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名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 17:27:04 ID:Csmw9m2g
古代ぬるぽ
中世ぬるぽ
前スレ
>>441です……大変な失態を犯しましたorz
続きを貼るべきか、最初から貼りなおすべきか……少し待ちます。
まことに申し訳ありませんでした
支援しようと思ったら容量でしたか
建て乙です
熟考の末、一から貼りなおすことに決めました
「ヴァリオキュレの森」三話です。
上記括弧内をNGワードとしてください。
以下ネタバレ
今回はエロ無しです。
本当に申し訳ない……
厨臭さが嫌な方は回避を推奨します。
★ヴァリオキュレの森 三話「揚々たる童子の門出」(エロ無し)
随分ながいあいだ、ふたりは視線を交錯させていた。
少女の胸部は横一文字にえぐられ、何重にもまいたさらしからの出血は留まるところを知らない。
彼女にとっては、ズキズキとする痛みなどより体力を奪われていく方が問題だった。
だが、眼前五十歩ほどのところにいる男には……隙が生まれない。
自分と同じく正眼にかまえた大剣に強い威圧感をおぼえて、なかなか踏み込めずにいる。
かといって向かっていかないことには、相手から来そうな気配を感じないのがやっかいなところだった。
ならば――
「はあぁっ!!」
ダンッ、と少女が右足をふみこむと、ありえない光景があらわれた。
明らかに人間業ではない速さで、大地を‘滑空’しているのである――
「……んなっ!?」
ガイィン!
驚く余裕もほとんど与えられず、本能的に頭上へかかげた大剣がリベカの細身剣を受けとめていた。
しかもそれを認識した時にはもう姿を失している。
……いや、もとの場所に――さっきまでアベルがいたところに戻っている。もう彼は別の場所にうつっているが……
ふざけるな、とぶちまけたくなった男である。
いかに剣気や魔気を極めていようがあんな芸当はできるはずがない。
聞いたことも見たこともない。
大人があるいて五十歩もかかる距離を一秒ていどで詰めるなど、それこそ《高速》系統の魔法でなければ不可能だろう。
しかも、これらの魔法は詠唱を要するのに比べ、先刻の大地を‘滑空’する移動方は一目したところ代償がなさそうである。
リベカが依然として鋭い視線をむけている中、カインは冷静に考え続けているが……
少女が深く息を吸いこんだのを視認するや、男は大剣を脇構えにあらためた。
「はあぁっ!!」ダンッ!
「バァーカッ!」ヒュバァッ!
二人の行動はほぼ同時だった。
男が横軸の衝撃波をはなったのにかまわず、少女はまっすぐに対象を目指した。
今度は腹の高さにせまってきた白刃。
地に足を付けていなければこの走法は成立しないし、かといってアベルを護った時のように被刃することは不可能だろう。
いきおいが良すぎて切断されてしまう可能性がきわめて高いからだ。
左右への移動も跳ぶこともできない今、かわす方法はひとつだけ――
結果的に、リベカは衝撃波をよけきった。それも頓狂なものだったが。
「――??」
カインは声も出せなかった。
少女は地に足をつけて地面を‘滑空’したまま、頭を擦りそうなほど身体をおもいっきり反らしたのである。
逆にいえばそれだけで、いとも容易く危機を脱してしまったのだ。
そして、一瞬とはいえ呆けてしまった男には隙が生じていた。
がら空きになった左半身に照準をあわせ、少女は‘浮かせていた’右足をふみこんで男の眼前に仁王立ちした。
男は危険を察知して右へ横っとびしたが、遅かった。
ザンッ!!
「がぁっ!!」
苦痛に呻きながらも大剣を少女にあびせると、細身剣ごと軽い身体がややふきとんだ。
男は斬りとばされた左腕の方へ駆けようとしたが……すでにリベカが目のまえに立ち塞がっていた。
――迅すぎる。
長身の男は、ほんの一瞬だけ茫然とした表情をあらわにしてから、思いのままに叫んだ。
「ッザケんなオラァあっ!!!」
右腕ではなった突きは、しかしリベカを捉えられなかった。反対に――
ザンッ!!
「っ!!」
残った上肢をあっけなく断ち切られても男は声をあげないどころか、口元には不敵な冷笑をうかべている。
むしろこれが狙いだったのだ。
細身剣をふり払った少女に、カインはあるかないかの制止時間を見い出した――
「っしゃぁ!!」
「ぐフっ! …………」
音も声もにぶいものだった。
渾身の力で蹴りあげられた少女の華奢な肢体が、血の弧を描いて宙をまう。
その姿をながめている間もなく、次なる刺客はすでに側に居た。
アベルである。
それを確認した時すでに遅し――
「くっ……ぐっ! くそ!!」
リベカに左腕をやられたときから、こうなることは判っていた。
カインは《魔気同調》を解かれたあと、自分の十八番である《眼縛》をかけられていた。
それも自分のよりずっと強力な《眼縛》だった。
使い勝手こそ良いものの、習得には多くの労力と努力と時間を要するこれを、アベルはこの齢で――十六で行使できるのだ。
二十八のカインと魔法を比較したら、その差は歴然どころじゃあなくなる。
「…………っ」
両腕を斬られた姿でしゃがみこみながら、険相の男は歯噛みして自分を見下ろす妖美な弟を見上げていた。
「痛くないのかい、兄さん。うらやましいなあ」
「んだとコラ……なんもかんも思い通りできるてめぇに何がわかる!」
「そうか。父さんに改造してもらったんだっけ。楽だよね。いつまで周りにそれが隠し通せるか……」
「ぅっせえ! あの方を……てめぇの親をなんだと思ってやがる?! この化け物が!!」
「失礼だな。‘色人’ではあるけど、いちおう僕は人間だ。それに……」
「あぁぁ耳が腐る! さっさと殺しやがれ人でなし野郎が!!」
「あっ、そう…………」
カインは一瞬、自分の言葉を後悔した。
アベルの周囲には禍々しい黒光が雲のようにうずまいており、頭上には太陽の如し炎の球体がごうごうと熱音をたてながら肥大化している。
もう自棄だった。
「くそっ、卑怯者が! 一対一とか宣言しといて、雌ガキがやられたら自分がきやがって! 恥知らずがっ!! 嘘は――」
「お前が言うな」
少年が放った極寒たるひと言は、男に届いただろうか?
どちらにせよ、カイン=レヴィアタンの存在は塵一つ残すことなく、またたく間にこの世界から抹消されていた。
ナルシルの丘には、大きな一軒家四棟に相当するほどの焼け野原ができている。
やりすぎた――額を押さえてよろめきながら、少年は反省した。
‘あの日’強く誓ったはずなのに、こうも容易に強大な魔気を放ってしまうとは……何か対策を考える必要がありそうだ。
「…………」
アベルは波うつ紫髪を揺らしながら、昏倒して横たわっているリベカに視線をうつした。
彼女には悪いことをしたけど、これから借りを返す機会は山ほどあるだろう。
それに、僕は……
決意を新たに、少年は少女のほうへと歩みはじめた。
―――
彼女が目をさました時、周囲はもう闇に落ちていた。
丸太小屋の窓からのぞく森景色は淡い月光にてらされ、鈴虫の旋律が微かにきき取れる。
「…………くすっ」
自然ともれたほほ笑みに、リベカは自分でおかしく感じた。
そこは悔しがらなきゃいけないところ……と諫めようとするも、どうにもそうしきれない。
おそらく彼のせい……いや、彼が‘原因’で自分の中の炎が鎮まってしまっているのだろう。
なんとはなしに首を振り、長い黒髪をゆらめかせる。
自分らしくない。もっと血をたぎらせるべきだ。
心の中で何度そう唱えても、芯からそれを望むことはできなくなっていた。
だが不思議と、そんな自分が悪いものとは思わなくなっているのも事実かもしれない。
リベカは寝床から出て、隣の部屋にあるき出した。
ここでようやく(カインに蹴られた)額の痛みに気づいたのだが、胸の傷の方が大きかったのでどうでもいいくらいだった。
「……?」
なにやら、ちょっと騒々しい。
アベルとラケルが揉めているみたいなのだ。
となりの部屋の境には扉がもうけられていない為、リベカは入り口付近の壁にくっついて耳を傾けた。
「……ですから! さすがにそんなに短いのは……」
「いいじゃないか、大きさもぴったりだし。あの子はこういうの着たがらないし、むしろあんたの方が似合いそうだ」
「冗談言わないでください。いや、似合ったとしてもこれでは隠し通せる自信はありません」
……なんの話だろうか?
起きていることが女には割れているのだろうが、少女はこっそりと、隣の部屋をのぞいてみることにした。
――少女の凛々しいおもてが、喜色を満面にしていた。
堪えようとしたが、到底無理な話だった。
彼女がこれほどに破顔したのは何年前か知れないほどである。
「いやいや、あんた素質あるよ。この肌に顔、それに身体といい、創造神ときたら余計なもんつけて肝心なもんつけ忘れたとしか思えないねぇ」
「僕は男であることが隠せればそれでいいんですから! もっと控え目なのをください!」
アベルの顔はだいぶ紅潮していた。
身体は……女物の服、それもかなり色めいたものを着ている。
それがさまになっているとあって、リベカは彼が忌まわしい‘魔物’であることさえ忘却しそうなほどだった。
「まあそう言わないで……おいリベカ、こっち来なって。お前だって似合うと思うだろ?」
ご指名を受けたなら仕方ないと、少女は笑みを消そうと努めつつおずおずと部屋に入っていった。
少年が思わず紅葉が散った美顔をそむけたおかげで、微かににやけたリベカを見ずに済んだ。が。
「……ほら、リベカもわらってるじゃないか。この服、かなり彼女……じゃなかった、彼に似合ってるだろ?」
無理矢理に女装させた少年に浴びせる言葉としては、神経を逆なでするにもほどがある発言であるはずだ。
女ふたりに背を向け、むきだしの両肩をいからせているのをうかがうと、傍目にはいつ爆発するかとひやひやする場面のはずなのだ。
実際、リベカは少し案じていたが、杞憂であった。
「……で、どうなんだいリベカ? 僕の女装は、‘魔物’であることを隠し通せるものなのかな?」
言下に、少女に扮した少年は、黒髪黒瞳の純然たる少女に向きなおった。
――似合うなんてものじゃない。
もともとが少女と見紛うてもおかしくない顔だちだが、いまのアベルは完全に美少女としか判断できない。
最初から質の良い肌を、おしろいを施していることでさらに強調している。
ぬけるような紫の髪が両頬に垂れて首もとにかかり、細面を際立たせている。
大きなすみれ色のひとみと小さく高い鼻梁はそのままだが、形の良い唇には薄紅が塗られて、少女特有の艶めきを感じる。
上半身は、緑と白もようのそで無し胴衣いちまいと、アベルが元から身に付けていたあわい赤色の長外套。
胸が寂しい気もするが、さらしている両肩がそれをおぎなっている。
下半身は……これまた非常に短い、しかも純白の脚筒きれをまとっていた。
すらりとむき出している大腿部がまぶしく、男のものとは思えないほどあどけない色っぽさがかもされている。
手には白い長手袋、足には緑の長靴下が着けられているものの、確かに女装としてはやりすぎな格好ではないか?
少女はそういった意向をラケルに伝えると、
「む、あんたはそう思うのかい? いいと思うけどねえ。かわいくて」
単に楽しんでいるだけなのか、実際にそう思っているのか、まさか心から心配しているのか、はたまた…………
この女性は本当になにを考えているか分かったものじゃないから困る。
「…………承知しました。これでいきましょう」
「へえ、気に入ってくれたかい。よかったよかった」
少年の様子はといえば、とても涼しい表情で頷いていたものであった。
やけになったわけでも、ふっきれたわけでも無さそうだ。
気のせいだと思うのだが、少女の目には彼が本気で女装を気に入ったようにしかうかがえなかった。
「さて、ひと段落ついたことだし、そろそろ話しちゃどうだい?」
銀狼髪の女は、美少女の格好をしたアベルに耳打ちし、彼もまたこくんと頷いてリベカに向きなおった。
心なしか、その仕草も少女のようにしとやかだったのは思い過ごしではないだろう。
「…………リベカ。僕は、きみと共に旅をしたいんだ」
少女の顔がいきなりシャキっと引き締まり、いかにも真面目そうな無表情になる。
さっきまで微かに顔を綻ばせていたのがうそのようだが、これが彼女の本来の姿なのだ。
久方ぶりに相好をくずしたためか、表情の作り方を失してしまったのかもしれなかった。
ラケルは吹き出しそうになるのを堪えたが、アベルは気にせずに話し続ける。
「僕が勝手に兄に……カインに引導を渡しちゃったのは、本当にすまなかったと思ってる。でも、それの償いをしようというわけじゃない。
わかると思うけど、この地に訪れたのにはわけがあるんだ。この地にしかないものを、僕はつかみにきた。
一人でも手に入れてやるって気概を持ってたけど、なんのめぐりあわせか、きみらに会うことができた。
ラケルさんは快く協力してくれるって仰ってくれたんだけど…………リベカ、できれば僕にはきみを随行させたいんだって」
一息につむいだ口上を言い終え、アベルはふっと息をついた。
あらためて少年の容貌をながめ、見事なまでの美少女ぶりにリベカは息をのんだ。
そんな場合ではないし、少女はそっちの趣味はないが、それだけアベルの女装は完璧すぎるのだ。
ラケルの言うとおり、神様は本当につけるものを違えてしまったのではないかと勘ぐりたくなってくる。
「…………リベカ?」
「あ……えと、わたしは、一緒にいきたい」
一切の迷いもない、彼女にとっては当然の返答だった。
この少年と一緒にいたいという純粋な気持ちと、もう一つ、リベカが抱く野望にも似た望みが、心を突き動かしていた。
もう彼を‘魔物’と認識しなくなっていた自分に、全く違和感を覚えなくなっていたことに気づいていないリベカである。
言葉を受けいれた少年は、嬌笑をたたえた整ったおもてを表した。
胸に迫る認めがたい情を感じた少女は、なんとかそれを表に出すのをこらえた。
「よかった……リベカ、本当にありがとう」
頭の中が真っ白になりそうだった。
普通に考えれば別にたいしたことじゃない。はず、なのだが……
少年のか細い手で両手をにぎられながら、リベカは頑なな無表情を崩さないでいるのが精一杯だった。
もっとも、その頬もわずかに紅く染まっているが。
……と、少女がふと気づくと、アベルがまじまじと自分の掌に食い入り、触っているではないか。
恥ずかしさと、何やらもやもやした気持ちが込み上がってきて、思わず双眸を閉ざして顔をそらした。
「……すごいね……何したらこんな手になるの?」
考える間もなくラケルが後を継ぐ。
「すごいだろ? この子さ、あたしの知らない範囲で修行してるから、やりすぎで怪我することもあるんだよ。悪いとは言わないけどねえ」
「いや、これはすごいよ。すごいけど……」
すごいすごい言われて、ちょっとした高揚感を覚えていたリベカだった。
「やりすぎなような……かわいそう、って思っちゃうくらい、固い」
「………………」
「でも、これはむしろリベカにとって嬉しいことなんだよね? だったら……」
だったら? 次ぐ台詞をわくわくと待ち受ける少女。
「がんばって。僕はがんばる人が大好きだから」
少女は一瞬、全身に電流を通されたかのごとく棒立ちになった。
それから、何か言いたげに口をパクパクさせ、意味もなくあたりをキョロキョロと見回す。
みごとな挙動不審ぶりである。
リベカの様子を目にして笑いながらも、大柄な女はアベルに強く感心していた。
「あんた……大したやつだね」
「? 僕がですか?」
「そんなセリフ、二人っきりでも中々言えるもんじゃないだろ。ましてや保護者であるあたしがいるのに。度胸あるよ、あんた」
「そうでしょうか……」
「そうだよ。ま、そういった経験値はこれからリベカとゆっくり育んでいくんだね」
最後の口上は密かにつげたラケルである。
どこまで事実かはおいておくとして、過去の話を聞かせてもらったため彼に女経験がないことはわかっている。
それに…………と考えていると、今度はアベルが耳打ちしてきた。
「いちおう言っておきますけど……僕は彼女と、その……本能的にはあれですけど、理性的に考えればしたくはありません」
「…………うん??」
微妙に心情が読み込めない。
「ですから……僕は虚言を弄するのは嫌なんですよ。だから……」
「あー、わかってるよ……そばに本人がいるんだ、また後でな」
ひどく残念そうに女をみつめた少年だった。
リベカはといえば、変にもじもじしながらも訝しげにこちらの様子をうかがっている。
「ふー……」
ラケルは長狼髪をゆらしながら涼しげに途息すると、未だ紅潮している少女に口をひらいた。
「リベカ、本来の今日の目的を忘れちゃいないかい?」
びくっと反応し、女に向き直る少女。
それから頭を回転させてみるが……何なのかさっぱり思い出せない。
リベカがよく物忘れするのはいつものことなので、別に堪えることもなく教えてやる。
「『子産の母』だよ」
「あー…………」
「今日はもう遅いから、明日行ってきな」
そしていつもの様に、心の中では「あー、じゃないよ」と突っ込んでいたラケルであった。
「けっこうな夜更けですしね。僕も眠くなってきました」
「そうだね、寝る準備するか。言うまでもなく、あんたは一人だからね」
「おかまいなく」
「………………」
無表情に戻っているリベカが何か言いたげだったが、大体の察しはつくので放っておいた。
―――
スズメのさえずりが聞こえる暁旦の頃。
旭日に照らされた森はそよぐ風も心地よく、ここナルシルの地の周辺はよき散歩日和であった。
時候は春、それも始まったばかりとあって、今なお肌寒さを感じることもある。
今日はまさにそういう日なのもあって、少年は寝床から出るのが億劫で仕方がなかった。
が、そんなアベルに容赦なく襲い掛かってくる……大きな女性。
「あら、まだ寝てるのかい? ほら、起きた起きた。もうメシは出来あがってんだよ」
「…………あと五分……」
「あんた……いつもこんな時間まで寝てんのかい? 先が思いやられるねえ……」
そんなに早く起きる必要もないだろうにどこがこんな時間なのか、と訊きたくなった少年だった。
そもそも、この森には時計がないから不便でしょうがない。
現在時刻はおおよそ六時ごろだろうか?
アベルが今まで起床していたのが七時すぎのため、早いんじゃないかと思うのもやむなしだった。
しかし、どうやらこれが彼女らの普通らしい。
……尋常じゃない。
「ま、でもちょうど良いかもしれないね。リベカはあんたを気に入ったみたいだし、ちょっと頭は弱いけど世話焼くのは好きそうだ」
「いま、彼女は何を?」
「朝まだき頃から走ってるよ。もうそろそろ戻ってくるはずだ」
……呆然としてしまった。
夜も明けきらない薄暗い時間からということは、二時間以上は前を指すのだろう。
四時まえから…………
一体どういう生活をすればそんなに起きていられるのか?
いや、びっくりする箇所が違うのかもしれないが……
確かに前途多難であると予感したアベルだった。
「あとあとの為にも、今起きといたほうがいいよ。あいつには、あんたに早起きを強要するなっていっとくけどね」
「……そうします」
美しい少女――を装っている少年は、素直に首肯した。
女装に不備がないよう、鏡と十分に向き合ってから食卓にむかう。
朝食にはあまり期待を抱いていなかったが、料理を拝見して間違いであると判明した。
一体どこで獲れるのか、ほど良く脂がついた白身魚はとろけそうな甘露煮にしてある。
なんの肉かアベルには分からなかったが、香草焼きをほどこした肉料理からは涎を垂らしたくなる匂いが漂ってくる。
…………だが。
文句など言える立場ではないが、本来主食であるはずのあれが抜けているのはどうだろう?
粗相なきよう訊ねてみることにした。
「……すいません。いつも主食を召し上がってないんですか?」
「主食? なんだいそりゃあ?」
「小麦焼き……ですけど」
何か、やはり訊いてはいけない事を訊いてしまったのかもしれない、と案じたアベル。
返ってきたのは意外な答えだった。
「あれか……あたしはあった方がいいんだけど、リベカが大嫌いだからね」
「え…………」
「あの子は毎日朝から晩まで狩りやら修行ばっかりだから、精神的に余裕がないのさ。かわいそうだろ? せめて食事くらいは好きなものを食べさせてあげたいじゃないか」
「………………」
さまざまな疑問が沸いてきて、複雑な感情をもてあました少年だった。
なぜ彼女はそこまでして自分を追い込むのだろうか。
なんの見返りもない……わけではないが、ただ日々の暮らしを全うするためだけにそんなに修行しているとは思えない。
この女性にしても、どうしてリベカに厳しい修行を課すのだろう……
――アベルが思惟にふけっている間に、赤羽織をまとった少女が汗だくで帰ってきた。
「お、速いね。ごくろうさん」
「はぁ……はぁ…………」
流麗な馬尾髪――後頭部の高い位置で一つにまとめて垂らしている黒髪が、汗によって微かに光っている。
しかし困ったことに、少年がつぎに目を付けてしまったのは胸だった。
羽織と布さらしを被せているが、ふたつの膨らみははっきりとわかる、ほど良い大きさである。
凛々しく、またかわいいと形容してもおかしくないがやや険の帯びた顔つきといい、十五より二、三うえにおもえる。
「こら、そんな露骨に見るんじゃないよ。警戒しちまうだろ」
「す、すいません」
隣に立っているラケルに後頭部をはたかれ、謝る。
旅をする際は、こっちの方も注意が必要そうだ。
「さ、二人とも早く食べよう。冷めちまうからね」
―――
美味しい朝食こそゆっくりありついていた少女だが、旅支度は半端無い速さだった。
持つべきものを異様におおきい麻袋にぱっぱとつめこみ終えると、
「仕度、できた」
と少年の目のまえに来て言われたのである。
半ば唖然とする少年に、大柄な女が気持ちよく笑いかけた。
「あははは。リベカはせっかちだからね。でもそれ以上に、この旅が楽しみなんだろうね」
一切の邪念を感じられないラケルの言葉だった。
少年は邪推していた。
養女とはいえ、仮にも自分の娘を他人に託すのに不安はないのだろうか? 寂しくないのだろうか?
アベルの仏頂面からなにかを察したのか、笑顔を微苦笑にかえて女は喋りだした。
「なにを心配することがあるんだい? あたしはこれでも人を見る目はあるつもりだよ」
「……仮に僕が親だったら不安でしょうがないですよ。会って間もない他人に子供を預けるなんて、少なくとも自分にはできません」
「そりゃ、あたしだって不安じゃないこたぁないさ。あんたが絶対信用できるなんて、これっぽっちも思ってないし」
「………………」
随分あっさりと吐露してくれるものである。
「けどね、いつまでも巣に入ったまま、目の届く範囲に置いといたって成長しないんだよ。時には放り出すことも必要なんだ」
「…………そう、ですね……」
なんとはなしに同意する。
確かにそうだと思う。思うが、しかし……
「……あんた自身があの子に手をかけない限り、あたしは何もするつもりはないよ。あんたにとっちゃ頼もしい味方だろう?」
「はい……」
「これから色んな苦労をすると思うけど、あきらめずに頑張りなよ」
「…………はい」
もうこの女性に対して余計な詮索をするのはやめることにした。
何か企てていようがいまいが、表向きには好意的だし今は最大限に協力してくれているのだ。
それで十分ではないか……
「……アベル、早く」
少女が服をひっぱりながら無表情でせかしてくる。
「……知ってると思うけど、ナルシルの村落はここから真東九十三に在る。気をつけていきな」
「ラケルさん……」
やっぱり。
ラケルは顔色こそ変わらないが、その淋しそうな雰囲気は少年にははっきりとわかった。
だからといってそれを面にだす様なことはしない。
神妙な表情をむけて、深々と頭をさげた。
「短い間でしたが、今まで本当にありがとうございました」
「あたしは当然のことをしたまでさ。気に病む事はないよ」
「当然のこと」と聞いてまた何か思考を重ねたくなったが、やめた。
その瞬間、リベカがまた服を引っ張ってきたのもあるが……
「……ほらリベカ、ラケルさんにちゃんと挨拶しなきゃ駄目だろ」
彼女の手をひっつかんで、さみしげな微笑をうかべる養母の前につき出した。
なんとなく、自分が飼い主でリベカが動物のような感じがして、妙な気分になったアベルだった。
「…………今まで、ありがとう……」
ぶすっとした少女の口上は、少年のものをそのまま拝借していた。
瞬間、アベルは微かに驚いた。
その光景を見ていたラケルがふいに吹き出したのである。
「ふふ、すっかり姉妹だねぇ。結構絵になってるじゃないか」
少年はそんな彼女を見てすこし安堵し、口元を綻ばせた。
「リベカ、ちゃんと「子産の母」の所へ行くの、忘れるんじゃないよ」
「うん…………行こ、アベル」
さっきからそればっかりな少女である。
リベカの気持ちはなんとなくわかるけど、礼節は尽くすべきだろう。
照れくさくとも、恥ずかしくとも、長い間育ての親と離別するのだからもう少し素直に別れを惜しんでほしい。
……自分も人のことは言えないが。
「では、行きます」
「ああ」
「その……お身体に無理なことは控えてくださいね」
「そりゃこっちの台詞だよ。さ、気が変わんないうちにいきな」
核心を突いた口上のつもりだったが、難なくかわされた。
やはりまだまだ青いいうことか、自分は……
アベルはラケルと微笑を交わし合い、すみれ色の長い髪をなびかせながら背を向けた。
リベカも、時折後ろを振り返りながらひょこひょこついて来る。
少年はもう、‘雌銀狼’を振り返ることはなかった。
可愛い容姿に不似合いな仏頂面を虚空をむけながら、少年は少女を伴ってひとつめの目的地へと足を運び出したのである。
それは、黎明を告げる朝日が、女剣士[ヴァリオキュレ]の森を照らし出している時の事であった…… 三話・おわり
もの凄い粗相をしてまいました……以後、十二分に気をつけます
乙ですー
投下ありがとうございました
18 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 00:04:14 ID:dlPVgWtu
ちょっと気になったんだけれど
昔の石鹸ってどうやって固めてたの
「ヴァリオキュレの森」の人GJ!
投下乙
「ヴァリオキュレの森」四話です。
NGワードは上記括弧内でお願いします。
以下ネタバレ
・3/10途中から最後まで、(たぶん)ノーマルなセックスです
・ロリショタの組み合わせです
★ヴァリオキュレの森 四話 「アベル=レヴィアタン T」
退屈な授業だ…………
黒板に書かれた蘇生術の方程式を眺めながら、そう呟きそうになった。
こんなもの、百二十三と六百五十四を合わせたら幾つになるか? と聞かれるのと大して変わらない。
自明の理だと思うんだけど、周りの連中にとってはそうはいかないらしい。
みんな机の上の数式と睨めっこしながら、必死に頭を回転させている。……ように見える。
まあ、仕方がないのかもしれない。
何を隠そう、僕は天才なので――
「こらー! アベルッ、起きなさぁ、いっっ!!」
「――痛てっ!」
幼いくせに艶めいた声、それと霊木の杖が飛んできて、僕の頭に直撃してゴッという鈍い濁音が鳴った。
まわりの男子生徒の一部が失笑を洩らす。
「ってて……」
頭頂部を両手で押さえながら呻くも、今の事柄をしっかり反省材料に入れておいた。
人間、されても嫌じゃないことには何も意識しないが、嫌なことには過敏に反応して修正するものである。
僕の場合、嫌だと思ったら絶対に二の轍を踏まない。
周りの人間は、解っていても何度も同じ失態を犯すものが大多数らしいから、なんというか、複雑な気持ちだ。
前述はまだましな方で、酷いとその失態を人になすりつけて自分のものでは無いと、現実から眼を逸らす奴のおおいこと。
そういう輩を目撃すると思わず吹き出したくなる(けど堪えるのが僕だ)。
「アベルッ! 机に突っ伏してる暇があるなら、あの方程式の応用問題を解いてみなさい!」
僕の机まで歩んできて、霊木の杖を拾い上げたタマル先生。
こういう時、いつも彼女の童顔だけを見すえるようにしている。
身体の部分は、眼に映してしまうと危険だからだ。
「わかりました」
気だるそうに即答する僕に、先生は何げなく微笑みかけてくる。あからさまな贔屓的目線だ。
でも、かわいいなあ……なんて思いつつも、表情一つ変えない。
‘そういう奴じゃない’からだ。
周りの生徒は僕をどう見ているかといえば……
今は十六だが、齢十四の頃すでに知識・実技・精神と、主要三教科で学院頂点に立った神童。
というのは先生方にいわれるもので、生徒からは化物だの異端児だの、良い呼ばれ方をした記憶が無い。
まあ実際には、先生の中にも僕を蔑称で呪ってる人も多いのだろうけど。
全然、関係ない――
と、教室中から感嘆のため息がもれ始めた。
一分足らずで、超難解な(といわれている)蘇生術の応用方程式を解いてしまったからだ。
嫉妬、羨望、畏敬、はたまた猜疑、憎悪……様々な感情が、男子生徒の眼を通してぶつかってくる。
「……さすがね、アベル!」
先生に褒められたのは嬉しいが、残念ながら大した高揚感はない。
最初の方はあったけど、それも慣れてくればどうってこと無くなってしまっていた。
つまらないな……気が付いたら、それが僕の口癖になっていた。
学院は退屈なだけだし、家族にも嫌われている。この環境のなかでは、特にやりたいことがあるわけでもない。
唯一理解してくれるのが、この回復術専任のタマル先生だけど……
とにかく、一刻も早く学院を卒業し(待つしかないけど)、独り立ちしたくてしょうがない。
過剰に縛りつける父上の元にいては、僕はなにも成すことはできない。
さすがに魔法士の資格は欲しいから今は大人しくしてるけども、取ったらはっきりと決別してやるつもりだ。
―――
黄昏に包まれた魔法学院フェリクス。
放課後とあって、生徒や教師は九割方帰路につく時間帯だ。
僕は…………誰もいない教室に独り残っている。
といっても、ここに誰かが来るのを待っているわけじゃない。
魔気の流れを探って、ある人達がある場所に足を運ぶのを待っているのだ。
「………………」
双眸を閉ざして集中し、その人や場所特有の魔気を読みとる。
図書室……………………タマル先生……………………ノア……………………
この三つの魔気が、段々と重なろうとしている。
図書室には当然……だれも居ない。
この事柄から導き出されるのは、大半が色めいた想像だろう。
そうではない場合ももちろんあるが、結論から言えば、これはこの二人の交会なのである。
生徒と先生。
この二人の関係でこのような事が学院に割れてしまえば、ただで済むわけがない。
なのに…………先生は平気で次々と男子生徒を喰ってしまう。
ただ、理由は多くあるのだ。
「………………よし」
三つの魔気が交わったのを確認し、椅子を立ち上がる。
これは僕のささやかな、そして密かな愉しみだ。
先生と生徒の情事を覗く。
ただそれだけで、注視しながら自慰にふけるわけでもない。
なのに、僕はその行為に、何ゆえか確かな高揚感を覚える事ができている。それが嬉しい。
図書室は、僕が在籍している教室から歩いて五、六分程度かかる。
つまり、結構遠かったりする。
早くしないと前戯を見逃してしまうかもしれない。
とはいえ、今日はいかにも童貞そうなノアが相手だ。
先生は経験の少ない奴ほど時間をかける傾向があるから大丈夫だろう。
僕も人のことは言えないが、彼は身体の線が細く、女の子みたいな顔つきなのだ。
実力はそこそこなんだけど、性格もお人よしで純粋(そう)なので、他の男子生徒にからかわれている場面をよく目撃する。
……魔法を行使可能な女にとって(僕は先生と‘雌銀狼’しか知らないが)、童貞の男は危険な果実だ。
人は、性交を重ねることで魔気を高めることができる。
それも、相手方の貞操の度合いが強いほど、お互いに奔流する魔気の疼きは強烈なものとなるのだ。
そのため、魔法士を志す者はとにかく経験が早い。
この大陸では……女剣士の森を除いてだが、女というものは剣で男に劣り、魔法は行使すらできないことから、女は一部で‘家畜’扱いされている。
正直、馬鹿げた考えだ。
女がいなければ、男は生まれることすらできない。
女がいなければ、愛の意味を知ることもない。
父上に奴隷のような奉仕を強要されていた母上は、僕が五つの時に亡くなった。
僕は、父上に………………
「…………………………ノアくん……」
甘やかな声をきいて、我に帰る。
無意識のうちに目的地にたどり着いていたらしい。
図書室の扉ごしに、これから情事にふけようとしている男女の話し声が響いてくる。
図書室には透いた窓や壁がないので、室内を覗うことはできない。
「せ……せん、せぇ…………」
「あらあら……こんなに固くなっちゃってるじゃなぁい。……可愛い顔に似合わず、いやらしい子なのね。……ノアくんったら♪」
「ひうっ! ……ぁ…………そん、な…………に、触っちゃあぁぅっ!!」
ノアの、十六の少年とは思いがたい甲高い喘ぎ声。
どうやらもう始まっているみたいだ。
それにしても……僕の魔気を察する力、消す巧さは、この学院では希有のものとあらためて思う。
タマル先生ですら全く感づく事ができないとは……恐らく、僕より上なのは学院長のみだろう。
「ほーら、もう先っぽからお汁が出てきてるわよ。気持ち良いの? もっとしごいて欲しい?」
「ふあぁぁ……き、気持ち、いはぁん! だ、だ、駄目ですっ……そ、そんあに……っ!!」
……残念ながら(?)僕は男がされているところを見る趣味はない。
できれば彼にはさっさと、いさぎよく、早急に、射精してほしい。
《透過》を行使するのはそれからだ。
「はぁ! はぁん! せ、せんせぇっ、もぅ出ちゃ……!!」
「いいわ、遠慮なくお口の中にぶちまけなさい♪」
ちゅぷ、ちゅぷ、と男にしゃぶりつく淫音が発されてきた。
間もなく終わるだろう。性急したくなる。
「せんせぇ……………………くっ――――ごめんなさぁあぁぅ!! はぅ!! あぁぁあぁあんっっ!!」
……十六のくせに女の子みたいな声。
先生は未だノアのそれに吸い付いているらしく、じゅぷじゅぷと鳴る水濁音は留まるところをしらない。
よっぽど好きなんだなあと思う。
というか、ノアの奴盛大に喘ぎすぎだ。
いくら先生が魔気察知に優れてるとはいえ(僕と学院長除外)、あんまり声が大きいとばれるぞ。
まあ、そんな事になりそうだったら僕が阻止するけど。
「はぁ……はぁ…………ふぅ………………」
「うふふ……きもちよかった?」
「…………はい。…………その、僕も……先生を……」
「犯したい?」
「…………………………」
「そう……………………」
……っと、黙ってる間に何をしてるのか、大体の想像はつくけどこれじゃあ分からない。
左眼をふさいで右眼はあけ、右手で右眼を覆い隠して詠唱を行う。
《透過》の出番だ――
「《透かせ。彼の物を透かせ。我が眼から失くせ……透過!!》」
右手をふり払い、左眼をあけて魔言語を叫ぶ。
――図書室の扉が消失した。
しかし‘扉本体’は存在している。
「…………ノアくん、どうしたの? 触っていいのに……」
「………………」
夕日の射していた図書室は、淡い橙空間と化していた。
木床にあお向けに横たわる小さな先生に、ノアのさらに小さな裸身が覆い被さっている。
まるで子供同士の交合と見られてもおかしくない構図だ。
タマル先生はよくて十八にしか見えないほどの童顔、少女体形な肢体で、ノアもよくて十四にしか見えない。
「……ノアくん、女の子をあんまり焦らし過ぎると、嫌われちゃうわよ♪」
「………………」
ノアは真っ赤な顔で先生にのっかりながら、何もできないでいる。
華奢な身体にまとった純白の法衣は、思春期の少女の体線をそのままなぞっているように見える。
あどけなくも程よく膨らんだ胸、細くくびれた腰、ほっそりしている下半身……
少し憂いたのは、自分は幼女趣味なのかということだ。
先生が幾つなのかは別として、外見的には僕(十六)と同年代かそれ未満にしかみえない。
その先生に対して欲情しているのは自覚しているものの……
――と、ノアがようやく控え目な双丘に右手をのばした。
しかし、なんという無造作且つ無作法な挙動。これが童貞なのか(僕もだが……)。
「んっ……!」
左胸を揉まれた瞬間先生はなまめかしく途息したけど、なんとなく演技くさい。
ノアは顔を真っ赤にしながらも、本能のままに先生の胸を法衣のうえから歪ませる。
「は……あっ…………ひ、あ……ふぅ…………」
青い眼を閉じて、小さな口からあどけない嬌声を発し、青い双尾髪をゆらして首を振る。
どこからどうみても気持ち良さそう。
「せんせぇ…………き、気持ちぃ?」
激しい息遣いと興奮の極地に達したかのような紅顔で先生に問うノア。
「うん……気持ち良いわ、ノアくん」
「じゃ、じゃぁ後ろから揉んでいい?」
急に何を言い出すんだろう。
「……いいわよ♪」
先生も、なんでにっこりしながら即答してるんだろう……
ノアは、上半身を起こして座した先生の後ろに回り込み、しゃがみ込む。
おずおずとした両手の動きで先生を抱くようにして、大きさがくっきり判る白衣を覆った胸もとを鷲掴んだ。
「あぁ…………あん……」
もうノアに遠慮は無い。
服の上から何度も何度も、ひたすら胸を揉みしだく。
「あふっ……ん、あく…………あぅん……!」
先生は快感を満面にして色っぽく鳴きあげる。
本当に気持ちよさそう。でも、僕だったら直に触りたくなるな。
……ふと思った。
ノアって本当に童貞か?
僕は正真正銘の童貞だけど、ノアは創見的にそうなんじゃないかと思っていた。
いや、実際どうかわからないが……仮に自分がタマル先生と床をともにすることになったとしたら、ああまで積極的にいける自信がない。
もし彼がいま演技しているんだとしたら……
「せ、せんせぇ…………そ、その…………」
「……………………」
先生は、どぎまぎしながら喋るノアの右手を無言でつかみ、自らの秘唇へもっていく。
はっとするノアにかまわず、先生は少年のか細い手で法衣ごしに陰部をなでさせる。
「せっ………………」
「ここ……? …………ここが欲しいんでしょ? ……私も、欲しい…………」
「せんせぇ………………これを……入れたいです……」
さっき出したばかりなのにずいぶん元気ね――と続くのかと思ってたけど、外した。
事実、ノアのそれは先刻からずっと膨張している。
あどけない面立ちや引っ込み思案な性格に似あわず、彼のものは極めて立派な剛直だった。
「じゃあ、ちょっと待っててね……」
裸でしゃがみこんできょとんとしているノアを置いて、立ち上がった先生はぬぎぬぎ(……)し始めた。
上下一体の法衣だから、脱ぐのには手間がかかる。着るのはさらに面倒で、五分は掛かるんじゃないだろうか?
「………………」
徐々に露にされる少女――じゃなく、女性(のはず)の裸体を、ノアは手に汗にぎる面持ちで見入っている。
僕は見慣れているからあれだけど……最初に見た時は、それはもうあまりの衝撃に興奮して早鐘を打ったものだった。
今は逆に落ちつき払いすぎてて、我ながらかわいげが無い。
「……わぁぁっ…………!!」
感動すら覚れる声色のノアだった。
一矢纏わぬ姿の先生は、まさに幼い悩ましさを体現していてすごく扇情的なものだ。
体にぴったりな服の所為で脱いでも大して細くならないのは、もはやご愛嬌というしかない。
「はぁはぁ……せ、せせせせんせぇえっ…………」
いきりたつ欲火を堪えて立ち上がり、今にも先生を押し倒さんばかりのノア。
「かわいいわ、ノアくん…………挿入れたくて挿入れたくて、しょうがないって感じね♪」
「ひぃんっ!!!」
先っぽを突っつかれかわいく高い声で鳴く姿は、十六の少年ということを忘れさせる。
「でも、待って。ノアくんの手で、ここを濡らしてもらえる?」
大胆な発言だ。
言われたノアといえば、頬を紅く染めながら生唾を飲み込んでいた。
「焦らさないで、ね? ノアくん……」
両手を合わせて、おねだりするように青い眼をきらきら輝かせて懇願する先生。
正直ワザとらしいけど、どうやら効果は抜群だったらしい。
「せっ……せんせぇっ!!」ノアの右手が秘処を捉える。
「あっ……あぁぁんっ!!」先生がいきおいよく嬌声を上げる。
さらにノアは跪いて先生の下半身に顔をもっていき、舌をいやらしく繰りながら最も敏感な部位へと這わせた。
「はぁあンっ!!! ノアく、そこはあぁんっ! やぁ! ダメっ、気持ちい……ひゃぅンッ!!」
ちゅぷ、ちゅぷ、と淫核を吸いつく猥音が先生から発されてくる。
更には二本指で膣内を行ったり来たりで、だんだんと具合がよくなりそうな感じの水音がでてきている。
「あん! あんっ!! も、もう出ちゃ……ふぁああぁっ!!!」
嘘だろう……?
しゃがんでいるノアに立ったままあそこを舐められている先生の顔は、確かにいっぱいいっぱいに顔をひずませている。
びくびくと一定の間隔でわななきながら天を仰ぎ、愉悦の嬌声が図書室の外にいる僕にもはっきりと聞こえてくる。
「イっちゃ…………――はンっ!! イく!!!」
合図の声を出すと、先生はその場所から透明の液体をびしゃびしゃと放り始めた。
「ああぁん!! やぁあん!! あんっでるっ、でるでるでちゃぅよぉぉッ!! あぁっあぁっ、くぁんぁあぁあッ!!!」
自分の花弁が穢されているのを見つめながら、首をぶんぶん振って双尾髪をふりしだき、至高の快楽を味わう先生。
無秩序に、欲望のままに漏らしてあえいで、こんな先生はなかなか拝めない。
時期尚早かもしれないが、やっぱり彼は童貞じゃないと思わざるを得ない。
……なんかすごい恍惚としたノアの表情が、先生の愛液にまみれてるけど。
「はぁ、はぁ、はぁ……す、すごひのっね、ノアく……はぁ、はぁ……」
「ううん……せんせぇ、ありがと。ボク、はじめてだったからもう必死で……でもせんせぇ、すごくかわいかったなぁ……」
「そお? ……うふふ、嬉しい♪ ありがと、ノアくん」
……もうノアが童貞か否かはどうでもいい。
それより二人とも、早く本来の作業に取り掛かるんだ。
あんまり遅いと副院長が見回りにきてしまう。
「じゃあ、ノアくん……いきましょうか?」
「うん…………でも、心配ですぅ。使いものになるかなぁ……」
……思わず顔を覆ってしまう。
彼は本当に十六なのだろうか?
稚さすぎる見た目もだが、中身もかなり遅れている気がする。
「大丈夫よ。ほら、まだこんなに元気じゃない」
自己主張がはげしいノアのそれを指差す先生。
「あ、いや…………その……途中で折れたりとか、すぐに出しちゃったりとか、あとちゃんと動けるかなぁとか……」
恥ずかしそうに不安の数々を口にする少女……というのは、股にへんなの付いてなければ説得力あるんだけど、流石に無理があったか。
「安心なさい、そういうところは先生がちゃんと補ってあげるわ♪」
「…………うん」
まだ自信なさげなノア。見てるこっちまで心配になってくる。
「さ、早くしましょ♪」
「………………」
ことさらに明るくいう先生に、僅かに不安げな表情をむけながら頷くノア。
先生ははだかのまま、木床へあお向けに横たわった。
ノアもつられるように腰を落とし、先生の両脚を拡げる。
盗み見されているのをよもや知っているわけじゃないだろうが、彼らの顔が両方見えるのがたいへんよろしい。
僕からみてノアが右、先生が左にいて、結合部もうまい具合に濡れているのがわかる。
「……せんせぇ、気をつけてね」
「……え?」と先生。
僕も同じように疑問符を発したくなった。
「ボク、童貞だから、すごいのがくると思うんだ」
「………………」
自意識過剰だよ。先生も当惑してる。
確かに、童貞と一回でも経験した男とは、流れてくる魔気量に倍近くの差がでる。
でもノア、もとの魔気が少なければ童貞だろうが大したこと無いんだよ。
おまえの魔気なんか中の下程度だろうに、何をうぬぼれているんだろう?
‘上の上のさらに上の僕’相手だったら、それはもう悶死するくらいの快楽だろうけど……
「だから……その、いっぱい声だしていいよ」
声出して欲しいの間違いじゃないのか。
「うん、ありがとうね♪ 心配してくれて」
「ううん、どういたしまして♪」
ふたりでにっこり笑みを交わす。
密かに見てる側としては、もどかしさと気恥ずかしさに煩悶とするばかりだ。
「じゃあ…………挿入れるよ、せんせぇ」
「いいわ。ゆっくり、間違えないようにね」
思わず小さく吹き出してしまった。
今まで何十回と先生の交合を目にしてきたけど、こんなこと相手に言うのは初めてだった気がする。
というより、そんな(入れるところを間違える?)ことが実際にあるんだろうか?
「せ、せんせぇ! いくらボクでもそこまでドジじゃないよ!」
ほら、ノアも憤ってるし。いや、いつもの根拠のない自信かもだけど。
「ノアくん……そんなこと言わないで、早く挿入れてほしいわ。ね?」
間違えないように――ってホントは言いたかったんだろうな。
そういうのを表に出さない先生の意識は好きだけど。
「……うん、わかった。気持ちよくしてあげるね」
紅葉を散らした顔で、努めて明るく言うノア。
ようやく始まる。
彼は自らの男を軽くにぎり、先生の秘底に照準を合わせる。
あれだけ言っといて場所を違えたら恥だ。
正しい箇所に入れなよ……
「――んっ!」
おお……先生は良い感じにおもてを歪ませて、それからノアに嬌笑をおくった。
「……当たりよ、ノアくん♪」
「よかった……」
失態を犯さずに済んだ安堵からか、一応は胸を撫で下ろしたらしい。
それにしても……いつものことだけど……結合部は実際正視すると、大していやらしく感じない。
先生の性交を目撃するまでは、そこはもっと不明瞭で、ぐしょ濡れな想像をしていた。
だからというわけじゃないけど、視る側としての合体はあまり好きじゃない(実戦経験無い僕の台詞じゃないけど……)。
「うごくよ……先生……」
「いいわ、ノアくん。思いっきり、遠慮なくきて……」
短いやりとりを終え、事が開始した。
「……んんっ!」
先ず一度。円滑に奥まで差し込まれた陰茎の刺激に、先生が色っぽい途息をつく。
ノアの表情が見もので、両目はぎゅっと閉じて開いた口からよだれを垂らす様は、まるで先刻の絶頂を迎えた先生の姿を見ているようだ。
その必死な形相のまま自らの男を中途まで抜き、それから再び奥に捻じ込む。
「……んふっ!」
またも押し殺したような先生の艶声。
ノアは女の子みたいな顔が快感にはっきりと染まっているが、あえぎ声一つあげないのが不憫だ。
意外と言っては失礼だけど、彼もそういう自尊心を持ち合わせていたということだ。
「んっ……ふ…………はぁ…………あん……」
ノアが頑張って腰を振りはじめると、先生も具合よさげに嬌声を発しだした。
先生の両掌はまだ木床に縫い付けられているから、そこまで無理はしていないのだと思う。
けど、ノアの方は時間の問題だ。
歯噛みして涎をたらして、一心不乱に腰を動かし続けている。
いつ果ててもおかしくない状態だろう。
「ふくっ、あんっ、あんっ! いいわっノアくん……ふあっ! 巧い、じゃない……!」
「だめ……せんせぇ、だめだぁ! 気持ち良すぎてイっちゃう! 出ちゃうぅぅ!!」
褒められてたがが緩んだのか、なんとはなしに本音を洩らしたくさい。
突き込む感覚がどんどん短くなってきている。
「いいわ……はぁ、はぁ、来て。来てノアくんっ!!」
先生は一度両手をひろげ、次いでその両手を額の辺りに持っていった。
完全に受け入れる体勢だろう。
――ノアの碧眼が見開かれた。
「ごめんなさあぁあん!! あっあっああぁぅ!! やぁああぁ!!!」
ノアの、少女のようにあどけない絶頂の快声がひびき渡る。
そして間もなく、膣内に放精された先生の表情もひずみを帯びていった。
「あっ…………ああぁ…………あぁぁああっ!!」
貞操の度合いが高ければ高いほど、有している魔気が強ければ強いほど、わき上がる快楽も増す。
ノアの魔気量は大したことないはずだが、やはり童貞の潜在力は凄いのか、先生の反応は予想を遥かにこえていた。
「んっっ……やぁんっっ!!!」
「いたっ!」
なんと、陶然としているノアを突きとばした。
そして、展開されたのは見た事がない先生の悶えかただった。
「だめだめあぁん!! あっあっあっ……いくっいくっ、いっちゃあん!! あぁん!! あっ、はぁあぁん……!!!」
弓なりに反り返った躰の中央――秘弦から、あっという間に雨の矢が連射される。
それも、留まる様子が全くない。
「あぁん!! だめ気持ちいっ、あっあっあん!! あんっ!! やだぁぁあぁ…………」
両手の爪が木床に食い込むんじゃないかと憂慮したくなるほど、先生の腕には力が入ってきしんでいる。
未だに愛液が吹き出ている先生を見て、さしものノアも余韻を貪っている場合じゃないといった様子だった。
だけど、どうすればいいのか計りかねている挙動……僕が行くしかないか。
いや、今まで密かにしていたのをそう易く無下にするわけにもいかない。
もう少し様子を見れるか、な……ん?
「はぁ…………あ……………………っ――――」
「「え…………?」」
僕も、ノアも、先生が倒れ伏すのを茫然と見守っていただけだった。 四話・おわり
GJ
おお、GJです
このスレ保管庫ってないの?
保管庫ないな。総合保管庫(tp://red.ribbon.to/~eroparo/)に収蔵依頼を出してこようか?
作品リストを作ってみた。問題がなければコレで申請する。
●中世ファンタジー世界総合エロパロスレ●
tp://unkar.jp/read/yomi.bbspink.com/eroparo/1145096995
KT ◆Rq9fr/RC3A様:
26〜43「無題」、49〜52「前夜談」、57〜60「館の外の中の攻防」
61〜72「魔術士の実験」、107〜115「子供の遊戯」、123〜124「無題」
128〜137「地下室」、138「後日夜」
227〜231「歴史より〜とある国のメイド待遇〜」
娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I様:75〜79、91〜97、149〜152「娼婦と少年の淫らな生活」
156 159様:162、186〜187、267「無題」
213様:213〜219「invictus」
240様:240「小ネタ」
270様:270〜271「無題」
301様:301〜305「無題」
321様:321「無題」
341様:341〜348「幽閉」
358様:358〜363「あの馬車に乗って」
372様:372「百合注意」
385様:385〜386、389、391、407〜409「田舎王子」
419様:
419、424〜425、429〜430、434「中華風」、448、454、459〜461「亜人系」
467〜468、484、495〜496「旅行話」、623〜628「春節」
474様:474〜477「笑顔」
525様:
525〜532「永世勇者@名無しさん」、546〜566「はじめまして名無しさん@永世勇者」
636様:636〜638「タイトル未定」
652様:652〜654「死刑執行前」
687様:687〜696「ある村の兄妹」
699様:699〜710「光るキノコ」
古代・中世ファンタジー・オリジナルエロパロスレ2
tp://unkar.jp/read/yomi.bbspink.com/eroparo/1205504913
3様:3〜4、6、8〜13、15、21〜31「魔女と駆出し冒険者」
34様:34〜51「神魔開戦」
56様:56〜69「聖娼」
90様:90〜103「ボトル洞窟」
126様:126〜127「つなぎ」
131様:131〜140「梢家の次男坊」
◆wZraoCNSHo様:148〜162「ローレライの海」
古代・中世ファンタジー・オリジナルエロパロスレ3
tp://unkar.jp/read/yomi.bbspink.com/eroparo/1218039118
◆wZraoCNSHo様:24〜31「レイズデッド」
34様:34〜41、48〜66、194〜207、350〜369「木の精」
細切れタマネギ ◆pdEW25vr6o様:
71〜82、87〜94、98〜107、111〜123、127〜135、139〜148、153〜169、174〜178「巨大な天秤」
239様:239〜247「ランカスタの魔女」
270様:270〜273「勇者と魔王」
302様:
302〜303、306、308、315〜320、325〜329「魔王」、339〜344「ちょいサド傭兵」
403様:403〜412、418〜428、「ヴァリオキュレの森」
古代・中世ファンタジー・オリジナルエロパロスレ4
tp://unkar.jp/read/yomi.bbspink.com/eroparo/1246868732
7様(前スレ403様):7〜16、23〜32「ヴァリオキュレの森」
以上。間違いがあったら訂正を頼む。
3からいたからわからん。よさそうに見えるけど。
抜けてる作品は特にないと思う
間違いはないようだから、総合保管庫に収蔵をお願いしておいた。
乙
超乙
過疎ログ読み漁ってたら
良作揃いでびびった
44 :
SS保管人:2009/07/31(金) 14:07:05 ID:c7yagWHx
オリジナル、シチュエーション系の部屋、19号室に収蔵完了しました。
ありがとうございます。
今後とも宜しくお願いします。
管理人さん、ありがとうございます
いつもお世話になってます
ありがとうございます
48 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 23:23:51 ID:dv/lefkB
やったぁ!!
ありがとうございます!!
ただ、「中華風」・「亜人系」などと「梢家の次男坊」は同一の者ですので
できれば更新の際に変更お願いします。
連絡用掲示板に書き込んだ方が確実じゃないか
久々に見たら変更されてる!ありがとうございます。
52 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 09:33:50 ID:cx6eWbCZ
保守あげ
雑談とか余りしないスレなんだな
話題がない
小説サイトの話とかはNG?
この前読んだ話、運命的な再会を果たした元恋人同士で萌えまくった。
読み返す度、泣きそうになる。
>>55 是非読んでみたいな、せめてヒントだけでもplz
>>56 ごめん。
>>56、色んな意味でネタバレになっていた。悪い。
ヒント言いたいが、ネタバレだから…
馬鹿だ、自分。
それはそれでもういいから教えてくれよ
個人サイトか?
作者本人ではないんだよな
ヒント出すのは止めておいた方がいい
危険だよ
>>57 ネタバレになってるなら、しょうがない。
先入観持って読むと作品の良さが死んでしまうしな。
ネット小説なんてジャンル狭いし、そのうち出会える事を楽しみにしておく。サンクス。
このスレの人、真っ当だな
>>62自己レス。
個人サイトではない。
あと作者様でもありません。
下がり過ぎだから上げておくね
65 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 19:46:34 ID:ZzQtShEC
ageれてなかった
WEBサイトにこんな良いのがあった!って場合
どのスレで紹介したらいいの?
匿名掲示板に晒すのは作者への嫌がらせになりそうなものなんだが
ねらーにブッ潰されたサイトは数知れず……
作者のことを思うなら、紹介はしない方がいい
政治家並に図太い管理者ならねらーごときが騒ごうが屁でもないのかもしれんが
そんなにはいないかな、やはり繊細な人が多いか
たった一人のキチガイの目に留まっただけで
悲惨なことになるからな
管理人自身がよくても
掲示板みたいなユーザー同士が交流できるところ設置してあると
他ユーザーの迷惑になったりするからな
フリーソフト公開してる人でも
コンテンツを提供している人でも
サイト運営経験があるなら一度はでくわす恐怖
投下が無いと寂しいな
ノイエさまー
保守しときますよ〜
どんくらいカキコ無くても大丈夫なんだここの板って?
分かんないけど、圧縮が怖い
>>74 圧縮が迫った時期でなければ、一月半書き込みのないスレなら見たことがある
当然、次の圧縮で落ちてたけど
スレ数が800を超えたしそろそろ圧縮くるかね?
無事、圧縮回避。良かった〜
>>78 ここんとこのカキコが無かったら巻き込まれてたねw
地味だけど良スレ
地味だから良スレ
ドライアドのシルヴィアたんを待ち続ける
ノイエさまを待ち続ける
まったり進行。
ファンタジーと言ったらエルフかな
多数のデミヒューマンと少数の人間の子供達が通う学校と村に
帝国軍の人間が侵攻してきて、年長のエルフロリ巨乳13歳が
子供達をかばって兵士達の慰み者に!
というのを考えてました。
戦火スレ向きかも?
SSを書き上げたら、当初想定していたよりも、エロ成分が随分薄くなって
しまったんだが…このスレではエロ成分が微小なSSを上げても大丈夫?
誰が止めようか、いや止めまい
セクロス成分が微小でもおヌード頂戴シーンが多ければ歓迎
正直過疎だし投下してくれると嬉しいんだぜ
93 :
89:2009/10/15(木) 03:03:46 ID:7Lbx6aQq
>90、91、92
レスありがとう!
実はあの後、書き上げたSSのデータを一部消失してしまったんだ。
投下しても良いかと聞いておいて、この有様…orz
本当にすまんです。
消失した部分を復旧させたら投下しますんで、そのときはぜひよろしく!
なんか書けたので投下しますね。
7レスほど
木々がまばらな森の中を通る道からやや外れたちょっとした広場のようなところで
少女がゴブリンどもに捕まっている。
5匹ほどが少女を取り囲んでいるのが確認できる。
その少女はどうやら背後にある木につま先が接地する程度に
両手を吊るされているようで、両足をバタつかせている。
「お前その装備からして魔導士の村の娘だな?村の場所はどこだ?
素直にしゃべれば命とその身体は無事にしといてやるぞ?」
「誰が!!」
自由が利くその足で顔に近づけて来ていたゴブリンのうちの1匹の顔面を蹴り上げる。
「ぐがぁ!!」
顎をもろに蹴り上げられ悶絶しながら下がるゴブリン。
「がはははは、元気がいいメスだな」
身にしている装備類からリーダー格と思われるゴブリンが少女の前にやってくる。
「足も縛らないと危険だな」
おもむろにポケットに手を突っ込み魔石を取り出し魔石に号令を掛ける。
「縛れ!!」
魔石が青く鈍く輝くと少女の両足首に縄上の物が現れ
右足首と左足首にまとわりつき
それぞれ左右に軽く脚が開くような感じで付近の木の枝に縄が固定される。
「手間かけさせやがって……くくく、まあいいさ、
しゃべる気がないならしゃべりたくなるまで俺らの相手をしてもらうだけだぜ
くくく…久しぶりのメスだからな……楽しみだぜ!!」
と、いきなりズボンの股ぐらからいきり立った一物を引っぱりだす。
「ひ!!い、いやあああああああ」
20cmはあろうかというそそり立つその物を見て
恐怖に顔が引き攣りはじめた。
「あ〜あ〜これはなんとも救いがたい状況になってるな〜」
まるで人ごとのように(人ごとだけれど)特に慌てるでも怯えるでもなく
少年が手慣れた足取りで見つからないように茂みや木の幹に隠れながら近づいて行く。
「あれだけ密集されちゃうとあの姉ちゃんまでやっちまうしなぁ〜
1匹づつ仕留めてると確実に仲間呼ばれるしな〜どうしたもんかな〜」
(上手く姉ちゃんから離れてくれればいいんだがな……
まぁ、ダメそうだったら地道に1匹ずつ仕留めて行くか…
仲間呼ばれたら、そんときゃそんときだな)
いつでも飛び出せるよう臨戦態勢を整えつつ暫く様子を伺うことにした。
「くくく、そう嫌な顔しなさんなって、これから気持ちいいことやるからよ」
リーダーが声を掛けつつ、少女が身につけている装備類を外しにかかる。
胸当て、腰回りから太腿に掛けてのプロテクター類…
ゴツい指とは裏腹に器用に外して行く。
「さぁて、邪魔な鎧はこれでいなくなった訳だが……この先どうなるかは
わかるよな?しゃべる気にはなったか?ん〜〜」
少女の顔に近寄りほほの辺りをぺろりと嘗め回す。
「ひ!!……だ、だれが…………」
恐怖に引きつりつつもしっかりと拒絶をする。
「くくく、そうかい…そうこなくちゃなぁ〜しゃべられちゃ〜
こいつの処理に困るってものよ!!」
既にその先っちょからは透明な先走り汁がしたたっている一物を
オナニーでもするかのように自らの指で軽く数往復しごく。
「はぁはぁはぁはぁ、たまんねーぜ!!
ま、素直にしゃべってたとしても結果は同じだったけどな!!」
自らの先走り汁でねっとりした指先を少女の首スジまで伸ばすと
タートルネック状になっている服の襟首に突っ込む。
「そーら!!」
突っ込んだ指を力任せに下方向へと引っぱり上着を一気に引き裂きにかかる。
「いやぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ〜」
少女の悲鳴が響きわたり、そして少し小振りだが形のいい乳房があらわになる。
肩から腕の部分と背中だけを残し胸や腹部が一発で露出してしまった。
「はぁはぁはぁはぁはぁ、いいぜ、いいぜ。
ちょいと小さいが、いいおっぱいしてるじゃねーか」
言うが早いか、リーダーが丸見えになった乳首へとしゃぶりつく。
「いや…や、やめて……」
身をよじって抵抗するが手足を縛られどうにもならない。
「くへへへ、いやいや言ってる割には乳首がコリコリに勃ってるじゃねーか」
しゃぶりついてたリーダーが顔を離してニヤニヤと話す。
と、少女の乳房付近に白濁した液体がぴゅぴゅぴゅと飛び散る。
「いやぁ〜〜」
再び少女が身をよじる。
「はぁはぁはぁ、り、リーダー済まねぇ〜我慢できずに抜いちまった」
取り囲んでいたゴブリンのうち数匹が辛抱たまらず自らの指で射精してしまった。
「がはははは、構わねえぜ。ま、俺から先にやらせてもらうからよ
それまではオナニーで我慢しててくれや」
先ほど蹴られたゴブリンがいきり立ったモノをしごきながら少女の隣へと近寄ってくる。
「さっきはよくも蹴りなんてくれやがって!!リーダーの次に犯してやるからよ!!」
涙目になりつつもキッと睨み、じたばたと身をよじる。
「くははははは、無駄無駄無駄ーー……はぁはぁはぁはぁ」
少女の目の前に陣取るリーダーの横、少女の右隣に来ると
ナニをしごく速度を一気に加速させ少女の鼻先へと突き出す。
「!!!!!!」
あまりのグロテクスさに思わず目をそらし顔を背けようとするが
「うぅ!!!!!」
ナニを突き出すのとほぼ同時で先ほど少女に蹴りを喰らったゴブリンが呻き
回避する間もなく大量の白濁液を顔面にもろに浴びてしまった。
「いやあああああああああ!!!」
少女の絶叫とゴブリンの荒い息づかいが森に響きわたった。
そして救出の機会を伺っていた少年も股間を膨らませていた。
(助けなきゃいけないんだが…もちっと見てたいような……
つーか…あ、あんだけ密集されてると姉ちゃんまで被害が及ぶつーの)
などと見入ってる自分に言い訳を考えつつ
手下のゴブリンのように自分も膨らんだ物を擦りたい衝動にかられながらも
それだけは踏みとどまっていた。
「さぁて、部下どもも我慢の限界のようだし、俺ももう限界だ」
そういうと、腹部に手を伸ばし上着を破ったのと同じ要領で
ズボンも一気に破り捨てる。
上半身の時とは違い、両脚に残る部分も奇麗にはぎ取って行く。
そして、白い下着と黒い靴下だけの下半身となった。
「くへへへへへ」
指を伸ばし下着越しに割れ目を指で上下になぞって行く。
「…い…いや……」
うわずった声でどうにか拒否の声を上げるのが精一杯になってきた少女。
「なにが嫌なんだ?あ〜?濡れてるじゃねーか、はははははは」
始めはゆっくり上下に溝をなぞっているだけだったが
徐々に激しく上下させていき
下着の上部をつまむとそのまま引き裂いてしまった。
引き裂いた下着を身体から取り除く時に
割れ目から透明な糸を引いているのを少女にも見せつける。
「ほーら、気持ちいいんだろ?本当はよ!!」
「…………」
自らの愛液でねっとりしている下着の一部を目の前にちらつかせられて目を伏せる。
こんな状況なのに身体が反応してしまっている自分が嫌になってしまった。
「毛が少ししか生えてないお子様だったか!!頭の毛は長いのにな!!
初めてが俺らってか?ん〜?運がいいなお前は。人間のに比べれば遥かに
長くて太いからなぁ〜、痛いのは初めだけで後は気持ちいいぞ〜ってか!はははは
俺らは守備範囲が広いからなぁ〜、しょんべん臭いガキでも全く問題ないぜ!!」
リーダーの指が直接割れ目をなぞりだす。
「……ぁ、ぁぁ…」
そして少女も諦めたのかとうとう吐息をもらす。
「ひゃははははは、いいぞいいぞ、そうだ、もっと喘げ喘げ!!」
クチュクチュと卑猥な音を立て始めた割れ目の内部をこねくり回し始める。
「んんん……ぁぁぁ……んん…」
漏れ出てくる声を必死にこらえようとする。
「はははは!無駄な抵抗を…そういやガキなら中よりも外の豆の方が効くんだったな〜」
ニヤリとほくそ笑むとネトネトになった指を引き抜き、
もう片方の指で割れ目をぱっくり開くと露になった豆いじりをし始めた。
「おうおうおう、こんなに豆を腫らしてしまってよ〜、
ははははは、そーら気持ちいいだろう?あああん?」
グリグリといじりはじめ、あまりの気持ち良さに思わず腰が動き出す。
「んんん…あ…ぁああああぁぁあぁぁ〜」
こんな状況にも関わらずこみ上げてくる快感に抗えずに声を出してしまう少女であった。
「うっ!!」
少女の太腿からふくらはぎにかけて白濁した液体がピュピュピュとかかる。
取り囲んでいたゴブリンのさっきとは違う奴がこらえきれずに射精したようだ。
「はぁはぁはぁはぁはぁ」
ゴブリンどもの荒い鼻息と少女の喘ぎ声だけが流れて行く。
そして股間を膨らましつつもひっそりと息を殺して機会を伺う少年。
(…ヤバいな……姉ちゃんやられちゃうな……こうなりゃ各個撃破しかないか)
腹をくくって突撃しようとした時
「くくく、さぁていただくとするか、おまえら邪魔だからちょっと離れてろ」
リーダーがちょいちょいと手で払うマネをして部下達を少し離れた場所へと追いやる。
そして自らは少女の両脚を持ち上げ濡れてくちゃくちゃとなっているあそこへと
ギンギンになった一物をあてがうべく腰を前に持って行く。
(離れた!!)
魔石3つを握り準備していた手を突き出す。
「火炎弾連撃!!」
直径1mはあろうかという巨大な火の玉が十数個、
少女から離れたゴブリン達に襲いかかる。
虚を付かれたゴブリン達はなす術もなくそのまま骨も残さずに灰となる。
ゴブリンを燃やし尽くすとともに火炎弾も消え去るが、
ゴブリンの居た周りの草木が山火事さながらに燃え始める。
「な!?」
わずか1秒にも満たない出来事であり、何が起きたのか理解が出来ないリーダーは
両手で少女の太腿を持ち上げ挿入寸前の体勢のまま、
次の瞬間、炎の槍が数本飛んでくるのを認識した。
それが最後の記憶となった。
リーダーの頭部に直撃した数本の炎の槍の威力で頭部だけ数m吹っ飛ばされ
あっという間に灰となる。
頭と泣き別れになった身体のほうはガクリと膝から堕ち、そのまま後ろへと
のけぞるような形で倒れて行く。
腕やら脚やら、いきり立った一物やらがぴくぴく痙攣しているがそれもすぐに収まり
ナニからピュピュっと射精をしてそのままピクリともしなくなった。
延焼して燃え盛る一面に向かって新たな魔石を握り直し手を突き出す。
「氷炎弾!!」
先ほどの炎の氷版といった所の魔法がぽん、ぽん、と
1つづつ発射して丁寧に火を消して行く。
消化作業が終わると、おもむろに着ていたローブを脱ぎ
あまり直視しないようにしながら、うずくまり震えている少女の上に
バサッと掛けて声をかける。
「砦の街で買ったばかりの新しいのだから……
姉ちゃんには少し小さいかもしんねーけど、それをとりあえず羽織ってな」
先日、街で見かけた際には大きなリュックを背負っていた。
そのリュックがこの近辺にあるのでは?と思い少年が辺りを見回す。
少女が縛り付けられていた大木周りをぐるりと回ってみる。
「あったあった」
ひょいと掴んで持ち上げ……
「重!!」
想像以上の重量感に改めて持ち直す。
ローブに包まり未だ震えの止まらぬ少女の前にリュックを置く。
「ちょっとした着替えくらい持ってるんだろ?」
その問いかけにかろうじてうなずく少女。
「俺、ちょっと離れてるから着替えちゃいなよ」
とその場を離れようと歩き始めた時に
「いや!!行かないで!!独りにしないで!!」
手を伸ばし少年の足を強く握る。
なるべく直視しないようにしていたが、とうとう目があってしまった。
涙でぐちゃぐちゃになり、未だかすかに震えているその顔。
そして伸ばした手とローブの隙間からかいま見れる
小振りだけど奇麗な乳房とピンクのかわいらしい乳首に目を奪われた。
少年の顔が紅潮し、息子が敏感に反応し始める。
そのまま、その場でクルっと背を向けると。
「じ、じゃあここで後ろ向いてるから、は、はやく、
着替えちゃいなよ、お、おれも、お、男なんだから」
しどろもどろになりながらなんとか言い切る。
少年の慌てぶりにはっと我れに帰りローブ一枚でほぼ裸である自分に気がつく。
「あ、ありがとう……す、すぐ済ますから…」
少女の方も慌てて荷物を漁り代えの衣服を引っぱりだす。
ローブを着ていない今は股間が膨らむと一目瞭然。
さっきの今で股間が膨らんでるのはさすがに気が引けるというか
人としてアレだろうという思いとは裏腹に言う事を聞かない馬鹿息子。
(沈まれ、沈まれ!!)
股間をおさえ必死になるが、
逆に押さえるほど微妙な快楽に襲われてしまう罠に陥ってしまっている。
(く、くそ〜)
こんな時に先ほどのローブの隙間から見えた乳房や
襲われていた時の乳房の映像が脳内をよぎりさらにギンギンになってしまう。
独り悪戦苦闘しているさなか、背中からふぁさっとローブがかけられる。
「ありがとう…小さなナイト君…というより魔導士君かな?」
股間を押さえて難儀している様子を背後から見て
着替えが終わった少女が後ろから少年にローブを掛けて上げる。
明らかに自分より年下の少年。体格的にも自分より一回り小さく頭一つ分は軽く違う。
それでも少女から見れば小さな英雄だ。
「そ、そんなに隠さなくてもいいから……もしかして女の裸を見たのは初めて?」
相変わらず背中を見せたままの少年に声をかける。
「……は、初めてって訳じゃないけど……そうそう見れる物じゃないし…
……姉ちゃんの…その……奇麗だったし……
ってか、違うんだ!!さっきのゴブリンどもと違って襲おうとかそんな…
つもりは…ないんだけど…勝手に大きくなっちまうんだ…」
背中越しでも少年がしょげているのが見て取れる。
「年頃の男の子はそんな物だって、村のオババも言ってたわ
だから気にする事なんかないって。それよりもさっきは本当にありがとう
…私、もう諦めてたから……このまま犯されて殺されちゃうんだって…
だから…ありがとう」
少年を背後からぎゅうーっと抱きしめてほっぺにちゅっとキスをする。
「う、うわぁ〜〜!!!」
あまりの出来事に思わず飛び跳ね、少女と相対してしまう。
モッコリしてる股間もモロわかりで、慌ててローブで前を隠す。
「ふふふ、魔導士としてはすごい力を持ってるみたいだけど…
年相応にかわいいとこもあるのね」
その少年然とした立ち振る舞いに笑みがこぼれる。
少年が初めて見る少女の笑顔。
そしてその着衣は長袖のシャツと膝辺りまでのスカートという
街着そのものであった。
(か、かわいい……)
思わず見とれてしまった少年であった。
「ああ、これ?」
スカートの裾をちょっと広げてみせる。
「砦の街での普段着用にね。戦闘用のアンダーじゃ動きづらいしね」
そういうと、脱ぎ散らかされていた鎧を身につけ始める。
「まぁ、この服に鎧ってのもどうかと思うけどね」
くすっと笑いつつ装備していく。
「さてと…もし良ければうちの村によっていかない?お礼もしたいしね」
少女が少年に問いかける。
「……まぁ急ぐ旅でもないしな……ご飯ぐらいはごちそうになるかな?」
少年が答える。
「それじゃ決まりね!ここからなら後1日程度で到着するわ、んじゃ行きましょうか」
並んで歩きだす二人。
「……そういえば君の名前聞いてなかったね。
ちなみに私はカーナ、今年で18歳になるわ。君は?」
その問いに少年が少女を見上げる。
「俺は……アドレス……14歳……」
ぼそぼそっと答える。
「アドレス君ね……1人なの?」
「ん?そうだよ?……やっぱ不自然?」
「まぁね。でもあの実力なら問題はないでしょうけど…
ん〜14歳かぁ〜その年でアレだけの魔法が使えるなんて大した物ね」
「まぁ〜大量の魔石頼りの反則技に近いけどな」
ジャラっと腰に付けている革袋をならしてみせる。
「そうそう、アドレス君ってば大量に魔石持ってるわよね〜
しかも、そっちの方に入ってるのは全部魔力補充済みでしょ?
その年で一人旅といい、なんか色々ありそうね…
無理に話さなくてもいいから、もし気が向いたなら色々お話聞かせてね」
「……ま、気が向いたら…ね…」
端から見たら姉弟のような感じの二人。
森の中の道を東へと歩き始めた。
以上です。
この少年ブラストボムを使えるとはやるな
久しぶりの投下だ!!
GJ!!
通りすがりのままじゃなくて
ここに住みついちゃいなよ?
12分割で投下します。
ファンタジー、男×女、義妹。
「どうにかなりませんか」
「細かいことは村長たちと話し合ってからのことだ。しかしまあ、あまり期待
はするな」
レードルフの父、エオルはそう言ってため息をついた。
「領民にばかり犠牲を強いるわけにもいくまい」
一九三センチメートルの巨体を支える背中が窮屈そうに丸まっている。濃い
栗色だった髪は、まだ四十六歳なのにすっかり白くなっている。
眉は太く、顔立ちは厳めしい。うかんでいる表情はひどく陰鬱なものだ。
額にある傷跡は戦場でついたものではない。六年前、魔王の使者が生贄を七
人要求してきた時に、それを過大だとして使者の裾を引いて嘆願し、足蹴にさ
れて出来た傷だ。
レードルフはエオルの息子である。十八歳とまだ若い。栗色の髪は父親に似
ており、深い青色の瞳は死んだ母親に似ている。背は一七九センチメートルと
長身だが、父に比べると見劣りする。
顔立ちは母似にて柔らかいが、厳めしい表情の作り方のせいで父親に似た印
象の方が強い。
レードルフの家は男爵の家系であり、奥之村と河辺村の二つの村を百年前か
ら治めてきた。七年前、魔王軍に降伏してからは二つの村の代表として魔王の
代官になり、毎年貢ぎ物と生贄を使者に引き渡している。
魔王の要求には脈絡が無いことが多いが、年齢は七歳から十二歳のどれかで、
人数は二人から七人の事が多い。生まれた月を指定することもあれば、壮でな
いこともある。
次の生贄は十一歳の少女を三人、と魔王の使者が告げたのはついさっきのこ
とだ。エオルは魔王の使者を見送り、夜明けとともに鐘を鳴らした。
「それじゃあ行ってくる。留守はまかせたぞ。エルナには……まあ、お前に任
せる」
エオルはそう言うと、家臣を引きつれて村の寄り合い所へ向かった。どの家
が生贄を出すのか、村の有力者とを話し合いに行くのだ。家臣のうち何人かは、
生贄になり得る子供のいる家に向かい、逃げだしたりしないように見張ること
になる。
とたんに館が静まりかえった。空は重い雲がかかり、空気が湿っぽい。
レードルフはこのあたりの地理を思い浮かべた。土地の測量と地図の製作が
趣味のおかげで、このあたりの地理には通じている。
(この天気なら、川辺村の村長たちが岡道に着いたあたりで降り出すな。寄り
合い所に着くのは昼過ぎ。去年と同じぐらい揉めたら、話し合いが終わるのは
日が暮れた後だな)
レードルフは父親によく似たため息をつくと、義妹の部屋へ向かう。
義理の妹、エルナは十一歳の少女だった。
「エルナ、起きているか? 入るぞ」
「どうぞ」
エルナが緊張した面持ちでレードルフを出迎えた。レードルフの表情を見て
察したのか、弱々しい微笑みが浮かぶ。魔王の使者が訪れ、館中が騒然として
いたことにエルナは気がついていた。
この時期は館も村でも雰囲気が張り詰めている。魔王の使者が訪れ、年の初
めに引き渡される生贄の内訳を告げるのがこの時期だからだ。
「生贄、決まったの?」
「いや、まだだ」
レードルフはとっさにそう言った。
エルナはまだ十一歳で、身長は一四四センチメートルにしかなっていない。
外見はまだ幼さの方が先に立ち、体つきから女らしさを見て取ることは出来
ない。黒々とした髪は短く切りそろえられ、薄茶色の瞳をした目は少し垂れ目
気味だ。
レードルフはなんといって良いのか分からず、だまって寝台に腰をかけた。
しばらくの間沈黙が流れる。
「今年は、どういう?」
「十一歳の女の子を、三人」
「十一歳っていうと、わたしの他は?」
「村はずれのエドの娘のアルが十一歳だ。あとは、揉めると思う。他に六人い
るけど、一人娘が二人、あとの四人は、家族から生贄を出してるから」
胸がつかえ、声がつまる。
三人の少女というのは、二つの村を治める代官にとって難しい要求ではない。
だが、魔王の支配を逃れようと縁戚を頼って移住する領民や、あるいは生贄
にされることを恐れた親が子供を魔王の支配していない街へ徒弟奉公に出す、
という事が横行しており、領内の子供の数は規模に比べてやや少ない。
その上、エルナが生まれたのはひどい悪疫の流行した年だった。
エルナが生まれたのは、魔王が女神アドガイズを封印した翌年にあたるので
ある。
それまでアードマークの地では、女神の祝福を受けた聖王家と聖王家に仕え
る聖騎士団が民を治めていた。領主は女神の力で領民を守り、傷や病を癒して
きたのである。
そこから突然女神の力が失われた。さらに魔王は支配下の土地から生贄を集
めだした。多くの人々が土地を捨て、難民となった。
アードマークの人々は、治療魔法以外の医療技術をほとんど持っていない。
その上に、多くの人々が難民となって放浪を始めたのである。
悪疫が猛威を奮い、その結果は酷たらしいものになった。
エルナと同じ歳に生まれた赤子は、五人に二人が一年持たずに死んだ。
エルナの両親も悪疫によって死んでいる。
レードルフの家族は特に運が悪く、姉二人、兄、妹、弟と、五人いた兄弟姉
妹が全てその年に死んだ。
エルナの父親がレードルフの従兄、エオルの甥にあたることと、傷心の母を
慰めるためがあって、エルナは養女として引き取られた。
レードルフは、母といっしょに新しい義妹の世話にはりきった。村が魔王軍
に降伏したとき、エルナは四歳、レードルフは十歳だった。
その年の暮れ、レードルフの従兄が生贄に反発して叛乱を起こしたときは、
二人で地下室に隠れ、抱き合って震えた。
母はその叛乱で従兄に殺され、従兄は父によって処刑された。従兄の母と妹、
つまりエオルの兄の妻とその娘は実家である伯爵家に送り返された。
翌年にはエルナの祖母が病死している。葬儀の時、エルナはぼろぼろと涙を
流し、レードルフはエルナの手をぎゅっと握って涙を堪えた。
それから七年、女手のほとんどない館で、エルナを育てるのはレードルフの
仕事だった。「魔王の代官の娘」と言われ、エルナが館から出たがらなくなっ
てからは勉強もレードルフの仕事になった。エオルが魔王の代官になったのは、
他に二つの村の代表になれる人間がいなかったからで、それぞれの村長の同意
もあってのことなのだが、子供にはそうした理屈は通じない。
半年ちょっと前にはエルナに月経が始まり、どうしていいのか分からなかっ
たレードルフが村から産婆を引っ張ってきてしまった、ということもあった。
だから、エルナが生贄になるのは避けられないだろう、とはレードルフには
言えなかった。
「それじゃ牢屋に入る支度、した方がいいね」
「いや、牢屋はいいだろう」
「いいよ。牢屋に入っていないと、逃げたくなっちゃうから。大丈夫だよ、牢
屋って言ったって館の中だもの。お兄ちゃん、会いに来てくれるでしょ?」
「当たり前だろ!」
そう言ったレードルフの背中を、エルナが慰めるようにぽんぽんと叩いた。
エルナがレードルフの側に座り直し、温かく華奢な身体が寄りかかる。
エルナの小さな手が、レードルフの手を握った。
「あのね、お兄ちゃん、お願いがあるんだけど」
「うん、なんだ。何でも言え。出来ることならな、なんだってしてやるぞ。な
んだって、だ」
「何でも?」
「ああ、女神の名と俺の名誉にかけて、嘘はつかん。俺に出来ることなら何だ
ってしてやるぞ。遠慮はするな」
「ありがとう、お兄ちゃん」
エルナは心を落ち着かせるように、少し黙った。レードルフの手を握るエル
ナの手に、力がこもる。
「……あのね、抱いて欲しいの」
「え?」
思わずレードルフはエルナを見た。エルナの薄茶色の瞳がレードルフを見つ
める。
「だ、抱くって……」
「本当はね、十五歳になったらお願いするつもりだったの」
「兄妹だぞ、一応仮にも」
「仮なんだからいいじゃない。おかしくないでしょ? 世の中には叔父姪で結
婚する人だっているんだし」
言い逃れは許さない、というようにエルナが身を乗り出す。その瞳からは頑
ななまでの決意を見て取れた。
「いや、しかし……」
おまえまだ十一歳だろう、と言いかけて、エルナが十二歳になれる見込みは
薄いということを思いだした。
「本当にそれでいいのか? それ以外のお願いでもいいんだぞ」
「うん、いいよ。バートの時の事、憶えてるでしょ?」
バートは二年前に生贄に選ばれた少年だ。
その頃は生贄となる子供が逃げないように村中で見張りながらも、新年まで
の間は家族で過ごさせていたのだが、バートは村人の目を盗んで逃げだしてし
まったのである。
悪いことにその年に要求されたのは十月生まれの十二歳の少年で、村で当て
はまるのはバートだけだった。
魔王の使者が代わりに要求したのは、一二歳の子供を十人というものだった。
生贄となる子供を牢屋に閉じ込めておくことになったのは、それからだ。
それでもまだ運がよい方ではあった。魔王に生贄を捧げられず、焼き払われ
た村もある、という話は村を失って難民となった人々から伝わってきていた。
「だからそれでいいし、それがいいの。いいでしょ?」
「……ああ!」
少しぎこちなく微笑むエルナを、ードルフは強く抱きしめた。エルナの唇に
食いつくような勢いで唇を押しつける。
「ん、んんっ……んぅ……」
短い息継ぎを挟みながら、二人は長々と唇を合わせた。
レードルフはエルナを寝台に横たわらせ、ゆっくりと衣服をはぎ取っていっ
た。エルナは息を整えながら力を抜き、レードルフにされるがままになる。
年の暮れの、弱々しい陽の光がエルナを照らした。
むき出しになった胸はわずかに膨らんでいる。盛り上がりを確かめるように、
レードルフは指でなぞった。
くすぐったそうにエルナが笑う。
「ちゃんと大人になってるんだな……」
エルナの胸を何度もなぞりながら、色々なことを思い出していた。
母に笑われながら、エルナのおむつを替えた事があった。
従兄が叛乱を起こして母を殺したのを初め、立て続けに家族を失って余裕が
ない頃、エルナのおねしょを怒鳴りつけてしまったこともあった。
エルナが村に行きたがらなかった時、「魔王の代官の娘」ということで疎外
されている、と言うのを聞き出すのは苦労した。
エルナに勉強を教えることにしてからは、自分の知識不足を痛感することが
多かった。
二、三年前までは、風呂に入れたり身体を拭いてやったりして裸も見慣れて
いたが、エルナの華奢な身体に女らしさを感じたのは初めてだ。
「当たり前だよ。もう赤ちゃんだって産めるんだから。エルナの歳で結婚する
子だって、たくさんいるんだよ」
得意げにエルナは言うが、女らしい体つきとはとても言えない。狭い肩幅や
細い腕は子供っぽく、うっすらと肉ののりはじめた胸が女になろうとしている、
というのを主張している程度だ。
「気がつかなかったよ」
「胸だけじゃないんだよ」
催促するようにエルナは腰を浮かせる。レードルフは少しためらってから、
スカートを脱がせた。エルナが緊張した面持ちで軽く足を開く。
「ね、ちゃんと大人になってるでしょ?」
レードルフはあらわになったエルナの下肢を見つめ、成長のしるしを探した。
少し骨張った腰つきは、やはり女らしさよりも幼さの方が印象に残る。
「ほらあ、ちゃんと生えてるんだから」
エルナが腰を浮かせるようにして秘部をさらす。レードルフは身をかがめて
エルナの幼い秘裂を覗き込んだ。
小さな窓から差し込み光は、かげりを見せ始めている。最初は白く滑らかな
肌しか見えなかった。しばらく探し、産毛を少し太くしたようなものが生えて
いるのを見つけた。とても茂みと言えるような代物ではない。
「ああ、生えてるな」
「ね? だからもう、大丈夫なんだから」
指を伸ばし、裂け目をなぞる。エルナが驚いたような声を上げ、すぐに照れ
たような顔になる。指はさらに裂け目を前後する。
「ん、んんぅ……」
くすぐったさにエルナは身をよじった。レードルフの指が行き来するたびに、
くすぐったさにむずがゆいような感覚がまじり、やがて秘裂の奥がねっとりと
熱を帯びる。
(あ、あれ……?)
レードルフの指の動きに合わせて腰が前後し始める。
「んくっ……」
心臓の動きが早くなる。エルナは初めての感覚に戸惑っていた。
女性の親族を幼いうちに失ったエルナは、性の知識が乏しい。月経ですら教
えてくれる人がおらず、義兄に頼ってしまったほどだ。
(落ち着いて、大丈夫、きっと、大丈夫だから……)
ここで慌てたりしたら、もう二度と義兄に抱かれる機会はやってこない。
エルナは自分にそう言い聞かせ、声を殺した。落ち着いた振りをして、身体
を義兄にゆだねる。
不意に秘部がじくっと湿り気を帯びた。
(や、やだ、なんで!?)
エルナは一瞬、十日ほど前に終わったばかりの月経が、予定よりもずっと早
くに訪れたのだと思った。とっさに閉じようとする脚をレードルフの手が抑え
る。
「ちゃんと、濡れるんだな」
「え? う、うん……」
安心したような声を聞き、エルナはとっさにそう言った。
(ぬ、濡れる……?)
エルナの知識では、レードルフの言葉を理解できなかった。
レードルフが安心したように言ったのだから、悪いことではないはずだ。
そう思うようにして軽く上体を起こし、秘部に目をやる。血は見えなかった
し、匂いもしなかった。
義兄の顔が秘部を覗き込み、さらに顔を近づける。
(え?)
舌が秘部に触れた。粘膜同士の密着が、指よりも遙かに強い触覚となる。エ
ルナはぞわわっとした反応が背筋を駆け抜けたのを感じた。
「ひゃぁっ!?」
身体の奥から熱っぽい物がどろりとあふれた。さらにレードルフが唾液を秘
れつに塗り込んでいく。
皮膚の裏がむずがゆくなるようなもどかしさに、エルナの腰が寝台の上でう
ごめきだす。
(もう、大丈夫、か?)
エルナの反応をうかがいながら、レードルフは服を脱いだ。エルナの幼い身
体や緊張した面持ちは不安だが、秘裂は一応濡れてきているし、さらに唾液を
塗り込んでいる。
(大丈夫だな)
レードルフはそう思うことにした。父や家臣はいつ戻ってくるか分からない
し、戻ってきたらエルナを抱く機会は二度と来ない。
(逃げたいって言ってくれれば……俺が、逃げろと言えば……)
レードルフは一瞬そう思い、すぐにその考えを振り払った。それは、これま
でにいくつもの苦渋の決断を下してきた父親への、皆のためと言われて家族を
生贄に差し出してきた領民への、女神の力を失ったにも関わらず、レードルフ
たちを領主として扱ってきた領民への裏切りだった。
「入れるぞ」
「う、うん……大丈夫、大丈夫、だから……」
自分に言い聞かせるようにエルナは言った。気を緩めれば震えてしまいそう
だ。小さな裂け目にレードルフの先端が押し付けられた。
熱く堅い感触と柔らかく小さな感触に、二人はそれぞれに不安を感じ、そし
て不安から目をそらした。
レードルフがエルナを寝台に押し付け、腰をぐっと押し進めた。
「んぐぅうっ!」
身体が裂けるような痛みに、叫び声があがる。エルナの手がレードルフの腕
をぎゅっとつかんだ。押し寄せる激痛に、エルナの身体がレードルフから逃げ
ようとする。
「大丈夫か?」
「大丈夫。ちょっと驚いただけだよ。ちゃんと大人になれるんだから。お兄ち
ゃん、ちゃんと、大人にしてね」
怯えを押し殺しながら、エルナはぎこちない笑みを浮かべた。
「ああ」
レードルフは強く頷き、エルナの腰をつかんだ。エルナをしっかりつかまえ
た上で、ひたすらに身体をねじ込む。身体を押し進めるたびに、大槌で叩かれ
るような衝撃がエルナを襲った。
悲鳴を堪えようとするが、意志とは関わりなしにのどから苦痛の声が漏れる。
ぎゅっとつむった目が熱くなる。
不意にレードルフが動きを止めた。うっすらと目を開くと、涙で景色が歪ん
でいる。
(終わった……)
安心して、惚けたような微笑みが顔に浮かぶ。
「ごめん、エルナ……凄く気持ちよくて、もうちょっとこうしてて、いいか?」
(そっか、まだ終わって無いんだ……)
一瞬、がっかりした表情が顔に浮かんだ。
「そんなに、気持ちいい?」
「ああ、ものすごく気持ちいい」
エルナの幼い身体は狭苦しく、感触も堅い。締めつけられるというよりも挟
み込まれるような感覚だ。
「いいよ。私は大丈夫、だから、ゆっくり、味わって」
声がかすれる。
どくっどくっと秘裂が脈動する感覚と、ずきずきとした痛みがひっきりなし
に身体に流れ込んでくる。エルナは息を整え、痛みから意識をそらした。
(はやく終わらせた方がいいのか?)
エルナが苦しむのを無視してでもはやく終わらせた方がいいのか、長引くこ
とになっても少し休ませた方がいいのか。
レードルフは少し迷ってから、エルナを抱き上げ、寝台に座るような姿勢に
なった。エルナに入り込んでいたレードルフの身体が、いっそう深々とエルナ
を貫く。
身体を走る痛みに、思わずエルナは悲鳴を上げた。
「大丈夫か?」
「う、うん……」
レードルフの腕がエルナを抱きしめる。三十五センチメートルの身長差は、
膝の上に抱き抱えるような格好になってもまだ埋めきれない。レードルフはエ
ルナを上向かせ、食らいつくように唇を押し当てた。
二人は抱き合う格好になり、寝台に横になっているときよりもぴったりと肌
を触れ合わせる。
エルナが恐怖と痛みを紛らせるようにしっかりとレードルフに抱きつき、レー
ドルフの腕はエルナを落ち着かせるように背中を撫でた。
唇が離れ、涙にうるんだエルナの眼がレードルフを見上げる。
「お兄ちゃん……」
「こんなことしてて、お兄ちゃんはないだろ。ラディって呼べよ」
「うん……ラディ。ラディ、ラディ……」
言い慣れない名前を舌の上で転がすようにエルナは何度もそう言って、不意
にくすくすと笑った。
「ねえ、これって何だか夫婦みたいだよね? ラディ」
「そうだな、夫婦みたいだな」
軽く、額に口づけをする。
「ね、愛してる?」
「愛してる」
十一歳の少女と十八歳の青年とのやりとりは子供っぽいおままごとのようだ
ったが、本人たちは真剣だった。互いに唇を押しつけあい、やがて舌を絡ませ
合う。
ほぅ……
静かな息が漏れる。
レードルフを包む媚肉は、まだきついながらもほぐれ、動く余裕をもたらし
ていた。
「少し、慣れたか?」
「んん……まだ痛いけど、さっきより平気」
エルナは強がることなくそう言った。
「じゃ、動くぞ」
こくん、とエルナがうなずく。レードルフはエルナの身体を抱え、ゆっくり
を動いた。ぬちっ、ぬちっという小さな音が立つ。
レードルフが動くたびに強張る身体が、エルナの痛みを伝えてきた。
「んっ、んんっ……!」
ずきん、ずきん、という痛みを堪えながら、エルナはしっかりとレードルフ
にしがみつき、両脚でレードルフの腰を抱え込んだ。秘部がレードルフを締め
つけるが、レードルフは逆にエルナをこじ開けるように強引に動きつづける。
小刻みな動きが延々と続き、不意にレードルフが震えた。
エルナを抱きしめていた身体から力が抜け、エルナにしがみつく。
どくっ、どくっ、とエルナの中に体液が注がれていく。
「……終わった?」
「ああ」
レードルフの返事を聞いたとたん、エルナの意識がすっと遠のいた。
安心したのか、腕の中で脱力したエルナを、レードルフは寝台に横たわらせ、
汗をぬぐった。
窓の外から見える空は暗く、雨が降り始めていた。
部屋の中は肌寒いのにエルナの肌は粘ついた汗で覆われている。細い身体は
寝台に沈み込み、大きな息で胸を上下させていた。
改めて見ても、肉付きの薄い胸も腰回りも、女らしさよりも幼さの方が印象
が強い。
風邪を引かないようにエルナに布団をかぶせると、レードルフは衣服を着た。
「お兄ちゃん、どうだった?」
ぼんやりとした口調でエルナがそう言った。
「すごく気持ちよかったよ」
「そっかぁ」
えへへ、と嬉しそうにエルナが笑う。
生贄の引き渡しである新年まで半月しかない。村での話し合いが終わり、誰
が生贄になるか決まれば、エルナは他の生贄と一緒に牢屋に入ることになるだ
ろう。
窓の外の雨は、強くなっていた。
(思ったよりも持ったな。河辺村の村長でも、寄り合い所に着いているか)
レードルフはエルナを撫でながら、そう思った。
(話し合いが、長引けばいいけど)
暗い空を見ながら、重いため息が漏れた。
終
投下終了。
以下蛇足。
・一行35文字、30行で機械的に区切っている。
・「ヒールッ!」と呪文一つでヒットポイントが回復する世界にしようと思っていたら、いつの間にかドラゴンランス戦記のような世界になっていた。
・設定を執筆中に二転三転させたので、矛盾点が多い可能性がある。
・誤字、脱字、矛盾点の指摘は常時歓迎。
・続きは未定。
以上です。
センチメートルって何度も書かれるとファンタジー気分が削がれるんだ…
ポンド・ヤードだのオリジナル単位だのを使ってくれとは言わないから
数字を使わずに簡単な比喩等で身長差を表現してくれるとうれしい。
>>118 GJ!
シチュが練り込まれていて萌えました!
二人の感情がそこに至る理由も上手く表現されていて、美味しく
いただきましたよ〜!
気が向いたら、また投下してくれるとうれしいな。
投下乙
二作も新作が投下されていて嬉しい
職人氏乙
面白かった
保守
久々に来たら2作品も!
投下乙です!!
それぞれ面白かったです。
続きです。
適度に木々が間引かれているからなのか
それなりに日差しが差し込んでくる明るい森のなかの小道を歩いて行く。
人間二人程度なら並んで歩いて行けるほどの道幅がある、
それなりに整備された小道。小型の荷馬車くらいなら通れそうだ。
「そこそこ往来があるんだな…」
使用頻度が乏しければすぐにでも草に覆い隠されてしまい
こんなに幅広な道にはならないものだ。
「他所の街に出向くのは月一くらいなものなんだけど
みんな帰りがバラバラだから割と往来はあるかもね
それにここまで来ると薪とか拾いに来たり、木の実やら採りに来たり
いろいろ、街に行くからって理由以外でも通るからね」
二人の背中を西日が照らし、長い影を伸ばす。
会話が途絶え、しばらく黙々と歩く。
「……ふぁ〜〜」
唐突に大きなあくびが隣から聞こえてくる。
「ん〜…ダメだ…眠い…」
続けてそんな声が発せられ歩く足が止まる。
カーナが後ろに振り向き
「へ?どうしたの?」
アドレスの隣へと歩みよる。
「カーナ姉ちゃん…あのさ……眠くて溶けそう…ここらで今日は泊まらない?」
「え?もう?まだ日も沈んでないわよ?」
「そ、そうなんだけど……昼に高位魔法連発したから……
魔石大量に使ったとはいえ、かなりきますわこりゃ……」
「………ゴブリン数匹を一撃で仕留めるとかよく考えるとトンでもないことよね…
ま、そんなに急いでる訳でもないし無理しないで今日はここら辺で休みますか」
一人納得っといった感じでうなずくと辺りを見回して、
野営に良さげな場所を探す。
道から脇に外れ、大きめの樹木の下に荷物を置く。
「今日はここら辺で良いわね」
寝ている間に襲われないように結界を張る為に荷物から
魔法陣の描かれたシートを取り出し、草むらの上に広げる。
「アドレス君も結界シート持ってるでしょ?ちょっと貸してもらえる?」
少し離れた道ばたに座るアドレスに対して呼びかける。
が、返事がというより反応が帰ってこない。
「…あれ?聞こえてないのかな?……は!もしや」
落ちてる?
と思い駆け寄ると、案の定荷物を抱きかかえたまま居眠りしている。
「神経が図太いというかなんというか…よく今まで生き残ってこれたものね
…ほら、ちょっと起きて!!」
ゆっさゆっさと揺さぶって起こしに掛かる。
「んが?」
幸い寝入ったばかりで眠りが浅かったのかすぐに目を覚ます。
むぅーーと唸りつつも今にもくっつきそうなまぶたをグリグリと指でこすり
どうにかムックリと立ち上がり、荷物を漁るとシートを無造作に渡す。
「ちゃんと聞こえてはいたから大丈夫だよ」
とは言うものの目が半開きで今にも寝そうな状態なままだ。
「…確かに聞こえてはいたみたいね……あんだけ寝入ってるのに聞こえてるとは
…なんだかな〜ほんと、不思議な子ね〜〜」
渡されたシートを手に取り、さっき言った事をちゃんと把握してる事に驚く。
「で、寝床はどこ?」
カーナが少し離れた大きめの木の方を指差す。
「あのデカめの木の下ね……コレ使って設営しといて」
腰に付けてる革袋から魔石を取り出すとほいっと渡す。
「え?いいの?一晩程度なら魔石使わなくても私の魔力だけで大丈夫よ?」
「……今日は何があっても起きたくないから……」
「…あはは…判ったわ、贅沢に1つ分使って設営するわ…
アドレス君の荷物も私が持って行ってあげるから…ほら、貸しなさい」
「…はいよ……んじゃ、よろしく…」
両肩に大きなリュック二つ担ぎスタスタと歩くカーナ。
対照的にアドレスがよろよろと歩き出す。
寝てる最中に魔物に襲われないように結界も兼ねたテントを張るのが
旅人、行商人の野営方法として確立されている。
だがどこまで強固な結界を張るかは構築する際の魔力に依存している。
ゴブリンクラスが数匹程度なら簡単には破壊されない強度が
カーナ個人の魔力でも構築する事は出来る。
破壊行為がなされた場合は内部にアラートが響き目覚ましになる。
それで時間稼ぎしておいて破られるころには反撃の準備万端という訳だ。
魔力消費量との釣り合いから見てもその程度の強度で十分なのだ。
また、結界に降り注ぐ光をある程度吸収して結界維持の魔力に転換してしまうので
夜ならば月明かりに照らされても暗闇にまぎれてしまいそもそも発見され難くなる。
通常魔石1つ分あれば、2週間程度は余裕でしのげてしまう魔力量なので
それを一晩分で使い切るということは贅沢というか無駄になる。
魔石を使っての野営は、通常は大規模な商業団が面積を稼ぐ為に使用する程度だ。
しかし二人分程度の面積なら、その分恐ろしく強固な結界となり
高位魔族でもおいそれとは破れない代物が出来上がる。
ゴブリンクラスなら触った瞬間に灰になりかねない。
シート二つ分の広さの結界を張ると中に荷物を放り込み寝袋を引っぱりだす。
そこへアドレスがよろけつつも到着した。
「ね、眠い………」
ごそごそと自分の荷物を漁ると寝袋を引っ張りだし
そのまま潜り込むように横になる。
「お…や…す…み……」
なんとか「おやすみ」とだけ言うとそのまま落ちてしまった。
すーすーと寝息を立て始める。
「あらら、相当疲れてたのね……」
まだまだあどけなさの残る寝顔を見つめつつ
自身もなんだか眠気に襲われ始めているのに気がつく。
今まではここの所の出来事の緊張感からか気が張ってて普通に感じていたが
結構、自分も疲れが蓄積していたのだ。
ただ、自覚していなかっただけ。
それがちょっとした安心感を得て、疲れがどっとでてきたのだろう。
と、いきなり出て来た眠気に答えを出してみる。
「安心感ねぇ…」
結界を無事に張れた(しかも魔力大量消費のなにがあっても大丈夫なほど強固な)ことと
隣で眠る小さな魔導士?の存在の2つから来てる安心感だと思い至る。
「…君はいったい何者なんだい?」
つんっと隣で眠るアドレスのほほをつついてみる。
空はだいぶ赤くなってきたが、まだまだ太陽は沈んではいないだろう。
森の中では太陽が沈んでるのかどうなのかはっきりと見える訳ではないので
おおよその感じでしかわからない。
「まだまだ夕方だけど……いいや…私も寝ちゃお…」
魔石を握り、結界を結界を本格的に始動させる。
キーーーン
軽く耳鳴りがするがすぐに収まる。
そのまま寝袋に潜り込み横になる。
周りの光を吸収する性質があるためやんわりと減光しだし結界内が暗くなっていく。
暗くなることでさらに眠気が助長されてくる。
「それじゃ、おやすみ」
隣ですでに寝ているアドレスに向けて言うとそのまま眠りに落ちて行った。
月明かりが微妙に降り注ぐ森の中
道から少し離れた大きめの木の根元に張られたテント。
上手い具合に月明かりを吸収しており、闇にまぎれてその所在はぱっと見わからない。
そのそばで小さな火がともり何やら人が座っているのが判るようになった。
「腹減ったぁ……」
火を起こした張本人が鍋をかけちょっとしたご飯を作り始めた。
月の位置や満ち欠け、星の位置などからして真夜中近辺だというのは判っていた。
通常ならばこんな時間にこんな場所で、火などは起こさないものだ。
魔族や盗賊に見つけてくださいと言っているようなものだからだ。
そんなことは当の本人も重々承知の上だ。
だがしかし、空腹には耐えられない。
こういう火を起こしたくない時用の携帯食もあるにはあるがあまり腹にたまらないし
正直、見つかったところで返り討ちにして逆に身ぐるみ剥ぎ倒す自信がある。
睡眠はそこそこ取って魔力はそれなりに戻ってきているし使える魔石だってまだまだある。
だから、普通に準備して腹一杯食べようという選択をした。
パスタのような乾麺をぐつぐつと煮込む。
大量に水を持ち歩く訳にもいかないので少量の水分で戻せるように細工を施された
携行用の乾麺なので割と早めに出来上がる。
「もう少しだな……」
ぐぅ〜と鳴るお腹に言い聞かせるかのようにつぶやく。
揺れる炎を眺めながら昼の出来事を思い出す。
「姉ちゃんのおっぱい奇麗だったな……」
いきさつは判らないが、ゴブリンに囲まれ衣類をはぎ取られたその裸体が脳内に蘇る。
「あそこの毛は俺の方が多いな、ホントに18になるのかな?」
それなりに距離があったとはいえ下の毛が薄い(ほぼない)のはわかった。
「割れ目がはっきりと見えてたよな…肝心な所がゴブリンのせいで見えなかったけど…
……はっ!!イカンイカン」
危うく焦げ付かすところであった。
「危ない、危ない……」
鍋を外してふぅ〜とため息を付く。
ギンギンになってズボンにテントを張っている息子をみて
はぁ〜とコレまたため息を付く。
後ろを振り向いて結界の中を見ればカーナは熟睡してて起きてくる気配もない。
「とっとと食べて抜くか」
出来上がった麺をズルズルとかき込むようにさっさと食べ終わると火を消した。
少し離れた木の根元に座り、興奮した息子を引っぱりだしてやる。
とにかく出してやらねば。
今日は色々ありすぎた。
頭の中に今日の出来事…主にカーナの裸体関係だが…がエンドレスに流れる。
引っぱり出された息子は既に硬直度MAXでさらに透明な汁まで既に出ていた。
「もうこの状態かよ……これはすぐだな…」
すぐに息子をしごき始める。
「はぁはぁはぁ、あ、あ、ああ、ああ、あああああ〜!!!で、でる!!」
時間にして5秒程度だろうか
昼から抑圧され続けていた若いものにとってそれは十分な刺激であった。
「ああああ!!」
と叫ぶ同時に普段に比べて2倍はあろうかという精液をドクドクと射精した。
「!?」
テントで寝ていたカーナがその声に反応して目を覚ます。
「…?なんでもない…か…」
半分以上寝ぼけた様子でぼーと辺りを見回して異常が無い事を確認する。
ふと隣を見てみればアドレスが居ない事に気がつく。
ただ、寝袋も荷物も置きっぱなしであり
「トイレかな?」
程度に思えた。
「私もちょっとトイレに……」
誰に言うでもなくつぶやくと寝袋から這い出るように立ち上がった。
ものの5秒程度で即昇天してしまったアドレスであったが
まだまだ収まらず大きくなったままであった。
「……もう1回いけるな…」
手に付いた精液を軽くふるって落とすと
デロデロになったままのモノを再びしごき始めた。
精液と我慢汁でぬるぬるになった状態でネチネチヌチョヌチョと
イヤらしい音が出始めそれがまた興奮を呼ぶ。
「はぁはぁはぁはぁはぁ…やっぱりヌルヌルしてる方が気持ちいい…」
ゴブリンに割れ目をグリグリされてヌチョヌチョと音を立てていた
昼間のカーナの姿と音が頭の中に再現される。
残念ながらあそこそのものは見た事が無いためそこら辺の映像は想像になる。
昼も肝心な部分はゴブリン達が邪魔で結局は見えていないのだ。
だが、おっぱいや割れ目だけでもおかずとしては十分である。
徐々に射精感が高まってくる。
「あ、あ、あ、あ、で、でる!!」
握る指にさらに力を入れ、上下動の速度をさらに速くする。
「あああああ!!カーナ姉ちゃん!!」
思わずカーナの名前を叫ぶと
ドクドクドクと先ほどに劣らぬ大量の精液を発射した。
「はぁはぁはぁ…」
我ながら2回連続して良く出たな〜と出て来た液体を眺める。
(さすがにさっきのより白くはないな〜というかさっきのは黄色かったな〜)
「呼んだ?」
背後からすっとカーナ本人が現れる。
「!!!!!!」
射精直後の快楽と虚脱感から一気に目が覚める。
「な、な、な!」
アドレスが石化していく。
射精したもののまだ大きいまま、びくついているナニとそれを握りしめている指と
その二つが白濁した液でデロデロになっている様を見て
「男の子って大変ね……」
赤面しながらもしげしげと見入ってしまう。
「初めて見たわ男の子のちんちんが大きくなってるところ…
それにこれは、でちゃった後……ホントに白いのね…」
ゴブリンのはノーカウントのようだ。
石化したまま固まるアドレス。
「…………」
そして最初の瞬間こそは好奇心が勝っていたが、
すぐに恥ずかしさがこみ上げて来てカーナも固まってしまった。
一瞬、沈黙が流れるが
「や、あ、その、これは……」
アドレスがなんとか口を開くが、言葉が続かない。
「ん、ん〜その…ふと起きたらアドレス君いないしトイレかな〜?って思って…
私もトイレに行きたくなって……で、私も近くで用を足してたら、
いきなり私のこと呼ぶから…何事?って思ってね…そしたら…その…」
真っ赤になりながら話すが目はそらしたままなカーナ。
「お、男の子だもんね、しょ、しょうがないよね……
で、でも私なんだ……私なんかでよかったのかな?」
きっと彼の頭の中ではあんなことやこんな事をしていたに違いない
私だって…人様の事をいろいろしちゃうんだし……
だからこそ、自分の名前が出て来た…つまりネタにされてたことに
嬉し恥ずかしな感情が湧いてくる。
「ご、ごめん……昼間の…ことが…頭から離れなくて…
姉ちゃんの裸、綺麗だったし、女の人の裸すんげー久しぶりに見たし……
俺最低だな…襲われてるのをオカズにしてるなんて」
罪悪感に押しつぶされそうになる。
「…そんなことないよ…君が助けてくれなければ今の私はないんだし
それに、綺麗だなんて言われて悪い気はしないわよ。
女の子の裸見ちゃえば…そ、その…おちんちんがそんなんになっちゃうのも
仕方が無いと思うし…気にしなくていいよ」
アドレスの頭をなでながらそういうと、かすかに震えているほっぺに
ちゅっとキスをしてあげる。
「さ、テントに戻って寝よう、先に戻ってるね」
そういうと、じゃ、と笑顔を浮かべてそのままテントの方へと帰って行く。
そそくさと手と萎んで元に戻ったナニを拭くとアドレスもテントへと戻っていった。
アドレスが戻って来たのを確認すると
「それじゃ、おやすみ」
と声をかけるとなんのかんのと疲れが溜まっているカーナがそのまま眠りに落ちて行った。
「おやすみなさい…」
そう答えると股間のギラツキが解消されたアドレスも眠りへと急速潜航していった。
明け方、ふとカーナが目を覚ます。
昨日の出来事が色々と思い出される。
そして、アドレスの大きくなった物とゴブリンのいきり立った物が
急に頭の中に蘇ってくる。
(アドレス君のは判るけど、なんであんな奴らのまで思いだしちゃうのよ)
慌てて頭を振るが、まるで比較でもするかのように脳内に浮かび上がる。
(……色や大きさ自体は比較にならないけど…そういえば形そのものは一緒…)
そこまで考えたときに
(ああ〜!!もう!!なーに考えてるのよ!!)
ふと隣を見ればスークーと静かに寝息を立てている。
(かわいい寝顔しちゃって……14歳か…
私も妹か弟が欲しかったんだけど…こんな弟だったら欲しかったな…)
ふいに抱きしめたい衝動にかられる。
腕を伸ばそうとしては躊躇われ、でも、寝てるんだし大丈夫という葛藤が数度つづき
結局は自分がアドレスのマットの方に転がって行き抱きしめ始めた。
アドレスの頭の下に腕枕をするように腕を入れて
自分の胸へと頭を抱き寄せ、もう片方の腕で腰を抱き寄せる。
脚と脚を絡ませるように自分の股間をアドレスの太腿へと圧着させる。
そしてほぼ無意識に、ぐりぐりと股間を太腿へ押し付けて行く。
股間部分をぐりぐりと押し付けている自分に、はっと気がつく。
(いやだ、私ったら……もう…)
そっと身体を離すと自分のマットの方へとゴロゴロ転がって戻って行く。
寝間着などという余計な荷物など持ってる筈もなく
昼に着替えた長袖とスカートのままの服装である事もあり
すぐに自分のあそこへと手を入れる事ができた。
クチュ……
割れ目に指を沿わして下の方に伸ばしただけでイヤらしい音が響く。
あそこはすでにぐちゃぐちゃになっていた。
なんどか割れ目に沿って指を上から下に、下から上にと移動させる。
その度に、ク…チュ…チュ…ク…とゆっくりとだが確実に音がする。
いつのまにか吐息が荒くなっている。
隣に男の子が寝てるとかそんな事に構ってはいられない、もうがまんできない。
羞恥心よりも性欲のほうが既に上回ってしまった。
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
とりあえず下着を降ろしこれ以上の汚れるのを防ぐとともに
指がアクセスしやすいように片方の脚だけ下着から外しておく。
なるべく声を上げないよう、ハンカチを噛むと指先を割れ目の奥へと滑らせて行く。
「む……んん…ん…むん……」
クチュクチュピチュクチュヌチュ
人差し指だけあそこに入れたり出したり、中で指をくの字にしてみたり。
と同時に親指で割れ目上部内側に入れて軽く円を描くように刺激する。
割れ目の中にある普段は隠れた存在の、
そしてこういう時にはまるで乳首のようにコリッとしてくる小さな突起を
あそこから湧き出てくるニュルっとした液体で濡らした親指でクリクリと
初めは軽く、徐々に力を込めてグリグリと転がして行く。
人指し指で穴の内部をかき回し親指で豆を転がす。
「んーんーんんーんんー」
徐々に人差し指よりも親指の方に力が入って行き
最終的には人差し指もあそこから抜いてしまい二本の指で
割れ目の中にある少し大きくなった豆状の突起を激しく弄り始める。
「むーむーむーむーむー!!」
鼻息と声がだんだんと荒くなっていき
「むーーーーーーーー!!」
ビクビクっと痙攣をしたかと思えばそのままぐったりと動きが止まる。
噛んでいたハンカチを力なく口元に落とすと
はぁはぁはぁと荒く呼吸をしだす。
(……あ〜…もうダメ……)
白くなった思考能力と昼からの疲れでそのまま眠りに落ちていった。
以上です。
これはgj
サクサク読めて良かった
丁寧な文章GJだー
通りすがりじゃなく、定住していいんだぜ
投下乙!
GJ!!
下がり過ぎだからage
投下します。
・女の子どうしメイン
・エロまで遠い、すごく遠い
・今回はエロなし
・まったり進行
・NGは"アネット"
長くなると思います。
よろしくお願いします。
―――始まりは幼い恐怖、視界を彩る土煙、肌を焼く夏の日差しの眩しさ、
そして、渇望にも似た憧憬―――
〜 アネット 〜
今日は学校がいつもより早く終わる日。
空はよく晴れていて、風はさわやか。
太陽がまぶしい。
こんな日は冒険、冒険。
今日も冒険の続きをするのだ!
「ただいまー!」
家に着いたら真っ先に自分の部屋に向かった。
そして、カバンをおろして、お母さんに気付かれないように、そおっと玄関へ向かう。
お母さんに見つかったら、またお小言をいわれちゃう。
家を無事に出発するところから冒険は始まっているのだ。
音を立てないよう、慎重にドアに近づいて、ノブに手をかけて…
「いってきまーす!」
声を張り上げて、外に飛び出した!
「あ、こら、アネット…!もー、あの子ったら…。」
お母さんの声を後ろに聞きながら、ダッシュで通りへ出る。
…まあ、一応、出かけたことは知らせておく。
黙って行っちゃうと心配しちゃうからね。
今日はどこへいこう。
市場の奥へ行ってみようか。
あっちの方はまだ行ったことがない。
本日の“未開の地”は早速決定した。
―――港町エンデ。リングレイ共和国の北東の町。
海と山の恵みと交易で栄えた町。私が生まれた町だ。
幼いころの私は、その幼心と好奇心から、毎日のようにどこかに出かけては、
生傷と泥だらけになって家に帰り、家族に心配をかけさせたのだった。
おてんば、わんぱく、元気娘。将来の夢は、大冒険家。
その日もたった一人の“大冒険”に出かけるところだった。
「よし、今日は市場奥地の開拓大作戦に決定〜。」
誰に言うでもない号令に、いくぞ―、おーっ、なんて言いながら、拳を突き上げて応える。
うん、今日も絶好調だ。
いつものように、日が暮れるまで歩きまわって、お腹がすいたら、お家に帰る。
その日も、そんないつも通りの冒険になるはずだった。
市場の入り口到着したころ、けたたましい鐘の音が聞こえた。
思い思いに歩いていた人々は、その鐘の音に驚き、立ち止まり、
そして、人々は口々に不安を声にした。
「魔物?うそでしょ…。」
「そんな…十年ぶりだ。」
…
市場に不穏な空気が立ち込め始める。
でも、私にはその鐘の音の意味は、よく分からなかった。
と、自警団の人が怒号を上げながら走ってきた。
「魔物だ!魔物が出たぞ!一般市民は避難所に!自警団員は騎士団の援護に!急げ!」
叫びながら、市場の中央を駆け抜けてゆく。
それを合図に市場の様相は一転した。
買い物に来ていた客たちが、それに、露店の店主たちまで、
自分たちの荷物を捨て、散り散りに走り出した。
中には、悲鳴を上げている者までいる。
様子がおかしい。
それは、子供の私にも十分認識できた。
なんだか怖い。
「…どうしよう…。…お母さん。…そだ、お母さんの所に行かなきゃ…。」
結局、私のとった行動は、もと来た道を駆け足で戻る、ということだった。
走っている途中、たくさんの人とすれ違った。
みんな、必死な表情で、道のりの半分も来た頃には私の走るこの先には、
とても怖いものがあるんじゃないかと、だんだん不安になってきた。
私が向かう方向は、すれ違うみんなとは逆の方向。
言い知れぬ不安に、私の踏み出す足の動きは、いつしか全力になっていた。
早くお母さんの所に行かなくちゃ。
しかし…。
「…あ、あれ…?」
いつの間にか、見たことのない場所に立っていた。
もと来た道を走っていたはずなのに…。
ああ、そうか、道を間違えたんだ…。
周りには誰もいない。
みんなどこかへ行ってしまった。
こんなとき、誰かに道を聞けばいいのだけど、通行人はおろか、民家の中まで人の気配はなかった。
家々の白い漆喰の壁が太陽を反射して、いつもより眩しく感じられた。
静寂に混じり、風の音が聞こえた。
普段は気にならない周囲の様子が、雑音を失ってひどく鮮明に感じられた。
私は途方に暮れて、しばらく立ち尽くすしかなかったのだ。
不意に辺りが暗くなった。
驚いたが、どうして暗くなったのかはすぐに気づいた。
影が私を覆ったのだ。
私は、空を見上げ、影の主を見て、驚愕した。
頭上に現れたのは、巨大な猛禽。
牛だって食べちゃいそうな、見たこともないほど大きな鳥。
逆光の中、その姿は霞んで見えたが、眼光だけは爛々と光を放ち、
その輝きが妙に印象に残った。
その鳥は、冗談みたいに大きいのに、冗談みたいな速さで急降下してくる。
私はとっさに、道沿いの民家に逃げ込んだ。
私が今し方立っていた場所を、ごおぉぉっ、と猛烈な風が通り過ぎる。
住人は逃げたのだろう。
ドアが開けっ放しなのが幸運だった。
私は民家に飛び込んだ勢いそのままに、目についたテーブルに潜り込む。
「何…あれ…?」
大きな鳥…?
怪物…?
背中に聞いた轟音が耳に残るなか、テーブルの下で振り返る。
先ほど見たものは何だったのか。
あんなもの、見たことがなかった。
…頭上からバリバリと音がする。
怪物が、屋根を破壊しているのだ。
あの怪物はどうやら私を狙っている。
あの怪物は私をここから引きずり出そうとしている。
あの怪物は私を食べようとしている。
壁材の砂と屋根材の木片がぱらぱらと私のそばに落ち、
そして時折梁や柱だった太い角材が、
ドガン、ガタン、と大きな音を立てて床を叩いた。
建物だった板や木材が、辺りに落下するたびに、私は、びくり、と体を強張らせ、
私はテーブルの下で成す術なく、がたがたと震えていた。
落ちてきた建物の部材から目が離せない。
決して静かではないのだが、鼓動と呼吸音がやけに大きく感じられる。
テーブルの脚を掴んだ掌が、じっとりと湿る。
やがて、天井の崩れる大きな音が徐々に私に近づいてきて、
民家の中に太陽の光が差し込んで、
木材がテーブルの天蓋を叩いて、
私の忍耐は限界だった。
「…いや…、…いやぁ…!…いやあぁぁ!!」
四つん這いになりながら、民家から飛び出す。
怖くて、怖くて、振り返ることもできなかった。
建物の陰に隠れながら必死に逃げる。
私は、細い路地を縫い、奴に見つからないことを祈りながら、
どこへ行くとも知らず、全力以上で走った。
…息が苦しい。
鼓動が激しいのは一生懸命に走っているせいだけじゃない。
恐怖と不安が私の心を苛むのだ。
私はどっちへ行けばいいんだろう…?
なんであんな怪物が私を追いかけてくるんだろう…?
いや、そんなことより逃げなくちゃ。
でも、どこへ…?
「あっ…。」
一瞬、体が宙に浮いた。
徐々に言う事を聞かなくなってきていた足が、とうとう地面に躓いたのだ。
私はたまらず、転んでしまった。
地面に突いた手を擦り剥いて、でも、痛みなんか感じない。
そんなことより逃げなくちゃ。
でも…。
でも、立てない。
膝が、がくがくして立ち上がれない。
そして、巨大な影が太陽を覆い隠した。
もう、すぐそこまで来ている。
絶対の危機が私を捉えたのがわかった。
息が詰まる。
ああ、すぐに立って走らなきゃいけないのに、逃げなきゃいけないのに、
わかりきっているのに、振り向いちゃいけないのに、
どうしても、どうしても、その影が気になって…。
…私は振り返った。
不思議な光景を見た。
まるで私の周りだけ、時間が止まったみたいだ。
視界には、迫り来る鋭くて巨大な爪、上下左右合わせて八本。
その先に、逆光に霞む黒い翼と、やはり巨大で鋭いくちばし。
よく見えなかったけど、怪物の金色の双眼がしっかりと私を見つめていて、
なんとなく、視線が合った気がした。
怪物の爪は、あと五歩のところまで迫っている。
ああ、きっと私はこの爪で、くしゃっ、と握られて、
そのまま彼らの巣まで持っていかれるのだろうか。
それとも、くちばしではらわたを切り裂かれながらついばまれてしまうのだろうか。
地面に押さえつけられて、生きたまま、体から腕や脚がことごとく引きちぎられて、
お腹の中身を、ボロキレのように引きずり出されて、私は怪物のお腹を満たすんだ。
いや、もしかすると、その前に奴の爪のどれかが、おなかや、ふとともにつきささって…、
いたい、いたい…
そうだ、きっと痛い。
痛いにちがいない。
背中から汗がわき出てくる。
首筋が熱くなり、顔から血の気が引き、目には涙がたまっているのがわかる。
ここにきて私は巨大な怪物に襲われているという事実を、殺されるという恐怖を、改めて実感した。
まだ、一寸だって動いていないのに、一呼吸だってしていないのに、瞬きだってできないのに、
迫りくる怪物の爪もひどくゆっくりで、静かで…。
一瞬が、すごく長い時間に感じられた。
錯覚の静寂はふいに切り裂かれた。
落雷のような轟音とともに、視界に何か大きなものが飛び込んできたのだ。
その何か大きなものが、魔物に側面から襲いかかる。
私を握りつぶすはずだった爪は、あと三歩で届くところで、その軌道を捻じ曲げられた。
魔物は、その大きなものと一緒に押し流され、通りの反対側の建物に激突。
木と漆喰の壁を派手に壊しながら、ようやく止まった。
飛び込んできた大きなものが、やはり建物だと気づいたのは、
瓦礫に埋もれた魔物を見てから数拍を置いた後だった。
ゆっくりだった時間は、いつの間にか戻っていた。
「…、…かはっ、はっ、はあっ…」
息が苦しい。
うまく空気を吸い込めない。
何が起こったか分からない。
「おい、無事か!?」
建物が飛んできた方向から声がした。
土煙が立ち込めるなか、人影が現れる。
白磁を光で縁取ったような純白の鎧。
白銀に輝く大剣。
コハク色の髪。
海に宝石をちりばめたような透き通った瞳。
そして、気迫を感じさせるというか、空気をまとっているというか、
不思議な雰囲気を醸し出していた。
初めての感覚。
美しい、とは、こういうことを言うのだろうか。
私は、尻もちをついたまま、ただその姿を見上げて、口をぱくぱくしていた。
「…大丈夫か?」
鎧の人は、怪物が埋まった先を宝石の瞳で油断なく見据えたまま、私に声をかける。
やや低くて、でも澄んだ声。
この人…、女の人だ。
私は声をあげることができず、それでも何とか応えようと、必死にうなずいた。
「よかった…。立てるか?」
私は、やはり声を出すことができず、首を横に振った。
足に力が入らなくて、立てそうになかった。
と、ガラガラと音を立てて瓦礫が崩れ始めた。
怪物が瓦礫から這い出してきたのだ。
それに対して、鎧の人は冷静に、すっと、向き直り、剣を斜め横に構えた。
そして、今まさに怪物が這い出さんとする瓦礫に歩み寄り…。
光の軌跡だけを残しながら、しなやかに剣を振り抜いた。
猛烈な風が巻き起こり、眼を開けていられない。
風が収まって、土煙に耐えながら、私は眼を開く。
怪物は、瓦礫ごと、そしてその向こうの建物ごと、真っ二つになっていた。
ビクンビクンと痙攣する怪物の体は、数拍の間を置くと、砂の城のように崩れてゆく。
魔物は倒されたのだ。
魔物が絶命したのを確認して、鎧の人が駆けつけてきた。
その顔は、凛々しくて、とても心強い。
「よく頑張った。もう大丈夫だ。」
鎧の人が、頭をなでられながら、励ましてくれるのだが、
それでも私は、何も理解できず、馬鹿みたいにぼんやりと見つめることしかできなかった。
「さて…、もう一匹…。」
鎧の人が、上空に残ったもう一匹の魔物に向き直りながらつぶやく。
直後、鎧の人の背後に、白く輝く翼のようなものが現われた。
辺りに柔らかな風が巻き起こる。
鎧の人は、翼をはためかせると、ふわり、と地面から離れ、
そのまま上空の魔物に向かって飛び立ってしまった。
私は、知らず、その姿に引き込まれるように立ち上がり、
彼女を…、空に舞う純白の翼を仰ぎ見ていた。
遠くに彼女の闘う姿が見える。
二匹目の怪物はあっという間で、
一撃で翼を切り離され、二撃で吹き飛ばされ、まっすぐに海に叩き落とされた。
落下点と思われる海面に巨大な水柱が上がるのが見える。
そして、数拍遅れて、爆発音。
遠すぎて、よくは分からないけど、きっと倒したに違いない。
仕事を終えた鎧の人は、光を帯びながらゆっくりと、降りてゆく。
―――澄み渡る蒼穹に、白い光の翼。
その姿は、不思議で、きれいで、心強くて、圧倒的で…。
…私は、涙を流していた。
―――それが、私の、騎士と魔物との、初めての出会い。
心に、魂に刻みつけられた、忘れられない記憶。―――
今回は以上です。
投下乙
百合は大好物だ
続きが気になるな…期待してる
おお!!
続きまだーと早くも言っておこうw
百合じゃなくてフタナリかもしれやんw
乙。これからの展開が楽しみだな。
大作の予感
アネット、続き投下します。
・女の子どうしメイン
・エロまで遠い、まだまだ遠い
・今回はエロなし
・まったり進行
・NGは"アネット"
・話数の表記を変えました
よろしくお願いします。
お母さんが泣いている。
「アネット…、アネット…。よかった…。」
私を抱きしめながら、泣いている。
ちょっと苦しいよ、お母さん。
よく見るとお父さんも泣いていた。
「お前って子は、本当に…心配かけさせて…。」
お父さんも泣いちゃうことがあるんだ。
お父さんも、お母さんも、泣いているところは初めて見た。
そして…、実は、私も泣いていた。
悲しくなんてなかったけど、二人の泣き顔を見ていると、どうしてか涙があふれてきた。
私は助かったのだ。
怪物がやっつけられた後、私は、後から来た自警団の人に診療所に連れて行かれた。
そして、診察室にお父さんとお母さんが駆けつけてきて、そしてこの有様。
みんなで泣いちゃった。
お医者さんが言うには、手と膝を擦り剥いた以外に怪我はなく、
そのまま家に帰ってよいとのこと。
お父さんがお医者さんに礼を告げて、診療所を後にする。
外はもう暗くなっていて、その日は、家族でお家に帰った。
…で、私は、入念に叱られた。
もう二度と、冒険なんて行くなって。
全面禁止は横暴だと思うけど、先ほどの、お母さんとお父さんの涙を思い出すと、
何も言い返せない。
しばらく冒険はキンシンらしいです。
でも…。
本当によかった。
助かってよかった。
次の日、お父さん、お母さんと一緒に、私を助けてくれた人にお礼を言いに行くことになった。
あのとき私を助けてくれたのは“きし”という人らしい。
その人には騎士団の砦というところに行けば会えるんだとか。
昨日の幻想的な光景が目に浮かぶ。
もう一度あの人に会える。
そう考えると私の胸は高鳴った。
でも、その日は“きし”さんには会えなかった。
お留守だったのだ。
代わりに、落ち着いた雰囲気のおじさんが出てきて、対応した。
お父さんが丁寧にお礼を言って、“きし”さんが戻るのを待つと伝えた。
それに対して、おじさんが答える。
「お子さんを助けた騎士は今、周辺の魔物掃討に出ています。
少なくとも日暮れ後までは戻ってきません。
あなたたちのお気持ちは、私が責任を持って本人に伝えましょう。」
それでもお父さんは加える。
「あなたがた騎士団がいなければ、娘の元気な姿を、二度と見られなかったかもしれない。
なんとお例を申し上げればいいか…。」
「そう言っていただけると、我々も仕事の甲斐があるというものです。
ですが、市民を魔物から守るのが私たちの仕事。彼女も当然のことをしたのです。
あまり大仰になさらないでください。」
砦のおじさんは優しく微笑み、続ける。
「あなたたちもご自分のお仕事がおありでしょう。
あなたたちのお気持ちは十分に伝わりました。
ここはもう充分ですから、どうかお戻りください。」
私たちは深々とおじぎをして、騎士団の砦を後にした。
もう一度あの人に会いたい。
そう思って、翌日、私は一人で砦へ向かった。
冒険と変わらないような気もするけど、どうしても会いたい。
“きしさん”に会いに行くんだし、昨日言えなかったお礼を言いに行くんだし…、…いいよね!
私の冒険謹慎期間はたった1日で終わりを告げたのだった。
だが、いざ騎士の砦に到着してみると、番兵さんが中に入れてくれない。
「こらこら、ここは子供が来るところじゃないよ。」
どこかで聞いたセリフ。
そう、これは、町の酒場に行ったときに聞いたものだ。
子供を追い払うときはみんなこう言うんだ。
「ご両親が心配する前に、お家に帰りなさい」
両親が心配する、と聞いて、私はひるんだ。
今それを言われると弱い。
でも、どうしても“きしさん”に会いたい。
「騎士さん? カレン様のことかい? 今カレン様はお休み中だ。
カレン様は、魔物掃討から戻られたばかりでお疲れなんだ。あまり困らせないでくれよ。」
だめだ、どうしても通してくれないらしい。
困るのは私の方なのだよ、まったく…。
と、忘れもしない、あの声が聞こえた。
「どうしたんだい?」
私は眼を見開く。
奥から現われたのは予想通りの人物。
自信に満ちた面持ち。
なぜか心強さを感じさせる不思議な雰囲気。
彼女の周りだけ空気が違う。
鎧は着ていなかったが、間違いない。
私が会いたかった、“きしさん”――鎧の人だ。
「通してやりなよ。」
「カレン様…! しかし…。」
「いいって。市民との交流も立派なお仕事だよ。」
結局、番兵さんは、失礼のないようにな、なんて言いながら、しぶしぶ通してくれた。
鎧の人は、カレン様。
私は、何となく、その名を呼びかけてみた。
「カレン様…?」
きれいな人だった。
カレン様は、私に応えて、笑みを返してくれる。
その笑顔を向けられるだけで、私は体が熱くなるのを感じた。
初めての感覚。
強烈な憧れ。
胸の奥に、火が点いたみたいだ。
心の中はきゃーきゃー叫びながら、一方で、体はガチガチに緊張してゆく。
そんな感じ。
そんな私の気持ちを知ってか、知らずか、カレン様は私の心に追い打ちをかける。
「こんなかわいいお客さんは久々だ。立ち話もなんだし、私の部屋に案内するよ。」
お部屋に案内…、お部屋に案内…。
いきなり、お部屋にお呼ばれしちゃった…!
私は、こくこくと頷くことしかできない。
そうして、カレン様についていくけれど、
なんだか、変な所に力が入っちゃって、いつも通りに歩けない。
手と足が同時に出るなんて、冗談かと思っていたけど、そうでもないらしい。
私は、鼻血が出てもおかしくないほどうれしかった。
むしろ、出なかったのが不思議だ。
お部屋の中に案内された。
座りなよ、と言われ、ソファの一つに座った。
「君は一昨日の子だね?」
カレン様は私のことを覚えていてくれたようで、それも、やはりうれしかった。
「どうしたんだい?」
ええと、私は何しに来たんだっけ?
そうだ、お礼、お礼を言わなきゃ。
でも、なんて言っていいかわからない。
というか、声が出ない。
「あ、あの、お…、お…、お…、…!」
――後々になって考えても、このとき、なんでこんなこと言ったのか解らない。
きっと死ぬまで考えても分からないんじゃないかな。
「……お姉さまと呼ばせてください!!!」
…。
空気が凍りついた。
自分でも何を言ったのか分からない。
「………。」
「………。」
重苦しい空気が流れる。
「……。」
「…。」
「…ぷっ、…くくく、あっはっはっは…!!」
カレン様はお腹を抱えて笑い出してしまった。
あわわわわ…!
なんてことを言ってしまったんだ、私は!
恥ずかしい! というか、馬鹿だ! 私馬鹿だ!
というか、撤回! いやいや、もう遅い!
出してしまった言葉を引っ込められるなら、そうしたい!
「あっはっは…、やばい、涙出てきたよ…。ぷっくく…。」
カレン様は、足をばたつかせながら、まだ笑っている。
きっと、私の顔は真っ赤になっていることだろう。
顔が猛烈に熱かった。
「けほ、けほ…。…いや、面白いこと言うね、君。」
ひぃひぃ言いながら、ひとしきり笑い尽くしたカレン様。
そして、ニヤニヤしながら…。
「くくくっ、いいよ、今から私は君の“お姉さま”だ!」
高らかに宣言した。
意外な言葉に今度は私がどう応えていいか分からない。
「次からは、私のことを“お姉さま”と呼びたまえ!」
そうしてまた“お姉さま”はゲラゲラ笑いだした。
――― この日、私に、姉ができました。 ―――
今回は以上です。
投下乙です
続き楽しみにしてる
二話ラストやらかした…
副題とそろえるつもりだったのですが…orz
アネット、続き投下します。
このままのペースで続けると断続的でgdgd進行なので
できるだけ出し惜しみしないでいこうと思います。
・女の子どうしメイン
・エロまで遠い
・NGは"アネット"
よろしくお願いします。
カレン様のお姉さま宣言以来、私の冒険の行先は、もっぱら騎士の砦だった。
私は、お姉さまが砦にいる日は、ほとんど毎日のように会いに行った。
お姉さまも、毎日のようにやってくる私に、飽きもせず、いろんなことを話してくれる。
お姉さまのお仕事のこと、大きな魔物を倒した時のこと、
この国のこと、首都のこと、騎士と、人々と、魔物たちのこと…。
まだ知らない外の世界…。
新しいお話を聞かせてもらう度に、わくわく、どきどき、心を躍らせていた。
そして、いつしか、私の中には、当然のように、ある感情が芽生えていた。
――騎士になりたい。
あのとき、青い空に私が見た光景。
その中で戦う自身の姿。
騎士になって、お姉さまと一緒に戦いたい。
その感情は、芽生えたその日から、日に日に成長し、いつしか、夢になり…。
抑えきれなくなった私は、お姉さまに打ち明けたのだった。
「…。」
「…騎士になるなんて、簡単に言うんじゃない。」
お姉さまの一言目は、意外にも厳しいものだった。
そして、一呼吸置くと、お姉さまは続けた。
「…騎士になれば、みんなから尊敬される。感謝もされる。住いだって相当のものが与えられるし、
食べ物にも困らない。それなりに立派な暮らしができる。でもな…、」
私は、別に、みんなからちやほやされたいわけじゃない。
豪華な暮らしがしたいわけでもない。
私の望みは、多分、きっと、そういうものではない。
そう思って、反論しようとしたが、先に手で制された。
分かっている、と。
お姉さまは続ける。
「…でも、一度、騎士になってしまったら、永遠に騎士であり続けることを
運命付けられるんだ。」
その意味は、なんとなく分かった。
でも、お姉さまがその言葉に込めた重みは解らなかった。
「騎士たちは、民衆を守るため、昼も夜も戦い続け、魔物を殺し続け、いつ襲われても、
絶対に勝ち続けなければならない。ほかの騎士たちの名誉も守らなければならない。
後世に騎士を継ぐ人間のために立派な騎士であり続けなければならない。
それに、騎士は死んだって騎士であり続けなければならないんだよ。」
口調は穏やかだが、お姉さまは真剣だ。
「…騎士とは、民衆を守る者。そのためだけに存在し、そのためだけに消える。」
それでも、私にはまだ解らない。
「まあ、もちろん一人でやっているわけではないから常に気を張らなければならない
というわけではないけどね。」
少し重苦しくなりすぎた、とでも感じたのだろう。
お姉さまは苦笑いを浮かべて、仕切りなおす。
お姉さまのこういうところは好きだ。
「…つまりだ。騎士になるということは大変なことなんだ。
いろいろな、そう、いろいろなものを諦めなくちゃならない。
君はほか人生だって選ぶことができる。人並みの幸せに満足して生きることも悪いことじゃあない。
女の子らしく、大切な人を見つけて、その人の子を育んで、家族に囲まれながら
穏やかに生きることもできる…。」
…ここまで来て、ようやく解った。
どうやら騎士は“人並みの幸せ”とやらを手にすることができないのだ。
人並みの幸せ。
そういえば、学校の友達が、将来の夢はお嫁さん、なんて言っていたことを思い出す。
私はそれを聞いた時、もっとおっきな夢を持とうよ、なんて思ったものだ。
そのときは私には彼女の夢の価値は解らなかったが、きっとそれが“人並みの幸せ”なのだ。
お嫁さんが幸せなら、たぶんお母さんも、人並みに幸せ。
それならば、一緒に暮らすお父さんも、人並みに幸せ。
だったら、私も今、人並に幸せ。
心配をかけては、叱られて、そして、最後には許してくれる、そんな日常。
そういえば、昨日の夕食は美味しかった。
騎士になるということは、それらをすべてを捨てるということなのだ。
そして、お姉さまの家族の話は、未だに聞いたことがない。
「…それでも…、」
――それでも君は、騎士になりたいのかい?
「……。」
私は答えられなかった。
それから数日、私は暗い気分で過ごした。
お父さんと、お母さんの姿をぼんやりと眺めながら、私の頭は堂々めぐり。
人々を守るため、翼を翻して空を舞う、空の騎士。
奇跡のような力で、人々の脅威を、どうしようもない恐怖を切り裂く。
そして、人々に希望と安心をもたらすのだ。
それは慢心なんかではなく、
脅威と恐怖の大きさを、希望と安心の大切さを、本気で理解するからこそ。
しかし、騎士には人並みの幸せは許されない。
いつか、私に大好きな男の人ができて、その人の子供ができたとき、
騎士にならなかったことを思い出して、後悔するのだろうか?
それとも、私が騎士になったとして、町ゆく幸せな親子を見て、やはり後悔するのだろうか?
…でも、でも、あの日、見てしまったのだ。
私を、救った奇跡の記憶は、私の気持ちを激しく苛む。
それに、昨夜も夢に見てしまった。
いつか私も、お姉さまと一緒に闘えたらな…なんて思ってみたりして。
…きっと、もう、心は決まっていた。
――― 夢も、幸せも、どちらの方がいいかなんて、
きっと実際に手にしてみないとわからない。
でも、その両方を手に入れることはできないわけで…。 ―――
そうして、私は騎士を目指すことにした。
まずは、騎士団学校への入学。
私は、反対する両親をなんとか説き伏せ、
お姉さまの紹介と、血の滲むような努力で何とか入学した。
でも、訓練を始めたのが遅かった私は、戦闘技術、学問知識ともに落ちこぼれ。
体力には自信があったのだけれども、騎士団学校内では平均程度。
唯一の取り柄は、風の魔法の親和性が高かったということ。
魂が大きく影響を受けた印象が、その人の魔法の資質になるのだとか。
きっと、これは、私が助けられたあの日に身に付いたものなのだろう。
お姉さまと同じ、風の魔法。
このことも、お姉さまに感謝しなくてはならない。
でも、私の取り柄はそれだけだったのだ。
だから、入学してからは特訓の日々。
格闘、魔法、もちろん、学問知識も油断できない。
騎士になれるのは、その町を所管する騎士団の、幹部たちによる審査に合格した者のみ。
当然、私と親交のあるお姉さまは審査員ではない。
しかも、学校の卒業生全員が騎士になれるのではなく、
それどころか年に一人合格することも稀で、最近は合格者が出ていない。
それに、落ちこぼれだった私は、現役騎士の紹介での入学ということもあり、
肩身が狭い思いをすることも度々あった。
でも、落ちこぼれだったから、逆に頑張れたのかもしれない。
お姉さまの紹介がなんだ。
誰よりも強くなって、誰にも文句を言わせない。
そんなことを思いながら、私は励んだ。
何度も挫けそうになったけれども、
他にも、楽しいことも、悲しいことも、いろいろあったのだけれども、
何度もそれを乗り越えて。
いつしか、私は、何十年に一人の逸材とまで言われるようになり、
調子に乗った私は更に励み、そうして、私は騎士養成課程を修了した。
当然、騎士登用審査も合格して。
登用審査に合格した私は、騎士転生の儀を済ませれば、晴れて騎士となれる。
騎士団学校で、騎士になる方法を初めて詳しく聞いた時、驚いたのを覚えている。
人間から騎士への転生。
騎士は人間ではないというのだ。
私は、人間を人間ではないものに変えてしまう、その儀式に、若干の恐怖を覚えたのだが、
実は正直なところ、私が一体どうなってしなうのか、すこしわくわくしたのを覚えている。
だが、それは、人間が享受できる価値を失うということ。
たとえば、そう、家族。
騎士に転生してしまえば、親子は親子ではなくなる。
騎士と人間。
そういう関係になってしまうのだ。
だから、転生の儀式の前、儀式のために首都に出発する前に、
私は、七日間、家族と過ごす時間を与えられた。
久しぶりに帰る我が家は、いつの間にか、小さくなっているように感じた。
若干老いたお父さんとお母さんは暖かく迎えてくれる。
私が二人の娘でいられる最後の七日間。
でも、特別何かすることはなく。
母の家事を手伝い、仕事から帰る父を労い、穏やかに時を過ごした。
まあ、さすがに冒険に出かける、なんてことはなかったのだけれど。
そして、迎えた最後の夜。
その夜は御馳走だった。
お父さんが獲ってきた魚。
お母さんが煮込んだシチュー。
そして、苦労したんだろうな…、二人で焼いたという不細工なケーキ。
飾りっけのない、豪華でも、上品でもないテーブルだったが、
それは、まぎれもない御馳走で、なによりも私たちに相応しかった。
何を語るわけでもなく、静かに時は流れる。
「…アネット。 どうしても…行くんだな…?」
酒に酔ったお父さんが、ぼそり、と漏らした。
お母さんも、気まずそうに、私の顔を見つめる。
やめてよ、悲しくなるじゃない。
これは、何度も話し合って、もう決めた話。
もう済んだ話だ。
私は、二人の視線を、
できるだけ正面から、逃げてしまわないように、しっかりと受け止めて、
最大限の心を込めて、頷いた。
少し間を空けて、お母さんがおもむろに近づく。
そして、何も言わずに私の肩に手をまわした。
ぎゅっと私を抱きしめる母の腕は、とても温かくて、…震えていた。
泣いているのだ。
私は、立ち上がって、母に応える。
呼吸が詰まる。
嗚咽がこみ上げる。
ああ、この二人を安心させたくて、今日は泣かないと決めていたのに。
私は耐えきれず、とうとう涙があふれてしまった。
二人で声にならない泣き声をあげる。
そして、お父さんも…。
私たちは、泣いて、抱き合って…、
最後の夜は更けていった。
徐々に明るさを増す空の下、
明け方の澄んだ空気のなかへ、歩を進める、
今まで、何度となく潜った我が家のドアも、きっとこれが最後だ。
私は、涙をこらえて、精一杯、笑顔を作る。
「…今まで、お世話になりました。」
お父さんも、お母さんも、精一杯、笑顔を作る。
「行ってきます…。さようなら…。」
そうして、私たちは別れた。
うつむくお母さんを、お父さんがそっと抱き寄せる。
…さようなら。
…どうか、お元気で。
――― 私が二人にできることは、一つだけ。
立派な騎士になってその姿を見せてあげること。 ―――
エンデの町から騎士が出るのは十一年ぶりなのだとか。
私は、都市間定期連絡隊に同行する形で
首都セントラルリングレイまで護送されることになっていた。
定期連絡隊は、通常馬車一台、総勢八名程度で構成され、さらに二名の騎士が護衛に就く。
今回は私の護送もあるので馬車は二台、総勢十六名、護衛騎士が二名。
護衛騎士は、前回経由地の守護騎士と、
そして、連絡隊隊長として上級騎士カレン・エンデ・リングレイ。
お姉さまは私の門出に合わせて、自ら護衛の任に志願したのだとか。
お姉さまも喜んでくれているのだ。
馬車の宿場で、久々にお姉さまを見た。
久々の再会だ。
お姉さまは何か言おうと、こちらに微笑みかけてくれたのだが、
赤く腫れた私の目を見て、いろいろ察してくれたのだろう。
特に慰めるわけでもなく、軽く背中を叩いて馬車へ送り出してくれた。
…私もいつまでも沈んでいるわけにはいかない。
準備が整い、馬車に出発の号令がかかる。
窓に映る景色がゆっくりと流れ始め、そうして、私は生まれ育った町を後にした。
セントラルまでは、馬車で、途中五つの町を経由して、合計十日間の旅になる。
私たちは、街道沿いに設けられた野営地、あるいは、かつて村や町だった廃墟で野営した。
移動中には魔物と遭遇することもあり、魔物が襲い掛かってくるときは戦闘になった。
だが、たとえこちらが気づく前に、魔物が襲ってくることになろうとも、
騎士たちの活躍で被害が出ることはなかった。
山を越え、渓谷を越え、平原を越え、馬車は進む。
私は、町からこれほど離れたのは初めてで、海以外の風景が、とても新鮮に感じられた。
お姉さまとも、これまでにないほど長い時間、一緒にいるわけで。
久々に会って気付いたのだが、すでにお姉さまより、私の方が背丈が高い。
というか、お姉さまが小さい。
騎士登用の厳しさを知る私は、よくもあんな小さな体躯で騎士になれたものだ、なんて思ってしまう。
それに、実は、お姉さまと呼ぶのはすごく恥ずかしい。
はるか昔の、ちょっぴり痛い失敗を、何度もほじくり返されているようで、すごく照れくさい。
でも、お姉さまは、あくまで私に“お姉さま”と呼ばせて、その度にケラケラと笑うのだった。
…この、いじめっ子め。
お姉さまは相変わらず明るくて、いつも馬車内を沸かせていた。
偉大な人だ。
私は素直にそう思う。
五日目のこと。
町に着くなり、私たちは、その町の騎士団から援護要請を受けた。
付近に強力な魔人が出現し、行方を眩ませたとのこと。
討伐のため、護衛の騎士のうち、一人を貸してほしいとのこと。
そして不足する私たちの護衛については、次の町で補えばよいという強引な理屈だった。
確かに、これまで遭遇した魔物には騎士一人でも十分すぎるほど対応することができた。
同行する騎士は二人も必要ないかもしれない。
だが本来、護衛が不足した場合、定期連絡隊の移動は、緊急時を除いて認められない。
魔人討伐が完了するまで、この町に滞在することも考えられた。
しかし、相手が強力な魔人で、しかも行方を眩ませたとなれば、
捜索、撃破に何日も、下手をすれば何十日も要してしまう。
定期連絡に遅れたくない、という連絡役の強力な要望もあり、
結局、私たちは、騎士カレン一人の護衛で、次の町を目指すことになった。
だが、この選択が、
私と、お姉さまにとって、重大な意味を持つことになるなんて、
このときは知る由もなかった。
――― もしも、この日から数日の、いくつかの選択が一つでも違っていたならば、
私たちは、違う運命を辿ることができたのかもしれない。 ―――
六日目の昼過ぎのこと。
平原を進行中に魔物に遭遇した。
だが、これまでと様子が違う。
索敵手から報告が上がる。
敵の構成は、鳥中型四、狼中型二、狼小型多数。
大群だった。
状況を把握したお姉さまは、すぐさま指示を飛ばした。
「戦闘員は馬車を降りて迎撃! 馬車は非戦闘員を連れて退避! 鳥は私がやる!
戦闘員は私が戻るまで耐えろ!」
号令を合図に馬車内がにわかにあわただしくなる。
…鳥と狼が同時に襲ってくるなんて。
しかも、大群。
空と地上からの同時攻撃に、騎士一人では対応しきれない。
本来ならば、この戦闘は、何人生き残れるか、もはやそういう戦いだった。
だから、私も戦わなければ。
現状のこちらの人員構成では、私も貴重な戦力のはずだ。
「騎士カレン、私も戦います!」
自分も戦闘員として戦うことを申し出た。
しかし…。
「だめだアネット! お前は非戦闘員と一緒に先に行け!
ここでお前を失うわけにはいかない!」
私への指示は、退避だった。
さらにお姉さまは続ける。
「それと…、」
――お姉さまは、あくまで、あくまで真顔で、最後の指示を出した。
「…私のことは“お姉さま”と呼びたまえ!」
ぽかん、としている私にニヤリ、“お姉さま”は飛び出していった。
…緊急時に冗談飛ばされても笑えないよ…。
馬に鞭が入る。
草原に戦闘員を残して二台の馬車は走りだした。
幸い、すべての魔物は馬車を降りた騎士団員に集中した。
馬車はどの魔物にも狙われることなく、戦場を離脱することができた。
それから馬車は、追跡者の気配を感じることなく、草原をひた走り、森の入口に差し掛かる。
この森を越えれば次の町はすぐそこ。
町に入ればその町の騎士団の援護を受けられる。
だが、森に入ったとたん、奴らは現われた。
きっと、馬が疲れる頃合いを見計らっていたのだろう。
すぐに、二台の馬車のうち、後ろを走っていた馬車が追い付かれた。
馬車に付いてきた狼は四頭。
二台目の馬車を引く馬を取り囲んで、牽制を繰り返している。
やがて、何度かの攻撃の後、ついに馬は耐えきれず止まってしまった。
二台目の馬車はあっという間に囲まれてしまう。
前後の馬車から嘆きと悲鳴が聞こえる。
馬車に乗っているのは全員が非戦闘員。
放っておいたら後ろの馬車は全滅だ。
戦闘可能な人間は私しかいない。
そう、戦闘可能なのは私だけ。
――今、みんなを守れるのは、私だけ…!
相手は小型四頭。
私一人でも十分に倒せる。
行くしかない…。
騎士団学校の卒業の証として賜った宝剣を取り出す。
エンデ守護騎士団武具工房謹製の宝剣。
卒業生それぞれに独特のデザインで与えられる、美しい剣だ。
…記念にとっておきたかったんだけどなあ。
私は、誰にも聞こえない軽口を吐いてから、一呼吸。
気持ちを引き締めて、呼吸を整えて、
走行中の一台目の馬車から飛び出した。
制止の声が聞こえたが、構うもんか。
剣を抜き、襲われている馬車へ駆けつける。
「はあぁっ!!」
馬に跳びかかろうとしていた一頭の腹に一撃。
狼は血しぶきを上げながら真っ二つになった。
さすが、いい切れ味だ。
突然の襲撃者に狼たちはひるむ。
私はすぐに体制を立て直し、行者に叫んだ。
「行って!!」
「しかし…」
「早く!!」
行者はすまん、と一言残し、二台目の馬車は走りだした。
残る狼は三頭、私の周りをぐるぐると回っている。
私も、狼たちの様子をうかがいながら、構えた。
狼たちの足音と唸り声が、私を中心に渦を描く。
しばらくの膠着状態の後、先に仕掛けてきたのは狼だった。
後ろと前から同時に二頭が跳び掛かって来る。
だが、このとき、私は見破った。
残りの一頭が右から飛びかかろうと身構えていることを。
きっと、二頭の攻撃で私の体制を崩したところを、最後の一頭で仕留める気なのだろう。
そうはさせない。
前後の二頭を、体勢低く、右に飛び込んで交わした。
そのまま、転がり込み、右の狼に浴びせかけるように、斬り掛かる。
こちらから跳び掛かる、なんて思っていなかったんだろう。
狙われた狼は何とかかわそうとするが、私の方が速い。
攻撃は命中。
後ろ脚を削ぎ落としてやった。
こいつはもう走れない。
すぐに立ち上がり、交錯していた二頭へ、大きく踏み込んで横一閃。
振りぬいた剣はやつらの体をざっくりと切り裂く。
そして最後に、脚を失ってもがいている一頭に、止めを刺した。
「…よし!」
呼吸を整えながら、勝利を確認する。
狼は全滅。
今日も私は絶好調だ。
あとは街道沿いに馬車を追いかけて合流すればいい。
――しかし、私は甘かった…。
気づくと、周りには六頭。
立ち木や、岩、物陰から、申し合わせたようにぞろぞろと現れる。
初めの四頭と戦っている間に、見事に包囲されていたのだ。
これはまずい。
波状攻撃をかけられたら対応できない。
一斉に飛びかかられてもこの数では勝てない。
少しでも優位に戦うなら、場所を変えるのが妥当だ。
開けたところではとても戦えない。
今度は私から仕掛けた。
適当な一頭に斬り掛かる。
正面から飛びかかったので、当然のようにかわされてしまう。
でもそれでいい。
包囲網が切れたその場所を抜け、私は森へ逃げ込んだ。
すぐさま六頭は追いかけてきた。
左に一頭、後ろに二頭、右に一頭…。
あと二頭は分からない。
狼たちの濃い灰色の体が木々の間から見え隠れしている。
私は、狼たちを分散させ、一頭ずつ奴らの数を削るつもりでいた。
森の中を、木々を避けながら走る。
私は、包囲されているのが嫌で、まず右をやることにした。
左手で短剣を抜き、右の一頭を狙い、腕をしならせて、投げる。
走りながらの投擲で、それほど威力のない攻撃だったが、ちょうど木の陰に隠れるように投げた短剣は、
うまい具合に命中し、狼の眼窩に突き刺さった。
当然、奴はもう動けまい。
だが、直後に左から一頭が仕掛けてきた。
右の狼に気を取られていた私は、若干反応が遅れて、無理な体勢から迎撃することになる。
「――っはあぁ!!」
右手に持っていた剣を逆手に持ちかえて、無理やり潜り込むように身体を翻して、
相手の攻撃をかわしながら、フォークのように突き刺した。
細身の刀身は、狼の胴体に深々と刺さり、背中からわき腹にかけて貫通した。
よしっ、と小さく拳を握る。
だが、無理がかかったのだろう、その直後に剣は刀身を狼の体内に残したまま
根元からポッキリと折れてしまった。
…さすが、装飾剣。
私の使い方が悪いのだが、この状況では毒突かずにはいられない。
もちろん声には出さないが。
一方、刺された狼は、ぎくしゃくと、変な走りを数歩。
そのまま倒れた。
私は残った剣の柄を投げ捨てた。
もはや武器はなく、狼たちは残り四頭。
狼小型とは言え、たとえ一対一でも素手で挑んで無事に済む相手ではない。
暗い気持ちが首をもたげ始めるが、それでも私は足を止めない。
何か手はないか、思考を巡らせる。
だが、間もなく、倒木と、浸食された地面でできた壁に突き当たった。
私は呼吸も荒く、壁を背にし、狼たちに向き直る。
狼たちは、やはり一定の間を開けて、うろうろと私の周りを歩き回る。
ここで、やっと私は気が付いた。これは罠だったのだ。
狼たちがいつから狙っていたのかは分からないが、私は、見事にこの場所に誘い込まれ、
完全に追い詰められていた。
奴らの狡猾さに歯噛みする。
暗い気持ちが絶望に変わろうとしていたが、気付かないふりをした。
…絶体絶命…どうすればいい…?
突然、姿が見えなかった二頭の狼が、背後の壁の上から飛び降りてきた。
ここにきて完全な不意打ち。
対応する手段のない私は、とっさに、魔法実行に移る。
精神統一も、循環制御も、媒介も無し。全部省略。
風の魔法をぶつける。
それも二本同時。
飛び降りた二頭の狼は、無数のかまいたちに巻き込まれ、ズタズタになりながら吹き飛んだ。
これで残りは二頭。
だが…。
ここで、足が崩れた。
興奮していて気付かなかった。
私はすでに限界だったのだ。
街道での狼たちへの奇襲、森林中の不整地の全力逃走、さらに、準備なしの並列魔法実行。
振り返ってみると、かなりの消耗。
普段なら考えられない消費量だ。
…ふ…、我ながら、よく頑張った。
確かに、今日も私は絶好調だ。
でも、ここで詰み。
眩暈と吐き気がする。
私は限界だ。
でも奴らと来たら、合計八頭倒したってのに、まだ諦めない。
狼たちは、追いかけてきていた二頭と、さらに二頭が合流して、合計四頭。
私の隙をうかがっている。
視界がぐらりと歪んだ。
この感覚は知っている。
模擬戦闘で、限界まで自分を追い込んだ時はこんな感じだった。
そして、もう、意識を保てないことも知っている。
この状況を打開する手はないか、思考を回そうとするが、朦朧としてままならない。
…視界が、黒く塗りつぶされてゆく…。
―――ひよっこのくせに、英雄になれるとでも思ったのか。
まったく、情けない…。―――
…視界に霞がかかる…。
…もはや声も出ない…。
革のブーツを貫いて、足の甲、骨の間に牙が突き刺さる。
右手の指は、もう二本しか残っていない。
左手は掌を指に沿って引き裂かれ、手首の中身をさらして、もう感覚がない。
腕は、腿は、肉と骨を切り離されて、すでに奴らがくちゃくちゃと咀嚼中だ。
今まさに、胸の右側を牙が襲い、ぶちぶち、ぐちゃぐちゃ、と引きちぎられた。
白いもの、骨とか、なんか、びくびくしてるのとか、いろいろ見える。
いつの間にか腹は空洞で、ぼりぼり、ばりばり…。
狼たちが、私の体をがつがつと貪っている。
いたい…。
いたい、いたい、いたい…。
…お姉さま。 お姉さま…!
たすけ…て…。
……。
…。
「いやあああああああああああ!!」
声が出た。
体も動く。
私は、必死に夢中に自分の腹を確認して、ぺたぺたと触って、
中身が無事であることに安堵した。
息が上がって、背中も、胸も、汗でぐっしょりだ。
「あ…れ…?」
まだ、狼たちに蹂躙される感覚、痛みが残っている。
腹の中を鼻先でかき回される感触に鳥肌が立つ。
でも、体は無事。
これはいったいどういうことか。
治療されたとしても、いくらなんでもあそこまで壊されていたなら助からない。
「あの、だいじょうぶですか?」
唐突に声がした。
幼さを感じさせるような、鈴が鳴るような、声だった。
私は驚いて声の方向に視線を向けると、そこには少女が座っていて、心配そうに私のことを見つめていた。
美しい少女だった。
白い顔が暗がりに浮かび、物憂げな表情を浮かべている。
長く艶やかな黒髪を遊ばせ、紅い瞳が白黒の容姿に映えていた。
私を見つめるその瞳は、どこまでも深く暗く…、見ているだけで吸い込まれてしまうような錯覚を覚える。
まだ、幼いであろうその少女は、儚げで、抱き締めれば折れてしまいそう。
なぜか、そんな想像をしてしまった。
「酷く魘されているようでした。きっと悪い夢…ただの夢です。安心してください。」
少女はそう言いながら、まだ息の荒い私の背中をさすってくれる。
声の主は、やはり幼い雰囲気を感じさせるのだが、その容姿とは裏腹に、大人びた、
落ち着いた口調だった。
「ここは…? …私はいったい…?」
私は、周囲を見回す。
確か私は森で狼に囲まれていたはずだ。
「ここは、私の家です。あなたは、森で倒れていらっしゃいました。」
…絶望的な状況だったと記憶しているが、…助かったのか。
一息ついて、呼吸を整えると、少女に話しかけた。
「家人はいらっしゃいますか? 泊めていただいたお礼を申し上げたい。」
「ここには、もう長いこと、私しかいません。」
少女は眼を伏せ、悲しげに答えた。
聞いてはいけないことを聞いてしまったのかもしれない。
「あなたは久しぶりのお客さまです。
…あの、お礼はいいですから、もう少しここに泊っていきませんか?」
きっと、さみしいのだろう。
まだ、それほど年も重ねていないだろうに、ひとりで暮しているならば尚更だ。
でも、残念ながら、私にそんな暇はない。
「申し訳ないが、私にはやらなくてはいけないことがあります。すぐにでもここを出発しなければ。
助けていただいたお礼は必ずします。ですが、私はここに泊るわけにはいきません。」
私は少女の申し出をきっぱりと断った。
少女は、落胆した様子で、そうですか、と一言。
「もう外は暗くなっていて危険です。せめて今晩はこのままお休みください。」
確かに彼女の言う通りで、それに、私はひどく疲れていた。
仕方ない、明日の朝まで世話になることにしよう。
そういえば、まだ互いに名前を聞いていなかった。
「私はアネット・バージェス。ええと、騎士の卵だ。」
今の身の上をどう表現するか若干迷ったが、多分これが分かりやすい。
「…、そうですか…。」
フローラは、少し考える素振りを見せて応えた。
「私はフローラです。フローラ・バージェス。同じ姓ですね。」
フローラは、すこしだけ嬉しそうに見えた。
この家にはベッドは一つしかないそうで、私たちは二人で一緒に寝ることになった。
ひどく疲れていた私は、
いくつもの不自然に、
何を疑うこともなく…。
明日に備えて、すぐに休むことにした。
眼を閉じるとあっと今に眠りに落ちてゆく…。
…。
…なに…。
…なんだか…ふわふわする…。
…体が浮かんでいるような…体が蕩けていくような…。
生温かい感触がして、目が覚めると、私の上に少女がいて、
しかも、キスまでされていることに気がつくのは、
さらに数拍を置いてからだった。
「――んんっ――!?」
驚いて、慌てて引き離そうとするが、その動きは未知の感覚で遮られた。
下腹部を、そろり、と撫でられて、その強烈な甘さに、腰の力が抜ける。
「…んっ…んあぁっ――!」
ぞくぞくとしたその感覚は、少女の温もりから私を逃がさない。
「…目が覚めましたね…。…今は私に任せて、楽にしていてください…。」
私の上で肌を重ねていたのは、フローラだった。
肌が重なっているということは、私は服を脱がされたということだ。
フローラは何をしているのだろうか?
なぜフローラが私の上にいるのだろうか?
任せるってなんのことだろうか?
私は、尚も少女を引き剥がそう試みるが、体は全く言うことをきかず、まるで力が入らない。
そうこうしていると、フローラの手が、腹を這いあがってきた。
胸まで達したその手は、やわらかく肋をなぞり、やわやわと私の乳房をもみほぐす。
「…ん――く、ぁぁん――」
動きの緩慢さに比べて、信じられないほど莫大な感触が背中を突き抜ける。
体がバラバラになってゆくような感覚に、私は悲鳴をあげて抵抗した。
私の体は、まるで生まれたての仔馬のようにがくがくと震えて、
しかし、絶対に立ち上がることはできない。
「快楽はお嫌いですか?」
抵抗する素振りを見せる私に、フローラは優しく微笑む。
「大丈夫、すぐ大好きになりますよ。」
その微笑みはひどく暖かくて、感じたことのないような悪寒を、私にもたらした。
異常だ、この状況は異常だ…!
「…お前、は…何者だ…!」
嬌声をあげてしまうのを必死にこらえながら、少女に問う。
「…魔物、…らしいです。」
少女は、クスリ、と笑って、最悪の答えを口にした。
人型の魔物…!?
この子は…魔人…淫魔か…!
淫魔――人を淫らの奥底へ誘う魔物。
淫魔に魅入られた人間は、幾度となく淫魔との性交に耽り、
器を歪められ、魂を失い、やがて、縊り殺されるか、
自身を淫魔に堕とすという。
一説には、獲物の生命力や、精神力を吸い取って、糧にしているのだとか。
目の前にいる少女が、魔物であり、
そして、肌を重ねるこの状況からして、こいつはきっと淫魔に間違いない。
今まさに、私は組み敷かれていて、魔物の餌食になるところだったのだ。
魔物に侵される恐怖に、生命力だの精神力だの吸い取られる恐怖に、私は戦慄した。
私は死に物狂いで、私にへばり付いた魔物を、再び引き剥がそうとするが、
やはり体に力が入らず、当然のようにうまくいかない。
魔物はおもむろに、両手を私の背中から脇腹にかけて滑らす。
背中の感覚が膨張して、肩が体から離れてゆくような錯覚を感じた。
事実、もう腕に力が入らない。
私の焦燥を知ってか知らずか、私の耳に吐息を注ぎ込むように、魔物がささやく。
「…よく鍛えられていますね。あなたの躯、雌豹のように美しい…。」
その声は、甘く、甘く、私の脳裏に沁み込む。
そして、魔物は私の乳房に手を埋める。
「遊んでいないのでしょう? あなたの体には、快楽の痕跡がまるで見当たらない。」
胸が張り詰めてゆくように感じて、息が詰まる。
いやだ、これ以上は体が破裂しそうだ。
徐々に呼吸がままならなくなりつつあるがが、それでも魔物は休ませてなどくれない。
「気持ちいいでしょう? こんな世界があるなんて、知らなかったのではないですか?」
そう言うと、乳頭の片方を、ちゅぷり、と口に含んだ。
つややかで柔らかな唇が、私の乳輪をふにふにとほぐし、
その奥に紅く妖しく蠢く舌が、ちろちろと先端を責める。
鋭くも甘い感覚に、目の前がチカチカして、背中が反って、頭から何か吹き出してしまいそうだ。
肺の中の空気をすべて絞り出される。
さらに少女の手が、私の秘裂に潜り込んだとき、とうとう私は達した。
「――、――、―――…っ!」
膨張していたすべての感覚が、下腹部に集約される。
感覚の励起が背筋を這いあがり、体の奥底が蠢動し、その度に全身を烈風が駆け抜ける。
私の抵抗も、意志も、恐怖も、圧倒的な力で押し流してゆく。
やがて、何度かの収縮を繰り返して、全身の力が抜けた。
魔物は、息を荒げる私を愛おしげに見つめる。
忘我する私に満足した魔物は私に息を吹き込むようにささやく。
―― …さあ、堕ちましょう。 こっちは、とても気持ちがいいですよ…。
その声は、私の中に沁みわたり、深く浸透し…、
そうして、また唇を重ねられた。
何か、大切なものが、私の体から吸い出されてゆくような気がしたが、
もはや視線すら定まらない私は、なすがまま、
彼女の行為に身を委ねるしかなかった。
いつまで眠っていたのかは分からない。
私は、不思議な渇望を覚えて、再び意識を取り戻した。
そして、体の異常に気づく。
「…うっ…。」
…熱い…いや、苦しい…。
…何かが足りない…?
思わず背中を丸めて肘を抱えるが、その時シーツに擦れた感触がひどく鋭敏だ。
「――ぅんっ……」
そのむず痒い感触に思わず声が漏れる…。
…気持ち…いい…?
「…少し、精を吸いました。」
枕元の魔物が、見計らったかのように声をかける。
どうやら私が目を覚ますのを待ち構えていたようだ。
魔物の言う“精”というものが何なのかわからない。
生命力なのか、精神力なのか、それとも別の何かなのか…。
でも、確かに私の体は異常だった。
体の芯が甘く疼き、思考はまとまらず、自然にもじもじと腿をすり合わせてしまう。
胸の先が切なく張りつめ、すぐにでもほぐしてやりたい。
でも、気だるくて、ぼうっとして、熱を帯びて、起きているだけでなんだか辛い。
「…私に…何をした…?」
最大の敵意を込めて、魔物を睨み付ける。
この少女は人魔だ。
私の体に、なにか干渉するような術を施していたとしてもおかしくはない。
体の甘くて切ない異変に、恐怖が募る。
「ですから、精を吸ったのです。動くのはかなりつらいはずです。」
魔物は答えた。
…やはり、何か良くないことをされたに違いない。
だって、彼女の声を聞くだけで、胸が高鳴る。
彼女が近づいてくるだけで、疼きが増す。
彼女の手が私に触れるだけで、秘所が潤う。
「…あまり、抵抗しないでください。その方が楽ですよ。」
そうしてまた、ベッドの中に潜り込んできた。
再び始まるであろう、意志を奪う不思議な暴力。
一度、力が抜てしまったならば、もう抵抗できないことは前回学んだ。
――また、体に変なことをされる…!
恐怖が私を支配したとき、体がはじけた。
「うわああああ!!」
すべての精神力を動員して、無理やり身体を動かす。
私に取り付こうとしていた魔物の動きを、馬乗りになって両腕を押さえつけて封じた。
魔物は抵抗するが、それほど腕力がないのか、私を振りほどくことができない。
私の荒い呼吸と、シーツがすれる音と、魔物の小さな悲鳴だけが部屋に充満する。
まるで私の方が彼女を犯しているようだった。
「…お前には、助けてもらった恩がある。私を解放しろ。そうすれば命までは取らない。」
魔物は尚も暴れる。
私の手を振りほどこうと、もがいている。
「…んっ…解放…っ、しなければ…っ?」
どうやら、魔物は私を逃がすつもりはないらしい。
そのつもりなら仕方ない。
「…殺す。」
少し間を開けて私は答えた。
「…。」
魔物から返事はない。
さらに間が開いて、不意に魔物の腕から、ふっ、と力が抜けた。
そして、突然、妙なことを言い出した。
「…私を殺すのですか?」
その紅い瞳はじっと私を見据えている。
「…私が憎いですか?」
何か、嘲るような、そんな口調だ。
「そう、ですよね…。こんなの、間違ってますよね…。」
魔物は、悲しそうに、つぶやき、そして、私に問う。
「ねえ、どうして…? 私が魔物だから…?」
その声色は、どこか悲壮だった。
「…みんな、私が普通じゃないってわかると、怯えるんです。悲鳴を上げて逃げ出したり、
“この魔物め、死ね!”って……。だから…、私はいつまでも一人…。」
魔物なのだから当然だ。
魔物は人間の敵なのだから。
「私だって、好きでこんな風になったんじゃない…。
気がついたら、気がついたらこうなっていて…、
こんな、いやらしくて、むなしくて…、何年も、何年も、こんな…っ!」
徐々に感情を昂らせながら、魔物は叫ぶ。
今度は魔物の息が荒い。
静寂の中に、叫びの余韻と呼吸音が響く。
「…、…。ここに連れてきたのは、あなたが初めてです…。
森で、狼と戦っているあなたを見たとき、私はあなたに死んでほしくないと思いました。
きっと一目惚れなんです。変ですよね…。」
魔物は、ついに、禍々しい紅の瞳から涙まで流し始めた。
そして、さらに言葉を紡ぐ。
――ねえ、アネット。お願い…。もう、寂しいのはいや…。一緒に生きて…。
だが、どんなに悲しんで見せようと、どんなに涙を流そうと、所詮、魔物は魔物。
殺さなければならない、私の敵だ。
私は、私を見据えて離さない瞳に、抵抗する様子を見せない魔物に、止めを刺すため、
そのか細い首に、手を掛けた。
…。
手が触れて、わかった。
魔物は、震えていた。
その小さな体を、小刻みに震わせていた。
わたしは、はっと息を飲んで、再び少女の瞳を見た。
未だ私を見据える紅の瞳は、涙に濡れながら、意志を、そして、覚悟を宿していた。
一緒に来てほしい、来てくれないならこのまま殺されてもいい、と。
でも、確かにフローラは震えていた。
怯えているのだ。
死の恐怖に。
死にたくない、死ぬのは怖い…と。
…分かっている。
この魔物を殺さなければ、きっと私が堕とされる。
この少女が私に盛った毒は本物で、その業はまさしく魔物の所業。
そうだ、この少女は人間の敵、“滅ぼすべき魔物”だ。
でも、私は、なかなかその手に力を込めることができなくて…。
…。
……。
………ついに私は決断することができなかった…。
少女が泣いている。
こんなにも儚くて、こんなにも小さくて、小さな体を震わせて、泣いている。
私という死の恐怖に震えながら、それでも愛してほしい、愛してほしいと、必死に喘ぎ、叫んでいる。
その体は、か弱くて、白くて、細くて、やわらかくて、あたたかくて…。
こんな“人間”を、どうして手に掛けることができようか。
私は、知らず、フローラを、そっと抱きしめていた。
―――その時、少女が見せた涙は確かに本物で、
それ故に、少女は確かに“魔物”だった。―――
あの晩、フローラは、私を逃がすまいと、さらに精を吸った。
私は、意識を保つのも困難で、でも、切なさは、疼きは、渇望は、さらに増して、
快楽だけが私の中を満たした。
そして、永い、永い、愛撫の日々が始まる。
彼女の口づけで眠りから呼び覚まされ、彼女の手で忘我する日常。
快楽で覚醒し、快楽で沈む意識。
間もなく、快楽に慣らされた躰は、自らそれを欲するようになり、その欲望は、心を、魂を、浸食し、
やがて、夢と現が曖昧になり、自分がどこにいるのか、自分が誰なのかさえ分からなくなり、
それでも、彼女の愛と欲望に翻弄され続ける、淀んだ時間。
私が快楽に染まりきったころには、微睡みから覚めると、恋しくて、切なくて…。
乳飲み子が、母を求めるように、フローラの体を探す。
そして、懇願するのだ。
“もっと私を愛して”。
“もっと私を壊して”。
“もっと私を吸って”。
フローラも喜んでそれに応える。
私を愛でる。
達して、達して、達して…、
そしてまた、気だるい眠りの中に沈む。
何度も、何度も…。
…闇に堕ちるとはうまく言ったものだ。
一体、私はどれだけの間快楽の中に浸され続けるのか、
時間の感覚は疾うになく、体の感覚も疾うになく、感情さえも疾うになく…。
確かに私は、闇に堕ちていった。
それでも、フローラの歪んだ愛情は私に注がれ続ける。
――彼女がいなくなる、その日まで。
…ある夜のこと。
どれだけの時が過ぎたかは分からない。
私は、いつものように体が疼き、耐えきれず、現の世界に顔を出した。
また快楽が、ほしくて、ほしくて、いつものようにフローラの姿を探す。
だが、彼女の姿は見えず、部屋には静寂だけが充満していた。
不安になって、彼女を呼ぶ。
「…あ…、あぁ…、…フローラ…フローラ…。」
口から漏れる声は、すでに言葉を成しておらず、その様子はさながら白痴。
やがて、堪え切れなくなった私は、自ら体に手を這わした。
自らの指に、彼女の指を投影して、
ベッドの温かさに彼女の温もりを想像して、
虚空に私を愛する彼女の幻を見ながら。
「…んん…、…んっ…、…ぅん…っ…。」
快楽に染め上げられた体は、わずかな刺激ですぐに達してしまう。
でも、何度達しても、何度達しても、決して満たされることはない。
さらに疼いて、さらに渇くだけ。
それでも、また慰め始める。
幾度となく慰めて、限界まで慰めて、快楽さえ感じなくなり始めた頃、
不満だけ私の心に残しながら、再び眠りの世界に堕ちた。
あんなに愛してくれたのに、彼女はいったいどこへ行ってしまったのか。
次に目が覚めても、その次に目が覚めても、
闇の中に彼女の気配を見つけることは出来なかった。
―――心の融解、魂の瓦解、夢の忘却、私の喪失…。
甘き毒の源を失って尚、堕ちるところまで堕ちてゆく…。―――
夜も遅く、住人達は寝静まり、まばらになった家々の明かりが寂しくも美しい。
闇は辺りを覆い、安らぎをもたす。
満月の明かりが青白く降り注ぎ、包みこまれる感覚が心地よい。
空はよく晴れていて、風はさわやか。
ふふ、こんな夜は冒険、冒険。
今宵はなんだか気分がいい。
初めてだって怖くない。
行ってみなくちゃ、わからないよね。
なにかいいことがありそうな予感がして、
なんとなく降り立ったこの町が今夜の冒険の舞台。
夜の空気がこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
すごく気分がよくて、何だって出来そうな気がする。
ふらふらと、ふわふわと、踊るように通りをさまようのだった。
さて、そろそろ空腹も限界だ。
糧を探そう、そうしよう。
通りの一角から騒がしい声が聞こえてきた。
酒場かな。
男たちが酒を呷りながらバカ騒ぎしている。
ギンギンギラギラ活きのいいやつが揃っている。
でも、あれにするのは気がひける。
なんだか、しつこくて美味しくなさそう。
それに、こっちは初めてだし。
やっぱり狙うなら、おとなしそうな、それでいて美味しそうな獲物がいい。
逃げる術を知らない、仕留めやすい獲物。
量は少なくとも、新鮮で、やわらかな獲物。
そんなことを考えながら、その場を後にした。
通りを抜け、路地に入り、ゆっくりとあたりを見回す。
おいしそうな気配を見つけたのだ。
そこは閑静な住宅街だった。
家々の主たちは寝静まり、影と静寂が支配する世界。
きっと…この気配は…そう、女の子。
まだ熟す前の果実、これから熟し始める果実。
初々しい甘酸っぽさを連想させる匂いだ。
吸い込まれるように、獲物の近くへ向かう。
地面を離れ、自身と獲物を隔てる壁を透り抜けて、獲物のそばへ忍び寄る。
そこは子供部屋。
壁には奔放な絵画。やや小さな机と開きっぱなしの本。
窓際のぬいぐるみとお人形が、こちらをじっと見つめている。
ベッドには、可愛らしい少女。
…よし、この子に決めた。
誰にも邪魔をされないよう、他者を追い出す場をイメージする。
それは即座に具現して、これで、きっと、誰も来ない。
そっと、頬にかかる髪を払い、寝顔を見つめる。
瑞々しく、かわいらしい少女。
獲物は眠ったままだった。
ベッドの上で、シーツに包まれて、穏やかな寝息を立てている。
まだ性というものに目覚めていない、幼い少女。
他者と交わる喜びなんて露も知らないはずだ。
この少女を、たった今から、わずかなばかりの快楽によって、ほんのすこしだけ染めあげるのだ。
…うん、わくわくしてきた。
少女の輪郭を、華を愛でるように撫で、しばらく肌の感触を愉しむ。
そして、やさしく唇を重ねた。
徐々に少女は熱にうなされたようにくぐもった声を上げ、体をうごめかせる。
肌はしっとりと潤い始め、体温がわずかに上昇。
毒が、私の毒が、徐々に回っているのだ。
…ふふふ…なんだか…かわいい…。
そっと寝具をはぎ取って、そっと衣服をはだけさせる。
寝具の内側に封じられていた、ぬくもりと少女の香りが鼻腔をくすぐる。
露わになる、膨らみ始めた乳房、薄紅色の乳頭。
空気に触れる、未だすべすべの恥丘、なめらかな割れ目。
指を添えて、やさしくもみほぐしてやる。
少女は、まだ早すぎる未知の悦びに、苦悶の表情を浮かべる。
身を捩りながら、揺り起こされた女の感覚に翻弄され、小さく喘ぎ声を上げる。
徐々に荒くなる少女の呼吸。
無垢が快楽に穢れてゆく様にぞくぞくする。
これが、少女の感じる、初めての快楽と肉欲への転落。
汗を浮かべ、呼吸を乱し、朱に染まる白い肌が、たまらなく愛おしい。
いま、
快楽を行使して、
少女の魂から少しだけ切り崩した純粋を、
蕩け出した幼い理性を、
初々しくて甘酸っぱい精を…、
ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ啜って…。
―― その時、私は魔物となった。
「…ごちそうさま。」
私は、少女の乱れた着衣をほどほどに直し、もう一度、口づけを済ませると、
次の獲物を探しに夜の闇へ戻ることにした。
近づいてくる夜の気配を感じ取って、私は体を起こした。
「…、…?」
背伸をして、欠伸をして、のっそりとベッドから抜け出す。
意識がもうろうとしていた昨日までとは一転、私は不思議な活力に満ちていた。
なんだか、こう…、そう、絶好調だ。
ええと、私は何をしていたんだっけ?
気分はすこぶるいいのだが、なんでかぼやけた記憶を辿る。
「…? …。あ…。」
――そうだ、私は…、空を飛んでいた…。
思いだした。
昨夜、私はいったい誰だったのか。
昨夜、私はいったい何だったのか。
昨晩だろうか、
誘われるようにふらふらとこの家を出て、
吸いこまれるように夜空に飛び立った。
近くなった空に、遠くまで見える景色に、眼下に流れる地面に、存在しないはずの翼に、
私は、更に気分を良くして、素敵な予感を頼りにしばらく飛んだ。
そして、当然のように町を見つけ、
……獲物を物色した。
哀れな犠牲者は少年少女合計三人。
すごく高揚していたのを覚えている。
獲物がうめき声をあげるたびに、昂奮と活力が私の中を駆け巡った。
子供たちは、堕落の一歩を踏み出し、その分、私の存在意義が満たされた。
私はこのために存在するのだと、そんな自負と悦びが湧き出していた。
淫魔の感情が私を支配していた…。
翼に受けた風の感触が残っている。
唇に肉のぬくもりが残っている。
真っ黒なおぞましい興奮の余韻が残っている。
ちがう…。
こんなの、私ではない…。
「ああ、私は…!」
騎士に憧れを抱いた幼かったあの日。
奇跡のように魔物が倒され、私は救われた。
その光景に憧れて、自分もいつか大空を舞い、人々のために輝きたかった。
いや、そうなれると信じていた。
だというのに、昨夜、空を舞ったのは、
“騎士ではない私”だった。
…いやだ。
認めたくない。
絶対に認めたくない。
窓に写りこむ私の姿はまるで別人。
私の髪は、こんなにも黒くなかったはずだ。
私の瞳は、こんなにも紅くなかったはずだ。
私の肌は、こんなにも白くなかったはずだ。
その姿は、背丈こそ、貌こそ違えども、あの魔物そのもの。
人間を堕落へ誘う夜の魔物。
快楽と肉欲の化身。
女の姿をした淫魔。
それが…、今の…、私……!
―――堕落の先に待っていたのは、人ならざる生。
人間の守護になりたかった私は、
不思議なことに人間の脅威になっていた。―――
今回はここまでです。
第七話、話数表記ミスしました。
申し訳ない。
乙乙!
投下乙
196 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 18:20:35 ID:WfcG1SNC
乙
良作
サキュバスキター!!
アネット、続き投下します。
・女の子どうしメイン
・今更だけど暗いです
・NGは"アネット"
よろしくお願いします。
私が堕ちて、一年と少しが過ぎた。
まだ私はあの家にいる。
未だフローラは戻ることはなく、どれだけ気配を探しても見つけられず、
ここはすでに私の家になっていた。
きっと彼女は獲物を探しに出て、巡回中の守護騎士にでも狩られたのだろう。
家はちょうど四つの町と村の中間にあり、深い森に隠されていて、
しかも、敵意あるものが寄ってこれないよう、高度な結界が構築されていて、
淫魔の拠点としては最高の立地だった。
私はというと、生き汚くも、淫魔としての生活を続けていた。
人を襲うのは七日に一度程度。
闇にまぎれて人里に下り、闇にまぎれて人を狩り、闇にまぎれて住処に戻る。
初めのころは、人を襲うのが、嫌で、怖くて…。
何度か、断食も試みたが、失敗した。
人を襲わないと、どんなに心を決めたとしても、
空腹が限界に達するといつの間にか夜の町に繰り出していた。
それならばと、自身を革ベルトで縛り、拘束してみたが、
自分でもどうやって抜け出したのかわからないけど、結果は変わらなかった。
私は、淫魔の性から逃れられないのだ。
そして、騎士に我が身を差し出す勇気もない。
自ら死を選ぶ気には、どうしてもなれなかった。
淫魔の私は、当然、騎士に見つかれば、退治されることだろう。
かつて騎士に憧れ、魔物を狩る側の人間だった私は、いまや狩られる側の魔物。
本当に皮肉で難儀なものだ。
空腹になる度に人里に下り、歓喜し、興奮し、次に目が覚める度に自分の運命を呪う生活。
だが、そんな暮らしも三月もする頃にはもう慣れていた。
そして、襲う悦びを覚え、精の味も覚え、さらには、おいしく頂くための火加減まで覚え、
嫌悪感も罪悪感も次第に薄れ、歓びばかり重ねて、
更に三月もする頃には、私は立派な淫魔だった。
きっともう、元には戻れない。
幸か不幸か、私は淫魔に馴染んでしまったのだ。
こんな生活を楽しんでいる自分。
しかし、一年もするころには新たな脅威が私に襲いかかろうとしていた。
それは暇と孤独と寂寥。
まともに誰かと会話をしてから、どのくらいたったのだろうか。
町に行けば、人間はたくさんいるが、騎士が怖いから、町にとどまることはできない。
町にとどまれないから、家にいるしかなくて、家にいれば、当然、暇だ。
家にいて、たまに外に出ては人間を襲う夜の魔物は、人間とは友達になれない。
人寂しくなると夜にまぎれて町の獲物を物色し、そうでなければ森を散策して過ごす日々。
寂しさは気になりだすと募るばかりだった。
私は、淫魔になっても、人間に似た感情から自由になることはなく、
やはり、誰かと語らいたいし、誰かに好かれたいし、誰かを愛したかった。
人と獣の間を行き来する気持ちはとても苦しいから、
だからこそ、淫魔は人を愛し、人を欲し、人を堕とすのだ。
なるほど、私を堕とした少女が、涙を流すわけだ。
…本当に、本当に、皮肉で、難儀なものだ。
ある雨の降る逢魔が時。
私の縄張りの町の一つが壊滅しているところに出くわした。
村と言っても差し支えないような小さな町。
多数の魔物に襲われて、騎士たちは間に合わなかったのだろう。
すでにことは終わっており、魔物の姿も、町人の姿も見当たらなかった。
きっと魔物は引き上げ、生き残った町人もどこかへ逃げたのだろう。
未だ小さな町のところどころから黒煙が上がり、
まだ襲われてからそれほど時間はたっていないようだ。
私は狩場の一つが台無しになったことに若干落胆しながら、
なんとなく、廃墟となった町に降り立った。
そして、やはりなんとなく、周囲を見回す。
と、民家の一つから、ガタタ、と物音がして、一人の少女が飛び出してきた。
少女は民家の中から目を離さず、そのまま、出てきた方向を向きながら、後退る。
そして、数歩後退して、躓いて尻もちをついた。
手には血染めのナイフ。
よく見ると、ひどく怯えた表情をしており、顔は涙と鼻水でぐしょぐしょだ。
少女の視線の先には狼型の魔物が一頭。
更に民家から二頭。
先頭の一頭は腹から血を流し、また、すべての狼は口の周を血で染めていた。
すでに何人か襲った後なのだろう。
一頭の傷は少女の手によるものか。
血を流す一頭は、傷つきながらも、未だ闘争本能は衰えていないらしく、
今にも少女に飛びかかろうとしていた。
私は、まさか見逃すわけにもいかず、とっさに間に入ってしまった。
突然の乱入者に少女の目が見開かれる。
それでも傷ついた狼は少女を諦らめず、徐々に距離を詰めてくる。
丸腰の人間が一人増えたところで、
狼にとって、少女がただの餌であることに変わりはなかったのだろう。
血を流す狼は、ついに私たちに飛び掛かってきた。
私は、狼の突進を、風を張ってはじき返し、
民家の壁に叩きつけ、狼が地面に倒れこむその前に、
さらに風をぶつけて切り裂いてやった。
私が爪を振るい、狼は血しぶきをあげる。
なにやら爽快な気分だった。
最初の一頭が動かなくなったところで、私はほかの二頭に殺意を向けた。
狼たちは、耳を垂らして後退り、
二頭では勝てないと判断したのか、怖気づいたのか、
やがてすごすごと退散していった。
私は、壁にへばりついている狼が絶命していることを確認して、少女に向き直った。
この状況に、嫌な既視感を覚えながら、少女に話しかける。
「…大丈夫? …立てる?」
…返事はない。
見ると、少女は気を失っており、仰向けに倒れていた。
よほど怖かったのだろう。
雨の降る中、少女の服に泥水が浸み込んでゆく。
このまま、屋外に転ばせておくわけにはいくまい。
仕方なく、私は少女を抱き抱え、少女がもといた民家に入ろうとした。
しかし、中を見て、それを止めた。
民家の奥に女性が一人。
手には少女と同様、血染めのナイフ。
そして、その女性には、腹がなかった。
きっと、狼の傷は彼女の手によるものでもあり、
狼の顎を染めていた血も彼女のものなのだろう。
おそらく、彼女は少女の母親で、
少女を隠して守ろうとしたが、狼に勝てなかったのだ。
そして、母親が貪られている最中に、少女は飛び出し、
復讐を果たそうとでもしたのだろう。
…かわいそうに。
きっと、少女は、母親が殺されるところを目の当たりにしている。
私は、とりあえず他の適当な建物に少女を連れてゆき、
適当な椅子に座らせてやった。
さて、これからどうしたものか。
町が壊滅するほど、たくさんの魔物が襲って来たのだ。
まだ近くに、狼どもが潜んでいる可能性は高い。
先ほどの二頭が戻ってくるかもしてない。
少女を一人で町に放置しておくのは危険だろう。
だが、自警団や騎士団や戻ってくるまで付き添ってやるわけにもいかない。
私が魔物と知れれば、狼なんかより先に私が狩られる。
「…しょうがない…。」
結局私は、我が住処に少女を連れて行くことにした。
数刻過ぎて、我がベッドの上に少女が一人。
私はベッドの脇に座っていて、上下する少女の胸をじっと見つめていた。
あのあと、少女といくらかの荷物を抱えて家に帰った。
家に到着してから、少女の雨に濡れた服は脱がせてやり、体も拭いてやった。
代わりの服は、少女の家と町の他の民家から、
ついでに食べ物やその他もろもろと一緒に失敬した。
家に着いて、少女をベッドに寝かしつけて、それからは大掃除だった。
自堕落な生活を送る私の家は、ところどころ汚れがたまっていて、
とても客人を迎えられるような状況ではなかった。
少女が目を覚ます前に、なんとか見れるようにはしなくては、
と目につくところを優先してきれいにし、さらに空気を入れ替えた。
雨降りのジメジメ感が残念だ。
次に料理でも出そうかと思ったが、
いざキッチンに立って私にはその技術がないことに気が付いて結局辞めた。
家事なんかほとんどやってこなかった私は、薬草の調合なんかはできても
夕ご飯なんて作れないのだ。
ちょっぴり暗い気分…
でも、切るだけで食べられるものを揃えて何とかするしかない。
そんなこんなでバタバタしながらも私は、普段やらないことをする新鮮さも相まって、
久々のおもてなしの準備に胸を高鳴らせていた。
そうして、苦戦しながらもあらかた終わらせて、今に至る。
…私は少女をこの家に連れ込んでしまった。
最寄りの町に、そっと置いてくることだってできたはずなのに。
きっと私は退屈な日常に変化がほしかったのだろう。
無意識に、こんなことをしてしまうあたり、私は相当、参っていたのかもしれない。
…変態だな。
今に始まったことじゃないけど。
「…ん…。」
少女の口から声が漏れた。
きっともうすぐ目を覚ます。
ゆっくりと少女の眼が開く。
いよいよだ。
「…おはよう。」
はじめに私が掛けた言葉はこれだった。
少女は私に目を見開き、そして目を泳がせ始める。
と、とりあえず自己紹介かな…?
「私は、アネット。ここは私の家。」
「…。」
ゆっくりと体を起こす少女に手を添えて支えてやる。
不安なのだろう、少女は緊張した面持ちで辺りを見ている。
ええと、次は…。
「安心して、ここは安全よ。」
「…。」
返事はなかった。
ああ、もっと何か気の利いたことが言えればいいのに。
無言の時間が辛い。
「…私は、…サラ。」
答えてくれた。
ええと、そして、次は…。
「…お、お腹すいてない?」
…すごく、緊張します。
―――久しぶりの“人間らしい会話”は、こんな感じだった。―――
そうしてサラとの生活がなんとなく始まった。
サラは一言で表すと…、
…非常にたくましい少女だった。
「ちょっ…お姉さん! なべ、なべっ!」
猛烈な勢いでせり上がってきた鍋の水位にサラの警報が飛ぶ。
「おおおっ…。」
私は急いで、用意しておいた水を鍋に注いだ。
「…お、ぉぉ。」
今にも吹きこぼれんとしていた鍋は、急速に鎮静化してゆく。
…間に合った、さすが私、いい反応だ。
と、ほっとしたところに、サラの喝が飛ぶ。
「なに得意げな顔してるのっ。…まったく、“注意して見てて”って言ったのにっ。」
「ごめん、ごめん…。」
私はとりあえず平謝り。
でもなんだか楽しくて、どうしても顔がニヤけてしまう。
西の空が赤く染まり、もうすぐ外が暗くなる頃。
今は二人で夕食の準備中。
先ほど、食材を切ろうとキッチンに立った私なのだが、“ナイフの持ち方が危ない”、
なんて言われて刃物を取り上げられてしまった。
それから私はナイフに触らせてもらえない。
それで、仕方ないから、ということで、鍋と火加減の監視を仰せつかったわけだが、
サラの慣れた手つきがなんとも面白くて、ついついその手捌きに見とれてしまい、この有様。
そして今も、ニヤつく私に、“笑うなっ”、なんて追い打ちをかけてくる。
…厳しい師匠だこと。
彼女がここにきて数日間、
手のかからない――切っただけ、しかも下手な――食事も三回連続で続くと、
それまでぼんやりしていたサラも、さすがに私が料理なんてできないことに気が付いたらしく、
五回目を迎える頃には、サラは私の隣に立ち、料理の師匠になっていた。
そして、キッチンに立ったサラは家の戸棚の奥から塩と香辛料を次々と掘り出し、
長らく埃に埋もれていた釜戸まで復活させ、翌日の夕食はかなり本格的だった。
ただ、同時に発掘された食用油はさすがに腐っていて、
その晩のうちに私が調達することになったのだけど、
…まあ、まさか盗んできたとは言えまい。
そうこうしているうちに、サラは家の前に小さな菜園まで作り始め、
私も手伝わされて、それなりのものを完成させた。
日光の下、二人で土をいじるのはなんだか楽しくて、
その頃にはサラも少しずつ笑うようになった。
そして、次は“二人で町に買い出しに行こう”だなんて言い始め、
やはりその晩のうちにお金を調達することになったのだけど、
…うん、まさか盗んできたとは言えまい。
家族を失ったことにサラは傷つかなかったという訳ではないのだろう。
サラはときどき遠いところを見つめては、
ぼんやりとしていることが確かに多かった。
それでもサラは、
悲しみに沈んでいてもおかしくないのに、
それを吹き飛ばすかのように活発で、何か仕事を見つけてはそれに打ち込み、
私に手伝わせては、どんくさい私にぶーぶー文句を言って、
それが終われば次の仕事。
なんだかんだ言って彼女もこの生活をそれなりに楽しんでいるようだった。
ほんと、実にたくましい。
もちろん私は、サラを襲っていないし、この先も襲うつもりはない。
くるくると動きまわる彼女と一緒にいることが、
まるで妹ができたようで、純粋に楽しかった。
ちょっと生意気だけど、でもそこがいい、…なんてね。
だから、魔物の気持ちで、サラや、サラとの生活を穢したくなかったのだ。
でも私は、生活の変化とは裏腹に、
ときどき夜中に町へ行っては、精を啜ることはやめられなかった。
残念なことに、私の空腹はサラの料理では満たされないのだ。
身近な人は襲わずに、知らない人は襲って、なんだか矛盾していて滑稽だ。
それでも、私はこの生活がとても楽しくて、
魔物として闇夜を徘徊することはやめられないけど、秘密の多い暮らしだけど、
きっとサラもなにかおかしいことに気が付いているはずなのだけど、
私は、こんな日々がいつまでも続けばいいな、なんて本気で思っていた。
闇を這いずり回る暮らしに、無意識にも光を求めた私の願いは、
少なくとも私にとっては、幸運にも、これ以上ない形で叶ったのだ。
…おっと、またお鍋が暴れ始めたようだ。
一月近くが過ぎたある夜。
軋む扉を、できるだけ静かに、注意深く開く。
壁の向こうは別世界。
夜はまっただ中で、新鮮な空気が私を満たす。
虫の音と、木々が風にそよぐ音が静寂を演出し、
星々の淡い光が闇を演出する。
今夜もいい夜だ。
「…どこへ行くの?」
背後からの声に歩みを止める。
彼女の表情は見たくなかったから、振り返りはしなかった。
私は夜の狩りに出ようとして、ついに見つかってしまったのだ。
私は狩りの前に高揚していて、それを後ろめたさに邪魔されたような気がして、
少し、苛立ちを覚えた。
だから、サラの相手をする気が起きなかったのかもしれない。
「…朝までには戻るよ。先に寝ていて。」
ぶっきらぼうにそう言うと、私は扉を閉めた。
後ろから、呼びとめる声が聞こえたが、私は構わず飛び立った。
苛立っていた私は、見られたって構わなかったのかもしれない。
…。
…見られたかもしれない。
木々よりはるか高く舞い上がり、雲をも見下ろす空の中、私の翼が風を切り裂く。
冷たい空気を浴びて、少し冷静になった私は、
サラをぞんざいに扱ったことを、少し後悔していた。
闇夜を泳ぎながらサラに、サラとの日々に想いを巡らせる。
サラとの生活は楽しい。
まるで死んでいたかのような私の時間は、彼女によって息を吹き返した。
でも、私は魔物で、こうやって人を襲うことをやめられない。
魔物はサラの母親の仇だ。
サラは私が魔物であると知ったなら、いったいどう思うだろうか。
私の許から逃げ出すだろうか。
それとも、私という魔物に復讐するだろうか。
サラが私を知れば、私はサラを失ってしまうかもしれない。
そういえば、サラはなぜ私と一緒にいるのだろう?
…私が攫ってきたから…か。
そうだ、サラは私に攫われた。サラの意思とは関係なく。
だからこの生活はサラが望んだものではないし、
成り行きで始まったとはいえ、止むを得ず続けているものではない。
この生活を望んでいるのは私だけなのだ。
ましてや、人間と魔物。
羊が狼と一緒に暮らしているようなものだ。
だから、今の状況は、異常な状況。
いつまでもサラを人外との生活に付き合わせておいていいはずがない。
サラはまだ未来のある少女だ。
人々の中で生き、成長し、大切な人と出会って、その人の子を産んで、
家族に囲まれながら、幸せに生きることだってできるし、そうあるべきだ。
私とサラの生活は、もとより長続きするはずのないもので、
そんなものに執着する私が無茶なのだ。
でも、私はサラとの暮らしを続けたい。
…いや、サラとの生活を続ける方法ならば、ある。
――…サラも…淫魔に…。
……ふ……まさかね。
その日の狩りは、気分が乗らず、結局すぐに引き返してしまった。
サラは…、ベッドで眠っていた。
一夜明けて、その日は朝からぎこちなかった。
朝食を済ませて、水を汲み、洗濯して、とりあえず菜園に手を入れる。
昼食を済ませて、部屋の空気を入れ替えて、やることがなくなって昼寝した。
そうして、夕方になり、いつも通りに夕食。
その日もやはり二人で協力して、
でも、私とサラの会話は少なかった。
なんだか気まずくて、視線を合わせることさえ躊躇われた。
やはり言うべきなのだろう。
サラが昨夜、飛び立つ私を見てしまったなら、
ごまかすことができたとしても、隠すことはできない。
私も、隠し事を気にしながらサラと過ごすのは嫌だ。
そして、現に二人の間に微妙な空気が流れている。
多分、いつかは言うべきものだったのだ。
覚悟を決めなくてはならない。
そうして、夜を迎え、私は隠し事すべてを話すことにした。
就寝前のひと時、すでに二人とも寝巻であり、サラはベッドに潜るところだった。
「じゃあ、お姉さん、お休み。」
「……。」
私は不安を押し切って、とにかく切り出すことにした。
だが、いざ話そうとしても、何から話していいか分からない。
でも、とにかく切り出した。
「…サラ。ここを出たい、と思ってことはない?」
「…え?」
「こんなところから飛び出したい、と思ったことはない?」
「…えと…、どうしたの?」
何から話していいか分からないから、話の切り出しはこんな感だった。
そして切り出した以上、後戻りはできない。
「サラ…謝らなくちゃならないことがある。」
「…なに…かな?」
「その…サラを、ここに連れてきたこと。」
「……。」
「覚えてる? サラ、狼に襲われていたこと。あの時、サラが気絶しているのをいいことに、
私の勝手でここに連れ込んでしまった。…ごめん。」
私は、頭を下げた。
申し訳ない気持ちもあったけど、それより、サラの眼を直視することができなかった。
サラが、というわけではないけど、とても怖かったのだ。
だから、真に言うべきことを後回しにした。
「……。」
沈黙が流れる。
虚をつかれたように固まっていたサラが応えたのは、
それから少ししてからだった。
「ち、ちょっと、頭下げたりなんかしないでよ…。
それなら、私こそ、謝らないと、あ、いや、お礼を言わないといけない。」
…お礼?
今度は、サラが丁寧な口調で、改まった様子で、頭を下げた。
「…助けてくれて、それに、お世話までしてくれて、ありがとうございます。」
でも、しばらくして、いつも通りの悪戯っぽい表情で顔をあげる。
「…まだ、言ってなかったよね? お礼。」
「あ、いや…。」
…そうか、そうだよね。
サラは、純粋に私に助けられたと思っているんだ。
サラは続ける。
「あの…、私…やっぱり邪魔…かな?」
サラは不安げな口調に変わっていた。
「私…うまく言えないけど、ここに居たいの。
ほら、私ほかに行くところ、ない…し…。」
目が泳いで、声が尻すぼみだ。
と、また改まった口調に変わって話す。
「…お礼ついでにお願いがあります。」
その視線はまっすぐこちらを向いていた。
でも、不安の色は消えていない。
「お金ないなら働くし、お家のこともお手伝いするから…。
ここに、一緒に居させてください。」
そう言ってサラは、深々と頭を下げた。
「サラ…。」
サラのお願いは、少し意外だった。
サラが私と一緒に居たい理由は、
助けられたことや、ほかに行くあてがないことだけではないだ。
サラは私を慕ってくれているのだ。
サラと一緒にいることが楽しいと感じている私にとっては、
そのことはとても嬉しかった。
でも、だからこそ、私にはまだ言わなければならないことがあった。
「サラ…。私もサラと一緒にいたい。
でも、まだ謝らなければならないことがある。
打ち明けなければならないことがある。」
そして、私はもう一呼吸。意を決して絞り出す。
「私は…魔物なんだ。」
「…え?」
「隠していてごめん。私は、魔物なんだ。」
「嘘…。だって、お姉さん、どう見ても人間だよ。魔物には見えないよ。」
やはり、驚きを隠せないようだ。
当然だ、目の前の人間が突然、“自分は魔物だ”なんて言い出したら誰でも驚く。
「人の姿をした魔物もいる。人間の姿で、人間のふりをして、人間を堕とす魔物。
私は、そんな魔物なんだ…。」
「本当…なの? 普通の人じゃないとは思っていたけど…。」
でも、それは自身がすでに疑っていたことならば、驚きではなく納得だ。
「じゃあ、昨日のは、…夢じゃなかったんだ。」
やはり、私が飛び立つところを見ていた。それなら、信じてもらえるはずだ。
「サラは、“助けてくれてありがとう”って言ってくれた。
…違うよ。私は、サラを助けたんじゃない。きっと、サラが欲しかったんだ。」
そう、多分、私がサラを求めたのはそんな理由。
「…だから、ごめん。」
もう一度、深々と頭を下げた。
サラは許してくれないだろうと思った。サラが私を慕ってくれているのなら尚更だ。
私は卑しい魔物で、でもサラにとって恩人として、サラを欺き続けていたのだから。
でも、心のどこかでは、許してくれるんじゃないかと思っていたかもしれない。
というより、許してほしかった。
「そう…、なんだ。」
やはり、しばらく沈黙が流れる。
「…私のこと、食べちゃうの?」
可笑しなことに、あながち間違いではないけれど、きっとサラが思っているものとは
ちょっと違う。というか、そっちの意味でももちろん食べたりしない。
私は首を横に振った。
「じゃあ、私はここにいてもいい?」
サラの答えはどうやら許容だった。
でも私は、確かめるため聞き返す。
「いいの? 私は魔物なのに。」
「うん。お姉さんさえよければ。」
やはり、サラの答えは許容だった。
お互い、一緒に居たいということに変わりはなかったのだ。
サラが私の許から逃げ出すということはなく、私の不安は取り越し苦労だったのだ。
でも、一緒に暮らすなら、まだ言わなければならないことがある。
「サラ…。気持ちは嬉しい。でも、」
―――私は最大の障害を、自らサラに突き付けた。
「…サラは人間だ。だから、人間の中で暮らすべきなんだ。」
そうだ、私が他の人間と容易に関われないことを、サラにまで押し付けてはいけない。
「私と一緒にいれば、人間の友達はできない。恋人とだって出会うことは出来ない。
あなたは、私一人か、ほかの人間全部か、どちらかを選ばなければならないんだ。」
我ながら変な言い方だ。でも端的に言うと大体こんなもんだろう。
そして、サラは私を選ぶべきではない。
「サラはまだ若い。いろいろなことを学んで、友達を作って、
誰かの役に立ちながら生きることができる。
女の子らしく大切な人を見つけて、その人の子を育んで、
家族に囲まれて穏やかに生きることもできる。」
こっちはどこかで聞いた言葉。
…もはや遠い記憶の彼方。
「だから、私と一緒にいちゃいけないんだ。」
サラと一緒に居たい私の気持ちは切実だ。
しかし、サラを本当に想うなら、このことは言っておかなければならない。
私の願いに相反する、極めて覆し難い矛盾。
最大の障害。
……胸が、苦しい。
いくつかの呼吸を置いて、サラが口を開いた。
「…お姉さん。私は、今すぐに出ていかなきゃ、だめ?」
「いや、そんなことはないけど…。でもいつか必ず決断しなきゃならないことだと思う。」
「じゃあ、いいでしょ、もう少し一緒に居させてください。お願いします。」
サラはそう言ってまた頭を下げる動作をする。
ちょっと明るいなんだかおどけたような口調だ。
ちゃんと聞いていたんだろうか?
真剣な話をしたのに、と、若干不安になる。
と、更にサラが悪戯っぽく付け加えた。
「…それに、ほら! お姉さん私が付いていないと心配だもん!
一人じゃ何もできないんだから、放っておいたら孤独死しちゃうでしょ?」
サラはいつもの生意気な調子に戻っていたようだった。
孤独死とは確かにその通り、大げさだけど、言い得て妙だ。
そして、だからこそ、今の私にはサラが必要なのだ。
「…ふ、ふふふ…。」
なんだか笑いがこみあげてくる。
可笑しかったんじゃない。きっと嬉しかったのだ。
ああ、…わかったよ、今日のところはもういいや。
ここで妥協するあたり、私は不甲斐ないけれど、でもいいや。
どうしてか涙まで出てきそうだ。
私はサラに救われて、今もまた救われた。
結局、何も解決していないけど、サラとの生活はまだ続くだろう。
いつかは別れなければならないとしても、人の出会いなんてそんなものだ。
だから、これでいい。
「…ありがとう…。」
私の願いはまだ、だらだらと、叶い続けるのだ。
…さて、そのあと、サラによる尋問が始まった。
“空を飛ぶってどんな気分?”から始まり、
“夜、どこへ出かけてなにしてるの?”とか…。
そして煮詰まってくると、徐々にアレな内容に移ってゆき…、
“人を堕とすって何?”とか、
“…か、か、快楽って何?”とか…。
際どいところを責めては顔を赤らめるサラ。
いろんな意味で極めて答え辛い質問に、私はたじたじだ。
サラよ、君にはまだ早いのだよ…。
冷や汗出っぱなしの尋問タイムは、サラが眠くなるまで続くのだった。
「…狩りに行くの?」
深夜、家の前から飛び立とうとしていた私は、またサラに見つかった。
今度はちゃんと、サラの問いに振り返り、できるだけ真摯にうなずいた。
なんだか、サラは様子が変だ。
思いつめたような、なにか言いた気な感じだった。
私と目を合わせてはすぐに逸らせて目を伏せて、それを何度か繰り返す。
当然だ。一緒に暮らす者が、今から他人を犯しに行こうというのだ。
何か思うことがあってもおかしくはない。
でも、私は前回ロクに吸わずに帰ったこともあり、とても空腹だ。
狩りに行くことやめたりはしない。
もう、隠す必要なんてないんだから。
そして、飛び立とうと翼を広げる。
「待って!」
…止められた。
「……。」
サラは無言で、でもまだ落ち着きがない。
「サラ、私は…」
私は止めたって行くよ、と言おうとした。
が、途中で遮られた。
「…わ、…私を食べて!!!」
サラは、叫ぶようにそう言った。
「……。 …サラ?」
「お腹がすいているなら、私を食べればいいじゃない!!」
サラの拳は固く握り締められて、ふるふると震えていた。
よく見ると、目尻には涙がたまり始めている。
放っておいたら今にも泣き出してしまいそうだ。
私は思わず駆け寄って、サラの肩をつかんだ。
「ちょっと、サラ、落ち着いて…。」
「いやっ! 私をっ…! 私を…、…えぐっ…えぐっ…。」
ああ、やはり泣き出してしまった。
「わかった、わかったから、中で話そう。ね?」
背中をさすり、宥めながら家の中へ連れてゆく。
もう、狩りどころではなくなってしまった。
とりあえず、サラをベッドに座らせて、私は隣に座る。
サラは眼を伏せたまま、時折、ぐす、ぐす、と鼻をすする音が聞こえる。
「えっと…、どうしたの?」
無言だった。
私はサラの顔を見ることができず、震える小さな肩しか見えなかった。
しばらくして、やっと絞り出すように、一言。
「…私を、堕として…。」
それは、きっと、多分、懇願だった…。
…サラは堕として欲しいのか?
本気でそんなことを言っているのだろうか?
サラは分かっていない。魔物の怖さを。
襲われる側の怖さを、襲う側の怖さを。
「サラ…、堕ちたって、いいことなんてないよ…?
そんなことは言っちゃいけない。」
これは多分、私の本心だ。
私は魔物になって、できなかったことがいろいろとできるようになったけど、
それ以上に、いろいろと失って…、そして、難しくて苦しかった。
だから、サラまで堕とそうとは思っていない。…思ってはいけない。
再び、サラが口を開く。
俯いていた顔は向き直り、逸らされていたその瞳が、今度は私を捉えていた。
でも、それはわずかに揺れていて、私から逃げまいと必死だった。
「…私とお姉さんって何? 家族、だよね…?」
…ああ、それだけ聞いて、なんだか見当が付いてしまった。
「…昨日、お姉さんは家族と暮らすことだって悪いことじゃないって言った。
知ってるでしょ? 私に家族なんていない…。みんな死んじゃったんだから…!」
サラを助けた日の光景が思い出される。
サラの家の居間に転がっていた女の死体。
サラの、母だった、大切な人の遺体。
…そうか、サラには他に家族はいないんだ。
「私には、お姉さんしかいないの…。だから、私もお姉さんと一緒になりたい。
だから…、一緒にして…ほしい。」
そうだ、人間と魔物、いつまでも一緒にいることなんてできない。
だとすれば、魔物同士ならどうなのか。
サラは私の眷属になることができて、
真に家族になることができる。
「サラ…。」
「…お願い。」
――ゾワリ…と、私の何かが目を覚ます。
サラの涙で濡れた瞳は、きっと真剣だったと思う。
きっと心の中は、私なんかが想像し得る以上に真剣だったのかもしれない。
サラに家族はいない。今は私しかいない。
もしもこの選択で、魔物の爪がサラの未来を抉り取るとしても、
サラは私を選んだのだ。
――だから、私は、その願いを聞き届けてやろう、なんて、思ってしまった。
「…いいんだね?」
――― 私はきっとサラを想い、サラはきっとこんな私を慕った。
その結果がこれならば、私も確かに魔物だったのだろう。 ―――
支援?
虫の音は遠く、風の音も遠く、月明かりだけがやさしい。
ベッドの上は、私とサラだけの、暗くて碧い世界だった。
私は座っていたサラを、肩を掴んで優しく押し倒した。
腕を立てサラに覆いかぶさり、ちょうど四つん這いになる形だ。
サラと私は見つめ合う。
サラはまだ嗚咽の余韻で息が荒く、
その息使いは静寂の中の彼女の存在を引き立たせる。
サラは不安げだ。
小さな身体はわずかにこわばり、不安の汗がかすかににじむ。
「…快楽って、どんな感じなの…? …堕ちるって、怖いの…?」
消え入りそうな声で、絞り出すようにサラが問う。
「…快楽はね、とても気持ちいいことだよ…。 大丈夫、すぐにわかるから。」
そう、この少女は真に初めてなのだ。
スイッチの入ってしまった私には、快楽に怯えるサラの姿が、ひたすら魅力的に見えた。
サラは無垢で、まだ快楽というものを知らない。
未だ穢れを知らない少女は、堕落が糧の魔物にとって、
これ以上ない最高の御馳走なのだ。
私は、淡々とサラの服を脱がせた。
高鳴る胸に、どうしても手の動きが早まってしまう。
「お姉さん…、私…怖い…。」
サラが怯えるのも無理はない。
だから、サラの問いに、やさしく応えてやる。
「…大丈夫…、怖くなんてない。 …サラも気に入るよ。」
私はいつもの行為より、少なからず昂っていた。
それは、空腹だったからかもしれないし、今までサラを我慢していたからかもしれない。
あれほどサラを魔物で穢してしまうことが嫌だったのに、私は今、最高にわくわくしている。
だから今の私は、サラの怯える様子に、ひどく興奮を掻き立てられるのだ。
この何も知らない少女を、如何に染め上げるのか、想うだけで血が沸き立つ。
さて、まずはこの少女に、快楽というものを教えてやらなくてはならない。
この少女の体と魂に、快楽というものが如何なるものか、刻み付けるのだ。
でも相手は愛しいサラ。
ぐちゃぐちゃにしてしまっては面白くない。
快楽で破壊するのではなく、快楽で少しずつ変容させるのだ。
だから、あくまで、気持ち良くさせてあげなければならない。
怯えにやや強張る表情のサラの顔。
少女特有の薄紅の唇に、ゆっくりと近付いて、キスをする。
まずは触れるだけの優しいキスだ。
「…んっ…。」
サラは眼をきゅっと瞑って強張った。
互いの呼吸が触れ合う。
初めてのキスなのだ。
緊張するのも無理はない。
長くないキスのあと、サラの表情を窺う。
「…驚いた?」
「…ううん、大丈夫。大丈夫だから続けて。」
「そう。」
言うは早く、今度は、一気に距離を詰めた。
今度は急性に塞がれた唇にサラは驚き、ひぃっと、くぐもった声をあげる。
私は戸惑うサラに構わず、舌で唇をこじ開けた。
サラの味が、匂いが、舌触りが、私の舌を彩る。
私はそのまま、サラの下唇を吸い上げしゃぶり、
歯茎を舌で撫で抉り、歯の間に舌の先を潜らせ、
更に横からの圧迫を加える。
緊張してやや力の入った顎は、
突然の生肉の侵入に怯み、わずかに弛緩し、
私はその隙を逃さず舌をねじ込む。
よもや噛み付くわけにもいかず、なす術なく侵入を許すサラ。
私はサラの舌の根を舐め、揉み、誘い出し、吸い出し、私の咥内まで導く。
唇同士、やわやわ、ふにふにと、優しく揉み解しながら、舌に唾液をたっぷりと絡ませて、
舐め、潤し、注ぎ、啜り、湿りを帯びた音を立て、互いの汁を交換する。
二人の口を境にして、潤いとわずかな粘りを伴って、紅い肉が行き来する。
収まりきらず余った汁が、開口部から溢れ、滴り、小さな顎と頬を濡らす。
互いの肉に疎外された二つの呼吸が、空気を求めて不規則に喘ぎ、
その吐息は熱く甘く、ふたりを温め合う。
すでにサラの瞳はやや虚ろに泳いでいた。
ここまでくれば、ほぐしとしては十分すぎるほどだ。
今夜、私がサラを犯し、サラは肉と汁を絡ませ合う感覚に翻弄され続けることだろう。
発情した淫魔は、毒である。
もしも、淫魔がその気であるならば、
人は離れていようと視線が合えば意識が色づき、
同じ空気を吸っただけで身体が熱くなる。
吐息に触れればひどく上気し、肌に触れれば快感に悶え、
唾液など交換しようものならば乱れてしまう。
快楽という抵抗しがたいその毒は、侵し、蝕み、残留し、
哀れな犠牲者を苛み、さらなる快楽への渇望を生み、狂わせる。
淫魔は人を壊してしまうのだ。
…だから、手加減しなければならない。
私はサラを壊すのではない。
単に堕とすこととも少し違う。
私はサラを変えるのだ。
快楽に浸し、侵し、サラを快楽という魔物そのものに変容させるのだ。
私がそうであるように。
しばしのキスが続き、私は唇を離した。
「…どう?」
荒い呼吸音だけが静寂に響く。
「…あ…ん…なんか、変だよぉ…。」
うつろな瞳、呂律の回らない口調でサラは応える。
私がサラに染み込ませた、少し気持ちが良くなる毒。
体が切なく励起し、愛して欲しくなる、甘い毒。
丹念なキスにより、私の毒は小さなサラの体に隈なく浸み渡っていた。
サラは今、感じたことのない疼きに苛まれていることだろう。
サラに気持ち良くなってもらうこと。
それは、無垢な少女に肉に溺れる悦びを覚えさせることに等しい。
堕落を糧とする淫魔の私は、堕落へ誘うこの行為に、言い知れない悦びを覚えていた。
体が、心が、魂が、私を構成するすべてのものが、歓喜に打ち震えていた。
私はきっと、この少女を堕落させるために生まれてきた。
私はきっと、このときのために存在する。
少なくとも今は、そう確信して止まなかった。
サラの胸に手を伸ばす。
乳頭の辺りのわずかなふくらみ。
まだ、触られる備えなんて、まるでできていない、未熟な部分。
将来、子を育むはずだったその場所を、魔物の手で慈しむように包み込む。
「…ぁっ…。」
ピクンとサラの体が跳ねる。
私の手の平にサラの温もりが、鼓動がとくんとくんと伝わる。
未熟なはずのその中心は、淫魔の毒に中てられて、すでに固く自己主張していた。
ゆっくりと、なじませるように諸手で円を描く。
「…あ、ふぁぁ…やぁ、なに、これぇぇ…。」
サラは両手で顔を覆って困惑した。
私が力を込めるたびに、サラの表情が歪み、弛む。
「…気持ちいい? 気持ちいいでしょう?」
「へん…へんだよぉ…。 なんか、なんか…こわい…。」
「やめてほしい?」
私の問いにサラはこくこくと頷く。
もちろんやめたりはしない。
…先端を指で挟んだ。
「ああっ―――あああっ―――!」
くにくにと、捏ねながら、扱きながら、やはり円を描いてやる。
「ひぃぁあっ―――、あぁぁっ―――!!」
毒に浸されたその部分は、すでに成熟した感覚器官に変わっていた。
私が変えてやったのだ。快楽を得るための器官に。
サラはよだれを垂らしながら、がくがくと震える。
私は、もう少しサラの反応が見たくて、
先端だけ摘み上げ、持ち上げながら転がしてみた。
「ひっ――はあぁっ―――、…」
…サラはひときわ大きく強張った後、だらりと弛緩した。
達してしまったのだ。
初めてにしてはやりすぎだったかもしれない。
肩で息をするサラは、口を開けたまま、どこか遠くへ行ってしまった。
…もちろん、本番はこれからだ。
たった一度、達したくらいで許したりはしない。
サラの性器に手を伸ばした。
クリトリスはすっかり勃起し、ヴァギナはすっかり濡れていた。
クレバスはてらてらと粘液を纏い、鮮やかな赤色を覗かせている。
毒に侵されたサラの内側は、無理やり代謝を高められ、
強制的に受け入れの準備を整えさせられる。
体内で分泌液が作り出され、割れ目から淫水がこんこんと湧きだしている。
私は十分に濡れたその場所に人差し指をあてがって、ゆっくりと押し込んだ。
つぷり、と音がしたような気がした。
でもそれは気のせい。
毒で劣化した純潔の証は、なんの抵抗も見せることなく、あっさりと決壊する。
サラを守る肉の膜は触れただけで道を譲る。
サラの処女はあっけなく失われた。
「…いっ…ああっ!? いたい、刺さってる!? 刺さってる!!」
放心していたサラが戻ってきたようだ。
自身の股間に突き刺さる指と、異物を咥え込んだ初めての圧迫感に悲鳴を上げる。
おかしいなあ、痛くなんてないはずなのに。
仕方がないのでサラの体内の毒を少し活性化させてやる。
それでも、指を小さく出し入れし、進行をやめない。
「ああっ…やああっ…!!」
また、サラの体ががくがくと震え出した。
顔を涎と涙でぐしゃぐしゃにしながら、力なく暴れる。
痛みではなく、快楽に耐えられないのだ。
さっきはやりすぎたと思ったが、さらにやってしまった。
…まあ、いいか。
サラの動きが徐々に規則性を帯び始める。
でたらめに暴れるサラの動きが、妖しく誘う腰の動きに変わる。
指を咥え込んだ膣が、なめらかに蠢動しはじめる。
私の毒が、サラに備わった女性の本能を引き出したのだ。
咥え込んだ異物を、奥へ奥へ導く動き。
精を胎内へ取り込むための蠢き。
サラの膣が、私の指を、ちゅぱ、ちゅぱ、としゃぶる。
サラが私を求めている。
その様子は、赤子が乳を吸う仕草を連想させて、
私の中に、暖かくてどす黒い感情を湧きおこす。
もっと、快楽を注いであげたい。
サラの求めるまま、あふれる以上の快楽で満たしてあげたい。
だが、そろそろサラは限界だ。
そろそろイかせてあげよう。
仰向けになった膣の、天井側の壁を、優しくなでなでしてあげた。
「―――――、――――!!!」
サラの小さな身体が跳ね上がり、仰け反る。
口をぱくぱくさせながらあさっての方向を向く。
空を泳いだ手が、シーツを掻き毟り、手繰り寄せる。
指をくわえていた締め付けがひときわ強くなる。
きゅうきゅうと音が聞こえそうな絶頂のあと、
再びサラは弛緩した。
はあはあと荒い呼吸音が響く。
サラは、涙と涎とその他分泌液に濡れて、ひどい有様だった。
ぐったりとして、胸だけが上下するサラだったが、それでも意識はまだあるようだ。
「どうだった?」
今にも眠りの世界に旅立ってしまいそうなサラ。
返事は返ってこなかった。
サラの意識が閉じるその前に、私は再び唇を塞いだ。
私の毒で腐食した、サラの精を吸いだす。
とても美味しい。
愛しいサラの精だ。
それに、今まで穢れにさらされていない、極上の精。
少しずつ、味わいながら、私はサラを取り込んだ。
だが、これで終わりではない。
私が吸って空いたサラの容量に、私の毒を――私の精を注ぎ込む。
消耗したサラの精に、私の精が溶け込んでゆく。
―――淫魔の精による、致命的な汚染。
穢れなき少女であったサラが、魔物の精で汚染されてゆく。
存在自体に関わる重大な侵害を、美味しそうに受け入れるサラ。
やがて、サラの意識は失われていった。
唇を離し、私はサラの寝顔を眺めた。
疲労しつつも安らかになりつつあった表情が、
徐々に苦悶の色に変わってゆく。
サラの最も大切な部分に、異物が、それも毒が侵入したのだ。
苦しくないわけがない。
これから、サラの変化が始まる。
サラに混入した私の精は、元のサラの精を浸食し、混ざり合い、
やがてサラ自身の新たな精となる。
それを何度も繰り返し、徐々に淫魔に近づけてゆくのだ。
精に合わせて体も変化する。
より快楽を得られる体へ、快楽のためだけの体へ、より堕落を誘う体へ、魔物の体へ。
私がそうだったように。
サラの体を濡らしたタオルで拭いてやる。
汗と粘液を丁寧に拭き取ってやる。
まだ子供の貧相な身体も、じきに魅力的な成長を遂げることだろう。
それが淫魔への変化なのだから。
もう一度サラの顔を見た。
相変わらず苦悶の表情だったが、
その中には甘い熱が見え隠れしている。
今日のところはここまでだ。
愛おしさを感じながら、寝具を掛けてやる。
私も寝床へ戻るとしよう。
サラを愛する喜びを感じながら、
同族を迎える歓びを感じながら、
人間を堕とす悦びを感じながら、
満足感を枕にして、私も眠ることにした。
―――その喜びは、その歓びは、その悦びは、
私自身の心か、それとも魔物の本能か。
その時の私には、どちらでもよかった。―――
宵闇の中、サラの瞳が淡く紅く色めく。
「私の目、真っ赤。姉さんと同じだね…。」
いつの間にか、目を覚ましたサラは、
窓に映った自身の姿に、えへへー、なんて、弱々しく笑いながらそんなことを言う。
その様子は、嬉しそうであり、また悲しそうにも見えた。
あれから半月、私は毎夜サラを犯した。
毎夜サラの精を吸い、毒を飲ませ、彼女を苦しめ続けている。
私の感覚や予想よりも進行は早く、彼女の変化は大詰めだった。
すでに、瞳は深紅、肌は白。
ずいぶん伸びた髪は、すでに漆黒で、毛先だけが元の色を残している。
平らだった胸は未だ小ぶりながら乳房と呼べるほどに成長し、腰も女性的な曲線を描いている。
手足まで若干伸びたようで、小柄ながら、サラの容姿からはスラリとした印象を受ける。
数週間前まで子供だったサラは、今や、若い娘とでもいうべき姿だった。
最後にサラが食べ物を口にしたのはいつだったか。
もはやサラは私の精だけで生きていた。
その在り様はすでに人間よりも淫魔に近い。
人の欲望を受け止める体。
堕落を誘う体。
精で生きる体。
淫魔としての要素はすでに備えつつある。
もうすぐサラは魔物に目覚める。
もうすぐサラは人を狩る。
そんな予感がした。
…果たしてこれでよかったのだろうか。
サラが淫魔になったとして、私の望んだ眩しい日々は、果たして戻ってくるのだろうか。
暗く淀んでいた私の時間に、生命力と躍動感をもたらせてくれたサラ。
だが、少なくともここ数日は逆戻り。
食べて、犯して、寝るだけ…。
私だけではない。
堕落し、日々淫魔に近づいてゆくサラ。
サラが淫魔に近付くにつれて、逞しくて、明るくて、眩しかったサラが失われてゆく。
サラを彩っていたすべての色が失われてゆく。
そんな感覚を覚えた。
大切なものが喪失してゆくようで、なんだか、とても悲しかった。
きっと、淫魔とは、魔物とはこういうものなのだろう。
きっと、堕落とはこういうことなのだろう。
ああ、そうか、私はきっとこれを恐れていたのだ。
サラは、どう思っているのだろうか。
家族、故郷、すべてを失ったサラが、最後に縋ったのは、未来への希望ではなく、私だった。
魔物への堕落に何か素敵なものでも見出したのか。
半ば自棄だったのではないか。
…きっとその両方だろう。
いずれにせよ、サラは苦痛に曝され、そして壊れてゆくことに変わりはない。
今まさに淫魔への変貌を辿るサラ。
もうサラも淫魔がどういう存在なのか、もう気が付いているはずだ。
得体のしれない欲望に苛まれ、淫らな行為でしか生きることができず、
人を堕とすことだけを意義とする存在。
苦痛の果てに、手に入るのは穢れと堕落だけ。
淫魔に身を委ねたサラは、後悔しているのではないだろうか。
…辛いのではないだろうか。
「…姉さんと一緒だから、大丈夫なんだよ。」
私の考えを見透かしたようにサラが言う。
私は余程暗い顔をしていたのだろう。
今だって体の変化と精の不足で辛いはずなのに、
サラの笑顔は、弱々しくも以前と変わらないように見えた。
「…サラ…。」
サラの輝きは、全く変わっていない。
そう、思いたかった。
「…んっ…。」
そしてまた唇を重ねる。
…早く、終わらせてあげよう。
夜。
その夜はやけに明るかった。
見上げると空には幽玄の月。
空には薄い雲が広がり、雲を通して銀の真円が淡く輝いていた。
その夜は満月、朧月だった。
泉から水を汲み、戻ってきた私は、いつものようにサラのもとへ向かう。
サラは窓の外を見つめていた。
その視線は冷たく、表情はない。
「サラ?」
サラの視線を追うと、その先には月があった。
―――満月が呼んでいる。
なぜか、そんな気がした。
ふいに、するり、とベッドから音がした。
サラがベッドから抜け出したのだ。
冷たい表情はそのままに、床に素足を降ろし、しなやかに音もなく歩く。
その足運びは静寂と闇に溶け込み、どことなく優雅で、どことなく美しかった。
私は、突然起き出したサラを、茫然と見つめていた。
驚愕、歓喜、憐憫、慈愛、喪失。
複雑な感情が私の中を駆け巡り、私は動くことができない。
今まさに、サラの覚醒が始まったのだ。
今夜、サラは魔物になる。
サラは私の横を抜けて、家の外へ向かった。
サラの歩いたそのあとを、女の芳香が香り立つ。
しばらく動くことができなかった私は、我に返るとサラの後を追った。
草むらに立ち、月を見上げるサラ。
寝間着にしていた白いワンピースが、空気を纏って揺れている。
淡い光が、明るい闇が、優しい静寂が、森が、空気が、この夜を構成するすべてのものが
新たな魔物の誕生を見守っていた。
夜の中心にはサラがいて、彼らの祝福を一身に受け止めている。
今夜の主役はサラだった。
サラの周囲に闇が集まる。
サラの体を包み込むそれは、やがて形を持ち始め、サラの背に翼を生やす。
闇を集めた翼はまるで夜空、その中心のサラは月。
サラは生まれたばかりの翼を広げ、今まさに飛び立とうとしていた。
「サラ!」
私は飛び立つサラを追いかけようとしたが、しかし、それはできなかった。
サラの紅い瞳と視線が交錯する。
その瞳が訴えていた。
ついてこないで、と。
その眼光はすでに人間のものではなく、
私は拒絶に似たその視線に…威圧された。
「…大丈夫、大丈夫だから。」
そう言うと、サラは大地から離れる。
姿の変貌とは裏腹に、サラの声はいつものまま。
その間隙に私はむしろ衝撃を受けた。
サラが闇に溶けてゆく。
夜と一体になって空を舞う姿はやはり美しく、目を離すことができない。
ふいに視界が霞みに覆われた。
頬を伝う温もりに、私はしばし気付かなかった。
…あれ…この感覚…。
私は……泣いている…?
前回はどんな感情だったか。
今度はどんな感傷か―――
…
結局、私はサラを一人で狩りに送り出してしまった。
送り出した私はサラの身を案じるしかない。
今夜の主役はサラなのだ。
主役の邪魔をしてはいけない。
私が付いていったのでは、サラも気を遣うだろう。
今頃、サラが楽しんでいるかは分からない。
それに、私は多分、サラが嬉々として人を襲う姿なんて見たくない。
だから私は待つしかないのだ。
サラが騎士どもなんかに襲われず、無事に戻ること祈りながら。
…そうして羽化の夜は更けていった。
やがて東の空が朱に染まり出し、夜が終わりを告げる。
窓に朝日が差し始めたころ、私の心配をよそに、サラは戻ってきた。
サラに纏わりつく精の匂い。
サラに宿る魔の力。
明らかに何人も襲ったのが分かる。
そして、サラは………泣いていた。
今回は以上です。
十一話の話数表記ミスしました。
あと、投下に時間がかかっていることも
申し訳ないです。
最後になりますが、御支援感謝いたします。
ありがとうございます。
投下お疲れ!
背徳的なエロさもあるがそれ以上に切なさが残るぜ
GJ!
投下乙
大作
これはGJ!!
コレだけの量をこの期間で書けるなんてすごいね。
続きを全裸で待ってるから。
236 :
236:2009/12/08(火) 21:08:39 ID:XPSP0b8D
テスト
237 :
236:2009/12/08(火) 21:10:06 ID:XPSP0b8D
「おいッ! 鎖を解けッ! ボクを誰だと思ってるッ!? 第四十二
代魔王ルナ・エプシロン様だぞッ!」
「その魔王も魔法が使えなきゃただのお子様だな。」
「ちょ、ちょっと油断しただけだッ! だいたい三時のケーキに
痺れ薬が入ってるなんて誰も思わないだろうこの外道勇者ァッ!?
」
「ゲドーでケッコー。魔王なんかに道を語られるのは心外だがね
。
二十三歳職業勇者。
『勝てれば良し』は座右の銘。
名前をアルファ・セイクレッドと申します。以後お見知りおきを
、魔王サマ?」
恭しく一礼。
紳士な俺と魔王の戦いが終結した瞬間だった。
『ちっちゃな魔王と外道な勇者の初交渉』
238 :
236:2009/12/08(火) 21:11:04 ID:XPSP0b8D
俺の名前はアルファ・セイクレッド。世界の八割を占める大国の
王子にして、選ばれし勇者。
国の財布である民に危害を与える魔族の討伐を命じられ、見事そ
の元凶である魔王をたった今捕らえた神話になってもいい位クー
ルなこの物語の主人公。
「何がクールだッ! しかも生け捕りにして何する気だッ!?」
ちッ、捕虜の癖に喧しい。
目の前には捕らえたばかりの魔王……が、正直尻尾と角が生えて
なかったら普通の生意気な小娘。
そのうえ王とは名ばかりの間抜けで、痺れ薬に気付かないわ、調
理場に居た俺に今日はチーズケーキが食べたい、と普通に話しか
けて普通に立ち去る。
……バカか?
「今ボクの事バカだとか思ってるだろッ!?」
……読心術だけは尊敬する。
しかしそれ以外は……どう高く見積もっても歳は十二、三ってと
ころ、そこらの町娘と比べても変わり無い身長、肩ほどまでの黒
髪、凹凸の少ない身体。顔さえ可愛いものの、見れば見るほど残
念だ。
「おいッ! イタイケな美少女をこんな鎖で繋いで何だお前
はッ!? 変態ッ! 色狂いッ! そーろーッ! たんしょーッ!
」
……プツンッ!
「誰が短小だこのガキッ! その生意気な口に(ピー)突っ込んで
無理矢理してやろうかッ!?」
「はンッ! 結構だッ! お前の汚ならしいモン何か舐められる
かッ!」
減らず口がッ! マジで犯してヤろうかこのガキィッ!? なまじ
造形が良いだけ余計ムカつくぜッ!
「しかもそんなムキになって反論するなんて気にしてんのかぁー
?」
……二度目のプツンッ!
「へぇー、知りたい? そーですかー…………望み通り犯してや
るよ小娘ェッ!?」
「はァッ!? むグ……ッ!?」
239 :
236:2009/12/08(火) 21:11:58 ID:XPSP0b8D
よ、ようやくテントまで来れたか……大変だった。
蹴られるわ騒がれるわ、口を塞いでんのにあの小娘特有の高い声
が響くせいで兵達が残らずこっちを見てたじゃねーか。
……何か噂流れそうだな。
「ふむグッ! むガーッ!?」
縄……縄……一月位前に使ってここら辺に片付けた気がするんだ
がなぁ……
「むグゥッ! もがーッ!」
お、あったあった。くー、やっぱ良い勘してんなぁ俺。
んー、鞭、鞭……
「むゴゴゴゴ…………ぷはァッ!」
あれ……見つかんねーな。
……まぁいっか。他のはあったし。
「おいッ! こんな所に連れて来て何する気だッ!?」
「さっきも言っただろう。生意気な仔猫を躾るつもりだ」
知れた事を。流石にこれ以上外に女の声が響くのは俺の外聞に関
わる。
……いや、勇者なんだけどね? 気にするんですよ。性根がセコ
いから。
240 :
236:2009/12/08(火) 21:14:08 ID:XPSP0b8D
「まぁ、顔は可愛いからな。どうだ? 第四王妃位なら用意でき
るぞ?」
「結構だッ! 勇者に尻尾を振る魔王なんて話有ってたまるかッ
!」
まぁこれから振って貰うんですけど。尻を。なんて下卑た事を思
いながら縄の強度を確かめる。
仮にも魔王だからな。ぷちッていかれるかもしれん。
あぁ蘇る戦いの日々。勇者との特権を使って女湯に侵入、そのま
ま皆でヤったり洗ったり。
スーザン、サラ、カナ、マヤ、クレア、ミント、レナ……
「最低な勇者だな」
だまらっしゃい。また心を読みやがって。あァでもこの軽蔑の目
が良いッ! 超泣かしたい、啼かしたい。
「さて、いつかの望み通り鎖を解いてやるよ。手を縛った後だけ
どな」
「お前絶対いじめっ子だったろ」
大正解。しかし、繋いだはいいけど、この鎖……何処かに首輪が
あった気がしたが。
あぁーうぅー……思い出したァッ!
そういや女兵士の一人があまりに生意気だったんで真夜中に柱に
全裸で首輪付けてヤりまくったな。確かこの辺に放り投げて……
イェス!
「まだデコレーションする気か」
「……完成だ」
完璧だ。
両腕に二重に結んだ麻縄を腹側で纏める。
首からはゴツい首輪に鎖がだいたい足くらいまで。何よりもそん
な拘束を受けてるのがこんな小さな女の子で、恐怖の象徴である
魔王って所が……じゅるッ。
「き、気持ちワルッ!? お前たんしょーの癖にロリコンなの
かッ!?」
「まだ短小言うかこのガキ……」
まぁ守備範囲が広いのは認めよう。顔が良ければ良し。
241 :
236:2009/12/08(火) 21:15:09 ID:XPSP0b8D
しかし、どうやって泣かせてやろうか。何もしないでぶちこめば
泣くだろうけどそれじゃ面白味がない。俺も最初は痛い。
「……よし、選ばせてやろう。
一つ、じっくりねっぷり苛められた後二人とも楽しくやる。
二つ、何もしないでぶちこまれる。さぁどっちッ!?」
「どっちもヤダ。この縄解いたら考えてやる」
む……我が侭な……お父さん! どうやってこんなひねた子に育
てたんですか!
「余計なお世話だ。それにボクのお父様はたんしょーの親では無
い」
……よし、一番だ。泣かして啼かして自分からヤって下さいって
言うまで苛めてやる。
そうと決まれば、早速このマントとローブは脱がしてあげますか
。そう思って俺はベッドの上の獲物に手を伸ばす。
……この後俺は足も縛っておくべきだったと反省する事となる。
「ひッ!? クソッ! ボクに触るなッ! 蹴るぞッ!」
「はっはっはっその程度の抵抗可愛いものだ。さぁ脱ぎ脱ぎしま
しょおね゛ッ!?」
今思えば不用心だった。全身に気を巡らせて、急所は完璧に守っ
ていた。
…………最も決まると危険な所を除いて。
「た、玉が! お、俺の玉が!」
「ふ、ふふふふふ。こ、コレに懲りたらボクを解放しろッ!」
ヤるために腰鎧を脱いでいたのが仇となり、これから働かなけれ
ばいけない我が分身をコイツの足が襲った。
正直、痛い。ものっそい痛い。だが頭では冷静に何をすべきか考
えていた。
決まっている。お仕置きだ。
242 :
236:2009/12/08(火) 21:15:34 ID:XPSP0b8D
「へへへへ……ひゃッ!?」
「悪い子だ。悪い足だ。これは大人として罰を与えねばなるまい
……」
「ば、ばかァッ!足離せ……」
離さない。離すわけにはいかない。足を固定したまま腰の辺りで
ぐいっと持ち上げる。
ローブの下を捲り上げると、肉付きの薄い小さなお尻と、年相応
の毛も無い秘部に、黒いひょろっとした尻尾が顔を出す。
やはりお仕置きと言えばこれしかない。
「馬鹿ッ! 見るなッ! 触るなッ! 離せッ!」
「五月蝿い」
お尻ぺんぺんだッ!
一発目、平手がつるりとした目標に勢い良く振り下ろされる。
ぱしんッと言う小気味良い音とコイツの悲鳴が部屋に響く。
「ひィッ!?」
「はいはい二発目ー」
無視。
「ちょ、ちょって待って……ふァッ!?」
「待てない。三発目ー……」
その後十発ほど同じことを繰り返した所で軽く泣き始め、もう十
発ほどやった所で激しく泣き始めた為急遽中止。叩き続けた桃色
だった尻は見事な手形が何個もついて真っ赤になっていた。
何で止めたのって? 言っただろう。外聞を気にするんですよ。
……鳴き声が五月蝿いったらなくて……。
「うぇぇ……ひっく……グスッ……」
「あー……すまんかった。やってたらなんか楽しくなってきちゃ
って」
まぁ泣きじゃくるコイツは可愛いものだ。普段が生意気なだけに
打たれ弱いのかもしれない。
これ位で止めてあげたって良いか……
「殺してやる……火山に突き落としてやる……――の癖に……―
しょーの癖に……」
…………んんー? 全然反省してないんじゃないのかコイツ?
ま、まぁ多めに見てやろう。段々とオーラが黒くなってきたから
な。
243 :
236:2009/12/08(火) 21:16:21 ID:XPSP0b8D
「ひくッ……ひッく……」
「ま、まあ落ち着け。ほ、ほら! お前が可愛くて歯止めが効か
なかったんだ! な!?」
泣き腫らした目でこっちを見るなッ!? 対応に困るッ!?
止めてくれッ!? どうしても苛めたくなっちゃうんだッ!
「可愛い?」
「も、勿論」
……にへへーとはにかむコイツの顔を見てると不思議な気分にな
ってくる。
いや、決して邪な気分では……邪な気分じゃないよな? 純粋に
愛したいって?
「好き?」
「……あ、ああ」
再びにへへー。
今度は羊の様な頭の角をカリカリといじりながら。……笑う時に
半開きになる赤い口が妙に艶かしく感じる。
「じゃあ出せ。解放しろ。今なら向こう三年はお前達の国を襲わ
ないという約束までしてやる」
「…………反省することを知らんのかお前は」
思わず突っ込む。先程までの儚そうな感じは本当に可愛かったの
に、再び、いや前よりも目が吊り上がり、威圧感が増した。
流石魔王。詐欺か。泣きそうな顔まで。
「だってお尻なんか叩かれたの久しぶりで……」
あ、また若干泣き始めた。どうしよう。情事が進まない。
暫くヤってなかったから結構張り詰めている我がムスコに溜まる
弾丸が空中で暴発する危険性がある。
さっさと再開しなくては。
244 :
236:2009/12/08(火) 21:17:00 ID:XPSP0b8D
「ふぇ……」
「そ、そうだ。舐めてくれたら解放しようかなー」
「ヤダ」
敢えなく撃沈。
「は、早く用を済ませたら解放しようかなー」
「ヤダ」
再び撃沈。
まずい。本当に不味い。このままだと弾丸が装填されたままヤる
気が無くなるという最高に気分の悪い状態になる。
「て、手で! 手で擦ってくれたらッ!」
「……ホントに?」
「あ、ああッ!」
よしッ! 何とか一発いけそうだッ!
危なかったぜ。
「じゃ、じゃあ……」
「待て。どうせなら全裸で。いや、裸にマントだけで」
裸マント。意外と良いかもしんない。
つるぺったんの裸マント……うへッ。
「変態め……ボクは自分で脱げない。脱がせたいなら勝手に脱がせ
。その代わり……ちゃんと解放しろ」
「ウン、モチロン」
嘘だ。生意気な子供に大人として世界の厳しさを教えなくてはな
らない。
皆も知っておいて欲しい。世界は嘘と真で回っているのだと。
何て事を思っている間にお着替え完了。結論。超良い。
全体的に凸凹が少なく、どちらかと言うとなだらかって感じの体
で、小さな膨らみに天辺の桜色、さっきも見たぴっちりと閉じた
毛の無い秘所。
それがマントで視覚的に若干見にくくなっている。あぁ、妄想が巡る。
245 :
236:2009/12/08(火) 21:17:22 ID:XPSP0b8D
「見るなよォ……ボ、ボクが擦ってやるんだ。早く出せッ!」
「あ、脱がして」
「はァッ!?」
駄目だった……。結構期待したのに……。
恥ずかしがりながらもそーっと帯を外し服を持ち上げる。ぽろっ
と俺のモノが出てきた瞬間小さな悲鳴を上げて……
「ひッ! お、大きい……」
そうそうこんな感じ……ん?
「脱がしたくないんじゃなかったか?」
「さ、さっさと終わらせたいんだ。こんな恥ずかしい事……」
……いぃッ! しかも俺は聞いた。さりげなく『大きい』と言っ
たのを。
ん? 小さいと思ってた? 残念。一回りくらい標準よりデカイ
のだッ!
「ほらほらー『短く』て『小さい』んでしょー? 早くお願いします
よー?」
「う、うるさいなぁ。や、やればいいんだろ……」
小さな手をそーっと伸ばし、俺のモノに触ろうとする。指先が微
かに触れたところで、またすぐ手が戻る。ソレを何度か繰り返し
、ようやく握れるところまで落ち着いたのか、深呼吸の後ついに
ぐっと手を伸ばし握る。
「はーッ……はーッ……」
「はい良くできました。分かるー? 擦るんだよー?」
「ば、馬鹿にするなッ!」
意外と手がひんやりしてて気持ち良い。
目を逸らしながらゆっくり、ゆっくり上へ下へ。
でも……分からないのだろうか。これ程そそる表情は無いという
事に。
…………苛めちゃえ。
246 :
236:2009/12/08(火) 21:17:47 ID:XPSP0b8D
「ほらほらしっかり見ないと」
「ひッ! きゃあああァッ!?」
肩を掴んで顔をアレの真ん前に寄せて、じっくり見えるようにしてやる。
優しいだろ。俺。
「ひくッ……何でボクがこんな事……」
「顔反らしちゃだーめ。しっかり自分が男のモノ擦ってるんだっていう事
を見なさい。ね? 出せば解放したげるから」
……見れば見る程苛めたくなってくるのは俺だけじゃないだろう
なぁ。
最初の頃の気の強さがすっかり消え、目には涙を溜め、それでも
俺から逃げる為に精一杯頑張る。
……逃がしたくないなぁ、この子。
「んっ、出そう……口開けてー。はい、あーん」
「ぐす……何でそんな事……」
……むー、ここまで来て抵抗されるのも腹立つなぁ。
よしッ!
頭を掴んでいない方の手を広げ、コイツの見えない位置まで高く
上げる。
狙いはさっき散々苛めた可愛いお尻。
「痛ッたァッ!?」
「もう一度聞きまーす。口開けて?」
「い、イヤだ……痛ッ! わ、分かったからッ! もう叩かないでぇ……」
「分かり『ました』だよね? 俺年上だしね? はい、あーん?」
「ひくッ……あ、あーん……」
はい良くできましたー。
優越感を噛み締めながら、一生懸命俺のモノを擦っている魔王の頭を
上から掴み、開かせた口にアレが入るように押しつける。
……その温かい口の中に入った瞬間、俺は果てた。
247 :
236:2009/12/08(火) 21:18:14 ID:XPSP0b8D
「く……うゥゥッ!」
「むぐッ!? む、ぐぐぐぐ……」
……ん、はー。スッキリした。
しっかし俺もまだ若い! コイツの口が小さいのもあるんだろう
けど、溢れてるよ。
いや……ちょっとやり過ぎたかな?
「げほッ!? かふ、かふッ……こ、これで解放してくれるんだろ
ッ!? も、もう良いよなッ!?」
「あぁごめん。あれ嘘」
ピシッと空気が凍る。
だいたい口から自分の子胤垂らしながら泣いてる少女見て其処で
『はいサヨウナラ』って出来るか?
一瞬で復活するわ。幾ら出してても。
「え……!?」
「せっかく捕らえた魔王をそんな簡単に逃がすわけ無いじゃん。
しかもこんなに可愛いのに」
柔らかく綺麗な黒髪を手で撫でてやる。
恐怖と絶望で染まった顔は今まで一番……そそられる。
動かないのを放っておいて、隠されている股の間の秘所に手を伸
ばす。
「何だ。しっかり濡れてんじゃん。擦ってただけなのにね? あ
、もしかしてお尻ぺんぺんの頃から?」
「ひ……あ……」
無理矢理足を開かせ、俺のモノをあてがう。
どうせなら、とことん苛めてやる。
びしょ濡れって訳じゃない。ちょっと蜜が垂れてるくらい。
そこを多少着色して話したのは、この顔が見たかったから。
「一気に行こうか。ダイジョブダイジョブ。君くらいで身を売ってる子も見た
ことあるから」
「ボ、ボク……初……めてで……」
「おっ。そりゃ幸運だ。こんな可愛い子の処女貰えるなんて」
いやー、思ってはいたけどねー。口悪いわりにはアレ見た時相当
ビビってたし、口に出した時も信じられないって顔してたし。
じゃ、あんまし待たせるのも何だし。頂きますか。
少しずつ先っぽを埋めていき、異物感があった直前で一回止める。
ココまででもかなりキツイ。
「さて、あと一息で破れるけど、何か言う事ある?」
「ほ……他の事なら……何でもする……いや、しますから……止めて……お願
い……」
あらら、遂に敬語になっちゃった。あぁ涙も流れてきちゃって…
…全く、しょうがないな。
手を伸ばし、指で流れた涙を一粒拭いてやる。満面の笑みで。
248 :
236:2009/12/08(火) 21:18:53 ID:XPSP0b8D
「お・こ・と・わ・り」
上体を沈め、腰を突き出す。
軽い衝撃が体を伝い、胸の辺りで霧散していく。
今までで一番の喰い千切られるような圧力が俺を包んだ。
「ひッぎィッ!? ぬ、抜いて! 抜いてェッ!」
「そう言うわけにも……くそ、締まるッ……いかねえんだなッ!」
中に感じる液体は愛液じゃないだろうな。血だ。
初めてなのに加え、圧倒的な体格差。中では裂けているかもしれ
ない。
そんな中でも感じるのは、未知の快感。例えようもない強烈な締
まりに、くっついて離れない媚肉の感触。
触れ合う外の肌、痛みに耐えるその表情。
どれもが美しく、完璧に調和していた。
その時何を考えたのか分からない。そうしたかったのだろう。
軽く唇と唇を触れ合わせるだけの接吻。
そこまでで限界だった。
「出すぞッ……中にッ!」
「……はー……はー……ひィッ!?」
二度目とも思えない量を幼く小さなソコに放ち、体力も底をつく。
俺も、コイツも満身創痍だった。残った感情は恐らく違っただろう
が。
「は……は……ァ…………ふぅ――――」
「おいッ!?」
突如倒れ込んだ体を片手で支え、何があったのかを知るため顔を覗
き込む。
「寝た……のか?」
すーっすーっと可愛い寝息をたてながら、無防備に眠りこける。
何も無かったかのように。たった今犯したこの俺の前で。
思わず幸せなこの顔を見て笑みが溢れる。
「ふ、ふふふ、くっくくくく……」
連れて帰ろう。いや、その前に体くらい拭いてやるか。
いつかまたこの寝顔を隣で見る。
……勇者と魔王が結婚したらどうなるだろう。人と魔物は手を取り合って生きていけるのかな?
「うしッ! 俺が居ないと生きてけない位にしてやるよッ!」
とにかく今は眠れ。
また起きた時に楽しめる様に。
「俺も寝るかッ!」
この後二人はどうなったか。
それはまた別に。
『ちっちゃな魔王と外道な勇者の初交渉』終
249 :
236:2009/12/08(火) 21:20:01 ID:XPSP0b8D
初投稿。続き未定。
文字は大体三十字で改行、次のに移るのは流れ的な句切れで。
きっちり確かめたとは思うがなんか改行とかで変だったらごめんなさい。
アドバイス、これはどうだろうってのあったらガンガンお願いします。
それでは。さようならでした。
追伸、初心者です。苛めないで。
いや、面白かったよ。
ど外道勇者。
乙
次回作にも期待してるよ
遅くなったけど投下乙
良かった
久々に来てみたらこれまたほんわかやらしい作品が…
乙です!
ファンタジーはいい
あけおめ〜!
このスレが活性化しますように
257 :
236:2010/01/02(土) 15:35:58 ID:6tnNHcm9
テスト
258 :
236:2010/01/02(土) 15:36:19 ID:6tnNHcm9
「ち、近寄るなァッ!」
「うぉッ…よッ…はッ」
「よ、避けるなばかぁッ! うぁぁぁ来るなッ! 来るなッ! 来るなッ! 来るなァァァッ!」
真っ白な城のある一室。素朴な木の机、大きなベッド、金の額縁に入った美しい草原の絵。
……飛び交う枕、吹き飛ぶ書類、壊れる棚。
神よ、私が何をしたッ!?
というわけで、始まります。
主演はこの俺、アルファ・セイクレッド。女優は魔王、ルナ・エプシロン。
ええぶい? ちげーよ心暖まるラヴストーリーだ……
『ちっちゃな魔王、外道勇者と仲良くなる?』
259 :
236:2010/01/02(土) 15:37:16 ID:6tnNHcm9
ところで、何故こんな事になっているのか、知りたいだろう?
魔王との戦いを終えた主人を待っていた俺の部屋は無残にも羽毛と木片が飛び交い、第二次戦争が起きている。
思い出せ。あれはほんの数分前――――
「ここ……どこ……?」
「俺の部屋だ。ぶどう酒飲むか?」
ベッドの上、目覚めた眠り姫に果実酒の注がれたグラスを手渡し、俺はその隣にそっと座る。
それを飲み干すのを見届け、話を始める。
「目も覚めただろ。さ、城の案内でもしてやろう。まだ準備中だろうしな」
「……処刑の前に外が見たい……もう一度……」
相変わらず何もない一点を見つめ続けるルナちゃんの曲がった角をそっと撫でる。
俺も驚く位自然に笑みが溢れる。あぁ……そうか……
「処刑なんかするワケないじゃん」
「……は?」
勘違いしてんのか。
そりゃ魔王は畏怖の対象だし、種族で言えば敵同士。だけど……
「こんな可愛い子、殺しちゃったら世界の損害じゃん」
「だ、だって今キミ準備中だって……」
「結婚式のな?」
260 :
236:2010/01/02(土) 15:37:35 ID:6tnNHcm9
……五秒。未だ時間は止まっている。
……十秒。未だ時間は止まっている。
……十五秒。未だ……
「誰の?」
「俺とルナちゃんの」
……二十秒。未だ時間は
「ボ、ボクから離れろッ!」
「いてっ」
痛つッ……蹴落とされちった。
全く乱暴な……。
皇太子妃になるんだからもちょっと淑やかさってのを持って貰わなくちゃな。
「なッ……何が淑やかさだッ!? 一回じゃ飽きたらずこれからもずっと束縛し続ける気かッ!? 冗談じゃないッ! あ……あんな事までしておいて……」
「ほうほうほうッ!? あんな事とはどんな事かなッ!? 俺じゃ解らんな、言ってくれないとまたしてしまいそうだ」
「だッ……だから……その……」
くうぅー……可愛いッ! ますます苛めたくなってくるねェッ!
解ってないのかねこの子は……こういうのが俺はとっても大好きだって事にッ!
「と、ともかくボクは絶対嫌だからなッ! ……結婚なんてしたら何されるか……」
「ナニするんです」
決まってる。何をこの子は……。
国家の繁栄は子作りにあり、ってのを知らんのかね。たった今考えた言葉だが。
「……あんまり聞き分けが無いコには『お仕置き』しちゃおうかなぁ」
その言葉が耳に入ったのか、一瞬体をビクッと震わせ、動きを止める。
……結構あれ傷付いたのかも……(『ちっちゃな魔王と外道勇者の初交渉』参照)
261 :
236:2010/01/02(土) 15:38:26 ID:6tnNHcm9
き、傷付いたなんてモンじゃない。痛いし、恥ずかしいし……お父様にだってあんなことされたことない……」
……え? 俺の外道度魔王以上?
あぁ、現魔王を組み敷いた位だからそんなもんか。
「と、兎に角! これ以上ボクに近寄るな。城ごと魔法で潰されたくなければな」
「へぇ……やってみれば?」
ちょうどいい機会だ。あれがどれ程強いか調べてみよう。
「よし。じゃあ、ルナちゃんが勝ったら、逃してあげようか」
「その言葉……忘れるなッ!」
指を天高く掲げ、呪文を唱える。そして、指が振り下ろされる。
……さぁ、どうなる?
「彗星ッ!」
……………………
「……彗星ッ!」
………………………………
「…………彗星ッ!」
「うん。流石に国のトップスリーが協力して作った魔法抑制装置は魔王にも効くみたいだな」
首輪型なのがチャームポインツだぜ。
帰ってきてから徹夜で作らせたのさッ!
因みにどれ程首が太くなっても大きさは調節可能、更に必要とあらば鎖まで付けられる優れものなのだッ!
「ひっ……ちっ……」
ケケケ、そろそろ観念して貰おうかな?
ルナちゃんは後退りにベッドへ、俺はそれを追って少しずつ歩みを進める。
「ち、近寄るなァッ!」
□□□□□□□□□□□□□□
262 :
236:2010/01/02(土) 15:38:49 ID:6tnNHcm9
以上。あぁ、俺は悪くなかったか。
まぁ、掃除するのは女中だし、構わないんだけどさ。
問題なのは……
最後と思われる枕を避け、一気に間合いを詰め、押し倒す。
「離れろッ……離れろォ……」
「別に構わないけどさぁ」
あの時のままの黒いローブの下から手を突っ込む。
身長が違うって事は、リーチも違う。
楽々と最深部、足の合流地点まで辿り着く。
ぴたりと、動きが止まる。
「明日にはもう、夫婦だぜ? ちょっとくらいは……」
小さな豆を、軽く摘まむ。
「ひ……あ……」
「仲良さげな雰囲気じゃないと……なぁ?」
震える尻尾を無理矢理捕まえ、そっと耳打ちする。
「別に泣きながら皆の前で神に誓うって言うのも……一向に構わないんだぜ、俺は」
出来るだけ、暗く、そして脅すように。
「手段は選ばんがな」
……震えながら首を縦に振る。
どうやら解ってくれた様だな。
手を抜いて、ベッドの横に立ち上がり、声をかける。
「さ、俺『達』の城を見に行こうぜ。催事場と食堂、王の間位は知ってた方がいいだろう?」
…………返事は無い。
「こ……」
「腰抜けちゃって……」
……本当に可愛い奴だ。
□□□□□□□□□□□□□□
263 :
236:2010/01/02(土) 15:39:15 ID:6tnNHcm9
「……でココが催事場。今は準備中だけどな。多分数日後には、人が一杯来て俺とルナちゃんは神に永久の愛を誓うことになるだろうね」
「…………どうしても?」
むぅ。まだ若干拒否ってるか。
そんな嫌われる覚えは無いんだが。
「あ、そういやずっと寝てたんだったな。この先に王族専用の湯浴み場があるが、どうする?」
「……行きたい」
……あれ、結構思い付きだったんだけど食い付いてくる物だな。
やっぱそういうの気にすんのかね?
「ふーん。ま、中に入ったら女中が一杯居るから多分全部やってくれる。未だ昼だから、多分他の奴は居ないだろ。迎えに来てやるから行ってこい」
「……アリガト」
……初めて感謝された気がする。いやー、漸く心を開いてくれてきたかな!?
そろそろ部屋も片付いてんだろ。戻るか……。そう考えた。
嬉しそうに駆けていくルナちゃんの背中を見たとき迄は。
「…………」
いや、でも……イケるか?
そんな風に思ってても、心の中では勿論思っていた。
やっちゃおう、って。
□□□□□□□□□□□□□□
264 :
236:2010/01/02(土) 15:39:40 ID:6tnNHcm9
「……広ぉい」
思わず声が漏れた。
目の前には何か良い匂いのする薬草を入れた木製の湯船に、小さな木の椅子。
アイツの言った通り、入った瞬間「お召し物をお預かりしますね」って女の人がやって来てスグに裸にされちゃって、追われる様にこの部屋に通されちゃったけど……。
アイツの部屋にあったベッド位の大きさの湯船に軽く手を入れて、温度を確かめる。
……丁度良いくらいかな。
迷わず、飛び込んだ。
「……気持ちいいな」
あれから災難続きだった。
突然軍隊がやって来て、毎日○○がやられました、△△の砦が落ちました。
政務に追われて一息つこうとケーキを食べたら何だか眠くなって。
……いろいろあって此処に居る。
アイツは勇者だから嫌い。でも……。
「はぁ」
頭の角を撫でる。
上がったらきちんと嫌だって言おう。
だってボクは魔王。皆を守らなきゃいけない。
でもいつか仲良くなれたら……いいな。
突然扉が開いて、さっきの人と同じ服を着た女の人が入ってくる。
「お体お流しします」
……まぁ、いいよね。女の子だし。お風呂くらい。借りても。
「……ありがとう」
自然と、笑顔になれた。
□□□□□□□□□□□□□□
265 :
236:2010/01/02(土) 16:12:15 ID:6tnNHcm9
「お体お流しします」
バレてねーかな。
出来る限り高い声を出したんだが……。
え? 誰かって? 俺だよ。アルファ・セイクレッド様だよ。
違う? 何処に居るのかって?
風呂係の女中の服を剥ぎ取って、今、変装して侵入中ですが何か?
「……ありがとう」
んはッ!? 見ました? 今の自然な笑顔。初めて見ましたよ。はい。
くッ……抑えろ、俺ッ! 今もっこりしたらバレてしまうじゃないかッ!?
石鹸を泡立て、此方に向けられた背中を洗っていく。
抑えろ……抑えろ……ッ!
「……おっきな手……」
「そッ! そうですかッ!ありがとうございますッ!」
うぉぉッ! 焦るだろッ!
バレたかと思ったぞ今ッ!
「て、手を上げて頂きますかッ!?」
「あぁ……はい」
顔に布巻いてるから何とかバレてないけど今の俺はかなり興奮してるッ!
横から見て、まっ平らな中の二つの突起がしっかり尖ってて、シルエットがこう……限りなく良いッ!
「んッ……」
そ、そんな声を出すなッ! 今でさえ当たらないように腰を引かして洗ってるのにまた愚息が反応すんだろッ!
「は、反対側を……」
「はい」
……いつになく従順だな。あ、女だと思ってるからか。
これ……もっとイケるんじゃ無いか?
まぁいいか。バレたら押し倒せば。
「……股を少し開けていただけますか?」
「えェッ!?」
「お願いします」
「は……はぁ……」
イケるだけいってやる。
そう考えて、そーっと開かれた秘所へ手を伸ばし、つるつるの其処を撫でる様に『洗う』。
266 :
236:2010/01/02(土) 16:13:03 ID:6tnNHcm9
「ん……は…ぁ…ッ!」
小さい豆の様な其処を軽く摘まむ。
でも……達するまではやらない。
「はい」
「……はぇ?」
ケケケ……辛そうだな。
まだまだまだまだ……ッ!(大分キテる)
「四つん這いになって頂けますか?」
「い、意味はッ!?」
「何故って……お尻の方を洗わせて頂きます」
「いッいいですッ! じ、自分で……」
「それでは私が怒られてしまいますッ!」
嘘だ。こんなこと誰もしないし、しなくても怒らん。
ただ……やりたいじゃん。
「……は、早くお願いしますね。恥ずかしいから……」
……俺は嬉しい。あんな生意気なルナちゃんがこんな体制になって。
女中の服が濡れても問題ないように厚手なのが幸いです。ビンビンです。
差し出されたちっちゃくて可愛らしいお尻を揉みしだく様に洗い、綺麗な桃色のその穴を表に出す。
……俺ここで発狂してもいい。
前後の穴を同時に眺め、真っ赤な顔をこちらに向けている。
絶、景、です。
「ふぅッ!?」
まだだッ!
穴によーく泡をすりこみ、勢い良く中指を突き立てる。
根元に感じる圧迫感がまた心地好い。
「ほ、ホントにこんな事ッ……いつもッ!?」
「ええ。前後の穴は最も汚くなる所の一つですから」
「う……ああぁ……ッ」
爆発寸前です。こんな可愛い声が出せるのかッ!
ますます妻にしたくなってくるッ!
「ふにゃあぁァッ!」
あ……やりすぎた?
体が痙攣してるよ。意識は……あるみたいだけど。
どうしよう。謝るべき?
「……お流ししますね」
ま、いっか。
お湯を汲み上げ、ざぱーって体に着いたお湯を流す。
赤みが差したその幼い身体が、どうしようもなく愛しい。
267 :
236:2010/01/02(土) 16:13:26 ID:6tnNHcm9
「お……前……」
「どうされましたか?」
傍にしゃがみこんでさすってやる。胸とか、腰とか、足とか。
「その……気持ち悪い裏声を……止めろッ!」
「……あらら、戻っちゃったよ。可愛かったのに」
バレちゃった。じゃあこの息苦しいマスクとか服とかいらね。
すぐさま全裸になり、軽く屈伸をする。
「何の……つもりで……」
「ははは、良いじゃん。ほら、もっとやってあげるから」
力の抜けた体を引き寄せ、貪る様な口付け。舌を吸い、歯を舐め、唾を送る。
「……ん……く……ぷはっ……あまぁくておぃしい唇だねぇ」
「下衆め……ッ地獄に堕ちろッ!」
ははは……ホントに地獄に堕ちるだろうな。このままじゃ。
全く、魔王に言われちゃお終いだ。
「じゃあ、堕ちないように精一杯悦ばせてやるよ。そうすればプラマイゼロだろう?」
「何がプラマイゼロだッ!?」
無視無視。
体を持ち上げて、なだらかな前を撫でる。途中のコリッという感触が気持ちいい。
「そういえば、こんなにちっさくて赤ちゃんが出来た時は大丈夫なのかな? よし。試してみよう」
「ふッふざけるなぁァァァッ!」
口の中で飴のように転がし、前歯で軽く噛む。
片手で秘所を弄りながら。
「ッそんなぁ…いやらしい赤ちゃんがッ……いてたまるかぁぁ……」
「じゃあこうか」
今度は本当に思いっきり、吸う。
「ふぁぁァッ!?」
「んー。いいイキっぷりだぜ。ところでさ」
手を蛇の様に伸ばし、お尻を抱き抱える。
「ここ弄られた後でも達したよねぇ? いろいろ敏感なんだぁ」
「だッ……誰がッ!?」
……生意気な。認めれば非常に可愛いのに。
もうそろそろな気がするんだけどねー。
「可愛かったなー。たしか」
「……何がしたい……おいッ…止めろッ……」
遅い。
268 :
236:2010/01/02(土) 16:13:50 ID:6tnNHcm9
「こんな風に挿したんだったかなッ!?」
「○×△αθζομ〜!?」
……何語? それ? しかしあの生意気なルナちゃんが悶絶するなんてなー。
何よその顔? そんな屈辱的?
「あれ……入んねーや。捩じ込んでみようか」
「も…やだッ…止めて…抜いてェ…ッ!」
「俺の妻になる事を認める?」「認めるッ! 認めるからァッ! そんなのッ…入んないよォ……」
愛しい妻の言葉なら仕方無い。
すぐに抜いてあげる。
優しいからな。根が。
そして囁く。
「選ばせてあげる。前か後ろか、どっちがいいか。せっかく一生懸命洗ったしね」
「お、お尻はッ……やだァッ!」
「じゃ前だ。つまんないの」
仰向けで喘いでるルナちゃんをうつ伏せに組み替え、腰を持ち上げてぴたりと付ける。
「ちょ…こんなカッコで…」
「まぁまぁ、気持ちいいから」
一蹴。
「い……ぎぃぃぃッ!」
「もうちょっと可愛い声出しなさいよ。初めてじゃ無いんだから。ほら、動くぞ」
ゆっくり、ゆっくり前後に動かす。
こんな俺でもちゃんと相手の事を考えてるのよ。
偉いっしょ?
「ふッ……ひンッ……は…ぁ……あァッ!」
「そうそう。出来るじゃない」
いいねー。ノってくるよ。
サクサク行こーか。サクサク。
「んッ……胸とか…弄るなぁぁ……」
「やだ」
接続部から感じる熱が心地好い。
前回とは違う、ルナちゃんの心の底からの熱さ。
「嬉しいねー。感じてくれてるんだ」
「うッ…うるぅ…さいィ…あ゛あッ!?」
「嘘はイケないよー。はい。言ってごらん?」
再び空いている穴に中指わ突っ込む。
捩じ入れる度に前が締まり、可愛い胸の突起が揺れる。
涎を垂らして喘ぐ小さなルナちゃんが……不思議と人徳に反した感覚をもたらす。新たな発見。
俺って……サディストだったのかッ!?(今や常識である)
269 :
236:2010/01/02(土) 16:14:14 ID:6tnNHcm9
「はい、言ってみよう。ボクは夫の指と性器に掻き回されて今までにない気持ち良さを感じています。はい」
「…抜け……抜けえぇェ……ひゃあああァッ!」
「強情なのも惚れたポイントの一つだけど、あんまし耐えると壊れちゃうよ? はい。言ってごらん?」
「わ、解ったッ! 言うッ言うからッ! ボ、ボクはお前ので気持ち良くなってますッ! ほらッ! お尻ッ…抜いてぇェ……」
「お前じゃない。夫だ。お・っ・と。はいもう一回」
「ボ、ボクはッ夫のモノでッ! ぐちゃぐちゃにされてッ……」
脳内のラストバトル。
さて、どっちを選ぶ? 誇りか、それとも逃避か。
「き…気持ち良くッ……なってますゥ……ッ!」
俺の勝ちだッ! 遂に誇りを折ってやったッ!
これで恐らく結婚式にも抵抗はしても逃げはしないだろう。
逃げても自分への嫌悪感ですぐに戻ってくる。
万々歳だッ……!。
「お疲れ様。さて、ラストだッ……しっかりなッ……!」
「うッ……あァッ! く…ふ……うぅゥッ!」
まだ……まだ……まだ……最後はッ……ルナが達した後だッ!
「うッ…ふ…ぅ……アルファあぁァッ!」
「くッ……うッ……ルナ……」
そして小さな体に分身を放ち、崩れ落ちるように床に二人で倒れ込んだ。
「……な。最後イク時俺の名前呼んでくれたろ。嬉しいなー。遂に落ちたかな?」
「ば、ばっかじゃないの。耳おかしいんだろ……ボクがそんなの言うわけ……」
「言った」
「言ってないッ!」
「そんなムキになって否定するって事は憶えてんだろー」
「憶えてないッ!」
……少しは仲良く……なれたかな?
まぁいい。
問題はこれからだし、俺は百まで生きるつもりだからなッ!
「とりあえず体また洗おうか」
「……お前は出てけッ! ボクはボクで洗うッ!」
「そんなー、アルファ、だろう? ルーナーちゃん?」
「うるさいッ!」
二人はこの後どうなるのでしょう?
仲良くやって、いけたのでしょうか。
それはまた別のお話。
『ちっちゃな魔王、外道勇者と仲良くなる?』糸冬
270 :
236:2010/01/02(土) 16:17:01 ID:6tnNHcm9
あけまして、おめ。
変えたこと
・文字数で改行ではなく雰囲気で改行にした事。
・視点変更時、場所変更時に□(しかく)をいれたこと。
です。それでは、さようなら。もしかしたらまた来るかもしれません。
はぁ
過疎だな
早く大規模規制解けないかしら
あけおめ
職人、投下乙!
今年も期待してる
ここはエロなしでも大丈夫ですか?
>>273 例えば今後エロ描写を含むかもしれない長編とかだったら、エロなしでも投下していいんじゃない?
エロくない作品スレがあるのを忘れてました
そちらに移動します
答えてくれてありがとう
また来てね
良かったよ
保守
ひぇえ
もうすぐ卒業なのに内定決まらない
現実から逃げて異世界トリップしたい
同じく内定決まらない俺は江戸時代と異世界トリップ物を延々と書いている
鬱だ
>>280〜281
新卒ならまだいくらでも目が有る
普通に2年近く求職活動してる俺…(涙目)
応援してるぞ!
選ばなければいくらでも仕事はある。
人がやりたがらない業種はいつでも人手不足だ。
いきなり年収500欲しいとか夢見過ぎなんだよな。
ダークファンタジースレみたくなってきたな
ファンタジーと銘打ったスレで世知辛いリアルの話を見れるとはな…。
介護職は腰を痛めるとか寝不足でお肌ボロボロになるとか聞きますしー
工場勤務は爪が機械油で爪が黒く染まってしまうと聞きますしー
えー清掃業……? 同僚にDQN多そうでいやー
>>288といった感じの贅沢お嬢様。しかし家が没落して昨日まで畦道で土下座してたような
農民の女にならざるを得なくなる…みたいな話が読みたいです
妙な流れだな
保守
294 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:33:36 ID:T/uydym3
人生はダークファンタジー
選ばなければいくらでも仕事はあるって嘘だよね
どこもかしこも経験者・失業者のみなんて書いてあるじゃない
職業選択の自由あははーん
このスレって古代・中世っぽい感じの異世界が舞台でさえあれば
ファンタジー要素無しでもおk?
古代・中世っぽい「異世界」って時点で既にファンタジーなんだが。
魔法や怪物が出てこない話ってことか?
>>298 説明不足スマソ
魔法や怪物とかの超常的設定が特にない異世界物ってことです
ありなんでないかな?
自分もファンタジー色うっすいの書いてたし
それっぽさが出てればいいんでないかい? とりあえず期待してる
302 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 02:11:22 ID:cjypjdwU
ほし
この時期になるとファンタジー世界に現実逃避したくなる
会話の絶えない雑踏。明るくうるさい露店のおばちゃん。ひんやり寒く、酒場に繋がる路地裏。しんとした薬屋。
大業物を相応しい奴にしか売らないと言い張る武器屋。女の子から花を渡されて困惑する無骨な兵隊。肩を組んで歌う酔っ払い
ファンタジーの世界、町並みって言うとこんなのが思い浮かぶ。行きたいなぁ、そんな世界
いいな、そういう世界観
そして路地裏でマッチを擦りつつ凍える少女。不実な恋人に裏切られ入水自殺を考える乙女。薄情な両親に育児放棄され続ける姉弟。
我ながらいい性格してるわ。。。
なんという表裏www嫌いじゃないぜwww
宿題をコピペして提出して怒られる魔法学校の生徒。異世界から召還された勇者と召還した少女。
自分たちが死んだ事に気づかず暴れまくる海賊団。漫才する四天王とそれをあきれ顔で見る魔王。
悪霊祓いや害虫駆除など専門外な依頼しかこない近親相姦上等姉弟な殺し屋。
軍隊をゴミのように吹き飛ばす魔女。人情家な異端審問官。
自分はパロディよりかな、
ちなみに魔法使いは職業の一種で魔女はGENKAITOPPAした(その世界の)常識が通じない無敵キャラ。
石畳の道とか
傲慢な貴族と虐げられる平民
誇り高き騎士と位を金で買った騎士
一見優しそうに見えるが、本当は欲深い聖職者
王位の継承で周りが争う羽目になった、本当は仲の良い愚鈍な兄と優秀な弟
立場の逆転した貧乏貴族と成金商人
好きでもない男に嫁ぐ羽目になった令嬢
人々に魔女と呼ばれたお人好しの英雄
奴隷として売られる異邦人やエルフ・獣人の少年少女
腐った王族・貴族から弱き民を救うためにあえて侵略者を演じる理想主義者な魔王
そんな父を本心から救いたいと思う平和主義者である魔王の娘
むぅ、なんかFFTやってからファンタジー世界を暗く見てしまう癖がついたかも
・道を歩いていたら民家の窓から捨てられた排泄物にぶちあたる
・中世ヨーロッパで豚が良く飼われていたのは道に野晒しにされているそれを食ってくれるから
・同じくそこで香水が流行していたのは体臭を隠すため
リアル中世はこんなもんらしい
まあファンタジーなんだから、トイレ(それと上水道・下水道・風呂)完備させりゃいいんだが
古代ローマじゃ何とかなってたんだし
古代ローマは別物。
超ハイテク都市だからな。
体臭に関しては、水が貴重で風呂なんて超贅沢だったからかと。
湯水のごとくなんてことわざは日本ならではだし。
ワインより水の方が高いんだぜ、欧州w
>>312 水が豊かにあり、清潔度の高い国の兵に囚われた女騎士
ただでさえ捕囚の屈辱を受けているにも関わらず、「臭い」「汚い」「向こうの国は風呂すら入れないのか」と野次られる始末
挙げ句の果てには「皆で風呂に入って身体を洗ってやろうぜ」と服を脱がされ、多数の男の手にもみくちゃにされる
恥辱と引き換えにあっというまに全ての垢を落とされ綺麗になった女騎士だったが、男達は女騎士に更なる試練を用意していた………
って妄想につなげてみた。
新たなSSの予感にwktk
いつからか側にずっと居た世話焼きで何かと自分を気にかける鬱陶しい女の子。正体は溺れていた主人公を助けて一目惚れして追い掛けて来た人魚姫で
口喧嘩し合いながらも結構、良い雰囲気で2人は全力で否定するけど周りからはお似合いカップルまたは夫婦と言われるくらいに良好な関係
そんな矢先、邪教徒に女の子が捕まり、メチャクチャに犯されると言う事件が発生し、魔力を根こそぎ奪われた女の子は人間体の姿を維持できず本来の姿に戻り
主人公に正体を知られてしまい
処女だけで無く正体を知られる=もう今までの関係では居られない。居場所まで失ったと思った女の子は、さよならの書き置きを残し姿を消してしまう
なんてのを妄想した
>>315 切ないバットエンドしか思い浮かばなかった俺はもうダメかもしれんね。
記憶も心も身体も地位も全て全部、偽物の人工的に作られた 作り物(クローン)。存在する事自体が過ちで罪のホムンクルス
が自分の正体と知り目はマグロ状態で精神的に潰れた女の子 。目を離せば自殺を図る危険な精神状態と化すけど。
恋敵からアノ人が好きってのはオリジナルには無い偽物でも作り物でも無いアンタだけの心でしょうが!!。その想いも偽物って言って諦めるんならアノ人は私が貰うわ!
って怒られ励まされ立ち直り意中の人に告白しラブラブになり、あんな事やこんな事を
なんてのを妄想したけど文にできない
俺含めて妄想はできるけどSSは書けないのがエロパロ住人の大半だと思う
だからこそSS職人は神様なんだが
そうだな
魔法で水や食糧の輸送や供給を行う部隊……なんてネタが思い付いたが、エロに繋がらねー!
そんなあなたに。
1:戦地に行った夫を案ずる若奥様とかパパが心配な娘とかにとって、あなたは戦地の情報をもたらす唯一の情報源なのだ。
2:最近うちの王様も丸くなっちゃてねぇ。昔は占領地でヒャッホイし放題だったんだが最近じゃあわざわざこっちから女まで送るんだとよ、従軍慰安婦とか言ったっけ、転送前にちょっと味見を…。
>>321 天才あらわる
1いいな。どっちかっていうと凌辱系が好きなんだが、1の魅力が素晴らしい
略奪や強姦の許可は与えて懐のいたまぬ褒美だ
キャリアウーマンな輸出班体調
実は前線に居る将軍に好意を寄せているが、恋愛には奥手
それを見かねた部下の粋な悪戯で、夜に将軍の幕舎に飛ばされてしまう
とか
姫スレから来ました。
軍師と女騎士モノ
エロ無し
勇者軍と覇王軍が西部の新興勢力を殲滅し、両軍の間に和平条約が結ばれた。
帝国の領土が大幅に縮小され、自治権が東部の良心的な貴族達に与えられ、
その問題が済み次第、皇女様の正式な婚儀が執り行われるらしい。
宰相になった妹が送ってよこした便りには各地では祝祭が催され、活気が戻ったと
記されていたが、職を辞し、隠居した私にはもう関係ない。そう私には関係ないのだ。
そう思い書物を読み悠久な時間を送る日々を過ごしていると一人の騎士が私を訪ねてきた。
その者の手には皇女様のサインが入った委任状があった。
どこかで見た事のある紅い髪をたなびかせるその騎士…それは――――――
『紅髪の騎士様と軍師様』
平穏…とは言えども水面下では、未だに燻り続けている戦争の爪痕。
その解決に旧帝国軍がそのまま運用される事が多々あった。
まだ大戦が終結したといっても1年足らず、まだまだそういった灰汁が出てくるご時世だ。
それを見越して議会も帝国の軍を解散させずにおいたのだろう。
大陸軍の編成も着々と進んでいるようで
最終的には大陸軍の一部に組込まれるであろうが、それまでの間に合わせだ。
その中の一つに、魔女の大鍋に狂戦士と狡猾な盗賊に類人猿を加え、
10年ほど煮込んだらこんな感じになるのだろうと思われる集団があった。
旧帝国軍第22騎士団、通称『血騎士(ブラッドナイト)団』
いつの頃からか、甲冑を皆、紅一色で統一した事からそう言った名が付いたらしい。
『血騎士』と大層な部隊名だが、元は素行の悪い者や職にあぶれた傭兵をまとめて
編成した無法者の半懲罰混成部隊だった。
そんな者達をまとめた部隊の駐屯地など不衛生・不潔の極地に達していると思われたが、
意外にも衛生的で清潔な駐屯地であった。不思議に思い、しばらく観察していると合点がいった。
ここの連中は指揮官であるキエルヴァの白い肌と燃えるような紅色の髪に瞳。さらには
瑞々しい果実の如く実った胸と豊満な尻を神の御印と崇拝し、天孫降臨とばかりに祈りを捧げている。
彼女の言葉は神の神託の如く、絶対なようで、『夜は10時に就寝』『早寝、早起きは三文の得』
『酒は飲んでも飲まれるな』『喧嘩両成敗』『掃除・洗濯・歯を磨け・清潔第一』などと規律が細部に渡っている。
そうでなければこの地域は蝿が集(たか)るゴミの集積所と化しているだろう。
彼女はそういったバカ共が心の底から皇女様に忠誠を誓い、
皇女様の為に戦場を駆け抜ける勇敢な部下達だと誇りに思っているようだ。
実際に私は彼女の口から直に聞いた。
「どうです?優秀な部下達でしょう」と言わんばかりに自信に満ちたキエルヴァから。
確かに忠誠心と戦闘能力は高い。騎士達や傭兵上がりの兵卒達は皆『キエルヴァ=ノールマン』の為に戦っているのだから。
その証拠に私がこの部隊に正式に軍師として派遣された歓迎会。
場所は野営基地の片隅、時間帯は深夜。その席で最古参の老兵が私に言った言葉を思い出した。
「皆、団長の成長を見てきた。ワシらみたいな荒くれ者の部隊に団長が来たのは17の時だ……
ここの連中はな…みーんな…団長を自分の娘や孫のように思っているんじゃよ……」
としみじみと語った。その直後、いきなり巻き舌になり
「じゃから……可愛い孫娘の側に長耳なんざいらねぇんだよボケェ!手ぇ出す前にぶち殺してやる!」
と剣を抜き放ち襲いかかってきた。その眼は血走っており、もはや冷静さを失っている。
「ワシのアンナに手ぇ出すなああああっ!」
……さっきはリリー、ナオミ、テヴァーナ、ユリン、トゥリエットにリコ、それで今度はアンナか……
このバカ共は、何らかの事故やら流行病で亡くした自分の娘や孫娘の幻影を
キエルヴァに重ねているのだろう。やれやれ…………ちなみに「長耳」とはバカ共が「エルフ族」を指して使う用語だそうだ。
キエルヴァが皇女様に申請してまで私に助力を求めてきた理由は明白だ。
隠居中の私に軍師としてもう一度、軍扇をとって欲しい、助言を請いたい…この一言につきる。
既に第一線から退いていた私だが、司令部として大戦時に接収した古びた洋館の広間で
キエルヴァが示してくれた地図に眼を通した。
「帝国の領土が縮小された事を受け、それに乗じた盗賊団が徒党を組んで周囲の集落を
襲撃し略奪を繰り返しているようです。当初はすぐに鎮圧できると思っていたのですが、
敵が神出鬼没で効果的な対策がとれません。捕らえた盗賊に口を割らせたところ近頃
西部で殲滅した敗残兵が盗賊団に加わったそうでして……その数を合わせ、総勢500名はいるかと」
「ふむ……この部隊の半数程か……」
「はい…軍師殿、民達は国の基盤。その治安を守るのは我等が騎士の務め。どうか知恵をお貸し下さい」
確かにこの部隊には腕が立つようだが、知恵に秀でているものがいない。
この紅髪の女騎士も優秀だが、それは戦場における指揮官としてであって、軍師には不向きだ。
それも仕方がない、元は帝都周辺を警備していた部隊であり、前線の出ることは先の西部討伐戦が
初めてだったのだ。しかも、その時にはこの部隊に勇者軍の賢者と女神官戦士が配属され、軍師を務めていたはずだ。
確か名前は…グリエルドとアクスと言ったか……そのアクスという神官戦士は人間の女性で
キエルヴァに次いで人気があったようだ。一度その女性の下着が盗まれ、キエルヴァが激怒したらしいが
……いや、今は関係ない。私は余計な考えは排除して、キエルヴァに言った。
「この記録を見るにやつらの略奪行が兵の増加に比例して、その間隔が短くなっている。
兵の質はともかく……その口を満たす術は無く現地調達のようだな……この辺りから締め上げるか」
私は軍扇で地図を指した。
「神出鬼没とはいっても奴らも拠点があるはずだ。それは把握しているか?」
「はい。周辺住民から得た情報ではこのツァボ山の山頂にある遺跡に盗賊団が潜伏しているそうです。
しかし、ここを攻め落とす為にはこの山の斜面を登るしか方法はありません。
斜面は傾斜が高く木々が茂っており、さらには罠まで……
敵の反撃によってこちらに多くの死傷者が出るのは目に見えています」
「ふむ…賢明な判断だ」
そう、強引に攻めなかった事は賢明だ。重装備でこの斜面を登るなど自殺行為に等しい。
「ここは剣を使って攻める必要はない、使うのはここだ」
私は己の頭部を指し、言った。一瞬、きょとんとしたキエルヴァが
その意味を理解したのか、見る見る内に顔に血が上って、頬を紅潮させ言った。
「そっ、それは理解しています!ですから軍師殿をお呼びしたのではありませんか!」
「その通りだ。では、まず貴公の考える策を聞こう。条件は剣を使わずに盗賊団を壊滅させる方法だ」
しばらく、じーっと思案していたキエルヴァがボソッと呟いた。
「…………槍を使うとか?」
私は嘆息してヒントを出してやることにした。
「地図を見ろ、地形を考えるのだ。この地形、何か気付かないか?」
「地形と言われても……山は斜面しか……山…山…川…川?……あっ!」
「気付いたようだな?」
キエルヴァの顔が輝き、この策ならば!と私の方に振り向き言った。
「ありがとうございます、軍師殿!」
「私は軍師ではない。今は無官の徒だ。呼ぶときは名前で構わん」
「は……はっ!了解しました軍師殿!」
「だから軍師と呼ぶな」
「も、申し訳ありません!」
盗賊団の潜伏する山を攻略するには実に簡単であった。
奴らの潜むのは山頂であり、略奪行為によってその口を満たし、
そして山の麓に流れる川から水を得、その喉を潤していたのだ。
地元の領民によるとツァボ山には湧き水や石清水の類はなく、
水を得るためには麓の川まで降りるしかないとのこと。
ならば我々はその川を押さえるだけでよかった。
500もの口を満たす事は容易ではない。
しばらくは略奪した物品でしのげるであろうがそれも数日の間だ。
しだいに士気は下がるだろう。そこで私はもう一手を打つことにした。
「補給馬車をわざわざ敵に襲撃させるのですか?」
山の麓を包囲して2週間が過ぎた頃、私はキエルヴァに言った。
「そうだ。それも敵の眼に見えるように大規模な補給馬車の隊列をな」
「そのような事をすれば敵に塩を送るようなものです」
「ああ…むしろ襲って貰わなければ困るのだ」
「軍師―――――い、いえ、ヘスタトール殿、その…理由をお聞かせ願えますか?」
私はククッと笑って見せた。そうだまだ若干19歳の団長だ、経験の浅さが手に取るようにわかる。
徐々に顔が紅潮して、カッと噴火する。その後のやり取りは実に愉快だ。
だが、学習能力がないわけではない。教授した事は砂が水を吸収するように身につける。
近頃ではそれを応用する術を見せるようになった。
――良い逸材だ―――
私は素直にそう思った。いずれは女王陛下の剣として名を馳せる武将となるだろう。
「貴公は頭が固いな。生真面目なのは結構だが、それだけでは騎士団長は勤まらんぞ?」
コレにはカチンと来るだろうと思っていたが、キエルヴァは何とか押し止まったようだ。
そしてこちらが何を言わんとしているのか、やっと悟ったらしい。
「ヘ、ヘスタトール殿!それはわかっています!その馬車に兵を忍ばせ、決着をつけるのでしょう?」
「そうだ。包囲して2週間――――――頃合いだ。奴らもそれぐらいは察知しているだろうが
空腹でそれどころではない。包囲している輪の一部を緩ませ、そこに補給馬車を通すのだ」
「了解しました」
盗賊達は見事にこちらの策に嵌ってくれた。
空腹の為にろくな思考もできなくなっていたのであろう、隊列が通る街道の茂みから
怒濤の如く馬車の隊列に殺到した。
しかし、その荷台に積まれているのは補給物資ではなく、
てぐすねひいて待機していた完全武装の血騎士達。
盗賊達の歓声が悲鳴に変わり、完膚無きまでに叩き潰された。
かろうじて逃げ延びた者も今度は領民の鋤や鍬、斧に追い回される事になるだろう。
では、これで………と駐屯地を去ろうとした時に帝都から再び委任状が届いた。
それも数十枚も……内容はツァボ山頂にある遺跡の調査、野生化した生物兵器の討伐、
作物を食い荒らす妖精の捕獲に周辺集落の清掃活動、駐屯地を開放してのイベント等々……
面倒事が一気に送られてきたのだ。
しかも委任状のサインには……宰相・ヘスタプリン=マイステンの文字が……
それを震える手で持ち、私は呻いた。
「ヘスタプリンめ……」
「あ、あの…これでまたご一緒できますね…軍師殿」
とおずおずとキエルヴァが言った。
「……だから…私は軍師ではない!!」
続
>>325 同じく姫スレから流れてきました。
いつも名無しですが、たまには記名してみよう・・・姫スレ
>>358です。
戦乱が終わったら、なんか皆可愛いキャラになってる・・・!
キエルヴァのファンの兵士さんたち(でもお尻と胸ばっか見てるんですね)、
「剣でなければ・・・槍?」なキエルヴァさんとか、
軍師を辞したのに結局面倒見のいいヘスタトールお兄ちゃんとか、
お兄ちゃんに雑用を押し付けるフリして彼女との仲を取り持つ妹のプリンさんとか
かわいすぎる
これで続くのか、続きも楽しみです!!
同じく姫スレからきました。
キエルヴァさん主役の話キター!!!
待ってました。いつものことながら軍事知識がすごい、
そして脇キャラやふとした台詞にも味があってすごく良かった。
続きも楽しみです。
委任状の内容はもう、ゲーム化希望ってくらい読んでてwktkする。
規制解除されないなー
軍師と女騎士モノ
エロ無し
宰相の思惑によって私はこの駐屯地でしばらくの間、
キエルヴァの参謀として共に任務を遂行していく立場となった。
この駐屯地で過ごすうちにまず問題となったのはその食事だ。
もっと規模の大きな駐屯地なら別だが、このような小規模な駐屯地に食堂などない。
帝国軍の主食は7割がパンを締めているのだが困った事にパンは日持ちせず、貯蓄できない。
小麦粉を貯蓄してはいるものの、それをパンに仕上げ焼く設備が無いのだ。
しかもいくら物量が多い帝国軍でも天候などによって補給が滞る事もあり
基本的に駐屯地で取る食事は乾物や缶詰が中心だ。
穀物粥や乾燥豆を主食にメインディッシュの缶詰、デザートのドライフルーツ。
そして飲料は代用コーヒー、代用ココア、粉末ティーに傷んだビールのローテーション。
決まり切った味の連食は食傷になりかねないので兵士は単調な味の食事が
少しでも美味く食せるように、付近の集落や村から新鮮な野菜や肉、それに酒や調味料を購入し、
配給される糧食と一緒に調理して食べていた。
私は帝都に食堂の建設や糧食の改善を打診したのだが、予算の問題で却下された。
「失礼します。ヘスタトール殿、昼食をお持ちしました」
ある日、書類を処理していた私にキエルヴァが食事を持ってきた。
見るに野菜スープにビスケットそれにコーヒーだ。
「…………ああ、すまんな」
野菜スープには肉や刻んだ野菜が具として入っており、何より温かい。
缶詰は冷たいままだと非情に不味く、火に掛けなければとても食せるものではない。
スープを一口飲み私は舌鼓を打った。
「………美味いな」
確かに美味い。先日、食したトマトと一緒に煮こんだ豆とウィンナーの缶詰とは雲泥の差だ。
あんなものが二日も連続で出てきた日にはタバスコをふんだんに掛けて食したくもなる。
しかし、このスープ……野菜と肉の味が出ていて帝都の料理店では味わえない素朴な味だ。
「美味いな、何と言う料理なんだ?」
「な、名前なんてありません…領民から購入した野菜と自軍の塩抜きしたキャベツに
炙った干し肉を鍋で煮込んで胡椒を入れただけの糧食です」
「貴公は料理が得意なのか?」
「え……い、いえ…その多少…興味はありますが」
そして次に手にとったビスケット。ビスケットにしては大きいが…
「……………」
ガリガリバキバキ…という擬音がよく似合うビスケットだ。
「小麦粉に塩と水を混ぜて焼きしめたビスケットです。
パンもありますが…傷んでますので…ヘスタトール殿には…」
確かにパンの黴びた部分をナイフで削って食べるのにはどうしても慣れない。というより慣れたくはない。
「……煉瓦のような固さだな。貴公はこんなものを平気で食べているのか!?」
「いえ…干し肉を煮た時に出る油の膜にひたして食べたり、ミルクにひたして食べます」
「……………」
私は紅髪の騎士をジト目でじーっと見た。
「……………い、意外と…美味しいですよ?」
じー………
「……………」
気まずい沈黙の後キエルヴァがはっと気付いたように言った。
「あ、コーヒーをどうぞ」
「あ、ああ………………ぶはっ!!な、なんだコレは!?」
「えっ!?」
「塩辛い!!」
「え、えええっ!?」
キエルヴァはあわてて私のコーヒーを舌で舐めた。
「す、す、すいません!砂糖と塩を間違えて入れてしまいました!」
その日からキエルヴァは頻繁に手料理を作って私の元へ来ることが多くなった。
香辛料をふんだんに効かせ、贅をつくした帝都の料理とは違い、素朴な温かみを感じる料理だ。
材料が缶詰や乾物なのにここまで美味く調理できるのだから言葉とは裏腹に彼女の料理の腕は確かなものだ。
料理人に転職したら女王陛下の専属料理人になれるかもしれない。
私が彼女の手料理に舌鼓を打つたびに弾ける彼女の笑顔。
その笑顔に微かな愛しさと安らぎを覚えたのはその頃だった。
自身でも気付かぬ内にキエルヴァを意識しているのか、ついつい彼女の姿を眼で追ってしまう。
一度、彼女から報告を受けている時に、まじまじと顔を見すぎて「あの…私の顔に何かついてますか?」と言われた。
「いや…いくつか不明な点が」と咄嗟に誤魔化したが内心は冷や汗ものだった。
彼女の姿を見るたびに気付けばその姿を追っているのだ。
否定はしてみるものの彼女の燃えるような紅い髪に…その髪から覗く項に豊かな胸部に臀部
花弁のように可憐な唇に魅力を感じずにはいられない。
(まだ19の人間の娘だぞ……これではこの騎士団のバカ共と同じではないか!?)
そして委任状にあった遺跡の調査に行き、最深部に巣くっていた遺産を発見した。
が、その遺産は考古学者によると特に価値がないものらしくキエルヴァは落胆していた。
次に我が軍の生物兵器であった合成魔獣の討伐だ。これは私の立案した策で
合成魔獣を罠に掛け、騎士団総掛かりで討伐した。
幸いにも死者がでなかった事にキエルヴァは感激したらしく私に感謝していた。
そして作物を食い荒らす妖精の捕獲、これはキエルヴァが提案した策によって解決した。
周辺集落の清掃に、衛生指導、さらには駐屯地を開いてのイベント等と瞬く間に月日は過ぎ、
私がこの駐屯地を去る日が明日になった。
外は珍しく雨だった。
館で使用していた執務室を片づけ、私はキエルヴァの団長室を訪ねた。
軽くノックをするが返事はない。ドアノブに手を掛けると開いていた。
「…………」
私は静かにドアを開けた。部屋に入った私は別れを言おうと
振り向いた時、キエルヴァは私に背を向けていた。
「どうした?」
肩に手をかけようとしたとき、その肩が小さく震えていることに気がついた。
「…………お別れなのですね」
声で分かる。泣いている…。
「期限は明日だ……明日、帝都に戻る」
「……………はい、いままでありがとう…あ、ありがと…ござい…ました…」
私は引き継ぎの書類の束を机の上に置くと、キエルヴァの肩に手を掛けた。
「そんなふうに泣かれてしまっては……帰ることはできない」
「だ、だって……我慢しよう、我慢しようって…やっていますけど…わ、別れは悲しい……悲しいです」
「だったら・・・・泣き止むまでここにいる」
私はキエルヴァの肩に手を置き、言った。しきりにしゃくりあげる彼女はその手の温もりを
包むように己の手を重ね言った。
「すみません。もう少しだけ…こうして……こうしていて下さい」
「ああ……」
ふわりとキエルヴァの紅い髪の香りが私の鼻をくすぐった。
駐屯地に入るときには時が許す限り、沐浴で身を清潔に保っていた彼女だが
ここ2〜3日はそのような時間はなかったのだろう。
土と汗にまみれた女の匂いだ。しかし不思議と甘く感じた、これが女の香りというものなのだろうか。
「……ヘスタトール殿……私はあなたに好意を抱いています」
ふいにキエルヴァは呟いた。予期せぬ言葉だったが…私の胸は微かにときめいた。
安堵にも似た感覚に私は『肯定』の言葉を発しようとして言った。
「貴公の想いに私は――――」
「わ、わかっています。返答は…それでも…私は…軍師…いえ、ヘスタトール殿…あなたが…あなたが好きなのです」
……いや、だから私も。
「待ってくれ、私は言いたいのは――――――」
「いいんです!貴方の中に私はいない…それでもいいんです…こ、子供みたいな言い分で…その……あの…すみません」
ぐしぐしと手で両眼を拭うキエルヴァの仕草は年相応ものだ。私は黙ってハンカチを差し出した。
「涙を拭ってくれ……貴公は何か勘違いしている」
「え………?」
「意中にいない者の涙を見て帰途につくほど私は無神経ではない。貴公――――――いや
キエルヴァ……君は優秀な人材だ。私のような隠居の身の者よりも、もっと見合った相手がいる」
「そ…そんな方は…わ、私には…」
私は構わず続けた。
「――――――それでも私に想いを寄せてくれるのなら…私はそれに答えよう」
「え…えっ?」
キエルヴァは一瞬、きょとんとした顔になった。私は彼女が次の反応を見せる前に
「ヘ、ヘスタト――――――んんっ」
有無を言わせず、少し強引にキエルヴァを引き寄せた。
彼女に重なる唇、その唇は永遠の契りを交わすように深いものだった。
キエルヴァが眼を白黒させ、一瞬、唇を離した。
「ふ……ふはっ…ま、待って…ヘスタトール殿、待ってくだ――――――んんんっ」
再び、唇を塞ぐと、観念したのか彼女の瞳が閉じられ、強ばった身体から力が抜けていくのがわかった。
私はキエルヴァの背中に手を回すと、唇を離し囁くように言った。
「今、ここで君を抱きたい」
その言葉にキエルヴァはぽっと頬を染めたが、軽く私の胸を押し少女のような声で言った。
「……い、いや…」
「だったら…腕を振りほどいて欲しい」
「……そ、そんな…あ…ま、待って下さい…その…か、身体…ろくに洗えなくて…」
「全く問題はないな」
私は堂々と宣言した。
キエルヴァは困惑したように顔を赤らめた。
(え…いや…そんな堂々と言われても…あああ……でも
ここは私がリードしてすれば……で、でも初めてだしリードなんて…あ、でも軍師殿も
初めてだったりして…よし、ここは…)
「失礼ですがヘスタトール殿はお幾つですか?」
「139歳だ」
「……………」
(ああ、そうだったエルフ族って長寿なんだった。どうしよう…139年間も…その性交
してない殿方がいるはずは……で、でも確かエルフ族って…
皆、細身で…あまり体力がないって……軍師殿もダークエルフ族だし…そ、そうだ。)
「……ヘスタトール殿が…よ、よろしければ」
「…………ああ」
私は自信の上着に手を掛けた。ネクタイを解き、そして上半身のあらわにさせた
「はっ…へっ…?あ、あの…そのものすごい筋肉は…な、なにですか?」
「ん?いや、覇王軍を決起した時、皇女様を守れるように密かに鍛えていたのだ。
この駐屯地に来た時、君の部下達の歓迎会の時に披露したはずだが?」
「あ…へ…い、いや…あのちょっと待っ………」
私はキエルヴァの声を塞ぐように再び唇を重ねた。
続
待ってました! GJです!!
相変わらずキエルヴァが可愛すぎる!!!
やはり殿方をおとすには料理ですね! 食糧事情が悪い時ほど
地味に効く・・・。
今回はギャップ萌え?! ギャップ萌えの回ですか?!
ヘスタトールさんが139歳なのに鍛えたのは皇女様決起の時だなんて、
どれだけ皇女様好きなのよ?! と突っ込みかけましたが、きっとそれまでは
頭脳労働だけで済んでたのだろうなあ。
綺麗で良い文章だなぁ
エロなしをエロパロに投下するってどういうこと?
>>341 釣りかもしれんが… マジレスすると、
連載形式とかでエロまでの過程を書くから
今回の部分にエロは含まれませんって意味の注意書き
毎回読んでも、エロ部分が投下されてから遡っても、
スルーしてもよし
軍事知識とエロとキャラ描写だけでもすごいのに
料理の知識まであるとか、職人さん完璧超人過ぎる。
ベーコンと野菜のスープは手軽に出来る上に美味しくていいね。
って思ったけど、あとでポトフのことなんだと気付いた…
続きも楽しみです。がんばってください。
>>342 釣りって言うか、他所のスレのノリのままレスつける人がいるから
それについていけない人が拒否反応示してんじゃないのか
日本語でおk
てか、別にエロがなくても、この板で投下することに問題はないんだぜ
俺も個人的には、エロありを歓迎するけどね
エロパロだからもっともなのだが、エロ描写以外のニヤニヤしたり書き手の
思ってる世界観が知れる描写も良いものだ
>>346 俺はわからんね
特に今回は、投下後に3
>>341のクレームより前にレスつけたの、
>>340だけだったし
まあ、「このスレのノリ」に付いていけるよう、せいぜい頑張ってくれ
そう難しい文面ではないと思うが分からないか?
まあ
>>348を読む限り論点がずれてるな
>>344はエロ無し投下にではなく、付いた感想について言及してるんだろう
テンション高くはしゃいだ感想(恐らくお姫様スレのノリ)に引いちまう住人も居るのではないか?と言うこと
>>341もクレームとまではいかないだろう
>>344は
>>341の様な疑問が示された原因を説明しているだけに思う
だから喧嘩腰になる必要はない
非エロ自体は否定されてないね
普通にGJだし
それより痛い信者が問題だろ
姫スレから来ましたー!とかイラン
キャッキャ騒がしいレスは敬遠される
過剰馴れ合いに発展しそうな危機感もあるしな
ああ、
>>341の主張を擁護していたわけじゃないのね
そこを勘違いしていた模様。正直スマンかった
つーか、住人こんなにいたのかよw
俺には、2〜3人の人間のやり取りに見えるけどw
しかし姫スレの住人、そんな厨臭い連中だったっけ?
わりと静かなスレだったと記憶してるが
規制解除されたらなんか書く
あ、されてた。
じゃあなんか書いてくる。
>>354 だから、一人二人の奴が、引っ込みつかなくて、そういうことにしたがっているだけ
すまん姫スレ見てきたけど、昔と空気変わってたわ
言っちゃ悪いが、正直こっちに持ち込んで欲しくないノリ
腐女子臭い
>>355です。
それっぽいものをちょっと書きました。
今回はエロまでたどり着けませんでしたので、その辺は次回と言うことでお許しください。
なお、エロまでたどり着いてもスーパー百合ん百合んタイムであることを先にお詫びしておきます。
タイトルは「神か悪魔の贈り物」です。
トリップもつけておきますので、NG入れる場合はどちらかでお願いします。
この世には『贈り物』と呼ばれているものがあります。
つまり、人に生まれつき備わっている、天賦の才ってやつです。
程度の違いこそあれ、それは誰にでもあるものです。
例えば、足が速い。
例えば、物覚えが良い。
例えば、手先が器用。
商才。文才。楽才。
心が広い、なんていうのも、一つの才能ですね。
しかし極稀に、この『贈り物』を神様、あるいは悪魔から、過剰に頂いて生まれてくる人間がいます。
彼らは、生まれつき体の一部に「刻印」と呼ばれる複雑な文様を描く特殊なアザを持ち、
<刻印の子>などとと呼ばれています。
彼らが受け取った『贈り物』、それは異能の力です。
すさまじい怪力、どこまでも見通す目、自然や人の心を操るといった、所謂「魔法」……。
これは、そんなこの世に数十人しかいない<刻印の子>達と、その周囲の人たちのお話です。
【第一章】 少女騎士イーシャ、刻印に触れ愛を得るのこと
第一話
トゥアール王国は大陸の中央に位置する小さな国。
三つの大きな街道が交差し、大小幾筋もの川が走る交通の要所にあり、国土は小さいながらも
古くから栄えてきた、交易の国です。
しかしここ近年は、西の新興国家アトイリア教導帝国、東のクォルツ・イーラー連合王国、
この二大勢力に挟まれ、両者の覇権争いをのらりくらりとかわしながらなんとか中立を保っている、という
不安定な情勢が続いておりました。
王太子ご夫妻に待望の男子がお生まれあそばされたのは、そんな折でございます。
王国の将来に対するそこはかとない閉塞感を払拭するこの明るい知らせを、トゥアールは国を上げて寿ぎました。
ルーオレイス・イオーティアと名付けられたその王孫殿下はしかも、刻印を両の手の平に一つずつ、
合わせて二つも持っておられました。
これは大変なことなのです。
数少ない<刻印の子>の中でも、複数刻まれた者はさらに稀で、
今の所知られている限りでは全部で九人しかいません。
ルーオレイス殿下は、その十人目ということになります。
能力によっては、東西の大国に対しての大きな牽制になり得ます。
大きな慶びに包まれる中、古い王家にありがちな出生にまつわる一通りの儀式を済ませ、
さあではこれらの刻印は一体どのような力を司っているのかと、刻印ごとに違うその能力を鑑定する
刻印鑑定官が早速召喚されました。
この世界では、そんな技術も確立されているのです。
認定機関が北方トルキラ砂漠の中立地帯にある、国際資格です。
ちなみにその鑑定官、<刻印の子>出生時には勿論必要ですが、それは本当にとても稀なことですので、
普段は主に<刻印の子>による犯罪や、<刻印の子>を騙った詐欺事件の捜査等で活躍します。
それだって、そう多くは無いんですけどね。
そんなわけで需要も供給も少ないですし、鑑定官のほとんどは捜査権を持つ騎士や兵士の兼任です。
鑑定官資格があると仕官に多少有利だよ、みたいな。
今回召喚されたその女性鑑定官、イーシャ・ゴウト・シトリン女史も、普段は王都を守護する騎士であります。
栗色の髪を耳の辺りで切り揃え、目付き鋭く、まだ幼さの残る顔立ちながら凛とした雰囲気のある彼女、
刻印鑑定官として王孫殿下に直接触れるということで、今日は普段の騎士団お仕着せの軽量鎧姿ではなく、
透けるような紗(うすぎぬ)を何枚も重ね合わせた儀礼用の衣服を身に付け、寸鉄も帯びていないにもかかわらず、
どこか威厳を感じます。
それもそのはず、イーシャさんは十四歳と言う若さながら上級騎士に序せられており、
王都守護隊副隊長を務め、純粋に戦士としても超一流、さらに一級刻印鑑定官の資格を持っているという、
巷でも有名な天才少女なのです。
トゥアール王国正騎士団上級騎士、王都守護隊副隊長兼一級刻印鑑定官。
トゥアール王国正騎士団上級騎士、王都守護隊副隊長兼一級刻印鑑定官。
長い肩書きなので二度言いました。
別名、王都の鬼娘。
刻印など無くとも才能に恵まれた者はいる、という良い例ですね。
もちろんそこには、並々ならぬ努力もあるのでしょうが。
広い王宮の奥に進み、王族の私室へと通じる廊下へたどり着くと、その入り口を二人の衛士が守っておりました。
ところで、イーシャさんが今日のような女性らしい衣装を身に纏っている姿など、
特別に親しい数人を除いて、今まで誰一人として見たことがありませんでした。
ですから、その衛士達の対応も、致し方ないものだったのです。
「失礼ですが、お嬢様。ここから先は王太子殿下とそのご家族がお住まいの宮。許可の無い方はお通しできかねます」
「お嬢様、お連れの侍女とはぐれられましたか? よろしければ誰かに王宮を案内させましょう」
二人は膝をつき、頭を垂れて礼をしながら制止しました。
多分、どこかの貴族のお嬢様が道に迷って来たのだと思ったのでしょう。
「許可は頂いております。こちらが允許証です。ご確認を。
それと、ハイダリ殿、ミギュイ殿、その話し方は何かの冗談なのですか?」
二人の衛士、ハイダリさんとミギュイさんは怪訝な顔で「なぜ我々のことを知っているのだろう?」と
通行許可証である木札を差し出すその「お嬢様」を見上げました。
見上げて、どこかでお会いしたことがあるような気がして、そしてやっとミギュイさんが気が付きました。
「こっ、これはシトリン殿!」
「えっ!? あっ!!」
二人ともあわてて直立不動です。
「そ、そういえば今日はシトリン殿が鑑定士として来るとは聞いていたのですが、
まさかシトリン殿がシトリン殿とは気が付かず失礼いたしました!」
ハイダリさん、言ってる意味が分かりませんよ。
「いっ、いんとこっ、ちょ、に、もんにゃいにゃりゃりゃ…………。えー……んんっ!
允許証に、問題は、ありません。どうぞ、お通りください」
ミギュイさんは噛みまくりですね。
どちらも慌てすぎです。
「二人とも、どうかしたのですか?」
「いえ、何でもありません。ちょっと驚いただけです」
「そうなのですか? しかしあなた達は誉れ高き王宮衛士なのですから、もっとしっかりしてもらわねば困ります」
「はっ! 肝に銘じます!」
イーシャさんが行ってしまうと、二人とも顔を見合わせました。
「…………おいミギュイよ」
「なんだハイダリ」
「王都の鬼娘って、あんな美少女だったっけか」
「俺も今知ったよ。いや、前から凛々しいとは思っていたが……。
今日のあの格好は割と反則だよな。びっくりして噛んじまったよ」
「俺、王都守護隊への転属を願い出ようかな」
「そんな不順な動機が通るわけ無いだろ」
「じゃあ、王宮衛士隊から王都守護隊への合同訓練申し込みを申請しよう!
そして俺が手取り足取り武術指導して差し上げるのだ! ふへへ」
「…………お前さ、そんな性根でよく王宮衛士になれたよな。あと、武術指導『して頂く』の間違いだ」
「え、何、あの子そんなに強いの? そりゃ話には聞いたことあるけど、でも俺だってかなり強いよ?」
「以前、王都守護隊の訓練を見たことがある。武器持った十数人相手に素手で立ち回ってたよ。
しかも一人一人の欠点を指摘しながらだ。そしてその後全員のされてた。隊長も含めてな」
「…………本当?」
「本当」
「…………」
「…………」
「年下の美少女にのされるってのも、それはそれでいいかもしれん」
「お前もう黙ってろよ」
「イーシャ・ゴウト・シトリン、参りました」
そう言上し、呼び出された王宮の一室に入ると、既に皆様お待ちでございました。
別にイーシャさんが遅くなったわけではありません。逸る皆様が早く集まりすぎなのです。
なお、今回この鑑定にお集まりの皆様は、畏れ多くも両陛下、王太子セイヴィア殿下と王太子妃オルテイリア殿下、
王弟であるドゥカーノ公夫妻、そのご息女ドュリエス公女殿下といった王族の中でも発言権の強い方々、
その他に、信任の厚い数名の有力貴族や大臣達、それから皆様のお付の侍従や侍女達、
全部で二十数名といったところです。
「うむ、ご苦労。ああ、細かい挨拶は結構だ。さっそく始めてくれたまえ」
「は。それでは失礼いたします」
ルーオレイス殿下の大叔父にあたるドゥカーノ公にうながされ、イーシャさんは寝台の上でおとなしく眠る
愛らしいルーオレイス王孫殿下、王国の希望の光の傍らに跪き、まずは左手を恭しく取りました。
しばらくかけて刻印の形を確かめ、それから自分の右手首に嵌めていた腕輪を外して言いました。
「これは、未発動の刻印の力を一時的に引き出す宝具にございます」
報告例が少ないので正確な所は分かっていませんが、刻印の力は
生後数週間、少なくとも十日程は発動しないようです。
どういう理屈かはわかりませんが、まあ、攻撃的な力の刻印が胎内で
発動してしまったら、母体が大変なことになってしまいますもんね。
ちなみにこの腕輪、先述のトルキラ砂漠中立地帯で作られています。
その腕輪をルーオレイス殿下の左腕に通し、それからイーシャさんは自らの右人差し指を
ギリと強く噛み、傷を付けると、
「ご無礼仕ります」
と一言申し上げ、傷付いた指でルーオレイス殿下の左手の刻印に触れ、そして厳かに告げました。
「『癒し』の御印とお見受けいたします」
確かに、イーシャさんの指の傷は、何事も無かったかのように塞がっています。
おお! と集まったやんごとない方々は喜びにどよめきました。『癒し』なんて聞こえが良いし、
やがて一国を導く者として民衆の心を掌握するには申し分ない能力ですものね。
さて、続いてもう一方です。
イーシャさんは同じ様にルーオレイス殿下の右手を取り、刻印を確認します。
が、今度は少し時間が掛かっています。
どうやら初めて見る刻印だったようですね。
しかし、どの刻印も幾つかの文様の組み合わせで構成されていますので、
それを読み解くことが出来れば、司る力を特定できます。
と、イーシャさんは急に、信じられない、とでも言うような、険しい表情になりました。
一体どうしたのか?
危険な能力なのか?
だが、それならそれで、諸外国に対する切り札になるかもしれない。
この場にいる国の重鎮達は、様々な思いをめぐらせます。
やがて彼女は意を決したようにフッと息を吐くと、殿下の右手に例の腕輪を掛け、そして恐る恐る、
本当に恐る恐るといった感じで刻印に指を伸ばし、ちょん、と触れました。
「んぅ……っ!」
その途端、小さく喘ぎ声を上げました。
顔が、みるみるうちに赤く染まっていきます。
やはり人を害する類の能力なのでしょうか?
全員が固唾を飲んで見守る中、彼女は
「た……大変申し上げ難いのですが……」
と前置きした上で告げました。
「『催淫』の御印とお見受けいたします」
――――全員、固まりました。
「……すまない、聞き間違えたかもしれない。もう一度言ってくれないか」
皆さんを代表して、ルーオレイス殿下の父君たるセイヴィア王太子殿下が尋ねます。
「はっ。『催淫』の御印にございます、殿下」
「さ、『催淫』……まことか? 何かの間違いではないのか?」
「刻印の文様を読み解いた結果、そのような結論に至りました。
また……その……刻印に触れた私の体にも、そ、そのような効果が、表れております故……」
「そ、そうか……。意外と平気そうに見えるが」
「少し触れただけですので、何とか堪えることが出来ております」
さすがイーシャさん、上級騎士として、武術だけでなく精神力も鍛えてありますものね。
しかし、刻印鑑定官としては場数を踏んでいるわけではないのが災いしました。
まあ場数を踏む機会自体が少ないんですが。
あと、相手が生まれたばかりの赤ん坊だったため油断した、というのもあるのでしょう。
イーシャさんはとっとと腕輪を外すか、ルーオレイス殿下から離れるべきだったのです。
とにかく、その時何が起きたかというと、目を覚ましたルーオレイス殿下が、幼子の本能に従って、
目の前にある物、つまりイーシャさんの指を掴んだのです。
――右手で。
「きゃあっ!!」
王都の鬼娘たる普段の彼女を知るものには到底信じられないような素敵な悲鳴を上げ、
王族達の前であるにもかかわらず、イーシャさんはその場にへたり込んでしまいました。
ルーオレイス殿下の『催淫』の力が突然一気に流れ込んできてしまったのだから、
いかにイーシャさんが鍛えていると言っても、とても堪えられるものではなかったのです。
そもそも真面目一辺倒で生きてきた副隊長殿は、この手の刺激には全く慣れていなかったですしね。
「んんぅー…………っ! ふぅーー…………ふぅーー…………うっうぅぅぅぅ…………っ!」
涙目になって、口の端から涎を一筋垂らしながら、自分の両腕を指が白くなるほど抱きしめ、
歯を食いしばって身を貫く衝動を押さえ込もうとするイーシャさん。
元々整った顔立ちなだけに、息も絶え絶えにふるふると震えるそんな彼女はひどく艶かしく、
その場の誰もが動くことも忘れ、生唾を飲み込んで見入ってしまっています。
「ふはぁー…………ふはぁー…………もっ申し訳っ、ありっ、ありまっ…………ふぅぅぅ…………っ!
ごぶっごっご無礼をっおっおおっお許しをっ…………おぉぉぉぉぉっ…………!」
「皆様、何をぼさっと突っ立てらっしゃいますの!?」
そこへ人々の間から飛び出してきたのは、淡い緑の衣装に身を包んだ、ふわふわとした金髪の清楚な少女。
王弟であるドゥカーノ公の一の姫、御歳十六になられる、
ドュリエス・テアティ・ユオリノ・リーヴァー・ドゥカーノ公女殿下でございました。
この、日頃慈愛の微笑みをたたえるトゥアール王室の麗しの女神は、
今は心配そうに顔を曇らせ、イーシャさんに駆け寄ると、支えるようにそっとその肩に手を添えます。
「あなた、大丈夫?」
「うあぁ…………あっ…………こ、公女殿下ぁっ…………わ、私など、に…………
おっ、恐れ多い、ことで…………ござっ…………うぅっ…………っ」
「何を言っているの。そんなこと言っている場合ではないでしょう。
とりあえずこの子から腕輪を外しますわ。このまま外してしまってよろしくて?」
「はぁっ…………はい…………お願い、い、いたします…………ああ…………っ」
公女殿下はルーオレイス殿下から腕輪を外すと、それを控えていた自分の侍女である
明るい茶色のおさげ髪の少女に持たせ、何事か耳打ちなさいました。
「さあ、立てまして?」
「は、はい…………も、申し訳っ、あ、ありませ、んっ…………きゃふ…………っ」
公女殿下は肩を貸してイーシャさんを立たせます。
「皆様方、刻印の力は判明致しました。神の恵みたる、ルーオレイス殿下の素晴らしき力を寿ぎましょう。
それでは、わたくしは鑑定官殿と共に失礼させていただきます。後のことは、聡明なる皆様方にお任せいたしますわ。
如何に陛下の姪とは言え、公女如きが政策に口を挟むなど、おこがましいですものね。
両陛下、セイヴィアお兄様、オルテイリアお義姉様、お父様、お母様、ならびに皆様、
小娘の出すぎた発言、平にご容赦を。
さあ鑑定官殿、わたくしの部屋までご案内差し上げましょう」
そう一気にまくし立てて、イーシャさんを寄り添わせるようにして退出なされたのでした。
続く。
続きは次のお休みの日にでも。
お目汚し失礼いたしました。
gj
gjですわー
他人の賞賛レスの書き方にまで、いちいちケチをつける自称"このスレの住人"たちのせいで、
gjしか書けなくなったねw
せっかくの投下が
>>372のせいで台無しだな
大方、自分のレスにケチつけられたと被害妄想してる腐ご本人なんだろうが・・・
荒らし目的の腐をここのスレ住人だとは思いたくない
で、お前の言う、姫スレのノリを持ち込んだ腐っぽい書き込みってのは、このスレでは具体的にどれのことなんだ?
ためしに"姫"で抽出してみたら、「姫スレから来ましたー」的な書き込みは確かに数件あるが、そりゃ、2chにおいて
(ここは今は2chじゃないとか、細かいことはともかく)、他スレや他板から誘導されてきた時の、ごく普通の挨拶句みたいなもんだろ
別に書く必要もない挨拶だが、書いたからといって、それに目くじら立てるようなやつは、お前くらいなもんだ
その挨拶句以外に、それらの書き込みに、エロパロ板の感想レスとして、何か不適切な部分があったか?
お前が排除したがってる、このスレの雰囲気に合わない他スレのノリってのは、どれのことだよ
(このやり取りがそうだと言うなら、そりゃ確かにそうだがw、それ以前のレス番で)
まさか、「○○スレから来ました」って言葉"だけ"が気に入らなくて、そんなこと言ってるのか?
あんまり見ない昔話風の語り口だけどこういうのも良いね
話も面白そうだし期待しています
さぁて、ゆりゆりんにしてもらおうかw
「神か悪魔の贈り物」第一章第二話です。
今回はちょい百合です。
NGワードはタイトルかトリップでよろしくです。
第二話
公女殿下にもたれかかるようにして、イーシャさんは王宮の広い廊下を進みます。
先程の愉快な二人組、ハイダリさんとミギュイさんのみならず、時折すれ違う他の衛士達にも
当然イーシャさんの顔は知れ渡っていて、この紗を纏った、妙に色っぽい、様子のおかしい美少女が、
あの鬼の副隊長だと気づいた人もいましたが、王宮に詰めるだけあってそこは心得たもの、
気が付かない振りで膝を折り、『公女殿下とそのお連れの方』をお通しします。
まあ相手が相手だけに、下手に触れても大怪我しそうですしね。色々と。
あと、跪いたまましばらく立ち上がれない若い衛士も少なからずいましたが、
今のイーシャさんの姿を見てしまっては仕方がありませんね。大目に見てあげましょう。
「おい、ミギュイ、いつまで膝を着いている気だ」
「お、お前もなハイダリ! ……しかし、シトリン殿……いったいどうしたんだ? 大事でなければよいが……」
「ああ、イーシャちゃん、色っぽかったなぁ……今夜はお世話になります」
「クズは黙ってろ」
当のイーシャさんはそれどころではありません。
紗は汗で肌に張り付き、引き締まった体の線が浮き上がってしまっています。
歯を食いしばって必死に衝動を押さえ込んではいますが、全身が敏感になっていて、
張り付いた生地に肌を擦られるだけで、たまらない快楽が身を苛むのです。
特に、紗の上からでも形がくっきりと分かる程、はちきれんばかりに勃起した乳首は、
一歩進む度、彼女を軽い絶頂へと導きます。
しかし、無理矢理発情させられた体はそんな中途半端な達し方では満足せず、
より深い快楽を求め、さらにもどかしさを増していくのでした。
「ふうーー…………ふうーー…………ふぐっ…………ううっんうぅーーっ!」
すでに目の焦点は合っておらず、とめどなく流れ出す涙や涎は顎を伝って胸元を濡らしています。
腰が自然にカクカクと揺れ、足の間から溢れ出たはしたない滴りは、太腿から膝、ふくらはぎを通って、
床に点々と淫らな染みを付けていきます。
公女殿下は通りがかりの侍女を呼び止め、数人で手分けして
その染みが乾いてしまわないうちに綺麗に拭き取るよう命じました。
それがまた、真面目なイーシャさんには非常に恥ずかしく、
なのにその羞恥が、彼女の体の昏い焔にさらに油を注ぐのです。
殿下の私室までの数分間は、イーシャさんにとっては数時間にも感じられました。
なんとか堪えられたのは、ひとえに彼女の強い自制心のおかげです。
普通の女性なら、人目も憚らず狂ったように自らを慰めていたことでしょう。
「お帰りなさいませドュリエス様。あら、そちらのお方は? お加減がすぐれないご様子ですが」
お部屋に到着すると、公女殿下お付きの侍女三人が出迎えました。
「ええ。わたくしの寝台で横にして差し上げて」
「かしこまりました。さ、こちらへ」
イーシャさんは二人の侍女に支えられ、部屋の奥へ通されます。
公女殿下は、残ったもう一人の侍女、十七、八歳位の、青味がかった灰色の髪を結い上げた少女に手伝わせ、
堅苦しい礼装からゆったりとした部屋着に着替えます。
「ドュリエス様、アキは一緒ではなかったのですか? あの子ってば、また勝手に
ドュリエス様のお側を離れて……。後でたっぷりお仕置きしないといけませんわね」
「ああ、違うのよ。あの子はわたくしの代わりに置いてきたの。お偉いさん達の出した結論を
聞いて来てもらうためにね。どうせお父様もお母様も、重要なことはわたくしに教えて下さらないんだから」
アキ、と言うのは、どうやら先程腕輪を持たせた明るい茶髪おさげの侍女のことのようです。
「左様でございましたか……」
灰髪の侍女さんは、何故だかちょっと残念そうな顔をしてます。
「ところでドュリエス様、あのお方、もしかして王都守護隊のシトリン副隊長ではございませんか?」
「そうよ。ナオミ、知っているの?」
「もちろんですわ。王都では有名な方ですもの。侍女達の間でも、かなり人気がお有りなんですよ」
「分かるわ。凛々しくて可愛らしい方ですものね」
「今回シトリン様は刻印鑑定官として召喚されたと聞き及んでおりますが……一体何があったのですか?」
その侍女、ナオミさんに、公女殿下は一連の出来事をご説明なさいます。
「ま、まあ……。ルーオレイス殿下に、そのようなお力が……。それで、あのような……」
ちらっと、お部屋の奥に目を遣るナオミさん。
そちらからは、先程からイーシャさんのあられもない喘ぎ声が聞こえてきます。
「お可哀相に……」
ナオミさんは同情するように言いました。
が、その顔はどう見ても心配する人のそれではありません。
まるで、獲物を前に舌なめずりする猫のような――。
一方の公女殿下は、天使のような微笑みを浮かべています。
「さあ、終わりましたわドュリエス様」
「そう。ではわたくし達も彼女を介抱しにまいりましょう」
公女殿下の、六、七人は一緒に寝られそうな、広い天蓋付きの寝台。
そこに横たわる所までが、イーシャさんの限界でした。
そばにいるのが四人の女性のみ、しかも目の前にいるのはその内の二人だけなので
気が緩んでしまったのかもしれません。
とうとう彼女は、自らを慰め始めてしまいました。
「んーーっ! くぅぅ……ふはっ……あっ、あっ、ああっ!」
左手で寝台の敷き布を掴み、右手で、まだ幼い女の部分をまさぐります。
突然始まった彼女の痴態に、侍女二人は驚き、思わず凝視してしまいます。
「いやぁっ! みっ、見ないでっ! 見ないでぇっ! あっ、あっ、ふあぁっ!」
しかし、何度も言うようですが、イーシャさんは生まれてから十四年間、ずっと生真面目に生きて来たのです。
思春期を迎えて体が疼くことがあっても、自慰などせず、武術の稽古で発散してきたような人なのです。
そんな彼女ですから指の動きはとても拙く、いかに強制的に欲情させられていようとも
その体が満足出来るほどの深い絶頂に自らを導くことなど、出来ようはずもありません。
浅い絶頂を何度も何度も繰り返し、次第に上り詰めたままの感覚が続くようになっても、
あともう一息と言う高みになかなかたどり着けず、まるで寸前までの焦らし責めを
延々と受け続けているような状態です。
「ふうぅ……ふーー……うあぁ……もうやぁ……もうやだぁ……ひうぅっ! ふあああ……っ!」
もう、気が狂いそうでした。
と、そこへ、着替えを終えられた公女殿下が、ナオミさんを伴ってお見えになりました。
イーシャさんの様子を興味深げに眺めている二人の侍女に、ナオミさんが指示を出します。
「シーリオ、お水を汲んで来てちょうだい。クロエ、あなたはお風呂の準備をしておいて」
肩までの銀髪の、シーリオと呼ばれた少し気の弱そうな侍女は
「はっ、はいっ」
と慌てたように返事をして、とてとてと寝室の外へと走り去ります。
もう一人の侍女クロエさんも、黙って頷くと、腰まで伸びた烏の濡れ羽色を翻して
シーリオさんの後に続いて出て行きます。
二人を見送ると、ナオミさんは結い上げた髪をほどきます。
背中までの青灰色の髪が、ふわりと流れ落ちました。
一方公女殿下は、寝台で苦しそうに喘ぐイーシャさんの隣に横になりました。
「んああっ、あっ、でっ殿下……っ! み、見ないで下さい……っ!」
「まあ、今更ですわよ。わたくしの寝台をこんなに濡らして」
「ふあぁ、も、申し訳ありません……くふぅ……っ!」
「ふふふ、気にする必要はありませんわ。それよりシトリン様、ご自分で飛べずにお辛いのでしょう?
わたくしがお手伝いして差し上げましてよ」
公女殿下はそう言って、イーシャさんの右耳に舌を這わせ、右手の指の爪で首筋をなぞりました。
「ふっ、ひ……っ!」
そして胸、お腹、さらにその下へと、指をゆっくり進めて行きます。
が、イーシャさんの足は自分の右手と紗を挟み込んだまま、ぴったりと閉じられてしまっています。
「ふふ、怖がることはありませんわ。さあ、わたくしに身を任せて、足を開いて下さいませ」
しかしイーシャさんは弱々しくと首を振るばかりで、いっこうに足を開く気配はありません。
「……仕方ありませんわねぇ。ナオミ」
公女殿下に促されたナオミさんは寝台の上に乗り、イーシャさんの両膝を掴んでぐぐっと開きました。
そして閉じられないよう、その間に腰を下ろします。
「ああ……いやぁ……」
普段なら、ナオミさんではイーシャさんの力には敵わなかったでしょうが、
今のイーシャさんはほとんど力が入らず、抵抗は不可能でした。
公女殿下は、まだぎこちなくもはしたない動きを続けるイーシャさんの右手をそっと外し、
代わりに自らの右手をその部分に押し当てます。
そして人差し指と薬指で紗の上から両端をくっと押し込むと、中指で巧みに愛撫なさいました。
「ああーーっ! ひあーーっ!」
自分でするのとは桁違いの刺激に、イーシャさんは叫ぶように喘ぎます。
「あらあら、おさねがこんなに膨れ上がってますわ。ここが良いのね? いつもここでするの?」
「ふひぃぃっ! しまっ、しませんっ! しないのぉっ! ふあぁっ! ああっ! はっ初めてなんですぅっ!」
「まあ、見た目に違わず純情なのね。初めてがわたくしでよろしいのかしら? やはりご自分でなさる?」
ぴたっと動きを止め、指を離す公女殿下。
「ああっ、やあぁっ……やめないでっ……やめないでください……っ!」
イーシャさんの腰は無意識に突き上がり、はしたなく公女殿下の指を追いかけます。
「わたくしでいいのね?」
「はいぃ……で、殿下がっ、殿下がいいですぅ!」
「まあ、嬉しいわ。それでは遠慮なく乱れさせて差し上げますわね」
再び中指でそこを苛め始める公女殿下。
こしこしこしこし…………と激しく擦り上げ、自己主張する敏感な突起に容赦ない責めを加えます。
「ああーっ! あひいっ! こ、これ、これすごいですぅっ! やあっ! も、もお、がっ我慢できないですぅっ!」
「我慢しなくてよろしいのよ」
「んーーっ! あっ、ああっ、変になりますっ! 変になっちゃいますっ! 殿下ぁ……こ、怖い……っ!」
「変になっても大丈夫ですわ、わたくしが側にいてあげますからね」
公女殿下は空いてる左手でイーシャさんの頭をそっと抱き寄せます。
「ああっ……殿下ぁっ……殿下ぁっ! あっ、ふああっ、ああああああああーーーっ!!」
イーシャさんは一際大きな喘ぎ声を上げると、公女殿下にぎゅっと抱き着き、足指を丸め、
膝をぴんと伸ばして、がくがくと身を震わせました。
淫らなお潮がぷしゃっと噴き出し、紗を通り越して公女殿下の右手を濡らします。
そして、くたぁ……と力が抜けていきました。
どうやら、待ち望んでいた絶頂が訪れたようですね。
「はーー…………はーー…………はーー…………」
「どうかしら、刻印の力はもう消えて?」
「は……はい……どうやら、そのようです……。お、おかげさまで……」
「それは重畳ね。それで、初めての愛の営みはどうだったかしら? 満足出来て?」
「あ、そ、それは、その…………はい」
その問いに、恥ずかしそうに目を背けつつも、こくんと小さく頷くイーシャさん。
「ふふふ、良いわ、あなた。とっても可愛いわ」
公女殿下はイーシャさんのこめかみ辺りに軽く口づけます。
「……で、殿下……あの……んむうっ!?」
何か言いかけたイーシャさんの唇を、公女殿下はご自分の唇でふさぎ、さえぎりました。
「んっ……んう……」
初めのうちはただ軽く唇同士を重ね合わせ、次第にゆっくりと擦り合わせ、
それから唇で唇をめくるように広げると、そのまま強く押し付け、内側の粘膜も優しく味わいます。
その動きに、イーシャさんは背筋に先程の激しい快楽とはまた違った甘い疼痛を、
それから胸の奥にちくりと、小さく温かい針が刺さったような痛みを感じるのでした。
公女殿下が唇を離すと、舌を入れていないにもかかわらず、唾液の糸が細く一本、二人を繋ぎました。
「ふぅ……。ふふふ、わたくしのことは名前で呼んで頂戴。親しい者は、皆そうするわ」
「ドュ……ドュリエス……様……?」
「うふふ、そうよ」
「あの、そっ、それでは……私のことも、どうかイーシャとお呼び下さい……」
「分かったわ、イーシャ」
「ドュリエス様……」
「イーシャ……」
「ドュリエス様……」
見つめ合ったままお互いを呼び、くすくすと笑い合う二人。
イーシャさんの顔は、すっかり恋する乙女のそれになっています。もうドュリエス様に完落ちですね。
しかし、いくら初めて愛の手ほどきを受けたとは言え、無理矢理発情させられた状態での相手、
しかも同性に惚れてしまうなんて、この少女騎士さんはどれだけ免疫が無いんですかね。ああ、皆無でしたね。
悪い男に騙される前にドュリエス様に篭絡されてしまって、むしろ良かったのかもしれません……多分。
続く
今回は以上です。
お目汚し失礼しました。
ゆりにゆーりですね判ります。
GJです!
世界観もキャラもいいけど、何より語り手の独特の視点がいい。
この語り手の正体もいずれ明らかになるのだろうか…
女騎士と軍師
エロ本番
「か、歓迎会?そのような会は開いては――――――」
「ああ、そうだ……副題を付けるなら『団長に手を出すな!』か『長耳はぶっ殺す!』か…
実に血の気の多い歓迎会だったな。もっとも開会は深夜だったし、閉会も早かったが」
キエルヴァはそれを聞いて少しの間思案するような仕草をし、ハッと息を呑んだ。
「悟ったようだな?」
「あ…あの……そ、その…」
(えええっ!?あ、あの8人……酒によって喧嘩したって報告書が上がっていたけど
……まさか軍師殿を私刑にするために……それで返り討ちに……で、でも
騎士団の中でも剣や格闘術に長けている古参の団員を1人で倒すなんて…あわわわ)
紅髪の騎士様と軍師様
「ん……んちゅ…は」
私はこれで何度目だろうか…唇を離すとキエルヴァの尻に手を当てた。
部屋着のズボンの上からでもキエルヴァの肉付きの良い尻は
きゅっと上を向いて形よく締まり、悩ましい逆さのハートを描いている。
「は…ん……」
キエルヴァが一瞬、眼を閉じ、その唇から陶酔するような声がこぼれた。
私はそのままズボンに手を入れ、尻を鷲掴みにした。
下着越しに柔らかな肉が指からこぼれそうになる
「……キエルヴァ…脱がせても…」
「ん…あ…じ、自分で――――――あっきゃっ!?」
私はキエルヴァの返事を待たず、彼女のベルトの金具を外し、膝元まで落とした。
あらわになるキエルヴァの下着。
「あ…や、や…です…ヘスタトール殿…はっ…んんんっ」
私はキエルヴァの股間を指でなぞった。驚くほど湿り気を帯びている下着。
その中心に指を立てると、ぐにゅっという感覚と共に指が沈んだ。
「もう濡れているな…感じやすい体質なのか?」
「そ…そんな…ことは…あっ」
私はキエルヴァの下着の両端を持ち、一気に太腿まで引き落とした。
股間の秘唇と下着が糸で結ばれ、下着の食い込みに押さえつけられていた尻肉が
ぷるっと弾みを付け、あらわになった。私はその白い肌に手のひらを重ね、
そしてゆっくりと表面の感触を楽しみながら全体に滑らせた。
ふにふにした感触を手で包み、下から上へ尻肉を持ち上げるように揉みしだく。
「ふっ…うう…」
ぞくぞくとした感覚が彼女の背を登っていくのがわかった。
つきたての餅のように柔らかい肉厚の尻はいつまでも揉みほぐしていたくなる。
「キエルヴァ……」
「は…あ…あ…い、いや…」
尻の谷間から僅かに秘部に指をずらすとキエルヴァは再び悩ましげな声をあげた。
「キエルヴァ…上着を」
「は…はい…んっ」
尻肉を堪能しつつ、願い出るとキエルヴァは時折、甘い声を上げながら
シャツのボタンを外し、胸元を広げた。日に焼けていない白い肌と下着に覆われた
乳房があらわになった。その下着を外すと形の良い乳房がぷるんとこぼれ
淫靡に揺れた。騎士団の連中が神の御印と崇める乳房が眼前にさらされその
雪のように白い双乳に魅入ってしまう。
「ん…ちゅ…声…は、恥ずかしい…ん…です…そ、そんなに見ないで…
あっ…くださ…ヘ、ヘスタトール…殿」
キエルヴァの桜色の乳首は既に痛い程、ピンと上を向いて勃起していた。
その先端に唇を寄せ、軽く吸うと彼女は甘い声を漏らした。
「キエルヴァ……綺麗な肌だ」
チラとキエルヴァの様子を上目で見た私は乳首から唇を離した。
尻への愛撫を再開させると、目を閉じ、唇を噛みしめた。
「…ふっ…くうう」
キエルヴァの腰が浮き、足元はだんだんとつま先立ちになっていく
尻を鷲掴み、左右に開くとキエルヴァはぴょんと伸び上がった
「はァ!?」
私は尻からさらに下に指を動かし、その股の奥にある潤んだ窪みをスッとなぞった。
「は…そ、そこ…やっ…ま、まだはや…んん」
甘い喘ぎが漏れる唇を唇で塞ぎ、愛撫を続ける。
「あ…あ……ふぅ…」
ピクンピクンと短い痙攣を繰り返すキエルヴァの身体。
絶頂が近いのだろう、私の背に回す手に力がこもった。
「一度…達しておいた方がいいな」
「え…え…ヘ、ヘス―――?」
私は間髪入れず秘部に中指を突き入れた。
そして、もう片方の手で肉豆を強く押しつぶした。
「はっっ!ヘ、ヘスタ…トー…イ…イっちゃ…あ、ああっ、ん、んんうう!」
キエルヴァはビクンビクンと下腹部から脳天を貫く快感に背を震わせ、
眼を閉じ、口を真一文字に結んで噛みしめると絶頂に達した。
「はぁ…はぁ…は……」
くたぁと脱力し、そのままずるずると尻餅をつきそうになるキエルヴァの両肩を掴み、
私は無理矢理立ち上がらせた。
「あ…ヘ、ヘスタ……トール殿?」
「……キエルヴァ……君は…一人でするのが好きなのか?」
「…そ、そんな事…や……んく…ああっ」
私はキエルヴァの秘部を優しくなぞりながら耳元で囁いた。
「君は嘘をついているな……初めての女性は…このように濡れはしない」
「ん……で、でも…」
キエルヴァが言葉を濁し、目をそらした。
女盛りの19の娘だ。生真面目な性格だけに遊びがない分、日頃のストレスと緊張感を相当溜め込んでいるだろう。
それをほぐす為の自慰か…快楽に喘ぐ自分を嫌悪しながら、それでも自慰に耽るキエルヴァの
姿は何と無く想像できる…………と私は無粋な思考に胸中でため息をついた。
しかし、ここは少々意地悪く言ってやる事にした。彼女の困惑する表情もなかなかにそそる。
「本当は?」
「その…あ…そ、そう……です……わ…私…ひ、一人でするのが…
く、癖になってて…い、いけない、いけないとは思っているんですが…そのい…いつも……夜に……」
ぼっと顔を紅く染めるキエルヴァ。
私はその仕草が余りにも愛おしく、ついとぼけた声をあげた。
「何をするのかね?」
「い、意地悪な事を聞かないで下さい!」
その反応は実に愛らしい。古参の団員の気持ちが少しは理解できそうな気がした。
「全くわからんな、その口から説明してもらえないか?」
「い、いや…そんな意地悪しないで…ください」
「ならここでお開きにしようか?」
「うう……い…です…」
キエルヴァは観念したように唇を開いた。
「ん?」
「じ…じ…い…自……慰…です……」
かああああっと真っ赤になるキエルヴァの顔。
「君の表情は魅力的だ……その生真面目なところもな。まさか本当に言ってくれるとは」
クスクスと私は笑って見せた。
「な、なっ!…騙しましたねっ!!んん―――」
「そう言うところもたまらなく魅力的だ…」
があっと怒鳴るキエルヴァの両肩を掴むと、腰を引きつけた。
「あっ…ちょっ…ぐ、軍師殿――」
反射的に両手を机につくキエルヴァ。尻を突き出した格好のままその動きは止まった。
「後ろから…構わないか?」
呼び方に訂正を加える余裕もない。私も限界が近づいていた。キエルヴァの扇情的な光景に息が荒くなっている。
その熱い吐息をキエルヴァのうなじに掛け、尻に自身の怒張があてがった。
『はい……私にください…わ、私は後ろから獣のように激しくされるのが最高に興奮するんです』
など言うハズはなく、キエルヴァはゆっくりとそして小さく頷いた。
「いくぞ」
私はキエルヴァの腰を掴むと突き出された尻の谷間の終わりにある秘部に
己の怒張をあてがった。すでに十分に潤っている秘部を確認するとゆっくりと推し進めていった。
「はっ…ぐ……あ…あっ、あああ!」
ぐちゅううっと粘液が絡み合う音。キエルヴァは目を見開き、唇を噛みしめながら必至に耐えている。
私の怒張がキエルヴァの秘部に埋もれていく。
肉付きのよい尻がふるんと波打ち、突かれる度に重力に引かれた胸がぷるんとシャツからこぼれ落ちてきた
胸と尻だけを完全に露出し、シャツはそのままなので、なまじ全裸よりも卑猥に見える。
「大丈夫か…キエルヴァ?」
「はぁ…はぁ…お、思っていたよりも…痛みはありません……軍師殿の好きなように
動いて下さい…わ、私に…か、構わず…んっ」
潤んだ瞳に私の中の『雄』の本能を押さえ込む事はできなかった。
鮮血が太腿をつたい落ちる光景にさえ興奮を覚えた。征服欲…というのだろうか…
帝国の領土を失い、軍師の本分を全うできなかった私の欲なのか…
その思いをかき消すように私は
キエルヴァの腰を掴み、下腹部を尻に叩きつける様に激しく動き出した。
「あっああっ!はげし、激しすぎ…あっ…はぐっ…んんっ」
「キエルヴァ、すまない。もう止められ――ん、ああっ…ん、ううう」
語尾を強めた私はキエルヴァの腰を抱きかかえるように掴み込むと
有無を言わさず、腰を叩きつけた。
「あううっ!ぐ、軍師…どの…あっあっあ」
キエルヴァがくぐもった声をあげ、背中をのけ反らせるように動く。
淡く茂った紅い毛に覆われた結合部は濡れ、血と体液が混ざり合ってじゅぶじゅぶと粘着音を奏で始めた。
自慰によって感度が高く慣らされているキエルヴァはしだいに熱く、そして甘い声を上げ始めた。
「あっ…あっ…へ、変…わ、わたし…は、初めてなの…にへ、変になる!」
「キエルヴァ…キエルヴァッ」
私は背後からぷるんぷるんと弾む胸を鷲掴みにして、その乳首を搾乳するように指で扱きあげた。
「あ、やあっ!む、胸を…そんな揉まなッ…んんッ!」
私はキエルヴァの胸をすくい上げるように揉みし抱き、指を埋没させた。
キエルヴァの柔乳が淫らにその形を歪めた。
「あっ…キ、キエルヴァ……少し…体起こしてくれ…」
「え…ぐん…し―――うううう」
私はキエルヴァの尻に手を当て、再び怒張を押し込んだ。
キエルヴァのぷるんと突き出ている胸が机との間にぎゅっと圧迫され、さらに淫らに歪んだ。
傍から見ると机に押さえつけ強引に犯しているように見えるだろう。
「ぐ、軍師殿―く、くるし――あんっあああっく…くるし…はああ」
「キエルヴァ、キエルヴァ、キエルヴァ」
私はキエルヴァの細い腰を両手で掴み、突き上げながら、そのうなじにむしゃぶりついた。
豊満な尻に下腹部を叩きつけ、内壁に擦りつける動作は馬のソレに似ている。
「あっああっ!だ、ダメ…ダメです、あああ」
キエルヴァの意志に反して膣は雌としての本能のまま、雄の精放出を急かせるため、
私の肉棒を締め上げた。中でさらに大きく勃起している私はそれだけで堪らない快感を得た。
「き、きつい…キエルヴァ、だ、…出すぞ!!」
私はキエルヴァの胸を背後からその荒々しく鷲掴み、腰をためて一気に下から押し込んだ。
ぐちゅうと剣突の乾いた音が室内にやけに重く、ゆっくり響いた。
「あっ、あああ!」
途端にくるキエルヴァの叫ぶような乱れた声。
「うっ出…出る…くう!」
キエルヴァが叫んだ瞬間、私の怒張が膣内で爆発した。
びゅるるるううと白濁液がキエルヴァの最奥に注ぎ込まれる。
「はっ…あっ…あは…で、出てる…あ、熱いのが…私の中に…」
膣内で圧迫された怒張から白濁液を吐き出す爽快感は
なんとも形容しがたい。人間のように性欲が強い方ではないが久々の性交だ。
塊のような精が吐き出されているのが感覚でわかる。
「わ…私…あっ…は…はああ…軍師殿…と…んん…」
私はキエルヴァの柔尻を掴み、余韻を搾り出すと、キエルヴァの
膣内からぐちゅりと抜き出した。
思った通りだ。キエルヴァの尻の谷間から覗く膣は鮮血と愛液で
濡れていたがそこから太股を伝い落ちる白濁液は液体というよりドロリとした白いゼラチンの塊だった。
「…キエルヴァ…」
ぐったりと机から崩れ落ち、肩で息をするキエルヴァに私は声を掛けた。
「ぐ…軍師…どの…」
体力を消耗し、惚けたような口調でキエルヴァは言った。
「私は軍師ではない………」
「む…んん…無官の……徒ですか?」
「いや………」
「………?」
私は少しの沈黙の後、こう言った。
「君の……伴侶でありたい」
「軍師殿っ!」
うるっと潤んだキエルヴァの瞳に私は明後日の方向を向いた。
「あ、あの……軍…いえ、ヘスタトール殿」
「呼び捨てで構わない」
「あ…はい………えっと…ヘスタトール…その…大変、
満足されてるところ申し訳ないのですが…」
「ん?」
「その……わ、私は…まだ満足…してなくて…も、もう1回…できればベッドで…」
脱ぎ捨てた服で前を隠しながらキエルヴァはもじもじと言った。
「ああ…望むところだ」
しかし、これが間違いだったのだろう。
彼女は曲がりなりにも『騎士』だ。女性といえども帝国軍の主力である『騎士』なのだ。
たとえそれが帝都を警備していた部隊の若い団長でも……。
騎士なので当然、体力はある。若いのでありあまるほど体力はある。
それに付け加え、今まで抑制していた性欲の枷が外れればどうなるのであろうか。
それが、今、私の上に跨り、腰を振っているキエルヴァだ。
「はァ…んっ…軍師様、軍師様ぁ!!いいです。もっと…もっと…はぐっイ、イっちゃいます」
玉の汗をまき散らしながら、紅い髪を振り乱しながら、下からの突き上げに打ち震える
女騎士は淫らすぎる。
自分の腰の上に跨るキエルヴァの瑞々しい身体を見上げながら、腰から伝わってくる絶頂の波に、私は怒張が溶かされ
そうだった。ぷるんぷるんと踊る乳房と、弾む尻の淫靡な光景に魅入られながら、私はキエルヴァの尻がぐりぐりと
下腹部に擦りつけられていることに気付いた。
「もっと、もっと貴方が欲しいです。もっと気持ちよくなりたいの。もっと軍師様と…もっと、もっと…ま、交わりたいんです
い、色々と勉強しました…その体位も、性技も…あ、あの口とか胸とか、お、お尻も…あと10通りくらい…その
組み合わせがあるんですが……た、試していいですか?」
達した彼女が熱い息を吐きながら私の頬を包むように両手を添え、言った。
今まで139年生きてきた中で、女性経験はこれで3回だったか…その中でこれほど性欲が強い女性は初めてだった。
即ち…もう限界だった。皇女様をお守りするためとはいえ、やはりエルフと人間では持久力が違いすぎる。
後悔、先立たず。全ての策は尽きた。
「…………すまない…その……もう許してくれ」
私は彼女に初めて許しを乞うた。
旧帝都ヴァイアブリンデ
「宰相様……ただいま戻りました」
「それで……どうでしたか?」
ワーキャットのイツファはヘスタプリンに報告した
「ええ、そりゃもう…あれがあの軍師様とは思えないほど仲良く、ラブラブで…
あ、でも始まる前に退散しましたので詳細は許して下さい」
「そうですか…貴女のシノビの技量は衰えてはいないようですね…充分です」
ヘスタプリンはふぅと息をついた。
「キエルヴァ殿であればたとえお兄様の鍛えた身体でも若さで
カバーできるでしょう。体力的に劣るエルフが鍛えたところで適いませんからね。
お兄様にはもう少し素直になってくれませんと…では、報酬はこれで」
「あ、これはどうも………でも何故、軍師様とあの騎士団長さんを一緒にしたんですか?」
ヘスタプリンから紙幣が入った封を受け取りながらイツファは問う。
「私の眼に狂いが無ければ彼女は生き残った旧帝国武将の中で一番忠誠心があります。
必ずや女王陛下のお力となってくれるでしょう。お兄様の世継ぎも考えての事です」
「へぇ…宰相様も色々と大変ですね」
「……貴女も旦那様を大切にしてきださいね」
そう言うとイツファは照れたように目をそらした。
「ええ、そりゃもう……ボナパルト…いえ、旦那とは……それなりに楽しくやってますよ。
また何かバイトあったら呼んで下さい。子供が育ち盛りで大変なんですよ、5人もいるし」
「頼りにしてますよ」
イツファを見送りながら微笑むとヘスタプリンは執務室の書類に目を落とした。
その書類はティルフィード皇女の挙式の大まかな計画書だ。
(……お兄様に相手がいませんと、皇女様の婚儀の式で何をしでかすかわかりませんからね。
まぁ、お兄様は一度、帝都に戻して館で休養と称して監禁し……それでも邪魔できないように
婚儀の式の警備総責任者はキエルヴァさんに決定ね。
それからお兄様を目の敵にしている第22騎士団の騎士達を皇女様の護衛にして…)
宰相の策略は止まらない。
END
色々と不快に感じた方すいませんでした。
エロの有無について不明瞭な点がありましたのでお詫びします。
待ってました、GJです!
391のラストで思わず吹いた。
GJです! 完結おめでとうございます。
2人ともエロも半端なく可愛い。
「神か悪魔の贈り物」第一章第三話です。
今回は百合かつ、人によっては微スカです。
NGワードはタイトルかトリップでよろしくです。
第三話
しばらく見つめ合った後、ドュリエス様はもう一度イーシャさんの唇を奪いました。
「んふっ……んんっ……はむっ……んちゅ……ちゅ……」
今度は、舌も巧みに使い、歯の裏を舐め、舌同士を絡めます。
口内で撹拌して混ざり合い、粘り気を帯びた唾液を舌で掬い上げ、イーシャさんの唇に塗り込め、
下唇を咥え、左右に擦り合わせ、一旦離し、上から口中に唾を垂らします。
かなり濃い大人の口づけですが、イーシャさんはなすがままです。
態度で「好きにして下さい」と語っています。
それを見て、ドュリエス様もどんどん興が乗ってきたようです。目が据わってきました。
「可愛いイーシャ。もっと本格的に気持ち良くして、完全にわたくしのものにしてあげる」
そう言って、ドュリエス様はまた右手を動かし始め、達したばかりで敏感な少女の部分を弄びました。
「ひやああぁっ! あっ、ドュリエス様っ! だっ、ダメですっ! こっこんなことしなくても、わ、私はもう、
ドュリエス様の……ひぅっ! いやあっ! ダメぇっ! 今はダメぇっ! ふあぁぁっ!」
「あら、じゃあ、いつならいいのかしら。うふふふ」
「そんなっ、そんなのっ……んふうっ! きゃううぅっ!」
イーシャさんは身をよじって逃げようとしましたが、体が動かせません。
見ると、イーシャさんと同い年くらいの、肩までの銀髪の少女が、
いつの間にか彼女の左腕にしがみついていました。
水汲みから戻った侍女、シーリオさんです。
「いけませんよぉイーシャ様ぁ、ドュリエス様に逆らってはぁ」
右腕はドュリエス様が左手で抱え込み、足はナオミさんが押さえ込んでいます。
その上、今のイーシャさんは全くと言っていい程力が入りません。
まさに、蜘蛛の巣にかかった蝶、そのまま再び絶頂に追い込まれて行くしかありませんでした。
「んっ、やっ、ま、またぁっ! またおかしくなっちゃうですぅっ!」
「良いのよ、何度でもおかしくなっておしまいなさい」
「ああっ、ああっ……ふああああ……あああああああーーーーーーっ!」
イーシャさんはまた深く達してしまい、大きくのけ反りました。
が、ドュリエス様は指を止める気配はありません。
「うあぁぁぁっ! やあぁぁぁぁっ! ダメぇっ! ほんとにダメぇっ!
死んじゃうぅぅぅっ! 死んじゃいますからぁぁぁぁっ!」
「いやねえ、あなたみたいな可愛い子、死なす訳無いじゃない。ねえナオミ、シーリオ?」
「もちろんですともドュリエス様。さあイーシャ様、もっと、もっと深く……
ドュリエス様に導かれるまま、堕ちて行きましょうね」
「感じてるイーシャ様、とってもやらしくて素敵です」
「たっ、助けてぇっ! ああああっ! またあぁっ! ああああっ! いやあぁぁぁ…………っ!」
イーシャさん、また達してしまいました。
が、ドュリエス様の指はまだ止まりません。
さらに、シーリオさんが乳首に吸い付きました。
舌を使って、慎ましやかな膨らみの先端で立ち上がる、恥ずかしい欲情のしるしを、紗越しにしごき立てます。
激しい口撃を物語るように、シーリオさんの銀髪が激しく揺れています。
「やあぁぁっ! 吸わないでぇっ! こりこりダメぇっ! んあぁぁぁっ! おぉぉぉっ!」
「あら、まあ。ドュリエス様、この方、お漏らししましたわ〜♪」
ナオミさんが嬉しそうに指摘する通り、寝台の上には今までとは比較にならない程
広範囲にわたって染みが広がり、寝台の下まで滴り落ちて水溜りを作っています。
「ふあっ! やあぁぁっ! ごっ、ごめんなさいぃ……っ!」
「まあ、いけない子。こんな粗相をする子は、徹底的にお仕置きしなくてはね」
ドュリエス様が目配せすると、心得ているナオミさんは、すっとイーシャさんの足の間から離れます。
代わってドュリエス様がびっしょりと濡れたそこに座ると、イーシャさんの紗の裾をからげて、
充血し膨らんだ女の部分を露わにしました。
「なあに、すっかり出来上がっているじゃないの。初めてなのに、いやらしいのね」
「はーー…………はーー…………やぁ……み、見ないでください……それは、こ、刻印の力が……」
「あなた、それはもう消えたって、さっき言ったじゃない」
刻印の力なんか関係なく、これだけされればそりゃ出来上がりもするでしょうに。
しかし、言葉責めに慣れてなどいるはずもないイーシャさんは、必死に言い訳を考えてしまうのでした。
「そっ、それは、その……あ、あれです……えっと、ま、まだちょっと残ってるんですっ」
もちろん、そんな台詞はドュリエス様の思う壺です。
「そう、それは大変だわ。ではちゃんと消えるまで、しっかりと気持ち良くしてあげなければね」
そう言ってドュリエス様は、イーシャさんのお大事に口を付けました。
「んひぃっ!? あっ……あっ……いけませんっ……ドュリエス様っ……んんーっ!
ふあぁっ! ……そ、そこは、き、汚いですからぁっ!」
「汚くなどないわ。イーシャのここはとても綺麗よ。それに、とってもいい匂い」
「いやあっ! 匂い嗅いじゃやあですっ!」
「うふふふふ、お味のほうはどうかしら」
ドュリエス様は、イーシャさんの淫らな体液を掬い上げるように下から上へと舐め上げました。
「んうーーーーーっ!」
そして、ちゅう、ちゅう、ちゅう……と吸い上げ、お口に含みます。
「ふひっ、ふぅっ、んんぅーっ!」
「んっ……イーシャのいやらしいおまんこ汁、とっても美味しいわ」
ドュリエス様、だんだん言葉が卑猥になってきましたね。
「いやあっ……やあぁぁっ……」
「いやなの? それにしては、おさねがひくひく物欲しそうにしてるわねぇ。
大きく膨らんで、窮屈そうに鞘を持ち上げているわ」
ドュリエス様は親指で包皮の根元をくっと押し込み、ぷっくりとふくらんだおさねを剥き出します。
「はーい、こんにちわー。まあ、イーシャのおさねはやっぱり礼儀正しいのね。頭を振って挨拶しているわ。
こちらもご挨拶しなければね」
舌先でちょんっと突付きます。
「ふひぃぃっ!」
「あらあら、ほんの軽いご挨拶なのに、大喜びね。じゃあ、もっとしっかり挨拶したら、どうなるのかしら」
そう言うと、ドュリエス様はイーシャさんの剥き出しのおさねに吸い付きました。
そして舌先で上下に弾くように「挨拶」なさいます。
「ふひっ! ああっ! ああーーーっ! ああーーーーっ!」
気の遠くなるような快感から逃れようとしても、ドュリエス様が腰をしっかり掴み、
ナオミさんとシーリオさんが両脇からぎゅっと押さえ付けていますので、イーシャさんは体を引くことすら出来ません。
ドュリエス様の舌は次第に激しさを増し、上下に、左右に、また円を描くように、おさねを丹念に舐り回します。
「んおぉぉぉっ! おおーーーっ! あーーーーっ! やぁあああーーーっ!」
さらに、舌の先端をおさねの下側に差し入れると、根元を持ち上げるようにして、左右に刷きます。
「ひぃぃっ! ひぐっ! ひあぁぁぁっ! もうダメっ! もうダメですっ! また漏れちゃうぅぅっ!
ドュリエス様ぁーっ! おっお願いっ お願いしますぅっ! おしっこ漏れちゃいますからぁっ!」
「また? もう、堪え性の無い穴だこと。ここね? ここがお漏らしするいけない穴ね?」
ドュリエス様の舌先は、おさねのすぐ下でひくつく小さな穴をこじります。
「うあぁっ、ごっごめんなさいぃぃっ! やあぁっ! おしっこの穴やあなのぉっ!
やあっ! ダメえっ! 本当にダメぇっ! ほっ本当にっ漏れちゃいますぅっ!」
イーシャさんの訴えを無視して、ドュリエス様はひたすらお小水のお口を刺激し続けます。
さらに追い討ちをかけるように、ナオミさんが手を伸ばし、中指でおさねを刺激します。
「んおぉっ! んおぉぉぉーーっ!」
れろれろれろれろれろれろ…………。
くにくにくにくにくにくに…………。
くちゅくちゅくちゅくちゅ…………。
くりくりくりくりくりくり…………。
イーシャさんは、もう限界でした。
「本当に…………もうっ…………ダメぇっ…………あっ、いやっ、いやああああああああああ…………」
ぷしゃあっ……。
とうとう決壊してしまったイーシャさんのお小水が、ドュリエス様のお顔に向けて噴射されました。
「あああ…………お、お許し…………お許し下さいぃ…………」
ぷしゃっ、ぷしゃっ、ぷしゃっ……と断続的に噴き出す少女のほとばしりを、
ドュリエス様は口を開けて受け止め、こくこくと飲み干します。
受け止められなかった分が、ドュリエス様のお顔と寝台をぐっしょりと濡らしました。
「かはっ…………はひっ…………も、申し訳、ありません…………
わ、私、ドュリエス様に、と、とんでもないことを…………」
「いいのよ。イーシャのおしっこ、とっても美味しかったわ」
「ああ……ううっ、うー……」
イーシャさんは恥ずかしさのあまり目をぎゅっとつむってしまいました。
「ドュリエス様、私にもお味見させてくださいませ」
「私もイーシャ様のおしっこ舐めたいです」
「ええ、よろしくてよ二人とも」
ナオミさんとシーリオさんはイーシャさんを押さえる手を離し、ドュリエス様のお顔に付いたおしっこを、
両側から舐め取ります。
「まあ、本当に、美味しゅうございますね。淫らな雌の味がいたしますわ。
あの幼くも凛々しいシトリン副隊長殿が、このような本性を隠していたなんて」
「んっ、れー、れろ……これがイーシャ様のおしっこの味……うふふふふふ…………」
「それにしても、本当にお漏らし好きな方ね。これでは『王都の鬼娘』ならぬ『王都のお漏らし娘』だわ」
「まあナオミ、そんなことを言ってはいけないわ」
そうたしなめるドュリエス様も、随分楽しそうです。
相変わらず天使の微笑みを浮かべてはいますが、目には嗜虐の色が浮かんでいます。
とうとうイーシャさんは、顔を押さえて泣き出してしまいました。
「うーっ! もお、ばかあー! うわああん! 知らない知らないっ! ドュリエス様のいじわるーっ!
なんでっ……こんな……ひぐっ、ひ、ひどいこと、えぐっ、するんですかあっ!
うえええん…………ふえええええん…………うえっ…………えぐぅ…………っ!」
『王都の鬼娘』、マジ泣きです。
すると三人とも、急に狼狽し始めました。
ここに至ってようやく、初心な未通女娘相手には少々やりすぎだったと気付いたようです。
「あ、あら、ど、どうしましょう……」
「いきなりいじめすぎてしまったでしょうか……」
「あの、えっと、えっと、ご、ごめんなさいイーシャ様ぁ」
「私……うえぇ……淫らじゃ、ないもんっ! お漏らし娘じゃ、ないもん! ひくっ……ぐしゅ……」
ドュリエス様は、泣き続けるイーシャさんを抱きしめ、必死になだめました。
「イーシャ、ああ、可愛いイーシャ、許して頂戴、わたくし達が悪かったわ。
あなたがあんまり可愛いものだから、ついつい調子に乗ってしまったのよ。ごめんなさいね」
「うえっ……ひっく……ドュリエス様は、ひどいです……」
「ええ、そうね。嫌がることを無理強いしてしまって……」
「ひっく……ちっ、違います……もう、ドュリエス様は分かってません……」
「……え?」
「だって、私、は、初めてだったんですよ? 鬼娘だなんだって言われてても、私だって女なんです。
いつか、誰かと、その、深い関係になることもあるかなって、考えたことくらいありますし、
初めての時のこと、夢見たことだってあります……。
それなに、それが、お、おおおお漏らししながら、いじめられてなんて……っ!」
「イーシャ……あなた……」
「さ、最初は、仕方ないです。ルーオレイス殿下の刻印でおかしくなった私をお救い下さったのですから、
むしろ深く感謝しております。だ、だけど、そのあと、こんな……っ!
こんなことしなくても、最初に救って頂いた時に、私は一生この方に付いて参ろうと、そう心に決めましたのに!
そう申し上げたじゃないですか!」
「…………イーシャ。ごめんなさいイーシャ」
「こんなはしたない姿、これ以上他の人に晒すなんて、絶対考えられません。だから、ドュリエス様っ!?」
「はっ、はい」
「……その、せ、責任、取って下さいっ! 私、もう、ドュリエス様じゃなきゃ、ダメなんですからっ!」
それを聞いたドュリエス様は、喜色満面といった笑みでイーシャさんをぎゅーっと抱きしめました。
「ああ、イーシャ、あなたはなんて可愛いの! もう、最初からそのつもりだったに決まっているじゃない!」
「うう……ほ、本当……ですか?」
「当たり前よ。もうずっと離さないから、覚悟しなさい」
「……は、はいっ……はいっ! 私は一生、ドュリエス様のものです!」
イーシャさん、今度は嬉し泣きです。
良かったですねぇ。
しかし、同性が相手であることには特に言及しないんですね。
イーシャさん、元々そっちの素質があったんでしょう。
そんな二人を見て、ナオミさんとシーリオさんは妙にうっとりとした顔をしています。
「ああ、姫君と騎士の恋愛……これぞ王道ですわ!」
「お二人とも素敵です」
「ドュリエス様の大切な人は、私達にとっても大切な人。
ドュリエス様に対するのと同じように、精一杯ご奉仕いたしますわ」
「…………主に性的な意味で」
最後にぼそっとシーリオさんがなにか言いましたが、幸いなことにと言うかなんと言うか、
イーシャさんの耳には届きませんでした。
続く
今回は以上です。
お目汚し失礼しました。
次回は、ゴールデンウィーク中にでも。
おもらしするまでそんなことしちゃらめ!!!!!
もっとしてくださいハァハァ
お澄まし口調のガチ百合だいこうぶつです(;´Д`)ハァハァ
規制解除される気配が全くないので、携帯から。
「神か悪魔の贈り物」第一章第四話です。
今回またエロまでたどり着けませんでした。
申し訳ありません。次回までお待ちください。
NGワードはタイトルかトリップでよろしくです。
第四話
安心したのか泣き疲れたのか絶頂し疲れたのか、多分その全部でしょう、
イーシャさんは両手でドュリエス様の服をきゅっと握ったまま、小さな寝息をたて始めてしまいました。
無防備な寝顔です。
それで時々、
「んー……ドュリエス様ぁ……」
などと寝言を漏らすので、ドュリエス様は身悶えを抑えきれません。
「やあああああんっ! もう、なんなのこの子! わたくしをときめきで殺す気かしら?
まさかあの『王都の鬼娘』が、こんな素晴らしいお嬢さんだったなんて……」
「ドュリエス様の仰る通りです。イーシャ様、普段はとっても格好良くって凛々しいのに、
寝台の上ではこんなにお可愛いなんて……。
それに、うふふふふ……とっても良い匂いです……」
そう言うシーリオさんは、寝台の敷き布に顔を埋めて、イーシャさんのお漏らしをくんかくんかしています。
と思ったら、今度はちゅうちゅうと吸い始めました。
「はふぅー……イーシャ様のおしっこと汗の味が混ざって……ドュリエス様のお味も……ああん……」
この人、おとなしそうな顔をして実はただの変態さんですね。
「本当。こんな子を騎士団なんかに埋もれさせておくなんて、もったいないわ。
なんとかしてわたくしの手元に置いておけないかしら?」
「別に埋もれてはいないと思いますが」
ナオミさんが指摘する通り、王都守護隊の副隊長はそれなりの要職です。
「ドュリエス様、それは難しいと思う」
と、そこへ声をかけたのは、お風呂の準備から戻った、十一、二歳位の黒髪の侍女さんでした。
「クロエ、ご苦労様。お風呂はもう入れる?」
「ごめん、ドュリエス様。あなたとナオミのことだから、もっと時間をかけてじっくりたっぷりねっとりと、
シトリン様を心ゆくまで犯しつくすのかと思って、かなり熱いお湯を張ってきちゃった。
まさか、もう失神させてるなんて思わなくって。お風呂、もう少ししないと、ちょうど良い温度まで下がらない」
「そう。クロエは如才無さがたまに裏目に出るわねぇ」
「……面目ない」
「いいのよ。そこがあなたの可愛い所でもあるんだから」
「しかし仕方がありませんわ。私達にしても、まさかイーシャ様があんな、
幼子のように泣き出してしまうなんて、予想外でしたもの」
「そうね。お漏らしも沢山させてしまったし」
「次は私がイーシャ様のおしっこ直飲みしたいです」
「ちょ……ちょっと、三人とも、どれだけ激しく責めてるのさ。あんまりひどいことしちゃダメじゃない」
クロエさんが腰に手を当ててたしなめます。
侍女たちの中では一番若いのに、一番の常識人のようですね。
しかし、ドュリエス様は
「そんなに激しいことはしてないわよ」
と、しれっと答えます。
「でも、シトリン様、初めてだったんでしょう? いきなりは……」
クロエさんはそこまで言って、この場にいる三人をあらためて見て、溜息をつきました。
「いじめっ子二人に変態一人じゃあ、しかたないか……」
「わ、私変態じゃないもん! クロエちゃんに言われたくないもん!」
くんかくんかしながらシーリオさんが反論します。
「……シーリオ。説得力って言葉を知ってる?」
「十歳の時、初めてなのに『や、やめないれー! おまんこいかへてぇ! もっろいかへてぇ!』って
腰振っておねだりしちゃったクロエちゃんは使えない言葉でしょう」
「な……ボ、ボクは『へてぇ』なんて言ってない……ぞ……」
「言ってたじゃない!」
「言ってたわよねえ?」
「言っておりましたわ」
言ってたようですね。
「う……ぐ……。と、とにかく! さっきの話だけど!」
クロエさん、やや強引に話を逸らしました。
どうでも良いですけど、後の二人は「いじめっ子」であることを否定する気はないようですね。
「シトリン様って上級騎士じゃないか。ボク達のように侍女にするという訳にはいかないでしょ。
上級騎士と言ったら陛下直属、宮廷序列は貴族に並ぶ身分だし、役職としても、王都守護隊の副隊長は
騎士団の幹部で、命令を下せる人も限られてるし、それにシトリン家はハリ伯爵に連なるお家柄で
家格だってそこそこ高いし、いくらドュリエス様でも勝手なことは出来ないと思うな」
「まあ、私を誰だと思っているの。陛下の姪よ? 陛下、王太子時代から、わたくしのおねだりには弱いのよ。
『ねーえオジサマぁ、わたくしぃ、お願いがあるんですのぉ』
って猫撫で声で申し上げると、大抵のことは聞いてくださったわ」
「へ…………陛下…………」
一瞬、この国の将来に不安を感じてしまったクロエさんですが、
「大丈夫よクロエ。いかに陛下がドュリエス様のおねだりに弱くとも、
国政や国益に反することまでなさるとは思えないわ」
ナオミさんのこの言葉で少し安心しました。
「そりゃ、そうだよね……はは……。
そ、それに、騎士団の人事ともなれば、騎士団長アモティ様の了承だって得なければならないし」
「あら、あの方も問題ないわ。わたくし、あの方に頂いたお手紙を、全部大事に取ってあるもの」
「手紙? ドュリエス様、騎士団長と個人的な交流があるの?」
クロエさんの質問に、ドュリエス様は悪戯っぽく笑って答えます。
「わたくしには、あの方とお付き合いするつもりは全く無いのだけれど、あの方は私とお付き合いしたかったようよ。
それも、とても深い仲に」
「……そうなんだ。それで、お付き合いをちらつかせて、言うことを聞かせる、と。
なんとも、ドュリエス様らしいというか……」
「いいえ。違うわよ、クロエ。そんなことはしないわ。ただこう言うの。
『六歳の頃からあなたに頂いたお手紙、わたくし、全部大事に取ってありますのよ』
ってね」
「ふうん、そんな昔からお手紙を……って、え? も、もしかしてその頃から、手紙には深い仲になりたい、と……?」
「ええ」
「六歳の頃から?」
「そうよ。でも十歳になった頃から頂かなくなったわねぇ」
「…………あのオッサンも変態だったか」
「ふふふ、お手紙が、何かの拍子に陛下の目に触れたら、どうなるかしらねぇ」
無垢な笑顔でそんなことを言うドュリエス様。
こういう人には、後々まで残る証拠を渡してはいけませんね。
「でも、そういう搦め手を使って、例えばシトリン様の騎士資格を剥奪したりとか、
その上どん底まで追い詰めておいて救いの手を差し伸べるとか、そういうのはやめてよね」
「もちろん、そんなことはしないわよ。クロエは私がそんな人間に見えるの?」
「欲しい物はどんなことをしてでも必ず手に入れる人に見えるよ。
……ううん、本当は、大事に想う人が心から嫌がることはしないって、知ってるけどさ。
手に入れられた人間は、おおむね幸せだし……その……ボクとか」
「もちろん、私も幸せですわ」
「私も、もう、ドュリエス様のお側からは離れられません」
「ふふ。ありがとう、あなた達。まあ、イーシャのことはわたくしに任せて頂戴。悪いようにはしないから」
はい、と侍女さん達は声を揃えて答えました。
「ところで、さっきから気になっているんだけど」
とクロエさんが言います。
「そろそろ、そのぐちゃぐちゃの寝具を片しちゃった方が良いんじゃないかな。それに服も着替えないと。
臭くなっちゃうよ。まあシーリオはその方が嬉しいだろうけど」
「クロエちゃん、そんなことないよぉ」
「そう? まあ流石にそれはないか」
「そうだよ。わざと染み付けた匂いなんて、邪道だよ」
「ああ、うん、そうだよねー。……ごめんボクが悪かったよ」
クロエさんには分からないこだわりでした。
「そうね、それじゃ片付けて」
ドリュエス様が言いかけた時、部屋の扉が叩かれました。
「アキです。ただ今戻りました」
「お帰りなさい、開いているわ」
「はーい」
入って来たのは、明るい茶髪を一本お下げに結った、十五、六歳くらいの活発な印象の少女。
ドュリエス様に付き添って、鑑定の場に同席した侍女さんでした。
「ご苦労様、アキ。で、我が国の重鎮達は、どのような結論に達したのかしら?」
「はい、それがあぁぁぁっ!?」
報告しようとしたアキさんは突然叫び声を上げると、寝息を立てるイーシャさんを指差しました。
「も、もうシトリン様、頂いちゃったんですかぁっ!? ひどおい、あたしだけのけ者ですかぁっ!?
あたしもシトリン様とちゅっちゅっしたかったのにぃっ!」
「安心して、アキ。ボクも仲間外れだったから」
「ふふふ、心配しなくても大丈夫よ。あなた達二人が戻って、わたくしの可愛い子猫ちゃん達が全員揃ったのだから、
この後、ちゃんとイーシャの歓迎会を開くわ。その時にあらためてご挨拶すればいいでしょう?」
「そうですかー? そういうことならまあいーですけどぉ」
ぶー。
アキさんは渋々といった感じでしたが、
「で?」
とドュリエス様にうながされると、話を続けました。
「あ、はい。えー、とりあえずシトリン様の回復を待って話を聞こうという流れでした。
王宮に出入りできる身分で一級鑑定官の資格持ってるのって、シトリン様だけなんですってね」
「そうなの? 流石はわたくしの可愛いイーシャ。やっぱり有能なのね」
「あ、でもそれとは別に、トルキラの刻印工房に協力を要請しようって話も出てましたよ」
「トルキラの? イ・バブ・アー工房?
確かにあそこは専門機関だけれど、中立を標榜している以上、一国家からの依頼を受け付けるかしら?
ああ、偉い人達の考えていることは分かるわ。
これを機に、工房と、その長たる『砂漠の女主人』になんとかして繋がりを持ちたいと考えているのでしょう?」
「ですねぇ。まあ、ダメ元でって感じでしたけどねー」
そんな二人の会話を聞いて、シーリオさんがナオミさんの袖を引きながら尋ねました。
「あの、刻印工房とか、『砂漠の女主人』とかって、何の話ですか?」
「えっ、ええっ!? そっ、それはあれよ、えーと、こ、刻印工房と言えば、トルキラ砂漠の中立地帯にあって、
刻印に関する道具の作成とか、鑑定官の資格試験とかが行われていて、『砂漠の女主人』はそこで
一番偉い<刻印の子>……でしょう?」
「それくらいは私だって知ってます。ドュリエス様とアキさんが話してる内容を解説して欲しいです」
「いえ、その……ごめんなさい、私、政治にはあまり詳しくなくて……」
「ふうん。ナオミさんって、実は意外と物を知らないんですね」
やれやれって感じで首を振るシーリオさん。
肩のすくめ方がわざとらしくて、これはナオミさんでなくともいらっとしますね。
「なっ、あっ、あなたに言われたくはないわ! だいたい、私は家事や作法や宮廷内の噂以外は専門外なのよ!」
「本当、普段はあんなにお姉さん風を吹かせているのにねー。残念だねー」
アキさんがにやにや笑いながら便乗してきました。「……そ、それは、別にお姉さん風とかじゃなくて……だ、だって……私は侍女頭だし……うう」
ナオミさんは、目に見えて弱ってきました。
ドュリエス様は、そんな彼女に愛でるような眼差しを送っています。
クロエさんが、溜息を一つ吐きました。
「……工房に関して、この中で一番詳しいのは多分シトリン様なんだから、あとでゆっくり聞かせてもらおう。
シーリオ、それで良いでしょう?」
「……え、あ、まあ」
「あはは、シーリオちゃん、本当は興味ないんじゃない?
多分、ナオミさんを困らせたかっただけだよね?
おかげで、あたしもナオミさんの困り顔を見られて良かったよー」
「もう、アキ。キミまで何言ってるのさ。さっさと報告を終わらせて、後片付けしちゃおうよ」
「はいはい。クロエちゃんは相変わらず真面目ちゃんだなあ。あ、ドュリエス様、報告は以上で終わりですので」
「わかったわ。ご苦労様」
「ドュリエス様も、弱ってるナオミを嬉しそうに見てないでさ」
「だって、ナオミはいつも責めてばかりで責められ慣れてないから、
たまに自分が責められると、すごく可愛い反応をするんだもの」
クロエさんはもう一つ溜息を吐きました。
「ほら、ナオミさん、片付けの指示はあなたがしないと」
クロエさん、すっかり場を仕切ってますね。
どうやらこの一番幼い黒髪の侍女さんは、実は影の実力者のようですね。
「え、ええ、そうね。……クロエ……その……あ、ありがとうね……」
「っ! ……う、ううん、気にしないで」
ドュリエス様の仰る通り、普段強気なナオミさんの少し気弱になった表情は、新鮮でとても可愛らしく、
この顔が見られるなら、確かにいじめられる時にはいじめてしまいたくなるかも……とクロエさんは
ちょっと思ってしまいました。
ナオミさんの今後が危ぶまれます。
「それでは、アキはドュリエス様のお召し替えをお手伝いして。その間に……」
「あ、待って頂戴。ねえ、その前に、イーシャの歓迎会を開いてしまわない?」
指示を出し始めたナオミさんをさえぎって、ドュリエス様が提案なさいました。
「え、今からですか? 一応、偉いさん達がシトリン様を待ってるんですけど」
アキさんが言いますが、
「良いじゃない。
『まだ回復しておりませんので、殿方の前にはお連れできかねます』
って言っておけば文句も出ないはずよ」
「ですよねー! やった、シトリン様とちゅっちゅだー!」
「ふふふ。ナオミもシーリオもクロエも、それで良いわね?」
「もちろんですわ」
「はい。さ、イーシャ様、また気持ちよくなりましょうねー」
「……良いけどね。何度も言うけど、あんまりひどいことはダメだよ」
「クロエ、さっきあなた言ったじゃない。わたくしは、相手が本当に嫌がることをしないって。
大丈夫、イーシャにとっても忘れられない、素敵な歓迎会になるわ。ふふふふふ……」
こうして、幸せそうに眠り続ける本人をよそに、イーシャさんのための
ドュリエス様流“歓迎会”の準備が始められるのでした。
続く
以上です。
お目汚し失礼いたしました。
よく見ると改行が所々おかしいですね。
ごめんなさい。
携帯からの投下は慣れてなくて……。
415 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 18:14:51 ID:YaO2O+Bn
人いないなあ
物語が始まっているのかプロローグなのかわかんないけどGJ!
歓迎会をワクテカしながら待ってます。
保守
歓迎会マダー?
規制解除マダー
ごめんなさい。
今週中に解除されなかったら、またこうして携帯から投下します。
……携帯が規制されてなければ、ですが。
全裸で待機してます
規制大変だな。
楽しみに待ってるよ。
規制解除キター
というわけで、「神か悪魔の贈り物」第一章第五話です。
百合です。
NGワードはタイトルかトリップでよろしくです。
第五話
すべての準備が整いました。
あとはイーシャさんが目を覚ませば歓迎会の始まりなのですが、
彼女は幸せそうな寝顔のまま、なかなか目を覚まそうとしません。
よほど気を許しているのでしょうね。
ドュリエス様としてはそれはそれで嬉しいのですが、そろそろ起きてほしい気持ちもございましたので、
イーシャさんの栗色の髪をそっと撫でながら、耳元でささやきました。
「さあ、イーシャ、そろそろ起きなくてはダメよ」
しかしイーシャさんはこんな寝言で答えます。
「ふにゃ……かあさまぁ……おはようのちゅーをしてくれなきゃ……いーしゃはおきませんよぉ……」
それを聞いたドュリエス様は、あまりの愛らしさに思わず体をくねらせて、ふわふわの金髪を躍らせてしまいます。
「やあん、もう、やあん……何て可愛らしいの……っ! 本当に子供のよう……。
うふふ、分かったわイーシャ、それでは皆で『おはようのちゅー』をしてあげましょうねー」
「ひああぁ……っ!?」
そんなわけで、イーシャさんは全身に舌が這い回る感覚で目を覚ますことになりました。
しかも、なぜか体を動かせません。
「ひっ、あっ、なっ何……っ!? んあっ、ふうーっ!」
イーシャさんは、服を脱がされ、肘掛け椅子に全裸で拘束されていました。
ふくらみかけのお胸はもちろん、両足を肘掛けに乗せられ紐で縛り付けられているため、
お股が大きく開いてしまっていて、女の子のお大事からお尻の穴までもが丸見えです。
慌てて腕で体を隠そうとしましたが、その腕も、高い背もたれの上に鎖付きの手枷で繋がれ、
両手を挙げた状態のまま下ろすことができません。
そこに、やはり一糸まとわぬ姿になったドュリエス様と四人の侍女さん達が、
太ももやわき、首筋、腕に、舌で『おはようのちゅー』をするのだからたまりません。
「あーっ! やあーっ! 見ないでぇっ! あっ、なっ、舐めちゃやあっ! ドュリエス様ぁっ!」
しかも、皆さん一番肝心な場所には直接触れないようにするものですから、
イーシャさんはイキそうでイケないもどかしさを味わわされることになるのでした。
「ふひいぃーっ! あっ、あっ、ふうー……んん……ひあぁぁ……っ!」
ちなみに、足と肘掛けの間には布が当てられ、縛り方も上手で、無理な体勢による痛みもありません。
手枷の方も、手首に負担がかからないよう、やはり厚めの布が当てられています。
慣れたものです。
この人達、普段からこういうことしてるんでしょうね。
「ようやくお目覚めね。可愛いお寝坊さん」
太ももから足の付け根辺りを、お大事に触れないように舐っていたドュリエス様は、
そう言ってイーシャさんから離れました。
それに合わせて、侍女さん達も舌での愛撫を中断します。
「おはよう、イーシャ」
「はーー……はーー……ドュリエス様ぁ……な、何なんですか、これはぁ……っ!?」
「これ? ふふふ、これはね、イーシャ、あなたの歓迎会よ」
「か、歓迎……会……?」
「そう。歓迎会。シトリン様……いや、イーシャ様と呼ばせてもらうね。ボク達の愛の巣へようこそ、イーシャ様」
クロエさんが答えます。
「この子達は」
と、ドュリエス様は侍女さん達を見回し、
「わたくしの可愛い子猫達よ。
イーシャ、わたくしはあなたを大切に想うのと同じくらい、この子達のことも愛しているし、
あなたがわたくしを想ってくれているのと同じくらい、この子達もわたくしを愛してくれているわ。
だから……んっ」
ドュリエス様はイーシャさんの額に口付けます。
「……だから、イーシャ、あなたにもこの子達を、愛して欲しいの」
「私達は皆、ドュリエス様を愛し、ドュリエス様が愛されるものを愛します。
ですからイーシャ様、私達は既にあなたを愛しておりますわ」
「でも、シトリン様、ううん、イーシャ様――きゃっ! あたしもお名前でお呼びしちゃった!
イーシャ様は、まだあたし達のこと、知らないもんね。
あたし達だって、イーシャ様のこと、もっと知りたいって思ってますよ」
ナオミさん、アキさんの言葉を引き継ぎ、シーリオさんが続けます。
「そこで、歓迎会なんです。こうして私達の自己紹介も兼ねて、生まれたままの姿のイーシャ様を、
生まれたままの姿の私達で気持ち良くして差し上げるんです」
れえぇ……と、シーリオさんはイーシャさんのわき腹を下から上へ舐め上げます。
「んひぃっ! やあっ!」
あられもない声を上げて身をよじるイーシャさん。
しかし逃げようにも、拘束された体は鎖をがちゃがちゃと鳴らすことしか出来ません。
「えへへ、その手枷、背もたれに取り付けたのは私なんですよー。良いでしょう?
こうしてわきの匂いも嗅げますし」
「やあっ! やめてぇっ! そんなとこ嗅がないでぇっ!」
「イーシャ様、良い香りです……私、たまらなくなっちゃいます……ああん……」
シーリオさんは匂いを嗅ぎながら、剥き出しの白いお尻を振り、足をもじもじと擦り合わせています。
この人、ただの変態さんではなかったようですね。
良く訓練された変態さんです。
「はいはい、とりあえずその辺でね」
見かねたクロエさんが、シーリオさんを後ろから羽交い絞めにして、イーシャさんから引き離します。
裸なので当然、シーリオさんの背中に、クロエさんの胸が直に当たります。
まだ発育中途は思えない、立派なお胸です。
「む……クロエちゃん、またおっぱい大きくなった? 年の割りに、すごく大きいよねぇ。良いなあ……」
「なっ、やっ、やめてよ、もう……! ボクの胸のことは良いの!」
クロエさんは、ぱっとシーリオさんから離れると、顔を赤らめて胸を隠しました。
「と、とにかく! いきなりわきの匂い嗅がれたりしたら、イーシャ様引いちゃうでしょ」
「えー、でもドュリエス様はさっき、おまたの匂い嗅いでたよ」
「ドュリエス様……そりゃイーシャ様泣くよ……」
クロエさんは額を押さえて呆れました。
「あら違うわ。イーシャが泣いたのは、それだけ気持ち良かったからよ。そうよね?」
ドュリエス様は、イーシャさんのおへその辺りを人差し指でなぞりながら尋ねます。
「んっ……し、知りませんっ!」
「気持ち良すぎて、ドュリエス様のお顔にお漏らししちゃいましたものね」
「やあっ、もうっ、言わないでぇっ!」
青灰色の髪のいじめっ子、ナオミさんの言葉に、イーシャさんは目をぎゅっとつむって、
首を左右にいやいやと振りました。
それを見たアキさんは、口元を押さえ、明るい茶色のおさげ髪を震わせます。
「うっわ、やっば、可愛すぎる……こりゃ確かにいじめたくなるわ……」
クロエさんは溜息を吐きました。
この人、さっきから溜息ばかりです。
こういう人達の中では、常識人は苦労しますね。
「ごめんね、イーシャ様。こんな人達だけど、愛してくれると嬉しい」
クロエさんは開かれたイーシャさんの足の間に体を入れると、肌を重ね、ゆっくりと体を預けていきました。
艶やかな長い黒髪が、うつ伏せになった彼女の背中に広がります。
「あ……ん……」
二人の胸が合わさって、むにゅっと潰れます。
やはりクロエさんの方が、少し大きいようです。
「ふふ、これがイーシャ様の温もりなんだね……。
ボクは、クロエ・ノイル。もうすぐ十二歳。よろしくね、イーシャ様」
「クロエ……」
「うん」
「あなたも、私を愛してくれる……?」
「もう愛しているよ、イーシャ様」
クロエさんはそう言って、イーシャさんの唇を奪いました。
イーシャさんは抵抗せず、差し込まれた舌も、自分の舌を絡めて迎え入れます。
クロエさんは舌を絡み合わせたまま前後に擦り合わせ、誘うように動かし、
自分の口の中にイーシャさんの舌を迎え入れ、そして唇を少し離し、舌先だけを舐めあいます。
幼い侍女さんが動く度、垂れかかった彼女の黒髪が、乙女騎士の顔をくすぐります。
クロエさんはそのまま顔を少しずつ下にずらし、舌と唇を這わせていきました。
下唇、顎、首筋、胸の間……。
時々強く吸い、跡を付けます
「んあぁ……ク、クロエ……くすぐったい……」
「くすぐったい? 気持ち良いの間違いですわよね? ほら、お胸の先がこんなに喜んでますわ」
ナオミさんが横から、ぷっくりと勃ち上がった乳首を指で押し込み、円を描きます。
「ふあっ! やあ……っ!」
そうしている間にもクロエさんの舌は進み、おへその周りを舐り回し、さらに下へと降りて行きます。
「やあっ! それ以上は……っ!」
「んっ……ちゅ……イーシャ様って、ここの毛、あんまり縮れてなくて綺麗だね。さらさらしてる」
「は、恥ずかしいこと言わないでぇ……ク、クロエも、いじわるです……っ!」
「え……? いや……ボク、誉めたつもりなんだけどな……」
そう言いながらも、クロエさんはイーシャさんの栗色のお毛々の間に唾液を塗り広げていきます。
そして、いよいよ彼女の舌は、イーシャさんの女の子の部分に近づいていきました。
「あっ、あっ……いやっ……んん……っ!」
しかし、おさねの根元の手前まで来ると、クロエさんはイーシャさんから離れてしまいました。
「んうぅぅ……んう……あ? え?」
「ごめんね、イーシャ様。まだイカせてあげられないんだ」
「あらぁ? イーシャ、どうしたの? 残念そうな顔ねぇ。
散々『いやいや』と言っていたのに、おかしいわねぇ。うふふ」
ドュリエス様はイーシャさんの頬を両手で挟み、そんなことを言います。
「……ふえぇ……」
「ねえ、どうして欲しかったのかしら? ねえ。ねえ。わたくしに教えて下さらない?」
「し、知りません……。もう……わ、分かっているくせに……っ!」
顔を逸らせないようにしてのいじわるな質問に、イーシャさんは口を震わせて拗ねてしまいます。
「だってぇ、イーシャってば、そんな可愛い顔をするんですもの。あなたがいけないのだわ」
そしてドュリエス様は、左手の中指で、唇、顎、首筋……と、クロエさんの舌の通った跡をなぞっていきます。
「う……ん……」
おへそ、下腹、さらにその下へ……。
「んっ……あっ……やあ……っ!」
「いやなの?」
ドュリエス様の言葉に、イーシャさんはしかし、ふるふると首を振って否定します。
「あら、して欲しいの? ふふ、やっと素直になったわねぇ」
と言いながらも、やはりドュリエス様は指を寸前で止めてしまうのでした。
「や……あっ! な、何でぇっ!?」
「まあ、イーシャ様ってば、お尻の穴をひくひくさせて、はしたなくおねだりしてらっしゃいますわぁ」
イーシャさんのおまたをのぞき込んでいたナオミさんがそう言うと、
同じくのぞき込んでいたシーリオさんは、そのお尻の穴に顔を近づけ、鼻をくんかくんかと鳴らします。
「わあイーシャ様、ここからも、発情したいやらしい匂いが出てますよ」
「いやあーっ! ばかぁーっ! そっ、そんなとこ、ダメぇっ! もうっ……二人とも嫌いよぉっ!」
イーシャさんは横を向いてしまいます。
「まあ、悲しいことをおっしゃらないで。私達はこんなにもイーシャ様を愛しておりますのに」
ナオミさんは、イーシャさんの左の太ももの内側に右手を添え、
親指以外の指を立て、爪の腹をつつーっと走らせます。
「ひあっ、や……っ!」
「そうですよ。イーシャ様、凛々しくて可愛くて、大好きです」
シーリオさんは、同じことを右の太ももに施します。
「んうっ、きゃうっ! や、やめ……ふあ……っ!」
「おー、イーシャ様のお尻の穴、本当に素直なんですねー。
二人の指の動きに合わせて、閉じたり開いたり。可愛いなあ」
アキさんはそう言って、ナオミさんとシーリオさんを押しのけるように割り込むと、
先程のクロエさんと同じようにイーシャさんの上にのしかかります。
お胸の大きさは、クロエさんよりもさらにあります。
この中では一番の巨乳さんのようですね。
自分の胸に大きなふくらみが押し当てられ、潰れて広がる感覚に、
イーシャさんは言葉責めとはまた違った、妙な気恥ずかしさを感じてしまいました。
「あ、んぅ……お、大きい……」
「へへー。イーシャ様、鍛えてるから、しなやかで綺麗な体ですねー。なのにお肌はすべすべで、うらやましいな。
あ、あたしはアクアルーイー・チャイ・ルオ、十五歳でーす。長い名前だから、仲良しは皆アキって呼びます。
イーシャ様にも、そう呼んで欲しいな」
「アクアルーイー……アキ?」
「はーい! やった、イーシャ様に愛称で呼ばれちゃった!」
「良かったね、アキさん。イーシャ様、アキさんは『シトリン様を愛でる会』の会員だったんですよ」
シーリオさんが、後からアキさんのお尻に舌を這わせながら言いました。
もちろん、両手で広げて匂いを嗅ぐのを忘れません。
「ん……この匂いは、喜んでる匂い……」
「ひゃああっ! や、ちょっとシーリオっ! 今はイーシャ様を責めてるんだからっ! ん……ダメぇ……っ!」
「あら、そんなものがあるの?」
銀髪の変態さんをアキさんのまあるいお尻から引きはがしながら、ドュリエス様が尋ねます。
「ええ、『凛々しく格好良い女騎士シトリン様』に憧れる、宮廷の女達の集いですわ。
イーシャ様にこんな可愛らしい面があるとも知らずに……くすくす」
ナオミさんが答えます。
「あらあら、それではわたくし達、その方達に恨まれてしまうわねぇ。どうしましょう。うふふ」
どうしましょうなんて言ってますが、その割には嬉しそうな顔です。
その会員達の悔しがる姿を想像すると、麗しき公女殿下の嗜虐趣味が満たされるんでしょうね。
アキさんは気を取り直して、自己紹介の続きを再開します。
「イーシャ様、愛してます。あたしのことも愛してくれると、嬉しいな」
「うー……そんなこと言ったって……」
と、イーシャさんはふくれっ面で鎖をがちゃがちゃ鳴らします。
「これじゃ、私からは愛せないじゃない……」
そんな言葉と表情に、アキさんは大喜びです。
両手をイーシャさんの首に回し、ぎゅっと抱きしめました。
大きな乳房が、さらにむにゅりと押し付けられます。
「ああん、イーシャ様、そのお心が嬉しいですぅっ! だけど、今はイーシャ様の歓迎会なんですから、
イーシャ様はあたし達に愛されることだけを考えてて下さいね」
そう言って、アキさんは軽くつつくように唇を重ね、すぐに離しました。
さっきからねっとりとした大人の口づけに慣らされていたイーシャさんにはそれが少し物足りなくて、
思わずアキさんの唇を追いかけてしまいます。
動かせる分だけやっと持ち上げた顔は、しかし、ドュリエス様に押さえられてしまうのでした。
「あ……」
「うふふ、ダメじゃないイーシャ、そんなにがっついては」
アキさんは構わず愛撫を続けます。
彼女は舌や指ではなく、自慢のお胸でイーシャさんにご奉仕です。
先程の『おはようのちゅー』やクロエさんの愛撫によって、イーシャさんは全身唾液でぬめっているので、
アキさんの動きも滑らかです。
「どうです、やわらかくて気持ち良いでしょう?
くふふ、ほーら、ぬるぬるぬるー、さわさわさわー、にゅるにゅるにゅるー」
アキさんは強く押し付けたり力を弱めたりと、緩急をつけてイーシャさんを翻弄します。
「んっ……あっ……ああっ……な、なんか……変な感じ……っ!」
そして、痛いくらいに勃起したお互いの乳首同士を重ね合わせると、巧みな動きで責めたてます。
「ああっ……くうぅ……ふああーっ!」
「んっ……イーシャ様、良い顔してるねー。えへへ、気持ち良いねー……あん……んっ、ふうぅ……っ!」
火照りきった四つの突起は貪欲に快楽を味わいます。
二人とも、もう乳首だけで達しそうでした。
「ああっ……アキっ……私、もう……っ!」
「イーシャ様ぁっ! あたしもっ……あたしもイキそうですっ!」
「ああっ! イッちゃうっ! イッちゃうっ! あああっ、もう、イクぅ……っ!」
がしかし、今まさに達する! ……というところで、アキさんは離れてしまいました。
ドュリエス様が後から抱き寄せたのです。
「ああーっ!! そんなあっ!! やめちゃやあっ! やああーっ!!」
鎖を引きちぎらんばかりの勢いで腕を暴れさせ、ぶんぶんと首を振って訴えるイーシャさんに、
ドュリエス様は優しく微笑みます。
「ダーメ。まだナオミとシーリオの挨拶が済んでないでしょう?」
そう言いながら、公女殿下はアキさんの乳首を指で強く挟み、揉みしだきました。
さらに、クロエさんがアキさんの前に跪き、おまたに顔を埋めて口唇愛撫を施します。
「ああーーっ! イクっ! イクぅぅっ! んおっ、おおーーーーっ!!」
アキさんはたまらず首を仰け反らせ、腰をかくかくと震わせながら絶頂を迎えました。
ぷしゃっと、クロエさんの顔にお潮がかかります。
「うあ……はぁ……はぁ……い、イッたぁ……」
「やあーっ! ずっ、ずるいぃーっ! アキばっかりずるいぃーっ!
私もイカせてぇーっ! イカせて下さいぃーっ! お願いしますぅっ! ドュリエス様ぁーっ!」
ドュリエス様は、泣きながら懇願するイーシャさんを尻目に、脱力し寄り掛かってきたアキさんを
そっと床に座らせると、クロエさんの頭に手を回し、アキさんの愛液を舐め取るように口づけます。
「ふふ、クロエはお口が随分上手になったわね」
「んっ……そ、そうかな……」
「そうよ。ほら、あなたのお顔、こんなに濡れちゃってるじゃない。
お胸だけで達したのなら、アキもこんなにお潮を吹いたりしないわ。そうでしょう、アキ?」
「はいぃ……へへ、クロエちゃん、気持ち良かったよぉ……」
「んっくぅ……クロエぇ……わ、私にもしてぇ……っ! んっ……ふあっ……はあー……。
ううっ……ひどいよぉ……ドュリエス様ぁ……私にも舐め舐めして下さいぃぃ……っ!」
絶頂寸前からは少し落ち着いてきましたが、それでも切ないもどかしさは治まらず、
必死にいやらしいおねだりをしてしまうイーシャさん。
ついさっきまで自慰もろくに出来なかった純情少女が、短い時間でここまで開発されました。
「安心して下さい、イーシャ様。私達がして差し上げますから」
「ええ、心を込めて『舐め舐め』いたしますわ」
シーリオさんが右から、ナオミさんが左から、イーシャさんの耳にささやきます。
しかし何故でしょう、この人達が言うと、あまり安心できませんね。
ナオミさんは、まず耳たぶを責めたてました。
舐め、甘噛み、吸い、唇で挟んで擦ります。
一方シーリオさんは耳の穴に舌を伸ばし、中をお掃除するようにうごめかせ、
イーシャさんの耳の奥にちゅくちゅくと粘り気のある水音を響かせます。
「ふ……くぅ……ん……」
「イーシャ様、あらためてご挨拶いたしますわ。私はナオミ・イニヤと申します。
一応、侍女頭を任じられております。十八歳ですわ」
ナオミさんがそっとささやくと、シーリオさんも自己紹介を始めます。
「うぇええうぇ、いーいえ・うえうぇーっええうぇあうー」
……イーシャさんに舌を差し込んだままで。
何を言っているのかはさっぱりでしたが、シーリオさんが発音するたびに耳の中が震え、
イーシャさんは奇妙な快感を覚えるのでした。
「んっ……ふああっ!」
「こら、シーリオ、ちゃんとご挨拶なさい」
ナオミさんにうながされ、シーリオさんは糸を引かせながら舌を抜きます。
「んっ……私は、シーリオ・トアウェーです。十四歳ですから、イーシャ様と同い年ですね。
えへへ、私、もうイーシャ様の香りとお味を覚えちゃいました。汗のも、おしっこのも、お耳の中のも……。
だから、イーシャ様も後でいっぱい、私を味わって下さいね」
「ふふ、私のことも、味わって下さると嬉しいですわ。でも、今はイーシャ様が味わわれる時間ですので、
私達に美味しくいただかれて下さいませね」
そして二人は申し合わせたように、舌を耳から首筋、肩、わきへと進めます。
「くぅん……ふぅっ……ああ……ん……んふぅ……」
もはや恥ずかしさやくすぐったさよりも快感が勝っているイーシャさんは、
あえぎ声がどんどん甘くなっていきます。
「まあ、素敵な声ですこと。気持ち良いのですね」
「そうなのっ! 気持ち良いのぉっ! 気持ち良いからやめないでぇっ!
ナオミ、シーリオ、もっとしてぇ……っ!」
「ふふ……良いお返事ですわ。正直は美徳ですものね」
そう言って、ナオミさんはイーシャさんの控え目なお胸を、下から持ち上げるように舐め上げます。
ただし、乳首には触れてあげません。
「はぁ……くっ、んんっ……お、おっぱい気持ち良い……。ね、ねえ、ナオミ……先っぽも舐めて……」
「いけませんよ、イーシャ様。美味しいものは最後まで取って置くものですわ」
「そっ、そんなぁ……っ! これ以上じらさないでよぉっ!」
二人がそんな会話をしている中、シーリオさんはひたすらイーシャさんのわきを舐め続けていました。
「んえっ……れっ……れぇ……はあっ……はあっ……はふぅ……れろ……」
「うふふ、シーリオ、イーシャのわきが気に入ったようね」
「だってこの子、体臭に欲情する変態ですもの」
と言うドュリエス様とナオミさんに、シーリオさんが反論します。
「もう、違いますよ。私は、素敵な人の味や匂いを、素敵だなあって思うだけです。
誰のでも良いってわけじゃないんですからね」
「もちろん、分かっているわ。イーシャは素敵な子ですものね」
「そうですよ。それに、確かにわきも大好きですけど、やっぱりおまたやお尻の方が興奮します」
「あらあら、どういたしますか、イーシャ様? またおまたやお尻をくんくんされちゃいますわよ?」
イーシャさんはナオミさんのその言葉に恥じらうかと思いきや、
「良いのっ! くんくんして良いからっ! だから、お願いシーリオ、おまたいじってっ!
じらされて、じんじんして、変なのっ! つらいのっ! ねえ、お願いだから、最後までしてえっ!」
涙を流しながらシーリオさんに懇願しました。
それを聞いたナオミさんは、イーシャさんから離れます。
「そうですか、ではお胸はもうよろしいのですね」
「ああっ! ナオミっ! やめないでぇっ! お胸もいじってぇっ! おっぱいぐりぐりしてぇっ!」
「まったく、お胸もおまたもなんて、イーシャ様、欲張りですわよ。はしたない」
「そうなのぉっ! はしたないのぉっ! はしたなくて良いから、もっと犯してぇっ! 気持ち良くしてぇっ!
これ以上じらされたら、私、おかしくなっちゃうからぁっ!」
「ふふ、イーシャ、それじゃダメ。はしたないならはしたないなりのおねだりがあるでしょう?」
「ふっ、ふえぇっ? わ、わかりません……っ! どうしたら気持ち良くしてくれるんですかぁっ!?」
「それは、自分で考えなさい」
「そんなあっ! そんなあっ! ドュリエス様ぁっ! いじわるしないでぇっ!」
顔をわななかせるイーシャさんを見て、ドュリエス様はこれみよがしに溜息を吐きます。
「……仕方ないわねぇ。ナオミ、指導してあげなさい」
「かしこまりました。さ、イーシャ様、こう仰っしゃればよろしいのですわ……」
ナオミさんは再びイーシャさんの耳に口を近づけると、はしたないおねだりを『指導』しました。
「や……そんなこと……言わなきゃ、ダメ、なの……?」
「そうですわ。さ、イーシャ様」
「うう……その……。
しょ、処女なのにイッちゃう、私のみ、淫らな、お、おま……おま、んこを、いじって下さい……。
い、イキたくて、ぱ、ぱくぱくおねだりしてる、お、おまんこ汁だらだらの、はしたないすけべ穴と、
触って欲しくて顔をのぞかせる、恥ずかしくふくらんだおさねを、どうか皆さんで気持ち良くして下さいっ!
いやらしい乳首もぐりぐりして下さいぃっ! 欲張りな私の体を、満足させて下さいぃっ!」
「良く聞こえなかったわ。どこをいじって欲しいのですって?」
「おっ、おまんこですぅっ! おさねもですぅ! おっぱいもですぅっ!」
吹っ切れたように叫ぶイーシャさん。
「ふふふふ……良く言えたわね。それでは、皆でご褒美をあげましょうね。ふふふふ……」
少し離れていちゃついていたアキさんとクロエさんは、顔を見合わせました。
「イーシャ様、意外と早く堕ちたねぇ」
「そうだね」
「でも、クロエちゃん程じゃないけどね。真面目そうな顔して毎日一人でしてた君は、すぐ開発されちゃったもんね」
「くっ……ほ、ほっといてよ……」
「くすくす……。とにかく、イーシャ様の歓迎会はいよいよ本番だね」
「そうだね……。どうしよう、イーシャ様の反応があんまり可愛いものだから、
なんだかボクもいじめたくなってきちゃった」
とうとう、唯一の良心までそんなことを言い始めました。
イーシャさんの運命やいかに……?
続く
以上です。
連投規制とか忘れてた……。
GJ!
クロエの歓迎会も見てみたい
ここ保管庫ってどうなってる?
>>437 2chエロパロ板SS保管庫にあるようだが
>>435 だいぶ遅れたけどGJ
思ったより皆若かった
保守
過去ログ3の細切れタマネギ ◆pdEW25vr6o氏の巨大な天秤が凄い面白いぞ。
文章とか設定とかリョナ要素など色々よかった。
どうも。
「神か悪魔の贈り物」第一章第六話です。
引き続き百合です。そしてまだ終われません。
長くてすみません。
私のこの投下が、もっと上手な職人様達への呼び水になれば良いなあ、何て思っています。
隗より始めよって言いますしね。
第六話
ご褒美はドュリエス様の口づけで始まりました。
まずは、先程シーリオさんが汲んできたお水を口移しで飲ませます。
「んっく、んっ、んっ、んっ……」
喉を鳴らして嚥下するイーシャさん。
飲み干せない分が、口の端からあごを伝って首元に滴り落ちます。
「んっ……ぷふう。うふふ、こうしてちゃんとお水を取らないと、脱水症状を起こしてしまうわ。
イーシャってば、汗も涙もよだれも、おまんこ汁まではしたなく垂れ流すのだもの」
イーシャさんは何か言おうとしましたが、その前にドュリエス様が再び口をふさいでしまいました。
柔らかな唇をむにゅりと押し付け、後はイーシャさんの動くにまかせます。
イーシャさんは拙いながらも一生懸命に擦り、舐め、ドュリエス様のお口を愛します。
「ん……ちゅ……ちゅば……んはぁ……うんん……ドュリエス様ぁ……お水も良いですけどぉ……
もっといっぱいご褒美を下さぁい……んむぅ……ちゅく……はうぅん……は、早くぅ……お願いしますぅ……」
それは、聞くものをとろかすような、だだ甘の声でした。
そこにはもう、今日まで真面目一辺倒で生きてきた凛々しい少女の姿は見当たりません。
もし今この場に彼女を知る者が現れたら、この娘はイーシャさんと瓜二つの別人だと思うでしょう。
『催淫』の刻印によって発情させられ、そこをドュリエス様によって開発された上、
侍女さん達に『自己紹介』されて、心も体も火照らされたイーシャさんは、もうすっかり快楽を求める
一人の『女』になってしまっているのです。……いやまあ、相手も全員女性なんですけど。
「んっく……ちゅ……んうぅー……ねぇえぇ……皆もぉ、私を気持ち良くしてよぉ……お願ぁい……
私、恥ずかしいおねだりいっぱいしたよぉ? だからぁ、ご褒美、くれるんでしょお?」
侍女さん達にも猫なで声で催促をするイーシャさん。
それまで色事に無縁だった人ほど、一度吹っ切れてしまうと堕ちていくのは早いのかもしれませんね。
これもひとえに、経験豊富な公女殿下の手練手管のおかげです。
なんと言ってもこの方は、今までに四人の少女を毒牙にか……導いた実績がありますしね。
ですが、ドュリエス様も最初からそんなつもりだったわけではありません。
刻印の力で身悶えるイーシャさんを連れ出したのも、半分は純粋に女として、
殿方の前で恥態を晒す彼女を見ていられなかったからですし、もう半分も、
「可愛い子が手に入ったわ。皆で遊んであげましょう、うふふ」
くらいの気持ちだったのです。
しかし、手ずから快楽を与え、絶頂にいざなっている内に、初心に恥じらいながらも淫らに反応し、
自分を求めてくるイーシャさんのあまりの愛らしさに、ドュリエス様の方もめろめろになってしまったのでした。
「はむっ、ちゅ……ああ、イーシャ……いけない子……わたくしを、んっ、こんなに夢中にさせて……。
いいわ、全力で『ご褒美』をあげてしまうからから……んちゅっ……覚悟なさい……うふふ」
「ああん、嬉しいですぅ……いっぱいいっぱい下さぁい……」
ドュリエス様が体を離すと、入れ代わるようにアキさんが右に立ちました。
「さあアキ、イーシャに『ご褒美』をあげて」
「はぁい。にゅふふー、イーシャ様、また気持ちよくなりましょうねー」
彼女は自分のおさげを筆を持つように握ると、その先端で、伸び上がって愛撫を求めている
イーシャさんの右の乳首を左右に掃きました。
「あっ、ふあっ! それっ、こっ、こしょばゆい……っ!」
「でも気持ち良いでしょう?」
「気持ち良いっ! 気持ち良いけどっ、もどかしいよぉ……っ! もっと強くしてぇっ!」
「わかった。もっと強く、だね」
反対側に立ったクロエさんがそう言って、左の乳首に吸い付きました。
「んあぁぁ……っ!」
ちゅうぅぅぅ……と強く吸い上げ、かりかりと歯を立てます。
「んくっきゃうぅっ! クロエっ! い、痛い……っ!」
しかし、肘掛けに固定され大きく開かれた足の前に陣取ったナオミさんが、剥き出しのおまたを見て言います。
「痛い? ですがイーシャ様、あなたの素直なお尻はひくひく動いて『気持ち良い』と仰っしゃっていますわよ?」
「ああっ! そうなのっ! 痛いけど気持ち良いのぉっ! おっぱい痛くて気持ち良いよぉっ!」
「まあ、痛いのが良いなんて。もしかしてイーシャ様、変態でしたの?」
「やあっ……っ! そんなの、わっ、わかんない……っ!」
「そうですわよねぇ、イーシャ様、初めてですものね。
でも、変態と言われても、やっぱりお尻は嬉しそうにしますわよ。
初めてですのに、痛くされても言葉で責められても感じてしまうのですか?
おほほほ、生まれつき淫らな体なのですね!」
ナオミさんは、イーシャさんのお尻の穴に人差し指をあてがい、ぐりぐりと回します。
「ああっ! ダメぇっ! そこ違うからぁっ! きっ、汚いよぉ……っ!」
「違いませんわ。だって、こんなに喜んでるではありませんの。
可憐にきゅっと窄まって、私の指に吸い付いてきますわよ。
それに、汚くなど……。イーシャ様の体で汚いところなど、ございませんわ。ねえ、シーリオ?」
お尻から指を離しシーリオさんの鼻先に突き付けると、本家変態の銀髪少女は
ためらいなくその指先を口に含みました。
「んっ、ちゅう……いーひゃひゃまのおひりのおあひ、ほいひい……」
「ばかあっ! もう、やぁ……っ!」
「さあイーシャ、のどが渇いたでしょう?」
ドュリエス様は水差しに口を付け、含むと、再び口移しでイーシャさんに飲ませます。
「んっ……んっ……んっ……ぷはっ! けほ……っ」
その間にも、乳首は責め続けられています。
アキさんとクロエさんはすでに、髪や歯から、舌での愛撫に移行していました。
ぺろぺろれろれろと、擦るように舐めています。
単純な動きの繰り返しですが、間断無く責め立てられるため、次第にお胸から背筋を伝って
全身に快感が広がっていきました。
特に下腹部は、奥の方がじんわりと熱くなってきており、最初にドュリエス様に味わわされたよりも
さらに深い絶頂へと追い込まれていくのを感じました。
「くうぅぅぅっ、うあっ、 あ、ああ、なんか、なんか来ちゃいますぅ……んっくぅ……っ!」
「イーシャ、お胸でイキそうなのね?」
彼女の頭を撫でながら、ドュリエス様が優しげに問い掛けます。
「そうですぅっ! イキます! お胸でイッちゃいますぅっ! あっ、いっ、イクっ! イキますっ!
ドュリエス様ぁっ! ふあっ、あ、あ、あああーー……っ!!」
「はいそこまで」
ドュリエス様が手をぽんと叩くと、アキさんとクロエさんはさっと離れてしまいました。
「あーーーっ!! やーーーっ!! それやめないでぇ!! おっぱいイカせてぇっ!!」
先程から何度も寸止めを繰り返され、もどかしさで気が狂いそうなイーシャさん。
四肢を拘束されているので、自らの手で慰めることも、足を擦り合わせて紛らわすことすらも出来ません。
「つらいよぉ……っ! 何でっ、何でやめるのぉっ!? ご褒美くれるんでしょおっ!?」
「だって、お胸だけで達してしまうなんて、もったいないじゃないの」
「そうですわ。こちらもこんなに欲しがってらっしゃいますのに」
ナオミさんがイーシャさんのお大事を指でそっと開くと、中からこぽっと、恥ずかしいお汁が溢れ出て来ました。
「ほら、イーシャ様、いやらしい蜜がいっぱい出てきましたわ。お尻の方まで流れて、ぬるぬるですわよ」
指で掬い、お尻の穴に塗り込みます。
「やあぁっ! だからっ、そこっ、違うぅっ!」
「いえいえ、お尻の穴でもこれだけ濡れてるなら、指一本くらい入ってしまいそうですわよ。
それともやはり、こっちの方に入れて欲しいのですか?」
お尻の穴から撫で上げ、お大事の穴に指をあてがいます。
「ひゃう……っ! あのっ、そっ、そこは怖いから……おさねいじってぇ……っ!」
「あら、そんなことを言えるのも今のうちですわ。一度中イキの味を覚えてしまったら、
きっと病み付きになりましてよ」
「そうね、でもイーシャにはまだ早いわ。ゆっくりと時間をかけて開発しないと。
たとえこの子が、卑猥な言葉で快楽を求めるふしだらな娘でも、まだ処女なんですもの」
「わっ、私をそういう娘にしたのは、ドュリエス様じゃないですかあっ!
お願いですから、最後までしてくださいよぉっ!」
「もちろん、最後までして差し上げるわよ。ゆっくり、ゆーっくり時間をかけて……ね。
さあ、お水をお飲みなさい」
口移しでの水分補給の後、ドュリエス様が頷いて合図をすると、ナオミさんは、
すっかり持ち上がり半分顔をのぞかせているイーシャさんのおさねの皮を、親指と人差し指で挟んで剥き上げました。
「ああーっ! そこぉっ! そこぉっ! そこいじってぇっ! そこ大好きぃっ!」
「……へえ、そう。イーシャ様、お胸はそんなに好きじゃなかったんだ。折角舐めて差し上げたのに、残念だな。
じゃあ、もうイーシャ様のお胸には何もしないことにするよ」
とうとうクロエさんが言葉責めに参戦です。
「そっ、そんなあっ! 違う、違うのぉっ! お胸も大好きなのぉっ! どっちも気持ち良いのぉっ!」
「イーシャ様、欲張りはいけませんわ。お胸がお好きなら、こちらはお預けです」
ナオミさんは剥いた皮を戻し、おさねをすっぽりと包んでしまいました。
「ひうっ!」
「さあ、お胸とこちら、どちらがよろしいのですか?」
再び皮を剥くナオミさん。
が、すぐにまた被せてしまいます。
そしてまた剥き、また戻し、剥き、戻し、剥き、戻し、剥き……。
「ふひっ、はひっ、んあああっ! それっ! それ気持ち良いっ!
あ、あ、あ、ふあっ、ああっ、あぁぁぁぁ……っ!」
また達しそうになるイーシャさんでしたが、やはりナオミさんは寸前で止めてしまいました。
「んっ……くうぅっ! な、なんでぇっ!? なんでいつも止めちゃうのぉっ!? もう少しなのにぃぃっ!!」
「お胸とおさねとどちらが良いか、まだお答え頂いていないからですわ」
「おっ、おさねっ! おさねが良いですぅっ! だから今の続けてぇっ!」
しかし、その言葉を受けて動いたのはクロエさんでした。
親指の腹と人差し指の横で、乳首をおもいっきりつねり上げたのです。
「ひぐうぅっ! うああーっ!?」
「本当? お胸痛くされてこんなに素敵な声を出しておいて、それでもおさねの方が良いなんて、信じられないな」
「そうですよ。さっきもあたし達に舐められて、あんなに気持ち良さそうにしてらしたじゃないですか」
アキさんも同じように、反対側の乳首をつねります。
「あぐうっ! くうぅん……っ!」
「やはりお胸の方がよろしいのですか? お尻だけではなく、おさねもひくひくと震えて、とても嬉しそうですわ」
「あら本当。おまんこの穴もぱくぱくおねだりしているわね」
ナオミさんの後から、ドュリエス様がのぞき込んで言いました。
背中に当たるお胸は、アキさんより少し小さいくらいでしょうか。
それでも、十六歳としては平均より上といったところです。
ちなみにナオミさんのお胸は、一番年上なのに一番……。
あー……いえ、そこは言わぬが花ですね。
「処女なのにこんなになってしまうなんて、イーシャはやっぱり生れついての好き者なのね」
「そうですぅっ! イーシャは好き者ですぅっ! だから早くご褒美下さいぃっ! イカせてぇっ! イカせてぇっ!」
「ですから、お胸とおさね、どちらでイキたいのですか?」
「あっ、おっ、お胸ぇっ! お胸よぉっ! このままお胸でイカせてぇっ! あっ、あっ、んうぅ……っ!」
またまた達しそうになるイーシャさんでしたが、またまたクロエさんとアキさんは手を離してしまいました。
「くぅん……っ!! なん、なんでぇ……お胸でイキたいって、言ったじゃないっ!
お願いよぉ……イカせてよぉ……おかしくなっちゃうからあっ!」
「だってイーシャ様、お胸と言ったりおさねと言ったり、結局どっちが良いのかボクには判断出来ないんだもの」
「本当はやはりこちらでイキたいのでは?」
ナオミさんが、今度はイーシャさんの卑猥なお豆を剥き出して、
人差し指の腹で触るか触らないかといった感じに愛撫します。
「んっ、ふぅっ、ふあ……っ! はあっ……はうっ……も、もう許してぇっ!
どっちでも良いから、私をイカせてぇ……っ!」
すると、急にナオミさんの指に力が入り、おさねを押し込むようにして止まってしまいました。
「ふひぃっ!」
「んっ、きゃふぅ……っ!」
そして、可愛い嬌声が二つ同時に響きました。
一つはイーシャさん、もう一つはナオミさんです。
ドュリエス様が、背後から右手を侍女頭さんの足の間に差し入れ、割れ目を指でなぞったのです。
「ナオミ、イーシャを責めて興奮しているのね。こんなに濡れているわ」
「んあっ、ど、ドュリエス様っ……くぅんっ!」
「うふふ、わたくしも一緒よ。ほら……」
公女殿下は左手でご自分のおまたをまさぐり、ねっとりとした欲情のしるしを指で拭うと、
ナオミさんの唇に塗り付けます。
ナオミさんはそれを舐め取り、ドュリエス様の指もちゅばちゅばと音をたててしゃぶりました。
「んんっ……ちゅ……」
「ほらナオミ、指が止まっているわ。イーシャがもどかしそうにしているわよ」
そう言うドュリエス様の指は、止まらずにナオミさんを責め続けています。
「ああん……もう、ドュリエス様ったら……あっ、はぁん……っ!」
ナオミさんはあえぎながらも、イーシャさんのおさねを押し込んだまま、指を小刻みに震わせました。
「ひいぃぃっ! それぇっ! それすごいぃっ!」
首をのけ反らせて悦ぶイーシャさん。
あんなに凛々しかったお顔も、今や涙やらよだれやら何やらでぐちゃぐちゃです。
ナオミさんの方も、ドュリエス様の巧みな指技にあられもない声をあげています。
「はあぁん……っ! ドュリエス様ぁ、私のおまんこ、もっと犯して下さいましぃ……っ!」
「うふふ、ナオミの中、相変わらずひだひだが絡み付いてびくびく動くわね。
わたくしの指、そんなに美味しいのかしら?」
「美味しいですわぁ……っ! いっぱい食べさせて下さいませぇ……っ!」
「良いわ……たっぷり召し上がれ」
ドュリエス様は、ナオミさんの下のお口に咥えさせた中指をくっと鍵型に曲げると、
淫らにうごめく肉壁を引っ掻くように責め立てました。
「んおおおおおぉーー……っ!! か……っ! は……っ!」
一気に絶頂を迎えさせられたナオミさんは、腰が砕け、
ドュリエス様にもたれかかるように尻もちをついてしまいました。
勝手知ったる侍女の膣。
ドュリエス様は彼女達の一番弱いところを熟知しているのです。
しかし、ナオミさんの指が離れてしまったので、イーシャさんの方はまたしても達することが出来ませんでした。
「ふぅーーっ! はひはーっ! ほーひえーっ!? ふあへあっんおおーーっ!!」
ドュリエス様に苛まれ、身悶えながら、どんどん強くなっていくナオミさんの指使いに、今度こそ……っ!
と期待したイーシャさんは、自然と腰に力が入り、足もきゅっと丸まって、完全に待ちの体勢でしたのに、
正にイキかけたその瞬間に愛撫を止められてしまったので、もうちゃんとした言葉も出てきません。
「くすくす、ほらナオミ、あなたが途中で止めたから、イーシャがまたつらそうにしてるじゃない」
「は、はい……うふふふふ……申し訳ありません、イーシャ様……」
そんな会話をしていますが、もちろんこの二人、イーシャさんをイカせてあげるつもりなんか最初からありません。
「だから、イーシャの分までいっぱい絶頂を味わわなくてはね?」
ドュリエス様は右手の動きを再開しながら、左の手の平で
ナオミさんのおへその下の辺りをぎゅっと押し込みました。
こうすると、指に膣壁が押し付けられ、さらにたまらない快楽が襲い掛かってくるのです。
「ふがぁ……っ!? あが……っ! かっは……っ!!」
ナオミさんは背中をぎゅーっと弓なりにのけ反らせ、締め上げられたように呻きました。
腰がばたんばたんと、彼女の意思とは関係なく暴れてしまいます。
それを見せつけられたイーシャさんは、嫉妬と羨望がないまぜになった声をあげるのでした。
「くあーーっ! それぇっ! それっわっわらしっ! わらしにもしてぇっ!
おっおねあいしますぅー! イカせてぇ! イカせてよぉ! もうやー! もうやらーっ!」
手を繋いだ鎖はがしゃんがしゃんと鳴り、足を括った肘掛けはぎしぎしと軋みますが、
かなり丈夫に作られているらしく、壊れる心配はなさそうです。
それを見たドュリエス様は、ナオミさんから中指をずるりと引き抜きながら、しれっとした顔で言いました。
「イーシャ、イキたいの? でもまだダメよ。あなたはまだ処女なのだから、もっとゆっくり覚えていかなくてはね」
そしてナオミさんの耳元に唇を寄せると、
「あなたは経験豊富ですもの、もっと激しいのが欲しいでしょう?」
「ひ……っ!? いっいえっ、わっ、私は、もう……っ!」
「どっちにしても、さっき『たっぷり召し上がれ』と言ってしまったのだから、
あなたの体が満足するまで、おかわりをあげないわけにはいかないわ」
「いいえ満足ですっ! もう満足ですわっ!」
ナオミさんの叫びを聞き流して、ドュリエス様は今度は中指だけでなく薬指も揃えて、
侍女頭さんの淫穴に潜り込ませます。
「ひゃうっ!」
下腹に当てられた左手も、ただ押し込むだけでなく、揉みほぐすような動きを見せています。
「どうかしらナオミ、美味しくて?」
「んごぉーっ!! ほおおーっ!! ひぃあぁーっ!!」
「おほほほほっ! 可愛くてよナオミっ! ……ふふ、イーシャ、あなたもそのうち、こんなふうになれるわ」
「いっいまひてぇっ! いまひてくらさいぃぃっ! もっ、もう狂うっ! 狂っちゃいますからぁっ!」
「まあ大変。ならせめてナオミの絶頂を見て、少しでも気を紛らわせてね」
ドュリエス様はそのまま左右の手の動きを続け、ナオミさんをさらに追い込みました。
「ひいぃーっ!! ふごおぉぉっ!! おおおおお……っ!! んおおお……っ!! おっ……かは……っ」
ナオミさんは盛大にお潮を吹きながら全身を波打たせて暴れますが、
ドュリエス様は彼女に足をしっかりと絡み付かせ、逃がさず責め続けます。
「さあさ、もっともっと召し上がれ!」
「かっ…………はかっ…………ああああ…………っ!」
その間、イーシャさんも当然ただ見せつけられているだけではありません。
アキさんとクロエさんによって、絶頂寸前を維持され続けていました。
アキさんが左のわき腹から腰にかけてを舌で味わいながら、指で下乳を突き、乳房を揺さぶります。
指はそのまま綺麗な乳輪の縁をつつーっとなぞりますが、乳首には決して触れてくれません。
「ああーーっ! アキぃっ! 先っぽにもしてぇっ! つんつんぺろぺろしてぇっ!」
「えへっ、ダメでーす」
一方クロエさんは、右膝に吸い付き、跡を付けます。
そして、内太ももに舌を這わせると、ゆっくりと付け根の方に移動していきました。
「ひゃっあっああーーっ! くっ、クロエっ! そのままぁっ! そのまま来てぇっ!」
少しずつ少しずつ焦らしながら、イーシャさんの女の子の中心に向かって近づいていくクロエさん。
ついにお大事にたどり着くと、イーシャさんは期待のあまり、
「おっ、おっおおおーーっ!」
と吠えるような声を出してしまいました。
クロエさんは舌を伸ばし、先端だけで前後の穴の間を通過させます。
そしてそのまま、左の膝に向かって進んで行ってしまいました。
「いやあーーーっ!! 行かないれぇっ!! 通りすぎうのだめぇっ!!
クロエぇーーっ!! おねあいっ!! もろっへひれぇっ!! そっちじゃないのぉっ!!」
「戻る? どうして? ボクはイーシャ様の足を味わえているから、別に問題はないんだけど」
「わっ、わかってうくせに! わかってうくせにぃぃーーっ!!」
「くくく、仕方ない人だなぁ」
クロエさんは目を細めて嬉しそうに笑います。
この人まだ幼いのに、こうするとずいぶんと狡猾そうな顔になりますね。
「じゃあ、ここまで届いたら、おさねをいやって程舐めてあげるよ」
そう言って、おさねから指二、三本分程離れたところで、れろんと舌を出しました。
イーシャさんは必死に力を入れ、腰を突き出そうとしましたが、椅子が軋むばかりで、やはりほとんど動かせません。
「むっ無理っ! 無理よぉっ!」
「ほら、頑張ってイーシャ様。届いたら、
吸い付いて、舐めて、なぶって、しゃぶって、擦って、
可愛く泣かせてあげるから」
「んっおっ! おおっおねらいっ!! してしてっ!! してしてしてしてぇーっ!!」
今のイーシャさんは、もうクロエさんの舌使いを想像しただけで、苦しいほど切なくなってしまうのでした。
「くっふ、おさねをそんなにひくつかせるなら、いっそのこと、ここまで伸ばしてみたら?」
「ああーっくうぅっふぅーっ! れきない! そんなのれきないぃっ!」
「あきらめないで。イーシャ様は強い人だから、きっと出来るよ」
クロエさんはそんな無茶を言うと、口の端をにいっと持ち上げ、おさねに向かってふーっと息を吹き掛けました。
「んひゃあああーーーっ!?」
「あははははっ! すごい反応! これはもう、直接触ったらそれだけでイッちゃうね。気をつけないと」
ふー、ふっふっふっ、ふうー……。
クロエさんは強弱をつけて息責めを続けました。
「にゃああっ! ああっ! うふっうぅーーっ!」
「……うわあ。初めてなのにクロエちゃんをここまでいじわるにさせるなんて、イーシャ様流石ですねぇ。
でも、ま……ふうー」
アキさんも、イーシャさんの乳首を吹きました。
「はひっ! ひっ! んひいぃーー……っ!」
「気持ちは良ーっく分かりますけれどね! まったくイーシャ様、可愛すぎですもん!」
さて。
こうしてイーシャさんが二人の息で悶えさせられ、ナオミさんがドュリエス様の指技によって
もはや意識も朦朧となっている中、もう一人の侍女さん、シーリオさんは何をしているかというと……。
「ああん……イーシャ様のおみ足の匂い……っ! ふあっ、ま、またイッちゃいます……ふああああ……っ!!」
イーシャさんの足の裏に鼻を押し付けながら、自分のおまたをまさぐり倒していました。
続く
番号間違えました。
>450
×(7/9) → ○(8/9)
です。
以上です。
では、また。
っしゃあ!一番乗りGJ!!
GJ!はやく続きを!
保守
続きマダー保守
どうもです。
「神か悪魔の贈り物」第一章第七話です。
まだまだ百合です。あと、お尻舐めとおしっこ注意です。
あと、相変わらず終わりません。すみません。
第七話
「あっ、あっ、イクっ! イクぅっ! あふっ、ふぅっ、うううううううーーーーっ!!
…………ふぅーっ……ふぅー……はぁっ、はー、はー……」
二度小さく達した後に、中くらいの絶頂を迎えたシーリオさんは、
一休みしてイーシャさんの足の指を味わい始めました。
「んっ、れ……れろ……ちゅ……ちゅぅ……ちゅば……」
しかし、いかに足の指は性感帯の一つと言っても、ここまで高ぶらされたイーシャさんにとって、
そこへの愛撫など、ただただもどかしさを増すだけでした。
もちろん、シーリオさんもそのつもりでやってるんでしょう。
……いやまあ、自分の欲望のおもむくままにイーシャさんの素敵なおみ足を堪能しているだけかもしれませんけど。
と、そうして四つん這いになったシーリオさんのお尻が、背後からむんずと掴まれました。
「あひゃっ!? ……あ、ドュリエス様」
「ダメじゃない。イーシャの歓迎会なのに、あなたが気持ち良くなっては」
「えー。ナオミさんをあんなにしちゃったドュリエス様には言われたくないです」
シーリオさんの言う「あんな」とは、全身汗と涙とよだれとお小水にまみれ、瞳は虚ろ、口は半開きで、
だらんと投げ出された手足や腰が時折びくびくっと痙攣する状態のことです。
「うふっ、つい。でもナオミのことだから、しばらくすれば復活するわ」
「そうですね。ほら、イーシャ様、もうすぐイーシャ様もああいう風にして差し上げますからね」
アキさん、クロエさんは息吹責めを一休みしていて(ずっとやってると酸欠になってしまいますからね)、
少し気の緩んだところにナオミさんの成れの果てを見せられたイーシャさんは、
涙を流しながらさらに焦燥感をつのらせるのでした。
「あーー……あーー……ふえぇ……はっ、はやくナオミみたいにひてぇ……っ!」
「ふふふ、あせってはダメよ」
「ドュリエス様の仰る通りですよ。お楽しみは、後に取っておいた方が嬉しさも倍増です」
「もっ、もういっぱい待ったもんっ! ご褒美くれるって言ったもんっ! だからっ! ご褒美、くらしゃいーっ!
はっ早くぅぅっ! ご褒美ーっ! もうらめらからぁっ!!」
「ところでシーリオ、さっきからイーシャの足の匂いで喜んでいるようだけど、
本当はここを味わいたいのではなくて?」
懇願するイーシャさんをさっくり無視すると、ドュリエス様はシーリオさんのお尻に手の平をあて、
二本の親指で広げて、その中心の窄まりに舌をぬぬぬぬ……っと深く差し入れ、ゆっくりと抽迭を開始します。
にゅちゅ、にゅっ、にゅっ、ぬぬぬぬ……。
「あふぅんっ! そっ、そうですぅ……お尻の穴、味わうのも味わわれるのも、大好きぃ……っ!
ドュリエス様ぁ、私のお味はいかがですかぁ?」
ドュリエス様は、そこで一気に舌を引き抜きます。
「きゃはうっ!」
「うふふ、とても美味しくてよ。ほら……」
そして、引き抜いたばかりの舌をシーリオさんのお口に挿し入れました。
「んっ! んう……んっ……んふぅ……ぷはぁ……。はぁ…………。
……んー、やっぱり自分の味はよくわかりませんねぇ。
あ、ドュリエス様のお口はもちろんとっても美味しいですよ」
「うふふ、ありがとう。じゃあ、イーシャのお味も見てみましょうね」
「はぁいっ!」
嬉しそうに返事をしたシーリオさんは、クロエさんと入れ代わるように
イーシャさんのおまたの前に座り込むと、伸ばした舌の先でお尻の穴のシワ一本一本に唾液を塗り込んでいきました。
「んにゃあっ……ああっ、やうぅ……っ!」
そしてぐぐぐ……と穴を押し広げるように、ゆっくりと舌を侵入させていきます。
「ひあっ! う、うそ……入ってくる……っ!!」
と言っても、もともと何かを受け入れるように出来ていない上、
シーリオさんと違って開発もほとんどされてないそこは、まだ少ししか侵入を許してくれません。
それでも、少し挿し込んでは抜き、また挿し込んでは抜きを繰り返すシーリオさんの巧みな舌使いに、
イーシャさんは全身の毛穴が広がるような快感を覚えるのでした。
排泄器官への口唇愛撫。
おそらく、最初にドュリエス様の手ほどきを受けた時点では嫌悪感の方が勝っていたでしょう。
が、その後散々高ぶらされ、焦らされ続けたイーシャさんは、もはや快楽のことしか考えられなくなっているのです。
「んあぁ……お、お尻がこんなに気持ち良かったなんてぇ……っ! あっ、ああうっ……ふうぅっ!」
イーシャさんは今度こそ絶頂を迎えようと、必死に歯を食いしばりました。
お腹や股間の筋肉に、無意識に力が入ります。
しかし、いかにイーシャさんが快感を求めようと、いかにシーリオさんのお口が上手かろうと、
お尻だけで達するには開発が足らなすぎました。
結局、絶頂寸前まで押し上げられたまま、達することも下りて来ることも許されず、
気の遠くなるような飢餓感にさらされ続けるのでした。
「あーっ……くっ、ああっ! あくっ、ふっ、うーーっ! うふーーっ!」
「ふふふふ……イーシャ、とっても良い顔になってきたわね……。では、そろそろ仕上げに入るわよ」
その言葉を受けて、アキさんとクロエさんも愛撫を再開しました。
ドュリエス様もそこに加わり、指を、舌を、縦横無尽に走らせます。
イーシャさんは気持ち良いけど達することの出来ない穴を、変態少女の柔らかな器官にほじられながら、
経験豊富な三人の少女に全身を責めさいなまれるのでした。
下乳、横乳、小さな胸の谷間。
首筋、わきの下、わき腹、二の腕、手の指。
太ももの外側、内側、お尻の双丘。
足の付け根、ふくらはぎ、足の指。
お腹、おへそ、さらにその下。
しかし、最も敏感な場所には一切触れることなく、しかも四人の絶妙な手加減が、
イーシャさんを達する寸前の、ぎりぎりの状態に保ち続けます。
「ふおっ! ふおぉぉっ! こっ、こんなのっ! もうっ、もうっ、ひぬっ! ひんじゃうっ!
おあぁぁっ! いかひてぇっ! ほおぉぉっ! ほっ、ほねがいぃぃっ!
もうっ、おかっおかひくなりゅうっ!! いかひてくらしゃいぃぃっ!
ああああああっ!! おあぁぁぁぁ……っ!!」
・
・
・
どれくらいの時間がたったでしょうか。
イーシャさんにしてみれば、それこそ気の遠くなるような長い時間でしたが、実際にはそれ程はたっていません。
「ドュリエス様……ひどいではありませんの」
それでも、ナオミさんはあの状態から回復したようです。
この人、なかなかの絶倫さんのようですね。
「うふふ、ごめんなさい。泣き叫ぶあなたがあんまり可愛くって」
「もう……後でお返しさせていただきますからね!」
「まあ、ナオミ、怖いわ。お手柔らかにね?」
怖がるどころか、どう見ても期待している顔です。
「でも、今はイーシャにしてあげて」
「ええ、喜んで」
ナオミさんが責めに加わり、代わりにドュリエス様はイーシャさんから体を離し、水差しを取ります。
「さあイーシャ、お水よ」
「あーーー…………いっ、いあしぇれぇ…………うえぇぇぇ…………いあしぇれぇ…………
いあっ…………んあああああ…………おえあいぃぃ、いあしぇれぇ…………」
「まあ、もうまともに喋れないのね。そんなあなたもとっても魅力的よ」
そしてまた口移しで水を与えます。
「んぐっんっんっんっ…………はーーー…………うあーーー…………んおぉぉぉ…………」
「ふふ、この辺が限界かしらね――あなた達」
ドュリエス様が合図をすると、四人の侍女さん達は一斉に愛撫を中止して、
イーシャさんのおまたの前に集合しました。
「かはっ…………んおぉ…………あ? やあぁ…………や、やえないれぇ…………やえないれぇ…………
おねあいあからぁ…………いっ、いあしぇれよぉ…………うああああ…………いあしぇれぇ…………」
それまで延々と、本当に延々と体をもてあそばれ、焦らされ続け、達すること以外何も考えられなくなっていた
イーシャさんは、突然の解放に思考が追いつかず、呂律の回らない弱々しいおねだりを繰り返すのでした。
「わかったわ。さあイーシャ、いよいよイケるわよ。覚悟は良くって?」
イーシャさんは首をがくんがくんと激しく上下させます。
「あっ、あやぐーっ! あやぐぅぅーっ!」
「ふふふふ、ほうら、この指があなたを飛ばしてくれるわ」
ドュリエス様は、揃えた右の人差し指と中指を見せつけるように振ると、勝手に膨らんだり引っ込んだりしている
イーシャさんの腹筋の上を滑らせて、ゆっくりと下に向かって伸ばしていきます。
「あーーーっ! あやぐぅーっ!」
そして、ついにおさねに届く……というところで、しかし、またドュリエス様は指を外してしまいました。
「ほがあぁーっ!?」
またイカせてもらえないの……っ!?
イーシャさんが期待を裏切られ、絶望的な気持ちになった、その瞬間、そこを見計らって
ドュリエス様はおさねを激しく擦りあげました。
「――――――――っ゛っ゛っ゛っ゛!!!??」
限界まで体の飢餓感を高めさせられた上、快楽への構えを外され
心の防備が全くなくなったところへの『ご褒美』です。
イーシャさんは、心も体もばらばらになってしまったような、
凄まじい絶頂をまともにくらってしまいました。
白目を剥き、首と背をのけ反らせ、舌を突き出し、断末魔の叫びのように大きく口を開きますが、
あまりの衝撃のために声が出ません。
おまたからは、びゅううーーっ! と水鉄砲のようにお潮が噴き出し、アキさんの胸元に命中しました。
「きゃあん……イーシャ様の、いただいちゃったぁ」
一拍置いて、今度はお小水が、ぷしゃああ……と噴水のように上がり、
四人の侍女さん達にまんべんなく降りかかります。
彼女達はお顔や体で受け止め、口を開けて飲み、両手を使ってお互いの体に塗り込み、舌で舐め取ります。
「ああん、素晴らしいですわイーシャ様! やはりあなたはおもらし娘ですのね!」
「いっ、イーシャ様のおしっこ! いっぱいですぅっ! ふああ、美味しくて良い匂いぃっ!」
「うー。ナオミもシーリオも、ボク達がいない時にもう楽しんだんでしょう? ボクとアキにもっと分けてよ」
「そーだよぉ。二人ともずるいずるい」
「大丈夫。喧嘩しなくても、イーシャはもっとおもらししてくれるわ。
さっきから、あんなにお水を飲んでいるんですもの。ね、イーシャ?」
しかし、目の前が真っ白になり、頭が深い霧に覆われたように何も考えられなくなってしまったイーシャさんは、
そんな声が届くことも無く、淫水を撒き散らしながら、夢と現実の狭間をふわふわと漂っていたのでした。
「……シャ。……シャ。だい……ぶ? ……たくしが……かる……しら……?」
遠くで、声が聞こえます。
「……シャ。……シャ。イーシャ。戻ってらっしゃい、イーシャ」
誰かが名前を呼んでいるようです。
このお声は……ああ……私の、大事なお方……。
「……ドュリ……エス……様?」
しばらくの間、全身が弛緩し、目の焦点が合わなくなっていたイーシャさんでしたが、
ドュリエス様の、頬をぺちぺちと叩きながらの呼びかけに、ようやく光が戻ってきました。
「ああ……ドュリエス様ぁ……」
「うふふ、意識が飛ぶほど良かったのね」
ドュリエス様は、にっこりと慈愛に満ちた微笑を浮かべ、言いました。
「お帰りなさい、イーシャ。そしてまたイッてらっしゃい」
それを合図に、アキさんがおさねにむしゃぶりつきました。
「――――――っっっ!!?」
ドュリエス様は、左手で乳首を挟んで回転させ、もう片方を口に咥えます。
他の侍女さんたちも、思い思いの場所にご奉仕します。
「…………っ! …………っ! …………っ!」
波のように連続で襲い掛かる絶頂。
意識が回復したばかりで完全に気が緩んでいた上、深く深く達したばかりでつらいほど敏感になった
体を責められて、イーシャさんは涙とよだれと鼻水を垂れ流しながら上半身を痙攣させます。
肘掛けに固定されて痙攣も出来ない下半身からは、じょろろろろ……と、またお小水が流れ出しました。
先程より勢いは劣っていて、いかにも緩んだ尿道から出てるおしっこって感じです。
それが、おさねを責めるアキさんの顔に当たり、豊かなお胸を伝って滴り落ちています。
「アキ、ボクにもそこ、いじめさせて」
「ん、あーい」
今度はクロエさんがイーシャさんのおまたに顔を埋め、舌を這わせます。
イーシャさんの放尿は止まってしまいましたが、残った分を舐め取っているのです。
それに、おしっこの穴を刺激してあげれば、また粗相をしてくれるかも知れませんしね。
あ、ほらね、幾度目かのイーシャさんのおもらしが、クロエさんのお口に流れ込み、端から流れ出てきてます。
幼い黒髪侍女さんは、ちょろちょろと山辺の涌き水のように小さく溢れ出る
少女騎士の美禄を受け止めながら、おさねを中心に熱心に快楽を施します。
時々指でお尻の穴を刺激することも忘れません。
そして他のあらゆる場所には、残りの四人が舌と指を駆使して『ご褒美』を与えています。
もちろん五人とも先程までとは違って、全力で絶頂に導く本気の愛撫です。
「……ぉぉ……ぉ゛ぉ゛ぉ゛……ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ っ!!!」
イーシャさんのお口から漏れ出した小さなうめき声は、容赦のない絶頂の波状攻撃を受けて
どんどん大きくなっていきました。
「んお゛ーっ! ……あお゛お゛っ……や、やえれぇっ! もうやめやから……っ!
うああっ……まっ、まらいぐっ! まらいぐぅーーっ!!」
イーシャさんはもう何度目かわからない絶頂を迎えましたが、誰も手を(そして舌も)緩める気はなさそうです。
「あ゛ーーーっ!! いっ、いっえうからーっ! いっえうろきあめぇっ! んあおっ!! んあ゛お゛ーっ!!」
「うふふ。イーシャ、イッてるとき、さらに押し上げるようにイカされるのは、堪らないでしょう?」
「ふぐっんおお゛ーーっ! たまやないっ! たまやないあらっ! もっ、ゆっ、ゆるひえぇっ!」
「許す? 何をかしら? わたくし達は、あなたが何度も『イカせて』って言っていたから、
そうしてあげているだけよ」
「もういいえすっ! もういいえすっ! あはひぃっ! あお゛お゛っ!! いっ、いうのあもういいえすかあっ!」
「もう、わたくし達相手に遠慮なんかしないの。
あ、もちろん気絶などして逃げられないよう気をつけるから、安心して頂戴ね」
「ひいぃっ!! もうっ、もうやらあっ! んあ゛あ゛っ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……っ!!」
続く
以上です。
十四歳美少女のおしっこなんて、おしっこ界のロマネコンティと思います。
直飲みも良いですが、デキャンタージュで香りを楽しむのもオツなものかと思います。
ではまた。
GJ!
468 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 20:31:01 ID:+b69yWYy
あげてみる
どうも。
「神か悪魔の贈り物」第一章第八話です。
規制の合間に投下です。
百合、おしっこ注意です。
あと、毎度終わりが見えない話ですみません。
第八話
五人掛かりの快楽責めはまだまだ続きます。
「んお゛お゛ぉ゛ーーーっ! の゛お゛お゛っ!」
「あらあら、ずっとイキっぱなしね。イーシャ、今ので何回目かしら?」
「お゛あ゛ーーーっ……お゛か゛あ゛ーーーっ……けはっ……あっ、んっお゛お゛お゛っ!!!」
「聞いても無駄ですわドュリエス様。イーシャ様ってば、イクのに夢中で聞いてらっしゃいませんもの」
「うふふふふ、しかたのない子ね、うふふふふ」
「あ゛ーーーーっ!! あ゛ーーーーっ!!」
「イーシャ様、やっぱりおさねが一番感じるんだね。乙女らしくて可愛いね」
親指と人差し指でおさねをこすこすと扱きながら、クロエさんが言います。
あなたさっき「乳首とおさね、どちらがいいのか判断出来ない」とか言ってませんでしたか。
「ふふふ、ではおもらしも一段落したようですし、そろそろこれの出番ですわね」
ナオミさんが取り出したのは、彼女の中指程の長さの一本の棒でした。
太さは小指の半分といったところでしょうか。
その棒をお口に含むと、染み込ませるようにねっとりと舌を絡め、唾液を塗りたくります。
十分にぬめらせると、糸を引かせながら取り出し、そして青灰髪の微乳侍女さんは、
すっかりおもらし癖をつけさせられた乙女騎士の、その噴き出し口にあてがい、ゆっくりと押し込んでいきました。
「ひあ゛あ゛っ!? なっ、なんえすかっ!? なんえすかこれぇっ!!?」
思いもよらない場所への侵入に、イーシャさんは恐れと驚きと戸惑いがないまぜになった声をあげましたが、
ナオミさんが責め具を小刻みに動かすと、すぐに快楽の甘い悲鳴に変わりました。
「んごお゛お゛ーーーっ!!? ほがっあっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!!?」
もちろんこの間、クロエさんの愛撫は続いています。
「おほほほほ、おしっこの穴の奥って、おさねの根本と皮一枚ですのよ。
いかがですイーシャ様、上から下からおさねを愛されるのは……って、まあお尋ねするまでもなかったですわね」
「うえ゛え゛え゛え゛っ!! もうやめれぇっ!! たしゅっ、たしゅへれっ! たしゅへれぇっ!!」
「ですから、イーシャ様が気持ち良くなれるよう、皆でお助けして差し上げているではありませんの」
「おがああぁぁぁっ! もっ、もういやないっ! もういやないっ! もういあ゛あ゛んがっんおおぉぉーーっっ!!
かはっ……はっ……はひっ、はひっ、はほぉぉぉぉっ!!」
・
・
・
それからも数え切れない程絶頂を味わわされ、脳が焼き切れたように何も考えられなくなってしまった
イーシャさんは、もはやただ繰り返し達するだけの愛らしい肉塊と化してしまいました。
叫ぶようだったあえぎ声もすっかり力を失い、イク度ごとに弱々しくお口から漏れ出すばかりです。
ひく…………ひく…………。
「ぅぇぇぇぇ……」
びくん……びくん……。
「ぇぁぁぁ……」
びくっ、びくっ。
「ぁぉぉ……」
びくっびくっ。
「ぉぉ……」
びくびく。
「ぁぁぁぁ」
「(びくんっ)ぁぉぉ(びくっ)ぉぉ(がくがく)ぁぉ(がくんっ)
ぉ(がく)ぁ(がく)ぁ(がくがくっ)ぁ(がくがくがくっ)ぁ(びくびくっびくんっ)ぉ」
「あはっ。イーシャ様、イッてから次にイクまでの間隔がどんどん短くなっていってますねー」
イーシャさんの右のお胸とわき腹の境目辺りを絶妙な指運びでいじめているアキさんが言うと、
反対側で自分の愛液をイーシャさんの乳首に塗り付け、つまびくように責め立てているクロエさんが答えます。
「うん。イーシャ様今日が初めてのはずなのに、もうこんなに快楽を貪るようになるなんてね。
やっぱり生れつき淫らな体なんだね。くすくす……」
「あの、クロエちゃんは人のこと言えないと思うけど」
「そうですわ。自慰のしすぎで、十歳にしてすでに全身が性感帯と化していたあなた程ではないでしょう」
太ももに吸い付き、いくつも跡をつけていたシーリオさんと、
指と棒で相変わらずおさねを挟み打ちにしているナオミさんが指摘しました。
「うー……い、良いでしょう別に……。それにあの時、そんなボクのことを可愛いって、皆言ってくれたじゃないか。
ふんだ。そうさ、ボクは淫らな体だから、淫らなイーシャ様のこと、その分愛してあげられるんだ」
そう言うと、クロエさんはイーシャさんの乳首に噛み付き、歯でこりこりと扱きます。
指も駆使して、お胸のふくらみをくすぐります。
「(がっくんがっくん)ぁぉぉ(びくびくびくっ!)ぉぁぉぉ(がくがくがくがくぅっ!)ぉぉ」
「もう、クロエったら」
椅子の後ろから、イーシャさんの両耳をさわさわとくすぐるように撫で苛んでいたドュリエス様が言います。
「心配しなくても、後であなたのこともちゃんといじめてあげるから、拗ねないの」
「べ、別にそういうつもりじゃ……
…………
…………
…………
……ほんとう?」
ドュリエス様は「きゅうぅん……」と妙な声をあげてのけ反りました。
他の皆さんも、ぽかんとした顔で動きを止めています。
「ああ、もう……クロエちゃんてば、思い出したようにそういう破壊力抜群の言動を……」
「上目使いがたまりません……たまの不意打ちだから、いつも直撃されちゃいます……」
「これで天然なところが恐ろしいですわ……ああ……」
衝撃から回復したドュリエス様は、ぞっとする程優しげな笑みを浮かべると、
クロエさんの頭を撫でながら言いました。
「はあ、はあ……ほ、本当よクロエ……今夜はあなたのその可愛さに見合うだけの快楽をあげるわ……うふふ……」
そしてイーシャさんに向き直ると、
「ほらイーシャ、頑張って狂わないと、今日の主役をクロエに奪われてしまうわよ」
しかし、もう十分に狂わされているイーシャさんには、その言葉は届いても、理解が追いつきません。
それどころか、愛撫が止まっているにもかかわらず、彼女の痙攣とうめき声が止まりません。
「(びくびくぅっ!)ぁぉぉぉ(ひくんひくんっ!)ぉぉぉ(びくびくびくびくびくびくぅぅぅっっ!!)ぉぉ」
「あら、イーシャ、あなたもう何もしなくてもイキっぱなしなのね」
「……うわ、そりゃすごい。あたしなんか、その域にたどりつくまで一週間はかかったのに」
「そうね。わたくしとナオミとで、付きっきりでアキを開発してあげたのよね」
「懐かしい話ですわ」
「ま、今じゃ手で触れなくてもイケるようになりましたけどねー」
「ええっ!? それ初耳ですっ! アキさん、そんなこと出来るんですかっ!?」
「あらシーリオ、私も出来ますわよ」
「もちろん、わたくしもよ。クロエ、あなたは?」
「うん……ボクも最近、仕事の合間に恥ずかしいことを考えていると、
頭の中がぼーっと真っ白になって、腰の力が抜けてしまうことが、日に何度か……。
って、え? 何? 何で皆、そんな妙な顔してるのさ」
「いや、あのさ……あたしだってそういうのは、寝る前とかのかなり落ち着いた状態の時だけだよ?」
「……そ、そう……なの……? そんな……」
「まさか、日常的に絶頂を味わっていたとは……さすが、私達の中で一番の淫乱ですわね」
「クロエちゃん、一番幼いのに」
「あら、わたくしは気が付いていたわよ。
それにクロエ、あなたさっきからイーシャを責めながら、こっそり何度か達していたでしょう?」
「こっそりって、かっ隠してたわけじゃないよっ!
ただ、イーシャ様の歓迎会だし……ぼ、ボクがあんまり大きな声を出しても、その、さ……」
「そう。クロエは真面目な淫乱ね」
「もう……ドュリエス様ってば……」
「あはは……」
「うふふ……」
「おほほ……」
中身はともかく、なんとも姦しく可愛らしい少女達の会話です。
まあ仲が良いのは結構なことですが、体が勝手に連続絶頂してしまうまで追い込まれたイーシャさんを
囲んでのやり取り、皆さん状況を嗜虐的に楽しんでいるとしか思えませんね。
「ほほほ……と言っている間にも、二十三回はおイキになったようですわ。
……あら? おしっこの穴が、恥ずかしい棒を咥え込んだままですわね。
この棒は抜いて差し上げましょうね」
ナオミさんはそう言って、イーシャさんの尿道に刺さったままの責め具に指をかけましたが、
思い直してシーリオさんに向かって手招きしました。
「シーリオ、あなたに抜かせてあげるわ」
「はいっ! うふふ、さあイーシャ様、お名残惜しいでしょうけど、いつまでもそんなにはしたなくしっかり咥え込んでいてはダメですよ」
シーリオさん、イーシャさんが自分で抜くことが出来ないとわかっていてそんなことを言います。
そして責め具に指をかけると、一気に引き抜きました。
「ぅぇぇぇぇ……」
その瞬間、弱々しい声と共に、それまでせき止められていたおしっこが、やはり弱々しく流れ出しました。
変態侍女さんは、間髪入れず吸い付き、一滴も漏らさぬようこくこくと飲み干します。
しばらくしてイーシャさんの放尿が止まると、シーリオさんは口を結んだまま顔を上げました。
口内に、イーシャさんのおしっこを溜めているのです。
そのおしっこでぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅと口をすすぎ、ごくんと飲み込むと、
「ああ……」
と恍惚とした表情で声をあげ、自分の肩を抱きしめながら、ぶるぶるっと体を震わせます。
そして、引き抜いた責め具を口に含み、美味しそうにちゅうちゅうとしゃぶりました。
「まあ、シーリオだって手を使わずにイケるじゃないの」
「うふふ……だってぇ、イーシャ様のおしっこ直飲みですもん……。
あ、もちろんナオミさんのおしっこも、皆のおしっこも、大好きですよ」
「ふふ、ありがとう。後でいっぱい飲ませてあげるわね」
「えへへ、わあい」
さて一方のイーシャさんですが、今の棒抜きが最後の引き金となったのか、
今度は少しずつ痙攣の間隔が長くなっていきました。
「(ひくひくっ)ぉぉぉぉぉぉ(ひくっ)ぉぁぁぁぁぁぁ(がくっ)ぁぁぁぁぁぁぁ(かくんっ)ぁぁぁぁ
(かく)ぁぁぁ…………(ぴく)ぁぁぁ…………(ぴく)…………ぁぉぁぁ…………(ひく)ぁぁ…………」
「うふふふ、イーシャ、もうダメそうね、うふふふ……。大丈夫、わたくし達がそばにいるわ。
だから安心しておやすみなさい……ふふふふふふ……」
公女殿下の天使の微笑みを遠くに聞きながら、イーシャさんはゆっくりと再び意識を手放すのでした。
続く
以上です。
我慢できずについ変なネタを入れてしまいました。
ごめんなさい。
ではまた。
乙
クロエが主役を張るのはまだなのか!
GJだが、鍵括弧の中に擬音入れるのは好まない人もいるのであまりおすすめしない。俺は気にしないけど、一応ね
GJです
シーリオさんまだあるんでしょうか
規制来ないでくれ
479 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 16:08:32 ID:Fw9hy62t
続きはもう少し文章を練習してからにしてみたら?
テンポが良くて好ましいけどなあ
ノイエさまの陵辱はまだなのか!
?
保守?
続きマダー?
ほしゅ
スレ容量も残り少ないので、小ネタっぽい内容で投下します。
一人称視点のギャグファンタジー。
真面目に見ると目と脳が腐りますので、軽い気持ちで鼻でもほじりながらどうぞ。
一応、50字改行です。
エロシーンありません。代わりに、お下品な台詞とか流れとかパロネタとかあります。
「まっぱだカーニバル!!」
朝の目覚めは、悪夢からの覚醒。
「うぅ……、なんでこの世界に隕石が衝突する夢なんかを……」
閉じたまぶたを開けば、そこに見えるは木のタイルで構成された小さな部屋。茶塗りの、飾り気もなにもない、
小さな小さな室内にある白いシーツのベッドの上で、私の意識は起動します。
うなじと鎖骨にかかる己が毛髪のくすぐったさとわずらわしさに眉をひそめる暇もあらばこそ、今日も今日と
て一日が始まったことを自覚した私は、小さくあくびを漏らしつつ、準備を整えるべくモソモソとベッドの上か
ら這い出て、現状把握。
部屋に唯一つけられてある小ぶりの窓から外の景色を見やれば、カラスの鳴き声に混じって朝日が天に昇ろう
かという光景がひとつ。薄暗い空とまぶしい陽光を見る限り、あと数分もすれば白光がそこここを支配するであ
ろう時間帯です。
二度寝するわけにはいかないな、そう思った私は、準備を整えるべく、自分の顔を軽く叩いて意識を覚醒させ
ます。わずかな痛みと、自分の肌がぷるりと揺れる感触と同時、わずかながら残っていたまどろみの残滓は完全
に消沈の方向へと。
あ、自己紹介が遅れました。
今、自室にて色々としている女、私、マリアことマリアベル・アハート11歳です。
11歳にしてはずいぶんババ臭い考え方をするんだな、とか言われるかもしれませんけど、まあ環境が環境で
すので、精神的にババァにならなければ死ぬような職場ですし。
いちおう私、11歳ですけど、魔道騎士団、という魔法を主として活動する騎士の一員です。今、私がいる場
所は、騎士団共通の寮であり詰め所。木ばかりで形づくられた、素朴な一般家屋に近しい内装の、建造物、その
一室に私はいます。
ベッドからおりた私は、それと対峙するようにつくられた小さな扉へと向かい、洗面所へと。狭苦しい空間の
なかにある洗面台にて、顔を洗い、鏡で自分の顔を確認します。うん、今日もちゃんと、死んだ魚のような目。
顔を確認した私は、次いで、セミロングにまとめられた自分の茶髪に目を通し、適当に櫛ですいて流します。
その時間もそこそこに、手近にある歯ブラシを片手に、口の中を洗浄。睡眠の際に口中に繁殖する雑菌の数は、
かなりしゃれにならない領域ですから。虫歯きらいなので、しっかり磨きます。
化粧や香水の類は、まあ、自分のようなメスガキにはまだ必要ありませんよね。未使用です。とりあえず最低
限の身だしなみをしつつ、洗面所を出て、今度は衣類着用の時間です。
いつものように、黒を基調としたワンピースタイプの服に身を包みます。ところどころにスカーレットレッド
の意匠を見せつつも、下品にならない程度の地味さでまとめられた、お気に入りです。その上から、申し訳程度
に糸目の意匠を添えた、やや大きめのケープを羽織り、最後に左手の人差し指と右手の中指にリングを装着して
から部屋を出ます。
あまり飾るのは好きではないのですが、指輪は一応、縁起ものだということで一応の着用です。などと自分に
いいわけをしていれば、すぐに居間たる場所へと通ずる扉の前にたどり着いてしまいます。
「おはようございます」
扉を開けると同時に、挨拶ひとつ。同時に、朝の気だるい空気と雰囲気と同時、歴戦の兵士が醸し出す鬼気め
いたものと同時、少年少女特有の青臭い空気もひとつ。
「おは」
「おっはよー」
「おはよう、マリアベル」
「おはようございます、幼女」
「おはおは、マリアちゃん」
一部不穏当な挨拶をしてくれやがった人もいますが、まあかねがね好意的な挨拶を受けて、私は頭を下げます。
騎士団詰め所ではあるんですけど、魔道騎士の詰め所はそれなりに力を抜けるところです。非戦闘員もいます
し、堅苦しい人はほとんどいません。
今、私が身を躍らせた場所は、雑務場。とは言っても、皆は、居間と呼んでいます。各々好き勝手に仕事をす
ることもあれば遊ぶこともある、まあそんな場所です。だだっぴろい空間の中に、大きなテーブルや椅子、それ
に添えられるようにして真っ赤なカーペットとタペストリがある以外は、さしてそんじょそこらにある家庭の居
間と変わりありません。
私は歩を進め、居間の中心部からちょっと南によった場所でビスケットをかじっている団長を一瞥、声をかけ
ます。
「今日は何か行事などは」
「ないよ。好きにしてくれていいからね」
血まみれの鎌をぺろぺろと舐め続けている女性騎士団長、ルカさんがそう言ってきます。
色々な意味で目の毒なので、私はすぐに目を逸らし、とりあえず今日の目的を皆に伝えることに。
「みなさん」
スカートの裾を直し直しいいつつ、私が居間を見渡せば、そこに見えるは、美形、美形、美形。なんかあてつ
けのように見えるは、美形乱舞。皆が皆、魔道騎士団の団員なんですけど、若いうえに美しいうえに腕が立つの
だから、なんとなく気おされます。
鉄球を見て恍惚とした笑みを浮かべる美形少女、官能小説を見て股間をおったてている美形少年、などなどが
一様に私を見てきます。その異様な姿にひるむ暇もあらばこそ、さらに私は言葉を重ねます。
「私、巡回にいきますので、何かあれば連絡してください」
そう言った瞬間、皆は小さく笑いました。
「じゃあ、角のパン屋でカレーパンお願いねー」
「俺はその隣の駄菓子屋で十銭ヨーグルトたのむわ」
「ついでに紙とペン適当に買ってきてー」
それと同時、愛杖を手に外に出ようとする私の背に、団員たちが好き勝手な言葉を私にぶつけやがります。
「騎士団最年少員をパシリにする辺りに、人間度の底が知れますね。いってきます」
まあ、これもいつものことなので、とりあえず憎まれ口ひとつ叩いて行くことに。この程度で激昂するような
者は、勿論いません。というより、11のガキに軽口叩かれた程度で激昂するような人間、普通はいないでしょ
うし。
とりあえず詰め所の居間を出て、廊下を歩き、髪を整え整え歩きます。うちの騎士団詰め所は、基本、木と石
で出来た簡素な二階建ての一軒屋というかたちですが、鉄板にて構成された秘密の地下室とかもこっそりあるわ
けで、外見に反して色々と要塞的要素がそこここに組み込まれています。
まあ、そんなものは平日に使用する必要性もないので、木製の廊下を踏んで踏んで玄関口へと。いつものよう
に鉄板入りの黒塗りブーツを履き、さて外に出るかというところで、やにわに背後から声をかけられました。
「マリアちゃん、巡回?」
「フィー姉さん」
気配を消して私の背後から現れたのは、私と同じ魔道騎士である女性、フィーさんです。
美しい金髪を腰まで伸ばし、すらりと細長い肢体を薄手の布にて包んだその姿は、どこぞの絵画に描かれてい
る女神像を想起させます。流れるような曲線を描く篭手などを装着したその姿は、まさに戦乙女と言うにふさわ
しく、整いに整った顔立ちの中に映えるプルシアンブルーの瞳の色が、なんとも妖艶でいて蠱惑的です。
一応、私が姉さんと呼んでいるのは、彼女の希望です。まあ私、一人っ子なので、嬉しい申し出と言えば嬉し
かったので、即座に了承しました。フィー姉さん、むちゃくちゃ美人ですけど、変なところでちょっと子供っぽ
いんで、そのほほえましさにあてられた、というのもありましたけど。
一応、彼女は年上の女性で色々と私の世話を焼いてくれる上司さんなので、私は色々と日常生活や仕事で世話
になっています。感謝も、しています。
でも、世話になっていることは、いるのですが、まあ色々と彼女、問題がありまして、この状況において彼女
と邂逅すると思わず私の眉がひそめられてしまうのは仕方ない話です。ええ、仕方のない、話なんです。
「せっかくだから、おねーさんと一緒にいこっか?」
「いえ、散歩もかねているような巡回で、軽いものですから、わざわざ一緒しなくてもいいですよ」
「え……。でも、でも、マリアちゃんみたいに美しい童女が町を歩くと……」
あ、いつもの病気が始まりそうです。なので私は耳をふさぎます。それと同時、
「美しい茶髪を流して路地裏近くをいくの。そうするといきなりその影から、毛がびっしり生えた汚らわしい手
がマリアちゃんの艶やかな唇と口を塞ぎ、ままの勢いで引きずり込まれ、自由を奪われるのよ! 次いでやにわ
に取り出した手錠と足枷と首輪にてマリアちゃんは拘束され、そこには風呂に何ヶ月も入っていなさそうな不潔
きわまりない浮浪者たちが、獣欲という獣欲の光を宿らせた双眸でマリアちゃんを視姦するんだわ!
マリアちゃんは恐怖と驚きのあまり身をよじると同時に失禁、それをにやにやと見る汚らわしい男たち! そ
こで言われるの、おいおい騎士のお嬢ちゃんはおもらしか、その蕾が汚れたから綺麗にしてやらないとなあ、俺
たちの黄ばんだミルクで上書き掃除だなぁ! とかそう言われるんだわそうに決まっているわ!
そのままマリアちゃんは幼いヴァギナに太い太い剛直をねじ込まれ、出血と同時に絶叫! そのはじめてを汚
らわしい男の穢れた棒で奪われるのよ! あまりの痛みと処女の喪失に泣き喚くマリアちゃんを、ダッチワイフ
よろしくの乱暴な動作で男たちはマリアヴァギナを蹂躙、蹂躙、蹂躙の乱舞!
そして数時間後、白濁とした液体にまみれたマリアちゃんは虚ろな笑みを浮かべ、ハイライトの消えた目を空
へと、虚空へと向けたままに倒れ伏し、意識は遠のき、好きな人とも結ばれずに逝くんだわ! 男たちの蹂躙劇
は、マリアちゃんの生命を脅かすほどに乱暴でいて苛烈だったの! そしてマリアちゃんは天国に行き、一抹の
憎悪を胸に、でも男たちに復讐も果たせぬまま寂しく死んでいくのよぉ!
そうよそうよそうに決まっているわ! おねーさんはそんなの絶対にゆるさな」
一気呵成に聞こえる、美しき旋律のファッキンデスノイズ。
耳をふさいでも聞こえてくる、どこの三流官能小説だ、と言わんばかりの内容。しばし放っておけば収まりそ
うであったのにもかかわらず、ついつい苛立ちのあまり、私はついつい手を彼女の方に向けて、気付けば魔法を
ブッ放していました。
「いい加減にしてくださいこの色ボケ女」
どん、と肩の骨がきしむ音と同時に、不可視の颶風衝撃波を眼前のフィー姉さんに浴びせます。風の衝撃にて
敵手を吹き飛ばすという初歩的呪文ですが、色ボケ脳にはこの程度で充分です。
私の魔法を受けたフィー女史は、顔を思い切りひしゃげさせると同時に、ぎゅるぎゅるときりもみ回転しなが
ら宙に浮き、しばしの間を置いて、床に着地。ただし顔面からであるがゆえに、肉と骨がひしゃげるような音と
同時に、大量の水音が同時にこだまします。
「ぶげらェァァァッ!?」
とても美女には似つかわしくない声を上げて、鼻血と耳血を同時に噴出し、オルガスムスに達した後の女のご
とく、ぴくりぴくりと四肢を投げ出し痙攣痙攣痙攣の連鎖。
普通の人間ならばこれで死んでいるでしょうし、私も罪悪感のひとつは抱くのでしょうが、何せ相手が相手で
すので。変態に人権はないし、変態は無駄に体力があるので、これくらい苛烈な攻撃をしないと駄目なのです。
まさに痛くなければ覚えませぬ、という話です。
「嗚呼……っ! い、いいっ……! マリアちゃんにいじめられるの、きもち、いいっ……!!」
訂正。私、まだまだ甘かったようです。やっぱり攻撃をする時には徹底すべし、という先代の魔道騎士団長の
言は正しかったのですね。こういう場所で立証されるのが死ぬほど嫌ではありましょうが。
そう、このアマ、ドマゾなんです。しかも、男の人とか女の人にやられるのが好きなんじゃなくて、私みたい
な、幼い女の子で、そのうえ、表情があまり変わらない鉄面皮さんにやられるのが好きだという救いがたい性癖
の持ち主。
しかも仕事ではすごい有能だからタチが悪い、まあこういう方面ではネコですけど……って何言ってるんです
か、私。
でもフィー姉さん、仕事ではマジモンに強いんですよ。盗賊団のアジトを指一本で粉々にしたうえに盗賊全員
殺さず瀕死のままに四肢複雑骨折の状況をひとつの例外もなく完遂させた時には、私、ちょっとチビりかけまし
た。私程度なんて、彼女と比べれば力量差は歴然、ミジンコとケルベロスです。
「あ、あァんっ……! ち、血、血ぃぃぃ……。マリアちゃん、いいの、いいのぉ……」
だのにこれですよ。もうなんか色々と泣きたくなります。ものすっごい妖艶な顔をして欲情の色にかんばせを
染めたままに、股間をおさえて悶絶するフィー姉さんは、そこらのサキュバスなど蹴り飛ばすほどに美しくて、
凄艶ですらあるんですけど、鼻血と耳血流してそれだからえらいこっちゃという話で。
おまけに欲情理由が理由ですし。なんか色々と死にたくなったんで、思わず蔑みの視線を姉さんに一瞥、私は
盛大な溜息をひとつつきます。
「ふぁぁんっ……! 痛い、痛いのぉぉぉっ……! マリアちゃんにいたいのされるの、だめぇ……! やぁ、
みないで、そんな目でみないでぇぇぇっ……!! も、もう私、いく、イくイク、いっちゃぅぅぅぅぅっ!!
ふぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
おいコラそこ、私が目を逸らした隙にイクんじゃねぇ。
鼻血とは明らかに別種の水音、ぷっしゃあっ、とかいうもう表現したくないオノマトペを背景に、私は騎士団
詰め所を出ます。このままだと色々な意味でSANの値が負の数突破しそうで。ふんぐるい、ふんぐるい。
*
外に出ました。
私のいる場所は、ゲルルダ、というどこぞの未確認生命体言語っぽい名前の城下町です。うちの騎士団は城に
つとめるかたちではなくて、町を巡回しつつ色々な問題を探すという、まあ、遊撃手みたいなそんな立ち位置に
落ち着いているんです。
城だけでは見ることが出来ないような、庶民の暮らしや噂などを見て聞いて、色々と今後の政策を練るための
足がかりにさせたりする、そういうことを加味すれば、散歩めいた巡回も一応は立派な仕事と言えるのかもしれ
ません。
王宮の騎士団員たちは、王や貴族たちの盾となるべく奮闘していますが、私たちは庶民の盾となるべき職業、
と言っても差し支えないでしょう。忠義は王に誓うかたちとなってはいるんですが、優先すべきは市民たちとい
う、まあ、扱いとしては、ちょっと堅苦しい自警団みたいなものです。
私は昔、騎士にあこがれてはいたんですけど、色々とあってこちら、魔道騎士の方にお世話になっています。
色々と息苦しさがないというのも良かったんですけど、魔法を主として活動するこちらの方が、魔法使い系統な
私には似合いかと思いましたので。
まあ、それはともかくとして、とりあえず巡回を始めます。
「マリアちゃん、放置ね!? 放置プレイなのね、素敵、素敵ぃぃぃぃぃっ……!!」
……背後の詰め所の扉から漏れ出る言葉を聞いた瞬間、私のやる気はどっと下がりました。
足が、重いです。もう巡回とかしたくありませんけど、今、詰め所に戻ると火のついたフィー姉さんを処理し
なきゃいけないので、最初から私に選択肢は残されていません。
「う、鬱です……」
私はレイプ目のままにゲルルダの城下町をいきます。十とちょっとの年齢の女がレイプ目で巡回もどうかと思
うんですが、職場が職場なのでもうマジで仕方ないんです。
なんで私は、幼い頃、騎士という職なんかにあこがれていたんでしょう? 実際の職場に行くまで、現場の闇
は分からないと父も言っていましたが、まさか若い身空でそれを体験できるとは思いもよりませんでした。出来
ることなら、もうちょっと年齢的にも精神的にも成熟してから、そういった闇事情を味わいたかったです。
かといって騎士になったんだから、いまさら闇事情を知ったからといって職務や責務をほっぽり出すとかでき
ませんし、そうポンポンやめていたら世間体的にも色々と問題がありますから、やめられない。
選択には責任がつきまとうとよく言いますけど、これ、ちょっとあんまりだと思います。自分で選んだ道です
から、ああだこうだ愚痴を言っても始まらないんでしょうけど、それでも言いたくなってしまうほどに事情が事
情ですし。ああ、空、青いなあ……。
「と、とにかく、気を取り直していきましょう」
誰に言うでもなくひとりごちて、とりあえず私は、商店街方面へと足を進めます。
ゲルルダという場所は、わりかし治安の良い、芸術と魚料理で有名な城下町です。海に近いということもある
んですけど、それと同時、海のあたたかい流れに乗って、色々と珍しい種類の魚が流れてくるので、魚料理の話
には事欠きません。同時、結構職人気質の人も多いので、料理人は多いし、それに追随するようにして己の道を
求める者、芸術家たちが多いのも、また。
結果として結構奇妙な性質というか、性格の人が多い町になってしまいましたが、それなりに私は気に入って
います。どこぞの国みたいに、決まりごとが多すぎて住民がぴりぴりする、なんてこともありませんし、芸術を
否定しない流れのおかげで、わりかし自由が尊重される空気は好きです。だから私は、この町にて、騎士をやっ
ているのかもしれません。
とりあえず朝の空気を感じつつ、ゆったりと町を歩きます。フィー姉さんにも言ったように、巡回というより
かは散歩のついで、みたいな感じの見回りなので、肩肘張らずに歩けます。
噴水広場にたたずむ絵描きらしき男性を視界に端にとらえると同時、数羽のカモメが遠くの海へと飛んでいく
のが見えます。柔らかな陽光のなかで映える青空の中、シルエットとして映える翼の美しさにあてられる暇もあ
らばこそ、潮の入り混じる風の匂いで私の意識は覚醒し、足は半ばつられるように、町の中心部へと。
「ん、マリアベル?」
と、そこでやにわに横合いから声をかけられたのでそちらを見れば、線の細い中性的な顔立ちの男性が見えま
した。
金色の髪を流し、小さな眼鏡を柔らかみのあるかんばせの上に乗せ、微笑のままにこちらを見つめています。
声をかけられて無視するのもなんですし、個人的に世話になっている男性だったので、私は反射的に礼をします。
「おはようございます、ディースさん」
「うん、おはよう」
私と相対する男性はディースさん。女性のような気色を色濃く残す顔立ちが特徴的な、薬屋の店長さんです。
よく特別な薬をブレンドし、それで私は色々と世話になっています。
「散歩ですか?」
「うん。マリアベルは?」
「私も、散歩みたいな巡回です」
「そうか。気をつけてね」
事務的な会話を交わしつつ、私は愛杖を手の中でくるくると回します。
騎士だから自分の身は大丈夫、なんて考えるのはアホです。この町、芸術家が多いわりには、戦闘力の高い輩
がポンポンといるので、騎士団最年少員の私がひとり町を歩くには、やはり不安要素はぬぐえません。ディース
さんもそれを加味して言ったのでしょう、私はその言葉にうなずいていました。
「はい。これからも薬の件で世話になると思いますので、その時はよろしくお願いします」
「うん。でも、あんまり薬屋に世話になんかなっちゃいけないけどね」
苦笑しつつものを言う彼の柔らかい微笑を見つつ、私も微笑で返します。
ああ、ディースさんがまともな人で助かります。少なくとも鎌を舐めて悦に入る団長や、幼子にいじめられる
ことを喜ぶ騎士よりかは何倍も素敵な存在でしょうし。
「新しい胃薬作ったら、今度サンプルとしてあげるから」
「すみません、世話になります」
「いや、気にしないでいいよ」
しゅる、と衣擦れの音を残して笑顔のままにきびすを返すディースさん。温厚な男の人って素敵だと思います
けど、最近の治安だと結構軽侮の視線で見られちゃうんですよね。積極的な人が色々と好まれるこの時代、なん
か私はあんまり好きじゃないんですけど、それはそれ。
まあ、彼の笑顔は子供相手にする際のよそ行き用なので、その態度も仮面かもしれませんが。それはそれでか
まいません。大体、私の騎士としての立ち位置は、子供であり、女であることを最大限に利用した、敵の警戒心
を壊すことを第一とする、まあなんといおうか、そういう、黒いそれなので。
だのに、いつの間にか皆のまとめ役になっているってどういうことなんですか、本当に。特別といえば特別な
役職、魔道騎士団に入ったはいいものの、皆が変態変態で、まともに雑務仕事をするのが私ぐらいしかいないと
いうこの現状。
実力第一で性格は第二、という勧誘コンセプトが、強烈なまでに裏目に出た結果でしょうけれども、いくらな
んでもこれはひどい、ひどすぎます。
私は、一応、親が騎士なので、そういった方面のコネもあって、最年少で魔道騎士の仲間入りを果たしました。
勿論、実力も見てもらってからこその就任だったんですが、当時は親の七光りだの成り上がりだの何だの言われ
るのを覚悟していたんですよ。私だってそういう黒いことぐらい知っていますし、それに対抗するために色々と
勉強して、覚悟してきたんですから。
でも、私が騎士になった際、周りの反応は劇的なものでした。……悪い意味で。
「やめろ! 心を壊す気かお前!?」
「駄目だよマリアちゃん!? まだ若いんだよ!? 未来だってあるんだよ! やめて、やめてぇぇ!!」
「決断したのなら何も言いはすまい。……だが、心をなくさないでほしい」
いや、なんで私を心配するような、というか、戦地にとびこむ男の背にかけるような言葉の羅列を君らはぶつ
けるのですか、と当時の私は思ったんですけれど、ああ、まあなんというか、就任数日で謎が解けました。
まさか魔道騎士の集まりが、よく訓練された変態の集まりだなんて思いもしなかった私は、そこで色々と衝撃
を受け、軽くひきこもったことも一度や二度ではありません。
おまけに何故か、小児性愛者が多いんですよ。物理的な意味で手は出されませんでしたが。なんでも、幼女は
遠くから見て目で愛でるものであって、手を出すとかそれは神に唾するも同じ行為だという不可侵常識が通って
いるようで。
もうこの台詞の時点で私の理解の範疇を超えていますが、それはそれ。おかげで色々な方向に耳年増になりま
した。具体的には蝋燭や鞭の使い方とか、赤ちゃんはどこからくるのかとか、男の人のそういった液体の臭いに
まみれた部屋のにおいとか、もう諸々と。
うちの団員、もう本当に、よく訓練された変態なので、同性愛、嗜虐被虐の特殊性癖とかに全然抵抗ないから
困るんです。女同士であっても余裕でこっち視姦してきますし。具体的にはフィー姉さんとか。
なにやらまた職場の方に心が流れそうだったので、考えを打ち切って、去り行くディースさんの背を見つつ、
巡回を続けます。
こういう場合は、住民たちの方に耳と意識をかたむけて、気分転換すべきでしょう、そうでしょう。
とりあえず、向こうの八百屋に耳と目を向けてみましょう。
朝早いというのに営業している八百屋には、客らしい客の影は少ないですが、それでも絶無というわけではな
いようです。大柄な女性が八百屋の店員らしき男性と会話しているところからも、それはうかがえます。
そうそう、こういう光景が私にとっては癒しになるのです。ゆえに私は八百屋に向かって、さらに耳を、
「ほら、奥さん、この大根さんはどうだい? 旦那のソレより立派だろう? なんつってなガハハ!」
「あら、立派ね……。そうね、最近、主人のそれも萎え気味だったし……」
「オイ待てそれ入れるのか? というか入るのか?」
「最近は寄る年波に勝てなくて、私、ガバマン気味なのよねえ……」
「聞きたくなかったそんなこと!!」
……えー、あ、はい、あれです。
なんかたまに死にたくなる時ってありますよね。今まさにそれ。
なんというか、天候は今、さんさんさんさわやか三組なのに、私にはどどめ色のそれにしか見えません。太陽
の光が、色々と寒色の絵の具を混ぜてぶっかけたようなそれに見えてしまうのは、私の気分がシアン一直線だか
らなのでしょうか。
もういいです、無心です。無心のままに仕事します。瞑想で500ポイント体力回復するレベルまで集中高め
てやります。
それから私は、とにかく日が沈みかけるまで、色々と回って、ちょっとしたいざこざを起こす大人たちを説得
して、今日もそれなりに騒がしい仕事時間を終えることが出来ました。
まあ、夕方になるまで仕事して、色々なことを忘れたかった、というのもあるんですけど。
ちょっとした疲労感を背骨に感じつつ、私は騎士団の詰め所へと戻るべく足を動かします。商店街を抜けて、
レンガづくりの赤茶道を抜けて、噴水広場へと。
と、そこでひとつの小さな影が私に向かって突っ込んできたので、私は両手と身体のバネを使って、その影を
しっかりと、柔らかく受け止めます。
「あ、デュランベルグ」
影の正体は、猫でした。ふかふかとした感触と、真っ白な毛が特徴的な、ふくよかな猫さんです。
このやたら大層な名前の猫は、今現在、職場で悩みをお抱え中の私にとっての救世主。
とにかく、色々とこの猫、気持ち良いんです。何故か私によくなついているので、私も私で色々と嬉しく、か
まい続けていればいつしか彼の方から腕の中に飛び込んでくれるような関係に。
巷では町のボス猫とか言われていますけど、結構温厚さんで眠ってばかりなので、私はそういうとこを好いて
います。こっちがぎゅっと抱きしめてやれば、ちゃんと、ふにゃ、と力を抜いてされるがままにしてくれますし、
なんというかもう、色々とたまりません。
「ああ、あなただけが癒しです、デュランベルグ……」
柔らかな身を感じつつ、デュランベルグの頭やおとがいをこちょこちょと撫でます。この猫、存外に聡明なの
で、私が落ち込んだり困ったりした時に現れては、無抵抗のままに私に身をゆだねてくれるのだから嬉しい。
こういった小さな嬉しいことがあるから、今日も生きよう頑張ろう、という気になれるんですよね、人間は。
なんかやっぱりババ臭い考えかもしれませんけど、まあ職場が職場なので、ちょっと小さな幸せに敏感なんです、
まあそれは仕方のない話でして。
「えへへっ」
調子に乗って私がデュランベルグの手をつっついても、彼は無抵抗、無抵抗。
肉球ぷにぷに、きもちいいです。
「ぷにぷにー、ぷにぷにー」
やっぱりねこさんは、一緒にじゃれているだけで心があったかくなりますよね。
まさにこれこそアニマルセラピーというわけで、
「駄目よマリアちゃん! 猫を使ったケモプレイだなんて! おねーさんそんなことゆるしま」
はーい、変・態・登・場。
夕闇の映えるあたたかな時間帯、猫とじゃれている際に登場するは、クソ強い実力とクソきつい性癖を持つ、
私の上司様、フィー姉さん。本名、フィールラリーカ・アミラ・ラルルゥとか言う噂を聞きましたけど、まあ、
この場においてそれはどうでもいい話ですね。
「また貴様ですか。いい加減にしないと子宮ひっこぬきますよ、わりかしマジで」
「いきなり子宮脱プレイなんて駄目よっ。まずは鞭打ちから」
「いや、本当にそういう領域の話じゃないんで、本気でやめてください、フィー姉さん」
変態オーラにあてられぬよう、私はデュランベルグをこの場から逃がそうとしますが、彼は毛を逆立ててつつ
うなり、フィー姉さんに真っ向から対峙します。しかしここで癒しの要素たる彼が死んではかなわない、私はそ
の思いを手に乗せて彼を押しやれば、彼は私の顔を見つつ、悲しそうな声で鳴き、この場から去ります。
そう、それでいいんです。あなたは変態に汚される存在でいてはならないんですよ、デュランベルグ。
そんなことを思った瞬間、見覚えのある少年少女がどんどんと湧いて出てきました。皆が皆、フィー姉さんの
そばに行き、なんか鼻息荒くしてます。認めたくないんですが、彼ら彼女ら、皆が皆、魔道騎士です。つまりは
職場を同じくする人たちです。
「猫と戯れる幼女という貴重なシーンの次は、志を同じくする美女との対峙!」
「超・萌ゑる!!」
なんか世迷言ぶっかましているので、とりあえず魔法ぶっかまして吹っ飛ばしてやりました。
「ああっ!? マリアちゃん、何を!?」
「ここで手ぇ出さないでいつ手ぇ出すというのですか、フィー姉さん」
さすがに騎士をぶっとばすのはやりすぎたかな、と私が思えば、私と対峙する変態騎士は、鼻息をさらに荒く
して、何故か虚空を見やり、鼻血をブーします。
正直、ドン引きしました。ですがそんな私の姿も気に留めず、彼女は言います。
「やるなら私をやりなさい! いいえむしろ私にして、その幼い身体で私と一緒にジョグレス進化してッ!!」
「美幼女騎士と妖艶美女のレズレズSMプレイだとぉぉぉっ!? お兄さんそんなの許しませんよハァハァ」
「おいどけ! 幼女が見えないだろ幼女が! 幼女、幼女ォォォッ!! フィーという老婆に興味はないッ!」
ぶっちん。
なんか好き勝手入ってるアホ女と騎士たちを見た瞬間、私の堪忍袋がついに限界、マキシマムドライブ。
「いい加減にしろっつってんですよこのダラズどもがァァァァァァッ!!」
もうぶっちギレました。本気出してコイツらぶっ飛ばします。
愛杖、カーディナルギガスをザッパーモードに変形。
がしゃこんがしゃこん、とやたらメカニカルな音と同時に、まず大振りの金属棒部位、その中間部分から左右
へとトリガーグリップを起動。次いで、姿勢制御用アンカーユニットを射出、大地にぶち込み砲身固定。
さらに杖の先端部にある宝玉に魔力を流して、モーフィング。まんまるの宝石がぱかりと割れると同時、折り
たたまれた蕾から花びらが開くかのように、押し広げられた深紅の半円からのぞくは、がっちりとしたつくりの
内蔵灰色バレル。それを囲むようにして、砲撃領域制御用ピアシングユニットを敵方向へ伸びるようにセット。
ぶっちゃけた話が、杖をでっかくてごつい両手持ちの大砲状態にしました。質量保存の法則とか無視です。
勿論それを変態どもが跋扈する中心部へと向けて、殺意のままに充填開始。
ありったけの魔力を流し込み、杖にて循環、増幅、制御、その工程を一瞬のうちに何度も何度も何度も何度も
行い、殺傷力を高めていきます。骨と筋肉が悲鳴を上げ、降参の意を示す直前になりて、収束開放、バレル回転
駆動、魔力放出。
勢いよく両手人差し指のトリガーを引き、殺傷性があるどころか殺傷力過剰の深紅の閃光をアホ騎士どもへと
ブッ注ぎます。
「吹き飛びなさいッ!!」
別に私はトリガーハッピーではないんですが、こうまで変態たちの挽歌を見せられると、堪忍袋の尾のひとつ
やふたつは容易に切れます。いちおう、私もまあ、キレやすい年頃ではあるので。
ガキの癇癪ひとつが、かようなまでに強烈な殺傷性を持つ閃光砲撃で釣りあうのかどうか、という意見もある
にはありましょうが、いいんです。痛くなければ覚えません。変態は死にかけなきゃこりません。
強烈な反動と風圧とが、私の身を襲います。思わず目を覆いたくなるほどの強烈無比な閃光は、さながらひと
つの太陽そのもの。杖という名の大砲を握る私の身も吹き飛ばされそうになりますが、先程地面に縫い付けてい
たチェーンアンカーのおかげで、筋肉と骨が泣き叫ぶ程度で済んでいます。
渦を巻く深紅の閃光は、光の海嘯となりて変態どもの身へと、何の差別区別慈悲もなく、無機質に、ただ無気
質に降り注ぎ、注ぎ、しばしの間を置いて、爆発。巨大なキノコ雲がもうもうと上がると同時に、周囲を熱波と
旋風が満たし、強烈な破壊の余波たる黒煙は空へと吸い込まれつつそこここに散らばります。
まさに必殺、乾坤一擲の一撃です。今の私が放てる最強魔法、最強の一撃です。
「や、やりましたか……!?」
私は恐る恐る煙の向こうを覗きます。
で、私の乾坤一擲の一撃を受けた彼ら彼女らはというと。
「あああああ! いい、イいッ!! マリアちゃん、いじめて、もっと私をいじめてぇぇぇぇぇッ!!」
「幼女の砲撃キター! んほぉぉぉっ! ……ウッ!! ……ふぅ、人間とはどうあるべきなんだろうね?」
「ハイパー賢者タイム乙」
……あ、はい、駄目でした。
私の攻撃、まともな痛みを相手に与えるどころか快楽の足がかりにされました。
死者どころか大怪我人すらいないこの状況、なんと周囲の住民たちは、いつものことかとばかりに横目で一瞥、
それだけで各々の生活へと戻っていきます。
「なん……だと……」
思わずオサレな台詞を吐いて、私は茫然自失、砲身投げて放心、しりもちをついてしまいます。
コイツらは腐っても騎士ですから、攻撃防御敏捷、能力値もろもろが軒並み高いのは基本設定でした。
おまけに変態パワーで後押しされているせいか、私の最大攻撃魔法を受けても、鼻血と耳血を出すだけでほか
に外傷らしい外傷もありません。せいぜい服の端にすすが付く程度です。
私は恐怖を感じました。騎士団の無駄な実力の高さと、奴らの変態性に、です。この変態パワーを実戦で活か
してくれたら、マジで国のひとつやふたつ滅ぼせそうです。一応、私、最大攻撃魔法一撃でドラゴン殺せるんで
すけど、どうしてこの人たち鼻血と耳血だけで済んでるんですか!? 色々とおかしいですよ!?
確かに、騎士の人たちは精鋭ぞろいですけど、私の攻撃は細かな制御が出来ないだけで、単純な威力はそれな
りにはあったはず。だのに、フィー姉さんのみならず、明らかに事務仕事しているだけの非戦闘員まで、鼻血と
耳血で済んでるって、変態パワーはどんだけなんですか!? こ、怖い!!
「ゃ、いやぁ……」
思わず恐怖のあまりに涙目になってしまい、しりもちの体勢のままに、あとじさってしまう私。
その瞬間、鼻血と耳血とよく分からない液体が、強烈な噴水音と同時にそこここにこだましました。
おいこらそこの騎士、ズボンにしみ作らないでください。
おいこらそこの騎士、音速加速魔法を使用して私をスケッチしないでください。
おいこらそこの騎士、私を見てひとり自慰するな、ヴァギナに手ぇ入れるな、しかもオカズは私かよ。
おいこらそこの騎士、私を視界の端に収めつつ、道端で同僚と唇を交わすな。しかも女同士で。
おいこらそこの騎士、私を見て、お、おち、おちんち、おちんち……ああああ゛あ゛あ゛!!!
「うぇぇぇぇん! もうヤダー! 実家に帰りたいです、帰らせてください、お父さん、お母さぁぁん!!」
もうなんか色々と限界だった私は、地べたに座って天をあおぎつつマジ泣きします。
なんかもう嫌です、生きているの嫌になるほど憂鬱です。とにかく泣きます。涙の後には虹も出るんです。
「あ、またマリアちゃん泣いてる……」
「……許せ、娘っ子よ。お前じゃないとあの騎士団の手綱は握れないのだ。幼女のお前でないと……」
「くぅぅっ……! 俺は、俺たちは、なんて無力なんだッ……!」
「よせ、それを言っても始まらん。俺たちはせめて自分の仕事をきっちりやって、せめて彼女に」
「負担をかけさせないように、だな……。ごめんな、ほんとごめんなあ……」
周囲の人たちの同情の声を聞きつつ、私は涙を流します。
私の慟哭は、夕日の向こうに吸い込まれ、ゆっくりと消えていってしまいました。
遠くから響く鳥の声が、私の冷たい現実をより明確なものへと。
ああ、正直、本気で転職したいです。
* * *
魔道騎士団最年少騎士、マリアベル・アハート。
11にして他の精鋭騎士と遜色ない力量を有する彼女は、才ある者の最たる例としてよくよく扱われる。
が、こっそり一方で、こうも語られている。
『魔道騎士団最後の砦』
『実質的団長』
『胃痛を極めし者』
嗚呼、マリアベルに、幸あれ。
「こ、この騎士団にいる限り、それは一生無理な気が……!!」
合掌、マリアベル。
(おしまい)
投下終了。あ、最後だけ、12/13になってる……、ミスった。
スレ終わりそうなんでちょっと小ネタっぽいお話で、軽く一人称形式。
杖の描写はスルーで。俺はミリタリーとか全然知らないんで、それっぽい単語を並べただけです。
一応、エロ『パロ』ネタもいくらか入っております。エロはただのお下品な戯言になっているだけだけど。
まあ、スレ埋めのアホネタということで、流してやってください。
「こんなアホな話なんか見ていられるか! 俺は自分の部屋に戻る!」と言いたくなった人、すみません。
一応、今、完成度半分の長編を書いているんで、出来たら落としますゆえ。
ネタというか箸休めということで見逃してやってください。
うむ、休日の朝っぱらに投下されるにはいささかならず濃厚、良い意味で、かつバカな意味で。
乙とGJの中間くらいの声援をざっくり入れつつ、長編にも期待。
楽しませてもらいました。GJっす
ふんぐるいwwふんぐるいwww
めっちゃ面白い!つーかネタがいちいち上手くて小ネタってレベルじゃねえ!!
>「幼女のお前でないと……」って騎士がステキや。
正直プロかって思うぐらい軽妙な一人称と会話のセンスがさらりと上手すぎる。
巨大な天秤を読んだ時から好きでした!!
そろそろ次スレ?
ここはMTG好きの人多そうだなぁ
506 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 02:37:15 ID:3jnYPc8n
あ
あん!?
あん!!
あんしぇんと!!
510 :
名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 16:33:36 ID:GCZncceY
魔王の娘
511 :
名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 12:03:04 ID:y9n9Z3mX
VS少年勇者
職人さんが来ない……
規制のせいなのか
規制が解ければ戻ってきてくれるのか
早く規制解けろ
容量心配してた
どのくらいの長さなら大丈夫なの?
あと23〜4KBくらい?
どんぶり勘定で1200文字、6スレ前後ってとこかな?
そこそこの長さなら、誘導とか考えると、次スレ立てちゃった方がいいかもな
516 :
名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 17:27:00 ID:azZxhA+g
あげとく
とりあえずあと5kbどうするんだ?
誰かAAでも貼って埋めてくれ
あと3kbで480か
微妙な残り方だな
AA拾ってきた。携帯からでも貼れるかな
ヽ.........................::`>
/ ...../ ../..........::|......:|...........l......、......'::...................:::彡
〃./...:/......| ..:|....:/|.....::| ...:|...:|......:i........i:.............. /
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|...i|.....::i.:y=ミ 八| |/ レi:::::ハ...../......:::|_....\...:.
|...i|......i|小 fi:ハ V辷ソ../.........:::|い..........::. \
. |.八 ..:|.ハ Vソ , "厶イ .........:::|ノ:.............::. にゃあ
ハ...|.....i':." / ..........::::|.:i:....... .......::. 丶\
_ /:八|\i人 丶 /.............:::::j..:i:..................::. \
_,r' ⌒´ ∨:/ .........:i....:i> . . イ/.....::/...::::八:i:......... ..........::. \丶
{ 丶 } } ノヽ .......... ..:八:xヘi`爪.//.....::/...::::厶-\.....................::、 \:::、
| ヘ_)、ノ-'ー'r‐'’......../::// /⌒〈/.../..//...::::/ ヽ、............... ヽ、 ヽ :.
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ちょっと足りないな。これでどうだろう
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し―-J
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((o(´・ω・)o))
ヽ ヽ ♪
し―-J
バリエーションつけるの無理。これで埋まるだろう
ヽ.........................::`>
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次スレは?ちなみに俺は無理だった
もう立ってます
埋まった
あっ、ホントだありがとう
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