新聞雑誌でアニメ・オタク特集が載ったら集まるスレ9
ttp://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000708300001 ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200708300115.html 朝日新聞 2007年8月30日(木)朝刊35面
アニメ信者、鷲宮詣で 「らき☆すた」ファン、神社に続々 /埼玉県
鷲宮町の由緒ある鷲宮神社に、アニメファンが続々と訪れている。熱烈なファンが多いアニメ「らき☆すた」で、
主人公の一人の自宅が同神社をモデルにしている、とアニメ雑誌などで紹介されたのがきっかけだ。
参拝者に混じる若者たちの姿に違和感はあるものの、マナーは上々とのことで、神社は季節はずれの活況を呈している。(木村尚貴)
8月末の昼下がりの鷲宮神社。絵馬が掲げられている一角では、「家内安全」や「志望校合格」とともに、
「らき☆すた」のキャラクターのイラストが訪れる人の目を引いていた。
同町の20代女性2人組はイラストを見て「やだ、キモイ(気持ち悪い)」と言い放ち、違和感をぬぐえない様子だった。
一方、アニメファンとみられる人も約2時間で10人程度訪れた。
「らき☆すた」公式ホームページなどによると、同作品は、おたくな女の子のボケと、それに突っ込む女の子が主役の
女子高生たちの日常を「ゆるゆる」に面白おかしく描いている。主な題材は「それよくあるよね」と受け流せるような軽い話題だ。
都内から2時間以上かけて来たという学生(20)は、「当たり前の日々を過ごすキャラクターが身近で、すごく共感が持てる」と熱く語る。
主人公たちが通う高校のモデルとして紹介された春日部共栄高などをめぐった後、「主人公の自宅」に行き着き、感慨深げに境内を歩いていた。
神社が発行するリーフレットによると、同神社は「関東最古の神社」と言われる。
国の重要無形民俗文化財の神楽が奉納されることで知られ、年始には参拝客が10万人前後を数える。
1万坪の境内は、木立に囲まれ、森厳な雰囲気だ。
神社に若者たちが目立ち始めたのは、今年5月ごろ。7月発行のアニメ雑誌で、作品のモデルとなった場所一覧が掲載され、
さらに参拝する人が増えたという。
神社の男性神職(50)によると、アニメファンとみられる人たちは早朝や深夜にも、鳥居付近などで記念撮影をしている。
「みんなおとなしく参拝しています。マナー違反やトラブルはほとんどありません」という。
愛媛県から来たという学生は、「アニメがなければ、こんな神社があるのも知らなかった。神社自体の歴史も面白い」と楽しんでいた。
◇キーワード
<「らき☆すた」> 埼玉県出身の漫画家、美水(よしみず)かがみさんが04年、ゲーム誌に連載を始めた4コマ漫画が原作。
今春からテレビアニメになり、テレビ埼玉などで深夜に放映中。主題歌「もってけ!セーラーふく」もCD売り上げ10万超のヒット作。
主要登場人物の女の子たちの個性あふれるキャラクター描写に定評があり、それぞれのキャラに熱烈なファンがいる。
【写真】家内安全、合格祈願の絵馬の中に、アニメのイラスト入りの絵馬が混じる=鷲宮町の鷲宮神社で
「らき☆すた」第1話(C)美水かがみ/角川書店
朝日新聞 2007年8月31日(金)夕刊10面
(エチエンヌのクールジャパン) 言葉の壁越えるコスプレ
先週に続き「コミックマーケット」の話題をご紹介したい。
コミケには、同人誌販売コーナーの他にコスプレ広場がある。
そこにも外国人が大勢いて、日本人コスプレイヤーを撮影していた。コスプレなら、言葉の壁を越えて楽しめる。
日本のテレビアニメが外国でも放映されるようになると、アニメファンの一部はコスプレに目覚めた。
ネットなどでコスプレというアニメの楽しみ方があると知ったからだ。
コミケに外国人コスプレファンが姿を現すようになったのは、05年に愛知万博会場で開かれた「世界コスプレサミット」以来だ。
サミット自体は03年以来毎年名古屋で開かれているが、05年には例年より多くの外国人ファンが参加した。
彼らはそこで、コミケがコスプレのトレンド発信地であることを知ったらしい。
コスプレ広場の一角に、遠くからでもわかるほど盛況のスポットがあった。
そこでは、なんと忍者漫画のNARUTOとその仲間のコスプレをしている外国人3人組がいた。
灼熱の太陽の下、辛抱強く忍者ポーズをとって大勢のカメラマンに囲まれていた。
「格好いい!」「本物のNARUTOみたい」などと、それぞれ感想をつぶやくカメラマンやギャラリー。
コスプレの主はイタリアから来た若者たち。京都や秋葉原などの観光スポット巡りもしているが、
コスプレ本場コミケに登場するのが、彼らの旅の主たる目的だった。オタクの国際化は進んでいる!
(E.Barral ジャーナリスト)
【写真】東京・有明のコミケ会場でNARUTOのコスプレを披露するイタリア人3人組
ttp://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20070831wm01.htm 読売新聞 2007年8月31日(金)東京朝刊32面
自分知る「教養日本力」 自国の正確な姿、発信目指す 東京外大が計画=多摩
◇教育ルネサンス
世界に通用する「日本力」を身につけよう――。東京外国語大学(府中市)は10月から、「『教養日本力』高度化推進プログラム」を
2年半計画でスタートさせる。「自国のことを知らなすぎる」と日本人が外国人に批判されがちな現状を改善し、日本の本当の姿を学び、
世界に向けて正確な情報を発信することを狙う。断片的に伝えられてきた“外国で語られる日本”の体系的調査なども行う。
同大では年間200人以上の学生が海外に留学している。海外からの留学生も約600人在籍しているが、外国人学生の方が日本に詳しく、
ショックを受ける日本人学生も少なくないという。
また、「日本語学入門」「外国人の日本観」など日本関連の選択科目を履修する日本人学生はごく一部。
一方、「日本と言えばアニメ」と考える外国人の若者が増えている現状も、あまり知られていない。 ←
このため、野本京子・外国語学部教授(日本課程、日本近現代史)らが、「他者を理解するにはまず自分を知ること」として
同プログラムを考案した。学生向けの日本関連授業を充実させるほか、外国の大学で日本がどう教えられているか、
教科書でどう描かれているかなどを教員らが現地調査し、2008年3月以降、関連シンポジウムも開催する予定だ。
野本教授は「たとえば竹島問題では、韓国人学生と日本人学生では関心度の差が大きく、議論もできないから、互いに理解し得ない。
日本に入ってくる外国人もますます増えており、真の国際交流のために日本人が日本を知ることは急務」と話している。
【写真】東京外大で一緒に学ぶ留学生と日本人学生(東京外大提供)
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/81285 産経新聞 2007年9月1日(土)東京朝刊19面
【インタビュー】『この国の姿』著者 藤原作弥さん
■大国でなく文化立国に
前日本銀行副総裁でジャーナリストの藤原作弥さん(70)がコラム集『この国の姿』(愛育社)を出版した。
激動の昭和史や日本経済をはじめ、交友、読書、映画にいたる話題が洒脱に語られ、透徹した視線で、
ときに優しく、ときに厳しく日本を見据えている。
経済記者から日銀副総裁へ抜擢され、5年間務めた藤原さんは、およそ40年ごとに日本は大きな転機を迎えてきたと指摘する。
1868年の明治維新、1904年の日露戦争、45年の敗戦、そしてバブルの原因となった85年のプラザ合意…。
とくにバブル経済崩壊後は、日本はどこへ進もうとしているのか、見えにくくなっている。
「日本の社会制度は大体、40年で耐用年数が切れる。
それは外からの要望や圧力によって社会制度が築かれ、主体的に“この国の姿”が描かれてこなかったから」
ノンフィクション作家としての顔も持つ藤原さんは、日本と中国との間で数奇な運命をたどった女優、山口淑子さんとの共著
『李香蘭 私の半生』で知られる。自身も引き揚げ体験を持ち、日中関係や昭和史を取材する中で気づいたのは、
個人の歴史には、その国の姿が浮き上がるということだった。
それは見方を変えれば国の姿には個人の姿が反映するということ。「個人が自己を正しく認識し、権利と義務をわきまえ、
成熟した市民社会が、これからの国をつくる」と藤原さん。「大国になる必要はない。教育や芸術、科学技術など優れた文化を
国力として、バランスのとれた文化立国の道を取れば、真に豊かな国となることができます」
ところで、本書には意外な“潜入取材”が記されている。東京・秋葉原にあるシンクタンクの社長を務めていたころ、
「何事も現場第一」とメイドカフェを訪問した。ところが「お帰りなさいませ、ご主人様」と迎えられて面食らった様子が正直に明かされている。
「ユーモラスな遊びだと思いますが、私はもういいです」と苦笑い。初めて触れるオタク文化にはカルチャーショックを受けたようだった。
(猪谷千香)
ttp://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200708310181.html 朝日新聞 2007年8月31日(金)
ネットカフェ万引き横行、秋葉原で検挙急増
東京・秋葉原で、インターネットカフェに寝泊まりする「ネットカフェ難民」による万引きが横行している。
盗んだゲームソフトや電気製品を中古品買い取り店やネットオークションで売りさばき、その金をネットカフェの
入場料や食事代に充てているという。警視庁は、店側や品物を買い取る業者に対策をとるよう呼びかけている。
JR秋葉原駅近くの電器店で4月16日、コミック9冊を万引きしたとして、無職の男(33)が窃盗容疑で現行犯逮捕された。
男は以前、茨城県内に住み、定職もあったが、数年前からネットカフェを渡り歩いていた。
盗んだ本を売って現金に換えるつもりだったという。
秋葉原を管轄に持つ万世橋署によると、最近こうした「ネットカフェ難民」の万引きが目につく。
昨年1年間に万引きで検挙されたのは225人で、前年の2倍近くに増えた。今年も1〜6月で87人似のぼる。
このうち未成年者は約2割にとどまり、20代、30代が7割以上を占めている。
全体の約6割は職を持たず、そのうち8割近くが住所不定で、同署は、検挙者の多くがネットカフェ難民とみている。
万引きされる商品はゲームソフトや、映画などのDVD、パソコンの部品、デジカメの電池などが目立つ。
ネットカフェのパソコンを使ってネットオークションにかけるケースもあるという。
電気街・秋葉原とオタクが集う「アキバ」の環境の中で、こうした状況がうまれている。
約500メートル四方に600近くの電器店がひしめき、中古品を買い取る業者も400店を超えるという。
機械や技術への精通を思わせる手口も目立つ。磁気を遮断する特殊なカバンを使って防犯用の磁気センサーをすり抜けたり、
ネットカフェに備え付けられたパソコンを分解して部品を持ち出したりといった例があるという。
一方で、ネットカフェの利用者が、寝ている間に金品を盗まれるなどの被害も多い。
万世橋署はネットカフェ各店に、入店時に客の身元確認を徹底したり、店同士で防犯に関する情報交換を進めたりするよう
呼びかけており、秋葉原にある15店とともに、対策のための協議会を立ち上げた。
中古品買い取り業者にも盗品の買い取りに注意するように求めている。
ttp://www.sanspo.com/shakai/top/sha200708/sha2007083100.html サンケイスポーツ 2007年8月31日(金)
国民不安でもお役所はヒマです…仕事中に「ウィキペディア」
誰でも無料で使え執筆や加筆もできるインターネット百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」の一部の項目で、省庁の内部から
加筆・修正されていたことが分かり、厚生労働省などは30日、事実関係の調査や“犯人探し”を始めた。業務以外のネット使用は厳禁。
アダルトゲームやガンダムの記述のほか、首相官邸からはなぜか「愛の戦士レインボーマン」への加筆・修正があった。
「けさから調査をやっている。アダルトゲームの記述編集に限らず業務外のネット使用はだめなんですが…」。
厚労省の担当部署はこう語り“犯人探し”に追われた。
コトのキッカケは、このほど登場したオンラインソフト「WikiScanner」の日本語版。オンライン百科事典のWikipediaの記述を、
どの組織がどの部分を編集したか割り出すシステムで、編集した者の所属省庁がゾロゾロと明るみに出た。
舛添要一氏(58)がトップに就任した厚労省からはアダルトゲーム「ななついろ★ドロップス」の記述が編集されていることが判明。
大臣が2人交代した農水省からは「ガンダム」関連や「北斗の拳」、首相官邸からは今年1月26日に「愛の戦士レインボーマン」について
加筆・修正があった。
政党なら政敵に関する編集があるかと思いきや、自民党からは「笑福亭鶴光」の編集が25件もあった。
政党職員はセーフにしても、公務員は勤務時間内外は問わず業務外のネット使用はご法度。このため関係省庁が“捜査”を開始した。
厚労省では昨年9月にWikipediaの記述に対し編集できなくしており、編集はそれ以前の話。担当者は「犯人が見つかれば国家公務員法に
照らし合わせた処分が出ることになる」。農水省では「事実関係と調査方法を検討中。職員は地方事務所も含めて3万人強おり、
個人まで特定をするのは難しいかも」と話す。ガンダムと農水省の関係について、担当者は「全く関係ない」とあきれた。
首相官邸のレインボーマンについて、内閣広報室は「全容までは把握していない」と一部で問題視していることを認めた。
安倍晋三首相(52)がレインボーマン好きで自ら書き込んだ可能性は「わかりません」と困惑気味。
ただ一般論として「業務でも意外なところで接点がある」という。首相が♪インドの山奥で修行して…と考えていたりして?
ttp://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/46768.html 北海道新聞 2007年9月1日(土)
ネット上の「百科事典」 道職員が職場で趣味の書き込み
誰でも編集できるインターネット上の百科事典「ウィキペディア」に、道庁や支庁など道の施設内から過去四年間に
約千二百件の書き込みがあることが、三十一日わかった。書き込みは、アニメやスポーツ、アダルトビデオ女優に関する項目など、
通常業務とは関係のない記入が大半なことから、道は同サイトへの書き込みを禁止する方向で検討を始めた。
ウィキペディアへの書き込みや記述は、その履歴から記入元のサーバーが検索できる。道は外部からの指摘を受け、
道が一元管理しているサーバーアドレスを検索。二○○四年から○七年三月まで道の関連施設を発信元とする書き込みが
千百九十六件あることを確認した。ただ、道のサーバーは接続履歴保存が四十日間のため、
「どのパソコンから誰が接続したかは、特定できなかった」(道情報政策課)という。
道によると、履歴にあった項目はアニメやスポーツの書き込みが大半。
中には、アダルト女優の項目に新たに女優の名前を追加したり、高橋はるみ知事に関する書き込みもあった。
一方、道産米「きらら397」に関してなど、職務に関係すると思われる書き込みもあった。
道人事課は「職員によるものであれば、職務専念義務に反する可能性がある」と問題視。
さらに、ウィキペディアはネット上の辞書として一般的に広まりつつあることから、
「職務として書き込みが必要な場合も、個人として記入すべきではない」(同課)としている。
ttp://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200708300005.html 中国新聞 2007年8月30日(木)朝刊29面
竜馬の面影「いろは丸事件」交渉の家 旅館に再生 宮崎監督が設計図案
福山・鞆のNPO法人が11月
歴史的な街並みの残る福山市鞆町で十一月にも、坂本竜馬ゆかりの町家を改修した旅館が完成する。
設計の図案は「もののけ姫」などで知られるアニメ映画界の巨匠・宮崎駿監督が描いた。
江戸期の町家に泊まる体験スポットとして、観光客らの注目を集めそうだ。(赤江裕紀)
旅館は鞆町沖で幕末に発生した船舶事故「いろは丸事件」の後、竜馬が紀州藩との賠償交渉をした「旧魚屋萬蔵宅」。
二階建てで、江戸時代後期の建築とされる。空き家になっていた四年前、地元の特定非営利活動法人(NPO法人)
「鞆まちづくり工房」が再生を目指して買い取り、工事を始めた。
旅館への改修を決めた後の二〇〇五年春、鞆の街並みに愛着を持って度々訪れている宮崎監督がプロジェクトに関心を抱き、
内部の設計図案を描いて同工房に寄せた。
図案は、二階に計五―十二人が泊まると想定。間取りを描き、「みんなで四人可」「ひとりか夫婦」などのメモを書き込んでいる。
宮崎監督の図案を基に、建築士らが正式な設計図を作成。一階は台所や食堂、風呂で二階に十六、十二、六畳の三部屋を配置することに
した。
客室の間に広い廊下を設け、プライバシーにも配慮する。宮崎監督は昨夏に建築現場を訪れ、「思った以上に良いね」と評したという。
まちづくり工房は、宮崎監督のアイデアが出る前に別の設計図を用意していた。設計のやり直しで完成が遅れたが、同工房の
松居秀子代表は「廊下をつくるなどの大胆な発想でいいプランができた」と歓迎する。十一月ごろに工事を終え、準備ができ次第開業する
。
松居代表は「江戸時代の町家に泊まるのは貴重な体験。竜馬や宮崎監督のファンにも訪れてほしい」と話している。
クリック いろは丸事件
1867(慶応3)年4月、坂本竜馬率いる海援隊が乗り組んだ「いろは丸」に紀州藩の「明光丸」が、鞆町沖で衝突。
いろは丸は沈没した。談判の末、竜馬側は7万両の賠償金を得たとされる。1988年に地元住民らが沈没船を発見し、
数回の調査で「いろは丸」である可能性が高まっている。
【写真】宮崎駿監督
【写真】旅館への改装工事が進んでいる竜馬ゆかりの町家「旧魚屋萬蔵宅」(撮影・天畠智則)
【写真】宮崎監督が描いた旅館2階の図案のコピー
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up214796.jpg
ttp://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007090110.html ZAKZAK 2007年9月1日(土)
「ムシキング」影響…希少種クワガタ乱獲され絶滅危機
日本向けに高額で取引される、トルコ南部ハタイ県アマノス山などにしか生息しない希少種クワガタが、
商業目的の乱獲のために激減、絶滅の危機にひんしている。
トルコの環境保護当局者は、日本の小学生らの間で人気のゲーム「ムシキング」ブームが背景にあるとみて、心配顔だ。
「アマノス山環境保護協力基金」代表ナジム・ソヌメズさんによると、このクワガタはアクベシアヌスミヤマクワガタ。
一本の角の先が三つに枝分かれしている珍しい品種で、1匹150トルコリラ(約1万3000円)で外国に売られているものもあり、
多くが日本向けという。
日本から「研究目的」と称する人がこの地域に押し寄せているほか、外国人に売りさばくことを目的にした地元の人々が、
クワガタを乱獲している。
ソヌメズさんは、虫同士を闘わせる日本のカードゲームでアニメにもなっている「ムシキング」で希少種クワガタへの興味と
需要が増していると指摘した上で「このままでは、このクワガタが絶滅してしまう」と述べ、早急な保護対策の必要を訴えている。
このクワガタは日本のネットオークションで約4万円で売りに出されている。(共同)
ttp://www.chunichi.co.jp/s/article/2007090101000124.html 中日新聞 2007年9月1日(土)【社会】
トルコで希少クワガタ激減 日本向けに高額で取引
【写真】希少種クワガタの標本を手にする「アマノス山環境保護協力基金」代表のナジム・ソヌメズさん(共同)
ttp://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200709020032.html 朝日新聞 2007年9月2日(日)
専門家とひざつき合わせ「中東カフェ」
中東。アメリカの関与が泥沼化し、自衛隊が派遣されていることもあって、かつてないほど関心が高まっている。
その情報を、一方通行になりがちなマスメディアや講演会ではなく、イベントスペースや喫茶店で専門家とひざつき合わせながら
語り合おうという「中東カフェ」が開かれている。
語り手と聞き手とが同じフロアで、多くても70〜80人という会には熱気がある。
5月、東京・渋谷の小劇場で開かれた「自爆テロ」をめぐる回は、オサマ・ビンラディンを追ってきた中東研究者の保坂修司
近畿大学教授と、精神科医の香山リカさんが登場。
「自爆」をする若者は古い世界の妄信者ではなく、インターネットの、アニメオタクが集まるところに近接したウェブページで
「聖戦」を呼びかけられ、「戦士」に選ばれた晴れがましさをもっているという姿が紹介されるや、質問が飛び交った。 (後略)
ttp://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709020003a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月2日(日)
「エヴァ」再起動 映画公開に長蛇の列
1990年代に一世を風靡(ふうび)したSFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の新作が10年ぶりに製作され、
映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」として1日公開された。東京都新宿区の新宿ミラノ1前には、午前7時の開場前に
約700人の行列ができた。日活宣伝部は「“エヴァファン”の映画への期待がよく分かる」とヒットへの手応えを感じている様子だ。
行列の先頭に並ぶ会社員の男性(22)は「昨日の夜8時から並んでいる。CG(コンピューター・グラフィックス)の表現が
どれほどすごいか楽しみ」と話した。また、作品に登場する人気キャラクター「綾波レイ」のコスプレ姿で並んでいた20代の女性は、
報道陣の笑顔を求めるリクエストにも「綾波レイは笑わないんです」と応じず、“エヴァファン”ならではのこだわりをみせた。
開場した館内ではパンフレットや関連グッズを求める人が早速列をつくり、お祭りのような熱気であふれていた。
「エヴァンゲリオン」は、巨大な人型兵器を操り、“使徒”と呼ぶ侵略者に挑む若者を描いた作品。
これまでに売り出された関連商品は6000種類を超え、経済波及効果は全体で1500億円ほどともいわれる。
テレビ番組のCDとビデオはシリーズ累計で1000万本以上、コミックは累計で1500万部以上販売。
キャラクターに起用したパチンコ3機種、パチスロ2機種が登場し、販売台数はあわせて60万台以上。
10万台を超えれば大ヒットといわれるパチンコ機の中で、この2月に登場した「CR新世紀エヴァンゲリオン〜奇跡の価値は〜」
は18万台販売された。
今回は主題歌の「Beautiful World」を宇多田ヒカルさんが歌っているのも話題。
全4部作になる予定で、次回作の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」も来年公開される。
以前のような“エヴァブーム”が、再び巻き起こるか、注目が集まる。
ttp://www.seidosha.co.jp/index.php?%B0%C2%C9%A7%CE%C9%CF%C2 『ユリイカ』2007年9月号 青土社(8月27日発売)
特集*安彦良和 『アリオン』から『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』まで
【共鳴する画魂】
戦争を描く、人間を掴む / 安彦良和×伊藤悠
【ヴィルトゥオーゾかく語りき】
歴史の忘却と捏造に抗して
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 という挑戦 / 安彦良和 [聞き手・構成=更科修一郎]
安彦良和、線のエロス / 竹宮惠子 [聞き手=編集部]
【サブカルチャーにおける/としての 〈戦後史〉】
安彦良和と戦後思潮 / 呉智英
狗としての王道 / 大澤真幸
仮面と反語の男、あるいは若くもない反抗者の肖像 / 上野俊哉
ガンダム・六八年革命・安彦良和 / 大杉重男
生きのびることのオリジン 安彦良和小論 / 杉田俊介
レイプ・ファンタジーの成立条件 少女幻想をめぐる安彦良和論 / 宇野常寛
【マンガ表現の探求者としての安彦良和】
まつろわぬ 「マンガ」 安彦良和と 「不純な領域」 / 伊藤剛
ミッシング・リンク 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 におけるモビルスーツの系譜と魅力 / 石岡良治
漫画文法を手に入れたアニメーター 漫画/アニメにおける視覚表現の比較 / イズミノウユキ
安彦良和原画展をちょっとだけ内側から見る / ヤマダトモコ
【図版構成】
安彦良和自選ギャラリー プライベート・メモリーズ / 安彦良和
【資料】
安彦良和全漫画解題 / 泉政文
ttp://www.kinejun.com/kinema/index.html 『キネマ旬報』2007年9月上旬号 No.1490号 キネマ旬報社 (8月20日発売)
表紙&ピンナップ 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
p.23〜45 巻頭特集 エヴァが遺した12年の軌跡、そして未来
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
インタビュー 大月俊典[プロデューサー]、緒方恵美[声優]
鈴木敏夫[プロデューサー]に聞く、人物・庵野秀明
エヴァとは何だったのか/エヴァの影響/エヴァの世界観/エヴァを作り上げた人々の現在/エヴァのマーチャンダイジング
ttp://www.ohtabooks.com/view/bookinfo.cgi?isbn=9784778310905 『コンティニュー』vol.35 太田出版 (2007年8月16日発売)
【表紙】綾波レイ
【第壱特集】エヴァンゲリオン(40ページ)
総監督庵野秀明 所信表明文
感激の初対面スペシャル対談
林原めぐみ×加藤夏希
「もう、もう、張り裂けそうです!」(加藤)
「新劇場版を演じたら、ためらうことなく、あのときのレイちゃんでした」(林原)
「エヴァが復活するには10年間が必要だったのかな、と思っているんです」(林原)
「『花より男子2』の大河原滋は、『スレイヤーズ』のリナなんです」(加藤)
テレビ版 全26話 完全解説
『DEATH & REBIRTH』完全解説
『Air』『まごころを、君に』完全解説
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
『エヴァ』映像のルールに潜む「本当の謎」(氷川竜介)
1995年のエヴァンゲリオン(竹熊健太郎)
綾波・杉作の愛のメモリー(杉作J太郎)
ttp://www.rollingstonejapan.com/new_issue.html 『ローリングストーン日本版』2007年9月号 インター・ナショナル・ラグジュアリー・メディア(8月10日発売)
表紙 「綾波レイ」
p.10〜13 Does Evangelion Save Us? エヴァの最新作はエコだった?
特別付録 日本版描き下ろし表紙&ポスター付録連動 第6回「綾波レイ」
ttp://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN4-7872-3275-4.html 『セカイと私とロリータファッション』
青弓社 松浦桃・著 四六判 224ページ 並製 定価1,600円+税 2007年08月 発行 ISBN978-4-7872-3275-5
華やかでふくらんだスカートやフリルなど、少女世界を身にまとうストリートファッションの「異端児たち」。
その「物語」に分け入り、ロリータ/ゴシックロリータファッションとも呼ばれる装いの世界観・価値観を描き出す。
盛装した彼女たちの写真も多数所収。
▼目次
はじめに
第1章 ロリータに出合う
第2章 ロリータファッションのなりたち
第3章 ロリータファッションという「思想」
第4章 ゴスロリとロリータの時代
第5章 乙女たちの明日
関連年表
▼著者プロフィール 松浦 桃(マツウラ モモ)●著…1977年、大阪府生まれ。
横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程修了。2002年にロリータファッションに出合い、
そのデザインの魅力だけではなく、ロリータファッションを愛好する女性たちの生き方に興味と関心をもつ。
ttp://www.bk1.jp/product/02804452 『少女マンガにおけるホモセクシュアリティ』
山田 田鶴子著 税込価格 : \1,470 (本体 : \1,400) 出版 : ワイズ出版 サイズ : 19cm / 191p
ISBN : 978-4-89830-212-5 発行年月 : 2007.7
70年代の少女マンガに突如出現したホモセクシュアリティの世界。なぜ70年代に? なぜ少女マンガに少年愛の物語が?
ホモセクシュアリティのメカニズムとは? 戦後の性の意識の変遷を通して少女マンガを読み解く。
ttp://www.media-tech.co.jp/detail/new_page_84.htm 『すいむすーつ大百科』
SS大百科制作委員会/編 メディア・テック出版 2007.9 187p 19cm \1429 4-89627-357-1
40人+αの水着娘が大乱舞!
本書では、スポーツ/ファッション/そのほか、さまざまな用途で使われる水着。
その中から絵で見たら面白そうなものを選んでご紹介いたします。
水着には、分類や用途にさまざまな考え方があり、用語にも同意語や同音異義語がいろいろ存在するなど、
すべてを解説しようとすると、記述が複雑かつ多岐にわたってしまいます。
水着の形自体もバリエーションが多く、そのすべてを体系的に網羅することは、ほぼ不可能でしょう。
そこで本書では、主要なスタイルや、主要でなくてもとくに興味を引いた形態などを選んで、
そのカテゴリーの一例を画像化して、解説をつけました。
水着の世界は想像以上に深いものです。
本書を紐解いてくださった方が、さらに詳しく研究されるきっかけとなれたならこれにまさる喜びはありません。
ttp://www.chukei.co.jp/cgi-bin/books/detail.rb?o_id=2822 『ぼく、オタリーマン。2』
著:よしたに 定価:1,000 円(税込) ページ数: 176 初版発行:2007-09 ISBN:978-4-8061-2822-9
ベストセラー「ぼく、オタリーマン。」待望の第2巻!
サイト「ダンカン」にて発表されたものに加筆修正し、さらに今回は何と6割が書き下ろしという贅沢さ。
もちろん1巻同様オールカラーです。
ttp://book.asahi.com/news/TKY200709010132.html 朝日新聞 2007年9月1日(土)
世界SF大会、横浜で3日まで
「第65回世界SF大会」が横浜市西区のパシフィコ横浜で開催されている。米国を中心として世界各地で開かれるSFファンの祭典で、
アジアでの開催は初めて。小松左京さんやデイヴィッド・ブリンさんら国内外の100人以上のSF作家や日本で初めてのSF同人誌
「宇宙塵(じん)」の50周年を記念する展示のほか、「ウルトラマン40周年」などの企業出展も楽しめる。3日まで。
実行委員会の井上博明委員長(49)は、アニメ制作会社オニロの社長。70年代にSF同人誌を発行していたという熱烈なSFファンだ。
「世界で評価が高い日本のアニメやコミックの根っこにあるのは、小松さんや星新一さんたちをはじめとするSF小説。紹介したかった」と話す。
90年代末から、日本のSF第1世代である星さんらが相次いで亡くなった。井上さんらは「彼らが元気なうちに、恩返しがしたい」と
00年から誘致活動を始め、04年のボストン大会で日本開催が決まった。大会は、参加費を払って26カ国から集まった約3500人の
ボランティアが運営する。映画「風の谷のナウシカ」に登場するグライダー「メーヴェ」を実際に飛ばそうという
「オープンスカイプロジェクト」で、試作機の展示をしている、アーティストの八谷和彦さん(41)も
「サイエンスとフィクションの間に夢がある」と熱く話していた。
展示ホールは入場無料。講演会などのエリアは有料。
【写真】ウルトラマンのブースを見る家族ら=横浜市西区で
日本経済新聞 2007年8月31日(金)地方経済面(神奈川)26面
世界SF大会、横浜で開幕。
「第六十五回世界SF大会・ニッポン二〇〇七」が三十日、パシフィコ横浜で開幕した。
世界SF大会(ワールドコン)は年一回、世界中からSFファンや作家が集まる催し。日本での開催は初めて。
海外の約二十五カ国から千五百人、国内二千人の参加者を見込む。
神奈川県二宮町在住で今年五十周年を迎えた日本最古のSF同人誌「宇宙塵」を主宰する柴野拓美さん(80)が同日、
メーンゲストとして記者会見し「日本でのワールドコン開催は四十年来の夢だった」と喜びを語った。
大会は九月三日まで。地元の横浜市民向けには当日料金に特別割引を用意している。
産経新聞 2007年8月31日(金)東京朝刊27面
世界SF大会 アジア初開催 横浜、3日まで
SFファンの祭典「第65回世界SF大会」が30日、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。アジアでの開催は初めて。
初日は国内外から約2700人が参加。9月3日までの期間中、日本のSFを世界に紹介する催しや、SF映画の上映など多彩なイベントが開催される。
開幕にあたり、大会の“顔”として選ばれた作家の小松左京さん(76)ら4人が記者会見。小松さんは中学生のころ、
ダンテの「神曲」に出会ってSFへの興味が芽生えたエピソードなどを披露しながら、「SFは子供だましと言われてきたが、
それをテーマにしたワールドコンベンションが日本で開かれ、多くの人が集まったのは夢のようなこと」と喜びを語った。
ttp://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news009.htm 読売新聞 2007年8月31日(金)大阪朝刊39面
[いずみ]世界SF大会開幕/横浜
ttp://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007090303.html ZAKZAK 2007年9月3日(月)
ドラマ新作ハイジ、日本に照準…スイス・仏が共同制作
アニメや絵本で知られる「アルプスの少女ハイジ」を現代版にアレンジしたテレビドラマ「ハイジ」の撮影が、
スイスとフランスの共同制作で始まった。既に前半部分は撮り終え、年内に両国のテレビ局が放映する予定。
ノルウェー、ブルガリアなど欧州各国のテレビ局も放映権を事前購入したが、
制作会社は大ヒットしたハイジのアニメが作られた日本の市場に強い関心を寄せている。
今回の作品は、ハイジが都会に出て山の生活とのギャップに悩むのは原作と同じ。だが、麻薬やいじめ、環境、移民といった
現代的なテーマを取り上げることで「ハイジの目を通じて今の世界を描きたい」と制作会社はアピールしている。
テレビシリーズとしては1970年代以来の新作という。19世紀に書かれた原作の小説の舞台は多言語国家である
スイスのドイツ語圏だが、今回はフランス語圏とフランス本国で撮影されるため、作風にどんな変化があるかも注目点だ。
制作会社リタプロダクションの担当者によると、既に欧州放送連合(EBU)を通じて日本のNHKにも接触済み。
現代版「ハイジ」が日本市場で花開くかは不明だが、同社プロデューサーのマクス・カルリさんは
「私は日本のアニメをみて初めてハイジを知った。今度は日本にハイジをお返しする番だ」と意気込んでいる。(共同)
ttp://www.rinsen.com/books/visual.htm ビジュアル文化シリーズ 2007年5月刊行開始!
臨川書店の『ビジュアル文化シリーズ』は、今や日本の代表的な文化といえるマンガやアニメーションの
過去・現在・未来について、多方面から楽しく鋭くアプローチするシリーズです。
『差別と向き合うマンガたち』
吉村和真・田中聡・表智之 著 四六判上製・約230頁 8月上旬刊行 ISBN 978-4-653-04013-2
メガネ男子や大食漢がヒーローになれないのは、なぜ? 歴史マンガの野蛮人が文明人へと変貌したのは、なぜ?
マンガには、私たちの思想の〈型〉が反映されている。それはどのようにして生まれ、形作られ、再生産されてきたのだろうか?
「マンガを読むこと」によって刷り込まれてしまう常識や感性に、三人の論者が迫る!
・吉村和真(よしむら・かずま)/京都精華大学マンガ学部助教授
・田中聡(たなか・さとし)/立命館大学非常勤講師
・表智之(おもて・としゆき)/京都国際マンガミュージアム研究員
■ライトノベル 〜 いま10代たちが夢中に
http://img.khan.co.kr/news/2007/08/30/7h30k03a.jpg 「SOS団、痛覚残留、フレイムヘイズ、ミスリル、ER3システム…。」
これらが何のことかご存じの方、ちょっと笑って手を上げて見てください。嬉しいです。もうライトノベル
の魅力に嵌ってますね。「一体何のこと?」と訝っている方も心配しないでください。私がご案内しま
す。ライトノベルが作り出す、奇妙で溌剌とした異世界へ。
最近、大型書店に行ってみましたか? 「NT小説」という見慣れぬ名前のコーナーが出来ていました
ね。<中略>このような新しい形態の小説を称して「ライトノベル」と言います。「NT小説」というのは、
ライトノベルを出版しているある出版社のレーベル名です。<中略>
最大の特徴の一つは、日本のゲーム・マンガ・アニメ文化を土台に置いていることです。また最近は
ライトノベル界で活動する作家が、日本の権威ある文学賞である直木賞や三島由紀夫賞などを受賞
する場合もあります。単に「娯楽小説」と片付けるわけにもいかないのです。とはいえ、「突拍子もな
い」「奇妙な」キャラクターを中心に超現実的なストーリーを展開するライトノベルは、確かに既存の小
説とは違う流れです。
誰がこれを読んでるんでしょうか? 国内では主に10代の青少年が読みます。特に男性が多いです。
いわゆる「オタク」と呼ばれるマニア層です。<中略>しかし、必ずしもマニア層だけがライトノベルを
読むわけではありません。昨年(訳注:韓国での刊行は2006年2月から)発表された代表的なライト
ノベル『涼宮ハルヒシリーズ』が27万部以上も売れてるんだから、もう一般読者もたくさん含まれてる
いですよ。あはっ。
それでは誰が書いているのか知りたいですね。現在韓国国内で出版されるライトノベルの大部分は
日本の作家の作品です。我が国の作家層は非常に薄いのが現実です。<中略>国内に日本のラ
イトノベルが入って来はじめたのが2000年代初めで、最初のライトノベルレーベル「NT小説」が生ま
れたのが2002年です。その後、昨年の『涼宮ハルヒシリーズ』のブームに乗って「エクストリーム・ノ
ベル」「シード・ノベル」「Jノベル」などのレーベルが続々と出来ました。2006年にはライトノベル専門
誌「ファウスト」が創刊され、ライトノベル作家を対象にした「ファウスト文学賞」も制定されました(まだ
受賞者はいないそうですが…)。「胎動期」だと見られます。
この程度なら、「ああ、何だ。ライトノベルというのは『イルパ』(訳注:日本大衆文化の愛好者の意。
中国語圏で言う哈日族に近いが、否定的なニュアンスが強い)、『オタク』だけが読むようなものか。
そんなのは小説ではない!」と思う方も多いと思います。でもそんなに簡単な問題ではないのです。
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/82232/ 産経新聞 2007年9月3日(月)東京朝刊18面
【いきいき】コンサルタント・酒巻絵美子さん “腐女子”OLの夢はカフェ
美少年たちが男子校の寄宿舎で織りなす麗しき物語。1970年代、萩尾望都の漫画『トーマの心臓』など
“ギムナジウム”を舞台にした名作の数々に、少女たちは胸をときめかせた。
そんな少女漫画に登場するギムナジウムをコンセプトにしたカフェを企画、今月末のオープンを目前に奔走している。
「日本のどこかにある男子校の寄宿舎。西洋風の校舎に併設されているカフェテリアで、リボンタイの制服を着た学生が
学校に訪れた人たちをお茶やケーキでおもてなししてくれます。カフェには本棚やピアノもあって…」
訪れた人は単なるお客ではなく、「寄宿舎には入っていない通学生」や「姉妹校の学生」、「学校に寄付している篤志家」
になりきることもできる。語られるカフェのイメージは、あの少女漫画の世界そのものだ。
本業は事務職OL。記事に載せる職業をたずねると「“腐女子”OLでしょうか?」と笑う。
“腐女子”とはアニメや漫画が好きなオタク女性が自らを「腐っている女子」との意味で自嘲としゃれをこめて呼ぶ言葉。
高校2年生ではまったゲームをきっかけに“腐女子”の道に。それが、ユニークなカフェの企画へとつながっている。
事務職OLとして働く中、「何かやりたいことはないの?」と社長に聞かれ、思い切って提案したのが、
メイドではなく執事の男性が接客してくれる「執事カフェ」。執事カフェは昨年、東京・池袋にオープン、大きな話題を呼んだ。
「でも、執事カフェの企画が終わって、燃え尽き症候群のように気が抜けてしまいました。
久しぶりに自分の時間ができたので、観劇したり、読書したり」
そんなとき、たまたま見たのが、男性だけで構成された劇団「スタジオライフ」の舞台。萩尾望都原作の「トーマの心臓」だった。
劇場に入る際、リボンタイの制服姿の劇団員が迎えてくれた。あの名作が、そのまま現実に。
「舞台もすてきで、男の子同士の友情とか思春期にありがちな悩みが、とても幻想的にみえました。
実際の男子校ではなく、女の子の考える少女漫画にあるような男子校をカフェにできたらと思いました」
事務の仕事と同時進行というカフェの企画は「仕事とはいえ、放課後の部活動のように楽しいです」。
癒やしになっているというフィギュアがずらりと並ぶオフィスには、何度も読まれてボロボロになった『トーマの心臓』が置かれていた。
(猪谷千香)
【プロフィル】酒巻絵美子 さかまき・えみこ 昭和55年、東京生まれ。清泉女子大学文学部卒業。
コンサルティング会社「株式会社オリエンタル」で「執事カフェ」を企画。
現在は寄宿学校をコンセプトにしたカフェ「エーデルシュタイン」(www.cafe-edelstein.com)を企画、29日に東京・表参道でオープンする。
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/book/news/20070903-OHT1T00189.htm スポーツ報知 2007年9月2日(日)26面
[BOOKスクランブル]岡田斗司夫著「いつまでもデブと思うなよ」
オタクなど幅広い分野で評論を展開する岡田斗司夫さん(49)の「いつまでもデブと思うなよ」(新潮社、735円)が発売2週間で
10万部を突破した。1年間で約50キロもの減量に成功したという岡田さんは「ダイエットは楽しい。やせたら、女の子にもてます」
と断言する。「運動は禁止。ただ、食べたものを記録していくだけ」という驚異のダイエット法とはどのようなものなのか。(中村智弘)
「高校3年の娘からは『お父さん、一緒に外歩こう』と言われます。あとは話題に困らなくなりましたね。
やせてスタイルのいい女の子ほどダイエットの話には食いついてくる。やせると、もてますよ」
1年前、岡田さんの体重は117キロだった。それが、現在は体重は66キロ、体脂肪率17%、ウエスト79センチ。
1年間で約50キロという驚異の減量に成功した。そのダイエット法は至ってシンプル。
自分が食べたものをひたすらメモ帳に記録(レコーディング)していくだけだ。
「太っている人の基本的な特徴として、無意識に食べている。それを意識の表面にあげるだけで、案外食べていることに気付く。
すると、食べなくなる、避けるようになるんです」
岡田さんの場合、記録しただけで、4か月で10キロ減った。記録することに慣れたら、次は食べたもののカロリー計算をする。
ただし、計算するだけで、制限しては駄目だという。「毎日体重を量ることで、何を食べたら天罰が下るかを学ぶ。
体重が増えたり減ったりするのを目の当たりにして、『まずは、でかいカロリーを減らそう』という気持ちになる」
その後は、年齢と身長に合わせた基礎代謝量をもとに、カロリー制限をしていく。2か月半を過ぎたころ、
誰にでも“停滞期”がおとずれるというが、その時に登場するのがあの「メモ帳」だ。
「自分が書いてきたものをみて、僕も何度もやる気を取り戻した。これを乗り越えると体質が変わり、めっちゃ楽になります」
岡田さんは過去に2度、ダイエットに失敗している。いずれも食事療法で、9か月かけて約20キロ体重を落とした。
だが、リバウンドしてしまい、元の体重より10キロも太ってしまったという。
「あらゆるダイエットの欠点は“やめた”ら太ることなんです。(米軍隊式エクササイズ)『ビリーズ・ブートキャンプ』も
体は締まるが、やめた瞬間太ります。“入隊”は簡単だけど、“除隊”が許されないやくざのような世界」
レコーディング・ダイエットは、食事療法というよりは心理療法に近い。本人の“意識”を変えることが目的だ。
「太っている原因を自分で理解し、それを避けるようになる。生活習慣や体質が変わるから、やめても太らないんです」
あまりの“ゲキやせ”ぶりに、待ち合わせ場所で相手から見つけてもらえないこともしばしば。
それでも「やせることは本当にいいことばかり」と、岡田さんはデートに出かけて行った。
<岡田斗司夫>(おかだ・としお)1958年7月1日、大阪府生まれ。49歳。85年、アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立。
92年、退社。大阪芸術大学客員教授。アニメ、マンガなどに造詣が深く、テレビなどでも活躍。
著書に「オタク学入門」「『世界征服』は可能か?」など。現在は身長171センチ、体重66キロ。
◇サイン本プレゼント 岡田斗司夫さんの直筆サイン本を3人にプレゼントします。
官製はがきに〒住所、氏名、年齢、好きな作家を書いて、〒108-8485 報知新聞社文化社会部「岡田斗司夫 サイン本」係まで。
9月7日の消印まで有効。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
【写真】1年前(左写真)のズボンをはく岡田さん。ぶかぶかだ 口に入れたものを記録した岡田さんのメモ帳
ttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070904ig91.htm 読売新聞 2007年9月5日(水)
(9月5日付・社説) 国際漫画賞 独自の日本文化「MANGA」
漫画を“日本発の文化”として、世界に積極的にアピールしていく政府の取り組みが相次いでいる。
日本の漫画に対する海外の関心は、日本人が想像する以上に高いようだ。
漫画という新しいスタイルを通じて、日本のイメージアップを図っていくことも出来るだろう。
外務省は今春、漫画通で知られる当時の麻生外相の発案で、外国人漫画家を顕彰する「国際漫画賞」を創設した。
経済産業省は、第1回「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の一環として
10月に東京・秋葉原で開かれるMANGAフェスティバルを共催する。
日本の漫画の海外普及は、1980年代後半の米国進出から始まる。
その後、多くの作品がヨーロッパや中南米、アジアにも広がり、アニメ作品と共に人気を集めてきた。
今では漫画を契機に、日本への関心を深めたり、日本語を学び始めたりする人も少なくない。
日本のサッカー漫画「キャプテン翼」を見て育ったという一流のサッカー選手も、世界各地にいる。
複雑なストーリーや繊細な描写が、日本漫画の特色だ。
海外でのブームは、かつて西洋絵画に衝撃を与えた浮世絵の人気と比較されることも多い。
最近では、日本的手法で描かれた作品は、外国人の作品であっても、米国流のコミックなどとは区別して、
すべて「MANGA」と呼ばれるようになった。
外務省が創設した国際漫画賞は、「MANGA」の本家本元としての日本の立場をアピールする狙いもある。
26の国と地域から応募があり、「孫子兵法」を描いた香港の漫画家、李志清さんに最優秀賞が贈られた。
李さんら受賞者は、7月に都内で開かれた授賞式で、子供のころから憧れていた大家の漫画家たちに激励され、
今後の活動へ思いを新たにした様子だった。
一過性のイベントに終わらせてはならないだろう。
日本の漫画の源流は、12〜13世紀ごろに描かれた国宝の「鳥獣戯画」などに見られる。
近代の漫画は、幕末から始まった。長期的ビジョンに立って、過去の作品の収集を進めていくことも課題だ。
国立国会図書館は、一般の書籍と同様に、漫画本の収集・保存に取り組んできたが、戦前の作品はそろっていない。
全国初の公的漫画図書館として昨年開館した京都国際マンガミュージアムは、近代以降の作品の収集を進めている。
日本の漫画の伝統の奥行きの深さが理解されるならば、海外の人々の関心も、さらに深まっていくに違いない。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up216159.jpg
秋田魁新報 2007年9月4日(火)夕刊1版5面
<こんにち話>平野共余子(映画評論家) [日本映画を売り込め] 世界が上映待ち望む 字幕増やし、進出支援を
<ニューヨークの非営利交流組織ジャパン・ソサエティで十八年間、日本映画紹介のプログラムを担ってきた。
小津安二郎や成瀬巳喜男の作品を「国宝級」とたたえ、「日本映画クラシック」の価値を訴え続けている>
今、この瞬間も、世界のどこかで成瀬作品が上映されているかもしれません。小津や溝口(健二)、成瀬たちの作品は評価が
定まっており、立派な輸出品になりうるんです。世界中の人たちがもっと見たい、機会さえあればもっと上映したいと期待しているんです。
例えば成瀬監督にはすごいファンがついています。日常生活を描いたあんな地味な、気持ちが暗くなる映画なのに、
人間の本質をついているから世界の観客が感動し、侃々(かんかん)諤々(がくがく)の議論を戦わせています。
「美しい国日本」なんて抽象的なことを言ってる場合じゃなくて、成瀬作品をわーっと世界に出せば、
すごい映画を作る国だと、よっぽど尊敬されます。
ハリウッド映画の多くはビルが壊れたり、カーチェイスだったり「非日常」で売っているわけです。
日本映画のお家芸は、まったくの日常生活を二時間で見せ、海外の人までも感動させるところにあります。
そのほうが作劇上、難しいですよ。
小津の「東京物語」を二十回以上見たという熱烈な日本映画ファンの批評家スーザン・ソンタグさんは、
原節子の「みんな、そうなのよ」というセリフについて「人生には解決できないジレンマがあるが、
この映画はそれといかに折り合っていくかを教えてくれる」と言っていました。
最近は日本映画も、最初から海外市場を狙って英語字幕を付けることもありますが、クラシックに関してはそうではありません。
国際交流基金や川喜多記念映画文化財団は積極的に日本映画に字幕を付ける支援をしていますし、
文化庁は日本映画の海外進出に予算を付けました。でも、旧作にはなかなか回らないんですよ。
英語版字幕制作費は一本、百五十万―二百万円ぐらいじゃないでしょうか。海外への輸送料などもかかります。
各国の美術館や教育機関、民間非営利団体はフィルムを借りるお金が足りなかったり、映画会社の権利関係が複雑だったりします。
上映の機会を増やし、日本映画の古典が海外の観客の目に届くための援助に、関係者がいっそう本腰を入れてほしいと思っているんです。
<温泉を舞台にした日本映画ばかり集めた「温泉映画祭」をニューヨークで企画、仰天させた。
マンガとアニメにクリエーティブな才能が集中する日本の現状も受け入れる。柔軟で実務的な頭脳が資産だ>
日本に興味を持つとっかかりはマンガやアニメになっていますね。スロベニアで講演しましたが、若い学生のほぼ百パーセントが、
マンガ・アニメが日本に関心を持ったきっかけと言っていました。ある意味、すごいです。それはもう「力」ですね。
アメリカでよく言われたのは「日本のアニメは子ども相手ではない」という評価でした。
筒井康隆さん原作のアニメ「パプリカ」(今敏監督)が劇場公開された時のニューヨーク・タイムズ紙の評は
「米国アニメがウロウロしている間に、日本のアニメは月まで行ってしまった」というものでした。
宮崎駿や押井守には世界が求める実力があります。造形的にも技術的にも素晴らしく、内容が高尚ですからね。
【ひらの・きょうこ】1952年東京生まれ。早稲田大法学部卒、東京大大学院で蓮実重彦氏に師事。
ニューヨーク大大学院映画研究科を経て、86年から2004年までジャパン・ソサエティの映画部門の上映プロプログラムを担当し、
数多くの日本映画を紹介。著書に「天皇と接吻―アメリカ占領下の日本映画検閲」「マンハッタンのKUROSAWA」。
【共同通信 秋田魁新報】
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20070904bk09.htm 読売新聞 2007年9月4日(火)東京朝刊19面
空想文学の世界大会「Nippon2007」 SF愛 国籍超え共有
各国のSF作家やファンが集う第65回世界SF大会「Nippon2007」が8月30日から9月3日まで、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた。
アジア初となる空想文学の祭典。その成果をリポートする。 (佐藤憲一)
空飛ぶロボットや宇宙戦艦が横浜を目指し次々集まってくる――オープニングセレモニーは、日本開催にふさわしい
短編アニメの上映で始まった。作家・小松左京、イラストレーター・天野喜孝氏ら日米5人のメーンゲストが紹介される中、
日本SF揺籃期に星新一、光瀬龍らを生んだ同人誌「宇宙塵」が満50年を迎えたことが同誌編集人の柴野拓美氏への
賛辞と共に告げられると、満場の客席から喝采を浴びた。
直前の記者会見でも、「1968年に初めてアメリカで世界大会を見て以来の夢だった」と話す80歳の柴野氏に、76歳の小松氏が
「子供だましと言われたSFがここまで育った」と語りかけ、ファンと作家の蜜月がこのジャンルを育ててきたことを印象づけた。
期間中に開かれた討論会やイベントの数は約300。最先端のSFから純文学との接点、映画、ゲーム、耽美系漫画までテーマが
多岐にわたったのは、SFから育った日本のサブ・カルチャーが世界的関心を集める反映だ。
参加者は数百人の作家や編集者らを含む、26か国5138人。参加者の中にはコスプレ姿のファンも目立った。
ハイライトはSF界最高の栄誉、ヒューゴー賞の授賞式だった。15部門もの受賞者がその場で発表されるスリルは満点。
日本の特撮ドラマを代表してウルトラマンが登場する演出も心憎かった。
初開催、ボランティア主体の運営とあって、若干の混乱はあったものの、もたつきも笑いに転化するおおらかさを参加者は持っていた。
天野喜孝氏と対談した米の画家ボブ・エグルトン氏は、「国籍を超えて相互理解を深め合うことができて新鮮だった」と満足げだった。
多くのSF人らのオタク文化の国での出会いは、貴重な果実をもたらすに違いない。
◆ロボットは人間を変えるか
多くの企画の中で興味深かったのは、ロボットや言語進化の研究者とSF作家計16人が参加したパネル会議だ。作家の瀬名秀明氏の
司会のもと、日本の科学者8人がロボット研究の最前線で心の動きや他人の行動を電気的に操作しうる研究が進んでいることなどを報告。
「このような技術が社会や人間の倫理をどう変えるか」(国吉康夫東大教授)などの問題提起がなされた。
作家側からは、米のアイリーン・ガンさんが「機械の発達が人間を排除するのは恐怖。いかにコントロールするかに興味がある」、
山田正紀さんは「ロボット研究で自分の意思を解明してほしいと思っているが、人間として譲れないところもある」と話し、
科学の進歩は自己の概念を変えうるかという議論にまで及んだ。
コンピューターやインターネットに関するSFの予言と現実が競い合うように発展してきたことも報告され、
米の作家、エイミー・トムスンさんは、「作家の想像力による描写がなければ、現在の技術は違ったものになっていたはず。
両者は靴の右と左のように協調し発達していくもの」と主張した。
【写真】ウルトラマンもプレゼンターをつとめたヒューゴー賞の授賞式
>>26 読売新聞 2007年9月4日(火)東京朝刊19面
空想文学の世界大会 思考の地平線を伸ばす デイヴィッド・ブリン氏
メーンゲストの一人、米のデイヴィッド・ブリン氏は、壮大なスケールの「知性化」3部作などで日本でも人気が高い作家だ。
現在のSFや世界大会の意義を聞いた。
米の文学が内向きになり過去に目が向いている時代に、アジア初の世界大会が開かれたことは重要だ。
SFは英仏で生まれ米で成長したが、日本も新しい拠点になるだろう。
「もし」と考えることは、とても人間らしい行動で、アインシュタインの優れた理論の発見も半分は思考実験によるもの。
文学に置き換えると現実がこうだったらと考えたのは紫式部も一茶も同じ。
SFが違うの啖思考の地平線を伸ばすことに最も強く努力していることだ。
私の日本での最新作『キルン・ピープル』(早川書房)では、魂を複写して分身を作ることができたらと考えてみた。
SFでは楽しませることも大切で2ページ分「哲学」を書いたら、残り4ページは「冒険」を書くのが私のスタンス。
アニメや映画でSFに関心を持った人が小説に戻り、その中の思想を受け止めてくれたらと願う。(談)
紙面画像(原紙はカラー)
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up216199.jpg
ttp://www.zakzak.co.jp/people/20070905.html zakzak 2007年9月5日(水)
(ぴいぷる this week) 岡田斗司夫 これぞ究極のオタクダイエット
おかだ・としお ノンフィクション作家。1958年、大阪府生まれ。49歳。85年、アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを設立。
庵野秀明監督とともに「ふしぎの海のナディア」「トップをねらえ!」などを送り出す。92年、退社。
東大非常勤講師を経て、BSマンガ夜話、BSアニメ夜話(NHK-BS2)などのテレビ出演や作家として活躍。
近著は「『世界征服』は可能か?」(ちくまプリマー新書)。レコーディング・ダイエットの成功談と指南書でもある
「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)。
【食べた物、カロリーをメモギャンブル感覚で楽しく!】
事務所のドアを開けた瞬間、そこにいたのは別人だった。「オタキング」と称する“オタク学”の第一人者でアニメやサブカルチャーに
精通、そしてかなりの巨漢。…だったはずが、センスのよいメガネに細身の体。オタクっぽいイメージは完全に消え去っていた。
「一番太っていたときの体重は117キロ。ウエストサイズは120で、力士専門店で5Lのパンツを買っていました。それが今は67キロ。
1年間で50キロやせた。テレビに出ると、いろいろなブログに『岡田斗司夫、激ヤセ』とか『ガン疑惑』と書かれ、面白かったですよ」。
余裕の笑みが返ってきた。
そもそも小学5年のとき、肥満児の特別教室に呼ばれたのが始まり。「保健室に行って縄跳びをしなきゃいけないのでつらかった」。
その後もずっと太りっぱなし。管理栄養士が付いて、水泳やランニングなどのダイエットにも挑戦したが、結局は失敗してリバウンドした。
それが、独自に開発した「レコーディング・ダイエット」で驚異の減量に成功したのだ。
「ただ、食べた物をメモするだけです。おいしいものを食べた記録をブログに書きたいと思い、メモを取り始めたのがきっかけ。
そのうち、他の人と食事量は変わらないのに、なぜ僕だけ太るんだろうと思い、『コーヒーは1杯5キロカロリー。何時何分に飲んだ』
と細かく付け始めたんです」
すると、太る原因が判明した。
「意識していなかったが、午後10時から午前2時の“魔の4時間”に6回も食べていた。ここを半分に減らしました」
口にした物をメモして心に留める。それだけで月に2キロやせた。「太っている人は知らず知らずに太る努力をしているんですね」。
記録を見ることで、「こんなに食べたんだ」と自覚する“ショック療法”。必然的に食べる量も減ってきた。
メモを付け始めて5カ月で10キロやせた。この時点でメモにカロリーを加えたところ、減量のペースは上がり、「1週間で1キロ落ちていった」。
「カロリー計算したら1日に4000とか4500キロカロリーも取っていた。恐ろしくなりましたね。そこで、目標を1日1500キロカロリーにしました」
カロリーの記録は最初は面倒だったが、軌道に乗ると面白くてやめられなくなった。
【“ビリー”は体育会系】
(中略)
「『ビリーズブートキャンプをやったんですか?』と聞かれますが、これは体育会系でなく文科系のダイエット法。
3−5キロ減らしたい人には向かない。僕の方法は、やせるだけで体力を使うので、運動なんかしちゃいけないんですよ」
ダイエットは楽しむためのもの、と位置付ける岡田さん、最後に体重113キロの記者に向かい、
「アナタも絶対、できる。やって報告してくださいよ」と目を輝かせた。
ttp://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070904i413.htm 読売新聞 2007年9月4日(火)
多彩な情報紹介、コ・フェスタの「顔」に役所広司さん
日本の映画やアニメ、音楽、ゲームなどのコンテンツ(情報内容)を海外に紹介する総合イベント「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」
(コ・フェスタ)のメーン・キャラクターに、俳優の役所広司さんが選ばれ、4日、都内で任命式が行われた。
コ・フェスタは、経済産業省が中心に計画した。今月19日に開幕し、ゲーム関連の展示会の「東京ゲームショウ」(9月20〜23日)、
東京国際映画祭(10月20〜28日)のほか放送、音楽、アニメなど合計18の催しを東京と千葉で行う。
任命式では甘利経産相が「コンテンツの貿易立国を目指す」とあいさつした。
甘利経産相から任命証を手渡された役所さんは「多彩な日本のコンテンツの魅力やそれを支える才能を広く世界に発信する、
素晴らしいフェスティバルにしたい」と抱負を語った。今後は、コ・フェスタの「顔」として宣伝を担当する。
その後、読売新聞社などコ・フェスタを支援する企業113社の代表者で構成する「百人委員会」の発足式が行われ、
岡村正・東芝会長を委員長に選出した。
2005年の日本のコンテンツ市場の規模は13・7兆円で米国に次いで世界2位。しかし、01〜05年の市場の伸び率は年0・7%増と、
同じ期間中の米国の伸び率(約5・6%増)の8分の1にとどまる。日本のコンテンツ産業の海外市場への依存度は1・9%と著しく少なく、
今後の成長では海外への情報発信や事業展開が重要になっている。
ttp://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20070904-251404.html ニッカンスポーツ 2007年9月4日(火)
役所広司がコ・フェスタのイメキャラに
俳優役所広司(51)がアニメ、音楽、映画、ゲームなど日本の総合コンテンツが集まるフェスティバル、コ・フェスタの
イメージキャラクターに決まり4日、都内で会見した。役所は「日本のテレビ、映画に育てられたので恩返しができれば」と、
依頼を快諾した理由を説明した。役所の本業、映画以外にゲーム、漫画などが含まれているが
「日本のアニメは世界的に人気で、宮崎アニメは特に好きです。ゲームはあまりやりませんけど」と話した。
ttp://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709050038a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月5日(水)
役所広司さんメーンキャラに…コ・フェスタ19日から
北海道新聞 2007年9月1日(土)夕刊地方15面
<映写室>キサラギ*佐藤祐市監督 *優秀な脚本で「オタク」に光
日本映画の好調が続いている。ただし、テレビ局主導の話題作はヒットを続けているが、内容的には決して満足のいく出来ではない。
特に人気テレビ番組から派生した映画化版は演出も演技もまるでテレビのように軽く、「これが映画か?」と思うことが多々ある。
私は日本映画の希望は“脚本”にあると思っている。映画界にはこんな通説がある。
「監督がヘボでも脚本が良ければ傑作が生まれることはあるが、監督がいくら優秀でも脚本が駄作なら傑作は絶対に生まれない」。
映画人たちもその重要性は分かっていて、最近優れた脚本の映画が幾つか現れた。その筆頭に挙げたいのが「キサラギ」だ。
古いビルの一室。自殺したC級アイドルの一周忌追悼会に集まった五人の男たち。ファンサイトの常連である彼らはそこで初めて
顔を合わせる。アイドルの思い出話で盛り上がろうとしていた彼らだったが、一人から発せられた一言で場の空気は変わった。
「彼女は自殺なんかじゃない。誰かに殺されたんだ…」
そこから物語は急展開する。彼らが隠していたそれぞれのアイドルとの関係。この場に来た目的。自殺か他殺か。
議論は予想外の推理を生み、思いもかけない結末へと向かう。
本作で描かれているのは「アイドル」とそれを取り巻く「オタク」との甘く切ない関係だ。
「アイドル」にも「オタク」にもあまり関心のない私は予想外の物語の行方に、いつしか彼らに少しずつ心を開き、同調し、共感を覚えた。
閉じられた密室内で彼らに“友情”めいた気持ちまで抱いていた。
他人には理解しがたい特殊な“好み”を持つ人。それが「オタク」であるなら、本作はそんな「オタク」たちに光を当て、
彼らの内向する思いを外へと解き放つことに成功した。その第一の功績は「ALWAYS三丁目の夕日」で成功を収めた古沢良太の
緻密にして大胆な脚本の力だ。小さな物語でも人の心を躍らせることは可能なのだ。
五人の男優たちのキャラクター分けも見事だ。彼らの丁々発止の演技セッションも見どころだ。
佐藤祐市監督はそんな彼らの関係をスリリングな動きで演出した。一見舞台劇のようだがスピーディーな展開はあくまでも映画的なのだ。
本作を見終えた時、なぜか雨上がりの空のような晴れ晴れとした気分になった。
そういえば私も青春時代(今も?)十分に映画「オタク」だったのかもしれない。
(「キサラギ」はアイリスで7日まで上映) (シネマ・アイリス代表 菅原和博)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up216208.jpg
ttp://opendoors.asahi.com/data/detail/8329.shtml 『週刊朝日』2007年9月7日号(8月28日発売)
p.85 (週刊図書館)『ジャパンクールと江戸文化』奥野卓司 岩波書店・二二〇〇円
オタクと江戸を論じて日本文化に切り込む (評者 評論家 長山靖生)
「ジャパンクールが熟い」「世界は今、ジャパンだ」といった、国語的には「いかがなものか」と思われる話題を耳にする機会が増えた。
日本のアニメやマンガ、ゲームにフィギュアといった、一昔前まではオタク的だと白い眼で見られていたようなジャンルの品々に対して、
国内だけでなく世界的にも高い評価が寄せられ、ジャパンクールと呼ばれ、人気を博しているという。
政府としても、自動車や半導体に続く輸出産業として、これらの分野に着目している。
本書の著者はジャパンクールの起源は、江戸の町人文化にあると強調する。オタクは現代日本に突然出現したわけではなく、
江戸時代にも数寄者や傾き者がいた。歌舞伎や黄表紙や読本の想像力や表現手法には、現代のアニメやライトノベルに通じるものがある。
それどころか、現在でも「架空の江戸」「江戸を含む現代」とでもいうべき不思議な時空を舞台にした
「化猫」「NARUTO」「サムライチャンプルー」などのアニメが大人気だ。
現代日本の青少年のあいだで、江戸的なるものが「あるべき本当の自分」とダブってイメージされていることは、
これまでにも東浩紀氏などが指摘してきた。だが著者は、こうした男子オタクの嗜好ばかりでなく、
女子オタク(腐女子)にも着目し、彼女らが熱い視線を寄せている歌舞伎、古典芸能、着物、和風小物などのブームをも併せて、
よりダイナミックで永続的なジャパンクール展開への戦略を提唱している。
なかでもコンテンツ・モデルとしての歌舞伎に寄せる著者の期待は大きい。歌舞伎といえば、今年は市川団十郎、海老蔵らによる
パリ・オペラ座公演や中村勘三郎らのニューヨーク公演と、世界的評価が定着しつつある。パリではジャパンクールから入門して歌舞伎に
手を伸ばした彼の地の女性(仏版腐女子?が海老蔵に「kawaii」と叫んだそうで、現代日本の美意識がかなり浸透していることが窺われる。
また国内では、「こんぴら歌舞伎」のように江戸情緒を体感するような舞台から、「スーパー歌舞伎」や「コクーン歌舞伎」など、
現代風にアレンジされたものまで、歌舞伎の表現手法も広がり、それに連れて新たなファン層が拡大している。
もっとも、こういう傾向には眉をひそめる元からのファンもいないではない。また著者も、『遠野物語』で町おこしをはかる遠野や、
京都の祇園祭などに、作為的な「伝統の発明」を見ており、観光客という消費強者のための伝統・習俗のショー化が、
真の習俗や伝統文化の亡失を促すのではないか、という危険性にも思いを馳せている。しかし著者は、そのような問題点に留意しつつ
「各地に散在する文化材料を新しいエンターテインメントとして積極的に編集、演出して、まちづくりや新たなビジネスとして創出すること」
に、日本の未来の可能性を見ている。その点、たしかに歌舞伎は最も優れたモデルだ。
そもそも歌舞伎は江戸町人のエンターテイメントであり、時代毎の話題や技術を取り入れて変化してきた。新手法や新風俗を取り入れても
揺るがず、逆に「現代」を飲み込むだけの「芸」「型」の力が、歌舞伎の側にはある。ジャパンクールも、そのように発展して欲しい。
江戸趣味やオタク文化に関する本はそれぞれたくさんあるが、本書が特異的なのは、その双方を深く広く論じることで
日本文化の本質に切り込んでいるところ。それと、江戸文化の本質を武士道ではなく、あくまで町人のものとしている点だ。
これは著者が自認する「上方贔屓」の故もあるだろうが、武士の世界を多く取り上げた歌舞伎が、
平和な時代に町人のエンターテイメントとして磨き上げられてきた意味は重要だ。
ジャパンクールの魅力も、現代日本の平和な価値観を基底にしているからこそ、これだけ世界の注目と共感を集めているのだ、と私も思う。
誌面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up216235.jpg
『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月6日(木)4面
【躍動するアキバ】ITとアニメで世界最先端を創り出せ(15)アニメの街(下)
■海外のアニメファンへ情報発信
アニメやコミックが集まる秋葉原には、海外の多くのアニメファンやプロデューサーらがリサーチに訪れる。
「原作を借りたい」「宮崎駿監督と共同制作がしたい」「日本のアニメ製作会社で働きたい」…。
秋葉原駅前のUDXビルにある東京アニメセンター(昨年3月オープン)にはさまざまな要望が舞い込む。
同センターは日本アニメの海外への情報発信と窓口の機能を果たしているが、
「海外からの問合わせのうち、ビジネスの話は1〜2%くらい」と、エグゼクティブプロデューサーの久保雅一さん。
このように同センターが窓口になっているのは、日本のアニメは海外で人気が高い割にはアニメ製作会社のホームページは
ほとんどが日本語で、検索画面に「Animation」と入力すると、英語表記のある同センターのサイトにたどり着くからだ。
アクセスの3分の1は海外からという。
久保さんは「日本のアニメ制作業界はいろいろな面で底上げが必要だ」と話す。その一環として同センターでは、
アニメクリエーターのキャリアパス試験の海外展開や海外からの研修生受け入れ、3D-CGアニメ制作用アプリケーションの共同開発、
国際共同制作の窓口業務などを行っていく。
一般のアニメファン向けには「全国総合アニメ文化知識検定試験」(アニメ検定、本試験は11月)の準備を進めている。
久保さんは「海外には日本のアニメ業界で働きたいという人が多い。まず、キャリアパス試験を中国やタイで行い、
優秀な人材を日本に受け入れ、できればその人たちに日本に定着してもらいたい」と人材確保に広く海外にも目を向ける。
制作技術面での底上げでは、煙や水、火などの流体が揺れる様子や吹き上がるシーンなどを演出通りに仕上げるアプリケーションの
開発に取り組む。各社のCG担当者の意見をくみ上げながら開発を進める計画だが、「製作会社で使っている機器は必ずしも
新しいものとはかぎらない。しかし今回の開発に当たっては新しい機器の性能に合わせたい。
先端技術をボトムに合わせていたのでは、規模の大きなアメリカの製作会社と戦えない」(久保さん)。
システムを統一することにより、共同作業が可能になりスケールの大きい仕事ができるというわけだ。
同センターはアニメ関連会社24社の支援で維持運営されている(出資金は1億5000万円)、業界向け事業のほか、
観光拠点としての機能も併せ持つ。アニメ関連の展示やオフレコ体験スタジオ、キャラクターグッズの販売コーナーがある。
秋葉原はアニメ商品は豊富にそろっているものの展示施設がないため、同センターは国内外のアニメファンで連日にぎわっている。
オープンして以来、7月には来館者は40万人を超えた。
「海外からの来場者は昨年から比べると4、5倍に増えている。多い時は1日に300人以上の海外観光客が来ることもある。
半分は中国人ですね」と同センターの千田浩司さん。英語や中国語、韓国語など多言語での対応も検討中という。
(ジャーナリスト 永見恵子)
ttp://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nagata.cfm NIKKEI NET 2007年9月4日(火)
(永田公彦の環球眼−パリから世界と日本を直視する/ビジネスコラム)
第7回「新ジャポニズムが世界を席巻する日」
「日本=経済大国」の時代は終わりました。「日本=経済+文化大国」です。
欧州から世界を見ると、日本は、文化大国であることを改めて認識できます。伝統文化や武道に加え、和製ポップカルチャーや
世界一の長寿国を裏付ける生活文化は、確実に世界に浸透してゆくことが確信できます。新ジャポニズムが生まれる予感がするのです。
但し、成功の条件が1つあります。キャラクターや商品・芸術品という創られた無機質なものの発信では限界があります。
クリエーター個人の顔つまり人間臭さが見える文化の発信です。
欧州を魅了する和製ポップカルチャー
3日間で8万人。これは今年7月6日からパリ郊外で開催された日本発ポップカルチャーの祭典「JAPAN EXPO」への来場者数です。
今年で8回目を迎えた同イベントは、日本のサブカルチャー(アニメ・漫画・コスプレ・ゲームソフトなど)をテーマにする世界最大級の
イベントに急成長しました。初回開催時(99年)の来場者数は、わずか3千人、なんと8年間で27倍に膨れ上がったわけです。
私が、日本に次ぐマンガ大国フランス(年間販売数1千万冊)の現状を垣間見たいと初めて同イベントを訪れたのは2001年(第3回目)でした。
その時の印象は「マンガおたくの情報交換の場」「マンガ・アニメ関連グッズの販売の場」といったものでした。
ところが、6年ぶりに足を運び、改めて日本発ポップカルチャーの勢いと人気を肌で感じました。
会場では、これまでのマンガ・アニメ・最新のゲームソフトの紹介や関連イベントに加え、漫画喫茶が登場し、武道
(柔道・剣道・合気道・プロレス)のデモや実体験、折り紙・着物の着付け・将棋などの伝統文化の紹介にいたる幅広いものに発展していました。
そして目をひくのがマンガ・アニメ、ゲームのキャラクターと同じ衣装を身につけ楽しむコスプレイヤーの多さです。
専門家の推測では、こうしたイベントに集まるコスプレイヤーの数は、フランスで約500人(全欧州で2000人)らしいですが、
実際にはもっと多いとも言います。私は会場で何人かのコスプレイヤーに、動機や日本への関心などを聞いてみたところ、
その多くが、「当初は単なる変装で自己表現をしたり仲間と楽しんだりという動機で始めたが、次第にアニメやマンガの背景にある
日本の文化や生活に興味をもつようになった」と答えています。こうした若者にとりコスプレは日本文化探求への扉になっているようです。
(後略)
(Nagata Global Partners 代表パートナー 永田 公彦氏)
ttp://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070906/skk070906001.htm 産経新聞 2007年9月6日(木)東京朝刊21面
【断】政治家と国民の度量
政治SHOW。
日本のポップカルチャーが世界の潮流に乗って、外交とは無縁なところでひとり歩きしている。
観光行政の意図とも別な次元で、日本人の感じているのとは異なる聖地がこの国内に続々と誕生しているようだ。
特にアニメ・コミックが著しく、読み進めていく内に日本人の暮らしや思想が自然に浸透してくる。
これは、日本文化の伝播(でんぱ)に大きく寄与している。
一例を挙げれば、12の国の王と民が天に見守られながらストーリーを展開していくコミックがある。
この世界観は、私たちカトリックにも理解でき、日本のみならず、国を統治する者の苦悩をよく表現している。
サイクルの一致か、現実の統治者に世界的規模で交代の波がきている。民主主義国家では、見えざる民意は選挙によって表面化し、
右往左往する統治者と、動かず言葉巧みにかわす者がいる。イタリアは後者。イタリア人は、だました方よりだまされた方が悪いと考える。
詐欺師はスマートに行動し、人々はやり口が気持ちよければしようがないと諦める。詐欺師の言い訳がうまい場合、
「あんたは、Politico(政治家)だ」と称えられる。古代ローマ時代から、「言葉をうまく操る人が勝ち」と相場は決まっている。
日本の政治はエンタメと化し、政治家は国を動かす度量を忘れ、民意に諂(へつら)い、あたかもそれが国家の意思と思わせ自分を正当化する。
イタリアの政治家は私腹も肥やすが、気もちよくだまされている国民も豊かにしようと心がけている。
どちらがいいかは歴史に判断を委ねるが、金融・経済が一進一退の今日の日本を見れば、国民・政治家双方は互いに信頼を委ねられない現状がある。
(エッセイスト・ジローラモ)
※「12の国の王と民が天に見守られながらストーリーを展開していくコミック」・・・「十二国記」のことか?
ttp://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709060017.html 朝日新聞 2007年9月6日(木)
純プラチナ製ガンダム登場 参考価3千万円、でも非売品
プラモデルも含め、世代や国境を超えて人気のあるアニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターを純プラチナでつくった
「GUNDAM FIX PLATINUM」が6日、大阪市中央区の田中貴金属ジュエリー心斎橋店に登場した=写真。
全長12・5センチ、重さ1・4キロ、参考価格約3千万円の非売品。10日まで展示される。
玩具会社のバンダイ(東京)が設計・制作し、田中貴金属が計89パーツの研磨など加工を担当。
約2年をかけて完成させた。頭部には0・15カラットのダイヤモンドもあしらわれている。
【写真】展示されたプラチナ製ガンダム=6日午前、大阪・心斎橋で
ttp://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070906/wdi070906007.htm 産経新聞 2007年9月6日(木)
純プラチナ製ガンダム、心斎橋に立つ 関西初公開
世代を超えて人気のアニメ「機動戦士ガンダム」の純プラチナ製の像の展示が6日、
大阪市中央区心斎橋筋の貴金属店「GINZA TANAKA」心斎橋店で始まった。関西初公開で、10日まで展示される。
像は高さ12.5センチ、幅9センチで、重さ1.4キロ。「GINZA TANAKA」と、玩具メーカー「バンダイ」の共同制作で、
制作費用に約700万円、制作期間に約2カ月を要した。展示は福岡市、名古屋市の店舗に次いで3カ所目。
精巧なパーツをいくつも組み合わせたガンダムは、人気の仁王立ちのスタイルで、
ガラスケースの中で銀白色の光沢を放っており、初日から多くのファンらが見入っていた。
【写真】関西で初公開されたプラチナ製の機動戦士ガンダム
=6日午前10時57分、大阪市中央区のGINZA TANAKA 心斎橋店(撮影・彦野公太朗)
日経産業新聞 2007年9月5日(水)5面
(流行ウオッチング)秋葉原、テーマ集積パワー――IT・ゲーム…世界の磁場に
情報は溜まれば溜まるほど磁力を発揮していく。いわゆるテーマ集積パワーである。
テーマ集積がある臨界点を超えると、もう誰も追いつけなくなる。
東京・秋葉原=写真=は、IT、ゲーム、オタク風俗などに関して、今や世界の磁場である。
インバウンド(海外からの日本訪問者)はすでに700万人超の時代であるが、日本に来てアキバに来ない人はごく少数派だろう。
特に韓国、中国などの東アジアからのインバウンドにとっては、必ずといってよいほど訪れる磁場なのである。
今や世界の都市はテーマ集積による磁場力を競い合っている。米非営利組織(NPO)のグローバル・ランゲージ・モニターが発表した
「世界おしゃれ都市ランキング」によれば、1位はニューヨークで、2位以下はローマ、パリ、ロンドン、ミラノが続き、6位は東京だそう
だ。
メディアがどれだけファッション関連でその都市を取り上げているかがランキングの物差しだ。
ニューヨークには5000以上のショールームがあり、ファッション専門学校が8校、生徒数は約1万人。
ファッション関連のバイヤーは年間約12万5000人訪れ、ホテルやレストランは、その効果だけで1億ドル以上を売り上げるという。
まさにファッションテーマ集積によって強力な磁場力を発揮している都市がニューヨークなのだ。
テーマ集積による磁場力の発揮、これ以上重要な産業論はない。ショップ間からエリア間へと、時代の競争軸は動いている。
どのようなテーマ集積によって、エリアの磁場力を発揮するかが、この大観光時代、大移動時代の競争優位戦略の鍵なのだ。
情報の時代とは、どのような消費行動も、事前に情報を取り、調べてから動く時代ということである。
消費とは、情報の確認行動だとも言える。これを買うならこのエリアに行く、この街に行く、この店に行く、このストリートに行く。
あるいはこの販売員のところへ行く。家を出たときから、行く先はすでに決まっている時代なのである。
磁力を先行情報として発信しなければならない。(ジャパンライフデザインシステムズ社長 谷口正和)
ttp://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2007090502046588.html 中日スポーツ 2007年9月5日(水)
【芸能】つぼ振りハニー、萌えてね 原幹恵
テレビ東京系=テレビ愛知で放送されるドラマ「キューティーハニー THE LIVE」(名古屋は10月9日スタート、火曜深夜1時28分)
の制作発表が4日、東京・六本木のオリベホールで行われ、ドラマ初主演の原幹恵(20)、水崎綾女(18)、竹田真恋人(16)、
原作者の永井豪さん(61)らが出席した。
永井さんの作家生活40周年を記念し「キューティーハニー」を初の実写ドラマ化。
原が毎回、体当たりのアクションシーンに挑み、キャバクラ嬢、つぼ振り師、メードなどセクシーなコスプレ姿を披露する。
原は、Gカップバストの谷間を際だたせた劇中の衣装で登場。撮影前、週3回ずつ2カ月間のアクション特訓をこなしたというが
「ハニーちゃんの元気をもらって、毎回前向きに頑張っている」とニッコリ。
お気に入りのコスプレは「つぼ振り師の衣装。大人のカッコイイ女性になれたのがうれしかった」と大きな胸を弾ませ、
「ハニーフラッシュ!!」の掛け声で決めポーズを披露した。 (高橋謙太)
ttp://www.daily.co.jp/gossip/2007/09/04/0000597654.shtml デイリースポーツ 2007年9月4日(火)
初主演!原幹恵Gカップハニー見て
バストGカップのグラビアアイドル、原幹恵(20)が4日、都内で初主演するテレビ東京・大阪系の連ドラ
「キューティーハニー THE LIVE」(10月2日スタート。火曜、深夜1時)の制作発表を行った。
永井豪氏原作のおなじみの作品の初の実写版だが、水崎綾女(18)、竹田真恋人(17)とともに3人がハニーという設定。
原は「太陽のような存在で演じていて元気になれる。見どころ?七変化です」とハニーのトレードマークをアピール。
【写真】主演の原幹恵(中)と水崎綾女(左)竹田真恋人=東京・六本木のオリベホール
ttp://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20070905-251583.html ニッカンスポーツ 2007年9月5日(水)
ハニー原幹恵「おバカなコスチュームも」
女優原幹恵(20)が4日、都内で行われたテレビ東京系ドラマ「キューティーハニー THE LIVE」(10月2日スタート、火曜深夜1時)
の制作発表に出席した。漫画家永井豪氏原作の実写版。主演の原は見どころについて「迫力満点のアクションシーン。
おバカなコスチュームもあるので楽しみにして」。
永井氏も「世の男性が『こんなに強くて優しい女性がいたら最高』と思えるハニーを演じてほしい」と語った。
【写真】「キューティーハニー THE LIVE」の会見に出席した原幹恵
ttp://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20070904-251417.html ニッカンスポーツ 2007年9月4日(火)
原幹恵がキューティーハニー
女優原幹恵(20)が4日、都内で、主演するテレビ東京系ドラマ「キューティーハニー THE LIVE」
(10月2日スタート、火曜深夜1時)の制作発表に出席した。漫画家永井豪氏の原作の実写版。
原は見どころについて「迫力満点のアクションシーン。撮影の2カ月前からトレーニングを始めて、
毎日、あざをつくりながら頑張っています。おバカなコスチュームもあるので楽しみにして」と語った。
【写真】左から水崎綾女、原幹恵、竹田真恋人
39 :
無なさん:2007/09/07(金) 01:04:31 ID:???0
ttp://www.asahi.com/culture/update/0907/TKY200709070042.html 朝日新聞 2007年9月7日(金)夕刊
人気漫画「ジョジョ」の荒木さん 米生物学誌の表紙描く
生物学の米専門誌セルの表紙を「ジョジョの奇妙な冒険」などで知られる漫画家、荒木飛呂彦さんが描いた。7日付同誌に論文を出した
瀬藤光利・自然科学研究機構生理学研究所准教授らの成果をイメージしたもので、日本の漫画が著名な学術誌の表紙を飾った。
瀬藤さんは荒木さんの漫画の大ファン。成果のイメージを描いて欲しいと依頼したところ、荒木さんが快諾した。
セルの表紙には通常、細胞の顕微鏡写真などが載るが、編集部も日本の漫画に興味を示したことから採用になった。
瀬藤さんらのグループは、脳の中で神経細胞の情報のやりとりを調節する、たんぱく質を見つけた。やりとりに使われる神経伝達物質の
量を調整するため、別のたんぱく質の分解にかかわっていることから、「壊し屋」という意味でスクラッパーと名付けた。
表紙の漫画は、スクラッパーをイメージしたキャラクターが、破壊すべきたんぱく質(赤い円盤)を選んで、
ハート形の目印をつけている場面になった。
【写真】荒木飛呂彦さんの漫画が載ったセルの表紙。真ん中の「壊し屋」が、別のたんぱく質を攻撃しているイメージを描いた
日本経済新聞 2007年9月7日(金)朝刊39面
(窓)人気漫画家、荒木飛呂彦さんが描いたイラストが7日発行の米科学雑誌「セル」
◎…人気漫画家、荒木飛呂彦さんが描いたイラストが七日発行の米科学雑誌「セル」の表紙を飾る=写真。
代表作『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターを使い、日本人の研究成果を分かりやすく表現した。
◎…セルは医学・生物学の分野で最も権威のある学術誌。自然科学研究機構・生理学研究所の瀬藤光利准教授が、
脳内の情報伝達を制御するたんぱく質「スクラッパー(壊し屋)」を見つけた成果が掲載される。
◎…同誌の表紙を日本人漫画家が描くのは異例。瀬藤准教授が知人である荒木さんにイラストを依頼した。
擬人化されたスクラッパーが、情報伝達をスムーズにするため余分な物質を攻撃する様子が描かれている。
関連:gooニュース 人気漫画、米科学誌表紙に (時事通信) 9月 7日(金) 9時 7分
ttp://news.goo.ne.jp/photo/jiji/nation/5517281.html
産経新聞 2007年9月6日(木)大阪朝刊26面
関西と東アジア 文化交流が重要 プレスクラブ定例会 文化庁長官が講演
青木保文化庁長官が5日、大阪市内で開かれた関西プレスクラブの定例会で講演=写真、「文化を発信していくことは
外交の一つの手段でもある」と述べ、東アジアと関西の文化的関係を深めていくことが日本外交にとっても重要だとの認識を示した。
青木長官は「関西は日本の伝統文化の中心であり、現代文化の発信地でもある。京都、大阪、奈良、神戸の4地域が
総合的に連携を深めて、『関西クリエーティブゾーン』を戦略的に作っていくことが重要だ」としたうえで、
「まず東アジアとの関係ができていけば、ひいてはヨーロッパ、米国も注目するようになる」と述べた。
また、青木長官は、アニメ、漫画からグラフィックアートなどを中心とした「日本のメディア芸術センター」の設立を
安倍晋三首相に進言したことも明らかにした。
毎日新聞 2007年9月7日(金)夕刊3面
読みたい:本の現場 岡田斗司夫さん どうやって1年間で50キロ減量したのか (関連
>>23>>28)
<いつまでもデブと思うなよ 新潮新書(735円)>
◇ダイエットは楽しい!
オタク文化論で知られる岡田斗司夫さんといえば、100キロ超の体を派手な柄のシャツに包み、少し甲高い声でパワフルにしゃべる人だった。
ところがこの日、東京・吉祥寺の事務所「オタキング」を訪ねると、迎えてくれたのはすっきりしたジャケットをはおったスマートで
ジェントルな岡田さんだった。
「太っている時はおなかで共鳴させて声を出していたので、楽に大きな声が出せたんです。今はそんな声は出ない」
■メモしてやせる
そう、彼は117キロあった体重を1年間で50キロ減らしたのだ! その驚異のダイエット、メモしてやせる「レコーディング・ダイエット」
を紹介したのが本書。運動が大嫌いで食べることが大好きな岡田さんのキーワードは「ダイエットは楽しい」。
話題を呼び現在12万部。新潮社によると、同じ新書のベストセラー「バカの壁」にも劣らない初速の勢いという。
きっかけは昨年4月。事務所のある吉祥寺で新しい飲食店が次々に開店したこと。グルメを自任する岡田さんは朝昼晩食べ歩き、
グルメメモをつけ始めた。ところが2週間で体重が1〜2キロ減っていた。不思議に思い、とにかく食べたものを全部書き出すことにした。
詳細なメモをつけた初日に気づいた。夜中10時〜午前3時、サンドイッチやポテトチップスなど6回も飲食していた。
「太っている人は毎日太り続ける努力をしている。それは発見でした」と振り返る。「だって食べる量は他の人と変わらないと思っていたんですよ」
食べたいものを食べ、メモを取り、体重を量る。これだけで5カ月で10キロやせた。この段階を「助走」という。
「ダイエットしたくてしょうがなくなるまで『助走』していた」。次に、食べたいものを食べ、メモにカロリーも入れる。
何を食べると何キロカロリーになるか知る期間、これを「離陸」と呼ぶ。
こうして自分の体をみつめた後にようやくダイエットを開始し、「上昇」「巡航」と段階は進む。
■太る原因を知る
この過程を自身のブログに書いていた。「みんな『上昇』段階のダイエットから始めちゃって挫折する。
『助走』『離陸』で、太る原因を発見すると元の生活習慣に戻ることがない」。そういうことをきちんと説明したくて本を書いた。
新書にしたのは男性向けを意識したから。「デブという悪夢から逃れる算段を書きました。少なくとも5キロ、10キロ以上落としたい人向け」
処分した服は200着。帰宅しても顔も合わせなかった高3のお嬢さんが、今や「お父さんと一緒に街に買い物に行きたい」と言うそうだ。
そこのメタボなお父さん、いかがですか。本ではデブとヤセの損得もみっちり考察されていますよ。【内藤麻里子】
■人物略歴
◇おかだ・としお
1958年大阪府出身。作家、評論家。アニメ、ゲーム制作会社ガイナックスを設立、退社。大阪芸大客員教授。近著に「『世界征服』は可能か?」。
【写真】手にしているのは太っていたころはいていたズボン。今やこのズボンの足1本分に両方の足が入ってしまうそうだ。
現在は左後ろにあるバランスボールで筋肉をつける日々=東京・吉祥寺の事務所「オタキング」で、写真家・伊藤愼一撮影
【写真】体重117キロのころの岡田さん=本人提供
ttp://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007090704.html ZAKZAK 2007年9月7日(金)
カメラマンとしてAV女優を…逆輸入コスドル天野あい
アニメのヒロインに扮したコスプレ衣装や、自身が秋葉原のオタク文化を撮影するカメラマンとして活躍中のアイドル、
天野あい(年齢未公表)。日本よりヨーロッパで先に火が付いた。
「向こうではJulieの名で日本のヲタク情報を発信してるんです。
イタリアの雑誌『Hobby』で連載も持ってるんですよ」と、つぶらな瞳をパチクリ。
イタリアの美術出版社から昨年3月発売された写真集『Samurai Girl』では、カメラマン、スタイリストをこなし、
コスプレイヤーやAV女優をモデルとして採用。自らもモデルとして登場する。
日本で発売されたばかりのファーストDVD「Love Potion−媚薬−」(販売元トリコ)では、水着はもちろん、
ランジェリー、ボンデージにも挑戦した。
「リア・ディゾンさんがグラビア界の黒船と言われるなら、あいは、グラビア界の“逆輸入”を目指します」と意気込みも十分。
8日午後5時から、大阪・日本橋の上新電機ディスクピア日本橋店で記念イベントを開く。
ttp://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20070908ke04.htm 読売新聞 2007年9月8日(土)
コミックヨシモト 創刊3か月で休刊
部数伸び悩み
吉本興業(大阪市)が6月に創刊した青年コミック誌「コミックヨシモト」(月2回刊)=写真=が、18日発売予定の第7号で
休刊することが関係者の話で分かった。創刊からわずか3か月での〈撤退〉。吉本興業は「現時点ではコメントは控えたい」としている。
同コミックは、桂三枝さんや島田紳助さんら同社所属タレントが原作を、永井豪さんや高井研一郎さんら第一線の漫画家が
作画を担当することをセールスポイントに、サラリーマンらをターゲットにして創刊された。
定価320円で、1、2号は、お笑いのDVDを付録に付けるなどして、話題を呼んだ。
創刊号は約30万部を発行したが、実売部数は伸び悩み、その後も上向かなかった。
ttp://www.sponichi.co.jp/osaka/ente/200709/08/ente210000.html スポーツニッポン大阪 2007年9月8日(土)
「コミックヨシモト」創刊からわずか3カ月で休刊へ
◆ 5億円プロジェクトすべった ◆
吉本興業が6月19日に創刊した青年向け漫画雑誌「コミックヨシモト」(第1、第3火曜発売)が、
今月18日発売の第7号で休刊することが7日、分かった。
同コミックは島田紳助ら所属タレントが原作を考案して漫画家が作品にする独特のスタイル。
紳助の「いつか見た島」、落語家・桂三枝の「上方落語へいらっしゃ〜い」など10作品以上を掲載していた。
関係者によると、同誌は全国のコンビニや書店などで展開し、創刊号は27万3000部を発行したが約3割の売り上げ。
第2号以降は13万5000部の発行となった、売り上げは1〜2万部ほどに落ち込んだ。最終の第7号は6万2000部の発行にとどめるという。
5億円を投入した今回のビッグプロジェクトは年頭会見で吉野伊佐男社長が発表。
約340ページで定価320円、30〜40代のサラリーマン層に狙いをつけていたが、3カ月での早期撤退となった。
出版関係者は「人気の作家や原作者を引っ張り込めなかったのが要因。コミック自体が売れなくなっているし、
かなり厳しかったのでは」と指摘。損失については「カラーページがあまりなかったので2〜3億円ほどでは」と分析している。
吉本はお笑いファンのニーズを再調査してのリスタートを検討。
時期は未定だが、「吉本のお笑いのファン層」に受け入れられる内容にしていくという。
【写真】6月19日に発刊されたコミックヨシモトの創刊号
毎日新聞 2007年9月8日(土)夕刊 ウイークエンド テレビのくに
(週刊テレビ評) SDA2007 「のだめ」制覇せり 大山勝美
いま日本のテレビドラマは、旧作のリメークや話題コミックのドラマ化が目立つが、他国ではどんな傾向なのか。
世界中から番組が集まる「ソウルドラマアワード(SDA)2007」をのぞけぱ、各国の現状が分かるに違いないと、
先月末SDA2007の授賞式に出かけていった。
昨年の第1回SDAは、準備不足もあって、韓国、日本、中国など東アジア中心の感があったが、今年は審査委員長にエミー賞や
モンテ・カルロ賞受賞の実力派プロデューサー、ラリー・ガーシュマンを招き、欧米は勿論、中南米など32カ国約130番組が参加。
文字通りワールドワイドの催しとなっていた。「伝統や歴史」のヨーロッパ、「ポップな風俗」のアメリカ、
「家族」思いのオセアニアと傾向は少しずつ違うが、各国のテレビドラマは、その国の現実と人々の夢を生き生きと伝えて面白い。
しかし、多様性に富み意欲的なのは東アジア勢で、4部門の最優秀賞は、日本、韓国、中国、台湾で占められた。
短編の優優秀賞はメルヘンチックな韓国ドラマ。土管工事人の父を持つ一家のホームドラマである。
働き者の母、明るい3人の子供たちは異形の父を気にせず、たくましく生きる。寓話性に富んだ詩情豊かな作品だ。
長編部門は、中国の「臥薪嘗胆」が最優秀賞に輝いた。スケールの大きな部族の対立抗争をダイナミックに混合、
「最優秀撮影賞」も獲得。その映像の迫力は、スタッフを全国規模で集めた成果でもあろう。
ミニシリーーズ部門では「のだめカンタービレ」(フジ)が断トツの高得点だったという。最優秀番組賞のほか演出賞、音楽賞もゲット。
韓国でも放送があった直後とかで、上野樹里らのタレントは会場に姿を見せなかったものの、受賞スタッフが登場した時は、
会場は大歓声に包まれた。
審査員たちは劇画的表情や動きをする人間アニメ的表現に、当初戸感ったらしいが、キャラクターは抜詳だし、
何よりも万国共通のクラシック名曲に挑戦する姿勢に引き込まれていったようだ。音楽は言葉の壁を楽々と乗り越える。
まさに、国際コンクールにふさわしい作品だったのである。
それと「笑い」「明るさ」に高い価値を置こうとする米国人審査員の参加も影響が大きかったと思う。
結果、正統・本格・重厚を重視しがちの国際賞に、エンターテインメント性重視の新風を吹き込むSDAとなったのである。
受賞式では、小編成オーケストラの演奏でドラマの一場面を再現するサービスぶりで、まさに「『のだめ』SDAを制覇せり」の感があった。
(演出家)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217043.jpg 中央日報 2007.08.29 『のだめカンタービレ』ソウルドラマアワーズ演出・監督賞受賞
ttp://japanese.joins.com/article/article.php?aid=90658&servcode=700§code=740 朝鮮日報 2007/08/29 『のだめカンタービレ』、ソウルドラマアワードで三冠王
ttp://www.chosunonline.com/article/20070829000041
日経流通新聞MJ 2007年9月7日(金)20面
08年春夏東コレ、異国・異文化思いはせ。
ファッションデザイナーが新作を披露する2008年春夏の「東京コレクション・ウィーク(東コレ)」が3日都内で閉幕した。
次シーズンのトレンドはアフリカから架空の国まで、魂の源流を求めるような民族調の台頭がうかがえる。
「旅」や「冒険」をテーマに見知らぬ土地へのあこがれを表現した作品や異国情緒漂う「花」をモチーフにしたデザインも目立つ。
アフリカから想を得た「ネネット」や異文化が交わるアドリア海をイメージした「ヒロココシノ」など、民族調を打ち出すブランドは多い。
陶器風の文様、動物柄、民族衣装風のゆったりしたシルエットの服が見られた。白、黒、ベージュ、グレーといった基本色に加え、
生命を感じる赤、緑、黄、紫などアフリカや中東などを思わせる強い色彩を取り入れたブランドは多い。
「ソマルタ」は架空の民族のタトゥーをイメージした模様を見せた。
民族調にも通じる見知らぬ土地へのあこがれから「旅」や「冒険」を表現したブランドも目立つ。
「シアタープロダクツ」は「新婚旅行」、「ミントデザインズ」は「1808年の気球に乗った女海賊」をそれぞれテーマにした。
「知らない土地に行けるなど科学に幸福なイメージがあった時代を表現した」(ミントデザインズ)
世界のトレンドに詳しい伊藤忠ファッションシステム(東京・渋谷)の池西美知子氏は「都市文化と対極的な異国や異文化への
あこがれが高まっている。インターネットの発達で世界は身近になったが、現実感は薄れた。
より源流に近いリアルなものを求める心理が民族調や旅への関心につながっている」と説明する。
異国情緒と連動し、花や植物をモチーフにした作品も目立つ。「モロッコ」をテーマにした「ドレスキャンプ」の岩谷俊和氏は
「モロッコを旅して印象に残ったのは花」とバラの造花やブーゲンビリア、マーガレットなどの花の模様を取り入れたりしたドレスを披露した。
「キノ」も花の造形を取り入れたドレスを発表した。「エコロジーも花モチーフの背景にある」(池西氏)
「漫画、アニメ、コスプレなど東京発のサブカルチャーのエネルギーが表に現れつつあるのも特徴」と見るのは
ファッションコーディネーターの西山栄子氏。象徴的なのは「エイチ・ナオト」の東コレ初参加。
中世ヨーロッパをイメージした「ゴシック」と西洋人形のようなかわいらしさを打ち出す「ロリータ」を合体させた
「ゴスロリ」ファッションでアニメファンらの人気が高い。「メルシーボークー」もキャラクター商品を思わせる作品を見せた。(堀聡)
(サブカル) メルシーボークー、
テーマは「星」。キャラクター商品を思わせる星型の飾りやピンクなど元気でかわいらしい色合いを多用。
割烹(かっぽう)着のようなジャージーや手ぬぐい風の柄など日本的な要素も取り入れた。
軽快なショートパンツやミニスカートは「アキバ系なのでアニメの『美少女戦士セーラームーン』などをイメージした」という。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217060.jpg 読売新聞2007年9月8日(土) 第5回JFW 東京流見えてきた パリ・ミラノにない流行解釈
ttp://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/fashion/20070908ok01.htm?from=os1
北海道新聞 2007年9月6日(木)朝刊地方30面
<きょうは何の日>2200年 宇宙戦艦ヤマト、地球に帰還
二二○○年九月六日、数々の苦難と十四万八千光年という気の遠くなる距離を乗り越え、「宇宙戦艦ヤマト」が
イスカンダル星から地球に帰還した。というのはもちろん、漫画家松本零士氏原作のアニメの話である。
一九七四年の初回テレビ放映時の人気はいまひとつだったが、熱心なファンの要望などで再放映されたり、
ちょうど三十年前には映画化され、社会現象にもなった。
今でこそよくある、テレビアニメで火がつき、映画に小説に、続編が相次ぎ制作され、
パロディーの題材にも−という流れの先駆けの一つでもある。
大ヒットした主題歌を作詞した故阿久悠氏の妻は小樽出身。今でもいろいろな場所で演奏されるあの曲に一層、親近感が沸く。
下野新聞 2007年9月5日(水)18面
きょうを知る/金田少年生まれる
大友克洋のSFアニメ「AKIRA(アキラ)」の主人公、金田少年は二〇〇三年のこの日、生まれた。
第三次世界大戦後のネオ東京を舞台に、金田ら少年たちは「AKIRA」の存在をめぐり翻弄される。
映画は一九八八年公開され、世界中で注目を集めた。
大友の世界観や細部まで書き込む表現は、その後の漫画、アニメに大きな影響を与えた。 (野)
信濃毎日新聞 2007年9月5日(水)朝刊28面
[特集]信毎だより 新海さんのアニメで新CM 今月から放映
信濃毎日新聞社は9月から、アニメーションによる新コマーシャルを、県内民放各局で放映しています。
飯田市のタテタカコさんが音楽を、南佐久郡小海町出身の新海誠さんがアニメーションを制作しており、
長野県にゆかりのアーティストによるコラボレーションで完成しました。
曲は、タテさんがライブツアーの合間を縫って、このCMのために作詞、作曲した「遠い日」です。
新海さんは、2004年の作品「雲のむこう、約束の場所」で第59回毎日映画コンクール・アニメーション映画賞を受賞するなど、
構成力、技術力で高い評価を得ている注目のアニメーション作家です。
新海さんが丹念に描いた小海線や故郷の風景の中で、少女と父親の物語が進行し、全編にタテさんの歌声が流れます。
情感込めて歌う作品と、静かに歌い出す作品の2編があります。両方を聞き比べてください。
読売新聞 2007年9月6日(木)東京朝刊31面
中越沖地震 人気漫画家が無償でデザイン 被災地に寄贈=新潟
柏崎市西山町出身の人気漫画家・八神ひろきさんがこのほど、中越沖地震の被災地を励まそうと、ガッツポーズをする
男女の絵をデザインし、被災地に送った。被災地の復興を支援しようと、8月末に柏崎青年会議所など若手経営者で結成された
「『まだまだっ!柏崎』プロジェクト会議」(矢島博生会長)が八神さんに要請したところ、無償で描いてくれたという。
八神さんはバスケットボール漫画「DEAR BOYS」を月刊少年マガジン(講談社)に1989年から連載中。同作品は2003年に
アニメ化もされた。プロジェクト会議では今後、八神さんの絵を、復興支援のポスターやのぼりに活用することなどを検討するという。
一方、売り上げの一部が義援金に充てられる復興シール販売が5日から始まった。
1枚あたり2円で、商工会議所窓口や電話などで受け付ける。問い合わせは同会議事務局(0257・22・3161)へ。
【写真】八神さんがデザインした男女のキャラクター(中央)とグッズ(4日、柏崎商工会議所で)
毎日新聞 2007年9月7日(金)地方版24面
私のシネマノート:河童のクゥと夏休み 清純アニメに不覚にも涙 /岩手
映画狂といっても過言ではない私。昔モノクロ映画は健全娯楽そのものだった。
映画にロマンを求める私は宮崎駿作品の大ファン。アニメ映画の清らかさ、美しさのたくさんつまった作品をたて続けにというか、
ほとんど見ている。
最近は「河童のクゥと夏休み」。不覚にも涙を流してしまった。その昔、ドラえもんが恐竜の子ピー助と別れる場面では
たくさんの子どもたちと一緒に泣いた事があり、アニメ涙はこれが2度目である。
河童の話だから当然、遠野や花巻等も画面にヒョイと出てきたりして身近だなーとうれしかった。
クゥは何百年も前から現代によみがえった河童の子ども。コウイチ君が川原でみつけて家につれ帰り助けられた。
クゥは江戸時代の言葉を使う礼儀正しい河童。コウイチ君の妹は、クゥが好きなのにやきもちを焼いてクゥを少しいじめるのだが、
いなくなって一番大泣きしたのはこの妹だった。クゥとコウイチ君の友情、マンガチックではない大人のアニメ清純派作品を
見たように思った。日本のアニメは世界一である。変な世の中になったが、アニメは美しいままであってほしい。
=盛岡市・団体職員(67)
朝日新聞 2007年9月7日(木)夕刊10面
(エチエンヌのクールジャパン) 文化の交差点
「コミックマーケット」には、外国人ファンがおおぜい訪れる。スペインからは昨年、ツアーで60人もが来場した。
フランスのマンガ専門学校からは、コミケと組んだ共同企画を考えたいと申し込まれたそうだ。
一方これだけ有名になると、観光気分で来場する外国人が増えるのは当然だ。日本のマンガについて予備知識のない人たちがいきなり、
たくさん出品されている成人向け同人誌に出会った時、日本のマンガとはセックスを扱ったものだ、という誤解が生まれないだろうか。
コミケには、特別な参加資格は必要ない。個人が同人誌という手段で自由に発信できる場だ。
ネットがなかった時代から現在まで、アマチュアの自由な表現を守り続けている。
ホームページやパンフレットで外国人向けに、こうした歴史を紹介したら、コミケの本旨をより理解してもらえるのではないだろうか。
「コミケが世界中のマンガファンの交流の場になることは大歓迎です。でも、3日間で55万人を動員するイベントで、
おまけに運営は手弁当。外国人来場者だけを特別扱いできないのが実情です」と、筆谷芳行共同代表は語る。
コミケのカタログなどを印刷している共信印刷の中村安博社長は、数年前から会場の一角で、海外のマンガをパネルで紹介している。
コミケが文化の交差点でもあることを象徴する場面だ。コミケの側でも、もっと世界にアピールする手段を考える時期に来ていると思う。
(E.Barral ジャーナリスト)
【写真】外国のマンガを紹介するコーナー。東京・有明のコミケ会場で
ttp://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007091011.html ZAKZAK 2007年9月10日(月)
バスト90腐女子…喜屋武ちあきグラビア界も狙い撃ち
マンガやアニメが大好きで、ユニット「中野腐女子シスターズ」としても活躍中のタレント、喜屋武(きゃん)ちあき(年齢非公表)。
ゲーマーを自認する喜屋武が、ハマっているのは一人称視点シューティング(FPS)ゲームの「サドンアタック」だ。
「20−30分、ちょっと空いた時間に気軽に参加できて、普通のノートPCのスペックでも楽しめるの。撃たれたら血がドバーッと
出ちゃうほどリアルで、自分の視線から見えない所から突然撃たれちゃったり。武器もカッコよくて、女の子でも気分爽快!」
韓国企業が開発したゲームで、日本では7月からスタート。15万人が参加し、さらに増殖中という。
オタクっぷりが注目される彼女だが、自慢のバストは90センチ。
「私はグラビアが大好きで、もっと仕事を入れて! って言っているんです。秋も冬もイッパイ見て」と、グラビア界も撃ち抜く。
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/review/20070909bk09.htm 読売新聞 2007年9月9日(日)朝刊 文化 本よみうり堂
川口盛之肋著 『オタクで女の子な国のモノづくり』
アニメやゲームなど「クール・ジャパン」のビジネス記事をよく目にする。しかし、いくらマンガが海外に輸出され、
「趣都」秋葉原にガイジンが溢れても、それが国際収支に占める割合はしれている。当然、頑固オヤジは一蹴する。それで食えるか、と。
だが本書を読むと、何だか食えそうな気がしてくる。トイレの自動洗浄機から産業用ロボットまで、日本製品のオタク性を
「十の法則」にまとめ、「女の子」の感性で基幹産業を展望する画期的ビジネス論だ。
もちろん国際商品となれば、開発のコンセプトが変質する可能性は高い。ソニーのウォークマンが好例である。
「周囲の人に迷惑をかけない」ための音楽再生機は、海外では「周囲の雑音に邪魔されない」装置として大ヒットした。
サブカル通を自称する麻生太郎・自民党幹事長が帯に推薦の言葉を寄せている。
「美しい国」のまつりごとでも、オタク文化の真価は間われている。(講談社、1500円)
評者・佐藤 卓己(京都大学准教授)
『オタクで女の子な国のモノづくり』 川口盛之助/著 講談社 2007.7 ¥1500 4-06-282063-9 237p 19cm 講談社BIZ
ttp://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2820633
日本経済新聞 2007年9月9日(日)朝刊29面
(エコノ探偵団) ロボットアニメなぜ復活?――「父子消費」開拓が狙い
「最近、昔のロボットアニメが続々と復活しています」。近所の高校生が探偵事務所に遊びに来た。
〔映画館の長蛇の列〕
「知らなかったわ。なぜかしら」。探偵、深津明日香が調査を始めた。
明日香は、一九九五年にテレビ放映されて人気を集めたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の新作映画が公開されると聞き、
初日の九月一日、東京・新宿に出かけた。映画館前には明け方から長蛇の列ができ、一日中立ち見客が出る盛況だった。
同作品は少年が巨大な人型兵器に乗って謎の敵と戦う物語。映画化の事情に詳しいキングレコード(東京・文京)プロデューサーの
小川智弘さん(37)は「庵野秀明総監督の考えで再映画化が決まりました。最初のテレビ放映から十年以上たち映像技術も進歩しています。
最新技術を取り入れ、現代にふさわしいシリーズ作品にする計画です」と話した。
次に公開中のハリウッド映画「トランスフォーマー」について聞こうと配給元のUIP映画(東京・中央)を訪ねた。
宣伝部の高田和人さん(42)によると、車や飛行機がロボットに変身して活躍する同作品は八〇年代以降に日米で放映されたアニメの実写版。
「世界各地でヒットしており、配給収入は全世界で七億ドル(約八百億円)を超えそうです」
〔親子連れ呼び込む〕
「映画以外ではどうかしら」。明日香が調べたところ、BS放送のWOWOWは七五年に放映された「勇者ライディーン」をアレンジした
新作「REIDEEN」を三月から約半年間放映していた。制作局エグゼクティブプロデューサーの北浦宏之さん(45)は
「有料放送である当社には、娯楽に金を惜しまない目の肥えた顧客が多くいます。子供のときにテレビ放映を見た三十代後半から
四十代前半のファン向けに高品質の作品を制作しました」と説明する。
映像ソフト販売のバンダイビジュアルは十月から「装甲騎兵ボトムズ」の新作DVD(第一巻の限定版は九千二百四十円)を発売する。
「八三年にアニメがテレビ放映された同作品には三十―四十代の固定客がついています。大人のファンの購入を想定した内容や価格に
します」と同社取締役の森本浩二さん(44)。
「ロボットアニメの復活は金銭的に余裕ができた大人の男性が対象です。衛星放送の普及などで特定層に狙いを絞った映像ビジネスが
可能になりました」。明日香の報告に所長は「特定の層を狙うだけでなく、地上波のテレビなどで大々的に放映する作品も
多いんじゃないか」と疑問符をつけた。
隣で聞いていた同僚の加江田孝造が助言した。「ロボット作品は玩具会社が関係するケースも多いよ」
そこで明日香はトランスフォーマーの玩具を国内販売するタカラトミーを訪ねた。この作品はもともと旧タカラの玩具が発端。
映画制作にあたっては提携先の米玩具大手ハズブロと共に、タカラトミーもロボットのデザインなどで協力した。
マーケティング統括本部でボーイズキャラクターチーム主任の山崎正彦さん(28)は「トランスフォーマーのアニメをテレビで
見ていたファン層は今、三十歳前後。この層向けに細部にこだわった六千円台のものから、手ごろな千円台まで商品をそろえました。
映画は大人も子供も楽しめる作品に仕上がっており、玩具も親子一緒に購入してもらうことを期待しています」と話す。
実際、六月に都内で先行販売した日本トイザらスによると、発売日の金曜深夜には子供連れの父親が目立ったという。
「親子で玩具の趣味を共有する消費者が増えていると実感します」と同社マーチャンダイズ本部バイヤーの青山徹さん(38)。
人気シリーズ「ガンダム」の新作「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」が十月からテレビ放映されるのに先立ち、バンダイは
八月に東京・池袋で関連商品などを集めた「ガンダムEXPO」を開催。父親になったファンが子供を連れて来場し、
親子で新作を知ってもらえるよう展示を工夫した。
同社メディア部マネージャー兼チーフプロデューサーの岡崎聖さん(42)は「新番組はグループ挙げてのプロジェクトです。
ガンダムは誕生から三十年近くなり、親子で楽しんでもらえるようになりました。玩具の購入も期待しています」という。
「子供と一緒にロボット玩具で遊ぶ父親が増えているのね」。明日香が調べると、息子と一緒に遊ぶ今どきの父親の消費行動は
産業界で注目されていることが分かった。
>>53の続き
〔若い世代が家庭回帰〕
広告代理店の読売広告社は、自ら楽しみながら子育てに積極的にかかわるようになった最近の若い父親を「ネオパパ」と名付けて注目。
二〇〇五年からプロジェクトを立ち上げて研究している。調査によれば、仕事よりも子供と一緒に楽しむことを優先する父親や、
子供の役に立つモノやコトには惜しまずお金を使う父親が増えているという。
同社プロモーション開発局のディレクター、前川修一さん(42)は「これまで父親の消費行動は注目されてきませんでしたが、〇五年に
父親向け教育雑誌『プレジデントファミリー』が創刊されるなど『父子消費』を狙った企業戦略は確実に広がりつつあります」と話す。
博報堂生活総合研究所のエグゼクティブフェロー、関沢英彦さん(61)は、右肩上がりの経済成長が終わり、人生は会社だけではない
と認識するようになった若い世代が、家庭に目を向けて親子関係を大切にし始めたことが背景にあると指摘する。
「母と娘の消費行動はブランド品などモノが対象になる傾向が強いのに対し、父親と息子の場合は趣味や時間の共有という形になる
特徴があります。父子消費を巡っては今後もいろんなビジネスのアイデアが出てくるでしょう」と関沢さん。
「ロボットアニメの復活はおもちゃ販売と一体化しています。父子消費に着目して新たな顧客開拓を狙う玩具メーカーの後押しが
ありました」。明日香の報告に近所の高校生や所長も納得した。
「でも私は親子で一緒にロボットアニメを見るより、買い物の方がいいわ」。明日香の発言に所長夫人の円子も同調した。
「本当に男はいくつになっても子供ね」
(古田博士)
経済に関する疑問を募集します。あて先は〒100-8065東京都千代田区大手町一ノ九ノ五日本経済新聞社編集局「ファミリー経済面」。
FAXは03・5255・9620。電子メールは
[email protected] 【写真】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の公開初日には多くの観客が詰めかけた(東京都新宿区)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217532.jpg
ttp://www.sankei.co.jp/books/shohyo/070909/sho070909012.htm 産経新聞 2007年9月9日(日)東京朝刊11面
【ライトノベル】『神曲奏界ポリフォニカ』シリーズ
一つの世界観をもとに複数の作家が競作する創作形態をシェアードワールドという。
リレー小説のように一つの物語を順繰りに書き継ぐのではなく、それぞれの作家が独自の主人公をたて、物語世界の一部分を分担執筆する。
複数の作家が執筆することで、世界に重なりや広がりを持たせると同時に、読者への供給速度を上げられるという利点もある。
その形態を採用して注目を集めているのがGA文庫の「神曲奏界(しんきょくそうかい)ポリフォニカ」シリーズだ。
音楽を奏でて精霊を操る魔法世界を、榊一郎、大迫純一、高殿円(たかどの・まどか)、築地俊彦の4人で執筆。
GA文庫創刊から月刊ペースを維持している。その最新刊『神曲奏界ポリフォニカ ぱれっと』は、新メンバーの三田(さんだ)誠、
浅井ラボ、神野オキナ、あざの耕平による短編集。いずれも個性の強い書き手だが、持ち味を殺すことなく物語世界と融合していて、
読み応え十分。中でもあざの耕平はこのまま長編化してほしい出色の出来だ。
シェアードワールドの多様性を一人で創出しようとしているのが、冲方丁(うぶかた・とう)の『オイレンシュピーゲル』
(角川スニーカー文庫)、『スプライトシュピーゲル』(富士見ファンタジア文庫)だ。荒廃した未来社会を舞台に、
事故などで失った肉体機能を機械で補ったサイボーグ少女たちが戦闘チームを結成して、テロリストや犯罪者と戦う。
かつて親や社会によって存在を否定され、心身共に傷ついた彼女たちが、それでも社会や人のために銃を手にするのはなぜか。
社会の矛盾や人々の苦悩を多面的に活写し、戦うこと、奪うこと、そして生きることの意味を読者に突きつける。
書評家・三村美衣
ttp://book.asahi.com/clip/TKY200709060080.html 朝日新聞 2007年9月6日(木)朝刊25面
中上健次・熊野大学セミナー 没後15年、なお刺激に富む
作家の故・中上健次が郷里の和歌山県新宮市で始めた熊野大学の夏期特別セミナーが、没後15年の今年も8月初めに開かれた。
討議のテーマの一つは、中上が1984年に東京で行った4回連続講演などをもとに今年2月出版された『現代小説の方法』
(高澤秀次編・作品社)をめぐって。現代文学を語るうえで、今なお刺激に富む内容だ。
(中略)
「小説が書きづらいと中上が言う、その続きはどこに行くのか」。
青山氏は、東浩紀氏の『ゲーム的リアリズムの誕生』を参照しながら、ゲームやライトノベルに突破口があるのかもしれないとも言うのだ。
文芸評論家の渡部直己氏は反論して「言葉を通じた『困難』は必要ない、小説はいらない、という現れがライトノベル。
だが困難の先にしか新しい創造はない」と、にべもない。
インターネットも携帯電話もなかった84年のペシャワルと比較にならないほど、現在は「小説を阻害するもの」だらけだ。
評論家の柄谷行人氏は、「20世紀の芸術は小説ではなく映画。小説は映画にできない言語的冒険などで生きのびてきた。
しかし映画にも小説と同じ『終わり』がある。どちらにも救いはないよ」と、青山氏を挑発するかのようにも語った。
中上の模索は、死後もなお続いているようだ。 (大上朝美)
【写真】中上健次の『現代小説の方法』をめぐって行われた討議=和歌山県新宮市で
上毛新聞 2007年9月7日(金)11面
《あの街 この店》 フィギュアが大ヒット ビッグポニー玩具店
足を踏み入れると、人気アニメやヒーローもののキャラクターのフィギュア、カード、小物がずらり。
積み上げられた商品に圧倒される。壁や天井からもぶら下がり、その数は数え切れない。
店は45年前にオープン。代表の鈴木英世さん(34)は2代目だ。
もともと歯科技工士だったが、創業者の父が亡くなって店を継ぐことに。
今年で10年目を迎えた。販売は店頭が主力だが、通販も年々増え、注文は全国から来る。
仕入れ先も国内だけでなく、東南アジアや米国と幅広い。
歯科技工士からフィギュア職人となった仲間がいた。
それがヒントとなり、フィギュアを取り扱い始めたが、これが大ヒットとなった。
「映画やテレビドラマなどの影響で、フィギュアの人気が高まっている」と鈴木さん。客層は20代以上の大人が8割を占める。
「懐かしさに駆られて来るお客さんもいる。プラモデル感覚や収集して楽しめるのが魅力なんです」。
雑誌とインターネットで常に新商品をチェック。プロであり続けるためフィギュア研究に毎日2、3時間をさく。
また幼稚園や町内会などのイベントにヨーヨーや花火を届ける。「顧客を大事に」という信念からだ。
来年は、店舗を移転し、現在より大きな店構えにする予定だ。「お客さんの喜ぶ顔が待ち遠しい」と意気込んでいる。
伊勢崎市本町電話0270・25・8665
ttp://www.business-i.jp/news/for-page/ranking/200709070009o.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』 2007年9月7日(金)22面
【映画ランキング】ヱヴァ序 初登場1位 「天国で君に」ワンランクアップ
9月1日は映画サービスデーということもあって、全体的に高水準となった週末映画ランキングだった。
初登場第1位は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(クロックワークス/カラー)。1995年に放送され、社会現象を巻き起こした
TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を、12年のときを経て新たに劇場版として構成する「新劇場版」全4部作の第1部だ。
原作・総監督はTV版に続いて庵野秀明が務め、「日本沈没」の樋口真嗣が画コンテ、宇多田ヒカルが主題歌で参加する。
「109シネマズ」「ユナイテッド・シネマ」を中心に全国84スクリーンで公開され、初日2日間で動員23万人、
興行収入2億8042万円の大ヒットとなった。
1館あたりの平均興収も300万円を超える高数値をあげた。東京・新宿では、シネマスクエアとうきゅう(224席)から、
ミラノ1(1046席)に急遽劇場を変更して初日を迎え、午前4時ごろにはすでに800人近い長蛇の列ができ、
夜の上映まで7回連続の満席・立ち見となったほどだ。
第2位は大沢たかお、伊東美咲主演の「Life 天国で君に逢えたら」(東宝)。
土日の動員前週比で24%増と前週を上回る客足の勢いで、初登場3位からワンランクアップとなった。
3くらいは「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(ワーナー)。
5週目での奪回から2週連続で首位を保持したものの、2ランクダウンとなった。
【全国映画観客動員ランキング】
(1)ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
(2)Life 天国で君に逢えたら
(3)ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
(4)オーシャンズ13
(5)トランスフォーマー
(6)レミーのおいしいレストラン
(7)ラッシュアワー3
(8)TAXi4
(9)劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ
(10)西遊記
※興行通信社調べ(1〜2日集計)
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070911ddm012070134000c.html 毎日新聞 2007年9月11日(火)朝刊24面
オフ・ライン:変わるコミケ
8月17〜19日の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で、マンガの祭典「コミックマーケット72(コミケ)」が開かれた。
気温35度を超える猛暑の中、約55万人が参加する「世界最大規模」のマンガイベントだ。
コミケは、人気マンガのパロディーなどの同人誌を製作しているサークルの即売会として1975年に始まり、
マンガ、アニメのブームに乗って規模を拡大。毎年夏と年末の2回開かれている。
毎日新聞デジタルメディア局は、アニメ・マンガ・ゲームの情報紙「まんたんブロード」を発行し、
04年からコミケにもブースを出展しており、私も毎回参加している。
この3年間で、「萌え」や「アキバ系」の文化がブームとなって、コミケの来場者も年々様変わりしているのを肌で感じる。
特に今年は、例年にも増して女性の参加が多く、ドラマや映画にもなった「電車男」の主人公のようなメガネをかけた
暗そうな男性たちよりも、アニメやマンガのキャラクターにふんする「コスプレ」をした可愛い女性たちが目立った。
オタク用語で、「腐女子(ふじょし)」と呼ばれる彼女たちは、購買意欲も創作意欲も旺盛で、まさに「コミケの主役」。
「萌え」や「メイド」「美少女」など男性が好む作品よりも、美少年同士の恋愛を描いた「BL(ボーイズラブ)」が人気を集めた。
ビッグサイトを駆け巡る姿は「腐る」どころか、生き生きと輝いていた。 【デジタルメディア局・猪狩淳一】
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217698.jpg ※毎日新聞の記事にはいつもツッコミどころが多いと言わざるを得ない・・・
日本経済新聞 2007年9月10日(月)夕刊22面
(夕刊文化) 日本のSF「すごいぞ」――アジア初、横浜で「世界大会」
各国のSFファンが集う「世界SF大会」が8月30日−9月3日、横浜で開かれた。
今年で65回を数える大規模イベントだが、アジアでの開催は初めて。日本のSF文化は海外の人の目にどう映ったのか。
「日本のSFアニメはよく知っているけど、『日本沈没』を読んだら、小説もすごいことがわかったよ」。
米東海岸から参加したSFファンのハービー・ロバーツは、小松左京にサインしてもらった『日本沈没』の英訳本を手に声を弾ませた。
世界SF大会(通称ワールドコン)は作家やファンが集い、米国を中心に毎年開かれるSFの祭典。
会期中、国内外から延べ一万五千人が会場のパシフィコ横浜に集まった。
討論会、朗読会、講演といった四百以上のプログラムが同時並行で開かれ、来場者はそれぞれ自分の参加したい企画を見て回った。
外国人が多いため、英語のみのものも多い。プロとファンが自由に交流できるのが最大の魅力だ。
小説やアニメ紹介
初日の開会式で、実行委員長の井上博明は「日本のSFを世界の人たちに知ってもらいたい」と宣言した。
実際、SF小説をはじめとする文芸作品や、アニメ・マンガなどのサブカルチャーを紹介する企画が目立った。
例えば「アヴァン・ポップ」と題した討論会。SF的奇想を描く芥川賞作家の笙野頼子や佐藤哲也ら日本人作家と海外の専門家が
意見を交わした。日本文化研究者のクリストファー・ボルトンが「笙野さんの『二百回忌』を学生と英訳している。
英語圏に持ってくると新しい意味が見えてくる文学だ」と言うと、笙野が「私の作品は米国の異端文化や土俗文化と
共振できるかもしれない」と応じ、日本のSF的想像力が海外でも受け入れられる可能性を感じさせた。
日本の現代作家を紹介する講義では、翻訳家の小川隆、大森望が外国人の聴衆に英語で語りかけた。
「ゲーム小説から出発し、純文学に進出した古川日出男を読んでほしい」「恩田陸には米国SFの影響が見られる」。
聴衆は熱心にメモをとり、日本文学の最新情報を吸収していた。
フィギュアも展示
ホールではフィギュアが展示され人々の目を楽しませた。
優れたSF小説などに与える「ヒューゴー賞」の授賞式ではステージにウルトラマンが登場し、遊び心あふれる演出で会場をわかせた。
ロボット科学者が現実の科学とSFの関係を探る討議や、知的財産としての日本のSFを考えるシンポジウムなど、現代日本文化を
多様な切り口で伝える好企画が相次いだ。「日本のSF文化を知ってもらう点で、今回の大会は大きな一歩になったと思う」(井上)
マンガ・アニメで先行した日本のサブカルチャーの国際発信は緒についたばかり。
だが慶応義塾大学教授の巽孝之は「日本語を解する外国人も増えており、発信の環境が急速に整ってきた」と語る。
大会の開催に合わせて、黒田藩プレス(福岡市)が小松左京や筒井康隆らの短編小説を集めた英訳書を発刊。
内外の研究者による日本のSF・サブカルチャーの研究書も相次いで刊行されている。「導火線に火がついた」(巽)ともいえそうだ。
「SFは、人類の可能性を探究する文化。私たちがよりよい未来を呼び込むのに必要だ」。
大会に主賓として招かれたSF作家のデイビッド・ブリンは力を込める。日本のマンガやアニメが国境を超えて広がっていったように、
日本のSFが世界レベルのソフトパワーになる予感を抱かせる五日間だった。=敬称略
(文化部 干場達矢)
【写真】会場にはウルトラマンの姿も
【写真】400以上の討論会、朗読会、講演などが同時並行で開かれた(横浜市西区のパシフィコ横浜)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217703.jpg
朝日新聞 2007年9月10日(月)夕刊18面
(メガロポリス 街ひと)「トトロの家」隣に残して 町内会が署名運動 杉並の住宅地
東京都杉並区阿佐谷の住宅密集地に、緑に覆われた築約80年の木造平屋建ての家がある。アニメ映画監督の宮崎駿さんが
「たからもの」といい、地元住民から「トトロの住む家」と愛されてきた。ところが7月に持ち主が転居し、存続が危うくなっている。
「貴重な景観を残したい」と住民らが約4千人分の署名を集め、杉並区に提出した。(水山和敬)
約70平方メートルの住宅は昭和初期の建築。赤い瓦屋根に白い窓枠が映える。敷地面積は約380平方メートル。
広い庭にはキンモクセイやバラ、モミジ、ランなど50種類もの草木が植えられている。
地元の神社から土地を借り、元デザイン学校教員の近藤英(えい)さん(83)が住み続けてきた。
かつては同じような家が並んでいたが、宅地開発が進むとともに姿を消したという。
十数年前、当時近くに仕事場があった宮崎さんが訪ねてきた。微妙なゆがみが残る昔ながらの窓ガラスに懐かしげに触れ、
屋根を越える高さのキンモクセイを眺めた。「自分が小さいころは、こうした木がたくさんあったのですけどね」と話したという。
後日、宮崎さんは著書「トトロの住む家」(91年)の中で、この家についてこう記した。
「住まいとは、家屋と、庭の植物と、住まう人が、同じ時を持ちながら時間をかけて造りあげる空間。
その植物たちと、生きもの同士のつきあいをしている」
家の隣にある中学校の卒業生から「30年たっても、同じたたずまいなのに驚きました」と手紙をもらった。
ある大学生からは「卒業制作の映画撮影に、家を使わせてもらえないか」と頼まれた。散歩中の見知らぬ男性から
「庭の掃除を手伝いたい」と声をかけられたこともあった。
「何かしら人をほっとさせる雰囲気がある。家を縁に知り合いもできた」と振り返る近藤さん。
だが、高齢になったこともあり、7月に借地を返し、家の所有権も神社に譲渡して近所に引っ越した。
家の今後は決まっていない。「貴重な環境を後世に伝えていこう」と地元町内会が8月、保存に向けた署名運動を始めたところ、
1カ月で約4千件が集まった。受け取った区も「杉並の一つの時代の姿を伝えると同時に、自然との付き合い方を教えてくれる家」と、
保存に関心を寄せている。
近藤さんはデザインを通して生活の豊かさとは何かを教えてきた。
「街に緑や土がある。生活の原点をみんなに考えてもらえる家として残せれば」と話している。
【写真】白い窓枠が特徴の「トトロの住む家」。近くに引っ越した後も、近藤英さんは手入れを続けている
=東京都杉並区阿佐谷北5丁目で
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217711.jpg
ttp://job.yomiuri.co.jp/interview/jo_in_07091001.cfm 読売新聞 2007年9月9日(日)東京朝刊第2部2面
[不屈のひみつ]アニメーション監督 大地丙太郎さん
◆迷い断ち、2度目の復帰
■CG台頭に衝撃
アニメーション業界への“出戻り”を2度、経験している。1回目は大学卒業後、アニメの撮影会社に入って5年後のことだった。
今ではアニメの制作工程はデジタル化され、ほとんどの作業はコンピューター上で行われるが、当時は大がかりな撮影台で、
セル画を1枚1枚フィルムに撮っていた。
映画「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」などの撮影監督を務めたころ、台頭してきたCGに衝撃を受けた。
「光じゃなくて電気で絵を定着させる、ビデオがフィルムに取って代わる時代がいずれ来る、と焦った」。
それに対する、周囲のあまりの危機感のなさにも嫌気が差した。修業したいという気持ちもあって、友人に誘われるまま、
ビデオ制作会社に転職。歌手のプロモーションやカラオケビデオを作ったが、結局アニメ業界に復帰した。
初めてアニメを作ったのは、高等専門学校2年生の時だ。絵はすべて画用紙に描き、借りてきた8ミリカメラで1コマずつ、
学校の倉庫で汗だくの撮影。1分半の映像に仕上げ、文化祭で上映し、喝采を浴びた。
「自分の絵が動いたのを見た瞬間、感動で体が震えた」と振り返る。
復帰後は、撮影以外に、アニメの設計図である絵コンテを描いたり、演出を担当したりと手を広げようとした。
だが、当時の業界は氷河期と言われ、仕事はなかなか回ってこなかった。
一方、ゲーム業界はバブルの好況に沸いていた。周りのスタッフが次々と転身。
自らにも「収入が1.5倍になる」という話が舞い込み、「これからはゲームの時代だ」と思い切って飛び込んだ。
「ところが、聞くのと見るのでは大違い」。仕事が入ってくるのを前提にした大きな事務所で、何もすることがない日々が続き、
やがて給料は半分以下に。1年もたたず、失意のうちに退社した。
■はじけたギャグ
この時、すでに30歳代半ば。妻からも「かたぎの職業に就いてほしい」と頼まれた。「でも、やはり自分にはアニメしかできない」。
大口をたたいて出て行った業界に、恥を忍んで再び戻ってきた。今度は低姿勢に徹し、どんな話でも引き受けた。
絵コンテや演出の仕事を地道にこなすうち、独特のはじけたギャグセンスが注目され始めた。やがて、アニメ全体の責任を持つ監督を
任されるようになる。中でも、平安口調のかわいい妖精貴族が活躍するNHKの「おじゃる丸」は、ライフワークになった。
大地作品には、明るく前向きな主人公が数多く登場し、困難を乗り越えていく姿が見ている側をも元気にさせてくれる。
それは、自身の生きてきた道のりがキャラクターに投影されているからなのか。「とにかく、人間の“生”を描いていきたいですね」
(福田淳)
◇だいち・あきたろう 1956年、群馬県生まれ。78年、東京写真大学(現・東京工芸大学)短期大学部写真応用科卒。
主な監督作に、「今、そこにいる僕」「まかせてイルか!」「レジェンズ 甦(よみがえ)る竜王伝説」など。
【図】不屈のグラフ
【図】大地丙太郎「人生を楽しむ」3か条
【写真】「子供のころから近衛十四郎が好きで、元気のいい時代劇をやりたいんです」=源幸正倫撮影
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709100025.html 朝日新聞 2007年9月11日(火)
(コミミ口コミ) 「アキバ」に新人気店 外国人も萌え
「萌え文化」を世界に発信する東京・秋葉原に、外国人にも人気の店がある。
アキバ土産から、メード「なりきり体験」まで用意。さて一番の売れ筋は?(アサヒ・コム編集部)
店の名は「メイド倶楽部」、今年5月にオープンした。
メード服姿やギャルソン風の店員が出迎える。店内には、秋葉原でヒットした名物「おでん缶」のほか、メード服やアニメの
キャラクター服などのコスチューム、フィギュア、キャラクター商品といった秋葉原らしい商品約3000点が、所狭しと並べられている。
一番の売れ筋は、同店オリジナルのクッキー(500円)。「おでん缶」や「らーめん缶」は、同僚に配るためにケース買いを
していく人も多いという。「萌え系」女の子のイラストが印刷されたパッケージの「栗らくがん」も、よく売れる。
関係者に栗菓子屋がいたこともあり、味も本格的だ。
今年5月、徐々に品ぞろえをしていくためにプレオープンして以降、口コミなどで知られるようになり、
今では1日150〜300人が来店する。その7割が女性で、リピーターも少なくない。
外国人観光客も訪れる街だけに、浴衣や法被といった日本らしい土産も売れる。
「萌える部屋」と名付けた一室でメードなどのコスチュームに着替えて、店内で写真撮影ができる(1000円〜)。
1時間1500円で、その格好のまま店の近くを歩くこともできる。
メード姿が一番人気で、家族3人がおそろいで写真撮影したこともある。この「なりきり体験」は女性限定。
男性向けには、店員と一緒に写真が撮れるサービス(1000円〜)がある。
店は年中無休で、午前11時から午後8時まで営業している。JR秋葉原駅の電気街口から徒歩1分の外神田1−4−11にあるビルの3階。
【写真】メード服姿のさくらさん、人気の「メイド倶楽部」オリジナルクッキーを手に
【写真】ギャルソン姿の店員向日葵さん(左)とメード服姿の店員さくらさん(右)
【写真】お土産一番人気の「メイド倶楽部」オリジナルクッキー(500円)
【写真】ケース買いする人も多いという秋葉が生んだ人気商品「おでん缶」(1缶220円)も販売されている。
【写真】本格派の栗らくがん(200円)
関連:
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709100195.html 【アサヒ・コム動画】東京・秋葉原の店「メイド倶楽部」を訪問 2007年09月10日
東京・秋葉原にある、最近注目の店「メイド倶楽部」を訪問した。秋葉原の名物を中心とした約3000点の商品が陳列されている。
メード服姿の店員さくらさんが応対してくれた。(アサヒコム編集部)
日経産業新聞 2007年9月11日(火)2面
「子連れ狼」漫画原作者、著作権保護に進出、私塾を法人化。
「子連れ狼」などの漫画原作者で大阪芸術大学教授の小池一夫氏が、漫画やアニメ、ゲームの著作権保護に乗り出す。
若手作家育成のために運営してきた私塾「小池一夫劇画村塾」を法人化し、出身作家に参加を呼びかける。
日本発コンテンツの知的財産権の保護や活用を目指す。
八月に小池一夫劇画村塾を株式会社化した。本社は東京・六本木に置き、小池氏が塾頭に、韓国の情報機器を販売するエイアイエス
(東京・港)会長の金田直己氏が社長に就いた。劇画村塾の出身作家らと契約し漫画作品などの著作権管理を請け負う。
アジアの海賊版への対抗措置をとったり、不利な契約に悩む作家を支援したりする。新人育成機能も強化する。
劇画村塾は一九七七年開校。「北斗の拳」の原哲夫氏や「めぞん一刻」の高橋留美子氏ら漫画家のほか、
ゲーム「ドラゴンクエスト」を作った堀井雄二氏らを輩出した。
ttp://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20070910ij21.htm 読売新聞 2007年9月11日(火)
漫画「子連れ狼」の小池一夫さん、知的財産管理会社を設立
漫画「子連れ狼」の原作者として知られる作家の小池一夫さんが10日、日本漫画の知的財産の保護や管理などを目的とした
「小池一夫劇画村塾株式会社」を設立したと発表した。
海外での著作権侵害に対し、個人では訴訟が難しいことが設立の背景。
同社は小池さん関連の著作権管理を行うほか、他の漫画家から要請があれば、訴訟の手助けもしていくという。
小池さんは、「法人化することで、経済界や省庁とも連携し、組織として対抗していける」と語った。資本金2億3千万円。
ttp://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/09/11/13.html スポーツニッポン 2007年9月11日(火)22面
小池一夫氏を長嶋さん祝福 「劇画村塾」法人化記念パーティー
漫画「子連れ狼」などの作品で知られる劇作家の小池一夫さん(71)が主宰する「小池一夫劇画村塾」が法人化され、
株式会社としての発足を記念したパーティーが10日、都内であった。「劇画村塾」は30年の歴史を持つ漫画家養成塾で
「うる星やつら」の高橋留美子さん(49)、「北斗の拳」の原哲夫さん(46)らを輩出。
今後、著作権の管理や新たなコンテンツビジネスの展開を目指す。
小池さんは「多くの弟子に囲まれて幸せです。今後も新しいコンテンツをつくる人を育成していきたい」。
この日は漫画家の藤子不二雄Aさん(73)、プロ野球・巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(71)も祝いに駆け付けた。
【写真】小池一夫さん(右)の「劇画村塾株式会社」発足記念パーティーに出席した巨人・長嶋茂雄終身名誉監督
ttp://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070910-254389.html ニッカンスポーツ 2007年9月11日(火)
「子連れ狼」小池一夫さん会社設立
「子連れ狼」などで知られる漫画原作者で作家の小池一夫さんが10日、後進の育成を続けてきた私塾を法人化、
漫画の知的財産の保護や管理なども手掛ける「小池一夫劇画村塾株式会社」を設立したと発表した。
小池さんによると、自分の作品の内容が海外の映画に勝手に利用され、抗議したものの交渉が難航したことなどから、
国際的な著作権侵害には会社組織で対抗する必要性を痛感したのが設立の理由という。
当面は本人の著作権管理が中心だが、ほかの漫画家からも依頼があれば協力する予定。
小池さんは「(世界にひろがる)日本漫画というビジネスコンテンツの簒奪(さんだつ)は許さない」と話している。
ttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20070912AT1D1109H11092007.html 日本経済新聞 2007年9月12日(水)朝刊11面
映像制作大手TYO、円谷プロを傘下に――「ウルトラマン」など活用。
「ウルトラマン」で知られる独立系の映像制作会社、円谷プロダクション(東京・世田谷、円谷一夫会長兼社長)は十月、
映像制作大手ティー・ワイ・オー(TYO)の傘下に入る。業績が伸び悩み有利子負債も多いことから、経営体制を刷新し立て直しを急ぐ。
TYOはウルトラマンなどのコンテンツを活用して、実写作品やアニメ、ゲームなどを制作し事業拡大に生かす。
円谷プロの株式の約四五%を保有している円谷エンタープライズ(東京・港)が十月中旬に第三者割当増資を実施。
TYOが八千万円で引き受ける予定で、同社への出資比率は八〇%となる。
さらに円谷会長兼社長が保有する約二二%の円谷プロ株を、円谷エンタープライズに譲渡する。
同プロの経営陣のうち取締役会長として残る円谷氏以外は退任し、TYOの吉田博昭社長らが役員として入る予定。
円谷プロの売上高は約五十億円で、制作費の負担増加により最終利益は数千万円台で伸び悩んでいた。
ttp://www.chunichi.co.jp/s/article/2007091201000195.html 中日新聞 2007年9月12日(水)【話題のニュース】
円谷プロを子会社に TYO、同族経営に幕
映像制作会社ティー・ワイ・オー(TYO)は12日、人気キャラクター「ウルトラマン」で知られる円谷プロダクション
(東京都、円谷一夫会長兼社長)を、子会社にすると発表した。円谷プロの実質的な親会社、円谷エンタープライズの
第三者割当増資を引き受ける。1963年以来続いた創業一族の円谷家による経営に終止符を打つ。
TYOは円谷エンタープライズの80%の株式を8000万円で取得。創業者円谷英二氏の孫の円谷会長兼社長は円谷プロ株の
大半をエンタープライズに譲渡し、エンタープライズとプロの両社の取締役に残り、代表権のない会長に就任する予定。
円谷プロは、制作費の負担増などから有利子負債を抱え、2007年2月期は売上高55億円だったが、
純利益が約4000万円にとどまり、経営不振が続いていた。(共同)
毎日新聞 2007年9月12日(水)夕刊 文化・批評と表現
(そのほかのニュース) ガンダム世代と呼ばれて
・ガンダム世代の上司との円滑コミュニケーション術 (週刊アスキー 9月18日号)
・現代の肖像 シャア・アズナブル ヒーローか、独裁者か「宇宙世紀」の革命家 (AERA 9月17日号)
・可動に泣け! オプションに叫べ! エヴァ&ガンダムの世界をこの手に! (GetNavi 10月号)
子どものころ、アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年放映)やガンダムのプラモデル(ガンプラ)に熱中した世代を
「ガンダム世代」といいます。だいたい30代から40代でしょうか。
なお、ガンダムにはいくつものシリーズがあるため、ファンのあいだではファースト世代」とか
「SEED世代(機動戦士ガンダムSEED)」といった世代間の対立もあります。
『週刊アスキー』は、「ガンダムトークこそ最強のオフィス処世術だ!」という。
放映開始以来、ガンダムの人気は続いていて、「DVDなどガンダム市剔の規模は1000億円にも及ぶ」そうだ。
その洗礼を浴びた現在30代から40代は、「若者にとってはほぼ確実に上司にあたり、役職もちも多い世代」となっている。
そしてガンダム上司にはファースト原理主義」「アムロ・シャア保守派」「宇宙世紀史家」「リベラル派」「プラモデル唯物論者」
など、さまざまな「宗派」があるとも・・・・・・。
『AERA』は、「現代の肖像](文・皆川ゆか)で『機動戦士ガンダム』に登場する「赤い彗星」の異名をもつ
シャア・アズナブルをとりあげている。
「なぜ、主役でない彼に、<ガンダム世代>はこうも思い入れるのだろう?」
かつてのロボットアニメは勧善懲悪モノだったが、『ガンダム』では「敵味方双方に主張のある戦争」が描かれた。
「今や『ガンダム』のキャラクターは、戦国武将や、維新の志士、三国志の英雄たちと同じ次元で見られている」
『GetNavi』は、「10月から新作TVシリーズが放映されるガンダムと9月に新劇場版が公開されるエヴァ」の模型と
フィギュアを紹介している。「エヴァ」は『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメ。
「ガンダム芸人」としても知られる土田晃之さんは、「ガンダムはメカ、エヴァは『謎解き』に面白さがある!」と語る。
ちなみに、アメリカには「スター・ウォーズ世代」(1977年公開)という言葉があるそうです。
それではみなさまジーク・ジオン! (荻原魚雷・ライター)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217918.jpg
毎日新聞 2007年9月12日(水)夕刊 文化・批評と表現
「金のティアラ大賞」を集英社8誌合同で創設 少女マンガの描き手発掘へ 市場縮小の打開を狙い
低迷する少女マンガに危機感を募らせ、『りぼん』、『別冊マーガレット(別マ)』など集英社の少女・女性マンガ誌8誌が、
合同で新人マンガ家を発掘する「金のティアラ大賞」を設けた。
第一編集部長代理で、マーガレット編集部の編集長でもある鈴木晴彦さんによると、現在の少女マンガは『NANA』、『花より男子』
(以上集英社)、『のだめカンタービレ』(講談社)などがメディアミックスで大ブレーク、集英社は昨年のコミックス(マンガ単行本)
売り上げが最高益を記録した。しかしマンガ誌売り上げの不振で市場全体は縮小しているという。同社は90年代の前半から半ばに
『別マ』190万部、『りぼん』250万部と黄金期を迎えた。その後は部数減少が止まらず、05年には『YOUNG YOU』を休刊した。
一方で、各誌のマンガ賞への応募者もピーク時の3分の1に減った。ゲームやネットなどマンガ以外の活躍の場が広がったことと、
マンガ家を志望しても少年誌・青年誌や、同人誌といった別のジャンルに行ってしまうのが理由だという。
「ウチのヒット作は『ごくせん』(『YOU』)、『ハチミツとクローバー』(『コーラス』)、『花より男子』(『マーガレット』)、
『NANA』(『クッキー』)など。どの雑誌からヒットが出るかわからない。だったらどこから出てもいいじゃないかと考えた。
雑誌ごとにやってもパンチ不足で、こういう賞の存在を知って『そうだ、マンガを描こう』と思う人に届かない」と鈴木編集長。
北畠輝幸『コーラス』編集長は「『金のティアラ大賞』が求めるのは学園ものなどリアルな世界のマンガ。
ここで大きな旗を振ったら、目立って新しい才能をこの世界に取り込めるのではないか」と語る。
大賞は賞金500万円と、金額も大きい。受賞作の数に制限はつけない。応募締め切りは10月31日。
審査員は一条ゆかりさん、神尾葉子さん、矢沢あいさんら人気マンガ家13人と各誌編集長。特別審査員に演出家の松尾スズキさん、
作家の三浦しをんさん。審査するマンガ家の作品を集めたアンソロジー雑誌『金のティアラ』=写真中央=を刊行した。
デビュー時の話やマンガの勉強法を語る対談、2人の特別審査員が求める作品を語るインタビューなどを収録。
編集担当の梅岡光夫『クッキー』編集長は「マンガを描く方法を教える『マンガ入門』的な本はたくさん出ている。
そこまで導く、マンガのDNAを伝える呼び水として作った。マンガのパワーを体感してほしい」と力を込める。
政府やお役所は世界に誇る日本の文化というが、マンガに興味を持たせる橋渡し役が必要な現状の中での描き手探しといえそうだ。
少女マンガをめぐる危機感は大きい。 【内藤麻里子】
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up217961.jpg 関連:金のティアラ大賞 トップページ
ttp://www.shueisha.co.jp/tiara-award/
ttp://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007091307.html ZAKZAK 2007年9月13日(木)
麻生にすり寄り?「テレ東伝説」去った!?会見中継
『テレ東伝説』、ついに崩壊?! 安倍晋三首相が辞意を表明した12日、NHKや民放の在京キー局が予定を変更して報道特別番組を
放送する中、テレビ東京も午後1時59分から報道特番で首相会見を中継した。「どんな大事件があってもアニメを流す」という
都市伝説があるだけに、熱心なウォッチャーたちからは「失望した」という意外な反応もあった。
「昭和天皇危篤の時や9・11の時もアニメを再放送していた」「テレ東が特番を放送する時は地球滅亡…」
テレビオタクの間では、こんな笑い話がささやかれてきた『テレ東伝説』。
局側にもウワサは届いていて、テレ東の広報・IR部は「そういう風に見られることは承知しています」と話す。
そればかりか、実は伝説を逆手に取って番組にも生かされていた。
同局の人気アニメ「ケロロ軍曹」では、今年2月に放送された第147話で、大ニュースを他局がテレビ中継する中、
テレ東を彷彿させる“テレビ奥東京”だけがアニメ番組を放送していて、「テレビ奥東京以外、全部特別番組なのね」
「さすがテレビ奥東京であります」と、登場キャラクターに言わせる自虐ネタがあったのだ。
それだけに、今回の辞任会見中継はネット上でも話題騒然。
巨大掲示板『2ちゃんねる』には「なにがあったんだ!」「ついにあの伝説の地球滅亡の時がやってきたか」との書き込みが相次いだ。
都市伝説の常で、“伝説”にはウソもある。テレ東は、これまで全く報道特番を放送してこなかったわけではない。
2003年3月のイラク戦争開戦や、最近では先月27日の安倍改造内閣発足時にも流している。
それでも、他の在京キー局と比べ格段に少ないのは事実で、昨年9月に安倍首相が自民党総裁に選ばれた際は、ニュース速報を
流したものの洋画の放送を続行。先月20日、那覇空港で起こった中華航空機爆発炎上ではアニメ番組と時代劇を放送していた。
今回の首相辞任中継の“変節”について、秋葉原のアニメ好事家の間では、「後継総裁がマンガ好きの麻生太郎氏では、
とニラんだ、アニメ至上主義のテレ東が、早くも首相サイドにすり寄るために、安倍辞任からきっちり押さえておいたのでは」
という、うがった見方まで飛び出した。
同局では報道特番の規準について、「重要性、視聴者からのニーズなどを総合的に判断して緊急放送に切り替えている。
今回の安倍首相のケースはそれに該当すると判断した」とコメントしている。
ttp://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007091201.html ZAKZAK 2007年9月12日(水)
日米の大物ロックバンド、2夜限りの豪華競演実現
日本のビジュアル系ロックバンドとして全米で初めてコンサート・ツアーを成功させたディル・アン・グレイ=写真右=が、
米国の大物ロックバンド、リンキン・パーク=同左=の来日公演でスペシャルゲストとして競演することが12日、分かった。
夢のライブは、11月23、24日の両夜、さいたまスーパーアリーナで繰り広げられる。
ディル・アン・グレイは、京都出身のボーカルの京(31)ら5人で、1997年に結成。ドイツやフランスを中心とした欧州で人気が高く、
ヨーロッパでは、数々のロックフェスの常連。昨年、全米に進出し、日本のビジュアル系ロックバンドとしては初めてビルボード誌で
ベスト100入りを果たした。その勢いに乗って、20カ所に及ぶ全米での単独ツアーを行い、チケットは全会場で完売するなど旋風を巻き起こした。
一方、ヘビー・ロックの雄、リンキン・パークは、96年に日系人を父に持つマイク・シノダ(30)らがロサンゼルスの高校仲間と
結成したバンドが前身。2000年に発表したデビューアルバム「ハイブリッド・セオリー」が、1500万枚を超えるメガ・ヒットとなり、
一気に全世界制覇を成し遂げた。
バンドメンバーの日本に対する関心は高く、プロモーションビデオの制作に、映画「ブレイブストーリー」を手がけた
日本のアニメーターを起用したり、ガンダムのプラモデルを登場させるなど“日本オタク”の一面を持つ。
全米で大成功を収めたディル・アン・グレイにも以前から関心を示していたことから、ラブコールを送り、日米の豪華競演が実現した。
日本経済新聞 2007年9月13日(木)朝刊16面
「アキバ系」銘柄、軒並み上昇、「後継」麻生氏?思惑買い。
十二日の株式市場でアニメやゲームの関連銘柄の上昇が話題となった。キャラクター玩具のブロッコリーの上昇率は七〇%強。
このほか、東映アニメーションやガンホー・オンライン・エンターテイメントなど、「アキバ系」とも言われる銘柄が軒並み高となった。
きっかけとみられるのは安倍晋三首相の辞意表明。報道が流れた午後一時ごろからアキバ系銘柄が軒並み買われた。
次期首相の有力候補に、市場では漫画好きで知られる麻生太郎自民党幹事長を予想する向きが多く、思惑買いに結びついた。
もっとも、市場では「収益の押し上げに寄与するかは不透明」(国内証券)との声が多い。
相場全体に買い材料が乏しいなか、短期の値幅取りを狙った小口の買いが集まったようだ。
ttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070912i211.htm?from=main2 読売新聞 2007年9月12日(水)
市場の後継予想は麻生氏?漫画・アニメ関連株が急騰
東京市場では12日午後、“麻生銘柄”とされる漫画・アニメーション関連株が急騰した。
「漫画好きで知られる麻生自民党幹事長が後継首相と予想した買い注文が集中した」(中堅証券)ためだ。
漫画古書販売のまんだらけ(東証マザーズ)には、安倍首相の辞意が伝わった午後1時前から買いが殺到し、前日比5万円高の
43万6000円まで上昇してストップ高となった。アニメ制作のプロダクション・アイジー(ジャスダック)もストップ高。
同業の創通(同)、東映アニメーション(同)、バンダイビジュアル(東証1部)なども軒並み上昇した。
麻生グループで唯一、株式を上場する土木建設業、麻生フオームクリート(ジャスダック)は午後1時過ぎから売買が成立せず、
ストップ高となり、直近の取引成立日(4日)より80円高の390円で注文数に応じて比例配分された。
ttp://www.asahi.com/business/update/0912/TKY200709120357.html 朝日新聞 2007年9月12日(水)
「漫画」株が急上昇 「麻生総理」に期待?
安倍首相辞任の報で乱高下した12日の東京株式市場で、漫画アニメやソフトに関する企業の株価がぐんと上昇した。
「漫画好きの麻生太郎自民党幹事長の次期首相就任を見込み、買い注文が入った」(日興コーディアル証券の西広市氏)といい、
関連する産業振興への思惑が相場に表れた。
例えば、カードゲーム会社のブロッコリーの株価は前日の92円から157円まで、71%も跳ね上がった。
このほか漫画専門古書店大手のまんだらけが13%高、ゲームソフト販売のコーエーネットが15%高。
東映アニメーション、角川グループホールディングスもそれぞれ3%値上がりした。
麻生氏は、外相時代の今年5月に外国人漫画家を顕彰する「国際漫画賞」の創設を表明するなど、
漫画やアニメの文化に関心が高いことで知られている。
ttp://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709130009a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月13日(木)1面
東京市場 乱高下 終値80円安 “麻生首相”歓迎? アニメ銘柄人気
読売新聞 2007年9月13日(木)北海道朝刊32面
(美術の散歩道) 現代美術が変わった? 吉田豪介
昨年春、美術館勤めや大学講師を辞めてフリーになった。
世にいう「悠々自適」には縁遠いが、たっぷりできた時間を、もっぱら美術展めぐりや美術書を読むことに当てている。
先月は、道立旭川美術館で聞かれていた読売新聞社主催「アニマルズ プラス」展に出かけたが、期待したとおり、文句なく楽しめた。
まだ46歳の俊英で若くして平櫛田中賞を受賞した三沢厚彦の個人展で、会場には白熊、象、一角獣から身近な犬や猫まで、
大量の彩色した木彫動物彫刻が並んでいた。
「文句なく楽しめる」と書いたのは、日本には仏像彫刻の伝統があるとか、形の均斉や彩色技法といった理屈を持ち出すまでもなく、
ノミの彫り跡がリズミカルで色も華やかだからだ。
つまりマンガやアニメに親しむ子どもなら、つい手でさわったり、背中に乗りたがるような作品のオンパレードなのだ。
そういえば、このところ美術館でもマンガやアニメやフィギュアなど、オタクものと呼ばれる作品の企画展が増えている。
芸術の森美術館で聞かれたサブカルチャーの雄「海洋堂の軌跡」展は3万人近い入館者が詰めかけたし、道立近代美術館を会場とした
アートシーンで先端美術に位置する「FIX・MIX・MAX!」展でも、おもしろくて楽しめる展覧会をアピールしていた。
難解が合言葉だった現代美術は、確かに変わったようだ。美術単行本ではめずらしく、発売1年で10刷を重ねている
村上隆著「芸術起業論」では、このところ国際展を次々と成功させた筆者が、世界に通用する日本文化の代表は、
葛飾北斎の次が手塚治虫や宮崎駿だと主張している。
美術家たちへ、明治以来の西欧型美術史に追従するより、マンガやアニメの実力に注目せよと呼びかけているのだ。
よしだ・ごうすけ 1935年、根室市生まれ。北海道大卒。96年4月から2006年3月まで市立小樽美術館長。美術評論家連盟会員。
著書に「北海道美術をめぐる25年」(輔仁書院)、「北海道の美術史」(共同文化社)など。
【写真】「Animal 2007−03」2007年(クス、油彩)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up218543.jpg
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709070314.html 朝日新聞 2007年9月13日(木)
(コミミ口コミ) 「空の境界」がアニメ化 原作者の奈須きのこさんに聞く
小説「空(から)の境界」(講談社ノベルス)が、長編映画7部作という異例のスケールでアニメ化される。
うつろな心を抱え、怪異をナイフで断つ少女の物語。同人小説として発表したこの作品でプロデビューを果たした原作者、
奈須きのこさんにインタビューした。 (アサヒ・コム編集部)
事故による2年の昏睡から目覚めた少女・両儀式(りょうぎ・しき)は、記憶の一部と引き換えに「直死の魔眼」を得る。
万物の生のほころび、「死線」が見える特異な能力を用い、式は、元クラスメートの黒桐幹也と共に様々な怪異を追う。
98年にウェブ上で発表され、01年に同人小説として刊行、04年に講談社から出版された。
「90年代前半という時代を覆っていた『未来が見えない』感覚が反映されていると思う。自己が不確かで『個』のない人間は、
どう生きればいいのか。日常からはみ出した人間を、日常の側の人間がどう癒やすことができるのか。そんなテーマを考えていた」
エピソードの並びが時系列順でなく、語り手が細かく切り替わる異色の構成。
パズルのピースがはまるような快感にたどりつくには、多少の読みづらさを我慢しなくてはならない。
「読む人に高い理解力を求め、ある意味、親切ではない。人によっては悪意と感じるかも。
書き手のエゴであり、若さ故の暴走ですが、あのころの自分にしか書けない凝縮されたものが詰まっていると思う」
映画は、原作通りの順番で7章を7部作に。12月から順次公開する。
「劇場に行くというのは、それだけで一つの行動。それを越えてきた観客は、高い集中力を持って見てくれるはず。
加えて映像のクオリティーが高ければ、やる意味がある挑戦です。現時点で出来上がっている映像を見ましたが、文句なし。
こちらのイメージ以上です」
新作「DDD」2巻もベストセラー入り。同人活動を出発点とするゲーム創作集団「TYPE-MOON」のシナリオ担当としても、
ヒットを飛ばす。同人活動からヒットメーカーに。若者らにとってはあこがれの存在だが、苦笑いしながら言う。
「好きなことを仕事にしてはいけません――と、大きな声で言いたい。仕事にしたらそれは『好きなこと』ではなくなる。
でも、夢をかなえた後で、この夢まちがってました、なんて言えませんよね」
書くことも、読むことも、プロになる前とは違ってしまったという。
「書くことについては常に疑心暗鬼。こんなの読者が求めているのか、これを書く意味があるのか。
『自分が楽しければいいや』では済まなくなったが、その代わり多くの人に読んでもらえる。プラスマイナスゼロですね」
読み手としても、気楽な一ファンではいられない。
「読んでいて、書き手の勢いとあきらめが感じ取れる時がある。作り手の事情が透けて見えて、変なところで感動したり怒ったりして」
【写真】映画「空の境界 第一章 俯瞰風景」イメージビジュアル。相次ぐ飛び降り自殺の謎に式が挑む。公開は12月1日
(C)奈須きのこ/講談社・アニプレックス・ノーツ・ufotable
【写真】「空の境界」に登場するキャラクターたち。式(中央)は着流しに革ジャンという独特のいでたち
【写真】「空の境界 第二章 殺人考察(前)」 高校生だった16歳の式と幹也が出会う物語。12月29日公開
【写真】「空の境界 第三章 痛覚残留」。見るものすべてをねじ曲げる能力を持つ少女と、式が対決する。 08年1月26日公開
【写真】小説「空の境界」上巻。
式の服について奈須さんは「コンセプトは和洋折衷。和服の美しさに、それをぶち壊すくらいのものとして革ジャンをぶつけた」
ttp://www.asahi.com/culture/manga_henai/TKY200709140088.html 朝日新聞 2007年9月14日(金)
(漫画偏愛主義) かわいいあなた(乙ひより) 松尾慈子(まつお・しげこ)
まず最初にご了承いただきたい。これは百合漫画である。百合漫画というのは、女同士の恋愛をテーマにした少女漫画のことで、
実は私もあまり詳しい分野ではない。しかし、数年前から専門の漫画雑誌が登場したり、ボーイズラブ系で人気の作家も描いていたりと、
なんだか元気がいいジャンルのようなので、ずっと気になってはいたのだ。
表題作は、かわいい絵柄の表紙と帯の文句に惹(ひ)かれて買ってみた。帯には「お姫様よりずっとずっとCUTEな王子様」とある。
そうよ、王子様は「かっこいい」でも「たくましい」でもなく、「かわいい」であってもいいのよ。
だってもう女の子たちはこんなに強くなったのだもの。確かに王子様にだってなれるはずだわ。
作者はこれがデビューコミックスだという。同級生、先輩後輩、転校生、女子大生と、いろいろな少女たちが登場する短編集。
私は特に表題作「かわいいあなた」がツボだった。背が高くてボーイッシュなのに中身は泣き虫なまりあと、
ふわふわロングヘアの美少女だが気が強いあかね。見かけとは正反対に、王子様なのはあかねの方なのだ。
文化祭のクラス劇のために用意されたドレスを着てみたいまりあだが、友達に「似合わないわよ」と言われ内心傷つく。
まりあの心中が分かるあかねはその場で「あなたみたいな無神経な人は死んだ方がいいと思うわ」と言い放つ。
いや、これは言い過ぎだとは思うけれど、「悪気無く人を傷つけるのは罪深い」と相手に憎まれる覚悟でけんかを売るあかねはやっぱり王子様。
まりあもそんなあかねに胸を高鳴らせてしまう。
収録作はどれもほのぼのほんわかで、性描写は一切ない。コミックスのうたい文句に「百合コミックの入門書にして決定版」とあったがその通り。
私は女子校出身ではないが、ほとんど異性と交流のない少女たちだけの世界にいた中学時代を思い出されて、切なくなった。
近年の百合漫画隆盛のルーツといえば、武内直子の「美少女戦士セーラームーン」(講談社)や今野緒雪「マリア様がみてる」(集英社)
の同人誌であろうか。読者であった少女たちは、登場人物の少女同士の恋愛を夢想した。それは、単なる百合漫画という意味にとどまらない。
従来、少女漫画における永遠のテーマは「異性に好きだと言われて初めて自分の存在確認ができる」だった。
しかし、百合同人誌は「自分の承認をしてくれる相手は、異性ではなく、女性でもいいんだ」と読者の少女たち自身が訴えてきた、
という意味でエポックメーキングであったのだ。
70年代からずっぽり少女漫画にはまっていた私には、ずいぶんと目からウロコの流れではあった。しかし近年、女性同性愛者が
青年誌系の漫画にも普通に登場するなどしているから、やはり昭和40年代生まれとそれ以降の世代というのは差が大きいのかもしれない。
この本はかわいかった。しかししかし、もう40歳に手が届こうかという私は思うのだ。「これが友情であっては、なぜいけないのだろう」。
少女同士の魂の結びつきは、恋愛感情に基づいてなくてはいけないのだろうか。ただの友情ではだめなのか。
かつては女同士の友情をテーマにした少女漫画たちが、確かにあったはずなのに。
承認を得る相手が同性へと広がったことを喜びつつも、結局は「恋愛至上主義」になってしまった現在の少女漫画界を私は少し憂うのだ。
【写真】かわいいあなた (IDコミックス 百合姫コミックス) (IDコミックス 百合姫コミックス) (乙 ひより 一迅社 ¥ 900)
ttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070914i403.htm?from=navr 読売新聞 2007年9月14日(金)
「トトロの森」の風景残せた!…業者が開発断念
東京都と埼玉県にまたがり、宮崎駿監督がアニメ映画「となりのトトロ」の構想を練った場所とされる「淵の森緑地」近くの雑木林で、
開発計画を進めていた業者側が、東京・東村山市と市民団体に対し、開発断念の意向を伝えていたことが14日、わかった。
市は雑木林を地権者から買収し、公有地化を目指す方針だ。
開発が計画されていたのは、淵の森緑地に隣接する約1500平方メートル。宮崎監督が会長を務める市民団体「淵の森保全連絡協議会」
によると13日、地権者と開発業者を仲介している不動産業者から、「開発を断念する。緑が残ります」と伝えられ、市にも同様の
意向が示されたという。宮崎監督は「本当にたくさんの方の助けがあった。あの風景を残すことができてうれしい」と話している。
同協議会は保全を求めて募金活動を続け、6月には宮崎監督が市に対し、募金の目録を手渡し、市も公有地化を進める方針を表明していた。
ttp://www.asahi.com/national/update/0914/TKY200709130451.html 朝日新聞 2007年9月14日(金)
「トトロの森」守った 東村山市が買収、業者撤退へ
アニメ映画監督の宮崎駿さんらが緑地の保全を要望していた、東京、埼玉にまたがる「淵(ふち)の森」の対岸にある雑木林は13日、
東京都東村山市が地権者から買収し、公有地化される見通しになった。
宅地開発を掲げて市と地権者の間に立っていた不動産業者が、解約金などを受け取って手を引くことで決着した。
「淵の森」は、1級河川・柳瀬川沿いに残る約4600平方メートルの雑木林。約30年にわたって近くに住んでいる宮崎監督は、
子どものころの東京の豊かな緑の面影を見いだし、アニメ「となりのトトロ」のアイデアを得たという。
今春、対岸の宅地化計画が明らかになり、6月、東村山市が公有地化の方針を打ち出した。価格面で交渉は難航したが、
購入資金に充てられる、宮崎監督が会長を務める「淵の森保全連絡協議会」への募金が2400万円を超すなど、市を後押しした。
宮崎監督は「本当にたくさんの方の助けを受けてあの風景を残すことができてうれしい。
これから生きた川との付き合いが始まるので、身が引き締まる思いがしています」と話している。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007091402048650.html 東京新聞 2007年9月14日(金)朝刊【社会】
『トトロの森』開発断念 業者が意向 東村山市、公有地化へ
アニメ映画監督の宮崎駿さんらが保全を訴えている東京都東村山市の雑木林の宅地開発問題で、業者側が保全団体に開発を断念する
意向を伝えていたことが十三日分かった。
同市は宮崎さんらの要請を受けて公有地化を目指しており、同問題は雑木林の保全へ向けて大きく前進することになった。
この雑木林は、宮崎さんが映画「となりのトトロ」の構想を練った場所の一つとされる「淵(ふち)の森」(約四千六百平方メートル)
に隣接する約千五百平方メートルの民有地。
宮崎さんが会長を務める「淵の森保全連絡協議会」によると、雑木林の地主と開発予定業者の仲介をしていた業者から十三日、
同協議会に連絡が入り「開発計画はやめることになった。公有地化の方向でいいのではないか」と伝えられたという。
この業者は本紙の取材にも、開発を断念したことを認めた。
渡部尚・東村山市長は「期待していた話になってきている。金額が絡む話だが、だいぶ歩み寄ってきた。
関係者と最終の詰めをしている段階」と話した。
雑木林の近くには柳瀬川が流れ、豊かな自然景観が残されている。東村山市は同協議会から土地の買い取り資金の一部の寄付を受け、
公有地化を目指しているが、市の想定する買い取り価格と業者側の提示額との間に大幅な開きがあり、交渉は難航していた。
宮崎監督は「本当にたくさんの人の助けをもらい、あの風景を残せることになりうれしい。
これから生きた川との付き合いが始まるが、身が引き締まる思いがしている」と話しているという。
【図】宅地開発が計画されていた土地(斜線部分)
ttp://www.seishinsha-online.co.jp/SINKAN.html#BOOK 『ライトノベル作家のつくりかた 実践!ライトノベル創作講座』
青心社 浅尾典彦&ライトノベル研究会 定価:1512円(税込) ISBN978-4-87892-342-5 \1440E A5判並製
ライトノベル作家はこうして作られる! 現役作家が語る、作家デビューと創作手法を大公開。
第1章 プロ作家に聞くライトノベル創作の秘密
第2章 ライトノベル作家の世界
第3章 ライトノベル創作の基礎知識
第4章 応募と持ち込みのルール
第5章 ライトノベルアイディアの修練
第6章 若手ライトノベル作家座談会
第7章 資料
浅尾典彦[アサオノリヒコ]
メディアライター、専門学校講師、プランナー(日本SF作家クラブ会員)。
1980年代にカルト情報誌『スーパー・ペリカンクラブ』でライターデビュー。
『ホビージャパン』『アスキー/ウルトラ・グラフィック』『レプリカント』『スターログ』『宇宙船』などのマニア雑誌や、
読売新聞での映画コラム連載など、多くの執筆経験がある。
2000年から「アミューズメントメディア総合学院・大阪校」をはじめ、「学校法人大阪アニメーションカレッジ専門学校」
「学校法人東京アニメーションカレッジ専門学校」「放送藝術学院」「大阪アニメーションスクール」ほかで講師を務めている。
また、SF・アニメ・ファンタジー・ホラーなど“ジャンル映像”の専門家「Fantastic Messenger夢人塔(ムジントウ)」の
代表として、イベント、講演、企画など全国で活躍中
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/cinema/review/news/20070914ddg041070005000c.html 毎日新聞 2007年9月14日(金)西部夕刊8面
シネマの週末:「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」 エゴの犠牲となる子供
95年のテレビ放映で爆発的人気を呼んだアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の再編集版である。
あと3作を公開予定で、第1弾の本作はテレビ1〜6話で構成される。映像を最新技術でブラッシュアップし、ボリューム感と洗練度が増した。
日本のポップカルチャーにおける「エヴァ〜」の影響は十数年たった今も大きい。
宗教的終末感すら漂う作品世界の魅力や謎に満ちた設定など、物語的にも映像的にも膨大な情報量がファンを引きつけた。
だが、若年世代を中心に熱狂的に支持された本当の理由は、親に捨てられた子供たちの物語だった点だろう。
人類を襲う正体不明の生命体との戦いに、人造人間エヴァンゲリオンのパイロットとして送り出されるのは14歳の少年少女。
皆、親との関係にトラウマを抱える。彼らが過酷な戦闘で、人格を壊されてゆく姿に若者は自分たちをダブらせた。
作中の子供たちの運命は非常時ゆえのものだが、一方で現代の消費社会も人間のエゴが解放された結果、地域社会や家族が崩壊し、
弱者たる子供たちが大人のエゴのいけにえと化しつつある。
まだ発言力、発信力を持たぬ10代の声にならぬ疎外感を形にしたがゆえ「エヴァ〜」は社会現象ともいえる人気を博した。
十数年を経て再見しても、作品の根本にある主題が過去のものと思えないことが悲しくもある。シネプレックス小倉などで公開中。
【矢部明洋】
【写真】(C)カラー・GAINAX
朝日新聞 2007年9月14日(金)朝刊30面
(幕間小話) ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序 驚異的人気、リメイクに胸高鳴る/青森県
胸が高鳴っている。
映画を見終えた直後の高揚感が、いまだ心の片隅で火照ったまま息づいていて、それは決して消えることがない。
映画とは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」のことだ。
勢いは、驚異的ですらある。初日と2日目の興行成績が、全国たった84スクリーンだけで、興収約2億8千万円、動員約23万人。
その人気のすさまじさがうかがわれる。
全4作で構成された今回のプロジェクトは、前編が「序」、中編が「破」、後編が「急」として制作される予定で、
現時点で完結編は「?」としている。「序破急」とは日本の雅楽、能楽、舞楽などの古典芸能における構成上での三楽章のことで、
オリジナルTVアニメ版は1995年から翌年にかけ全26話が放映され、社会的にも大きな反響を巻き起こした。
物語は、「セカンドインパクト」と呼ぶ全地球規模の被害から立ち直りつつあった人類が、謎の敵「使徒」の襲来に対して
「エヴァ」という人型決戦兵器を駆使して立ち向かうという内容だが、当然、そこには短絡的で平板な文脈のみを
提示しているわけではなく、複雑で様々な解釈が可能な、一筋縄では語り切れない、内省的な物語がつづられてゆく。
確かに、「序」とうたわれたこの度の第1作も賛否両論が渦巻いており、結局オリジナル版をなぞっただけだとか、
所詮「序章」に過ぎないなどの批判も多い。
しかし、原作・脚本・総監督を務めた庵野秀明、やはりただものではない。
TV版前半部における最強の敵を迎え撃つべく「ヤシマ作戦」実行までを描いた今作を、単なるリメーク作品には落とさない。
完璧に書き直し、伏線を張り、次への安易な展開予測を閉ざし、それでもなお、この一作での完結性に固執する。その志は、潔い。
エンドロールに流れる宇多田ヒカルの「Beautiful World」が、またこの映画の素晴らしさを助長する。
出来れば、完璧とも言える予告編で使われた「Fly Me To The Moon」を聴きたかったが、それは余りに無理強い過ぎる要求だろうか。
ニーチェは、文体は生きていなければならないと言った。
この映画、まさに生きている。 (佐々木淳一・青森市企画財政部次長)
【写真】(C)カラー・GAINAX 八戸フォーラムで上映中。10月中旬からシネマディクト(青森市)で上映予定
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20070912bk05.htm?from=os1 読売新聞 2007年9月12日(水)東京夕刊5面
「女の子心」にアピール 少女向けファンタジー小説が人気
透き通った羽で空を飛ぶ妖精や、何でもかなえてくれる魔法使い、ふわふわドレスのお姫様――。
女の子なら誰もがあこがれる小学校低学年から中学年向けの外国ファンタジーが相次いで出版され、人気を集めている。(金巻有美)
■コスプレ
白いドレスに赤いハートのペンダント、金髪のかつらをかぶった少女が、つえを振りながらバレエを踊るように舞台を歩きまわり、
ポーズを決める。先月26日、横浜市のクイーンズスクエア横浜で行われた、ファンタジー小説『レインボーマジック』シリーズ
(ゴマブックス)のコスプレコンテストには、子供を中心に14組28人が参加し、思い思いの衣装をまとって妖精になりきった。
同シリーズは、昨年8月の刊行開始以来、現在、22巻。英国に住む2人の女の子が、妖精と共に危機に立ち向かうという
ストーリーで、各巻ごとに1人ずつ異なる妖精が登場する。すでに累計200万部を超え、児童書としては異例のヒットだ。
「キャラクターがかわいくて話も面白い。クラスでもすごくはやってる」。
友達同士でコンテストに参加した東京都渋谷区の小学4年、落合誓さん(10)と粕谷冬子さん(9)は口をそろえる。
同様のシリーズは、ほかにもある。女の子のランプの精が登場する『ランプの精 リトル・ジーニー』シリーズ(ポプラ社)は、
2005年12月の刊行以来、発売中の6巻までですでに36万部。今年7月から刊行が始まった『マーメイド・ガールズ』シリーズ
(あすなろ書房)も、海底にある人魚の国「コーラル王国」を描き、全6巻で計15万4千部と好調だ。
今年6月に刊行開始した「お姫さま学園」が舞台の『ティアラクラブ』シリーズ(朔北社)は、英国では計30万部の人気シリーズだ。
■感情移入
ブームの背景には、いくつかの要因があるようだ。
まず、ストーリーの面白さ。読者層と同年代の少女が異世界を体験し、困難に立ち向かう筋立ては、感情移入しやすい。
ファンタジー評論家の小谷真理さん(49)は「子供が『これは自分のことだ』と身近に感じられるつくり。
冒険することで現実世界を変える体験をする子供向けファンタジーのよいところをちゃんと持っている」と感心する。
思わず手にとりたくなるかわいらしさもポイントだ。星などの模様をちりばめた表紙、登場人物の個性的な服装や
アクセサリーは、おしゃれしたい“女の子心”をくすぐる。精神科医の香山リカさん(47)は
「女の子が自分のためにおしゃれを楽しむ今の時代に、こうした本が合っているのでは」と分析する。
1冊1冊が薄く、読書の達成感を味わえるのも特徴だ。愛知県半田市から妹2人とコンテストに参加し、
グランプリに選ばれた小学3年の都築里帆さん(9)の母、千代さん(34)は「あまり本を読む子ではなかったけど、
このシリーズは1冊読んだらどんどん読むようになった」と話す。
絵本を卒業したものの、『ハリー・ポッター』のような長編には尻込みする年ごろの子供たちにとって、
こうした本が、本格的な読書の世界への入り口になっているようだ。
【写真】次々に出版された小学校低学年から中学年の少女向けファンタジー。
中でも人気の『レインボーマジック』シリーズは、先月、横浜市でコスプレコンテストが行われた
読売新聞 2007年9月12日(水)東京朝刊35面
「萌える」宮代 町立「進修館」コスプレ撮影会に大人気=埼玉
◆回廊、庭園…近くて賃料安くて
西洋貴族や巫女さん、赤いセーラー服に萌え――。週末の宮代町立コミュニティーセンター進修館(宮代町笠原)に、
アニメや漫画、ゲームなどの登場人物に扮した女子高校生たちの姿が目立っている。
コスプレファンらが企画する撮影会に集まった人たちで、多い日には数百人規模に膨れあがるという。
進修館は1980年に宮代町役場の隣に開業した2階建ての総合文化施設。大小のホールや研修室、和室などがあり、普段は地域住民の
サークル活動や発表会などが開かれている。周囲は芝生が張られ、アーチ状の柱が続く回廊や直方体の柱が立ち並ぶ庭園など、
斬新な造りが特徴で、建築専門誌にも紹介された「宮代の象徴的建造物」(町職員)となっている。
ここでコスプレの撮影会が初めて開かれたのは昨年夏。西洋風の回廊は中世の貴族もの、体育館として使われる大ホールは学園もの、
畳の和室や茶室は和装もの、緑豊かな庭園はスポーツ系……。進修館は「屋内、屋外の両方に、撮影に適した場所がたくさんある」
(コスプレファンの一人)ことで、様々なジャンルのファンの要望に応えることが可能だという。
全施設を借りても10万円弱と民間施設に比べて安いことや駅から徒歩2、3分と近いことも人気の秘密だ。
9月だけで計7回の撮影会が計画されており、半年先の予約をする団体もある。
撮影会には200〜400人が集まり、その「9割以上が女性」(関係者)。年齢層は15〜20歳が中心の数人のグループが多い。
お互いがカメラを持参し、それぞれがお気に入りの衣装に着替えて、好きな場所でポーズを決めて写真を撮り合っている。
都内の専門学校に通う女性(19)は「建物全体が一つの舞台。色々な衣装で何回も来たくなるのでございますよ」と、
自らが扮するアニメキャラの言葉遣いで魅力を解説する。
9月初めにイベントを主催したコスプレ衣装製作販売サークル「FENRIR」の関係者の男性(42)は
「参加者に喜んでもらえる。公営施設なので会場使用料が安く、参加費を抑えられることも魅力」と打ち明ける。
進修館の職員たちも「みな礼儀正しく、終日全館を貸し切ってくれる良いお客さん。
人気が出すぎて町民のイベントが予約できない事態が出てくると困るが……」とうれしい悲鳴をあげている。
〈コスプレ〉
「コスチューム・プレー」の略称。漫画やアニメ、テレビゲームなどの登場人物の服装や髪形をそっくりまねて、
キャラクターになりきる行為。英語圏では「歴史劇」を意味していたが、最近では日本アニメと一緒に「コスプレ」も輸出され、
〈cosplay〉という単語が日本語と同じ意味で通用するようになっている。
【写真】思い思いの衣装で進修館全体を舞台に撮影会を楽しむコスプレーヤーたち(コミュニティーセンター進修館で)
記事キャッシュのリンク
ttp://72.14.235.104/search?q=cache:-oVjEBWleq0J:www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm+%E3%80%8C%E8%90%8C%E3%81%88%E3%82%8B%E3%80%8D%E5%AE%AE%E4%BB%A3&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070913-00000008-khk-l04 河北新報 2007年9月13日(木)朝刊
甲冑コスプレ大好評/都内の宮城県アンテナショップ/重さ13キロの本格派武将ゲーム人気が背景?
東京都豊島区東池袋の宮城県アンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」で、仙台藩祖・伊達政宗の甲冑のレプリカを試着できる
「変身プログラム」が好評だ。戦国時代の武将を題材にしたゲームの人気が影響しているとみられ、若い女性らが「コスプレ」を楽しんでいる。
関係者は「宮城の観光、物産を売り込むきっかけにしたい」と意気込んでいる。
試着サービスは昨年秋に無料で始めた。甲冑は重さ13キロ前後の本格派。「独眼竜」のトレードマークである眼帯も用意している。
1月からは、変身した客の写真を撮って無料で贈るサービスもスタート。既に約500人が「政宗ファッション」をまとった。
変身プログラムは、甲冑姿の店員が店頭で呼び込みを始めたのがきっかけ。
「甲冑を着させてほしい」と頼み込んでくる若者が多く、体験者のブログ(日記風サイト)などを通じて情報が広がった。
ふるさとプラザの横田清志店長(47)は「珍しい格好で呼び掛ければ、客が増えるのではという単純な発想だった。
これほど注目されるとは思わなかった」と反響に驚く。
関係者は、人気の背景にはテレビゲームでの「戦国武将ブーム」があると指摘する。
ふるさとプラザのほか、大崎市岩出山の「政宗公まつり」でもコスプレを体験した埼玉県ふじみ野市の病院事務平野理恵さん(23)は
「ゲームやドラマで武将を好きになり、もっと深く知りたいと思う人が多い。甲冑を着ることで武将になりきれる」と魅力を語る。
政宗人気に引っ張られ、ふるさとプラザの売り上げも上昇。今年4−7月の売り上げは前年同期比約20%増の1億1800万円となった。
横田店長は「客層が中高年から若者に広がった。政宗のコスチュームをきっかけに、多くの世代に宮城を知ってもらいたい」と話している。
【写真】アンテナショップの前で、伊達政宗の甲冑のレプリカ(中央)を着る若者たち。家臣の甲冑レプリカも用意してある
読売新聞 2007年9月14日(金)東京夕刊13面
[深夜番組たんけん隊]「ロミオ×ジュリエット」 幻想的でロマンチックな世界
◇TBS=金曜深夜2・25−2・55(14日は同2・35−3・05)
あまりにも有名なシェークスピアの「ロミオとジュリエット」。悲恋を描いたこの戯曲に、映像美に定評のある制作会社ゴンゾが
大胆なアレンジを施し、幻想的でロマンチックな世界を築き上げたアニメだ。
舞台となるのは、かつてキャピュレット家の統治で栄華を誇った空中浮遊都市ネオ・ヴェローナ。キャピュレット家唯一の生き残り
ジュリエット=写真右=は、男装して独裁者モンタギューの圧政に立ち向かっていたが、モンタギューの息子ロミオ=同左=と出会い、
恋に落ちる。曲折の末、二人は再会を果たすが、ネオ・ヴェローナは崩壊の危機に陥っていた。
自らに課せられた運命を知ったジュリエットは、独り決意を固める――。
今夜を含め、残りあと3話。クライマックスを控え、目が離せない。最終話を前にした22〜24日には、
ネットで一挙無料配信も行われる(
ttp://www.romejuli.jp/)。この機会に、ぜひ見てほしい。(福)
日経流通新聞MJ 2007年9月14日(金)2面
(今週のホットイシュー) CDシングル――映画と連動して話題作り
「Beautiful World/Kiss&Cry」2位
宇多田ヒカルの音楽CD「Beautiful World/Kiss&Cry」が二位となった。映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」や、
日清カップヌードルのテレビCM「FREEDOMシリーズ」のテーマソングを収録した。全三曲で各曲のオリジナルカラオケ版も付けた。
プロモーションビデオやテレビのスポット広告では本人は出演せず、すべてアニメーション仕立て。
「タイアップしたアニメーションと完全に連動した各種プロモーションを仕掛けた」(発売元のEMIミュージック・ジャパン)。
「ヱヴァンゲリヲン」の映画予告開始にあわせて「着うた」などの先行配信を始めたほか、公開後に初めてテレビ出演するなど、
映画と連動した話題作りを図った。
十一日時点で三十三万枚を出荷。「着うた」などのダウンロード数の累計も三曲合計で二百万を超えた。
主な購入層は二十―三十歳代を中心とした従来のファンだが、各アニメーションのファンにも買われていることが
好調な売れゆきにつながっているようだ。
【写真】全3曲でオリジナルカラオケ版付き
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070916-256732.html ニッカンスポーツ 2007年9月16日(日)
麻生幹事長がアキバで強行演説
自民党総裁選は15日、福田康夫元官房長官(71)と麻生太郎幹事長(66)が立候補を届け出、そろって会見した。
8派閥の支持を得て勝利が確実視される福田氏に対し、麻生氏は昨年の総裁選で人気に火が付いたオタクの聖地秋葉原で、街頭演説を計画。
今日16日にも実施する。党主催以外の街頭演説は自粛が求められているが、「政界一のオタク」をアピールし再び世論の支持を拡大、
福田氏の圧勝ムードに一矢報いようという涙ぐましい作戦だ。
麻生氏の陣営はこの日、陣営独自の街頭演説の自粛を求める党の方針に異を唱え、秋葉原遊説の計画を立案。
鳩山邦夫選対本部長(59)は「麻生太郎という若者文化に詳しい個性を知ってもらいたい。私が秋葉原にエスコートする」と説明した。
早ければ今日16日にも実施する。16日は朝からテレビ出演が続き、午後は党本部で福田氏と立会演説会、渋谷ハチ公前の街頭演説、
夕方再びテレビ出演と日程が詰まり、麻生氏の事務所は「秋葉原に向かえるか調整中」としている。
週20冊近い漫画誌を愛読する麻生氏は、政界では追随する者がいないオタク文化通。
昨年の総裁選では、全国遊説の初日に秋葉原を訪れ「自称オタクの皆さん、こんにちは」のひと言で若者のハートをつかんだ。
漫画やアニメ、サブカルチャー論まで知識を披露、安倍晋三首相(52)もかすむ声援を受け、地方票を伸ばし2位に入った。
アキバは麻生人気発祥の地なのだ。
今回、党が決めた都内の演説会場は渋谷。オタクの後押しが見込めず、麻生氏はさらに窮地に追い込まれるとみられていた。
アキバ演説は、そんな苦境を打開するための計画。01年総裁選でも、渋谷の街頭演説から劣勢を大逆転した小泉純一郎前首相(65)
の例もあり、いちるの望みを託している。
国会開会中のため、党は平日の街頭演説を禁止した。党の街頭演説は16日の東京、17日の大阪、高松、22日の仙台の4カ所のみ。
街頭で支持拡大を目指したい麻生氏に不利な状況は変わらないが、アキバを反転攻勢の足掛かりにする構えだ。
この日、麻生、福田両氏は立候補を届け出た後、午後2時から党本部で共同会見に臨んだ。福田氏は開始10分前に1人で会見場に入り、
カメラのフラッシュをを浴び、余裕しゃくしゃく。「大勢の方が支持してくださり、幸せに思っている。責任を見事に果たしたい」
と笑顔をみせた。麻生氏は「(8派閥の支持は)緊急事態に危機感を持ち、一刻も早くという行動だったが、
結果として批判を招きつつある」とチクリ。福田氏との違いを「キャラ立ちし過ぎる点と、そうでない点」とアピールした。
ttp://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007091400180&genre=K1&area=K10 京都新聞 2007年9月15日(土)
マンガの魅力作家交え探る 30日、中京でシンポ
京都市は30日、京都国際マンガミュージアム(中京区烏丸通御池上ル)で、「マンガの魅力とコンテンツ産業の可能性」
をテーマにしたシンポジウムを開く。
マンガをはじめ、映画やゲームなど日本のコンテンツを世界に発信していく目的から、9月19日−10月29日の間、
東京でJAPAN国際コンテンツフェスティバルが開催され、この関連事業で関西各地でもさまざまなイベントが企画されている。
京都のマンガシンポもこの一環で、静岡文化芸大の川勝平太学長が「マンガからみたコンテンツ産業の可能性」をテーマに基調講演するほか、
マンガ家の里中満智子氏、小学館の法務・ライツ局シニアマネージャーの新藤雅章氏らによるパネルディスカッションなどがある。
シンポは午後1時から同4時半まで。参加無料。定員300人で、事前申し込みが必要。25日までに京都いつでもコールTEL075(661)3755。
ファクス075(661)5855や電子メールなどでも可。
関連サイト:京都マンガシンポジウム〜マンガが広げるコンテンツ産業の可能性〜
ttp://csw.kyo2.jp/e27061.html
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070917-OHT1T00007.htm スポーツ報知 2007年9月17日(月)
麻生氏、アキバの総理だ…“オタク”の街で大ウケ街頭演説
アキバでは「麻生新総裁」で決まり! 自民党総裁選で、麻生太郎幹事長(66)が16日、オタクの街、東京・秋葉原で単独街頭演説を行った。
昨年の総裁選でも演説を行い、政界一の漫画オタクで知られる麻生氏の人気を決定づけたゲンのいい場所。
「麻生ファン」にもみくちゃにされるひと幕もあった。「大本命」の福田康夫元官房長官(71)に対し、劣勢ムードに変わりはないが、
「原点回帰」で反攻に出る。
日が暮れた秋葉原駅前。聴衆の「麻生コール」に迎えられ、1年ぶりに聖地に帰ってきた麻生氏は「古い自民党の方々にはあまり
ウケの良くない、麻生太郎です」と第一声。劣勢の総裁選レースをなぞらえ、自虐的なあいさつで「麻生小劇場」が始まった。
約2000人(警察発表)の聴衆は麻生氏のべらんめえ調に酔いしれた。麻生氏は、得意の漫画、サブカルチャー論や外相時代に創設した
「国際漫画賞」のエピソードなどを紹介する“アキバ向け”演説を展開。「正直、1年以内に2回も総裁選をやるとは思わなかった」
「相手のでっけえ派閥と戦っている、いじめられっ子」と聴衆は爆笑に包まれた。
“ソロライブ”に先立って福田氏と一緒に街頭演説を行った渋谷駅前では“アウェー”と思われたが、
「皆さん『脳内メーカー』って知ってる?」と流行中のインターネットサイトの名前を挙げるなど、漫画以外のトークもさえ渡った。
アキバ演説は前日15日、選対本部長の鳩山邦夫法相が、総裁選挙管理委員会に掛け合い、候補者単独での活動を了承させたことで実現。
6年前の総裁選では、小泉純一郎前首相が、当時は僚友だった田中真紀子衆院議員とともに、渋谷駅前で約2万人を集め、
劣勢を巻き返すメークドラマを演出した。「アキバ演説を逆転の起点にしたい」と陣営関係者。(中略)
「太郎ちゃーん」「麻生さーん」と声援が飛び交ったホームアドバンテージ。上機嫌の麻生氏は演説終了後、約15分間かけて聴衆との
握手作戦を敢行。「この応援を支えにして来週の日曜まで頑張ります」と麻生氏。マンガみたいなエンディングを迎えることができるか。
【写真】オタクの聖地、東京・秋葉原での単独街頭演説でファンと触れ合う麻生氏(中央)
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070917-257258.html ニッカンスポーツ 2007年9月17日(月)
麻生氏、アキバ支持率は100%で圧勝
自民党総裁選で劣勢の麻生太郎幹事長(66)が16日、反転攻勢に出ようと「太郎人気」発祥の地、東京・秋葉原で街頭演説を行った。
若者中心に1万人を超える聴衆が集まり、アキバ支持率は100%。麻生氏は「(総裁選では)いじめられっ子だが、ここで癒やしてもらった」
とご機嫌。福田康夫元官房長官(71)と渋谷で演説した際も、歓声は麻生氏がリード。
「派閥主導で福田氏なんてずれている」と、自民党の派閥復活に厳しい声も上がった。
麻生氏の演説には、2時間前から人が集まり、開始時にはロータリーを1万人以上が取り囲んだ。昨年の総裁選で訪れた秋葉原。
麻生氏は「まさか1年以内に2度もやると思わなかった。驚いたよ、おれも」と笑わせつつ、「私は1派閥の支持で、相手(福田氏)は残り全部。
いじめられっ子だが、アキバではそうじゃない。ここで癒やしてもらっている。投票日までの力になる」と強調。
圧倒的に味方が少ない麻生氏の最大の援軍に感謝の言葉を続け、握手して回った。
昨年の総裁選で太郎人気に火を付けたアキバ遊説。福田氏圧勝ムードを打ち破ろうと、選対本部長の鳩山邦夫法相が提案した。
麻生氏は「とてつもない麻生VS復活した20世紀の自民党」と、総裁選の構図を皮肉ったゲートフラッグに、にんまり。
「オタクのおかげで、日本のサブカルチャーは世界で支持されている」と、漫画通らしい呼び掛けもした。(後略)
http://www.sponichi.co.jp/osaka/soci/200709/17/soci210348.html スポニチ大阪 2007年9月17日(火)
麻生氏が渋谷で街頭演説、若者から"太郎コール"
◆ アキバにも参上 ◆
【写真】自民党総裁選の街頭演説を終え、聴衆と握手する麻生幹事長(共同)
産経新聞 2007年9月16日(日)東京朝刊17面
【サブカルさーふぃん・アニメ】「レミーのおいしいレストラン」
■CGが日本の伝統変える?
CGでアニメ作画が可能になり、試作的な短編時代を経て最初のフルCG長編アニメ「トイ・ストーリー」が作られてから12年。
今では多くの作品がCGで作られるようになった。セルアニメ・タイプの作品では日本も引けを取らないが、CG分野ではやはりアメリカが
圧倒的に強い。人材の豊富さがこれを支えているのだ。映像ではピクサーとディズニーという強力なパートナーシップが、群を抜いている。
今、公開されているこのコンビの新作「レミーのおいしいレストラン」も優れた作品。
嗅覚、味覚に天才的な才能を持つネズミ一家の息子レミーは、住み着いていた家のおばあさんに見つかり、銃撃されて一家はバラバラに…。
はぐれたレミーがたどり着いたところはパリ。しかもレミーの愛読書「誰でも名シェフ」を書いたグストーのレストランの前だ。
胸をときめかせて調理場をのぞきに行ったその時、リングイニという新人が来たばかりの場面に遭遇。その新人がミスでこぼした
スープを素晴しいスープに作りかえたレミーはリングイニと仲良くなり、彼はレミーの協力によって辛口の料理評論家イーゴを
唸らせる料理を作り、ファンにまでしてしまう…。
ディズニー・プロお得意の動物キャラクターに、ギャグを交えた温かい物語。製作したのはディズニースタジオで勉強した
ジョン・ラセター(製作総指揮)、ブラッド・バード(監督)というピクサーの人たち。
いまや本家ディズニーの屋台骨をしっかり支えるCG作品を作り続けているのだ。
日本では、まだCGよりセルアニメ・テイストが主流だが、これは「鳥獣戯画」「浮世絵」「日本画」そして「まんが」と続く
線描き絵画の伝統があるからだろうか…。
しかし、ゲームなどに慣れた現代っ子たちは、CGを抵抗感なく受け入れている。そのうち日本アニメの「テイスト」も変わるのだろうか?
(杉並アニメーションミュージアム館長・鈴木伸一)
ttp://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070918/shk070918000.htm 産経新聞 2007年9月18日(火)東京朝刊15面
瓶牛乳、ググッと復権 スタンド好調/若者にも人気
昔懐かしい瓶牛乳が、駅の売店などで話題になっている。口当たりのいい瓶の感触や、飲みきりのために新鮮なおいしさが、
以前から愛飲している中高年だけでなく日常的に瓶牛乳を目にしていない若い世代も引きつけているようだ。(田辺裕晶)
(中略)
終戦直後の昭和25年ごろから、JR秋葉原駅と御徒町駅でミルクスタンドを経営している「大澤牛乳」。牛乳が貴重な栄養源だった
欠食の時代から、アンパンと瓶牛乳の朝食が日常的だった高度成長期、そして現在まで、サラリーマンの朝を見守ってきた。
社長の大澤一彦さんは「スタンドの前に3重、4重も客が並んだ時期もあります」と話す。しかし、ファストフード店や
駅ビルなど飲食場所の多様化、そして若者の牛乳離れで売り上げは減少。ピークの平成7年ごろに比べて、約半分まで落ち込んだ。
だが、そんな逆風の中、昨年から瓶牛乳を中心とした“白もの”の売り上げが伸びているという。
火付け役は「アキバ系」とも呼ばれる若者たち。
ネットで紹介された、通常より20〜30円高い濃厚なプレミアム瓶牛乳の売れ行きが、前年の1.7倍にも伸びているという。
「若者には瓶牛乳が新しく感じるのでしょうか。中高年を対象に商売をしてきたので、少し戸惑いもあります。
でもこの流れが続いて、世の中が牛乳を再び飲み始めてくれたら」。大澤さんは期待する。(後略)
【写真】ググッと瓶牛乳を飲み干すサラリーマン=JR池袋駅構内「牛乳バー池袋店」
ttp://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070918/gkk070918000.htm 産経新聞 2007年9月18日(火)東京朝刊3面
アニメは学問 国立大お墨付き 東京芸大、院に専攻新設
国際的に活躍できるアニメの監督や研究者を育成するため、東京芸術大学(宮田亮平学長)が大学院にアニメーション専攻を
新設することが17日、分かった。芸大は文部科学省に設置を申請しており、11月に予定される大学設置審議会で正式決定される。
大学院にアニメや漫画の専攻ができるのは全国で初めて。
芸術系大学の最高峰に新設されることで、アニメの芸術性が学問的にも認められた格好だ。
文科省や大学関係者らによると、新設するアニメーション専攻は、日本の文化として認知されつつあるアニメを、
より積極的に世界に発信していく狙いもある。
来年度から映像研究科の修士課程で16人を募集する。大学の学部段階で絵の描写や物語の構成方法を学んだ学生を
対象に募集をかけ、アニメ専門家としての才能を発掘、作家や監督、研究者を養成する方針だ。
カリキュラムは実習を重視。制作技術や物語の構成だけでなく、3Dグラフィックなどの立体アニメも研究する。
外部プロデューサーも招聘(しょうへい)することも検討している。
東京芸大には美術学部、音楽学部とそれぞれの大学院があるが、平成17年、総合芸術大学への転身をはかるため、
学部を持たない大学院だけの映像研究科を横浜市に新設。
映画専攻とメディア映像専攻を設置し、黒沢清監督や北野武監督らを教授に迎えて話題になった。
アニメや漫画をめぐっては、京都精華大が12年に「マンガ学科」を新設。その後、文星芸術大、東京工芸大、東京造形大などで
同種の学科やコースが続々と誕生した。今回、東京芸大の大学院も名乗り出たことで、追随する動きがさらに広がりそうだ。
■歴史浅く時期尚早?
アニメやマンガの文化性は認めても、学問としての芸術性を認知することに異論もある。
田中英道・国際教養大特任教授(文化史)は「アニメは歴史が浅い。芸術としての内容と質は足りずジャンルも確立していない。
私大ならともかく、国費を投入した国立大で研究するには時期尚早ではないか」と話している。
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/review/20070918bk03.htm 読売新聞 2007年9月16日(日)東京朝刊24面
「ジャパンクールと江戸文化」奥野卓司著 作られた伝統も格好いい
◇評・白幡洋三郎(日文研教授)
ジャパンクールを若者語で言うと「日本、萌え!」だろうか。アニメ、ゲーム、Jポップなど日本発のポピュラーカルチャーが
アジアでも欧米でも大人気であることはよく知られている。欧米ではそんな現代若者文化を経由して歌舞伎や文楽などの「伝統文化」
にまで新たな関心が及び、「ジャパンクール」(カッコいい日本)と呼んで高い評価が生まれている。
だが新しい若者文化の担い手がどうして古い「伝統」文化の歌舞伎好きでもあったりするのか。
文化人類学者クリフォード・ギアツは、連綿と続く伝統芸能と見られていたバリ島のガムラン音楽や踊りなどの民俗芸能が
近代になってつくりだされた「伝統の発明」であることを明らかにして学界に衝撃を与えた。
そんな認識の上に立って80年代以後、学者たちは「本物の伝統」と「ニセの伝統」の二つを見極めることを学問の任務と唱えた。
ところがその後世界各地の「伝統儀式」「伝統行事」なるものの詳細な調査がなされたところ、
ほとんど近代以降の「発明」であることが明らかになった。さあ「本物の伝統」などこの世にあるのか。
著者は学者が批判的にとらえてきた「伝統の発明」を日本文化創造の源泉とみてむしろ評価する。
古典文学を翻案してできた『義経千本桜』など人形浄瑠璃や歌舞伎の演目は今日のアニメ、映画と同じ「現代世相劇」だった。
それは「伝統」を利用して「現代」を楽しむ江戸のクール感覚の産物。アニメに取り入れられた浮世絵の描写術や歌舞伎の演出法から
キャラクターグッズというべき役者絵や根付けまで、ジャパンクールの現象や商品の原型は江戸時代にあると著者は分析し、
さらにオタクの芸能集団を身近に召し抱えた足利義政から当時のJポップ「今様」を愛した後白河天皇の平安時代にまで遡らせうると示唆する。
ほどよい批判精神と遊び心のバランスを備えた著者ならではの、海外受けする日本文化生成の謎解き。(岩波書店、2200円)
◇おくの・たくじ=1950年京都市生まれ。関西学院大教授・情報人類学。
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709130358.html 朝日新聞 2007年9月18日(火)
〔コミミ口コミ〕「オタリーマン」快進撃 2巻で50万部
昔は「モーレツ」だったり「無責任」だったりしたサラリーマン。今はオタクなサラリーマン、「オタリーマン」が快進撃中だ。
泣けて笑えて50万部。自虐ネタをまぶして実生活を描くマンガ「ぼく、オタリーマン。」の作者よしたにさんに聞いた。
(アサヒ・コム編集部)
「29歳、職業SE(システムエンジニア)、独身、彼女ナシ…そしてちょっぴりオタク」のよしたにさん。
自身のサイトで発表していた日記マンガが3月に中経出版から刊行され、好評なため9月に第2巻が出た。
描かれるのは、連日終電、職場の床で仮眠といったSEの過酷な日々。そして、ツ〜ンと刺激的な自虐ネタ。
同期の飲み会でぽつんと「大宇宙ひとりぼっち」の気分を味わったり、25歳なのに尿酸値異常の診断が出たり、ズボンの内股がすれて
「デブ穴」が開いたり、母親にオレオレ詐欺の電話が来たけど「彼女が妊娠して」というネタだったのでひっかからなかったり。
「演出、脚色はしますが、基は自分の身にあったことです。これは作っただろ、と疑われることもありますが」
たとえば?
「風呂でへそにガムをはりつけたら取れなくなって、という話とか。戯れにやるとエラいことになるので、お気をつけ下さい」
第1巻はベストセラー入りし、テレビの情報番組にゲスト出演。9月初めに東京・秋葉原で開いたサイン会には200人が集まった。
脚光を浴びるオタリーマン。「でも、ぜんぜん現実感がない。普通に会社で仕事をして、日々怒られて、という生活の割合が大きいので」
テレビを見た役員が部長に、「あいつは何をやってるんだ?」。これで、「もう一つの顔」が社内に広く知られることに。
マンガで上司や同僚もネタにしているが、気まずくなったりは?
「余りひどいことは描かず、笑って済ませられる程度にしているので大丈夫です。
マンガに出したのなら何かよこせ、おごれ、と言われたりはしますが」
ただ、一つ心配がある。「『マンガ書く時間があるくらいだから、もっと仕事が増えても大丈夫だよね』とか、
『ネタのためにもう少し苦しまないとね』と言われる。身の危険を感じています」
【写真】ぼく、オタリーマン
【写真】作者よしたにさん。今お気に入りのアニメは「天元突破グレンラガン」とか。「気の弱い少年がだんだん強くなっていく物語がいい」
【写真】苦手な合コンでおしゃべりに入れず、後日こんなことに……(2巻より)
【写真】「ぼくとホリエモン」(第2巻より)
ttp://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20070918md01.htm 読売新聞 2007年9月18日(火)東京夕刊7面
[大手町博士のゼミナール]外国人旅行者 近年急増、アジアから7割
◆円安やビザ発給緩和など追い風
日本を訪れる外国人旅行者が、アジアを中心に増えています。政府も海外からの観光客誘致に力を入れていますが、
為替レートや口コミなど様々な理由があるようです。(小嶋伸幸)
受講生の主婦S香さん「外国人の観光客が町に増えたような気がしますが」
大手町博士「確かに増えておるね。一つには、政府の取り組みがあるんじゃよ」
■政府は2010年に外国人旅行者を1000万人に増やす目標を掲げ、中国や韓国、米国、豪州など12か国・地域から
重点的に誘致する「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開している。
海外のメディアを通じたPRや、各地の「旅行博」への出展などで日本への旅行を呼びかけ、「観光大国」を目指す取り組みだ。
(中略)
帝京大学経済学部の観光経営学科教授、岡本伸之さん
「観光産業は雇用の創出効果が高いという認識が、日本では低かった面があります。
日本が得意なロボット技術やアニメ文化などの情報も、本格的に発信するべきです。 ←
ただ、日本だけで観光客を呼び込むのは限界もあります。中国、韓国などと共同で誘致する取り組みも必要でしょう」
博士「日本は経済力が世界2位でも、外国からの観光客数はアジアの中でも少ない。
地域振興の観点からも、観光産業の育成に本腰を入れるべきじゃな」
【図】日本を訪れた外国人旅行者の推移
【図】日本を訪れた国・地域別の旅行者の割合
ttp://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200709180102.html 朝日新聞 2007年9月18日(火)朝刊23面
文庫本も「ジャケ買い」 『人間失格』に『デスノート』風カバー 若者と古典を橋渡し
CDのように表紙のデザインで選ぶ「ジャケ買い」でヒットする文庫本が登場した。本も中身だけでは売れない。
若い世代の心をつかむために、出版社はあの手この手の戦略を打ち出す。(中村真理子)
集英社文庫は太宰治『人間失格』のカバーを自社の人気コミック『DEATH NOTE(デスノート)』の小畑健さんのイラストに変えたところ、
この夏の3カ月で10万部を突破するヒットになった。
これまでは増刷しても年に数千部だった。文庫編集部の伊藤亮さんが「破滅的で美しい『デスノート』と太宰の世界観は通じるのでは」と企画。
解説などを含め、中身は変えていない。「デスノート」の主人公を思わせる少年のイラストで、コミック売り場に置かれることもあり、
近代文学になじみの薄い人たちも巻き込むブームになった。
そのほか夏目漱石『こころ』、武者小路実篤『友情・初恋』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の3冊を、俳優、蒼井優をモデルに
それぞれの物語の世界をイメージした写真のカバーに新装した。各5万部の期間限定で、まとめて購入する人も多く、
表情がアップの『銀河鉄道〜』の人気が高いとか。小山田恭子編集長は「若い人に読んでほしいと願って、新装版にしました。
古典にも工夫しどころがあり、魅力的なカバーで時代にあった装いに着替えていく。文庫だからできる醍醐味でしょう」と話す。
文芸のしにせ、新潮文庫も「さすがに漫画までは使えませんが」と前置きしながら、「カバーを変えると売れるのは事実。
星新一さんのカバーを変えたら、かわいいからとコーナーを作ってくれた書店もありました」と文庫編集部の佐々木勉さん。
夏フェアの文庫すべて、帯からコピーを抜いて、パンダのキャラクターYonda?くんが様々なポーズで本を読むイラストを20種類用意した。
「文庫王」の異名を持つフリーライターの岡崎武志さんも集英社の蒼井優版『友情・初恋』を「ジャケ買い」したひとり。
「全部を蒼井優にしてほしいくらい大賛成。これをきっかけに、ほかの作品を読んでみようと思う人がいるかもしれない。
教科書からも近代の名作が消えていく中、文庫は若い世代への啓蒙という役割を担っている」
「文庫は古くて堅い武士のような存在だった」と岡崎さんはみる。
たとえば古典なら、淡い模様のような抽象画で文学世界を表現するカバーが定番だった。
「今は、若い人たちの本に手を伸ばす力が弱くなっている。だから、本の方から手を伸ばしていかなくてはいけないのでしょう」
【写真】同じ作品でも帯とカバーで違った装いに
ttp://www.business-i.jp/news/enter-page/enter/200709190017o.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月19日(水)22面
米ドラマ「HEROES」の俳優 マシ・オカに聞く
■将来は監督で活躍したい
米国で放映され大ヒットとなったテレビドラマ「HEROES/ヒーローズ」に出演している俳優で視覚効果技術者でもある
日本人のマシ・オカ(32)=本名・岡政偉(まさより)=が注目されている。ドラマでの役どころは“時空を操る”アニメオタクの
サラリーマン「ヒロ・ナカムラ」。受賞は逃したものの、今年の米エミー助演男優賞にもノミネートされた。
キャンペーンのため来日したオカに今後の活動などについて聞いた。
≪自信満々で挑む≫
−−ヒーローズで主演の一人に選ばれました。その上、エミー賞にもノミネートされ、快挙ですね
「ヒーローズのパイロット版(試作品)が作られることになり、エージェントがオーディションに応募したのです。
4回の面接を経て(役を)獲得しました。このヒロ・ナカムラ役はまず、日本語がすらすらと話せること、米国のテレビ番組に出演した
経験があることなどが条件でした。僕以外、誰がいるんだと思って、自信満々で挑みました。実際、2次面接でプロデューサーたちは、
僕にウインクで“君だよ”と、合図してくれました。だから、実力さえ発揮できれば合格すると信じていましたね」
(中略)
−−ヒロ・ナカムラ役は、昔からある日本人のイメージの描き方では
「そうですね、ハリウッドから見ての日本描写ですから、ちょっと大目に見ていただいて…エンターテインメントですから。
このキャラクターはアニメの主人公などのしぐさ、言葉遣いを参考にしています。日本の習慣や描き方に疑問に思う個所はたくさんありました。
最初の6話ぐらいまでは番組がヒットするか分からなかったので僕の力(助言)はなかったですね。今、やっと助言できますね」
−−役は“時空を操る”特殊能力者ですが、実生活では何か特殊能力を持っていますか
「時間をとめることは簡単ですね!人前ですごい寒いギャグを言えば、体が固まっちゃう(笑い)。そういうの、けっこうありますよ。
『オレたちひょうきん族』『エンタの神様』『めちゃイケ』など、日本のバラエティー番組は見てますよ。
日本からビデオが送られてくるので見ています。日本の場合、体を張った“フィジカルコメディー”が多く、日本の芸人は
キャラクターを演じてますね。アメリカは言葉のやり取りが多い“ランゲージコメディー”で、役者として最初に出て、役を演じます」
(後略)
ttp://www.sanspo.com/geino/top/gt200709/gt2007091806.html サンケイスポーツ 2007年9月18日(火)
マシ・オカ「エミー賞」受賞ならず…助演男優賞にノミネート
【ロサンゼルス16日(日本時間17日)】米テレビ界の最優秀作品に贈られる「第59回エミー賞」の授賞式が16日(日本時間17日)、
ロサンゼルスで行われ、「HEROES/ヒーローズ」で助演男優賞にノミネートされていた日本人俳優、マシ・オカ(32)は受賞を逃した。
オカはタイムトラベルができる漫画好きの日本人おたくサラリーマン、ヒロ役。キメせりふ「ヤッター!」は米国の子供たちの間で
流行語になるほどの人気を集めた。
本名は岡政偉(おか・まさより)で東京生まれの日本人。6歳のときに渡米し、大学卒業後、ジョージ・ルーカス監督率いるVFX工房
ILMで働きながら俳優を続けている。10月16日からCS放送のスーパードラマTVでスタートする同ドラマの宣伝のため、8月下旬に凱旋帰国した。
なお、助演男優賞は「LOST」のテリー・オクィンに輝き、最優秀賞は「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」が受賞した。
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070918-257700.html ニッカンスポーツ 2007年9月18日(火)
タイ初のメイド喫茶「アキバ」閉店
タイ初のメイド喫茶として昨年4月にバンコクに開店した「アキバ」がこのほど、閉店に追い込まれたことが17日、分かった。
同店は7月18日にタイ警察当局に「店内にわいせつなマンガがあった」として、経営者らタイ人男性2人が、
わいせつ図画販売目的所持容疑で逮捕され、200冊の本が押収されていた。その後の業績の悪化が閉店の原因とみられる。
秋葉原発の文化の1つ、メイド喫茶は、韓国、シンガポールなどアジア各国に拡大中で、アキバは東南アジア初のメイド喫茶として知られている。
タイの最高学府「チュラロンコン大」の女子大生や女子高生をメイドに採用し、日本のマンガファンの中高生が主な客層だった。
最近では喫茶店以外の、日本の秋葉原から輸入したマンガ、アニメ関連商品、コスプレグッズなどの販売部門が中心になっていた。
利用者の保護者から「子供が入り浸っている」との相談を受け、警察当局が摘発した。しかし、アキバを利用したことのある男性は
「アキバで売っていたのは普通のマンガ。いわゆるわいせつなマンガのようなものは見たことがない」と、首をひねる。
バンコク市内にはもう1軒、秋葉原の有名店が今年出店した日本と同様のメイド喫茶があるが、関係者は
「タイには日本アニメのファンが多く、ニーズは高まっている。イメージが悪くならなければいいが」と心配している。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221079.jpg ttp://www.business-i.jp/news/china-page/news/200709180036a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月18日(火)8面
「タイのオタクの灯は消さぬ」 東南ア初のメイドカフェ閉店
「東南アジア初のメイドカフェ」としてバンコクにオープンした「アキバ」が16日夜、開店から1年5カ月で閉店した。
同店は日本アニメや漫画ファンらでにぎわっていたが、7月に警察の摘発を受け、客が激減。経営が大幅に悪化していた。
同店は昨年4月、バンコク中心部のサイアム・スクエアに開店した。
メイドにはタイ最難関とされるチュラロンコン大の女子学生らを採用。漫画本なども販売していた。
警察は今年7月、「子どもたちがメイドカフェに入り浸っている」との通報を受け、店内を捜索。
「店内にわいせつな本があった」とし、経営者らタイ人2人をわいせつ図画販売目的所持容疑などで逮捕した。
この店の開店を支援した日本人会社社長(38)は「メイドカフェが閉店したのは残念だが、
タイに根付いた日本のオタク文化の灯は消さないようにしたい」と話した。(バンコク 時事)
産経新聞 2007年9月18日(火)東京朝刊27面
バンコクのメードカフェが閉店
東南アジア初のメードカフェとしてタイのバンコクにオープンした「アキバ」が16日夜、開店から1年5カ月で閉店した。
同店は昨年4月、バンコク中心部のサイアム・スクエアに開店。メードにはタイ最難関とされるチュラロンコン大の女子学生らを採用し、
日本の漫画やアニメのファンらでにぎわっていたが、7月に警察の摘発を受けた後、客が激減していた。(バンコク 時事)
ttp://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20070918ok01.htm 読売新聞 2007年9月18日(火)東京朝刊2面
[顔]闘病中の父・赤塚不二夫さんの個展を開いた長女 赤塚りえ子さん ◇あかつか・りえこ 42歳
◆「わたしが引き継ぐしかない」
「この1年、ひたすら前だけ見て突っ走ってきました」
昨年8月、漫画家の父・赤塚不二夫さんの作品や版権を管理するフジオ・プロ社長に就任。それまで12年間英国で暮らしていたが、
前社長で不二夫さんの妻・眞知子さんの悲報で急きょ帰国。
「2人目の母」だった眞知子さんは実母以上に温かく接してくれ、脳内出血で入院中の不二夫さんの看護も献身的だった。
「もう、一人っ子のわたしが引き継ぐしかない」。右も左も分からないまま、新しい仕事に飛び込んだ。
「今ようやく、オヤジの作品のすごさ、それを守ることの重大さを認識しているところです」
東京・杉並区の「杉並アニメーションミュージアム」で11月25日まで開催中の「これでいいのだニャロメ!」展は、
初めて自ら手がけた父の展覧会。英国では現代美術家として活動し、個展などを十数回開いてきた。
「その経験が、展示プランや見せ方に役立っているかもしれません」
幼いころからあまり家にいなかった父を、とくに「変わってる」とは感じていなかった。
「ドッグフード食べたり、パンツ一枚で銀玉鉄砲を撃ち合ったり、よそのお父さんもやってるんだと思ってた」
ベッドの上で言葉を発することができない父に、仕事のことでグチをこぼした。すると、不二夫さんは「バカヤロー」と
言いたげににらんできた。それがうれしかったという。「生まれて初めて、親子げんかができたと思ったから」(文化部 石田汗太)
ttp://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200709190250.html 朝日新聞 2007年9月19日(水)
バカボン誕生40年なのだ 企画展「赤塚不二夫と愉快な仲間たち」
漫画家の赤塚不二夫さん(72)のデビュー50周年と、代表作「天才バカボン」「もーれつア太郎」の40周年を記念する企画展
「赤塚不二夫と愉快な仲間たち これでいいのだニャロメ!展」が、東京都杉並区の杉並アニメーションミュージアムで開かれている。
赤塚さんは、旧満州に生まれ、奈良や新潟で少年時代を過ごした。54年に上京し、56年、少女漫画「嵐をこえて」でデビュー。
その後、バカボンやア太郎、おそ松くんといったギャグマンガで人気を博した。
バカボンは67年、週刊少年マガジン(講談社)で連載が始まった。一時、週刊少年サンデー(小学館)に移ったが、
71年以降、週刊ぼくらマガジン(講談社)や週刊少年マガジンへと代わり、テレビアニメにもなった。
ア太郎も、バカボンと同じ67年、少年サンデーでスタート。69年、アニメ化された。
90年に新しくアニメ化された際には、コミックボンボン(講談社)で新たな原作も連載された。
会場入り口では、黄金のバカボンパパの像が出迎える。原画や連載当時の掲載誌のほか、赤塚さんが青春時代を過ごした
トキワ荘の模型、故・石ノ森章太郎さんと一緒に風呂代わりに使ったトキワ荘の共同炊事場の蛇口も展示されている。
赤塚さんは02年、脳内出血で倒れ、入院中。版権管理などをするフジオ・プロダクションの社長だった妻の真知子さんは昨夏、急死した。
イギリスに滞在していた現代美術家の長女りえ子さん(42)が急きょ帰国し、社長に就任した。
りえ子さんが社長に就任してから初の企画展。この1年、改めて父の作品に接する過程で、明るく楽しいストーリーと、
ニャロメなどキャラクターの可愛らしさが赤塚作品の魅力、と再認識したという。
バカボンやア太郎を知らない若い世代も増えてきたが、りえ子さんは「より多くの人に赤塚作品に触れてもらい、
作品を守っていきたい」と話す。
入館無料。月曜日休館。11月25日までの開催期間中、シアターで、平日は午後4時から、土・日・祝日は一日中、
バカボンとア太郎のアニメを上映している。毎日先着10人に、同ミュージアムと赤塚さんの公式ホームページに掲載してある
「ヒミツの合言葉」を告げると、ミニキーホルダーをプレゼントする。
【写真】「より多くの人に赤塚作品に触れてもらいたい」と、りえ子さん=東京都杉並区の杉並アニメーションミュージアムで
日本経済新聞 2007年9月18日(火)夕刊24面
(夕刊文化) 村上隆、米欧で回顧展――権威に挑戦、海外で評価
現代美術家、村上隆が10月から米国を皮切りに海外で大規模な回顧展を開く。常に国外で先行してきた高評価。
その理由を探ると、日本と欧米の「アート」を巡る思想の違いが見える。
米国の近現代美術館の中でも先鋭的な企画で知られるロサンゼルス現代美術館(MOCA)。
アンディ・ウォーホルやバスキアらの個展で名をはせたが、その歴史に日本人作家「村上隆」の名が加わる。
十月二十九日から「(C)MURAKAMI」展を開催。三千平方メートルの会場に九十点以上の代表作と新作が並ぶ。
作家の存命中に開く個展では、ウォーホル以来の規模という。
「村上氏は世界で最も傑出した作家の一人。日本の伝統美術と世界の美術、ファインアートとポップアートをこれほどよく
融合した人物は彼だけだろう」と、ジェレミー・ストリック館長は絶賛する。
マンガのキャラクターを思わせる絵画、アニメから抜け出したような美少女フィギュア。
村上の創作は自身が影響を受けた日本の大衆文化を積極的に取り込み、表現してきた点に特徴がある。
「村上の登場を機に、アートは一握りの上流階級やエリートのものではなく、多くの人に開かれたものになった」
とストリック館長は意義を語る。「歴史的に見ても、十九世紀以降の西欧諸国にはなかった新しい動きを、村上は体現している」
商業主義に反発も
海外での熱烈な支持に比べ、国内での評価は冷めて見える。二〇〇一年の東京都現代美術館での個展を最後に、
日本では本格的な展覧会がない。今回の出品作のうち、日本の所蔵品は一割。残りは欧米の美術館などの所有だ。
元東京都現代美術館の学芸員で村上展を企画した南雄介・国立新美術館企画室長は「展覧会の後、腹が立った、
失望したという批判を、作家などから受けた」と明かす。村上が掲げる「商業主義的な姿勢への反発だった」という。
村上は「作家の経済的自立」をうたい、自作のブランド化、国際美術市場への戦略的な売り込みに力を入れてきた。
「いい作品を作り続けるため」「作家と現代美術の地位を上げたい」と理由を語るが「純粋に芸術を追究するのが芸術家だ、
と考える人々からは反感を買う」と南室長。
その点、海外の反応は対照的だ。「村上は企業のような戦略をとることで、アートと異なる世界との間に緊張関係を生んでいる」と、
MOCAのポール・シンメル学芸員は、作家の姿勢を評価する。
(C)MURAKAMI展でも、アートとビジネスの境界を揺さぶる「事件」を仕掛ける。
展覧会場の一室で、高級ブランド、ルイ・ヴィトンと村上が共同制作したバッグや小物を販売する。
非営利が前提のギャラリー空間での物販には、米国のメディアも賛否両論。
それでも実現可能なのは「欧米社会では美術が極めて強い権威性を持っているから」と、美術評論家の椹木野衣氏は語る。
真骨頂見えにくく
容易に崩せない権威があればこそ、突破する作家の挑戦は高く評価される。マルセル・デュシャンが便器を美術館に飾り歴史に
名を残したのは、本来ならそれを許さない権威が美術館にあるからだ。だが「日本では権威が歴史的に根付いていないため、
村上の活動が持つ意味を理解する文脈に乏しく、作家としての真骨頂が見えにくいのではないか」と椹木氏は見る。
米国で展覧会企画も手がける美術評論家の松井みどり氏は「現代美術は美学や作品の様式ではなく、作家の思考、姿勢、
ビジョンで見るもの。その認識が日本にはまだ定着していないのではないか」とギャップの一因を説明する。
マンガのような絵といった様式ではなく、マンガをリアルな世界として育った世代の思考を読み取らなければ、村上作品は理解できない。
「個人にとってリアルな感覚を突き詰め、表現する村上の姿勢は、至極まっとう。
だから欧米では正統なコンセプチュアルアーティストと見なされる」と松井氏は言う。
モネ、ウォーホルなど生前、自国以外で評価された巨匠は多い。村上もその系譜に連なるのだろうか。
(C)MURAKAMI展はニューヨーク、独・フランクフルト、スペイン・ビルバオに巡回。日本での開催は未定だ。(文化部 白木緑)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221090.jpg
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070918AT1G1800Q18092007.html 日経新聞 2007年9月19日(水)
万引き男に過度の暴行、傷害容疑で2店員逮捕・1週間後に死亡
万引きした男(29)を取り押さえる際、首を絞めるなど過度の暴行を加えたとして、警視庁本所署は18日までに、
ゲームカード店店員の男2人を傷害の疑いで逮捕した。男は意識を失い、1週間後に死亡。同署は傷害致死の疑いもあるとみて調べている。
逮捕されたのは、墨田区太平のゲームカード店「綺羅カーン・net」店員の中島健史(35)=東京都品川区=と
前田直樹(36)=東大和市=の両容疑者。いずれも容疑を認めているという。
調べによると、両容疑者は11日夕、同店内で、漫画本1冊(約100円相当)を万引きした飲食店店員の男に注意したところ
殴りかかるなど暴れたため、男を羽交い締めにして押し倒し、首を絞めたり腹をけったりした疑い。
男は病院に運ばれたが18日朝に死亡した。
ttp://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070912-254840.html ニッカンスポーツ 2007年9月12日(水)
漫画万引男、店員に取り押さえられ重体
11日午後4時45分ごろ、東京都墨田区のカードショップ「綺羅カーン」で、漫画1冊を万引しようとした男が男性店長に注意され、
店内で暴れ出した。別の男性店員が床に押さえ付けると、男はぐったりし、病院に運ばれたが意識不明の重体となった。
警視庁本所署は、男が意識不明になった原因や、店員らが男を押さえ付けた行為に行き過ぎがなかったかどうか調べている。
調べでは、男は30歳前後で、黒いTシャツにベージュの短パン姿。ビニールで包装された漫画を手に取り、
店外に出ようとして店長にとがめられ、いすに座らせようとしたところ突然、暴れ出したという。店長と店員にけがはなかった。
同店はアニメのトレーディングカードや漫画を販売している。
読売新聞 2007年9月17日(月)東京朝刊27面
「エヴァ」人形など強盗傷害 容疑で54歳逮捕 前橋署=群馬
前橋署は16日、前橋市総社町総社、派遣社員藤井敬裕容疑者(54)を強盗傷害の疑いで逮捕した。調べによると、藤井容疑者は
15日午後6時50分ごろ、自宅近くの玩具店で「新世紀エヴァンゲリオン」などアニメキャラクターのフィギュア10点(計2000円相当)
を盗み、取り押さえようとした高崎市内のアルバイト男性(33)に頭突きやかみつくなどの暴行を加え、男性に軽傷を負わせた疑い。
日本経済新聞 2007年9月19日(水)北海道朝刊(社会面)38面
アニメDVD複製販売で逮捕、札幌の男、容疑認める。
埼玉県警生活環境二課は十八日までに、人気アニメ番組などの違法な複製DVDをインターネットオークションで販売したとして、
著作権法違反などの疑いで札幌市北区新琴似八条一五、中古車販売業吉崎健一郎容疑者(27)を逮捕、送検した。
調べでは、吉崎容疑者は昨年十月、埼玉県加須市の男性会社員ら三人に、不正コピーしたDVD計三十一枚を販売した疑い。
「遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認めているという。
吉崎容疑者は昨年一月から十二月にかけて千人以上に複製DVDを販売、約九百五十万円の収益を得ていたとみられる。
ttp://www.asahi.com/housing/jutaku-s/JSN200709180003.html 朝日新聞 2007年9月18日(火)
首都圏中古マンション価格、上昇率1位は「秋葉原」駅 東京カンテイ
東京カンテイは9月18日、07年7月1日時点の「首都圏・駅別中古マンション価格(平米単価)上昇率ランキング」を発表した。
それによると、首都圏の中古マンション価格(平米単価)は、都心部の上昇率が高くなる傾向にあり、
1年間で平均10.00%上昇していることが分かった。
上昇率1位は、JR山手線「秋葉原」駅で、上昇率は95.47%。続いて、東京地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」が86.31%、
都営地下鉄浅草線「東日本橋」駅が60.26%、東京地下鉄半蔵門線「半蔵門」駅が57.01%、東京地下鉄有楽町線「辰巳」駅が51.12%となった。
株式新聞 2007年9月19日(水)
コラム・晴雨曇
映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」がヒット中、9月第1週の週末(1〜2日)興行ランキングでは首位となった。
「新世紀エヴァンゲリオン(旧題)」は95年から96年にかけて放送されたテレビアニメシリーズ。
当時、一大ブームとなり、アニメとしては「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」に次いで社会現象を引き起こした。
根強い人気が持続し、07年には関連商品の売上が1500億円を突破したという。再映画化され、改めてブームの兆しだ。
今回の人気の火付け役となったのがパチンコのキャラクターに採用されたことで、今では年配のパチンコファンも酒場の話題にするほど。
最近のパチンコ、パチスロはキャラクター全盛で、アニメのほか、美空ひばりや水戸黄門など実在した人物も登場している。
「ヱヴァ」のようにパチンコのキャラクターに採用されて、再び人気が盛り上がった作品に「北斗の拳」があり、映画化もされた。
いまやパチンコがコンテンツビジネスの中心。「ヱヴァ」パチンコ機を販売しているのがフィールズ(2767・ジャスダック)。(セブン)
ttp://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709190049a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月19日(水)23面
「メイプルストーリー」 韓流ゲーム、アニメに ネクソンが制作発表
韓国生まれのオンラインゲームで、日本でも人気の「メイプルストーリー」が10月からテレビアニメーションになって登場する。
オンラインゲーム配信のネクソンジャパン(東京都中央区)は18日、アニメ版「メイプルストーリー」の制作を発表した。
日本でも有数のアニメプロダクション、マッドハウス(東京都杉並区)が制作を担当。同じマッドハウス制作で人気を集めた
「おとぎ銃士赤ずきん」の石山タカ明監督が「メイプルストーリー」でも監督を務める。日本を手始めに韓国や北米でも放映し、
キャラクターライセンス事業も展開しながら、ゲームも含めた「メイプルストーリー」の市場を広げていく。
(中略)
18日に東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれた制作発表会では、石山監督が登壇し「世界の人が豊かになってくれるような
明るい作品をつくっていく」と抱負を話した。ネクソン側でも「アニメ化をネクソンがオンラインゲーム企業からグローバル
エンターテインメント企業になるきっかけにしたい」(ネクソンジャパンの高井礼央・運用本部マーケティング部長)と意気込みを見せた。
アニメは10月7日にテレビ東京系で放送がスタート。全25話となる予定。主題歌は韓国出身のユンナさんが歌い、
エンディングテーマは人気声優で歌手としても活動する折笠富美子さんが担当。音楽面でも“韓日合作”となっている。
ttp://www.chosunonline.com/article/20070919000039 朝鮮日報 2007年9月19日(水)
韓国発人気オンラインゲームが日本でアニメに
ゲーム開発・製造大手「ネクソン」の人気オンラインゲーム『メイプルストーリー』を基に制作されたアニメーションが
日本の地上波放送で放映されることになった。
ネクソンは18日、世界で会員7200万人を持つオンラインゲーム『メイプルストーリー』のテレビアニメ版(写真)制作記者会見を
日本で開き、アニメの全般的なストーリーと日本国内での詳しい放映予定を発表した。
テレビアニメ版『メイプルストーリー』はネクソンが企画、日本のアニメ制作会社マッドハウスが共同制作する作品。
主題歌は日本や韓国で人気のシンガー、ユンナが歌う。
この記者会見は日本や韓国の記者を対象に、東京のホテル・ニューオータニで行われ、『メイプルストーリー』テレビアニメ版に
関する説明、本編放映分の編集映像、そして第3話までのストーリーが公開された。
全25話からなる『メイプルストーリー』テレビアニメ版は来月7日からテレビ東京系列6局で放映される。
10日からは衛星放送BSジャパンでも始まり、その後福島中央テレビ、テレビ新潟といった地方局でもスタートする予定だ。
韓国での放映も予定されており、今後は世界各国での放映も検討されている。
(中略)
アニメ版の監督を務める石山タカ明氏は「人気オンラインゲームのアニメ化に参加できて光栄。視聴者がアニメに登場する
キャラクターに十分共感できるよう、ゲームのコンセプトや世界観を基に完成度の高い作品にしたい」と語った。
この日の記者会見にはネクソンやマッドハウスの関係者自ら『メイプルストーリー』テレビアニメ版の制作概要を発表した。
このほか、今回のプロジェクトを総括しているネクソン・ジャパンのカン運用本部長、チュ・ミンヒ『メイプルストーリー』
IPホールディングチーム長、マッドハウスの石山監督、アニメ版主人公アル役の人気声優・桑島法子さんらが出席した。
マッドハウスは『カードキャプターさくら』『時をかける少女』『NANA』で知られるアニメ制作会社で、愛らしく元気いっぱいの
キャラクターが活躍する『メイプルストーリー』のイメージやストーリーを十分生かしてくれるものと期待されている。
沖縄タイムス 2007年9月18日(火)朝刊12面
サブカル王国にSFファン集結/世界大会、横浜で開催 (関連
>>17>>26>>59)
アジアで初めてとなるSFファンの祭典「世界SF大会(ワールドコン)Nippon2007」が八月三十日から五日間、横浜市で開かれた。
ロボット学からアニメ、オタクまで多彩なテーマの企画が催され、参加者は“サブカル王国・日本”で進化するSFの魅力を満喫した。
同大会は一九三六年に米フィラデルフィアで始まり、これまでは主に米国で開催。
今年が六十五回目で、二十六カ国からSF作家やファンら約五千百人が参加した。
期間中に行われた企画は約四百。手塚治虫や星新一ら日本を代表するSFの先駆者たちを紹介するコーナーのほか、
「機動戦士ガンダム」などアニメに関するイベント、「オタク」「萌え」をキーワードにしたセミナーも。
会期中、優れたSF作品に贈られる今年のヒューゴー賞授賞式が開かれ、米国の作家ヴァーナー・ヴィンジさんらに賞が贈られた。
式にはウルトラマンも登場、日本らしい演出で観客を喜ばせた。コスプレ姿で参加したファンも少なくなかった。
「知性化戦争」シリーズで日本にもファンの多い米国の作家デイビッド・ブリンさんは、公式記者会見で「SFは変化の可能性をもたらす文化。
ヨーロッパで始まり米国で成長したが、日本が新しい拠点になるだろう」と指摘。漫画やアニメなど独自の発展をみせる日本のSFに期待を示した。
このほか、科学者とSF作家が顔を合わせたパネルディスカッションでは、ロボット研究の最前線と人間社会に及ぼす影響について討論。
科学者側が「二○五○年までにロボットがサッカーのワールドカップ優勝チームに勝つ」「インターネットとコンピューターに関して、
SFと研究は想像力の勝負をしてきた」などと報告。作家からは「科学とSFは右と左の靴。お互いに協調しながら発展していく」などの
意見が出され、SF大会らしい活発な議論が繰り広げられた。
ファンが入りきらない会場もあるほどの盛況ぶりに、作家の小松左京さんは「小学生のころは人間が本当に月に行くなんて想像もしなかった。
子供だましと言われたSFにこれだけ人が集まるとは」と感慨深げ。五十年続く同人誌「宇宙塵」の柴野拓美さんは
「一九六八年に米国の大会を見て以来、日本開催が夢だった。ここまで日本のSFファンが成長してうれしい」と話した。
【写真】ウルトラマンが登場したヒューゴー賞の授賞式=横浜市のパシフィコ横浜
ttp://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0710/index.html 月刊『サイゾー』2007年10月号 通巻第124号(9月18日発売)
【第1特集】 人気マンガの罪と罰
・ {ワイド/5000億円市場をつくる作品/冨樫の人物像/浦沢直樹否定/モー娘。陵辱マンガ/『ないしょのつぼみ』/フランスの伝統を破壊}
・ {お先真っ暗! なマンガ産業/過去最高を記録した発行部数のカラクリ}
・ {編集者にとってマンガビジネスとは?/アニメ化・映画化は、本当にオイシイ? }
・ {あの人が斬る! 「最新売れ筋マンガ」/真樹日佐夫/ネイチャージモン/「薔薇族」編集長}
・ {ミスリードされる少女マンガのエロ規制}
・ {書店員が“マンガ異常事態”に異議アリ}
・ {作品より面白い!マンガ家自叙伝}
・ {あの長期連載が“ループ”してるワケ}
・ {弁護士が語るマンガの著作権問題}
・ {パロってわかった手塚治虫の“スゴさ”} ほか
【特別版】 乙女の偏愛学
〜エヴァンゲリオンを溺愛する 「あすか伊央」
ソフト・オン・デマンドがイチオシする10月にAVデビューの美少女が、エヴァの魅力(と新作の見所)を語りたおす!
〈中濃用語辞典 ニュースソース〉
・『ヱヴァンゲリヲン』大ヒットを支えた版権料
・オタク系トップアイドル『平野 綾』涼宮ハルヒの“声優的”憂鬱 ほか
参考サイト:
大炎上 『サイゾー』で36ページもの漫画特集
ttp://beatarai.blog90.fc2.com/blog-entry-312.html マンガがあればいーのだ。 サイゾー10月号で「人気マンガの罪と罰」特集
ttp://mangaen.blog30.fc2.com/blog-entry-478.html
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070920-OHT1T00097.htm スポーツ報知 2007年9月20日(水)
警官父殺し16歳二女はゴスロリだった
京都府警南署の巡査部長(45)が京田辺市の自宅で、手おので首を切られて殺害された事件で、田辺署が殺人容疑で逮捕した
二女(16)が、黒ずくめの衣装などが特徴の“ゴシック・ロリータ(ゴスロリ)”に興味を示していたことが19日、分かった。
かつて将来の夢を漫画家とし、専門学校でビジュアルデザインを学んでいた二女が、ゲームソフトやコミックから、
殺害の着想を得た可能性も指摘されている。
おので父親の首を切り殺した16歳の少女は「ゴスロリ」だった。二女はは中学2年以降、この個性的なファッションにひかれていたという。
「ゴスロリ」は、今月2日に大麻取締法違反で逮捕された作家・嶽本野ばら氏の代表作で映画化された「下妻物語」でも
取り上げられたファッション。ふわりと広がったスカート、フリルやレース、大きな帽子や日傘が特徴で、その基本は「黒ずくめ」。
今回の事件で二女は犯行に及ぶ前、パジャマから「黒いワンピース」に着替えていたことが判明していた。
また、二女は中学の卒業文集に将来の夢を「まんがか。」などと記していたが、事件の背景として漫画やゲームソフトからの影響も
ささやかれている。関連を指摘されている作品は、村落で起こる連続怪死事件をモチーフにしたもの。
最初はゲームソフトとして人気になり後にコミックやアニメ、小説化もされた。
作品の中で少女がおのを使う場面があり、二女がここから着想を得たのでは?との憶測を呼んでいる。
サブカルチャーに詳しいジャーナリストの井上トシユキ氏も、二女が前出のゲームソフトなどから影響を受けた可能性を指摘。
加えて「ゴスロリ系」少女の特色として「魔術、呪術的なものへの関心」や「過剰な潔癖性」をあげた。
二女は田辺署の調べに対し「お父さんの女性関係が嫌で、この世からいなくなればいいと思った」と供述している。
井上氏はゴスロリ少女の一般的な性質について「耽美主義、退廃的でひねくれたロマンチシズムを持ち、自分はピュアだが世の中は
腐っているという思想」と解説。二女が父親の女性関係に言及した点から「自分が潔癖で、他人や世の中が許せないという刃が、
父親に向かった可能性がある。特に16歳で、女子特有の不安定な時期でもある」とした。
二女は小学校高学年のころ、父親に叩かれたり髪を引っ張られたりして、すでに「お母さんは好き。お父さんは私を叩くし
性格が合わないので嫌い」と同級生に漏らしていたことも分かった。
二女は18日未明、寝ていた父の首の右側を刃渡り11センチ、長さ30センチの木製の柄が付いたおので切って殺害した疑い。
同署は19日、二女を送検。自宅を家宅捜索した。
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070920-258629.html ニッカンスポーツ 2007年9月20日(木) 警官殺害二女、父の女性関係許せなかった
「School Days」アニメ放送休止
事件を受け、女子高生による暴カシーンが含まれているアニメの放送が見送られた。
高校生の三角関係を描き、テレビ神奈川など地上波5局で放送されていた「School Days」で、
最終回に主人公との女子高生がオノのような刃物を使って恋人を殺害するシーンが含まれていたという。
テレピ神奈川は18日深夜この放送を休止。千葉テレビとテレビ愛知は19日深夜の、テレピ埼玉は20日深夜の、
テレピ大阪は21日深夜の放送について、それぞれ休止すると発表。「京都の事件の直後で影響を考慮した」としている。
27日から28日深夜にかけて、再放送を含めて4回の放送を予定しているアニメ専門CS放送の「AT-X」は
「まだ結論に達していない」としている。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221422.jpg ttp://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/09/20/03.html スポーツニッポン 2007年9月20日(水) ゴスロリ凶行だった巡査部長殺害の二女
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221419.jpg
『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月20日(木)12面
【躍動するアキバ】ITとアニメで世界最先端を創り出せ(17)
□萌えビジネスの集客力
■「メイド」個性の時代に
アキバといえばメイド喫茶といわれるほど、街の顔として定着した。威勢のいい店員の掛け声がこだまする電気街の一角で、
フリルのついたメイド服を着た女の子がチラシを配る姿は秋葉原の日常風景となった。
メイド系ビジネスは、喫茶店ばかりでなく、観光みやげやカラオケ、カジノ、めがね、リフレクソロジーと多彩。
いまやメイド喫茶は海外にも進出、萌え文化は世界に広がっている。
メイド喫茶が初めて秋葉原にお目見えしたのは2001年6月。
キャラクターコスチュームの製造販売会社のグループ会社「タブリエ」がオープンさせた「キュアメイドカフェ」だ。
制服はメイドが主人公のゲームにヒントを得て製作したオリジナルを採用した。
「落ち着いた空間を提供するのが当初の狙いだったが、店を開けてみたらメイド服をみたさにコスプレファンが押し寄せた」と
タブリエ・マーケティングの田原聡郎さん。この人気に翌年7月には「メイリッシュ」がオープンし、コスプレファンでにぎわった。
現在では100着以上のメイド服を用意し、ファンを楽しませている。
月2回のペースでコスプレイベントを開催しているが、最近は幅を広げ、男装や執事服など女性向けイベントも開催している。
こうしたにぎわいをみて店を始めたのがライトナウの宮崎英二さんだ。03年10月にメイド喫茶「ぴなふぉあ」を開業。
開店を前にコスプレサイトを立ち上げ、コミュニティー作りから始めた。ウエートレスの募集をしたところ100人もの応募があったという。
「メイド服を着たい人が多いのに驚いた。同時に応募者もお客さまになりうる」と宮崎さんは店の成功を確信した。
ぴなふぉあは1月にバンコクに姉妹店ができた。接客サービスもメニューも秋葉原の店とほぼ同じものを採用。
「お客さまの多くは日本のマンガやアニメファン。彼らは高学歴で日本語も勉強しており比較的裕福な人が多い。
現地では日本語での接客が喜ばれている」と宮崎さん。バンコク店でも毎週、コスプレイベントを開催している。
コスプレファンやITオタクが通う店だったメイド喫茶を、完全に一般向けにして成功したのが04年にオープンした「@ほぉーむカフェ」だ。
店を経営する「リンクアップ」の小田吉男社長は「メイド喫茶は一種のテーマパーク。非現実的な世界を演出し、お客さんに夢の世界に
入ってもらう」と語る。それがうけて、平日昼間でも行列ができる店になった。翌年11月には本店、7月には4店目を出店。
05年には同店のメイドで作るアイドルグループ「完全メイド宣言」が使ってはやらせた「萌え〜」が流行語大賞トップテンに選ばれた。
小田さんは「メイドという資源を活用し元気が出るようなキャラクターを作りたい。それをマンガやアニメ、小説などに展開したい」
と更なる流行の仕掛けを考案中だ。
「秋葉マップ」を製作しているアキバガイド・ドットコムの鈴木禎さんは「ブームに乗り一時は店の数が増えたが、コンセプトの
ない店は淘汰された。個性豊かな店がそろっており、これからはお客さんが好みに合わせ選択するようになる」とみている。
鈴木さんによると秋葉原のメイド関連の店は現在59店。うちメイド喫茶は26店だ。 (ジャーナリスト 永見恵子)
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20070919dde014040046000c.html 毎日新聞 2007年9月19日(水)夕刊4面
回顧展:“村上隆氏ワールド”欧米巡回 ポップアートとおたく文化の融合 (関連
>>95)
◇来月から大規模な回顧展
世界的に注目されている現代アート作家、村上隆さんの大規模な回顧展「(C)MURAKAMI」が10月から、
米国2カ所とドイツ、スペインの計4カ所を巡回する。
代名詞となったフィギュアや絵画のみならず幅広い手法を用い、ポップアートとおたく文化を融合させた村上ワールドを展開する。
米ロサンゼルス現代美術館(MOCA)で10月29日から始まる回顧展では91年から現在までを約95点の作品で網羅。
美少女フィギュアを配置したインスタレーション▽ルイ・ヴィトンとのコラボレーションで話題になったバッグや小物
▽時系列の絵画と彫刻――の3部構成で、同日以降ウェブ上でも公開する。
最新作は、自身初という鋳造彫刻「大仏オーヴァル」。5・5メートルの巨大な彫刻は、ヒンズー教と仏教、中国文化など
現代日本に取り入れられている多様な思想を融合させたものといい、カッパのようなユニークな容姿の背後に、
アーティストの日本人観、日本文化観が反映されている。
村上さんにとって悲願の初の完全オリジナルのアニメーション作品「kaikai&kiki」も公開される。
回顧展のタイトルの「(C)」(コピーライト)は、著作権や版権の意味。アートとビジネスの関係性を意識することで世界的な
地位を築いてきた村上さんの再度の決意表明とも受け取れる。村上さんは「アートを取り巻く環境は本質的に変容している。
今回の展覧会は保守的な美術館の考え方では実現できなかった試みで、大きなチャレンジだ」と語った。【手塚さや香】
【写真】「大仏オーヴァル」(C)2007 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co.,Ltd All Rights Reserved.
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221458.jpg
読売新聞 2007年9月19日(水)東京夕刊9面 ◇Pop Style vol.74
[News Review] 今週のZOOM UP 「淵の森緑地」
◆日本の原風景 開発逃れた「トトロの森」
宮崎駿監督の「となりのトトロ」と言えば、今や日本を代表するアニメ映画の一つでしょう。
劇場公開されたのは1988年ですが、子供がいる家庭には必ずと言っていいほどDVDやビデオがあり、世代を超えて愛され続けています。
トトロたちのかわいらしさもさることながら、作品の大きな魅力が、日本の田舎の原風景とも言える自然描写の数々です。
宮崎さんが映画の構想を練った場所の一つが、東京都東村山市と埼玉県所沢市にまたがる「淵の森」で、自ら会長を務める
「淵の森保全連絡協議会」が、96年から森を守る活動を続けています。
今年になって、柳瀬川を挟んで森の対岸にある雑木林で宅地の開発計画が持ち上がり、川がコンクリートで覆われてしまうと、
同会が保護のための募金を呼びかけてきました。最近、業者側は、東村山市と同会に計画断念の意向を伝えてきたということです。
市は今後、雑木林を地権者から買収し、公有地化を目指す方針です。
1本のアニメ映画が森を守った……ということですが、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによると、
「となりのトトロ」は公開当時はそれほど評価されず、興行成績もはかばかしくなかったそうです。
「トトロ」が名作として認知されたのは、ずっと後になってからでした。
その真価が理解されるのに、長い時間がかかるという点では、自然もまた同じ。宮崎さんの「あの風景を残すことができてうれしい」
というコメントの通り、きっと後世の人も「淵の森」とその周辺を見るたびに、「この緑が守られてよかった」と思うのでしょう。
(福田淳)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221488.jpg [柳下毅一郎の奇妙行為展覧会] プロもファンも満喫、SFの祭典
去る8月30日から9月8日まで、横浜みなとみらい地区のパシフィコ横浜で世界SF大会が行われた。
1939年にはじまり、毎年持ち回りで場所を変えながら行われているSFファンのお祭りである。14年前、サンフランシスコで開かれた
大会に行ったときには、夢の国に来たのかと思ったものだ。今年、65回目にしてはじめてアジア圈での開催となった。
世界SF大会についてもっとも驚くべきことは、これが完全にアマチュアによる運営だという点だろう。
プロ作家だからといって特別扱いはされず、全員が安くもない参加費を払って参加する。ロバート・シルヴァーバーグや
ラリー・ニーヴンといった大御所からテッド・チャンやケリー・リンクら今いちばん注目されているSF作家まで、
みな自前で渡航費用を出して日本に来ていた。会場内ではそんな有名作家とファンが普通に交じり合い、言葉を交わす。
作家たちはわざわざお金を払ってファン・サービスしにきているようなものだ。
映画やコミックなど、ファンが集まる大会は数あれど、こんなことが起こるのはSFだけだろう。
SF大会はこうしたオタクなファンの集まりの中ではもっとも歴史が古いもののひとつである。SF大会が生まれたころには、
まだプロのSF作家も一介のファンでしかなかった。ファンとプロのあいだに差はなく、ただみんなでSFの話ができることが
嬉しくて集まってきたのだ。コミックやアニメーションのファン大会も最初は同じようなものだったろう。
だが、やっているうちにプロとアマチュアのあいだには差が生まれ、イベントは商業化していく。それが普通である。
だが、SF大会ではその原初のかたちが奇跡的に生き残っているのだ。
それが必ずしもいいこととはかぎらない。参加者は高齢化しつつあり、大会自体がゆっくり死につつあるようにも見える。
だがなお、そこには学ぶべき理想もあるような気がする。
翻訳家、映画評論家。訳書にバラード「クラッシュ」、ラファティ「地球礁」、共訳にバロウズ「ソフトマシーン」など多数。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up221493.jpg
西日本新聞 2007年9月19日(水)朝刊13面
漫画ミュージアムの現在 京都と北九州から <上>個人顕彰から総合研究へ 京都に新たな拠点誕生
漫画文化の新たな発信拠点として、昨年十一月開館した国内初の総合的な漫画博物館「京都国際マンガミュージアム」が
注目を集めている。九州では北九州市が総合漫画ミュージアムの整備計画を進めている。
漫画の文化的ポジションが大きく変化する中、京都と北九州から漫画ミュージアムの現在を探った。
小学校の廃校を活用した京都国際マンガミュージアムは、京都市中心部のオフィス街の一角にあった。人工芝の広場(校庭)では、
子どもたちが蔵書のコミックを自由に持ち出し、寝転がって読んでいた。図書館機能と、日本の漫画史上で貴重な資料を収集・研究する
博物館機能を併せ持つミュージアムの蔵書は約二十万点(閉架資料含む)。〇八年度中には三十万点を目指している。
そもそも、なぜ京都なのか。一つには京都が漫画発祥の地、という考え方がある。
平安時代の「鳥獣人物戯画」(同市・高山寺所蔵の国宝)にはカエルやウサギ、サルがユーモラスに描かれており、
当時の社会を風刺したとも解釈され「漫画の祖とされることも多い」(同館)という。
そして最大の理由は、同館を行政(市)と共同運営する私立京都精華大による、漫画研究の長年の蓄積である。同大は一九七三年に
美術科マンガクラスを開講して以来、マンガ学科を設置し、〇一年には学外にマンガ文化研究所を開設。日本マンガ学会の設立を
支援するなど、国内の漫画研究をけん引してきた。その研究の蓄積を核として、行政が小学校跡の土地、建物を提供して生まれたのだ。
同館は、来館者が自由に読める漫画五万冊以外に、国内初の漫画雑誌「絵新聞日本地」(一八七四年発行)や子ども漫画雑誌
「少年パック」(一九〇七年)など戦前や昭和の貴重な資料約十五万点を収蔵し、美術史や言語学などを専門とする学芸員四人が
研究に当たっている。十月からは外部の研究者向けに閲覧をスタートする予定。既にホームページ上では所蔵資料の検索ができる。
安部一郎・京都国際マンガミュージアム運営統括室長は「京都は漫画のオリジン(起源)が分かるミュージアムでありたい。
そして、国内、海外の研究者に対する漫画文化の発信拠点を目指したい」と話す。
漫画の文化的な立ち位置は、一九八〇年代後半ごろから、大きく変わり始めた。欧米の研究者は日本の今を映し出す格好の素材として
漫画に注目し、国内では九七年から文化庁が漫画やアニメーション作品を対象にしたメディア芸術祭をスタート。
二〇〇〇年には教育白書が漫画・アニメーションを芸術分野の一つと位置付け、知的財産立国を目指す上での重要なコンテンツとして
期待されるようになった。
全国各地では九〇年代以降、漫画家個人(故人)を顕彰するミュージアムの開設が相次いだ。
兵庫県宝塚市の手塚治虫記念館(九四年開館)、矢口高雄が中心の秋田県横手市の増田まんが美術館(九五年)、
高知県香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム(九六年)、宮城県石巻市の石ノ森萬画館(〇一年)…。
こう書くと漫画界は一見、隆盛に感じられるが、漫画雑誌の売れ行きは低空飛行を続けている。
出版科学研究所によると〇五年にはコミックス(単行本)の販売額がコミック誌を初めて抜いた。
単行本が映画化やテレビドラマ化などのメディアミックスで売り上げを伸ばす一方で、その作品を掲載するコミック誌は
定期購読者が減り、十一年連続でマイナスとなっている。漫画産業の構造が変わりつつあるのだ。
同時に漫画ミュージアムの在り方も「まちおこしを狙った漫画家個人・故人のミュージアムブームは過ぎ、次の新たな段階にきている」
(安部室長)。
戦後六十年を過ぎ、貴重な漫画資料は散逸の危機にある。漫画家個人の顕彰にとどまらず、漫画を総合的な文化として扱い、資料を収集し、
そのすそ野を広げるような場所が求められていたのだという。北九州市が計画するミュージアムも、そのような視点に立っている。
(塚崎謙太郎)
ttp://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200709200023a.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月20日(水)23面
ゲーム・アニメ…世界発信 コ・フェスタ開幕 東京・千葉で40日間
映画やゲーム、音楽、アニメーションといった日本のコンテンツ関連イベントをひとつにまとめた
「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」が19日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)の
オープニングセレモニーを皮切りに開幕した。東京と千葉で約40日間にわたりジャパンコンテンツの魅力を内外に発信していく。
「コ・フェスタ」は、業界が個別に開いていた「東京ゲームショウ」や「東京国際映画祭」「国際ドラマフェスティバル」といった
コンテンツ関連のイベントや展示会を、1つの冠のもとに集めて開催するもの。同種のイベントは海外になく、日本の
“コンテンツ立国”ぶりを内外にアピールする効果があると、コンテンツ産業を所管する経済産業省が中心となり今年から始まった。
コ・フェスタは20日から千葉市美浜区の幕張メッセで開幕する「東京ゲームショウ」をオフィシャルイベント第1弾としてスタート。
以後はデジタルゲームの学術大会「DiGRA」(24〜28日、東京大学本郷キャンパス)、デジタル製品の見本市「CEATEC JAPAN」
(10月2〜6日、幕張メッセ)、「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」(10月12、13日、東京・南青山のスパイラルホール)、
「東京国際映画祭」(10月20〜28日、六本木ヒルズ他)など合計18の催し物が繰り広げられる。
シンボルマークはクリエーティブディレクターの佐藤可士和(かしわ)さんがデザイン。宮崎駿監督や北野武監督の映画で音楽を
担当した久石譲さんがコ・フェスタのテーマ曲を作曲した。メーンキャラクターには映画「バベル」などに出演して世界的に知られる
俳優の役所広司さんが就任するなど、開幕前から豊富な話題で注目を集めていた。
このコ・フェスタを応援しようと113社の経営者が「百人委員会」(委員長・岡村正東芝会長)を設立。
産経新聞社、フジテレビジョンなどのメディアをはじめ自動車、家電、運輸などさまざまな企業が初の一大コンテンツイベント成功に
向け支援していく。
19日に行われたオープニングセレモニーでは、メーンキャラクターを務める役所さんが「日本には誇れるコンテンツがいっぱいある」
と力強く話した。開会宣言した甘利明経産相も「この時期に世界から人が集まるようにしたい」と述べ、
コ・フェスタを国際的に知られるイベントに育てていく考えを改めて示した。
ttp://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/070920/sng070920000.htm 産経新聞 2007年9月20日(木)東京朝刊8面 日本のコンテンツをアピール 東京国際フォーラムでセレモニー
【写真】国際コンテンツフェスティバルが開幕。海外にクール・ジャパンを売り込めるか…
=19日午後、東京国際フォーラムでのオープニングセレモニーに並ぶ出演者ら(撮影・古厩正樹)
ttp://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070920ih01.htm 読売新聞 2007年9月20日(木) コ・フェスタ、東京で開会式…山田洋次監督らが参加
【写真】コ・フェスタが開会。セレモニーではピカチュウや人気女性デュオ「PUFFY(パフィー)」も登場
信濃毎日新聞 2007年9月19日(水)夕刊6面
アニメ「エヴァ」人気再燃 90年代に一大ブーム 新劇場版、県内も列 20−30代とらえ続け
一九九五―九六年にテレビ放送され、ブームを起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(庵野秀明監督)の人気が再燃している。
今月公開された新劇場版の映画には大勢の観客が訪れ、書店などではDVDや漫画の売り上げも好調という。
科学や宗教に関する謎めいた筋書きや、主人公の少年が葛藤しながら成長するのが特徴。
最初のブームからのファンを含め、二十、三十代の大人の心をとらえているようだ。
主人公は、十四歳の内向的な男子中学生。「セカンドインパクト」と呼ばれる世界的な危機が起きた後の日本を舞台に、
少年や少女が人型兵器「エヴァンゲリオン」に乗り、人類が滅亡しないよう「使徒」と呼ばれる謎の敵と戦う物語だ。
長野市の複合映画館「長野グランドシネマズ」は県内で唯一「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を公開中。
公開初日の一日と翌二日は約百八十人収容の会場が終日満席となり、その後も週末は混雑した状態。
「ここまで根強い人気があるとは予想しなかった」と同映画館。客層は二十、三十代の男性が多いという。
松本市のCDなど販売のライオン堂は、映画の公開に先立ち八月下旬からDVDや主題歌のCD、Tシャツを売る一角を設けた。
テレビアニメをまとめたDVDが人気で、全巻をまとめ買いする客もいるという。
山内仙志店長(33)は「アニメでこれだけ人気が続く作品も珍しい」と話す。
長野市の平安堂長野店は、今回の映画を流し、漫画や登場人物のイラスト集などを販売する場所を八月末から店内に設置。
本の売り上げは百冊以上。担当する中島春菜さん(22)は、人気の原因を「物語に謎が多く、本、テレビアニメ、映画の
それぞれを見るだけでは、理解しきれない。それがひきつけるのでは」と分析する。
映画を見た長野市稲葉の女性会社員(26)は高校時代、「十四歳の、どこか頼りなく、孤独を抱える主人公」に自分を重ねて
ファンになった。「社会に出ても仕事がつらかったり、人間関係に寂しさを感じるときもあり、今でも主人公と自分が重なる部分がある。
映画を見ると共感し、癒やされます」と話していた。
アニメ専門誌「アニメージュ」の松下俊也編集長(39)は「十二年前、登場人物の精神的な闇が、人々の不安や悩みに訴えかけ
人気が出たのだろうが、今もなお受け入れられているのは、社会は変わっても、大人の不安感は変わっていないことを
示しているのかもしれない」と話している。
株式新聞 2007年9月19日(水)
コラム・晴雨曇
映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」がヒット中、9月第1週の週末(1〜2日)興行ランキングでは首位となった。
「新世紀エヴァンゲリオン(旧題)」は95年から96年にかけて放送されたテレビアニメシリーズ。
当時、一大ブームとなり、アニメとしては「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」に次いで社会現象を引き起こした。
根強い人気が持続し、07年には関連商品の売上が1500億円を突破したという。再映画化され、改めてブームの兆しだ。
今回の人気の火付け役となったのがパチンコのキャラクターに採用されたことで、今では年配のパチンコファンも酒場の話題にするほど。
最近のパチンコ、パチスロはキャラクター全盛で、アニメのほか、美空ひばりや水戸黄門など実在した人物も登場している。
「ヱヴァ」のようにパチンコのキャラクターに採用されて、再び人気が盛り上がった作品に「北斗の拳」があり、映画化もされた。
いまやパチンコがコンテンツビジネスの中心。「ヱヴァ」パチンコ機を販売しているのがフィールズ(2767・ジャスダック)。(セブン)
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/85597/ iza(イザ) 2007年9月20日(木) 警官の父殺し連想…アニメ放送見送り
京都府警南署の巡査部長(45)が専門学校生の二女(16)に殺害された事件を受け、テレビ大阪は20日までに、22日午前4時5分に放送予定のアニメ「School Days」を「女子高生が暴力を振るう場面があり、事件を連想させる」として、放送を当面延期することを決めた。
同番組を放送するテレビ神奈川、テレビ埼玉なども放送を見合わせており、有料のアニメ専門チャンネル「AT-X」は「対応を検討中」としている。
「School Days」は高校生の三角関係がテーマで、PC向け恋愛シミュレーションゲームが原作。
アニメ版は全12話で7月から放送されており、最終回には女子高生が刃物で切りつける場面があるという。
テレビ大阪編成部は「事件とそれほど類似しているわけではないが、不穏な表現だ」(番組情報部)として、20日深夜2時からの放送を中止。
他局での放送見合わせを知った視聴者から前日までに28件の問い合わせがあり、「ぜひ放送して」という声も1件あったという。
一方、27日に放送予定のAT-Xは「同番組には視聴年齢制限を付けているため、中止が妥当かどうか検討する」(編成制作部)としている。
産経新聞 2007年9月21日(金)東京朝刊25面 「School Days」放映延期
京都府警南署の巡査部長(45)が専門学校生の二女(16)に殺害された事件を受け、テレビ大阪は22日午前4時5分から放送予定の
アニメ「School Days」を「女子高生が暴力を振るう場面があり、事件を連想させる」として、放送を当面延期することを決めた。
同番組を放送するテレビ神奈川、テレビ埼玉なども放送を見合わせており、有料のアニメ専門チャンネル「AT-X」は「対応を検討中」としている。
産経新聞 2007年9月20日(木)大阪夕刊15面 「女子高生が刃物」アニメ放送を延期 テレビ大阪
京都府の警官殺害事件を受け、テレビ大阪は22日未明から放送予定のアニメ「School Days」の放送延期を決めた。
女子高生が刃物で切りつける場面があり、「事件とそれほど類似しているわけではないが不穏な表現だ」(同社編成部)としている。
他局での放送見合わせを知った視聴者から19日までに28件の問い合わせがあったという。
毎日新聞 2007年9月20日(木)大阪朝刊31面
京都・京田辺の父殺害:父不信「数年前から」 メールする姿見て−−次女供述
京都府京田辺市で府警南署交通課の巡査部長(45)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された専門学校生の次女(16)が
父親の女性関係について「数年前から悩んでいた」と供述していることが19日分かった。
府警は、長期にわたって父親への嫌悪感を募らせた結果、手おので殺害するに至ったとみて詳しい動機などを調べている。
府警によると次女は、母親が父親の女性関係を疑っているのを知ったことや、父親が誰かとメールで連絡を取る様子を見て
不信感を募らせた。家族も次女について「1週間ほど前から様子がおかしかった」と府警に話しているという。
また、手おのは13日、次女が自宅近くのホームセンターで購入したが、事件当日の18日まで自室に隠し持っていたという。
一方、長女(19)が「最近はないが、(次女は)小学生の時、父親からしつけ程度の暴力を受けていた」と話しており、
府警は父親の暴力と事件との関連についても慎重に調べている。
◇悩み聞いてない−−次女の専門学校
次女が通っていた専門学校が19日、記者会見を開いた。手おのを購入した13日も普段と変わりなく登校していたといい、森広幸教頭は
「まじめで明るく、友人思い。悩みがあったとは聞いておらず、非常に驚いている。生活面の問題もなかった。信じられない」と話した。
同校によると、次女は2年生で、ビジュアルデザインを専攻。遅刻はあったが、欠席はほとんどなかった。
絵を描くことやアニメが好きで、昨秋の学校説明会では専攻の代表として学校のPR役も果たした。
将来の夢としてイラストレーターなどを挙げ、不登校気味の生徒に声をかけるなど優しい子だったという。
同校は事件後、19日まで休校。20日に全校集会を開いて事情を説明し、授業を再開する。
生徒の心のケアにあたるカウンセラーの配置も検討している。【高橋恵子、花澤茂人】
ttp://www.business-i.jp/news/top-page/topic/200709210008o.nwc 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月21日(金)3面
【クローズアップ】どうして 日本のコンテンツを世界に
■国内限界、官民で魅力アピール
20日開幕した「東京ゲームショウ」(会場・千葉市美浜区の幕張メッセ)を先陣に、「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」
が約40日間にわたって東京と千葉で繰り広げられる。コ・フェスタはゲームだけでなく日本の映画やアニメーション、音楽といった
コンテンツ関連の展示会がずらりと並ぶ世界でも類のない総合イベント。狙いはずばり、世界に向け日本のコンテンツ力をアピールすることだ。
(谷口隆一)
「日本のコンテンツが持つポテンシャルは高い。しかし世界にアピールできていない」
今月4日に東京・大手町のアーバンネット大手町ビルで開かれたコ・フェスタのメーンキャラクター任命式。コンテンツ産業を所管する
経済産業省の甘利明経産相は、世界に向けて日本のコンテンツを発信する必要性を訴えた。「自分も国会議員になって毎週
『少年ジャンプ』を読んでいた」ほどの“理解者”だけにその面白さを知っており、もっと世界に広まってほしいという願いに実感がこもる。
コ・フェスタは世界に対してジャパンコンテンツの魅力をアピールする目的で経産省が中心となって創設された。
コ・フェスタのエグゼクティブプロデューサーである重延浩テレビマンユニオン会長は「一緒にやることで連携が生まれ、世界が注目する」
と、従来個別に開かれていたイベントを一つの名称の下で開催することの意義を強調する。
「東京ゲームショウ」を主催するコンピュータエンターテインメント協会の和田洋一会長(スクウェア・エニックス社長)は
「コンテンツの発展に必要な業界と国境を越えた交流が『コ・フェスタ』を通じてできるようになる」と開催を評価する。
≪ゲーム業界に続け≫
漫画をはじめ日本のコンテンツは、海外で注目されている。ゲーム「ポケットモンスター」の新作発売に米国では行列ができた。
ブラジルやデンマークのアニメファンたちが、ネットで日本のアニメや漫画の情報を集め、キャラクターの衣装を作って着る
「コスプレ」を楽しんでいる。報じられるニュースから、日本のコンテンツはすでにグローバル化していると思われがちだ。
しかし、2005年の日本のコンテンツ輸出額は2573億円。このうち9割がゲームソフトで占めており、出版や映画、音楽は合計しても
250億円ほど。ハリウッドの大作映画1本が世界で稼ぎ出す興行収入にも及ばない額なのだ。
北野武監督の映画や宮崎駿監督のアニメが欧州の映画祭でグランプリを獲得するように、決してクオリティーが劣っているわけではない。
世界2ぐらいのGDP(国内総生産)を誇る日本では、国内市場で十分に収益を確保できるため、わざわざ海外展開する必要性を
これまで業界が感じてこなかった。
しかし、少子化・高齢化が進んでいる上に、若者層の娯楽が多様化して、コンテンツ市場の伸びも限界が見えてきた。
気が付けば海外から日本のコンテンツを評価する声が聞こえてくる。
そこで各社とも腰を上げ、既に先行しているゲーム業界に続いて本格的な海外進出の道を探り始めた。
≪アニメ・小説に動き≫
動きがあるのがアニメ業界。長編アニメ「攻殻機動隊」を全米でヒットさせたプロダクション・アイジー(東京都国分寺市)は05年、
米国での放映を織り込み現地企業とテレビアニメ「IGPX」を共同製作した。07年1月には「攻殻機動隊」の実写化に関するエージェント権を獲得。
「ダイレクトにハリウッドのメジャーと交渉する機会が得られ、今後のビジネスに結びつく」とプロダクション・アイジーの
石川光久社長は期待を寄せる。新参者には厳しいハリウッドで拠点を得ながら、着実に海外市場をつかんでいく戦略だ。
漫画は人気だが小説は村上春樹が知られるくらいの出版界でも講談社が「講談社BOX」というレーベルを創設。
三島賞を獲得した佐藤友哉や舞城王太郎、若者に絶大な人気の西尾維新らを発掘した同社の太田克史氏が立ち上げた。
国内に限らず台湾や韓国で若者受けする小説の翻訳出版を仕掛けて、世界に日本の小説をアピールしていく。 (後略)
【写真】「コ・フェスタ」の開会式。日本のコンテンツを世界に発信する総合イベントとして期待される
=19日、東京都千代田区の東京国際フォーラム
【写真】名古屋で開かれた「世界コスプレサミット2007」に参加した各国の「コスプレーヤー」。
日本のゲーム、アニメのキャラクターを意識している=8月1日、東京・秋葉原の東京アニメセンター
ttp://www.tokyo-np.co.jp/tochu/article/entertainment/news/CK2007092202050746.html 東京中日スポーツ 2007年9月22日(土)【芸能】
アキシブ系アイドル誕生!! バニラビーンズ 10・3デビュー
“アキシブ系”注目の女性デュオ「バニラビーンズ」が、10月3日発売のシングル「U ラブ Me(ユー・ラヴ・ミー)」を
引っ提げてメジャーデビューする。
独自のファッションスタイルがポップでキュートなリカ&レナ(ともに年齢未公表)の美女コンビ。
渋谷と秋葉原の文化を融合させた“アキシブ系”アイドルとして早くも話題騒然だ。
北欧的な音楽性が特色で、在デンマーク日本大使館も全面的に応援しており、将来的な夢は北欧ツアー。
“バニビ”の2人は「私たちの楽曲で何かを感じてくれる人を1人でも多く増やせるよう、日々努力していきます!!」
と世界デビューの夢を胸に張り切っている。
音楽などの北欧文化を発信する会社「FLOWER LABEL」と、レコード会社「徳間ジャパン」が送り出すイチ押し新人の“バニビ”。
「皆さんに欠かせない存在になりたい」などの願いを込め、アイスクリームに欠かせないバニラビーンズをデュオ名に採用した。
レトロ感もおしゃれなビジュアル面では、宇多田ヒカル(24)のレコードジャケットなどを手掛けたビジュアルディレクターの
ヒロ杉山氏(45)がプロデュースした。
また、ジャケット写真の撮影で訪れたデンマークでは、7月4日に日本大使館の呼び掛けで、日本人初のコンベンションも開かれ、
現地の若者ら100人以上が殺到し、デビュー前からいきなり世界で認知度を高めた。日本では、“アキシブ系”として
10月下旬に秋葉原でデビューイベントも予定され、2人は「秋葉原は独特の文化とパワーを感じる」と心待ちにしている。
◆アキシブ系 秋葉原のオタク風文化と、渋谷のサブカルチャーのイメージを合わせて呼ぶ若者用語。
「おしゃれだが、アキバでも人気がある」存在のアーティストを指すといわれる。
【写真】“アキシブ系”デュオとして話題を集める「バニラビーンズ」のレナ(左)とリカ
西日本新聞 2007年9月20日(木)朝刊13面
漫画ミュージアムの現在 京都と北九州から <下>施設連携図り可能性拡大 北九州は重要なモデルに (
>>105続き)
「長く記憶に残る、品格を備えたミュージアムにしたい」。八月下旬、北九州市役所で開かれた漫画ミュージアム基本コンセプト
検討委員会の初会合。委員長の漫画家松本零士さんはトレードマークの黒ドクロ入り帽子姿であいさつした。
少年時代を小倉で過ごし、後に「銀河鉄道999」を描いた松本さんをはじめ、「まんだら屋の良太」の畑中純さん、
「シティーハンター」の北条司さん、「ハートカクテル」のわたせせいぞうさん、「バンビーノ!」のせきやてつじさんら、
多くの有名漫画家を輩出してきた事実こそが、同市がミュージアム整備に乗り出したきっかけである。
同市作製の資料には、ゆかりの漫画家計十八人の名が並んでいる。
昨年四十周年を迎えた「あず漫画研究会」に代表される同人活動も昔から盛んで、コミックマーケットも定期的に開かれている。
「漫画にかかわるこれほどの地域資源を生かさない手はない。北九州を、次世代につながるような漫画文化の拠点にしたい」
と同市文化国際部の神野譲嗣主幹は意気込みを語る。
「見る」「読む」「描く」を大きなテーマに掲げ、二〇〇九年度の開館を目指す北九州市漫画ミュージアム(仮称)は、
西日本鉄道がJR小倉駅近くで展開している大型商業施設「チャチャタウン」の増床部分に入居する予定だ。
漫画ミュージアムの位置付けとしては、京都国際マンガミュージアムのような調査・研究重視型と、全国各地の郷土漫画家記念館の
ようなアミューズメント型の中間型、つまり両者の特徴を併せ持ったミュージアムを目指していくことを打ち出している。
中間型を目指すのは、(1)郷土漫画家が多い(2)立地が商業施設内であり一定の集客が期待できる
(3)資料収蔵にそれほど大きなスペースは割けないであろうこと−など北九州の特性を考慮した結果である。
検討委では細かいコンセプトを詰め、十一月には最終報告を出す予定だ。
ただ、建設や運営に行政や民間がどのような形でかかわっていくかについてはまだ何も決まっておらず、実現に向けて不透明な部分もある。
検討委の委員も務め、各地の漫画ミュージアムの企画や運営に詳しい宮本大人・北九州市立大文学部准教授(メディア論、日本漫画史)は
「北九州にミュージアムができれば、純粋な公立の総合漫画ミュージアムとしては全国初。
ここの成否は今後の漫画ミュージアムの行方を占う重要なモデルとなるだけに、全国の漫画研究者が注視している」と話す。
漫画家個人を顕彰するミュージアムは、特に故人の場合は新たなコンテンツが生まれず、財政力も乏しいため、来館者が伸び悩んでいる。
さらに北九州のような大都市の総合ミュージアムが成功しなければ、漫画ミュージアムが今後発展していく可能性はしぼんでしまう。
漫画ミュージアムの今後を考える上で、最も重要なのが施設同士のネットワークの構築である。
成り立ちも運営主体もさまざまな各地のミュージアムは、一部をのぞいて、これまであまり連携を取ってこなかった。
総合的な機能をもつ漫画ミュージアムはすでに京都と川崎にあり、それに北九州が加われば、それぞれのエリアのハブとして機能し、
個人ミュージアムと連携を取ることで、企画の幅は限りなく広がっていく。
例えば九州では、日本一の少女雑誌コレクションを誇る熊本県菊陽町図書館や、風刺漫画の公募展を続けている
同県湯前まんが美術館、北九州と同じく多くの漫画家を輩出している大牟田市などとの連携が考えられるだろう。
京都国際マンガミュージアムの安部一郎・運営統括室長は「漫画という膨大で多岐にわたる文化を研究・収集するにはすみ分けが必要。
九州ならば、地元作家だけでなく、アジアを見据えてはどうだろうか」と提案する。
新たなスタイルの漫画ミュージアムは、幅広い世代の人々が、漫画の多様性に触れることができる場所として、
漫画がさらに文化として根付き、居場所を得ていく役割を担っている。 (塚崎謙太郎)
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/85910/ 産経新聞 2007年9月19日(水)大阪夕刊11面
干物女 腐らず、美味しく生きよ 富山由紀子
30代以上・未婚・子ナシ……コラムニストの酒井順子がこうした女性を「負け犬」と名付けたのは2003年のことである。
あれから4年。今度は「干物女」なる新ジャンルがメディアに登場し、ちょっとした話題となっている。
発信元は、ひうらさとるによる女性向けコミック『ホタルノヒカリ』。
本作は先頃ドラマ化もされている。主人公は、大手有名企業のインテリア事業部で働く27歳の独身女性、雨宮蛍。社内ではテキパキと
仕事をこなす一方で、トレンドにも敏感なOLさん、というイメージの蛍だが、それはあくまで仮の姿。帰宅すると事態は一変する。
家での蛍は「恋愛するより家で寝てたい」と、ジャージにTシャツ、ノーメイクにノーブラで過ごし、休みの日は、異性との出会いを
求めて合コンに出かけるよりも、大好きなビールやお菓子、マンガに囲まれ、散らかり放題の部屋でごろごろする方がシアワセだと感じる。
自身の恋愛に関する記憶は、古すぎて思い出すこともままならないが、だからと言ってそれをコンプレックスとも思っていない。
そんなライフスタイルが「青春時代“干物”にした老人みたい」ということで「干物女」と命名されるに至ったのである。
「枯れてるヒロイン」である蛍にシンパシーを感じ、自らも「干物女」を自称する読者の多くは、蛍と同世代の女性たちである。
蛍の生き方は、よくある「仕事に恋に一生懸命なヒロイン」に比べ、はるかにリアルなものなのだ。
考えてみれば、社会進出を果たした女性たちにとって「仕事も恋も頑張る」あるいは「仕事も子育ても手を抜かない」といった
「両立」のスローガンは、目指すべき理想像としても機能するが、重い足かせともなる。この足かせを外すため、多くの女性はひとまず
どちらか一方を選ぼうと努力するが、蛍はそうした二者択一に煩わされること自体を本能的に回避する。
頑張らず、この瞬間をラクに生きる。それが蛍のポリシーなのだ。しかし、なぜ彼女は若くして「両立」から降りる人生を選択したのだろうか?
それは彼女の年齢が27歳に設定されていることを考えると分かるような気がする。
彼女の世代は、ちょうど「ロストジェネレーション」にあたるのだ。
またの名を「氷河期世代」とも言われる「ロストジェネレーション」は、バブル経済の時代にはまだ幼すぎてその恩恵を実感できず、
成人し、いざ就職しようとすると今度は未曾有の就職難に苦しんだ世代だ。現在27歳の蛍を1980年生まれとすると、
彼女が就職活動をしたと思われる2000年前後の有効求人倍率は、就職氷河期の中でも最低の数値を示している。
そうした状況の中、やっとの思いで入った会社も、働き始めてしばらくたつといわゆる「売り手市場」となり、
後輩たちが自分の時ほど頑張らなくても入社可能になっている現実を見れば、世の不条理というものを嫌でも考えさせられる。
何から何まで割を食った世代、とでも言えばいいだろうか。個人の力ではどうにもならない時代の流れに身を任せるしかなかった
ロストジェネレーションにとって、シアワセを手に入れる一番の近道が、無人島で漂着物を待つ人さながらに「寝て待つ」ことだったと
しても何ら不思議はない。
「負け犬」を遙かに抜き去る老成ぶりと、ある種の諦念を身につけた「干物女」の誕生には、このような時代的背景があるのだ。
そう考えてみると「干物女」のだらしなさは、自世代の体験を反映させた非常に戦略的なものに見えてくる。
社会では必要最低限の労働力や女らしさを提供することでその見返りを受け取り、プライベートではどこまでもマイペースに。
公私を徹底的に分けるこうした生き方を「二重人格」「裏表」といった言葉で批判する向きもあるだろうが、彼女たちに言わせれば、
それは「高度に洗練された〈生き分け〉方」だということになる。
一切のムダを省いた干物ライフは悪くない。だが彼女たちも、寝ながらできるエクササイズくらいはしておいた方がいいだろう。
長い人生には、寝て待つことで得た果報を守るために自らの能動性が必要とされる、という逆説的な場面もあるからだ。
動くことを完全に忘れれば、やがて腐った「生ゴミ女」になってしまう。美味しい干物となるにはそれなりのコツが要るのかもしれない。
(とみやま・ゆきこ=フリーライター)
「干物女」恋愛よりも家でゴロゴロ 85%が自覚
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/trend/070919/trd070919000.htm
北海道新聞 2007年9月21日(金)夕刊全道8面
<カルチャープラス MANGA 雑賀喜由の眼> 漫画誌の早期休刊に憤り
「コミックヨシモト」が、わずか三カ月で休刊となりました。同誌は大手芸能プロダクションの吉本興業が出資して、
今年六月にスタートした青年向け漫画誌です。島田紳励、桂三枝ら所属タレントを原作者に起用して、
連載作品の映像化などメディアミックスも視野に入れた大型プロジェクトでした。
しかし、創刊からたった三カ月、通巻七号にして早くも休刊。驚く以上に「あきれた・・・」というのが本音です。
この欄で何度か指摘してきたことですが、この数年、漫画業界に出版以外の他業種からの進出が相次いでいます。
ソフトバンク資本の「月刊少年ブラッド」、パチンコメーカーなど複数資本による「月刊少年ファング」は、
いずれも大々的な戦略を打ち出して話題となりました。しかし、どちらも創刊一年経ずに休刊の憂き目を見ているのが現実です。
売れ行き不振の商品は瞬時にコンビニエンスストアの棚から消えていきます。漫画雑誌とて同じことで、売れなければ傷口の
浅いうちに撤退すればよいというのが、「コミックヨシモト」をはじめとする他業種資本の言い分でしょう。
しかし、出版を単なる商売、漫画を単なる商品としか考えない姿勢は疑問です。出版や漫画には、商売・商品であると同時に
「文化」としての側面もあるはずです。
多くの漫画家、編集者の「面白い漫画を」という努力によって、漫画は文化にまで育ち、その商品価値を高めてきました。
安易な参入、安易な撤退は、漫画業界にとって百害あって一利なしです。漫画家や編集者を育てて明日の名作を生みだそうという
気概のないやからには、「漫画をなめるな」と怒りを込めて言ってやりたい心境です。 (漫画コラムニスト)
【写真】「コミックヨシモト」の創刊号(左)と休刊号
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up222664.jpg 北海道新聞 2007年7月6日(金)夕刊全道8面
<カルチャープラス MANGA 雑賀喜由の眼> 漫才から漫画へ 吉本興業参入
人気お笑い芸人が多数所属する大手芸能事務所「吉本興業」が、なんと漫画雑誌を創刊しました。
その名もずばり「コミックヨシモト」。六月十九日創刊で、毎月第一・第三火曜日発売です(道内は一−二日遅れ)。
売りは人気芸人が漫画の原作や原案を担当している点。島田紳助原作「いつか見た島」、桂三枝原作「上方落語へいらっしゃ〜い」を
はじめ、千原ジュニア、2丁拳銃、ハローバイバイ関、ハリセンボン…と芸人の名前が並びます。
その他にも、「嬢王」「女帝」などのヒット作を持つ人気原作者・倉科遼の原作で、お笑い芸人を目指す若者の青春を描いた
「んなアホな!!」や、レイザーラモンをキャラクター化して巨匠・永井豪に漫画化させた「探偵事務所H・G」など、
どの作品もお笑いや吉本興業絡みの企画になっているのが大きな特色です。
「吉本興業」と「漫画」という一見遠く感じられる業種が結び付いた背景には、映像やグッズなどマルチに展開していくための
「原作」となるコンテンツを求める企業のニーズがあります。漫画はその供給源として、出版業界外部の吉本興業から
魅力的に映ったのでしょう。この数年続いている他業種の漫画界進出(ソフトバンクなど)の流れのひとつと言えます。
創刊号は、撮り下ろしお笑いライブDVDが付録についたこともあって、まずまずの出足のようです。
漫画ファンではなく吉本芸人ファンが購入者の中心のようですので、この層がDVDなしでも購入してくれるかどうかが勝負の
分かれ目になりそうです。角川書店の「コミックチャージ」など創刊誌の苦戦が続く二○○七年。
「コミックヨシモト」の今後の動向に注目です。(漫画コラムニスト)
【写真】人気芸人が顔をそろえた「コミックヨシモト」創刊号
ttp://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070922AS1K2200322092007.html 日本経済新聞 2007年9月23日(日)朝刊2面
(社説) 相乗効果促すゲームショウ
きょうまで千葉市の幕張メッセで世界最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2007」が開かれている。出展社数二百十七社、
うち海外勢九十七社、発表される新作ソフトは計七百二本と、いずれも過去最大。特に海外の出展社は昨年の約二倍に膨らんだ。
会場でも欧米、アジアなど幅広い地域からの入場者がみられる。高い注目度を日本のコンテンツ産業の振興につなげたい。
縮小が続いた国内の家庭用ゲーム市場は二〇〇六年、V字形の回復を見せ、八年前の規模を取り戻した。主役は携帯型ゲームだ。
「脳を鍛える」などとうたう作品が初心者を取り込んだ。今回の展示会では携帯電話で遊ぶゲームの新作ソフトに占めるシェアが
初めて三割を超した。こうした簡易ゲームではクイズや実用知識の提供など、刺激を競う従来のゲームとは異質な作品が目立つ。
教育、健康などの産業とゲーム業界との境はあいまいになってきた。
他方で従来型のゲーム機向けの新作も多数発表された。画像の精度はより実写映画に近づいている。
近年、ゲームが映画化されヒットする事例も多い。従来型ゲームでも周辺産業との垣根は低くなりつつある。
今年のゲームショウは経済産業省などが音頭を取る「第一回JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の皮切りイベントも兼ねる。
十月末の東京国際映画祭までに開かれる計十八の行事を通じ、ドラマや音楽なども含め、作品を海外からの買い付け業者に売り込んだり、
映画撮影を誘致したりする狙いだ。
日本のコンテンツ産業の規模は十三兆円を超し米国に次ぎ世界第二位。
しかし輸出額の国内市場比は一・九%と米国の一七・八%に比べ見劣りがする。
来年は今年よりも開催期間を集中させ、案内などの情報提供も一カ所から発信するなど参加者の利便性を向上させるべきだろう。
ゲーム、アニメ、漫画という三大コンテンツ産業は独立した存在ではない。小説がゲーム化され、実写映画の海外でのヒットから
主人公が身につけた服の輸出が伸びる現状を考えれば、文学界やアパレル産業との連携の強化も考えられる。
コンテンツの振興が、幅広い業界の成長につながるよう皆で知恵を絞りたい。
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/86145/ 産経新聞 2007年9月22日(土)東京朝刊13面
【私も言いたい】テーマ「中学の武道必修化」
□「精神」伝授がカギ/6割賛成、ダンスは2割
最新ニュースについて、ご意見をネットで募集するコーナーです。15日の紙面で募集したテーマ「中学の武道必修化」について、
18日までに188人(男性151人、女性37人)から回答がありました。主な意見は次の通りです。
◇
「武道の必修化に賛成ですか」
61%←YES NO→39%
「ダンスの必修化に賛成ですか」
18%←YES NO→82%
「武道で礼儀や伝統文化への理解は深まるでしょうか」
62%←YES NO→38%
(中略)
■次回は「アニメは学問?」 Webで募集
東京芸術大学(宮田亮平学長)が大学院の映像研究科にアニメーション専攻を新設する方針です。
大学設置審議会で決定すれば来年度から設置されますが、あなたは「国立大学での設置に賛成ですか」
「作家、監督の育成につながると思いますか」「アニメを学問として認知することに抵抗はありますか」。
ご意見は25日午前11時までに産経Webへ。手紙やFAXでの応募は受け付けません。結果は29日のオピニオン面に掲載します。
◇
結果と応募は産経Web(
ttps://www.sankei.co.jp/anke/)へ。
ttp://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070922/ent070922005.htm 産経新聞 2007年9月22日(土)東京朝刊18面
【8月 CM好感度】15秒でも壮大なドラマ
3カ月首位をキープしていたNTTドコモを抑えて、ソフトバンクモバイルが1位に返り咲いた。
(中略)
スケールの大きなSFアニメ作品で展開する日清食品「カップヌードル」は9位にランクインした。
人類が月に移住した23世紀の未来。2人の青年が、地球を目指して冒険に旅立つ−という物語。
最初は商品とあまりにかけ離れた設定にとまどったが、躍動感のある描写と、毎回15秒で巧みに物語を展開させる手法に感心させられた。
今回は地球にたどり着いた2人が車で草原を疾走し、川に飛び込む。草原をわたる風や水しぶきの描写に清涼感があり、魅力的だ。
主に30代までの男性に支持され、「音楽・サウンド」「映像」などで評価された。CMには「映像作品としてはいいが、商品は売れない」
というものも多いのだが、この作品は「商品にひかれた」で7位に入っていることからも、きちんと商品をアピールできているのだろう。
(岡本耕治)
ttp://opendoors.asahi.com/data/detail/8377.shtml 『AERA(アエラ)』2007年9月24日号(9月15日発売) p.30
「マンガ宰相」誕生か? 漫画大好き麻生太郎氏の器 安倍首相辞意
政界屈指の漫画通が首相候補に上り詰めた。「さおだけ屋」の山田真哉氏が、愛読作品から「政治家・麻生太郎」を読み解く。
首相が辞任すると、先行き不安な政局を反映して株価が下がるのが普通だが、安倍首相の辞任表明直後に高騰した銘柄がある。
ブロッコリー71%高、まんだらけ13%高……。いずれもアニメや漫画の関連株。
ポスト安倍が、オタクの若者らに人気が高い麻生氏だと見越して買われたのだ。
子どものころの『のらくろ』に始まり、アメリカ留学時は船便で「少年マガジン」「少年サンデー」を送ってもらっていたという
漫画好きは筋金入りだ。外相だった今年5月には外国人漫画家に贈る「国際漫画賞」を創設した。
ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者で公認会計士の山田真哉さん(31)は実は隠れ漫画オタク。
麻生氏の人物鑑定を依頼すると、愛読作品のラインナップをざっと見て、
「いわゆる漫画好きがおさえる教科書的な作品が多いですね」
中でも、『キャプテン翼』『銀河英雄伝説』『ローゼンメイデン』の3作品に注目した。
●野望重なる『キャプ翼』
麻生氏がしきりに「海外では日の丸よりも有名なんですよ」と持ち上げる『キャプテン翼』。
山田さんはそこに、麻生氏の「国のかじ取り」の行方を見る。
「アメリカの傘の下にとらわれず、自主独立の道を歩みたいという意志が感じられます」
連載が始まった81年当時、サッカーは野球に押されたマイナーなスポーツだった。『キャプ翼』には、サッカー人気を盛り上げたい
という情熱が全編に貫かれ、ナショナルチームにもスポットが当てられた。日本を国際社会で胸を張れる「とてつもない国」にする
−−という麻生氏の野望と重なるのではないか。アメリカ支配の国際社会に潜水艦1隻で立ち向かう『沈黙の艦隊』ともどこかつながる。
麻生氏の自意識を探るヒントになるのが『銀河英雄伝説』だ。宇宙を舞台に専制国家と民主主義国家が果てなき戦争を繰り広げる。
「主人公のひとり、ヤン・ウェンリーが少数戦力にもかかわらず戦術を駆使して勝つシーンが魅力的です。
少数派閥を率いて闘ってきた自分の姿とウェンリーをダブらせているのではないでしょうか」
「善玉vs.悪玉」という単純な図式ではないリアルな戦争描写は、新世代の外交を担う麻生氏にふさわしいのかもしれない。
●『ローゼン麻生』に共鳴
浮かび上がってきた麻生像は、日本を率いる気概を持ち冷静沈着な戦略家−−。ただ、どこかマッチョすぎるし、イヤミっぽい。
『キャプ翼』や『テニスの王子様』の主人公はあまり努力を見せずに天才として君臨しているし、『島耕作』みたいなスーパーサラリーマン
ばかりなら日本はこんなに疲弊していない。やはりお坊ちゃん育ちには庶民の心がわからないんじゃないか。ふと、そう思ったが、
「これを本当に熟読している政治家なら信用できます」
と山田さんが興奮気味に挙げたのは『ローゼンメイデン』。麻生氏はネット住人から「ローゼン麻生」の愛称で呼ばれるが、
その由来となった作品だ。主人公は、引きこもり。通販で買った人形が生命を持っており、人形同士の運命の戦いに主人公が巻き込まれていく。
「主人公が社会や学校のどんなところが嫌いなのかリアルに描かれている。『ローゼンを読んでいるなら俺たちのこともわかってくれる』
とオタク層は思うんでしょう」
『ローゼン』は今年5月、中途半端な形で最終回を迎えている。
「首相になったら、ぜひとも『ローゼン』を再開させてほしい」
マンガ宰相を待望するオタクたちの思いを山田さんは熱く代弁するのだった。 (編集部 福井洋平)
>>116の続き
■麻生氏の愛読漫画の一部
「ゴルゴ13」(さいとう・たかを)
「三国志」(横山光輝)
「浮浪雲」(ジョージ秋山)
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治)
「エリア88」(新谷かおる)
「キャプテン翼」(高橋陽一)
「アクター」(かわぐちかいじ)
「項羽と劉邦」(横山光輝)
「沈黙の艦隊」(かわぐちかいじ)
「風の大地」(坂田信弘・かざま鋭二)
「加治隆介の議」(弘兼憲史)
「勇午」(真刈信二・赤名修)
「イーグル」(かわぐちかいじ)
「テニスの王子様」(許斐剛)
「ジパング」(かわぐちかいじ)
「太陽の黙示録」(かわぐちかいじ)
「ローゼンメイデン」(PEACH-PIT) ←
「ヴィンランド・サガ」(幸村誠)
「警視正椎名啓介」(やぶうちゆうき)
「銀河英雄伝説」(田中芳樹・道原かつみ)
「弐十手物語」(小池一夫・神江里見)
「インパクト」(坂田信弘・竜崎遼児)
「なんと孫六」(さだやす圭)
「上ってなンボ!!」(小池一夫・叶精作)
◇
※「麻生太郎漫画賞があれば贈りたい」という作品
「常務 島耕作」(弘兼憲史)
【写真】03年のインタビューで、好きなマンガ雑誌は「マガジン、ジャンプ、サンデー、チャンピオン、ビッグコミック、オリジナル、
モーニング、ヤングジャンプ……」。週に10〜20冊を読破するとか。いわく、「最近の漫画から見ると若い世代は英雄を求めてるね」
<photo 編集部・時津剛>
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070923-00000000-fsi-bus_all 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月23日(日)1面
活気づくメガネ市場 “アパレル感覚”バリエーション豊かに
■フレーム産地「鯖江」PRに本腰
今やメガネはファッションの一部。手ごろな価格でおしゃれなメガネをそろえる店が増える中、雑貨やカフェとの複合店、
特定の顧客層をターゲットとしたセレクトショップ風の専門店も目立ち始めた。
“アパレル感覚”のメガネブームに乗り遅れまいと、世界3大フレーム産地の一つ、福井県鯖江市も動き出している。
(中略)
東京・秋葉原では、「めがねっ娘メイド」が一緒にメガネを選んでくれる店が話題だ。
昨年4月に開店した「キャンディフルーツ・オプティカル」は、平日はビジネスマンでにぎわい、週末は“オタク”の若者や
観光客などで来客数が1日50人を超える。
横浜の老舗、山下眼鏡店と、メード服専門店「キャンディフルーツ」が共同企画した。検眼室ではメードが紅茶をいれてくれるほか、
商品ができ上がればメード直筆の手紙が届き、東京タワーやいちご狩りに同伴するイベントを年2回ほど開催。
“メード萌え”と“メガネ萌え”を組み合わせたサービスが大当たりした格好だ。
≪イベント拡大≫
メガネユーザーの裾野が広がり、複数本を所持する人も増えた。メガネは、視力矯正のための“実用品”から
“自己演出”の道具として定着。これにより、03年に5800億円まで落ち込んだメガネ市場は、今年6000億円まで回復するとみられている。
「鯖江は、その時流を生かし切れていない」(鯖江市産業部ものづくり支援課の眼鏡ITグループ長、渡辺賢さん)。
こうした声から、フレームの国内シェア96%を誇る“メガネの聖地”も情報発信に力を入れ始めた。7日からフレームの原産国表示が
厳格化され、中国などの輸入品に対する仕上がりの良さをアピールしやすくなったことも追い風になっている。
これまではOEM(相手先ブランド生産)中心の下請け産業だったため、消費者に直接アピールすることが少なかったが、
今月2〜17日を「FUKUIめがねウイーク」とし、福井県眼鏡協会による初の大がかりなPRに乗り出した。
初日の約650人がメガネをかけて走った「めがねマラソン」に続き、16日はメガネに対するこだわりや情熱を審査基準にした
「めがねっ娘・めがね男子コンテスト」を開催。眼鏡協会の坂野喜一専務理事は、「メガネ関連業者の一大イベントとして
全国規模に育てたい」と意欲満々だ。
越前市にある仁愛大学の3年生で実行委員長の横井理恵さんは、「丁寧で質の高い日本のメガネの良さを広く伝えたい」と話す。
10月10日には「日本メガネベストドレッサー賞」の授賞式が、東京・有明の東京ビッグサイトで行われる。今年は経済界部門で、
“鯖江出身のメガネ男子”であるサイバーエージェントの藤田晋社長が選ばれている。メガネブームに勢いづく「鯖江」に注目だ。
(小坂真里栄)
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/86259 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月23日(日)8面
商機も妄想も膨らむ “メガネ男子”カフェ
メガネを魅力的に“かけこなす”男性、いわゆる「メガネ男子」を売りにするビジネスが広がっている。
東京・池袋にはスーツ着用のメガネ男子が接客する「メガネスーツカフェ Love-all(ラヴ・オール)」が6月末に登場。
若い女性客を中心に会員数は既に1800人を突破した。あまりの人気に、21日から予約優先制を導入。
平日と土曜日の営業時間を1時間延ばし、午後10時までにしたほどだ。
≪コスプレ?!≫
場面設定は、香料会社の社長室。社長を訪ねてきたお客が、メガネにスーツの社長秘書のもてなしを受けるという
ストーリーが展開される。席につくと、会員証である“名刺”を、秘書役のメガネ男子と交換することからサービスが始まる。
来客者の9割は女性で、10〜20代が中心だ。目立つ看板もない地下の店だが、平日で30〜50人、土曜となれば70人以上のお客が来る。
このカフェを企画したオーナーの河井忍さんは、「日本最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)である
mixi(ミクシィ)でも、メガネ男子やスーツ男子を愛好するコミュニティーが数万人のメンバーを抱えている。
キチンと店づくりすれば、必ず成功すると確信していた」と話す。まずは年商5000万円が目標だ。
京都や大阪から来店した女性からは「関西にも出店してほしい」とよく言われるという。
今後はオリジナル商品の物販も始めるほか、「店舗を増やし、全国区を目指したい」(河井さん)と意欲をみせる。
≪理系に萌ぇ≫
8月31日から3日間、横浜・みなとみらい地区のパシフィコ横浜で開催された「世界SF大会2007」。
世界中からSF(サイエンス・フィクション)のファンやクリエーターが集まるイベントだ。
その会場の一角で、理系・白衣・メガネの男子が接客する「カフェ・サイファイティーク」がお目見えした。
スタッフ全員が理科系の大学出身者または在校生で、博士や修士といった学位保持者も多数。
理科実験室のようなカフェで、“ハカセ”たちがビーカーにコーヒーを注ぎ、科学に関する会話を来店者と交わしていた。
ベストセラーとなったSFホラー小説「パラサイト・イヴ」の作者で、東北大学工学部の特任教授でもある瀬名秀明氏も飛び入り参加。
「メガネ男子がなぜこんなに人気なのか、正直わからない」としながらも、理系トークに花を咲かせていた。
3日間で約300人の来客があったという。
≪行列できる≫
東京・渋谷でイタリア料理などをメニューにそろえる「カフェダイニングクラブ セレブ渋谷」は、若者向けに
メガネ販売店を展開するHatch(ハッチ)と共同イベントで「メガネカフェ」を、30日までの期間限定で開催している。
期間中は、男性スタッフ全員がメガネ姿で接客し、メガネを模したロールケーキやカクテルなどの特別メニューを提供する。
話題性もあって好評だ。
また、8日には1日だけの「メガネ喫茶」が東京・渋谷に登場。「毎回100人近くが来店し、行列までできる」
(メガネ喫茶実行委員会)という人気イベントだ。3回目となる今回は、人数制限のため、ついに予約制になった。
訪れる客は20〜30代のOLがほとんど。1回目からメガネ男子として参加している接客スタッフの一人は、
「普段はシステムエンジニア。メガネをかけるとモチべージョンが高くなる」と、自身も楽しんでいる様子。
≪印象を一新≫
2005年発行の「メガネ男子」(アスペクト)に端を発して、盛り上がり続ける“メガネ男子ブーム”。メガネをかけた男性の
「ガリ勉」「ひ弱」「オタク」といったイメージは過去の話。今では「知的」「ナイーブ」「機械に強そう」などのプラス要素に一変。
「クールに見えて、実は甘えん坊かも…と、妄想が膨らむ」(30代女性の「ラヴ・オール」のお客)という声も。
女性の好感度が急上昇したのは、確かなようだ。
メガネ市場にとって追い風なのはもちろんだが、メガネ男子人気に乗った新たなサービスも、まだまだ登場しそうな気配だ。(小坂真里栄)
ttp://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070920/ksk070920003.htm 産経新聞 2007年9月21日(金)大阪朝刊9面
ゲーム、アニメ 関西から世界へ アジアコンテンツマーケット
◆来月1、2日 大阪で開催
関西とアジアの企業を対象にしたゲーム、アニメなどデジタルコンテンツ(ソフトの中身)の展示商談会
「アジアコンテンツマーケットin関西」が10月1、2の両日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれる。
日本製のアニメやゲームは世界中で高い評価を得ているが、制作企業は関東に集中しているだけに出展企業の一つ、
ナスピア(同区)の中島正行社長は「大阪にも優秀なコンテンツ企業がたくさんあることを示したい」と意欲をみせている。
(藤原直樹)
同商談会は、関西経済連合会と近畿経済産業局が中心となって9月29日から10月6日まで関西各地で開く
「クリエイティブ・インダストリー・ショーケースin関西」の中心イベント。
関西のコンテンツ制作企業の作品を出展し、中国、韓国などアジアの企業との商談を目指している。
出展企業はナスピアや携帯電話用ゲーム開発のブリーゾインタラクティブ(大阪府吹田市)、ホープムーン(同)、
インターネット上のアニメを制作するモンキャラメル(大阪市中央区)など約100社。
大手では松下電器産業が電子書籍を展示するほか、NTTドコモ関西やケイ・オプティコムも参加する。
同様の商談会は2月にも大阪で開かれ、中国、韓国からも20社が参加し、その多くが関西企業と商談に発展。
近畿経産局サービス産業室の内海美保室長は「大阪とアジアは親和性が高いようで、話がしやすいとの声をよく聞く」という。
ナスピアも2月の商談会に出展。中島社長は「これまで関西では製品を出展する機会がなかった。
ひとまずスタートを切れたことが大きい」と話す。
ナスピアが出展するのは携帯向け地上デジタル放送(ワンセグ)と連動した携帯コンテンツ「ココモコハッピー占い」。
テレビ大阪との提携事業で、ワンセグを見ながら占いゲームのサイトに直接アクセスすることができる。
放送とネットを連動させた新しいサービスとして売り込む。
関西のコンテンツ市場は首都圏に比べて小規模だが、東京ではすでに需要が供給を上回っている状況で、
関西企業への業務発注も急増しているという。中島社長は「関西の実力を発信していくためにも商談会を継続することが大切。
コンテンツを常に展示できる場所の設置も働きかけていきたい」としている。
【写真】2月に大阪市内で開催されたデジタルコンテンツの商談会
ttp://www.nikkei.co.jp/news/tento/20070921AT2E1801A20092007.html 日本経済新聞 2007年9月21日(金)朝刊16面
アニメ各社、海外売上高比率が上昇、今期、東映アニメ20%に。
アニメの企画制作会社が海外売上高を伸ばしている。東映アニメーションは二〇〇八年三月期に二〇%になる見通し。
まだ利益への寄与度は小さいが、日本のアニメに対する海外の需要は大きい。今後は海外事業が利益成長や株価を左右する要因になりそうだ。
東映アニメは米テレビ局で十月から「デジモン」の放映が始まるなど番組販売が拡大する。吹き替え費用で海外の営業利益は
前期並みとなりそうだが、当面は「海外売上高比率五〇%を目指す」(経営企画部)。
国内放映したアニメの販売に加え、現地テレビ局との共同制作も始めた。
マーベラスエンターテイメントは番組販売に加え、欧州でゲームソフトが好調。海外売上高比率は五ポイント上昇しそうだ。
GDHはマレーシア子会社を拠点にアジア各国と豪州でオンラインゲームを配信。中国でアニメのネット配信も始めた。
プロダクション・アイジーは主力作品の「BLOOD+」の放映権販売で版権収入が増加。
バンダイビジュアルはDVD販売の米子会社が〇八年二月期から連結対象となることが寄与する。
ttp://job.nikkei.co.jp/2008/contents/news/inews/nt21auto020/NIRKDB20070921NSS0127.html 日経産業新聞 2007年9月21日(金)21面
ブロッコリー、アニメ関連で秋葉原に新店舗。
ジャスダック上場でアニメ関連商品などを販売するブロッコリーは二十日、東京都千代田区のJR秋葉原駅前に新店を出店すると発表した。
新店は現在のゲーマーズ秋葉原本店に隣接し、店舗面積は九百九十二平方メートルで投資額は約二億円。
アニメ文化への関心が高い客層が集まる秋葉原に経営資源を集中させる。二〇〇八年七月の開店を目指す。
現在の秋葉原本店とあわせると、店舗面積は二千四百平方メートル弱となる。複数階で秋葉原本店と連結させるなど、経営効率を高める。
ttp://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070921ih21.htm 読売新聞 2007年9月22日(土)東京朝刊37面
国際コンテンツ人材交流・育成セミナー開催
19日に開幕した「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の公式イベント、国際コンテンツ人材交流・育成セミナー
(読売新聞社後援)が20、21の2日間、東京・千代田区の明治大学駿河台キャンパスで開かれた。
日本の映像産業の発展に欠かせない若手の人材を育成するのが狙い。米ハリウッドなど世界で活躍する映画プロデューサーらが、
約200人の来場者に日本のコンテンツの魅力などをテーマに講演した。セミナーは10月26、27日にも六本木ヒルズで開かれる。
問い合わせはセミナー事務局((電)03・5442・3144)まで。
読売新聞 2007年9月20日(木)東京朝刊36面
「吉祥寺発アニメ」舞台裏のぞく 原画、絵コンテずらり100点=東京
吉祥寺のアニメ制作会社が作った映画「ジーニアス・パーティ」の原画や絵コンテなどを集めた企画展が、武蔵野市立吉祥寺美術館
(吉祥寺本町1)で開かれている。国際的な評価も高い「吉祥寺発アニメ」の制作過程や、その舞台裏がわかる展示となっている。
映画を製作したのは、吉祥寺駅北口近くにある「スタジオ4℃」。同社は1986年の設立で、代表の田中栄子さんは、宮崎駿監督の
「となりのトトロ」(88年)や「魔女の宅急便」(89年)で、制作現場の進行管理を担当する「ラインプロデューサー」を務めた。
田中さんが企画・製作した最新作「ジーニアス・パーティ」は、気鋭の監督7人に、それぞれ15分間ほどの短編を撮ってもらったオムニバス映画。
企画展では、7作品それぞれの原画に加え、各監督が描いた「絵コンテ」など約100点が展示されている。
渡辺信一郎監督の「ベイビー・ブルー」には、吉祥寺駅が登場する。会場には、渡辺監督が実際に歩いて撮った駅構内の写真と、
それを忠実に再現したアニメの一コマが並べられている。
企画展は10月28日まで。9月26日は休館。午前10時〜午後7時30分。問い合わせは同館((電)0422・22・0385)へ。
【写真】渡辺信一郎監督「ベイビー・ブルー」より (C)Genius Party
ttp://www.daily.co.jp/golf/2007/09/24/0000649890.shtml デイリースポーツ 2007年9月24日(月) “アキバ系プロ”三塚が涙の初優勝
国内女子ゴルフ「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」最終日(3日、宮城県利府町・利府GC=6496ヤード、パー72)、
プロ2年目の三塚優子(23)=フリー=が2バーディー、1ボギーの71、通算8アンダーでうれしいツアー初優勝を飾った。
後半16番から得意のドライバーを封印し逃げ切った。
マンガとゲームが大好きで、しかも女社長という“アキバ系社長プロ”のニューヒロインが誕生した。(中略)
豪快な見かけとは違い、マンガとゲームが大好きだ。「優勝賞金でこち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)全巻を買う」と
現在156巻まで発売されている人気漫画の“大人買い”を宣言。今季開幕直後には携帯ゲーム機をやりすぎて肩こりを起こし、
予選落ちした試合もある。好きな男性は新世紀エヴァンゲリオンに出てくる渚カヲル。正真正銘の“アキバ系”だ。(中略)
これで来週の日本女子オープンの出場権も獲得。「来週はエヴァンゲリオンの映画を見に行こうと思っていたのに」とうれしい悲鳴を上げていた。
ttp://www.nikkansports.com/sports/golf/p-sp-tp1-20070924-260565.html ニッカンスポーツ 2007年9月24日(月) 三塚V賞金で「こち亀」買う/女子ゴルフ
女子ゴルフ界の「アキバ系プロ」を自任する三塚(みつか)優子(23=フリー)が、通算8アンダーで初優勝を果たした。
初の最終日最終組の重圧を感じさせぬ堅実なプレーを披露。終盤は曲がりだしたドライバーを封印する安全策で逃げ切った。
漫画と携帯型ゲームが大好きで、「メイド姿」にもあこがれる異色の新人が、堂々とツアーを制した。(中略)
優勝賞金1080万円の使い道を聞かれると「これで『こち亀』を全巻買えます」。
オタク丸出しの表情で、少年ジャンプの人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(全156巻=6万3960円)の購入を宣言した。(中略)
昨年の予選会5位の資格で、今季ツアー初参戦。この優勝で、今週の日本女子オープンの出場権も手に入れた。
「うれしいんですけど、来週は(映画の)『ヱヴァンゲリオン』を見にいくつもりだったんですよ」。この日の自民党総裁選では、
アキバ系に大人気の麻生太郎幹事長を支持していた。「応援してたのに、麻生さんは負けちゃいましたね」と苦笑いで話した。
今季序盤、試合直前まで「(携帯型ゲーム機の)ファイナルファンタジーをやっていたら肩凝りになっちゃって」予選落ちしたこともあった。
秋葉原に行ったことはないが、「メイドの服には興味ありますね」という。「次の目標は…2勝目ですかね。来週もいっちゃいましょうか?」。
女子ゴルフ界にまた1人、魅力的な新鋭が飛び出してきた。【大石健司】
ttp://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/golf/news/CK2007092402051122.html 中日スポーツ 2007年9月24日(月) 【ゴルフ】三塚優子 8アンダー初V ミヤギテレビ杯ダンロップ女子OP
ゴルフ界の“ゆうこりん”三塚優子(23)がツアー初Vを飾った。前日トップに立ったプロ2年目の三塚は2バーディー、
1ボギーの71で回り、通算8アンダーで初優勝。身長172センチ、平均飛距離260ヤードの大型プレーヤーで、
漫画とゲーム好きの“アキバ系”。女子ゴルフ界に新キャラクターが登場だ。(中略)
大器とうわさされるにふさわしい堂々たる逃げ切り勝利。真っ黒に日焼けしたその顔からは想像しにくいが
「私、アキバ系なんですよ。漫画とゲームが大好き。オフは漫画喫茶も行きます。(自民党の)総裁選はもちろん、麻生さん応援」と三塚。
将来の夢を「タイガー・ウッズみたいな、ギャラリーを魅了できて人間的にも素晴らしいゴルファーになりたい」と話しながら、
「優勝したから『こち亀』(人気漫画のこちら葛飾区亀有公園前派出所)を全巻そろえようかと」と、156巻の“大人買い”宣言。
ついでに「次の目標は…2勝目。2週連続V? 狙っちゃおうかな」と、天真爛漫に笑った。 (月橋文美)
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/sports/golf/article/news/20070924-OHT1T00015.htm スポーツ報知 2007年9月24日(月) “アキバ系”三塚、初V賞金で「こち亀」全巻…ダンロップ女子ゴルフ最終日
ttp://www.sanspo.com/golf/top/g200709/g2007092400.html サンケイスポーツ 2007年9月24日(月)【国内女子】涙の初V!アキバ系・三塚「賞金でこち亀揃える」
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709150185.html 朝日新聞 2007年9月23日(日)
(コミミ口コミ) 剣の闘いに迫力 アニメ映画「ストレンヂア」
アニメ映画「ストレンヂア 無皇刃譚(むこうはだん)」が、29日から全国公開される。乱世を舞台に、剣に生きる名もなき
男たちを描く時代劇アクション。「CGとは違う、手がきアニメの底力を見てほしい」と安藤真裕監督は話す。(アサヒ・コム編集部)
明(みん)から来た武装集団に追われる少年・仔太郎は、刀を封じた浪人に助けられ、用心棒役を頼む。
「名無し」と名乗る浪人は、ひねくれた性格の仔太郎に手を焼きつつ旅を共にし、やがて武装集団との全面対決に身を投じる。
安藤監督は、アクションを得意とするアニメーターとして、映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などで活躍。
今回が初監督作となる。アニメーション制作はBONES(ボンズ)が担当した。
「自分がアニメーターだったらどんな作品に参加したいか、と考え企画した。時代劇は、物語の核にいつも人の生き死にが
あるところにひかれる。刀を介して肉体同士がぶつかりあうのも、アクションとして魅力的。
刀と体で闘う侍と、鉛筆と体で闘うアニメーターとは、何か近いものを感じてもいた」
脚本は、アニメ監督としても活躍する高山文彦を指名。「ちみつで理詰め、抑制のきいた乾いた味が、僕の目指すものと合致していた」
武装集団最強の剣士・羅狼(らろう)は、役目よりも名無しとの対決に心が傾き、血をたぎらせる。
雪のとりででの2人の対決がクライマックスとなる。
「名無しは自分を語らず、刀を抜かない男。最後の最後、ついに刀を抜くまでが演出の勝負と思っていた。
観客の緊迫感、『待ってました!』という思いを盛り上げられれば、剣と剣がぶつかり合った時にカタルシスが生まれる。
あとは、アニメーターの絵力を、たっぷり楽しんでもらえたらいい」
【写真】映画「ストレンヂア 無皇刃譚」から 主人公「名無し」の声は、声優初挑戦の長瀬智也が担当
(C)BONES/ストレンヂア製作委員会2007
【写真】名無しと対決する羅狼(上)は、金髪の孤高の剣士。声は山寺宏一
【写真】「『魔界転生』のようなケレンのある時代劇が好き」と話す安藤真裕監督=東京都内で
【写真】犬の飛丸だけに心を許す天涯孤独の仔太郎。声はジャニーズJr.知念侑李
【写真】仔太郎と名無しは旅をするうちに心を通わせていく
【写真】ある理由で刀を封じた名無しだが、羅狼はその秘めた力を見抜く
【写真】キレがよく迫力あるアクションが見どころ。アニメーション制作はボンズが担当
ttp://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070924/jkn070924016.htm 産経新聞 2007年9月24日(火)
おので切りつけ相次ぐ 凶行はアニメの影響?
未成年がおので親を切りつける事件が相次いだ。京都府警南署の巡査部長(45)が京田辺市の自宅で殺害されてから、25日で1週間。
就寝中の父をおので襲った凶行について、二女(16)は逮捕された直後「後悔していない」と話した。
理由は「父の女性関係が嫌だったから」。捜査幹部は「彼女なりの論理なのか」と理解に苦しんでいる。
おのは、犯行の5日前に買い、自室に隠し持っていた。犯行前には「返り血が目立たないよう」黒のワンピースに着替えていた。
この事件では、マンガ化・アニメ化されたゲームの影響が、インターネットの掲示板などで指摘されている。
主人公の少女が振り回すおのが象徴的に使われ、猟奇的なシーンを問題視する声もある。事件後、一部テレビ局で同作のアニメ放映が休止された。
二女は「ゴシック・ロリータ(ゴスロリ)」と呼ばれる作中の主人公が身にまとっていた黒ずくめの衣装に興味を持っていたことも
判明。絵が得意で、マンガやアニメにも強く興味を抱いていたとみられている。
専門家らによると、長野の事件は、アニメなどの影響というよりは、「単に京都の事件に触発されたのでは」との声も上がるが、
犯罪社会学が専門の間庭(まにわ)充幸・静岡大学名誉教授は「ゲームが少年犯罪に与える影響は以前から指摘されてきた。
京都や長野の事件にも影響を与えていたかもしれないことは十分に考えられる」と指摘する。
その一方で、間庭教授は、「今の少年たちはインターネットのような素早い反応ばかりを求めて心の余裕がなくなっている」と話す。
対話が苦手で家族とのコミュニケーションさえも満足にとれず、親子関係の崩壊につながるケースも増えているという。
こうした状況が続くと、日常生活の中でも「嫌いだから」といった短絡的な理由で
「親をおので切りつけるような猟奇的な犯罪が起きやすくなる」と話している。
ttp://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007092500027&genre=C1&area=K20 京都新聞 2007年9月25日(火)
極度に潔癖、父憎悪? 京田辺・殺害1週間
京都府警南署の巡査部長(45)が京田辺市内の自宅で専門学校2年の二女(16)に殺害された事件から、25日で1週間になる。
「おとなしい子」と周囲が見ていた二女は、なぜ父親の首をおので切って殺したのか。
供述や家族らの証言からは、極度の潔癖性と特異な趣味が浮かび上がってきた。
(中略)
二女は小学校の卒業文集に「画家になりたい」と記し、中学校では美術部に所属、「趣味に合った進路」として芸術系の専門学校に進学した。
家族は警察の聴取で、二女の趣味について「ホラー好きで、血が出るのが好みだった」
「血のりの模様を付けた包帯を腕に巻くなど、ゴシック・ロリータ(ゴスロリ)が好きだった」と話している。
ゴスロリは10代から20代に流行しているファッションで、黒ずくめの服装や怪奇的傾向などもその1つとされる。
押収した二女のスケッチブックには、ゴスロリをテーマにしたイラストが描かれていたという。
同署によると、二女は留置場で寝そべったり、備え付けのマンガを読むなど落ち着いた様子で、食事もしっかり取っている。
質問には淡々とした口調できちんと受け答えし、20日に母と姉が事件後初めて面会に訪れた際も取り乱した様子はなかったという。
最近の少年による親殺害事件は、男子による犯行がほとんど(別表参照)で、少女が父親を殺害するのは、極めて異例の出来事だった。
「反抗したり、きれたこともない、普通の子」(中学の先輩)だった二女が、父親殺害を決意するまでに嫌悪感を募らせた背景には、
何があったのか。この父娘の間で深まっていった闇の解明が待たれる。
ttp://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=2&newsNo=2713 新潟日報 2007年9月25日(火)地域総合
漫画家の卵たちをプロが指導
有名出版社の漫画雑誌編集者が、専門学校生に直接、作品の指導をする「編集長添削会」が20日、
新潟市中央区古町通5の日本アニメ・マンガ専門学校で行われた。
プロデビューを夢見る漫画家の卵たち約60人が、恋愛やコメディーなどを描いた自信作を持ち寄り、真剣な表情で指導に耳を傾けた。
添削会は同校が開校した2000年から毎年行われており、年十数回開かれる。
添削会をきっかけに、これまで同校出身の38人が漫画家としてデビューした。
同日は、講談社の「週刊少年マガジン」編集部から編集者3人が訪れ、
「もっと心に響くせりふを探して」などと1対1で生徒に具体的な助言を行った。
初めて描いた作品を添削してもらった同校1年、荒井那加子さん(18)は
「疑問点や悩みも気軽に相談することができた。自分では気付かない問題点を指摘されて参考になった」と話していた。
ttp://www.media-tech.co.jp/detail/runjyery.htm 『らんじぇりー大百科』
メディア・テック出版 著者 下着大百科制作委員会 判型 四六判 総ページ数 192
定価 1,500円(本体1,429円+税5%) 発行年月 2007年9月 ISBN 978-4-89627-360-1
見ないでよ、H(えっち)! それでも見たいランジェリー絵が40枚!
現在、アニメや漫画などの日本産コンテンツは、アジアだけではなく世界中で評価され、
「OTAKU」はクールな述語として定着するに至りました。
こうした事情があるため、数多くの人が、オリジナルのコンテンツを製作しようとしています。
しかし、適切な資料が見つからないため、思うように絵が描けず苦労していることが多いようです。
本書は、そうした方たちを対象に、楽しく読めてなおかつ資料としても使えるガイドブックとして作られました。
資料ですから、ある日ベッドの下に隠していたこの本がお母さんに見つかったとしても
「マジメな本なんだよ!」といえばきっとお母さんは信じてくれることでしょう。
彼女がいる人でも安心です。ふたりの仲が親密になってくると、下着のひとつもプレゼントしてあげたくなるものですが、
普通の男性にはどういう下着を選んであげればいいかわからないと思います。
しかし、常日頃から本書を熟読していれば、彼女が気に入る可愛らしい下着をきちんと選んであげることができるでしょう。
というわけで、本書はあくまでマジメな目的で使用することを大前提として作られています。
しかし、このタテマエから外れた使い方をしても、大人の余裕を持っている作者一同は、笑って済ませるつもりでいますからご安心を。
ttp://www.mdn.co.jp/content/view/3953/ 『メイキングボックス アニメとマンガの制作現場』Vol.01
発行:MdN 菊判/144P/オールカラー/ISBN978-4-8443-5942-5/定価1,365円(本体1,300円+税) 2007.09.14発売
すべてのクリエイターに贈る作品メイキング&テクニック情報誌
「アニメーション」「マンガ」「イラスト」のジャンルに特化して、旬な作品のメイキングや役立つテクニックを
紹介していく情報誌が生まれました。
第1章では、『ロミオ×ジュリエット』『ぼくらの』『おおきく振りかぶって』など計8作品のアニメ作品について、
制作スタッフから話を伺いながら、どのようにアニメが生まれていくのかを紹介していきます。
作品の基軸を生み出すプロデューサー、監督、総作画監督、キャラクターデザインはもちろん、各話作監や制作設定まで、
さまざまな職種の人から制作の仕組みや苦労点を伺っていきます。
第2章は、マンガ&イラストのメイキング紹介です。
雑誌連載されている4名のマンガ家から、作品の生まれる経緯や制作のHow toを紹介してもらいます。
実際に連載されている作品から、特定の見開きページがどのように生まれていくのか、
またコミックスの表紙イラストはどのように制作していくのかをステップ形式で解説していきます。
アニメ業界を詳しく知りたいと思っている人、趣味でマンガ or イラストを描いている人、ちょっと興味のある人から
本気な人まで、「アニメ」「マンガ」「イラスト」のキーワードに引っかかってくる人なら絶対オススメの1冊。
ボリューム満点な本誌を楽しんでください!
毎日新聞 2007年9月20日(木)夕刊 文化 批評と表現
(マンガの居場所)「差別」を通して時代性を読む 夏目房之介
吉村和真、田中聡、表智之共著『差別と向き合うマンガたち』(臨川書店)=写真=を紹介したい。
というと「差別」の2文字で身構え、腰が引ける人が多いと思う。僕だってそうだ。
が、読んでみると相当面白い本で、マスコミ関係者やマンガ研究者には読んでおいてもらいたいと思う本なのだ。
面白さの一つは差別とはあまり関係なく、マンガの読み方や表現分析としてわかりやすく面白い、という部分。
もう一つは、差別とマンガがどう関わり、何をどう考えたら いいかを巡る議論の興味深さとしての面白さになる。
僕は、鈍感なのか、育った土地柄のせいか、長じるまで差別という言葉も意味も知らず、無関心だった。いい悪いとは別に、
シリアスな経験値がなくリアリティがない。今は在日やアジア人の知人もいるので、その限りの知見はあるがたいしたものではない。
そんな僕が読んでも、この本は全然敷居が高くない。むしろマンガの基礎的な問題をわかりやすく読ませてくれる、いい入門書だと感じた。
構成がよくできている。第一章「マンガと表現」(吉村)は、マンガの「読み]がもたらす価値観や感性を表現分析的に解き、
二章「マンガと歴史叙述」(田中)は歴史描写に映る歴史観や作者の想像力と面白さ、史実と虚構のはざまに生じる問題を読み解く。
たとえば吉村は『銀河鉄道999』の金髪長身・メーテルとチビでガニ股・鉄郎の対比とその内面類型の関係に注目し、
『サイボーグ009』のメンバーの人種と能力を推理するクイズを出す。その上でそれら人種造形の類型がどう生じてきたか、
またそれがいかにマンガの本来的な機能であるかを示す。あえて<マンガの登場人物描写は、偏見の上に成り立っている>とし、
<だからといって、「マンガは差別表現だ」とするのは拙速>と説く。
田中は、67年と81年の学習マンガに描かれたアテルイ(8世紀、蝦夷の反乱指導者)の描写の違いに歴史観の変化を見る。
前者は野蛮な半裸でヒゲぼうぼう、後者は古代の朝廷と同様の衣服と髪の結い方で、地方豪族という印象なのだ。
<この間に蝦夷についての研究上の大きな転換が起こった>からだという。
マンガ表現と「読み」の構造から、マンガが歴史社会を描くときの問題に進み、それを前提に三章「マンガと現代思想」(表)で、
マンガと差別の問題へと近づく構成である。
表は、過去に差別問題化された『おとこ道』『血だるま剣法』なども扱いつつ、出版社や世間の過剰反応と対話議論の
封印傾向を批判し、こう書く。
<作品には誤読の可能性が無限にあり、作者も出版社も誤読に対する責任を無制限に負うことはできない。
重要なことは、誤読を怖れて表現をスポイルすることではなく、誤読に対する対話の回路が開けるかどうかにある>
マンガが多国籍化しつつある現在、こうした議論の必要は増すだろう。
巻末のイトウユウ解説文には<マンガを読むという行為そのものあるいはマンガ表現それ自体を支えている、歴史的社会的文脈に注目>
した本だとある。つまり、僕などのマンガ表現論が届きにくかった分野、社会に向かって開いた<時代を呼吸するメディア>(表)
としてのマンガの領域を示した本なのだ。まず、そうした本として読まれるべきだと思う。 (マンガコラムニスト)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up224335.jpg
ttp://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin4/article.php?storyid=205 日本農業新聞 2007年9月24日(月) 食材
[モノがたり]天狗缶詰(株)(名古屋市) こてんぐ おでん/若者に手軽さ受け
東京・秋葉原の新名物「おでん缶」。温かいおでんを自動販売機で買える便利さで、電気街に来る若者たちの人気を集める。
いまでは、メーカー数社がさまざまな種類を販売するほど。その元祖は愛知県の業務用缶詰メーカー・天狗(てんぐ)缶詰の
「こてんぐ おでん」だ。ヒットするまで20年間。業務用缶詰しか売ったことがないメーカーの地道な研究があった。
こんにゃく、ダイコン、さつま揚げ、ウズラ卵・・・・・・。具材が、かつおの風味が利いたつゆと一緒に詰まって、1缶280グラム。
十分に空腹を満たせる。「こてんぐ おでん」は、社名より有名になったが、企画・開発部長の伊藤堅一(45)は
「販売当初は、誰も営業したがらない商品だった」と振り返る。
愛知県のウズラ卵生産量は日本一。同社の主力事業も業務用ウズラ卵の缶詰だ。
おでん缶は、ウズラ卵の新たな需要を掘り起こそうと、現社長の伊藤嘉彦が1985年に商品化した。
入社して2年目の伊藤に、おでん缶の営業が命じられた。だが、業務用一筋だった同社には、市販用の販路がない。
「いつでも温かいおでんが食べられる」を売り物に、自動販売機での販売も始めたが、売れ行きはさえなかった。
缶コーヒーと同じ大きさの缶で200円。当時の缶ジュースは100円。一緒に並ぶと割高感があった。
発想は悪くない。素材や味にもこだわった。
しかし、業務用しか扱っていなかったため、値ごろ感や食べやすさ、パッケージのデザインなどの重要性に気付かなかった。
そんな時、「若者が多い社員寮や工場で売れているよ」。自動販売機の設置業者の一言が転機となった。
「若者なら、量が多い方が喜ばれる」と伊藤は感じた。企画・開発部へ異動になった90年、缶を大きくすることを提案した。
商品開発会議には若い社員を動員した。
当初は4本のくしに具を刺していたが、手間と経費がかかる。その方式をやめる分、具の種類と量を増やした。
ただ、はしがなくても食べられる便利さは残したいと、くしを1本だけ入れることにした。
「こんにゃくなら、くしが抜けにくい」「取り出しやすいよう三角形にしよう」。若い社員のアイデアが商品イメージを変えていった。
売る場所も絞った。特に、秋葉原に集まる「オタク」と呼ばれる若者なら、おでん缶の斬新さやこだわりに気付いてくれるかもしれない。
飲食店が少ないこと、店員ら人と話すのが苦手な若者が買いやすい、といった狙いが当たった。
おでん缶のヒットは、社員にやる気を与えた。缶詰の持つ可能性を切り開こうと、こんにゃくをめんにした「ラーメン缶」も売り出した。
その缶にもウズラ卵が入っている。
「売れても天狗にならない。原点を忘れない」。伊藤は自分に言い聞かせつつ、次の新商品を考案する。(文中敬称略)
◇メモ
天狗缶詰株式会社 1923年創業。豊作による農産物の価格低迷から農家を救おうと、トマトケチャップなどを作ったのが始まり。
東京・秋葉原での自動販売機では90年代初頭から販売。2005年のつくばエクスプレス開通をきっかけに「秋葉原名物」となった。
「こてんぐ おでん」は3種類あり、価格は250〜300円(税別)。年間販売数量は360万缶。
読売新聞 2007年9月26日(水)東京夕刊9面 Pop Style(ポップスタイル) vol.75
[News Review]今週のZOOM UP アニメ「スクールデイズ」
偏見を助長する 過剰反応にはうんざり
いったい「良いボート」って? 話せば長くなりますが、全国の地方局やCSで7月から放送されていた「スクールデイズ」という
アニメの最終回が18日、テレビ神奈川で突然放送中止になり、西洋の城や、川を行く船などの風景映像に差し替えられました。
ファンは当然驚き、ネット上の掲示板も大騒ぎ。問題の風景映像のキャプチャー画像が海外のサイトにまで広まったのですが、
事情をよく知らない人(?)が船の画像に「Nice boat.」という普通のコメントをつけたことが逆に受け、
この騒動を象徴するキーワードになったわけなのです。
「スクールデイズ」の原作はパソコン向けの美少女ゲームで、プレーヤーの選択により約20通りの異なる結末が用意され、
中には血なまぐさい、いわゆる「バッドエンド」もあったようです。それが、先日の、京都府警巡査部長が16歳の二女に
手おので殺害されるというショッキングな事件を連想させる、というのが放送中止の理由らしい。
さらに、別のゲームを原作としたアニメも、放送を見合わせる局が出るなど、影響が広がっています。
凶悪な事件が起こるたび、「それを連想させる」という理由で放送が取りやめになるケースが、最近増えている気がします。
被害者や遺族への配慮というより、「触らぬ神にたたりなし」的な事なかれ主義が“過剰反応”の連鎖を招いているようで残念です。
今回の事件でも、「アニメやゲームの影響?」という決まり文句が繰り返されるのには、うんざりします。
過敏すぎる放送自粛は、そうした“偏見”を助長するだけだと思うのですが。 (福田淳)
◇YAHOO!JAPAN検索・時事ワードランキング(2007.9.17−23)
10位「Nice boat」 放送中止になったテレビアニメの代替番組の映像を見た外国人の反応
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up224644.jpg
『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月27日(木)5面
【躍動するアキバ】ITとアニメで世界最先端を創り出せ(18) (関連
>>32>>102)
■日本発のサブカルチャー、海外が注目
秋葉原はここ数年、世界一の電気街としてではなく、ゲームやアニメ、メイド喫茶などサブカルチャーを発信する街として
世界のマスコミの注目を集めている。
台湾テレビは2005年、「秋葉原は大人のテーマパーク」というタイトルでニュースを流した。取材した東京特派員・宣聖芳さんは
「電気街というイメージからアニメやマンガ、ゲームソフト、電化製品が何でもそろうテーマパークのような街になった。
次は“政治家のアンテナショップ”というタイトルでニュースにしたい」と話す。
台湾の大手新聞社、中央通信社の東京特派員、楊明珠さんは昨年、メイド服を着た少女をオタク風の男性が写真を撮る様子を
写真グラフにして送った。「デジカメ、携帯、一眼レフなどいろいろなカメラを使うことや、少女が落ち着いて写真を撮らせている
様子が面白いと思った」と楊さん。
台湾では日本のサブカルチャーに興味を持つ人が多いため、10月に秋葉原で開かれるアニメやマンガなどのイベントも取材する予定だ。
ニューヨーク・タイムズ東京支局の経済担当記者、マーティン・ファクラーさんはソニーのプレイステーションやマイクロソフトの
Xboxの売り出し日に秋葉原を取材した。理由は「ゲームのことを一番わかっているのがゲームオタク。
秋葉原はゲームオタクが集まる街として世界でも有名で、秋葉原のオタクの取材は欠かせない」からだ。
米国の放送局CNNは、秋葉原を今年は最先端の携帯電話、昨年はプレステ3の発売やメイド喫茶というテーマで報道した。
韓国の大半の新聞、テレビが秋葉原の報道を行っていない中、中央日報は「再開発が街の風景を変えた」という切り口で記事を掲載した。
取材した東京特派員の金玄基さんも「韓国でも秋葉原のイメージは電化製品の街からオタク、アニメ、萌えの街に変わりつつある」という。
それに対し、フランスのテレビ局は意外と保守的だ。番組製作会社「ヒカリプロダクション」のプロデューサー、清原美樹さんは
「日本はテクノロジーやエレクトロニクスというイメージが強く、アニメやゲーム、コスプレの話題を提案してもあまり興味を示さない」という。
流したのはヨドバシカメラのマルチメディアAkiba開店のニュース。大きなフロアの家電量販店ができた、という話題ものだった。
そんな秋葉原の変容をとらえ、「アキバ発の萌え文化が海外にどのように伝播しているか」を特集したのがニューズウィーク日本版の
「萌える世界」(3月21日号)だ。同編集部の知久敏之さんは「秋葉原のメイド喫茶がバンコクに出店」というニュースをみて特集を企画した。
萌え現象が確認できたフランス、台湾、中国、米国、タイ、ドイツの特派員から記事が送られてきた。
編集を終えた知久さんは「キャラクターに恋愛感情を抱く“萌え”は国によって受け取り方が違い、面白い。
アジアでは萌えの感情は理解しているが、欧米のオタクは価値観の違いもあり、ダイレクトには伝わっていないようだ」と話す。
日本のアニメは世界のテレビアニメ番組の6割を占める。コスプレやメイド喫茶もそれらのコンテンツ(情報の内容)とともに
世界中に広がっている。日本発のサブカルチャーが凝縮している秋葉原の情報や動向を、世界のメディアが見守っている。
(ジャーナリスト 永見恵子)=おわり
ttp://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200709250100.html 朝日新聞 2007年9月25日(火)朝刊27面
「世界SF大会」で米作家、相次ぎ来日 デイビッド・ブリンさん、ケリー・リンクさん
第65回世界SF大会が今月初めまで、横浜で開かれた。国内外のファンによる祭典で、アジア開催は初めて。
大会に参加した米国の作家デイビッド・ブリンさんとケリー・リンクさんに、SFやファンタジーの今日について聞いた。
◆SF世界描くには過去の理解が必要 デイビッド・ブリンさん
大会名誉ゲストのブリンさんは50年、カリフォルニア生まれ。
イルカやチンパンジーが人類の補助で知性を得て、人間と共に宇宙で活躍する一連の「知性化」シリーズで人気を確立した。
最新翻訳の『キルン・ピープル』(酒井昭伸訳、ハヤカワ文庫)は、がらりと趣が変わり、個々人の意識を「転写」した
特殊陶土人形を人々が常用している未来社会。そこでの人間を重層的に描く。
陶土人形といえば中国の兵馬俑。ブリンさんは来日前に中国で見てきたという。成都と北京ではSF作家やファンと交流もした。
「中国ではSFはまだ新しいジャンル。政府の風向きによって奨励されたり、書きにくくなったりするという。
中国の作家たちは『古典にも通じる文学をSFで実現せねばならない』と言っていたが、私は『ちょっと違う』と答えた。
良い親は、我が子が自分を超えることを望む。先人の肩に乗って自分の作品を作ればいい。
その肩とは、自分たち以外の文化でもありうる。それを理解し、その過ちを乗り越えることが先人への恩返しだ」
そのために「すべての民族の歴史をひもとき、アイデアを得ている」という。会見でも「前頭葉の可能性を開拓していくもの。
過去・現在・未来の地平でリアリティーを変革するもの。それがSFだ」と語った。
彼の作品は、膨大な取材を踏まえ、社会のここがこう変わったらどうなるか、という思考実験の結果が随所に盛ってある。
単なる発明譚や、時代を未来に投影しただけの冒険物語と違い、社会全体の変化を描いて想像力を刺激する。
「多くの平均的な米国人が、未来について考えるのを嫌がり、昔を懐かしんでいる。いい状態ではない。
SFが米国だけでなく他の国でも勢いを持ち、米国を力づけてくれたらと思う」
大会は日本やアジアのSFへの期待を反映して盛会だった。
100人以上の作家・編集者・研究者を交え、400を超す企画が開かれた。
中国の「科幻小説」の現状、仮想空間を活用した新しい表現など、多彩な討論も繰り広げられた。
アニメと特撮の国・日本での開催という特徴も生かされ、大会参加者の投票で優秀作に贈るヒューゴー賞の授賞式には、
ウルトラマンも参加して盛り上げた。(前田浩次)
◆「喪失」テーマに 夢物語描きたい ケリー・リンクさん
日常の生活の場にゾンビや霊が当たり前のようにいるメタフィクションで注目される米国の作家ケリー・リンクさん=写真。
短編集『マジック・フォー・ビギナーズ』(柴田元幸訳、早川書房)を先ごろ刊行した。
(中略)
執筆テーマの一つは「喪失」という。
「愛する人や進むべき道を失った後、何が起こるのかを書きたい。だからこそ、死者と話す人を描くようにしている」
『指輪物語』やスターウォーズ、宮崎駿アニメにふれて育った。SFファンタジー作家と呼ばれるのはうれしいというが、
ジャンルを超えて支持される作家の一人だ。
「村上春樹は米国でも影響力があるが、作品によって主流文学にもSFにも分類される。ジャンルは読者が決めることでは」
マサチューセッツ州ノーサンプトンで夫と小出版社を経営。大出版社に頼らず丁寧な執筆を続ける作家たちを応援している。
「本が大好き。作家より読者の部分の方が大きい。多和田葉子や小川洋子ら日本の小説も、もっと読みたい」 (吉村千彰)
【写真】デイビッド・ブリンさん=東京都内で
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up224693.jpg
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20070926bk01.htm?from=os1 読売新聞 2007年9月26日(水)東京夕刊6面 本よみうり堂 コミック館
伝統文化テーマのマンガ続々 身近で新たな題材、意外な相性に注目
短歌や茶道など和の伝統文化をテーマとした作品が10代〜30代前半の読者の多い少年誌や青年誌で目立っている。
みやびな世界とマンガの意外な相性とは。(佐藤憲一)
19歳の純情青年、克夫があこがれの先輩・舞子に連れて行かれたのは、若者たちが集まる歌会。
美男子で短歌の才能を見せる克夫に、プレーボーイの人気歌人・伊賀は嫉妬の炎を燃やす――。
短歌を題材に現代の若者の恋愛風景を描き注目されるのが、若手歌人、枡野浩一の小説を小手川ゆあがマンガ化した
『ショートソング』(集英社、既刊1巻)だ。
「悪口は裏返された愛だけど愛そのものじゃないと思った」といった枡野さんらの口語短歌を挿入し、恋の駆け引きに揺れる
主人公たちの心理を表現する。源氏物語など、恋愛物語に歌を添えた平安文学の手法を、マンガに置き換えた形だ。
連載する「スーパージャンプ」編集部では「微妙な心理を短く叙情的に表現でき、短歌とマンガは相性がいい」という。
高校の文化系クラブを舞台にしたマンガも多い。「週刊少年サンデー」連載中の西森博之『お茶にごす。』(小学館、既刊1巻)は、
周囲から悪魔と恐れられる男子生徒が、やさしい男になろうと茶道部に入部するコメディー。
不良マンガと礼儀を重んじる茶道のミスマッチが新鮮だ。
「週刊少年チャンピオン」に4月まで第1部が連載された竹下けんじろう『かるた』(秋田書店、1、2巻)は高校のかるた同好会が舞台。
廃部の危機を救うため同会に入部した太一が、暗記力と瞬発力が問われる競技かるたの奥深さに目覚めていく。
基本はスポーツ根性マンガ風だが、面白いのは、女子部員が圧倒的に多い文化系クラブの特色を生かし、萌えマンガの魅力を
引き出していること。主人公が、ハーフのかわいいライバルなどの女子部員に囲まれる「ハーレム状態」が人気の理由の一つという。
女子ばかりの部員の中に男子生徒が飛び込むギャップのおかしさは、『お茶にごす。』や高校の書道部を舞台にした
「ヤングサンデー」の河合克敏『とめはねっ!』(小学館、既刊1巻)でも共通する。
いずれの作品も少年誌や青年誌の読者に加え、女性読者も取り込んで、単行本の売れ行きは好調。東京都が高校の教育現場に
華道や茶道を取り入れるなど日本文化回帰の世相も見られるが、縁遠い若者に伝統文化マンガが受け入れられたのはなぜなのか。
「スーパージャンプ」編集部では「伝統文化は特に意識していないが、身近にあって気付かなかった新しいマンガの題材だと思う」、
「少年サンデー」では「文化系クラブには、スポーツのレギュラー争いなどと違う、精神的な成長や友情を描ける面白さを感じる」という。
古くて新しい伝統文化マンガは今後の注目株かもしれない。
【写真】若者の恋愛感情を短歌で表現する「ショートソング」(c)枡野浩一×小手川ゆあ/集英社
【写真】女子部員が多い「かるた」(c)竹下けんじろう/秋田書店
[マガジン]メジャー少年誌でギャンブルマンガ
メジャー少年誌でなぜかギャンブルマンガの連載が相次いでいる。「週刊少年チャンピオン」の「GAMBLE FISH」、
「週刊少年サンデー」の「ギャンブルッ!」に続き、「週刊少年マガジン」では福本伸行「賭博覇王伝 零(ゼロ)」が始まった
(写真は第4話掲載号)。詐欺の被害者に金を返す「義賊」の正義感を主人公に持たせているのは、少年誌で賭け事を扱うためらいからか。
波乱続出でスリル満点だが、子供たちを拝金主義に染めないよう願うばかり。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up224699.jpg
ttp://www.asahi.com/national/update/0926/TKY200709260350.html 朝日新聞 2007年9月26日(水)
4100万円特別背任容疑 松下電器子会社元社長ら逮捕
松下電器産業の子会社のアニメ制作会社「デセル」(東京都杉並区、解散)の売上金を勝手に付け替えるなどして約4100万円の
損害を与えたとして、東京地検刑事部は26日、デセル元社長桑原英民(53)、会社役員加月芳行(41)の両容疑者を旧商法の
特別背任の疑いで逮捕した。
調べでは、桑原元社長らは04年2月から同年6月までにデセルに入金すべき制作費約3450万円を、桑原元社長の友人の口座に振り込ませる
などして、計約4100万円の損害をデセルに与えた疑い。元社長ら2人は「松下電器の承諾があった」と容疑を否認しているという。
デセルは、国内で受注した仕事を中国に下請けに出していたが、業績が伸びず、04年6月に解散。
地検は、桑原元社長らが解散を見越して売上金を着服したとみている。
ttp://www.chunichi.co.jp/s/article/2007092601000715.html 中日新聞 2007年9月26日(水)【社会】
アニメ制作の元社長ら逮捕 特別背任容疑で東京地検
松下電器産業が出資していたアニメーション制作会社デセル(東京)の売上金を不正に別会社に付け替えるなどして損害を与えたとして、
東京地検刑事部は26日、商法の特別背任容疑で、デセル元社長桑原英民容疑者(53)=横浜市戸塚区=と知人の会社役員
加月芳行容疑者(41)=東京都渋谷区=を逮捕した。
調べでは、桑原容疑者らは2004年2−6月の間、アニメの制作費などの売り上げを、桑原容疑者の知人が経営する別会社の口座に
振り込ませるなどしてデセルに計約4130万円の損害を与えた疑い。2人は容疑を否認しているという。
刑事部は、振り込ませた資金が別会社を経由して桑原容疑者に渡っていたとみている。
デセルは02年1月設立され、経営不振で04年6月に解散した。刑事部は、桑原容疑者が解散を見越して不正に資金を得たとみている。
松下電器産業が05年12月、東京地検に告発していた。 (共同)
ttp://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_8501.html 産経新聞 2007年9月27日(木)大阪夕刊9面
【たけくまメモ 出張版】「オタク」の先輩、麻生さん
◆ついにきた!!マンガ・アニメ好き政治家
福田康夫氏と麻生太郎氏が争った自民党総裁選は福田氏が新総裁に選ばれた。
政権与党とはいえ、一政党の党首を選ぶのに街頭演説までおこなう習慣は、いつから始まったのかよく覚えてない。
だが、自民党総裁イコール総理大臣、という図式は、もしかすると今回が最後になる可能性もある。
それはさておき麻生さん、今回を含む3回総裁選に出馬。
それで前回の秋葉原での街頭演説の第一声が「秋葉原のオタクの皆さん!」だったことを覚えている人は多いだろう。
麻生さんのマンガ好きが知れ渡ったきっかけは、数年前、浅草キッドの深夜政治番組「名門!アサ秘ジャーナル」に
出演したことだったと言われている。水道橋博士の問いかけで「『ゴルゴ13』を全巻持っている」など、異常なほどのマニアぶりを
表明してかなりの話題となった。『ゴルゴ13』それじたいはポピュラーすぎる作品だが、「全巻」所有するとなると話は別だ。
なにしろ1968年の連載開始以来、単行本は今年の夏時点で146巻を超えているのだ。
これ以外にも、麻生さんは月に20〜30種類のマンガ雑誌に目を通しているらしい。
プロの編集者や評論家でもそこまで律義に読む人は少ない。特にゲーム化もされている『ローゼンメイデン』という、オタク的にも
かなりマニアックな作品のファンであることが知られて、ネットでは「ローゼン閣下」というニックネームまで与えられている。
戦後日本のマンガ文化は、団塊の世代とともに成長したとはよく言われることである。学園闘争がにぎやかだった時代、バリケードの
中で『あしたのジョー』が回し読みされていたとか、「大学生が電車内でマンガを読んでいる」ことが新聞に書き立てられた。
このときの「大学生」はまさに団塊世代である。彼らは「オタク」ではないが、サブカルチャーが生活の一部になっているという
意味では「オタクの先輩」だといえる。麻生さんは67歳だから、団塊世代より数歳上になるが、それでもマンガ読書が習慣化
していてもそれほどおかしい年齢ではない。
私としては、「来るべき時代が来た」と思っている。それが麻生太郎だとはさすがに思わなかったが、「マンガ・アニメ好き」を
標榜する政治家が出現することは、いずれ時間の問題だと考えていたのだ。
バブルが崩壊した90年代後半以降、それまでの六本木などで遊び回る若者イメージと入れ替わるようにして、コミケやマンガ喫茶に
入り浸る「オタク」がマスコミの話題に上がるようになった。80年代までのマスコミが好んで取り上げた若者は、最新のブランドに
身を包み、ディスコで遊び回る「遊び人=優良消費者」としての若者像だった。それが「オタク」に取って代わったのである。
オタクは、仲間と酒を飲んだり着飾ったりするような消費を好まず、かわりに「趣味」への投資には金を惜しまない。
部屋中をマンガやアニメのDVD、フィギュアで埋め尽くすオタクのライフスタイルは異様に映るかもしれないが、見方を変えれば
超優良な消費者である。物が売れなくなったデフレの時代、月に数万から10万も趣味に費やすオタクの特異な消費行動が目立つことと
なったのも無理からぬ話である。数年前からは「輸出文化」としてのゲームやアニメに文化庁や経済産業省が注目し、
識者を集めてさかんに会合を開くようになった(私は、そのどちらにも呼ばれたことがある)。
毎回コミケに集まる人間はのべ50万人に達する。これを「票田」と考える政治家が出ても当然で、これからはもっと露骨な
「オタク政治家」が出てくるんじゃないかと私は思っている。そういう人に言いたい。アニメ産業繁栄の裏側には、スタジオの過酷な
勤労実態がある。労働基準法などあってなきがごとしで、驚くような薄給(固定給が存在しないスタジオも多い)で世界に冠たる
アニメを作っている実情を、どれほどの政治家が知っているのだろう。そのあたりの事情はオタクであれば皆知っているのだから、
これを本気で改善する公約を掲げるだけで、何人かは国会議員に当選できるのではないだろうか。
麻生さんには、率先してやっていただきたいものである。 (竹熊健太郎)
【プロフィル】竹熊健太郎 たけくま・けんたろう 昭和35年、東京生まれ。原作から編集、評論など漫画、アニメを中心に幅広く活躍。
ブログ「たけくまメモ」(
ttp://takekuma.cocolog-nifty.com/)が人気。
秋田魁新報 2007年9月27日(木)夕刊1版7面
<キャッチ&フォロー>メードになりたがる女の子
「優しい自分」出す道具
オタク文化の象徴ともいわれるメード喫茶。ひらひらのエプロンドレスは男性の「萌え」の対象とみられがちだが、それを着る
女の子たちも笑顔で接客を楽しんでいる。コミュニケーション不全が指摘される時代だからこそ、彼女たちはメード服に身を包む―。
メード喫茶発祥の地とされる東京・秋葉原。屋根裏部屋をイメージした「シャッツキステ」を訪れると、スカート丈長めの
“正統派”メード服の女の子たちが男性客らと静かに談笑していた。
「ここの世界に浸りたいというお客さまに、ゆっくりくつろいでもらっています。エプロンをつけると『お仕事しなきゃ』って
気合が入りますよ」とほほ笑むのは、メード長のエリスさん。
同店がお気に入りだというタレントの一之瀬まゆさんは、メード服の人気モデルとして活躍する「カリスマメード」。
「この服を着ると、人のことを思いやれるようになるんです。メードとは、ホスピタリティー(もてなしの心)ですから」
そう話す一之瀬さんは、メード服を脱ぐと違う顔をみせる。街では「声掛けないでオーラ」を出しながらうつむいて歩き、
友達といるときは社交的に振る舞う。別人のようだが「どれも本当の自分」という。
この「キャラクターの使い分け」を女の子がメードになる理由として挙げるのは、作家の桜井亜美さん。
小説「ツギハギ姫と波乗り王子」(幻冬舎)でも、「事務員A」「人気メード嬢」などいくつもの顔を持つ
“アキバ系女子”をヒロインで描いた。
「今の女の子たちはみな、状況に応じてキャラを使い分けている。好きな人の前ではデレデレし、女の子同士でいるときはサバサバ系。
メード服は『優しい自分』というキャラを表に出すための道具です」
携帯メールがつなぐ人間関係は浅く広く、場の空気を読むことが求められる。
相手の反応をうかがいながらその場にふさわしいキャラクターを使い分けることが、複雑な現代社会を生き抜くための処世術のようだ。
「全然違う場所でホスピタリティーを発揮してしまうと『ぶりっこ』『こびてる』などといじめられる。
でも『君のおかげで元気になった』と言われたい自分も確かにいます。
メードになって思い切り優しさを発揮することで、心のバランスをとっているのではないでしょうか」
評論家の藤本由香里さんは、複数の自分を使い分ける女の子たちの姿に「日常の演劇性」をみる。
「情報があふれてさまざまな社会的空間が生まれたことで、観客と役者が容易に入れ替わりうる時代になった。
自分自身の演出性、役者性が強くなっている」
喫茶店という日常とコスプレという非日常の間でほほ笑むメードたち。
「普通の喫茶店だとウエートレスの接客には『やらされてる感』があるが、メード服を着ることでそれがパフォーマンスになる。
奉仕し、奉仕されることが『お約束』であるメード喫茶は『空間のコスプレ』ですね」と藤本さん。
「お約束」の世界の中で、メード服で自己演出しながら安心して「優しい自分」を楽しむ。
桜井さんは「決められた作法にのっとって遊ぶメード喫茶は、日本ならではの典雅な文化といえるのではないか」と話している。
【共同通信 秋田魁新報】
ttp://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070928/ent070928005.htm 産経新聞 2007年9月28日(金)
イタリアでマジンガー・シリーズなど永井豪さんの海賊版アニメ摘発
イタリア財務警察は28日までに、マジンガー・シリーズなど永井豪さんのロボットアニメを中心に日本のソフトを偽造、
販売していたイタリア人6人を著作権法違反、私文書偽造などの容疑で摘発、DVDなど海賊版約8万点を押収した。
総売り上げは200万〜300万ユーロ(3億3000万〜4億9000万円)に上るとみられる。
海賊版は、テレビ放映された番組をコピー、編集しイタリア語の吹き替えまで付けていた。パッケージには、
偽の書類を基に取得したイタリアの著作権管理団体の公認シールを添付。正規品並みの価格を付け、偽物とは分からない出来という。
海賊版のほとんどは永井さんのマジンガー・シリーズと「鋼鉄ジーグ」。他作者の「ルパン三世」や「北斗の拳」なども含まれていた。
イタリア当局は昨年、日本アニメの海賊版を売っていたアニメショップを初めて摘発した。この時の海賊版は中国製だった。
永井豪さんのアニメ作品の著作権を管理するダイナミック企画(東京)の話「海賊版の取り締まりに立ち上がってくれたことを歓迎する。
これからも知的財産の公正な取り扱いを期待している」(共同)
【写真】26日、イタリア財務警察が押収した日本アニメの海賊版DVDなど。パッケージもイタリア仕様に作ってある(共同)
ttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070928i406.htm?from=navr 読売新聞 2007年9月28日(金)夕刊
永井豪さんなど日本アニメ海賊版、伊当局が8万点押収
【ローマ=松浦一樹】イタリア財務警察はこのほど、同国中部アンコーナなどで、日本アニメの海賊版DVDやビデオを
大量に製造販売していたイタリア人業者6人を著作権法(複製権侵害)違反などの疑いで摘発した。
押収したDVDなどは約8万点、約100万ユーロ(約1億6000万円)相当で、同国で人気が高い
「マジンガーZ」「鋼鉄ジーグ」「グレンダイザー」など、漫画家、永井豪さんの作品が中心という。
調べによると、業者らは2005年から、同国北部ボローニャなど3か所の工場で海賊版DVDなどを製造して全国的に販売。
これまでに約30万点、約300万ユーロ(約4億8000万円)相当の製品が市場に出回ったと見られている。
業者らは、日本からアニメなどの複製権を得ていたことを示す契約書を偽造し、正当な業者を装っていたという。
販売されていた海賊版はジャケットがイタリア語表記で、真正品であることを示す著作権管理団体
「イタリア著作者出版社協会(SIAE)」の公式シールも張られていた。
日本の著作権管理団体「コンピュータソフトウェア著作権協会」(ACCS・東京都文京区)は今年5月、
SIAEと海賊版対策の日伊協力で合意しており、今後、違法業者などに関する情報交換を密にするという。
ttp://www.asahi.com/culture/update/0928/TKY200709280318.html 朝日新聞 2007年9月28日(金)
永井作品など日本アニメ海賊版8万点押収 イタリア
イタリア中部アンコーナの財務警察は、マジンガー・シリーズなど漫画家永井豪さんの作品を中心とする日本アニメの海賊版
DVD、CDなど計約8万点を押収し、イタリア人6人を著作権法違反などの疑いで送検したと発表した。同国では海賊版が公的団体発行の
認可シールをつけて正規版として販売されるケースがあとを絶たず、この業者もシールを不正に大量取得していた。
押収品は総額100万ユーロ(約1億6000万円)相当で、同警察はその2〜3倍の量の商品が認可シールを付けて市場に出回ったとみている。
「UFOロボ・グレンダイザー」など、多くが70年代にフランスでテレビ放映され、大ヒットした作品の録画をイタリア語に吹き替えたもの。
業者は当時ライセンスを持っていたジュネーブの会社との契約書を偽造して正規版に見せかけ、正規版に認可シールを発行する
「イタリア著作者出版者協会」(SIAE)から認可を受けていた。
ttp://www.nikkeyshimbun.com.br/070927-75colonia.html ニッケイ新聞 2007年9月27日(木) 日系社会ニュース
アニメの次は「パラパラ」=日本発のダンスブーム到来
日本で生まれたダンス「パラパラ」が、聖市を中心とする中産階級の若者の間で広まっている。日本では八五年以降何度もブームを
引き起こしたこのダンス。曲ごとに振り付けが決まっており、手や腕の動きを中心に、集団で同じ振り付けを踊るのが特徴だ。
毎週末に聖市メトロのリベルダーデ駅前に集まる若者たちの中にも、一生懸命振り付けを練習するグループがいる。
ちなみに六月にサントスで行われた「ブラジル日本移民祭り」ではパラパラ用スペースまで設けられた。
「四年前くらいかな。インターネットで動きを見たり、日本から帰ってきた友達にも教えてもらったりして覚えた」。
聖市でパラパラに取り組むグループ「SUPERPARA」のメンバーの一人、ジャイナン・クリスティアーニさんは得意げに話す。
ブラジルにはベロ・オリゾンテ、ブラジリア、リオ、サンパウロに活動拠点があり、BPPDA(ブラジルパラパラ・ダンス協会)が
組織されている。「五千人くらいがやってるよ」。チリ、アルゼンチンにも愛好者がいるとか。
「アニメも日本文化も好きだ」というグループのメンバー。コロニアのお祭りで、パラパラが見られるようになる日も近い?!
ttp://www.nikkeyshimbun.com.br/070927-71colonia.html ニッケイ新聞 2007年9月27日(木) 日系社会ニュース
百周年=聖州・市レベルで煮詰まる=すりあわせ会合を州政庁で=類似事業の統合や調整進む=市も日本文化イベント開始
聖州各庁、聖市、日本政府がそれぞれ計画しているブラジル日本移民百周年記念事業のすりあわせを目的にした州政府会議が
二十五日午後四時からあり、十月一日の締め切り前に約百二十のプロジェクトが提出されていることが発表された。
(中略)
なお、来月三日から、市内二十七のCEU(統一教育センター=市立小中学校)でプログラム「100anos Japao e Brasil」を
実施することも発表、イタケーラ区を皮切りに各センターを一週間毎に巡回するもので、写真展、映画、アニメなどを通し、
日本文化を紹介するという。(後略)
日刊自動車新聞 2007年9月28日(金)1面 (霧灯)
痛車と旧車―あまり馴染みがない言葉かもしれないが、こうした車を愛してやまない人たちがいる
◆痛車とは「漫画・アニメやゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを張り付けたり、
塗装を行った車、あるいはそのような改造のこと」(フリー百科事典「ウィキペディア」より)。
“オタク文化”の隆盛に伴い、別名「ヲタ車」とも呼ばれる
◆一方の旧車とは「主に数十年以上前に製造された自動車やオートバイなどの事である。Q車と表記する場合もある」(同)。
一般的なクラシックカーより比較的新しい車を指し、専門店でプロがメンテナンスした車両を購入する人もあれば、
自分でレストアする人もいる
◆こうした趣味を持つマニアが今、増えている。痛車は違法駐車や騒音で、旧車は暴走族などとのつながりにおいて、
一部、社会問題化しているケースもあるが、多くの痛車・旧車マニアは愛好の同士をインターネットなどで募り、
健全な趣味として情報交換や“オフ会”と呼ぶ走行会などを開催している
◆長引く新車販売低迷の打開に貢献する趣味ではないかもしれないが確実なのは、価値観の多様化が進む中で、
こうしたマニアも日本のクルマ文化を支える一員であるということだ。
毎日新聞 2007年9月26日(水)地方版26面
社告:アニメの現状と今後の期待論議 来月5日、秋葉原でシンポ /東京
東京都の秋葉原UDX(千代田区外神田4の14の1)4階の3Dシアターで10月5日に開催する日本アニメーションの現状や
今後の期待などについて専門家らが語るシンポジウムとパネルディスカッションの入場希望者を募集しています。
定員は170人です。定員になり次第締め切りますので奮ってお申し込みください。
シンポジウムなどのイベントは、アニメコンテンツを活用した新しいビジネスモデルの創造を目指す見本市
「ジャパン・アニメーション・コンテンツ・ミーティング(JAM)2007」(10月4日〜7日)内で実施。シンポジウムは、
「千年女優」で第57回毎日映画コンクール(毎日新聞社主催)の大藤信郎賞を受賞したアニメーション監督の今敏氏(マッドハウス)が
「クリエイターから見た日本のアニメーションの現状」をテーマに講演。パネルディスカッションは、アニメーション史研究家の
渡辺泰氏やアニメーション評論家の氷川竜介氏、評論家の切通理作氏らが日本アニメーションの国際評価、今後への期待などを論議します。
また、JAMは公募した日本アニメを活用した商品企画、ビジネスアイデアを審査する「アニメ・チャレンジオーディション」や
企業、団体が新しいビジネスモデルなどを展示、紹介する「アニメ・ビジネスショーケース」などが行われる予定です。
詳しくはJAMホームページ(
ttp://www.jam-anime.jp/)まで。
《開演》午後1時30分《入場料》無料《定員》170人(先着順で定員になり次第締め切り)《申し込み方法》JAMホームページ
(
ttp://www.jam-anime.jp/)の申し込みフォームから《問い合わせ》
[email protected]かJAM実行委員会(03・3372・5636)まで。
主催 経済産業省
日本動画協会
毎日新聞社
後援 映像文化製作者連盟
ttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/86953/ 『FujiSankei Business i.(フジサンケイビジネスアイ)』2007年9月26日(水)30面
【創造者たち】原哲夫 絵本「ポノロン」プロデュース 漫画家・46歳
■お母さんの心の支えに
拳がうなり肉がはぜ、汗が飛び散り血が流れる。
原哲夫という漫画家の名前を聞いて、9割の人が思い浮かべる光景だ。漫画で生まれアニメになった「北斗の拳」が与えたインパクトは、
日本中のあらゆる世代に及んでいる。
だから2005年、読み聞かせ絵本「森の戦士ボノロン」のプロデュースを始めたとき、誰しもが意外だという顔をした。
「人の親になって、子供たちに見せられるものを作りたかった」
男たちの熱い関係を描いたドラマは、中高生や大人にとって大切なものだが、幼い子供たちには過激すぎる。
「子供たちには「アンパンマン」の絵を描いて色を塗り、ポスターみたいにしてあげていた」。
好評だったが、他の人が描いたキャラクターでなく、ディズニーのように海外で生まれたキャラクターでもない、
自分が発信するキャラクターを子供たちに見てもらいたいと思った。
「ひとりで漫画を描いているから、ほかのことはなかなかできない」。そんな時「少年ジャンプ」で共に「北斗の拳」を作り上げた
編集者の堀江信彦氏が、原氏や「シティーハンター」の北条司氏らと、漫画制作会社のコアミックスを創設した。
「やりたいこと、表現したいことを自由にできる環境が欲しかった」。
強烈なイメージを持つが故に制約されていた活動の幅が一気に広がり「『ボノロン』に取り掛かることができた」と振り返る。
困っている人、悲しんでいる人が涙を流すと、巨木の森に住むボノロンがやってきて、悩みや悲しみをいっしょに考えてくれる、
というのが「森の戦士ボノロン」のストーリー。たったひとつだけ願い事をかなえる力を持っていて、子供たちは救われる人たちの
姿に喜び、自分だったらどんな願いをかなえてほしいかを考える。
「親と子が『ボノロン』をきっかけに話す時間を増やしてもらえればうれしい。
親が子供の目を見て話してあげれば、とても大きな栄養になると思う」
核家族化で祖父母や親戚の経験を得られなくなり、子育てに不安を抱える親も増えている。
「そんなお母さんたちにとっても、心の支えになればよい」。願いは届いているようで、絵本の「ボノロン」が、
コンビニエンスストアで無料配布される日になると、朝からやって来る母親の姿が頻繁に見られるようになった。
そんな「ボノロン」が、テレビという媒体を得てさらに広い範囲へと感動を伝える。CS放送やケーブルテレビ向けに番組を
提供している「キッズステーション」で11月5日から、アニメーション「ボノロン 不思議な森のいいつたえ」の放送が始まる。
「映像だったら、忙しいお母さんがいない時でも子供にひとでみてもらえる」。
見終わった子供から感想を聞くようにすれば、そこから新たな対話が生まれる。
「まだ種まき。いずれハリウッドのような規模で、3DCGを使った『ボノロン』を作って、世界の子供に喜んでもらいたい」。
10年後、20年後には、原哲夫の名前で優しく愛らしい「ボノロン」の姿を真っ先に思い浮かべる人が、世界中に散らばっているかもしれない。
(谷口隆一)
【プロフィル】原哲夫 はら・てつお 漫画家。アシスタント生活を経て1982年に「鉄のドンキホーテ」でデビュー、
83年連載開始の「北斗の拳」が大ヒットし、以後も「花の慶次」「影武者徳川家康」などヒット作を描き続ける。
2001年から「蒼天の拳」を「週刊コミックバンチ」で連載。東京都出身。46歳。
ttp://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709280047.html 朝日新聞 2007年9月28日(金)
手塚治虫「ブラック・ジャック」 制作途中原画写し発見
兵庫県宝塚市の市立手塚治虫記念館は28日、手塚治虫の「ブラック・ジャック」の制作途中の原画のコピーが見つかったと発表した。
幻冬舎コミックスの伊藤嘉彦社長(53)が、編集者として初めて担当した記念に自宅で保管していた。
漫画原稿は作家の指示の確認などでよくコピーをとるが、新しい指示との混同を避けるため次々廃棄するのが普通で、貴重な資料だという。
10月30日まで同館で展示する。
79年4月に週刊少年チャンピオン(秋田書店)に掲載された第232話「虚像」の原稿のA4判コピー約20枚。
下書き後の最初のペン入れで手塚が人物などを描き、背景などを描くアシスタントへの指示が書き込まれている。
同館は手塚の制作ぶりを紹介する「手塚治虫 原画の秘密展」を開催中で、伊藤社長が「趣旨にあうのでは」と出品を申し出た。
12枚を完成原稿と並べて展示する。問い合わせは同館(0797・81・2970)へ。
【写真】制作途中の原稿のコピー=宝塚市立手塚治虫記念館で
【写真】制作途中の原稿のコピー(左)と実際に掲載された完成原稿=(C)手塚プロダクション
ttp://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070928/wdi070928012.htm 産経新聞 2007年9月28日(金) 社会
「ブラック・ジャック」途中原稿コピー見つかる
漫画家の故手塚治虫さんの代表作で、医療漫画「ブラック・ジャック」の制作途中の原稿のコピーが見つかり、
兵庫県宝塚市の手塚治虫記念館が28日発表した。制作途中の原稿のコピーは通常、廃棄されるため現存するのは珍しい。
同館は「手塚の情熱や制作現場の活気が伝わってくる貴重な資料」としている。
途中原稿のコピー約20枚で、完成原稿は昭和54年4月に「週刊少年チャンピオン」に掲載された。
雑誌連載していた秋田書店の当時の担当者で、幻冬舎コミックス社長の伊藤嘉彦さん(53)=東京都目黒区=が、
手塚さんから途中原稿を預かりコピーして自宅に保管していた。
コピーは、えんぴつによる下書き、ペン入れ後のもので、手術を行う主人公などが描かれ、余白にスタッフへの
具体的な指示が残されている。また手術の様子など重要な場面が空白になっているなど、スタッフ任せにせず、
手塚さん自ら仕上げようとする「こだわり」もうかがえるという。
コピーは完成原稿とともに、来月30日まで同館で比較展示されている。
ttp://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20070928079.html スポーツニッポン 2007年9月28日(金)
手塚さんの「BJ」原画コピー発見
漫画家の故手塚治虫さんの代表作「ブラック・ジャック」を制作する途中の原画コピーがこのほど見つかり、
兵庫県宝塚市の市立手塚治虫記念館で公開が始まった。制作過程をたどれる貴重な資料だという。公開は10月30日まで。
手塚プロダクション(東京都新宿区)によると、1979年4月に秋田書店の「週刊少年チャンピオン」に掲載された
第232話「虚像」のコピー約20枚。当時の編集者が初めて担当した記念に、コピーを持ち帰り保管していたという。
原画は、下書き後に部分的にペン入れをした段階のもので、アシスタントへの指示の走り書きや、空白になったままのコマなどが残る。
手塚プロダクションは「混乱を避けるため、制作途中の原画は一切残さないのが普通。非常に貴重だ」と話している。
産経新聞 2007年9月29日(土)東京朝刊15面 (関連
>>115)
【私も言いたい】テーマ アニメは学問?
□過半数が「抵抗なし」 「学閥」誕生を懸念の声も
最新ニュースについて、ご意見をネットで募集するコーナーです。22日の紙面で募集したテーマ「アニメは学問?」について
25日までに155人(男性121人、女性34人)から回答がありました。主な意見は次の通りです。
「国立大学での設置に賛成ですか」 49%←YES NO→51%
「作家、監督の育成につながると思いますか」 45%←YES NO→55%
「アニメを学問として認知することに抵抗はありますか」 47%←YES NO→53%
■偏差値偏重に一石
大阪・男性会社員(36)「私がアニメ制作にかかわっていたときには、周囲から、気楽に作っていると思われがちだった。
国立大にアニメの専攻を設置し、アニメは大勢の技術と経験、労力などに支えられて作られていることを伝えてほしい」
滋賀・男子大学生(20)「師匠から技を盗むという能動的な養成システムが日本のアニメの隆盛を築いてきた。
学問として上から与えられる教育制度では、創造性が失われるのではないだろうか」
東京・男子大学生(22)「経済効果や海外の日本のイメージ向上に貢献する点などを考慮すれば、
アニメは国が取り組むべき産業といえる。もっと早く国立大に新設すべきだった」
岐阜・主婦(55)「アニメでは、絵でストーリーを解釈できる場合もあるので、活字離れを促し、
思考力の低下に結びつく可能性があると思う。国立大に専攻を設置するのは好ましくない」
大阪・主婦(32)「活字離れが進んでいるといわれるが、アニメで活字に触れ、創造し、共感する子供たちもいるのではないか。
ユニークな入試にすれば、偏差値偏重といわれる教育現場にも一石を投じるだろう」
■異分野勉強も大切
京都・男性無職(67)「手塚治虫は、医学の分野を学び、見事に、その能力をアニメの世界で開花させた。
アニメの世界とは縁のなさそうな分野を学ばせた方が、有能な監督や作家を輩出するのではないか」
大阪・女性会社員(28)「大学で研究した人が、必ず、作家や監督になるとは思わない」
東京・男性無職(28)「アニメも表現活動のひとつなので、絵画や文学と同様に、大学で学ぶことができるジャンルだ」
茨城・男性会社員(46)「日本ではすでにアニメを作る能力は高いレベルに達している。
監督や作家よりも、アニメを海外へ販売したり、著作権を守る能力や人材開発に力を入れるべし」
神奈川・女子高校生(18)「アニメは今や世界的にも日本の文化のひとつとして認められるようになった。
国立大が監督や作家を育成すれば、さらなる日本文化の発展につながると思う」
■権威主義はノー
千葉・男性自営業(36)「アニメに対する一部の偏見をなくすため、国立大が学問として体系化することに意義がある。
硬直化している既存の学問の是非を論じる良い機会にもなるかもしれない」
鹿児島・女性会社員(38)「国立大で新設すると、アニメの世界でも権威や大家、派閥などが
幅をきかせるようになってしまうのではないだろうか。作家や監督の才能がつぶされないか心配だ」
徳島・男性公務員(51)「アニメにも、さまざまな種類があり、人々を感動させる作品があることは理解しているが、
国立大で学ばせることには抵抗を感じる」
大分・女性会社員(40)「すでに将来性を見越してアニメーション関係のコースを設置している私立大や専門学校はある。
アニメは学問として広く認知されていると思う」
【用語解説】アニメーション専攻
東京芸術大学(宮田亮平学長)が大学院映像研究科に新設を予定。大学設置審議会で正式決定すれば来年度から設置される。
アニメや漫画をめぐっては、京都精華大が平成12年に「マンガ学科」を新設。
東京工芸大、大阪電気通信大などでも同種の学科やコースが誕生したが、国立大にアニメの専攻ができるのは全国初。
山形新聞 2007年9月24日(月)朝刊6面
山形大学人文学部が中国・ハルビン工大で初めて学術交流 文化論など発表、研修派遣に手応え
山形大人文学部はこのほど、学術交流協定を結んでいる中国黒龍江省のハルビン工業大学外国語学院に、学生を研修派遣した。
両大学の学生グループが互いに持論を披露するメーンの研究発表会では、日中の文化論の違いに触れ、同行した福山泰男教授は
「初めての試みだったが、十分な成果があった」と語る。
約二週間にわたる実習に参加したのは、同学部の学生と大学院生計十二人。
研究発表会には、聴衆として日本語を学ぶ現地の学生ら約百人が集まった。
ハルビン工業大側は▽北京オリンピックの成立経緯▽中国の民族問題▽中国食文化の多様性−の三テーマについて発表。
うち、二テーマは日本語で説明した。
一方、山形大側は、本歌取りなど中国古典文学との関連性にも触れた「松尾芭蕉の俳句と世界観」、
“オタク文化の聖地”秋葉原を中心にした日本オタク文化の概説を日本語で発表。 ←
中国映画と日本映画を比較し、映画を通じた日本の中国観についての研究は中国語で発表した。
「内容は日本の圧勝。一カ月ほど前から準備してきた成果が出た」と福田教授。
研修中には、大学一年生が軍事教練に取り組む姿や、徹夜で書を仕上げ、プレゼントしてくれた学生との出会いなどがあり、
「価値観が変わった」という参加学生も。現地では、今後の交流についても話し合い、次回は本県で開催することなどを申し合わせた。
山形大人文学部とハルビン工業大学は、今年三月に協定を締結。交換留学や単位互換制度などを盛り込んだが、
その第一弾として夏期授業「異文化間コミュニケーション実習」を中国で行った。
【写真】中国語で研究内容を発表する山形大の学生たち
読売新聞 2007年9月28日(金)大阪朝刊32面
マンガ教育シンポ 帝塚山学院高「新専攻」開設記念 竹宮惠子さん招き=大阪
帝塚山学院高校(大阪市住吉区)は29日午後1時30分から、美術コースに「イラスト・マンガ・アニメ専攻」を来春開設することを
記念した講演会とシンポジウムを開く。
漫画家で京都精華大(京都市)教授の竹宮惠子さんが「マンガ家ってなに?」と題して講演。
シンポジウムでは、竹宮さんと漫画家で同大学マンガ学部長の牧野圭一さん、同高3年生ら7人が
「中等教育におけるマンガ教育のあり方〜マンガっていけないもの?」をテーマに意見を交わす。
同専攻の新設は、漫画家やアニメーターを志望する生徒が増えていることや、漫画などが芸術の一つとして
社会的に認知されてきたことを受けたもの。1、2年生は描写力や構成力の基礎を身につけ、3年生は作品制作などで専門性を深める。
山本三郎校長は「世界に誇れる産業になってきており、高校教育での重要性も増してくる。
技術だけでなく内面世界を広げる教育に取り組みたい」と話す。
入場無料、定員約700人(先着順)で、問い合わせは帝塚山学院高(06・6672・1152)へ。
ttp://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=1075 (季刊)『カレントアウェアネス』No.293 2007年9月20日発行 国立国会図書館
p.7-12 日本における漫画の保存と利用
現代マンガ図書館:内記稔夫(ないき としお)/日本マンガ学会:秋田孝宏(あきた たかひろ)
1.漫画保存の必要性の増大
2.漫画保存・利用の現状とこれまでの取り組み
◎現代マンガ図書館(内記コレクション) ◎京都国際マンガミュージアム ◎大阪府立国際児童文学館
◎吉備川上ふれあい漫画美術館(岡山県高梁市) ◎上湧別町漫画美術館(北海道) ◎広島市まんが図書館
◎菊陽町図書館(熊本県菊池郡) ◎名古屋市図書館 ◎中目黒駅前図書館(東京都目黒区)
◎国立国会図書館 ◎国立国会国際子ども図書館(台東区上野)
3.問題点
民間施設による収集・保存の困難さ/膨大な資料/資料の脆弱性/雑誌の所蔵事項の問題
4.これから望まれる取り組み
※上記のリンクに記事全文あり
ttp://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2879107 『キャラ化するニッポン』講談社現代新書
講談社 著者: 相原博之 発行年月日:2007/09/20 サイズ:新書判 ページ数:184
ISBN:978-4-06-287910-1 定価(税込):735円
キャラなしでは生きていけない!
アニメキャラそのもののコスチュームで街を闊歩する若者たち。
「生身の私」より「キャラとしての私」のほうにリアリティを感じる人たち。
キャラクターと日本人の強固な精神的絆を読み解く。
目次
序 章 日本中で「キャラ化」現象が起きている
第1章 キャラクターと日本人の精神史
第2章 大人も子どももキャラクターの虜
第3章 「私」と「キャラとしての私」
第4章 拡大する「キャラ化意識」
第5章 「キャラ」の持つ社会的存在の意味
第6章 消費・ブログ・ケータイ・セカイ化
終 章 キャラ化社会はどこへ向かうのか
ttp://www.raichosha.co.jp/perform/pf19.html 『すごい!アニメの音づくりの現場』
雷鳥社 監修 ハイパーボイス 価格 ¥1,680(本体 ¥1,600+税¥80)
仕様 並製・288P・2色 サイズ A5判 ISBN 978-4-8441-3491-6 発行日:2007/09/20
アニメがどのようにして生まれ世に送り出されているのか、また現在の日本のアニメ、
これからの日本アニメはどう成長していくのか……
アニメ大国日本に日々新しい命を吹き込む音響監督たちのプロの仕事、
そして作品作りにかける12人の想いからアニメの魅力を思う存分感じとれる一冊です。
音響監督を目指している人、アニメが好きな人、声優になりたい人、みなさんに役立つ情報が満載です。
アニメ、映画、ドラマなど、映像は「音」があるからこそ臨場感が味わえます。
それほど「音」は重要な役割を果たしているのです。
音響監督に興味がある人はもちろんのこと、声優を目指している人にもおすすめ!
音づくりのプロたちが求めている声優とはどのような人たちなのか、ヒントがいっぱい掲載されています。
本書に登場する音づくりのプロ12名
・なかのとおる (株)HALH H・P STUDIO
・本山哲 (株)オムニバスプロモーション
・三間雅文 (有)Techno Sound
・田中英行 (株)AUDIO・タナカ
・平光琢也 (有)円企画/マネージメントオフィスY・M・Oラブライブ
・たなかかずや (有)AQUATONE
・若林和弘 (有)フォニシア
・市川修 (株)タバック
・西尾大介 東映アニメーション
・水野さやか (有)スワラ・プロ
・石野貴久 (株)サウンド・リング
・川崎公敬 (株)タバック
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007093002052699.html 東京新聞 2007年9月30日(日)朝刊【放送芸能】
10月は“ガンダムの秋” 芸人・若井おさむが語る魅力 等身大主人公に感情移入
十月は“ガンダムの秋”−。放送から二十八年たっても人気が衰えないアニメ「機動戦士ガンダム」はじめシリーズ二十二作品を、
「スカパー!」が「ガンダム祭り」として集中放送するほか、TBSでは六日から、最新作「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」
(土曜午後6時)が始まる。ガンダムコントで大ブレーク中の若井おさむが語る、ガンダムの魅力とは−。 (宮崎美紀子)
「機動戦士ガンダム」の主人公アムロの物まねや、名セリフを盛り込んだコントが人気の若井は三十四歳。
アムロとの運命的な出会いは小学生の時だった。
「戦場に出て戦わざるを得ない状況になって、でも本当は内向的で暗くて気が弱い。
それが僕とよく似ていて、これは僕なんじゃないかとさえ思いました」
お笑いを志したのは二十代後半で、養成所の同期は十歳も年下。「普通に漫才を始めても絶対に若い子が成功する。
売れる売れないは関係ない。好きなことをやろう」と、子供の時からやってきたガンダムの再現ごっこを自分の芸に選んだ。
「ガンダムを知っている人だけをターゲットに始めたんです。
プラモデル一つあれば、アムロのセリフを言いながら一人で五時間は遊べる子供でした」
アムロ役の声優・古谷徹や、ガンダムの制作者に怒られるのではと心配したが、彼らの反応は「面白いからどんどんやってください」。
バカにしているのではなく、好きだからやっていると理解してもらえた。ただし、「富野由悠季監督にだけは、
二回会って二回とも『早く制服を脱ぎなさい。ガンダムだけに頼ってちゃダメだ』と言われました」と笑う。
若井にとって、ガンダムの魅力は「感情移入しやすい等身大の主人公」に尽きる。
「スーパーヒーローじゃない。怖いから戦場に出たくないなんて主人公は初めてだった」。
さらに「すごくいいものは、受け入れられにくい。ガンダムも最初の放送は視聴率が悪く、
『何じゃ、これ』と良さが発見されてから爆発的に人気が出た。そういうものって強いと思うんです」と分析する。
若井自身も、最初はアムロらが搭乗する人型の兵器「モビルスーツ」の格好良さに目が行き、なぜ戦争をしているのかといった
物語の本質は理解できなかった。大きくなってから「こんな話やったんか」と新たな発見をした。
ガンダム人気は単なる懐古ブームではなく、「二十八年の月日を経て、その良さに気付いた人が増えていったからでは」という。
「ガンダム祭り」のCMにも起用され、今やガンダムのイベントや番組には欠かせない存在に。
「理想的な形で仕事をいただいている。今、ほんまに僕はガンダムのおかげでメシが食えてる。
知らない人はまだいっぱいいるので、興味を持ってもらいたいという思いで、ブームが去ってもガンダムをやり続けます」
79年以来、連綿と作品化
「機動戦士ガンダム」が放送されたのは一九七九年。以来、テレビ、映画、オリジナルビデオで多くの作品が登場。
小説やマンガも含めると、全貌はファンでも把握しきれないほど。
シリーズには、「機動武闘伝Gガンダム」など、「機動戦士」以外の冠が付く作品群もある。
今回、スカパー!が集めたのは「機動戦士」の冠が付く全作品と一部関連作品(別表)。
「祭り」に参加するチャンネルを一カ月間視聴できる「ガンダムチケット」(999円)も発売。
一方、TBSの「00」は、テレビシリーズ十二作目にあたる。北海道から沖縄まで二十八会場で先行試写会を行い、約一万五千人を動員した。
東京会場では、古谷と若井の“Wアムロ漫才”のようなトークがファンを沸かせ、
水島精二監督は「僕自身、ガンダムがきっかけでこの業界に入ったが、新しいガンダム像を見せなきゃいけない」と決意を語った。
「ガンダム祭り」の放送作品(表略)
ttp://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20070930ke01.htm 読売新聞 2007年9月30日(日) 経済 科学 ピックアップ
関西の映画、マンガを海外に紹介…「CrIS」京都で開幕
映画やアニメ、マンガなど、関西のソフト産業を海外に紹介する「クリエイティブ・インダストリー・ショーケースin関西」
(CrIS)が29日、京都市で開幕した。10月6日まで京阪神や和歌山県田辺市で映画祭、商談会などがある。
初日は、東映京都撮影所(京都市右京区)で日本、韓国、シンガポールの映画監督、プロデューサーらが集まってシンポジウムを開いた=写真。
映画監督の中島貞夫さんらは「文化に共通性がある北東アジアに通用する作品を協力して生み出していくべきだ」と訴えた。
CrISは東京で開催中の「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の関西版として近畿経済産業局などが初めて企画。
来年以降も続け、アジアでソフト産業に携わる関係者の交流の場として定着を目指す。
30日以降は、奈良県出身の映画監督、河瀬直美さんの特別講演や、若手監督の作品上映会、マンガをテーマにした討論会などが
各地で開かれる。問い合わせは実行委員会(06・6944・3711)へ。
ttp://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007092900114&genre=M1&area=K10 京都新聞 2007年9月29日(土)
映像産業の発展目指し意見交換 右京で京都国際映画カンファレンス
京都の映像産業の発展を目指す「京都国際映画カンファレンス」が29日、京都市右京区太秦の東映京都撮影所であり、
映画やドラマが生み出す可能性について業界関係者が意見を交わした。
このイベントは、東京で開催中の「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の一環。関西では京都、神戸、大阪など関西で
10月6日まで実施される「クリエイティブ・インダストリー・ショーケースイン関西」の開幕行事として、撮影所が集まる京都で催した。
時代劇のセットを利用した会場では、最初に高岩淡東映相談役が「地方分権の先駆けとして関西から映画の伝統を創るために
努力してほしい」とあいさつした。講演では、シンガポールと日本の映像産業関係者が映画の制作状況を説明した。
討論会には日本、韓国、シンガポールの映像関係者が出席した。歴史物のドラマ「チャングムの誓い」がアジアでヒットしている
状況を韓国の関係者が説明すると、映画監督の中島貞夫氏は「時代劇に元気がない日本では、ドラマに違う要素や可能性を見つけだす
努力が必要だ」と提言した。
30日は、東映太秦映画村や京都国際マンガミュージアムでも関連のシンポジウムが開かれる。
【写真】映像産業の可能性について意見交換するパネリストたち(京都市右京区・東映京都撮影所)
ttp://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20070913/ 『週刊新潮』2007年9月20日号(9月13日発売) TEMPOタウン
p.39 モンゴルで流れる忍者アニメ「ナルト」海賊版
特許や著作権などお構いなしの「模造品」は、お隣中国の専売特許と思いきや、そのさらにお隣の朝青龍の母国、
モンゴルも例外ではなかった。
「いや、驚きました。モンゴルでは、著作権を完全に無視して日本の人気漫画『NARUTO−ナルト−』を放送しているのです。
どうみても、あれは海賊版ですよ」(モンゴル事情通)
ナルトは、1999年から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった忍者アクション漫画。単行本は39巻まで発行、累計で6900万部を超える。
2002年からはテレビ東京でアニメ化され、劇場版も公開されている。
「モンゴルには、国営放送を含めて10のテレビ局があります。民放のTV5が3カ月ほど前から、毎日夕方5時に2話分を放映している。
英語の字幕で、モンゴル語の吹き替えが付けられています。恐らく、シンガポールや香港あたりで売られている海賊版ビデオを買って、
そのまま流しているのでしょう」(同)
TV5のみならず、TV8という民放でも放送している。無論、こちらも放映許可は得ていない。
「TV8では、吹き替え作業が上手くいかずに番組を一時中断したら、視聴者から苦情電話が殺到した。それほどの人気なのです」(駐
在員)
ナルトはアメリカ、フランスを始め、全世界25カ国、30以上の地域で放映されている。
ナルトの海外向け版権を管理しているテレビ東京コンテンツ事業局に聞くと、「モンゴル政府の知的財産管理局に対して、
8月に著作権所有の証明書と、放送中止の抗議文を送付しています。更に調査を進め、入手経路をつきとめたいと思います」
療養先にいる朝青龍のお楽しみ番組だったりして――。
【写真】英語の字幕に、モンゴル語の吹き替え
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up226289.jpg
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709210242.html 朝日新聞 2007年9月29日(土) コミミ口コミ
名作ゲーム「ドルアーガの塔」、TVアニメ化
往年の名作アクションRPG「ドルアーガの塔」がアニメーション化される。来春、テレビで放送される予定だ。(アサヒ・コム編集部)
タイトルは「ドルアーガの塔〜the Aegis of URUK〜」。ナムコ(現バンダイナムコゲームス)が1984年に発表した
「ドルアーガの塔」は、もともとはゲームセンター用のゲーム。
謎を解き、敵を倒しながら60階の塔を登っていく難解な内容だったが、その後テレビゲーム機用のソフトも出て、人気が高まった。
今回のアニメ化にあたっては、オリジナル版の制作者、遠藤雅伸氏をスーパーバイザーとして迎え、原作からの世界観を引き継いでいるという。
アニメでの設定は、ゲームから80年後の世界。再び、巨大な塔が舞台となる。
遠藤氏は「現代にふさわしい、新しいものができると期待している」と話している。
監督は、「ブレイブストーリー」の千明孝一氏。脚本は、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」などの賀東招二氏。
制作はGONZO。08年4月から放送する予定だ。
放送にあたっては、パソコンのオンラインRPGも展開し、アニメとの相乗効果をねらう。
「日本発で、国境を越えて遊んでもらえるゲームにしたい」と制作陣は意気込んでいる。
【写真】スーパーバイザーの遠藤雅伸氏(中)ら、「ドルアーガの塔」プロジェクトの制作陣=千葉市の幕張メッセで
ttp://www.asahi.com/komimi/OSK200709270037.html 朝日新聞 2007年9月30日(日) コミミ口コミ
求む、鬼太郎ビジネス案
【写真】観光客が100万人を超えた水木しげるロード。
コンテストで開発された商品がロードの魅力アップにつながればと期待される=鳥取県境港市松ケ枝町で
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709210192.html 朝日新聞 2007年9月27日(木) コミミ口コミ
「トキワ荘」、模型とトークでしのぶ
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200709250106.html 朝日新聞 2007年9月25日(火) コミミ口コミ
プラチナ製ガンダムは、3千万円相当
ttp://www.chosunonline.com/article/20071001000059 朝鮮日報 2007年10月1日(月)
『DEATH NOTE』テレビアニメ版も韓国上陸へ
2部作の映画にもなり話題を集めた漫画『DEATH NOTE(デスノート)』のテレビアニメシリーズが韓国に上陸する。
『DEATH NOTE』のテレビアニメは韓国で初めて、8日からケーブルチャンネルのチャンプで放送される。
15才以上観覧可の判定を受け、毎週月曜日から水曜日の午後9時放送予定だ。
『DEATH NOTE』は2003年から06年まで、日本の漫画雑誌「少年ジャンプ」に連載され、累計2400万部を超える人気作品。
テレビアニメシリーズは、日本では昨年10月から今年6月まで日本テレビで37話放送された。
ttp://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20071001nt05.htm?from=os2 読売新聞 2007年10月1日(月)
パックマン生みの親に学ぶ、惹き込むゲームの作り方
「日本は八百万(やおよろず)の神がいると言われるように多神教の国で、ゲームの世界にも神様が何人かいる。
そのうちの2人がここにいる」――東京大学大学院情報学環教授で、日本デジタルゲーム学会会長、
DiGRA 2007組織委員会委員長の馬場章氏がこう紹介するのが、任天堂のファミリーコンピュータの生みの親である上村雅之氏と、
ナムコ(現:バンダイナムコゲームス)の「パックマン」を生み出した岩谷徹氏だ。
この2人の対談が、9月28日に開催されたゲーム研究の国際的・学際的交流を図るためのカンファレンス「DiGRA 2007」において実現した。
ここでは、岩谷氏の話を紹介する。
アーケードの料金体系が日米のゲーム差につながる
岩谷氏は1977年にナムコに入社。以来30年間、ゲームの開発に携わってきた。大ヒットしたゲームタイトル「パックマン」の生みの
親として知られている(ちなみにパックマンは2005年、世界でもっとも成功した業務用ビデオゲーム機としてギネスブックに登録された)。
自分のノウハウを若いクリエイターに伝授したいという思いから、ナムコを退社し2007年4月から東京工芸大学芸術学部教授として教鞭をとっている。
岩谷氏は日本と米国のゲーム産業の歴史を振り返りながら、日本でゲーム産業がこれだけ発展した理由や、人を惹き付けるゲームの設計について語った。
ゲーム産業の歴史はアーケードゲームから始まる。日本では最初、ボウリングの待合室かデパートの屋上にしかアーケードゲームは
存在しなかった。そのため、ゲームはあくまでも「待ち時間にちょっとやる」という時間消費のためのものに過ぎなかった。
それが昭和40年代になると、ゲーム専用の「ゲームセンター」ができ始める。これにより、ひまつぶしではなく、ゲーム自体が目的になっていく。
とはいえ、最初のころはまだビデオゲームではなく、機械仕掛けのもので、値段も1ゲームあたり30円から50円程度だった。
3分程度の時間制限があるものがほとんどで、短時間で明確に勝負がつくレースゲームなどが主流だった。
これが、ビデオゲームの登場で一変する。1ゲームの料金は100円で、子どもにとっては高い金額だ。
このため、1回でなるべく長く遊びたいと習熟するようになり、1ゲームあたり1〜2時間遊ぶようになった。
ゲーム開発者も、なるべく長い時間楽しんでもらおうと、ゲーム内にイベントを配置したり、ボスキャラを登場させたりするなど、
ゲームに時間軸とストーリー性を持たせるようになる。
「飽きさせないようにしてほしいというユーザーからの要求があり、きちんとしたゲーム設計が求められるようになった」
パックマンの場合、4匹の敵(ゴースト)の動きを細かく設計したり、「パワークッキー」というアイテムを手に入れると
それまで逃げ回るしかなかった敵を簡単に倒せるようになるといった仕掛けを盛り込んだりした。
「人の心に訴えかけるような飽きさせない工夫が、ゲームソフトとして面白い、安心して楽しめるという評価につながる」。
こういったユーザーへの「心配り」は今でも「ジャパンチューニング」という言葉で世界的に語られるという。
一方米国では、日本と1プレイあたりのゲーム料金が異なる。これが、日米のゲームの違いへとつながっていく。
日本では1プレイ100円というのが一般的だが、米国では同25セント(当時の邦貨換算で約30円)だった。
ゲーム機器を置く店舗としては、ユーザーにたくさんお金を使ってもらって早く機器の購入費を償却したい。
このため、1〜2分で1プレイが終わるような設計にして欲しいという要求が寄せられたという。
「10分のアニメと60分のアニメでは作り方が違うように、そもそも設計思想が異なる」
このため、米国向けには難易度を高くした。実際に海外仕様のゲームと国内仕様のゲームを店舗に置いて比較してみると、
1日あたりの売り上げが1500円ほど違ったという。
このように料金体系の違いがゲームの設計思想の違いを生み、それは今の家庭用ゲーム機向けタイトルにも引き継がれているという。
(後略)
中日新聞 2007年9月29日(土)朝刊地方版(岐阜近郊版)20面
『市場膨れモラル低下』 日本のアニメ・マンガ業界 各務原出身 SF作家 冲方さん ベルリンで講演
【岐阜県】【ベルリン=三浦耕喜】各務原市出身のアニメ・SF作家、冲方丁(うぶかた・とう)さん(30)=写真(左)=が
二十七日夜(日本時間二十八日未明)、ベルリンで日本のマンガやアニメの現状について講演を行った。
冲方さんは一九七七年生まれ。早稲田大学在学中に「黒い季節」で小説家デビュー。マンガ「ピルグリム・イェーガー」の原作や、
アニメ「蒼穹のファフナー」の制作でも知られ、二〇〇三年には小説「マルドゥック・スクランブル」で日本SF大賞を受賞した。
講演で冲方さんは、日本のマンガ・アニメ業界について、テレビ局、出版社、制作スタジオ、広告代理店、玩具メーカーなど
多くの企業が出資する「制作委員会方式」によって多数の作品が生み出され、十三兆円もの市場を持つようになった半面、
作品の質とモラルの低下を招いたと指摘。モラルの再確認が必要として、自作品での取り組みを紹介した。
日本経済新聞 2007年9月29日(土)夕刊3面
「自動厨房」で実験・うどん缶・政治家モチーフ…、個性派アキバ、食も新味。
ボリューム感・手軽さ持ち味
電気街としての顔に加えて、ゲームやアニメの愛好者による「オタク」風俗など独特の文化がひしめく東京・秋葉原。
つくばエクスプレスの開通や駅周辺の再開発をきっかけに、食を楽しめる場としても注目を集め始めた。個性的な飲食店が目立つほか、
「うどん缶」など自動販売機でも購入できる一風変わった食べ物も登場。新たな「食の発信地」としての地位を獲得しつつあるようだ。
秋葉原駅から降り立つと、眼前に大きなビル群がそびえ立つ。そのひとつで二〇〇六年に開業した「秋葉原UDX」内に、
ユニークな飲食店が集結した「AKIBA ICHI(アキバ・イチ)」がある。
二階の「バーガーカフェアジール」では、大型ハンバーガー「アキバーガー」(千八百九十円)が人気メニュー。
ハンバーグとロースカツが二枚ずつ挟み込まれ、トマトなど野菜もボリュームたっぷり。
日本マクドナルドの「メガマック」と比べ、カロリーで約二倍、重さは三倍弱と迫力満点だ。
四階にあるのは、IT関連企業の新産業文化創出研究所(東京・千代田)が運営する「東京フードシアター5+1」。
健康的でお腹もふくれるメニューが売りで、昼は三十食限定の「アンチエイジング弁当」(千円)などが食べられる。
実は同店は「料理に最適なオリーブオイルの温度」など料理のノウハウをレシピとして数値化し、外食チェーン向けに販売するための
実験場でもある。「調理器具をネットワークでつないで、注文を受けたら即座にオーブンを暖めるなど時間と労力を減らすシステムの
実用化も目指している」(同社)。秋葉原発の「自動厨房(ちゅうぼう)システム」が全国に広がる可能性がある。
(中略)
秋葉原から全国に人気が広がった食料品も増えている。二〇〇〇年前後に、自動販売機で買える天狗缶詰(名古屋市)の
「おでん缶」が話題となって以降、一風変わった食品を缶で買うスタイルが定着しつつある。
今春にフジタカ(京都府長岡京市)がこんにゃくを使っためんの「札幌らーめん缶」(オープン価格だが実勢三百―三百五十円程度)を売り出したところ好評で、初年度売り上げは当初計画の二・五倍に達する見通し。九月中旬には「うどん缶」(同)も投入した。
家電量販店のラオックスが運営するゲーム専門店「アソビットシティ」では、菓子メーカーの大藤(東京・荒川)が製造する
「アキバ商品」が売れている。
レトルトの「おでんカレー」(五百円)などに交ざって政治家をモチーフにした商品も目立つ。秋葉原では、「漫画好き」を
公言する自民党の麻生太郎前幹事長の人気が高く「太郎ちゃんの牛乳カステラ」(五百二十五円)はこれまでに六万箱を売り上げた。
秋葉原の自販機で、缶の食品を買った二十代の女性は「通販などでも買えるけど、秋葉原で買うことに意味がある」と話す。
決して洗練されているとは言い難いが、「アキバ」ならではの個性豊かな食文化が、多くの人をひき付けていることは確かなようだ。
TX開通・大型商業施設 にぎわい後押し
秋葉原地区の食事情が大きく様変わりしたのは二〇〇五年以降。つくばエクスプレス(TX)の開通や、家電量販店の
「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」などの大規模な商業施設が相次いで開業したのがきっかけだ。
〇六年度のJR、TXの秋葉原駅の合計利用者数(乗車数)は一日当たり約二十四万人。五年前(JRのみ)に比べ一・七倍に増えた。
これに対応して就業者やTX沿線などから訪れる家族向けの飲食店が急増。ここ数年に開業した主要商業ビル内の飲食店だけで、
ざっと百店近くある。秋葉原UDXは、八月の商業部門の売り上げが前年同月比一五%増という。
今年で創業五十周年を迎える定食店「かんだ食堂」店主の浅沼昌司さん(58)は「オタクなど我々には理解できない若者もいるが、
商売人の街だけに来訪者が増えればありがたい」とにぎわいを歓迎する。一方で「気軽に安く食べられるところは少なくなった」
(乾物卸店を営む五十嵐一雄さん、60)という声もある。(消費産業部 大本幸宏)
記事のキャッシュ
ttp://72.14.235.104/search?q=cache:4BzD07ZhLg8J:job.nikkei.co.jp/2008/contents/news/inews/nt21auto028/NIRKDB20070929NKE0596.html+%E8%87%AA%E5%8B%95%E5%8E%A8%E6%88%BF&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp
東京新聞 2007年9月28日(金)朝刊23面
待ちモノ・流行モノ 執事喫茶スワロウテイル 『はい お嬢様』と“執事”
池袋・サンシャイン60ビルに近い、通称「乙女ロード」。アニメやコミック店が立ち並び、オタク女性が集うこの通りに
面した場所に“お屋敷”がある。といってもビルの中だけど。「執事喫茶スワロウテイル」(
ttp://butlers-cafe.jp)=写真。
扉を開けると「お帰りなさいませ、お嬢様」と出迎えてくれる。ここでは、店は“お屋敷”であり、客は“お嬢様”。店員は“執事”なのだ。
メイド喫茶の逆バージョンともいえる。昨年3月のオープン以来、常に予約は受け付け可能な1カ月先までいっぱい。
毎週京都から来る常連もいるとか。1回の“ご帰宅”で80分の時間制限ありだが、その間“お嬢様”になりきり、お茶とお菓子を
優雅に楽しむのである。
運営はコミック店の「ケイ・ブックス」。「テーマパークのようなワクワク感が持てる飲食店をやりたい」というオーナーの希望と、
「乙女ロード」という立地を考えて企画された店である。開店前からブログなどで店の企画を発表したところ、
予想以上の大反響だったため「お嬢様を行列させるわけにはいかない」と完全予約制にしてオープンした。
予約がとれない人向けに、店内で供する自慢の菓子を食べてもらおうと、ケーキ店「パティスリー・スワロウテイル」も開店。
こちらも10月から2店舗目ができるほど人気だ。
とはいえ人気の中心はやはり執事たち。20代を中心に70代まで約60人も抱える。高級ホテル出身のマナー講師が接客を伝授。
それぞれにファンがつくほどだが、執事に徹する。「お嬢様、舞踏会のお時間です」などと言われたら終了時間。
あくまで夢の世界なのでハマらないように。(文と写真 村手久枝)
ttp://www.chunichi.co.jp/s/article/2007100201000533.html 中日新聞 2007年10月2日(火)【話題のニュース】
「ニホンゴ」で売り込め 独ロックバンドCD競演
【ベルリン2日共同】ドイツ・ロック界の有名14バンドがヒット曲を日本語で歌ったCD「ポップタスチツク・コンバセーション」
(フライ・ファスト・レコーズ社)が5日、ドイツ、オーストリア、スイス、日本の4カ国で発売される。
すしやアニメなど欧州を席巻する「日本ブーム」に乗じたアイデアで、製作担当のジョージ・リント氏は
「ドイツのバンドを日本に売り込むだけでなく、ドイツ人に日本語の素晴らしさを知ってもらうのも目的」と説明。
「日本語突貫講座」のボーナスCDがついており、すぐに「語学学習」に入れるのも特徴だ。
アジアとの音楽交流に力を入れるベルリンの同社が5年前に発案。
参加バンドを募り、有名ロックバンド「ビア・ジント・ヘルデン」や「ディ・エルツテ」などを呼び寄せた。
【写真】「ポップタスチツク・コンバセーション」のCD(共同)
ttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071002i317.htm?from=main3 読売新聞 2007年10月3日(水)
デスノート殺人犯の名残し、男性のバラバラ死体…ベルギー
【ブリュッセル=尾関航也】ベルギーの首都ブリュッセル市内の公園で、切断された若い白人男性とみられる死体の一部が見つかり、
そばに「私はキラです」との日本語がローマ字書きされた2枚のメモ紙が残されていたことが2日、分かった。
「キラ」は日本の人気マンガ「デスノート」に登場する連続殺人犯の名前で、警察は、作品に触発された猟奇殺人の可能性があるとみて調べている。
地元警察によると、見つかったのは両足の太ももと胴体の下半身部分。
先月28日夕、公園内の遊歩道脇に、むき出しの状態で置かれているのを通行人が発見した。
メモ紙には、2枚とも手書きで「WATASHI WA KIRA DESU」と書かれ、1枚ずつ異なる色のインクが使われていた。
マンガ「デスノート」の中では、「キラ」は、犯罪を憎む余り、死に神の力を借りて世界中の犯罪者を次々と殺していく。
作品はフランス語やオランダ語に翻訳され、欧州でも人気を集めており、今回の殺人との関連が疑われている。
死体が捨てられていた公園は高級住宅街に近く、警察によると、凶悪犯罪は極めて少ない地区という。
死体の身元は発見から4日たっても判明しておらず、死体のほかの部分も見つかっていない。
ttp://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071003/crm0710031032008-n1.htm 産経新聞 2007年10月3日(水)
バラバラ遺体脇に「キラ」 『デスノート』に触発された猟奇殺人? (関連
>>159)
ベルギー紙デルニエルールによると、首都ブリュッセル南部の公園で切断された白人男性の遺体が見つかり、近くに日本の人気漫画
「DEATH NOTE(デスノート)」のせりふ「わたしはキラです」と読める日本語をローマ字で書いた紙片が置かれていたことが分かった。
警察は殺人事件として捜査、紙片を重要な手掛かりとみて関連を調べている。
1日付の同紙によると、9月28日午後、散歩していた市民が男性の両もも、下腹部を発見。警察が周辺を調べたところ、
2枚の紙が見つかり、別々の色で同じ文が書かれていた。遺体の頭部や腕などは見つかっておらず、身元も判明していない。
「キラ」を名乗る人物が死神の助けを借りて殺人を繰り返す筋立てのデスノートは、ベルギーでも翻訳版が若者らに人気。
警察は紙片がいたずらや偶然で近くに置かれたとは考えにくいとしている。(共同)
■デスノート…中国では海賊版、世界的にヒット
『週刊少年ジャンプ』に2004年から06年にかけて連載されたサスペンス漫画。名前を書くだけで人を殺すことができる
「デスノート」をめぐる物語。
ノートを手に入れた高校生が、犯罪者の名前を次々にノートに書き込み、犯罪のない理想の世界を実現させようとする。
高校生は「殺し屋(キラー)」と呼ばれ、多くの人から支持される一方で、警察組織からは大量殺人者として追われるというストーリー。
単行本全12巻は計2590万部を売り上げ、実写映画、アニメもヒットした。海外でも人気を呼び、中国では海賊版が大量に出回ったため
当局が「青少年の心身に悪影響を与える」として、摘発キャンペーンに乗り出し、話題となっている。
ttp://mainichi.jp/select/world/news/20071003dde041030020000c.html 毎日新聞 2007年10月3日(水)東京夕刊
ベルギー:「ワタシハ キラ デス」 「デスノート」かたり、切断遺体にメモ発見
◇「Watashi Wa Kira dess」
【ブリュッセル福原直樹】「ワタシハ キラ デス」(Watashi Wa Kira dess)−−。ベルギー・ブリュッセル市で発見された
切断死体のそばに、日本の少年誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載された人気コミック「デスノート」に登場する殺人犯
「キラ」の名をかたるメッセージが残されていた。同国の司法当局は殺人事件とみて、メッセージとの関連を調べている。
欧州では日本のコミックが人気を集め、「デスノート」も翻訳版が出版されている。
捜査にあたる同国のコルパン司法官によると、死体の一部が発見されたのは9月28日夕。
同市西部の公園で通行人が胴と足の一部を発見し、ローマ字の日本語で書かれたメッセージが近くに残されているのが見つかった。
ローマ字のつづりは一部間違っている。被害者は白人男性の可能性が高い。コルパン司法官は「(日本のコミックに関する)
メッセージがあったのは事実だが、事件との関係性は不明だ」と語り、今後関連性を捜査する方針を示した。
ttp://www.jpf.go.jp/j/publish_j/wochikochi/019.html 隔月刊『をちこち(遠近)』19号(2007年10月発行)
発行:国際交流基金 発売:山川出版社 ISBN:978-4-634-58037-4
特集 マンガからMANGAへ
巻頭対談 世界に広がったマンガが文化の相互理解をもたらす 夏目房之介×山田奨治 …10
レポート MANGAへの視線
アメリカ MANGAは北米出版界の空前のヒット商品 市村恭一 …18
フランス マンガの出版形態が「バンド・デシネ」に変革を迫る 鵜野孝紀 …22
ドイツ マンガの雑種性が表現参加の場を生む ジャクリーヌ・ベルント …24
ブラジル ハイブリッドなブラジルマンガの創造へ ソニア・M・ビベ・ルイテン …26
タイ 日本マンガが書棚を占拠し、専門店もオープン サクダー・ウィモンジャン …28
韓国 ネットを通して広まった日本マンガの人気 朴仁河 …30
中国 「門を閉ざして車を作る」 中国産マンガの道は遠い 鄒凱 …33
特別対談 マンガは日本文化の発信に大いに貢献している 麻生太郎×呉智英 …36
マンガは日本語学習の強力なツールになる マルク・ベルナベ …42
第1回「国際漫画賞」受賞者日本招へい事業より 日本のマンガ文化に触れた8日間 中島裕介 …46
シリーズ 文化による都市創造16 京都 マンガ文化を学び、育み、社会への還元を目指す
―京都国際マンガミュージアムにおける「マンガ研究」の試み 伊藤遊 …50
関連
ttp://www.jpf.go.jp/j/publish_j/wochikochi/013.html 隔月刊『をちこち(遠近)』13号(2006年10月発行)
特集 日本発!アニメの魅力
ttp://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200710030211.html 朝日新聞 2007年10月3日(水)夕刊11面
リアル未来、闘えガンダム00 シリーズ最新作、6日から
79年の「機動戦士ガンダム」以来、四半世紀以上にわたり続編や劇場映画、関連作品が数多く作られ、根強い人気を保ってきた
ガンダムシリーズの最新作「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」が6日からTBS/毎日放送系で始まる。
日米、中ロ印、ヨーロッパの3極が対立する、現代の先に続く未来というリアルな設定で展開する。
新作の開始に合わせて、スカパーでは過去のガンダム作品を集中編成する。
西暦2307年。世界は、アメリカを中心に日本も加わる「ユニオン」、中国やロシアが中心の「人類革新連盟」、そしてヨーロッパを
中心とした「AEU」の3勢力に分かれていた。各陣営とも天空を突き刺す巨大な軌道エレベーターと太陽光発電システムを持って対立、
衝突していた。
そんな三すくみの世界で、主人公ら4人の若者が私設武装組織として動き出す。それぞれモビルスーツと呼ばれる4体の最新鋭
ガンダム機で挑むのは「武力による戦争の根絶」。その矛盾に満ちた命題に彼らの戦いがどう答えていくのかが、物語の背骨になっていく。
これまでの「ガンダム」シリーズは主に「宇宙世紀」など架空の年号を使っていたが、今シリーズは「西暦」を使う。
毎日放送の竹田せい滋エグゼクティブプロデューサーは、「かつての冷戦時代と同様、今どきの子供たちも『9・11』や『テロ特』
なんて言葉の背後の空気を思いのほか感じ取っている。日本の立ち位置を含め、今と地続きの未来というリアリティーのある世界観を、
それぞれ業を背負った若者たちの群像とともに描き出したい」と語る。
ガンダム機のデザインについて、制作するサンライズの池谷浩臣プロデューサーは「フォルムは全く新しいがトータルとして
ガンダムに見える。20年選手のファンにも、新しいファンにも受け入れてもらえるはず」。
放送は6日午後6時から(一部地域を除く)。
◇
ガンダムシリーズの根強い人気を反映して、CS放送スカイパーフェクTV(スカパー)が新作の放送開始に合わせて過去の関連作品を
ほぼ網羅した「ガンダム祭り」を開催する。テレビシリーズや劇場版など計22作品をスカパー独自チャンネルを含む複数のチャンネルで
集中放送する(一部チャンネルはケーブルTVでも視聴可能)。
放送予定の作品は、79年の“ファーストガンダム”シリーズ(7日から)や、第2シリーズの「機動戦士Zガンダム」(9日から)
などをアニマックスが放送。その他TVシリーズや劇場版、関連作品はスカパー独自チャンネルやTBSチャンネル、ファミリー劇場、
チャンネルNECOなどでも放送される。
【写真】(上)主人公の刹那・F・セイエイ。16歳の少年兵だ (下)刹那が乗るガンダムエクシア。いずれも「機動戦士ガンダム00」から
(C)創通・サンライズ・毎日放送
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227428.jpg
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20071003bk04.htm 読売新聞 2007年10月3日(水)東京夕刊5面
大人のためのSF大河 「機動戦士ガンダムUC」の福井晴敏さん
冒険小説の人気作家、福井晴敏さん(38)が、伝説のアニメの世界に挑戦した『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』
(角川書店、既刊1、2巻)の刊行が始まった。初代ガンダムに影響を受けた作家は、広大な宇宙に、燃え上がる物語を紡ぎ出す。(佐藤憲一)
1979年からテレビ放映された「機動戦士ガンダム」は地球連邦と宇宙の植民都市ジオン公国の戦争を描くアニメ。
当時の小中学生に絶大な人気を呼び、福井さんも「監督の富野由悠季(よしゆき)さんの人間観やドラマの転がし方が自分の血肉になった」
というほど夢中になった。
そのルーツに小説の形で挑むのは、30代、40代男性の本離れへの危機感からだ。「かつての30、40代はノベルズなどを愛読し、
出版市場を支えていた。その熱気を、おれたちの世代に思い入れの深いガンダムの力を借りて取り戻したい」。
初代ガンダムの作り手の一人、安彦良和さんが挿絵を担当するなど豪華な布陣で臨んだ。
宇宙世紀0096年。人工衛星都市に住む16歳のバナージは、謎の少女と出会い、地球連邦政府とジオン残党軍の戦いに巻き込まれていく――。
主流シリーズの続編の形を取りながら、登場人物を一新させた完全オリジナル。今の生活への「ずれ」を感じる主人公らの内面を掘り下げ、
謎の「箱」を巡るミステリーやハードSFの醍醐味も取り込んだ重厚な作風だ。
「目指すのはSF大河小説。A・C・クラークに、山崎豊子さんの面白さも持たせた」と笑う。
未来の物語には、今の世界情勢も投影されているという。「世界大戦の後、人類を統治するようになった地球連邦は、
グローバル化時代のアメリカに、ジオンの残党軍は、9・11後のテロ組織に置き換えられる」という訳だ。
「戦時でも平時でもない空気」を捕らえる筆致に、『亡国のイージス』などで戦争の意味を問い続けてきた作家の感性が生きる。
3か月に1冊のペースで刊行され、完結は10巻前後2009年春になる予定。
「今までのガンダムが少年の成長物語だったとすれば、UCは、主人公の目を通し、組織の中間管理職的立場にある大人たちにも
比重を置くつもりです」
大人になったファンのための、大人のガンダムの誕生だ。
◆自宅の地下に映画室
「おそらく2000枚前後」というDVDを所有し、無類の映画好きとして知られる福井さん。このほど自宅の新築にあわせ、
地下に専用の映画室を作ってしまった。200インチのスクリーンに9チャンネルの音響システムを備え、広さもミニシアター並み。
休日にはアクション映画にどっぷり浸るが、「執筆に忙しくて月に1度ぐらいしか休みがとれない」のが悩みとか。
【写真】「ブームになったときは小学校の5、6年生。デパート前に朝から並んでガンダムのプラモデルを買ったものです」(都内・福井邸で)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227427.jpg
読売新聞 2007年10月3日(水)東京夕刊7面 ◇Pop Style(ポップスタイル) vol.76
[News Review]今週のZOOM UP ギャグが競走馬名に
◆今年消えそう? 「そんなの関係ねえ!」
競走馬の名前は、カタカナで9文字以内と決まっているそうです。中には、アニメのタイトルから取った「テイエムプリキュア」
なんていう変わり種もいます。それにしても、これからデビューを飾る「ソンナノカンケーネ」という馬名には驚きました。
最近、テレビのバラエティー番組でブレーク中のお笑いタレント・小島よしおさんのギャグが由来です。
競泳用パンツ1枚の姿で、リズミカルに体験談などを披露した後、こぶしを振り下ろしながら「でもそんなの関係ねえ!」と決めぜりふを
繰り返し、「オッパッピー」という謎の(?)言葉で締めくくる、何だかよく分からない芸風。しかし、それが妙に受けているようです。
この馬名の話題を取り上げたスポーツ紙によると、小島さんは「今年消えそうな芸能人」の上位にランクされているのだとか。
確かに、外見が奇抜だったり、一発ネタで売り出したりしたお笑いタレントは、総じて“賞味期間”が短い傾向にあるとは言えます。
でも、自らのスタイルを時代に合わせて変えながら、しぶとく生き残るタレントもたくさんいます。
そう、キャラクターをどんどん代替わりさせて、さらなる人気を集めるアニメの「プリキュア」シリーズのように……。
えっ、そんなの関係ねえ? えーと、「ソンナノカンケーネ」には、小島さんの浮沈に関係なく、頑張ってほしいものです。はい。(福田淳)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227441.jpg
毎日新聞 2007年10月4日(木)夕刊 文化
アジア初の世界SF大会を見て エネルギッシュな東西の出会い (小谷真理)
SFファンのお祭りである日本SF大会は今年四十六回目にもなるが、本年はなんと第六十五回世界SF大会(ワールドコン)と合同開催だった。
世界SF大会がアメリカを中心とした西欧圏を離れ、アジアで開催されるのは史上初である。
一般的に、趣味を共有する人々が集まるというだけで充分に興奮するものであろうが、その偏愛先がSFとなると、
なにやら宇宙人やロボットやタイムマシンが乱舞する、おたくたちの部族決起集会とも秘密結社の集会とも思え、一抹の怪しさが漂う。
が、フタをあけてみると、意外に健全。独特の手作り感が漂う。講演会、パネル、サイン会、朗読会、ライヴ、アートショー、
お茶会など、ファン自身の手になるプログラムは、かたくて真面目な文学会議から、マッドサイエンティストとその被造物――
たとえばメイドロボットや芸者ロボット――が給仕するカフェまで、ウィットに富んだ工夫が凝らされ、まさに理系と文華とが混在する
「大人のための文化祭」だった。
恒例企画では、ベストSFを選ぶ文学賞の発表がある。大会参加者による投票形式で出版界にも多大な影響を及ぼすヒューゴー賞の
長編部門はバーナー・ヴィンジの『レインボウズ・エンド』(未訳)、星雲賞の長編部門は小松左京・谷甲州『日本沈没・第二部』が
選ばれ、フォーマルな式典をもって祝われた。女性SFファンがプロモートするフェミニズム系SF賞である、北米のティプトリー賞、
国内のセンス・オブ・ジェンダー賞の合同授賞式では、飛浩隆の『ラギッド・ガール』、アイリーン・ガンの『遺す言葉、その他の短篇』
が受賞作となった。
アートショーでは、わが国の生んだヒーロー、ウルトラマンなど円谷プロの展示のほかに、同人誌即売会コミック・マーケットの
全歴史を俯瞰する資料が公開されていた。コミケット前代表の故・米潭嘉博らSF的想像力に引きつけられたクリエーターが、
いかにポップカルチュア全般に深く関わってきたか、その一端が窺われる。
プロ作家のゲスト代表は、『日本沈没』原作者の小松左京、海外作家では、ゴーレム探偵が活躍するミステリSF『キルン・ピープル』が
刊行されたばかりのデイヴィッド・プリン。ファンのゲスト代表は、数多くのSF作家を輩出した同人誌『宇宙塵』を五十年にわたって
主宰してきた柴野拓美、アーティストでは『吸血鬼ハンターD=xの表紙でお馴染みの天野喜孝と、やはりペイパーバックの美麗な
表紙で著名なマイケル・ウィーラン。この五人に限らず多くのプロ作家が来場し、なんとも気軽に大会を歩き回り、パネルに参加して
ファンと交歓する風景は圧巻だ。
初めての世界大会に、日本SF作家クラブが全面的なサポートをし、華をそえていたことも、大成功の要因だろう。
たとえばパネル「サイエンスとサイエンス・フィクションの最前線、そして未来ヘ!」では、作家・瀬名秀明を司会に、
第一線の科学者たちがロボットや人工知能について、エイミー・トムスンらSF作家たちと議論を繰り広げるというもの。
SF作品についての討議だけではなく、アキバ系と呼称されるSFカルチュアの担い手をターゲットにする「おたくスタディーズ」、
女性ファン同人文化の花形といえるボーイズラブの日米比較論、ゴスロリ文化やコスプレ文化と文学との関係性を議論するものなど、
いわばSFファン自体の嗜好や思想、ライフスタイルを生態学的に知るパネルも、文明批評的な視点を得て数多く登場している。
こうした探求心と好奇心に満ちた議論の合間に、ロック・ミュージシャン難波弘之率いるセンス・オブ・ワンダーによるライヴ演奏や、
不思議楽器テルミン生演奏、交流電気の発明者ニコラ・テスラの考案したテスラコイルを実際に発動させ、電子楽器テルミンと
からませるという凝りに凝ったパフォーマンスなども人気を集めた。
日本のSFファンはエネルギッシュだ、西洋とはまったく違う発想がおもしろい、とアメリカからきたファンは感想を述べる。
未知のエイリアンとの魅力的なファースト・コンタクトとも言える、SF界のイースト・ミーツ・ウェストは、SF精神の原点ともいえる
「異質な文化への興味」を呼び覚ます、見事な祭典だったと言えよう。 (こたに・まり=SF評論家)
【写真】8月30日〜9月3日に5138人が来場し、さまざまなパネルディスカッションやトークなどで熱い議論が戦わされた
=横浜市西区のパシフィコ横浜で
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227458.jpg
ttp://www.asahi-mullion.com/column/dora/71004dora.html 朝日新聞 2007年10月4日(木)夕刊7面
(Doraのドラ猫 ボンジュール!) 日本ブーム到来!
「私、日本に住んでいるの」と言ったときのフランス人の反応は、ここ数年でずいぶん変わりました。
以前は「なぜそんな遠くに」「みんな冷たいんでしょ?」など、ネガティブな反応が多かったのに、
今では「うらやましい!」とか「へえ、日本ってどうですか?」というような熱いまなざしと称賛の言葉が返ってきます。
このあいだパリに帰って特に感じたのが、大型書店にあるマンガコーナーの広さ。日本のサブカルチャーはフランスでどんどん拡大中。
フランスの若者たちにとって、日本のイメージは「マンガ、アニメ、ゲームの国」といったところです。
7月にパリ郊外で行われた「ジャパンエキスポ」は毎年入場者数を増やしていますし、パリにはマンガ喫茶までできたみたい。
おいっ子のラファエル(9)もマンガやゲームのファン。あるとき突然、彼が武将の名前を言い出したのでびっくり!
「えー、どうして知ってるの?」と動揺する私に「ドラ、知らないの?」と言われて恥ずかしい思いをしました。
日本のマンガで育った彼らが、仏訳ではなく原文で読むため、日本語の勉強を始めるようになっています。
日本の文化に興味を持って、日本に行きたいと思う人も増えているようです。実際、リセ(高校)では第3外国語に日本語を選択する人も。
いまや日本はジャポンではなく、あこがれや尊敬を込めてニッポンと呼ばれるようになったのです。
日本のサブカルチャーを日常で楽しんでいるのは若い世代。
彼らが大人になったとき、どんな日仏交流が生まれるのか、今からとっても楽しみです。
(Dora TAUZIN<ドラ・トーザン>フランス人国際ジャーナリスト)
<編集協力/村松千絵 イラスト/平澤まりこ 写真/Ayumi Shino>
日本経済新聞 2007年10月4日(木)夕刊9面
(フォーカス) ハーバード大から日本に“アニメ留学” デビ・チャンさん
「日本文化の外交官」実体験
米ハーバード大学で日本の文化や歴史を学ぶ大学生が今年八月まで、アニメ企画制作会社の東映アニメーションで
インターンシップを体験した。同社が海外学生を対象に始めた試みに着目。
アニメスタジオの制作現場やマーケティングなどの経験を通じ日本のアニメ文化への理解を深めた。
台湾系の米国人の両親のもとに生まれ、「ドラゴンボール」や「セーラームーン」などの日本のアニメに親しんだ。
「アニメは日本文化の外交官。アニメをきっかけに日本について勉強する人も多い」という。
約二カ月間の“アニメ留学”は、大泉スタジオ(東京・練馬)の制作現場から始まった。「職場で働くことを通じて才能を
伸ばすことに感銘を受けた」。将来のアニメーターを養成する東映アニメーション研究所では、同年代の生徒たちとも交流を深めた。
海外に映像やDVDを販売する国際部などではマーケティングなどの仕事を経験。アニメ企画制作会社の仕事の幅広さを実体験できた。
「企業にとっても自国と他国の文化を理解することは大切。自分が懸け橋になれるようなコンサルタントの仕事をしてみたい」という。
日本のアニメ会社への就職は「選択肢の一つかな」と、はにかんだ。=18歳
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227636.jpg
読売新聞 2007年10月4日(木)東京朝刊21面
村上隆「骨董」にはまった モノに個人の物語投影
◆「価値とは人の心の動きから」
あの村上隆が骨董収集にのめり込んでいる――そんな話を耳にした。漫画・アニメの表現を現代美術に導入し、快進撃を続ける人だ。
まもなく回顧的な大展覧会「(c)MURAKAMI」が米西海岸で始まり、世界巡回する。
その国際的なアーティストがなぜ、古めかしい骨董の世界に? 理由を聞いた。(前田恭二)
東京・元麻布の活動拠点「カイカイキキ」。取材の日、買い集めた一部を並べてくれた。
民芸風の壺や幟(のぼり)、夜具、南仏の球技用ボールなども。分野はまちまちだ。名品主義でもなさそうだ。
金太郎を描いた幟は「5万円しなかったかな。色がきれいに残っている。雨が降るたびに出し入れしていたはずで、それができるだけの
商人が注文したものらしい。絵師もいい腕前の人。金太郎さんの筋肉のデフォルメなんかは、自分の作品にも使えるかなと思ったり」。
つぎはぎで、しかし紺色に味のある夜具は、現代美術家大竹伸朗さんの作品を連想させたのだという。
「貧しい農民が使っていたものだそうです。自分が日本の現代美術を考える時、貧しさという問題が一つあるし、僕自身、貧乏だった。
それが今、大竹さんの作品に似ているなとか、現代美術オタク的に言っているわけで」。骨董から個人的な連想を広げつつ、買い続けているらしい。
「ええ、はまってます。狐が憑いたというしかない。この間もロンドンでいろいろ買ってしまって。
骨董を買うためにもっと仕事で稼がなきゃとか、もう本末転倒になっている」と苦笑いする。
きっかけは2003年、古道具商坂田和実さんの著書『ひとりよがりのものさし』(新潮社)の書評を頼まれ、実際に店を訪ねたこと。
さらに展覧会でその扱う品の独特さに驚かされた。「ずばりゴミじゃん!と。一見ゴミだけど、人を説得し、骨董の価値観を変えた
坂田さんの哲学、パワーは一体何だろうと。(骨董という)ゲームに乗ろうと思った」
ただし売る側の見方にそのまま乗っているわけではない。買おうと思う心理の動きを、客観的に見つめている。「何かを買う瞬間は
勝負ですよね。そこを踏み込ませるものは何なのか。理解できる文脈が三つなら買う。五つあったら、今すぐ買わなくちゃいけない。
僕の場合、自分の中の物語が大きい」。金太郎の幟や農民の夜具も、個人的な文脈が次々に思い浮かび、買うに至ったのだろう。
そう言えば、この人自身のアートも周到に文脈が巡らされている。平面的なアニメの描法を取り入れ、それを伝統的な絵画や
戦後日本の状況とも結びつけながら、欧米側に突きつけてきた。それが今日の高い評価につながった。
世界巡回する「(c)MURAKAMI」展も、実は著作権をテーマにしている。
著作権がビジネスになり、その一方で自由な引用を認める考え方も広がる中で、今度もまた挑発的な文脈を差し出すことになりそうだ。
「モノに普遍的な価値はないと思っている」と村上さんは言い切る。「誠意をもって作品を作り込むのは当たり前。現代美術の世界で
生き残るには、それだけでなく、価値とは何かを考えていないと足元をすくわれる。なぜ人はアートにはまるのか。残そうとするのか……」
骨董にはまりながら、同時に、モノに価値が生まれ、値段がつくプロセスを見つめ直している。現代の作家としては価値を生むために、
作品に全力を注ぐ。文脈も与える。だが結局のところ、「価値とは人の心の動きです。だから不思議だし、限りがない」――。
骨董を通じて、村上さんは人がアートを求める心の深みをのぞきこんでいるようなのだ。
◆ロスで「(C)MURAKAMI」展
「(c)MURAKAMI」展はこれまでの主要作品を集め、29日から来年2月11日まで、ロサンゼルス現代美術館で開かれる。
新作として高さ5.5メートルの鋳造作品「大仏オーヴァル」やアニメ作品が公開される。
ファッションブランドと組んだ商品なども展示し、美術家個人の権利と公共性の関係などを問いかける。
2001年の「スーパーフラット」展以来、関係の深い同館の展覧会企画者ポール・シンメル氏は「現在の美術を20年後、50年後に
代表する人物として村上を選んだ」としている。以降、ニューヨークと独、スペインの美術館を巡回する。
【写真】「高いものが欲しいわけじゃない。人が何かを残そうとする気持ちに興味がある」(高橋はるか撮影)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227642.jpg
【社会】「日本人のモノづくりの素晴らしさ伝えたい」 ルーマニア“革命戦士”が日本でアニメプロデューサー転身[10/06]
あのチャウシェスク政権を倒した男が日本でアニメを―。ルーマニア生まれの
ギャルマト・ボグダンさん(38)がプロデュースしたアニメ
「はたらキッズ マイハム組」(テレ朝系、日曜・前6時30分)が7日から始まる。
壮絶な半生を経て、母国から遠く離れた日本で実現したアニメ作りの夢。
ボグダンさんは「日本人のモノづくりの素晴らしさを伝えたい」と語る。
主人公は不思議な能力を持つハムスター。大工や消防士、パティシエに医師…。
“仕事人”ハムスターが、人間社会のさまざまな難題に立ち向かっていく。
「視聴者の方が、どんなふうに見てくれるのか。ドキドキしています」
と目を細めるボグダンさんだが、アニメのかわいらしさとは対照的に、
その半生は壮絶なものだった。
1989年12月。ボグダンさんは“ルーマニアの東大”ブカレスト大の学生だった。
「24時間寝ないで議論した。この国はどうあるべきかということを」
ベルリンの壁崩壊以降、東欧の社会主義国では、民主化への動きがドミノ倒し的に活発化。
ボグダンさんも有志を集い、チャウシェスク独裁政権の打倒という危険な計画のリーダーとなった。
悪名高い秘密警察「セクリタテア」の監視は強まり、厳しさを増していく日々の生活。
当局の嫌がらせなのか、愛犬のバルザック(コッカスパニエル)は家の庭先から消えた。
それでも志に同調した仲間は数万人規模に膨張。デモ、衝突は何度も繰り返された。
「先頭にいた軍人の銃口は上に向けられ、威嚇かなと思った。でも、そうじゃない。
その間から顔を出した兵士が我々を撃ってきた」3歳下の弟・オビデューさんは
右ひざを弾丸でえぐられた。
チャウシェスク政権は崩壊。しかし、受難の日は終わらない。危険人物として
混乱の中で当局からマークされ続けた。そして、いよいよ司直の手が。
幸運だったのは検察官の娘が大学の同級生だったこと。
事前に「逃げた方がいい」とリークしてもらい、電車に飛び乗り父の祖国である
ハンガリーへ向かった。
政治とは距離を取り、ブダペスト大で猛勉強を開始。三島由紀夫や黒澤明の作品を通じて
日本文化の魅力にはまっていった。そしてアニメ。ボグダンさんが子供のころ、
ルーマニアでは「ヤッターマン」「アルプスの少女ハイジ」といった
日本のアニメが字幕付きで放送されていたという。
ボグダンさんは文部省(当時)の留学生制度を利用して日本行きを決意した。
千葉大で歴史や言語学を学び、98年にはスポーツジャーナリストの小松成美さんと結婚。
日本は「第二の故郷」となった。
来日後は、芸能プロダクションなどに勤務。昨年4月、長年の夢がかなうときがきた。
あるパーティーで東映アニメーションの清水慎治さん(55)=経営企画室=と出会った。
その後、食事をすることになり、ボグダンさんはその場で履歴書を手渡した。
「『今までの人生を捨て、東洋の地でアニメを作り、世界へ発信したい』と言われた。
すぐに会社に掛け合って面接しました」(清水さん)。
外国人を即座にプロデューサーとして起用することは「非常に異例」だという。
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200710030182.html 朝日新聞 2007年10月6日(土) コミミ口コミ
アニメ界の賞男、学生に語る
「時をかける少女」の監督細田守さん、「頭山」の山村浩二さんら、第一線で活躍するアニメ作家によるシンポジウム
「アニメーションを学ぶ学生たちに告ぐ!」が東京・六本木で開かれた。(アサヒ・コム編集部)
アニメを学ぶ学生たちの作品を上映する「インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)2007」が、
東京・六本木の国立新美術館で9月30日まで開かれた。そのプログラムの一つであるシンポには、300人を超す聴衆が集まった。
テレビや劇場用作品を手がける細田さんは、昨年公開の映画「時をかける少女」で国内のアニメ賞を総なめ。
短編作家としてアヌシー国際アニメ映画祭グランプリなどに輝く山村さんは、新作「カフカ 田舎医者」でオタワのアニメ映画祭
グランプリを獲得したばかり。パネリストに、ミュージックビデオやCMで活躍する映像クリエーター寺井弘典さんも加わり、
学生時代から情熱を注いできたアニメ作りについて語った。
60年代生まれ、大学では油絵を専攻しながら映像にひかれていった、という共通点を持つ3人。「学生時代の作品を年を取ってから
見返したら、『こんなに力を入れて作っていたんだな』と驚き、励まされた。皆さんもそんな作品に取り組んでほしい」と寺井さん。
「素晴らしい作品に出合った時の感動が大きいのは20代。映像だけでなく文学でも演劇でも、自分の血や肉になるものとの
出合いが大事」と山村さん。細田さんも「仕事にしてしまうと、どんな作品を見ても『資料』でしかない。
生々しい『体験』は学生の時しかできない。そうした『体験』があとあと自分を救ってくれる」。
フィルム時代は現像されるまで出来上がりが分からないが、パソコンを使う今の学生は、制作中の映像を確かめながらアニメが作れる。
山村さんは言う。「今の学生作品で気になるのは、こぎれいにまとまってはいるがアイデアが欠如している傾向。
作者がこの作品のどこを面白がっているのか、何をしたいのか、パッションがないと見る人に訴えてこない」
寺井さんも「見たことのあるようなパターンにはまらないよう、コンピューターに向かう前に、アイデアをもう一ひねりした方が
いいのでは」と話した。
「思い返すと、現像が上がるのを待つまでの時間が、大事な意味を持っていた」と細田さん。
「自分の中で何かが発酵し熟成するような、そんな醍醐味があの時間にあった気がしますね」
【写真】細田守さんは金沢美術工芸大の出身
【写真】山村浩二さんは東京造形大の出身
【写真】寺井弘典さんは多摩美術大の出身
【写真】シンポジウムで司会を務めたICAF実行委員の片山雅博さん
【写真】左から片山さん、寺井さん、山村さん、細田さん
【写真】山村さんの「カフカ 田舎医者」は11月中旬公開。繊細な描線と光で、悪夢的な世界が展開される
日本経済新聞 2007年10月4日(木)夕刊5面
(ランキング)ブログで関心のキーワード――アニメ放映見送りに波紋
アニメ番組「スクールデイズ」の放送中止がブログ(日記風の簡易型ホームページ)の書き手の話題となった。
九月十九―二十五日の週にブロガーが取り上げたキーワード(名前、企業名を除く)をソネットエンタテインメントが調べた
ランキングで二位だった。
京都府の警察官を専門学校生の娘が殺害した事件の影響でテレビ神奈川が最終話の放送を見送ったもの。
後日、CSチャンネルの放送で最終話を視聴した複数のブログの書き手(ブロガー)は「気持ちが悪かった」
「地上波では放送できない内容」などと記した。
三位は九月二十日から二十三日まで幕張メッセ(千葉)で開催された見本市「東京ゲームショウ二〇〇七」。
入場者数は過去最高を更新し、七百種類以上のゲームソフトが集まった。
家庭用ゲーム機ではマイクロソフトの「Xbox360」が六位に登場した。
Xbox専用の人気シューティングゲームの最新作「ヘイロー3」の出荷直前版が同見本市で国内初お目見えし、ブロガーが印象を
書き込んだ。イベントに俳優の松田龍平さんや、タレントのよゐこの浜口優さんなど有名人がゲームに挑戦した様子も話題だった。
四位の映画「クローズド・ノート」は九月二十九日封切り。
人気急上昇の女優、沢尻エリカさんふんする主人公の人生を一冊のノートが変えていく物語だ。
【表】キーワード 評点
(1)映画「HERO」 100.00
(2)テレビアニメ「スクールデイズ」 71.13
(3)東京ゲームショウ2007 36.17
(4)映画「クローズド・ノート」 32.56
(5)映画「ミス・ポター」 24.83
(6)家庭用ゲーム機「Xbox360」 21.82
(7)小説「探偵ガリレオ」 16.67
(7)ゲーム「テイルズ」シリーズ 16.67
(9)ドラマ「ガリレオ」 15.55
(10)B'zの「ACTION」 15.29
ソネットエンタテインメントの国内の主要なブログ制作支援サービスの利用者を対象に実施。団体名、人名、地名以外の固有名詞。
評点は1位のキーワードを100とした場合のもの
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up227860.jpg
ttp://sankei.jp.msn.com/world/europe/071006/erp0710061832004-n1.htm 産経新聞 2007年10月6日(土)東京朝刊7面
日本財団 英12大学で「日本講座」 6億円支援、来秋から
英国での日本研究の拡大のため、日本財団は4日、来秋から12の英国の大学で13の講師ポストを新設すると発表した。
同財団によると、英国の大学における日本研究の優先順位は、中国研究の台頭に伴って低下し、
過去10年でエセックス、サセックス、スターリングの各大学で日本研究の学科・学部が閉鎖、縮小された。
しかし、近年、日本のアニメや漫画人気などを背景に日本研究を希望する学生が増え、昨年は前年の4割増に。 ←
このため同財団はオックスフォード、ケンブリッジ、ロンドン大など12校で来年9月から日本関連の講座をスタート、
5年で250万ポンド(約6億円)を支援する。
同財団の田南立也常務理事は「このチャンスを逃すと日本への関心が停滞する恐れがある。
この支援が日英のきずなを強めることにつながれば」と話している。 (ロンドン 木村正人)
産経新聞 2007年10月6日(土)大阪朝刊7面
アニメ人気…日本研究拡大 英の12大学で13講座新設
英国の大学で日本人気が高まっているにもかかわらず、日本の講座が相次いで縮小・閉鎖されている。
この不均衡を解消しようと日本財団は4日、来年9月からオックスフォード、ケンブリッジ、ロンドンなど
12大学で13の講師ポストを新設すると発表した。
同財団によると、中国の台頭と反比例して英国の大学における日本研究の優先順位は低下。
エセックス、サセックス大学などで日本研究の学科・学部が閉鎖、縮小された。
一方で、日本のアニメ人気などを背景に日本研究を希望する学生は昨年、前年より4割増えたという。 ←
同財団の田南立也常務理事は「このチャンスを逃すと日本への関心が停滞する恐れがある。
この支援が日英のきずなを強めることにつながれば」と話している。 (ロンドン 木村正人)
朝日新聞 2007年10月5日(金)夕刊10面 夕刊be
(エチエンヌのクールジャパン)ニッポン紀行今昔
僕が初めて日本に来た80年代後半、この国に関心を持った僕みたいな若者の旅は、辞書片手に何もかも1人で調べながらの冒険だった。
パックツアーに参加するお金のなかった僕には、限られた滞在期間に、共通の趣味を持つ日本人と知り合うチャンスはまずなかったし、
関心のあるイベントの情報を手に入れることもほぼ不可能。
しかし20年を経て、冒険を取り巻く環境ははるかに良くなった。たとえばAutrement le Japon社はフランスから、格安日本
カルチャー・ツアーを主催している。代表の平山幸枝さんによると、初めて日本に来る若者の関心は、圧倒的にマンガやアニメ、J-POP。
先日も50人くらいが来日したばかりだ。
ツアー参加者には事前に、イベントやコンサートの情報が提供されているから、好みのものに申し込んでおけば、
日本に知り合いがいなくても大丈夫。おまけに、日仏交流イベントでは、日本人参加者たちと居酒屋で楽しく過ごすことができる。
平山さんが「ミクシィ」上に設けているコミュニティーを通じて応募してきた彼らは、「日本のポップカルチャーに関心のあるフランス人」
たちと同好の士ばかり。お互い初対面だけれど、片言のフランス語や英語、そして日本語で、大いに盛り上がっていた。
ミクシィのような「コミュニケーションサイト」のお陰で、同じ趣味を持つ外国人同士が簡単に交流できるなんて、うらやましい!
(E.Barral ジャーナリスト)
【写真】池袋の居酒屋で
ttp://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/071006/gam0710060754000-n1.htm 産経新聞 2007年10月6日(土)東京朝刊25面
【サブカルさーふぃん】アニメ 「となりのトトロ」素晴らしき筆造りの技
外国のアニメ監督と話をしていたとき、彼が日本のアニメ作品の良さを語った中に、背景美術の素晴らしさを上げたのが印象に残っている。
今月1日で幕を閉じたが、東京都現代美術館で「ジブリの絵職人・男鹿和雄展」があった。
昨年の「ディズニー・アート展」を約10万人も上回り、歴代2位の入場者を集めたそうだ。
男鹿は「となりのトトロ」(昭和63年)など一連のスタジオジブリ作品の背景画に携わった人物。
「ジブリの…」と銘打った影響もあるのかもしれないが、会場を訪れた人たちは、初めて見るアニメ背景画の素晴らしさに目を丸くしていた。
アニメの背景画は、基本的に写実的で技術の優劣が目につきやすい。
それに、背景の前でキャラクターたちがストーリーに沿った演技をする関係上、1枚の絵として成立していないものもある。
男鹿の絵は、確かなパース(遠近法)、細部にわたる的確な描写、美しい色彩、光と影に漂う情感…が大きな特徴だ。
そして、キャラクターが描かれていなくても、鑑賞にたえられるものが並べられている。
日ごろアニメに関心のない(多分)年配の女性たちまで感嘆の声を上げながら日本の美しく懐かしい背景画を眺めていたが、
これはもうアニメの枠を超えて絵画鑑賞といった方がいいだろう。
会場で、男鹿が背景画を描く様子を上映していたが、ほとんど日本画用の筆で描いているのに気が付いた。
もしかしたら、トトロをはじめ日本アニメの背景画が繊細で美しいのは、太い所も細い線も自在に描ける日本の筆があるからではないか。
とすれば、日本の伝統的な筆造りの技が、こんな所にも隠し味のように生きていて、アニメ隆盛の一部を支えているのかもしれない。
(杉並アニメーションミュージアム館長・鈴木伸一)
ttp://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000710050002 朝日新聞 2007年10月5日(金)朝刊31面
花壇に手作り「トトロの森」 職員が地道に 日野の障害者施設 /東京都
傘を手に宙を舞うトトロ、窓から笑顔を見せるメイとサツキの姉妹――。日野市程久保にある知的障害者施設「都七生福祉園」の
一画に、アニメ映画「となりのトトロ」の世界が再現されている。ミニチュアの建物や人形は、すべて職員らの手作りだ。 (岩城興)
同園は成人・児童計約300人が暮らす。「トトロの森」は市道沿いの敷地内にあり、外からも自由に見ることができる。
広さは幅約10メートル、奥行き約4メートル。元は花壇だった場所に、職員の吉川吉昭さん(48)たちが8年前から少しずつ、
手作りの建物や人形を増やしていった。
ネコバスがやって来るバス停や、傘を上下させて一気に樹木を成長させるトトロたちの姿など、題材はいずれも映画からとっている。
数十センチから1メートル四方を超えるものまで、30近い場面がある。
人形はほとんど吉川さんの作。休日に自宅で作った。床に敷く緩衝マットをキャラクターの形に切り、フェルト布をはり付けた。
宙を舞うトトロは他の職員の手作り。大きさが1メートル余りあり、存在感はバツグンだ。
当初、材料費はポケットマネーだったが、フリーマーケットに出店して工面するようになった。
植えた樹木や草が伸びるにつれ、名実ともに「森」に育った。入所者のほか近所の人たちが訪れては、しばらく世界に浸る。
「喜びの歓声が上がると、『また新しいモノを作ろう』と気合が入る」と吉川さん。
「まさにライフワークです。異動しても、ずっとかかわっていきたい」と話している。
【写真】吉川吉昭さん/宙を舞うトトロ(右上)。メイやサツキの笑い声が聞こえてきそう=日野市程久保で
アニメ映画「となりのトトロ」のシーンからとった「トトロの森」の一部分
毎日新聞 2007年10月5日(金)夕刊6面
放送人:機動戦士ガンダム監督・富野由悠季さん
◇フランス革命を参考に
巨大ロボットが宇宙戦争を繰り広げるアニメ「機動戦士ガンダム」の監督を務めてから28年。
毎日放送系の新シリーズやCS放送「スカパー!」で再放送されるなど、ガンダムブームは衰えない。
「ここまでは予想しなかった。ただ、ガキのころからの趣味で食えるようになりたいと思っていた」と振り返る。
その趣味とは、子供のころから情熱を傾けていたミニチュアモデル作り。50年以上前、まだ日本にプラモデルがなかったころ。
零戦のモデルを作るため、自ら図面を引き、まきを削って機体を作った。操縦席を覆うキャノピーには、セルロイド製の下敷きを使った。
筋金入りのミニチュアモデル好きだからか、70年代にブームだった巨大ロボットアニメには「ディテールもくそもない」。
「無敵鋼人ダイターン3」などを手掛けたが、「オリジナルストーリーを作る訓練になった」とは思うものの、「飽きていた」と打ち明ける。
そこに舞い込んだガンダムの話。ガンダムと敵のロボット「ザク」のリアルなデザインが完成し、「これでいける」と確信。
同時に「映画を作る」という長年の夢を実現したいとも思っていた。巨大人型ロボットが映画の性格を持ったアニメに登場すると
考えた時、ロボットは「戦争のために国家予算を使ったものにしなければいけない。戦争物語を作ろう」と思った。
参考にしたのは、アメリカの南北戦争と、仏革命だった。「人が乗った巨大ロボット同士が宇宙戦争をするというだけで、
すでに新しい舞台装置ができている。だから複数の勢力が入り乱れるより、1国対1国という単純な構造にしたかった。
ジオン軍と地球連邦軍という構造は、仏革命の『ベルサイユの王族対市民』という構図を参考にした」と話す。
メカや宇宙戦争について熱く語る姿から、さぞかし本物のガンダムに乗りたいと思いきや、「絶対に乗りたくない」。
富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)に再現された全長18メートルの等身大ガンダムのコックピットに乗った時のこと。
「棺おけのようで、幸せな空間ではなかった。もし正面からザクが来たら怖いだろうなあ。
(主人公の)アムロが一番最初にガンダムを操縦した時のようにね」【広瀬登】
■人物略歴
◇とみの・よしゆき
日本大芸術学部映画学科卒業後、手塚治虫の「虫プロダクション」入りし、「鉄腕アトム」の制作に携わる。
主な作品に「機動戦士ガンダム」「伝説巨神イデオン」「聖戦士ダンバイン」など。65歳。
ttp://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/071006/sty0710060740000-n1.htm 産経新聞 2007年10月6日(土)東京朝刊27面
雑誌+プラモ=大人に人気 驚くほどの精密さ 販路広がり価格維持
さまざまなクラフトキットが雑誌の付録として販売されるケースが増えている。プラモデル雑誌、月刊「モデルグラフィックス」(大日本絵画)
とプラモデルメーカー「ファインモールド」は共同で、限定生産の本格的なプラモデルを付けた「マガジンキット」を発売した。
少子化、子供たちのモノ作り離れなどでプラモデル市場は縮小しているといわれるが、子供たちばかりでなく、大人にも人気を呼んでいるという。
(栫井千春)
≪限定生産≫
限定生産キットは「至高のゼロ」として、9月下旬に発売されたモデルグラフィックス誌11月号(1580円)に、旧日本海軍の72分の1
「零式艦上戦闘機(零戦)二一型」の胴体とエンジン、操縦席の部品がセットされたパッケージが付録として付く。
今月下旬発売の12月号につく主翼と尾翼の部品と合わせて飛行機が完成する。
誌面では2号にわたって「至高のゼロ【接触篇】」「同【発動篇】」と題して特集記事を組み、組み立てや塗装について、
実機写真や図版を使って詳しく説明する。書店のほか、模型店でも販売されている。
キットは、考証の徹底と精密さでプラモデルファンの間で定評のあるファインモールドがこの企画のために作った限定生産モデルで、
同誌の編集プロダクション、アートボックス代表取締役の市村弘さんは「付録ではありますが、単なる付録とは考えていません。
質の高いプラモデルを多くの人に売るためにどのようなやり方があるか考えたら、雑誌にプラモデルを乗せて全国に売る、
という形になった」と話す。
≪120超える部品≫
東京・秋葉原の模型店、イエローサブマリン秋葉原スケールショップでは、入荷したマガジンキットはすでに売り切れたという。
プラモデルというと、子供向けのおもちゃというイメージがあるが、福士恵右店長は「当店は30代から50代の男性が中心です。
お客さんは限定品に弱い。話題性もあるので、人気を呼んでいます」と話す。
パッケージを開けると部品の多さが目を引く。従来の72分の1クラスの飛行機では30〜40点ぐらいが一般的だが、
キットは部品が120点を超える。精密さに加えて機体はグレー、エンジンとプロペラは銀色、エンジンカバーと脚は黒、
操縦席は薄緑色と、本物の飛行機に合わせて部分ごとにプラスチックの色を変えた「多色成型」で、色を塗らなくてもより実物に
近い感じが得られるようになっている。大人になった「プラモデル少年」たちが目を輝かせて組み立てていく様子が容易に想像される。
≪従来の10倍≫
プラモデルなどのキットを雑誌の付録として販売する形態が最近目立っている。なぜ雑誌なのか。
メーカーにとってはスケールメリットがあるという。ファインモールド社長の鈴木邦宏さんは「これほどのキットを従来の
流通ルートに乗せると、小売りは4000円近くにもなってしまう。ところが、雑誌の流通ルートに乗せると販路が広がり、
従来の10倍も生産できることから、単価を下げても金型などの初期投資に十分見合う収益を上げることができる」と語る。
一方、家電量販店などでプラモデルが割引販売され、かつて子供たちが通った“町の模型屋さん”が消えつつあるといわれる中、
こうした模型店にとってマガジンキットは“救い”となる可能性があるという。
市村さんは「マガジンキットは雑誌であるため、再販価格維持制度に守られて値引きができない。
これがもっと一般的になれば、量販店と勝負できる状況ができてくるのでは」と話す。
マガジンキットは、模型に詳しく、飛行機や戦車などのうんちくや、組み立てのノウハウを教えてくれる模型屋さんへのエールにもなっている。
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20071007-266586.html ニッカンスポーツ 2007年10月7日(日)
麻生太郎氏は「2ちゃんねらー」だった
自民党総裁選に敗北したばかりの麻生太郎前自民党幹事長(67)が「2ちゃんねらー」であることを明かした。
6日放送のフジテレビの情報番組「ハッケン!!」で、ネット上の大型掲示板「2ちゃんねる」を高く評価した上で、
自身も時々書き込みをすると認めた。麻生氏の“カミングアウト”は、ネット世代への強烈なアピールとなりそうだ。
番組では、レギュラーの田崎史郎・時事通信解説委員が麻生氏の書斎に入って取材した映像を放送した。
田崎氏が「『2ちゃんねる』はチェックしているか」と聞くと、麻生氏は最初「チェックするなんて…。あれ、ものすごい数ですから」。
しかしすぐ「まあ時々、書いたりなんかすることはありますよ、はい」と同掲示板に書き込んだことがあることを認めた。
閣僚クラスの政治家が「2ちゃんねる」書き込み歴を告白するのは、極めて異例。さらに麻生氏は同掲示板について
「あれは、なまじの新聞記事よりよっぽどいいところをついてますよ。(読むと)『おおっ』ってなりますよ」と称賛した。
田崎氏によると、麻生氏は別名(ハンドルネーム)で書き込んでいるという。
同番組では、机の上に劇画「ゴルゴ13」のフィギュアが置かれていたり、本棚に同作品や「弐十手物語」などが
ずらり並んでいる様子も報じられた。また、書斎ではポスター、切手、カレンダーなどの米女優マリリン・モンローのグッズが多数、
壁などに張られ、コレクターぶりも判明した。
総裁選に3回敗北した麻生氏は「4回目」の可能性を聞かれると「時期がきたら、自分の意見をもう1回きちんと整理して、
やらなあいかん時が来る、ということなんだと思いますね」。
「若者に寄りすぎている」という意見があることを聞かれると「その人たちは感性が古い」と一刀両断した。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up228831.jpg ttp://www.sanspo.com/shakai/top/sha200710/sha2007100706.html サンケイスポーツ 2007年10月7日(日)社会
麻生氏仰天告白「2ちゃんねる」に書き込みしたことある
6日放送されたフジテレビ系情報番組「ハッケン!」にVTR出演した自民党の麻生太郎前幹事長(67)=写真=が、
インターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込みをしたことがあると告白した。
先月23日の自民党総裁選当日に、ネットなどの呼びかけで党本部前に約300人の若者が集まったことに関し、
「2ちゃんねるはチェックするか」と質問されると「書いたりなんかすることは時々やったりすることがありますよ」と仰天の告白。
「新聞記事なんかよりよっぽどいいとこ突いてますよ」と絶賛した。
ttp://opendoors.asahi.com/data/detail/8404.shtml 『週刊朝日』2007年10月12日号(10月2日発売) ワイド・永田町Closed Note(クローズド・ノート)
p.27 「のび太」が首相になった! 中国で福田人気が大爆発中
「のび太」が首相になった!
「のび太がこんなに偉くなるなんて、ドラえもんも安心!?」
福田首相の誕生が、中国のインターネット掲示板やブログで大きな話題になっている。
漫画「ドラえもん」の主人公、のび太くんと笑顔の福田首相の写真を並べて「こんなにそっくり!」と指摘する書き込みもある。
大きな丸いメガネにまじめそうな風貌。言われてみれば、のび太くんに似ているような気も……。
「こんなことは、小泉さんや安倍さんが就任したときにはありませんでした」
在日中国人向けの新聞「華人週報」の王東(ワンドン)編集長(33)は驚く。
「顔も似ていますが、中国で出回った海賊版コミックでは、のび太くんの名前が『野比康夫』なんです。
福田さんも康夫だから親しみを感じるんでしょう」
王編集長によれば、中国語では康夫を「カンフゥ」と発音する。
福田首相も、のび太くん同様、「カンフゥ、カンフゥ」と呼ばれて人気者になっているらしい。
『ドラえもん学』の著書がある富山大学名誉教授の横山泰行氏によれば、
「中国では、ドラえもんの名前を知らない子供はいないくらい人気があります。90年代には、テレビで放映された
アニメに子供たちが夢中になりすぎ、親たちがテレビ局に放映をやめてくれと抗議に行ったこともあったようです」
福田首相も9月28日、中国の温家宝首相との電話会談で、
「できるだけ早く訪中したい」
と伝えるなど、対中外交に積極的な姿勢を示しているが、
「政治信条とは関係なく、見た目と名前で注目されている」(王編集長)
ちなみに、掲示板には、日本の政治家をドラえもんの登場人物に当てはめて紹介する書き込みもあった。
それによれば、麻生前幹事長がスネ夫、安倍前首相が出木杉くん、しずかちゃんは小池百合子元防衛相(55)らしい。
となるとジャイアンは、体形からいってもキングメーカー気取りのあの方になるのだろうか。
(本誌取材班=石黒正彦、岩田智博、大貫聡子、喜多克尚、佐藤秀男、永井貴子)
【写真】71歳ノのび太くんも「本当にドラえもんがいてくれたらいいのに」と思っていたりして
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up228832.jpg
北海道新聞 2007年10月5日(金)夕刊全道9面
<カルチャープラス>KYOTOが開くマンガの未来(2の1)*戦力育成*京都精華大 全国初のマンガ学部*携帯コミック*新表現の開拓も
二○○六年春、私立の京都精華大学(京都市左京区)に全国初のマンガ学部が誕生した。
同年秋に京都国際マンガミュージアムも開館するなど、マンガをめぐる京都の動きが活発だ。
「マンガ王国」を標榜する北海道としては気になるし、ファンにとっても一見の価値がありそうだ。(古家昌伸)
「キャラクター販売を含めたマンガの市場は二兆円規模と、風船のように膨らんでいるが、そのコアにある雑誌の売り上げは年々減り、
底を打つ気配もない。コアの部分がつぶれたら風船は意外に簡単にしぼんでしまうかも…」。
小学館の編集者から転じた京都精華大マンガ学部の熊田正史教授は、にこやかな表情ながら、マンガ界の状況認識を悲観的に語る。
七月の「月刊少年ジャンプ」休刊に象徴されるように、単行本と並ぶマンガ産業の核だった雑誌販売は長期低落傾向が続く。
コミック雑誌全体の推定販売金額は一九九五年の三千三百億円をピークに、現在は二千億円台と大幅に落ち込んでいる。
全国初のマンガ学部はこのような環境で創設された。前身は二○○○年にできたマンガ学科、さらに七三年当時の京都精華短大美術学部
デザインコースのマンガコースにさかのぼることができる。現在はマンガを描く技術だけでなく、表現やストーリーの方法論、
評論に通じる「読み解き方」なども教えている。熊田教授が担当するプロデュース学科では、出版流通や雑誌編集の基礎も学び、
学生の取材・編集による季刊評論誌「KINO」を発行。
人気漫画家の浦沢直樹やガンダムの特集など、学生が楽しみながら自由な発想で編集を手がけているのがうかがえる。
マンガコース以来の蓄積は、「ちばてつや賞」や「手塚治虫文化賞」に学生が相次いで入賞するなどの成果にもつながっている。
しかし、マンガ家への道は本来、独学、出版社への持ち込み、先輩作家のもとでのアシスタントなど、汗と努力の結晶というイメージがある…。
熊田教授は「その通り。大学で教えていること自体、マンガの衰退を示しています」と認める。
リスクを恐れる版元は「はずれない作品」を選ぶ傾向が強まり、独創的な作品をダメモトで売り出す冒険を控えるようになる。
その結果、「新しい才能を拾えなくなり、若手の挑戦のハードルが上がってしまう」。
そこで大学は、即戦力となる人材を業界に供給する役割を担うことになる。
「ところで、コミック雑誌の低落に代わり、急速に伸びているのは何だと思いますか」と熊田教授。
それは携帯電話で一コマずつ読む「携帯コミック」だという。通信会社や出版社が事業化し、一作品の購読料は数十円と低額だが、
携帯電話契約台数が一億台に迫る実態から「二千億円という雑誌の売り上げを超えるのは時間の問題」とされる。
作家が手にする印税が雑誌や単行本以上に多いのも、転換を促す要因となっている。
京都精華大も外資系企業と提携し、携帯コミックのコンテンツ(商品)研究で学生が貢献している。
熊田教授は「携帯の場合、紙の媒体のようなコマ割の表現はできない。それに代わる表現として、コマ送りの演出を考える必要がある」という。
雑誌から携帯コミックなど新しい形態の産業への転換が、マンガが生き延びる道として不可欠と考えている。
*受験倍率15.4倍*人気作家が教員*全国各地でも続々開設
京都精華大マンガ学部には、マンガ、アニメーション、マンガプロデュースの三学科があり、マンガ学科はカートゥーン(一コママンガ)
とストーリーマンガの二コースに分かれる。特に竹宮惠子、牧野圭一、やまだ紫らが教授を務めるストーリーマンガコースは人気が高く、今春の受験倍率は最高一五・四倍にもなった。
京都に続けとばかり、関西を中心に大学や短大にマンガ学部やマンガ学科が誕生している。東京工芸大で畑中純、宝塚造形芸術大(大阪)
の東京キャンパスで松本零士、大手前大(兵庫)でモンキー・パンチ、神戸芸術工科大(同)で安彦良和、しりあがり寿、大塚英志ら
ベテラン作家が教員を務める。群馬の桐生短大、石川の金城短大、大阪の梅花女子短大にもマンガコースがある。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up228851.jpg
>>180の続き
北海道新聞 2007年10月5日(金)夕刊全道8面
<カルチャープラス>KYOTOが開くマンガの未来(2の2)*学問確立*海外からも問い合わせ*資料収集、体系化目指す
大学の役割は教育と研究の二本柱。だが、京都精華大の教員は、ほとんどがバリバリの現役作家だ。執筆・教育・研究という
「三足のわらじ」は物理的に厳しいのでは? 熊田正史教授は「そこで本格的な研究は、京都国際ミュージアムが担っています」。
なるほど、学部での教育とミュージアムでの研究が両輪をなしているわけだ。
京都国際マンガミュージアムは二○○六年十一月、市街の一等地、京都市中京区の地下鉄烏丸御池(からすまおいけ)駅近くに開館した。
一九九五年に廃校となった龍池小学校の校舎と土地を京都市が無償貸与し、改修費約十二億円は京都精華大と市の予算、国の補助金で
まかなった。応接室として使っている校長室や、階段、床などに昭和初期の重厚な建築の趣が残る。館長は解剖学者の養老孟司さん。
「マンガ文化の起源をさかのぼるような資料を収集し、国内外の研究者の要望に応えるのがミュージアムの役割」。
マンガミュージアムの安部一郎運営統括室長はこう語る。博物館としての財産は、二十万点を数える国内外のマンガや明治以降のマンガ関連資料。
このうち、開館に当たって東京・新宿で貸本業を営んでいた人からまとめて寄贈された約五万点を図書館のように館内の書棚に並べ、
常時閲覧できるようにしている。
マンガ研究は四人の専任研究員のほか、文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業(オープン・リサーチ・センター)に
指定された京都精華大の総合マンガ研究にかかわる外部の研究員が約三十人いる。
ミュージアムが所蔵する全資料のデータベース化を進めつつ、展覧会も行っている。現在は「マンガで読む京都 第一巻」と題し、
戦国時代から幕末にかけての京都を舞台にした作品と、その中での人物の描かれ方などを紹介する特別展「サムライKYOTO」が開かれている。
魅力的な題材のひとつである「新撰組」や、明治維新にかかわった坂本龍馬、西郷隆盛などをクローズアップした作品が多数並ぶ。
マンガミュージアムには欧米や中国など、日本のマンガを研究する海外研究者からの問い合わせも多く、世界的な
マンガ研究ネットワークの核となりつつある。
マンガは日本独自に発展した文化という見方もあるが、その割に国内では本格的な研究の歴史は浅い。海外にも熱心な研究者が多いため、
安部室長は「体系的なマンガ学が海外で確立され、日本に持ち込まれるという事態も考えられる」と危惧する。
そうなる前に、国を挙げてマンガ研究に取り組むべきだというのが京都精華大の主張だ。
マンガミュージアムを訪れたのは平日の昼だったが、館内ではマンガを閲覧する多くの市民の姿がみられた。
グラウンドに面したテラスや芝生の上で読みふける人も。
マンガ研究の拠点であると同時に、マンガ好きの子供から大人まで幅広い人たちにも解放された「楽園」のような雰囲気が漂っていた。
【写真】昭和初期の小学校旧校舎を改修した京都国際マンガミュージアムは堂々たる外観
【写真】つげ義春「ねじ式」から山田芳裕「へうげもの」まで…“京都づくし”の特別展
【写真】マンガ研究の拠点となっているミュージアムの研究室
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up228849.jpg
ttp://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2007/10/09/05.html スポーツニッポン 2007年10月9日(火)芸能
ヤッターマン日テレで30年ぶり復活
「ブタもおだてりゃ木に登る」「おしおきだべぇ〜」などの流行語を生んだ70年代の人気アニメ「ヤッターマン」が30年ぶりに復活する。
来年1月から日本テレビ系で月曜午後7時枠でスタート。09年春には実写映画化も決まっており、ヤッターマンブームが到来しそうだ。
同作品は77年1月からフジテレビ系で放送。2人組の正義の味方「ヤッターマン」が、泥棒の神様「ドクロベエ」の指令を受けた
悪党3人組「ドロンボー」一味と対決するアクション作で、ギャグをちりばめた物語や個性あふれるキャラが受け、平均視聴率20%を
超える国民的アニメだった。「おしおきだべぇ〜」などのフレーズは、リアルタイムで見ていない世代にも親しまれている。
現代版では、ドロンボーの女ボス「ドロンジョ」の脚が長くなるなどマイナーチェンジはあるものの、オリジナルの世界観は残したまま。
毎回の物語に現代のブームや時事ネタを盛り込み、ヤッターマンを知らない子供も取り込みたい考えだ。
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071009-OHT1T00049.htm スポーツ報知 2007年10月9日(火)芸能
ヤッターマン29年ぶり復活だべぇ〜…人気アニメ08年1月から放送
1977年〜79年までフジテレビ系で放送された人気アニメ「ヤッターマン」が来年1月から29年ぶりに復活することが8日、分かった。
日テレ系で月曜午後7時から放送される。
同アニメはタツノコプロが制作した「タイムボカン」シリーズの第2弾で、平均20・2%、
第11話「ナゾの三角領域だコロン」は最高28・4%を記録した。
悪事を働く3人組「ドロンボー」と正義の味方「ヤッターマン」の戦いを描くもの。
ドロンボー一味の愛される悪ぶりが人気で、「ブタもおだてりゃ木にのぼる」「ポチッとな」「おしおきだべぇ〜」などは流行語になった。
タツノコプロとともに制作する読売テレビの永井幸治プロデューサーは「誕生から30年の節目ということで、このタイミングで
復活させたいという思いがあった。
月曜の夜、家族団らんで安心して楽しくごらんいただけるバラエティー感覚あふれるアニメを目指します」と話している。
21世紀版では、基本設定、キャラクターはオリジナル版そのままに、エピソードはすべて書き下ろしになる予定。
気になる声優陣は未定。09年春には三池崇史監督による実写版の公開も決定しており、ヤッターマン旋風が再び起こりそうだ。
ttp://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20071009AT1D0700C08102007.html 日本経済新聞 2007年10月9日(火)
「ヤッターマン」新作放映でフィギュアなど発売・タカラトミー
タカラトミーは、アニメ「ヤッターマン」の新作放映に合わせ、グループ企業とともに2008年1月から関連商品を発売する。
まずフィギュアなどを投入、順次品ぞろえを増やす。子会社の竜の子プロダクション(東京都国分寺市)が持つコンテンツ
(情報の内容)を初めて本格活用するもので、「トミカ」に次ぐ主力商品群に育てる考えだ。
第一弾では、タカラトミーが登場人物のフィギュアや主人公が身につけるマスクなど変身セットを、子会社のすばる堂が菓子付きの
キャラクターカードを売り出す。アパレル製品やカプセル玩具、日用雑貨品にも対象を広げ、関連商品全体で初年度50億円の売り上げを目指す。
ttp://www.sanspo.com/geino/top/gt200710/gt2007100908.html サンケイスポーツ 2007年10月9日(火)
コスプレでアキバに登場!時東ぁみ、メイド喫茶で一日店長
メガネっ娘アイドル、時東ぁみ(20)=写真=が8日、東京・秋葉原でアニメ映画「エクスマキナ」(荒牧伸志監督、20日公開)を
PRするため期間限定で設置されたメイド喫茶「エクスマキナ」の一日店長を務めた。
時東は同映画のヒロイン、デュナンの戦闘服のコスプレで登場。「デュナンのようにカッコよくてセクシーな女性に憧れます」と
目を輝かせていた。同カフェは31日まで、映画にちなんだおデュ・ナンカレーなどオリジナルメニューを取りそろえて営業する。
ttp://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20071008-267201.html ニッカンスポーツ 2007年10月9日(火)
時東ぁみ、下半身出ててすごく恥ずかしい
タレント時東ぁみ(20)が8日、東京・秋葉原のメイドカフェ「ぴなふぉあ」で1日店長を務めた。
3-Dアニメ映画「エクスマキナ」(20日公開)のイベントの一環で、メイド姿ではなく、映画の主人公と同じ戦闘服コスプレで登場した。
着心地は「フリフリの衣装も水着も着たけど、下半身が出てる状態なのですごく恥ずかしいです」。
メイドに囲まれ「いいにおいですね〜」とはしゃいでいたが、この時ばかりは恥じらいを見せた。
【写真】戦闘服に身を包んで登場した時東ぁみ(撮影・近藤由美子)
ttp://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2007/10/09/08.html スポーツニッポン 2007年10月9日(火)
時東ぁみ 戦闘服でメイドカフェ店長
アイドルの時東ぁみ(20)が8日、東京・秋葉原でメイドカフェの1日店長を務めた。
アニメ映画「エクスマキナ」(20日公開、監督荒牧伸志)PRイベントの一環で、映画のヒロインをイメージした戦闘服風のコスプレで登場。
体にぴったりフィットした衣装に「脚のラインがはっきり出てしまうのは恥ずかしいけど、満足度は100%」と笑顔を見せた。
【写真】映画「エクスマキナ」のイベントに登場した時東ぁみ
【カイジ/こじか/もやしもん】超個性派マンガ3本がアニメに─こどものじかんプロデューサー「業界仲間からは『勇者』呼ばわりですよ」
この秋もまた、深夜帯を中心に、数多くのアニメ新番組が始まる。超個性派マンガを原作とした3本が注目だ。
385万円の借金を背負った自堕落な若者カイジは、怪しげな客船に乗る。ここで行われる一夜の
ギャンブルに勝てば借金はチャラ、負ければ1〜2年の強制労働。カードを使った「限定ジャンケン」が始まった。
負け犬の若者が過酷なギャンブルに人生をかける「逆境無頼カイジ」(日本テレビ系)は、
福本伸行さんのマンガ「カイジ」シリーズ(講談社刊)が原作。同じ福本原作をアニメ化し、
熱烈なファンを生んだ「闘牌伝説アカギ」のスタッフが再び集結した。
「アカギ」は、ほとんどがマージャン場面で、動きも少ない映像だったが、緊迫感あふれる展開と
古谷徹さんのクールなナレーションで視聴者を引きつけた。「カイジ」で描くのも、身を削るギャンブル、
ギリギリの神経戦。
「萌えとは全く逆方向」と笑うのは、「アカギ」も手がけた日テレの中谷敏夫プロデューサー。
「アツく、泥臭く、ベタに。アニメというより格闘技番組のノリ。ナレーションの立木文彦さんには
『もっと前のめりに』『主人公よりアツく!』と注文した」
マンガは96年スタートだが、「負け犬」代表の主人公は格差社会の今こそリアル、と考える。
「自分で『負け』って決めない限りお前は負けないんだ、という強いメッセージを送りたい」
http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200710040283.jpg http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200710040284.jpg 新任教師・青木大介(彼女ナシ)は、担任するクラスの問題児・九重りんから、小学3年とは
思えぬませた言動で迫られる。小悪魔的なりん、毒舌家のゴスロリ少女・鏡黒、早すぎる体の発育に
悩む宇佐美々の3人に、青木は振り回される。
私屋カヲルさんのマンガ「こどものじかん」(双葉社刊)は、教師と小学生のHなラブコメディー。
これをあえてアニメ化したバンダイビジュアルの轟豊太プロデューサーは、「業界仲間からは
『勇者』呼ばわりですよ」と苦笑する。
放映はチバテレビとKBS京都。当初は4局が放映を予定していたが、1局は中止、
1局は「検討中」(11日現在)。波乱含みのスタートだが、ファンの期待は高い。放映に先行して、
ビデオ版を収録したDVDを単行本4巻の付録として発売したところ、3980円という価格ながら
予想を超す3万枚のヒットとなった。
「小学生だって恋をするし、性に対する関心も知識もある。親や教師の見たくない部分が描かれている。
女の子3人は、それぞれ家庭に問題を抱えているし、骨太なテーマを持った作品ととらえています」
http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200710040286.jpg http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200710040287.jpg http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200710040292.jpg (「こどものじかん」DVD第1巻の初回特典「全巻収納式ランドセル型DVD−BOX」12月21日発売)
ttp://www.asahi.com/komimi/TKY200710050302.html 朝日新聞 2007年10月11日(木)
(コミミ口コミ) 超個性派マンガ3本がアニメに
この秋もまた、深夜帯を中心に、数多くのアニメ新番組が始まる。超個性派マンガを原作とした3本が注目だ。(アサヒ・コム編集部)
385万円の借金を背負った自堕落な若者カイジは、怪しげな客船に乗る。
ここで行われる一夜のギャンブルに勝てば借金はチャラ、負ければ1〜2年の強制労働。カードを使った「限定ジャンケン」が始まった。
負け犬の若者が過酷なギャンブルに人生をかける「逆境無頼カイジ」(日本テレビ系)は、福本伸行さんのマンガ「カイジ」シリーズ
(講談社刊)が原作。同じ福本原作をアニメ化し、熱烈なファンを生んだ「闘牌伝説アカギ」のスタッフが再び集結した。
「アカギ」は、ほとんどがマージャン場面で、動きも少ない映像だったが、緊迫感あふれる展開と古谷徹さんのクールな
ナレーションで視聴者を引きつけた。「カイジ」で描くのも、身を削るギャンブル、ギリギリの神経戦。
「萌えとは全く逆方向」と笑うのは、「アカギ」も手がけた日テレの中谷敏夫プロデューサー。
「アツく、泥臭く、ベタに。アニメというより格闘技番組のノリ。
ナレーションの立木文彦さんには『もっと前のめりに』『主人公よりアツく!』と注文した」
マンガは96年スタートだが、「負け犬」代表の主人公は格差社会の今こそリアル、と考える。
「自分で『負け』って決めない限りお前は負けないんだ、という強いメッセージを送りたい」
新任教師・青木大介(彼女ナシ)は、担任するクラスの問題児・九重りんから、小学3年とは思えぬませた言動で迫られる。
小悪魔的なりん、毒舌家のゴスロリ少女・鏡黒、早すぎる体の発育に悩む宇佐美々の3人に、青木は振り回される。
私屋カヲルさんのマンガ「こどものじかん」(双葉社刊)は、教師と小学生のHなラブコメディー。
これをあえてアニメ化したバンダイビジュアルの轟豊太プロデューサーは、「業界仲間からは『勇者』呼ばわりですよ」と苦笑する。
放映はチバテレビとKBS京都。当初は4局が放映を予定していたが、1局は中止、1局は「検討中」(11日現在)。
波乱含みのスタートだが、ファンの期待は高い。放映に先行して、ビデオ版を収録したDVDを単行本4巻の付録として発売したところ、
3980円という価格ながら予想を超す3万枚のヒットとなった。
「小学生だって恋をするし、性に対する関心も知識もある。親や教師の見たくない部分が描かれている。
女の子3人は、それぞれ家庭に問題を抱えているし、骨太なテーマを持った作品ととらえています」
菌を肉眼で見ることができる主人公・沢木は、農大入学早々、衝撃的な光景に立ち会う。菌がわき出す地面からアザラシの死体を
掘り出した謎の老人=樹教授が、裂いた腹から海鳥を取り出し、その肛門をすする。発酵食品と言うのだが…。
石川雅之さん作の「もやしもん」(講談社刊)は、菌や発酵のウンチクに満ちた異色の学園マンガ。
美大が舞台の「ハチミツとクローバー」、音大が舞台の「のだめカンタービレ」を送り出したフジテレビ系のアニメ枠で、
今度は農大ライフが描かれる。
「原作を読んで、寮の部屋の汚い感じが懐かしかった。大学生という、完成途上の人間の気持ちが描かれているところに共感します」
と矢野雄一郎監督。
見どころは、CGキャラになったかわいい菌たち。「菌たちを、人と同じくらい比重をかけて描く。近い種類の菌は同系統の色をつけたし、
声は芸人やアナウンサーの方がゲストで当てたりもする。そんなところも楽しみにして欲しい」
ttp://mainichi.jp/select/wadai/news/20071013k0000m040154000c.html 毎日新聞 2007年10月13日(土)朝刊29面
日本アニメーター・演出協会:アニメ大国、悲鳴 現場社員ら設立−−労働条件改善要求
休みなしで原画を200枚描いても月数万円、社会保障や退職金もない――。アニメ大国と言われながら、長時間労働と低賃金で
人材離れが進むアニメ制作現場の労働環境を改善しようと、アニメーターや演出家が13日、「日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」
を設立する。アニメ業界でこうした団体ができるのは初めてで、賃金アップや残業代の支給を業界に訴えていく。
人気アニメ「北斗の拳」の監督としても知られる制作会社「スタジオライブ」(東京都板橋区)の芦田豊雄社長の呼びかけで実現した。
JAniCAには約500人が参加。代表の芦田社長は「劣悪な労働環境を背景に国内では人材不足が慢性化している。このままでは、日本の
制作現場は崩壊する」と語る。JAniCAは今後、国や地方自治体にも人材育成支援への協力を働きかけていくことにしている。【森有正】
◇低賃金で1日12時間激務、残業代も医療保険もなし…「せめて普通に暮らしたい」
「小さいころから夢だった仕事に転職したが、1日12時間働いて月収は以前の半分。残業代はないし、医療保険さえない」。
都内のアニメ制作会社で働いて2年目の女性(32)は労働条件の厳しさを訴える。
会社員時代はマンションで1人暮らしをしていたが、転職後は家賃が払えなくなり、実家へ帰った。生活費を切りつめるため
化粧もやめた。医療費がかかるからと、病気が悪化するまで病院に行かなかった同僚もいる。
「海外旅行なんてできなくてもいい。せめて普通に暮らしたい」と言う。
ベテランのアニメーターも老後の不安を抱える。人気アニメ「あしたのジョー」の作画監督として有名な金山明博さん(68)は
「40年近くアニメの世界にいたが、契約社員として働くことが多く、退職金ももらえなかった」と振り返る。
体調を崩して59歳で一線を退いた。今は月12万円の年金が頼りだ。
「同年代の業界仲間にはホームレスになった人もいる。こんな環境で日本のアニメはいつまで持つのか」と心配する。
業界では近年、深夜テレビやインターネット配信向けにアニメの需要が増加。
テレビ向けに限っても新作は20年前の約3倍の年間100本も生まれる。
しかし、制作現場では人件費の安い韓国や中国の下請け会社との競争で賃金が下がっている。
そのうえ、アニメーターは1作品ごとに契約したり、フリーの立場で働くケースが多く、身分は不安定だ。
「親のスネをかじらないと仕事が続けられない」(都内の23歳男性)状況が広がる。
【写真】原画を描くアニメーターたち。長時間労働と低賃金で、日本のアニメを支えている=都内のアニメ制作会社で
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230542.jpg
ttp://www.asahi.com/job/news/TKY200710130183.html 朝日新聞 2007年10月13日(土)
アニメ制作者らが協会設立 「低賃金」打破を
世界に誇る日本のアニメ。市場規模は2000億円以上といわれるが、原画を描く制作現場では月収10万円に満たない人も少なくない。
こうした状況を改善しようと、アニメーターや演出家らが13日、「日本アニメーター・演出協会」(JAniCA)を設立した。
約70人が参加。代表は「北斗の拳」監督で、協会設立を呼びかけた芦田豊雄スタジオライブ社長が務める。
東京・荻窪で開かれた設立会見で芦田さんは、「業界は『低賃金でもアニメが好きだから』という働き手の気持ちを利用してきたが、
このままでは優秀な人材が入ってこなくなる」と訴えた。
まずは発起人の持ち出しで設立した組織の維持・運営のために寄付集めに努め、具体的な活動は今後検討していく。
日本には大小400社を超すアニメ制作会社があり、そこで働くアニメーター・演出家は正確な統計はないものの4500人程度とみられている。
協会によれば、アニメーターは1日平均10時間以上働いても、全体の2〜3割は年収100万円前後。
新人は半年で半数が、1年後には7割が辞めていくという。
メディア開発綜研によると、日本のアニメ市場の規模は、06年が約2400億円で、この10年で800億円ほど膨らんだという。
ttp://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20071014-269577.html ニッカンスポーツ 2007年10月14日(日)
日本初メイド検定に60人、38歳も受験
「正しいメイド」としての知識や技能を認定する日本初の「メイド検定」が13日、東京・秋葉原で開催された。
初の業界団体として今年設立された「日本メイド協会」が主催。
この日は基本的設問からなる「3級」試験が行われ、約60人の現役メイドや志望者が受験した。協会では今後、定期的に検定を実施。
一流の「1級メイド」を誕生させ、メイドが「文化」として認知されるよう活動していくという。
第1回メイド検定は、メイドとしての正しい接客マナーや歴史、「奉仕の精神」の知識などを協会の専門家が約2時間講義した後、
それらの理解度を試す設問も含め、約1時間の筆記試験で行われた。
受験したのは16歳の高校生から38歳まで幅広い年齢層の女性約60人で、メイド喫茶などで働く現役の人やメイド志望者らが中心。
頭にカチューシャをつけ、白いエプロン姿のメイド服で参加した女性もいた。
この日の検定は、基本的な初心者レベルの「3級」試験。4択や論述形式など約30問が出題され、8割以上正解だと合格となる。
今月31日、合否が通知される予定だ。
メイド服で受験した、都内のメイドバーで働く自称「永遠の17歳」美夢(みゆ)さんは「セミナーでは、メイドの知識が増え、
メイド界が奥深いことが分かった。試験は、4択は割と簡単だったが、論述問題がうまく書けたか不安」。
メイド服で兵庫県から来た「メイドおたく」というサービス業の女性(年齢非公表)は「セミナーや試験では、今の日本の
メイド文化ではなく、19世紀のイギリス・ビクトリア朝時代のメイド文化を正確に伝えようという心が感じられ、うれしく思った」と話した。
現在、秋葉原などではメイド喫茶など、多数のメイド業種が次々誕生している。
検定を主催した日本メイド協会はそうした中、「正しいメイド」の情操教育、地位向上などを目的として今春、コスプレ情報雑誌
「COSMODE(コスモード)」大門太郎編集長を会長とし、メイド関連店経営者らが中心となって、初の業界団体として設立された。
今後も定期的に検定を実施する予定で、12月23日には第2回の「3級」試験、来年3月には「2級」試験を開催。
その後、高度な知識、実技が必要とされる「1級」も行う。1、2級の取得者については、メイドとしての仕事のあっせんもしていくという。
大門会長は「『正しいメイドさん』について真剣に考え、受験している人が多くて良かった。
今後はこうした検定やセミナーを通じて、メイドの技量や質がアップしていき、メイドがただの『萌えブーム』ではなく『文化』になり、
認知向上されるようにしていきたい」と話した。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101302056092.html 東京新聞 2007年10月13日 (土)朝刊【放送芸能】
ロボットアニメ『装甲騎兵ボトムズ』新シリーズ 3DCGでリアルさ追求
一九八三年からテレビ東京系で放送されたロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」の新シリーズ
「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」が二十六日、DVDで発売される。テレビ放映から二十四年。
ロボットによるリアルな戦闘シーンを表現するため、当時と同じスタッフが3DCG(三次元コンピューターグラフィックス)を
活用して作り上げた新たな「ボトムズ」とは−。 (近藤晶)
ボトムズは、「機動戦士ガンダム」シリーズなどを手がける「サンライズ」(東京都杉並区)の制作。
銀河を二分する「百年戦争」に投入された、「アーマード・トルーパー(AT)」と称する全長約四メートルの人型機動兵器に乗り込む
兵士キリコ・キュービィーが主人公のロボットアニメ。ただ、ガンダムなどとは異なり、主人公専用の“別格”のロボットは登場せず、
出てくるのは兵器としての量産型ロボットばかり。ミリタリー色の強い作風が特徴だ。
TVシリーズは一九八三年四月から一年間、テレビ東京系で全五十二話が放送された。
視聴率としては成功したとは言い難い結果だったが、独特な世界観が人気を集め、放映後もTVシリーズ前後の時代を描いた
オリジナルビデオアニメ(OVA)が四作品リリースされるなど、今なお根強い人気がある。
新シリーズで描かれるのは、TVシリーズが始まる前の時代。シリーズ構成・吉川惣司氏、キャラクターデザイン・塩山紀生氏、
メカニカルデザイン・大河原邦男氏らTVシリーズのオリジナルスタッフが再び集まっている。
特徴はロボットの作画に以前のセル画ではなく、3DCGの最新技術を取り入れた点だ。
セルを使ったアニメでは、一枚一枚手書きで絵を描かなければならず、大変な手間が必要になるが、
3DCGならコンピューターの仮想空間上に一度ATの画像を設定してしまえば、自由に角度や動きを変えられる。
新シリーズ第一話の冒頭シーンは、百年戦争最大の激戦といわれた「タイバス渡河作戦」だが、
そこに登場する数百体ものATの進攻は3DCGで表現しており、架空の戦場をリアルに描き出すことに成功した。
ほかにも、一台一台のATの動きばかりか、迷彩塗装を少しずつ変えることもできた。質感そのものもよりリアルになった。
高橋良輔監督は「TVシリーズは『終戦』から始まる。少年時代から軍隊にいて社会性を持たない孤独な主人公キリコの
キャラクターを生み出したのは戦争。新シリーズでは、戦場を描いてみたいという思いがあった」と語る。
ATが数多く登場する大規模な戦闘シーンを高橋監督のイメージ通りに描くには、手書きのセル画では限界があったようだ。
ハリウッドのアニメ映画やコンピューターゲームなどで今や3DCGはすっかりおなじみだが、「ボトムズ」が放送されていた当時はなかった。
「ロボットというのは線が多く、実際に描くのは大変。動きにアニメーターのセンスは入れなければならないが、
アニメは動いて映像として定着するところに価値がある。そこに新しい技術が入ってくるのは時代の流れだろう」。
高橋監督は3DCG導入の理由をこう説明し、「アニメにおける現時点でのロボットのリアリティーにチャレンジした」と胸を張る。
もっとも、当初は現場スタッフにもこれまでの手書きのイメージが強く残っていて、「手書きの方がボトムズらしいのではないか」
といった意見が大勢だった。ファンからも同様の声が寄せられたという。それだけ思い入れの強い作品、ということか。
新技術によって新たな魅力を吹き込まれたボトムズ。TVシリーズ以来の熱烈なファンの反応はいかに…。
新シリーズは全十二話。第一巻は二十六日発売、各二話収録で以降隔月発売。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20071012/CK2007101202055780.html 東京新聞 2007年10月12日(金)【東京】
メードの街・アキバの治安を守ろう カフェと警察 防犯でスクラム
「メードの街・秋葉原」の治安を守ろうと、万世橋署は十一日、管内のメードカフェと協力し「万世橋メイド系店舗防犯連絡協議会」
を発足させた。街頭キャンペーンで、カラフルな衣装のメードたちがチラシを手に「地域安全運動実施中です」と呼び掛けた。
同署で行われた発足式には、署員のほかメードカフェの代表者やメード計約五十人が参加。あいさつに立った馬場誠人署長は
「管内には八十以上のメード系店舗があるが、置引など法令違反が見られる。会員相互の親睦を深め犯罪を防止したい」と誓った。
この後、メードたちは千代田区外神田の秋葉原ダイビル前広場でチラシを配布。エプロン姿のメード服に身を包んだ女性(20)は
「ストーカーされた仲間もいるので、これを機に秋葉原の治安が良くなれば」と話した。
【写真】「安全で安心なまちづくり」を目指す防犯キャンペーンでチラシなどを配布するメード(右側)たち=千代田区外神田で
産経新聞 2007年10月12日(金)東京朝刊27面
【チャイム】東京・秋葉原でメード系店舗防犯連絡協議会発足
◇…全国地域安全運動の初日の11日、東京都千代田区の秋葉原ダイビル前広場で、アキバの顔のメードが、
街の環境浄化の協力を呼びかけるチラシなどを配った。
◇…オタクや外国人客が集まるアキバは、今では東京を代表する一大観光地。
一方、恐喝やメードへのストーカーなどの犯罪も多く、警視庁万世橋署も約30店舗と「万世橋メード系店舗防犯連絡協議会」を発足させた。
◇…「街頭安全運動デ〜ス」と笑顔のメードから、チラシを受け取った男性(41)は
「メードはもはや日本の文化。こういった試みも良いのでは」と、思わず“萌えっー”。目的は安全運動だったことを、お忘れなく。
ttp://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20071011et09.htm 読売新聞 2007年10月11日(木)東京夕刊13面
アニメ作り「飽きていない」 ガンダム生みの親、富野由悠季氏に聞く
◆新作にやる気満々
SFロボットアニメの代表的存在である「機動戦士ガンダム」シリーズ。最新作の「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」の放送が
TBS系で6日から始まったのに合わせ、CS放送のスカイパーフェクTV(スカパー)では今月、「ガンダム祭り」を開催し、
過去のシリーズ22作を集中放送している。ガンダムの「生みの親」であるアニメーション監督の富野由悠季(よしゆき)氏に聞いた。(福田淳)
富野氏が原作を手がけ、総監督を務めた最初の「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)は、1979年にテレビ朝日系で放送された。
その時心がけたのが、「敵味方を単純に決めない」ことだったという。「当時のロボットアニメは、勧善懲悪が主流。
娯楽としてはそれでいいが、自分としてはその上に物語を乗せていく努力をしたつもりだ」と振り返る。
地球連邦軍とジオン軍との戦いの中で、敵軍の人物像も深く描き、奥行きのある人間ドラマを展開。
ロボットも人間が乗り込む「モビルスーツ」として登場し、プラモデルが子どもたちの人気を集めたほか、
登場人物が発する独特のせりふの数々が話題を呼ぶなど、社会現象にまでなった。
ファーストガンダムを見て育った世代が成長し、主人公アムロ・レイの物まねをするお笑いタレントや、
「ガンダム講談」を手がける講談師らが出現。シリーズの続編も、「機動戦士Zガンダム」(85年)をはじめ、
多数制作されるなど、さまざまな分野に大きな影響を与え続けている。
「30年は持つものを作りたいと思っていたが、そのあたりはできたのかもしれない。それを証明してくれるファンの存在は、ありがたい」と語る。
「一時はうぬぼれた時期もあったが、もう65歳。年寄りが自分から企画を発信してもうまくいかない」と話しつつも、
「若い人から声がかかるのを待っている。一昨年から昨年にかけて、『Zガンダム』の劇場版3部作を作ったが、
単純な総集編にはしなかった。自分でまだアニメ作りに飽きていないと実感した」といまだにやる気は満々だ。
「例えば、(ガンダム世代がさらに力をつけ)10年後に誰かが100億円ポンと出して新作を作れと言ってくれるかもしれない。
その時まで、体力や気力を維持していきたい」と、不敵な笑みを浮かべた。
スカパーの「ガンダム祭り」は、パーフェクトチョイス/スカチャン!、アニマックス、ファミリー劇場、TBSチャンネル、
チャンネルNECOの5チャンネルで開催。劇場版やテレビアニメ、オリジナルビデオアニメなど、22作を放送している。
放送日程は、ホームページ(
ttp://www.skyperfectv.co.jp/matsuri/gundam/)を参照。
【写真】「劇場版 機動戦士ガンダム3 ―めぐりあい宇宙編―」(1982年)。
アニマックスで、27日深夜1時30分から放送((c)創通・サンライズ)
【写真】「『ガンダム』では子ども向けアニメではなく、映像ビジネスをやりたかった」と語る富野由悠季氏
読売新聞 2007年10月11日(木)東京夕刊13面
[みんなの質問箱]フジ系のアニメ番組枠「ノイタミナ」の意味についてほか
Q フジテレビのアニメ番組枠「ノイタミナ」(木曜、深夜0・45)の意味を教えてください。(埼玉県、渡辺貴子さん)
A・ノイタミナの由来は、アニメーション(animation)の英語のつづりを逆から読んだものです。
アニメの既成概念をひっくり返そうという意味を込めました。
これまでに、「のだめカンタービレ」や「ハチミツとクローバー」などを放送して好評を得ました。
11日からは、新たに農業大学を舞台にした漫画のアニメ版「もやしもん」の放送が始まります。
初回のみ深夜0時35分からの放送です。(フジテレビ広報部)
【写真】もやしもん
読売新聞 2007年10月11日(木)大阪朝刊32面
「日本アニメに独自のルーツ」 高畑勲監督が西宮で講演=阪神
映画「火垂るの墓」など多くのアニメーションを手がけた高畑勲監督が、西宮市御茶家所町の大手前大学さくら夙川キャンパスで行われた「子ども・アニメーション映画祭」で講演した。
世界的に注目されるようになった日本アニメの成り立ちや、古来の日本文化との関係などについて話し、約100人が聞き入った。
同映画祭は、4月にメディア芸術学部を開設した同大学が、子どもたちにアニメなどの映像文化に親しむ機会を持ってもらおうと、
初めて開催した。
高畑監督は講演で、日本のアニメについて「欧米の影響はあるが、日本独自のルーツがある」と説明。12〜13世紀ごろに描かれた
「鳥獣戯画」や、江戸時代の浮世絵などを例に取り、「先駆的な手法がうかがえ、アニメの土壌となっている」とした。
さらに「欧米では三次元映像などで新しい技術が次々と生まれているが、古くからの文化に根ざした日本アニメの良さも感じ取ってほしい」
と強調していた。
【写真】日本のアニメーションについて語る高畑監督(大手前大学さくら夙川キャンパスで)
読売新聞 2007年10月12日(金)東京朝刊13面
(解説) 初の「コンテンツフェスティバル」 海外販売へ業界連携
◆「規制緩和」中韓と協議必要
ゲームソフトやアニメ、映画など日本のコンテンツ(情報内容)を世界に売り込むため、
初の「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」が、東京を中心に開催されている。(編集委員 鈴木嘉一)
コ・フェスタは、世界最大のゲーム見本市「東京ゲームショウ」(先月20〜23日)から始まり、「東京アジア・ミュージックマーケット」や
「秋葉原エンタまつり」、第20回を迎える「東京国際映画祭」(今月20〜28日)など18の公式行事から成る。
経済産業省の主導で、これまで個別に開かれていたイベントを一本化したのは、「日本は情報発信力が弱かった。
各業界がともに情報を発信し、世界のコンテンツ関係者がこの時期、日本を訪れるようにしたい」(甘利経産相)からだ。
総務省や外務省、文化庁、内閣府も加わり、官民挙げて実行委員会を作った。
人材交流・育成セミナーや、各分野のクリエイターたちによるトークショーなど、新設された催しもある。
「漫画からテレビアニメが生まれ、映画やゲーム、キャラクター商品にもなる。ベストセラー小説はテレビ・映画化され、
主題歌もヒットするといったように、出版、放送、映画、音楽などは連動する。日本が得意とする連携方式を世界にアピールしたい」
実行委の重延浩(しげのぶゆたか)エグゼクティブ・プロデューサー(テレビマンユニオン会長)は、こう説明する。
おなじみの「ポケットモンスター」は、国際的にも成功したメディアミックスの代表格だろう。
経産省によると、日本のコンテンツ産業の国内市場規模(2005年)は13.7兆円で、米国(60兆円)に次いで世界2位だ。
しかし、輸出の割合は1.9%(約3000億円)と、米の17.8%に遠く及ばない。国内市場は頭打ち状態が続くため、
さらに成長するには海外進出しかない。政府は10年間で5兆円増やすという大きな目標を掲げ、コ・フェスタをその中核と位置づける。
日本のコンテンツの中で稼ぎ頭はゲームだ。東京ゲームショウには217社が出展し、入場者は19万3000人と、
いずれも過去最高を記録した。商談日を1日から2日にしたため、商用で来た人は昨年の6割増の6万人余りを数える盛況ぶりだった。
映像の分野では、韓国や中国が官民一体で力を入れている。1990年代、中国は上海国際映画祭、韓国は釜山国際映画祭を始め、
先発の東京国際映画祭を追い上げている。さらに、韓国では昨年、テレビドラマの国際コンクールとして「ソウル・ドラマアワード」
が創設され、「韓流」の売り込みを図っている。
韓国や中国が攻勢をかける中、コ・フェスタの新規イベントの目玉は「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」(12、13日)だ。
今回は日本、韓国、中国、タイの作品上映とシンポジウム開催にとどまるが、来年には国際賞の制定を検討している。
この実行委の重村一委員長(ニッポン放送会長)は「日本の各テレビ局は相変わらず国内の若い世代向けを意識し、
横並びの視聴率競争を繰り広げているため、ドラマの質が落ちている。国際戦略では、韓国が先を行っている。
日本でも海外展開がもっと進めば、作り方は変わるだろう。国際競争力を高める起爆剤にしたい」と、狙いを語る。
海外への番組販売は年間100億円、このうちドラマは30億円程度という。
国際化という面で出遅れている感は否めないが、それだけ伸びる余地は大きいとも言える。
ただし、日本の大衆文化を段階的に開放してきた韓国でも、日本製ドラマはいまだに地上波テレビで解禁されていない。
中国でも、外国製の映画やテレビ番組には各種の規制が残っている。
日本が「コンテンツ立国」をめざすからには、規制緩和に向けて韓国などとの政府間協議を重ねるべきだ。
コ・フェスタで気になるのは、40日間という期間の長さだ。これでは、海外の関心が拡散するのではないか。
また、先月19日のオープニングセレモニーでは、海外からの出席者が米の映画プロデューサーらごく少数のうえ、
英語のアナウンスはなかった。東京ゲームショウの会場では今回、英語だけではなく、中国語と韓国語も導入したように、
「国際フェスティバル」の名にふさわしい受け入れ態勢の整備が求められる。
【写真】コ・フェスタのオープニングセレモニーには、甘利経産相(左から2人目)、人気デュオのPUFFYらが登壇した
(9月19日、東京国際フォーラムで)
【写真】編集委員・鈴木嘉一
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230861.jpg
北海道新聞 2007年10月12日(金)夕刊全道6面
<カルチャープラス MANGA 雑賀喜由の眼> 本好きならうなずける
ブログで発表していた漫画が出版社から単行本化されるケースが増えています。
特に好調なのが、自分や周囲のオタクっぷりを売り物にしたエッセー四コマ。「ぼく、オタリーマン」「となりの801(やおい)ちゃん」
とヒット作が誕生しています。今回紹介する単行本、coco「今日の早川さん」もそうした流れの中にある一冊ですが、
内容的によりマニアックに、ディープになっている点に特色があります。
登場するのは、本好きの女性たち。SF小説マニアの早川さん、ホラー小説マニアの帆掛さん、純文学読みの岩波さん、
ライトノベルファンの富士見さん、そしてレア本マニアの国生さん。このキャラクター名を目にしただけで、本好きのみなさんは
「おっ?」と反応してくれるでしょうが、内容もそうした方々の期待を裏切らないツボを押さえたものになっています。
好きな本のジャンルを巡る口論とか、買った本の数量を巡る自慢(自嘲?)とか、本好きなら「うんうん」とうなずける、
確かな実感に裏付けされたエピソードが並びます。最近の「オタクコミック」ブームは、一般に向けてライトにオタクの生態を
紹介するという趣で、濃いオタク層にとっては物足りないものも多かったのですが、この作品はそうした不満を起こさせようのない
濃さで、確かな手応えがあります。
といって、特定の読者以外を拒否した作りというわけではありません。四コマ漫画の横に文章で解説やツッコミが入り、
理解を助けてくれます。キャラの魅力やネタの流れなど、四コマ漫画としてのレベルもなかなかのもの。
こうした作品が読めるならブログ発のコミックもあなどれないなと思えてきます。 (漫画コラムニスト)
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230877.jpg 読売新聞 2007年10月10日(水)東京夕刊5面
[ベストセラー怪読] よしたに著「ぼく、オタリーマン。2」 吉田伸子(書評家)
オタク会社員のぷぷぷな日常
オタクという言葉ほど、定義如何で印象の変わる言葉も珍しいと思う。例えば、「ある特定のジャンル、もしくは物事に対して、
高度で専門的な知識を持つ人々の総称」と定義するのと、「ある特定のジャンル、もしくは物事に対して、粘着し、淫する人々の総称」
と定義するのとでは、抱くイメージが全然違う。学究の徒、とでもいうべき硬質な爽やかさ漂う(気がする)前者と、
どよ〜んとした四畳半的な脂っぽさが漂う(気がする)後者とでは、月とスッポンである。
ちなみに、私にとってのイメージは後者寄り。加えて、オタクな人々というのは、1リットルコーヒー牛乳パックを、
パックに直接□を付けて飲む、といったイメージも付いている。オタクな人々、許されよ。
さてさて、本書の「オタリーマン」とは、オタク+サラリーマンの造語である。オタクでサラリーマン。
何やら矛盾のような気がするのは私だけか。29歳のSE(システムエンジニア)、独身、彼女ナシ、な著者の日常を綴った4コマ漫画である。
オタクだけどサラリーマンやってます。普通にやってます。でも、どうしても出ちゃうんです、オタクな性が・・・・・・、というのが
本書のキモで、会社の同僚が机に飾っていたガンダム(同僚もオタクなのか?)が壊れたというので、何か飾るものはないか?と聞かれ、
何故それを自分に?と思いつつ、「あしたのジョー」の食玩(菓子のおまけ)なら、と、つい探し出してしまう冒頭のネタにぷぷぷっ。
全編、この「ぷぷぷ」な感じがほどよく効いていて、いわゆる自虐ネタでありながら、痛かったり、黒かったりせず、
何となくほんわかしているところがいい。読後、オタリーマンに対して、親愛の情が湧くかも(←それは錯覚)。 ◆21万部
「ぷぷぷ」度 ★★★★ ほんわか度 ★★★★ オタク生態度 ★★★★
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230879.jpg
ttp://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2007/1013/index.html 『週刊東洋経済』2007年10月13日特大号(10月9日発売)
p.70〜71 (特集 本当に強い大学2007) Keyword コンテンツ
専門学校から学生奪うが将来の進路は限定的か(宝塚造形芸術大学/デジタルハリウッド大学/立命館大学ほか)
『宇宙戦艦ヤマト』を描いた松本零士、『機動戦士ガンダム』を監督した富野由悠季……。
あの憧れのクリエーターが全国各地の大学で続々と教壇に立っている。
最近、マンガ、アニメ、ゲームといったコンテンツ系の学部・学科、大学院が続々と誕生している。
中には、こうした著名人を看板教授として招聘するところも少なくない。ある著名教授は「僕は広告塔だから」と謙遜しつつも、
「学生の真剣さが違う」と、手応えにはまんざらでもなさそうだ。確かに、憧れの人が目の前で講義してくれるとなれば、ファンにはたまらない。
コンテンツ系学部・学科の設立ラッシュは、1999年に東京工科大学がメディア学部に、アニメやゲームの制作手法を学ぶ
エンタテインメントメディアコースを設置したのが始まりとされる。翌2000年には京都精華大学が芸術学部にマンガ学科を設置した。
マンガというサブカルチャー(下位文化)が、文学、美術、音楽といったハイカルチャー(上位文化)と同列に扱われるようになったことに
「他学部の教授陣にはまゆをひそめる人もいた」(大学関係者)というが、03年ごろから経済産業省がコンテンツ人材育成政策を
打ち出し、全国で同種の動きが加速した。下表は一部の事例にすぎない。
コンテンツ系学部・学科が急増する理由は、大学側の懐事情によるところも大きい。少子化による学生数の減少に直面する大学にとって、
学生の確保は生き残りへの至上命題である。既存の分野が頭打ちなら、新しい分野へ進出するのは自然な流れだ。
「4年制大学は、短大の得意分野である福祉や看護に進出して学生数を増やしてきた。
今回の動きも、コンテンツ分野を得意とする専門学校から学生を奪っているだけ」(大手大学予備校関係者)。
授業の内容は専門学校と比べてどうか。「テクニックだけを教える専門学校と違って、大学では基礎理論から教えるし、
幅広い教養が身につく」(宝塚造型芸術大学東京新宿キャンパスの喜多光信事務局長)と、大学は学びの場であることを強調する。
デジタルハリウッド大学のように、「海外の提携校への留学で高度な英語力が身につく」ことを売り物とするところもある。
生徒の両親に対しても、一般的には専門学校に行くよりも、4年制大学のほうが、受けはよい。高校の進路指導部も
「東京大学がこの分野に進出したことで、コンテンツ系学部に対する見る目が変わった」(デジタルハリウッド大学)という。
[写真]楽しいキャンパスライフがおくれるコンテンツ系学部・学科だが、就職には未知数の面も
[表]有名人を教員にして学生にアピール―主なコンテンツ系の学部・学科、大学院―
紙面画像
p.70
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230884.jpg p.71
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up230885.jpg
>>198の続き
[卒業しても全員がプロになれるわけではない]
では、肝心な高校生にとっての評判はどうか。コンテンツ系学部・学科入試倍率は意外に低くない。入試方法によっては、立命館大学
のように47.2倍という高倍率のところもある。大学生活の4年間を好きなことに打ち込めるとなれば、学生の人気が高いのもうなずける。
だが、楽しい大学生活の後には、就職という問題が立ちはだかる。たとえば毎年四十数人の卒業生を送り出す京都精華大学マンガ学科
(現マンガ学部)のうち、プロの漫画家として活躍しているのはほんの数人にすぎない。ゲーム会社のクリエーターや、広告代理店の
デザイナーなど、画力を生かせる仕事に就ければまだいい。マンガ家志望の卒業生の大半はマンガ家のアシスタントをしながら
デビューの機会を待つか、まったく畑違いの道に進むことになる。
企業の側も「大学で学んだ内容よりも本人のやる気と才能を重視する」(大手アニメ制作会社)とつれない。
一方で、就職に強い“ブランド校”もコンテンツ系に進出を始め、今年4月には立命館大学が映像学部を開設した。
映像系の学科は日本大学芸術学部や大阪芸術大学が高い評価を得ているが、「それらは映画、演劇といった一断面にすぎない。
立命館では映像にかかわる知財、ビジネス分野にも精通し、映像にかかわるプロデュース能力の育成に力を注ぐ」(大森康宏学部長)と、
他大学との違いを強調する。すでに松竹、東映、任天堂などとインターンシップ提携を行うなど、企業との結び付きの強さをアピールしている。
「クール・ジャパン」の世界的な人気は高まる中、コンテンツ系学部・学科はさらに増えるのだろうか。
「しょせんニッチな分野にすぎない。いずれ飽和状態になり、他学部と統合あるいは消滅するところが出てくる」と前出の大手予備校
関係者はみる。また、「大学首脳の肝いりで守旧派の反対を抑えてスタートしただけに、大学の首脳陣が入れ替わったら存続はどうなるか」
と危惧する大学関係者もいる。多くの学部・学科で卒業生の進路がはっきりする09年ごろには優劣が決まるはずだ。
<interview> クール・ジャパンを世界に発信できる人材を育成する 明治大学国際日本学部長就任予定者 蟹瀬誠一
国際日本学部は日本の伝統文化とクール・ジャパンに代表される現代文化を、海外に発信できる人材の育成が目的だ。
日本の企業・社会、政治システムについても教える。
日本人が抱いている国際人のイメージとは、国際的に活躍している人、あるいは英語ができる人ということになるが、
実は海外で尊敬されるのは自国について語れる人だ。アメリカ人、イギリス人、ロシア人、みんな誇りを持って祖国のことを語っている。
でも日本人は相変わらず欧米礼賛で、自国を卑下している。こういう人は日本国内では尊敬されても、海外では尊敬されない。
私も昔はそうだったけど、あるとき、これではダメだと気がついた。
学生には学習と学問の違いを理解してもらいたい。高校までは学習。決められたことを習う。でも大学とは「学んで問う」場だ。
自分で関心事を見つけて、自分で解を探す。われわれはそのお手伝いをする。
マンガとかアニメはサブカルチャーというけれど、経済学だって初めから学問として存在していたわけではない。
経営学の歴史なんてもっと新しい。フロンティアを切り開いていくという意味では、まったく違和感はない。
それにいま日本に求められているのは多様性だから、いろいろな考え方があっていい。
ただ、英語ができないから自分の能力を海外で発揮できないのでは意味がない。だから英語教育には力を入れる。
将来はすべての授業を英語でできるようにしたい。
本学部では、日本について学びたい留学生を世界中から受け入れる。彼らとの交流を通じて、実践的な語学力が身につくはずだ。
かにせ・せいいち
国際ジャーナリスト、キャスター。2004年明治大学文学部文芸メディア専攻教授。08年に国際日本学部長に就任予定。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101202055798.html 東京新聞 2007年10月12日(金)朝刊 【放送芸能】
子供アニメの復活を さまざまな職業と、働く面白さ伝える (関連
>>169-170)
「ジャパニメーション」という言葉があるように、日本はアニメ大国だ。でも、テレビでは深夜の大人向けアニメが増える一方、
ゴールデンタイムから子供向けアニメが次々と消えている。ゲームやマンガを原作に、商品展開を狙った作品が主流になっている今、
テレビ朝日で始まった「はたらキッズ マイハム組」(日曜午前6時30分)は幼児が対象で、今どき珍しいオリジナル作品。
企画した外国人プロデューサーに、アニメに懸ける熱い思いを聞いた。 (宮崎美紀子)
テレビ朝日で今月七日に始まった「〜マイハム組」は、「マイスター」の称号を持つハムスターたちが、匠の技で人間を助ける物語。
合言葉は「人じゃないけど仕事人」。主人公のガウディは、ハンマーで何でも作ってしまう天才的建築家の「大工マイスター」。
ほかにもパティシエ(菓子職人)、パイロット、レスキューのスペシャリストなど、さまざまな職能を持つマイスターが登場。
職人たちの「元締め」の老ハムスターだけが、マイスターの称号を与える権限を持っている。
番組の狙いは、子供たちにさまざまな職業と、働くことの面白さを伝えること。
企画したのは東映アニメーションのプロデューサー、ギャルマト・ボグダンさん。ルーマニア育ちでハンガリー国籍の三十八歳。
「外国人の目で日本を見ると、日本はまだ学歴社会。でも、腕を磨いて職人になるという道もある。
子供というよりも、一緒に見ている親へのメッセージです。子供に何か才能があれば、それを伸ばしてあげてほしい」
そう思うのは、かつて日本の伝統工芸について研究した経験があることが大きい。海外から見た日本のイメージは「職人の国」だった。
ハムスターが人間を助けるという構図は、町工場や職人が大企業を支えている日本のモノ作り現場の比喩でもある。
純粋に子供のためのテレビアニメを作りたいという強い思いもあった。ルーツはルーマニアでの子供時代にさかのぼる。
「日本のアニメでは『アルプスの少女ハイジ』などの昔の子供向けアニメが好きですね。社会主義の国で、アメリカのアニメは
あまりないのに、なぜか日本のアニメは多くて、小学生の時、おかっぱ頭の子は『カリメロ』と呼ばれていた。
子供のころに見たアニメが、私のベターアニメーション」
押井守さんや宮崎駿さんの映画など、世界で高く評価されるアニメはあるが、ハイジのオープニングの、
空に飛び立つようなブランコのシーンに勝る感動はないという。
ルーマニアでの大学生時代は、チャウシェスク独裁政権に対する民主化運動の闘士として活動、逮捕も経験した。
その後、父の祖国ハンガリーに逃れ、一九九二年、文部省(当時)の留学生として来日。千葉大大学院でデザインを学ぶうちに、
アニメ業界を志すようになった。昨年八月の入社以来、三十以上の企画を出し、今回、初めて作品化が実現した。
「映画より、アニメの方が表現力がある。まず子供を夢中にさせられる。そして、一生の思い出になる。
でも今、日本には、子供のためのアニメが本当に少ない。受けるものはあるが、すべてゲームや漫画が原作で、キャラクター商品での
商売を視野に入れている。アニメはエンターテインメント。三十分間、子供を楽しませられれば、それで目的は達成される。
もう一度、ただのエンターテインメントとしてのアニメを復活させたい」。ボグダンさんの夢は膨らむ。
ttp://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200710130096.html 朝日新聞 2007年10月13日(土)
日本のマンガ人気、海外の事例紹介 国際交流基金の雑誌 (関連
>>161)
国際交流基金が隔月で発行する文化交流のための雑誌「をちこち」の10・11月号が、海外での日本マンガ人気を特集した。
題して「マンガからMANGAへ」。専門家らが世界におけるマンガの受け入れ方を紹介し、マンガ好きの麻生太郎・元外相と
呉智英・日本マンガ学会会長の対談も掲載した。
国・地域別では北米、仏、独、ブラジル、タイ、韓国、中国の事例を紹介。出版社社長の市村恭一氏のリポートによると、
北米のマンガファンは150万〜200万人、売り上げ規模は推定で日本の約20分の1(300億円)程度で、急成長の市場という。
サムライや忍者など「伝統日本的」な作品が人気だが、大きい目のキャラクターの「カワイイ」、
治安の良さからくる「平和で仲良し」といった要素を盛った「現代日本的」な作品も人気が出てきているそうだ。
フランスの日本マンガの出版社で働く鵜野孝紀氏はバンド・デシネ(BD)と呼ぶ現地のコミックの変化を報告。
BDの掲載誌はA4判、オールカラー1冊48ページが標準だったが、マンガ人気で判型の小型化や価格低下など、
日本の出版形態に倣う動きがあるという。
麻生・呉の2氏の対談では、麻生氏がフランスの国立出版社協会の統計にマンガの項目が現れたことに触れ、
「(フランス語に)『MANGA』が入ったという事実には、さすがに『おっ!』と思いましたね」と語っている。
「をちこち」は500円(税別)。主要書店で買えるほか、海外の日本大使館や総領事館、日本研究機関などでも閲覧できる。
【写真】をちこち10・11月号
ttp://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20071012nt0c.htm 読売新聞 2007年10月12日(金)
(モニ太のデジタル辞典) 初音ミク(はつねみく)
最近、長い緑色の髪を二つ結びにした女の子のキャラクターをウェブでよく見かけませんか?
彼女は新作アニメの主人公でも、美少女ゲームのキャラクターでもありません。
歌声合成ソフト「初音ミク」のイメージキャラクターなのですワン。
ソフト名もキャラ名も初音ミクですが、このソフトで作成した歌声自体も初音ミクと呼ばれたりしています。
クリプトン・フューチャー・メディア社から発売されているこのソフトは、パソコン上で声を合成して歌を作るためのソフトです。
ヤマハが開発した「VOCALOID 2」という音声合成システムを採用しており、メロディーと歌詞のデータを入力すると、
そのとおりに女性の声で歌います。合成と聞くと昔のロボットのようなカタカナっぽい声を想像してしまいますが、
これはまるで本当の人間が歌っているような歌声が作れるのですワン。
声のデータにはアニメなどで人気の声優さんの声を使っており、ビブラートをつけたり、こぶしをきかせることもできます。
ただし、作成できるのは歌だけで、伴奏は別途用意して合成する必要があります。
通常、音楽作成の専門ソフトはたくさん売れるものではありません。しかし、この初音ミクは2007年8月末の発売直後から大人気で、
すでに1万本以上売れています。操作がわかりやすいので、かわいい声とキャラクターに引かれた初心者もけっこう購入しているとか。
上手に歌わせるにはそれなりに手間がかかって大変なんですが、アイドルを育てる気分が味わえて、なかなか楽しいようですワン。
しかし、著作権のある楽曲を初音ミクに歌わせて無断で公開するのはご法度です。
こういう曲を歌わせたときは、個人で楽しむにとどめましょう。
(絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ)
ttp://mainichi.jp/enta/music/news/20071015dde018200073000c.html 毎日新聞 2007年10月15日(月)夕刊 音楽
(記者が選ぶ 今週はコレ!)ポップス 「ヱヴァンゲリヲン」のサントラ
いまやアニメは、大人を射止めてこそ大ヒットに結びつく。10年ぶりの新劇場版「序」が公開中の「ヱヴァンゲリヲン」がその好例と
言えるであろう。さらに「大人向け」になっているらしいが、BGM・音楽も、最先端感覚で人気の高い鷲巣詩郎が担当している。
すべて新曲書き下ろしで「序」に使用された楽曲をフルサイズで収録したアルバム「1.0 YOU ARE(NOT) ALONE」(キング)=写真=
が発売された。
鷺巣はジャズ、R&Bをベースにクラシック・現代音楽的な響きを重視したサウンドが特徴で、アイドルから壮麗な映画音楽までこなす
作編曲・プロデューサー。現在もロンドン、パリ、東京を拠点に活動する。
哲学的・抽象的言い回しが持ち味の同シリーズらしく、鷺巣の音楽も心・休だけでなく脳を直撃、クールなヱヴァ世界を演出する。
「庵野秀明総督は『映画は音楽なしに成立しない。音楽は映画なしに成立する』と言うほど、映画における音楽の重要性を心得ている。
いい仕事ができた」と手ごたえ十分の様子だ。 【川崎浩】
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up231289.jpg
ttp://mainichi.jp/enta/geinou/news/20071016dde018200007000c.html 毎日新聞 2007年10月16日(火)東京夕刊 芸能
アニメシンポ:活発討論、現状や問題点を指摘−−今敏監督ら
世界的に注目を集める日本のアニメーション。その現状と将来を探るシンポジウム(毎日新聞社、経済産業省、日本動画協会共催)が
このほど東京・秋葉原で行われ、関係者が多様な角度から“ジャパニメーション”について語った。
基調講演を行った今敏監督は、02年「千年女優」で毎日映画コンクール・大藤信郎賞などを受賞。
昨年は「パプリカ」がベネチア国際映画祭に出品されるなど、世界的に注目を集めている。
今監督は「日本アニメ界は人材不足。数はいても、うまい人がいない。低賃金のせいで新人が育たないのは問題で、待遇の底上げに
努力したい」と問題点を提示。自身の姿勢については「そば屋に例えれば、チェーン化できない職人的な味の店を目指している。
平均化したらファンを逃すし、文化を絞め殺すようなもの」と話した。
続くパネルディスカッションには、今監督の他に評論家の切通理作さん、アニメ史研究家の渡辺泰さん、アニメ評論家の氷川竜介さんが参加。
氷川さんは最新のアニメ事情として、(1)デジタル化が定着したこと(2)アニメがコンテンツとして売られ、視聴環境が変わったこと
(3)デジタル化とコンテンツ化で、個人製作の作品が成功するようになったこと−−の3点をあげ、発信方法が多様化している中で
「何を伝えるか、改めて考える時代だ」と指摘した。 【勝田友巳】
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up231748.jpg 関連:まんたんウェブ 2007年10月9日(火) JAM2007:「千年女優」今敏監督 「世界展開はアニメ文化を壊す」
ttp://mainichi.jp/enta/mantan/news/20071009mog00m200027000c.html 劇場版アニメ「千年女優」などを手がけた今敏監督が5日、東京・秋葉原で、「クリエーターから見た日本のアニメーション」と
題して講演した。今監督は「ハリウッドのように世界展開を目指す必要はない。
誰でもおいしく食べられるように作品を平均化するとアニメ文化を自分の手で壊すことになる」と熱く語った。
講演は、アニメビジネスモデルの想像を目指す「ジャパン・アニメーション・コンテンツ・ミーティング(JAM)2007」
(経済産業省など主催)の一環。今監督は、経歴を振り返りながら作品の意図を説明し、デビュー作「パーフェクトブルー」で、
“業界の常識”をたてに定型で制作を進めようとするスタッフとぶつかったエピソードを紹介した。
また、ベルリン国際映画祭に招待されて現地に足を運んだとき、想像の欧州とは違うことにショックを受け、
「自分で見ていないものを描いてはだめ」と反省して、それが「千年女優」の誕生に結びついたことなどを明かした。
今監督は、日本アニメーションの現状について「力のあるアニメーターの不足と新人の低賃金が問題で、アニメが世間から
注目されるほど一般との格差が目に付いてしまう」と指摘。自身の今後については「凝ったそばを出す職人的な店を目指したい。
クリエーターの視点から言わせてもらうと、日本のアニメーションに合うマーケットサイズがある。
チェーン展開すれば、それまでいたお客を逃すことになる」と力説していた。 【河村成浩】
【写真】東京・秋葉原で開かれた講演で、日本のアニメーションについて語る今敏さん
ttp://sankei.jp.msn.com/world/america/071013/amr0710131924012-n1.htm 産経新聞 2007年10月14日(日)東京朝刊5面
薄れゆく日本町の色 リトルトーキョーに再開発の波
米国最大の日本町、ロサンゼルスのリトルトーキョーの顔として親しまれてきた大手日系ホテルの土地・建物が米不動産投資会社に売却され、
町から今後、日本の色あいが薄れていくのではないかと地元住民たちを心配させている。カリフォルニアにある3つの日本町は今、
いずれも再開発の波に洗われ、新しい町づくりと日本の伝統の継承をどう両立させていくかという難問に直面している。
(ロサンゼルス 松尾理也)
リトルトーキョーにあるホテルニューオータニの売却が公になったのは今年8月。所有者だった鹿島の米国子会社から、
ビバリーヒルズに本拠を置く3Dインベストメンツ社に売却されたことが明らかになると、地元住民からは懸念する声が上がった。
元リトルトーキョー協議会議長で、売却後、3D社との話し合いに臨んだトム・カメイ氏は「売却はあまりに突然だった」と話す。
「ニューオータニ」の看板は11月いっぱいで下ろされることになる。
話し合いの場で、3D社はカメイ氏に、日本を題材にした「テーマ・ホテル」に模様替えする意向を明らかにしたという。
「その方向が間違っているということはできない」とカメイ氏はいう。協議会は今後、現状と要望をまとめた報告書を作成し、3D社に手渡す。
日本人町が新しい資本による再開発に直面しているのは、リトルトーキョーが初めてではない。
北米最古の日本町でもあるサンフランシスコのジャパン・タウンでも中核施設のモールやホテルが昨年、日系資本から同じ3D社に売却された。
「第二次大戦時の強制収容の記憶もまだ薄れていない日系社会では、当初、『また追い出されるのか』といった悲鳴も上がった」と、
現地日系紙「北米毎日」の記者、森広陽子さんは話す。
しかし、年々日本との直接的なつながりが薄れ、日本町に寄りつかない3世、4世の日系人たちも増える中、
「日本町」のあるべき姿について、日系人の間でも明確な将来像が描けていなかったのも事実だ。
降ってわいた売却ショックで、「どんな町にしたいのか、ということを、ようやく日系人社会そのものが考え始めた」という。
将来像は、次第に焦点を結びつつある。キーワードは「Jポップ」。アニメやマンガなど、現代日本の大衆文化を町づくりの
起爆剤にしようとの考えだ。3D社は買収したホテルの一つを、アニメやマンガをテーマに改装した。
アニメ、マンガを専門に取り扱う「Jポップ・センター」の建設計画も、日本の資本の手で進んでいる。
さらに、北米の三つの日本町の残る一つ、サンノゼ日本町でも今年初め、一帯の大規模再開発の動きに巻き込まれる形で、
将来についての議論が始まっている。
19世紀末、1軒の日本料理店から始まったとされるリトルトーキョーは、その後100年余りの歴史の中で絶えず変転の波にさらされてきた。
鹿島のホームページによると、当時の鹿島守之助・同社会長が1961年にロサンゼルスを訪問したとき、リトルトーキョーは
市の進める再開発事業に取り残され、強制撤去も取りざたされるなど存亡の危機にあった。
そこで鹿島氏が資金を提供し、現在のリトルトーキョーの姿が形づくられていったのだが、地元関係者によれば、
60年代当時にも、日本の大企業による再開発は地域社会を破壊するという反対論が根強くあったという。
その鹿島が惜しまれつつ表舞台から退場し、米国資本が取って代わろうとしていることに再び不安が起きている。
新しい日本町はどんな姿になるのか−。日本町の変遷は、外から見た日本の存在感の移り変わりをも映し出している。
ttp://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071015-OHT1T00090.htm スポーツ報知 2007年10月15日(月)23面
山下リオが「魔法遣いに―」で映画初出演&初主演 12代目リハウスガール
「三井のリハウス」のCMで、12代目リハウスガールとして活躍する女優の山下リオ(15)が、来年初夏公開予定の映画
「魔法遣いに大切なこと」(監督・中原俊)でスクリーンデビューすることが14日、分かった。魔法使いの研修に励むヒロイン役。
現在も地元の徳島に暮らす中学3年生のスター候補は「夢を与えられる女優さんになりたい」と抱負を語った。
◆新体操で育んだ163センチの正統派美少女
そうそうたる先輩を目指して、現役リハウスガールが本格派女優への第一歩を踏み出した。
今年4月から12代目リハウスガールとしてCMに出演する山下は、力強い目とロングヘア、新体操ではぐくんだ163センチの長身が
印象的な正統派美少女。
昨年オーディションに合格して芸能界入りしたばかりだが、リハウスに続いて、早くも映画初出演にして初主演という大役に選ばれた。
「魔法遣い―」は、映画脚本のコンクール「城戸賞」で話題となった山田典枝さんのオリジナル脚本の映画化。
アニメやコミック、小説もヒットした。山下が演じるのは、一見普通の少女だが、魔法師の父のあとを継ぐため、
故郷の北海道から東京へ魔法師の研修にやってくるヒロインの鈴木ソラ。先月29日にクランクインし、今月末まで撮影を行うが
「魔法使いという雰囲気を出すのが難しい」と初々しく語る。
3人姉妹の末っ子で、現在も地元の徳島に在住。小学校高学年の時にドラマを見て「女優になるしかない」と志し、
順調にスターへの階段を駆け上がってきた。大人っぽい印象を与えることが多いが、素顔は阿波おどりが好きなほのぼの中学3年生。
学校の合間をぬって東京での仕事に励んでいるが「つらい時にはお母さんや友達に電話して元気をもらってます」。
リハウスガールといえば、初代の宮沢りえ(34)から坂井真紀(37)、一色紗英(30)、池脇千鶴(25)、蒼井優(22)、
夏帆(16)ら人気女優を多数輩出した。「最初は自分がやってていいのかなと思いました」。最近は映画を鑑賞する回数を増やして
演技の参考にしているという。「視聴者に夢とか元気を与えられる女優さんになれたら」と大きな瞳を輝かせた。
<山下リオ>(やました・りお)1992年10月10日、徳島県生まれ。15歳。昨年5月にオーディションを経て芸能界入りし、
12代目リハウスガールに。BS-iの「恋する日曜日」で女優デビュー。趣味は音楽鑑賞、バドミントン。血液型A。
◆初写真集発売中
○…先月21日に初の写真集「coming soon… いい日にきっと、つづいてる。」(ピエ・ブックス刊)を発売した。
「三井のリハウス」のCMと連動し地元の徳島などで撮影。「自分の生まれた土地で撮影が出来てうれしかった。徳島のほのぼのとした感じが好き」。
【写真】映画「魔法遣いに大切なこと」で主演デビューする山下リオ(左写真も同)
化学工業日報 2007年10月15日(月)12面
(亜細亜刻刻)国境を越えるアキバ系
世界的に大ヒットしたロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」や「美少女戦士・セーラームーン」
などの登場人物をまねるキャラクターコスプレイヤーは、欧米やアジアで増殖している。
キャラクターの髪形、メーク、服装をまねるこうした人たちは、イベントやいわゆる「電脳タウン」などで見かける。
携帯電話やパソコン部品の販売店が集まり、流行の発信地でもあるタイ・バンコクのマーブンクロンセンター(MBK)。
ある日曜日、この一角でアニメキャラクターや、日本の女子高生と変わらないセーラー服などに身を固めた若い男女が続々と集まり、
コスチュームを披露していた。聞けば日本のアニメコスプレのイベントなのだとか。
イベントの最中、特設ステージで平均年齢14才の少女たちが、日本のアイドルグループと瓜二つな歌やダンスを始めた。
歌詞はなんと日本語。歌に合わせて若者も盛り上がる。日本の電脳街・秋葉原の日曜日と変わらぬ光景に「アキバ系」は国境を越えたと感じた。
(シンガポール支局)
南日本新聞 2007年10月13日(土)夕刊6面
企画[GOWASS−エンジョイ]電脳世代のホビー道/オタク系も車で自己主張
車好き、バイク好きの中には、ペイントやステッカー、カッティングシートなどを駆使し、独自性の強い外観を追求する人がいる。
「ステッカーチューン」という言葉があるくらいで、街中でも炎などをアレンジしたような柄の派手な車や、
市販車をレース仕様車の外見に似せたりしたものを見かける機会がある。
そんな「愛車の演出」はアニメや漫画、ゲームのファンにもあって、中には全面に好きな美少女キャラクターをあしらう
“つわもの”も。首都圏のオタク系イベントなどには全国から集まり、ネットなどで「痛車」のキーワードで特集されたりもする。
車体をプレーヤーがデザインできる車のゲームソフトを活用した美少女系カスタムカー画像が、動画サイトなどで次々発表され、話題にもなった。
筆者が鹿児島市内で見たことがあるのは、萌えカワイイ系ではなく、ワンポイントで小さめに置き、分かる人にしか分からない系。
印象的だったのは、黄色いスポーツカーの両サイドミラーに、漢数字で「百」と描かれたもの。「機動戦士Zガンダム」に、
金色の両肩に百と描かれている「百式」というモビルスーツ(ロボット)が登場する。「AE(ガンダム世界における架空の企業のロゴ)」
はじめ「ガンダムMk-U(ローマ数字の2)」の模型に付いているマーク群が、暗い青の車体に描かれたものも見たことがある。
アニメ映画にもなった大友克洋の漫画「AKIRA」に登場する赤い近未来バイクにあこがれるファンも多いが、
その外見に似せることのできるパーツやカスタムバイクがあるらしい。鹿児島市内でも見かけるという話が…。(K)
ttp://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/news/20071012-050925.html 週刊『エコノミスト』2007年10月16日号 〔World Watch〕
p.69 (ヨーロッパ フランス) パリで盛り上がる新たなジャポニズム
中井毅(なかい つよし)(JETROパリセンター・欧州調整センター所長)
パリの老舗の百貨店ボンマルシェで8月25日から50日間にわたり、日本ブランド製品のフェア「LOVE Tokyo」が開かれている。
ファッション、食品、日用品、書籍、写真など日本の最新デザインの品々が展示場に並び、フランスタッチの展示と
日本のブランド製品がうまく噛み合っている。
フランスでは急速に日本ブランド製品、すなわち伝統的な日本の技術と最新の独創的なデザインを組み合わせた製品に対する関心が高まっている。
アニメ・コンテンツがひとつのきっかけをつくり、テレビ番組、書籍、ファッションなどに広がり、同時に現在の健康志向、
環境重視の動きが、日本製品の天然材料を活用する考え方とマッチし、新しいジャポニズムともいうべき流れに向かっている。
ボンマルシェのカフェでは、9月に日本ファッションの情報発信として催された「東京ファッションウイーク」の映像と写真が公開されている。
JETRO(日本貿易振興機構)や経済産業省などが支援し、フランスの有名なファッション専門家シルビー・メゾナーブさんが東京を訪れ、
ファッションウイークでの最新映像を収めたものだ。六本木の会場の様子や、渋谷のストリートファションの写真が飾られている。
メゾナーブさんが東京の新鮮な印象をいくつか述べている。欧州にはない新しい魅力的なデザイナーが伸びていることはもちろんだが、
街に出ると、男性のファッションが魅力的であることに驚いたそうだ。電車のなかでも何かに凝った服装の若者に出会うことが多いという。
逆にパリでは、スポーツウエアを日常的に着る男性が目立つそうだ。かつてはビジネスマンのネズミ色のスーツが日本人の
代名詞みたいにいわれたが、日本人はもっと男性のファッションを誇ってはどうかと述べていた。
日本は1990年代の「失われた10年」の間に、実は若者は自分らしい装いを見つけ出そうとしていたのかもしれない。
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up231988.jpg
産経新聞 2007年10月16日(火)大阪朝刊16面
【こどもと親のメディア考】薄れゆくポケモン事件の教訓
映像が子供の身体を傷つけるという、ちょっと信じ難い事件が起こったのは今から10年前の平成9年12月16日夜のことであった。
人気アニメ番組「ポケットモンスター」の放送中に、番組を見ていた子供たちがけいれん発作の症状を起こすなどして次々に倒れ、
全国で600人以上が病院に運ばれた。軽度の症状を含めれば、何らかの異常を訴えた子供は1万人以上にのぼった。
事件の調査・研究にあたった医師は、「これまで人類が経験したことがない刺激が、偶然にも作られてしまった」と語っている。
メディア技術の急速な発達によって映像表現の自由度が増し、映像作家たちはより多様な表現や刺激を求めてやまない。
そして放送現場では、視聴率を稼ぐために、より面白い作品を作るための工夫が日夜行われている。
子供の目をテレビにくぎ付けにするために、内容の面白さと同時に、光の点滅のように変化する情報に注意が喚起されるという、
人間や動物が生得的に持っている本性が巧みに利用された映像や音響が次々に提示される。この事件はこんな中で起きたことだった。
当時、「機動戦士ガンダム」で知られる作家・監督の富野由悠季氏は、「アニメを作るようになって30年以上になるが光が点滅する
“パカパカ”の技法は使っても、赤と青の色は“キツすぎる”との理由で使わなかった」と語っている。
この事件が提起した問題は、子供にとって大変魅力あるアニメという表現方法で送られる情報が、子供の生理的な面にどのような
影響を与えるかに関して、送り手である放送事業者や映像制作者側において全く検証がなされていなかった点であった。
そしてこの事件をきっかけに、NHKと民放が協力して映像酔いのメカニズムを解明し、「1秒間に3回を超える“パカパカ”、
画面全体が回転する“グルグル”は使用しない」などの制作内規が定められた。
今春のアカデミー賞にノミネートされた映画「バベル」が上映された折、観客が吐き気などの体調不良を訴えた事件が報じられた。
ポケモン事件で得られた貴重な教訓が忘れ去られようとしていると思うのは筆者だけであろうか。
(一色伸夫・甲南女子大総合子ども学科教授)
読売新聞 2007年10月17日(水)東京朝刊19面 論壇
[ウイークリー時評] 「電脳歌手」登場 職失う「並」の才能 (鈴木謙介)
ネット上の流行はめまぐるしく移り変わるものだが、この数ケ月、一部のユーザーの間で持ちきりになっているのが
「初音ミク」という少女の話題だ。
少女といっても、現実の存在ではない。彼女は電子合成音声で歌うバーチャル・ボーカリストなのだ。
パソコンの画面上でメロディと歌詞を入力すると、その通りに歌ってくれる「初音ミク」は、童謡の替え歌からオリジナル曲まで、
動画投稿サイトを中心に大活躍中だ。そのおかげもあって、彼女はソフトウェアとしても、発売から数ケ月で一万本以上の大ヒット。
ネット上では「ネットがプロとアマチュアの境界を崩す兆候だ」とか「もう人間の歌い手はいらない」といった議論まで飛び出している。
IT化によってプロフェッショナルの役割は終わるという物言いは、過去十数年、何度となく繰り 返されてきた。
ギターを弾くのも、映画を作るのも、ニュースを見るのもパソコンとネットを使い、プロを介在させずにできるようになるというのだ。
しかし、物言いの勇ましさに反比例して、この種の議論は何度も同じことを繰り返すだけで、実際にどのように社会が変わったのか
については教えてくれない。いつか来る理想の未来像について、何年も同じことを述べ続けているだけなのだ。
社会科学の知見に従えば、IT化によるダウンサイジングや専門技能の電子化で、熟練技能職が不要になるという見解は誤りだ。
むしろそうした技術を用いる高度なスキルを持った人びとに資源が集中する一方、中位の技能職に就く人びとの職が失われると
考えられているのである。初音ミクの例で言うなら、彼女が登場したところで、ものすごく上手なボーカリストの仕事はなくならないが、
あまり巧くない代わりに安く雇うことのできたボーカリストは、仕事を失う可能性があるということだ。
実際、初音ミクくらいのクオリティで歌わせることができるなら、楽曲を完成させる前の「仮歌」の段階であれば、
わざわざお金を払って人を雇う必要はなくなるだろう。
長期的に見ればこうした傾向は、音楽の分野に関する限り、アーティィスト志望の人たちの「下積み時代」を、より厳しいものに
していく可能性がある。最初から天賦の才を持っていて、華々しくデビューできるのでない限り、音楽で仕事をしようと思っても、
「その程度ならパソコンでできるから」と言われてしまうのだ。現場で経験を積むことが重要な世界ほど、その影響は大きくなるだろう。
初音ミクの電子の声が、創造の世界を変えていくとすれば、私たちもそれに合わせて未来を考えていく必要がある。
(国際大学グローバルコミュニケーションセンター研究員・理論社会学)
【写真】インターネットで人気を集める「初音ミク」
紙面画像
ttp://ranobe.sakuratan.com/up/src/up232527.jpg
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/sokkyo/news/200710/CK2007101602056644.html 東京新聞 2007年10月16日(火)
【即興政治論】「キャラ研」社長相原 博之さん Q 政治家の『キャラ立ち』とは?
最近、「キャラ」という言葉をよく聞きます。政界でも、先月の自民党総裁選で麻生太郎前幹事長が「キャラが立つ」と自任し、
若者の支持を集めました。キャラとは何か。政治家に必要なものなのか。
キャラクターと現代人の関係に詳しい「キャラ研」社長の相原博之さんと一緒に考えてみました。記者・清水 孝幸
清水 総裁選では福田康夫首相と麻生氏の間で、ちょっとした“キャラ論争”がありました。そもそもキャラって何ですか。
相原 普通に言うと、魅力的な個性という意味でしょう。キャラが立つとは個性が際立つということです。
若者言葉っていうか、お笑いやアニメから出てきた言葉で、アニメやゲームのイメージを内包していて、単に個性的ではなく、
おもしろおかしいとか、漫画のキャラクターに近い個性を持った人という方が分かりやすいと思います。
清水 なぜ、いま世間で「キャラ」がもてはやされているのですか。
相原 一つは時代の流れでしょう。例えば、学歴とか会社の役職とかいうものが効かなくなり、個人の力が重要になりました。
その結果、その人の人となりとか、魅力とか、個性が強ければ強いほど、出世したり、成功したりという流れが非常に顕著に
なったことがあります。その人となりとか、魅力がキャラなんです。
もう一つは、アニメとか漫画、仮想空間的なパソコンの世界に囲まれた生活環境の中で、アニメ的な個性への共感や関心が
高まっていることもあります。子供のころからアニメ的な世界にどっぷりつかって育った若者たちは、複雑な現実より、
単純化したキャラにリアリティーや親近感を感じています。
清水 どうして政治の世界まで「キャラ立ち」が求められるようになったのですか。
相原 アニメの主人公のキャラは苦難を乗り越え、敵と戦って危機を解決していくものです。政治的にいうと、まさに改革派、
現状打破のイメージなんです。その意味で、小泉(純一郎元首相)さんは非常にアニメ的で、言葉も「自民党をぶっ壊す」と劇画調。
ちょうど政治以外の領域でキャラ化の動きが出てきた時、小泉さんが現れて、政治の世界もそっちの方に引っ張られた。
総裁選で麻生さんが若者に支持されたのも、政策でなく、「ゴルゴ13」的な風ぼうと、べらんめえ調の語り口がアニメ的に見えたからでしょう。
清水 小泉さんの後継者だった安倍晋三前首相はどうですか。
相原 あの人はキャラ立ちしているとは思いにくいですけど、当初は人気があった。小泉さんとくっついている時は、
うまくいじってもらったんで、若き幹事長という感じで目立っていた。ただ、期待感と実力の乖離が激しかったので、
最後にすごく叩かれた。
清水 福田さんはやっぱり、キャラが立ってないですか。
相原 安倍さんよりはキャラはあると思うけど、キャラが立っているとは言い難いですよね。キャラ立ちは現状打破という強い
イメージなんです。そういう意味でいうと、福田さんは斜に構えたような旧来的な個性は魅力的ですが、立ってない方に入るでしょう。
特に、所信表明演説みたいに大向こうに立つと、つまらない。麻生さんとか、小泉さんみたいな劇画性、アニメ性がない。
本人もそういうものをつけようと思ってないみたいですしね。
(
>>213の続き)
清水 政治家に「キャラ」は必要なんですか。
相原 この時代、やっぱり必要だと思いますよ。国民の支持を得るためにはね。
例えば、安倍さんは、いい悪いは別にして、実績で勝負しようとした。けど、国民はそういうものはまったく評価せず、
毎日、出てくる安倍さんの自信なげな顔に、この人に未来は託せない、キャラが魅力的ではないと見限ったんです。
清水 では、どんな政治家がリーダーにふさわしいと思いますか。
相原 魅力的なキャラを持っていて、ちゃんと実務能力、実務家を統率するリーダーシップみたいなものを持っている人ですかね。
もう実績だけでは国民は言うことを聞かないし、キャラが立たなくなると、すぐに叩かれる。
政治家はまず、国民に何か変えてくれるという期待感を与え、後から実務的な成果を達成していくしかない。
清水 政治は本来、複雑な問題を解決するものです。小泉さんのように政策までキャラ化して、白か黒か選ばせるやり方は危うい。
相原 ファシズムの流れでしょう。政治家は無党派層を取り込まないと、選挙に勝てない。結局、彼らを取り込むためには、
難しいことを言ってもダメだと、極端に言えば、ウケを狙って、非常に分かりやすいワンフレーズでぶつけている。
政策は分からないのに、キャラだけで支持する。こういう流れが非常に危険です。
あいはら・ひろゆき 1961年宮城県生まれ。早大第一文学部卒。大手広告会社のマーケティングプランナーを経て、バンダイに入社。
バンダイキャラクター研究所所長。2005年にキャラクターの企画開発や調査研究をする株式会社キャラ研を設立。
著書に「キャラ化するニッポン」など。
※『キャラ化するニッポン』で同じ主張を書いてるけど、こういう人間が「バンダイキャラクター研究所所長」なのがとても心配。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2007101702056933.html 東京新聞 2007年10月17日(水)
【コラム】筆洗
作家の井上ひさしさんは揮毫(きごう)を頼まれると、「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/ふかいことをゆかいに
/ゆかいなことをまじめに書くこと」とよく記す。この極意は日々の実践の集大成になる。特に大事なのは最初の二行だという
▼世の中の動き、人の心は複雑で難しい。まずは分かりやすく伝える。次の段階で本質に迫り、深く考えていく。
メディアの使命でもあるが、実践することは簡単ではない。自戒を込めて書くと、「やさしく」を単純化、娯楽化と解する傾向がある
▼時代が要求しているともいえる。昨日の朝刊・政治特集面では、キャラクターの調査研究などをしている会社の相原博之社長が
「アニメ的な世界にどっぷりつかって育った若者たちは、複雑な現実より単純化したキャラにリアリティーや親近感を感じている」
と指摘していた
▼若者だけではない。小泉純一郎元首相のワンフレーズに、多くの人が拍手喝采したことは記憶に新しい。
小泉改革に反対する政治家は「抵抗勢力」というキャラと化した
▼参院選で自民党が惨敗するまで、改革の陰に光が当たらなかった一因である。大相撲の横綱朝青龍関やボクシングの亀田一家の騒動も、
キャラのせいで組織の体質など、問題の本質が見えにくくなっている。メディアの責任は重い
▼新聞週間が始まっている。井上さんは、新聞はもっと知恵を伝えるべきだという。「ふかく」と同様の意味だろう。
世の中が一方的に、熱狂的に動くとき、待ったをかけるための極意であると、心に刻んでいる。