「いくよ、いいかな」
死ぬまで俺を愛してくれると神に誓った愛しの旦那様・亜希子が俺にささやく。
生涯を彼の伴侶として生きることを神に誓った俺は、両手を広げて亜希子に呼びかける。
「大丈夫、きて」
今日はここまで
なんだかんだで挿入まで行かなかったなぁ
>>46 なんというか、ねっとりしすぎて固まりそうな感じすらしてきました。
もっともっと、ねっとりぬっとりやっていきたいと思います。
>別スレ
いや、現時点では投下してないんですが、
いろいろ書いてみたいスレがありまして。
「ヤンデレ」とか「母親に息子が〜」とか「キモ姉&キモウト」とか
ああ「女にお尻を犯される男の子」にも久しぶりなにか投下したいなぁ
(これは「3」に投下済み。似たようなナンバリングの仕方なのでわかると思います)
>>47 いやはや、堪能させていただきましたですよ(`・ω・´)
男装女×女装男が大好物ですが、男×女装男もいいですよね!
ミキちゃん、しっかり愛されていて幸せそうです。
愛するっていいなぁ。
今から
>>33からラストまで一気に投下します。
なんか、最後辺りが思いっきり巻いているようだが、キニシナイ!
「これで……っと、いいかな」
敬二は最後に上着を着ると、脱衣所にある鏡を見てちゃんと着れているかどうか確認する。そこには、髪の色と
性別が男性ということを除けば、本当にアニメから出てきたような格好の敬二の姿があった。もちろん当の本人は
自分がプリキュアではなくアギトの格好をしていると思い込んでいる。敬二は、鏡を見ながら作中でアギトがとる
ようなポーズを何度かしてみるが、やはり、由利に対する疑いが晴れない。
「う〜ん…これ本当にアギトが着ていたのかなぁ…1話から見ていたけどこんな姿に変身してたことないし…それに
このハートの飾りとリボンが女の子っぽいよ。…で、でもアニメに詳しい由利姉が言うんだからきっと俺の見落とし
てただけだよな。そうだよ、それによく見ればなんか似合ってるし、カッコイイよな…。いや、カッコいいんだ!
うん!」
無理やり自分の由利に対する疑いをねじ伏せて、今の自分はカッコイイと認めさせる敬二。
しかし、傍から見れば、例えアニメを知らないものが見ても、女装しているとしか見えない。
敬二は早速、由利に見せるために由利の部屋にバタバタと走りながら階段を上がっていく。そして、いつものように荒々
しくドアを開けるといつもはベットにめんどくさそうに座って待っている由利が、ドアの前に仁王立ちして待っていた。
部屋に入ってきた来ると共に敬二がいつもの台詞を言う。
「でたなー!オタク怪獣ユリめ!今日も懲らしめてやる!」
いつものように、失礼な敵名で姉を怪獣扱いする敬二。敬二はもうスイッチが入っているのか、いつもの様に姉を上目遣いで
睨みつけながら台詞を吐き捨てる。しかし、どう見てもアギトには見えず、黒キュアにしか見えなかった。由利は、敬二があまり
にも衣装が似合っているため頬を少し赤く染めて、敬二の姿に見入ったまま自分の妄想に入ってしまう。
(うわ…かわいい〜!この子本当に男なの…?…あ、やば…少し濡れてきちゃったかも…こんな茶番チャッチャと終わらせて…
あんなことや…)
敬二はじっと自分の顔を見つめているだけで硬直している由利に痺れをきかせて、台詞を言うように促す。
「……ゆ、由利姉〜敵がつっ立っているだけじゃ、雰囲気でないよ〜…」
由利は敬二のその言葉に、ようやく自分の妄想から抜け出す。しかし動揺して、少し声が上ずってしまう。
「……あ、あぁ。ごめんね。…じゃ、じゃあ行くわよ。が、がお〜…よくここまできたな〜黒キュ…じゃなかった。
ブラッ…でもなかった。えぇと…仮面ライダーアギトめ〜。今日の私はそんなに弱くないわよ〜覚悟しなさい!」
少々、噛みながらも何とかそれっぽい台詞を言う由利。敬二は、その台詞を合図に由利に襲い掛かる。
「倒せるもんなら倒してみろ!食らえ、ライダーキック!」
敬二は、そう言うと由利の足を蹴る。もちろん、作中のようにジャンプしてキックするなどできないので、ただひたすら
足を蹴るだけだ。敬二にしては力を入れて精一杯やっているつもりだが、如何せん大学生と小学生じゃたとえ男女の差があっても
力の差が歴然なので由利にしてみれば、まったく痛くない。むしろ、そんな敬二を見てますます愛おしくなる由利。
「このっ…くそっ…これでもかっ!」
力を入れて思いっきり足を踏みつける。さすがにこれは痛かったのか、反射的に声を出してしまいそうになる由利。
「イタッ……くぅ…はないもんね!というか、正義のヒーローがキックとか言っておきながら足を踏むのは反則じゃないの〜?」
「こ…これは…これも、ライダーキックの一つなんだよ!」
「あ〜らそう。それじゃあ、そろそろこっちも反撃させてもらいましょうかね〜?」
「え、な、何を……うわっ!」
由利は、敬二が戸惑って攻撃していない隙を狙って、敬二を背中から抱きかかえる。敬二はその腕から必死に逃げようと足をバタ
つかせるが、両腕でがっちりと抱きかかえれているため、小柄な敬二には無駄な抵抗だった。そして、由利は敬二を抱きかかえたまま
ベットの上に腰を降ろす。
「よいしょっと…。相変わらず軽いわね〜ちっちゃい正義のヒーローさん。」
由利が敬二の耳元でささやく。若干、今からする反撃の興奮からか由利の息が荒くなっていた。
「はっ、離せよ!このオタク女!!」
敬二が、いつもにない由利の本気に半ば恐怖さえ覚えていた。これはもしかしたら、本気でやられる――と思ったらもう演技では
なく、本気で由利を罵倒し始めた。
「あら〜、お姉ちゃんに対して酷い言い草ね。そんな口の悪いヒーローさんにはたっぷり反撃して反省してもらわないとね。」
敬二の顔から血の気が引いていくのが手に取るようにわかる。そして、由利は細く笑うとさっきまでがっちり抑えていた両腕を
敬二のわきの下に移動させる。
「ふふ…ケイちゃんここ弱かったよね〜。」
由利がつんつんと両手で敬二のわきの下をつつく。
「ひゃっ…な、なにを……」
敬二が恐る恐る尋ねる。そして、由利が敬二の耳元で荒い吐息をかけながらゆっくりと言う。
「決まってるじゃないの……くすぐりだよ〜それっ!」
そう言うのが早いか、由利は一気に敬二の脇をくすぐり始める。敬二が着ていた衣装の生地が薄かったこともあって、ほぼ直でくすぐら
れていると変わらない。敬二は、本当に弱いのかすぐに根をあげ始める。
「ひゃっ…あ、あはははははははは!ひゃ、あははははは、も〜もうやめてぇはははっ。お、俺の負けだからあああ!」
顔は笑っているが、体はそのくすぐり魔と化した由利から逃げようと、必死に身を捩る。しかし、由利がくすぐりながらもしっかりと体
を抑えているので、逃げることはできなかった。しかし、敬二が負けを認めたらあっさりと手を止める。敬二にとっては由利に体を押さえ
られていなかったので、逃げるためのチャンスであったが、息を整えるので精一杯でとても逃げる気力などはなかった。
「はぁ…はぁ……はぁ…」
「ふふ…ようやく負けを認めたね。それじゃあ、今からはお姉ちゃんがいっぱい『反撃』してあげるね。」
「え…も、もう…はぁ…お、終わろうよ…」
「だ〜め。いつも勝たしてあげてるんだから、今日ぐらいお姉ちゃんの言うこと聞いてよね。」
由利はそう言うと、脇から手を離し左手で敬二が暴れないようにしっかりと抑えると、右手をスカートの中に入れると、敬二が穿いている
スパッツの上からペニスをさすり始める。
「ひゃぅっ!な、何!?」
「ん〜何って、お姉ちゃんがケイちゃんが健康かどうかを見てあげようと思って。心配しなくても大丈夫だよ〜だからじっとしてようね。」
優しく敬二の耳元でささやくように話す由利。しかし、敬二はそう言われてもじっとしているわけにはいかない。
「や、やめろよ!!へ、変なところ触るなよ!離せよ!離せってば!!」
「ちょ、ちょっと、暴れないでよ」
敬二が必死になって手をバタつかせ、暴れる。由利もさすがに左手だけでは収集がつかなくなり、このままでは逃げられてしまうと悟った。
それを防ぐために、由利は使いたくはなかったが奥の手を使うことにした。
(や、やば…このままじゃ逃げられる…それだけは、なんとしても防がなければ……あんまり使いたくないけど、もうそうも言ってられないよね…)
由利は体を抑えていた左腕を、敬二の首元へスライドさせて敬二が苦しくならないように軽く首を締め付ける。そして、由利は今までの優しい
声から一転、氷のような冷たい声で敬二を脅す。
「じっとしてって言ってるでしょ……言うこと聞けないんならもっと苦しくなっちゃうよ…?」
「ひっ…そ、そんな……でも…こんなこと…おかしいよ…や、やめたほうが…いいんじゃ…」
敬二の声が震えている。あんまり脅すようなことはしたくなかったが、由利はなおも抵抗する敬二に耳に冷たく囁く。
「あ、そうなの。ふぅん…ケイちゃん苦しいの好きなんだね…。」
由利はそういうと、敬二の首を絞めている左腕に少し力を入れる。さすがに少し苦しくなったのか敬二の目に涙がたまってくる。
「やぁ…や、やめてよ……」
「じゃあ、じっとしてる?暴れたりしない?」
敬二は必死に首を縦に振る。その合図に由利は細く笑みを浮かべると、パッと左腕を離す。敬二が必死に咳き込む
「げほっ…げほげほ…ひ、ひどいよ…由利姉…」
「ごめんね。でも、ケイちゃんが悪いのよ。お姉ちゃんの言うこと聞かないから。それじゃあ、もう一回最初から触診を再開しましょうね〜」
由利はそういうと、右手を再びスカートの中に滑り込ませ、スパッツの上から敬二のペニスをさすり始める。敬二はもう何も抵抗できず、
ぎゅっと目を瞑り、嵐を過ぎ去るのを待っていた。しかし、そんなことでさえ、由利は許さなかった。
「だめよ。目を瞑っちゃ。ちゃ〜んと、自分が何されているのか見ておくのよ。」
「そ、そんな……」
由利が横から、敬二を睨みつける。由利は何も言わないものの、その目を見られたとたん抵抗することをやめた。
「は、はい……目を…開けます…」
「そうそう。いい子ね、ケイちゃんは。さすが、お姉ちゃんの自慢の弟だわ。」
敬二はほめられているが全然うれしくない。むしろ、自慢の子じゃなくていいからもう開放してほしい気持ちでいっぱいだった。敬二は
目を恐る恐る開けると、スカートを捲り上げられて自分のペニスをゆっくりとさすっている由利の手が見える。しかし、敬二のペニスは
恐怖からか、あまり反応しない。すると由利は、先ほどまで敬二の体を抑えていた左手を、敬二のわきの下から胸元に滑り込ませて今度は
敬二の胸をさすり始める。敬二は少し感じたのか、小さく声を出して反応する。
「あっ…」
「ここ?ここがいいのね。お姉ちゃんが気持ちよくしてあげるからじっとしてるのよ。」
由利はそういって、胸とペニスをゆっくりとさする。気持ちいいのか、敬二のあえぎ声がどんどん多くなってくる。それに合わせて、由利
の吐息もどんどん荒くなっていく。
「あっ…ふぁ……や、やぁ……あぁ…」
「はぁ…はぁ…ケイちゃん可愛すぎ……ね、ねぇ…こっち向いて…」
「ふぁ……?」
敬二が横を向く。その顔は気持ちよさからか、目はトロンとして頬は恥ずかしさからか真っ赤になっていた。そんな敬二を見て由利は我慢
できるはずもなく、胸から左手を取り出すと敬二のサラサラの髪をなでる。
「ケイちゃん……か、可愛すぎ…そんな顔されたら…我慢できないっ…!」
「ん…むぐぅ…!?」
由利はそういうと、左手で顔を無理やり引き込み、荒々しくキスをし始める。それと同時に、敬二のカチカチに勃起したペニスをさするのでは
なく、スパッツ越しからペニスを無理やりつかみ扱き始めた。敬二はあまりの突然のことに、目をキュッと瞑る。
「んんっ〜!!やぁ……!」
敬二が必死に首を横に振る。もう射精しそうなことは、由利もスパッツ越しからわかっていた。しかし、由利は扱く速さを落とそうとはしない。
由利は敬二から唇を離すと、頭をなでながら優しく囁く。
「ぷはっ……大丈夫だよ。スパッツの中に白いおしっこいっぱい、いっぱいお漏らしようね。」
「あぁ…はぁ……だめぇ…由利姉〜…はぅっ…!俺…もらしちゃうよぉ……」
敬二は本当に限界なのか、腰をヒクヒクと痙攣させる。
「もらしちゃいなさい。大丈夫。お姉ちゃんがついてるから、ね?…お漏らししちゃお?」
「お漏らしは…あぁ…やだぁ……ふぐぅ……」
敬二は目を瞑り、歯を食いしばり初めての射精を必死に耐えていた。しかし、それも時間の問題だった。
「がんばるね、ケイちゃん。…でも、これはどうかなぁ〜?」
そういうと、由利は左手で敬二の肛門をスパッツ越しで刺激する。その独特の感触に思わず今まで耐えていた力が抜けてしまう。
「ひゃぅ!?あ、あ、由利姉やだ、やぁ、だめえええええ!!!」
敬二は大きく目を見開くと思いっきり腰を反り返しスパッツの中に初めてだったこともあってか大量の精液を噴出していく。スパッツには
染みがどんどん広がって大きくなっていく。
「あ……あ…あぁ……」
敬二にはもう抵抗するどころか、由利が体を支えていないとベットに倒れこむぐらい力が抜けていた。
「あわ、ケイちゃん大丈夫?」
「はぁ…はぁ……だ、大丈夫……でも、由利姉のベット汚しちゃった…」
「だからぁ、そんなことは気にしなくていいの。そんなことより、お漏らしでベトベトになったスパッツ脱いで、お風呂にでもはいろ?」
「う…うん。」
そう敬二が言うと、早速由利のひざから降りて立ち上がろうとする。しかし、腰に力が入らず床にしりもちをついてしまう。
「うわっ…イタタ…」
「あらら、腰が抜けちゃったのね。ほら、お姉ちゃんの背中に乗りなさい。おんぶしてあげる」
由利が自らしゃがみ、背中を差し出す。しかし、敬二は恥ずかしいのか中々乗ろうとはしない。
「い、いいよ…自分で歩けるから。」
「何いってんの。あんなガクガクの足で階段下りたら危ないでしょ。落ちたら大怪我するよ。それに、今家には私とケイちゃんしか居ない
んだから。恥ずかしがらないの。」
大怪我と聞いて少し怖くなったのか、渋々由利の背中に乗る敬二。
「あ〜あ、お姉ちゃんもケイちゃんのおしっこで汚れちゃった。」
「ゆ、由利姉〜」
「ふふ、冗談よ。さ、お風呂に行きましょうか。」
由利が敬二を乗せて部屋を出て風呂に向かう。その途中に敬二が由利に話しかける。
「ねぇ…俺、由利姉からのプレゼント似合ってた?」
「そりゃもう、似合いすぎて…あ、もちろんカッコイイって意味でね。」
「そ、そう?ありがとう…由利姉」
「ふふ…どういたしまして、さ、お風呂に着いたわよ。久しぶりに一緒に入ろうか?」
「ま、まぁ今日ぐらいなら…いいよ」
「ふふ…ありがと、可愛い弟君」
そして、二人は風呂に入っていった。
――――翌日、敬二が遊びに行った女友達の部屋に、昨日自分が姉にプレゼントされた衣装と同じ衣装が飾ってあり、ようやく自分が
騙されていたということに気づいた敬二であった。
(おわり)
とりあえずこれで終わりです。
また、妄想溜まってきたら書きたいと思っています。
でも、暫くはほかの方の作品をじっくり読ませていただきます。
>>68 GJ!ただ寸止めというところが・・
なんと言う生殺し・・
>>47 双方ラブラブなところがいいですね!
特に女装妻が可愛すぎる・・
前スレ埋めてくれてた作者納まらなかったみたいだからこっちに投下したら?
続きものみたいだし。
それでは投下開始
【その76】
亜希子は軽く微笑みながら、俺の体にぐっと腰を寄せた。
つん、つんと股間に何かが当たる感触。
じらすように、それでいて狙いを定めているかのように、
肛門の周辺をつついている。
「いくよ」
ついに、亜希子を受け入れる瞬間がやってきた。
ごくりと俺の喉が鳴り、自然と体に力が入る。
彼は一気に俺の純潔を散らそうと突き入れたが、小指の先ほども入らず押し返された。
「深呼吸して、力を抜いて」
初体験の怖さにこわばる俺に、優しく微笑みかける亜希子。
全身の力を抜こうと深呼吸をした瞬間、ずん!と強い衝撃が俺の下半身を襲った。
とうとう、俺の『女性器』が亜希子の『ペニス』に貫かれたのだ。
彼と、亜希子と、旦那様と、1つにつながったという悦びよりも、
下半身がずっしりと重くなるような、それでいて穴が大きく引き裂かれそうな異質な痛み。
「大丈夫!ゆっくり息をして!」
言われるまま大きく息をする俺。たぶん、目には涙が浮いているはず。
深呼吸で力が抜けていくと、受け入れた亜希子のモノが俺の中で自己主張しているのが感じ取れてきた。
重く、太く、そしてなぜか温かい。
俺には存在しないはずの子宮が、彼の体温によってじんわり温かくなっていく。
【その77】
「それじゃ、動くからね」
ゆっくり、まるで汽車が出発するときのような重さで、彼の腰がゆっくりと動き出す。
ローションのおかげで擦られて痛いということはないが、
自分の中で別のものが蠢く感覚はなんとも形容しがたい。
粘液質の音とともに、俺の中を亜希子のペニスがいったりきたり。
最初のうちは重く苦しい異物感しかなかったが、
ゆっくりとしたピストン運動が繰り返されるうち、
自分のペニスの付け根あたりがじんわりと温かくなり、
そこからむずがゆいような、なんともいえない感覚が全身に広がっていった。
リズミカルとはいかないが、一定のスピードで、なおも亜希子は腰を動かし続ける。
彼の腰が引かれると、内臓がすべて持っていかれそうな感覚に襲われ、
彼の腰が突き入れられると、鉄の棒で脳天まで貫かれたような衝撃が全身を疾る。
体がだんだんと彼のペニスに慣れてきたのか、
動きにあわせて自然とあえぎ声が漏れ出してしまい、恥ずかしくなる。
そんな俺の嬌声で火がついたのか、亜希子の動きにだんだんと変化がついてきた。
【その78】
時にスピーディーに、時にリズミカルに。
亜希子の腰が俺をずんずん責めたてる。
パンと肉を打つ音がビートを刻み、荒い呼吸音と嬌声がリズムを奏でる。
「!」
腰の動きに変化をつけはじめてからしばらくして、亜希子のモノが俺の体の中の壁を強くノックした。
そのとき、いままでどちらかといえば排泄感に似た気持ちよさだったものが、
何ともいえない、強烈な快感に変化した。
下腹部を中心に全身へと電流が駆け巡り、脳が甘くしびれだす。
射精なんて子どもの遊びに思えるほどの強烈な刺激。
そんな桁違いの快感が、亜希子のモノが突き入れられるたび俺に襲い掛かる。
強い、強い衝撃が絶え間なく体だけでなく心も揺さぶり、
そのたびに俺の中にわずかながら残された『男』がガラガラと崩れ落ち、
そしてその隙間を『女』が埋め尽くしていく。
もう引き返せない。身も心も女性に変えられていく。
しかし、その変えられていく屈辱すら、いまは快感となっていく。
亜希子に突かれ、彼を受け入れるたび、体の中にある快楽のダムはその水量を増やしていく。
何度目かわからない決壊警報が脳内に鳴り響き、
だんだんと目の前が真白になっていく。
そして、今までにないほど強烈なピストン運動を感じたとき、
視界だけでなく意識も真白に塗りつぶされた。
それと同時にやってくる、ありえないほどすばらしい快感。
熱く、激しく、それでいて優しく、甘い、ずっと感じて痛くなるような、そんな体験。
たぶん、これが女性の絶頂で、とうとうその領域に到達したんだと、
芽生え始めた女の本能が俺にささやいた。
【その79】
ようやく意識がはっきりしてきたが、脳と体はいまだ快楽を欲している。
亜希子は俺の横にごろんと寝そべり、ペニスを誇らしげに天井へ向けた。
「今度は貴明が入れるところを見ててあげるよ」
もちろん、俺のペニスを亜希子に入れろなんていう性的倒錯な意味じゃないことはすぐにわかった。
屈辱、恥辱のはずなのに、こんなにも興奮している。
俺は亜希子にまたがり、ペニスに手を添えてゆっくりと腰を落とし始めた。
さっきまで入っていたもののはずなのに、緊張のせいかうまく飲み込んでいかない。
はやく入れたいのに!と、なぜか苛立ってしまう。
すると亜希子は俺の腰に手を添えて、ずんと引き寄せた。
瞬間、全身がペニスに貫かれ、頭の先から飛び出そうな衝撃が全身を襲う。
これだけでイッてしまいそうなほど、ずっしりとした重い快感。
騎乗位。しかも入れるほうではなく、入れられるほう。
これは亜希子ではなく俺が動かないと快感は得られない。
彼に促がされるまま、先ほどよりも強く感じる亜希子のペニスを軸に、
ゆっくりと腰を浮かし、沈む動作を繰り返し始めた。
【その80】
腰を動かすたび、自分の体重も加わって、正常位強烈な快感がもたらされる。
じんわりと温かくなる下腹部は、ペニスと幸せでいっぱいになる。
最初は恐る恐る動かしていた腰も、知らず知らずのうちに激しい動きとなって、
その動きからもたらされる刺激で、さらに快楽の高みへとのぼっていく。
腰の動きにあわせて俺の『クリトリス』がペチンペチンと情けない音を鳴らし、
時折その先からだらしなく潮を吹きあげる。
しかし、本来そこから得られるはずの快楽は、まったく体に伝わってこない。
もう、俺にとって、射精の快楽など取るに足らないものになっているのだろう。
わずかな間にも、どんどん体が、脳の仕組みが変化していっているのが自分でもわかる。
今は、股間を突き上げるたくましいモノに与えられる刺激だけが性的快感となって、
俺の体を、心を、魂を、甘く白く女性へと染めていく。
貪るように、一心不乱に、亜希子の上で撥ね、踊り、舞い続ける。
気分はストリップ劇場のポールダンサー。
もちろんポールは亜希子のペニス、おひねりは際限なく沸いてくる快楽だ。
やがてダンスは最高潮を迎え、全身を貫く快感に全身がビクンビクンと痙攣を起こす。
【その81】
魂ごとどこかへ飛ばされそうなほど強烈な絶頂に2度も導かれたにもかかわらず、
いまだ心と体は快楽を求めている。
女性は何度もイけるというが、どうやら本当らしい。
亜希子が体を起こし、そこに抱きつくようささやきかける。
もちろん、その誘いに喜んで応じる俺。
亜希子の首に腕を回し、脚は彼の胴体を挟み込むように。
そして大事なところは愛しい人の分身をくわえ込む。
抱きかかえられながら、優しく秘所が突き上げられる。
正常位よりも、騎乗位よりも、旦那様が近くに感じられる体位。
下の口ではペニスを貪り、上の口では熱く激しいキスを交わす。
上からも下からも愛され、満たされ、高みへと導かれていく。
もし、男として、夫として亜希子と繋がってたとしても、
絶対こんな快感を味わう事はできなかっただろう。
そう考えると、やはり選択は正しかったのかもしれない。
今日はここまで
>>75 ようやく寸止め状態から開放されました(´・ω・`)
しかしこの貴明、快楽に弱すぎです
GJ!
女になっていく貴明タンいいですね・・
いまから投下
【その82】
キスをして、愛の言葉をささやかれ、そして貫かれ。
刺激だけならば騎乗位のほうが強かったけれども、
この座位のほうが心が満たされていくような気がする。
やはり愛し合う相手の顔が見えていたほうが、安心というか暖かな気持ちになれる。
「あ・・・・・・ん・・・・・・」
激しくなく、それでいて力強い亜希子のリズムにあわせて、自然と嬌声がもれる。
そしてもう何度目かわからない絶頂。だんだんとイく感覚が短くなってきている。
体力の限界が、もうそこまで来ているのだろう。
でも、まだ、この快楽をむさぼり続けていたい。
もっと、もっと女としての悦びを教えてほしい。
もうシてくれないのかと、亜希子にねだるような視線を送る。
俺と違ってまだ一度もイっていない愛しい旦那様は、
性交に満足していない新妻を悦ばせるため、さらに激しいプレイを努めるのだった。
【その83】
亜希子は座位で繋がっていた俺を抱きかかえながら立ち上がり、
俺にしっかりしがみついているようささやいた。
言われるまましっかりしがみついていると、その体勢のままずっぷりと改めて挿入された。
AVでも見ることが少なくなった、いわゆる駅弁スタイル。
男性側に強靭な筋力と勃起力を必要とする体位にもかかわらず、
顔色ひとつ変えずこなす亜希子。
引き締まったしなやかな体が律動し、俺の体を跳ね上げる。
腰の力だけにもかかわらず大きく弾んで、彼のペニスのストロークがしっかり感じられる。
座位も十分気持ちよかったけど、それ以上に激しく熱い。
俺を構成するすべての要素、皮膚や内臓は言うに及ばず、
体重すら快楽へと変換されていく。
もう、セックス以外のことは考えられない。
頭の中は亜希子に突っ込んでもらうことでいっぱいになっている。
この悦びを与えてくれる人のいうことなら、なんだって聞いてもいい。
【その84】
「貴明!」
「ひゃい!」
ふいに亜希子が大声を出し、びくりと体が震える。
そのショックだけで、軽くイってしまう。もう敏感になりすぎている。
「お前はなんだ!」
「ひゃい!」
突然の問いかけに、頭の中が真っ白になる。
俺は・・・・・・いったいなんだ?なんなんだ?
「お前はなんだ!ちゃんと言ってみろ!」
「俺は、花嫁です!」
そうだ、俺は花嫁なんだ。結婚式を終え、愛しい旦那様との初夜を迎えた花嫁。
決して男なんかじゃない。
男というのは、俺をこんなに悦ばせてくれる亜希子のような、強くて逞しい夫のことをいうのだ。
「『俺は』?」
「俺は花嫁です!亜希子の!旦那様の花嫁です!」
ずんずんと突き上げる衝撃が、早く答えろと俺を急きたてる。
「『俺』じゃない!『わたし』!わ・た・し!」
ああ、そうだ。かわいらしい花嫁は、貞淑な新妻は、『俺』なんていう言葉は使わない。
そういう言葉は、男が、新郎が、夫が使うものだ。なんて間違いをしてしまったんだ。
「わたしは!貴明は!亜希子の妻です!花嫁です!」
わたしの中で、なにかが崩れていく音がして、
同時に、もはや何度目かわからない絶頂を迎えた。
【その85】
抱きかかえられて繋がったまま絶頂を迎えたわたしは、
そのままの体勢で窓際へと連れて行かれた。
外はもうすっかり夜の帳を下ろし、闇に包まれた世界に宝石のような明かりが散らばっている。
そっと下ろされたわたしは、窓に寄りかかるようにしてその風景を見つめている。
ひんやりとしたガラスの感触が、何度も絶頂に導かれて火照った体に心地いい。
ふと亜希子のほうを見ると、彼のペニスはいまだ逞しく反り返り、力強さをアピールしている。
呼吸も荒く、意識が朦朧としてきたわたしとは大違いだ。
さすが旦那様、持久力もハンパじゃない。
そして亜希子はわたしに窓に手をついて立ち、お尻を向けるよう命令してきた。
もちろん、言われるまま指示された体勢をとる。
うっすらとガラスに反射しているわたしの姿は、
ストッキングはすでに伝線し、女性らしい装いはほとんどないにもかかわらず、
夫を受け入れようと、いやらしく尻を振る淫乱な新妻にしか見えない。
心が女性であることを受け入れると、体もそうあろうと変化するのだろうか。
【その86】
力強い男性を迎え入れようと待ち構える牝の穴に、再び亜希子のペニスが突き込まれた。
初めて受け入れたときと異なり、すんなりと咥えられたのは自分でも驚きだ。
短時間とはいえ、何度も迎えたことにより、だいぶわたしのモノもこなれてきたんだろう。
パン!パン!パン!パン!と力強い肉を打つ音が部屋中にこだまする。
今日一番の、力強く、深い、奥までえぐられるようなストロークに、
嬌声をあげることもできず、ただ与えられる快楽に身悶えるだけのわたし。
「どこが!どこが気持ちいい!」
いまの状態を自分で再確認させるため、亜希子がまたもわたしに呼びかける。
「お尻が!お尻の穴が!気持ち!いいです!」
感じるまま、思うまま、心の底から叫びをあげる。
「お尻じゃない!そこは!貴明の!マンコ!」
「ひゃい!貴明は!マンコで!おマンコで!感じてましゅ!」
そう!いま亜希子の男性を感じているのは、お尻の穴なんかではない。
まぎれもないわたしの女性器なのだ。
また1つ、認識が上塗りされていく。外見だけでなく、心の中までも女性を装わされていく。
もう煌びやかなドレスで着飾らされても、屈辱など感じない。
女性が女性であることの、どこが恥ずかしいというのだろうか。
【その87】
突かれ、愛され、飲み込んでいく。
ふと亜希子がわたしの髪をまとめていたピンを抜き去った。
一瞬にして、乱れ、踊る髪。ふんわりと漂い始める女の香り。
うっすらとガラスに映る自分の姿は、男に征服され慰みものにされている女性そのもの。
その姿からは、昼間見せていた貞淑な花嫁などまったく想像もつかない。
愛欲に愛欲に溺れ、男根から伝わる刺激だけで生きる娼婦。あるいは淫魔。
もはやそんなことはどうでもいい。
亜希子のペニスさえあればいい。この刺激さえ、快楽さえあればいい。
今日が終わったとしても、亜希子に、旦那様の妻として尽くせば、
きっとこの快感を分け与えてくれる。そうに違いない。
もう数えられないほどのストロークの末、真っ白に、空っぽになっていくわたしの脳みそ。
目が覚めたら、きっと『女』として生まれ変わる。
生まれ変わらなかったら、そうなるよう生きていく。
その装いも、認識も、すべて変える。変えていく。亜希子の色に染まっていく。
昨日まで存在した男性・貴明はもう自分の中に別れを告げ、
わたしは今日最後の絶頂を向かえ、どこまでも続く白い闇の中へ沈んでいった。
今日はここまで
次回のエピローグでよーやく終了。
ムダに長かった。
次はOLモノもかなぁとか思ってたけど、
某PVで激しく踊るバニーガールをみて、バニー女装もいいなぁとか思ったり。
複合はたぶんしない。できない。
>>86 すごい勢いで変わりすぎですよね、貴明タン
完全に亜希子色に染まっちゃってます
朝から良いモノを読ませてもらった、鬼GJ!
ふと頭から読み返してみて貴明が可愛く思えてきたり
俺ヤベェwwwwwwwwwwwwww
次で最終回か・・
なんか終わるのが惜しいようなちょうどいいような・・
投下開始
【エピローグ1】
転寝から目覚めたとき特有の、なんとなく気だるい感覚。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
なんともいえない、幸せな悪夢を見ていたような気がする。
ソファーの上から身を起こし、乱れた髪や服を軽く調える。
ふと視線をサイドボードに移すと、そこには2枚の写真が飾られていた。
1枚は挙式のときに旦那様と一緒に撮った結婚記念写真。
緊張からか、無理に笑顔を作っている自分の顔が少しほほえましい。
もう1枚は新婚旅行で行った南の島で撮った写真。
生まれて初めて着るビキニの恥ずかしさと心もとなさは、今でも覚えている。
あれからもう3年も経ったなんて、今でも信じられない。
もしかしたら夢だったのではないかと、今でも思うときがある。
この結婚生活が、幸せで、愛に満ち溢れた日々が、
すべて幻だったとしたら・・・・・・たぶん耐えられない。
【エピローグ2】
旦那様が帰宅する前に、料理の最後の仕上げをするためキッチンへと赴く。
テーブルには花とワインと、そしてウェディングキャンドルが置かれている。
記念日に灯す蝋燭の目盛りは、すでに2年分減り、そして今日また1目盛り分減る予定だ。
腕によりをかけて作った料理をきれいに盛り付け、
愛しい人の帰宅はまだかと待ち構える。
2人の記念日だといっても、ほかの人には単なる日常でしかない。
たぶん、今日も遅くなるのは間違いない。
忙しい人だということは重々承知している。
しかし、こういう日ぐらい切り上げて早く帰ってきてもいいのじゃないのか。
待ち遠しさと、寂しさで、少しいらだってきた。
そのとき、玄関のチャイムがピンポンと鳴った。
あわててお迎えに向かうわたし。
たぶん尻尾があったら、子犬のようにぶんぶん振っていたに違いない。
【エピローグ3】
玄関の鍵を開け、愛しい旦那様を迎え入れようとしたら、
うっとりするような香りが玄関に流れ込んでくる。
扉の向こうには、薔薇の花束を抱えた愛しい旦那様が立っていた。
こんな時間に帰ってくることなんてまずないのに、
結婚記念日だからって早く帰って来てくれた!
しかも、こんな素敵なプレゼントを携えて。
思わず彼に抱きついて、頬に、唇に、キスの雨を降らせる。
彼も負けじと薔薇の花束を放り出し、キスで応戦。
そして、ゆっくりと目を閉じ、永い永いくちづけで愛を確かめ合う。
「おかえりなさい、あなた」
「ただいま、貴明」
わたしは今、幸せだ。
●終わり●
そういうわけで、完結しました。
ダラダラと書き続けたのをお読みいただき、ありがとうございました。
>>95 お読みいただき、ありがとうございました。
自分でもなんかかわいく思えてきました。
気が向いたら外伝とかやりたいなぁ
>>96 お読みいただき、ありがとうございました。
ちょっとやりたいこと詰め込みすぎたかなぁ?
と、思わないでもなかったり
寝る前に開いたら最終回が!
いい作品ありがとう!
次回作も期待してます
よかったら、貴明を嫁にください
連載完結GJ!
濃厚な描写が最高でした。
次回作にも期待してます!!
乙
また何か書いてくれるのを待ってるよ
>>101 乙です、濃い作品をありがとう!
ダラダラなんてトンでもない、まだまだ読み続けたいぐらいです。
外伝にもwktkしてますんで気が向いたら是非どうぞ。
>>102 いやいや、貴明は俺の嫁だから
超絶GJ!
ジワジワ少しずつ「女」へと染められていって、まさしくハッピーエンドな締めがたまらんですた。
よい花嫁をありがとう!!
化粧品会社の男子新入社員は、新製品の開発に取り組むことになる。
試行錯誤するも化粧品の良さなんて全く理解出来ない。
そこで面倒を見てくれてた先輩の女子社員に相談。
「それは君が男の子だからだよ。一度女の子になってみる必要があるわね」
かくして、波乱万丈の新製品開発が始まったり始まらなかったり…
保守
とりあえず、初代スレから投下された作品全部掲載したつもりですが
抜けているところとかあったら、編集などお願いします・・
すいません、前スレの最後の方見れなかったんですが、「はだまし」って完結してますか?
してないし、前スレの容量ギレでちゃんと投下されてない。
偽装彼女の中の人は復帰してくれんのかのぅ……
ずっと新作を心待ちにしとるんじゃが(´・ω・`)
あと誰か〜〜彼女のurl教えとくれ
おおっと、>>2とか読まんからナチュラルにスルーしてたぜサーセン
別スレの寸止めプレイには何時もお世話になってますw
今後ともジックリねっとりな描写をM読者の一人として期待してるぜ
>>108 第1話〜第3話のdatとか、datから変換したhtmlとか必要だったらどっかのうpろだに投げるよ
前スレ
>>480の「裸の王様」パロネタ続きです。
(
>>483の方とは別人です
女装直前までを前スレに落とすはずが中途半端に切らしてたため、
キリの良いとこで重複させてます。
あらすじ:鏡越しや馬鹿=裏切り者の目にはドレスに見える服を着せられる王様。
本番なし&晒し者にして辱めるのメイン。
(1/6)
「それでは王様、今お召しになっている物を失礼いたします」
言うなり仕立屋らがひざまずくと、王様の靴を順番に脱がせ始めます。
「わたくしも、お手伝いしますわ」
後ろからお妃様の声がして、ゆったりとした王様の上着に手をかけられました。
「ええっ!?あ、あの、結構です!自分でしますから…!」
慌てる王様に小首を傾げ、お妃様は「そんな」と笑みを浮かべます。
「遠慮など、なさらないでください」
「時間も押しておりますし」などと言われれば、なんだか自分がわがままな子供になっ
たような気分になります。
渋々王様が「お願いします」とうなずくや否や、お妃様や仕立屋らは非常に手際よく王
様の服を脱がしていきました。
祖国で仕立てたそれは、細かな刺繍で飾られたゆったりとしたもので、袖や足通しを抜
かれるごとに故郷が遠くなったような、なんともいえない名残惜しさを覚えます。
王様の感傷にかまわず三人の手が華奢な身体中から衣服を取り去り、最後に残った下着
を仕立屋が掴みました。
「!?そ、それは大丈夫です!」
まさかこんなところで素っ裸にされるとは思っていなかったので、王様は慌てて身を引
きます。
たっぷりした布地で隠されていた王様の裸身は、日の光も汚れも知らない滑らかな陶器
のようで、細いながらも少女めいた柔らかい線を描く肢体を羞じらうように手で隠す様は、
なんといえない背徳感があります。
しかし仕立屋の言葉は、そんな王様の羞恥など意にも介さないものでした。
「ですが王様、肌着も私どもがお仕立ていたしましたので、どうぞ」
「じ、じゃあ、それくらいは自分でもできますから、その、部屋の隅ででもさせてくださ
い!」
さすがにお妃様はともかくも、今知ったばかりの仕立屋達の前で裸を晒すのには抵抗が
あったのですが、王様の王様らしくない命令は思わぬところから待ったが入りました。
(2/6)
「も、申し訳ありません……」
足下からの声に顔を向けると、もう一人の仕立屋…王様よりやや年下の少年が、声を震
わせ頭を垂れていました。褐色の巻き毛も可愛らしく揺れています。
「そうですよね。僕のような卑しい者が王様のお身体に触れるわけにはまいりませんよね
……本当に申し訳ございません!」
「ええっ!?い、いや……そんな意味で言ったんじゃ、その…」
「お美しい王様とお近付きになれた喜びに僕、身の程を忘れておりました!どうぞ何なり
と罰をお申し付けください!」
しどろもどろな王様の言葉に聞く耳持たず、可愛らしい少年はとうとう泣きだしてしま
いました。
「弟弟子が大変なご無礼を……どうぞ、罰なら私にお与えください」
「そんな、兄さん!」
「どうか、どうかお慈悲を、この子をお許しくださいまし!」
年かさの方も砂色の頭を床に付かんばかりに下げてしまいます。これでは自分が彼らを
いじめているみたいではないですか。
助けを求めお妃様を見れば「思し召しのままに」と、妻として当然といえば当然のお返
事です。
目の前で許しを乞う仕立屋達と自分の立場、そして部屋の真ん中で裸に近い格好のまま
でいる恥ずかしさを、できる限り冷静に考慮して…王様は声を絞り出しました。
「その………じゃあ、き、着替えさせて…ください。お願いします…」
「よろしいのですか!?ありがたき幸せ!」
「さすがは王様、お心までお美しい!」
王様とは正反対な弾んだ声音で、仕立屋らは再び陽気に褒めたたえてきました。弟弟子
に至っては、ついさっきまで泣きじゃくっていたのが嘘のようです。
「あの、だからちょっと…」
「それでは失礼しますね!」
席を外してくれないかとお妃様に頼もうとしたところで、王様の最後の砦が引きずり下
ろされました。
(3/6)
「ひゃあっ!」
無遠慮な手つきで下着を脱がされ、お妃様や仕立屋達の前で、王様はいよいよ生まれた
ままの姿にされてしまいました。
悲鳴と共に恥ずかしさに赤らむ顔を覆ったせいで、一番隠したかったそれ――十代半ば
という年相応か、それよりやや小振りなモノが、萎えたままの姿でぷるんと現れます。
「あぁ……み、見ないでください…!」
「あら、何故ですの?…夫婦なのですから何も、お気になさることなんてございませんわ」
今までも侍女に着替えをさせてはおりましたが、こうして知らない若者らや、妻とはい
え裸を見せたことのない女性の前で一糸まとわぬ姿になっていることに、王様は耐えきれ
ずうつむいてしまいます。思いがけないお妃様の言葉を喜ぶ余裕なんて、とてもありませ
んでした。
もうドレスでも何でもいいから隠して欲しいという王様の気持ちに反して、仕立屋やお
妃様はそんな王様をじっと見つめています。
「あぁ…王様、王様はまことにお綺麗でいらっしゃいますね。まるで女神像のようです」
「この、壊れそうなのにそれでいてなまめかしいお腰の形が、お召し物で隠すのにはもっ
たいないくらいでございます」
冗談じゃない!と言いたくなるような褒め言葉を並べ立てる仕立屋達でしたが、お妃様
が「お風邪を召します」と短く呟くと速やかに仕事に戻りました。
「ささ、それではまずこちらにおみ足を!」
「はぃ…………!?」
すんでのところで悲鳴を抑えた王様でしたが、素直に足を上げることなどできませんで
した。なぜなら目の前に差し出されたのはドレスよりも薄い紅色の、女性用としか考えら
れない小さな下着だったからです。
「いかがされました?どうぞこちらへ」
「…ぁ……な、何でも……」
今度こそ仕立屋を泣かせてしまってでも断りたかったのですが、いつまでも裸でいるわ
けにもいきません。何より、股間のお持ち物を見られ続けることの方が辛かったので、王
様は言われるままに小さな足をソロリとそこへ通しました。
(4/6)
「っぅ…………」
足首から脛や膝、腿から脚の付け根へと、布切れのような下着がスルスルと上がり、腰
骨の横でキュッと結われる感覚はとても王様の…男性の服とは思えませんが、仕立屋もお
妃様もまったくふざけた様子はないので、これも魔法めいた「変わった物」なのでしょう。
スベスベと意外に肌触りの良い布に覆われ、王様の持ち物が小さな丘を作っています。
そして見た目よりも随分と薄い布地のようで、王様の髪の色と同じ金色の淡い茂みがチラ
チラと透けて見え、王様はたまらなく恥ずかしくなりました。
だって、真面目な表情で自分の姿を見ているお妃様の目が、ちょっと脇の鏡を通したな
らば、夫である自分が女の人の下着を着けているのが分かってしまうからです。
かりそめにも一国の主であるはずの自分の腰を、小さな女の子が喜ぶような色のリボン
結びが飾っているだなんて!
聡明で落ち着いたその瞳が、こんなはしたない姿を映したらどんな風になるのでしょう
……少なくとも自分ならば幻滅して、汚い言葉の一つもぶつけたくなります。
タイツだのベストだのと言いながら、とてもそれには見えない薄い靴下やドレスの上を
手際良く着せられます。
「お袖をお通しください」
と言って年かさの仕立屋が袖のないドレスを肩にかけてくるので、ちょっと爪を引っか
けたら破れそうな靴下を穿かせる少年の仕立屋を蹴飛ばさないように、王様はそれらしく
身体を動かします。
「王様、ちょっと右のおみ足を失礼します」
少年がそう言って、男性用とは金具も太さも違う靴下留めを、王様の太腿にクルリと巻
き付けます。華奢な王様よりも小さい指が、敏感な内腿をやわやわとくすぐるのに、王様
は窮屈な下着に包まれたそこがジンとしびれるような、妙な感触に肩を震わせました。
自分にしか分からないとはいえ、お妃様の前で王様であるはずの自分が、女の人の格好
をしている。その現実に、なんだかイケナイことをしているような、それでいて甘やかな
気分になってきたのです。
覆う物の極めて少ないお尻に、ドレスを着せる仕立屋の服が当たってくすぐったいのも、
お妃様には見えてないとはいえたまらなく気になって仕方がありません。
(5/6)
キュロットだのサッシュだのと言われながらスカートを何重にも着せられ、勲章だのベ
ルトだのと言われながら胸にコサージュを着けられ、大きく開いた背中を這う紐をキュッ
と締め上げられます。
ブーツと言う名の、甲の大きく開いたハイヒールを履かされ、後ろで結っていたお妃様
より長めの金髪を肩に垂らされたところで、着飾る夫を嬉しそうに眺めていたお妃様が何
かを差し出しました。
「急ごしらえではございますが、このお召し物に合わせた新しい冠にございます」
どう見てもドレスに合わせた布の、黒レース付きのボンネットにしか見えませんが、顔
が引きつらないよう気をつけてお礼を言います。
かくして、
かくして鏡の中には、首筋や胸元の白さを引き立てる真っ赤なミニドレスとボンネット、
肘の上まで覆う黒レースの手袋をまとった王様がおりました。
ベルトで留めてはいるけれどほぼ履いてないように見える靴下に包まれた脚は、ふんわ
りと膨らんだスカートを気にしてぴったり閉じられています。それはまるで本物の美少女
の羞じらいのように、シャンデリアの光でどこか淫靡に映るのでした。
「よくお似合いですわ……礼を言います」
お妃様のねぎらいに仕立屋達は深々と頭を垂れ、王様に見えない王様の服がいかに立派
か、そしてそれを着た王様がどんなに大国の主然としているかについて言葉を尽くして賛
美してきます。
「あのう、おそれ多くも、王様?」
褒め言葉の嵐がやんだかと思ったら、仕立屋の少年がニッコリと王様を見上げてきまし
た。スースーする胸元や、何も穿いていないかのように頼りない足元を気にしていた王様
は、慌てて彼に顔を向けます。
「な、なんでしょうか?」
「こうして直接拝見するお姿もお素晴らしいのですが、姿見を通したお姿も、大変お美し
ゅうございますよ!」
無邪気に笑って彼の示す鏡――さっきから王様が盗み見ては落胆していたそれを、もう
片方の仕立屋もお妃様も覗きます。
「ほう、これは……なるほど、お素晴らしい」
「本当ですわ。あなたはどんな姿もお似合いになりますのね」
瞠目しため息をつく三人は、本当に思いがけないものを見たといった様子で、王様は改
めてこの恥ずかしい姿が見えているのは自分だけなのだと痛感します。
(6/6)
「このお姿が反逆者にだけ見えるというのは、ずいぶんと残念なことですわ」
「まことに、その通りでございます、お妃様」
「お顔がお可愛らしくいらっしゃるから、まるで昔語りの聖女様のようですね」
聖女はこんな罪深い格好はしないと返す気力もわかず、三人とは対照的に王様は肩を落
とします。
フワリとブロンドをなびかせる少女の姿でそれをすると、ボンネットが白い面に淡く影
を落とし、それこそ可憐に着飾った令嬢が悲しみに暮れているようです。
「顔色がすぐれませんわ…失礼を」
すいと歩み寄ったお妃様は、合図で仕立屋に持って来させた物でおもむろに王様の頬を
撫でました。水鳥の羽のような柔らかさと、時折掠めるお妃様の指先の感触に、沈んでい
たはずの王様の胸はゾクリと騒ぎます。
「…ぁ………っ!」
覚えのある…というか、まさしく目の前の人と同じ香りに、王様はそれがおしろいか何
かであることを、そしてお妃様が自ら自分の身繕いを調えてくれていることに気付き、驚
いて身を引こうとしました。
「っけ、けっこうです!ご心配には及びませんので、どうか!」
「あら、どうしてですか?」
「どうしてって……あの、そのお化粧道具はあなたのものですし、何よりあなたのお手を
わずらわせるには…」
おそれ多さにしどろもどろと訴える王様を映していた、間近にある切れ長の瞳がフワリ
と和らぎました。
「なにをおっしゃるのです。わたくしたち、夫婦でございましょう?」
うぶな王様は、目の前の美しい女性に改めて甘酸っぱいような気持ちを覚えましたが、
こんなに自分の心配をしてくれているお妃様をだましているのだという罪悪感で、いよい
よその白磁の頬を青ざめさせます。
「…そ……そう、ですね……ありがとぅ…ございます………」
何かの拍子にバレやしないか、他ならぬ夫が憎むべき逆臣であることを悟られやしない
か。
お妃様がご自身の身支度のために仕立屋達と下がられるまで、王様は寿命の縮む思いで
細い肩を震わせているのでした。
шшш
今回は以上です。
>>77 送信押したまま落ちてたため、切れてたのに気付きませんでした。
ありがとうございます。
>>586 保管庫乙です!
過去スレ見られないから、本気でありがたや!
125 :
116:2008/09/17(水) 22:55:02 ID:+cTw9H77
頂き
>>125 亀レスですいません
ありがたくいただきます
アップありがとう!
test
129 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:02:37 ID:qtkZrnm5
ho
(1/6)
お部屋に一人きりになるなり、王様はご自分の一番の家来を呼び付けました。
祖国では兵士長でもあった若い彼は、この国に来る前から王様の頼れる御付きであると
共に、王様にとってのかけがえのない友達なのです。
まだ実質的には客分とはいえ自国の護衛をつけるとはとの反発もありましたが、乳兄弟
という気の置けなさから、こうして王様の側仕えとして連れてくることが許されました。
そんな家来でさえも、向かった先にドレスを着た半泣きの王様が待っているとは思わな
かったようで、「お呼びでしょうか」の「お」の口のまま、その場に凍りついてしまいま
した。
「ああ、よかった来てくれて……ねえ、お前は私や国によく尽くしてくれている、お前は
愚か者なんかじゃないだろう?私がダメでも、お前にはまともに見えているよね?私は、
私は…まともに見えているよね?」
「…あの、王様?」
「これがおかしな格好に見えていれば、お前や、国の皆が殺されてしまうんだ!お願いだ
から、どうか私が立派な王様に見えると言っておくれ!」
ここで王様が少しでも落ち着いて、「この服は女の子のものに見えるかどうか」とでも
尋ねていれば、状況は少しでもマシになったことでしょう。少なくとも、自分一人だけが
愚かであるという思い込みに苛まれずには済んだはずです。
しかし、あわれな王様は自分で自分の逃げ道を塞いでしまいました。
一方、幼い頃より王様から兄のように慕われてきた彼は、こんな時は普段ならば王様を
諭す立場であるはずでしたが、突然呼び出されてこのようなものを見せられた上にそんな
物騒な話をされ、すっかり混乱してしまいました。
そして、家来の発言を待つ間も、王様のエメラルドの瞳からはハラハラと涙があふれ、
バラ色の頬から大きく覗いたミルク色のデコルテへと零れているのです。
近しい自分でも少女と見紛う美貌が、本物の少女の服をまとい、言ってみれば挑発的な
姿を見せつけているのです。彼は思わず喉を鳴らしかけ、慌てて首を横に振りました。
(2/6)
「…その、王様にそのお召し物は、非常によくお似合いだとお見受けいたします……」
「!本当かい!?」
「ええ、もちろんですとも…」
家来はうっすらと頬を染め気まずげに視線を下方に逸らしていたのですが、幼馴染みが
反逆者ではなかったという安心に目元を拭っていた王様は、それに気付くことはありませ
んでした。
王様は、独りぼっちで朝見に臨むこととなったのです。
шшш
その後迎えに来られたお妃様や臣下に促されるまま、王様は重臣や主だった貴族達の待
つ広間へと向かいました。
王様が歩み入るなり次々と会釈する、顔、顔、顔………
大国だから当然と言えば当然なのですが、戴冠式以来の大人数に囲まれて人酔いしそう
です。
それでも何とか頑張ってお妃様の用意した口上を消え入りそうな声で読み上げたら、あ
とはひたすら王様にはよく分からない、国の内情や施政についての報告や、それに対する
大臣やお妃様の発言が続きます。つまり、その間ずっと王様は、その姿のまま立ち尽くす
しかないのです。
中座するわけにもいかず、せめて儀式に集中しようと耳を傾けるのですが、当然ながら
一番目立つ上座に居る王様に突き刺さる幾つもの視線に、王様の胸の内はかき乱されるば
かりです。
(ああ…私の姿を見ている。見られているんだ、こんな……恥ずかしい格好を…)
一様に笑みを浮かべる人々のうち、誰が逆心を持つのか…つまり、自分と同じく、とて
も王様には見えない短いドレスを着た姿が見えているのかは、さっぱり分かりません。
その不安と焦燥にたまらずギュッと目を閉じた王様は、新たな心配の種に気付いてしま
いました。
(3/6)
(あ…な、なんで……?)
極限状態の小さな身体の中でナニがあったのか、または王様自身も知らなかったイケナ
イ欲望が芽を出したのか、王様の足の付け根にあるモノがムクムクと元気になりはじめた
のです。
(……っん…だ……だめ、ぇ………っ)
小さな下着はそれを受け止めるためには作られていないので、引っ張られた布地は王様
のプリンとしたお尻の谷間にキュウキュウと食い込まれてゆきます。
「…くぅ……ぁんっ」
つるつるした絹に、侍女にも触れさせないような秘密の場所を無遠慮にこすられ、王様
はたまらず腰を小さくくねらせ声を漏らしてしまいます。さくらんぼのような唇がふるり
とわななき、それはそれははしたない仕草でしたが、王様は見下ろさないようにしている
自分の姿よりも、声を出してしまったことに慌てふためきました。
しまった!と隣のお妃様をうかがいますが、彼女は手にした扇で顔の下方を覆いながら、
いつもの鋭い視線で宮廷を見回していらっしゃいます。
とりあえずホッと息をついた王様ですが、人々の後方に家来の姿を見つけました。部屋
に呼び寄せた時と同じく、訝しむように眉根を寄せた様子に、束の間忘れかけていたモノ
が存在を主張し始めます。
可愛らしいサイズとはいえ正常に機能しているそれは、引っ張り上げた下着で王様のお
尻の谷間をいじめるのに飽きたらず、薄い布を破らんばかりに上向きました。しかし何重
ものパニエやペチコート、たっぷりとした布使いのスカートはそれを阻み、年若い王様の
敏感な先っぽを押さえ込んでくるのです。
(ん……あぅ…く、苦しいよぉ…っ……)
上からはバレないと分かってはいるのですが、王様はレースの手袋をはめた手をさりげ
なく見えるよう前に重ねます。甘く息を荒げたその格好は、まるでいやらしい欲求を隠し
切れない淑女のようです。「淑女」以外はそのままですが。
(4/6)
カチコチになったそれをどうにか鎮めようと、王様は汗ばむ腿をぴったりと合わせ、高
いヒールにふらつく足先に力を入れました。
しかし今まで着ていた裾の長い、ゆったりした服と違って、程よくベルトを食い込ませ
る王様の太腿を見せびらかすようなドレスでは、落ち着きなく膝をすり合わせているのが
丸分かりです。
できることなら内股になってしゃがみ込み、こうして寄ってたかって自分を苛むような
スカートを捲り上げてしまいたい、大勢の人々の前でだらしなく膨らんだこれを、思う存
分こすってやりたいのに!
(いや、いやだ……こんなぁ……恥ずかしい!)
しかしこれ以上妙な動きをして、自分の痴態が…それだけならばともかく、逆心を持つ
愚か者であることが白日の下にさらされれば、どうなることでしょう。
国の偉い人ばかりが集まっているこの場で、裏切り者の故郷をいかに効率良く処分する
かという相談が始まってしまいます。
(だめぇ………っば、ばれちゃ、皆が…私の家族が……ぁ!)
緊張して下半身に集中すればキュッと締まったお尻や、いつの間にかジュワジュワとオ
ツユを滲ませだしたモノに、窮屈な布切れが余計に食い込んでしまいます。
今や王様のスカートの下は、前ではグシュグシュに湿って中身の形にぴったり貼り付き、
後ろではほとんど紐状になった布が食い込んで、王様の白いお尻を丸見せにしている下着
の独壇場です。
皆にこやかながら真面目な口調で、時折主である自分にお辞儀しながらこの国について
話し合っているというのに、自分ときたらその視線に、いやらしい身体の疼きで頭がいっ
ぱいなのです。一番に国のことを考えなければならない王様のくせに、一番国のためにな
らない欲望に悶えているのです。
(あぁ…は、恥ずかしいのに、なんで……私は、私は本当に愚かなんだ。こんな、こんな
ぁ…………っ気持ち、)
(5/6)
その時です。
ヒラリ、
王様のすぐ目の前に、金糸や銀糸で飾られたハンカチが落とされました。
「あ……」
「これは失礼を!王様」
弾んだ太い声と共に、名前や位は失念してしまいましたが、とにかく自分の落とした物
を自ら拾うことにはとても縁のなさそうな、立派な服と体格の貴紳が王様の足元にパッと
うずくまりました。
さして汚れていないハンカチを丁寧に何度もはたいたり、畳み直したりしているのです
が、王様は膨らんだスカートの下から、はしたなく盛り上がった前や、小さな下着の食い
込んだ股間が見えたりしないかと心配でたまりません。
(……は、はやく……早く立ってくれないかな………見えちゃうから、離れてよぉ……っ!)
王様はなめらかな頬を真っ赤にしながら、もじもじと落ち着かない足を組み替えようと
しました。
「………っっ!?」
編み上げたリボンに飾られた背が、王様の意思と反してビクンと震えました。薄い布地
では吸い込みきれなかったオツユが、起立した王様のモノでできた下着の隙間から一筋零
れたのです。
「っぁ………んぅっ…!……」
ツツーッと股間から内腿へ流れるそれはほんの少しで、薄いタイツに到達する前に止ま
ってしまいましたが、王様の胸は粗相をした小さな子供のように恥ずかしさでいっぱいに
なりました。
(こ…この人……した、から、見えちゃってないかな……?)
みっともなくも濡れて透けてしまっているだろうスカートの中と、ベトベトに汚れた脚
は、ちょっと前に屈んだだけでお尻が寒くなるドレスの下からは丸見えなのではないかと、
王様は背筋の凍る思いで……ほんのちょっぴりだけドキドキしながら下方の貴紳と隣のお
妃様をうかがいます。
(これが終わるまで、終わるまで…………私、ちゃんと「王様」でいられるのかな……ぁ、
ん…ま、また出てきちゃう…っ!!)
深々と頭を下げつつ満面の笑みで見上げてきているので、きっとこの人達にはまともに
見えているのだと自分に言い聞かせながら、王様はただただ涙と別のモノをこらえて、羞
恥に染まった姿態を宮廷にさらし続けるのでした。
(6/6)
шшш
(…まさに、眼福ですわ)
王様のそれとは対照的に長い袖と扇は、お妃様がほくそ笑むのを見事に隠してくれまし
た。
幼い頃から王座に就くことはないけれど、父王様ややがて迎える王様の助けになるよう
教育を受けてきた彼女は、その期待を上回る才覚を発揮してきたと同時に…とてもとても、
ご存命中の父王様のお耳にはいれられなかったような、秘密のご趣味を温められてこられ
ました。
数年前他国から伝わった、この王様の蠱惑的な美しさは、性別ゆえに大っぴらには語ら
れませんでしたがお妃様…当時は第一王女であった彼女の心を鷲掴みにしました。
そして外交で実際にお顔を拝見した時には、このお可愛らしい方を自分の手中に収めた
い、自分の欲望のままに、この方をアレコレしたい、いやするのだ!という、傍迷惑な決
意を固めていたのです。
冒頭で申し上げた王様方の不幸に関しては……おそらく、ご推察の通りでございます。
とにかくこれで、お妃様の望まれた通りにことが運びました。王様がお妃様の睨み以上
にドMだったことも、調教期間が短く済みそうだという嬉しい誤算です。
先程からやたらハンカチを落としてはしゃがみ込む子爵のように、劣情をあらわに王様
に近寄るものは粛清し、自分と自分に従う者たちだけで、この愛らしい「王様」を可愛が
って差し上げれば良いのです。
もちろん契約通り王様の祖国は援助し続け、王様にはこの国の王様として見せ物…いえ
いえ、お務めを果たしていただきます。お妃様は、そのご身分に珍しく純情にして情深い
ので、愛する夫の白魚のような手に、恥辱に濡れてもなお清らかな瞳に苦労をさせるよう
な真似はいたしません。
(めでたしめでたし……ですわね)
扇の下に隠されたお妃様のほほ笑みは、それこそ泣きだしそうな王様と対になるほどに
嬉しそうなものでした。
(おしまい)
以上です。
ネタ元レス主さんご馳走様です!
そして、読んでくださりありがとうございました。
GJ!
王様の心情描写がいい感じにエロかったっス
攻め女装はどのぐらい需要があるのだろうか?
>>136 GJ!昔話はいろいろできそうな気がする
シンデレラとか
攻め女装いいですね
大好物です
時は戦乱の世。
天下を取ろうと女装して敵国に攻め込むのであった
姫様として育てられた嫡男が
隣国へ輿入れ……を装って国盗りに
ですねわかります
むしろ一軍全員が女装のまま襲い掛かるくらいの勢いで。
攻め女装?いまいちピンとこない?例えばどんな感じ?
「どう?似合うでしょ?」
「キメェ」
「もう、恥ずかしがり屋さんっ、えいっ」
「ちょ、おま、やめ…」ぶちゅ〜
こんな感じ?
おおむねそんな感じですが、「ぶちゅ〜」は「ちゅっ♪」に変換して頂きたい
ネタは出てきたけど、SS書く体力がない(´・ω・`)
とりあえずそのネタだけ書き込めば
妖精さんがSSにしてくれるかもしれないだろ
SS書く体力は出てきたけど、ネタがない(´・ω・`)
エージェントの少年が任務で女装する話
完璧に女性に化けるため特訓する工程をSSに…
そろそろSS書こうぜ
事故で恋人と死に別れ、数年後、恋人に生き写しの女に出会いレズる。しかし、女は記憶を無くし女装した恋人だった!
で、お願いします。
>>153むしろ
事故で恋人と死に別れ、
↓
事故で恋人と死に別れたが忘れられず、亡くなった彼女の面影を求めて女装を始める。
で是非。
ええニコイチですが何か?
恋楯で検索しる
「恋する乙女と守護の楯」でググれ
>>150 それ、すんごい読みたい。
期待してます
入れ替わりモノで女装と男が入れ替わるってどうだろう
『イケてる2人』がどうかしましたか?
おまえらいつまで俺を待たせるんだ
男の娘の身支度には時間がかかるものだよ
今の仕事が一段落したら書き始めるからちょっと待ってろ
年明けには書き上がるんじゃないですかネー(ちんこ掻きながら
ある程度書いたけど、ちょっと放置したら何か駄目な気がしてきた。
なんていうか、熱が違ったんですよ。熱が。
風邪だったのか
>>165 そゆ時は非エロでも良いから小ネタをチョコチョコ書いてけば良いよ
何となくリハビリにもなるし、ちょっとした小ネタから萌シチュとかに繋がったりするから
168 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:54:07 ID:gpqDD0W6
保守
女装した男の娘が
男に掘られるのはありなん?
>>169 あらかじめそのように断っておけば、NGな連中はNGワード設定して飛ばしてくれるだろうから無問題
女装娘がメインなら何でも有りじゃね?
何でも読んでみたいから投下期待
174 :
169:2008/10/15(水) 10:33:44 ID:5k+RSGZp
・・・・・・カッ、カッ、カッ・・・・・・
人気の消えた深夜の城下街を、『あたし』は、興奮に震えながらあてもなく散歩する。
黒いローブの下には女物の下着、それも隠すべき部分が切り抜かれた、
本来の役目を全く果たしていない無用のいやらしい品だ。
生れつきの黒髪を燃えるように真っ赤なカツラで覆い、眼鏡で顔をささやかに隠す。
これが今のあたし。女顔の『ぼく』じゃない、オンナの『あたし』、
柔らかな物腰の若騎士ではなく、露出マゾの変態女。
そんな趣味が、もし、バレたらどうしよう。
王子を守る近衛騎士の地位も一瞬で吹き飛んで、誰も彼もが
あたしを軽蔑し、罵声や唾や石を降らせるだろう。
そんなことを夢想しながらあたしは、みなぎったペニスを
濁った先走りでぐしょぐしょにしていた・・・・・・
よーしよしよし、良い滑り出しだ。
続きwktk
それよりURLのraitonoberuが気になって仕方がない
vだけあってるな。全部間違っていればかえってすがすがしいのに。
「ノヴェル」の巻き舌だけは譲れなかったんだろなw
作品そのものはまぁまぁ楽しめた。
只もっとフェチ的な変態エロさが欲しかったかもだ。
180 :
174:2008/10/16(木) 22:48:08 ID:1X06FNLd
「フィム、ちょっといいかな?」
護身のための剣の稽古を終えた王子が、ニヤニヤ笑いで聞いてくる。なんか嫌な予感。
王子がこういう言い方をするときは、たいてい厄介な用件を告げてくるからだ。
「はっ、はい、何でしょうか?」
先程までやっていた木剣での打ち合いで乱れた息を整えながら
ぼくは王子に尋ね返した。
「なんかね、聞いた話なんだけどさ」
金髪をクリクリいじりながら言葉をつづける。息は全く乱れていない。
剣の腕はまだ素人に毛が生えた程度だが身体能力は13歳にして、というより
人間としては異常ともいえるレベルで、稽古のときは常にその凄さに舌を巻かされる。
王子いわく、まだ手加減しているそうだ。本気でやると、剣術を教えてもらう前に
ぼくを失神させてしまいそうだからとか。
これでも秀才と呼ばれてきただけに、その言葉を聞いて悔しかったが
同時に王子の怪物さも理解できたので、まあ納得はいった。
「・・・どのようなお話でしょうか?」
わずかな不安を押し隠し、話の先をうながす。
「真夜中の城下街にね、出るらしいんだよ・・・・・・・・・痴女が」
辺りがすっかり暗くなった夜道を一人歩く男子高校生。
別に、夜道を高校生が歩くこと自体珍しくない。塾帰りやバイト帰り、部活帰りなど
いろいろと忙しい高校生には当たり前だ。
しかし、晶だけは別だった。晶は、周りをキョロキョロしながら何かに怯える用に
ゆっくりと歩く。顔は俯き加減で、極力人と目を合わせないようにしている。
頬も恥ずかしいのか、少し赤く染まっている。普通にしていればいいものを、
晶がそんな態度をとるので、通りかかる人はチラチラと晶の顔を伺おうとする。
そう言っても、晶には堂々と歩けないある秘密があった。
晶の今着ている服は、男子高校生なら『着るもの』としては縁の無いはずである
女子生徒の制服を着ていたから。―――つまり、晶は女装していたのだ。
女装しているからといって、誰もが見ても男だという風な、言うなれば、バラエティで
笑いを取るために出てくる『オカマ』とは違う。
童顔で、何処と無く華奢な体つきをしている晶は、昔から女子に間違えられることも
あったぐらいだ。それに加え、髭も産毛程度で、髪も丁度良い長さに伸びている所から、
女装していてたら男らしい要素が無かったので、誰も男じゃないかと疑うような視線を
向けなかった。
晶は今まで女装しても精々が部屋の中だけだった。しかし、両親が長い出張でいなく、姉も
大学に行って一人暮らしをしているので家にいるのは晶一人だった。開放的になった
晶は、学校から帰ってきてからは、ずっと姉の部屋から借りている制服を着てすごしていた。
しかし、そのうち晶はもっと見てほしいという欲望に駆られ、ついに抑えきれなくなり
思い切って、制服を着たまま外に出たのだ。
見てほしいという欲望に駆られたのは確かだったが、やはり、家で一人で女装していた時とは
明らかに違う不安が晶を攻め立ててくる。
(もしかしたら、ばれてるかも…)
(同級生に会ったらどうしよう…)
考えれば考えるほど足が震えてくる。外に出て、まだ数10分位しか経っていないが
晶にとっては、1時間ぐらい外に出ていたような感じだった。
(もう帰ろう……誰か知ってる人に会わない内に…)
晶はそう決心すると、家の方向に向かって歩き出す。相変わらずキョロキョロと周りを警戒
しながら歩いていると、前方からいかにも部活帰りというショートヘアーの女子高生が歩いてくる。
一瞬目が合ってしまい、晶はハッとして目を逸らす。それは紛れも無く晶の同級生である、由紀だった。
晶は、その瞬間心臓が破裂しそうなほど動悸が早まっていることが手に取るようにわかる。
(どうしようどうしようどうしよう…)
晶は走って逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、慣れないスカートを履いている為それは
できなかった。かと言って、急に方向転換なんかすると怪しまれそうなので、必死に冷静を装って歩く。
相手は晶だということに気づいていないのか、普通に歩いてくる。もうだめだと晶は思った。
しかし、予想外にも相手は別に気にかけることも無く、晶の横を素通りしていった。
(杞憂だったか…)
晶は内心ほっとした。それと共に、もう女装したまま家に出るのはやめておこうと心に決めた。
暫くして、自分の家に着いた。あの後は、人通りを少ない道を選んで歩いたため、同級生はおろか、
人にすらあまり会うことなく家まで来ることができた。玄関で靴を脱ぎ、自分の部屋に行くとベットの上
で倒れるように横になる。
「つ、疲れた…」
外に出ていたのは数10分程度だったが、緊張しっぱなしだったので精神的にはかなり疲れたようだった。
その時、机に置き忘れていた携帯電話の着信音がなる。晶はそれを取って確認する。すると、差出人が
書いていないメールだった。見たこともないメールアドレスだったので迷惑メールかとは思ったが、
一様内容を確認することにした。
「え…な、なにこれ…」
そのメールを見て晶は呆然とした。そのメールには、恥ずかしそうに歩いている女子高生姿の晶の写メール
が張ってあり、本文には、
『晶君、女装にあうね。私ビックリしちゃった♪そうそう、明日暇だったらウチの部活来てよ。きっと晶君
気に入ると思うよ〜♪P.S.メールアドレスは晶君の友達から聞きました〜by由紀』
と書いてあった。あの時、由紀は何も言ってこなかったが、やはり気づいていたのだ。
由紀は、悪魔でも強要していないが、行かなかったらばらすと言わん限りの内容だった。
晶は、もうどうしようも出来ず、携帯を投げ捨てると制服のまま布団に包まり咽び泣いた。
もう、頭の中には悪いことばかりしか思いつかない。考えれば考えるほど涙があふれ出てきた。
そして、永遠に続くかと思っていた涙はいつしか途絶えいつの間にか寝てしまった。
なんとなく妄想を殴り書いてみたが・・・これが限界のようだ
誰か後を頼・・む・・
185 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 01:53:06 ID:yMsZN6ev
ホモスレ池
女装部キタコレ
って事はアレか?
女装チアリーディング部とか女装テニス部とか女装水泳部とか、
女装茶華道部とか女装手芸家庭科部とか女装合唱部とか、
そーゆー感じのアレだよな?(*゚∀゚)
どっちもいい感じじゃないか。
無理しなくてもいいから気が向いたら続きヨロ
運動部は女装の難易度ちょっと高いなw
だが萌える
190 :
180:2008/10/17(金) 23:36:51 ID:becuLCKQ
「ち、痴女、ですか・・・」
息が詰まる。
血の気が引いていくのが驚くほど鮮明にわかる。
「何でも黒ローブを羽織って、下はいやらしい下着姿らしいよ」
王子はおかしそうに言葉を続けた。
「フィムは聞いたことない?」
上目使いで僕と目を合わせてくる。そんなことまで知れ渡ってるのか。
にしても王子は一体誰からそんな話を聞いたのか。いや、それより・・・・・・
「どしたの?」
「いっ、いえ・・・・・・・・・思い出してみましたが、そんな噂はとんと聞いた事が」
・・・・・・なぜ、ローブの下がいやらしい下着だとわかるのか。誰にも見せてないのに。
「これは勘だけどね」
王子が右手人差し指を立てて、推理らしきものを披露し始めた。
「きっとその痴女は、女性じゃなく女装した男性、それも二十歳前と若いね。
恐らく騎士団かあるいは傭兵部隊に所属してると見た。もしかしたら、
ボクは会ったことがあるかもしれない。どうかなこの予想?」
僕は何も言えなかった。ただ破滅の足音を聞いていた、はずだった。
「あくまで予想だけどね。でさ、もし・・・・・・もしもだけど、
君がその人物に会うことがあったら、夜に、ボクの寝室に来るよう伝えてほしいんだ」
驚愕に目を見開いた僕を気にも止めずに王子はこう言った。
「・・・・・・僕の穴奴隷になってもらうためにね」
・・・ぼくは、ただ頷くしかなかった。股間を期待でガチガチにしながら・・・
191 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 00:11:52 ID:JXpe1BX/
保管庫にある男×メイド女装の光二と晶の話の続きが激しく読みたいです。
あれはあれで完結なんでしょうか?もし職人さんが見ていたら是非とも続きを
お願いします。できればあの後、光二がどんな調教をされていくのかとか、晶が
光二の見てる前でほかの第三者に輪姦され、最後には光二も強要されて晶を犯してしまうという
シュチェーションが激しくいいんですが書いてもらえませんか。
なにぶん自分文才がないものでしてお願いします。
演劇部に所属してる男子が、美人女教師役をやらされるお話をお願いします。
193 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 02:09:22 ID:cwEexTBc
女装×女きぼん
舞台は男子校の演劇部。
いつも登場人物は男だけのムサ苦しい劇をやっていたが、演劇部長が新しくなってから方向転換し、女役も設けることに…
主人公は華奢な体格と女顔を見込まれ、女形として演劇部にスカウトされる。
熱中出来るものがなく、友人も殆どいなかった主人公は演劇部の熱意と数少ない友人(これも演劇部員)の奨めに押され、入部。女優としての思わぬ才能を発揮し始める主人公。そのうち自分の中に眠る女性に目覚めていって〜〜
演劇部って女装ネタの宝庫だな。
共学でもいっぱい妄想できるわ。
その設定、少女漫画だったかエロマンガだったかで見た気がするな。
家帰ったらちょっと蔵書漁って見るわ。
やぶうちの少女少年7巻だったかな
村崎さんはたくさんの男の娘とキャッキャウフフ出来て羨ましい
>>195 >>196 モロ被りか…ありきたりと言えばありきたりな設定だからな〜。
てかその漫画読んでみたい。俺の妄想が現実作品にあるとはw
演劇で女装ネタならWジュリエット…は無いな。少年じゃなくて青年だし
演劇部女装のエロゲならば「なりきりプリンセス」つーのがある。
男子校じゃないけど、部長に女形としてスカウトはされる。
演劇部がありきたりなら、映研にしようぜ!
撮影のために街中で女装する、しかも映像として残るし。
Sunday Night Removersになんか昔そういうのがあったな……
素直に「それなんてファミリーコンポ?」という話もあるが。
バイトでベビーシッターをやることになったんだが、
赤ちゃんが泣き止まない。
そこで、女装してお母さんのフリをすることに…
>>201 あったね〜あのサイトに。
あれはなかなかの良作。
過去の時の主人公が相手役にホントに惹かれていっちゃうのがよかった
あの悪夢のような出来事の翌日、晶は携帯のアラーム音で目が覚める。
ベットからだるそうに、起き上がると晶は改めて自分の今来ている服を見る。
そこにはまぎれも無く姉の制服を着ていた自分の姿があった。
(夢じゃなかったんだ・・・)
そう思うと、余計学校に行きづらくなる。学校に行けば当然、由里とは同じクラスなので顔を合わせなければ
ならない。今日は仮病を使って学校を休もう。そう心に決め、またベットの中に潜り込もうとしたとき、
携帯の着信音が鳴る。ビクッとして、床に置いたままの携帯を拾い上げ、確認する。
そのメール相手は紛れもなく由里だった。晶は、また変なことを要求してくるんじゃないかと内心ドキドキしながら
メールを開く。そこには、晶が絶対に避けてほしかった内容がズラズラと書かれていた。
『おはよー。由里からのモーニングコールのサービスだよー♪ちょっと昨日言い忘れたんだけど、今日晶君の
お気に入りの制服、持ってきてね。部活で使うから。じゃあ、学校でね♪さぼったら・・・わかってるよね♪』
「うぅ・・やっぱり・・でも部活で使うって・・なんで・・?」
晶は、なぜ部活動で制服を、それも女子生徒の制服を使うのかが理解できなかった。無論、できることなら、
適当に汚して今日は持ってこれない、などとバレバレな言い訳をしてでももって行きたくなかった。
しかし、そんなこと言ってどうにかなる相手ではないことは百も承知だった。晶は、仕方なく着ている制服を脱ぎ
適当な紙袋につめると、いつもの制服に着替え食事を取るために、台所がある一階へと降りる。
そして、適当にパンにジャムなどを塗って軽く食事をすませ、洗面台で歯と顔を洗うと、まじまじと自分の姿を
覗き込む。そこには、男子用制服を着た晶の姿があった。
家に居る大半は女子用制服で過ごしている晶にとって、その制服は窮屈なもの意外何者でもなかった。
「はぁ・・・」
少しため息をつく晶。晶は、こんな窮屈な制服は1秒たりとも脱ぎ去りたい気持ちでいっぱいだった。
>>202 「マムズ・リーズン」? あれは赤ちゃんじゃないけど。
>>194 演劇部系で思い浮かぶものというと・・・
エロゲで「彼女たちの流儀」「Clover Point」
小説で「お姉ちゃんとあそぼ」漫画で「NGライフ」
ネット上で「farcical cafe」とか。
『「演劇のため」と称して日常生活でも強制女装』シチュエーションは好きだけど、探してみると
案外ないか。
206 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 03:01:59 ID:NS6ulyj7
そして続きが来たわあ。
由紀が由里になってるところは微妙に残念だけど、しかしGJ。
>>206 他で書いてた名前と、素で間違えた。ごめんなさい
そんなことを思いながら、晶はボーっとしながら鏡を見つめる。その時、晶がハッとしたように思い出す。
「あ、そういえば・・昨日お風呂入ってなかったな」
晶は時間を確認し、まだ学校までの登校には間に合うことを確認すると。着ていた制服を一枚ずつ脱ぎ捨てる。
そして、下着も脱ぎしてると晶は一糸纏わない姿になる。そして、風呂のボイラーを入れて浴室に入る。
浴槽に浸かりたい気持ちだった晶だが、今から張ると登校時間に間に合わなくなる。仕方なく、簡単にシャワー
だけで済ませることにした。
シャワーで頭と体を簡単に洗うと、湯気で曇った鏡にシャワーを当て湯気を消し、改めて自分の体を
見る。髭が無く、まったく男らしくない顔つき。男としては少々長くサラサラな髪の毛。そして、まるで女のような華奢な体。
いつもなら、ほとんど気にせず浴室から出て行くのだが、由紀にばれたことを思い出すと何故か変な気分になった。
段々と晶が男であることを示す唯一のペニスが勃起していくと共に、自分が少し興奮していることが手に取るようにわかった。
「やば・・もうでよ・・」
晶はその気持ちを抑えるため、浴室から出る。しかし、ペニスは萎えるどころかますます硬くなっていくことがわかる。
晶自身も、段々と自分の理性で抑えられないなってくる。
「クソッ・・早く収まれよぉ・・」
自分自身の体に言い聞かせようとするが、体は言うことを聞きそうにも無い。
少しでも気を紛らわそうと、晶は脱衣所に散らかっていた服を洗濯機に放り込もうとして、洗濯機の中を覗く。
そこには、姉から借りている真っ白なショーツとブラジャーが入っていた。
晶はそれを見ると、生唾を飲み込む。心臓の鼓動がドクドクと音を鳴らしている。晶はもう我慢できなかった。
続きGJ!
あと、ベッ「ト」じゃなくてベッ「ド」な。綴り「bed」だから。
betだと「賭け」になっちゃうよ。
なんかSS投下したことで雑談をぶった切ってしまったようですまない
自重します
>>208 指摘ありがとう。精進します
気にしなくておkですよ。
力作SSあってのスレでございま。
乙
>>209 気が向いたらまた書いてくれると嬉しいな
午前二時過ぎの真夜中、声にならない声が部屋中に響いた。
「何で……何で俺はこんな姿なんだよ……!」
彼は嘆きながら、自分の容姿に対する不満をパソコンのモニターに思い切りぶつけた。
画面を殴った右手はすっかり赤くなっているが、今の彼にはそんな事は全く気にならないようだ。
モニターに映し出されているのはネットサーフィン中に偶然発見した、美少女アイドルのサイトだった。
彼好みの容姿の少女は目の前の人物に優しく微笑みかけている。彼はそんな少女を非常に愛おしく思い、同時に憎々しくも思った。
自分には無いものを持っていたから。
彼、前川 千夏(ちなつ)は学力が高く、運動神経だって悪くない。容姿も、全体で見れば……まあ、中の上くらいにはなるだろう。
周りから見れば、何ひとつの不満も無い、至って充実した生活を送っている少年に見えるかもしれない。
しかし、不満や悩みを持っていない人間なんているはずがない。当然、千夏だって人知れず抱えているものはある。
彼は、自分の求めているものがどうしたって手に入れることが出来ないものであることを不満に思っていた。
千夏は少女になりたかった。
陶器のように白い肌。
その肌を包み込む、細く長い黒髪。
まるで天使のような、あどけない顔。
小鳥のさえずりのような軽やかで高い声。
風が吹けば倒れてしまいそうな華奢で小さな体躯。
それらを併せ持つ幼い女の子になるのが、千夏の一番の夢だった。
しかし、そんな夢は叶うはずなんてない。深く考えるまでもなく明白だ。男として世に産まれた時点で、少女ではなく少年として生きていかなければいけない。
初めから無理な望みだったのだ。
女性になる方法は無いわけじゃない。
千夏はまだ14歳だ。思い切って性転換をしてしまえば、少女になることが出来る。
しかし、性転換なんてものは莫大なお金がかかる。その為の費用を稼ぐ頃にはもう手遅れだろう。たとえ“女性”にはなれたとしても、“少女”にはなれない。
かといって、親に頼み込むなんて出来るはずもない。
こんな下らない願望など、例え家族でも――むしろ家族だからこそ――人には話せない。だいたい、大した理由も無しに大金をはたいてくれるほど、彼の親は甘くはない。
千夏が思いつく範囲では、現時点で少女になれる選択肢はなかった。
というよりも、第一、欲望だけで性転換などしていいものだろうか?
ドキュメンタリー番組で、たまに性転換して女性になった元男性が出演するが、性転換する理由は大抵、性の不一致によるものだ。つまり、自分が男であるのがおかしい、ということらしい。
千夏は少女になりたいと思うものの、自分が男であることに違和感を覚えたことはない。
「はぁ……やっぱりどう考えても無理だよな……こんな状況に居んのって世界中で俺だけかな?」
千夏は何度目かわからないため息を吐き、ベッドに倒れこんだ。スプリングの反動で体が跳ねる感覚が心地良い。
「ふぅ……寝るか……あー……明日、朝起きたら美少女になってますように……!」
千夏は神に届かない願い事をして、そのまま眠りについた。
千夏は鏡の前に立っていた。
なぜだか自分の姿を確認したくなって、鏡を覗き込んでみる。
鏡に映っている人物は彼に似ていたが、髪が長く、格好も彼が持っている服とは違った。
真っ白なシャツに赤いリボンと、紺のブレザー、赤いチェックのプリーツスカート。これは千夏が通っている学校の女子用制服だ。
「えっと……誰ですか?」
問いかけたが、鏡の向こうにいる少女は彼と同じタイミングで唇を動かせたまま、とうとう答える事はなかった。
彼女は唇の動きだけじゃなく、彼の身振り手振り全てを真似する。だが、向こうからのアプローチは全くない。
彼は、ふと自分の事が気になって視線を自分の体に向けてみた。そこには鏡の向こう側の少女と全く同じ格好をしていた。
(これは……まさか!)
彼は勢いよく自分のスカートをまくり、おもむろに下着を脱いだ。
長年連れ添った息子がそこに居た。
「!」
気がつくと、見知った天井がそこにはあった。
「んだよ……夢かよ……。 ……夢か?」
寝起きのおぼつかない足取りで、彼は部屋にある鏡の前に立つ。服装は昨日寝た時のままだ。そのまま、下着を下ろしてみる。昨日のままの息子が居た。
「……。 ……夢かよ」
千夏は軽くうなだれた。目が覚めた時点で半分わかっていたが、やはり現実を見るとがっかりしてしまう。
「くそっ……こんな事ならもう少しマンコの画像をじっくり観察しとくべきだった……!」
嘆いたあと、いま何を考えていたのかと、少し恥ずかしくなった。
『次に同じ夢を見た時にちゃんと股間に女性器が存在するように、女性器を多方面の角度で見て覚えます』なんて、馬鹿馬鹿し過ぎる。
千夏は朝一番のため息を吐いた。
「こんな夢見るなんて……俺も相当やばくなってきたな……まさか女装して鏡に話しかけるなんて……」
ぼやいて、はっと気付いた。
「ん? ……ちょっと待てよ? 女装……女装か……」
千夏は鏡の前に立っていた。
自分の姿を確認したくなって、鏡を覗き込んでみる。
鏡に映っている人物は彼に似ていたが、髪が長く、格好も彼が普段着ている服とは違たっ。
真っ白なシャツに赤いリボンと、紺のブレザー、赤いチェックのプリーツスカート。これは彼の姉が、過去に学校で着用していた制服だ。
そして、ついさっき格安で購入したばかりのストレートのウィッグ。これで彼の女装は完成した。
「……これは…………アリだろ……。かなりアリだろ!」
夢の中で見たままの姿がそこにあった。
「あれは正夢だったのか……あぁ、どうりで息子がついてたわけだ」
両親は共働きで夜遅くまで帰ってこないし、姉は恋人の家で同棲生活をしている。窓を挟んだ向かいにある家のよくお世話になっているお兄ちゃんも、今は大学に行っているはずだ。
万が一にもこんなところを目撃される心配はない。
鏡の前で、いくつか雑誌で見るようなポーズをとってみる。なかなかさまになるのが自分でも恐ろしい。
(ヤバい……クセになりそうだ……)
服をとっかえひっかえ着て遊んでいるうちに、千夏はあることを思いついた。
ここまで書いて一番重要なところが思い浮かばない
やっぱり文章って難しいな
うおおおおおいいいいい!
寸止めかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
お兄ちゃんを誘惑しろよおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!
その努力にビガップ!
続きに期待です
何と言われようとGJ!
>>207からの続き
----------------------------------
「ちょっとだけ…なら……いいよね…」
晶はその下着を取り出すと、ゆっくりと着始める。
いつも女装してなれている筈なのに、緊張しているのか手が震え、
興奮からか、異常までに顔が火照ってしまう。
まるで初めて女装した日を思い出すようだった。
ショーツに足を通し、慣れた手つきでブラジャーのホックを止める。
いつも以上に息が荒くなっていくことがわかる。
晶は、全身が移る鏡で自分の姿が見たくなり、その姿のまま再び浴室に入った。
浴室に入ると、湯気で曇っている鏡にシャワーを当てて湯気を取り除く。
そして、改めて鏡で自分の姿を確認する。当たり前であるが、そこには下着姿の
晶の姿があった。その姿は、華奢な体と童顔が相まって、晶を知らない他人が
見たら女にしか見えなかった。……ショーツを盛り上げている股間を除けば。
その姿を見て、晶はとうとう我慢できなくなったのかショーツを脱ぐと、その
ショーツを勃起しているペニスに被せてオナニーを始めた。
「はぁ………はぁ……」
必死に扱くが中々射精するまでに至らない。晶は、登校時間を考えると焦ってしまい
早く射精するために、キュッと目を瞑ると抜くためのネタを必死に妄想した。
そして、真っ先に出てきたのが、いつも女装している時にオナニーするネタが浮かんできた。
「あぁ…ゆ、祐樹君……いいよぉ…」
そのネタとは、晶が女装している祐樹とセックスしているというシチュエーションだった。
祐樹というのは、晶の数少ない男友達で、容姿は晶に似ており物静かで男らしいというには程遠かった。
そんなこともあって、祐樹もあまり男友達が多いほうではなかった。
祐樹が晶と似ているといっても、晶は祐樹が女装しているなんてことは聞いたこともないし、
晶自身も興味ないに決まっていると勝手に決め付けている。
晶のペニスを扱く手が段々と早まっていく。もう限界なのだろうかペニスもビクビクと
小さく痙攣していることが、晶の手に伝わってくる。
「あぁ…祐樹君だ、だすよ…んんっ…あぅっ!!でるっ…!!」
今まで以上に目を強く瞑ると、晶はショーツの中に大量に精液を吐き出していく。
腰もヒクヒクと痙攣して、暫くの間は座ったまま動けなかった。
「はぁ……んぅ……はぁ……」
頬を真っ赤に染め、射精した後の疲れかトロンとした表情で息を整える。そして、自分の精液を
吐き出したショーツを見る。そこには、ねっとりとした濃厚な精液が大量に付着していた。
それを見るたびに、晶は罪悪感を感じていた。
(ごめんね…祐樹君……こんな僕って気持ち悪いよね…)
ため息を一息つくと、ますます自分のしたことが最低だということに気づかされるようで、
少し自己嫌悪に陥ってしまう。そして、今日も二度とこんなことをしないと心に決めると、
ショーツを洗い、浴室を後にした。
脱衣所に上がると、晶は時間を確認する。すると、すでに遅刻するかしないかというギリギリの
時間だった。
「ど、どうしよう…早く着替えなきゃ!」
晶は、我を忘れて着替えを始めた。無意識の内に、持っていたショーツを履くと、ブラジャーも
着けたまま、その上から男子生徒用の制服を羽織る。そして、鞄と由紀に言われた昨日女装している時
に着ていた制服が入っている紙袋を持つと家を飛び出した。
外に出たとき、晶の体にはなんだか違和感があったがそんなこと気にしていられなかった。
必死に走り学校を目指す。
学校には何とか時間内に滑り込め、教室にもHRが始まる直前に滑り込めた。晶はホッと胸をなでおろし
席に着く。そして、HRが始まり話を聞いているとなんだか体に先ほど以上の強い違和感を感じ始める。
(なんだこれ…変だな…あの時ちゃんと脱いだ…は…ず…)
晶は気づいたのか、段々顔が青ざめていく。あの時、下着は全部脱いで着替えていたと思っていた
ブラジャーとショーツを着たまま学校に来ていたことに、今ようやく気づいたのだ。
これは体育フラグw
>>222 正直この展開は勢いで書いて、その後のことをまったく考えてなかったので、
そのネタをいただきました。
なるべく短く仕上げたかったんですが、長くなりそうです
------------------------------
(う…うそだろ……)
晶は、そっと周りに怪しまれないよう制服の上から胸を摩り確認する。すると、ブラジャー特有の凹凸が
確認できる。この瞬間、気のせいだという思い込みはできなくなった。
(やばいよ……今日体育あるのに……)
晶の中では、もう2時限目にある体育のことで頭がいっぱいだった。昔から運動神経が鈍く、体育が嫌いな
晶は、特に苦手な種目を行う日になると仮病をついて教員に見学を申し込んだりしていた。
しかし、最近ではその仮病が教員にばれて、晶が保健室に行って病気なので体育には参加できないことを
証明する書類を書いて持ってこなければ、体育を見学で済ますことはできなくなってしまった。
今日の晶は、由紀に放課後なにされるかわからないといった不安から、多少憂鬱だったが無論こんなことで
体育を見学で済ますことなどはできない。必死に考えたが、晶には逃げ道がなかった。
そう考えている内に、いつの間にかHRが終わり教員が教室に入って1時限目が始まるわずかな時間の間
教室が話し声でざわめき始める。いつもなら、小説を読んだり祐樹の席まで行って他愛もない話で時間を潰す
のだが、今の晶にはそんな余裕などない。周りに顔を見られないよう、机に頭を突っ伏し寝ているフリして
ただ時が止まることを祈るばかりだった。
225 :
222:2008/10/28(火) 23:40:30 ID:AwM4xnem
何気ない書き込みがこんなことになろうとはw
続き期待してます!!
「晶君?大丈夫?」
暫くすると、頭の上から聞き覚えのある声が降ってくる。晶は顔を上げると、そこには祐樹が心配そうな顔で
こちらを見ていた。
恐らく、晶の深刻な顔を見て心配に思っていたのだろう。晶は必死に平常を装い、祐樹に言い返す。
「あ、祐樹君?大丈夫だよ。」
晶は平常を装っているつもりだが、やはりどこかぎこちない。
そんな所を感知してか、祐樹は心配そうに聞き返す。
「でもさっき、なんか顔色悪くなってたけど…」
「あ、あれね…あれはね…えーと……きょ、教科書忘れてきちゃって、まずいなーって思ってさ」
「そうなの?じゃあ、隣の教室から教科書借りてきてあげようか?」
「大丈夫だよ。鞄よく探したらあったから。ありがとう。」
晶は何時もなら、この時間が授業が始まる前の憂鬱な気持ちをやわらげてくれるはずなのに、
今日は早く祐樹が席に戻ってくれることを祈るばかりだった。
祐樹は、晶の何時もと違う様子に違和感を感じていたが、1限目の授業の時間も近づいてきたこともあって、
これ以上突っ込んで聞き込むことをやめる。
「それならいいけど……どっか悪かったら言ってね。」
「う、うん。ありがと。」
「あ、そういえば由紀さんが晶君のアドレス教えてって言ってたから教えちゃったけど…」
晶は、薄々祐樹が教えたのではないかと感じてはいた。しかし、本当に祐樹が教えたと聞くと少し祐樹が恨めしく思えた。
「え、いや、大丈夫だよ。なんか、部活でするから協力してくれってこと。別に、由紀さんとは特別な関係があるわけじゃないからね。」
「え…」
祐樹はその言葉に一瞬顔を曇らせる。しかし、直ぐにいつもの表情に戻る。
「あ、そうなんだ。何か勝手に教えちゃったから怒ってないかって心配で…」
「いや別に気にしなくてもいいよ。こっちも女の子のアドレスゲットできたわけだしね。」
適当に冗談を言ってごまかす晶。
祐樹は、内心やはり怒っているのではないかと思っていたが、表情には出さずに言い返す。
「よかった…晶君に嫌われたらどうしようかと思っていたから。」
「そ、そんなことないよ。あ、もう授業始まるから席に着いたほうがいいんじゃない?」
晶がそういって時計のほうに視線をやると、もう授業のチャイムがなる1分前を指していた。
祐樹はあわてて席に戻る。
「あ、本当だ。じゃあね。」
「うん、また。」
祐樹は軽く晶に会釈をすると、自分の席に戻っていった。
wktk
はだマシの人と○○彼女の作者が同じだって今日知った(´・ω・`)
(早く着替えないと…)
晶は、何度も廊下側を確認すると教室のドアを閉め、窓にもカーテンをかけ極力周りから見られないように徹底する。
いつもなら、雑に脱ぎ捨てる制服だが今日は何故か一つ一つのボタンを丁寧にはずしていく。
その手も、いつもとは違い震えて中々思うように制服を脱げない。何度も自分の手を叩き、体の中から湧き上がる異常な興奮を
抑えて制服を脱いでいく。最後に、ズボンのベルトをはずし終わると、そこには女物の下着に身を包んだ晶の姿があった。
本来ならここで、体操服の上からブラが透けないように、ブラをはずして体操服とそのズボンを履くべきだろう。
しかし、晶は一向に体操服を着ようとはしない。それどころか、教室で女装しているという異常な状態の中で興奮してきたのか
登校前に射精したにもかからず、またペニスが勃起してきた。これには流石にマズイと思い、元に戻そうとする。
しかし、ペニスは萎えるどころかどんどん硬くなっていく。そのペニスはまるで自己主張するかのようにヒクヒクとショーツを
前に押し出している。そんな自分のペニスを見て、抑えてきた興奮が沸々と湧き上がってきた。
(誰もいない…)
晶は、周辺を改めて見渡し誰もいなことを確認すると、椅子に座りゆっくりとペニスをショーツの上からなでる。
場所が場所だけあって、少し撫でただけでも強い快感が晶の脳を刺激する。
「あっ…ぁぁ…」
晶はばれないように、蚊の鳴くような小さな声で喘ぐ。もう、その手を止めることは晶には出来なかった。
一方、体育館に着いた祐樹はというと、晶がいなくて全員がそろっていないということで授業を始められずにいた。
祐樹は、呼びに行こうかとも考えたがさっき言われた一言を思い出しその考えを捨てた。
痺れを切らした生徒が、晶は休みましたと嘘をつくが担任から出席簿のコピーを渡されているため、そんな嘘通るわけもなかった。
(晶君…どうしたのかな…)
祐樹は先ほど、きつい一言を言われたのにも関わらず、晶の身の上を心配していた。
そうこうしている内に、教員が痺れを切らしたのか怒鳴りあげる。
「まだこないのか!もういい!誰か呼びに言って来い!」
その言葉に、授業が始まらず雑談をしていた生徒が一瞬に静まり返る。
「呼びに言ってくるやつはいないのか!?」
生徒が自分から手を挙げさせるように強要させる。当然、人気のない晶を自分から呼びに行くという生徒は居らず、
周りはお前が行けと言う声がひそひそと聞こえてくる。そんな中、祐樹がスッと立つ。
「あ、あの…僕行ってきます。」
「早く戻ってこいよ。じゃあ、他は先に授業始めるぞ!もう10分も損した…まったくあの餓鬼…」
教員はぶつぶつ文句を言いながら、祐樹を除いた生徒に指導を始める。そして、祐樹は体育館を後にして自分のクラスまで小走りで戻る。
(あれ…ドアと窓閉まってたっけ…?)
祐樹が自分のクラスまで来ると、出るときには開きっぱなしだったドアと窓がきっちりと閉まっていた。
少し疑問に思いながらドアを開ける。
「晶君!先生が……ぇ…?」
「ひゃぅっ!?」
祐樹が見た視線の先には、ブラの上から胸をまさぐりながら、ショーツの上から勃起したペニスを掴んで扱いている晶の姿があった。
相変わらず投下が遅くてすいません。
妄想がうまく整理できず、さらに文章でうまく表現できなくて四苦八苦してます…
幼い頃から女装して男性と結婚するのが正しいと教育されているが、本能で女性を好きになってしまう
女性からは女装している子は同性にしか見えないためアプローチは冗談としてしか受け入れられず、
逆に男性からは冗談を本気で捉えられてしまい……みたいなのを考えたんだけど、
少年誌のラブ米みたいな健全なノリしか思い浮かばない上に俺は男×女装子が好きなんだ
エロ無しでもかまわないんだぜ?
本来のジャンルと違うものに挑戦してみるのもアリだぜ?
頑張って下さい!
234 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:26:50 ID:kqN5SvQT
234
近いうちになにか書く
フーン
総理になったら本気出す
>>229の前に投下し忘れた分を投下します
-----------------
チャイムが鳴ると、一時間目の授業が始まる。
晶はというと、相変わらずばれるか心配で、授業どころではなかった。幸い、騒ぎや私語をしない限りは特に注意しない教員
だったので、晶はひたすら顔を机に突っ伏せて寝ているフリをし一時間をやり過ごした。
そして、1時間目が終わり、2時間目が始まるまでの短い休み時間に入ると、晶の表情が段々と深刻になっていく。
女子が更衣室に移動し、男子が着替え始めている最中、晶は一人座って頭を抱えて考えていた。
(どうしよう…トイレで着替えようかな…いや、そんなことしたら服が摩れる音で怪しまれるかもしれないし…
かといって、みんながいるここで着替えたら…あぁ…なんでこんなことに……)
必死に考えたが、やはり思いつかない。もうどうしようもなく、頭を抱えて座り込んでいた。
残酷にも時間は過ぎていき、2時間目の始まりを告げるチャイムが鳴り響く。晶は周りを見ると、
教室には、祐樹が一人先ほどから深刻そうな顔をしている晶を心配そうに見守っている祐樹の姿しかなかった。
晶は、一瞬祐樹と目が合ったが、すぐに視線を逸らす。
その様子を見てますます不安になったのか、遂に祐樹は晶の席に行くと心配そうに話しかける。
「ね、ねぇ…本当に大丈夫?もうチャイムなっちゃったけど…着替えないの?」
「あ、大丈夫だよ。ただ、今日やるのが球技だって聞いたから…ちょっと憂鬱になってただけだよ。
すぐに着替えていくから、先に行っててよ。」
「そうなの?でもなんだかそんな感じじゃなかったけど…」
「大丈夫だって!しつこいよ!」
晶は、つい祐樹に対して今まで発したことも無かった乱暴で強い口調で祐樹に言い返す。
祐樹は、その言葉にショックを受けたのか悲しげな表情を浮かべる。
そんな祐樹の表情をみて、晶は申し訳なさそうに謝る。
「あ…ごめん。でも、本当に大丈夫だから…心配してくれてありがとう。僕は着替えたらすぐ後から行くから。先に行ってて。」
「うん…ごめんね。しつこく言っちゃって。じゃあ先に行くね。」
そう言うと、祐樹は小走りで体育館のほうへ向かっていった。そして、教室には晶一人取り残された。
239 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 20:09:42 ID:bYy/zDgO
◆YSssFbSYIE氏の新作期待age
久しぶりに投下
【その1】
いつの間にか夕陽が秋の空を染め上げ、俺一人しかいない空き教室も茜色になる。
窓の外からはかすかに校庭で汗を流す運動部の声と、そして風の音が聞こえてくる。
今日は寒くなりそうだ。
待ち人が来ない退屈を紛らわせるように、
足の先にひっかけた上履きをジャグリングのようにもてあそぶ。
黒板の上にかかる時計の針は刻一刻と進み、
夕陽は茜色から紅へとその色を変えていく。
もう帰ろうかと思ったそのとき、ようやく教室の扉が開き、
待ちかねていた待ち人が現れた。
「遅かったね、帰ろうかと思ってたよ」
「ごめんなさい、職員会議が長引いて・・・・・・」
本当に急いでいたのだろう、運動しなれない彼の息は少し上がって、
ちょっと癖っ毛気味の髪もボサボサに乱れている。
「言い訳はべつにいいよ」
必死に弁明する彼を、ちょっと冷たくあしらってみる。
少しおびえたような小動物のような目を見せる彼。
女子生徒の間で「彼氏にしてかわいがりたい先生No1」に堂々君臨している
高橋雄二の生まれ持った最大の武器だ。
【その2】
「ところで、そのカッコどうしたの?」
「ん?似合う?」
俺は雄二の前に立ち、ちょっと短めのスカートをヒラヒラさせた。
「いや、そんな格好してるとは思わなかったから、ちょっとびっくりした」
俺が身にまとっているのは近隣の女の子たちにカワイイ!
と評判になっている、うちの学校の女子制服。
生活指導の高橋先生と会うのだから、
ちゃんと校則どおりブラウスも指定のものを選び、
スカートのプリーツもきっちり折り目正しく。
もちろん、丈もギリギリのミニに抑えてある。
模範生徒として表彰されてもおかしくないと思うぐらい、
いまの俺は校則どおりの女子生徒だ。
ただ1点、校則違反を犯しているとするならば、
俺が男子生徒用の制服を着ていないことだけだろうか。
【その3】
「どう?俺の美少女っぷりは?惚れた?」
「・・・・・・惚れてるのは前からだ」
なんという返答でしょう! さすがマイラバー高橋雄二。
美少女でもそうでなくても、俺にぞっこんだそうですよ。
わかっていても、愛の言葉を彼の口から聞くと、自然に顔がほころんでくる。
ふと雄二の顔を見ると、彼の視線がスカートからすらりと伸びた
俺の脚に注がれているのに気づく。
黒のニーソに包まれた美脚に見ほれているのか、それとも別のところに興味あるのか。
「・・・・・・スカートの中、見たい?」
俺がちょっと上目遣いで雄二を見ると、凄い勢いで首を縦に振る。
「ほれ、どうだ!」
スカートをめくると、今日のために通販で買ったシルクのショーツが露になる。
股間が女性的ラインではなく、ぷっくり膨れているのは、そこはそれ。
俺が男だって言うことで、雄二にガマンしてもらおう。
【その4】
めくりあげられたスカートの下を、まじまじと見つめる雄二。
よく見えるよう眼鏡をかけなおし、そしてその鼻息は荒くなり。
その姿は決して彼を信奉する女子生徒には見せられたものではない。
「ど? 興奮しちゃった?」
ニタリと笑い、雄二の顔を覗き込むと、彼は顔を真っ赤に染めて目をそらす。
「興奮しちゃったんだぁ・・・・・・やっぱ雄二は変態だね、ヘ・ン・タ・イ!」
恥ずかしそうに、目を伏せる雄二。
さらに追い討ちをかけるように、耳元に囁きかける。
「変態さんだもんね、雄二は。いまも俺の股間見て勃起しちゃってるんでしょ?」
「そ!そんなこと・・・・・・」
慌てて否定するが、恥ずかしさからか語尾がにごる。
「じゃ、勃起してるかどうか、脱いで見せてよ」
「!」
さらに顔が赤くなる雄二。わかっているからこそ出来る追撃。
「どうしたの?脱がないの?」
恥辱からかすかに震える雄二を、じーっと見つめる俺。
そして彼はワイシャツのボタンに手をかけ、ゆっくりと脱ぎ始めた。
今日はここまで
なんか
>>239が自演ぽく見えるけど、気にしない
これは……女装レズ展開か?そうなのか?(*´д`)
ここんとこ見なかったが小悪魔女装娘も可愛ゆすなぁ
続きにwktkさせて頂きますね。
wktk
投下
【その5】
するりするりとかすかな衣擦れの音ともに、
雄二は1枚1枚身にまとっているものを脱ぎ去ってゆく。
俺だけのかぶりつきストリップショーは、
踊り子がいまいち燃えなかったのか、そっけなく終わってしまった。
そして残されたのは、ビスチェタイプの黒い下着と、
お揃いのショーツに身を包んだ雄二。
黒いストッキングに覆われた脚が夕陽を浴びて、やけに艶かしく輝いている。
下着姿の雄二を、じっと見つめ続ける女子制服の俺。
なんともいえない沈黙が2人の間を支配する。
「・・・・・・で、朝からずっとつけてたんだ、下着」
「だって、つけてろって命令するから・・・・・・」
ふうん、とそっけなく返事をし、上から下まで嘗め回すように雄二を見つめなおす。
華奢だが、しっかりと成人男性している体型に似つかわしくない女物の下着。
しかも夜の生活にスパイスを与えるような、繊細なレースに彩られた、淫靡な黒の下着。
デルタゾーンはしっかりとお手入れされていて、1本の毛もはみ出ていない。
ちゃんと言いつけどおり、アンダーヘアを剃ってきたようだ。
【その6】
そしてショーツに押し込められたペニスは激しく自己主張をして、
恐らく先っぽが当たっている部分がじんわりと湿ってきている。
俺にじっと見つめられ、興奮してきているみたいだ。
「でも、興奮してるよ、雄二」
「そ、そんなこと・・・・・・」
「神聖な学び舎で、女物の下着つけて喜んでる変態は、
この程度じゃ興奮しないって、そういうこと?」
「違う・・・・・・」
くっと唇をかみ締め、言葉責めというには他愛のなさ過ぎる言葉に耐える雄二。
しかし雄二が耐えようとすればするほど、その股間はムクムクと大きくなり、
また染みもひろがっていく。
たぶん、ショーツの内側はガマン汁でネトネトになっているはず。
「ふぅん・・・・・・でも雄二のチンコはガチガチに大きくなってるよ?
やっぱ変態なんだぁ」
雄二の顔は火が出そうなほど真っ赤に染まる
その白い肌も赤く火照って、黒い下着と見事なコントラストを描き出している。
【その7】
しかし、あまり言葉でいじめていても面白みが少ない。
俺は机に腰掛け、上履きを脱ぎ捨てた。
「そうだよね、雄二は下着を身に着けるよりも脚を舐めるほうが好きだもんね」
ずいと雄二に差し出される、ニーソックスに包まれた俺の健康的な脚。
それに引き寄せられるかのように雄二はひざまずき、足の指をしゃぶり始めた。
一本一本味を確かめるように口に含み、舌で転がし、吸い付く。
指だけじゃない。足の裏にも舌を這わせ、土踏まずやかかとも丹念に嘗め回していく。
ニーソの生地越しに伝わる、雄二の舌の動き。
ふくらはぎを、すねを、ふとももを舌で愛撫し、そしてまたつま先へと戻っていく。
「今日、体育があったから、汗で蒸れ蒸れでしょ」
「ひゃい・・・・・・しょっぱくておいしいですぅ」
ぞくぞくするほどの征服感。そして背徳感。
雄二のほうも、舐めるたびにビクンビクンと股間を切なそうに震わせている。
舐めるだけで興奮するなんて、なんて変態なんだ。
舐めさせるだけでドキドキする俺も変態だけど。
【その8】
「もういい。舐めるのやめ」
あまりにも一心不乱に脚を舐める雄二にも飽きてきたので、おあずけさせてみる。
ちょっと名残惜しそうに脚から顔を離したが、まだ舐めたかったのか不満そうな瞳で見つめてくる。
なんという目で俺を見るのか。雄二のくせに。
「そんなに脚が好きなのか?」
つま先で雄二の股間をつついてみると、はふんと抜けたような声であえぎだす。
これは面白い。
嫌がる雄二を無視して、つま先ででつついたり足の裏ではさんだりして、
雄二のペニスをもてあそぶ。
ぎこちない脚の動きは予想外の刺激を与えるようで、
指を動かすたびに聞いたこともないような声で快感を表現する雄二。
どのぐらいいじっていたかわからない。
不意に雄二がビクンビクンと背筋をそらせて絶頂に達した。
ドクドクとザーメンが溢れ出すのが、下着越しでもわかるほどの量。
ほとばしるザーメンは下着をあっという間に汚し、
俺のニーソックスもねっとりとした粘液で覆われてしまった。
「汚れた。舐めて」
雄二のよだれと精液でぐちょぐちょになった脚を、彼の鼻先へずいと突き出す。
なにもためらわず、美味しそうに舐めだす雄二。
その浅ましい姿を見ていると、脳がしびれ、背筋に電気のような快感が疾る。
ああ、俺も変態だ。
今日はここまで
>>246 女装レズおいしいです(`・ω・´)
女装レズに興奮するとか変態だな
…もちろん俺も変態です
GJでした
255 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:26:09 ID:Hg2LaGy6
文才皆無のウンコ垂れですが、駄文投下させていただきます。
長ったらしく書いた癖に完全女装まで至りませんでしたが…
256 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:27:04 ID:Hg2LaGy6
「起立っ」
「気をつけっ、礼!」
「サヨナラ〜」
「さようなら〜」
今日も何事もなく学校が終わった。
帰宅部の僕はダベる奴ら、部活に行くやつらを尻目にすぐ下校。
トイレの掃除当番だった気もするけれど、サボった所で何も言われることはない。
現在高校二年の六月になるけど、一緒に帰る友達はいないし、
それどころか学校でまともに会話する友達すらいない。
クラス内ではまさに空気的存在だ。
たまに話しかけられることがあっても、相手の態度はどこかよそよそしい。
僕の発する”一人にしてくれオーラ”の賜物だろうか。
学校自体が個人主義の徹底したガリ勉男子高校なことも、
僕をこういう存在でいさせてくれる助けになっている。
居心地は、悪くない。
学校から家までは徒歩で15分。
いつものように僕は真っすぐ帰宅する。
(ガチャッ)
「ただいまぁ…」
誰もいないけれど一応いつも言っている。習慣のようなものだ。
手洗いとうがいをして二階の部屋へ。
そういえば朝に母親が3時頃に家庭教師が来ると言っていたな…。
高校二年になると、勉強も難しくなる。
良い成績を保つ為には、家庭教師呼ぶのもしょうがない。納得はしている。
塾や予備校のような場所に行く気はさらさらないし。
予定の時間まであと15分くらいか。さて、部屋を片付けないと。
それにしてもどういう人が来るんだろうか…
最近母親以外とまともに会話してないから少し不安だな。
257 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:30:20 ID:Hg2LaGy6
(ピンポーン)
え、もう来たの?早すぎだよ…。
(ダッダッダッ)
階段を降りて玄関へ向かう。
(ガチャッ)
驚いた。なんと家庭教師は女性。
しかも若い…二十歳くらいに見える。
「あ、どうもこんにちは!今日から家庭教師させて頂く伊東です」
「ど、どうぞ…お入り下さい…」
「お邪魔しまーす。 綺麗なお家だね」
「ありがとございます…」
僕は二階の部屋まで伊東先生を案内した。
(ガチャ)
「ちょっとあまり片付いてないですけど…」
「全然いいよ〜。私の部屋だっていつも片付いてないしさ」
「それならいいんですけど。てか時間まであと15分以上ありますよ?」
「うん、わざと早く来たの。早目に来ていろいろお話したいなぁ〜って思ってね」
結構馴れ馴れしい人だなぁ。
でも、凄い美人だ…。
身長も僕より高そうだし。(僕は身長163a)スーツの着こなしがとてもお洒落。
「じゃあ自己紹介から。私は伊東麻莉、あかつき大学の三年生。
これから一週間に二回かな?お邪魔させてもらうね!」
「ぼ、僕は杏野香(あんのかおり)です。
白鳥高校の二年生です。よろしくお願いします」
「香クンか…なんだか女の子みたいな名前ね〜」
うぅ…嫌なところを突いてくる。昔よく人にからかわれたな…。
「…たまに言われます」
「高校の友達からはなんて呼ばれてるの?」
「いや…特に…杏野とか…」
「ふ〜ん…。私は香クンって呼ぶけどいいかな?」
「ええ。大丈夫です」
「香クンって顔可愛いね。モテるでしょう?」
「いえ、男子校だし。モテないですよ」
「うぅん、男の子に」
一体、何を言い出すんだこの人は。
「え?いや、無いですよそんなの、気持ち悪い。
それにあまりクラスメートとも仲良くないし…」
「ゴメンゴメン、冗談冗談…。でも、友達は大切にしたほうがいいと思うよ〜?」
「あんまり…そういうの得意じゃないし」
「香クン可愛い顔してるから相手にフレンドリーに接すればさ、
みんな香クンのこと好きになってくれると思うよ」
もう! 変なことばっか言う人だなぁ。
「伊東先生。そろそろ時間ですし、始めませんか?」
「あれ、もうこんな時間なんだ。じゃあ始めましょっか。
えぇと、このテキストの15ページの〜〜〜」
この後約二時間みっちり伊東先生の教えを受けた。
先生の指導はとても丁寧でわかりやすく、今までにないくらい勉強がはかどった。
家庭教師って…結構いいかも。
258 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:32:12 ID:Hg2LaGy6
「あ、もう五時になるね。今日はこの辺までにしておこうか」
「はい。お疲れ様です。」
「それにしても香クンってスジがいいね〜。教えがいあるよ」
「ありがとうございます。僕も今日は勉強が楽しかったです。」
「いえいえ、こちらこそアリガト〜。それじゃあ次に来るのは明後日の金曜日だね」
「そうですね。これからもよろしくお願いします(ペコリ)」
「うふふ、礼儀正しいしホントに可愛いね香クンは♪」
「……」
家の前まで伊東先生を見送ると、先生は大きく手を振りながら帰って行った。
「香クンまたね〜〜!」
「は、はい。さようならぁ」
この日から、僕は伊東先生が来る日を待ち侘びるようになった。
なんの感動もない乾いた学校での毎日に比べて、先生と共に過ごす
二時間はとても刺激的だった。
女の人に馴れていなかった僕は、たった一日教えを受けただけなのに
美人で優しい伊東先生に惹かれてしまっていた。
--七月--
六月も終わって夏に突入。僕は今日も学校から帰って伊東先生と勉強だ。
「ここの問題間違ってるよ、ホラ」
「あ、すみません…」
「ここも違う」
「ごめんなさい…」
どうも今日は調子が悪くて、勉強が頭に入ってこない…。
たまにこういう日もある。
「う〜ん。今日は香クン、気が乗らないみたいね」
「すみません…」
「いいのいいの、そういう日もあるわよ。
じゃあまだ少し時間余ってるけど気分転換でもしよっか?」
え、何を言い出すんだ一体。
いつも勉強には厳しい伊藤先生にも珍しいことがあるものだ。
「実は私、今日香クンにお洋服をプレゼントしようと思ってさ。
家からお洋服を沢山持ってきてたのよ」
「え、服ですか??でも…」
「いいのいいの。香クンってあんまり服に気を使ってなさそうだから、
ずっと勿体ないなぁ〜って思ってたの」
だから今日やたら先生の荷物が多かったのか…
「え、えぇ…まぁファッションに興味はあまりないです。
でも友達少ないから休日に外を出歩くこともないし、必要ないですよ。
お母さんが買ってくる服で十分間に合ってますし…」
「ダメダメ。大学入ったら制服なんてないんだよ?
それに香クンってお洒落したらもっとよくなると思う。
大人になったら外見はすごく大事なの。今のうちにお洒落に慣れとかなきゃ」
「わ、わかりましたよ。でも先生は僕が着れるような服を持ってるんですか?」
「男の子でも着れそうな服を持ってきたから大丈夫♪」
「それって、女物ってことですよね…?」
「最近は男の子がレディース着るの流行ってるのよ?所謂ユニセックスってヤツね」
「そ、そうなんですか…」
あんまりファッションの流行りとかはわからない…。
まぁ、先生が言うならそうなんだろうか?
「香クンは変に男の子っぽい服より少し可愛い感じが合うと思う!私が保証する」
中学時代、髪が長かった時期だけ女子に”可愛い”と言われていた記憶が蘇る。
「ならお任せしますけど、変なヤツは嫌ですよ」
「まっかせなさい♪ じゃあちょっと待っててね」
先生が紙袋の中から洋服を取り出し始める。
259 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:36:24 ID:Hg2LaGy6
「ジャーン!!どうかな?」
そこに現れたのは確かにユニセックス(?)な感じの洋服たちだった。
でもどちらかというと、女の子っぽい服が多いような気がするけど…。
今ってこういうのが流行ってるのかな…。
確かにテレビとかでこういう服を着た男の子を見たような気も…する…。
「結構多いでしょ?一週間着回せるくらい持って来たからね。
私の家って三姉妹だからさ、着なくなった服が多くて困ってたの〜」
「こんなに頂けるなんて…ありがとうございます。でも僕に似合いますかね?」
「早速着てみなよ〜。じゃあコレと、…コレを着て♪」
差し出されたのは結構ピッチリした白いTシャツ(胸元にで文字が書いてある)
と、デニム生地のハーフパンツ。今の季節にはちょうど良さそう。
「わ、わかりました。じゃあちょっと先生、部屋の外に出て…」
「え〜、大丈夫よ。いつも私のお父さんで見馴れてるし」
そういう問題じゃ…。
まぁいいや、めんどくさい。
(ヌギヌギ)
僕は学生服を脱いでブリーフ一枚という姿になった。
「へー、香クンってブリーフ派なんだぁ。可愛〜い。
わぁっ、毛も全然生えてないんだね〜」
もう、うるさいなぁ。
さらに先生は言う
「体凄く細〜い!羨ましいなぁ。体重何`なの〜?」
「43`ですけど…」
「スレンダーねぇ〜。女の子が嫉妬するレベルだよ?」
「…先生、そろそろ着てみても良いですか?」
「あ、ゴメンね。どーぉぞっ」
(シュルシュルシュッ)
このTシャツいつも着てるTシャツより首元が広めだな…。
生地もなんかツヤツヤしてるし、柔らかくて着心地がいいや。
うわ!このデニム生地のハーフパンツ穿いてみると短いなぁ…。
太腿が半分近く出ちゃったよ。
小学生の時に穿いてた短パンみたいだ…変じゃないのかなぁ?
「せ、先生…どうですか?」
先生が嘗め回すように僕の体を見回している。
「…イイ!。凄くイイ! 超似合ってるよ香クン。可愛い!」
「そうですか? ちょっと鏡出しますね…」
部屋のタンスを開けて姿見の鏡を部屋にだし、自らの姿を映してみた。
「うわぁぁ……」
とても自分とは思えないような格好をしている人物がそこにはいた。
いつも着ている母親の買ってくる服と違って、何と言うか…可愛い!
これが流行のユニセックスファッションって奴なのか。
確かに小柄で華奢な自分に合ってる気はするけど……。
ちょっと女の子寄りな気がする…?
「ほらほら、自分に見とれてないで次の服も着てみてよ。
こっちの服は私すっごくお気に入りだったんだぁ〜」
「あっ!でも先生、時間が…」
ふと時計に目をやると、既に5時半を過ぎていた。
「いけない、6時から予定があるんだった!香クンごめん。
他の服はあとで自分で着てみてね? 似合うと思うからさ」
「え、ハイ。いろいろとありがとうございました」
「うぅん、いいの。香クンは可愛いから特別だよ(笑)
じゃあまた来週ね。香クンバイバ〜イ」
「はい、さようならぁ…」
いつもの様に家の外まで出て先生を見送ったが、ふと自分の格好が
何故かたまらなく気恥ずかしくなり、すぐ家に戻った。
260 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:46:17 ID:Hg2LaGy6
「……」
部屋に戻ってしばらく鏡の中の自分とにらめっこ。
「さすが先生…僕の似合う服がわかってるんだ」
「僕にはこういう服が合うんだなぁ…」
「他の服も着てみようかな…」
先生に頂いた服を見回してみる。
トップスは5着。
・薄い黄色のポロシャツ
・赤と紺を基調とした半袖のチェックシャツ
・淡いピンクのノースリーブシャツ(一番女の子っぽいデザインかも)
・水色のキャラクター絵柄つきのTシャツ
・今着ている白のぴっちりしたTシャツ
ズボンは3本。
・濃紺の細いジーンズ(所謂スキニーってコレかなぁ)
・白のハーフパンツ(今穿いてるのより長め)
・今穿いているデニムのハーフ(短?)パンツ
なんと靴も2足入っていた。
・ベージュ色のコンバースのハイカット
・サンダル
こんなにもらってしまっていいのだろうか。
靴まで……サイズが合っててよかった…(僕の足は24a)
僕はすっかりこの服たちを気に入ってしまった。
そして時計をみるともう6時半。
そろそろお母さんが帰ってくる。
このもらった洋服のことなんて説明しようか…。
(ガチャ!)
「ただいまぁ」
僕は階段を降りてお母さんの元へ向かう。
「お帰り、母さん」
「あら香、見たことない服を着てるのね。随分可愛い服じゃない」
「家庭教師の伊東先生がいらなくなった兄弟の服を譲ってくれたんだ」
僕はここで嘘をついた。
なんとなくこの洋服を先生本人やその姉妹から貰ったと言うのは
どこか恥ずかしく思えたからだ。
「女の子っぽいデザインね。私の好みじゃないわぁ」
「今はこういうのユニセックスなのが流行ってるんだって!
母さんは古い人間だから分からないんだよ〜」
「ユニシックス?ふ〜ん、そういうもんなのかねぇ…。
私はなかなか会う機会が無いけど、ちゃんとお礼を言っておきなさいよ」
「うん。わかってるよ」
その日の晩、母と夕食を食べて課題を終わらせた僕は部屋で貰った洋服をひとり眺めていた。
「いっぱい洋服を貰っちゃったなぁ…」
「今日の僕、いつもと違う人に見えちゃった」
「この服を着て外出してみたいな…。」
「知ってる人がお洒落になった僕を見たら、ビックリするだろうな…」
もう、今まで着ていたダサい服を纏う気にはならなかった。
261 :
超初心者:2008/11/09(日) 02:47:31 ID:Hg2LaGy6
とりあえずここまでです。
なにか感想をいただけたら幸いです。
あれ、袋の中にまだ有る・・。
んん、なんだこれ? ス、スカート!?
それに、お、女物の下着まで有るじゃないか!?。
それは僕が知る由も無い
スカーフスカートと言う何年か前に
若い女の子の間で流行ったタイプの
物だった。
・・てな続きを妄想。
GJ!
どんどん自分の思うがままに書くのがいいんだよ!
>>261 GJ
続きはあるのかな?無ければ無理して書かなくてもいいけど
良ければ、もっと貴方の妄想が読みたいです
265 :
超初心者:2008/11/09(日) 16:21:34 ID:Hg2LaGy6
266 :
超初心者:2008/11/09(日) 16:39:01 ID:Hg2LaGy6
翌日の土曜日、僕は早速伊東先生に貰った洋服を着て街へ出る計画を立てた。
まだ少し恥ずかしい気もするけれど、恥ずかしさ以上にの、
"この服を着て外出したい"という好奇心が勝ったと言える。
今までの僕は休日は家でのんびりするばかりで、あまり外に出ることはなかった。
そんな僕が自分から外出するだなんて…これも洋服の魔力なのかなぁ。
お洒落な洋服を着ていると、自分に自信が生まれてくるから不思議…
「よし、この格好で行こうかな」
上はノースリーブのピンクのTシャツの上に半袖チェックシャツを羽織り、
下はデニムの短パン、靴はコンバースのハイカットをチョイス。
そして玄関の鏡で自分の姿を最終確認。
「う〜ん…?」
チェックシャツは細身なんだけど意外に丈が長い作りになっていて、
裾もヒラヒラして広がっているため短パンが完全に隠れてしまう。
「これじゃあ下に何も穿いてないみたいだ…」
慌てて二階の部屋に戻って、スキニージーンズに穿き代える。
これなら大丈夫そう。
…けどファッションって難しいな。
今度伊東先生にいろいろ教えてもらお…
「じゃあ母さん、行ってくる」
「いってらっしゃい。気をつけるのよ〜」
(ガチャ!)
僕は母に夕方までには帰ると告げ、午後1時に家をでた。
フワフワした気分で家の前の道を歩く。
いつもの外出とはちょっと違う、どこか華やいだ気分。
擦れ違う人の目線もどこか嬉しい。
今までは自分の外見に自信など無かったし、興味もなかった。
それを伊東先生が180°変えてくれた。我ながらちょっと可笑しい気もする。
因みに今日の予定
1最寄り駅の早川駅へ
2電車に乗ってちょっと都会の橘駅へ
3橘駅の周りで買い物
4帰宅
こんな感じかな。
誰にも知り合いに会うことはなく(元々知り合いは少ないけれど)早川駅に到着。
相変わらず何もない駅だ。駅前商店街も老人向けのお店ばかり…
この辺りに住む中高生たちはみんな橘駅に買い物や遊びに行く。
この駅前の落ち着いた雰囲気は嫌いじゃないんだけどね。
267 :
超初心者:2008/11/09(日) 16:39:59 ID:Hg2LaGy6
200円の切符を買って改札を通る。
階段を昇ってホームに着くと、既に橘駅方面行きの電車が停まっていた。
(プルルルルー)
あっマズい、これを逃したら15分も待つことになる。
「急げー!」
僕は猛ダッシュして電車に飛び乗る。
「ふー、危なかった…」
ギリギリ乗車に成功。車内の人達が飛び乗り乗車をした僕をジロジロ見ている。
あぁぁ…なんか恥ずかしいなぁ…。
僕があまりの恥ずかしさに俯いていると、ある声が聞こえた。
「アレ?あのコ誰かに似てない?」
「え〜、わかんない。あんな可愛いコ知り合いにいたっけ?」
「えぇと…ウーン。思い出せないなぁ」
うわぁぁ…。
よく聞き取れないけど、近くにいる女の子二人組が僕を見て何か喋ってる…。
嫌だなぁ…飛び乗り乗車なんてするものじゃないや…。
「絶対見たことあるんだけどなぁ」
「うーん、言われてみれば…」
まだ何か言ってるよぉ……早く橘駅着いてぇぇぇ。あれ?
僕は彼女たちの正体に気付いてしまった。
彼女たち、中学二年の時に僕のことを可愛い、可愛いと言っていたコ達だ……
一方的にそう言われていただけなので、まともに会話した経験などは全くナイ。
(彼女達はクラスでも目立つグループに属しており、そもそも住む世界が違った)
うぅ…気付かれるとめんどくさそう…。早く着いてよぉぉ!
結局彼女達は橘駅で下車する僕を思い出すことなく、
そのまま電車で過ぎ去っていった。
ふぅ、よかった。それにしても彼女達はどこまで行くんだろう…
結構遠いけど、橘駅よりさらに栄えてる猪狩駅かなぁ?
まぁ…いいか。
「よし、まずは駅前の書店に行ってみるかな」
改札を出た僕は、橘駅西口の大型書店に向かう。
それにしても橘駅周辺は人が多いなぁ。
知ってる人にいつ会ってもおかしくないよ…
お洒落になってるから、さっきみたいに僕だと気付かれないかも知れないケドね!
「こちらよければどうぞ〜」
ん?なんだこれ…書店に向かう途中、チラシを渡された。
見てみると、こう書いてある。
”若い女の子に大人気!ショップ”Vellsy”がついに橘駅東口にオープン!”
なんで僕にこんなチラシを…お母さんや姉妹に渡せってこと?
生憎ウチの母さんはオバサンだし、姉妹もいませんよーだ!
残念でした〜〜。
そんなこんなで第一の目的地、書店に到着。
欲しいのはファッション雑誌。今まで興味を持たなかったジャンルだけど、
今の僕はこれがどうしても読みたい。
「えーとファッションコーナー、ファッションコーナーはと…
ここかな?…どれどれ…」
とりあえず一冊手に取って読んでみた。
タイトルはmen's ナックル?
(パラパラ…)
うわ…なんだこりゃ…
ガイア?黒騎士?ストリート?ついていけないよ…次。
タイトルはmen's egg
さっきのと違いがわからない…。顔黒すぎだし、同じ人間に思えないよ…次。
タイトルはMEN'S NON-NO
ん…これはイイ感じかも…うん、ちょっと気に入った。でも…。
268 :
超初心者:2008/11/09(日) 16:41:21 ID:Hg2LaGy6
その後もいろいろと読んでみたけど、ピンとくるものは少なかった。
残念ながら購入には至らず。
「そういえば、今僕が着てる服って一応レディースなんだよね…
先生は男の子がレディース着るの流行ってるって言ってたし、
女の子のファッション雑誌も読んでみようかなぁ」
探すと、女性ファッション誌コーナーはすぐ横にあった。
早速non-noという雑誌を手に取り、読んでみる。
「うわあ、可愛い…」
そこに載っていたのはとっても可愛い女の子モデルの写真。
「お洒落だなぁ、着てみたいなぁ」
いかにも”女の子”って服も多いけれど、
僕が着ていてもおかしくない様な服も一杯あった。
さらに多くの女性ファッション誌を読みあさってみた。
どう考えても、女性ファッション誌のほうが
自分の”着たい”と思える服が多い気がする。
「う〜ん…これもユニセックスなんだろうか…」
「明らかに僕の着たい洋服って女の子寄りだよなぁ…」
「変じゃないですか?って伊東先生に聞いてみよう」
何も買わずに書店を出たケド、。いろいろ勉強にはなった。
次は橘駅に戻って駅ビルへ向かう。
5階建ての決して大きくない駅ビルだが、
いろんなお店が入っているので若者に人気がある。
(ブルッ)
「あぁっ」
ビルに入った所で、尿意を催してしまった。
トイレは確か1階の奥にあったかな?うートイレ、トイレ。
僕は小走りで男子トイレへと入る。すると…
「わあっ!」
なんと、入ってすぐの所で30代くらいの男性が僕を見て大きな声をあげた。
「わぁっ、なんですかぁ。びっくりした…」
「え、あ、す、すみませーん」
何故か謝りながら走っていってしまった。
なんなんだろ。失礼なヒトだ…
その後、トイレの中でもいろんな人にジロジロと見られた。
小学生の男の子なんて、僕を見て持っていた携帯ゲーム機を地面に落としてるし…
壊したらママに怒られるよ?
何か自分の顔に付いてるのかと思ってトイレの鏡で顔を見たけど、
いつもの僕と全く変わらない顔。
おかしな話もあるもんだ……。
トイレから出てエレベーターで4階のファッションフロアへ向かう。
4階はメンズ中心のフロアで、高校の連中は大体ここで服を購入しているらしい…。
あまり会いたくないから注意して行動しよう。
「うぅ〜ん…」
何軒か回ってみたが、めぼしい服はない。
つまらないというか、着ても楽しくなさそうな洋服ばかり。
なんでメンズ服ってこんなのばかりなんだろう……
「先生に貰った洋服のほうがずっといいや…」
「そうだ、ちょっと恥ずかしいけど、3階を見てみようかな……」
3階はガールズフロア。ティーンの女の子をターゲットにしたフロアである。
僕は階段を降りて、ガールズフロアに初めて足を踏み入れた。
269 :
超初心者:2008/11/09(日) 16:43:10 ID:Hg2LaGy6
「うわぁ……ぁぁ…」
まさに別世界だった。
どのお店も、色とりどりの可愛い洋服ばかり。
少女たちは目を輝かせながら洋服を選び、カゴに洋服を詰め込んでいる。
「いらっっしゃいませぇぇ〜♪」
「キャー、これ超可愛い〜♪」
フロアはティーンの少女たちで溢れ、店員たちの活気も
上のメンズフロアとは比較にならない…スゴイ!
「可愛い洋服だなぁ…でも、ちょっと僕には可愛すぎるよ」
「こんなの着たら、僕、変態になっちゃう…」
「あ〜ぁぁ…でも…いいなこの服…ぁぁ…」
”男の子なのにガールズフロアにいる”という羞恥心と、
”可愛くてお洒落な洋服が着てみたい”という好奇心が、
僕の中で激しくせめぎあっていた。
「…とりあえず、僕が着てもおかしくない洋服を探そう…」
「駄目だよね、さすがに…いないよ。こんな場所で服を買う男の子なんて…」
「…伊東先生に……聞いてみよう…」
「いらっしゃいませお客様! こちらのピンクのワンピースが今大人気なんですよ〜♪」
(!!!)
「えっ、あ、大丈夫です。すみませんでしたぁ!」
あまりのことに驚いた僕は、走ってその場を後にした。
「ハァ、ハァ、あの店員さん、絶対に、何故ここに男がいるんだと思って、
ハァ、ハァ、声を掛けて来たんだ…絶対そうだ。ハァ、ハァ、
そりゃそうだよ、男があんな所にいちゃあ…ハァ…」
何やってやってるんだよ…僕…。
その時、たったの2日間でここまで変わってしまった自分が、初めて怖く思えた。
僕は2階へ降り、カフェに入った。
「ふぅ、おかしいよ僕。あんな所で服を買おうとするなんてさ」
「先生にも笑われるっつーの!」
ミルクティーを飲んで少し落ち着きを取り戻した僕。
もう大丈夫だ。さっきはどうかしてた。
「さぁ、今日はもう帰ろう…」
席を立ち、カフェを出て歩き出したその時だった。
「ねぇ、そこの君」
「はい?」
何と、僕は男に声を掛けられてしまった。
「もしよかったらさ、一緒にカラオケでも行こうよ」
「え……だってぃぇ…」
うまく声が出ない。
まさか、僕、女の子だと思われてるの?
「どうなの〜?少しの時間でいいからさ〜」
みた感じ、高校生の男だ。
もしかしたら同い年かも。
「ねぇ、何とか言ってよ〜。すましてないでさぁ〜」
…今日、僕に起きたことの意味が全て理解できた。
何故あの女子達が自分に気付かなかったのか。
何故若い女の子向けのお店のチラシを渡されたのか。
何故男子トイレで奇異の目で見られたのか。
何故ガールズフロアのお店の店員に声を掛けられたのか。
「…さい…」
「え?なにぃ?」
「うるさい!!僕は男の子だ」
「うそ…だろ…」
僕は橘駅の改札まで一目散に駆け出した。
切符を買い、電車に駆け乗り、早川駅に着くと、家まで走って帰った。
その日はもう、何もすることが出来なかった。
「先生…どういうこと?」
「僕を玩具にして遊んだだけ?」
「早く…会いたいよ…先生ぇ…」
帰りの電車内。
外の景色を眺めていると、どうやら雨が降って来ているようだ。
電車は早川駅に到着したが、雨の勢いはさっきより増している。
「参ったなぁ…。傘なんて用意してないよ。
どうしよう。先生がくれた洋服は濡らしたくないんだけどな…」
駅の出口の下で、しばらく途方に暮れていたその時だった。
(ポンポン)
誰かに僕は肩を叩かれた。振り返って視線を向けると…
男性! てか大学生くらいかな…?
「君、傘がないと大変だろ? コレやるからさ、良かったら使いなよ」
う〜ん…どこかで見たことがあるような…
「いや、あの…」
「いいから」
「でもぉ…」
(ギュツ)
「ハイ、しっかり持って」
無理矢理傘を握らされちゃった。
「え、あ、じゃあ、ありがとごござます」
まさかの事態に、思わず噛んで…
「プッ(笑)」
相手を笑わせてしまった…。恥ずかし過ぎる……。
「女の子なら天気予報くらい見とくもんだぜ?じゃあな」
「へ…女の…」
彼は、雨の中を僕の家とは反対方面に走って行った。
「………」
(ザーザーザーザー)
(ガチャ)
「ただいまぁ〜」
「おかえり香。あなた傘もって行かなかったでしょ…ってあれ? その傘は?」
「いや、あの。友達に偶然会ってね、借りたんだ」
僕はまた嘘をついた。
知らない男性に借りたなんて、母親に言うにはカッコ悪いから…
「あらそうなの。お礼は絶対言っておきなさいよ」
「うん、わかってる」
お礼ねぇ。したくても出来ない事情が…ってアレ、この傘名前が書いてある。
名前は…”春日隆治” ってこの人、ウチの高校の生徒会長じゃん!。
「どうしたの香、顔が赤いわよ?」
「えっ!ウソぉ」
「…」
…あぁぁ…どーしよう…。
272 :
超初心者:2008/11/09(日) 17:04:40 ID:Hg2LaGy6
いっそのこと、両方書いてみるってのはどうだい?
>>271で
270も良いけど、この後家庭教師とちゅっちゅして終わりそう
取り敢えず次回からそのコテやめてね
>女の子なら天気予報くらい見とくもんだぜ?
いったいどういう性差別思考なんだw
子安声で再生されたよ隆治
>>271よろ
女の子は濡れると男より大変だからなw
>>272に一票。
男と女、両方キボンヌ
もちろん両ルートで。
ただ焦って無理に詰め込もうとせずに、
別の日の話とかにしてジックリ書いてもらえれば良し。
283 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 14:25:23 ID:eowdS+3j
ホモに走るのだけはやめてくれ
お前はいったい、何を言っているんだ
wktk
俺も
>>272にはホモ展開にならないように期待したい
女装×男とか勘弁
イヤ待て、
『女装娘としての自分』つまり女装の快感に目覚める前にウホッに走るのは見たくない。
という意味でなら
>>283も解らなくも無い。
ただ女装娘はオトコナノコだから基本的にホモは成立しないんじゃね?
女装レズなら良くあるパターンだが。
女装と女でセックルしてもつまらんなー
なよなよって感じでさ
でも、女装と男だと先っちょにウンチくっ付いちゃうよ
こう色々嗜好の持ち主がいるんだからさ、
書き手が好きにするしかないと思うよホント
20の人みたいに読みにくくてもマイウェイなのは勘弁だけど
いまから投下
【その9】
ぴちゃり、ぴちゃりと子犬のように脚を舐め続ける雄二。
一心不乱になめる姿は、かわいく、間抜けで、それでいて愛おしい。
脚を舐めさせるだけで、彼のすべてを征服したような、たまらない感覚。
屈辱を味あわせているというよりも、
彼のすべてを支配している優越感が胸にあふれて、
興奮度はどんどん高まってくる。
つま先でくいっと雄二の顎を軽く持ち上げると、とろんと恍惚に浸っている瞳で俺を見返してくる。
しかしその目の奥には、舐めているだけでは満足できないどす黒い欲望が渦巻いていた。
なんてかわいい奴。
「もういい」
机からぴょんと飛び降り、雄二と同じ目線に座り込む。
お互いの吐息が感じられるほど近い距離。
俺の目と雄二の瞳が交わり、そして雄二がふっと目を閉じる。
重なり合う2人の唇。甘い甘いキス。
リップクリームなどで手入れをしていない、ちょっと荒れた唇はそれでも柔らかく暖かい。
どちらからかわからず、舌を絡め、唾液を交換し、お互いを求め合う。
夕陽を浴びて教室に伸びた1つの影は、やがてゆっくりと2つへ別れ、
名残を惜しむかのように、2人の間にビーズを通した糸のような唾液がキラキラと輝いていた。
【その10】
キスをしただけなのに、お互い肩で息をするほど熱く、興奮する交わり。
俺のモノも痛いほど勃起し、かすかにスカートを持ち上げている。
それに気づいた雄二が、また机に腰掛けるよう促してきた。
雄二に言われるがまま机に座り、スカートの裾を咥えて下半身を露にする。
俺自身が選んだ勝負下着は内側から盛り上がり、
分身は早く戒めから解き放たれようと叫んでいる。
その悲鳴を聞き届けたのか、雄二は清楚な白いショーツに手をかけ、ずりおろした。
ピンと天を突き、激しい自己主張をする俺のペニス。
その先からはタラリと透明な液体が零れ、切なそうにかすかに震えていた。
雄二はそっとペニスに手を当て、愛おしそうに指で撫であげる。
「っ!」
繊細で、それでいて男らしい彼の指の感触が、たまらない快感を紡ぎだす。
声を上げようにも、口に咥えたスカートがそれを許さない。
しばらく撫でてもてあそんでいた雄二は、にんまりと猫のように笑うと、
一気に俺のものを咥えるのだった。
【その11】
ねっとりとまとわりつく暖かい舌の刺激や、ぺたりと吸いつくような頬の内側の粘膜の感触。
竿を口に含むだけでなく、舐めたり、唇で締めつけたり。
さらにはタマも口に含み、コロコロと転がされたり。
口だけしか使っていないのに、一瞬たりとも同じ刺激がない愛撫の連続。
時折上目遣いで俺の顔を見て反応をうかがいながら、
さらに絶妙なポイントを細かくついてくる。
その間抜けで綺麗な雄二のフェラ顔に、俺はさらに興奮し、
容赦ない刺激でどんどんと高みへと導かれていく。
「!」
俺の中で白いなにかが弾けた。
その瞬間を予測し切れなかったのか、
雄二はその迸りを顔全体で受け止め、紅潮した顔を白くデコレーションした。
そしてまだドクンドクンと脈動を続けるペニスにそっと唇を添えると、
溢れ出したザーメンをその口ですべて受け止めた。
【その12】
尿道に残る最後の一滴まで搾り取ると、
そのまま雄二は俺に見せつけるかのように口を開き、
そして数回噛んだ後ごくりと飲み干した。
そのときの雄二の表情といったら、
まるで人気店のケーキを食べて微笑んでいる少女のようだった。
「やっぱ明のはおいしいね。
でも、やっぱり・・・・・・お口でよりも・・・・・・ね?」
唇の端からたれる精液を舐めとりながら、満足そうに微笑む雄二。
その笑いは獲物を狙う獣のように、蝶を誘う薔薇のように、
ゾクリと震えがくるような恐ろしくも美しいものだった。
教卓に手をつき俺に尻を突き出すと、肩越しに愛をねだってくる。
黒いレースのショーツに包まれた、ちょっと肉付きは悪いが形のいいヒップが、
ゆらりゆらりと俺を誘惑する。
ガマンなんてできるはずがない。
導かれるまま、誘われるまま、俺は雄二のショーツを一気に引きおろし、
彼の肉欲の壷へ自分自身を突きたてた。
今日はここまで
GJ!
続きに期待
>>291 それは言っちゃだめだ。
粘着がここまで来たらどうするw
あれ?もしかして、それ別のスレの話?
あの忘れられない外出の日から2日経った月曜日の朝
登校中の僕は、歩きながら一人物思いに耽っていた。
あれから、寝ても覚めてもあのことばかり考えている…。
「春日先輩に傘のお礼を言いたい…」
だが、最大の問題がある。
「あの人、僕のことを女の子だと勘違いしちゃってるんだよなぁぁ…」
どうしたものだろうか。
先輩の住所など知らない僕が、先輩に会える場所といったら高校以外に
ない。
だけど高校で会うということは、僕が制服のブレザー姿で会うということ。
女の子だと思って傘を貸したというのに、
その女の子の正体が男だったなんてことを先輩が知ったら……
その時、先輩がどんな反応をするかは想像に難くない。
先輩の顔を潰すことになるし、恥をかかせることになる。
小心者の僕が正直に、
「あの日は傘ありがとうございました。でも実は僕、白鳥の男子生徒なんです」
なんて言えるわけがナイ。
勿論、このままお礼も言わず、傘も返さないという選択肢もある。
先輩だって、まさかあの時の女の子(男だけど)が
傘を返しに来るなんて思ってもいないだろうし。
だけど、僕は知ってしまったんだ。
勘違いだとはいえ、雨の中困っていた僕に優しく傘を貸してくれた先輩のことを。
知ったからにはこのままお礼を言わずに終わるなんて、僕にはできない。
「早いうちになんとかしないといけないなぁ…」
そんな事を考えていると、いつの間にか高校の前に到着していた。
正直言って、高校は嫌いじゃない。
でも友達がいないため、日々が単調で刺激に欠けるのも純然たる事実。
二日前に味わったような高揚感を求めるのは酷なのかな?
どうせ、今日も何もないフツーの一日になるんだろうな…
しかし、校門を通った僕の目に思わぬ光景が飛び込んできた。
「みなさんオハヨウゴザイマース」
「おはようございまーす」
せ、生徒会だ! そういえば今週から”元気にあいさつ週間”とやらで、
生徒会メンバーが校舎前に陣取り、登校する生徒一人一人にあいさつをするんだった。
中には当然先輩の姿も……確認。
180aはありそうな長身、スポーツマンらしい逞しい躯、
熱い正義感を感じさせる精悍な顔。
紛れも無く春日先輩、その人だ。
カッコイイ人だよなぁ…何から何まで僕とは正反対だよ…。
……と、そんなこと考えてる場合じゃない!
あの時と服装が違うとはいえ、このままでは気付かれてもおかしくない。
こんな場所で気付かれたらいろいろと最悪だ!
そうだ!
(ガサガサ)
「おはよーう」
「おはよーう」
「そこの俯いてる君もおはよう!」
「ぉ、おはよぅござぃます…」
「…はあぁぁぁぁ…」
あ、危なかったぁ…。
多分大丈夫だったハズ。
僕は校門から校舎下まで歩く間に、普段あまり使わない眼鏡を鞄から出して装着。
そして、いつも前に垂らすだけの前髪を気持ち左に流すことで、即興イメチェンに成功!
あぁぁあぁ、緊張したけど良かったー…。
僕は下駄箱でローファーを上履きに履き変えながら、作戦の成功を噛み締めた(笑)
いきなりのアクシデントがあった一日だったが、
その後は普段と何も変わらぬ時間が過ぎていき、下校時間が訪れた。
帰りの挨拶が終わると、僕は足早に教室を退出し、下駄箱へ向かった。
今週の僕は教室の掃除当番だったハズだけど、どうでもいいや…。
「ワーワーワー」
何やら校庭のほうから大きな声が聞こえた。
どうやら3年生の体育のサッカーみたい。6限に体育があるなんて大変そう…
(ちなみに月曜日の2年生は全クラス授業は5限まで)
何気なく体育の授業を眺めていると、ある男の存在が目についた。
「あのヒトって…」
そう、春日隆治先輩だった。
サッカーをしている30人近い3年生のなかで先輩の存在感は突出していた。
体格のよさ、サッカーの上手さ。そして周りからの人望の厚さ。
味方チーム全体に指示を出し、またチームメイトたちが先輩の下で
イキイキとプレイしているのが印象的だった。
さすが生徒会長に選ばれるだけある。
「カッコイイ…」
僕はしばらくのあいだ彼から目を離すことができなかった…。
15分ほど3年生のサッカーを観た後
僕はやっと学校を後にした。
家までの道を急ぐ。
最近、そういえば寄り道をする回数がめっきり減った。
家に着いた僕は手洗いも早々に2階の部屋へ直行。
部屋に入ると速攻で制服を脱ぎ捨て、
黄色のポロシャツとデニムのショートパンツに穿き変える。
このポロシャツは襟が丸っこいデザインになっていて、
とても可愛らしいので今の僕好みだ。
ボタンの位置がいつも着てる服と左右反対なのが面倒だけど…
着替えを終えるとベッドの上に寝転がる。
そうしていると、やはりどうしても先輩のことを考えてしまう。
春日先輩ってどう考えてもモテそうだなぁ…。
名門男子高の生徒会長を他校の女子たちが放っておくわけがないし…。
あ!そういえば今年初めごろに
「ウチの新しい生徒会長は橘女子高校の美人生徒会長と付き合っている」
という噂が校内で広まっていたのを思い出した。
まだそのヒトと付き合ってるんだろうか?
もう別れたのだろうか??
でもそんな女の子にモテそうな人が、僕のことを女の子だと勘違いしちゃうなんて……
僕はふと思い立って、部屋にある鏡で自分の顔を映してみた。
「…そんなに僕って女の子っぽい顔をしてるのかなぁ?」
今まで自分の顔を客観的に眺めたことなどなかったし、しようとも思わなかった。
そんな僕を変えたのは、家庭教師の伊東先生に他ならない。
(ジー)
じっと鏡に映る顔を覗き込んでみる。
まず目に映ったのは、母親譲りの二重でぱっちりとしたその目だ。
よく親戚や知り合いに「親子で目がそっくりだね」と言われる。
今まで意識しなかったけど、睫毛も他の男子生徒達よりも長いかも。
よく見ると睫毛が長すぎてクルっと上向きにカールしちゃってるし。
鼻と口は、死んだ父親譲りかなぁ?
昔に写真でみた若かりし頃の父さんは、
僕から見てもスッキリした顔立ちの美青年だった記憶がある…。
そういえば、僕って髭がまだ生えてきていないなー
高校生だから??
でも、高校で隣の席の阿畑は不精髭がすごかったな。
いつかそのうち僕にも生えてくるんだろうか?
正直、ちょっと嫌かも…。
最後に髪型。2ヶ月前、母さんに切ってもらってから伸びっぱなしだ。
1番長かった中学時代の長さを越えているかもしれない。
名門男子校の割に校則の緩いウチじゃなかったら、
無理矢理切らされているかもしれない長さだ。
自分の髪に触れてみると、サラサラしていてキモチいい。
シャンプーやリンスを扱う会社に勤める母さんに、小さい頃から口を酸っぱくして
”正しい髪の洗いかた”を教えられて実践してきた成果だろう。
「……」
やっぱり僕の顔はどちらかと言えば女の子風なのかもしれない。
今まで考えた事すらなかったな、そんなこと。
なんだか心がドキドキする。
自分の気持ちがよくわからない…。
先生に会えばこのモヤモヤは解決してくれるかな?
そして夜になった。
「母さん、おやすみ〜」
「おやすみ香。夜更かししちゃダメよ!」
僕は母親へのおやすみの挨拶を終えると、自分のベッドのなかにもぐりこんだ。
…ここ最近、ベッドのなかで考え込む回数が増えている。
「やっと明日…早く会いたいよ…先生…」
明日は火曜日。
伊東先生が家にくる日の週に2日の内の1日だ。
「…先生に相談したいことが…、沢山ある…んだ…」
「…むにゅむにゅ…ぉやすみ先生ぇ…」
多少の不安と、大きな期待を胸に僕は眠りについた……。
>>255の初心者です。
投下させていただきました。
色々なご意見ありがとうございました!!
夢の中で女装してチョメチョメ
んで、夢精。
いよいよ香クンは、先生にスカートとかカワイイ女の子の服を着せられちゃうのかな?
255さん、素晴らしいです! 早く続きを読みたいです。
春日といわれると、お笑いコンビのオードリーのボケが思い浮かんでしまう…
先生に勉強じゃなく、お化粧教えてもらって下さい
いやいや、えっちなお勉強でしょう
投下
【その13】
雄二のヒップに手をかけ、一心不乱に、それこそ犬のように腰を振り続けると、
激しいピストン運動にあわせ、俺のスカートがひらりひらりと翻る。
入れるほうがスカートを履き、入れられるほうがランジェリーで自らを彩る。
しかし、どちらも女性ではない。
その事実がより俺を興奮させ、雄二へとのめりこませる。
雄二も普段よりも甲高い声で嬌声をあげ、快楽をむさぼるように味わっている。
攻める俺。受け入れる雄二。
だけど、なぜかちっとも責めている気はしない。
むしろ雄二が俺を快楽責めにしているような、そんな錯覚すら覚えてくる。
「っ!」
絶妙な腸の動きに一気にクライマックスへと突入し、雄二の中へ放出する。
抜こうとしてもガッチリくわえ込んで離さない雄二のオスマンコは、
俺から一滴残らず精液を搾り出そうとキュンと鳴いている。
もう出ない。そう思った瞬間、戒めは緩んで、ぬぷりと音を立てて俺のモノは雄二の中から帰還した。
ごぽり。
雄二の中に注ぎ込んだ俺の欲望が、音を立てて溢れ出す。
「あ・・・・・・・出ちゃった」
そう呟いた雄二の顔が、なぜか本当の女に見えた。
【その14】
立て続けの射精に、俺のモノはすっかり萎えてしまっているが、
雄二のはまだ元気にそそり立っていた。
「・・・・・・できる?」
「ちょっと、無理」
雄二がねだるように上目遣いで俺の顔を覗き込んできたが、
さすがにその体力はなく、彼には悪いが断ってしまった。
若いとはいえ、全力の射精を連発すれば、勃つものもたたなくなるもんだ。
すると雄二は、また背筋が凍るような笑みを浮かべ、
俺の耳元にそっと近づくと、こう囁いた。
「じゃ、しゃぶってみる?」
つまり、雄二のを。
特に決めた覚えは無いが、いままで俺が責め、雄二が受けと決まっていた。
それは2人の関係が始まってから、ずっとずっと続いてきた暗黙の了解。
しかし、彼は逆転しようというのだ。
いま、ここで。
頭のどこかで引き返せ!と誰かが叫ぶ。そっちへ行ってはいけないと。
「僕のココ、明に咥えてほしくて、ほら♪」
ヒクヒクとガマン汁を垂れ流しながら、赤黒い雄二の肉棒はこれでもかと屹立していた。
確かに咥えてみたい。そう思えるほど、彼のペニスが魅力的に見える。
普段はいじくる対象でしかない、貧相なものが。今日に限って。
【その15】
「ね?」
懇願するような、小動物のような、あの瞳。
快楽で麻痺した俺の脳が、雄二の瞳の魔力に逆らえるはずもない。
薔薇に吸い寄せられる蝶のように、俺はすぅっと雄二のモノに口付けをしていた。
唇が触れた瞬間、ぴくんと跳ね上がる彼のペニス。
その反応が楽しくて、シャフトを口に含む。
雄二がしてくれたように、喉の奥までずいと飲み込むと、急に吐き気がして軽くえづいてしまった。
「ダメだよ明。ちゃんと奥まで飲み込まないと」
普段俺が言うセリフを、雄二が甘く囁く。
愛する人により気持ちよくなってもらおうと、一生懸命奥まで咥え、
唇や頬、舌を使ってしごきあげる。
たぶん、雄二からみればえさを食べる鯉のような、間抜けな俺のフェラ顔が見えるはず。
上目遣いで見上げると、征服感に酔いしれる雄二の顔が見える。
それはたぶん、いつも俺が彼に見せているはずの表情。
不意に雄二の肉棒がはじけ、苦い液体が口の中いっぱいに溢れ出す。
「こぼしちゃだめ!飲んでもダメだよ!」
言われるがまま、ドクンドクンと溢れ出る雄二のザーメンを口の中に溜める。
射精を終え、つるりと俺の口からペニスを抜くと、口の端から軽くザーメンが零れた。
「口の中、見せて」
精液でいっぱいになった俺の口の中を見て、にんまり笑う雄二。
「よーく噛んで、飲んで」
牛乳を飲むように雄二の赤ちゃんミルクを噛むと、何ともいえない嫌な味が舌の上に残る。
飲み込んでもなかなか喉を通らない、被虐と恥辱に満ちたテイストが、
俺の脳みそをさらにしびれさせ、興奮させていく。
気がつくと、俺はスカートの中で力なく射精していた。
今日はここまで
>>305 知らず知らずのうちに、どんどん女の子になっていくのがいい!
覚える段階ってのも萌えますね
>>315 乙です!!
いやぁ…エロいなぁ…
GJ!!(グレート・女装)
317 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 09:57:15 ID:So9N+PnU
ゲイ死ね
>>◆YSssFbSYIE
GGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>>317 NG設定して目に入れないようにしとけ
何のためトリップ付けてくれてると思ってるんだ
雄二がちゃんと女装したら許すw
「香、ワイシャツがズボンから少し出ているわよ」
「あっ、いけない」
慌ててシャツをズボンの中にしまう。
「今日も3時から伊東先生がいらっしゃるからよろしくね」
「うん、わかってる。母さんも仕事がんばってね」
「ありがとう香。それと今日帰りが遅くなるから、晩ご飯は1人で何とかしてね
」
「うん、大丈夫。それじゃいってきます」
「いってらっしゃい香」
母さんは仕事帰りに、大学時代の友人数人と会って食事をするらしい。
父親のいない杏野家を1人で切り盛りする母さん。
たまには、おもいっきり楽しんできてほしいな。
待ちに待った火曜日の朝。
僕は母さんよりひと足はやく家を出発した。
(てくてくてく…)
家から学校までの3分の1ほどの距離をあるいていた時、
突然ある思いが僕を襲った。
「別に今日くらい…学校サボってもいいかな…」
こういう発想に至った理由を聞かれてもうまい説明は難しい。
単なる気まぐれの一種に過ぎないからだ。
あえていうなら、
「せっかく先生に会えるとワクワクしているのに、
学校へ行って気持ちを萎えさせたくない。
今日の朝も春日先輩にバレずに検問(?)を突破できる保証はない」
…だから、学校を休みたい。
こんな理由でも、今の僕にとっては十分だった。
生まれて初めてのおサボり。
僕を学校に行かせるため、必死にがんばって働いている母さんのことを
考えると心苦しいケド、今の僕がこの衝動に抗う術はないんだ…。
現在時刻は8時15分過ぎ。
家の前まで引き返してきた僕は、ドアノブを回してみた。
(ガチッガチッ)
開かない。
どうやら母さんもあれからすぐに仕事に出掛けたみたい。
僕は安心してドアの鍵を開け、家の中に入った。
「ただぃまぁ…」
…無人の家。
この時間に家の中にいるなんて、本来なら有り得ないこと。
なんか凄くいけないことをしている気がするな…。
階段を上がって自分の部屋に入る僕。
さっき着たばかりの制服を床に脱ぎ捨て、
早速水色のTシャツと白のハーフパンツに着替える。
そして鏡で自分の姿を確認。
「うん! 可愛い! 」
可愛いか、可愛くないか。
今ではそれが僕のお洒落の基準だ。
「……」
しかし、学校をサボったはいいものの、いざ帰って来てみると何もすることがない。
「なんでサボったんだろ…」
…今更になって浅慮な自分を反省。
あまりに暇なので鏡を引っ張り出し、いろいろなポーズをとってみる。
野球のバッターのポーズ。
ガッツポーズ。
自分の筋肉をアピールするポーズ。
ボクシングのポーズ。
……止めた。
あまり面白くない。
次は少し意匠を変えてみる。
ちょっと内股にして可愛くピースサイン。
鏡の前で女の子座り。
シスターが神様にお祈りするポーズ。
さらに、女性ファッション誌で見たような可愛さをアピールするようなポーズをしてみる。
………可愛い!
鏡の前に現れたのは、自分とは思えない可愛い可愛い美少女。
可愛くポーズをとるだけで、目の前の世界が一変する。
もしかして僕って、モデルの才能あるのかな…?
スカートを穿いたら、もっと可愛くなれるのかな…?
もっと可愛く洋服が着たいよぉっ…
「あ…」
股間のモノが膨脹してきた。
「ヤバイ…したいかも…」
今までやり方だけは知っていたが、したくなったのは今回が初めてだ。
僕はズボンとパンツを膝まで下げ、勃起したモノをしごき始めた。
鏡に映るのは、自らのとても可愛く、恥ずかしい姿。
顔はあまりの快感に紅潮し、笑みとも嘆きともつかぬ表情を見せていた。
右手の動きは加速する。
そして……
「やっ、い、いやぁぁぁ……!」
(ドゥピュッ)
これが、僕の精通だった。
「はぁ…はぁ…。や、やっちゃった…」
「……」
飛び散った精液を処理し終わると、僕は深い虚無感と自らへの嫌悪感に包まれた。
何故あんなことを…
自分でしちゃうなんて…
あんなポーズをしてたのもワケわかんない…
僕は変態ナルシストなのぉ…??
だが、そんなことを考えているうちに、僕はいつの間にか深い眠りについてしまった…。
その眠りが覚めた時、時計の針は午後1時30分を指していた。
あれから5時間近くも寝てしまうなんて…。
疲れが溜まっていたのかなぁ?
「汗かいちゃった。シャワー浴びてこよ…」
僕は1階へ降り、浴室でシャワーを浴びる。
(サーサーサー)
シャワーの気持ち良さは格別だ。
体だけじゃなく、心の迷いすら洗い流してくれる気がする…。
そして浴室から出るとさっきまで着ていた洋服に着替え、
台所に行ってご飯をよそる。
ちょうどお茶碗一杯分だけ残っていてラッキーだった。
ふりかけをかけたご飯をほおばりながら、何気なくリビングのテレビをつけてみる。
すると、最近流行っているらしい”オネェ系”なる人物たちが映っていた。
何故か気分が悪くなり、僕はチャンネルを変える。
気分が悪くなった原因は、自分でもよくわからない。
昼食を終えて2階の部屋へ戻ると、時刻はもう2時を過ぎている。
「あと、もう少しで先生がくる…
…とりあえず今日の予習でもしておこう…」
こうして予習を始めたものの、胸が高鳴ってイマイチはかどらない。
「ダメだ…集中しろ、集中を!」
「2回もこんな状態が続いたら先生に嫌われちゃう…」
心の中で葛藤していると、いつの間にか時刻は3時近く。
そしてついに……
(ピンポーン!)
「来たっ」
僕は急いで1階の玄関へ向かった。
(ガチャッ!)
ドアを開けると、そこにはやはり伊東先生の姿があった。
ただいつもと違い、今日の先生はスーツではなく私服姿。
内心ちょっとドキドキしてしまった。
「こ、こんにちは先生」
「こんにちは香君。お邪魔するわね」
先生を先導して2階の部屋へ向かう。
部屋に着いて机の前の椅子に腰掛けるまでのあいだ僕は、
緊張とあまりの興奮(?)で一言も言葉を発することができなかった。
僕ら2人はいつものように机の前の椅子に向かい合って座る。
が、僕は相変わらず何も言葉を発することができずに俯くばかり。
しかし、俯きながらも僕の視線はずっと先生のファッションに向けられていた。
今日の先生のファッションはと言うと、
上は首元や裾などがレースで縁取られた薄紫のTシャツ。
袖の膨らみと、胸元の小さなリボンがとても可愛い。
下は白のプリーツスカート。
長さは短すぎず長すぎずで、お嬢様っぽく感じる。
さらに、肌色のストッキングに包まれた足も魅力的だ。
今日の先生の格好は、所謂”可愛い系”なもの。
なんとなく今まで”綺麗系”なファッションの先生をイメージしていただけに、
すこしだけ意外に感じた。
「どうしたの香君? さっきから私の服ばかりジロジロ見て…
そんなに私の私服姿が珍しいのぉ〜?」
ギクッ。
目線がバレてたのかな…?
「い、いや、あの…。か、可愛い洋服だなぁ、と思って」
「でしょ〜♪ 私も気に入ってるのよこの服」
「とても似合ってます。…素晴らしいです」
実際に素晴らしく可愛かった。
僕がもし女の子ならば、こういう服が着てみたいな…と思うくらい。
「…もしかして香君…私の服を着てみたいの?」
うわっ、なんで僕の心理を見透かすようなことをこの人は…
「えぇ、ま、まさか…そんなこと…」
「ふふ、顔真っ赤にしちゃって。で、どうする? 着てみる?」
午前中に”した”ことで落ち着いていたハズの欲求が、再び顔をもたげ始めていた。
「えっ、いや…あの…ベ、別にいいで…」
先生は僕の言葉を遮るように言う。
「私は別にいいのよ? 香君にこの洋服を着せても…。
私は前にプレゼントした洋服を借りて着れば良いわけだし」
「あ…あ…でも…」
「可愛い洋服が着たくなるのは可愛いコなら当然の欲求よ? 香君にはその資格があるわ」
「………」
絶句するほか無い。
僕は顔を赤くするばかりで、なにも返答できなかった…。
「ふふふ♪ 冗談よ香くん、顔真っ赤にしちゃってホント可愛いわね〜」
「か、からかうなんて酷いです!」
「ごめーん、怒らないで〜。よし、じゃあ勉強始めよっか」
「…ふー…」
そんなこんなでやっと勉強開始。
先生ったら、ホントに性格悪いなぁ。
…でも、先生の服…ちょっと着てみたかったなぁ。
僕は、先生の可愛い洋服を着れなかったことを、少し残念に思った。
(カリカリカリ)
「凄ーい。ここの問題よく解けたわね」
「はい…なんとか…」
現在時刻は午後4時半。
始まってみると今日の僕は調子がよく、勉強もスラスラはかどった。
勿論先生の懇切丁寧な指導あっての話だけど。
「やっぱり香君って頭いいよ。いい国立大学を十分に狙えるレベル」
母さんに学費で迷惑をかけたくない僕にとっては、
国立大学への入学は大きな目標の一つだ。
「まだ時間は残ってるけど、予定の範囲は全て終わっちゃったね〜
早いけど、もうこの辺までにしておく? それとも、もう少し続けてみる?」
先生と勉強する時間はとても貴重だ。
前までの僕ならば、きっと勉強を続けただろう。
でも、今の僕には………
「…あのぅ、先生…」
「あら、なにかしら?」
「相談があるんですけど、聞いてもらえませんか?」
「私でよかったら、いくらでも聞くけど」
「…実は…」
僕は、
自分が女性の衣服に惹かれつつあること。
そして、自分がもっと可愛くなりたいこと。
そんな自分はおかしくないのか?ということ。
変態なのではないか?ということ。
さらに高校の先輩に自分を女の子だと間違えられたこと。
その先輩にお礼がどうしても言いたいということ。
以上のことを包み隠さず先生に語った。
語り終えると、いつの間にか僕の目は涙で溢れ、
しばらくのあいだ嗚咽が止まらなかった。
先生は、僕が泣き止むまでずっと両腕で抱きしめてくれていた。
…ようやく感情が落ち着いてくると、
先生は僕から腕を離し、向き直りながら口を開き始めた…。
>>255の初心者です。
投下させていただきました。
感想や意見などありがとうございます。
SSだというのに冗長でなかなか女装が始まらず申し訳ございません。
◆YSssFbSYIEさんにも感想いただけて光栄です。
ありがとうございます。
楽しみにしてるんでゆっくり進めてくれ
過疎ってんな
がんがれ
255さん、最高です! 香クンの心情の変化が丁寧に描かれているのが良いですね。
いよいよ次は香クンの女装ですね。頑張って下さい。
そろそろトリップつけてね
一途な女装ッ子は好きですか
今日あたり、255さんの更新来るかな?
今から投下させていただきます
「そうだったの…。あれからいろいろ悩んでいたのね」
「ゴメンね、私がお古の洋服をプレゼントしちゃったばっかりに…」
そう言って先生は頭を下げる。
違う…先生は悪くなんて…。
「あの、先生は悪くないです。僕が変態だから…いけないんです」
「香君…」
「教えて下さい先生。女の子の可愛い服に興味がある僕っておかしいんですか?」
僕は先生に再び問い掛けた。
が、先生は逆に僕に問い返してくる。
「香君、さっき私が言ったこと…覚えてるかな?」
「え?」
「私が”可愛いコが可愛い洋服を着たくなるのは当然”って言ったこと」
「あ、はい…」
「コレね、実は私の持論なの。
女の子は自分が可愛い系の洋服が似合うなら、
可愛いファッションを追求する。
キレイもしくはカッコイイ系の洋服が似合えば、
それにあったファッションを追求できる。
女の子はボーイッシュ、ガーリー、地味から派手系など
様々なお洒落が認められているわ。
つまり女の子においてファッションの自由は保証されているし、
お洒落は大いに推奨されているのよ」
先生の語り口は途中で口を挟めないくらい雄弁で、
僕に出来ることと言えば、その内容に聴き入ることのみだった…。
「でも男の子はどうかしら?
男らしさと言うくだらない概念のせいでお洒落の幅が極端に狭まってる。
男の子がすこし可愛らしいお洒落をしただけで
”男が可愛い格好なんて変だ”
さらには
”男にお洒落は必要ない”
なんて言い放つ大人までいる始末…
そこにファッションの自由なんて存在しないわ。
特に香君のように女の子よりも可愛い男の子にはね」
「でも少しずつだけど、時代は動き始めてる。
中性的なファッションを好む男の子は増えてきているし、
これからファッションに性別なんて関係ない時代がやってくるのは確実よ。
それなのに香君が自らの可愛さを押さえ付けてまで男の服を着る必要はないわ。
お洒落の基本は自分の着たい洋服を着ることなの。
香君が可愛いお洒落を求めることは変なんかじゃない。寧ろ自然なことなのよ」
なぁんだ。
変なんかじゃないんだ。
可愛い服を着たいと思うのはおかしくなんてないんだ。
先生の言葉には特別な力があるのかな?僕の中の不安がスッと氷解していくのを
感じる…。
「…わかってくれたかしら?」
「はい。これからは…もう迷ったりなんかしません」
「そして次は先輩のことね。ふふ、香君ったら早速女の子に間違えられちゃったのね〜」
「そんな…からかわないでください」
先生は楽しそうに話を続ける。
「何言ってるの、これは香君にとって勲章よ?
いくら雨の日でも、可愛くない女の子に傘をプレゼントする人はいないわ。
香君はその彼に、傘をあげたいくらいの”可憐な美少女”として認識されたのよ」
え…そうなのかな?
春日先輩から見ても僕って”可愛い”女の子だったのかな?
先生が言うんなら、そうなのかな…。
「でも、この件の答えはもう出ているわよね。
香君は傘を返してお礼を言いたいんでしょ?
ならそれが答えだわ。
私もちゃんとお礼を言って傘を返すのがスジだと思うし」
う〜ん、でも…。
「でも先生。先輩に会える場所は学校だけだから、そこだと僕は制服姿だし…」
「何言ってるのよ香君。すっかり頭が固くなっちゃってるのね〜」
「…え?」
「簡単よ。授業が終わったら私服に着替えて校門前で彼を待ち伏せるのよ。
可愛い私服姿に着替えれば、香君が白鳥高校の男子生徒だなんてバレないわ」
「男子制服姿なんかで会ったら、相手をビックリさせちゃうわよ〜
あくまでも、傘のお礼にやってきた礼儀正しい女の子を装うの。
彼は放課後も生徒会活動をしてるんでしょ?
なら家に帰って着替える時間は十分あるしね」
「(…それしかないかな…)」
実は内心、そうするしか手段はないのかな、と考えてはいた。
相手が僕を女の子だと勘違いしている以上、それができたらベストに違いない。
だが、そうやって彼の前に姿を現すということは、
自ら”女の子”となって彼に会いに行くことと同義。
それはやっぱり恥ずかし過ぎるし、抵抗があった。
でも…こうなったらそれで行くしかない!
「わかりました。そうするのが1番ですもんね」
「うん、絶対そうよ!」
先生の後押しで僕の覚悟は決まった。
明日の放課後、絶対に成功させてやる。
…なんか少しドキドキしてきたな。
「あ、もう5時半を過ぎてるね。お母さんはいつも何時頃に帰ってくるの?」
もうそんな時間だったのか…。
先生といると時間が経つのが早いなぁ。
「いつもは6時くらいには帰ってきますが、今日は10時を過ぎると思います」
「なら時間はいっぱいあるわね。もう少し明日のことについてお話しましょ?」
僕と伊東先生はさらにこのあと1時間ほど話し合った。
先生が僕に注意したことは
・出来るだけ女の子らしく振る舞うこと。
・もし個人情報を聞かれても答えないこと。
この2点。
どちらも僕が男だとバレないための注意点なんだけど、
個人情報なんて聞かれないと思うんだけどなぁ…。
先生は心配性だな。お礼を言って終わりだよ、きっと…。
時間は現在7時。
先生は先程、僕に
「明日は頑張ってね」
と言い残して帰っていった。
今日は先生のおかげで悩みがだいぶ解決した気がする。
(グゥー)
何だかお腹が空いてきた僕は、
歩いて近くのコンビニへ行き、お弁当を買って家に戻った。
だけど、お弁当を食べていても明日のことが気にかかる。
食べ終わってテレビをだらだら観ていても、明日のことを考えてしまう…。
もうシャワーでも浴びて、寝ようかな……
シャワーを浴びた僕は、浴室から出てパジャマに着替える。
自分のパジャマ姿が洗面所の鏡に映る。
このパジャマは母さんが買ってきたものだけど、
可愛いデザインなのでイイ感じだ…。
鏡の中の僕自身も、濡れた髪のおかげでセクシーな雰囲気。
でも髪がちょっと伸びすぎかなぁ…
今度お母さんに切ってもらおうかな?
そして自分の部屋へ。
部屋にはまだ先生の匂いがぷんぷんしていた…
いいなぁ、この匂い。
どう言えばいいんだろう?
とにかく”女の子”な匂い。
何の香水かなぁ?
僕も欲しいなぁ…
僕はベッドに横たわり、部屋に残る先生の香りに身を委ねた。
心地よい甘美な感覚が僕を襲う…。
…すぅ…すぅ…
翌日朝。
「香ー。起きなさ〜い」
「うぅーん…」
1階から母さんの声が聞こえてくる。
昨日はいつの間にか寝てしまっていたようだ。
僕はベッドから起き上がると、パジャマを脱ぎ捨て制服に着替えた。
(くんくん)
部屋の匂いを嗅いでみたが、いつもの部屋の匂いに戻っている。
残念…
階段を降りて1階の食卓へ。
「おはよう香」
「おはよう母さん」
母さんに会うのは1日ぶりだ。
昨日は母さんが帰ってくる前に寝てしまったから…
「昨日は楽しかった? かなり久しぶりに会ったんでしょう」
「楽しかったわよ。みんな久しぶりに会ったからね〜〜」
母さんは楽しそうに昨日の出来事を話し始める。
楽しかったのならよかった…。
「香は学校楽しかったかい?」
ギクッ
「ま、まあね…」
僕はそれ以上学校話が発展しないうちに、
パンをちょうど2枚食べたところで席を立った。
歯磨きや洗面を終え、鞄を手に取っていざ登校。
「じゃあ母さん、行ってくる」
「行ってらっしゃ〜い」
午後2時半。
今は担任が教室に入ってきて帰りの連絡をしているところ。
もう少しで学校も終わりだ…。
今日は生徒会による朝のあいさつという難所も乗り越えたし、
昼の購買で先輩に接近してしまうというピンチも結局なんとかなった。
後は帰って着替えて待ち伏せてお礼を言うだけ…。
胸がドキドキする。
「さようなら〜」
終わった。
早く家に帰らないと!
今日は3年生も5限で終わりのはずだし、
放課後の生徒会活動は1時間くらいで終わるだろうから
3時半から4時くらいまで校門で待ってれば会えるはず…。
僕はいつものように掃除をサボり、急いで下校した。
家に着いた!
時計は3時前。時間はたっぷりある。
2階へ駆け上がり、部屋に入った僕はクローゼットを開けた。
…アレ?
「なんだこれ…」
そこには、見たことのないピンクの袋が入っていた。
もしかして…先生が…?
僕はピンクの袋を取り出し、中を確認してみた。
……中から出てきたのは、いずれもとんでもないものだった。
・純白の乙女チックなワンピース。
・白いブラジャーとショーツのセット。
・カチューシャ
こ、こんなものを昨日持ってきてたのか…
それに、いつの間に入れたんだろう…
さらに袋の中からメモを発見。
こんなことが書いてある。
「明日は絶対これを着ていきなさい!
女の子として行くのだから、下着も忘れずにね♪
可愛い服着て会っておいたほうが、後々得すると思うわよ〜」
……とんでもない人だ。
下着まで……。
でも確かに可愛らしい格好で先輩と会っておいたほうが、
この後の学校生活で先輩と遭遇することがあっても、気付かれり可能性は低くなる。
中性的な格好だと、学校で会った時「あ、あの時の!」となるかもしれないが、
いくら顔が同じとはいえ、このヒラヒラしたワンピースを着た女の子と
野暮ったい制服を着た目立たぬ男子生徒が先輩の中で一致することはないだろう。
それに先生が言うことだ。
間違っているはずがない。
あまり時間がないので、僕は制服とブリーフパンツを脱ぎ捨て、
一糸纏わぬ姿になった。
(ドキ…ドキ…)
ショーツを持つ手が震える。
デザインはいたってシンプルなものだが、つるつるした触り心地がいかにも女の子の物。
まさか下着まで女の子になるとは思わなかったケド…しょうがないよね。
意を決して僕はショーツに足を通した。
サイズはピッタリ。
意外と普通に穿けた。
次はブラジャーの番。
よく見ると、かなり小さめのパットが縫い付けてある。
うぅ、恥ずかしいなぁ……。
ショーツも恥ずかしかったけど、
ブリーフの延長線上だと考えればなんとかなった。
でも、ブラジャーは…
普通ならば男がその位置に着けることは絶対にないものだ。
着けたならば変態扱いされるものだ。
だが、着けざるをえない。
これから女の子を演じなければならないんだから…。
僕はブラジャーに腕を通し、背中のホックに腕を伸ばすが、
思うようにホックが留まらない。
「あれ? …よし、できた…」
だが、しばらく格闘すると簡単に留めることが出来た。
ブラジャーとショーツを装着した姿を、鏡に映してみる。
「うわぁ!」
突然今の姿がたまらなく恥ずかしくなり、僕は胸を両手で押さえた。
は、早くワンピースを着ないと…
(ドクンドクンドクン)
動悸が激しさを増す。
今までもレディースの洋服は着ていたが、
下着までレディースになったのは初めてだし、
ワンピースのように、女の子だけが着ることを許された服を着るのは初めてだ。
僕はワンピースを広げ、まじまじと見つめてみる。
可愛いなぁ…
でも、ワンピースってどうやって着るのかな?
前にボタンもないし…まぁいいや!
(シュルシュル)
僕はワンピースを上から被り、ついに、着た。
「か、可愛い…」
思わず言葉が口から漏れた。
鏡に映っているのは紛れも無い美少女である。
先程までの学生服を着た中性的な少年の面影は、ない。
「これが……僕?」
しばらく動くことが出来なかった。
無理も無い。
先週女性ファッション誌を読み、
女の子向けファッションフロアを見てきた自分にとって、
理想の格好をした女の子がそこにはいたのだ。
ずっと着たかったのだ。
こんなワンピースを。
じ、時間がない…。
行かなきゃ!
僕は袋の中のカチューシャを髪に差し込み、部屋を後にした。
1階の玄関に着くと、どの靴を履くかで迷ってしまった。
ワンピースにスニーカーは合わないし、このサンダルもなぁ…
「あっ!」
そこで目に入って来たのが、
昨日母さんが穿いたらしき、お洒落なベージュのパンプスだった。
今まで見たことが無い靴だなぁ。
多分、久々に友人に会うからって新しく購入したんだろうな…
ごめん母さん、借りるね!
僕はそのパンプスを履いてみた。
ピッタリだ!
さすが親子…
(ガチャッ)
今の時間は3時15分…
急がないと!
僕は慣れないヒールに戸惑いながらも学校へ向かった…。
トリップつけました。
感想や厳しい意見もお待ちしています!
名指しでプレッシャー掛ける事に何かメリットがあるのか?
イイヨイイヨ
慣れないヒール( ´д`)ハァハァ
ウヒョー
好きなネット上の女装小説について語ろうぜ!
「ここマジでオススメ!」と言いながら場所はここやないか〜い
女装っ子を苦しめたい・・・
>>346 教えられないな。
あそこは俺だけのものだ…
>>350 教えるなよ!絶対教えるなよ!絶対だぞ!!
と釣ってみる
今日は更新無いのかな〜?
>>352 今日「も」更新無いのかな〜? の間違いじゃ?
最近◆YSssFbSYIE氏の投下がないなぁ。
ここのところ風邪ひいて寝込んだり、
それでたまった仕事が忙しかったりでした
お体にお気をつけ下さい。
続き待ってます…ボス…。
複数の方々が力作投下中で少し気が引けますがSS投下します。
あらすじというか概要は以下のような感じです。
舞台は中学校。
女装趣味なし、ノンケの主人公がいじめで女装させられます。
いじめっ子は男女ともにいます。
「いじめ」なのでやってることは結構鬼畜かもしれませんが、
たぶん陰鬱な感じにはなりません。
九月も最終週に入り、少しづつ涼しくなってきた。
夏休みが終わる時はみんな憂鬱だったろうけど、僕は特にそうだった。
理由は単純、いじめられっ子だからだ。
僕は橋村みずき。今年中学生になり、5月という半端な時期に転校してきた。
小柄で気が弱く、女子のような名前と外見。学校には知人も友人もいない。
こんな僕がいじめられっ子になるのは仕方ないのだろうか。気づけば小突かれ、からかわれるのが日常となっていた。
はじめはクラスの不良っぽい人たちからいじめられ、その後、彼らが飽きたのか別の人たち
――今まさに僕をいじめている人たち――にターゲットにされた。
このグループは最初の人たちより数段タチが悪い。
優等生グループで教師陣の信頼もあり(そもそもイジメを黙認する先生ばかりだけど)
2年、3年の先輩までいて、やることも1年生の不良よりずっとえげつなかった。
夏休みが終わり、また苛められる日々…そして今日、今までのいじめより数段ひどい命令をされた。
僕の中学生活が真に屈辱まみれとなる最初の日だ。
僕は空き教室でいじめっ子に囲まれ正座していた。
「反省してるかな?自分の立場は分かったかな?」
3年生のリーダー格、華村裕子さんが子供を諭すように聞いてくる。
「はい、すいません。今後、生意気な態度はとりません」
相手の機嫌を損ねないように必死に答える。
ここ数日、いじめには毅然とした態度で臨むべきとの一般論を信じて、
命令にさからい強気な態度で反抗していた。
でも、それでどうにかなる人たちではなかった。
反抗した結果、散々暴力をふるわれ、人前で服を脱がされ、お尻に鉛筆やお菓子を入れられ、
心身ともにいじめ抜かれて僕は屈服した。
いま、プライドを捨ててとにかく許してもらおうとしている。
「うん、じゃ許してあげるけど…」
「言葉だけじゃだめだね」
裕子先輩の言葉を裕人君が続ける。この2人は姉弟で、裕人くんは1年生だ。僕のクラスメートでもある。
2人とも穏やかな口調で話すけど、決して優しいわけではない。逆らえば容赦なくいじめてくる。
「逆らう気が無いって事を証拠つきで示しな」
同じくクラスメートの秋沢いずみさんがさらに続ける。でも、証拠って言われても…
よく見ると周りの人がみんなニヤついてる。何をする気なんだろう。
「そ、ちゃんと態度で示すのが大切なの。だからこれで示して」
裕子先輩が僕に紙袋を渡す。中を確認すると女性の下着が入っていた。
白にピンクのリボンがついた揃いのブラジャーとショーツ。まさか…
「明日からそれを着てきてね」
そ、そんな。なんて事を思いつくんだろう。
これはあまりにも恥ずかしい。
「もし着てなかったら反抗の意思ありとみなして…どうしようかな?
うふふ…おちんちん…に傷をつけちゃおうか」
「ひっ!」
反射的に自分の股間を手で押さえる。
『おちんちん』と口にする時、わざとらしく小声になり恥らった仕種を見せる。
おどけた言い方をしてるけど、この人は本当にやりかねないと思わせる何かがある。
「お返事は?」
「は、はい」
慌てて答える。思わず言ってしまった。何とか交渉して他の事にできないかと考えるけどもう遅い。
「じゃ、約束だよ」
「たのしみだなぁ」
「朝チェックするからね」
そんな事を言いながら、みんな帰っていく。
本当にこれを着なければいけないのか。
しかも『明日から』って言ってた。『明日以降も』って事なのだろうか。
やっと解放されたけど、明日からのことを思うと気が滅入る。
翌朝、学校へ行く準備をしながらまだ躊躇していた。
母さんはもうとっくに出勤した。母子家庭なので家には僕一人だ。
おかげで女性用下着を着けようとして思い悩むなんて姿は見られなくて済む。
改めて下着を見てみる。上下ともに色は白。
ブラジャーはカップ部分にピンクの縁取りがあり、フロント部中央と肩紐の付け根にピンクのリボンが付いている。
ショーツもフロントにピンクのリボンつきだ。
やっぱり恥ずかしい。でも着ていかなかったら何をされるか…
意を決して、ショーツに足を通す。
トランクスと違い、肌にくっつく感触がある。
でも締め付けられる感じではなく、柔らかな肌触りだ。その感触に少し興奮してしまう。
続いてブラジャーにとりかかる。背中でうまくホックがとめられない。
しばらく悪戦苦闘したのち、前でホックを止めてから回転させればよいことに気づいた。
こちらは胸が少し締め付けられる感じがする。肩に掛かる紐の感触もタンクトップなどよりずっと強い。
苦しくはないけれど、今までに経験したことの無い感触で気になる。
すぐに服を着るつもりだったけど、鏡に映った自分の姿が目に入ってしまった。
その瞬間、ものすごい羞恥心が襲ってくる。
華奢なせいかそれほど違和感は無い気がする。でも、胸がないためブラジャーのカップが
浮いていることが一目でわかり滑稽だ。
おまけに、ショーツの前が思いっきり膨らんでいる。認めたくないけど僕は勃起していた。
鏡に映った姿は『変態』と言われたら全く否定できないものだった。
この格好で学校に行くと思うと泣きそうになってしまう。
ワイシャツを着て、胸の膨らみがそんなに目立たないことを確認して安心したのも束の間、
鏡で確認するとブラジャーが透けて見えることが分かってまた気分が落ち込む。
Tシャツを着ることも考えたけど、いじめっ子の機嫌を損ねることを恐れてやめた。
ズボンを穿き、ブレザーを着ればさすがに下着は全くわからなくなる。
それでも全く落ち着かない。特にブラジャーを着けた肩と胸の違和感を無視できず、憂鬱な気分で家をでた。
学校までの道中、みんなが僕を見ているような気がしていた。
制服の下が見えるはずも無いのに、恥ずかしくて俯きながら歩き、ようやく学校へ到着する。
下駄箱で靴を履き替えていると、いずみさんが手招きしていることに気づいた。
「おはよう……ございます」
情けないけど同級生に敬語で挨拶する。
「おはよう、ちゃんと着てきた?」
楽しそうな表情で聞いててくる。『可愛らしい笑顔』の見本みたいな顔で、僕をいじめる相手だと
分かっていても惹きつけられてしまう。その質問内容は今すぐ逃げたくなるものだけど。
「…はい」
僕は蚊の泣くような声で答える。その答えを聞いて、いずみさんはさっきより意地悪い笑顔になる。
「そっか…いやぁ、みずきとの共通点が増えてうれしいなぁ。」
ニヤニヤしながらそう言って歩き出す。いつもの空き教室に向かっているみたいだ。
「ねぇ、みずき。あたしのブラ透けてないかな?」
歩きながらそんな質問をしてくる。実際、微かにだけどブラジャーは透けて見えていた。
「あ、あの、透けてます」
「う〜ん、透けちゃってるか〜。やっぱ人に見られると恥ずかしいんだよねぇ。わかる?」
「は、はい」
「え、わかるの?もう経験済み?」
「あ、いえ、その、透けて見えたら恥ずかしいだろうなと…」
「ふーん、経験ないのに軽々しく分かるとか言ったんだ?アタシの悩み相談に適当な返しを。
酷いなぁ、ブラを着けてる仲間なのに…経験させてあげないといけないかなぁ?」
そんな!無茶苦茶な理屈だ。どう答えても僕をいじめる気なんだろうけど。
いずみさんのブラジャーが見えた興奮と、
同じ下着を着用している自分を揶揄された恥ずかしさとで顔が熱くなる。
同時に股間も熱くなるような感覚がある。それが一層羞恥心を煽る。
気持ちが昂ぶる余りうまく喋れず、かすれた声で謝る。
「…あ、ごめんなさい!で、できれば経験したくないです」
「そうだよねぇ。でもこれからずっとブラしてるんだし、それは難しいんじゃない?」
「きょ、今日だけじゃ…許してもらえないんですか?」
無理かなと思いつつ、一縷の望みを託し、恐る恐る聞いてみる。
実は僕がいじめられてた当初、いずみさんは止めに入ってくれたことがあった。
それに、友達が全然できない僕に積極的に話しかけてくれた人でもある。
根は優しい人だと信じてる!
「うん。裕子先輩がどんなつもりか分からないけど、アタシが許さないからね」
希望を託した相手から直々にいじめる宣言。しかも僕と同級生だから3年間解放されない可能性…
完膚なきまでに希望を打ち砕かれ、沈んだ気分で目的の教室に辿りついた。
教室には既にイジメグループの人たちが集合していた。
裕子先輩がいつものように笑顔で話しかけてくる。
「おはよ、みずきくん。約束守ってくれたよね。じゃ、早速服を脱いで」
「は、はい」
逆らえないのは分かっている。でも、みんなの視線を一身に浴びるとそれだけで恥ずかしくなり、
なかなか服を脱ぐ決心がつかなかった。
「あら?焦らすにしても脱ぎながらにしてほしいなぁ。私たちの手で脱がしてあげてもいいけど、
手を煩わせた分、お仕置きポイントが貯まっちゃうよ?」
優しそうな表情と楽しそうな声で僕を脅してくる。
しかし、名前から大体想像つくけど「お仕置きポイント」って何だろう?
とにかくこれ以上躊躇していられない。上から順に脱いでいく。
ワイシャツを脱いでブラジャーが露になった時点で周囲がざわめく。
「ぷっ」てわざとらしく吹き出したり、「可愛い〜」って声が上がったり。
この時点で逃げ出したかったけど、そのままズボンも脱ぎ完全な下着姿となる。
怒られるかもと思いつつ、両手を前に回して少しでも隠そうとする。
せめて勃起したペニスだけでも隠したい。
「うわぁ、最低。変態がいるわ〜」
「ほんとに着てくるかぁ。プライドとか無いのかな」
「いや、似合うよ。オカマっぽいし、これがみずき本来の姿だよ」
ギャラリーから好き勝手な声が上がる。恥ずかしくて涙目になり俯く。
一方、股間のペニスはすごい勢いで上向いてる。うそだ、これは何かの間違いだ…
「うん、私たちに逆らう意思は無いんだね。とっても可愛いよ、みずきくん。
あ、まこちゃん、これしまっといて」
裕子先輩が傍らの金城誠先輩に指示する。
さっきは気づかなかったけど、裕子先輩は右手にホチキス、左手にハサミを持っていた。
さらに、近くの机にはペンチ、ニッパー、裁縫道具が置いてある。
昨日の「おちんちんに傷をつける」という言葉が脳裏に浮かんでくる。
…もし僕が指示を守ってなかったら何をする気だったんだろう。
いや、あれは脅すための道具だ。使い道はそれだけだ。そう思い込もうとしたけど血の気が引いていく。
それにあわせて勃起していた僕のペニスが静まる。
女性下着を着て勃起したなんて恥ずかしすぎるから、せめてもの救いだ。
「今のポーズもセクシーだけど、次は手を頭の後ろに回して。顔もちゃんと上げてね」
やっぱり隠したままで許してもらえるわけがなかった。
言われたとおりのポーズをとり、下着姿がみんなにはっきりと晒される。
恥ずかしさで顔が真っ赤になるのが自分でもよく分かる。
「あれ?さっきより小さくなってない?ねぇ、勃たせようよ」
裕人くんが目ざとく気づき提案する。
「う〜ん、そうね。誰がやる?」
「じゃぁ、僕が…と言いたいけど…はるか、勃たせな」
裕人くんが隣にいた小川はるかさんに命令する。
突然言われたはるかさんは戸惑いを隠せない。
「えっ!?何をしたら…」
「言わなくても分からない?ま、いいや。最初は君のパンツ見せて。そのあと、ちんちん弄ってあげればいいよ」
小川さんは僕より前からこのグループにいじめられてる。
女子だから、こういうイジメは僕以上に深刻だと思うけど、解決の兆しは全く無い。
彼女を助けようと先生に相談したのも、この人たちにいじめられるようになった一因だ。
しかも結果は「悪ふざけが過ぎた」で済まされてしまい、どうにもならないと思い知らされただけだった。
そんな苦い現実を思い出していると、小川さんが僕の前まで来ていた。彼女も顔が真っ赤になってる。
支援
中途半端な場面ですが、いったん投下ここまでにします。
眠気で文章推敲が怪しくなってきてしまいました。
書き溜めはあるので、キリの良いところまでは書きたいと思います。
>たぶん陰鬱な感じにはなりません。
嘘だッ
>>367 (ノ∀`)アチャー
充分陰鬱でしょうか。
私が暗い話、救いの無い話が苦手なんで
自作したSSはそんな風にはならないと思っていたのですが、
自分でも少し不安になってきました。
不安といえば、そもそも需要があるのか不安ですが、
とりあえず続き投下させてもらいます。
「どうしてもやらないと駄目ですか?」
質問というより、懇願に近い口調で小川さんが裕人くんに尋ねる。
裕人くんはお姉さんとよく似た微笑を浮かべ答えた。
「男子トイレの使い心地は良かった?」
全く答えになってない回答で、彼女が受けたいじめの一端が垣間見える。
そして、それはそのまま脅しとなる。
逆らえないと悟った小川さんは顔を真っ赤にしたまま、僕の前でスカートを脱いだ。
薄紫色の彼女のショーツが露になる。
前面に同色の大きなリボンがあり、生地はよく見ると花柄があしらわれている。
彼女の下着が見えた瞬間、心臓と脳に衝撃のような感覚が走り、鼓動が激しくなる。
見てはいけないと思っても、つい目が向いてしまう。
小川さんはおとなしくて地味目だけど間違いなく美人だ。
しかも性格に似ず背が高く、肉感的な体つきをしている。
僕は女子の下着姿を生で見た経験なんてほとんどない。体育の着替えで少し見えた事がある位だ。
そんな僕が小川さんのような人の下着姿を見ると、当然、ペニスは反応し大きくなっていく。
それを見て、また周囲から笑い声が上がる。
「見ただけでも大体フル勃起だね。とりあえずそのまま続けて」
裕人くんの指示に従い、小川さんが僕の股間に手を伸ばしてくる。
遠慮がちに(というか触りたくないだろう)僕の睾丸部分をなでてくる。
女子に無理やりこんな事をさせるなんてまずいと思い、彼女の手を押さえようとすると
「誰が手を下ろす許可を出したの?」
裕子先輩が少しだけ低めの声を出した。反射的に手を頭の後ろで組みなおす。
僕の道徳はあっさりと恐怖に負けた。
小川さんの手により、僕の股間にくすぐったさとむず痒さが入り混じった感覚が生まれる。
もう完全にペニスはMAXサイズになっている。ショーツ越しに反り返った形がわかりそうだ。
彼女の手は股間の付け根から少しづつ上方に動ていき、
女性用下着の中から存在をアピールする僕の「男の証拠」を優しく撫でていく。
自分でするのとは全く違う感触に思わず腰が引けてしまう。
僕の動きに合わせて彼女の手も動いてくる。
だんだん尿意に似た、でも明らかに異なる感覚が高まってくる。
「ん、んぅ、あっ…あ、あのもうダメです。やめてください。」
息を乱しながらとっさに口走った。自分の想像以上に喘ぎながらの言葉となる。
「そう。何がダメなのか聞きたいけど、それは無粋かな。ん、もういいよ、はるかちゃん」
裕子先輩の言葉で小川さんの手が離れる。彼女はスカートを拾い、もといた場所へ戻る。
僕は頭の後ろで手を組んだまま、ショーツを穿いて完全に勃起した姿を見られた恥ずかしさに耐えていた。
ふと自分の股間に目をやると、ショーツが濡れている事に気づいた。
「っ!!?」
顔から火が出るなんてものじゃない。ハッキリと眩暈がするのを感じる。
みんなが僕を嘲笑の眼差しで見ている。涙が少し零れる。
「さて、朝のチェックはこのくらいでいいかな」
裕子先輩の言葉で少しだけ気が落ち着く。やっと解放してもらえる。
「じゃ、解散前にお仕置きタイムね。あ、たいした事しないから」
安心させて地獄へ落とす。まだ解放じゃないみたい。
「えっと、お仕置き対象は服を脱ぐときにぐずぐずした事と
勝手に手を下ろそうとした2つくらいだね。
30秒くらいでいいかな。まこちゃんと…正孝君よろしく!」
誠先輩と2年の佐伯正孝先輩が僕の両脇に来る。何をするのかと身構えていたら、
2人が僕の腕に自分の腕を絡ませて、ガッチリと抑えてきた。
「よほど運が悪くない限りなんでもないよ。みずき、かに座だろ。今日は運いいらしいよ」
佐伯先輩がそういって、教室の出口に向かっていく。
この格好のまま教室の外に出すつもりだと気づき、僕の顔は青ざめる。
「ちょ、や、やめてください。佐伯先輩お願いします」
「だめだって。裕子先輩の指示だし。」
必死で頼み込むけど、受け入れてもらえない。
裕子先輩に逆らえないという風に言っているけど、この人自身も助けてくれる気はないだろう。
人柄をよく知っているわけではないけど、他の人たちと同様に僕をいじめることがすごく楽しそうだ。
「誠先輩!お願いです。助けてください!」
「…ごめん、無理。裕子に頼んで」
この人は良く分からない。誠先輩は僕に同情的に見える。
誰かを苛める姿を見たこともなくこのグループでは異端のように思える。
でも、裕子先輩に逆らえないみたい。
「裕子先輩!ごめんなさい!許してください」
半泣きで懇願する。
「うふふ……だめ」
満面の笑みであっさり却下する。
「お、お願いします。いっそ裸にしてください」
「うふ…ふふっ…やだ」
笑いがこらえきれないのか、小刻みに震えながら答える。心底楽しそうだ。
そんな裕子先輩とは対照的な気持ちと表情をした僕は、
抵抗むなしく教室の外へ連れ出された。
とりあえず投下ここまでにします。
今日中にもう一回投下予定です。
トリップつけたので、嗜好が合わない方は飛ばしてくれてると思いますが、
他の方の投稿とか雑談の妨げになっていないかが不安…
何か指摘や感想、要望あればお願いします。
今後の展開や書き方、投下ペースの参考にしたいと思います。
つC
イイヨイイヨ
>>373 支援どうもです。
続きを投下させてもらいます。
2人に連れられて教室前の廊下で立たされる。
腕を捕まれているので、体を手で隠すこともしゃがんで隠すこともできない。
その状態でこの教室につながるT字路に正対させられる。
「うぅ、やだ、嫌です。やめてください」
無駄と分かっていても口に出す。
「大きな声だすと人来ちゃうかもしれないよ。30秒ここにいるだけだから」
誠先輩が耳打ちしてくる。僕は観念して声をだすことをやめる。
ここは校舎はずれの一角で人が来る可能性は低いだろう。
ただし、そのひとつ前の曲がりまではそれなりに人の往来がある。
廊下を流れる冷たい空気が僕の肌を撫で、今の自分の格好を自覚させる。
教室とは違う広がった空間が羞恥心を掻き立て、不安感を倍増させる。
「誰か来て見られたとして、俺らにいじめられたなんて言わずにこれは遊びです、
その格好はみずきの趣味ですって言えよ」
佐伯先輩がニヤついた表情で言ってくる。
どうか、だれも来ませんように。そう祈った直後、こちらへ向かう足音が聞こえてきた。
僕は本気で人生の終わりが迫ってるような気になる。
無理にでも教室の中に引っ込もうとするけど2人の先輩に抑えられ全く動けない。
心臓の鼓動が激しくなる。足音はどんどん近づいてくる。
もしこの格好を見られたら…
状況的に僕がいじめられてるというは理解してくれるはずだ。
でも、たぶん僕を助けてくれる事はない。
このイジメグループは非常に強い勢力だ。
優秀な上に外見もよく、なんていうか華のある人たち、各学年の人気者たちが集まっている。
それでいてやることは残酷だから、他の生徒たちからは恐れられてもいる。
裏でネチネチいじめるのも上手いけど、
それ以上に表立っていじめることも躊躇ないように見えるのが恐ろしい。
おまけに華村姉弟といずみさんは、こんな公立校にいるのが不思議なほどの名家の子だ。
単に裕福なだけではなく、様々な権力を持った家だという噂を聞いた。
そんな人たちにわざわざ敵対するような人はいないだろう。
それに…もし助けてくれる人がいたとしても、やっぱり今の格好は見られたくない!
いっそ「こっちに来ないで」と大声で叫ぼうか。
でも、それで大事になったら状況が悪化するとしか思えない。
僕は目を瞑り顔を伏せる。せめて顔を見られる事を避けたい。僕だと分からなければいい…
そんな風に半ばあきらめたところで先輩たちが教室へ向かっていく。
どうやら30秒過ぎたみたいだ。
誠先輩はさっさと教室に向かってくれるけど、佐伯先輩がわざとらしくゆっくりと歩く。
結局、通路を誰かが横切るタイミングとほぼ同時に教室へ入った。
その瞬間、安堵の余り全身から力が抜けがっくりと崩れ落ちる。
「あら、みずきくん疲れちゃったの?それにちょっと泣いちゃったかな?
今度こそ解散だから安心して。楽しい時間をありがと。それじゃ、お互い勉学に励もうね」
そういって裕子先輩たちは教室から出て行く。
「ごめんね、みずきくん。服はここに置いとくよ」
誠先輩は出て行く前に僕のところへ服をもってきてくれた。
「気休めにならないかもしれないけど、いくら裕子でもいきなり人前で
晒し者にするようなことは無いはずだから、あまり気に病まないで。
俺から余り酷いことしないようにも言っておくからね」
やっぱりこの人は同情的だ。なぜかと考えて真っ先に思いつくのが容姿だ。
僕が言うのもなんだけど、誠先輩は女子と見紛う外見をしている。
そんなところで僕に仲間意識を感じて、助けようとしてくれているのかもしれない。
ただ、裕子先輩へ言ってくれても効果の程は疑問が残るけど。
その服が女子用の制服だった!
なんて事は流石にないか。
続き期待してます、GJ!
投下は書きながらの投下ではなくて、
投下分は書き溜めてから投下の方がいいかもね。
今日の投下はここまでです。
20レスくらい使ったけど場面が「一日目の朝」から進まなかった…
ちょっとスリム化したほうがいいかな。
>>378 おおっと、更新し忘れてたので感想頂いたのに気づいてませんでした。
ありがとうございます。
書き溜めはあって投下分は推敲もしてるんですけど、
いざ投下する段になって、細かな悩みが生じてしまいます。
中途半端な切れ方をしないよう精進します。
中々大作で良いね
まあ十二分に陰鬱だけど。
それでも良いと思う
>ちょっとスリム化したほうがいいかな。
個人的な主観だけど、見せ場のシーンであれば、
これ位の展開スピードでも十分だと思う。
あんまりあっさりしすぎてもつまらないので
それなりの書き込みも欲しいし。
重要でない繋ぎのシーンなどはあっさり表現して、
逆に初女装シーンとか重要な所は心理描写も含めて
しっかりかき込んでメリハリを付ければいいのでは?
(素人アドバイスですみません、基本好きなように書いて下さい)
こう来ると、誠先輩の女装シーンにもwktkして来た俺サマソ
悪い魔女に魔法で女らしく(女にじゃないよ)された王子様。
女装して旅をし、やっとの思いで魔法を解くことに成功する。
しかし、女装を止めることが出来なかった。
なぜなら、王子様には男の娘の素質があったからだ。
王子様でありながらお姫様として国民から慕われ末永く幸せに暮らしたとさ。
あ!今ビターチョコ的な話が思い浮かんじゃった!
でももう違う妄想書き始めちゃってるしぃみたいな。妄想って楽しいなあ。
感想やアドバイスくれた方ありがとうございました。
励みになります。
今から続きを投下します。
誠先輩も出て行き、残ったのはいずみさんと裕人くん、小川さん、弓削恵さんだ。
小川さんを除いた3人が1年生のいじめっ子主犯格と言っていい。
僕が服を着るとみんな空き教室から出ていく。
1年教室棟へ向かう途中、恵さんから突然股間をつかまれた。
「おぉ、しっかり勃ってるね。でも、前から思ってたけどみずきのモノってちっちゃくない?」
こんな風にからかわれるのが僕の日常だ。
「答えろよ〜。答えないとこれからブラ男ってあだ名で呼ぶぞ」
「……小さい方だと思います」
「そうだよね。アンタ男らしくないし、おっきかったらおかしいよね。
トランクスより今日のパンツの方が似合ってるし」
なにも言えず俯いてると、裕人くんが僕の肩を抱きくっついてきた。
彼と恵さんは僕の体をよく触ってくる。触るというか弄ぶと表現した方が適切かもしれない。
「はいはい、僕のみずきにあんまり触らないで。ブラ男ってあだ名はいいかもね」
「裕人、『僕のみずき』ってホモっぽい。大体アンタには小川がいるじゃん?」
「僕はホモじゃないよ。それに、はるかは女でみずきは男だから全く別だよ。
ご飯だけでもおかずだけでも満足できないでしょ?」
なんかよく分からない例えで勝手な理屈を言っている。それとホモじゃないというなら離れてほしい。
そこへいずみさんが割って入ってきた。
「大人気だね、みずき。あんた可愛いからねぇ。で、ブラ男ってあだ名どう?」
そんなことを言いながら僕のブレザーの前を開き、ブラジャーで膨らんだ胸を触ってくる。
「いっ、嫌です。お願いだから下着のことは人にバレないようにしてください」
「どうしよっかな。みずきの態度次第だねぇ。アタシたちの機嫌を損ねないようにね」
「はい、気をつけます。……あの、胸を触るのもそろそろ許してもらえませんか?」
教室が近くなり、人通りが増えてくる。このまま触られていると、ブラジャーがバレてしまうかもしれない。
「ふふ、ちょっと物足りないな」
そう言いながらも手を離してくれる。すぐにクラスが別れる通路に差し掛かった。
恵さんだけはクラスが違う。別れ際、彼女が耳元で囁いてきた。
「いずみの言う通り、アタシたちの機嫌を損ねたらダメだよ…
さて、せっかく提案したあだ名を却下されたアタシは大変不機嫌です。
だから、罰としてアンタをブラ男って呼んでやるよ。じゃね、ブ・ラ・男」
それはあだ名の提案というか、僕がペニスの大きさについて答えなければそう呼ぶって話だったのでは。
そんなことを突っ込めるわけも無く、許しを請う間もなく恵さんは自分の教室へ行ってしまう。
僕をからかって楽しんでるだけだろう。いきなりバラしたりしないはずだ。
そう思わなければ心の平静が保てなくなる
「みずき、教室入る前に自分の格好をおさらいしておこうか。アンタは男なのにブラジャーして女物のパンツ穿いてるんだよね。
1年1組風紀委員としてはどうしたらいいか悩むとこなんだけど」
いずみさんから改めて自分の下着を指摘され僕の顔は真っ赤になる。
「いっ、言わないで…ください」
まともに彼女の顔を見られず、上目遣いになりながら懇願する。
「そんな風に見られると弱いなぁ。よしよし授業中は何もしないよ。
さ、今日も1日頑張ろうか」
そう言って僕の頭に軽く手を置いたあと、なんだか満足げな顔で自分の席に向かっていった。
「風紀委員ならさっきまでの行為とか、『あれ』を何とかしてあげればいいのにね」
裕人くんが、風でまくれるスカートを必死に抑える小川さんを指さして言う。
彼女のスカートはしゃがんだり背伸びをすれば下着が見えそうな短さだ。
1年生としてはありえないスカート丈は勿論、裕人くんたちの命令だろう。
それを笑って見ている裕人くんは学級委員であり、イジメとかクラスの問題に対処する筈なんだけど。
僕も小川さんのようにみんなの前で辱められるようになるのだろうか。
女性下着を着けた姿を人目に晒されるなんて考えたくない。
ただ服を脱がされるよりずっと恥ずかしい。
不安で一杯のまま自分の席につき、その日の授業に臨んだ。
いずみさんの言葉通り、授業のある時間帯は何もされなかった。
4時間目が終わり、今また空き教室で僕は下着姿となっていた。
裕子先輩達の指示で様々なポーズをとらされている。
「ごめんね、みずきくん。早く帰りたいと思うけど、私たちに午後の授業を乗り切るための活力を頂戴ね」
今日は1年生は午前で授業が終わるので、もう下校時間となっている。
上級生は昼休みの時間だ。
授業をサボる先輩達ではないので、あと10分少々で終わるはずだと思い恥ずかしさに耐える。
同級生のいずみさんたちには僕をいじめる時間がたっぷりある事はとりあえず考えない。
今は腰に手をあて、少し前かがみのポーズだ。
何かの雑誌で水着を着たモデルが同じようなポーズをとっていた気がする。
「可愛いね〜。そういう格好似合うよ」
言葉だけ見ればほめ言葉だけど全く嬉しくない。
「ねぇ、みずきくん。今、自分が何を着ているか言ってみて?『下着』なんて簡潔な答えは求めてないよ」
ブラジャーとショーツを穿いていることを口にさせる気だ。
もう散々恥ずかしい姿を見られたけど、より一層惨めになる気がする。
見られるのとは別種の恥ずかしさを感じてしまう。それを分かって指示したのか、単なる思いつきなのか
いずれにしても言わざるを得ない。
「し、しろ、白いぶ……ジャーと、白い、じょ、女子用のパンツです」
上手く喋れず、途切れ途切れになりながら答える。
周囲で誰かが「変態」といった。予想していた野次だけど、それでも耐え難い屈辱を感じる。
「ピンクのリボン付っていうのも言って欲しかったけどね。今どんな気分?」
「……恥ずかしいです」
他に言い様がない。
こんな答えで大丈夫か不安に思ったけど、裕子先輩は満足そうにうなずく。
「うんうん、そうだよね。君の顔からも良く分かるよ。そういう表情が私を癒してくれるんだよ〜」
人の苦しむ様を見て癒されるだなんて。
人として何かが間違ってる!
でもこの場にいるのはそんな人ばかりだ。
「裕子、授業時間も近いし、もういいんじゃない?」
ここで唯一の真人間、誠先輩が助け舟を出してくれる。
「ふぅん、まだ時間は充分あると思うけど。足りない分はまこちゃんが癒してくれるのかな?
じゃ、そろそろお開きにしましょうか」
なんだか含みのある目つきで誠先輩を見ながら裕子先輩が答える。
やっと終わったと思い、普通の姿勢に戻った僕にいずみさんが声をかけてきた。
「みずき、最後にさ、朝とおんなじポーズとって。で、ちょっと腰をクネらせてみて」
朝のポーズって、頭の後ろで手を組んだ格好のことかな。
完全に体をさらけ出すことになるから、いろんなポーズの中でもトップレベルの恥ずかしさだ。
でも、僕に拒否権はない。
言われた通り、朝と同じポーズをとり少し体を傾けて腰を横に突き出すようにする。
「ふふっ、セクシーだね。そのまま目を閉じて」
いったい何がしたいんだろう。不安に思いつつも目を閉じる。
次の瞬間、何か光ったのを感じた。
目を開けると、いずみさんがデジタルカメラを持っていた。
「なっ、何を!?」
「写真撮った」
事も無げに言う。冗談じゃない!
慌てていずみさんの方に駆け寄る。
「い、いやっ、消してください」
「やだ」
「消して!お願いです!!」
いずみさんの手からカメラを奪おうとすると、彼女はカメラを持った手を高く上げた
僕の身長ではとどかない。それでも必死に跳んで奪おうとする。
勢い余って着地際にいずみさんにぶつかることも構わず何度も繰り返す。
「あん、やっ、やだ、みずき強引すぎるよ。女の子にはもっと優しくして」
茶化してくるけど、半ばパニック状態の僕は構っていられない。
卑屈になりきっている普段の僕では考えられないことだ。
何回繰り返しただろう。少し疲れて動きが鈍ったところで彼女が口を開いた。
「はい、ストップ。優しくしてくれないと写真ばら撒くぞ。
それとも今からその格好で連れ回されたい?」
その言葉で一気に頭が冷える。
冷静に考えると、のしかかったり足を踏んだりと結構えらいことをしてしまった。
ど、どうしよう。謝るだけで許してくれるかな。
「ご、ごめんなさい」
「ん、そうそう。素直でいれば写真ばら撒いたりしないから。
だからもう何枚か写真撮らせて」
こうなるともう何もいえない。この後、様々なポーズの写真を撮られた。
もともと逆らえなかったけれど、写真という弱みを握られたことで決定的になる。
この先、写真で脅されてさらに恥ずかしいことを強要されるのだろうか。
どうしよう。どんどん深みにはまり抜け出せなくなっていきそうだ。
投下ここまでです。
>>384 これで彼が女装しなかったらすごく無駄な描写ですよね。
ネタはあるのですが、今のままではだいぶ先になりそうなので展開を考えています。
396 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 19:01:32 ID:Cha5giSy
【女装に見える女装】(オヤジムーンetc)
や
【不細工な女性に見える女装】(オカマバーの年食ったママさんetc)
じゃなくて、
【綺麗な女性に見える女装】(歌舞伎やビジュアル系の女形etc)
を目指してくれ。
なんでブラしてんのん?が頭から離れない
今日も妄想だけは止まらない
書きたいけど書き出しが思い浮かばないんだよな
さあ個別のパーツを書いていく作業に戻るんだ
それを繋いでいけばSS一本出来上がるんじゃないかなと信じたい俺はただのROMです
400 :
再教育:2008/12/05(金) 11:07:50 ID:l/isCxbj
人里を少し離れた先に、大きな屋敷があった。そこには、中学生になる男の子の晶と、高校生の姉の葵と数人のメイドが住んでいた。
両親は、莫大な遺産を残して晶がまだ小学生で、姉が中学生の時に事故死してしまった。親と死別したときは財産目当てに多くの親戚が自分のところに来るように手招いた。
しかし、その一切を姉が断りこの家に残ることを選んだ。
まだ中学生だった姉がそんなことを決断できるわけもなく、実際に断るように言い聞かせたのはその当時両親から買われた、良家だった家系から身売りされていたまだ17歳だったメイドだった。
このときは、家には両親も居たため、実際にはこのメイド一人だった。
しかし、両親が死んでからと言うものの、財産の管理から家事や外部との関係を一人でやりくりするのは到底無理だった。
そのため、自分以外にも行き場が無く身売りされている娘を買いメイドとして、住み込みで働かせていた。
今までは特に問題もなく生活できていたが、最近は晶が反抗期なのか反抗的な態度が葵の手を煩わせていた。
※ ※ ※
「こんなの食えるかよ!」
夕食の時間、声を荒げて料理が盛られている器を思いっきり床にたたきつける晶。床に零れ落ちた食材と食器の欠片をそばについていたメイドがすぐに片付けようとする。
「も……申し訳ございません!すぐに片付けますので……」
「晶!せっかく作ってくれた料理になんてことするの!……貴方が片付けることないのよ、晶!片付けなさい!」
葵がきつい言葉で、晶を注意する。しかし、晶はそっぽを向いて全く聞こうとせず、それどころか葵にまでも反抗する。
「うるさいっ!こいつは雇われているんだから片付けるのは、当然だろ!…あ〜ぁ、部屋でカップめんでも食べよ。こいつの飯よりかは100倍美味いわ。」
散々メイドを罵倒した後、晶は席を立つとその場から立ち去る。そんな晶を見て、葵は引きとめようとするが無駄だった。
「ちょっと!待ちなさい!晶!……ごめんなさいね、貴方まだココに来たばっかりなのに……」
「い、いえ…。私の至らない料理に問題があったんですから……叱られても当然です……。それに、私はここに来れなかったら今頃はどうなってたか…」
顔こそにこやかに葵に話しかけるメイドだったが、そんなものは到底無理しているということは、葵にも十分解っていた。
「ごめんなさいね……。……晶はちょっときつい躾が必要ね…。」
葵は呟き、何かを決心した。そして、食事を済ませた後、メイド長がいる部屋に向かった。
「すみません、由梨絵さん。入ってもいいかしら?」
「葵様?どうぞ、入ってください。」
と部屋の中から声がすると、葵が部屋の中に入る。その中には、メイド服を着た女性が机に座りなにやら作業をしていた。
この女性こそ、両親と死別してから晶と葵の親代わりをしてきたメイド、由梨絵だった。
葵は、両親と死別してからは、ことあるごとに由梨絵に相談しており、本当の母親のように慕っていた。
「どうしたんですか?葵様。」
「あの…晶のことなんだけど…最近ちょっと反抗的過ぎない?」
「あぁ……晶様のことですね。確かに最近は少し目に余るものがありますね…。メイド達も晶様のことで愚痴をこぼしてますよ。」
「やっぱり…そうよね。晶には私がちゃんと躾けてきたと思っていたのに……。」
少し申し訳なさそうに話す葵。
「そんなことありません…葵様は立派に躾けてくださってますよ。……あの、もし良ければ、私に晶様の躾を任せていただけませんか?
少々荒治療になりますが、すぐに素直でやさしい晶様になると思いますよ。」
晶の躾を自分からすると言い出す由梨絵。葵は自分では手に負えないと思い、躾を由梨絵に任せることを決めた。
「そうね……由梨絵さんなら、任せてもいいかな…。じゃあ、由梨絵さんお願いします。」
「わかりました。では、早速明日からさっそく……」
このとき、由梨絵がニヤリとした表情に葵は気づくことはなかった。
つC
400さん、素晴らしい!
早く続きを!!
続き(´・ω・`)
急かしちゃイカンよ。
字書きにだって、生活があるんだ。
405 :
再教育:2008/12/08(月) 01:02:03 ID:j8IaUcS0
「晶様。晶様…朝でございますよ。」
「う……うぅん……なに……?」
晶が目を擦り、時計を確認すると、まだ朝の5時だった。寝ぼけ目で、声を主を探すと、そこにはいつも自分を起こしに来る由梨絵の顔が見えた。
「おきましたね。さ、早速お仕事ですよ。」
晶はいきなり仕事といわれて多少困惑したが、学業のことを指していると解釈した。晶はバイトもしていないので、そう考えるのが普通だと言える。
「???……今日は学校休みだろぉ…」
そう勝手に解釈すると、学校が休みだったこともあり晶は再び布団の中に潜り込んだ。この時、晶は由梨絵が勝手に日にちを間違えているだけと思っていた。
しかし、由梨絵はその言葉のまま、すなわち晶に労働してもらうために晶を起こしにきたのだった。由梨絵は、また布団に潜り込んだ晶の布団を捲りあげる。
「ひゃっ…な、なにするんだよ!今日は休みだって言ってんだろ!」
晶は由里絵を睨みながら反抗すると、由利絵が持っている上掛け布団を取り返そうと、座ったまま上半身を起こしあげて両手で布団に掴みかかる。
しかし、由利絵は渡さまいと片手で持った上掛け布団を晶の手に届かせないようにベットから放り出す。
「な、なにしてんだよ!」
その態度に晶は頭にきたのか、由利絵を思いっきり睨みつけながら怒鳴りつける。しかし、由利絵は全く動じずいつもの通り冷静に話しかける。
「最近の晶様の態度には目に余るものがございます。晶様には他人を思いやる心が足りないようなので、メイドとして私達と共に働いてもらいます。
そして、いかに私たちが苦労しているかを身をもって体験してもらいます。」
突然の由梨絵の言葉に晶はあっけに取られた。
「な…何言ってるの?俺は主人だぞ?その俺が、なんで奴隷として買われたお前らとなんで働かなくちゃいけないの?」
「先ほど申し上げた通り、晶様の態度があまりにも目に余るからです。そして、晶様にはいかに私たちが苦労しているかを身をもって体験してもらう
ことで、他人を思いやる気持ちを身につけてもらうためです。」
自分が主人の立場にあるのに、メイドとして働けなどと言われたりして晶はわけがわからなくなっていた。
晶は、もう一度自分が主人であることを強調する。
「お、お前何言ってるのかわかってるのか?そんな、反抗的な態度を取るんなら、姉ちゃんに言ってまた売り飛ばしてもらうぞ!」
必死に抵抗する晶を見てくすっと笑う由梨絵。その表情が更に晶の怒りを買った。
「なにが可笑しいんだよ!」
「晶様…いえ、晶。そんなこと、貴方にできるのかしら?私がやめたら、この家はどうなるのかしらね。
私は家事だけではなく、財産管理や外部との取引などもしているのよ。まだ、社会に出ていない貴方や、貴方のお姉さまはそんなことできます?
……おそらく、言うがままに他人に騙されてお父様がお残しになった会社の権利書や家の財産、全部もっていかれてしまうでしょうね。」
事実、由梨絵が家事もやっているのを事実だし、会社も社長には葵の名前が書かれていた。
まだ高校生の葵にそんな重役が勤まるわけも無く、実際に働いているのは由梨絵だった。
由利絵は元々、買われた頃から父親の仕事の手伝いを手伝っていたため、仕事の要領もかなり良く、職業柄か人当たりも良く部下にも好評だった。
そのためか、父親の会社は潰れず、むしろ父親がやっていた頃よりも会社は好景気だった。
このことから、由利絵が居なくなることは両親が不在の今、この家にとってかなり痛手になることは中学生だった晶にもわかっていた。
しかし、主人である自分のこと呼び捨てにしたり、自分を奴隷と同属に見ている由梨絵を、晶は許せなかった。
「う……うるさい!とっとと出て行け!」
晶は力いっぱい、由梨絵に反抗した。しかし、由梨絵には子犬が吠えているようにしか聞こえなかった。
406 :
再教育:2008/12/08(月) 01:04:58 ID:j8IaUcS0
「貴方に私をクビにできる権利はないのですよ。まぁ、主人である葵様が"辞めろ"と言うのであればしかたないですが…
貴方は今"新人メイド"という立場なのですよ。新人メイドがメイド長をクビにすることなんて、聞いたことないですね。」
晶をまるで小ばかにするように言う由梨絵。しかし、由利絵は表情一つ変えずに話す。
「お、お前……本気で言ってるのか…?」
「えぇ。本気ですが。じゃあ早速、この服に着替えましょうね。ほら、いつまでベットに座ってるつもりですか?メイドの朝は早いんですよ。」
由里絵は、晶の細い腕を掴みグッと力を入れてベッドから引きずり降ろそうとする。晶はそうはさせまいと、必死に抵抗するが無駄な足掻きだった。
晶の威勢の良さは口だけで、力は全くといっていいほど無かったため、あっという間に由利絵の手によってベットから引きずり降ろされてしまう。
「やめろよ!…うわっ」
晶は、抵抗することに必死で自分がベットに注意を引いていなかったため、思いっきり床に尻餅をつく。
「あらら、いつもは威勢がいいのに、口だけだったんですねぇ。ほら、立ち上がれる?ん?」
由利絵はしゃがんで、床に尻餅をついている晶の目線と合わすと、ニコニコしながら晶に手を差し出す。晶はその手を取らず、思いっきり叩く。
「馬鹿にすんな!」
そう言うと、晶は自分で立ち上がる。
「いけませんね、メイドがそういう態度だと。…まぁ、初日ですから、多めに見ますけど。じゃあ、早速これに着替えてください。」
由利絵はベットのそばに置いてあった服を拾うと、広げて晶に見せ付ける。この時点で由利絵が、冗談ではなく本気で言っていたことを理解した。
「う…うそだろ…」
「だから、さっきも言ったじゃないですか。貴方は今日から新人メイドとして働くんだって。」
本気で怖いのか、晶の顔が段々と引きつってくる。
「い…いやだ…絶対に着ない!」
「あら、メイドさんがこの服着ないなんて珍しいですね。でも、メイドとして働くにはこの服を着なきゃ駄目ですよ。さぁ、着替えてください。」
由利絵がそういうと、晶にメイド服を手渡す。しかし、晶は手渡された服を足元に落すと、その服を足で踏みつける。
「いいかげんにしろよ!こんなもん男の俺が着られるわけないだろうが!もういい、俺が姉ちゃんに直接話しつけるから。」
晶は、部屋から出ようとしてドアを開けようとする。しかし、何度引いてもドアは開かなかった。
「あ、あれ?なんで?」
ガチャガチャとドアを引き戸を何度も引いている晶の後ろで、由利絵は晶が踏んだメイド服を拾うと、晶のすぐ後ろまで近づいて話しかける。
「鍵かけてますから開きませんよ…」
晶が驚いて後ろを振り向くと、そこには先ほどの表情とはうって変わって、冷たい目で晶を見下ろしている由利絵の姿があった。
「あなた…まだ自分の立場がわかってないようですね……あんまり自分勝手だと私も怒りますよ…?…さ、着てください。」
由利絵は手に持ったメイド服を再び晶に手渡すが、晶は頑なに断る。
「だから、嫌だって……」
晶が続きを言おうとした瞬間、由利絵が晶の頬に思いっきりビンタをする。あまりの突然のことで、痛さも忘れて呆気に取られた晶に由利絵は、表情
一つ変えず、言い放す。
「着なさいって言ってるの……」
晶の頬から、ジワジワとビンタされたときの痛みが顔全体を覆うように伝わってくる。その痛みと、由利絵の冷たい声から来る恐怖を何とか押さえ込み
晶は声を震わせながらも抵抗する。
「だ、だから俺は…」
まるで、晶に発言権を与えないかのように、由利絵は再び晶の頬を思いっきりビンタする。頬を押さえて由利絵の顔を覗くと、こちらを思いっきり睨みつけていた。
そして、由利絵はそれ以上何も言わずにメイド服を差し出すだけだった。晶は、これ以上抵抗すると本気で何をされるかわからない恐怖から一時しのぎの
ためにその服を着ることにした。
この文体と改行はどっかの某20にそっくりですね
408 :
再教育:2008/12/08(月) 01:12:31 ID:j8IaUcS0
今日はここまで。
何か唐突に投下して申し訳ないです。
投下に関しては平日は不定期になると思いますが、土日には最低1回は投下しようと考えてます。
ベタなシチュな上、日本語と構想がおかしなSSですが読んでもらえれば幸いです。
あげるぞー
410 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 18:00:11 ID:KTM89zZ9
あげるぞー
411 :
再教育:2008/12/13(土) 22:35:30 ID:syrxvfZY
1/2
「き、着るよ…着るから…」
「それでいいのですよ。さ、着替えてください。」
晶が折れたことがわかると、由利絵はまた普段の優しい表情に戻る。
晶は、女物の服を自ら着るという屈辱的なことをしなければならなくなった。
しかも、自分の召し使いであるメイドの前で。
「あの…せめて後ろ向いててくれないかな…?」
「あら、いけませんわ。新人メイドが着替えに困ったときに
すぐに対応できるよう、ここで監視していなくてはなら無い義務がありますから。」
フフッと少し笑って言う由利絵。もちろん、そんな義務など無い。
ただ、晶の羞恥心を掻き立てたいだけである。
「じゃあ、いいよ…俺が後ろ向くから…」
「あらあら、先程言ったことがご理解なさっていないようで…。貴方が後ろを向いたら
私が義務を果たせないでしょう?だから、貴方は私の目の前で着替えるんです。
それとも、もう一度その可愛いお顔に傷をつけたいのですか?」
その言葉を聞くと、晶の頬から先程由利絵にビンタされた痛さがよみがえる。
晶は渋々でも、由利絵の言うことに従うしかなかった。
「あらあら、えらく素直ですね。いつものように"出てけよー"とか"うるせー"って怒鳴らないんですね。」
「う、うるせぇ…ょ…」
由利絵の怒りを買わないようにしていることもあってか、晶はいつものような怒鳴り声を荒立てることを遠慮しがちになっていた。
「無理しなくてもいいですよ。じゃあ、早速ですが着替えてください。あ、もしかして着替えさせて欲しいんですか?」
「じ、自分で出来るから…」
晶は、パジャマを脱ぎ下着姿になると、メイド服をそのまま着ようとしたが、由利絵がそれを制止した。
「あ、ちょっと待ってください。ごめんなさい、渡すの忘れてました。これを着てからその服を着てくださいね。」
由利絵がポケットから取り出したのは、丁寧に折りたたまれた水色と白の縞模様が入ったショーツだった。
「こ、これも履くの…?」
「そうですよ。嫌なはず…ないですよね♪」
不自然に微笑む由利絵の表情が、有無を言わせない表情だった。
晶は、また怒らせるのが怖くて仕方なく履くことにした。
「は、履くよ…」
「あら、こんな可愛い下着が好きだったんですね。男なのに変態ですね。」
由利絵は、男であることをわざと強調して言う。その言葉に、晶はますます頬を赤くする。
412 :
再教育:2008/12/13(土) 22:36:11 ID:syrxvfZY
2/2
「う、うるさいっ!早く渡せよ!」
「はいはい、変態晶ちゃん。どうぞ。」
晶は半分やけになって由利絵の手からショーツを奪い取る。
そして、メイド服で股間を隠しその下から履いていたトランクスを脱いでショーツを履く。
(うわ…結構キツイかも…)
トランクスには無い女性用特有の下着の締め付けが、晶のペニスとお尻にぴったりと締め付ける。
そして、晶はショーツを履いた自分の下半身をメイド服で股間を隠しながら恐る恐る見ると、
前がペニスのせいか、縞模様のショーツがすこし盛り上がっていた。
普通にしていたら確実に見ることの無い姿を見て、ショーツだけとは言え改めて自分が女装していることを実感させられる。
(お…俺…女装…してるんだよな…)
その瞬間、女装という行為に興奮しているのか心臓が今まで以上に鼓動を早めていった。
それに乗じて晶のペニスが徐々に勃起し始めてきた。
(うわ…な、なんで!?)
晶は、これ以上勃起させないようショーツの上から片手でペニスを押さえつけるが全く逆効果だった。
ペニスは収まるどころか、手の刺激によってますますペニスは勃起していった。
自分の思いどうりにならないもどかしさと、目の前に由利絵が居ることが晶をさらに焦らせる。
(だから…なんで止まんないんだよ…!)
晶は股を閉じたりして必死にペニスを沈めさせようとしていた。
その姿を傍から見ていた由利絵は、なにか嬉しいのかクスッと笑って晶に野次を飛ばす。
「どうしたんですか〜?さっきから、下ばっかり向いて?まさか、ぼっき…」
由利絵が"したんじゃないですか?"と続きを言おうとした瞬間、晶が声を上げる。
「う…うるさい!お前は待ってればいいんだ…よ…」
「はいはい、でも早くしてくださいね〜。もうあんまり時間ないんですから」
その言葉は、晶の耳には入らなかった。晶は自分の勃起したペニスを隠すことで必死だったからだ。
しかし、晶が焦ってショーツの上から強く押さえれば押さえるほど、ペニスは縮まらず、
むしろカウパー液があふれてくる始末にまでなっていた。
思春期だったこともあり晶にはその快感に打ち勝つことは出来ず、いつの間にか晶は荒い息を上げながら、
目の前に由利絵が居ることも忘れてショーツの上からペニスをさすり始める。
乙
弟のメイド生活終了したら今度はお嬢様にさせられたりしてほしかったり
415 :
再教育:2008/12/14(日) 23:14:49 ID:DgsmPFqr
1/3
「はぁっ……」
細い声で、うっかり声を出してしまう晶。晶はハッとして口を噤み俯いて由利絵に気づかれないように顔を隠す。
しかし、由利絵はその声を見逃すわけがなかった。
今まで少し距離を置いて見ていた由利絵が晶に近づき、晶の顔を覗き込みながら話す。
「なんですか〜その気持ちよさそうな声は〜?着替えているだけならそんな声でないですよね〜?」
晶は先程までペニスを押さえていた片手で口を押さえ、由利絵を言っていることを否定するように首を横に振る。
しかし、晶は少しの刺激さえあれば簡単に射精してしまうぐらい限界で、
自分でも立っているのもやっとで足がガクガク震えているのが自分でもわかった。
由利絵は、それを見透かしてかわざと小さな声で晶に耳打ちする。
「……限界なんでしょう?我慢しないで…出しちゃいなさい。」
ばれている。晶は薄々気づいていたが、それが確信となった瞬間、凍ったように動かなくなった。
由利絵はそんな晶を見ながら、クスッと笑うと晶のあごを手で軽く持ち上げる。
晶の顔は恥ずかしさからか顔を赤くして、今にも泣き出しそうな目を由利絵と合わせないように視線を逸らしていた。
「うぅ…」
「かわいい子…んっ…」
由利絵は、晶の反応を見ながら口に舌を入れる。
晶は、初めてのキスという行為に体を震わせながら射精しないように目を瞑り、拳を硬く握りしめてグッと耐える。
そんな晶を見透かしてか、由利絵はお構い無しに晶の口内を犯していく。
それだけではなく、晶の射精を誘うように自らの豊満な胸を晶の体に押し付ける。
その感じたことの無い女性の体に晶は悶え、遂には我慢できなくなったのか射精してしまう。
「んっ…ん”っ――!ん”―――――!!!」
晶は初めての射精だったこともあり、大量の精液がショーツを染み込ませて、晶の足を伝って床に落ちていく。
そして、大きく目を見開き、言葉にならない声を由利絵に唇を奪われたまま叫ぶと、
顔を由利絵の胸に埋め、そのまま由利絵に体重を預けるように倒れこんでしまう。
416 :
再教育:2008/12/14(日) 23:17:05 ID:DgsmPFqr
2/3
「はぁ………はぁ………」
晶は顔が真っ赤で目は虚ろになっており、もう息をするので精一杯なようだった。
そんな晶を見下ろしながら、由利絵はニヤリと笑う。
「ふふ……そんな気持ちよかったのかしら?」
「……………」
晶には反論する余力すら残っておらず、何も答えることが出来なかった。
由利絵はそれ以上聞き入ろうとはせずに自分にもたれ掛かった晶を、近くのベットに寝かせる。
そんな、晶に由利絵はさらに屈辱的な言葉を投げかける。
「……情けない格好ですねぇ。晶様。奴隷のメイドにいいようにやられちゃって……」
晶は、悔しさから出て来そうになる涙を、片腕で目を覆い唇を噛みしめて必死に堪える。
力でも勝てず、今の状況をどうしようも出来ない自分に心底情けなくなっていた。
「く…くそぉ…なんで…なんで、こんなことに……」
「こんなことにって、貴方の態度に問題があったから躾として仕方なく私が面倒を見てあげますのよ。
ほら、いつまでも寝てないで、いい加減に着替えてください。」
由利絵は、目を覆っている片腕を掴むと強引に起き上がらせる。晶の目は薄っすらだが赤くなっていた。
「うわ……」
「あらあら…泣いちゃったんですか?」
「そうじゃない!お、お前が強引に腕を掴んだから…えと…その…跡がついたんだよ!」
晶は決して泣いてはいないことを強調するように、意味不明な言い訳をする。
由利絵は、深く突っ込まず簡単に受け流す。
「あぁ、はいはい。そうですね。それじゃあ、着替えましょうか。」
「ば、馬鹿にしやがって…お前なんか絶対に売り飛ばしてやるからな!」
「何度も同じことしか言えない頭の悪い貴方にそんなことできるのでしょうかね。
もういいです、私が着替えさせてあげますから。じっとしててください。」
由利絵は呆れたような顔をして、晶が落としたメイド服を拾い上げてそれを着させようとする。
晶は、精液で濡れたままのショーツを着替えずにメイド服を着させようとする由利絵を制止する。
「ちょ……ちょっとまってよ!せめて濡れた下着を着替えさせてよ……」
晶のショーツは精液をかなり染み込んでいる上に、ペニスも精液でベトベトになっており、
とても履き心地が良いとはいえなかった。
しかし、そんなささやかな望みさえ打ち砕かれることになる。
417 :
再教育:2008/12/14(日) 23:18:06 ID:DgsmPFqr
3/3
「いえ、それはできませんわ。だって精液を出したのは貴方の粗相が原因でしょう?
それにショーツの替えも有りませんし。今日一日はそのショーツで過ごしてください。」
「そ、そんな……」
「ほら、着替えさせてあげますから、ジッとしているのですよ。」
由利絵は晶の要望を簡単に流すと、持っていたメイド服を人形に服を着させるかのように要領よく着替えさせ始める。
「ほら、ここはこうやって……こうやるんですよ。今度からは、ちゃんと自分で着替えられるようにしておくのですよ。」
由利絵は、晶が後から自分で着られるようにわざと声に出して着替えさせていった。
そして、メイド服を着させると、最後にカチューシャをつける由梨絵。
その姿は、姉の葵に似た女顔で髪が肩にかかる位長かったせいと、華奢な体に相まってか、到底男には見えなかった。
「とってもお似合いですよ。ほら、鏡を見てください。」
由利絵はそばにあった全身を写す鏡を持ってくると、その鏡を晶に向けて晶の姿を映し出す。
そこには、本当にメイド服が似合っている男の子が一人顔を赤くしながら立っていた。
「くっ…!」
顔を赤くして俯き、自分の女装している姿に恥らう晶。
そんな晶の仕草に由梨絵の中にある加虐心をくすぐられる。
由利絵は、今にも襲い掛かりたい心をグッと堪え、汚い言葉を使った晶を叱り付ける。
「ほら、"クソ"なんて汚い言葉、メイド足る者が使ってはいけませんよ。
貴方は、今日から"主人"ではなく私たちと労働を共にする"メイド"として生活するのですからね。
あぁそれと、この部屋を出てからは自分のことを"俺"ではなく"私"と呼ぶように。わかりましたね?」
由利絵は、決して厳しくは言わなかった。むしろ、からかっているようにも聞こえたが、目は本気だった。
変に刺激するとまた何かされてはたまらない晶は、素直に由梨絵の言うことに従った。
「は……はい……」
「よろしい。ちょっと遅くなりましたが、1階に皆さんもう集まっていると思うので、そっちに行きましょうか。」
二人は晶の部屋を後にして、1階にある部屋へと移動した。移動中も晶は恥ずかしいのか下を俯いたままだった。
しかし、その恥ずかしさもまだまだ序の口だったことを後から知らせれることになる。
418 :
再教育:2008/12/14(日) 23:34:01 ID:DgsmPFqr
>>412 今回は終始メイド女装で終わらせるつもりですので
お嬢様にする下りは、仮に入れるとしても次回以降
になりそうです。
期待に答えられそうに無くてごめんなさい。
つC
420 :
再教育:2008/12/14(日) 23:36:15 ID:DgsmPFqr
421 :
再教育:2008/12/17(水) 01:27:47 ID:M+RjXw7K
あの、この調子のままSS投下してもいいのでしょうか?
なんか、空気読まずに勝手にスレを占領してるみたいで…。
>>421 キャモーン!
楽しみにさせてもらってるんだぜ
むろん、新規の方も歓迎ですぞ
427 :
再教育:2008/12/21(日) 16:28:37 ID:ppg8Zwj0
428 :
再教育:2008/12/21(日) 16:29:16 ID:ppg8Zwj0
1/8
「さ、着いたわよ。ここが、今日から貴方が働くところよ。」
由利絵が晶のほうを向きそう言うと、晶は部屋にある名札を確認する。
そこには、"メイド室"と書かれた札が立てかけられている部屋だった。
晶は、いよいよ本当にメイドとして働くのかと思うと、心底逃げ出したい気持ちになった。
「どうですか、初出勤の気持ちは?」
「………!」
明らかに晶をからかうような口調で話しかける由利絵。いつもの晶なら暴言を吐いたりするのだが、
今の晶には、睨みつけることすらできず、ただ悔しさを耐えるように唇を噛み締めながら頭を項垂れるしかできなかった。
そんな晶を見て、由利絵がクスッと笑い話し続ける。
「ふふ…緊張してるんですか?大丈夫ですよ。頭の悪い貴方にも、
周りのメイドはきっと優しくご指導してくれますからすぐに慣れますよ。」
晶は今にも由利絵を思いっきり殴りかかりたい気持ちを唇を噛み締めて必死に押さえ込む。
ここで感情的になって切れてしまえば、またどんな折檻が待ち受けているのかわからなかったからだ。
(クソ……馬鹿にしやがって……こんな奴隷職に慣れてたまるか…大体メイドとして働くのは今日一日、一日だけだ!
明日になったら絶対姉ちゃんに言ってこんな奴、売り飛ばしてやるんだからな!)
晶は、今日一日耐えればまたいつもの生活に戻ると考えていた。
そんな様子をそばで見ていた由利絵は、計画通り事が運んでいるのが面白いのか、表情が自然にニヤけてしまう。
(キッチリ躾けてあげますからね…晶様……)
「じゃ、入りますよ。」
由利絵が、部屋のドアを開けるとそこには既に、6人のメイドが椅子に座り、会話を楽しみながら朝の食事をとっていた。
そこには昨日晶が皿を叩きつけたメイドの姿もあった。
由梨絵がドアの前で手を叩くと、メイド達が朝食を中断し一斉にこちらに視線を合わせる。
「はいはい。こっちに注目。今日からココに仲間入りする、晶ちゃんです。
仲良くしてあげてね。ほら、晶ちゃんも挨拶は?」
「っ……新人の…あ、晶…です。よろしく……」
晶は、メイド達の痛い視線を感じながらも、自分の顔がばれないように頭を項垂れ、蚊の鳴くような声で挨拶する。
一瞬、呆気に取られたメイド達だったが、よく見ると今まで散々自分達を馬鹿にしてきた晶だとわかると、
ヒソヒソと小声で話し出す。
「ねぇ…あの子…晶様じゃないの…?」
「確かに似てるけど…人違いじゃないの?」
「でも声も晶様そっくりだったし…」
「偶然じゃないの?」
メイド達の小声が晶の胸に突き刺さる。明らかに自分が晶であることを疑っている。
いずれ知られることになるのは晶自身もわかっていたが、やはり1秒でも長く気づかれたくは無かった。
(せめて今日だけ…1日だけ…気づかないで…)
そんな晶の願いも由利絵の一言で簡単に打ち砕かれる。
429 :
再教育:2008/12/21(日) 16:31:08 ID:ppg8Zwj0
2/8
「そう。この子は、昨日まで貴方達を顎で使っていた晶様です。あまりの変貌振りに驚いたでしょ?」
由利絵が晶の肩に手をポンと置き、ニコニコしながら事実を打ち明けてしまった。
晶は、薄々感ずいてはいたが、本当に打ち明けられるとなると泣き出したくなった。
メイド達は、新人メイドが晶だということを知ると途端に騒ぎ出す。
「え〜!?これ、晶様なんですか?」
「やだ、男なのにメイド服なんか着て〜気持ち悪い〜」
「恥ずかしくないの〜?変態〜クスクス…」
メイド達は、晶によっぽど酷い扱いを受けていたのか、ここぞとばかりに暴言を吐く。
晶は、好き勝手なことを言うメイド達を前にしてもいつもの様に怒鳴りつけることが出来ず、
ただ黙って唇を噛み締めて耐えるだけだった。
そんな様子の晶を見て、抵抗できないとわかったのか、一人のメイドが晶の目の前まで来る。
「ほら、なに頭下げてんのよ。先輩には面と向かって挨拶するもんでしょ!」
そう言うと、そのメイドが晶の髪の毛をグイッと持ち上げる。
そこには、唇を噛み締め、そのメイドを思いっきり睨みつける晶が居た。
しかし、そのメイドが昨日晶が思いっきり暴言を吐いたメイドだとわかると、途端に視線が泳ぎ始める。
「あらら?どうしたの?さっきまで私のこと思いっきり睨みつけてたのに。
私が恨み持って貴方をぶつとでも思ったのかしら?」
メイドはクスッと笑い、話し続ける。
「どうぞご心配なく。貴方には一人前のメイドさんになって貰うため、私がきっちり教育してあげますから。
大体、私、晶様と違って理由も無く人をぶつことに慣れてませんから。」
明らかに、晶を下に見たように言い放すメイド。晶は小声で悔しそうに呟く。
「く…クソッ…!」
「な〜に?何か言った?良く聞こえなかったんだけど?」
相変わらず、メイドは晶を挑発するような言い方をやめない。
そんな小学生みたいな喧嘩も由利絵の一言ですぐに中断されることになる。
「ほらほら、虐めないの。貴方は先輩なんですから、いじめる立場じゃなくて教える立場でしょ。
さ、有香さん、席に戻って。」
「あ……はい、すみませんでした。」
有香は、由利絵に向かって頭を下げると自分の席へと戻っていった。
有香が自分の席に戻ったことを確認すると、由利絵が話を再開する
430 :
再教育:2008/12/21(日) 16:32:04 ID:ppg8Zwj0
3/8
「それじゃあ今日の担当を言うわね。」
次々、各メイドに仕事の担当が由梨絵から言い渡される。それを尻目に、一向に晶の名前が出てこない。
「……で、最後に有香ちゃんと、晶ちゃんは部屋の掃除を担当してもらうわ。
有香ちゃんには、晶ちゃんにお仕事を教えてもらう指導役としてしばらく付き添ってもらうから、お願いね。」
「はい、わかりました。」
「他のみんなも、有香ちゃんだけに指導役押し付けるんじゃなくて、有香ちゃんが忙しいときは協力してあげてね。
そうしたほうが、晶ちゃんもみんなと早く仲良く慣れると思うから。よろしくね。」
『はい。』
(う……うそだろ……)
晶の顔が青くなる。そんな晶の心情を尻目に、有香の頭は着実に晶にどう仕返ししようかと考えていた。
「それじゃあ、各自さっそくだけど仕事を始めて。あ、晶ちゃんと有香ちゃんはちょっとココに残ってね。」
『はい。』
メイド達が返事をすると、一斉に動き出し自分の担当場所へと消えていった。
由利絵が、残った有香と晶に説明を始める。
「えっと、有香ちゃんは晶ちゃんが早く仕事を覚えるようになるべく仕事を回してあげて。
あ、でもちゃんと指導はするのよ。それと、晶ちゃんが何か駄々こねるようになって手がつけなくなったら
私の所に来て。私は部屋で作業しているから。それじゃあ、仕事始めて。」
「はい」
「……はい。」
晶は小さな声で返事すると、有香が晶を見下ろしながら言う。
「それじゃあ、行きましょうか。"晶ちゃん"。」
クスクスと笑いながら言う有香。完全に馬鹿にしていた。
しかし、逆らうと由梨絵の折檻が待っていると思うと、晶は到底逆らえることができなかった。
「……はぃ…。」
晶は、有香の後ろをノコノコと付いていく。その先は、葵の部屋だった。
晶は姉にまでこんな姿を見られるのは耐え切れなかったので、別の部屋を先に掃除することを提案した。
「あ、あの…有香さん。姉ちゃんの部屋は後でもいいんじゃない…?」
「駄目。今日は、葵様の部屋から回るよう指示されているの。
それと貴方、新人のメイドの癖にご主人様に向かって"姉ちゃん"って何様なの?
ちゃんとした言葉遣いをしないと由利絵さんに報告するからね。」
有香が冷たい声で言い放つ。実際、掃除する部屋の順序などは決まっていない。
ただ葵にメイド姿の晶を見せたとき、晶がどんな反応するか見たかっただけだ。
そんな自分勝手な理由も知らない晶は、今では立場が逆転してしまった有香に、ただ平謝りすることしか出来なかった。
「ご、ごめんなさい…今度から気をつけます…」
「ん。特別に許してあげる。」
有香は以外にも素直に晶を許すと、有香が葵の部屋をノックする。
すると、中から葵の声が聞こえてくる。
431 :
再教育:2008/12/21(日) 16:33:13 ID:ppg8Zwj0
4/8
「はい。どうぞ。」
部屋には葵一人、どこか出かけるのか、荷物の準備をしていた。
「失礼します。お部屋の掃除をしに参りました。あ、こちらは新人メイドの"晶"です。ほら、挨拶は?」
「ょ……よろしく……おねがいします……」
昨日まで、完全に下の立場だったメイドに強制的に挨拶させられる晶。そんな晶を見て、葵がさらに辱める。
「あら、晶ったらメイド服がぴったりお似合いね。
これからキツイかもしれないけど頑張るのよ、"晶ちゃん"。有香さん、不束な弟だけどよろしくね。」
「わかりました。弟さんを"人を敬うことの出来る立派な"メイドに仕立て上げれるよう頑張ります。」
(…くっ…なんでこんな奴に…)
晶のプライドは朝から今までのたった数時間の間で、ボロボロにされていた。
故に、一刻も早くこの馬鹿げた状況を脱したかった。
晶は、葵が準備している所を見計い、思い切って自分がこんなことになってしまった経緯を話し始める。
このとき、晶は話せばきっとわかってくれると信じていた。
「ね……姉ちゃん。これは、由梨絵が勝手に俺を躾けるためとか何とか言って勝手にこんなことしたんだ!
俺が好きでこんなことやってるわけじゃないんだよ!俺が言っても、あいつ全然聞かないんだ。
だから、姉ちゃんからアイツをクビにしてくれよ!」
必死に訴えかける晶。しかし、晶の躾を提案した葵が聞く耳を持つはず無かった。
「そうなの。でもね、これは貴方を躾けるために私と由梨絵さんが考えた最善の方法なのよ。
だから、そんなことできないわ。…それに、今の貴方はメイドなのよ?
それで、私が雇い主だから、私がその気になれば貴方を簡単に売りに出せるってこと、わかってるでしょうね?」
晶の目の前まで来て、ジッと見定めるように晶を見ながら話す葵。
「そ……そんな……冗談…だよね…?」
晶のその言葉にもまったく表情を変えず、葵はまじめな顔をして話し続ける。
「あら、冗談じゃないわ。大真面目よ。
まぁ、貴方なら顔も体つきも良いし、趣味の悪い中年親父やおばさんに高く売れるかもね。
それじゃあ、私は出かけてくるから。有香ちゃんの言うことを聞いて部屋を綺麗にしておくのよ、"晶ちゃん"♪」
「いってらっしゃいませ、葵様。」
「ちょ…ちょっと待ってくれよ!姉ちゃ…」
晶が言いかけたところで、葵は一切こちらを振り向かず、
ただ葵が閉めたドアのバタンという乾いた音が虚しく晶の耳に届くだけだった。
晶には、今まで味わったことの無い絶望感に打ちひしがれていた。
(そ、そんな……嘘…だろ……)
晶は信じられない事実を突きつけられ、顔が青ざめるどころか、身震いさえも起こしていた。
そんな晶を面白そうに傍観する有香の心の中には、晶に対する歪んだ気持ちで満たされていた。
(ふふ……いままで自分のしてきたことを思い知らせてあげる。)
432 :
再教育:2008/12/21(日) 16:34:07 ID:ppg8Zwj0
5/8
有香は、床にへたり込んでどうしようも出来なくなっている晶の後ろまで近づくと、晶を現実に引き戻すように話しかける。
「ほら、誰が休んでいいって言ったのよ。それに、なに?震えてるの?まぁいいや。ほら、仕事を始めるわよ。まずは床の掃除からね。」
有香は、葵の部屋には掃除機が備え付けられていたのにもかかわらず、わざわざ廊下に備え付けられているロッカーから、
ほうきと塵取りを取り出して来ると、晶に渡し掃除をするように促す。
「え……あ、あの、掃除機ですればいいんじゃないの…?」
「だめよ。貴方は新人なんだからほうきとちりとりで、しっかりと床のゴミを取るの。
掃除機なんてまだまだ先よ。それに、な〜にその言葉遣い?先輩に対して、話し言葉なんて信じられないわね。
今回は許してあげるけど今度からは、敬語で話すのよ。…ま、敬語も使えなさそうな"晶様"には難しいかな?」
新人が掃除機を使ったらいけないという規則などあるわけなく、有香も研修の時は普通に掃除機をつかって掃除をしていた。
有香は、ただ晶が悔しそうな顔を見たいためにわざわざ、廊下からほうきとちりとりをもってきたのだ。
(くっ……くそ!バカにしやがって……)
晶は、悔しさを抑えてただ有香の言われるままに動くしかなかった。
ここで下手に反抗すれば、由梨絵に告げ口され、下手すれば自分の身もどうなるかわからなかったからだ。
「は……はい…やります…。」
「はやくやってよ。まさか、掃除の仕方しらないとか言わないでよね。あ、できたら呼んでね。チェックするから。」
(知ってるよ、そんなことぐらい!)
ほうきとちりとりを渡すと、有香も自分のやるべき仕事を始めた。
多少なりとも経験を積んできている有香に比べ晶は、掃除する箇所が多いこともあってか、
明らかに仕事のスピードが遅かった。
「まだなの〜?ちょっと遅すぎない〜?」
有香が野次を飛ばす時には、すでに晶のチェックを待つだけとなっていた。
(なんでこんな奴に、俺が扱き使われなきゃならないんだよ……!)
今まで散々コケにしてきたメイドに服従されているという、晶にとってはこれ以上に無い屈辱からか、掃除をしている手を止め、
遂には床にペタンと座り込み、泣き出してしまった。晶は、必死に溢れ出てくる涙を止めようと手で目を擦り止めようとするが、
その行為は自分自身が泣いていたという証拠を作る行為でしかなく、反って逆効果だった。
(うわ……なんなんだよ………なんで涙なんかでるんだよぉ……)
涙を出さないよう、自分自身に何度も言い聞かせるが、涙の勢いは止まらなかった。
傍から面倒くさそうに指示を出していた有香は、急に床にうずくまり顔を拭いている晶を見て不審に思い、晶の方へと近づく。
「ちょっと、なにサボってんの?ほら、顔あげなさいよ!」
有香は、項垂れて涙を必死にふき取っている晶の髪を思いっきり掴み上げる。
そこには、涙の跡で目が真っ赤になっている晶の顔があった。そんな晶をみて、有香の顔が険しくなる。
433 :
再教育:2008/12/21(日) 16:35:23 ID:ppg8Zwj0
6/8
「うあ……ぐすっ……」
「チッ……なに泣いてんの?お前、まだ自分がどういう立場なのかわかってないようね。
お前は私より下の、どうしようもない使えないメイドなの!…ったく。
自分が主人だって威張り散らしてた頃は散々馬鹿にして、自分がその立場になると泣いて許しを請うわけ?
ほんっとムカつく!ほら、早くやってよ!」
「わっ…!痛っ…」
掴んだ髪を思いっきり床に叩きつけるように突き放た為、晶は体勢を崩し床に叩きつけられる。
有香は、それでもなお涙を流し続ける晶を更に追い詰めるように野次を飛ばす。
「うぅ……ぐすっ…」
「泣いてないで早くやってよ。どんだけ鈍いの?」
晶は、泣き声を必死に押さえて、有香に向かってひたすら謝る。
「ご……ごめんなさい……早くやります…だから…怒らないで……」
「……ったく使えないんだから……ほんと、葵様に言ってどこかに飛ばして貰おうかしらね!?」
その言葉にひどく怯えた表情になり、必死に有香に許しを請う晶。
「!!……それだけは……それだけは、やめて下さい…!頑張る……頑張りますから…!」
その言葉に晶は酷く怯えたのか、涙を堪えて上目遣いで有香と目を合わせ、必死に許しを請う。
有香は、そんな様子の晶を見て由利絵と同じように加虐心がくすぐられる。
「じゃあ、とっとと済ませてよ。もちろん、丁寧に掃除するのよ。」
「は、はいっ…」
晶は、先程とは打って変わってえらく素直になり立ち上がると、ほうきとちりとりを拾い再び掃除を始める。
既に晶の中では、自身が有香によって葵に告げ口されて売り飛ばされないように必死で、有香に対する憎悪
を抱く余裕が無いほど切羽詰まっていた。
(やらないと……やらないと……)
傍から退屈そうに傍観している有香に、変な目で見られ葵に告げ口されないよう必死に掃除する晶。
実を言うと、先程の葵の言ったことも、有香の言ったことも唯の冗談で本気で売り飛ばす気など無い。
ただ単に、晶に反抗的な態度を取らせないようにするため演技しただけだ。
(馬鹿ね…ホント、餓鬼なんだから……二度と人を舐めた様な態度を取れない様にしてあげる…)
しばらくして、晶が掃除を終わらせたのか有香を呼ぶ。その頃には、晶の涙はとっくに収まっていた。
「有香さん……あの…掃除、終わりました……」
「やっと終わったの。ホント鈍いね、アンタ。それじゃあ、チェックするからちょっと待ってて。」
有香のチェックが入ると、有香が至る所で掃除のやり直しを命じてきた。
晶には、有香がチェックを入れる箇所はどう見ても誰も気づかないような小さな所を、
無理やり探しているようにしか見えなかった。
434 :
再教育:2008/12/21(日) 16:35:57 ID:ppg8Zwj0
「ほら、ここも…どんだけ手抜いてるの?アンタ、仕事舐めてんの?」
「あ……あの…有香さん無理して汚いところ探してませんか……?」
その言葉に、有香がピクッと反応すると、晶のほうを振り向き、冷たい視線で晶を見ながら言い放す。
「……そう。自分のミスをアンタは先輩に押し付けるわけだ?へぇ〜…勇気あるんだねぇ。」
有香は言葉に出していないものの、晶の耳には明らかに『文句あるのなら言いつけるわよ』と言っているようだった。
そんな有香に抵抗できるわけなく、素直に謝る。
「い……いえ…ごめんなさい……直ぐに綺麗にします…」
「早くしてよ。ただでさえ遅れてるんだから。ったく…口ばっかりじゃ無くて手も動かしてよね!」
晶は必死にチェックが入ったところを綺麗にする晶。そんな様子を有香は面白そうに眺めていた。
(なんだかスッとするわ…いつもこんなに素直ならばいいのに。)
晶の掃除が終わり、再び有香がチェックを入れていると、急に誰かが部屋のドアを開け、話しかけてくる。
「お二人さん?掃除終わった?」
声の主は今朝頃、有香と共に食事をしていたメイドだった。
そうだとわかると、有香が答える。
「ううん、まだ。晶が使えなくって余計時間が掛かっているの。」
「そうなの。でも、もうお昼よ。用意も出来たしご飯にしましょうよ。」
やっと、有香の陰湿な苛めから逃れられる。そう思うと、晶はホッと胸をなでおろした。
有香はまだいじめたりないような感じだったが、渋々言う通りにすることにした。
「う〜ん…そうね。私もお腹すいちゃったし。でも、晶ちゃんは要らないよね。私達が作った料理は不味いものね。」
「そ…そんな…」
朝から何も食べてない晶は、とにかく何か口に入れたくて仕方なかった。
正直言うと、昨日も夕飯を食べず、メイドに食事を投げたのは学校で気に入らないことがあり、ただそれだけで憂さ晴らし
にメイドに逆上しただけで、決して作った食事が不味い訳ではなかった。
そんな晶に、呼びに来たメイドが助け舟を出す。
435 :
再教育:2008/12/21(日) 16:37:17 ID:ppg8Zwj0
>>434はページ7/8です
8/8
「ほら、有香ったら…新人苛めちゃ駄目でしょ。大丈夫よ、晶ちゃんの分もちゃんと用意してあるから。」
そう言うと、そのメイドは有香になにやら耳打ちをし始める。それを聞いた有香は、ニヤリと笑みを浮かべる。
そんな二人の様子を見て、晶は不安になったのか何を話していたのか聞く。
「あの…何を…」
不安そうな晶を見ながら、有香は聞かれたことを話す。もちろん、聞かされた内容とは別の話を。
「あぁ、よかったわね晶ちゃん。今日の食事担当の美樹が、晶ちゃんのために腕によりを奮って作ったらしいわよ。」
というと、有香は耳打ちしたメイド、美樹の肩をポンと叩くと何だか面白そうに話す。
少し本当なのか疑ったが、晶は素直に礼を言った。
「あ、そうなんですか…ありがとうございます。」
「よかったわね、晶ちゃん。じゃあ、私達はちょっと用があるから先に食堂に行っててね。」
「は、はい。失礼します。」
晶は、二人に頭を下げると葵の部屋を後にする。
晶が見えなくなったことを確認すると、途端に二人は可笑しそうに笑いだす。
「……あはははっ!美樹ったら…貴方のほうが酷いじゃない〜」
「酷くないわよ〜!これは、晶様への私なりの躾だもの〜。貴方こそあんまり躾とか称して苛めちゃだめよ〜。
相手はまだ中学生のお子様なんだからね。」
有香は笑いすぎて出てきた涙を拭きながら、美樹に話す。
「あ〜ぁ、本当に可笑しい。わかってるわよ〜。それじゃあ、そろそろ食堂に行きましょうか。
アイツったら、自分の食べる食事見たらどんな顔するかしらね?」
「わかんない。でも、喜んでくれるんじゃないの?あの子、ジャンクフード好きみたいだから。」
「ジャンクフードね…食べられる"物"だったら良いんだけどね」
「食べれるわよ〜!失礼ね。…って言っても私なら絶対食べないけどね。」
そんな話をしながら、二人は可笑しく笑い葵の部屋を後にした。
ワッフルワッフル
さぁwktkしてまいりました
(*´д`)
イイヨイイヨー
Motto!motto!!(*´∀`)o彡°
440 :
再教育:2008/12/22(月) 00:53:06 ID:B3FE1ScW
1/2
晶が食堂のドアを開くと、そこには既に自身の仕事を終えたメイド達が座っていた。
テーブルには、各人ごとに一人前程度の料理が既に置かれていた。
「こ、こんにちは…」
晶が浅く頭を下げて一礼し挨拶をすると、自分の席に着こうとするが美樹と有香が居ないので3席空いており、
何処に座っていいわからず、目をキョロキョロさせて自分の座るべく席を探す。
その時、晶の座るべき席の傍に座っている、一人のメイドが申し訳なさそうに晶に言う。
「あの…晶さんの席は……ここです…」
「あ、ありがとうございます…」
晶は、何故そのメイドが申し訳なさそうに言ったのかわからなかったが、その席に座って理由が明らかになる。
「な、何これ…」
そこに座ると、目の前には他のメイドと同じように料理が並べられていたが、他のメイド達の料理と明らかに
違う所があった。それは、確実に料理というより、料理の際に出てきた生の大根の葉やキャベツの芯が無造作
に並べられている皿と、日の経った表面がカチカチの冷たいご飯が乗せられている皿が出されていた。
晶は、他に並べられている料理と比べても、有りえない位料理の質が違っていた。
他のメイド達には、まかない物とは思えないぐらい、豪華な料理が並べられていた。
そして、改めて自分に用意された料理というより残飯を見て呆然とする晶。
そんな様子が可笑しいのか、晶の傍に座っているメイドを抜かした他のメイドが必死に笑いを堪えていた。
「ぷっ…あの顔…」
「ほら…笑っちゃ可哀想よ…ふふっ…」
晶は、その様子に気がついていたが、いつもの様に暴言を吐くことも出来ず、ただ項垂れているだけだった。
(なんで…ご飯もちゃんと食べさせてくれないの…?)
そんな二人の様子と晶の様子を交互に見ていた、晶の傍に座っているメイドがどうしていいかわからず、
少しでも晶の気を紛らわせようと気を使ってか、いきなり晶に自己紹介をし始める。
「あ、あの、私、ここに入ってまだ2ヶ月ぐらいしか経ってない新人の碧って言います。よろしくお願いします。」
晶は項垂れた頭を起こすと、碧に小さな声で軽く挨拶をする。
「新人の…晶です。よろしくお願いします…。」
最後に小さく頭を下げると、相当落ち込んだのか、そのまま項垂れた体勢のままになる。
碧が何とか元気付けようと、言葉を選んでいたその時、食堂に美樹と有香が入ってくる。
そして、有香が晶に近づき質素な食事を見ながらからかう。
「あら、よかったわね〜晶ちゃん。とっても美味しそうな料理作って貰って。野良猫に嫉妬されちゃうね。」
その言葉に、遂に我慢できなかったのか先程笑いを堪えていた二人のメイドと隣にいた美樹が笑い出す。
「ぷっ…あはははっ!有香ったら〜!アンタやっぱり酷いよ〜」
「なによ〜!元はといえば、美樹が作ったのがいけないんでしょう〜。って言っても、"ジャンク"フードが好きな
晶ちゃんには、これで十分だけどね。それに、そこらの加工食品と比べてもヘルシーだし。」
そんな風に馬鹿にする二人に対して、晶は何も反抗できるわけも無く、ただ項垂れたまま唇を噛み締めて、
再び出てきそうになる悔し涙を堪えるので精一杯だった。
441 :
再教育:2008/12/22(月) 00:54:11 ID:B3FE1ScW
2/2
そして、有香と美樹は晶をネタにして散々笑った後、二人は自分の席に着く。
「さ、皆さんお腹すいているでしょうから、いただきましょうか。」
美樹がそう言うと、各人が小さく『いただきます』と一声かけてからスプーンを取り食事を始める。無論、晶を除いて。
一向に食事を取ろうとしない晶に、耐えかねた碧が小声で晶に話しかける。
「あの…晶さん。なんでしたら、私の食事、分けましょうか?」
その言葉が晶の耳には入っているものの、また何かの罠かと思い素直に頷くことができなかった。
しかし、碧は晶に少ないとは言え何度も清掃の邪魔をされたり、暴言を浴びせられたりしてきたものの、やはり主人で
あった晶を憎むことは出来ず、ただ本心で言っただけだった。
そんなやり取りも、有香の目は逃すはずなかった。
「碧ちゃん。食事を分ける必要は無いわよ。だって晶ちゃんにも、美樹が腕によりを振るった料理が目の前にあるんですもの。
ほら、碧ちゃんもグズグズしていると、ご飯食べ損ねちゃうわよ。」
先輩である有香には逆らえないとしても、流石にこの状況はやりすぎだと思った碧は、思い切って席を立つと有香に意見を投げかける。
「ゆ、有香先輩!いくら酷い仕打ちを受けてきたからって、仕返しにこの仕打ちは酷すぎると思います!
大体、こんなこと躾として許されるはずありません!止めないんなら私…由利絵さんに報告しますよ!」
その言葉に、ワイワイと会話に花を咲かせていた食堂の空気が一気に凍りつく。
碧の体は、怒りか、それとも有香からの冷たい視線から感じる恐怖からか定かではなかったが、僅かに体が震えていた。
有香は席を立ち上がり、碧の直ぐ横まで近づいてきて碧の肩に手をまわすと、席に座っている全員に聞こえる声で話し始める。
「ふふ…そうよね〜、碧ちゃんの言う通りよね〜。これはちょっとやり過ぎちゃったかな〜。
それじゃあ、先輩に口出しする悪い碧ちゃんを躾ける方向に軌道修正しちゃいましょうかねぇ〜!?」
有香はそう言うと、肩にまわした手に思いっきり力を入れて碧の肩を手で握りつける。
碧は思わず声を上げて、有香の手から逃れようと必死に謝り許しを請う。
「い、痛い!や、やだ!やめてください!ごめんなさい!私がいけなかったんです!だからやめてぇ!!」
「ふっ…素直に大人しくしていれば、痛い目なんか見ないで済むのに。」
有香はパッと手を離すと、あまりの痛さに少し涙ぐむ碧に誰にも聞こえないように、こっそりと耳打ちする。
「今度あんな態度とって見なさいよ…前居た所に戻してあげる……」
有香がそっと耳から口を離すと、碧は恐怖から体が震えていた。
そんなことお構い無しに、有香は自分の席に戻ると何事も無かったかのように食事を再開する。
「碧ちゃん?いつまで突っ立ってるの?早く食べちゃいなさい。」
有香の何気ない言動に碧は過敏に反応し、有香に一礼すると席に座り食事を始めた。
その様子を傍から見ていた晶は、有香に力で勝てないことを改めて知らし召されたようだった。
GJGJ
続編も期待してます
おもしれぇぇ!
碧の存在はなかなか楽しませてくれそうだね〜。
可哀相なのにもっとやれとも思ってしまうわw
445 :
再教育:2008/12/23(火) 10:06:00 ID:KIwAczaY
1/4
しばらくして、有香が何か面白いことを思いついたのか、隣に座っているメイドにこそこそと話しかける。
晶は、そんな二人の様子に気づくわけもなく、ただ黙って誰とも目を合わさないように項垂れているだけだった。
「でも、碧ちゃんが言うことも一理あるわね……それじゃあ、私のご飯晶ちゃんに分けてあげる。ちょっと貴方、お皿一枚持ってきて」
「はい。」
有香が先程話しかけていたメイドはそう言われると一旦食堂から姿を消す。
しばらくして、そのメイドが持ってきたのは、一人前程度の料理が盛れる程度の皿だった。
その皿を有香に渡すと、有香は持っていたシチューとご飯の残りを全部その皿に移す。
そして、ご飯とシチューを入れた皿にスプーンを立てて、グチャグチャに混ぜる。
「さ、晶ちゃん。その料理が口に合わないようだったら、これを召し上がれ。」
と言うと、有香は、どう見ても残飯にしか見えないモノを床に置く。
晶は、朝早く叩き起こされ馴れない清掃仕事に疲れ果てて、正直目が回りそうなほど空腹だったが、
流石にも良家の息子というプライドが有ったため、そう簡単に有香の言う通りには出来るはずもなく断る。
「い……いえ……結構です……お気遣いありがとうございます…」
晶は有香に向かって、なるべく自分が知っている限りの丁寧な言葉を使って有香を変に刺激させないよう丁重に断る。
しかし、その様子を見ていた美樹が晶にちょっかいを出す。
「晶ちゃん。それはないんじゃないの?有香さんは貴方の先輩なのよ?まぁ、有香さんなら笑って許してくれるでしょうけど…
新人の貴方は先輩のご好意を断る権利なんて無いはずだけど?皆さんはどう思います?」
そう言うと、美樹は他のメイド達にアイコンタクトを取り有香に有利な意見を発言するように求める。
碧を抜かした二人のメイドは、何の躊躇も無く美樹の言わせたい意見をそのまま発言する。
「私もそう思います。晶さん、有香先輩の折角のご好意に甘えるべきですよ。」
「私も同意見です。」
二人は至って真面目に意見を言う。しかし、実際は笑いを堪えるので精一杯だった。
446 :
再教育:2008/12/23(火) 10:06:57 ID:KIwAczaY
2/4
「そうよね。じゃあ、碧さんはどう思ってるのかしら?」
次に美樹は碧に意見を求める。本当のことを言えば、先程のように思っていることを素直に発言したかった。
しかし、美樹のアイコンタクトがそれを許さない。
「え…えっと……あの……私は…」
碧はどういって良いのか迷い、しどろもどろになる。
晶は、碧だけには本当のことを話して、この異常な雰囲気を打破してほしかった。
しかし、有香の出した助け舟でその願いもあっという間に打ち砕かれる。
「碧ちゃん、正直に、貴方が思っていることを言えばいいのよ。」
有香が碧を優しく見つめながら話しかける。
しかし、碧にはそんなに素直に聞こえるはずもなく、遠回しに脅しているようにしか聞こえなかった。
碧は仕方なく思っていることとは別の意見、すなわち美樹が言わせたい内容をそのまま自分の意見として発言した。
「わ……わたしも、同意見です……」
碧の声は震え、俯いたまま意見を発言する。有香はニヤリと笑うと碧を更に追い立てる。
「あら、以外ね。さっきまでは、晶ちゃんを弁護してた碧ちゃんが、今度は私達と同じ意見になるなんて。
人間の本心なんて、わからないものね。ふふ…」
有香は可笑しそうに小さく笑うと、早速晶に自分が床に置いたご飯を食べるように指示する。
「さ、晶ちゃん。遠慮せずに召し上がれ。」
「…はい。」
ここまで来ると、晶の一存で断ることも出来なかった。
晶は、仕方なく有香の傍に置かれている残飯が持ってある皿を取りに席を立ち、そこまでゆっくりと移動する。
移動するたった数メートルの間も、晶にとってはまるで処刑場へ向かっているかのような絶望感だった。
有香の傍まで来ると晶は座っている有香に一礼する。
そして、床に置いてある料理とは言いがたいモノを拾い上げると、また自分の席に戻ろうとする。
常識的に考えて、この行動を取るのは普通ではあるが、有香の歪んだ欲望の中ではそんな常識すら通用しなかった。
「誰が自分の席で食べて良いって言ったのかしら…?」
「え…?」
有香がニヤリと笑うと、にわかには信じがたいことを言い放す。
447 :
再教育:2008/12/23(火) 10:08:03 ID:KIwAczaY
3/4
「床に置いてあったんだから、普通はそのまま床に置いて食べるのが礼儀なんじゃないかしら?」
晶は、そのあまりにも人道的に外れた言葉を投げかけられ困惑し、どう答えていいか迷ってしまう。
晶は、なるべく有香を刺激しない言葉を選び、有香に自分の意見を発言する。
「あの…でも、スプーンも持ってないですから…手で食べるって言うのもちょっと…」
「あぁ、そうね…じゃあ、犬食いすれば?貴方にはお似合いだと思うけど?」
クスッと冗談みたいに、言い放す有香。晶はその有香の言葉にどう反応していいか戸惑った。
無論、自分は犬食いという恥さらしな行為などしたくは無い。
しかし、周りの視線と有香の好奇の視線がそれを許さなかった。
周りはいつの間にか、食事をする手を止めて、晶がどんな反応をするのか楽しみという様な好奇の目で晶を見ていた。
もちろん、碧を除いて。碧はただ何も気づかなかったかのように、一人食事を続ける。
晶は、一度碧に助けを求めるような視線を送るが、結局無意味に終わった。
暫くの沈黙の後、有香が口を開く。
「ほら、どうしたの?早く食べさいよ。まさか、食べれないなんて生意気言うんじゃないでしょうね…?」
もうここまできたら、晶は逆らえることなど出来なかった。
晶は、それこそ犬がご飯を食べるような姿勢になると、小さな口で少しずつ更に盛られている残飯を口に入れていく。
その行為を見ていた有香の周りを取り巻くメイド達は待っていたのかのように次々と、晶を罵倒する。
「やだー…本気で食べてるし…」
「マジでキモイ…女装した上に残飯むさぼるなんて…」
「そんなに好きなら、晶ちゃんには今度から人間ポリバケツにでもなって貰おうかしらね。」
そして、最後に有香が晶の顔の位置までしゃがみこむと、最後に今までで、一番キツイ言葉を投げつける。
「恥ずかしくないの?今まで奴隷扱いしてきた奴にいい様にされて?というかさぁ…ここまで落ちたんなら…もう死ねば?」
有香がそう言うと、先程次々に罵倒してきた二人のメイドと美樹はドッと笑い出す。
そして、晶の目からは、先程泣いたにもかかわらず、有香を主体としたあまりにもきつい仕置きと、有香の言う通り、
奴隷であるはずの相手に、全く反抗できない情けなさからか、大粒の涙が流れ自然と残飯を頬張る口の動きを止めると、
すすり泣き始めてしまう。
448 :
再教育:2008/12/23(火) 10:09:24 ID:KIwAczaY
4/4
「うぅ…もぅ…ヤダ……グスッ……」
しかし、そんな仕草もただ悪戯に有香の加虐心を刺激するだけだった。
有香は、乱暴に晶の髪を掴むと、晶と目を合わせてニヤリと笑う。
晶は、涙声で必死に離すよう訴えるが、今更有香にそんなこと通じるはずも無かった。
「うあ…ゃ……いやぁ…やめて…痛い…うぅ…」
「ほら、もっとお・食・べ♪」
有香はそう言うと、髪を掴んだまま晶の顔を、思いっきり残飯が持ってある皿の中に沈める。
「んぅー!んっー!」
晶は言葉にならない声で必死に『やめて』と伝えるが、有香はお構い無しに残飯を顔に擦り付けるかのように押さえつける。
有香は、晶の顔を2〜3回押し付けた後、髪を引き上げる。そこには、ご飯が混ざったホワイトシチューがベットリと付いた
せいで晶の顔が真っ白になっていた。
その顔を見て、美樹が思わず突っ込みを入れる。
「やだ〜!晶ちゃんったら、誰かに顔射でもされたの〜?」
美樹のその一言で、またもや笑い出す。そして、晶の目からは止め処なく涙が溢れ出てくる。
そして、有香が髪を掴んだまま自分と目線を合わせると笑いながら話しかける。
「晶ちゃんエッチねぇ〜…男なのに、こーんなたっぷり精液ぶっかけられるまで、おちんちん咥えちゃって…
ねぇ?そんなに美味しかった?」
「うぅ…もぅ…やだ…」
晶は、視線を合わすまいと目をギュッと瞑る。
しかし、有香は掴んだ髪を左右に揺らし、話し続ける。
「ほら、答えてよ〜?それとも何、貴方学校に行ってて言葉も理解できないの?」
晶はそれ以上、口を噤むが、耳からは有香や美樹から卑猥な言葉や罵倒する言葉が際限なく入ってくる。
そんな状況でも、碧は有香と目を合わせず既に済んだ料理の前で黙って項垂れていた。
しかし、何もしていない訳ではなく碧は、このどう考えても異様な雰囲気を打破しようと何か解決策は無いか必死で考えていた。
そう思った瞬間、食堂の古時計が13時を独特の音色で知らせる。つまり、昼休憩が終わりを告げたのだ。
これで流石の有香も、晶を苛めるのをやめざる終えなくなった。
「あら、もうお昼終わっちゃったの。じゃあ、片付けなくっちゃね。」
有香がそう言うと、掴んでいた晶の髪を離す。晶は、またもや体勢を崩し床に倒れてしまう。
そして、有香が起き上がると晶を見下ろしながら話しかける。
「午後からは、仕事テキパキやってよね。ほら、いつまでも寝そべってないで片付けてよ!本当に愚図なんだから!」
「うぅ…グスッ…」
晶は有香に対する恐怖心と、人に対する不信感がこのたった一時間で強く根付いてしまった。
碧は、このまま有香に任せるときっと今以上に晶を苛めると思った末、有香に指導係の交代を提案する。
「あ…あの!晶さんの指導係、今日の午後から私に交代してくれませんか…?」
「そうね…貴方のほうが晶ちゃんと年が近いし。何かと気が合うかもね。
それに私もこんな愚図の指導係なんて参っちゃってたところだし。じゃあ、碧ちゃん交代して。」
「は、はい!」
有香はそういうと、再び自分の空になった料理皿を片付け始める。
碧は深々と有香に一礼すると片付け始める。
そして、片付け終わった順から部屋に一礼して、また各担当箇所へと向かっていった。
その間も、晶は床に寝そべったまま、ただ涙を流し床を濡らしていた。
449 :
再教育:2008/12/23(火) 10:13:49 ID:KIwAczaY
因果応報とはいえ晶カワイソス(´・ω・`)
エロはそろそろ来る?
451 :
再教育:2008/12/24(水) 00:08:19 ID:xXKW7oLH
>>450 ご意見ありがとうございます。
ちょっと苛めすぎましたか…以後はなるべくやさしめにしますね。
>エロはそろそろ来る?
まだ書いていないので断定は出来ませんが、まだ先になりそうです。
ごめんなさい。
期待に添えられるよう、なるべく早い段階からエロを入れてたいとは考えていますが
なにぶんスマートな文章を書くのが苦手で…
無理せず自分のペースでおk
てか被虐描写がすでに十分エロい。
力作乙
454 :
再教育:2008/12/24(水) 23:02:08 ID:X3U41LL7
>>452 そう言っていただけるとありがたいです。
しかし、せっかく自分のSSに寄せられた要望などは可能な限りは
取り入れていくつもりです(未熟上、無理な場合が多いかもしれませんが…)
>>453 まさか、そんなお褒めの言葉をいただけるとは…
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
割り込み失礼
女装サンタのオナニーは好きですか?
ちょっと欝っぽい気もするけど気にするな
救いなんて更々無いぜ!
鏡の中には、ミニスカートのサンタが映っている。
ガーターストッキングを穿いて、肩の開いたデザインの、まるで風俗嬢のようなサンタだ。
ただ普通の風俗嬢と違うのは、その股間に醜いペニスがあること。
これさえなければ、私も悟史に抱いてもらえたかも知れないと思うと泣けてくる。
実際泣きながらオナニーしているのだけれど。
シーメールもののAVを見せて、反応が良かったら使うつもりだったミニスカサンタ衣装。
覚悟はしていたけれど、「無いわー」の一言で終わってしまった。
ホモバレして関係にひびが入るよりましだったと考えられる……わけがない。
「悟史……悟…史ぃ……っ!」
想い人の名前を呟きながら、お尻のバイブを動かす。
私にとってそれはバイブではなくて、彼のペニス。
実際に愛してもらうことが不可能なら、せめて妄想の中でだけはラブラブでいたい。
上衣の裾から差し入れられ、薄い胸板を揉む右手も私の男にしては小さな手でなく、彼の大きな手。
今私は、悟史に背面座位で抱き締められている。そうとでも思わないと、心の均衡が保てない。
悟史が私の耳元で囁く。
(好きだ。すっげーかわいい)
もちろんそんなことあるわけない。それなのに、私の体は敏感に反応する。
「ふ…あっ!はぁっ……!」
腰が浮き、背筋が勝手に反る。
バイブを動かすと、ジュプジュプとローションの泡立つ音がする。
万に一つも有り得ないと思いながらも、そうなったときのために洗腸してローションを入れておいたせいだ。
こんなことをされても悟史はドン引きするだけに決まってる。
そう理解しているのに、頭の中の悟史はどこまでも優しい。
(準備するのしんどかったろ。優しくしてやるからな)
そう言って、悟史は奥を突く動きからじっくりと腰をグラインドさせる動きへ変える。
実際は私がお尻を床に擦り付けているだけなのだけれど。
「だめ……!……優しく……され……たら、感じ……ちゃ、ぁ……っ」
私の喘ぎを黙らせるように悟史が口付け、乱暴に舌で唇を割り、口内を揉躙する。
その正体は私の左手なのだけれど、私にとっては悟史の舌以外の何者でもない。
唇を奪われ、愛を囁かれ、胸を揉まれ、尻を犯される。唇が、耳が、胸が、尻が、全身が切ない。
涙が止まらない。
その理由が、妄想の中で悟史に愛されているからなのか、それとも失恋故なのかは定かでない。
(も…、出る……!)
悟史の全身に力が入り、ペニスは最奥までねじ込まれ、胸は痛いほど掴まれ、唇を強く吸い合う。
半瞬遅れて感じる精液の暖かさ、ペニスの震え。存在しないはずのそれらが、ひどく現実感を伴って感じられる。
そしてそれに反応して精を吐き出す私自身。
前立腺が悟史のペニスに圧迫されているため、どろどろと漏れるようにしか出てこない。
長い射精の後に鏡を見ると、そこにいるのは無様に髪を振り乱した醜い女装男ただ一人。
私を愛してくれた悟史はどこにもいない。
これから先も、ずっといない。
クリスマスプレゼントのつもりで書き始めたのになんか湿っぽくなっちゃったね
不思議だなあ
これって作者の実体け(ryとか言っちゃ駄目だぜ!
では以下何事もなかったかのように再教育氏の続きをお楽しみ下さい↓
GJ。たしかにだいぶ鬱だが、これはこれでアリ
雨に濡れてしおれようとも、花が花である限り、愛でられる資格は残っているものさ
459 :
再教育:2008/12/25(木) 21:00:44 ID:QkQgC864
>>455 読ませていただきました。
>>458さんと同じく、私的にもこういう展開はアリですね。
叶わないと分かっていても、悟史に恋心を抱く主人公が愛らしかったです。
投下時以外のレスはほどほどに。
>>460 自治厨乙
だが、確かに作品と無関係の時にコテは使わない方が良い。
あとトリップつけてくれ。騙り防止に。
再教育!
再教育!
再教育><
再教育><
俺が……再教育だっ!
1/3
二人を除いたメイド達が各担当箇所へと出て行った後、
碧は、床に倒れて半ば放心状態になっている晶を心配してか、傍に近寄り話しかける。
「あ、あの…とりあえず、片付けましょう?ね?」
しかし、晶は碧の声が聞こえていないのか、誰も聞いていないのにも関わらず、
目をキュッと瞑りながら、ただ独り言のように謝罪を繰り返していた。
「ごめん…なさい…ごめんなさい…」
碧は、晶を起こそうと自分も床に座ると、晶の上半身を起こし上げようとして晶の体に触れた瞬間、晶がその手を
震えた手で弱弱しく跳ね除け、自分で上半身を起こし上げる。
晶は、碧と目線を合わせまいと俯きながら、震えた声で必死に謝る。
「ゃ…やめてください…もぅ…生意気…言いません…仕事もちゃんとやります…だから…お願い…許してください……」
「晶様…」
恐らく、ここにいるメイド全員に憎まれ口を叩かれたことから、自分も敵に見えてしまったのだろうと碧は思った。
無論、碧はそんなことするつもりは全く無かったが、碧も先程の事も考えれば当然のこととは思った。
そんな晶を見て、碧は背中に両手を回すと思いっきり抱きしめる。
「わっ…ゃ…やだ…許してください…」
晶は、また仕置きをされるのかと思っているのか、体が恐怖で震えているのが、碧の体に伝わってくる。
そんな晶を宥めようと、碧はポンポンと背中を優しく叩く。
「大丈夫です…私……碧は、晶様を傷つけたりなんてしませんから…安心してください。」
碧は、背中を優しく叩きながら、時には背中を擦って、少しでも晶を宥めようとする。
晶は、今日から叱られてばかりだったこともあってか、感涙を堪えきれず遂には碧の肩の上で泣き出してしまう。
「うぅ…グスッ…あ……ありがとう…」
碧は、晶の頭を優しく撫でながら話しかける。
「大丈夫ですよ…いっぱい泣いてください……」
晶は碧に甘えるかのように、そのまま肩の上で泣き続けた。
碧も、それに答えるかのように優しく頭を撫でて晶の心を落ち着かせようとしていた。
そんな、自分に必死に縋り付いて泣いている晶から、今まで生まれてこなかった感情が沸々と心の奥底から湧いていた。
2/3
暫くして、晶が泣き終わった頃を見計らって話しかける。
「もう大丈夫ですか?晶様?」
「う……うん。大丈夫…です…」
晶の目は、散々泣いたせいか赤くなっていた。そんな晶を見て、碧は優しく微笑む。
その碧の微笑んだ表情を見て年も近いこともあってか、晶は頬を少し赤らめる。
「それじゃあ、お片づけしましょうか?…っと、その前に、お顔洗っちゃいましょうね。」
「あ…うん。」
そう言うと、碧は床に置いてあった皿を持ち、晶の背中を支えながら立ち上がると、二人は厨房へと向かっていった。
碧は晶が食べ残した残飯を片付け、晶は顔に付いたシチューを取るため、厨房の脇に備え付けられている洗面所で顔を洗い、
その後、二人は他のメイド達と同じように食堂に一礼した後、碧が担当する箇所へと向かっていった。
※
碧が今日担当している箇所は、屋敷にある庭園の清掃だった。
碧は、晶を連れて近くの背丈が低い花が咲いている花壇の前に腰を降ろす。
晶もそれに続いて、腰を降ろすと碧が作業内容について話しはじめる。
「今から、ここにある邪魔な雑草を抜いていきますね。あ、抜いた雑草はここの笊の中に入れていってください。」
碧は、作業内容を言い終えると自分の傍に置いてある笊を指差す。
「こんな感じですけど…わかりました?」
碧が晶の方を向き、晶に作業内容の確認を取る。
しかし、晶は何も答えずただ花壇に咲いている花を沈んだ表情でジッと見ているだけだった。
心配になった碧は、もう一度聞きなおす。
「晶様?大丈夫ですか?」
晶はハッとした様に、碧のほうを向くと慌てて返事をする。
「あ…は、はい。わかりました。」
晶は返事をすると、早速碧が言った通り雑草を抜き始める。しかし、表情は依然として沈んでいた。
そんな晶を心配して、碧は作業をしながら話しかける。
「どうしたんですか…?そんな顔しちゃって。もしかして、まださっきの事を引きずっているんですか…?」
「う…うん…それもあるけど…それ以上に、俺のことあんなに嫌ってるんだなぁ…って思って。
でも、それも全部自分が散々馬鹿にしてきたツケだし…なんかもう、必要ないのかなぁ…。
俺…姉ちゃんが言ってたみたいに売り飛ばされるのかな…ハハ…」
晶は、そう言うと軽く苦笑いし、作業していた手を止めると両手で軽く身震いしている自身の体を抱く。
「もう…要らないんだ…俺みたいな、自分のことしか考えてない最低な奴なんて…」
晶には、今日からの出来事を振り返ると、本当に救いが無い絶望感しかなかった。
今は、その迫り来る絶望感に、今にも折れそうな心でただ耐えるしかなかった。
そんな晶を見て、碧が話しかける。
3/3
「…そんなことありませんよ。」
「…え?」
碧も作業を止めてボソッと呟く。晶はそんな碧の言葉に驚いてか、碧のほうを向く。
そして、碧は晶と目を合わせると真剣な表情で話し始める。
「だって、晶様はそうやって人の痛みを判るようになって、自分の欠点にも気づくことが出来たじゃないですか。
今までの晶様だったら、私達が何度も口を酸っぱくして言っても、きっとそんなことわかってなかったはずです。
それだけでも、今の晶様は立派に成長したと思いますよ。…それに、私は今の晶様のほうが…その…素敵だと思います…」
「碧さん…」
碧は、最後の言葉が少し恥ずかしかったのか、少し目線を逸らし頬を赤らめて話す。
晶も、その言葉に少しくすぐったい物を感じたのか、少し頬を赤らめる。
暫くの沈黙の後、碧が口を開く。
「だから…そんなに悲観的にならないで下さい…晶様らしくないですよ。それと、今はとっても愛らしい姿なのですから…」
碧はそう言うと、花壇に咲いている適当な花を一輪引き抜くと、それを晶の髪に飾り付ける。
晶は、その行動に少し驚いたように小さく声を上げる。
「わっ…」
碧は、花を晶の髪に飾り付けた後、人差し指を晶の唇に立てる。
「俺…なんて一人称は似合いませんよ。」
碧はそう言うと、小さく笑い優しく微笑む。そして、晶の唇から人差し指を離す。
「さ、早くやってしまいましょう。言われたところ終わらせちゃわないと、由利絵さんが五月蝿いですから。」
そう言うと、碧は再び作業を再開する。
晶は、おもむろに花壇の花を一輪引き抜くと、作業をしている碧の邪魔にならないよう碧の髪にその花をそっと飾り付ける。
それに気づいた碧が、晶のほうを振り向く。
「晶様…」
「ありがとう…私、碧さんの言葉に本当に救われました…。あの…これからも、仲良くしてください。」
晶は、優しく微笑みながら碧に感謝の言葉を述べる。碧は、照れくさくなったのかクスッと笑う。
「はい…こちらこそ、よろしくお願いします。」
碧は作業を一旦止めると、晶に向かってお辞儀をする。
それにつられて、晶も碧に軽くお辞儀をする。
そんな様子が何だか可笑しくなったのか、二人はクスクスと小さく笑う。
二人に訪れた、和やかな時間。しかし、そんな二人を窓から面白くなさそうに見ている者がいた。
「なんだが…ムカつくわねぇ〜…」
「ホントね…碧ちゃんったらここぞとばかりに、媚売っちゃって…」
それは、部屋の一室を清掃していた有香と美樹だった。暫くして、美樹が何か思いついたのか有香に耳打ちする。
それを聞いた有香の表情が緩んでいく。
「…ってことなんだけど…どう?いいと思わない?」
「…ったく貴方ったら…本当に天才ね…」
有香が呆れたように美樹を見ながら話しかける。しかし、本心はそれを今にもやりたくてウズウズしていた。
美樹は、クスッと笑うと美香に話し続ける。
「でしょ?ふふ…どうなるかしらね…きっと面白いことになるわよ〜…」
「確かにね…晶ったらどんな顔するかしら…?」
そう言うと、二人は高く笑い出す。
一方の碧と晶は、ようやく打ち解けたのか、作業をしつつ会話に花を咲かせていた。
…有香と美樹が来るまでは。
支援しときますよ。
…いったい何が?
よくわからないけどやめてー(´;ω;`)
自覚無しにひっそりと調教してしまうなんて……碧、恐ろしい子!
恐怖に震えつつ続きwktk
逃げてー(´ω`)
二人の時間を壊さないでー><
…ぶっ壊しちゃってくださいw
そろそろ他の職人さんのも読みたいな
何回かは書いてみたけどエロどころか女装に辿り着くのを考えるのが面倒で結局消した
ぽつぽついいのは思いつくんだけどそれ以外が壊滅的に書けない
女装のきっかけは多少強引でもベタでも何でもいいんじゃね?
女装シーン・女装してからのシーンが良ければいいんだよ。
一般小説並みの完成度を求めるより、
書きたいシーンメインで気軽に考えてみては?
>>475 多少は脳内補完するから気楽に書いてみろよ
もはや覚えている人がいる気しないが、保管庫に入れてもらえてたので続き(?)投下
異色でスマンが、口に合う人は息抜きにでも
(1/4)
目の前で、アイツが凍りついたように固まっている。
無理も無い。姉の部屋で女装して自慰行為に励んでいたら、部屋の主である姉が
突如ドアを開けて入ってくるなんて体験、頻繁に起こるとは言いがたい。
でも、それは私も同じだ。
家に帰って部屋のドアを開けたら、弟が女装して自慰をしていたなんて体験、
求めて出来るものじゃない。
「……何してんの?」
ついさっき、自慰行為にふけるアイツを撮影したケータイでその姿を確認しながら、
一目瞭然であるはずのことを、わざわざ問いかけてみる。
「ごめん……」
私のニヤけた目つきから逃れるように目をそらして、アイツが力ない言葉を吐くと、
顔の動きに合わせてウィッグの巻き毛が可愛らしく踊った。
「何それ? 何してたの? って、聞いてるでしょ?」
目を逸らしたアイツの顔を覗きこみ、目に言葉を投げかけるように問いかける。と、
アイツは口紅とグロスが過剰に塗りつけた下唇をかみ締めて黙り込んだ。……いい反応だ。
こうでなくては、いじりがいがない。私はこみ上げる感覚を堪えずに言葉に乗せる。
「私の部屋で、ナニ、してたの?」
含み笑いを隠さずに、もう一度問いかけてみる。
それでもアイツは答えない。いい反応には違いないけど、これでは埒があかない。
「ふーん……」
私は手元のケータイを閉じてバッグに仕舞うと、一歩、部屋を出る。
「判んないんだったら、誰か別の人に聞くしかないね。写真、あるし」
「あ……」
私は階段を降りて、外へ向かう素振りを見せてやる。
「やめて……」
後から、微かな声が聞こえる。だけど、私はそれを無視して階段を降りていく。
親がいたら、怒られそうなくらい大きな音を立てて。
「待って。お願い……」
振り返ると、ずり落ちそうなウィッグを気にしながら、泣きそうな声を上げて
犬のように四つんばいで駆けてくるアイツが見えて、思わず笑ってしまった。
その姿が、今のアイツには、妙にお似合いだったから。
(2/4)
「お願いしますでしょ?」
滑稽な姿を視線で撫で回すように見つめてから、少し、声のトーンを落としてみる。
ぴくり、と、アイツの肩が強張った――ような気がした。
「お願いします……」
身につけている服のせいか、泣きそうな中、無理やり声を出しているせいか、
アイツは、消え入りそうな少女の声にも似た、細い声で囁いた。
「ん〜……」
「お願い、します……。おねがい……」
「何してたの?」
「お姉ちゃんの、服、着てたの……」
「ふーん……。そういうの、何て言うんだっけ?」
「え……?」
「男のクセに、かわいい服着ちゃってさぁ? そういうの、何て言うの?」
「あの」
「アンタ、今、何してんの?」
「えっと……」
その言葉を口にすることにためらいがあるのだろうか。アイツは私の求める言葉を
なかなか口にしようとしない。
「言いたくないんだったら、別にいいけどね」
「あっ! まって……」
「嫌。こんな面白いこと、独り占めするのもったいないじゃない? 誰に言おっかなぁ」
私は心にも無いことを口にして、アイツの言葉を要求する。……本当は、こんな愉しいこと、
他人に分けるつもりなんて、あるはずがない。しかし、今のアイツにとって、
この言葉がどれほどの重みを持っているのかは、容易く想像できる。
それに、私は何となく知っている。アイツが今、私にどんな言葉を期待しているのか。
(3/4)
「やっぱ、私の友達かなぁ? それとも、アンタのクラスメイトとかがいい?」
「やっ、やあぁッ! やめて……。おねがい……。言うから、言わないで……」
泣きそうな声を通り越して、涙声と言っても良さそうな声を上げて、アイツは食い下がる。
怯えた目からこぼれ落ちそうな涙が可愛いと言ったら、アイツは、何て言うだろうか?
「じょそう……。女装してたの……」
「何で?」
「えっ?」
「何で? 好きなの?」
一瞬、目を逸らしてから、もう一度、私の笑みを確認するように恐る恐る私を見て、
アイツは、かすかに頷いた。
「何が好きなんだっけ?」
「じょそう……」
「聞こえない。ちゃんと人に話す声の大きさで言って」
「女装……」
「女装が何?」
「好きなの……」
「ダレが?」
「あ、ぅ……」
「男のクセに女装が好きなヘンタイはだぁれ?」
「あの……」
アイツは、困った顔で私を見たり床を見たり、落ち着きなく視線を動かして口ごもる。
だけど、私は確信している。あれほど熱い自慰行為に浸っていたのだ。想像の中で、
アイツはオンナになりきっていたに違いないし、その名前にだって、私は心当たりがある。
「……言いなさい」
鋭い言葉でアイツの心を貫くつもりで言ってやった。
「わたし……」
「わたしが何? ちゃんと全部言わないとダメ」
「わたし、女装が、好きなの……」
「私の目を見て言って。……ちゃんと大きい声で言ってよ?」
言葉を繰り返すアイツの息が、幾分か荒くなってきているのは、泣いたからだろうか?
それとも、そうではない別の理由あってのことだろうか? あのカオを見れば、誰だって判る。
(4/4)
「それで? 女装が大好きなヘンタイちゃんは、私の部屋でナニしてたの?」
「えっ?」
私が求めている答えが本当に判っていなかったのだろうか?
アイツは少しびっくりしてからそれに思い当たったように、口をつぐんだ。
だけど、私はそれを許さない。降りたばかりの階段を登り、アイツを見下ろして言う。
「私の服着て、私の化粧品使って、男のクセに女の子のカッコして、何してたの?」
アイツは、私の目を見たり、逸らしたり、せわしなく視線を動かしてから、
目を逸らしたまま言った。
「エッチなこと……」
「エッチなことって何? ちゃんと言えるでしょ?」
「あっ……」
ぺちっ! と、頬を両手で挟みこまれ、アイツが甘い声を漏らした瞬間、
身体の中をひとすじの電流が流れていくような感覚に襲われた。
ぞくりとするこの感覚、まぎれもなく、私が求めていたものだ。
想像の中で幾度となく繰り返し、夢に見て、焦がれていた感覚だ。
「エッチなことって何!? 言いなさい?」
「わかりません……」
「アンタ、まだ立場判って無いワケ?」
私が先ほど撮影したてほやほやの写メを突きつけると、アイツは観念したように言った。
「ぉ、おなにぃ…」
「何? 聞こえない」
「オナニー……」
「聞こえないってば!」
「オナニーしてたの!」
「ただしてたんじゃないでしょ!?」
「お姉ちゃんの服着て、オナニーしてたの!!」
「ふーん……」
「…………」
「アンタは、女の子のカッコしてオナニーしちゃうのが好きなヘンタイなんだ?」
「…………」
「こんな短いスカート穿いて、ホント、ヘンタイねぇ?」
廊下へ登り、その役目を全く果たしていないひらミニの端をつまみ上げてみる。
「やっ……」
「なにヤらしい声だしてんの? はっずかしぃ」
「やめて……」
「だめ」
顔を逸らして泣きそうな顔をしていても身体は正直だ。アイツの性器はこんな状況なのに
先ほどから変わらずの隆起を見せていて、いやらしい染みを作っている。
それが可笑しくて、愉しくて、ついつい、私の笑みの色は濃くなる。
「おいで」
「はい……」
手招きして部屋へ向かうと、アイツはご丁寧に四つんばいになったままついて来た。
意図的になのか、無意識なのか。素質があると言わざるを得ない。
同じ姉弟で、こうも違うものなのだろうか? 私はこみ上げて来る笑いを堪えながら、
四つんばいで着いて来るアイツに下着が濡れていることを悟られないように気をつけて、
部屋へ向かった。
異色の上にエロ分がなくて、正直スマン
再教育氏と
>>475に期待して、読者に戻るぜ
GJ!!わっふるわっふる!
おっお前・・・・・・・戻るぜ!じゃねーんだよ!
>>481 おぉい!イイ弄りっぷりなのに!
虐めるんじゃなくて弄るのがいいんだよGJ!
続き待ってる。
>>483-487 ありがとう… ノД`)
改めて見て見たら、また誤字脱字やらかしてて恥ずいが、
なんか書けたら、折を見て投下させてもらうわ
心からThx
あけおめ。
女装っ子に巫女服着て貰う妄想でもしながら寝るかな。
じゃあ俺は罰ゲームで着物女装で初詣行かされる少年を妄想して寝る
俺は可愛い美少年が、罰ゲームで成人式に着物女装で行かされる妄想する。
黒幕は姉。
一年上の姉が去年着た振袖を着せられ、カツラも被らせられる。
中学時代おとなしく友人も少なかった美少年は誰にも全く気付
あけおめ
>>491 今すぐそのプロットをノベライズするんだ
お前ら全員、妄想を文章化汁
ネット上にある女装ものの話を頻出の単語複数組み合わせて検索して見てるって
いってたひとが前スレにいたとおもうけど、小説じたてになってる
サイトだけにしぼりこむ効果的なキーワードってどんなのがいいのかな
女装 僕 スカート 「 化粧 眉
とかは??
文章で検索するのもいいかも試練
「物語 小説 女装 ○○」じゃダメなん?
○○にはそれぞれ読みたいシチュを入れる、と。
メイドとか弟とかデートとか。
二つの神社の娘同士で結婚しないといけない
みたいな百合っぽい風習の神社で
男しかいないから巫女女装してもう一方の神社の巫女といちゃいちゃしなければいけない
っていう夢を見た
初夢なら今年は楽しくなりそうだったのに
検索するときは巫女装束という単語は天敵なんだよなw
それはあるあるやでww
>>498 新年から想像力の平常運転ですね。分かります^^
しかも、結構いいシチュ。
少しですが続き書けたんで投下させてもらいます。
1/3
「楽しそうね。」
二人が他愛もない話をしながら作業をしていると、突然居るはずのない有香の声が聞こえてきた。
その声がした方に振り向くと、そこには有香と美樹が居た。
晶は、先程のこともあってか二人の姿を見るなり俯き黙り込んでしまったため、碧が応対する。
「…なんでしょうか?」
碧は、全く目を合わせようともせずに作業を続ける。
「あらあら、冷たいのね。さっきのことが癪に障っちゃったのかしら?」
「……」
有香の言うことにも、全く反応せず黙って作業を続ける。
「あらぁ〜?今度は無視?先輩に向かってそういう態度とる碧ちゃんには…お仕置きが必要みたいね…。」
そう言うと、有香はしゃがんで作業をしていた碧の両脇を取ると、そのまま碧を羽交い絞めにして体の自由を奪う。
碧は、いきなりの出来事に頭が混乱しそうになったが必死に有香の羽交い絞めから抜け出そうと暴れる。
「ちょっと…何するんですか!離してください!」
しかし、有香と碧はいくつか年が離れているせいもあってか、暴れても有香には全く効き目が無かった。
そんな状況を見て、黙り込んでいた晶が立ち上がると、勇気を出して声を上げる。
「ゆ…有香さん!嫌がってるじゃないですか!離してあげてください!」
しかし、有香がそんなに素直に言うことを聞くわけも無かった。
それどころか、いつの間にか晶の後ろに居た美樹によって、晶も碧のように羽交い絞めされてしまう。
「わっ…!ちょっと!離して!」
晶も碧と同様に、美樹の羽交い絞めから抜け出そうと、激しく暴れまわる。
そんな晶がうっとおしくなったのか、美樹は膝を思いっきり晶の急所に蹴り当てる。
「!!!!」
晶はあまりの痛さに、声にならない声を上げるとグッタリしてそれ以降抵抗する素振りを見せなくなった。
「大人しくしてなさい。今から有香先輩が良いもの見せてくれるらしいから、じっくりと見るのよ。」
美樹がそう言うと、有香に目で合図を送る。
有香はその合図を受け取ると、いきなり碧のスカートを捲り上げ、そのまま一気にショーツを引き降ろす。
碧は必死になってそれを食い止めようとしたが、体の自由が利かない状態では無駄だった。
「や…いやぁ――!!」
そこには、女には決して無いもの――ペニスが生えていた。晶は、あまりの突然のことに言葉を失う。
「…え?」
呆然としている晶に、有香はお構い無しに話し始める。
「どう?驚いたでしょ?…この子ね、見ての通り…貴方と同じ男の子なの。」
「や、やだ!晶様、見ないで!」
碧にそう言われると、晶はハッとして碧の体から目を逸らす。
無論、美樹がそんなことを許すはずも無く思いっきり膝で急所を蹴りあげる。
「ひぅっ!!!!」
「ほら、ちゃんと見なさいよ。言うこと聞かないと、貴方の大事なところ潰しちゃうわよ。」
美樹はそう言うと、ニヤリと笑いながら晶の顔を覗き込む。
一方の晶は、これ以上されては本当に潰されかねないと思い込み、美樹の言う通りにする。
2/3
「ご…ごめんね…碧さん…」
碧も晶の事情を分かってか、晶には何も言わなくなった。
「お…お願い…有香さん…離して…」
碧は、散々有香から離れようと暴れたせいか、既に疲れ果て有香に許しを請うしか道は無かった。
「駄目よ。これは、晶ちゃんを躾けなかった罰なんですからね。
…あら、こんな所にゴミが付いているわよ。取ってあげましょうね。」
有香はニヤリと笑うと、髪に飾り付けられていた花を引き抜くと、地面に落し踏みにじる。
それを見た碧は、思わず声を上げる。
「ひ、ひどい…!」
「あら、ごめんなさい。これそんなに大事なものだったの?
…でも、こんな物より貴方がもっと喜ぶことを晶ちゃんがしてくれるんだって。よかったねぇ〜碧ちゃん?」
「な…なにをさせる気ですか…私ならともかく…晶様まで巻き添えにしないでください!」
碧は、面白そうにクスクスと笑いながら自分の顔を覗き込んで話しかけてくる有香に対して、
必死に訴えるが有香は無視して話を勝手に続ける。
「…美樹、晶ちゃんをこっちに連れてきて。」
「は〜い。」
有香に言われるがままに、美樹は碧の目の前まで晶を羽交い絞めをしたまま連れてくる。
碧は、自分の目の前に突き出された晶と目を合わさないように、ただ黙って俯いていた。
「え…あの…なにを…」
晶は怯えた目で、有香の顔を覗き込みながら聞く。
有香は、興奮しているのか少し息を荒げながら晶に話す。
「男の子が気持ちよくなることって言ったら…わかるでしょう?」
「ま…まさか…や、やめて!それだけはやめてください!!」
有香のその言葉に嫌な予感がしたのか、碧は出せる声を絞り出して止めるように訴える。
無論、有香がそんなこと聞くはずも無かった。
「晶ちゃん…碧ちゃんもとっても楽しみなんだって。いっぱい気持ちよくさせてあげてね♪」
有香がそう言うと、美樹は力づくで晶を無理やり膝立ての体勢にし、羽交い絞めを解く。
そして、美樹が碧のペニスを前にして目のやり場に困っている晶に向かって耳打ちする。
「さ、晶ちゃん。大好きな碧ちゃんのおちんちん舐めて気持ちよくさせてあげて。
あんなに仲よさそうにしてたもの。それぐらいできるわよね?」
「ぇ…そ…そんなこと…」
「できるわよね…?」
美樹は冷たい声でそう言うと、晶の股間を後ろから膝でグリグリと押し付ける。
その行為は、先程のこともあってか今の晶にはとてつもない恐怖心を煽られた。
既に、美樹にさえ逆らうことも許されないことを体で知らし召されていた。
3/3
「でき…ます…。」
晶は、そう言うと恐る恐る萎えている碧のペニスを小さい口に含む。
その様子を見下ろしていた碧のペニスは、自分の意思と反して晶の口の中で大きくなっていく。
そして少しも経たないうちに、碧のペニスは晶の小さな口に収まりきらない程度の大きさになってしまう。
晶は、そのペニスを全て含むことは出来なくなり、一旦吐き出してしまう。
「ぷはぁ…はぁ…はぁ…」
晶は、唇から落ちそうな唾液を袖でふき取り、碧の勃起したペニスを目の前にして、これからどうやっていいのか困惑する。
無論、美樹の言った通りにフェラをすればいいのだが、いくら碧が女にしか見えないと言っても、
同性の、それも自分のモノより大きく勃起したペニスをフェラするなど、やはり抵抗があるのかそう簡単に出来るものではなかった。
その困惑した表情の晶を見て、背後から美樹が悪戯めいた声でささやく。
「ほらぁ〜遠慮しないでいいのよ〜?碧ちゃんのおちんちんも、舐めて欲しくてウズウズしてるみたいだし。
それに…本当に仲良くなりたいんなら、これくらいのことできないとね〜。」
美樹は碧の勃起したペニスを見ながら、可笑しそうにクスクスと笑う。
当の碧は、何も言えずただ恥ずかしさから顔を赤くして目を瞑りただ黙っていた。
晶も相変わらずどうしていいのかわからず、ただ黙って時が通り過ぎるのを待っていた。
「…もういいわ。貴方みたいな、言われたこともまともに出来ないような愚図にはキツイお灸を添えてあげる。」
美樹は痺れをきかせたのか、冷たい声でそう言うと急に晶の髪の毛を乱暴に掴む。
「痛っ…な、なにするんですか!?」
「ちょっと有香、少し後ろに下がってくれない?」
有香は頷くと、美樹の言われるがまま後ろに下がる。
そして、美樹は晶を膝立てさせたまま上半身を地面に倒しこむ。
すると、晶は美樹にお尻を突き出すような姿勢にさせられる。
「ご…ごめんなさい!ちゃんとしますから、お仕置きだけはやめて!」
「今更遅い。」
晶は、昼食のこともあってか、『お仕置き』という言葉に敏感に反応して必死に美樹に許しを請うが、美樹は全く相手にしない。
美樹の表情は、昼食と先程までの悪戯めいた笑顔などとは一変し、全く表情を出していなかった。
そんな急変した美樹の様子に流石の有香も驚いたが、すぐにいつもの様にニヤリと笑みを浮かべる。
「み、美樹さん!やめ…うぐっ!?」
碧は、晶のことが心配になり、なりふり構わず美樹に止めるように言おうとするが、それは直ぐ有香の手によって制止された。
「黙ってみてなさい…美樹がキレたらどんな仕打ちを食らうか学習に…ね。」
有香がそう耳打ちすると、碧は黙り込んでしまった。そして、二人はただ美樹と晶を傍観していた。
碧は晶の無事を祈り、有香は晶を滅茶苦茶に犯すことを祈って。
!!!!!!!!!!!!!!!
まさかの展開ktkr
GJすぎて泣いた
まさかの展開過ぎてニヤケがおさまらない
>>506-508 感想ありがとうございます。
励みになります。
今から、昨日推敲が終わらず投下できなかった分を投下させてもらいます。
1/2
一方の美樹は、晶の両手をポケットから出したロープで縛り、スカートを捲り上げる。
「男の分際で、ずいぶん可愛いショーツはいているのね。…さ、その中身はどうなっているのかな?」
美樹はそう言うとショーツを一気に下げると、晶の真っ白なお尻が出てくる。
「な…なにするんですか…もう…やめて…」
晶はあまりの恐怖で声が震えている。
しかし、美樹はお構いなしに晶のお尻を丹念に撫で回す。
「ふふ…可愛いお尻…さぁて…そろそろ、お前の処女をもらってあげる。感謝しなさい…」
美樹はそう言うと、自らのスカートをたくし上げる。
するとそこには、晶の小さなアナルには入りきらないような、太く立派なペニスが生えていた。
それを、横目で見ていた晶は思わず声を漏らしてしまう。
「う…嘘…」
「嘘じゃないわよ。ただ…碧ちゃんのモノと違って、偽者だけどね。」
美樹にそういわれてよく見ると、それは明らかにショーツの上から取り付けられた性具だった。
予め取り付けていた所を見ると、美樹は最初からこのような展開になることがわかっていて、晶を犯すつもりだったのだ。
晶は、先程羽交い絞めされていたとき、何か硬いものが腰辺りに違和感を感じていたが、この瞬間に晴れたと同時に
それで何をするのかと大体検討が付いてしまうのが怖かった。
「お願い…なんでも…なんでもしますから、それだけはやめてください…」
「だから、遅いって言ってんの。それに、慣れればとっても気持ちいいらしいわよ。
…ま、私は女だからわかんないんだけどね。」
美樹は、そう言いながらポケットから小さなボトルを出す。
そして、そのボトルのドロドロの透明な液体を直接ペニスバンドに垂らし、満遍なくペニスバンドに塗りつける。
つけ終わると、美樹は少し興奮しながら、晶のアナルに自分のペニスバンドを突っつく。
「さ…いくわよ…」
「や…やぁ…やめて…」
晶は、既に涙声で訴えたが美樹はお構い無しにペニスバンドを挿入した。
「ぁ…あぁぁ…いゃ…やだぁ…」
美樹のペニスバンドがアナルに割って入ってきたと同時に鈍い痛みが、晶の体全体にジワジワと広がっていく。
その痛さから少しでも逃げようと、目を瞑り、手をギュッとして地面の芝生を握り締める。
美樹のペニスバンドは、晶のアナルに対してあまりに太かったことと、晶が力を抜かなかったことが相まってか、
入れても直ぐに押し返される。しかし、美樹はそんなことお構い無しに、力ずくでペニスバンドを挿入していく。
「い…いたい…や…やめ…て…」
「痛いのはあたりまえなの。お仕置きなんだから…ねっ!」
「やあぁぁあああ!」
2/2
美樹は晶のアナルがペニスバンドを押し返してくることもお構い無しに挿入していく。
晶は、必死に息をついて落ち着かせようとしているが、もう既に気を失いそうだった。
「ゃ…いや…ゃめて…ほんとに…だめぇ…」
晶の顔は、だらしなく開いた口から出てくる唾液と、目から際限なく出てくる涙でクシャクシャになっていた。
美樹とっては、その力ない声も泣き顔も悪戯に興奮させる要因に過ぎなかった。
「あんたのことなんて知らないわよ。ほら、動くから…力抜かないとお尻裂けちゃうわよ。」
「いや…いやぁあああ!!」
晶は言葉にならない声でただ悲鳴を上げるだけだった。
美樹はそんなことお構い無しに、ペニスバンドをズブズブと深い所まで挿入していく。
晶の必死な悲鳴声も、美樹を興奮させる道具にしか過ぎなかった。
そして、美樹のペニスバンドが晶のお尻に半分ぐらい挿入されたところで美樹が可笑しそうに小さく笑いながら話しかける。
「ふふ…お前のお尻…よく咥えるわね…そんなに、コレが欲しかったのかしら…?」
「はぁ…ふぁ…た、たす…けて…」
晶は質問には答えようとはせず、強烈な痛みからただ頭に出てくる言葉を発するので精一杯だった。
そんな晶に対して、美樹は再び聞き直そうとはせずに、勝手に話を進める。
「そう。もっと深くまで下のお口でおちんちんを咥えたいの。…じゃあ…こうしてあげる…」
「ひゃっ!?」
美樹は地面に座ると、無理やりペニスバンドで繋がったままの晶の手を取り上半身を起こし、晶を自分の膝に座らせる。
晶は必死に、自分のお尻に半分ぐらい入ったペニスバンドを抜こうとして立ち上がろうとするが、既に膝はガクガクと震え、
足にまともに力が入らなかったので到底無理だった。
「お…お願い…もうやめて…」
晶が後ろを向き、美樹に必死に懇願する。そんな晶を見て、美樹はニヤリと笑う。
「許しを請うばっかりじゃなくて…少しは反省してよねっ!」
美樹はそう言うと、まだ入っていないペニスバンドを全部晶のアナルに沈めるため、晶の両肩を掴むと力ずくで
一気に沈める。その時、晶が声にならない悲鳴を上げる。
「やぁああああああ!!」
晶は、あまりの痛さに、美樹に全体重を預けるように倒れ掛かるとそのまま気を失ってしまった。
「あ…あぁ…ぅ…」
それを傍から見ていた碧は、有香に口を手で押さえられていたため、くぐもった声しか出せなかったが、明らかに叫んでいた。
そして、その光景を後ろから見ていて何もしようとしない有香を睨みつける。
そんな碧を見ると、有香は小さくクスッと笑うと碧に言う。
「あら、私が美樹を止めるとでも思ったのかしら…?ふふ…あんな愚図には、あの姿がお似合いなのよ。
ほら、見てみなさいよ、あの顔…口がだらしなく開いて涎まで垂らしちゃって…白目剥いちゃってるし…
アレがこの前まで私達の主人だと思うとぞっとしない?…っとごめんなさい、貴方にとっては愛しい『晶様』だったわね。」
ここまで侮辱されても、本来男である碧の力が有香より弱かったためか、碧は有香を跳ね除けることも出来ず、ただ見ているだけだった。
その自分の不甲斐なさに、碧の目からはただ涙しか流れなかった。
そんなことが目の前で起こっているとは知らず、晶はただ気を失い美樹の体に倒れていた。
しかし、美樹がそんなこと許すわけも無く、晶の頬を思いっきりグーで殴る。
晶は、唐突に頬に感じた痛みに驚き起き上がると、美樹が荒々しく晶の頭を掴み無理やり後ろを向かせ、罵声を浴びせる。
「誰が私に寄りかかって寝ていいって言ったのよ!…お前、私を舐めてんの?ねぇ?」
美樹のあまりの怖さに、晶は遂に泣き出してしまう。
「ご、ごめんなさぃ…そんなつもりじゃ…なかったんです…グスッ…」
晶はなんとか涙声で謝る。もう、晶の顔は涙と涎でグシャグシャになっていた。
その表情が、美樹の加虐心を更に掻き立てる。美樹は、荒い息を立てながら晶の頭から手を離すと、
両手でギュッと晶の体を抱きしめ耳打ちする。
「うわ…ゃ…いやぁ…」
「天国に…つれてってあげる。」
ニヤリと笑って言う台詞に、晶はただ力なく首を横に振るしか出来なかったが、
その『やめて』という合図も美樹には伝わるわけも無かった。
乙!
晶タソどうなっちゃうの?(´;ω;`)
ボコボコにされ気を失い、目が覚めると
おちんちんが切り取られてることに気がつくんですね
つC
碧ちゃん……
男だったのか…
(´・ω・`)
517 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 15:11:06 ID:2fOFOhi6
ちょ、誰かキャラデザ描いて
>>517 あるだけでも設定まとめて貰った方がいいな
女装少年がもう一人キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
520 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 15:11:28 ID:CbG/0h/d
なんという凌スレ
>>512-519 感想&意見、どうもありがとうございます。
後、一人一人の容姿についての描写はあったほうが良かったですかね…?
正直、読む人によって変わってくると思った(というより面倒だったので…)
ので省いたのですが…
とりあえず、もう少ししたら続き投下させていただきます。
1/4
美樹は、晶のアナルからペニスバンドをゆっくりと半分ぐらい引き抜くと、再びペニスバンドを一気に挿入する。
「うあああぁっ!」
涙が止まらない目は大きく見開き、口をだらしなく開けて悲鳴を上げる晶。
晶は、ただひたすら、悲鳴か嬌声なのかわからない声を上げることしかできなかった。
「あ…あぁ…んっ…だ、だめ…や、やぁ…」
その晶の声を聞いて、ますます興奮してきたのか、美樹は段々と腰の動きを早くしていく。
「ほら、満更でもないんでしょう!?気持ちいいんでしょ!?」
「あぁ…んっ…ぁ…や…やらぁ…」
晶はもう既に、意味を持った言葉など発することが出来る状態ではなかった。
段々と自分を失っていく晶の様子が、美樹を更に興奮させる。
「耳も…犯してあげる…あーんっ…じゅる…ちゅっ」
「ふぁぁ…や…お…おかひく…なっひゃぅ…はぁっ…」
その晶のよがり声と共に、美樹が腰を振りペニスバンドを晶のアナルに挿入するたび、
晶の腸液と美樹のペニスバンドのローションが混ざり合い、グチュグチュという卑猥な音を立てる。
その様子を傍から見ていた碧は、痛々しい晶の姿を見るのが嫌なはずなのに、目が離せなかった。
そして、ペニスは自分も犯したいと言わんばかりに勃起したままどころか、僅かにだが亀頭が先走り汁によって
薄っすらと濡れていた。そんな様子を後ろから見ていた有香が悪戯めいた声で言う。
「あらぁ〜?貴方の大好きな晶様が目の前で犯されているのにココがとっても元気ね。
…それとも美樹が羨ましくなっちゃった?」
有香が、碧の口に当てていた手を離すと、碧が後ろを向き、有香を睨みながら否定する。
「そ…そんなことありません!」
「ふぅん…そう。でも、ココはこんなに射精したいよーって主張してるのにね。」
有香は面白そうに小さく笑い、羽交い絞めを解くと、右手で碧の勃起しているペニスをゆっくりと扱き、
左手で服の上から碧の無い胸を弄り、射精を促す。
「ひゃっ!や、やめてくだ…あぅ…」
「ほら…よく見て…貴方のだ〜い好きな晶様が、美樹に犯されて、あんなによがり声出しているわよ…」
碧は有香に言われるがままに、目の前で犯されている晶の姿を見る。
そこには、先程まで自分と他愛も無い話をしていたときの、楽しそうな姿はどこにも無く、
ただ美樹に犯され泣きじゃくって、無理やり快感を貪られた挙句に、喘ぎ声を出している晶の姿があった。
そんな晶の姿を見て、碧は何も出来ない自分と、幾ら先輩であるとしてもやりすぎな美樹を憎む気持ちが募っていく。
それと同時に、晶を犯している美樹を自分に置き換えようとしている自分の姿もあった。
碧は、そんな歪んだ考えを直ぐに払拭させるように頭を横に振る。しかし、ペニスは相変わらず勃起したままだった。
そんなことを有香は見透かしてか、碧のペニスを更に強く扱く。
「あっ、やだ、やめてください…」
「ふふ…無理しなくてもいいの。いっぱい出しちゃいなさい…」
碧のペニスからは、先走り汁が溢れ出し有香がペニスを扱く度にニチュニチュと卑猥な音を立てる。
有香は、ペニスだけではなく、碧の硬くなった乳首を指先で撫で回して服の上からも刺激する。
「ふぁ…や…やめて…」
「だーめ。それにしても良くがんばるわねぇ〜?…それじゃあ、これはどうかなぁ〜?」
有香はそう言うと、今まで以上に強く碧のペニスを扱く。
すると、碧は今にでも射精しそうなのか、膝がガクガクと震えていた。
「やぁ…だめぇ…ホントに、出ちゃうぅ…」
碧がそう言うと、有香が急に手を止める。碧がホッとしたのも束の間、有香が碧にとっては信じられないことを言い出す。
2/4
「ここで出しちゃったら庭が汚れちゃうから、精液は晶ちゃんの口に中出ししちゃいましょうか。」
「え…」
有香がそう言うと、晶のだらしなく開いている口に碧のペニスをねじ込もうとする。
碧は、有香の魂胆がわかった途端に、必死にずり下がり少しでも晶の口から遠ざかろうとする。
「いや!やめて!お願いですからやめてください!」
その声に気づいたのか、美樹が碧の気持ちを見透かしたように碧に言う。
「ふん…本当は舐めてもらいたくてしかたないくせに…有香、やっちゃって。」
「了解〜」
碧は必死に有香から逃げようと抵抗したが、それも無駄に終わった。
「いや!晶様、お願い気づいて!」
碧は、必死に目の前に居る晶に訴える。
しかし、晶は美樹が突き上げるたびに感じる、不思議な快感に耐えることで精一杯で、
とても目の前のことに注意を向ける余裕など無かった。
「ゃ…みき…やめぇ…ひゃ…あぅ…」
晶が美樹に訴えるその声も、時折あえぎ声が混じっていた。
美樹はそれに答えるかのように、息を荒くしながら激しく突き上げる。
「よくもそんな嘘つけるわね…本当は気持ちいいんでしょ!?ねぇ!?」
「きもちよく…あぅ…な…ぃ…あぁ!」
晶の言葉には既に真実味など欠片も無く、ただ美樹が一方的に与える快感に悶えることしかできなくなっていた。
碧は、ただ晶を呆然と見守ることしか出来なかった。
そんな晶を見て、後ろから有香が碧に言う。
「ふふ…晶ちゃん、貴方のココが早く欲しいんだって♪良かったねぇ〜?」
有香のその言葉に碧が、声を震えて反論する。
「うそ…嘘です…晶様はきっと嫌がってる…はずです…」
しかし、碧もはっきりとは断定できなかった。そう信じたいという思いがあっただけなのかもしれない。
そんな碧を見て有香はクスッと笑う。
「ふふ…そうね。そうかもねぇ…でも、あんなによがり声出して嫌がる男の人って居ないと思うけど。
さ、貴方も出しちゃって気持ちよくなりなさい。溜まっている分、全部出しなさい…」
「やめ…やぁぁあああ!」
碧の勃起したペニスは、晶の小さい口の中を無理やり割り込むように入っていく。
その晶の柔らかい舌の感触と、晶の口の中を犯しているという事実が碧の感情を一気に高ぶらせる。
「あ、いやぁ…あ、だめ…もう、でちゃう……でちゃうぅうう!!」
碧のペニスは、晶の口の中に入った途端に大量の精液を吐き出していく。
「んぐぅ!?んんっ――!!」
晶は突然口に入ってきた大量の精液をどうすることも出来ず、ただ口の中に溜めていく。
「あぁ…あぅ…ご…ごめん…なさぁい…あきら…さまぁ…」
碧は射精が終えた瞬間、遂に足腰に力が入らなくなったのか、ガクガクと膝を震わせると有香に背を持たれたまま、
そのまま地面にぺたんと座り込む。
3/4
一方の晶は、精液独特の青臭さに耐え切れず吐き出しそうになる。
それを見計らって、美樹はサッと晶の口元に手を当てる。
「うっ…おぇ…んぐっ…!?」
「吐き出さないで。そのまま飲み込みなさい…」
晶は無理だと言わんばかりに、首を横に振るが美樹がそんなこと許すはずも無い。
「飲めって言ってんの…」
そう言うと、美樹はカチカチに勃起した晶のペニスを思いっきり掴む。
言葉に出来ない激痛が一瞬にして晶を襲う。
「ひぐぅ!」
「ほらぁ、飲まないと去勢しちゃうぞ〜?」
美樹は段々と力を入れていく。それと共に、晶のペニスが悲鳴を上げる。
それは、美樹が晶には選択権など無いという事を知らしめるようだった。
晶は、必死に碧の精液を押し出そうとする喉に無理やり精液を飲み込む。
「ん…んぐっ…」
「あら、美味しそうに飲むわね。そんなに美味しかった?ん?」
美樹は面白そうに、晶の肩口から顔を覗き込みながら話しかける。
しかし、晶は美樹と目を合わせようとはせずにただ黙っていた。
「まぁいいわ。ちゃんと飲んだご褒美に…貴方の汚らわしいモノを扱いてあげる。」
美樹はそう言うと、晶のペニスを掴み扱き始める。
「ふぁ!や、やだぁ…」
「嫌なわけないでしょ、こんなカチカチに勃起させて…ほら、早く出しちゃってよ!」
そう言うと、美樹は前立腺を刺激しながらペニスを強く扱きたてる。
晶のペニスも相当限界だったのか、美樹の手の中でピクピクと反応させる。
「でそうなのね…ほら、イっていいのよ〜いーっぱい出してねぇ…碧ちゃんの顔にね!」
「ふぁ…み、みどりちゃん…?」
美樹はそう言うと、有香に目で合図を送る。すると、後ろで立って傍観していた有香がしゃがみ込むと、
俯いていた碧の頭を無理やり起こす。
「な…なにするんですか…」
「ふふ…晶ちゃんがいいものくれるんだって…幸せだね、貴方も。」
そう有香が言うと、美樹は一旦アナルを犯すのを止めると晶のペニスを碧の顔に向ける。
晶は、美樹が無理やり碧に顔射させようとわかった瞬間、必死に目を瞑り射精を堪えようと唇を噛んで我慢する。
「んっ…んぅう…」
「あら、そんなので今更止められるわけないでしょうが。ほら…いっちゃってよ!」
美樹はそう言うと、ラストスパートを駆けるかのように早く扱きたてる。
「はぁ…あっ、あぁ…だ、だめ…でる…ふぁ…あぁああああ!!」
「んんっ…!」
そんな付け焼刃などで耐えられるわけも無く、晶はあっという間に射精してしまう。
それと同時に、碧の顔には晶の精液がベットリと付く。
碧は、何も言わず口を閉じ目をキュッと瞑りただ晶の精液を顔で受け止めいてた。
「あっ…あぁ…ぁぁ…」
美樹は晶のアナルからペニスバンドを抜き立ち上がる。
すると晶は、今度こそ精力を使い果たしたのか、地面にグッタリと倒れこんでしまう。
4/4
碧は晶のことが余程心配だったのか、晶を抱きかかえながら声をかける。
「だ、大丈夫ですか!晶様!」
晶は虚ろな目で碧の顔を見ると、ポロポロと涙を流しながら話しかける。
「ご…ごめんなさい…わ、私のせいで…碧さんまで巻き添えにしちゃって…それに顔まで汚しちゃって…」
晶は震えた手でそっと碧の顔に付いた、自分の精液を僅かだが取り除く。
その手を碧がギュッと握り締めて、晶に言い返す。
「そ、そんなこと…気にしないで下さい…」
そんな二人を見下ろしていた美樹と有香は、バカにしたように笑いだす。
「あ〜可笑しい。そうやって一生、同じオカマさん同士で傷を舐めあっていれば?」
「ホント汚らわしい…幾ら男の中でも特別女らしいからって、私達と仕事を一緒にしてるだけでも虫唾が走るわ…」
その言葉に晶は全く抵抗しようとはせず、ただ碧のメイド服をギュッと握り締めると、
碧の胸に顔を埋め、涙を流しながら黙り込んでいた。
そんな晶を見て、碧は完全に有香と美樹に対して怒りを露にする。
「許さない…」
碧が声を震わせ、小さな声で呟く。それに気づいた美樹が耳に手を当てて、わざとらしく聞きなおす。
「え?なに?聞こえな〜い。」
そんな美樹が可笑しかったのか有香が笑いだす。
「ほら〜可哀想よ〜。碧ちゃんも、一番知られたくない相手に秘密をばらされてショックなんだから〜」
「あーそうなのー?ごめんなさいねぇ〜?」
その二人の言葉に完全に切れたのか、碧は二人を睨みつけながら今まで出したことの無いような怒声を上げる。
「貴方達のこと絶対に許さないんだから!!」
その言葉に、二人は呆れたように適当に流す。
「はいはい。がんばってね。…それにしても、『許さないんだから!』って…
プッ…小学生みたいね…」
「笑っちゃだめよ〜有香ったら〜。うんうん、そうよねぇ〜。悔しいよね〜。
その本当の女の子みたいにえんえん泣いている晶ちゃんの仇とってあげてね。」
「やだ、美樹のほうが酷いじゃないの〜。」
そう言い残すと、二人は可笑しそうに笑いながら、また屋敷の中へと戻っていった。
碧は、二人が屋敷に消えるまで、その姿を脳裏に焼き付けるように睨み続けていた。
エロい、エロ過ぎる!・・・・・・・俺のいきり立った物でGJ!
次はおにゃのこ二人が再教育されちゃうわけですねわかります
528 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 10:55:17 ID:n13OXTuk
頼む 何が何でもあの二人を牝豚にしてやってくれ
そして完全に壊してくれ
いやいや、晶たんの調教は葵様と由梨絵さん公認なんだから問題ないだろ?
美樹と有香をどうにかするのは、晶たんが完璧に「メイドのお仕事」をこなせる様になってからで良くね?
何より晶たんがあの二人を調教してる場面が思い浮かばねーww
碧が二人を、なら有りかもだが……まぁ黙って作者様にwktkしようぜ。
なんにせよ晶がこのまま再教育されてどうなってしまうのかが気になるね
碧ってすっかり女の子そのものだけど、再教育された結果のかな。
ってことは昌は……ゴクリ
>>531 ひんと:
>>441下から6行目
>「今度あんな態度とって見なさいよ…前居た所に戻してあげる……」
……つまり、そういう事ではなかろうか、と。
晶たんは「メイド修行」が終わっても「良きお嬢様」でいられそうで安心だね♪w
534 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 10:05:59 ID:h6GTcXj1
>>526-534 感想、意見ありがとうございます。
自分が書いているSSの展開を想像してもらえるとは…
嬉しい限りです。
良ければ最後までお付き合いいただけると幸いです。
1/4
「晶様…もう大丈夫ですよ。」
碧は、自分の胸に顔を埋めている晶の頭を優しくなでながら話しかける。
すると晶は、碧の顔を涙を流したまま恐る恐る見上げ確認する。
「ふぇ…も、もう行ったの…?」
「はい。安心してください。」
碧は優しく微笑み、晶の警戒心を解く。
晶はそれに答えるかのように、碧に預けていた上半身をゆっくりと起こしあげる。
そして、袖で自分の涙を拭うと、はっきりした視界の中で碧の顔を見る。
「あ…あの…本当にごめんなさい…私と一緒に居たせいであんなことになっちゃって…」
「そんな…本当に気にしないで下さい…私も…その…晶様のお口の中に無理やり…出しちゃったし…」
碧はその事を言うのが余程、恥ずかしいのか顔を赤らめて俯く。しばらくの沈黙の後、碧が空気を変えようと口を開く。
「さ、作業再開しましょうか。あ、晶様は無理しなくても休んでていいですよ。」
「で、でも…」
晶が心配そうな声を挙げると、碧は晶の方を向き、笑みを見せながら優しい声で答える。
「大丈夫ですよ。由利絵さんには内緒にしておきますから…ね?無理しないで休んでいてください。」
クスッと小さく笑い晶の頭を撫でると、作業を再開する。しかし、作業をしている最中の碧の顔はどこか浮ばれなかった。
碧は、晶を不安にさせないため、表面上は優しく見繕っていたが、実際は美樹と有香から晶を守れなかった自分を
攻め立てていた。そんな碧の気持ちが、僅かにだが表情に表れていたのを晶は見逃さなかった。
晶はそんな碧を見ていてると、幾ら碧が許してもやはり罪悪感が拭えない。
その罪悪感を少しでも拭うためなのか、晶は作業中の碧の肩を軽く叩き、自分の方に顔を向けさせると、
碧の両肩口に手を置くと、何も言わず子犬みたいに、碧の顔に付着している精液を舐め取り始める。
碧は、晶のその急な行動に驚き声を上げる。
「あっ…晶様…一体なにを…?」
「あの…私、ハンカチとかティッシュ持ってなかったので…
少しでも碧さんの顔に付いたモノを取り除いてあげようかと…その…思いまして…」
恥ずかしいのか顔を赤らめ俯きながら話しかける晶が、碧はまるで自分を慕ってくれる妹かの様に愛おしくなる。
それと共に、後先考えずに押し倒して泣かせたいという、有香や美樹に劣らないほどの加虐心までも生まれてきていた。
しかし、そんなことしてはまた晶の傷口が広がるばかりだと自分に言い聞かせて必死に耐える。
2/4
そうこう考えている間に、晶は自分の取った行動で碧に嫌われたと思ったのか、俯いてた顔を少し上げ、
不安そうに、まだ残っていた涙を目に溜め碧の表情を恐る恐る覗きながら話しかける。
「あ、あの…気持ち悪かったですか…?」
「え…そ、そんなこと全然ありませんけど…ただ、晶様が無理してないのかと思って…」
不意を突かれて、聞かれた碧は少し気を動転させるが、何とか応対する。
そんな碧の応対に、晶はホッとした表情を見せる。
「それじゃあ…続けますね。」
そう言うと、晶は再び碧の両肩口に手を置くと碧に付着した精液を確実に掬うように、
舌に僅かな強弱を付けながら、ゆっくりと舐め取り始める。
晶は決して意識しているわけではないのだろうが、それは碧にとって性感帯を刺激する物以外何者でもなかった。
それを表すかのように、晶が碧の顔を舐めるたびに、碧の体が僅かにビクッと反応する。
「んっ…ふぁ…」
碧は思わず声を上げてしまう。『もっと舐めて欲しい…』そんな欲望すら碧の中から沸々と沸いてくる。
しかし、晶は直前で射精を堪えたせいもあってか、それほど多く射精しなかったためすぐに終わってしまう。
晶は、そっと碧の顔から舌を離す。碧はそれを惜しむかのように、虚ろな目で晶を見る。
「え…お、おわり…?」
晶は、碧がこちらを向いたことを確認すると、ニッコリと微笑む。
「…はい、終わりました。さ、作業に戻り…むぐっ!?」
晶が言い終わらない内に、碧は徐に晶の唇を奪う。
碧は晶の背中に両手を回すと、まるで映画のワンシーンを切り取ったような激しいキスを始める。
何事かと驚いた晶は何も出来ず、ただ碧のされるがままだった。
「んんぅ…んっ……」
碧は、理性を抑えきれなくなった自分に気づいたのか、一旦唇を離す。
「んっ…はぁ…急にごめんなさい…私…こんな身分で、晶様の事…好きになっちゃったみたいで…だから…その…」
碧は恥ずかしいのか顔を赤らめて俯きながら晶に言う。
当の晶は、碧の突然の告白に顔を赤くして、どう反応して良いのかわからなくなったのか、ただ黙って俯いているだけだった。
「で…でも…気持ち悪いですよね…こんなのに告白されても…」
碧は、晶の反応を見て自分は完璧に嫌われたと思っていた。
それを表すかのように、やはり晶は何も言わずに黙ったままだった。
「…さ、じゃあ早く終わらせちゃいますね。やっておかないと五月蝿いですよ。」
碧は、わざと明るく言うと再び作業を再開する。
晶は、何かを決心したかのように顔を上げると、何も言わず碧の肩に抱きつく。
「晶…様…?」
碧は少し驚き、晶と目を合わせる。
「…ありがとう。こんな…私を好きになってくれて…迷惑ばっかりかけちゃうけど…よろしくお願いします。」
晶はそう言うと、今度は晶の方から碧の唇を奪う。
「んっ…」
そして、二人は互いの体を抱きしめあい、再び激しいキスを始める。
そんな様子を、上の部屋から見ていた由利絵が面白そうにニヤリと笑う。
3/4
「まさか、同性の碧ちゃんがこんなに早く役立つとはね…わからないものね…」
その時、由利絵の部屋を誰かがノックする。
「どうぞ。」
窓から二人の様子を見ながら軽く通すと、美樹と有香が部屋に入ってくる。
『失礼します。』
由利絵は、二人が入ってきたことを確認すると、窓を覗くのをやめ、
二人の前までゆっくりと歩いていく。
「貴方達…なんで呼ばれたかわかる?」
由利絵がいつも叱るときに出す、冷たい声に二人は思わずドキッとする。
先程まで庭を見ていたところを見ると、自分達が先程までやっていた一部始終を、
見ていたと思わずにいれなかったからだ。
二人はどう答えていいかわからずに、黙っていると由利絵がクスッと小さく笑う。
「ふふ…見てたわよ。貴方達なりの晶様に対する『躾』…」
由利絵が見ていたことがわかると、二人の顔は段々と青くなる。
二人の脳裏には、『身売り』という最悪の展開が横切る。
正直言えば、この屋敷は二人のような身売りをされた娘にとっては唯一、人として扱ってくれる所だ。
そこを追放されるとなると、男の慰めるただの道具として扱われるような所にしか行けないことは、
二人は十分わかっていた。
「す、すみませんでした!で、でも…晶様にはあれ位の躾が丁度良いと考えた結果行ったことでして…その…」
有香が頭を下げ、必死に弁明の言葉を言う。
しかし、その見られていた『躾』を考えた張本人である美樹は俯いたまま固まって言葉が出てこなかった。
二人がこんなに慌てるのも無理も無い。
今現在メイドとして扱われている晶が、葵か由利絵がその気になれば、すぐにでも二人には到底手が届かない相手
つまり主人となる。そんな相手に躾と称してイジメをしていたのが暴かれれば、跡継ぎに危害を与える、
危険人物として屋敷を追放されるのは目に見えてたからだ。
「何か勘違いしてるようだけど…私は貴方達の躾け方法にケチつけているわけじゃないのよ。」
「え…?」
「ほら…顔を上げて。」
由利絵はクスッと小さく笑うと、怯えた目で自分の顔を覗く二人の頭を撫でて安心感を持たせ、
顔を上げさせると話を続ける。
4/4
「貴方達の躾方法に関しては、私は一切口出しをしないわ。
貴方達が本当に晶様に必要だと思った仕方でやれば良い。…それが、少々荒治療だとしてもね。」
二人は、ただの思い過ごしかと思った瞬間、ホッと胸を撫で下ろす。
由利絵は、そんな二人の表情を見た後、再び窓越しから碧と晶の様子を見る。
そこには、時折互いの髪を撫であいながらも、未だにキスをしていた二人の姿があった。
そんな二人を見て由利絵はニヤリと笑うと、再び二人の方を振り向き話しかける。
「ただ…やり返されないようにね。まぁ、晶様は問題ないでしょうけれど…碧ちゃんにはちょっと気を付けた方が良いわよ。
なんか、さっきやられたことで相当貴方達を恨んでたらしいじゃない。」
由利絵がそう言うと、するとすかさず有香が自信たっぷりに答える。
「それについては心配要りません。」
「ふぅん…なんでそんなこと言い切れるの?」
「それは、見ていてわかっていたと思いますが、私達の個々の力と、碧の力では差が歴然としています。
それに、碧は基本的に私達に逆らえません。なので、碧が私達に危害を加えるようなことはできるはずありません。」
「そう…なら、安心したわ。それじゃあ…もし万が一、碧ちゃんが貴方達に危害を与えても、
私は何も関与しないわよ。それでもいいのね?」
二人は、異様に由利絵が碧を危険視していることに少し疑問を感じた。
特に美樹は、なぜか碧が先程睨んできた顔が忘れられず、なにか引っかかるものを感じていた。
有香については、今までの生活の中でも碧が自分達に反抗的な態度をとった事が無かったことから、二つ返事で承諾する。
「はい。問題ありません。」
「わかったわ。…美樹ちゃんはどうなのかしら?」
美樹も、自分の思い過ごしだろうと感じたのかあっさりと承諾する。
「は、はい。私も問題ありません。」
「そう…わかったわ。それじゃあ、また担当場所に戻って。わざわざ呼んで悪かったわね。」
『失礼します。』
二人は、深々と頭を下げると由利絵の部屋を出て行く。
「大丈夫かしらね。あの二人…」
由利絵は、二人が出て行った後そう呟くと、椅子に座り自分もまた仕事に戻る。
一方の、晶と碧はキスをやめて、ただ互いの存在を確認しあうかのように抱き合っていた。
「…碧さん…どこにも…行かないでね…私…碧さんが居なくなったら…
なんだか一人ぼっちになるような気がして怖いよ…」
晶は悲しそうな声でそう言うと、碧の体をギュッと抱きしめる。
碧の体を通して、その抱きしめる手が僅かに震えていることがわかる。
それを感じてか、碧は晶の髪を優しく撫でながら話しかける。
「…大丈夫ですよ。私は晶様の絶対に傍を離れません。ですから安心してください…。」
晶の髪を撫でるごとに、碧の心の中では『躾』と称して散々好き勝手に晶を虐めてきた、
美樹と有香に対する憎悪が膨らんでいった。
GJ
由梨絵女王様かと思ったら観客かw
こゆのは傍から眺めてるのが一番楽しいからなw俺たちと同じでwww
由梨絵さんにも黙認してもらえたし、この後の展開にもwktkだぜ?
542 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 07:23:54 ID:9+/uqWVk
碧最強説ですね、わかります
つC
ヤンデレというやつですね
ヤン女装か?
晶タソが急にメロメロになっててワロタwww
あの状況で一人だけ味方してくれたらコロッとやられちゃうっつーのw
碧ちゃんがド外道な仕返をするのも萌える
女装子二人でラブラブになるのも萌える
でも躾されていって堕とされる女装子にも萌える
要するに何が来てもバッチコイです
とりあえず誰か絵を書いてくれ
描きたい気もするが
へた絵師だし
描きたいと思った時には既に行動は終って(ry
落書きしたけどどこのロダに上げればいいの?
ってか、ここ絵貼ってもいいの?
別に絵の投下を拒絶する様な理由はないと思われ。
自分ケータイなんで、ロダに関しては力になれないが
>>1〜のテンプレにある関連スレ辺りに無いかな?
〜〜彼女の中の人、復帰しないかなぁ……
>>553-554 ケータイからじゃ細部は見えないが
GJなふいんき(ryだ。
本編と合わせて今後ともwktkだぜ
>>553 碧ちゃんかわいいな
こんな温厚そうな子だけど晶をいじめる人にはドロドロした感情を持ってるのがいい
碧には二人を葬った後に晶をめちゃくちゃにして欲しい。
>>553です
見ていただいてどうもありがとうございます
イメージ崩しちゃってたらごめんなさい
>>540-559 感想、意見ありがとうございます。
励みになります。
また、暇な時にでも読んでもらえれば幸いです
>>559 まさか絵を描いてもらえるとは…
本当に感謝の一言に尽きます。
やはり絵があった方が、人物像のイメージが沸きやすくていいですねw
少しですが、今から投下させてもらいます。
1/4
「ね…ねぇ…?碧ちゃんのこと…本当に大丈夫なの?」
美樹は、二つ返事で由利絵の提案を了承した有香に、やはり胸の中にある引っかかったものが気になったのか、
突然、立ち止まると不安そうに聞く。
「だから…大丈夫だって。…美樹ったら、もしかしてあんなのが怖いの?」
有香は、そんな美樹に自信たっぷりに答えると、少し軽蔑するような眼差しで美樹の顔を見る。
「いや、そんなことないよ!で、でも…由利絵さんが碧ちゃんにあんな慎重になったこと無かったから…」
美樹は有香の言うことを慌てて否定はした。
しかし、不安になっていることについては拭えないのか、先程晶を大胆に犯していた美樹とは思えないほど、
慎重になっている様子が見て取れた。そんな美樹を見て、有香がクスッと小さく笑う。
「ふふ…バカねぇ。由利絵さんは言う事が大げさすぎるのよ。
…あんなひ弱なオカマちゃんに、幾ら女の私達でも負かされるわけ無いじゃない。貴方もわかってるでしょ?
そんなことより、さっきみたいに良いネタ考えてよ。もう何やっても『躾』として黙認されるんだから。」
有香は、軽く美樹の肩に手を置く。美樹は有香にそう言われても、吹っ切れることができなかった。
しかし、これ以上有香に詮索され、密かに碧からの仕返しを怖がっていることに気づかれてしまうのを恐れて、
無理やり有香の意見に自分を納得させる。
「そ、そうよね。わかったわ、またなんか良いネタ考えておく。」
「ん、頼むわよ。美樹"先輩"。さ、厨房に行きましょ。また、"晶様専用料理"を作らないとね。」
「有香ったら好きね。」
二人は可笑しかったのか、クスクスと小さく笑うと、夕飯の準備に取り掛かるべく厨房へと向かっていった。
「…所詮女の慰め物に過ぎないのよ…男なんて…」
厨房に向かう途中、美樹にも聞こえないほど小さく呟いたその声には、この屋敷に来るまでに弄ばれてきた男に対する怒りが、
晶と碧という、自分達よりも立場の弱い男に向けられているようだった。
※ ※ ※
一方の晶と碧は、美樹と有香が来て以来すっかり忘れていた担当作業を再開していた。
ただ、晶は精神的にも体力的にも疲労感が見られたので、碧は近くにあったベンチに座らせ、一人で作業をしていた。
「あ…あの…碧さん、一人で大変そうだから手伝いますよ。」
晶は、そんな一人で懸命に作業をしている碧に申し訳ないと思ったのか、ベンチから立ち上がると碧の傍まで行き、
自分も作業に加わろうとする。その時、晶の腹から派手に腹の虫が鳴いた。
「あっ…」
晶は恥ずかしかったのか顔を赤らめ俯くと、両手で腹をギュッと押さえそれ以上鳴らないようにする。
しかし、成長期であるにも関わらず、朝食を抜いたどころか昼食までも抜かれ、挙句の果てには美樹に激しく犯されたせいか、
腹の虫は少しの間収まらなかった。そんな晶を見て、碧がクスッと笑う。
「無理しないでください。私なら大丈夫ですから。ね?…座ってゆっくり休んでてください。」
「は…はい。で、でも手伝って欲しいときは言ってくださいね。」
晶は碧に言われるがまま、またベンチに戻って座る。そして、碧はそれを確認すると、また作業に戻る。
碧は作業しつつ心密かにどうやって美樹と有香に仕返しをしようかと考えるので手一杯だったため、先程のような他愛もない
会話は二人の間には無かった。そして暫くの沈黙の後、晶が口を開く。
2/4
「あの…碧さん」
「はい?どうかされましたか?」
碧は晶に呼ばれると、一旦作業の手を止めて晶のほうを向く。
晶はそれを確認すると、先程からずっと引っかかっていたことを意を決して話し始める。
「有香さんと美樹さんのこと…許してあげてください…」
「えっ…?」
その晶の意外な心境に驚きを隠せない碧。無論、碧も晶がそう言う前までは当然あの二人を恨んでいたと思っていたからこそ、
有香と美樹に投げかけた『許さない』という言葉は、自分の言葉であると共に、晶が思っていることを代弁して言ったつもりだった。
そのこともあって、晶が今言ったその言葉は碧にとっては衝撃的だった。
「だ、大丈夫ですよ。私も有香さんと美樹さんはちょっと頭が上がらない存在なので怖いですけど…
で、でもあの二人のやったことは晶様を思ってやっている『躾』じゃないんです。それは、晶様もわかってると思いますが…
あんなの、ただ自分の立場を利用して虐めているだけです!だから、あの二人には…」
碧は、晶が有香と美樹のことを怖がっているかと思い、少し戸惑いながらも、
あの二人を許すわけにはいかないという理由を話そうとした途端、晶が声を荒げて口を挟む。
「やめてください!」
その言葉に碧は少し驚くと、叱られた子供のように頭を項垂れながら小さな声で謝る。
「ご…ごめんなさい…。ただ…私は…晶様のことを思って…」
そんな碧を見て、晶は正気に戻ったのか申し訳なさそうに謝る。
「ご、ごめんなさい。碧さんの私を思ってくれる気持ちはとっても嬉しいです。
…でも、私なんかどうなってもいいんです。むしろ、虐められるのは当然です…。
有香さんも美樹さんも、私が素直にしていれば…多分あんなことしなかっただろうし…
…それに、私を庇うばっかりに碧さんがここに居られなくなるなんてことになったら…私…」
最後のほうは涙声になりながらも言い終えると、晶は俯いたまま涙を流し始める。
そんな晶を見て、碧は立ち上がり、泣いている晶の横に座ると俯いてる晶の顔をそっと上げる。
そして、頬を伝って落ちてくる涙を優しく指で涙を掬い取る。
「グスッ…み、みどりさん…」
「晶様ったら…前までの威勢のいい晶様は何処に入っちゃったんですか?…泣いてばっかりなんて…晶様らしくないですよ?」
クスッと小さく笑うと、晶を宥めるように優しく話しかける。
「うぅ…ご、ごめんなさい…で、でも…折角好きな人ができたのに…居なくなると思うと…耐えられなかったんです…」
「晶様…」
碧は、泣きながらも自分のことを『好きな人』と言ってくれることは本当に嬉しかった。
しかし、有香と美樹を恨む気持ちは変わらなかった。
3/4
「わかりました…晶様の言う通りにします…。」
晶に悪いと思いながらも、碧はとりあえず形式だけ晶の言うことに約束することにした。
「ほ、本当…?」
晶は涙顔になりながらも、碧の目をジッと見て確認する。
碧は、心が痛むのを耐えて優しく微笑みながら答える。
「え…えぇ…本当ですよ。」
碧がそう言うと、晶は涙を袖で拭うとホッとしたのか笑顔になる。
「よかった…絶対約束ですよ?」
その笑顔と、念を押して約束してくる晶に碧の胸が痛む。碧はそれをグッと堪えて晶に答える。
「はい、大丈夫です…」
しかし、信頼してくれている晶を裏切るということに耐え切れなくなったのか、碧の目から、
涙が少しずつ溢れだしてくる。
「ど、どうしたんですか…碧さん?」
碧はまずいと思いながらも、何とか冗談を言って涙を止めようとする。
「やだ…私ったら…晶様の…泣き虫が移っちゃったのかな……」
碧は必死に取り繕ってそう答えるが、涙はそう簡単に止まらなかった。
晶は両手で顔を覆って涙を隠しながら泣いている、碧の頭をそっと撫でる。
すると、碧は晶の顔を覗き込むように顔を上げる。
「あ…あきらさま…?」
「無理しないで…いっぱい泣いてください。」
晶が碧に優しくそう言うと、碧は晶の胸に顔を埋めると堰を切ったかのように涙を流す。
晶は、ただ黙ってそれを受け止める。
「ごめんなさい…私…わたし…」
『嘘をついてしまいました』とは、晶にやはり言えなかった。
碧はいっその事、晶の言う通り二人への復讐はやめようと心に決めようとした。
しかし、晶の胸の中で涙を流すごとに晶が二人に虐められて悲しそうに泣いている顔が浮び、
有香と美樹への復讐心は決して消えることが無かった。
4/4
暫くして、碧は涙が止まったのか、自分から晶の胸から体を起こす。
「ごめんなさい…晶様…」
碧は目に少し溜まっていた涙を袖で拭いながら謝る。
「謝らないでくださいよ。…なんだか、私が虐めたみたいじゃないですか。」
晶が冗談半分でそう言うと、碧は少し可笑しかったのか小さく笑う。
「碧さんに涙なんて似合いませんよ。だから…もう泣かないでくださいね。」
その自分には似合わないようなキザな台詞に、晶は恥ずかしさを覚えたのか、
カッーと自分の顔が熱くなってくることが手に取るようにわかった。
「って…ちょっとくさいですよね…この台詞…」
晶は頬を赤らめながら頭をかきながら言う。それに便上するように、碧も晶に突っ込む。
「そうですね…ちょっと…晶様には似合わないかも…」
クスッと小さく笑いながら話す碧の表情は、徐々に先程までの明るい表情を取り戻しつつあった。
晶はそんな碧を見て安心すると共に、碧に突っかかる。
「もぉ〜…碧さんったら酷いです。…さっきは急に泣き出すから本当に心配だったんですから…」
「ふふっ…ごめんなさいね。…でも、私も…晶様のこと…大好きです…これだけは信じてください。」
「碧さん…」
碧がそう言うと、二人は見つめ合う。
その間に何かくすぐったい物を感じたのか、二人は付き合ったばかりの恋人のように恥ずかしそうに顔を赤らめる。
その空気に耐えられなくなった碧が口を開く。
「さ、そろそろ夕ご飯の時間ですから…厨房に行きましょうか?」
すると、晶もそれに乗じて碧に話を合わせる。
「そ、そうですね。行きましょう。」
二人は仲良く手を繋ぐと、ベンチを立ち上がり庭園を後にしていった。
…自分達の担当作業のことはすっかり忘れて。
GJ!
おいおい、仕事はしようぜ。そんな事だと先生に、いじめられる奴にも問題があるとか言われちゃうぞ!
調教part2フラグキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
続き期待!
もし自分のSSを待ってくれてる方いたらすみません。
>>564からの続きを投下するのは少し時間が掛かりそうです。
569 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:37:21 ID:hilHCVvn
楽しみだぞーい
>>568 無理せず、書けたら投下してくれればおk
とりあえずwktkしながら待ってる
のんびりじっくり、
弱火でコトコト進めておくれ。
572 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:17:21 ID:JBEf3ovd
じっくりことこと煮込んだスレってか?! あにゃぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁびでぶぅぃいなたは
まだかなまだかな
574 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:23:50 ID:CGFWHI2q
もうまとめて一気に投下してくれヽ`д´′′
>>574 あせるな。
古来より「あわてる乞食はもらいが少ない」と言うではないか。
焦らしプレイと思えばどうということはない
再教育 ◆2YZGLDzBI氏「作者に向かってそういう態度とる
>>574ちゃんには…お仕置きが必要みたいね…。」
メイド女装した
>>574「ご、ごめんなさぃ…そんなつもりじゃ…なかったんです…グスッ…」
578 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 09:28:09 ID:CGFWHI2q
まってください!>574がかわいそうだから私が変わりにお仕置きを受けましょう。
何あんた?
>>574を助けようって言うの?おもしろい…
>>569-581 待っていただいて本当にありがとうございます。
遅くなりましたが、続き投下させていただきます。
1/7
晶は廊下を碧と手を繋ぎ歩いていっている間も、やはり有香と美樹に顔を合わせなければならないと思うと気が重くなっていた。
そして、厨房を前にして厨房に入ろうとした時、耐え切れなくなった晶が口を開く。
「ま、待って!…やっぱり…私は…いいです…」
晶は、このドアの向こうに有香と美樹が居ると思うと、今すぐにでも逃げ出したかった。
それを晶の僅かに震えている手から察した碧が、少しでも安心させようと優しく言う。
「大丈夫ですよ。私が付いているじゃないですか。だから、何も心配要りませんよ。」
碧はそう言うと、一様はコクッと頷く晶だが、やはりどこか不安そうだった。
「…それとも、やっぱり私なんかじゃ不安ですか…?」
それを察知して、碧は不安そうに晶に話しかける。
晶は、碧の不安そうに話しかける表情を見て慌てて言う。
「そ、そんなことないです!…でも…また、自分のせいで碧さんを巻き添えにするのが怖くて…」
碧は、晶が自分のことで余計な心配をかけてしまっている思うと、あの二人に何も手を出せなかった不甲斐なさから自分を責める。
しかし、それは表情には出さずに自分の中に押し殺し、晶をこれ以上不安にさせないようにする。
「そんな私のことでなんかで…心配しないでください。私だったら大丈夫ですから。ね?」
碧は、晶がコクッと軽く頷き安堵の表情を見せたのを確認すると、厨房のドアを開け晶の手を引きながらその中に入る。
厨房には、既に夕食の時間帯なのにまだ皿だけが置かれているだけで、肝心の料理が用意されていなかった。
よく見ると、厨房では有香と美樹に加えて、手伝いを頼まれたのか昼食時に晶を有香と美樹と共に虐めていた、
二人のメイド達も手伝っていた。晶と碧が厨房に入ってきたのに気づいた有香が、二人に声をかける。
「あ、来たの。随分遅いのね。あの後、二人仲良くイチャイチャしちゃって遅くなっちゃったの?
…こっちは、晶ちゃんの『躾』が思いのほか響いちゃって、準備が遅れてるってのに…。
これも、碧ちゃんがしっかり躾をしないからいけないのよねぇ〜…ったく、イチャつくのは勝手だけど、こっちの事情も考えてよね。
…ったく、由利絵さんも何でこんなの入れたんだろ?…困るのよね〜こういうのが居・る・と。」
有香は少しため息をつき、半分呆れたような口調で話す。無論、あれはどう考えても『躾』では無いことは有香もわかっていた。
そんな有香の勝手な言い分にも、晶は全く反抗しようとはせず、それどころか怯えているのか顔を俯いて全く有香とは目を合わせないようとする。
碧は、そんな晶を見て有香を思いっきり睨みつける。
それに気づいた有香は、冷めた表情でわざと調理道具を大きな音を立てて叩きつける。
その瞬間、周りは調理していた手を止めると同時に、一気に静まり返る。
晶は、それにますます怯えて、遂には碧の後ろに隠れてしまった。
「…アンタ何様??ちょっと生意気なんじゃないの?ねぇ!?」
有香は厨房のドアの前に立っている碧の目の前まで来て、碧の襟元を掴み上げ睨みながら言う。
しかし、当の碧は何も言わずただ黙って睨んでいるだけだった。
「…何とか言ったらどうなの!?ねぇ!?」
有香は、軽く脅せばまた自分に屈服すると思っていたが、帰ってきた言葉は意外なものだった。
2/7
「…離せ。」
碧は有香に聞こえるほどの小さな声で呟くと、有香の腕を荒々しく掴むと徐々に力を入れていく。
有香は、今までの碧には考えられない力と乱暴な口調に驚きを隠せなかった。
「なっ…貴方そんな言葉遣いして…」
「…離せって言ってんだろ!」
冷たい表情で睨みつけながらギリギリと手に力を込めていく碧に、有香は今まで碧にだけは絶対に感じなかった、
男に対する恐怖心が腕の痛みのことも相まってか、ジワジワと蘇ってきた。
「っ…チッ…!」
それに耐えられなくなったのか、有香は碧の掴んでいる手を振り払うように襟元から手を離す。
「あ〜はいはい、私の負けよ。ごめんなさいねぇ〜。」
有香は、周りに悟られないように背中越しで、わざと自分から手を引いたような言い方をするとまだ途中だった料理の調理を再開した。
再開してからというものの、あの時はなぜか恐怖心に煽られて自ら手を引いてしまったが、やはり碧の挑発的な態度が癪に触ったのか、
イラついている様子が表情から見て取れた。
一方の碧は、有香を追いやった後、自分の後ろに隠れた晶を心配してか後ろを振り向く。
「だ、大丈夫ですか?晶様」
そこには、まるで嵐が収まるのを待つかのように、碧のスカートを掴み俯いて目を瞑り小さくなっている晶がいた。
「うぅ…」
やはり、昼頃に有香と美樹に虐められたのが相当トラウマになっているのか、僅かに体を震わせ怖がっていた。
碧は、晶を落ち着かせようと自らもしゃがむと、先程晶を慰めた時と同じように抱いて、背中を軽くさす落ち着かせようとする。
「大丈夫ですよ。私が傍にいる限り…絶対に晶様に危害を与えさせませんから…。だから顔を上げてください。」
晶は恐る恐る顔を上げると、碧は優しく微笑む。
「ご…ごめんね。本当だったら…私が…」
その表情を見て、晶はまた碧に迷惑をかけてしまったという罪悪感に押しつぶされそうになったのか、申し訳なさそうに謝ろうとする。
しかし、それを碧が遮る。
「いいんですよ。私は晶様の為だったら…どんな目にあっても守ってあげますよ。」
「碧さん…ありがとう…」
碧のその言葉に嬉しくなったのか、晶はギュッと抱き返す。
その様子を目の前で見せ付けられた、有香はますます苛立ってきていた。
「あ〜ぁ…気持ちわる…吐き気がするわ……そうだ、ちょっと…ねぇ、美樹。」
有香は手を止めて、何か悪知恵が働いたのか美樹を手招きし耳打ちする。
それを聞いた美樹は、徐々に表情が緩んでいく。
「ってことなんだけど…」
有香が美樹の耳元から口元を離すと、美樹は面白そうに小さく笑う。
その二人の怪しい仕草に、碧と晶は気づいていなかった。
「ふふ…いいじゃんそれ。さっすが有香『先輩』♪」
美樹はそう言うと、有香の方にポンと肩を軽く叩く。
そして、その時ちょうど仕上がった料理を一人前、銀のトレイに載せると後輩のメイドに耳打ちする。
そのメイドは軽く頷くと、晶と抱き合っている碧の前まで、料理が載せられた銀のトレイを持っていく。
「お取り込み中悪いんだけど…ちょっといい?」
その一言で二人は少し顔を赤くしながら、そそくさと抱き合っていた体を離して立ち上がると碧が応対する。
3/7
「え…あ、はい…な、なんでしょうか?」
「今日由利絵さん、忙しくてココにこれないようだから、碧ちゃんこれ部屋まで持って行ってくれない?」
「え…私一人で…ですか…?」
「そうよ。料理持って行くだけだもん。二人もいらないよね?」
それはもっともな意見だったが、碧は晶を一人にしている内に有香と美樹によって何かされないか心配だった。
昼のこともあってか、碧は二人のことを全く信用していなかった。
碧は、そのことを承諾しようかどうかを迷っていた。
「あ…あの…それだったら自分がやります。」
晶が、碧の困惑している表情を見て、少しでも役に立ちたいと思ったのかその役を買って出る。
しかし、それもあっけなく却下されることになる。
「それは駄目よ。だって、美樹さんから碧ちゃんに頼むようにって言われてるもの。」
そう言うと、そのメイドは思わずニヤリと笑ってしまう。
そのメイドの表情と、美樹からの命令だと聞いた瞬間、碧はやはり何か企んでいると思わざる得なかった。
「…晶様に何にもしないでしょうね?」
「そんなことわかんないわよ。私だって、貴方に料理を渡した後、葵様に料理を運ばなきゃならないから。
…というか、早くしてよ。時間もあんまり無いんだから。」
そうせかされても、やはり碧は晶を心配してか中々承諾しようとはしなかった。
そんな碧を見て、不安になったのか晶が碧に言った。
「あ…あの…碧さん。自分のことなら心配要りませんから…行って来てください。」
「で…でも…晶様に何かあったら…」
「私のことなら大丈夫ですよ。それに、私もいつまでも碧さんに甘えてばっかりじゃいけませんから…」
その返事は意外なものだったが、晶本人がそう言うのならばと、碧はそれを引き受けることにした。
「わ、わかりました。晶様がそう仰るのなら…持って行きます。」
碧はそう言うと、そのメイドから料理が載せられている銀のトレイを受け取る。
「ただ…有香さんと美樹さん、また晶様を泣かせるようなことをしたら…承知しませんからね…」
碧は、厨房を出て行く前に、二人のほうを振り向き睨みつけながら冷たい声で言う。
しかし、当の有香と美樹は先程碧に対して多少なりとも恐怖心を抱かせたものの、全く相手にしようとしなかった。
「あ〜はいはい、こんな出来損ないの私に忠告ありがとうございますぅ〜碧センパイ〜」
「わかったから早く行ってよ。何にもしないから。」
その二人のふざけた対応にやはり不安を隠せなかったが、碧は厨房を出て行った。
それを見送ると、今度は有香と美樹の料理を手伝っていた二人のメイドが、料理を載せたトレイと、
飲み物が入っているガラス模様が縁取られた容器をそれぞれ持つ。
「…それじゃあ、葵様のところへ行ってきます。」
「ん。手伝ってくれてありがとうね。」
二人はそう言うと、厨房から出て行く。
有香はそれを見送り、三人だけになった厨房を見渡す。
その後、俯いて黙り込んでいる晶に向かって言う。
「さて、それじゃあ料理冷めないうちに食べちゃいましょうね。」
有香は、自分の考えた今から起こる『イベント』に、ニヤけそうになるがそこは必死に取り繕って、晶に気づかれないようにする。
4/7
二人が見る限り、晶はやはり内心は相当怯えているように見えた。
しかし、有香と美樹は晶に何をするわけでもなく、あらかじめ机に用意されていた皿に料理を盛り付けると、
なぜか真ん中だけ一席開けて、椅子に座る。
「さ、晶様。ここにお座りになってください。」
有香は、晶がまだ『主人』という地位にあった時のように、丁寧に自分の横の席に座るよう誘導する。
「は…はぃ…」
晶は、その口調とわざわざ真ん中に座らせることに不安を感じたが、今更逆らえるわけも無く小さく返事をするとそこに座る。
そこに座ると、目の前には昼食に出てきた残飯のような食事ではなく、ちゃんとした料理だった。
晶は、腹が減っていたためすぐにでもがっつきたかったが、何か怪しく思い中々口に入れることが出来なかった。
「さ、お食べになっていいのですよ。晶様。」
有香がそう言うと、晶の膝の上においていた右手を掴んで優しくスプーンを持たせる。
そうやられると、晶は断ることも出来ず目の前に置かれたスープから手をつけ始めた。
「い、いただきます…」
晶は恐る恐るそれを口に含んだが、普通に美味しいと感じ別に体にも異常はなかった。
それを横で見ていた美樹が、優しく微笑みながら話しかける。
「どうです?美味しいですか?」
それに晶は、目を合わせずに答える。
「お…美味しいです…。」
「それは良かった。…あ、有香、晶様、ちょっと私トイレに行ってきます。」
美樹はそう言うと、席を立ち上がり厨房を出て行く。
「…さて、私も頂きましょうかね。」
有香はそう言うと、自分も食事を取り始める。
そして、取り残された二人は何を話すわけでもなくただ黙って食事を取っていた。
暫くすると、また厨房に美樹が戻ってきて自分の席に座る。
「…さて、美樹も着たことだし…お食事の所ちょっと悪いんですが…晶様に言いたいことがあるのでちょっと止めてくれませんか?」
「え…な、なんでしょうか?」
晶は言われるがまま一旦食事を止めると、晶は有香のほうへ向く。
また苛めるつもりなんだと晶は思っていたが、有香から出てきた言葉は意外なものだった。
「…お昼のことはすみません。私ったらあんな酷いことをして…」
有香は、申し訳なさそうに俯きながら話し続ける。
「で、でも許してください…あれは私達が考えに考え抜いた、晶様に対する躾なんです。
…私達も何度も何度もためらって…で、でも晶様のことを思って…うっ…」
そう言うと、有香は両手で顔を押さえると肩を震わせる。晶は、有香が泣いているのだと思い必死に宥めようとする。
「そ、そうだったんですか…で、でも…私のためを思ってやってくれたんですから…そんな謝る必要なんか無いですよ。」
有香は顔を押さえていた両手を離すと、涙で目元が濡れた顔を上げ晶の目を見つめながら話しかける。
「お…怒ってないんですか…?」
「怒ってませんよ。だから泣かないでください…」
晶がそう言うと、有香は有無を言わさずいきなり晶を抱く。
5/7
「わ…どうしたんですか?有香さん?」
晶は、少し驚いたような声を出すと、耳元から有香の泣き声が聞こえてくる。
それを聞いて、晶は決して自分をただ苛めるためにやっていたのではないと確信する。
「したくないことをして…つらかったんですよね。ごめんなさい…私のせいで迷惑かけちゃって…」
「うぅ…そんなこと…ないですよぉ…」
晶は、背中を撫でながら有香の涙を静めようとする。
しかし、当の有香は実を言うと嘘泣きをしていて、本当に泣いているわけではなかった。
それを表すかのように有香は、晶から向かって右側の席に座っていた美樹と目があったときペロッと舌を出す。
美樹は、嘘泣きの演技とのギャップからつい声を出して笑ってしまいそうになるのを必死に押さえる。
「ほら、折角作った料理が冷めちゃいますよ。早く食べましょう。」
晶はそう言うと、有香の肩をゆっくり押し出して席に座らせる。
「あ…あの…晶様…もう一つお願いがあるんですが…いいですか?」
「ん?なんですか?」
有香は、何か言いづらそうに晶に聞く。
「あの…今だけでも、本当にそう思っていなくてもいいですから、私のことを誰よりも愛してるって言ってくれませんか…?」
その言葉に、晶はどう答えて良いか迷った。
自分に今まで酷く当たってきたのが躾のためだと知っても、やはり心は完全に碧に傾いていたからだ。
6/7
※
一方の碧は、晶のことがやはり心配で早く戻りたかったのか足早に由利絵のところまで行く。
「碧です。お食事を持ってまいりました。」
「どうぞ。」
由利絵が返事したのを確認すると、碧は部屋の中に入る。
その中では由利絵が仕事をしているのか、パソコンの画面を見ていた。
しかし、碧が部屋に入ってきたのを確認すると、知られたらまずいものでもあるのかパソコンの画面を切る。
碧は、由利絵の机に料理が載せられたトレイを置くと、由利絵に一礼して足早に出て行こうとする。
「あら、久しぶりに二人っきりになったんだから、そんなに急いでいくこと無いじゃない?」
由利絵はそう言うと席を立ち上がり、部屋を出て行こうとする碧の肩に手を置く。
「あ…あの、私も用事があるので…そのようなことは別の機会にでも…」
碧は少し困ったような声でそう答える。
「あらあら…随分冷たいのね。娼館からここの屋敷に逃げ込んできたときは、あんなに媚売ってきたのにね…
『なんでもしますから〜ここに置かせてください〜』って。ふふ…覚えている?
あの時の碧ちゃん、ほとんど裸と変わらないようなボロボロの服着て、私のスカート必死に掴んで涙ボロボロ流しちゃって…」
「や、やめてください!」
その思い出したくない過去を暴露されたのが耐えられなくなったのか、碧は話の途中で悲鳴に似た声を叫ぶと、
由利絵の手を振り払い、勢いよく部屋を飛び出して行った。
そして、誰もいなくなった部屋で由利絵がクスッと笑う。
「時間稼ぎになったかしら…?」
そう呟くと由利絵は、パソコンの画面をつける。そこには、厨房の様子が克明に写っていた。
※
7/7
その一方、厨房では有香が答えられずにいる晶を見て悲しそうな表情を浮かべながらも、心の中では半ば諦めたような口調で言う。
「…や、やっぱり言いにくいですよね。わかりました。…忘れてください。」
それに耐えかねた晶は、碧に悪いと思いながらも有香の言われたとおりに告白する。
「…有香さんのことを、誰よりも愛してます…。」
有香はその言葉を聞くと、心底嬉しそうな表情を取り繕う。
「晶様…ありがとうございます…」
有香はそう言うと、今度は晶にキスをねだるような仕草をする。
「え…あ…それは…」
それをためらう晶に、美樹が後ろからけしかける。
「やってあげてください。…今だけでいいですから。」
美樹がそう言うと、晶は『今だけだ』と自分に何度も言い聞かせて、有香にキスをする。
それを確認すると、有香は晶の両腕を取って自分の背中に回し、まるで晶からキスをしてきたかのような姿勢をとらせる。
そして、晶の口腔内に舌を入れてたっぷりと舌を嘗め回す。
「んんぅ…」
それは自分と同世代の碧とのキスとは違う、少し大人びた官能的な口付けに晶は、つい小さく喘いでしまう。
このままではまずいと感じた晶は、有香から口元を離そうとしたその時、厨房のドアが小さく音を立てて開く。
「な…なにしてるの…」
その声に驚いた晶は、有香から慌てて口元を離すとドアのほうを向く。
そこには、呆然と立ちすくんでいる碧の姿があった。
以上です
>>588の『※』は真ん中に来させようと思ったんですが
どうも失敗したみたいで…見づらくなってすいません。
リアルタイム頂きましたGJ
GJ!
なにこの外道二人
さっさと碧たんに再教育されてしまえ
お前等女装ッ子二人の脳内ボイス誰にしてる?
スレチだったらすまん・・・
2月1日付けで一緒に投稿する予定だった文を、今から投稿します。(少ないです)
>>591-595 読んでくださりありがとうございます。
もう少し続きますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
1/2
「あ、あの、碧さん…これは、有香さんがどうしてもって言うから…」
晶は、呆然と自分と有香に目を向けている碧の誤解を解くために必死に弁明する。
しかし、それは何も知らない者にとっては言い訳にしか聞こえてこなかった。
「え〜、さっき『有香さんのこと誰よりも愛してます』って言ってたじゃないですかぁ…美樹も聞いたよね?」
「うん、バッチリ。…ちゃ〜んと聞きましたよ。その証拠に…」
そう言うと、美樹はなにやらポケットから取り出す。
そして、出てきた小型録音機のスイッチを押すと、備え付けられていたスピーカーから晶にとっては、
耳を塞ぎたくなるような声が聞こえてくる。
『…有香さんのことを、誰よりも愛してます…。』
「ふふ…さて、ここで晶ちゃんに問題で〜す。この声の主はだ〜れだ?」
美樹が可笑しそうに笑いながら晶に聞く。
しかし、晶は何も応えられるわけなく、顔を青ざめてただ黙っているだけだった。
「な〜に?聞こえなかったのかな?じゃあ、ボリューム上げて聞かせてあげる。」
美樹が、録音機のボリュームを上げると、それこそはっきりと晶の耳に否応無しに入ってくる。
「と、止めて!その声は私…晶です!」
晶は、有香に言わされたのにも関わらず、まるで自分から有香に告白したことを証明するようなテープを、
碧の目の前で再生されるのが、耐え切れなくなったのか悲痛な叫び声を上げる。
「せいか〜い。この声の持ち主は、女垂らしで有名な晶ちゃんでした〜」
それを聞くと、美樹は晶を小ばかにしたような口調で言う。
「で、でも…これは有香さんに…どうしても言ってくれって頼まれたからなんです…。ほ、本当です!信じてください!碧さん!」
碧の目を見て真実を訴えかける晶の目からは、遂に涙があふれ出てきてしまう。
そんな晶を見て哀れんでいるのか、有香は小さくため息をつく。
「まーた泣いてるし…アンタ、泣けば何でも水に流せるとでも思ってるの〜?…ったく、本当に気持ち悪いね。
私だって迷惑したのよ。碧ちゃんがいなくなった途端に、『有香さんのことを、誰よりも愛してます〜』とか言われて。
オマケにキスまで強要してきたし…。」
その有香の勝手な言い分に、晶は涙を流しながらも必死に否定する。
「ち、ちがうよぉ…そ、それは…有香さんに無理やり…」
袖で涙を拭いながらも、必死に真実を碧に伝えようとする晶。
2/2
「ふ〜ん…都合が悪くなると全部私のせいにするんだ?
あんなにしつこく誘ってきて、よくもそんなことが言えるわね!?
…あぁ〜思い出すだけでも気持ち悪い。なんか食欲までなくなってきちゃった。
美樹、コイツの『躾』にも飽きてきちゃったしお風呂にでも行かない?」
「あーそうだね。…私も何だか食欲なくなっちゃったし。行こうか?」
美樹がそう言うと、二人は笑いながら袖で涙を拭いながら泣いている晶を他所に、席を立ち厨房を出て行こうとする。
その相変わらずの二人を見て、碧は唇を噛み締めながら拳をギュッと握り締めてなんとか怒りを抑えようとする。
そして、厨房のドアの目の前で立ち尽くしている碧の肩に、有香が手をポンと置く。
「彼氏があんな女垂らしで、残念だったわね。碧ちゃん♪」
有香はクスッと笑いそう言うと、厨房を出ていこうとする。
しかし、碧が有香の肩を掴みそれを制止する。
「何?なんか言いたいことでも――――」
有香が振り向いた瞬間、碧は有香の頬を思いっきりビンタした。
あまりの突然のことに、頬を手で押さえ、碧の方を振り向く有香。
「…もう本当に容赦しないからね。」
その有香を、碧が睨みながら言う。
「…馬鹿にするのもいい加減にしなさいよ!」
有香は怒りを露にして碧を思いっきりグーで殴ろうとするが、美樹はその腕を掴んで制止する。
「ちょっと、美樹!何するのよ!」
有香は美樹の掴んだ手を振り払おうとするが、美樹は離さなかった。
「有香、いいよ。どうせ何も、できやしないんだからさ。…いいじゃん。ビンタぐらい。」
美樹は、冷静に有香に言うと、有香は納得したのか上げた腕を下ろす。
「…そうよねぇ。じゃあこの事は私の大らかな心で許してあげる。
後ね、『容赦しない』とか言ってたけど…所詮女装でもしなけりゃ食べていけないような情けない男に、何ができるのかしらね?
…まぁ、私達は貴方達と違って逃げも隠れもしませんから。
いつでもお部屋においでになさってくださいね♪お茶の一杯でも出しますよ、碧センパイ♪
…あ、でもその前に、まずあの泣き虫な彼氏をセンパイの自慢のお体で慰めてあげてはどうですかぁ?」
「有香ったら…あんまり言うと、またビンタされちゃうよ〜?」
二人は、碧を散々馬鹿にしたような口調でそう言うと、可笑しく笑いながら厨房を後に浴場へと向かっていった。
碧はというと、その二人に対して何もするわけでもなく、唇を噛み締め顔を俯き、悔し涙を止めることで精一杯だった。
そして、二人がいなくなった厨房には、晶のすすり泣く声が悲しく響き渡っていた。
>>596 了解した、これより全力で支援する。
GJ!
ちょっと脳内再生しちゃったじゃないか‥
これは…結末が近いのか?
終わっちゃうのは残念な気もするが
今後の展開にwktk
俺184、相手154。
外では10〜12センチのヒール履いてるから差は縮まるんだけど、家の中では全然違う。
たまに家の中で立ったままチューを迫られると
「顔が届いたらチューしてやるよ」と、意地悪してみる。
「意地悪!」と言いながらも懸命にピョンピョン跳ねてるのがむちゃくちゃかわいい・・・・・・・。
「もういいよーだ。チューなんて別にしたくないもん!」
といじけたら抱き締めてチューをする。
その時の嬉しそうであり、色っぽくもある顔を見ると更に欲情→エッチ突入
交互にフェラしあって同時に口内発射
超幸せwwww
普通のスレだとホモコピペなのにこのスレだと萌える!
ふしぎ!
ちょっと身長差カップルもの書いてくる
>>603 153cmの彼女がうらやましい
180台の友人の背中に一度抱きつきたいと思っていたあの頃…
またまた遅くなってすいません…。
今から続き投下します。
1/5
碧は溢れ出してきた涙を袖で拭うと、一人席に座り俯いてすすり泣いている晶の傍に座る。
そして、晶の背中をそっと撫でて慰める。
「み、碧さん…?」
晶は、それに気づいたのか顔を上げ、碧の顔を見る。
その晶の表情は、碧が怒っていると思っているのか、少し怯えているようだった。
「お、怒ってますよね…で、でも本当にあれは有香さんが…強要してきたから仕方なく…」
その誤解を少しでも解こうと、晶は必死に事実を伝えようとする。しかし、その途中で碧が話を遮る。
「わかってますよ。…どうせ、私と晶様の仲を壊すために仕組んだんでしょうね…。
…と、信じたいんですが…ごめんなさい。私、晶様のことよく分からなくなってきました…」
「えっ…?な、なんで…?」
その言葉は、碧に心を寄せている晶にとっては衝撃的だった。それを表すかのように、晶の表情が徐々に強張っていく。
そんな晶の表情を見ながら碧は、少し目を伏せて沈んだ表情になる。
「だって…無理矢理されたと言いながらも、有香さんとキスしている時とか…
美樹さんに犯されてた時の晶様、とっても気持ちよさそうだった…。
自分ではそう思ってなくても、本当はあの二人の事が好きなんじゃないですか…?」
そう言うと、碧は少し沈んだ表情で晶の顔をチラッと覗く。
「そ、そんなことない!…私が心を寄せているのは、本当に碧さんだけなんです!…お願い信じて…」
晶は涙目になりながら、碧の服を掴むと顔を覗き込み、必死にそれを否定する。
「もちろん信じたいですよ…でも…」
碧は、必死に自分の服に掴みついて訴える晶と目線をあわせようとはせず、ただ沈んだ声で話続けるだけだった。
「ど…どうすれば信じてくれるの…?」
「えっ?」
晶がそう言うと、碧は少し驚いた声を上げて晶を見る。
「…碧さんのことが本当に好きなんです…だから…碧さんが信用してくれるんだったら、何だってします…」
その晶の表情は、涙を目に溜めながらも真剣な表情だった。碧は、自分の思っていた以上に真に受け止められて少し戸惑う。
「え…ええっと…それって…言い換えると、私の言うことなら何でも聞きますってこと…?」
碧がそう聞くと、晶は何の躊躇もなくコクっと頷く。
「わかりました…そこまで言ってくれるんなら…私も晶様のこと信じます。」
そう言うと、晶は目に溜めていた涙を流し碧の胸に顔を埋める。
「うぅ…ありがとう…碧さん…」
「こちらも変に疑ったりしてごめんなさいね…」
そう言うと、碧は自分の胸に顔を埋める晶の背中を優しく撫でる。
その晶の背中を撫でるごとに、碧は晶を少し脅してしまったことを申し訳なく感じる。
「…で…早速なんですが…晶様に協力してもらいたいことがあるんですけど…いいですか?」
「う…うん…」
碧がそう言うと、晶は何の迷いもなく了承する。
「ありがとうございます…晶様…」
晶が了承したことを確認すると、碧は密かにニヤリと笑った。
2/5
「あ〜ぁ…疲れた…」
「本当よね。…それにしても、晶ったらどんな仕打ちを受けたのかしら?」
「さぁ?まぁ、あんなのどうなっても知らないけどね。」
そう話しながら、二人は葵の食べた後の空になった食器を厨房へと運んでいた。
「お腹減ったけど…厨房に帰ったら帰ったで、料理の片付けかぁ…面倒くさいなぁ…あ、そうだ。
…ねぇ、どうせ晶は私たちに逆らえないんだから、アイツに全部押しつけちゃわない?
んで、ご飯は私たちの部屋に持ってこさせると。どう?」
「あ、それいいね!」
「でしょ?じゃあ、とっとと厨房に行きましょ。」
二人は意見が一致すると、少し早足で厨房へと向かった。
そして、厨房に着くとドアを開け中に入り、そこにいるであろう晶に話しかける。
「晶ちゃ〜ん。ちょっと手伝ってほしいんだけど……」
しかし、辺りを見渡しても食べかけの料理が机においてあるだけで、誰もいる気配がなかった。
二人は不審に思いながらも、開いていた厨房のドアを閉めると晶を捜す。
「あら?なんでいないのかな?…あ、トイレなのかな?」
「そうかもね。じゃあちょっと待って…うぐっ!?」
そう言いかけると、突然何者かによって後ろから口元を布切れで押さえつけられる。
そして、抵抗する暇も無く頭を項垂れて意識を失ってしまった。
「ま、真樹!?どうしたの!?…だ、誰…誰なの!?」
あまりの突然の事に驚いたのか震えた声でそう言うと、恐怖からかその場から動けず固まってしまった。
そして、真樹の意識を失わせた犯人はゆっくりと床に寝かせる、その場で固まっているメイドと目が合う。
「あっ…」
その犯人は、意外にも晶だった。晶は、まずいと思って目を伏せるがすでに時は遅かった。
「…あ、貴方…こんなことやって…!んぐっ!?」
犯人が晶とわかると、そのメイドは急に強気になり晶に掴みかかろうとする。
しかし、後ろから何者かに口元を押さえられると同時に、首元にナイフを向けられたので、それはできなかった。
「お仕事お疲れ様…亜希さん♪」
亜希は、恐る恐る後ろに目を向けると、そこには冗談で脅しているかのように、ニヤニヤと笑いながら自分を見る碧の姿が合った。
「ん−!んっんん――!」
亜希は、何か抵抗しようと声を上げようとするが、口元を押さえられているため無駄に終わった。
そんな必死に抵抗する亜希を見て、碧はクスッと笑う。
「うるさいなぁ…。あ、そうだ…これで、黙らせてあげましょうか…?」
碧はクスッと笑いながら、ナイフの刃の側面を亜希の首元にペタペタと軽く叩く。
そうすると、亜希の顔色がみるみる青くなっていくことが見て取れる。
「ねぇ…亜希さん…。ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど…手伝ってくれる…よねぇ…?」
そう言うと、体を恐怖で震わせながらも、亜希はなんとか頷く。
亜希が承諾したのを確認すると、碧は妖しく笑う。
「ふふ…それじゃあ…お願いしますね。」
3/5
一方の有香と美樹は、そんなことが厨房で起こっているとは知らず、バスローブに身を包み、べッドの上でくつろいでいた。
そのとき、誰かがノックする音が二人の耳に聞こえてくる。
「あ、アイツもしかしてホントに来たのかな?」
「ふふ…もしそうだったら、紅茶でも入れてあげなくちゃね。」
有香が可笑しそうにそう言うと、ベッドから降りてドアを開ける。
そこには、少し顔色が悪い亜希の姿があった。
「あら、どうしたの?なんか用?」
「あ…あの…お二人に飲み物の差し入れに参りました…」
「あ、悪いわね。ありがとう。」
有香はそう言うと、亜希が持っているホットミルクが入ったコップが載せられているトレイを受け取る。
「…貴方なんかさっきから顔色が悪いけど…どうかしたの?」
有香がそう言うと、亜希の額からは冷や汗がゆっくりと落ちてくる。
亜希は、まずいと思いながらも必死に平静を取り繕いながら言う。
「あ、大丈夫です…ちょっと…まだご飯食べてないもので…あはは…」
「そうなの。もし体調悪いんなら、片付けとか無理してやらなくていいからね。あんな雑用は晶と碧にでもやらしておくから。」
その『碧』と言う言葉を聞くと同時に、亜希はビクッと体を反応させ動揺する。
「あ、は、はい…お気遣い…ありがとう…ございます。で、では私は…これで…」
亜希は頭を軽く下げると、その場から逃げるように去っていった。
「…変なの。」
有香は一言そうつぶやくと、何も疑いを持たず部屋のドアを閉め中に入ると、二人のベッドの間に置いてある小さな棚の上に、
亜希から受け取ったトレイを置くと、また自分のベッドに体を預ける。
「これどうしたの?」
美樹は、読んでいた本をそばに置くと、棚に置かれたホットミルクを見ながら有香に聞く。
「亜希ちゃんからの差し入れ。ホットミルクだってさ。」
「あ、ホント?ちょうど何か飲み物がほしかったところなんだ。」
美樹はそう言うと、ホットミルクが入っているカップを手に取り息を吹きかけ少し冷ました後、少しずつ口の中に入れていく。
そして、少し飲んだところで飲むのを一端やめる。
「有香、これ美味しいよ!なんか…蜂蜜が入ってるのかな?ちょっと甘くていい感じ。」
「ホント?…じゃあ私も飲んでみよ。」
有香はそう言うと、カップを取ると少しずつ口の中に入れていく。
「んっ?…あ、ホントだ。美味しいね、これ。明日亜希ちゃんにお礼言っとかないとね。」
「そうだね〜。」
二人はそう言うと、余程美味しかったのかコップに入っているホットミルクを全部飲み干した。
そして、飲み終わったコップをまたトレイに戻そうとしたとき、二人は体に異変を感じた。
「うっ…な、なにこれ…」
有香は、全身が痺れる感覚に身を悶える。それは、美樹に関しても同様だった。
二人は何とか全身から伝わってくる痺れを紛らわせようと、両手で枕を抱きしめたりと色々試みた。
しかし、その努力も空しく一向に痺れは止まらないどころか、ますます酷くなっていく一方だった。
4/5
「み…美樹…ちょっと寒いから温度あげようよ。」
有香は、きっと外が冷えてきたせいなのかと思い、暖房器具を操作するように美樹に言う。
「う…うん。」
美樹も、有香の言う通りなのだと思っていたのか素直に頷くと、ベットから降りようとする。
しかし、全身の痺れは予想以上に酷く、その場から動くことさえも困難だった。
「ゆ、有香…やばいよ…これ…。体が言うこと聞かないよ…」
「う…うそ…」
今度は有香がベッドから降りようとする。
しかし、美樹と同様に体の痺れが酷く、その場から動くことができなかった。
「なにこれ…なんでこんな事に…あ…もしかして…」
そう言うと、有香はトレイに置いてあるコップに目をやる。
ミルクを飲み干した後に異常が出たので、あのコップに何かしら仕掛けられたと考えたのだ。
「でも…まさか…ねぇ…」
しかし、持ってきたのは何の恨みも持っていないはずの亜希なので、疑いをかけつつもその可能性を否定した。
二人は、その痺れから体を拘束されて眠る事さえも許されずにただベッドの上で悶えていた。
暫くすると、ドアがゆっくりと開き誰かが入ってくる。
「だ、だれ!?亜希ちゃん!?亜希ちゃんなの!?」
有香が、少し怯えた声で尋ねる。しかし、二人の目の前に姿を現したのは、意外な人物だった。
「ふふ…残念でした。こんばんわ…有香ちゃん、そして美樹ちゃん♪貴方たちのお望み通り、碧センパイが来てあげましたよ。
…それと、貴方たちにお世話になった晶様もね。」
碧はニヤニヤと笑いながら、ベッドの傍に設置されていたソファーに腰掛ける。
「さ、晶様もここにどうぞ。」
「は、はい…」
晶も碧に促されるままその横に座るが、碧の様に表情には余裕はなく、相変わらず目を伏せて二人と目を合わせないようにしていた。
「どうしたの?はやく紅茶の一杯でも持ってきたらどうなの?ん?」
「だ、だれがアンタなんかに…」
その碧の挑発的な態度とトレイに置いてある空のカップを見て、有香は直感的に碧が犯人だと感じた。
5/5
「あ…アンタね!ミルクに変な薬を入れたのは!!」
「え〜そんなの知りませんよぉ〜。…だって、持ってきたのは亜希ちゃんでしょ?私は何にも関与してないよ〜?」
昼頃の先輩二人に従順な碧とは思えないほど、挑発的に話しかける碧。
有香は、その挑発に簡単に乗って怒声を上げる。
「ふ、ふざけんじゃないわよ!!どうせ、アンタがしたんでしょうが!」
「顔真っ赤に怒っちゃって…お猿さんみたい。」
碧は、クスッと吹き出し笑いをしながら有香を馬鹿にしたようになおも挑発する。
その碧の態度を不審に思い、美樹は有香を小声で注意する。
「ゆ…有香…アイツ挑発してるんだよ。それに私たち、今こんな状態だから何にも反抗できないからやめた方が…」
その小声で発したはずの美樹の声も、部屋が静かだったせいか碧の耳に簡単に入ってくる。
「そうよ〜美樹ちゃんの言う通りにしておいた方が…身のためかもね♪」
碧は、有香が美樹の勧告を聞き入れる前に有香を挑発しておく。
「っ…!!オカマの分際でいい気になってるんじゃないわよ!!」
「ちょ、ちょっと…有香…」
その碧の挑発に簡単に乗る有香。もう美樹の声など耳に入ってこなかった。
「あら、センパイに向かってその態度はなぁに?有香ちゃん?」
碧は、座っていたソファーから立ち上がると、有香の傍に座ると頭を撫でる。
有香はその手をはねのけたかったが、体が痺れて言うことを聞かない為、そうすることさえもできなかった。
「だ、誰が『センパイ』だ!男娼から拾われたホモの癖に!!」
そう言った瞬間、碧の体が一瞬ビクッと反応すると有香の頭から自ら手を離し、顔を俯くと突然黙り込む。
そんな碧を見て有香は、ようやく弱点を突けたと思い込み、晶の目の前で間髪入れず碧の暴かれたくない過去について触れる。
「…思い出した?どんなに強気に出ようとね、アンタは所詮、男に抱かれて嬌声を上げる変態なのよ!!
…あ、まずかったかしら?ソファーで座って待っている、彼の前で告白しちゃって。
でも、もっと知られたくないような秘密ばらしちゃってもいいんだよ…?変態碧ちゃん♪」
有香が勝ち誇ったように小さく笑った瞬間、碧は有香の顔をめがけて思いっきりナイフを振り下ろした。
しかし、有香が間一髪のところで避けたので、僅かに頬に刃が擦れただけで済んだ。
「チッ…」
碧は有香にとどめを刺せなかった事が悔しかったのか、小さく舌打ちする。
そして、碧は突き刺したナイフを引き抜きゆっくりと顔を上げると、ナイフの擦れたところから、
うっすらと出血している有香を、冷酷な表情で見下す。
「ぁ…あぁ……」
有香はあまりに突然の事に声も出ないどころか、目を大きく見開きうっすら涙を浮かべていた。
それを端から見ていた晶と美樹は、碧のあまりの凶変ぶりに声を上げることさえもできず見守ることしかできなかった。
以上です
次の投下で、最終回を予定してます。
おお! どうなるどうなるwktk
碧ちゃんになら掘られても良いわというかむしろお願いします
ハッピーエンドがいいけど・・・どうなるんだろう(´ω`)
>>614 乙ーです
続きにwktkしながら
ボチボチ待ちたいと思います
>>617 一言でハッピーエンドって言っても
「誰にとってのハッピーエンドか」で、かなり展開が違ってくるよねぇ
同じようにタイトルの再教育だって
「誰に対する再教育だったのか」で物語の意味合いがかなり変わってくると思うんだ
それに、内面はすっかり女装メイドに堕ちてしまった晶たんが
将来、(実務は完全に姉が握ってるとは言え)
財閥の長男である身分、周囲の目との関係を
どう埋めていくのかも見逃せないところですね
連投失礼
碧が殺されて晶が仕事人に依頼しに行く展開を
予想していたが違ったか(´・ω・`)
621 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:50:36 ID:1llcaIsL
そうとうワカチコ
碧の逆襲の後、ちょっとオイタが過ぎちゃった碧&晶をお姉さまが再教育するとか
強いていうならここで碧のお仕置きをいれて欲しかったな!でもGJ!
今更GJとか思うなよ、書き込んでねぇだけでリアルタイムで読んでんだこっちは。
そこんとこ誤解されたくないから・・・・
無駄にツンデレな読者がいると聞いて(ry
再調教の続きが待ち遠しい……
晶たんはこのまま身分を捨てて赤黒い被虐の悦楽で溺れてしまうのか?
はたまた様々な葛藤のすえに表向きは少し影のある青年実業家、
裏ではマゾ女装娘として二つの顔を使い分けて生きて行くのか?
またはもっと別の道を歩む事になるのか……楽しみだ
女装実業家(′Д`*)ハァハァ
ハァハァもう我慢できない、はっはやく!はやく!俺に再調教を!!
再調教されたい…ハァハァ…
懐かしいなこれ。完成してたんだ。
さっそくDLしよう。
うお、無事に完成してたのか……開発途中を見たのが4年くらい前なんだよなあ
なんか感慨深いわ。とりあえずDLしておこう
絵のクオリティがもうちょい…
惜しい
まだこの企画動かしてる人達がいたんだ…すごいな。
むしろ金取ってもいいから絵をもうちょっと・・・
636 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 21:14:34 ID:nXBYsllk
再調教まだかな…
むしろ他の作品が読みたい
とにかく作品キボンw
しかし過疎は日常
639 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 12:59:53 ID:TK6vm5Mw
あぐぇあげ
待っている人いたらすみません。
予想以上に筆が進まなくて、投下がかなり遅れてます。
なんとか、今月中には、最終回を投下してこのSSを終わらせようと思ってます。
待ってる!
>>640 乙です
ただ無理やり締め切りを設定するのはオススメできない
無理に締め切りに合わせようとすると、粗が目立ったりするし
『作者さんが作品を忘れて無くて、いつかは仕上げる意思がある』
ソレが判っただけで十分幸せなので、あまり無理せず
納得できる仕上がりになるまでゆっくり書いて欲しいです。
男自分ひとりの、服のデザインする会社的なところでの妄想はやっぱり基本だよな
「160代なの、君しかいないからちょっと着てみてくれる?」とか言われちゃったりなんかしちゃったり・・・
俺にも見える!見えるよ!
>>645!OLに囲まれてパンティ履かされ勃起してる女装っ子が!!
あえて150台ではなく160台って所がいいな!
ブラもつけられてお姉系の露出がちょっとあるふわふわの服を着ていただきたい
その恰好で取引先の人にお茶出ししてもいい
女1「よく似合ってるけど、なんでココがこんなに盛り上がってるのかなぁ・・・v」
男の娘「お、男(の娘)だからに決まってるじゃないですか!///」
女2「え、男って女の服着ると勃起するの?って、なわけないよね。キミ、変態クンだねvv」
男の娘「・・・///」
この後、OL複数人対男でやらしい行為がどうのこうのって妄想してしまったじゃないか
その先は?
具体的に最後までどんな妄想したか書いてくれなきゃ!
女1「大丈夫。ちょっとサイズとか見るだけだから」
男「いいですけど・・・ 着れました。いいんじゃないですか?この辺とかかわいいと思いますよ」
女1「そう。気に入ってもらえてよかったわ」
女2「あ、先輩。お客さんきましたよ」
女1「あ、●●さん。ちょうど新作できたんですよ。見てください。今カノジョが着てるこれなんですけど・・・」
男「・・・!?」
●「ほう・・・これはこれは・・・」
その妄想を早くまとめてSSにしろよ
俺にいつまでこのスレをリロードさせれば気が済むんだ
テスト
弟「あのさぁ姉さん、就活用のスーツ買いに来たんだよね?確認しとくけど」
姉「だから今選んでんじゃん?あ、これも似合いそう〜♪」
弟「ここレディース・コーナーなんだけど・・・?」
姉「それが?あ、これとこれ着てみて。試着室あっちね」
弟「話し聴けよjk」
みたいなのを妄想してた
リクスー女装青年ハァハァ
卒業式
「こ、これはその…お店の人が間違えてっ時間ないし仕方なく…」
俺の前に立つ、振り袖の美人。
残念ながら四年間付き添った男友達だ。
卒業式
「こ、これはその…お母さんが間違えてっ時間ないし仕方なく…」
俺の前に立つ、セーラー服姿の美少女。
残念ながら三年間付き添った男友達だ。
ほんとの女ならギャグでしかしない仕草をしてるあたりが単なるCDのおっさんくさいw
スレチだろうがあほが
短縮形だとおと娘ですね、わかります
>>650と
>>653を合体すればいいんじゃね?
女1「大丈夫。ちょっとサイズとか見るだけだから」
男「いいですけど・・・ 着れました。いいんじゃないですか?この辺とかかわいいと思いますよ」
女1「そう。気に入ってもらえてよかったわ」
姉「すみませーん。この娘に似合う服を探してるんですけど・・・」
弟「ねぇ、お姉ちゃん。このお店って女の子向けの服しか・・・」
女2「あ、先輩。お客さんきましたよ」
女1「あ、●●さん。ちょうど新作できたんですよ。見てください。今カノジョが着てるこれなんですけど・・・」
男「・・・!?」
姉「わぁ。かわいいですね。試着させてもいいですか?」
弟「・・・!?」
>>656に捧ぐ
卒業式
「こ、これはその……みんな中学の制服で出るっていうから……」
そういやこいつは別の中学なんだったっけか。
残念ながら三年間連れ添った男友達だが、これで終わりか。
来年からは女友達でよろしく。
さらに改変
卒業式
「こ、これはその……みんな中学の制服で出るっていうから……」
そういやこいつは別の中学なんだったっけか。
俺の目の前には学ランの美少年。三年間連れ添った彼女だが、おまえ男だったのか。
三年も付き合ってバレないとかどんだけクォリティ高いんだwwww
ヤオイ穴完備ですね。分かります。
>>663 男の方はなんでそんなに冷静なのか気になる
今日は卒業式
つっても高校ともなるともう三回目だし、都下の学校なんでそんなに遠くに進学するやつもいないし。
卒業したって連絡とりゃ直ぐあえるし。
みたいな感じで別段感慨深いなんて事もないんだが、そこ行くと女子てのはやっぱそこらでシクシクとかやってる。
彼女の孝美なんかも最初はあははなんって笑ってたけど式の進行につれ段々目が赤くなってやがんの。
で、来賓の挨拶だの送辞だの答辞だの卒業証書授与だの滞り無く終わって、最期に校長が壇上に上がった。
こういう時の決まりきった言葉のあと、最期に…と言葉につまりやがった。
なんだあのハゲでもそれなりに感じ入るモンがあるのか
いやなんか言うべきか言わざるか、って感じかあれは?
逡巡の間の後やっとハゲは口を開いた
「最期に…皆さんに伝えておく事があります…知ってしる方も…、いや本来知っていて当たり前の事なのですが…
殆どの方がお忘れの様ですのでこの場でお伝えておきます…
わが校は男子高です」
廻りの男子がシクシクやりはじめやがった。
なんだお前等、知らなかったてそれが悲しいのか?
みたいなマンガがあった気がすんだが
新作投下かと思った。
椎名百貨店の四コマじゃなかったっけなー……ちと自信が無い
ありましたな
懐かしいw
椎名百貨店の教育的指導シリーズだな
男子校に新任教師が赴任して来るとこから始まる奴
♪暮れなずむ街の〜光と影の中〜
エコエコアザラク〜ゲゲゲのゲ〜♪
このスレ的にはどうなんだ?
男×女装子か、女×女装子なんか
あ、でも女装×ショタもありか
ロリ×女装とかふた×女装とかは
どれもいいんじゃないかな。
なにしろ女装SS総合スレなわけだし。
>>672 なんでもアリだよ。
女装子でニヨニヨできれば。
過疎いな
○○彼女の中の人とか帰って来ないかのぅ……
「ごめんなさいスカート、まくってもらえるかしら?あなたが本当に女の子なら
ちょっと恥ずかしい思いするだけで、それが証明になるの。」
プリーツスカートの裾を握り締め、ゆっくりと上に上げていく。
このままでは間違いなくバレてしまう。
しかも見られた時の恥ずかしさが、バレた時の恐怖心を上回り、
自らの意志に反してペニスがむくむくと頭をもたげて来た。
その状況に手も止まる。
これではとてもスカートを捲くる事などできない。
それどころか手を離す事もできない。どっちに転んでも
股間の膨らみでバレてしまう。
にっちもさっちも行かず、スカートの裾を握ったまま
困っていると、追い打ちがかかる。
「どうしたの?スカートを捲くると何か困る事でもあるの?」
とても逃げられないと悟ると覚悟を決め、ゆっくりと両手を
持ち上げて行く。
とても相手の顔を直視する事はできずに、顔を横に背けて視線は
廊下の隅を彷徨う。
「あらあら、ショーツの前をこんなに膨らませて、
しかも先っぽに染みまで付けちゃって、見られるのが
そんなに快感なの?」
イイヨイイヨ-
女性専用車両での事であった
すぐ降りろ
ごめん、>679読む前にもう続き書いちまった……許してくれ。
言葉責めをされるとペニスがひくひくと蠢き新たな蜜を
吐き出し、染みを広げて行く。
そんな様子を見ると呆れた表情をして相手が言う。
「ふ〜ん、お困りのようね。助けて差し上げましょうか?」
藁にもすがる思いで首を縦に振る。
「じゃあ、ちょっと待っててね。ロッカーから取ってくるから」
何を取ってくるか言わないまま、一人で置き去りにされる。
スカートを中途半端な位置で捲くり上げたまま、誰か来ないか
気が気ではなかったが、幸い誰にも見つかる事なく戻ってきた。
「これを穿くといいわ。これなら目立たなくなるでしょ?」
と、何か下着みたいなものを渡された。
広げて見ると、ガードルだった。
「ガー……ドル?」
「そう、ハードタイプだから、がっちりと前を押え込んで
くれるわ。これなら大丈夫でしょ?」
言われるがまま、ガードルに足を通す。腿まであるロングタイプでは
無く、ショートタイプなので色気が無い、って程ではないが、
自分にはちょっと小さめなのか、かなりきつい。
お尻の部分を無理矢理通すと、ペニスがお腹に喰い込む位、
がっちりと押さえ込まれる。
ちょっと窮屈だが、これならば幾ら勃起しても目立つ事は無く、
安心できる。
しばらくすれば、勃起も収まるだろう。
「さ、学園を案内するわ」
彼女に手を引かれるままに歩き始めると、
さっきの考えが間違いという事に気付いた。
ガードルの圧迫感はとても気持ち良く、一度勃起した
ペニスが収まる事は無かった。
まるでうつ伏せでオナニーしているかのようだった。
しかも階段を登り降りしようものなら、絶妙な感覚で
ペニスを扱き上げ射精感を高めて行く。
腿の内側が敏感になり、ペニスの根元にもやもやした
感覚が高まって行く。
「ちょ、ちょっと待って!」
ようやく足を止める事が出来て一息ついたが、
もうペニスはひくひくとしていて涎を垂れっぱなし、
もう猶予は幾許(いくばく)も無い。
普通のオナニーならば手を止めれば射精感が遠のくが、
ガードルの強い圧迫感がそれを許さない。
単に立ち止まっているだけでも、否応なしに射精レベルが
じりじりと高められて行く。
「どうしたの?」
「ちょっとガードルがキツくて……」
「あら、締め付けが苦しくて気分が悪くなりました?
それは失礼したわね、でもごめんなさい、ガードルは
このサイズしかないの。でも気分が悪いのならば、
保健室へ行きましょうか」
このまま保健室なんかに連れて行かれたら、もっと大変な事に
なってしまう。それに一向に問題の解決にはならない。
「い、いや、そうじゃなくて……」
「そうじゃなく??」
「ゴニョゴニョゴニョ……」
「え??聞えないわ??」
「ご、ごめん、正直に言うよ、その、ガードルの締め付けで、
お、オチンチンが刺激されて、その……」
「その?」
「しゃ、しゃ、」
「しゃ?」
「シャセイしそうなんです……」
耳まで真っ赤になってなんとか言い終える。
「あら、ごめんなさいね、殿方はガードルを穿くと気持ち良くなる
なんて知らなくって」
こちらの恥ずかしさとは正反対に、素っ気なく彼女は答える。
「い、いや、別にそういうワケではなくって、」
「じゃあどういうわけでここがこうなるの?」
スカートを捲くり上げられると、もうガードルの表面にまで
滲み出た汁を指差して反論される。
こう言われてしまうと、もうぐうの音も出ない。
「まぁ、いいわ、このまま私のガードルの中にお射精のお漏らし
されても困るから、とりあえずトイレに行きましょう」
そう言うと、小走りで手を引っ張られる。
「ちょ、ちょっと待って」
「どうしたの?急がないとお漏らししそうなんでしょ?」
「そ、そうなんだけど、走ると刺激が強すぎて……」
「そう、じゃあゆっくり歩きましょう」
ゆっくり歩いたからといって刺激が無くなるワケでは無い。
何もしなくても相変わらず強力にペニスを締め付ける。
しかも勃起すればする程、強い力で締め付ける。
勃起→刺激→勃起→刺激、というスパイラルから抜け出せない
でいた。
腿の内側はピリピリと快感が走り、アヌスがヒクヒクすると、
尿道から少量の液が通って、先端に漏れ出す感覚がする。
もう、ショーツの内側はぬるぬるで歩く度に絶妙な感覚で
亀頭を撫で上げていく。
勃起を隠す為に貸し与えられたガードルだが、
今や単なる射精強要下着と化していた。
手を引かれるままにトイレに辿り着く。
女子校のせいか、赤いスカート姿の女性マークとか、
特に目立った表示は無い。
扉にはガラスも付いてなく、素っ気ない佇(たたず)まいを
していた。
職員用を除けば、トイレと言えば女子用が当たり前な
だけに、何の表記もしないのだろう。
扉が開かれると、あれよあれよという間に未知の空間へと
引っ張り込まれる。
幸い授業中のせいか、他には誰も居ない。
勿論、小便器などはなく、ズラリと並んだ個室が、
否応なしに女子トイレという事を意識させる。
「さぁ、いらっしゃい、脱がして上げる」
個室にまで強引に引っ張り込まれる。
個室の隅の汚物入れが、やはりここも女子トイレ、と
いう事を強烈に自己主張していた。
「い、いや、もう一人で大丈夫だから、」
「本当に大丈夫なの?歩いていた時からもう歩き方もヘン
だったわよ?大丈夫、まかせなさい。ほら、スカート
捲り上げて!」
もう、言い争っている時間は無く、ここは素直に
従うしかない。
また顔を真っ赤にしてスカートを捲くり上げる。
「あらあらあらあら、こんなに大きな染みを付けちゃって……」
度重なる刺激に、何度も射精寸前まで追い詰められ、
もう腿の内側がジンジンと麻痺したかのように快感が
高まり、陰嚢は精子でパンパンの感覚がする。
射精感はもうペニス寸前まで高まり、一刻も早く
ガードルの圧迫から解放しないと大変な事になってしまう。
「さぁ、下ろすわよ」
彼女がガードルのウエストのゴムに指をかける。
(あぁ、これでやっと彼女の前で恥ずかしい事になる前に
解放される……)
ちょっとは安堵感が生まれた。
彼女はなるたけ刺激しないように気を使っているのか、
ゆっくりとガードルをずらし下ろす。
一番締め付けの強いガードルのウエストのゴムが、
ぬるりと亀頭の裏筋の一番敏感な所を撫で上げる。
「!!!」
もう、ショーツを下ろすまで自分は射精を我慢できないと
悟った。もう、自分の性器は射精に向けて、不可避な
シーケンスを辿(たど)っていた。
「あぁ、もうダメだ……」
「後少しですよ、我慢なさい!男の子でしょ?」
「男の娘だからダメなんだよ……」
そう、ガードルを履かされてああまで射精感を高められたら、
もうお射精お漏らしをする道しか自分には残されていなかった
のだ。ガードルの圧迫感から解放されてほっ、とするなんて
実は不可能な話だったのだ。
尿道の内側を熱い精液が駆け登り、ビクン、ビクンとペニスが
波打つ。
「あぁ、ごめんなさい!!!」
言うのよりも早く、溜まりに溜まった精子と精液を、
びゅるり、びゅるりと、大量にショーツの中にぶちまけていた。
「ビュッ、ビュッ、」と精液がショーツに勢い良く当たる音まで
彼女に聞かれてそうだ。
「あらあらあら、我慢できなかったのですか……
いいですわ、このままショーツの中に全部お漏らし
しちゃいなさい。」
そうして、彼女に見つめられるまま、ショーツの中に射精を
続けた。ショーツの前の染みは見る見る間に大きく広がり、
白くねっとりとした液が滲み出てくると、個室には
精液独特の匂いが立ち篭める。
ショーツの中のペニスは精液にまみれ、まるで夢精してしまった
かのようなバツの悪さを感じる。
グー
688 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 09:36:51 ID:CuaYShYy
オッケー
ちょっとガードル買ってくる
690 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 18:45:40 ID:HYGGmuG3
俺の使用済みでよければw
どうせ混じっちゃうからおk
すぐ文書書ける奴普通にすごいと思う。
俺の卒論も書いて欲しい
>>692 お前の卒論が女装体験記になっても良いのか?ww
教授が好き者なら卒業させてくれるかも試練
お尻の穴に内定もらえる
スレ立て乙
埋めるにはまだ残りが多いな