女装SS総合スレ

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543監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/10(日) 15:19:57 ID:UuotP/X4
(4/4)
 
 乳頭のないお椀形の擬似乳房は特殊シリコンだかなんだかで絶妙な弾力があり、肌に触
れる面はそこがささやかな膨らみだろうと洗濯板だろうとぴったりフィットするようにプ
ヨプヨしている。
 従来の吸盤型の乳首責めオモチャと違うのは、その手触りの良さとリアルさに相手も楽
しめ、ニセ乳を動かされる度に揉みしだかれているような感触が装着した本人にも伝わる
というところらしい。カレもアタシも大満足☆ってやつか。
 売り文句の書かれたパッケだけを丁寧にはがし、専用ケースだけに入れた状態で見せら
れた奴は首を傾げ、その直後に真っ赤になった。
「今日だけおっぱい大きくなろうね〜」
「な…なに馬鹿なこと言って…っひゃあ!?」
 立ち上がってしまう前に奴を仰向けに床に押さえつけ、背中に差し入れた手でブラを外
してしまう。
 俺の部屋に来るなり下着を残してストリップショーを強要された奴は、すでに乳首を勃
たせてしまっていた。
「はーい、動かないでね〜」
「やめっ…あ……っ」
 ブラを引き上げ胸板を撫でられて、奴のペニスが反応しているのが薄いショーツ越しに
足に伝わってくる。左右の向きを確認して、ケースから取り出した左乳房を奴の胸板にく
っつけた。
「ひぅっ!?つ、冷たっ…!」
「はいはい、すぐあったまるからね〜」
 暴れる奴の股間を膝でグリグリしてやりながら、右側も慎重に貼りつける。垂れすぎず
上すぎず、自然な上向き美乳がチンコ付き美少女の上半身に出現した。
 
 
544名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:26:00 ID:mh75TBvt
リアル投下ktkr
545名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:42:17 ID:mRv1VF1L

精神的デレが来るまで俺は待ってる
546名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 18:46:29 ID:sTtsOE8e
ちょwww
なんという生殺しですかw
でもGJ!
547名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 19:34:20 ID:5QetwOZT
おっぱい!おっぱい!
しかし村瀬はユカたんに幾ら掛けてるんだwww

方向性はアレだけどw村瀬がユカたんの事大事に可愛がってるので
和姦スキーとしては大変楽しく読ませてもらってますw
548名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 19:43:17 ID:nzfmrmar
男になんて一切興味ないはずの俺がチン子立てましたがどうしてくれますか。
549名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 19:47:08 ID:mh75TBvt
>>548
よう兄弟
550名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 19:47:47 ID:oDFYORBW
ほんと村瀬はこのままユカたんに溺れていけばいいw
551名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:05:17 ID:zX3uouIo
おお、リクに応えて頂きありがとうございます!
乳首もチンコも勃たせちゃうのですねw
ユカたんが自分の膨らんだ胸をしげしげと眺めて
嬉しそうにするシーンキボンヌ
更に階段シーンとかあると、ユカたんが
自分の胸がタプタプするのを実感できるんだけど、
外出シーンは流石に無いか…
552監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 00:46:57 ID:8Y8sUrbz
(1/4)
 
「はい、できあがり〜」
 すんなりした二の腕を掴んで起こしてやると、あきれたように溜め息をつく。
「…ったく、いきなり何出すのかと思ったら……っ…え?」
 ふるん、と揺れるそれに早くも肌を吸われたのか、困ったように俺を見上げた。大人の
オモチャ…それも女用のオナニー道具なんて奴の知識にはないようで、馬鹿馬鹿しい変な
モノに反応してしまう自分に戸惑いを隠せてない。
「うん?どしたん?」
「いや…な、何でもない…」
 気付かないふりで無邪気に尋ねる俺に「なんかビンビン感じちゃうんだけど、これ何な
の?」とは聞けないのか、奴は頬を赤らめつつ首を振った。俺の視線に慌てて胸の上に押
しやられていたブラを下ろすのだが、CどころかDくらいありそうな擬似乳房が納まるわ
けがなく、下乳をさらして頼りなく浮いてしまう。
「あらら、ブラに入りきらないみたいだねぇ〜」
「じゃ…じゃあコレ、取って良い?」
「大丈夫!それに似合う服も用意してあるから!」
 さっそくブラの中に手を突っ込んだ奴の前に、真新しい下着とグレーのセーターにクリ
ーム色のキャミ、焦げ茶のショートパンツを放る。少しの沈黙の後、渋々奴は手を出した。
「そのブラなら一人で着けられるだろ?」
 今まで手にしたのとは違う形に戸惑いを見せたが、半裸で俺に胸を突き出して背中のホ
ックと格闘した挙句「エッチなわたしにブラジャーを着せてください」とおねだりさせら
れずに済むと分かると、ホッとしたような顔をする。
 しかし上半身裸になって新しいブラの肩紐を通したところで、須藤は再び俺の目を気に
し始めた。
 大きな乳房…というかモノを押し込まねばならないので、両脇ずつ軽く支えなければな
らない。奴が手に力を入れると、リアルにふるふるするシリコンを伝って密着した肌に刺
激が伝わる。
「…ん……っん…はぁ」
 ちょっと息が上がってるのは、俺の前で着替えてるせいだけではないだろう。「プリテ
ィメロン」とやらの威力はなかなかのようだ。「メロン」って「メロンみたいな乳」って
意味なのか、「エログッズでメロメロ」って意味なのか、どっちなんだろう?
 
553監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 00:48:02 ID:8Y8sUrbz
(2/4)
 
 どうでも良いことを考える俺の前で、正座した足も崩れへたり込みながら彼はどうにか
こうにか前のホックを留めた。
「うっわー、ボインボイン」
 自分の物でもないくせに恥ずかしげに俯いてしまう須藤。白い肌に対しブラから覗く乳
房が不自然なテラコッタなのを無視すれば、華奢な肩や腰に対し挑発的な胸という、かな
り反則なボディラインの美少女がそこにあった。
「じゃあ次はこれな」
「っ……うん…」
 むぎゅうっと柔らかく胸を締めつける感触に眉をひそめつつ、何でもないようなふりを
してキャミを受け取る須藤。本当は身じろぎする度にない乳を揉みしだかれ大変なことに
なってるんだろう。薄桃のショーツの前が、スカート脱がせた時よりも盛り上がってる気
がするが、俺はあえて気付かないふりだ。
 渡した白いキャミソールは、鎖骨の真下あたりまでコットンのレースが被さる重ね着用
のもの。見えない部分は身体にフィットするよう薄くシンプルなデザインだが、ストラッ
プやデコルテには細かな刺繍がたっぷり施されている。
 ストラップとは別に肩に付いているホルターネックの飾り紐を残して奴が裾を下ろすと、
胸元がぱつんとした「女の子」の下着姿になった。
「後ろ結んでやるよ」
 「要らないっ!」と逃げられてしまう前に奴の背後に回り込み、セミロングの黒髪をか
き上げてやる。あらわになった白いうなじに息を吹きかけると、ほっそりした肩がブルリ
と震えた。
「ゃ…やだ、早く……」
「うん?早く可愛いの着たいの?」
 服を脱いだり寝かされたりして少し乱れた髪を梳いてから、紐に巻き込まないよう両側
に流す。浮き上がった左右の鎖骨をからかうようになぞってやってから、飾り紐を首の後
ろで結んでやった。下向いたりすることも考えて、きつすぎないところで可愛くリボン結
び。
「はい、バンザイして〜」
「……?はい」
 何の疑いもなく両腕を上げた奴の脇から、キャミを押し上げるたわわな胸をわし掴みに
した。
 
554監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 00:49:04 ID:8Y8sUrbz
(3/4)
 
「ひゃうっ!?な、何す…っ!あ……っぁ」
 服の上から触る分には何の問題ない…というか、かなりリアルな弾み具合だ。もにゅも
にゅと両手で揉みあげると、肌やすでに勃起していた乳首を引っ張られるのか俺の胸に密
着した須藤の身体が震える。
「ほら、自分でも触ってみ。ホンモノっぽくね?」
 抗うように俺の手に重ねてきた両手を逆に掴み、自分の乳房に押し当てる。技術大国日
本万歳と叫びたくなるようなシリコンのやわっこさに、手のひらで覆った奴のしなやかな
手がビクンとした。
「…本当の女の子みたいですねぇ〜」
 奴の手の上から、今度はゆっくりと円を描くように揉みあげる。
「……ぅ…んんっ……ん!…」
 堪えるように下を向いた奴の耳たぶを唇で噛むと、むき出しの腿がもぞ、と動いた。
「……あれ?なんか染みちゃってない?」
 後ろから奴の肩越しにショーツを覗くと、キャミとは違うモノでぱつんぱつんになった
そこの色がちょっと変わっていた。パステルピンクの頂点に、ちょっと濃いピンクの水玉。
「く…くすぐったかったから…っ」
「くすぐったいって、このパッドが?感じちゃった?」
「!…ちがっ……」
 これの本来の用途を知らない彼は、こんな「道具」なんかに快感を見出だしてしまう自
分の身体を認めたくないようだ。正直に言えば教えてやらなくもないのに…まぁ外しては
やらないけど。
 必死に頭の中に萎えネタを駆け巡らせているだろう奴から、俺は身を離した。
「じゃあなおさら着替えなくっちゃね。オソロのパンティー汚すなよ」
 気を使って後ろを向いてやる気配のない俺に悔しそうに唇を噛みしめつつ、悩ましい巨
乳キャミ姿の優等生は同級生の見ている前で脱いだショーツで濡れたペニスを拭う。こい
つの剃毛フルチン姿なんかを知ってるのは他人では俺だけだろうと思うと、素晴らしく愉
快な気分になった。
 まだ興奮冷めやらない様子ではあったが、ブラと同じ白地に乙女な刺繍飾りのショーツ
に足を通し、スエードみたいな手触りのショートパンツを引き上げる。
 
555監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 00:50:20 ID:8Y8sUrbz
(4/4)
 
 グレーのセーターを手に取り広げると、案の定どこから着るのか迷ってたので思わず笑
ってしまった。赤くなった目元でキッと睨みつけてくるが、身構えた拍子にプルルンと揺
れる乳房に再び膝を擦り合わせる。
「分かんないなら手伝おっか?」
「だ、大丈夫…」
 熱っぽい息をつき、あきらめたように袖を通す。今までなかった双丘に引っかかるセー
ターに四苦八苦しながら裾を下ろし、胸元で編み上げになったピンクのサテンリボンを結
んで、どうにか奴は着替えを済ませた。
 こないだサキさんが着てたみたいなオフタートルのニットは、両肩からぎりぎり滑り落
ちるか落ちないかといったデザイン。落ち着かないのかしきりに肩口を引き上げるが、盛
り上がった胸やほっそりしたウエストを強調する身頃に対し袖はかなりゆったりしている
ので、奴の細い腕にすぐ遊んでしまう。
 ふだん着せてるのはピンクだのフリルだのリボンだのと可愛らしさを前面に押し出した
モノなのだが、今日は胸があるので極めて大人しめな色合いにした。俺の見立て通り、身
体の線を見せつけるデザインの割に下品さのない、見た目だけは清楚な奴にふさわしい「
女の子」ができあがる。
 
 
556監視彼女の中の人 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 00:52:26 ID:8Y8sUrbz
(本文ないです)
 
>>547さん
一応「協定」後は折半してる設定なんですが、たしかにブルマだのオモチャだの買ってた
ら、たしかに間に合わねーw
(「協定」では総額一万円弱のつもり)
 
そんでは、洋服以外のモノはバイトしてる「俺」が買うことにして、優等生は学校の自販
機でジュース買ってたのを毎日水筒持ってくみたいな、地味な節約してれば良いだろうか
と、リアルチラ裏に金額書きながら考えてしまいましたw
 
 
>>551さん
せっかく夢の姿になったんですから、次回以降はお出かけして一般人にも見せつけますw
 
そのシーンは考えてなかったのですが、「嬉しそうに〜」ってくだりにすんごい萌えたの
で、それいただきますね!今から打つの楽しみだ(´д`*ありがdです!
 
 
557名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 02:15:14 ID:Xz/JRO19
くそ、書き込んだ後、寝るべきではなかった。阻止されてい様とは・・・
つーか、進むの早くて追いつけんww溜りに溜まってwktkだけが残ってる
558名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 02:52:08 ID:SM3fdDl8
続きキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
超GJ そしておでかけ超wktk
559名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 13:28:53 ID:5tvQlnzt
まだまだGJ!
560名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14:22:10 ID:nnYAw7Dc
>胸元がぱつんとした「女の子」の下着姿になった。
萌え。
すぐチンポ濡らしちゃうユカたんも萌え。

階段は下りシーンの方がより揺れると思います ><
561監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 17:15:15 ID:8Y8sUrbz
(1/4)
 
「かーわいい、ユカちゃん」
 言って、ぴったりとしたセーターの上から形の良い乳房をぷにぷにつつくと、恥ずかし
そうに身をよじらせて逃げようとした。
「ぃやあ……っ!」
 この触感と過敏反応では、そうと知らなきゃ俺でも偽物とは分からないだろう。正直安
い買い物ではなかったが、ここまでで十分元は取れそうだ。
「…じゃあ、ちょっとお出かけしよっか?」
「ん、ぁ…………え?」
 胸板への刺激に喘いでいた奴の顔が固まる。気付かないふりで、俺はにっこり笑ってう
なずいた。
「せっかく可愛いカッコしたんだから、ユカちゃんと一緒に外行きたいなあ、俺」
「あの……こ、この、まま?」
「何か問題でもある?」
 あくまで疑問形ではあるが、奴に決定権がないことは二人とも…奴自身が熟知している。
「………ない、です…」
 そんなわけで、誰もが羨む美乳彼女を連れて家を出た。
 
 яяя
 
 電車に乗って、以前行ったのとはまた別のカラオケボックスへ。
 腕を組んだ奴とドアをくぐると、二組五人ばかしが会計だか案内待ちでフロアに居た。
カップルと、中坊の三人連れ。
 受付で名前を書いてから、俺のダウンジャケットにピンクのマフラーを巻いた須藤の頬
が上気しているのに今さら気付いたようなふりで声をかける。
「暖房暑い?上着脱げよ」
 そのせいではないことや、上体を動かせばかえって辛い目に遭うことは分かりきってい
るだろうに、腕を離し優しい彼氏の顔で俺に言われて渋々うなずいた。
 本人的にはたかが「ただの胸パッド」で自分が感じてしまうとは、俺は夢にも思ってい
ない設定なのだろう。わざと奴の胸に触れた腕を揺すったり動かしたりする度に、不自然
に息を詰めつつも一言も発さなかったのだ。
 自分自身の羞恥心が災いして、さらなる責め苦を味わってしまう相手が哀れで哀れで…
非常に楽しい。
 
562監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 17:16:06 ID:8Y8sUrbz
(2/4)
 
 のろのろとマフラーを外し黒いジャケットを脱ぐと、奴の可愛らしい顔に、こちらをチ
ラ見していた男が目を見張るのが分かった。うっわ超うけるわ。
 まあ大人しそうな顔して上着脱いだらぽよんぽよんの乳が出てきちゃったら、凝視しち
ゃうのが男の性だろう。おまけに色白キャシャリンな美少女とくれば、それこそそれなん
てエロゲ?なステータスだ。
 彼女に訝しい目で見られ、慌ててつつも未練がましく男が店を出て行く。しかし今度は
中坊ズがチラ見してきた。顔から先に見た奴も胸から先に見た奴も、結局は奴に釘付け。
 当の本人はといえば、俺と並んでソファにかけたはいいが上着を前に抱えてはそれにた
わむ乳房が、横に置いてもぷるるんぷるんするそれと周りの目が気になる。ガキの不躾な
視線に奴が気付かないわけがない。
 結局彼は膝下ロングブーツまで生足の腿に上着を置き、両手をその上に乗せた。足の冷
たさは和らいだだろうが、今までなかった膨らみに勝手が違うのか、肘を曲げたり伸ばし
たりと落ち着きがない。その度に編み上げリボンが窮屈そうな、はち切れそうなニセ乳が
たゆんたゆんした。
 「わぁ…」と丸聞こえの感嘆の声をあげる彼らに負けないよう、つとめて無神経に須藤
の顔を覗き込んだ。
「…ブラ、小さいんじゃね?」
「……っ!…」
 「可愛い巨乳お姉さん」に夢中になってたガキどもの目がそこに集中したのか、視線を
さまよわせ結局俺を睨みつける。カッと赤らめた目元と潤んだ瞳は、羞恥のためだけでは
ない。
「な、なに言って…っ」
 「プリティメロン」の吸着力はなかなかのようで、絞り出す声は上擦り掠れていた。真
っ最中ん時の喘ぎみたい。
 もう少し楽しみたい気もしたが、部屋に案内された中坊に続き受付から名前を呼ばれた
ので、ビクンと肩を震わせる奴の腕を引き立ち上がった。
 
 яяя
 
 
563監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 17:17:02 ID:8Y8sUrbz
(3/4)
 
 「お二人様」にあてがわれたのは、逆L字型にソファが置かれた縦長の個室だった。
 さりげなく室内を見回して、ちょうど角っこの短辺側に俺が座り、長辺側に奴を座らせ
る。受付のカウンターからチラ見したものを思い出し、位置を微調整。こんなもんだろ。
 薄暗い室内で皓々と光るテレビ画面には、CMでアイドルグループが歌って踊っている。
あ、あの左から二番目のって、こないだ女子が「須藤クンにちょっと似てるかも」と騒い
でたイケメンじゃないか?
 インタビュアーの女に爽やかな笑顔で接する彼と、黙って入室時に店員に運ばれたジュ
ースを飲む奴と見比べてみる。
 うーん…どうだかなって感じ。
 画面の中の男はたしかに美形だが、形の良い上唇はやや薄くビロビロしている。それに
対して、ストローを咥える赤い唇は程良い厚みがあり、胸とは違う次元でプリプリッとし
ていた。
 極めつけはちょくちょく耳にする芸能ニュース。「須藤クン似」のイケメン君は女には
良い顔するがメンバーに対してはそうでもないのか、しょっちゅう掴み合いになっただの
大御所に苦言を呈されて逆ギレしただの、良い噂を聞かない。対してこいつは、この女装
趣味とマゾっ気さえなければ老若男女問わず頼りにされ尊敬されている、眉目秀麗文武両
道品行方正なでき過ぎ君だ。
 アイドルの彼がハウス栽培農薬王子様なら、こいつは路地モノ天然王子様ってとこか。
 満足感に浸る俺を、ジュースを置きつつうさん臭げに見やる須藤。せっかく心の中で褒
めてやったのに、なんて恩知らずなんだ。
「…どうしたの?『こんな近くで改めて見ると、村瀬クンってカッコいい…濡れちゃうぅ
っ!』?」
「そんな口がきけるおめでたさに、ある意味感動する」
 顔をそむけ冷たく吐き捨てる天然女装王子。その拍子にぷるるんと揺れる、セーターに
包まれた乳房。
「ダメだなぁユカちゃん。こーんな可愛いおっぱいでそんなこと言っちゃうなんて」
「ひゃ、んっ……やめ……っ!?」
 指を立てツンツンつつくと慌てて逃げようとしたので、肩に右腕を回し引き寄せた。
 
564監視彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/11(月) 17:18:00 ID:8Y8sUrbz
(4/4)
 
「ちょっと世間話でもしよっか?」
 顔を近付けて耳に息を吹きかけると、性感帯である胸を長時間刺激され敏感になってい
た身体から力が抜ける。
「っん……な、何、だよ…?」
「お前、オナニーする時って手コキ?」
「………どこの世間の話だよ」
 すっごい軽蔑したような目で見られ、モロ感状態の奴の様子に興奮してきていた俺の息
子がくじけそうになる。
「…まあそれでさ、女ってチンコないからさ、代わりに色々お道具使って楽しむんだって」
「………」
 突然何を言いだすのかと首を傾げる須藤。間近でポヨンと弾む美乳。
「お前も知ってそうなバイブとローターの他にさ、どんなのがあると思う?」
 俺の言葉にそれを思い浮かべたのか頬を染める美少女。こんな清純派になお責め苦を与
えちゃう自分の罪深さに、俺大興奮。
「……たとえば、自分の代わりにおっぱい可愛がってくれるオモチャとか」
「………?」
 俺にじっと見つめられ、戸惑いつつも不思議そうに俺の顔を見てくる。見つめ合う男女
(設定上)。
 狭い室内にしばし沈黙が訪れ、優等生の賢いおつむがフル回転しているのが分かった。
そして、
「!なっ……」
 肩を抱かれたままではあるが、弾かれたように奴は俺から身を離した。
「うわ、何だよ?」
「じゃ…じゃあコレ、も?」
 セーターをパツンパツンに押し上げるそれをおずおずと指差し、尋ねてくる。ようやく
気付きましたか。
「おっぱいプルンプルンされて、気持ちよかったでしょ?」
「……っ!?」
 かあーっと耳まで真っ赤になる黒髪美少女。今なら胸もチンコも付いてきます。
 ニヤニヤする俺にすべてを悟ったのか、ふるふると擬似乳房と肩を震わせながら須藤は
下を向いた。
「さ…最低、だ……っ」
 その「最低」って、分かってて気付かないフリをしていた俺に対してかな?それとも「
ただの胸パッド」ではありえないだろう刺激に反応しちゃったのは、モロ感なカラダのせ
いだと思っちゃってた自分自身に対してかな?まあ十中八九前者だろうが。
 
 
565名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 17:44:41 ID:KVsgMIeE
>>564
GJ!

筆の速さといい、キャラの立ち方といい、こなれた文章といい
プロの作家さんが商業誌で書けないネタをパトス全開で投下してるのではないかと……
いや無粋な邪推は止めときましょう

村瀬がそのうち勢い余ってユカたんにキスしちゃうんじゃないかと心配ですw
すでに乳首は吸っちゃってるし……
566名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 17:49:36 ID:Sk3VMOTk
なんかもう毎日これ読む度に何かがだだ漏れてる気がしマス。
今日もGJ!!
567名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 18:51:49 ID:egkzgDmS
《《564
日本語には「ほめる」言葉が少ないというのが、これほどもどかしく感じるとは!!
とにかくGJです!


なんか、村瀬がそっけなくしたら、ユカたんは逆に寂しがって気を引きそうな予感
568名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 19:54:52 ID:PZIRcxEb
俺にも一言言わせろ!
GJ!!!
激しくGgggg J!

あと2時間レスがなければユカたんは俺の嫁w
569名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:13:03 ID:yh0llbwB
>>568
 日本で、重婚は、許可されて、おりません!!!
570名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:21:51 ID:/Jvar56x
全力で阻止させていただく

あとユカタンは俺の嫁だ
571名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:31:06 ID:70Fm+B6a
残念、ゆかたんは村瀬の嫁
村瀬は逆にゆかたんに骨抜きにされればいいよ
572名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 20:31:07 ID:dEdc2qeg
阻止そしてGJ!
相変わらずエロいなあ二人とも
573名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:00:08 ID:yP0f+Vz5
じゃあ俺は中の人の嫁になるわ
574名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:03:00 ID:Sk3VMOTk
中の人はSなのかMなのか…
しかし盛り上がってるな。
575名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 02:14:58 ID:ZEui/71y
盛り上がっている所悪いが、そろそろ次スレ立てないとマズいんじゃね?
このスレの容量的にも…。
こちらは携帯で立てられないから、立てられる人お願いします
576名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 07:53:15 ID:LC8Y4jui
577彼女の中の人 ◆r56se/gkEE :2008/02/12(火) 09:48:14 ID:YuR7YvS/
(本文ないです)
 
>>576さん
一番容量食っておきながらお任せしてしまい申し訳ないです。
>>575さんのレスまで読んだ時点で「1000まで書けるんだから、もう半分あるんじゃ?」
と打ち込まず調べて良かったorz
(いつも携帯モードで投稿してたため、さっき慌ててビューアから確認しました)
 
本当に失礼いたしました&気付いてくださり、立ててくださりありがとうこざいます。
 
一つの小ネタをスレ跨がって投下することになりますので、もしよかったらお使いくださ
い↓
ttp://10.mbsp.jp/gisouK/
「○○彼女」やこのトリップで投下した文を、誤字やご指摘いただいた箇所を直して保管
してます。
 
(新スレでもお世話になりますが)
2ちゃんで文を投稿したのはこちらのスレが初めてだったのですが、とても楽しく垂れ流
させていただきました。本当にありがとうございました!
 
 
>>565さん
いや、申し訳ないですがその形式にのっとると、
貧乏な隠れオタが他人に話せない妄想をパトス全開で打ち込んでいる。
という夢も希望もない現実を直視することになって切ないw
 
>>573さん
初めて貰う嫁さんが男なのも人生経験だろうかw
ではとりあえずセーラー服を着てください。そしてあなたがSならMプレイを、MならS
プレイを強要しますw
 
>>574さん
ご覧の通りHです。
 
578こんなのも考えたがなネタ1 ◆r56se/gkEE :2008/02/12(火) 09:49:42 ID:YuR7YvS/
「俺」の予備校
 
チャンポンして「中田塾」にする予定でした。
 
〜中田塾の歴史〜
 その昔中田という無学な若者が、生まれてはじめて都に出てきた。
 商売どころか右も左も分からぬ彼は、ずっと男所帯だったので女性経験も、女体の何た
るかも知らなかった。
 そこで見目麗しい街娼に誘われホイホイついてゆき、ギシアンギシアンらめぇ〜!と中
田氏して後、自分が童貞を捧げた相手が「女の服を着た男」だったと知った彼は、弟らに
は自分の轍を踏ますまいと教育事業を始めることを誓ったのである。
 
(本題が違う話になりそうなのでやめました)
 
579こんなのも考えたがなネタ2 ◆r56se/gkEE :2008/02/12(火) 09:52:05 ID:YuR7YvS/
英国紳士ネタ
(>>513さんのレスを見て頭をよぎりました)
 
 居間で事に及んだのが、そもそもの間違いだった。
「あっ…あ、だめ、右○さんが…っ!」
「おいそこの高校生!エロと再放送のドラマと、どっちが大事なんだ!?」
「今は右○さんっ」
 言いながらもぱっちりした両目はテレビに釘付けで、半脱ぎにされつつ意識の大半は謎解きに夢中だ。
 仕方ない、最終手段に出よう。
 ピーッ。
「…録画したから。帰りにDVDに焼いてやるから、消して良い?」
「……だめだ。これ本放送で観てないから、生で観たい」
「生もなにも、これ再放送だろっ!?」
 結局、奴の買いそびれたオフィシャルファンブック(予備ダチ所有)で手を打ってもらうことになった。
 
(女装とつながらなくなった)
 
自分もあまりよく知らないのですが、全然観てない方スマソです。
 
580名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 14:21:33 ID:LGEu5arr
ユカタンシリーズは中毒性が高過ぎる!「須藤君は汚れた下着を自宅で洗濯してるんだろうか?」とか「形が崩れないように注意を払いながら干してるんだろうか?」とかかなり頻繁に考えてしまうんだ
581名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 19:54:29 ID:b1j0/k4E
おやおやそうなんですか?
気になったら聞かない訳にはおけないのは僕の悪い癖です
もしかしてユカたんの好みって右○さん????
えらく村瀬君とギャップがwwwwwww
ユカたん、あまり別の男の人熱心に見てると村瀬君のお仕置きがキツクナルヨ。(読者としては期待w)

でも、俺もMOOK本持ってるからユカたん遊びにおいでwwwww

582名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:47:34 ID:NPYLFLsY
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
583彼女の名前 ◆r56se/gkEE :2008/02/13(水) 00:48:52 ID:pvBSTfXP
(本文ないです)
 
>>580さん
女装っ子の後始末も、今のが終わったら書いてみたいと思ってます(´∀`*タイムリー!
 
 
名前を考えるのがとても苦手なので、○○彼女も単発ものも、何となく思いついたのにし
てたのですが、前者の名前はかなり失敗したなあと先日思いました。
 
なぜかってーとマゾ女装っ子が須藤(S)で、ドSの「俺」が村瀬(M)なのは非常に看板
に偽り有りだなあと。
 
ただ気付いたのが十個くらい投下してからだったのと、逆にすると「俺」の名前がSSに
なってスーパーサドになりそうなので、このまま続きを打つつもりです。
 
容量は埋めた方が良いのかと思ってネタ未満を送信してるのですが、放っといても問題な
しなようでしたら言ってやってください。
 
584名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 01:45:29 ID:flZN6xed
M=Master
S=Slave
というのが西洋のお約束らしいので、無問題(w
585彼女の話 ◆r56se/gkEE :2008/02/13(水) 05:31:23 ID:pvBSTfXP
(本文ないです)
 
(エラー出ちゃって約六時間前にあげられなかった分です)
 
>>581さん
「お仕置」って、ドラマの真面目なシーンでイっちゃって
「ほら、右○さんに謝りなさい」
「…ごめんなさい……っ」
ってのしか思いつかんorzそこから離れろ
 
 
今投下してるのの次に、女装っ子がパンツ洗いつつ下の毛処理する話を書きたいなと妄想
しつつ打ってるんですが、タイトルをはじめ
「剃毛彼女」
にしてました。
あんまりにもあんまりなので違うのにしました(´д`さすがになぁ
 
 
そして>>584さん
それは素晴らしい!(西洋も584さんも)と今感動にうち震えてます。
こんな時間なのにw
 
586名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:18:05 ID:MyeBkNdw
逐一村瀬はマメだなぁ。紳士レス以降攻め台詞が右○さんボイスで再生されてしまい顔がニヤついて困る・・・
587名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 17:23:53 ID:n3fIjPXZ
 
単発キャラが思いつかなかったので、偽装の女装っ子で考えました。
 
・チョコフォンデュのチョコを女装っ子の身体に塗り付けて舐めまわす。
(前カノと既にやってそうだし、そもそもチョコ鍋を用意してるところが嫌だ)
 
・イチゴチョコの入浴剤入れたピンクの湯船に、松田○子のようなイチゴの水着を着せ入らせる。
(安普請の風呂場に高校男子二人はきついわ)
 
というわけで、新スレみたいなのになりました。
 
>>586さん
もう…もう台詞書けない…っw
 
588さっきの人 ◆r56se/gkEE :2008/02/14(木) 17:27:58 ID:n3fIjPXZ
 
上のレスは自分です。
新スレあるのにageてしまいましたorz
本当に申し訳ないです。
 
589偽装彼女の中の人 ◆r56se/gkEE :2008/02/16(土) 13:38:01 ID:5VHjRMnM
(本文ないです)
 
女装っ子の楽しくない学校生活を投下します。
直接的に女装しては居ないのですが、内心羞恥プレイということで。
多分バイト数は良いはずです。
590幕間彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/16(土) 13:38:26 ID:5VHjRMnM
(1/3)
 
「おはよっ!須藤クン」
「おはよう…昨日はありがとう」
「そんな、あたしこそ、ごちそうさまっ!」
 なんてことない朝の教室の会話だが、その時居たクラスの女子の大半が一瞬二人を凝視
した。
 かたや一女生徒、かたや…誰もが羨むイケメン優等生の須藤豊という取り合わせは、多
感にしてかしましい乙女の耳をダンボにするには十分だった。
 委員の仕事があるのか、机に鞄を置くと須藤は教室を出てしまう。途端、ダンボ達は相
手の女に詰め寄った。
「…ちょっと、あんた須藤クンと何があったの?」
 「須藤クン」と何があった…というか、何をしたんだと、まんざらでもなさそうな顔の
女子に尋ねる。
 眉目秀麗にして成績優秀、さらには誰に対しても温厚篤実な奴は口数が少なく、積極的
には他人と関わらない。しかし女子にしてみればそれは根暗要素になるどころか「それが
またクールでカッコいい!」らしく、孤高な王子様像はますます確固たるものになってし
まったのだ。
 その「須藤クン」が特定の女と親しげに話すなんてと、嫉妬と牽制のギラギラしたオー
ラが離れた俺たち男子にも伝わってくる。
「いや、大したことじゃないんだけどね〜?」
「じゃあもったいぶらないで言いなさいっ!」
 誤解で首を絞められるのはごめんなのか、慌てて彼女は友人らに向かって両手を上げた。
「ほんと、ほんとっ!単に昨日の帰りに見かけて、一緒に買い物しただけっ!」
「十分、大したことじゃない!」
「なんであんたとなのよっ!」
 嫉妬に怒り狂う乙女らに、被害者候補生は必死に言葉を継いだ。
「えっとね、駅ビルに可愛い物屋さんあるじゃん?そこで何か迷ってたみたいだから、声
かけたら何かプレゼント探してたんだって!」
「女!?彼女!?」
 怒りの対象が自分以外に向いたことで、ようやく彼女は息をついた。
 
591幕間彼女 ◆r56se/gkEE :2008/02/16(土) 13:39:26 ID:5VHjRMnM
(2/3)
 
 おきれいな顔のくせに浮ついた噂のない王子様にちらつく女の影に、「誰が抜け駆けし
やがった!?」と色めき立つ女生徒たち。
 学年問わずモーションかけられても告られても、やんわり紳士に断り続けているがゆえ
の「皆の須藤クン」が大好きなのは分かるが、怖いです、とっても。
「あたしだってもちろん聞いたよ〜。そしたらさ、なんか親戚の小学生宛てだって。二年
生だったかな?」
「なんだ〜、良かった」
「一桁ならまあ、しゃーないよね」
 奴が五十になったら十歳の年齢差は十分圏内になると思うのだが、彼女らは目先のライ
バルだけで精一杯なようだ。
「なんか今度の休みに行くからお土産探してたみたいでー。『女の子ってどういうのが好
きなんだろう』って、何か困ってたの!もう、困った顔も良い男だったんだから!」
 「あたしなら、須藤クンからなら何もらっても嬉しいのにっ!」と一人がうめき、全員
同意。もはや宗教だ。
「で、マフラー見てたみたいなんだけど、あーゆーのって結構好み分かれちゃうじゃん。
そう言ったら『もし時間あるようだったら、どういうのが良いか教えてもらえるかな?』
って!」
 その単語を聞いて、俺はようやく得心した。
 おーおー、苦しい言い訳しちゃって。
 思わず苦笑すると、話していた矢野も「朝からすげーな」と笑う。いや、俺はそういう
意味ではないんだけどね。
 奴が彼女を作らないわけ。それを知っているのは奴自身と…この俺だけだ。
 週末に俺の家に来るあいつは、イケメン王子様の須藤豊ではない。
 こないだまではカーデ羽織ったセーラーとプリーツスカートを、先週にはワンピースの
上に俺のジャケットを袖余らせて着ていた、可憐で淫乱な「女の子」なのだ。
 奴がずっと隠していた女装趣味と、「女の子」になった自分を苛まれることで欲情して
しまう倒錯した性的嗜好を満たしてやるため、俺は奴を着飾り虐げることで、今までの彼
女らでは満たせなかった性欲を満たすために、学校では言葉を交わすどころか目も合わさ
ない同級生を調教している。
 
592幕間彼女 ◆r56se/gkEE
(3/3)
 
 こないだの日曜、存分に楽しんで駅に送った「彼女」が、寒そうにダッフルの前を合わ
せているのを見て俺は宿題を出したのだった。
 なんてことない、「ユカちゃんに似合うマフラーを買っときな」という命令。
 変態の癖に羞恥心が強い彼は首を横に振りかけたが、自分の痴態の写る画像を俺に握ら
れていることを思い出したのか、渋々うなずいたのだった。
 その日はもう遅い時間だったので、平日に任務を遂行することにしたのだろう。学校帰
りに、なんてことない顔して…それこそ居もしない、作る気もない彼女宛てを装って買う
つもりだったんだろう。
 まっさか、俺以外に運の良い奴が居たとはね。
「―――で、結局ヌイグルミとハンカチにしたんだけど、ちょー可愛いの!ヌイグルミ抱
っこして『喜んでもらえるといいな』って、ヤバい、まじカッコいいの!」
「その小学生、憎いわ〜」
「でねでねっ、帰りになんとなく一緒に駅行ったんだけど、『ちょっと待ってね』ってエ
クセル寄って、出てきて何言ったと思う?『カフェオレとココア、どっちが好きかな?』
って!『付き合ってくれたお礼』だって!」
「そこでサ店に連れ込まないのがまた紳士だよねーっ!」
「てゆーかどこへでも連れてって欲しかったんだけどー」
 それは奴も願い下げだろう。
 結局、あいつは目的の物を買うどころか思わぬ出費をする羽目になったのか。愉快すぎ
て腹筋痛いっての。
「…あいつ、卒業までこのガッコじゃ彼女作れねーな」
 女子の黄色い声に紛れこっそり言ってきた矢野に、俺はあいまいにうなずいて誤魔化し
た。
 …さて、今週も楽しみだ。
 
 (おしまい)