新・一緒に暮らすならどの娘?part7(何でも有り
1 :
こうもり:
2 :
:02/08/07 12:05 ID:fpi0FMeS
あいぼん
(;´ Д`;)
5 :
(***):02/08/07 12:27 ID:UOUiFZMT
ごくろむさま。
7まで続いてんだ、この企画…
6 :
名無し募集中。。。 :02/08/07 13:16 ID:mPkBmF8f
か お り ん
7 :
コンボ:02/08/07 14:23 ID:6L4s32i7
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1023189839/860より 5
「ちょっと待って、樋口くん」
練習が終わって部室に帰る途中、辻が話しかけてきた。
「あのさ、大会って明日だよね」
「明後日」
「あ、そうか。
それでさ、私もその大会行きたいんだけど」
「いや……普通に来てもいいけど」
「マジで?」
「マジでって言うか部員は基本的に強制参加」
「うっそお、聞いてないよ。
それじゃ、取り合えず行っていいんだ」
「まあ」
「サンキュー、じゃね」
辻は女子部室まで小走りに走っていった。
「お前は合コンの前に彼女を作るつもりか」
後ろから、大山の顔がぬっと突き出てきた。
「何で?」
「辻とカップルみたいにに楽しげに歩いてたから」
「大会の日程訊かれただけだって」
大山はにっと口を開いてくつくつと笑った。
「お前、女子がわざわざ男子に訊くか?」
「……辻が男子とか女子とかに気使うとは思えないけどな」
「ま、それもそうか」
いつでも能天気に見える辻が男子とか女子とかいうことにこだわるとは思えなかった。
8 :
コンボ:02/08/07 14:23 ID:6L4s32i7
家に帰って真っ先にすることは、携帯の確認である。
一応、校則で学校に携帯は持ちこめないことになっているから、来たメールは家で確認するしかない。
おふくろに晩飯までは時間があると言われて、自分の部屋で携帯を開いた。
大山から一通だけ来ていた。
さっき来たばかりだった。
明後日の合コンの件は決まったか?
お前以外のメンバーは決まったから、さっさと返事しろ
明後日の合コンなど、すっかり忘れていた。
――俺がいなくても誰か誘うだろ。
面倒くさくなって、すぐに大山に返事を送った。
悪いけど合コンの件は断る
せいぜい頑張れ
9 :
コンボ:02/08/07 14:23 ID:6L4s32i7
「淳一郎、ご飯よ」
階下からおふくろの声がした。
階段を下りると、丸いテーブルにはクリームシチューが並んでいた。
一週間前もクリームシチューだった気がする。
親父はまだ帰っていない。
「明後日は弁当いるの?」
「いるいる。4時ぐらいに帰ってくる」
おふくろは先に食べかけていた。
俺も席に着いて食べはじめる。
しばらく沈黙。
食事中にテレビはつけない。
元々親父の決めたことだが、すっかり俺の習慣になっている。
「そういえばさ、金森さんって彼女いる?」
「いきなりなんだよ」
おふくろには金森さんの写真を見せたことがあって、金森さんのことは知っている。
「いや、この間ダイエーに行ったら彼女と歩いてたから。
ちっちゃい人だったけど」
「ああ、それは彼女。
高校の副部長」
「部長と副部長で付き合ってるんだ」
おふくろはさして興味も無いような顔で頷いた。
ここまでです。
10 :
MARIA:02/08/07 16:11 ID:kfad3vnm
http://tv2.2ch/net/test/read.cgi/ainotane/1023189839/876の続き 雑貨屋は割と空いている。
たぶん閉店時間が近いからであろう。
俺と愛ちゃんは生活に必要なものを買い込んでいる。
愛ちゃんはとても楽しそうだ。
さっきまではバイクで放心状態になっていたのに…
会計を済ませてバイクに荷物を積んでいると
愛ちゃんがバイクを見て怖がっている。
「どうしたの?」
「バイクが怖いぃ〜」
震えている。ちょっと行きでとばしすぎたかな。
「大丈夫だよ。俺がしっかり運転すれば事故んないから」
「でもぉ〜」
「ゆっくり行くからさ、ねっ」
「…わかりましたぁ〜」
そういうと俺からヘルメットを受け取って、バイクに乗った。
やっぱり怖いのか、俺にしっかりつかまっている。
「じゃあ、行くよ」
そういって、俺はバイクをさっきよりゆっくりしたペースで走らせる。
11 :
MARIA:02/08/07 16:22 ID:kfad3vnm
行きよりも遅く、20分くらいで到着。
愛ちゃんはさっきよりかは大丈夫だったそうなので、笑顔を見せている。
「ただいま」
「ただいまぁ〜」
「あっ、お帰りなさい!ご飯できてるよ」
「はーい」
俺と愛ちゃんは手を洗い、席に着く。
「「「いただきます」」」
梨華ちゃんが作ったのはパスタだった。
食べてみると…
「美味いよ。梨華ちゃん」
「梨華さん。おいしいですぅ〜」
「嬉しい!おかわりあるからたくさん食べて」
「うん」
愛ちゃんも美味しいみたいな顔をしている。
しかし、梨華ちゃんの料理は本当に美味しい。
あっという間に全部食べてしまった。
「ごちそうさま。本当に美味しかったよ」
「どういたしまして」
「じゃあ〜洗い物はぁ〜私がやるぅ〜」
「愛ちゃんが?」
「はいぃ〜」
「じゃあ愛ちゃんよろしくね」
愛ちゃんは台所。俺と梨華ちゃんはリビングに向かった。
12 :
MARIA:02/08/07 16:23 ID:kfad3vnm
更新終了
13 :
:02/08/07 17:40 ID:5xY6nsGK
>「バイクが怖いぃ〜」
カワ(・∀・)イイ!!
15 :
smile:02/08/07 20:03 ID:zAf4RjB6
16 :
コンボ:02/08/07 20:03 ID:6L4s32i7
本日2度目の更新。
>>9より
6
家にはお母さんが帰っていた。
「ただいま」
「ああ、おかえり」
お母さんは久しぶりに、私の目の前で料理をしている。
クリームシチューを煮こんでいるらしい。
「今日はえらく早いね」
「今日はどこも〆切り無かったし、昨日死ぬほど残業したから」
文芸雑誌編集者の仕事は忙しい。
小さい頃、一度頼んで会社に連れて行ってもらったが、朝から晩までめまぐるしく人が動いていた。
会社で泊まってくることも珍しくない。
お母さんは両手にシチューの皿を持って、テーブルまで運んできた。
私は先に席について、シチューの来るのを待っていた。
テーブルに二人っきりで向き合う。
お互いに、静かに食べはじめた。
四角いテーブルに、椅子は全部で3つある。
ひとつはいつも空いている。
たまにお母さんが服を脱ぎ捨てたりしてるけど、かれこれ何10年以上も空席のままだ。
この間、お母さんが離婚した理由を聞いた。
その時から編集者をやっていたお母さんは、忙しい身でとても私の相手ができなかったらしい。
お父さんは、いつでも家にお母さんがいることを望んだ。
けど、お母さんは仕事をやめようとしなかったらしい。
結局、私が幼稚園の年長の時に離婚した。
その時から、私は鍵っ子になった。
離婚して、前より構ってもらえなくなった。
17 :
コンボ:02/08/07 20:03 ID:6L4s32i7
「そういえばさ、あさ美は携帯いらないの?
あんた欲しいって言ったこと無いけど」
「いらない。あっても使わないし」
「あれよ、迷惑だと思ってるんだったら遠慮とかしなくてもいいから」
「ほんとにいらないんだって。メールとか面倒くさそうだし」
「まあ、持っててもアナログ人間のあさ美には使いこなせないか」
お母さんはスプーンを動かしながら言った。
「使えそうだけど、使わないの。
いつでも連絡とってなきゃいけないような友達もいないし」
「寂しい子だねえ。彼氏ぐらい作ったら?
そしたら携帯欲しくなるよ」
「彼氏もいらない」
自然と、スプーンを口に運ぶ回数が増えてきた。
こういう話題は嫌だ。
「珍しい……好きな人ぐらいはいるんでしょ?」
「いない。
そんな素敵な男子なんていないの」
「ある程度の妥協も必要よ」
お母さんはお代わりに席を立った。
妥協しすぎて結婚したから離婚したんじゃないの、とは言えなかった。
18 :
コンボ:02/08/07 20:04 ID:6L4s32i7
お母さんは私より先に寝た。
洗い物を済ませると、「明日早いから」と言って9時頃に寝てしまった。
たまに早く帰っていても、私がお風呂からあがる頃にはもう布団の中にいる。
私は、それから宿題を始める。
友達は毎日「宿題が多い」と言っているけど、私にはそうは思えない。
むしろこんな勉強量で足りるのか、とさえ思う。
今日は英語だけだ。
ものの30分もあれば終わるのに、これのどこが多いんだろうと思う。
案の定、宿題は20分で終わった。
教科書を閉じて、さっさと明日の用意を済ませる。
――そう言えば、英語って林先生だな
また、夕方の職員室を思い出してしまった。
――何考えてるんだか、あの人は
溜息をついて、リビングに出た。
ここまでです。
smileさん、被ってすいません。
どうぞ。
19 :
smile:02/08/07 20:04 ID:zAf4RjB6
とんでもないことになってしまった。
(これは本当にオレの人生なのか? まだ夢の中じゃないのか?
いままでオレは女にふられることはあっても、女の方から
迫られるなんて絶無だったじゃないか。それが一晩でこの展開。
ありうるのかこんなことが?
待てよ……逆に考えれば、これはオレが幸せになる千載にして一遇の
チャンスとも言えるぞ。それにこいつと過ごしているうちに、
石川さんのことだって忘れることができるかもしれないじゃないか……)
そう思って見てみると、このちんちくりんな女がすごくいとおしく思えてきた。
よし、僕は心を決めた。
「矢口」僕は言った。「結婚しよう」
のちに僕はこの超絶に勘違いしたセリフを思い出すたびに、
恥ずかしくて頭を抱えてしまうことになる。
しかしこの童貞丸出しのプロポーズを聞いたにもかかわらず、
何を思ったか、矢口は目を伏せた。
もしかして僕をいさぎよくて男気のある男と思い込み、
頬を赤らめているのだろうか。
いや、それにしては少し様子がおかしい。
矢口は口を押え、体を震わせていた。
「……ククク」
そう、まるで……
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
爆笑を我慢していたかのように……
-------------
更新終了。
文章って難しい。
20 :
smile:02/08/07 20:05 ID:zAf4RjB6
あああごめんなさいコンボさん。
コンボさんの小説、個人的にすごく楽しみにしてます。
がんばってください。
21 :
smile:02/08/07 20:38 ID:zAf4RjB6
忘れてた。
>こうもりさん
スレ立て乙です。
そして9月、ついに欧州初戦フォワ賞となった、
鞍上は予定通り安斉で戦う事になった。
安斉「よーし行こうか、」
返し馬を終え、ゲート入りを待っているときであった、
安斉「……(すたっ)」
と突然安斉が下馬をした、
それを見た関係者は安斉の所へ集まりだした。
赤川「どうした、安斉君?」
安斉「…歩様が…少しおかしいんです……」
サイレントスズカの脚元をじーっと見る一同、
その中で行われているひそひそ話し、
安倍「(どうしたんだろ……さっきまで別になんとも…)」
遠くから見ている安倍は気が気ではなかった、
約3分後、一同は一斉に引き上げてきた、
サイレントスズカの競走除外という結果で………
23 :
TMC:02/08/07 21:46 ID:pYLQgLHi
前スレの886からです。
俺の後ろから梨華と保田さんがやってきた。
「亜依ったらこんな所に隠れてたのね。
あら、亜依泣いてるの?、、、、慎ちゃーん!(怒)」
「イヤ、これには事情がありまして、、、」
昔から亜依を泣かすと決まって梨華は俺のせいにするんだよなぁ。
まぁ、ほとんど俺のせいなんだけど。
「おっとそう言えばアイスがあったんだけど亜衣ちゃんは食べないのか。」
こうなれば最終兵器のアイスを使うしかない。
「ちょっと慎ちゃん!それは私が買ってきたやつよ。
それにもともと亜依のなんだから返しなさい。」
その瞬間、亜依の動きが一瞬止まり気付いたときには
アイスは亜依の手中に収められていた。速い、、、
24 :
TMC:02/08/07 21:47 ID:pYLQgLHi
「やっぱアイスは最高やなぁ〜。うまい!!」
さっきとは全然違い満面の笑みでアイスをほおばる亜依。
泣かせた罰として保田さんの荷解きを手伝っている俺。
この差は何だ。飯買いに行ったのは俺だぞ。
保田さんの荷解きもとりあえず終わったので、
みんなでリビングに集まり今後のことを話し合っていた。
議長は最年長の保田さんだ。
「まず、生活していくには食事とか、洗濯とかの係が必要ね。」
「それをするためにオバちゃんがいるんやろ?」
「私だって仕事があるのよ。それにオバちゃんって呼ばないの!
まったく何回言ったらわかるのよ。」
「はいはい、わかりましたよ。オバちゃん。」
「オバちゃんって言うな!!」
さっきからこんなやりとりばっかで話が進まない。
25 :
TMC:02/08/07 21:48 ID:pYLQgLHi
今日はここまでです。
suzukaさん、被ってたらすいません。
26 :
:02/08/07 22:54 ID:FkLrV2sZ
皆頑張れ〜
27 :
こうもり:02/08/08 12:27 ID:hjIVL9Lc
「ねぇ、ちょっと高橋いい?」
「なんですか?」
収録の休憩中、矢口は愛の事を呼び出し人気のない場所に連れて行く。
「ごめん、高橋」
矢口はいきなり頭を下げ、愛に謝る。
「ちょっとどうしたんですか?」
愛は矢口の行動がわからずに尋ねた。
「昨日のこと謝っておこうと思って」
「昨日のこと?」
「うん、私酔ったふりをして南条さんの事ラブホテルに連れてったから」
28 :
こうもり:02/08/08 12:29 ID:hjIVL9Lc
「ああ、その話は聞きました、でももういいんです
カズさんの本当の気持ちが聞けましたから」
「そっか、後もう一個言っておきたい事あるんだ」
「それはなんですか?」
「実は前の彼氏ともう一回付き合うことになったんだ」
「本当ですか?」
「うん、昨日彼から電話がかかってきてその時気付いたんだ
やっぱり私彼が好きなんだって、だからもう一回付き合うことにしたの」
「じゃあもうカズさんには」
「大丈夫安心して、もう会わないから」
愛は矢口の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべる。
「話はそれだけ、ごめんね高橋にはいろいろ迷惑掛けちゃったから」
「矢口、高橋、こんなところで何してるの、そろそろ収録始まるよ」
「あ、はい」
愛と矢口は探しに来た飯田に向かって返事をし、その後を着いていった。
更新終了。
そういやラムザってどこいったの?
完結したっけか?
>>29 してない。
あれ、人気あったし面白かったんだけどなあ。
>>29 批判スレにラムザHPが載ってるから行ってみたら?
32 :
smile:02/08/08 20:58 ID:VjOTQAyv
>>15 >>19のつづき
---------
「アハハハ、マサトおもしろーい」
「お前……オレをだましたのか?」
「だましてなんかいないよ。マサトの体が温かかったのはホントだもん。
隣で寝てただけで、それ以上は何もしてないけどね」
「何もしてない、って……それならなんでハダカなんだよ!?」
「マッパは健康にいいのよ。知らないの?」
……絶句。
全身の力がぬけていく。
僕がへたりこんでるのもおかまいなしに、矢口は
「『ヤグチ、ケッコンシヨウ』だって。キャーハズカシー」と
騒いでいたが、その姿はまったく恥ずかしそうには見えなかった。
33 :
smile:02/08/08 20:59 ID:VjOTQAyv
「……とにかく服を着てくれ」僕はそう言って床に散らばっている
服を拾い、矢口に向けて放り投げた。
「答えてくれ。なんでここにいるんだ? いったいお前は何者なんだ?」
「マサトが酔いつぶれてたから送ってあげたんじゃない。感謝されても
問い詰められる筋合いはないわよ」
「そうだったのか……ごめん。でももう出て行ってくれ。オレ学校に
行かなきゃいけないから」
「そういうわけにはいかないのよ」
「?」言ってる意味がわからなかった。
「矢口はね、家出少女なの。どこにも行くところがないの。そのことは
昨日言ったはずだよ。そしたらマサトが『しばらくうちに泊めてやるよ』って
言ってくれたんだよ。いま親が出張しててオレ一人だからって。マサト、
酔っててなんにも憶えてないんだね」
僕は見ず知らずの人からいきなり「あなたは前世でサタンと戦った7人の戦士のうちの
ひとりです。ふたたび立ちあがるときが来ました。さあ共に悪を滅ぼしましょう」と
言われてとまどう女子中学生のような気分になった。
「オレが……言ったの?」
矢口はうなずいた。
「またオレをだましてからかってる?」
今度は首を振った。
「よろしくね」そう言って矢口はわざとらしく愛くるしい表情を作った。
もうどうすることもできない。
こうして、僕と矢口の奇妙な同居生活が始まった。
-----------
ここまで。
だんだんストックがなくなってきた。
がんばろっと。
34 :
剣士:02/08/08 21:15 ID:VYOLdBHJ
>前スレ、889の続き
「だって・・初めて会った時も、凄い冷たかったじゃないですか・・・」
確かに、それは否定はできない。面倒くさいだけだったんだけど・・。
「それに、いつも話しかけてもうるさい!とか言われたし・・・」
た、確かに。それもまぎれもない事実だ。
「だから・・・嫌われてるんだと思って・・・」
それは違うんだけどね・・・。ま、女性と話すのは苦手だったけど。
「でも、ある日バイトの話持ってきてくれたじゃないですか。それ、もの凄く嬉しかったんです」
「え?何でだ?」
梨華は剥いた桃をほおばりながら話を続けた。
「らって・・ゴクン・・・だって、涼さんが私に頼み事するなんてなかった。いえ、そっちから話しかけてくれるなんて、ほとんどなかったし・・・」
・・・そうかもしれない。最初、質問をした時ぐらいしか記憶にねぇぞ?
「バイトのこと聞いて、ああ・・少しは頼りにされたのかなぁ?っと思ったんです」
「・・・!」
俺は固まってしまった。そんなに思ってたなんて・・・全然気づかなかった。
「それで、認めてほしかったから・・・一生懸命働いたけど、こんなになって、また迷惑か・・け・・ちゃって・・うっ・・えっ・・・」
梨華の目から涙がボロボロ落ちてきた。俺は、固まって何も喋れなかった。
「・・・ごめ・・んなさい・・うっく・・・。でも・・・お願いで・・すか・・ら・・嫌いにならないでください・・うっうっ」
俺はそれを聞くと、立ち上がり梨華を静かに抱きしめた。
35 :
剣士:02/08/08 21:16 ID:VYOLdBHJ
「あ・・・!」
梨華は驚きながらも、顔を真っ赤にしている。
「大丈夫だ。俺はお前を嫌ったりしねーよ。むしろ、今の話聞いて、もっと好きになった」
俺は告白同然の答えを出してしまった。
「本当・・・ですか?」
梨華は驚きを隠せない表情で、俺を見つめている。
「ああ・・本当だ。ごめんな・・・今まで・・・」
俺は目を閉じ、さらに梨華を強く抱きしめた。
「あ・・・嬉しいです!涼さん・・・!」
梨華も俺を強く抱きしめ始めた。
と、その時ドアの向こうから声が・・・。
「よかったねぇ・・・なあ、なつみちゃん」
「うん〜・・涼も変わったし、二人とも重いに気づいてよかった!さ、マスター、帰ろうよ!」
なんと、なつみとマスターはまだ帰らず、ドアの向こうからずっとこちらの楊子を伺っていた。
油断もスキもありゃしない・・。
だが、そんなことにも気づかず、俺と梨華はまだ抱きしめあったまま・・・
36 :
剣士:02/08/08 21:17 ID:VYOLdBHJ
更新終了です。
37 :
ラムザ:02/08/08 21:20 ID:f8LTn2CS
38 :
ラムザ:02/08/08 21:20 ID:f8LTn2CS
真希「んぁ〜、もう行くの〜?」
俺がコートを着ている姿を見て真希が眠たそうな声で聞いてくる。
俺「あぁ、7時に迎えに行くことになってるからな。
悪いけど洗い物とか頼むわ」
真希「……分かったぁ」
俺「じゃあな」
鞄を持ってダイニングから玄関へ出る。
靴を履いているといつのまにか真希も玄関へ来ていた。
真希「もう今日は帰ってこないの?」
俺「いや、一回着替え取りに帰るつもりだけど」
真希「そっか…いってらっしゃい…」
俺「おう、いってきます!」
玄関を出ると朝の冷たい空気が俺を包み込む。
一回大きく深呼吸すると白い息が勢いよく空へ上っていった。
コートの襟をしっかり絞めて歩き出す。
なんか真希寂しそうだったな…
…いや、俺の思い上がりか。
39 :
ラムザ:02/08/08 21:21 ID:f8LTn2CS
ピンポーン
俺「おはようござーまーす!」
高橋家に来るのはお正月以来だ。
相変わらず玄関周りには伯母さんの趣味の鉢上やプランターがたくさん並んでいる。
すぐ横にあったアロエの棘を触ってみる。
前に遊びに来た時にこのアロエを使った料理を出されたんだったな。
アロエの味を思い出していると不意に玄関のドアが開いた。
伯母「聰ちゃんいらっしゃい、ありがとうねぇ。
もうすぐ愛も準備できるからちょっと待っててね」
俺「あ、いえいえ…」
伯母さんの嬉しそうな顔にどうリアクションをとっていいか分からず、
とりあえず作り笑いを浮かべておく。
伯母「ほら、愛!
早よしねや!!」
伯母さんが中にいるであろう愛ちゃんを大声で呼ぶ。
ちなみに「早よしねや」というのは標準語で「早く(準備)しなさい」という意味で、
決して「早く死ね」という意味ではない。
初めて聞いた時は俺もびっくりしたものだが…
愛「は〜い!ちょっと待ってって!」
奥から愛ちゃんの元気な声が聞こえた。
40 :
ラムザ:02/08/08 21:21 ID:f8LTn2CS
愛「はぁはぁ…お待たせ〜!」
1分くらいしてようやく愛ちゃんが出てきた。
ピンクのマフラーに例の赤いコートだ。
まだ玄関でロングブーツを履くのに手間取っている。
伯母「本当にこの子はもう…
聰ちゃんがわざわざ迎えに来てくれたのに待たせてもて…
ごめんの、聰ちゃん」
俺「…あ!いえいえ…」
愛ちゃんに見とれていて伯母さんの言葉は半分も耳に入っていなかったが、
適当に相槌を打っておく。
伯母「この子、今日は聰ちゃんに会うから
朝からずっと洗面所占領しておめかししてたんやよ」
俺「はぁ…そうっすか…」
なんともリアクションに困ってしまう。
愛「もう!お母さん!!言わんといてや!!」
ようやくブーツを履き終わり立ち上がった愛ちゃんが
伯母さんに鞄をぶつけながら文句を言う。
寒さのせいか、頬が少し紅潮しているのが可愛らしい。
愛「ごめんのぉ、聰ちゃん。行こ!」
そう言うと愛ちゃんは先に歩き始めた。
慌てて後を追う。
伯母「じゃあ悪いけど聰ちゃん、よろしくね」
俺「あ……はい!」
41 :
ラムザ:02/08/08 21:24 ID:f8LTn2CS
ここまでです。
新スレおめでとうございます。
作者さんも凄い増えたようですね。
ここ最近全然読む暇がなかったんですけど、レスのつき方が早くて驚いてます。
皆さん頑張ってくださいね。オレモナー
42 :
剣士:02/08/08 21:24 ID:VYOLdBHJ
>35
重い→思い
楊子→様子
誤字スマソ・・・。
初歩的なミスを、ポンポンと。
メモ帳で見直してもまだ忘れてる自分に鬱・・。
43 :
TMC:02/08/08 21:26 ID:5sAh6m5D
>ラムザさん
初めまして。新人のTMCです。
ふつつか者ですがよろしくお願いします。
ラムザさん
キタ。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚。。・゚・(ノД`)・゚・。・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 !!!!
45 :
:02/08/08 22:36 ID:aN4oek4k
ラムザさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ラムザキタ━━━━━━( ´ Д `)━━━━━━ !!!!!
忙しいみたいだけどマターリがんがれ
「応援」
「ねぇ、ヒロト。ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」
圭が神妙な面持ちで俺にそう聞いてきたのは、久しぶりの
二人での夕食を終えて少しした頃だった。
その時の俺はそんなに深く考えずに、言いたいことあったら言え、
なんて答えたのだが、その後の彼女の言葉に思わず口にした
お茶を噴出してしまった。
「あのさ、私、『娘。』やめようかと思うんだけど……」
あまりの突然のことに初めは冗談かと思ったが、こいつの目を見て
冗談ではないことを確信した。
同時に、それは俺にその是非を問うているのではなく、
自分で決めたことの宣言であることも。
もう一緒になって2年以上経つ。
それぐらいのことは特に問いただす必要もなく分かっている。
「そうか」
俺はただそう答えた。
特に意味もない。
とりあえずお前の言うことは理解した、ただそれだけの意味。
「……何も、聞かないの?」
突然の雨に打たれて震える子犬のような上目づかい。
圭の、俺の行動に不満がある時の態度。
「何を聞く必要があるのさ」
別に冷たい口調で問い詰めたというわけでもない。
ただ純粋に、『何を聞いて欲しいんだ?』……その時の俺は思っていた。
「お前はもう決めたんだろ。だったら俺が口を挟む必要はない。
第一、俺が何を言おうと変えられないんだろ?」
俺の言葉に納得したのか、圭は小さくうなずいた。
「来週、発表することになったんだ。
事務所の人がそういう手筈を整えてくれてる。
きっとものすごいことになるわよ」
そう言って圭は口の端を曲げる。
悪戯がばれるのが楽しみで仕方がない子供のような目で。
「そうだな、そうなるといいな」
正直に言って、俺には圭が人気がないのが分かってる。
他のメンバーやアイドル達のようにちやほやされているわけでもないし、
テレビに映る回数も少ない。
中には非常によく取り上げてくれる番組もあるようだが、
それも人気があるからではなくむしろ無いことを面白がっているような、
そんな取り上げ方だ。
最も、圭はそんな番組でも『取り上げてもらえるのが嬉しい』
と言って健気に頑張っている。
そんなだから、俺にはその発表というのがそれほどのインパクトを
与えるものでもないだろうと思っていたが、圭には流石に言えなかった。
「なるといいな、じゃないわよ。絶対そうなるの」
圭は自信満々にそう答える。
そして俺が口を開くより早く、さらりと言ってのけた。
「だって、現役アイドルが結婚して辞めるんだから!」
「マジで?!」
「嘘」
そう言って圭は大笑いした。
憮然としている俺に向かって、目に涙をためながら言う。
「あはは、ごめんごめん。
でも、今の顔、ちょっと嬉しかったよ」
圭の笑いが止まらないので、仕方なく俺も笑う。
はにかんだような、ぎこちない笑い方。
きっと、さっきの俺はよっぽどだらしない顔でもしてたんだろう。
「今は、まだ無理かな」
しばらくして、ポツリと答えた。
俺が黙って見ていると、圭はまた口を開いた。
「今はね、仕事に打ち込んでいたい。
今結婚したら、もう二度と仕事できなくなるから。
しばらく仕事して、アイドルから抜け出せたら……しようよ。
そしたら、ずっと仕事していけると思うから」
そう言って見つめる圭に、俺はゆっくりと頷いた。
「そうだな、そうしよう。
じゃあその時は、お前に食わせてもらうか」
「うん、いいよ。
おもいっきり、豪華な生活させてあげる」
「冗談だよ。別に食わせてくれなくたっていいさ」
俺が軽く言ったのを聞き咎め、圭は少し口をとがらす。
「何よ〜。私と結婚したくない、って言うの〜」
「そんなわけないさ。ただ、俺はお前と一緒にいられればいいってだけさ。
金なんて、幾らでも俺が稼いでやるよ」
「ヒロト……」
圭と目があうと、頬がみるみる上気していく。
だが俺は、それ以上に自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
「よし。じゃあ決めた」
急に圭が叫ぶ。
俺は頬がさめきらないまま、圭に聞いた。
「何を」
「仕事やめる」
「おいちょっと待て。そりゃ困る」
「何よ、食わしてくれるんじゃなかったの?」
圭はそう言ってニヤニヤしている。
俺はなんとなく悔しかったので、必死で言葉を探す。
「そうじゃないって、いや、その。なんだ……そ、そう!
いきなりやめたりしたら、アブねえヲタとかが暴れるだろ!」
自分でも何を言っているのか分からなかったが、圭は平然と答えた。
「大丈夫よ。一番危ないヲタはここにいるから」
「馬鹿……」
俺は小さく呻くと、圭を後ろに押し倒した。
そして瞳が閉ざされるのを確認するまもなく、唇を重ねる。
唇を離すと、今度は圭が目を開くのをゆっくりと確認して言った。
「一番危ないヲタだから、最後まで一番応援してやるよ」
圭は、俺だけに見せる一番綺麗な顔で笑ってくれた。
〜Fin〜
ヤスがんがれ!
忘れてた。
新スレおめ&乙。
かおりん祭り早く来てねw
54 :
:02/08/09 09:12 ID:VWhxQtyo
すんげぇ(・∀・)イイ!!
>>53 ていうか、かおりん祭りはここ読んでるのか?
56 :
こうもり:02/08/09 10:19 ID:VzaKoUQy
「ふぁー」
俺は欠伸をしながら、ソファーから身を起こす。
そして時計を見ると午後一時、結構長い間寝ていたようだ。
俺は洗面所で顔を洗い、昼食を食べて自分の部屋に行く。
「さてと絵の仕上げでもするか」
俺はイーゼルの前に座ってこの前の絵の続きを描く。
絵を描きながら俺はいろいろなことを考えていた。
57 :
こうもり:02/08/09 10:20 ID:VzaKoUQy
愛ちゃんとのこと、自分自身の将来のこと。
愛ちゃんとのことは答えが出ている。
でももう一つのほうはどれほど考えても答えが出てきそうにはなかった。
余計な事を考えながらだと、やはり筆の進みが遅い。
俺は途中から何も考えずに絵を書くことに集中する事にした。
よし、出来た。
俺は日も傾いてすっかり暗くなった自分の部屋で完成した絵を見ている。
最近の精神状態で描いたにしてはいい出来だな。
俺は筆を置きベッドの上に横になる。
そして腕時計を見るともう午後六時を回っていた。
確か今日は愛ちゃん帰ってくるの早かったはずだよな。
俺はそう思い、ベッドから起き上がりリビングに行く。
更新終了。
安倍「あ、あたしなんか変なことした!?」
除外にパニックになっていた安倍であった、
安斉「いや、なつみちゃんは別に悪くは無いよ、きちっと仕上げてくれたよ。
何か…返し馬に入ってからかな……違和感を感じたのは。」
赤川「ひょっとしたら深い馬場のせいで捻ったのかもしれないなぁ。」
脚に異常があれば次の凱旋門賞はどうするのだろうか?
一同そんな疑問が沸いて出た。
安斉「見た感じはそんなにひどくは無かったですよね?」
一同の疑問を振り払うかのように安斉が喋った、
赤川「確かにね。凱旋門まではいくらか日にちはあるからね。」
とりあえず軽症に一同は肩を下ろした。
検査の結果軽いコズミという事がわかった。
※コズミ…馬の筋肉痛見たいなもの
陣営は早急に立て直し凱旋門賞に備えた、
フォワ賞の除外を無駄にしないためにも……
そして10月、凱旋門賞の幕が開いた………
59 :
MARIA:02/08/09 13:13 ID:MBCQ7n7A
>>11の続きです。
「ねえ、私達明日から大学生なんだよね」
「ねぇ〜」
俺も相槌を打つ。
「大学ってどんなところだろうね」
「そういえばなんでこの大学選んだの?」
「親から自立したいっていうのがあったし…本当は俊祐さんに…」
「終わりましたぁ〜」
梨華ちゃんが話している最中に愛ちゃんがでてくる。
「ありがとう」
愛ちゃんにお礼を言うと、顔が真っ赤になっている。
でも、嬉しそうだ。
梨華ちゃんは何か言いたそうだったのが気になるが、触れないことにしよう。
60 :
MARIA:02/08/09 13:14 ID:MBCQ7n7A
「今日はもう寝ようか?明日早いし」
「そうだね」
「じゃあ私先に入ってくる」
梨華ちゃんはバスルームに向かった。
その梨華ちゃんが座っていたところに、愛ちゃんが座った。
こんどは愛ちゃんと会話。
「さっきはゴメンね。バイク飛ばしすぎたかな」
「いえ、初めてだったんでぇ〜しょうがないですよぉ〜」
「そう、それならよかった。
愛ちゃんは何で近くの高校に編入してきたの?」
「梨華さんにぃ〜ついていくためですぅ〜」
「梨華ちゃんに?」
「はいぃ〜、梨華さんってぇ〜私より年上なのにぃ〜おっちょこちょいなんでぇ〜なんかぁ〜ほっとけないんですよぉ〜」
「へえ〜」
「それでぇ〜梨華さんってぇ……」
俺は梨華ちゃんが思いっきりドジだってことなどをいろいろ聞いた。
愛ちゃんは梨華ちゃんがあがってくるまでずっと楽しそうに話していた。
更新終了
ラムザさんフカーツ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
>>29は庵です・・・お忙しいのに召喚しちゃたようでスンマソン
62 :
コンボ:02/08/09 16:01 ID:eWbMHPxf
>>18より
7
次の日の放課後、男子部室にはまた辻がいた。
うろたえた顔で椅子に座っている。
「あっ、樋口くん!」
辻は立てかけてあった竹刀を手にとって、駆け寄ってきた。
「何かあった?」
「これ、使えないよね」
辻は持っている竹刀を突き出した。
中結が外れている。
真ん中辺りで竹刀をまとめている紐が、緩んで外れただけだ。
どうやら昨日は結局中結を締められなかったらしい。
「これって、中結が取れてるだけだろ。
結べば使えるって」
「でも、なんか柄の所も……」
辻は泣きそうな顔で柄を指差した。
柄革を固定している紐も、外れていた。
「これって、壊れちゃったの?」
辻は懇願するような視線を向けた。
63 :
コンボ:02/08/09 16:02 ID:eWbMHPxf
「……俺は直せないけど、金森さんなら結び方知ってると思う」
「今日、金森さん来るかな?」
「……さあ?」
金森さんは、気が向かない時はクラブに来ない。
実質、副部長の矢口さんが部活を仕切ってることのほうが多い。
中結の結び方も、柄革の紐の結び方もマニュアルを見れば載っているだろうが、時間がかかりそうだ。
「取り合えず今日は俺の貸してやるよ」
「え、ほんと、良いの?」
「終わったらすぐ返せよ」
竹刀袋から一本取り出して、辻に渡してやる。
「つばは自分の付けろよ」
「うん、ありがと」
辻は小声で礼を言うと、男子部室を出ていった。
「アツアツだな」
辻が出ていったドアから、入れ違いに大山が入ってきた。
「密室に二人っきりですか」
「あのな、お前どう考えても俺と辻が……」
「はいはい、分かったって。誰にも言わないって」
大山は俺の話を遮って、得意げに部室の奥へ歩いていった。
64 :
コンボ:02/08/09 16:02 ID:eWbMHPxf
練習が終わって剣道場を出ると、申し訳なさそうな顔をした辻が近寄ってきた。
「何?」
「あの、ほんとごめんね……これ」
辻は貸した竹刀を両手で持っていた。
「面打ってたらささくれちゃって……」
話を聞くと、面をつけた女子部員に面打ちの練習をしているうちに、竹刀がささくれたらしい。
竹刀のささくれというのは本当に危険で、誤ってこれが相手の目にささると、とんでもないことになる。
そういうわけで、ひどくささくれた竹刀は捨てるしかない。
「ほんと、ごめんね……」
オーバーなくらい辻が謝るので、こっちが途惑ってしまった。
「いや、これぐらいのささくれなら大丈夫だって。
これ結構使ってたし、そろそろだったんだろ、多分」
務めて明るく、竹刀を受け取った。
――替えの竹刀あったよな、確か。
「ほんとにごめんね……」
辻は消え入りそうな声を出した。
なんとなく居づらくなって、無意味に口笛を吹いてその場を離れた。
65 :
コンボ:02/08/09 16:02 ID:eWbMHPxf
替えの竹刀は一本しかなかった。
明日は大会だ。
大会には、使用する竹刀と予備の竹刀との、合わせて二本の竹刀を持っていかなくてはならない。
仕方ないので、傘立てに差してある竹刀を手に取った。
傘立てには時々使えなくなった竹刀もあるが、竹刀袋に入らない竹刀が山のように差さっている。
柄に名前を書いていないと、無断で拝借されることもある。
今はまさにその時で、俺は柄が綺麗なのを一本選んだ。
長さは合っている。
ささくれた竹刀は傘立ての中に突っ込んで、手に取った竹刀を代わりに袋に入れた。
明日は駅前に集合だから、竹刀と防具はひとまず家に持って帰らなければならない。
竹刀を防具袋の紐に通して肩に担ぐと、ずしりと重い。
長時間持っていると肩が痛くなってくる。
肩の痛みに耐えて、なんとか担いだ。
このまま家まで帰らなければいけないと思うと、気が滅入った。
ここまでです。
>>20 どうもです。
俺もsmileさんの作品、楽しみに読ませてもらってます。
>>41 久々に更新があって、めでたい限りです。
これからも楽しみに読ませてもらいます。
66 :
smile:02/08/09 18:41 ID:+BNr7wJq
>>32-33のつづき
---------
僕は矢口の同居をしぶしぶ認めた後、急いで準備をして学校に向かった。
まだ体内に酒が残っていて、一歩歩くたびに胃液がせり上がってくるような気がした。
そんな調子だから、授業なんてまともに聞けるわけがない。
僕は一日が終わるのを、じっと机に伏せって待っていた。
「ちょっといいかな?」話しかけてきたのは石川さんだった。
表情が暗い。
「私キスギくんに怒鳴っちゃったこと、ゆうべすごく後悔したの。
キスギくんは私を元気づけようとしてくれたのに、私なんてこと
しちゃったんだろうって……」
67 :
smile:02/08/09 18:43 ID:+BNr7wJq
石川さんがあまりにもしおらしくなっているので僕はなんだか
申し訳ない気持ちになってしまった。
そもそも昨日僕の相手をしなかったなら、石川さんはさっさと
家に帰っていたはずだ。好きな男が女と歩いている姿を
見て、涙を流すこともなかっただろう。
「気にすることないよ」僕は言った。
「でも……」
「いいんだ。もう終わったことなんだから。それに、石川さんが
暗い顔をしていることの方が僕には耐えられないんだよ。
自分ではわからないのかもしれないけど、石川さんはこの学校の女神なんだぜ。
たくさんの男が石川さんに憧れてるし、同じくらいたくさんの女が
石川さんと友達になれればいいなと思ってる。
見てるとわかるんだ、そういうことが。
女神が暗い顔をしてたら学校全体が沈んじゃうよ」
石川さんはきょとんとしていたが、5秒ほどして僕の言っていることを
理解したらしく、にっこり微笑んだ。
「キスギくんって、いい人だね」
僕はいい人なんかじゃない。ただ時々わけのわからないことを口走るだけだ。
-----------
今日はここまで。
68 :
smile:02/08/09 18:50 ID:+BNr7wJq
>>41ラムザさん
おかえりなさいですー。
楽しく読ませてもらってます。
>>65コンボさん
おおおありがたい。
期待に沿えるようがんばります。
呪いの竹刀
70 :
TMC:02/08/09 21:07 ID:x2cvGt/f
>>24からです。
「ふうぁ〜、、オバちゃんの相手しとったら眠くなっちゃった。」
時計を見るとすでに12時をすぎていた。俺は平気だけど
「そろそろお子様にはキツい時間かな?」
「うちはお子様やない。まだまだいける、、で、、、」
「ほら、亜依もうお部屋に行って寝なさい。
みんなもここで終わりにして明日改めて決めよう。」
「確かに梨華の言う通りだな。今日はいろいろあって俺も疲れたし。」
「それでは本日はここまで。」
保田さんの一言で家族会議(?)は終了した。
俺も自分の部屋に戻りマンガでも読もうかと思ったら
「慎ちゃん、亜依を部屋まで連れて行ってくれない?
最近この子ったら太って私じゃ無理なの。」
「別にいいよ。ったくこれだからお子様は困るんだよなぁ。」
俺がそう言うと梨華はクスッと笑った。
71 :
TMC:02/08/09 21:08 ID:x2cvGt/f
「うわっ、こいつ結構重いぞ。」
これは亜依をおぶっての素直に思った感想だった。
亜依の部屋は2階なのでおぶって行くと腰にきそうだ。
しかたない、ここはこうやって運ぶか。
俺は俗に言う「お姫様だっこ」で亜依をへやまで運んだ。
「いいなぁ〜。」
ふと梨華がそれを見て呟いた。
「バーカ。お前はもういい歳だろ。」
「いい歳って慎ちゃんと同じ17歳だよ!」
頬をプーッと膨らませて怒っていた。
「わかった、わかったゴメンナサイ。」
部屋に着き亜依をベッドに寝かせた。
「かわいいお姫様、ベッドに着きましたぞ。」
「、、、うん、ありがとう。」
亜依のやつ眠たくなるとやけに素直だな。
いつもこんな感じならホントにかわいいんだけど。
「おやすみ。慎一。」
「ああ、おやすみ。よく寝ろよ。」
そう言って、亜依の部屋を出た。
72 :
TMC:02/08/09 21:09 ID:x2cvGt/f
今日は更新終了です。
73 :
ラムザ:02/08/09 21:14 ID:9AA1IqCg
>>40から
駅までの道を2人並んで歩く。
まだ朝早いこともあって人影はまばらだ。
愛「今日もいい天気やの〜」
俺「そうだね」
愛「福井は冬はずっと雨や雪が降って曇ってるからぁ、
私はいつもお天気マークやったこっちが羨ましかったんやざぁ」
俺「そうなんだ」
せっかく愛ちゃんが話しかけてきてくれているのだが、俺の返事は上の空だった。
何せ俺の役目は“ボディガード”。
後ろを変な奴が尾けてきていないか、どこかから覗かれてないか、色々と確認する必要がある。
当たり前のことだが他人のボディガードなんてのは初体験で、とても会話を楽しむ余裕はない。
誰かとすれ違う度にそいつをチェックしていると、段々誰もが怪しく思えてきた…
愛「…のぉ、聰ちゃん!聞いてるんか?」
俺「え?あ、そうだね」
愛「もう、全然聞いてないんやから…」
俺の生返事に愛ちゃんはとうとう呆れてしまったようだ。
その後学校に着くまではほとんど口を聞いてくれなかった。
74 :
ラムザ:02/08/09 21:15 ID:9AA1IqCg
今朝は何事もなく中等部の校門前まで愛ちゃんを送り届けることができた。
とは言え、いつもストーカーらしき人物が現れるのは帰りらしいので油断はできないが。
俺「じゃあ帰りも迎えに来るから、学校終わったら電話して」
愛「うん、わかった。ほいじゃいってきます!」
愛ちゃんは機嫌を直してくれたのか、笑顔で走っていった。
彼女が学校に入るのを見届けてから高等部へ歩き出す。
いつもは登校中の生徒で混雑しているこの通りも30分以上時間が早いと人通りもまばらだ。
やはり広々した道の方が気分がいい。
そういえば大嫌いな満員電車にもあわずにすんだ。
俺もいつもこんな時間に登校するようにしようかな…と思うと同時に大きな欠伸が出る。
やっぱり毎日早起きってのはしんどいな…
慣れないことはしないでおこう…
毎日早い時間に登校している愛ちゃんに尊敬の念を抱きながら高等部の門をくぐった。
75 :
ラムザ:02/08/09 21:15 ID:9AA1IqCg
教室に着く頃には完全に眠気がぶり返してきていた。
廊下を歩く足取りが重い…
教室の扉を開けて中に入るが、まだ誰も来ていないらしい。
当然電気もついていないので薄暗い。
ウチのクラスに真面目な奴はいないのかよ…
少々愚痴りながら自分の席につくとそのまま机にうつ伏す。
あー、気持ちいい…しばらくこのまま寝よう…
・・・・・・
それからどのくらいたっただろうか?
夢心地の中で教室に人が入ってくる気配を感じた。
顔を上げるのも面倒なのでそのまま寝続けていると、その気配は俺の後ろまでやってきた。
そして―
ドン!!
後頭部に衝撃が走る!
76 :
ラムザ:02/08/09 21:22 ID:9AA1IqCg
ここまでです。
>>TMCさん
お初です。こちらこそよろしく。
>>44-46 ありがとうございます。
マターリがんがります。
>>61 いえいえ、ちょうどいいタイミングでした。
ありがとうございます。
お待たせしてすみません。
>>コンボさん
お久し振りです。
相変わらずいい文章書いてますね。
続きが楽しみです^^
色々盗めるよう頑張ります(w
>>smileさん
どうもです。
定期更新フカーツのつもりなのでしばらくよろしくお願いします。
77 :
コンボ:02/08/09 22:11 ID:eWbMHPxf
>>65より
8
「おねがーい、誰か来てー」
昼休み、教室中を小川麻琴が歩きまわっていた。
すれ違う女の子にかたっぱしから声をかけている。
「どうしたの?」
話しかけると、びっくりしたように振り向いた。
「あっ、紺ちゃん、ちょっとお願いあるんだけど」
まこっちゃんはいつもは見ないぐらい、うろたえている。
「あのさあ、明日うちのクラブで大会あるんだ。剣道部の」
そういえばまこっちゃんは剣道部だったと思い出す。
「応援来てくれない?」
「応援?」
まこっちゃんは眉をハの字にしていた。
「明日大会があるんだけど、忙しいとか言って誰も応援来てくれないんだ」
「応援とか別にいらないんじゃないの……」
「いや、私も去年まではそう思ってたんだけどさあ。
この間応援無しで、始めての大会に出たんだ。
そしたら、向こうは応援一杯で、こっちは全然いないわけよ。
めちゃくちゃ寂しいよ、マジで。
だからね、あんまり応援を甘く見ると結構痛い目に会うわけよ」
まこっちゃんは一気にまくしたてると、私の手を握った。
「寂しいから、来て」
78 :
コンボ:02/08/09 22:12 ID:eWbMHPxf
昨日石川さんが言っていたことを思い出す。
「紺野は自分から出会いを避けてるんじゃないかな」
――明日暇だし、いいか。
「……分かった、行く行く」
「マジで?」
途端にまこっちゃんの顔がぱっと明るくなった。
「マジで来てくれるの?」
「明日暇だしさ、遠くないんでしょ?」
「近い近い、ヤバ近い。
やった、ほんとありがとね。
それじゃ、私他の人も誘ってくるから」
まこっちゃんの口調は一変していた。
「それじゃ、朝の8時に駅の改札で」
そう言い残して、まこっちゃんは軽い足取りで歩いて行った。
――安請け合いしちゃった?
79 :
コンボ:02/08/09 22:13 ID:eWbMHPxf
「剣道とか見たこともないんですよ」
「あれはね、やったことない人は見てても全然面白くないよ」
空手の帰り道、石川さんは自転車を漕ぎながら器用にこちらに振り向いた。
「まあ、せいぜい良い男でも見つけてきな」
そう言いながら石川さんは人差し指を立てた。
「見つけたら、まず垂れの所に名前と学校が書いてあるから、それを見る」
「……石川さん、剣道の大会に行ったことあるんですか」
「一応ね。良い男は少なかったけど。
あと勘違いしやすいんだけど、強ければ良い男ってわけでもないから。
むしろ格好良くないことの方が多い」
石川さんはうん蓄のように話し続けた。
「見つけたら、それとなく接近して、それとなく応援する。
自分の所よりもその相手の応援をするのよ。
そこからさらに接近するんだけど、紺野には無理かな。
まあ、そこの学校の知り合いを作ることから始めたほうがいいよ」
言いたい放題言うと、石川さんは角を曲がって行った。
残された私はどうしたらいいか、しばらくその場で止まった。
ここまでです。
>ラムザさん
定期更新キターーーー!!!
がんがってください。
80 :
こうもり:02/08/10 11:06 ID:IL3g5fwB
俺がリビングに行くと愛ちゃんがリビングのソファーに座っている。
「あれ?愛ちゃんもう帰ってたの」
「はい、ついさっき」
「だったら声を掛けてくれればよかったのに」
「でも凄く集中してたみたいだから、声を掛けずらくて」
「そんなに」
81 :
こうもり:02/08/10 11:06 ID:IL3g5fwB
「はい、だって私カズさんのドア何回かノックしたのに全然反応なかったし」
「そうなんだ、気がつかなかったよ、ごめんね愛ちゃん」
「気にしないでください」
「でもなんか悪い事をした気がする、なんかお詫びしたいな」
「じゃあさっき書いてた絵くださいよ」
「ああ、別にいいけどでも愛ちゃんが気に入るかどうか分からないよ
今取ってくるから待ってて」
俺はそう言うと自分の部屋に行き、さっき完成したばかりの絵を持って
再びリビングにもどる。
更新終了。
82 :
MARIA:02/08/10 17:07 ID:luuqDgHe
>>60から
「お風呂あがったよ」
梨華ちゃんが出てくる。
ピンクのTシャツにピンクのパジャマを着ている。
「はぁーい〜じゃあ〜今度は私が入ってくるぅ〜」
そういうと今度は愛ちゃんがバスルームに向かう。
「じゃあ私もう寝るね」
「うん、明日寝坊しないようにね」
「俊祐さんもね」
俺はうなずくと梨華ちゃんも笑顔を見せて部屋に向かった。
ちょっとテレビを見ていると誰かが後ろから俺に抱き付いてきた。
「だぁ〜れだぁ〜?」
その訛りはどう考えても…
「愛ちゃんでしょ?」
「あたりぃ〜!」
「風呂に入る時間早いね」
「そうですかぁ〜?私はぁ〜普通だと思うんですけどぉ〜」
「あはは、とりあえず離してくれない?」
そう言うと愛ちゃんは恥ずかしかったのか、あわてて離れた。
「梨華さんはぁ〜?」
「もう寝ちゃったよ」
「じゃあ私も寝ますぅ〜」
「うん、おやすみ」
「はいぃ〜!おやすみなさ〜い」
愛ちゃんは満面の笑みで部屋に入っていった。
俺も眠くなってきたので、風呂に入って、自分のベッドで眠りについた。
ちなみに風呂は女の子の香りが漂ってた。
83 :
MARIA:02/08/10 17:08 ID:luuqDgHe
翌日、7時ちょっと前に俺は起きた。
毎日このくらいの時間に起きるように体がもう慣れている。
そんなことで誇らしく思っている俺がいた。
ズボンをはき、Yシャツを着てからリビングに出る。
そこにはまだ誰もいない。
3人分の朝食を作っていると、
「おはよう!」
梨華ちゃんが笑顔ででてくる。
「ごめんね、ご飯作らせて」
「大丈夫だよ。ところで愛ちゃんは起きないのかなぁ?」
「いいんじゃない?愛ちゃん今日は休みだし」
「そうだね」
朝食を作り終わり、テーブルに並べると
梨華ちゃんも席につく。
「「いただきます」」
こんな感じで朝食を済ませて、学校に行く準備をする。
俺は10分で終わったのだが梨華ちゃんは一向に終わる気配がない。
さらに20分後、やっと出てきたと思ってたら、俺はビックリした。
「梨華ちゃん、きれいだね」
そう、梨華ちゃんは化粧をずっとしていたのである。
「えへへ、恥ずかしい」
「いや、きれいだよ」
「俊祐さんに言われると嬉しいな」
「じゃあ行こう」
「はい」
大学の入学式に向かう俺と梨華ちゃん。
84 :
MARIA:02/08/10 17:09 ID:luuqDgHe
更新終了
う〜ん。なんか眠い。
85 :
コンボ:02/08/10 21:19 ID:wDW+TTNc
>>79より
9
大会当日は早起きすることに決めている。
その方が体が動くのだ。
しかし、5時には起きるつもりが目が覚めたら6時を回っていた。
集合にはかなり間があるが、相当後悔した。
――もっと早く寝ればよかったかな。
手早く朝食を食べて、出かける準備を始めた。
遅く起きたことで、自然と焦ってしまう。
7時半になったので、竹刀と防具袋をつかんで家を出た。
空気はまだ少し冷たい。
面倒くさくて普段はつけないバッジが、朝日に反射して光っている。
8時になる前に、駅に着いた。
部員はあらかた来ていたが、辻を始め女子が数人いない。
8時を少しすぎた辺りで、甲高い声が聞こえてきた。
「すいませーん、遅れましたー」
残りの女子が固まって、小走りでやって来た。
「反省の色無しだな」
俺より先に来ていた大山が、呆れ声を出した。
事実、女子たちは笑顔で顧問に謝っていた。
86 :
コンボ:02/08/10 21:20 ID:wDW+TTNc
会場までは、30分ほど電車に乗って行く。
邪魔っけな物を持った剣道部員がラッシュ時に大量に乗りこむため、ただでさえ狭苦しい車内は身動きが取れなくなる。
女子は、電車の中でも喋りつづけていた。
人が多い割に静かな車内では、喋り声がよく響く。
「去年個人でベスト4入ったのって足立くんだっけ?」
「そうそう。ヤバかっこいいよね」
女子は去年の私学大会について盛りあがっている。
「え、だれだれ、足立くんって」
去年の私学大会の頃はまだいなかった辻が、大声で訊いた。
「去年ね、中二で個人の部に出場して、ベスト4に入った人」
「その人ね、ヤバかっこいいの、マジで」
周りの女子は熱っぽく説明した。
「そうなんだ」
辻は肩透かしを食らったかのように答えた。
「ののもね、見たらビックリするぐらいかっこいいよ」
「ふうん」
辻は気の抜けた返事をした。
87 :
コンボ:02/08/10 21:20 ID:wDW+TTNc
会場は、駅を降りてすぐの高校の体育館だった。
女子達は改装してるとかなんとか言って、まだ盛りあがっている。
俺達と同じような格好をした中学生が、どんどん校舎に入っていく。
それを見て、顧問が慌てて入り口まで行って申し込みを済ませた。
体育館は校舎の中にあり、かなり立派だった。
応援用、準備用の二階席もある。
だだっ広い館内では、すでにアップを始めているところもあった。
「ちょっと遅れたかもしれん」
顧問は部員を集めてそう言うと、自分達の二階席と女子更衣室を指差して、役員席へ走って行った。
人手が足りないらしく、顧問は大会の役員をやることになっている。
中学部長の服部が先導して、二階へ上がった。
切れ長の目をしている服部は、いかにも知的な顔立ちだ。
てきぱきと部員全員を誘導して、自分もさっさと着替えを始めた。
女子は更衣室があるが、男子は応援席で着替えなければいけない。
俺が胴着を取り出す頃には、服部は着替え終わっていた。
「それじゃ、先に下降りてるから」
そう言い残して、服部は防具と面を持って下へ降りて行った。
大山は服部のことを人嫌いだと言っているが、俺は結構服部の人柄を気に入っている。
なあなあのリーダーよりはよっぽど良かった。
ここまでです。
15日までは帰省するので、更新できません。
88 :
剣士:02/08/10 22:06 ID:IbkUm1ES
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1028689392/34-35の続き 梨華は、1週間で退院できた。
退院祝いに、なつみの店で、客も混じって騒いだ。梨華も楽しそうだったのでよかった。
それからというもの、俺の梨華に対する態度、梨華の俺に対する態度が変わった。
大きく変わったわけではないが、俺が怒鳴ることもなくなり、梨華もビクビクすることがなくなった。
ある日俺が学校から帰った時なんか、
「ただいま〜・・」
「おかえりなさ〜い!会いたかった〜!」
梨華が飛びついてきた、が俺はそれを振り払い
「んなことより、メシだメシ!腹減った〜」
俺のこのムードのかけらもない一言。
「んもう!知らない!」
梨華はふくれっ面になりながら座り込んでしまった。
これはまずい!と思った俺は
「ご、ごめん・・・」
と、梨華を抱きしめた。すると梨華は赤面、そして機嫌が直ってしまう。
「は〜い!ご飯なら作ってたよ〜!」
単純明快。まさにその言葉があいそうな性格。
性格がつかめれば疲れないから、前みたいにビクビクされよりマシだった。
でも、俺は幸せ、というものの良さを実感していた。
一人じゃない、楽しい、ちょっと疲れるけど、家に帰るのが楽しみになった。
だが―――――――――。
そんな幸せな時間も、すぐになくなってしまうことになる。
更新終了です。
89 :
ラムザ:02/08/10 22:17 ID:/+a5AqIU
>>75から
俺「いってぇーーー!!!」
無防備なところへの突然の一撃に、涙目になりながら振り返るとそこには笑顔の真里がいた。
真里「キャハハ!ごめん、痛かった?」
笑いながら俺の肩をバンバン叩いてくる。
言葉では謝っているが、態度は全然謝っている者のそれではなかった。
さすがに温厚な俺も怒って真里を責め立てる。
俺「痛いに決まってるだろ!バカかお前!」
俺「せっかく気持ちよく寝てたのになんなんだよ!」
真里「ごめんごめん、なんか誰でもいいから殴りたい気分でさ〜!」
相変わらず反省の色は見られない。
なんだか説教するのがバカらしくなってきた。
「適当に相手するモード」に変更だ。
俺「だからって俺を殴るなよ…サンドバッグでも叩いてろ…」
真里「あ、もうサンドバッグは殴り飽きたから。
そろそろ本物の人間を相手にしたいな〜、と思って」
恐ろしいことをさらっと、しかも笑顔で言ってのける。
矢口のおじさん、娘の育て方間違えてますよ…(泣
90 :
ラムザ:02/08/10 22:18 ID:/+a5AqIU
俺「大体なんでお前がこんなに朝早くに来るんだよ?
いつもは俺と同じくらいギリギリに来る癖に…」
真里「今朝は朝稽古してきたのよ」
俺「朝稽古?」
真里「そ。昨日偶然師範に会っちゃってさぁ。
久々に朝稽古にでてこいって言われちゃったのよ」
俺「師範か…まだ朝稽古するほど元気なのか…」
師範というのは俺達が通っていた紺野流合気道道場の道場主・紺野剛三のことで、
若い頃には素手で月の輪熊で倒したとか、猛牛を倒したとか、数多くの伝説を持っている人らしい。
昔は何度か組手をさせてもらったこともあるが、当然全く歯がたたなかった。
もう既に70歳を超えているはずだが、未だに現役だったのか…
91 :
ラムザ:02/08/10 22:19 ID:/+a5AqIU
俺「んで、朝稽古って何したの?」
真里「早朝マラソンに始まって、柔軟とか受身をやってから
片手取りとか肩取りとかの基本を一通り。
あとはサンドバッグ叩いてた」
俺「待て待てぃ!!
なんで道場にサンドバッグがあるんだよ!」
たしかに合気道は当身7割とも言われる格闘技だが、
サンドバッグを使っての練習というにはしたことがない。
普通は合気道の道場というのは畳が敷いてあるだけで、
サンドバッグはもちろん余計な物は一切置いていないはずである。
真里「ほら、今はK-1だとかPRIDEだとか流行ってるじゃない。
門下生獲得のために打撃系の練習も始めたの」
総合格闘家にでもなるつもりですか?
真里「それで朝からテンション上がっちゃってねぇ。
学校まで走ってきたら教室であんたが寝てたから思わず殴っちゃった♪」
思わずっておいおい…
92 :
ラムザ:02/08/10 22:21 ID:/+a5AqIU
ここまでです。
>>コンボさん
一応定期更新(仮)くらいにしといて(w
ゆっくり帰省してきてください。
でも早く帰ってきてね…
自分も帰省しなきゃな。
93 :
:02/08/10 23:24 ID:IMdTFOr0
>真里「ほら、今はK-1だとかPRIDEだとか流行ってるじゃない。
門下生獲得のために打撃系の練習も始めたの」
総合格闘家にでもなるつもりですか?
このさりげなく入れられる細かな笑いが(・∀・)イイ!!
94 :
MARIA:02/08/11 07:35 ID:pNftKCDN
>>84からでございますぅ〜
大学には電車で行く。
別にバイクで行くのもいいのだが、愛ちゃんとの件もあるのでやめておいた。
「混んでるね、ここ」
「そうだね」
ここは普通満員電車にならないのだが
たぶん大学の入学式の関係で、人が一気に来たからであろう。
「ねえ」
満員電車を見て、梨華ちゃんが俺に話しかける。
「手つながない?」
「えっ!なんで?」
「はぐれたら俊祐さん困るでしょ?」
梨華ちゃん、子供じゃないんだから…
でも、そんなことも悪くないなと思い
「いいよ」と言って、梨華ちゃんと手をつないだ。
梨華ちゃんの手は柔らかい。
俺はドキドキしながらも、梨華ちゃんと共に満員電車に突っ込んでいった。
95 :
MARIA:02/08/11 07:39 ID:pNftKCDN
満員電車に悪戦苦闘しながらも、大学の最寄り駅につく。
俺はもういいかなと思って手を離そうとすると…
「……離れないで…」
梨華ちゃんが切ない声で下を向きながら言ってくる。
「離さないで…お願い」
そう言うと俺の手を強く握った。
「わかった」
そんな梨華ちゃんにおされて、この言葉しか出ない。
こうしてこのまま手をつないだままで大学内に入った。
大学に入ると、梨華ちゃんと別れ、入学式が始まった。
学長の長〜い話を上の空で聞いていると、誰かが俺の肩をツンツンとたたいてきた。
言ってなかったが、梨華ちゃんとは学部が違う。
……ってことは…誰?
「シュン?シュンだよね?」
えっ?誰?
「まさか忘れた?美貴だよ、藤本美貴」
「美貴ちゃん?」
そう、俺の隣にいたのは幼なじみの藤本美貴ちゃんなのである。
俺と同い年で、小さい頃はよく姉ちゃんと一緒に遊んでた。
でも、高校は二人とも違う学校に進学。
しかも、俺は部活に明け暮れていたので会う時間なんて全くなかった。
姉ちゃんから大学に入ったと言うのを聞いたが…まさか俺と同じ大学とは…
更新終了
前も言いましたが、実年齢は無視してください。
96 :
こうもり:02/08/11 12:51 ID:WHqc+uRb
「これなんだけど」
俺は愛ちゃんに絵を渡す。
愛ちゃんは何も言わずにじっと絵を見ている。
「この絵自分の家に飾ります、そうすればカズさんと
いつも一緒にいるように思えるから」
愛ちゃんはそう言うとその絵を大事そうに抱える。
97 :
こうもり:02/08/11 12:52 ID:WHqc+uRb
「気に入ってくれたんだ」
「はい、すごく」
「それは良かった、それじゃあそろそろ夕食でも作ろうか」
「今日も教えてくださいね」
「もちろん」
俺と愛ちゃんはキッチンに行き夕食の準備を始める。
更新終了。
98 :
TMC:02/08/11 21:21 ID:haWeYriF
>>71からです。
リビングに戻り一人でソファーに座っていると
「慎ちゃん、ありがとう。」
「おう、いいってことよ。あ、梨華。」
俺は言いたいことがあったけどやっぱり言わないことにした。
変に意識してしまうとこれからの生活が大変だから
でも、男一匹に女3人は普通に暮らしにくいかもしれない。
梨華は不思議そうな顔で俺を見ている。
ふと、幼い頃の記憶が頭の中に蘇ってきそうになった。
あの時は普通に言えたこの言葉なのに。
「私の顔に何かついてる?」
「別に、何でもないや。」
今は言わないでおこう、少し恥ずかしいし。
もう少しこの生活に慣れてからでも遅くはないだろう。
その時までとっておく、このセリフは。
「可愛くなったな、梨華。」
99 :
TMC:02/08/11 21:21 ID:haWeYriF
窓から射している太陽の光が部屋の中心を照らしていた。
でも、その角度はいつもと違った。部屋も違った。
・・・ん?・・・朝だ。
どうやらそのままソファーで眠ってしまったらしい。
「おはよう慎ちゃん。」
あれ?こんなアニメ声の家政婦なんていたっけ?
それに慎ちゃんって呼んでる。
少しずつ目を開けると梨華が立っていた。
そうだ、今日から本格的に一緒に暮らすんだ。
「おぉ、おはよう。」
「早くしないと学校に遅れちゃうよ。」
梨華は制服の上にエプロンを着ていた。
朝食でも作っていてくれたのであろうか、それにしても可愛い。
「バカ慎一、寝坊だぞ。」
亜依の声は少々耳障りだったけど
俺を正気に戻してくれたのでありがたいかも。
100 :
TMC:02/08/11 21:22 ID:haWeYriF
きょうはここまでです。
>>95の続きぃ〜!
入学式は何事もなく、無事に終了。
梨華ちゃんとは校門で会う予定になっている。
俺の隣には美貴ちゃんが立っている。
「ねえ、このあとヒマ?」
美貴ちゃんが聞いてきた。
「ん?ヒマだけど何かあるの?」
「久しぶりにお話ししたいなと思うんだけど」
「俺はいいけど、梨華ちゃん大丈夫かなぁ?」
「梨華ちゃん?」
「ああ、俺のマンションで一緒に住んでいる子で、この大学の1年生だよ」
「えっ!同棲?彼女?」
「違う。二人きりじゃないし、もう一人いて3人暮らし。彼女じゃないよ」
「ふーん、そうなんだ」
なんか嬉しそうだ。なんで?
「俊祐さ〜ん!」
遠くから独特の高い声が…
「梨華ちゃん、こっちこっち」
呼び寄せると、美貴ちゃんがちょっと不機嫌になっちゃった。
梨華ちゃんも美貴ちゃんに気づくと不機嫌になった。
なんか悪い事したかなぁ〜?
「俊祐さん、この人は…」
「ああ、俺の幼なじみ。藤本美貴ちゃん。偶然だけど、さっき会ったんだ。」
「藤本です。よろしく」
握手を求めてる。
「石川梨華です。よろしくね」
二人は握手している。
「ねえ、美貴ちゃんと喫茶店に行くんだけど、梨華ちゃんも行く?」
「うん、いいよ」
「じゃあ決まりだね。梨華ちゃん、シュン早く行こう!」
5分後
俺達は喫茶店について、楽しくおしゃべりしている。
「でも、ビックリした。シュンと同じ大学だなんて」
「そうだね」
「2人とも知らなかったの?」
「うん、俺たち高校違ったし…会わなかったから。部活忙しかったし」
「何の部活やってたの?」
「バレーボール」
すると美貴ちゃんが驚いた顔をした。
「美貴ちゃん、どうした?」
「私も高校はバレーだったよ」
「うそ!マジで?」
「うん」
「すごい偶然だね。私はテニスやってたんだよ」
「だから梨華ちゃん色黒いんだ」
「もう、美貴ちゃん言わないでよ。気にしてるんだから」
とまあこんな会話を交わしていると、あたりはもう夜。
「帰ろうか?ご飯もあるし、愛ちゃん心配するよ」
「ああ、そうだね。じゃあ俺たち帰るよ」
「その前に携帯番号教えて」
「いいよ」
俺達は番号を交換している
「そんじゃあね」
「うん、明日大学でね」
俺は梨華ちゃんと共に帰りにつく
更新終了
103 :
ラムザ:02/08/12 09:33 ID:cAbWkH05
>>91から
真里「あんたの方こそなんでこんな朝早くにいるの?」
俺「単なる気まぐれだよ。珍しく早く目が覚めたんでな」
イチイチ説明するのはあまりに面倒なので適当にあしらうことにした。
愛ちゃんのストーカーの話もまだ確定というわけではない以上、
正直に話して真里にまで頭を突っ込まれるのも厄介だというのもある。
真里「そんなわけないでしょ。
じゃあごっつぁんはどうしたのよ?」
俺「あ!…」
やはり俺は嘘つきには向いていないらしい…
真里「私に嘘はつくなって…前にも言ったわよねぇ?」
真里の瞳があやしく光る。
俺「ごめ……んがっ!!!」
俺が謝るより早く、みぞおちに鈍い衝撃が走った。
104 :
ラムザ:02/08/12 09:34 ID:cAbWkH05
真里「へぇ、あの子にストーカーねぇ」
俺「まだ確定じゃないからな」
結局今回の件の洗いざらいを説明した。
その間5分くらいだったが、教室はまだ二人っきりである。
ウチのクラスの奴らは一体いつになったら来るんだ?
真里「たしかにあの子かわいいもんね」
俺「だろ?」
真里「でもあんたみたいな腰抜けにボディガードなんてできるの?」
俺「わかんないけど、一人歩きよりは男連れの方がそれなりに安全なんじゃないか?」
真里「じゃああんたこれからずっと一緒にいないといけないじゃん」
俺「それはそうなんだが…さっきも言ったけどまだ確定じゃないし、
まぁとりあえず一週間様子見ってことで」
ここでようやく3人目が教室に入ってきたのでストーカー話は終わりになった。
真里に「私も一緒にボディガードやる」なんて言われそうで怖かったが
何もなくてよかった。
ここまでです。
105 :
こうもり:02/08/12 12:32 ID:JqYMln+F
「愛ちゃんのお母さんってどういう人?」
夕食も食べ終わり、俺と愛ちゃんはリビングのソファーでくつろいでいた。
もちろん愛ちゃんは俺の隣にぴったりくっついている。
「え、どうしたんですか、急に?」
「会うことになると分かったら、やっぱり少しでも知っておきたくて」
俺がそう言うと愛ちゃんはしばらく考えてから
「別に普通だと思いますよ」と言う。
106 :
こうもり:02/08/12 12:33 ID:JqYMln+F
「そうなんだ」
「ええ、だからそんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
愛ちゃんはさらに俺の胸に顔を埋めながら
「私がついてますから安心してください」と言う。
「わかった」
俺は愛ちゃんのことを抱きしめながらそう言う。
そしてその後愛ちゃんの唇にキスをする。
「じゃあそろそろ寝ようか?」
「はい」
愛ちゃんは俺の手を握り、そう答える。
更新終了。
107 :
剣士:02/08/12 21:50 ID:lCaa6mdF
>88の続き
しばらくした、曇りの日。
俺は朝からバイトに行く準備をしていた、とそこに・・・
「涼さん、お出かけですか?」
梨華がエプロン姿でひょっこり現れた。しかも手には箸。
「昨日言っただろ?バ・イ・ト!」
俺が少しでもキツク言うと。梨華は頬をプク〜っとふくらませてしゃがみ込む。
「いいじゃん・・何度聞いても〜・・」
こうなったらなかなか梨華は立ち上がらない。やっかいな代物である。
「ごめんよ・・・じゃあ、俺行くよ・・」
俺がバイクのキーを持ち、階段を下りていこうとした時、梨華が服をガッシリつかんだ。
「おいおい・・・バイト遅れるから、な?」
俺がなだめても、梨華はまだふくれている。
「じゃあ、約束してよ!今日は・・・一緒に寝ようね♪」
俺は急いでいたせいもあったか
「いいよ・・・約束な」
と、安請け合い。いい加減な性格がこういう時に損をする。
「行ってらっしゃい!今日はカレー作って待ってるからね〜!」
アニメ声が外にまで響き渡る。朝っぱらからデカイ声・・・ご近所にバカヤロー!とか言われそうだ。
そして俺はバイクを飛ばし、バイト先に向かってる途中、雨が降ってきた。
「ヤバ・・・ずぶ濡れになる前に行かなきゃ・・・」
俺が速度を上げて、急いでいたその時、前でトロトロしてるバイクが。
「・・・!ヤバイ、かわさないと!」
108 :
剣士:02/08/12 21:51 ID:lCaa6mdF
俺は必死に横へ進路変更。なんとか回避した・・と思ったその時、前から車が―――――――――!
しかもこっちへ向かってくる。どうやら、気づいてない所を見ると、居眠り運転みたいである。
「く・・!かわせるか!?」
俺はハンドルを必死にきった。がその時だった。
「ヤバイ!スリップする!」
俺が気づいた時は、もう遅かった・・・。
雨で路面が濡れていたこと、車、バイクのダブル回避で、ハンドルを思い切りきったこと。
不運が重なったおかげで、俺はハンドルから手を離してしまい、道路に叩きつけられた・・・。
俺はもうろうとしながら、道端に移動した。
「ハァ・・フゥ・・ち・・くしょ・・何でだよ・・っ!ゼェ・ハァ・・・せっか・・・く・グッ・・・梨・・・華と・・幸せに生・・活でき・・ると・・思っ・・・うぐッ!」
俺はそのまま倒れ込み、意識をなくした。その後・・・救急車はすぐに来てくれたが、俺は重体だった。
そして家では、梨華がくつろいでいる時に電話が鳴った。
「もしも〜し!あ、安倍さ〜ん!どうしたんです・・・はい?え?涼さんが・・・事故!?重体!?」
「うん・・・バイクで、事故にあったって・・・今、○○病院で・・手術中なの・・」
電話の向こうのなつみの声は、小さく、震えていた。
梨華は、すぐに電話を切り、雨の中、涙をこぼしながら病院へ走った。こう呟きながら・・・。
「涼さん、ヤダよ・・・ずっと、ずっと一緒にいようって・・言った・・じゃ・・ない・・!」
更新終了。
【海と空の間に】
休みの日1人で青空と海が混ざっている所を見つめていた。
こっちに出てくる前は空と大地の混ざっている所を見つめることはあったけれど
海と空が混ざる所は見る機会が無かった。
どこからが海で、どこからが空だかわからない。
実際には混ざっているわけじゃないのに─
それでも区切りのつかない所が曖昧な感じだけど、その曖昧さが
自分のココロの中にある物と、どこか重なる物があるのかな?
目線を上にあげれば突き抜けるような青い空が広がり鳥は翼を広げ飛んでいる。
目線を下げれば吸い込まれそうな青い海が広がり魚は泳いでいる。
どちらも自分の居る世界と違う。
その二つが合わさったような空と海の混ざった所には何が住んでいるのだろう?
曖昧な場所こそが私達の住む世界なのかもしれない・・・
翌日、楽屋でこのことをのんちゃんに話してみた。
「いいらさん。意味わからないよぉ。」
φ(´D`;) <終わり。っと。
110 :
TMC:02/08/12 22:08 ID:9hn8NStH
>>99からです。
立ち上がり大きなあくびをする。ベッドだったらもっとぐっすり眠れたかも、、、
テーブルを見るとすでに朝食が並べてあり、
亜依がそれらをパクパク食べていた。
「あれ、保田さんは?」
あの保田さんも寝坊とかするのかな?
「圭ちゃんは仕事があるからってもう行っちゃった。」
梨華がいつの間にかテーブルについていた。
「ネボ助は慎一だけやで。」
「朝から一言余計なんだよ。」
このままでは亜依とまたケンカしそうだったので、
俺はとりあえず洗面所へ行くことにした。
111 :
TMC:02/08/12 22:09 ID:9hn8NStH
まだ少しだけ眠かったけど冷たい水で目を一気にこじ開けた。
いつもとは違うはずの朝の光景
だけど何となく懐かしい感じがしたのは気のせいだろうか。
それから二階の部屋に行き制服に着替え、
下のリビングに戻ってテーブルについた。
「そう言えば、材料ってあったのか?」
昨日は引っ越しが済んだばっかりで冷蔵庫の中は空っぽだった。
「圭ちゃんが野菜とかお肉とか色々持ってきてくれたの。」
なるほど、それなら納得がいく。
ご飯にみそ汁、納豆、卵焼きと何とも家庭的な朝食
どれを食べてもおいしい。
「梨華って料理うまいんだな。」
「ありがとう。、、、いっぱい練習したんだよ。」
「練習って、料理のか?」
俺が食べながら話すと、亜依がこっちを睨んできた。
「汚い食べ方やなぁ、もっと行儀良く食べんかい。姉ちゃんは家で
花嫁修業を一通りやったんや。当然料理も。」
自分のことではないのに亜依が誇らしげに言う。
しかし、花嫁修業とはこれまた古風だな。
石川のおっちゃんも変な所にこだわるんだよな、昔から。
「花嫁って、お前もう結婚すんのか?」
みそ汁をズズーッとすすりながら聞いた。
112 :
TMC:02/08/12 22:21 ID:9hn8NStH
忘れてた。今日はここまでです。
>>66-67のつづき
---------------
「おかえり」
学校から帰ると、当然のことながら矢口がいた。
僕は今日からこの女と同居しなければならないのだ。
矢口は僕に小さな尻を向けてベッド寝転がり、雑誌のようなものをめくっていた。
こちらを見ようともしない。
この家に転がり込んできたのはつい昨日のことなのに、たいしたリラックスぶりだ。
ある意味うらやましいが、こうなりたいとは思わない。
「ちょっと着替えてくるから」
僕がそう言って部屋から出ようとしたとき、背中で矢口が言った。
「へー、マサトってこういう娘がタイプなんだね」
何を読んでるのだろうと思ってよく見ると、それは僕がベッドの下に
隠していたはずのエロ本だった。
「ほら、このページ勝手に開くよ。『ペッティング娘。矢内真美』だって。
この人ちょっと矢口に似てない?」
僕はあわてて矢口の手からエロ本をひったくり、ゴミ箱に投げ捨てた。
「あーん見せてくれたっていいじゃんよぉ」
「よくない! こういうのは女が見つけても知らんぷりしてるもんなんだよ」
「えーつまんなーい」
「そういう問題じゃない」
僕は冷たく言い放ちながら、机の引き出しに隠してるビデオも処分しなければと思っていた。
----------
1レスで更新終了
新人さんがんばってるし
だんだん物語も進んで来て楽しみになってきた
我犬さんの短編は飯田のキャラが出ていて文章も読ませる
まさに飯田が思っていそうな感じがする
辻の一言が落ちになってておもしろかった
作者のみなさんお盆なのにごくろうさまです
それなのにレスが少ないのはお盆で読者が少ないからかな
>>102の続きやで〜!
家に着くと、愛ちゃんが待ってましたと言わんばかりの笑顔で出迎えてくれた。
「もお〜!梨華さんもぉ〜シュンさんもぉ〜遅いですよぉ〜!」
「ごめんね愛ちゃん、ご飯作るから」
「早くしてくださいねぇ〜!あ、シュンさんお話しましょぉ〜!」
そういって俺の腕を引っ張り、半ば強引に座らせる。
そういえば、いつから梨華ちゃんがご飯作る担当になったんだろう?
「大学でぇ〜何かありましたぁ〜?」
唐突に言われても困ったが、とりあえず返事しておく。
「いや、別に何もないけど」
「そうですかぁ〜(よかったぁ〜)」
どうやら愛ちゃんは大学でナンパされたかってことを聞きたかったらしい。
「ん?何か言った?」
「えっ!何も言ってないですよぉ〜」
梨華ちゃんはご飯を作っていながらも、こちらの会話が気になるらしくチラチラ見ている。
更新終了
もし、都合がよければ夜にもう一度更新します。
>TMCさん、おもしろい!今後の展開に期待!
>smileさんもおもしろい!
>剣士さん、さすがプロ級!
>我犬さん、祝復活!
>こうもりさん、続き期待!
みなさんすごいですねぇ〜!
>>116 ごめんなさい
コンボさんも実力派!最高!
ラムザさんも面白い!
と、つけたしてください。コンボさん、ラムザさんすいませんでした。
118 :
こうもり:02/08/13 11:45 ID:9KvOvFVA
それからは特になにもなく一日一日が過ぎていった。
そして、いよいよ愛ちゃんのお母さんと会う二月二十八日がやってきた。
「さあ、愛ちゃん今日はがんばろうね」
「はい」
愛ちゃんは腕まくりをして気合を入れている。
「じゃあ俺はここで見てるから」
俺はテーブルの椅子に座りキッチンの方を向いている。
「本当に何もしてくれないんですか?」
「うん、今日は口も手もださないから、でも昨日までに教えた事をちゃんと
出来れば大丈夫だよ」
119 :
こうもり:02/08/13 11:47 ID:9KvOvFVA
「わかりました、頑張ります」
愛ちゃんはそう言うと包丁を持ち料理を始める。
俺はその姿をじっと見ている。
愛ちゃんの包丁捌きはなかなかのもので一月前とは考えられないものだった。
後は味付けだな。
愛ちゃんは肉じゃがを作るための材料を全て切り終わり鍋に火をかけた。
教えたとおりに出来るか、俺はじっと愛ちゃんの手つきを見ていた。
おお、その調子。
愛ちゃんは俺が教えたとおりに順調に味付けをしている。
この調子なら大丈夫だろう。
俺は安心して愛ちゃんのことを眺めていた。
更新終了。
120 :
nana:02/08/13 21:13 ID:C5SlGIF5
やっぱり我犬さんが最高やね。
他の作品とネタがかぶったりすることがない。
別にアンチではないが他の作者は強引すぎるところがある。(全員ではないが)
いきなり親の言い付けで理由もわからず一緒に暮らすことになったり。(しかもかぶってたり)
その時点で俺は読む気がなくなる。(なら読むなと言われるだろう)
小説書くなら
細かく設定してくれ。かぶらないでくれ。
妄想を書きたいだけなら小説にしないでくれ。
以上、
アンチではないが気にかかったことがある、昔は妄想ひとつにも細かく設定をしていた、
批判だけは言って自分は文章をかけない、夏房と自覚していない夏房一読者より。
>>120 >夏房と自覚していない夏房一読者より。
自覚しとるやん(w
>>120 ここでやんな!
夏厨はマナーも知らないで暴れるからウザがられるんだぞ
とマジレス
123 :
ラムザ:02/08/13 21:33 ID:fx3b923L
>>104から
俺「ふわぁーあ!」
1回大欠伸をしてから伸びをする。
やっぱり寝るってのは気持ちいい。
午前中の授業は暖房の温もりに包まれて熟睡してしまった。
和也「飯行こうぜー、聰!」
いつものように昼飯を誘いに来た和也もおでこに本の跡がついている。
俺も自分の顔を確認してみる。
俺「おう!…と、ちょっと待って」
ポケットで携帯のバイブが鳴っている。
こんな昼間に電話がかかってくるのは珍しい。
何かの勧誘かと思って画面を見てみると着信は愛ちゃんからだった。
慌てて電話に出る。
俺「もしもし!!どうかした!?」
愛「え!?べ、別に何もないよ…」
俺「そ、そっか…」
俺の危機迫る声で逆に愛ちゃんを怖がらせてしまったらしい。
ストーカーに襲われでもしたのかと焦ってしまったが
よく考えれば学校にいる分には安全だ。
寝起きで頭が働いていないようだ。
俺「で、どうしたの?」
124 :
ラムザ:02/08/13 21:33 ID:fx3b923L
俺達の学校には4つの学生食堂がある。
・定食系の第1食堂
・洋食系の第2食堂
・ファーストフード系の第3食堂
そして、
・アジア料理からアフリカ料理まで無国籍の第4食堂
である。
第4食堂、通称4食はその独特なメニューと雰囲気、値段の高さのために大抵すいている。
いや、正確にはすいている「らしい」だな。
俺は中学から通してこの4年間で1度も訪れたことがないのだから。
今日が初訪問というわけだ。
125 :
ラムザ:02/08/13 21:34 ID:fx3b923L
午前中の授業が終わった後に電話で愛ちゃんに呼び出された。
一緒にお昼ご飯を食べよう、ということだったが、
ついでにストーカーの話も詳しく聞いておこうと思い、出向いてきた。
朝は全然話ができなかったからな。
…俺が悪いんだけど。
4食の前に行くと愛ちゃんが1人で待っていた。
俺の姿に気付くと笑顔で小さく手を振ってくる。
俺「ごめん、待った?」
愛「ううん、今来たとこやよ。さ、行こ!」
そう言って腕を組んでくる。
俺「いやいや、恥ずかしいよ」
愛「大丈夫、誰も見てないから」
腕をほどこうとする俺にニッコリと微笑みかけてくる。
思わずドキッとしてしまう。
誰かが見てるとかそういう問題じゃないんだが…
しかし女らしいというか色っぽいというか…本当に中学生か?
俺は腕を諦め、一緒に歩き始めた。
126 :
ラムザ:02/08/13 21:35 ID:fx3b923L
ここまでです。
>>117 取ってつけんで下さい(w
127 :
TMC:02/08/13 21:45 ID:ZjxbQMfJ
>>111からです。
食卓が静かになった、俺のみそ汁をすする音だけが響いていた。
「別にそう言うわけじゃないの、ただもう17歳だからって。」
「フーン、んじゃごちそうさん。梨華も早く食えよ。」
「うん、学校遅刻しちゃうからね。慎ちゃんも一緒に行くよね?」
思いも寄らない一言が梨華の口から聞こえた。
俺はてっきり別々に登校するものだと思っていたけど
どうやら梨華は一緒に登校する気らしい。
一瞬だけどうするか迷ったがここから学校も近いし
変な風にも思われないだろうと思い一緒に行くことにした。
「わかった。じゃあ、あと10分以内な。」
「え〜、ちょっと待ってよぉ。」
俺が梨華をからかっているといつの間にか亜依がいなくなっていた。
その時玄関の方から声がしたので行ってみたら
亜依がちょうど靴をはいて、これからまさしく登校といった様子だった。
128 :
TMC:02/08/13 21:46 ID:ZjxbQMfJ
「亜依はうちの中等部なんだろ?一緒に行かないのか?」
「う、うちは一人で行くからええねん、、、」
亜依にしてはめずらしく焦りながら答えた。
「じゃ、じゃあ行って来るね。」
「お前なんか隠してないか?」
その様子に疑問を持ったので聞いてみたら焦りが増し、顔が赤くしている。
「か、か、隠し事なんかしてへんで。じゃ、じゃあね。」
ものすごいかけ足でドアを開け飛び出していった。
あやしいな、あれは何か隠しているぞ。
もしかして亜依にも好きな男の子とかできたのかな?
転校二日目にして惚れてしまうとは早いな。
うんうん、若いって素晴らしいな。俺も17だけど
そんな妙な気分に浸っていると視線の隅に何かが映った。
カバンだ。これって確か中等部のやつ、、、
はぁ!?亜依のやつカバン持たずに学校行ったのか?
時計を見るとまだ5分ぐらいなら時間がある。
「梨華、ちょっと外出てくるから。3分で戻る。」
「外ってもう私も準備できたよ。じゃあ玄関で待ってるから。」
意外と落ち着いた梨華の態度に多少驚きながらも俺は走った。
129 :
TMC:02/08/13 21:46 ID:ZjxbQMfJ
本日はここまでです。
130 :
:02/08/14 00:33 ID:TzY3vLZo
面白くなってきた予感
>>116の続き
そのあと3人でご飯を食べて、今日も愛ちゃんが洗い物をしている。
当然のごとく俺と梨華ちゃんはリビングで話しこんでいる。
よく考えたら食事前は愛ちゃん、食事後は梨華ちゃんと話をするのがなんか決まっちゃっている
2人ともかわいいし、両手に花ってやつだな。
「俊祐さん、明日大学午前中で終わるでしょ?ちょっとお買い物に付き合ってくれない?」
「いいよ」
「やったぁ!じゃあ12時半に門で待っててくれる?」
これってデートみたいなもんだよね?ちょっと嬉しいかも。
この後、その話を聞いた愛ちゃんが
「私もぉ〜行きたい〜」と言っていたけど、梨華ちゃんが
「ダメ。この前2人で出かけたでしょ。だから今度は私の番」
と言って、3人で行くのを拒んでた。
愛ちゃんはしぶしぶ納得してくれたが、ずっと不機嫌だった。
さらに夜も深くなって、部屋のベッドで寝てると…
コンコン
「どうぞ」
上の空でそういってドアに目を向けると、パジャマ姿の愛ちゃんが立っている
「ちょっといいですかぁ〜」
「いいけど」
俺は体を起こして、愛ちゃんのほうをむく。
愛ちゃんは俺が体を起こすのを見ると、俺の隣に腰かける。
「あのぉ〜、えっとぉ〜…」
「なに?」
「あのぉ〜、梨華さんのことどう思いますか?」
「梨華ちゃん?元気で楽しい子だなって思うけど」
「そうじゃなくてぇ〜…」
「そうじゃなくて?」
「もういいですぅ〜!後でわかることなんでぇ〜」
俺は愛ちゃんが何言ってるのかよくわからなかったが、
後でわかると言われたので、そんなに気にしないことにした。
「私もう寝ますぅ〜明日早いんでぇ〜」
「そうだね。おやすみ」
「おやすみなさ〜い〜!」
愛ちゃんは部屋に戻っていった。
さっきの会話はよくわからなかったが、
(愛ちゃんのことだから何かあったのだろう)
と思って、深い眠りにつく。
次の朝
朝食をすませ、梨華ちゃんと大学へ行き
講義をボーっと聞いていると、あっという間に午前中が終わった。
俺は約束通り門にいる。
梨華ちゃんはまだ来ない。
待っていると、美貴ちゃんが話しかけてきた。
なんか嫌な予感がする……
更新終了
134 :
こうもり:02/08/14 13:14 ID:0FE4Kcg2
そう言いながら愛ちゃんは俺の方に駆け寄ってきた。
「味見してください」
愛ちゃんは出来上がったばかりの肉じゃがを俺に差し出す。
「わかった、じゃあいただきます」
俺はそう言って箸でジャガイモをつまむ。
「うん、おいしい」
「本当ですか?」
愛ちゃんは嬉しそうな顔で俺を見る。
「本当だよ、ちゃんと俺が教えた通りに出来てるよこの調子で頑張ってね」
「はいわかりました」
そう言うと愛ちゃんはまたキッチンに戻る。
135 :
こうもり:02/08/14 13:15 ID:0FE4Kcg2
「よし、完成」
俺はその声を聞いて、椅子から立ち上がりキッチンの愛ちゃんの横に近寄る。
「全部出来たんだ」
「はい、なんとか一人で出来ました」
愛ちゃんは凄く満足しているようだ。
「後はお母さんが来るのを待つばかりですね」
「あ、ああそうだね」
俺はもうすぐ愛ちゃんのお母さんが来るというのでどんどん緊張してきた。
「ちょっと、外の空気を吸ってくる」
緊張を抑えるために俺はベランダに出て大きく深呼吸をする。
更新終了。
136 :
ネオ生茶:02/08/15 00:05 ID:A5ZERk/3
137 :
ネオ生茶:02/08/15 00:08 ID:A5ZERk/3
それから、少しして、愛ちゃんのほうから起きた。
「愛ちゃん……起きた?」
と、ボクが聞くと、
「うん」
と、微笑みながら言った。
「じゃあ、起きようか?」
と、ボクは上半身だけ起こした。
すると、
「ダメぇ〜!」
と、愛ちゃんが抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと、愛ちゃん?」
と、ボクが言うのも聞かず、愛ちゃんはボクをまた寝かす。
「お兄ちゃん、もうちょっと寝てようよ〜!」
と、愛ちゃんは言う。
「でも、そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ?」
と、ボクが言うと、
「お願い……」
愛ちゃんは、泣きそうな甘えた瞳で訴えてくる。
「もうちょっとだけだよ……」
と、ボクは、もう少しだけ寝ることにした。
「お兄ちゃん、大好き!」
と、愛ちゃんはボクに抱きついた。
それから、数分後、ボクと愛ちゃんは母さんにたたき起こされた……。
138 :
ネオ生茶:02/08/15 00:08 ID:A5ZERk/3
更新です!
>>133からぁ〜
美貴ちゃんは隣に立ち、俺のほうを見ている。
それが何の事だかわからなかったのでとりあえず聞く。
ちなみに梨華ちゃんはまだ来てない。
「どうしたの?俺になんか用?」
「えっ、う〜ん、もしよかったら私とご飯食べに行かない?」
美貴ちゃんはなんか言いにくそうに言ってる。
いつもなら言いたい事ははっきり言う性格なのに…
「今日は先約があるんだ。
ほら、梨華ちゃんって昨日会っただろ?あの子と買い物行くんだよ。ゴメンな」
「いいよ。シュンがいそがしいって言うなら……」
「おう、悪いな。またヒマなときに誘ってくれ」
「うん、夜にメールするね」
「ああ、じゃあな」
美貴ちゃんはなんか寂しそうに帰っていった。
それから10分後
梨華ちゃんが走ってきた。
「ごめ〜ん。友達に合コンに誘われちゃって」
「ああ、いいよ。俺も美貴ちゃんに誘われたんだからおあいこだ」
「何言われてたの?」
「いや、ご飯食べないかって聞かれてだけ」
「ふーん、まあいいや。ここにいるのも落ち着かないから行こっか?」
「そうだな。行こう」
俺たちはお昼時でもあったため、ご飯を食べたあと、スーパーマーケットに行った。
梨華ちゃんはカートを押し、まるで主婦のように特売に目を光らせる。
俺は当然のごとく振り回され、結果的には荷物持ちになった。
よく考えたら俺はそのために呼ばれたのかもしれない。
「ここのスーパーとっても安いね〜。私ビックリしちゃったよ」
「そう?あんまり行かないからよく分からないんだけどな」
「まさか今まで外食ばかりだったの?ダメだよ。栄養のバランス考えなきゃ。
でも、今度から私が作ってあげる」
「いいの?梨華ちゃん疲れない?」
「私は大丈夫。俊祐さんの顔見るだけでふっとぶから」
「それって、まさか俺のこと……」
「えっ……」
梨華ちゃんは下を向き、それ以上喋らなかった。
やっぱりこんな話しなきゃよかったかな…
家についても梨華ちゃんは俺に話しをせずに、ソファーに座る。
俺はというと、愛ちゃんが帰ってきていて、高校の事とかを話していたので、話すタイミングがなかった。
夜になり、ここは梨華ちゃんの部屋の前。
何でここにいるのか。
なぜなら今日のことがなんか胸に詰まる思いだったから、なんとかしたかったのだ。
コンコン
「俊祐です。入っていい?」
「………いいよ」
ためらっているのだろうか、少し間をおいて言った。
おれが梨華ちゃんの部屋に入ると、彼女はヘッドの側に持たれて……泣いていた。
「どうしたの?」
少し涙声の梨華ちゃんが聞いてくる。
普通なら梨華ちゃんがどうしたのって言われる立場じゃないのか?
「うん…今日、途中から何も話してくれなかったよね?どうしたのかなぁって」
そう言うと、また下を向いてしまった。
しばらく沈黙が続く。
そして沈黙を破ったのは、梨華ちゃんのこの一言だった。
「俊祐さんの……だもん」
「えっ?」
「俊祐さんのせいだもん」
「……」
「俊祐さんが…美貴ちゃんと楽しそうに話しするから
もしかしたら俊祐さんは美貴ちゃんが好きなんじゃないかなぁ〜って思ったの。
でも、私に<もしかして俺のこと>って言うから…」
「……」
俺は何を言ったらいいのか分からない。
「……ゴメン」
そう言って俺は梨華ちゃんの部屋を後にした。
余計胸につかえる思いがしたが、あの場所にいられなかった自分がいる。
このまま部屋に戻り、ベッドに横になった。
どうすればいいんだろう?
そう考えながら俺は眠りについた。
ここだけ梨華ちゃんの気持ちです。
ついに言っちゃった。
私って何でこんなに急いでるんだろう?
やっぱり美貴ちゃんの存在があるから?
私は俊祐さんの彼女の座をつかみたいから?
もう私訳わかんない。
そういえば…あの子も俊祐さんに気があるんじゃないかな?
そうなると…困ったなぁ〜
私は俊祐さんのことが大好きなのに…
まあ今日は考えてもしょうがない。明日また考えよう。
ポジティブ♪ポジティブ♪
更新終了
ちょっとアンケート
皆さんは誰と付き合わせたいですか?
今後の参考にしたいので…
143 :
こうもり:02/08/15 13:27 ID:iO/NL9Pf
そして、空を見上げると、ちらほらと星が瞬いている。
俺は時間が気になったので、時計を見ると午後六時二十分。
確か愛ちゃんのお母さんが来るのが六時半。
「カズさん大丈夫ですか?」
心配した愛ちゃんがベランダの窓を開けて外に出てきた。
「うん、まだちょっと緊張しているけど」
「そろそろお母さん、来る時間ですよね」
144 :
こうもり:02/08/15 13:29 ID:iO/NL9Pf
「ああ、そうだね」
「そろそろ中に入りましょう、やっぱり寒いし」
「うん」
俺と愛ちゃんはベランダから部屋に戻ってお母さんが来るのを待つ。
「ピンポーン」
その後五分くらい経ってからインターフォンのなる音が聞こえた。
「あっ、きっとお母さんですよ」
愛ちゃんはそう言って玄関に行く。
俺もその後を追いかけて、玄関に行った。
「あ、お母さん」
俺が行くと愛ちゃんはすでにドアを開けてお母さんを迎えている。
更新終了。
145 :
:02/08/15 20:53 ID:r+sk/70c
146 :
TMC:02/08/15 21:31 ID:FlE8b5Yd
>>128からです。
この家から学校へ通うのは今日が初日だったけど
いつも帰り道に通っていた所なので特に迷わず学校へ行ける。
でも厄介なのが踏切があることだ。あの踏切はなかなか開かない。
そのために「開かずっぽい踏切」と呼ばれている。
亜依はその踏切の前で立っていた。運良く踏切が開いているのに
渡ろうとする気配はなく電柱の陰に隠れているようにも見えた。
俺は背後からこっそり近づきカバンで頭をポンと叩いた。
「カバンも持たずに登校かよ?」
通り魔にでも出くわしたかのような顔で亜依が振り返ると
しばらく状況が理解できなかったらしいがようやく俺であることを認識した。
「ビ、ビ、ビ、ビックリしたわぁ。し、慎一かいな。」
「ほら、カバン渡しにきたんだよ。」
「あ、ありがとう、、、」
亜依は心ここにあらずといった様子で俺に礼を言った。
147 :
TMC:02/08/15 21:32 ID:FlE8b5Yd
「それは絶対隠し事してるわね。」
さっきの踏切の前での事を梨華に説明すると梨華は確信した。
さすがは姉妹、様子を聞いただけで確信できるなんて。
そう思っていると俺達も例の踏切の所で止まった。
「う〜ん、これだと時間ギリギリだな。」
時計を見ると登校完了時間まであと10分。
新学期二日目から遅刻は結構ヤバイかも、、、
「梨華、何か部活に入るのか?」
「うん。テニス部、前の学校でもやってたんだよ。」
「あと少しで引退だっていうのによくやるよなぁ。」
「慎ちゃんは部活に入ってるの?」
「いや、どこにも。」
基本的に学校から帰ったら遊ぶってのが俺の生活だ。
これからはそうも行きそうにないけど
148 :
TMC:02/08/15 21:32 ID:FlE8b5Yd
今日はここまでです。
>>142の続きやよ〜♪
その日の深夜、何時だかわからないが携帯がなった。
この音はメールの音だな。
<こんな時間にごめんね。今、シュンの家の前にいるの。
ちょっと話があるんだけど…今から出れる?
あと5分いるから、もしよかったら出てきて 美貴>
美貴ちゃん?どうしたんだろう?
まあいいかなと思ったので、外に出てもいいような格好に着替えて家の前に行く。
外に出ると、美貴ちゃんが左手に携帯を持って待っていた。
後ろに見覚えのない物があるのがちょっと気になるが…
「ごめんね。こんな時間に」
「ホントだよ。もう寝ようと思ったのにさ〜!で?話って?」
「うん、お願いがあるんだけど…」
「えーっ、めんどくさいのはイヤだよ」
「簡単だよ。シュンの家に住んでいい?」
「はぁ?」
いきなりで困った。まさかこんな展開になるとは……
「お願い。シュンと同じ大学になったんだから、幼なじみだし一緒に住んだほうがいいかな〜と思って。
だから住んでたマンション出てっちゃった。今住むとこないの」
「俺は別にかまわないんだけどさ…梨華ちゃんがなんていうか…」
「私が説得する」
俺は美貴ちゃんの真剣な目におされてしまったので、
「わかった。そのかわり梨華ちゃんにも許可もらってよ」
「うん!シュンなら絶対大丈夫だと思った」
「まあ入って。詳しいことは明日考えよう」
結局美貴ちゃんまで一緒に住むことになってしまった。
本当は一人で住むつもりだったのに……
とりあえず今日は多分梨華ちゃんも愛ちゃんも寝ちゃったと思うので
説得という訳にはいかず、今日は美貴ちゃんには俺の部屋で寝てもらうことに。
当然のごとく、俺はリビングのソファーで寝ることにした。
そして次の日。
今日は大学は休み。
でも、結局眠れなかったのでソファーに横になってボーッと考えていたら…
「うわ〜!あんれまあ〜!」
なんとそこには愛ちゃんが。
そういえば愛ちゃんの高校は登校日なんだっけ?
「シュンさん〜なんでぇ〜ここで寝てるんですかぁ〜?」
俺はどう答えたらいいのかわからなかったので、思わず。
「気分だよ。気分」と答えてしまった。
愛ちゃんは疑っていたが、急いでいたようであまり聞かなかった。
とりあえず、美貴ちゃんのこともあるので
「今日は早く帰ってきて。ちょっと話があるから」
といっておいた。
そう言うと満面の笑みで
「はいぃ〜わかりましたぁ〜」と言った。
そして朝ごはんを食べたあと
「ほいじゃ〜行ってきますぅ〜」と言って愛ちゃんは急いで家から出て行った。
愛ちゃんがいなくなったあと再び眠くなったので、ソファーで眠ることに。
更新終了
明日から引退した部活についていくので、21日までお休みします。
151 :
こうもり:02/08/16 12:33 ID:nV8E6MbJ
「どうもこんばんは、南条和智です」
「こんばんは、愛の母です」
「まあ、とりあえずどうぞ」
「お邪魔します」
俺とお母さんは簡単に挨拶をして、その後部屋に招きいれた。
「ねえ、お母さん聞いて聞いて、今日の料理全部私が作ったんだよ」
「えっ、愛が?」
「うんそうだよ、カズさんに教えてもらって、今日は全部一人で作ったの」
お母さんは少し驚きの表情を浮かべ、愛ちゃんの方を見ている。
152 :
こうもり:02/08/16 12:34 ID:nV8E6MbJ
「とりあえず、食べましょうか、冷めてしまわないうちに」
「そうですね」
そう言いながら、三人ともキッチンのテーブルに座った。
「いただきます」
三人とも声を合わせて愛ちゃんの作った料理を食べ始める。
「おいしい」
お母さんは愛ちゃんの作った肉じゃがを食べてそう言う。
すると愛ちゃんは「そうでしょ」と言って満足そうな笑顔を浮かべる。
「愛がこんなに料理がうまくなっているなんてお母さんちょっとびっくりしたよ」
料理も大体食べ終わったあと、お母さんは愛ちゃんに向かってそう言う。
更新終了。
153 :
コンボ:02/08/16 13:33 ID:PRLz6Xrc
>>87より
10
8時に駅前に集合だったが、7時半に着いた。
誰も来てない。
改札の横に立っていると、通勤の人達が猛スピードで通り過ぎて行く。
たまに体が当たったりするが、向こうは気に留める余裕も無いらしくさっさと行ってしまう。
50分になって、やっと二年生の子が来た。
それからは一分おきにどかどかとやって来て、8時に顧問が来た時には、全員揃っていた。
結局、応援に来たのは私一人だけだった。
まこっちゃんが言った通り、会場はヤバ近かった。
電車で一駅。
駅から徒歩5分の高校が会場だ。
8時10分には会場に着いてしまった。
校内の体育館でやるらしく、まこっちゃんたちと喋る時間もほとんどないまま、顧問はどこかに消えた。
「先生、どこ行ったの?」
「大会の役員なんだって。人手不足だから」
まこっちゃんはぶっきらぼうに答えた。
試合前で緊張している。
それからはできるだけ黙って、応援席まで行った。
出場する皆は女子更衣室に向かったけど、私は着替える必要が無い。
応援席でじっと座っていると、着替えている男子が振り向いた。
「あのさ、紺野がいると着替えにくいんだけど……」
154 :
コンボ:02/08/16 13:33 ID:PRLz6Xrc
男子に言われて、応援席の後ろの通路をうろつくことにした。
どこも同じように着替えている。
時々男子の顔を盗み見ても、今ひとつぱっとしない。
応援席を見物していると、前から防具を一通り着けた人がやって来た。
石川さんに言われた通りに垂れに目を落とすと、「S中 樋口」と刺繍してあった。
樋口さんは細い通路をどんどんと進んでくる。
横に避けようにも、他の学校の応援席に踏みこんでしまう。
向こうもそれに気付いているようで、立ち往生してしまった。
仕方なく、私が無理矢理樋口さんの横を通った。
樋口さんもできるだけ壁に引っ付いてくれる。
すれ違う時、息が吹きかかるくらい顔が近くに来た。
そんなにごつい感じの顔じゃない。
どちらかといえばそうかもしれないけど、イメージしていたほどの剛健さは無い。
いつまでもじろじろ見ていると変なので、すぐに目を逸らした。
完全にすれ違って、お互いに逆の方向へ歩いていっても、頭の中にはさっきのアップの顔がよぎる。
――S中の樋口さんか……
思わず、S中の応援席を目で探す。
目で探して分かるわけがないけど、誰かの垂れに書いてないかと探した。
前も見ずに歩いていると、誰かにぶつかった。
「あ、すいません……」
「紺ちゃん、何やってんの?」
白い胴着姿のまこっちゃんだった。
155 :
コンボ:02/08/16 13:34 ID:PRLz6Xrc
「これ、紺ちゃんにも一応配っとくね」
プリントを2枚渡された。
「それじゃ、上から応援よろしくね」
まこっちゃんは言葉こそ軽かったが、顔は緊張でこわばっていた。
たまたま空いていた応援席に後ずさると、皆申し合わせたようにこわばった顔で歩いて行った。
応援席に帰ると、男子の姿は無かった。
会場のどこかで練習を始めているんだろうが、人が多すぎて探す気にならない。
さっきもらったプリントを見てみた。
一枚は団体のトーナメント表。
13:00開始と大書してある。
自分の学校を探した後、思わずS中の名前も探してしまった。
うちが準決勝まで行けば、S中と当たる。
でも、うちの剣道部のレベルを考えると一回戦も危うかった。
去年はボロボロだったらしい。
もう一枚は個人戦のトーナメント表。
9:30開始と書いてある横に、大きなトーナメント表がある。
100人ほど参加するらしく、優勝するには6、7回は勝たなければいけない。
うちの選手を確認した後、またS中の選手も探してしまった。
選手名の下に学校名が書いてあって、S中からは男子と女子が5人づつ出るらしい。
樋口さんの名前もあった。
なんだかその名前を見つけると、少し嬉しくなった。
156 :
コンボ:02/08/16 13:34 ID:PRLz6Xrc
11
「さっきの子、可愛くなかった?」
下に降りると、すぐに大山が話しかけてきた。
「さっきの子って?」
「さっきお前がすれ違った子」
「ああ、すれ違った子か……」
「お前だけあそこの通路行ってさ、マジで羨ましかったよ」
確かに、顔が触れるかと思うほど近付いた。
向こうの顔をじろじろ見る気は無かったが、思わず目が合ったのだ。
眠たそうな目をしていたことだけは覚えている。
「今日の合コンパスして、あの子の所と合コンしてえな」
大山は溜息混じりにそう言った。
「でも、名前も学校も知らないんだろ?」
「調べればいくらでも分かるって」
小手と面を置きながら、自信ありげに大山は答えた。
「あれだけ人目につく子なら、すぐ探せるし。
制服だったから応援で来たんだろ、多分。
応援席探したらすぐ分かるって」
大山はすでに知り合いになったような口ぶりだった。
157 :
コンボ:02/08/16 13:40 ID:PRLz6Xrc
アップは、服部が指揮を取った。
あっさりと素振りを済ませて、面をつける。
俺達が面をつける頃には体育館はほとんど一杯になっていて、隅で練習するしかなかった。
面打ち、小手打ちなどの基本稽古を一回づつやらせて、後は地稽古だった。
地稽古とは、3分ぐらいで止めの合図がかかるまで試合の要領で立ち会う稽古で、要は試合と同じだ。
5、6回地稽古を済ませた所で、アップを止めるよう放送があった。
試合の準備をはじめるのだ。
服部は部員全員を元の位置に戻して、面を外させた。
号令と共にほとんどの部員が立ちあがって、応援席に戻った。
自分の試合の時以外は、応援席に戻って水分補給したりしても構わない。
俺も応援席に戻って、個人戦の順番を確認しておいた。
Dコートまであるうちの、Cコートの5試合目だ。
出番までは時間がある。
ペットボトルに口をつけながら、横目で大山の様子を見た。
案の定、俺がすれ違った相手を探しているらしい。
懸命に応援席に目を凝らしている。
しかし、今は人が多くてなかなか見つからないらしく、苦戦していた。
158 :
コンボ:02/08/16 13:40 ID:PRLz6Xrc
今アップで使ったのは替えの竹刀で、竹刀袋にはもう一本竹刀が入っている。
念のため、アップで使ったほうの竹刀を点検することにした。
中結はしっかり締まっている。
右手で柄を握って、刀身を調べてみた。
「チッ……」
思わず舌打ちを打った。
目立たないが小さなささくれができていたのだ。
やすりか何かで削れば問題無いが、今日はそういう道具を持ってきていない。
仕方なく、もう一本の竹刀を使うことにした。
ぱっと見て、紐は締まっている。
昨日持ってきたばかりの竹刀にささくれは無いと思うが、一応点検してみる。
使いこんでいるみたいだが、ささくれは無かった。
大山はまだ応援席を探しているが、目が痛くなってきたのかしきりにこすっている。
「お前、2試合目だろ」
「あと何分ぐらい?」
「始まるまで5分ぐらい」
「マジかよ……」
大山は重い体を揺すらせて、嫌々下に降りて行った。
ここまでです。
おもしろいほど読者レスがないなw
にしてもコンボのやつ読んでると剣道部時代を思い出すナー。
ほんとにこんな感じだったし…退部なんかしなきゃよかったかな?
コンボ氏剣道やってたの?この大会の臨場感は行った事あるじゃないとわからんと思う。
160 :
コンボ:02/08/16 14:39 ID:PRLz6Xrc
現在進行形でやってます。
161 :
TMC:02/08/16 15:56 ID:3fSpBWie
>>147からです。
校門の前では生活指導の教師が立っていた。
それを見た俺と梨華は校門までダッシュした。
「寺田か、お前が遅刻とはめずらしいな。」
「ハハハ、、色々ありまして。それに遅刻ってあと2分ありますよ。」
「そうだったかな?じゃあさっさと教室へ行け。」
俺が教師の横をそそくさと通り抜けると今度は梨華が話しかけられていた。
「おや、君は転校してきたばかりの石川さんだね。」
「はい、、、遅れてスミマセン、、、」
梨華が俯きながら謝っている、まだ遅刻じゃないのに。
「道にでも迷ったのかな?それじゃ、しょうがないな。
さあ急いで教室に行きなさい。」
小走りで梨華は俺を追っかけてきた。
まったく、あの態度の差はけしからんな。男女差別だ。
少し不満をもらしながら下駄箱に靴を入れた。
162 :
TMC:02/08/16 15:56 ID:3fSpBWie
3年3組が俺のクラスで梨華のクラスは3年4組。
隣のクラスなんだけどここの校舎は構造が複雑なので階が違う
俺の教室が2階で梨華が3階だ。
「まだ、1分あるな。ギリギリセーフだ。」
「いいなぁ〜慎ちゃんは2階で疲れないし。」
階段登るだけで疲れるとか疲れないはあまり考えないものだけど
梨華にとってはそれなりの問題らしい。
「バカ言ってんじゃねぇよ。それから俺達が一緒に暮らしてるっていうのは
他の奴らには当然だけど内緒にしといてくれよ。」
「どうして?」
「どうしてってバレたらいろんな問題が起こるだろ。」
俺達はこういった所で考え方が違ってきてしまうらしい。
普通は俺が楽観的で梨華が心配性になることが多い。
でも、今みたいに逆になることも時々ある。
163 :
TMC:02/08/16 15:57 ID:3fSpBWie
「じゃ、ここまでだな。変な奴には気を付けろよ。」
「うん、帰りは私部活があるから一緒に帰れないね。」
梨華は下校も俺と一緒のつもりだったんだろうか?
まぁ、同居してるんだしどうせ帰り道は一緒なのだが。
「あぁ、そうだな。」
俺は梨華に軽く返事をし教室へ向かおうとした。
「ちょっと待って。」
不意に梨華に呼び止められた。
「何だよ?」
「ありがとう、、、心配してくれて。」
どうやら梨華は俺が変な奴に気を付けろと言ったことに
感謝してくれているらしい。
「お、おう。じゃあな。」
向こうが恥ずかしそうだったので、こっちも恥ずかしくなってしまった。
でも、俺が言った意味はそういうことじゃなくて
本当に梨華のクラスには変な奴がいるんだよなぁ、男女問わずに。
164 :
TMC:02/08/16 15:58 ID:3fSpBWie
本日は更新終了です。
安斉「(馬場状態はかなり悪い方だな……)」
発表は不良となっており、確かに悪かった、
安斉「(まぁ、コイツにはあまり関係ないけどな)」
しかし、馬場状態に悲観する様子はなかった。
サイレントスズカはエルコンドルパサーと同じく最内枠となっていた、
今年は4頭強いのが登録したためか近年では珍しい10頭と少数頭での競走となった。
赤川「(……フォワ賞とよりはだいぶ良くなったな………)」
さすがに赤川関係者一同は緊張の色を隠せなかった、
注目度が日増しに高まっていくのがよく分かった。
フォワ賞を直前で回避しただけに余計にプレッシャーがあった、
やれる事はやった、後は天才・安斉に任せるだけとなった。
安倍「……潤は見ているかな…?」
その場の緊張感を切り裂くように安倍が言葉を発した、
馬主「見てるさ、この馬の才能をいち早く見抜きいち早く中央の挑戦を促したんだ。
そして海外の挑戦も促したのも彼なんだ、
見てないわけがないよ。」
安倍「……そうですね、そうでしたよね。」
2人のやり取りに少し場が和らいだ感じがした、
緊張感が少し取れたようだ。
赤川「おっ、そろそろかな?」
……………
ガチャン!
>>137 からの続きです。
「早くご飯食べないと遅刻するわよ!!」
そう言って、母さんはダイニングを後にした。
「(ねえ、愛ちゃん?)」
僕は小声で愛ちゃんに話し掛ける。
「(なに?)」
愛ちゃんも小声で返す。
「(なんで、母さん、あんなに怒ってるの?)」
ボクは母さんが戻ってこないか、ドアのほうをチラチラ見ながら言った。
「(わかんない)」
愛ちゃんは首を傾げる。
そんなことを考えていると、朝食を食べ終わってしまった。
その後、トイレに行くなど、適当に身支度を整え、ボクと愛ちゃんは玄関で靴を履いていた。
すると、母さんがやって来た。
「あっ、母さん……」
相変わらず、怒っているようだ。
168 :
ネオ生茶 ◆MAKOqMbk :02/08/16 23:43 ID:YdzTUfXb
「お母さん……行ってくるね」
愛ちゃんは上目遣いで、少し怯えた感じで言った。
しかし、母さんは怒ったままで、何も言わない。
愛ちゃんはそのままドアを出た。
「行って来ます……」
ボクも、ドアを出ようとした。
すると、
「ちょっと待って!」
と、呼び止められた。
振り向くと、母さんが寄って来た。
(もしかして、ボクに怒ってたのか?)
しかし、母さんの表情はさっきまでとは違って、暗くなっている。
なんだか、落ちこんでいる感じだ。
(なんだ? なにが、どうなってるんだ?)
ボクには、何がなんだかわからなかった。
すると、母さんが、
「あのね、シンちゃん?」
声もなんだか、暗い。
「今日の朝、愛と一緒に寝てたじゃない?」
「ああ……」
ボクは、気まずく答える。
「……やっちゃったの?」
母さんは少しで恥ずかしがってる感じで言った。
「やっちゃった、って……何を?」
ボクはそう言うと、母さんは小声で言った。
「……エッチ」
その瞬間、なんで母さんが朝から機嫌が悪いのかがわかった。
きっと、ボクと愛ちゃんが一緒に寝ていたから、勘違いしていたのだろう。
「してないよ」
と、ボクは言った。
「……ホントに?」
やはり、落ちこんでいる感じの声だ。
「ホントだよ」
と、ボクが言うと、
「良かった〜!」
と、母さんの表情が少し明るくなったような気がした。
「じゃあ、行ってくるよ」
と、ボクが言うと、
「待って!」
と、また呼びとめられた。
「今度はなに?」
と、聞くと、
「忘れ物があるでしょ〜!?」
母さんは、上目遣いで怒っている。
「えっ、なに?」
ボクがわからないでいると、母さんがそっと耳元で囁いた。
「……ホントに?」
「うん! 早く〜!」
母さんは、嬉しそうだ。
「仕方ないな〜……」
ボクは母さんの頬に……キスをした。
「やった〜!」
母さんは、嬉しそうに飛び跳ねた。
「明日もだからね」
母さんにそう言われて、
「恥ずかしいから、いいよ」
と、ボクが言うと、
「やるの〜! 毎日〜!」
と、母さんは子供みたいにワガママを言う。
「仕方ないな〜……」
ボクは、母さんの頭を撫でながら言った。
すると、その手を振り払って、
「もう〜! お母さんは、私のほうなんだからね!」
と、怒っている。
「じゃあ、行ってくるよ」
と、ボクが言うと、
「行ってらっしゃい!」
と、母さんは笑顔で手を振ってくれた。
ドアの外で、愛ちゃんは待っていてくれた。
「遅かったね」
「ごめん、ごめん。早く行こう!」
「うん!」
ボクと愛ちゃんは駅まで、走り出した。
「良かった……シンちゃん、してなかったんだ」
一人になった梨華は、上を見ながらそう言った。
「どうしよう、私、シンちゃんに……。
シンちゃんは、私の子供なのに……」
信治にキスされた頬を触りながら、梨華は顔を赤くした……。
更新です!
それと、すいません。
ageちゃいました……「(__;)
174 :
:02/08/16 23:55 ID:wXsqJzci
まさか母親とクル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!???
175 :
ラムザ:02/08/17 09:12 ID:PX8MA2YN
>>125から
4食の中に入ると、そこには想像を絶する…というほどではないが
とても学食とは思えない内装が目に入ってきた。
学食内は全体的に薄暗く、ジャングルをイメージしたように蔦なんかが壁や柱をはっている。
入り口からは中がよく見えないので本当にすいているのかどうかすら分からない。
学食というよりは趣のあるレストラン、という感じだろうか。
俺が内装に面食らっていると、
本当のレストランのようにウェイターが迎えてくれて席まで案内してくれた。
初めての4食の雰囲気と隣で腕を組んでいる愛ちゃんに胸は高鳴りっぱなしだ。
俺達はそのまま奥の2人席に案内された。
もっともここが本当に奥なのかどうかすらわからないわけだが。
ウェイターがメニューを置いて立ち去ったのを確認してから話しはじめる。
俺「愛ちゃん、ここよく来るの?」
メニューを眺めていた愛ちゃんは、
顔を上げメニューを下に置いて少考しながら喋り出した。
愛「う〜ん、あんまり来ないけどぉ…
人が少ないし2人っきりになれるから友達と何か相談がある時とかだけかのぉ…」
たしかにここは2人っきりになるには最適かもしれない。
他の客の話し声は聞こえるが姿は全然見えないし。
そういえば前に誰かから4食はカップルのデートスポットになっている
という話も聞いたことがある気がする。
176 :
ラムザ:02/08/17 09:12 ID:PX8MA2YN
愛「のぉ、聰ちゃんは何食べるの〜?」
メニューを開きつつもまだここの空気に戸惑っていた俺は
愛ちゃんの言葉で少し落ち着きを取り戻した。
俺「そ、そうだな…」
改めてメニューに目を落とす。
さすがに無国籍を売りにするだけあってメニュー数が半端ではない。
しかもその半分くらいが聞いたこともない料理なのには正直困った。
愛「私はのぉ、この『エティリ・パパズヤハネシィ』にしようと思うんや〜」
…それ何?
愛ちゃんが俺のメニューに指差した部分を見るとメニューの後ろに
(牛肉と小玉ねぎの煮込み)と書かれていた。
愛「前に食べた『ペリメニ』もおいしかったよ〜」
…まずどこの料理か説明してくれ。
愛ちゃんはニコニコしながらこちらを見ている。
なんとなく質問しづらい雰囲気だ。
とりあえずフンフンとわかったように相槌を打ちつつ必死で『ペリメニ』なる料理を探す。
ペ…ペ…ペ……あった!
「ペリメニ(シベリア風水餃子)」と書かれている。
まぁこれでいいか。
177 :
ラムザ:02/08/17 09:13 ID:PX8MA2YN
注文を終えると、ようやくこの雰囲気にも慣れてきたので本題を切り出す。
俺「で、あのさ…ストーカー…のことなんだけど…」
「ストーカー」
この言葉を口にした瞬間に愛ちゃんの表情が強ばるのが
暗闇の中でもはっきりと見てとれた。
一瞬後悔が頭をよぎったが、避けて通れる問題でもないと思い直し彼女に正対する。
愛「…うん」
しばらくの沈黙の後、愛ちゃんは少しうつむいたまま話し始めた。
愛「学校から家までの間…その内の5分くらいなんだけど…
いつも誰かが私の後ろにぴったりついてくるの…」
178 :
ラムザ:02/08/17 09:14 ID:PX8MA2YN
意識してなのか無意識なのか、いつもの福井弁が消えている。
うつむいているためその表情は分からない。
俺「5分くらいだけ?ずっとじゃなくて?」
愛「…うん」
俺「それは間違いない?」
愛ちゃんが少し顔を上げる。
俺「……あ、いや、別に疑ってるってわけじゃなくて…」
愛「…絶対間違いないと思う」
少しあたふたしている俺とは対称的に愛ちゃんはゆっくり静かな声でそう言った。
助けを求める瞳を俺に向けて…
179 :
ラムザ:02/08/17 09:24 ID:PX8MA2YN
その後しばらくそのストーカーについての話を続けた。
その中でわかったことは、相手は大柄な男らしいということ。
後をついてくるのは駅から家までの間で、どう道順を変えてもついてくるということ。
それに気付いて走ったりすると気配がなくなるということ。
そしてまだ相手の顔は見たことがないということ。
「大柄な男」というのは「190cmくらいある」という発言からだが
あまり当てにならないかもしれない。
愛ちゃんが嘘をついているということではなく、
恐怖から相手が実際より大きく見えているという可能性があるからだ。
そもそも190cmもある奴がストーキングしてたら目立ちまくるだろう。
ストーカーってのは大抵ヒョロヒョロの奴とか或いは逆に
チビでデブな奴がやると相場が決まってるしな。
…完全に決めつけだけどさ。
まぁガリにしろチビデブにしろ、何をしてくるか分からない以上
その危険性は変わりない。
愛「…毎日外を歩くのが怖いの…」
愛ちゃんは今にも泣き出しそうな様子で…
声も心なしか震えているような感じだ。
俺「…心配すんな!俺がいる分にはどんな奴が来ても絶対やっつけてやるから!」
精一杯自信満々の顔を作って愛ちゃんを励ます。
もちろんそこまでの自信はないが、ここで俺が弱気を見せるわけにはいかない。
180 :
ラムザ:02/08/17 09:26 ID:PX8MA2YN
ここまでです。
>>コンボさん
おかえりなさい。
いよいよ人間関係が絡みあってきましたね。
楽しみです。
コンボさんと入れ代わりのような感じで今度は自分が実家に帰ります。
いつ帰ってくるかは不明(w
気分次第ということで…ではでは。
181 :
剣士:02/08/17 12:35 ID:6oKZHR7L
>108の続き
梨華が病院に着いた頃には、俺の手術はすでに終わっていた。
「あ・・・安倍さん!」
梨華は病院ということも忘れて大声を出した。
「・・梨華ちゃん」
安倍の表情は、暗い・・・というわけでもなさそうである。
「どうなんですかっ!涼さんはどうなんですかっ!」
もの凄い形相の梨華。だが、安倍はふっと笑って
「もう大丈夫らしいわよ。命に別状はないってさ・・意識はまだないけど」
梨華はそれを聞くと、腰がぬけたように座り込んでしまった。
「・・・よかったぁ・・・」
「ホント、心配かけるわよねぇ・・あのバカ涼は」
安倍は苦笑しながら俺をバカにしていた。
それから5日間、俺は意識不明のままだった。
その間、梨華がつきっきりで見ていてくれた。花を変えたり、服を変えたり・・・。
そして、俺が事故をおこして6日目の朝・・・俺は目を覚ました。
「うぅ・・ん」
梨華も俺のはたで眠っていたのか、目をさました。
「・・・!涼さん、気がついたんですか?」
梨華は喜びで満たされた。しかし・・・。
「・・・?俺はなんでこんなとこにいるんだ?」
状況がわかってないバカ、ここに一名。
「バイク事故で重傷だったんですよ!覚えてないんですか?」
「・・覚えていない。・・というか、あんた、誰?」
梨華はそれを聞くと、怒りに満ちた表情に変わった。
「ふざけないでくださいっ!梨華ですよ!」
「ふざけてなんかいねーよ!・・・あれ?・・そういえば・・俺は・・誰だ???」
梨華は怒りから驚きの表情に変わった。
「・・え?本当にわからないんですか?!・・記憶喪失・・!?」
そう、俺は・・・頭を打ったせいか、記憶がなくなってしまっていたのだ。
182 :
剣士:02/08/17 12:37 ID:6oKZHR7L
久々に更新終了。
183 :
こうもり:02/08/17 13:13 ID:p6s9H6kc
「カズさんの教え方が凄く上手だったから」
「いや、そんな事ないよ愛ちゃんの飲み込みが早かったからだよ」
「でもカズさん優しく教えてくれて、凄く分かりやすかったですよ」
愛ちゃんは微笑みながら俺のほうを見る。
俺はその表情を見て自分の顔が少し緩んでいるのがわかった。
「ごちそうさま」
「ごちそうさま、愛おいしかったよ」
お母さんの言葉を表すように、愛ちゃんの作った料理は全てなくなっていた。
184 :
こうもり:02/08/17 13:14 ID:p6s9H6kc
「じゃあ後片付けしちゃいますね」
「あ、俺がやるよ」
「いいですよ、カズさんはリビングでお母さんと話をしてください」
「あ、ああ、うん、こちらです」
俺はそう答えて緊張しながら、愛ちゃんのお母さんをリビングに案内する。
「ここに掛けてください」
「あ、どうもういません」
お母さんを座らせ、俺はお母さんと向き合うように座る。
「・・・・・・」
俺は何を話していいかわからず黙ってしまう。
更新終了。
185 :
:02/08/17 15:04 ID:24lMyQvK
更新ラッシュキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
批判スレ落ちた・・・
どうせまた落ちちゃうんだろうから
批判スレなんていらないだろ
ここでいいんじゃないか?
いっそのこと誰かにJBBS借りて貰おうか?
189 :
こうもり:02/08/18 10:42 ID:iwT8KR8e
「南条さんは愛のどんなところが好きになったんですか?」
俺が黙っていると、お母さんの方から口を開いた。
「そうですね・・・、やっぱりいつも一生懸命なところですね
一緒に暮らし始めてから、いつも一生懸命な愛ちゃんに触発されて
自分でも驚くくらい、いろいろな事にやる気が出た気がするんです」
俺は素直に愛ちゃんに対して思っている事を口にする。
「そうなの、愛の事大事にしてくださいね」
「それはもちろんです、これからも愛ちゃんの事大切にしていきます」
俺はお母さんに向かってそう宣言する。
190 :
こうもり:02/08/18 10:44 ID:iwT8KR8e
「・・・嬉しいです、カズさんが私の事そんな風に言ってくれるなんて」
いつのまにか後ろに立っていた愛ちゃんが俺の首に抱きついてくる。
「愛ちゃん、お母さんの前だよ」
俺はそう言って振り払おうとしたが、愛ちゃんは気にせずにそのまま
俺の隣に座りぴったりとくっついている。
その後俺たち三人は、いろいろな話をしていた。
と言っても俺は返事をするだけだったが・・・。
更新終了。
ただでさえ読者レスすくないんだからべつにここで批判してもいんじゃない?
それにここで批判やっちゃいけないなんてことはないんだから。
てかなんで批判スレなんて作ったんだ?昔は普通にここに批判とか書いてた気がする。
192 :
:02/08/18 18:00 ID:YwmP/KWF
昔は批判と言っても可愛いものでそんなに突っ込んだ事は書かれてなかったよ
でも今の批判スレに書かれてたことをこのスレに書かれたら引く。
文才が無いだの読む気にならんだの、そういうのはいらん。
スレが汚れる。
193 :
コンボ:02/08/18 21:12 ID:Q367TZjL
>>158より
12
本格的に練習が始まったようで、竹刀を打つ音が大きい。
体育館の中は鋭い音で一杯になってきた。
アップを止めるよう放送がかかると、喧騒はすっと引いていく。
しばらくして皆が帰ってきた。
男子と女子が腰を下ろすと、応援席は一杯になった。
剣道特有の汗臭さがむっと匂う。
私の左隣に、一際むさくるしい人影が腰を下ろした。
垂れには「Y中 原田」と書いてある。
「あれ、なんで紺野いんの?」
「応援」
原田くんは喋りながら2リットルのペットボトルを鷲づかみにすると、一度に半分ほど飲み干した。
私はどうもこの豪快さが苦手で、原田くんとはほとんど口をきいたことがない。
別に嫌いなわけでもないけど、私には豪快すぎて接しにくい。
「来てんの、お前だけ?」
「まあ、そうだけど」
「ふーん」
原田くんは低い地声でうなずく。
194 :
コンボ:02/08/18 21:12 ID:Q367TZjL
「それじゃまあ、行ってくるわ」
原田くんは竹刀を片手に立ち上がった。
広い肩を左右に揺らせて、応援席から通路に出て行く。
「紺ちゃん、ちょっと」
振り向くと、まこっちゃん達女子が皆こっちを見ている。
「悪いんだけど、私たちの竹刀見ててくれない?」
「別にいいけど……どこ行くの?」
「ん、ちょっとね。
それじゃ、頼んだね」
軽く手を振って、揃って通路に歩いて行った。
ちょっと疎外感があったけど、私だけ部員じゃないんだから仕方ないのかもしれない。
女子部員だけで何かあるんだろう。
まこっちゃんたちを目で追ってみると、話しながら応援席の後ろを歩いている。
たまに嬉しそうな声が上がる。
そうやって二階席を半周ほどした辺りで、全員立ち止まった。
離れているから顔は見えないけど、何かはしゃいでいる。
ぞろぞろと応援席に下りて、誰かに話しかけた。
195 :
コンボ:02/08/18 21:12 ID:Q367TZjL
13
通路の方が騒がしくなってきた。
隣の応援席から女子の叫び声が聞こえる。
「あれ、足立さんじゃない?」
足立誠治がいるのか。
横を見てみると、確かに足立が座っている。
女子が電車で話していた例の足立だ。
優勝候補の筆頭なんだから、女子に騒がれるのも無理はない。
「足立くんって、あれ?」
制服姿の辻が訊いてきた。
「あれ」
「そうなんだ。確かに格好いいね」
足立の横顔は確かに端正で、これで剣道ができるならもてるに違いない。
隣の応援席を眺めていると、服部がトーナメント表を片手に近付いてきた。
「お前、3回勝ったら足立と当たるぞ」
「個人戦で?」
「おう。3回ぐらいなら勝てそうじゃないか?
因縁もあることだし、頑張れよ」
196 :
コンボ:02/08/18 21:13 ID:Q367TZjL
去年、中2で個人戦に出た時に最初に当たったのが足立だった。
意気込んだが、開始一分で面を二本取られて終わった。
あまりにもあっさり終わって、悔しさも感じ無かった。
時間が経つにつれて、隣の応援席には人が増えていく。
胴着を着た女子の一団が、足立に話しかけた。
「すいません、足立さんですよね」
すぐ隣だから、会話がそのまま聞こえる。
「そうですけど」
足立は低めの声で答える。
「あの、Y中の小川って言います」
「どうも、初めまして」
手慣れた口調で答えた。
「Y中って去年団体でベスト4入ってましたよね」
「あ、はい、そうです」
小川と名乗った女子は、いやに緊張して答えた。
「それじゃ、頑張りましょう」
「あ、はい、分かりました」
多少意味不明のやりとりを終わらせて、足立は席を立った。
辻はつまらなそうに見ていたが、足立が立つと目線を体育館に向けた。
「なんか演技くさくない? あの人」
同感だった。
197 :
コンボ:02/08/18 21:14 ID:Q367TZjL
第一試合が始まった。
ぱっと見て、大山は五分以上の立ち会いをしている。
取りあえずは大丈夫だろう。
応援席を見ると、俺と服部以外の男子は全員下に下りていた。
「俺たちも下りる?」
「……そうだな」
服部は周りを見まわして、答えた。
女子ばかりの応援席も居づらい。
竹刀を持って立ちあがると、辻が気付いた。
「もう下りるの?
まだ時間あるし、いいんじゃない?」
「一応な、早めに行っといた方がいいだろ」
辻が答えないうちに、応援席を出た。
服部は先に通路に出ている。
俺を見てなぜか少し笑った。
ここまでです。
>ラムザさん
気分次第かよ!
198 :
TMC:02/08/18 21:48 ID:MDHJVCgH
>>163からです。
誰かが「午前の授業は長いんです」と言ってたけど
確かにそうだ、何でだろう?
そんな疑問に答えなど出るわけもなく昼になった。
いつもならここで学食へ言って友達と食べるのだが
今日は何となく1人で食べたい気がしたから購買部に行って
焼きそばパンとコーヒーを買い屋上へ向かった。
最近は妙に風が強い、そのせいで屋上はビュンビュンと風が吹いている。
この様子だと飯も食べにくそうだから下の階で食べるか。
そう思い下へ降りようとしたら屋上に一つだけあるベンチに
人影が見えた。どうやら先客がいるらしい。
そいつも俺に気付き何やら手招きしている。
「こっちへ来い。」って意味なのかな?
せっかく手招きしてくれてるんだから行ってみるか。
199 :
TMC:02/08/18 21:49 ID:MDHJVCgH
おそらくマンガやドラマならば大抵はこういった場面では
ちょっと茶色のさらさらな髪の毛を風になびかせている美少女が
現れるはずなのだが現実はそうはいかなかった。
「せんぱ〜い、一緒に食べませんかぁ?」
俺の目に映ったのは髪の毛を二つにしばった少女だった。
しかも、ほっぺにクリームパンのクリームがついている。
「ハハハ、、辻ちゃんか、、」
「ののじゃ不満れすか?」
少しこっちを睨みながらパンをほおばっている。
「いやいや充分だよ。ただ現実は厳しいなぁって、、、」
考えてみれば美少女が手招きするはずないよな。
俺はさっきの妄想を反省しながら辻ちゃんの隣に座った。
200 :
TMC:02/08/18 21:50 ID:MDHJVCgH
この子は辻希美。中等部の3年生だ。
辻ちゃんとは昔、委員会で一緒になり仲良くなった。
中等部と言えば亜依もだな。
「先輩、食べないんれすか?」
「食べるよ。ちょっと考え事してただけだよ。」
俺は焼きそばパンの封を開け一口パクついた。
そして、コーヒーで口の中に水分を補給する。
こういう風に言うとやっぱり俺の食べ方って行儀が悪いな。
「辻ちゃんの学年に転校生来ただろ?関西弁の女。」
「それってあいぼんのことれすか?」
あいぼん、何だそりゃ?ロボット犬のことか?
「えーと、亜依って名前なんだけど。」
「そうです。その子があいぼんれす。」
201 :
TMC:02/08/18 21:50 ID:MDHJVCgH
今日は更新終了です。
202 :
P@S:02/08/18 23:54 ID:rvWt0eO8
家に帰ると一枚の紙がドアに隙間に挟まっていた。
鞄を置き、紙を取って広げてみる。
(あなたと一緒に暮らすことが私の願いです。
もしこの願いを叶えてくれるなら、小学校前の公園で待っています)
なんだこれは、イタズラか?怪しすぎる。
でも小学校って近くにあるし、見に行くだけ行ってみようかな?
イタズラならそのまま帰ってくればいいし。
そんなことを思いながら公園に向かった。
小学校に近づくにつれランドセルを背負った小学生が、友達と話しながら帰っている。
それを横目に見ながら公園に着いた。
そこにいたのは…
誰がいいですか?候補を挙げて下さい。
ハロプロメンバーの中なら誰でもOK。
じゃあ石井ちゃん
やぐたん
新垣
206 :
名無し:02/08/19 05:01 ID:+meUwDst
あやや
寺田
209 :
こうもり:02/08/19 12:30 ID:sgP4r7fG
「じゃあ、そろそろ帰ります」
「お母さん泊まっていかないの?」
「そうですよ、部屋も空いてますから別に構いませんよ」
「いいですよ今日は、もう帰ります」
お母さんはそう言ってソファーから立ち上がり、玄関へ向かう。
俺と愛ちゃんもそれに続いて、玄関に行く。
「愛、ちょっと忘れ物しちゃったから取ってきて」
「うん、わかった」
愛ちゃんはそう言うと一端リビングに戻る。
210 :
こうもり:02/08/19 12:30 ID:sgP4r7fG
「南条さん愛のことお願いします」
「それはもちろん」
「でも、まだエッチはしちゃだめですよ、せめて愛が
16になってからにしてください」
お母さんはそう言うと俺ににっこり微笑む。
俺は何故だか急に恥ずかしくなり赤面してしまう。
「お母さんこれでしょ」
「あ、そうそうありがとう、じゃあ愛明日には帰ってくるのよ」
「分かってますよ」
「じゃあ南条さん、またの機会にでも今日はお邪魔しました」
お母さんはそう言うと家から出て行く。
更新終了。
211 :
コンボ:02/08/19 23:02 ID:XzEWlGJ+
>>197より
14
個人戦が始まった頃に、まこっちゃんたちは帰ってきた。
声高に話し合っている。
「あ、紺ちゃんありがと。
それじゃ、下行こうか」
興奮した様子で、まこっちゃんは言った。
プリントだけ持って着いて行くことにした。
通路を歩いている時も、階段を下りる時も皆は喋りっぱなしだった。
特にまこっちゃんは何か自慢げに話している。
体育館も、人が多くて結構うるさい。
時々入る放送も、館内に響く。
着く頃には第二試合が始まっていた。
「どこ行くの?」
「Dコート。今、原田くんがやってるでしょ。
ちょっとプリント見せて」
まこっちゃんは私の手からプリントをひったくった。
「あったあった! Cコートで第三試合だって」
212 :
剣士:02/08/19 23:02 ID:hA4JSJTm
>181の続き
目覚めて以来、俺はずっと苦悩していた。
俺は誰だ?あの女性はなんで俺に世話焼いてくれるんだよ?何で俺はこんなとこにいるんだ?
「・・・わからねぇ」
この日も俺はずっと屋上でアタマを抱えていた。と、そこに・・・。
「涼さん・・・」
梨華、とか言う女性か・・・何の用だろう?
「あの・・・あのね・・・」
ハッキリしないな・・・・何か知らない女性とはいえ、こういうのは・・・イライラするな。
「何だよ!今イライラしてんだ!ハッキリ言えよ!」
「ご・・・ごめんなさい!」
オドオドしながら、何故か梨華はちょっと赤面している。何だ?
「実は・・・子供が出来たの」
「はあ?・・そりゃよかったじゃねーか」
「わからない?私と、涼さんの子供だよ?」
それを聞いた瞬間、俺は凍りついた。
衝撃の発言・・。鳩が豆鉄砲くらったどころではなかった。
「・・・え?え?・・どういうことだよ!?ってか俺たち・・・いつヤった?」
梨華の呆れた表情。いきなりヤッたはヤバかったか?
「もう・・・何でそんなこと聞くの?ヤったわよ・・・もう」
さらに赤くなる梨華の顔。俺はさらに唖然、呆然。
「・・・悪い、ちょっと一人にしてくれないか?」
梨華はそれを聞くと、何も言わずに下に降りていった。
「ど・・どうなってんだ?俺の子供?そりゃ子供は好きだが、でも・・・あの女性と、結婚するってことか?・・・そんな仲だったのか?畜生、何で何も思い出せない!記憶よ、頼むから戻ってくれ!」
俺は影を背負いながら、下に降りていこうとした。
が、その時、思いもよらぬ出来事が起こった!
213 :
コンボ:02/08/19 23:02 ID:XzEWlGJ+
「ねえ、何の話?」
「ああ、紺ちゃんは足立くん知らないのか」
まこっちゃんの手元をのぞきこむと、確かにCコートの第三試合に足立と書いてある。
「去年ベスト4に入った人」
「中2で?」
「そう。それで、マジかっこいい」
ずっと騒いでいる理由がやっと分かった。
さっき話しかけてたのはまこっちゃんで、話しかけられたのはその足立さんなんだろう。
Dコートに着いても、原田くんそっちのけで喋りつづけていた。
石川さんの言う通り、試合は見ていてもよく分からない。
素人目には、全部一本入っているように見える。
よく分からないうちに原田くんは勝っていた。
「次、あっちで足立くんだって」
まこっちゃんたちはぞろぞろとCコートに移った。
結局何も応援してないけど、いいんだろうか。
214 :
コンボ:02/08/19 23:03 ID:XzEWlGJ+
「あー、人いっぱいだ」
Cコートの周りは人だらけになっていた。
女子だけじゃなくて、男子も大勢いる。
それだけ足立さんの試合が注目されているということだった。
コートの中ではまだ前の試合をやっていて、白の方で待っている人の垂れには「足立」とはっきり書いてある。
相変わらず、試合は何をやっているのか分からない。
ただ竹刀の音がかなり大きくて、防具をつけていても痛々しく見える。
コートの向かい側に目を逸らした。
向かいにもやっぱり人が多くて、洋服の人と胴着の人が入り混じっている。
その中に、見覚えのある文字が見えた。
面をつけて太った人と話しているのは、間違いなく「S中 樋口」だった。
太った人の垂れにも「S中 大山」と書いてあるから、同じ学校の人に違いない。
なぜか緊張してきた。
樋口さんは大山さんと話しこんでいて、私に気付いてる様子じゃない。
安心すると同時に、少しがっかりした。
その時、試合が終わった合図に笛が鳴った。
さっきまで試合をしていた人たちは後ろに下がって、代わりに足立さんが前に出てくる。
足立さんがコートの中央に来たとき、樋口さんがこっちをちらりと見た。
ここまでです。
215 :
剣士:02/08/19 23:04 ID:hA4JSJTm
更新終了。
>コンボさん
被ってすいません!メモに書いてからコピペしたから、被らないと思ったが・・・。
見事になった!(w
216 :
コンボ:02/08/19 23:09 ID:XzEWlGJ+
「コンコン」
俺はドアをノックして反応を待つ。
「開いてるで」
「失礼します」
俺はドアを開けて、一応頭を下げる。
「何の用や?」
中澤はふきげんそうな顔で俺の方を見る。
「いや、ちょっとこの書類に判子を押してもらいたくて」
「ああ、これか」
中澤はそう言いながら俺の渡した書類に目を通している。
「はい、これでええな」
中澤は書類に判子をつき、俺に渡す。
「用件、これで終わりか?」
「いや、もう一個あるんですけど」
「なんや?」
「あの、矢口真里って知ってますよね」
「知ってるけど、あいつに惚れたんか?」
俺はまたかと思いながらも話を続ける。
「そういうわけじゃないんですけど、ちょっと聞きたい事があって」
「何?」
「矢口ってどういう子ですか?」
「うーん、あのままの子やで、ちょっとうるさいけどええ子や」
「他にはなんかありませんか?」
「別にないなぁ、特に」
そこで話が一回止まってしまったので、俺は頭を切り替えるために
一度煙草に火をつけ、大きく一回ふかす。
「ふぅー」
「うちにも一本くれへんか?」
「いいですよ」
俺はそう言って中澤に煙草を渡す。
「じゃあ、矢口から悩みの相談とか受けた事ありませんか?」
俺は質問の仕方を代え中澤の反応を待つ。
「うーん、どやったかな?」
中澤は何かを考えているようだ。
俺はそれを、煙草を吸いながら待っていた。
「あ、そういえば一回なんか聞いた事あったな」
「それってどんな話ですか?」
「確か、いつだったか忘れたけど最低なんだけど
見捨てられない男がいるって言うてたな」
「その話詳しく聞かせてもらえませんか?」
「いや、うちもそん時酔ってたからあんまり覚えてへんのやけど
なんか、友達の男が矢口に惚れちゃって、最初は拒んでたんだけど
段々拒めなくなった、とか言うてて・・・」
中澤はその後も色々と話をしてくれた。
「ありがとうございました」
「後は本人に聞いた方がええと思うで」
「分かりました、そうしてみます」
「矢口はああ見えて結構優しい子やから、拒めずに相手のなすがまま
になってるだけかもしれんで」
「はい、それじゃあ失礼します」
俺は灰皿に煙草を捨ててから、中澤の部屋を出た。
そして歩きながらこれからどうしようか考えている。
やはり矢口にもう一度会ったほうがいいんだろうか?
あんまり会いたくないな・・・。
しかし会わない事にはこれ以上何も変わらないだろうし。
やっぱり俺はなっちの本当の笑顔が見たい。
その為にはあの男の事をきっちりさせないと多分駄目だろう。
しょうがない、矢口に会うしかないか。
俺はポケットの携帯を取り出し、着信履歴から矢口の番号を見つけて電話を掛ける。
「トゥルルルルル」
221 :
こうもり:02/08/20 03:35 ID:5K2jV3zf
更新終了。
Zさんごめんなさい。
リレー小説まとめたの俺のHPに載せちゃいます。
もし作者さんで『嫌』と言う方がいればやめますけど・・・。
222 :
こうもり:02/08/20 13:11 ID:5K2jV3zf
「カズさんさっきお母さんと何を話していたんですか?」
俺と愛ちゃんはその後リビングに戻り話をしている。
「いや、別にたいした事じゃないよ」
「でも、カズさん顔が赤かったし」
愛ちゃんは俺の表情を窺がうように覗きこむ。
「ほんとになんでもないって、ただ、愛ちゃんことよろしくって
言われただけだよ」
俺はさすがにさっきの事を愛ちゃんに言うわけにもいかずに誤魔化した。
「じゃあ、そろそろ寝ようか?もうこんな時間だし」
俺はそう言いながら時計を見る。
時間は十一時三十分をすでに回っていた。
223 :
こうもり:02/08/20 13:12 ID:5K2jV3zf
「そうですね、そろそろ寝ましょうか」
俺と愛ちゃんは同時に立ち上がり、俺の部屋に入る。
そして、一緒にベッドに入った。
「カズさん、私と暮らした一ヶ月間どうでした?」
「うん、凄く楽しくてあっという間に過ぎていった気がするよ」
「私もそうです、毎日が早くて今日が最後なんて考えたくないです
ずっとカズさんと一緒にいたい」
愛ちゃんは凄く寂しそうな顔をしている。
更新終了。
224 :
:02/08/20 17:38 ID:S9C5vMi4
生活も終わりなのか・・これからどうなるのだろう
批判スレが無くなって、さらに読者レスが少なくなったな。
ROMが多いのか、スレに人が少ないのか……
ROMが多いんとちゃう?
227 :
名無し:02/08/20 20:54 ID:o/6LSyRq
多いよ。
いちいち雑談してると1000に逝くのが早いから
鯖負担を考えて
>>229に同意。
多少は雑談しても平気だと思う。
でも鯖負担を考えると雑談はしないほうがいいよ
すぐに1000逝くとかどうとかじゃなくてスレ立てしなきゃいけないから
多少なら平気だけど
それもそうか。
しかし、今はなんかスレにかつてのような読者の賑やかさは欠けてると思う。
作者ばかりの方が読みやすいに越したことは無いが、あまり殺風景なのも。
それにしても、>>203-
>>208は見てたヤシが意外に多くてビクーリした。
233 :
こうもり:02/08/21 12:35 ID:JvDmdcjH
「大丈夫だよ、これからだって愛ちゃんの事いつでも待ってるよ
俺だって会えないのは寂しいから」
俺がそう言うと愛ちゃんは俺に抱きついてくる、そして
「カズさん、大好きです」と言う。
「俺もだよ愛ちゃん」
俺は愛ちゃんの柔らかな唇にキスをする。
「カズさんこれからもずっと一緒ですよね」
長いキスが終わり、愛ちゃんは俺にそう言う。
234 :
こうもり:02/08/21 12:39 ID:JvDmdcjH
「ああ、ずっと一緒だよ」
「それを聞いて安心しました、じゃあお休みなさいカズさん」
「おやすみ」
俺が愛ちゃんの頬にそっとキスをすると愛ちゃんは嬉しそうな顔で目を閉じる。
そして、その後すぐに愛ちゃんの口から寝息がこぼれてくる。
俺は愛ちゃんの寝顔を見ながらいろいろな事を思っていた。
これまでの事、これからの事、まだ何も分からないけれど
愛ちゃんの事を幸せに出来たら、俺も幸せになれるような気がする。
だから愛ちゃんの事を絶対に幸せにする。
俺は心の中で宣言して眠りにつく。
第二部完
更新終了。
次からは新作を載せる事にします。
合宿から帰ってきました!
>>150からです。
眠りから覚めると、目の前には怒った顔の梨華ちゃんが飛び込んでくる。
「俊祐さん!なんでこの子をここに住ませるんですか!?」
いつもよりキンキンに響いた高い声が俺の耳に襲いかかってくる。
「シュン、ゴメン。喋っちゃった」
隣には、下を向いた美貴ちゃんが座っている。
「美貴ちゃん、説得したんじゃないの?」
「したんだけど……見事に断られて…」
「梨華ちゃん、美貴ちゃんをここにおいてほしいんだ。
梨華ちゃんはイヤかもしれないけど、俺にとっては大切な幼なじみなんだ。」
「そんなことを言われても…」
「おねがいします」
美貴ちゃんは頭を下げる。
「俺からも頼むよ」
「……………わかった」
「ホント?ありがとう!」
美貴ちゃんは梨華ちゃんに抱きつく。
その状況でも梨華ちゃんは冷静な顔で
「条件があるの」と言った。
「俊祐さんに恋愛感情を持たないで。約束して」
真剣に言ってきた。
「うん、わかった。約束するよ」
何でこんなことを言ってきたのかわからなかったが、こうして美貴ちゃんもここに住み始めた。
男1人に女3人。
何か間違いがなきゃいいけどね。
更新終了
>>234 こうもりさん、ひとまずお疲れ様です。
次作も期待しています。一読者として…
237 :
P@S:02/08/21 20:29 ID:xbLPO0QL
あみだくじの結果、こうなりました。
公園の中を見渡した。
親子連れや小学生のグループばかりだが、たった一人この場所に似つかわしくない人物がいた。
(なんだあの髪を染めたおっさんは?大きい荷物持って座って…。まさかあいつじゃないよな。気持ち悪すぎるぞおい…)
そんなことを考えていたら、その男と目があった。
瞬間、男は荷物を抱えこっちにやってきた。
「待ってたでー!」
大きい声を出しやってくる男に対して、
「ぐはッ」
男の顔に足跡が付くくらい踏みつけるように蹴ってやると、一瞬顔がゆがんだ。
「な、なにすんねん!?」
「いや、何となく」
「一応これでも芸能人やねんから、大事に扱ってや」
「は?」
(芸能人?こいつが?)
238 :
P@S:02/08/21 20:30 ID:xbLPO0QL
「誰?」
俺は思ったことを口にした。
「な、なんやねん。俺のこと知らんの?ほら、つんく♂やで。知ってるやろ?」
「つんく♂?」
じっくり顔を観察してみた。
「ウソつけ!つんく♂はもっと痩せてたはずだ。間違ってもお前みたいな中途デブじゃない」
「ちゅ、中途デブ!?」
男は地面に手を突き、愕然としていた。
「お、俺はそんなに太ったんか…ショック…」
俺はその姿を後ろ目に見、その場をさっさと去った。
数ヶ月後
(そういえばあれ以来つんく♂という名を聞かなくなったな…。まあ働き過ぎで疲れたのかもな)
などと思いながらTVを見ていた。
おわり
240 :
TMC:02/08/21 21:55 ID:ee/F8m5m
>>200からです。
どうやら亜依にはあいぼんというあだ名がついたらしい。
そのあいぼんは偶然にも辻ちゃんと同じクラスだそうだ。
持ち前のうるさい、じゃなくて明るい性格のおかげで
クラスの中でもたちまち人気者になったようだ。
「でもどうして先輩があいぼんのこと知ってるんれすか?」
「そ、それは、、どうしてって、、、」
ここで一緒に暮らしていることがバレたら中等部の奴らにも
誤解を招くことになりかねない。
何かいい嘘はないかと頭の中で考えていると
辻ちゃんの目がキラッと光った。
「先輩、もしかして、、、、」
ヤバイ!俺の慌てた様子で勘づかれたか?
「あいぼんが可愛いからののを通してお友達になろうとしてますね。
でも、ののは友達を売るようなことはしませんからね!」
ラッキーなことに辻ちゃんは別の意味で誤解をしてくれた。
「じ、実はそうだったんだよ。そうか残念だなぁ。」
あの事がバレるよりはこっちで誤解された方がまだマシだ。
241 :
TMC:02/08/21 21:57 ID:ee/F8m5m
辻ちゃんは早くも3個目のパンにありついていた。
俺は焼きそばパン1個しか持ってなかったので
後はコーヒーが缶に半分ぐらい残っていた。
辻ちゃんが他に何個かパンを持っていて「食べますか?」と聞かれたが
そんなに腹も減ってなかったのでもらわなかった。
風もだんだん弱くなってきてそれが心地よかった。
このままここで昼寝でもするかな?
そう思っていたら辻ちゃんはパンを食べ終わっていた。
「ごちそうさまなのれす。」
242 :
TMC:02/08/21 21:57 ID:ee/F8m5m
今日は更新終了です。
243 :
剣士:02/08/21 22:33 ID:QtM2UXDK
>212の続きです
俺は階段を下りている途中、頭を打った影響か、フラフラした。
「あ・・・くそ・・・やべ・・」
と、その瞬間!
「しまっ・・・あ〜!」
階段から落ちてしまった。しかも、壁で頭を打つおまけつき。
「う〜ん・・・痛ててて・・まったく何てことだ・・」
と、その時だ。俺の頭の中に、色んな風景が浮かんだ。
「え・・?あれ・・?俺は・・・そうだ・・・!思い出した!」
なんと、頭を打った影響で、記憶が戻ってきた。
「やった〜!・・・と、おっとと・・まだフラっとするな・・・」
俺はおぼつかない足取りで、病室に戻った。と、そこには・・・。
「なつみ・・・」
その声を聞いて、なつみはビクっとしながら振り返った。
「え?今なん・・・記憶が?」
俺はしずかにうなずいた。と、その時、なつみが俺に抱きついてきた。
「お・・・おい」
「グスっ・・・よかった、よかったよぉ・・・」
俺はタジタジしながらも、なつみをすっと抱きしめた。
244 :
剣士:02/08/21 22:43 ID:QtM2UXDK
そして俺は、ベットに戻り、梨華とのことをすべて話した。
「そっか・・・子供が・・・」
なつみは元気なさげに答えた。
「うん・・まあ・・・ね。それで俺たち・・・結婚・・」
「やめて!」
なつみが突然叫んだ。どうしたというのか・・?
「それ以上言わないで・・・お願い。私、私!」
なつみは泣きながら、立ち上がった。
「涼のこと昔っから好きだったのよ!」
俺はまたもや凍りついた。今日は何だ?厄日かい?
「昔から、頼りになって、でもぶっきらぼうで・・・でも、優しかった涼が、好きで仕方なかった!好きで好きで!」
俺は黙ったまま、しかし凍りついて聞いていた。
「子供が出来て、結婚なんて・・・イヤだよ!お願い!私だけを見てて・・・」
なつみはまたもや俺にしがみついた。だが、俺は・・・。
「・・・すまない、気がつかなくって」
これしか言えない。根性がない、と言われても仕方ないような男。
「絶対、私諦めないから!梨華ちゃんがどんなに好きだろうと、私はあなたを奪い取るから!」
な、なんか無茶苦茶になってきたぞ?どうしたら・・・。
「いや、子供だっている・・・しねぇ」
「関係ないよ!梨華ちゃんに渡せばいいじゃない!・・お願い・・・私と・・結婚してくれない?」
何でこんな展開になるんだ・・?頭痛ぇ・・・。
「・・答えは?YES?NO?」
・・返事しなきゃならないな・・・。
「NO。なつみにそこまで思われたのは嬉しい。しかし、俺は梨華を選ぶ。理由もつけようか?」
なつみは怒り?の表情でうなずいた。
「理由はだな・・・」
更新終了。
245 :
:02/08/21 23:19 ID:1y4F7ypG
こうもりさんは次回からこの愛ちゃんの話から全く別の話になるの?
それとも第3部ってこと?
>>245 確かにそれは気になる
けど第3部を再開する予定があるなら、別のストーリーでもいいな
247 :
こうもり:02/08/21 23:51 ID:JvDmdcjH
>>245-246 次からは別の話を載せる予定です。
3部はありますけどいつ書き始めるかは未定です。
248 :
:02/08/22 00:20 ID:DiqVMVtW
249 :
:02/08/22 03:36 ID:Gcat2JlF
>>238 終わらせないで続けたら、面白くなりそうなのに……
>>236から
そのあと愛ちゃんも帰ってきて、美貴ちゃんが住むということを話した。
愛ちゃんは「いいよぉ〜」とあっさり。
美貴ちゃんは喜ぶよりも愛ちゃんが訛っていることにビックリしていたが、とりあえずこれでなんとかなった。
ある日、愛ちゃんとの約束で遊園地に遊びに行くことになった。
待ち合わせをしていて、まだ時間がある。
暇つぶしを兼ねて一人で町を歩いていた。
やることもなく、ゲーセンに行こうとしたら…
偶然なことにそこには梨華ちゃんが歩いてた。
でも、様子が違う。
よく見ると、隣には見たこともない男が!
しかも腕を組んで楽しそうに。
何でだかわからないが、俺は梨華ちゃんに嫉妬。
梨華ちゃんが知らない男と話しているだけで胸がギューって締め付けられる思い。
この瞬間、俺はわかった。
梨華ちゃんに恋心がある。好きなんだと。
でも、今梨華ちゃんには彼氏らしき奴がいる。
今言っても梨華ちゃんを困らすだけ……
「……さん〜………シュンさぁ〜ん〜」
気が付くと、愛ちゃんはいつの間にか俺の前にいた。
「ああ、愛ちゃん。いつ来てたの?」
「さっきからですよぉ〜シュンさん〜気づかないんですもん〜」
「あはは、ゴメンね。じゃあ、行こうか?」
「はいぃ〜♪」
こうして、なんか胸につかえる思いを持ちながらも愛ちゃんと遊園地に向かった。
更新終了!
「ふぅ…」
矢口は深い溜息をついた。
家でジッとしてられず外に出たのはいいが、何処にも行くところがない。
なっち達に謝りたいけど、どんな顔して会えばいいかわからない。
いや、もしかしたら合う資格なんて無いのかもしれない。
(誰かに相談したい。でも、相談できる相手なんていないし。…どうしたらいいんだろう)
街の仲を俯き彷徨い歩くそんなとき、前から声が掛かってきた。
「あれ?矢口やんか」
「え?」
矢口は顔を上げた。
そこにいたのはピエロのような派手な服装で、たくさんの風船を手に持っている佐久間健太だった。
「な、何してるの?」
矢口が驚き尋ねた。
「見てわからんか?ここの店今日オープンでな、来てくれた子供に風船プレゼントしてんねん」
佐久間は店を指した。
おもちゃ屋らしく、店の前にも色々なおもちゃが並べられている。
店に入ろうとする親子連れに笑顔を振りまきながら風船を渡す。
「はいいらっしゃい。楽しんできてや〜。
…で、そういうお前は何してんねん。めっちゃ暗い顔して」
「…別に、なんでもないよ」
言葉とは裏腹に暗い矢口。
それを見て、佐久間はどうしたもんかと考え、
「矢口、この後予定は?」
「…?別にないけど」
「よっしゃ。あ、石井ちゃん、俺休憩はいるから」
佐久間は近くにいた同じ格好の女性に告げた。
「その格好のまま行くの?」
「うん、すぐそこやし」
「わかりましたー。ごゆっくり」
女性は軽く手を振った。
「ほんならちょっと付き合えや」
「ち、ちょっと!そんないきなり…」
佐久間は矢口の言葉を無視し、歩き始めた。
先ほどいたところから3分くらいのところの茶店に入った二人。
「コーヒー二つ」
「かしこまりました」
ウェイターは頭を下げ、その場を去った。
「ま、コーヒー一杯くらい飲んでいけや。それくらい奢ったるし」
「ていうかなんで私連れてこられたのよ!?別にあんたに話すことなんかないよ!」
佐久間の勝手な行動に苛つく矢口。
しかし佐久間はそんなことはまったく気にしていない。
「まあお前にはないかもしれへんけど、俺にはあんねん」
「何よ」
「なんか聞いた話によると、安倍さんやったっけ?自分らから逃げたらしいな」
「…聞いたの?」
「圭さんからな。昨日は大変やったでほんま。まる一日愚痴聞かされてたんやから」
「…それは私のせいだって言うの?」
矢口の言葉からは怒りが感じられた。
しかし気にしない。
「いや、別にそうは思ってない」
「だったら何が言いたいのよ!」
大きい声を出し佐久間を睨み付ける。
「…逃げられたことで悩んでるって思ったんやけど、違うみたいやな」
先ほどの矢口からの一方通行気味の感情から一転、佐久間の目が真剣になった。
緊迫した雰囲気に変わる。
「何があったんや。言うてみ」
「…別に、佐久間君に言っても」
「仲直りしたくないんか?」
その言葉に、言葉を失った矢口。
佐久間は続ける。
「俺は赤の他人かもしれん。けどな、一回相談に乗った以上責任を持ってるんや。
だから二人が仲良くなるまで俺、いや、多分大介も頑張るつもりやで」
「…」
「話してみ」
佐久間は優しい口調で促した。
「…………実は」
矢口は重い口を開いた。
コーヒーを半分ほど飲んだところで、矢口は全て話し終えた。
「ふーん。なるほどな」
聞き終えた佐久間は、無表情のまま矢口の顔を見ていた。
その矢口は目を会わそうとせず窓から外を見ている。
「最低でしょ?私。なっちを裏切っちゃったんだから」
「…」
「怒らないの?」
「なんで俺が怒らなあかんねん」
「だって、みんな一生懸命仲直りしてくれるように頑張ったのに、私はその行為を無駄にしたから」
コーヒーを一口飲んだ佐久間は、言葉を選ぶようにゆっくり喋り始めた。
「まあ、お前のやったことは軽はずみやな。でもお前だけが悪いわけやないし、
俺が怒ったところでなんも変わらへん。今先にやらなあかんことは、真実を知ることや」
「真実?」
「その男、省吾やったか。そいつとお前の関係や。
確か前に言うたやろ、その男から言い寄ってきたけど殴って追い返したって」
「うん」
「それホンマか?ホンマにそいつのこと好きやなかったんやな?」
「そ、それは」
矢口が何か言おうとしたとき、佐久間の携帯が鳴り始めた。
「誰や一体?ちょっと待ってな。…もしもし」
矢口は少し冷めたコーヒーを飲みながら、窓の外を見ていた。
(どうしよう…)
色々な不安が頭の中に渦巻く。
「…わかったすぐ戻るわ。ほいじゃ」
佐久間は電話を切り、やれやれといった表情で残ったコーヒーを飲み干した。
矢口は佐久間に向き直り尋ねた。
「どうしたの?」
「なんかバイト先が忙しくなってきたらしいねん。しゃーないから戻るわ」
テーブルの上に置いてある伝票を手に取り立ち上がる。
「おっと。行く前に一つ言うとくわ」
「な、何を?」
不安そうに尋ねる。
「今ならまだ間に合う。安倍さんと仲直りしたいんやったら、もう嘘をつくな。ええな?」
「…」
矢口は俯き、少しだけ頷いた。
「またなんかあったら、俺か圭さんに言い。まあ圭さんの方が頼りになると思うけどな」
佐久間は少し笑いながら歩いていった。
矢口は、佐久間が店を出るまでその姿を見ていた。
一人になり考え込む。
(本当のことを話せ…か)
矢口は自分から仲直りを申し出た。
しかし、嘘をついて自分から仲を悪くした。
ほんの少しの嘘。
いや、少しではない。
結果として最悪な状態を作ってしまったのだから。
(私は…本当はどうしたいの?)
自問自答する。
(…なっちと仲直りしたい!もう嘘はつかない!)
矢口は覚悟を決め外に出た。その時、
「あ…」
ポケットに入れていた携帯が鳴った。
取りだしディスプレイをのぞき込む。
「浅野君からだ…」
その名前を見て、一瞬躊躇った。が、
(…ダメよ真里!本当のことを話さなきゃいけないんだから!)
意を決し、ボタンを押した。
以上。
259 :
こうもり:02/08/22 20:56 ID:grWHYQKc
譲はベッドから起き上がり煙草に火を付ける。
隣には全裸の少女が寝ている。
譲の方もトランクス一枚だけである。
天井に上っていく紫煙を見ながら、何故こうなったのかを考えていた。
あの時会わなければ、こうはならなかったのか?
多分、そんな事はないだろう。
出会ってしまった時から全ては始まっていたのだ。
そう三ヶ月前にこの少女が隣に引っ越してきてから………。
260 :
こうもり:02/08/22 20:57 ID:grWHYQKc
その日は夏のある昼下がりだった。
譲はその日仕事が休みで恋人の圭もたまたま仕事が休みだったので
家で一緒に昼食を取りその後、リビングでくつろいでいた。
――――ピンポーン、ピンポーン――――
「ちょっと譲出てよ」
圭はその時キッチンで洗いものをしていたので、手が離せなかった。
一緒に暮らし始めてから料理を譲がして、圭が後片付けをすると言うのが
二人のルールだった。
「ああ、わかった」
譲は返事をすると、玄関へ行きドアを開ける。
更新終了。
新作です。気持ちも新たに。
新作キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
お圭さん主役かな?
>>172 からの続きです。
それから、ボクと愛ちゃんは駅まで走り、どうにか間に合った。
「ハア、ハア、ハア……」
ボクは、息を切らす。
「明日こそ、余裕持って来ようね?」
「うん…」
愛ちゃんも息を切らしながら言った。
それから、愛ちゃんは辺りをキョロキョロしている。
「愛ちゃん、どうしたの?」
「えっ?」
愛ちゃんが、振り向く。
「さっきから、キョロキョロしてるからどうかしたのかな、と思って…」
ボクがそう言うと、
「昨日は全然、人いなかったのに、今日はたくさんいるから…」
やはり、辺りをキョロキョロしながら愛ちゃんは言った。
「昨日は電車が遅れてたからね。
これからは、ずっとこんな感じだよ」
「え〜!?」
愛ちゃんは、不満そうだ。
すると、愛ちゃんはそっとボクに近づいた。
「ねえ、お兄ちゃん…?」
愛ちゃんは、囁くような声で言ってきた。
「なに?」
ボクは聞き返す。
「もし…痴漢とかに逢っちゃったら、どうすればいい……?」
愛ちゃんは、不安そうな声で言った。
「う〜ん…ボクに言ってくれれば、どうにかするよ。
声が出せなそうだったら、ボクの手を握って」
「うん……」
愛ちゃんは、不安そうな表情をしている。
すると、電車が来た。
更新です!
265 :
TMC:02/08/23 12:24 ID:r44BnwjU
シングルベッド
俺は眠れなかった。
このごろはあれだけ続いた熱帯夜もなくなり、
少しずつだけど過ごしやすくなってきた。
しかし、その分だけあいつと出逢った頃と同じ匂いがして
不意にあいつが隣で寝ていた時のことを思い出す。
どんなくだらないことも2人で笑えたあの時を、、、
無謀とも言える夢を追って出てきた東京
流行の歌やファッションなんかも全然知らない
俺は周りの奴らから見たら、ただの田舎者だったろう。
でも、そんな俺にあいつは普通に接してくれた。
「出身は田舎でも今は東京に住んでるんだから
同じ都会人だよ。そんなこと気にしてたの!?
そんなの気にしない、気にしない!キャハハ!!」
266 :
TMC:02/08/23 12:25 ID:r44BnwjU
あの出逢い人生の寄り道だったのかもしれない
でも、俺はあいつと過ごした2年間を無駄だとは思わない。
寄り道だとしても、もうあんな出逢いをすることは
ダイアモンドを見つけるよりも難しいだろう。
「ねぇ、うちらが別れる時ってさ、
どっちから別れ話するか賭けない?」
狭いシングルベッドで2人がくっつく様に寝ていると
小さいあいつはこんなどうでもいい事を良く聞いてきた。
結局その賭けには俺が負けてしまった。
「きっと俺からだろうな。」
267 :
TMC:02/08/23 12:26 ID:r44BnwjU
あいつと離れてから一年が過ぎ、
俺は車を買った、オシャレもするようになった。
それでも心は何の変化もないまま
あんなありふれた別れを忘れられずにいる。
次の恋でもしてりゃ、辛くはないだろう
だけど、もしあの頃に戻れるならお前を離さない
今夜も思い出してしまう。
シングルベッドで夢とお前を抱いていた頃を、、、
268 :
TMC:02/08/23 12:27 ID:r44BnwjU
前々から思いついていた短編を書いてみました。
シャ乱Qの「シングルベッド」が元ネタです。
なお、長編とは一切関係ないです。
269 :
TMC:02/08/23 12:29 ID:r44BnwjU
えっと、解りづらいと思いますが一応矢口です
サイレントスズカは好スタートを切りそのまま先頭に立った、
テンの速さにペースメーカーは着いて行けず、競り掛ける事もできなかった。
実況「さぁサイレントスズカがそのまま先頭に立ちました、
リードはおよそ3馬身程度でしょうか?それほど離しておりません。」
赤川「(あの感じなら勝負になるはずだ……)」
サイレントスズカの立ち上がりに勝ち負けの確信をもった赤川であった、
そのままサイレントスズカが逃げ、欧州独特のスローペースになった、
誰もが決めて勝負と思い込んだ残り1000mの所であった、
実況「ここからそろそろ後続が徐々に進出していきます……
おっと、サイレントスズカジワッジワッと後続を引き離していきます!
あっという間に5馬身以上開いています!」
後続がいつ仕掛けるか互いに牽制しあっている時のことであった、
安斉がそれを見越してかは分からないがロングスパートを仕掛けて来た、
実況「さぁ残り600m切りました!先頭は相変わらずサイレントスズカです、
リードが8馬身近くあります!?後続は追いつくのでしょうか!?
それともサイレントスズカが逃げ切ってしまうのでしょうか!?」
あれよあれよというまに大差がついて直線となった、
ロンシャン競馬場の直線は約500m、坂はない。
直線に入ってようやく後続が伸びてきた感じだった、
しかしその差は約10馬身以上、
実況「先頭はサイレントスズカです!エルコンドルパサーの時と同じ展開です!
あの時はモンジューの猛追で2着でした、
しかし今回は後ろから何も来ません!サイレントスズカも衰えません!
安斉後ろを振り向いた、まだ余裕はあるぞ!
……いや、もう大丈夫だ!もう大丈夫だ!
安斉持ったままだ!楽勝、大楽勝です!
サイレントスズカ1着でゴーーーーールイン!!!
やりました日本の内国産馬が世界を制しました!
サイレントスズカ芝世界一の称号を得ました!!!」
ゴールした瞬間、日本から応援にきていた人達、
サイレントスズカを受け入れた厩舎の関係者、そして日本から来た赤川達、
皆一様に歓声を上げた。
主戦岡崎潤の死、フォワ賞の直前の回避、海外遠征の難しさ、
全てが報われた瞬間だった。
しかしレース後、安斉だけは独り浮かぬ顔をしていた、
安斉「オーナー、お願いがあるのですが……」
馬主「安斉君どうした?こんな時にお願いって…?」
それは表彰式が終わった時の事だった、
安斉「BCクラシックに登録してくれませんか?」
馬主「えっ!?」
赤川「BCクラシック!?」
一同が驚いている中、安斉は話を続けた、
安斉「今日の走りで分かりました、ダートの方が2倍強いです。」
安倍「に、2倍って……」
安斉「輸送にかなり強いですし、環境の変化にも強いです、
今日のレースの疲労度も低いです、お願いします狙うなら今なんです!」
BCクラシック…アメリカの最高峰のレースである。
ダート2000mの競走で、毎年ハイレベルな競走が行われる、
アメリカのレースは超ハイペースになりやすく馬の真価が問われるレースである。
登録料がバカ高い為よほど自信のある陣営しか参戦してこない。
(2001年のJCDに来たリドパレスはBCクラシックの登録料を嫌ってJCDに来た)
馬主「赤川さん、アメリカ行けますか?」
赤川「ま、まぁ参戦するならやりますよ。」
馬主「サイレントスズカで好勝負になるんだよね?」
安斉「好勝負?まさか、」
安斉の言葉に場の空気が一瞬まずくなるが…
安斉「勝ちますよ、普通の状態で普通に乗れば勝てますよ。」
馬主「……」
数秒考え込んだ後、
馬主「…よし、アメリカへ行こう!」
―1ヵ月後、BCクラシック
日本は当たり前、世界が注目をする一戦となった。
単勝オッズが1.2倍という超超一本被りとなるほどの馬が参戦していた。
(2番人気以降は12倍以上)
その名はサイレントスズカ
前走の凱旋門賞のブッちぎり具合を買われてこうなったのだろう、
それにしても1.2倍って付け過ぎなのでは……
と思っているのはダートが久々なのにと思っている日本人だけであった。
勝負を前にしてサイレントスズカ楽勝ムードが漂っていた。
安倍「……どう?」
安斉「いいよ、だいぶいいね。」
赤川「よし、じゃあ行くか。」
しかし、陣営は淡々としていた。
報道陣から何を言われようといつものようにしていた。
周りの過度の期待に負けず、普通を装っていた、
誰一人として変なプレッシャーは感じていなかった、
熱すぎず冷め過ぎず……いい感じで本番を迎えていた。
サイレントスズカは大外枠からのスタートとなっていた、
安斉「(……)」
ガシャン!
スタートと同時に内枠の4〜5頭がブッ飛ばす、
アメリカらしい超ハイペースがこのレースでも予想された。
観客1「おい、サイレントはどこだ!?」
観客2「えっ……あそこだよ!あんなとこだよ!」
実況「日本のサイレントスズカはどこでありましょうか………?
な、何と後方3番手あたりです!大方の予想とは違います!」
出遅れたのかは分からないが後方を進んでいた、
ほとんどのレースで逃げていたので超ハイペースのこのレースでは、
好位置・中段辺りを予想していた人が多かったに違いない、
それだけに後方という予想外の展開にスタンドはざわめいていた。
安倍「(どうしたのかしら……)」
不安がる安倍に対して、
赤川「(……)」
一人落ち着き払っていた赤川であった、
その表情には不安の色が見えなかったように見えたのは気のせいだろうか?
実況「日本の皆さんサイレントスズカは後方です、後方を進んでおります、
安斉マジックが世界でも炸裂するのでしょうか!?
…今1000mを59秒前半ぐらいで通過しました、
やはり、やはり超ハイペースとなりましたBCクラシックです。」
不安がる周りを尻目に、ここから“安斉マジック”が発動した……
実況「さぁサイレントスズカは………な、何と中段です!一気に中段まで……
い、いや4番手…3番手…………何と先頭に並びかけました!!
600mを切りました!あーっとサイレントスズカが先頭に立ちました!!」
後方からの一気のマクリに場内は悲鳴にも似た歓声が上がっていた、
安倍「うぉ!!」
赤川「な、何ぃー………」
さすがの赤川も驚きを隠せなかった、
実況「トップスピードのままサイレントスズカが3馬身のリードをつけて直線です!!
サイレントスズカのスピードはまだ衰えません!差が広がります!!
後方はもがいている感じだ!サイレントスズカまだ突き放します!!!」
残り100m切ったというところで既に勝負あったという感じだった、
実況「後ろの馬達が小さくなっていきます!何と言う事だ!!
もう後ろからは何も来ない、もう後ろからは何も来ない!!
サイレントスズカ圧勝、ゴールイン!!
単勝1.2倍の人気に答えました、安斉マジックが世界で炸裂しました。」
別次元の走りに周りは大興奮、
アメリカの一線級の馬達がケチョンケチョンにやられてボーゼン。
サイレントスズカの走りに二極化が出来てしまった様だ。
翌日のあるアメリカの新聞には、
“セクレタリアトが21世紀に現れた!!”
と見出しを打っていた。
その後、香港国際Cに出場という予定もあったらしいが、
これ以上無理させたくないということで早々に日本に帰ってきた。
今年度は休養という形を取り、来年に備えた。
安倍「さてと、今日はおしまい。」
今日の分の仕事を終えた安倍が引き上げてきた、
もうお腹が十分に目立つようになっていた。
池田「なつみちゃん、ムリしないでね。」
安倍「ハイハイ、1月くらいに産休に入りますから。」
重い身体を引きずりながら歩いていた時の事だった、
安倍「(あれ?あの3人何してんだろ?)」
あの3人とは安斉・赤川・馬主の事だった、
3人とも顔を合わせるのはBC以来の事だった。
赤川「じゃあそういうことにしましょう。」
どうやら何か話し終えたようだ、
安倍「どうなさったんですか?」
すかさず安斉が近づいた、
安斉「なつみちゃん、今度はドバイに行くよ。」
安倍「ド、ドバイぃ〜!!」
馬主「まぁ、モハメド殿下から直々に招待されているし。」
というのは、BC終了後観戦していたモハメド殿下が馬主に近づきこう言ったのだ。
「あの馬素晴らしいですね、今すぐここで売ってくれませんか?50億以上出します」
うむ、恐るべしシェイク・モハメド。
もちろん丁重に断ったが、その後直ぐに、
「ではドバイWCに招待します、是非きてくれないでしょうか?お願いします。」
何といきなりオファーをここで貰ってしまったという事情があった。
赤川「なつみちゃん、サイレントの状態は?」
安倍「放牧にも出していないですし、状態もいいですよ。
レースに出そうと思えば出せるのではないでしょうか?」
それを聞いた赤川は大きくうなずいた、
赤川「じゃあ、新春グランプリ使ってドバイに行きましょう。」
馬主「そうですね。」
安斉「決まりですね。」
新春グランプリ…県競馬最高峰のレースである。
今のところ県競馬に所属している馬であれば誰でも出れるレースで、
毎年レベルの高いレースが行われるダート2000mである。
もちろんサイレントスズカも例外ではない、定量で出れる。
(´-`).。oO(いいのか?こんなのにサイレントが出て?)
新春グランプリの参戦を発表した翌日県競馬は大変な事となった、
「あんな奴出てきたらレースにならないよ!!」
という人、
「地元のレース使うなんてもうねぇぞ!!見るぞ!!」
という人、
前者は県競馬の調教師、後者はファンというケースがやや見られた。
地元の調教師は回避するのも出てきたが、
フルゲート収まるほどの頭数は何とか揃った。
新春グランプリ当日、県競馬には今までにないくらい人が集まってきた。
右見ても左見ても黒山の人だかり、
ボロいスタンドが壊れるかと思うほど人が押し寄せていた。
もちろん売上も格段にあがっていた。
騎手1「おいおいスゲー人だな……」
騎手2「こんなに人来るのはじめて見た…」
もちろん騎手も驚きであった。
そして、新春グランプリの発走が近づいた。
パドックの時から押すな押すなの大騒ぎ、一部柵が壊れてしまったとこも。
もちろん一番人気はサイレントスズカ、単勝1.0倍の元返し。
その他は全部単勝万馬券という珍事になっていた。
窓口のおばちゃんも終日フル回転だった。
安斉「さて、行きますか。」
赤川「しっかりな、」
安倍「お願いね!」
安倍はこのレースを終えた後、産休に入る。
新春グランプリというより、
サイレントスズカ壮行レースという模様を見せていた。
もちろん観客もそうだし、場内実況もそうなっていた。
実況「世界一のサイレントスズカが今私たちの目の前で走ります、
どうかじっくりとご覧になってください。発走までもう直ぐです。」
安斉「やれやれ、これは負けられないねぇ。」
確かに。
ガチャン!
実況「新春グランプリスタートしました、サイレントスズカがスーッと前に出ました、
外から2〜3頭競り掛けに行きます。」
好ダッシュを決めたサイレンとスズカがそのままハナを奪った、
そうはさせまいと外から出鞭を入れて2〜3頭競りかけに来た、
実況「しかしサイレントスズカがそのままハナを奪いました、
後続とは2馬身ほどのリードです。」
結局テンの速さに着いて行けずにサイレントスズカが単騎で逃げる事になった、
実況「さぁバックストレッチに入りました、先頭はサイレントスズカです、
差は5馬身ほどでしょうか?」
徐々に後続との差が離れ始めていた、後ろは全く着いていけない様子だ。
実況「5〜6馬身のリードのまま第3コーナーを迎えます、
以前先頭はサイレントスズカです、後続の手が激しく動いていますが差は縮まりません!」
もう勝負になっていなかった、安斉も後ろを確認し手綱は持ったままだった、
実況「直線に入りました!先頭はサイレントスズカ6〜7馬身のリード!
2番手に上がってきたのはキタノサイレンス、しかし縮まらない!
持ったままだ!持ったままだ!サイレントスズカ大・楽・勝〜!!!!」
やっぱりという感じの結果だった。
このレースを見てある観客がこうつぶやいた、
「公開調教ですか、これは?」
―そしてドバイへ旅立つ当日、
安倍「じゃあお願いしますね池田さん。」
池田「なつみちゃんもしっかりね。」
もう安倍のお腹はかなり目立っていた、
予定は3月下旬らしい。
安斉「向こうの暑さについて詳しい事は分かりませんが、
サイレントは暑さには負けないタイプですから何とかなるのでは?」
池田「そうだね、何とかするよ(笑)」
一同笑顔でサイレントを見送った。
馬主「あら、もう行っちゃったか。」
赤川「あ、オーナーどうなさいました?」
そこに遅れて馬主が登場した、
馬主「……まあいいか、皆さん聞いてください。」
改まった感じに皆緊張が走った、
馬主「ドバイWCをもし勝ったら……引退させたいのだが…」
「引退!!」
馬主の言葉に驚かずに入られなかった、
馬主「私は県競馬の為にサイレントスズカの血を残したいと思っている。
その為にも無事なうちに引退させたいんだ、
私自身競走成績には文句ない、ドバイWCを勝ったらもうお終いでいいと思う。
まだ勝てると思うけど、目先の勝ちより種馬として成功させたい……」
一同「………」
赤川「ではどのようになさるつもりですか?」
馬主「シンジゲートとか海外への売却とかはしないつもりだ、
でも、海外のためにもシャトルサイアーも考えている。
実際種付けのオファーが海外からも来ていることだし………」
周りは何か納得がいかない様子だったが、
安斉「いいんじゃないでしょうか?そこまで考えていられるのなら。」
安斉の意外な言葉に周りは驚いた、
安斉「先生、何か意見はありますか?」
赤川「オーナーがそこまで考えていられるのなら反対意見はない、
その意見はあくまでドバイWCを勝ったらの話ですよね。」
馬主「そうだ。」
赤川「それなら、勝ったら引退、負けたら現役続行でいいですよね?」
馬主「うむ、かまわん。」
しかしこの事は当日まで外部に漏れることはなかった。
ドバイWC当日安倍が出産したと現地に連絡が入った、
池田「あらー生まれたか。」
赤川「しかもこんな日に、」
安斉「こりゃ将来ジョッキーだな。」
ちなみに男の子です。
池田「よーし、なおさら負けられないな安斉君。」
安斉「そうですね、」
赤川「…全力で戦ってきてくれ、サイレントスズカの力を見せ付けて引退しよう。」
安斉「はい!!」
日本の競馬界の期待を一身に背負い安斉はゲートへ向かった。
ガシャン!!
実況「スタートしました、おっと手綱をしごいて一気にハナを奪ったのは
サイレントスズカです、既にリードが5、6馬身ついています、」
赤川「……勝った。」
池田「ええ!!」
何を根拠にかは分からないが、赤川は勝ちを確信したらしい。
実況「サイレントスズカがそのまま快調に飛ばしています、
リードは10馬身以上はあるでしょうか!?2番手以降は固まっております!」
安倍「(そういえば、こんな展開以前にもあったような……?)」
実況「1000m今通過しました、59秒フラットくらいでしょうか!?
かなり速いペースでサイレントスズカ軽快に飛ばしています!
さぁ既に第3コーナーを迎えようとしております!!」
さすがにこれはと思い後続の各馬が早めに仕掛けてくる、
実況「後続も一気に仕掛けてまいりました、サイレントスズカとの差が縮まっていきます!
あれだけあったリードがもう既に6〜7馬身程度になっています!!
そんな体勢のまま第4コーナーを曲がり600mの直線を向かえます!!」
実況「先頭はサイレントスズカ、5馬身のリード!!
2番手は同じく日本からの参戦のグランドクロス!」
自然と場内はヒートアップしていった、
実況「サイレントスズカに鞭が入った!あっというまに伸びる、伸びる!!
後続を一気に突き放した、既に楽勝ムード、後続は来ないぞ!
差は広がるばかりだ、突き抜けた!
サイレントスズカ10馬身以上離して今ゴールイン!!!!
やはり強かったサイレントスズカ、ドバイでも大楽勝でした。」
池田「勝っちゃいましたね………」
赤川「だろ?」
池田「何で勝つって分かったのですか?」
赤川「さぁ、何でだろうね?」
思わず池田はガクッとしてしまった、
そしてその後、サイレントスズカの引退が発表された、
早すぎる引退に惜しむ声も聞かれた。
しかしサイレントスズカの戦いはまだ終わらない、
今度は種牡馬として戦いが始まろうとしていた。
―そして20年後、歴史は再び繰り返す
実況「さぁここで先頭に立ったのはタガノスペシャル!1馬身差でブレイクアウト!
2頭が抜け出した格好だ!2頭の激しい叩きあいだ!
…外から、外からネイティヴヒーロー!馬場の真ん中を通ってネイティヴヒーロー!
2頭まとめて差しきったところでゴールイン!!
地方からやってきた安倍潤一郎ジョッキーやりました、
人馬ともに父子ダービー制覇です!!
先日亡くなった父サイレントスズカに捧げるダービー制覇です!!」
潤一郎「母さんやったぜ!!」
安倍「おめでとう潤一郎、やったね!」
池田「やった、やった!!」
潤一郎「先生、はしゃぎ過ぎですよ(笑)」
赤川が亡くなった後、池田が調教師として赤川厩舎を引き継いだ、
池田は今では立派な“先生”なのだ。
中澤「よっしゃ、表彰式や!」
この人がネイティヴヒーローのオーナーである。
その表彰式が終わった直後のことであった、
潤一郎「母さん、こっちに着いて来て。」
安倍「ちょ、ちょっとどこ行くのー!!」
潤一郎は安倍の手を引っ張りそのまま走った。
潤一郎「着いたよ。」
安倍「え………?」
そこは東京競馬場のゴール前だった、
安倍にはなぜここに連れてこられたのかサッパリ分からなかった、
潤一郎「……20年前ちょうどこの辺だったよね……
父さんが倒れたのは……?」
安倍「あ………」
そう言えばそうだった、潤はゴール板のところで落馬したのだった、
そんな事を安倍は思い出していた。
潤一郎「さぁ、父さんとサイレントスズカに報告しようよ、
“自分の息子がダービーに勝った”ってね………」
潤一郎は表彰の時に貰っていた物をゴール板の前において手を合わせた、
安倍もそれを見て手を合わせた。
中澤「ちょい待ち、これも備えてやってや。」
潤一郎「中澤オーナー、」
中澤「なかなか“粋”なことするなぁ自分、うちも参加させてや。」
安倍「じゃあ3人でいっしょにしましょう。」
3人は同時に手を合わせ黙とうを捧げた、
それと同時に10万人以上いた東京競馬場が一気に静まり返った、
今までの歓声が嘘だったかのように辺りは静まり返った。
1分くらいだろうか、3人はほぼ同時に黙とうを止め引き上げようとした。
パチパチパチパチパチパチ…………
何ともさわやかな拍手がスタンドから沸いた、
そこにいる誰もが拍手していた……そんな気がした。
潤一郎「あーあ、罰金かなこれ。」
中澤「そんなもんうちが払ったる!」
潤一郎「えー?ほんとですかー?」
中澤「ダービー勝ったんやから心配いらん!」
…………おめでとう
安倍「えっ!?」
安倍は思わず天を見上げてしまった、
潤一郎「どうしたのー母さん?帰るよー」
安倍「うん、今行くよ。」
しかし安倍はまた天を見上げていた、
安倍「(ありがとう潤………ありがとう………)」
太陽の日がまぶしいのか、目を細め右手で太陽を覆いながら天を見上げていた。
それは20年前と同じ初夏の陽気がする昼下がりの事だった……
これでおしまいです、
チンタラ続けてしまって申し訳ないです。
それではOracle Master Silverの試験が26日にあるので失礼します。
suzukaさんが畳み掛けてキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
お疲れさん、また宜しくね
>>251より
遊園地から出てきた俺と愛ちゃんは手をつないで仲良く歩いている。
いったい、遊園地で何があったのか?
さかのぼること2時間前……
遊園地に入ると、愛ちゃんは俺の手を引いていろんな所を走り回っている。
俺もさっきの梨華ちゃんのことを忘れるがごとく、愛ちゃんといっぱい遊んだ。
そして今は観覧車の中。
観覧車の中は、当然2人きり。
愛ちゃんは俺の正面でじっと見つめている。何か言いたそうだ。
「愛ちゃんどうしたの?」
「あ、あのですねぇ〜、あのぉ〜」
もごもごした言い方だ。
「あのぉ〜……」
「何?」
「私ぃ〜好きな人がぁ〜できたんですぅ〜」
「へぇー。その人はどんな人?」
「あのぉ〜、やさしくてぇ〜、私よりぃ〜年上の人ですぅ〜」
ん?俺に似ている……まさか!
「愛ちゃん、違ったらゴメンね。その好きな人って…もしかしてさあ…」
「シュンさんですぅ〜私はぁ〜シュンさんがぁ〜好きなんですぅ〜!」
福井弁の訛りは消えてないが、明らかに真剣な顔だ。
確かに愛ちゃんはかわいいし、性格も悪くない。
一緒にいて楽しいのも事実だ。
でも、梨華ちゃんがどうしても忘れられない。
しかし、そのとき、俺の精神はおかしく(?)なっていた。
だから……
「愛ちゃん、俺も好きだよ」
「ホントですかぁ〜?」
「ああ、これからよろしくね」
本当は愛ちゃんより梨華ちゃんが好きだった。
でも、今梨華ちゃんに思いを打ち明けても、何もならない。
だから、俺は愛ちゃんに気持ちが移った。
いや、悪く言えば<乗り換えた>といったほうが正しい。
そのことを知らない愛ちゃんはとても嬉しそうに抱きついてきた。
「シュンさん〜大好きですぅ〜」
………これでいいんだ。これで………
その後も愛ちゃんと共にいろんなところで遊んで、今はここにいる。
遊園地を後にし、夕食の買い物をしてから家に帰ってきた。
「ただいまぁ〜」
「ただいま」
上機嫌な愛ちゃんが家のドアを開ける。
「おかえりなさい!」
梨華ちゃんが待っててくれた。
「俊祐さん、おかえりなさい」
しかし、俺は梨華ちゃんに目もくれず
「愛ちゃん、俺の部屋に行こう」
と、言って梨華ちゃんを避ける。
「はいぃ〜」
愛ちゃんは別に気にしなかったのか、躊躇なく進んでいった。
俺と愛ちゃんは部屋に入ると、誰もいないリビングで梨華ちゃんが…
「俊祐さんひどいよ。私、何かした?」
と言って、そのまま泣き崩れてしまった。
更新終了
296 :
G:02/08/23 18:43 ID:P7Kyqxpi
名馬達の物語が全て凝縮されたような話しだ
サイレンススズカ、クロフネ、サンデーサイレンス、そしてキーストン(は違うか)
オクラルの試験頑張って下さい
297 :
G:02/08/23 18:44 ID:P7Kyqxpi
すいません・・・オクラルじゃなくてオラクルだった・・・
299 :
:02/08/23 19:30 ID:MfaWjXjp
>suzukaさん
最後はとても読み応えがありました。次回作も期待しております。
モデルとなった馬、またいつか再びあんな馬は出てくるだろうか・・
>MARIAさん
複雑な関係キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
300 :
コンボ:02/08/23 20:19 ID:TrR+AuJb
>>214より
15
下に降りると、大山が面をつけたまま地べたに座りこんでいた。
「勝ったのか」
「まあな。お前、そろそろ面つけろよ」
見ると、服部はいつの間にか面タオルを巻き始めている。
大山は面紐に手をかけた。
「外すのか?」
「次、俺13試合目だからな。
先にCコート行ってるぞ」
すぐに面を外した大山は、Cコートへ歩いて行った。
Cコートといえば確かに5試合目は俺だが、3試合目は足立だ。
俺の試合を見物しがてら、足立も見ていくんだろう。
面紐をしっかり結んで、両手で面を叩いた。
ずれないかどうか確認するためだ。
顎のずれないのを確かめて、竹刀を持って立ちあがった。
301 :
コンボ:02/08/23 20:19 ID:TrR+AuJb
Cコートの周りには人だかりができていた。
全員が足立の見物客ならば、やはり相当の期待があるに違いない。
都心部の道場で大学生に混じって練習しているという話を聞いたことがあるが、あながち嘘とも言えない。
私学大会は公立の学校が含まれないから数が少ない代わりに、粒揃いだ。
その中で中2でベスト4に入賞というのはそう簡単にはできない。
大山は巨体で場所を取って、腕組みしながら見物していた。
「足立は?」
「まだ。次の試合」
大山は口数少なくそう言った。
視線が足立に突き刺さっている。
男子では珍しい白い胴着の足立は、軽くジャンプをしていた。
かたや相手の方は、気の毒なほど縮こまっている。
足立のネームバリューにびびりまくっているんだろう。
「今はどことどこがやってるんだ?」
大山は知らない学校の名前を挙げた。
垂れに書いてある学校名を見ても、やっぱり分からない。
諦めて試合に専念することにした途端に、赤が面を決めた。
延長だったのか、戦っていた二人は元の位置で竹刀を収めた。
前の選手が引くと同時に、足立が一歩踏み出した。
302 :
コンボ:02/08/23 20:19 ID:TrR+AuJb
見物客がざわめく。
足立はプレッシャーを感じている様子もなく、軽やかに歩を進めた。
可哀想なのは相手で、こっちの方がよほどプレッシャーにやられている。
「ガチガチだな」
当然相手のことを、大山はつぶやいた。
中央まで3歩歩いた足立は、流れるような動きで蹲踞をした。
蹲踞とはかかとを上げて和式便所に座るようなもので、上半身は竹刀を構えたままの姿勢だ。
一際うるさかった女子の一団が声をひそめた。
何かあったかと思って見ると、食い入るように足立を見ている。
思い入れでもあるのか、5、6人が揃って固唾を呑んでいる。
そのすぐ横に、ぽつんと立っている女子の姿があった。
一団の一人らしいが、真剣に試合を見るわけではなく、ぼんやりと立っている。
見覚えのある紺のブレザーだった。
眠たそうな目で試合を眺めているのは、間違いなくすれ違った子だった。
向こうもこっちを見ている。
試合を見ているというより、こっちを見ている。
すれ違った時に何かしただろうか。
さっきまでぼんやりしているようにしか見えなかった眼差しが、俺を睨みつけているように見えてきた。
観客の湧いた声で我に帰った時は、足立が早々に一本を取っていた。
303 :
コンボ:02/08/23 20:20 ID:TrR+AuJb
16
樋口さんも私に気付いたのか、こっちを見ている。
面をしているから顔はよく分からない。
試合が始まっても、樋口さんはこっちを見ていた。
今更こっちから目を逸らすのもなんだか気恥ずかしくて、樋口さんに視線を向けるほか無かった。
しばらくして、樋口さんが怪訝そうに見ているのが分かった。
すれ違った時に何かしただろうか。
「あ、やった!」
まこっちゃんが横で大声を出したので、驚いて振り向くと満面の笑顔だった。
足立さんが一本取ったようだ。
始まって間も無いのに、もう取ってしまったのか。
思わず視線が樋口さんから外れて、試合に向いた。
立ち会っている。
しばらくして、足立さんは軽やかに地面を蹴った。
素人目にも軽やかと分かる動きだ。
そこから小手を狙って阻まれても、すぐさま面に移った。
小気味良い音がして、一斉に旗が上がる。
足立さんは一分も経たないうちに勝ってしまった。
304 :
コンボ:02/08/23 20:22 ID:TrR+AuJb
次の試合が始まっても、見物客はなかなかその場を離れようとしない。
足立さんが離れるとどこかにいなくなる人もいたけど、大半の観客は残っている。
樋口さんはさっきの大山さんに背中にたすきを付けてもらっていた。
見ていると、胴の紐は背中で交わるように結ぶみたいで、その交わったところに鉢巻みたいなたすきを結んでいる。
樋口さんは赤で、コートの外でじっと4試合目を見ていた。
その向かいで試合を待っている白の人は、原田くんのような体型だった。
肩が広くて、背が高くて胴回りもいかつい。
そう思っていると、すぐ後ろに原田くんがいた。
さっきの試合からいたんだろうけど、私が気付かなかっただけだろう。
原田くんは腕組みしながら試合を見ている。
剣道を見物する男の人は皆腕組みをするみたいで、皆申し合わせたように腕組みしている。
「紺ちゃん、Aコートでうちらの試合あるんだって。行こう」
まこっちゃんは、やっと落ちついた様子で私に近付いてきた。
他の子もAコートに移っている。
「原田くんは?」
「さあ? 次の試合見たいんだって」
腕組みで仁王立ちしている原田くんを置いて、私はまこっちゃんについて行った。
樋口さんの試合には興味があったけど、一人だけ残ることはできなかった。
305 :
コンボ:02/08/23 20:22 ID:TrR+AuJb
Aコートには、確かにうちの学校の人がいた。
白で待っている人の垂れにはうちの学校の名前が書いてあったけど、知らない人だった。
赤の方では、中肉中背の人が手持ちぶさたに試合を待っている。
垂れには「S中 服部」と書いてある。
樋口さんと同じ学校の人だ。
私たちが着くと同時に前の試合が終わったみたいで、前の人と入れ替わりに二人は中央に出た。
審判の掛け声がかかると、二人とも裏声を出しながら踏みこんだ。
服部さんが先手を取ったようだった。
「負けるなあ、これじゃ……」
まこっちゃんのつぶやきは当たった。
服部さんにあっさりと小手を2本取られて、早々に引き下がったのだ。
Cコートの方を見ると、まだ試合をやっているみたいだった。
――行きたいなあ
そう思っても、一人だけここを抜け出す気にはなれなかった。
服部さんをちらりと見ると、別に応援していた人もいないらしく、さっさとどこかに行ってしまった。
まこっちゃんたちはさっき負けた、こっちの学校の人を取り囲んでいた。
「いやー、残念だったけど相手が相手だから、まあ気にしない方がいいって」
まこっちゃんは笑顔で話した。
「S中って強いの?」
「ん? ああ、紺ちゃんは知らないのか。
S中って毎年一人はベスト4入るんだよ。
さっきの相手がS中の大将だったんだって」
ここまでです。
>silent suzukaさん
読んでいて、映画やドラマを見ているような臨場感を感じました。
生憎、競馬はずぶの素人ですが、楽しむことができたのはひとえに臨場感溢れる作品のおかげだと思います。
またよろしくお願いします。
306 :
こうもり:02/08/23 23:41 ID:H12ZE/vt
ドアを開けるとワンピースを着た中学生くらいの女の子が
「こんにちは、あの・・・隣に引っ越してきた、加護亜依と言います」
と言いながら少し緊張気味に譲に手に持った包みを差し出す。
「あ、これはわざわざどうも」
譲はそれを受け取りその包みを見る。
それは世間でも有名なお菓子屋のものだった。
「良かったら一緒に食べる?」
譲は亜依が食べたそうな目をして包みを見つめているのを見逃さなかった。
307 :
こうもり:02/08/23 23:41 ID:H12ZE/vt
「えっ、いいんですか?」
亜依は嬉しそうな顔で譲に返事をする。
「もちろん、これからお隣さんなんで仲良くしたいし」
譲はそう言って亜依に家に入るように促した。
「じゃあ・・・お邪魔しちゃいます」
亜依はサンダルを脱ぐと、譲に続くようにリビングに入る。
「やっぱりうちと同じ間取りですね」
「だろうね、このマンション間取り全部一緒だし」
リビングのソファーに座り、二人で話していると
「あれ、譲どうしたの?お客さん」
話し声に気付いた圭がキッチンからリビングに入ってきた。
更新終了。
あいぼんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
@ノハ@
( ‘д‘)<がんがってや〜!
>>295からだよ
「ただいま〜」
美貴ちゃんが元気よく帰ってくる。
が、目の前の光景を見て美貴はその元気をなくした。
梨華ちゃんが泣いている。
「どうしたの?」
「美貴ちゃん、おかえり…ヒック……ぐすん」
「梨華ちゃん!」
「うえーん!」
梨華ちゃんは美貴ちゃんに抱きつき、さらに泣き始めた。
美貴ちゃんはどうすることもできないので、ただ梨華ちゃんを抱きしめていた。
しばらく経って、美貴ちゃんは梨華ちゃんに話を聞くことに。
「どうしたの?」
「俊祐さんの事なんだけど…」
「シュンの?」
「うん、今日俊祐さん帰ってきても、私と口を聴いてくれないの」
「えっ!なにかあったのかな〜?
とにかく今日はこのまま寝たほうがいいよ」
「うん……」
その頃の俺の部屋
「シュンさ〜ん〜」
愛ちゃんは甘えてきた。
「ん?なあに?」
「なんでもないですぅ〜♪」
そう言って俺に抱きついてくる。
「愛ちゃん…好きだよ」
俺は耳元でささやいた。
「なんかぁ〜照れますねぇ〜」
でも、とっても嬉しそうだ。
更新終了
すいません
>>311はあんまり意味がわからなかったですね。
でも、愛ちゃんとのバカップルを書きたかったので…
313 :
TMC:02/08/24 18:46 ID:KzGeu8fZ
>>241からです
「辻ちゃんもこれから俺と昼寝でもしないか?」
誘ってもらったお礼にとこっちから誘ったけど
委員会の仕事があるらしくてもう戻らなければならないらしい。
「それではののは教室に戻るのれす。」
「ああ、誘ってくれてありがとな。でもどうして1人で
ここで食ってたんだよ?」
「青春を感じてたんれす。ののはテツガクシャれすから。」
そう言って彼女はベンチからピョンと跳ねて立ち上がり
そのままスキップしながら階段の方へ向かっていった。
不意に強風が吹きスカートをハラリとめくった。
辻ちゃんは「テヘヘ、、、」と笑いスカートを押さえながら
俺の方に手を振って階段を下りていった。
しばらくベンチでボーッとしていると
気のせいか風が優しいように感じた、、、
314 :
TMC:02/08/24 18:47 ID:KzGeu8fZ
キーンコーンカーンコーン、、、
鳴り響く終業のチャイムで目が覚めた。
どうやらそのまま寝てしまっていたらしい。
ってことは午後の授業がサボり扱いになってるわけだ。
まぁ、いっか。どうせ俺がいてもいなくても変わらないだろう
朝とは違い今度は楽観的な考え方でいくことにした。
「あー!!やっぱりここに居た。」
「まったく、新学期早々サボりとは慎一らしいな。」
俺の方へ向かってくる男と女。
あの2人が一緒にいるとどうもおかしいんだよなぁ。
女の方が矢口真里、金髪で亜依以上にうるさい奴
男の方が松原史也、成績優秀でスポーツ万能の天才君
いわゆる腐れ縁で中等部の3年間クラスが一緒だった奴ら
高等部になってからも2年間同じで
今年から真里と史也が4組になり俺だけハブだ。
315 :
TMC:02/08/24 18:48 ID:KzGeu8fZ
本日はここまでです。
316 :
こうもり:02/08/24 23:45 ID:1Z+uXrl0
「あらずいぶん可愛いお客さんね」
圭はリビングに座っている亜依を見ながら微笑む。
「どうも初めまして、私、隣に引っ越してきた加護亜依といいます」
「そうだったの、私は保田圭って言います」
「そういえば俺も自己紹介まだだったね、秋月譲です」
三人はそれぞれに自己紹介して、再びソファーに座る。
譲はそのままキッチンにお茶を淹れに行く。
317 :
こうもり:02/08/24 23:45 ID:1Z+uXrl0
「そうだ、あなたの事なんて呼んだらいい?
やっぱり加護さんじゃ呼びにくいし、普段なんて呼ばれているの?」
圭は加護の隣に座って、話を始める。
「ええと、友達とかには『あいぼん』って呼ばれてます」
「じゃあ私も『あいぼん』って呼んでいい?」
「ええ」
「私の事も好きなように呼んでいいから」
「そうですか」
亜依は少し考え「『圭さん』って呼んでいいですか?」と言う。
「うん、全然OKだよ」
「これからよろしくお願いします」
「よろしく」
圭と亜依はそう言うと握手をしている。
更新終了。
318 :
豚子:02/08/25 15:31 ID:fWP60fZ9
♪ よっすぃすぃ♪
ノノヽヽヽ@
(^〜^0)
((( ;;"~;;;"~゛;;)
. ミ;,,_,ミ;,,_,,;ミ
♪ よっすぃすぃ ♪
@ノノノヽヽ
(0^〜^)
(;;"~゛;;;~゛;; )))
. ミ;,,_,,;ミ,_,,;ミ
♪ うーっ ♪
@ノノヽヽヽ@
(0^〜^0)
;;"~゛;;;"~゛;;
ミ;,,_,,;ミ;,,_,,;ミ
♪ チ○○! ♪
,, -,, ,, -,,
;;, ,,ミノヽヽミ,, ,;;
"(ヽ^〜^ノ)"
| ∩|
⊂__⊃
319 :
剣士:02/08/25 20:35 ID:Bqnq2CBP
>244の続き
「アイツに救われたからだよ」
なつみは、ハァ?という感じで黙っている。
「・・俺の過去を全部話した」
それを聞いた瞬間、なつみは驚いた。
「え?!話したの?何で?!」
「・・・写真見られちゃったんだよ。片付けてなかったし。・・アイツとの写真は片付けられなかった」
「・・まだ、悔やんでたの?」
俺は立ち上がり、窓を開けて、空を眺めた。
「アイツを忘れられるわけねぇだろう?俺の親友とも言える存在だったあいつを・・」
俺の目から、一粒の滴が流れ落ちた・・・。
「涼さん・・・」
その声に、俺となつみはバっと振り返った。
「梨華・・・」
梨華が花を持って立っていたのだ。しかも、ちょっと悲しそうな顔で。
「ごめんなさい。話、聞いてました・・・」
すべて聞いていた?ってことは、なつみが俺のことを好きだって言った時からか?!
「ちょっと、梨華ちゃん来てくれない?」
と、なつみは梨華を連れて行ってしまった。
「まさか、修羅場か?・・・やだなぁ」
更新終了です。
320 :
こうもり:02/08/26 00:03 ID:7x93WBdS
とそこへ、譲がお茶を運んできた。
「女同士は仲がよくなるのが早いな」
譲はお茶を差し出しながら、圭に言う。
「もう仲良しだよね」
「はい」
圭も亜依も微笑みながら譲に向かって答える。
321 :
こうもり:02/08/26 00:03 ID:7x93WBdS
「それで、あいぼん、年はいくつなの?」
「へぇ、あいぼんって呼んでるんだ」
「うん、そうだよ、譲もそう呼べば」
「いいけど………なんか恥ずかしいな」
譲はそう言いながら頭を掻く。
「私は全然構いませんよ、そう呼んでもらっても」
「じゃあそう呼ぶよ、俺の事も『譲』とでも呼んでくれていいよ」
「わかりました『譲さん』って呼びます」
亜依はそう言いながらお茶を少し飲む。
更新終了。
良かった、何とか気づかれなかったようだ。
フラッシュも点かなかったし大丈夫だろう。
全身の毛が一気に逆立つような緊張感から解放された。
安堵のため息が漏れる。
おれは すぐに裏門へ車をいれた。
裏門は普段救急車が入ってくるため、一般車両は通行禁止になっている。
だが今はそんなこと気にしてられない。
おれは裏門から車をいれ、駐車場へ車をいれる。
ここまで。
ようやく仕事が一段落つきました。
読んでくれてる人(いるのか?)申し訳ない。
>>324 お疲れさまでした。
あんまり無理はなさらずに。
326 :
:02/08/26 10:06 ID:rT3b5NI7
いるよう。なんだよう。
>>311の続き
次の日
今日は俺達の大学と愛ちゃんの高校は休み。
そういうことで、愛ちゃんとデートに行こうと部屋に行こうとすると…
「あっ……」
偶然梨華ちゃんと会ってしまった。
まあ一緒に住んでるから偶然とはいえないけど…
「俊祐さ…」
「…」
俺は何事もなかったように足を進める。
「………」
梨華ちゃんは何もできずにただ立ち尽くしていた。
目には涙があふれていた。
コンコン
「はぁ〜い〜」
「愛ちゃん♪」
「あっ!シュンさんですねぇ〜♪どうぞぉ〜」
ガチャ
「おはよう」
「おはようございますぅ〜」
「今日学校休みでしょ?どっか遊びに行かない?」
「いいですよぉ〜シュンさんのためならぁ〜どこでもいきますよぉ〜」
「じゃあどこに行く?」
「後で決めましょうよぉ〜」
「そうだね。じゃあ1時間後に行こうか?」
「はいぃ〜」
「それじゃあね」
そう言って俺は愛ちゃんの部屋を後にし、自分の部屋に向かった。
更新終了
ちっくり、リボルバー、どらい、帰ってこーい!!
>>329 もう忘れかけてたような作者タンたちの名前だね(w
果たして今の読者も知ってるものか・・・・・
個人的には8200に帰って来て欲しいな。
リレーもあることだし。
ラムザって帰省中だっけ?
333 :
こうもり:02/08/27 00:50 ID:XVXPqWQ5
「あ、そうだ、さっきの質問、私は中学三年生の14歳です」
「やっぱり若いね、圭とは7歳違うんだな」
譲はニヤリと笑いながら圭のほうを見やる。
「譲だって同じでしょう、あいぼんからみたら譲もおじさんに見えてるんじゃない」
圭はそれを譲と同じように返す。
「二人とも仲がいいんですね」
そのやり取りを見ていた亜依は感心したように二人に言う。
334 :
こうもり:02/08/27 00:51 ID:XVXPqWQ5
「そりゃまあ子供のころから一緒だしね」
「そうなんですか?」
「そうよ」
「まあ、腐れ縁っていうやつかな、もう二十年以上ずっと一緒にいるし
いつのまにか一緒に暮らしてるんだけど」
「まあ、そんなところね」
圭はそう言いながら少し笑う。
「あいぼんはそういえばどうして引っ越してきたの?」
「あのぅ………」
亜依は複雑そうな顔をする。
更新終了。
335 :
TMC:02/08/27 11:59 ID:RILatc/g
>>314からです
「サボりじゃない、昼寝してたんだよ。」
「それをサボりって言うのよ!」
真里の蹴りが俺のケツめがけて飛んできた。
「まあまあ、落ち着いて。一緒に帰ろうとしたら
教室にいなかったからここかなって思って。」
史也は真里と違って知性という物があるので助かる。
もし、史也も真里と同じような性格だったら大変なことになっていただろう。
「それじゃ、悪いけどもう一度俺の教室に行こうぜ。
荷物を取りに行かなくちゃ。」
史也は快く、真里は渋々とついてきてくれた。
336 :
TMC:02/08/27 12:00 ID:RILatc/g
屋上は3階の上にある、つまり4組の教室の上だ。
俺の教室である3組はそのもう一つ下の階である。
そのためいつもなら使わない階段を使ってしまったせいか
途中で梨華に会ってしまった。
いくら仲の良いこの2人でもあの事がバレるのはちょっとヤバイ
この場は上手くシカトしてくれることを祈ったが
「あっ!慎ちゃん!!」
俺の願いは叶えられなかった、、、
「お、おう。これから部活か?がんばれよ。」
「うん!それと今日の晩御飯は何がいい?」
それは俺にとって一番聞かれたくない質問だった。
真里と史也は後ろで呆然と俺達のやりとりを見ている。
「お、俺の家の晩御飯なんて何でもいいけど。
そ、それがどうかしたのかな?じゃ、石川さんまた明日。」
俺のあまりにも不自然の言動に梨華はようやく緊急事態で
あることに気付いてくれたらしく
「う、うん、また明日ね。寺田君。」
と言って部活へ向かった。
337 :
TMC:02/08/27 12:01 ID:RILatc/g
今日は更新終了です
>>328の続き
部屋に戻るとき、やっぱり梨華ちゃんの部屋を通るときがあった。
そのときも梨華ちゃんは部屋の前で泣いたまま。
俺は何もないように通り過ぎる。
そして部屋に戻ると……そこには美貴ちゃんが部屋の真ん中で立っていた。
「ちょっと話があるんだけど」
怒っているが、声に迫力がないので怖くはない。
「なんだよ。今から出かける準備するんだけど」
「なに?昨日からの梨華ちゃんに対する行動は!?」
「はぁ?別に普通だけど」
「嘘つかないでよ。無視したんだって?梨華ちゃん泣いてるの気づかない?」
「その泣いてることも嘘じゃないのか?」
「何で?」
「あいつ昨日男と歩いてたよ。しかも腕組んで」
「だから梨華ちゃんを無視してるの?」
「そうだよ」
俺はもう開き直り気味に言った。
すると美貴ちゃんは驚いた顔をしたが、すぐに言い返してきた。
「その話なんだけど、その人は梨華ちゃんの幼なじみで
私達みたいに高校は別だったんだけど、偶然大学が一緒だったんだって」
「じゃあなんで……」
「話をちゃんと聞きなさい。
それでその人がなんか合コンで彼女がいるっていうことを言っちゃったんだって
彼女のいないその人は梨華ちゃんに相談したら、偽装で彼女になったんだって」
美貴ちゃんは延々と話している。
俺は自分の間違いに気づいた。
「そんなことが…」
「そう、ここからは私の推測なんだけど
梨華ちゃんはシュンが好きなんだよ。
だからシュンが無視したときに泣いてたんだと思う」
俺はなんて馬鹿なことをしちゃったんだろう……
更新終了
340 :
コンボ:02/08/27 23:11 ID:Q5p9flvm
>>315より
17
可哀想な相手は、一分もしないうちに足立に負けた。
こうなることは分かっていたが、それでも足立の圧倒的な強さを感じる。
終わると同時に4試合目が始まった。
次は俺だから、コートのすぐ側まで歩いて試合を見ていることにする。
そう言えば、さっきの紺のブレザーはどうしたんだ。
居並ぶ観客を見まわしてみた。
さっきまでいたはずの所に、ブレザーの姿はない。
代わりにごつい男が腕組みをして立っている。
男は試合に視線を向けながら、俺の方をちらちらと見ている。
垂れには「Y中 原田」と書いてある。
原田が俺を睨みつける視線は、鬼気迫っていた。
名前に覚えは無い。
そもそもY中の名前に覚えが無い。
あまり強いところじゃないみたいだ。
原田の視線を気にしているうちに、第4試合が終わった。
原田はいよいよ俺を睨みつけている。
引き下がった選手に代わって、コートのライン近くに立った。
「お願いします」
一礼して3歩踏み出した。
やはり紺のブレザーはいない。
341 :
コンボ:02/08/27 23:11 ID:Q5p9flvm
1分ほど経ったところで、面を取った。
その一本を守りきって、どうにか勝った。
紺のブレザーの姿は無い。
竹刀を収めて引き下がると、横から大山が近寄ってきた。
「まあまあだったな」
「まあまあよりは良かったんじゃないか?」
「相手が弱かっただけだって」
「それよりさあ、Y中の原田って知ってるか?」
「Y中?」
大山は怪訝な顔をした。
「またマイナーだな……」
「知ってるのか?」
「まあな。
で、原田って誰だよ」
「あれだよ」
原田はまだCコートにいて、やはり試合を見ながら俺の方を見ている。
「あのでかい奴か?」
「俺の方ばっかし見てくんだよ」
大山は首を捻った。
「聞いたこと無いな……お前も知らないんだろ?」
「知ってたら訊かねえよ」
342 :
コンボ:02/08/27 23:11 ID:Q5p9flvm
歩いていると、大山が原田を振り返りながら言った。
「気になるんだったら訊いてこいよ」
原田はまだCコートにいる。
「そうだな」
「それにしても、Y中に知り合いでもいるのか?」
「別に……Y中って初めて聞いたし」
「剣道弱いからな」
話しながら歩いていると、面を外している服部の横に女子がいるのが見える。
俺より先に試合が終わったのだろう。
「お前ら見に来たの?」
大山が声をかけると、女子たちは振り向いた。
「別に。
足立くんの試合見に来たんだけど、人多かったからやめた」
ぞんざいな口調で答えた。
横に座って服部に訊く。
「勝ったか、服部」
「一応勝ったけどな」
面を外した服部は、苦々しい顔をしていた。
「かかと打った」
足を崩した服部は、両手で足の裏をもんでいる。
343 :
コンボ:02/08/27 23:12 ID:Q5p9flvm
座りこんで面紐に手をかけると、後ろに立っていた辻が話しかけた。
「試合勝ったの?」
「勝った」
「途中まで上で見てたけど、相手結構強くなかった?」
「結構強かった。
でも、この調子だったら足立と当たるかもな」
並べた小手の上に面を置いて、面タオルを取った。
横を見ると、大山が女子たちと何か立ち話をしている。
女子はしきりにうなずきながら聞いている。
にやにやと話す大山は、どこか怪しい。
「お前、何話してんだ?」
「ん? 別に。
トーナメントの話」
大山の笑みには嘘の色が濃く出ていた。
ここまでです。
調子悪いな……
>>コンボ
辻がええ感じ。庵が辻ヲタなのもあると思うが。
345 :
こうもり:02/08/28 02:06 ID:t758CXQf
「ごめん、言いづらいなら言わなくてもいいよ」
圭はまずいことを聞いたと思い話を止めようとする。
「でも、ちゃんと言います」
「いいよ、言いづらいなら言わなくて」
「うんそうだよ」
「分かりました、ちゃんと話せるようになってからでいいですか?」
「もちろん」
譲はそう言いながらお茶を口に含む。
346 :
こうもり:02/08/28 02:07 ID:t758CXQf
「そういえば二人ともお仕事してるんですか?」
「うん」
「ああ」
二人は同じタイミングで亜依の質問に答える。
亜依はそれを見て再び微笑みながら
「それで何の仕事をしているんですか?」と聞く。
「俺は普通の会社で経理の仕事」
「私は雑誌の編集」
「雑誌の編集をしてるんですか、すごいですね」
「まあね、っていっても小さいところだから色々やらなきゃ
いけないから忙しいのよ」
「へぇー」
亜依は感心したように圭の方を見る。
更新終了。
「わー、魚がいっぱい…」
紺野さんはガラスケースの中の魚を見て興奮していた(と思われる)。
「水族館に来たの初めて?」
「いえ。でも小さい頃に1回行っただけなので、何も覚えてなくて…」
「そうなんだ。じゃあ今日は目一杯楽しもうね」
「はい」
紺野さんは嬉しそうに頷く。
僕たちはどんどん奥に進んでいく途中、紺野さんがいきなり立ち止まった。
「…」
何かを見ている。
僕は紺野さんの目線の先を追った。するとそこは、
「『フグの間』?」
何とも変わったブースだ。
「あの、紺野さん?」
「…」
紺野さんは何も返事をせずただ中を見ている。と、一匹のフグがこちらに向いて泳いできた。
僕たちの前で止まる。
「……」
紺野さんは何も言わず、ただそのフグを見ている。
いつまでここにいるのかと思いながら紺野さんを見ると、何か違和感を感じた。
(何かおかしいな。どこだろ)
じっくり顔を観察すると、
「(パクパクパク)」
フグに合わせて口が動いていた。
それに気づいた瞬間、僕は無理矢理紺野さんをその場から連れだした。
前から変わった子だと思ってたけど、まさかここまで変わってるとは思わなかったよ…
まあそういうところも好きなんだけどね。
>>339から
「ねえ〜シュンさ〜ん〜」
ここは駅前の喫茶店。
あの後俺は自分の間違いに気づいたが、愛ちゃんとは恋人同士なので
断るわけにもいかず、そのまま出かけた。
「ん?どうかした?」
「どうかしたぁ〜じゃないですよぉ〜!さっきからどこ向いているんですかぁ〜?」
「えっ?俺は愛ちゃんを見てるんだけどな〜」
愛ちゃんは‘もういい’みたいな顔になってそっぽを向いてしまった。
しばらく気まずい空気になってしまったが
俺はその空気に気づかず、ただ何も考えずにその場をやり過ごした。
結局もうこのまま帰ろうということになり、俺達は家に帰った。
家に入ると愛ちゃんは部屋に閉じこもって出てこない。
そこに美貴ちゃんが
「帰るの早いね」
「ああ、なんか話が進まなくてな」
「梨華ちゃんのことで?
シュンさあ…そのことを考えるのもいいけど、愛ちゃんのこと考えてるの?」
「うん…」
「中途半端だねぇ〜!あんたはいつもそう!私のときも……」
その言葉で俺達は黙る。
4人の歯車は確かに狂っていた。
そう、俺が梨華ちゃんを無視したときから……
更新終了
352 :
こうもり:02/08/29 02:23 ID:YhpiHABm
「すいません、長居しちゃったみたいで」
亜依はそう言いながらサンダルを履いている。
あの後も話は弾み、話が終ったころには日も西に傾き始めていた。
「いいよ、気にしないで、どうせ今日は両方とも仕事休みだったし」
「そうよ、どうせ譲と二人でいても話す事もあんまりないから
丁度よかったわよ」
圭は亜依の方を見ながら微笑む。
「じゃあ、お邪魔しました、今度は私の家に遊びに来てください」
「うん、わかった」
亜依は頭を下げると譲の家から出て行く。
353 :
こうもり:02/08/29 02:24 ID:YhpiHABm
「可愛い子だったね」
「ああ」
譲と圭はリビングで亜依の事を話している。
「それにしてもどうして引っ越してきたんだろうね」
「さあな、まあでもこのマンション結構家族で住んでる人も多いし
たまたまじゃないの?」
「でも凄く言いづらそうにしてなかった?」
「そう言われてみればそうだけど、あんまり他人事に干渉しない方がいいだろ」
「そうね、あ、そういえば今日買い物に行かなきゃいけなかったんだ
譲、車出してくれない?」
「だったら、ついでに飯でも食いに行くか、今日は珍しく休みが一緒になったんだし
もちろん、圭のおごりで」
譲は圭の方をみて圭の返答を待つ。
更新終了。
こうもりタン、最近しばらく更新2レス分だけど、こういうストーリーの始めの部分は
もう少し長めにして更新してほすぃなと思う。
なんていうかストーリーにのっていけないっていうか、入りこみきれないっていうか。
まあ、HPでまとめて読めと言われるとそれまでなんだけど。。。
やっぱ毎日読む習慣がついちゃってるしね。
御検討お願いします
以前にもここに短編を載せさせていただいたんですが、こりずに今回も・・・・・
その短編は多分前スレにあります。今は前スレはhtml待ちですので、
また表示されるようになったらごらんください。前もこの捨てハンで書きました。
少し長くて、しかもこのスレの主旨ともはずれてる気がしないでもないですが、
もしよろしければ読んでみてください。お目汚し上等(w
では長々とすいません。
月はまるで私をあざ笑うかのように―すごく綺麗な円を描いて―
と言っても眩しすぎるワケも無く、目の前の、極近く見える空に浮かんでいた。
それと対照に、私の眼前にいる人はあざ笑うどころか、何の表情も浮かべないでただ立っていた。
この後言われるであろう言葉を想像すると、ごく自然に涙が溢れてきた。
その行動は、人間の食欲とか睡眠欲といった根本的なものにも似ていたのかも知れない。
「おいおい、まだ何も言ってないだろ?何で泣くんだよ?」
―まだ何も言ってないだろ―
この言葉で益々確信を持てた――私、フラれちゃうんだぁ――
そんな確信を表に出して、相手に躊躇されると私としても気まずい。
とか言っても、もう泣いちゃってるんだけどね・・・・・・・
あくまでも普段の私を装う。
気丈で笑い上戸で泣き虫な・・・・・泣き虫は今出したらまずいんだった・・・・・
なんて考えながら、普段の私の声を出す。
「あぁ、ごめんごめん。あくびしたらいつもより涙の量が多くてさぁ?ふぁあーあ」
我ながら完璧な嘘だと思う。私の思い違いかも知れないけどね。
「ははっ、お前らしーな」
今日呼び出されてからはじめて変えて見せた表情―いつもと同じ屈託の無い―笑顔・・・・・・・
それがあまりに自然すぎてまた涙が出てきそうになったけど、
今度はあくびで誤魔化せそうな状況じゃないのでグッとこらえた。
「そんで?話って何なのさ?仕事帰りの疲れたオンナを呼び出した罪は重いよ〜?」
これは本音だ。事実、朝から歌収録とか雑誌の撮影、ラジオ収録まで働いた私はクタクタだ。
呼び出したのがコイツじゃなかったら間違いなくブチ、もうブチもブチ。
速攻で家に帰って狭い―私の体には広いけど―風呂に入って、ベッドに倒れこむつもりだったのだ。
「おー、分かってるよ。さっさと済ます・・・・・」
―さっさと済ます―
私との別れをさっさと済ます?そんなに思い入れのないヤツなんだ私って・・・・・
あ、ヤバ・・・・・また泣きそう・・・・・涙腺弱いねホント最近・・・・・・・・
ここんとこ後藤の脱退とかタンポポ解散とか色々、泣ける要素がただでさえ多いんだからさぁ?
男ならこれ以上私を泣かせんなよ!
って言えたらどんなに楽か・・・・・
「俺たちってさぁ、付き合ってもう2年?ぐらいだっけ?長いこと付き合ってるよな。」
正確には1年11ヶ月と19日だけどね?あ、もう日付変わってるから20日かな?
てかこれ別れ話の切り出し文句じゃない?もっとうまいこと言えないのかねぇ、コイツは・・・・・
「うーん、結構長いよねぇ。それがどうかした?」
職業上、お腹の底から声を捻り出すのには慣れてる。
嗚咽が漏れそうだったけど、少ない女優業の演技経験でそれを押さえつける。
「もうそろそろいいと思うんだ、俺・・・・・・・・」
きた・・・・・・・ダメ、もう無理っぽい・・・・・マジ声あげて泣きそう・・・・・
359 :
名無し娘:02/08/29 04:30 ID:88+OiCou
こんなことなら芸能界なんか入らなきゃ良かったなぁ、じゃあいつでも会えたし、
もっと違う形で私を見てもらえたんだろうけどなぁ・・・・・
なんて不純なことを考える私・・・どうかしてるね?
第一、芸能人じゃなきゃこの人と付き合うことなんてなかったかも知れないし、
いい経験をさせてもらったってことでキッパリ諦めよう、うん、そうしよう。
頭の中では諦めても、体が拒絶する。
とめどなく涙が溢れて、もう考えてどうこうするレベルじゃなくなった。
家から近い公園、誰も居ない閑静な住宅街の公園に私の声が響いた。
「もういいと思うから何!?別れようってか!?ちょっと勝手過ぎるんじゃないの?
確かに私もあんまり忙しくて連絡取れなかったのは悪いと思ってるけど、
付き合う時言ったじゃん!こういうことになるよ?って!!」
「おい?」
「別れようってんならいいよ別に!こっちは今大変なんだよっ!!」
涙と同時に激しい息遣いが聞こえてくる。
しばらく経ってやっと、その息遣いが自分のものだと気付いた。それほどに錯乱していた。
今思えばこんな大声出したのも久しぶりかも知れない。
テレビとか歌とか、お腹から声を出してるけど、今のは完全に喉から出てきた声。
普段コレやるとつんく♂さんに叱られるんだよなぁ・・・・・
顔を流れる、汗だか涙だかも分からない水を拭おうとも思わずに、ただ眼前の人影を見つめた。
このあとどう出てくるんだろ・・・・・逆ギレ?それとも考え直してくれる?
・・・・・いやいや、もういい。終わったことなんだこれは・・・・・
相手のレスポンスを待ってる時間が恐いぐらいに長く感じられた。
メールのレスを待ってる時とか比べ物にならないくらいに・・・・・・・
息苦しいのはさっき叫んだからだろうか?それともこの都会の汚染された空気のせい?
違う。
この空気の中に私が吸うことを許された酸素が少ないかのようにすら思えるほど息苦しかった。
不意に、何の前触れもなく、前方の影が動く。
それがどんな表情かは、私の曇った目では判別できなかった。
あぁー、やっぱ逆ギレ路線?グーで殴るのはやめてよね、明日も収録があ・・・・・ッ!?
やや上向き加減の私の視界が、公園の木々から一瞬にして見慣れた服の模様に移る。
嗅ぎ慣れた香水の匂い、厚くもなく薄くもない胸板。
懐かしさに溺れて、身を預けてしまいそうだった。
しかし一度啖呵をきった以上、そんなことは出来ない。
背中に回された男の手を振りほどこうと必死になった。
「ちょ、何すんの!?」
「何焦ってんだよ?」
「はぁ?」
「今日俺はそんな話しにきたんじゃないっつーの。
まぁお前が最近色々大変なのはニュースで見て知ってる、でもそんなナーバスになる必要ないだろ?」
「ナーバス?」
慣れた匂いと口調で、私は完全に落ち着いていた。
別れ話が私の大きな勘違いだったってのも、私を落ち着かせる大きな要因になったのかも知れない。
単純に言葉の意味がわからなくて、鼻水に嗚咽にと、混じり混じった声で訊ねた。
「まぁ要は落ち込むってこと。」
先ほどまで私を抱きしめていたその両手は、今は私の肩に置かれ、顔を向け合う形になっている。
その相手の顔からは、少々馬鹿にしたような含み笑いが漏れていた。
「お前が俺と居るのに飽きた、別れたい、ってんなら話は別だけど、
少なくとも俺はそんなこと言うつもりはないよ。」
優しい口調に、これでもか!と涙が溢れてきた。
今日はあんまり水分取ってないのに・・・・・脱水症状とか起きないよね?
「今日お前を呼んだのはこっちの方なんだよ。」
肩から片手だけを離して、後ろポケットに手を突っ込む。
その姿を見て、数年前に流行った「反省!」という猿のポーズを想像して、
笑いそうになったなんて言えないや・・・そのネタ知ってるかもわかんないしね。
男のポケットから取り出されたのは、いつかドラマで見たことあるような小箱――
白い包装紙にちょこんと乗っかったリボン、何だっけかコレ・・・・・・
「今なんて言わない、いつになっても構わない、だから―――」
あぁ思い出した、こーゆーのたいがい婚約指輪・・・・・・・
「俺と結婚してくれ!」
今はじめて冷静に物事を見れた喜びと、予期せぬプロポーズに嬉しさを覚え、
半ばひったくるようにその箱を受け取った。
「ねぇ、開けていい?開けていい?」
「おう、安もんで悪いんだけどさ・・・・・・・」
丁寧に包装をとき、これまた丁寧すぎるほど慎重にふたを開けた。
こんなこと一生に二度あるかないかなんだから、この時間も大切にしたい・・・・・
カパッと音をたてて開かれたふたの中には、言葉通りの安っぽそうなシルバーのリングが入っていた。
しかし安っぽい安っぽくないは問題じゃなかった。
「お前まだ19歳だし、仕事もまだまだって時にこんな話する俺はおかしいと思う。
でも、近頃お前テレビでもいつもの元気なさげだし、体調も崩してたらしいからさ、
ちょっとでも元気つけてもらおう、って考えたのがこれな?
突飛すぎる発想だけど、インパクトはバッチリだったろ?」
「確かにスゴイびっくりした。
でも久々に会うのに深刻な顔されて来られたんじゃ、誰だって別れ話と思うよ!」
「悪い、緊張しててさ?そりゃ緊張もするよ。
で、どうなんだ?これに対する返答は?」
正直、迷いなんかなかった。これからも時間を共有できる、そう思うとたまらなく嬉しかった。
「よし!結婚しちゃおー!!すぐやっちゃおー!!」
「え!?マジか!?そりゃ嬉しいけど、今すぐってのは大丈夫なのか!?」
確かに、結婚すると事務所に言って素直に許してくれそうにはない。
なによりモーニング娘。にいる限り、私はずっと殻をかぶったまんまだろう。
そんな殻を破るきっかけをくれたこの人のことを一層好きになった。
寿脱退?いいじゃん、上等じゃんか。
あ、でも裕ちゃんには怒られそう・・・・・メンバーにも恨まれそう・・・・・
関係ないない!私のやりたいことをやってこそ私の人生だ!!
「だいじょぶだいじょぶ〜♪」
「ホントかよ・・・・・結婚ってのはもっと慎重に――」
「今したいから今するの!他に理由なんていらないでしょー?」
「・・・・・後藤さん卒業の次に大きなニュースになるなこりゃ・・・・・」
「ううん――」
――私のニュースの方がもっともっと大きいよ――
まるであざ笑うかのように、私を照らしていた月――
今は回りのどの星よりも眩しく見えるのは、私の気のせいだけじゃないだろう・・・・・・・
〜終わり〜
すんげぇ(・∀・)イイ!!
連続投稿規制に引っ掛かりつつ、何とか載せ終えました。
終了後のレスが異様に遅いのも、連続投稿規制のおかげであります(w
人物名を出さずに誰かわかるような話を書きたい!って思いながらも、
19歳やら小さい体、と言ったその人物の代名詞のような単語をいくつか使ってしまい・・・・・
最後の方が雑になっているのは、眠気に負けそうだったからです。
>>366 作者さんが多いので、自分の短編なんかすぐ埋もれてしまうでしょう。
だから率直な意見を頂けてありがたく思ってます。
感想は今後の糧にさせてもらいます、長々とありがとうございました。
368 :
:02/08/29 20:02 ID:7gKHywmg
こういう短編も良いね
感情豊なヤグの心の中も(・∀・)イイ!!
>>367 いや、初めの方で十分矢口だとわかった。
>>368 そう言ってもらえて光栄です、それには結構気を使ったから嬉しいです。
>>369 ホントですか?それは嬉しい(w
自分で読み返してみたらかなり雑なところとかやっぱあったんで、
これからは文もキチンと正して、視点もハッキリ、前後で矛盾なく書こうと努力します。
自分のようなバカモノにでさえ、こういった好意のレスをつけてくれる方がいらっしゃるので、
「長編書いてるがイマイチ面白がってくれる人がいない」
とか悩んでる作者さんがいたら、気長にレスを待ってて下さい。
いつかレスはつきますよ(何て無責任な・・・
今日は更新ないので寂しいですね、一読者として、皆さんの小説お待ちしております。
長々と申し訳でした。また載せた時はこんなに長々とは書きませんので(w
371 :
コンボ:02/08/29 23:21 ID:IEytXwn5
気分転換に短編を書いてみました。
今回は前後編の前編です。
本編はちょっと休みます。
小学生の頃から、真田くんは変わっていた。
友達がいないわけじゃないけど、人付き合いは冷めている感じだった。
男子が皆外で遊んでいる時でも、一人教室でグラウンドを眺めていたことがある。
「何してるの」
たまに話しかけると、決まってこう返ってきた。
「グラウンド見てんの」
「何言ってんの、当たり前じゃん」
そう言っても、真田くんは何も言い返さない。
不機嫌そうな顔をして、またグラウンドを眺める。
「よっすぃー、あんなのに話しかけないほうがいいよ」
友達は、私が話しかけるたびにそう言った。
特にごっちんには、「近寄らないほうがいいよ」とまで言われた。
でも、私にとっては真田くんはどこか陰があって、気になった。
5年生の時、「将来の自分」というテーマで作文を書かされた。
同じクラスに真田くんがいたから、私は密かに期待していた。
教室の前で順番に自分の作文を読んでいく。
真田くんが壇上で読んだ作文のタイトルは、「花火職人」だった。
真田くんは延々と花火職人の仕事を説明し続けた。
372 :
コンボ:02/08/29 23:21 ID:IEytXwn5
6年生の夏、友達と一緒に市内の花火大会に行った。
押入れから浴衣を引っ張り出して、駅前で集合した。
皆で喋りながら改札をすりぬけてホームに出ると、見たことのある人影が立っている。
真田くんが線路際で本を読んでいた。
「あれ、真田?」
誰かが言った。
「花火大会なんか行くんだ」
ごっちんも興味なさそうにそう言った。
「花火職人になりたいって言ってたよね」
私がそう言うと、皆こっちを振り向いた。
「なんでそんなこと知ってるの?」
「去年作文で言ってたけど……覚えてない?」
誰も覚えていなかった。
電車の中で皆が騒いでいる時に、ごっちんが話しかけてきた。
「真田くんのこと好きなの?」
私にはそういう意識は全然無かった。
ただ、変わった人だな、と思って興味を持っただけで、恋愛感情なんか湧かない。
曖昧に答えると、ごっちんは分かったような分からないような顔をした。
373 :
コンボ:02/08/29 23:21 ID:IEytXwn5
中学の頃は、バレーに夢中だった。
練習についていくのに必死で、授業中も休み時間も、バレーのことばかり考えていた。
牛乳を飲んだり筋トレしたり、そういうことにばっかり時間を使っていた。
当然、成績は見るも無残なものだった。
結局夏休みの補習に引っかかって、一週間クラブに行けなくなってしまった。
本末転倒になって、情けない自分を後悔しながら家を出た。
補習は大体40人で、一つの教室でまとめてやる。
教室の中は学年の不良をかき集めたようなメンバーで一杯だった。
それでもまだ、補習に来てるだけましだと思うけど。
「あ!
ひとみじゃん、こっち来なよ」
これまた茶髪の友達が、私に手を振った。
その時、茶髪や金髪の中で、教室の隅に真田くんがぽつんと座っているのを見つけた。
真田くんの後ろの席が空いてたけど、呼ばれた方の席についた。
補習の間もなんとなく真田くんが気になったけど、クラブのために一応勉強した。
374 :
コンボ:02/08/29 23:23 ID:IEytXwn5
6日目に、茶髪の友達が補習を休んだ。
その友達には、前の日に「明日遊び行くから休むわ」って聞いていた。
ここぞとばかりに、真田くんの後ろに座った。
小学生の頃はそんなに成績が悪いわけじゃなかったと思うけど、なんで補習に引っかかったんだろう。
違うクラスだから、クラブに入ってるかも分からない。
補習を受けてる時の様子は普通で、それほど真面目にも見えなかったけど一応聞いてるみたいだった。
昼近くなって、先生の合図で解散する。
私は興味本位で、校舎を出ようとする真田くんに話しかけてみた。
「なんか用?」
真田くんはやけに怪訝な顔をして振り向いた。
中学生になってからは初めて話すのだから、当然の反応だと思う。
それからなんとか話そうとしたけど、真田くんはずっと興味無さそうにしていた。
クラスは前にクラス名簿を見て偶然知ってたけど、クラブのことも花火のことも聞けなかった。
次の日からはまた茶髪の友達が来て、その隣の席に座った。
中学の間は、クラブの合宿で花火大会に行けなかった。
結局3年間真田くんとは同じクラスにならなかった。
375 :
コンボ:02/08/29 23:23 ID:IEytXwn5
テニス部に入ったごっちんは、中3の冬休みに告白されて彼氏を作った。
サッカー部で、不良なのか不良じゃないのかよく分からない。
正月明けに、ごっちんの家でその彼氏を初めて見た。
サッカー部ということで結構期待してたけど、そんなに格好良くなかった。
それでも並の男子よりはまあ、上だった。
可愛くて有名なごっちんと付き合いたい男子なんか、それこそ掃いて捨てるほどいるに違いない。
その中には彼氏よりも格好良い男子もいるだろうに。
後でそう言うと、ごっちんいわく「顔より中身の方が大事」だそうだ。
正直、ごっちんが顔より中身を重視するとは思わなかった。
私も冬休みに2回告白された。
サッカー部とテニス部の男子で、2回とも丁重にお断りした。
さらにバレンタインに義理チョコを配った男子の5割に、ホワイトデーに告白された。
大体10人ぐらい。
そのうち6人から校舎裏に来てくれって言われて、笑いをこらえながら現場にいくと6人とも仲良く待っていた。
6人とも対向意識満々だった。
さすがに全員断った時はちょっと気の毒だったけど、付き合いたくないんだからしょうがない。
2年生の頃にも確か告白されたような気がする。
自慢じゃないけど、中学だけで20人ぐらいに告白されたと思う。
こっちはむしろ迷惑で、人に「もてるね」とか言われるとむっとする。
376 :
コンボ:02/08/29 23:23 ID:IEytXwn5
高校に上がっても、小学校の友達が半分ぐらいいた。
真田くんもその中の一人だけど、やっぱり同じクラスにはならなかった。
私もやっぱりバレー部に入った。
ごっちんは同じクラスで、時々彼氏とのおのろけ話を聞く。
遊園地に行ってきたことを昼休み中ずっと喋ったり、泊まりに行こうものなら徹夜で話を聞かされる。
夏休みのはじめに、泊まりに行って相変わらず彼氏との話を聞いていた。
夜中の2時を回ったあたりで、割と健康優良児な私はうつらうつらしていた。
「よっすぃーは好きな人とかいないの?」
「私?」
ごっちんの一言で目が覚めた。
まさか私が喋ることになるとは思わなかった。
「好きな人ね……」
「よっすぃーって小学校の時から私に好きな人教えてくれなかったよね」
「いや、教えなかったって言うかさ……」
「告白されたことあるでしょ?」
ごっちんはいつになく強い口調だった。
「あるけど……」
「付き合わないの?」
「だって、興味無いし」
「……好きな人いないの?」
377 :
コンボ:02/08/29 23:23 ID:IEytXwn5
うなずくと、ごっちんはのけぞって、布団に寝転んだ。
「嘘だー、信じらんないよー」
「だっていないんだからしょうがないじゃん」
ごっちんはしばらく布団の上を転がってたけど、何か思い出したようにむくっと起き上がった。
「もしかして、真田くん?」
ごっちんは私の目を凝視した。
私が答えないでいると、ごっちんは親指と人差し指を立てて、私を指差した。
「やっぱりねー」
「いや、そんなんじゃないって」
「じゃあ、なんでさっき好きな人いないって即答しなかったの」
「だっていきなりだし……」
「あー、そうかー、ずっと前から怪しいとは思ってたんだよね。
真田くんかー、なんか微妙だな」
ごっちんは私の言葉を遮って、まくしたてた。
「顔はあれだよね、中の……上かな、いや、中の中だな」
「ちょっ、ちょ、ストップ!」
「え、なに?」
ごっちんは夢から覚めたような目でこっちを見た。
それから、私が真田くんのことをなんとも思っていないことを説明するのに朝までかかってしまった。
378 :
コンボ:02/08/29 23:25 ID:IEytXwn5
4ヶ月前の春休み、クラブの帰りに三好くんに会った。
すぐ前の終業式までは、同じクラスだった。
何度か話したこともあるし、バスケ部のレギュラーだってことは知ってる。
中学からの友達が三好くんのことを好きだって言ってたのも覚えてる。
暖かい道を二人で話しながらあるいていると、公園で小学生ぐらいの男の子たちが遊んでいるのが見えた。
巨人の帽子をかぶった子が私たちに気付いて、こっちを見る。
――私たちって、カップルに見えるのかな。
そんなことを思うと、なんだか一人になりたくて、思わず歩調が早くなった。
「吉澤」
とっさに三好くんから声をかけられた。
「なに……」
帽子の子の視線がやけに気になる。
「俺、吉澤のこと好きなんだよ」
背の高い三好くんは、直立不動で突っ立っていた。
「中学の時に、告白されまくってたの後藤から聞いたことあるんだ。
でもさあ、俺、頑張るし。
こんなの何回も言われてるかもしれないけど、俺頑張るから。
本気でやるからさ」
三好くんは荒い息で必死でしゃべり続けた。
その間も帽子の子はずっとこっちを見ていて、恥ずかしかった。
三好くんの言葉が途切れたところで、返事した。
「分かった、付き合う……」
自分でも、消え入りそうな小声だと分かった。
379 :
コンボ:02/08/29 23:26 ID:IEytXwn5
一番驚いたのは、ごっちんだった。
「一生独身だと思ったもん」
家に帰ってから携帯にかけると、ごっちんはこればっかり連呼した。
「なんにしろ良かったね、彼氏ができて」
この言葉が、やけに引っかかった。
付き合うってそんなにいいことなのかな。
そう言おうと思ったけど、とても言えなかった。
「真田くんは? 諦めたの?」
「諦めたっていうか、最初から好きじゃなかったし」
それだけはやけにすらすら言えたのが不思議だった。
「やっぱりね。
あ、ごめんね、真田くんのこと好きじゃないの、とか言って」
「そんな気にしなくてもいいって」
そう言って笑おうとしたけど、笑えなかった。
乾いた声でハハハ、というのが精一杯だった。
「じゃまあ、そういうことで」
ごっちんはそこで携帯を切った。
やけにあっさりしてるなと思ったら、次の日うちに押しかけてきてさんざん訊かれた。
ここまでです。
>>367 上手いなあ、というのが第一印象です。
ただ、こういう上手い作品に文句をつけるのは凄く気が引けるのですが、それでも言ってしまいます。
矢口で無ければもっと技術が生かせるのにって思いました。
矢口は名前を出さなくても、一人称だったら誰のことか分かりやすいじゃないですか。
だから他のメンバーで表現できたらもっと技術が生かせたのにって思ったんですが……
ああ、怒らないで……
それと、長々とでも結構っていうかむしろ歓迎なんで、一読者としてはたまに書いてくれると嬉しいです。
380 :
こうもり:02/08/30 00:32 ID:r/cL/axJ
圭は少し考えた後に「しょうがないわね、いいわよ、でも高いものはなしよ
今月はあんまりお金がないから」
「分かってるよ、そうと決まればすぐに行こうか?」
「OK、じゃあ準備してくるからちょっと待ってて」
圭はそう言うと自分の部屋に行く。
譲は別に用意する事もなかったので、リビングのソファーに座っていた。
「じゃあ行こうか?」
「うん」
圭は支度をすませ自分の部屋から出てきた。
譲と圭は車に乗り買い物に出かけた。
381 :
こうもり:02/08/30 00:33 ID:r/cL/axJ
「亜依遅かったな、なにしてたん?
お隣にお菓子届けるにしては遅すぎるで、どっかいってたんか?」
亜依が家に戻ると待ちかねていたように母親のみちよが話し掛ける。
「隣の人がええ人で、お茶をご馳走してくれたから、それ飲んでて」
「それで?」
「結構話も弾んでいつのまにかこんな時間になってた」
「ほぉー、そうかそれで隣の人どんな感じやったん?」
「秋月さんと保田さんっていう、若いカップルやった」
「何、二人で暮らしてるんか?」
「みたい、しかも結構仲も良かったし」
「そうなんか………はぁ」
みちよは一つため息をつく。
「みっちゃん、ため息ついたらあかんよ、二人でやってこうって決めたんやから」
「そうやな、うちには亜依がおる、一緒に頑張って行こうな」
「分かった、じゃあ片付け今日中に終らせよ」
亜依はそう言うと腕をまくる仕草をして、みちよに見せる。
「今までサボっていた分、亜依には頑張ってもらわんと」
「さっきとほとんど変わってないやん、みっちゃんも、サボってたんか?」
「そ、そんなことあれへん」
みちよは慌てたように首を横に振る。
「まったく」
亜依はあきれたような顔をしながらダンボール箱を開け始めた。
更新終了。
>>354さん
ごめんなさい、これが今精一杯なんです。
>>322-323の続き
おれ達は車を降りて、一紀の部屋に向かって歩き始めた。
「一紀のバカちゃんといるかな」
「一紀さんって木島さんの幼馴染みの人ですよね?」
「ん?そうだよ。幼稚園からの腐れ縁の平野一紀ってやつ」
「つき合い長いんですよね。どんな人ですか?」
「どんな人?うーん、考えたこともなかったなぁ。
何せガキの時から一緒だから」
「ふーん」
「なんだろうな・・・頭はいいかな、医者をやってるぐらいだしね。
あと女にもてるし、お金も持っているし・・・。
あー、なんか言っていてハラ立ってきた」
「え?」
「アイツに合コンでも全部いい女をもってくし、おれより背が高いし、
家もデカいし、全部おれより優れていやがる」
「あのー」
「あークソ、改めて考えるとすげえイヤな野郎だな」
「えぇ?!仲悪いんですか?」
「仲良いよ」
「え?いま怒ってたじゃないですか」
「いや、思いつくのがおれより優れているとこばっかりでさ。
なんだかなぁって感じで」
「ふふふ」
「でも良い奴なんだよなぁ。安心してよ、駆け出しだけど評判良いらしいから」
「らしいって?」
「おれは診察を受けたことことないんだ。病気になったことないんでね」
会話を交わしながら歩いていたら、いつの間にか一紀の部屋の前まで来ていた。
部屋といってもパーテーションで区切ってあるような小さな個室だが。
ここまで。
他で書いてる小説のほうが、進みが早い状態になってきたな・・・。
こっちも腰据えて書かないとやばいな。ストックも無くなってきたし。
>>382-383の続き
「一紀いるか?」
俺達はドアを開け中に入ったが、そこに人影はなかった。
「あれ、あいつ、どこいったんだ?」
「いないですね・・・」
「どうしたんだろうな・・・診察でもしてんのかな」
そうして部屋の椅子に座り、一紀の机の上を見てみる。
書類(この場合カルテか)やら本やらが、平積みになっている机の一角に、
写真立てが置いてあるのに気づいた。
手に取ってみてみると俺達が、大学の時に撮った写真が飾られている。
一紀達と四人で収まった貴重な写真でもあった。
「懐かしいの飾ってるなぁ」
「何ですか、それ?」
「ん?あぁコレ、一紀と俺の若き日の記録かな」
「この人が一紀さんですか?」矢口さんは写真を指さして俺に聞いてきた。
「そう、コレが平野一紀。今とあんまし変わってないなぁ」
「へぇ格好いい人ですね。この人達は?」彼女は横に映っている女を指さしていた。
「左が林遼子って今の一紀の嫁さん。で右が小林千鶴子」
「あ、千鶴子さん、ってあの店で言ってた・・・」
「あぁ、聞いてたの?」
「えぇ・・・スイマセン。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」
「いいよ気にしないで」
「それじゃこの横に映っている人は?」
彼女達二人の横には、真っ赤な髪の男が映っていた。
その男は黒い服に身を包んでいる。
赤い髪は長く垂れ下がって、顔を覆っていた。
「んーコイツは、一紀のツレだね。ロクな奴じゃない」
「へー。木島さんが映ってないんですけど」
「あぁ・・・この写真は俺が撮ったんだよ。つまりカメラマンってわけ」
「なんだぁ、木島さんの若いときの姿、見てみたかったんだけどな」
「ま、それはまたの機会に」
写真を見ながらちょっと懐かしい記憶を思い浮かべていると、突然電話の音が鳴り響く。
一紀の机に備え付けてある電話だ。
よく見れば内線のランプが点灯している。
どうしようか?出るべきか、出ないべきか。
少し考えたあと、出ることに決めた。一紀からかもしれない。
俺は電話の呼び出し音が27回鳴るのを待ち、受話器をあげた。
『もしもし、英慈か?』
「おう」
『お前なぁ、出るんなら25回か30回にしろよ』
「へっへっへ、気持ち悪いだろ」
『まぁいいや。スマンがあと10分ほど待っていてくれ』
「なんだよ、なんかあったのかよ」
『いや、さっきまで手術に入っててな。ちょっと後処理が残ってるんだ』
「わかった。此処で待ってていいのか?」
『おう、何もないがくつろいでいてくれ』
ここまで。
何だ、今日は誰も更新してないぞ。
なんかあったのか?
>>385 わざわざ作ったんですか?ご苦労様です。
ありがたく使わせていただきます。
>>263 からの続きです。
それから、ボクと愛ちゃんは電車に乗り込んだ。
いつものように、車内は満員だ。
(愛ちゃんは乗れたかな?)
そう思って、辺りを見渡すとすぐに近くに愛ちゃんがいた。
(あ、いるいる!)
ボクは安心した。
しかし、なんだか愛ちゃんの様子が変だ。
なんだか、泣きそうになっている。
ボクに助けを求めているようにも見える。
(もしかして……痴漢にあってる!?)
ボクは、焦った。
さっきどうにかすると、言っておきながらこれじゃどうすることもできない。
(とりあえず、誰が愛ちゃんに痴漢しているんだ?)
そう思い、愛ちゃんの周りを見てみる。
すると、おかしなことに気付いた。
(愛ちゃんの周り……女の人ばかりだ)
とても、痴漢をするような人は見当たらない。
(じゃあ、なんで愛ちゃんは泣きそうになってるんだ?)
そう思い、ボクはどうにか愛ちゃんに話しかけた。
「愛ちゃん、どうしたの?」
一応、周りの人に聞こえないように、小声で言う。
「怖いよぉ〜……」
愛ちゃんは、泣きそうな声で言った。
(……怖い?)
「どうして?」
不思議に思ったボクは、そう聞いた。
「だって、人がいっぱいいて、苦しくて死んじゃいそうなんだもん……」
愛ちゃんは、また泣きそうな声で言った。
「大丈夫だよ、もう少しで着くからね」
ボクがそう言うと、愛ちゃんは泣きそうな顔で頷いた。
更新です!
>>385 お疲れ様です。そこなら落ちる心配もないかな?早く流行るといいですね。
>M・P・D
確かにここ3日ぐらい更新少ないですねぇ・・・・・
新人さん達頑張って下さい!古参さんたちも頑張って下さいねー?
394 :
:02/08/31 00:22 ID:y1wxUybJ
愛たんカワ(・∀・)イイ!!
395 :
:02/08/31 01:23 ID:p7AS0HSO
今ごろ作者たちは必死こいて宿題やってるから更新が少ない罠。
俺も人のこと言えんが…
396 :
こうもり:02/08/31 05:55 ID:CdwQiCBa
譲と圭は車で、近くのデパートに来ていた。
「譲はそこにでも座っててちょっと時間がかかりそうだから」
「わかった」
譲は喫煙所の椅子に座り煙草を吸っている。
座りながら譲は圭の事をぼんやりと考えていた。
圭と一緒に暮らし始めてもう三年半か。
しかしよく飽きないよな俺も、結局圭以外の女と付き合ったのって
高校時代の一人だけだもんな。
まあでも飽きない女なのかもしれないけど………。
譲は三本目の煙草に火をつけて、圭が戻ってくるのを待っていた。
397 :
こうもり:02/08/31 05:56 ID:CdwQiCBa
「だれーだ」
譲はいきなり手で自分の視界を塞がれてしまう。
しかしそのことで別に驚くと言う事もなかった。
なぜならそれは圭が子供の頃からやっている事で譲にとって見れば
いつもの事だったからだ。
「圭、一体いつまで俺にそれをやるつもりなんだ?」
譲はあきれたように後ろに居る圭に尋ねる。
「わかんない、私が飽きたときじゃない」
「まだ飽きないのか、それで?」
「うん、だって譲何回やっても違う反応するから」
「そうかな?」
譲は目を覆っている圭の手を解きながらそう言う。
「それが楽しみでやってるようなもんよ、私は」
譲は立ち上がり圭を見ると、少し笑っている。
更新終了。
398 :
剣士:02/08/31 11:18 ID:knGg5c6E
>319の続き
なつみは梨華を連れて屋上へ。
と、着いた瞬間ピタリと止まり、何故か寂しそうな表情で振り返った。
「ねぇ・・・アイツ、涼の過去、聞いたんでしょ?」
突然の質問に、梨華はとまどった。
「え・・?あ・・・はい・・あの、涼さんの親友、烈矢さんのことですよね?」
なつみは静かにうなずくと、空を見上げた。
「そう・・・烈って呼んでたんだけどね。アイツと涼のコンビは、凄かったわ・・」
そう言うと、なつみは座り込み、うつむいた。
「でも・・烈が死んじゃって・・涼の性格が一気に変わって・・・」
梨華は聞いたハズなのに、驚いている。何故?
「涼は・・・元々凄い明るくて、ムードメーカーだったの。でも、烈が死んで、今のような性格に豹変したわ」
「ど・・・どうしてです?」
なつみは顔を上げた。目がらはポタポタと滴が落ちている。
「烈は事故で死んだ。それは聞いたわよね?・・ただの事故じゃなかったの」
梨華はイマイチ理解できていない。
「烈はその時、車に轢かれそうになった子供を助けたの。それで轢かれた・・・そこまでは普通の事故」
事故に普通とかないと思うけど・・・と梨華は思った。
「ただ、その轢いたのが、また最悪なヤツらでね。救急車呼ぶどころか、はたにいた涼に、どうしてくれるんだ!この車ローン残ってんだぜ!金払え!とかわめいたらしいの・・・」
梨華は固まった。そして、涼が何故性格が豹変したのか、わかったような気がした。
「それで、涼の良い性格の部分が、崩れちゃったんだね。その轢いたヤツらを、殴り飛ばした・・・」
梨華もいつの間にか涙がこぼれ始めていた。
「そんなワケで、涼が変わっちゃったの・・・。でもね、またあの頃の涼に戻ってきてるの。何故かわかる?」
梨華は左右に首を振った。そりゃわからないだろう。
「あなたのおかげなのよ、梨華ちゃん」
399 :
剣士:02/08/31 11:20 ID:knGg5c6E
「ええ!?」
さすがに驚いた様子の梨華。だが、なつみはかまわず続ける。
「雨の日、あなたを助け、さらにあなたに冷たいことを言いながらも、世話をし、バイトまで見つけた。普通の涼ならありえないことよ」
「そんな・・・私は何も・・・」
なつみは梨華の頭を撫でながら、続けた。
「それに、アイツ言ってた・・・あなたのおかげで自分が変わったって。ただ昔の涼に戻っただけなのにね」
なつみはクスクス笑った。梨華もつられて笑った。
「私は、昔の涼に戻って欲しい、って思った。努力もしたけど・・・梨華ちゃんにはかなわなかった」
と、なつみは突然梨華を抱きしめた。
「あ・・・安倍さ・・・」
「アイツのこと、よろしくお願いね。何かされたら、私に言いに来なさい。それと、赤ちゃんきちんと育てるのよ。わかった?」
「は・・はい!」
そして梨華は下に降りていった。が、なつみはそのまま立ちつくしていた。
「あーあ・・・でも、これで良かったんだよね・・・烈」
なつみはそう言いながら、ポケットから写真を取りだした。そこには、俺、烈矢、なつみの3人が肩を組んで、笑顔で写っていた。
「今度写真を撮る時は、男一人、女二人かな・・・ふふふ・・・」
なつみは涙を流していた。しかし、とても幸せそうな笑顔も同時にでていた。
なつみの笑顔のように、明るく太陽が照りつけていた。
夏真っ盛り・・・・。
更新終了です。
色々あって遅くなりました。あ、誰も待ってない?(w
>名無し娘。さん
すんごい(・∀・)イイ!!
すばらしい!手本にさせていただきたいぐらいです。
>>350から
次の日
俺は2人に謝った。
梨華ちゃんには俺が起こした勘違いの事。
愛ちゃんには中途半端な気持ちで付き合ってしまったということ。
2人は許してくれたが、明らかに目は怒っていた。
そして月日は流れ……
俺達4人は相変わらずの学生生活を満喫している。
梨華ちゃんは大学のアイドルにまで顔を広めて、男からのラブコールが絶えないらしい。
彼氏がいそうな感じだが「私にあわないの…」といって断っている。
美貴ちゃんも梨華ちゃんには及ばないが、人気はあるそうだ。
愛ちゃんは高校の文化祭で勝手にエントリーされた美人コンテストでグランプリをとって以来、クラスの男子に大人気だそうだ。
俺はというと………はっきり言って3人とは180度違った生活をしている。
毎日バイトに明け暮れ、家に帰ったら眠りに就く……こんな日が続く毎日。
肝心の4人の関係だが、普通の友達として一緒に住んでいるという感じ。
俺としてはもっと悪くなると思っていたが、梨華ちゃんは俺に話しかけてくれる。
愛ちゃんもいろんなことの相談に来たこともある。
まあとりあえず一安心だ。
そんな秋も深まり、もうすぐ冬になりそうな季節……
俺はサークルの合コンに久しぶりに呼び出された。
ちなみに俺のサークルは美貴ちゃんと同じバレーボールサークルだ。
(とは言っても、ただ楽しく試合をするだけだけど…)
更新終了
スランプかな〜?最近書けませんでした。
402 :
TMC:02/08/31 21:56 ID:i0l9tRIg
>>336からです。
俺は黙々と自分の教室で帰り支度をしていた。
先ほどの話題には触れられたくなかったからだ。
「慎一、さっきの子ってうちのクラスの石川さんだよね。」
「あんた梨華とどういう関係なのよ?」
2人が合図でもしたかのように質問を浴びせてきた。
はぁ〜、やっぱりこうなるのね。
ちなみに朝俺が梨華に言った変な奴らとはこいつらのことも指している。
「たまたま知り合ったんだよ。」
この場に一番適していると思われる嘘をついた。
「ふ〜ん、たまたまねぇ。」
真里の勘は鋭く、大抵の嘘は見抜かれてしまうのだが
今日はめずらしく少し疑っている程度だ。
403 :
TMC:02/08/31 21:56 ID:i0l9tRIg
「でも、相変わらず手が早いな。慎一は。」
史也がポツリと言い放った。この一言が意外とキツい。
正しく言うと俺は手が早いわけではなく、
好きになった子には速攻でアタックを仕掛けるタイプだからだ。
そのせいで、中等部の時に何度も痛い目にあったのだが、、、
「そろそろ彼女でも作りなさいよ。」
「それが難しいからこうやってもがき苦しんでるの。」
真里は恋愛の話になると決まって俺にこう言ってくる。
不思議なことに真里の周りには男が集まってくるので
こいつ自身はあまり男に困っていない。
「今度は石川さんか?」
「だから、あいつとはただの知り合いだって。」
史也も女には困らないのでいつも俺のことをからかってくる。
「準備できたからさっさと帰るぞ。」
俺は用意をすませこの話題を断ち切った。
404 :
TMC:02/08/31 21:57 ID:i0l9tRIg
今日はここまでです。
>>391 からの続きです。
それから、電車は学校に最寄りの駅に着いた。
ボクも愛ちゃんも、無事下りることができた。
「大丈夫だった?」
隣にいる愛ちゃんに話しかける。
愛ちゃんは、首を横に振る。
「だって、人がいっぱいいて、すごく苦しくて、
このまま死んじゃうんじゃないか、って……」
愛ちゃんは、手の甲で涙を拭いながら言った。
「もう大丈夫だよ」
そう言いながら、ボクは愛ちゃんの頭を撫でた。
すると、後ろの方から、
「な〜に、朝からイチャイチャしてるんですか〜?」
という声が聞こえた。
ボクと愛ちゃんが振り返ると、そこには小川さんがいた。
「別に、イチャイチャしてるわけじゃないんだけどな……」
「端から見てると、イチャイチャしてるとしか見えませんよ」
「そ、そっか……」
そう言われると、ボクは何も言えなくなった。
「愛ちゃん、おはよう……って、どうかしたの?」
泣き顔の愛ちゃんを見て、小川さんが言った。
「満員電車にちょっとビックリしちゃったみたいでね……」
ボクがそう言うと、
「……痴漢、ですか?」
と、小川さんは小声で言った。
「そ、そういうわけじゃないんだけどね……」
ボクがそう言うと、小川さんは、
「愛ちゃん……大丈夫?」
と、愛ちゃんに聞いた。
愛ちゃんは黙ったまま、頷いた。
「じゃ、ここからは私と愛ちゃんで行きますね」
「えっ? なんで?」
ボクは思わず、聞き返した。
「昨日、言ったこと、もう忘れちゃったんですか〜!?」
小川さんは、少し怒った感じで言う。
「えっ? 昨日、言ったこと? ……あっ!」
「思い出しました?」
「うん。じゃあ、ヨロシクね」
「はい! じゃ、愛ちゃん、行こ!」
そう言って、小川さんは愛ちゃんの手を握った。
(そろそろ、ボクも行こうかな)
学校に向かって歩いて行く二人を、しばらく見た後、
そう思い、歩き出した瞬間だった。
ドカッ!
ボクは、後ろから誰かに蹴られ、前に転んだ。
「いてて……」
ボクは、蹴られたところを撫でる。
「なに突っ立ってねん、ドアホ!」
ボクに蹴りを入れた張本人がそう言う。
「何も、蹴らなくたっていいのに……」
ボクは蹴られたところを撫でながら、立ち上がる。
更新です!
410 :
コンボ:02/09/01 02:41 ID:VNWAGHhy
>>379より
今日は花火大会がある。
今は、お母さんに仕立ててもらった浴衣を着て、三好くんを待っている。
去年は旅行だったから、花火大会には行ってない。
小学6年生の時から5年ぶりだ。
浴衣は白地に赤い金魚が泳いでいるがらで、かわいいから気に入っている。
下駄も靴箱から引っ張り出したけど、すっかり小さくなっていた。
仕方ないからサンダルで駅まで来た。
5時に来るはずが、半を過ぎても三好くんはまだ来ない。
付き合いはじめて4ヶ月経つけど、まだ三好くんのことを名前で呼んだことは無い。
気恥ずかしいというか、『三好くん』としか呼べない。
向こうは『ひとみ』と呼ぶけど、こっちはどうもその呼び方に馴染めない。
結局、40分になってやっと三好くんが来た。
「遅いよ」
「ごめん、なに着て行くか迷っててさ」
迷ったわりには白いTシャツに細めのジーパンといういたって平凡な姿だ。
それでも三好くんは迷いに迷ったそうで、シャツもパンツも結構なブランド物らしい。
私が肩からバッグを下げているのを見て、三好くんは笑った。
「浴衣と似合わないよ。
持ってやる」
そう言ってバッグを持って、切符売り場に歩いて行った。
411 :
コンボ:02/09/01 02:41 ID:VNWAGHhy
「花火って7時からだよな」
「うん。
夜店回ってたら時間潰れるでしょ?」
最初のうちはぎこちなかった会話も、大分自然にこなせるようになった。
並んでホームまで歩くと、ホームの端に見覚えのある人影があった。
「あれ、真田じゃないか?」
三好くんは私の返事より先に、真田くんの方へ走っていった。
2年になって、私と三好くんと、真田くんは同じクラスになった。
真田くんは三好くんと結構仲が良いらしく、時々一緒に遊びに行ったりしてる。
男同士の友達はよく分からない。
全然タイプが違うように見えるのに、案外仲が良かったりする。
真田くんは本を読んでいたけど、三好くんに気付いて顔を上げた。
黒い綿パンに白のポロシャツを着ている。
私はとぼとぼと歩いて行く。
「三好、どこ行くんだ?」
「花火大会。お前もだろ」
「そりゃまあな。吉澤と来てんのか?」
雑談する真田くんは、あまり見ない笑顔だった。
私が三好くんの側に立つと、真田くんは珍しく愛想良く笑った。
「似合うな、それ」
――友達として、真田くんは友達として私に言ったんだ。
「ありがと」
そう自分に言い聞かせて返事をした。
412 :
コンボ:02/09/01 02:41 ID:VNWAGHhy
ホームもそうだったけど、車内は花火大会に行くカップルだらけだった。
3人で乗りこんだけど、真田くんは「吉澤がいるから」と言って少し離れた所に行った。
「やっぱり真田来てたんだな」
「なんで一人でわざわざ花火見に来てるの?」
目星はついてるけど、訊いてみる。
「お前、小学校から一緒だろ?
知らないのか?」
「うん……あんまり付き合いなかったし」
「あいつ、花火職人になりたいんだって」
予想的中だった。
「クラブも入らずに毎日花火工場の見学してるって言ってた。
中学からずっとそうなんだって」
「ふーん……」
「凄いよな、あいつ。
いくら憧れてても普通毎日行く?」
三好くんが真田くんと仲良くしてるのは、尊敬してるせいもあるみたいだった。
真田くんが毎日花火工場の見学に行ってるなんて聞いたこともない。
「見てみろよ、あいつの読んでる本」
人込みで見えにくかったけど、表紙には確かに『黒色火薬の発展』と書いてあった。
413 :
コンボ:02/09/01 02:42 ID:VNWAGHhy
男というのは、彼女の前でも平気で友達の話をすることが分かった。
三好くんは駅につくまでずっと真田くんの話をしていた。
私は別に不愉快じゃなかったし、どっちかというと楽しかった。
三好くんたち仲間とバンドを結成しようとした話。
家でお手製の花火を作った話。
その花火がちょっとボヤを起こした話。
どれも面白かった。
「あいつは皆が思ってるほど変な奴じゃないよ」
三好くんは感心するような口調で言った。
「それにあいつな、中学校からずっと片思いしてるんだって」
片思い、という言葉が鋭く胸に突き刺さった。
「どんな人?」
思わず訊いてしまう。
「今、大学生だって。
なんか、見学してる工場の職人さんの娘で、飯田さんって言うんだってさ」
「お前、なに勝手に言ってんだよ」
いつのまにかすぐ後ろに来ていた真田くんが、右腕で三好くんの首を締めた。
「いててて、痛い痛い!」
「なに勝手に言ってんだよ、お前は」
三好くんの叫び声は大きくなる一方で、二人とも笑っていた。
私は笑って二人を見ながら、真田くんの片思いの相手が『飯田さん』であることをしっかり覚えた。
414 :
コンボ:02/09/01 02:42 ID:VNWAGHhy
駅から伸びている光は、長い河川敷で途切れる。
駅を出ると、道はもう夜店で一杯だった。
イカ焼きやベビーカステラの匂いが鼻をかすめる。
喧騒の中で、一緒にいた真田くんが雑踏にまぎれた。
「真田くんどっか行ったの?」
「先に神社行ってるって」
「神社?」
「最高のポジションだってさ。
ほら、河川敷の上の方にちっちゃい神社あるじゃん?」
三好くんは物珍しそうに夜店を見まわしながらそう言った。
「来たこと無いの?」
「小学校から祭りなんか来たこと無い。
それにしてもすごいなこれ、何軒あるんだ?」
「さあ?」
三好くんはいきなり私に振り向いた。
「お前、なんか機嫌悪いな」
「そう? 別にそんなこと無いけど。
あ、私のバッグ返して」
意識してなかったけど、三好くんの肩からひったくるようにバッグを取ってしまった。
「……変だな、お前」
「変じゃないって。行こうよ」
三好くんの手を引っ張ろうと思ったけど、どうしても手が伸びなかった。
415 :
コンボ:02/09/01 02:43 ID:VNWAGHhy
夜店を回っているうちに、三好くんの機嫌も段々良くなってきた。
私は自分でかき氷を買って、食べながら歩いている。
三好くんがお金を出すと言ったけど、断って自分で買った。
「ねえ、あれやろうよ、射撃」
少し不機嫌になった三好くんも、笑顔で話しかけると相好が崩れる。
小学生ぐらいの女の子たちがやっていた。
訊くと、銃が一本だけ余っていたから私がやることにした。
ぬいぐるみとかを当ててもしょうがないけど、他に狙う物が無い。
それでもやっているうちに夢中になってくるもので、騒いでいる小学生の横で私も真剣にやっていた。
気付けば5発100円を20発打ち終わっていた。
ぬいぐるみにはかすりもしない。
「ちょっと、俺にやらせてみろよ」
三好くんが横から出てきた。
丁度20発目を打ち終わったところで、三好くんに銃を渡した。
「あんまり数打ってもダメなんだよ。
慎重に狙って打てば当たるって」
そう言ったきり、三好くんは黙りきった。
射撃にのめりこんだようで、5発外れては、無言で100円を渡して弾をもらう。
弾はぬいぐるみの脇をかすめていくだけで、落ちる様子はない。
左横から人の波が押し寄せてきた。
抵抗しようと思えばできたけど、この場から離れたいと思って、あえて人の流れに飲みこまれた。
離れていく三好くんを見て、なぜか気の毒だった。
416 :
コンボ:02/09/01 02:44 ID:VNWAGHhy
人の流れは河川敷に向かっている。
私は流れを抜け出て、なだらかな坂道を歩きはじめた。
舗道なんかされてなくて、歩けば歩くほど喧騒は遠ざかる。
明かりもほとんど無い。
砂利の感触がサンダルに直に伝わる。
ただ、耳をすますと、カップルの話し声や家族連れの声が聞こえるから寂しくはない。
どうやら神社で花火を見ようと思っているのは真田くんだけじゃないらしい。
10分も歩くと、赤い鳥居が暗闇の中から浮き出て見えてきた。
無人の神社には、広い空き地がある。
空き地は河川敷に面していて、高みから花火がよく見えそうだった。
先客はほとんどいなかったから、黒いズボンと白のシャツを着た真田くんを見つけるのは簡単だった。
木の根に腰を下ろして、河川敷の方を眺めている。
後ろから近付いておどかそうとしたら、直前で振り向いた。
「吉澤?」
真田くんは呆然としていた。
「なんでこんな所いるんだ?」
「……色々あってね」
「三好は?」
まさか、その三好くんをごまかして来たとは言えない。
黙っていると、真田くんはあっさりと河川敷に視線を戻した。
三好くんから携帯でもかかってきたらややこしくなる。
こっそり携帯の電源を切った。
417 :
コンボ:02/09/01 02:44 ID:VNWAGHhy
真田くんの横にしゃがみこんだ。
なんにも言わず、真田くんはじっと空を見つめはじめた。
「真田くんって花火職人になりたいんでしょ?」
「まあな」
「毎日見に行ってるって、凄いよね」
「……三好から聞いた?」
「うん」
三好くんの話はしたくなかった。
やっぱり後ろめたさがある。
「この間三好から聞いたけど、なんかあいつ不安がってたぞ」
「三好くんが?」
「吉澤は本当に自分のことが好きで付き合ってるのかって。
付き合って4ヶ月ぐらい経ってもキスどころか手さえ握らせてくれないって」
「そんなこと言ってたの?」
「ああ」
真田くんは他人事のように淡々と言った。
私が三好くんと手を握れないのは、別に三好くんを嫌いだからっていうわけじゃない。
今まで付き合ったことがなくて、そういうことには慣れてないから。
というのは三好くんと自分に対する言い訳で、本当は三好くんのことを嫌いじゃないけど好きでもないからかもしれない。
418 :
コンボ:02/09/01 02:46 ID:VNWAGHhy
話はぱったり途絶えた。
こっちから話しかけようにも、なにを言っていいのか分からなかった。
無理に話題を探したのがいけなかったのかもしれない。
「真田くんって好きな人いるんだよね?」
「……さあな」
「飯田さんでしょ。
私覚えてるから」
それまで空を見ていた真田くんは、私を一瞥した。
「忘れろ」
「ねえ、どんな人?
飯田『さん』ってことは年上だよね?
もしかして年上好み?」
「うるさいな」
低い声で遮られた。
さすがに悪いと思って少し黙っていると、真田くんは財布を取り出した。
「これ」
財布の中には写真が入っていた。
大勢のおじさんやおばさんたちの中で、中央に真田くんがしゃがんでいる。
回りは真っ暗で、後ろには工場が見える。
花火工場の人たちと撮った写真なんだろう。
満面の笑みを浮かべる真田くんの隣には、綺麗な女の人がいる。
黒い長い髪で、しゃがんでても背の高いのが分かる。
スタイルが良さそうで、来ている紺の浴衣がよく似合っていた。
――負けたなあ。
思わずそういう気持ちになった。
別に自分と比べる必要なんて無いのに、そう思った。
419 :
コンボ:02/09/01 02:46 ID:VNWAGHhy
「俺のことなんか訊いてどうすんの?」
真田くんは財布を片付けて、私に訊いた。
「吉澤の彼氏は三好だろ。
俺じゃないじゃん。
俺のこと訊いてもしょうがないだろ?」
黙っていると、真田くんは言葉を継いだ。
「訊かないでおこうと思ったけどさ、どうせ今も三好とケンカかなんかしてここ来たんだろ?
ここ来るのは吉澤の勝手だけど、三好が今どう思ってるか分かるか?」
本当はもっとひどい。
三好くんは、いきなり私が消えてなにをしてるんだろう。
考えるのもつらい。
「これこそお前らの勝手だけど、三好のこと好きじゃないんだったら別れたら?」
真田くんの言うことは決して厳しいことじゃない。
当たり前のことを言われて、私は落ちこんだ。
「仲直りするか別れるか知らないけど、俺はこのままで良いとは思わない」
真田くんは空に視線を向けた。
丁度マイクの声が耳に届いて、花火大会の始まるのが分かった。
手もとのかき氷は全部溶けていて、シロップだけになっていた。
420 :
コンボ:02/09/01 02:46 ID:VNWAGHhy
1時間も空を見ていると首が痛くなる。
当たり前だけど、始まるまで気付かなかった。
首をもみながら坂道を下りる。
真田くんは何年も来るうちに首の筋肉が発達したのか首を気にする素振りも無い。
「携帯持ってるのか?」
「……持ってない」
咄嗟に嘘をついた。
「俺の貸してやるから、三好にかけろ」
そう言うと思った。
「分かった……」
渋々携帯を受けとって、三好くんにかける。
すぐに三好くんが出てきた。
「もしもし」
「あ、ひとみ?
お前どこ行ってたんだよ」
三好くんは怒るというより呆れた口調だった。
「後で話すから。
とりあえず今から駅行くから、駅前のコンビニで集合しよう」
すぐに電話を切って、真田くんに突っ返した。
「どうにかしろよ」
真田くんは受け取りながら、低い声で言った。
421 :
コンボ:02/09/01 02:48 ID:VNWAGHhy
私と真田くんは、ずっと並んで歩いた。
河川敷までの坂道を下りても、一緒に歩いていた。
――私たちって、カップルに見えるのかな。
ふとそう思うと、急に真田くんが格好良く見えた。
三好くんの時はこうじゃなかったのに。
真田くんが私の彼氏だったら、どうなったんだろう?
そう思うと、不思議と心地よかった。
だから、ずっとこうしていたかった。
できるなら現れて欲しくなかった。
「……あれ、飯田さんじゃないの?」
先に見つけたのは私だった。
後姿だけど、長い髪と紺の浴衣には見覚えがある。
「そうだな」
真田くんの口調は落ちついてたけど、顔がこわばるのがよく分かった。
「行かないの?」
「一応、片思いだからな」
飯田さんは女性の友達と二人で歩いているみたいだった。
「邪魔しちゃ悪いしな」
「……なにそれ、情けない」
正直な感想だった。
「私に説教しといてそれは無いでしょ」
真田くんの返事は無い。
422 :
コンボ:02/09/01 02:48 ID:VNWAGHhy
「声かけてきたら」
「いいよ」
「いいわけないでしょ、さっさと行きなよ」
背中を押すと、真田くんは数歩つんのめった。
「そのまま前へ行く!」
声をかけると、真田くんは私を一瞥してから、前に歩いて行った。
真田くんは段々飯田さんに近付く。
飯田さんが振り向いた。
笑顔だ。
友達と真田くんと3人で並んで歩く。
真田くんが一瞬振り向いた。
私は精一杯手を振る。
涙があふれてきた。
真田くんたちが見えなくなっても、涙は止まらない。
私は嗚咽をもらしながら歩き続けた。
視線を感じて振り向くと、巨人帽の子がこっちを見ていた。
公園にいたあの子だ。
私は目じりを浴衣のすそで押さえながら、ひたすら前へ歩いた。
了
短編なのに長々と更新スマソ。
マジで調子悪い……
もしかしたら次も短編書くかもしれません。
423 :
こうもり:02/09/01 02:53 ID:xBHD5Qxb
「買い物は済んだの?」
「うん」
「じゃあ飯食いに行くか?」
「安いものにしてよね」
「分かってるよ、巧の店でいいだろ」
「それなら全然平気だよ」
「じゃあ行くか?」
譲はそう言いながらさっきまで目を塞がれていた圭の手を握る。
「久しぶりだね、手なんか繋ぐの」
「ああ、そうだな、でもいいだろたまには」
譲と圭は手を繋ぎながら一緒に歩いていた。
424 :
こうもり:02/09/01 02:54 ID:xBHD5Qxb
「亜依、そろそろ休憩しよか?」
みちよは汗をタオルで拭きながら、亜依に聞く。
「でも、まだ半分も終わってへんよ」
亜依はそういいながらまた新しいダンボール箱を開けようとしている。
「開けんでええて、とりあえずお腹すいたから、晩御飯でも食べにいこうや
ついでにこの辺りに何があるのかも知りたいし」
「じゃあちょっと休憩しようか、なんかお腹もすいてきたし」
「そうやろ、じゃあ早速いこか」
みちよは座っていた椅子から立ち上がると、家から出る。
亜依もそれに続くように、家を出て行った。
更新終了。
425 :
:02/09/01 07:54 ID:DZF9q+vF
コンボの夏祭りのやつ(・∀・)イイ!!
426 :
:02/09/01 18:08 ID:L+XmDqgq
427 :
:02/09/01 18:10 ID:4y5zEQLi
皆頑張ってー
>>401から続く
「かんぱ〜い!」
どうやら今日の合コンはサークルで飲むってことらしい。
バレーボールサークルは男女一緒にやっていて、比率はだいたい半分くらいだ。
だから合コンといったのだろう。
(合コンじゃないよな〜)
今の席は男と女が向かい合うという序盤によくある座り方。
すると、うちの部長が
「席替えタ〜イム!」と叫んだ。
その言葉が終わるとだんだん俺の元に人が……
もちろん来るわけなかった。
いつしか俺は窓際族のように端っこに追い込まれる。
この状況はどうしようもないので、一人で酒を飲んでいた。
(うひゃ〜!寂しい……)
10分後
状況は変わらず、部長を中心としてバカみたいに盛り上がっている。
俺はやっぱり隅で飲んでいると…
「シュン」
美貴ちゃんが話しかけてくる。
「誰もいないじゃない」
「仕方ないだろ。何にもしてないし」
「しょうがないなぁ〜かわいい美貴ちゃんが隣に座ってあげる」
そう言うと俺の隣に座り、腕を俺の腕に絡めてくる。
周りの視線が一気に集まりだした。
「おい!やめろって」
「いいじゃない〜一緒に住んでるんだし〜」
酒に酔っているらしい。ちなみに美貴ちゃんは飲むと甘え上戸になる。
普段は大人っぽいので、余計かわいく感じる
更新終了
430 :
ろろたん:02/09/01 20:49 ID:cZRtXro2
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ねぇー更新まだぁ?
\_/⊂ ⊂_ ) \_________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
431 :
剣士:02/09/01 22:39 ID:epRBHerD
それから一ヶ月たった。もう季節は秋に入り、残暑から涼しい風が吹き込むようになった。そして、俺の退院の日でもあった。
「じゃあ、お世話になりました」
「お気をつけて」
ナースの人が見送ってくれて、俺は一人で病院を出た。
何故一人かというと、梨華やなつみは一緒に仕事、らしい。何もこんな日まで仕事しなくても、と思うが。
「まあ、たまには一人もいいか・・・」
開き直りのよさ、というか、この余裕は一体何なのか?と聞かれてもおかしくないだろう、この性格。
と、俺が曲がり角を曲がったその時だ。
「・・・!お前ら・・仕事じゃなかったのか?」
立っていたのは、梨華、なつみ。
「一人じゃ寂しいでしょ?」「一緒に帰ろうよ」
なつみと梨華は俺の手を握り、引っ張るような形で歩き始めた。
「お、おい・・・こっちじゃねーぞ?おいって!」
家とは逆方向に引っ張る二人。一体何なのか・・・。
「ここ!ここに来たかったのよ〜」
「ここか・・・なつかしいな」
432 :
剣士:02/09/01 22:40 ID:epRBHerD
なつみの連れてきた場所は、公園。この公園は、昔俺と、烈矢、なつみと一緒に遊び、写真を撮った所。
「ねえ!ここで写真撮るんでしょ?」
「そうそう!それが目的だったのよ」
それだけのために、病み上がりの俺を引っ張り回したのか?呆れるぜ・・・。
「じゃあ、撮るよ〜!」
そして、梨華はボタンを押し、こっちへ走ってきた。
「よ〜し!ポーズとってとって!」
「わぁったよ。よ〜っし!」
俺も、半ばヤケに近かったが、ポーズを撮った。
「もうすぐ・・・・・あれ?何で?撮れない?」
シャッターがおりない。皆でシャッターに近づいたその時!カメラから閃光が!
「わあ!」「キャア!」
突然、シャッターがおりたのだ・・・。
「何で〜?」「「何でだ?」
疑問が浮かんだが、そんなことも気にせず、俺たちは現像に。
「ププ!何コレ〜!」
写っていたのは、驚いた顔の3人組、俺たち・・・。
「ブッ・・・あっははははは!」
おかしくて、おかしくて・・・俺たちは笑い転げた。
俺たちの、一つの思い出の日となったこの日。
秋の始まりを告げる、モミジがうっすらと赤くなってきた日だった。
それから、5年の月日が流れた。
433 :
剣士:02/09/01 22:50 ID:epRBHerD
なつみは相変わらずマスターとバーで働いている。
なつみ曰く「ここが気に入ってるのよ!」らしい。どうやら彼氏も出来たと言っていたので、安心だ。
そして、俺と梨華は・・・。
「涼さん!早く起きて!仕事ですよ〜!」
俺たちは結婚し、子供はなんと4人。ちなみに男3人、女1人です。
「んあ・・・わかった・・・」
俺は就職し、キッチリ働いている。(ホントだってば!)
「よっし!いってらっしゃい!」
「ああ、行って来るぜ!」
俺は急いで駅まで走った。と、その通り道で、例の公園に通った。
「・・・ここで、烈矢、なつみと出会った。烈矢を失った。梨華との出会い、事故、そして修羅場(?)・・・で、結婚か・・・」
俺は懐かしみながら、時計を見て、遅刻する!という現実に引き戻された。
「ヤバ・・・・!急がないと!」
走りながら、また昔を思い出していた。
(色々激動の10代だったけど、それもいいのかもな。ヒマにはならなかったしね)
俺は微笑みながら、駅へ走った。
(・・・烈矢、俺・・・色々皆に迷惑かけたけど、なんとかやってるぜ。お前、天国から見てるか?)
俺は立ち止まり、曇った空をながめて、一息ついた。
「遅刻・・・まあ、一度くらいいいかな」
いい加減な性格は変わってない。
でも・・・昔と違って、幸せや、笑顔、いい物が全て戻ってきた。最高の日々をすごせるようになったのは、梨華のおかげだよな・・・。
「すべては、梨華との出会いが・・・か」
俺が歩いてると、ポツポツと雨が降ってきた。だが、そんな雨さえ、心地よい。
−幸せって、何がキッカケでよってくるかわかんねーもんだな−
〜Fin〜
434 :
剣士:02/09/01 22:52 ID:epRBHerD
これで終了です。
長々たらたらと続けてしまいました。
また、次書くのを頑張りますので。
435 :
:02/09/01 23:27 ID:m8tDSnbA
>MARIAさん
甘えんぼミキティ(・∀・)イイ!!
>剣士さん
お疲れ様でした次回作も期待しております
437 :
ラムザ:02/09/02 00:03 ID:dsaCSUjw
>>179から
愛「うん!」
愛ちゃんは笑顔で応えてくれた。
しかしその瞳にはうっすらと涙が溜まっている。
やっぱり俺がしっかりしないとな…
話を聞いて“ボディガード”としての決意を新たにできた。
いや、それはもう“ボディガード”としてのものを超え始めていた。
この時の俺はまだそのことに気付いていなかったけれど。
・・・
それからすぐにウェイターが料理を運んできた。
今までの空気を振り払うかのように愛ちゃんの顔が明るくなる。
と同時に福井弁も戻ってくる。
愛「うわぁ〜、おいしそうやのぉ!」
愛ちゃんの前に置かれた皿には牛肉と小玉ねぎを丸ごと煮込んだ料理が、
俺の皿には餃子というよりもシュウマイに近い物が入ったスープが並ぶ。
どちらも見た目は悪くない。
空きっ腹に響くいい匂いだ。
438 :
ラムザ:02/09/02 00:04 ID:dsaCSUjw
愛「いただきま〜す!」
・・・
愛「おいし〜い!!」
小玉ねぎにかじりついた愛ちゃんの幸せそうな顔を横目に俺も食べ始める。
俺「いただきます」
……………………ウマイ!!
ロシアの餃子らしいが日本人向けに味付けされているのだろうか、
とてもジューシーで食べやすい。
ライスにもよく合う感じだ。
これだけの味でありながらいつもすいているのは
やはり中の独特の雰囲気のせいであろう。
でも逆に考えると、この妖しい雰囲気は2人っきりに集中したい時、
例えばデートなんかにぴったりかもしれない。
デート……?
そういえば今のこれはデートなんだろうか?
439 :
ラムザ:02/09/02 00:04 ID:dsaCSUjw
愛「聰ちゃん、それ1個ちょ〜だい」
1人物思いにふけっていると愛ちゃんが話しかけてきた。
俺「あぁ、いいよ」
皿を前に差し出す。
愛ちゃんはその皿からUFO型の餃子を一つ取り、そのまま口に運ぶ。
一口食べると、2回3回噛み砕いて味わって、そして飲み込む。
本当は女性が食べている所をずっと見てるのはいけないことなのだろうが、
この空間の妖しい空気にやられてしまったのか、自然と一連の動作に見とれていた。
そんな俺の半開きの口元に何かが触れる。
愛「はい、ア〜ンしてぇ♪」
愛ちゃんが嬉しそうに自分の皿の子玉ねぎを差し出していた。
440 :
ラムザ:02/09/02 00:05 ID:dsaCSUjw
俺「い、いや!恥ずかしいから…」
俺は慌てて顔を引っ込めた。
しかし愛ちゃんの方は引く気配はない。
愛「大丈夫、誰も見てないからぁ♪」
だからそういう問題ではないんだが…
俺は念のために周りを確認してから口を開けた。
愛「はい、ア〜ン」
俺「アーン」
そのまま子玉ねぎを丸ごと頬張る。
愛「…どう?」
俺「おいしい…です…」
おいしい…おいしいのだが…やっぱり恥ずかしい。
そして恥ずかしいんだけど…幸せ…かも…
この時の俺の顔は、きっと正月に焼酎を一気飲みさせられた時並に真っ赤だっただろう。
ただいまです。
スレの流れが早すぎてついていけない…(汗
441 :
ななし:02/09/02 00:06 ID:mmlvQoYD
待ってましたラムザさん!!
442 :
こうもり:02/09/02 01:38 ID:tsq8loB/
譲と圭は中学時代の同級生である、大川巧の店に来ている。
この店は、明治時代から続く由緒正しい料理屋で巧はそこの後継ぎだった。
ここは譲の住む家からそんなに離れていないので
譲と圭が外食にくる時は大概この店だった。
「譲、久しぶりだな、保田さんも」
譲と圭が座敷で座っていると、同級生の巧が入ってきた。
「ああ、そうだな、最近忙しかったから」
「私もなかなか暇ができなくて」
「貧乏暇なしってやつだよ」
巧が笑いながら、そう話すと、譲と圭もそれにつられるように笑っている。
443 :
こうもり:02/09/02 01:38 ID:tsq8loB/
「お前、そういえばまたバイトの女の子に手を出したらしいじゃないか
いいかげんにしないと、あゆみさんに捨てられるぞ」
譲が巧に向かってそう言うと、巧は凄く慌てた顔をして
「な、なんでそんなこと、知ってるんだよ」と言う。
「いつだったか忘れたけど、偶然あゆみさんに会った時そんなこと聞いたぞ」
「そういえば、今日あゆみさんいないけどどうしたの?」
圭は辺りを見回しながらあゆみがいないに気付き、巧に尋ねる。
「ついに逃げられたか」
譲はニヤリと笑いながら巧のほうを見る。
更新終了。
444 :
こうもり:02/09/02 02:10 ID:tsq8loB/
446 :
ラムザ:02/09/02 18:54 ID:KVSElA1Q
>>440から
幸せな時間というのはあっという間に過ぎるもので、
気付いたら昼休みも終わりの時間になっていた。
俺「そろそろ出ようか?」
俺が伝票を持って立ち上がると愛ちゃんも慌てて財布を取り出した。
俺「あぁ、いいっていいって!俺払っとくから」
愛「でも…」
俺「どうせ夕食は愛ちゃん家でご馳走になるんだから。な?」
愛「…うん。じゃあご馳走様でした」
愛ちゃんは財布をバッグに戻すと胸の前で両手を合わせて小さくウインクする。
447 :
ラムザ:02/09/02 18:54 ID:KVSElA1Q
予期せぬかわいいリアクションにどうしていいか分からず、
意味もなく手をあげて応えてみる。
レジ前まで行って伝票を見るとそこそこ立派な値段だったが、
まぁ今日は夕食代はかからないから平気だろう。
・・・
俺「じゃあまた後で」
愛「またの〜」
愛ちゃんはそう言い残して元気よく駆けていった。
うーん、久々に楽しい昼食だったなぁ。
448 :
ラムザ:02/09/02 18:55 ID:KVSElA1Q
高等部の校舎の中で最も騒々しい教室の前に立つ。
1−7。ウチのクラスだ。
休み時間になる度に校舎中に騒音を撒き散らし、
朝はみんなギリギリまで登校してこない(これは今朝初めて知ったんだが)
学年一…というか高等部一の問題クラスである。
まぁ俺はともかく和也や真里には相応しいクラスだけどな…
少し苦笑いをしながら教室の扉を開けて中に入る。
みんな自分達のお喋りに夢中で、こちらを気に止める奴なんていないはずなのだが、
今はなぜか鋭い視線を2つばかり感じる。
それらは俺の席のすぐ近くからビンビンきている。
真里「聰ちゃん、誰とお昼ご飯食べてきたんでちゅか〜?」
俺が自分の席につくと同時に視線の片方が突っかかってくる。
俺「別に…従兄妹だけど…」
真里「イトコ〜?
私らとの食事を断ってイトコのカワイ子ちゃんと食べてきたんでちゅね〜
おいちかったでちゅか〜?」
真里はバカにした口調で思いっきり下から俺の顔を覗き込んでくる。
449 :
ラムザ:02/09/02 18:55 ID:KVSElA1Q
俺「…その喋り方やめろ」
真里「な〜によ、ニヤニヤしちゃってさぁ〜!」
真里が俺の両頬をつまんで前後左右にグニャグニャ引っ張る。
俺「ニヤニヤなんてしてねーよ。
別に俺が誰と昼飯食おうと自由だろ?」
真里の手をどけて2人に向かい直る。
真希「そうだよね、自由だよね。
聰は幼馴染なんかより従兄妹の方が大事ってことでしょ」
今度は視線のもう片方が絡んでくる。
かなりご機嫌斜めな様子だ。
真里「聰は昔から薄情だもんね〜」
それに真里も乗ってくる。
俺「いや、どっちが大事とかそういう話じゃなくて…」
俺、何か悪いことしましたか…?(泣
450 :
ラムザ:02/09/02 18:56 ID:KVSElA1Q
ここまでです。
>>441 待たせて申し訳ないです…
これからはそれなりに頑張ります。
>>こうもりさん
リレーまとめお疲れ様でした。
451 :
:02/09/02 21:38 ID:MwTgRoBa
やっぱ(・∀・)イイ!!
>>429から
酔った美貴ちゃんはもう誰にも止められない。
「藤本、やめなよ。矢口が困ってるよ」
「いいじゃないですかぁ〜」
今度は俺の胸に自分の頭を置いてきた。
「ちょっと!酔ってるぞお前」
「酔ってないよぉ〜!シュン何言ってるの〜?」
普段の声はどこへやら…声を動物にたとえると猫みたい。
そこがまたかわいいんだけど……
そして今度は抱きついてきた
「シュンちゃ〜ん!好きだよ〜大好きぃ〜」
「「「「「えっ!?」」」」」
皆の視線が一気に集まる。しかも空気が固まる。
「私、ずっと好きだったんだよ!
小学校のときからずっとずっと好きだったんだよ!」
笑顔でとっても大変なことを言ってしまった。
これが酒の威力なのか…
更新終了
454 :
:02/09/02 23:47 ID:MwTgRoBa
告白キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
455 :
こうもり:02/09/03 01:29 ID:qDKYT25q
「そんなわけないだろ、今日は中学の同級生と会いに行ってるだけだよ」
「しかし、あゆみさんもよくお前についてきてるよ、高校も行かないで
嫁ぐなんて普通絶対出来ない事だからな」
「本当よ、だから大川君ももっとあゆみさんの事大切にしてあげないと」
「それより、お前らはどうなんだ、そろそろ結婚とかしないのか?」
「………それはおいおい」
譲はそう言いながら笑って誤魔化す。
「まあ、今日はゆっくりしていってくれや注文はいつもので、いいんだろ?」
「それで頼む」
「わかった」
巧はそう言うと、座敷から出て行く。
「しかし、あいつも変わらんな、いつになったら浮気性が直るのやら」
譲はやれやれという表情で圭のほうを見る。
「まあ、大丈夫かあゆみさんがキレない限りは」
「そうじゃない」
そこへ、アルバイトの女の子が飲み物を運んできたので、二人は一端話を止める。
「乾杯」
譲と圭はまずビールで乾杯した。
更新終了。
457 :
こうもり:02/09/03 01:31 ID:qDKYT25q
HN間違えた・・・。
458 :
TMC:02/09/03 22:07 ID:nEaGoVRI
>>403からです
帰り道、真里と史也は他愛もない会話を続けていたけど
俺は1人だけあることをずっと考え続けていた。
どうやってあの家に帰るか?
通り道なのはいいけどいつもなら通り過ぎてしまう所だ。
突然今日から違う家に引っ越したなんて言えないし
その前にこの2人が梨華の家を知ってしまった時点でアウトなのだ。
なぜならそこには俺もすんでいるから、、、
そんなこんなでついに家の前まで来てしまった。
「確か、このでっかい屋敷が石川さんの家だったな。」
「そうそう、梨華ってお嬢様なのよねぇ。」
2人の会話はほとんど聞いてなかったがこの会話だけ耳に入った。
「な、何でお前ら2人がここだって知ってるわけ!?」
「だって同じクラスだもん。」
真里が当然のように言った。
459 :
TMC:02/09/03 22:08 ID:nEaGoVRI
「じゃあな。」
「また明日な。」
「がんばって、彼女作りなさいよ。」
2人が家の場所を知っているならばこうするしかなかった。
結局いつも2人と別れる所まで来てしまったのだ。
まあ、それでも歩いて5分も戻ればいいんだけど
これから毎日こんな事を繰り返すのかと思うと損した気分になる。
そのせいで足取りが重くトボトボと今来た道を戻っていった。
460 :
TMC:02/09/03 22:08 ID:nEaGoVRI
本日はここまでです。
【半分っこ】
流れる雲の切れ間から見える青空と太陽が眩しかったあの日
久々のデートで浮かれていて、天気予報も見ないで2人で晴天の空の下、
笑いながら家を飛び出して出掛けたね。
日焼けする事も気にしないで私は近所の公園ではしゃいだ。
バトミントンにバレーボールにフリスビー
ずっと2人で外に出ることなんて無かったから。
途中で近くのオープンスペースの喫茶店で流した汗を押さえながら
レモンティーを飲んでいる時・・・
お互いにつまらない意地を張って意見がぶつかった。
対した事じゃないのに─
私達の心と共に天気も急激に曇り始める。
楽しいはずに一日が台無しになってしまって、泣きたくなったけれど
原因はお互いの意地のせい。
半分は私の責任。
でも─
店を出て沈黙のままコンビニに2人で寄って行った。
帰る所は一緒なんだけど少し時間を空けたくて
「立ち読みしていく。」
そう言ってそこで別れた。
立ち読みしたって本の内容なんか頭に入らない。
そればかりか、凄く寂しくなっていく。
どれくらいの時間立ち読みのふりをしたのだろう。
コンビニを出たら、外は物凄い雨だった。
家までは歩いて7分の距離。
傘を買うのは馬鹿馬鹿しい。
だから走って帰ろうとした時、後ろから腕を捕まれた。
「風邪ひくぞ」
その一言だけで言うと傘を差し出してくれた。
彼の手に荷物は無い。
わざわざ私のために迎えに来てくれたんだ。
そう思うと、謝らなくては。って思うけど・・・
なかなか言い出せなくて家についた。
玄関で見た彼の右肩は雨で濡れていた。
私の左肩は濡れていないのに─
「ごめんなさい」って言う前に「ありがとう」の言葉が溢れてくる。
そして、私の「ありがとう」と彼の「ごめんな」の言葉が同時に重なった。
そう責任は2人で半分っこ。
でも、彼の方が一枚上手(うわて)だった。
ちょっと悔しいけれど、大好きだぁ!
終わり
464 :
:02/09/04 20:31 ID:K3Q1t2X0
すんげぇ(・∀・)イイ!!
465 :
.:02/09/04 23:19 ID:draZ76dx
いいね
また書いてくれ
誰かは分からないが(・∀・)イイ!!
468 :
保全:02/09/05 17:09 ID:/+FKm6nJ
469 :
関西人Z:02/09/05 19:13 ID:pBJWbHz4
「亜弥、早く起きなさい!」
一階から母が声をかけてきた。
既に目を覚ましていた私は体を起こし、溜息をつく。
(学校に行きたくないなぁ)
ベットに座った状態でしばらくいると、階段を駆け上がってくる音が聞こえてきた。
「亜弥、寝てるの?」
母はドアを開け私の顔を見るなり、渋い顔をした。
「ちょっと、起きてるなら早く着替えて降りてきなさい。遅刻するわよ」
「…学校、行きたくない」
小さい声で訴えると、母は溜息をつき、
「もうそんなわがまま言わないの。さっさと仕度なさい」
そう言い残し、ドアを閉め降りていった。
私は何も聞いてくれない母に、怒りと悲しみを覚えていた。
470 :
関西人Z:02/09/05 19:15 ID:pBJWbHz4
私、松浦亜弥。16歳、高校一年生。
実は私、虐めにあっています。
同じクラスの人達は、普段は無視するだけなんですが、時に私をおもちゃのように扱うのです。
机やノートに酷い落書き、上履きに画鋲、体操服が無くなったこともあります。
一度、担任の石井リカ先生に言ったことがあります。
しかし、「じゃあ後で調べてみます」と言ったっきり何も行動に移してくれません。
両親にも言いました。
でも、何も聞いてくれないし真剣に考えてくれません。
自殺を考えたことがあります。
でも出来なかった。
死ぬことが怖かったから。
誰にも相談できず、誰も助けてくれない。
だから私は我慢することにしました。
いつかは飽きるんじゃないかと思って。
でも……
私は、いつまで泣き続ければいいんだろう…
471 :
支:02/09/05 23:56 ID:twZ0WFUf
。・゚・(ノД`)・゚・。
472 :
:02/09/05 23:59 ID:c//8PoDk
あげないで。・゚・(ノД`)・゚・
473 :
:02/09/06 00:30 ID:uM+RX019
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>453より
「お前、自分で何言ってるのかわかってるの?」
「うん♪シュンのことが好きぃ〜♪」
多分酒だけじゃないだろう。顔が真っ赤だ。
その時部長が
「矢口、藤本連れて帰ったほうがいいよ。ちょっとおかしくなってる」
「そうっすね。じゃあ皆さん、お先に帰ります」
俺は席を立ち、みんなに軽く会釈する。
「美貴!帰るよ。お前酔ってるんだし」
美貴の腕を引っ張る。
「は〜い♪皆さんお疲れさまでした〜」
相変わらず目がすわっているが、みんなに挨拶をして
俺達は店を出て、駅の方角へ向かう。
俺たちがいなくなった後、部長があることに気づいた。
「あっ!」
「どうしたの?」
隣にいた女の子が反応する。
「ん?いや、なんでもない」
一瞬、部長の顔がにかっと笑った。
「(どうしよう…)」
俺は駅前で困っていた。
なぜなら、終電が終わってしまったのだ。
部長は早く帰れって言ってたのに、もうこんな時間になっていたのか…
実はさっき部長が「あっ!」と言ったのはこのことだったのだ。
「シュンちゃ〜ん♪どうするの〜?」
さらにここには酔っ払いが1人…
「どうしようか…」
「あ〜!ここにとまるところがある〜♪」
美貴が指さした先は……ホテル!?
「シュン〜入ろうよぉ〜私は大丈夫だよ♪」
「いいの?」
「うん♪」
と、いうわけで俺達はホテルに入る。
更新終了
476 :
関西人Z:02/09/06 19:11 ID:vbo1/azs
ある日、ウチのクラスに転校生がやってきた。
教壇の上に立った石井先生が一つ咳払する。
「えー、じゃあ入ってきて」
教室のドアが開き、一人の男子生徒が入ってきた。
ちょっと気の強そうな顔、短い髪の毛、背はあまり高くない。
学生服がよく似合っている感じだ。
「それじゃ、自己紹介して」
石井先生に促され、男子生徒は口を開いた。
「北海道の学校から転校してきた真島龍介です。宜しくお願いします」
真島君は軽く一礼すると、横から石井先生が、
「じゃあ真島君は窓側の一番後ろの席だから。わからないことがあったら隣の人に聞くように」
その席は私の隣。
少しドキッとした。
「わかりました」
真島君はゆっくり歩き出し、私の左横を通って席に着いた。
477 :
関西人Z:02/09/06 19:14 ID:vbo1/azs
「じゃあもうすぐ授業だから準備をして待っているように」
石井先生は教室を出ていき、
私は授業の用意をしていると、
「あの」
真島君から声をかけられた。
「な、なんですか?」
私が尋ねると、真島君は先ほどの気の強そうな顔から一変、申し訳なさそうに、
「あの、まだ教科書とか届いてないから見せてくれないかな?」
私は少し戸惑いながら黙って頷くと、
「ゴメンね、ありがと」
そう言って机をくっつけてきた。
「今日からよろしく」
「よ、よろしく」
笑顔で言ってくれた真島君に対し、上手く喋られない。
だって、こんなに親しく話す事なんてしばらく無かったから。
478 :
関西人Z:02/09/06 19:17 ID:vbo1/azs
休み時間にはいると、クラスの人達が真島君の周りに集まってきた。
「ねえ、北海道ってどんなところ?」
「今まで何回転校した?」
「彼女いるの?」
みんなからの質問責めに苦笑っている。
しばらくそれが続くと、チャイムが鳴り2限目が始まった。
このあとの休み時間も同じようなことが続いた。
479 :
:02/09/06 21:21 ID:mXJ2WhXs
ホテルキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
480 :
関西人Z:02/09/07 18:58 ID:HKvEag4Y
昼休みに入り、みんなそれぞれ行動を起こす。
グループになってお弁当食べたり、食堂に向かったり…。
私はいつもお弁当を持ってきて、一人で食べる。
別に寂しくはない、慣れてるから…。
お弁当を持って校舎裏へ移動。
そこはあまり人は来ず、私がのんびり出来る唯一の場所だった。
ベンチに座り昼食をとる。
「…はぁ」
深い溜息。
本当は一人でいることが寂しい。
でも、私には友達がいない。
いや、友達を作ることが怖い。
どうしても虐められるかもしれない、と思ってしまう。
だから一人でいることは仕方ないといつも思っていた。
でも…
やっぱり一人は寂しい。
481 :
関西人Z:02/09/07 19:05 ID:HKvEag4Y
「あれ、松浦さん?」
不意に声をかけられ、私は驚いた。
振り向くと、そこに真島君が立っていた。
「こんなところで昼飯食ってるんだ」
「う、うん」
歩み寄り隣に座った真島君に対して、私は少し緊張していた。
「友達と一緒に食べればいいのに。いい天気だしさ」
その言葉が胸に突き刺さる。
「…一人でいるのが、好きだから」
嘘をついた。
なんとなく、虐めにあってるって思われたくなかったら。
いずれわかることだけど…。
「そっか。でも誰かと喋りながら食べるのも良いよ?」
「…」
何も答えられないでいると、
482 :
関西人Z:02/09/07 19:09 ID:HKvEag4Y
「じゃあさ、明日から俺と一緒に食べない?」
「え?」
私は驚いて、真島君の顔を見た。
「いやだってさ、俺転校してきたばっかりだから友達いないし、一人で食べるの寂しいから」
「…どうして私なの?」
「だって席隣だから、これから色々お世話になるだろうし。仲良くなってた方がいいでしょ?それに」
「それに?」
「…いや、やっぱいいや」
真島君は私から視線を外し、空を見上げた。
私は少し気になったけど、失礼だと何も聞かなかった。
483 :
関西人Z:02/09/07 20:54 ID:HKvEag4Y
訂正
×>私は少し気になったけど、失礼だと何も聞かなかった。
○>私は少し気になったけど、失礼だと思い聞き返さなかった。
ほほぉ。。。。
更新無いな・・・
486 :
関西人Z:02/09/08 17:36 ID:SOPg/pnr
次の日
特に何事も無く、4限目まで授業を受ける。
そして昼休み。
私はいつものようにお弁当を持って外に出ようとすると、
真島君が慌てた様子で私を呼び止めた。
「あ、ちょっと待ってよ松浦さん。俺も行くから」
そう言い鞄からお弁当箱を出した。
その様子を呆然と見ていると、
「どうしたの?」
「え?いや、別に何でもないけど…」
「何だよ、昨日約束したじゃん。一緒に食べようって」
「う、うん。そうだけど…」
「あれ、嫌だった?」
「…そうじゃないけど」
「じゃあいいじゃん。さ、行こう」
そう言い、私の手を引っ張っていこうとした時、
487 :
関西人Z:02/09/08 17:38 ID:SOPg/pnr
「おい真島」
近くで聞いていたクラスメートの東城君が、真島君を呼び止めた。
「何?」
「…ちょっと来いよ」
「なんだよ一体?あ、松浦さんは先に行ってて。すぐ行くから」
真島君は東城君と一緒にどこかに行ってしまった。
(やっぱり私のことについて何か言うのかな)
もしそうなら真島君も他の人達同様、私を無視したりするんだろうな。
…別に良いけど。
一人は、慣れてるから。
そう自分に思いこませる。
488 :
剣士:02/09/08 20:27 ID:pxOySLRn
「NEVER GIVE UP!」
ある、良く晴れた春の朝、私は目覚ましの音で目覚めた。
「うぅ・・・ん・・・今何時だろ・・?」
と、私は目覚ましを手に取り、時間を見ると・・・8時。
「・・・8時かぁ・・・・え・・?8時!?」
学校は始まるのは、8時30分。私の家から学校までかかる時間は、だいたい30分ぐらいだろう。
「ち・・・遅刻だぁ〜!」
私は急いで、着替え、歯磨きをすませた。所要時間10分。もちろん、朝ご飯はぬいて自転車で出発。
「しまった〜・・・まだ休み気分で目覚ましセットしちゃった〜・・・入学式から遅刻なんてシャレになんないよ。」
今更後悔しても、あとの祭りだ・・と思いながらも自転車を飛ばした。
そして学校に着いたのは8時42分・・・もちろん遅刻だった。
「あちゃ〜・・どーしよう」
と、私が教室へ向かっていた、その時。
「こらぁ〜!遅刻や遅刻!」
うわ・・・私のことかなぁ?
「・・・マジすか?初日ぐらい勘弁してくださいよ・・・」
489 :
剣士:02/09/08 20:39 ID:pxOySLRn
(私のことじゃないみたいだ・・・誰だろう?)
気になって、ちょっと除いてみると、金髪の女の先生が、男子に説教している。
(は〜・・・それにしても、背が高い男子だなぁ)
身長、1メートル90はあろうかという長身の男子。顔はちょっとクールそう・・・って感じだった。
「アカン!初日やからこそ遅刻はアカンねんで!ほら、クラスはどこや?名前は?」
その男子はチッと舌打ちしてから、口を開いた。
「1年A組、牧 宗一・・・」
あれ?・・・私と同じクラスじゃん・・・。
「ん?A組やったらウチの担当のクラスやないか。よっしゃ、それなら一緒に行こか」
そういうと、私のいる所にくる。まずい!と思ったが、遅かった。
「ん?何や!お前も遅刻かい!名前とクラスは?」
あ〜あ・・・こんなことならさっさと教室に行けばよかったな・・・。
「1年A組、松浦亜弥です」
「なんや、お前もか・・・じゃあ、行こか。ああ・・・ウチはあんたらのクラスの担任になる、中澤裕子や・・・よろしゅう」
何で、コテコテの関西弁なの・・・?
「よろしくお願いします。あ・・牧君、だったよね?」
その男子、牧君は驚いた様子でこっちを見た。
「あ、ああ・・・そっちは松浦さんだったな」
「ええ。これからよろしくね!」
私はニコッ!と笑ってみせた。すると牧君は、ちょっと髪をかきながら
「こちらこそ、よろしく」
と、言ってくれた。うん、高校での友達第一号決定〜!
490 :
剣士:02/09/08 20:41 ID:pxOySLRn
新作です。
1週間ぶりです。
もし、待ってくれた人がいたら、お待たせしました。
491 :
_:02/09/08 21:41 ID:v36dir1O
492 :
TMC:02/09/08 21:48 ID:xowXFaE2
>>459からです
「ただいま。」
声がない。あれ、誰もいないのかな?
とりあえず自分の部屋に行き、着替えてからリビングへ行った。
リビングにも人影がない。どうやら俺だけのようだ。
そう思いもう一度自分の部屋に戻る途中、亜依の部屋から声が聞こえた。
「ふむふむ、、、そうやったんか、、、なるほど」
電話しているのか独り言を言っているのかわからない
とにかく相づちを打つようなことしか言ってなかった。
ノックをしても気付く様子がないのでこっそり入った。
後ろ姿からすると机で読書をしているようだ。
亜依が読書ねぇ。意外だな。
493 :
TMC:02/09/08 21:49 ID:xowXFaE2
「ただいま。」
亜依をビックリさせないように小声で言ってみたつもりだったけど
それでも充分にビックリされてしまった。
「し、慎一。お、お、おかえり。」
朝と同じようなひどく慌てているようである。
「今朝から変だぞ。何か隠してんだろ。
梨華もその様子だと、隠し事してるって言ってたぞ。」
「う、うちは何も隠してないよ。」
机の上に目をやるとさっきまで亜依が読んでいた本が目に入った。
「100%男の子に振り向いてもらえる方法、何だこりゃ?」
「こ、これは何でもないねん。と、友達から借りただけやで。」
もっと問いただしたかったけどちょうど携帯が鳴った。
494 :
TMC:02/09/08 21:50 ID:xowXFaE2
今日はここまでです
>>475からの続き
ホテルに入ると、結構豪勢な造りだった。
早速チェックインといきたいが、ここでひとつのトラブルが…
「え〜!こんなにかかるんですか?」
値段は言えないが、ちょっと2人分には足りない。
どうしようってしばらく考えていると
「ねえねえ〜」隣にいた酔っ払いの美貴ちゃんが肩をたたく。
「一部屋分なら足りるでしょ〜♪
さっきも言ったけど私は大丈夫だからさ〜♪」
「そうですよ。かわいい彼女さんが言ってるんですから、一部屋でいいんじゃないですか?」
いつの間にやら受付の人も俺を説得している。
「う〜ん、じゃあその部屋で」
「ありがとうございます」
受付の人は俺に簡単な書類を書かせた。
「それではお部屋にご案内します」
別の従業員が話しかけてくる。
「美貴、行くよ」
しかし、なぜか顔を赤くして下を向いている。
「どうした?」
「……彼女だって、キャ〜」
顔を両手で隠す。
そのしぐさもかわいいんだけどね。
「どうでもいいじゃんか」
俺は先にすたすた行こうとすると、美貴ちゃんは腕を組んで甘えてくる。
「シュン〜もう歩けない〜」
「もう!俺にどうしてもらいたいんだよ!?」
「連れてって♪」
そういうと俺に耳打ちする。
「(お姫様抱っこで)」
「はあ?」
「やってよ〜ねえ〜」
「しょうがねえなあ〜」
これ以上従業員さんに迷惑はかけられないので、素直に従うことにした。
俺がお姫様抱っこで美貴ちゃんを抱えている間
周りの目がなんか気になった。
それでも美貴ちゃんは酔った勢いも後押ししたのか、しっかりと俺にしがみついてた。
そして部屋に着いた。
「それではごゆっくり」
従業員は俺に鍵を渡して、どこかに行ってしまった。
部屋に入ると、美貴ちゃんはふかふかのベッドにダイビング。
俺はな〜んかその仕草にドキドキしながら、部屋の窓側にいすを持っていってぼ〜っとしていた。
このまま時間が過ぎる。
「私お風呂入ってくるね」
そう言って美貴ちゃんは入っていった。
更新終了
498 :
:02/09/08 22:20 ID:m60Zo6ST
(・∀・)イイ!!シュエーションだ!
>>499 「漏れがこのスレを守る!」と言う心意気。
んで500ゲト<(`△´)
501 :
:02/09/09 04:59 ID:xeHCuI26
502 :
関西人Z:02/09/09 17:35 ID:HtYKkuxr
外に出て校舎裏へと続いている硬いコンクリートの上を歩いていると、頭上から声が聞こえてきた。
上は東校舎と北校舎を繋ぐ渡り廊下になっている。
誰かが窓際で話しているようだ。
耳を澄まし聞いてみる。
「…から、あいつとは関わらない方が良いって」
東城君の声だ。
ということは、一緒にいるのは…。
「…誰のことを言ってるんだ?」
「だから松浦だよ。お前は転校してきたばっかりだから知らないだろうけど、
あいつに関わったらろくなことになんねえぞ」
あ、やっぱり私の事言ってる。
これでまたひとりか…ハハ……
乾いた笑いだけしか出てこない。
503 :
関西人Z:02/09/09 17:36 ID:HtYKkuxr
「…くだらねーな」
(え?)
「く、くだらないって何が?」
東城君が驚いたように聞き返す。
「虐めじゃねーのか?それって」
「…」
何も答えない東城君。
「ようはあれだ、虐めて楽しんでるわけだ。違うか?」
「ち、そうじゃなくて。お前のためを思って言ってるんだ」
「なんだ?松浦さんとと一緒にいたら死ぬのか?」
「それはないけど…」
「なら何故虐めるんだよ?原因は何なんだ」
そう言えば、私は虐められる原因をはっきりとは知らない。
ただ、何もやり返さないから楽しんでるだけだと思っていた。
(違うのかな…)
私は言葉を待った。
504 :
関西人Z:02/09/09 17:37 ID:HtYKkuxr
「……俺が言ったって言うなよ」
東城君は静かに話し始める。
「ウチのクラスに藤本美貴っていう女子がいるんだけど」
「藤本?」
「ああ。昨日今日と学校休んでる奴さ。最初は藤本が言い始めたことなんだ」
知らなかった。
私は藤本さんとあまり話したことはない。
何故、藤本さんは私を…?
「原因は俺も詳しくは知らない。だが、藤本は全校生徒に人気がある。男にも女にも。
先生でさえ藤本のことは甘く見る。そんな奴に逆らうのはある意味自殺行為さ」
「…」
「だからウチのクラスの連中は、あいつの言葉に従って松浦を虐め始めた」
「…」
「な?わかったろ、俺の言いたいことが」
「…」
しばらく沈黙の後、足音だけが静かに聞こえてきた。
「おい、何処行くんだよ?」
東城君の声が聞こえたが、その様子じゃ真島君はどこかへ行ったらしい。
私は足音が消えるまで、そこを動かなかった。
「ハァ…やっぱり私は、ひとりか…」
ポツリと呟いた。
505 :
関西人Z:02/09/09 17:41 ID:HtYKkuxr
いつものベンチに座り、お弁当を広げ一人で食べ始めた。
多分真島君は来ない。
あの話を聞かされて、来る人はいない。
いいよ、別に。
私は、慣れてるから…。
506 :
関西人Z:02/09/09 17:47 ID:HtYKkuxr
不意に足音が聞こえ、私は顔を上げた。
「ゴメンゴメン。遅れちまったよ」
目を疑った。真島君が、申し訳なさそうな顔をしながらやって来たのだ。
「いや〜、あいつの話が長くてさ。ゴメンね」
「う、ううん。いいよ…」
言葉が詰まる。
「さぁて、食べようっと。…ん?」
真島君はジッと私の顔を見てくる。
「どうしたの?」
「松浦さん。なんで泣いてるの?」
「え?」
自分の頬に手を当てた――濡れている。
「あれ、おかしいな。なんでだろ」
何度拭っても頬が濡れていく。
原因は分かっていた。
嬉しかったから
一緒に食べてくれる人がいるから
話をしてくれる人がいるから
隣に、いてくれるから、
私は、嬉しかった。
507 :
関西人Z:02/09/09 17:49 ID:HtYKkuxr
改行エラーがでて上手く書き込めなかった。
特に最後の2レスは不細工になってしまった。
申し訳…
。・゚・(ノД`)・゚・。>関西人Zたん
509 :
:02/09/10 00:22 ID:VhAN1EqK
やっぱ(・∀・)イイ!!
510 :
TMC:02/09/10 11:53 ID:5HYvceaV
ほおづえ
2学期になってそろそろ一週間が過ぎようとしていた
この季節になると毎年体育祭の練習が始まる
秋の気配がしてきたと言ってもまだかなり暑い
外での練習はジリジリとした日差しを浴びながら
男子は組み体操、女子はダンスの練習を毎日続けている
俺は委員長でもあるので仕事も忙しい
特に体育祭関係の仕事で帰るころには教室には誰もいない
しかし、隣の教室にはいつも一人の女子が残っている
彼女はスーッと引き込まれそうなくらい外を見つめている
少しずつ沈むのが早くなった夕陽が
窓越しに彼女の顔をオレンジ色に照らしている
彼女はほおづえをつきながら時折ため息をついた
それからしばらくは忙しい日々が続いた
もちろん体育祭が近づいてきたからである
周りの皆がどんなに焦っていても、どんなに慌てていても
それでも彼女は放課後の教室で外を眺めていた
やっぱり、ほおづえをつきながら
511 :
TMC:02/09/10 11:55 ID:5HYvceaV
ある雨の日、仕事が終わり帰ろうとしたら
やはり彼女はほおづえをついていた
どしゃ降りが降り続き、あの綺麗な夕陽が出ていない
夕陽を眺めていたのではないのか?
そんな疑問が湧いてきたので彼女に声をかけた
「いつもは夕陽を見てるんじゃないのか?」
答えはない、しばらくすると彼女の体がガクッとなった
どうやら眠っていたらしい、目をこすりながら俺に気付いた
「えっ!?えっ!?・・・何だっけ?」
まだ完全に目が覚めてなさそうだったが
俺はもう一度聞いてみた
「別に夕陽だけを見てたわけじゃないんだ。」
彼女は窓の方を向きこう答えた
その時の横顔はいつも見ているイメージとは違い
可愛いよりも美しいという表現が似合いそうだった
「私はこの窓から見える風景が大好きなんだ。」
細長く糸のような雨を見つめながら彼女はさらに続けた
512 :
TMC:02/09/10 12:01 ID:5HYvceaV
「最近は晴れの日が続いてオレンジの夕焼けが見えたでしょ
あの夕焼けがね、すごく綺麗で何かも忘れられるって言うのかな?
何か違う世界に入っちゃったみたいで気持ちいいの。」
何かを訴えるように、けれども落ち着いた口調だった
「でも、今日みたいな雨の日も大好きなの。
雨が降ってるのは窓の向こうなのに自分が雨に洗われるような気がして
耳をすましてみると音が聞こえてきてナゼか癒されるんだよね。」
最後まで落ち着いた口調で時折笑顔を見せながら教えてくれた
しばらくの沈黙が続いた、しかしそれが心地よかった
さっき言っていた雨の音が聞こえてくる
彼女は突然ほおづえをやめて俺の方を向き
「自己紹介まだだったね、私は後藤真希。」
言葉では表せないような柔らかい笑顔だった
その瞬間から彼女を好きになるまであまり時間はかからなかった
雲の切れ間から太陽が見えてきた、雨はあがったようだ
513 :
TMC:02/09/10 12:03 ID:5HYvceaV
短編を書いてみますた。
名前は出さない予定だったんですが解りづらいと思い
最後の方で名前を出しました。
514 :
関西人Z:02/09/10 19:09 ID:hxygaGY/
顔を覆い、止められない涙を隠す。
「私…辛かった」
「え?」
全てを吐き出したくなった。
辛かったことを、全部。
聞いて欲しかった、誰かに。
この人なら言える。
虐めがくだらないって言った真島君になら。
515 :
関西人Z:02/09/10 19:12 ID:hxygaGY/
「ホントはね、辛かったの。一人でいることが」
「…」
「誰かに、構って欲しかった…」
真島君は黙って私のほうに顔を向けている。
「先生に相談したけど、何もしてくれなかった。調べてみるって言ったっきり何も…」
「…親には?」
「…言えなかった。でも気づいて欲しかった。
だから気づいて貰えるように色々したの。けど、無関心だった」
「…」
「誰にも相談できない。だから私は一人でいることに慣れようとした。そう思い込むことにした。
でも、本当は辛いの、一人でいることが」
「…」
私はさらに続けた。
「さっきもね、真島君と東城君が話してるのを聞いてたの。すぐ下で」
「…うん」
「その時私は、真島君も私のことを虐めるのかなって。
だからお弁当はやっぱり一人で食べるんだって…、これからも一人だって思った…」
「…」
「でも、あなたは来てくれた。本当に、嬉しかったの」
516 :
関西人Z:02/09/10 19:19 ID:hxygaGY/
…全て言い終えた。
顔を上げ、真島君の顔を見ようとした。
でも、涙が止まらず視界がぼやけている。
「あれ、おかしいな。全部言い終わったのに」
一生懸命涙を拭っている私を、
「え!?」
真島君に引き寄せられ、胸の中に埋まった。
急なことで慌てていると、真島君が耳元で、
「…もっと泣いた方が良い、それだけ辛かったんだから。全部出し切っちゃえ」
その言葉に、私は甘えた。
「…ありがとう。………う、うう…うわー!!」
真島君の胸の中で、大声を出して泣いた。
その間、真島君は頭を撫でてくれて、それがまた嬉しくて泣いた。
517 :
関西人Z:02/09/10 19:20 ID:hxygaGY/
この日…私は…孤独から解放された…
518 :
関西人Z:02/09/10 19:22 ID:hxygaGY/
〜END〜
519 :
:02/09/10 20:59 ID:mP/20SuQ
520 :
剣士:02/09/10 22:12 ID:ELEXS2o6
>489の続き
そして私達は、教室に入った。すると・・・
「お?遅刻コンビか〜?」
とかいう罵声が・・・もう、誰よ?
「ほら!んなこと言うんやない!席につけ!」
中澤先生ナイス!
「よぉ!松浦!」
あ・・この声、さっきの罵声と同じ・・・。
「あなただったのね・・・圭太」
私に話しかけてきたのは、高原圭太。同じ中学校だった、まあ・・・男友達。
「まあまあ・・・気にすんなって!それにしても・・・お前、凄いヤツと入ってきたな」
え?ワケわかんない・・・。どういうことなのか、圭太に聞いてみた。
「あいつ・・・牧だろ?」
私は、何故知ってるのか?という疑問を持ちながらうなずいた。
「俺、中学校の時、バスケ部だっただろ?決勝でアイツのいるチームに負けた。アイツ、その時の県MVP、ベスト5に選ばれたヤツ。で、アイツは全国でも力を発揮して、全国ベスト4だったんだよ」
へぇ〜・・・そうだったんだ・・。牧君・・凄いなぁ。
「おお!そうだ!今日さ、突然だけど、合コンみたいなのがあるけど、お前こねーか?」
は?合コン!?高校生がそんなことやってもいいの?
「男子は5人で、女子は4人しかいないんだよ!頼むよ!」
そんなこと言われても・・・ねぇ。
「・・牧も来るぞ?アイツとは友達だしな」
私はその言葉にピクっと反応した。牧君が来るのか・・・それじゃあ・・・。
「わかった・・・行く。どこで?」
圭太はニヤっと笑い、メモを出してきた。
「ここだ。俺と牧の行きつけの店なんだけど・・・じゃあ、頼むぜ!」
と、圭太は言って、牧君のとこに行ってしまった。
「よぉ!牧〜!合コン来いよ〜!今日のね」
「久しぶりだな・・・ケータ。わかってるよ・・ったく」
凄い親しそう・・・。合コンか・・・牧君を知るいい機会かもね!よっし!チャンス生かすぞっ♪
521 :
剣士:02/09/10 22:12 ID:ELEXS2o6
更新終了です。
【帰り道】
「ごめ〜ん。ちょっと遅くなっちゃった。」
なつみは濡れた髪のまま走ってやってきた。
見るからに湯上りでほんのり桜色した顔
そしてシャンプーの香り
「あんまり待ってないよ。隣までなつみの声聞こえてきてたから
オレもゆっくりしてた。」
マンションに風呂がないわけでもない。
でも、こうやってたまに2人で近所の銭湯に行く。
「あー、隣まで聞こえちゃってた?
なんかねぇ、隣に座ったおばあちゃんがねぇ。色々話してくれてさ」
なつみは身振り手振りでその初対面の婆さんの話をしている。
その楽しげな表情とキラキラと光るまなざし、そして屈託ない笑い声。
話が一通り終わると突然─
「ねぇ、今何時?11時前?」
オレは携帯電話を開いての時計を見る。
10:58
「あと2分で11時だな。」
なつみは慌てて走り出した。
オレは訳もわからず追いかけるように着いて行く。
とは言っても距離として20mぐらい。
自動販売機の前でなつみは止まり小銭入れからコインを取り出すと
一斉に光るボタンの中から上の段にある右から2番目のボタンを押す。
─ガタン
「セーフ。飲むっしょ?」
ガチャガチャと落ちてくるおつりをポケットにしまうと
オレの顔に缶ビールを押し付けてきた。
風呂上り、さらに短い距離だけど走り、そしてまだ残る熱帯夜
この条件での冷えた缶ビールは気持ちよかった。
プシュ!
「はい。」
「さんきゅう」
オレは味わう事もなく一気に喉に流し込んだ。
喉から食道にかけて冷たい刺激が通り過ぎる。
「本当に美味しそうに飲むね。」
オレは飲みかけのビールを手渡した。
オレと缶ビールを見比べるようにして
なつみは上品に缶に口をつけて一口飲んだ。
「にが・・・」
笑いながらオレ達は同じ部屋に帰る。
少し汗ばんだ腕を絡めながら─
( ´D`)<おわり。っと。
男のビール飲む姿はカコ(・∀・)イイ!!、と思う。
526 :
:02/09/11 21:47 ID:9eY7rNXn
(・∀・)イイ!!
527 :
剣士:02/09/11 22:43 ID:yHolqdRh
>520の続き
その後、始業式、ホームルームを終え、早くも下校になった。
「さて・・と・・帰らなきゃ・・・」
と、私が教室を出た時
「よう・・松浦さんだったな」
突然後ろから声をかけてきたのは、牧君だった。
「っ・・・!びっくりしたぁ・・・」
牧君は申し訳なさそうに頭をかきながら、謝ってくれた。
「ご・・ごめん。・・今日のアレ、行くんだろ?」
アレ?ああ・・・合コンね。
「うん、行くよ。牧君も行くんだよね?」
牧君はコクリとうなずいて、私の肩をポンと叩いた。
「じゃあ、3時に・・・ああ、それと、俺を牧君、て呼ばないで、宗、でいいよ・・・じゃあ」
と、牧君は去って行ってしまった。何で牧君が嫌なんだろ?・・それに宗って?ああ、宗一の宗か!
「お〜!松浦!」
また、うるさいヤツが・・・。憎めないけどね。
「お前、今牧と話してただろ?何喋ったんだ?」
私は、喋っていた事を説明した。すると、圭太が驚いた表情になった。何で?
「お前・・牧のことを宗って呼べるのは、ごくわずかだぜ?それを、向こうからいきなり呼んでくれっていうってこたぁ・・」
何?何なの?・・私が、わかんないと言うと、圭太は呆れた表情で
「・・鈍い女だな・・まあいいか。じゃあ、今日来いよ!」
と、圭太も帰っちゃった。そして私も言えに帰り、服を選び始めた。何でって?・・女性は服に気をつかうものなのよ!
そして、服選びに悩んだ末、私は着ていく服を決め、その合コンの会場に向かった。
「ここね・・・よぉし!」
と、私は意気込んで入った。すると、圭太ら、男4人と、女が4人。
「よぉ!松浦!ここだ!」
と圭太が呼んでくれた。あれ?・・まだ、牧君がいない・・・・。
「牧のヤツか?もう来るらしいから、焦るなよ」
・・・読まれた。何か・・・悔しい・・・。
528 :
剣士:02/09/11 22:46 ID:yHolqdRh
今日はここで更新終了です。
>>408 からの続きです。
「もう、加護ちゃんか…」
今、ボクを蹴ったのは、加護ちゃん。
本名、加護亜依。
中等部で、愛ちゃんと同じ学年だ。
あることがキッカケで知り合ったが、会うたび、今のように蹴られる。
しかも、年下なのに、「信治!」と呼び捨てだ。
まあ、妹みたいで可愛いんだけどね…。
「そんなとこに、突っ立てるからや!」
加護ちゃんは、そう言うとさっさとボクの横を通り過ぎた。
「なにしてんねん! はよ、行くで!」
「あっ、ごめん、ごめん…」
そう言われて、ボクも加護ちゃんの後に続いた。
「なあ、信治?」
加護ちゃんは、ボクの袖を引っ張った。
「なに?」
ボクは、加護ちゃんのほうを向く。
「信治…妹できたんやって?」
ボクより、背の低い加護ちゃんが見上げる感じで言う。
「あ、ああ…」
ボクは、気まずい感じで答えた。
「さっき一緒にいた子やろ? …可愛い子やったな」
そう言う加護ちゃんの表情は、どこか寂しげだった。
「う、うん…」
ボクは、また気まずい感じで答えた。
「信治はその子のこと、好きなんか!?」
加護ちゃんの表情は、真剣だ。
「す、好き!?」
突然の予想外の質問に、ボクは思わず聞き返した。
「だって、一緒に暮らしてるんやろ? 昨日の夜とか…」
(ギクッ!)
加護ちゃんは、頭の回転が速いみたいで、いつも鋭いところを突いてくる。
「別に何もしてもないよ」
ボクは、何事も無かったかのように答える。
「ホントに?」
加護ちゃんの表情は、更に真剣になっている。
「ホントだよ」
ボクは、さっきと同じように何事も無かったように答えた。
「なんや! 心配して損したみたいや!」
そう言って、加護ちゃんは笑う。
「でも、なんで加護ちゃんが心配するの?」
ボクがそう言うと、加護ちゃんの顔は赤くなっていった。
「な、なんでもあらへん! ほな、はよ行かんと遅刻するで!」
そう言って、加護ちゃんはボクの横を通り過ぎた。
「あっ、ちょっと待ってよ!」
ボクも慌てて、加護ちゃんを追った。
更新です!
【クール?-5-】
仕事から帰ってきたら珍しくひとみが一足先に帰っていて
これまた珍しく食事の準備をしていた。
明かりのある部屋・・・小さな幸せ。
「あ!ちょうど良い時に帰ってきたぁ!」
ひとみは包丁を持ったままこっちに振り返る。
包丁が目の前に・・・
「ちょっと脅かす気かよ!」
ただいま。お帰り。のやり取りのないまま
ひとみは謝りながら慌てて包丁を引っ込めた。
そして、何かを頼む時の顔になる。
キラキラした目に長いまつげ
その目で下から覗き込むような仕草。
「何?」
「ちょっと醤油買ってきてくれない?
ギリギリだから、もしかして足りないかも」
オレは近くのコンビニに醤油を求めて向かう。
醤油とついでに飲み物も買って、
あまり来る事のないコンビニの店内をぐるぐると周る。
小さな車のオマケが付いているお菓子をみつけた。
レジを済ませて部屋に戻ると、ひとみは食事の準備を終えていた。
買い物袋を渡すとお礼の言葉を言いながら醤油を取り出し飲み物を冷蔵庫に入れた。
そして、呆れた顔をしながらお菓子を取り出した。
「うちのパパや弟に買い物を頼んだ時もそうだったけど・・・
男の人はどうして、こうやって余計な物まで買うの?」
オレは言い返すことも出来ないで買ってきたお菓子には手を出さないで、食事をした。
食事しているときには、ひとみはすっかり機嫌を直していて
その事にはもう触れなかったが、それが逆にオレのあのお菓子のオマケの車が
気になってしょうがなかった。
そして食事の後にひとみが食器を洗っている間にコッソリ買ってきたお菓子の箱を開ける。
中には、ほんの少しのお菓子と数百円のオマケとは思えないような
精巧に出来た車が入っていた。
思わずそれを掌に載せてあらゆる角度から眺めていた。
そして親指と人差し指でそっと摘まんで裏側を見る。
ちゃんと裏側まで精巧に作られている。と思った瞬間
視界から車が消えた!
「すげー、かっけー」
ひとみはオレの手から車を取り上げて少年のような目で眺めていた。
さっきまで文句言ってたくせに
それに─
どこがクールなんだか・・・
φ(´D` )<おわり。っと。
536 :
なな:02/09/12 13:39 ID:uSatovbj
【クール?-5-】我犬。サンキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
どうでもいいがだんだんレス少なくなってきたな…上のやつも半日レスないし。
読者も保全がてらなんかレス残したほうがいいんじゃないか?
538 :
剣士:02/09/12 22:53 ID:XXOOwzOt
>527の続き
あれから10分待った。けど、牧君はまだ来ない。
「牧のヤツ、遅い・・・」
圭太もさすがにイラついてきたらしい。そりゃそうよね・・・。と・・その時、店のドアが開いた。
「よう・・遅くなってスマン」
入ってきたのは、牧君。ジーパンに黒いTシャツを来ていた。
「遅いよ!ったく・・・」
圭太ら男子はすっかりご立腹。が、女子達はちょっと牧君に見とれて・・・。う゛〜・・・牧君ねらいかなぁ?
「宗!ここに座って〜」
牧君を、早速あだ名(?)で呼んできた。すると、牧君はニコリと笑い、私の真正面に座った。
「じゃあ、早速自己紹介。俺は高原圭太。今度バスケ部に入る予定。特技はバスケとか、球技だな」
圭太、やっぱりバスケやるのね・・・・。後の男子の名前は?
「桃井優樹です。野球部に入る予定で、特技は野球、料理かな」
「新井流一。テニス部はいる予定。特技は格闘技かな」
「赤井剛だ。帰宅部予定。特技はサッカー・・・よろしく」
ふ〜ん・・・まあまあ・・かな?どれもこれも・・・・。そして、牧君の番だ!
「牧宗一です。バスケ部に入る予定。特技は・・・・あんまりないかな」
ガクン!何だ〜・・・アッサリしてるなぁ・・。まあ、牧君らしいかな?
そして、女性陣の番ね。・・・女性陣は美人が多いなぁ・・・。
539 :
剣士:02/09/12 23:07 ID:XXOOwzOt
「吉澤ひとみです。バレー部に入る予定で、特技はバレーです!よっろしくぅ!」
なんか、元気な人だなぁ・・・・。でも、明るくていいのかも・・・。
「こ・・・紺野あさ美です・・。合唱部に入る予定で、特技は・・・りょ・・料理です」
あ〜あ・・・緊張してる。でも、とろ〜んとしてて、可愛いなぁ。
「藤本美貴です。バレー部に入る予定で、特技は・・・得にないですね!」
この人もバレーなんだ・・・。バレー人気なのかなぁ?
「後藤真希でぇっす。テニス部に入る予定で、特技は料理かなぁ」
この人、美人だな・・・同じ学年とは思えないよ・・・。あ、私の番だ。
「松浦亜弥です。バスケ部のマネージャーやる予定で、特技は・・・歌を歌うことかな」
こんなもんでいいかな?自己紹介って・・・・。
「よっし!じゃあ、始めますか。料理も頼まないとね・・・」
そして私たちは料理を頼み、会話を楽しんだ。最初は、牧君に注目が熱かったけど、今はばらけたみたい。
(桃井君と紺野さん・・・後藤さんと新井君、で・・・赤井君と藤本さん・・で、圭太と吉澤さんか・・全部男子が仕掛けていった感じだけど・・・じゃあ、私は牧君と・・)
と、牧君にアプローチをかけようとしたその時・・・
「ねぇねぇねぇ!牧君ってさぁ、どんな人が好みなのぉ?」
(う・・・横槍・・・。く・・くそ〜!あきらめないもん!絶対アプローチしてやる〜!)
私が燃えてる間に、牧君がタジタジ・・・・。悔しい〜!
更新終了です。
540 :
コンボ:02/09/12 23:51 ID:rXAEVC7R
前後編の短編です。
最近前後編ばっかりだな……
9月9日付
藤原秀介
松浦に頼まれて、僕がクラスの代表で手紙を書くことになりました。
高橋さんがそちらに転校してから、1ヶ月以上経ちます。
高校に上がった途端に高橋さんが転校してしまい、皆がっかりしています。
モスクワは日本より気温が10度以上も低いと聞きました。
環境の違いにはさぞ途惑っているかと思います。
バレエは上手くいっていますか。
調べてみたところ、そちらでは特待生は通常の生徒さんよりも2倍近いレッスンを受けるそうですね。
くれぐれも体調にはお気をつけてください。
ご返信待ってます。
高橋愛宛て
541 :
コンボ:02/09/12 23:52 ID:rXAEVC7R
9月11日付
高橋愛
お便りありがとうございます
こっちでは毎日が新鮮で、暮らすのにもようやく馴れはじめた頃です
言葉も少しづつですが覚えはじめています
バレエの方は、こっちではまだまだ初心者扱いです
私と同じような特待生の人はあと10人近くいて、毎日お互いに競って練習しています
こっちでは高校に行ってません
おかげですっかり頭が悪くなってると思います(笑)
こうやって手紙を書いていても、今皆さんがどう暮らしているのか気になります
こっちでの生活も刺激があって楽しいですが、日本に帰ってみたいというのも本心です
しばらくはレッスンの毎日なので無理ですが、そのうち帰るめどは立つと思います
早ければ10月には、そっちに帰れるかもしれません
皆さんに会えることを楽しみにして、今日も頑張ります
藤原秀介宛て
542 :
コンボ:02/09/12 23:53 ID:rXAEVC7R
9月13日付
藤原秀介
お返事ありがとうございます。
皆手紙を見てとても喜んでいます。
特に松浦さんははしゃいでいました。
僕は高橋さんについてあまり知りませんが、松浦さんは何か送ると言っていました。
中澤先生も授業中に関係無いバレエの話で盛りあがりました。
女子だけでなく、男子も高橋さんについてよく話しています。
先日も、源が「俺もロシアに行く」と言っていました。
源はさらに冗談めかして、「ロシアだったら16歳でも結婚できるかな」と言っていました。
本気かどうか分かりませんが、最近はこんなことばかり言っています。
源に限らず、男子は全員こんな調子です。
迷惑でさえなければ、またお手紙をもらいたいと思います。
追記ですが、松浦さんがそちらの電話番号を知りたいそうです。
よろしくお願いします。
高橋愛宛て
543 :
コンボ:02/09/12 23:54 ID:rXAEVC7R
9月16日付
高橋愛
手紙ありがとうございます
男子に騒がれて、源くんには結婚まで申しこまれて大変嬉しいです(笑)
亜弥には別に手紙を送ります
電話番号については、ここの寮では電話は使えないことになっています。
ところで、最近こっちでは少し変わったことがありました
当たり前ですが、こっちではほとんどの先生がロシア人です
知ってる人も知らない人もロシアの人ばかりで、日本語で話せるのは特待生の友達だけです
家族ともなかなか会えません
ところが昨日、平家さんという日本人の先生がやってきました
若い頃に大きな賞を取ったそうですが、今はスクールの一講師です
平家さんは気さくな人で、休憩の時間には楽しくおしゃべりしています
日本語で話すことで励まされる一方、日本へ帰りたいとさらに強く思っています
こんなことではダメだと思うのですが、一刻も早く日本に帰って皆と会いたいというのが本音です
それでは、今日も頑張ります
藤原秀介宛て
544 :
コンボ:02/09/12 23:54 ID:rXAEVC7R
9月16日付
高橋愛
なんか手紙だから緊張するなあ(笑)
藤原くんに送る手紙ではいっつも敬語だから疲れちゃってしょうがない(笑)
本当はタメで話したいけど、そういう雰囲気じゃないし
そういえば、源くんが結婚したいとか言ってたのってマジ?
悩むなあ、こういうのは(笑)
って言うかマジで好きなの?
マジじゃなかったらかなり私の勘違いなんだけど(笑)
でも源くんって微妙だよね
確かテニス部だっけ?
テンション高かったのは覚えてる
顔とかマジで微妙
でも修学旅行の時、皆に聞いたら結構人気無かった?
なんか優しいとかは聞いたことあるんだけど
まあ、どっちにしろマジじゃないか(笑)
それじゃとりあえずこの辺で
返事待ってるよー
松浦亜弥宛て
545 :
コンボ:02/09/12 23:55 ID:rXAEVC7R
9月18日付
藤原秀介
ちょっとしたことがありました。
高橋さんが新聞に載っていたのです。
昨日の朝刊で、日本からロシアへのバレエ特待生の特集がありました。
高橋さんについては受賞歴に加え、市長の言葉も載っています。
新聞を丸々同封したのでご覧ください。
こうして見るとやはり演技中の高橋さんの顔は普段とは違います。
中澤先生も含めて、皆で感心しました。
特にやはり源が、クラブの後輩にも新聞のことを言い広めたようです。
さらに今日、学校便りのプリントが配られましたが、高橋さんについて書いていました。
バレエのことなど全然知らなかった教師が口を揃えてバレエをたたえています。
一応、これも同封します。
なお、頼まれたので松浦さんの手紙も同封します。
平家さんについてですが、僕もやはり身近に日本語があるというのは強い心の支えになると思います。
目標に向かって頑張ってください。
高橋愛宛て
546 :
コンボ:02/09/12 23:56 ID:rXAEVC7R
9月18日付
松浦亜弥
藤原くんが手紙を出すのに便乗してしまった(笑)
あれだよね、藤原くんが『僕』とか言ってると笑うよね(笑)
どっちかと言うと『ワシ』系じゃない?(笑)
なんか精神的に老けてる(笑)
これ以上藤原くんの文句言ったら愛に殺されるからやめとこう(笑)
それにしても、藤原くんに手紙書けって言ったの私だからね
理由見つけるの結構大変だったからね
最後は勢いで「書け!」みたいな(笑)
それにしてもさ、好きな人同士が手紙のやりとりしてるって、どう見てもラブレターじゃない?
あ、片思いだった(笑)
って言うかロシア行く前に告白しないからこういうことになるんじゃん
どっちつかずだと、結局本命逃がすんだよ
私は黙ってても男が寄ってくるからいいけど(笑)
なんだかんだ言っても私も本命逃がしてるからね
後悔しないように(笑)
そんじゃーね
高橋愛宛て
547 :
コンボ:02/09/12 23:56 ID:rXAEVC7R
9月21日付
高橋愛
20日に、いきなり舞台が決定して、その日のうちに出ました
舞台といっても小さな会館でのもので、特待生のテストみたいなものでした
朝に言われて夕方に出たので付け焼刃でした
当然結果は満足の行くものではなかったんですが、平家先生は結構満足げでした
夜になると平家先生が部屋に来ました
相部屋の3人と一緒にいたのですが、平家先生は意外にも夕方の舞台を誉めてくれました
即日であれだけ吸収できれば充分だとか言ってましたが、嬉しさでほとんど聞いてませんでした
なにしろここに来てから誉められたことがほとんど無いのです
平家先生は休憩時間には気さくな人ですが、レッスンでは鬼のように厳しいです
レッスン中も誉められることはまず無くて、注意されてばかりです
そういう先生から誉められて、私たちは大喜びしました
昨日の晩は興奮であまり眠れませんでした
バレエというものに達成感も感じました
まだまだやっていけそうです
藤原秀介宛て
548 :
コンボ:02/09/12 23:57 ID:rXAEVC7R
9月21日付
高橋愛
藤原くんは老けてるのがいいんじゃん(笑)
ところで、今度皆に見せるのとは別に藤原くんに手紙書こうと思うんだけど、どう?
もしかしたら藤原くん彼女できてたりする?
中学の頃はどっちかというと硬派っぽかったんだけどな
男子陸上って結構皆彼女いるって聞いたことあるし
こっちでも特待生の友達が結構彼氏持ちだし
日本の彼氏と手紙のやりとりしてるの見てると羨ましいなあ、とか思う(笑)
この間、あっちの手紙に書いた平家先生としゃべってたらそういう話題になって、さとされた(笑)
「日本に好きな人がいる」って言ったら
「さっさとアタックして付き合うか振られるかしろ」って言われた
迷ってるのが一番バレエの上達のさまたげになる、とかも言われた
そういうわけで藤原くんに手紙送りたいんだけど、いけそう?
もしそういう雰囲気じゃなかったら困るし
藤原くんだから皆にばらしたりはしないと思うけど
今回は、不安だから送るのはやめとく
そんじゃ、また手紙ちょうだい
松浦亜弥宛て
549 :
コンボ:02/09/12 23:58 ID:rXAEVC7R
9月25日付
藤原秀介
舞台での成功、おめでとうございます。
この間の日曜日は文化の日で、文化祭でした。
うちのクラスでは中澤先生の指揮で劇をやりました。
トルストイの『青年時代』をやったのですが、高橋さんがロシアに行くということでロシア文学を選びました。
こっちで案内状も作って、そこで高橋さんのことも書きました。
主役は源です。
暗い劇で、能天気な源の印象とは大違いですが、なかなか人気でした。
ひとえに源の人望かもしれません。
そういえば、最近源は頑張っています。
2学期からは真面目に勉強していますし、染めていた髪を黒く染め直しました。
一体どういう風の吹き回しなのかは分かりません。
パンフレットと案内状を同封します。
それでは頑張ってください。
高橋愛宛て
550 :
コンボ:02/09/12 23:59 ID:rXAEVC7R
9月25日付
松浦亜弥
今のところ彼女はいないと思う
はっきりとは知らないけど、今でも硬派だし
あんまり付き合い無いから知らないけど
好きな人いるかまでは分からないけど、多分彼女はいない
でも手紙送るのは微妙かな
もしかしたら引かれるかもしれない(笑)
まあしばらくはなに書くか考えといて
私も一応努力はしてみるから
今、藤原くんに早く書けって言われて書いてるからこの辺で終わる
だってエアメールって高いから同封してもらわないと困るし(笑)
それじゃ、頑張って
高橋愛宛て
551 :
コンボ:02/09/12 23:59 ID:rXAEVC7R
9月25日付
源義樹
いきなり手紙を送ってしまって、驚いていると思います。
それでも、手紙を送られずにはいられませんでした。
藤原がそっちに手紙を出すと聞いて、慌てて同封してもらいました。
こうやってわざわざ手紙を出すのは、高橋さんに僕の気持ちを伝えておこうと思うからです。
僕が高橋さんを知ったのは、中学一年生の時です。
違うクラスでしたが、高橋さんのことはよく聞いていました。
2年で同じクラスになりました。
僕が高橋さんを好きになったのは、その時だったと思います。
こんなことを言われて迷惑かもしれませんが、どうしても書かずにはいられませんでした。
手紙を出す時、藤原には洗いざらい言ってしまいました。
口の堅い奴だと思うから、他の皆に言いふらしはしないと思います。
次の手紙の時に、返事をもらえれば嬉しいです。
高橋愛宛て
ここまでです。
554 :
名無し:02/09/13 02:12 ID:PzTGLLnv
コンボのすっげーいいよ!新しいっつーか他の作者さんの刺激になりそう!
コンボ(・∀・)イイ!!
557 :
保全:02/09/13 21:19 ID:574CKLKQ
558 :
TMC:02/09/13 22:49 ID:ZfAkducA
>>493からです
わざわざ自分の部屋まで行くのが面倒だったので
亜依の部屋にいるまま電話に出た。
「もしもし?おっ、史也か。どうした?」
この言葉を言った瞬間に亜依が体をビクッと反応させた。
史也は今から俺の所へ来てもいいかと聞いてきたが
今までの家にはもちろん居ないし今の家を教えられるわけもない。
「ゴメン、今日はちょっと忙しいから、また今度な。」
史也は少し残念そうな声をしていたが
また今度誘うよ、と言って電話を切った。
はぁ〜、せっかく誘ってくれたのに悪いことしたなぁ。
559 :
TMC:02/09/13 22:49 ID:ZfAkducA
「なぁ、史也って松原史也さんのこと?」
電話を切った後、亜依が半笑いのような表情で
だけど、真剣な眼差しで聞いてきた。
俺は何で亜依が史也のことを知ってるかは少し気になったけど
軽くうなずいて「そう」と言う意味を示した。
「慎一と史也さんってお友達?」
だんだん目も笑い顔になってきた。
もう一度うなずいて、そのまま亜依の部屋を出た。
560 :
TMC:02/09/13 22:50 ID:ZfAkducA
今日は更新終了です
[松浦○弥×監禁1]
松浦の自宅前。
深夜の帰宅を狙った松浦の拉致誘拐はあっさり成功した。
俺は車から出て来た松浦をスタンガンで気絶させ、出て来たマネージャーも一発でぶっ倒した。
そして松浦を抱え、近くに止めてある俺の車に乗せその場を去った。
数分後には誰かがマネージャーとエンジンがつけたままの車に気づいて通報するだろう…。
自宅についた俺は松浦を抱きかかえ地下室へ連れ込んだ。
地下室は少々カビ臭いが、安心して少女を調教出来る最高のスペースだ。
松浦をコンクリの床に寝かせ手錠をかけ、天井から吊り下げられている鎖に繋ぐ。
鎖を引き上げるのは目が覚めてからだ。
松浦は少しうなるような声を上げて、悪夢でも見ている様子だった。
俺は松浦の前に立ちジーパンのジッパーを下しペ○スを出した。
そして松浦の顔めがけて放尿。
ジョボジョボと松浦の顔にかかる俺の小便。
松浦は、はっと目を覚まして息苦しそうに口を開いた。
俺は口めがけて小便する。
咳き込む松浦。
小便をし終わった俺はペ○スをしまう。
咳き込み何が起こっているのか分からない松浦。
「…ここは、どこですか…」
[松浦○弥×監禁2]
松浦は自分にかかった液体の匂いを嗅ぐ。
「これなんですか…何したんですか…」「俺の小便だ。小便かけてやった」言葉を返せない松浦。
俺は手元の鎖を引き下げる。
天井には滑車がついていて手錠と鎖でつながれた松浦の腕が上に引っ張られる。
「きゃーっ」俺は松浦が爪先立ちでぎりぎり立てる高さまで引っ張り上げ、固定した。
松浦の足元はフラフラしている。
「汚ねえーアイドルだな、小便まみれで。洗ってやる」ホースを取り出し、蛇口をめいっぱい開け松浦に勢いの強い水をぶっかける。
松浦は悲鳴を上げてフラフラと身体をゆさぶる。
俺は苦しむ表情が見たくてわざと顔にかけ続けた。
顔をどの方向にそらそうが水は追いかける。
苦しそうな表情に俺はたまらなく興奮した。
水を止めるとぜぇぜぇ言いながら松浦が言う。
「やめて…ください…なんで、こんなこと…」松浦が俺を見る。
いつものあか抜けた笑顔からは想像出来ない、意志の強いキリっとした表情。
じっと俺を見据えている。俺は松浦に近づき無理矢理キスをした。
口をぎゅっと閉じ、顔をそらす松浦。
[松浦○弥×監禁3]
俺は抵抗する松浦の頭を押さえ、唾をたっぷり垂らしてまた強引にキスする。
そしてベロベロと顔中をなめ回す。
「次は何してやろうかな…」
俺は松浦のベルトをはずしパンツを足元から引っ張る。
松浦は足をバタバタとさせたが強引に脱がした。
次に俺は棚から大きい断ちバサミを取り出した。
さすがに松浦は驚いて悲鳴を上げた。
「お、お願いです。やめて、やめて下さい…」俺はわざとハサミを松浦の耳元に持っていったりして松浦の反応を楽しんだ。
松浦は涙目でハサミの動きを追っている。
俺は松浦の後ろに回り背中からTシャツを切った。
ゾリゾリっという音が響く。冷たいハサミが背中の地肌に当たると松浦はビクッとした。そしてそのまま両ソデも切りTシャツを外した。けっこう肌を露出した衣装が多い松浦のブラジャーとショーツだけの姿は、あまりTVで見る松浦と違和感ないように感じた。
俺はヒクヒクと泣いている松浦を眺め、次はどうしようか摸索した。
[松浦○弥×監禁4]
俺は松浦のブラを外し、ピンクの乳首を舌で舐めた。
後ろに逃げようとする松浦の腰に手を回し舐め続ける。
「気持ちいい?」松浦は目を閉じ顔を横に向け何も答えない。
俺は乳首を軽く噛んだ。
「ん、痛い…」「感じるじゃない」俺は両胸をしばらく堪能した後、せんたくばさみを、まずは片方の乳首をはさむ。
「あっ…嫌!痛い…」かなり痛そうな表情を見せる。
俺はもう片方の乳首にもせんたくばさみをはさむ。
松浦は身体をよじらせなんとかしようとしている。
「とって…とって下さい…はやく…」「ダメだよ」俺はそういってせんたくばさみを軽く指ではじく。
松浦が苦痛で顔を歪ませる。
「すぐになれるだろ」俺はショーツの上から松浦のマ○コをこする。
そしてシューツに手を滑り込ませた。
「いやっ…ダメ!」アナルからクリトリスまで指でゆっくりなぞる。
指には薄っすらと愛液がついていた。
[松浦○弥×監禁5]
その指を松浦の鼻先に持っていき「これ水じゃあないよな。
小便でもない。お前は乳首にせんたくばさみつけられると濡れるのか?」「…とって下さい」「変態だなお前は。こんなのが感じるのか?」俺はショーツをはさみで切り取った。
そして天井から下がっている鎖をもう一本持ってきて片足のふくらはぎに巻いた。
そしてその足を上に引き上げる。
「マ○コ丸見えだな」ヘアは前だけでマ○コの周辺は無毛。
きれいなピンク色の湿ったマ○コが見える。
俺は堪らなくなりマ○コにむしゃぶりついた。
「こんなキレイなマ○コはじめてだ…」無臭で味の薄い愛液。
松浦は鼻の穴を広げ息を荒くして、クリトリスを舐め上げると「あっ…」と声を出して痙攣する。
俺は舌を細くして穴の中に入れたりクリトリスを刺激した。
そして指入れをしようと思ったが、
処女なら肉棒を入れるのを先にしたいと思い、アナルに指を押し込むことにした。
566 :
名無し:02/09/14 00:53 ID:zqGoUkuN
>>561-565 俺的には(・∀・)イイ!!
といいたいけどスレの雰囲気的にその内容はまずいと思うんで
他のスレでやった方がいいと思うよ。
良い感じだす{・∀・}
569 :
名無し娘:02/09/14 21:44 ID:LZGj4kqx
16歳になったら
こんなにたくさん婚姻届が
郵送されてきてるやよ〜
ζ
ノノノノノ从ヘ
川*’へ’川
( _つ||| ̄|)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スマン、俺も送った。。。
571 :
む:02/09/15 05:13 ID:rVZVX6yE
アイボソ(´Д` )
572 :
コンボ:02/09/15 16:43 ID:fPFjdImx
>>551より
10月1日付
高橋愛
返事が遅れてしまってすいません
ちょっと取りこんでて、書きそびれました
今月の8日に舞台に出れることが決まりました
舞台と言ってもこの間と同じように特待生のテストみたいなものですが、緊張しています
場所も同じ会館ですが、規模は前よりも大きいみたいです
私も他の特待生の人たちと同じようにはりきっています
踊る内容も雑多で、最近はレッスンが終わると同時に眠ってしまいます
そういうわけで8日までは手紙を書けないと思います
文化祭の写真ありがとうございました
久しぶりに皆の姿を見て、勇気付けられました
最近は平家先生も日に日に厳しくなって、のんきに話す暇もありません
それではまた、9日にでも送ります
藤原秀介宛て
573 :
コンボ:02/09/15 16:43 ID:fPFjdImx
10月1日付
高橋愛
舞台が決まったのが26日なんだけど、それからレッスンがヤバ厳しい
毎日寝てるかレッスンしてるかぐらいしかなくて、8日まではこの調子だと思う
それにしても、最近は食べても食べてもお腹が減って困るのよ
8日が過ぎたら絶対太るな(笑)
藤原くん微妙か……
正直、この間送ってきた文化祭の写真で、藤原くんの写ってるのは毎日見てるんだよね
なんかこれを見ると今日も一日頑張れるって感じ?
うわ、バカだな私(笑)
って言うかなにを努力するの?(笑)
「愛から手紙来るかもしれないけど引かないようにね」とか言うの?(笑)
疲れてるから、この辺で終わるね
じゃ、また
松浦亜弥宛て
574 :
コンボ:02/09/15 16:44 ID:fPFjdImx
10月1日付
高橋愛
ごめんなさい
源くんが思ってくれるのは嬉しいですけど、付き合えません
私には、源くんのほかに好きな人がいます
日本にいる人ですけど、どうしてもあきらめられません
だから、源くんとは付き合えません
このことを亜弥への手紙で書こうかと思いましたが、やめました
知ってるのは私と源くんと、藤原くんだけです
私は本気でその人のことが好きなんです
本気といってもたかが知れてるかもしれませんけど、そのうちに絶対告白しようと思っています
私にとってはその人しか見えないんです
どうか、分かってください
源義樹宛て
575 :
コンボ:02/09/15 16:44 ID:fPFjdImx
10月3日付
藤原秀介
舞台頑張ってください。
レッスンは疲れると思いますが、今しかできない経験だと思います。
僕も先日陸上部の大会があって、大会前は厳しい練習でした。
やはり、成績は練習に裏打ちされるということがよく分かりました。
真面目に練習したかいがあってか、僕の成績は自己ベストでした。
クラブでさえこうですから、そちらでもさぞかし大変でしょう。
ところで、中澤先生が平家さんについて調べてくれました。
確かに10代の頃にロシアで権威ある賞をとられてますが、今はバレリーナを辞めているそうですね。
今回は日本の特待生のためにロシアに渡ったそうです。
それとこれは非常に個人的なことですが、平家さんは二度離婚されているそうです。
雑誌のインタビューで平家さん自身が言ったそうです。
プライバシーを詮索するつもりはありませんが、そういうことです。
結構わけありの人だそうですが、実力が十二分にあることは高橋さん自身がよくわかっていると思います。
それでは、頑張ってください。
高橋愛宛て
576 :
コンボ:02/09/15 16:46 ID:fPFjdImx
10月3日付
松浦亜弥
太ってもバレリーナとかできるの?(笑)
そんなんじゃ、日本に帰っても藤原くんにふられるよ(笑)
あと、そんなに写真欲しいんだったら送ろうか?
この間陸上部の大会があって、藤原くんに呼ばれて行ったんだけど、その時に撮ったやつがあるよ
よければ次の時に送るけど
それにしてもあの時の藤原くんはテンション高かった
部員全員でカラオケ行って、2時から7時ぐらいまで歌いっぱなしだった
私もついていってけど、藤原くんノンストップで歌ってたからね
最後のほうは叫びだったけど(笑)
7時になったら残ってるのが5人ぐらいで、皆疲れて急に眠たくなったから解散になった
帰り藤原くんと同じ電車だったけど、爆睡してたね
その時撮った寝顔の写真もある(笑)
よかったら、次の時に送るから
それじゃ舞台頑張って
高橋愛宛て
577 :
コンボ:02/09/15 16:47 ID:fPFjdImx
10月3日付
源義樹
いきなり送ってしまって、失礼しました。
わざわざ返事まで送ってもらって、ありがとうございます。
高橋さんの返事についてとやかく言うつもりはありません。
藤原から手紙をもらった時、その場で開封しました。
同じ秘密を共有している藤原にはなんとなく親近感を覚えたから、結果も知らせたかったんです。
結果について藤原は慰めてくれましたが、正直なところ僕は断られたのが残念じゃないんです。
本当です。
ただ、高橋さんの好きな人というのが誰なのか、とても気にかかります。
もう僕に関係無いことだというのは分かっています。
それでも毎日気付けばそのことを考えていて、落ちつきません。
昨日は藤原に顔色が悪いとまで言われました。
高橋さんが良ければ、好きな方を教えてくれませんか。
もちろん無理にとは言いません。
藤原にも言いません。
絶対に他人には口外しないので、お願いします。
舞台の前に余計なことをお願いしてすいませんでした。
高橋愛宛て
578 :
コンボ:02/09/15 16:47 ID:fPFjdImx
10月9日
高橋愛
昨日舞台が終わりました
結果は上々で、舞台の後平家先生が私たち全員を誉めてくれました
舞台にはバレエの協会の代表者なども来ていて、そういう人たちに見てもらえたのはとても嬉しいです
今、平家先生に撮ってもらったテープを見ながら書いています
先生に頼んで別のテープにダビングしてもらったので、そちらに送ります
大した演技じゃありませんが、見てください
あと、平家先生に色々聞いてみました
離婚のことを聞くと、「経験豊富やろ?」と言われました
そういう明るい先生で、本当に良かったです
それと、そちらに帰るめどがつきました
今月の終わりには一旦日本に帰れるそうです
今から何をおみやげにしようか迷っています
民芸品やお菓子がいいかな、と思ってますが、何か欲しい物があれば次の時に書いてください
高くなければ買います
それでは今日も日本に帰ることを首を長くして待ちながら、頑張ります
藤原秀介宛て
579 :
コンボ:02/09/15 16:49 ID:fPFjdImx
10月9日
高橋愛
舞台マジ疲れ
もうそれこそ爆睡したからね
シャレにならないくらい疲れたから、手紙書く気にもならなかった
もう太るとか関係無い(笑)
こっちじゃダイエットとかできないし
しっかり食べなきゃレッスンで絶対倒れるし、実際倒れた子いるし
それに藤原くんだったら太ってるぐらいで嫌いにならない、と信じたい(笑)
写真は、一応全部送って
もうすぐ生の藤原くんに会えるから別にいいんだけどね(笑)
なんか予定では帰るのは25日で、5泊だって
私は家族こっちにいるけど、日本にいる子もいるからね
長くいられるに越したことはないし
でも帰らないって子もいる
プライドが高い子で、休みの間もレッスン続けるんだって
「本気でバレリーナになりたいんだったらなんにもいらない」
って言ってて、付き合ってた彼氏とも別れたんだって
それ聞いたらなんか私がものすごい不真面目な気がして、こんなんでいいのかなって思った
いつまでも藤原くんのことで悩んでてもなあ、って気がしてる
平家先生に相談したら、「はっきりせえへんのがあかん」って言われた
「覚悟を決める以前の問題やから」って言われて、少し目が覚めた
「もうそんなん相談されてもしらんけど、好きな男には告白しとかな後悔する」って最後に言われた
なんかわけわかんない文章になったけど、この辺で終わる
それじゃ、また
松浦亜弥宛て
580 :
コンボ:02/09/15 16:50 ID:fPFjdImx
10月9日付
高橋愛
ごめんなさい、それは言えません
でも近いうちに分かるかもしれません
源くんのよく知ってる人です
別に知られるのが恥ずかしいんじゃないですけど、源くんには言うべきじゃない気がします
それこそ人間関係がぎくしゃくしてしまうような気がします
それでは、また日本で会いましょう
源義樹宛て
581 :
コンボ:02/09/15 16:51 ID:fPFjdImx
10月9日付
高橋愛
この手紙は、藤原くん個人に宛てて送ります
日本に帰るまでは言わないでおこうと思いましたが、手紙を送らずにはいられません
藤原くんのことが好きです
中学一年生の時に陸上部で練習してるのを見てから今まで、ずっと好きです
いきなりこんな手紙を送ってしまい、ごめんなさい
藤原くんのことが好きだから、源くんの告白も断りました
たかが3年や4年好きなぐらいで本気も何もありませんが、それでも好きなものは好きなんです
バレエをやっていく上でも、このもやもやを解消しなければいけないんです
こっちに来てから、藤原くんがいてくれるだけでどんなに励まされるか分かりました
毎日写真を見るだけの毎日はもう嫌です
どうか、はっきりとした答えをください
嫌だといってくれれば、きっぱり諦めます
これが最初で最後のラブレターにさせてください
返事をくれるまで、いつまでも待ちます
藤原秀介宛て
582 :
コンボ:02/09/15 16:52 ID:fPFjdImx
10月13日
藤原秀介
舞台の成功おめでとうございます。
送ってもらったテープを、早速クラス全員で見ました。
今までバレエにはさっぱり興味がなかったのですが、これには見入りました。
さすがに特待生に選ばれるだけあって、皆さん素晴らしい演技です。
軽やかな動きで舞台中を飛びまわる姿は華麗でした。
ビデオが送られたことを知った校長がビデオを持っていってしまいましたが、中澤先生がダビングしていました。
お陰でいつでもビデオのあるところならテープが見れます。
先生は授業中にもテープを流します。
美術の寺田先生も授業でテープを流しました。
それと、高橋さんが日本に帰られることを聞いて、皆喜んでいます。
マトリョーシカが欲しいという意見が多かったので、すいませんが一つ買ってきてもらえませんか。
お金は僕たちがワリカンで出します。
あと平家先生の写真が欲しいという人もいました。
よければお願いします。
それでは、これからも頑張ってください。
高橋愛宛て
583 :
コンボ:02/09/15 16:52 ID:fPFjdImx
10月13日
松浦亜弥
とりあえず舞台おめでとう
成功でも失敗でも、いい経験だったと思うよ
と珍しく真面目なことを言ってみる(笑)
でも、実際そうだと思うよ
一つステップアップしたわけだから
これを機に藤原くんに告白したら?
余計なお世話かもしれないけど、まだ手紙送ってないんでしょ?
もうそろそろ送れば?
遅くても日本に帰る頃には返事聞けるだろうし
覚悟決めた方がいいと思うよ
そういえば写真だけど、この間体育祭があったからその時の写真も送るね
さすが陸上部で、団体リレーのアンカーで二人抜いて一着ですよ
その瞬間を送るとしよう
それじゃ、また日本で
高橋愛宛て
584 :
コンボ:02/09/15 16:53 ID:fPFjdImx
10月13日
源義樹
ありがとうございました。
もうこれ以上僕から言うことはありません。
願わくば友達としてまたやっていければいいなと思います。
それでは。
高橋愛宛て
585 :
コンボ:02/09/15 16:54 ID:fPFjdImx
10月13日
藤原秀介
何から話せばいいのか分からない。
あまりにも意外なことで、動揺してる。
まさか源に相談された相手から告白されるとは思ってなかった。
俺にとって高橋がどういう存在か考えてみた。
学校が同じになったのは中学からだけど、その前から評判は聞いてた。
かわいくて、才能があってっていう話で、感心してた。
でも最初会った時、陸上部見にきてた時かな。
その時の第一印象は、明るいけど何かに悩んでるみたいだった。
一人で不安を抱えこんでるみたいで、教室で話してるのを見ても高橋の明るさには納得できなかった。
本当のこと言うと、クラブの奴らから高橋が俺のこと好きだっていう噂は聞いたことあった。
嘘だと思ってたし、高橋と付き合って、高橋のことを支えてやれるほどの自信は無かった。
それに、俺には別に好きな人がいる。
高橋だから言うけど、相手は松浦だ。
この間クラブの大会があって、その帰りにカラオケに誘った。
その時に告白しようと思ったけど、結局無理だった。
俺はそういう男で、高橋とは付き合えない。
俺が今まで手紙に書いてきたことに嘘は無い。
この歳で日本を代表してロシアに行ってることを、俺はすごいと思うし、そういう人に告白されて正直嬉しい。
でも、嬉しいけど付き合えない。
そういう嬉しさじゃないから。
でも高橋のことは尊敬してるし、これからも友達ではありたいと思う。
それじゃあまた日本で。
高橋愛宛て
586 :
コンボ:02/09/15 16:56 ID:fPFjdImx
10月15日
高橋愛
手紙を読んで、泣きました
泣かずにはいられませんでした
そうしないとどうしようもなくて、自分が壊れる気がしました
そうやって泣きまくってから、ペンを取りました
今は敬語でしか手紙を書けません
藤原くんのことをただの友達として見るには、まだ時間がかかりそうです
ふられてからこんなことを言うのはしつこいって分かってます
でも、書かなければ書かないで後悔するに決まってるので、書きます
私は自分に多少は自信があるつもりです
それをここまで言われたのは、はじめてです
確かに私は意識的に明るくしてきました
藤原くんに好かれようと明るくしてきたつもりです
でも好きな相手にだけそれが見抜かれてるなんて、意味がありません
結局私の一人よがりだったんです
でも、一瞬ですが楽しかったです
これから、また私は別の人を好きになるでしょう
でも、絶対にあなたの影が離れることはないと思います
これであなたへの手紙を終わります
また日本で会いましょう
藤原秀介宛て
了
青春。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚。。・゚・(ノД`)・゚・。・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 ・゚・。 !!!!
感動しますた
ううっ…・゚・(ノД`)・゚・ かなり(・∀・)イイ!!
>>497 「こら〜!起きろ〜!」
気がつくと俺の目の前で美貴ちゃんが声をかけている。
どうやら眠ってしまったようだ。
「ん?なんだよ」
まだ寝ぼけている俺は目をこすりながら話しかけた。
「早くお風呂入ってきて、話しあるから」
「今話せばいいんじゃないか?」
「あがった後のほうが都合がいいの。早く入ってきてよ!」
「なんだよ、それ」
「いいから」
「へいへい」
俺はソファーから立ち上がり、風呂に入りに行く。
風呂の中でさっきの言動のことを考えていた。
「(何だ?風呂に入らないといけない話?
訳がわからない。まあひとつだけ当てはまるのがあるのだが…
そんなわけないよな…多分…)」
そんなことを考えてると、風呂のドアをたたく音が聞こえる。
「こら〜!はやくしろ〜!」
美貴ちゃんが怒った声で言ってくる。
「わかったよ!とりあえずたたくな!もうちょっとであがるから」
「は〜い♪」
どうやら風呂場を出て行ったようだ。
「(なぜ急かす?俺にはわからない…)」
これ以上考えるとのぼせそうなので、もう出ることにした。
更新終了
最近忙しいので、あんまり書けないです。
592 :
:02/09/16 10:37 ID:kZOeqoji
唯一のミキティ主役小説期待してます
頑張ってください
【独りだけど1人じゃない】
控え室からステージまで歩く。
まるで休み時間の学校の廊下みたいな、ざわついたようなこの通路。
初めてみんなで控え室からステージに向かう時、ステージの手前で泣いた。
あれからもうステージ前に泣く事はなかったけれど今日はちょっとやばいかも・・・
みんなで歩くこの道は今日で最後─
あの頃とはメンバーの人数も自分の立場も変わったけど
仲間であることにはいつでも変わらない。
ここからでも聞こえてくるファンのみんなの声。
この声に何度も勇気付けられてここまでやってこれた。
そしてこれからも。
13人の手が重なる。
「がんばって、いきましょい!」
「 っしょい!」
眩しいステージに向かって私は今日も歩き始める。
これからは、たった独りだけど─
大丈夫
きっと大丈夫
( ´D`)<終わり。っと。
スレ違いっぽい内容だけど許して。
>>我犬。サン 許す!!
595 :
TMC:02/09/16 21:45 ID:YLXlrbkt
>>559からです
それからしばらくして梨華が帰ってきた。
「ただいまぁ〜。ふぅ、疲れた〜。」
リビングに響いたアニメ声に気づいて俺は自分の部屋から出た。
梨華は両手にパンパンのスーパーの袋を持っている。
その姿は言われなくても買い物に行ってきたことがわかる。
「言ってくれたら荷物持ちぐらいしてやったのに。」
これだけの荷物を女の子が持ってくるのは大変だったろう
そう言うと、梨華は笑ってこう言った。
「いいの。この家では私がお母さんだから。」
俺はその時確信した。彼女は彼女なりに
この生活を楽しもうと努力している。亜依も、保田さんも
なのに俺はこの生活をひた隠しにしてきた。
自分を守りたい、その為だけに。
だけど今からは違う。
この生活を守りたい、それだけだ。
596 :
TMC:02/09/16 21:45 ID:YLXlrbkt
「さぁ、晩御飯ができるまで慎ちゃんは休んでていいよ。」
本当に梨華はこの家の母親になったようだ。
きっと、いい花嫁になるんだろうなぁ。
こいつと結婚できる奴がうらやましいよ。まったく
「それじゃ、部屋にいるから手伝うことがあったら呼んで。」
俺は自分の部屋に戻ることにした。
階段を上がっている背中に「今日はハンバーグだよぉ!」
という梨華の声が当たった。
597 :
TMC:02/09/16 21:46 ID:YLXlrbkt
今日はここまでです
598 :
:02/09/17 00:04 ID:1Fj4/NEl
(・∀・)イイ!!
599 :
:02/09/17 05:29 ID:lrJCZaMk
本スレ553だけど、(・∀・)イイ!! しか認めないようなローカルルールを
押し付けようとしてるんじゃない?
552も端的すぎるけど、感想なわけだし、550もレス読んでるんだし。
どうしても文句言いたいなら、他の作品の良さを語るなりすればいい。
初めてでざっと読んでみて我犬。さんのが一番上手い、って評価がでるってことは
それだけの力があるってことなんだろうし。
他の作者さんも別にひがんだりするわけでもないだろうし、素直に受け取ると思う。
600 :
599:02/09/17 05:30 ID:lrJCZaMk
批判スレに書こうとして間違えました。
スマソ
ついでに600げと
でも言葉を選べ、と思ってみる
602 :
剣士:02/09/17 22:25 ID:YxmmpFcn
>539の続き
私が燃えてるのに気づいたのか、圭太が横からこっそり喋りかけてきた。
「大丈夫だって。牧のことは」
また読まれた・・。私ってわかりやすい?
「俺にまかせとけって。お前と牧をうまくいくようにしてやるよ」
・・ありがたいけど、大丈夫かなぁ・・・?
「よっしゃ!予定通り今からカラオケ行くぞ〜!」
よ、予定通り?聞いてないよ?!圭太ってば・・・・ちゃんと説明してほしいよ・・・。そして、私達はカラオケへの移動を始めた。と、その道中、後藤さんが喋りかけてきた。
「ねえねえ!誰が狙い?」
「え?私は・・・」
私がモゴモゴしてると、吉澤さんが横槍を入れてきた。
「あたしはねぇ〜・・桃井君!牧君もいいけど、喋ってみると、凄いいい人だし・・料理得意って私的にポイント高いよ〜」
へぇ・・吉澤さんは桃井君ねらいかぁ・・・・。
「ヨッスィ〜はそうなんだぁ・・・アタシはねぇ・・・高原君だね、うん。かなり優しいし、凄くおもしろい人だよ〜!」
け、圭太を?・・・騙されてる、絶対・・・。
「私はねぇ・・牧君がいいかなぁ・・・と思ったけど、赤井君がいいかなぁ。何かカッコイイよ〜!クールで、でもちょっとした優しさがあって・・・」
藤本さんは赤井君かぁ・・・。確かに、クールで、かっこいい顔してるもんね〜!
「私は・・・新井君・・・。凄く優しくて、色んな話もできたし・・・」
へぇ〜・・・紺野さんは新井君か・・・。まあ、順当かも。
「で・・松浦さんはぁ?」
う・・・紺野さんは・・・結構ツッコミが鋭いなぁ。
「・・私は・・牧君・・・」
すると4人は驚いた様子ではなく、やっぱりね・・といった表情だった。
「わかってたわよ。だって、牧君しか見てなかったし」
え?完全にバレバレだったの〜?
「でも、牧君、かっこいいし、何か凄いオーラみたいなのあるから・・・乗り換えちゃうかも」
「うん、それは私も・・。「アタシも!」「わ、私も・・・」
やっぱり、牧君が一番人気なのかもね・・・。でも・・・
「絶対宗は譲らないわよ!」
と、女性陣に宣戦布告。こうなったら、絶対絶対、負けられない!
603 :
剣士:02/09/17 22:26 ID:YxmmpFcn
久しぶりに更新終了です。
604 :
:02/09/17 23:10 ID:HV0MegO3
なかなか良くなってきた
【クロール】
息継ぎしないで泳ぎ続けることが無理なように
ずっと仲良く過ごすことなんて出来ない─
「なんで、なつみはそうなんだよ!」
せっかくのお休みなのに、くだらない意地を張って
同じ部屋に居る2人の距離は遠くなり貴重な時間が無駄に流れていく。
愛しているのに・・・愛する事が難しく感じてしまう。
俯きながらそんなこと考えていたら涙が出てきた。
好きなのにつらい。
好きだからつらい。
胸が苦しくなる。
まるで空気のないところに放り込まれて窒息しそうになったみたいに・・・
息苦しくて塞ぎこんだ顔を上げればカレがいた。
「ごめん。ちょっと言い過ぎた。」
「ごめんなさい、私の方こそ・・・」
顔をあげれば空気が吸える。にこっり笑えば笑い返してくれる。
これが私の息継ぎなのかもしれない。
でもこのちょっとした確認作業があるから泳いでいける。
ゴールは見えないけれど私は泳ぎ続ける。
( ´D`)<終わり。っと。
● ●
( `.∀´)<誰か私の小説書きなさいよ!
>>531 からの続きです。
その後、ボクは加護ちゃんと別れ、教室に向かった。
(結局、なんで加護ちゃんが心配したのかは教えてもらえなかった)
教室に行くと、ほとんどの生徒が登校していた。
何人かに挨拶をしながら、ボクは自分の席へ向かった。
カバンを机の横に掛ける。
「おはよう」
隣の席の吉澤にそう言う。
しかし、吉澤はMDを聞きながら、目を閉じている。
(寝てるのかな?)
ボクがそう思っていると、
「…おはよう」
と、少し遅れて返ってきた。
しかし、相変わらず、目は閉じている。
変わった奴だな、と思いながら、ボクは笑った。
すると、チャイムが鳴り、担任が入ってきて、ホームルームが始まった…。
午前中の授業が終わり、お昼の時間になった。
すると、いつものように女の子達が集まってくる。
(今日もなのか……)
ボクは、溜め息をついた。
すると、ケータイが震えた。
「誰からだろ?」
画面を見てみると、母さんからだった。
「なんだろ?」
ボクは、通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『あっ、シンちゃん?』
やはり、母さんからの電話だった。
「どうしたの?」
『今ね、……のよ』
「えっ、何?」
周りの声がうるさくて、電話の声が良く聞こえない。
母さんは、もう一度、同じことを言ったみたいだが、やはり、良く聞き取れない。
「ここ、うるさくて良く聞こえないから、場所変えて、掛け直すね」
ボクは、そう言って、電話を切った。
ボクが、教室を出ようとすると、
「信治、どこ行くの〜?」
と、女の子達に呼び止められた。
「もしかして、妹のところ?」
なんだか、女の子達の目が恐い。
「ち、違うよ、ちょっと電話してくるね」
女の子達はまだ何か言っていたが、ボクは構わず教室を後にした。
更新です!
それと、
>>607のトリップが違いますが、本物です。
ああ、書いてやるさ!
【言えない2.1X】
「あのー矢口さん?だよね?」
私が仕事に向かうのにマンションの入り口でエレベーターを降りたら
後ろから見覚えのあるおじさんが私に声をかけて来た。
頭をフル回転させて思い出す。
「あ。はい。管理人さんですよね?」
管理人さんはニコリともせず軽く頷き見定めるように
足元から全体にかけてジロジロと見てくる。
割と愛想のいい人だと思ったのに嫌悪感が込み上げてくる。
「あの?なんですか」
「あんたは、芸能人なんだって?」
私のことを見定めるように見ていたのはそのためか。
でもその目は好奇な目と言うよりあまり歓迎されていないような目。
例えが悪いかもしれないけれど、まるで犯罪者を見るように
見られている気がしていたので早く立ち去りたかった。
「あ。え。えぇ何か?」
「いや昨日ね。管理組合の会合があってね、アナタの話題になりまして・・・」
「は?そ、それで?」
のんびりとした口調が私を少し、イライラさせていた。
これから仕事だつーのに用があるんならハッキリ言えよ。
なんてココロの中で突っ込み入れていた。
「出てってくれないかな?」
「はぁ?!」
半分、仕事に行くモードであんまり聞く耳を持たないようにしていたんだけど
さすがに、大きく反応してしまった。
管理人は私の声に顔をしかめたけど、グッと睨みつけるように私を見る。
「あのねぇ。ここは高級マンションでね。
静かに暮らしたい人が高いお金を出して暮らしているんだ。
アンタみたいな芸能人がいるとファンの人が来たり
もしかしたらワイドショーとかのレポーターとか来たりする
恐れがあるわけだ。
そうなると、マンションの風紀を乱すことになるので、
規定によって出て行ってもらいます。
契約書にも書いてあるから。」
「はぁ?ちょっと待ってください。そんなこと言われても」
「決まりですから。
それに昨日の会合で決議されましたから。
では今月末までによろしくお願いしますよ。
伝えましたからね。」
「え。ちょっと、急過ぎるし─」
管理人は言いたい事を言うと私のことを無視して管理人室に戻っていった。
突き放すようなドアの閉まる音で、私は声を止めた。
話しても無駄だとわかったから。
私は携帯を取り出してメモリーを呼び出して電話をかけた。
「よ!オイラ、オイラ。
あのさぁ、またちょっと助けて欲しいんだぁ。
違う違う。ゴキブリじゃない。
あのね。マンション追い出されちゃった。
詳しい事は仕事から帰ってから話すから
部屋空けといてね。よろしく!」
マンションを追い出されるこの緊急事態にかける相手は一人しか居ない。
自分の親友とも言える人の元彼氏。
でも中学からの男友達。
一番自分を理解してくれる奴。
そして私が一番理解したいと思っている奴。
仕事に向かう途中のタクシーの中で何度か電話があった。
きっと詳しく事情を聞かせろ。って電話だと思う。
でもあえて出なかった。
ちょっとイジワルしたくなったから。
いつも驚かされるのはコッチだし。
電話が掛かって来る度に携帯を眺めてニヤニヤしてた。
「きっと困ってるんだろうな・・・」
仕事が終わって楽屋に戻り携帯の着信履歴を見るのが待ち遠しかった。
履歴の全てがアイツからの電話だったらなんとも面白いのに。
「・・・」
ちっ
行きのタクシーの中で聞いた着信が最後だった。
その後は着信がない。
なんだよ。もっとしつこく掛けてくるかと思ったのに。
「矢口。何、携帯に向かって笑ったり怒ったりしてるの?」
「ん?なんでもない。なんでもない。そんじゃお疲れ様。お先に〜」
恥ずかしさと悔しさを紛らわすように早口で挨拶して楽屋を飛び出して
タクシーに乗り込む。
そして、ちょっと落ち着いてからリダイヤルする。
渋滞している道の中、何気なく窓の外の風景を見ながら電話にでるのを待つ。
なんて言おうかな。
やっぱりここは落ち着いて話するかな。
あれ?
出ない。
もう15回以上コールしている。
一度、電話を切って再びリダイヤルする。
「もしもし。」
( ´D`)<ここまで。っと。続きは明日。
おもしろそうな(・∀・)ヨカーン!!
これは長編なの?まあとりあえず(・∀・)イイ!!
● ●
( `.∀´)<むぅ、何だか萌えの予感がするわね。。。
>>614の続き
「もしもし、オイラ。今大丈夫?」
さっき何度もコールしていたから確かめるように聞いてみた。
でも電話の向こうからはなんとなく笑っているような声。
「大丈夫だよ。」
「それじゃ何でさっき出なかったの?」
「オマエだって朝、電話に出なかっただろ?」
どうやら軽い仕返しだったみたい・・・
チリッと悔しさが沸いてきた。
「そんで?なんで追い出されたんだ?」
「話すと長くなるかもしれないから今から直接そっちに行って良い?」
タクシーをうちのマンションの前に止めて歩いて数十秒も掛からない
アイツのマンションに向かった。
こんな便利な所に引っ越してきたのに、追い出されるなんて・・・
厚底の靴をやや引きずるようにアイツのマンションに向かう。
そしてインターフォンを鳴らすといつものように直接ドアが開かれた。
「よぉ!」
キッチンのテーブルに座り、朝からの経緯を話した。
その間アイツはずっと黙って聞いている。
そして私は最後にお願いした。
「ってことだから、この部屋にしばらく住まさせてくれない?」
「どうせ、断わったって無理矢理にでも住み込む気だろ。」
私は頷いた。
わかってくれてる。
諦めたような、それでいて笑ったような顔に私は救われた。
そしてアイツはリビングを指差した。
「オマエの部屋用意しておいたよ。」
そう言って指差した先には・・・
大きなダンボールの箱。
それもご丁寧にガムテープでくっ付けて2mぐらいの巨大な箱。
しかも窓やドアまで切り抜いて作ってある・・・
「あの〜マジですか?
クリネックスとか書いてありますけど・・・」
「オマエのためにわざわざドラッグストアーに行ってもらってきたんだぞ。
ちゃんと電気も引いてあるから。」
う、でも・・・住ませてもらうんだから文句言えないよなぁ
「ぷっ」
振り向いたらアイツは笑っていた。
やられた・・・
いつも私は騙される。
でもそれが楽しいしうれしい。
だから素直な感情で応戦できる。
「なんだよーマジかと思っちゃったじゃんか!
むーかーつーく!!」
アイツは大笑いしながら喜んでいる。
その姿を見て私は笑う。
自分の親友の元彼氏。
でも私の親友。
そして私の好きな人。
アイツも知ってる私の気持ち。
私は知ってる、アイツの気持ち。
笑っている途中で私が前の彼女に頼まれてアイツに返した
彼女が使っていた合鍵を見つけた。
「それじゃーさ。この鍵、オイラがもってていい?」
アイツはその瞬間に笑いを止めた。
そしてその鍵を私から取り上げた。
「オマエにはちゃんと新しい鍵、用意してあるから。」
そう言ってポケットから鍵を取り出して私に手渡した。
同じ形の鍵だけど新しく作ってくれたことに私は感激して言葉を失った。
どんな意味で作ってくれたのか聞かなかった。
聞いたところでアイツは照れて言わないと思う。
そんな奴なんだ。
でもこんな心遣いがアイツの良い所でもある。
だから聞かない。
もしかして、私が思っているようなことじゃなくても
そう思い込みたいって願いもあるから。
それからアイツは私のマンションの荷物を運んでくれた。
大きくて持ちきれないものは後日、業者に頼むとして
生活に必要な物を何度か往復して全部運び出した。
物を運ぶアイツの腕の筋肉の筋や額から流れる汗に
ちょっとビビッとした。
そしてこれからの生活に胸躍らせた。
私達は正式に付き合うなんて話はしていない。
それでもわかるお互いの気持ち。
アイツとは親友。
でも男と女。
だけど親友。
でも2度ほど口づけした2人─
( ´D`)<終わり。っと。
● ●
( `.∀´)<鍵がキーワードね、、、なんちって
623 :
TMC:02/09/20 22:57 ID:klKO3Kls
LOVE論 辻希美編
〜恋はお腹が空いちゃいます〜
辻はですねぇ、まだそんなに経験はありませんよ。(笑)
でも友達とかは付き合ってる男の子とかがいたりして
うらやましいなぁって思うときもいっぱいありますね。
辻はお仕事してるから忙しくて恋する時間もないのです!
それでもやっぱり15歳だからそれなりに恋愛もしてみたり・・・
憧れるのは後藤さんみたいな暖かい女の人です。
いつも優しくて笑顔がふにゃってしてて、でも大人っぽくて
自分でも思うんですけどまだまだお子様ですから、辻は。
卒業しても後藤さんは辻の永遠の憧れですね。
それに恋も上手そうじゃないですか?
素敵な人と甘い甘いチョコレートみたいな恋をしてそうです(笑)
辻ですか?
単純な性格だからだと思いますけど
好きな子ができたらすぐにアターック!!って感じですね。
だから周りの物が見えなくなっちゃって
それで、気がついたら動きすぎてお腹が空いちゃうんですよ。
だけど好きな子のためには太っちゃいけないから
大好きなお菓子を我慢する、するとまたお腹が空く。
辻にとってある意味ダイエットみたいな物です。
洋服を選んでたり、髪型を考えてたりすると
腹ペコなことってすぐに忘れちゃうんですよ。
みなさん、辻がやせて見える時はもしかしたら恋愛中かも・・・
624 :
TMC:02/09/20 23:01 ID:klKO3Kls
スレ違い承知の上で書いてみました。
もし良かったらシリーズ化してみようかな・・・
なんて考えてます。
625 :
:02/09/20 23:28 ID:XBmHm49m
めっちゃ(・∀・)イイ!!
626 :
保全 :02/09/21 18:40 ID:zxVoZRId
なんで休みなのにだれも更新ないんだYOー。
てかこのままだと落ちんぞ。
627 :
:02/09/21 20:54 ID:8t5dR+Y7
他に誰も更新しない時も必ずこうもりたんは更新してたのに
最近来なくなっちゃった・・(´・ω・`)
628 :
:02/09/21 21:15 ID:8t5dR+Y7
ところで、
>>623は改めて本当によく出来ていると思います
勝手に(すみま1000)辻スレに転載して見た所
なかなか反響がありました。
从‘ο‘从<シリーズ化〜きぃ〜ぼー
629 :
剣士:02/09/21 21:19 ID:CMdjWa7Y
>602の続き
そして私たちはカラオケに着き、早速部屋に入った。
皆は楽しそうな雰囲気だったが、私は絶対牧君を奪われないぞ!と燃えていた。すると、圭太がまた近寄ってきた。
(お前、最初に歌えよ。お前歌うまいから、なんとかなるかもよ?)
普段なら、何言ってるのよ!という所だけど、今日の圭太の言葉に説得力すら感じた。で、私はトップで歌うことに。
(ホントに歌うことで牧君に届くかな?まあ、やってみないとわかんないけど・・・)
不安はあった。でも、歌うことで気持ち届いたらラッキーだ!と開き直って歌った。それを牧君はニコニコしながら見てくれた。歌い終わると、
「歌、うまいんだな」
誰の誉め言葉よりも、牧君のこの誉め言葉が嬉しかった。最高だった。生まれて初めてかもしれない。こんなに、嬉しいのは。
圭太はニヤっと笑いながら人指し指をピっと立てた。おそらく、やったな!という意味だと思う。
(圭太、ありがと・・・)
圭太の協力が凄く嬉しかった。アイツがここまで協力してくれたことなんて、今までなかった気がする・・・。
「さあ、ドンドン盛り上がるぞ!」
この後、最高に盛り上がった。満足感でいっぱいだった私も、ハジけた。楽しかった・・・。
そして、カラオケを出る時間になった。
「そんじゃあ、解散だ。俺と後藤さんはここで。」
圭太と後藤さんは、手をつなぎながら仲良く行ってしまった。幸せそうな感じ。圭太、よかったね。
その後、連鎖反応で、紺野さんと新井君、赤井君と藤本さん、吉澤さんと桃井君も仲良く手をつないだり、腕を組んだりしながら行ってしまった。皆、幸せそうに、笑顔で。
「俺たちも、行くか」
牧君が沈黙をやぶり、誘ってきた。そっか!皆いなくなったし、チャンスなんだよね。
「どうした?」
私が黙っていたので、牧君は心配してくれた。その気遣いも、凄く嬉しい・・・。
「何でもない!じゃあ、行こっか!」
更新終了です。落ちないように、書かないと。
630 :
TMC:02/09/21 22:07 ID:LE2/xIGY
>>628 別に転載は構いません。どのスレでしょうか?
>>628 勝手にそんなことしてんじゃねーよ!
先に許可貰ってからしろ!
みなさんごめん。
荒らす気はないんですけど、どうしてもここで言いたかった…。
やっぱ勝手はやばいでしょ?
他人の作品なんだし。それじゃあなに言われてもしょうがないよ。
今回は作者も構わないって言ってるけどもしダメだったら君はただの荒らしだよ。
もうちょっとよく考えて行動してくれ。
633 :
:02/09/22 12:21 ID:KkL/l+K2
∋oノハo∈∩ )) 。oO( まあまあマターリマターリ・・・
川∩・-・)⌒⊃
旦~~ ⌒ とノ
635 :
:02/09/22 14:00 ID:Y21W8XDe
とりあえず秀作だと思ったら転載ではなくこのスレに誘導でご一同よろしいか?
636 :
コンボ:02/09/22 15:25 ID:VLMwhb0c
>>635 それがいいと思います。
スレの人口が増えるきっかけになるかもしれませんし。
>>628 ┌┐
んvヘゝ
i i
ノ (;゚Д゚) <このボケナスがぁ!!
/ (ノ |)
| !
゙:、..,_,.ノ
U U
>>637 ┌┐
んvヘゝ
i i
ノ (;゚Д゚) <ボケナスは俺だぁ!!
/ (ノ |)
| !
゙:、..,_,.ノ
U U
640 :
:02/09/23 01:29 ID:X6yYjRAe
( `.∀´)<なすり傷負わせるわよ!
● ●
( `.∀´)<誰かあたしを奪いなさいよ!
>>591の続き
風呂から上がった後、
俺は服に着替えてリビングのソファーに座ると
ほぼ同時にベランダで外を眺めてた美貴ちゃんが入ってきてソファーに座る。
顔はまだ赤い感じがする。
「酔い覚めた?」
「うん♪」
まだテンションが高いので、どうやらまだ覚めてないらしい…
「んで?話って何?」
「うん、あのね。今日私と一緒に寝てほしいの…」
「はあ?」
「だからぁ〜かわいい美貴ちゃんと一緒に寝てってこと」
「自分で言うか?かわいい美貴ちゃんって」
「いいの!で、寝てくれるの?」
「断る」
「なんで?子供の頃は一緒に寝たりしたじゃん
そのときはシュンが私に寝ようよって言ってたのに〜」
この後、信じられない言葉を耳にすることになる
「何でそんなに変わっちゃったの?
私、子供のときシュンが大好きだったんだよ!
いつもやさしくて、楽しく遊んでたときのシュンが大好きだった」
いつの間にか美貴ちゃんは泣きそうな目になっている。
「お前まだ酔ってるだろ?」
「酔ってないよ!最近はいつもそう。
なんかまじめな話になると、そう言ってはぐらかす
だから今のシュンはキライ!さっきのお店で好きって言ったのは昔のシュンの事」
確かに俺は、まじめな話になると流れる空気がイヤでよくはぐらかしていた。
でも、それは梨華ちゃんのことがあるから…
「ねえ、戻ってよ!あのときのシュンに戻ってよ!」
美貴ちゃんは俺の肩を手をついて、揺さぶる。
更新終了
覚えてますか?受験勉強で書けないので、間があいてますけど…
644 :
通常の名無しさんの4倍 :02/09/24 00:11 ID:9Dcl7hAF
645 :
:02/09/24 00:13 ID:dulkA4Vl
646 :
鳩山:02/09/24 19:44 ID:pGVt4c+o
>>643 何気に上手い。無駄に贅肉の無い文章で良く躍動感を伝えてる。
647 :
カリオン:02/09/25 01:43 ID:S4t5OXsF
( ゚皿゚)イイ...
【洗濯】
今日、私はお休み。
でもカレは仕事。
だから一人で私がお洗濯。
水色とピンクのペアのパジャマを洗濯機の中に入れる。
全自動だから何もしなくていいんだけど、なんとなく見入っちゃう。
洗濯機に水が溜まると動き出す。
2人パジャマが洗濯機の中で泡と共にクルクル回る。
まるでダンスを踊ってるみたい。
それを見て楽しくなった。
そしてちょっとした発見みたいな感じがして嬉しい。
でも、このことをきっとカレに言ったら笑われるんだろうな・・・
天気の良い今日みたいな日は乾燥機を使わないで
お日様をいっぱい吸収させるようにお外に干すの。
そして2人のパジャマは風を受けながら
午後の陽射しの照明を浴びるように再び踊る。
「あ〜ぁ、愛しいあの人
お昼ご飯なに食べたんだろう?」
( ´D`)<終わり。っと
なるほど。
650 :
:02/09/25 19:27 ID:qjbL/DeP
651 :
:02/09/25 23:01 ID:e15VF79u
ほのぼの梨華っち(・∀・)イイ!!
>>609 からの続きです。
「この辺でいいかな?」
ボクは、人気(ひとけ)のない廊下に来た。
そして、母さんに電話をする。
「もしもし、母さん?」
「あ、シンちゃん」
「待たせちゃって、ゴメンね。それで、どうかしたの?」
「うん…実はね、今、あの人から電話があって…」
「あの人、って、父さんのこと?」
「うん。今度の日曜日に知り合いの人の結婚式があるんだって…」
そこまで、言われてボクは何が言いたいのかがわかった。
「それで、父さんが行けないから、代わりにボクに行け、って言うんでしょ?」
「えっ、なんでわかったの?」
ボクがそう言うと、母さんは驚いていた。
「今までに、何回もあったから、そういうこと…」
「そうなんだ…。シンちゃん、今度の日曜日…大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「良かった〜! それと、もう一つ…」
「なに?」
「その結婚式、私も一緒に招待されてるんだって」
「そうなんだ。それが、どうかしたの?」
「私が一緒でも…いい?」
母さんの声は、急に小さくなった。
「ボクは、全然構わないよ」
ボクがそう言うと、
「良かった〜!」
と、電話の向こうで母さんがそう言った。
「反対されたら、どうしようかと思って…」
母さんは、そう言って笑う。
「反対するわけないじゃん! 家族なんだから…」
ボクがそう言うと、母さんは笑うのをやめた。
「どうかした?」
「えっ?」
「笑うのやめたから、どうしたのかな、と思って…」
「な、なんでもないよ! お昼時にゴメンね! じゃあね!」
そう言うと、母さんは電話を切った。
「なんだったんだろ?」
そう言いながら、ボクはケータイをポケットに入れた。
それから、教室に戻ろうとすると、後ろから誰かがボクのことを呼んだ。
「せ〜んぱいっ!」
振り返ると、そこには小川さんがいた。
更新です!
【ずっと】
電話を切ってしばらくした後、男は玄関に向かう。
そしてドアを開けると足音が聞こえてくる。
深夜のマンションの廊下にカツン、カツンと響く靴音。
開かれたドアの前で止る。
「おつかれさま。珍しいな、こんな時間に来るなんて。」
オレの声になつみはニコッと笑って首をかしげる。
そしてドアの隙間に体を滑らせるように部屋に入る。
「どうした?」
なつみは荷物を置くと、迷いを感じさせながら
探るような口調で男に話を始めた。
「あのさぁ、私達って付き合ってどれくらい経つっけ?
あ〜いいや。
なんでもない。ん。いややっぱり聞いて。
えっとね。 今日、うちの矢口いるじゃん?
あの子がさぁ・・・
やけに元気だったからさぁ。聞いたのよ。どうしたのー?って
そしてら答えないで、ただニヤニヤしててさ。
仕事中もやたらテンション高いし。
帰りに捕まえてしつこく聞いたのさあ。
そしたらニヤーって笑ってさぁ
なんと!男と同棲始めたんだって!
なんでも幼馴染っていうか、中学ぐらいからの友達だったらしいんだけどさぁ。」
なつみは最初とは違って後半は、まるで近所のおばさんの井戸端会議みたいな口調に変わっていた。
男はあまりその話の内容に興味がなさそうな感じで話が終わっても
それがどうした?って感じでなつみを見ている。
「でね。
だからさぁ・・・」
なつみは口篭もる。
2人しか居ない部屋なのにきょろきょろ辺りを見まわすように
しながら手持ちぶたさの手はテーブルの上のボールペンをいじりながら
ソワソワした様子。
「だから?」
男はなつみの途中で辞めた言葉の続きを聞くために
相槌のようになつみの言葉を繰り返す。
「だからね・・・
だから・・・
だからって訳じゃないけどさぁ。」
なつみは手に持ったボールペンを見つめながら
言葉を選んでいるようだ。
その様子に男は黙ってなつみを見つめる。
そしてなつみは意を決したようにひとつ生きを吐き出した。
「えっと、そろそろ一緒に暮らそうよ。」
( ´D`)<今日はここまで。っと。
誤=そしてなつみは意を決したようにひとつ生きを吐き出した。
正=そしてなつみは意を決したようにひとつ息を吐き出した。
スマソ
因みにこの話は明日でおしまいです。
658 :
:02/09/26 19:17 ID:8Awk6QB2
新作長編キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!! と思ったのに。。。
659 :
:02/09/26 23:59 ID:nXEoux46
>>654 (・∀・)イイ!!
>>656 言えないとのリンクもキテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
660 :
,e:02/09/27 04:52 ID:pDk67+GK
いいね
>>656 の続きです。
そう言って男を見つめる。
短い沈黙。
きっとなつみには長い沈黙に感じていることだろう。
瞳が小さく震えている。
男は緊張したように表情を変えないまま
ツバを飲み込むと、ゆっくり口を開いた。
「いいよ。」
その瞬間なつみは男に飛びついた。
そして力いっぱい抱きしめる。
男は驚いた表情でなつみの顔を見ようとするが
なつみの顔は男の首筋に埋められていて見えない。
「おいおい、ちょっとどうしたんだよ。
そんなに喜ぶ事か?」
「喜ぶことなの!
だって嫌って言われたら、どうしようかって思ってたんだから。
今まで1回も一緒に暮らそう。って言ってくれなかったから。
嫌なのかな。ってずっとずっと思ってたんだから。」
なつみは抱きしめた腕にさらに力を込めた。
そして男のシャツを握る。
男はそんななつみを受け止めるように手をまわしての肩に手を乗せる。
その肩は小さく小さく震えていた。
「言わなかったのは、オレの方が一緒に暮らそうって言って
断わられるのが恐かったからだよ。
だってなつみは忙しいし、いろいろ大変だろうと思ってさぁ。」
その言葉を聞いてなつみは顔を上げた。
頬には涙が流れた跡が見える。
そして目には涙がいつでも零れ落ちそうなほど溜まっている。
「ホント?
あーん、こんな事ならもっと早く言っておけばよかったぁ。
大変なことなんて何もないよ。
だって一緒に寝て一緒に起きれるんだよ。
それでごはんも一緒に毎日食べられてさぁ─」
「でもバレたらどうするんだよ?」
男は心配そうな顔つきでなつみを見る。
なつみはその男の心配を吹き飛ばすような笑顔を見せると
「その時は・・・
その時になったら考えればいいっしょ。ね。」
男はその言葉に微笑みを返しギュッとなつみを抱きしめた。
一瞬苦しそうな顔を見せたなつみだがその苦しさがまるで心地良い
みたいにうっとりと目を閉じた。
言葉に出さなきゃ始まらない。
恐れていたら始まらない。
新しい生活の始まり。
2人は思う。
良い事だけではないだろう。
それでも一緒に暮らしたい。
苦労があるから、その分大きな喜びがある。
1人では抱えきれない大きな喜び。
それを2人で分ち合いたい。
この先ずっと。
( ´D`)<終わり?。っと。
イイ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
665 :
:02/09/27 21:19 ID:giq9aB1/
666 :
TMC:02/09/27 21:37 ID:+PG5Jc+Z
>>596からです。
部屋で宿題をしているとドアがノックされた。
「うちやけど、ちょっとええか?」
「いいよ。」
ドアが開き亜依が入ってくる。
気のせいか暗い顔をしているようだ。
亜依は俺のベッドに腰掛けるとフーッと一呼吸おき
「今日ののに会ったやろ?」
「ののって辻ちゃんのことか?」
黙ったまま頷いた。
「会ったけど、それがどうかしたか?」
「変なこと言ってなかった?」
亜依の顔は暗いと言うより心配そうな顔になっていた。
667 :
TMC:02/09/27 21:39 ID:+PG5Jc+Z
「別に、ちょっと亜依の話をしたぐらいだけど、、、」
「そこが問題なんや!どんな話?」
亜依は勢いよく立ち上がって
俺の首根っこにつかみかかりながらで聞いてきた。
「クラスでは人気者であだ名があいぼんだって話。」
「なんや、そんな話かいな、、、」
フーッとため息をついてもう一度ベッドに腰を下ろした。
どうやら触れてはいけない話題があったらしい
多分だけどさっき見てた本が関係あるだろう。
「100%男の子に振り向いてもらえる方法」
あの本には確かにそうタイトルが書いてあった。
668 :
TMC:02/09/27 21:40 ID:+PG5Jc+Z
ちょこっとですけど、久ブリの長編更新です。
669 :
sage:02/09/28 04:26 ID:y8PqBKje
いい感じです
メール欄に半角で「sage」と入れてください。
でないとどんなに激しい努力をしてもあがってしまいます(泣
671 :
関西人Z:02/09/28 11:46 ID:M4Z829n8
<朝>
…………
「……ん…ふああぁ……」
ムク
「う〜〜ん………っと…」
………
「………」
………
「………くぅー…くぅー…」
672 :
関西人Z:02/09/28 11:47 ID:M4Z829n8
<昼>
ブイーン ガーガー
「♪〜」
ブイーン ガーガー
「♪♪〜〜」
ブイーン ガーガガボ!
「あ」
ブイィィィ……
「……まぁいいか…」
ブィィーン
<夕方>
「……」
ぽちぽち
『ダン!ダン!「テトリース!」』
「……」
ぽちぽち
『ピ、ピ、ダン!ダン!「テトリース!」』
「……」
ぽちぽち
『ピ、ピ、ダン!』
「あ…」
ぽちぽち
『ピ、ダン!ピ、ピ、ダン!ダン!』
『ゲームオーバー』
「………もう一回」
ぽちぽち―
<夜>
………
「…眠れないなぁ…」
………
「…羊でも数えよう……(羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹――)」
………
「(ひ辻が…28…匹、ひ辻…が……2………9…)すぅー…すぅー」
………
「…辻さん、そのひ辻の格好、とてもかわいいです……(ぽっ)」
紺野あさ美の休日 〜END〜
675 :
sage:02/09/28 17:15 ID:y8PqBKje
>>670 あぁ、間違えて名前のところにsage・・・(TдT)
申訳ございますんでした。
>>674 なんか気楽に読めて一服の清涼剤って感じです。(´〜` )
676 :
:02/09/29 01:55 ID:vrYndleP
こんこん系はほのぼのしてて(・∀・)イイ!!
【ずっと 〜思い起こせば〜】
なつみとの出会いは偶然だった。
でもこれを人は運命と言うのだろうか。
いや逆にオレ達はのちにこれを運命と呼ぶことにする。
休みで何もやることがなくてレンタルビデオを返しに行く途中
俯き加減で歩いていた時、視界に入ったのは道路に落ちていた携帯電話。
いつもなら、手に取る事もなかったけど交番にでも届けようと思って拾い上げた。
それと同時に振動と同時に電話からメロディーが流れた。
ディスプレーを見たら公衆電話を出ている。
きっと落とした人が自分の電話にかけていると思い出てみることにした。
「あの〜もしもし?」
『あ!もしもし?あの〜その電話・・・』
「あ。えっと、はい。今落ちてて拾って出てみたんですけど」
『あ。えっと私その電話の持ち主なんですけど。』
「あ。やっぱりそうでしたか。それじゃどうしましょう。
交番に届けた方がいいですか?
それとも近くでしたらお渡ししますけど。」
『今、あの〜どこに?』
電話の声の主は安心したような声で訊ねてきたので
こちらの現在地を教えるとどうやら近くにいるようなので
直接手渡す事に、引渡し場所はちょうどこれからビデオを返しに
行くレンタルビデオ屋の前。
歩いて5分ぐらいの場所なのでゆっくり向かうと
入り口の前にある、自動販売機の陰に手を後ろに組んで下を向いて自分の靴のつま先を
見つめているような小柄のショートカットの髪型の女性がいた。
オレはわかりやすいように携帯電話を手に持ちながら、その女性に近づいた。
オレの足音に気付いたのかその女性は顔を上げた。
!
一目でわかる。
特にファンだったわけじゃないけど、何度かテレビなどで
見たことのある顔。
─安倍なつみ
一瞬似ている人かと思ったけど明らかに素人とは違う独特な雰囲気を体に纏っている。
それは決して悪い意味ではなく・・・
「あの〜。電話の方ですよね?
あ。電話の人って言い方も変かぁ。」
彼女は笑っていたけれど、オレはただうなずく事しか出来なかった。
それもバカみたいに体は硬直して頭を縦に振り口の中は乾いて
喋る事も出来なかった。
「あの〜?どうしました?」
オレはカラカラの口を無理矢理こじ開けるように
返事しようとしたら、ちょっと上ずった声になってしまった。
「え、えっと大丈夫です。
あ、あ、あの、あ、あ、安倍なつみさんですよね?」
オレの言葉に彼女は、辺りを見まわしてから満面の笑みで
ニッコリと頷いた。
オレはちょっと震える手で電話を差し出した。
彼女はそっと受け取る。
「どうもありがとうございます。
これがないと本当に困っちゃうし、助かりました。
あの〜お礼に・・・」
「いや、お礼だなんて、いや。
あの、たまたま拾っただけですから。
それにココにビデオ返しに行く途中だったから」
ここから先は覚えていない。
ただ目の前に安倍なつみが居るってことで極度の緊張が
体を支配していて思考能力はゼロ。
そして気がついたら彼女の後姿を目で追っていた。
まるで全てが夢だったのかもしれない。って思っていたら
彼女は曲がり角の手前でこちらに振り返り大きく2度手を振って
頭をペコリと下げて消えていった。
周りを見ても人はオレしか居ない。
そうオレに向かって手を振ってくれたんだ。
( ´D`)<つづく。っと。
680 :
:02/09/29 12:38 ID:x8csghsF
期待大!!の予感(・∀・)!!
めちゃくちゃイイ(・∀・)!!
アプリリア(・∀・)!!
>>679 の続きです。
その日の夜、携帯にメールが入った。
「こんばんは、安倍なつみです。
なんだかメールで自己紹介って変な感じですけど(笑)
あの今日は本当に助かりました。
ありがとうございます。
なんかメチャメチャ緊張しちゃって自分で何話したか
あんまり覚えていなくって。メールアドレス聞いておいて良かった。
ちゃんとお礼しなきゃと思って今メールしています。
もしこの電話が変な人に拾われていたらたくさんの人に迷惑かけてたんだ
と思うとぞっとするし、今更ながら本当に感謝しています。
それで今度お会いできませんか?
ちゃんとお礼がしたいので─」
夢のような出来事に震えが来た。
その震える手で携帯のカーソルの下ボタンを押しながら
はやる気持ちを抑えながらゆっくり読んだ。
そして、最後の一行を読んだ時には、誰も居ない部屋で
思わず声を出して驚いた。
「うぉ、マジかよ!!」
それから30分。いや、それ以上考えて返事を出した。
考えて書いたオレのメールは5分もしないうちにまた返事が帰ってくる。
そして、またオレは考えながら緊張しながらメールを打つ。
相手は何しろ安倍なつみ・・・
今、この瞬間も夢のような気がして何度も馬鹿みたいにマンガみたく
頬をつねったり、引っ叩いたりしてみた。
あの時は夢心地というか、緊張からの放心状態というか
何しろ覚えていない状況なのに自分のメールアドレスをちゃんと
間違えないで伝えられた自分に感謝した。
その日から毎日がドキドキした。
テレビで安倍なつみの姿を見るたびに今までなかった感情が芽生えてくる。
高鳴る心臓の音に自分でもギョッとした。
でもその中でももう1人の自分が冷静に自分を見ている。
そして冷たい声で呼びかける。
「おい。馬鹿じゃないか?何のぼせてるんだよ。
相手はあのモーニング娘。の安倍なつみだぞ。
オマエなんか眼中にないんだよ。
あとで恩着せがましく何か言われたりするのが嫌だから
きっちりお礼して関係を切ろうとしてるんだぞ。」
もう1人の自分にそう言われて納得した。
そうだよなぁ。
男なんて掃いて捨てるほどいるんだろうしな・・・
わかっていてもやはり画面の中の安倍なつみを見れば
自分の意識で動かせない心臓は激しく鼓動を繰り返す。
手の届かない存在なのに完全に惚れた。
自分はただの一般人。
─アイドルに恋心抱くなんて。
そして携帯のメールを何度も読み返した。
( ´D`)<ここまで。っと。もうチョイ続く。
685 :
:02/09/30 18:50 ID:xCxBRu83
686 :
TMC:02/09/30 22:02 ID:Ugnrm1eQ
>>667からです。
ここまでの出来事を整理してみよう。
亜依は今朝から様子が変である、慌てた様子だ
めずらしく読書をしていると思えばうさんくさい本を読んでいる
俺と辻ちゃんの会話の内容をしつこく聞いてくる
そして、俺が史也の名前を口にした瞬間に体が反応していた
以上の点をまとめると結論はただ一つしかない。
「亜依は松原史也に惚れている」
こう考えるのが常人の思考回路であろう。
まだ本人はベッドの上でキョトンとしている。
「なぁ、お前って史也の」
俺がたった今出た結論を突きつけようとした、その時
「晩御飯できたわよーーー!!」
家中にあのアニメ声が響き渡った。
すると亜依は「ご飯♪、ご飯♪」と言いながら
俺の部屋をそそくさと出ていってしまった。
687 :
TMC:02/09/30 22:04 ID:Ugnrm1eQ
リビングに降りると、ちょうど保田さんも帰宅した所だった。
「おかえりなさい。」
「ただいま。慎一君、後でちょっと話があるんだけど、、、」
保田さんは帰ってくるなり俺に話があるからと
晩飯の後に部屋に来てくれと告げた。
その時の彼女の表情は非常にビミョーだった。
688 :
TMC:02/09/30 22:04 ID:Ugnrm1eQ
本日は更新終了です。
689 :
コンボ:02/09/30 22:31 ID:fAQZyv1f
大騒ぎするのは好きなほうだ。
でも、四六時中騒いでいるわけにはいかない。
特に自分は騒いだらすぐ疲れる。
一度騒げば一週間は疲れているから、そう頻繁にははしゃげない。
昨日もカラオケで騒いだばかりだから疲れている。
なんで誘われたんだっけ、と思い出した。
学校の帰りに吹奏楽部の連中に会ったんだった。
向こうは20人くらいでカラオケに遊びに行くところだった。
部員の何人かが小学校から一緒の友達だから、ノリでカラオケまで行ってしまった。
着いたのが6時ぐらいで、それから2時間は遊んだ。
そこは覚えているんだけど、誰と遊んでいつ頃家に帰ってきたかは忘れた。
制服のまま寝てしまってるんだから、風呂にも入らずにそのまま寝たんだろう。
まあ良いか。
今日は土曜だし、布団の中でゆっくり思い出そう。
690 :
コンボ:02/09/30 22:31 ID:fAQZyv1f
ボックスには6人で入ったと思う。
俺のいたボックスでは水野が仕切ってたはずだ。
ボックスの中で小学校からの知り合いは水野だけで、男は俺と水野とあと中2の後輩が2人いた。
女子が2人がいたのは覚えている。
俺の右隣にはその片方が座った。
垂れ目で髪を後ろでまとめていて、ほとんどというか全然知らない女子だった。
水野は何か騒ぎながらリモコンを独占していた。
「俺らにも曲入れさせてくださいよ」
後輩2人は抗議したが、水野は一通り入れ終えるまでリモコンを離さなかった。
やっと2人の手にリモコンが渡った頃、隣の女子が口を開いた。
「すいません、OBの方ですか?」
少し上ずった声だった。
「俺?」
「お見かけしたことないんですけど……」
「普通に中学生ですけど」
曲カタログをめくりながら答えた。
「中3?」
「うん」
「あ、水野くんの友達か。私も中3なんだ」
691 :
コンボ:02/09/30 22:31 ID:fAQZyv1f
「でも、なんか水野くんとタイプ違うよね」
「そう?」
水野がどう思われてるかは知らないが、そこそこ気は合う。
「部員でしか来ないの?」
「たまにOBの人と一緒に来るけど」
その頃水野が2曲目を歌いはじめた。
もう一人の女子も2年生らしく、後輩3人は適当に話しながら歌を聞いている。
「あ、そういえば名前聞いてなかった」
「並木」
「並木くんね。
私、2組の辻希美。ののでいいから」
いいから、と言われてもそう簡単には口にできない。
「辻さんは何やってんの?」
「何って?」
「楽器。吹奏楽部でしょ?」
「えーとね、トランペット。
フルートやりたかったんだけど、人気あったから。
女子でトランペットやってるの私だけなの」
「ああ、トランペットね」
少し動揺したのを悟られたかもしれない。
692 :
コンボ:02/09/30 22:32 ID:fAQZyv1f
後輩の2人がやっとマイクを握った頃、俺にもリモコンが回ってきた。
カタログをめくりながら何曲か入れた。
「並木くんはクラブ入ってないの?」
「入ってない」
「えー、クラブ入ってなかったら家帰ったら暇でしょ?」
「別に。やることあるし」
「嘘だー、部屋に閉じこもってマンガとか読んでるんだ」
「そんなことないって」
「じゃあ何やってんの?」
「フルート」
思わず口を滑らせた。
「え、フルートやってんの?」
「あ、いや、ちょっとだけ」
この頃にはすでに後悔していた。
「吹奏楽部入ればいいのに」
「クラブ入ったら合宿とかあるから嫌なんだよ」
「いいじゃん、入りなよ」
「あ、これ俺の入れた曲だ」
マイクを握りながら適当にごまかした。
「あとなんだっけなあ」
そこまでは思い出したが、そこから先が分からない。
もしかしたら携帯の番号でも聞いたかもしれないと思って、ポケットから携帯を取り出した。
ポケットに入れたまま寝てしまったのだ。
見ると、やはり『辻希美』の名前で入っていた。
あとはもう何もやってないはずだ。
693 :
コンボ:02/09/30 22:32 ID:fAQZyv1f
月曜日、学校の廊下で辻に会った。
今まで3年間一度もあった気がしないのに、知り合うと急に目立つようになるのだろうか。
何も言わずにすれ違うのも気分が悪いし、なんとなく声をかけた。
「よう」
「あ、おはよう」
向こうもなんとなく声を出したようだった。
「のの、ちょっと来て」
「うん、分かったー」
辻を呼んだのは俺と同じクラスの男子だった。
男からも『のの』と呼ばれていたが、自分もそう呼ぼうとは思わなかった。
ただ、皆から好かれてそうだということは分かった。
辻は呼ばれた男子に駆け寄って教科書らしきものを受け取ると、また別の男子に話しかけられた。
楽しそうに談笑している。
人気あるな、と思った。
694 :
コンボ:02/09/30 22:33 ID:fAQZyv1f
文化祭が近い。
夏休みが明けてからもう一週間は経つ。
月末の文化祭に向けて、文化系のクラブは準備にいそしんでいる。
吹奏楽部は体育館での演奏というのが毎年あって、当然毎日練習に明け暮れているはずだ。
そのはずが、土曜に水野からメールが来た。
明日朝の十時からバンド見にいかない?
結構人気あるみたいだし、面白いって言ってた。
丁度明日は予定が無かったし、遊びに行くことにした。
いいけど、お前クラブは?
それとどこでやるの?
水野の返事はすぐ返ってきた。
クラブは休む。
場所は体育館。
695 :
コンボ:02/09/30 22:33 ID:fAQZyv1f
日曜日、体育館にはちゃんと10時に着いた。
水野は先に着いていて、入り口で誰かと話していた。
女子に見えるがかなり派手な服を着ている。
俺が来るのを見ると水野はこっちにやってきた。
「今のがバンドのボーカル」
「これ、思いっきり中学バンドじゃん」
「当たり前だろ。
10時から体育館で練習するっていうから見学しに来たんだよ」
「でも、中学生だろ。しかもうちの学校の」
「心配しなくても上手いから安心しとけ」
水野はなぜか自信たっぷりにそう言った。
「それで、今のがボーカル?」
「小川麻琴。聞いたこと無い?」
なんとなく聞いたことがある。
劇団だかダンススクールだかに通っているということは知ってるけど、それ以外は全然知らない。
「マジで上手いの?」
「保証する」
水野の自信がどこから湧いてくるのか不思議でたまらなかった。
696 :
コンボ:02/09/30 22:34 ID:fAQZyv1f
バンドのメンバーは4人だった。
ギター、ベース、ドラムは男子で、小川だけが女子だった。
観客は俺と水野のほかにも案外いて、どこから嗅ぎつけてきたのか分からない。
それも大人しそうな奴は一人もいなくて、髪が黒い人の方が少ない。
「俺やっぱり帰るわ」
「まあ待てって。聞いたら絶対いいから」
「でもなんか不良候補みたいな奴ばっかりいるぞ」
「今帰ってみろ、フルートのことばらすぞ」
水野は小学校の時うちに来て、俺がフルートを吹いていることを知っている。
「悪いこと言わないから座ってろって」
渋々腰を下ろすと、壇上の小川はいつのまにかハンドマイクを手にしていた。
朝礼で校長なんかが使うマイクだ。
メンバーは皆派手だが小川の格好は特に派手で、赤と黒が目に痛い。
いやというほど化粧をしている。
化粧ばえしない顔だな、と思った。
小川は左足でリズムを取り始めた。
そう思った瞬間に、耳鳴りするほどの騒音が聞こえてきた。
697 :
コンボ:02/09/30 22:34 ID:fAQZyv1f
まず、何を言っているのかが分からなかった。
途中からは気分が滅入ってきた。
さらに、これ以上聞いていると体に悪いような気がしてきた。
しかしそう思っていたのは俺だけのようで、周りは時が経つにつれヒートアップしていった。
小川も歌えば歌うほどテンションが高くなっていく。
まだかまだかと思った一時間は長かった。
「良かっただろ?」
観客が帰り支度を始めた頃、水野は笑顔でそう言った。
そういえば、カラオケで水野が歌っていたのと同じ曲を歌っていたような気がする。
「何言ってるか全然分からなかった」
「まあ、まだお前は初心者だからな」
水野は立ち上がって、思い出したように言った。
「そうそう、バンドのメンバー知り合いだから会ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
「お前も行くんだよ」
「俺、知ってる奴いないし……」
そうは言っても少しだけ好奇心が湧いたのは事実で、結局着いていった。
698 :
コンボ:02/09/30 22:34 ID:fAQZyv1f
4人組は壇に座って足を投げ出していた。
ペットボトルに口をつけながら話している。
「よう。結構上手いこといったじゃん」
水野がギターに声をかけると、男子3人は水野と話しはじめた。
それと同時に小川は立ち上がって外へ出て行った。
「水野、横の奴は?」
「知り合い。並木純平って奴」
ベースは俺に声をかけた。
「楽器とかやってんの?」
「いや、別に……」
「お前フルートやってんじゃん」
水野の頭を叩いたが、遅かった。
「フルートってあのほら、横笛?」
「マジで? 変わってない?」
「でもなんか面白そうじゃねえ?」
3人は意外と興味を示してくれた。
フルートのことを言うと大抵はちょっと引かれるから、嬉しかった。
699 :
コンボ:02/09/30 22:35 ID:fAQZyv1f
小川が帰ってきた。
ただ、それは衣装が同じだから小川だと分かっただけで、顔はすげかえたようだった。
「誰かタオル持ってない?」
ドラムが無言でタオルを手渡す。
「あー、さっぱりした」
タオルから顔を上げると、小川は笑った。
「厚化粧してると顔が固まっちゃうんだよね」
笑ったと思ったのは顔の筋肉を動かしただけらしい。
吊り気味の目は化粧をしている時より気が強そうで、俺としては化粧を落とした顔の方が好きだ。
「何見てるの?」
ぼーっと見ていると、小川に声をかけられた。
「って言うか誰?」
「俺の連れ。並木っていう奴」
「並木? 聞いたこと無いなあ」
「こいつフルートやってるんだって」
ベースが振り向きながら言った。
「マジで? フルートって笛のフルート?」
「しかないじゃん」
「なんかおかしくない? 男でフルートやってるって」
700 :
コンボ:02/09/30 22:35 ID:fAQZyv1f
「どこが」
思わず言葉が口を突いて出た。
「だって、あれって女が吹くもんじゃないの?」
「んなの誰が決めたんだよ」
「いきなりキレないでよ。ビックリした」
そう言われて、自分が喧嘩腰になっているのにやっと気付いた。
「吹奏楽部入ってるの?」
「入ってない。クラブ入ると面倒くさいから」
「面白いのに。テニス入りなよ、楽しいから」
「お前がテニス部だからだろ」
水野の言葉で皆笑った。
それからもバンドの4人は俺たちと話しながら帰り支度を始めた。
最後に体育館の鍵を閉めるときになって、小川が騒ぎ出した。
「ヤバイ、鍵無いよ!」
それから30分ほど探して、結局小川の鞄から見つかった。
帰り道が別々になるまで、歩きながらずっと騒いだ。
701 :
コンボ:02/09/30 22:35 ID:fAQZyv1f
「暑いね」
そう言って小川は自販機のボタンを押した。
バンドの男子3人が別の道を歩いていって、水野と小川は俺と同じ帰り道だった。
男子組は別の中学らしい。
「どこで知り合ったの?」
「バンドのライブ」
「何のバンド?」
「言っても絶対分からないもん、並木じゃ」
「そんなこと無いって」
水野は公園のトイレに行っていていない。
調子に乗ってコーラ5本一気飲みしたのが腹にきたんだろう。
「だってフルート吹いてるんでしょ?」
「まあな」
「あ、そう言えばさ、フルートどれくらいやってるの?」
「6年ぐらい」
「結構すごいじゃん。
だったら体育館で一人で演奏できるんじゃないの?」
小川は一気に缶ジュースを飲み干した。
「何言ってんの?」
「6年もやってたらレパートリー多いでしょ。
吹奏楽部入ってないんだったら一人で演奏したらいいじゃん」
702 :
コンボ:02/09/30 22:36 ID:fAQZyv1f
「人に聞かせるためにやってるんじゃないんだ」
「でも、楽器って人に聞かせるためのものでしょ?
やらなきゃ意味無いじゃん」
「そんな上手くないんだって」
「大丈夫、大丈夫。
6年やってれば充分だって」
黙っていると、小川は鞄から携帯を取り出した。
「じゃ、生徒会に知り合いいるから頼んどくわ。
決まったら連絡するから、電話番号教えて。
あ、携帯持ってる?」
「一応」
言われるままに番号を教えた。
口では携帯番号を言いながら、頭の中では自分が体育館でフルートを吹くのを想像していた。
「じゃあこっちの番号言うから」
こっちが携帯を取り出す前に、小川は番号を言い出した。
3回ほど言われてやっと打ちこめた。
「それじゃ私もう帰るわ」
小川は携帯で時間を確認すると、いきなりそう言った。
遠ざかる小川の背中を見ながら、ぼんやりと体育館でフルートを吹く気分を考えてみた。
「ごめんごめん、止まらなくてさあ」
その頃やっと水野がトイレから出てきた。
ここまでです。
更新は全部で3回になりそうです。
リアルタイムで見た。
それでは、いってみましょう。
コンボキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
704 :
:02/09/30 23:07 ID:/qZijqqu
更新ラッシュキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>654 からの続きです。
「小川さんか〜。どうしたの、こんな所で?」
ボクがそう聞くと、
「別に、どうしもしないですけど、先輩がこっちのほうに歩いてたから、
なんだろう、って思って…」
と、小川さんは答えた。
「ああ、電話が掛かってきたんだけど、教室はうるさくて…。
だから、ここに来たんだよ。ここなら、人いないからね」
ボクがそう言うと、小川さんは「ふ〜ん」と頷いていた。
「ところで、先輩? お昼、もう食べたんですか?」
「まだ食べてないけど…」
「じゃあ、私と一緒に食べませんか?」
「でも…」
「教室に、女の子達が待ってる…ですか?」
「う、うん……」
ボクは、気まずく答えた。
「いいじゃないですか、たまには!
先輩だって、本当は結構、困ってるんでしょ?」
そう言われて、ボクは、
「そ、そうなのかな…?」
と、曖昧に答えた。
「じゃあ、決定! 行きましょ!」
と、そう言って、小川さんはボクの腕を引っ張った。
「ちょ、ちょっと! 行く、ってどこに!?」
引っ張られながら、ボクが言うと、小川さんは立ち止まった。
「決まってるじゃないですか! 食堂ですよ、食堂!
お昼、食べるんだから!」
「えっ、でも…」
「行くんですかぁ〜!? 行かないんですかぁ〜!?」
ボクが曖昧に答えると、小川さんは怒った感じで言う。
「じゃ、行くよ…」
「ハイ、決定! 行きましょ!」
小川さんはそう言うと、ボクの腕を引っ張った。
更新です!
707 :
ケメタン:02/10/01 00:54 ID:oCXhHW1v
● ●
( `.∀´)<激しく萌えルンバ
708 :
剣士:02/10/01 09:52 ID:Pr9Gje8G
>629の続き
そして私たちは、黙々と歩いた。どこに行こう、とかいう目的もなく。
「あの」
私は沈黙に耐えかねて、牧君に喋りかけた。
「ん?何?」
牧君は笑顔。こっちの気もしらないで!
「どこ、行きましょうか?」
今更、とか言われても仕方のないことだけど、どこ連れてかれるかわかんないもんね。
「そうだな、ちょっと学校に寄ってくれないか?」
は!?学校?こんな、デートともいえる状況で、学校?
「い、いいけど・・」
さすがの私もちょっと動揺した。学校に何しにいくんだろう?
そして私たちは学校に到着。すると牧君はすぐさま体育館に向かって歩き始めた。体育館に行っても、もちろん誰もいない。
「よし・・ちょっとだけやっていくか」
やっていく?何を?あ、そっか。わかったわ・・・。
709 :
剣士:02/10/01 10:03 ID:Pr9Gje8G
牧君はバスケットボールを取りだし、リングに向かって走った。それにしても、速い!
「ッラァ!!!!」
そこにいたのは、さっきまでの牧君とは違った。厳しい顔つきで、気合いのこもった姿。
「ふ〜・・悪いな、付き合わせて。これやっとかないと、何か体がね」
あ、普通の牧君に戻った。でも、凄い変わり様だな〜。
「疲れてませんか?」
そう聞くと、牧君は笑いながら
「一発だけじゃあ、疲れないよ。でも、今日は何発やっても疲れそうにないね」
そりゃあ、一発じゃ疲れないけど、何発やっても?今日は?どういうこと?
「松浦さんがいるとさ、何か安心するね」
「な、何言ってるんですかぁ!も〜う」
私は、顔が熱くなってるのがわかった。赤面してる・・。こpれって、もしかしてチャンス?
「あのさ・・・」
私が色々妄想してる時、牧君が喋りかけてきたので、私はビクッ!とした。
「な、何ですか?」
「もしよかったら・・・俺と、付き合ってくれませんかっ!」
私は固まった。私が言おうとしてたことを言われた。しかも、凄く必死な表情で。
「はい!こちらこそ、よろしくお願いします」
もちろん返事はこれ。断る理由もないし、お互い好き同士だものね。
「ありがとう!よし・・高校でも、バスケ頑張るぞ!今度は、日本一だ!」
牧君の笑顔は輝いていた。私は、この笑顔をいつまでも支えていきたいと感じていた。
「私、精一杯サポートするからね!」
〜END〜
710 :
剣士:02/10/01 10:04 ID:Pr9Gje8G
一応これで終了です。
久々更新ですから、一気に書いちゃいました。
>>684 の続きです。
-03-
約束の日。
初めて会ったレンタルビデオのお店の前で待ち合わせをした。
馬鹿みたいに近所なのに30分も前から立っている。
何人ビデオを借りようと店に入っただろう。
そしてその人達を見送るようにオレはその店の前に立っている。
普通だったら恥ずかしいかもしれないが、オレは緊張してそれどころじゃない。
周りの目なんて気にならない。
ソワソワしてきっと挙動不審人物と思われているかも。
そう思って普通を装おうとすればするほど余計に不自然になる。
その姿がお店の大きなガラスに反射して見える。
ちょっと髪型を整えたりして気持ちを紛らわす。
自分で見ても映る姿が挙動不審な姿。
呆れて笑うしかない・・・
と思ったら自分の姿の後方に安倍なつみが向かってくるのが見えた。
あわてて振り返ると彼女は走って目の前までやってきた。
「お待たせしました。
あれ?確か約束の時間は・・・」
「いや、オレが勝手に早く来ちゃったんです。
全然待ってないですよ。
えっと、今日はヒマだったから」
そう言うと彼女は笑う。
その後にちょっと舌を出して周りを見まわしてから
誰も居ないのに小さな声で話し掛けてきた。
「あのぉ、実は私なんか緊張して早く来ちゃったんです。
それなのに居るからちょっと驚きました。」
オレはその言葉を聞いて実は自分も緊張していた事を告白した。
彼女は安心したような表情と共に笑ってくれた。
なんだかとても遠い存在のアイドルとは思えないその様子に
ますます勘違いしてしまいそうな自分気持ちが抑えられない。
でも、とてもじゃないが告白なんかする勇気なんて持ち合わせていない。
ただこの瞬間だけをしっかり記憶しておかなければ、この前みたいに
極度の緊張から記憶なんか飛ばしたくない。
だからといって何を話していいのかわからず、ただアタフタするオレ。
そんなオレを見て彼女は笑う。
そしてオレはその笑顔にハマる。
心臓が破裂しそうな勢いだ。
「あ。あのコレお礼と言ってはなんだけど・・・」
そういって彼女は布切れに包まれた四角い物を差し出してきた。
緊張したオレの体がぎこちなくそれを受け取る。
なんだか、ほのかに温かい。
「あ。えっとコロッケ作ったから良かったら食べてください。
おいしいかどうかわからないけど。」
マジですか?手作りのコロッケかよ。
今まで女の子の手作りの料理なんて食べた事のないオレが
初めての手作りの料理が安倍なつみのコロッケかよ。
携帯電話拾って良かったぁ。
心の中でガッツポーズを決めた。
そしてそのコロッケを受け取った後に彼女の電話が鳴り、
どうやら急に出かけなくてはならない用事が出来たみたいで謝りながら、
あっという間に消えていった。
でも、この前と同じように曲がり角で一度振り返ってくれて
手を振ってくれた。
彼女は見えなくなってもオレの手の中にはコロッケの温もりが
心まで温めてくれているようだった。
急いで家に帰ってその包みを開ける。
中には重箱。
フタを開ければコロッケの香りがフワっとしてきた。
俵型のコロッケが5個
小判型のコロッケが5個
どっちから食べればいいんだろう。
そっと手を伸ばして俵型のコロッケを親指と人差し指で摘まむ。
まだ温かい。ゆっくり口に運んで一口食べる。
サクッ。
死んでもいい─
この幸せな気持ちを誰かに言いたい。
でもきっと誰も信じないだろう。
オレが安倍なつみから手作りコロッケを貰えるなんて。
それでも事実オレは今その手作りコロッケを食べたんだ。
「うめぇー」
( ´D`)<今日はここまで。っと。
714 :
:02/10/01 19:23 ID:SQNwPKHR
715 :
コンボ:02/10/01 22:59 ID:Gdc/Drfy
>>702より
小川の返事は3日後に来た。
幸い、まだ体育館は空いていたそうで、20分の演奏時間をもらえた。
「文化祭まで頑張って練習してよ」
小川からの電話はそこで切れた。
断るタイミングも無ければ断る気も起こらなかった。
いっそフルートのことを皆にばらそうと思っていたし、今更断っても小川に悪い気がした。
フルートはいつもケースに入れて部屋の机に置いてある。
毎日、家に帰ってから寝るまでに大体2時間ほど練習する。
一時期練習をサボっていたが、中学生になってからは毎日欠かさず練習している。
おかげで最近はややこしい指使いでもそこそこ動くようになってきた。
俺がフルートをやってることを知ってるのは家族と一部の友達だけで、水野にはわざわざ聞かせたことがある。
友達といっても男友達ばかりで、この間辻と小川に言った以外にはたった一人にしか言ってない。
小学生の頃好きな女子だった。
意識して、強引に仲良くなった。
でもうちに呼ぶのは恥ずかしくて、それでも何か自分の秘密を明かしたかった。
秘密を共有することで深い仲になれるような気がした。
でも、その子には思いを打ち明けることのないまま、違う中学になった。
716 :
コンボ:02/10/01 23:00 ID:Gdc/Drfy
次の日から、図書館に通いつめた。
フルートの楽譜を探すためで、買うには高い本ばかりだからだ。
クラシック以外の曲も入れたい。
図書館への道を、そういうことを考えながら歩いていた。
楽譜の本は案外多いが、フルート専用の本はほとんど無い。
仕方ないからピアノなどの他の楽器の譜面を両腕に抱えた。
分厚い楽譜は結構な重量がある。
腕がしびれてきた頃、本棚の陰から見覚えのある顔が現れた。
「並木くんじゃん。何してるの?」
現れた辻も両腕に楽譜を抱えている。
「辻は?」
「私はトランペットの楽譜探してるの」
「文化祭近いのに練習しなくていいのか?」
「文化祭の曲は前から練習してるから大体できるんだ。
それより文化祭までに色んな曲で練習するのが大事だからさ。
そっちは?」
「こっちもちょっと、フルートの楽譜探してるんだけど」
「あ、文化祭出るんでしょ。それの曲選んでるんだ」
717 :
コンボ:02/10/01 23:00 ID:Gdc/Drfy
「なんで知ってるんだ?」
「昨日水野くんから聞いた。
フルートの独演会やるんでしょ?」
独演会なんて大層なものだとは思ってなかったから、そう言われたのが恥ずかしい気がした。
「小川さんに頼んだんでしょ?」
「こっちが頼んだんじゃなくて、話したら勝手に生徒会に申し込んだんだよ。
それじゃ、俺もう帰るから」
そう言い残してその場を立ち去ろうとした。
「ちょっと待ってよ。私ももう帰るから」
辻は後ろからついて来た。
楽譜を借りてずしりと重くなった鞄を持ち上げながら図書館を出た。
「どれぐらいやってるの?」
「フルート? 6年ぐらいだけど」
「小学校からやってるの?」
うなずくと、辻は大袈裟に驚いた。
「すごいじゃーん。そりゃ独演会できるわ」
「そっちは? トランペットの独演会やったらいいじゃん」
「私は中学入って始めたばっかりだから」
辻は照れるように笑った。
718 :
コンボ:02/10/01 23:01 ID:Gdc/Drfy
時々、図書館で辻と会った。
特に休みの日はよく会う。
文化祭まではあと一週間ほどになった日曜日に、また辻と会った。
机に楽譜を広げて曲を選んでいると、辻が向かいに座った。
「もうやる曲決まったの?」
辻は挨拶も無しに話しかけてきた。
「大体決まったけど、あと1曲ぐらいいけそうだから」
20分という時間を精一杯使いたかった。
そのためには3分ほどの時間でも無駄にはできない。
短そうな曲を選んで探していた。
「今、フルート持ってる?」
辻は大きな鞄を横に下ろした。
「持ってるけど、一応」
曲選びの時にはいるかもしれないと思ってフルートは持ってきている。
鞄を開けばケースに入ったフルートがすぐにでも出せる。
「これトランペットなんだけどさ」
辻は下ろした鞄を机の上に持ち上げて、チャックを開いた。
中からは金色の胴体をしたトランペットが垣間見える。
719 :
コンボ:02/10/01 23:01 ID:Gdc/Drfy
「どっかで吹かない?」
「何言ってんだ?」
「だって、並木くんのフルート聞いてみたいし。
私もトランペット持ってるから聞かせてあげてもいいし」
吹奏楽部での演奏では、トランペットが目立つことはあまり無い。
大抵はたくさんある楽器の中にまぎれてしまう。
そういう意味で単独のトランペットの演奏というのを聞いてみたかった。
それと、なんだか辻の頼みを断れなかった。
多分、よほどのことがない限りは何を頼まれてもオッケーしたに違いない。
「いいよ」
「それじゃ、どこでやる?
あ、そこの公民館で部屋借りる?
確か1時間500円だったから、それぐらいなら大丈夫でしょ?」
辻の目はいきいきしていた。
「そんなにフルート聞きたい?」
「そりゃ聞きたいよ。生で聞けるんだもん」
下ろしたばかりの鞄を肩にかけて、辻は立ちあがった。
720 :
コンボ:02/10/01 23:02 ID:Gdc/Drfy
公民館で楽器は演奏できるか、と聞いたら最初はダメだった。
しかし1時間ほどで終わると言って頼み込んだら、渋々了承をもらえた。
先に500円を払うと狭い部屋に案内される。
「それじゃ早速」
辻は鞄からトランペットを取り出した。
それまでは普通に見えていた辻が、いきなり堂々と見えるようになった。
「早くフルート見せてよ」
管状のケースからフルートを取り出した。
「あれだね、思ったより太いんだね」
「糸みたいなのだと思ってた?」
ケースを片付けてフルートを両手で構えた。
吹く直前に、気付いて辻に尋ねてみた。
「なんかリクエストある?」
「別になんでもいいよ」
何より辻は早くフルートを聞きたいみたいだった。
721 :
コンボ:02/10/01 23:03 ID:Gdc/Drfy
とりあえず『きらきら星』を吹いた。
フルートを始めたころによく吹いてた曲で、これなら吹きこなせるという自信があった。
吹いている間、辻は備え付けの椅子に腰掛けていた。
吹き終わると、辻は両手を広げて拍手をした。
「さすがに上手いねえ」
嫌味には聞こえなかった。
「これ、本番で吹くの?」
「いや。もっと難しい曲吹いてみようと思ってるけど」
「この曲いいよ、絶対」
文化祭でわざわざ観客に聞かせるような曲だとは思えない。
だが確かに、『きらきら星』なら自信がある。
「あと1曲はこれにしたら?」
辻はトランペットを手にしながらそう言った。
「結構自信あるんじゃないの?」
「まあ、この曲好きだしな」
「やった方がいいよ」
そう言って、辻はトランペットに口をつけた。
722 :
コンボ:02/10/01 23:03 ID:Gdc/Drfy
辻のトランペットは、はっきり言って上手くはなかった。
でも、一生懸命吹こうとしているのはよく分かった。
必死で上手く吹こうとしているのは、辻の目でなんとなく分かる。
知らない曲だったが、気持ち良く聞けたような気がする。
吹き終わって、こっちも拍手した。
「なんていう曲?」
「『いつか王子様が』っていうやつ。
ディズニーの白雪姫のBGM。
この間先生から楽譜もらって覚えたばっかりなんだ」
「他になんか無いの?」
「あ、あれ、『ビビディ・バビディ・ブー』吹けるよ」
そう言って、すぐに辻は吹き始めた。
フルートを吹きたかったと言ってたが、トランペットでも楽しんでいる。
そういうのが辻なんだと思った。
つまり、どんなものでも楽しみ方を見つけられる奴なんだな、と思った。
1時間ほど好き勝手に吹いて、部屋を出た。
帰ろうとすると係員に呼びとめられた。
「今度からは部屋貸さないよ、うるさいから」
723 :
コンボ:02/10/01 23:04 ID:Gdc/Drfy
「付き合ってくれてありがとね」
トランペットの入った鞄を担ぎ直して、辻はそう言った。
「いいよ別に。正直俺も楽しかったし」
「じゃ、文化祭楽しみにしてるから」
辻は手を振りながら遠ざかって行った。
その後姿をぼーっと見ていると、なんだかほっとできるような気がした。
帰り道もぼーっと携帯を見ていた。
なんとなく辻宛てにメールを書いてみては消す。
フルートのことや、学校のことを書いてみては消す。
歩きながらそういうことをするから、色んなものにぶつかりながら家まで帰った。
ここまでです。
ちょっと長くなりそうなんで、あと一回は更新が増えそうです。
724 :
こうもり:02/10/01 23:11 ID:P8cfXBXJ
亜依とみちよは、マンションを出て、あちらこちら歩き回っている。
「みっちゃん、大丈夫なんか?」
「何が?」
「いや、ちゃんと家までの道覚えてる?」
亜依は心配そうな顔でみちよのほうを見る。
「亜依、あんたは覚えてへんの?」
「途中までは覚えてたけど、みっちゃん適当に進むから覚えてへん」
「うちも覚えてないねん」
「どうすんねん、家に帰られへんやん」
「思い出すから、ちょっと待って」
みちよはその場で立ち止まり、いままで歩いてきた道を思い出そうとしている。
亜依は周りに何かないか探していた。
みっちゃんにも困ったもんやな。
方向音痴の癖にドンドン行くからこっちまで迷子になってまうわ。
それにしても、なんかないかな。
亜依はさらに歩を進め、小さな通りから大きな通りに出た。
725 :
こうもり:02/10/01 23:12 ID:P8cfXBXJ
とそこには、古めかしい建物の店が立っていた。
看板に目をやると、そこには『和食 大川』と書いてある。
「みっちゃん、店があるからここで、とりあえずご飯でも食べへんか?」
亜依はまだ立ち止まって考え込んでいる、みちよに向かって声を掛ける。
「そうやな、うちもお腹ペコペコやし、丁度ええな」
みちよは走って、亜依の方に駆け寄る。
そして、二人は店の前に立つ。
「なんか高そうな店やな」
みちよはその大きな店構えに少し不安になりながらも、亜依の
「大丈夫や」の声に押されて店に入る。
「いらっしゃいませ、二名様でよろしいですか?」
「はい」
店に入るとすぐに店員が駆け寄って、二人を座敷に案内してくれた。
「こちらへどうぞ」
亜依とみちよは座敷にあがり、店員が出してくれたお茶で一息つく。
726 :
こうもり:02/10/01 23:14 ID:P8cfXBXJ
みちよはその佇まいに驚いたようで亜依に興奮気味に話す。
「でも、このお店結構安いで」
「ほんまに?」
みちよは亜依からメニューを奪い取ると、それを見る。
すると大体のものが1000円から1500円くらいのリーズナブルな値段だった
ので、みちよは少し安心した。
「亜依好きなもん頼んでええよ、このくらいやったら大丈夫や」
みちよは胸を叩きながら亜依に言う。
「じゃあ、うちこれとこれな」
亜依はみちよに、そう告げると立ち上がる。
「どこいくんや?」
「いや、ちょっとお手洗いに行こうかと思て、ちゃんと注文しといてな」
亜依はそう言うと、座敷からトイレに行く。
久しぶりに更新終了。
でついでに批評批判版。
http://jbbs.shitaraba.com/game/2329/gogogo.html
727 :
:02/10/01 23:25 ID:X90PASrO
こうもりたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
728 :
テンテン:02/10/02 01:38 ID:tjBFqKh+
みんなうまいなぁ・・・
何でこんなにストーリーとか考えれるのだろう・・・
>>713 の続きです。
-04-
普通はありえない。
小判型の普通のコロッケ5個、俵型のクリームコロッケ5個
あっという間に平らげた。
最初は、明日も食べるために半分だけと思っていたけど
どうせならこのまだ温かいうちに食べた方がいいと思って
ついつい食べてしまった。
揚げ物10個食べても胸焼けもせず、ただただ幸せだった。
食べ終わって空になった重箱を見つめる。
見つめても、もう何も入っていない。
急に寂しくなった。
「やっぱり明日の分残しておけばよかったなぁ」
溜息交じりに重箱にフタをして洗おうとして流しに持っていった。
「あ。もしかして・・・
これって、また会うチャンスがあるってことじゃん。」
そう、この重箱を返さなければ。
なんだか、また会えると思うと元気になるオレ。
我ながら単純だな。
完全に惚れまくった。
これで惚れない相手なんかいないよな。
安倍なつみの手作りコロッケ食って惚れない奴なんて
男じゃない。
そんなことまで考えている馬鹿なオレ・・・
お礼のメールを打った。
内容はコロッケが美味しかった事。
そして、このコロッケの入っていた重箱を返すので
いつ渡したらいいか?
あんまりしつこくならないように気をつけながら
文章を考える。
そして何度も読み返す。
失礼のないようにしながらも堅苦しくないように
何度もチマチマと携帯のボタンを押す。
自分に気合を入れるように一言。
「よし!」
送信ボタンを押した。
大きく息を吐き出して部屋に倒れこむように
ゴロンと寝そべった。
返事は来るだろうか。
携帯を握り締めながら返事が来るのをただ待つ。
電波の状況は大丈夫。わかっているのにチェックする。
そして・・・約10分後。
メールが送られてきた。
送信者は「安倍なつみ」オレは起き上がって
メールを開いた。
たった数行の短い文章─
その内容に言葉を失った。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
731 :
こうもり:02/10/02 20:35 ID:qDYnoqfQ
譲と圭は酒を飲みながら出てきたつまみを食べている。
「譲、私ちょっとトイレ行ってくるね」
「ああ」
圭はそのまま座敷から出て行く。
はぁー、なんだか今日は飲みすぎてるかも。
でも久しぶりに譲とお酒飲めて嬉しいな。
最近忙しかったし………、たまにはこういうのもいいよね。
―――コンコン―――
圭はトイレのドアの前に立ちノックをする。
732 :
こうもり:02/10/02 20:37 ID:qDYnoqfQ
―――コンコン―――
するとすぐに、トイレの中からノックする音が聞こえてきたので
誰かが入っていると思い、圭は洗面所の方に移動した。
そして鏡を見ると少し化粧が落ちかかっていたので、それを直している。
「カチャ」
少したってドアの開く音がしたので、圭はトイレに入ろうと移動する。
「あれ、あいぼん」
圭の目の前にはさっきまで話しをしていた亜依が立っている。
「圭さん!!」
亜依もそれに気付いたようで圭と同じように声をあげている。
733 :
こうもり:02/10/02 20:38 ID:qDYnoqfQ
「どうして、ここにいるの?ここって結構分かりにくいところにあるから
知ってる人じゃないとほとんど来ないのに」
「実は道に迷ってたら偶然この店を見つけて、おなかもすいてたから
ここに入ったんですよ、お母さんと一緒に」
「そうなんだ、私も譲と一緒に来てるから合流してご飯食べない?」
「いいですよ、じゃあお母さんに言ってきますね」
亜依はそう言うとトイレから出る。
圭も用を足してからトイレから出た。
更新終了。
734 :
名無し募集中。。。:02/10/02 20:39 ID:rRLaM+b9
735 :
ラムザ:02/10/02 23:13 ID:gNH99z5/
>>449から
放課後、愛ちゃんから連絡があったので中等部前まで迎えに行くことにした。
教室を出る俺の背中に冷たい視線が2つ刺さっていたのは言うまでもない。
俺はそのまま振りかえらずに教室を後にした。
中等部の校門前には愛ちゃんとその友達らしき女の子が待っていた。
愛ちゃんは俺の姿に気付くと大きく手を振ったので足早に彼女の元へと向かった。
俺「ごめん、待った?」
なんだか本当に恋人同士みたいなベタな言い回しだな…
口に出してしまってから少し恥ずかしく感じた。
愛「ううん、今来たとこやよ」
愛ちゃんもベタな言い回しで答える。
女の子「愛、この人?…結構かっこいいじゃん」
愛ちゃんの隣の女の子が小声で愛ちゃんに囁くのが耳に入ってしまった。
当然聞こえない振りをする。
2人の間で一言二言内緒話があった後、愛ちゃんが紹介してくれた。
愛「この子は友達の麻琴ちゃん。同じクラスなんや」
麻琴「初めまして!小川 麻琴(おがわ まこと)です!!」
麻琴ちゃんは大きな声で自己紹介すると、上目遣いで俺の顔を見ながら小さく頭を下げた。
おそらく愛ちゃんの友達なのであろうこの子は、一見ボーイッシュな感じを受けるが、
それと同時に女らしさを併せ持つような不思議な印象の子だった。
736 :
ラムザ:02/10/02 23:13 ID:gNH99z5/
俺「あ…どうも、白鳥 聰です…」
情けなくも年下の女の子相手に気圧されてつつ自己紹介する。
麻琴ちゃんはしばらく値踏みするかのように俺を観察すると、
「じゃあ愛、頑張ってね!」という謎の言葉を残して去っていった。
何を頑張るのだろうか?
というかむしろ頑張るのは俺の方じゃないんだろうか?
小さな疑問を抱きつつ、帰っていく麻琴ちゃんの後ろ姿を眺めていた
俺の背中に愛ちゃんが声をかけてくる。
愛「行こ、聰ちゃん!」
俺「うん」
振りかえって2人並んで駅へと歩き始めた。
737 :
ラムザ:02/10/02 23:13 ID:gNH99z5/
俺は愛ちゃんを家まで送り届けると、着替えを取りに一度家へと帰ってきた。
俺「ただいまー」
真希「おかえり〜」
ドアを開けて家に入るとリビングから真希が出てきた。
学校の時とは違い、機嫌もそんなに悪くなさそうだ。
真希「夕食はこっちで食べていくんでしょ?」
俺「あ…悪い。
伯母さんが晩飯作って待ってるから荷物持ったらすぐ戻らないと…」
真希「ふ〜ん、そうなんだ…」
心なしかまた機嫌が悪くなった気もするが、そんなに長くは相手もしていられない。
俺「冷蔵庫の中の物とか好きに使っていいから」
そう言い残すと2階の自分の部屋へ向かった。
738 :
ラムザ:02/10/02 23:18 ID:gNH99z5/
トントン!!
部屋でバッグに着替えを詰めているとノックの音がした。
俺「どうした?」
真希「ちょっと入っていい?」
俺「おう」
ゆっくりとドアを開けて真希が入ってくる。
真希「あのさ…
ストーカーがいるから聰はあの子の家に行かなきゃいけないわけだよね…?」
学校の時のようにまた皮肉っぽいことでも言われるのかと思ったが、そうではないらしい。
俺「まぁそうだな」
真希「ってことはストーカーが捕まれば、あの子の家に行かなくてもいいわけでしょ?」
俺「まぁそうなるわな」
なんでそんな当然のこと言うんだ…?
739 :
ラムザ:02/10/02 23:18 ID:gNH99z5/
真希「じゃあさっさと捕まえてよ」
俺「いや、うん、それはそうなんだけど…」
真希の言うことはどれも正論ではあるんだが…
机上の空論というか、なんというか…
俺「そんなに簡単に捕まる相手なら逆に俺は要らないだろ」
真希「う〜ん、そっか…」
俺「………それにそういう奴がいるって決まったわけでもないしな。
…愛ちゃんの勘違いかもしれないし」
真希「そうなの?」
俺「……いや、だからわかんないって…」
俺の言葉に真希は残念そうだった。
家に一人ぼっちと言うのは寂しいのかもしれない。
その後、真希だけ真里の家に泊まれるように聞いてみようかと提案したが
真希はそれを拒否して留守番すると言ってくれた。
俺は時間もないので、仕方なく後を任せて家を出た。
740 :
ラムザ:02/10/02 23:19 ID:gNH99z5/
嘘をついた。
いや、正確に言うと嘘ではないのだが、ほぼそれに近いことを言ってしまった。
本当にストーカーがいるかどうかはわからない。
愛ちゃんの勘違いかもしれない。
俺は本心ではこんなことを思っていない。
夕方に愛ちゃんを学校から家まで送った時、明らかに俺達を尾けている奴がいた。
愛ちゃんの言う通りほんの数分でいなくなったし、姿も見ていない。
けれどあの俺達に向けられた視線は間違いない。
愛ちゃんを余計怖がらせることになるので、
そのことはまだ彼女に伝えていないしこれからも伝えるつもりはない。
相手が俺を見て諦めてくれるか、確実に捕まえられる時を待とうと思う。
一番まずいのは下手に相手を刺激して逆上されることだ。
とは言え、俺は嘘をつくのが下手だからなぁ…
真希には気付かれたかも。
まぁ最悪愛ちゃんにばれなきゃいいか。
ここまでです。
相変わらず更新遅くて申し訳。
とりあえず目標を毎週更新にしようかと……ダメ?w
741 :
?:02/10/03 03:25 ID:xUzD4lOd
∧∧
( ・ω・)<余り無理をなされないように作者様の出来る限りのペースでおながいします。
>>730 の続き。
-05-
「マジかよ・・・」
「えっと今、時間あったら電話もらえますか?
メールだと何度も行ったり来たりで大変っしょ?
私の電話番号は090−・・・」
電話番号を書いてくるなんて。
いいのかなぁ。
喜びを通り越してなんだか恐くなった。
おいおい、安倍なつみだぞ。あのモーニング娘。の安倍なつみ
その携帯の電話番号を教えてもらって、そのうえ電話もらえますか?だって。
オレ近々死んじゃうのかもしれないな・・・
死んでもいいかも。
何度か咳払いをしてメールに番号に電話をした。
「もしもーし。ども。すいません時間大丈夫でしたか?
なっち、じゃないや。私メール好きなんですけど
今、車の中なんですよ。それであんまりメール打ってると
酔いそうになっちゃうんですよ。」
電話の向こうからは明るい安部なつみの声。
オレは自分の部屋で正座して会話をした。
顔が見えない分、この前よりは落ち着いて話せたと思う。
コロッケが美味しかったことを改めて伝えたら喜んでくれた。
どうやら今はタクシーで移動中のようで、これから事務所に向かうらしい。
そのわずかな間にだったけど何かグッと安倍なつみを近くに感じる事が出来た。
電話を切った後、オレはそのまま倒れこんだ。
携帯には通話時間は9分38秒と出ている。
もっと短くも感じたし、長くも感じていた。
そして電話を握った手は汗で濡れている。
「あぁ〜、マジで夢みたいだ・・・」
会話の内容を思い出す。
好きな映画を聞かれた。
オレはその時、答えたのは眠れないでたまたま点けたテレビで
やっていたフランスのB級映画だったと思うんだけどその映画を答えた。
内容的にはたいした事のない映画だったけど、その映画に出てくる
ひまわり畑のシーンが彼女にダブったから薦めたのかもしれない。
彼女はその映画について興味を示し「今度借りてみるね。」って言ってくれて
盛り上がったような気がする。
ただ話しを合わせてくれただけだったかもしれないけれど。
それでも嬉しかった。
何度も思うけどあの安倍なつみだもん。
そりゃ別にファンでもなんでもなかったけど
それでも・・・
無駄に力が体に、みなぎって腕立て伏せなんかやってみたりする。
恋ってなんだか凄いパワーがでてくるんだなぁ。
そんなことを実感している。
翌日は、筋肉痛が体を襲ってきた。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
744 :
:02/10/03 21:27 ID:VSIqbFEV
なっちとの会話良いなあ〜
報告です
最近全く考えつきません
さらに受験が本格的に始まってくるので、忙しくなります。
ということで、ちょっと休ませてもらいます。
(多分書けるようになるのは随分後です)
746 :
コンボ:02/10/04 00:22 ID:AIw/IMKp
ラムザさん更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
>>723より
文化祭の3日前から、体育館を使っての練習をやらせてもらえることになった。
知り合いの生徒会長からパンフレットを見せてもらうと、『並木純平フルート独演会』と書いてあった。
「やけに大層なタイトルだな」
「もう変更できないんだから、文句言うなよ」
そのまま体育館に案内される。
4時から30分だけ使わせてもらえることになった。
他の団体も使うんだからこれでも長いんだろう。
フルートひとつと楽譜を持って体育館に行くと、当然ながら観客はいなかった。
試しに吹くとよく響く。
そこそこ広い壇上の真ん中にパイプ椅子を運んで、楽譜を置く台を組み立てる。
「お前、もういいからどっか行けよ」
生徒会長は俺の背後であぐらをかいていた。
「聞かせてくれよ、フルート」
「なんか気になるから出てけって」
生徒会長は渋々立ちあがると、階段を下りて壇の下にあぐらをかいた。
「ここなら別にいいだろ」
「お前、生徒会の仕事は?」
「他の奴に任せてる」
何を言っても動かないから、仕方なくそのまま練習を始めた。
747 :
コンボ:02/10/04 00:22 ID:AIw/IMKp
「あれ、もう始まってるんじゃん」
2曲目にさしかかった頃、ドアが開いた。
「小川か?」
フルートを吹く手を止めた。
「あらら、生徒会長もいるね」
「ちょっと見学してるだけ」
小川は会長の横に腰を下ろした。
「早く吹いてよ、聞きに来たんだから」
「お前、なんで聞きに来てるの?」
「なんとなくね。やってるって聞いたから。
私まだ並木のフルート聞いたこと無いんだから、早く聞かせてよ」
少し考えて、2曲目を始めから吹くことにした。
そのまま3曲目、4曲目につなぐ。
時間が経つにつれて小川の頭が揺れてくる。
時々思い出したようにはっと起きるのだが、すぐにまたまぶたが下がって頭が前後に揺れる。
会長は起こそうかどうか迷っていたが、結局起こさずに聞いていた。
ラストの『きらきら星』を吹き終わると、会長から拍手をもらった。
小川はその拍手で頭を上げ、つられて手を叩いた。
748 :
コンボ:02/10/04 00:22 ID:AIw/IMKp
俺が吹いている間、壇の下では小川と会長が仲良くしゃべっていた。
こっちを気遣っているのか小声だが、時々笑い声が混じる。
生徒会に知り合いがいると言っていたのは会長のことかもしれない、と思う。
本当にフルート聞いてるのか、とも思う。
そう思うのは、やきもちではないはずだ。
ただ、しゃべっているのが気になって演奏が上の空になるだけだ。
時々音を外すと、小川が野次を飛ばす。
「しっかりしろー」
聞いてるのか聞いてないのか分からない。
最後には、俺のフルートはBGMなのかとさえ思った。
二人ともフルートを聞いてる様子はなかった。
しゃべっている姿はただの友達だったかもしれない。
ただ、男女だからどうしても、そういう気分になってしまう。
これは決して、俺が小川を意識してるわけじゃない。
男と女でしゃべってるんだから、当たり前じゃないか。
そう思ってみたが、いまいち納得できなかった。
749 :
コンボ:02/10/04 00:24 ID:AIw/IMKp
持ち時間の30分が終わって、体育館を出た。
「なんか、フルートって眠いね」
「だったら聞くなよ」
「ほら、またすぐにキレるんだから」
小川は横に並んで歩いている。
「並木、これからどうするの?」
「家帰って練習する」
「それじゃ連れてっても大丈夫だよね」
「なんだよ、どっか連れて行く気か?」
小川はにっと笑った。
「私は練習聞いてあげたんだから、付き合ってくれてもいいじゃん」
「寝てただけだろ」
「なんでもいいから、行くの?」
「まあ、行けるけど」
「それじゃオッケーね」
強引にうなずかされた気がする。
750 :
コンボ:02/10/04 00:25 ID:AIw/IMKp
小川に連れていかれたのはカラオケだった。
2人きりでどこに連れていかれるのかと不安だったが、カラオケだと分かってほっとした。
「なんでこんなとこに遊びに来たんだ?」
「遊びじゃないよ。
ちゃんと歌の練習に来たんだから」
小川はボックスに入るなりリモコンをつかんで、カタログも見ずに番号を打ちはじめた。
「覚えてるの?」
「何回も歌ってると、番号覚えるんだ」
5曲ほど入れて、リモコンをマイクに持ち替える。
採点機能なんかは当然つけない。
「このバンド好きなんだ。
今度文化祭で歌うのもほとんどこのバンドの歌だし」
イントロの長い曲だった。
小川はそのイントロの間にも掛け声を入れる。
「なんで俺連れてきたんだ?」
「なんとなく。一人で練習するのも寂しいし」
1分ほどのイントロが終わって、小川は歌い出した。
音量は前に体育館で聞いた時と同じで、すぐに耳が痛くなった。
751 :
コンボ:02/10/04 00:25 ID:AIw/IMKp
トイレにかこつけて何度もボックスを出た。
外に出ても耳鳴りがする。
「これ、いつまでやるんだ?」
「2時間ぐらいはやっとくでしょ」
コーラを飲んで休憩している小川はそう答えた。
2時間もこんな所にいられるわけがない。
「あのさあ、耳鳴りするんだよね、マジで。
帰ってもいい?」
「ダメ」
「聞いてるだけなんだから別にいいじゃん」
「じゃあ歌う?」
小川はマイクを突き出した。
「嘘だって。帰っていいよ」
小川はコーラのストローに口をつけた。
「……いや、やっぱいいわ」
「いいの?」
「なんか、家帰ってもあれだし」
本当は家に帰ってフルートの練習をするべきだが、小川の顔が一瞬寂しそうになった気がした。
752 :
コンボ:02/10/04 00:25 ID:AIw/IMKp
残るといってもそうそう大音量に耐えられるわけじゃないから、またすぐに外へ出た。
「トイレ多いね」
小川も分かっているのか、出ようとするとそう言った。
一応形だけでもトイレに入る。
掛けてある時計を見ると、あとたっぷり40分はあった。
ふう、と溜息をついてトイレを出る。
ボックスに帰る途中、階下から聞き覚えのある声がした。
血の気が引いていくのが分かる。
「今日何歌う?」
紛れもない辻の声は、そう言って笑った。
――見つかったらヤバイ。
後ろめたいことなど何もないのに、そんな気がした。
急いで小川のいるボックスに戻った。
「なに? なんかあった?」
息を切らして駆けこんだ俺を見て、小川はそう言った。
「いや、別に。何も」
明らかに動揺しているのをどうにか隠そうと、歌いもしないのにリモコンをいじる。
余計にばれそうな気がした。
753 :
コンボ:02/10/04 00:26 ID:AIw/IMKp
部屋を出るときも、辺りを見まわしてからだった。
辻や知り合いがいないのを確認して、外に出る。
2時間分の料金を払って、逃げるように建物を出た。
「気持ち良かったなー」
並んで歩く小川は笑顔でそう言った。
「そうか、そりゃ良かったな」
まだ少し挙動不審な気がしたが、それで精一杯だった。
「じゃ、文化祭期待してるから」
小川は右手を挙げると、人込みの中へ消えていった。
「バイバーイ」
人目もはばからずに手を振る。
こっちも小さく振り返して、小川が見えなくなったところでやっと落ちついた。
何も逃げることはなかったんだ。
なんで逃げなきゃいけなかったんだ。
本当は、逃げた理由はなんとなく分かっていた。
しかし一方ではそれを必死で否定している。
考えるうちになにがなんだか分からなくなって、とにかくもう家に帰ることにした。
ここまでです。
次で終わるはず。
>>743 の続きです。
-06-
「もしもし安倍ですけど。」
寝ぼけながらとった電話は彼女からだった。
一気に眠気が吹っ飛んで、飛び上がるように体も起こす。
「あ。どもども。はい。はい。大丈夫です。
起きてました。
えぇ、結構早起きなんですよ。」
寝起きの良い方じゃない自分がここまでハッキリ目を覚ますなんて
人間変わるもんだなぁ、なんて感心していた所で
彼女はまさに寝耳に水のような言葉を口にする。
「あのぉ〜、突然なんですけど今度の水曜日ってヒマですか・・・ねぇ?」
本当は平日だから仕事がある日だ。でもそんなこと言ってられない。
もしかしたら何かのお誘いかもしれない。
会社をクビになってもいい。
絶対にその日は仕事を休む。
「今度の水曜ですね。大丈夫です。あの?なにか??」
「え。お休みなんですか?あのですね、この前、教えてもらった映画をね
レンタル屋さんでビデオ借りて見たんですよ。
そしたら、なんか凄くキレイな映像で・・・
たまたま昨日コンビニで買った雑誌見てたらね
あの映画の監督の作品が渋谷でやってるって書いてあるんですよ。」
って、ことは・・・
オレを映画に誘ってくれているのか?
思わず電話を強く握り締める。
「えっと、良かったら映画一緒に行きませんか?」
きたー
マジかよ。
そんなこと言われたら答えるべき言葉はひとつ。
「いいんですか?ぜひ、お願いします。」
お願いします。って何言ってるんだ?オレ・・・
あまりにも舞い上がりすぎた。
案の定笑われた。
「お願いします。って、あははは
それじゃ、行きましょうね。」
引かれないで良かった。そして笑ってくれて救われた。
「それでぇ、あのチケットは私が用意しておきますので。
この前のお礼ってことで。」
「え?いや、いいですよ、あんなに美味しいコロッケ貰ったんですから」
もう夢でもいい。覚めないでくれ。
「そんなに美味しかったなんて言うんなら
また作ったら無理矢理渡しちゃいますよ!」
コロッケに埋もれて死んでもいい。
「もういつでも大歓迎です。
あんなに美味しいの食べたことなかったですよ本当に。」
彼女はオレの言葉をお世辞にとっていたみたいだけど本心だった。
ただ単に味だけの問題じゃない。
なんか彼女の人柄が出ているような優しい味がした。
でもそんなことは恥ずかしいし、引かれそうだから口には出さなかった。
それよりも今度の水曜日。
映画だよ。映画。
なんかデートみたいじゃないか!
「なんかデートみたいですね。」
しまった思ったことを口に出してしまった。
「ねぇ。なんかデートみたいですねぇ」
失言だと思ったのにサラリと同意してくれた。
なんだか心臓やら胃とかが痛くなってくる。
それなのに顔だけニヤニヤしたり驚いたりしているんだろうな。
課長。水曜日は何が何でも休みます。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
757 :
ゆゆ:02/10/04 18:00 ID:974iXiz4
ミンナウマーヾ(;゚;Д;゚;)ノ゙
758 :
TMC:02/10/04 20:26 ID:cG1tRX1I
>>687からです
梨華の予告通りその日の食卓にはハンバーグが並んでいた。
みんな「おいしい」と言いながら食べている。
実際、ホントにおいしかったけど
何だかさっきの保田さんの話があるってのが気になり
味わいながら食べることができなかった。
「・・・ちゃん、慎ちゃんってば!」
不意に梨華の声が耳に入ってきた。
「な、なんだ?」
「おいしい?って聞いてるの!」
少々怒り気味に言ってきた。
「あ、あぁおいしいよ。」
「もう、ボーッとしてるんだから。」
それから梨華達は晩飯を楽しんでいたけど
俺はやはり話が気になってしょうがなかった。
759 :
TMC:02/10/04 20:27 ID:cG1tRX1I
晩飯も終わったので俺は言われた通り保田さんの部屋へ向かった。
「保田さん、慎一ですけど入りますよ。」
「はーい。」
初めて見る保田さんの部屋、きちんと片づいている。
隅の方にまだ開けられていない段ボールが何個かあったけど
見た目はそれなりにキレイだった。
「それで話って何ですか?」
机で何かを書いている背中に向かって聞いた。
「あのね、、、」
椅子をクルッと180度回転させてこっちを向いた
それからさっきよりもビミョーな顔で
「これから言うことは、みんなには絶対内緒よ。」
内緒と言われれば内緒にするけどまだ何の話かわからない。
「圭ちゃん、話って何?」
その時、梨華も呼び出されたらしく部屋に来た。
「ちょうど良かった。2人ともそこに並んで座って。」
760 :
TMC:02/10/04 20:28 ID:cG1tRX1I
本日は更新終了です。
どいつもこいつも(゚∀゚)イイ!!
762 :
こうもり:02/10/04 23:11 ID:O40rcW5A
圭がトイレから出ると、通路に亜依とみちよが立っている。
「こんばんは初めまして、亜依の母のみちよと言います」
みちよは丁寧に挨拶をして、圭に頭を下げる。
「いえ、こちらこそ初めまして、私は保田圭って言います」
圭もみちよと同じように頭を下げた。
「じゃあ行きましょうか」
圭はそう言うと、自分の居た座敷に二人を案内する。
それにしても、若いお母さんだな。
やっぱり引っ越した理由をいえないのも関係あるのかな?
でもあんまり詮索するのもあれだし………。
圭は案内をしながら、色々考えていた。
763 :
こうもり:02/10/04 23:12 ID:O40rcW5A
譲は酒を飲みながら、圭の戻るのを待っていた。
とそこへ圭が戻ってくる。
「圭、随分遅かったね」
「いや、さっきそこであいぼんと会ってね」
「あいぼんと?」
「うん、それで一緒にご飯食べようと思ってるんだけどいいかな?
ってもう連れてきてるんだけどね」
圭は微笑みながら、亜依とみちよを座敷に入れる。
「こんばんは、譲さん」
亜依は笑顔を浮かべながら譲に挨拶をする。
「それでこちらがあいぼんのお母さんのみちよさん」
圭がそう言いながらみちよを紹介する。
更新終了。
764 :
:02/10/05 00:01 ID:CfvRhbnm
活気が戻ってきた
>>756 の続きです。
-07-
火曜日の夜は寝られなかった。
翌日は安倍なつみと映画を見る日。
遠足前の小学生のようにワクワクしている。
ただその時と違うのはワクワクと同じ分だけ緊張もたっぷり。
寝られないからといって酒なんか飲んじゃったら
明日、酒臭い。なんて思われても嫌だしな。
やっぱり映画見た後一緒にメシなんか行ったり出来るのかな?
渋谷でメシ食えるところなんて・・・
ラーメン屋か安いパスタ屋、回転寿司ぐらいしか浮かばないぞ。
ヤバイなぁ、確か彼女って凄い稼いでるんだよな。
オレの年収の何倍も。
オレが行くような安い店なんか行かないよな。
あ。それより彼女が行きたい店行ったら、金足りるかな。
こりゃ明日、朝一で銀行行って金降ろしとかないと。
あぁ、高級フランス料理の店なんかだったら・・・
テーブルマナーとかわかんねぇ。
あぁ、それより何着てけばいいんだ?
やっぱりスーツか。
会社に行くようなスーツじゃなんかダサいしなぁ。
成人式の時のスーツでいっか。
ワイシャツは白?それともカラーの方がいいのか?
それともスーツはやめたほうがいいのかな。
なんか成人式のスーツは明らかに着慣れてない感じが丸出しの気がする。
電気を消してベッドに潜っり込んでいた体を起こし電気を点けて洋服を探す。
「あぁ、どうしよう。」
会社に着ていくスーツ、成人式のスーツ、それ以外は
カジュアルを通り越したようなラフな物しかない。
「終わった。」
もっと早く気がつけばよかった。
そうすれば買いに行けたのに。
付き合ってもなければ、告白もしていない。
ただ映画を見に行くだけなのに会う前からすでに振られた気分。
「はぁ〜」
もっと雑誌とか読んでオシャレに気を遣ってれば良かったなぁ。
今頃思っても遅いけど・・・
今頃も何もまさかこんな事が起きるなんて想像すらつかなかったしな。
ベッドに戻る気力もなく床に転がった。
─ブーブーブー
携帯のバイブの音が聞こえた。
ベッドサイドに置いてある携帯を手に取って見ると
メールが一件。
「うぁ、安倍なつみからだ。」
時間は夜中の3時になるのに、こんな時間に何の用だ?
( ´D`)<今日はここまで。っと。
を入れるの忘れた・・・
768 :
・・:02/10/05 22:00 ID:9sIeqwM2
萌ゆる秋
769 :
こうもり:02/10/05 22:41 ID:2uAFpt2X
「はじめまして、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「じゃあ、あいぼんとみちよさんはこっちに座って」
圭は譲の横に座り、亜依とみちよに向かいに座るように促す。
「じゃあ乾杯でもしましょう」
「そうだな」
「そうしましょ」
「そうですね」
「じゃあ乾杯」
譲がそう言うと皆グラスを合わせて、乾杯をする。
その後亜依やみちよの料理も来てそこはさながら宴会のようになっていた。
770 :
こうもり:02/10/05 22:43 ID:2uAFpt2X
「なあ圭、それにしてもみちよさん、あいぼんのお母さんにしては
若すぎると思わないか?」
譲は食べるのに夢中になっている亜依とみちよに気付かれないように圭に話し掛ける。
「うん、私もそう思ったけど………多分あいぼんがさっき引っ越してきた理由
言わなかったのもそこら辺の理由があるんじゃないかと思うから」
「じゃあこの話は止めておいたほうがいいか?」
「そのほうがいいかも」
圭は小声で譲に言う。
「わかった」
譲はそれだけ言うとまた再び酒を飲む。
更新終了。
批判批評版
http://jbbs.shitaraba.com/game/2329/gogogo.html
>>766 の続きです。
-08-
心のどこかでキャンセルだったらいいな。なんて思っている。
物凄く行きたいんだけど、でも恥はかきたくない。
できれば延期を・・・
祈りながらメールを開いた。
「こんばんは。あ。もう寝てますか?
もしかしたら、おはようございます。かな?
いやー、なんか緊張して寝られないんです。(笑)
なんだか明日天気良いみたいなんですよ。
せっかくだから映画見た後、代々木公園かなんかで
お弁当食べませんか?
っていうか、緊張して寝られないので今から
サンドウイッチでも作ろうと思ってます。
食べませんか?なんて聞きましたけど、決定ですので
よろしくお願いします。
なので、ラフな格好で来て下さいね。
なっちもラフな格好で行きますんで。
それでは、また。」
「マジかよ・・・
なんてこった。
安倍なつみは天使なのか?
映画に行って手作りサンドウイッチを公園で食べる!
これじゃ、デートじゃないかよ。
うおぉーーーーーーー」
服装もラフで良いとは・・・
それに向こうも緊張して寝られないなんて
なんだか、あれだな。普通の女の子と変わんないんだな。
少しホッとした。
安堵感に包まれて睡魔がやっとオレの元に降りてきて
やっと寝られるようになった。
なんだか緊張して寝れなかったことがバレたら
恥ずかしいのでメールの返事は書かなかった。
電気を消したらすぐに寝ることが出来た。
そして目覚まし時計が鳴る5分前に目が覚めた。
時間にして対した時間じゃないけど目覚めはバッチリ。
朝飯に納豆とインスタント味噌汁だけ食って、
シャワーを浴びて出かける準備をする。
「はぁ、いよいよだ。
やっぱり緊張するぜ。」
そして待ち合わせの場所に時間より早く着く時間に家を出る。
いつもと同じ街並みで他の人は会社や学校に向かう気だるそうな雰囲気なのに
対して自分はラフな格好だから少し浮いているかもしれない。
それに気だるさはないけど、緊張が表に出ている。
3回目の待ち合わせもいつものレンタルビデオ店の前。
ここの角を曲がれば、見えてくる。
「・・・もう居る。」
まだまだ約束の時間じゃないのに。
遠くから見てもオレにはわかる。
ただ普通の人にはわからないだろう。
俯いた顔、そしてその顔には薄い色のサングラス。
オレが近づいた時にその顔を上げた。
「あは、早く来ちゃった。」
サングラスをずらしてオレの顔を覗き込むと
照れたような顔して小さく手を振る。
「オレも早く来ちゃった。」
さっそく最寄の駅に向かう。
2人で歩く姿を客観的に見てみたい。
最高に贅沢な位置に居るけど近すぎてまともに彼女を見ることが出来ない。
それでも彼女は容赦なくオレを見る。
オレは恥ずかしくて目をそらしてしまう。嬉し恥ずかしって感じだな。
「─ですよね?」
「え?」
「え〜聞いてなかったんですか? なっちショックだな。」
オレは謝る事しか出来なかったけど彼女は笑って許してくれた
ただ緊張しているのは彼女も同じと言ってくれて少し顔を間近で見ることが出来た。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
774 :
コンボ:02/10/06 17:10 ID:5PeSKKVf
>>753より
文化祭当日は、朝から緊張していた。
いつもより早く学校に向かう。
目覚めてからフルートのことしか考えられなくて、遊ぶことなど頭になかった。
学校には7時についた。
真夏よりは涼しくても、まだ暑い。
生徒会室をのぞいてみると、会長がいたので体育館を開けてもらった。
「真面目だな」
「不安なんだよ、なんか」
仕事があるのか、会長はさっさと帰っていった。
誰もいない、がらんどうの体育館でフルートを吹いてみる。
高い音色が冷えた空気に響いた。
人がいないせいか、緊張はしない。
できればこの状態で演奏したいが、観客がいないことには始まらない。
そう考えると、いっそのこと誰も聞きに来なくていいとさえ思う。
その時の調子は上々だったが、不安は募るばかりだった。
775 :
コンボ:02/10/06 17:11 ID:5PeSKKVf
他の生徒がぼつぼつ来はじめた頃、俺も教室へもどることにした。
3年生の教室へつながる廊下を歩いていると、前から水野がやってきた。
「並木じゃん。上手くいきそう?」
「さあ。緊張はしてる」
「昨日小川とカラオケ行ったんだってな」
内心ぎくりとした。
「なんで知ってるんだ?」
「辻からメール来た。
お前、辻から隠れようとしてたみたいだな」
「別に。そんなこと無いけど」
「階段で目が合ったら逃げたって言ってたけど」
気付いたのは自分だけじゃなかったのか。
小川と二人でカラオケに行ったのを辻に知られたのが、なぜかさらに不安を呼び起こした。
「なんで水野にメールしたんだろうな」
「お前が変に隠れようとしてたからだろ、多分」
水野はぶっきらぼうにそう言った。
776 :
コンボ:02/10/06 17:11 ID:5PeSKKVf
各クラスで点呼が終わって、とうとう文化祭が始まった。
俺のクラスは何か展示をやると言っていたが、詳しいことは全然知らない。
フルートのことを言うと、皆クラスよりそっちをやれと言ってくれたお陰でクラスの出し物には全く関わっていないからだ。
解散の合図と同時にクラスのほとんど全員が教室を飛び出した。
だが俺にはこれから本番が控えている。
そうそう遊ぶ気にはなれなかった。
俺の演奏は11時からで、前に吹奏楽部の演奏、後には小川のバンドが待っている。
各クラスの展示にも模擬店にも寄らずに、体育館へ直行した。
舞台ではどこかのクラスが劇をやっている。
裏口から入ると、袖では吹奏楽部が出番を待ち構えていた。
「あ、並木くんじゃん」
辻もトランペットを片手に舞台を見ていたが、俺に気付いて振り向いた。
「もう来たの?」
「なんか不安だから」
「大丈夫だって。それより私も不安でさあ」
課題曲は充分練習したと言っていたわりには緊張している。
「並木くんは20分だけど私たちはもっと長いし」
辻は舞台を見やりながら溜息をついた。
777 :
コンボ:02/10/06 17:11 ID:5PeSKKVf
劇が終わって、司会の生徒会役員が吹奏楽部の名前を読み上げた。
「それじゃ、頑張ってきますか」
水野は担当のホルンを抱えて舞台に出た。
舞台では素早く人数分のパイプ椅子が設置されている。
「並木くんも頑張ってね」
辻は片手に楽譜の台を持って舞台へ歩いていった。
気のせいか声が震えていた。
全員が腰を下ろして、先頭の台に指揮者が立つ。
部員は楽器を構える。
そうして、吹奏楽部の演奏が始まった。
客の入りも上々で、ほとんど満席だった。
演奏は難なく進み、40分の持ち時間はスムーズに終わった。
幕が閉じる間際、水野が客席に向かって手を振り、観客の笑いをとった。
3年生だけあって余裕があるのかもしれない。
辻も安堵の顔だった。
幕が閉じきると、一つを残してパイプ椅子の撤収が始まる。
それを遠目に眺めながら、俺は緊張感を高めるばかりだった。
778 :
コンボ:02/10/06 17:15 ID:5PeSKKVf
作業はあっという間に終わり、舞台の中心には一つだけパイプ椅子が残されていた。
俺はフルートと楽譜を持って椅子に向かう。
椅子の前に置かれた台に楽譜を立てかける。
「幕開けていい?」
司会が俺に尋ねてきた。
無言でうなずくと、司会は幕を開けるスイッチを押した。
「お待たせしました。
次は、3年生の並木純平くんによるフルートの独演会です」
幕が徐々に開いて、客の顔が少しづつ見えてくる。
予想外の人数だった。
客席として用意されたパイプ椅子の9割が埋まっている。
ゆうに200人は超えていた。
指先が震えてくる。
頭の中で辻の言葉を繰り返し思い出す。
「大丈夫だって」
深く息を吸って客席を見渡すと、見覚えのある一団が座っていた。
小川をはじめとするバンドのメンバーが揃って客席にいたのだ。
それを見るといきなり安堵感が湧いてきた。
フルートに口をつける。
779 :
コンボ:02/10/06 17:15 ID:5PeSKKVf
20分間は、何があったか覚えていない。
ただ、くらくらする頭でフルートを吹いたような気がする。
小川たちがいたのがせめてもの救いで、あいつらがいなければ舞台で倒れてたかもしれない。
『きらきら星』をラストに持ってきたのは正解で、最後の最後にミスることは無かった。
拍手をもらったような気がしないでもない。
とにかく、俺は吹き終わると一礼したまま固まってしまった。
俺が動かないのを見て、司会は素早く幕を閉める。
幕が閉まりきってから、ようやく俺は顔を上げた。
「なかなか上手かったよ」
小川はいつのまにか袖に立っていて、拍手しながら俺に近付いてきた。
「後は私らに任せて」
俺が座って休憩している間にも、マイクやドラムが運び込まれていた。
「お前はあっちで見とけ」
ギターがそう言ったので、俺はフルートだけ持ってふらつく足で袖へと歩いていった。
床にあぐらをかいて、舞台の様子を見る。
小川は先頭に立ってマイクの高さを確かめていた。
顔つきはいつもと違って真剣さに満ちている。
他のメンバーも冗談抜きの眼差しで楽器の点検をしていた。
皆真剣なんだな、と思うと同時に、幕が開いた。
観客は叫び声を上げる。
780 :
コンボ:02/10/06 17:16 ID:5PeSKKVf
「小川泣いてたな」
「俺も観客席で見てたから知ってるよ」
水野はフランクフルトを片手にそう答えた。
「小川、今何やってんの?」
「多分バンドの奴らと遊んでるんだろ」
「泣きすぎてて化粧落ちてたのに、もう遊んでんのか」
「お前だってさっきまでフルートで緊張しまくってただろうが」
俺は手もとの焼きそばをすすった。
階段に腰を下ろすのはあまり座り心地が良くないが、今は我慢するしかない。
食べているすぐ横を人が通りすぎていくのも気になる。
とは言っても体育館は飲食禁止だし、腰を下ろせるのは階段しかない。
「辻は?」
「辻も友達と遊んでるんじゃねえの?」
「そうか……」
お互いにしばらく黙って食べ続けた。
水野はフランクフルトが棒だけになると、ようやく口を開いた。
「本当のこと言うと、どっちなんだ?」
781 :
コンボ:02/10/06 17:16 ID:5PeSKKVf
「何が?」
「辻と小川。
お前、どっちか好きなんだろ。
どっちなんだよ」
水野は残った棒を手の中でもてあましながら尋ねた。
「なんでそう思うんだ?」
「辻と二人っきりで公民館行ってたんだってな」
「なんで知ってるんだよ」
「クラブで女子から聞いたんだよ。
で、小川とも二人でカラオケ行ってるよな。
ってことはだ、少なくともどっちかには気があるってことじゃないのか?
気がなかったら二人でそんな所行かないだろ」
とうとう水野は棒を投げ捨てて、手と手を叩いた。
「いや、まあ……そうだけど」
「で、どっちだ?」
「いや……」
俺が口篭もっていると、水野は動揺の顔つきになった。
「お前、まさか……」
「両方好きなんだけど……」
782 :
コンボ:02/10/06 17:19 ID:5PeSKKVf
「あのな、両方好きって理屈が女子に通るわけないんだよ」
水野はいきなり説教を口にした。
「俺は男だからお前の気持ちはよく分かるけどな、それじゃ女子は許してくれないんだよ。
絶対にそいつ一人だけを好きじゃないと満足しないんだから」
「よく分かるな」
「俺は経験豊富だから。ほれ」
水野は自分の携帯を開いて俺に見せた。
女子の名前がびっしりと表示されている。
「そういうわけだから、どっちか一人にしぼれ」
携帯をしまいながら水野は言う。
「二兎追う者は一兎をも得ずっていうだろ」
「別に追ってるわけじゃねえし……」
「好きってことはいつか告白しないわけにはいかないだろ。
だったらさっさとどっちか決めとけ。悪いことは言わないから」
そう言って水野は立ちあがった。
「どこ行くんだ、お前?」
「デート。折角の文化祭に野郎と話してる暇なんか無いの」
遠ざかる水野の姿を見て、よく俺と付き合ってたな、と思った。
783 :
コンボ:02/10/06 17:20 ID:5PeSKKVf
あれからしばらく経つが、未だにどちらにも告白していない。
ただ、廊下ですれ違えば挨拶するような友達にはなった。
「おはよう」
辻は大体、こっちを向いて少し笑いながら挨拶する。
「並木、社会のテスト何点だった?」
小川は大体、挨拶というより話しかけてくる。
それと、今でも時々吹奏楽部の連中やバンドのメンバーとはカラオケに行く。
辻は色んな歌を歌うが、小川は一つのバンドの曲しか歌わない。
辻は他人の歌に対して色々言うが、小川は他人の歌に興味は持たない。
まあしばらくは、女友達が二人増えたと思うことにする。
了
784 :
:02/10/06 17:31 ID:w3CdRfLw
(・∀・)イイ!!
何かハッキリ終わらないあたり本物の小説みたい
>>258より
「もしもし……」
心なしか矢口の声は震えていた。
「今日さあ、なっち連れて行くから、どっかで3人で会わないか?
なっち、今俺の家にいるんだけど」
「今日は……」
矢口の声はどんどん小さくなる。
省吾のこともあって、少しいらついてきた。
自然と声が大きくなる。
「今日は無理なのか?
今日が無理なら、明日でも明後日でもいいぞ」
「待ってよ、なんでそんな声出すの……」
矢口は微かな声で答えた。
「私も会おうと思ってたんだ」
「だったら早い話だろ。何言ってんだよ」
「私だって怖いんだよ……」
こんなに弱気な矢口は初めて見た。
「……そうだな。悪かった」
ついこっちも弱気になってしまう。
相手に呑まれる悪い癖は小さい頃からだ。
「さっき、佐久間くんと話したんだ」
「健太?」
「うん、おもちゃ屋さんの前でピエロの格好してた」
「何話したんだ?」
世話好きな奴だから、きっと相談にでも乗ったんだろう。
「……全部話した。
そしたらちょっと説教されてさ。
道端で会って喫茶店に連れ込まれて、ピエロの格好で説教されるとは思わなかったよ」
微かな笑い声が聞こえた。
少し落ちついてきたみたいで、喋り方にも余裕が出てきた。
「ほんとに省吾のこと好きなのかって言われちゃってさ。
考えたら何で好きになったか分からないんだよね」
「そう言えば、男の人って人妻に興奮したりするじゃん?」
「しないぞ」
「するよ。
略奪愛って言うの?
なんかこう、旦那とか彼氏とかがいる女にさ、男って興奮しないの?」
矢口の口調はいつも通りに戻った。
「なっちも、省吾が彼女持ちだったから付き合ったのかもしれないしね」
突然、そういうことを言い出すとは思わなかった。
「あ、なっちに失礼だよね、こんなこと言ったら」
キャハハハ、とけたたましい声を上げて、矢口は笑った。
「そういうことはなっちの前で言えよ」
「そうだよねー。でも私結構、度胸無いんだ」
口調はいつも通りだったが、まだなっちと会うのは怖いようだった。
「結局、来るのか?」
「……行くよ。あんまし行きたくないけどね。
で、どこでやるの?」
「お前、今どこいるんだ?」
「佐久間くんと話してた茶店」
「俺らそこ分からないしな……
あ、十字路の茶店知ってる? カウンターがあって、金髪のマスターがやってる店。
アパートから近いから知ってるだろ?」
「行ったことないけど、知ってる」
「それじゃ、そこで8時に集合。
切るぞ」
「あ……」
矢口が何か言う前に切ってしまった。
ここまでです。
788 :
コンボ:02/10/06 20:43 ID:5PeSKKVf
次はラムザさん、お願いします。
789 :
こうもり:02/10/06 23:13 ID:tKBg++GE
それから四人は色々と話しをしていた。
「みちよさんは今何歳なんですか?私は今21歳なんですけど」
「うちか、うちはいま23やねん」
酒が入り少し顔の赤くなったみちよは、いつのまにか関西弁になっている。
「関西の方から引っ越してきたんですか?」
譲はみちよの関西弁に気付いて、みちよに尋ねる。
「ああ、そうやねん、ここに来る前に大阪におったんや」
「そうなんですか」
「まあ、色々あってなこっちに引っ越してくる事にしたんや」
そう言うとみちよは少し悲しそうな顔をする。
790 :
こうもり:02/10/06 23:14 ID:tKBg++GE
譲はそう思い「みちよさんもっと飲んでくださいよ」とみちよにさらに酒を勧める。
「圭も今日は飲もうぜ」
「そうね、私は明日も休みだし、でも譲はもうやめときなよ
明日仕事なんでしょ」
「ああ、そうだな俺はあいぼんと話でもしてるよ」
「そうしなさい、私はみちよさんと女同士の話があるから
勿論飲みながらね」
そう言うとみちよの隣に座りなにやら譲に聞こえないように話しをしているので
譲は立ち上がり、まだ食べている亜依の隣に座り話し掛ける。
791 :
こうもり:02/10/06 23:55 ID:tKBg++GE
更新終了
792 :
ケメタン:02/10/07 02:30 ID:WfxPfYRB
● ●
( `.∀´)<私の王子様はどこにいますか?
>>773 の続きです。
-09-
電車の中で揺られている間、オレと彼女の距離はやっぱり微妙な距離があった。
恋人との距離とは違う2人にはちょっとした空間がある。
距離にして30cmぐらいだろうか。
この距離を保ちながら歩いたり、電車の中で立っていたり。
電車が混んでいたらもうちょっと近くに居られるのに
こんな時に限って空いていたりする。
「そういえば、安倍さん電車なんか乗って大丈夫ですか?」
「え?なんで?」
オレは周りを見渡すような仕草でそれを伝えた。
彼女はそれでわかったみたいで、笑いながら
「大丈夫っしょ。もしもバレたらその時はその時。
今を楽しまなきゃ、ね。」
彼女のサングラスをずらして直接目を見せる仕草に胸が高鳴る。
電車が揺れるリズムより自分の心臓が刻むリズムの方が早い。
今日一日大丈夫だろうか。
電車に乗ること十数分で渋谷に到着。
彼女は人の目を気にすることなく歩いて行く
オレは慌ててその横に着いて行くように歩く。
平日の昼間なので、渋谷も休日ほど人は居ない。
何度か来ている渋谷。
ただ隣に安倍なつみが居るだけで、初めて来た時ぐらいに
緊張して普段と違って見える。
「あそこ。あそこの映画館でしかやってないんだよ。」
そう言って地下にある小さな映画館を指差した。
隣にも小さな映画館があるがどちらも見たことのないタイトルの映画だった。
入り口にも人も居ない。
受け付けではチケット売りの女の人がヒマそうにしている。
「それじゃ、ちょっと待ってて。」
そう言って彼女はチケットを買いに行った。
慌ててオレは追いかける。
「あれ、チケットは?」
「ごめんなさい。用意できなくってだから今買うから」
「いや、オレが買いますよ。コロッケも貰ってるし、
それにサンドウイッチも作ってきてくれてるんですよね。
これぐらいはオレが出しますから。」
「え。ん〜、それじゃお言葉に甘えて。」
窓口で大人2枚買って中に入る。
上映時間まで10分。
今日1回目の上映なので人もまばらだ。
席の数も少ないがそれでも人も少ない。
カップルが数組、いかにも映画好きそうな人が数名。
他人を気にすることなくカップルは昼間からイチャイチャして
映画好きそうな奴はじっとパンフレットや他の映画のチラシに
目を通している。
彼女はチケットを買ったときに貰った今回の映画のチラシを読んでいた。
オレもそのチラシに目を通す。
そこでやっと映画のタイトルを知ることとなった。
監督の名前を見ても全然知らない。
彼女は良く覚えていたな、こんな監督の名前。
やがてブザーが鳴り響き照明が落ちる。
スクリーンに光が映し出されてその光が反射されて
隣の安倍なつみをぼんやり照らし出す。
ゾクッとするほど綺麗だった。
映画よりその横顔を見て居たかったけれど、
きっと映画が終わったら映画の話をすると思ったので
すぐにスクリーンに集中した。
やっぱりB級っぽい作りの映画だけど、どこか温かい映像。
ストーリーは陳腐だけど映像そのものに味があり
セリフがないのになにかを訴えてくるような不思議な作品だ。
そして気が付けば、風景のシーンにオレは涙を流していた。
慌てて涙を拭き取ってラストのスタッフロールを眺めていた。
本当なら手のひとつでも握りたい所なんだろうけど
オレは最後まで集中して映画を見ていた。
あ。また忘れた。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
もうチョイ続くと思われ。
なんか内容がなくてすいません。
恋人になろうよ〜♪映画に行こうよ〜♪
2人で泣いたり〜すきま見て(ry
(;´Д⊂ ええ話や このスレまた活気が出てきてうれしい
イイ!
作者も頑張ってるから読者も頑張って書こう
799 :
こうもり:02/10/07 23:36 ID:o/5BczT7
「あいぼん、どうおいしい?」
「凄くおいしいです」
亜依はさっき頼んだ鰤の照り焼きを美味しそうに頬ばっている。
「これについているタレは初代の頃からの秘伝のものなんだって
そういえば、巧が言ってたな」
「店の人と友達なんですか?」
「ここの四代目とは同級生なんだよ」
「そうなんですか」
「うん、だから今日もオマケしてくれると思うよ、デザートとか」
譲がそう言うと亜依は目を輝かせ
「楽しみです」と言った。
800 :
こうもり:02/10/07 23:38 ID:o/5BczT7
「学校はいつから行くの?」
「一応、明日から行く事になってます」
「あそこからだと結構遠いよ、確か歩いて15分くらいだったかな?
うちの会社の取引先が近くにあるからよく通るんだ、中学校の前」
「15分もかかるんですか?」
「うん」
「いややなー」
亜依は少し顔をしかめる。
「あいぼん、朝起きるの苦手なの?」
「そうなんですよ、ちょっと朝が苦手で………」
「へー、前はどうだったの?」
「前の学校の時は目の前だったんで、十分前に起きても大丈夫だったんですよ」
「じゃあ、明日は俺が送ってあげるよ」
「本当ですか?」
譲がそう言うと亜依は嬉しそうな顔をする。
更新終了。
批評批判版
http://jbbs.shitaraba.com/game/2329/gogogo.html
今は亡きみっちゃん・・・(TωT)
>>795 の続きです。
-10-
スタッフロールが流れている間なのに席を離れて行く人も
居たがオレも彼女も動こうとはしなかった。
─なんだかつまんねぇ映画だったな。
通路を歩くカップルの声が聞こえてきた。
オレはその声を無視するように前を向いていたけど
隣に居る安倍なつみは、キッとそのカップルに視線を投げていた。
ただそのカップルは気付いていないようだったけど・・・
館内の照明が灯された時、2人で腰をあげた。
周りには数組いたカップルの姿はない。
なんとなく無言で映画館をあとにした。
暗い映画館から出たら外の明るさに眩しさを感じる。
「ここから代々木公園まで歩きません?」
オレはその言葉に頷き歩き始める。
渋谷の街並みから少しずつ歩いて遠のいて行くと所々に木が見え始める。
木と言っても街路樹だけどなんかほっとする。
「あのぉ。さっき映画つまらなかったですか?」
なんとなく不満気な顔で小さな声でオレの様子をうかがうように聞いてきた。
たぶん映画館にいたカップルの感想が頭に残っているのだろう。
オレは正直に映画の感想をぶつけた。
「ん〜、ストーリー的には決して面白い物じゃなないと思うけど、
それ以上になんか映像が綺麗で印象的な映画でした。
だからつまらなくは、なかったです。映画と言うより映像に感動したって言うのかな。」
オレの言葉に不満気な顔から明るい笑顔に変わる。
それから一気に映画の感想を言い始めた。
その感想を聞いてて凄く共感できて嬉しかった。
なんか自分の視線と同じ感じがして安倍なつみって人物が
オレの中でイメージが少しずつ変わってきた。
「安倍さんって普通の女の子なんですね。」
「え?急になんですか?そうですよぉ〜
なんか違うと思ってました?」
「いやぁ、なんかアイドルだし。それもモーニング娘。でしょ。
なんて言うんだろう?
勝手なイメージかもしれないけど、ずっと上の方の存在って言うのかな。」
「何それ?変なのぉ〜
そんなことないよ。昨日の夜だって今朝だってコンサートとかより緊張したし・・・」
ちょっと後半の言葉は聞き取れなかったけど
その仕草は女の子って感じが全身から溢れ出ていて
逆光によって髪の毛がキラキラした姿に思わず口が開いたまま固まってしまった。
「ん?どうしました?」
「いや、なんでもないです。」
ゆっくり歩いているのに、まるでマラソンしているような心臓の鼓動。
口の中が乾いてくる。
遠くに代々木公園が見えてきたときには何故かゴールのような感じがした。
「もうすぐ入り口ですよ。
あ。ここをね真っ直ぐ行って右に曲がると美味しいスパゲッティー屋さんが
あるんですよ。 今度行きません?」
「え?オレなんかでいいんですか?」
「だって・・・ なっち友達居ないんですよ。」
遠くを見る目と尖がらせた唇が、寂しさと不満を訴える。
その表情にオレも共感できた。
オレも東京に出てきて会社に入りプライベートな友達は居ない。
学生時代の友達は地元に残っている奴や他の地方に散っていったから。
「オレも東京には友達居ないんですよ。 地元離れて就職しに来たんで。」
「それじゃなっちと一緒だね。」
オレはグッと根性を決めて玉砕覚悟の一言を振り絞った。
「友達になってもらえませんか?」
彼女はオレの顔を見てちょっと戸惑いの表情を見せた。
( ´D`)<今日はここまで。っと。
805 :
名無し:02/10/08 17:57 ID:3O4UtJKx
(・∀・)イイ!!早く続き!
806 :
良い:02/10/08 22:15 ID:ycDQy9Gq
文章が上手いですねぇ
807 :
:02/10/08 23:04 ID:CmTL1dPM
(・∀・)イイ!!
808 :
こうもり:02/10/08 23:28 ID:jWwJ+UbG
「うん」
「でもご迷惑じゃありませんか?」
「ううん、そんなことないよ、ちょうど明日は取引先に行ってから
会社にいくつもりだったから」
「ありがとうございます」
亜依は譲に深々と頭を下げる。
「いいってそんなことしなくても」
譲は頭を下げている亜依の額を軽く押し上げて、正面を向かせた。
「お待たせ」
とそこへデザートを持って巧が入って来る。
809 :
こうもり:02/10/08 23:28 ID:jWwJ+UbG
「あれ、譲お前そんな小さい子に何をする気なんだ?」
「何もするわけないだろ」
譲はいやなところを見られたような顔をして巧に言い返す。
巧はにやりと笑い、亜依に向かって
「このお兄さんはロリコンだから気をつけたほうがいいよ」
と言う。
「ロリコンってなんですか?」
亜依は言葉の意味が分からずに、譲のほうを向いて問い掛ける。
譲は恨めしそうに巧を見ると、巧は持ってきたデザートを
置いてさっさと出ていってしまう。
亜依は譲の方をじっと見ている。
いらんことを………さっきの仕返しのつもりか。
更新終了。
>>706 からの続きです。
ボクと小川さんは、食堂に着いた。
とりあえず、食券を買う。
「先輩、何食べるんですかぁ〜?」
そう聞かれて、少し考えたが、適当にカレーを選んだ。
「いつも食べてるじゃないですか?」
小川さんにそう言われて、ボクは、
「別に、カレーは嫌いじゃないからね」
と、答えた。
「じゃ、私も」
と、小川さんもカレーを選んだ。
「すいません、カレー二つ!」
小川さんは、食券を差し出した。
「じゃ、できるまで待ちますか?」
小川さんがそう言うと、ボクと小川さんは空いている席に座った。
それから、カレーが出来上がった。
「いただきま〜す!」
小川さんは、カレーを食べ始めた。
「いただきます」
ボクも、カレーを食べ始める。
ボクと小川さんは、話しながらカレーを食べた。
すると、小川さんと二人っきりでこんなに長く話すのは初めてだ、ということに気付いた。
(小川さんって、おもしろい子だな)
ボクは、改めてそう思った。
しかし、途中から小川さんは辺りを気にし始めた。
なんだろう、と思って、その視線の先を見てみると、そこでは女の子達がこっちを見ていた。
「誰、あの子? なんで、堤先輩と二人っきりでご飯、食べてるの〜?」
「あれ、小川でしょ? なんか、ナマイキだよね〜?」
という声が聞こえてくる。
ボクが小川さんになんて言おうと迷っていたら、小川さんは突然、立ち上がった。
そして、こっちを見て小言を言っている女の子達の前に立った。
「何か用があるなら、コソコソしてないで、ハッキリ言って下さい!!」
その瞬間、食堂にいた全ての人の動きが止まった。
そして、全員が小川さんの方を見た。
女の子達は、何も言えないでいる。
すると、小川さんは席へ戻った。
「早く食べましょ!」
小川さんは、何事も無かったかの様に、カレーを食べ始めた。
「そ、そうだね」
ボクも、それに合わす。
しかし、周りの雰囲気は戻らないままだった…。
更新です!
813 :
ウマー:02/10/09 05:08 ID:lqORCqO4
まこっちゃんカコ(・∀・)イイ!!
>>804 の続きです。
-11-
「え?」
やっぱり調子に乗りすぎたかな。
うわぁ、気まずいなぁ。
3歩ほど歩いてから彼女はポツリと言った。
「なっちは、もう友達のつもりでいたよ。」
「え?」
「だーかーらー、なっちは友達だと思っていたのに。
なんかちょっと傷ついたって言うか、ショックて言うか・・・」
「あ。え。だって。オレなんかじゃと思って。
すいませんでした。
あの、それじゃ友達になってもらえるんですか?」
オレは彼女の前に周り込んで頭を下げた。
彼女は足を止める。
オレはその足先を見つめていて
とても顔なんか見れない。
「ん〜。それじゃぁ、1つ条件出してもいい?」
オレは顔を上げてその表情を見たけど彼女はそれをかわすように
ちょっと意地悪そうな仕草を見せた。
「条件ですか?」
彼女はその表情を変えないでコクリと首を縦に振った。
カラカラの口の中のわずかなツバをオレは飲み込んだが
喉に痛みを覚えた。
「そう条件。それはねぇ。
ずっと気になってたんだけど。
敬語止めて欲しいなぁ。」
「え?ゲホッ、グホッ・・・」
彼女の寂しげな表情からニッコリとした表情にスライドさせるように
変わった時、オレは戸惑いと喜びが喉に絡み合ってしまったように
思わず咳き込んでしまった。
「ちょっと大丈夫?」
そっと背中を擦ってくれる彼女の手はとても温かくスッと楽になる。
女の友達かぁ。
英語で言うとガールフレンド。
なんか彼女っぽい響きだな。
ってオレ何考えてるんだ?
「あ。あの、それじゃ敬語止めたら友達になってくれますか?」
「うん。なっちからもお願いします。」
2人して公園の通路で正面を向き合ってペコリと頭を下げる。
周りに人はいないけど、なんとも滑稽な光景だと思う。
頭を下げた後、顔を上げたとき2人で笑った。
笑おうとして笑ったんじゃなくて自然に笑顔が零れた。
それと同時に緊張感からも開放された感じがして自然と会話が進んだ。
自動販売機でお茶を買って、芝生の上に座り彼女の作ったサンドウイッチを食べる。
何年ぶりだろう、こうやって青空の下、公園で弁当を食べるなんて
学生時代の遠足以来かな。
「美味しい?」
「は、・・・うん。」
ぎこちない「うん」っと言う返事に彼女は心配そうな顔をして
食べている手を止めた。
「なんか無理してない?
キライな物とか入ってた?」
オレは口の中に物が入っていたので慌てて首を横に振ってから
お茶を流し込んだ。
「いや、あのね。思わず「はい」って言いそうになったから
ほら敬語はやめてって言ってたでしょ。
だからちょっとタイミングが合わなかっただけ。
本当に美味しいから。それに─」
( ´D`)<今日はここまで。っと。
皆さん(・∀・)イイネ
>>812 からの続きです。
お昼を食べ終えると、ボクと小川さんは食堂を後にした。
しかし、ボクと小川さんは一言も交わさず、気まずい感じで歩いていた。
「あの、先輩…」
突然、小川さんが立ち止まった。
「どうかした?」
ボクも立ち止まり、振りかえる。
「……ごめんなさい」
小川さんは、ボクに謝った。
その表情はいつもの小川さんとは違って、シュンとしていた。
「なんで?」
ボクは、聞き返す。
「さっき、コソコソと話されていたら、ついカッと来ちゃって、さっきみたいに……。
先輩は、私みたいなのと一緒にいると迷惑ですよね……?」
小川さんの瞳は、泣きそうな感じだった。
820 :
こうもり:02/10/09 22:34 ID:iRgFlMSH
譲は亜依にどう言おうか考えながら近くにあったコップの酒を一杯のむ。
そして一息ついてから、亜依に
「えーとね、うーん説明が難しいな………簡単に言うと
子供が好きな大人ってことかな」と言う。
「ふーん、そうなんですか」
亜依は納得したような表情を浮かべている。
「じゃあこれ食べちゃおう」
「はい」
譲は話しを強引に終わらせ、そのまま巧の持ってきたデザートを一緒に食べる。
「そんなことないよ」
ボクはそう言うと、小川さんは驚いたような表情をする。
「ボクは、こんなだから、人にモノを頼まれたら、イヤだと言えないし、
さっきみたいに、コソコソと何か言われても、何も言えず、そのまま黙っていることしかできない。
だから、小川さんみたいな子を見てると、羨ましいなぁ、と思うよ」
「……ですか?」
小川さんは、何か言ったが泣いているせいか、良く聞き取れない。
「なに?」
ボクは、聞き返す。
「……ホント、ですか?」
「うん、ホントだよ」
ボクはそう言うと、小川さんの瞳から流れている涙を、指でそっと拭った。
「良かったぁ〜!」
小川さんは、手の甲で涙を拭いながら言った。
822 :
こうもり:02/10/09 22:35 ID:iRgFlMSH
それはいつも出してくれる水羊羹だ。
譲は圭にも渡そうと思い圭のいるほうを見ると
二人は肩を組みながらまだ飲んでいるようだ。
「圭、そろそろ飲むのやめておいたほうがいいんじゃないか」
譲は圭のほうに歩み寄り、声を掛けた。
「なによ、楽しく飲んでるのに」
圭は不機嫌そうな顔を浮かべ、譲のほうを見る。
「これ以上飲むと俺の手におえなくあるから」
譲は強引に圭からコップを奪い取った。
圭はなんとかして譲からコップを取り返そうとするが
すでに結構酒を飲んでいるためフラフラしていて、取り返すことが出来なかった。
「ああー、もう」
くやしそうな顔を浮かべつつも圭はそこで諦めた。
823 :
こうもり:02/10/09 22:36 ID:iRgFlMSH
更新終了。
生茶さんごめん
「私、嫌われちゃったかな、と思って、すっごく不安で……」
小川さんは涙を拭いながら言う。
「どんなことがあっても、ボクが小川さんのことを嫌いになることなんてないよ」
ボクが、そう言うと小川さんは嬉しそうに笑った。
「じゃ、私、ここで…」
「うん、またね」
「ハイ! それと、先輩…」
「なに?」
「…大好き」
そう言うと、小川さんは行ってしまった。
その後、ボクは恥ずかしくなってしまい、誰かに聞かれていないか気になり、
しばらく、その場所で一人、キョロキョロしていた……。
更新です!
>こうもりさん
被ってしまいました。申し訳!「(__;)
825 :
:02/10/10 00:50 ID:bRdobNOI
二人とも(・∀・)イイ!!
>>816の続きです。
-12-
「それに?」
「こうやって外で、太陽の陽射しを浴びながら芝生の上とかで食事をするって
なんか気持ち良いし、最高の気分だ。」
「だよね、だよねぇ。なっちもねぇ、こうやってお外でゆっくりお日様浴びて
ご飯食べるの大好きだなぁ。
でも今回はこんな物しか作れなかったけど、今度はもっとお弁当らしい物
作るから期待しててね。」
そう言って彼女は腕を捲くる仕草を見せて微笑みかける。
温かな陽射し、芝生と土の匂い、爽やかな風─
すべてを味方にしたような彼女の笑顔は太陽よりも眩しかった─
─今でも、すぐに思い出せるあの日のことを。
「ねぇ、何見てるの?」
なつみはオレが手にしていた紙を覗き込んだ。
オレの手にはあの日、見た映画のチラシ。
4つに折ってジーンズのポケットに入れて持って帰って
ずっと大事にしまっておいた。
「あ!あの時の映画のだ! 持ってたんだぁ?
私もねぇ、大事にしまってあるよ。」
「なぁ、なつみ。なんでオレと付き合ってくれたんだ?
オレみたいな、なんの取りえもない普通の男にさぁ。」
「何よ?そんな急にぃ。知りたい?」
オレは頷く。
そう、なんでオレなんかと・・・
今まで恐くて聞き出せなかった。
「あのねぇ、ヒントはその映画!」
そう言って手の中のチラシを指差した。
チラシをよく見たところで全然わからない。
だから首を傾げてなつみを見るが、なつみも微笑み
答えを教えようとはしない。
「なんなんだよ。気になるじゃねぇか。」
「しょうがないなぁ。
あのさぁ、この映画覚えてるよね?
あんまり内容は面白くなかったけど、すっごく綺麗な映像だったよね。
私あの最後のシーンで、うわぁ綺麗って思って感動しちゃってさぁ。
涙出ちゃったのよ。
そして横見たらあなたも泣いてるし。
この時に、もうねぇ。あぁ〜同じ物を見て感動できて
同じ涙流せる人ってそんなに居ないんだろうなぁって思ってた。」
一呼吸あけてから、なつみは続けた。
オレはただ黙って聞きながらあの日のことなどを思い出していた。
「やっぱりさぁ、一緒に同じ物を見て笑ったり感動したり、
美味しいもの食べて、美味しかったって一緒に言えるって
その物事が2倍にも3倍にも増える気がするんだよねぇ。
それって凄い事だと思うんだ。
あぁ〜、なんて言うのかな。
これ以上は上手く言えないよぉ。
だから感じ取って。」
そう言うとなつみはオレに抱きついてきた。
そしてゆっくり体を離すと目を閉じる。
オレは吸い込まれるように顔を近づけて唇を合わせた。
初めて出会ったときは緊張して何がなんだかわからなかった。
でも今はこうして当たり前のように唇を合わせることが出来る。
唇を合わせているその間、今までのことがまるで本のページを
めくるように鮮明に浮かんでくる。
コロッケの味─
映画館での綺麗な横顔─
付き合ってくれってオレが告白した時のなつみの顔─
そして初めてキスした時のこと─
唇から伝わってくる温かな気持ちは何か胸の鼓動を早める。
その唇が離れてなつみは言う。
「わかった?」
「ん〜、なんかドキドキするけど、温かかった。」
「そう!そんな感じ。あなたと居ると私はいつもそうなの。
恋?
ん〜今は愛なのかなぁ。」
そう言ってなつみはオレの胸に顔を埋める。
やわらかで華奢な肩を抱きながらあの日、自分が携帯電話を
拾った運に感謝した。
「あの日、オレが偶然携帯電話を拾ったけど、
もし拾わなかったら出会えなかったんだな。」
なつみは顔を上げてちょっと睨みつけるような目をした。
オレはその目に少し怯んだ。
なんで睨むような視線を投げかけたのか、わからずに・・・
「偶然じゃないよ!運命だったんですぅー」
口を尖らせて言った なつみの唇に素早く唇を合わせた。
なつみはニコっと笑う。
オレも笑う。
共鳴しあうように、いつでも同じタイミングで笑う。
これからも、ずっと─
「そうだな。運命だな。」
─ ずっと〜思い起こせば〜 ─ 終わり。
( ´D`)<以上です。
830 :
:02/10/10 12:22 ID:JD1rAR4+
すんげぇ(・∀・)イイ!!
831 :
こうもり:02/10/10 22:18 ID:8/XTKQL0
「譲、もう歩けないからおぶって」
店から出て五分くらい歩くと、圭はその場でしゃがみ込んでしまう。
亜依とみちよはすぐに駆け寄り、心配そうな顔をしている。
圭の隣を歩いていた譲はやれやれという表情で圭の事を見る。
「あんまり飲みすぎるからだろ、全くお前はいつもこうなんだから」
譲はそう言いながら圭の事を起こし、背中に乗せる。
そして歩きながら、まだ心配そうな顔をしている二人に
「大丈夫ですよ、圭は飲みすぎると足にくることがよくあるんです」
と言う。
二人は安心したようで譲の後をついて行く。
832 :
こうもり:02/10/10 22:21 ID:8/XTKQL0
譲は圭をおぶったまま、みちよと亜依も自分の家の前に着いた。
「じゃああいぼん、明日迎えに行くから待ってて」
「はいわかりました、じゃあおやすみなさい」
亜依は部屋の中へ入って行く。
「譲さん、今日はありがとうございました
明日もわざわざ亜依のことを送ってくれるそうで」
みちよはそう言うと譲に頭を下げている。
「気にしないでくださいよ、どうせついでです」
「ほんとにありがとうね」
「おやすみなさい、みちよさん」
譲は家の鍵を開けて、自分の家に入って行った。
みちよもそれと同時に家に入った。
更新終了。
批評批判版
h
ttp://jbbs.shitaraba.com/game/2329/gogogo.html
>>386-388の続き
英慈達がロビーにあった自動販売機から、珈琲を買って飲んでいると、
病院が何故か騒がしいと英慈には思えた。
門の前にいた取材陣もそうだし、病院内に漂っている雰囲気がおかしい。
何があったんだろうか、と英慈は神経を尖らせていた。
そんなピリピリした英慈に気づいたのか、矢口も押し黙っている。
妙な空気感が部屋に充満し始めた時、部屋のドアがふいに開いた。
ドアの向こうには一紀が立っていた。
一紀は英慈の顔を見ると少し微笑み、「元気だったか」と声をかけた。
英慈は座っていた椅子から腰を上げて、一紀に歩み寄っていく。
いつからか二人は、会えば必ずハイタッチをするようになっていた。
それが英慈と一紀の挨拶だ。二人とも全力で相手の手を叩く。
乾いた炸裂音が病院のフロアに響き渡るぐらい大きな音をたてた。
「痛え、もう少し加減しろよ一紀」
英慈は手を押さえながら一紀を睨む。
「お前がしろよ、もういい加減大人なんだからさ」
一紀もしびれたのか、しきりに手を振っている。
「しかも指輪したままじゃねぇか」
そう言われて英慈は気が付いたのか、苦笑いしながら額を掻いた。
「スマン、磨知さんのところで指輪貰ってきたんだった」
「ほー、磨知さん元気だったか?」
「あぁ相変わらずだったよ」
「それで用件ってのは・・・・彼女か?」
一紀は椅子に座っている矢口さんを横目で見る。
矢口はそれに気づいたのか、軽く頭を下げた。
「あぁ、彼女を診てあげて欲しい」
一紀は椅子を持ってきて矢口の前に腰掛け、
「どうも初めまして、平野一紀です」と挨拶をして彼女の顔を見た。
そしてすぐに気が付いたのか、驚いて英慈の方を向く。
「おい、患者って・・・えっ彼女モーニング娘。の子だよな?名前はえーっと・・・」
「矢口真里さん」
「あぁそうだ、やぐっちゃんだ」
「なんだよ、その呼び方」
「いや、ウチの美也子がミニモニ好きでな、何回かビデオで見たことあるんだよ」
美也子とは一紀の三歳になる子供のことで、英慈も何回か会ったことがあった。
なかなかカワイイ子で、一紀は溺愛しまくっている。
たぶん今も写真を財布の中に入れて持ち歩いているんだろうな、と英慈は思った。
ここまで。
地味に復活。
データ消えたので、やる気を無くしてました。
ついでに書き方もちょっと変えてみましたが、どうでしょう?
ま、病院の話の時だけだけどね。
ヤグゥ・・萌へェ・・・(´Д` )
【誰かのために】
「あぁ〜まったくどいつもこいつも。なんでやねん。」
「どうしたの裕ちゃん?」
文句を言いながら入った楽屋には保田が居た。
そして折りたたみの安っぽいイスに座る。
「おう、ちょっと圭坊、今夜付き合えや。
飲みに行くぞ!」
私の言葉に答えないで後ろに廻り込んで肩を揉む。
思わずウットリ。
「あぁ〜気持ちエエ」
「どうしたの?何があったのよ。」
ゆっくり肩を揉みながら尋ねてくる。
さすがに自分で言うのもなんだけど私の扱いに慣れている。
「そうそう、さっきなご機嫌なヤグピーが居たから、晩メシ誘ったんよ。
そしたら断わりやがってさぁ、それも訳も言わないでさぁ。
なっちが笑ってたから聞いたんだよ。そしたら何て言ったと思う?」
保田は肩を揉みながら首を横に振った。
話を聞いているのか聞いているフリをしているのか
わからないがそのまま続けた。
「なっちが言うには、なんとオレのヤグピーに男が出来て
一緒に暮らしてるって!
もう泣きたくなったわ。
そんで詳しくその話を聞こうと思ってなっちを誘ったら
なんと!なっちも同棲始めたからダメ!なんて言いやがってよぉ」
保田の手は肩から腕へ移動していた。
「なぁ、圭坊聞いてんか?」
「あぁ〜しょうがないんじゃない。
裕ちゃんも早く良い人見つけなよ。」
「わかってるんやけどなあ。
それにしても、圭坊オマエこんなにマッサージ上手かったんか?」
「今、ちょっとマッサージに凝っててねぇ。
いろいろ勉強してるんだ。」
その手つきはとても素人のマッサージとは思えない。
「最近どっか痛い所ない?」
「そや最近、頭痛がすんねん。
私の言葉に保田は頷きながら右手を取った。
「えっと、確か頭痛には温溜(おんりゅう)と下廉(げれん)だったよな。」
そう言って私の右腕を指で確かめるように触っていく。
そしてヒジを曲げて押されるとちょっと痛いところを軽く押した。
「えっとここが曲池(きょくち)でしょ。」
そして今度は手を握って親指の付け根を押す。
ここもなんか痛い感じ。
「それでここが陽谿(ようけい)でしょ。だから温溜(おんりゅう)は
陽谿(ようけい)から曲池(きょくち)に向かって5寸の位置だから
あ。ここか。」
そう言いいながら指でグリグリと刺激する。
「あたたたた、けどちょっと気持ち良いかも。」
保田はニコッと笑うと
「今度は下廉(げれん)ね。
えっと下廉(げれん)は曲池から陽谿に向い下4寸で、ここの筋の間だったよな。」
そう言うとまたまた痛気持ち良い場所をグリグリと押した。
保田は真剣な表情でツボを押している。
「なぁ、えらく本格的やなぁ。
ホンマ、圭坊は凝りしょうやもんな。
勉強家やなぁ
でも、すぐに飽きるんやろ?」