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揃ったところではじめよう 揃ったところではじめよう〜
前スレ:葉鍵キャラを性別反転させてみよう!その17 (実質18代目)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1122474474/l50
いや過去スレはちゃんとhttpで書こうよ。
5 :
名無しさんだよもん:2005/09/14(水) 12:10:57 ID:dToy+mlq0
新スレおめ&>>1乙。
まとめサイトも別にh抜く必要無いんじゃ?
ともあれ
>>1乙
>>1 乙です。そろそろ書くほうもエンジンかけ始めようかな。
>>1乙&新スレおめ〜
文神降臨期待sageで9GET
11 :
名無しさんだよもん:2005/09/14(水) 20:50:21 ID:9qw3Q2T50
(浩之Side)
朝、いつもの合流場所に行くと、まず悠里ちゃんが、続いて貴子ちゃんがやってきた。昨日は風邪で
休みだったみたいだけど、良かった。治ったみたいだな。
「先輩、お待たせしました!」
「おはようございます、藤田先輩」
悠里ちゃんの明るい挨拶と、控えめで丁寧な貴子ちゃんの挨拶。これを聞くとほっとする……というか、
この二週間ほどで、これが俺にとっての日常になったんだなぁ、と実感する。
「ああ、おはよう、二人とも」
挨拶を返し、俺は歩き始めた。二人も横に並ぶ……って、なんかちょっと違和感が。
(おや?)
少し考えて、俺はその違和感の正体に気がついた。いつもと並び方が違うのだ。
二日前までは、三人の並び方は
俺 悠里ちゃん 貴子ちゃん
とこういう感じだったのだが、今朝は
貴子ちゃん 俺 悠里ちゃん
と、俺を挟む形に変わっている。どういう心境の変化だろう、と思って貴子ちゃんを見ると、彼女は
やっぱり男に慣れないのか、顔を赤くして俯いた。
でも、距離は前より確実に縮まった気がする。何と言うか、嬉しい気分だ。すると、反対側から悠里ちゃんの
拗ねたような声が聞こえてきた。
「せ〜ん〜ぱ〜い〜、あたしの話聞いてますかぁ?」
「え? あ、ご、ごめん。なんだっけ?」
並び順は変わったけど、調子はいつもと変わらない。悠里ちゃんのおしゃべりに相槌を打つ俺と、
じっと聞いている貴子ちゃん。こういう日常が続いてくれれば良いと、心から思う。
でも、後から考えると……あれがその後の劇的な変化の、最初の兆しだったんだろうな。
次の予兆は、昼休みにやってきた。いつも通りパンだけを買って、屋上へ向かう。そこで貴子ちゃんと
悠里ちゃんがお弁当を用意して待ってくれているはずだ。
ところが、いたのは貴子ちゃんだけだった。
「あれ? 悠里ちゃんは?」
俺が聞くと、ベンチの真中から少し右に寄った所に座っていた貴子ちゃんは、はにかんだ表情で答えた。
「その、今日は別の友達と一緒に食べるって……」
「そうか。じゃあ、悠里ちゃんのお弁当はお預けか」
俺はそう言って、ベンチの端に腰掛けた。すると、貴子ちゃんはベンチの下から、見覚えのある包みを
取り出した。
「あ、先輩の分は預かってきましたよ」
「そうなのか? そりゃありがたい」
俺は喜んで……あることに気付いた。貴子ちゃんは自分の太ももの上に俺の分のおかずを置いている。
今座っている所からだと、箸が届かない。
「貴子ちゃん、おかず……」
こっちに寄越してくれ、と言おうとすると、その前に彼女が口を開いた。
「先輩、こっちにどうぞ」
そう言って貴子ちゃんが手のひらでポムポムと叩く位置は……彼女のすぐ隣。
「……いいの?」
彼女にとってはかなり怖い距離のはず。実際、笑ってはいるものの、なんだか硬い表情をしているし。
でも、貴子ちゃんは首を縦に振った。
「大丈夫ですよ。さぁ、どうぞ」
お言葉に甘えて、俺は彼女の横に座った。距離は縮まったけど……雰囲気はなんだか硬いような気がする。
すると、貴子ちゃんが言った。
「あの、先輩……一昨日の夕方、河原にいましたよね?」
「え? あ、ああ……」
俺は焦った。あの時見ていたのは、やっぱり貴子ちゃんだったのか。
「あの人……彼女なんですか?」
そう聞かれると思った。俺は首を横に振った。
「いや、あれは俺の格闘技の師匠みたいなもんさ」
訝る貴子ちゃんに、俺は綾香との出会いや、その後に格闘技の稽古をつけてもらうようになるまでの
いきさつを語った。
「で、一昨日は意気込んで行ったのに一発KOでね……不覚だった。恥ずかしい所を見られたよ」
俺は頭を掻きながら説明を締めくくった。じっと聞いていた貴子ちゃんは、やがてくすっと笑い始め、
そのうち耐えられなくなったのか、お腹を抱えて笑いをこらえていた。
「……貴子ちゃん、そりゃあんまりな反応じゃないか?」
俺が言うと、貴子ちゃんは目で涙を拭って答えた。
「だって、先輩にもそんな風に隙があるんだなあって思うと、意外で」
「そうか?」
俺が首を傾げると、貴子ちゃんは頷いた。
「はい。わたしから見ると、先輩って何でも出来る万能超人みたいな人だったんですよ」
「そりゃあ買い被りすぎだ」
俺たちはそんな会話をしながら、楽しく昼飯を食った。ほとんど食べ終わり、後片付けに入ろうかと
言う時、貴子ちゃんが、意外な事を言い出した。
「先輩、わたしも最近料理を習ってるんです」
「へえ、相手は春夏さん?」
俺が聞くと、貴子ちゃんは頷いた。俺の勘だが、あの春夏さんは恐らく相当な料理上手だろう。
ひかりさんと感じが似てるし。
「じゃあ、きっとすぐに上手くなるな。そうしたら、貴子ちゃんの作った弁当を食べる日も近いかな?」
俺は冗談めかして聞いた。とは言え、貴子ちゃんの手料理を味わってみたいと言うのは本心だ。
「えっと、そこまでは……でも、一つだけ料理が作れるようになったんです」
恥ずかしそうに言う貴子ちゃん。一つだけ、と言うのも微妙だなぁ……
「何を作れるようになったんだい?」
興味を持って聞いてみると、貴子ちゃんは口篭もった。何か言いたいけど言えない、と言う感じだ。
そんなに恥ずかしい料理なのか? 例えば冷奴とか……でもまぁ、流石にそれは失礼な想像だった。
「か、カレーなんですけど」
貴子ちゃんは何度か深呼吸して気持ちを落ち着かせると、思い切ったことを口にする。
「そ、それでですね、今度先輩に食べて欲しいんです! 先輩の家に作りに行って良いですか!?」
「え?」
俺は大胆な提案に驚いた。いや、歓迎はするけど……年頃の娘さんが一人暮らしの男の家に来るって、
それはどうかと思うぞ?
「先輩に……食べて欲しいんです」
でも、貴子ちゃんがほとんど泣き顔で訴えてくるのを断るなんて事は、俺には出来なかった。
「良いよ。楽しみにしてるよ」
俺が答えると、貴子ちゃんは凄く嬉しそうな表情になった。
「本当ですか!?」
「ああ、今度の週末あたり、どうかな。まぁ、俺の家には家族がいないから、いつでも良いけど」
そう言ってから、これだとなんか下心があるように聞こえて、貴子ちゃんを警戒させないかな、
と思ったけど、彼女はそこまで気付かなかったようだった。
なんか、かわいいよなぁ……貴子ちゃん。一生懸命で。こういう娘は本当に守ってやりたいって思うよな。
僭越ながら投稿の先陣を切らせていただきました。
>1
スレ立て乙
>8
作品楽しみにしてます。
では回線吊って首切ってきます……と言う作法も最近は私しか言わなくなったな……
hey gj!
1氏、スレ立て乙。そして航海長氏GJ!
貴子ちゃん、段々積極的になってますねえ。少しずつ二人の距離が
縮まっていく描写が良いです。そして……悠里、ええ子や…(ホロリ
是非とも彼女にも幸せになってほしいです。
航海長氏GJ!
次回はとうとう貴子タンが浩之の家にイッチャウンディスカ?待ちきれないデスヨ(*´д`)=3ハァハァ
(疲れたなぁ。早く帰って寝よう)
そんなことを思いながら、一台の自転車が夜道を急いでいた。
ご自慢のシルバーアローはすっかり傷だらけだが、
彼自身はそんなことを意にも介していないようだ。
少なくとも、今日もすいすい走るなぁ、程度にしか彼は思っていない。
シルバーアローはいつものように並木道を抜け、住宅地へと入っていく。
このまま行けばあと10分で家に着けるだろう。
そうしたらさっさとシャワー浴びよう、夕飯も別にいらないや…
(…ん?)
公園の前を通りかかった時だった。
水銀灯の下に何脚かあるベンチの一つに、彼のよく知った顔があった。
慌てて、しかし他人からは絶対そうは思われないような速度で、彼はベンチへと近づいていく。
「ふゆ?」
ベンチの女性は声に一瞬身を固め、恐る恐る振り返った。
「……遼?」
それは紛れもなく、藤井ふゆであった。
彼女の瞳が涙で濡れ、赤らんでいたのが遼には見えた。
握り締めたしわくちゃのハンカチが、彼女の代わりに事情を物語っている。
…そっか。
遼はなんとなく飲み込めた。
「勇輝?」
「……うん」平静を装って、ふゆが頷く。
「そっか」遼はそっか、と頷く。
ふゆは激情家ではない。辛いことがあっても、感情を内側に閉じ込めてしまう。
親友のあきらにも幼馴染の遼にも、そして下手をすれば勇輝にも打ち明けられないでいる。
そして時々、誰にも見せずに一人で決壊してしまう。
遼は何も言わずにふゆの隣に腰掛けた。
外灯の下で見る彼女の顔はいつもより細かった。
思い出したように肩がしゃくれ上がる。
いまこの瞬間にも、ふゆの存在は消えてなくなってしまいそうだった。
「忙しいんだね」
「…慣れたと……」ふゆの声に力はない。
「大丈夫だぞって…思ってたんだけど…」
遼はベンチの背もたれに体を預けた。
雲ひとつない夜空に、満月に少し足りないくらいの月が高く上がっていた。
(あの日もこうだったね、ふゆ)
遼は遠い日の記憶に思いを馳せていた。
最愛の妹を亡くしたあの日、遼が遼として生きることを無意識にやめてしまったあの日。
呆然と遺影を見つめる彼の手を、ふゆが強く強く握り締めたあの日。
遼の分までふゆが泣き、悲しんでくれたあの日。
あの夜も、こうして月が高く上がっていた。満月に少し足りないくらいの月が。
遼はそっとふゆの手を握った。ふゆの身体が強張る。
「春はまだかな?」
「………なにそれ」
いつものあっけらかんとした調子で遼は続ける。
「寝られるから」
「……ねえ、遼」
ふゆは遼に向き直った。
「何度言ったら分かるの、私が分かるように話してって」
「なんで?」遼はきいた。
「なんでって…だって、遼の話はわかりにくいの。
なんていうの…主語?主部?そういうのがしょっちゅう欠けてるのよ。
それに文章と文章の繋がりも…」
「そうだね」
「聞いてる!?」
「聞いてる」
ふゆは大きくため息をついていった。
「もういい。なんかどうでもよくなっちゃった」
「それがいいよ」
「……いいのかなぁ」ふゆは釈然としないようだ。
遼はふゆの手を握ったままもう一度空を見上げた。月はまだあった。
あの日以来、ふゆは強くなったと遼は思っている。
前よりもよく一緒にいるようにもなったし、
大変なことがあってもみんなで相談して乗り越えてきた。
ふゆが困っていたら、あきらが一緒に困り、勇輝が悩み、自分がそれを眺める。
なんとか4人でやってこられたと、自分では思っている。
でも、勇輝がアイドルになって、二人が逢うことが少なくなってから、
ふゆの元気が少しずつ、どんどん、減っているような気がする。
勇輝と一緒にいられなくて、ふゆは幸せなんだろうか。
ふゆがかわいそうだ。
遼は、握った手に軽く力を込めた。
24 :
元380:2005/09/15(木) 04:10:54 ID:RQD1jBx+0
…ということで遼×ふゆを書いてみたわけなんですが…
新スレおめでとうございます。
最近遠ざかってて不安だったので、リハビリで一発書いてみました。
(DDエナジーが溜まったらあっちの続き書こうかなと思ってます)
即死判定あるのか分からないですけど、即死回避の肥やしにでもしてくださいな。
>>16 よければ楽しんでください。
それでは今スレも回線吊って首切ってきます。
わーい、ふゆだー。
ひっさびさのふゆさんだ。
うわぁ、癒される。
>>24 GJ!!
そして吊るな。
すごくいい奴だ遼…ある意味ふゆより萌えた。GJ。
久々にふゆキタキタキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
実は今まで遼ってはるかの茫洋とした感じがないなと思ってたんだが
今回はけっこういい感じかも
「遅かったな」
人ゴミの中でも目立つ背高の白髪を見つけて、往穂が声を張り上げた。
時刻は六時を過ぎた頃。夕暮れで空が紅く焼け、町並みをオレンジ色に染め上げている。
往穂は立ち上がり、そして気付いた。
……後ろに、何人かいる。
「へぇ! やるじゃないか、蝉枝!」
歓声を上げて近寄る往穂。その肩を、
がし。
「あ?」
力強く掴む女が約二名。というか二名。
その名を柏木はじめ、そして千堂かずき。
「な、何だ、お前ら?」
「何、ただの客です。そして貴方が責任者ですか」
「は? 何の話だ?」
往穂は自分の肩にかけられた手を払いのけようとして、
(う、動けない……!?)
自身の左肩にかかっている圧力の強さに初めて気付いた。
右肩の千堂とかいう女は問題ではない。これまでの旅路で鍛え上げた筋力が自分にはある。
だが、この左肩を掴んでいる柏木はじめという女……
(何だこの握力は……実は男なんじゃねーのか!?)
というか痛い。マジで痛い。
痣になったらどうする、と文句を言おうとした所で、
「すまない……」
それまで無言で後ろに控えていた蝉枝が、突然謝罪した。
「……状況が良く分からないんだが」
「私が説明しますよ」
困り顔の往穂に、ようやく手を離したはじめがにっこりと微笑みかける。
ただしその額には青筋が浮かんでいて、否応無しにも緊張を強いられる往穂。
……一体何があったのだろうか。
「……すまない」
先程から、蝉枝は謝ってばかりだし。
「で……何がどうだって?」
「ええとですね、国崎さん……で合ってますか? 国崎さん、貴方はこちらの坂神さんに何を頼みましたか?」
「あ? ……宣伝だな、頼んだのは」
「そうでしょうね。そして、坂神さんは見事に役目を果たしました。……やりすぎるくらいに」
『聞けぃ、群集よ! 私の名は坂神蝉枝っ!!!』
『駅前にて、世にも不思議な人形劇を開催する女がいるっ!!」
『行くが良いっ! そして堪能せよっ!!』
『酔い痴れるがいいっ!』
『驚愕するがいいっ!』
『彼の人形遣いは、何者をも、拒みはしないっ!!!』
「とまぁ、こんな感じに街中で大絶叫」
「…………」
顎が外れんばかりの往穂。開いた口が塞がらない、とはこのことか。
「あまりの騒音に地域住民から苦情の嵐、ついには警察まで駆けつけててんやわんやの大騒ぎ、おまけに話しかけられたせいで私達まで関係者と間違えられて強制的に事情聴取」
「……」
「違うって何度も行ってるのに有無を言わさず交番へ連行、聞く耳持たずのお役所仕事と浴びせられるセクハラ視線」
「……」
「ようやく開放されたのがついさっきで、こんなトンデモ騒ぎに巻き込まれた怒りをぶつけようと、そもそもの元凶たる国崎さんの所に来たわけだ」
「……」
ゆらり。
それまで呆然とはじめの怒りの篭った話を聞いていた往穂は、視線の先を蝉枝へと向けた。
眼が合った瞬間、蝉枝は―――戦場を駆け抜けた歴戦の軍人は―――思った。
泣きたい。
「どういう、ことだ?」
「その……」
じりじりと、距離を詰められる蝉枝。
往穂と、はじめと、かずきと、後ろに控えているふゆとさつきの視線に晒されて。
というかむしろ視線に刺されて。
「これは……」
蝉枝は思う。
理由は良く分からないが、自分はこの五十年後の世界の常識に当てはまらないことをまたやってしまったらしい。
小さな頃は歩く宣伝人形の異名を欲しいままにしてお駄賃を貰ったものだが……いやそれはともかく。
謝るのが一番良いのだろう。
だが、ちょっと待て。私はそんなに悪いことをしたのだろうか?
私は『人形劇の宣伝をしてこい』という依頼の元で行動した。
いや、宣伝をするというのは私の自発的な台詞だが、向こうもそれで納得したはずだ。
いくらなんでも、こうも殺意の視線を浴びせられるのは理不尽である。
「……お前が感じている感情は精神疾患の一種だ」
「あぁ!?」
「ごめんなさいなんでもないです」
軍人が脅しに屈した……蝉枝のプライドはズタズタだった。
それだけ往穂達の視線は怖かった。
御堂や岩切、光岡と相対している方が百倍マシである。
それくらい恐ろしかった。
「……すまなかった」
「そう言えば良いんだ」
ふん、と鼻を鳴らす往穂。
まだまだ怒り足りないが……こうも女侍のような風情だった女性が兎のように縮こまってるのを見ると、その気持ちも蒸散してしまった。
哀れみすら感じる。
「それだけでいいのか? それじゃ私達の気持ちが治まらないんだけど」
まだ不機嫌らしいはじめが往穂に文句を言う。
往穂はやれやれ、と肩をすくめて、
「人形劇、タダで見せてやるよ。それで勘弁してやってくれ」
曖昧に笑った。
自分の人形劇にそれだけの価値があるのかな……と思いながら。
「何これ……電気点いてない……」
室内は薄暗く、照明が点いている様子も無かった。
手すりを頼りに一歩ずつ確実に階段を降り、近くにスイッチは無いのかと壁を手探りに彷徨わせる。
だが、それらしいものは一切発見出来なかった。
「誰かいませんかー?」
叫ぶ。声が広い室内にわんわんと響き、不気味に反響して幽霊の哭き声のごとく聞こえた。
返答は、無し。
「スタッフが、誰一人帰ってこない。そして爆発……」
嫌な予感が、する。
那須牟祢は職業柄、常人より暗視の利く夜目で周囲を見渡し、その場を静かに移動し始めた。
……大声を上げたのは失敗だったかもしれない。
……ここに、『敵』が潜んでいるのならば。
自らの気配を殺して、周囲の背景に溶け込む。普通の人間相手ならば、この隠密術は破られない。
ただし、相手が常人が無い場合は……
(ま、その事は考えないでおこう。ボクの思い過ごしかもしれないし)
くすり、と微笑む。
その隙が、油断だった。
「誰!?」
背後に、何者かが、
ガツン。
ドォォォォォォォン!!!
「きゃあ!?」
「うわっ!?」
二度目の爆発が起こった。
船体がぐらりと傾き、全身を床に投げ出される。
「ゆう! ひろみ!」
「……くっ!」
比較的小柄な相沢ゆうと折原ひろみが壁に叩き付けられそうになるのを、浩子と亮子が慌てて抱き止める。
その勢いで転びかけた二人を郁巳が根性で支え、祐子、貴子、朋美はお互い抱き合うように床に伏していた。
「大丈夫か!?」
「な、何とか……」
安否を問うた郁巳に答える浩子、だが船体は以前揺れ続け、全員へたり込むようにその場に崩れ落ちる。
周囲ではパニックが生じているのか、絶叫や悲鳴、子供の泣き声も聞こえてきた。
「何が起こってるのかしら!?」
「わ、私が聞きたいですよ!」
朋美の焦りに、貴子の返答する声も上擦っている。
先程からの爆発音と、振動する船、各地で巻き起こる混乱。
沈没……嫌が応にも、その不吉な単語が頭に浮かぶ。
「牟祢ちゃんと朱鷺乃さんは……」
祐子が、この場にいない二人を心配して呟いた……その時。
ブッ……ブブッ……
廊下の天井に備え付けられたスピーカーから雑音が生じ、やがてノイズ混じりの声が耳に届いた。
『み、みなさん……私はこの客船『白皇』の船長です……ザザ……この船は……原因不明の……事故により……ザザ』
船にいる全員が息を呑み、それまでの喧噪をピタリと止めてこの放送に聞き入る。
『沈没……しようと……し……ます。それで……脱出……ザザ……ボート……場所は……ガガッ」
その後、脱出用救命ボートがあるらしき場所の名が明かされ、そして放送は終了した。
放送を聴いた者達の顔は一様に青ざめ、そして……爆発した。
ふざけんな! 沈没って何だよ! 責任者出て来い! どうなってんだよ! 俺達死ぬのかよ!?
壊れたような怒号、狂ったような悲鳴。
壁に蹴りを飛ばす大人、泣いて許しを請う子供、何をすれば良いのは分からなくて唖然とする老人。
そんな中で、
「……みんな、意外と平気なのな」
郁巳が関心したような呟きを漏らす。
彼の言う通り、この場にいる八人、他の乗客並みのショックは左程受けていなかった。
「なんて言うか、ねぇ」
浩子が困った風に笑う。
それにつられるように、
「私はもっとショッキングな事件に巻き込まれたことあるし……」
「あー、分かる分かる」
祐子の苦笑に、朋美が同意を示す。
ゆうとひろみはみんな同じなのかぁ、と同時に言って顔を見合わせ、亮子は一人静かに頷いていた。
「……」
貴子だけが、心の動揺と不安を隠して俯いている。
「とにかく、だ」
郁巳が、場を仕切るような声を張り上げた。
いつの間にか大きな揺れは収まり、床は安定してる。
その代わり、脱出用ボートに急いで向かう連中の走る音や上げる声によって、大分騒がしい状況になってきてはいたが。
「俺達も、早く脱出した方が良い、と思う」
「ていうか、早く脱出しないと海へドボン、ジ・エンドでしょ」
「まぁ待て、こんな状況だからこそ慌てず騒がず、おはしの精神で行こうじゃないか」
「押さない、走らない、しゃべらないってやつだね」
「それ、火災訓練の時に使うんじゃなかったっけ?」
「何でもいいから早く脱出しようよ……」
「ああ……仲良く歓談している場合では無いな、確かに」
では行こう、と郁巳が先導して歩こうとするのを、
「ちょっと待って、朱鷺乃ちゃんと牟祢ちゃんは?」
「ん……そうか……」
祐子が静止し、郁巳が悩んで浩子と手早く相談する。
「どうする?」
「朱鷺乃は……こんな状況になったら、牟祢を無視して船長の所にに怒鳴り込みに行きそうね……」
「た、確かに……」
「……」
「……」
朱鷺乃……
「と、とにかく……じゃあ、先にボートを確保しておくのと、牟祢ちゃんを探すのと、朱鷺乃を探すのと、三つの班で分かれよう」
「そうね……組み分けは?」
「こういうのは即決が良い。フィーリングだな。ただ、俺とお前は別れた方がいいだろうな」
「即席リーダー格、か。もう一斑は……亮子、頼める?」
「……分かった」
無駄なく作業を進める二人、突然話を振られた亮子はやはり静かに頷く。
「じゃあ、牟祢ちゃんを探すのを仮に一斑、朱鷺乃を探すのを二班、ボート確保を三班としよう。人数訳は3:3:2で頼む」
「ボート班が二人?」
「ああ。内訳は俺、ゆう、ひろみが一斑。浩子、祐子ちゃん、貴子ちゃんが二班。亮子、朋美が三班。……それでいいか?」
一応、少しは考えて分けた班だった。
ゆうとひろみはこんな非常時で流石に変な行動は取らないだろうが……心配なのでまとめて自分が管理する、とか、
貴子ちゃんは男が苦手なので自分と組ませずに浩子に任せよう、とか、
もしボート関連で文句言われても朋美なら凄むだけで何とかなりそうだし……とか。
「極端に偏った印象は無し。みんなも、これでいい?」
浩子がみんなに視線を投げかけ、誰からも反論が無いことを確認すると、
「三十分後にボートの場所で集合。船がヤバそうだったらその時点で引き返すこと。では、解散!」
パン、と掌を合わせ、その音を合図に、八人は三つの班に分かれて行動した。
で、噂の渦中の人・木田朱鷺乃と言えば、
「ここ、どこよ……」
すっかり道に迷っていた。
口に銜えた煙草の先から昇る紫煙が、目的なく宙にゆらゆらと昇る。
そもそも、ホールでの立食会やダンスの時くらいしか嫌々部屋を出ないのに、船長室の場所が何処にあるのかなんて分かるはずもなく。
しかも、先の沈没宣告。
「……とっとと牟祢を見つけてボート行こう」
彼女は皆が思う程、薄情では無かった。
透や忍との複雑な関係が、彼女を人間的に成長させたと言っても過言ではないのかもしれない。
元々、困った相手を見過ごせない性根ではあった。
明日馬に監禁された時には重度の人間不信に陥ったものだが……
「……昔の話ね」
溜息が漏れる。
これでも色々あったのだ。
友人の復縁に尽力したり、自殺願望者を引き止めたり、そういえば血の繋がった実の弟とも関係を持ったことも……
そんな思考の渦に没頭しかけていた所、
「もし、お嬢さん」
「……ん?」
横から声をかけられ、面倒くさそうに振り向く朱鷺乃。
そこには柱に寄りかかるように、黒いスーツに黒いサングラスをかけた『いかにも』な人が立っていた。
あまりにも、怪しい。
「この船は沈没するらしいですよ。逃げないのですか?」
「……そういうあなたはどうなのかしら?」
胡散臭げに男を見る朱鷺乃の視線を意に介さず、黒服の男は薄い笑みを浮かべる。
「いえ、私はいいのですよ」
「……そう。では人を探しているので、これで」
この男は……危ない。
直感が朱鷺乃にそう告げていた。
逃げるように立ち去ろうと男に背を向けた瞬間、
「っ、あっ!?」
首筋に、男の手刀が決まった。
そして朱鷺乃はあっさりと、意識を手放した。
39 :
反転集結の愚者:2005/09/16(金) 18:27:39 ID:9l5n2WNP0
どうも、愚者です……
新スレおめでとう記念ということで、Adult編とYoung編、二つを同時カキコしました……
何だか文体が違ってションボリです……
あとこっちの方が逆に読み易いのかと、行間を空けないでみました……
というかAdult編のネタがもうありません……どうやって芳美絡ませよう……
一応Adult編がギャグ&のんびり、Young編が戦闘&極限状態、となっております……
勿論、班分けは考えてやりました……特殊能力組を如何にして分けるか悩みましたよ……
ていうかこれっぽっちも面白くなくてごめんなさい……
アクロバティックに吊ってきます……
キュピーンd(☆∀☆)bイイヨイイヨーGJヨー
「ふぁぁ…」
よく寝た。天気もいいし、体がだるくなければ清々しい朝だ。
僕は目を擦りながらトイレに向かう。
朝起きたらまず用を足すのが男のたしなみだよねっ。
そう思いながら僕はパジャマのズボンに手を掛けたんだけど…。
「ありゃっ?」
そうだ、無いんだった…。
仕方なく個室で用を足す。女って一々面倒だなぁ。
そのまま歯を磨いて廊下をうろうろしていた時だ。
「春原、まだそんなカッコしてるのか」
「あ、美佐雄さん」
「ん?何か声が変じゃないか?」
やっぱり気付かれるじゃないかー!
「えっ…と…外歩きっぱなしで…風邪ひいちゃって…」
「そうか…岡崎には会ったのか?」
「あ、一応…」
「本当か?あまり心配させるなよ?今日帰ってこなかったら警察に届けるつもりだったんだぞ?」
「はーい」
とりあえず洗濯してもらってる制服をとりに行かないと。
部屋に戻って自分の私服を着てみたが、ベルトの穴が3つも違う。
ズボンも2回折り返した。
「つーか、絶対背も縮んでる…」
前は辛うじて岡崎より背が高かったけど、今は岡崎より10cm以上小さそうだ。
岡崎自体が女にしてはでかいんだけどね。
「ふぅ…」
それにしても昨日から体がだるくて熱っぽい。
普段風邪なんか引かないせいか、かなり動くのが億劫だ。
女の子になったせいで、力だけじゃなく体まで弱くなっちゃったんじゃないだろうか。
まぁいいや。古河パンに行こう。
少し大きめになってしまった男物の私服を着て古河パンに向かう。
「なぁ、何してんの?」
「えっ?」
制服からして近くの工業高校の生徒だ。
「誰?僕忙しいんだけど」
「いいだろ?どっか遊びにいこうって」
もしかしてナンパだろうか。つまり、僕が女だったらモテモテってこと?
そんな事を考えたけど、男にモテても仕方がなかった。
「忙しいって言ってるじゃん」
僕は男とデートする趣味はない。
「何だオマエ…」
「何だって言われても僕には用事があるんだっての」
「てめぇ、いい気になってるんじゃねーよ?」
「ちょっ…放せよっ!」
僕が男に手首を捕まれたその時だった。
ぺっぺっぺっぺっ…
ズベシ!
ズベシ!
ズベシッ!
「おっとごめんよー」
スクーターにのった長髪の男が工業高校の奴らを撥ねまくっていた。
間違いなく京だけど、学校はどうしたんだろう。
「女の子の嫌がることをするなんて、男の風上にも置けないな!」
スクーターを武器にするのだって人間の風上にも置けないと思う。でも…まぁ助かったからいいや。
「ふざけんなよてめぇっ!」
ドゴォッ!
「何か言ったか?」
さっき喋っていた奴の顔面にこども大百科がめり込んでいる。
その様子を見た仲間達は慌てて首を横に振った。
「じゃ、そう言うことで」
京は当然のように僕の手をひっぱるとスクーターを押してその場を後にした。
人通りの多い道に出て、ようやく京は手を離す。
「大丈夫だったか?」
「まぁ…」
「知り合いかと思ったら女の子でびっくりしたよ。そいつ男だからさー」
「知り合い…」
僕のことなんだろうな…。京にはつい最近、口に出来ないような事をヤられてしまったせいか、何だか気まずい。
「あ、そいつどっちかっつーと可愛い系の女顔だから気にするなよ」
「可愛い系の女顔…」
そんな風に見られてたのか…。
京って微妙にそっちの気がありそうだし、そういう事言われると普通に怖いんだけど…。
「ん?顔色が悪いけど大丈夫か?」
そう言いながら僕の額に手を当てる京。
「だ、大丈夫だよ…」
京は全然人見知りしないタイプだと言う事が判明。
「…熱あるぜ?」
「大丈夫だから!京には関係ないだろっ?サボってないで学校行けよっ!」
「え…?」
京が驚いた顔をして僕を見る。
「あ…」
「おまえ、何でオレの名前を知ってんだよ?」
うわー、すげー睨んでるよっ。
「あ、あの…!」
もう、この作戦しか思いつかなかった。
「実はわたし、あなたのファンなんですっ!」
「何ぃぃぃぃぃぃっ!?」
その大声に、僕達は通りを歩く人々の視線を独占してしまっていた。
春原、少しは後先考えろ…と、自分でツッコミを入れたくなりました。
京のキャラがぶっ飛び過ぎていて、これでいいのかと思ったりしてます。
色々なキャラを出したいけど思うように行かない…。
(貴子Side)
そして……土曜日が来た。わたしは春夏さんには「友達の家に行くから遅くなります」と言って、先輩の家に
向かった。嘘をつくのは後ろめたいけど……さすがに先輩の家に行くって事は話せなかった。
途中でスーパーに寄って、必要な材料を買っていく。問題は香辛料……なんでこんなに高いんだろう。もう
今月のお小遣い、ピンチだなぁ。
軽くなった財布にちょっと涙しながら、わたしは公園を突っ切り、先輩の家がある辺りにまでやってきた。
先輩に渡された地図を元に家を探していく……と、あった。「藤田」の表札。
やだな……なんだかすごく緊張してきちゃった……男の人の家に入るなんて、初めての経験だし……タマ兄の
部屋に入ったことはあるけど……
いつまでも突っ立っていてもしょうがない。わたしは深呼吸して気分を落ち着けると、玄関のチャイムを
鳴らした。しばらくすると、階段を降りてくるような音が聞こえて、扉が開いた。
「お、良く来たね。待ってたよ」
藤田先輩が笑顔で迎えてくれた。当たり前だけど、いつもの学生服じゃなくて、私服……クリーム色のトレーナーと
Gパンを着ている。こういう先輩も、なんか凄く新鮮な感じがする。
「お、お邪魔します」
頭を下げるわたし。先輩はまぁそう硬くならないで、と言うと、わたしを台所まで連れて行ってくれた。
男の人の一人暮らしは凄い事になるって聞いてたけど、先輩に関しては当てはまらないみたいで、台所は
綺麗に片付けられていた。わたしが感心して見ていると、それに気付いたのか、先輩が恥ずかしそうに言った。
「いや、貴子ちゃんが来るから、急いで片付けたんだよ」
言わなければわからないのに、先輩は正直な人だと思う。
それなのに、わたしは先輩があの寺女の人といたときに、嘘をつかれたと思って、ものすごくみっともない
事をしてしまった。嘘をついた先輩が嫌で、先輩と一緒にいたあの人がうらやましくて。
だから、先輩が「あれは彼女じゃない」って言ってくれた時、本当にホッとした。思わず涙まで出ちゃった。
もし悠里がああ言ってくれなかったら、ずっと誤解したままだったと思う。
それに、悠里のおかげで、わたしは自分の気持ちに素直になれた。
わたしは……藤田先輩が好き。
だから、思いを伝えたい。
そう考えながら、準備をしようとして、わたしは忘れ物に気がついた。
「あれ? あれれ?」
荷物の中をいくら探っても、それが出てこない。困っていると、先輩がやって来た。
「どうしたんだ? 貴子ちゃん」
「それが……エプロンを忘れちゃって」
忘れ物の種類を言うと、先輩は少し考え込んで、じゃあちょっと待ってなよ、と言うと台所を出て行った。
そして、手にエプロンを持って戻ってきた。
「これ使ってくれ。洗濯はしてあるから」
わたしは礼を言って、先輩からエプロンを受け取った。赤いチェックの生地で、胸のところにクマのアップリケ
がついている。先輩のお母さんが使っているものにしては、可愛いデザインだと思っていると、先輩が言った。
「前に言っただろ? 妹みたいな幼馴染みがいるって。それはそいつのなんだ」
先輩の幼馴染みのエプロン……十何年間、一緒にいた人のもの。その人も、こうやって先輩のためにご飯を
作ったことがあるんだろうか。
「そんな、大事なものを使っちゃって良いんですか?」
思わず聞くと、先輩は微笑を浮かべて頷いた。
「ああ。貴子ちゃんに使って欲しいんだ」
もう使われる機会のないものだから、と先輩は言った。それはつまり、その幼馴染みの人が、先輩のために
何かを作ることはないと言うこと。今それが出来るのは……
わたし……わたし一人だけ。
嬉しさを噛み締めながら、わたしはカレーを作る。じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、牛肉……と材料を切って行く。
牛の脂身を鍋に入れて、十分溶けてきたら、それで玉ねぎを炒める。玉ねぎが飴色になったら、肉を入れて……
って、手順だけは頭に入っているんだけど。
実際には、かなり混乱してる。脂が足りなかったのか、玉ねぎが焦げそうになるし……相変わらずじゃがいもの
皮は上手く剥けないし。焦って包丁を動かしてると。
「……痛っ!」
指先を切ってしまう。包丁を落としそうになるのをこらえて、傷口を洗おうとすると、後ろに人の気配がした。
「大丈夫か?」
先輩だった。手に救急箱を持ってる。なんだか、怪我をするのを予想されてたみたいで、ちょっと情けない。
「はい、大丈夫です」
痛かったけど、それほど深く切ったわけじゃなくて、血がにじんでいる程度だった。一応水で傷を洗うと、
先輩が消毒液と血止めをつけて、ばんそうこうを巻いてくれた。
「先輩、ありがとうございます。」
わたしが先輩が治療してくれた手を抱くようにしてお礼を言うと、先輩は気をつけなよ、と言って居間に戻って
行った。そっと後ろを見ると、先輩がテレビを見ながら、時々こっちを見ているのがわかった。
見守られている、と思うと、ちょっと気が楽になって、あとの作業は上手く進んだ。スパイスの調合も上手く
出来たと思う。香ばしい、美味しそうな匂いが鍋から漂い始めた。
じっくり煮込んで、日が落ちた頃、ようやくカレーは完成した。春夏さん直伝の必殺カレー。わたしじゃ必殺に
ならないかもしれないけど、でもきっと美味しく出来たはず。炊き立てのご飯をお皿によそい、ルーをかけて、
サラダなどと一緒に先輩の前に並べる。
「おっ、美味そうだなぁ」
先輩が歓声を上げてスプーンを手に取った。わたしもエプロンを脱いで、先輩の向かいに座る。
「「いただきます」」
一礼して、わたしは自作の必殺カレーを口に運んだ。
「……あれ?」
わたしは首を傾げた。ルーは美味しいけど……ご飯が硬い……って言うか、芯が残っちゃってる? 向かい
を見ると、先輩もなんだか妙な顔になっていた。
「あ……」
わたしは自分のうかつさに腹を立てた。せっかく美味しくカレーが出来たのに、ご飯の水加減を間違える
なんて……! 視界がぼやけ、涙が出てくる。
「先輩……ごめんなさい……」
わたしが謝ると、先輩は笑顔になって、首を横に振った。
「あ、謝る事はないさ。ご飯はちょっと失敗かもしれないけど、でもルーは美味しいよ、本当に!」
そう言って、先輩はカレーを掻きこむようにして食べはじめた。
「そんな、先輩……! 無理に食べないでください!!」
確かにルーは美味しく出来たけど、でも噛むと「ぽり」という歯ごたえのあるようなご飯と一緒に食べても、
美味しいはずがない。先輩はわたしに気を遣って食べてくれているのかもしれないけど、でも逆にその気遣いが、
わたしにとっては痛かった。
「ふぅ、ごっそさん」
わたしが止めるのも聞かずに、先輩はカレーを全部食べてしまった。あんな失敗作なのに……情けなくて、
また涙が出てくる。すると、先輩が言った。
「良いじゃないか、失敗でも」
「えっ……」
わたしが顔を上げると、先輩は笑顔でわたしを見ていた。
「誰だって、最初から上手く行く奴はいないよ。一回で成功しようとして無理をすることなんかない。これからも
練習して、もっと美味しいカレーを作れるようになれば良いさ。俺でよければいくらでも食べてやるから」
いくらでも食べてやるから。
その言葉が、わたしの頭の中をぐるぐると回った。
「いくらでも……ですか? また、食べてくれますか……?」
わたしが聞くと、先輩はにっこり笑って頷いた。
「ああ、一生付き合っても良いぜ」
その言葉を聞いたとき、わたしは春夏さんの言葉を思い出した。
『どんな男の人でも、お前のカレーを一生食べたいと言ってくれる。だから必殺カレー』
春夏さんの言った事、嘘じゃなかった……そう思うと、ますます涙があふれてきて、もう止まらなくなった。
カレーはやっぱり必殺でした、な話でした。前回に引き続き楽しんで頂ければ幸いです。
感想をくれた>18さんと>19さんありがとうー。こんな感じで進んでます。
>24 元380氏
おお、ふゆだ! 久しぶりに見たなぁ……相変わらず不幸そうだw
>39 反転集結の愚者氏
子兎な蝉枝に萌え。そしてyoung編は緊迫の展開になってきましたなぁ……
>44 すのぷ〜野郎氏
春原素晴らしい自爆体質ですねw
では回線吊って首切って来ます。
きっかけは、親友のこんな一言だった。
「ゆう。あなたってホントにラッキー・ガールなんだからね」
北川潤のそんな言葉から始まった話題。それが直接の原因となって、私はここに――放課後で誰も
いなくなった教室に、ひとり佇んでいる。
窓の下に広がる校庭は、寂しい雰囲気のこことは全然違って、活気に溢れている。運動部が練習の
真っ最中で、バットが白球を叩く音や掛け声が私の耳にも届く。
「……」
でも、私にとってそれらのほとんどは、どうでも良いことだった。なぜなら、私の意識は眼下の
運動部員たちの中でも、たったひとりにしか向けられていないから……。
「雪弥……」
私の従姉弟にして幼なじみ。隣の席のクラスメート。居候先の息子さん。そして……かけがえのない恋人。
私の大好きな……愛する人。私には彼――水瀬雪弥しか見えていない。
(ううん、見えてないんじゃなくて、彼を見るために私はここにいるんだけど)
潤の唐突な一言で始まった会話は、こんな感じで続いた。
「どういうことよ?」
「水瀬君のこと。彼、女子の間じゃ結構人気なのよ」
「えっ!? 雪弥が?」
「うん。だからさー、ゆうはその難関を越えて水瀬君をゲットしたんだから、ラッキーだってゆーこと」
「あの雪弥が……」
「あなたの場合、身近過ぎて気づかないのかもしれないわね。あたしだって、美坂君がいなければ、
もしかしたら……」
「あ……潤、あんたやっぱり薫のこと……」
「へ? あっ……ま、まぁそれはともかく! 水瀬君の魅力を知りたいんなら、そうだなぁ……水瀬君って
陸上部の部長だったよね? 彼の練習見てきたら?」
それで結局、潤の言う通りにしてるんだけど……。
本当なら、私も庭に下りて、もっと近くで見てる方が良いと思う。でもそれじゃ「私は雪弥の彼氏です」
なんてことをあからさまにしてるみたいだから、教室から遠目に眺めるだけにしておいた。
それに、ここからでも雪弥が何をしてるのかは見える。それで、部活動中の彼を少し観察した感想としては、
(確かに、潤の言った通りかもしれないわね……)
と、親友の言葉の正しさを認めざるを得ない。
最初はちょっと信じられなかった。あの寝ぼすけで、女の子に見えなくもない顔で、ぽけっとしてて
マイペースな雪弥が、そんなにもてるなんて。
あ、でもだからと言って、それが悪いって訳じゃないし、雪弥がカッコ良く見えることもある。
なんて言ったら良いのかわからないけど、雪弥は私の彼氏で、好きな人なんだから。
それに、私は彼をとても頼りにしている。今年の冬に急にこっちに越してきて、色々と心配だったけど、
慣れないこの土地にも新しい学校にも、雪弥のおかげですぐに馴染むことができたし。
そして何よりも……私のせいで秋人さんが事故に遭った時、絶望の淵にあった私の心を救ってくれたのが
雪弥だった。私のことが好きだって言ってくれた雪弥。ずっと一緒だと約束してくれた雪弥。
今の私にとって、雪弥はとても大きな、大切な存在で……もう、私は彼なしで成り立たないだろう。
ただ、雪弥がカッコ良いのかどうかについては、あくまでも私の主観であって、他の女子から見て
どうなのか、までは知らなかった。だって、いつもの雪弥ったら、授業中に居眠りして、隣の私にこっそり
起こされたりしてるような人なんだもの。
だけど、部活動に励む雪弥は、そんな私の中のイメージとはかなり違っていた。
(ちゃんと「部長」やってるのね)
絶えず後輩たちに指示を出し、ハードルの指導をしてると思ったら走り幅跳びの様子を見に行ったり、
顧問の先生と打ち合わせらしきことをしてたり、てきぱきと働いている。
その姿は、私が普段良く知ってる雪弥とは別人というか……うん。確かに、誰の目にもカッコ良く
映っていると思う。
練習は厳しいようだけど、雪弥はさわやかな笑顔を振りまいていて、それにつられてなのか、部員たちも
笑って、部活動は和やかに進んでいる。
(雪弥、みんなから信頼されてるんだ)
そんなことが確信できる光景だった。
つい数日前、6月になった。制服もケープのついた冬服じゃなくて、白い薄地の夏服に替わっている。
そんな季節だから、日が落ちるのもだいぶ遅くなったけど、私が窓際に佇み始めてから1時間ほど経つと、
そろそろ西日がオレンジ色になってきた。
(雪弥はいつ練習するのかしら?)
私の見る限り、彼は部長の役割に専念していた。でも、部長であると同時に選手でもある。前に本人から
聞いた話だと、確か長距離走をメインにしているらしい。
そんなことを考えていると、雪弥がトラックの上にやって来る。部員(マネージャーかな?)と2、3言を
交わして、シューズの紐を縛り直す。タイムを計る係が100メートルのラインにいるから、どうやら
短距離の走り込みをやるらしい。
靴を整えて立ち上がった雪弥の横顔が、にわかに変化した。
「あっ……」
私は思わず、溜息じみた声を漏らしてしまう。
コースに立って、ゴールの先を見つめる雪弥は、今までに見たこともないほど真剣な顔をしていた。
唇を引き締め、凛とした表情に。
やがて腰を屈め、クラウチングスタートのポーズになる。精神統一をするかのように目を瞑り、再び開いた
その時、スタートを告げるピストルの乾いた音が響く。
それと当時に、雪弥の全身が大きく躍動した。
低い体勢から上体を起こし、腕を大きく振って、脚を前に繰り出す。雪弥の身体が跳躍している。
(凄い……雪弥って、あんなに速く走れたんだ)
学校に遅刻しそうになった時(ほとんどが雪弥のせいだけど)、一緒に走ってるから、彼の足の速さは
わかっているつもりだった。でも、そんな時の雪弥は、私のために手加減してくれてたんだ……。
ラストスパート。口を大きく開いて酸素を求めている。でも、その苦しげな表情の中にも、爽やかさみたい
なのが感じ取れる。
そしてゴールラインを駆け抜ける。僅か10秒かそこらの出来事だったけど、この一連の光景は、
私の瞼に、脳裏に深く焼きついた。
雪弥にあんな真剣な表情をさせてるのは、なんだろう?
雪弥をあんなに一生懸命にさせて、カッコ良くさせてるのは……。
「……っ!」
不意に、胸にちくり、と微かな痛みが走った。
(私、嫉妬してるんだ……)
じゃあ何に? 私よりも先に、あの雪弥の姿を知っていた潤に?
それとも、雪弥をあそこまで熱中させてる陸上に?
(変なの。潤は薫のことが好きで、部活動は人ですらないのに)
でも、やっぱり悔しいと思ってしまう。今まで、雪弥の本当のカッコ良さに気づかなかったことに。
私が自分勝手な後悔の念を抱いている間にも、雪弥は2回、3回と100メートル走を繰り返す。
その姿には「一心不乱」の言葉が良く合っている。
そして、4度目のスタートを切ろうとしていた、その時だった。
(あっ!)
瞬時に、私の頭は真っ白になった。
ううん、違う。それに心を奪われていた。完全に。
前屈みになった雪弥が、いきなりこっちに――つまり、教室の窓際に立つ私に顔を向けて、笑ったからだった。
それは、雪弥が私だけに見せてくれる笑顔に他ならない。彼の恋人である私だけへの、特別の。
それはごく一瞬のことで、雪弥はすぐにコースに向き直ると、ピストルの音と同時に脱兎のごとく
駆け出していた。
「雪弥……気づいてたんだ。私のこと」
凄く嬉しかった。それだけで、雪弥が私をとても想ってくれてるんだってことがわかったから。
今の雪弥には陸上のことしか頭にないんだと思ってたけど、彼はちゃんと私も見てくれてたんだから。
さっきまで、胸中で渦巻いていた変な嫉妬心は、いつの間にやら雲散霧消していた。
後に残るのは雪弥が好き、愛してるって淡い想いだけ。
(雪弥……好き、大好き!)
もう、それしか考えられなかった。
この後も走り込みを何度も続ける雪弥を、熱を帯びたような視線で、ドキドキしつつ眺めながら、
練習が終わるのをただひたすらに待つ。
そして陸上部が解散して、雪弥がひとりになったら、真っ先に彼の元に駆けつけて、あの笑顔を直接
向けてもらいたい。そう思いながら。
結局、雪弥が15回の走り込みをした後で、部の練習も終わった。
笑いながら部員たちと別れ、顧問の先生から何か小さいものを渡される。多分、部室の鍵だろう。
(そういえば、部室の管理をしてるって言ってたっけ)
他の部員たちは着替えていたのに、雪弥だけはまだユニフォームのままだから、仕事が残ってるんだろう。
そう考えると、私の行動は早かった。
自分の机にある鞄をほったらかしにして教室を飛び出し、駆け足で廊下から階段へ。そこも小走りで
駆け下りて、昇降口へ。
靴を履くのももどかしく、慌しく校舎から駆け出して、一目散にグラウンドまで走る。
雪弥に、早く雪弥に逢いたい。ぎゅっと抱きしめて欲しい。キスして欲しい。そんなことばかりが
頭を支配していた。
そして、グラウンドの開けた場所には、私が求めてやまなかった、愛しい男性の姿があった。
「雪弥っ!」
「ゆう!?」
もう我慢なんてできない。私はそのまま、雪弥の胸の中に思いっきり飛び込んだ。
「ゆ、ゆうっ? どうしたの?」
「雪弥……ありがと」
「え?」
「私のこと、気づいてくれて」
「あー……あれね。ゆうこそ、僕のこと見てたみたいだったけど」
いきなりのことに戸惑いながらも、雪弥は私の求めに――抱きしめて欲しいって願いに応えてくれた。
何も言わなくても、私のことをちゃんとわかってくれてる雪弥。じゃあ……。
「うん……」
とだけ答えた私は、ただじっと雪弥を見つめる。その視線に「キスして」って想いを込めて。
「……ゆう」
ほら、やっぱりわかってくれた。
私の視界いっぱいに近づいた雪弥の顔。夕日の光でオレンジ色に染まって、柔らかい微笑を浮かべる
それは……世界で一番素敵な存在だと確信できた。
そして、私が瞳を閉じた直後、私の唇と雪弥のそれが触れ、重なった……。
どうも、お久しぶりです。調子に乗って、以前書いた雪弥×ゆうの話の続編を書いてみました。
前々作「降り積もる想い」と前作「ひとつになる想い」は雪弥からの視点だったので、
今度はゆうの視点からです。
原作での名雪は、どうも「可愛い」と言うより「綺麗」なヒロインとして位置づけられている
らしい……という設定(?)を、反転した場合にどうなるのか、それをイメージして書きました。
このスレ的には、雪弥が美化され過ぎている、と取られるかもしれませんがw
さて、ここで終わりのようですが、本作には一応続きがあります。一度に投下すると
長くなり過ぎるので、続きは後日、なるべく早く投下したいと思います。
もしよろしければ、またお付き合いいただければ幸いです。
名雪が男になったことにつれて長距離選手からスプリンターに設定変わってます?
>>41-43 とんでもない波紋呼びそうな発言キター!
京がまんざらでもない顔したらどうするつもりだ春原w
あと京、普通に一般人撥ねるのヤメレw 春原とはわけが違うんだぞ。
>>45-48 ああもう、本当にいい漢(おとこ)だな浩之。
必死に頑張っていったんはどん底に落ち込んで、しかし最後には報われた貴子ちゃんに乾杯。
そして生`。
>>50-56 いまだかつて、こんなにも恵まれた雪弥がいただろうか?(反語
まさに学園純愛ものの王道。GJ
60 :
100:2005/09/18(日) 02:40:14 ID:M2PJGBLc0
私と岡崎はよく一緒に帰る。
さすがに毎日、というわけにもいかないがそれでも二日に一回はそうする、はず。
それがいつでも一緒にいる私だけのいわゆる特権であり、他の子達にリードを取ることの出来る唯一の手段だった。
授業という退屈と混沌がいい感じに混ざった負の呪縛から開放されるというのが放課後。
それは一種の治外法権的な時間帯であり、みらいに恋人になってしまうに違いない(妄想)二人のあばんちゅーるで、さたでーないとふぃーばー・・・な、はず。
にもかかわらず、ここのところ週一でしか一緒に帰っていない。
おかしい。何かがおかしい。
最近富にそう感じるのだ。
「岡崎!いっしょにかえろ!」
「ん、あぁ・・・悪い、ちょっと今日は用事があるんだ。」
「あ、今日もそうなの・・・」
目に見えて元気が無くなっていく私に仏心を刺激されたのか、今日の岡崎はなんだかちょっぴり優しかった。
「ごめんな。・・・あそうだ、椋か杏でも誘ってみたらどうだ?あいつら今日委員会も無いから暇だろ。」
でもその優しさがなんだか今日は痛くて、なんだか青春してるなぁって思ってみたり。
「・・・うん、そうだねそうしてみる。じゃね、岡崎!」
「おう、じゃあな。」
全然、乙女心をわかって無い。
まったくなんでこいつはこういうときにいつもの洞察力を発揮できないのか。ちょっとは私に気をかけてくれたっていいのに。
・・・こんなの只のわがままだって分かっているつもりだけど。
岡崎の姿が見えなくなるまで手を振った後、こんな自分があまりにも滑稽すぎて、ため息が止まらない。これもつい最近からいつものことになってしまった。
「一週間に一回、かぁ・・・。」
客観的にみれば自分は、あいつの周りの女の子達と比べてめちゃくちゃ見劣りしている、気がする。
そんな自分が周りを出し抜いて行くためには、一緒の時間をとにかく数多くとらなければいけないのだ。
61 :
100:2005/09/18(日) 02:41:07 ID:M2PJGBLc0
(閑話)
本人の名誉のために言わせてもらうのならば見劣りしている、なんてことは断じて否。断じて否だ。
ただ風子とガチでタイマン張れる程の幼児体型of幼児体型としか言いようの無いそのツルツルボデーにあんまり需要が無いだけなのだ。
生まれ出た世が悪かったといえばそれまでだが、それでも最近丸くなったと評判の彼女に男子人気も結構出てきてはいるのだ。(ぺどやろう優勢ではあるが)
(閑話おわり)
「はあ〜ぁ・・・何でだろう・・・。なんか怒らせるようなこと、したかなぁ」
脳内8ビットをぶん回してみても答えの代わりに湯気が出るばかり。思考の無限回廊にはまり込んでしまった陽子の意識はいつしかイデアの園へと飛び去ってしまった。
彼女の三十二の特技であるところのとりっぷ、である。
あまり性能の良くないCPUに全神経を集中させいつもの二倍の演算能力をひねり出すこの能力は、思考の簡略化とオートメーション化によってなされている、らしい。
使い手にはほかに、伊吹風子という永遠のライバルがいる。
傍目トんでるようにしか見えないというのが唯一にして最大の欠点だろう。
!”#$%&’(&’())===)()&’%&’$’&)=〜()))(’!”#$%&’()=)(’&%!”#$%&’()
思考の海にいる。膨大な量の情報から必要なものだけを選りだす作業はとても神経を使う。
「よ・・・お・・・・・」
声が聞こえる。
「よう・・・・・・ど・・・・・・」
五月蝿いなぁ今考え事ちゅう。でもなんだか聞き覚えあるような・・・?
「・・・う子!陽子!!大丈夫!?医者よぶ!?」「お姉ちゃん!大丈夫占いじゃ助かるって言ってるから!」「それが心配なのよぉ!!」
遠かった声が段々と近くに寄ってくる。たいヘんな集中力を要するこの技に雑音は天敵だ、と自分では思っている。
そろそろ怒ってもいい頃か。
「・・・あ〜〜・・・・もう!!うるさい!今考え事してるの!!・・・って椋ちゃんに杏じゃん、どうしたの?」
「・・・どうしたの・・・・って・・・。陽子!大丈夫!?頭とか、痛くない!?」
「え、うん。ていうかなんで?」
「・・・っはぁ〜〜。よかったぁ・・・。これ以上起きなかったら禁断のアレを食らわせるところだったわ・・・。」
62 :
100:2005/09/18(日) 02:41:39 ID:M2PJGBLc0
「本当に大丈夫なんですか陽子さん!」
入れ替わるように現れる椋。なまじ顔が同じなのでなんだかピン芸を見ているような気分にさせられる。
「?椋ちゃん?なんかあったの?」
「今日は委員会も無いので、朋也君と陽子さんを誘って商店街にでも行こうかなと思ったんですが・・・。」
「あんたが凄まじく不健康そうな顔で寝てるもんだからとうとう白い粉の奴隷になってしまったもんだとばかり・・・。」
・・・普段自分がどう思われているか良くわかった気がする。
「お姉ちゃんてば凄いんですよ!何をしても起きない陽子さんに知り得る技の全てを出し切って・・・。
中でもあの最早芸術といってもいいブレーンバスt「わ!わ!バカバカ椋!それは秘密にしときなさいって!」なんでもないですよ?」
「・・・なんだか不穏当な言葉が聞こえたような気がするんだけど・・・」
「気のせいですよ。」
「後頭部もなんだか看過しがたいほど痛いしってほんとに痛いし!」
「ああ、あれよ脳腫瘍じゃない?ほら、脳が圧迫されて痛いって。」
「本当にそうだったらしゃれになんないですよねぇ!」
「え、えーと。ああそうだ。あんた考え事してるって言ってたけどそれって何のこと?」
「今凄まじい勢いでスルーされた気がするんだけど・・・。」
「・・・でもあそこにまでなるってことはよっぽどの事なんですよね、話してみたら楽になるんじゃないですか?」
「そうよ、はなしてみなさいよ。(ナイスフォロー椋。)」
(・・・友達っていいなぁ。こうゆうの憧れてたんだよね、友達だけの秘密ってやつ?)
友達居ない人の考え方だ。現に居なかったんだけれども。
「・・・うん。最近ね、岡崎が・・・」
((よし!))
そんな気持ちを踏みにじるような双子の息の会ったツープラトンはあっさりと話題をそらしてしまう。
なんというか、打算まみれだ。
63 :
100:2005/09/18(日) 02:43:15 ID:M2PJGBLc0
「・・・というわけなんだよ。最近おかしいんだよね、私なんかしたかなぁ・・・。」
転げ落ちるように意気消沈していく陽子と反比例するように双子のボルテージは上がっていく。
「ずばり女ね。」
「ですね。」
即答。
「え」
「だって考えてみなさいよ。あいつだって健全な高校生、それこそヤりたいざかりよ?あいつ顔は悪くない・・・っていうかかなりカッコいいんだから最早入れ食いね。」
「きょ、杏・・・。で、でもそんなそぶりなんて欠片も見せないし・・・。そこまで器用じゃないと思うんだけどなぁ・・・。」
「悪い女に騙されてるんですよ、きっと。朋也くんは優しいから呪縛から抜け出すことが出来ないんですよそこに颯爽と現れる私朋也くんは私を尊敬と感謝の目で見つめいつ しかそれは燃え上がるような愛へと変わり二人の唇は夢のどきどきアバンチュールを」
「りょ、椋ちゃん・・・。で、電波が・・・。」
上がりきったボルテージはいつしか姿を変え、二人の周りにどす黒い超魔界村が現れる。植物は枯れ、飛ぶ鳥は落ち、一切の生命の活動を拒絶する、そんな空間が。
「ともかく許せないわね。」
「ですね。」
「これはその女にそれ相応の罰を受けてもらわないとだめね。」
「ですね。・・・アレはどうですか?」
「ああ、アレ。」
(アレってなんだろう。でもそんなことを聞いたらそのアレを・・・うん、やめとこう。)
賢明な判断である。
結局その日は陽子の必死の説得、というか実力行使もあいまって解散、後日原因を突き止めるための尾行開始、という無難な結論で幕を閉じた。
今この二人を解放したら、町は大変なことになると踏んだからだ。
・・・そのための犠牲は計り知れない。皆までは言わないが。
「レ恐いアレ恐いアレ恐いアレ恐いアレ恐いア・・・・」
・・・合掌。
64 :
100:2005/09/18(日) 02:45:28 ID:M2PJGBLc0
お久しぶりです。三作目に突入させていただきましたたが、なんとなくキャラ壊しすぎた感が・・・
ともかく、最後まで書ききろうと思いますので、ご同行お願いします
乙女な陽子GJ!!
いいなぁ……。ここ最近は良作ぞろいだ。
ヤベッ、陽子がすげーかわいい
ちょ!めちゃさがってるじゃん前スレより下ってどーゆーことよw
それはともかく貴子萌え
前スレ埋まりましたね。
「悪かったね、手伝ってもらっちゃって」
「ううん、いいの。せっかくだし……」
せっかく雪弥と一緒なんだし、と心の中でつけ加える。
私たちが今いるのは陸上部の部室。雪弥は部長としてここの管理を任されている。具体的には、この中の
掃除や備品の管理とかをしてる。ってのは、つい今までそれを手伝っていた私が良くわかっている。
これまで部活なんてやったことない万年帰宅部の私には、けっこう新鮮な体験だった。
でも、部室の掃除とかって、みんなでやるものじゃないかしら? ふとそんな疑問を覚えて、
雪弥に聞いてみたら「昔からそうなんだって。陸上部の伝統だよ」と教えてくれた。
ひとりでやるのは結構大変そうだと思いながらも手伝ったら、実はそうでもなかった。
「……ここって綺麗ね。運動部の部室って、もっとその……ゴチャゴチャしてて、汚いものだと思ってた」
室内を一通り見渡し、素直な感想を口にした。
壁は白で、そこの際に並んだロッカーは薄いグリーンで統一されている。その手前には青い長ベンチ。
そして部屋の中央に鎮座する大きいテーブル。いずれも乱暴に扱われた形跡はない。ここの隣にある
シャワー室も同じだった。
だから、仕事そのものは大して時間もかからなかったし、楽だった。むしろ、放課後にみんなで校舎内の
掃除をする方が骨の折れる仕事だろう。
「うん。僕もそう思う。みんな大切に使ってくれるからね。もしかしたら、そのための伝統なのかも」
「あ……部長に変な雑用ばかりやらせないように、って?」
「多分そうじゃないかなー、って思ってるんだけど」
「それでも、これって雪弥の人柄じゃない?」
「あはは、そんなことないよ」
雪弥は照れたように笑う。でも、私は本気でそう結論づけていた。首を軽く横に振る。
「さっき見てたけど、雪弥は凄く頑張ってた。だからみんなきっと、雪弥のこと信頼してる。それに私も……」
「それに?」
「ちょっと、惚れ直しちゃった……」
うわーっ、私なんか、凄く照れくさいこと喋ってる!
途端に顔が熱くなる。雪弥の顔をまともに見られない。校庭でキスなんて、もっと恥ずかしいことを
さっきしたばかりなのに、なんでこんなことで赤面しちゃうのよ。
「……」
もっとも、それは雪弥も同じらしくて、やっぱり真っ赤な顔をしていた。
こうしてふたりとも黙りこくり、ただ時間だけが過ぎていく。
(ちょっと気まずいわね。何か言わなきゃ……)
そんなことを考え、口を開きかけた時、私は雪弥の胸元にすっぽりと抱きすくめられていた。
「えっ?」
「ごめん。今のゆうは可愛過ぎて……我慢できないよ」
「ちょ、ちょっと……」
雪弥の言う「我慢できない」の意味は、すぐに理解できた。つまり……私を抱きたい、ってこと。
でもここは学校で……。
「だ、ダメよっ、こんな所で……もし誰か来たら……」
「大丈夫。こんな時間に、もう誰も来ないよ」
「で、でもっ」
「それじゃあ……」
と言って、いったん私から離れて、ドアの鍵をかちゃり、と横に回した。これで、この部屋は誰にも
邪魔されない、完全な密室になった。
「ゆう、良いよね?」
改めて、肩を抱かれる。そしてそのまま、キス――じゃなくて、首筋に吸いつかれた。
「んっ、んんっ」
いきなり、私の感じる場所を愛撫される。でも、声を押し殺して耐える。もしここで大声を出してしまったら、
それを聞きつけて誰かが来ちゃうかもしれない。そんな恐怖感があった。
だけど、私は雪弥を拒むことも、ましてや突き放すこともできない。なぜか脳裏に、100メートルを
疾走していたさっきの彼の姿が蘇っていた。
「ちゃんとキスして、そして抱きしめて……」
結局、雪弥の求めに応じてしまう。もしかしたら、私自身もこういう展開になることを望んでいたのかも。
さっきの雪弥、カッコ良かったから……。
「……ん、んんっ……ふわぁぁっ……」
雪弥の唇が重なる。強く、激しく。舌を突き出したのは同時で、そのまま絡める。
息が苦しくなって唇が離れても、舌の絡め合いは止まらず、私たちの口元はお互いの唾液でベタベタになる。
(あ……雪弥の匂いだ。いい匂い……)
ディープキスをしながら、それに気づく。部活動で激しい運動をしてたから、いつもより強く感じられる
雪弥の汗と身体の匂い。
「ふぅん、はぁっ……」
長いキスが終わる。その時を見計らって、雪弥の手が私の制服に伸び、私も彼のユニフォームに手をかける。
制服のリボンを解かれ、ボタンも外される。薄地の夏服だから、手際良く脱がされていく。
でもそれを言うなら、雪弥の方がずっと脱がせ易いけど。上にはユニフォーム1枚しか着てないから。
時折、軽いキスも交えながら、お互い確実に着衣を剥いでいく。雪弥の上半身が露わになり、私も
お気に入りのブラを取られ、今度は下半身を隠すものを脱がせ合う。
雪弥の短パンは、もうテントみたいに張ってて、形がわかるくらいに膨らんでいた。それを下着ごと
ずり下ろす。戒めを解かれて、弾けるように姿を現す、雪弥の大きくなった……おちんちん。
私のスカートもホックを外され床に落ち、すぐにショーツも脱がされて……。
陸上部の部室の中で、靴下を除いて全裸になった私たちは、立ったままで向かい合った。
「ゆう、綺麗だよ……」
「雪弥……あなただって、素敵よ……」
大柄じゃないし、筋肉質って訳でもない。でも、雪弥の身体は均整が取れてて、無駄な肉が全然なくて、
引き締まっている。
(こんな身体してるから、あんな運動ができるんだ)
さっきの光景を思い出し、ドキリとなる。この身体だからできるあの走りで、私だけじゃなくて
他の女子も魅了して……。
でも、彼の身体も、心も独占できるのは、私だけしかいない。雪弥は私のモノで、私は雪弥のモノ。
「ん……」
やだ、そう考えただけで、濡れてきちゃった……。
「じゃあ、するよ」
雪弥の手が、私の胸に触れる。身体も密着したおかげで、太ももを伝って落ちる雫に気づかれずに済んだ。
「んっ、あん……はぁ……」
私の半球形の上を這い回る雪弥の指。それだけで私は昂って、声は艶を帯び始める。
胸は自分の身体の中でも、少しは自信のある部分のひとつだと思っている。雪弥とこんな関係になってから、
ちょっとサイズアップしたし。男の人に揉まれると大きくなるって、本当なのかもしれない。
「乳首、勃ってる……」
「わっ、わざわざ言わなくていいわよっ!」
エッチの時の雪弥はけっこう意地悪で、私が恥ずかしがることを平気で言うことが多い。それがわざとなのか、
それとも天然なのかはわからないけど。
「きゃんっ! あっ! 摘まんじゃやあっ……」
雪弥に言われた通りの状態になっていた私の胸の先端。そこばかり攻められる。乳首から電気のような
刺激が発生するたびに、頭の中も真っ白になって……。
それから回復したかと思ったら、雪弥は私の胸の谷間に顔を埋めていた。
胸に唇を這わせている雪弥の頭をそっと抱く。
「雪弥、赤ちゃんみたい……」
でも、赤ちゃんはこんなにいやらしく――ちゅうちゅうと音をたてておっぱいを吸ったりしないけど。
「うんっ、あっ……はあん……あぅ!」
乳首を吸われながら、空いている方の乳房を握られ、形が大きく歪む。
「感じてるんだね、ゆう」
「ああっ……あ、当たり前でしょっ――はんっ! そ、そこおっ!」
雪弥は私の感じるところばかりを的確に愛撫してくるから、もう声を我慢できる状況じゃなくなっていた。
「はっ、あっああっ! いっ、イイっ、うんっ……あっく、ひああっ!」
エッチな声を誰かに聞かれるかもしれない、なんて懸念はもうなくなっていた。雪弥はもう誰も来ないって
言ってた。私は、雪弥のこと信じてるから……。
「ああああっ! あううっ! ゆ、雪弥ぁ……わ、私っ、もうっ!」
「ゆう、イッてよ、ほら。ゆうがイクのを見たいから」
「ひゃうっ! ふああああぁんっ!」
乳首を軽く噛まれ、そのまま口で引っ張られた時、私は最初の絶頂を迎えた。
「ああ……胸だけでイッちゃった……」
朦朧とした意識の中で、私はそう言うのが精一杯だった。だから、雪弥が脱力した私の身体を支え、
テーブルに腰かけさせ、さらには太ももを掴んで脚を開くのを、ただ受け入れるしかなかった。
「あ……ゆ、雪弥、ちょっと待って……」
遅ればせながら脚を閉じようとしても、雪弥にしっかり掴まれてて、抵抗できなくて……。
しゃがみ込まれて、雪弥が私の恥ずかしいところ――生殖器の入り口と対面した。
「綺麗だよ、ゆうのここ……ピンク色してて、こんなに濡れてて」
間近で凝視され、それだけでも逃げ出したくなるくらいの羞恥に苛まれてるのに、そこに雪弥が指を添えて、
「あっ!?」
くぱあっ、と割れ目を左右に大きく押し開かれた。
「やっ、やあああんっ!」
「まだ溢れてくるんだ……」
「うううっ……」
私の奥から、雪弥に見られてるところから、液がこれまでよりもいっぱい溢れ、とろり、と流れ出す。
「は、恥ずかしいっ……見ないでっ……!」
「もう何度も見てるんだから、そんなに恥ずかしがらなくても良いのに」
「何度だって恥ずかしいものは恥ずかしいのっ! そ、それなら雪弥はどうなのよ?」
「え、僕?」
「そうよ。あなただって、私に、その……アレを見られて」
「僕も最初は恥ずかしかったけど……今は少し誇らしい、かな?」
「え?」
股の間から思いがけない答えが返ってきて、私は一瞬面食らう。
「だって、普通なら男のなんて誰も見たくないでしょ。でも、ゆうは僕のを握ったり、口でしてくれたり
するし……ゆうが、僕のことをそんなに好きでいてくれてるんだなー、なんて」
「雪弥……」
「あ、ちょっと自惚れてたかな? あはは……」
「ううん、雪弥の言ってること、全部あってる」
そう、好きだから……雪弥のを口でしゃぶっても全然イヤじゃないし、精液を飲むことだってできる。
最近じゃ、美味しいとすら思えるようになってきたし。
だから、雪弥のさっきの言葉は、私の中にくすぶる欲望という名の火に注がれた油のような働きをした。
「えっと……一緒に、しよ?」
ふたりして、長椅子に横になる。私が上で、雪弥がその下。もちろん、私が雪弥の頭に跨るように――
いわゆる「シックスナイン」の格好で。
だから私の目の前に、苦しそうに張り詰めた雪弥の性器がある。私も同じように見られちゃってるけど、
今度はおあいこだから、少しはマシ。
不思議な形をした、熱く火照った肉の棒を握って、
「じゃあ、するわね」
と宣言した。そのまま軽くしごきながら、まず先端を口に含む。
舌先で軽く舐めると、びくっ、となる雪弥の分身。
(雪弥も感じてるんだ……)
それだけでも私は嬉しくなって、もっと雪弥を感じさせたいと思い、口の中いっぱいになるまで咥えた時、
「んっ!? んんーっ!」
私の膣内に何かが侵入してきた。
「んっ! ふうううんっ!」
雪弥を咥えながら喘ぐ。アソコに指を――それも2本も挿れられてる。
私も負けじと、顔を大きく上下させて、雪弥を口でしごく。でも、雪弥も上手く私を攻めて、私の身体は
彼の上でビクビク震える。
(ヤダっ、感じちゃうとこばっかり……!)
雪弥の指が割れ目を開き、膣内をグチュグチュ鳴らしてかき混ぜる。それで溢れるエッチな液は、膣口に
キスされて吸われ、ついでに舌まで挿入される。
「ふううんっ! んっ、んっ、ちゅううっ……」
「くぅっ……ゆうの口の中で溶けちゃいそうだよ」
雪弥の溜息じみた声を聞きながら、私も夢中で彼への奉仕を続ける。唇での圧力を強めながら吸って、
喉の奥に当たるくらいに深く含んで、雪弥を追い詰めようと試みる。
「ちゅっ、んっ、ふうううっ……ふぁっ! あっ!」
でも、雪弥の歯が私の最も敏感な場所――クリトリスを挟んだ瞬間、私は彼との勝負に負けた。
「きゃうっ! あああぁぁっ!」
息苦しさと気持ち良さに耐えられず、雪弥を口から解放してしまう。その時、私にわずか遅れて雪弥も
限界を迎えた。
「っ、出るっ!」
「あっ、はあぅうん……ああ……ベタベタぁ……」
呆然となりつつ、白濁した飛沫を顔に浴びる。熱くて濃い雪弥の精液。それを顔じゅうにぶちまけられながら、
私は夢見心地に呟く。
「イッたの、雪弥と一緒だったね。嬉しい……」
「うん。ごめん、汚しちゃって」
「ううん、雪弥のなら平気だから。美味しいわよ……」
頬についた、ねばっとした精液を指ですくい、口に運ぶ。苦いけど、雪弥が私のために出してくれたのだと
思うと、とても美味しいと感じる。
それに、顔にかけられると「私は雪弥のモノ」って印をされたみたいな気がして……特に今日は、
そうされたい気分だったし。
絶頂の余韻で力が入らない身体をノロノロと動かす。雪弥も起き上がって、お互いに向かい合う。
ふと、雪弥の股間に目を移すと、そこは大きいままで……。
「あ……まだ元気なんだ」
「あはは……まだ出し足りないみたい。だから……」
肩をつかまれ、ゆっくりと仰向けに押し倒される。これからが私たちの本番。ここまで来たら、
それはもう当然過ぎることなんだけど、でもちょっと……。
「ここじゃ背中が痛いから……」
視線でテーブルを示す。雪弥も頷いて、立ち上がりかけた私に手を差し伸べてくれた。
雪弥は私をテーブルに腰かけさせ、精液まみれになった顔を、部室に常備されていたウエットティッシュで
清めてくれた。
それからまたさっきのように、両脚を大きく開かれ、雪弥の身体がその間に割り込む。
いよいよ雪弥が私の中に……と期待した時、彼は何かに気づいたように「あ、そうだ」と短く呟いた。
「ちょっと待って。ゴムつけるから……えっと、財布の中だっけ」
そう言って、いつも隠し持っている避妊具を探そうとする雪弥だけど、私は彼の手を掴んでそれを止めた。
「ゆう?」
「今日は大丈夫だから……そのままして」
「良いの? 本当に?」
こくん、と頷く。そしたら、雪弥はほんの少しだけ思案顔になってから、言った。
「あ……なら、ちょっとお願いがあるんだけど」
予期していなかった問いに、今度はこっちが聞き直す。
「お願い?」
「あのね……」
耳元で雪弥がささやく。その言葉を聞いて、意味を理解した瞬間、私は一気に赤面した。
「っ! そ、そんなこと言えないわよっ!」
「ダメ? そっか、やっぱダメか……」
即座に断ると、雪弥は途端に悲しそうな顔になる。ちょ、ちょっと、そんな表情しないでよ。まるで私が
悪いみたいじゃない。
「ごめん。悪かったよ。ゆうにもっとエッチになって欲しかったんだけど……」
「ううぅ……わかったわよ……」
結局、雪弥の「お願い」が理不尽なことを理解しつつも、彼に屈してしまった。好きな人の望むことを
してあげたくなるのは、当然だから……。
覚悟を決め、脚をM字型に大きく開くと、貝のような大陰唇を指でこじ開ける。
「は、恥ずかしい……」
これで、ピンク色の艶かしい肉襞も、充血してコリコリにしこったクリトリスも、秘密にしておきたい
全ての部分を自ら露出させたことになる。そして、決定的な一言を絞り出した。
「雪弥のお、おちんぽを……私のお、お、おま……おまんこに挿れて……せ、精液を膣内にちょいだいっ!」
ああ、言っちゃった……。私ったら、なんていやらしいんだろう……雪弥が欲しいって気持ちは確かに
強いけど、だけど、これじゃまるで変態じゃない! 何てこと言わすのよ、雪弥のバカ……。
羞恥のあまり、雪弥から顔を逸らす。その間に雪弥は私の脚をもっと大きく開かせ、カチコチに固い
股間のソレが、グチョグチョになった私のアソコに触れた。
「じゃあ、挿れるよ。膣内でいっぱい出してあげるから」
「は、早く……んっ、くうんっ!」
ずぶずぶと、私の狭い肉を割り入ってくる熱い塊。この一瞬はとても好き。始めの頃は痛かったけど、
幾度も雪弥と交わっているうちにそれはなくなり、ひとつになってる気持ち良さと嬉しさだけが残った。
「ん……よいしょっと」
「きゃっ!」
雪弥が私の腰に手を伸ばしたかと思うと、急に身体がふわり、と浮いた。
「ちょ、ちょっと? どうするの?」
「大丈夫だよ。落っことしたりなんてしないから」
お尻を抱きかかえられ、足が地についていない。私は雪弥によって、完全に抱っこされていた。
こ、これって、その……「駅弁」っていうやつよね? こ、こんな不安定な格好で……。
「ホントに? 私、重くない?」
「ううん、そんなことない。ゆうは軽いよ。じゃなかったら、こんなことできないよ」
私の体重そのものが、雪弥のおちんちんを奥まで導いている。子宮に先端がぐりぐりって押しつけられてる。
「動かすよ」
雪弥が、私が待ち望んでいたことを言い、実行した。
「んっ……あはあっ、ちょ、ちょっと怖い……」
私の臀部がゆっくりと持ち上げられ、雪弥のも私の膣から出て行く。不安定な格好のまま、
抜けちゃうんじゃないかと思って、雪弥の腰に脚を絡め、首筋にぎゅっとしがみつく。雪弥の胸板で
私のおっぱいが押し潰され歪む。
でも、落っこちるなんて心配は杞憂だった。
「んっ、あっ、はあっ! はうぅぅ……ううんっ!」
お尻の肉を掴まれ、力任せに上下に動かされる。
人をひとり抱きかかえて、こんなに激しく揺さ振れるなんて、雪弥って、やっぱりたくましいんだ。
「膣で擦れてっ……奥にっ、奥にあたってるっ! 雪弥のおちんぽっ!」
気持ち良くて、何が何だかわからなくなって、凄く恥ずかしい台詞が私の口から飛び出す。
「うん、僕もわかるよ……ゆうの子宮を突いてる。ゆうの奥の感触がわかるよ」
おちんちんが抜けそうなまでに出て行くと、雪弥は腕の力を弱める。それだけで私の身体は下がり、
ずぶっ、とより深くまで結合する。
「あああっ……ふあっ! ふあああんっ! いっ、イイっ! 気持ちイイのっ!」
だけど、されるだけじゃちょっと申し訳なくて、それに私からも雪弥を求めたくて、彼の背中に回した
両腕に力を込める。それでどうにかして、自身を上下に揺すろうと試みる。
「イイよおっ……雪弥はっ? 雪弥は気持ちイイっ!?」
「うん。ゆうのおまんこ、凄くイイよ……」
「うっ、嬉しいっ! もっと、もっと良くしてっ! もっと良くなってっ!」
雪弥は腰も使ってリズミカルに、おちんちんで私の膣内をえぐるように、かき混ぜるように突いてくる。
子宮が雪弥の先っぽで叩かれて、そのたびに私は淫らな声を発し続ける。
「はあぅっ、ふひゃあんっ! あんっ! ああーっ!」
声だけじゃなくて、私たちが繋がった場所からも、ぶちゅるっ、ぐちゅるっ! って……ああ、凄く
いらやしい音だ。ホントに、私の身体からそんな音がしてるの……?
それに肌同士がぶつかってパンパン、って。それがエッチな雰囲気を増長させてる。
「んっ、あっ、あっ、あっ、あぁうっ!」
「はぁ、はぁ……」
私の喘ぎ声と雪弥の息づかい、そしてセックスそのもの音が、今はふたりだけの空間となった部室に、
渾然一体となって響き渡る。
「ふゃあああんっ! あ、あっ! あん、あんっ!」
子宮も、膣内そのものも性感帯に変わっちゃったみたいで、刺激が電流みたいに全身をビリビリとさせる。
それに、奥まで串刺しにされると、肌と肌が密着して、結合した部分が圧迫されて――雪弥の肌で
クリトリスが押し潰されて、陰毛で擦られてる。
「はううんっ! あっ、くっ、クリっ、クリトリスがっ! あああああっ!」
それに我慢できなくなった瞬間、私の膣が大量の愛液を噴き出した。ぷしゃっ、ってまるでおしっこ
漏らしたみたいに溢れ、私たちの下半身をベタベタにする。
その潮吹きが、私たちが絶頂へ達する合図となった。
「ダメっ! もうダメッ! んふぁああっ! イクっ! 私イクうっ、イッちゃうううっ!」
「ぼ、僕も出そうだよっ! 中で、いいんだよね……?」
「来てっ、出してっ! 私の中でっ、おまんこでイッてっ! 雪弥の精子が欲しいっ!」
「っ! うああっ! ゆうっ!」
「イクううううんっ! あっ、熱いいいっ!」
ずんっ、とひときわ深く突き込まれた直後、雪弥のおちんちんが脈打ち、びゅくっ、びゅくんっ! って
先端から生命の素が迸る。びゅるびゅると大量に放たれたそれを子宮で受け止めながら、私も快感の頂点へ
到達した。
「ああうっ、出てるっ! いっぱい出てるっ……ううんっ!」
愛する男性から赤ちゃんの素を胎内に注ぎ込まれるその時は、私にとって一番気持ち良くて、幸せだと感じる
時間だった。だから私は、安全日には避妊をして欲しくないし、そのまましてくれることをお願いしている。
だけど、こんなにたくさん出されたら、危険日じゃなくても妊娠しちゃいそう。
(でも、雪弥の赤ちゃんなら、いつかは産みたいな……)
「はぁ、はあぁ……ゆきやぁ……」
やがて雪弥の射精が終わり、愛情をたっぷりもらった私は放心して、彼の胸板に身体を預ける。そんな私に、
雪弥が深くキスしてくれる。
「んんっ、はぁっ……ちゅ、ううん……ぷあっ」
下からは精液を、上では唾液を流し込まれて、心も身体もとろけるくらいに気持ち良い。
私の舌と雪弥のそれが絡み、アソコでの交わりみたいに、クチュクチュと淫らな音をたてる。
そんな長いキスが終わると、雪弥は私をテーブルに下ろしてくれる。それに伴って、膣から引き抜かれる
雪弥のおちんちん。
「ん……あんっ」
開ききった膣口から、精液がごぽりと溢れ出す。おちんちんが名残惜しいとアソコが涙を流している
みたいだった。
でも、それが止まって一息ついた時、雪弥は新たな行動に出る。
「ん……うんっ……またするの……?」
「うん、まだ治まらなくて。ゆうは大丈夫?」
「ええ……いいわよ。来て……」
身体に力が入らない私は無理矢理うつ伏せにさせられる。足が床について、上半身をテーブルに預けながら、
雪弥にお尻を突き出す格好になる。
お腹が圧迫されたため、雪弥の精が膣からまた溢れて、床にたれた。
(あ……今度は後ろから?)
私はバックよりも前から――普通の正常位の方が好きだったりする。これが一番「雪弥に抱かれてる」
って実感が大きいから。繋がりながらキスもできるし。
でも、この格好でするのも嫌いじゃないから、雪弥との再合体に備えて、テーブルの端を掴んで――
え? そこは違う――っ!
「ひぎいっ!」
私の一番汚れてる場所に、熱くて固くて、大きいものが入り込もうとしていた。それがさっきまで、
私の膣内で暴れていた雪弥のおちんちんだとすぐに気がつく。
「イヤっ! 痛いっ! そんなところ入らない! やめてっ!」
「ごめん、ゆう、止まらないよ。我慢して……」
でも雪弥は、私の懇願を無視して、本来挿れるべきじゃないところに、おちんちんを突っ込む。
逃げ出そうとしても、腰をがっちり掴まれていて、どうにもならなかった。
「ああああああっ! 痛い、痛ああいっ! イヤああああっ!」
全身が裂けちゃうんじゃないかって思うほど痛くて、私は泣き叫ぶ。初めてエッチした時――雪弥に
処女を捧げた時よりも、明らかに痛かった。
「ぐ……くっ! ぜ、全部入ったよ……」
「ひぐっ、うああっ……!」
「う、動くよ。ゆっくりするから……」
「あぐうっ! ひっ! イヤっ、助けてっ! あああっ!」
雪弥の大きいのが、私の直腸から引き抜かれていく。彼が言ったようにゆっくりだったけど、
それでも激痛に襲われる。
「おっ、お尻がっ! 広がって……っ!」
「うわっ、ゆう、すご……きつっ……」
「あぐっ! ああっ、うああああっ……壊れちゃうっ! お尻が壊れちゃううっ!」
抜けかかったところで、また強引に挿入されて、息も絶え絶えに呻く。痛くて、変な感じで、
狂ってしまいそうになる。
でも、私をそんな目に遭わせている雪弥はそうじゃなかった。
「うぅ……ゆ、ゆうのお尻の穴、凄く良いよ……」
「うっ、ウソよっ! そんなとこが気持ちイイわけっ――っ!? あっ! ふぁあうっ!」
雪弥がのおちんちんが、私の直腸から出たり入ったりを繰り返す。その動きによって、私が寄りかかった
テーブルがキシギシと軋む。
そんな中、痛みじゃない何かが、お尻から全身にじわりと広がり始めたのを感じた。それが快感だと
いうのを理解するまで、時間はそんなにかからなかった。
「うあっ、はぁっ! あっ、あああ……っ! あんっ!」
(え、ウソっ!? なんでっ!? こんな、こんなのが、お尻が気持ちイイなんて……!)
心が否定しても、身体が反応してしまう。それを示すように、私のアソコから、愛液が新たに溢れて、
太ももを伝って落ちている。
(あ……流れてる。私、エッチな液をいっぱい溢れさせてる……も、もうダメ……っ!)
その事実を認めてしまうと、私が新しい快楽に目覚め、堕ちるのは早かった。
「ああっ……そんなっ! 変っ、変よっ! イイっ! イイのっ!」
「ゆう……? 気持ちイイの? お尻で感じてるの?」
「そ、そうよっ! 気持ちイイのっ! イヤああっ……」
快感が絶え間なく――波のように押し寄せ、引き際に理性をさらっていく。あんなに嫌がっていたにも
関わらず、私は雪弥を、お尻でのエッチを――アナルセックスを求める。自分から腰を揺すって、
叫びにも似た喘ぎ声をあげて。
「はぐっ! ひはああっ! こっ、これじゃ、わたしぃ……い、淫乱じゃないっ!」
「好きだよ。お尻で感じちゃう淫乱なゆうも大好きだよっ!」
「ああっ、はあんっ! 雪弥っ! 私もっ、好きっ! 大好きっ! 雪弥っ、ゆきやああっ!」
雪弥に愛の言葉をかけられて、それでもう痛みも、お尻で感じてる背徳感もどこかに消え去って、
雪弥が気持ち良くて、雪弥が大好きで……今はその2つが私を支配していた。
そして、快感の頂上も、すぐそこに来ていた。私にも雪弥にも。
「ゆうっ、出るよっ! ゆうのお尻の中に出しちゃうよっ!」
「だっ、出してえっ! 私のお尻にっ、雪弥のせーえきっ!」
「……っ、ううっ!」
「ひゃっ! あっ、あああっ! ああああああぁっ!」
私の腸の中で、雪弥が弾けた。どぷっ、と熱い液体を感じた瞬間、私も絶頂に達して、意識を失いかけた。
(はああぁ……イッちゃった。また中に出されてイッちゃった……)
それもお尻で、お尻なんかでイッちゃうなんてぇ……。
「くっ、ゆうっ……!」
「まだ出てるっ、いっぱい出てるぅ……」
どくんどくん、と腸内に流し込まれる雪弥の精液を、どうにか気絶を免れた私は、呆然となりながら
受け入れる。
やがて、雪弥が私の中から出て行く。
「んんぅっ! あんっ、くはぁっ……」
雪弥のおちんちんが引き抜かれても、広がっちゃった穴はすぐには戻らなくて、そこから精液が
逆流するのがわかった。
「ふはぁ……溢れちゃってるよぉ……」
「ゆう、気持ち良かったよ……」
私の背中に、雪弥が重なる。その心地良い重みと温もりを感じつつ、無理して後ろを振り向くと、
汗だくになりながらも満足そうな雪弥の顔が目の前にあった。
「ん……」
そしてそのままキスをして、私たちは愛の営みを終えた……。
「一緒に帰るのって、久しぶりね」
「そうだね。ここ最近は練習が忙しかったから。今度大会があって、それが終われば3年の僕は引退だから、
そしたらいつも一緒に帰れるよ」
そう言った雪弥の笑顔を見て、今の私は本当に幸せ者なんだと、今更ながらに感じた。
「もう真っ暗になっちゃったね」
「そうね。秋人さんを心配させちゃったかしら?」
既に日は暮れて、空には星が瞬き、綺麗な満月も顔を見せている。
街灯がぼんやりと照らし出す住宅地の真ん中を、私たちは肩を並べて家路についていた。
ずいぶん遅くなっちゃったけど、これはしょうがない。まさか、私たちがあの部屋で愛し合っていた
痕跡を残す訳にもいかないし。
隣のシャワー室を借りて一緒に身体を清め、テーブルや床に零れた精液やら愛液やらを拭き取って
綺麗にして……。
それが終わって、私は教室へ鞄を取りに戻って、雪弥は部室の鍵を顧問の先生に返しに行って。
そんなこんなのうちに、夜になってしまった。
「そうだね……でも、商店街に行ってた、ってことにしとけば大丈夫だよ」
「でも、秋人さんって鋭いから……」
「う、確かにそうだけど……じゃあ部活が長引いたってことにしとくよ。ゆうは僕につき合ってもらった、
ってことで口裏合わせてよ」
「それが無難ね」
まぁ、間違ってはいない。その、長引いた理由が……私たちがセックスしてたから、というのは
説明できないけど。
そして、さっきまでのことを思い出す。雪弥にいっぱい、激しく愛してもらって、とっても幸せだけど、
いくらなんでも、その……。
(なんで、なんで雪弥は、私の……お尻なんかでしたのかしら?)
そこまで考えた時、私はちょっときつい口調で質問していた。
「雪弥、どうしてあんなことしたのよ?」
「え、何を?」
いくら人気がないとはいえ、こんなこと、街中で話すことじゃない。だから、私は雪弥に寄り添って、
小声で続ける。
「その……お、お尻で、なんて……」
「えーと……怒ってる?」
「そうよ。凄く痛かったんだから。まだ変な感じがするし……」
むくれながら言い放ちつつも、別に本気で怒ってる訳じゃない。気持ち良かったのも事実だし。
それは雪弥もわかってるとは思うけど。
「ゆう、ごめんね」
それでも、ちゃんと謝ってくれた。エッチの時は意地悪だけど、いつもは素直で優しくて、私のことを
大切にしてくれる雪弥。
(っと、今はそれよりも、雪弥の真意を問いただすのが先よね)
「で、どうしてなのよ?」
「……そっちの初めても欲しかったから」
「え?」
「ゆうのこと、好きだから……愛してるから、ゆうの全てが欲しくなって……って答えじゃ、ダメかな?」
(雪弥……)
そっか……私、そんなに求められて、想われてたんだ。これじゃもう、この件について問い詰める
ことなんて、できないじゃない……。
「ううん、ダメじゃない……嬉しい」
その想いを形にするため、雪弥の手をきゅっ、と握る。そして、言葉でも。
「雪弥。私も、愛してる」
そんな一言に、雪弥が私の手を強く握り返すことで応えてくれる。
ちょっと照れくさくなって夜空を見上げると、月の光がさっきよりも違って見えるような気がした。
優しくて柔らかな光。それはまるで、私たちの今の関係を祝ってくれているようで……。
だから私は、夜空に輝く丸い月に、心の中でお願いをする。
ずっとずっと、雪弥と一緒にいられますように。もっともっと、雪弥と幸せになれますように、って。
えー、前の
>>50-56と、今回の
>>70-87で、「駆けるあなたに馳せる想い」でした。
ムラムラして書いた。雪弥×ゆうなら何でも良かった。今は反省している。
長文失礼しました。では回線切っ……の前に、
>>58さん
本文中にもあるように、メインはあくまでも長距離です。が、たまには短距離もやるということでひとつ……。
好きな女の子が見つめてる、というシチュエーションの場合、私の中ではスプリンターの方が絵になり易い
と言う気がしましたのでw
逆に短距離メインの場合ですと、肉体にはかなり筋肉がついていなければなりません。しかしそれだと、
名雪=雪弥のイメージとは程遠くなってしまうので、あのような展開にしました。
では、こんどこそ回線切って首――じゃなくて、
:y=-( ゚д∴゜・∵;; ドヴァーーン
Very GJ!!
なんてヤらしく変態な陸上部部長だ(誉め言葉
うはwゆうエロスwwwGJw
∧_∧
( ;´∀`) ちんこ勃ってきた。
人 Y /
( ヽ し
(_)_)
貴子の朝ご飯は美味かったです。たぶん今すぐどこに嫁いでも大丈夫です。
しかし、それに立ちはだかる障害はベルリンの壁どころかエッフェル塔並に高いんです。
何故なら。
「いってぇ…」
「言っておくけど、悪いのは君だからね。頼むからさっきみたいなたー子を怯えさせるような真似はもう二度としないでくれ」
何か変なことをすればこの怖ーいお兄様に殺されるからです。
しかも生きながらに殺されるという拷問です。
「でもよお、やっぱり男なら魔がさす時があるっていうか…」
「…たー子は今性的対象として見られるのを極端に嫌がってるんだ。だからその分異性に対して拒絶反応が出てるし、
同性に対してのガードも薄くなってる。たー子は君を同性として見てるんだ。…下手な真似をしてこれ以上彼女の安らげる場所を取らないでくれ」
それなのにこいつが憎めないのはその行動原理が全部一人の女の子を守る為だからなんだよなぁ。
…いや、理不尽な言葉の暴力も多いですが。基本的に暴君なのに変わりはないですが。
「…わぁったよ。俺だってあいつを守るって約束したんだ。それくらい耐えてみせるさ、ああ耐えてみせるとも!」
「期待してるよ、君のその言葉にね」
にっこりと笑うお兄様は相変わらず考えが全く読めねえ。
あの隙だらけの貴子にどれほど俺の理性が持つかなんて分からねえが、そんなこと言われちゃ手の出しようがねえからな。
「二人とも、ごめんね…!」
俺と兄貴がそんな会話をしてる間に制服に着替える為に一度部屋に戻っていた貴子がとたとたと鞄を持ってこちらに走ってくる。
ああエプロン姿もいいがやっぱり制服姿の貴子は可愛いぜ。
「お待たせ」
「それじゃあ、行こうか」
向こうの世界の貴明は毎朝このみの奴を起こしに行ってたが、こっちの世界の貴子はうちで暮らしてるから途中で合流するとのことらしい。
こっちのチビはどうやら貴子が大変な目にあってからはそれなりにしっかりしてきたらしい。向こうのは相変わらずほえほえしてそうだが。
「悠里、いや雄二君。その姿で目立つことはできるだけ避けてくれよ。学校じゃ家にいるときみたいに俺がフォローしきれるとは限らないからな」
「へいへい。俺も面倒なことはごめんだからな。心しておくさ」
「うん、私もできる限り協力するから」
そんな事を話している時だった。
「ターカちゃん!」
「キャッ!」
前から小さい何かが貴子めがけて突進してきた。
「えへ〜。タカちゃんに早く会いたくてこっちまで来ちゃった」
「もう、好巳ったら…」
にこにこと上機嫌な様子で貴子にじゃれつくちびっこいの。
それは言うまでもなくこのみ男版だろう。
向こうのこのみがお子ちゃま体型だっただけに、こっちのやつは髪が短くなって学ラン着てるくらいで向こうとそう大差ない。
それが男として、そして女として、嬉しいかどうかは別として。
このみ男版は言っちゃなんだがパッと見中学生くらいの女の子に見える。…本人にこれ言ったら傷つきそうだが。
「おはよう、好巳。最近は一人でも早起きできるようになったみたいだね」
「あ、おはよう、タマお兄ちゃん。えへ〜、好巳もいつまでもタカちゃんに頼るような子供じゃないのでありますよ。
今度は僕がタカちゃんを守るからね!」
この気の抜けた喋り方は俺や兄貴みたいな男がしてたら気持ち悪いだけなんだが、女の子みたいな好巳が言うと許せるから不思議だ。
傍から見たら母性本能擽られるとかそういう分類になるんだろうか。
「どうやら好巳がたー子の立派なナイトになる日も遠くないみたいだね。俺もたー子のナイト役を譲る気はないんだけど」
「もう、タマ兄ったら。そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
ほのぼのとそんな事を話しながら歩く俺たち。
こうしてると、向こうとは随分違うけどやっぱり同じ4人なんだなって実感する。
たとえ別々の道を歩んでも、顔を会わせればこうしてまた昔と同じように笑い合うことができる。
そんな風に信じあえる関係であることになんら変わりはない。
たとえ形は変わっても、築き上げてきた絆の強さは同じなんだろう。
そういうのは何だかくすぐったいけど嬉しい。
「ユウちゃんもおはよう。…って、どうかしたの?」
「あ、ああ。おはようさん。別に何でもねえよ」
「…? ユウちゃん、今日ちょっと変だよ…?」
「ああ好巳。その事で話が…」
そう言って兄貴が好巳に俺のことを話そうとした瞬間だった。
「河野貴子!」
どこからともなく貴子の名を呼ぶ声。
声のした方向を見れば自転車に跨った一人の男が貴子を見据えていた。
そいつの意志の強そうな瞳はどこかで見たような気がする。
…もしかしてこいつ、あの自転車女か?
そいつを見つけた瞬間、貴子の目の色も変わる。
闘志を秘めたその視線は貴明が自転車女と対峙した時と酷く似ている。
二人の視線が絡み合った瞬間、どこからともなくカウントダウンが始まった気がする。
3・2・1…
お互いの視線だけで交わされる無言のカウントダウン。
0。
その瞬間、貴子と自転車男、両方が一斉に駆け出した。
「お、おい…!」
貴子は俺たちを置いて一気にダッシュをかけた。
それなのに自称ナイト二人は随分と悠長だ。
「お、おい、アイツ追わなくていいのかよ」
「ああ、大丈夫、彼は」
そう言って何やらまた話し込んでしまった。
「チッ…!」
何が平気か分からなかったが俺はとりあえず二人を追いかけた。何かあってからじゃ遅え。
しかし女の体というのは予想以上に難儀だった。
思ったようにスピードが出ねえ上、少し走っただけで息切れしやがる。
貴子と自転車男はあっという間に俺を置いて行ってしまった。
こっちの俺、ちょっと体力無さすぎだぞ! 情けねえ…!
しかし追いかけて悪いことばかりじゃなかったさ。
真後ろで走ってただけにスカートが捲くれた瞬間丸見えだったんだよ、貴子のシークレットゾーンが!
白、か…。清楚な貴子らしいな。レースが朝から眩しかったぜ。
生きてて良かった。俺、あの時走って良かったよ…!
しかし自転車の男と走りの女じゃ結果はする前から分かってるんじゃないか?
どう見ても貴子が不利じゃねえか。
そんな俺の疑問も学校に着いて二人の姿を見つけた時にすぐに答えが出た。
「よし、今日も勝った!」
何やら満足げな顔をしている貴子。
もしかしてあの自転車男、自転車ありの男の癖に負けたのか!?
そんな俺の驚きも次の自転車男の言葉によってすぐに納得してしまうのだった。
「くそ…卑怯なり河野貴子…。あのデルタゾーンが…! あのデルタゾーンがいつも俺を惑わせるんだ…!」
と、負け惜しみを恨みがましく口にする自転車男。
つまりアイツは貴子のチラチラ見えるパンツに反応してしまい、いつも本来の力を発揮できてないということか。
いや、気持ちは分かる。気持ちは大いに分かるぞ、自転車男よ!
俺だって貴子の可愛いシークレットゾーンがチラチラと見え隠れしてたら勝負なんてどうでもよくなっちゃうからな!
お前は男として正しい。お前は男の鏡だ。漢の中の漢だ。
向こうの世界の自転車女はともかく、こっちの世界の自転車男とは何だか仲良くできそうな気がするぞ。
とゆーか、志を同じくした同士になれるに違いない。
そんな俺の事なんかお構いなしに自転車男は貴子を恨みがましく見つめる。
「大体何だよ…ここ最近元気がなかったからどうかしたのかと思ってたのに…」
「え…?」
自転車男の呟きは貴子にも聞こえていたみたいだった。そんな貴子を見て自転車男はわざと声を大きくする。
「い、言っておくが俺は! お前の事なんか全然心配してなかったんだからな! 勘違いするなよ!」
「はあ…」
わざわざ声を大きくする辺り傍から見てると照れ隠しにしか見えないのだが、本人達だけはそれに気付いてないみたいなのが手に負えない。
「…でも、ありがとう……?」
「…ッ!?」
貴子は自転車男が先にぼそりと言った言葉に何か言わなきゃ気が済まなかったんだろう。
次の言葉との矛盾に混乱しながらも言ったその一言に自転車男の顔が真っ赤に染まった。
こいつ、面白いくらい反応が分かりやすい。
「こ、これで勝ったと思うなよ〜!」
そう言ってビシっと指を突きだした後自転車男は走り去ってしまった。
―…何か兄貴の言ってた言葉の意味が分かった気がする。
たしかにアイツは貴子にちょっかいかけるとか危害加えるとかそういった真似はできそうもない。
とりあえず貴子もあいつの事は男として認識してないのかガード薄いみたいだし、特に注意する必要もないか。
「…何だったんだろう」
「さあな。それより貴子」
不思議そうな顔をしている貴子に肩に俺はポンと手を乗っけて溜息混じりに言ってやった。
「…その、見えてるから。走ってる時」
「見えてる…?」
「だからその…パンツが…」
俺の一言に貴子の顔が真っ赤に染まる。
そして大慌てで手でスカートを押さえだした。
「う、嘘…!?」
今更スカートの裾を一生懸命伸ばした所で何も変わりはしないし、
無論パンツが見えていたという事実が消えるわけでもないのだが、貴子は必死でスカート丈を伸ばして隠そうとする。
耳まで真っ赤に染まったその姿が可愛くって仕方なくてもっと意地悪したくなってしまうのは男の性だろうか。
いや、ほらさ、好きな子には意地悪したくなるって言うじゃん? 男はいつまで経ってもガキだと言われようがこれは本能だ!
「ど…どうしよう…。何で私ってこう、うっかりしてるんだろ……」
「ま、次から気をつけろよ」
そうじゃないと俺や自転車男の理性がもたねえし。
そう言った俺の制服の端っこを貴子がちょいちょいと引っ張ってくる。
「ん?」
「…雄二も、見えた…の?」
頬を染めながら小声でそっと問うてくる貴子。正直可愛すぎだぜ。ここが往来じゃなかったらマジで押し倒してるかもしれねえ。
姉貴が貴明の奴を押し倒したくなる気持ちもちょっと分かったぜ。
「―…ちょっとだけ」
「わ、忘れて! 今すぐ忘れて〜!」
涙目で訴えてくる貴子には悪いけどあの純白は暫く忘れられそうもありません。
今でもしっかりと目に焼きついて離れてませんから。
「は、恥ずかしいよぉ……」
確かにこりゃナイトが二人いても足りねえはずだわ。
貴子は何か肝心なとこで抜けてる部分がある。向こうの貴明も同じだが悪く言うなら隙だらけ、ってやつだ。
この学校中に俺みたいな輩がわんさかいるんだろうなぁ。
兄貴の苦労がちょいと分かった気がしたぜ。
こんな隙だらけのお姫様を狼の巣窟とも言える学校に一人で解き放つのはあまりに危険だ。
兄貴じゃなくとも心配にもなる。
そんな狼の群れから彼女を守るのが今日からの俺の仕事。
しかし、今の一番の心配が襲い掛かる狼連中のことより俺自身が狼化しかねん事だったりする辺り
俺の学園生活は今から前途多難な気がしてならないです。
「あー、やっぱり何か変な感じするかも」
「男の子としての生活は窮屈かもしれないけど少し我慢してくださいね」
「いえいえ、そんなお気遣いなく」
うっかりと本音を漏らしてしまったあたしを環さんが気遣う。
でもやっぱり普段の女の子の制服じゃなくて学ランっていうのは激しく違和感のあるものだった。
「雄二はタカ坊と同じクラスだったから何か分からないことがあったら遠慮なくタカ坊に聞いて下さいね」
「はあ…」
あの貴明に頼るのは何か癪だったのであたしは曖昧な返事をしておいた。
ってゆーか、学校でもアイツと一緒だなんて憂鬱だわ…。
「それとタカ坊がもう話してくれてるとは思いますが、
幼馴染のこのみに関してだけはこのことをあらかじめ話しておきますので」
このみ…向こうの世界の好巳の女の子版なんだろうけど正直想像できないわ。
大して変わらないんじゃないかしら。だって向こうの好巳が既に可愛い女の子みたいなんだもん。
本人はこの事結構気にしてるみたいだけど。
「タマお姉ちゃーん、ユウくーん、おっはよー!」
「あら、噂をすれば何とやら…というやつかしら」
あたしたちの少し前方で小さな女の子が元気良く腕をブンブンと振っている。その隣にはあの貴明。
……とゆーことは、あれが例のこのみちゃん?
た、たしかにあれは好巳だわ…。髪の毛が長いくらいしか変わらないじゃない。
「えへ〜、おはよう、タマお姉ちゃん、ユウくん」
「おはよう、このみ」
あたしたちがその場までくるとこのみちゃんは向こうの好巳みたいにどこか間延びしたような口調で挨拶した。
好巳だと母性本能を擽る男の子って感じだけど、こっちのこのみちゃんは素直に男心を擽る子だと思う。
ちょっと幼い感じとかよく似ている。妹にしたくなるっていうか、思わず面倒見て抱きしめたくなるっていうか。
向こうの好巳に関しては可愛いけど頼りないって感じであんまりこんな事思わなかったから不思議。
何かこっちのこのみちゃんって向こうの好巳より危なっかしそうなのよね、見た感じ。
「あの…今はユウくんじゃないんだよね…?」
「え…? あ、うん…」
このみちゃんが不思議そうにあたしの方を見てくる。
どうやらここまで来る間に貴明の奴が彼女に事情を説明しておいたらしい。
「このみ、タカ坊から聞いてるかもしれないけどこの人は悠里さん」
「あ、はじめまして、悠里さん」
「は、はじめまして…えっと、このみちゃん」
このみちゃんが礼儀正しく頭を下げたのであたしも慌てて頭を下げた。
真面目なのは向こうの好巳と変わらない。
「んー、でも変な感じ。どう見てもユウくんにしか見えないんだもん」
「あはは、普通は信じられないわよね、こんな話」
このみちゃんの言うことは尤もだ。あたしは苦笑いするしかない。
「でも、元に戻るまで私も手伝うから! だから悠里さんもこのみのこと頼ってね?」
「う、うん…」
ニコっと笑うこのみちゃんは凄く可愛いんだけど、中身は向こうの好巳と同じだと考えるとどうにも頼る気が失せてしまう。
人懐っこいのは可愛いんだけど、やっぱり妹って感じがしちゃうのよね。
「でも女の子のユウくんって全然想像できないよぉ」
「まあ、そりゃあたしかに…」
「やっぱり胸とかもバーンって大きかったりするのかなぁ、タマお姉ちゃんみたいに」
「いや、それはな…」
そこまで言いかけてあたしは重大なことに気がついてしまった。
このみちゃんの胸! そう、このみちゃんの中身はあの好巳なんだからあたしより大きかったらショックすぎて立ち直れないわ!
パっと見あんまりなさそうだけど…。
「このみちゃん!」
「は、はいい!?」
いきなり大声を出したあたしにこのみちゃんがたじろぐ。その隙を見逃さずあたしはこのみちゃんの胸へと手を伸ばした。
――揉み揉み揉み。
「ひゃ、ひゃああ! ユ、ユウく…あ、悠里さん何して…ッ!?」
「う〜ん、あたしと同じくらい…?」
「お、おい…!」
う〜ん、やっぱりそんなに大きくないみたい。ちょっと安心したわ。
その時だった。
バッとあたしに伸びてくる手。それは…!
「い、痛い痛い痛い! わ、割れる〜!」
「タ、タマ姉!」
言うまでもなく環さんのアイアンクローだった。あたしの体が浮く。
「公衆の面前で何をやっているのかしら?」
「タ、タマ姉、今そいつは雄二じゃないんだって!」
「あ、あら…?」
貴明の言葉に、環さんの手がぱっと離される。あたしはそれでようやく地獄のような痛みから解放された。
「ご、ごめんなさいね…何だか行動が雄二みたいだったからつい……」
「はあ…」
こっちのあたしは公衆の面前で年頃の娘さんの乳を揉む様な男なのか。何か軽くショックだわ…。
「同性の甘えもあるかもしれませんけど、今は仮にも男の子の体である以上今後はこういうことがないように注意して下さいね」
「はい…すみませんでした」
たしかに年頃の男が女の子の胸揉んじゃヤバイわよね。
向こうの世界では貴子の胸揉んでもあんまり気にならなかったけど。
これからは注意しなくっちゃ。
「このみちゃん、ごめんね」
「う、ううん。気にしてないから大丈夫だよ。ユウくんだったらちょっと恥ずかしいけど…悠里さんはこのみとおんなじ女の子だもんね」
顔を真っ赤にしながらこのみちゃんは一生懸命になって答えてくれた。
その姿はとても可愛らしい。
貴明は本当に役得者ね。こんなに可愛い幼馴染と環さんみたいな美人でしっかりした幼馴染がいるんだもの。
これで女嫌いだなんて人生損しまくってるとしか思えないわ。
でもそう考えると貴子もなかなか美味しい立場? 本人が男嫌いのせいかあんまり考えたことなかったけど、
よくよく考えれば学校のアイドルと可愛い系の後輩を独り占めしてる女なのよね。
そりゃ女の嫉妬買って当然かぁ。
本人からすればいい迷惑なんだろうけど。
そんなことを思っている時だった。
「たかあき!」
不意にアイツの名前を呼ぶ声が。
そちらの方を見てみれば自転車に跨った女の子がこちらをじっと見ている。
なかなか可愛い子だ。その表情のせいかちょっと気が強そうに見える。
雰囲気的にどこかで見たことあるけど……もしかしてこの子、あの自転車男?
えええ、ちょ、ちょっと可愛いんじゃないの…。
たしかに自転車男も一見イイ男だったけど。
でも何かいつも貴子のパンツに見とれてたちょっとお間抜けな奴ってイメージが強かったから
こんなに可愛い女の子になるのは少し意外だった。
しかも何かスタイルも結構いい気がする。流石に環さんには負けるけど。
「ねえ、ちょっとアンタ」
あたしはそいつが気になって貴明より先に自転車の女の子に近づく。
「な、何よ…」
ちょっとだけたじろいだ様子で自転車の女の子がこっちを睨んでくる。気の強いところはやっぱりアイツに似ている。
でも近くで見るとやっぱり結構可愛い子だった。
そしてスタイルも結構いい。たぶんスタイルに関しては完全にあたしの負けだ。
あたしのジロジロとした視線が気になるのか、自転車の女の子がちょっと距離を取ろうとする。
その手をすかさず押さえてあたしは一番聞きたかったことを問うた。
「ねえ、あんた3サイズ幾つ?」
「はあ!?」
アタシの言葉に自転車の女の子の顔が真っ赤に染まる。
そして金魚みたいに口をパクパクとさせ始めた。
「ななななな…!?」
「うーん、パっと見85・57・81と見たけど、どうよ?」
「…ッ!?」
あたしの一言に彼女の赤かった顔がさらに真っ赤になった。もう耳まで真っ赤だ。
「―…こ」
「こ?」
「これで勝ったと思うなよ〜!」
そう言ってズビシッ!と指を突き立てた後、彼女は大急ぎでその場を離れてしまった。
―…あたしの言ったこと、図星だったのかしら?
しかし去り台詞まで一緒だなんて…流石は同一人物。行動パターンも心なしか一緒な気がする。
きっとあの子も何かしら理由があっていつも貴明に勝てずにいるんだろう。
向こうの自転車男を思い浮かべてあたしはそんなことを思った。
「タマ姉…」
「―…タカ坊、もう何も言わないで」
後で環さんが盛大に溜息を吐くのが聞こえた。
この後「向坂雄二は変態セクハラ野郎」という噂が広まったのは言うまでもない。
ここ最近神連続降臨の祭の中駄作で申し訳ない…。精進します…。
次からまたようやくシリアス場面です。
続きが気になってる反転集結や半分の太陽シリーズや伝説の先輩シリーズ
だけでなくもう一度見たいと思っていた陽子物や雪弥物まで…!
神様方ありがとう…。最近は色んな作品が読めて幸せですな。
102 :
101:2005/09/21(水) 00:44:35 ID:g7S0rcNY0
ついでに回線切って首も切ってくる前に「伝説の先輩〜」の貴子両想いおめ!
ということでへたれ絵でも置いていきます…。
幸せになれよ…!と、叫びつつ報われたら一枚描こうと思ってたので…。
ttp://web.drive.ne.jp/1/soko/VIP03043.jpg 作者さんイメージ違ってたらスマソ。ついでにへたれお絵ビ絵でスイマセン…。
機会があれば他の娘も描いてみたいです…。
それでは今度こそ回線切って首も切ってきます…。
>>91-100 このみ&由真キター!
内気なくせにそういうところで無防備だなんて…危険だ、危険すぎるぞ貴子ちゃんw
そりゃ変な了見を起こす野郎が山ほどいてもおかしくない。
あと雄二、事によると元の体に戻るのしばらく待った方がいいかもなw
社会的信用とか友人関係とかが大事なら。
そして
>>101よ生`。
(浩之Side)
貴子ちゃんが泣き止んでくれないので、俺はちょっと困った。やっぱり「一生でも」は言いすぎだっただろうか。
実際、彼女のカレーは美味かった。ご飯はまぁアレだけど、でもマルチの「ミートせんべい」の事を考えれば
何てことはない。
水加減に気をつければ、ちゃんとご飯は炊けるはずだし、今後の貴子ちゃんの料理には期待だ。上達していく所を、
ずっと見てみたい。これは間違いなく本気だ。
でも、男が苦手な彼女には刺激的だったかもしれん。俺はとりあえず彼女をなだめることにした。
「あー……その、なんだ。いきなり一生宣言はちょっと不躾すぎたな」
俺が言うと、貴子ちゃんは涙を流しながら、でも笑顔で俺を見た。
「そんな事ないです……凄く嬉しいです。先輩にだったら、そう言われても良いです」
「そ、そうか……え?」
俺は固まった。今彼女はなんと言った?
下手すればプロポーズに聞こえかねない言葉に対して「嬉しいです」「そう言われても良いです」って……それって。
「わたし……先輩のことが好きです」
俺の困惑をよそに、彼女の言葉は止まらない。
「わたし、こんな性格だから……友達も悠里以外にはあんまりいないし……だから、一生人を好きになる事なんて、
ないんじゃないかって……そう思ってました」
所々、涙で言葉がつっかえるが、俺はじっと彼女の言葉に聞き入る。
「でも、先輩と会って、人を好きになるって事を知って……こんなに素敵な事は無いってわかったんです。もしかしたら、
迷惑かもしれませんけど……」
俺は首を横に振った。そして、立ち上がると……
貴子ちゃんを抱きしめた。
「あっ……」
驚いたような声をあげる貴子ちゃん。でも、逃げる気配は無い。
そう、逃げるはずが無い。貴子ちゃんの目は本気だった。本気で俺のことを好きだと言っていた。
俺は前に一度こういう目を見たことがある。それは、あかりに告白された時だった。その時のあかりは、今の
貴子ちゃんと同じ目をしていた。だから、俺には貴子ちゃんの本気がわかった。
そして……もう一つわかったのは、俺も本気だって事だ。さっきの「一生」宣言は、俺自身気付いていなかった、
俺の本心なんだ。
何時の間にか、俺はこの娘に惹かれていたんだと思う。ちょっとドジで、内気で、泣き虫で……でも時々思い切った
ことをしてしまう、そんな目の離せない女の子……貴子ちゃんに。
「俺も、貴子ちゃんのことが好きだよ」
そう囁くように言うと、彼女が俺の中でぴくっと震えた。そして、俺の服の胸の部分に、何か熱い感覚が広がるのに気付く。
「そんなに泣いてると、目が干上がっちゃうぜ」
貴子ちゃんがはっとしたように顔を上げる。トレーナーに涙の跡がついてるのに気付いて、彼女は顔を赤らめた。
「せ、先輩……ごめんなさい」
大したことじゃないのに謝る貴子ちゃん。
「良いさ。気にするなよ。でも、もし気になるんって言うんだったら……」
俺はそっと指を伸ばして、まだ涙の湛えられた彼女の目蓋を閉じた。
「お詫びはこれでもらうよ」
そして、俺は彼女の唇にそっと自分のそれを重ねた。一瞬硬直した貴子ちゃんの身体から、すうっと力が抜け、
俺に体重を預ける形になる。
(貴子Side)
初めてのキスは……カレーの味がした。
良く、キスの味を「甘酸っぱい」とか、果物の味に例える事があるけど、そういう意味ではあまり恋人同士らしい
キスじゃなかったかもしれない。
でも、わたしはカレーの味でも恋の味としては正解だと思う。だって……こんなに刺激的で、ドキドキするものなんだもの。
どれくらいキスしてたのかわからない……多分そんなには長い時間じゃない……けど、先輩の唇とわたしのそれが離れた時、わたしはドキドキしすぎて、身体に力が入らなかった。そのまま先輩の身体に抱きついて支えてもらう。こうしてると、先輩の心臓もドキドキしてる……
先輩がわたしにドキドキしてくれてる。嬉しくて、なんだか叫びだしたい気分。
その時、柱時計がぼーん、と時を告げ始めた。見ると、もう夜の十時。料理に手間取ってる間に、こんなに遅く
なっちゃったみたい。
「もうこんな時間か……」
先輩はそう言うと、わたしの身体を放した。
「そろそろ帰った方が良いな。途中まで送っていくよ」
「……はい」
先輩の言葉に、わたしは頷いた。
マンガとかなら……これから二人は一夜を共に過ごしたりするのかもしれない。実は、わたしもひょっとしたら
そうなるかもしれない、なんて思ってしまっていた。
それはきっと嬉しい事に違いない、とは思うんだけど、同じくらいに怖い。きっと、先輩はそんなわたしの臆病さ
を察したんだと思う。
だから、先輩はわたしの事を求めたりはしなかった。そんな先輩だからこそ……
いつかは、わたしの全部を受け止めて欲しい。
そして、その日がやってきたのは、初めて先輩の家に行ってから、二ヶ月近く経った初夏の出来事だった。
今回は短め。次からえちしーんの前振りに入ります。
>64
超魔界村ワロタ
>70-87
きゃー、エロスー!!
>101
性別逆でも雄二/悠里の本質は変わらないんだw
そして、イラストどうもありがとうー! 思わずディスプレイの前で転げまわりました。
家宝として大事にします。
では回線吊って首切ってきます。
鎖一周クリア
ネタを考えてみたが
男を襲うので痴女で
そのシーンをヒロインに見せ付ける露出狂な
高身長のお姉様になるのかこれ?
鎖らしくなくなる予感
「オレのファンって野郎ばっかりでさー、女の子のファンなんて初めてだよ」
「はぁ…」
「あ、おごってやるから好きなの頼めよ」
気付けば僕は喫茶店で京と向かい合って座っていた。うぅぅ…どうしてこんなことに…。
「…じゃあアイスコーヒーとチョコレートパフェ」
何も頼まないのも勿体ないのでお言葉に甘えておく。
「じゃあオレはホットにするかな。それとアップルパイで。後でお互いに味見しような」
そう言って京は僕に笑いかけると、ウェイトレスさんを呼んだ。
何かすっごい京が優しいんですけどっ!?と言うか凄い上機嫌のような、僕を好意的に見まくってるような…。
ウェイトレスさんが去ってから京は僕に向き直る。
「君は1年生かな?いや、でもそんな金髪してたらすぐわかるか…学校はどこいってるんだ?」
「い、行ってないんです」
「フリーターか?」
「はい」
よし、こうなったらイエスマン陽平作戦!京の予想通りのプロフィールにしちゃえ!
「高校行けないのか?」
「はい」
「そっか…じゃあオレのことどこで知ったんだ?」
「はい」
「何が?」
「あ、間違えましたっ、創立者祭ですっ」
すばらしい切り返しだね、さすが僕。
「そうだったのか。そう言えば名前は?オレが藤林京ってのは知ってるよな」
え…!やばい、何も考えてない!
「えっと…よ、陽子です!太陽の陽に、子供の子です」
即席で考えた名前は僕の名前をそのまま女にしたような名前だった。
「陽子って呼んでいいか?」
「はい」
「で、名字は?」
「え、えっと…うぅ…」
どうしよう、思いつかない…。
「まさか、両親が離婚して、まだどっちについていくか決めてないとか?」
「は、はい!そうなんですよっ」
「そっか…変なこときいてごめんな?オレってすぐ余計な事言うよな…」
普段ならデリカシー無く笑い飛ばすのに…何か…いつもの京っぽくないなぁ…。
「そのせいで最近フラれちゃってさ…」
フラれた?岡崎に、だよね…?キスしてたのに?何で?
状況がつかめない。岡崎は僕に愛想を尽かして京と付き合ったんじゃなかったんだろうか?
僕がそんな考え事をしていたとき、京は自嘲的に笑った。
「あはは…それから全然学校いってねーや」
諦めたように笑う京が、何だか無性に許せなくなった。
「委員長なのに何やってんだよっ!」
気が付けば僕はテーブルを一発、音が鳴るほどに叩いていた。
「陽子…」
「京は、学校に行かないと…」
僕とは違って待っている人がたくさんいるんだから。
「そんなことまで知ってるのか…本当にオレのことを見てくれてたんだな…」
京は泣きそうな顔で微笑んだ。
やがて注文したものが運ばれてきて、二人であれこれ言いながら食べる。
店を出た時には、すでに夕方になっていた。
京はスクーターにまたがると、僕の方を見てぽつりと呟く。
「陽子、また、会えるかな?」
「うん、いつでも相談に乗るよ」
好きな人に拒絶されるのがどれだけ辛いか、僕も知っていた。だからこそ、京の力になってあげたかった。
「ありがとう…」
「その代わり、学校には行ってね。僕…じゃなくて、わたしは学校の前で待ってるから」
このままじゃ、京はきっと学校を辞めてしまうと思ったから、そう付け加えた。
「わかったよ、約束する」
「うん…」
僕は京に手を振り、今度こそ古河パンに向かった。
「遅かったね」
「色々とあって…」
「まぁいいよ…ほら、制服だ」
おばさんは紙袋に入った制服を渡してくれる。
「ありがとうございます」
「気にするな、あの場所を教えたあたしにも責任はあるんだ」
「お母さん、ただいまです」
「渚、お帰り」
「今日は体育の授業でとんでもない好記録を叩きだしましたっ」
「さすがあたしの息子だねぇ!」
「息切れしなくなってから、すっかり運動得意ですっ」
「よーし、今度の日曜はガキ共と野球だな!」
しばらく待っていたのだが、だんだんいてもたってもいられず、僕は親子の会話に口を挟んだ。
「それより古河、あれから岡崎はどうだったの?」
「あ、春原さんいらっしゃいませ。追い付いたんですけど、岡崎さんは『帰る』って言ってそのまま帰っちゃいました。それと、今日は岡崎さんお休みでした。クラスの人に聞いたら、病欠らしいです」
「そう言えば、岡崎って今どこに泊まってるんだよっ!?」
「あぁ、小娘なら伊吹先生んとこに泊まってるんだとさ」
「伊吹先生なら安心ですよ」
「伊吹先生って?」
「僕の恩師で美術の先生ですっ、春原さんが入学する前に先生やめちゃいましたけど…」
「そうなんだ、女の先生だよね…」
「違います、男の先生ですけど婚約者がいるので大丈夫ですっ」
「男の家に泊まるなんて、何かされちゃったらどうするんだよっ!」
それなのに古河はいつも通りニコニコしている。
「物凄く美人の婚約者がいますから心配いらないですよ」
「岡崎だって綺麗だろっ!?」
「はい、岡崎さんも綺麗です…でも、伊吹先生はそんなひどい事はしないです」
古河はお人好しなところがあるから心配なんだよね…。
明日、バレないようにばっちり女の子らしく決めて様子を見に行こう…。
男だと有り得なさが増す京に妙な愛着が沸いてきてしまった…。
>>88 何げに楽しみにしていた雪弥ものの続きが物凄くエロくてびっくりしました(小学生のような感想文だな)。
自分は抜けないエロしか書けないから尊敬。
さて、携帯なんで回線切れませんがとりあえず首だけでも…。
>>104-106 先輩とのファーストキスキター!!
いよいよ貴子ちゃんも大人の階段上っちゃうんだなあ…と思うと今から感慨もひとしお。
期待してます。
>>109-112 ナイスフォローだ春原。お前本当にいいやつだな。
…しかし同時に、ものすごい勢いで京にとって重大な存在となりつつあるぞ。気をつけろ。
ところで♀ハクオロを総受け体質とした場合、ユズハとの話はどうなるんだ?
誰の子供宿したのか本人も判断できなさそうな悪寒。
浩行の告白が正直少し唐突な気がしたのは俺だけか。。。
なんかケチつける様なこと言ってスマン。別に何が嫌って事はないんだ。
>>109-113 GJ!
ああ、人間関係がどんどん複雑にw
>>男だと有り得なさが増す京
朋美に対して積極的過ぎるというか、Yシャツ姿なら襲うと宣言したり了承得る前にキスに走ったりと犯罪者一歩手前の暴走ぶりw
まわりがそういうキャラだと認めてしまっているところでストッパーは期待できなそう・・・頑張れ弟。
さておまいら
ここで一つタカちゃんの大事なところを一心不乱に舐める好巳を・・・・
貴子オナイーの続きが気になる・・・
俺も、てかあれが1番楽しみだ。
楽しみなんだがしばらく更新はないな・・・神、お疲れ気味?
いやいや、きっと俺たちを焦らす作戦に違いない
書き溜めた作品が投下されるのを首を長くしながら待とうや
>>108 Sお姉様と思わせといて実は他人に見られてないとダメな隠れMの人で、あれ全部誘い受けだったり…。
だから鎖じゃなくなるっつーの。
鎖、明乃が貴子さんっぽい。
肉感的になってきた自分の身体に違和感を覚えてたり、その所為で男性と接触するのが怖かったり。
いや、貴子さんが天然という訳ではないのだが。
ん〜、わからなくはないかな。
それにしてもマジ楽しみだぜ・・・。
ほとんど週末ごとに先輩の家に料理を作りに行っていたわたしは、その日も買い物を済ませて、先輩の家に続く道
を歩いていた。
この頃はわたしもだいぶ料理に慣れてきて、もうご飯に芯を残すようなミスはしなくなったし、レパートリーも増えた。
今日は初挑戦で、鶏の唐揚げを作るつもり。
先輩がどんな感想を言ってくれるか、って想像をしながら歩いていると、わたしの鼻の頭に水滴が弾けた。
「あれっ?」
思わず声をあげたとき、突然ざあっ、という音と共に、大粒の雨が降り始めた。
「うそ、雨なんて予報してたっけ!?」
後から聞いた話では、ちゃんと予報していたらしい。先輩の家に行くことで浮かれていたわたしが、思いっきり
聞き逃しただけだった。
ともかく、雨の事を知らなかったわたしは、傘なんて持っていなかった。慌てて走り出す。でも、雨脚は予想以上に
強くて、たちまち全身びしょ濡れになってしまう。
何とか先輩の家に着いてインターホンを押した時には、濡れた服が身体に貼りついて、寒くてしょうがなくなっていた。
ドアを開けた先輩が、わたしを見て驚いたように叫ぶ。
「貴子ちゃん!? 傘持ってなかったのか! とにかく入って」
頷いて玄関に入ると、先輩は家の奥からバスタオルを何枚か持ってきて、頭にかけてくれた。乾いた布地の温かさが
気持ちいい。
「今給湯器のスイッチを入れるから、シャワーでも浴びてくるんだ。そのままだと風邪を引く」
「……はい。すいません」
礼を言うと、先輩は何故か顔を赤らめつつ、わたしから視線をそらしていた。その謎は、先輩に案内されてお風呂場
に行き、その鏡を見た時に明らかになった。
「……あ」
今日のわたしの服は、白い薄手のワンピース。それが雨に濡れて透けてしまい、ブラジャーの模様がくっきりと
浮かび上がってしまっていたのだ。顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
(は、恥ずかしい……っ!)
思わず胸を抱えてしゃがみこみたくなった。こんな格好で先輩の前に出て行っちゃったなんて……顔から火が出そう。
かなりのショックを受けつつも、わたしはお風呂場に入って、シャワーの栓を捻った。熱いお湯が噴き出してきて、
それを浴びると、ようやく冷え切った身体にも温かさが戻ってきた。
(うう、どういう顔で先輩の前に出れば良いんだろう)
でも……その反面、先輩にだったら見られても良いって思う。考えてみたら、透けてたブラだって、その……
勝負下着のつもりで買ったやつだし。
その時、お風呂場の外から先輩の声が聞こえた。
「貴子ちゃん、着替えここに置いておくから」
「あ、はい」
わたしは答えた。先輩がどんな着替えを用意してくれたのか……たぶん、先輩のお母さんの服、とかなんだろうけど……
でも、その時わたしはもうその着替えは使わない事に決めていた。
お風呂場から出たわたしは、髪を乾かすと、先輩が用意したものではなく、目をつけていた別の服に着替えた。
そのまま居間に向かう。
「先輩、ありがとうございました」
「ああ、暖まったか……いっ!?」
お茶を飲んでいた先輩がむせそうになる。胸をとんとんと叩いてそれを落ち着かせた先輩は、驚いたような声で
聞いてきた。
「た、貴子ちゃん? その格好は……」
「……」
わたしは何とも答えようがなくて、沈黙した。今わたしが着ている服、それは脱衣所にあった洗濯済みの先輩の
ワイシャツだった。下はドライヤーで乾かしたショーツ一枚だけ。
雑誌で見た、「彼氏を悩殺するセクシーコスチューム」とかいう特集に載ってたうちの一つだった。どれだけの
効き目があるのかわからないけど、少なくとも先輩はかなり驚いたみたい。当たり前か。
ちなみに、雑誌はわたしが買ったわけじゃなくて、悠里の部屋にあったもの。本当だってば。
「そ、その……先輩って、やっぱり大きいんですね」
黙ってるままだと気まずいので、わたしはごまかすように言った。わたしの身長は150ちょっとしかないので、
こうやって先輩のワイシャツを着ると、手がほとんど隠れてしまう。裾は膝のちょっと上くらいまでの長さがあった。
雑誌のモデルの人は、胸の所を大きく開けて、太ももがほとんど出てしまうようなサイズのシャツを着てたけど、流石に
わたしはそこまでは出来ない。
わたしの格好をしばらく凝視していた先輩だったが、わたしに着替える気がない、と悟ったのか、それ以上追求
してはこなかった。
「その……なんだ。風邪引かないようにな」
そう言って、テレビに顔を向ける。ちょっと頬が赤くなってた。やっぱりこの格好、結構効果があるのかな?
「はい、先輩。それじゃあ台所お借りしますね」
わたしはそう言うと、エプロンをつけて、袖をまくった。
「美味しかったよ」
先輩がそう言って箸を置いた。唐揚げは結構上手く出来た。火加減が難しくて、まだ半生の物が混じっていたので
揚げなおしたりしたけど……
「じゃあ、片付けちゃいますね」
わたしはそう言って立ち上がった。服装はまだシャツ一枚のまま。まぁ、着てきた服はまだ乾きそうもないから
仕方ない。雨もますます強くなってるみたいだし……遠くの空では雷が鳴っているのか、時々ゴロゴロと言う音と、
蒼白い光が見えている。
事件は洗い物を終えて、服の乾き具合を見ようと思ったときに起きた。突然、ものすごい轟音が聞こえてきたかと
思うと、電気がふっと消えたのだ。
「きゃああっっ!?」
目の前が真っ暗になる。あまりに突然の事で、わたしは何かに躓いて転んでしまった。
「貴子ちゃん!? 大丈夫か!?」
先輩の声。
「先輩、こっちです……!」
わたしが声をあげると、それで見当がついたのか、先輩が近寄ってくる気配がした。ようやく目が暗いのに慣れてきて、
闇の中、微かに先輩の輪郭が見えた。
「ちょっと待っててくれ」
先輩はそう言うと、背伸びして壁の何かに触れた。かち、かちと言う音が何回か聞こえ、先輩は舌打ちした。
「雷で停電したのか……ブレーカーが利いてない」
先輩はそう言って、わたしを起こしてくれた。この時には、どうにか先輩の表情の判別がつくようになっていた。
「大丈夫か? くじいたり怪我したりしてないか?」
「えっと……大丈夫です」
身体のあちこちを動かしてみたが、特に痛みは感じられない。先輩は安心した表情を浮かべた。
「とりあえず居間に行こう」
そう言って、先輩はわたしの肩に手を回したまま歩き出した。ほんの少しの間だけど、わたしと先輩の身体が密着する。
急に心臓の鼓動が早くなった気がした。
居間に戻ると、先輩はタンスの中から懐中電灯を取り出し、それを使ってロウソクを探し出した。やがて、オレンジ色の
微かな火光が部屋の中を照らし出した。
「これで良し」
先輩はそう言って、ソファに座る。わたしは何度か逡巡したうえで、先輩に聞いた。
「隣に……座っても良いですか?」
「え? ああ、構わないぜ」
先輩は頷いて、身体を脇に寄せた。わたしは先輩の隣に座り……そっと身体を先輩の逞しい身体に預けた。
「貴子ちゃん?」
先輩が戸惑ったような声をあげる。
「しばらく……こうさせてください」
わたしは言った。屋根を打つ激しい雨の音と、揺らめくオレンジ色の光。先輩がいなければ耐えられないほどの
寂しくて心細い雰囲気だった。こうやって先輩のそばにいると、凄く安心できた。
「……ああ」
先輩は頷き、わたしの好きなようにさせてくれた。そのまま、沈黙がその場に落ちる。時々雷が近くで轟き、厚い
カーテンを透かして蒼白い光が室内に差し込んだ。
「雨、やみませんね」
「ああ」
わたしの独り言のような言葉に答える先輩。このまま雨が止まなかったらどうなるか、先輩だってわかっているはず。
でも、それを言い出さないのは、先輩がわたしの事を気遣ってくれているから?
たぶんそう。でも……わたしは……
「先輩……」
いよいよ次回から本番です(殴)
>114
すいません、まだ登ってません。
>115
言われてみればそうかもしれません。精進します。
>118-121
私もアレが一番楽しみです。
では回線吊って首切ってきます。
一応鎖ネタも一ヶ月ネタバレ自粛でよろ?
いや、ネタがあるわけでもないですが
…逆レイパーKOEEEE
いや、鎖の場合、反転岸田にペニバンで後ろを犯されていく反転ヒロイン、になるんと違うん?
もっと恐いYO!
へたれの親友と妹のシーンで考えたんだけどさ
おどおどした親友(女)が襲うとは思えないから、
精一杯の誘ったらその場で乗ってくる弟
そしてそれをモニターで見て
「殺してやる」とモニターを叩き壊しそうなほど怒るヒロイン
あれ?これって邪悪っ子なブラコンってことじゃ……
>>125-128 貴子ちゃんッ!命がけ(?)の裸ワイシャツ攻撃ッ(成り行きだけど)!ぼくは敬意を表するッ!
某いいんちょと似た展開になってるが王道だから良し。
鎖まだ買ってないんでネタに参加できねえorz
漏れいいんちょでは萌えなかったのに貴子だとなんでこんなに・・・
(*゚Д゚)ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ(*´Д`)GJ!!ウッ!!!
投下しますー。
悠里がちょっと今までのと違いすぎるので、名前もちょっと変えてみました。
紛らわしかったらごめんなさい。
でわ。
137 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:15:57 ID:K1gsIy8v0
うちの親は絶対に変だと思う。
年頃の娘を一人置いて海外に行ってしまうなんて。
旅行なら兎も角、仕事だそうだからしばらく戻ってこれないとか。
何ヶ月、という区切りもついてないだなんて信じられない。
でも我が身を振り返れば、私自身は親が何の仕事をしているのか、実は詳しくは知らな
いのだ。漠然と、サラリーマンなのかなとは思っていたのだけれど。今度、電話で聞いて
みたい気もするけど、海外電話というのは何か料金が高そうだなというイメージがあって
気が引ける。こんなトコは庶民的な自分を発見するのだけれど、結局は知らない事に対
して臆病なだけなんじゃないかとも思う。
親友の半分も気が強ければ、もう少し人生は楽しそうなんだけれどなぁ。
向坂家のお嬢様なのにちっともお嬢様に見えない幼馴染みで親友の勇巳を思い浮かべ
るが、ああいう風には決してなりたくない、とも強く思う。
良いヤツなんだけどね。
一人暮らしの記念すべき初日。
結構な大きさの一軒家は、一人で住むとなるとガランとしていて少し怖い。
すぐお向かいの柚原さんが面倒を見てくれる、とは云うのだけれど、一つ年下のこのむは
まだお子様っぽくてちょっと頼りない。
かといって男らしかったりすると、それはそれで苦手意識が生まれるから微妙なんだけれど。
本当、なんでこんな自分を一人放り出せるのだろうか。少しばかり恨みますよお父様お母様。
フライパンを熱してベーコンを焼き卵を投入。焦げ付かない様に縁から水を差し、後は蓋をし
て目玉が半熟になるまで弱火でコトコト。
あとはトーストを、といった所で玄関からチャイムが鳴る。
こんな朝から新聞勧誘? と思ったらなにやらガチャリと鍵の開く音。そして
「タカちゃーん、起きてるー?」
138 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:17:21 ID:K1gsIy8v0
子供っぽい高い声音で呼びかけられる。まだ声変わりもしていないみたいな柔らかい高い声は、
お向かいに住んでる一つ年下の幼馴染みである柚原このむだ。
ちゃん付けは止めなさいと云っているのに聞いてくれない。「それならー、タカさん、とか?」など
とガテン系な呼び方をされそうになって却下して以来、折衷案が未だに出ていない。
「起きてるわよー! いいから入ってきなさい!」
「あ、おはようタカちゃん。良い匂いだね〜」
背の低い私と同じか少し小さい背丈の男の子がリビングに入ってくる。
子供子供していて、学校に居る他の男連中と比べても同じ生き物なのか首を傾げてしまいたくな
るほわほわした幼馴染みだ。危険度ゼロ。唯一苦手意識のない男性だと思うんだけれど。
しかし、だからといって家の鍵を預けた覚えはないのだ。
「このむ。あんたどうやって鍵を開けたの?」
「え? おばさんから合い鍵を預かったんだけど。えっと、何かダメだった?」
おどおどと、主人に叱られるのに怯える子犬みたいな表情をするこのむ。
お母様、いくら安全に見えてもこのむは分類上は一応、まがりなりにも男なんだから、そういう迂闊
な事はしないで欲しいです。
「このむ。今度の春からあんたも高校生なんだから。女の子の家に勝手に上がり込んだらダメなん
だって覚えておきなさい。鍵を勝手に開けるのもダメ。いい?」
「え。えっと、でも何かあった時の為にって……」
「い・い・わ・ね」
「は、はい」
うーん、こうしてると私ってば内弁慶かなぁ、などと思ってしまう。こんな風に話せるのは勇巳とこのむ
位だもんね。
「大体『何かあった時』でしょ。気軽に鍵を開けちゃダメなんだからね。せめて返事を待ってからにしな
さいよ」
「でも、その、タカちゃんはまだ寝てるのかなって、一人だと寝坊しても起こしてもらえないし」
「全く、いつも寝坊してるのはこのむの方じゃない」
139 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:20:13 ID:K1gsIy8v0
呆れてため息が出そうになったけれど、逆にいつも寝坊してるこのむだからこんな発想が
出てきたんだろう。少し可愛いかもしれない。きつく言い過ぎたかな。
「ねぇ、タカちゃん、フライパン、いいの?」
「あ」
無惨にも少し焦げた固焼き目玉焼きとなってしまった朝食は、折角なのでこのむに食べ
てもらった。こんな小さい身体で大食漢だから将来は背も高くなるんだろうけど、あんまり
成長されるのも複雑な気分だ。
「じゃ走るよー」
「ちょ、ちょっと待って」
ポケットから髪留めを取り出して長い髪を後ろで括る。
櫛を通したのも台無しになりそうだから、あんまり走りたくないんだけれど、のんびりして
るこのむに付き合ってると時間の進みがゆっくりになるのだから仕方ない。
自分の分の目玉焼きを作っていた所為では、ない筈。うん、きっとそう。
女の子の朝は時間がかかるんだから。
手を繋いで一緒に走る。
こんな時だけ、大型犬に引っ張られるみたいな感覚。
私も足が遅い方では決してないのに、短距離走なペースで長距離を平気で駆け抜ける
このむにはちょっと敵わない。
途中で見慣れた後ろ姿を見た気もしたけれど、気に掛けるのは無理だった。
そろそろ、このむとの別れ道。
酸欠気味な頭でへたり込みそうな膝を押さえつける。
「はぁ、はぁ、はぁ、……気持ち悪」
「ご、ごめんねタカちゃん」
「い、いいわよ。ここ、まで、くれ、ば、遅刻はない、し」
吐き気を何とか押し戻して、深呼吸。
それよりも、早く行かないとこのむの友達と鉢合わせになってしまうし。
「じゃ、行くわね。三年生のこの時期はそんなに授業ないだろうけど、しっかりね」
140 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:21:33 ID:K1gsIy8v0
「うん。それじゃ、また後でね〜」
私が急いでるのを感じたのか、僅かに苦笑しながら手を振るこのむ。
このむの友達だけあって、良い子だとは思うんだけれど、やっぱり苦手なのは変わらない。
ため息。
自分で見下ろしても大きいなぁと思う胸が二つ。
男の子はどうしてもそこに目が行くらしく、あんまりジロジロと見られるのはどうにも落ち着
かない。
どうせなら親友みたいに小さく目立たない方が良かった、などと云おうものならその親友か
ら烈火の如く怒られるのだが。
たったったったっ、と足音が追いついてくる。
「おはよー貴子っ」
「おはよう、ゆーみ」
私のもう一人の幼馴染み、向坂勇巳。
私とは対照的に短くカットされた赤みを帯びた髪。細くしなやかな身体は子鹿みたいで外見
通りに運動も得意だ。
それでいて部活には所属せずに私と一緒の帰宅部となっている。
勿体ないなぁ、と私は常々思っているのだけれど。
「全く、その様子だとあたしを追い抜いていったのに気付いてなかったみたいね。このむもこの
むで振り向きもしなかったし。あーあ朝からついてないわー」
「ん? このむは余裕ありそうだったけど?」
「あはは、無理無理。だって一緒に走ってるお姉さんの揺れる大きな胸を横目で見るのに大忙
しって感じだったもの。あたしになんか気付きもしないわね、あれは」
なんて調子でからかうのだから、勇巳は今日も元気だ。
「もー、このむはそんな子じゃない。大体、――そんなに揺れないわよ」
「どこの胸がそんな口を聞くのやら。でもこのむだって男なんだかおっぱいに興味あるのは違
わないと思うけどねー」
「このむはまだ子供なのよ。甘えん坊だし」
「あらら、このむも可哀想にね。まー、貴子はあたしのだから譲らないけど」
これだ。
141 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:26:16 ID:K1gsIy8v0
「もぅー、誤解を招く様な事は云わないのっ」
「あぁん、つれないんだから。でもそこが貴子の良いトコよねー」
何をどこで道を踏み外したのか、私の親友は女の子の癖に女の子が大好きというかなり
困った人物なのだ。しかもメイドさんが大好きだそうで、将来の夢はメイドロボを侍らす事だ
とか。
正直、そんなモノを熱く語られてもひたすら困るだけなのだけれど。
学校でも女の子に良く声を掛けるし、実際、一緒に居る私までそんな目で見られてしまっ
ている時もある。
だけど、そのおかげで男子とは少し疎遠にもなっているから、ほんの少しだけは、感謝し
ている。それでも
「今日はポニーテールなの? うんうん、貴子は髪が綺麗だからどんな髪型も似合うと思う
けど、うなじが見えるのも良いわね。あ、でも他の男に見せるのも業腹よね。うーん、どうし
よっか?」
なんて言いながら私の髪を撫でるのは止めて欲しかったり。
いつの間にか櫛を持って梳いている。
お気楽そうな外見に反して、その手付きが意外に繊細だから、怒るに怒れない。
私の髪を弄るのは勇巳の趣味みたいなモノだから、最近は諦めている。
「ほら、馬鹿やってないで学校に急ぐわよ。そんなに余裕ないんだから」
「あー、こらー、髪は女の命なんだからねー」
なんて口でいいつつ、歩くペースを速める勇巳。
今日はやけにあっさりと引くな、と思ったけれど、勇巳は最後に一つ爆弾を落としていったの
だった。
「そうだ貴子」
「なに?」
「先に言っておくけど、兄貴が帰ってくるそうなのよ」
腰から力が抜ける。
がっくりと膝をつく。
私の一人暮らしが始まる春は、どうやら波瀾万丈となる事が確定された。
142 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:28:14 ID:K1gsIy8v0
向坂珠樹。通称タマ兄。
いわゆるガキ大将だった。かといっていじめっ子という訳では決してなく、私はよく可愛がって
もらってはいたのだけれど。
私に近づく男の子という男の子を尽く駆逐していった頭の痛い思い出が。
大事にしてくれるのは、正直な所、嬉しくないこともないけど、あれはやりすぎ。
三年上の上級生達をまとめて裸にして校舎から逆さに吊り下げるなんて事もあった。その原
因の一端を私が握っていたかと思うと心が痛む。
タマ兄は『世界は我の物!』みたいな王様ちっくな人だ。歩く人型台風みたいで、私はその台
風の目から回りがトンデモナイ事になっていくのをずっと見ていたのだ。
唯一の例外はこのむだけれど、どうにも途中までタマ兄はこのむの事を女の子だと勘違いし
ていたみたいで、男と気付いてからも弱いモノイジメはできないタマ兄が悩んだ挙げ句にこのむ
に女装をさせた時なんて似合いすぎていて困ったものだった。
行儀見習いも兼ねて全寮制の九条院という学校に入れられたと聞いていたのに。大学も併設
されてるから後5年は平穏だと思っていたのに。
ずぶずぶと地面に沈んでしまいそうだ。
「ほ、ほらほら貴子、遅刻しちゃうから元気出してってば。大丈夫、私の貴子はちゃんと私が守っ
てみせるからっ!!」
「いやそれも違う、というか私は勇巳のじゃない」
「それだけ口答えできれば充分だってば。さー行くわよー」
今日は朝から手を引かれてばっかりだ。
いや、悲観するのはまだ早い。流石にタマ兄だって成長して、少しは分別のついた大人になっ
ているかもしれな――無理だ。
うう、私の理性は現実逃避すら許してくれない。
子供の時分でさえあれだけ破天荒だった人が、どれだけパワーアップしているのか見当も付
かない。
あぁ、唄が聞こえる。ドナドナドナドナと。
143 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:34:00 ID:K1gsIy8v0
ずずーんと暗い空気をまとって机にへばりついている私をお天道様が見かねたのか。
学校の授業はするすると終わり、あっという間に下校時間だ。
それにしても動きたくない。
病は気からというけれど、ここまでその言葉を実感したのは初めてだ。
「あ、ぁのー、河野さん? だいじょうぶ?」
ごろりと頭を動かして見上げると、委員ちょーの小牧君だった。
フルネームは小牧真仲。
お人好しで礼儀正しく、一歩引いて接してくれるのが私にとっては嬉しい、安全圏に近い
男子だ。「あんたと同じで委員ちょーは女の子が苦手なのよ」という勇巳の言葉もあって少
しだけ親近感を感じている。
どうやら心配をかけてしまったみたいだ。責任感強いからなぁ。
「えっと、大丈夫だから」
「ホントに? 具合悪いなら保健室に行くか、家の人に迎えに来て貰うとか」
「だいじょぶだいじょぶ」
委員ちょーも女の子が苦手なのに、あんまり長話させるのも悪いから、よっこらせと立ち上
がった。
ふらふらと立ち上がった私が心配なのか、手を貸そうとしてためらって悩んでる委員ちょー
が少し不憫だ。
「精神的なものだから平気よ。うん、大丈夫」
「そう? いつもは向坂さんと一緒なのに、どうしたのかな?」
あれ、そういえば居ないな。
百合疑惑を持たれてしまいそうな位にいつも一緒なのに。まぁたまには良いわ。
「やっぱり家の人に連絡する?」
ぼうっとしてる私を心配げに声をかけてくる委員ちょー。そこで自分が送ると言えないのが
良いトコなのか悪いトコなのか。私にとっては良いのだけど。
「いやー、今、私の家は両親居ないから。それは無理だわ」
「ご両親、共働きなんだ?」
「あー、いや、今海外に行ってるのよ。だから居ないの」
「え?!」
あ、やぶ蛇だったかな。
わたわたと『聞いてはいけない事を聞いてしまった』みたいな顔で意味不明なハンドジェス
チャーを繰り返す委員ちょーは見ていて面白いんだけど、少し罪悪感。
144 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:38:06 ID:K1gsIy8v0
「ほらほら、もう元気出たから、大丈夫大丈夫」
ニコっと笑ってみせる私。おまけにちょっとガッツポーズも付けてみる。
実際、大分は気は晴れたし。
男子に笑いかけるなんて滅多にした事ないから、ちゃんと笑えているのか自信ないけれど、
一応止まってくれた。
「う、うん」
と言葉少なに頷いた顔が赤いのは、委員ちょーが今の失態を恥ずかしがってるに違いない。
うん、自意識過剰はいけないよね。
「じゃ、帰るね。心配かけてごめんね」
「ううん、河野さんが元気出て良かったよ。気をつけて帰ってね」
今時、頭をぶるんと振って否定する男の子なんて久しぶりに見た。
レアものだ。
うん、なんだか少し気分が良い。
「また明日ね〜」
「……う、うん、また明日」
私にしては珍しく手を振ってみたら、委員ちょーは驚いた様な顔をした後、もう一度笑ってくれた。
あれ、今の自分は笑っていたのかな?
うーん私もあんまり男の子には笑わないから、委員ちょーも珍しいもの見たって思ったのかもし
れない。
さて、ここで今日の出来事が終わってくれれば、とても平和な一日で終わったのだけれど。運命
という問屋はそう簡単に幕を下ろしてくれないらしい。
それは、校門に立っていた。
すらりと背の高い、高価そうな仕立ての三つ揃いを嫌味なほど綺麗に着こなしている様は、どこ
からどう見ても良家の御子息の類である。
華族、という古い言葉が頭に浮かぶ。
まるで侍みたいなポニーテールの所為だろうか。
145 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:39:39 ID:K1gsIy8v0
見つめていると吸い込まれそうな深い赤色。男の人だとは思うけれど、長い髪に見とれてしまう。
その赤い髪の毛が動く。
こちらに振り向いたのは端正な人形のような顔。どこか見覚えのある貌。
言葉もなく立ち尽くしていると、その綺麗な顔がふわりと崩れて、微笑った。
心臓がドキリと音を立てた。
華が咲く様な笑顔というか、少女漫画でそんな演出があるけれど、正にそんな感じ。
ふわふわの甘甘な極上の笑顔がこちらに向けられている。
まさか。
理解はしているんだけれど納得はしたくないというか。
如何にも紳士然としている大人な男の人が、まさかあのタマ兄だなんて、そんな、いや髪の毛の
色も勇巳と似ているし、いやしかしまさかまさか。
「たー子?」
一気に現実感が喪失していく。
目の前の綺麗な人が、自分が良く知るタマ兄だと認識してしまった。
高くもなく低すぎもしない、柔らかく包まれてしまいそうな深い声音。
身体に染み込んでいきそうな声の色。
目で見たモノがまだ信じられないけれど、耳が覚えている。
何よりその親しげな私を示す呼び名で呼ぶのはただ一人――
「た、タマ兄?」
笑みが深くなる。
大切な宝物を見る様な愛おしげな眼差しが、恥ずかしい。恥ずかしいのに、視線を外せない。
今更ながら、顔に血が上っていくのを自覚する。
呼吸が上手くできない。
「ど、どうして――?」
舌がもつれた私を優しくうながす様に目線が問いかけてくる。
「ど、どうしてこんなトコにタマ兄が?」
146 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:46:16 ID:K1gsIy8v0
「こんなトコだなんて、たー子。たー子の通う大事な学校だろう? それにたー子を迎えに来たん
だ。一目でも早く会いたかったから。――綺麗になったね、たー子」
綺麗だなんて、そんな言葉を普通に使われると余計に頭の回転が加熱して舌が回らなくなる。
ぐるぐると問いただすべき事柄が頭の中だけで回り続けて口から出ていかない。
きっと私の顔は真っ赤になっている。
焦って空回りする頭に、ぽんと掌が乗せられる。その感触も、どこか懐かしい。
「ほら、落ち着いて?」
上目遣いに見やると、改めてその背の高さを実感する。こんな背の高い男の人がこんな近くに居
るのは今までは父親くらいだから、改めて意識してしまう。
「タマ兄? その、九条院はどうし、たの?」
そういえば勇巳からは詳しい事は何も聞いていない。ただ帰ってくるとだけで、いつだとか何故だ
とかはさっぱり頭に入っていないのだ。
「あぁ、九条院ね。心配いらない、ちゃんと卒業してきた。飛び級って知ってる?」
「ほぇ?」
「九条院大学の経済学部だけどね。ちゃんと卒業に必要な単位を全て取って、きっちり卒業してき
たのさ。まぁ、所詮は机上の空論。経験を積まなきゃ分からない事が多いけれど、それは後々に
積めば良いのだから」
あ、頭が言葉に追いついていかない。
苦労したんだからと何か嬉しそうに語るタマ兄を見ても、頭痛が酷くなるばかりだ。
九条院って帝大にも並ぶ有名大学じゃなかったんだろうか? そ、それをまだ高校生なのに卒業
しただなんて。
「な、なんで?」
「たー子に逢いたかったから」
そ、それは光栄というか、素直に喜べないのは何故だろう?
「それでね、たー子、じゃない、河野貴子さん」
「は、はい?!」
声が裏返ってしまった。真面目な顔をしてタマ兄は突然、私の前に膝を突く。
あ、高そうな生地なのに汚れてしまう、と思ったのも束の間。
「河野貴子さん、私、向坂珠樹と結婚してください」
私の意識はそこでブラックアウトしたのだった。
147 :
赤いしっぽ:2005/09/26(月) 03:48:47 ID:K1gsIy8v0
連投規制が面倒だった・・・。
という訳で、回線切って吊ってきます。
でわでわん。
邪悪なタマ兄GJ!
まるで少女漫画だな。。。
解っていたことかも知らんが、タマ姉を男にするとここまで魅力がなくなるのは何故か。。。
それは貴方が(多分)男だからではないかと…
俺は悠里でない勇巳もちょっと目から鱗だった。
委員ちょの反転って前にも出てたっけ?
委員ちょとか双子あたりだって、基本的な性格や行動をそのままに
男になられたら、相当鬱陶しいと思うが。それこそタマ兄の比ではなく。
そういや、反転愛佳とか反転珊瑚・瑠璃はあんまりみないな。
やはり、書きづらいのだろうな。
>>147 GJ!
やべーやべー、面白かったのにGJするの忘れてたよ。
というかこのタマ兄はまだネコ被ってる状態なんだよな?
どんな風になるのかちょいと楽しみだ。
反転愛佳は貴明と変わらないだろう
男が苦手→女が苦手になるだけだし
>>147 GJ!まじ萌えた。スーツ姿のタマ兄と制服の貴子のツーショット想像して悶えた。
正統派タマ×タカもの(しかも上物)がやっときたという感じだ。ぜひ続きが見たい。
あと、どーでもいいことなんだが、『自分が書きたいものと読みたいものは似てる』というのにちょっと納得してしまった。
考えてたプロットが一部被ってたよ・・・・・・さて、どっから改変しようかな。
>>147 GJ!
タマ兄×貴子を待ち望んでた俺にとっては貴方は神だっ!!
百合な勇巳とタマ兄が対立するだろう後々が楽しみだー!
というか、貴子たん、委員ちょに無意識にフラグ立ててないか?w
最寄り駅までの歩くには長く、しかし自転車を出すには短い距離を早足で進むあいだ、
ふゆは勇輝のことで頭がいっぱいだった。
確かに連絡が取りにくくなるということは聞いていた。
とはいえ、二人の日課だったメール交換まで滞るほどのスケジュールなんて。
出掛けに飲んだ昨日開けたコーラのように、冴えない気分だった。
恨めしそうに見上げれば、太陽は今にも空のてっぺんに届きそうだった。
(…今日は3限からだ、ああもう)
幸いなことに――持つべきものは友人ということ――あきらが一緒に受講していたことを
思い出したふゆは、歯ブラシを左手に持ったままメールを打った。
どうにか、2限の欠席だけは免れられそうだ。
代償のクレープ代くらいは大目に見なければならないだろうが。
ふゆがホームに到着したのは、家を出てから大体15分後のことだった。
今から電車に乗れば間違いなく昼休みにはキャンパスに着く。
車内で読むべき参考資料の順位付けをしながら不意に視線を泳がせると、
視界に馴染みの顔を収めて、ふゆの表情がわずかに和らいだ。
しかし、当の本人はこちらに気付いていない。
手に持った何かをじっと見つめたきり、彫刻のように動かないでいた。
ふゆの思考を、ふと、悪魔の影がよぎった。
遼がまだ手元に気を取られているうちに、気取られないように死角からそっと近付き、
背後でいきなり声を掛ける。
「遼っ」
「わあ」
慌てて後ろを振り返ると、遼の後ろには幼馴染が立っている。
「なんだ、ふゆか」
「なんだじゃないでしょ。何見てたの?」
「秘密」
うん、こんな感じ。イメージトレーニングは十分。
こっそりと背後を取り、タイミングを計って。1、2の3。
…1、2、3のほうがいいかな?それとも1、2の3?
ま、いいか。1、2の3。
「遼っ」
「うわぁっっ!?」
確かに遼は振り返った。受け流すにはあまりにも大きな声をあげて。
咄嗟の事にふゆも対応できなかった。
遼?どうしちゃったの?
こんなに大きな声をあげる遼なんて、十数年来見たことがなかった。
何事かと周囲の目が集まる。駅員も様子を伺っていたようだが、すぐに持ち場に戻っていく。
「……あ、なんだ、ふゆか」
「ふゆだよ…」
しかし次の瞬間には、またいつもの遼に戻っていた。
もやもやした感情が自分の中に溜まっていくのがふゆにはわかった。
とりあえず何か話していないと、この溜まったものの行き場が見つからない。
「ねえ、何見てたの?今」
「なにって?」
遼の手には何も握られていなかった。
「あ、隠したでしょ。何か写真みたいなもの」
「え……定期だよ」
ふゆは「写真」という言葉に手がかりを見つけた。
「ね、見せてよ写真。誰の?遼が写真見てるなんて珍しいじゃない」
見せてちょうだい、とふゆは手のひらを差し出したが、遼はただその手を見つめているだけだった。
なにも応えず、数秒が経過した。
遼は依然として沈黙を保っている。
ふゆは失望のうずきと、そして強いとまどいを感じた。
彼がここまで感情を表すなんて、普通じゃない。
しかも、都合の悪い話を他所にそらす余裕もなく、立ち尽くしている。
「遼…」
差し出したままだった手を引っ込めようとしたとき、
「はい」
遼はポケットから定期入れを取り出し、ふゆに渡した。
白い二つ折りの定期入れだった。
その折り畳まれた定期入れの中に、一枚の写真が挟まれていた。
ふゆの想像通り、それは写真だった。
強い日差しの下、一人の少女が遼の肩にもたれかかって木陰で休んでいる。
黒い目、短い髪。内なるエネルギーを感じさせる溌剌とした顔つき。
しかしそれは決してふゆが想像していたような光景ではなかった。
そこに写っていたのは――河島かなた、彼の妹だった。
ふゆは写真から目を離すことが出来なかった。
彼と彼女。遼と彼女。遼とかなた。…兄と妹。
「…さっき、これ、見てたんだ…」ふゆはやっとのことで言葉を発した。
「うん…」
定期入れを受け取りながら、まるでいつもの口調で返事する遼。だが、視線はうつむいたままだ。
「見てただけ」
「見てただけ、なんだ…」
「うん、見てただけ…」
どうしたというのだろう。
ふゆの心が再びざわつきはじめた。
遼の思い出は自分も共有しているはずなのに、この言い表せない不安はなんだろう。
私にとって、遼は今のこの遼じゃなきゃいけないはずなのに…
「遼、今でも…」
「ん?」
「ううん、なんでもない」
ふゆは気付いていた。忘れられるわけなんてない。
胸から全身へと痛いほどの哀れみが広がっていくのを感じた。
「定期入れから出てきたから、見てた」
それでも遼は、いつものような気の抜けた声で答える。いつものような微笑でもって。
「懐かしいなって」
「懐かしい…うん、そうだね」
なるべく写真の中の遼を見ないようにして、ふゆも遼に微笑み返す。
「可愛かったよね、かなたちゃん」
「うん」
呟くように遼はいった。
「可愛かった」
遼の目がすっ…と細められる。
傍目には彼の表情は変わらなかった。しかし、ふゆには分かった。
彼の防御の壁が、ほんの少し崩れたことが。
それから二人はいつものようにふらふらと歩いて一日をつぶした。
ふゆはなぜ自分が彼と付き合っているのかわからなかったが、
それでもやっぱり、気がつけばいつもの二人に戻っていた。
よく晴れた冬の日の空が、ちょうどこんな感じであるように。
162 :
元380:2005/09/28(水) 15:59:29 ID:YYbEqgVm0
…ということで遼×ふゆの続きを書いてみたわけなんですが…
遼が好きになりそうです。うん。
それでは回線吊って首切ってきます。
このスレは神だらけかっ?!
>>162 GJ!!
やばい、ボディブローの様にじわじわとふゆの良さが染みいってくる。
このカップリング大好きだー!!
>>162 キタワァ(゚∀゚)
もっかいWA始めたくなってきますた
ふと気づいたんだが、反転ナイト雀鬼ネタってまだ出てない?
親の代から続く探偵事務所を営むかたわら、生活費稼ぐために雀荘に入り浸る女探偵・伯斗龍子
…やっぱ負けたら体で払うのだろうか?
反転させたら相手は野郎ばっかになっちゃうし、プレイヤーはクリアするよりもゲームオーバー(脱衣その他)画面見る方に
血道をあげることになりそうw
別に主人公を反転したからってヒロインまで反転する必要はないと思う。
そんなこと言ったらフィルスノウンなんて男同士の絡みw
>>168 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
PSPで出るリメイク作品群のなかに、
どれか一個でいいからおまけで性別反転シナリオ載っけてくれないかなぁ。
セイベツハンテンタケ?
WAは反転させたら移植、リメイクするのにもちょうどいい気がする。
男性アイドルに対する考え方って、あんまり前から変わってないように思うもの。
女性アイドルに対する考え方って変わっちゃったけど。
それとも自分が知らないだけで男性アイドルに関しても色々変化があったんだろうか。
最近静かになったなぁ、などと思いながらネタ振り。
反転マナシナリオって結構王道路線じゃないか?
ある日家にやってくる年上の家庭教師(女)。
いろいろありながらついに最後の一線を越えかけるんだけど、
やっぱり二人とも今の生活に戻っていく。
いつかまた出会う日へと向かって、別の道を歩き出していく。
一本の映画に出来そうな筋書きだ。
待ち
175 :
名無しさんだよもん:2005/10/07(金) 20:13:36 ID:drwMHxSzO
待ち
176 :
元380:2005/10/08(土) 02:16:30 ID:kbsWQmGx0
マナシナリオを反転させた場合、
あのローキックはどうしたらいいでしょう…(;´Д`)
まさか年上とはいえ女性に暴行振るうわけにも行かないし。うーん。
反転マナにデコピンされて「ぅ〜」とかうなってるふゆが見えた・・・・。
やばいテラモエス
(゚∀゚)!
年上のお姉さんだけどやたらちびでロリィな家庭教師に反抗する少年…
攻撃の方法…
だめだ、チョップかデコピンでなければ、押し倒す位しか出てこん…
うちの姉上殿は自分より頭一つ低いですが、柔道とボクシングというけったいな組み合わせで格闘技やってる猛者です。
自分も空手やってますが、喧嘩の際には結構マジ打撃が飛び交ってますよ。
……って関係ないか。
大学の文化祭でメイド服を着た当方がやってきましたよ、と……
SSはもうちょっとお待ちを……
デコピン……うぅん、別に脛キックでも良いと思いますが……
胸を揉むとか……(犯罪)
じゃあ間を取って乳首をデコピン
>>180を朱鷺乃と恵に置き換えて想像してみたら、なんかすごい事になってしまった。
デコピンと聞いて、普通の人は片手でのを連想するとは思うんだが。
両手を使って洒落にならん威力のデコピン(赤あざを作る程)を喰らった、というのは俺以外にも居るか?
まじ痛かったです、不意打ちで喰らうと泣きそうな位。
>>184 中指辺りを反らして叩くやり方か?
残念だけど俺の痛くないよ
何のアピールをしてんのかワカランが、そこら中に居ると思うが。
ふゆって反転マナより小さいかな?
小柄なふゆよりも小さい事にコンプレックスを感じてくれる反転マナ君が好きだな。
おぉ、誰もいない。
型月板のように何か起爆剤でも投下してくれんかね?
|つ「反転セバスチャン、若き日の思いで」
|つ「〜あるいは私はいかに放浪することをやめて来栖川の旦那様に身も心も捧げることを誓ったのか〜」
|ミサッ
智代Afterで朋也だけ反転Verを考えてるのは秘密。
智代だけ反転Ver、と読んじまった…
○))) | ̄|_
ウホッ!
人の家に入るっていうのは、いつでもけっこう緊張する。
まして、それが知らない人の家ならなおさらだ。迷惑のないようにしないと。
と、ドアが開き、私服に着替えたさっきの子が出てきた。
「お待たせしました。そんなに待たせてないけど」
「…あの、誰か他にはいないのかな?」
「俺だけです」
「政輝くんか、誰か家の人でも…?」
「だから俺だけだっつってんでしょ!」
「はあ……」
うーん、困ったな。別にこの子と遊びに来たわけじゃないし。
「…で?家庭教師の話でしょ?さっさと始めてよ」
「え……?」
この子は何を言っているんだろう、僕が責任者ですみたいな顔で。
「いや、それは政輝くん…お兄さんが帰ってからじゃないと…」
ずびしっ
「ひゃうっ!?」
痛ったーーーーーーーーーーーーーっ!!
突然、彼が私のおでこをひっぱたいた。でこピンだ。しかも思い切り。
咄嗟のことに反応もできず、まともにくらってしまった。
どういう子か知らないけど、これはちょっとひどい。怒らないと。
「あ、あのね…えっと……あー…」
私は痛いのをどうにか我慢して顔を上げる。
「政輝です」
「…あのね、政輝くん…」
………あれ?
「そうです」
私の視線に気付いたのか、むっとしたみたいに頷く彼。
「高校3年生って聞いてたんだけど?」
ずびしっ
「う〜〜…」
「あ」
さすがにやりすぎたと思ったらしい。
政輝くんは私の顔を覗きこんでいる。
「あー……痛かった?」
「……うん」
「……ごめん」
なんとも気まずい空気の中で、家庭教師の面談が始まった。
「じゃ、そういうことで。お疲れー」
やる気なく私を見送る政輝くん。
「お疲れさまでした。また来週ね」
「……来んの?」
「あたりまえだよ。じゃ、また来週〜」
「…………ふう」
彼女の家を出て、改めて来週から私が通う建物を振り返ってみた。
なんとなくだけど、暖かい感じがしなかった。
子供の頃に遊んだ人形の家のような、綺麗で冷たい感じだった。
…観月、政輝くん……か。
197 :
元380:2005/10/13(木) 02:59:52 ID:QuCk/dYP0
…ということで唐突に反転マナシナリオの冒頭を書いてみたわけなんですが…
>反転マナにデコピンされて「ぅ〜」
こんな感じでよろしいでしょうかw
また何か意見あれば、皆様よろしくお願いします。
>>190 反転セバスもストリートファイターだったんでしょうか。
あるいは花よ乙女よと育てられてたのか。うーむ。
それでは回線吊って首切ってきます。
>>191-193 尻責め朋也にハアハアした口ですか?
漏れもノシ
あるいは朋美×智代に鷹乃(元鷹文)も交えて禁断の園とか
ハフン
‥‥下校中‥‥
たー子、最近付き合い悪いんじゃないのー?一緒に帰るのも三日ぶりだよ?
「‥‥ごめんね、悠子。最近凶悪な変態につきまとわれてて‥‥」
凶悪な変態?
「‥‥うん。こないだ言った変な同好会の‥‥」
そこまで言い掛けると突然貴子は素早く私を盾にして隠れた。
「き、きた。あれ。あの黄色‥‥!」 黄色ぉ?
たー子がおずおずと指差す先にはまばらに下校する生徒に交じって明らかに目立つ野郎がいた。
(うわー、たしかに黄色だわー)
金髪というよりか真っ黄色に染め上げられた髪。指にはドクロのような妙なシンボルのシルバーのアクセをはめた、みるからにあっち系な、貴子には縁もゆかりもなさそうな男。
(背は結構あるかな‥‥。顔はまぁ‥‥80ぐらいか。)
たー子の姿を見つけたらしく黄色髪の男(以下、黄色)はものすごい勢いでこちらに迫ってきた。
「に、逃げよう、悠子」
駄目駄目。こういうのは「付きまとうなっ」て、直接いってやらないと。言いにくいなら私から言ってあげるから。
「まったく、駄目じゃないか勝手に帰ったりしたら。ミス研を休むときはちゃんと会長の許可をとってくれないと。大宇宙の神秘を解き明かす時間が減っちゃうだろ。今回は見逃すけど次はお仕置きしちゃうよー。た・か・ちゃん」
よ、容姿と言動が一致しねぇ‥‥!
たー子は唖然としている私の服の袖を二回引いた。どうやらヘルプの合図らしい。
「‥‥あのさ、たー子と何があったか知らないけど、ちょっとそっとしといてくれないかな。ほら、この娘ってば男子が苦手だし、もうちょっと距離おいてあげない?」
黄色は私の話を聞きおわるとうつむいてしまった。ああ、効きすぎちゃたか‥‥ま、こういうタイプはちょっとぐらい傷つけたほうがいいのかもね。
「‥‥やれやれ、困った娘だなタカちゃんは。」
き、効いてねぇ‥‥っ!
「確かに(XRATED)したばかりなら顔を向き合わせるのは恥ずかしいかもしれないけど‥‥ははん、さてはあれだな。好きな人を困らせたい子悪魔的な
「う、うるさーい!町中で(XRATED)とかありもしない妄想はくなー!一人でかえれ!一人でアリの巣に水でも流し込んで遊んでろっ!」
おぉ、あの男の子相手だとすぐどもっちゃうたー子が顔を真っ赤にして反撃にでてるっ
でもな、たー子。いい歳した若い娘が町中で(XRATED)とか叫ぶのはどうかと思うぞ。
「よし、それだけ元気なら今日の調査もできそうだな!さぁ帰ろうタカちゃん!部室(※二人きりの愛の巣)へっ!実はさっき公園で自称宇宙人を捕獲してその尋問を始める所なんだ、それとも昨日の(XRATED)の続きにするか?」
「元気じゃない!タカちゃんってよぶなっ!!変な注釈を付けるなっ!!!塀の高い病院につれてけっ!!!!(XRATED)なんてしてないて言ってるでしょっ!!!!!」
まさに馬耳東風。黄色はたー子の半泣きの突っ込みもものともせず、その体をひょいと抱き上げて学校の方へ歩きだした。
「おろせー!!つーか、彼女か騒いでて申し訳ないみたいな顔すんなー!!‥‥助けて、助けてー!悠子ぉ!!」
なんつーか、その‥‥‥頑張って(`・ω・´)シャキーン!
「はくじょーものぉぉぉ‥‥!」
次の日から三日ぐらいたー子は口を聞いてくれなかった。
ちなみにオチはありません。クオリティ激低ですまん。
いやいや、GJ。
顔がにやけてしょうがない。
202 :
177:2005/10/13(木) 22:33:52 ID:cYdbA7AH0
>>197 GJ!!
政輝くんツンデレっぷりが可愛いぞっw
何回かこなれてきた後、政輝が右手を構えたら
条件反射で教科書で額をカバーしようとするふゆとかw
「その手はもうくわないんだから」とか得意げに無邪気に笑ってそうだ。
で、鼻っ面に喰らうわけですな
すまない、GJといいたいのは山々なんだが……
会長って反転するとただのイタタキャラだな
(まぢスマソm(__)m>反転黄色氏)
それをいうとタマ姉やるー子も・・・いやいい、気にしないでくれ
それはあれだ。ネタにマジレスってやつ
↓何事も無かったようにタマ兄
>>205 反転るー子がプラネテスの男爵みたいな奴と考えればどうだろう
そろそろAIR分が不足してきたな
暗い暗いと不平を言う前に自ら進んで明りを灯せ、ですよ。
自分でネタ振ってみるといいかも、ですよ。
誰かが膨らませてくれるかも、ですよ。にゃあ。
遅レスだが、貴子の後から走る悠里(in雄二)より後ろを走る者がいた場合さらにすばらしい光景があったのでは?
雄二がスカート気にして走れるとは思えないし。
タマ兄の前を塞げと言うのか?肉片になりそうだぞ
ということはそのすばらしい光景を見ていたのはタマ兄?
中身はともかく一応妹だから単純に「はしたない」としか思ってないのでは?>タマ兄
妹のを見てニマニマするイメージじゃないなあ確かに。
単純に雄二が怒られるだけかな。
悠里本人も、しっかりしてるように見えて案外うっかり者って感じがあるから、
何だかんだでそういうの見慣れてたりしてな。>タマ兄
そんなしっかりしてるように見えて案外うっかり者な妹俺も欲しい。
うらやましいぞ >タマ兄
>>208 最高が夢で朕の容量を増やして消滅した後、
気が付いたら観鈴になってそらをなでてる、とか。
べただし、性別反転じゃないな・・・
>212-216
スカートの中を見られるのは貴子じゃないかな
で、ちょっと勇気を出して黒下着(悠里チョイス)とかつけて、
タマ兄に「たー子も色を知る年か〜」とか言われて顔真っ赤……萌えるな?!
環の男版が絡むと全然萌えない。
そんなことより貴子出せよ貴子
なんかやけに声の大きいタマ兄アンチが一人湧いてるな。
個人的な好き嫌いはあるだろうが、作品批評でなく単にキャラアンチをやりたいなら自分でブログでも作れ。このスレを汚すな。
それより新キャラは堅物生徒会長らしいじゃないか。このスレでもいじりやすそうだな。
本編がどうかはしらんが、反転させると会長の立場を利用して貴子を生徒会室に連れ込む展開になるんだろうか?
いきなり鬼畜展開かw<新キャラ
副局長ってあだ名から新撰組みたいな生徒会を想像しちまったなぁ。
ところで双子が3pって事は、反転すると貴子たんはいきなり二本差しさせられるんでしょうか。
ちょっと見たいなぁ。
両手に竿とか前から後ろからとか……
ボクの名前は倉田一弥。
所謂幽霊やってる。
ボクは小学校に入る前に死んでしまったから。
本当ならこの世、にいてはいけない存在なんだろうけど、事情があって、
いわゆる成仏って事ができなかった。
その事情って言うのは、ボクのお姉ちゃん、倉田佐祐理。
佐祐理お姉ちゃんのボクに対する気持ちが強すぎて、逆にこの世、に
縛られ続けてしまった。
まぁ、だからってそれほど困っているわけでもないんだけれど。
ただ気がかりなのは、お姉ちゃんがボクの死に心を痛めて、内に閉じこ
もってしまったこと。
お姉ちゃんは思いは強くても、普通の人よりは少し感覚がいいかな、程
度だから、時折ボクの姿は見えるらしいものの、声までは伝える事ができ
ない。
外面は明るく振舞っているお姉ちゃんだったけど、内面では心に殻を作
ってその中に閉じこもっていた。
ボクはお姉ちゃんを何とかその呪縛から解き放ってあげたかった。
でも、ボクには常に側にいて見守っていることしかできなかった。
弟として……側にいることしか。
「…………」
気がつくと、ボクはベッドの上に寝ていた。
知っている部屋。僕の部屋だ。
調度品はボクが暮らしていたときそのまま。でも絵本や、遊び道具とか
細やかな品は運び出されてしまっているから、殺風景な部屋。
でも、何かがいつもと違う。
「!?」
身体を動かそうとすると、重い。重力を感じる。
「えっ?」
布団の重みを感じる……
「えっ、まさか、ボク……!?」
ばっ、と飛び上がる。
身体がある!? ボクの身体がある?
自分の両手で自分自身に触れる。
温かい、しっかりとした感触。
それに、胸に手を当てれば、やわらかい感触越しにドクン、ドクンって心
臓の音がする。
生きてる? ボク、生き返った!?
それどころか、前より身体が大きくなっているような……
ベッドから降りてみる。やっぱり見え方が違う。
「ボク……生きてる……それに……」
身体が大きくなってる。胸も柔らかくて大きく…………
「ちょっと、待て」
確かに生きてるけど……成長した身体だけど……
い、いや待て、最終確認だ……
そろそろと手を伸ばして、あるべきモノの場所に手を伸ばす。
………………
…………
……
ない。
つまり……これって、
「お、女の子になってるよぉっ!?」
こ、こんないきなり、ど、どうすればいいんだよ!?
ガタガタッ
びっくぅ
物音に背筋が跳ね上がるほど驚いた。
よく見れば周囲は真っ暗。
時計がないから正確にはわからないけれど、夜。たぶん深夜。
ガチャ。
部屋の扉が開いた。
「なんの……音?」
少し怯えたような声の主は、ボクのよく知っている相手。
でも。
「あなた、誰ですか……?」
あぅぅ、佐祐理お姉ちゃんはボクの事がわからない。
当然だよ……佐祐理お姉ちゃんが知っているのは子供のときのボク。
まさかこんな姿になっているとは思わないだろう。
どうしよう……どうはなせば解ってくれるのかな。
佐祐理お姉ちゃんは目を真ん丸くしてボクを見ている。
でも、ボクが一弥だってどうやって説明すればいいんだろう……
「…………かず……や……?」
「え?」
不意にお姉ちゃんが、ポツリ、と呟いた。
「もしかして、一弥、なの?」
「佐祐理お姉ちゃん、ボクのこと、解るの?」
ボクの方も目を見開いて驚いてしまった。
「うん……解るよ。なんとなくだけど」
お姉ちゃんはそう言ってボクに近づいてきた。
お姉ちゃんの方が大胆で、ボクの方が身構えてしまう。
ぎゅ……
抱きしめられる。
お姉ちゃんと触れ合っている。
絶対にかなう筈のなかった想いが、現実になっている。
ボクの方からも抱きつき返した。
お姉ちゃんの身体から温もりを感じる。
ボクはそっと目を閉じて、軽く顔を上げて……
って、なにをやっているんだ、ボクは!
ボクとお姉ちゃんは姉弟で、しかも今は女の子同士で──
ちゅ。
「ん……」
佐祐理お姉ちゃんが、唇を重ねてくれた。
優しいキス。
「お姉ちゃん……」
少し申し訳ないような気がして、ボクはお姉ちゃんを見上げる。
「今は特別……だからね」
お姉ちゃんは少し悪戯っぽそうな顔をして、ウィンクしてきた。
最後に……あの時見たお姉ちゃんの顔を思い出した。
場所を何もないボクの部屋から、お姉ちゃんの部屋に移す。
「でも、どうして女の子になってしまったんでしょうねー」
お姉ちゃんが、少しは困っているような、けれどそれほど深刻そうでもな
い顔で言う。
これがお姉ちゃんの地だから仕方がない。
ちなみに、死人が生き返って、しかも成長していることに対するツッコミ
はなしか! という声もあるだろうけれど、それは佐祐理お姉ちゃんの許
容範囲内……って訳じゃなくて、それなりに理由があるんだけれど、それ
は後で説明する。
それよりなにより、ボクの着る物がない。
よくよく気がつけばボクは素っ裸だった。
当然ボクの服なんかないし、残っていたとしても小学校前のサイズでこ
の身体がはいるわけがない。
幸いというかなんと言うか、ボクの今の身体はお姉ちゃんとそれほど体
格差がなかった。
だからパンツは借りられたけど、ブラジャーはぶかぶかだった。
「これは……買いに行かないといけないねー」
お姉ちゃんが、ボクのおっぱいを下から持ち上げるようにしながら、言
う。
少し気持ちいい。
「え……いいよ。わざわざ……」
ボクはめんどくさそうに言ったけど、お姉ちゃんは少し強い調子で言い
返してきた。
「だめだよ、ブラはきちんとしたのをつけていないと……身体動かすと痛
かったりするよ」
「そうなんだ……うん」
女の子の身体っていろいろあるんだな。
佐祐理お姉ちゃんの姿見でボクの身体を写してみる。
「うわぁ……」
顔も佐祐理お姉ちゃんに似ている。比べると少し目つきがきついぐら
い。
お姉ちゃんが貸してくれた、ピンク色のパジャマを着ているけど、凄く可
愛らしい。
ただ、自分の姿だって言う自覚が少し薄かった。
「可愛いね、一弥」
「お姉ちゃん……」
言われると、なんだか凄く恥ずかしい。
でも、あまり嫌という感じじゃなかった。
その後、ボクは佐祐理お姉ちゃんのベッドで、一緒に寝た。
いろいろと話したい事があったけど、少し疲れていたらしくて、2人ともす
ぐに眠ってしまった──
>>224-229 なんだか自分でも良く解らないモノに。
すみませんです。(´Д`)y=~~
クーデレ クールな(な)デレデレか…
個人的に↑の例はどれもかなり萌えるが、このスレの朋美ってそんなキャラだったっけ?
ストレートな物言いってのは当てはまるけど、こんな露骨に卑猥な単語発したりして無いような?
>>230 先が楽しみ。
交換ってことは一弥が生き返ったこととの交換なのか、女の子との交換を指すのか…
女一弥キタ━━(゚∀゚)━━━!!
イカソ一弥ってだけでいろいろな妄想が膨らんでしまう自分は(ry
舞との絡みが見てみたいんだが……ひょっとして?
>>232 どっちかっつーと、蝉枝の方が近いかも。>クールでデレデレ
卑語を連発する姿なんて朋美以上に想像つかんが。
朋美のクーデレって春原(♂)じゃないと成り立たない気も。
朋美「春原、今日はお昼作ってきたから」
春原「えっ、なんで?」
朋美「栄養が足りなくてそんな弱そうな体してるのかと思って」
春原「これでも元運動部なんですけどねぇ!」
朋美「そんなことどうでもいいわ。あんたのために昨日から下準備して早起きして作ったんだから食べなきゃ殺す」
春原「ひぃっ!」
朋美「…食べないなら食べさせるわよ。ほら、口開けて」
春原「みんなの視線が痛いんだけど…」
朋美「あんたの都合は私には関係ないわ。口を開けなさいヘタレ」
春原「うー!んぐっ…!……ん…意外と美味しい…」
朋美「あぁ、それ失敗作よ」
春原「そんなの食わせるなよっ!」
朋美「でも美味しかったんでしょ?美味しかったのよね?」
春原「ひぃっ!美味しかったですっ!」
朋美「じゃあ明日も作るわね、楽しみに待たないと埋めるわよ」
春原「ひぃぃぃーっ!」
>>236 字面で判断すると
クーデレつーより素直クールだと思うが…
デレが無いじゃん…OTL
クーデレは朋美よりも柳川だと思うぞ
校門前で兄貴たちを待った後、俺たちはそれぞれの教室へとまた別れた。
学校に着くまでに兄貴がこっちの世界のこのみにも俺の事情を話してくれたらしく、
別れ際にこっちの世界のこのみこと好巳に妙な視線を送られたりしたが。
しかし面倒だからとはいえ奴を兄貴と呼ぶのに未だに違和感があるのはやっぱり俺の中で慣れがまだ浸透してないからか。
ちなみに別れ際に兄貴にまた釘を刺されたのは言うまでもない。
俺のスカートまでめくれてたらしく、ありがたいことに説教まで貰ってしまった。
中身は男の俺に無茶言うな! なんていう反論は恐ろしくてできませんとも、ええ。
「学校や教室の位置も向こうと同じなの?」
不意に貴子が俺に話しかけてくる。
「んー、そうみたいだな。性別が逆転してる以外は全部一緒っつーか」
そんな他愛もないことを話して教室の前まで来た時だった。
「あら、河野さん、お久しぶりね」
「…!」
こちらに近づいてくる一人の女に、貴子の表情が強張った。
「丁度良かった。本当は小牧君に用事があったんだけど、今いないみたいだから。貴女ともお話ししておきたかったしね」
「…書庫の件は諦めるつもりはありません」
貴子の声は強い。
昨日俺の胸で泣いてた少女とは思えないほどに今の貴子は一歩も怯むことなく相手と対峙していた。
「まだそんなことを言うの? 何度も説明したでしょう、私たちの方が正しいって」
「…私には小牧君が間違ったことしているとは思えません。だから、諦める気もありません」
貴子と対する眼鏡の女は余裕と嘲りを含んだ声音で上からものを言うように喋る。
冷たさを浮かべるこの顔はどこかで見た気もするが思い出せねえ。
けれど、こいつが貴子と委員ちょと絡んでることだけは確かだ。そして、貴子と対立する意見を持っていることも。
「ふうん、そうやって庇い立てしてご立派なことね。やっぱり小牧君も男には違いないものねえ」
「…どういう意味ですか?」
眼鏡の女の、含みのある言葉に貴子が反応する。
「今じゃ学校中の噂よ。河野貴子は男好きってね。いいわよねえ、素敵な王子様二人に守られて。羨ましいわ。
どうせその体で媚売ったんでしょ? それに貴女、向坂君と同棲してるんですってね。そりゃあもう毎日お楽しみなんでしょうねえ」
「な…ッ!」
貴子の表情が激昂で染まる。そして鋭い視線で眼鏡の女を睨み上げた。
「私とタマ兄はそんな関係じゃないわ! 好巳だってただの幼馴染よ! 勝手なこと言わないで!」
「ふうん、本当の所はどうだか。いいわね、可愛くてスタイルがいいとそれだけで守ってもらえて。小牧君もそうやって唆したの?」
「ふざけないで…!」
貴子は本気で怒っている。
それもそのはずだ。彼女が向こうの貴明と同じ人物であるというなら自分の大切な人を侮辱されて許せるはずがないのだから。
「書庫整理…なんて言ってるけど、実際は何をやってるんだか。
向坂君と同じように、小牧君とも書庫でお楽しみなんじゃないの、男好きの河野さん?」
「小牧君はそんな人じゃない…!」
貴子の握り締めた拳がぶるぶると震えている。声も悔しさからか小さく揺れる。
「貴女…レイプ未遂に合ったって噂だけど…実際は貴女から誘ったんじゃないの? その男達も」
「ッ…!」
「おい、ちょっと待てよ!」
気付いた時には考えるより先に体が動いていた。
俺は貴子を庇うように前に出る。
「貴女は…向坂悠里…。…へえ、兄妹揃って河野さんを庇うってわけね。女の子すら惑わせるなんて流石ね、河野さん」
「アンタなぁ、さっきから黙って聞いてりゃあ、デタラメばっかりグダグダ並べやがって…。貴子は俺の親友で幼馴染だ! 庇って当然だろ!」
「悠里…」
一度切れたら止まれない。そんな状態だった。
言ってはならないことを言ってしまったこの女に俺はもう止まれない。
「大体アンタが言ってることは全部デタラメなんだよ! 確かに貴子はうちにいるがそれは兄貴と一緒に住んでるってわけじゃねえ。
俺が泊めてやってるんだよ! 親友の家に泊まることがそんなに不自然かよ!?
兄貴に関しても好巳に関しても、やましいことなんて何一つねえよ! 俺が証言してやらあ!」
「くっ…」
眼鏡の女が悔しげにこちらを見る。
けれどここで引くつもりはない。
「委員ちょのことだってそうだ。クラスの奴らに聞いてみろよ。そうすりゃ誰一人として委員ちょと貴子がそんな関係だって言う奴はいないぜ。
アンタの発言は全部証拠一つねえ都合のいいデタラメじゃねえか!」
「黙りなさい…!」
ギリっと眼鏡の女が唇を噛み締め、俺を睨みつける。
今度は向こうが拳を震わす番だった。
「アンタのやってることは人として最低なことなんだよ! そんなんのどこが正しいって言えんだ!」
「お黙りなさい!」
パンッ! と、乾いた音が響いた。
直後に頬に鈍い痛み。目の前の女の平手が俺の頬に炸裂した。
「悠里…!」
「…黙りなさいと言ったでしょう」
眼鏡の女が息を荒くして言う。取り乱すその姿にさっきまでの余裕はない。
「ってえ…。ハッ、言葉で言い負かされたら今度は力ずくかよ。つくづく最低な奴だな、アンタは」
「くッ…!」
「やめて!」
もう一度女の手が上げられる。その俺の前に貴子が出てそれから庇おうとする。
ヤバイ。間に合わない。
「女の子が手を上げるのは感心しないな」
「ッ!?」
しかしそれは振り下ろされることなく何者かによって止められる。
後からその女の手首を捕まえるようにしてそれを止めたのは。
「…向坂、鐶……!」
「悪いが、悠里とたー子は俺の大事な妹みたいな存在だからね。口を挟ませてもらうよ」
ギリッと悔しげに声を絞り出し、兄貴を見つめる眼鏡女。
兄貴はその手を離すと俺たちの前に立つ。
「…へえ、流石は自分の女のこととなると黙ってはいられないってわけね。成績優秀、品行方正な向坂君も一人の男だったのね」
「―…君は何か勘違いをしているようだが、俺とたー子は幼馴染であり、兄妹みたいな関係でそれ以上でもそれ以下でもない。
君がこれ以上俺たちの関係を邪推した噂を流すようならこちらとしても容赦はしない方向でいかせてもらうが?」
兄貴の有無を言わせない迫力に眼鏡女が怯む。そうしてまた悔しげな表情でこちらを睨みつけてきた。
「先生、こっちです! 喧嘩は…!」
「ッ!?」
その女が何事か言いかけたとき、バタバタと慌しい足音が廊下に響いた。
誰かが騒ぎを先生に知らせたらしい。
「覚えてなさい、河野貴子、向坂鐶! この一件は忘れないわよ!」
そう言って眼鏡女は悔しげにその場を足早に去った。
「大丈夫かい、たー子、悠里…」
「うん、私は平気。それより悠里が…」
「これくらい大したことねえよ。それより兄貴、どうして…」
「こっちの教室まで騒ぎが聞こえてきたんだよ。誰が騒ぎを起こしているかまでは分からなかったが嫌な予感がしてね」
「―…ごめんなさい…。また、タマ兄に迷惑かけて」
「気にすることはない。たー子は何も悪くないんだから。俺のほうこそ謝らなければならないね。
俺の家に来てから、たー子は似たようなことを何回も言われているし…」
「ううん、タマ兄は悪くないの! タマ兄はいつだって私に優しくしてくれてるだけだもの…」
この問題はそう簡単に解決はしないのかもしれない。
兄貴が貴子を大事に思って優しくすればするほど誤解の波は広まり、そうしてまた兄貴が庇って広まるの悪循環。
二人の絆が強ければ強いほど、そして二人がお互いを大事に思えば思うほどそれは裏返しの形となって返ってくるのだ。
ただでさえ目立つ兄貴に、今では別の意味で有名人の貴子。
二人が一緒にいて噂が立たないのがおかしい話かもしれない。
人は他人の噂を無責任に広げるのが好きな生き物なのだから。
自分より弱い他者を作ることで一時の優越に浸り、その感情を共有することで仲間意識を実感する。
その愚かさに気付けないほど、人は弱いんだろうか。
俺たちはそんな風にしか生きられないんだろうか。
それとも、それを受け入れられないくらいに俺がまだ幼いだけだろうか。
「悠里もごめんね…。痛かったでしょ…?」
「いや、平気だよ、これくらい。向こうの姉貴のアイアンクローや兄貴のグリグリと言葉の暴力の方が余程痛ぇし」
「こういう時の為に鍛えておいてあげてるんだよ、俺は」
絶対嘘だ、と思いつつ今は普段から俺を鍛えてくれてる姉貴や兄貴に感謝してるさ。
お陰で俺はこれから先余程のことがない限り耐えられそうだ。
「ごめんね…ごめんね……二人とも」
「謝るなよ。お前が悪ぃんじゃないんだからさ」
貴子は何も悪くない。けど貴子の性格を考えれば思い詰めるのは当然なのかもしれない。
こればっかりは俺でも兄貴でもどうしようもない。
俺たちにできることは彼女がこうやって謝らなきゃならないようなことをできるだけ減らすことだけだ。
「あー、君たちかね、喧嘩の原因とやらは」
「先生…」
ようやく駆けつけた先生と思われる奴が俺たちに近寄る。
先生は俺たちを見回した後貴子に焦点を合わせた。
「河野、お前か…?」
「あ、あの……」
「先生」
貴子に詰め寄ろうとする教師の前に、兄貴が割って入った。
「今回の喧嘩の原因は僕と妹です。お騒がせして申し訳ありません」
「は…?」
「え…?」
兄貴の言葉に俺と貴子は驚いて一瞬固まる。
そんな俺たちとは逆に兄貴はあくまで冷静に先生と対峙していた。
「向坂がか…? 冗談だろう、君みたいな優秀な生徒が」
「いえ、妹と僕の一族内の問題に対する意見の相違が原因です。お互いに譲れぬ考えをもっていたからとはいえ
場所を弁えず激しい口論となり、いたずらに騒ぎを大きくしまったことを深くお詫びします。
河野さんは偶然ここに居合わせただけでこの騒ぎには一切関係ありません」
口からのでまかせをまるで本当のことのように兄貴は淡々と先生に告げる。
向こうの姉貴の猫被りっぷりも相当なもんだがこっちの兄貴も役者になれそうだぜ。
「あー、本当なのか、向坂?」
兄貴の尤もらしい言い分の確認を俺に問うてくる先生。
その先生に貴子が詰め寄った。
「ち、違います、本当は私が…!」
「たー子」
兄貴が貴子を強い声と手で制す。その声は命令に近い力を持つ。
思わず怯んだ貴子を確認した後兄貴はこちらに意味深な視線を送る。
その意味はたぶん「話を合わせろ」。
「…本当です。喧嘩の原因は俺…いや、私と兄です」
何考えてるんだか分からないが今は兄貴を信じることにして俺は先生にそう告げた。
それを見た先生はやれやれと言った様子で頭をわしゃわしゃと掻く。
「それじゃあ、本当に河野は無関係なんだな?」
「そうです。この騒ぎは僕と妹だけの問題です」
そうはっきりと告げた兄貴の態度に先生は「参ったなぁ」とぼやくとばつが悪そうに貴子へ視線を送った。
「なら河野はもう教室へ戻っていいぞ。そして向坂両名は事の顛末を聞かにゃあならんからちょっと付いてきてもらうぞ。いいな?」
「はい。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
そう言って兄貴は貴子に「心配するな」と囁いて先生の後をついていった。
俺も黙ってその後をついていく。
それから暫くの間、俺は連れて行かれた教室で兄貴と共に先生にあの騒動についての尋問を受けることとなった。
しかしその時の兄貴の対応は凄まじかった。
全くなかったことをあたかも実際あったかのようにでっち上げて冷静に喋り続けるんだからな。
全くなかったことをあたかも実際あったかのようにでっち上げて冷静に喋り続けるんだからな。
あの光景を見た奴でさえあそこであったのは幻で、兄貴が話している方が実際にあったんじゃないかと思うほどよくできた話だった。
あれだけ信憑性に富んだ大嘘を先公相手に平然と展開できる人間もなかなかいないだろう。
流石は姉貴男版。こういう時ちゃっかりしてるというかしっかりしてるというか。
まあ、味方なら頼りになるに違いねえが。
「ああ大体のことは分かった。あー、今後は気をつけてくれよ、向坂君。成績優秀の君に変な噂でも立ったら学校側としても色々やりにくいからな」
「今回のことは場を弁えない軽率な行動だったと深く反省しています。
今後は妹共々このようなことを繰り返さないよう、先生のお言葉を日々忘れぬ努力していく心意気です」
尋問はすぐに終わった。成績優秀で品行方正な兄貴は先生達の信頼も厚く、兄貴の話と俺の幾つかの相槌だけで何の処罰もなく済んだ。
向こうの世界の姉貴はどうだか分からないがこっちの向坂鐶という名前はこの学校において予想以上の影響力があるみたいだ。
「それと向坂」
「…何でしょう?」
尋問はもう終わったというのに、俺たちを拘束していた先生はまだ何か言いたげに兄貴を引き止めた。
「お前と河野が幼馴染らしいという話は聞いてるがあいつにはあんまり関わるなよ」
「…仰っていることの意味が分かりかねますが?」
兄貴の声のトーンがほんの少しだけ低くなった。些細な変化だったから先生はたぶん気付いてないだろう。
「言いにくいんだがあいつはここ最近いい噂を聞かないからなぁ。大人しい奴ほど裏じゃ何してるか分からんというか…。
お前に限って間違いはないだろうが、お前との学生としては好ましくない噂もあるし…。
あんな奴と絡んでお前まで駄目になられちゃあかなわんからな」
「失礼ですが、先生」
さっきまで大人しく先生の言うことを聞いているだけだった兄貴が先生の言葉に素早く反応する。
「先生方は河野さんについて誤解しています。彼女に関して蔓延している噂の類は全て根拠のないでたらめです。
僕とのことに関しても、僕は彼女の両親から正式に彼女の身柄について委任された身であり、
僕には彼女の保護義務があるというだけで僕たちの関係はそれ以上でもそれ以下でもありません。
なんでしたら僕や彼女の両親にこのことについて問い合わせて下さっても構いません」
「しかしなぁ、そうは言っても…」
兄貴の筋の通った説明に先生は困ったような顔する。どうやら何としてでも成績優秀な生徒と悪い噂が立っている生徒を引き離したいらしい。
しかしそれで黙る兄貴じゃない。
しかしそれで黙る兄貴じゃない。
「彼女を保護している身として言わせて頂きます。彼女は潔白であり、やましいことなど何一つありません。
そのことについては妹も証言してくれるでしょうし、僕の誇りにかけてこの発言に嘘偽りがないことを誓います」
「分かった分かった。そんなに言うなら野暮なことは言わないさ。ただな、生徒内で不謹慎な噂が流れていることだけは頭に入れておいておくれよ」
兄貴の熱心な態度に根負けしたのか、先生はもう行ってもいいぞと手をヒラヒラと振る。
しかしあれはどう見ても納得してねえって態度だ。
「それでは失礼します」
そう言って礼儀正しく頭を下げると兄貴は教室を後にした。俺も慌ててそれに続く。
「…悪かったね。君まで巻き込んでしまって」
「別に気にしてねえよ。それよりよ、何であの眼鏡女の名前出さなかったんだよ。そもそもの原因はあいつじゃねえか」
教室を後にして廊下を歩きながら俺たちはそんな話をする。
今はもうHRが始まってるのか、廊下に人気はない。
「彼女の名前を出せば芋づる式でたー子の名前も出てしまう可能性がある。そうしてまた根も葉もない勝手な噂が流されたら大変だからね。
これ以上たー子の立場が悪くなるような事態はできるだけ避けたいんだ」
「けどよ…何か腑に落ちねえぜ。あの女、貴子をあれだけ傷つけておいて悪びれもせず何事もなかったかのように生活してるんだぜ?
何かそういうのって納得いかねえよ…」
貴子があれだけ傷ついたことが何事もなかったかのようにされるのが悔しかった。
あの女は貴子の心をどれだけ傷つけたまま分からないまま、また貴子を傷つけに来るかもしれない。
そう考えたら腹の虫は治まりそうもなかった。
「たしかに…その事に関しては俺も同意見だ。今後の出方次第かな、彼女の。彼女の辛い立場も分かるし、必死なのも分かる。
けどまた、たー子に危害を加えるような真似をするならこちらとしても容赦しないまでさ」
ニヤリと不敵に笑う。たぶん、兄貴の中で二度目はないんだろう。
できることならこの兄貴が本気で怒るような事態にならなきゃいいが。
「それとよ…目立つなって言われたのに早速騒ぎ起こしちまって悪かったな。しかもまたあんたの世話になってるし…」
「―……」
恐ろしくて兄貴の顔が見れねえ。釘刺されたのにも関わらず初っ端から思いっきり破っちまったからな。
顔も合わせらんねえとはこのことか。
しかし、そんな俺に対する兄貴の態度は意外なものだった。
「…今回だけは許す」
俺の頭にポンと手を置き、兄貴はそう一言だけ言った。
「マジ…?」
「もしあの場に俺がいたらお前がやる前に俺がしてた。だから許す」
ああ、なんつーか、こういうのって男兄弟って感じなのかもな。
姉貴とだったら絶対こんな風にはならねえ。実際血が繋がった兄弟ってわけじゃねえのに今何となくこの兄貴が本当の兄貴みたいに思えた。
「サンキュ」
「…あのな、だからといって今後も目立つことを許したわけじゃないんだからな。できるだけ穏便に済ませろよ。
俺がいつだってフォローできるわけじゃないんだし。ただ、たー子を守る時だけは許す」
「分かってるよ。兄貴の顔に泥を塗るような真似はしねえって」
そんな事を話しながら俺は兄貴と別れた。
ちなみに、あの後言葉遣い云々についてまた説教されたのは言うまでもない。
まあ、向こうの姉貴と同じで自己中の暴君だけど悪い奴ではないんだよな。
体張って一人の女の子守ろうって姿勢は男の俺から見てもかっこいいし。
女にモテるって言われても納得できちまうんだよなぁ、これが。
そんな事を思って教室に帰った俺に、何かちんちくりんの童顔の男が駆け寄ってきた。
ちょうどHRが終わって一限が始まる前のせいか教室内はザワザワと騒がしい。
「あれ? 向坂さん、河野さんと一緒じゃなかったの?」
「はい…?」
どこかのんびりした口調といい、こいつはこっちの世界での委員ちょかもしれねえ。
「さっき数人の男の人が、先生がさっきの事について聞きたいことがあるって河野さんを呼びにきてたけど…。
僕はてっきり向坂さんたちと一緒だとばかり思ってた」
「な、に…?」
先生が呼んでる? そんなはずはない。兄貴も俺も最後まで貴子は無関係だとしらをきり通した。
それに実際俺たちが呼ばれた教室に貴子はこなかった。
大体先生が女子生徒一人を呼ぶのにわざわざ見ず知らずの男を数人も使うか?
ヤバイ。嫌な胸騒ぎがする。
「なあ、それっていつの話だ?」
「えっと、HRが始まる前かな。僕も朝は先生に呼ばれていなかったからよく分からないんだけど、
河野さんも向坂さんもいつまで経っても帰ってこなかったから…」
HRが始まる前…。俺と兄貴が先生に連れられたすぐ後だ。
「チッ…!」
「あ、向坂さん!」
嫌な胸騒ぎが止まらなくて俺はすぐさま駆け出した。
「悪いが、腹痛いから保健室行くって先生に伝えてくれ!」
「え、ええ〜!?」
困ったような声をあげるこっちの世界の委員ちょと思われる男を残して俺は教室を後にする。
俺の考えすぎかもしれない。けど俺の嫌な予感は姉貴関係で散々鍛えられたせいか外れた試しがねえ。
「間に合ってくれよ…!」
――レイプ未遂。
その言葉が頭で何度も反芻された。
俺は嫌な予感を打ち消すように、貴子を探して走り続けた。
しまった…文が重複してる場所がある…orz
脳内修正で頼みます…スマソ(´・ω・`)
学園編は区切りのいい所で交代になるので悠里は次もお休みです。
ところで鎖ネタ解禁は明日、明後日からですか?
新たな神降臨に期待。
面白い、面白いんだが。
この胃の奥がずーんと重くなる展開は勘弁して欲しいというか。
うう、純愛に飢えてきた。
赤いしっぽの人はまだかー?
図書委員長といい朝からレイプ犯が堂々と来るとこといい、随分DQNな学校だな。
>赤いしっぽの人
誰だ?
兄貴カコイイ。
赤いしっぽって
>>137-146 のことじゃね?
いや、俺も続きまだかなーとちょっと期待してるが。
>>239-247 GJ。タマ兄が普通にかっこいい。
うーん、さすがにONEやAirはもうネタ切れかな・・・。
貴子が立ち直れないくらいの展開が欲しいなぁ
図書委員長(♀)がどこまでやる覚悟があるのかにもよるな。
まあ今でも十分、完全には立ち直れそうもない状況だと思うけど。
>>255 聖だけ反転させたら…
ややマジに急所狙って往人にメス投げそうだw
ていうかあの姉が兄になったらもっとシスコン度が進むと思う。
それこそ、妹と付き合いたければ俺を倒してからにしろ、くらいに。
>>258 それは多かれ少なかれどんな姉にもある属性。
聖だけじゃなく、香里、タマ姉あたりもそうなのでは?
タマ姉も?
「雄二とつきあいたいならこの私を倒してからにしなさい!」
ではなく
「このみとつきあいたいならこの私を倒してからにしなさい!」
か
「タカ坊とつきあいたいならこの私を倒してからにしなさい!」
のような気がする
反転になってねーってw
反転させたところで入る名前が女性形に変わるだけ。
どっちにしろ実の弟(反転させてるなら妹)よりもお気に入りの弟分妹分を大事にしそうな気がする
実の弟は彼女が出来ようと弟のまんまだが、
弟分妹分に恋人が出来たらなんか取られたような気分になる
>>255 繭とか澪の話って、まだそんなに多く出てないような。
ちょっと待て、このスレでそれを出すという事は。
兄にふくしゅうする妹を書け、という事か?
姉に復讐する弟と来たら天いなじゃないかい?
すまんが質問。うたわれのドリィとグラァの反転ネタはもう出た?
あのままの方がいい。反転したら、男っぽい女になるんでしょ?
>>269 オボロ絡みで小ネタはいくつかあったけど、ちゃんとしたSSはまだなかったかと。
ボーイッシュな少女って感じか。>反転ドリグラ
ところで、反転ムントはやっぱ女神官キャラのお約束で性知識ゼロですか?
耳年増(しかも内容が妙に偏ってる)ってのも個人的にはありだけど。
>270
別に全部の設定を反転させなきゃいけなくも無いし、例えば
アルルゥの持ってきた謎のキノコでドリグラ反転→主様を逆ジョンソン→HRでもいいじゃん。
ジョンソンとかHRとかの用語がわからん_| ̄|○
まあ、ようは反転させてもドリグラはドリグラなのだ。
ムントは間違いなく耳年増。処女。敏感。ここは譲らない。
>>273 ジョンソン→便所
HR→孕み、妊娠
だったと思う、ジョンソン違うかも。
>>273 自分も詳しいわけではないが、エロゲのシチュ関連のスレで使われる用語で、
ジョンソン・・・輪姦(ジョンソン&リンカーンより)
HR・・・孕ませ
だったと思う。あとよく見るのはNTR(寝取られ)とかプロスパーの刑(寸止め)くらいかな?
272の場合、原作設定で『ドリグラが女の子に変化→2人でオボロを逆レイプ→2人して孕む』ということだろう。
反転しようとしまいとオボロは受けなのか。
流れをぶった切って質問してみる
TH2のよっちとちゃるの反転キャラってまだ見た記憶がないんだが俺の記憶違いだろうか?
反転よっち:ズル剥け巨根
反転ちゃる:短小包茎
反転よっち:背高
反転ちゃる:背低
じゃない?
お前ら重要なことを忘れてるぞ。
反転よっち:おっぱい星人
きっと入学早々「西音寺のジョルジュ長岡」とか異名で呼ばれているな。
で、貴子(のおっぱい)のことが好きだったりするが、反転このみの気持ちを知るが故に言い出せない・・・と。
反転ちゃるは眼鏡っ漢で、頭の暖かい他2名に対して厳しいツッコミを入れたりするクールガイ。
身長とアレの大きさは、よっち>ちゃる>>>このみ だろう。
よっちがこのみの貴子との同居を羨ましがってからかったり、むこう3年間男子校で過ごす我が身を嘆いて、このみも連れて3人で卒業祝いに風俗へ・・・
とかそういうおバカなサブキャラ3人組になると妄想してみる。
>>277 その理論だとタマ兄はそびえたつ巨峰になるな。
おk。反転よっちとちゃるはこんな感じか?
ここ最近は姉ちゃんに復讐が流行ってるらしいのでその変則で
お姉さん(みたいな存在に)復讐する弟(ポジション)ってことで
よっち×貴子を含みつつ好巳×貴子投下。
本当は天いなを考えてみたんだが、恵が朱鷺乃に勝てると思えねえw
ってことでこっちは他の神に期待する。
僕には好きな人がいます。
「はぁー…」
「どうした、好巳。浮かない顔をして」
「らしくないぞー、好巳?」
久々に会った僕の中学の頃からの友達、ちゃるとよっちがヤックのハンバーガーを片手に僕の顔を覗き込んでくる。
たまに会った友達といる時くらい笑ってたいんだけどなぁ。
「あ、分かった! また先輩のことだろ?」
「それは聞かなくとも分かるだろ。好巳が落ち込むことなんて、先輩以外の事であった試しが今まで一度もない」
二人は意外と鋭い。僕が何かを言う前に図星を突いてきた。
「―…あのさ、僕ってそんなに女の子みたいかなぁ…?」
「―……」
僕の一言に二人が微妙な顔をして固まった。
ああ、やっぱりそうなんだ。
――僕は昔からこの女の子みたいな容姿がとってもコンプレックスだった。
名前のこともあって昔からいつもいつも女の子に間違われてきて、そのことでよくからかわれた。
そんな僕をいつだって守ってくれたのがタマお兄ちゃんとユウちゃんと、そしてタカちゃんだった。
タマお兄ちゃんが僕より二つ上、ユウちゃんとタカちゃんが僕より一つ上の幼馴染。
タマお兄ちゃんは僕の本当のお兄ちゃんみたいで、タカちゃんは本当のお姉さんみたいだった。
特にタカちゃんは家がお隣で、お父さんとお母さん同士も仲が良くて、今でも僕はタカちゃんの家にお泊りするくらいだ。
タカちゃんは僕のことを本当の弟みたいに可愛がってくれた。
実際昔僕がユウちゃんの事を羨ましがったら「私が好巳のお姉さんになってあげる」って言って
それ以来今まで以上に僕の世話を焼いてくれるようになった。
僕もタカちゃんを本当のお姉さんだと思えれば良かった。
でも僕はずっと昔からタカちゃんを一人の女の子として好きだった。
けどこれは絶対に秘密の気持ち。
もし言っちゃったらきっと、タカちゃんは今までみたいに僕に接してくれなくなる。
タカちゃんは男の子が苦手で、僕とタマお兄ちゃん以外の男の人の前ではいつもみたいに笑ってくれない。
僕はそれがほんのちょっとだけ嬉しくて、そして最近はそれがちょっとだけ悲しい。
僕はこんなにもタカちゃんが好きなのに、タカちゃんにとって僕は「弟」以外の何者でもないんだって分かるから。
「まーまー、好巳はまだ育ちざかりっしょ。だーいじょうぶだって、先輩はそういう事気にしない人だろうしさ」
「…好巳、時が来れば先輩もお前のことをちゃんと一人の男として意識してくれると思うぞ? 焦る必要はない」
「本当に? 本当にそう思う? この話聞いても?」
タカちゃんは本人自覚してないけど、本当は男の子を振り回すタイプだと思う。
物語に出てくる天使みたいに可愛い顔をしてるのに、悪魔みたいに僕をドキドキさせる。
僕はお父さんとお母さんの都合でタカちゃんの家に泊まりに行くことがある。
よくよく考えたら高校生の男の子と女の子が二人っきりで同じ屋根の下で一晩過ごすなんてあまりに危険すぎる気もするけど、
僕のお父さんとお母さんも、そしてタカちゃんのお父さんとお母さんも何にも疑問に思ってないのが不思議だ。
もしかしたらお父さんはタカちゃんと僕がくっつけばいいと思ってるのかもしれないけど。
よく本人の前で「タカちゃんがうちにお嫁に来ればいいのに〜」って冗談で言うから僕はその度生きた心地がしない。
しかもタカちゃんも満更でもないように答えるから、僕はどうしていいか分からなくなる。
でもそんな風にドキドキしたり、舞い上がってたりするのはいつも僕一人。
タカちゃんはいつだって僕を男として見ていない。
その証拠に、この前お泊まりに行った時、タカちゃんは僕にとんでもないことを言ってきた。
「好巳、一緒にお風呂入る?」
「な…ッ!」
その時、僕はあまりのことに耳まで真っ赤になった。
僕は吃驚しすぎて顔を真っ赤にさせながら金魚みたいに口をパクパクとさせることしかできなかった。
「ほら、昔はよく一緒に入ったし」
「〜〜っ、タカちゃん!」
真っ赤になって叫ぶ僕を見て、タカちゃんは悪戯っぽく笑う。
「やだ、冗談よ、冗談。好巳がいつまでも可愛いからつい」
どんなに可愛く笑っても、この時ばかりは僕はタカちゃんを恨む。
その後、タカちゃんがお風呂でシャワーを浴びる音にすら僕はドキドキしてしまう。
そして、こうやってドキドキしてるのが僕だけなんだとちょっぴり悲しくなる。
最近はタカちゃんの家にお泊りも僕にとっては試練なのである。
タカちゃんがタオル一枚でフラフラ歩こうもんならその日寝るまで僕は僕との戦いとなる。
しかもタカちゃんはそんな必死な僕にとどめを刺すかのようによく僕の眠るベッドの中に潜りこんでくる。
タカちゃんはその密着した体に、僕がどれほどドキドキしてるかきっと知らない。
それだけでなくタカちゃんは僕の口の端についたご飯粒とかも平気で取って食べてしまう。
僕はそれだけでドキドキしてしまうのに。
いつだって僕だけが必死で、ドキドキして、空回るんだ。それがちょっと切なくて寂しい。
「好巳も大変だな、鈍感な幼馴染を持つと」
「でもさ、ある意味それってチャンスじゃねえ? もし俺が好巳の立場だったらその「弟」っていう特権地位をフル活用するね!」
「活用って…?」
僕の問いかけによっちが何かを企んでる様な顔で笑う。
その顔を見ると、よっちがなんとなくエッチな事を考えてるんだなって分かる。
よっちはエッチな事に興味津々で、そういう話をするのが大好きだ。
ちゃるは年頃の男としては当然だって言うけど、よっちの想像力に僕はいつも驚かされる。
二人曰く、普段男ばかりの生活をしていると嫌でもそうなるらしいけど…。
正直僕には無理な気がする…。
「んー。そうだな、例えば…」
よっちが得意げな顔でいつものように想像話を話し始める。
「先輩はぁ、俺みたいなの泊めても平気なんスかぁ?」
先輩は結構無防備だ。高校生にもなって誰もいない家に男を泊めるなんて期待しない方がおかしい。
「だって吉岡く…よっちは弟みたいな存在だもの。だから大丈夫よ」
しかも滅茶苦茶いい体してるくせに物凄い鈍感だ。でもだからこそ加虐心そそられるっていうか男としてたまらないっていうか。
エプロンつけてご飯まで用意してくれちゃったら男としては辛抱たまらんでしょ。
「ふーん、弟みたいな存在、ね…」
「そ。だから勉強で分からない所とかあったらいつでも聞いてね」
先輩は、お姉さんぶったり世話を焼いたりするのが好きだ。
でもそんな余裕の態度を崩して泣かせてみたくなるのは男の性だ。
俺は先輩の無防備な背中に後ろから抱きつく。
「キャッ! ちょ、ちょっと…よっち……んッ!」
ふ、と先輩の耳元に息を吹きかけ、後からおっぱいを持ち上げるように弄る。
「や…ッ! よ、よっち、ダメ…ッ!」
「ダメ、じゃないでしょ、先輩。勉強教えてくれるって言ったじゃないっスか。保健、実地で教えてくださいよ」
先輩は顔を真っ赤にして口で抵抗するけど、本格的な抵抗はしてこない。
俺はそのまま先輩の服を脱がしにかかった。
「あ…ッ!」
先輩の服の釦を器用に外すと、先輩の可愛らしいブラが顕となる。
そのブラを上に押し上げると、先輩のおっぱいが上に持ち上げられた後、プルンと揺れて下に落ちる。
「や、やだぁ…よっち……」
「嫌なら本気で抵抗したらどうッスか、先輩? それに俺は「弟」なんでしょ? これも姉弟のスキンシップの一環っスよ」
そう言って俺は先輩の大きなおっぱいを揉みしだく。
先輩のおっぱいは柔らかくて弾力があって、俺の手によく馴染む。俺が揉むたび形を変えて、俺の手から零れる。
「や、あ、あ、…んぅッ!」
「先輩…感じてるんなら声我慢しないで出しちゃっていいッスよ? 感じるんでしょ、おっぱい?」
「ち、ちが…ひゃうッ!」
先輩のピンク色の乳首を擦ってやれば、先輩の口から色っぽい喘ぎが漏れた。
「先輩…乳首感じちゃうんだぁ。エッチだなぁ」
「ちが…あッ、あんッ…!」
「嘘つき。もう乳首ビンビンに勃っちゃってるっスよ?」
俺が先輩の乳首を遊ぶように指の腹で擦ったり、指先で捏ねたりすると、先輩の乳首はすぐに硬くなった。
先輩は乳首が特に感じるらしく、硬くなったそこを重点的に愛撫してやると、ビクビクと体が小さく跳ねていた。
「エッチだなぁ、先輩は。弟におっぱいいじられて、感じちゃって。こんなエッチな体してるのに、お姉さんなんて言われても説得力ないッスよ」
「ちが…ッ! 私、そんなんじゃ…ひんッ、あぁんッ!」
「先輩また嘘吐いちゃって。嘘つきな先輩にはお仕置きが必要ッスかね?」
俺は先輩のおっぱいを思う存分堪能した後はそう言って先輩の下半身へと手を伸ばした。
そのままショーツ越しに先輩の秘所に触れる。
「そこ、ダメ…!」
「もう遅いッスよ、先輩」
怯える先輩を見ながら俺は先輩のショーツを一気に引き抜く。ショーツからは透明な液が糸を引いていた。
「あれぇ〜、先輩、さっき感じてないなんて言ってたけどもうパンツビショビショになっちゃってるっスよ?」
「い、言わないで…」
裸に剥かれて羞恥に悶える先輩。その姿にさっきまでのお姉さんぶった余裕はない。
そんな先輩の姿が見たくて俺は先輩の割れ目に無遠慮に指を差し入れた。
「ああもういやらしい音が鳴ってる…」
先輩の膣に指を突っ込んで掻き回すとくちゃくちゃといやらしい水音が響いた。
先輩は目を固く閉じて羞恥に耐え、声を漏らさずに唇を噛み締めてるけど、時折そこから艶やかな喘ぎが漏れていた。
「先輩聞こえるっスか? 先輩のエッチな場所、もう濡れてグチャグチャでやらしい音してるっスよ?」
「んッ…ひ、ああんッ! よ、よっち…もうやめ…ふああッ!」
「やめて? でも先輩のここ、俺が欲しいって凄いしめつけてきてるっスよ?」
俺は指で先輩の膣内を存分に堪能した後、ゆっくりとそれを引き抜く。そうしてそのままそこに昂りを隠さない己をあてがった。
「先輩、いくっスよ…?」
そう言った後俺はそのまま突き出すように先輩の中へ腰を進めた。
「って感じかな〜。って、あれ? 好巳?」
「よっち、好巳には刺激が強すぎたようだ。だけど少しエロ本の読みすぎだぞ、お前」
「やっぱバレた? 「いけない隣のエッチなお姉さん」ってやつなんだけど、今度お前にも貸してやろうか〜、好巳?」
タカちゃん、よっち、ごめんなさい。僕は最低な男です。
僕はさっきのよっちの想像話のよっちを僕に置き換えて想像してしまった。
僕はタカちゃんの裸とか…エッチな姿を想像するたびこうやってどうしようもない罪悪感に襲われる。
でもエッチなタカちゃんは度々僕の想像の中で現れては、僕をいやらしい気分にさせる。
僕はそうやってタカちゃんのことを考えた後罪悪感で死にたくなる。
「でもまぁ…よっちの想像はやりすぎだとしても、少しくらい痛い目を見た方がいいかもな、先輩は」
「痛い目?」
「好巳はいつも先輩に振り回されているんだろう? ならば日々のささやかな復讐というか…そこまで
大袈裟なものじゃなくとも少しくらい先輩がお前のことを男として認識するような事をしてもいいんじゃないかと思う」
「お、流石は言う事が違うね〜、ちゃるは。復讐って言ったらやっぱ先輩と四人でお楽しみとか? 考えてることが一味違うね〜」
「よ、よっち!」
「冗談だよ。好巳の大好きな先輩を取るような真似しないって」
そう言ってケラケラと笑うけどよっちなら本当にやりそうで怖いって思っちゃうのは普段の言動のせいだろうか。
「お、噂をすればなんとならってやつ? おーい、先輩!」
「え…?」
よっちが僕の背中の方に声をかける。振り返れば、ユウちゃんとタカちゃんが店に入ってくる所だった。
「タ、タカちゃん…!」
よりにもよって、今一番会いたくないタイミングでタカちゃんに会ってしまった。
「あ、好巳〜!」
ユウちゃんが笑って手をブンブンと振る。タカちゃんはこっちに気がつくと、ニコっと小さく僕に微笑みかけてきた。
ダメだ…今タカちゃんの顔が見れない…。タカちゃんの顔を見るとさっきのエッチなタカちゃんが僕の頭の中で蘇ってしまう。
そんな僕の気も知らないで、タカちゃんとユウちゃんは僕たちの隣の席へと座ってしまった。
「えへへ〜、お邪魔します」
「どうぞどうぞ。あ、先輩はそっち行って下さいっス」
「う、うん…」
タカちゃんはよっちとちゃるがいるせいかちょっと緊張してるみたいだった。
よっちのせいで僕の目の前の席にはよっち、ちゃる、ユウちゃん。そして隣にはタカちゃんという並びになってしまった。
「いや〜、偶然っスね〜。先輩達もヤックよく来るんスか?」
「うーん、たまにね。でもほんとに偶然!」
よっちとユウちゃんが楽しげに話す。よっちもユウちゃんも喋るのが巧いというか、
場を盛り上げるのが上手いせいか、まだそんなに顔を合わせていないのにすぐに馴染んでいた。
「好巳、どうかしたの…?」
真っ赤になったまま黙っている僕の顔をタカちゃんが覗き込んでくる。
うわ、やばい。タカちゃんとの距離が近すぎる。
「な、何でもないよ!」
「そう? 何か顔も赤いし…熱でもあるんじゃないの?」
そう言ってタカちゃんはコツンと僕の額に自分の額を当ててきた。
「〜〜〜ッ!?」
「うーん、やっぱりちょっと熱い気がするけど…」
「ちょっとそこのバカップル、人前でイチャつかないでくれる?」
顔を真っ赤にして今にも逃げ出したい僕を助けるかのようにユウちゃんが冷たく言葉を言い放つ。
その言葉に今度はタカちゃんが真っ赤になる番だった。
「バ、バカップルって…!? わ、私と好巳はそんなんじゃなくてただの幼馴染っていうか、そう、弟みたいなものよ!」
弟みたい。胸がズキリと痛くなる。
何度も言われてるけど、やっぱり言われる度僕は悲しくなる。
「ふーん、弟ねぇ…」
「ってゆーか、むしろ妹みたいっていうか…」
妹みたい。流石にこれには僕もカチンときた。
僕がこんなに一生懸命なのにタカちゃんは僕を女の子みたいに思ってるって事?
何でだろう。タカちゃんに言われると尚更腹が立つ。
タカちゃんを大好きな気持ちがどんどん捩れていく気がする。
「ふーん、じゃ、俺、立候補しちゃおっかな?」
「え…?」
「だって先輩、好巳のことは男として見てないんスよね? なら俺が先輩の彼氏に立候補しちゃおっかなって」
「え、え…?」
いきなりの告白にタカちゃんは顔を真っ赤にして状況が読み込めないといった感じであたふたしていた。
「先輩…」
よっちが囁くように言ってタカちゃんの手をギュっと握る。
「俺じゃダメっスか…?」
「あ、あの…」
タカちゃんはその手を振り払わない。ただ真っ赤になって視線を反らすだけだ。
何で? どうしてタカちゃんはその手を振り払わないの?
いつも僕とタマお兄ちゃん以外の男の人が触るとすぐに振り払うのに。
僕とタマお兄ちゃんだけでなく、よっちも特別なの?
よっちも弟みたいってこと? それともよっちは一人の男の人として特別ってこと?
何だか考えれば考えるほどにタカちゃんに対する黒い気持ちが沸いてきた。
僕が今までずっと悩んでたのを踏みにじられた気分だった。
今まで特別だったと思ってたことが壊されて、それが何だか今まで積み重ねてきた年月も壊した気がした。
「タカちゃん!」
「こ、好巳…?」
大声で名前を呼んだ僕をタカちゃんが吃驚したように見る。
僕はよっちからタカちゃんの手を奪うように取ると、そのまま歩き出す。
「きて」
「好巳…?」
タカちゃんが少し怯えたように僕を見る。それでも、僕はタカちゃんを許せそうもなかった。
だめだ。僕、予想以上に腹が立ってる。タカちゃんのさっきの言葉にも、振り払わなかった手にも。
そうして僕たちは一言も喋ることなく、タカちゃんの家へと帰った。
「アンタねぇ、あの二人は免疫ないんだからあんまり刺激したらダメよぉ」
「はは…すみません。何かあの二人見てたらもどかしくってつい…」
「よっちは常に焦りすぎだ。そして事を大きくしすぎる」
「とか言って、実はお前も楽しんでたんだろ〜?」
「それについては否定しない」
「やっぱり〜」
そう言って笑う。
「…でも結構、本気だったんだけどな」
「え…?」
「いや、何でもないっスよ〜。ま、今度好巳にはヤックで奢って許してもらうっス」
「好巳…?」
タカちゃんの家に帰った後、僕はお父さんに電話を入れた。
今日はよっちの家に泊まるから帰れないって。
タカちゃんはさっきからずっと口を利かない僕に、泣きそうな顔で話しかけてくる。
「怒ってるの…?」
「―……」
僕は何も答えない。口を開けば、さっきの事を問いただしてしまいそうな自分がいる。
そんな僕の背中にタカちゃんがそっと抱きついてくる。
「さっき妹みたいって言ったこと怒ってるの…? ごめんね…ごめんね…私のこと、嫌いになった…?」
「―……」
嫌いになるはずなんてない。でも、今はそれすら言えそうもなかった。
言ったらそのままタカちゃんのことを好きだって言っちゃいそうな自分がいたから。
「お願い…私のこと嫌いにならないで…。何でもするから……」
タカちゃんはやっぱり酷い人だ。
そんなこといわれたら誰だって期待する。
弟としか思ってないくせに。それを噛み締めるたび、悔しくて悲しくなる。
そして鈍感なタカちゃんが少しだけ憎らしいとも。
――復讐。
ちゃるの言葉が頭の中で蘇る。
――少しくらい先輩がお前のことを男として認識するような事をしてもいいんじゃないかと思う。
続くちゃるの言葉からよっちの想像話が僕の中で糸を結ぶ。
「タカちゃん」
僕はようやく口を開いた。
「好巳?」
「なら一緒にお風呂入ろ」
「え…?」
僕は前タカちゃんが僕に言った言葉をそのまま返した。
その言葉を聞いた途端タカちゃんの顔が真っ赤に染まる。
そして前の僕と同じように金魚みたいに口をパクパクとさせていた。
「タカちゃんは僕のこと、妹みたいって思ってるんでしょ? ならいいよね?」
僕は決めた。もうこの関係が壊れたっていい。
今日一日かけて、タカちゃんに僕がちゃんとした一人の男だって分からせてみせる。
続きをお願いします…っ
TH2SSスレを見てて思ったんだけど
あそこの作品を反転させたら
萌えるものがいくつかありそうな希ガス。
凄い寸止め食らってるな…w
>>290最高です! 続きを続きを!
295 :
279:2005/10/28(金) 11:00:46 ID:eo92Kqut0
>>281 神キター!!
自分も案出しといてなんだが、ここまで凄いのが投下されるとは・・・
この後は・・・このみ暴走→貴子がその場にいないタマ兄に助けを求める→このみキレる→貴子散る→結局2人は疎遠になり、貴子はよっちとくっつく
・・・ではありきたりか。
PC版でよっちシナリオの追加をきb(ry
>>295 そこまで妄想できるならむしろ自分で書けばいいのに・・・とかオモタw
或いは>290からの派生としてとか前置きつけてもいいんじゃない?
まぁ全然関係ないオレが言うことでも無いか。 スマソ。
>>295 日溜りの詩、言葉はいらないを反転させるとそんな按配になるのかもな
>>293 てんだーはーとなら最後はあれか、貴子の方がアレになってしまう訳か。
河野家だと物凄い逆ハーレム……世間体とか言うレベルじゃない様な気が。
虹だとどーなるんだろう? 俺には想像も出来ないが。
BSだと……メイドロボの反転ってありなのか?
SSスレでとりあえず覚えている範囲のものを考えてみたのだが、何も参考にならんなw
>>298 アイス屋とかはどうだろ?
ちゃるとよっちの掛け合いがおもしろそう
>>299 保管庫行って来てアイス屋全部読んできた。
確かにあの二人の掛け合いおもしろそう。
ただし、よっちがひたすら「彼女がほしい」と叫んでいる萌えもくそもない工房になりそうな気が。
「お姉ちゃん、ボクもうつかれたよ……」
ボクの言葉は力の入らない、弱った声になってしまう。
「一弥……どうして、そんなことを言うの……」
佐祐理お姉ちゃんは悲しそうな表情でボクの方を見る。
「だって……お姉ちゃん、できることには限界があるんだよ……」
「そんな……いえ、そうですね……それは仕方がありません……でも…
…」
目を伏せがちに、悲しそうに言う佐祐理お姉ちゃん。けれど、最後に未
練があるように顔を挙げて、ボクの方を見つめてくる……
「ダメだよお姉ちゃん……だって……ボク……もう……」
はぁぁっ、とボクは深くため息をついた。
「もう、朝からずーっと着せ替え人形状態で、ボクへとへとだし、お腹も減
ったよー」
そう。
ボクたちは、ボクの着る物を用意する、と言って、駅前のショッピングセ
ンターまで来た、のはいいんだけど……
ボクはやっぱり、スカートとかより、ズボン中心の服を選びたかったんだ
けど、そういうのばっかりにしていたら、佐祐理お姉ちゃんが少しは着飾
ったほうがいい、って言い出して……いつの間にか、お姉ちゃんのほうが
夢中になっちゃって、次はあれ、次はこれ、とボクにいろいろ試着させ始
めてしまった。
他に一緒に来ていた2人の連れも先に昼食にする、といって別行動に
なってしまった。
ボクはといえば生身の身体は疲れが溜まりやすいし、お腹も空くという
事をいまさらのように実感させられている。
「そ、そうだね、と、とりあえずお昼にしようか、舞やあゆさんも待ってるだ
ろうし」
佐祐理お姉ちゃんはようやく現実に帰還してきた、という感じで、少し決
まりが悪そうに言った。
ボクは少し汗をかいた。幽霊の頃は例え何をやっていても他の人に見
られる事がなかった分、今はその反動か少し周囲の視線が気になる。
すでに会計の済んだ品物──それでも両手に余るほど──の紙袋を
提げて、ショッピングセンターの中にあるファミリーレストランに移動してく
る。
「お待たせ、舞、それにあゆさんも」
「お待たせしました……」
舞さんはボクも幽霊だった頃から知っている。お姉ちゃんの高校の友人
と言うか、暴走しかけたときに止める保護者と言うか……
あゆさんは小柄で童顔な女の子だけど、一応ボクと同じ歳になるらし
い。
「それほど待ってない……」
「ボクも大丈夫だよ」
見た目物静かで、クールな言い回しの舞さん。それに対してあゆさんの
口調は、まるでボクみたい。まさかボクみたいに、男の子だったわけじゃ
ないはずだけど……
テーブルの上を見ると、2人とも既に食事を終えたみたいで、食器が残
ってる。舞さんは何か丼物。あゆさんはステーキか何かの、鉄板が木の
板に載っている奴。
「一弥、好きなもの頼んでいいからね」
「う、うん……」
さすがに2人の前でお姉ちゃん風を吹かされると、気恥ずかしい。
メニューを開く。
そこに、世界が広がっていた。
何気なく売られていたオモチャの水鉄砲──誰もが手にできるはずな
のに、ボクが手にできなかった物の世界。
今それは、手を伸ばせばすぐに届く場所にあって。
「そっか……」
「え?」
思わずため息とともに声が出る。横に腰掛けていたお姉ちゃんが、少し
驚いたように聞き返して、ボクの手元を覗き込んでくる。
「お子様ランチ……」
呟くように言ったお姉ちゃんが、にこっと笑顔になって顔を上げた。
「一弥、頼みたいんだ?」
「いっ」
ドキッ、として、思わず裏声が出てしまう。
確かに、興味を惹かれるのは確かだけど……
「あ……でもほら、ボク、今子供には見えないからさ」
「いいよ、恥ずかしいならお姉ちゃんも同じの頼んであげる」
さらりと言うお姉ちゃん。
そうさせる理由は知っている。それはボクが今ここにいる理由だから。
でも……
お姉ちゃんはボクを、あの日、あの時のままのボクだと思っているのか
もしれない。
でも。
実際にずっとお姉ちゃんの側にいたボクは、ただうぶなままでいられた
わけではなくて。
「お子様ランチは、中学生までじゃないと頼めない」
それまで黙っていた舞さんが、無表情なまま、助け舟を出してくれた。
「え……あ、ホントだ。お姉ちゃん、ここに書いてあるよ」
明るい写真にラップしてゴシック体で書かれた文字を、指差した。
「はぇ……そうなんですか。それでは仕方ありませんね」
苦笑するお姉ちゃん。
ボクはといえば……やっぱり、どこかがっかりしたような気持ちもあっ
た。
ボクとお姉ちゃんの注文と入れ替わりに、舞さんとあゆさんの空けた食
器が片付けられていった。
舞さん達は、別にお姉ちゃんに付き合うってだけにここにいるわけじゃ
ない。
あゆさんは7年間、意識を失ったまま過ごした女の子だった。
絶望視されていたのだけれど、奇跡的に回復した。
それは──舞さんが持つ、いわゆる“超能力”によるものだという。
舞さんはそれで、過去にテレビに出たこともあるのだという(それは本人
にとってあまりいい思い出ではないようだけど)。
ただ、あゆさんの家は離散していた……あゆさんの医療費を出してい
たのは、理由は良くわからないけれど、あゆさんの両親や親戚じゃなかっ
た。目覚めたはいいけど、それっきりの天涯孤独。結局、目覚めさせた舞
さんの家で面倒を見ることになったのだという。
それで、この2人もあゆさんの服を買いにきたというわけ。
とは言っても舞さんは佐祐理お姉ちゃんと違って、自身あまり着る物に
はこだわらない性格だから、あゆさんは着せ替え人形にされずに済ん
だ。
それにしても──
あまりに話ができすぎていないか──そう思うのはボクだけじゃないは
ず。
これが単なる偶然だったら、あまりに話が安っぽすぎる。
「えっと、その……一弥くん、だよね。ごめんね」
そんな事を考えながら、口に運んだ水のコップを、テーブルに戻して一
息つくと、あゆさんがなぜかそう呟いた。
「?」
ボクはなぜ謝られなければならないのかわからず、キョトンとしてしまっ
た。
「祐一くんが男の子だって言わないから、その、てっきり」
祐一って、誰?
ボクが思わずそう聞き返しかけたとき。
「祐一……って……もしかして、相沢祐一さん、のことですか?」
割り込むようにして、佐祐理お姉ちゃんが、少し驚いたような口調であ
ゆさんに問いただした。
「そうだよ、相沢祐一くん」
あゆさんはさらりと答える。
「舞? どういうこと? これっ……って、祐一さんが何か知っているの?」
お姉ちゃんの問いに、舞さんは無表情なまま、素っ気無い口調で言う。
「祐一も佐祐理と同じだったから」
祐一登場するのか
…ちっ
>>301-305 冒頭の会話、定番なオチとはいえ笑えた。
あゆと舞の絡みってよく考えると珍しい組み合わせかも。
ところで今日はハロウィンだそうだが、
反転ヒロイン達もいろいろなコスプレwで「トリック・オア・トリート!」やってるんだろうか。
>>307 いくらなんでも失礼なんじゃないの?
ネットなら何を言ってもいいと思ってる とは思わないけど、
空気読む能力くらいつけた方がいいんでない?
>>308 ふと朋美が春原の部屋に魔女の扮装でやってきて物凄い冷めた目で「トリック・オア・トリート」と言いながら詰め寄り
それを見た春原が本気で怯えている構図が思い浮かび上がった
「いいい今お菓子の持ち合わせがないです!」
「……じゃあ悪戯ね」
「ひぃっ!?」
「……(ぽ)」
朋美「あら、チョコバナナがあるじゃない」
朋美は春原が風邪をひいたら尻に体温計突っ込んで熱をはかりそうだな…。
「トリックアンドトリート!オカ研としてジャック・オー・ランタンを探しに行くぞッ夜の歓楽街で!!」
「こっち来んな変態ッッ!!」
>>310 むしろ朋美はサキュバうわ何するやめくぁwせdrftgyふじこlp;@:
316 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:38:15 ID:81FLDwKv0
夜半、ふと物音で目が覚めた。
包まった布団の暖かさを肌に感じながら、呆、とした意識が少しずつ覚醒する。
閉め切った窓を突き抜けて聞こえる車の通行音、その途切れ途切れに聞こえる、人間の息遣い。
ハッ、ハッ……
陸上競技を終えたばかりの選手の様に、短く連なる呼吸音。
ハァッ、ハァッ……
もう一度、近くを車両が通行した。ヴウン、という大きな音に掻き消され、それでも車が過ぎ去った後も、静寂は戻らない。
ウッ、ハァッ……ハァッ……
ゆっくりと、目を開いた。
カーテンの隙間から漏れる月明かりで青白く照らされる室内、学生寮の狭い部屋。
中心に置いてあるコタツの向こう側、部屋の隅で蠢く影が一つだけ。
呼吸音は続いている。
最初、寝惚けた頭で獣でも潜んでいるのかと疑った。
段々と意識が覚醒戻ってくれば、何と言う事は無い、同室の少年だ。
彼は壁と向かい合い、苦しそうに身を捩っていた。
怪我でもしたのか、と口を開きかけ、
「ウウッ……ぃ……」
小さく、本当に小さく自分の名前を呼ばれ、そのままの姿勢で止まる。
思い至った。
こんな夜更けに、コソコソと隠れる様に、少年がする事なんて―――
「…………春原」
「っ!? うぁ、岡崎!?」
名を呼んで、慌てて振り返った春原は。
朋美の想像通り、ズボンと下着をずり下ろして、自らのモノを握り締めていた。
317 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:38:45 ID:81FLDwKv0
静かに布団を払い除け、ゆっくりと立ち上がる。
春原は凍り付いたかの様に動かない。
「ふーん……」
無様な格好で腰を抜かしている春原を見下ろし、朋美の口から氷点下の声が漏れる。
「春原、『何をしていたの?』」
「え!?」
ようやく魔法が解けたかの様に、春原は慌てて握り締めたままだった右手を離し、左手でズボンを引き上げて、
「な、何でもないよ!」
と、あからさまな嘘を付いた。
ゆらり、と幽鬼のごとく歩き出した朋美は、冷や汗を掻いてブルブル震える春原の顔を両手で挟み込む。
そのまま、春原の眼前まで顔を近付けた。春原は逃げようとするが、朋美の両手がガッチリと頭を固定し、動かない。
息を吐けばかかるくらいの近距離で、
「『何をしていたの?』」
艶やかな赤い唇から、もう一度同じ質問が飛んだ。
絡み合う視線と視線、春原は目を逸らせない。
こわく的に蠢く朋美の舌が、彼女自身の唇を舐め取り、てらてらと朱に光る。
「う……あ……」
「答えてよ、春原」
「そ、その、えっと……」
春原は泣きそうな顔で朋美を見上げる。もう分かってるんでしょ、だったら言う必要無いじゃないか……
それでも朋美は許さない。自らの額を春原の額にコツン、とくっつけ、
「オナニーしてたんでしょ、春原?」
「ひぃ……!?」
オナニー、という卑猥な単語を直に言われたせいか、春原の顔が赤く染まった。
318 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:40:12 ID:81FLDwKv0
「ねぇ、そうでしょ?」
「…………はい」
ついに観念する春原。
朋美に顔を押さえつけられた、震える身体で怯えている。
「春原」
「ま、まだ何かあるの……!?」
「誰でオナニーしてたの?」
ぐっ、と春原の口が詰まる。
目の前の少女で、などと、口が裂けても言う事は出来ない。
朋美はしばらく待っていたが、春原から何の反応も返って来ない事を確認すると、
「まぁいいわ」
と言って、顔と両手を離した
ようやく開放された、大きく安堵の息を吐く春原に、
「ねぇ……私の前でしてみせてよ、春原」
死刑宣告が、下る。
319 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:41:08 ID:81FLDwKv0
「は……?」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
呆けた顔の春原に、朋美が笑顔で―――目は笑っていない―――もう一度告げる。
「私の目の前で、オナニーしてみせてよ」
「で……出来る訳無いだろ!?」
絶叫はもはや悲鳴に近い。
顔を真っ赤にして怒鳴る春原に対し、朋美はあくまでも優しく、
「しなさい、春原」
残酷に命令する。
言い訳しようとしていた口を噤み、得体の知れない恐怖を感じて打ち震える春原。
回らない舌で、何とか言葉を口にする。
「な、何か変だよ、岡崎!?」
「別に変じゃないわ」
「変だよっ!」
「変じゃないわ。さぁ、早くしてみせてよ」
獲物を射抜く様に目を細めて、朋美が美しい唇を三日月のごとく捻じ曲げる。
それはまるで、情熱と冷酷を持ち合わせた悪魔の微笑。
春原の心臓がドクンと高鳴り、無意識にゴクリ、と唾を飲み込んだ。
操られた様に右手が自身のペニスに伸び、行為を再開しようとする。
だが、彼のモノは縮み上がったまま、何の反応も示そうとしない。
「どうしたのよ?」
「き、緊張して……」
「どうして緊張するの?」
「お、岡崎が見てるからに決まってるだろ!?」
羞恥の為か、既に涙目の春原を見つめて、
「じゃあ、興奮させてあげる」
朋美は、トンデモナイ言葉を口に出す。
「え!?」
と、春原が驚く暇も無く。
朋美は、自らの服をゆっくりと脱ぎだした。
320 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:41:45 ID:81FLDwKv0
薄暗く、狭い部屋の中で、パジャマの上着がはらりと床に滑り落ちる。
片足を上げてズボンも抜き取ると、純白の女の子らしい下着を身に着けた朋美の姿が春原の目に飛び込んできた。
「あ……あ……っ」
驚きと混乱で何も言えない春原を無視して、朋美はブラのホックに手をかけた。
外すと、彼女の同年代に比べて豊かな胸と、ツンと勃った乳首があらわになり。
下も脱ぐと、薄い茂みが影となる。
岡崎朋美の、生まれたままの姿。
月明かりに照らされる白い裸身を前に、無意識に春原の男性器がムクムクと鎌首もたげて反り立った。
「大きくなった」
その様子を見て、朋美は唇の端を歪めて、妖艶に笑う。
瞬間、パリンと、春原の脳の大切な何かが壊れて消えた。
「ハッ……ハッ……」
右手が自然に伸びて、自分のペニスを掴む、
春原は熱に浮かされたように、自慰行為を再開した。
恥も外聞も無く醜態を晒す春原、脳内は白熱化し、既に何も考えられない。
ただ、目の前に、朋美の裸がある。
「岡崎……おかざきぃ……っ!」
白痴のごとく朋美の名を呼びながら、いきり立った自らのモノをしごく。
恐怖で縮こまっていた時が嘘の様に、春原の性器は雄々しく反り返っていた。
「お、岡崎!」
春原の空いた左手が、全裸の朋美へと伸びる。
それを、
「駄目よ」
と、朋美は叩き落とした。
「私に触れるのは反則よ、春原。貴方は、私の裸でオナニーするだけ」
321 :
誘惑:2005/11/04(金) 09:44:56 ID:gA/Giorr0
「さっきまで、誰の事を考えてたのか知らないけど」
気付けば、朋美の息も荒い。
「今は私の事だけを考えなさい」
春原の痴態を見て、彼女も興奮しているのか。
「他の女の事なんて考えないで」
肌は熱く、紅く染まり。
「ただ、私の裸でオナニーしなさい」
朋美のソコが、少しずつ湿り気を帯びてくる。
その空間は一種の狂気。
「ハァッ、ハァッ……!」
朋美の毒の吐息に当てられ、春原の動きが加速する。
呼吸が断片的となり、苦しく呻く。
やがて、限界を迎えた。
「お、岡崎……っ!!!」
最後に朋美の名を叫んで、春原は白濁とした液を放出した。
ビュク、ビュク、と春原の性器が震え、同時に勢い良く精液が宙に飛び散る。
床に飛び散り、マットを汚し、その少量が、朋美の足にもかかった。
「ん……」
朋美は熱を感じるそれを人差し指で救い上げ、躊躇いもなく口に含んだ。
慌てて春原が、
「あ……お、岡崎、不味いらしいよそれ!?」
「どうして?」
キョトン、と朋美が童女の様な微笑みを浮かべる。
「春原の出したのが、不味いワケ無いじゃない」
「〜〜〜」
春原は混乱と虚脱感で、もう何も言えなかった。
朋美はずっと、春原の白濁液を味わっていた。
「…………美味し」
322 :
誘惑後書き:2005/11/04(金) 09:45:39 ID:gA/Giorr0
ども、反転集結シリーズを書いてる愚者です……
今回は思う所あってエロに挑戦してみました……
ごめんなさい、無理があったようです……
続きの構想とかは全て忘却の彼方へと……
普通に反転集結シリーズに戻ります……
お目汚し失礼しました……
スゴク(・∀・)イイ!!
続きキボンヌ!
エロいな
GJ!
朋美と春原(陽平)のエロを見ると、
どの職人さんが書いても朋美はドSで春原はドMだなぁ、
としみじみ思ってしまう。
Mが確定しているからもう一方がSにならざるを得ないんでわ
この朋美からは朱鷺乃と似たオーラを感じる…
おたがいに良いオモチャ持ってるしw
はぁ、と一つわたしはため息をつく。
ここが見知らぬ土地だから? 違う。そんな事はとっくに慣れている。
今日、泊まる場所が決まらないから? これも違う。
ため息の理由は、もっと単純かつ本能的なものだった。
「お腹空いたなぁ…」
思わず本音が漏れる。恥ずかしさのあまり慌てて口を抑えたけれど、この街は初めて下り立った街。誰もわたしの事など気にするはずも無い。
気を取り直して、肩にかけたバッグを開け財布の中身を確認する。
…うん、これなら2、3週間はもつ。その間にこの街で路賃を稼げばいい。
近くのパン屋に立ち寄り、お値打ち品と書かれたパンを買い込む。無料の求人雑誌をもらっていく事も忘れない。
右手に雑誌、左手にパンという、おおよそ同年代の女の子とは思えぬスタイルで、公園のベンチをたちまち小さな自宅に変える。
ある程度目星をつけたところで、急に痛みを感じた。普段とは違って、胸の辺りがモヤモヤとする。
「…食べ物であたった事なんて、無かったんだけどなあ」
そのまま、わたしは軽くうずくまって夜を越えた。明日陽が出たら、面接に向けて動き出そう。
夢の中…?
いくつも聞こえる子供たちの声。
それにどう答えているの?
小さな木に腰掛ける少女。
何と言っているの?
答えは返ってこない。ただただ、鳥の囀りが耳の奥で響くだけ。
「…んぅ」
小鳥の鳴き声で目が覚めた。鈍い痛みが全身に伝わっていく。それが眠たい思考回路を目覚めさせるスイッチ。
「そっか、ここ、公園のベンチだったっけ…」
この街に来てからの出来事と、今日やるべき事を思い起こし、メモをつけていく。
その途中で、さっきまで見ていた夢が脳裏にぼんやりと浮かび上がる。どこか懐かしくて、それでいて悲しい夢。
――でも、のんびりと思い巡らすことが出来たのはそこまで
何気なく見た時計。その針は午前9時40分をさしていた。もはや一刻の猶予もない時間。
「た、大変大変、面接の時間に遅れるー!」
朝食も水分補給もそこそこに、少ない荷物をてきぱきとまとる。
髪がまだ整っていないけれど、そんな事を気にしている場合じゃない。風を切るほどのスピードでわたしは走り出した。
…まだ履歴書が未完成だということも忘れて。
現在時刻、10時5分。
「……で、ここはどこ?」
この街に来て2日目、地図を持たずに行動するのはあまりにも無謀すぎた。
求人広告の略図も、ある程度この街の地理を知っていて初めて役に立つ物。
助けを求めようとあたりを見回してみても、人ひとりの姿も無い。見渡す限り緑の山。
かろうじて学校が見えるけれど、部外者のわたしが入るのも気まずい。
「どうしよう…交番でも探そうかなぁ…」
その交番を見つけるだけでどれだけ時間がかかるのだろう。くらりと軽く眩暈を覚えたのは日差しのせいにしたい。
「どうしたんだ、そんな所でうろうろと」
「あわっ」
背後からの声にびくっと硬直する。
「な、なに…びっくりした…」
「いや、道路の真ん中でうろつくのは危ないと思ってな」
思わず足元を見る。まるで誰かが謀ったかのように、中央線が引かれていた。
「…ふう、ここが田舎でよかったぁ」
「じゃ、俺行くからな。次からは歩道を歩けよ」
恥ずかしさをごまかそうと強がってみせたけれど、あっさりとかわされてしまった。
って、街の情報という肝心なものを聞く前に立ち去られても困る。
「…あ! ちょっと待って、コレ、どこか分かる?」
「…で、角にコンビニがあるからそこを右」
「コンビニを右…と。ありがとう! 本当に助かったよ!」
とりあえず手短に礼を言う。
本当は形あるもので示したい。でも、財布の中身が心もとない今はそれが出来ない。
「前ばっかりじゃ無くて周りもちゃんと見ろよ」
ちょっとばかりカチンときたけれど、恩人だと思うとその感情も抑えられた。
「大丈夫大丈夫。今度お礼させてね、それじゃ!」
行き先が分かれば時間を無駄には出来ない。脚に力をこめてスピードを上げる。
恩人の名前を聞き忘れたことに気付いたのは、コンビニを曲がる直前だった。
漸く面接場所に到着した。
1時間近く遅刻していたけれど、まったくもって問題ない。わたしには勝利の大作戦がある。
『こんにちは、面接場所はここですか?』
『ん?帰った帰った。もう時間が過ぎてるじゃないか』
『いえ、お願いします!この仕事には自信があります!どうかお話だけでも…!いえ、せめてこの履歴書だけでも!』
『どれどれ…お、おおお、こんな情熱のある子は即採用だな』
ピンチがチャンスに早変わり。イメージトレーニングも完璧。
「よーし…こんにちあああああああっっっっ!」
ないっ、ないっ。せっかく書いた履歴書がバッグの中に無い!!
お、終わった…。
ついさっき来た道を引き返す。走る事には自信がある私だけれど、今は誰よりも歩みが遅い。
物乞いをしないと食べていけないほどではない。でも、悠長に次の仕事を探すほどの余裕は無い。
(あの履歴書代でどれだけ食べられたんだろう…ああ、ショック…)
重く深い溜息をつく。何度も何度も。
一方、こちらはとある学校の教室内。
「岡崎っ、おはよっ!」
「もう午後だからな」
「じゃあグッドイブニング、だね!」
「一度お前の体内時計を見てみたいんだが」
「あはは、気にしない気にしない。それよりさ…」
「ようやく丸刈りにする決意が固まったのか」
「私、女の子ですけどっ! そうじゃなくて…校門前で話していた女の子って…誰?」
「宇宙人だ。ちょっと実験材料にされて5人に分裂した」
「え…じゃあ今の岡崎は岡崎じゃなくて岡崎の岡崎が岡崎を岡崎に…ひいいいぃっ!」
シュタタタッ
(やれやれ…それよりこの履歴書、どうしようか…)
とりあえずここまで。
久しぶりに書いたらどうも変な方向に…
さて、今回の主役は誰でしょう?
というか、かなりもとのキャラをいじってるんで分かりにくいかもしれませんが。
柊ちゃんと見た。
メル蘭であれほど好きに語っておいてそれか・・・ まぁいーけどw
>近くのパン屋に立ち寄り、お値打ち品と書かれたパンを買い込む。
あれか!あれを食ったのか!w
337 :
元380:2005/11/07(月) 13:12:43 ID:/8woZYZ70
自家発電は大事ですよ。
誰も書かなかったら自分で書けばいいのですよー。
「やっぱ最後はカラオケでシメだろう」
「ん〜、ま…構わないけど」
回帰祝い、というには趣きが異なるが、貴子と雄二は久方ぶりの「寄り道」にくり出していた。
初めて貴子が「発作」を抑えこんだ夜以来、それが起こる回数は劇的に減った。
その数回も発狂に及ぶほど深刻なものではなく、回復の兆しをみた彼女は晴れて通学再開とあいなる。
しかし当初雄二と環は反対を強攻。
なにせ事情を知らないクラスメイトからすれば入院前の彼女と今の彼女は別物に映ることは明白。
むしろ転校当初に戻ったと形容するのが適当であるが、あの創り上げられた貴子の
イメージが固着し、よしんば転校当初の貴子を覚えている者がいても、多くの者は
「転校して間もないのだから…」とそちらのイメージを「つくり」と認識してしまうだろう事が
予見されていた。
更に深刻な問題は貴子が男子に囲まれて学校生活を送る事が本当にできるのか?という点。
雄二と同じクラスだというなら気の利かせ様もあったが、別クラスとなっている今、
異性の味方は居ない。
雄二と環は思索に思索を積み、体裁よりも貴子の保護を最優先することを選び、
学校側に交渉を出した。
情に厚い事で知られる教諭達は提案を快く受け入れ、トライアルを過ぎたというのに
学校に通い続けていたミルファと交換編入、という形を取る算段に落ち着く。
幸い貴子と面識があるミルファも表面上軽くブーたれてみせたが、多くは聞かず承諾。
かくして編入工作は完了したが、この時ナイト役が雄二だということに貴子が盛大に不満を溢した。
「誤解を受けたくない」とは彼女の談。無論、環に一蹴された。
果たして貴子の懸念は顕在となる。
誰もが編入に首を傾げ、風評と異なる彼女の様子に戸惑った。
そして雄二の行動が拍車をかける。
休み時間の度に貴子に付き添い、男子が近寄れば雄二なりにさりげなく遠ざける。
そう、彼なりにさりげなく実行してはいるものの周りからはバレバレだった。
復帰一日目にして噂の渦中に放り込まれた二人はそそくさと下校…するはずが突如
雄二が遊びに行こうと言い出したわけだ。
「男の歌は上手くいかない……か…」
互いに二巡し、歌い終えた貴子が呟く。諦念めいた溜め息が零れた。
歌えば歌うほど思い通りの音程が得られなくなっていく錯覚に陥る。
聴き手の雄二としては、それはそれで味わいがあったが、彼女にはその1、ないしは
2オクターブもの差が不快でならない。
「試しによぉ、女の歌手の歌やってみたらどうだよ」
「……」
貴子の表情が一層曇る。ジェンダーの押し付け、それは今の彼女が最も嫌う行為だからだ。
雄二もそれは嫌と言うほど理解っていた…が、好奇が勝る。
「緒方里奈ちゃんの曲ならわかるだろ?」
「まぁ歌詞いくつか分かは…」
布教用のアルバムを半ば強引に渡されたとはいえ、貴子も緒方里奈の歌は口ずさめる
程度には慣れ親しんでいた。
「聴きたいなー貴子の歌う緒方里奈ー。ききたいききた〜い」
もはやおもちゃを強請る子供同然だ。
貴子はマイクでこめかみを押さえながら、釈然としない面持ちを湛えナンバーを打ち込んでゆく。
「愛という 形ないも(※JASRAC)心臓がとま(※JASRAC)知ってる」
戸惑う。歌声が自分のものと思えないほど、何かに導かれるように歌詞を紡いでゆくのだ。
声の質は明らかに異なってはいても歌い手として、如何程も劣る点のない貴子の姿に
雄二も見惚れ、聞惚れる。
無意識なのだろう、一仕事終えたような清々しさをまとう彼女を拍手が包む。
通例の拍手機能とはいえ今回ばかりは雄二からの賛辞の拍手と共に。
「いいじゃんいいじゃん!そっちの方がよっほど自然じゃんよ」
「嬉しかない…」
「照れんな照れんな。じゃあ次はこの曲をだな…」
「…話を聞けっての」
口を尖らせながらも久方に思いっきり歌うことで気分も乗っていき、勧められるまま歌い続けた。
「いやぁ歌った歌った。後半は貴子の独壇場になっちまったけどな」
「誰がそう仕立てた。ったく。
んー、大分遊び呆けちまったけど、このみ達誘わなくて良かったのか?」
「い〜んだよ。がきんちょはガキなりに気ィ遣ってるみてえだし、
姉貴はこういった遊びは合わないって言ってるし。それに……よ」
躊躇いがちに、照れくさそうに、鼻頭をこする。
「それに…こうしてまた遊びに出れるとき、初めの一回は誰にも邪魔されたくねえ…
ってのがあったんだよ…」
悩みに悩んでいつ打つか迷い続けていたジャブだ。
傷心の娘を慰める、といえば淡い期待を擡げるが相手は男嫌いの一歩寸前。
ともすれば恋愛感情と決別し、済し崩し的に気のおけない親友というポジションが
決定的になってしまうという惧れ。
貴子が精神的に立ち直ってくれれば現状に不満は無い…無いが彼女の心は永遠に
手の届かない場所に行ってしまうだろう。
かといって貴子に異性を求めれば友人という関係すら壊しかねない。
故に雄二にとっては地雷原の中に闇雲に足を踏み入れる蛮行であったが…。
「そう…」
貴子の反応は想像のどれとも異なった。
しっかりと雄二の話は聞いている、その上でこの反応。
あまりにもそっけない態度に彼女の真意が掴めなかったが、それは貴子とて同様。
自分の気持ちがわからない。初めて自らを慰めた夜からは特に。
雄二の世話は苦ではない、彼の側にいると安心する……でもそれは好意か?
断じて違う。そんな筈が無い―――そう、言い聞かせる他、彼女には出来なかった。
もし雄二が貴子の心の内を覗けたならば、絶好のチャンスであったのかもしれないが
表面上から窺える彼女の感情は、ぬかるみにも似て、それ以上の追随を許さない。
個室から出たと同時に通路が俄に騒がしくなる。
部屋を二つほど隔てた個室から出てきた客等によるものらしい。
なんとなく、なんとなくだった。
貴子が視線を移した先、年上であろう男の集団からいくつか知った顔を見てしまう。
「!!?あ………あ…」
(あいつ―――)
自らを犯し嬲った男達。
心臓がバクバクと暴れだす。思い出したくも無い感覚…まるで発作の前触れのよう。
雄二はまだ貴子の様子には気づいてない。
此処に居てはいけない、すぐにでも離れなければ。
気付かれてはいけない…逸る心と裏腹に身体はブリキの人形のようにガクガクと頼りない。
(っっっ!!)
そして見た。
B級ホラーのモンスターと遭遇したかの心地。
本当に、心臓が、時間すらも止まってしまったのでは…というほどに。
集団の中でひとり柄が上の男…忘れたくとも忘れがたい爪痕を刻んだ男。
目が、合う。
男の表情がコマ送りのように変貌していく。口元を吊り上げた厭な笑み。
「雄二っ!」
頭で考えるより先に雄二の腕を取り駆け出した。
「なっ、ちょ、貴子!?」
「いいからっ!来い!」
わけも解らず、しかし追走する雄二を認め、貴子は財布から札を取り出す。
足を止める事無くカウンターに叩き付けるように料金表とそれを放った。
「釣りはいらないから!」
店員が何か言い咎めるよりも先に彼女は出て行く。呆ける店員。
同じく雄二も一瞬足を止めたが店員と貴子の背中を見比べ逡巡、外へ駆け出す。
何故突然飛び出したかは解らない、が、今が彼女を守ってやらなければいけない時だと本能が告げる。
貴子が何から逃げてるのかは明確には当たりがつけられなかったが闇雲に走り回るのは得策ではない。
そう悟った雄二は、その俊足をもって自分と距離を広げていく貴子を全霊で追いかけ捕まえた。
「なにすんだ!急がないとっ、あいつらが…!!」
「待、て……っ…っは……待って、くれ…よ」
息も絶え絶え。短距離とはいえありったけの力を振り絞ったのだ。
筋肉は軋み、あちこち酸素不足で視界は霞み、言葉も紡げず呼吸するだけで気が遠くなる。
「逃げ…回る…より、かくれ…たっっ、ほうが…良い」
「隠れるって何処にだよ!?こんな場所でもたついてたらそれこそ逃げ場も!」
気が動転気味の貴子は雄二の呼吸が整うのも待たず捲くし立てる。
ヒステリックに掴まれた手を振り解きに掛かるが、流石にそれは雄二が許さない。
「…こっちだ」
腕の力を緩める事無く貴子を引き摺るように路地裏から表の方に歩く。
「雄二!そっちはマズイんだよ!雄二!」
(無いはずが無いんだ…どっか近くに……)
両足で踏ん張って制止させようとする貴子を尻目に、雄二はビルとビルの隙間の中空を凝視する。
「あった!行くぞ?」
「行く、って……え?…こ、ここって…」
雄二が見つけた場所とは、
「ら、ラブホテルじゃないか!!?そこ!」
「そうだよっ。鍵付きの個室なんて篭城にはもってこいだろうが。電話で助けも呼べる」
どんな町にも表裏一体でこういった施設はあるものだ。
そのホテルは微妙に「表」寄りという事もあって人目も少ないのは幸いだった。
「だ、だからって…」
「背に腹はかえられねぇって。突撃!!」
「わっ、引っ張るなバカ!」
強引に中に引き入れられた貴子は目の前にずらりと並んだ、らぶ・るぅむの写真群に
追われているという緊張感も忘れ、くらりと目眩を覚えた。
その隣で財布の中と料金表を見比べていた雄二は顔を青くしている。
「やっべ!持ち合わせ足んねえ!貴子、そっち幾ら残ってる?」
「な、なあ…雄二ぃ………冗談なんだろ?これって」
ついていけない、というよりはややトリップ気味な発言。
「ギャグ言ってる場合でもないだろ!残り分三千!あんのかねぇのか!?」
彼女は無言で財布を差し出す。かなり遊んだにも関らず延長分を払える位の資金は残っていた。
雄二が料金を機械に通そうとした所で脇から声が飛ぶ。
その主は管理者として据えられているらしいボーイ姿の男。
あまりの唐突さに二人は思わず身が跳ねた。貴子はススッと雄二の背に隠れる。
「あんた達困るなあ。制服姿なんかで入られたら。バレた時罰せられるのはこっちなんだぜ?」
「頼んますよ見逃してください!こっちゃ急ぎなんだ。何処の部屋でもいいから。
どうしても引き止めるってんなら無理にでも入らせてもらうぜ」
「こっちにも立場ってものが―――」
雄二の剣幕に呼応してか強く出そうになったボーイが、雄二の肩口から
覗いて見える貴子を見て態度を変える。
当の彼女は目を合わせたくないのか、男達がここまで追ってこないかと
警戒してか入り口の方をじっと見据え、その視線には気付かない。
「……まぁ、おたくらにも事情があるんだろうが…揉め事は勘弁してくれよ?」
掌を返すようにそう言い残して奥の部屋に退散していった。
不可解な行動に背中合わせの二人は肩越しに顔を突き合わせたが、「ハッ」と
気恥ずかしさからすぐ目を逸らす。
「っと…どの部屋にするよ…?」
「ど、どこだっていい…迷ってる時間が惜しい」
「んじゃ、て、適当に……あれ?」
ボタンを押そうとした手が止まる。
「さっきは空室だと思ったんだけど…ここも……気のせい、か…?」
「なにやってんだよっ。どこだって一緒だろ?」
「わぁってらぁ…お盛んなこったぜ全く」
いそいそと二人が奥に入っていくのを確認したボーイは何処かに連絡をつける。
「やぁ御機嫌よう、っと、そう邪険にしないでくれよ。ああ、今探し物の最中だと思ってさ―――」
貴子がおそるおそる扉を開く。
想像していたよりも内装はくどくない作りだった。
修学旅行先のホテルをもう少しアレな感じにしたみたいだな、などと思う。
中央に控える馬鹿でかいベッドを除いては、だが。
と、後ろからカチリと音が。振り返ると雄二が施錠した後だった。
「お、お前なにカギ掛けてるんだよ!」
「当たり前だろうが。最低限のマナーだろ。仮にも追われてるんだしよぉ」
「う……そう、だった…な」
貴子はベッドの上に腰を下ろそうと足を動かしたが、何を思ってか踵を返し
鏡台の椅子の方に腰掛けた。
緊張から解放されたように雄二はベッドに身を投げる。
頭上には仄かに明るい照明。そのまま身体を起こさず貴子に問い掛ける。
「少しは、落ち着いたか?」
「あっ、ああ…まぁ……」
恐怖から来た緊張は確かに影を潜めたが、今度は別な意味で平静を無くしつつあった。
「教えて…くれるよな?誰から逃げたのか」
彼が思い浮かべていた…いや、予想を手繰り行き着いたのはカラオケBOXで騒いでた連中。
いま貴子を追いかけて危害を加える連中といったらたったひとつしか浮かばない。
「俺を襲った奴だった。その時とは知らない奴も多かったけど……確実に一人は」
歯噛みする。
獲物を見つけたような貌を浮かべたその一人。忘れようはずが無い。
自分の純潔を奪い、最大級の辱めを与えた男。
「そうか」
雄二の返事も暗く、重い。彼女への同情ではない。
貴子を苦しめた張本人等が表を闊歩しているというのにこうして隠れて
やり過ごすしかない自分が腹立たしかった。
力が有れば……すぐにでも飛び出して血祭りに上げてやれたものを、と。
(いや…)
―――ふう、と息を吐く。
それが出来たとして、自身の憤りをぶつける結果にしか過ぎない。
貴子を守る。それが今、何を置いても自分に課すべきこと。
「話ぁわかった。とりあえず助けを呼ぼう」
「警察にか?」
「いや、連中、事が起こらないうちはてんでノロマだ。先ず姉貴に電話してみる。
知恵借りれるかもしれないしな」
電話先の反応が見えるかのような激しい応酬の末、受話器を置く。
但し応酬の殆どは雄二が貴子をホテルに連れ込んだ事への叱責だ。
「他人任せたぁ我ながら情けねえが、やるこたぁやった。後は姉貴信じて待とうぜ」
「なぁ…」
「あ?」
「何でそんなに落ち着いてられっかなーお前は」
「篭城戦なんだ。城壁が破られるまで動揺したってしょうがねぇじゃん?」
「いや…そうじゃなくてだな…。仮にもこんなピンク空間でさぁ…」
「んー?へへ…もしかして意識してる…とか?」
「バッ……無い!!そんなわけないだろ!ちょっとばっかり真新しさに眩んでただけだ!」
そうは言いながらも今まで椅子の上でだらしなく広がっていた足を整え、
雄二の方を監視するように姿勢を正す。
雄二はそれを可笑しそうに眺めながら彼女とは対照的に脱力してベッドに座り込む。
「俺はもーこういった状況は慣れっこだよ。お前んトコに転がり込んでからずっとな」
「あ……」
彼女は反芻する。
自らの行動を。彼の言動を。
半裸で目の前を歩き回り、互いの寝息が聞こえる程の距離で床を共にし、
自分にその記憶はないが肌を晒した事もあった。
「そっか…デリカシーなかったのは、俺のほう、か」
男であった時、貴明には本当に好きで好きで心奪われたと言える女性はいなかった。
故に容易に想像、同意を興す事は難しい。それでも同感はできた。
これでも元男だ。異性が苦手だとはいえ、いざとなれば女の子に興奮だって覚えた。
それらを鑑みれば、向坂雄二のなんという忍耐強さか。
「雄二、お前って……凄いな」
「そーかそーか。やぁっと貴子も俺の偉大さに気が付いたか」
何が誉められたのか判ってない雄二はとりあえずふんぞり返っておく。
「雄二は、俺のこと……………………………………………好きか?」
「えっ…」
言った。言ってしまった。
かつてどう思ってるか、とは問うた事がある。
しかし好意の是非を、しかも貴子から訊いてきたのは初めての事。
対する雄二は迷う以上に混乱する。
これまでは彼女の心情を慮って直接的なアプローチは避けてきた。
彼女の心に近付きたい、しかし思いやるばかりに彼女への態度は親友としてのそれ。
確固たる想いがそこにはあるのに、いつの間にか心の奥に閉じ込めて、
取り出せなくなってしまうのではないか―――そんな不安に襲われさえした。
それがいま、求められている?他ならぬ彼女自身から?
選択肢はイエス・オア・ノー。尤も、片方の選択肢はとうに切り捨ててある。
もうバカを演じてはぐらかす必要も無い。想いのたけを、全て。
「俺は貴子が好きだ。他の誰にもお前を渡したくない。ずっと…俺と一緒に居て欲しい」
(―――!!)
真っ直ぐな告白。貴子の胸がどくん、と高鳴る。
ざわついて収まる事はなく、しかし嫌なモノではない。
嗚呼…だけど…もどかしいこの感情はなんだというのか。
(俺は……おれは…)
「貴子は、どう…なんだ?俺のこと…」
「俺は―――」
「――――――――――――――――好きじゃない」
・・・・・・・・・・
刻が一瞬にして凍りつく。
無慈悲な一撃は死刑宣告以上の衝撃となり雄二を射抜いた。
凶弾に撃たれるチープな映画よろしくゆっくりとその身体は崩れ落ちて―――
「って!!ちょぉっと待てっつーの!!!」
―――はいかず、猛然と抗議。
「お前な、あんだけ正面切って告白して作り上げた空気をこうまでバッサリと
斬り捨てるかフツー!?ここは嘘でも「ウン…わたしも…」くらい言ってみせろっての!!」
少し泣きが入ってた。
「そんなバカな事が言えるか。そもそもキャラ違うし。
俺はお前の真剣さにハッキリと応えただけで……雄二?」
あまりの言われ様にさしもの雄二もいじけてベッドの中に潜り込んでしまった。
掠れた声で「アーアー聞こえねー」とか叫んでいる。
貴子は居た堪れない表情を湛えながらベッドの膨らみに近付いてゆく。
「なぁ雄二ぃ」
と覗こうものならガルルと威嚇した後、「俺はいらないこなんだ〜」などと喚く。
その態度に軽く引きながら、ベッドに腰掛けた。
「雄二、俺だって迷ったんだ。でもやっぱりダメだ。お前の本当に欲しい『好き』はやれないよ」
ギュッと布団のシワがきつくなった。
「けど勘違いしないでくれ。その『好き』はお前じゃない他の誰にだって、やれない。
勿論親友として雄二以上に信頼とか、その…好意とか…寄せられる奴、いない」
「(じゃあ…)」
「ん…?」
「じゃあ、お前にとって俺って何なんだよ…?」
布団にくるまったまま、呪詛一歩手前のじめじめした声が漏れる。
「雄二は……パートナーだよ」
「……」
「でも、どんなパートナーかは、お前が決めていい」
「それって『人生の』パートナーでもか!?マジか!」
一転、噴火のように雄二がベッドから跳ね起きてくる。
「人生の?」
思考中。該当項目参照。人生のパートナー = 夫婦。
「だだだダメだ!それだけは駄目っ!」
「なら『生涯の』!」
「意味同じじゃないか!!」
あらゆる球種を跳ね除ける…どころか場外までかっ飛ばしてくれる彼女に挫けそうになる。
(わかんねえ…わかんねえよ!貴子、お前が何考えてんのか、チクショウ!)
「そうかい。けっ、なんだなんだァ、結局俺は道化だったってことかよ」
完全に不貞腐れた雄二は貴子に背を向けるようにベッドの上で丸まってしまう。
(あ〜もうっ……仕方…ない、なぁ…もう)
溜息モーションで意を決したように雄二に脇に寄り添う。
「雄二?雄二ってば」
名前を呼びながら身を揺すった。
亀のように強情を張っていた雄二も、それが鬱陶しくて、辛くて、
「うっせえな!もう構うな―――むっ!!??」
「んっ…」
振り払おうと振り返ったところに温かい重みが被さり、彼女の口唇が降ってきた。
貴子は真っ赤になった顔で目を閉じているのに対し、雄二は予想外の事態に目をパチパチさせている。
実時間はほんの数瞬。彼にとっては更に一瞬の中の出来事。
だが彼女にとっては窒息してしまうほど長い時を経て、顔を離した。
後を追うようにバッと起き上がる。
服の袖で口元を拭いてる貴子の姿に軽くショックを受けたが、それどころではない。
「いまの…」
「なんだよ?」
「何でだ?」
質問に質問で返す。訊かずにはいられなかった。
(だって―――)
貴子が己を偽っていた時の事を思い返す。
女として身体の全てを明渡したかに見えた彼女が唯一見せた拒絶、キス。
ずっと何かしらのタブーだと思っていた行為を彼女から仕掛けてきたその真意は?
「別に…ただ、惜しいかなって、思っただけだ」
「惜しいってどういう意味だよ」
「残ったのがそんだけだから、さ。連中に…その、なんだ…おそ、捕まったとき。
いろいろ、やられちまったけど…コレだけは死守したからな」
「お前……」
自分への仕打ちを何でもない何でもない事のように語る姿は、かえって痛々しい。
「なーんてな。実際は抵抗する力もなかったし、覚えてないだけかもしれない」
「忘れたもん勝ちさ」と、苦笑い。
「だっ、だからさ!光栄に思えよ?男の頃から通して初めてなんだからな!
レアだぞ?あ、それとも…男の頃からってのは…引くか……?」
「んなこた無ぇけど…そんなら、なおさらだろう?そんな大事な―――」
「そんなセンチメンタルな思い入れは無い。またあんな事になった時にむざむざ奪われるのが
癪に思えた、そんだけ」
「その相手が俺なら良いってのかよ?いいや、そもそも二度とお前をそんな目には会わせやしねぇ!」
「そりゃどうも。けど、後生大事にするのもバカバカしいっていうか。
かといって女の子にする勇気も俺にはないし。絵面的にもアレだし。
…それとも、気持ち悪かった…か?男とこんなことするの」
そりゃそうだよな…と勝手に自嘲し深みに嵌りかける彼女を慌ててフォローに入る。
「いくらなんでもそりゃねえだろ?今さら貴子の事、男扱いしろって方がムリがあらぁ。
でも、ズリィな」
互いに座り込んだベッドの上。
雄二が座ったままの姿勢で、彼女に密着できるほどの距離をつめた。
「なにが、って!近いぞ雄二!」
「さっきのは不意打ちもいいとこだったよな〜?払い戻してもらうぜ?」
ぐぐっと貴子の顔目掛け接近する。
彼女が狙いに勘付いた時には既に遅く、ガッチリと逃げられないように腕が回されていた。
「ちょ、ちょっと待て!俺はこういう意味でしたわけじゃあ…!」
「一回やったんだ。十回も百回も同じだろ?」
「全然ちが…って、おまえそんなに数こなすつもりかよ!?」
「ああするね。したいさ何度でもな」
「ダメっ、だめだ…こんな………っ………??」
顎を引いて最後の抵抗を見せていた貴子だが、いくら経っても何事も起こらない。
伏せていた顔を上げると目と鼻の先には雄二の顔。
その表情は真剣そのもの。思わずドキリとさせられた。
「貴子。俺はお前が本気で嫌がることならしたくねぇ。やりたくても我慢する。
けどよ、ほんっっっとーーーに、イヤか?」
「……………ぃ」
「あ?何だって?」
「そんな事ないっつたんだ!俺も男だ、受けて立ってやるよ!」
自分は男、果たして今の彼女はどれだけその自負を持っているか?
本人ですら定かにできぬ程、積み重ねられた経験が彼女自身の性別の境界を曖昧にする。
雄二としては、いちいちつっこむのも煩わしい。
ただ、男勝り…というには語弊を招くが、貴子のこういった思い切りのよさ
というか普段の優柔不断ぶりの反動は誘導しやすく、また御しやすい。
「たっ、但し!目は瞑れよ?絶対だぞ!?あと、舌なんか入れようもんなら噛み千切ってやるからな!!」
「注文が多いな〜。頭を抱く位は許してもらえるんだろうな?」
「抱くとか言うな!わかったから、さっさと済ませろ!」
ガーガー喚きながらも律儀に目を閉じて待つ姿が、また何とも…。
意識ひとつの差だというのに彼女の唇の艶かしさといったらない。
啖呵を切った以上、雄二も漢を魅せねばなるまい。
キス待ち、というよりは斬首刑を受ける獄人のような表情を湛える貴子に肉薄していく。
無論、目は開けたままで。
「―――やっぱりな」
彼女の目が、かっと見開く。ホラーだ。
「お前は!どうして!そう!自分!勝手!なんだ!」
一語一語強めるたびに雄二の頬をねじり飴のように捏ね繰りまわす。
「いづっぁ!っ痛ぇ〜〜。だってよぉ、間近で反応みたいとか、あるだろ男として?」
「俺にはそんなフェティシズムは無い!いいから目ぇ瞑れ!俺からする!」
(…あれ?)
自分で言ってて違和感に気付く。
(餞別というか、ちょっと発破かけてやるつもりで唇突付いただけなのに…。
なんでキスする、しないの話になってるんだ?)
思考のマズイ所に嵌りかけた彼女を雄二が引き戻す。
正確には貴子の頭部に回された腕の感触で。
雄二にとっても好いてる相手からキスしてやる、と言われるのは本懐の極みでは
あるが、それでも夢想すら出来たこの瞬間だ。
自ら実現しなければ嘘というものであろう。
「じゃ、行くぜ?」
雄二は目を閉じたままだったが、猜疑心全開で監視してやろうと待ち構える貴子。
しかしこれがまたえらく恥ずかしい。
接近してくる雄二の顔。
見られているのは自分ではないのに、赤面していくのを身を駆け巡る熱が教える。
自爆同然の白旗宣言。耐え切れず目を瞑ってしまった。
―――そしてそっ…と二人の唇が重なる。
(柔らかい…)
どちらが感じた感触だったのだろう?きっと、両者が己のものとして。
また同時に、温かいとも思った。
間近で香る彼女の匂いが雄二の鼻腔を如何なく響かせる。
別段香水の類は付けてはいない。しかし彼にとっては麻薬にも似た甘美。
雄二の腕の中の者は、いま間違いなく少女という存在であった。
少女は思う。
(長い…いつまで……)
一秒が幾重にも引き延ばされる。心地の悪さが段々と羞恥へ変わって行く。
どくどくいう脈の音が障る。息苦しくなってきた。
そんな中貴子が気にしていた事は「この動悸が聴こえちゃいないだろうか」とか
「鼻息が荒くなっていないだろうか」とある意味で的外れで、
息が続かない、辛いから離れてしまおう、とは脳裏を翳めもしなかった。
対する雄二も、この刻を貴子のように長いと感じることは無かったが、
余りある充足感と、それをほんの僅かだけ上回る不足感とが絶えず入れ替わっていた。
(もっとこうしていたい…許されるなら―――)
永遠に。時間が、貴子が、この命がそれを許すというのならずっと、ずっと…。
この重ねられた唇から二人の境界は曖昧になり、いずれは溶け合ってしまうのではないか?
―――否、いっそ溶けてしまいたいと希った。
目を開く。元々貴子の言い付け通り始終瞑りっぱなしにするつもりなど
さらさらなかったが、彼女の唇の感触はそれすらスッパリ消し飛ばしてしまっていた。
なんとも微妙な表情。彼女の眉の動きだけで感情の機微が手に取るように解る。
それが可笑しくもあり、しかし可愛くもあり、何を置いても愛おしかった。
欲しい……もっと。
唇を合わせているだけでは足りない。彼女のなかへ踏み入りたい。
一旦は満足しかけた雄二だったが貴子をみつめていると欲望が際限なく膨れ上がる。
己の舌を鏃のように貴子の唇の間に射掛けた。
「!!………?!……!」
現実に引き戻された貴子は二重に驚く。
唇を割ってくる異物に、そして犯人を認め、目を開いた時になって初めて
自分のアップを雄二に観賞されていたという事実に。
(これっ―――舌―――見られ―――)
慌てて突き放す。
たった一瞬の錯綜だというのに彼女の心中は乱れに乱れていた。
「すっ、すまねえ。…でも、どうしてもお前の事欲しくなって…。
これ以上はダメか?ちょっとでもイヤだって思ったら離れてくれていいから」
「(駄目だこんなの!)少し…だけなら」
呼吸を整えながら彼女の出した言葉は心と裏腹。
何故?此処は怒って然るべき場所だろうに―――自分が解らない。
雄二も今度は躊躇いなしにキスを求めていく。
それでも、いきなりフレンチを仕掛ける程、焦ってもいない。
啄ばむように突いては離し、を繰り返したり、顔を横に傾けて直角に重ねてみたり。
それもこれも貴子への配慮。
事実、数をこなすうちに彼女の身体を覆っていた強張りは解けていった。
貴子の軟化を確認しながら雄二も唇を唇ではむ、っと咥えてみたりギアを上げていく。
存外、彼の忍耐力は良くもったが劣情が臨界まで来た。
「んっ…!ふ…っ…ぁ、ん…」
再度舌先が口内へと穿ち立てられる。より奥へ、より絡み合おうとばかりに。
それに追い付かれまいと舌を縦横に逃がす貴子。
(や、やっぱりダメだって!男とディープなんて…こ、こらっ吸うな…!)
狭い口内での二人のスロートチェイス。
せせこましい舞台だというのにも関らず彼女も割と必死に回避に徹するが逃げ切れる道理が無い。
逆に下手に逃げた分、歯の裏側まで余す事無く蹂躙されてしまう。
感覚が鋭敏な舌先が触れ合う度にびくりと貴子の身が震え、弛緩していく。
逃げようと想うほどに口内に意識は集中され、泥沼に嵌っていく事に彼女は気付かない。
ここで意志を振り絞り雄二の胸をただ一度ドンと叩けば、彼は惜しみながらも
侵攻を控えただろうに、現実の彼女の両手は雄二の胸に添えられただけで、
かえって身体を預けているような体勢を晒してしまっていた。
「っ、あ……」
操り木の糸が一本切れたようにガクンと身体が統制を失う。
貴子と雄二の身長・座高は共に数センチ程しか差は無い。
故に今まで両者の顔の位置はほぼ平行にあったが、その変化によって雄二が
貴子を抱き支えながらも、上からキスを落とす形となった。
傾いた彼女の喉に行き場をなくした二人の唾液が流れ込んでいく。
(ーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!)
戦慄く。
経験が無に等しい貴子には、それが軽度とは言え絶頂だとは想像もつかない。
しかしそのなんという快感、なんという甘美、なんとした甘露であろうか。
霞掛かった思考の中で、身を焦がすこの火にひとつの心当たりを得ていた。
同じだったのだ。かの自慰行為の最中「彼」の名を呟いたときと。
(嫌ッ!!)
途端に恐ろしくなる。何を怖れていたのかも判別できていないというのに。
彼女の内で頑なに自己を主張していた男としての本能が最大レベルで警鐘を鳴らす。
(やばい…マズイってこれ以上は!やめなきゃ…やめなきゃ…やめなきゃ…)
「っは!…ハァ、ハァ……貴子、俺―――」
その時だ。
ドンドン!と決して控えめとは言えない強さで扉が叩かれる。
流れを断ち切るには最高に最悪なタイミング。
朦朧としながら貴子の身体は無意識に雄二と距離を取っていた。
「っだよ!?チクショウが!」
その反応を一瞬呆けて眺めたのち、忌々しげに扉を睨む雄二。
扉のノックは一定の間隔をおき断続的に続いている。
「き、きっとタマ姉がきてくれたんだって!な?」
あのまま雄二を受け入れていたらどうなっていたか寒気を覚えていた貴子は
渡に舟とばかりに扉の錠を外しに歩み寄った。
足取りも少し覚束無い所を見ると、未だ夢幻からは抜けきってはいない。
貴子が扉に取り付いた時に雄二はハッと時計を確認して蒼白になる。
「待て貴子!!姉貴が来るには早すぎる!!」
ガチンという開錠の音がやけに大きく聞こえた。
(なんでっ、カギはまだ開けて…)
「えっ?な、に……ヒッ……!」
「いよぉ…ルームサービスの時間だぜぇ…」
男達が雪崩れ込んだその部屋は一瞬で魔窟の様相を呈した。
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ 絶不調。こっから長いので悔しいですが線引きます。
∪∪
追伸:ほっそーさん、カッコ良い題名ありがとう。
あと、この先を怖がる人がいそうなので一言。私はハッピーエンド主義者です。
嗚呼!待った甲斐があった!!
GJ
ひきが上手いぜ・・・
358 :
名無しさんだよもん:2005/11/08(火) 00:41:53 ID:byGQIhcfO
あー、また、やられそうな気がする(涙)
気のせいか貴子ってレイプされ率が妙に高いなぁ
誰か助けてやってくれ(涙)
>>355 頼むから、これ以上貴子を泣かせないでつдT)
高いどころか、貴子はレイプ以外が殆どないよ。
同じ傾向にあるのが朱鷺乃さんで、逆が朋美か。
うはー! 携帯でSS確認したんで、叫んじゃったよ。
「内気で男性恐怖症」という反転設定から、安直にそっち系のイメージが湧きやすいって事だろうか。>貴子
もう少しキャラ捻る余地があるかも。
(浩之Side)
「わたし、今日は帰りません」
その貴子ちゃんの言葉を聞いたとき、俺はどきりとした。もちろん、それがどんな意味なのかわからないほど俺は
朴念仁ではない……例え天気がこれで、相手が貴子ちゃんでも。
もちろん、恋人同士なら、いつかは必ず通る道だ。まぁ、俺も男だ。言い訳はしない。早くそうなる事を望んでいたさ。
それでも、相手が貴子ちゃんだから、俺はできるだけ自重してきた。求めれば応じてくれるだろうとは思っていたが、
それはしない事にしていた。彼女の男性恐怖症……俺相手はかなり平気になっていたが……を考えれば、性急な事は出来ない。
一応、俺は念のために尋ねた。
「良いんだね?」
貴子ちゃんは頷いた。その顔には、もう迷いはない。なら、俺が迷っているのは彼女に失礼だろう。
「わかった。……おいで」
俺はそう言って、テーブルの上のロウソクを持った。貴子ちゃんの手を取り、二階の部屋に向かう。
部屋に入ると、俺は机の上にロウソクを置いた。そして、貴子ちゃんと向き合った。そのまま、彼女の腰に手を
回して抱き寄せる。
「あ……ん……」
微かな驚きの声をあげる彼女の唇に、自分のそれを重ねる。これまでも何度かキスはしていたが、ずっと触れる
だけのキスだった。今夜は違う。俺は貴子ちゃんを抱く腕に力を入れて、そっと舌を伸ばして彼女の唇を割った。
「ん……!!」
驚いたのか、貴子ちゃんは身体を硬直させた。俺は構わず、彼女の唇を甘噛みし、舌でくすぐって刺激を与える。
そのうちに、どうしたら良いのか、貴子ちゃんにもわかってきたらしい。俺に応えるようにおずおずとだが、舌を
絡めてきた。ぴちゃ、くちゃという音が暗い部屋に響く。
「んふ……」
しばらくキスを交わしてようやく唇を離すと、俺と貴子ちゃんの口の間に、一瞬銀色の糸がかかり、ぷつんと切れた。
貴子ちゃんの目はとろんとして、今にも膝が崩れそうになっている。俺はそんな彼女を、そっとベッドに座らせた。
「あの、先輩……」
「大丈夫。俺に任せて」
まだちょっと不安そうな貴子ちゃんに、俺は囁くようにして言った。彼女は当然初めてだろうし、言うまでもなく
俺も初めてなので、不安と言えば不安なのだが、男として、先輩として、彼女を怖がらせるわけには行かない。何とか
リードしてあげなくては。
「……はい」
頷く貴子ちゃん。俺を信頼して任せてくれているのだ。愛おしさがこみ上げてきて、俺はもう一度彼女にキスをすると、
ゆっくり貴子ちゃんをベッドに押し倒していった。完全に彼女の体が仰向けになったところでキスを止め、ワイシャツに手を掛ける。
「脱がすよ?」
俺の問いかけに、こくんとうなずく貴子ちゃん。彼女のワイシャツに手をかけ一つ一つボタンを外していく。ロウソクの
光に照らされ、ほんのりオレンジ色に染まった彼女の素肌が露わになって行く。やがて、彼女の胸が露わになった
「先輩、ごめんなさい……」
突然貴子ちゃんが謝ってきた。
「え?」
俺が首を傾げると、彼女はこの暗さの中でもはっきりわかるくらいに、顔を赤くして答えた。
「その……わたし、小さいですから」
ああ、そんな事か、と俺は思った。確かにあかりや志保も胸の大きさの事ではいろいろとこだわってたっけ。
貴子ちゃんの場合は、悠里ちゃんが大きいから気になるんだろうなぁ。
「そんな事謝らなくても良いさ」
俺はそう言うと、彼女の乳房に手を這わせた。
「あっ……」
貴子ちゃんが悲鳴のような声を上げる。結構敏感なんだな。軽く力を入れてみると、ちょうど俺の手のひらに
すっぽり納まるくらいの柔らかなふくらみに指が食い込んだ。
「気にする事は無いよ。まだ育ち盛りなんだから、これからいくらでも大きくなるさ」
そう言いながら、俺は彼女の胸を弄ぶ。手のひらの下で、乳首が硬く突き上げてくるのがわかった。
「それに……俺は貴子ちゃんの胸が好きなんであって、大きさは関係ないよ」
俺のその言葉が聞こえているのかいないのか、貴子ちゃんは俺が胸を揉む手に力を入れるたびに、声を上げそう
になるのを我慢しているらしく、唇を噛んでいる。何も恥ずかしがる事はないのに。
こうなると、意地でも彼女の声を聞きたくなる。俺は彼女の胸を揉みながら、顔や首筋にキスの雨を降らせた。
「可愛いよ、貴子ちゃん。だから、素直に感じて良いんだ。俺は……もっと貴子ちゃんの可愛い声を聞いてみたい」
耳元で囁き、そのまま耳たぶを甘噛みする。
「ひゃあぁん!」
途端に、貴子ちゃんが悲鳴をあげた。どうやら急所だったらしい。俺は調子に乗って、貴子ちゃんの耳を舌で
くすぐったり、息を吹きかけてみたりする。
「ひゃっ……あんっ……せ、先輩……それはダメ、ダメです……ぅっ」
「ん? なにがダメなんだい?」
俺はわざと聞き返しながら、胸にやっていた手を、すっと滑らせた。胸の谷間から、すべすべのお腹を通って、
貴子ちゃんの一番大事な部分を覆う布の上に手を這わせていく。パステルグリーンの、可愛らしいデザインのショーツだ。
軽く指に力を入れると、思ったよりも簡単に、指が布の下の割れ目に食い込んだ。
「あひゃぁっ!」
悲鳴と共に貴子ちゃんの体がびくっと跳ねる。同時に、指先に湿った感触が広がった。
「貴子ちゃん、濡れてるよ」
俺が言うと、貴子ちゃんは手で顔を覆って恥らった。
「やぁっ……言わないでください……恥ずかしいです」
そんな貴子ちゃんの抵抗も、俺に火をつける以外には何の役にも立っていない。俺はショーツの上からスリットを
なぞっていった。
「あうっ! はっ……あんっ……やあっ!」
指が往復するたびに湿り気は増し、くちゅくちゅといういやらしい水音が部屋の中に響いていた。
久方ぶりの登場になります。航海長です。128からの続きになります……
やっぱ私えちぃの書くの苦手だわorz
とりあえず、陵辱されない純愛な貴子に餓えている方の励みになれば。
>>355 おお、続きをお待ちしてました。これからクズどもをちぎっては投げちぎっては投げする
環の勇姿が見られることを期待してます。
では回線吊って首切ってきます。
(;´д`)ハァハァ……ハァハァ……
>>362 それもまた個性の内と捉えれば…キャラ名鑑で「強姦請負人」なんて書ける超個性は他にいないし
キャラの掘り下げならTtTか鎖の方に回してやって下さいな
本人にとっちゃ最悪な個性だな。
鎖をクリアしたので反転してを試みようと思ったけど反転するとかなりおかしくなってくるねコレ。
岸田ムチムチで妖艶なお姉さま
明乃→おっとりした少年
可憐→生意気なお坊ちゃま
珠美→ショタ少年
恵→無口で優等生っぽい少年
ちはや→船の中でも海パン姿
陵辱シーンなんかも反転で考えると年上のお姉さまが年下の少年の童貞を奪う訳で
みさくらの同人っぽいイメージしか沸かないし
志乃にいたっては逆レイプされた裸のおっさんがシャンデリアに吊るされてる姿しか思い浮かばない…
自分の乏しいアイディアだけじゃ無理っぽいんで
このスレのみんなっ、オラに少しだけアイディアを分けてくれっ!!ヽ(;´д`)ノ
>>371 志乃は反転させず、女岸田にレズレイプ(ハード)されたり男明乃との母子相姦を強要されたり…
と楽な方向に走ってみるテスト。
というか凌辱ゲーは普通、全員反転して楽しくはならないw
いや、輪姦ものなら楽しくっつーかエロくなるかも知れんが…
男に強烈な憎悪を持つ岸田お姉さんが男キャラを逆レイプした後のち○こを次々切り落としていく猟奇物
そこで『童貞狩り』を提唱してみる。
突如現れた妖艶熟女岸田によって憎からず思っていた幼馴染の童貞が無残に散らされる様をモニター越しに見せつけられる主人公。
更には最愛の弟が自分を想ってずっと守ってきた童貞までもが、(元)親友のアナルに奪われてしまう・・・
とまあ、こんな感じのをプレイ直後に妄想した。
最近では岸田を反転させずに美少年たちのお尻の処女が狙われるウホッな展開でもいいんじゃないかと思ったが、流石に自重していた。
勢いで書き込んでしまったが、別に反省も後悔もしていない。
童貞が無残に奪われるってのが想像できんw
とりあえず鎖反転名前案
恭介→恭香(いいかげん○子は飽きた。きょうす『け』のか行繋がりで)
明乃→明斗(○男、○人も多いので)
可憐→華麗(ごめ、思い付かない。男で名前負け……ねぇ)
珠美→珠貴(いいとこの坊ちゃんなんで)
恵→渓(めぐみ→けいの繋がり。だって『めぐむ』って多いし……)
ちはや→千早(まんまで良いと思う)
志乃→篠(無理)
友則→友乃(漢字的に寂しいか?)
洋一→洋子(つーか名前で呼ばれるんだろうか)
『様々な危険が伴うミッションをこなす一流のエージェントにとって、正体を隠し、複数の偽名や国籍を持つのはよくある事。
ナンバーワンエージェント――那須牟祢もその一人だった。
「おーい、“宗一”そろそろ飯にするぞー」
「‥‥‥」
「宗一?」
肩を叩かれて初めて私が呼ばれている事に気がつきました。
今の私は那須宗一。ごく普通の男の子。
‥‥という設定です。
別に好き好んでこんな格好しているわけではありません。
私がほんのすこしだけ慎ましい体をしてたばかりにNASTY BOYなんていう失礼なコードネームをつけられて、
しかもパートナーに偽装戸籍の作成を頼んだら嬉々として男性でとってきやがりましたのが始まりです。
一応文句は言いましたが、「どうせカッコだけの戸籍だしネ。NastyBoyが女の子じゃ格好がつかないダロ?へ?学校行く?ま、その胸ならバレないデショ。」
Hahahaha!、とわざと胸を揺らしながら笑って流されました。
‥‥アメリカ産の牛は永久に輸入制限してください。
「ごめんなさい五月。ぼくの事ですね」
「このクラスにお前以外に宗一はいねーよ。若ボケか?それともあれか?ロッテンマイヤー症」
「ぼくはスパルタ家庭教師でも、アルツハイマー症でもありません。ちょっと日本の司法制度の腐敗を憂れんでただけです」
「何だ脳炎か。かわいそうに‥‥ワクチンが足りなかったんだな。
よし、恵まれない国の宗一君のために弁当を恵んでやろう」
私の目の前に弁当をぶら下げられます。
普段ならとても魅力的なのですが‥‥
「ごめんなさい、今日は調子が悪くて食欲がないんです」
「あ?風邪か?流行ってんだなー縁も風邪で休みだろ?」
‥‥まさかタンカー事故の調査してたらヘリを撃ち落とされ、徹夜で泳いでたせいで体調が悪いなんて言えるわけがないです。
私の額に五月の手が触れました。
「って、本当に熱あるぞおい!」
「‥‥だいじょぶです」
「大丈夫じゃねーだろ。ほら保健室行くぞ。背中かしてやるから」
「へ、あ、ちょ、ちょっとっ‥‥」
「なに恥ずかしがってんだよ、きもちわりぃな。」
「は‥‥い」
私は覚悟をきめて背中におぶさった。
広くて暖かい背中。周りの視線が。兄さんみたい。どうしよう。五月なのに。
いろんな気持ちが頭の中でぐりぐりと動き回ってる。
それは多分、私が忘れてたはじめての気持ちでした。
「なあ、」
「なんですか?」
「宗一って女みたいな顔してるけど体重は結構あるんだなー。ぷにぷにしてるし。着痩せするほうなのか?」
‥‥それは女の子ですから。洗濯板でもあるところはあるんです。
それにしてもですね、わたしがそんなに重たいですか五月くん?‥‥うふふふふふー。
「‥‥宗一そんなにくびに力いれるな、きまってるから。マジに。」
騒動もなく保健室にたどりつきました。
「留守みたいですね」
ドアには外出中のプレートがかかっています。
「ちょっと待ってろよ」
そう言うと五月はポケットから二本の棒のようなものを取り出して、熟練の泥棒の様にいとも簡単に保健室の鍵を開けてしまいました。
「今のは‥‥?」
「‥‥まぁ、その、気にすんな。保健医の人には言っとくし、ここでおとなしくて寝てろ」
五月は私をベッドに手早く横たわらせて‥‥』
「‥‥ナァ、牟祢サン。ひょっとして今日はこの話きかせるためによんだノカ?」
「違います、エリー。むしろこれからが私と五月の物語の本編です。その日の夜中に私が日課のランニングを‥‥」
薄く頬をそめながらを身振り手振りくわえながら楽しそうに話をする牟祢。
そこにさめた顔で淡々とミッションをこなすいつもの面影はなくて、ただの女の子の顔。
(マァ、今日は黙って聞いてやるかネー)
今日も世界はそれなりに平和でした。
なぜかこのタイミングで反転ルーツオチなしです。
どうでもいいですが、反転隊長はシーマ様のイメージが
うん、こういうほのぼのしたのも必要だよね。
牟祢がほんわかとのろけているのが可愛い。
あと、反転隊長はシーマ様のイメージが
僕は湯船の中でタカちゃんが入ってくるのを待っていた。
あの後僕は半ば強引にタカちゃんと一緒にお風呂に入る約束を取り付けた。
タカちゃんは混乱してた上僕の勢いに押されて首を縦に振ってしまったっていう感じだったけど、約束は約束だ。
タカちゃんがどんな形であれ一度交わした約束を破れない性分なのは僕が一番よく知ってる。
それを知っててあんな約束をしたずるい僕。僕はいつからこんなに嫌な奴になっちゃったんだろう…。
タカちゃんに嫌われるかもしれない。それでも僕は、今日でタカちゃんと姉弟みたいな関係を終わらせるって決めた。
このまま曖昧な関係を続けていったら僕は一生タカちゃんの弟で終わってしまう気がする。
もしかしたら僕のやり方は間違ってるかもしれない。タカちゃんを傷つけてしまうかもしれない。
でも僕はこんなやり方しか知らない。
タカちゃん、ごめんなさい。好きになって。
「こ、好巳…?」
脱衣所からタカちゃんの小さな声が聞こえる。
薄いガラスにタカちゃんのシルエットが映る。
薄っすらと映る肌色と女性らしい柔らかな線。それだけで僕の心臓が馬鹿みたいに速く鳴る。
「ほ、本当に一緒に入るの…?」
タカちゃんの声が少し震えてるみたいだった。
僕の心が少しだけ揺れる。でもそれ以上に少し怯えたようなタカちゃんの声は、僕の男としての欲望に火を点けた。
「タカちゃんが先に言ったんだよ? 僕に一緒にお風呂に入ろうって」
「あ、あれは冗談で…!」
「タカちゃんが冗談でも、僕は本気だった」
僕の言葉にタカちゃんが黙る。そして代わりにカチャリと小さな音を立てて浴室のドアが開く。
開いたドアの隙間からおずおずとタカちゃんが浴室へと入ってくる。
タカちゃんはタオルで体を隠していたけど、タオルの上からでも体のラインははっきりと分かる。
タカちゃん、凄くいやらしい。タオルで隠してても、僕の想像よりずっと、タカちゃんの体はエッチだった。
「好巳…あんまり見ないで……」
タカちゃんの顔が真っ赤に染まってる。
恥ずかしくて仕方ないのか、ちょっと涙目になってる気すらする。
でもそんなタカちゃんが可愛くて、そしていやらしくて、僕はどうしようもなくなる。
「タカちゃん、タオル取らないとお風呂に入れないよ?」
「だ、だって好巳が見てるのに…」
「じゃあ、僕は目を瞑ってるから」
そう言って僕は目を瞑ってみせた。
視界が真っ暗になってタカちゃんが何をやってるか分からなくなったけど、
ぱしゃりとお湯が跳ねる音でタカちゃんが湯船に入ってきたのが分かる。
「タカちゃん、もう目、開けていい?」
「―……」
タカちゃんは何も言わない。でも僕はそれを肯定と受け取って目を開ける。
目の前には僕に背中を向けて小さくなってるタカちゃんがいた。
もうタオルも着けていない。
「タカちゃん…」
僕が呼んでもタカちゃんは振り返らない。
いつもは僕にお姉さんみたいに接してくれるのに、今は耳まで真っ赤にしてるタカちゃんが本当に可愛くて仕方なかった。
「ひゃっ!」
僕が後から抱きついたらタカちゃんが小さく悲鳴を上げる。
「ここここ好巳!?」
「タカちゃんの体、こんなに小さかったんだ…」
タカちゃんの体は僕の予想以上に小さかった。
元々タカちゃんは女の子の中でも小柄な方だけど、男の中でも特に小さい僕の腕の中にもすっぽり収まる。
「タカちゃん、可愛い…」
僕は思ったことをそのまま口にした。
できることならこのままタカちゃんにキスとかその先のことまでしたくてたまらない。
「好巳…恥ずかしいよぉ…」
「恥ずかしい? 僕は妹みたいなのに?」
主導権は完全に僕が握っていた。
いつもはお姉さんみたいなタカちゃんも、今だけはその余裕がない。
そんなタカちゃんを見ると、いつもの仕返しをしたくなる。
「知らなかった、タカちゃんがこんなにエッチな体してるなんて」
「エ、エッチじゃないもん…」
「エッチだよ。タカちゃんの体、凄くエッチだもん」
「こ、好巳の意地悪…」
猫に追い詰められた鼠みたいに、涙目でこっちを睨んでくるタカちゃん。
密着した体から、タカちゃんの鼓動の速さが伝わってきた。
「タカちゃん、ドキドキしてるね…」
「好巳だってドキドキしてる…」
「うん、僕ずっとドキドキしてたんだよ。タカちゃんといる間中ずっと。知らなかったでしょ?」
「え…?」
タカちゃんが驚いたようにこっちを見る。
タカちゃんがこっちに顔を向けた瞬間に僕はちゅっとタカちゃんの唇に自分のを重ねた。
「〜〜〜ッ、好巳!?」
「えへへ、タカちゃんのファーストキス貰っちゃった」
顔を真っ赤にして叫ぶタカちゃん。その体をもう一度抱きしめる。
「僕ね、タカちゃんのことずっと好きだったんだよ。ずっと、一人の女の子として見てた。
いやらしいこともいっぱい考えた。僕はタカちゃんが思ってるような可愛い弟じゃないんだよ?」
僕はついに言った。でももう後悔はない。
これでタカちゃんに拒絶されても、嫌われるかもしれないって怯えてるよりずっといい。
でも、そんな僕に返ってきた反応は意外なものだった。
「好巳…」
タカちゃんの手がおずおずと僕の背中へ伸びてくる。
「今の言葉…本当なの?」
「え…?」
タカちゃんのその反応はあまりに予想外だった。
「好巳は…本当に私のこと、好きなの…?」
僕の背中に回されたタカちゃんの手が震えてる。
「タカちゃん…?」
「好巳…」
きゅっと抱きついて、僕の胸に顔を埋めてくるタカちゃん。
「タ、タカちゃん!?」
「わ、私だってずっとドキドキしてた…」
「え…?」
タカちゃんの言葉に、僕の心臓が止まりそうになった。
「タカ、ちゃん…?」
「前に、好巳の部屋でエッチな本見つけてからずっと、私だってドキドキしてたもん…」
「タ、タカちゃん…それって……」
タカちゃんの言葉、嘘みたいだった。
幾ら僕が鈍感でも、タカちゃんのこの言葉の意味が分からないほど馬鹿じゃない。
「好巳の部屋でエッチな本見つけて…好巳も一人の男の子なんだなって思った時からずっとドキドキしてた…。
でも、好巳が私のことお姉さんだとしか思ってないって知ってたから、
だから私も頑張ってこのまま好巳のお姉さんのままでいようって、ずっと思ってたのに…」
「タカちゃん…」
僕はそのままタカちゃんの体をギュっと抱きしめた。
「タカちゃん、今の言葉、嘘じゃないんだよね?」
「す、好きでもない男の子と一緒にお風呂になんて入らないもん…」
どうしよう。嬉しくてたまらない。嬉しくて幸せで、僕はこれが夢なんじゃないかと思った。
「…タカちゃん、そのさ」
でも僕はどうしても聞きたいことがあった。だからタカちゃんを抱きしめたまま問う。
「よっちのことはどう思ってるの? どうしてあの時よっちのこと断らなかったの?」
これはどうしても聞いておかなきゃいけないことだ。
曖昧なままにしておいたら、僕もよっちもタカちゃんも傷つくようなことになりそうな気がするから。
「それは…吉岡君は好巳と仲が良かったから…。吉岡君のこと傷つけたら好巳に嫌われるかもって思って…。
だからどうしたらいいか分からなかったの…」
「そっか…」
何だか安心した。
タカちゃんも僕と同じで、嫌われるのが怖くて一歩を踏み出せずにいた。
僕達は臆病で、そして不器用だった。
もしかしたらよっちはこの事に気付いていたのかもしれない。
だからこうして僕に一歩を踏み出す勇気をくれたのかもしれない。
なのに一瞬でもよっちとタカちゃんを疑った自分を、僕は恥じた。
「タカちゃん、こっち向いて。僕、タカちゃんの体もっと見たいよ」
「む、無理…。今でも恥ずかしくて仕方ないのに…」
タカちゃんはそう言うともう逃げ場所がないのにさらにお風呂の端へと移動してしまった。
僕はそれがちょっと面白くない。
「む〜、タカちゃんがそのつもりなら…悪戯しちゃうからね」
そう言って僕は後ろからタカちゃんのおっぱいを鷲掴みにした。
「きゃうッ! こ、好巳…!」
「タカちゃんが悪いんだからね!」
そのまま手を動かしてふにふにとタカちゃんのおっぱいの柔らかさを堪能する。
「んッ…んぅッ!」
「タカちゃん…」
タカちゃんのおっぱいは凄く柔らかくて、揉んでるだけで凄く興奮した。
僕が指をちょっと動かすだけでふにゅりと形を変えて吸い付いてくる。
鼓動が逸る。呼吸が荒くなる。タカちゃんの喘ぎを殺した声もいやらしく浴室に響いていた。
「タカちゃん…」
僕がタカちゃんの下半身へと手を伸ばそうとした瞬間だった。
「わ、私もう上がるから!」
「わ…!」
タカちゃんがいきなり立ち上がった。
「タ、タカちゃん〜?」
タカちゃんはそのまま湯船から出てしまう。
やっぱりタカちゃんは酷い人だと思う。こんな状態の僕を置き去りにするなんて。
「タ、タカちゃん…僕のこと嫌いになったの…?」
悪戯したのを怒ったのかな? いきなりエッチなことしたから嫌になっちゃったのかな?
僕はそんな不安でいっぱいになる。
けど、タカちゃんはそれを察したのか、僕の方に振り返るとちゅっとまた唇を軽く重ねてきた。
「お、お風呂は明るくて恥ずかしいから…続きはベッドで、ね…」
そう言った後タカちゃんの顔が真っ赤に染まる。そしてそのまま恥ずかしさから逃げるように浴室を出て行ってしまった。
「…やっぱりタカちゃんには敵わないかも」
僕の胸は、告白した時よりずっとドキドキしていた。
やぁスマナイ。実はあの話、続きを考えていなかったんだ。
だから期待に添えたかは分からないが一応書いてみた。
元々反転よっちとちゃるを書いた話だったのに二人がさっぱりいなくなってしまった…。
続きはお姉さん×ショタと若さ溢れる好巳君の下克上のどちらにしようかね…。
>>295 今
>>296がいいこと言った!
いいこと思いついた、お前、俺のケryおおっと違った、よっちルートは任せた、相棒。
その妄想を捨てるにはあまりに惜しすぎる。
どうだい、ここいらで一発君の妄想を形にしてみないかい?
機会があれば自分でもまた全然違う話でよっちルートでも考えてみるか…。
>>381 そのままバカップルルートを妄想して悶え死んだ
>>388 GJだ、この野郎
待ちわびたぜ、この神様め
思わず悶え死ぬかと思ったぞ
と言うことで個人的に好巳くんの下克上を希望
391 :
名無しさんだよもん:2005/11/13(日) 00:35:53 ID:P61c5d+J0
現存する全ての反転タマ姉に悉く不快感を覚えるのは私が下種野郎だからでしょうか
現存する全ての反転貴明に悉く嗜虐心を覚えるのは私が下種野郎だからでしょうか
せっかくですから、そうだ、と肯定しておこうと思います。無責任に。
>>391 また来たのか。
ここで単純な個人の嗜好でのヘイト書き込みしてる時点であなたは間違いなく下種野郎だ。自信を持っていい。
それがわかったらもうこのスレを汚さないでくれ。
>>388 GJ! 超GJ!
2週間ほど待った甲斐がありました。後生ですから続きを……
で、せっかく「復讐」と銘打ってるんだから、好巳には攻勢に出て欲しいですね。
第2回戦があるのなら、逆襲されて欲しい、とも思ってますがw
>>393 個人の嗜好意見を口にしちゃいかんのか?
お前さんは余程反転環をけなされるのが嫌いらしいが、それこそお前個人の嗜好によるヘイト意見とやらじゃないのか?
ここ最近少なくなったが、kanonネタが出る度に叩きがあったことは個人ではなく集団だからオッケーってことか?
少数ならダメで大勢ならいいというのは余りにも暴論だと思うが。
まぁ勿論オレだってアンチ意見ってのがふいんきを悪くするってことくらいは知ってるし、心の中に留めて置けばと思うことは多々あるが。
因みにオレもあまり単純反転環ってのは好きなほうではない、という立場からの意見だから殆ど説得力は無いが。
しかしまぁ、 下衆野郎の相手をするのも下衆野郎。
>391や或いはオレと同様にスレを汚してるのはおまえさん自身でもある。
所謂荒らしの相手をするのも荒らしってヤツ。
コレだけは間違いなく言える。
お互いあまりアンチ意見に過敏にならない方がいいと思うけどね。オレはガキだから無理だったw
という訳で
朱鷺乃さんまだー?
>>395 えーと、お前は「朋美マジうぜー」とか「反転名雪気にいらねえ」とかそういった個人の嗜好でのアンチレスでスレが溢れても構わんとでも思っているわけではないよな?
一連のKANONネタの作者に対する意見は「他作品のキャラの名前だけ書き換えたの連投するのはよくない」とか「いっそトリップ付けたら?」とかの批評や意見が主流だった気がする。便乗荒らしとか反射でKANONうぜーと騒ぐ厨も出てたと思うが。
アンチ意見が雰囲気を悪くするって分かっているのなら、荒らしを擁護する意見は書き込まない方がいいと思う。
>>376 確かに想像出来んw
ショタっ子が逆レイプされるとかなら無残と形容できそうだけど。
>アンチレスでスレが溢れて〜
勿論そんなコトは思っていません。
>一連のKANONネタ〜批評や意見が主流だった〜
それは明らかに美化してるだろ。(同一人物と思われる)kanonネタが出た直後からの数レスはほぼ大抵KANONうぜーと騒ぐヤシらだったとオレは記憶する。
>荒らしを擁護する〜
コレに関しては395でも言った様に俺自身があまり反転環が好きでないという立場でしかみれないので何ともいえないが、>391が荒らしという程のレベルとはとても思えない。
だからという訳でも無いけど、特別擁護するつもりでレスした訳ではない。
(しかし根本的な部分でオレと391は違うと思う)
まぁ余計なコト突っ込んでゴメンなさい。消えます。
>>383-387 続きキタ━━(━(━(-( ( (゚∀゚) ) )-)━)━) ━━ !!!!!
皆、21歳以上なんだから、一応、建前上は大人なんだからさ。
嫌なコトがあったらスルーしようよ。
俺は朱鷺乃さんまだかなーと思いつつも、大人しく待ってるよ。
今気づいたけど、葱板にも反転スレ立ってたんだな。
反転鎖を五分で書いてみた。今は猛省している。
恭香「岸田さんは男を憎んでるって言ってますけど、具体的にどうやって復讐するんですかー?」
岸田「もちろんエロエロよー!」
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥翌日
恭香「‥‥ってどういう意味?」
カレン「だ、誰からそんな話をっ‥‥!」
岸田(・∀・)ニヤニヤ
鎖のヒロインを反転キャラと交換したら誰が誰に当たるかね?
倉はメインが春原いじりだからなかなかエロくできんね。
それが面白いだけに他のパターンも出にくいし。
一度は春原の逆襲と称して毎日のようにイカされまくる朋美が見たいよー!
……性格的に無理だな。
ああ、性格的に無理だ。
むしろ搾り取られてミイラになる春原しか思い浮かばない
横でタバコ吸いながらつやつやしてる朋美とか
何その百戦錬磨風な朋美w
>>403 明乃→ゆう
可憐→さつき
珠美→ひろみ
恵 →亮子
ちはや→貴子
志乃→はじめ
・・・うーん、無理ありすぎ。
春原は根本的にMだから朋美さまに調教してもらうのが一番だよ。
しかし、何でこうも朋美は強いんだろう?
気のせいか、反転キャラ最強ではなかろうかという気がするんだが
>>407 アナルにバイブ入れたままオナニーさせて、出した精液を口移しで飲ませるとか?
首輪とリードをつけて近所のコンビニへ買物、犬は入れないって言って近くの電柱に繋いで自分は立ち読みするとか?
冬に寒くてトイレ行くのが面倒だから全部飲ませたりとか?
うーん、春原……哀れ。
>>408 春原が弱すぎるから朋美が強く見えているだけかも知れない。
まて、ここを何処だと思ってるんだ反転スレだろ
春原が陽平だけだと誰が決めた!!
陽子タンで考えるんだそしたら道は開ける
陽平陽子二人並べて飼えばいいじゃない
>>404 こんな感じ?
「ああんっ! イイっ、春原あっ! イッちゃうっ、私イッちゃううっ!」
「ははっ、岡崎もずいぶん淫乱になっちゃったねっ――っと」
「あっ……な、なんで止めちゃうのよ……?」
「このままイカせちゃうのもつまんないからね。ちゃんとおねだりできたら続きをしてやるよ」
「……よ、陽平ので、私をイカせてください……お願いっ! お願いだから、早くっ――はうっ! あああっ!」
「よくできました。可愛いよ朋美……くっ、僕ももう出そうだ。朋美、どこに欲しい?」
「あんっ! なっ、膣にっ! 膣に出してえっ!」
「じゃ、ご期待どおりに、たっぷり中出ししてやるよっ! 孕んじゃっても僕は知らないよ……っ、出るっ!」
「あああああっ! 陽平っ! イクっ、イクううううっ!」
キャラが違ってるなwwwテラアリエナサスwwwww
>>413 確かに春原にゃ悪いがそのキャラはありえねぇなw
というわけで、二人仲良く芽衣也のペットになってる朋美と陽子とかどうか。
>>413 確かに。むしろ逆だな。
「く…!岡崎ぃっ!」
「んっ…情けないわね春原ぁ…早い男は嫌われるわよっ…」
「あっ、押さえ付けるなよっ…」
「駄目よ春原…口で言ってくれないとイカせてあげないから…」
「そ…そんなっ…」
「嫌なの…?別に私はこのままでも充分イイのよ?春原が苦しそうな顔してるだけで満足なんだから…」
「ひぃぃっ!やめてっ…岡崎様っ…お願い…頼むからっ…イカせてよ…っ!」
「いい子ね…最高よ春原…ほら…イッちゃいなさい…それっ!」
「あっ…?出ちゃうっ…!うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
最初、朋美と陽子でやろうとしたけど無理だった…。
何でだろう。
>413
春原の妄想っぽいかも
朋美が寝転んで雑誌か何かを読みながらいう台詞で途中からおかしくなる感じのやつ
「くっ、僕ももう出そうだ。朋美、どこに欲しい?」
「玄関の外に出して」
「じゃ、ご期待どおりに、たっぷり玄関の外に出してやるよっ!」
・・・・・
「・・・って、それじゃ僕変態ですよねぇ!!」
「いや、あんた今現在も十分に変態だから」
投下します。反転環、反転貴明が苦手な人はNGワードに「罪」「罰」でアボンして下さい。
「あの…本当にこんな所で先生がいるんですか?」
「本当だって。大事になるといけないからって先生があえてこういう所を選んだんだよ。所謂密談ってやつ?
河野さんも親友や向坂の無実を証明してやりたいだろう?」
「―……」
タマ兄と悠里が先生に連れて行かれてからすぐ、
この人たちは先生が私にも事情を聞きたいたいから連れてこいって言っていたと私の元へ来た。
その場に居合わせた人間に証言を取りたいからとか、そんな事を言っていた。
隣で歩くへらへらと笑う、知らない男の人が馴れ馴れしく肩に手を置く。
どうしよう。気持ち悪い。怖い。
体が震える。でもそれを強引に抑え込む。
今度は私がタマ兄と悠里を守らなくちゃ。
やっぱり先生にちゃんと話して、タマ兄や悠里は無関係だって。
これ以上二人に迷惑かけられないもの。
いつまでも守られてるだけの弱い自分じゃいたくない。
「さ、この教室だぜ。先生が待ってるのは」
案内されたのは普段あまり使われない教室棟にある一室だった。
物置に使われているような空き教室も沢山ある。
本当にこんな所に先生がいるの?
「失礼します…」
そっとドアを開けて教室の中へ入る。
「―…え……?」
中には誰もいなかった。先生もタマ兄も悠里も、誰一人としてどこにもいない。
――ガシャン!
突然教室のドアが大きな音を立てて閉められた。
驚いて振り返ればさっきの男の人たちがニヤニヤしながらこちらを見ていた。
私を見る、舐めるような視線。
怖い。体がそう訴えた。
「あ、あの…」
「アンタほんとに馬鹿だねぇ。先生がこんなとこいるはずねえだろ」
「え…?」
どういうこと…?
「ぜーんぶ嘘に決まってんだろ。ハハッ、向坂の奴なら今頃職員室にでも行ってるんじゃねえの?
残念だけど王子様の助けは期待できそうもないぜ、お姫様?」
「な、に…?」
この人たちは何を言ってるの? 全部嘘…?
じゃあ何のために……。
「しっかしまぁ流石は向坂の女。なかなかの上玉じゃねーの? ガバガバマンコでもそれなりに楽しめそうだぜ」
「怯えちゃって可愛いなぁ、ほんと。俺、こういう女大好き」
「向坂の奴、どんな顔すんだろうな?
自分がお姫様庇ってる間にその隙をついてそこら辺の野郎に自分の女犯されるなんて笑い話もいいとこじゃねえの?」
「噂は聞いてるぜー、貴子ちゃん? 君、すっごい男好きなんだって?
ハハッ、なら俺たちのザーメンも飲ましてやるよ、たっぷりとな」
「い、嫌…来ないで! 来ないでぇッ!」
ニヤニヤと笑いながら近づいてくる男の人。
逃げなきゃ、と思うのに体が動かない。脚が震えて動けない。
前と同じ。頭の中で、あの時のことが生々しく蘇る。
前と違う人だけど、前もこんな風に笑いながらあの人たちは…。
「お願い、来ないでぇ!」
「そりゃ無茶な注文だぜ、貴子ちゃん? 大体お前もう処女じゃねーんだろ?
数人の男と乱交して、向坂とも毎日お楽しみだって話じゃねえか。なあ、どうやって向坂悦ばしてんだか、俺たちにも教えてくれよ?」
「ち、違う! 私、そんな…!」
「残念だけどここで叫んでも誰も来てくれないぜー?
恨むんなら向坂の奴と騙されてのこのこついてきた自分の馬鹿さ加減にしてくれよなぁ?」
「ははッ、あのすかした向坂の奴がどんな顔するか見物だぜ。優等生が自分の女、不良に寝取られるんだからなぁ」
怖い。
怖いよ、タマ兄。お願い、助けて。
「さーて、向坂の女がどんな体してるかじっくり見させてもらいますか、と」
「い、嫌! やめて! 離してぇ!」
「ハッハハ、泣いちゃって可愛いなぁ、貴子ちゃんは。さて、まずはおっぱいから拝ませてもらいますか。
貴子ちゃんのこの大きなおっぱいは向坂に揉んで大きくしてもらったのかな〜?」
「ギャハハ、お前、おやじくさッ!」
「うっせ!」
体の自由を奪われたままスルリと制服のリボンが抜かれる。そのままバッと制服の前を開かれた。
「嫌ぁ! み、見ないでぇ! お願い、見ないでぇ!」
「まだブラジャーも取ってないよ〜、貴子ちゃん? お楽しみはこれからでしょ?」
「しっかしほんとエロい体してんなぁ、この子。顔は中学生みたいなのによ。向坂もやっぱり男なんだなー。優等生も実はおっぱい星人ってか」
「は〜い、それじゃ貴子ちゃんのおっぱいご開帳〜」
「あ…ッ!」
手足の自由を奪われたままブラのホックはあっさりと外された。
私、見られてる。全部。恥ずかしい場所、全部。
あの時みたいに。
「い、嫌ぁ…。見ないで…。見ないでよぉ……」
「流石は向坂の女。いい体してんなぁ。形もきれーだし、色も白いし。本気エロイぜ」
「なあなあ、触っていいだろ、もう? ほんとたまんねえぜ」
一人の男が無遠慮に手を伸ばしてくる。
やめて。触らないで。
「や…ッ!」
「おーすっげー柔らけー。やっぱ巨乳最高! 何か餅みたいだぜー。パイズリとかさせてぇな。
くっそ、向坂の奴羨ましいな、こんないいもん独り占めして。貴子ちゃ〜ん? おっぱい感じる? 乳首綺麗なピンク色で可愛いねぇ」
「おい、とっとと変われよ! 俺だって最近溜まってんだよ!」
「いや、もうちょい待てって。順番だろ、順番」
ゲラゲラと笑う声だけが大きく聞こえる。
気持ち悪い。乱暴に揉まれる胸から痛みが駆け抜ける。
「やめて! もうやめてよぉ…!」
「いまさら純情ぶってんじゃねーよ、淫乱女のくせに。男は向坂だけじゃねえって丁寧に教えてやってんだろ? 感謝してもらいたいくらいだぜ」
「さーて、じゃあ俺は貴子ちゃんのオマンコ拝ましてもらおうかな、っと」
「や、嫌…! お願い、それだけは…!」
「んー? 聞こえないよ、貴子ちゃ〜ん?」
「ヒッ…!」
スカートを一気に捲り上げられて、私の下半身が露となる。
下着の上から指があそこに触れてきては、つんつんと入り口を軽く押す。
「やめてやめてやめてぇ! お願い、許して!」
「あー、うるせーな。誰か黙らせろよ」
「はいはーい。じゃ俺、フェラしてもらおっと」
カチャカチャとベルトの音が鳴って、そこからゆっくりとグロテスクな物が顔を出す。
それを目の前に突きつけられた。
「さて、これ舐めてもらおうか?」
「そ、そんな…できな……」
「できなくてもやるんだよ、ああん? 今すぐマンコにぶち込まれたくねえだろ!?」
「嫌、やだぁ! 助けて、好巳! タマ兄ぃッ!」
「ハハッ、ざーんねーん。王子様は……」
「貴子ッ!」
私が叫んだ時、ガシャリと大きな音が鳴って教室の戸が開いた。
「貴子ッ!」
俺は扉を力任せに開けたと同時に叫んだ。
教室の外まで響いていた女の声。それは紛れもなく貴子のものだ。
「ああん、何だぁ!?」
「誰だ、てめえ!?」
貴子を囲んでいた男が一斉にこちらを振り返る。数人の男の中心にいる少女は紛れも無く貴子だ。
涙で汚れた顔。顕となった肌。
その姿を見た瞬間頭に一気に血が上った。
「てめえら、ふざけんな…!」
「おおっと、あぶねえ」
俺の渾身の一撃はいとも容易く男の掌に収まった。
女の体じゃあ威力もスピードも元の体とは全然違う。
「離せ! 離せよ!?」
「こりゃまた威勢のいい女が出てきたじゃねえか、ああん? 貴子ちゃんのお友達ってか。いい友情だねぇ」
「どうせだったらてめえも仲良く犯されるかあ? お友達と一緒だったら怖くねえだろ? ハハッ、俺たちってば優しいねえ!」
ギャハハっと下品に笑う男達。
何でだ。何でこの体はこんなにも力がねえんだ。貴子が目の前で好き勝手やられてるのに何で何もできねえんだ…!
悔しい。力が無いのが。無力なこの体が。女の体ってのはどうしてこうも無力なんだよ!
「お願い、悠里に乱暴は止めて! 私なら何でもするから…だから悠里を放して!」
「カーッ、ほんと健気だねぇ、貴子ちゃん。お友達の為なら自分の身はどうなっても構いませんってかー。
なら、お望み通り犯してやろうじゃねーの。もう抵抗すんじゃねえぞ、何でもするって言ったんだからな」
「やめろ、貴子! 早まった真似すんじゃねえ! そんなことして俺が喜ぶとでも思ったのかよ!?」
「ごめんね、悠里…。悠里なら怒るって思ったけど…でも、悠里が傷つくよりずっといい」
「この、馬鹿…!」
ああ何でこういう嫌なとこまで貴明に似てるんだよ、この娘は!
これじゃあ俺がきたことで泥沼化しただけじゃねえか!
どうすればいい。どうすればこの状況を抜け出せる!?
「お、おい、この女悠里って言ったか?」
「ああん、だとしたら何だよ?」
数人の内の一人が何やら不振な態度で喋りだす。
「やべえよ、悠里っつったら向坂の妹じゃん」
「何だよ、いまさら怖気づいたのかよ。向坂の妹だったら好都合じゃねえか。妹と自分の女、両方強姦されたなんて喜劇もいいとこだろ?」
「ちげーよ。怖えのは向坂の奴じゃねえよ。そっちの女の親は今いねえからともかく、
向坂の妹をマワしたのがこいつの親にバレてみろ!? 俺たちだってタダじゃすまねえよ…」
「そういや、河野はともかく向坂の妹は向坂の妹だってだけで先公から贔屓されてるって噂もあるよな…」
「だからって現場押さえられてんのにこのまま逃がせってのかよ!? 口封じの為にもヤっとくべきだろ!?」
「でも本気で訴えられたらヤバイだろ!? こいつ、仮にもあの向坂家の女なんだぜ!? バレた時そこらの女とはわけが違うよ…」
何やら男達は口論をし始めた。
俺は生まれて初めてこの向坂の名前の有り難味を思い知ったね。
今までは向坂ってだけで色眼鏡で見られるは色々言われるはで堅苦しいだけだったが今だけこのネームバリューに感謝しとくぜ。
男達は口論に白熱し、こちらへの注意が散漫になっている。
この機会を逃す手はない。
「いい加減お前ら腹くくり…ガッ!」
俺は口論を始めた男達の不意を突くと、渾身の力で体当たりをした。
こちらに注意が向いていなかった男は俺の不意打ちに前倒しに倒れる。
「な…ッ!?」
隙は一瞬でいい。
思わぬ事態にうろたえた別の男の股間を俺は思い切り蹴り上げ、そのスピードを殺さぬままもう一人の男に肘を叩き入れる。
「ぐ…ッ!」
「ガハッ!」
たじろぐ残りの男に脚払いをして、俺は貴子の手を取って教室を駆け出した。
「貴子、走れ!」
「悠里…!」
女の力とはいえ、瞬間的に男の体の自由を奪うことはできる。
女だとなめてかかったからこそ生まれる隙と油断。それを利用しない手はない。
一瞬でも隙があれば逃げ出すには十分だ。
「後、振り返るなよ!」
もしかしたら怖くて振り返れなかっただけかもしれない。
今の俺は無力だ。彼女を守るどころか、何もできやしない。
さっきの一件でそれを嫌というほど思い知った。情けなくて泣きそうになる。
でも、俺の手を力強く握り返してくる貴子の手だけは守りたいと思った。
だから息が切れても我武者羅に走り続けた。
普段使われない非常階段を駆け下りて、ちょうど使われていなかったグラウンドを突っ切った。
もうどれくらい走ったかなんて分からなかったけど、とにかく走り続けた。
授業中の静まり返った廊下を駆け抜けて、教室の近くの女子トイレの個室で息をついたときにはお互いにもう話せるような状態じゃなかった。
ゼハーゼハーと苦しい呼吸だけが誰もいないトイレに響く。
「す、すまねえ…こんな場所で」
何とか呼吸を整えながらも貴子にそう告げる。
貴子はまだ息が苦しいのか、首をぶんぶんと横に振るだけで何も答えない。
「わ、悪ぃな…こんな守り方しかでき、なくて……」
情けねえ。守るって誓ったのに逃げ出すことしかできなかったなんて。
しかも今回はたまたま運が良かっただけで、下手したら俺も貴子も二人揃って犯されてたかもしれねえ。
それも貴子が俺を庇って犠牲になる、そんな最悪な形でよ!
くそ…情けなさすぎて本気で泣けてくるぜ…!
「悠里…」
貴子がそっと俺に腕を伸ばしてくる。そうして優しく俺の体を抱きしめた。
「ごめんね…ごめんね…。怖かったよね…。でも、ありがとう…。もう泣いても、いいんだよ?」
「ッ……」
やべえ、本気で泣けてきた。けど泣いたりしねえ。
たぶん貴子は俺が思ってるよりずっと強い。泣いてるだけの女じゃない。
でも、今一番泣きたいのは、他でもねえ貴子だ。
「貴子…」
今度は俺が力強く貴子の体を抱きしめ返した。
「…泣いてもいいんだぞ」
「や、やだな、何言ってるの。私は平気。それより…」
「強がるな」
貴子の言葉を遮って俺は言う。
「ここには俺しかいねえから。だから強がるな。全部、受け止めてやるから」
「あ…私…私……」
貴子の声が震える。俺を抱きしめる腕に力が篭った。
「怖い思いさせてごめんな。…よく、頑張ったな」
「う…あ…あ……うああああッ!」
そのまま貴子は俺の腕の中で泣き崩れた。
癒されかけてた傷を抉られ、さらに傷つけられ、また身も心もボロボロにされる。
貴子はこんなことを何度も繰り返さなきゃならねえのか?
そんなの納得できるはずねえだろ! 許せるはずねえ!
何で俺の体はこんなにも力がない!? どうして彼女を守るだけの力がねえ!?
こんなにも己の無力さを悔いたのは初めてかもしれねえ。
そしてこんなにも強くなりたいと思ったのも。
強く、ありたい。貴子のために強くなりたい。俺は生まれて初めて祈るみたいにそんなことを祈った。
貴子の慟哭は授業終了のチャイムが鳴るまで続いていた。
「もう、落ち着いたか?」
「うん、ごめんね…。また、迷惑かけちゃったね…」
「いや、俺の方こそ…守るって言ったのにあんな…」
その後お互い言葉が続かなかった。
あんな体験をした直後のせいか、どんな言葉をかけたらいいか分からない。
「もっと…強くなりたいな……」
「え…?」
ふと口をついて出たような貴子の呟きを俺は問い返す。
「私…何もできない自分が嫌になる…。泣いてばかりで、迷惑ばっかりかけて…。こんな弱い自分が嫌。もっと、強くなりたい」
「貴子…」
心に受けた傷は大きいだろう。それでも彼女は一人でまた懸命に立ち上がろうとしている。
悲観するわけでなく、ましてや絶望するわけでもない。俺は彼女のそんな強さが少し羨ましかった。
「俺も…強くなりたい」
貴子の手にそっと自分の手を重ねる。
「…一緒に、強くなろう?」
「うん…」
それは誓いだった。二人の秘密の誓い。
「雄二って…やっぱり悠里とは違って男の人なんだね……」
「ん?」
「さっき助けてくれた時、そう思った。悠里は私を元気付けてくれるけど、あんなことは絶対にしなかったから。かっこよかったよ。ありがとう」
「―…はは、ありがと、な…」
やべ、こんな真正面からそういうこと言われると流石に照れる。
自分ではかっこつかなかったつもりなんだが。
俺は顔の火照りを冷まそうと、貴子から顔を逸らした。
「―…そのさ」
「うん?」
「俺が、怖いか…?」
貴子が俺を男として認識するということは、彼女の触れてはならない場所に踏み込むようなものだ。
貴子が望むなら俺は、以前のように同性の親友に戻ったって構わない。
「ううん、怖くないよ。雄二は…強引なことしたりしないから」
触れた手は離れない。それは彼女が俺に心を許してくれている証拠だと思っていいんだろうか?
「あの…今日のことはタマ兄や好巳には言わないでね。余計な心配かけさせたくないから」
「ああ…分かった」
その日、俺は貴子と二つの秘密を持った。
誰にも言えない秘密の片方は、今でも俺を支えている。
あともう一回雄二貴子編でその後貴明悠里編の予定です。
>>416 春原には悪いけどこっちの方がしっくりくるw
朋美が強い方が安定してそうだ。朋美と春原のコンビは和むなぁ。
貴子キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
>>427 とりあえず、こっちの貴子は無事なようだ。
よかったあ(;´Д⊂)
秘密にしたらまた同じ目に合うかも知れないのに?
(詳細は伏せ)タマ兄に話して犯人を握りつぶすのが最も効果的な対策だと思うんだけどねぇ
そう思うのはあくまで男としての意見なのかも。
レイプにあった女の人の大半は泣き寝入りするって聞くし。
良く解らん。
そうだな…自分が掘られたときのこと考えてみると近いかもしれないよ?
うわあ嫌だ。
自分が掘られたなんて事実を他人に知られる事自体がすごく嫌。
身内とかなら余計嫌だ一生『アイツは掘られた』って思われるって事じゃないかあ。
過去にムリヤリ掘られたってコトをカミングアウトしてた芸人がいたが
ここはおかまスレでつか?
>>431 そんな経験は無いけど、彼のスーフリだって誰かが通報したから公になり逮捕されたんでしょう。
その誰かになりたいかは解らんな。そして自分が掘られた時という想像はそれ以上に解らんことだった。
貴子レイプは何故か萌える。
寝取られ属性持ちですか?
貴子らぶらぶHって今のところ「伝説の〜〜」だけか?
何となくあまりにも可哀想な気がしたんで自分でも考えてみたが
何故か全反転ヒロインにそれぞれ弄ばれてしまうと言う風なものしか思いつかなかった。
被虐思考をそそられてしまうのは、一体誰の貴子の影響を受けた所為だ?
やっぱり朋美がSになってるのも誰かの影響か…?
>>438 Hシーンはまだだけど、「お姉さんに〜」もらぶらぶだろう。
という訳で、どっちも続きマダー?
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧
ヽ ___\(\・∀・)
\_/⊂ ⊂_)_
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
一番初めに書いた人の影響が強いのかなぁと思って調べてみた。
朋美はその断片が見え隠れしているんだが初期貴子はそれほどでもない。
と言うことは15スレ目の364からの人が被虐貴子の初めての人か。
今の保管庫見て調べただけなんで他にもあるのかも知れないけど
一気にこれでイメージ固まったとすると、ある意味凄い手腕だな
あまり意味のないことをスマンかった。
もし何かネタが出きれば提供するので勘弁してくれ。
と言うことで「お姉さんに〜」の続きマダー?
メイドでほのぼのが一転あれだもんな
あまり良い意味ではないが価値観を破壊したのは確か
なぁ、誰も何も言わないんだけど、
PS2版リアライズって何か追加シナリオとかあったん?
反転ネタで使えそうなやつ。
444 :
名無しさんだよもん:2005/11/24(木) 07:30:26 ID:FkDkBAXdO
リアライズって、葉鍵だったっけ?
違うな。
だが天然記念物級に純朴キャラの亮子は要る子。
エロ話を恥ずかしがる以前に理解できてないんだからなあ。
朱鷺乃とはまるで話が合わなそうだな。
貴明は主人公特有の「周りに振り回される」性質に「女が苦手」ってのがプラスされてるからな
反転すれば男に振り回される、みたいな感じになるのも頷ける
ただそれが過激な方向に進んじゃったのね
なんかこのスレでの定番化した貴子のキャラをみていると、
どうも引っ掛かるんだよなあ、個人的に。
貴明は、「女の子が苦手」だけど、別に「女性恐怖症」では
ないと思うんだが、貴子は完全に「男の子が苦手」という
レベルを超えて「男性恐怖症」の域に達してしまってる。
貴明の性格のまま性別反転させたら、異性との接触に
関しては、愛佳みたいな感じになるのが自然な気がする。
まあ、反転キャラが、元キャラの性格をまったく同じように
受け継ぐ必要は無いのだろけどね。でも、どうも違和感を
感じるのは確かだなあ。
朋美Sネタと被虐貴子ネタでうっかりくだらんネタ思いついてしまったので投下。無駄にクロスオーバー。
「女王様になるコツを教えてください!」
「はあ?」
少女の言葉はあまりに突飛で理解しがたいものであった。
深々と頭を下げる小柄の少女を目の前に朱鷺乃と朋美は思わず呆気に取られた。
「私…このままじゃこのスレでいじめられキャラが定着してその内「貴子はやっぱりいじめられるのが
はまるなw」とか「やっぱり貴子はMだなw」って言われてキャラ名鑑にも「強姦請負人」なんて書かれそうなんです…。
だからここでイメージチェンジして「貴子はS」とか「貴子は葉鍵反転スレ三大女王の一人」って呼ばれるようになりたいんです…!」
「…で、何で私達に聞くのよ」
「それは…「朋美はSが似合う」とか「朋美と朱鷺乃は二大女王」だとか呼ばれてるから…」
「そうやって頭下げて人に聞きにくる時点で女王になれるわけないでしょ」
「ってゆーか、ウザイ。帰れ」
「そ、そんな…」
朋美と朱鷺乃の言葉に打ちのめされる貴子を見ながら朱鷺乃はいつもと同じように煙草をふかし、朋美は大きく溜息を吐いた。
「…目の前でオナニーさせれば? 勿論あんたの体に触らせるのはなしで。私の裸見て興奮してオナニーする春原を見るのは結構楽しかったわよ」
「は、裸…!?」
「アンタそれついこの前のSSネタじゃない…」
しれっとした顔で言い放つ朋美と対照的に顔を真っ赤にする貴子を見ながら朱鷺乃は「こりゃ無理だ」という風に肩を竦めた。
「あの…オナニーってなんですか…?」
「―……やっぱアンタ帰れ」
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくると思ってるような子供はもう寝なさい」
「ば、馬鹿にしないで下さい! 私だってちゃんとセックスして子供ができることくらい知ってます!」
「じゃあ足コキは? 栗原の奴、私に踏まれて情けなくイったわよ。
騎乗位で犯してやるのも悪くないけどね。アンタもオモチャの一人くらい持っておけば?」
「足コキ…? 騎乗位…?」
朱鷺乃の言葉にもきょとんとしている貴子に朋美の唇がニヤリと歪む。
その表情を見て朱鷺乃は朋美がまたろくでもないことを考えているのだと本能で悟った。
「ふふ…いいわ、協力してあげる。今からこの紙に書く言葉を身近な男に言ってやりなさい。
意味が分からなかったら言った後で言った相手に聞いてみなさい。
そうすればアンタもきっとこのスレの住人から見直されて明日にでも「最強は貴子だ!」って言われるようになるわよ?」
「ほ、ほんとですか…?」
朋美の妖しい笑顔に貴子の表情が晴れる。
それを朱鷺乃は当然止めるわけでもなく、他人事のように見ているだけだ。
「本当にありがとうございました!」
「健闘を祈っといてあげる」
「まあ、頑張りなさいよ」
面白くて仕方がないといったような表情の朋美と、明らかにやる気のない朱鷺乃に貴子はペコリと頭を下げた後、
朋美をから受け取ったメモを大事に握り締めながら走っていく。
「―…アレ、絶対意味分かってないわよ」
「だから面白いんじゃない。言った時の周りの反応が見れないのが残念」
「アンタがそうやってあの金髪を日々いじめてるのはよーく分かった。このサディストめ」
「風太郎とかああいう純粋な奴見てると悪戯したくなるのよ。ちなみに春原は特別よ、ト・ク・ベ・ツ。アイツは私のペットみたいなもんだから」
「ふーん、ペットね…」
「アンタだっていいオモチャ持ってるじゃない?」
「まあね」
果たしてその言葉が真実なのかどうかは分からない所だが、二人とも自分を絶対に裏切らないと信じられる男が身近にいるのは確かだった。
そして二人はお互いにその関係を詮索し合ったりはしない。そんな距離が二人には丁度良かった。
「あのハリーポッターみたいな子が今頃心配してるんじゃない?」
「さあね。アンタだってあの金髪が恋しがってるんじゃないの?」
そんなことを言い合いながら二人は己の帰るべき場所へ帰っていく。
「タマ兄、ちょっと来て」
「…ん? 何だい、たー子?」
幼馴染の少女に呼ばれ、彼は彼女の側へと寄る。
心なしか彼女はいつもより機嫌が良さそうで、そんな姿を見て微笑ましい気分となった。
「あのね、よーく聞いてね」
そう言うと貴子はえへんと胸を反らせて得意げに朋美から貰ったメモを読み上げた。
「アナルにバイブ挿れて、私の前でオナニーしなさい」
「…………え?」
貴子の一言に彼は固まった。一瞬意識が遠のく。
そんな彼を見ながら貴子は嬉しそうに問うてくる。
「ねえ、今のSっぽかった? 女王様っぽかった?」
ご褒美を待つ子犬のような反応はSやら女王様とは程遠いのだが、彼女自身はかなり自信満々のようであった。
「たー子、そんな言葉、一体誰に聞いたんだ…?」
「うーんと、岡崎朋美さんと木田朱鷺乃さん。二人とも親切に相談に乗ってくれたの」
この時岡崎朋美と木田朱鷺乃という名前が彼の抹殺リストに名を残すことになるのだが、貴子がそれを知る由もない。
「ところでタマ兄、アナルとかバイブとかオナニーってどういう意味?」
「―…………」
後に彼は言う。この時ほど自分が素面であったことを呪ったことはないと。
男が苦手な彼女はそういった方面の知識も保健体育程度のものしかなかった。
そんな彼女が親友からその言葉の意味を知り、羞恥に悶え、年上の幼馴染の顔が暫く見れなくなったのはもう少し先の話。
彼女は今も葉鍵反転スレの女王様、最強の女を目指して日々修行中だとか。
「今度は柳川裕子さんと岸田さん辺りに聞いてみよーっと」
そんな彼女の修行に多くの人間(主に彼女の幼馴染)が巻き込まれているのは言うまでもない。
嘘次回予告
タマ兄の怒り爆発!? 激突・二大女王朋美&朱鷺乃対タマ兄最強決定戦!
鬼のような彼女は実は年下に恋する乙女? ゲストは柳川裕子さん!
各SSの作家さんすんませんすんません。くだんないネタですんません。もうしません。
貴子が大分頭の可哀相な子になってますがあくまでギャグというか一発ネタなんで許してやって下さい。
一発ネタと言う割に面白かったぞ
できたら次回も頼む
貴子マジ弄られキャラだなw
本物の女王(皇)様であるハクオロおかーさんにも聞いてみるべきかと。
いや、あれも総受けだしw
>>452 いや、あんたはよくやった。
GJだ。
とりあえず「脱被虐キャラ」「脱強姦請負人」を目指してSキャラに指南をこい、結局おもちゃにされる純粋貴子w
この貴子、もしかしたら今まで一番好きかもしんねw
457 :
愚者:2005/11/25(金) 10:05:38 ID:7ALxpAjE0
うぅ、当方のSSのネタを使って頂き、感謝……
GJです……
458 :
名無しさんだよもん:2005/11/25(金) 19:58:18 ID:S6AbHAZd0
裕子さんはSキャラかなぁ……。
そら鬼モードでプッツンきてる時は問答無用にSだろうけど、素の時は受け、とは言わんでも、流されキャラに近い気もする。基本的には真面目な女刑事なわけだし。
というか、現職警察官が「これ以上陵辱されるのは嫌なので、Sな女王様になれる方法を教えて下さい」とか聞かれたら、公僕としてはどう答えりゃいいんだw
しかも一緒に質問されるのは、連続強姦事件の現行犯だしw
裕子さんは追い風だと強いのに、向かい風だとあれよあれよと押し流されるタイプかと妄想
まあ評価と実際は異なるケースなこともあるわけだし
スレ内評判とは必ずしも一致しない場合もございますが(ry ってことでw
裕子さん 基本はタチ キレるとS 真のヒロインM ってところジャマイカ
つうか岸田さんテラヤバスwwww
このままあちこち回って最終的にエコーズでふゆと二人溜息ついているところが
思いついたのは俺だけですかそうですね
女王様は結構いるが、御主人様っつーかS男キャラっていないな。霧島先生ぐらいか?
vs亮子
「あ、あのっ!女王様になるコツを教えてください!」
「…『女王様』?」
「はい…。」
「ん〜・・・・・(考え中)」
「わ、私男の人が苦手で!それじゃいけないと思って、それで―――――」
「(聞いてない)ん〜・・・・・あっ。」
「何かありました!?」
「王様と結婚する。」
「ち、ちがっ…!そうじゃなくてSになりたいんです!」
「えす?」
「そうです。」
「えす、ってなに?」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・か・・・・・」
「『か』?」
「勝った・・・・!」
変な電波を受信してしまいました。ゴメンナサイ orz
ってーか、亮子って全くSキャラちゃうやーん、な上にちょっとアホな子みたいだ…
>>461 つ篠塚弥生
いやまあ厳密には違うかも知らんが
>>462 ワロタw
亮子天然だよ天然だよ亮子
一見するとクールっぽい印象の亮子→クールなキャラなら多分S!
という短絡的思考が働いたと見た。>貴子
「タマ兄、私、亮子さんに会って気付いたの。
まず体面的に女王になってから中身も女王になるのも遅くないって。
とりあえず女王の称号を得るのも悪くないんじゃないかって」
「……で?」
「今から魔法の国グエンディーナの第一王子スフィー君に結婚を申し込んでくるわ!」
「ちょっと待ったぁ!」
自分の思いつきに浮かれ、男が苦手なことなどスコーンと忘れて
嬉々として出かけようとする貴子を一つ上の幼馴染が物凄い勢いで止める。
「たー子、俺は近い内に地球を征服する予定なんだ。地球の女王様の方が格上だと思わないかい?」
「―……」
普段優雅な彼とは思えぬほどにその顔にダラダラと嫌な汗をかいている。
こんな有様、タマ兄ファンの皆様にはお見せできません。
【恋煩い】反転野郎が悩みを打ち明けるスレ【人生相談】
1 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/08(火) 15:51:08
ここは反転娘にハァハァする野郎が悩みを語るスレです。
恋煩いから人生相談まで何でもあり。
393 名前:年下幼馴染萌え 投稿日: 2005/11/26(土) 00:13:10
そんなわけで年下の幼馴染に地球征服を約束してしまった。
「ほんとに地球で一番の女王様にしてくれるの?」って子犬のような目で嬉しそうに見つめられて後に引けなくなった。
おまいら、どうすれば地球征服できると思う?
394 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:14:20
コテハンUZEEE
395 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:15:29
>>393 おまい馬鹿だろw よしその隙に俺がその可愛い年下の幼馴染を頂こう。
396 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:17:09
いやいや俺がry
幼馴染萌え野郎はフラグ立ってるな。地球征服したらエチできるぞ、きっと。
成功すれば幼妻(σ・∀・)σゲッツか・・・。まあ地球征服が成功すればの話だがなw
397 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:20:59
>>393 さっきの緒方理玖のラジオの投稿ハガキのネタ思い出してワロスw
兄貴が親友に引き摺られて地球征服なんて言い出す馬鹿になってて将来が心配だって内容だったぞw
自分の周りは馬鹿ばっかだとw
398 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:35:41
>>397 それが本当に
>>393のことだったらギガワロスw
どーでもいいけど、最近緒方理玖とよく一緒にいる幸薄そうな女の子にハアハアしてるのは俺だけか?
399 名前:名無し反転娘(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2005/11/26(土) 00:52:23
>>398 専用スレあるからこの板でADで検索汁。
同じく変な電波受信した。貴子がどんどんアホの子になっとる…。
被虐以外で新たなキャラが立って結果的にはおkか?w
そしてタマ兄すまねえ…。かっこいいタマ兄が好きな人もすまねえ…。
しかし今までで一番幸せそうな貴子な気がしないでもないw
最近ご無沙汰だが九品仏志子
もS系のような気もする
このノリの貴子やタマ兄が、今まで出てきた中で一番好きだw
469 :
462:2005/11/26(土) 11:57:53 ID:6w5nYIxa0
「…ねぇ、修子。」
学校帰り。亮子は親友に気になっていた疑問を聞くことにした。
「“えす”になるにはどうしたらいいの?」
「え゙・・・・・!」
「…知り合いの子に教えてもらったんだけれど」
「・・・・・・・・・・」
「…私もちょっと気になって。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・修子?」
「・・・・・・アイツの仕業ねっ!!」
、と突然云うやいなや「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」と奇声を上げながら走り出す修子。
親友のいきなりの奇行に目をパチクリさせる亮子。
「・・・・蛍太にでも聞いてみようかな。」
「PKがいると松浦さんとなかなか会えなくて困るよなぁ。」
同じく学校帰りの麻生春秋。
独り言を愚痴りながら、今日も亮子の日課であるジョギングコースで亮子を待っている。
と、突然、
「お前かぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
の叫びと共に銀色のギアが高速で回転しながら春秋に向かって飛んできた。
「・・・・っ!」
とっさに自身のプロクシを出現させ、ギアを防ぐが衝撃を受け止めきれず数メートル程吹き飛ばされる。
「・・・・PK!?」
「よくも“私の”亮子に変なコト吹き込んだわねぇぇぇ!!」
470 :
462:2005/11/26(土) 12:00:30 ID:6w5nYIxa0
「ま、松浦さんに?何のコトだが全然・・・っ!?」
知らない、と云おうとしたが身に覚えがないワケでも無いので言葉に詰まる。
「事情ぐらい話せよっ!」
「『Sになるにはどうしたらいい?』なんて聞かれちゃったわよぉ!」
「・・・え・・・・?」
ちょっとその光景を想像する春秋だったが、修子の修羅のような顔を見て慌てて釈明する。
「ご、誤解だ!あんたが『“私の”亮子に近寄るな』って云うから最近話すらしてないよっ!」
実はPKにナイショで会ってます、なんて云えるワケありません。
「純粋で天使のような亮子があんたのエゴで汚された〜・・・・・・っっっ!!!」
あ、こりゃまずい。ギアの回転速度がシャレにならなくなってきてる。
「コロスッ!!」
「うわあああああああああああああああ!!!」
一方その頃。
「…ねぇ、蛍太。“えす”になるにはどうしたらいいの?」
「・・・・・・・・ええええ!?」
「…蛍太なら知ってると思って。」
「え、えと…///(真っ赤)」
無意識に言葉攻め&羞恥プレイをする亮子でした。
「…なんなら知り合いに王様いない?」
「いるわけないよぉ…」
なんとなくオチが弱いなぁ、とか思ったんでオチをつけてみたすた('A`)
春秋が修司を何て呼んでたか覚えてなくて困った。
>>461 スフィーもSかと。
つまんね('A`)
誰かvs久品仏志子Ver.書いてくれw
何か色んな意味で毒されそうな気がするがw
ところで貴子ってどう言う容姿なんだろうか?
女装貴明そのまま?
良作が続くなー。こういうクロスオーバー風のやつって好きだ。
>>472 それぞれ髪の長さ、体型は
メイド貴子:女装貴明に近い感じ? 身長高くて貧乳
反転〜:ロング→現在ショート 巨乳
伝説の〜:小柄でバスト控えめ
赤いしっぽ:ロング(ポニーテール) 巨乳
お姉さんに〜:小柄で巨乳
Sを目指す貴子w:不明(朋美や朱鷺乃より小柄と思われる)
だった気がする。抜けがあったり違ってたら木綿。結構バリエーション豊富だ。
ちなみに反転雄二は
反転〜:細身で貧乳
伝説の〜:背が高くてナイスバディ
赤いしっぽ:ショートカット 細身でバスト控えめ
お姉さんに〜:不明
Sを目指す貴子w:不明
と、こっちもバリエーション豊富。
反転雄二は話によって男好きだったり百合だったりするのに性格に統一性が見られるのが面白いw
書き忘れだが「反転黄色〜」と↑以外の単発ネタの貴子と
反転雄二はそれぞれ容姿についての説明はなかった気がす。
貴明が童顔だと言われてたからどの貴子も童顔ではあるだろうと予測。
>>474&476
サンクス。
何処でどう間違ったか、ずっと反転貴子が愛佳そのまんまのイメージになっていたんだわ。
貴子と愛佳が仲良くなったらすごくほんわかした雰囲気が漂ってそうだな
「バカだな……本当にバカだ」
自嘲するようにそう言った久寿川先輩が、薄く微笑みを浮かべる。
「副長」とか呼ばれて恐れられているクールな先輩のそんな微笑むところなど見たことがある生徒など一体どれくらいいることだろう。
タマ兄とは違うその笑みに私は思わず見とれてしまう。
「君みたいな子にそこまでさせてしまうとはね」
優しげな声でそう言って久寿川先輩の手が私の頬に触れる。
触れた手がそっと頬を撫でてきて、それがくすぐったくて、思わず私は目を閉じてしまう。
次の瞬間、私の唇に何か柔らかいものが押し当てられた。
慌てて目を開くと、すぐ側に久寿川先輩の顔。
――キス、された!?
その事実に気が動転してしまったのか、私は思いきり先輩を突き飛ばしてしまっていた。
頬が、いや、耳まで真っ赤になっているのが自分でもわかる。
「あ、あのっ! ご、ごめんなさい!!」
とっさにそれだけ言って私は逃げるようにその場から走り出すのだった。
走り去っていく河野さんの後ろ姿を見送りながら僕はため息をついた。
少々、事を急ぎすぎたかも知れない。そうでなくても彼女は男性が苦手だという話だし、もっとゆっくり事を運ぶべきだった。後悔したところでもう手遅れだが。
次に会った時にちゃんと話が出来るかどうか、ちょっと不安だ。
「バカだな……本当にバカだ」
今度は間違いなく自嘲的に僕は呟くのだった。
まだ細かい部分もわからないのに電波が来たので書いた。後悔はしていないが反省はしてるかも知れない。
反転久寿川ささら。クール&ストイックを何処かはき違えている気がしないでもない。
XRATED出てから性格に違いがあれば闇に消え去ってくれ。
あーてっきりもうXRATED発売されてるのかと思った。
コレがまんま反転された(貴明にいきなりキスするさらら)感じのストーリーなら今からXRATED買おうか迷ったトコなんだが…
今日も彼女は生徒会室へとやってくる。
「バカだな……本当にバカだ」
思わず溜息を吐きながら僕は生徒会室の椅子にちょこんと座る下級生の女の子に言ってやる。
「君は男が苦手なんじゃなかったのか?」
「う……そ、そうですけど、でも何か手伝えたらいいなって」
「一人でも平気だと言っただろう。今まで一人でこなしてきた仕事なんだ、別に他人の手を借りずともできる」
「でも一人じゃ大変だし、手分けしてやった方が早く終わりますよね?」
「だからといって無関係の君がやる義理もなければ義務もないだろう? 理解に苦しむな」
「先輩が放っておけないから…じゃ理由になりませんか?」
「からかっているのか? 僕の異名を知らないわけじゃないだろう?」
「―……」
彼女が黙って俯く。恐らく、彼女も僕の噂を知っているのだろう。
そんな彼女に表情一つ変えず僕は告げる。
「副長。恐らくは新撰組のあの鬼の副長と呼ばれた土方歳三からだろうね。この意味が分かるだろう?」
生徒達の間で去年から自分がどう思われているかは理解している。
正しくその異名がそれを表しているといえるだろう。
別に他人にどう思われようが構わない。
鬼だ冷血だと罵られようとも僕は僕のやるべきことを己の信念と正義の下に実行するだけだ。
それが生徒会長という座に着いた僕の使命であり、覚悟でもある。
正しいことの為に、悪しきことを罰するのはこの狭い学校という閉鎖された空間で必要なことだ。
その為に鬼が必要だというのならば僕はその身を差し出そう。
必ず誰かがやらねばならないのならば、生徒の長たる僕がやるのは当然の義務だと思った。
同じ立場の人間を締め付け、罰することに心が痛まないといえば嘘になる。
しかしそれを表に出してはならない。同情を引くことなど、鬼にはあってはならないことだ。
僕一人に恨みが、憎しみが、向けられることで
この学園の平和が守られるのならば、その痛みさえも僕は糧にできる。
同じ生徒会の人間に憎しみや恨みを向けさせるわけにはいかなかった。
だから僕は努めて他人を排斥し、冷徹に接し、距離を置いた。
いつしか「副長」という異名を取り、他人から遠ざけられ、冷淡な人間だと罵りを受けるようになった。
果てにあったのは孤独。けれど後悔はない。
もしかしたら他人を側に置くことで依存し、支えがなければ立てなくなる
弱い自分を守るための言い訳にすぎないのかもしれない。
けれど、そんな弱さにも見て見ぬフリをした。強くあらねばと思ったから。
いつしか一人にも慣れていた。そんな中彼女は現れたのだ。
男が苦手というくせに厄介な事に首を突っ込みたがる理解に苦しむ子だった。
他人を放っておけないタイプ、というのだろうか。最も苦手とするタイプだった。
「放っておけない? 僕は他人に心配されるほど弱くもなれば感傷的でもない。
僕には君の助けなど必要ないんだよ」
「でも…ッ!」
彼女がガタリと大きな音を立てて立ち上がる。
「私には、先輩が冷たい人だとは思えないんです…。
勝手なこと言ってるかもしれませんけど…先輩は何をしても感じない人じゃなくて、
感じないフリが得意なだけなんじゃないかって…。傷つかない人なんて、どこにもいないから…」
「!」
彼女の言葉に心が揺れた。そんなことはもう暫くなかったことなのに。
心が揺れた。それは何故か。答えは簡単だ。彼女の言葉が真実だった。それだけのこと。
自分でも気付かなかった、いや、忘れてしまっていた真実。
それを彼女はいとも簡単に見破り、この僕を目の前にして平然と言ってのけてしまう。
目の前の少女は予想よりずっと、人の感情の機微を読むのに長けていた。
いや、他人の傷に敏感であったという方が正しいのか。
「辛かったり泣きたい時に誰か側にいないのは辛いです…。
私には幼馴染がいてくれるけど、先輩はいつも一人でいるから心配なんです。
側で支えてくれる誰かがいないと、いつか壊れてしまいそうで…」
「…っは、僕はそんなに弱くはない。君の買かぶりすぎだ。僕は実際心が凍った人間なんだ」
語調が早くなったのが分かった。焦りを、本心を見破られたことを、悟られてはいけないのに。
「でも私、知ってます。先輩がたまに凄く優しい目をしてること。心が凍った人はあんな目、できません」
こんな言葉、今まで言ってくれる人間は誰もいなかった。
きっと、彼女はこの学校で初めて本当の僕を見つけてくれた人。
この感情をなんと呼べばいいのか分からない。ただ、それでもかけがえのない何かを見つけた気がした。
「あ、でも先輩がどうしても嫌だって言うんならもう来ません! 迷惑…かけたくないし…」
「嫌だとは一言も言っていない」
慌てて言う彼女に、咄嗟に言葉が出ていた。
それに自分でも驚く。
「君の手助けがなくとも僕は僕の仕事をこなせるし、君の手が必要だとも思わない。
それでも、君がここに来るのが嫌なわけでもないし、君がここに来ることを止める権限もない。
来たかったら勝手に来ればいい。けれど僕は君に干渉することはない。それでもよければ、ね」
「は、はい! そう言うなら勝手に来ちゃいますね」
そう言ってニコっとはにかむように笑った彼女。
後々に、この言葉を言ってしまったのが全ての間違いだと悟ることになる。
彼女が他人の傷に敏感な人であるのならば、
この時点で僕がするべき行動はただ一つであったはずなのに。
それから彼女は毎日生徒会室へと足を運ぶようになった。
彼女は頼みもしないのに勝手に生徒会の仕事を手伝ってくる。
彼女の助太刀は大いに能率を上げてくれた。僕を苦手としている生徒会役員も多いし、
雑用を好まない他の役員は必要な時にしか顔を出さない。
生徒会の仕事は溜まっていく一方であった。
今までは僕一人が処理していたが、彼女が来たことによって、それも随分と楽になった。
張り詰めていた生活に余裕が生まれたのは恐らく彼女の存在のお陰だろう。
仕事をしながら他愛もない話を幾度となく繰り返した。
彼女は僕が何も反応をしなくても常に色々な話をもってくる。
この学校で他人との交流を持たないが故に僕の知識には偏りがあり、彼女の話は新鮮でとても面白く感じた。
彼女の話の大半が彼女の身の周りの人のこと。大部分が幼馴染の話題で、
あとはクラスの委員長だとか一年生の天才だと噂されている双子だとか、あの長瀬の者のことや
ミステリ同好会を作る為に度々顔を出していた黄色い下級生のことだとか、そんなものだ。
それと彼女は自分の容姿にコンプレックスを持っているようであった。
彼女は年齢の割には女性として魅力に富んだ体つきをしている。
昔からその事で色々大変な目にあってきたらしい。
「だから私、男の人ってちょっと苦手なんです。あ、でも先輩は違いますよ? 先輩は別に私のこと体だけ見てるってわけじゃないし…」
どこか似ていると思った、自分に。
今まで言い寄ってきた女の子は沢山いた。大抵が僕の容姿を見初めてのことだった。
けれど僕の噂や、性格を知って失望する。勝手に理想を押し付けたのは自分であるはずなのに。
だから他人は信用できなかった。容姿だけで中身を見ようとはしないから。
彼女も同じような悩みを抱えている。もしかしたら彼女なら僕の悩みも弱さも受け入れてくれるかもしれないと思った。
本当の僕を見て、知って、受け入れてくれるんじゃないかと思った。
こんなことを他人に思ったのは初めてだった。
彼女と時を重ねる内に、僕は彼女に心を寄せていっているということを思い知る。
こうして彼女と共にいられる時間を失ってしまうのが怖いと感じている自分がいた。
それは初めてのことだったからとても戸惑った。
でも彼女が変化を望まないのを知っていたから、僕も自分の気持ちを隠していた。
あの時までは。
「失礼します」
彼女以外の人が訪れることなど滅多にない生徒会室に、珍しく来客があった。
目を引く長身。僕も高い方ではあるが僕よりもさらに高い。
彫りが深く、精悍な顔つきと身に纏う華やかなオーラは芸能人を思わせた。
この学校では最早僕とは全く別の意味での有名人。僕でもその人物を知っていた。
「たー子…?」
生徒会室に彼女の姿を見つけて彼は驚く。口にしたその特徴のある呼び名は彼が彼女を呼ぶ名であるのだろう。
「タマ兄…? どうしたの!?」
驚いたのは彼女も同じようで、その姿を見るなり、作業の手を止めた。
「いや、俺は先生にこの書類を久寿川君に渡すように頼まれて…。たー子こそ、ここで何やってるんだ?」
チラリとこちらに送られる視線。明らかに好意的ではない。
「彼女は好意でここで生徒会の仕事を手伝ってくれている。
無関係の人間に手伝わすのは心が引けたが、彼女が是非にと言うので」
わざと挑発するかのように言う。少しだけ彼の眉が動いた。
親しげな呼び名といい聞き慣れない一人称といい、普段の彼とは思えない態度は彼女がここにいるからか。
「たー子、それは本当かい?」
「うん、私、久寿川先輩のお手伝いがしたかったから」
内心ニヤリと笑う。彼女がここまで言っては彼が彼女と親しい仲であったとしてもここに来るのを止めさせることはできない。
心の底で笑ってから気付く。自分がこの男に向けている感情に。
そうしてその感情を実感すると同時に思い知る、彼女への気持ちも。
「いつからだい?」
「もう結構長くになるかな。彼女には随分と助けられている」
くだらない。自分でもそう思う。僕は自分のささやか優越感を満たす為だけに、こんな言葉を吐くのだ。
僕はいつからこんなにも愚かで脆弱な人間になってしまったのか。
バカだな……本当にバカだ。
「そうか。これからも彼女のことを頼む。結構抜けてる所もあって、扱いは大変かもしれないけど、俺の大事な幼馴染だからね」
彼がそっと彼女の肩を抱く。彼女は僕が触ると未だに悲鳴を上げるのに、彼が触れても驚きはしない。
そんな行動を取ったのは彼が僕と同じ感情を持て余していたからかもしれない。
――宣戦布告か。
「それよりたー子、そろそろ行かなくていいのかい? そろそろ戻らないと次の授業に間に合わないよ?」
「あ、そっか! 久寿川先輩、それじゃ私もう行きます!」
そう言って彼女はいそいそと生徒会室を後にする。残されたのは彼と、そして僕。
「どういうつもりだい?」
先に口を開いたのは彼だった。
「何が?」
「―…彼女のことをからかっているだけならやめてもらいたい。彼女を傷つけないでくれ」
「それは彼女の幼馴染としての発言か?」
「それだけだと思うか?」
「いや――」
思っていたより随分と直球だ。だが遠回しに牽制されるより余程好感が持てる。
「君は思っていた以上にバカのようだな、向坂君」
「なに…?」
「彼女が、遊びや冗談で手を出せるような人間じゃないことは君が一番よく分かっているだろう?」
「…確かに、ね……」
そう言って彼は笑う。皮肉めいたものではなく純粋なまでの笑みを、優雅に。
「でも安心した。君がからかって手を出しているならここで一発くらい殴らないと気が済まなかったからね」
「殴らないのか?」
「どうして君を殴る必要がある? 君も本気ならば俺にそれを止める権利はないし、あとは彼女が心を決めるのを待つだけじゃないか」
「随分と気長だな」
「伊達に年季は入ってないさ。だからといって下手に俺に遠慮をする必要はない。俺も、遠慮はしないから」
「初めからそのつもりだ」
「それは結構。お互い頑張ろうじゃないか」
そう言って彼は生徒会室を後にする。
普段目にする彼の姿とは随分と違ったけれど、今の彼の姿は普段の着飾った彼より余程好感が持てた。
ハッキリとした所も、大胆な所も、嫌いじゃない。
けれど、僕はまだ気付いていなかった。
彼の存在が、無意識の内に僕に焦りを生んでいたことに。
その日の放課後、他の用事があって生徒会室来るのが随分と遅れた。
「すまない、遅れて――」
そう言って扉を開けると、机に突っ伏す影。
彼女はすやすやと安らかな寝息を立てて机を枕に寝入っている。
そっと、寝ている彼女の髪に触れてみる。柔らかな感触に鼓動が早まった。
指先が髪から頬に移ると、彼女が小さく身を捩った。
「ん……」
彼女の声と同時に僕はバっと手を戻す。慌ててその場から離れる。
――僕は今、彼女に何をしようとした…?
それは焦りだったのかもしれない、強敵の出現に対する。
感情の制御が巧く出来ない。こんなのは初めてだ。混乱する。対処に困る。
「ん…あれ…? 私…?」
彼女の意識が覚醒する。状況を飲み込めていないといった様子で目を擦りながら。
「ようやくお目覚めか、眠り姫は」
いつもの皮肉交じりに言ってやると彼女の意識が完全に覚醒したようで、慌ててこちらの方を向く。
「あ…私……ご、ごめんなさい!」
「別に謝る必要はない。遅れた僕にも責任はある。起こさない方が良かったかな?」
「す、すみません…」
寝顔を見られていたことが恥ずかしいのか、彼女の顔が真っ赤に染まる。
そんな姿が愛しいと思う。でもそれと同時に思い出す、彼女の肩を親しげに抱く男の姿。
その行動に走ってしまったのは彼に対する嫉妬と焦りか、それとも――。
「バカだな……本当にバカだ」
僕は自嘲気味にそう言って彼女に近づく。
もしかしたら僕は、この時笑っていたのかもしれない。
まだ全然情報が出ていないのに
>>479を見たら電波が降臨した。
この電波は感染型だったようだ、スマナイ。
しかもネタのはずが長くなってしまった。同じくクール&ストイックを何処かはき違えている気がしている。
発売前だからこそできる暴走だと許して欲しい。発売後は綺麗サッパリ忘れてやってくれ。
ささらシナリオには色んなキャラが絡むらしいがタマ姉とささらが対立しても協力しても凄そうだと思っている。
タカが板挟みになってもそれはそれで面白そうだと思っている。
最後に
>>479GJ、そしてスマンカッタ。正直反省だけはしている。
副長キタコレ。
発売前なのにすでに脳内で反転副長がかなり出来上がっている。
何はともあれ職人GJ。
副長ステキすぎ。俺、先輩についていきます……!
何でだろう。脳内でこの副長が眼鏡キャラになってる…。
>>487 GJだよ、おい。
感染電波万歳って、自分が感染元の479なんですが。
うちの電波がここまで拡大されるとは思っても見なかった。と言うか自分のなんかよりもいいよ。
タマ兄とか出す余裕とか無かったし。
今度やる場合は物凄い勢いで対立するVer.でも書いてみよう。
もっとも電波が来たら、だけど。
「タカちゃん…」
お風呂から上がって僕は少し緊張しながらタカちゃんの部屋の扉を開けた。
僕が声をかけるとタカちゃんが大袈裟なまでに驚いたのが分かった。
「こ、好巳…」
タカちゃんの顔が真っ赤だった。
でもそれだけじゃなくて、タカちゃんはいつもと違って薄いピンク色のネグリジェを着ていた。
その姿はいつものパジャマよりずっと色っぽくて可愛い。
それだけで僕は凄く煽られた。
僕がそんなタカちゃんから目が離せないでいると、タカちゃんは両腕で自分の体を抱くようにして背を向けてしまった。
「やっぱりこんなの私には似合わないよね…」
「そ、そんなことない!」
自分でも声が上ずったのが分かった。それが何となく恥ずかしかったけれど、言わずにはいられない。
「タカちゃん凄く可愛い。可愛くて、凄く色っぽいよ」
僕がそう言うとタカちゃんの顔がさらに赤くなった。
僕はゆっくりとタカちゃんに近づく。
「タカちゃん好き…大好き」
真っ赤になったままのタカちゃんを抱きしめて、僕は自分の素直な気持ちを言った。
そんな僕をタカちゃんがおずおずと抱きしめ返してくる。
「私も…好巳のこと大好き」
タカちゃんのその言葉が嬉しくて、そして幸せで、僕はタカちゃんの顎に手をかける。
そのことの意味にタカちゃんも気がついたのか、タカちゃんの目がゆっくりと閉じられた。
そのまま僕たちは唇を重ねる。
さっきとは違って今度は長く唇を重ね合わせた。
「…何だか、恥ずかしいな……」
ただ唇を重ねるだけのキスの後タカちゃんが小さな声で言う。
いつもはお姉さんみたいに僕を引っ張っていってくれるタカちゃんが恥ずかしさで小さくなってる姿は凄く可愛くて、僕はどうしようもなくなる。
「ひゃッ…好巳!」
僕はそのままタカちゃんをベッドに押し倒した。
ベッドに押し倒されたタカちゃんは困ったような顔で僕を見つめてくる。
そんなタカちゃんの表情すら僕を煽る。
僕はタカちゃんのネグリジェの釦を一つずつ外していく。
タカちゃんの肌がどんどん露になって、ネグジェの下からその色と同じ薄いピンク色の下着が見えた。
「こ、好巳、待って!」
「待てないよ。僕、ずっと我慢してたんだから」
もう今更止まれなかった。タカちゃんの制止の言葉だってもう聞こえない。
タカちゃんのことが好きで好きで、そしてエッチなことしたくてたまらなかった。
僕はタカちゃんのブラジャーを上へと押し上げた。
タカちゃんのおっぱいはブラに引っ張られて持ち上がった後、ぶるりと揺れて元に戻る。
そんな風にいやらしく揺れるおっぱいに我慢できなくなって、僕はタカちゃんのおっぱいに手を伸ばした。
「あッ…好巳!」
僕は両手でタカちゃんのおっぱいを包み込むようにして揉む。
タカちゃんのおっぱいは大きくて柔らかいだけじゃなくて弾力もあって弄る僕の指を軽く押し返そうとしてくる。
よっちに借りた本とかビデオを見た時、僕は実際こんなことできるのかなって
思ってたけど、人間には本能が備わってるみたいだ。
声を押し殺すタカちゃんを見てると、僕はどんどんエッチな気分になって、
普段ならできそうもないことも平気でできてしまう。
「あ…んふッ…ふああッ…!」
タカちゃんはおっぱいをいじられると感じるみたいで僕が
タカちゃんのおっぱいを弄くり回す度その口から色っぽい声が漏れていた。
「タカちゃん、感じる?」
「は…恥ずかしい……恥ずかしいよ、好巳…」
タカちゃんは気持ち良さより羞恥の方が上回ってるみたいだった。
両手で真っ赤になった顔を隠して声を押し殺していた。
今まで一度も見たことがないタカちゃんのそんな姿に僕はさらに欲情する。
「タカちゃんのおっぱい、綺麗で可愛い…」
僕はタカちゃんの乳首の周りを、色の境界をなぞる様にして円を描くように指でなぞっていく。
タカちゃんの乳首はもうツンと勃ってて凄くいやらしい。
僕の指が軽く乳首に触れる度、タカちゃんの体がビクンと震えた。
そんな反応がもっと見たくて、僕はタカちゃんの乳首に舌を這わせた。
「やッ…! こ、好巳…んッ、やんッ!」
タカちゃんの体は僕の愛撫にも敏感に反応してくれた。
僕はタカちゃんの体に触れるのが嬉しくて、
そしてもっと触れたくて、今度はタカちゃんの下半身へと手を伸ばした。
「あッ…!」
タカちゃんの怯えたような声を聞きながら僕はタカちゃんの薄いピンク色のショーツを足元まで引き摺り下ろす。
ショーツからはタカちゃんから溢れた透明な糸が引いていて、それが途中でプツンと切れる。
僕はそのままタカちゃんの脚を大きく広げさせて、そこをじっくりと覗き込んだ。
「こ、好巳、やだぁ!」
「これが女の子の……」
タカちゃんが恥ずかしさで涙目になりながら身悶えるのを僕は脚をがっしりと掴んで封じた。
本とかビデオで女の人の裸を何度か見たことはあったけれど、大事な部分には全部モザイクがかかっていた。
だから僕は女の子のそこを見るのは初めてだった。
「好巳…お願い…見ないで、そんな場所……」
タカちゃんが涙声で懇願してくる。でも僕はタカちゃんのそのお願いを聞けそうもなかった。
初めて見る女の人のあそこに僕はたまらなく興奮した。
しかもそれがビデオで見る名前も知らないような女の人のじゃなくて、大好きなタカちゃんのだから尚更だ。
僕はタカちゃんの脚を開かせたままそこをくぱりと開いてみる。
「やッ…!」
指でそこを開いてみると、透明な液が沢山溢れてて、そして綺麗なピンク色が僕を誘うようにひくついていた。
「好巳…もう許して…」
タカちゃんはあまりの恥ずかしさから涙をポロポロ零して僕に懇願した。
でも僕はそんなタカちゃんが大事だと思えば思うほどに
それと同時にタカちゃんへのエッチな気持ちが高まってしまった。
「タカちゃん…ごめんね……」
僕は男としての好奇心に勝てそうもなかった。
だからタカちゃんに謝った後、僕はタカちゃんの割れ目に舌を差し入れた。
「ひゃんッ、くぅんッ!」
びしょびしょに濡れてるタカちゃんのあそこを僕は一生懸命舐める。
僕が舐めるたびタカちゃんのあそこから液が溢れてきた。
これがタカちゃんの愛液ってやつなんだと思う。
僕はそれを音を立てながら舐め取っていく。
「凄いや…タカちゃんのエッチな場所、いやらしいお汁がいっぱい溢れてくる…」
「好巳ぃ…お願い、やめてよぉ…。汚いよ、そんなとこ…」
「でもタカちゃんはこうやって僕に恥ずかしいことされながらエッチな気分になってるんでしょ?
このお汁はタカちゃんがいやらしい気持ちになって、もっとして欲しいからこんなに溢れてくるんだよね?」
「ち、違うもん…」
「嘘つき。タカちゃん、さっきから凄くいやらしい声出してるし、女の人は気持ちいいから濡れるって聞いたもん」
ビデオで見た女優さんはこういうことやったら
イイ、イイって言ってたからタカちゃんだって本当は気持ちいいはずなんだ。
そりゃあ僕は初めてだから下手くそかもしれないけど、タカちゃんだって絶対嘘吐いてる。
僕がこんなに一生懸命になってるのに素直になってくれないタカちゃんはちょっとだけずるい気がする。
「じゃあタカちゃんが良くなるようにもっと頑張るね」
ちゃるの復讐って言葉を真に受けるわけじゃないけど、素直じゃないタカちゃんにちょっとだけ意地悪したくなる。
僕はタカちゃんの体をひっくり返すと、お尻を高く掲げさせた。
「凄い.この体勢だとタカちゃんのあそこもお尻の穴も全部丸見えだよ…」
「…ッ! こ、好巳…は、恥ずかしいの…だから…ひうッ!」
タカちゃんの涙声の言葉が言い終わる前に僕はタカちゃんのお尻へ指を差し入れた。
「いやッ、好巳、そんな場所…!」
「お尻も気持ちいいんだってよっちが言ってたよ、タカちゃん?」
僕はタカちゃんのお尻に指を差し入れながら空いた手でクリトリスってやつを弄ってみる。
女の人はここが一番感じるんだって以前に聞いたことがある。
「や、やんッ…ああんッ、好巳ぃッ!」
クリトリスとお尻を同時に刺激されてタカちゃんの体が快感に震える。
タカちゃんは僕の予想以上にエッチな体をしていて、
僕が指で弄るたび愛液がどんどん溢れてシーツに滴り落ちていた。
「タカちゃんって凄くエッチな子だったんだね。お尻弄られて濡れちゃってるよ?」
「ち、違…ッ!」
僕の言葉をタカちゃんは真っ赤になって否定する。
そんなタカちゃんの目の前に僕はタカちゃんの愛液で濡れた指を差し出した。
「でもタカちゃん、こんなに濡れちゃってるよ? ほら、こんなに糸引いて」
「…ッ!」
それを見てタカちゃんは顔を真っ赤にしたまま顔を逸らす。
僕は指先についたタカちゃんの愛液を舐め取った後、タカちゃんに口付けた。
「…んんぅッ!」
今度はさっきまでと違って舌を絡めて深く口づける。
逃げようとするタカちゃんの頭を押さえつけて何度も何度も口付けた。
「…ぷはッ……ねえ、タカちゃん、自分の味ってどんな感じだった?」
「…っ」
僕の言葉にタカちゃんは両手で自分の口を押さえた。
そしてついにぽろぽろと涙を零して泣き出してしまった。
「タ、タカちゃん…!」
「ど、どうして意地悪するの、好巳? 私…こんなに好巳のこと好きなのに…
だからどんなことされてもいいって思ってたし、恥ずかしいのも一生懸命我慢してるのに…」
「タカちゃん…」
泣き出したタカちゃんの体を僕はぎゅっと抱きしめる。
ちょっといじめすぎちゃったみたいだ。
「ごめんねタカちゃん。でもね、僕が一生懸命なのにタカちゃんが素直になってくれないのが何か悔しくて…」
「こ、こんなに恥ずかしいのに素直に言えるはずなんてないよぉ…」
「僕だって恥ずかしいよ。でもタカちゃんに気持ち良くなって欲しいから…だからタカちゃんにも素直になってもらいたいんだよ?」
そう言って僕はまたチュっとタカちゃんにキスをする。
そうしたらタカちゃんもまた僕にチュっと軽く口づけてきた。
「好巳は…はしたない私でも嫌いにならない…?」
「嫌いになるはずなんてない。僕はタカちゃんが大好きなのに。だから素直になって?」
僕がそうお願いしたらタカちゃんは少し躊躇った後こくんと首を小さく縦に振った。
「ねえタカちゃん、おっぱい感じた? 気持ち良かった?」
「…うん」
「じゃあ、あそこは?」
「…き、気持ち良かったよぉ……」
「お尻も?」
タカちゃんは顔を真っ赤にしたまま頷くと僕に抱きついてきた。
「好巳のしてくれることは何でも気持ち良くて…触られると体が熱くなるの……。
私…いつから好巳のことこんなに好きになっちゃったんだろ…」
「タカちゃん…」
タカちゃんのその言葉は僕にとって今までで一番嬉しかった言葉かもしれない。
大好きなタカちゃん。そのタカちゃんも僕のことを好きでいてくれるなんて、幸せすぎて本当に夢みたいだ。
「タカちゃん…」
もう一度口づけた後、僕はタカちゃんをまたベッドの上に押し倒して、脚を持ち上げる。
タカちゃんは羞恥で固く目を瞑っていたけど、抵抗はしなかった。
僕はタカちゃんの入り口に大きくなった僕自身を押し当てる。
「タカちゃん、いくね?」
タカちゃんが頷くのを見届けてから僕はタカちゃんの中へとそれを押し挿れた。
「いッ…!」
タカちゃんの眉が顰められる。
タカちゃんの中は凄く狭かった。狭くて、熱くて、僕をキュウキュウと締め上げてくる。
「こ、好巳ぃ…」
タカちゃんの目からポロポロと涙が溢れてる。
痛いんだと思う。実際挿れてる僕自身も痛いくらい締め上げられてるのに、
無理矢理押し入られたタカちゃんはそれとは比べものにならない痛みに耐えてるんだと思う。
僕の首筋にぎゅっと抱きついてそれに耐えてくれているタカちゃん。
そんなタカちゃんが凄く愛しい。いじらしい。タカちゃんの全部が欲しい。
「いくね、タカちゃん?」
僕はそう言うと、ゆっくりと進めていたそれを奥まで一気に押し入れた。
「ひ……あああああんッ!」
タカちゃんの悲鳴。ぬるりとした感触はタカちゃんの愛液の他に、血が混じっているからかもしれない。
「タカちゃん…」
僕は名前を呼んでタカちゃんの涙を拭ってやる。
そうしたらタカちゃんはまたチュ、チュっと触れるだけのキスを何回もしてきた。
「好巳…好き、大好き……」
「僕もタカちゃんのこと大好き…」
僕たちは何度もキスしあって、そして僕はゆっくりと腰を動かしだす。
「ふあッ、んあッ、ひんッ…!」
タカちゃんが僕の腰の動きに合わせて悲鳴と喘ぎが混ざったような声を漏らす。
僕が突き入れるたびプルプルと揺れるおっぱいが凄く官能的だった。
「ごめん…ごめんね、タカちゃん…痛いよね……」
「こ、好巳ぃ…ひあッ!」
僕は少しでもタカちゃんに気持ちよくなってもらいたくて、タカちゃんのおっぱいを弄って、乳首を愛撫する。
「や、やぁ、好巳…! それ、ダメぇ!」
きゅう、とタカちゃんの中がさらにキツク締まる。おっぱいが
感じやすいタカちゃんはそれだけで凄く気持ち良くなっちゃうみたいだ。
「あ、あ、ああッ、好巳ぃッ!」
タカちゃんの痛々しかった声が段々と甘い喘ぎに変わっていく。
僕が腰を打ち付ける度に結合部からグチュグチュといやらしい音が鳴っていて、それが尚更僕を煽る。
「タカちゃん、好き! 大好き!」
キュウキュウ締め付けてくるタカちゃんの中が気持ち良すぎて
僕はもう我武者羅に腰を振ることしかできなかった。
女の子の体、そしてタカちゃんとのセックスは、僕が今まで知らなかった強烈な快感を僕に知らしめる。
タカちゃんの体は凄く凄く気持ち良かった。そして僕を受け入れてくれて、
感じてくれるタカちゃんが凄く可愛くて、愛しくて、そのタカちゃんが僕を好きでいてくれることが凄く幸せだった。
「タカちゃん、ごめん、僕もうイっちゃうから…!」
「あ、あふ、ひああッ、こ、好巳ぃ…!」
僕は限界が近くなって今まで以上に深くタカちゃんを突く。
初めてなせいもあって、もう長くもちそうもなかった。
肉と肉のぶつかりあう音が激しくなって、タカちゃんの喘ぎもよりいっそう甘いものになった気がした。
「ふああ、こ、この、好巳ぃ、わ、私ぃッ…あ、はあんッ、ああぁぁあああッ!」
タカちゃんの高い声。瞬間、タカちゃんの体が弓なりに反って、中が凄い勢いで締まった。
僕はそれに耐え切れずにタカちゃんの中で限界を迎えた。
「タカちゃ…うあッ!」
ドクドクと僕の出したものがタカちゃんの狭い膣内を満たす。
僕は初めてだったせいか長く長く射精してしまった。
「あ…はうう…好巳のが中で出てるよお……」
僕が射精してる間中もタカちゃんはビクビクと体を震わせて全身で感じてくれた。
大量の精液を出し終えた後、僕はタカちゃんの中からゆっくりと僕自身を引き抜く。
「あ……」
僕がタカちゃんの膣から性器を引き抜くと、タカちゃんのそこからトロトロと僕が出したものが溢れ出てくる。
それがまた凄くいやらしく見えて、僕は今出したばっかりなのにまた興奮しそうになってしまう。
「好巳…」
タカちゃんがキュっと僕に抱きついてくる。
僕はタカちゃんの額にキスを落としながらその体をギュっと抱きしめ返す。
「タカちゃん、ごめんね…痛かったよね?」
「そんなに気にしないで。好巳にいっぱい愛してもらえて、嬉しかったから…」
「タカちゃん…」
にこっと恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑うタカちゃんが可愛くて仕方なくて僕はそのままギューと強く抱きしめてしまった。
「好巳、痛いよ…」
「タカちゃん、僕、タカちゃんのこと大好き。どうしようもないくらいタカちゃんが大好き」
「…私も好巳のこと大好きだよ」
そう言って僕たちは目を見合わせて度笑うと、もう一度キスした。
キスした後タカちゃんが恥ずかしそうに俯く。
「子供…できちゃったらどうしよう…」
「大丈夫だよ。もし子供ができてもタカちゃんはうちにお嫁さんに来ればいいんだから。
きっとタカちゃんのお父さんとお母さんも、うちのお父さんとお母さんも喜ぶよ」
「でも、私達まだ高校生よ…?」
「もしタカちゃんに子供が出来たら僕、働くよ! そしてね、絶対絶対タカちゃんもその子供も護ってみせるから!」
「何言ってるのよ。そんなことしたら私が春樹さんに叱られちゃう」
「僕は本気だよ? タカちゃん、僕絶対タカちゃんのこと護るから、僕のお嫁さんになってね…?」
「だから気が早いわよ、好巳は。好巳が十八になるのなんてまだまだ先のことよ?」
「だ、だって僕が十八になるまでにタカちゃんが他の人を好きになったら悲しいなって…」
僕がそう言ったらタカちゃんがチュっとまたキスしてきた。
「それは絶対ないから焦らなくても大丈夫」
「本当に…?」
「本当」
僕たちはもう一度深くキスをする。
僕は今日初めてキスしたのに、もう何回したか覚えてないくらいキスしてる。
タカちゃんの柔らかい唇には甘い魔法がかかってるみたいだった。
「ねえ、タカちゃん…」
「ん、何?」
優しく微笑むタカちゃん。そのタカちゃんのおっぱいに僕はまた手を伸ばす。
「ひゃッ!? 好巳!?」
「も、もう一回しちゃ駄目かな…?」
「!」
タカちゃんの顔がどんどん赤くなっていく。
もしかしたらタカちゃんはまだ痛いのかもしれないけど、こうしてベッドの中でタカちゃんと
キスしたりお喋りしてると僕はまたどんどんいやらしい気持ちになってしまう。
「タカちゃんは…嫌かな?」
「嫌じゃないけど……」
タカちゃんが顔を真っ赤にしたまま僕の胸に顔を埋めてくる。
「もう中で出しちゃ駄目よ…?」
「…! うん、今度は気をつけるから!」
タカちゃんのその返事を聞いて、もう一回キスをすると、僕はまたタカちゃんに覆い被さる。
そうして僕たちは何度も愛し合いながら夜明けを迎えた。
「私、好巳と恋人同士になったのよね…」
次の日の朝、学校に行く途中タカちゃんは何となく複雑な表情でそう言った。
「タカちゃんは嬉しくないの?」
「そういうわけじゃないけど…何か変な感じがするなって。今までずっと弟みたいって思ってたから…」
「なーに、溜息吐いてんのよ?」
「きゃあッ!」
背後から突然声をかけられてタカちゃんが飛び上がるくらい吃驚する。
「まったく、朝から何バカップルモードに入ってんのよ。二人してあたしのこと気付かず素通りして」
「う…ごめんなさい、ユウちゃん……」
「バ、バカップルって…私と好巳はそんなんじゃ…!?」
「え、ち、違うの、タカちゃん…?」
タカちゃんが顔を真っ赤にして否定する。
昨日あんなに愛し合ったのに思いっきり否定するタカちゃんに不安になって僕はタカちゃんに問い返してしまった。
そうしたらタカちゃんは真っ赤なまま僕の方を一瞬見て、そしてそのまま俯いてしまった。
「え、あ、いや、違うっていうか…その…間違いじゃないんだけど…昨日の今日なのにバカップルなんておかしいかなって…」
「―…アンタ達、マジで昨日できちゃったわけ…?」
「あ! ち、ちがっ…!」
「今日はみんなでうちでお赤飯でも食べましょうかね〜」
「だ、だから違うんだってば〜!」
「首んとこ、キスマークつけて言っても説得力ないわよ?」
「嘘ッ!?」
「うっそ」
「!!」
バっと首筋を押さえるタカちゃんをユウちゃんがしたやったりといった風に笑う。
タカちゃんはどんどん自ら墓穴を掘っていっている。
そんな空回りっぷりもまた可愛いと思ってるんだけど、これはタカちゃんには秘密。
「ついに貴子と好巳がねえ…。はーあ、あたしも彼氏が欲しいな〜」
「ちょっと、ちゃんと人の話聞いてよぉ〜!」
タカちゃんがどんなに否定した所でそれは逆効果にしかなっていない。
ユウちゃんには暫くこのことでからかわれそうだけど、昨日とはちょっとだけ違う朝に僕は人生で一番の幸福を噛み締めていた。
できればこんな毎日がずっと続けばいいと願いながら。
「はーあ、好巳の奴は昨日センパイとお楽しみだったんだよな、きっと」
「そう僻むな。よっちならその内いい人が見つかる。根拠も保障もないけど」
「う〜、でもまぁ好巳相手ならしょーがないって思えるけどやっぱ惜しかったよなー、
センパイのおっぱい…。やっぱパイズリとかして貰ってんのかな、好巳…」
「朝から品がないぞ、よっち」
「しゃーがないじゃーん、俺は健全な青少年なんだから。好巳、
センパイとのエッチハメ撮りしてテープくれないかなぁ。下手なAVより余程抜けそうなのになー…」
「それはあまりに無謀すぎるぞ。確かに先輩の無修正ビデオに興味がないわけじゃないけど」
「今度好巳騙してみようかな〜」
「酷い友人だ。嘘がバレた時が怖いぞ」
「冗談だよ、冗談。せめて前途有望な好巳君には俺の秘蔵のコレクションでも託すさ」
「よっちのコレクションってあのマニアックなやつの数々か? 好巳のことだから本気で試すかもしれないぞ?」
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
大金星だな好巳
「3Pする時は俺を呼んでね、って言って渡す」
「やっぱり最悪だ」
「……まあ、最後のは冗談だとしても、好巳が羨ましくないと言えば嘘になる。というわけで、ちゃる!
今日は帰りに卒業祝いで行った巨乳のお姉ちゃんがいる店に行くぞ!」
「あのちょっと先輩に似た可愛い感じのするお姉さんがいる所か…」
「そうとも! 我が青春はおっぱい! たとえセンパイが人のものになったとしてもオッパイ! 我が青春に悔いはなし!」
「いや、ちょっとは後悔しろよ」
「俺たち、一生友達だよな!?」
「よっちルートのフラグを立てた覚えはない」
後日、僕はよっちからエッチな本を沢山貰った。そこには僕の知らないことが沢山載っていた。
僕は今、これをタカちゃんに試すべきか迷っている。
ようやっと完結。好巳下克上希望の意見が多かったからよっちから教え込まれた
微妙に間違った偏った知識を愛ゆえに一生懸命試す好巳版の方でw
当然よっちもちゃるも止めない。そんな友情。よっちがただのアホになってしまったことは後悔している。
GJ!
エロもさることながらラストのよっちとちゃるの漫才にワロタ。
二人ともこれまでの反転キャラにはない個性が出てる気がする。
>>503 キ…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━!!
濃厚な描写といい、幸せな貴子といい……こんなのを待っていたっっっっ!! GJ、ただひたすらにGJ!!
そして、良い話を読ませてもらったことに感謝します。ありがとう。
しかし、よっちは男になってもおっぱい星人なのねw
>>503 よ、よ、よ、よくやったぁぁっ!!!
GJだけじゃ足りない程にGJだ!!
ああ、何かこんなに幸せでラブラブな貴子、初めて見たような気が。思わずちょっと涙ぐんじまったよ。
後はチラシの裏ってことで
しかし、よっちとちゃるが行った店ってどんな店だw
おまいら高校生(卒業祝いなら中学生?)だろうw
反転春夏さんは「春樹」さんか。
俺もこれから書くことあったら使わせて貰おう。
とにかく503、あんたは俺の中で神認定だ!!
GJ,GJ,ただただGJだ!!
あちこちでネタバレ画像が出回ってるね。
やっぱり貴子もいざとなったらキャラが変わったように積極的になるんだろうか?
それが葉主人公クオリティw
そして自分がやったことをやり返されまくるのも葉反転ヒロインクオリティw
がしかし天然痴女で一回じゃ満足しない貴子さんとかもありかもしれんね。
タフネスなんだな、貴子さん。
書き手の一人だけどタカ坊の変貌ぶりにちょっとショックを受けてる
今からじゃ性格の修正も利かないしこのままでいきます
タカ坊がどんなに豹変しようとも
反転貴子もTS貴子も俺の中で受なので全く無問題。
雄二のみ反転させて向坂姉妹丼…
という夢を見た。
ありとあらゆる面においてかなわない姉にコンプレックスを抱きながらも
何とか貴明に振り向いてもらおうと健気にがんばる悠里…
なんだか陽子とキャラがかぶっているような気がしないでもない。
貴明、ハーレムだなw
しかし元から雄二のみ反転してる場合の貴明と悠里の関係、
元から貴明のみ反転している場合の雄二と貴子の関係なんかは少し見てみたい気もする。
もしくは貴明、雄二、貴子、悠里同時存在の場合とか。
以前陽平陽子の組み合わせはバカップルになりそうだとあったが
雄二悠里も相当なバカップルになりそうな気がする。
貴明貴子は二人していつまでももじもじしてそうだが。
幼馴染4人組は性別をどう組み合わせるかで結構関係が変わってきそうだな。
このみ未反転で貴明が貴子になると、本編のタマ姉とこのみ以上に仲の良い姉妹関係になりそう。
貴明とタマ姉だけ反転すると向坂兄弟の骨肉の争い…にはならんな。
タマ兄がいない間全く関係を進展させられなかった貴子があっという間に奪われるという、雄二視点だとNTR性の強い展開にはなりそうだが。
貴明とこのみは同性にすると仲の良さが増し、タマ姉と雄二が同性になると、雄二の劣等感が膨らむということかな。
貴子紅一点の4人組というのも見てみたいな。どんな修羅場を見せてくれるのか。
タマ兄がいない間にひたすら悶々としているだけの雄二。
タマ兄の帰還により、一気に危機感を感じて猛アタック開始。
もしくは、タマ兄に取られそうになってようやく自分の気持ちに気付いて一気に告白まで持っていく。
主人公、雄二になっちゃいますが(汗
うーん
タマ兄 vs 雄二かぁ・・・
いかん、雄二に勝つ要素がみあたらないw
貴子も雄二のことを想っていた、ぐらいのハンデがないとフェアじゃないような気がする。
>>517 しかし貴子の初恋の相手がタマ兄である罠。
実際タマ×タカ派以外から見るとタマ兄ってかなりの脅威なんだよな。
家柄、能力、容姿に至るまで完璧で、性格も強引且つ狡猾。加えて貴子の(無自覚にしろ)初恋の相手。
ライバルキャラとしては凶悪すぎる。
貴子、タマ兄、雄二の関係は、反転KANONのゆう、秋人、雪弥の関係を彷彿させるものがある。
>518
>貴子、タマ兄、雄二の関係は、反転KANONのゆう、秋人、雪弥の関係を彷彿させるものがある。
それって絶望的と≒ではないのか?
ゆうと秋人さんよりも血縁上の問題もないし、年齢差も大きくないから、より悲劇的だと思うが。
タマ兄恐るべし。
だから完璧超人な野郎キャラはタチが悪いんだと(ry
カノジョ欲しがってるわりに、なぜか貴子は恋愛対象から外れている雄二というのはどうか。
諦めてるとかそういう話じゃなくて。
原典の貴明女装ネタをどうするかが問題だが。お化粧&パットやらなにやらでアダルティお姉さんに変身?
>>521 タマ兄に脅されてんじゃない?
手を出したら殺すと。
>>522 そして貴子とタマ兄がくっついたら、
「あー、貴子に手を出すなってそういう理由だったわけか。兄貴もやるもんだねえ」
と迂闊にもニヤニヤしてアイアンクローくらう雄二
悲劇よりも喜劇の方が好きなもんでね俺
ここの住人は雄二に対する言葉責めのプロだなw
向坂兄弟になると兄妹・姉弟の時よりタマ兄が容赦なさそうな気が。
しかし貴明で向坂姉妹丼なら貴子で向坂兄弟3Pという選択肢があってもいいはずだ…!
>>513 雄二のみ反転貴明悠里はこんな感じ?
「…ね、手繋いでもいい?」
「何で?」
女の子が恥ずかしそうにこう言った時点で察しなさいよ、この鈍感!
「だって最近寒くなってきたから…」
ああ、何であたしって素直に言えないかなぁ。
「じゃあこのほっかいろ貸してやるから、ほれ。なんなら手袋も使うか?」
でた。得意の空気読めない罪のない優しさ。
「―…ありがと」
はーあ、今日も何も進展なし、か…。何年もずっとこの調子よね、あたし達…。
「あら、タカ坊に悠里じゃない、どうしたの?」
「ゲ、姉貴…(上手く巻いてきたと思ったのに!)」
「あれ、タマ姉今日は用事があるんじゃ…?」
「…?(チラリと悠里を横目に)ふ〜ん、そういうこと。タカ坊、最近寒くなってきたわよね〜、えいッ」
「う、うわ、タマ姉!」
「人間ほっかいろ〜」
「姉貴、くっつきすぎくっつきすぎ! 離れろ!」
「タカ坊が温めてくれるまで離れなーい」
「あーもう、分かった分かった。タマ姉の言う通りにするから…」
「よろしい。じゃあ手繋いで温めて?」
「仕方ないなぁ」
今日も負けた…。あたし、向坂環の妹として生まれた時点で呪われてるとしか思えない…。
>>516 で、雄二のみ反転なしで向坂兄弟ガチバトルだとこんな?↓
「な、何で…」
貴子は今起きたことに混乱していた。
目の前にいるのは紛れもなく自分の親友である。その彼からの突然のキスに驚きと戸惑いを隠せない。
「何でって…兄貴帰ってきたし…」
「そこでどうしてタマ兄の名前が出るのよ!?」
「―…お前、マジで気付いてないのか…? 別にそれならそれでいいけどよ」
今まで男として認識していなかった相手からの突然のアプローチ。
それは貴子の頭を混乱させるには十分だった。
「俺、お前のことずっと好きだったから」
「う、嘘…。だって今まで散々他の女の子こと追いかけてたじゃない」
「そういうことすりゃあお前がちょっとでも妬いてくれるかと思ってた。…全然だったけどな。
それにお前、男苦手だろ? 俺がお前にこういうこと思ってんの知ったら避けられると思った」
確かに雄二は貴子の中では数少ない気軽にスキンシップができる相手であった。
それは二人の間にあるものが純然たる友情であり、女として認識されていないという安心感からである。
「お前にこの前初恋の話ししたの覚えてるか? 本当は気付いてたよ、あれがお前だって。
だから話した。話してもお前が知らないフリしたままだったら俺もこのまま黙ってようと思ってた」
「じゃあ、何で……」
「兄貴にだけは、渡したくねえって思ったから」
雄二の声が少しだけ強くなる。
「俺りゃあ今まで兄貴に負けっ放しだったさ。今だって勝てるもんが思いつかねえ。でも――」
真っ直ぐと貴子を見据える瞳。それに揺るぎはない。
「お前に対する気持ちだけは兄貴にだって負けねえ。――お前だけは、兄貴相手でも諦める気はねえ」
遠くで落雷の音が聞こえた。それはまるで今までの二人の関係を壊すかのような、そんな音だった。
貴子もいいが、悠里もいいな。
うまく言えなくて友達感覚から抜け出せないところもまたいい。
なんか、通販とかで、もうXRATED手に入れてる人がいるみたいなんだけど、
その報告によると、タカ棒はやはりというかなんというか、
エロシーンでは「お前、女が苦手って設定どこに置いてきた!」って
突っ込みたくなるほどエロオヤジ化してるらしい。
この設定を生かして、エロになったら突然主導権を握る貴子なんてのもありかも。
何か「雄二頑張れ〜!!」という気になってきた。
とりあえずXRATED来て一通りやったら考えてみよう。
……そう言う電波が来ればいいんだが。
フラゲした。
で、これを貴子さんがするのか、されるのか。
それが問題だ。
>>527 葉の初期主人公も基本的にそうだから、彼女らを考えると今更変更はしないでもいいとは思うけど。
ん? 祐子やはじめはエロエロだっけ?
好きな相手になら何されても許しちゃう貴子さんも
相手が好きすぎて積極的になってしまう貴子さんも
正直どっちも美味しく頂ける自信がある。キャラの幅が広がるのはいいことだ。
>>530 長瀬ちゃんはオクテだが耳年増という個人的イメージがある。
タカ坊の迂闊な口滑りっぷりが反映されると、だ。
貴子さんが事故で胸を揉まれてたりした時に、フォローしようとして
「き、気持ち良かったです」
とか言っちゃう訳ですか。
ば、爆弾娘だー。
>>524 超スーパーハイパーエキセントリックスペシャルGJ!!
貴明×悠里いいねっ!貴明×悠里×タマ姉の姉妹丼も捨てがたいが。
流れをぶった切ってすまんが、智代アフターについてはどうなるんだ?
妙なプレイをさせられる朋美。Mっぽくなるんかな。
智司に変態プレイさせられる朋美もいいな。
つーか朋美がSなんじゃなくて陽平がMなだけなんだよな…。
智代アフター…もとい智司アフターは反転鷹文が相当萌えそうだ。
朋美は、絡める相手次第でかなり変わりそうな気がする。
朱鷺乃も明日馬相手じゃMだったわけだが
透相手でもシナリオ次第で…
悠里の外見はタマ姉とうりふたつでOK?美人姉妹。
タマ姉との対比を出すため身長低め、スタイル控えめ、顔は童顔がいいと思う。
>513
タマ姉と雄二のみ反転した場合
妹の恋路を陰ながら助けてくれる良きおにいちゃんになってくれそう。
そーいや貴子イラストは保管庫に幾つかあるけど悠里はまだ一度も出てないんだな。
どっちがどっちでも構わないけど貴子とはロングとショート、巨乳と貧乳、童顔と美人系とか
どっかしら対比が欲しい所。あと他の反転ヒロインと被らない髪型とかの方がいいかな。
勿論はじめさんと女耕一の容姿が違うように貴子も悠里も設定によって
容姿が全然違ってもいいんだけど。
もし雄二のみ反転なら悠里は貧乳で姉とのスタイル差を気にしてたりすると(・∀・)イイ!と思う。
>>545 まあ書き手次第だと思うが、タマ姉&貴子との対比も考えると自分的には
髪型は貴子がロングで悠里がショート(髪の手入れ面倒くさがりそうだし、雄二と同じ髪型でもいいかも)
胸は貴子が爆乳で悠里が無乳(タマ姉や貴子を羨ましがるポジションだと思う)
顔立ちは貴子は童顔で決定だろうが悠里はどうなるか。美人系だが性格や装いゆえにそう感じさせない、くらいか。
身長は悠里の方が高そうなイメージがある。
幼馴染4人組で並べる場合、貴子と悠里は姉にも妹にもクラスメートにもなれるキャラだし、誰との2ショットを優先するかで性格や容姿に影響が出そうだ。
悠里は男っぽいイメージがある。
背が高くて中性的に綺麗で胸が無い。
女子校なら劇で真っ先に男役やらされそうな感じ。
幼馴染四人組の場合、貴明だけ反転だとタマ姉は貴子を男の時以上に可愛がりそう。
で、雄二と貴子くっつく→貴子がタマ姉の義妹になって(゚д゚)ウマー(いつまでも自分の手元に置いておける)
で色々画策するとか。
くっついてもなかなか進展しない二人にやきもきして貴子に色々吹き込んだり(主にエロいこと)。
このみと貴明反転だと好巳と貴子がくっつくようにアドバイスしたり。
貴明と雄二だけ反転だと貴子の百合ハーレム?
>>549 >雄二と貴子くっつく→貴子が自分のスールに
タマ姉ならむしろ、雄二なんかに任せておけないと自ら貴子を墜として百合展開に持ってく気がする。
そうなると九条院3人組はどうするべきか。
タマ兄・貴子・このみという組み合わせだと、このみはタマ兄を恋愛対象にするのだろうか?
貴子を大切な姉と思いつつもタマ兄のことに関してはライバル…とか。
>>551 GJ!
2人並べることを考えると、1&1の対比が面白いかな。動と静みたいな印象を受けた。
なんか最近鳩2一色になってきてしまったね。時期的に仕方ないが。
朋美とかの活躍が懐かしい。
智司アフター(?)の話題が全くでなかったからなぁ。
でも朋美には春原をいじめ続けていてほしい。
ま、蔵発売時も蔵一色だったし、発売直後の祭ってことで。
鳩2はまだ反転されてないキャラもいるし。草壁さんとか双子とか。
蔵や他の作品も移植版が出たらまた盛り上がるんじゃまいか?
向坂姉妹丼もいいけど、そこに至るまでの過程も見てみたい。
登校時、両側から妙に体を密着させてきたり
昼食時、お互いが作った弁当の味を競い合ったり
休日、お互いが二人きりで遊びたいがためにタカ坊の奪い合いになったり
姉妹仲が悪化し、ほとんど口をきかなくなったり
どちらかとセクースしている時に、隣の部屋で声を殺しながらもう片方が自慰をしてたり
虚ろな目をしながら小一時間問い詰められたり…
途中から違うゲームになっていたが全く気にしない。
>>556 タマ姉が貴明を驚かそうと家に忍び込んでみたら悠里をイタしていました、とか
>>551 >>貴方が姉妹丼したいのはどの悠里ですか?
2番っ!!
誰か悠里のSSを書いて欲しいなぁなんて思っちゃったりするわけですが
559 :
sage:2005/12/11(日) 19:37:35 ID:cXOWSStb0
ぐはぁ、メールと名前の欄間違えたorz
>>559 確かに見事だ…だがこれは胸大きくしたら朱鷺乃に…
今まで脇側に回ることが多かった悠里もだんだんキャラ立ってきたな。
しかし向坂姉妹ルートだと双子ルート以上にタカ坊が振り回されそうな気がする。
ある意味向坂兄弟で貴子争奪戦より熾烈な争いになりそうというか…。
双子みたいに上手くいきそうにないのは悠里の方に姉へのコンプレックスがあるからか。
>>564 GJ!
俺はこういう絵、好きだ。今までこういう絵なかったから新鮮だよ。
これで携帯ストラップとか作って欲しいな。絶対買うぞ俺は…
何気にココでは初めての朱鷺乃絵?
なんとなく思い付いた事を…
朋美に性格反転ダケ食べさせるとどうなるんだ?
やっぱりデレデレで春原とイチャイチャしているんだろうか?俺にはそんな光景しか想像出来ない…
>>566 性別・性格反転かあ。なんかもう別人だねって気がしなくも…。
それにしても、蔵反転は岡崎か春原のどっちかが反転してる馬鹿ふたりカプが多いな。
俺もこのカップリングが一番好きだけどな。
なんか東鳩2ばっか盛り上がってるから蔵は需要無いと思ったけど
そのうち書いて良いかな あんま面白くないけど
需要は普通にあるんじゃないか?
需要云々より自分が書きたいかどうかの方が大事かと。
反転ヒロインってオナニーするん?
ガンガンやりまくり :
たま〜にやる :
つーかなによそれ? :
で分けたらどこに誰が入るんだろう?
つーかなによそれ?:亮子、ひろみ、往穂
かな。あくまで個人的な意見だが
>>572 +朱鷺乃。自分でやる必要がないw
貴子はたま〜にやる:、かな
ひろみと往穂はむしろガンガンやりまくりw
ふゆはたま〜にやっては自己嫌悪に陥る
ガンガンやりまくり : 朋美
たま〜にやる : ふゆ
つーかなによそれ? : 蝉枝
そんな事してる暇とエネルギーあったら漫画描く方に回す:かずき
俺的にはこんな感じ。
ナスティなエージェントはハードなエロ本を所持してた実例があるんで‥‥
未亡人な朋美、アロウン、ハクオロもカンガンっすな。
こんな話題でも久しぶりにアロウン様の名前使えてウレシス(*´Д`)‥‥SSキボーン
577 :
自己レス:2005/12/12(月) 22:44:45 ID:Ao1Pxv8jO
>>576 うあ、しまった。アロウン様未亡人でもなんでない。相手が居ないだけだった
ちょっと吊ってくる
しかし聖上のあのフィニッシュまでの早さ。
反転した場合、感度超抜群ってコトか・・・。
>>580 九品仏さん「河野貴明‥‥恐ろしい娘っ‥‥!?」
‥‥なんか久しぶりにみる名前が多いな
ヒロインズが何をオカズにしているのかも気になる所だ。
あと、素手派か道具派とかも。
朋美や朱鷺乃なんかは春原や透に自分の目の前でオナニーさせて
それをオカズに…とかやりそうだ。そして道具を自分でなく相手に…(;´Д`)
貴子は好きな人の匂いとか温もりで衝動的にしそうなイメージだ。
タマ兄や好巳や雄二のベッドに潜り込んで情事を思い出して…みたいな。
見つからずに終われば罪悪感、途中で見つかったら美味しく頂かれそうだ。
机の角・・・。
はじめや裕子は一度始めたらクタクタになるまで止まらなそうだな。
つうか手や道具じゃ収まらなくて四兄弟をロックオンしたり。
「おい聖、待合室の掃除終わったぞー」
「うん?あ、ああ…。なら次は洗濯をやってくれ」
「あ、それももう終わってるぞ。
…じゃあちょうどいい時間だし佳之でも迎えに行ってくるかな」
「…………一体どうしたんだ、往穂くん?」
「何が?」
「…いや、いつもの君ならなんのかんのと愚痴を言ってるじゃないか。
どうしたんだ?具合でも悪いのか?」
「何言ってるんだ、聖?もうすぐクリスマスだろ?
だから今年こそサンタさんが来てくれるように、いい子にしてるだけだ」
「…………………え゙?」
「まぁ、お前みたいな不良医者の所には来てくれないだろうけどな。
……どうした、聖?呆けた顔して?おーい、聞こえてるかー?」
「…………………………」
「おーい?……ま、いいか。んじゃ行ってくるぞ」カチャ、パタパタパタ…
「…………………………」
「………なんというか……意外だ……。
……どうやら今年はプレゼントが二人分必要だな………」
なんとなく思いついたクリスマスネタをば。あえて最近見ないキャラで。
往穂はずっと旅してたせいで微妙に一般常識が……なイメージがあったりするんだけど
なんかキャラ違い過ぎた(;´Д`)
これまでは旅してるからサンタさんが来なかったと信じてるわけか。
で、今は居候とはいえ家があるから、期待に胸を膨らませている、と。
…かわええ。
ところで、タカ坊女装シーンはただ反転して貴子男装よりも、
悠里に男装させて貴子がそれに(悠里とは知らずに)どきどきしたりとか、そんな感じの方がいい気がした。
「ある程度悠里フラグが立つと、男装悠里登場→バレた後百合に(ry」とか思いついたんで辻褄合わせようとしただけだが。
>>588 確かにそっちの方が自然というか面白そうだな。
そうなると貴子の初恋の人はタマ兄ではなく悠里?
この場合悠里EDは悠里×貴子になるのか貴子×悠里になるのか…。
雄二貴子の組み合わせだと可愛く変身させられた貴子に気付かず雄二が…で、
貴明悠里だとその逆?(かっこよく変身させられた貴明に気付かず悠里が…)
590 :
愚者:2005/12/14(水) 16:26:37 ID:PAY+P6N70
幼タマ兄は幼貴子をどう扱っていたのだろう。
本編のように連れ回して無茶やらせていたのなら自然と装いも動きやすさを優先して男の子っぽくなっていただろうし、
その状況でスカート穿かせておすましさせれば、雄二の目には貴子と見えなかったというのも納得できる。
逆に本編のこのみのように安全圏にいて、タマ兄の女扱いだったのなら、多少おめかしした程度ではイベントが成立するまい。
…やっぱ男装か?
>591
ネギ突っ込まれてるから、安全圏でないことは確かだな。
>>590 むしろ俺の脳内イメージぴったりなわけだが。
>>591 そこで男装ではなくメイド服ですよ。以来雄二はなにかとメイドメイド言うように…。
小さかった頃はタマ兄もまだ男女の違いとかそんなに意識してなくて女の子の
扱い方も心得ていなくて貴子にも自分と一緒に無茶なことさせていたのかもしれない。
世話焼きのやり手ババァみたいな委員ちょは、反転させたらどうなるんだろうか?
女っ気の無かった反転由真がまとまりそうなのを生暖かく見守りつつ色々と画策するんだろうか。
今、由真シナリオ追加部分をやっててちょと思った。
ブルマずり下げるなタカ坊。
>>595 ブラコンの妹(弟になるのか?兄貴にゾッコンな病弱弟ってふぉも臭きついんだが)がいて看病に気を使いつつも、
書庫の私物化を謀って飲食物を持ち込んだり気弱で男性が苦手なクラスメートの女子を連れ込んだりして、図書委員長に糾弾される。
…あれ?
>>596 ちょww
反転した途端委員長が物凄い腹黒キャラみたいになってワロスw
事実だけ並べると貴子さんなんて簡単に落とせそうなキャラに見えるマジック。
愛佳と由真をどちらかのみ反転の場合二人の仲に貴子さんが嫉妬したり
というのも有りなんだろうか。
598 :
名無しさんだよもん:2005/12/15(木) 02:28:30 ID:XRyfhlV70
>596
貴子と郁乃の関係が原作よりもさらにギスギスしそうだな。
どうやら第2回最萌をやるらしいが、
反転スレも久しぶりに最萌やってみるか?
反転最萌は埋めネタにとっておいても良いんじゃないかな。
>>596 反転郁乃がお見舞いに来た貴子に
「兄はああみえても女が居ないとダメな人でね」とか
「ねえ、自分が何人目なのか教えてあげようか?」とか言われるのか。
何故に真実味が増してるのだろうか?
容量ギリギリよりちょっと早めに次スレ立てて埋めネタに使うのがいいかもね<最萌
新たにビジュアルついたキャラや段々キャラが確立してきたキャラもいて結果が楽しみだ。
>>600 不安になった貴子に真実を証明する為郁乃の眠る病室で事に及んでしまう
委員長(場合によっては3Pへ発展)とか
貴子の委員長への気持ちを試すつもりで貴子に襲いかかる(もしくは言葉巧みに惑わして押し倒す)
反転郁乃と郁乃の言葉に動揺して抵抗できない貴子で→郁乃にNTRバッドED
とか一瞬考えてしまった。どう見ても違うゲームです。本当にありがとうございました。
今まで幼馴染組ばかりにスポットが当たっていたせいか意外な所からダークホースが出た感じだ。
>>601 >意外な所からダークホースが出た感じだ。
じゃあ次は黄色に日の目が当たるばうわなにをするんだおまえらやめ
では更にその次は双子……お風呂で3Pと言うことを考えると……
二穴責めか二本差しか?
しかもその場合処女を奪うのは……。
ED後なんて貴子の体が壊れそうだ…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
純愛ゲーのはずなのに毎日セックス漬け…?
おのれバトラーロボっ…前作に引き続き
今回もっ…!
反転するとTH2はなんだか嫌なゲームになるなぁ
鳩2はシナリオ重視というよりは、キャラ萌え重視のゲームだしね。
ということは、ヒロインキャラを性別反転させると、男としては困った設定の
持ち主ばかりになってしまうという・・・。
となると、男(あるいは女)として成長したキャラが何らかの要因で性別反転するタイプのものがいいのかねぇ
あんまり男になるものは食指をそそられないけれど
シリアス物は結構あるからコメディ物を読んでみたいものです
いやいやあのヒロイン達が女として成長した後TSだと最初から反転より
恐ろしいことになりそうだぞ。タマ姉辺り平気でタカ坊堀りそうだし。
>610
なんぼタマ姉でもそれはないw
顔はイケメソなはずなので、せいぜいヤケになって他の女の子を食い散らかすぐらいだろ。
つーか、総じて突然TSしたキャラって冷静だよな。
暢気に学校行ってないで病院に行けという。
>>596 他のキャラも結構ヒドイぞ。
タマ姉 年下の女の子にネギ攻撃をして男嫌いに追い込む。
このみ 高校生(PC版では18歳以上)にもなって、恋人でもない
女の子と同衾。夜に一人でトイレに行けない。
由真 同級生の女の子に因縁をつけストーカー行為を繰り返す。
るーこ 公園で女の子を逆さ釣りに。
黄色 体育用具室で同級生の女の子を押し倒し脅迫。
双子 片方はいきなりキスし、もう片方は強姦されたと悪い噂を流す。
毎日のように付きまとい登校拒否に追い込む。
草壁さん 学校で夜伽を強要。
ささらはネタバレになるのでまた今度。
なんか、男性恐怖症が悪化しそうだな貴子……マトモな男が誰一人としていねえ。
>>613 本編での女嫌いは、タマ姉の告白を冗談として流してしまったことに対する罪悪感からきたものだと解釈してる。
ネギ攻撃とか「女の子になってくれなかった」イベントとかが女嫌いの原因っぽいというのは否めないが。
タマ兄シナリオの派生形として、タマ兄と遠距離恋愛中ゆえに他の男を避ける「タマ兄専用貴子」みたいなのがあってもいいかもしれない。
しかし、何で反転すると揃いも揃ってセクハラ集団になるんだ。
シナリオによっては貴子が引き篭もりになってしまうというのもわかる気がする。
サンタさんのプレゼントは性別反転した悪友でした
何考えてんだ・・俺・・・
それは違うね
そういう発想こそがこのスレでは重要なのだよキミ
で、どうだい そのネタで一本
>>618 頑張って携帯でやってみた。スルー推奨。
「うー、るーはさんたくるーすだ。よい子のうーにプレゼントをあげよう。何か望みを言え」
(゚∀゚)ラヴィ!
「そうか、気軽に付き合える恋人がほしいのか。」
(゚∀゚)ヴァンダボー!
「‥‥よし、おまえの一番気軽に付き合える相手を女にしてやったぞ。よろこべ。それと基本は三倍返しだ。」
(゚Д゚)ポカーン‥‥
‥‥翌朝
「やべーよ聞いてくれ貴明。なんか俺、女の子になっ」
‥‥('A`)ノシ
「っておい、スルーかよっ!少しは心配しろよ!萌えろよ!フラグたてろよ!‥‥せめて会話しろよっ!」
>619
タカ坊の華麗なスルーっぷりに噴いた。GJ!
エロゲでは大抵中田氏がデフォだが、貴子が出来ちゃったときの男性陣の反応はどのようなものだろうか。
好巳はその辺のことを覚悟してそうだから、意外と冷静なような気がする。
いいんちょは「こないの」って言われただけでパニック状態になりそうだし、
双子の場合父親がどちらか分からず一悶着ありそう。
タマ兄はむしろ孕ませる気満々で抜かず六発ぐらいはやってのけそうw
あとはワカンネ
>>621 自分達が海外にいる間に一人娘を孕まされた貴子の両親の反応が気になるな。
本編の放任っぷりからして、存外気にしないのかもしれんが。
タマ兄は何気に本編終了後2ヶ月もすれば結婚可能になるというのは大きいと思うんだ。
7月7日に入籍→タマ兄の卒業式、貴子の腕の中には可愛い赤ん坊が
という光景が容易に思い浮かぶ。
タマ兄なら貴子の生理周期調べて排卵日割り出して危険日を狙って孕むまで中出しとか本気でやりそうだ。
>双子の場合父親はどちら
イルファに決まってるじゃないか。
>>622 タマ兄すげえw
しかしタマ兄にとって貴子はある意味光源氏計画の賜物ともいえるし、
昔からずっと好きだったのにも関わらず片想いのままずっと離れ離れで…
という状況を考えると両想いになった後は何の障害もなく即結婚出産と考えても
不思議じゃないのかもしれない。結婚すれば事実上独占権を得たようなものだし。
貴子の性格的に浮気はないだろうし、貴子の両親もタマ兄や好巳が相手だったら即了承しそうだし。
しかしここで怖いのは草壁さんであり。
草壁さんもある意味タマ兄に近い状況であり結婚前提まで考えてそうな気が。
好きな人との暖かい家庭に夢持ってそうだし。
いきなり現れた男と貴子がラブラブで子供までできてた時のタマ兄の反応が恐ろしい…。
貴子を孕ませちゃった場合の反応
容認派(と言うかむしろ狙っていた派?)
好巳(むしろここの場合下手をすれば家族総出で嫁に迎える為に画策していそうな気が)
タマ兄(光源氏計画の成果確認?と言うか確実に狙ってるw)
草壁さん(暖かい家庭を持ちたいという希望から案外そうなったらそうなったであっさり覚悟決めそう)
珊瑚(自分だと確実にわかっている場合ならきっと何も考えずに大喜びしそう)
パニック派(事態は悪化の一途?それとも?)
いいんちょ(大パニックで、最後には「責任取りますから」とあわあわしながら言いそう)
由真(自分の将来の選択肢にますます悩みそう。「堕ろせ」とか言うかも?)
瑠璃(自分が孕ませたら非常に悩みそう。その横で珊瑚が喜んでいるのを見て更に鬱が入る。珊瑚の場合ならとりあえず珊瑚の為に「堕ろせ」とか言うのでは?)
反応不明
花梨(案外あっさりと認めるかも?家族みんなでミステリ追求とか言って)
るーこ(??誰か考えてくれ)
ささら(未クリアの為誰か頼む)
と、想像してみた。
やはり怖いのはタマ兄か、家族総出の場合の好巳か。
しかし、反転後の名前が決まってないキャラ多いな、鳩2は
>>624 由真なんかはそれがキッカケで責任取る為に自分の将来をちゃっちゃと
決めちゃってその事で由真の悩みを知ってる貴子と揉めそう。
るーはED後ならそれが当然と思ってそうだから冷静に容認派かも?
ついでに雄二は最初パニック→いざとなったら姉(兄)や両親に頭下げてでも産ます派?
こう見ると独占欲の強さと共に過ごした年月が影響するのか幼馴染組が強いな。
家族総出の好巳と跡取り確定のタマ兄、既に自立してる珊瑚辺りは経済的にも問題なさそうだし。
しかしタマ兄と貴子間に一人娘が生まれようもんなら本気で
「娘が欲しくば俺を倒していけ!」な父親になりそうだ…。
なんか某触覚親父とかぶるな…
ゲーム中一番の策士な黄色はアレですよ。
事前に飲み物とかにいろいろ仕込んでるわけですよ。だから中田氏もおKなんです。
それどころか媚薬しこんで極エロプレイでも利尿剤でにょプレイまでなんでもありなわけですよ。
>>625 >タマ兄と貴子間に一人娘が生まれようもんなら
むしろタマ兄が、たとえ我が子であろうと男が貴子に接触するのを許すはずがないじゃないか。
狙って女の子を孕ませるに決まっている。
…タマ兄なら貴子の母乳まで独占しようとするかもな。
そこまでいくと変態だよタマ兄w
>>612 ???「先輩!梓先輩!」
梓「…ん?あんた誰よ?(なんか見覚えのある顔だけど…)」
???「私です!日吉かおりです!」
梓「へ?かおり? でもあんたどう見たって男の子…」
かおり(♂)「朝起きたら男になってたんです!びっくりしました!」
梓「(ていうか普通パニックになると思うけど…)」
かおり(♂)「…ところで先輩。 今の私は男の子…という事は、これでもう先輩と恋人同士になるのに
社会的にも生物学的にも何の問題もありませんよね?」
梓「…う」
かおり(♂)「今度こそ私の想い、受け入れてもらえますよね先輩ー!」(ルパンダイブ
梓「うゎあぁぁぁー!」
最初から一線越えちゃってる人は大丈夫なのではとw
「く、草壁君!な、なめて…私のっ…」
葉キャラの「孕ませちゃった場合」を想像するとちょっと面白いが、鍵キャラだといまいちピンと来ない。
「もう落ち着いたか…?」
「うん…ごめんね……」
家の布団の中で俺の手を握り締める貴子に俺はそっと問うた。
陽はもう沈んで、窓の外は真っ黒な絵の具を垂らしたみたいだった。
長い一日が終わろうとしている。
こっちにきてまだ二日目。それでも今までの俺の人生の中で一番濃い日だったと思う。
今までの俺の平和な日常は緩やかに崩れている。この少女の存在によって。
それでも、例え今までの平和な日常を失ったとしてもこの手を離そうとは思えなかった。
昨日はとにかくパニくって不安ばかりだったが、今はもう元の生活に戻りたいとは思わない。
この子を――貴子を――放ってここから逃げ出すなんて、できそうもなかった。
もしかしたら彼女は、俺ではなく本来の親友を求めているかもしれないけど。
「いっぱい…迷惑かけちゃったね……」
「そんなことねえよ。今、俺がこうしていられるのもお前がいたからだ」
少しだけ手に力を込める。
――あの一件の後、貴子は結局早退した。
本人は平気だと言っていたが、教室に入ろうとした瞬間に体の方が反応していた。
腰が抜けて半狂乱になった貴子は、俺がいなかったら叫びだしてたかもしれねえ。
そんな貴子を無理矢理早退させた。言い訳なんて後で幾らでもしてやる。
ただ、このお陰で兄貴にこの事を隠し通すのが絶望的になったことも事実だった。
兄貴は俺が話さなくとも貴子や俺の態度から何となく勘付いてるだろう。
姉貴と同じで意外と聡い人間だ、アイツは。
でも、これで良かったのかもしれない。
「…ありがとう…悠里。側にいてくれて……。私、悠里がいなかったら…もう立てなかったかもしれない…」
貴子がゆっくりと瞼を落としながら言う。疲労が現れたのか、意識は現と夢を彷徨っているようで、
俺のことを完全に「悠里」だと思っているみたいだ。
「前も…こんな風にしてくれたよね……」
こっちの俺は、貴子が最初のレイプ未遂にあった時もこういう風に彼女を支えたのだろうか。
その時、彼女は何を思ったのか。
俺と同じ歯痒さだったのか。
それとも、俺には分からない今までずっと側で見てきた人間にしか分からない感情だろうか。
そんなことを考えながら俺はもうここにはいないもう一人の俺を想った。
黙って、手を握っていてやれば貴子は静かに目を閉じ、規則正しい呼吸を繰り返す。
貴子の眠りを妨げないようにゆっくりと手を外そうとすると、またきゅっと少し強く握り返された。
「…貴子?」
「―…もう、ちょっとだけ……だめ?」
上目遣いで縋るように俺を見つめる貴子。
そんな寂しそうな目されたら、離れられるはずないじゃないか。
「―…じゃあ、もうちょっとだけ」
「ありがと……」
俺の返事に貴子が優しく笑う。
繋がれたこの手は、この子をずっと支えてきたものなのかもしれない。
例えば、向こうの世界で貴明がすっげぇへこんでたら、俺はこうして支えてやれることができるだろうか。
そこまで強くあれるだろうか。
もしかしたらこっち側の俺は、俺が思ってるよりずっと強いのかもしれない。
「悠里って…どうしようもない馬鹿だけど…優しいよね……」
「そ、そうか…?」
どうしようもない馬鹿。何か微妙にショックだ。確かに俺も姉貴や貴明にアホだとか言われまくるが、こっちの俺もそんな所は一緒なのか。
「…悠里が……男の子だったら…もっと男の人を好きになれたのかな……」
「―……」
瞼を落とした貴子は消え入りそうな声で言う。意識はもう夢の世界に落ちる寸前なのかもしれない。
夢の中だけはせめて、安らかな日常であればいい。
「悠里が…男の子だったら……好きになっちゃってたかもしれないな…」
「え…?」
思いがけない言葉。
心臓が殴られる。
たった一言。呟くような言葉なのに俺の心臓は自分の役割を忘れたかのように煩い位に鼓動を体中に知らしめる。
「た、貴子…?」
名前を呼んでも反応はない。爆弾発言をした本人はもうすうすうと安らかな寝息を立てている。
全身に血が回る。顔が火照る。
冷静に考えればそれは「かもしれない」の可能性の話でしかなくて、彼女が好きなのはあくまで「悠里」であって「俺」ではない。
そしてそれはたぶん錯覚でしかない。弱ってる時に優しくされたから、彼女は友情を好意と勘違いしてるだけだ。
頭では分かってる。でも、理性で割り切れるほど冷静でなんていられない。
出会ってたかだか二日なのに、彼女は俺の感情をかき回す。
こんなにも感情が乱れたのはたぶん、あの初恋の白い娘にあった時以来だ。
今でも忘れていないあの娘と貴子が重なる。
でもそれはありない話だ。あの娘と貴子が生きる世界は違うんだから。
そしてそれは俺と貴子が違う世界に生きている事を示す。それを実感するたびに泣きたいような気持ちになるのは何故だろう。
こんな感情は今まで知らなかった。
失うことが怖いだなんて、俺らしくもない。俺が誰かに固執するなんてありえない話じゃないか。
いつか別れる日がくることは分かっているのに、どうしてこの感情を止められないんだ。
「貴子…」
一度だけ、今度は俺の方が縋るように貴子の手を握って、そうして離した。
彼女に触れてしまいたい気持ちを抑えて、部屋の外に出る。
彼女の寝顔が安らかなことを確認して。
「――今日、何があった?」
部屋の外に出て廊下を歩いていると、その途中で兄貴が声をかけてきた。
その表情にいつもの余裕はない。昨日の夜、俺に頭を下げた時と同じように真摯な表情だ。
「―……」
「…言えないことか?」
黙って顔を反らす俺に兄貴が低い声で問う。俺は何も答えられない。
本当ならこいつには…こいつにだけは真実を告げなきゃいけないのかもしれない。
もし俺が兄貴の立場だったらたぶん相手を殴ってでも聞きだしてる。
けど、俺には貴子との約束がある。だから絶対に口を割るわけにはいかなかった。
「…なら、相手は誰だ?」
兄貴は俺の態度から俺の気持ちを察したのか、質問を変えてくる。
本当ならば兄貴だって無理矢理にでも真実を聞きだしたいだろう。
でも、それをしないのが兄貴の信念であり、美徳であり、そして向坂鐶という人間の生き様なのかもしれない。
たぶんそんな姿勢に皆惹かれるのだ。こいつが外見だけじゃない男なのは昨日と今日の一件だけでも十分に分かる。
「答えろ」
何も言わない俺に兄貴の低く強い声が浴びせられる。
これ以上は無理かもしれない。これ以上は兄貴の心も、そしてそんな兄貴を見ている俺も耐えられない。
「俺はこっち来たばっかりだから…顔も名前も分からねえ。アンタのこと…知ってるみたいだった」
「…何人だ?」
「…俺が確認できたのは、四人」
「…そう、か……」
聡い兄貴は俺の言葉から、大体の状況を掴んだんだろう。
その拳が震える。眉間には皺が寄せられ、唇がぎりっと引き結ばれる。
できるのならば、その相手を殺してしまいたいのかもしれない。やり場のない感情を何かにぶつけてしまいたいのかもしれない。
それができない歯痒さ。それが嫌でも伝わってきたのは、俺も同じ気持ちだったからか。
「…すまねえ。俺がついていながら……」
「―…君を責める気はない。非があるのはむしろ俺の方だ。悠里の代わりにたー子を支えてくれたことは感謝している。
君がいなきゃ、もっと酷い有様だっただろう…前の時みたいに……」
兄貴の表情が切なく歪んで、俺はそこから先が聞けなかった。聞いてはならない気がした。
「あのさ…」
ふと言葉が口から零れる。
「…貴子のこと、好きか?」
出た言葉に自分でも吃驚した。
――俺はどうして、こんなことを聞くのか。
「好きだよ」
だけど自分でも驚く俺とは逆に兄貴は、まるでそれが自然のことのようにハッキリと言葉を返した。
そして少し自嘲気味に笑う。
「ずっと昔から。いつ好きになったかなんて分からないくらい。今でもただ大事で大切だ」
その瞳が恋焦がれるように離れた貴子の部屋の方を見つめる。
兄貴のそんな表情は初めて見る。貴子以外で兄貴にこんな表情をさせる人間なんてこの世のどこにもいないだろう。
向こうの姉貴も、貴明にはこんな顔を見せるのだろうか。こんな風に貴明を想っているのだろうか。
「幸せになって欲しいと思う。ただ笑っていてほしいと思う。けど、俺のせいでたー子は……」
自分の存在が彼女の笑顔を消してしまったと、責めているんだろうか。
側にいたいという想いと、幸せになってもらいたいという願い。顔には出さなくともこの男はその間でいつも揺れているのかもしれない。
「いつか…好巳か誰かが、彼女を幸せにしてやってくれたらいいと思っているよ…」
「―…ちょっと待て」
微妙に引っかかる言い方。俺は思わず兄貴の言葉を止める。
「…俺が幸せにする、とは言わないのかよ…? 何で、誰か、なんだよ……」
「―…それは、叶わない願いだよ」
深くなる自嘲的な笑み。どこか諦めたような言葉。
「俺は…向坂家の跡取りだからね。高校を卒業したら、どこかの令嬢と見合いさせられるのは昔から決まっていたことだ。
昔からその事だけは何度も教え込まれてきた」
「…何だよ、それ……」
俺は言葉を失くす。それは、あまりに理不尽じゃないか。
家の為に誰かを犠牲にしなければならないのか。そこにある想いも、心も無視して。
それが許される世界なのか。そんな風にしか、この家は成り立たないのか。
自分の事じゃないのに腸が煮えくり返りそうになる。
この家の理不尽なしきたりにも、それにただ従っているだけの兄貴にも。
「…俺が馬鹿だったんだ。この町を離れる時に心はもう決めたはずだった。
彼女とももう二度と会うこともないと思ってた。でも…駄目だったんだ…」
切なく揺れる兄貴の声。それは己の愚かさを悔やんでいるからか、
それとも未だに叶わぬ願いを抱き続けているからか。
「何年か経って…両親が暫く顔を見ていないだろうって、俺に写真を送ってくれた。そこには悠里と…たー子が写ってた。
凄く綺麗になってて…吃驚した。昔は男の子みたいだったのに…彼女は俺の知らない間に女になってた」
懐かしさに目を細め、兄貴はその時のことを語る。
――町を離れたと同時に諦めたはずだった彼女への想い。それが、写真から溢れ出してきた。
とても綺麗になっていた。笑った顔は、本当に花みたいで、その微笑みの先にいるものに嫉妬した。
どんな顔で、どんな声で、話すのだろう。この写真の笑顔を自分にも向けてくれるだろうか。
また、昔みたいに自分の名を呼んでくれるだろうか。
たった一枚。けれどその写真から懐かしさが、そして愛しさが、自分の中で爆発した。
感情が制御できなくなって、ありとあらゆる手段を取って、そうしてようやく勝ち得た。
一年という期限付きで、彼女の側にいられる権利を。
当然のように一族の人間には最初反対された。
けれど卒業と同時に一族の勧める縁談を受けるということで、ようやく了承された。
今でも後悔はしていない。たった一年でも、側にいられるのだから。
実際に会った彼女は写真の中の少女よりずっと美しかった。
くるくる変わる表情。昔と同じように「タマ兄」と自分を慕い、
文句を言いつつもいつだって自分についてきてくれる。
彼女の前だけは一族のしきたりとか、そんなものを全部忘れて素のままの自分でいられた。
子供のままでいることを彼女は許してくれた。
好きになってくれたらいい。いつかその体を抱きしめられたらいい。
でも多くは望まない。今はただ、自分の隣で笑ってくれればそれで。
幸せだった。九条院にいた頃には考えられないくらいに。
――そう、あの時までは。
幸せなんてそれこそ簡単に崩れてしまうことを思い知った。
新聞やニュースになるような事件ではない。他の人間から見たら些細なことかもしれない。
それでも、今までの幸せな生活を壊すのには十分だった。
新聞で何度か見かけた「婦女暴行」の文字。その時は、
ただどこかでその「事実」があったのだと知るだけで、深くは考えなかった。
自分の身にふりかかってようやく思い知る。人は所詮自分の身近な事にしか温度を感じられないのだと。
あっという間に尾ひれがついて学校中に広まる噂。
他人から見れば「事実」でしかないそれは無責任に広まる。
「事実」の外に如何に人が無関心であるか、それがどれほど人を傷つけているか、初めて理解した。
人は愛の言葉を囁くより容易く、決められたルールに何ら疑問を持たずにいるかのように、他人を傷つける。
どうして。と、思った。何で彼女だったのだと。
自分が側にいたからだろうか。
愚かに一時でも彼女と幸せになりたいと願ってしまったからだろうか。
これはその罰だろうか。
誰かを想う、それすらも罪だったのだろうか。
ならば、罰を受けるのは自分であったはずなのに。
笑顔を失った彼女。何も出来ない自分。
あの時ほど己の無力さを悔いたことはない。
今まで学校で学んできたことも、賞賛された強さも、全てが無意味だった。
結局の所、自分は一人の女の子の涙を止めることさえできないのだ。
それが悔しくて悔しくて、たまらなく情けなかった。
幸せになって欲しかった。笑っていて欲しかった。
でも自分が側にいればそれは叶わないということを知った。
だから、誰か、彼女を幸せにしてやれるといい。彼女が笑っていてくれればそれだけで満たされる。
辛いかもしれない。苦しいかもしれない。自分以外の男の側で笑う彼女を見るのは。
でもそれしか彼女の笑顔を守る術がないのなら、その痛みにだってきっと耐えられる。
苦しくてもいつかきっと、「昔好きだった人」だと、胸を張って言えるようになる。
自分が彼女の幸せな未来を潰すわけにはいかない。
平気だ、たかだか恋を一つ捨てるくらい。
それがたとえ自分の全てを捨てることになろうとも、彼女の笑顔がなくなるよりずっといい。
そう思うのに、思いたいのに、彼女の側にいられる今が
いつか「いい思い出」になるのが、こんなにも怖いのは何故だろう。
彼女の笑った顔も、自分を呼ぶ声も、全部色を失って消えてしまう。
そう考えるだけで、どうしてこんなにも切なくなるのだろう。
諦めようと思うたび、そうやってこの気持ちを実感して泣きたくなる。
たまらなく、彼女が好きなのだと。
「馬鹿だね…俺は。諦めたはずなのに…俺が側にいればたー子を傷つけるのは分かっていたことなのに……」
――それなのにまだこんなにも、彼女のことが好きなのだ。
そんな兄貴の言葉にならない叫びが、その言葉から伝わってきた気がした。
「―…バッカじゃねえの」
思わず本音を口に出していた。もう殴られるのは覚悟の上だ。
「アンタ、レイプ未遂を言い訳にしてるだけで実際は貴子に自分の想いを伝えるのが怖いだけなんじゃねえの?
拒絶されて自分が傷つくのが怖いんだ? それを一族のしきたりだとかレイプ未遂のせいにしてるだけだろ、この臆病者!」
「お前に俺の気持ちなんて分からない…!」
兄貴の声が荒れる。けどここで引くわけにはいかない。
「ああ、わかんねえよ! でもなぁ、向こうの姉貴はそんな事で諦めるような奴じゃなかったぜ!?
どんなでかい壁でも立ち向かってそれを全部ぶっ壊して進むような奴だった。
あんたみたいに逃げてるだけじゃなかったぜ!」
「…ッ!」
兄貴の表情が歪む。そんな兄貴に俺は詰め寄った。
「好きなんだろ!? だったら逃げるなよ! アンタらしくもねえ。
好きなんだったらいつもみたいに王様気質で全部ぶっ壊しゃあいいじゃねえか。
俺が幸せにしてやる…くらい言えよ、姉貴の男版なら……」
自分でも無茶苦茶なことを言っているのは分かっていた。それができてりゃあ兄貴もこんなにも悩んでないだろう。
俺が言っているのは途方もないことなのかもしれない。兄貴の言う「叶わない夢」なのかもしれない。
でも、それでも簡単に諦められるほど大人じゃいられない。
それを言わずにはいられなかった。
俺のその言葉に兄貴は俯くだけで、何も言わなかった。
「――敵わないな、ほんとに……」
暫くの沈黙の後、兄貴の口からポツリとそんな言葉が漏れる。
兄貴の表情が、緩む。顰められていたその表情が段々と穏やかなものへと変わっていった。
「確かに、ね…。俺は…逃げてただけかもしれないな…。
たー子の傷ついた姿がもう見たくなくて…必要以上に臆病になってたのかもしれない」
兄貴が顔を上げる。そこにはさっきまでの辛そうな表情はない。ただ穏やかな笑みが浮かんでいる。
「ありがとう。お陰で決心がついた。俺はもう逃げない。もし…もしも、たー子がいつか俺を…俺だけを、
選んでくれる時がきたなら…その時は家も家族も、何もかも捨ててたー子を掻っ攫って逃げるのも悪くないかもしれないな。
たー子の両親には恨まれるだろうし、君や悠里には迷惑かけるかもしれないけど」
冗談とも本気とも分からない言葉をさらりと言う兄貴はいつもの向坂鐶だった。もう表情に曇りはない。
「しかし…君は本当に悠里以上の命知らずというか…挑戦者のようだね。体が悠里だったことを感謝しておくんだよ。
もし男の体のままだったら途中で一発殴ってたかもしれない。
流石に腹が立ったからね、人の気も知らないでいきなり「臆病者」呼ばわりは」
「ハハハ…以後気をつけます」
こ、怖ぇえぇえええ!
このニヤリ笑いは流石は兄貴。俺の言葉のせいで完全復活ってやつですか!?
何か俺、超セーフ!? 奇跡的ギリギリっぷり!?
ありがとう、悠里ちゃん! 君の体は最高です! 今後も迂闊な俺を守ってくれ!
しかしまぁ…さっきの湿っぽい兄貴よりこっちの方がらしいよな。それがいいかどうかは別として。
「まあ、君のお陰で腹も決まったし、さっきの事はそれでチャラだ。正直、あそこまで言ってくれたのには感謝しているよ。
悠里は流石にあそこまで言うことはなかったしね。そういう意味では…君に会えて良かったと思っているよ」
「兄貴、それ下手したら愛の告白とも取れるから人前じゃ絶対言わない方がいいぞ」
会えて良かったって普通同性に言わねえよなぁ…
姉貴もズレてる所あったが兄貴もそういう所は思いっきりズレてる気がする。
しかも兄貴みたいな男前には同性でもコロっと騙される奴がいそうな辺りが危険だ。
俺は勿論ノーセンキューなわけだが。
「む…じゃあ利用し甲斐があるとでも言えばいいのか?」
「いや…何か思いっきり違う気がするがアンタにはそっちのが合ってるかもな」
兄貴は姉貴とは違った方向で一緒にいると疲れる。
流石は同一人物。赤いアイツはいつだって俺を悩ませる。
「もう夜も遅いが明日はちゃんと起きろよ」
「貴子が起こしてくれたら一発で起きるさ」
「…ボディブローと関節外し、どっちが好きだい?」
「…ちゃんと起きます、すみません」
そんな他愛のない会話をして兄貴と別れる。出会ってまだ二日なのに俺も慣れたもんだ。
こっちの兄貴は慣れてしまえば男同士な分姉貴と一緒にいるより気が楽な気がした。
体が妹なせいか姉貴ほど人使い荒くねえし。ある意味あっち以上に怖いが。
俺が布団に入る頃にはもう夜中に近かった。
それでも簡単に眠れそうもない。
何の音もしない空間で目を閉じれば、何度もさっきの光景が浮かんでくるからだ。
――「好きになっちゃってたかもしれないな…」
俺にそう告げた貴子。握られた縋るような手。
――「好きだよ。ずっと昔から。いつ好きになったかなんて分からないくらい。今でもただ大事で大切だ」
貴子を想う兄貴の声。切なそうな表情。
頭の奥で警鐘が鳴る。今はまだ引き返せると。
貴子に対するこれは、好意なんかじゃなくて、保護欲なんだと。
恋愛感情なんかじゃない。そう言い聞かせる。
だって俺が貴子を好きになったって、ただ傷つくだけだ、三人とも。
どんなに想ったって、俺はいつか彼女から離れなきゃならない。別れは必ず来る。
もし一生このままだとしても、俺と貴子は同性。それは許されない関係だ。
それに兄貴はどうなる? あの行き場のない想いを潰す権利なんて、俺にあるのか?
告げる相手がいない貴子の想い。許されない兄貴の想い。…俺はどうすればいい?
考えれば考えるほどに苦しくなった。
この世界にきてまだ二日なのに、あの二人は俺の心のずっと深い所まで侵入してきて、俺の感情を揺する。
いつか決めるべき未来と、必ず訪れる別れを忘れるように俺は眠りに落ちた。
今はここにはいないもう一人の俺と、向こうの世界の親友や姉を想いながら。
それでも俺はこの時まだ知らなかった。
人の悪意の大きさを。そしてそこから生まれる哀しみを。
次回からようやく貴明悠里編で貴子雄二編は暫くお休みです。あっちはコメディ路線というかひたすら平和です。
貴子雄二編も次回以降はもう少し動きがあるはず…。
タマ姉は恋愛不器用な面があるので完璧に見えるタマ兄も臆病な面があるかもと。今回で開き直ったけど。
つーか、タマ兄はハンデがないと一人勝ち状態になってしまうので(;´Д`)
>>628 タマ兄は何年も男子校で抑圧されていた故にその反動で独占欲が強くなっても不思議じゃない…?
オマケ
罰before in クリスマス
「あぁ、神様! イエス様! 今年のクリスマスには緒方理雄似のイケメン彼氏をプレゼントして下さい!
それが駄目ならバトラーロボ! イケメンのバトラーロボをプレゼントして下さい!
ついでにもうちょっとあたしのおっぱい大きくして、あの鬼兄貴がもう二度とこっちに戻ってこないようにして下さい!」
「神様、僕ももっと身長が欲しいです! もっと男らしくなりたいです!」
「いや、二人ともそれプレゼントっていうより願いだし。しかも去年も同じこと言ってたじゃない…。
大体次の日いきなり身長が伸びてたり見ず知らずの男が彼氏になってたら怖いでしょ?」
「じゃあタカちゃんは何か欲しい物はないの?」
「とりあえず今年もみんなでお祝いできればそれでいいかな、私は」
「もう貴子は夢がないわね〜。あたしは今年こそイケメン彼氏と一緒に聖夜を過ごして熱く激しく情熱的に
処女を奪ってもらう予定だったのに…。兄貴が九条院に行ってる今がチャンスなのに〜…」
なんて言ってた時期があたしにもありました。
「今じゃ確かに隣に男はいるけどイケメンとは程遠いしねー…」
「お前さっきからブツブツ何言ってるんだ?」
そんなことを言ってた冬が過ぎ、春を迎えた今、あたしの隣には美しいお姉様と微妙な仲の男の子。
「別に何にも…」
男の子の体で迎えるかもしれない今年のクリスマス。ハッキリ言って想像できません。
罪before in クリスマス
「ああ、何で今年のクリスマスも俺は独り身なんだ! ありえねえ! 絶対ありえねえ!
こんな寂しいクリスマスなんざ認めねえ! せめてもの救いはあのゴリラ女が側にいないことだけじゃねえか!」
「ねえねえタカくん、ユウくん、今年もみんなでこのみの家でパーティしようよ〜。
お母さんがはりきってケーキ作るって言ってたよー」
「春夏さんのケーキか…。うん、楽しみだな」
「おいおいお前ら悠長にしてねーでちょっとは焦ろって。俺たち高校生になってまで彼女の一人もできずに幼馴染と仲良く
クリスマスだぜ? ありえねえ…絶対ありえねえ。お前らと過ごすくらいならメイドロボと過ごした方がなんぼかマシってもんだ」
「じゃあお前は来るなよ? 春夏さんのケーキは俺とこのみで食べるから」
「くそ…何で俺の周りは危機感のない奴ばっかりなんだ。あーあ、俺のためだけに手作りケーキ作ってくれて朝まで
ラブラブかつロマンティックに一夜を過ごしてくれる可愛い彼女が欲しーぜ。それで年上巨乳なら言うことなし」
なんて言ってた頃はまだ平和でした。
今、俺は正直崖っぷちです。
「ん……」
何かやたら色っぽい声を出して彼女は俺に抱きついてくる。マジで親友の体を抱き枕だと勘違いしてるらしい。
ぶっちゃけ俺の願いは叶いました。
ラヴラヴかつロマンティックな状況じゃないが可愛い巨乳の女の子と同じ布団で一夜を過ごしているのです。
今俺は最高に幸せだ。たぶん一生分の幸せを使い果たしたと言っても過言ではない。
―…しかしだ、明日の朝貴子が寝ぼけて俺の布団の中に入ってきたと
ありのまま説明してもあの兄貴が納得するはずがない。
明日の朝には処刑確定。俺は正直どうやって元に戻るかより
どうやって毎日を生き抜くかを考えた方がいい気がする。
とりあえず死ぬ前にこのボリューム満点のおっぱいの柔らかさだけは堪能しておきたいと思います。
>>642 GJ!! ひたすらにGJ!!
タマ兄マジ男前。相変わらず雲行き怪しいが、ハッピーエンドになってくれるといいなあ。
>タマ兄は何年も男子校で抑圧されていた
隔離された男子校に中学にあがる前からいて、欲情の対象もなく、気軽にタマ兄と猥談出来る生徒もいなかっただろうし、
下手すると自慰未経験なんじゃないかと邪推してる。
貴子の体を知ってどっぷりと嵌ったうえ、世間知らずが災いして貴子独占のために過剰な行動をとったりとか、騒動起こしそうだ。
なんか麻枝のシナリオみたいだな。 レイプ云々は別に、とりあえずヒロインがひたすら不幸じゃないと気が済まない的な印象だ。
どうもこういうドラマ的な山あり谷ありの谷の部分が正にどん底 みたいなのは読んでて胃がキリキリして辛いわ。
でも続きが気になって読んでしまう罠。 とりあえず、以前「ハッピーエンド信者」的なことを言っていた気がしたんだが、それを信じる以外ないなorz
本編もオマケもただひたすらにGJ!
そして俺もあの言葉を信じて待つよ同士645……!!
スレが活性化するんであれば、どんな内容、エンドでもいい。
職人がいてSSを投下してくれるということが、ただ、ありがたい。
>>623 草壁さん反転の場合、河野姓をもらって入り婿か。
共に再会型のタマ兄と草壁さんだが、過去に接点あった可能性もあるよな。
休み時間ごとに校舎内を2人で走り回っていたのなら当然タマ兄の目にも留まった筈。
低学年時だったようだが、内心どう思っていたのか。
貴子が「高城さんに河野の苗字あげる」と言うところをタマ兄が目撃していたら、すかさず
「じゃあたー子には俺が向坂の苗字をあげる」と言い出しそうだ。
しかし、ずっと離れていた2人より好巳の方が出遅れている気がするのは何故だ。
>>648 ずっと側にいたのにもかかわらずその思いに自覚がなかったからじゃないか?
まぁ、何にしろ好巳にはバックに両親、更にサポートによっちとちゃるがいる。
使える人脈を上手く使いこなせれば、充分対抗しうる存在になると思う。
とまぁ、好巳をフォローしてみたくなるのは好巳スキーなだけなのだが
好巳は強力なライバルが出て始めて、自分の気持ちを自覚するタイプだと思ってた。
雄二も似たようなタイプかと。好巳といい雄二といい距離が近すぎると
それだけで満足してしまうのかもしれん。
タマ兄と草壁さんは離れていた分最初から完全に異性として意識してるだろうし、
好巳や雄二と比べて出遅れたと本人は思ってそうだから焦りがあると予想。
今日
>>621-624の流れを見た直後だったせいか夢にタマ兄が出てきたorz
学校で携帯(PHS?)が流行る→興味を持つ貴子
→すかさず春樹さんが貴子の両親を説得して好巳とお揃いの携帯を持たせる
→メールの楽しさに目覚め好巳や他の男と毎日楽しげにメールしまくる貴子
→遂に自分もお揃い機種を買ってしまうタマ兄(自己嫌悪付き)
→毎日十通以上のタマ兄からのメールが来る貴子という内容だった…。
メールに絵文字や顔文字を使うかで小一時間迷ったり、
どんな用事をでっちあげてメールを送るか悩んだり、
画像フォルダは貴子で埋まってて離れてる間はテレフォンセックスも捨てがたいと企むタマ兄。
人の夢にまで侵食してくるとは…恐るべし、タマ兄orz
DPLで大連鎖したときの悠里のセリフを聞きたい。
原作準拠だと、バトラーさんへの愛をえんえんと語るのかな?
んで、ラストにタマ兄から恥ずかし固めをくらう、と。
あと、セクハラバトラーロボの出動はいつですか?
よっちとちゃるに交際を申し込まれる貴子。
彼らの言葉の意味が気になる所です。
太い方がいいか長い方がいいか聞かれるのか?
向坂姉妹の状態で、このみノーマルエンドだった場合悠里の立ち位置はどこだろう?腕に空きがない…
男1 : 女3の4Pだと、一人あぶれそうだし、ロリキャラでもセクシーでもないのでますます苦境にさらされそう。
哀れ悠里
>>656のを見てふと思った。
悠里はそのまんまタマ姉の容姿でも問題ない訳か。
性格だけをそっくり入れ替えれば案外それで充分見られるんじゃないかと。
問題なのはスタイルだけだが……
まぁ、それよりもとりあえず
>>656、俺個人の意見で悪いんだがGJだ!
>>657-658 向坂の血が入ってるんだから、悠里は相当スタイルいいキャラだと思うけど‥‥
まぁ、そのへんはあれだな見解の違いというか解釈の自由。
悠里はスゲエいい女になりそうだな
でも、やっぱりいいところは全部タマ兄の方に吸い取られてるような気もする。
悠里…恨むのなら雄二のスペックを恨め。
例えナイスバディだとしても元が雄二だと考えると向坂姉妹の場合
性格的に色気ではタマ姉に勝てそうもないんだよな…。
相手のタマ姉の基本スペックが高すぎて霞んでしまうだけという気もするが。
>>657 双子EDを乗り越えたタカ坊ならタマ姉このみに悠里が加わろうとも
やってくれるはずだ…!
>658
とすると、折檻シーンではパット見タマ姉(悠里)が雄二(タマ兄)にアイアンクローをかけられる画になるのか?
ちょっと見てみたい気がする。
>>656 上手く特徴が出てると思う。
しかし双子&イルファはホント801くさいな。
悠里は例え容姿がタマ姉に似てても絶対的にエレガントさが足りない。
>>656 いいねぇ。
このキャラで移動画面が容易に想像できるw
>>664 むしろ悠里が好巳に情け容赦なくアイアンクローしそうだ。
でもセリフは相変わらず「う゛あ゛〜〜〜〜〜」な好巳。
ところでちょっと前に反転ヒロインが孕んだらネタがあったが、
逆ハーレム形成してる人たち(♀ハクオロやはじめ)の場合、子供の父親わかるのかね?w
皆の子供ということにするのか、何らかの要因で誰が孕ませたか特定できるのか。
あと裕子さんは万が一初音の子供孕んでしまったら、黙って独りで産もうとしそうな気が。
671 :
元380:2005/12/21(水) 04:43:41 ID:sYfWQFK/0
愛する初音の子供を身篭れたことに心底喜びつつも、
初音のみに迷惑をかけまいといしてひっそりと身を隠そうとする裕子さん。
事実に気付いて、自分の罪深さを呪いながらも責任を取ろうと、
家を出て、自分一人の力で、必死で裕子の行方を捜そうとする初音。
柏木家の家長としてケジメをつけるため、家庭では一切初音と裕子の話題を禁ずるものの、
いつでも二人が柏木家に帰って来られるよう、毎晩玄関の鍵を開けて待つ鶴丸。
鶴丸と初音、どちらの気持ちも痛いほどわかるので、大っぴらにはどちらの味方も出来ないが、
放課後には必ず市内を回って二人の行方を捜そうとする梓と楓。
いいドラマになりそうだ。
…ところで、この「鶴丸」ってなまえ、どーしても笑ってしまうんですがw
「ツル」の音から取るだけなら、「ミツル」とかいろいろ名前もありそうですが…
定着しちゃってますね、すっかりw
タカあき×悠里&タマ姉の姉妹丼が読みたいなぁ。
ちょっと趣向を変えて、緒方理玖と女性ADの熱愛発覚報道を聞いて、三日ぐらい寝込む悠里SSを一つ。
俺もちょっと趣向を変えて、
マリエル(反転ダニエル)に言われて向坂家に執事修業に出されて悠里にハァハァツンデレメガネ執事ハァハァされる由馬 SSを所望する。
悠里大人気だなw
>>674 そこで由馬ルートに進みつつある貴子も巻き込んで由馬ハーレムEDを希望する。
電波が。
悠里がサークル:BrotherOne発行の緒方理玖×森川勇輝の801同人誌を隠し持っていて
それをタマ兄に見つけられてしまい、色々とパシらされる、みたいな構図が。
>>675 そうなると悠里だけならまだしも貴子まで傷物にされたタマ兄の怒りが由馬に………(((;゚Д゚)))
由馬逃げて、超逃げて!
しかしあっけなく捕まりタマ兄からメキシカンタイフーンを喰らう由馬。
まーりゃん先輩(♂)想像したが…
まあ言うまでもなくヤバイのは目に見えてるが…
あ…ありのまま 今 思った事を話すぜ!
まー「わーっはっはっはっ!ク(XRATED)大きくして、
あしたから男子の制服で登校するのだーっ!!」
貴子「いやーっ!」
貴子「しくしく――もうお嫁にいけない」
まー「まあ、そんときはボクの男娼にしてあげるし」
…なんだこりゃ
そういや、貴子って料理はできるんだろうか?
原作どおりだとカップメンばかり食っていることになるが。
>>681 つ●←おこのみ焼き
キャベツの千切りを難なくこなすんだからそれなりの技術はあるかと。
つか、ラーメン作ってたのは小池さんじゃね?
悠里はお嬢様だからまったく出来ないか花嫁修業でやらされているから上手かのどっちかになりそうかな。
>>682 キャベツの千切り“だけ”は上手、ってな感じのアンバランスな腕前だったりしてw
「伝説の〜」では、先輩のために料理の本読んだり必殺カレーを学んだりする貴子ちゃんの姿に萌えたな。
料理(というより家事全般)のスキルは反転前をそのまま参考にするのは危険だろう。
反転前の主人公で料理が得意というのは滅多にいない故、反転ヒロインズが家事無能集団になってしまう。
下手すると、男(元ヒロイン)がみんな料理出来るのにヒロインだけ出来ない、みたいな世界になりかねん。
このキャラは反転したら家事やってそうとかは書き手が決めちゃっていいとおもうね。
>>683 向坂家では家事は女性の仕事らしいから、悠里の好き嫌いはともかく一通り仕込まれてるものと思う。
お婆さんが生きてた頃は厳しく躾けられていたが、一人暮らしになった今は反動で家事をさぼっている、みたいなのを予想。
>>673 電波が来た。
しばらく待ってくれるなら書いてみる。
だが、俺はWAをやった事がない罠。
期待通りになるかどうかは別問題。
いつ出来上がるか、上手くまとまるかどうかは別問題だがなーw
>>683 待て、ホワルバは名作だからせめてやっとけ。
スレをざっと振り返ってみると、日常シーンにおいてもエロシーンにおいても貴明よりも
タマ兄のほうが主人公としていい仕事をしそうだな。ヘタレなさそうだしタカ棒よりでかそうだし。
ただ、攻略対象が貴子一人だけというエロゲとして致命的な欠点があるが…
もしも、他の男キャラが主人公だったらどういう展開になるんだろ?
色々と想像できそう。
>>688 反転由馬が主人公の場合
→貴子 喧嘩友達キャラ
→このみ 後輩キャラ
→悠里 ?
→愛佳 親友キャラ
→環 先輩キャラ
→るーこ、黄色 モブ
……これなんてエロゲ?
いいんちょが主人公だったら反転図書いいんちょを堕とせそうだな
…ツンデレ?
タマ兄が主役だとむしろ貴子育成調教系のゲームになる気がすw
純愛度を上げないとTRUEEND(結婚)には行けない仕様。
隠しキャラは隠れブラコンの実妹悠里で場合によっては貴子と3Pも可。
ハーレムEDも装備。鬼畜ルートでは反転三人娘と二人をマワすEDにも。
どう見ても違うゲームです。本当にありがとうございました。
しかし貴明がへたれだからこそあのちょっと控えめかつ奥手っぽい男が苦手な貴子が
生まれたかと思うとへたれ鈍感童顔主人公も悪くないなと思う俺がいる。
…つまりだ、タマ兄や好巳で貴子を攻略したかったと……アレ?(;´Д`)
反転キャラが萌える法則がつかめた気がする。
つまりは、もとがヘタレだと萌えるって事だな。
貴子はもちろん、朋美、陽子もしかり。
>691
…で、調教しすぎるともっとセックスする貴子になって立場が逆転するわけだな。
図書室の逢瀬の果てにエロス女王になってて
もっとセックスする!と反転いいんちょを干物にする貴子さん
どう見ても他社ゲーです。本当にあ(ry
体位が正常位からいつのまにか騎乗位へ…
>>688 メインの攻略対象が1人で後のキャラはHがあるだけなんてゲームもある。
691の貴子育成調教をメインに他キャラを絡ませるとするとこんな感じか?
「10年ぶりに故郷に帰ってきた主人公(タマ兄)。彼には将来を約束した相手(貴子)がいた。
実家に帰るとメイド姿で出迎えてくれる貴子。彼女は悠里の
『兄貴は巨乳のメイドさんが好き』
という冗談を真に受けて、10年間メイド修行を行っていたのだ。
早速再会した彼女に夜伽を命じるタマ兄だったが、童貞と処女で加減がわからず、
更にタマ兄が並外れた巨根の持ち主だったことから、挿入後貴子を失神に追い込んでしまう。
初夜の失敗から少し気まずくなる2人。状況を重く見たタマ兄は貴子の調教を完遂するべく、経験値稼ぎに乗り出す。
妹の悠里から女の子の情報を得たり、春夏さんからHのテクニックを教えてもらうことも出来るぞ。
経験値稼ぎに使える女の子も豊富だ。
向坂の分家の三人娘やこのみ・ちゃる・よっち(個別・4P完備)、貴子のクラスメートの委員長とその妹、貴子をライバル視するメガネっ娘。
貴子に懐く下級生の姫百合姉妹とそのメイドロボシリーズ(最大6P)、貴子の親友の草壁さん、生徒会長とその親友、果ては宇宙人にゲンジマル。
多彩な女の子が主人公を待っている。条件を満たせば妹の悠里も調教可能だぞ!
練習で覚えたテクニックを使って、貴子を更に調教しよう。
危険日を狙えば貴子を孕ませることも出来るぞ。腹ボテに母乳だって楽しめる。
(中略)
貴子との純愛を貫くもよし、ハーレムをつくるもよしの自由型調教ゲーム反転ToheartU、製作予定無し」
…書いてる自分が混乱してきた。これどこのゲームだ。
ゲンジマルはタマ兄には無理ジャマイカ。あ、掘られる方か?
それ以外はGJなので今すぐ作りやがれw
>>697 ゲンジマルは正直思いつきで書いた。どういうプレイにするかは考えてなかった。今は獣姦でもいいかなと思っている。
貴子のステータスは好感度がMAX固定で調教値、純愛値、鬼畜値がEDに影響する感じか。
貴子のメイド服は半脱ぎがデフォだろうな。悠里経由で他の衣装を手に入れればそれも使えると。
図書委員長やダニエルも反転して出てくると面白いかもしれん。
しかし、このスレも450KB超えてるんだな。クリスマスネタの投下もあるだろうし、そろそろ次スレの季節か。
次スレのテンプレ案考えないといかんね。
他の女の子にちょっかい出しすぎて貴子を疎かにしてると
貴子が嫉妬→スクイズorお兄ちゃんどいて、そいつ殺せないED
もしくは貴子が浮気して悠里辺りにNTR百合ED
傷ついた貴子が放っておけない他の男にNTREDも有?
ゲンジマルを貴子にけしかければいいんじゃない?
好巳が主人公だったら
基本は貴子ルート一本だけだが、選択肢を間違ったらフラグが立たず貴子とくっつかない。
傷ついた心を向坂姉妹に癒してもらってるうちに、ふいんきが怪しくなってきて…後は向坂姉妹が美味しくいただきますたED。
…ダメ?
>>699 登場キャラを軒並女にしてしまったんで敢えてNTR要素を切って貴子をお兄ちゃん一筋な仕様にしたんだが、
雄二を反転させずにライバルキャラ(と呼ぶには頼りないが)にするのもありか。
スクイズやるんなら向坂姉妹の方じゃないか?
タマ姉の帰還→貴明は告白したいが出来ない→悠里がセッティングしてくれる→タマ姉喜んで告白を受け入れる→悠里が告白成功の報酬といって貴明にキス
…最終的にはタマ姉がアイアンクローで悠里の頭を潰したり、悠里が貴明を刺したりするのか?
>>693-694 ついカッとなってやった。今では反省している。
もっとセックスする! 学×貴子Ver(XRATEDネタバレ注意)
ranobe.sakuratan.com/up/src/up78203.jpg
いや、愛佳ファンの人、本当にスマナイ。俺も愛佳は大好きだが貴子も大好きだ。
クリスマスもの投下します。危険物ですんで読むのも回避も自己責任でお願いします。
705 :
12月24日:2005/12/24(土) 07:55:34 ID:JhywsOGC0
今日は12月24日。俺はクリスマス一色の街をなんとなく歩いていた。
街路樹は電飾で彩られ、商店街の売り子は赤いコートを着込んでいる。
見渡せばカップルを見つけるのに苦労しない。
あ〜欝だ。俺は今年も独り身でこの日を迎えてしまった。
こんなことにならないように昨年のクリスマスには緒方理奈似の可愛い彼女をお願いしたというのに、サンタのジジイめ。
俺も入ろうかな、嫉妬団。
そう考えつつも帰宅した俺は、クリスマスディナーの準備に精を出す姉の姿を目にした。
ターキーにケーキと、去年はこのみの家のクリスマスパーティーで御相伴に預かった料理の数々。
これらが楽しめるというだけでも、この姉の存在は有難いモノだと思う。
706 :
12月24日:2005/12/24(土) 07:56:14 ID:JhywsOGC0
「はりきってるな、貴子」
「あ、おかえりなさい雄二。もう手は洗った?うがいもしなきゃ駄目よ」
「お前は俺の母親かよ。ハイハイ、今洗ってきますよ」
「よろしい」
今俺を出迎えてくれたのが、俺の義姉、つまりは兄嫁である向坂貴子。入籍から半年足らずの新妻だ。
俺と同い年の癖に、彼女は時折ああして俺に姉貴風を吹かす。
一時期一人暮らしを経験したせいだろうか、くすぐったいような気分にはなるが、悪い気はしない。
自分で用意しなくても食事が出てくるってのは楽だしな。
「もうすぐお兄ちゃんもこのみたち連れて帰ってくると思うから、お料理運ぶの手伝って」
「今日何人だ?」
「6人。このみがちゃるちゃんとよっちちゃん連れてくるって」
「OK」
人数分の食器を食卓に並べ、撮み食いしたい衝動を抑えて完成した料理を運ぶ。
おそらく自分が座ることになる席の傍に好物を寄せて置くのも忘れない。
最大の敵はこのみだ。奴は貴子の料理に対しては目の色を変える。
貴子も今日は余裕をもって多めに用意したようだが、あの3人の連携を甘く見るのは危険だ。
そう、あれは正に獲物を狙う黒い三r…
「どうしたの?固まっちゃって」
「いっいや、何でもないぞ。何もしてない」
「そう。わたし、洗い物してくるけど、撮み食いしないでね」
「しねーって。少しは俺を信用しろよ」
俺の言葉に貴子は「だったら普段からの生活態度を少しは改めなさい」とでも言いたげな視線を送ってから台所に戻った。
いや、確かに普段から迷惑かけてるけどな。そこまで意地汚くはないつもりだぜ、多分。
707 :
12月24日:2005/12/24(土) 07:56:45 ID:JhywsOGC0
居間で寛いでいると、台所の貴子が洗い物を切り上げて玄関の方へ向かうのが見えた。兄貴たちが帰ってきたらしい。
ああやって旦那の帰りを玄関で三つ指ついて待つあたり、しっかり若奥様やってるよなあ。
しばらくすると、このみたちがやってきた。
「ユウくん、メリークリスマース」
「おう、メリークリスマス」
このみら3人はいかにもクリスマスらしく可愛い格好をしている。
なんとなく普段着の自分が浮いているような気がしてきた。
そういえば貴子もエプロンの下は結構気合はいってるみたいだったな。
まあ気にすることでもあるまい。やっと食事にありつけるんだしな。
708 :
12月24日:2005/12/24(土) 07:57:29 ID:JhywsOGC0
互いの箸で食べさせあう兄貴と貴子に砂を吐きながらの3人組とのおかずの奪い合いは俺の惨敗で終わった。
数の差は戦力の決定的差となって俺に襲い掛かったのだ。
とはいえ、腹を満たすのに充分な量はあった。
食事の後はパーティーで定番のゲーム大会だった。
モノポリーに始まりカタンにマリ・アン・ゼロ、猫雀と多岐を極めた種目をこなし、最終的にトップに立ったのはよっちだ。
ちなみに俺はビリ。何でだよコンチクショウ。
その後俺が罰ゲームで生き恥を晒したりもしたのだが、その辺は割愛させて頂きたい。
とにかく今は解散し、俺はこのみを家まで送り届けてきたわけだ。
709 :
12月24日:2005/12/24(土) 08:02:05 ID:JhywsOGC0
「ただいま。あー疲れた」
「お疲れ様、雄二」
そう言って、貴子は緑茶の入った湯呑みを渡してくれた。この熱さが悴んだ手に心地良い
「外見たか?雪降ってきてるぜ」
「うん。お兄ちゃん寒くないかな」
「大丈夫だろ、アレ着てったんだしよ」
アレとは、先ほどのパーティーで貴子から兄貴に贈られた手編みのセーターのことだ。
俺は随分と前からコツコツと編むところを目撃していたが、奇跡的に兄貴には隠し通せていたらしい。
大喜びした兄貴は早速着用してちゃるとよっちを送り届けているわけだ。
「でもさあ、あんなに手間かけなくても、お前が『プレゼントはわたし』とか言えば兄貴は大喜びだったんじゃないか?」
ここでの家事にも慣れてきたとはいえ貴子は未だ学生でもあり、気遣う意味もあっての台詞だったのだが、
「今更プレゼントに出来るようなところ、残ってるのかなあ」
ごく自然に彼女の口から出た言葉。俺は少しその意味を解釈するのに手間取った。
それはつまり、あんなことやそんなことまでやり尽くされているということなのか!?
「例えば、後ろとかさ」
「初めてのときに…」
「胸で挟むとか」
「それも。今は毎日みたいに」
「口」(中略)「腋」(略)「ニーソとかどうよ」(ry
710 :
12月24日:2005/12/24(土) 08:02:50 ID:JhywsOGC0
……あ、兄貴のムッツリスケベめ! 正直尊敬した。じゃない、軽蔑した。
まさか同じ屋根の下でそんなことが繰り広げられてるとは夢にも思ってなかったさ。
ひょっとして貴子の引越しで業者が入ったとき、防音工事でもしてたのか?
俺が叔父さんって呼ばれる日もそう遠くはなさそうだな。
「まあ、その、なんだ。頑張れよ」
「全く、何言わせるのよ」
貴子の顔はすっかり赤面している。それでも最後まで答えてくれたあたり、律儀というか馬鹿正直というか。いや、天然か。
「ねえ雄二、その、わたしがプレゼントってどうやればいいの?」
「ああ?そりゃあ、素っ裸にリボン捲いて兄貴の前にいきゃいいだけじゃないか」
貴子は裸とリボンのところで一頻り驚いた後、「リボンは充分残ってた筈」とか呟きだした。
やる気かよ!? 俺、結果的に兄貴の所業に手を貸したことになっちまうんじゃないだろうか。
711 :
12月24日:2005/12/24(土) 08:04:16 ID:JhywsOGC0
「雄二」
「あ?」
赤面から復帰した貴子がナニかを投げてよこした。
手袋?
「お姉ちゃんからのクリスマスプレゼントだよ」
真っ黒な手袋。それも親指以外が独立していない。なんというか鍋掴みのようだ。
兄貴のセーターは柄付きだった。それも一目で手間がかかっているのがわかるほどの(確かアーガイル柄とかいったか)。
なんだろう、この扱いの差は。いや、兄貴ので手一杯だったのはわかるけどな。
「これ、手袋なのか?」
「いらないなら返して。今使ってる鍋掴みそろそろ寿命みたいだから」
やっぱり鍋掴みじゃないか。
「いや、貰っとく。あんがとよ」
「どういたしまして」
なんとなく可笑しくなって、吹き出してしまった。貴子は平然とした顔で、玄関の方に歩き出した。
「ちょっと外見てくるね」
「あいよ」
外で兄貴を待つつもりなのか、コートを羽織って玄関をくぐっていった。
庭には雪が積もり始めている。
粉雪の舞う空の下、兄と義姉のシルエットが重なるのを、コタツの中から眺めていた。
712 :
あとがき:2005/12/24(土) 08:10:22 ID:JhywsOGC0
タマ兄×貴子なのにタマ兄の台詞が無い罠。
貴子が結婚後タマ兄をどう呼ぶか予想出来なかったので「お兄ちゃん」とよばせましたが、
各自脳内で「旦那様」でも「御主人様」でも「兄様」でも「にいや」でも好きに変換して下さい。
枯れ木も山の賑いということで、お目汚し失礼しました。
713 :
694:2005/12/24(土) 08:53:51 ID:K9dHX0LD0
>703
ありがとう ほんとうにありがとう GJ
>693
あなたは私の生き別れのお姉ちゃん(反転済)ですか
いきなりだけど、学は相当なムッツリだと思う。
俺の中では、貴子を脚立の上で作業させて横目で密かに、だがしっかりとスカートの中を覗いたり
本棚を背に駅弁fuckをするような奴で非常に困っている。
学って、誰?
愛佳のTS時の名前でしょうよ
>>712 GJ!このタマ兄相手に「私がプレゼント」なんてやったら
本気で気絶するまでやりそうだ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
>>714 絶倫のタマ兄といいむっつりな学といい貴子さんは大変だな。
貴明の時に色々やっちゃってるからそれ相応の仕打ちをされてしまうということか。
学は一見純情だからこそ加減と歯止めが分からないという感じなんだろうか。
微ネトラレ・・・?
貴子もいいが
>>656を見て、
そろそろ、貴明×悠里SSを見てみたかったりする。
まとめスレにて「解かれた枷」という題でまとめていただいた拙作の弥生さんSSですが、
WAスレ毎年恒例のコンペにて加筆の上投稿させて頂きました。
よろしければご覧ください。
もし貴明(と雄二)だけ反転でタマ姉が貴子を呼ぶとしたらやっぱり「たー子」になるのか?
>>712 これは良いクリスマスプレゼントですね。GJ
さりげなくすごい事させてるのなタマ兄w
カリカリカリカリ
かずき「…ねえ志子」
志子「何か?マイシスター」
かずき「今日って何の日か知ってる?」
志子「12月24日…こみパ一週間前でしょう?」
かずき「…まあ私達にとってはそうよね」
カリカリカリカリカリカリ
志子「それで、マイシスターはクリスマスプレゼントに何か欲しい物はありますの?」
かずき「完成原稿。今すぐ」
志子「…」
かずき「…」
カリカリカリカリカリカリカリカリ
原稿の来ない十二月
「おかざきぃー♪」
「あら春原、何か用?」
「何か用、って・・・用があるのは岡崎の方だろぉ♪」
「私・・・?特にないわね、それじゃ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってぇぇ!!今日は24日だよっ!?
当日になっちゃったんだよ!?恥ずかしくてまだ言い出せないんだろぉぉぉぉ!?」
「何ワケ分かんない事言ってるのよ・・・」
「つ、つまり僕は今日暇で暇でしょうがなくて誰かから―例えば岡崎から―、
何か誘い―例えばデートの約束―でもないかなぁ、と!」
「・・・何?なにかに誘って欲しいの?」
「はいっ!!」
「それじゃあねぇ―――――
「―――って、なんで僕は夜中に一人競馬場の前で並んでるんですかねぇっっっ!!?」
『なんで、って明日は有馬記念だからよ。知らない?』
「競馬のことなんか知らないよっ!!」
『今から並んでおかないと席取れないのよ。あんた暇なんでしょ?』
「確かに暇って言ったけど・・・」
『それならいいじゃない。
こっちは今、渚や京たちとパーティーやってるんだからあんまり電話しないでよね。じゃあね―――ガチャリ』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・orz」
「春原、どうせクリスマスはアンタ彼女いなくて暇でしょ?」
「僕の心の傷をえぐらないでくれますかねぇっ!?」
「ケーキ作ったんだけど食べない?」
「えっ、ケーキ?僕のために?」
「別にアンタのためじゃないわよっ!古河の誕生日ケーキの失敗作なんだからね!」
「それでもクリスマス一人じゃないって思うと有り難いよ」
「何言ってるの?私は帰るわよ?」
「えっ?」
「じゃあね、よいお年を」
バタン。
……。
………。
バンッ!
「ちょっと!何で追い掛けてこないのよっ!」
「帰るんじゃないの?」
「そうよ、帰るのよっ!」
バタン。
………。
…………。
バンッ!
「春原っ、アンタいい加減にしなさいよっ!」
「岡崎、引き止めてほしいの?」
「そ、そんなわけないでしょ!ただ、一人でいるアンタが不憫だから見にきただけよ!」
「大丈夫だよ、岡崎からケーキ貰ったし」
「私にもよこしなさい、食べたくなったわ。別にアンタと一緒にいたいんじゃないわよ?」
「僕は岡崎といたいけどね」
「何言ってるのよ、馬鹿…」
>>725 「うあ゛…ざむい゛……」
ボンバヘッ アオーサ
「ん…携帯…岡崎から…?もじもぢ?」
『春原ー?入場券全部前売りで相場が六倍以上になってるって言うから仕入れといて。それじゃお休みー』
ぷーっぷーっぷーっ
( ゚皿゚)ポカーン
春原なんてどうでもいい
悠里キボンヌ
東鳩2ネタ以外書き込みにくい雰囲気になってるな。
個人的には久々に朋美が見れて嬉しかったんだが。
今回久々に最萌するって話になってるけど次スレは480KBくらいで?
490KBだと案外やるまでもなくすぐに埋まってしまう気がするし…。
>>728 俺も悠里を待ち望んでる人間だけど、だからといって排他的になるのはどうかと思うぞ。
反転スレのいい所は作品の新旧問わず盛り上がれる所なんだからどのネタでも歓迎しようぜ?
お馴染みのヒロインにも新ヒロインにもまた違った魅力があるものさ。
どうでもいいけど、好巳の中の人は反転前と同じでよさそうだな。
>>728 葉鍵反転のサラダボウルたるこのスレで、「○○はいらない」とか「○○は嫌い」とかいう書き方は適当ではない。
「○○もいいけど、そろそろ△△も見たいよね」とか書けばいいんだ。
>>730 もう470超えているな。というわけで即興で改変したテンプレ案
古き良き反転とは、人間の奥深い感情が築き上げた萌えの歴史。
私は、反転が時に美しい事と考えると共に、性差が尊い事を訴えて、喪われる性器に哀悼の意を表したい。
私は、人間に必要なものは絶対的な良作ではなく、投下する姿、その姿勢と考えます。
しかし、投下が減り過疎化したスレの築く時代は、後の世に恥ずべき文化となりはしないでしょうか。
また、反転させずにはいられない住民の人間性を無視する荒らしなど、その魅力を知らぬ無知が生み出す哀れな世迷い言。
そして、この境遇の中から、私の理想を超えた新しいヒロインが生まれました。
それがこのスレのヒロインたちなのです。
彼らの純粋性に満ち溢れた感情の前に、原作は霞んで見えることでしょう。
投下が無くなり、更に職人に見放された旧作は、歴史上敗者なのです。
しかし、彼女らにその認識は無い。
それどころか、彼女ら自身はまだ戦う意思に満ち溢れているのです。
美しく思われたふゆの感情は常に哀しく、重んじた旧作は新作の勢いの中に消え失せる。
売り上げにおける勝者は歴史の中で誰彼という終止符を打たなければならず、若きヒロインは葉鍵の中より培われていく。
(↓要略)
私は、職人になりたい。
何でこれを引っ張ってきたんだろうな、俺は。
いい感じに電波が来たので書いた。
しばしお付き合いあれ。
>>673のネタっぽいが微妙に違うかも
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜」
何と言うか地獄の底から響いてくるような、そんな声が聞こえてくる。
「朝っぱら鬱陶しい声を出すな」
ポカリと声を出している親友、向坂悠里を持っていた鞄で殴ったのはその親友の実の兄であるタマ兄。流石、実の兄妹だけあって容赦がない。
バタリと地面に倒れる悠里。
いつもだったらすぐに顔を上げて「何するのよ、兄貴!」とか喚いて更なる攻撃(主にアイアンクロー)を喰らわされているんだけど、今日は倒れたままだ。倒れたまま、またさっきと同じような鬱陶しい声をあげる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜」
「ねぇ、タカちゃん。ユウちゃん、どうしたのかな?」
倒れたまま奇怪な声をあげている悠里を見て、もう一人の幼馴染みの柚原好巳が私の方を向いて尋ねてきた。
「私に聞かれても……タマ兄は知ってる?」
「さぁな。興味ないし」
容赦のない言われようだ。実の妹なのに。
「……そう言えば今日の朝のニュースを見てからだな、こんな感じになったのは」
「朝のニュース?」
そう言って首を傾げる好巳。今日の朝も寝坊して私が起こしに行ったからそんなもの見ているはずがない。ちなみに私と言えば好巳の準備が整うまでの間、柚原家のリビングで好巳の父親の春樹さんとおしゃべりしながらテレビを見ていたけど。
734 :
2/10:2005/12/25(日) 21:23:20 ID:oDXK3OjD0
「朝のニュースかぁ。何かあったかな?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜」
「俺は余り興味ないから見ていなかったが、何か芸能人がどうとか言うニュースだったぞ」
「芸能ニュースかぁ……あ、あれか!」
タマ兄の言葉でようやく私は悠里がこんな変な状態になっている理由に思い至った。
「何だ、心当たりあるのか、たー子?」
「うん、多分だけど……」
果たして言っていいものかどうか。
これを口にしたらきっと、いや多分確実に悠里はまたダメージを受ける。何となくだけど、それがわかる。
「何だよ。もったいぶらずに教えろよ」
「そうだよ、タカちゃん」
タマ兄と好巳が口々にそう言って私を見る。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜」
悠里はと言うと未だに地面にはいつくばったままだ。この様子だと余程ショックだったに違いない。
そんな親友を目にして更なるダメージを与えるのは忍びない、とは思うんだけど。
「たー子」
「タカちゃん」
タマ兄と好巳がずいっと詰め寄ってくる。
心の中で悠里にゴメン、と謝っておいてから私は小さくため息をついた。
735 :
3/10:2005/12/25(日) 21:24:52 ID:oDXK3OjD0
「緒方理玖って知ってるでしょ?」
「ああ、確か悠里が熱を上げている歌手だったな」
「それがどうかしたの?」
「はっきりした事は知らないけど、その緒方理玖が何かADの子と熱愛発覚とか……」
「そ、それ以上言うなぁっ!!!!」
いきなりがばっと起きあがった悠里が物凄い勢いで私に掴みかかってきた。よく見ると涙目になっている。どうやら余程ショック、ではなくてかなりショック、だったらしい。
「お願い、それ以上言わないでぇ〜」
うるうるした目で懇願されてしまう。う〜ん、付き合いはかなり長いけど、こんな悠里は見た事無いなぁ。少なくても私の記憶にはない。
何か見ていてどんどん罪悪感というものが湧き上がってくる。
「何だと思えばそんな事か。くだらない」
容赦なく言い放つタマ兄。
「くだらなくなんてないわよっ! 兄貴にはわからないの、この乙女の気持ちが!!」
涙目でタマ兄に食いつく悠里。
何かいつもと様子が違うんだけど、タマ兄は気がついているんだろうか。あの様子だと気がついていなさそうだけど。
「くだらないだろう? 元々手の届かない相手なんだ、誰が誰とくっつこうとどうだっていいじゃないか」
「そう言う問題じゃないっ!」
「そう言う問題だ」
いつものようにばっさりと斬り捨てるタマ兄。
その横にいる好巳はおろおろとしている。何かいつもの二人と、と言うよりも悠里の様子がいつもと違う事をあの子は感じているのかも知れない。
736 :
4/10:2005/12/25(日) 21:26:11 ID:oDXK3OjD0
「ううう……」
タマ兄を睨み付ける悠里の目から見る見るうちに涙が溢れ出した。
「あ、兄貴なんか嫌いだーっ!!」
そう言い残して泣きながら走り去っていく悠里。
その後ろ姿を私たちは見送ることしかできなかった。
「……ユウちゃん、行っちゃったね」
ぽつりと好巳が呟く。
「全く、たかが芸能人の事ぐらいで……情けない」
「でも、悠里にとって、その緒方理玖は別格だから」
呆れたように言うタマ兄だけど、今回ばかりは何となく悠里の気持ちがわかる。だからちょっと非難するような視線をタマ兄に向けてみた。
「むっ……何だ、俺が悪いとでも言うのか、たー子?」
「悪いとは言わないけど……ちょっと言い過ぎじゃないのかなって思う。もう少し悠里に優しくしてあげてもいいんじゃない?」
「し、しかしだな……」
「タマ兄は芸能人とか興味ないものね。まぁ、ある意味仕方ないとは思うけど」
私はそう言うとため息をついて歩き出した。その後ろではタマ兄が何か呆然としてたけど、今日ばっかりは悠里の方が可哀想だと思ったので構わずに歩いていく。
「タカちゃん、ユウちゃん、どうするの?」
「今更追いかけても多分追いつけないでしょうし、もしかしたら先に学校に行ってるかも知れないから、私たちも学校に行くわよ。入れ違いになっても困るしね」
「うん……ところでタマお兄ちゃん、まだあそこで立ち止まったままなんだけど、いいの?」
好巳に言われてチラリと振り返ってみると確かに好巳の言う通り、タマ兄は先ほどと同じ場所で硬直していた。何かわからないけど、ショックを受けているみたい。
私はまたため息をついてUターンするとタマ兄の手を取って歩き出した。
737 :
5/10:2005/12/25(日) 21:26:53 ID:oDXK3OjD0
「好巳、後ろからタマ兄押して」
「は〜い。了解でありますよ、隊長」
元気よくそう言って好巳がタマ兄の後ろに回り込んだ。うんしょうんしょと言いながらタマ兄の背中を押して歩き始めたので私もタマ兄の手を引いて歩き出した。
恥ずかしいなぁ、もう。
結局悠里は学校には来ていなかった。あのまま何処かへ行っちゃってしまったらしい。お昼休みに集まった時にそのことをタマ兄に報告すると、タマ兄は少し顔をしかめたけどもそれだけで何も言おうとはしなかった。どうやら朝の事が少し堪えているらしい。
「たー子を敵に回す気はないからな。一応勝手に学校を休んだ事に対しての説教はするが、いつもよりは短めにしておくよ」
「別に敵に回すとかそう言うのじゃなくって」
「わかってるよ。たまには悠里に優しくしてやれって言うんだろ」
「タマお兄ちゃん、ユウちゃんには厳しいもんね〜」
「実の妹だからな。たー子や好巳とは違うよ」
「それにしても悠里、何処に行ったんだろ?」
738 :
6/10:2005/12/25(日) 21:28:15 ID:oDXK3OjD0
放課後、ミステリ研で笹森君に散々引っ張り回された後、ようやく解放して貰った私が家路を急いでいると何処かで見た事のある姿が桜並木のところに佇んでいるのが見えた。
近寄ってみると、それは私の予想通り、朝から姿の見えなかった悠里。何か朝以上に虚ろな表情をしている。
「悠里、どこ行ってたの?」
私が声をかけてみると、悠里はゆっくりと私の方を向いた。そして大きくため息をつく。
「はぁ……ねぇ、貴子」
「何?」
「今日、あんたの家に泊めてくれない?」
「別に嫌って事はないけど、何で?」
「家に帰りたくない……って言うか兄貴と顔を合わせたくない」
「そう言えば学校さぼっちゃったもんね」
「それもあるけど……まぁ、わかるでしょ?」
少し寂しげな顔をして悠里が言う。
まぁ、何となく彼女の気持ちはわからないでもない。朝、あれだけやりあったんだからタマ兄と顔を合わせたくないってのは。それに帰ったら帰ったで、今日学校に行かなかった事に対する説教されるって事もわかっているんだろう。
一応タマ兄には釘を刺しておいたけど、どうなるかはその時次第だ。
「仕方ないなぁ。今夜だけでいいの?」
「とりあえず、ね。あ、パジャマとか、貸してよね。あんたのサイズなら多分大丈夫だろうし」
「はいはい」
表情は朝よりも虚ろな感じだったけど、中身は少し回復しているみたいだ。とりあえずそのことに少し安心する。何か顔だけ見ていると自殺しそうな感じだったし。
739 :
6/10:2005/12/25(日) 21:30:17 ID:oDXK3OjD0
家に着くまでの間に今日何処に行っていたかを聞き出そうとしてみたけど、曖昧な表情を浮かべるだけで悠里は何も答えてはくれなかった。
とりあえず家に着いた私は悠里には内緒でタマ兄に一応連絡を入れておいた。タマ兄はちょっと不服そうだったけど、一応悠里の事を頼むと言ってくれた。タマ兄にしてもちょっと今の悠里とは顔を合わせ辛いらしい。
夜、私の部屋の床に布団を敷いて悠里がそこで寝転がって何かの本を読んでいる。
何の本だろうと思って覗き込んでみると、どうやら芸能情報誌みたいだった。
しかもよりによって「緒方理玖、熱愛発覚!?」とか言う記事のところを熱心に読んでいる。そんなところを見ていたら余計ショックなんじゃないかって思ったけど、余りにも熱心に読んでいるので私は何も言えなかった。
「……そろそろ電気消していい?」
時計を見て、私がそう言うと、悠里は今まで読んでいた雑誌を閉じ、ころりと横になった。
それを肯定と取った私が部屋の電気を消してベッドに潜り込む。
「……ねぇ、貴子」
「何?」
電気を消してしばらく経った後、不意に悠里が話しかけてきた。
何となくだけどそろそろ話しかけてくるんじゃないかな、と思っていた私がすぐに答える。
「今日ね、テレビ局行ってたんだ」
「わざわざ?」
「そう、わざわざ。でね、勝手に潜り込んで来ちゃった」
「よくやるわねぇ、そんな事」
「だってちゃんと自分の目で確認したいじゃない。それでね、見ちゃったの」
悠里はテレビ局に潜り込んでその目でちゃんと見てしまったらしい。大ファンである緒方理玖が何とも幸薄そうな子と仲良さそうに喋っていると言うそんなシーンを。
740 :
8/10:2005/12/25(日) 21:31:03 ID:oDXK3OjD0
「何か物凄いショックでさ。その後警備員に見つかって思いっきり怒られるし、何かもう踏んだり蹴ったりよ」
「本当だったんだね、あの話」
「そうみたい。で、解放された後、何かもう何もかもやる気無くしちゃって……気がついたら貴子に見つかってた」
「そうなんだ」
「それでさ、あのADの子の情報ないかなって思ってこれ読んでいたんだけど……」
さっきまで読んでいたあの雑誌か。やけに熱心に読んでいると思ったらそう言うわけだったのか。
「ダメね〜。読めば読む程あの二人が仲良くおしゃべりしているシーンを思い出しちゃって……」
そう言った悠里の声が途切れ、嗚咽が聞こえてくる。本当にショックなようだ。
「兄貴の言う通りなのはわかってるんだけど、でもさ、でもね……」
それ以上はもう何を言っているのかわからなかった。鳴き声だけが聞こえてくる。今まで溜めに溜め込んだ感情がどうやら決壊してしまったようだ。
私は何も言わずに、何も言えずにただ悠里が泣いているのを聞いているしかなかった。彼女の気持ちはわからないでもないが、私にはかける言葉が思いつかない。何を言ってもただの慰めにしかならないと思ったからだ。
しばらく悠里の鳴き声を聞いていたけど、その内に聞こえなくなった。代わりに彼女の寝息が聞こえてくる。多分泣き疲れて眠ってしまったのだろう。それに今日は一日物凄く色々と行動してたみたいだし。
741 :
9/10:2005/12/25(日) 21:31:47 ID:oDXK3OjD0
タマ兄の言い分じゃないけども、芸能人なんて手の届かない雲の上のような人の色恋なんて私たちには関係ない。でも、悠里はそんな人にあこがれて、好きになって、それで泣いている。その気持ちは私にはわかるようなわからないような、そんな感じだ。
誰かを好きになるってそう言う感じなのだろうか。
タマ兄や好巳以外の男の人を苦手としている私にはイマイチそう言う事がわからない。わからないけど、同じ女の子として、悠里の気持ちは何となくだけどわかる。私だって好きな人が誰か別の人と付き合ってるなんて知ったらショックだろうし。
翌日の朝、悠里は何とか普段通りの悠里に戻っていた。まだショックは醒めきってないらしく、明らかに空元気と言うのがわかったけども、それでも普段通りに振る舞っている。だから私も特に昨日の事には触れようとはしなかった。
「ねー、テレビつけてもいい?」
「とか言ってもうつけてるじゃない」
朝ご飯の用意をしながら私は苦笑を浮かべる。
悠里がつけたチャンネルは朝一番の芸能ニュースをやっていた。確か昨日「緒方理玖の熱愛発覚!?」のニュースを流していたのと同じ番組だ。
見てみると、今日もまた緒方理玖関係のニュースをやっている。何か新情報でも出たのだろうか。
742 :
10/10:2005/12/25(日) 21:33:16 ID:oDXK3OjD0
『いやですね〜。彼女は友達ですよ、と・も・だ・ち。まぁ、仲はいいけど。そんな関係じゃありませんってば。まぁ、今のところは、って感じですけど』
緒方理玖がインタビューに答えてそんな事を言っていた。少し困ったように微笑んでいる。確かに悠里が熱を上げるのもわかるくらいかっこいいとは思うけど。
『いやいやいや、冗談ですってば。そんな風にマジにとられちゃかないませんね〜。下手な事言えないな〜』
どうやら昨日の「熱愛発覚!?」のニュースに対する緒方理玖本人の会見のようだ。一応あの熱愛報道を否定しているみたい。
ふと、テレビをじっと見つめている悠里の方を見てみると、その肩がぴくぴくと震えている。
「ゆ、悠里?」
「いよっしゃああああっ!!」
私が話しかけた瞬間、悠里は大きい声でそう言ってガッツポーズをとった。それからすぐさま私の方を見ると、私の手を取り大きく上下に振り回す。
「見た? 見たわね?」
「み、見た、見たけど……」
「よっしゃぁぁぁっ!!」
とても女の子とは思えない歓声を上げて悠里が私に抱きついてきた。そして背中をバンバンと乱暴に叩かれる。
「やった! やったわっ!!」
何かよくわからないけど、とにかく大喜びしている悠里。
まぁ、これで悠里がいつものように元気になってくれるなら私の背中ぐらい別に構わないけど。
「さぁ行くわよ、貴子! ああ、今日はいい一日になりそうだわ〜!!」
元気一杯でそう言って悠里が自分の鞄を掴んで家から飛び出していく。
「……朝ご飯、食べていかないの?」
私は呆然とそんな悠里を見送るだけだった。
743 :
余談:2005/12/25(日) 21:35:03 ID:oDXK3OjD0
ちなみに。
その後、タマ兄たちと合流した悠里はその余りものハイテンションぶりが何やら昨日一晩色々と悠里の扱いについて悩んだらしいタマ兄の逆鱗に触れたらしく早速アイアンクローを喰らって撃沈しておりました。
電波が来て一気に書いたので色々と至らないところがあるかも知れないが容赦してくれ。
ちなみに書いた事に対して反省はしているが後悔はしていない。
激しくGJだ!
雄二の妙なテンションの浮き沈みが、反転に合わせて良く書かれてると思う。
しかしタマ兄、仮にも女の子相手なんだから、もう少し手加減してやってくれw
GJ! 悠里も幸せになれるといいな…。
しかしタマ兄はタマ姉と違って意外と繊細というか全部自分の
思い通りにしてそうでいて実は貴子に頭上がってなさそうだな。
ところで最萌やるなら480KB超えしたし、そろそろ次スレか?
冬コミで人が少なくなるより前に立てた方が良さそうだが…。
テンプレは
>>732でいいと思う。
反転最萌もいいが反転最燃漢なんかも見てみたい気はするな。
よし、じゃあ俺が新スレ立ててくる。
ここは俺に任せろ!
747 :
746:2005/12/26(月) 00:15:36 ID:GhIgHLw/0
>>747 乙。さて最萌の話が出てるがやるならXRATED発売挟んだお陰か
今スレで活躍した貴子に一票。
同時に最燃もやるのか? やるならネタも豊富なタマ兄に一票だな。
貴子に対する独占欲の深さというか執念には漢を見た気がするw
SS読みたいので悠里に一票。
最燃は……ネタにワロタので西音寺のジョルジュ長岡ことオパーイ星人よっちに。
>>743 GJ
いよっしゃああああっ!!ハゲワロスw
ところで、>732は何のネタなのか全然解らないんだが、
いくらなんでもキモ過ぎると思うんだが… これ笑えるもんなの?
>反転最萌
今回は>586の往穂ネタがステキ杉たので、往穂にいぴょ。
最萌&最燃決定か? 748と同じになってしまうが、このスレで頑張ってくれた貴子とタマ兄に一票づつ。
読み返して見ると、このスレではToheart2勢が大活躍だったな。
貴子は強姦請負人にされそうになったり、貴子孕ませが話題になったり、ほんとに弄られ系のキャラになったなあ。
次スレではどんな進化を遂げてくれるのか今から楽しみだ。
再萌えは朋美に1票。
ヒロインの反転より反転されてない春原が相手役に選ばれるのはやっぱり原作からの仲良しっぷりのお陰なのか。
再燃えは雪弥に1票。
昔嫌いだったけど、最近はかっこいい姿をよく見る。
そして、いつの間にか好きになっていた。
>733
この悠里は、雄二と仲良くなれそうだなw
GJ
>>732 元ネタはガンダムWのトレーズ・クシュリナーダの「私は、敗者になりたい」。
ある意味キモくて当然。
ていうかこれの全文使ったネタなんて初めて見たぞw 凄え。
あと、
最萌え:亮子(「えす、ってなに?」がツボった )
最燃え:好巳(貴子お姉ちゃんへの復讐バンザイ)
>733
シメでワロタw GJ!
投票はこんなトコで。
萌:春原陽子
燃:雄二 in 悠里バディ
雄二が反転して悠里になっているけど、タマは変わらずで姉妹だとすると
貴明を取り合ったりするんだろうか? 初期だと悠里が有利(シャレじゃないよ)だけど
タマ姉が帰還したら勝ち目無さそうで可愛そうだ。
その場合はタマ姉→
(じゃれてるだけと考える)貴明→
(男としてみてない)悠里→
(知らん)理玖とかなったり。
反転春原を執筆してみたらただの女装になってしまった不思議
陽子なんて陽平とついてるものの場所が違うだけじゃん。
しかし自分が以前書いたss見ると拙さに顔から火が出る思いだな。かなり時間書けて書いたんだが。
だから春原なぞどうでもいいっつの
それより悠里出せよ悠里
>>761 だからそういうこと言うなってのが、わからんのか。
書いてくれるSS職人さん達が、書きにくい空気にしてどうするんだ。
まして、このスレは葉鍵反転スレ。
どんなキャラを語ろうと、葉鍵の範疇にある限り自由。
わざわざ他のキャラを名指ししてどうでもいいなどというのはマナー違反。
単に、「俺は悠里が読みたいなあ。」くらいにしとけばいいものを。
正直、TH2以外のネタを振っても反応がないのが悔しい。
まあ、自分の力不足な部分は大いにあるが_| ̄|○
他の作品を完全にシャットアウトしないで、他のものにも目を向けて欲しい。
「読んでみたら意外と面白かった」と言われるように、次スレでも頑張ろう。
最萌:ふゆ
最燃:遼
って感じでw
ここまでの集計
最萌
貴子2
悠里1
往穂1
朋美1
亮子1
陽子1
ふゆ1
最燃
タマ兄2
よっち1
雪弥1
好巳1
雄二(in 悠里バディ)1
遼1
このスレも年越せそうだな。このペースだと正月は生き残るか。
最萌:貴子
最燃:理玖
理玖は今スレで出番は少ないが、鳩2の時点でふゆとどこまで関係が進んでいるのか気になるな。
よし、新年だし俺も投票。
萌:貴子
燃:タマ兄
この二人はセットという印象が・・・
タマ兄が貴子抜きでは語れないだけか。
こうして見ると最萌・最燃共に投下量の多かった鳩2組が強いな、やっぱり。
反転させるとヤバイ(行動や言動が)と思われていた本編ヒロイン達も
皆いい意味で個性的なキャラになったし。
貴子と悠里もそうだけど職人さんたちは過去反転キャラと被らないように
上手く個性豊かに反転させてるなぁと思ったよ。
東鳩2未プレイ組は置いてけぼり食らったみたいでつれーぜ
よし!マイノリティとして頑張るっす
薄暗い部屋のベッドの中、知らず彼女の手を握り締める。その感触の希薄さに思わず涙がこぼれおち
「どうか、したの?岡崎。」
あわてて仮面をかぶりなおす。
そんな俺の顔を、傍らで清らかな肢体を露わにしていた彼女はのぞきこんだ。
訝しげに、それでも純粋な心配を瞳ににじませているのが分かる。
「い、いや…。なんでもない…。それよりまだ起きてたのか、全然気付かなかったぞ。
早く寝ろ。お肌に悪いぞ。」
軽口を叩いて逃げる。
彼女の目は美しい。高校生の時から全く変わらないその目は只々純粋で、只々無知だった
その目に、見透かされそうになる。
「さっきまで寝てたんだけど、なんだか岡崎がぎゅってしてくるから…。」
「嫌、だったか」
「んーん…。もっと、にぎってて?」
「…ああ」
恐ろしければ目の届かない程近くに逃げればいい。
春原を、抱き寄せた。彼女の身体は両手で抱きしめるとまるで融けていってしまうような錯覚を抱かせるほどに小さく、柔らかく、そして儚かった。
「岡崎…。」
彼女は昔に比べ、別人のように素直になった。と、いうよりもこの関係に肩までつかってそれを当たり前と思うようになってしまっただけ。
やはり、悟られてはならない。補給も援軍もない絶望的な消耗戦だなと自嘲する。
「ん…。」
彼女が更に身を寄せてくる。俺もそれに答えて抱きしめる手に力をこめた。
分かっている、これは逃げ。つかんでもつかんでも蜃気楼は遠く、決して手には残らない。それでも俺たちさまようように身を寄せ合った。
だから
「陽子…。愛している。愛しているんだ。」
だからこそ万感の思いをこめて、言った。これだけは、偽らない。
「…うん。私も朋也のこと、愛してる。」
その言葉で嬉しさとそれ以上の悲しみを感じてしまったとしても、これだけは偽らなかった。
「ずっとずっと一緒だ。」
変わってしまったのは自分もなのかもしれない。少なくとも高校生だった自分はこんな台詞など吐かなかったはずだ。
俺たちは一緒にいるうちに、弱くなっていってしまったのかもしれない。
「…うん、ずっとずっと。」
こんな言葉が徒花だと知っているのは自分だけでいい、彼女は純粋ゆえに弱いから。
自分から唇を寄せるの久しぶりだ。意図に気付いたのか、彼女は眼を閉じてくれた。
そしてついばむようなキス。それは次第に深く、深く。長く、長く。
目をつぶってくれてよかった。
きっと弱くなってしまった俺は今泣いているから。こんな痛みを知るのは俺だけでいい。
彼女はいつもどおりの夜を過ごさなければならない。
その瞬間までは彼女はいつもどおり幸せでなければならない。
融けていってしまうのは彼女じゃない。人では抗うことすら許されない、世界とか言う大馬鹿野郎の気まぐれにつき合わされた、おれ自身だ。
と、いうわけで初投稿です。
設定としては岡崎パラレルワ−ルド直行って感じで…。
岡崎(女)も向こうでおんなじ様なことになってます
二日に一回ぐらいは続きかけたらいいなあ…。
すみません…。壮大な誤爆でした。正月早々何やってんだおれ
確かに貴子&タマ兄は強い…しかしあえて
最萌え:悠里
最燃え:牟祢
でいってみるぜ!
まだ大丈夫なのか。
ならとりあえず参加。
最萌え:悠里(自分で書いてみてかなり萌えてしまった)
最燃え:好巳(お姉ちゃんに復讐をVer.としておく)
ちなみに当方
>>733-743の作者です。
感想くれた人、ありがとうございました。
そろそろ? まだいける? とりあえず現時点での結果(投票はスレ落ちまで有効)
第6回埋め立て反転キャラ最萌投票結果
一位 河野貴子 4票
二位 向坂悠里 3票
三位 国崎往穂
岡崎朋美
松浦亮子
春原陽子
藤井ふゆ 1票
第1回埋め立て反転キャラ最燃投票結果
一位 タマ兄 3票
二位 好巳 2票
三位 よっち
雪弥
雄二(in 悠里バディ)
遼
理玖
牟祢 1票
どちらもTH2幼馴染組が上位に食い込んでるな。
以前朋美陽子で同着二位があったけど今回は
貴子悠里の親友ワンツーフィニィッシュか?
そろそろ容量いっぱいだね。
じゃあ俺は
萌え:亮子(恵太との仲が進展するのはいつになるのか)
燃え:タマ兄(地球征服wは出来るのか)
次スレでは旧作の連載の続き読みたい。天いなとかさ。
萌え:朱鷺乃さん
燃え:タマ兄
かなぁ。
天いなを再度好きになった切っ掛けだけあって、また続きが読みたい<朱鷺乃さん
(容量的に)最終結果(と思われる)
第6回埋め立て反転キャラ最萌投票結果
一位 河野貴子 4票
二位 向坂悠里 3票
三位 松浦亮子 2票
四位 国崎往穂
岡崎朋美
春原陽子
藤井ふゆ
木田朱鷺乃 1票
第1回埋め立て反転キャラ最燃投票結果
一位 タマ兄 5票
二位 好巳 2票
三位 よっち
雪弥
雄二(in 悠里バディ)
遼
理玖
牟祢 1票
タマ兄強スw 地球征服効果かww
最萌上位三人組は三人とも明確なビジュアルはまだ出てないな。