●中世ファンタジー世界総合エロパロスレ●

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
ここは中世ファンタジー世界を舞台にしたエロパロを書くスレです。
オリジナル専用になっておりますので、版権モノで書きたい方は他を
あたってください。また、現代モノなどもスレ違いです。

では、始めましょうか。
2名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 19:30:48 ID:b6TtKEoK
私の作品はもう少しお待ちを。
3名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 20:10:56 ID:xVlSS1RU
◆◆◆ ファンタジー世界の女兵士総合スレ ◆◆◆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128119104/

ここでいいだろ
4名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 23:17:49 ID:TW9pS96d
こんなスレもある品。

お姫様でエロなスレ2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1133193721/l50
5名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 23:19:17 ID:RIlcDO0p
庶民はー?
6名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 23:47:32 ID:WHu2tMDG
>>3
冒険者はどうよ?
兵士限定なら問題なしじゃね?
7名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 17:23:52 ID:T2KjvFSa
>>6
中身を見れば、兵士限定ではなく推奨で、なんでもあり とある。
このスレみたいにオリジナル限定の縛りもない。

>>1
というわけで、重複スレなここを対象に削除依頼してくる事。
あるいは、自然に落ちるのを待って以降は何も書き込まない事。


●●●●●●●●●●●●● 終 了 ●●●●●●●●●●●●●
8名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 18:58:39 ID:X0Zt6Hss
別にあっても良いやないか。
9名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 18:59:20 ID:phImJUKs
まったくだ
10名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 19:20:50 ID:T2KjvFSa
えらい子供じみた言い分だな。「別にあったっていい」?

お前のゆとり我が儘で、共有資産である有限のスレ数の一つを
ルールを無視して勝手に占有圧迫できるロジックが何処にあるんだ?
そんなLRが何処にあるんだ?

ねーよwwwwww

●●●●●●●●●●●●● 終 了 ●●●●●●●●●●●●●
11名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:05:26 ID:/KACFzHz
マジでつれるとは思わんかった。

推奨ってことは「その方がより良い」って話だと思わんのかいな。
馬鹿みたいに終了終了って。

少しはほっとけよ。
そのうち自然消滅しても別にいいだろうが。
12名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:22:52 ID:T2KjvFSa
ブザマな後釣り宣言も意味不明な言い訳もいいから、もう書き込むなっての
13名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 20:29:46 ID:T2KjvFSa
おっと忘れてた。
馬鹿みたいに繰り返さないと、本当の馬鹿は分からないからな。

●●●●●●●●●●●●● 終 了 ●●●●●●●●●●●●●
14名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 22:16:50 ID:phImJUKs
粘着してる奴は真性の馬鹿だな
別のスレなんだから好きにやらせればいいのに
15名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 23:00:32 ID:d3zTpvV6
↑うんこ
16名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 02:56:05 ID:PaUXVtEj
確かに
17名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:31:38 ID:sa0m1D7H
保守
18名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 02:36:55 ID:d8WbUN5J
age
19名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 07:43:37 ID:cPD0KZ5p
age
20名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 01:06:31 ID:tnkEjpGq
質問ですが

中世ファンタジーがちょっとよくわからんです
砕けるとファンタジーでなおかつ和風でなかったらOKということでしょうか?

それなら書けるかな〜なんて思っているのですが
ちょっと設定を書かせていただきます。
スレの内容にあっているか微妙だなと思ったので。

○悪魔(雰囲気をあわせるために妖怪を悪魔と書く)が出る
○メインは悪魔サイド。あまり怖くない悪魔たち
○中世といえば魔女狩りなどがあった、そのため悪魔祓いもさかんである
○マターリしている悪魔たちを祓う人間サイドが出る
○少量の戦闘+陵辱があったり、悪魔サイドの純愛風及びちょっと陵辱があったり
○悪魔だから召還で触手とか…悪魔の種類を増やせば色々なシーンが可能じゃないのか
○ふたなり、獣姦、触手プレイ、吸血プレイなどなど

ですが、スレの内容的にはどうでしょうか?
住人があまりいないようですが、勝手に投下するのも…と思い相談させていただきます
21名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 01:34:06 ID:gRgg9KNq
いいんじゃない?

魔界に深く関わるならこっちでもいいような気がするけど。

女の子が魔界へ拉致・迷い込む
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1143023929/
22名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 08:56:20 ID:bV2gdTl6
魔界などはないので大丈夫そうですね。
今すぐ投下ではありません今日含め一週間以内には投下させていただきたいと思います。
携帯から失礼しました
23名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 23:10:43 ID:8ntobfPy
>>22
カモンカモン。
待ってるよ〜
24名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 21:36:36 ID:7uIMP128
申し訳ありません。リアルでの事情で先日書き込みしたようには、いかなくなりました。
投下はちゃんとしたいと思ってますのでお待ちくだされば幸いです。
本当に申し訳ないです。
えっちぃシーンで償いたいと思います。
25名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:28:12 ID:lL8I8b+7
投下できそうなので、投下させていただきますね。
無駄に長い
26名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:29:11 ID:lL8I8b+7



 ザッザッと規則正しい足音が夜の森に響く。
 後ろからジッと息を潜め幾つかの生き物がソレらを見ていた。
 ソレらは集団であり男女入り交えており、若々しいのも入れば、年をそれなりに取ったものも居た。
 生き物から見れば良い獲物であるにも関らず、どの生き物達も襲い掛かろうとはしなかった。
 むしろ、早く通り過ぎてはくれまいかと願っていた。



 月が出ているが不完全な月であり、雲がかかっているせいで森はますます暗く見える。
 深い深い暗い暗い森に道はない。
 獣が通る道、時折迷い込んだ人間の足跡すらない。
 まったく目印が無いこの地で、集団が迷わず進む目印があった。
 いや、目印となるのは唯一つと言ったほうが正しい。
 目印は巨大な館の時計だった。
 館が巨大なだけありその月時計は天に届く塔かのよう。
 時計があることを印象付けるためだけに、あせた金色で時計を縁取っている。
 なぜ時計塔があり、なぜ巨大な館がこんな辺境にポツリと立っているのか…。
 そして、なぜあの館の屋根は赤色…否紅色なのだろうか?
 一体何故、こんな危ない土地に住んでいるのだろう。


 何も知らなければ巨大で紅という強烈な色に係わらず、当たり前のように周囲を取り込む美しさにため息を付けるだろう。
 何も知らなければ巨大な美しい時計塔にため息をつき見上げるだろう。そして、あの時計塔で月を見ながら酒を飲めばとてもよい気分になれそうだと思う。
 深い深い森を歩く人間たちは各々武器をもち忌々しげに館を睨みつけた。
27名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:30:53 ID:lL8I8b+7

 あの館には悪魔たちが住んでいる…
 この森の近くには幾つかの珍しい木々が存在していた。その木の中には悪魔の持つ毒を治療する木の実や、流行り病に効く葉、応用が利く木の根と薬となる材料の宝庫であった。
 ある日、その薬の材料を探しに屈強な戦士と薬剤師が森に入っていった。
 一週間たち街に帰ってきたのは屈強な戦士の一人だったものだ。
 街の人間が一人であることに驚きかけより、そしてまた驚いた。
 帰って来た男は震えていたが、街の人間も震えた。
 頭髪は抜け落ち、一気に二十も三十も年をとったかのように顔は老人のようにくしゃくしゃとなっていた。服は擦り切れ、筋肉隆々だった体は細々と見る影も無い。服はボロボロ、目だけがギョロリと動きうわごとのように呟いていたという。
 『あの森には悪魔が居た。
 あんな悪魔がいるなんて知っていたら近寄らなかった。
 あの館には悪魔が住んでいる』
 と。
 帰って来た男の話を詳しく聞こうとも飛び飛びに言葉を発し、時に狂ったように泣き喚いたという。
 ただ、最後の言葉がごめんなさいだったという。
 自分一人生き残ってしまったことに対する謝罪だったのだろうか?
 それとも悪魔たちに対する謝罪だったのだろうか?
 ハッキリしているのは『森には悪魔の館がある』ということだけだった。
 そして、何度かギルドの人間が森に派遣されたが、帰ってくることはなかった。
 帰らずの森とはこのことだろか。
 ついにギルドは五十人に及ぶ腕のたつ者を集め、この森へとつかわした。
28名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:32:37 ID:lL8I8b+7
 この西洋と呼ばれる地では悪魔の類を退治する組織が成立している。
 つまり、それほどにこの西洋の地には悪魔が存在しているのだ。
 東の地には悪魔と呼ばれる存在が居ないという。
 それを聞き東の地に逃げようとする人間も居たが、その間の海で死ぬ。結局東の地などというのは夢でしかないのだ。ほとんどの人間は西洋の地で悪魔に怯えながらも、守られている。
 何世紀も前に作られ、後の者たちのため知識と戦う術を教え、人を守るエクソシスト達のギルド。
 彼らはその組織の一員であり、集団の中で一番若い戦士はソレイユという名の女戦士であった。
 ソレイユは幼いころに両親を悪魔に殺され、以来ギルドに育てられてきた。
 その恩を帰すべ、くどんな危険な戦いにも自ら参加し戦ってきた戦士だ。
 今回の戦いにも自ら志願し、いつもの得物を手にしこの森を歩いていた。
 最初は皆そこそこ陽気ではあったが森の中間地点を越え時計台が見え出した辺りから、会話も少なくなった。
 ソレイユもまた、寝食を始める。明日には目的地に突入することもあり、みなただ体を休めようとする。
「ソレイユ〜」
「ティア? どうしたの」
 弓を手にしたままティアがソレイユの元へと駆け込むようにやって来た。
 同じギルドの一つだけ年上の姉のような存在であり、ソレイユもティアを頼っていた。否、現在も頼っている。
 今回、互いに一番歳が近いものも隊列ではまったく別の場所となってしまった。
 なぜなら、ソレイユはロングソードで真っ先に敵を倒しに行く前列隊。逆にティアは弓を手にしているだけあり、後列におりとりこぼした敵に止めを刺していた。
「いや〜、なんか一人で食べるのは味気なくって」
「後列隊にはティアだけ?」
「ううん。
 女の子いるけど、年齢が違うしグループができてるしで」
 やや、うつむき加減で戸惑ったように言うティアにソレイユは納得する。
 要は入りにくい。
 そういうことだろうかと、ストレートに聞くと笑いながらティアは頷いた。
 少し戸惑っているのは、言ってもよいか迷った結果だろうか。
 一緒に食べようとティアが言い、一緒に食事の準備を始めていく。
 とはいっても簡易食であるから、味気も無ければ手間隙もかからない。だが、やはり一人で食べる食事よりもはずっと味気のあるものだ。
29名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:33:22 ID:lL8I8b+7
 客観的に言わせて貰えば、ソレイユとティアの共通点なんてほとんど無い。それは事実であった。
 前衛で戦うソレイユ、後衛で支援するティア。
 長身でスレンダーなソレイユに対し、ティアは小さく街娘と変わらぬ体型だ。
 共通点もなしによく仲良くなったなと周囲は時折思っていた。
 彼女らがしりあったのはギルドの依頼で偶然同じメンバーに入ったからだ。
 戦いを共にすることで友情が芽生える。
 彼女らもまた、生死のかけた戦場で戦ってきたために友情を結んだのだ。


 軽い会話と、食事を終えるとティアは後衛へと戻っていった。
 食事時だけなのは、夜の番があるからだろう。
 ソレイユは昨日の晩にやったばっかりのため今日はぐっすりと眠れることになっている。
 簡易ベッドを整え、入り込むと否応無しに曇った空が見える。
 雲の隙間から見えた月をみて、ソレイユは
 (明日は、十六夜だわ)
 そう思うと、徐々に夢の中へと入っていった。
30名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:33:54 ID:lL8I8b+7
 月明かりが暗い部屋を照らしだしている。
 高い位置にある部屋は、地上に比べ月の光が濃くなっており、薄いブルー色を帯びた光。
 窓はきっちりと閉じられそうな鉄で作られており、広い部屋でありながら一つしかなかった。
 今は、その鉄の扉は開けられているが、閉じれば一度暗闇に部屋は覆われることは、子供にも予測できるだろう。
 部屋に置かれた天蓋付きのベッドは、大の大人が三人ほど十分に寝ることが可能なほど大きい。
 ベッドのふくらんだシーツがもぞもぞと動きはじめる。
 シーツを少しずれると、少し茶色がかかったような金髪があらわれる。
 一切の衣服を身につけておらず白い肌が月に直に当たる。
 その耳は尖り、見えた背中からは黒い翼が生えている。
 目を擦りながら除々に顔を上げていくと、紅い瞳がドアを凝視した。
「んっ……
 ぁ〜、朋樹?」
 欠伸とともに長い牙が見える。犬歯というには長すぎる牙だ。
 一呼吸置きノック音が室内にきわたる。
 寝ぼけ声で返事をするとドアが開く。
「失礼いたします」
 うやうやしく紺色で作られたロングスカートタイプメイド服を着た少女が一礼する。胸元の紅いリボンがその容姿に映える。
 裸体の主人に特に気を示さずカートを引きながら入ってくる。
 カートの上には紅茶のポッドとティーカップが一式置かれており、下段には白いタオルが篭の中に入っていた。
 あまりにも普段と変わらぬ少女にボソリと主は呟いた。
「お前も年ごろなんだから…男の体みて無反応はやめとけよな」
 数秒止まり、考えるように天井を見上げ、視線を戻すと笑いながら少女は口を開いた。
 その笑みがとても綺麗だったため、ダメージも大きかった…ように見える。
「…着痩せしますね。ご主人様は」
「いやいや、そういうのじゃなくって」
 解らないのか小首をかしげる。
 あきらめ、ティーポッドにお湯を入れていくのを眺める。
 この少年はテッド・ルツ・トルデキム。
 紛れもない吸血鬼であり、本来なら館の当主である。ちなみに本当に着痩せするタイプであり、普段は細く見られがちだが、実際それなり筋肉だってある。間違っても女性じゃない。
 あまり細い細い男性に言うものではないという考えは、このメイドには備わっていないことを知り、少しテッドはショックを受ける。
31名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:34:40 ID:lL8I8b+7
 メイドは、夢弦朋樹。この地では知られぬが、東の国の名前を持っている。
 悪魔の類か魔法生物しか居らぬ、この館で唯一の人間である。人間でありながら、悪魔の館の従者長の職務に就いている、極めて異質な存在。
 朋樹は慣れた手つきで血液いり紅茶を入れていく。
 何故紅茶に血液を入れるのか?と思うだろうが、この主は紅茶を一日に何度も飲む。
 そして血液も何度も呑む上自身が吸血鬼のため、一緒に飲んだらおいしいかなと思い試したらおいしかった。それ以来紅茶に血液入りが当たり前になっているのである。



 ほほ笑みながら紅茶を手渡された。ニオイを嗅ぎながら従者をじっと見上げる。
 その姿からは吸血鬼とも、青年を迎えようとする歳で止まったようには見えない、幼さの残った顔つき。
 当たり前のように朋樹は紅茶の種類をすらすらと口に出していく。
「アッサムとセイロンのブレンドティー。
 入れた血液はO型RH+の非処女でございます」
 ちなみにテッドはAB型RH-だったら非処女は問わない。
 だが元々珍しいAB型。更にRH−もまた少ない。
 AB型RH−は特別希少価値がある血液だ。滅多に呑むことが無いため、出来うる限り非処女の血を探すことが多かった。
 吸血鬼の血を探すといえば、夜な夜な少女を襲い、少女の血を干からびるまで飲むイメージが高いだろう。
 確かに、ほとんどの吸血鬼はそのようにして喉を潤している。
 しかし元来、吸血鬼はそんなに血を飲まなくても大丈夫なのだ。
 吸血行為は食事の意味合いよりも、快楽行為の方が大きい。
 ほとんどの吸血鬼は快楽のために吸血しているといっても過言ではない。
 テッドや、妹達には単純な食事でしかない。快楽行為のための吸血は一月に一度あるかないかというくらいだ。
 しかし、エクソシスト達からしてみれば吸血されただけで吸血鬼化するだの、見つけたら即殺せだの…。
32名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:35:22 ID:lL8I8b+7



 物騒なこと極まりない。
 長い間食事をしなければ逆に吸血衝動で暴れるだろうし…。
 と、現在の従者長が来るまで問題は山積みであった。
 なぜなら、一度街に出ればエクソシスト連中に教われるだろう。人間は集団で行動すると強いというのが館に住む悪魔の見解である。
 従者長朋樹以外は全員悪魔であり、街の周りには悪魔かどうか見極めるための魔方陣が敷いている場所もある。
 それに比べ、朋樹は完全に人間であるし、見た目はかよわい(テッドいわく凶暴極まりないらしい)女の子だ。
 普通に街に入ることが出来るし、同性相手なら道を聞くふりをするのも簡単である。
 おかげで最近では危険を侵すことなく血液だけを採ってくることが可能となっている。
 たまに手に入る人間は森の外を歩いている人間だったり、街から帰る朋樹がさらったり、館に入ろうとしたエクソシストくらいだ。



 真っ黒な長い髪、自分とは対となるような蒼い瞳。生活が日光を嫌う吸血鬼たる自分と同じ生活をするためか白い肌。
 衣服の上からでも十分にわかる二つの膨らみと細い体つきはややアンバランスさを作り出していた。
「如何なされました?」
「いや、単純に大きくなったなぁ。って」
 くすくす笑いながら言うテッドに対して、朋樹はきょとんとし暫くしてから応えた。
「そんなに育ちましたでしょうか?」
 今度は先ほどより大きめに笑い、頷きながら、少し前の時間を思い出した。
 最初に彼女を見たとき、どうすればここまでと思うほど肉がまったく存在しなかった。身長もちみっこく、人垣に埋もれてしまえば探せないと思うほどに。
「あまり寸法変わっていないのですが…」
「はぁ?」
「…だから身長でしょう?」
「いや。長い目で見て大きくなったな〜と。
 色々と」
33名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:36:34 ID:lL8I8b+7
 すると、朋樹が苦笑いをしながらおでこを押さえ、目を半開きにしながら言う。
 その表情がすごいサディスティックと思うのは自分だけだろうか? と時折テッドは真剣に悩む。
「ああ、こういうところに違いを感じますね〜。
 色々ってなんですか?」
「お前もこういう暮らし長いんだから慣れろよ」
「無理ですよ。
 私はどこにでもいるかよわい人間なんですから。
 人間に吸血鬼…悪魔のような暮らしに慣れろといっても無理だろう。
 第一寿命からして全く違うのだ。百年も生きたらいいほうの人間の朋樹。すでに千五百は生きてるテッド。
 無茶にもほどがある。
 かよわいという単語に反応しテッドが笑った。
「どこにでもいないくらい、人間とは思えぬくらい、凶暴極まりない人間の間違いじゃないのか?」
 言葉をゆっくりと区切りながらテッドは朋樹に問いかける。
 怒りもせず笑いながら、朋樹は反論する。心外という形容詞を当てはめ、言うべき言葉に心外などみじんもない。
「女性にそれはないですわ」
「事実は言わなきゃならないときがあるって、エライ人が言ってたらしいぞ」
「そんなの無視です」
「切り裂きジャックと言われんだから、認めなさい」
「それは世間の風潮ですわ。
 ジャックと名乗った覚えはゼロです」
 やや物騒で言葉遊びのような会話を笑いながら進めていく。
 すぐに、紅茶が無くなりおかわりを要求する。
 起きてすぐなのに珍しいと思いながら、朋樹はティーカップを受け取りポッドから紅茶を入れていく。
「今日は随分ご機嫌がよろしいようで」
「ちょっと言葉おかしくないか」
「そうですか?」
 うんと返事を返しながら、差し出されたティーカップを受け取り口に運ぶ。
「んっ…機嫌がよろしいようなのは、もうすぐ良いことが起こるからだよ」
「はあ、左様で」
 良いことといっても、思いつくことは何もなく気の抜けた返事を朋樹は返し
34名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:37:30 ID:lL8I8b+7
 クスクス笑い始める主人に一瞬戸惑ったが、よく考えればいつものことのような気もするので、クローゼットを開く。
 いい加減裸体では問題があるだろう。
「お召し物はいかがなさいます?
 一通りそろっておりますが…」
 ピシッという薄く張った氷を割ったような音が、朋樹の脳内では響き渡っていた。
 一度深呼吸をしても変わりなくあった。
 ベッドに座ったまま手だけを広げている主人の姿があった。
 その手は自分に向かっており、ニコニコと楽しそうにしている。
「なにしてやが…
 いかがなさいました?」
 一瞬出てしまった本性を抑え、冷静を努める。
 だが、噴出しつつある汗は止まることをしらない。
 ついでに、そんな従者の思い知らず主人はマイペースに質問を質問でかえす。
「なんに見える?」
「…おお、友よ我が胸に!
 というように見えますわ」
 どこか芝居の掛かったセリフを苦笑しつつ朋樹は言う。
 テッドはつられるように苦笑し、何の小説だか聞いた。しかし、タイトルは教えてくれなかった。
 実在しない、適当に出てきた言葉かもしれないしよく聞くようなセリフ。
「で?
 なにをなさっているんですか?」
 悪魔にも熱があるのだろうかと思いつつ、主人のそばへ寄り一応頭を触る。
 熱はないなら、頭が本当におかしくなったのかと非常に失礼なことを考え始めた時だった。
「ハグ」
「あ?」
 本性が出ているのも気にせず朋樹は問うように声を出す。
「ハグハグ」
 パタパタと腕を降りつつ言う主に対し、冷静さを取り戻したのか普段の口調で朋樹は拒否する。
「やですよ〜。
 いいとししてみっともない」
35名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:38:01 ID:lL8I8b+7
「ぶーぶー、いいじゃん」
 と言いつつテッドは朋樹の首に手をかけた。
 かけた手に力を少しいれ自分の方へとすこし引っ張った。
 悲鳴を上げるわけでもなく、不適に微笑んだまま朋樹は見上げる形なった。
 黒い髪が白いシーツに舞うのはなんとも扇情的だと、毎回テッドは思わずに居られなかった。
「人に見られたどうするおつもりで」
 どこか自虐的な笑いを朋樹は言う。
 これで何度目だろうか、本人たちですら覚えていないのだから、誰にもわかるわけがない。
「今更なこといつも言うよな〜」
「今更でしょうか?」
 返事を返し、口付けする。
 どちらともなく、舌を出し絡め合う。
 互いの唾液を飲むように飲ますように、絡めて行く。
 徐々に粘液質な音が立ち始める。静かな空間に響き渡っていく音は、心なしか大きく聞こえるような錯覚に囚われていく。
 一度口を外し膝の上に朋樹を座りなおさせる。
 もう一度口を合わせていく。
 興奮してきたのか、朋樹の白い肌が徐々に紅潮していく。
 行為に及ぶときはいつも足首まで隠す長いスカートが邪魔なため衣服を脱がさなくてはならなかった。
 しゅるりと音をたてながら、メイド服のエプロンを外していく。

「そういえば、なんでいっつもロングなの」
「んっ、メイド長だから…だと思う」
 そんな会話を以前したが、やはり行為を考えると短いほうがいろいろとしやすい。
 ただ、立場上無理だと絶対拒否された日はちょっと枕を濡らした記憶もある。

 細腰をなで上げるように上へと手をあげていく。
 時折身体を震わして小さく声を出していくのを、可愛いと思う辺りに何故か敗北感をテッドは覚えた。
「っ…ん
 はっ」
36名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:39:05 ID:lL8I8b+7
 胸のほうへと手をやり片方の手で器用にボタンを外しながら、柔らかく大きな胸を堪能する。
「…いや、色々と大きくなって」
「あっ。
 それ?」
 手を止め、遠くを見るような目で朋樹を見ながらテッドは言う。
 昔は本当にガリガリという形容詞しか思いつかぬほど、身体に肉がなかった。
 かろうじて現在の身体を維持するので精一杯といわんばかりだったのだ。
 館で暮らしはじめ、きちんとした食事を取りはじめ、ようやく歳相応の体つきになったのがつい最近。
「…まぁ、まともな食事をしだしたのって記憶にも新しいから」
「まぁ、やましい気持ちはあまりないってことで」
 あまり? というヒマもなく行為が再開されていく。
 ワンピースのようになっているメイド服がずるずると脱がされていった。
 ガーターベルトで一部隠されているが、足と太もものすべすべした感触が気持ちいい。
 首筋に吸い付くと気持ちよさそうに頭をあずけられる。
 ふ、と見えた可愛らしいレース付の下着を見ると、シャツの上から透けて見える下着と同色であった。
 黒で少ないが可愛らしいレースとポイントブーケ。
 黒ってなんだかいやらしいなぁ。なんて考えていると朋樹が見透かしたような目で唇を尖らした。
「ほんとっ、は、黒っていや」
「なんで?似合ってるのに」
「黒って…んっ
 いやらしいし、かわ…っ…いの…ない、んあっ」
 さわさわと胸をなであげていくと、だんだんと言葉が途切れていった。
 シャツの上のボタンを一つ二つと開け途中で止まった。
 全部脱がして裸体にするのも面倒でシャツに手を忍び込ませ、下着越しに胸を上から撫ぜるように何度も往復する。
 徐々に余裕のなくなってく少女とは対照的に吸血鬼は笑う。
「…いや、可愛いと思うんだけどなぁ」
「あっ。
 スケスケだとか…んんっ。おばちゃ、くさいのとか、ばっかで…下着と合わせること、ン、考えたらよけいに…」
 あえぎ声に混じり答えた内容に素直に感心を示した。
 別に下着が上が白でショーツが黒でもかまわないような気がする。
37名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:39:40 ID:lL8I8b+7
 それは男性ならあまり気にかけないものではあるが、年頃の少女からすれば充分木に掛かることなのだ。
「へー」
「へーって…
 あのね。女の子はね、可愛く見られたいの。わかります?」
 腕を思いっきり捕まれ行為を中断させられる。が、実際吸血鬼と人間では基本的な基礎体力が違うので無理矢理に行為を続けようと思えば続けられる。しかし、テッドの目的は、陵辱ではないのだ。それ以上に感心を示さずにいたらいたで少女が激怒しそうなのもあった。
 しかし、どうやっても女性心理を理解しろというのは難しいものだ。
 どんな女性の扱いに手慣れた男であろうと、わからぬ部分はある。
 わからないという前に表情から言いたいことを悟ったのか、朋樹はやや荒い口調で説明した。
「男にだって…いや、悪魔だから男というの?まぁ、ええわ。
 とにかく!好きな相手にほど、良い印象を与えたい〜っていう気持ち。わかりませんか?」

 な〜る、と呑気な声を上げ納得する吸血鬼に思わず少女は頭を抱え込んだ。
 そういえば、自分は何でこんなのを好き…いやいや、愛したんだっけ?
 いや、元々を考え直せばまず、自分がここに居るということ自体…
 いや、その元々以前に吸血鬼と人間なんて捕食者と捕食される側じゃないか。例えて言うなら鳥とミミズ…私はミミズじゃない。

 混乱しつつある朋樹のことなど気にしていないような、呑気に少しだけイタズラを混ぜた声色でテッドは朋樹をゆする。
「ねぇねぇ」
「なんですか」
「それでいくと、オレって朋樹の好きな相手?」
 一瞬とはいえ確実に目が丸くなり、四肢が凍りつき、脳への情報全てが途絶えた。
 すぐさま、回復したものも冷静を装うには時間がいささか足りないようでミエミエの態度ではぐらかそうとする。
 言った覚えがないと、まるで何かの聞き間違いじゃないのか?といわんばかりだ。
 このような状況でなく、ミエミエの態度でなければ、あるいはテッドは聞き間違えたのかもしれないと納得したかもしれないが…。
「いや、言ってるって〜。
 朋樹が好きっていってくれるの、久しぶりだな〜」
「あ? やめろ、ばっか!
 抱きつくな! あ〜、頭撫でるな!」
 幼い子にするように頭を撫でられるのが、よほど嫌なのかじたばたと暴れる。
38名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:44:06 ID:lL8I8b+7
 しかし、所詮は人間の腕力であり、悪魔に適うはずも無く、すっぽりと腕におさめられたままである。
 顔を真っ赤にしてまで、否定する姿はむしろ肯定の意に見える。
 クスクス笑いながら、謝る。
 説得力の無い行為だが、いつもと同じようなことなので仕方なしにというように許される。
 また、シャツの中へと手を滑り込ませていく。しかし、次は少し上の下着をずらして、胸に力を入れていく。
 ほんの少しだけ硬く押し返すような弾力と張り、そして少しだけ触れた突起は思った以上に硬くなっていた。
 そんなに激しく愛撫を行っていないので、まだ柔らかいかと思っていのだ。
 そのためか、ゆっくりと弱い力で行う愛撫がもどかしいのか、朋樹は少しずつだが身体をよじらせた。
「ふああぁ…ぅぅ。
 ぅああん」
 声を抑えようとするが、快楽には逆らえず甘い声が耳に届いていく。
 それに合わせるように愛撫が激しくなる。
 くるくる、胸の突起を転がすと、大きく喘ぎ、顔を赤らめ目をうるます。
 小さく声を上げたのは、期待からか羞恥からか…。
 力を強めギュッと胸の頂を弾き、片方の手を抜く。
 そのまま体を撫でながら、太ももまで手を進めた。
 女性の中心部を隠すショーツに指を沿わす。
 すこし湿ったショーツごしに外郭を円のをなぞるように触れていく。
「ああ。
 ふぅ…ぅぅん」
「朋樹、気持ちい?」
「んああ、あ。
 あう、あ、うん」
 コクリコクリと頷きながら、肯定する。
 素直な反応に気分をよくし、愛撫を激しくする。
 中心たる部分の上をぐっと潰すようにこねる。
「ひぁ!やぁああああああ!」
 唐突すぎたのか驚き、ビクリする。
 ショーツ手をかけながら、体中にキスを落としていく。
 額、うなじ、頬、腕、手、指…。
39名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:45:07 ID:lL8I8b+7
 届く部分であれば、全てに落としていった。
 直に触れた女性の中心部に指を這わせていく。
「あっ、は
 〜〜〜っあ!」
 軽く達したのか、朋樹はがくりとうなだれた。
 少し腰を上げ、自身をはわしていく。
 にちょ、にちゃ。
 こするように動くと、粘液質の音が立ち、充分に潤っていることを教える。
 こすりあげるたびに、ふるふると身体が震わせ嬌声をあげた。
 ゆっくりと身体を進めると、まとわりつくように締め上げられ、思わず腰を一気に進める。
「あ、あはあああああああ!!」
 挿入れられた感覚に大きく鳴く少女をぎゅっと抱きしめる。
 柔らかな感触と髪の毛のふわりとした匂いに興奮していく。
 知らず知らずにテッドは笑う。
 どこか、イタズラめいて、それでいて、どこかがおかしい…いや、狂ったような、紅い瞳。
 異物に対して収縮する秘部が徐々に落ち着いてきたのか、柔らかなものに変わっていく。
 そろそろかと頃合を見はかると太ももを持ち上げた。大きくM字型のように開かれる下半身に朋樹はいやいやと首をふるが、あっさりと無視されていた。
「いやぁ。いやいやいや…
 それいやぁ」
「んっ、無茶、言うなって。
 こうでもしないと、オレ…動けないもん」
「ふぁぁぁ、そ、そんな…あっ
 うぁあん。うぅ」
 この体勢で男が動くのはつらいものである。支えがなければ動きづらいのだから、仕方ない。とはいえ少女にとっては見える位置でなくとも普段みられぬ部位を大きく広げられるのは、あまりにも恥ずかしかった。
「ああ!あ、やだ…ふぅうぅん。ひぅ!
 やっ、いやぁ」
 広がる快感に抗おうとはしないが、体勢だけはどうあってもいやらしい。
「この、っ!ひああ!?
 かっこ、やだって…ばぁ。
 あああ!あッあああ!!」
40名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:46:17 ID:lL8I8b+7

 いやと叫ぶ姿や艶っぽく、余計に体勢を変えたくなくなっていく。
 突き上げるたびに、胸がゆれ、髪が舞い、嬌声が大きく響いていく。
 少し手を伸ばし花芯を撫ぜると、走るような快楽が朋樹の身体を駆け巡ってく。
 女性の一番、最も弱い部分。
 そして、体内をこすられる感覚に、意識がかすむような快楽が襲ってくる。
「ん、くちゅ、ああ、てっどぉ」
 短い間だが舌をからませ、恍惚とした表情で見上げられる。
 それが非常に可愛らしく、愛しくなって、深く強く腰を打ちつける。
「んあ!?
 ああ!!あぁぁぁぁぁ!っう、きもち!
 ああうぅぅうううう!」
 限界が近付いているのか、言葉にならない悦楽の声をあげて、首を振るう。
 自身もそろそろ我慢の限界を迎えようとしていた。
「あうぅ、ひん!
 あ、くぅぅぅううんん!!」
「んっ…」
 最後に深く深く最奥へと届かんとばかりに、打ちつけ同時に花芯をぎゅっと擦りながらつまんだ。
 白濁とした液が大量に体内へと入り込んでいくのを感じながら、朋樹はうなだれる。
 腰を高く持ち上げると、ドロリと白濁した液が流れ落ちる。
 人間の男にはありえない量である白濁液は、太ももをつたいガーターベルトを汚していった。
 
 
 
41名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:47:31 ID:lL8I8b+7
 膝に乗せた朋樹は、こてんと寝るように倒れる。
 やりすぎた?という心配という感情はまったくない。むしろ今宵なんて思いっきり優しいほうだ。
 奪いたい気持ち、好きなようにしたい気持ち…支配欲が他の生物に比べ格段と高い生き物が吸血鬼なのだから。
 やっぱり優しいほうだ。
 それでも、受ける側からすればたまったもんではないのだが…。
 むくりと起き上がり、気だるそうに目を開け乱れた髪を手で整えていく。
「あの。朋樹さん、わたくしなにかいたしましたでしょうか」
 そんな中突然むすりと朋樹の表情が機嫌の悪そうなものになっていたのだ。
 先ほどの吸血鬼らしいというか、攻め立てていたときの瞳と表所はどこへやら?


 なぜ、ここまでテッドが怯えているか。
 朋樹は『どこにでもいないくらい、人間とは思えぬくらい、凶暴極まりない人間』なのだ。
 吸血鬼という種族上不老かつほぼ不死。それを利用するかのように、怒ればナイフ(純銀製)切りかかってくるわ、トラップをしかけるわ…。
 とにかく凶暴極まりない部分が夢弦朋樹という少女にはある。
 こういうときは出来る限り刺激しない、早めに謝るをテッドは心がけ、被害を最小限におさめようとしている。
「…中出した」
「あ?
 あ〜。ハイ」
「…」
「…」
 このまま、沈黙になるのだろうかと思い始めた頃に朋樹が口を開いた。
「…前するなって言った」
「…ハイ、おっしゃるとおりで」
「いや、この前の前も」
「そうでしたっけ…」
 失言。
42名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:48:01 ID:lL8I8b+7
 
 
 空気がひんやりとしだしてくる。
 もちろん暗くて涼しいこの部屋が更に冷たくなるなんてこと有得ない。
 だが、心理というのは複雑だ。
 思えばそうなる、それは身体すら反応させる。
 人間も悪魔もその辺りは皆同じなのだ。
 
 
 ヒュン。
 カッ
 壁にはナイフが一本深々と突き刺さっている。
 どこからともなくナイフを取り出し…いや、落ちたメイド服をあさるとナイフが大量に出てきたのだ。
 一体どうやって隠しているのだろうか。
 続いて朋樹は二本目・三本目・四本目と投げていく。
 すれすれでかわして行くエモノに腹を立て、ついには両手を使い出し計八本のナイフを投げる。
 どれもバラバラの軌道であるソレをかわしていく。
 はらいのけたほうが楽なのだが、あいにくとそのナイフは純銀製。
 吸血鬼は流水・日光・純銀にとても弱い。ついでに家具をあまり壊したくない。
 そして相手は夢弦朋樹もとい切り裂き魔にしてトラップ好き。
 絶対何か仕掛けてある。
 と、考えていたら姿勢を低くして襲い掛かってきた朋樹は片手のナイフ全てを頭に投手していた。
「死にさらせや!!」
 最後に聞いたのは怒声だった。

 テッドがおきたのは二時間たってからのことである。
 いつの間にか服を着ていたが、何も考えず、とりあえず妹達に会いに行こうと扉を開けて出て行った。
43名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:55:57 ID:lL8I8b+7
 まだまだいきます。
 例えていうなら第一部というところでしょうか。
 とりあえず、ソレイユとティアがメインなのに今は出番なし。
 次でがんばってくれる予定です。

 ぶっちゃけキャラ多いから
 館の中の人たちでネチョとか ギルドでネチョとか
 そんなこと考えてます。


 質問
 トリップを付けた方がいいという意見もあれば、つけないほうがいいという意見
 どっちも多くどうしたらいいものか…スレの住人さん教えてください。
 
44名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:54:30 ID:rZZXFLTj
>>43
読み手は付けてもったほうが楽。
まあ、これだけは言わせてもらう






GJ!!!
45KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/06/11(日) 20:02:17 ID:lL8I8b+7
ありがとうございます!(敬礼
なるほど、ではトリップ付けさせてもらいますね。
名前の後にシャープだったはずと、曖昧な記憶でやってみる。
46KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/06/11(日) 20:07:17 ID:lL8I8b+7
sage忘れた…
申し訳ないです。
47名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:08:06 ID:PX2Id8gj
>>26-43
おお、GJ!!

トリップはどちらでもいいけど、付けないなら名前欄に作品のタイトルを
いれると分かりやすいよ
48kt ◆Rq9fr/RC3A :2006/06/13(火) 23:56:02 ID:ZW5OMta2
投下しますね
投下前のカキコ時にトリップつけて、後はタイトルという手段をとりたいと思います。

エロのないつなぎ文章ですので、ご容赦を
49前夜談:2006/06/13(火) 23:56:36 ID:ZW5OMta2

 大きなドアを開けると、既に全員が集まっていた。
 広い食事のための室内のテーブルがあり、白い布の上に乗せられた紅い薔薇がいっそう目立つ。
 何人かのメイドがカートから食事をテーブルにおいていくのを眺めながら、既に着席している者を見る。
 
 本来テーブルには座り方があるが、この館ではあまり重視されておらず、今日も好き勝手に座っていた。
 と、いうより生活が違いすぎてそこまで気を回せないのだ。
 
 いま、この部屋にいるのは館の中でも権威のある者だけだった。
 門番隊隊長ワーウルフのたろ。同じく門番隊副長ネコマタのマオ。
 館内の魔術図書館管理人ラーマス・ノーエン。その使い魔にして司書、サキュバスのルヴィ。
 唯一無二の人間にして従者長夢弦朋樹。従者長補佐心得毒蛇のスピネルと毒蜘蛛のユリカ。
 すぐ下の妹シルクと末妹でありながら現当主のディストが座っていた。
 
「おはよー」
「おはよーじゃないわ、兄さん。遅いったら遅すぎるのよ」
 桃色のドレスとフリルのついた服、紅いリボンを着た幼い少女が怒る。パタパタと動く羽と鋭い牙さえなければ、普通のお嬢様にしか見えない。
 外見は十二歳かそこらの少女の視線といえど、実際年齢は五百を超えている。
 その眼力はなかなかのものであり、そのへんの悪魔なら視線だけで逃げ出すだろう。
 だが、その視線を向けられた相手は自身の兄であるし、周囲の連中もその程度で一々騒ぐほどのものではない。
 最初は怯えていたかもしれないが、既に長年過ごしているのだ。
 だから、これがディストなりの甘え方であることは周囲の事実であった。知らぬは本人のみ。
「悪い悪い」
 謝りながら席に着くと、従者長が小声でささやいた。
 門番隊から耳に入れたいことがあり、全員ずっと待っていたのですよと。
 それは悪いことをしたと思いながら予感があたりつつあることに内心笑みを隠せずにはいられなかった。
「えっと、じゃあはじめますね。
 周囲警戒班からの情報で人間を見かけたとかいう話がありまして」
 あまり露出の高くない大陸の服を着込んでいるたろが頭をかきながら言う。
50前夜談:2006/06/13(火) 23:57:29 ID:ZW5OMta2
「人間!?
 遊べるの? ねぇ、ねぇ!」
 ガタガタと椅子を揺らしながら、末妹のシルクが楽しそうに笑いながら言う。吸血鬼なのだろうか?と首を傾げるほどおかしな部分がある。
 鋭い牙に紅色のひとみ、紅と白の可愛らしい短いスカートをはいている。ここまではディストと同じだ。
 だが、背中からは四枚の翼が生えていた。
 四翼の天使だとかは、おとぎばなしでもあるが、四翼の吸血鬼だなんて…。見たことも聞いたこともない。
 楽しそうに笑うシルクをなだめながら、先を促すように目で指示する。
「たかが、人間でしょう?
 ガタガタいわずとっとと処理なさい」
 冷酷にディストが言い放った。
 どうやらまだお怒りのようで、スピネルとユリカがまぁまぁと呑気になだめる。
 しかし、彼女が思う以上に事態は大きなことであるというようにたろが言う。
「いえ、そうしようと思ったんです。
 でも、三方から取り囲むように着てるんですよ」
 館は海を背にするように立っている。荒い波と深く暗く悪魔がたむろする森が、この館のもう一つの門でもあった。
 同時に、万が一森を突破されれば館の領域でしか行動ができなくなる。
 広さからして三方に分けられるとほとんど森へと入ることが不可能となるのだ。
 それを危惧してか今までだまっていたマオが大変だと言う部分を伝える。
「その上、今までのように三人だとかじゃなくって、五十人ですよ。
 おおよそ百五十は軽くいるのではという報告です。しかもエクソシストです」
 エクソシストという単語が出ると流石にほとんどのものがピクリと動いた。
 動かなかったのは、テッドと従者長とラーマスの三人だけだった。シルクもまた、動かなかったがこれは単純にエクソシストがどういうものか解っていないので論外だ。
 テッドはなんとなくの予感がこれかということを愉しんでいるし、従者長にいたっては人間なので相手は油断する。その間に殺せばいいし、退魔の術は人間に効果がないので恐れる必要などみじんもない。
 ラーマスは今まで感情を見せないような表情でいたが、一瞬瞳に力を入れていた。
「エクソシストということは、魔法使いもいるだろう」
「え? ええ、いるんじゃないんですか?
 とはいってテッドさん…じゃない、ご主人様やお嬢様方には全く通用しないレベルですが」
 ちなみに、テッドは吸血鬼とは思えぬほどのんびりとし、上下関係をあまり気にしない上、様付けを好まないタチである。
 そのせいか、さん付けされることが多いが、流石にこの場じゃまずいと急いでだろが訂正する。
 この場でもついつい言ってしまうほど、そちらに慣れてしまっているが、よいだろうか?
51前夜談:2006/06/13(火) 23:59:32 ID:ZW5OMta2
「でも、魔力を有するか…。
 魔法使いがいたらニ〜三人コチラに回してくれないか?」
「モルモット?」
「魔力吸収型魔術生命体の実験に使用したいんだ」
「そう、そうね。
 百をこえる人間なんて、久しぶりだわ」
 ニヤリと凶暴な笑みを浮かべるとディストは指示を出そうとするが、テッドにそれを止められた。
「この指示だけはオレがださせてもらいたいんだけどな〜」
「兄さん?
 兄さんったら、私を当主にしたくせに…こういう楽しいときだけはズルイわ」
「今度オモチャもってくるから」
 もうと少し怒ったフリをしながらも兄に任せる。
 なんだかんだいい、ディストはおにいちゃんっこだと周囲がこっそりと思ったのを、本人は知らない。
「ラーマスには何人か回して。
 ンで取りこぼした連中はほうっておいてよし。中のメイドたちが片付けるからな。
 怪我人の救助優先、相手が出るまで手は出さない。
 生き残った人間は好きにして、ただし十人くらい良好な人間がいたら血を抜きたいから別班にまわして」
 従者長を呼び、何人か血液を抜く班員を作っていく。
 一つの文句もでないのは、その指示にミスもなく、好きにしろという命令もあったからだろう。
 最後に文句を言ったのは、シルクはディストと一緒に行動することだった。
 遊ぶことが大好きなシルクからすれば、全員自分のオモチャにしたいらしいが、それは却下された。
 吸血鬼という種族としてもとびぬけた身体能力を持っているシルクが好き勝手に動けば…ヘタすれば館は壊滅するだろう。
 本来姉のはずのシルクを妹のディストがお守をするのは、なんとも不思議な光景であった。
 シルクという吸血鬼の精神が幼いのが原因なのだろうか?
52前夜談:2006/06/14(水) 00:01:09 ID:Az64UeHt
 
 
 
 今日の夜は長くなるだろう。
 明日の夜は短くなるだろう。
 
 そんなことをテッドは一人考えていた。
 
 
53名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 00:08:47 ID:V/r4Xzhl
 投下ここまでです。
 トルデキム家の構成と年齢
 @テッド(1543) Aシルク(528) Bディスト(623)
 二人の妹とメイドがいるのに、ハーレムっぽさゼロ吸血鬼。
54娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/06/15(木) 03:43:45 ID:G4tZV1Mm
現在、中世の娼婦を題材にしたショタ系小説を製作中
出来上がりましたら投下します。
55名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 13:29:13 ID:dhoG6v5E
娼婦騎士殿、楽しみに待っておりますぞ!
ショタ系ハァハァ
56KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/06/16(金) 00:41:54 ID:cy1yVZFd
前回、どうやらKTをktにしていたというポカミスorz
気をつけようと思いながら、投下にきたら新たな書き手さんが。
私も楽しみだと思うと同時に、途中で間違えても投下しないようにしなければと…。
ふんどしをし…いや帯を締めなおさねば。
では、投下参ります。触手っぽいような気がしてならない+前おきは長いです。
57館の外の中の攻防:2006/06/16(金) 00:42:37 ID:cy1yVZFd
 先日の曇った空は嘘のように消えており、十六夜の月がうっすらと大地と森と館を照らし出していた。
 エクソシストギルドの人間たちは、いよいよ本陣突入ということもあり、ある者は武者震いを、ある者は瞑想にふけっていた。
 そんな中ソレイユは自分でも笑ってしまうように、一心不乱に得物の剣を磨き上げていた。
 何度も闘いを共にしたロングソード。
 どれくらいの悪魔の血を吸ったのだろうか、どれくらい手入れをし、自身を守ってくれたのだろうか。
 これからも続く永遠の戦友を磨き掲げる。キラリと光った剣はまるで大丈夫だと勇気付けてくれるかのようだった。
 
 ティアも最後の準備に取り掛かっていた。
 神聖なる魔法を扱える少ない人材であると同時に、その弓の腕前をもって隊長からの指示を受けているところだった。
 同じ魔法を扱えるとその護衛の班員に加わり、軍隊長の指示を待った。
 
 指示があがり、館へと三方に別れ突入を開始する。
 大きな門が目に入り、押し開こうとするまえに、何者かが飛び出してきた。
「待て! 何者だ!」
 犬耳とふさふさの尻尾を生やした、この西の地では見ない服装の青年が吼えるように言った。
 ワーウルフと誰かが呟いた。
 西洋で恐れられる悪魔の三本指に入るであろう人狼。
 身構えた体を更に硬直させ、一人の槍使いが斬りかかった。
 それをはじいたのは一人の少女の姿をした悪魔だった。
 猫の耳と二つの尻尾、あきらかに猫とすら呼べぬ悪魔は針を投げとばし、槍先を反らしたのである。
「ここを何処と心得る!
 ここはトルデキム家の館だ!
 この領域に武器を持ってやって来るというのは、敵意があると見て間違いないか!」
 何も言わず、弓を放ち、剣を振りかざす。
 それが答えと受け取り、たろは吼えた。それは、犬の吼えに他ならない。
 合図を聞き取り開く門から、数えるのも億劫なほど悪魔が出てくる。
 門番隊と呼ばれる館の人員である。
58館の外の中の攻防:2006/06/16(金) 00:44:32 ID:cy1yVZFd
 こうなるのはギルド側も充分に承知であった。
 最も優れたメンバーのみを館の中へ進入させる作戦だった。
 その中にはソレイユ・ティアの姿があった。
 
 
「クソッ!
 この犬め!」
「誰が犬だ!
 こちとら誇り高きワーウルフだ!!」



 仲間の叫び声を聞きながら、駆け足で館の中へと入っていく。
 途中邪魔者が居たが、他の仲間がすぐさま駆けつけ早く行けと促してくれたおかげで、ほぼ無傷で突入できた。
 門の中には木々が多い茂り、薔薇の花があれば見たこともない花も植えられていた。
 悪魔という単語さえなければ、本当に美しい館ではないか。
 いや、今はそんなことを考えている場合ではないとメンバーは我に返り、館の扉を開いた。
 平然と働く使用人たち、じっと見ることすらない彼らに気持ち悪さを感じられるずにはいられなかった。
 一人のロングスカートの若いメイドが歩み寄ってきた。
 各々身構えるが、彼女は人間ではないだろうか。
 他の使用人のように人間外の尻尾、耳、手、体つきではない。
 思わず警戒を解くものも居たが、軍隊長は違った。
 鋭い目つきでメイドを睨んだ。
 四十五度に頭を下げ、上げると真直ぐにメンバーを見ながら微笑む。
「ようこそ、我が主の館へ。
 突然の来訪におもてなしの準備もできず、申し訳ありません。
 ですが」
 微笑んでいる瞳に、光など一点もない。
 あるのは敵意。
59館の外の中の攻防:2006/06/16(金) 00:45:22 ID:cy1yVZFd

 よく見れば働いていた使用人たちもメンバーを攻撃しやすい場所に集まっており、中には既に得物を持つものもいた。
「失礼ですが、どちらさまでしょうか?
 そして、我が館の門番なしでの来訪とはどういうことでしょうか?
 そして、剣を向けるというこ」
 言い終わる前に軍団長の命令でティアは弓を放った。
 確実に狙ったつもりではあったが、人間相手だからだろうか?
 メイドは少し動いただけで弓をかわした。
 とたん、今まで大人しかったほかの使用人たちが襲い掛かる。
 ある者は階段を飛び降り、ある物は廊下から突き進むように、ある者は天井から降り立ってきた。
「それでは、我が館のメイドたちのおもてなし存分にお楽しみくださいませ」

「散!」
 軍団長の掛け声と共に、何人に更に別れ、別行動を開始する。
 この館の主と比べれば彼らはザコだ。
 ザコにかまうヒマなどない!
 
 
 
 
 ソレイユとティアは、偶然に同じ道を選び何人かのメンバーと共にしていた。
 何度も何度も同じところをぐるぐるまわるような感覚にメンバーのイライラは絶頂を迎えようとしている。
「なんなんだ!ここは!!
 さっきも見たぞこの窓の風景を!!」
「騒がないでよ!敵がきたらどうするのよ!」
「仕方ない…」
 ティアがぶつぶつと詠唱を開始する。あまり体力を使いたくなかったのだが仕方あるまい。
 この廊下はおかしい。
 なにか目印になるものがほしく、強い悪魔の気配を探していく。
 強い悪魔ならば、きっとこの館の主であろうしというやや楽観的な感情もあった。
60館の外の中の攻防:2006/06/16(金) 00:45:54 ID:cy1yVZFd
 
 見つかる気配にコチラと指示を出し進んでいく。
 永遠と続く廊下の壁を押すとふわりとした感触。
 ななめになっていく体に思わず目をつむるが、すんでのところで他のメンバーが支えてくれた。
 大きな扉を前にして、メンバーはしばし話し合うが周りに道はなく、戻ろうとしても壁は先ほどのようにすりぬけることはできなくなっていた。
 仕方なしに大きな扉を開く。
 
 
 
「ようこそ、悪魔の館の中にある知識の宝庫『魔術図書館』へ」
 一人と数えていいのだろうか、少女が発した言葉に一同は一瞬ひるむ。
 そして、瞬間ティアを残し全員が消えた。
「え?
 え??」
 突然のことにティアはあたふめくが、深呼吸をしなんとか落ち着けようとする。
「いでよ! スライムくん!」
 どこか芝居かかった言葉で悪魔は、魔方陣を描いた。
 出てきたスライムに弓を放つが、通り抜けスライムの体の中に入る。
 痛くも痒くもないのか、感情すらないのか。ティアへと近付いてくる。
 弓がだめなら魔法だと、ティアは魔法を詠唱する。
 にやりと悪魔は笑う。それの意味も分からないし、第一ティアはそれを見ることがなかった。
 スライムは、火炎球すら通さず体の中へといれ、次第に鎮火していった。

 
61魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:47:03 ID:cy1yVZFd
「ちょっと!
 やめなさいよ!!こんなことして・・・ただじゃすまさないんだからぁっ!」
「五月蝿いな。
 少し黙ってくれ」
 抗議の声ををあげるティアを無視し、少年は紙に何かをスラスラと書いていく。
 ティアを残したメンバーはこの図書館の外、つまり館内の正しい廊下に戻されたと聞き少し安心した。
(ソレイユ、大丈夫かな)
 一瞬の不安を取り除き、早く脱出し仲間を助けなくてはならない。
 しかし、ティアは得体の知れない生物に四肢を拘束されていた。
 スライムくんは冷たく、ぬるぬるしており、体のほとんどがその中に入ってしまっている。
 まるで、生クリームのような感触。
 よく見れば、スライムは、牙も爪も持たず目も持っていない。少しブルーのかかった透き通った水のような体。
 捕縛されているティアの白い衣服は水分(?)を吸って少し重くなっていた。
 ちなみに放った弓はあとで悪魔に回収されている。
 ティアを捕縛した二人組。
 そのうち一人は紙にまだ何かを書き込んでいた。
 線の細い身体、メガネをかけており、好き勝手に生えたブルーの髪を無造作にゴムで一つにくくっている少年だった。
 ラーマス・リースフィアという魔術師の若い悪魔だ。若いといっても人間と違い魔術師という種族のため既に齢百は越えている。
 書き終えたのか羽ペンを置き作ったばかりの魔術生命体―ネズミ捕り要らずのスライム―を見上げた。
 時折他の魔術師がこの部屋…部屋というには巨大すぎる。スケールから言わせて貰えば館といってもかまわない、この図書室。
 魔術師たちが追い求めて止まない知識のつまった本。それら全てを保管する不思議な図書館に侵入者が最近頻繁に現れていた。
 この魔術図書館は館の中に納まっている。
 何とも不思議なことだが、この館の主である吸血鬼は吸血鬼の常識を抜け出している。
 
 嫡男テッドは時空間を操作だか、時空間魔術ができるらしい。らしいというのはそれを実際に見たことが無いからである。
 もちろん妹もそうだ。残念ながら上の妹君はないらしいが、吸血鬼という種族を考えても常識外れの単純な力を持っている。
 下の妹さまはアカシックレコードを閲覧するという。
 以前に知識の衝動の赴くまま妹さまにアカシックレコードの閲覧を頼んだが、残念ながら閲覧できるのは彼女だけなのだ。
 非常に残念だったのを覚えている。
 さて、時空間を操るだのアカシックレコード閲覧だの怪しいことばかりだが、この大きな魔術図書館がまるまると館に入っているのだから間違いは無いのだろう。
62魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:47:40 ID:cy1yVZFd
 最近の魔術図書館は問題を抱えていた。
 ラーマス自身の師である魔術師に譲り受けたこの魔術図書館。ここへ勝手に進入する挙句、人が張った汚れ防止、無断持ち出し禁止の魔術を破壊するために魔術を使う、そして結果的に他の本を汚していく魔術士たちがいた。
 魔術館はありとあらゆる世界の本を誘うせいか、いたる部分に入り口がある。そこから侵入しているのだろう。
 本とは最高にして唯一無二の情報をまとめる存在だ。
 その本を汚す痛めるなんて以ってのほかである。
「こっちの準備も整ったぜ〜」
 男のような口調でティアを捕らえた一人の少女が飛んでやってくる。
 羊のように捻じ曲がった角と背中から生えた吸血鬼とは違った黒の翼。
 赤い髪と金色の瞳をしているが、それらをのぞけば普通の少女と変わりない。
 司書のような姿をしているが、服はノースリーブでミニスカートであった。
 どこか、いやに、艶かしく、女性のティアですら身体の奥がむずかゆくなっていく。
 ルヴィという名の永久召還された使い魔は、夢魔の一族である。
 夢魔といえばパッと出ないだろうが、サキュバスといえばいいだろう。
 男にもなれ、女にもなれ、気に入った人間の精を一つ残らず吸い尽くす悪魔。
 吸血鬼よりよっぽど悪魔らしい。

「ちょっと!聞いているの!
 一体、私に何をする気!」
 気丈にティアは二人に問いかけるが、二人は気にもせずにわからない単語を使い話している。
 五分ほどだろうか、話が終わりルヴィがティアを見上げる。
 自分が見下ろす立場のはずなのだが、何故かそれに恐怖する。
 高いところから、見下ろすというのはある意味精神的優位を示しているようなものにも関らず、心の底から怯えた。
「アンタは人間だ」
「そうに決まっているじゃない!
 私のどこをみて、アンタたちのような、悪魔にみえるっていうのよ!」
「僕は人間そっくりだというのに…外見というのを怖がるのは人間の特徴?」
 調べてみる価値がありそうだと言うとラーマスは別の紙に走り書く。次に忘れぬようにメモをしたということなのだろう。
 ティアはそれに、かすかな絶望を感じる。次ということは、自分はもしかして使い捨てなのだろうか。
 いや、そんなことはないと首をふり、その概念をどこかへと投げ捨てようとする。しかし、小さく小さくそれは残っているような気がした。
63魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:51:41 ID:cy1yVZFd

「話を続けるぜ。
 人間でありながら魔力をもっている。
 少しでもあれば、媒体を通じて簡単な魔法を使えるだろうな」
「簡単って…」
 自分が精一杯使った魔法を『簡単な』と言われティアは憤慨する。
「簡単さ。
 アンタがつかった位の魔術。いや魔法か。
 あんなのラーマスなんて指をピッピッと動かせば楽勝さ」
 体調がよければね、とルヴィは付け足した。
 ラーマス。魔術士のなかで最も知識と才能に恵まれた子と言われ、百二歳という魔術士の中では若い年齢で全ての属性を操る。
 しかし、生まれつきなのか体が弱く、唱える術がかける体の負荷に耐えられない事が多い。
 おかげで、中級魔術士と見たほうがいいくらだ。
「さて、魔力を持っている。
 そしてこの魔術図書館は知識の宝庫。全ての魔術士がこの宝を荒したがるんだぜ」
「まったく、ちゃんと願い出れば僕は貸すよ。ちゃんと正式に願い出れば…ね」
「そうだ、だが、そうじゃないんだよなぁ〜これが!」
 魔術士はラーマスという魔術士を恐れる。見つかっても殺されるかもしれない、対峙した時に無事でいられるか?
 生命の危険性ばかりを考え、借りるという方法をなくす。
 まぁ、この悪魔の館にあるのだから仕方ないといえば、仕方ない。
 ヘタに近付けば吸血鬼の使いに殺されるだろうという定着した概念は、魔術図書館にも根付いていた。
 まったく別の入り口から魔術図書館のみに侵入するのだから、別の存在であるというのに。

「彼らはこの本を荒す。
 それを撃退しちまいたい。ラーマスは体調不良が多い。
 さて? どうすると思う?」
 ヘタに答えなかったらどうなるのだろう。
 大人しくしておいたほうが身のためだし、この問いに深い意味はない。はずだ。
 少し思案しティアがだした答えは簡単なものだった。
64魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:52:40 ID:cy1yVZFd
「だれか…別の人を使う」
「そうだ。
 それが私。サキュバスにして魔術図書館唯一の司書ルヴィの役目」
 自らの少ない胸に手を当て、ルヴィが話を進めていく。
 この魔術図書館はその名の通りだ。魔術に関する本の館。
 魔術の本は、書かれた文章だけで、魔力を持っている。
 そんじゃそこらの低級悪魔が万が一だがこの魔術館へ入り込み、本を開けたとすれば、その本の魔力にあてられるだろう。
 ヘタをすれば廃人とかすであろう。
 幸いアンタは感性が鈍いとラーマスがボソリと呟いた。
 失礼なと思うと同時に、ルヴィが怒りながら横槍を入れる事を禁止している。
 
 
「ふぅ、まったく、困った召還主さまだぜ。
 さて、続きだ。司書である以上仕事放棄ができない。この魔術館は勝手に本を誘うんだ」
 知らない間に本が増えているなんてザラさといいながら、両手を上げ肩をすくめる。
 お手上げだといいたいのだろうか。
 そんなどうしようもない話をなぜ自分にするのか。
 関係などまったくないと、思わずティアは叫んだ。
 このスライムに捕らえられてからどうも胸騒ぎが止まらない。
 そして、途中で別かれたソレイユの顔がなぜか何度も浮かんでは消えていった。
 叫ぶティアにあっけに取られたのか、一瞬二人とも止まる。
 とはいっても、ラーマスの方はずっと変わりがいない。まるで線で書いたような瞳でこちらを見ていた。
 会話を長引かせすぎたと思ったのかルヴィは本題へと入っていく。
「言ったろ、魔力さえなければってな。
 魔力を奪うプラス捕縛する。
 そういうアイテムを作り出したんだ。
 だから、魔力をほとんどもっていなかったあの連中は邪魔だった」
「ま、まさか」
65魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:53:12 ID:cy1yVZFd


 アイテムではないが、アイテムともいえるんじゃないの?
 この妙な胸騒ぎはコレが原因なの?

66魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:53:42 ID:cy1yVZFd

「そう、お前を捕まえているドロドロした水のような生命体。
 その名もスライムくんだ」
 仲良くしてやってくれと無茶な注文をルヴィがすると、補足のようにラーマスが口を開いた。
 たんたんとまるでくだらない事務のように。
「今回のスライムくんは、性的興奮を変換能力を持っている。
 変換することによって魔力吸収が高まるかどうかの実験だ。
 捕縛点では、もはや追及の意味がない」
 あまりにも当たり前のように淡々といわれ、ティアの脳内が真白となる。
 いま、なんといった?
「せいてきこうふん…え?
 え?」
 単語はわかるが、何を言っているのだ?
 せいてきこうふん?なんのことなのという言葉がずっとティアの頭を埋め尽くす。
 果てしなく長い時間がティアの中では流れた。
 すかさず、ルヴィがトドメのように解りやすく言う。
「言ったとおりだぜ。
 エッチなことするぜ。スライムくんがな」
「人間の欲求は、睡眠・食物摂取・性行為という。睡眠じゃあ逆に精神を殺してしまうだけだし、食物がなけれ餓死してしまった」
「ンで今回、性行為にポイントを当てたワケだぜ」
 どうしてこの二人は当たり前のようにこんなことを言うのだろうか。
 四肢がガクガクと震え、腰が落ちそうになるがスライムくんのなかでは無意味なことであった。
67魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:55:37 ID:cy1yVZFd
「それじゃあ、実験開始だ」
 それが合図なのかスライムくんがぐにょりと動き出した。
 実験しやすいようになのか、高く上がっていた体を下へとさげていく。全体を二人の実験者によくみせるように高さをあわせると、スライムくんは行動を開始した。
 自由になるのは、頭と、手と、足首だけ。
 他は全てスライムくんの体の中にいた。
 スライムくんが生暖かい感触で体を揉みはじめる。
 やんわりとしたものではあるが、得体の知れない、悪魔の作った生命体ということがティアの嫌悪感を大きくしていった。
「いや!いや!!!」
 髪が乱れるのもかまわず、ティアは頭をぶんぶんと振り回す。
 こんな気持ち悪いものに触られる恐怖。
 スライムくんは、自身の体内の一部を集めティアの胸へ侵入する。
 着衣したままであったが、変形自在の体をもつスライムくんにはまったく関係のないことだ。
 まるで大きな手を作り出し、その手を増減させていくことにより揉むような動きを見せる。
 暫くそれが続くものもまったくティアの体に変化はおとずれなかった。
68魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:56:45 ID:cy1yVZFd
「…ダメだなぁ、コイツ処女だぜ。
 全然気持ちよくなってねぇみたいだぜ?」
 サキュバス能力を駆使して、ティアの快楽を調べるものも、気持ち悪いという感情一色。
 ここまで嫌がるものかねぇと呟くレヴィをよそに、ラーマスは指をつかい印を描き出した。
 それを見てルヴィもなにかボソボソと呟き始めた。
 すると、スライムくんの動きが変わった。
 自身の体をツルのように伸ばし、ティアの鼻を塞ぐ。
 鼻からの呼吸ができず、口での呼吸を体が試みる。が、腕一本はありそうな太さのツルが口へと侵入する。
 必然的に呼吸が不可能になる。
 口の中のスライムくんは更にからだを小さく分けていく。先端から小さなツルをまた作り出し、歯茎、舌の裏、歯をなぞっていく。
 その気持ち悪さに吐き気を覚えるが、スライムくんは気にせず進めていく。
 だんだんと、息苦しさを覚えていく。最後にはスライムくんのツルを噛み砕いてしまった。
 まるでゼリーのような感触のソレを吐き出そうとするが、すぐさまスライムくんは体を伸ばし口を閉じ込めた。
「んむぅーー!
 むぅ、ぐぅぅ、ぅぅぅ。
 んっ、んっくう!」
 こらえきれず、口の中に入ったスライムくんを飲み干してしまう。
 喉が鳴らせれるのを確認するとスライムくんは口を開放した。
 飲み込ませることが目的だったのだろうか。一体何故?
 先ほどとちがい動くことはないといえ、悪魔の作った生き物を呑んでしまったということがティアの涙腺を刺激していく。
「う、うぅえ。
 っくぅぅ」
 ぽろぽろと涙が溢れ出す。
 にも関らず、二人の観察者は冷静であった。
 その温度差が余計にティアの心を暗くしていく。
69魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:57:36 ID:cy1yVZFd

 
「人間という種族は外見に左右されやすい。っと…。
 まったくもって理解不能だな。人間でなければ当たり前のように生物を殺していく。
 にも関らず同属に関しては激しい反応をみせる」
「それが、人間だぜ。最も欲望に忠実かつ欲望に抗おうとする。
 サキュバスの意見だぜ」
「それについても調べる価値はありそうだな」


 どくん! どくん!
 体の熱さと突然の動悸がティアの体を襲いはじめる。
 
 (な、なに!?
  なにこれー!?
  あついよおぅ。あつい…)
  
70魔術士の実験:2006/06/16(金) 00:59:28 ID:cy1yVZFd

 効いてきたかとボソリとラーマスが呟いた。
 スライムくんにかけた一つの魔術。
 それはとても簡単なものである、スライムくんの動きの活性化と簡単な学習能力。
 ルヴィがかけたのはサキュバスとしてできる当然の術。
 内なる性を覚まし、快楽を与えるもの。直接触れるわけではないが、スライムくんはその術を簡単に吸収し、ティアへと送り込んだ。
 今頃胃の中に入ったスライムくんは液体にもどり、体中を駆け巡り、性感帯を刺激し、脳の快楽を刺激しているだろう。
 まったく害のない、それでいて害のあることをしてくれた。
 徐々にスライムくんに対する嫌悪感が薄れていく。
 それが嫌だというのに、体と脳はだんだんとろけていくような感覚。
 そして、スライムくんの動きに体が反応を見せ始めた。
 変わらずもまれる胸にピリッとした甘い刺激。
 太ももをさする様な冷たい感触。
「あっ…ぅつ!っやあ
 ん、はぁぁぁあ、あ!?
 い、いや」
「え〜っと、反応は徐々に良好となっているぜ。
 魔力吸収にはまだきてないってことは、もうちょっと時間がいるぜ」
 レポートに長い文章を書くラーマスを補助するように、ルヴィだけがティアを見ていた。
 涙が溢れてくる。
 こんな得たいの知れない存在に屈してしまうのかと。
 しかし、サキュバスの力は凄まじく思いとは裏腹に本格的な喘ぎを発していく。
「んんんぅ、あっはぁ!
 あ、ああんあぁ
 あぁん、ああ」
「へぇ、案外敏感じゃないか。
 スライムくん」
71魔術士の実験:2006/06/16(金) 01:00:09 ID:cy1yVZFd
 ぐにょりとまたスライムくんが体を変形させる。
 長いローブをまくしあげ、白い下着をあらわにした。
「いぁやあ。あぁつ!」

 つんつんと一部を硬くさせ、最も敏感な部分を突付き始める。
 それだけなら、男性の愛撫と変わらない。しかしスライムくんは体すべてを使いうなじ、首筋、おなか、腋、足の間すべてをぬるぬると擦っていく。
 おせじにも大きいといえない小さな未発達な胸の桜もつんつんと突付きながら、別のツルでなめとるようにこすりあげる。
「ああ!あぁあ〜〜!
 きも…きもちわるい!」
 気持ちいと言いそうになった自分にショックを受け、叫べば消える。そう思い気持ち悪いと連呼するが、甘い声で言う言葉にはなんの説得力も鳴く。むしろ、求めているかのように思えた。
 自分でも思うのだから、観察者はもっとそう思っているだろう。
 ニヤニヤと笑っているのだ。

 だが、それでも観測者はたんたんとした目でティアを見ていた。
 私がただの実験台なのだと知ったとたん、支えていた糸のいくつかがピンッとちぎれた。
「あ、あああはぁ!
 あはああ」
 スライムくんが、形を変えていく。
 つんつんと突付いていたツルを膨張させ、男根のような形をとっていく。
 下着をずり下ろすまでもなく、すべりこみ、女性部へ侵入すると同時に硬くした。
 それは処女に一切の苦痛を与えず、快楽のみを与える。
 ぬちょりぬちょりと響きわたるなか、全ての愛撫を止めず突き上げなで上げる。
 自由自在の体を活かし、膣内でも小さな突起をつくる。
 人間では決してできることのない男根にティアはあっけなく達してしまう。
「あああああああああああああ!!!
 !あ!?ああぁん!ああん!あっぁああ!」
 しかし、スライムくんは人間ではない。
 動きを止めず、そのままのペースで突き上げ、抜き、愛撫し、突起を回すように動かしていく。
 その行いはティアの魔力が尽きるまで行われた。
72魔術士の実験:2006/06/16(金) 01:01:14 ID:cy1yVZFd
「実験成功だぜ。
 なかなかの魔力吸収速度に加えて、性的興奮変換っつーのは効果があったようだな」
「ああ、それにしても人間は快楽に弱いな」
 スライムくんに捕らえられたまま、眠りうなだれるティアを見ながらラーマスは言う。
 唾液ははしたなく溢れ、快楽の汗は髪を体に張り付かせ、下着はすでに透けとおっていた。
「いや〜、あの突起はやめといたほうがいいぜ。
 実際壊れるぜ。まぁ、侵入者に容赦はいらねぇけどな」
「まぁいい、しばらく実験室で何度かパターンを変えてみよう。
 適当に食事と風呂に入らせておいてくれ」
 あいよ〜とルヴィは返事をすると、スライムくんを誘導させ実験室へとティアを運んでいった。
 意識があるのかないのか解らない中、最後にティアはソレイユが心配だった。
 しかし、これからその心配をする余裕すらなくなってしまうことを、今はまだしらない。
 今だけは、安らかに眠りの世界に入ることを許されていた。
73KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/06/16(金) 01:07:35 ID:cy1yVZFd
 以上です。
 触手禁止とも触手OKともないので軽い感じで…。(それでも難しいよ触手
 どれくらいならOKとか無いというのも怖いですね。なんでもこい!なんでしょうか?
 さて、いよいよ念願の”あの”プレイを果たせる日も近く、非常にドキドキしています。

 中世ではメイド・使用人がおり一種のステータスだったようですね
 それ以前は奴隷…。それはそれでなかなか使えそうなと思う一時過ぎ
74娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/06/16(金) 01:28:46 ID:3XSHwxoW
>>56-73
GJ!!
スライムくんにはワロタ
念願のあのプレイが気になります。続編にwktkしながら期待してます。

それじゃ、第一話が出来たので投下します。
75娼婦と少年の淫らな生活:2006/06/16(金) 01:30:51 ID:3XSHwxoW

ここは北の国ノイス王国。
かつて、この国には商業都市として栄えたが、他国との戦争で町が廃墟となってしまった。
その戦争の影響により、若者を中心とした兵士達が戦死し、生き残ったのは女子供が殆どだった。
両親を失った子供が孤児となり、自分で生計を立てたり、ひったくり等の盗みを働いたりした。
恋人や夫を失った女性達は、生計を立てる為に自らの体を売る、娼婦になる者が多くいた。
売春で順調に稼ぐ者がいれば、少しでも稼ごうと子供にまで手を出す者もいた。
この国では売春は違法であるが、戦争の影響で人口が減少してしまい、それを歯止めを掛ける為、この国の王は、売春を合法化したのである。
やがて、廃墟だった町は、酒場や娼館が建ち並ぶ歓楽街へと復興を遂げたのである。

ここはノイス王国の中では貧しい町、ガーラプア。
昼下がりの町の中に、朽ち果てそうな木造の小屋の中、一人の娼婦が愚痴をこぼしていた。
「ふぁ〜、最近お客が来ないよ、まったく・・・」

彼女の名はエリーナ。彼女が幼少の時に、名家の貴族だった両親、さらには恋人までもが戦争で亡くしてしまい
現在は父親の形見である剣を携え、放浪の旅をしながら娼婦として、自らの体を売って生活をしている。
外見は、胸の谷間を強調した赤のドレスを着て、前に空いているスカートのスリットから、黒のストッキングに包まれた悩ましい美脚に
その上には、白い太腿をチラチラと見せている。セクシーで美しく、髪型は金髪のロング、胸は大きく、ウェストと細く
スレンダーな体型をしているにも係わらず、姉御肌の性格が災いし、他の娼婦と比べて客の人気がイマイチなのである。

「隣はお盛んに頑張ってるわね・・・」
小屋の外には、敷かれたゴザの上に他の娼婦達が幼さが残る町の少年達と濃厚で淫らな情事をしている。
「はあ、はあ、ああ、出ちゃうよ!!」
「さあ、私に向かって、ぶっかけて!!」
「あああ、出るっ!!うぐっ・・・」
「お、俺も・・・うあっ!!」
「ああん、こんなにたくさん出しちゃって・・・」
彼女達の体には、彼等から発射された白い精液が付着していた。
76娼婦と少年の淫らな生活:2006/06/16(金) 01:32:44 ID:3XSHwxoW
「元気だねえ、ホント。さあて、洗濯物が乾いたかしら?」

エリーナが小屋の裏へ向かって歩くと、一人の少年が彼女の下着を物色していた。
「あ、ヤバイ!?」
「コラ−、何やってんだい、坊や?!」
「早く逃げなきゃ!!」
「待ちな、坊や。そう簡単には逃がさないわよ」
エリーナは下着を持って逃げようとした少年を、素早く前に回り込み
彼女が持っている剣先を、少年に向けた。

「さあ、追い詰めたわよ。私の下着を盗むとはいい度胸じゃないか?」
「く、や、ヤバイ。これじゃあ、逃げられない・・・」
「私の下着を盗んで何をしようとしたの、坊や?」
「そ、それは、その〜?」
「アンタみたいなコソ泥は、警備隊に突き出そうかしら?もしくは、私に斬られるかのどちらかしら?」
「ま、待って。どうか命だけは・・・」
「どちらにせよ、アンタは首を刎ねられる運命だよ?さあ、さっさと返事しな!!」
剣先がジリジリと少年の鼻に近付いて来た時、少年は観念したのか、正直に罪を白状した。

「わ、分かったよ。正直に言うよ。アンタの下着を盗んで、それを売り飛ばして金に替えようとしただけだよ・・・」
「ふ〜ん、それじゃ、コソ泥と一緒じゃないか。さ〜て、警備隊に突き出そう〜っと」
エリーナは少年の腕を引っ張り、道に出ようとした時、少年は困惑しながら白状した。
「あわわわ、ま、待って。もう一つ盗む理由があるんだよ〜」
「なんだい、坊や。まだ言いたい事があるの?」
「アンタの下着を使って、オナニーをしようとしたんだ・・・」
「どういう風に使うの?」
「下着を地面に置いて、オナニーをして、そのままザーメンを下着に出そうとしたんだ・・・」
「まあ、子供なのに、やる事が大胆ねえ」
「だから、正直に言ったんだから、離してくれよ」
「まあ、正直に言ったから命は助けてあげるよ。でも、まだ離さないよ」
「え〜、正直に言ったのに〜。酷いよ〜!!」
「命は助けても、私への償いはちゃ〜んと受けて貰うよ」
エリーナは少年の腕を引っ張り、小屋の中へ連れて行った。
77娼婦と少年の淫らな生活:2006/06/16(金) 01:33:45 ID:3XSHwxoW
「さあ、椅子に座りな」
少年はエリーナの命令通りに、彼女の目の前で椅子に腰掛けた。
少年は、白の素朴な木綿の服を着ており、背がエリーナより少し低く、まだ幼い顔立ちをしている。
年齢はまだ十歳〜十二歳位に見える。

「さあ、私の目の前でアンタがしたかった事をしてごらん?」
「えっ、したい事って何を?」
「分かっているじゃないか。オナニーをして、ザーメンを出すんだよ」
「で、でも、この雰囲気じゃ・・・」
「それじゃ、私が下着姿になってやるよ、よく見てみな」
エリーナは赤いドレスを脱ぎ捨て、妖艶で黒に統一されたコルセット、ショーツ、ストッキングが露わになった。

「どうだい、美しいだろ?興奮してきたでしょ?」
「う、美しい・・・」
少年は顔を真っ赤にしながら答え、股間を押さえた。
「さあ、アンタも服を脱がせてやる。ズボンがパンパンに膨らんでいるだろ?」
「う、うん・・・」
彼女は片膝を立てながら座り、ズボンを脱がせた時、彼の幼い肉棒が出てきた。
彼の肉棒は、まだ皮が剥けておらず、先端から亀頭が出て来る程度だった。
「それじゃ、剥いてあげるよ。ちょっと我慢しな」
彼の肉棒に包まれた皮が丁寧に剥き、徐々に亀頭が姿を現した。
「あああ、気持ち良いよ。出ちゃいそうだよ・・・」
「まだ我慢してね、途中で出したら承知しないよ」
そして、肉棒に包まれた皮が全て剥けた時、立派な亀頭が露わになった。
「まあ、立派じゃないか・・・それじゃ、私の目の前にオナニーをしな!!」
エリーナは笑みを浮かべながら、少年のすぐ近くでゴザが敷かれた地面の上に仰向けで寝た。
「わ、わかったよ・・・」
少年は彼女の目の前で自慰を行い、肉棒を上下に扱いた。
78娼婦と少年の淫らな生活:2006/06/16(金) 01:35:39 ID:3XSHwxoW
その間に彼女は胸を隠していたコルセットのパット部分を下げ、乳房を露わにした。
その瞬間、それを見ていた少年が、肉棒を扱くスピードを速めた。

「おっ、ペースが速くなってきたじゃないか。もう出ちゃうのかい、坊や?」
「あああっ、出る、出ちゃうよ!!」
その時、エリーナが起き上がりながら大声で叫び、少年の手を掴んだ。
「おおっと、ちょっと待ちな、まだ出すんじゃないよ!!」
「えっ、な、なんで止めるんだよ?」
「一人で出すのは虚しいだろ?それだったら、私の美脚で出してあげるよ」
エリーナは仰向けに寝ながら、黒のストッキングに包まれた両足を伸ばし
それを少年の肉棒に挟み、上下に扱きだした。
「あああ、この感触は・・・」
「どうだい、気持ち良いだろ、このストッキングの肌触りは?」
「あああ、スベスベして気持ちいいよ!!」
「そうだろ、そうやって男達をイかせてやったんだ。坊やもこれをしてあげてるんだから、幸せモンだよ」

エリーナの脚コキで、徐々に快感が少年の肉棒に向けてこみ上げてくる。
「あああ、もう出そうだよ!!」
「もう、出ちゃうのかい?それじゃ、ザーメンを出してあげるよ!!」
そう言うと、両足で肉棒を扱くピッチを速めた。
「さあ、坊や、私の体に思いっきりザーメンを出すんだよ!!」
「ああ、で、出る、出る、出る〜!!」
その瞬間、少年の肉棒から大量の精液が射精し、エリーナの体
コルセット、ショーツ、ストッキングが白い精液が付着した。

79娼婦と少年の淫らな生活:2006/06/16(金) 01:36:28 ID:3XSHwxoW
このあと、少年はエリーナの上に倒れこみ彼女を抱き締めた後、彼女も彼を抱き締めた。
「まあ、凄い量じゃないか。」
そう言って、エリーナは胸に付着した精液を舐め取った。
「ご、ごめんなさい。こんなに汚して・・・」
「いいんだよ。別に気にする事じゃないんだから。こんなの私から見れば、日常茶飯事だよ」
「そういえば、アンタの名前は何だろ?全然聞いてなかったんだ」
「私?私の名前はエリーナ。一応娼婦をやってんだけどね。それじゃ、坊やの名前は?」
「僕はクレオ。盗みを働きながら生計を立ててる、ただのみなしごさ。」
「クレオも一人なのかい?私も一人なんだよ。」
「エリーナも両親を戦争で亡くしているのかい?」
そう言うと、エリーナは涙を流しながら話をした。
「ああ、しかも恋人までもが戦争で亡くしてしまったんだ」
「エリーナにも恋人がいたんだね、可哀相に・・・」
クレオはエリーナの涙を手で拭いた。
「同情してくれてありがとう。今は、ちゃんと立ち直っているよ」
そう言うと、エリーナはクレオの頭を撫でながら強く抱き締め
自分の胸をクレオの顔を埋めた。
「く、苦しいよ、エリーナ・・・」
「あ、ゴメンよ。初めて人に同情してくれたから、思わず抱き締めたよ」
「それじゃ、私がクレオのお姉さん代わりになってあげようか?」
「え、本当?エリーナが僕のお姉さんになるの?」
その時、エリーナは顔を赤くしながら答えた。
「ああ、でも、私の事をお姉さんと呼ぶのは勘弁してね。恥ずかしいから・・・」
「分かったよ、エリーナ。」

「それじゃ、約束してね。絶対に盗みをせずに働く事。そして、ザーメンを出したい時は、私に言ってね」
「え?何でザーメンを出すときは、エリーナに伝えなきゃいけないの?」
「いいじゃないか、そんな事。ここに居候してもらうなら、それなりの報酬は頂いてもらうよ!!」
エリーナは照れ隠しのつもりで声を荒げた。
「ま、分かりやすく言えば、ちゃんと真面目に働けという意味だね」
「そりゃそうよ。ちゃんと分かっているじゃないか。そろそろ夜が更けてきたから、続きをしようじゃないか?」
「え〜、もうちょっと休ませてくれよ〜」
「弱音を吐いちゃダメだろ?さあ、続きをするわよ。覚悟しな!!」
「ひい〜!!」
エリーナはクレオの腕を引っ張り、ゴザの上に二人で倒れこんだ。
80娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/06/16(金) 01:43:54 ID:3XSHwxoW
長文の為、文章が大変分かりづらくなってしまい、本当にスミマセン。
最初は冒険物にしようとしたのですが、良いアイディアが浮かばず
Hな生活物になってしまいました。
このあとは、なんとか物語の流れを
冒険物にしようと努力しています。

第一話はこれで終わりますが
第二話には本番行為をしますので
どうぞ御期待下さい。
81娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/06/16(金) 01:46:43 ID:3XSHwxoW
訂正
× ウェストと細く
○ ウエストが細く

初っ端から失敗しました・・・
どうもスマソ・・・orz
82名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 00:35:38 ID:N4VhR/jf
GJ!!
第二話に期待しておこう
83名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 13:01:48 ID:BYAsF9Q0
GJ!!
クレオくんからヘタレ属性が微量に検出されている気が…
KT氏のテッドさんもヘタレっぽいと思うのは俺だけ?

ヘタレ多量
84名無しさん@ピンキー:2006/06/22(木) 18:47:59 ID:jnW4ZG/B
ホッシュ&アゲ
85名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 00:11:34 ID:n+8qRIBB
このスレの住人って女兵士スレとかぶってる?
どっちか片方しか見てないって人いるのかな
86名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 14:48:25 ID:azyswTIm
確かに被ってるのも多いかもしれない。
最初の方それで小さく荒れてる感じだった。俺的に
今ンとこファンタジーならなんでもおk的なノリで書いてると思うんだけど。

そんな俺は女兵士スレは見てない。
87名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 06:10:38 ID:WZcCvC2F
保守しておくか
88名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 13:09:20 ID:3Zka8vz/
娼婦騎士氏…ゴロが悪いので個人的に娼婦騎士さまとよぼう。
娼婦騎士さまもKT氏もこねえのな…
89名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:45:33 ID:mrFHpn8J

あげてみる

90娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/07/09(日) 21:01:59 ID:tsgB2wC/
仕事が忙しかった為に、制作が遅れてしまいました。
ようやく完成しましたので投下します。
91娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:03:32 ID:tsgB2wC/
エリーナは、ゴザの上に寝転がっているクレオの上に乗り
自らの乳房に彼の肉棒を挟み、上下に揺らし扱きあげた。

「どうだい、私のパイズリは気持ちいいだろ?」
「はあ、はあ、はあ・・・、エ、エリーナ、こんなに扱かれたら出ちゃいそうだよ・・・」
「出したかったらアンタのアジトに案内してもらおうかしら?」
「えっ!?他人にアジトの案内だなんて出来ないよ」
「それじゃ、気持ちいいお仕置きは終わりね」
エリーナは乳房を揺らす手を止め、射精寸前で脈を打っているクレオの肉棒を離した。
「そ、そんな!!あともうちょっとでイキそうだったのに〜」
「だったら案内してもらおうかい、クレオ坊や?」
「分かったよ、案内してやるからイカせてくれよ、エリーナ」
「ウフフ、正直でよろしい。ご褒美にパイズリでイカせてやるよ」

再びエリーナの乳房にクレオの肉棒を挟み、自らの乳房を上下に揺らし
早くも彼の肉棒は限界に達しようとしていた。
「あああ、で、出ちゃうよ、エリーナ・・・」
「フフフ、我慢できなかったら出しちゃえば良いじゃないか。ホラホラ」
「あっ、もう出ちゃう・・・、うっ!!」
その瞬間、胸の谷間からクレオの熱く濃厚な精液が大量に噴き出し
何度も噴き出す白い精液が、エリーナの顔と胸と金髪を白く汚し
彼女の顔から満足な笑みを浮かべた。
92娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:04:14 ID:tsgB2wC/
「も〜、髪の毛まで掛かっちゃったじゃないか。もうベトベトだよ」
「ごめん、エリーナ。ちゃんと拭いてあげるから」
クレオはエリーナに掛かった自らの精液を布で丁寧に拭き取り、その布を籠に放り込んだ。
彼女は乱れた下着を整え黒いドレスに着替えた後、黒いロングコートを被り腰に剣を装備した。
「それじゃ、案内してもらおうか、クレオ坊や?」
「何故黒いドレスに着替えるの?」
「ああ、夜になるとモンスターの動きが活発になるからね。出歩く時は黒の方が目立たなくていいだろ」
「うん、そうだけど。物騒な物を持っていると客が寄り付かなくなるんじゃないの?」
「乱暴な客がいたらどうするんだい?そのまま好き勝ってにやったら、命が危うくなるじゃないか?」
「それもそうだね・・・。それじゃ、アジトに案内するよ」
「もし、逃げたら後ろからバッサリ斬るからね?」
彼女は装備した剣を抜き、彼が逃げられないように脅迫し
二人で小屋から出て、アジトに向けて町の中を歩いた。

外は暗くなり、三日月が光り出し、幾千の星が煌き、町はロウソクの灯がほのかに明るくなっていた。
娼館の前では、兵士達が娼婦達と楽しく会話を弾ませ、酒場では踊り子達が町人達と酒を飲み
二階の窓から町人の子供らしき少年達が娼婦達と、淫らな情事をしている様子が見える。
外の路地裏では貧しい孤児達が街娼達を生臭い精液を浴びて、淫らな情事をしていた。

「ねえ、エリーナ。何故アジトに行くの?」
「それは、アンタのアジトの中にはお宝が置いてあるかもしれないじゃないか?」
「それをどうするの?ま、まさか・・・」
「盗んだ物を売る訳ないだろ、私が預からせるだけだよ!!」
「ふ〜ん、やっぱり売ろうとしてるんだ、エリーナ?」
「う、うるさいわね。そんな事を言うと町人達の前で手コキをしてやるよ!?」
「わ、分かったよ。顔を真っ赤にして怒るなよ・・・」
93娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:05:12 ID:tsgB2wC/
エリーナが照れ隠しの為に、顔を真っ赤にしてクレオを叱った後
彼女は先の戦争でノイス王国に滅ぼされた、サマット帝国について語った。
「クレオ、この国の南にあった、サマット帝国って知ってるかい?」
「うん、知ってるよ。先の戦争でこの国に滅ぼされた国の事だろ」
「ああ、私の家族と恋人を奪った、最低最悪、残虐非道な国なのさ」
「どれだけ最悪の国なの?」
「そりゃあ、相手が兵士だろうが一般人だろうが目的の為なら、手段を選ばずに攻撃するのさ」
「何だか残酷過ぎるね・・・」
「ああ、特に帝国軍兵士は屈強揃いだから、どんなに強い兵士が来ようがイチコロで倒されてしまったのさ」
「でも、あれだけ強かった帝国軍兵士は、何故負けてしまったの?」
「そりゃあ簡単さ。兵士達は女性に対する抵抗力が無かったのさ」
「て、抵抗力が無かった?」
「サマット帝国軍兵士は、6歳から毎日厳しい訓練を受けていたから、女性を知らない兵士が多かったのさ」
「ろ、6歳から訓練を?!」
「若い頃から鍛えれば、大人になった時は強い兵士になっているからね。一方、ノイス王国では男性兵士が殆ど失い、苦し紛れに女性騎士団が結成された」
「女性騎士団という事は、エリーナも参加したの?」
「残念ながら参加できなかったね。家族と恋人を失った直後に結成したんだから、参加する余裕が無かったんだよ」
「そりゃそうだよね。悲しみに暮れたまま参加したら、足手まといになるからね」
「それが功を奏したのか、帝国軍兵士は女性騎士団を見る度に、股間を押さえたり、鼻血を出したりして戦いに集中できなかったのさ」
「そこまで抵抗力が無かったんだ・・・」
「おかげで帝国軍は大崩れ。あっという間に帝都を攻め滅ぼしたんだから」
「何だか笑い話だね」
「笑い話どころか、情けない話よ。あいつ等に殺された家族と恋人が浮かばれないと思うと、涙が出て来るよ!!」
嫌な事を思い出したのか、彼女の瞳から大粒の涙がこぼれ、その涙をハンカチで拭き取った。

「泣かないでくれよ、エリーナ。僕がいるじゃないか・・・」
「ハン、アタイは泣いてなんか無いよ・・・ウッ」
エリーナは悲しみを堪えながら、クレオと共に町の郊外に向かった。
94娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:05:48 ID:tsgB2wC/
「ねえ、エリーナ。その後、帝国はどうなったの?」
「ああ、そのサマット帝国の皇帝は戦死し、皇族の殆どは処刑されたよ。でも、一人の王子は行方知れずなんだよ」
「そう、そうなんだ・・・」
「おや、元気が無いねえ?どうしたんだい、もう歩き疲れたのかい?」
「いや、なんでもないよ。ちょっと考え事をしただけ・・・」
「ま、しっかりしなよ。アンタはまだ若いんだからさ」
エリーナはクレオの肩を叩き、元気付けた。
「生き残った帝国軍兵士の上官クラスは処刑されたが、下っ端の兵士は女性兵士の慰み者にされたと聞いてるわ」
「慰み者って何?」
「分かりやすく言えば、性の奴隷ね。女性兵士に毎日セックスさせられるんだから」
「毎日セックスをするの?」
「そうよ、毎日綺麗なお姉さんにセックスをしてあげられるんだから、彼等にとっては嬉しいだろ?」
「そうでもない様に見えるんだよなあ・・・」
「なんか言ったかい?」
「いや、何でもないよ・・・」
「帝国の貴族達も殆ど戦死したし、生き残っても私達の様な苦しい生活をするハメになるからね」
「やっぱり旧サマット帝国からノイス王国へ流れてきた人もいたの?」
「ああ、いたとも。でも、食料が無く飢え死にしたり、犯罪に手を出して処刑されたのが殆どだからね」
「僕はまだ運が良いの?」
「ああ、娼婦の慰み者になる奴なんて稀にあるさ」
二人の会話が弾んでいる内に、町の郊外を少し歩いた所にある山道の洞窟に彼のアジトを見つけた。
洞窟の中は薄暗く、中からモンスターが出てきそうな雰囲気だった。

「ほら、ここが僕のアジトだよ。今から灯点けるね」
クレオが洞窟にあるロウソクに火を点けると、瞬く間に洞窟内が明るくなった。
中には平らな岩の上に藁が敷かれているだけのベットと、大きい道具箱
そして、彼の父親らしき肖像画が飾られていた。
エリーナはここで黒いロングコートを脱ぎ捨てた。
「へえ、これがアンタの父親なのかい?アンタも私と同じ貴族出身だったんだねえ・・・」
「うん、そうだよ。僕も両親を戦争で亡くしてしまったんだ」
「可哀相に・・・。でも、この肖像画、何処かで見た事が・・・」
「あ、いや、あのう、僕の父親に何か?」
「あ、何でもないよ。アンタの父親を見てると、誰かに似てるなあと考えていただけさ」
「あ、そう。それじゃ、僕が集めたコレクションを見せてあげるよ、うん・・・」
クレオは何かを隠しているのか、慌てながら大きい道具箱を開け
彼が集めたコレクションをエリーナに見せ付けた。
95娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:06:19 ID:tsgB2wC/
「まあ、このドレス、両側にスリットが入っているじゃないの?すごいわ・・・」
「ああ、南で暑い国だったサマット帝国ではこれが当たり前さ」
「今度着てみようかしら・・・。これで客が一杯入るわ」
「まだコレクションが一杯入っているから、じっくり調べてみてよ」
「分かったわ、クレオ坊や。それじゃ、私の後ろに来な」
「何だよ、全く。人遣いが荒いなあ・・・」
「暇だったら、私がアンタのコレクションを探している間、後ろで好きな事をやってもいいわよ」
「え、エリーナの後ろで好きな事をやっても良いの?」
「ああ、後ろでオナニーしてもいいし、いっその事、中に入れて童貞を捨てても良いわよ」
「そ、それじゃ、入れてもいいの、エリーナ?」
「入れたいの?入れないの?ハッキリしな!?」
「い、入れるよ。だから、ドレスのスカートを上げてくれよ」
「正直な子は好きだよ、私は。ホラ、好きなだけ楽しみな・・・」
エリーナは後ろを向いて四つん這いになり、スカートをめくり上げ、中にはセクシーな黒のショーツとストッキングが露わになり
ショーツを横にずらし、彼女の秘穴が姿を現した。
それを見たクレオは、彼の肉棒がそそり立つ様に勃起した。

「さあ、来な。アンタの童貞を奪ってやるよ!!」
エリーナはクレオの肉棒を手に添え、彼女の秘穴に導かせて、後背位の形でゆっくりと挿入した。
「うああ、エ、エリーナ・・・。何この感触?凄く気持ち良いよ・・・」
「どうだい、クレオ坊や。女性の中は気持ちいいだろ?これでチャラだね」
「チャラ?」
「最初、アンタに下着を奪われた時のお返しさ。ホラホラ、腰を振ってごらん、気持ちいいだろ?」
「あああ、そんなに腰を振ったら、僕おかしくなっちゃうよ!!」
コレクションを探している間、エリーナの腰が激しく揺さぶり、クレオも腰を振り続け
洞窟内は激しく打ち付け合う音が響いた。
96娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:06:58 ID:tsgB2wC/
「あああ、エ、エリーナ・・・、ぼ、僕、我慢が出来ない・・・」
「ハア、ハア、イキそうかい、クレオ?イク時は外に出しなよ・・・」
「え〜!?何故、中に出しちゃいけないんだよ?」
「それじゃ、これで終わりにするかい、クレオ?折角もっと気持ちいい事をしようと思ったのに、残念ね」
「そ、そんな!?外でもいいからイカせてよ、エリーナ・・・」
「それじゃ、外に出しな!!」
涙目で懇願するクレオを尻目にエリーナは腰を激しく揺さぶり
彼の肉棒はもう既に限界に達しようとしていた。
「あ、あああ、エ、エリーナ、もうダメ!!ザーメンが出ちゃうよ!!」
「ああん、私もイッちゃう!!」
「エ、エリーナ。愛してるよ!!うああああ・・・アグッ!!」
「わ、私も愛してるよ、クレオ・・・。あああああああああっ!!」
その瞬間にクレオは肉棒をエリーナの秘穴から抜き出し
熱く濃厚な精液を、彼女の綺麗で豊満なヒップに勢い良くぶちまけた。
それと同時に、彼女も久々にイク快感を感じた。
発射された精液は彼女の金髪、ドレスの背中、ショーツ
秘穴、ストッキングに包まれた脚に掛かった。
それでも彼の肉棒から、僅かながら精液が噴き出していた

「はああ、やっぱり熱いザーメンを浴びると、気持ちいいわ・・・」
「うわあ、こんなに汚しちゃったよ・・・。今度こそ殺されるかも・・・」
「大丈夫よ。アンタのコレクションが着替えになるからさ。言っただろ?もっと気持ちいい事をしようってね」
「エ、エリーナ・・・」
「か、感心する暇があったら、ザーメンを拭き取りな!!」
エリーナはコレクションに含まれていたハンカチを取り出し
クレオに渡した後、自分も衣服にこびり付いた精液を拭き取った。
彼も自らの肉棒に付いた精液を拭き取り、ベットに横たわった後、静か眠った。
97娼婦と少年の淫らな生活 第二話:2006/07/09(日) 21:07:31 ID:tsgB2wC/
「さてっと、セックスに夢中になり過ぎてコレクションを見るの忘れてたわ」
彼女がコレクションを調べている時、一着のドレスから一枚の紙切れが落ちた。
「あら、何故か紙切れがあるのかしら?どれどれ・・・」
手紙を読んだ時、彼女の表情が怒りの表情を表し、紙切れを握り潰した。
「どうやら、あの子と肖像画に描かれている男の絵に関係がありそうだね・・・」
怒りの矛先はクレオに向けられ、如何にも恨みを抱いてるかの様な状態になった。
「どうやらこの子は、皇帝の息子の様だね・・・。家族と恋人の怨み、私が晴らしてやるよ!!」
98娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/07/09(日) 21:13:53 ID:tsgB2wC/
これで第二話は終わりです。
後半から修羅場な展開になりますが、残酷な描写が無いのでご安心下さい。
何故なら、残酷な描写のある小説が苦手だからです。
ショタ×お姉さん関係なら得意ですので・・・

前述した通り、私は仕事が忙しいので制作期間が大きく遅れる事があるので
第三話が完成したら、すぐに投下しますのでどうぞお楽しみに・・・

99名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:41:09 ID:I9wEVVW2
GJ!
100名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 00:49:17 ID:rlqzVwbS
おー、修羅場か……。
続き待ってるよ!!
101名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 01:23:11 ID:MqV3GtDj
GJ!

どうなんだこれから…
王子さまと娼婦ってわけか。元王子が正しいがイイね
102名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 20:18:47 ID:R5NYgPGp
GJ!!
続きに期待します!
103名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 10:59:15 ID:h+Gj4B+F
AGE
104名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 08:51:40 ID:CxnBYTAb
すみません、『中世』……ってヨーロッパ限定ですか?
アラビアではスレ違い?
105名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 09:16:36 ID:GmoRnJU9
おkおk。ぜひ読んでみたい。
106KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:14:13 ID:B6pjxmIe
 お久しぶりです、こんばんわ。
 なにやらぞくぞくと人が集まってきておりワクテカしております。

 久々の投下となりますが、お付き合いいただければ幸いです。
107KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:15:17 ID:B6pjxmIe
 館の一番上の部屋はさすが主の部屋。かなり立派であり、天井からは月の光が差し込めるように特殊な設計となっていた。
 あいにくと十六夜ではあるが、満月であれば天井からは美しい夜空の月が見えるのだろう。

 そんな中、軍隊長はどこを見据えているのだろうか。
 ソレイユがそのように考えていたが、周囲の人間全員がそうであった。
 この部屋に主たる悪魔はいるはずなのに、どこにもいないのだ。
 先ほどまで、自分たちを追いかけてきた人間のはずのメイドの言葉は嘘だったのだろうか?
 
 
「あらあら、こんな場所にまで来るなんて…
 遊びすぎたわね」
「人間のメイドが悪魔に尻尾を振るとは!」
「メイドじゃあありませんわよ。
 本業は殺し屋ですもの」
「殺し屋? なにをいって…」
「ここから先はお嬢様方の室内。
 それ以上入ろうとするギルドの連中はいくらかいた。
 それを始末するのが私の役目…」
 投げたナイフを拾おうともせず、死んだ男に目をくれず、少女は言った。
 このような事態がないとはいいきれなかったため、更にメンバーをわけ突入したのだ。
 ここに来るまでに何十人の同志が殺されたのか…それを思うとソレイユの胸がきしんだ。
 そして、人間でありがなら悪魔に尻尾を振る少女を理解することができなかった。
 
 ソレイユとメイドでは根本的に悪魔に対する考えが違ったのだ。
 対極といっていいほど違ったために、理解不能であるのだ。
 
 
「出て来い!
 紅薔薇!!」
「あら、わたしをまだその名で呼ぶ人間がいたとはね…」
108KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:16:58 ID:B6pjxmIe
 ぬっと影が膨らみ現れたのは一人の少女。
 天から降り立つようなその姿には神々しささえ感じられた。
 しかし背中に生えているのは悪魔の翼。
 紅色の瞳に黒い蝙蝠の羽、光を知らない肌。
 銀色の少しくるくるとした髪の毛、ピンクと紅の服。
 それはまさしく吸血鬼だった。
 数多く存在する悪魔の中でも最高峰の悪魔。
 自由自在に姿を変化させ、人の血を吸い、死者すら自らの僕として扱う。
 高い身体能力と高い魔力。それと引き換えに一生を陽光の下に出ない、最も暗い種族。
「はじめまして、おひさしぶりで…。
 私はディスト。
 ディスト・ルツ・トルデキム。誇り高きデーモンロード」
 両方のふわふわとしたピンク色のドレスを両手で軽く摘み上げる。
 それはまさしくロードにふさわしい、優雅華麗淑女という三つの単語が出てくるほど。
「そして、貴方達の後ろにいるのは私の姉。
 シルク・ルツ・トルデキム。少し幼いけれども素敵に強いわよ」
 後ろを振り返れば何時の間にか、目の前の少女よりほんのすこしだけ大きい少女が居た。
 金色にやや茶色が掛かった髪を妹とは違い肩までストレートに伸ばしている。
 ピンクではなく紅色の短いスカートとそれを覆う白い靴下のコントラストが美しい。
 楽しそうに紅色の目でメンバーを見ていた。
 四枚の蝙蝠の翼をパタパタ、ぱたぱたと羽ばたかせ宙に浮いていた。
 ニコニコと場違いなほど、どこか壊れたような笑い方だ。
 圧倒的なその存在感と何かにメンバーは気持ちから負けてしまう。
109KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:18:05 ID:B6pjxmIe
    なんなのだ。この吸血鬼少女たちは。
 そうメンバーが、ソレイユもどこか恐怖を覚えたそのときだった。
「ふん、『紅薔薇』に『四翼の幼子』か…『永遠不変の紅の満月』はどうした」
「ああ、兄さんのこと。やめてよ、兄さんその二つな嫌いなのよ」
「それよりさ、遊ぼう! ねぇ、だれ?だれがシルクと遊んでくれるの?」
 少女が右手を宙にかざすと魔方陣が描かれ、その中からにゅっと弓が飛び出してきた。
 矢のようなものはなく、弦すらもない。少女は弓のような弓を構える。
 矢は無いがあるように引き指を離す。
 パァンと音がし、一人の剣士の胸にあたった。
 うめきながら男の心臓はどんどん小さくなっていった。
 それを合図に全員が武器を持ち二人の吸血鬼少女へと飛び掛った。
 
 しかし、遊ぶようにシルクは彼らを殴り、蹴り、殺していった。
 ディストも少し立ってから魔方陣を描き巨大な槍を振り回し、何人も殺していった。
 こんなものか、興ざめだといわんばかりにディストはだんだんと作業のように殺していった。
 ソレイユはそれに怒りを感じる。彼らは彼らの信念のもと闘いに挑んだ。その相手をまるで虫を払うように殺すとは!
 
「うああああああああああああ!」
 ソレイユは吼えた。
 ディストは後ろから声をかけられただけのように振りかえる。
 一瞬見えたものにニヤリとディストが笑った。
 それがソレイユが最後にみた光景だった。
110KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:18:46 ID:B6pjxmIe
 ディスト・ルツ・トルデキム。誇り高きデーモンロード。トルデキム公爵家の末娘ではあるが、現在当主の座についている。現在六百二十一歳。
 彼女と嫡男には特殊な力がある。彼女はアカシックレコードを閲覧できる。
 ただ、アカシックレコードというのは全ての運命・未来を記したものである。次元が違うそれを見るのは吸血鬼の彼女ですら難しい。
 彼女が見ようとしても満月の夜でかなりの力を蓄えようやく、アカシックレコードを見れるのだ。
 しかし彼女は滅多なことでは見ない。いや、まだ幼いときは見ていたが歳をとればとるほど未来を知ってはおもしろくなくなってきたのだ。
 だからといって彼女の特殊な力がないわけではない。
 彼女には糸が見えた。アカシックレコードが作り出した因縁・運命…。よくいうではないか、小指と小指が赤い糸でつながると。
 そう、運命の恋人があるように永遠の好手敵の糸もある。彼女はその人物の糸に関係するものをすべては把握できるのだ。
 そして今宵、彼女がソレイユにみた面白い糸・縁。
 あまりにもくだらないエクソシストたち、吸血をするまでもない。
 ならばせめて一夜だけでも遊んでもらおうではないか。

 にやぁと笑い姉を呼ぶ。
 既にギルドの人間たちは人間だったものに変わっている。
 掃除を後でよばなくっちゃねと思うと姉は女剣士に近付いた。
「なぁに、ディスト?」
「遊びましょう、姉さん」
「? んっと、いいよ」



 ソレイユが目を覚ますと別の部屋に切り替わっていた。
 炎がともされたロウソクたちが何十本も並び囲むようにしてソレイユを照らし出す。
 月の光も太陽の光も入らない、窓のない部屋。
 目の前には重々しい鉄の囚人を入れるような部屋があった。
 先ほど居た部屋よりも冷たい。
「あら、お目覚めのようね」
 右をみると赤い椅子に座ったディストがこちらを見て笑っていた。
 隣には姉もおり、退屈そうに足をぶらぶらとさせている。
 そして自分の状態に気付いた。
 腕は鎖でつながれ大き目のスペースをとった踏み台の上に立たされている。
111子供の遊戯:2006/07/17(月) 00:19:22 ID:B6pjxmIe
 ぐいっと両腕別につなげられるよう手首から伸びた鎖は天井につながれていた。
 これはそう簡単には外れない。
 うかつと歯を食いしばり自らを戒める。
 状況が良くなるのだろうか…。
 いや、少しでも望みがあるのならばそれにかけようとソレイユは決意し二人を見据えた。

「あなた、おもしろい糸をもっているわね」
 糸と聞き返すがディストは一人幼子に説明するように話していく。
 少女らしい笑みの裏側にある悪魔の笑みがゾクッと背中を寒くさせた。
「そう、糸。
 糸は縁、縁は結びつき、結びつきは関係。
 たとえそれがひとりよがりなものでも、糸はかならずつくものよ。
 驚いたわ、魔を払うもののくせに同性愛者だなんて…」
 蔑むようにディストはソレイユを見上げた。
 一瞬脳が停止したがすぐにもちなおしソレイユは大きく口を開いた。
「なにをいってるんだか…。さすが悪魔ね、適当な言葉をならべて人をたぶらかすのね」
 はき捨てるように激怒するソレイユだったが、目の前の吸血鬼少女はいぜん笑ったままで、玩具を見つめるような瞳のままだ。

「そんなに否定しなくっても大丈夫よ。
 わたしたち悪魔からすれば性別なんて関係ない、意味のない隔てにすぎない」
 ソッと耳に優しく語り掛ける。
 いつのまにかシルクも加わっており逆の耳を優しく噛んでいた。
 ソレイユは吸血されないかとビクビクしており、それに更に気をよくして甘噛みの回数を増やす。
「わたしたち吸血鬼は悪魔の中でも最も優れたる種族。
 性別を帰ることも出来るからね。他の悪魔よりも性別に関しての問題が無いわ」
 まるで、泣く子供をあやすように、男を誘うような不思議な心地よい声。
 何故か抗えない。ここで一言どころか罵倒したいのに、何故か体は動かず、だんだんと意識の糸がほどけていくのをソレイユは感じた。

「わたしの眷属におなりなさいな」
「けん…ぞく?」
「そう、私の僕たる夢魔となりなさい。
 夢魔は吸血鬼と同じ性別の問題をもたぬ性により精をむさぼる種族」
 そっと首筋に舌をはわせながらディストがささやく。

「あなた、そう。
 ティアという少女がすきなのね。
 ねぇ、むさぼりたいでしょう。愛したいでしょう。かなえてあげる」
「あ…あ。あ」
112子供の遊戯:2006/07/17(月) 00:19:55 ID:B6pjxmIe
 ソレイユの中に毒液が滴り落ち広がっていく。
 ソレイユは自覚している。
 自分がティアという少女が与えてくれる笑顔や言葉に暖かいものを感じる。
 それは既に友情の度合いをはるかに超えており、会う度に胸のときめきを感じていた。
 それはまさしく恋。
 だが、同じ女性であることがそれを妨げていた。
 自分が女性でなければ…と思ったこともある。

 吸血鬼の甘美な言の葉はソレイユの人間感情さえも甘く溶かしていたのだ。
 本来なら悪魔になってまでと思っただろう。しかし吸血鬼の誘いに打ち勝てなかった。
 すでにソレイユの心は決まっていた。
 震える唇を動かしソレイユは乞う。
「あ、わ、わたしを、夢魔にして…」
 ニコリと吸血鬼姉妹は笑った。
「それじゃあ、いただくわね。その精を」
「あは、久しぶりだー」

 夢魔という存在は相手の精を奪うことで有名だ。そして男性体の夢魔は女を孕ませ、女性体の夢魔は人間の精液により子を孕んで種族を増やしていった。
 そしてもう一つの種族を増やす方法。高位悪魔による洗礼を受けることであった。
 吸血鬼は、悪魔の中でも最高峰の魔力と身体能力を得た存在。条件は満たしていた。
 その精を奪えば、若干能力が劣る場合もあるが人間を夢魔化できるだろう。

 甘噛みは明らかに意識した行為に昇りつめ、小さな手が歳相応の胸を触る。
 幼く性というものを理解しているのかさえ怪しい外見の少女がソレを行う。
 ソレがもたらす背徳感は大きく、感情はソレイユの中の性を強く刺激していった。
「あ、ああああ、ああぁぁぁ!!
 あぁぁぁああ!!!」
 悦楽の悲鳴。その単語が相応しい叫び声をソレイユはあげた。
 体の中の何かがでていくという感覚。それはいかなる人間の行為にも似ていない。
 体の奥から甘く痺れるような痛みを伴い抜け出ていく、一体どれだけ抜けるのか見当がつかない。
 その間二人の少女は笑っていた。
 楽しそうに玩具を仲良く二人で遊んでいる。
113子供の遊戯:2006/07/17(月) 00:20:37 ID:B6pjxmIe
 強い悦楽はいとも簡単にすべての精を奪い尽くそうとする。
「ああぁぁぁあん! っあはぁあ、あああああ」
「いただきます」
「いただきまーす」
 行儀が良いといって良いのだろうか。吸血鬼の彼女らからすれば食事なので差し支えはないと思うが、人間からみると恐ろしい食事の挨拶。
 あーんと口をあけた少女には吸血鬼らしく長い牙が月明かりに照らされている。
 どちらも見た目の可憐さとは裏腹の凶暴な武器だった。
 牙が両側の首筋に狙いを定める。
 ほんの少し力を入れるとズズッとゆっくりと陥没していく。
 シルクだけは一気に牙を突きたてその精を吸い始めていた。
 精を吸い取る代わりに、魔力を与えていく。

 血液を吸い取り魔力を与えていけば吸血鬼となり、精を吸い取り魔力を与えれば夢魔となる。

 言葉にならぬ悲鳴を上げソレイユは力を失う。
 じゃりん、重力の法則に従い落下しようとする身体を鎖が受け止めた。
 ディストはソレイユの腕を持ち上げ、ニヤリと笑う。
 その紅色の目は冷たい。
 逆にシルクは楽しそうにソレイユの変貌を見つめていた。
 ビクンビクンと体が痙攣し、身体のバランスが変わっていく…いや変わっていないが変わっているように見て感じ取れた。
 戦士として元々やや筋肉質な腕が細く見えた。体の細くある部分太くある部分の強弱が強くなっているように見える。
 それは気のせいなのか、それとも夢魔として目覚めつつあるからなのだろうか。
 最後に背中から飾りのような翼と頭から小さな角が生えてくる。
 同じ夢魔のルヴィとはまったく違い、いかにも低級なのでは? と思わせるような慎ましいものだった。
114子供の遊戯:2006/07/17(月) 00:22:24 ID:B6pjxmIe
「ふぁ」
 とろけたような瞳でソレイユが目を覚ます。
「うふふ、どう?」
 コクコクと夢を見るような表情でソレイユは何度もうなずいた。
「キチンとした夢魔より…そういうのをずっと使えるだけの夢魔。
 貴方はそっちのほうがよさそうだからそうしたんだけど…」
 どうかしら? と言わんばかりにディストが笑う。
 シルクはソレイユが夢魔になったと同時に席をはずし、どこかへ行っている。
「さいこ」
 うふふと満足気にディストが微笑んだ。


 確かティアとかいう少女を捕らえたまま、地下室においてあるはず。
115子供の遊戯:2006/07/17(月) 00:23:20 ID:B6pjxmIe
 自分の生み出した本来とはほんの少しだけ違う夢魔がどれほどできるのか。興味を持った。
 それと同時にドアにノック音が響き渡る。
「だれ? いえ、いいわ。入りなさい」
「失礼します、ディストお嬢様」
 ドアを開けた女は…兄の従者だった。
 そのスカートは血で濡れているものも、破れておらず、身体には怪我もない。
 なるほど兄が気に入るわけだ。いや、いまさらか。
「なにかしら、貴女が私に用事なんて珍しいわ」
「分かっておられるような顔で言われても困りますわ」
 にこぉと笑い言う。
 確かに自分はある程度の先見はできるが、全てを知っているわけではない。
 体調よし、魔力よし、なおかつほんの少しの偶然で見れるに過ぎないというのに。
「全て終わりました。
 戯れている者もおりますが、逃亡者もゼロですわ。
 館は壊れておりませんし、何人かの軽傷のみ」
「そ、ラーマスに伝えなさいな。
 体を洗ったあとにそちらに行くと、そうそうこの子は私の僕のソレイユ。
 仲良くしてあげて頂戴。ああ、後着替えも」
「承りました」


 ソレイユの鎖を解き、朋樹についていくように命じた。
 とろとろとしているのは、身体変化に伴う快楽のせいだろう。
 その様子を眺め幼い悪魔はニヤリと笑った。
116KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/17(月) 00:26:25 ID:B6pjxmIe
 今宵はここまでです

 どうやら私は前半ガーッと書いて後半もガーっといくぞというタイプのようだ
 このスレで書かせて頂いてはじめて気付いた

 スライムくんとは『スライムくん』までが名称なのですよ(・∀・)ニヤニヤ
 そしてタイトルを入れ忘れており申し訳ありませんでした。途中か入ってます。
117名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 07:11:58 ID:5UBipkII
GJ!!
続きに期待期待!
118名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 12:47:50 ID:JvwNJ9eg
読んでいてれみりゃ様を思い出したのは俺だけでいい
119名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 12:59:47 ID:wZTzEXb/
まずはGJ!!
>>118
れみりゃ?誰だそれ
調べてみた
良いロリ具合にウホッ(いくらなんでもあんなメイドがオフィシャルにいるとは

120名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 23:43:21 ID:BoyvX3en
なかなか面白い設定だね
121名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:54:41 ID:25WtA0Tj
なあ、オレ思ったんだ。
このスレでは確かに今職人さんがいる!
一人は作品待ちで、残る二人は長編or中編の雰囲気だ。
だがな、それが終われば?
終われば過疎る。
だからこそ、オレたちは力をあわせるんだ。
シチュ希望の声がほとんどない。これがこのスレに人がいない原因の一つでもあるんじゃないのか!



要はみんなでシチュとか設定とか書いてみないか?ということでした。
だって、だって、本当に『●●キボン』の文字ねぇんだもん。

というわけで若干鬼畜系中世ファンタジーエロ希望
122KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/27(木) 00:34:01 ID:5WlJrVZj
 投下させていただきます
 終わりの舞台に向けての短いシーン…といいましょうか
 終わりてもひとまずでしかない
123KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/27(木) 00:35:07 ID:5WlJrVZj


 ディストお嬢様に命じられたことを反復する。
 着替え…なんかこの子汚れているからお風呂が先ね。
 にしてもわざわざ人間を夢魔にする…。よっぽどヒマなのかしら。
 そういえばご主人様は行っていた。
『娯楽こそ吸血鬼の人生!』
 バカかなぁとその時は思ったが時折の戯れを思うとその精神は妹たちにも受け継がれているようだ。
 受け継がれているといえば細身で可愛らしい顔立ちの家系だと思う。

「ソレイユ? まずお風呂に案内するわ」
「おねぇさまは何ていうの」
 ああ、またか。また私はお姉さまよばわりか。
「おねぇさまじゃなくって夢弦朋樹。トモキの方が名前よ」
「トモキおねぇさま」
 はぁ
「それと私はメイド長だから、アンタは…お嬢様のペットでいいや」
 楽しそうにソレイユという子は笑う。
 ああ、まともな会話が懐かしい。
124KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/27(木) 00:48:19 ID:5WlJrVZj
「あ、メイド長さま」
「あ? 何かしら」
「え。あ、あの、捕まえた吸血用の人間の一人が自害しました」
「あらあら。他は平気なわけね」
「はい」
「ギャグでも咥えさせときなさい。ああ、あと何か服をもってきてこの子に合うサイズで」
 はいと礼を返しメイドが消える。
 はぁ、九人か。その内また私が吸血されるのだろうか。
 吸血がイヤなのではない。
 ディストお嬢様はそこそこで終わる。
 シルクお嬢様は痛い。
 ご主人さまは致死量ぎりぎりまで飲む。
 あーーーーーー。忙しいし大変だし…。
 それにこのこの子正気じゃないっぽい。
 またお嬢様の戯れだろう。吸血鬼のあの目に逆らえる人間なんてそうそういないらしい。
 私はその目を見たことがないからこれ以上言うことはない。
 チラリと後ろを振り返ると、寝ているような…なにか情事の後のようなそんな表情を浮かべている。
 …。



 さらに私はお風呂の上がり裸体で出てきたソレイユに頭を痛めた
 メイドが持ってきた服に頭を痛めた。
 そりゃあメイド服しかね…ないわよね。
125KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/27(木) 00:51:57 ID:5WlJrVZj
 すいません、すこし電話をしていましたorz

 『思い出した』といわれ、驚き検索しましたが…
 ああ、『パクりじゃねぇ』のと言われないかと不安です。

 しょうもない小ネタはあがるのにエロいシーンは浮かび辛いですね
 晩にでもラストを投下させていただきます
126名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:58:52 ID:kAbl7k37
>121
>というわけで若干鬼畜系中世ファンタジーエロ希望

お前は俺か
ついでに言うとズタボロにレイープされても最後だけはハッピーエンドキボン
つーか、そーゆーの書いてる
127KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/07/28(金) 00:09:22 ID:p3sfoczw
 ゆっくりと確実に住人が増えている
 わたしもワクテカしてまっています。

 (多分)ラストの話です。
128地下室:2006/07/28(金) 00:09:58 ID:p3sfoczw

 暗く冷たい石で作られた部屋でティアは目を覚ました。
 あたりを見回すと石造りの部屋で、捕縛するものはなかったが硬い鉄格子が脱出を拒んでいる。
 何度か魔法で壊そうと試みたが、魔法がまったく使えない。
 それは未だティアの中にあるスライムくんの影響である。
 それを知らぬティアは何事かと少し取り乱したが今では落ち着いている。
 鉄格子を破壊することが不可能、魔法も使えない、武器も持たない。
 脱出なぞ到底不可能としか思えない。
 誰かが何らかの事情で鉄格子を開ける、それを突破し逃げる。
 できたとしても、地上には悪魔だらけだ。
 生還の確率は…限りなくゼロ。
 ありとあらゆる幸運と偶然が重なり合わなければ…不可能。

 それに、また捕まれば、また妙な実験代にされるのではという恐怖もある。
 それに応えるようにコツ、コツと足音が響き渡った。
 小さな足音と少し大きい足音二つ…いや、三つ。
 しかしティアは足音というだけで酷くおびえる。
 自分の体を抱きしめ、恐怖と戦いながら、目だけはやってくるであろう者を見据えようと。

「どうかしら我が家の牢獄は」
 幼い少女が笑う。
 はじめて見るディストにティアは戸惑った。
 少女の外見をした大人のような表情をした悪魔。
 そして横には自らを辱めた生き物を作り出したラーマスとルヴィが立っている。
「最低よ」
 強がりなのは自らも分かっている。
 そして目の前の少女はそれを理解している。
 だからこそ笑ったのだ。
129地下室:2006/07/28(金) 00:10:53 ID:p3sfoczw

「いえ、貴女にプレゼントをと思ってね」
「プレゼント? なにかしら。下らないものでしょうけど」
「下らなくなんかないわ、貴女は実験動物なのよ」
「…」
 怒りの目をいくら向けようと悪意をいくら込めど目の前の少女には伝わらない。通り抜けていく。
「魔力吸収の実験は聞いたわ。
 いやでしょう? 得体の知れない生命体に犯されるなんて。
 だから」
 ディストは階段の方へ目を向けて、おいでおいでするような動作をした。
 カツン、コツンと現れたのはメイドだ。
「!?」
 メイドの服を着たソレイユだった。
「ソ、ソレイユ!?」
「あはぁ、ティアぁ」
「ソレイユ!? あ、アンタたちソレイユに何をしたの!」
「別に、彼女が望んだことをしてあげただけ」
「な。何を」
 ティアはハッとした。
 突然のことでソレイユの無事に喜び、ソレイユの様子がおかしいことに驚き見えていなかったが…。
 頭の横にちょんと生えた角と飾りのような小さな翼…。
 悪魔の姿になっていた。
「あ。あああ。そ、ソレイユ」
 親友の、戦友の姿に、言い知れぬ衝撃を受ける。
 あんなに悪魔を嫌っていたのにと。
 どうして、なぜと叫びたかったがそれ以上の言葉はでない。
 出せなかった。
130地下室:2006/07/28(金) 00:11:42 ID:p3sfoczw
「うふふ、これからはこの子が貴女の面倒と実験を行ってくれるわ」
 それじゃあと牢獄のカギを開け、ソレイユに入るよう促す。
 逃げれるはずなのに…動けない。
「ソレイユ…」
「ティア」
 怯え裏切られたような声で親友の名前を呼ぶ。
 そんなティアからすれば、狂ったように熱っぽい声で親友は自分の名前を呼ぶ。
 こつこつと石の音が立ち、だんだんとティアの耳に大きな音となっていく。
 影が色濃くティアに覆いかぶさった。
 ソレイユが微笑んでいる。
 いつもの快活そうな太陽のような笑い方じゃなかった。

 暗い黒い、太陽みたいじゃない、快活なんて似合わない、いやらしい笑み。
 少女の笑みじゃない、大人の笑み。やさしい大人じゃない。

 幼いころにティアが偶然に出会った娼婦と似ていた。
 よく迷子になっていた自分を保護して家に帰してくれたが、香水の甘い匂いと周囲の人間とは異質の女の香りにティアは内心怯えた。
 捕って食われないかと怯えていた。
 その幼いときの記憶を思い出す。
 今と過去が同じ。
 違うのは女は親友で捕って食おうとしないかではなく、捕って食おうとしている。
 覆いかぶさったソレイユはティアの髪に手を触れた。
 髪を手にすくいあげる。徐々に手を傾けていくとサラサラと髪が元の位置にもどっていく美しい様をティアは微笑みながら見ていた。
131地下室:2006/07/28(金) 00:12:24 ID:p3sfoczw
 ソレイユと口に出したつもりが、口はパクパクと小さく魚が水面から顔を出したようにしかならない。
 背後の石の感触が冷たくあるのが当たり前なのにぬるく感じられる。
 いや、ぬるいなんて気のせいだとティアはどこか思っていたが、脳内に霞がかかったように思ったことをうまく体が受け取らない。
 そのくせ目の前の女性の行動はキチンと目が追い、頭脳が理解し、触れる手を感じ取っている。
 自分の体がおかしいとティアは思った。
 気付けば冷たかったはずの体が熱く火照っている。そんな錯覚にとらわれていた。
「ぅぁ」
 ソレイユが艶やかにティアの胸に両手を伸ばしていた。
 五本の指が別の生き物のように動いた。それは先ほどのスライムくんとは違った、温かみのある相手の出方を伺うようなものだ。
 ソレイユは痛みを与えぬように弱く弱く指を動かす。
 だがティアに痛みがないと分かると徐々に強さを加えていった。少し痛みを感じるか感じないかの力にとどまり揉んでいく。
 年相応よりもやや下程度の胸はソレイユの手にはちょうど良かった。
 よく分からぬうめき声を上げるティアと一心不乱に胸を揉んでいるソレイユ。
 その二人を見ながらディストは楽しそうに笑う。

 それは悪戯を成功させた子供、もしくは子供に玩具を与えた大人の笑み。
 正反対の風貌をあわせ持つ少女にティアの思考が正常なら驚いただろう。
 しかしソレイユの行為はどんどん激しくなっていった。
「ん、ティアァ」
「ソレイユ…」
 火照った体に思考は完全に鈍り始める。
 もうどうでもよい、一瞬その考えがティアの脳を満たし、その感情に任せたくなった。
 しかしティアの良心か背徳感か親友を思う友情なのか…どの感情かは分からなかったがそれを思いとどまらせた。
 本当に受け入れてよいのか、ソレイユをこのままでよいのか。
 思考にかかった霞を手で払うように頭を振り瞳に意思を戻しソレイユを見直した。
 どこかとろけたようなおぼつかないような。いや、うまい表現がティアには見当たらなかった。
 だが、知る人が見れば今のソレイユは悪魔の誘惑に乗り悪魔となった人間だったものとして見られるだろう。
 残念ながらティアは、悪魔に堕ちた人間だったものをじっくりと直視したことがない。見たとしても、チラリと見た程度でこの悪魔は元人間だと冷静に解析する暇すらないのだ。
 知らなくて当然といえよう。
 知らないティアはソレイユに必死に呼びかける。
132地下室:2006/07/28(金) 00:13:06 ID:p3sfoczw


 このような行為はおかしい。
 このような行動はソレイユらしくない。

 それらの言葉はソレイユの聞きたくない言葉だった。
 女性でありながら女性を愛した自分をどこか嫌い、それから逃れるためにディストの誘いに乗った。
 そんな自分の気持ちを知らぬ相手に怒り悲しんだ。
 だが、もう自分はそれに悩む人間ではないのだ。
 それをティアにも分からせなくてはならない。

 狂ったような瞳でソレイユはティアを見つめた。
 じっと見つめるソレイユにティアは正気を取り戻したのかと一瞬喜んだ。しかしすぐさまその喜びは壊された。
 体中の力が入らない。それでいて思考は透明感を持つようにハッキリとしている。
 ピクとルヴィが反応を示した。まだまだ未熟で辺り中に撒き散らしているだけのサキュバスの能力。
 チャームと呼ばれる性的興奮を高める術。術のせいで今やティアはソレイユに欲情を覚えているだろう。
 本来なら辺り中に放ち周囲の人間すらトリコにしてしまうが、あいにく此処にいる周囲の者は悪魔。高位吸血鬼に魔術士に同じ種族でも高位にあたるルヴィ。
 効果があるはずもなくティアだけがトリコにされていた。

「ソレイユ! 一緒ににげ」
 弱弱しい声だがハッキリとティアは言う。しかしそれ以上を口に出すことは許されなかった。
 強引に唇に舌を差し入れ絡ませる。
 突然のことにティアは驚き抵抗することすら忘れる。いや、もしかしたらチャームの効果で抵抗できないのかもしれない。
 動かぬ舌とうごめく舌。
 裏筋を撫ぜ舌を吸い垂れた涎を口で拭う。その仕草は紛う事なき『オンナ』のするものである。
 呆然とティアはする。
 誰だって一番の親友と思い強い信頼と深い確かな友情を持っている。お互いに持っている。
 そう信じた相手が自らにキスをしたとすれば。そしてそれが同性とすれば。
 
 衝撃は計り知れない。
133地下室:2006/07/28(金) 00:13:38 ID:p3sfoczw


 驚いたような悲鳴をティアは上げた。
 下腹部に手の感触。
 ティアの両手は地をつき体重を支える以外の役割は果たしていないし、観客が手を伸ばすわけもない。
 ソレイユの手はティアの下着に入り込み、うごめき始めていた。それでいて片手はしっかりと乳房を刺激する。
 夢魔になったとはいえ此処まで巧みにできることに驚く。
 くちゅくちゅと湿った小さな音は、石造りの室内では大きく反響した。
 かぁと頬を赤らめ拒絶の言葉を吐くが逆にソレイユはそれに悦ぶように言葉をつむぐ。


「ティア? 気持ちい。気持ちいの
 うふふ、うれしい。ティアかわいい」

134地下室:2006/07/28(金) 00:15:05 ID:p3sfoczw

 嬉々としながら耳元で囁く。
 ぐちゅ、ぐちゅ
 中指がティアに進入していった。
「ひっ、うぁあ、あああ」
 ぬるぬるとした熱い感触が中指にまとわりつく。
 ほんの少し動かすだけでティアは達したのかと思うほどに大きく喉を仰け反らした。
「ふぅむ」
「どうしましたお嬢様」
「いや、ね。
 とっとと進まないわね」
「仕方ないぜ、お嬢様。
 ちょっと本来とは違う思考回路になってるようだぜ」
 どういうことと口に出さずディストはルヴィを見上げた。
 それに了解の意を唱えるようにルヴィがソレイユについて語る。
 同性愛に苦しまれていた。それが夢魔になることにより解消された。ここまではいい。
 しかし長きにわたり溜め込んでいた愛情が屈折してしまった。屈折した愛情の方向は屈折した行動を生み出す。
 言葉で嬲るという行動がそれだ。
 いくら夢魔にされた存在とはいえ、呆けた目がその証拠と力説した。
 どうすればそれが分かるのかディストにはさっぱり理解できなかった。
 夢魔だからだぜと笑いながらルヴィは付け加えるが、それでもやっぱりさっぱり分からない。
 だが、言葉ぜめという何時終わるか分からぬ行いを見ているのも飽きる。
 あれは、せめる側受ける側しか面白みのない行動だとディストは考えている。自分が楽しくないことを何時までもやらせておくような、考えを持たない。
 こういうとディストがかなりの自己中心的に聞こえるが、本来吸血鬼とは例に漏れず自己中心的なのだ。生まれながらに殆んどの種族から恐れられる力を持つ。
 それが原因なのか、種族上の能力のように先天性なのかは分からないのだが。
 ちなみに例外となるのは彼女の兄と姉であった。
 兄はひょうひょうとしており、天寿を全うしようとする老人のようだ。姉にいたっては純粋、子供のような心を何時までも持っていた。それは仕方ないことなのだが、省く。
 やれやれと肩をすくめ、ディストが牢獄の中へ入る。
 まったくこの私がわざわざ…とぶつくさ文句を言いながらだ。
135地下室:2006/07/28(金) 00:16:32 ID:p3sfoczw
 きぃという鉄の音に気付きソレイユが入り口を見る。
「お嬢様?」
「ソレイユ、とっとと貴女アレを見せてあげなさい」
 はいと言いながらソレイユはティアから手を放した。
 終わったのかと先程の会話が耳に入っていないティアは瞬時に思った。
 しかし半立ちになり膝上のスカートを捲し上げていた。
 太ももが露出していき、下着を着用してあるはずの部位は外気にさらされることとなる。
 ティアは驚く。
 あるはずのないモノが存在していた。
 どうして今まで気付かなかったのだろう。
 天井に向かってぐっと首をもげるソレ。
「え? え?」
 見たというのに理解しているのに、感情が理解できない。
 何度似たようなことを経験すればよいのだろうか。
 そんなティアの心を知る由もないディストが冷酷に言い放った。
 いや、正しくは楽しそうにだがティアには冷酷としか言いようのない言葉だ。
「ソレイユ、ソレで…分かってるわね」
「はい」
 ソレイユがティアに覆いかぶさる。
 こんなの理解できた。
 何度か耳年増な女友達と話したことがある。
 そんなの自分にあるわけないと思い込んでいた。ティアは戦う人間だ。
 いつ命を失うか分からないという覚悟の下、戦いに出ていた。
 だからこんなことありえないと思っていた。
 それが現実にありえようとしている。
 頭が殴られたみたいにぐわんぐわんと思考が回る。
136地下室:2006/07/28(金) 00:17:06 ID:p3sfoczw
 時間がとまるはずもなくソレイユのソレがあてがわれていた。
 気付き悲鳴を上げようとしたと同じ頃に、粘着質な音と共に腰が進んでいる。
「ひっ、いた! 痛い!いやっ、やめ、ぅぅう」
 涙目になり懇願するが聞きうけてもらえず腰は進んでいく。
 零れた涙は痛みからなのか、それとも精神的ショックが原因となり零れたのか。ティア自身にも分からなかった。
 先程のスライムくんとは違い痛みを与えるということは、自分が大切なモノを失ったということを否応なしに自覚させられた。
 血がタラーと床石に零れ落ちていた。
 キツイのかソレイユは眉を潜めながら、暴れる腕を押さえつけた。
 身をよじらす以外の抵抗を封じ込められ、それでもティアは痛みを訴えやめるように懇願する。
 しかし、だんだんその言葉にも別の声がいり混じり始める。
「いたっうぅん。やあぁ」
「ティア? 気持ちい?」
「そんなわけ…あぅん」
 あはっとソレイユが笑い、唇を奪う。
 無理やり舌を絡め捕られ唸るが、上の歯並びを舐めとられ体がビクンと跳ね唸りを止める。
 少し収縮が収まり慣れたと考え、ゆっくりと腰を前後に動かしていく。
 からまった血液と愛液がまた石床をぬらした。
 くぐもった声と体が打ち合う音が時折聞こえた。
「あっ、うぐぅ、んあ、あっ」
「はぁぁ、あぁ、ああぅ」
 荒い呼吸で顔に汗の玉がソレイユの顔にはりついていた。
 確かな快感がティアの中に広がっていく。それは体内のスライムくんのせいやもしれぬが、本当にスライムくんだけのせいなのか。
 誰にも分かるわけがない。
 ましてティアは特にである。
 ティアは己の体が快楽を受け入れたようにしか感じられなかった。
 スイラムに犯されたときと同じように。
「ああっ、ティア、ティア!」
 徐々に腰を打ち付けるスピードが上がっていき、二人の体の汗が飛び散っていく。
 徐々にティアのくぐもった声が悦楽に変わっていく。
「はっ、ああぅ、んんぅ! いっ、ああん!」
137地下室:2006/07/28(金) 00:18:00 ID:p3sfoczw
 私は何をしているのだろう。
 親友は私に何をしているのだろう。
 そんなのもうどうだっていい。
 今、私は、とってもとっても、気持良いだから。
 どこかで何かを落としたような音。
 …振り返るよりも気持ち良いほうがいい。
 私は暗がりに一歩足を踏み入れた。
 暗がりは広がって広がって、真っ暗闇になった。

「あ、あっあっああ!
 あぁあ!もっとぉ、うあん、もっともっとぉ!」
「ティア、ティアぁ」
 なみだ目に懇願するティアに興奮したのかますますスピードがあがっていった。
 抑えていた声を解放し頬を染め上げ手を天井へとつうきのばした。

「壊れたのかしら?」
「堕ちたってヤツじゃないのか」
「元々堕ちている夢魔にわかるの?」
「夢魔だからこそ。だぜ」
 痴態にずっと興味を示さないラーマスをチラリと見てルヴィは言う。
 ふぅんと言っただけで終わる。
 終わったとラーマスが言い席を立った。
 去り際にディストに一言言い階段を上がっていくのに気付いた頃にはルヴィもいなかった。
 クスクス笑いながら痴態を楽しそうに見ながらディストは独り呟いた。
「もっと遊びなさいな。
 私の新しい玩具さん」

 二人の声が大きく重なり、地下室に響いた。
138後日夜:2006/07/28(金) 00:18:52 ID:p3sfoczw
 暗い森と紅い館を満月の光が照らす。柔らかな月の光、そして悪魔が最も活気付く満月。
 こんな夜に外を出る人間などいない。いるとすればこの館の従者くらいだろう。
 さて、従者は外に出て花を摘んでいた。
 満月の夜にだけ咲く、可憐な白い小さな花と紅い薔薇。
「あら。 ソレイユじゃない」
 ソレイユは今メイド服ではなく、新しくあつらえた体のラインを強調した黒い衣服。たらしていた髪はアップにし色香を漂わせていた。
「あ、朋樹さん」
「こんばんわ。良い月夜ね」
「はい、とても」
「?ああ。この花はね。ご主人さまとお嬢様が好んでいる花なのよ」
「きれいですね」
 ええと朋樹が返事を返す。
「そういえばティアはどうしたの?」
 あの後ティアの居る牢獄に連れられ、その後は普通に暮らしているようにしか朋樹には見えず、意味もなくたずねただけだった。
 ソレイユは微笑みながら自分の部屋にいるということだけを告げた。

 朋樹は興味のなさそうな返事を返し、花を一つだけくれた。紅い薔薇。
 どうやら形が悪くディストのお気に召さないだろうということで、ソレイユに渡したのだ。
 なんでも形が悪い花や少し元気のない花は、あまり人目につかぬところに飾っているという。それだけでも部屋が華やかになるし、花の悪いところを隠すのも朋樹にはできるようだ。
 多才、いや器用というのだろうか? なんでもこなしてしまうからメイドになっているのだろうか?

 部屋にもどる途中にメイドから花瓶はどうかと聞かれるが、ソレイユは断る。
 ソレイユの部屋は三人部屋だったものだが、日当たりも悪いため倉庫にしようかと思っていたところをもらったのだ。
 日当たりが悪くともソレイユはかまわない。月の光があまり届かぬともソレイユには関係なかった。
「ただいまティア。みて紅い薔薇」
 ほらとティアに差し出す。ティアは白いネグリジェを着けたままベッドに座っている。いや、朝から晩までずっとだろうか。
 どこかうつろなような目でティアは微笑みながら薔薇を受け取った。
 綺麗よねと微笑み髪をすいてやる。綺麗とはどちらに言ったのか。
 紅い薔薇が美しく咲き、それを見ていた。
 END…?
139名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 07:33:25 ID:WqCbnjmA
おぉっ!
素晴らしいです   GJ!
140名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 00:35:58 ID:gMj/0ZRx
age
141名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 03:17:09 ID:AznZeyoQ
>>125
思い出した者ですがパクリなんて思ってないですよー
作品楽しませてもらいました、次回作も楽しみにしています
142名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 00:04:21 ID:dcHUjMaZ
保守
143名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 01:10:23 ID:daf+z9+O
保守
144名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 15:28:05 ID:Qul1D7VX
誰かいるー?
145名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 03:59:34 ID:yDMH7x4C
いないいない(´・Ω・`)ノシ
146名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 21:43:30 ID:ZXIcOtOr
誰もいないよねー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
147名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 19:48:01 ID:RaqDQpBh
本当いないねー
148娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/08/19(土) 00:13:39 ID:szOfwern
遅くなってしまいました。どうもスミマセン・・・orz
今年の夏は余りにも暑過ぎて、制作する気力が沸きませんでした。
それでも諦めず、第三話を書きましたので投下します。
149娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/08/19(土) 00:15:59 ID:szOfwern
娼婦とみなしごの淫らな冒険 第三話
あの童貞喪失を果たした夜から更に夜が更け、外が静まり返った頃
洞窟内ではエリーナが剣を携え、後ろからクレオを起こそうとする。
「起きな、クレオ」
「う・・・ん。エリーナ、まだ外が暗いよ」
その時、クレオの首筋に剣の刃先を突き出した。
「な、何の真似だい、エリーナ?」
「とうとうアンタの正体を掴んだよ、クレオ。いや、クレオ王子様」
「え、王子様ってどういう事?」
「さっきコレクションを探していたら、こんな紙切れを見つけたのさ」
エリーナは紙切れを彼に見せ、内容を読み上げた。

親愛なる可愛い我が息子、クレオ王子へ
もし、朕の身に何かが起こったら、ノイス王国内のスイア山に行け。
山中に秘密の埋蔵金を隠してある。
埋蔵金の在り処は、精を浴びれば分かる。
その埋蔵金を使って、我が帝国を再興して欲しい。
勿論、この手紙は他人に見せたり、見られてはならぬ。
それでは、無事を祈る。

親愛なる父、サマット帝国第十三代皇帝 アルノ5世より

「と、言う訳よ、王子様。額縁に描かれている肖像画を見て思い出したんだよ」
その瞬間、クレオの表情が暗く、顔色が青ざめていた。
「バレちゃったか・・・」
「そんな事が言える余裕があるのかしら、王子様。いや、もう王子様じゃないわね?」
「ねえ、エリーナ。僕は王子様だったけど、直接戦争には関わってないよ」
[ふざけんじゃないよ、馬鹿王子!!」
エリーナはクレオを突き飛ばし、ベットに倒れ込んだ。
「な、何するんだよエリーナ。痛いじゃないか?」
「何無責任な事を言うんだい?アンタの父親のせいで、私の人生は滅茶苦茶になったんだよ!?」
彼女の瞳から大粒の涙をこぼし、堰を切った様に彼女の辛い思い出を語った。
「私は愛する恋人が戦死した報せを聞いた時は、後を追って自殺しようと思ったのよ」
「・・・」
「でも、両親が自殺を食い止めてくれたのさ。死んだら残された人はどうするんだって言われてね」
「結構しっかりしてるんだね、エリーナの両親って・・・」
「しかし、帝国軍は一気に私達が住んでいる地方へ攻めて来て、両親を私の目の前で殺害された」
「ひ、酷い・・・」
「その後、私は帝国軍兵士にレイプされ、恋人に捧げる筈だった純潔を薄汚い兵士共に奪われたのさ」
「可哀相なエリーナ。僕も同情するよ・・・」
「ただウンウンと頷くんじゃないよ!!」
エリーナはクレオの両方の頬を数秒間つねり続けた。
「痛い、痛いよエリーナ。暴力はやめてくれよ」
「事を終えた兵士共がグッスリと眠っている隙に、私は傍にあった剣で彼等を刺し殺したのさ」
「・・・」
「その剣が今、私が持っている剣なのさ。アイツ等が苦しむ顔を思い出すと、いい気味だと思ったよ」
エリーナが持つ剣の刃先がクレオの首筋にジワリと近づく。

150娼婦とみなしごの淫らな冒険 第三話 :2006/08/19(土) 00:23:12 ID:szOfwern
「こ、怖いよ、エリーナ・・・」
「アンタもあいつ等と同じ様に斬り殺そうと考えたけど、たくさんザーメンを搾り出してから警備隊に突き出してやるよ」
「な、何故僕を生かすんだ?」
「アンタを生かしたまま警備隊に突き出せば、莫大な賞金が貰えるのさ」
「ぼ、僕を売るの?」
「ああ、アンタは私に抱かれたいい思い出を胸に、斬首刑に処せられるだろうよ」
「そ、そんな・・・。僕は本当に悪い事をしてないよ」
「アンタを生かしたら、また復讐しに来る。そりゃあ、一般的な考えだろ?」
「最初は復讐しようとしたけど、エリーナの話を聞いたら復讐なんて馬鹿馬鹿しくなってきたんだ・・・」
「そんなの通用しないよ。それじゃ、アンタのザーメンを一滴残らず搾り取ってやるよ」
「例え、復讐を果たしても虚しさだけが残るから、復讐をしても無意味だよ」
「問答無用!!さあ、服を脱がしてやる。これから一緒に最後のセックスをしてもらうよ」
二人は衣装を脱いだ時、エリーナの下着は金色で統一されたコルセットとショーツを着用し
バラの刺繍を施された黒のストッキングを履いていた。

「ウフフ、どうだい?アンタのコレクションの中から選んでみたけど、結構セクシーだろ?」
「う、うん。抱き締めたい位の美しさだと思うよ。でも・・・」
「でもとか関係ないだろ?抱き締めながらザーメンを搾り出してやるよ!!」
エリーナの掛け声と同時にクレオをきつく抱き締め、彼の肉棒が彼女のショーツに密着し腰を振り出し
下着に密着し擦りつける肉棒から、先走り汁がジワリと出始める。
「アハハ、どうだい?私のリズミカルな腰使いで、もうイキそうだろ?」
「あ、あああ・・・。き、気持ちいい・・・」
「我慢しなくていいわよ。アンタのオチンチンがピクピクしてるわ」
クレオの肉棒がもう限界に近づいた時、エリーナの腰を振るピッチが速くなり
そして、彼女の両腕が彼の頭を抱き締め、顔を彼女の胸に埋めた。
「エ、エリーナ・・・、もう出ちゃうよ!!」
「好きなだけ汚らわしいザーメンを出しやる!!明日の今頃は、アンタは牢獄の中で泣きべそをかぎながら、後悔してるだろうね」
「そ、そんな・・・。あ、あうっ!!」
彼の肉棒から白く濃厚な熱いザーメンが射精し、彼女の下着を白く汚していく。
それでも、彼女は腰を振り続け、更なる射精を促した。
「う、う〜ん・・・」
射精を終えた時、クレオは意識が朦朧しながら後ろのベットに向かって座り込んだ。
彼女のショーツには、彼の精液がこびり付き、白い糸の様に地面へ垂れ落ちていく。
その精液を彼女の指で掬い取り、彼女の舌で精液を舐め取った。
「やっぱり、若い子のザーメンは美味しいわ。もし、何回も出したらアンタは泣きを見る事になるよ」
「な、泣きを見るって・・・?」
「何回もザーメンを出したら、アンタは泣きながらこう言うだろうねえ」
「な、何を・・・」
「うわ〜ん、勘弁して下さい、エリーナ様〜。もう限界で〜す!!ってね」
「僕がこんな事を言うの?なんだか笑っちゃうよ、エリーナ」
クレオは腹を抱えて笑い始めた。その時、エリーナの指が彼の頬をきつくつねる。
「もう一度笑ったら、斬るよ・・・」
「あいててて、わ、分かったよ。エリーナ・・・」
151娼婦とみなしごの淫らな冒険 第三話 :2006/08/19(土) 00:25:08 ID:szOfwern
「それじゃ、続きをしようじゃないか?次はアンタのオチンチンを脚で擦りつけてやるよ」
「また脚コキをするの?」
「今度はアンタのオチンチンを太腿に挟んで、自分で腰を振ってごらん」
「自分で腰を振るって、エリーナは何もしないの?」
「私はただ立つだけさ。アンタが必死で腰を振る時の表情を上から眺めてやるさ」
「エリーナ、ずるいよ」
「わがままを言わない!!さっさと腰を振りな」
クレオは渋々両手をエリーナの腰にしがみ付き、彼の肉棒をバラの刺繍を施された
ストッキングに包まれた彼女の太腿に挟み、腰を振り始めた。
「どうだい、クレオ?スベスベとしたストッキングの肌触りは?気持ち良すぎてイキそうだろ」
「この感触、病み付きになりそうだ・・・」
「無我夢中で腰を振るなんて、よっぽど気持ちいいんだねえ・・・」
エリーナがクレオの頭を撫でている時、太腿の間に擦りつける感触が徐々に速めて来た。
「もう出しちゃうのかい?ホントに早漏だねえ。それじゃ、アンタがイク時の表情を見させてもらうよ!!」
「あああ、エ、エリーナ!!またイッちゃうよ!!あ、あ、あああっ!!」
その瞬間、彼の肉棒から精液が噴き出し、ストッキングに包まれた太腿の間へ熱いザーメンが発射され
その精液はバラの刺繍を白く染めるかの様に、勢い良く脚に浴びせた。
その計り知れない快感により、クレオの全身がピクンと痙攣し始め
彼の表情から恍惚とした表情による笑顔を浮かべた。

「アハハ、あんたがイク表情って結構可愛いわね。しかも、あれだけ出したのにまだオチンチンが硬いままだね」
「ハア、ハア、ハア・・・」
「次は騎乗位でアンタを泣かしてやるさ」
「えっ、騎乗位って何?」
「私がアンタの上に乗って、馬に揺られる様に腰を上下に動かしてセックスするのさ」
「それじゃ、僕が馬なの?」
「その通り、アンタのイク顔をずーっと見ながら、セックスが出来るからね。それじゃ、いくよ!!」
エリーナは強引にクレオを押し倒し、騎乗位の形でゆっくりと肉棒を彼女の秘穴に深く挿入した。
「ああん、下着の隙間から挿入すると、興奮して気持ちいいわあ・・・」
「う、うぐぐ・・・」
「ウフフ、その表情が結構可愛いのよね。それじゃ、動かすわよ」
エリーナは小刻みに腰を上下に揺らし、クレオの肉棒に刺激を与え続ける。
肉棒の先端で彼女の子宮を突付く度に、彼女のエクスタシーが増長してくる。
「ああん、クレオ、アンタのチンチンが私の子宮を突付いているわ・・・」
「う、うん。僕のチンチンの先が何かを触れている感じがする」
「それじゃ、私のオッパイでも触ってみるかい?いい思い出になるんだし」
そう言うと、エリーナはクレオの手を掴み、自らの豊満な乳房を鷲掴みする形で胸を愛撫させた。
152娼婦とみなしごの淫らな冒険 第三話 :2006/08/19(土) 00:25:52 ID:szOfwern
「どうだい、私のオッパイは柔らかいだろ?」
「う、うん。エリーナのオッパイってフワフワしてて、気持ち良い・・・」
「あん、そんなに揉んだら感じちゃうじゃないか・・・」
エリーナがエクスタシーを感じる度に腰の上下運動が早くなり、洞窟内では激しく打つ音が響き渡る。
そして、クレオの肉棒が既に限界を達しようとしていた。
「エ、エリーナ・・・。そんなに腰を振ったら出ちゃうよ・・・」
「それじゃ、我慢しないでザーメンを出しな。私が受け止めてやるよ」
「エリーナ、そんな事をしたら妊娠しちゃうよ・・・」
「もし、妊娠したら私がアンタの子供を面倒見てやるよ」
「そ、そんな・・・。あ、あ、で、出るっ・・・。あうっ!!」
「あ、あ、あああん!!イ、イクっ!!」
エリーナがクレオを強く抱き締めると同時に、二人の体がピクンと小刻みに震え出すと
彼の肉棒から精液が噴き出し、彼女の子宮の奥に大量の精液を浴びせた。
「ああん、ク、クレオのザーメンが私の奥にたくさん出てるわ・・・」
「ハアハア、エ、エリーナ・・・。気持ち良かったよ・・・」
二人は同時に激しい快感に酔いしれ、お互いの性器が繋がっているエリーナの秘穴から
彼女の子宮に納まりきれなかった、クレオの精液が溢れ出した。

「ウフフ、まだオチンチンが硬いわね。ここからが本番だよ」
エリーナはクレオの頬を撫で、不気味な笑みを浮かべる。
「今夜は寝かせないよ。夜はまだ長いから思いっきり泣かせて、復讐してやるよ!!」
「エリーナ・・・」
洞窟の外には狼の遠吠えが響き渡る。
153娼婦騎士 ◆W8X5T/Jd/I :2006/08/19(土) 00:32:26 ID:szOfwern
これで第三話は終わりです。
実は新作の構想を考えていますが、先にこの作品を終わらせてから
新作を発表しようと思います。
多分、子供×お姉さんのショタ関係の作品になると思いますので
どうぞ御期待下さい。
154名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 21:55:56 ID:MGGhmtYk
もう続きはないと、諦めてたのに……
続編gj!!
155名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 09:04:04 ID:ROewGTfh
いやーんきちく
156名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 10:08:28 ID:Vs6FkjSO
中世スレなのですが、

タイムスリップは許されますか?
たとえば現代の誰かが、魔法使いによって、召喚されるとか、先祖と入れ替わるとか。

じゃ無ければ、

落ちぶれ貴族の跡継ぎ(男の子)が何処でどう間違ったのか成長するにしたがって顔つき、体つき、物腰などがどんどん女の子化。
剣の扱いより包丁さばきが上手で、なおかつ、男の子の遊びが苦手で女の子の遊びが好き。
そんな子は実は・・・・。
または
女の子のハズが、男の子みたいな。

みたいなの?許されます?
157名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 21:53:23 ID:V2FVEAoB
オレは良いと思う
むしろ、すべて出せハァハァすべ(極度の興奮状態のため省略します


wktkでまってまーす
158名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 10:43:33 ID:ZZJrY5mM
>>156
どっちもおk。
期待してるよー。
159名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 04:23:54 ID:XGEgsdGP
あの?西洋でなくて良?
中世や古代のアジアて言うか、西暦1000年前後の日本とか、西暦0年くらいの中国とか中東辺りでも良?
魔法使いとか魔女でなくて、占師や巫女でも良?
160名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 10:05:58 ID:mgs7obqx
良いよー良いよー。
よろしく頼みます。
161156  158:2006/08/31(木) 03:28:32 ID:8sAywzQ1
ちょっとだけ。 前置きだけ。
162名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 03:29:15 ID:8sAywzQ1



歴史は、神話の時から続く。
暦は2010年前の夏に区切りが有った。
このとき、神が降臨した。ある独身女性の子どもとして。この女は名をマリアと言う。
この女には、許婚、つまり、政略結婚の相手がいた。名をヨセフと言い大工であった。しかし、その男の子どもではない。
当時、3歳、になった次の年の1月1日に成人式を行い、早い者は成人式の翌日に結婚した。
そして、その神の子の成人式の有った年を暦の0年にした。名をイエズスという。

そして何処をどう間違えたか、
 この子の誕生祝を12月24日に行い
 世話係り、バレンタイン、が反体制組織に殺された命日、2月14日に女性が好きな男性にチョコレートなどを添えて求婚する日になり
そして30年あまりの人生で、この反体制組織により墓に埋められたが3日目に墓を壊し出てきた。
埋める直前に、両手のひらと両脚首に直径5cmほどの釘を打ち込まれ木枠に固定され、イバラというトゲの長く鋭い薔薇で作った王冠を頭に載せられ、右脇腹から左肩に、左脇腹から右肩に、剣を5本づつ指された。
と言われている。

つまり今年は2006年。

さて、1940年から1944年にかけ、多くの子どもが産まれた。
そのため、短期間に多くの家を建てる必要に迫られ、1950年から1970年にかけ、丘を宅地に造成して、大規模な集合住宅郡を作った。これを「ニュータウン」と呼ぶ。
それぞれの集合住宅を「マンション」と呼ぶ。

この丘は、300年から200年ほど前、背後にある山が何度か噴火し、その火山灰で出来た。
その噴火の前は、深い森の奥であり、ケモノ、マモノ、獣人、などが住んでいた。
そこに占師姉弟が移り住んできた。

この姉弟は以前、街にいた。
占いの結果は常に正しかったらしい。
「どんな病も、言われた通りの養生で直る」
「天気をぴたり当てる、それも1年先まで」
「必ず豊作になる物を薦めてくれる」
など、評判が実力を超えていた。また、相談者が後を絶たず、最後尾は7日も8日も待つことになった。
それで
「これでは疲れて、正しく占えないから、休暇が欲しい」
と皆に言うと、皆快く返事をくれ、温泉街から来た相談者が招待してくれた。

そして、その温泉街の奥にある林に引っ越したが、ここでも長蛇の列になった。
さらに何度か引越ししたあとで、この、森の奥に引越しした。
163156  158:2006/08/31(木) 03:37:03 ID:8sAywzQ1
以後続くのです。
どうか気長にお待ちになってください。

ケモノ、マモノ、獣人 たちは、敵か?見方か?
結構、萌え?獣人って言えば「ネコ娘」とか「キツネっ子」でしょう?似顔絵なども募集しちゃったりします。

あなたの町の昔話もお聞きしたいです。物語の参考にさせていただきます。
164名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 01:54:44 ID:lQr4jAMw
>>163
イイヨイイヨー
ただ、人外娘が主体になるなら、人外娘系のスレ向きかも。
まだ導入部だから、作品に対して何も評価とか付けられないけど、期待して待ってます。
165156  158:2006/09/01(金) 03:37:26 ID:fYfIrAKs
ん?主人公は人間、脇役も人間、主体も人間ですよ。
でも、神話や伝説などでは、結構、狼男や鼠男、猫娘、などが出てきますよね?
166名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 18:13:50 ID:DhbjCVVR
あげ
167sage:2006/09/01(金) 20:25:22 ID:QaovfJFn
age る人きらいー
age る人がいるスレは良くないスレぇ
168名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 17:36:31 ID:HFyPg8E3
保守
169名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 21:16:51 ID:NlDjkX37
保守、

職人さんは遅い休みか。
170名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 22:58:07 ID:x1R1ZdKj
月刊誌や季刊誌があるくらいだから、気長に待ちましょ。
週間漫画雑誌でも、年に数回から十数回、休載はあるし。
ましてや無償奉仕だもん。
171名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:14:33 ID:Tkwl/1CJ
>>170
そうだな。
金貰ってるのにマトモな漫画を描かない、下書きだけで原稿あげる自称プロの漫画家もいるワケだし、無償でクオリティの高い作品を書いてくれる職人さんたちは本当にすごい人々だよ。
172名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 18:16:13 ID:qNKnIjBh
をいをい。誰だがわかっちまったよ。

にしてもこのスレ。職人たちの投下とGJレス以外ほとんどないよな。
例を挙げてはいけないかもしれないが、あげさせてくれ。
たいていのスレじゃ、これが萌えるだとかこうしたシチュキボンヌがあるのに
このスレじゃあまりそういう話題はないよな。

これって過疎っているということなのか?
日が浅い俺にはわからんです。
173名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 20:43:00 ID:zkLr79PL
>誰だがわかっちまったよ。

ほえ?誰だい?誰のことを指してるのか?

>たいていのスレじゃ、これが萌えるだとかこうしたシチュキボンヌがあるのに

それは、小説、漫画、ゲームなどの原作が有る場合や、明らかに、家族や親戚、友達などや、工業製品などの共通する物を皆が持っている場合が多いだろ?
ここは全くのオリジナルだから、比較する元が無い。
職人の妄想した世界観や登場人物、などが投下されなければ、比較できる元、源が無い。

>過疎っているということなのか?

どこが過疎だ?
174172だったヤツ:2006/09/11(月) 21:40:33 ID:6kURaOug
>>173
週間ジ○ンプで下書きのようなデフォルトっぷりの漫画家さんです。
結構有名な漫画家と思っています。

なるほど。発言が少ないのはそういった理由からでしたか。
私はあまりレスがないので少数の職人しかいないのか?と考え過疎?と思ってしまったのです。
エロパロとオリジナルエロパロを一緒に考えた結果でしたorz

マジレスに感謝!
175名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 11:15:40 ID:5wHVtKm0
大抵の場合、E-mail欄にsageを書き込むの人は茶化すことは少ない気がする。
ageや空欄の場合は、荒らし、や、茶化し、または、故意的なスレ違い、などの書き込みが多めだな。

それにしても、職人さんたちは、今頃、苦労してるのだろうな。
個人的には、誤字脱字が有っても、矛盾しない設定のほうが良いな。
176名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 00:17:07 ID:umXQ0t/D
月刊チャンピオンRED、9月号の509ページからの読みきり。
見た人いる?
こういう「空想中世の女の子をいかにエロい目に遭わせるか」という作者精神良いなぁ

新人の準入選だけど、結構面白い。絵も丁寧だと思う。
ただ、単行本に入れるとなると、服とか表情とかの線が細すぎだと思う。
これからプロとしての作品で、これだけ綺麗に細かい絵が描けるかどうか。見ものだ。
177156  158:2006/09/25(月) 22:17:01 ID:XbjK9LdX
もうシバラクお時間下さい
粗筋は出来てるのですが、まだ読み物としては面白くない状態なんです。
どう言ったら良いかな?
いわいる「パターン化」で、次の展開が簡単に想像出来ちゃうような感じなんです。
少し捻って、みようかな?と。
178156  158:2006/09/25(月) 22:29:25 ID:XbjK9LdX
>>176
読みましたよ。
すごい魔女だ。あの服を着せるとは思わなかった。
179名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 20:22:54 ID:srhzfHV1
hosyu!hosyu!
180名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:10:36 ID:eFCypDW1
あ〜
上げちゃったんだ。

だめだよ。今書いてくれようとしている職人は、必ずスレ一覧で下から150スレ位にならないと書かないんだから。
181名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 18:23:33 ID:XCSobGXe
>>180
なんだ、その『スレ一覧で下から150スレくらい』って?
182名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 22:37:09 ID:VFyspVTN
とにかく、真面目な書き込みを「下げ」で書いていれば何らかの投下が有るわけね?
今全体で705スレ有って下から150位だと、550番目で、このスレは今351番目だから、あと約200スレほど下がるのを待てば良いんだな?

確かに「保守」とか「ほしゅ」などの書き込み、または「書き込み無し」だとDAT落ち一直線だけど
そうでなければ、容量を超えたり、レス数が1000を超えなければ、最下層でも絶対に「DAT落ち」しないからね。長に待つよ。
183名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:51:53 ID:9lu8CKRK
同じく。
娼婦騎士さんの続きが気になります。あと、KTさんのは完結なのでしょうか?
184名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 10:03:42 ID:1+4DlcV1
続きが有るのか無いのかは、作者も判らないと思います。
おそらく、思いつきやひらめきですから。作品のモトは。
気長に待ちます。プレッシャーもリクエストもしません。
でも心の中では期待しています。
185名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 01:46:27 ID:94hSqOON
捕手
186156  158:2006/10/16(月) 23:19:27 ID:pK8z97xB
その人がこの占師のうわさを聞いたのは、数年前。
しかし、その時に聞いた場所では、すでに住む人が他の人になっており、行き先はわからなかった。
何人もの人を雇い、やっと数日前に、いくつもの町や村を通った先に有る森に住んでいるらしいと知った。
そして、この占師の所に使いを出した。

この者は8日間の旅の末、森の入り口にたどり着いた時は小雨が朝から降り続く、そして時は夕刻近く。
町で産まれ街で育った者にとって、今、足を踏み入れたら迷うことは、すぐに判った。
この場所で朝を待つ。しかし、雨。水溜りがあり、また、ぬかるんでいる地面。このままだと足から冷えてくるだろう。
晴れの日、曇りの日。人里近くの高原や草原での経験、何かの横穴を使っての経験は有る。
落ちている木の枝や落ち葉を使い、火を熾(おこ)し暖を取り、灯りとして使いケモノたちが近付いて来るのを早めに見抜き、身を守る。
しかしそれは役に立ちそうにない。

初めての、雨の森での夜。
木の根元に立ってみる。足場としては悪くない。
木の幹に背中を預けてみる、しかし、雨のせいか滑る。
と、手ごろな枝を見つけ、木に登り、その枝を利用して休むことにする。

しかし雨は降り続く、時に強く。横風が寒い。雨は防ぎきれない。
枝は滑り、落ちそうになる。

不慣れな場所、時間とともに迫る闇、寒くなる気温、凍り付くのではないかと思うほど冷たくなる手足。
町であれば、夜中でも、宿の、辻々の、灯り。風雨を防げる軒。探せば銭湯(せんとう)。などと、今になっては役に立たない事しか考えられなくなっていた。

そういえば、今、しのげる何かを持っていないかと、見直してみる。
・腰には刀。懐に小刀。木の実や草花を食べるのには使える。しかし、木の実はどこに?
・袖に、旅費として渡された残り。しかし、人家が無ければ利用できない。
・昨晩から今朝にかけて世話になった宿で手に入れた食料。保存など考えてあるわけでなく長持ちしない。量も多くなくすぐ食べ終わる。
・種油で灯(とも)す小さな提灯(ちょうちん)。手持ちの油で何時まで灯し続けられるのか。
それから、着替えなどや外套(がいとう)。

と、便意を催す。冷やしたか?荷物は枝に。そして下に降り。
通常、穴を掘りその中に出し埋め戻す。が、腹の痛みと、雨で地面は緩み、穴掘りを許さない。
しかたなく、足場だけを確保して座る。兎に角、出すだけ出さないと落ち着かないことは容易にわかる。
しかし、あきらかに無防備な今、何かが、誰かが襲ってきたら?
聞こえるのは、風の音?風で枝が揺すられ、擦れあい、ぶつかり合う音?
いや、あれは、叫び声?泣き声か?それとも、雨の降る音?

気持ちが落ち着かないが、出る物は続けて出てくる。薩摩芋のようなものが10本以上出る。匂いは匂いだか。
全部芋ならかなりの食料になるが、これらは芋ではない。
出せるだけ出し、尻の汚れを取ると、落ち付いて場所を探し穴を掘り、埋めた。

先の枝に戻る。


しかし落ち付かない。
雨風の音で、周りの雰囲気がわかり難い。
この様な時。この様な場所。追剥(おいはぎ)や盗人(ぬすっと)に襲われたら?
多分、土地慣れしている分、奴らに分がある。
それだけで済むのか?多勢で来たら防ぎきれない場合も有るだろう。

そう言えば「巨大なケモノが住んでいるらしい」という噂を宿で聞いた。
187156  158:2006/10/16(月) 23:29:04 ID:pK8z97xB
巨大なケモノ
つまり襲われたら、逃げようがないと思われる相手。
このような、雨風で相手を見分けることが人間では出来ないような夜でも相手は、こっちのことはわかるはず。
だとしたら、寝たら、明日には姿かたちがなくなっているかもしれない。

しかし夜通しおきていたら、明日昼間、歩き廻ることなと出来なくなる。
どうしたら良いのだろうか?
188156  158:2006/10/16(月) 23:46:49 ID:km+MADwl

で、えろぱろ になってないと、御怒りにならないで。
これからの展開ですから。
189名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 16:12:16 ID:2WtZcVBu
wktkなんだが、お怒りにもならないんだが。

エロがくるまでGJは懐で暖めさせてください。前置きも十分書く方、エロで行こうぜ!の方どちらもいて、俺はどうすれば!
190名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 16:50:43 ID:Za2igijr
保守
191名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 10:58:43 ID:o3OHSF0W
保守って一ヵ月じゃなかったっけ?
192名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 21:47:50 ID:dpS+j4vr
ほすほす
193名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 13:35:43 ID:Vf5de76b
>>190 >>192
職人さんが来なくなるよ。嫌がらせしてると。
194名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 15:36:52 ID:9Gbk7v19
たまに覗いたら保守とは…さみしいな
195名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 22:12:43 ID:6al9iq6D
誰かが「保守」だけ書いたり、sageなかったりするから、職人さんが書き込んでくれないの。

今までの投下の仕方だと、
23日早朝書き込みに来て「保守」だったから「嫌がらせだぁ」と1ヶ月様子を見ようとしていて、
その次にsageなかったから「嫌がらせだぁ」とかなり下層まで下がるまで書き込みするのを止めた。
と言う感じね。
196名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 01:57:09 ID:JmxyBRHk
嫌がらせ。投下パスというよりも、中世ファンタジーだから他のスレに比べて投下が遅いだけだろ
一時投下されまくっていたからな。

とりあえず、全員全裸で待とうぜ
197名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 00:41:26 ID:f5B+gVYQ
いや、>>156氏は複数の他スレで

・「age」や「」(空欄)してスレが上がったら、嫌がらせ
・明らかな「保守」目的レスは、嫌がらせ
だから一定条件が揃うまで書き込まない。

としつこく書いている
198名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 11:06:03 ID:GD5oWAQK
それは初耳だ
199名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 01:38:20 ID:aHVTYq//
それって難しくないか?そのうち誰かが保守と書きageるのに
初耳という人がいるように全員が156氏の投下ルールを知らない
200名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 03:39:53 ID:ZOgQwvVE
と言うよりも「複数の他スレ」というけど、コテハンでもないのに他スレでの発言がそれと分かるものなの?
201名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 09:42:05 ID:vc6+aVwf
DearSの前スレで似たような事いって総スカンくってたのは見たな
202名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 15:05:28 ID:DZwvF8qp
>>200の発言みたら、これジサクジエンかと思ったよ
>>200じゃなくって>>197な。
自分の作品後GJがつかない。かろうじて>>189がいるがな
ジサクジエンに走ってもおかしくなくね?
203名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 17:46:16 ID:T4VhlhDX
>>200
ID検索。日付け変わったら使えないけどな。
204名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:55:59 ID:Ycs5eNP0
態度が同じような感じなら、「この醜くも美しい世界」、「プリティフェイス」でも書いていたな。
ageるな。保守書くな。 と。
205名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 04:14:44 ID:HeIKogLV
もういいよ、面倒だからスルーしとこうぜ
誘い受けやらレスおねだりやらはお腹一杯だ
206名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 03:30:35 ID:fzWK19n7
age不可保守不可となれば雑談かな

中世ファンタジーと言うことだがお前らが読みたいとすればどんなのよ
触手とか魔法学園ラブコメとか異世界軍記物とか魔王の呪いでとか・・・
207名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 07:12:40 ID:1HT3+xN/
エロなら触手
長編読み物としてなら異世界軍記物
208名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 12:08:14 ID:yFklj6Lj
伸びる範囲が広いからな
ファンタジーといえば剣と魔法
エロい魔法にかかる剣士ということか!
まぁファンタジー関係なく俺の好みシチュだが
209名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 13:42:43 ID:ecWFgDWQ
日本が良い
古ければ、平城京、平安京、くらいの
最近なら、江戸時代の
話がいいな。
210名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 23:54:37 ID:hgeVan6U
江戸時代はもう近世じゃないかな。
211名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 19:00:31 ID:tKyYPXmK
江戸は日本の歴史の中で最もながいからな。
江戸初期は中世でも、江戸後期は近世が俺の考え。中期?微妙
にしも和×ファンタジーか…あまり聞かないが興味深いな

素朴な疑問。
和×ファンタジー=魑魅魍魎で陰陽師とかが活躍するもの
なのか?俺はそれしか思いつかない。
教えてエロイ人
212名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 20:10:31 ID:VGdaOz7c
というか日本の時代区分は平安までが古代、鎌倉から戦国までが中世、江戸が近世、明治・大正が近代じゃなかったっけ?
213invictus:2006/11/15(水) 21:16:52 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」

 「きれい・・・」少女は鏡に映った自分の姿に思わずため息を漏らした。
豪奢な部屋である。子供部屋ながら大理石でしつらえてある。良家の令嬢であることは
一目瞭然だ。「喜んで頂けて光栄ですわ、お嬢様」少女の髪をとかしている女が言った。
薄く紅をさした唇が微笑む。切れ長の目をした美女である。色白だが凛とした風貌だ。
女の名はエレザ。髪結い師、現在でいうとヘアスタイリストである。

エレザはそのまま人差し指と中指で少女の髪をやわらかくかきあげた。
そしてしごきあげるように鬢(びん)を作ってゆく。
その指つかいに、次第に少女の顔が紅潮してゆく。吐息が熱くなる。
あたかも蝶のような鬢を形作ると、今度は椿油で固めてゆく。
最後に象牙の櫛をさし、終わりだ。「お疲れ様でございました、お嬢様。」

「ねぇ、エレザ・・・」少女は目を潤ませ囁く。「今日はあれをしてくれないの?」
「いけませんわ、髪が乱れますわよ」端切れで丁寧に道具をぬぐいながらエレザは返す。
「この前はしてくれたでしょ・・・あたし・・・火照っちゃった」
エレザは顔を挙げると妖艶な笑みを浮かべた。「しょうがないお嬢様ですこと。」
214invictus:2006/11/15(水) 21:21:08 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 2

「ああ・・ああ・・んん・・」
広いベッドの上で二人の裸体が絡み合っていた。
少女の裸体はぬめっていた。ふくらみかけの乳房もはじめ細身の体全体が光沢を
帯びている。さきほどの椿油を今度は体に塗りたくったのである。
全身をさするように愛撫していたエレザの手がこんどは、胸にのびる。
「あっ・・ああ・・いや・・」とがった乳首をもてあそばれ、少女は身悶えた。
エレザは微笑むと、少女の下腹部に顔を接近させる。
陰毛は薄く、割れ目は色は薄桃色である。
ねじれのない綺麗な男を知らない秘め所だ。しかしそこは愛液でとろけている。
「ああ・・だめ・・あああ」エレザの舌技に少女はあえいだ。
じゅるじゅると唾液と愛液の混じる卑猥な音が響き渡る。

「お嬢様、そろそろ参りますよ・・・」
エレザは少女の右足を持ち上げた。
そして自分の股をそこに組み込むように接近させた。
この体位で、お互いのクリトリスをこすりあわせるのである。
「貝合わせ」、「めしべ合せ」などいう技法だ。いわばレズビアンにとっての挿入行為なのである。
「あああ・・あん・・あっ、あああん」少女は懸命に腰を振る。整えたばかりの髪がくずれかかっている。
エレザもそれにあわせ貪欲に腰を動かした。大きな張りのある胸が揺れる。
少女とは異なり成熟した裸体だ。肋骨が透けるほど細身であるが、腰や胸の肉付きはよい。
絡めた太ももは若鹿のようにすらりとのびている。
少女の明るいブロンドとは対照的な黒髪がシーツの上に流れている。
「エレザ・・ああ・・・あたし・もう・・ああっ・・あああああ」
215invictus:2006/11/15(水) 21:25:57 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 3

「・・・お嬢様・・・ご気分はいかがですか」
エレザは桜紙で少女の汗をぬぐいながら乱れた髪を直しにかかる。
「・・・最高だったわ・・・もうだめ・・・エレザなしでは私生きていけない。」
その言葉にエレザは妖艶な笑みを浮かべる。そして余韻にまどろんでいる少女にささやく。
「ねぇ、お嬢様・・・できればもっとゆっくりご奉仕したいですわ・・。」
エレザは少女の耳朶をなめた。
「あっ・・・わ、私もよ・・・。それならば・・
三日後の夜がいいわ。お父様は遠のりに、お母様は宵越しの瞑想でいないの。
その日なら・・・ああ・・気持ちいい」
エレザはなめるのをやめ、少女の瞳を覗き込む。
「分かりましたわ。人払いをして、裏戸の鍵をあけて置いてくださいまし。」
「分かったわ・・・エレザ」
そうしてどちらからともなく、唇を重ねる。
そしてまた、舌を絡める唾液の音が淫らに響いた・・・・。

3日後の深夜の都。夜のしじまを縫って、家々の屋根を駆け抜ける影があった。
黒い装束に身を包み、大きな箱を2つ、肩に抱えている。
音もなく駆け抜ける様はまるで黒猫である。
「ちょろいもんね、箱入り娘なんて。このエレザ様にかかればイチコロよ」
その影、エレザは得意げにつぶやいた。髪結い師として金持ちの女性に近付き、
レズ関係になり、隙をみて、まんまと財宝を盗み取る・・・・これがエレザの稼業なのだ。
むろん相手女性は被害者だが、それ以外には誰も傷つけない。
その女性すらも悦楽に溺れ次の逢瀬を信じ心をとろかす始末。
ゆえに仕事の成功率は極めて高い。
裏稼業の世界では「姫殺しのエレザ」という渡世名(ふたつな)で評判の女盗賊である。

216invictus:2006/11/15(水) 21:29:04 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 4

ふと、エレザは足を止めた。
前方の屋根に影が写ったのだ。反射的に飛びのき身構える。
「だ、誰?」エレザは腰からダガーを抜いた。
「エレザ・・姫殺しのエレザだな。待っていたぞ。」
そこには長身痩躯(そうく)の男がいた。彫りの深い顔立ちで、切れ長の目には暗い光を
宿している。髪は長く、うなじのあたりでくくっていた。
黒いローブのようないでたちで、右手には長い杖を持っている。
その杖の先端には翼を広げた鷹の装飾が施されていた。

「私の名はオリフィス。お前と同じ裏稼業のものだ・・・・・。
 安心しろ。お前の盗んだものもにも、おまえ自身にも危害を加えるつもりはない。
ただひとつ聞きたいことがある。」
「・・・う、うるさい。そこをどけ」エレザはダガーを腰だめにして突撃した。
オリフィスは体を開きかわす。「うっ」両者の体がすれ違った瞬間、エレザはうめき声を
あげた。そのままくたくたと倒れる。オリフィスの杖が腹部を打ったのだ。
手からこぼれたダガーが、からころと屋根を転がり落ちる。
それが草むらに落ちたときには、すでに屋根の上には誰もいなかった。
217invictus:2006/11/15(水) 21:33:11 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 5

「んん・・・ここは・・」エレザはゆっくり目を開いた。
ランプのほのかな明かりが見える。
「気がついたか?」「お、お前は!!」エレザは声の主に掴みかかろうとする。
しかし体が動かない。両手・両足を蔓のように縛られているのだ。
それでも上体を飛びはねるようにして起こす。乳房が大きく揺れた。

「安心しろ。ただ聞きたいことがあるだけだ。」
その男、オリフィスはランプの側から立ち上がった。相変わらず杖を携えている。
「ふん、な、なにさ。こんなかっこにさせといて。あたいはなにも吐かないからね。」
エレザは気丈にもオリフィスを睨み付ける。
「先日、お前は北の山にあるセバスチャン家で一仕事したはずだ。
あそこの未亡人と関係をもって、いつも通り宝を盗み出した。
そのなかに金色の聖母像はあったか?」オリフィスはエレザの瞳を覗き込む。
その双眸には、暗さとともになんともいえない深さをたたえていた。
「さ、さあね。そんなこたぁおぼえてないよ・・・あ、あんた、ちょっと!」
エレザの声がうわずる。オリフィスが杖に手をかけ、それを引き抜いたのだ。
一閃の光が走る。その杖は仕込み杖になっていたのである。
(斬られる!!)
エレザは思わず目をつぶった。
・・・・・「うん・・・・あっ!!」

218invictus:2006/11/15(水) 21:36:46 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 6

次の瞬間、その下半身の装束は真っ二つに切り裂かれていた。
しかし肌には傷ひとつついていない。「見、見るな!!」エレザは叫んだ。
腰をくねらせ、股を閉じようとする。
肉付きのよい尻と引き締まった太ももが前面に押し出された。

「安心しろ、話易くしてやるだけだ・・・」オリフィスはエレザの前に片膝をついた。
「よせ、やめろ、この色気ちがい!・・・やめろ・・・あああ・・・んん」
オリフィスの指はエレザの尻をなで、そのまま奥に滑り込んだ。
窄んだ肛門をやわらかく触れた後、秘め処に向かう。
「エレザ、どうだ?盗んだなら、もう裏買いに流したか、まだ隠してあるのか?」
オリフィスは低く、芯のある声でささやきかける。
エレザの顔は紅潮し、吐息は熱くなっていた。
「うんん・・・・裏買いに・・・裏買いのクロウに・・・あっ・・・ああ」
オリフィスはエレザの肉ビラに指を這わせた。
すでにそこは湿り気を帯びている。
「いつのことだ?」すでに肥大しているクリトリスを指の腹で刺激した。
「おととい・・おとといです・・・あん・・・」
「分かった・・。それで十分だ。よく話してくれたな。褒美だ・・。」

219invictus:2006/11/15(水) 21:53:22 ID:nw95hvao
「比翼の鷹」 7

オリフィスはそのまま膣口に指をねじこませた。
すでに愛液に満ちたそこは、やわやわとオリフィスの指を締め付ける。
そしてゆっくりと指を動かし始める。締め付けは強い。
「ああっ・・・んっ・・あああ」エレザは喘いだ。
もはや股を開き、させるがままにしている。
オリフィスはさらに指の律動を強める。すかさず、肛門にも片手の指を向けた。
「そこは・・ああああ・・だめ・・・・」
快感の波に襲われたエレザの声はか細い。

「だめ・・・だめ・・・ああああっ・・・!!」エレザの目の前が光に包まれた。
エレザの体がピクンと跳ね上がる。イったのだ。
全身の体重が消えたかのような開放感に包まれる。
そのけだるさの中に、人が去っていく足音と杖が床を打つ音が聞こえた。

30分後。エレザは目をさました。オリフィスの姿はもうない。
ただ静けさの中、ランプが煌々と照っているだけだ。
手、足の束縛は外してあった。盗んだ宝も手付かずで残されている。
晒され、もてあそばれた下半身には厚い毛布がかけられている。
精液を放った後もなく、あの後なんの行為もしていない様だ。
「オリフィス・・あの野郎・・・」
エレザは悔しそうにつぶやく。完全にもてあそばれたのだ。
憎らしさの反面、なぜか心に甘い感傷がうずいている。
それを振り払いエレザは叫んだ。
「必ず、この借りは返すからね!」


220invictus:2006/11/15(水) 22:01:31 ID:nw95hvao
今日はこの辺までです。
主人公はオリフィスです。
もちろんエロ主体ですが、アクションも充実させるつもりです。
よろしくお願いします。
次の更新は5〜7日後です。お楽しみに。
221名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 14:21:44 ID:Bs76wEz8
>>211
桃太郎、猿蟹合戦、などは近代ですか?そうですか。
天照大神は? 古代ですか。そうですか。
222名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 19:51:57 ID:ajATko4g
>221
そうか、俺の考えだと猿蟹が近代になるのか
おのれの無知をはじ、歴史を再度勉強してくる
223名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 01:34:56 ID:tjtOrw4A
多分日本の中世ファンタジーは
一寸法師、さるかに合戦、浦島太郎、桃太郎、うばすて山、兎と亀、彦市ばなし、笠地蔵。吉よむばなし
などが代表になるのだと思われ。
224名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 01:48:48 ID:tjtOrw4A
ちと調べてきたら。岡山県での桃の記録は江戸時代後期くらいからみたいだ。
だから、今、伝わっている桃太郎の話が出来たのは明治時代だと思われ。
225名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 22:05:27 ID:Wz91n50+
222じゃないけど、エロスレで歴史の勉強をしたのは初めてだ
226KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/11/23(木) 00:12:31 ID:7G5maEas
 話題停止中
 投下するならいまのうち!

ということで投下をさせていただきます。一話完結ものです
非常に短いですが強姦のニオイがします
苦手な方はこの後のタイトル「歴史より〜とある国のメイド待遇〜」というレスを無視またはNGワードに入れてください
227歴史より〜とある国のメイド待遇〜:2006/11/23(木) 00:13:05 ID:7G5maEas
 さて、今日はとある世界のとある国のとある貴族の家の話です。
 え? どこの世界かって?んなもんしらねーぜ。
 あ、いやすいません。だからメイド長さま、ナイフ閉まって…
 あー怖かったぜ。
 え?授業?
 ああ、そうでしたよお嬢様。
 じゃあ、始めますぜ。じゃなかった始めますね。
 とある国ではメイドなんて使い捨ての道具でしかありませんでした。
 この国では権力と金さえあればなんでもできたんです。
 今から話すようなメイドの不幸は、この国ではそう珍しくも無いこと。周囲は運がなかったと諦めるほどでしたからね。


228歴史より〜とある国のメイド待遇〜:2006/11/23(木) 00:14:20 ID:7G5maEas
 どこにでもある貴族の家だ。
 とにかく高価なもの珍しいもので、いかに自らが金を持っているのか知らしめようとするな貴族。
 今のこの国ではそんな貴族はどこにでもいた。
 王だってこの事態を知っているだろうに見て見ぬふり。多くの貴族を敵に回せばいかに王といえど、不利なのは火をみるより明らかであったからだ。
 それがこの国を腐敗させた原因だろう。
 貴族たちはいかに自分が金をもち、その金で僕を増やし、兵を雇い、力を持っているのか、周りに知らしめた。
 そう、自分たちの治める土地に住む民が反旗を翻さないためにだ。

 親の行動を見て子供は育つ。反面教師となる場合もあるが、現在のほとんどが親のように子供は育っていた。
 そうでなかった子供も、徐々にソレを忘れ同じ者となっていってしまった。
 多すぎる腐敗した貴族。新鮮な心が腐敗するのには、さして時間はかからなかった。
 腐った果物の中に、新しい果物を入れればい。すぐに新しい果物だって腐ってしまう。

 彼の名前はさして重要ではない。彼のような人物はいくらだっているのだから。
 彼はこの土地の領主の息子であった。彼がいくら無能だったとしても、彼はこの土地を譲り受けることが出来る。
 彼は、美しい顔とは決していえなかった。
 その彼は眠っていた。白い高価な絹のシーツを体にかけている。しかしそのシーツの股間部分からしたがもっこりと膨れ上がっているではないか。
 これは男性のいわゆる朝立ちだとしてもおかしいものだ。それは何度も何度も上下に運動しているだけではなく、巨大だ。なにかツボでもおいてあるのかというほどに。
 ツボのラインを見ると、彼の足元に近づくほど小さく丸みを帯びている。
 小さなうめき声に耳を傾けると、彼がうっとりとした表情で小さな声をもらしていた。
「ああ。ああ」
 それは呼応ではなく快感に対するうめき声である。彼は腰を浮かせ股間を強く何かに押し付けていく。
 丸みを帯びた何かそれは人間であり、彼が股間を押し付けたのは先は少女の口である。
 彼の股間部分には、メイドが口による奉仕を続けていたのだ。なんら不思議ではない。この国では、奴隷とメイドは同じ存在であった。

 奴隷と違いメイドはある程度の自由は与えられている。
 毎日風呂には入れるし充分な食事と賃金を得られる。しかしやっていることは奴隷と同様。いや、性的な部分にまで奉仕をというのなら奴隷以下かもしれない。
 主に対して朝に奉仕。これはこの国のメイドの奉仕の常識である。
 愛した男に朝、奉仕をする。それならばきっと彼女らも幸せだろう。しかし愛してもいない男の股の汚らしいものを、仕事とはいえ咥え舐め吸いあげる。
 想像するだけで身の毛がよだつ。
229歴史より〜とある国のメイド待遇〜:2006/11/23(木) 00:15:09 ID:7G5maEas
 メイドはまだ幼い顔つきの少女であり、顔を動かすたびに左右の茶色のみつ網が揺れていた。
 その顔は決して敬愛する主のためという顔ではない。嫌悪感と嘔吐感を抑えようと必死な表情である。
 どのメイドも嫌がるこの朝の奉仕に少女は、昨日彼直々に命じられてしまっていた。
 断りたい。少女は男性経験が多少はあったが、この男だけは嫌だ! と即座に思った。
 しかし断り、クビになれば、故郷の家族に仕送りができなくなってしまう。貧しい家に残る病弱な母と幼い弟を思い彼女は耐えていた。
 彼女は嫌々ながらもそれを口にし、早く終われと自分の持てる全ての技を駆使し必死で続けていた。
 しかし娼婦と違う普通の恋愛経験のみの少女の技は、技と呼べる域ではなかった。
 ちゅっちゅっと吸い上げるが、その吸引力はゆるい快感である。焦らされる熱が彼の分身を苦しめていた。
 ぺろりぺろりと舐めあげられるが、特別感度の高い部位ではなく舌先で舐められ、ますます彼の熱を上げていった。
 分身にたまりすぎた熱にとうとう彼は目を覚ましてしまった。
「うぅう」
 彼が起きる。先輩メイドに教えられたとおりの手順を少女は踏む。
 シーツにこっそり汚い唾液をなすりつけ、ゆがんだ顔をなんとか戻す。シーツから出たときは笑顔で、機嫌を損ねてはならない。
 機嫌を損ねれば、彼に好き勝手されてしまう。
「おはようございます。ご主人様。
 朝の奉仕をさせていただいております。もうしばらくお待ちくださいませ」
 偽の笑顔で少女は嫌いな男に忠実に従う。これも仕事だと彼女は心で自分を叱咤する。
 何もいわない彼だったが、少女は無視し続きを行う。
 愛した男ならば、体調が悪いのか気遣うが、仕事でそこまでする必要などない。そして、早く終わらせ口内を清めたい気持ちで一杯だった。
 しかし彼はそうはいかなかった。
 長い時間に渡り、自分の分身が熱を持ち快感を感じていた。しかし絶頂を得られなかったのだ。
 彼の分身はもう我慢の限界であった。
 少女の頭を乱暴に掴み仰向けに寝かせる。その際に少女が悲鳴を上げたが彼には関係の無いことだ。
 この暴れる熱を解放すれば良いんだ。そこに丁度メイドがいる。第一このメイドのせいで熱がたまっている。てっとりばやく熱を解放しよう。
 短絡的でどこか論理的な思考の果ての行動であった。だが、このようなことはこの国においては日常茶飯事。
 仰向けになった勢いでメイドのスカートは太ももをさらし、その下着まで彼の目に映した。
 乱暴に少女の下着は剥ぎ取られ、まだ準備もされていないその固い部分に彼の分身が押し付けられる。
「ひっ、いや…いやぁぁぁぁああああああああああ!!!!」
 彼は醜悪で汚らしく最低だ。しかし彼の分身は世の男性があこがれるほどの猛々しいものであった。
 それは平均よりもずっと大きく、固い。それが無理やりにも進入し、少女の太ももに血がツゥーと流れては、シーツを染めていった。
230歴史より〜とある国のメイド待遇〜:2006/11/23(木) 00:16:51 ID:7G5maEas


「いたっ!
 いたい! いたっ、うぐぅうう! や! やめてくだ、あああああああああああああ!」

 その悲鳴は廊下にいたメイドにも聞かれていた。
 今朝彼女に色々と教えた先輩メイドである。
「ああ」
 彼女は悲痛な面持ちで顔を伏せるしかなかった。
 メイドという仕事に着く以上、主に逆らうことはできなかった。
 この国で主に逆らう兵士やメイドがギロチンにかけられるのもまた、珍しいことではなかったのだから。




 少女は目に涙をため怯えた表情で時が過ぎるのをまった。
 自分の秘部に汚らしいものが出し入れされているのは、どうやっても誤魔化させない事実なのだ。
「あぐっ!! …あっ…いやああああ!」
 少女とは対照的に彼の顔は恍惚にゆがみ、息を荒げ熱の解放を待った。
 少女の体を労わろうともしない。己の快感のみを追う腰は汚らしく外気にさらけ出し、激しく動かしている。
 最初は円運動をしたり、わずかにタイミングをずらし、己の興奮を高めていたようだが、すでに単純な前後運動と化していた。分身をギリギリまで引き、力任せにおしいれる度に少女の柔らかな体が揺れた。
「うっ、で、出る!」
「え?いやああああ!
 な、中に、中には、あ、ああああああああ!」
 男が震えると同時に少女が悲鳴をあげ、体の力が抜けた。
 一人果てた男は満足げに分身を取り出す。呆然とした少女の口を無理やり開き分身を入れ、前後に動かし、清めさせた。
 少女の口からはぽたっと汚らしい白濁液が零れ落ち、衣服を汚していた。
231歴史より〜とある国のメイド待遇〜:2006/11/23(木) 00:21:30 ID:7G5maEas


 満足した彼は動かぬメイドを放っておき、浴場へと足を運んだ。
 廊下を出る際に居たメイドに少女を任せる。
 誰もとがめない。誰も逆らわない。誰もが彼の言うとおりになってしまう。
 そして、途中出会った何人かのメイドを選び、浴場へと入っていった。

 選ばれたメイドは幸運だった。流石の快楽を追うしか能のない彼でも、すぐには回復せずに浴場で彼に侵されることは無かったのだから。
 彼の体を洗い、彼の衣服を選び、笑顔で…。嘘の笑顔で全てを行った。
 先ほど可愛らしい花を無残に踏み潰した男の体を自らの体で洗うしかなかった。
 それしか彼女たちが生きていく道はなかったのだ。高い給与、家族のため、自分のために。


 不幸な少女はこの後彼の父が
「こんなものでは使い物にならない」
 と言い、今月ともう一ヶ月分の給料とともに家族の下へと戻されていった。 
 家族はうつろな瞳の少女と金貨二枚を見つめ、ただ、泣いていた。
 しかしこれは珍しくもない。
 むしろマシなほうであろう。
 多くの涙がこの時代様々な場所で流れていた。
 高くなる物価に耐え切れず、宝を探す者盗みを働くもの、戦の最前線にでるもの、自らの体を売るもの。



 ということです。じゃあお嬢様。今日の歴史勉強はこれくらい…
 ちょっ!メイド長、ま、待って!え?情操教育、いえいえいえいえいえ、悪魔はこれくらい。



 アーーーーーーーーッ!!
232KT ◆Rq9fr/RC3A :2006/11/23(木) 00:23:51 ID:7G5maEas
以上です。

いまさらですが以前の私の投下作品にいただいたレス。ありがとうございました。
遅いにもほどがありますが…。

桃太郎でエロ、桃太郎を女性にすればと思いましたが某作品になりますね。
桃太郎を絶倫男にしたてあげ、犬・雉・猿・鬼を半獣人女体化すれば…
233名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 03:12:40 ID:SmDPnsVu
GJ!
娼婦騎士・・・。
234名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 12:27:34 ID:wWHEkMLi
GJ!もしかしなくともメイド好きなのでは

KT氏が来たあと、娼婦騎士が来たあと、どちらかの投下あったからなあ
懐かしいよ
235名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:37:06 ID:JsqDvvy9
ニチャーヌ姫って完結したんだろうか?
236名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:40:04 ID:pqeehg6A
>>235
ヌゲー懐かしいなw
それってここでなくって小説板?だかでやってなかったっけ。
どうなったのか気になるワァ。
237名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 00:07:50 ID:1kH4/Zxi
完結してなかった気がする。

にくちゃんねるなくなるから今のうちに読んどけ。かなり面白かった。
ttp://makimo.to/2ch/cheese_bun/1008/1008865577.html
238名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 13:13:21 ID:Uklrd4oG
関連スレのひとつの前スレ
そことここを統合したら?という意見が飛びかっていたが、おまえさんたちはどう思うよ?
239名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 14:28:34 ID:q+Ka0Dzm
統合って言うか、それぞれのスレの趣旨をはっきりさせた方が良いんじゃない?
って感じじゃないかな。

正直、俺を含め向こうの住人の多くは、何の伺いも無く「総合スレ」を名乗るスレが
立った事には肯定的ではない。
そこらへんはSS師が向こうに投下し続けてる状況からも判って貰えると思う。
かと言って、既に稼動しているスレを今更どうこうしろと言うつもりも無いんだよね。
確かに向こうのスレタイの「女兵士」と言うのも微妙だし(中身は何でもありだが)、
そこらへんもこのスレが立った要因になってるとも思う。

向こうもスレタイくらいは変えても良いんじゃないかと言う声もあるし、
中には向こうを「戦う女の子スレ」、こっちを「一般人の女の子スレ」と言う形で住み分け
したらどうかと言う声もある。
もちろん、現状維持で何もしなくて良いと言う意見も多い。

そんな現状を鑑みて、こちらの住人の意見を聞いてみたいな。と言う次第でございます。
ケンカ売りに来たわけじゃないので、そこだけは判って頂きたく。
240名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:00:02 ID:q/vQGei5
このスレでは、極端な例では、男の子同士だって良いわけだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


奴隷の男の子が、王の孫夫婦に雇われた。
かわいい女の子みたいな事を理由に、条件付で、養子になった。
その条件は、いまの容姿を出来るだけ保つ事と、色々な習い事を行いその家で一番のメイドと同等の教養と知識を身につけること。
そして、姫と同じだけの礼儀作法も身につける事。
待遇はその家の同年代の奴隷の中では最高だ。が、何かと姫の影武者にされる。


しかしその雇い主に敵対している王族の勇者(若者)に片思いをしている。
雇われる前から。

だけど、民族と身分の違いで声をかける事は出来ず、しかも常時異性装をしているので
可愛がってもらう妄想におぼれる。

その妄想内では場所も時間も問わず、
 骨にヒビが入るくらい強く抱きしめられ
 強引にねじ込められ、亀裂ができ血が流れ出し、直腸に出され、
そして・・・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

とか。
とにかく「世界各地、日本も含めて」を舞台に「幻想中世」での「かわいい子が恥ずかしい事を」があれば良い。

だから「女」にこだわるスレとは住み分けとか共存などは出来ない。
241名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:21:22 ID:QPQHsvKG
エロパロスレだからさすがに男同士というのはどうかと。

以下個人意見
自分は「中世ヨーロッパ/RPG風ファンタジー世界」は好きだけど、
特に女戦士にこだわりがあるわけじゃないので、向こうのスレは覗いたことがなかった。
>(中身は何でもありだが)
ならば、向こうがスレタイを変えて総合スレ化、と言うのが無難じゃないかと思う。
向こうを戦士特化、こちらを総合スレにするよりは、そちらの方が良いのではないかと。
過去ログの継承とか、そう言う面で考えて。
女兵士スレが「このスレは女兵士スレなんだから、それ以外はスレ違い」という声が挙がるぐらい過密状態なら、
「女兵士スレ」と「総合スレ」が二つある意味もあるだろうけど、女兵士スレが実質何でもありで機能しているならば、
総合スレ一つで充分だろう。

スレタイが現状維持なら、多分このスレ終わったら、次スレが立つと思うよ。
スレタイが「ファンタジー世界総合スレ」とスレタイは「女兵士総合スレ」だけど中身は何でもありスレが併存しているのは混乱を招くと思う。
242名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 12:43:34 ID:EkHd3FIL
女兵士(戦う女)オンリーじゃない
女兵士スレではこのスレを好まない人も少なくないという発言を踏まえると、「戦う女オンリーにして、総合はなんでもあり。です。移ってください変えてください」というのは難しそうだし、色々と問題がありそうだ
243名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:43:36 ID:Q+EfCGQB
古いけど朋樹×テッドの続編きぼーん。KT氏GJな作品をありがと。
244名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 15:15:38 ID:PDELpulF
よし、じゃあ俺は娼婦騎士の続きをきぼーん。
どっちも見れてウハウハだ


スレッドだけど、何が問題なのか俺にはわからん。
好きなスレッドで好きな作品を投下する。が一番いいだろう。
それに、どっちのスレも比較的マターリしたスレ。問題が無いように俺には見える
245名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:15:09 ID:Y6hvjgZE
私も分からぬ
向こうの何でもあり、という消極さも分からぬが
女兵士というスレタイの何が嫌なのかも、分からぬ

246名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:26:59 ID:jzh6fNj2
二つのスレの距離の取り方が不明分なのが問題なんじゃないの?
女兵士スレのほうがなぜか総合スレよりも先だって出発し、総合スレは後発で始まった。
でも同じファンタジー世界と名乗っているにも係わらず、
「女兵士だけじゃ範囲が狭いから総合スレがあったほうがいいんじゃね?」という議論があった訳でもない。
そのため女兵士スレの住人達は区分が曖昧な作品に「これはどっちに該当するの」という疑問を持つようになってしまったのでは?
247名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:01:40 ID:R/twYQJT
説明感謝。頭の単純な俺の意見
スレタイ通りにしたらいいんじゃないか?
女兵士っぽくないなら総合
あてはまるなら女兵士スレ
投下スレは書き手の判断
248名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:07:47 ID:j70SiaYU
>>244,247に同意。
むりにまとめようとするとこじれることも多いし。
書き手の意思とスレの自然な流れに任せるのが一番だと思う。
249名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:54:12 ID:WejNVYw3
見たところ、その方向でまとまるのが自然なんだけど、
今のままがいいと反対し続けるのがいるわけか。
250名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:57:57 ID:t/kjz9Wv
向こうは「後から勝手に立ったお前を総合などと認めない。」って意識が強いんだよなー。
なら向こうを総合にしてくれりゃ良いのに、それは嫌だと言う。いったいどうしろと。
251名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:09:58 ID:6wjY3MhX
はあ?

252名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:12:00 ID:88AqsJa2
>250
ここは2ちゃんだからなぁ
総合にも「時間関係ない。スレタイ通り」
「やはり向こうが先だし…」
と皆さんの意見は千差万別。
皆さんが納得で丸くおさまるには、どうしたらいいのか
253名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 17:43:31 ID:dqz6YcqV
「人が集まっているところに、人が集まる」
これが2chの常識
254名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 10:06:58 ID:FHkBEjG9
話題が落ち着いたので、以降いつもどおりでおK?
255名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:26:54 ID:+hmdmjDq
なんでもいーからSS読みたい
256名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 11:06:53 ID:rDrp2/62
まあ、数日前まで議論だったからな。

しかしなんでもいいから、ていうのは気に食わん
欲望を出せ
エロ読みたいと…!
257名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 01:28:10 ID:FINcyo8H
あっちは
「『戦闘員女性』の『エロ』ならなんでもあり」だろ?

語間を読めよ。
258名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 17:15:32 ID:9ojDuGTP
>>248の言うように書き手さんたちに任せようぜ

どうしても議論(でいいのか?)したいなら
450KBあたりからしないか。このままじゃ書き手さんも投下しにくい
259ごめんね。ネタ振りで:2006/12/15(金) 21:08:37 ID:3WUM/Zjg
日本の、例えば、奈良、や京都などが政治の中心だった時代、つまり約1000年前だけど、
当時の一般市民の服装ってどういう服を着て、どんな生活で、いたんだろうね?
特に、今でいう、北海道、東北、関東、甲信越、などで、農家か林業または漁業で生活していた人たち。
今で言う、浴衣や絣(カスリ)、またはバスローブの様な、膝くらいの丈で腰紐で着る上下一体のものだったんですかね?
このスレ欧州貴族ネタが多いようなので、和風はどうなの?と思ったんだ。しかも田舎の。

大体、生活の範囲は、歩いて行き来できる程度だと思うし
船などを使う場合は、風向きと漕ぎ手の都合かな?
だから、世界は近所に住む皆さんとの交流位だろうし。
そういう世界の話、何か無い?
260名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 12:04:37 ID:ONtRosRE
>259
古代日本ものなら『空色マガタマ』『銀の海金の大地』がいいべさ。
どっちも女向きだけど、衣装とかその時代の雰囲気とか書かれてた気がするから。

おまけに銀金はエロいぞ〜。
主人公は何度も貞操の危機にあうし、巫女姫様が荒々しい戦士の男に御社に押し入られてゴカーンされちゃったりするし。

おまけに久しぶりに引っ張りだして見てみたら話の途中豪族の若いにーちゃんが異母妹に
「もう眠らせて」と妹が泣いて頼むまで執拗な戯れをしかけた(事がある)、とか
さらっと書かれてて( Д) ゚゚
261259:2006/12/22(金) 23:49:28 ID:4LRpOWsZ
>>260
う?探してみます。ありがと

>>156 に期待してみる。
262名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 16:56:09 ID:tNoSnRJE
性欲の強い領主が
初夜権行使しまくってる話が読みたいですハァハァ
263名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 13:10:22 ID:wWppDx6A
ホシュカキコミ
264259:2007/01/07(日) 20:33:42 ID:RwG6wUGv
あ〜
折角期待してたのに。
>>263 が・・・

延期ですか そうですか。
265名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 23:25:28 ID:erUHkzlZ
>197-205
を嫁
それと残念なのは分かる。
だからといって誰のせいで!というような発言は控えたほうがよろしいんじゃないか?
スレ荒れも原因となりかねん
266名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 00:47:33 ID:Qpg1kWFo
よく知らないが、「その条件が揃ってるなら、絶対、何があっても、間違いなく書く」って訳じゃないんだし、気にするなよ。

…って言うか、スレなんて不特定多数が利用するんだから、
特定の書き込み止めたいなら自分でHP作って24時間監視するか、
許可しない投稿は掲載されないようなBBS使うしかない。
正直、「だから何だよ?」という気が凄くする。
267156 159:2007/01/08(月) 21:19:41 ID:IhqCvl/o
旅人は雨で気が付かない、
が、夜目の利く動物達が近所を歩いている。

先生たちの占いで
今晩、此処で夜明かしをしてる旅人が居る。という事で
果物と木の実、天気の良い時に川で汲んだ水を、竹で作った、中身がこぼれにくい容器に入れて。
そして、たいして暖かくは無いが、水を通しにくくなるように草や木の皮や枝で編んだ布のような物を数枚、持って来た。

目的は明日、このまま帰っていただくこと。
そして、使いの者ではなく、相談したいことを持っている人自身に来て欲しい、と、伝えること。
そして、使いの者が、目的地近くに着いた事の、その証となる、土産として、上記の食物や水、布などを持ってかえってもらうこと。
である。
ただし持ちの短い果物は、この、使いの者の食料として渡す。
また、今宵、出来るだけ良く寝てもらう必用も有る。

この一行には、獣人が何人か一緒に居て、この旅人とお話をしようとしている。
268156 159:2007/01/08(月) 21:23:51 ID:IhqCvl/o
?_>?_>?_>?_>?_>?_>?_>?_>?_>
何か揉め事になってきてるんで、生殺しする。

>>266
>「その条件が揃ってるなら、絶対、何があっても、間違いなく書く」って訳じゃないんだし、

病などで入院したり、死なない限り、投下するぞ。
269名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 23:19:55 ID:YR4lv/Id
保守。
270名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:34:52 ID:/VRfMQ4f
 酒場で見つけた少女は、まるで女を感じさせない奇妙な雰囲気を纏っていた。
 異国の者かしらないが、緋色の髪を肩まで伸ばしたその姿は、どこか人外の印象さえ受ける。
 冗談めかして、どの世界から迷い込んだと声をかけると、少女はそれに答えて『天上から』と微笑んだ。
「私は戦場の悪魔に天界からさらわれて、飽きられてここに捨てられたの。でも私は魔法のせいで悪魔の事が忘
れられなくて、こうやって旅をしてその悪魔を探してる」
 自分の生い立ちを御伽噺になぞらえているのか、まったくのデタラメなのかは分からなかった。
 路銀はどうして稼いでいるのかと聞くと、少女は一言、体を売って、と微笑んだ。

「私はハウナ。何一つ取り得の無い、ただ平穏に暮らしていただけの、堕落した天上人。私の事が気に入った
んなら、君にも特別に売ってあげようか?」

 そしてベルトラムは、ハウナと名乗った少女の手を引いて、薄汚れたベッドがあるだけの安宿へと帰り着いた。
「うわー。汚い」
「天上人にとっちゃ、想像を絶する汚さだろう」
「うん。私、天蓋の無いベッドで眠った事が無かったの。でも悪魔は横暴で、いつも私を彼の胸の中でしか寝か
せてくれなかった」
「来いよ」
 ベッドに座って顎をしゃくると、ハウナはじっとベルトラムを見返した。
 天上人という戯言が信憑性を帯びる程、ハウナは神秘的な美しさを持っていた。今でこそ薄汚れているが、
それにしても肌が白い。
 手を引いた時に分かったが、手触りもまるで赤子のように柔らかだ。
「せっかち。だから、傭兵って嫌だな」
 ぶうっと頬を膨らませ、それでも指示通りにそばに来る。口付けようと手を引くと、からかうようにすっと
唇を反らされた。
「よく分かったな。傭兵だって」
「どう見たって騎士じゃないでしょ? 農夫が腰に剣を下げて歩くわけないし、奴隷にしては自由すぎる」
「賢いな、天上人は」
 奪うように、不意を付いて唇を押し当てる。
 腰を引いて抱き寄せると、ハウナは抵抗も見せずにベルトラムの肩に手を添えた。
 舌と舌を絡ませながら、ハウナのドレスの紐を解く。
 香水の香りはしなかった。だが、今まで抱いたどの娼婦より、遥かにいい香りがする。
 スカートを捲り上げてその中に手を入れると、唇が離れた隙にハウナがくすくすと笑った。
「せっかちだね、傭兵」
「名前がある」
「興味ない」
「ベルトラムだ。覚えろ。恋人ごっこも仕事のうちだろ?」
 むき出しの乳房に顔をうずめ、乱暴に揉みしだく。
 ハウナが切なげな溜息を零し、ベルトラムの髪に柔らかな頬を摺り寄せた。
「戦場の臭いがするね……」
「かいだ事あるのかよ」
「悪魔、が、いつも……そんなにおい、させて……」
 立ち上がり始めた赤い突起に吸い付いて、舌先でちろちろと弄ってやると、ハウナは呼吸を乱して苦しげに眉
をひそめた。
 太腿をまさぐっていた手を奥に進め、下着の上から割れ目をなぞる。するとじっとりと下着が湿り気をおび、
ハウナが鼻にかかった嬌声を上げた。
「前戯もほとんどいらねぇか」
 下着をずらし、指を二本突き入れる。
 ぐちゅぐちゅと音を立ててかき回すと、ハウナが耳元で苦しげに喘いだ。
 娼婦特有の演技がない。
 まるで、生娘を抱こうとしているような錯覚に囚われた。それか、貞淑などこぞの妻を手篭めにしようとして
いるような――。
271名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:35:26 ID:/VRfMQ4f
「ようへ……そんな、に、されたら、すぐに……」
「あぁ、気にすんな。いっちまえよ」
 わざと興味なさげに答えて、一層激しく指を出し入れさせる。親指の腹で充血した肉芽を押し込むように刺激
すると、ハウナが悲鳴の様な強制を上げて乱れた。
「あぁ! ん、ようへぃ……傭兵! だめ、そこ、いく、いく……!」
 まだ、名前で呼ばないか。
 ぼんやりとそんな事を思ったとき、ハウナが長い髪を振り乱してのけぞった。
 白い肌に汗が浮き、桃色に染まっている。
 絶頂の疲労にぐったりと肩にもたれて来たハウナの背を、ベルトラムはあやすように優しくなでた。
「ベルトラム」
 名前を呼ばれ、一瞬心臓が高鳴った。
「君、優しいね」
「……買い被りだろう。人を殺す傭兵だぞ」
「凄く、優しいね……」
 ベルトラムの肩口に、ハウナの唇が吸い付いた。
 ちりちりと、くすぐったい痛みが走る。ハウナの指がベルトラムのズボンに滑りこみ、熱く脈打っている醜悪
な陰茎を引き出した。
「私、優しい人って、嫌いなんだ」
「へぇ……悪魔は優しくなかったのか」
「悪魔は……凄く優しくて、いつも私の事ばかり考えて、でも、だから私の事を捨てたの。だから、優しい人は嫌い」
 促されるまま、ハウナの中に押し入ると、ベルトラムはぞくぞくする快感に目を閉じた。
「動いて、ベルトラム」
 耳元で、ハウナがかすれた声で囁いた。
 その細い体を抱え上げ、繋がったままベッドに仰向けに押し倒す。
 きゅうきゅうと締め付ける熱い肉壁に眩暈にも似た感覚を覚え、ベルトラムは夢中でハウナの体を突き上げた。
 腕の下で、ハウナが涙を流して快楽に悲鳴を上げる。
「もっと、あぁ、もっと……ぉ、い、そこ……あぁ……!」
 自らも快楽を求めるように腰を振りながら、シーツを握り締めて快楽から逃れようとする。
 この矛盾した行動が、ベルトラムに奇妙な錯覚を起こさせるのだ――。
 ハウナが一声高い悲鳴を上げて、ビクビクと全身を引きつらせた。食いちぎらんばかりの締め付けに、
ベルトラムも溜まらず中に全てをぶちまける。
 そう言えばこの少女は、避妊を求めもしなかった。
 ハウナから自信を引き抜いて、ベルトラムはその体を自分の胸に抱き寄せた。
「こんな体の売り方してたら、ガキ、出来ちまうぞ」
 赤い、赤い髪を指ですく。
 ハウナはベルトラムの胸に顔をうずめ、寂しげに左右に首を振った。
「できないよ……だって、天上人だもん」
「あのな……!」
「できないんだ。欲しくても……」
 それきりハウナは口を閉ざし、ベルトラムもいつしか眠りに付いた。

 目が覚めればもう、この腕の中にハウナはいないのだろう。そしてきっと、あの酒場に探しに行っても、
会う事は出来ないのだろう。
 ベルトラムは眠りながら確信し、初めて、抱いた女を失う事を寂しいと思い――泣いた。


終わり。
272名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:57:19 ID:jK0cfDPY
グッジョブ。
綺麗に纏まってて凄く良い。
273名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 08:04:26 ID:4QaUrfUs
GJ!
ちょっと切なくてねっとりエロくて気に入りました。
274名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 13:30:39 ID:cuEvLz7+
いいねー、GJ!!
悪魔め、なんて羨ましいヤツなんだ

このスレ長編多くて、寝る前にサクッと読めるのなかったからうれしいよ
はっ、もちろん長編も好きですよ
275名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 22:29:03 ID:jySDkq6Q
中世ファンタジーっていったらアルスラーン戦記みたいな感じなのかな?
276名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 22:50:36 ID:oKd0NvvK
保守あげ
277名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 00:44:58 ID:gS8Ib9tl
アルスラーン戦記読んだことがないが意見

人によりけりだからな
上にもあったが範囲広

指輪 中世ファンタジー
ポタ 現代ファンタジー

ポタは中世ファンタジーだけど指輪は完全ファンタジーだよという声もある
ファンタジーに定義付けなんてないが俺意見なんで
278名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 08:13:51 ID:t6fr8yuv
迷うなら 投下しちゃえよ ホトトギス

ぶっちゃけ今、職人の数少ないから読み手→職人のクラスチェンジは歓迎
279名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:41:24 ID:i/DO7GOm
こういうふいんきで書いて欲しいとか
断片的には考えたけど、文章にまとめられないとか
そんなのでも良いから何か投下して。

例えば、この世界の女性の間では、
・ぱんつ(ショーツ類)を履くのは幼少までだった。
・例外のドロワース(日本名 ズロース、腿や膝くらいまでのスソが有るハーフパンツ、半ズボン状)は見せパン。しかもオープンクロッチ(股下に布などが無く開放されている型)だった。

・スカート丈は一般に、
  ・膝が隠れる、しかし、ふくらはぎは見えるフレア(スソが大きく広がる)
  ・膝が見え隠れする丈のセミフレア(スソが少し広がっている)
  ・腿が見え隠れする位のプリーツ(ヒダヒダの、今の女学生制服状)
で有った。

などの世界観みたいな。
280名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:53:44 ID:i/DO7GOm
それで。
例えば、山の中で家族が住んでいた。
外界との交流がなく、つまり、その家族内で子孫を残している。
だから、例えば父と娘、母と息子。娘と息子。などの子どもが居て、それぞれが成長すると子孫を残す。
そういう世界で暮らしている。
湧き水、そこに住む魚など、木の実、キノコ、などを飲食している。


そこに、山の果物を採りにきた者達が来た。
道に迷い、尾根に出ようとして、その場所に出た。
281名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:55:27 ID:i/DO7GOm
こんな書き出しのとかさ。
何か無いかな?
282名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 05:19:54 ID:SWaKNqNP
とりあえず日本語の形式に則って欲しい
>>280とか、言っちゃ悪いが文章がお粗末。
…とだけ書いておくのも具体性に欠けると思うので一例を。

・句読点の使い方がまずおかしい。特に句点(「。」の事)
・文章の繋げ方もおかしい。「つまり」がつまりになってない、とか。唐突に出てくる食生活とか。

物語を想像し、創造する能力があるのは素直に賞賛する。
恐らく脳内では本当に細部までありありと描かれているだろう事も察しがつく。
しかし、文章力だけが足りてないんだ。それが歯痒くてならない。
283名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 22:14:39 ID:LL9zaKDB
まとめると…
町にすまず、山奥に暮す家族がいた。彼らは他と交わらず近親相姦による繁栄を続けている
食事は山が与えた。自然の恩恵である。しかし、ある日旅人が迷い込んでしまうことにより事態はかわる

現在の子供たちが男と女、姉妹かでストーリーがだいぶ変わるなぁ
男と女 昼ドラチック
姉妹 旅人ウハウハライフ

おまいさんの欲望を文章に変換するんだ!
284名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 19:40:39 ID:PAr/lAmR
保守
285名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 22:06:12 ID:LdPhfzER
なんでわざわざ『age』『保守』するんかな?
このスレを早期に滅亡・DAT落ち、させたいのかな。
286名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 22:30:56 ID:k7kKMqcm
>>285
いつもお疲れ様です
287名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 23:58:15 ID:Vvlsdjso
個人意見だけど住人少ない、議論ねた無い、このスレで保守が無いようにってのも難しいだろうな
先日も住人の一人が保守ってたけど、仕方ないことじゃないか
いちいち目くじらたてんなや

今回の保守は明らかだがスルー。
保守は悪意があろうがなかろうがスルー
いちいち反応すると空気が悪くなっちまう。空気が悪い→職人投下しても大丈夫か悩む(空気を気にしない猛者もいるが少数)→投下がなく盛り上がらない→住人去る→落ちる

さて、見事反応した俺は半年消えるか
最後に長文で一住人の意見すまんかった
288名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 07:06:05 ID:muH8PwHg
保守あげー
289名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:06:13 ID:xhQvS8Y0
>>288
ちょwwあんま喧嘩売ってやんなwwww
290名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 20:39:36 ID:fpEPxL4M
今北産業
291名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 01:37:41 ID:vmGTLnvG
age保守
292名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 07:12:50 ID:NBTlMeJN
保守とかageとかって書き込むって事は
職人に対して「書くな」「投下するな」って命令してる事と同じだぞ
293名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 11:34:00 ID:epcAABNG
そんな命令してませんよー。
職人の一人が勝手に自分ルールを決めてるってだけで、
本来投下しようと思えば投下できるわけだし、
他の職人さんは普通に投下してるしねー。
294名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 23:44:48 ID:MJjUA5pw
適当に全レス見てきた

普通に投下してるよ

295名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 21:48:46 ID:oiUXh68Y
>>292
強いて言えば、「俺ルールを振りかざす書き手(職人などとは口が裂けても呼びたくない)は不要」ということだw
296名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 22:00:40 ID:J0ktWrCI
率直に言えば
>>292はいらないって事だ
297名前欄に最初から入ってた→あい ◆ai/s701UeI :2007/01/28(日) 22:59:37 ID:gYDnde4G
保守目的ならageる必要は無いがな。sageでも書き込めば目的は達成されるワケだし。
298名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 23:01:44 ID:gYDnde4G
何このバグだらけな状況。
風が強くなってきたからちょっとべっかんこ作戦見てくるよ。
299名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 23:57:42 ID:nfKZDGQI
メ欄はsageなら、本文が「保守」だけでもいいってこと?

まぁ、ageや保守書き込みがあると投下しないという自分ルールを持つ書き手がいるなら、
話題が無いままズルズルとスレが下がった時にはageて保守するのが自分ルールだと
言う読み手が居ても、不思議じゃない罠。

とりあえずは、全然ワクテカしないところで切って「生殺し」発言する度胸には感服したよ。

300名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 00:57:12 ID:4Ytaat80
それ以前に文章が日本語でおkだからなぁ
まぁ、邪神からは程遠いんだろうけどメンタル面では十分(ry
301名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 03:19:13 ID:wjQvTskA
注 エロは無いといっても過言ではないほど少ないです。

 あの女と知り合ってから、既に半年が経過していた。
 仕事を探して街をぶらついていたら、仕事をしないかと声をかけて来た奇妙な女は、自分を魔女だと言う。
 このご時勢、魔女の一人歩きは危険だから護衛がいるのだともっともらしく頷いて、魔女は俺にその白羽の矢を立てた。
 魔女ならば魔法の一つも見せてみろと馬鹿にした所、気が付いたら目を回して路上に倒れていた。魔女曰く、
初歩的な魔法なのだと言う。
 魔女と言うからには、悪魔と契約していたりするのかと興味本位で聞いた所、全身を剛毛で覆われた人狼の
使い魔を見せてくれた。魔法を出し惜しみしない魔女など、奇術師と大差ないと思うのだが、とにかく俺は自
称魔女を信じざるをえなかった。

 街道を歩くのは遠回りなのだと言って、魔女は森の中を移動した。
 森の中で方角を失わないのも、魔法の賜物なのだと言う。
 俺は焚き火をつけておくように命じられ、うす暗い森の中で一人炎と見詰め合って魔女の帰りを待っていた。
 ガサガサと、草を踏む音がする。視線をやると茂みの向こうから、ぬっと黒い影が現れた。
 黒いフードを目深に被り、全身をすっぽりと覆うマントに身を包んだ魔女である。
「傭兵」
「おう。火はついてるぞ」
「見れば分かる。小動物を殺してきた。焼いて食べるといい」
「……おう」
 普通、獲物を捕らえて来るのは、男であり傭兵であり雇われている身である自分なのでは無いかと思うのだが、
魔女はそんな事お構い成しに実によく働いた。
 付いて回っているだけで金をもらっていいのかと後ろめたい気持ちになりもするが、楽をして金が稼げて
いるのだから幸運だとも思う。
 魔女が投げてよこした耳の長い動物の皮を剥ぎ、俺は骨を掴んで直火で肉をあぶり始めた。
「傭兵」
「なんだよ」
「明日は朝から雨だから、今夜は洞窟か木の洞を探して寝よう。腹ごしらえをしたら、火を消して移動する」
 これも魔法の賜物なのか、魔女は自然現象について一度も嘘を言った事が無かった。
 雨が降ると言えば雨が降ったし、洪水が起こるといえばその通りになった。実はこの魔女が魔法で雨や嵐を
呼んでいるんじゃ無いかと思った事も一度や二度では無いが、その内この魔女が、そんなくだらない事に労力
をさくほど能動的な性格では無い事が分かって来ると、すぐにそんな疑念は吹き飛んだ。
「洞窟っつっても……もう日が落ちかけてるんだぞ? どうやって探すんだ」
 魔女はフードの奥で、自慢するように口角を持ち上げた。
「歩けば見つかる。大丈夫だ」
 魔女がそういうからには、きっとそうなのだろう。
 俺は焼けた肉を魔女にさしだし、自分の分の肉を焼き始めた。
「あと、今夜は新月だ。夜、少しいなくなるけど、大丈夫だから探すな」
 魔女が真っ赤な唇をくわっと開けて、焼けた肉にかぶりついた。
 細いくせによく食うな、とからかった事があるが、魔法を使うとやたらと腹が減るのだそうだ。
 俺にも魔法が使えるかと聞くと、魔法使いは美男美女でなければならないらしい。
 理由は教えてもらえなかったが、自分が美男とはかけ離れた存在であることは自覚している。
 別に魔法など使いたくないと豪語したところ、魔女には大声で笑われた。
「傭兵」
「おまえ、いい加減俺の名前覚えろよな」
「覚えてる。呼ばないだけだ。呼んで欲しいのか? まるで子供だな」
 肉の塊をぺろりと平らげ、魔女が俺を揶揄してフードをつい、と持ち上げた。
 黒い髪と黒い瞳がちらりとのぞき、ぞっとするような美貌に相変わらず目を奪われる。
「私は、眷属の名前しか呼ばない。お前も私と契約して、下僕になれば名前でお前を縛ってやる」
 一生こき使ってやるぞと脅されて、俺は思い切り舌を出して焚き火へと視線を戻した。
 あの剛毛の人狼や、蝙蝠のような化物達と同列になるのはまっぴらだ。
302名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 03:19:57 ID:wjQvTskA
「傭兵」
「んだよ」
「それじゃあ、次の街でお別れだ」
 俺は返事もせずに、焼けた肉にかじりついた。
 ――半年。
 仕事としては、短い部類である。
 これで、この奇妙な魔女ともおさらばかと思うと、少し物足りない気がしないでもない。
「そうか」
「うん。そうだ」
「次の街で何かあるのか? 怪しげな店でも開くのか?」
「いいや。また、新しい傭兵を探して、旅を続ける」
 俺では役にたたないという事だろうか。
 事実、あまり役にたった記憶は無いが、そうか、とうとう切られるか。
「理由を聞かないのか、傭兵」
「無能だからだろ。俺、どう考えても仕事らしい仕事してねぇし」
「馬鹿を言うな。立派に仕事をしている。今だってこうしてお前はここにいる」
「いるだけなら誰だって出来るだろ」
「馬鹿を言うな。魔女についてくる傭兵などそうはいない。お前は栄えある二人目だ」
 一人目はどうなったんだ、と言う質問は、何故か出てこなかった。
 きっと、今の俺のようにあっさりと切られたのだろう。その後釜が俺と言うわけだ。
 俺達は言葉少なに小動物の命を平らげ、歩けば見つかると言う洞窟を探して歩き出した。


 そうして、新月がやって来た。
 魔女の言うとおり、雨をしのぐのに丁度いい洞窟も見つかって、俺は魔女に命じられるままそこで火を起こした。
 月明かりの無い森は暗いと言うより黒いに近く、足元さえもおぼつかない。
 そんな中、魔女は思い出したように立ち上がり、ふらふらと出かけていった。
 だが、刻々と時間が過ぎて行くと、さすがに少し心配になって来た。
 あの魔女はしっかりしているように見えて、その実相当に抜けている。まさか迷っているわけでは無いだろうが、
護衛としては雇い主の安否は気になった。
 薪はまだ十分にある。
 二十分程度なら、離れても火が消えたりはしないだろう。
 俺は最近使われる事の無い愛剣を背に括り、カンテラに火を入れて洞窟を出た。
 魔女がどっちに行ったかも分からないが、洞窟の場所を見失わないように気をつけながら、とりあえず闇雲に歩く。
 獣の咆哮のような声がした。
 猛獣でもいるのだろうか。きょろきょろと周りを見ると、暗い森の少し向こうに、ぼんやりと青い光が見えた。
 火の光では無いだろう。魔女の怪しげな儀式だろうか。それならば、きっと邪魔をするのは悪い。
 俺は引き返そうとした。
 だが、好奇心に足が止まる。
 魔女の儀式か。せん別がわりに見ておくのもいいかもしれない。
 俺は青い光に向かって歩き出した。
 悲鳴のような声が聞こえる。呪文か何かだろうか。獣の咆哮がやけに近い。
 俺は一瞬、あの剛毛に覆われた人狼を思い出した。
 人間のような穏やかな眼差しで魔女を見つめ、首元をなでられて動物のように目を細める。
 密集した潅木に身を潜め、俺は青い光に照らされた光景に息を呑んだ。
303名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 03:20:44 ID:wjQvTskA
 魔女がいた。
 ローブを脱ぎ捨て、白磁の肌を桃色に染め、人外と交わり髪を振り乱す美貌の魔女が。
 動物の角を生やした悪魔の物を舐めしゃぶり、いびつに節くれだった醜悪な肉の棒に貫かれて腰を振る。
 目を反らす事も忘れて、俺は呆然とその光景を見つめていた。
 剣を取って魔女を助けようと言う気すら起きなかった。
 魔女の口に悪魔の精液がぶちまけられて、魔女が全て飲み下した時も。達したばかりの魔女に次の悪魔が
圧し掛かり、魔女が消え入りそうな悲鳴をあげた時も、俺は何もせず、本当に何もせずその宴を眺めていた。
 頭の隅でぼんやりと、やはり自分は無能だなどと、場違いな事を考えながら――。

 どうやって洞窟に戻ったのかは覚えていない。
 気が付いたら、俺は消えかけた焚き火の前に座っていて、何事も無かったかのようにうとうとと船を漕いでいた。
 慌てて薪をくべて火に勢いを取り戻させると、魔女が出て行った時と同様に、ふらふらと洞窟に戻ってきた。
 あの狂乱の痕跡は何処にも見えず、魔女にも疲労の色は無い。
 夢だったのだろうか。
 俺が内心首をかしげると、魔女がすとん、と俺のとなりに腰を下ろした。
「探しに来ただろう」
 ぎくりとした。
 どうやら夢ではなかったらしい。嘘をつく理由も特に見当たらなかったので、俺は素直に頷いた。
「彼らに散々からかわれた。懲りない奴だと。また逃げ出されるのがおちだと」
 また、という単語と、逃げ出す、という単語に引っかかりを覚えた。
 俺が眉間に皺を寄せて魔女を見ると、魔女は静かにフードを脱いで、少しだけ寂しそうに俺を見た。
「二人目だと言っただろう。一人目は、二度目の新月の時にあれを見て、その夜のうちに逃げ出した」
 逃げ出すという選択肢は、何故か出てこなかった。
 一人の少女にたかり付く悪魔達に対しても、悪魔達に犯される魔女にさえ、なんの感情も芽生えなかった。
 感情よりも衝撃の方が強かったからだろう。そうか、前の傭兵は、あれを見て逃げたのか。
「いや……無理もねぇよ。あれは、びびる」
 純粋な感想を言う。
 魔女は美しい顔立ちで驚いたように目を瞬き、直後にげらげらと笑い出した。
「うん。そうだろうな。今回は特別醜悪で、特別趣味が悪かった。でも彼らも時々茶目っ気を出して、
美男の姿で部屋とベッドを用意したりしている事もある。いいやつらなんだ。私は彼らが好きだ」
 その特別醜悪な奴に当たったからこそ、俺は衝撃で動けなかったのかもしれない。
 あまりにも異常な光景は、一種の幻や絵画を見るような感覚で、現実だと受け止めづらい物なのだろう。
「魔女っつーのは悪趣味だな」
「失礼な。あれでも私が選んだ悪魔だぞ。人間に化ければそれなりに美しい」
 私は魔女の中でも飛び切りの美女だから、悪魔だって選びたい放題なのだと、魔女は自慢げに笑って見せた。
 その笑顔は確かに救いようがない程美しく、俺は思わず魔女に無理やりフードをかぶせた。
「なんだ。私の美しさに当てられたか」
「あんまり見てると目が腐りそうだ。魔性の美しさはきちんと隠しとけ」
「半年見続けてまだ慣れないのか」
「お前ほとんどフード被ってんだろうがよ。お前の顔見る機会なんてそうねぇよ」
 実際、まじまじと魔女の顔を見た回数は片手で足りる程である。
 魔女は、そういえばそうだった、などとわざとらしく言い、眠たそうに欠伸した。
「寝る。傭兵、添い寝しろ」
「アホか。見るだけで腐るのに触ったら俺が発狂するわ」
「寂しい事を言うじゃないか。傷ついたぞ」
「あのな……」
「なに、望みとあらば顔を変えることも出来る。これでどうだ。ごく普通に美しいだろう」
 言って、再び魔女はフードを取った。
 特に、何が変わっているようにも思えない――だが、確かに今の魔女は人間的な美しさを持った
ごく普通の少女だった。
 不思議なものだ。何処をどうかえたのか、全く持って分からない。
304名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 03:21:42 ID:wjQvTskA
「なぁ、魔女さんよ」
「うん?」
「次の街で俺を解雇する理由、聞いていいか?」
「なんだ、今更聞くのか」
「おう。普通の顔の人間となら、割と話す気が起きる」
 単純と言うなら言えばいい。
 魔女は気分を害した風もなく、それなら最初からこうしておくべきだった、などと一人ぶつぶつと呟いた。
「まぁいい。話そう。私はどうも、お前の事を好きになりかけているようだ」
 なるほど、それでか――などと、簡単に済むような内容ではなかった。
 聞いてはいけなかったかもしれない。俺はあからさまに固まった。
「魔女に愛されても迷惑だろう。これ以上一緒にいると、私はきっとお前を手放したくなくなる。お前が年を
取るのも嫌だから、ひょっとしたら怪しげな魔法をかけるかもしれない。そうなると困るから、お前を次の街
で逃がしてやる事にしたんだ。私は誠実な魔女だからな」
 衝撃が大きい。
 あるいは、先ほどの饗宴よりも大きな衝撃かもしれない。
 俺はこの衝撃から立ち直る方法を必死になって考え、考え抜いた挙句に自分の顔面を殴りつけた。
 生暖かい血液が鼻から流れ始めたが、そんな事はどうでもいい。
「悪い。恐ろしい聞き違いをしたみてぇだ。もう一回言ってくれ」
「傭兵、血が出てるぞ」
「分かってる。気にするな」
「そうか。ではもう一度。私はどうもお前の事をす――」
「よし分かった。ちょっとまて。落ち着け。俺の聞き違いじゃないとすると、これはお前のいい間違いだ。
いいか魔女、次の街についたら辞書を買ってやる。どうも魔女と凡人の間では意味の違う言葉があるらしい」
「無理やりなこじつけだな。諦めろ。お前は魔女に愛されかけてる」
 だから、逃がしてやると言ってるだろう、と魔女は憮然として言った。
 しまった、怒らせてしまっただろうか。
 魔女を拗ねさせると機嫌の回復に時間が掛かる。俺は慌てて取り繕おうとし、内容が内容だけに取り繕い
ようが無い事を悟って押し黙った。
「傭兵」
「お、おう」
「安心しろ。何度も言うが、私はお前を縛ったりしない。名前でさえ縛る気は無い。だから、そんなに
怯えるな」
 怯えている訳ではない。ただ、どうしたらいいかわからないだけだ。
 娼婦のように押し倒していいものでもないだろう。かといって、生娘のように優しく抱き寄せるのも
違う気がする。
 俺は、魔女の控えめな愛の告白を受け取っていいのかどうか、それすらも分からなかった。
 どうも魔女は、最初から受け取らせる気は無いようなのだが――。
「あのな」
「なんだ」
「俺は、お前の下僕にはならないぞ」
 魔女はフードの上からでもわかる程、あからさまにしかめっ面をして見せた。
「私だって、お前を下僕にするつもりはない」
「ならいいんだ。俺、解雇されてもお前についてくわ」
 今度はぽかんと口を開いて、馬鹿を見るような目つきで俺を見る。
「……いや、それじゃあ、解雇する意味がないだろう」
「いや。俺は契約に縛られずにお前について回る事になる」
「しかし、私と一緒にいるとだな、私はお前に怪しげな魔法をかけたり――」
「下僕にしねぇなら割と何してもかまわねぇよ。どうせ命捨ててる傭兵だ」
「そ……そうか」
 それなら、まぁ、と呟いて、魔女は小さく首をかしげた。
 どうも愛の告白に対する俺の返事を受け取りかねているらしい。こういうところが抜けているというのだ。
305名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 03:24:17 ID:wjQvTskA
 俺は小さく溜息を吐くと、毛布を引っ張って魔女を指先で呼び寄せた。
「寝るんだろ。来いよ」
「あぁ、うん……うん? うん」
 まだ首をかしげてやがる。
 俺はつくづく呆れながら、毛布に滑りこんできた魔女の体を抱き寄せた。
 ほとんど触れたことの無い体は想像以上に柔らかく、驚くほど抱き心地がいい。これならば、俺の方から
毎晩添い寝を頼みたいくらいである。
「一つ言っておくがな、傭兵」
「おう」
「私は人間と契った事が無い」
 何処まで人間離れしているのか、そろそろ俺をびびらせるのは止めて欲しい。
「だから、もしもお前がその気になったら、お前は私の初体験の相手と言う事になる」
 もはやちびりそうである。
 先ほどまでは、わずかながらにあった下心が、急速にしぼんでいく。
「だからもし、私が人間との契りであったら通常するはずの無い奇行に走ったら、遠慮なく言ってくれ。そんな
日が来るとは限らんが、まぁ、お前が私について回るというなら、そのうち私がお前を押し倒すだろうからな」
「そいつぁ……楽しみだ」
 苦笑いさえ引きつる。女に押し倒されるのを恐ろしいと感じたのは、生まれてこの方初めてだ。
 だが、それほど悪い気はしない。
「傭兵」
 返事をしようと開きかけた唇に、魔女が前触れもなく吸い付いた。
 舌をねじ込まれ、口腔を嬲るように犯される。
 生娘のように呆然としていた俺は、慌てて魔女に合わせて舌を絡め、魔女の首筋を手の平で支えるように
包み込んだ。
「……下手だな、傭兵」
 魔女がフードで顔を隠したまま、ひどく傷つく事を言い放つ。
「何と比べてんだ、何と」
「だが、悪くない。もう一度だ」
 魔女が俺に唇を寄せる。だが俺はそれをせいし、魔女の頭を胸に抱え込んだ。
「だめだ。もう寝ろ」
「何故だ」
「お休みのキスは一回って事に決まってる。明日の夜まで我慢しろ」
「聖職者みたいな事を言うな。傭兵のくせに」
「俺は今日から聖職者を目指す。おら、寝るぞ」
 魔女がふぅ、と息を吐く。
 赤々と燃えていた焚き火がすぅ、と消えて、俺は静かに目を閉じた。
 魔女が腕の中で身じろぎする。布越しに、魔女が俺の胸に唇を落とすのを感じた。
「今、押し倒してみようか」
「逃げ出すぞ。俺の覚悟が決まるまで待て。俺は処女で童貞で聖職者だ」
 ぐぅ、と魔女が唸って、だだをこねるようにじたばたと暴れた。
 こんなに子供っぽい事をする奴だっただろうか。
 あやすように背中を撫でてやると、ぶぅぶぅいいながらも大人しくなる。
 俺が魔女に陥落する日は、どうやら驚くほど近そうである。

 以上

 
306名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 06:35:43 ID:k/QiS6z7
素直クールな魔女カワユスw 会話がテンポよくていいな。GJ!
307名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 07:02:37 ID:O9l6lS4j
おおおおおおおお
GJぇぇぇぇぇぇ!!

朝から起爆剤になりますた。
308名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 09:57:57 ID:eZNT9kTS
傭兵…!
GJ!これがクーデレの破壊力というのか!
309名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 10:34:52 ID:dQ+ZXRvl
GJ! GJ!!
魔女タン萌える(*´Д`)ハァハァ
時折混ぜられたクスリと笑える部分も上手すぎる。
ご馳走様でした。
310名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 17:46:18 ID:tjkq8L2/
・・・撃沈。
311名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 10:11:37 ID:YoJylY/1
>>301
  /\___/\
/ ⌒   ⌒ ::: \
| (●), 、(●)、 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |  < やるじゃん
|   ト‐=‐ァ'   .::::|    \_____
\  `ニニ´  .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\
312名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:39:26 ID:Vy48b4YF
短いけどずしりと来るSSだった。
心からGJ!
313名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 05:13:00 ID:N7ZIpi2r
GJ!!!!!!

激しく萌えますた
俺的1月度MVPにさせて頂きやす(´д`*)
314名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 09:33:43 ID:Y3kSdb14
おっ、なんだかスレが穏やかになっていないか?
315名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 22:04:08 ID:9MbJa6RL
ほっしゅ
316名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 00:02:41 ID:jNkkCCqq
保守あげ
317名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 13:25:38 ID:7VlzJC4A
保守
318名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 03:49:37 ID:qC1b5tbj
保守
319名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 04:58:13 ID:TVuNc21G
>>318
保守するならageるのがより効果的だぜw
320名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 18:24:30 ID:lP12sfxE
>>319 業者乙
321名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 02:44:48 ID:kjzI9zht
誰も居ないならイマノウチ。エロ薄め。1レスのみ。


女を抱く。それは当たり前の事だった。
いつもなら激しく攻め立てているであろう相手に、今夜は何故かちっともそんな気になれなかった。
仕官先を探す旅の途中に、ふらりと立ち寄った村の娼館。
白粉臭いにおいだって、他の部屋の嬌声だって、安っぽい酒のにおいだって、全て今まで当然だったはずなのに。
なのに、ちっともそんな気になれない。

女は、客商売であるのにちっとも笑顔を見せなかった。
顔立ちは悪くないのに、暗い表情のせいで陰気臭い印象だった。
懐具合と相談して決めた女。
年と外見の割には、いやに安かった女。
病気持ちなのかと店主に訊いたが、それは無いと言った。
今はただ、暗い女と暗い部屋に二人きり。

「お前は娼婦だろう? そんな顔では客もつかんだろう」
そう問うてみても、女は愛想笑いの一つもせずに、無言で服を脱ぎ始める。
「少し明るくしてもいいか? これではお前を買った意味がなくなる」
愛想が無いなら身体でどうにかするしかないだろう。
そう思った矢先、随分強い力で、女に褥へと引き込まれた。
「これがお前の芸風か?」
やはり女は何も言わない。
何も言わぬまま、女のほうから唇を合わせてきた。
愛想もなく辛気臭いと言っても、やはり女の匂い。
しばらく女っ気が無かった事もあり、自分の身体が正直に欲望を湧き出させる。
相手が『女』だと思うと、急にこの女が愛しくなった。
一晩だけとはいえ、情を交わすのだ。
可愛がっても損は無い。

シーツの中で絡み合っているうちに、どうにも我慢が出来なくなった。
女のほうも準備は整っているらしい。
そのまま女の中に押し入ると、女は小さく悲鳴を上げた。
女の奥を突き上げるたびに、甘い声で女が泣く。
先ほど無愛想であったのが嘘のように、女が胸に縋りつく。
ああ、と声を漏らす女の腰を掴み、その最奥へ精を放った。

気だるい身体をシーツに預け、熱が醒めていくのを待つ。
ふと女の方に目をやると、こちらに背を向け、髪を梳っていた。
雲が切れ、月明かりが部屋に差し込む。
月明かりに照らされた女の青白い背には、醜い傷痕が一つ、大きく袈裟懸けについていた。
こんな場所にいる女だ。何があったのかは訊きはしない。

「お兄さん、傭兵だろう?」
初めて、女が口をきいた。
「どうしてわかった」
そう訊き返すと、女は小さく笑った。
「体つきに、手のたこに、傷痕。…血の臭い」
考えてみれば傭兵はわかりやすい職業かもしれない。
「傭兵は嫌いだよ」
背を向けたままの女の、小さな呟き。
「どれだけ好きになっても、戦に行っちまう。残された者の気持ちなんかわかりゃしない」
だから嫌いだよ、と言った女の声は、少し震えていた。
「明日が判らないから、生きてる証が欲しいんだ」
女を抱き寄せると、女は潤んだ目で見つめてきた。
潤んだ目が閉じられたのを合図に、また女に口付ける。

夜明けは、まだ遠い。
322名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 02:52:23 ID:DCDxZSX2
>>321
誰もいないって、ちゃんとROMってる者がいますよw
GJ!1レス物で久々に良い話を見たという気分。
袈裟懸けの傷跡は、想像の余地を残す手法で見事だと思います。
短い文の中にも刹那さが溢れて(・∀・)イイ!!
323名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 12:56:37 ID:wVeR8l08
保守
324名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 22:46:13 ID:tK3aMdbp
保守
325名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 23:03:03 ID:Y0dne7XS
ほすあげ
326名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 04:11:27 ID:TDHsAGTu
ROMあげ
327名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:35:24 ID:Tg4+g6wh
328名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 16:35:30 ID:KrbHwh9W
なにげに一周年
329名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 21:07:37 ID:ZdQsG33k
干すあげ
330名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 13:54:02 ID:4KoZBHuS
a
g
e
331名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 00:35:48 ID:LMpNMxdn
保守
332名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 23:31:57 ID:vkFkMM1s
百合って耐えられる人居る?
333名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 01:02:35 ID:rxeYvq1i
捕手あげ
334名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 01:04:01 ID:rxeYvq1i
>>332
百合カップスレ@18禁文章創作板5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898791/
335名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 10:42:20 ID:2sDZ0HHA
>>334
言わんとする事は分かった。
………すまんかった。
336名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 13:47:25 ID:FBOBxlTu
百合ファンタジー…大歓迎です
337名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 20:14:08 ID:rbPnPwiY
俺は好きだな
まぁ過疎ってるしいいんじゃね?
338名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 00:33:39 ID:Vm3H90E/
保守
339名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 19:33:06 ID:roP9cVMa
保守
340名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 14:19:03 ID:o5/gwBBs
牢屋に入れられたお姫様と牢番のエロ。
8レスほど。
341幽閉(1/8):2007/05/12(土) 14:20:08 ID:o5/gwBBs

 王城の地下には牢がある。
 華やかな王宮から離れ、地下深くに降りた場所にそれはある。鍾乳洞に手を加えて造った洞
穴で、床には石のタイルが敷きつめられているが、壁は手つかずの姿を晒している。
 入り口には兵士の詰め所があり、奥には洞穴に鉄格子をはめ込んだものが、五つほど連なっ
ている。
 アランはすでに五年ほど、そこに勤めていた。元は騎士について戦場に出る従者だったが、
主人の失策に巻き込まれて、こんな閑職にまわされた。そのことについて、アランはもう諦め
ている。軍から放り出されなかっただけマシだと思っていた。
 囚人の数は多くない。罪の軽いものは罰金、重いものは斬首なので、牢に放り込まれるのは
扱いに困る者と相場が決まっていた。牢番はアランの他に二人だけだったが、昼夜の交代を入
れても三人いれば十分足りた。
 その日の夜、夜勤のために詰め所に入ったところで、アランは意外な顔と出くわした。騎士
隊長だった。主人について戦場に出ていたころは、たまに顔を見かけることもあった。しかし、
こんな場所に来るような身分の人間ではない。
 隣には、フードで顔を隠した女が立っていた。女官なのか、これも牢屋などという場所には
相応しくない、高価なドレスをまとっていた。その両隣には監視の兵が二人立っていて、鎧か
ら親衛隊の人間だと見当がついた。
 初老の騎士隊長は、アランの訝しげな表情を気にすることもなく、自分についてくるよう命
じた。言われるままに地上にあがる。
 騎士隊長が先導し、衛兵が守る扉を二つほど越え、王城の奥まった場所まで連れて行かれた。
ここまで来ると、アランも一度も足を踏み入れたことがない。いつのまにか、親衛隊の二人は
消えていた。目の前には赤錆の浮いた扉がある。騎士隊長が鍵を差し入れ、鈍い音をさせなが
ら押し開いた。
 女は躊躇したようだったが、騎士隊長が軽くうながすと、渋々中に入った。
 騎士隊長がようやく口を開いた。
「お前には特別な任務についてもらう」
「は」
 アランは短く答えた。相当に厄介な問題に巻きこまれていることは、薄々感じていた。
 その中は、政治犯用の特別牢だった。王城の中と同じような石造りでできていたが、牢屋特
有の湿気と異臭は隠しようがない。詰め所として使われる入り口の小部屋と、鉄格子のはまっ
た牢屋が一つだけあった。
「これからお前はここに詰めることになる。向こうには戻らなくて良い。この場所のことを誰
にも喋ってはならない。牢番はお前だけだ」
「は……」
 フードを被った女は、牢の入り口に立ちつくしていた。
 アランは視線を女に移した。不運な女官が、王宮で知られてはまずい秘密でも知ったのだろ
うか、と思った。
「クラドル……」
 女がかすれた声でささやいた。クラドルとは騎士隊長の名前だ。
「私が……ここに……?」
「はい。今日からこちらに移って頂きます」
 騎士隊長は慇懃無礼に答える。
 女は立ちくらみを起こしたようによろめいた。壁に手を当てて、身体を支える。はずみでフー
ドがずれ、その下の素顔がかいま見えた。
 青ざめ、唇を震わせているのは、十六歳ほどの美貌の少女だった。フードの中からこぼれた
銀髪とあいまって、暗い牢屋に月が現れたかのような錯覚を感じさせた。
「イシュカ様……?」
 アランは思わずつぶやいた。
「その名を口にしてはならぬ。お前の口の固さを見込んで、この任務を与えるのだ」
 騎士隊長が厳しい声で言った。アランは慌てて頭を下げる。
 イシュカ。大神殿の巫女であり、第三王女だった少女である。
 一年ほど昔のことだ。王が死去したあと、王弟が王位を握り、王の直系である王子、王女を
ことごとく皆殺しにした。しかし、第三王女のイシュカは巫女だったため、斬首をまぬがれ、
王宮の一室に幽閉されていたと聞く。
 しかし、最近はイシュカの名前も聞かなくなった。新王である王弟の治世も安定し始めてい
て、街の人間たちも、イシュカの存在を忘れかけている。
 姫を丁重に扱う必要もなくなったのだろうと、アランは見当をつけた。
342幽閉(2/8):2007/05/12(土) 14:22:12 ID:o5/gwBBs

 しかし、相手が誰であろうと、任務には変わりない。詰め所の中から埃まみれの鍵束を取り
出し、牢の扉を開ける。イシュカになんと呼びかけようかと迷ったあと、
「姫様、こちらに」
 イシュカは動こうとしない。しばらく待ったあと、仕方なくアランは近寄り、肘を掴んでう
ながそうとした。イシュカは弾かれたように身を離し、アランを睨んだあと、いかにも気の進
まない足どりで牢の扉をくぐった。
 中を見回し、その汚さに絶句しているようだった。壁際に藁束の敷きつめられているのがベ
ッドの代わりだろうか。窓は一つもなく、蜘蛛の巣があちこちに張っている。同じ幽閉とはい
え、それまでいた王宮の一室とは雲泥の差だった。あまりの不潔さのためか、イシュカは牢の
入り口から一歩も動けないでいた。
 牢を閉じる鍵の音に、イシュカは振り向く。騎士隊長は無表情に牢のイシュカを見つめたあ
と、きびすを返そうとした。
「クラドル」
 イシュカの呼び声に足を止める。
「わたくしは、どれだけの間ここにいれば……?」
 すがりつくような声音だった。
 騎士隊長は答えなかった。
 アランに視線を向け、
「報告は必要ない。何か必要なものがあれば、私の名前を出して財務官にかけあえ。姫の扱い
については、お前に任せる。この任務が終わったあとには、それなりの恩給を用意する」
 この任務が終わったあとには。
 その言葉に潜む真意に、イシュカは呆然と立ちつくした。
 宗教的な禁忌で斬首にできないイシュカを、飼い殺しにしろということだろう。恐らく生死
は問われない。
 騎士隊長はそのまま立ち去った。視線を戻せば、イシュカはまだ自分の立場が信じられない
のか、立ちつくしたまま扉を見つめている。
 アランは詰め所に入り、中を見回した。牢屋の方向の壁の上半分は格子になっていて、詰め
所の中にいても牢屋の様子を監視できる。長らく使われていないのか、椅子や机などは埃まみ
れだった。まずは掃除だな、とアランはため息をついた。

 イシュカは二日目にようやく食事を取り始めた。係の者が牢の二つ手前の部屋まで食事を運
んでくるので、アランがそれを牢屋まで運ぶのだが、イシュカは手を着けようともしなかった。
 膝を抱え、顔をうつむかせ、ずっと鉄格子に寄りかかり座っていた。貧弱なランプの光では、
牢の隅にわだかまる闇を追い払うことができない。少しでも明るい場所にいたいのだろう。ド
レスは汚れ、湿気に黒ずんでいた。
 アランは食事を牢に運び込むと、そのまま床をブラシでこすりはじめた。食事を取らないの
は牢の不潔のせいかと考えたのだ。藁束も新しいものに取り替えている。
 イシュカは悄然とした様子で、ちぎったパンを口に運んでいた。ようやく状況を受け入れる
気になったのだろう。アランが外に出て牢の鍵を閉めるころには、食事を終えていた。空になっ
たトレーを鉄格子の下から取り出し、詰め所の隅に置くと、もう仕事はなくなった。
 アランが従者としての地位を剥奪され、牢番を始めたころは、終始鬱屈とした気分が晴れな
かったものだ。しかし、五年も続けていれば、それなりに折り合いもつく。退屈の紛らわせ方
もそれなりに学んでいる。
 しかし、この特別牢の任務はアランにも刺激的なものだった。詰め所の椅子に腰掛け、牢の
様子を横目で見れば、イシュカが排泄を行っているところだった。ドレスで下半身が隠されて
いるため、一見すれば牢の隅にしゃがんでいるようにしか見えない。しかし、かすかに聞こえ
る水音が、何が行われているかを如実に物語っていた。イシュカは顔をうつむかせ、ちらちら
とこちらをうかがいながら羞恥に耐えている。いくら恥ずかしいとはいっても、我慢できるも
のではない。こちらも牢番が任務なのだから、いちいち外に出るわけにもいかない。王女のあ
られな姿を日に何度も見せられ、腰の物は硬く勃起していた。
 それから一週間、単調だが刺激的な毎日が続いたあと、イシュカが体を洗いたいと言い出した。
「囚人に身を清めさせることは許されていないのです」
「ですが……」
 イシュカは顔を伏せ、うつむいた。賢い第三王女のこと、自分の立場はよく理解している。
それでも身の不潔感は耐え難かったのか。長く美しかった銀髪も、埃に汚れてとうにその輝き
を失っている。
 アランは思案し、
「それならば……私が御身を清めるということなら、構わないかもしれません」
「え?」
343幽閉(3/8):2007/05/12(土) 14:23:17 ID:o5/gwBBs

「法典では、囚人のあらゆる自由は剥奪されることになっているので、御身自身で体を清めさ
せるわけにはまいりません。しかし、私が勝手にあなたを清めるなら、法には触れません」
 イシュカはしばらく硬直していた。やがて小さな声で、
「……侍女を」
「この場所は、みだりに知られるわけにはまいりません。御身の世話をするのは私一人です」
 イシュカが黙りこんだので、アランも何も言わずに詰め所に戻った。

 再びイシュカが声をかけてきたのは、さらに一週間後だった。育ちの良い王女のこと、とう
とう汚れに耐えきれなくなったのだろう。
 アランは湯の張った桶と、手拭いを持ち、牢の中に入った。自分を抱きしめるようにして座
りこんでいるイシュカの後ろにまわり、手拭いを湯に浸した。
「姫様、お召し物を」
 イシュカは頷いたが、硬直したまま身動きしようとしない。仕方なく、首筋から手をはわせ
て、ドレスを脱がし始めた。背中のボタンを外し、腰まで下ろす。白いうなじから背中までが
露になる。後ろからでは見えないが、胸元を遮るものもなくなっているだろう。上半身を裸に
した状態で、アランは背中を拭き始めた。その背中は硬く緊張していた。
「狼藉は許しません」
 イシュカは固い声で言った。
「おかしなことをすれば、舌を噛んで死にます」
「は」
 アランは短く答えた。
 背中を拭き終わり、手拭いを前にまわす。首の下の鎖骨から、小ぶりな胸元の曲線をなぞり、
丸みをおびた乳房をそっと包む。手の平に収まるサイズの、柔らかな肉の感触を手拭い越しに
感じた。腰の物を硬くさせながら、アランはイシュカの体を清めていった。
 上半身が終わると、次は下半身に移った。イシュカの対面に移動し、スカートから伸びる爪
先に手拭いをあてる。靴のようなものは履いていない。繊細な白い爪先は、石畳にこすられて
荒れていた。何度も手拭いを湯に浸しながら、スカートの中に手を忍ばせ、ふくらはぎから太
股まで、丹念にぬぐっていく。
 下着の中に手を忍ばせたところでイシュカは身じろぎしたが、抵抗はしなかった。真っ赤な
顔をうつむかせ、されるがままになっている。薄い手拭いで肛門から股間にかけてを清めていっ
た。指先に、巫女の秘部の感触を味わいながら、アランは射精寸前だった。
 髪も洗い、アランは何食わぬ顔で仕事を終えると、ドレスを着ようとするイシュカを止めた。
「替えの服がありますので」
 イシュカは驚いたように、差し出された服と下着を眺めた。神殿につとめる者が着る、質素
なローブである。清潔な服を与えられるとは思っていなかったのか、
「あ、ありがとう……」
 イシュカは服を受け取った。
「ドレスは処分しますので、ここで着替えてください」
 イシュカは逡巡したが、大人しく着替え始めた。
 スカートから足を抜き、下着も脱ぎ捨てる。アランからはその背中しか見えなかったが、薄
暗い牢の中で、光り輝いて見えるような裸身だった。腰まで伸びる銀髪が、イシュカが身をよ
じるたびに肩や腕に流れる。白い尻には柔らかい肉がつき、イシュカが下着を履こうと身をか
がめた拍子に、股間の淡い茂みが見えた。
 清潔な服に着替えて人心地がついたのか、イシュカの緊張は解けていた。アランがおかしな
素振りを見せなかったこともあるだろう。アランが牢を出ると、ほっと息を吐いた。

 湯は三日に一度の割合で運ばれた。牢獄は変化の少ない場所であるから、イシュカも身を清
めることが楽しみになり始めた。自分の痩身を洗わせながら、イシュカはなにくれとなくアラ
ンに話しかける。最初はアランと口を利こうともしなかったイシュカだが、人間は孤独に弱い。
一ヶ月もたつころには、四六時中一緒にいるアランに、会話をせがむようになっていた。アラ
ンが戦場に出ていたころの話がいたく気に入ったようで、盗賊退治の話などは何度も繰り返さ
せた。
 その日は秋の大祭の話をしていた。すでにイシュカがこの牢獄に移ってから、二ヶ月になっ
ていた。
 いつものようにイシュカの身を清めていたアランは、突然突き飛ばされた。
 壁にしたたかに肩を打ちつけ、アランがうめきながら仰ぎ見ると、いつのまに奪ったのか、
アランの腰にぶら下がっていた牢の鍵で、裸身のイシュカは外から鍵を閉めてしまった。その
まま牢と外を繋ぐ扉にたどり着くが、こちらも鍵がかかっている。その鍵は詰め所にあるのだ
が、イシュカはそれに気づかず、いたずらに鍵を差し込んでは開けようと苦戦していた。
344幽閉(4/8):2007/05/12(土) 14:24:18 ID:o5/gwBBs

 秋の大祭の話がまずかったのかもしれない。王弟の血族の娘が、イシュカの次の巫女になっ
て大祭を開くのだ。それまではイシュカの仕事だったのだが。世界から取り残されているとい
う思いが、溜まっていた感情を爆発させたのか。
 アランは髪の中に隠していた予備の鍵を抜き取り、鉄格子の中から手をまわして、冷静に牢
の鍵を開けた。扉が開くさびた金属音に、イシュカが絶望の表情で振り返る。
 アランは油断をした自分の迂闊さに怒っていたし、自分を裏切ったイシュカにも怒っていた。
大股で近寄ると、裸で扉にすがりついていたイシュカの頬を張った。吹き飛ばされ、イシュカ
は床に倒れ込んだ。張られた頬を右手で抑えて、イシュカは驚愕の瞳でアランを見つめた。
 さらに近寄ると、イシュカは小動物のように怯え、あとずさった。
「ごめんなさい! ごめんなさい……!」
 第三王女で、しかも巫女として育てられたのだ。暴力とは無縁だったろう。一度殴られただ
けで、あらかたの勇気は消し飛んでしまっていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……許してください……」
 肘を掴み、強引に牢の中に押し込む間も、イシュカはそれだけを繰り返していた。

 それから二日、アランは牢屋に姿を現さなかった。
 三日目、アランが食事を持って現れた。二日間食事も与えられず、闇の中にこのまま見捨て
られるのではないかと怯えていたイシュカは、アランの姿に歓喜の声をあげた。
「アラン! 来てくださったんですね!」
 しかし、アランは答えようとしない。事務的に食事を鉄格子の下から押し入れ、そのまま詰
め所に戻る。目を合わせようともしない。
 イシュカは食事も横目に、アランに懸命に呼びかけた。多少の空腹は慣れた。しかし、孤独
には耐えられないものである。
 二十四時間、何の変化もない牢の中は、人の精神をおかしくする。これまでまがりなりにも
イシュカが理性を保っていられたのは、アランという他人との会話のおかげである。二日間放
置されて、喉が枯れるまでアランの名前を呼び続け、しまいに闇の中に幻覚を見るようになっ
て、イシュカは自分がかなり危うい状況にいるのだと理解してしまった。
「許して……もうあんなことはしませんから……」
 アランは答えない。イシュカは諦めて、食事に手をつけ始めた。答えはなくとも、闇の中に
独りでいたイシュカにとって、他人の存在が近くにあるというのは、それだけで安心できるも
のである。
 しかし、そのアランの態度も一週間続くと、イシュカには耐えられなくなってきた。この一
週間、ずっとイシュカの独り語りが続いている。会話を期待してのことだが、アランからの答
えはない。
 ふと湯浴みをしていなかったことに気づき、イシュカはアランに呼びかけた。
「アラン、湯浴みをお願いできませんか?」
 イシュカにとっては、誰かと触れ合いたい、他人の存在を近くに感じたい、という切実な願
いだった。
 しかし、アランは湯桶を持ってくると、そのまま牢の外に出てしまった。イシュカの期待は
裏切られ、桶の前でただ立ちつくした。
「アラン、私一人では洗えません。洗ってはいけないのでしょう? アラン、お願いします……」
 聞いているのか、いないのか、アランは湯の冷めるころになると、一度も使われなかった手
拭いと共に、桶を下げてしまった。
 自分が完全に無視されている、ということの惨めさに、イシュカは膝を抱えて静かに泣いた。
牢に入れられてから初めてのことだった。

「反省しましたか?」
 アランが声をかけると、イシュカは慌てて顔を上げた。
 鉄格子の前に、湯桶を抱えてアランが立っている。目をそらすこともなく、イシュカにしっ
かりと視線を合わせていた。それだけのことが、イシュカには例えようもなく嬉しく感じられた。
 イシュカはもつれる感情を解きほぐすように、まだ不安げな表情で、
「もう二度としません……。お願いです。許してください……」
 アランは頷き、牢の扉をくぐった。
 湯桶を置き、湯浴みの準備を始める。
「普通の囚人には、このような湯浴みなど与えられていません。私の仕事に入っているわけで
もありません。すべて、私の好意によるものです」
「はい……」
 イシュカはうなだれて答えた。
345幽閉(5/8):2007/05/12(土) 14:25:01 ID:o5/gwBBs

 放置された二日間で、そもそも毎日食事が運ばれてくることすら、アランの好意によるもの
なのだと理解していた。イシュカはもう、生きていても死んでいても、どちらでも良い人間な
のである。
「お召し物を」
 言われて、イシュカはローブを脱ぎ、下着も脱ぎ、裸になった。
 まだ恥じらいはあったが、汚れきった肌をぬぐっていく温かい手拭いの感触に、イシュカは
大人しく身を任せた。

「姫様」
 アランはイシュカの小ぶりな乳房にゆっくりと手拭いを這わせながら、囁きかけた。
「姫様一人のために、私は働いているのです。昼夜の交代をしてくれる人間もおらず、食事や
湯浴みの準備も私がするしかありません。すべて、姫様への好意があればこそです」
 イシュカは身を震わせ、
「はい……。ありがたく思っております。本当に……その思いを裏切ってしまって……」
「本当に反省していらっしゃるなら、私の願いも聞いていただけますか?」
「ど、どうすれば……?」
「ここの牢番は長くかかります。宿舎に戻っても、風呂に入る時間もないのです。姫様の湯浴
みと一緒に、私の身を清める手伝いもしていただければ……」
 イシュカはさっと頬を火照らせたが、アランに世話をかけているという申し訳なさもあって、
あっさりと頷いた。
「か、構いません。それぐらいなら……」
「では……」
 裸身のイシュカを清め終わると、アランも服を脱ぎ始めた。
 牢番とはいえ、兵士には定期的な鍛練が義務づけられている。たくましい肉体に、イシュカ
は恥ずかしそうに視線を落とした。アランがズボンと下着を脱ぐと、屹立したペニスが弾かれ
るように飛び出した。
「きゃっ!?」
 悲鳴をあげて顔を背けるイシュカに、アランは平然と声をかける。
「では、姫様、よろしくお願いします」
「え、あ、はい……あの、私は服を着たほうが……?」
「いえ、濡れますし、そのままで」
「はい……」
 イシュカはまず、あぐらをかいたアランの背中から始めた。
 筋肉の上をはい回る柔らかいイシュカの手に、アランのペニスはますます硬くなる。肩や腕
の先にも手拭いが伸び、ふとした拍子にイシュカの乳房がアランの背中をこする。細く肉のつ
いた真っ白い腕が、アランのゴツゴツした腕に絡まる。
「では……前も……」
 イシュカが恥ずかしそうにいうと、アランは振り向いてイシュカの目の前にペニスを晒した。
「……」
 イシュカは下を見ないようにして、真っ赤に頬を火照らせながら、アランの胸板を手拭いで
こする。首筋にも這わせ、脇や下腹部も清めていく。
 イシュカはアランを見上げ、
「あの……」
「そこは特に汚れが溜まりやすいところですから、丁寧にお願いします」
 イシュカは息をのみ、
「は、はい……」
 手拭いを湯に浸し、そろそろとペニスに近づけていく。硬く充血したものを手拭いで包み込
み、ゆっくりとこすり始めた。アランは顔には出さずに、何も知らない王女の手によるもどか
しい快楽を味わっていた。
「あの……ここは、いつもこんなに硬く……?」
 巫女として育てられた王女だ。具体的な性の知識はあまりないのだろう。
「いえ。疲れたり興奮したりすると、男のここは硬く伸びるのです」
「そうなのですか……」
 イシュカは手拭いで、カリ首の下を丹念にぬぐっていく。その刺激に、ペニスはますます膨
張していく。
「姫様。しばしお手を拝借してもよろしいでしょうか」
「え……?」
 答えに構わず、アランはイシュカの手を取り、自分の男根を握りしめさせた。
「あ、あの……!?」
346幽閉(6/8):2007/05/12(土) 14:26:14 ID:o5/gwBBs

 血管の浮いたペニスを、白魚のようなすべすべとした手が握りしめている。血管が脈打つた
びに、イシュカの手の感触が伝わる。湯に濡れたペニスの上を前後させ、ゆるゆるとしごかせた。
「これは……?」
 イシュカは疑問の表情のまま、アランのするに任せた。
 アランは王女の手で手淫をさせながら、イシュカの美しい肢体に目を這わせた。乳房は小ぶ
りながら、つんと上を向いた美しい形をしており、女座りをする腰から尻にかけての曲線も、
柔らかさを備えた絶妙なプロポーションをしている。影に見えるのは、銀の淡い茂みと、汚れ
を知らない秘部である。不思議そうにペニスを見つめているその素顔は、幽閉されてもまった
く輝きを失っていない。大神殿の巫女として、また第三王女として、高貴な身分もさながら、
その美しさも格別だった。
「あの、こすれば良いのですか?」
「はい」
 アランが答えると、イシュカは恐る恐る、自分で手を動かし始めた。おそらく、自分が何を
しているかはわかっていないのだろう。ただ手を動かすことを求められていると、そう理解し
たにすぎない。
 腹につくほど屹立したペニスを、天に向かってしごきあげるように手を前後させる。先走り
がにじみ、イシュカの手を汚す。にちゃにちゃとした粘着音が響きはじめた。
 アランが力加減や速度を伝えると、イシュカは大人しく従った。ぎゅっと握りしめたペニス
をリズミカルにしごきながら、イシュカはちらちらとアランの顔を見上げた。
 ペニスにまとわりつく王女の手の感触と、それに伴う圧迫感が、アランの快感を急速に高め
ていく。高貴な身分の人間に特有の、生まれてから一度も荒れたことのない滑らかな指が、亀
頭をしごき、カリ首をかすめて、背筋からのぼるような刺激を与える。
 かつての巫女、そして第三王女でもある銀髪の美少女が、単なる牢番の自分に、手で懸命に
奉仕している。そう考えると、アランは急に耐えられなくなった。
「ううっ!」
「きゃっ!?」
 アランの声が漏れ、白濁液が勢い良く飛び出す。イシュカの顔に一部がかかり、残りはイシュ
カの太股を汚した。
 アランは荒い息をつきながら、イシュカを眺めた。イシュカは自分の顔にかかったものをぬ
ぐいながら、萎えはじめたペニスを不思議そうに見つめている。
「……?」
「お顔を汚してしまいました。体の方も拭き取りましょう」
 アランが手拭いを絞り、イシュカの顔や太股にかかった精液を綺麗にぬぐい終わるまで、イ
シュカはじっとしていた。

 それから、湯浴みには必ず手淫が加えられるようになった。
 裸になり、お互いの体を清める。それから、イシュカが手でアランの昂りを静める。
 アランも徐々に、イシュカの乳房をまさぐったり、秘部に指を這わせるようになった。イシュ
カはそれらが尋常のものではないと薄々感じていたが、アランに嫌われるのが怖くて言い出
せずにいた。
 あぐらをかいたアランの背中に、イシュカは胸をおしつけながら、両手を前に回してアラン
のペニスをしごいている。乳房で背中を洗うように言われたのである。とがった乳首をこすり
つけながら、右手で竿をしごき、左手で亀頭を包む。アランには単なる湯浴みだと言われてい
たが、身に宿る官能が、イシュカにもこの行為の正体を知らせていた。
 アランが振り返り、イシュカを抱きしめようとしたとき、巫女としての最後の一線を守らな
ければとイシュカは本能的に思った。
「だめ……だめです。嫌わないでください。でも、だめです……」
 アランはしばらく黙っていたが、何もいわずに服を着込みはじめた。
 イシュカは自分もローブを着ながら、無言のアランに気が気ではない。だが、鍵が閉じられ
たあとも、アランは牢の前から立ち去らなかった。
 鉄格子ごしに、アランは無表情に語りかけた。
「イシュカ様」
「はい……?」
「私が調子に乗りすぎていたようです。あなたが巫女だということを忘れていました。イシュ
カ様はお美しい。湯浴みをしているうちに興奮が抑えられなくなるのです。これからは湯浴み
に同伴するのは止めておきましょう」
 美しいと言われて、イシュカは戸惑った。
「あ、あなたの高ぶりは、私の、せいなのですか……?」
「姫様の美しさのせいです」
347幽閉(7/8):2007/05/12(土) 14:27:37 ID:o5/gwBBs

 イシュカは一瞬、ぼうっとなった。アランが男根を腫らすのは単なる生理現象だと思ってい
たのだ。自分が求められていたのだと知って、なんともいえない気持ちになる。
「ですから、同伴しての湯浴みはこれきりに」
 アランの言葉を聞いて、イシュカははっとなった。アランとの湯浴み自体は、憎からず思っ
ていたのだ。
「湯浴みは、私一人でしてはいけないのでしょう?」
「しかし、このままでは姫様に邪な思いを抱いてしまいます。私は目をつぶりますので、これ
からはどうぞ一人で」
「で、ですが……」
 アランはしばらく黙っていたが、ようやく口を開いた。
「では、湯浴みとは別個に、私の欲望をお静めくださいますか?」
「それは……?」
「湯浴みに同伴して姫様の美しいお体を見れば、否応もなく欲望が湧いてきます。ですが、姫
様は巫女の身。体を汚すことかないません。万が一のことがないよう、姫様と私の間に鉄格子
を隔てた状態で、私の欲望を静めてくだされば……」
「ど、どうすれば……?」
 アランは腰布をおろし、いまだ突っ張っているペニスを鉄格子の間から牢に差し入れた。鉄
格子の向こうにひざまずくイシュカの目の前に、突きつけた格好になる。
 アランは静かにささやいた。
「口で……」
「く、口で……?」
 少しして行為の正体を悟り、イシュカは青ざめた。
 しかし、覚悟を決めたのか、やがてこくりと頷いた。
「わ、わかりました……」
 イシュカもアランもすでに服を着込んでいたため、背徳感はそれまでの比ではなかった。す
でに湯浴みという言い訳は通用しないのだ。
 鉄格子の前に立つ兵士のペニスに、聖職者のローブを身につけた銀髪の美少女がひざまずい
ている。震える手を膝の上に握りしめ、イシュカは恐る恐る、桃色の唇を近づけていく。接触
する寸前でしばらく躊躇していたが、やがて亀頭をくわえ、飲み込んでいく。温かい粘膜に包
まれる感触に、アランは満足げに息を吐いた。
 長く幽閉されているとも思えないほど、瑞々しい唇である。それがゆっくりと亀頭を包み、
じわじわと飲み込んでいく。亀頭の下に、熱く柔らかい、イシュカの舌を感じた。それが居心
地悪げにちろちろと動き、裏筋を刺激する。唇の締めつけがカリを通り過ぎ、竿のくびれに到
達する。そこまで来て、イシュカは途方に暮れたようにアランを見上げた。どうすればいいの
かわからないのだろう。熱い口腔と、上目づかいにこちらを見る銀髪の美少女、そしてその唇
に突き刺さる醜悪な器官という光景に、ペニスはますます高ぶっている。秘せられた王女の口
内に、先走りのにじむ、自分のもっとも汚い部分を突っ込んでいるのだ。
「強く唇を締めてください。歯を立てないように注意して」
 イシュカの熱い舌が亀頭に押しつけられる。アランはゆっくりと腰を前後させながら、王女
の唇を味わった。
 イシュカは巫女である。大神殿にあっては、祭りの祝詞を捧げる大事な役目である。一般信
者からは隠され、祭りの節目にしか姿を現さない。それは神に捧げられるべき唇であり、文言
を紡ぐ、もっとも聖なる器官なのだ。そこに、自分のペニスが突っ込まれ、口内を先走りで汚
している。清らかな声を発するであろうイシュカの舌は、醜悪なペニスに絡み、自身の神聖さ
を汚しながら、ただアランに快楽を与えている。
「ふっ、ふっ」
 アランは容赦なく腰を前後させた。
 イシュカは喉を突かれ、涙目でこらえている。あまりに強く突かれたペニスを舌が反射的に
追い出そうとするが、それがさらなる刺激に繋がる。亀頭、裏筋、カリ首、様々な場所をはい回る。
「唇を締めて」
 イシュカは涙目でうなずく。強くすぼめられたイシュカの口内を蹂躙しながら、アランはだ
んだんと登りつめていった。両手を鉄格子の中に入れ、イシュカの頭を固定する。
 鉄格子の向こうでひざまずき、牢番である自分のペニスに口で奉仕している涙目の王女の姿
に、例えようもない背徳感が快楽となってアランを襲う。腰からかけあがった衝動に身を任せ、
神聖な姫君の口内に、醜悪なペニスからほとばしる白濁液を放った。
「んんっ!?」
348幽閉(8/8):2007/05/12(土) 14:28:51 ID:o5/gwBBs

 反射的に身を離そうとするイシュカの頭を、アランは両手で抑えた。ペニスは脈打ち、身に
宿った欲望をイシュカの口内にぶちまけていく。パニックになったイシュカは両手でアランの
体を押しのけようとするが、頭をがっちりと押さえ込まれていてはどうしようもない。その温
かい口内の感触を、射精が完全に終わるまで、アランは存分に味わった。
「んっ、ぐっ、けほっ!」
 アランがようやく手を放して、口内からペニスを抜き取ると、イシュカは唇から白濁液を垂
らしながら、咳き込みはじめた。飛び散る精液が、聖職者のローブを汚していく。男の欲望を
懸命に吐き出そうとしている王女の姿を、アランは震えるような満足感とともに見下ろした。
 ひとしきり汚液を吐きだし、ようやく落ち着くと、イシュカは恨めしげな顔でアランを見上げた。
「ひど……いです。苦しかったです……」
「申し訳ありません。姫様の唇のあまりの心地よさに、我を忘れてしまいました」
「……」
 イシュカはしばらく無言でいたが、図り難い、何とも言えない感情の瞳で、アランを見つめた。
「欲望は、もう静まりましたか?」
「はい。姫様のおかげです」
「そう……」
 それきり会話は終わった。
349名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 14:30:21 ID:o5/gwBBs
完結してなくてすまん。ここまで。
350名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 17:29:25 ID:jd5oB4+M
実に良いな
放置責めとか超ツボ
351名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:50:08 ID:eGaH6kFo
>>349
GJ。
萌えた。
続き希望。
352名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 00:40:54 ID:EU1HnE77
続きを!続きをくれ!!
エロの興奮じゃなくとんでもなく切なくなった
本当に続きが読みたいんです
353名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 13:51:58 ID:rZnuZ/nz
つ、続きを…
できれば本番が見たい
354名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 13:32:00 ID:mi99qTvt
>>353
あわてるなよ。

その前に、巫女さんとしての自尊心を崩していくんだ。
確かに時間がかかるが、何年もかけて、徐々に堕落させ調教していくことが大事だ。
姫、巫女としての気高さを忘れない、しかし、肉欲に溺れる、矛盾した感情を持たせる。

たとえば、胸や腰などを拭くときに刺激を与え、手足なども含めて
巫女になった人が持たされている神にささげる信仰から離れさせ、肉体への快楽という信仰を持たせていく。
そして、最後に、股間への刺激を与え、神から完全に離別させ、ただ、利己の快楽だけに生きる事を学ばせていく。
一方で、巫女であることを忘れさせない。

妊娠だけは避けないといけないので、行為としては校門攻めだろう。
それでもかなりの堕落になる。
355名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 23:13:27 ID:9bKx3FIx
>>349
ろ、ROMの私にGJと言わせるんだから、喜びなさいよねっ。
雰囲気や文のトーンがよかったとか、全く目が滑らなかったとか、
物語に引き込まれてドキドキしたとかはあるけど、誤解しないでよね、
そんなにベタ褒めなんかしてないんだから! 尻切れじゃないのっ!
356名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 00:26:24 ID:FMw9gF9Z
ここでクラドルに期待。
357名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 23:23:03 ID:d+ctCHql
投下します。
引きこもり青年と、その彼の元にやってきた少女の話。
358あの馬車に乗って 1/6:2007/05/16(水) 23:25:27 ID:d+ctCHql

 胃にもたれるような曇天と、殺風景で果てのない荒野。小さな馬車の窓から見える景
色は、せいぜいその程度のものだ。
 アリス・ドゥ・フーリエは唇を強く引き結んで、その景色を睨み続けた。少なくとも、
馬車の内装を眺めているよりは変化があって気が紛れた。そして、気を紛らさずには居
られない程度には、アリスの心は傷つき疲れていた。
 ――どうしてこんなことになってしまったのだろう。
 幾度と無く繰り返した問いが、また頭の片隅を掠めた。するとたちまち追憶の波が押
し寄せ、そして揺るがしようの無い事実がアリスを容赦なく打ちのめす。
 一昨日の夜、父はアリスを呼び出し、王都に居を構える富裕商家の屋敷へ向かうよう
命じた。父は政略結婚などとうそぶいていたが、本当の事情はまだ若いアリスにもすぐ
に察しがついていた。話は至極単純だった。
 戦の続くこの国では戦費を負担する貴族の方が、却って貧しい昨今だった。なかんず
く、南部最前線を守るフーリエ家では重なる戦費に家計は破綻をとうに越えていた。そ
こで当主が下した決断は、富裕商人と娘の婚姻によって手っ取り早い経済支援を取り付
けようというものだった。さりとて、そうそう旨く話は進まない。やり手の商人に買い
たたかれ、言いくるめられ、結果は婚姻と言うより身売りに近かった。
 つまり、自分は『売られた』のだと。一族の伝統と誇りのために、自分は生贄とされ
たのだと。思い人がいたわけではないにしても、見知らぬ他人の、しかも平民の家へ売
られるなどとは貴族の娘としては思いも寄らぬ転落だった。
「これでフーリエ家は救われるのですね」
 アリスは斜向かいに座る老商人に初めて口を開いた。今さら自分の運命を嘆くだけに
も、これだけは聞いておかなければならなかった。
「それは御当主様次第だが、来年を充分に戦い抜くだけの金子は保障しよう」
 老商人は穏やかな笑顔で答え、却ってアリスを励ます体だった。唯一の救いといえば、
この老商人が非道な人買いには見えないことか。
 なればならと、これも貴族の娘としての勤めかとアリスはようやく噛めないものを飲
み込む思いだった。
 それでも視界が歪み始めたので、アリスは袖口で軽く目元を拭った。だが、その歪み
はいつまで経っても解消されず、結局アリスは馬車に乗ってる間中、目元を拭い続けな
ければならなかった。
359あの馬車に乗って 2/6:2007/05/16(水) 23:26:44 ID:d+ctCHql

 まだ暦は冬だというのに今年はいつになく温かい日が多い。そんな小春日和の晴天に
は露台に長いすを出して本を読むのがジュリアン・ダルレの日課だった。ぽかぽか陽気
に睡魔を誘われるならば、そのまま居眠りを決め込めばいい。王都でも有名な豪商を父
に持つジュリアンは悠々自適の生活を送っていた。
 長引く戦に悩まされている国とは言え、頭を抱えているのは貴族や職業軍人達だけで、
一介の市民、特に王都の街では平和なものだった。だから、ジュリアンは日がな一日、
書物を読むか、そうでなければ家の者を相手にチェスを打つといった暮らしぶりだった。
その傍ら、老境に差し掛かった父親の方が未だ仕事に精を出しているものだから、『一
人息子が先に隠棲してしまったダルレ家』それが世間の評判だった。
 そんな気楽な生活を送るジュリアンの心情は、実は傍目で見るほど穏やかでは無かっ
た。むしろ、日々を苛立ちの中で過ごしていた。他ならぬ自分への苛立ちだ。もはや青
年と思える歳をいくらも越えて、世間一般の常識と言うならば、とうに自立して働くべ
き年齢だと自分でも自覚はあった。それでもどうにも気力が沸いてこない。まずもって
何を生計とするか言うことからして、ジュリアンには皆目分からなかった。
 順当に考えるならば父の後を継ぐべきなのだが、父親は押しつけるようなことはしな
かったし、当のジュリアンからして生き馬の目を抜くようなその競争社会で生きていく
のはなんとも窮屈に思っていた。かといって、何かの職人になるには技術が無く、聖職
なんてインチキ屋だと見抜けるほどに賢かった。そうしてまたいつもの悔悟に辿り着く
のだった。曰く、自分はダメ人間だ。いつまでも親の脛を囓るろくでなしだ、と。
 そうも自責の念があるだけに、こんな自分を温かく見守ってくれる親には心から感謝
もしていた。だから、この日も出張から帰ってくるなり真っ先に息子の元に訪れる父親
を笑顔で迎えたものだった。
「ああ、父上、お帰りだったのですね」
 長旅でお疲れでしょうに、仰ってくだされば僕の方から迎えに行きましたものを。さ
あさあ、この椅子にでもお掛けください。今回の仕事は順調でしたか。息子の気遣いに
父親の方でも満面の気色を浮かべいちいち頷く様は、それは一面では麗しい父子の情と
いうべきか。
「なに、いつものことだよ」
 さりとて、この度はちと遠出をしすぎたかな。なにせ南の端までいってきたからのお。
ああ、そうそう、それでお前にも大事な話があるんだよ。そんな父親の話をジュリアン
の方では、もはや上の空にしか聞いていなかった。その後ろに佇む少女を見つけたから
である。
「父上、こちらは……?」
 その少女にジュリアンは目を奪われた。当世流行の巻き毛とは無縁の解き梳かした金
髪は長く伸ばし、簡素なドレスに身を包んだ姿は潔癖さを感じさせる。雅やかな都会の
女性とはかけ離れた雰囲気だった。なにより端整な顔立ちに輝く青い双眸は、こちらを
射竦めるほどの光を湛えている。それがジュリアンには息が詰まるほどに眩しかった。
360あの馬車に乗って 3/6:2007/05/16(水) 23:27:38 ID:d+ctCHql

 アドリアン・ダルレにとってジュリアンは年を取って授かった一人息子であった。そ
れ故、アドリアンにとって息子は可愛くて仕方がない。それこそまさしく我が人生にお
いて得た宝物に他ならなかった。だからついつい甘やかした。だからついつい甘えさせ
すぎてしまった。その自覚があるだけに、息子を我が儘にしてしまったのは自分の責任
だと感じていた。なればこそ、その贖罪にと更に何やかやとジュリアンの世話を焼いて
しまうのだった。
「ああ、それが大事な話なんだよ。紹介しようか、」
 こちらはさる貴族の娘さんなんだが、まあ、色々な事情があってね、我が家で預かる
ことになったんだ。いやいや、下働きってことじゃないんだ。なに、お前の話し相手に
でも丁度良いんじゃないかとな。お前だっていつも家にこもっていたんじゃ退屈だろう。
まあ、お互いの気が合えば所帯をもったって……ああ、いや、それはちと気が早いか。
すまん、すまん。笑って誤魔化すもアドリアンにしてみれば、それこそが願いだった。
「ごほん、うん、それで名前は――」
「騎士フーリエ家の末娘、アリスです」
 少女はアドリアンの言葉を遮るように、きっぱりと言い放った。その冷めた響きに、
むしろジュリアンの方こそが戸惑い狼狽する様だった。
 やれやれ、これはちょっと見込み違いか――アドリアンは内心で頭を抱える思いだっ
たが、ともあれ、これが二人の出会いだった。

「ふぅ……」
 目を覚ましたジュリアンがまずつく嘆息は、アリスが来てから日課となっていた。
横で寝息を立てるアリスに軽く視線を落としたジュリアンは、彼女を起こさぬよう慎重
に、そっとベッドから下りる。
 それは、奇妙な同棲であった。
 ジュリアンの部屋に住まうと言い出したのはアリスだった。彼女にとって、買主に
『所持』される事、そして抱かれるなり、好きなように弄ばれる事をアリスは自ら望ん
だ。
 自身を身売りした金額以上の、さらなるフーリエ家への経済的支援を導き出す最善の
方法だと思ったからこそである。
 既にアリスは覚悟を決めていたのだ。だが、しかし──。
 ジュリアンはアリスに対して、指一本触れる事が無かったのである。
 それどころか、父であるアドリアンから授かっていたいくつかの自分名義の荘園、そ
れらが月ごとに生み出す、ひとかどならぬ富をフーリエ家に譲渡するとアリスに対して
誓ったのだった。
361あの馬車に乗って 4/6:2007/05/16(水) 23:28:52 ID:d+ctCHql
「どうして、そのような事を? 私は、貴方にその、まだ何もされて──」
 問い正したアリスを、ジュリアンは柔和な笑顔で遮った。
「僕は何一つ、社会に貢献できる男ではないのです。その僕が、国家の為に苦境に立た
されている名門フーリエ家に対してできる事はこの程度──。もっと、欲しいですか?
 けれどこれ以上は、父上に相談しないとちょっと……」
 そう言われたアリスは驚いた顔をして大仰にかぶりを振った。
「──いえっ。あ、有難う御座います……。家も喜ぶかと……」
 向けた笑顔に対して、アリスが目を伏せて済まなそうな顔をしたのが、ジュリアンは
悲しかった。アリスに向けた言葉は、ジュリアンにとって真意の五割にも満たなかった。
自らを犠牲にし、援助を取り付けるべく自分のところに来た彼女の背負う使命、そして
運命を少しでも軽減できたなら──。それはジュリアンにとってアリスの感謝を求める
為ではなく、彼女が微笑む様を見てみたいという、童心に等しい心境からであった。
 深く、自らが作り出した心の洞窟の底に佇んでいたジュリアンにとって、麗しきアリ
スは偶然に彼を照らした外界の陽光に他ならなかった。ただ、その輝きにもっと満たさ
れたいとジュリアンは思った。輝きが曇る事なく、燦々と自身に降り注いでくれるなら
それだけで良かったのである。

 洗面台で鏡を見れば、うっすらとクマが出来ている事にジュリアンは気づいた。まぁ、
たしかに。と彼は苦笑する。美しくうら若いアリスがそばで寝ているのを意に介さず惰
眠を貪るほど、ジュリアンの心は鈍色には染まっていなかったのだった。
 劣情に身を焦がす毎晩。
 純潔を奪う口実なら、既に幾らでも──。

『いやいや、やめよう。僕みたいな男が。アリスさんはきっといずれ、僕の部屋から居
なくなるのだから……。それに、アリスさんに拒絶されたら? いや、拒絶されるに決
まってるじゃないか……』

かぶりを振ったジュリアンは、意識を切り替える事に集中する。
 アリスが笑ったのなら、どれだけ素敵なことだろうか。
 それを見てみたいとジュリアンは思った。それだけでいいと。
 あたかも崇拝めいた感情を抱くジュリアンであったが、彼はまだそのことに気がつか
ず、ただ、アリスとの日々をどう過ごすか、そのことを考える。
 アリスを想うと今までの自分と違う自分が騒ぎ出すのを彼は実感していた。
 もしかしたら、自分は少し変われる、変わり始めているのでは──。
 今日はアリスと、どんな事を話そうか。どんな話しを聞いてみようか。朝一番にそれ
を考える事が、アリスと共に暮らすようになってからの、彼のもう一つの日課になって
いた。
362あの馬車に乗って 5/6:2007/05/16(水) 23:30:15 ID:d+ctCHql

「チェスは、できる?」
「いいえ。覚えたほうがよろしいかしら?」
 かつてはジュリアンだけの特等席であった露台には、小さなラウンドテーブルが据え
られている。ジュリアンとアリスの二人はこれといって何をするわけでなく、籐ででき
た深い椅子に腰を据えて、太陽の高い冬の空の下、午後を過ごしていた。
「いや……、なら少しお話をしましょうか」
「ええ」
二階にある露台から見渡せる王都の町並みを、じっと眺めながら微動だにしないアリス
の横顔を見やって、ジュリアンは椅子から少し身体を乗り出しながら言った。
「いかがです? こちらの生活には、すこし慣れましたか? ──と、愚問でしたね。
外出、まったくなさってないでしょう。良かったら、好きなように街を観て回ってもよ
いのですよ? 僕の部屋にずっと居たら、アリスさんも退屈でしょう」
「……ですが、私はジュリアン様に買われた身分なので」
 そう答えたアリスの視線は、屋敷の前の大通りを通り過ぎる四頭立ての馬車を追う。
 『買われた身分』──。アリスのその言葉は、ジュリアンの心に重く響いた。
 はたから見ても二人の関係は確かにアリスの言うとおりであるのは明確。豪商が名門
貴族の末娘を買い叩いたのは紛れも無い事実でもあったからだ。
 アリスの心象を良くしようと、自分に出来うる限りの支援をフーリエ家に施した。し
かし、その行為はよりアリスと自分の距離を遠めてしまったのではないかとジュリアン
は考える。
「人が、多いですね」
「え?」
 アリスの横顔が少しだけ笑ったようにジュリアンは感じた。
「私の故郷には、こんな石畳で舗装された道路なんてありませんでした。雨が降ると馬
車が通れなくなってしまうような道ばかり……」
 自発的なアリスの言葉を、ジュリアンは始めて聞いた。繊細なアリスの言葉に対して、
彼女の心象を悪くしないようにとジュリアンは明るく告げた。
「憧れるな。とても牧歌的なんでしょうね」
「田舎なだけですわ……。こんな華やかで豊かな王都とは比べ物にならない、ちっぽけ
で地味な所です……」
 そう言って俯いたアリスの横顔を、肩口から流れた金糸のような髪があたかヴェール
のように隠した。
 続く言葉が告げられないジュリアンは、自らの感性の希薄さを情けなく思う。こうい
う時、男ならばなんと声をかけるのか。彼女の心を解きほぐす言葉はなんなのだろうか。
 『意中の女性を前にしてどう振舞うべきか』という問は、ジュリアンの心を路頭に迷
わせる。何か言わなければ、と思っても下唇が僅かに震えるだけで、ジュリアンは硬直
した。しまった、僕は、しくじった──? ど、どうしよう……。
 そう思ったとたんに、ジュリアンの背伸びして演じていた落ち着いたそぶりが、日差
しを浴び割れ砕ける水溜りの薄氷のように崩れ去ってしまうのだ。
 無理も無い。家族以外の人と接する機会はほぼ皆無。ジュリアンの心は、他人と対峙
するには今だ脆弱であった。論理的な思考すら機能しなくなり、それこそ迷子の子供の
ような心持にいたった彼の心情、いかばかりか。
363あの馬車に乗って 6/6:2007/05/16(水) 23:31:20 ID:d+ctCHql

 そんな時、空ろを彷徨うジュリアンの視線に、大通りを再び通過する馬車が映った。
「う、う馬ま」
「はい?」
「い、いや、いや。馬とか、乗られたりするのですか? その、フーリエ家といえば、
かつて王都で開催された馬上試合で無敗を誇ったと、聞いた事があります……。だとす
るならば、アリスさんも、乗馬などをですね……」
ぎこちないジュリアンの言葉に、アリスは静かに、丁寧に答えた。
「え、ええ。家臣団の皆から比べたら、私の乗馬術など嗜み程度ですが……。幼い頃か
ら父には、だいぶ」
「で、でしょうッ」
 振り向いたアリスは、ちょっと驚いたふうにしてジュリアンを見た。
「……大丈夫、ですか?」
 かぶりを降って額の汗を拭うと、ジュリアンは一度唾を飲み込んでから表情を持ち直
す。
「いや、だ、大丈夫、大丈夫ですよ? 実はですねアリスさん。父から与えられた僕の
牧場(まきば)が、そう遠くない所にあるのです。貴族からの委託で、繁殖や調教を行
ってましてね。もちろん僕名義の馬もおります。どうです、ずっと僕の部屋に篭もって
いては、健康に悪いでしょう。たまには乗馬でもしてみませんか?」
 アリスの表情が、僅かに緩んだのをジュリアンは見た。
「乗馬、ですか……。ジュリアン様は馬に乗られるのですか?」
「あ、ぼ、僕ですか?」
 アリスの問いに、やっと体裁を整えたジュリアンの表情が再び揺るいだ。
 父からそのくらい嗜みなさい、と言われた事はある。しかし、移動は決まって馬車な
のですからとジュリアンは袖を振っていた。なので、当然乗れるわけもなく、これから
先も乗ることは無いだろうとたかを括っていたほど。
 アリスはジュリアンの表情からそれを読み取っていたようであった。
「騎士の娘ですから、乗馬くらいは。施しを受けている御恩もあります。私でよろしか
ったら、お教えしましょうか?」
 向けられた微笑に、ジュリアンは反射的に答えていた。
「是非!」
 勢い余って立ち上がり籐の椅子を倒すジュリアンの様を見て、アリスがさらに微笑ん
だ。そしてジュリアンは、見たことの無い自分名義の牧場でアリスと共に馬を駆る姿を
夢想した。

続く
364名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 01:39:06 ID:yDBxFd1Y
良い感じのスタートだね。乙。
こういう、最初はストイックなカップルがいずれ……というのがツボなんで、続きwktk。
文章も安定してるし、目も滑らないし、GJ!
365名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 08:12:20 ID:WQvPYHnI
クーデレ魔女とか最近の二作とか、レベル高いのが増えてんな
マジで続き頼むよ
366名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 08:38:33 ID:htPU3s02
気長に待ちますよ。 続き。
こういうのであれば、エロ分控えめでも良いと思います。 私は。
367名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 00:55:02 ID:NJVAV17s
「いいの?このまま過疎が進めば、百合SSが攻めてくるわよ」
「だ…っ……嫌ぁ……だめ……私たち、女の子同士、なのに………!!」
「あら。まだ抵抗する気力が残ってたのか知ら。随分 頑張るのね」
「こんなの………って……ないよぉ…………!」

「なら保守しなさいな。そうしたら、楽にしてあげる。
ただし。このまま過疎が続くなら…………」
「うあぁぁあ…ッ……ああぁ………!」





いろいろごめんなさい保守。
368名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 07:36:56 ID:uanyLL50
不覚にもおっきした
どうかしてるぜ俺………
369名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 20:52:34 ID:WtLi7Vpa
クソワロタwwwwwwww
370名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 21:39:06 ID:FI2IQXQb
捕手
371名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 08:37:55 ID:Ec+4wqK3
>>367
気持ち良さそうぜ・・・うらやましい。
372百合注意:2007/05/26(土) 15:27:32 ID:IlcCEC+Z
ゴゴゴゴゴゴ…………
勇者♂「次の部屋がラスボスか……」
格闘家♂「気をつけて行こう」
商人♂「お金大事に」
僧侶♂「命大事に」
剣士♂「ゴタクははいらねェ」
一同「……………」
一同「……ムサイな」

勇者「………魔道士♀と魔法剣士♀は?」
商人♂「あそこ………」


魔道士♀「うふふ……」
魔法剣士♀「いやん……」
イチャイチャ
勇者♂「てめーらヤル気あんのかー!!」
魔道士♀「世界なんてどーでもいいわ。この子と一緒なら」
魔法剣士♀「あんv恥ずかしいvv」

勇者♂「もー駄目だわコイツら……」
勇者♂「俺らだけでも、魔王を倒そうぜ!!」
男たち「おお!」

魔王のこべや

魔王「ふははーーよく来たな小僧ども。」
一同「へいわ(金)をくれ!」
魔王「誰だ今金って言ったヤツ」
一同「……………」
魔王「スルーかよ」
魔王「……てか、お前らじゃ無理。」
一同「なんで!?」
魔王「……………」
一同「……………」
魔王「……………」
一同「……………」
魔王「だってワシ、物理攻撃効かない時あるし」
魔王「第二形態なんて、魔法か弓じゃないと攻撃届かないもんね!」
一同「ナ、ナンダッテ-」

ぜんめつした(AAry


セーブから。
勇者♂「お前ら知っててやったでしょ?お前ら知っててやったでしょ?」
魔法二人「どうして二回言うのカナ?どうして二回言うのカナ?」



いろいろ(ry保守。
373名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 09:00:59 ID:JLaCAxxU
ヘタクソスレ乙ww
374名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 09:44:54 ID:CnZjqbmN
375名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 20:01:33 ID:N29TutVL
376名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 15:31:45 ID:hFQiiNHd
377名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 21:47:46 ID:6L/xsvG3
378名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 08:43:32 ID:UwV4u/fP
379名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 10:48:45 ID:XJPoeE+3
380名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 11:16:34 ID:mAPzhB5W
381名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 16:22:45 ID:cIAyj3nL
ところで、ageて桶?
382名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 21:43:35 ID:5VEAgc4P
>>381
空気嫁
383名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 08:53:56 ID:4zIi6EzF
てっきり「保守すればいい」で終わりだとorz
384名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 21:51:43 ID:Ld0/FSjM
>>363
        ☆     〃  ∧_∧
          ヽ ___\(\・∀・)
             \_/⊂ ⊂_)_
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/
385田舎王子:2007/06/11(月) 00:44:33 ID:JEOyoH+c


 リッチモンド家は、ダルカザル王国北端、カザム地方を代々治める領主の家系である。
 領主といっても小村と険しい山だけの土地しか持たない、辺境の田舎領主になる。厳しい自然環境に少ない産業、
戦略的な価値もない地理的条件と、誰もが統治をいやがるカザムを代々治めてきた。
 少年リッチ・リッチモンドは、そんなリッチモンド家の若き当主である。
「で、あの娘今どうしてる?」
「さぁね。知ったこっちゃないわ」
「さぁねってお前」
「そんなことより」
 そう言って彼の股間の前に跪いた同じ年ほどの金髪の少女は、屋敷の警護担当キネリルカである。
 さっさとズボンを降ろすと、何の抵抗もなく目の前の肉棒を咥える。ちゅぅと音を立て、上目で見つめながら吸い上げる。
やがて顔が前後に動き始めると、リッチに腰が抜けるような快感が走った。
 それを見ていたずらに笑うこのリルは、亜人と呼ばれる存在である。
 人間と同じかそれ以上の知能を持つ生物は、生態がどうであれ皆亜人と定義されている。亜人は国によって迫害されて
いる場合もあれば、人族、いわゆる人間と同じように暮らしている場合もあり、このダルカザル王国においては人と同等の
権利を与えられている。
 キネリルカは、リエンラという名の亜人であった。
 可憐な顔立ちに勝ち気な瞳、深い緑色の瞳。細身の体と発展途上の胸からは、独特の幼さを感じさせる。
 リエンラは比較的人間に近い容貌をしてるが、皆、頭やこめかみに立派な角を生やしている。
「うっ」
「んぐ、んぐっ」
 しばらく耐えていたリッチだが、健闘空しく妙技に屈し、達すると同時に精を放ってしまった。
 ごくりと精液を飲み干しても、少女が股間から離れることはない。見下すような笑み浮かべると、また舌をちろちろと延ばし
始めた。
 すぐに亀頭にまとわりつくその長い舌は、十代そこそこという年齢に合わない滑らかさを伴っている。
「今度はあたしの頭を押さえて、それで自由に動かしてくれていいから」
「それより、俺の話聞けよ」
「うっさいわね、せっかくこのあたしが言ってあげてんのに……」
「へーへー、わかったよ」
 この極めて短気な少女には逆らわないのが、リッチモンド家暗黙の了解になっている。この歳、この華奢な体格で警護担当に
なっている理由を考えれば、ごく当然のことだ。
 リッチは言われた通りに艶のある金髪を掴み、己のそれを根本まで入れてやった。
「んっ……んっ」
 ぬるぬるっとした感触が包み込む。そのままおずおずと、前後に動かし始めた。
 キネリルカの方は肉棒を喉まで咥えながらも、両手を尻の方へと手を回し、なで回しながら再びその行為に耽っている。
「…… ?」
「あんたも脱ぎなさいよ」
 と、突然彼女が行為をやめて立ち上がったと思うと、穿いていたスカートを脱ぎ始めた。
 降ろしたその下から、細く白い足と、レースが入ったショーツが姿を現す。いつの間か上着も脱がされ、完全な下着姿となった。
 言われるまま、リッチも上着を脱ぎ捨てる。
「ほらっ」
 右手をグイッと引かれ、彼はリルの若い乳房に押し込まれた。
「そういえば……二人きりになるのって、久しぶりじゃない」
「まぁ、そうだな」
 そこにあったのは、一点の曇りもない少女の体だった。
 輝く肢体、滑らかな曲線、わずかに主張する乳房。少年を抱きしめる全てが、完璧な柔らかさを伴っている。
386田舎王子2:2007/06/11(月) 00:54:07 ID:JEOyoH+c
「じゃ、いくわよ」
「うわぁぁ……」
 ささやくと同時に耳を甘噛み、長い舌が入ってきた。ぞくりとした感触が、全身を巡る。そのまま地面に寝かされると、彼女が腰の
上辺りで中腰になった。
 そして、
「……」
「いっ、いきなり!?」
「んふっ」
 ショーツがずらされ薄い茂みが見えたかと思うと、独特の肉感が訪れる。肉棒は見る間秘裂に包み込まれていった。
 既に濡れていたらしく、何の抵抗もなくキネリルカは腰を下ろしてしまう。
「いきなりで、入るんだな」
「あたしをこうしたの、どこの誰だと思ってんの?」
「……」
 やがて彼女は、腰を激しく動かし始めた。
(ぬ〜〜〜)
 腰のあたりを中心に、全身から力が抜けてしまうような快感の波が走る。
 彼女は官能の表情を浮かべ、息がかかる程目の前で見つめながら、腰を振っている。レースの下着からのぞく薄い茂みが、
妙に生々しい。
「そういえば、あんたの初めての相手って、誰?」
「くぅぅ……」
 耳元で吐息混じりに、キネリルカがささやく。
「言いなさいよ」
「覚えてないって」
「ホントに?」
「嘘ついてどうす……んむっ」
 精一杯余裕をみせようとする唇が、彼女のそれによって塞がれた。
 ついばみ、吸い、舌でなぞり、口の中を激しく蹂躙する。両腕を首に回し悩ましい舌の動きで愛撫すると、さらに、
動物のように彼の顔まで舐め始めた。
「……おい」
「え? ……あん」
 反撃とばかり、その桃色の乳首をそっとつまんでみる。
 ここに来て、初めて甘いあえぎが漏れた。
「……ぅん……あっ、あん、はぁ……ん」
 そのまま両の乳房への愛撫を開始した途端、キネリルカは吐息混じりであえぎ始めた。
 一点のくすみもない完璧な肌と美乳である。乳首にふれるかふれないかの辺りを、舌でゆっくりを舐めていく。
左手でやはり乳輪のあたりを撫でながら、焦らすように愛撫を重ねていく。
「あ、あっ、ん……あん」
 今まで冷静だった彼女の、思わぬ嬌声。だがその間も、腰は止まらない。
「……リッチぃ……」
「っ……も、もうヤバい」
「!」
 とその瞬間、彼女はさっと体を離してしまった
 何をするかと思えば、とどめとばかりに、再び股間に顔を近づけ……
「まっ、またか!?」
「んふっ」
 萎えかけているそれを咥え、愛撫を始めたのだった。
387名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 15:08:14 ID:/8SnbnF2
あげ
388名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 23:36:17 ID:6kYpM63L
続き!続き!ワクワク
389田舎王子3:2007/06/14(木) 02:01:29 ID:9RhfGvMM
「例の女なら目が覚めたって、ルウが言ってたわよ」
 満足したのか、ようやくキネリルカが質問に答えた。
 例の女というのは、今朝早く屋敷があるアルムの村近くで倒れていた少女のことである。木を切り出しに行った
村人が発見し、その身なりの良さから位の高い騎士に違いないと、この屋敷へ運ばれてきた。
 さっそく階下へ降りて、少女が運び込まれた客室へと向かう。
 と、
「わっ、若様大変です!」
 リッチモンド家の侍従長兼財務担当、小太りのコリンがドタドタと走ってきた。
 息を切らし、慌てた様子で顔面蒼白になっている。
「例の娘が、はぁ、目覚めた途端、あ、暴れ出したんです! それで……」
「それで? 今どこにいる?」
「ルウ殿が取り押さえまして、はぁ、若を地下倉庫へ、呼べと」
 息を切らせながら、コリンが必死に事の次第を話す。
 が、ルウが応戦と聞いて、リッチはいくらか安堵した。
「地下倉庫……アイツ何かする気ね」
「だ、大丈夫でしょうか? どうも、あの娘はただの騎士とは」
「まぁ、大丈夫だろ。コリンは仕事に戻っていいぜ」
 首をかしげるコリンを落ち着かせると、二人は地下倉庫へ向かった。
 急な階段を降り、ほこりっぽい倉庫をかき分け奥のカギのかかった部屋。見ると、カギは空いている。
「ルウ」
「! 二人とも」
 リッチ達を迎えたのは、執事服を着こなした銀髪の麗人だった。
 尖った耳と犬歯、黒一色の瞳。透き通るような肌に、どこか神秘的な美貌。ルウはリッチモンド家の執事であり、
ノアという種族の亜人である。
「ハダカにして縄で縛るなんて、ちょっかい出そうとしてんじゃないわよ」
「凶器がないか検めていたんだ。君と一緒にするな」
 奥の壁に、下着姿の少女が見えた。
 歳はまだ若く、十代ほどだろうか。短い黒髪に大きな瞳、どこか品のあるその顔立ちには、凜とした美しさがある。
 来ていた軽鎧は脱がされ、脇に放り出されている。少女は天井から下がった縄に両腕を縛られた状態で、気を失って
いるらしい。
「コリンに聞いたぜ。いきなり暴れ出したらしいじゃねえか」
「目を覚ました途端、額の手拭いを変えようとした僕の手首を折りにきたんだ」
「で、こうして縛り上げたってワケ?」
「ああ」
 少女は上下とも、色気のない黒の下着である。しなやかな体は引き締まっており、形の良い胸はそれなりに主張している。
体に傷が付いていない所を見ると、まだ駆け出しか、それなりの地位にいる者らしい。
「それより二人とも、これを見てくれないか」
「何これ? ずいぶん小さな短剣じゃない」
「……こりゃ、ミシェラント王家の紋章じゃねえか」
 ルウが手にしている短剣を見て、リッチは驚きを抑えながら言った。
 ミシェラントといえば、ダルカザルと十年ほど前まで戦争状態にあった国である。今でこそ停戦協定を結んではいるが
両国の対立は続いており、小さな小競り合いでも再び戦争状態へ突入する可能性を含んだ、危うい関係が続いている。
 その程度のことは、辺境の田舎者とはいえリッチも知っていることである。
390名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 02:17:06 ID:8Dk42mOC
わっふるわっふる
391田舎王子4:2007/06/14(木) 02:24:31 ID:9RhfGvMM
「僕の予想だが、彼女は王族か、それに準ずる位の人間の護衛部隊だと思う。この短剣と軽鎧を着ていた事実から
見ても、可能性は高い」
「つーことはやっぱ……護衛してたお偉いさんも、こっちに来てるよな? たぶん」
「だろうね」
「当たり前じゃない」
 平然と答える二人とは対照的に、リッチは頭を抱えてしまった。
 一般民衆の入国さえ閉ざしているダルカザルに、このような少女が護衛する位の人間がいるとわかれば、どんな
騒ぎになるかわからない。場合によっては、このリッチモンド家など簡単に潰されることも考えられる。
「それで? この女」
「んっ……」
 と、キネリルカはおもむろに少女に近づくと、下着の上から左の乳房を揉み始めた。
 少女の息が乱れ、体がよじれる。
「これからどうするの?」
「あっ……ふ……」
 乳首の周りを焦らすようになぞっては、指で弾いてやる。
 少女から声が漏れ、反応が段々と大きくなってきた。
「とにかく、まともに話ができるよう落ち着かせるんだ。そうしないと話が進まない」
「問答無用で言うこと聞かせりゃいいのよ、人族なんて。いざとなったら消せばいいし」
「ていうか、お前なんで乳いじってんだよ」
 リエンラはプライドが高い種族ではあるが、キネリルカは特に他の種族を見下す傾向が強い。
 根幹の部分で人族、つまり人間を下等に見ているふしがあり、このような発言も決して珍しくない。
「う、うぅ……」
「おっ?」
 と、ここで少女が目を覚ました。
 ぼんやりとした眼が、ゆっくりと開いていく。
「っ!! なっ、何をしている!? 離せっ! 貴様!」
 そして自分が置かれた状況に気付いたらしく、少女は全身で暴れ始めた。必死にもがいてみるが、両腕に巻き付く
縄が解けることはない。
 と、リッチがまず口を開いた。
「えーっと、まずはこんな格好にさせて悪かったな。俺はリッチ、一応この辺りの領主を…」
「この外道が、何をするつもりだ!」
「……あら、そうですか」
 やれやれと、リッチが肩をすくめる。
 そしてため息を一つつくと、そのままルウ達を部屋の隅へ集め、何やら耳打ちを始めた。
「どうするよ? 案の定何か怒ってらっしゃるんだけど」
「だーかーら、あーゆー女は力で黙らせるに限んのよ!いいじゃない、実際にあたし達は敵なんだから」
「敵じゃまずいだろ……何とか、何も見なかったことにできればいいんだけどな」
「あんたねぇ、よくその目むいてあの女見てみなさいよ! 全然話のわかる状態じゃないじゃない」
「まあ、そうだけど……  ってルウ?」
 リッチが声をかけるが、ルウに反応はない。
 わずかにうつむき、黙って立ちつくしている。目は半眼でぼんやりとしており、意識がないようにも見える。
「……おいおい、こんな時に……」
 勘弁してくれ、といった顔でリッチが呟く。
 そして、ルウの目がゆっくり開かれたかと思うと、なぜかその場で伸びを始めた。
「……   んっ、んんんん〜〜〜 ふわぁぁぁ……」
「!? なっ、何を……」
「ふぅ」
 眠りから覚めたように、あくびをひとつ。
 そして、リッチの方へゆっくりと向き直った。
「話は全部、聞いていたわ」
 どこか雰囲気が変わったルウが、穏やかな口調で言った。

392名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 21:56:03 ID:cWB0Hv4X
書きながら投下するのは避けた方が良いかと。
393名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 19:32:42 ID:4+Ny6Qpz
テカテカしながら待つ!
394名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:12:32 ID:5jQLHeUi
無料、無償、で作品を投下してくれている皆様に対して書き方での文句を言うのは良くないのでは?
書きながらの投下で良いと思う。月刊誌や季刊誌のつもりで、待つのが良いのでは?
何かしらの形ある代償、対価を渡しているのであれば、話は違うが。
395名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:24:57 ID:EFsvslj7
>>395
「書きながら投下」の意味を間違えてると思う。
連載形式がいけないって意味じゃないよ。
その違いや弊害をここで詳しく説明するのはスレ違いなので、
何がいけないのかどうしても分かんなかったら
書き手でも読み手でもいいから控え室スレにでも行くといい。
396名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 22:56:49 ID:kPz/WJk1
俺たちはカキながら待ってます。
枯れる前に投下を! w
397名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 05:06:17 ID:Zehe+cDp
書きながらの投下は全然構わないけど、
「今回はここまで」とか「続く」とか、ここで一段落だって言うのが分からないと、
感想とか書きにくい。
398名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 06:42:57 ID:z1LjrPoX
そのコメントがどのタイミングで為されるかわからないから、書きながらの投下は忌避されるんじゃないのかね
399名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 10:26:36 ID:0EJlY1vC
>>395
自問自答か?ご苦労様

>>397-398
作者優先に決まってるだろ?
感想投下タイミング?それは読むほうで気を配るところだろ?
まあ「続く」「終わり」「今回はここまで、以後次回」などと添えてくれれば、ありがたいけどな。
400名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 13:12:12 ID:N8MEO9J8
このスレには一人の作者とその他読者しかいないわけじゃないだろう。
他の作者が邪魔しないようにと待ってる可能性を忘れてないか?
401名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 13:46:28 ID:hVg7ZwYo
>>399は社会に適応できないかわいそうな子なので、
構わずにスルーしてあげてください。
402名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 00:14:15 ID:xCkiid5O
ワクテカしながら待つ!
403名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 16:59:40 ID:M7x/WcBu
>>399の鼻息の荒さが面白い
404名無しさん@ピンキー:2007/06/22(金) 20:44:38 ID:Gmf154gJ
他の投下者をみれ
たいていここまでとある

みてる側他投下者のためにも区切り宣言はあったほうがいい
405385:2007/06/23(土) 18:14:49 ID:PemEixNB
区切り宣言入れるので続き書いていいですか
406名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 19:09:26 ID:f5Nnixjd
>>405
大歓迎だ!!
407田舎王子 1/3:2007/06/24(日) 02:32:41 ID:G/sfSHGI
「あーあ、邪魔なヤツが出てきちゃった」
 両手を後頭部に当て、キネリルカがわざと聞かせるように漏らした。
 ルウは両肘を抱き、穏やかな表情でリッチを見つめている。その視線には、明らかにある種の熱が見て取れる。
立ち姿、表情と全てが先程とは打って変わり、女性らしい雰囲気をまとっている。
「……誰が?」
「あんたよあんた。いきなり出てきて何のつもり?」
「それより……」
「それより? ……んむっ!?」
 キネリルカに近づいたと思うと、ルウは突然彼女の唇を塞いだ。
 動けないように後頭部を手で押さえ、舌を激しく絡める。見る間に、キネリルカの額に血管が走った。
「ぷはっ…… ……いっ、いきなり何してんのよ!?」
 慌てて突き放し、キネリルカが怒鳴った。
 本気で嫌だったらしく、顔は青ざめている。ルウは唇をそっと指でなぞると、鋭い視線を向けた。
「リッチ君の味がする」
「!」
「抜け駆けしたのね。でも許してあげる」
「しょ、しょうがないじゃな……えっ?」
 ルウはきびすを返すと、捕らわれの少女の元へゆっくりと近づいていった。
 突然の変貌に、少女はただ驚いたように呆然としている。
「コイツ、こういう種族なんだ。男と女、両方持ってるっつうか……一つの体に二、三人がいるっつうか」
 すっかり参った様子で、リッチが言った。
 ルウの種族、ノアは比較的人間に近い容姿をしているが、決定的に違う特徴がある。両性具有、さらに多重人格という
点である。人間の場合、このような人々は大概異端として奇異の目に曝されがちだが、ノアの場合はごく自然の特徴である。
「ちなみに名前も別で付いてるぜ。コイツはルルカってんだ」
「……二人とも、ここはボクに任せて」
「? 任せろって、何か考えでもあんの?」
「ええ。だから、ここは二人きりにして欲しいの」
 そう言って、無表情だった顔がわずかに微笑んだように見えた。
408田舎王子 2/3:2007/06/24(日) 02:35:36 ID:G/sfSHGI
 リッチとキネリルカが上階へ上がると、再び地下倉庫を静寂が支配し始めた。
 ぎしぎしと鳴る縄と自らの心臓以外、少女に聞こえる音はない。明らかに様子が変わった銀髪の麗人に対する、
言いようのない不安が胸のうちに渦巻いている。
「私を……どうする気?」
 精一杯睨み付ける少女の額に、既に汗が滲んでいた。
「危害を加えるつもりはないわ。だから、あなたも冷静になって欲しい」
「人を捕らえておいて……!」
「目を覚ました途端、私の手首を折りに来たでしょう。こうされるのは当然じゃないの」
「突然振る舞いを変えたり、ふざけたマネをしたり……何を言うの」
 ルルカはため息をつくと、そっと少女に近づいた。
 警戒するように、少女がきっと固くなる。
「少し痛いわ」
「なっ!? やっ、やめ…… 痛っ!」
 耳元に顔を寄せると、少女の耳たぶに歯を立てたのである。
 そのまま滲んだ血を舌で舐めとり、ゆっくりとそれを吸い始める。左手を少女の頬に添えながら、地下の空間に
その水音が響いた。
「気分はどう?」
「気分なんてそんな…… うっ!?」
 言いかけて、少女の言葉が途切れた。
409田舎王子 3/3:2007/06/24(日) 02:38:10 ID:G/sfSHGI
 ふいに心臓の鼓動が大きくなったかと思うと、体中の血液が沸騰したように、体温が上がっていく感覚が少女を
襲った。
「こ、これ……あっ、あぅっ……!」
 まだ十代半ば程の少女にとって、未知の感覚が生まれる。下腹部に言いようのない熱さが沸き、感じたこともない
せつなさが駆けめぐっていく。
 自然とその両足が、下半身のうずきを覚まそうと悶え始めた。
「んぅぅ……えっ?」
「……可愛い」
「うっ、うあぁぁっ……! や、やめ、見ないで……!」
 少女の頬を手でそっと挟み、慈しむような瞳で囁いた途端、さらに少女に強い感情がわき上がってきた。
 自分を捕らえた相手であるはずのルルカに対する、生まれて初めての欲望。会って間もない彼女に対し、信じられ
ない感情である。
「どうしたの? なぜボクを見ようとしないの?」
「いっ、いやぁ……!! 違う、違うの」
「力、抜いて」
「いや、やめ、あ…んん…!!」
 ルルカは強引に顔を自分の方へ向けると、少女の唇に自らのそれを重ねた。
 湿った音と共に、ルルカはより深く唇を絡めていく。少し吸い、舌で内側をなぞる。片手で少女の腰を抱き寄せ、
足を股の間に分け入っていくと、彼女の体が震えた。
 動きが止まり、体から力が抜け、瞳から必死な光が消えわずかに半眼になった。
「言ったでしょう」
 と、ここでルルカが少女から離れる。
 上着を脱ぎ、シャツのボタンを外し胸元を開くと、そこに真っ白な肌が露わになった。
「ただ、あなたに落ち着いて欲しいって」
「……」
 一点のくすみもない体に、それなりに主張する乳房。
 それを間のあたりにした少女の顔が、徐々に赤らめていった。

-----------------------------------------------------------------------------------------

今回はここまでです
410名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 10:03:59 ID:pPhqxONp
おっおっ
411名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 23:09:18 ID:ZN30dwLX
すごく……いいです。
412名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:52:24 ID:NnF3Lj+G
続き来いよ
413名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 23:29:47 ID:o3xMVn0Q
保守
414名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 23:34:44 ID:44sEpbQu
近々軍隊内恋愛みたいの書こうと思ったが需要ある?
と言うかこの板今、人いる?
415名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 00:52:50 ID:JenzG6wB
過疎ってるしSS歓迎
416名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 01:04:25 ID:heNBR+73
なにげにロム人はいるよ
さあて、裸で投下を待つか
417名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 19:21:15 ID:oMpPE0mw
414だが、中世ならヨーロッパ(と言うか片仮名名前)じゃなくて漢字でも良いよね?
あと内容変わりそう。
418名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 01:15:14 ID:QZPwzm5q
いるよいるよ!人いるいる!
投下楽しみにしてるよー!
419414 中華風1:2007/07/12(木) 23:24:34 ID:X8HVJ56F
世界観まとまったので投下します。(エロなし)
このままファンタジー要素無くて良い?









難儀な話。原因は自分にあると悟れる事なだけに、梢統(シャオタオ)はやり場の無い
鬱々とした思いに駆られた。
この国の中心、円王朝に三代仕える軍人一家で若年十六の当主が、あどけなさも
残る捕虜を、それも異民族の娘を囲ったなど噂が流されては、
歴史に色好きと記されかねないという封建的な理由と、論で無い
人としての道義との間で葛藤して丸二日。
彼女を拾った、兵と現地民の交える白刃と寒気に包まれた北辺の群落。
遠征先と同じ地で繋がっているとは思えぬような華美な装飾の都。
禄に不釣り合いな平素な家の前で、ようやく家に帰ってきたのだと頭が追いついた。
護衛された馬車から未だ昏睡した娘を降ろすとき甘い香りが鼻をくすぐる。
着飾る諸高官の妻や娘の振りまく物でなければ遊技の店から漂う
けばけばしいそれでもない。純粋で甘く儚い。
一瞬幻惑に捕われそうになって梢統は頭を振り少女を寝かせた。
父の代から住んでいるために部屋は幾つかある。召使いは雇わない。家事は面倒と言うほどでもない。
一息つこうと自室で茶を煎れる。父母が死だのが十二歳のときであったから
家督を継いで四年になるが、こんなにも落ち着かないのは初めてのことだ。
寝てしまおう。目を閉じる。雪原と欠けた月、敵将の顔が現れた。

それから三日、出仕はなく家の仕事をした。少女が起きた。当然ながら塞ぎこんでいるようで
部屋から、と言うより寝台からも離れる気配が無い。
起きたら起きたで、今度はどうすれば笑うかを気にかけた。
何のためか、もう訳がわからない。それでも、あの女には笑って欲しかった。
馬の世話をして気を散らそうとしてみているが、あまり効果は望めない。
「どうしたもんかな…」
愛馬はその黒々とした毛を静かに洗われているだけ。
食事はなんとか食べてくれた。
それでも最初は、ひどく怯えていたが、飢えには勝てなかったようだ。
引き下げに行ったとき、料理が少し減っていた。
梢統にとっての幸いは、少女が生きる気力を持っていたこと。

満月は、気を狂わす。
所詮自分はこれを望んでいた俗物なのかと梢統は自分を呪った。
すぐ横の驚いた表情の少女。燭台と月明かり。少女を押し倒した。
ようやく、境遇を受け入れたころのこと。一言二言会話をするようになった。
名を明花(メイファ)といった。民族の血筋で肌は白く、髪は梢統より茶色がかっている。
とにかく喜ばれたさに女心など分からぬまま、とりあえず街で買った髪飾りを渡したとき
、かすかに笑らい、うなずいて見せた。そのとき
不意に抱き上げたときと同じ香りがし、そして気がつけば覆い被さっていた。
「……!!す、すまん」
何をしているのか理解し、弾かれたように明花から離れた。
一体どうした?俺が何でこんなことをしている?
顔をあわせることも出来ず、梢統は鼓動が早くなるのを悟る。
明花は形上だけにしろ捕虜である以上このようなことは、薄々考えていたかもしれない。
「梢様…」
「言うな、俺は・・…俺は、お前が悲しむ真似をしたくない」
何を今更。同族を討ったのは他でもないこの武玄王梢統だ。
「はは、俺は一体・・とにかく失礼した」
寝台から立ち部屋を出ようとした。あんなに見たかった彼女の元から
一刻でも早く去ろうとしていた。
420名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:26:22 ID:X8HVJ56F
すまん今回はここまで、次から(その次になるかも…)
エロに入るつもり
421名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 09:41:09 ID:2YBSPoWY
キタ!キタ!
エロが終わるまであえてGJはとっとかせてほしい
422名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 11:36:27 ID:/+lfCJnE
中華風ファンタジーもイイヨイイヨー!
続き待つ。
423名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 01:06:17 ID:z/sXQzSQ
414です。続き投下します。
見てのとおりエロは次から…orz
424中華風2:2007/07/15(日) 01:07:46 ID:z/sXQzSQ
「っくくくく、円王朝の誇る武玄王が、捕虜一人抱けないか。
なるほど、北伐の事後処理が異様に丁寧なのもそれでか!」
「…・・声が大きい」
帰り道、鶏肉を二本。梢統が奢る事になった。
温安(ウェンアン)字を長東(チャントン)。家絡みの付き合いで、
昔からから互いに相談に乗った竹馬の友である。
今も同じく朝廷に仕える身だ。家柄も高く、『中々喰えぬ若者』と
文官たちは次世代の担い手として期待を寄せられている。
面もよく、話も上手い。妻帯こそしないものの慕い合う女が
居た筈。相談したのはその事もあった。
「で?どうしたいんだよ?」
「どうって…」
言葉に詰まる。考えてみると明花に何を望んでいるのか全く分からない。
ただ笑って欲しいと、幸せでいて欲しいとしか思っていなかったのだ。
とりあえず鶏の腿肉を飲み込み一言。
「笑って、欲しい…のか?」
「俺が知るかよ。それに何だ笑って欲しいって」
「よく、俺にも分からん。ただ笑って欲しいとしか考えてないな…」
温安は少し肉を骨に残し、路の端にいた野良犬に投げた。犬は嬉しそうに
くわえるとそそくさと夕闇に消える。
「もう、追い出すか夜這うかした方が良い」
「なっ!?」
梢統が投ようとした骨は、大きく外れ河に沈んだ。
「一回彼女にお前の本音、打ち明けてみろ。駄目なら諦めろ。
運や巡り合せってのは、あるんだよ。・・・・・・・・そんなもんさね」
「本音なんて、だから笑っ・・」
「惚れてんだよ。どっかで」
一瞬、声を落としてから温安は踵を返す。
「どうした?」
「どうしたって、話してるうちに結構家から過ぎたからな」
違う。温家はまだ先。怪訝そうな梢統の顔に気がついた。
「お前の話聞いてたら、会いたくなった。俺は抱くぜ?」
自分より一つ年上なだけなのに、よく考えていると尊敬したが
要は場数を多く踏んでいるようだ。最近は一人に絞っているから
まだましなものの。
「ところで、今まで女を抱いたことは?」
返答はしない。出来ない。温安の小馬鹿にする笑い声が聞こえた。
425中華風3:2007/07/15(日) 01:08:44 ID:z/sXQzSQ
意は決した。
食事は二人で卓を挟むようになっていた。梢統からそう言った訳だが、あれ以来
言葉も少ない。髪にはその時あげた櫛をしてある。似合っている気はする。
「……明花」
「っはい」
名前を呼ばれ多少動揺したように、目を大きくして返事をする。
初々しいさまに心音が高くなりながらも梢統は続けた。
「その、何も持たなくて良い。後で俺の部屋に来て欲しいんだが、良い・・か?」
更に大きく目を開き、明花の顔は赤くなる。
「しゃ、梢様の・・・・分かりました。準備させて・・・いただきます」
深く頭を下げたまま皿を持って奥へ駆けて行った。
梢統は一人腰掛け、気を吐く。
あれで良かったのか?長東から教わったことは何一つ出来てないで無いか。後戻りは出来んな。
背水の陣。実戦など比で無いほどに緊張していた。
二刻(三十分)。来るまで、軍記をまとめた。廊下からの足音が部屋の前で止まる。
「・・明花です」
「入ってくれ」
小さく音を立て扉を開ける。先ほどと同じく顔は紅潮している。
目が合う。もう目はそらさない。
「座ってくれ」
寝台の自分の隣を指す。明花は小さく頷き一声礼を言うと腰掛けた。
少し沈黙が流れてから梢統から切り出した。
「今日、親友と帰路を同じくしてな、お前との事を相談した」
温安が居たならばすぐさま止めているだろう。こんな無神経なやり方は
言語道断とでも言われるだろう。明花は黙したままだ。
「そいつは俺に明花を寝取れと言ってきた。だが、俺はそんな事はしたくない」
「梢様・・・何を?」
「惚れている。俺が明花にだ。俺みたいな無粋な奴はこうとしか言えん」
言うしか術を考えられなかった。自分が恋をしているのに気づかされてから、
そんな方法しか思いつかなかったのだ。
「俺は、明花を愛しているがそれ以上に幸せになって欲しい。同族を斬った俺だ。
この事が枷になるなら、忘れてしまってくれ。知り合いで養ってくれるあてもある」
言い切った。巡り合せ。良いでないか。やれるだけは、やった。
「梢様は…」
今度は明花の言葉を待つ。干渉もしない、純粋な答えを待つ。
「梢様はずるいです…確かに梢様は一族を斬りもしましたし、皆散り散りにしました。御怨み
申上げる気も最初はありました。ですが貴方様の私どもへの配慮は勝利者のそれの度を超えています。
……こんなにされてどうしていられましょうか」
こんなに明花が喋るのは始めてだって。まだ、言葉を待つ。
「お慕いしております。梢様」
唇を寄せた。ぎこちなく触れ合い、離れる。
「……抱くぞ」
「・・はい、いらして下さい」
一度強く抱きしめた。
426名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 01:10:20 ID:z/sXQzSQ
今回、以上です。
できるだけ早く更新します。エロ苦手だけども・・・。。。
427名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 00:13:12 ID:R26tJkAY
ジラしプレイが上手いお人だな…
続き待つ!
428名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 23:44:02 ID:RhYyOUYf
414です。
投下します。エロはこれで終了ですが、少し後日談を書きたいので
あと一回続きますのでよろしくお願いします。
429中華風4:2007/07/16(月) 23:45:23 ID:RhYyOUYf
柔く、温かい。抱き合う。それだけでも幸せだった。
押し倒しというよりは一緒に跳ぶように寝台に横になった。
木の土台が少し軋む音を挙げてから、会話が途切れる。見つめ合い、
頭を撫でてから上になった。何かを言おうとして明花にさえぎられる。
「大丈夫、です。分かっています」
流石に野暮かと苦笑して梢統は襟に手をかけた。
明花の着物は力なく、はらりと弛んで落ちる。同時に目に入る肌。
白く、一点の曇りも無い。引き寄せられるように見入った。
あってないような胸に劣等感を覚えているのか、頬を中心に身体中が上気
したように朱に染まる。もう一度口付けを。聞き覚えた限りの技法で舌を
割り込む。受け入れるように明花から舌を差し出し、絡ませる。
何処を如何すれば良いか分からないが、気持ちよいのは分かる。多分、明花も。
証拠に二人は積極的に動いた。どちらのか分からない唾液は頬を伝って布に染み込む。
「ん、ふぁあ。ん!」
息苦しくなったのか声が漏れ出したので唇を離した。口内に残った唾液を果敢にも、飲み込んだ。
互いに求めるように、三度目の口付けをしながら舌を唇から頬、首筋、肩のくぼみ、そして
胸へと這わせた。その間、明花は耐えるように震えながらも
首筋のところで一度、声を大きく挙げた。どうしようもなく興奮させる声。
そのまま胸に吸い付く。
「ひゃ!!」
「す、済まん。・・・・・・・だが自分でも、止められん!」
右の突起を舌で弄ぶ。吸い、転がし軽く噛むたびに明花が反応を示し、声を挙げるのが
堪らなく嬉しかった。同時に左を手でつまむ。
「し、しゃ、梢様・・・・これ以上は、きぃ!ふぃぁ!!あぁぁぁぁ!!!」
腰を上げ、背をそらすと明花は身震いするように脱力した。
知識が乏しい梢統でも本能的に絶頂だと感づく。それは軍人の征服者としての
快感と似たものを覚えた。一人の女性が最もはしたない姿を自分にだけ晒しているのだ。
そう思うと何かに勝ったような気がするのだ。
ますます上がる気炎に身を委ねてしまいたかったが、必死で息を整える明花は少しでも
乱暴に扱えばたちまち壊れてしまいそうだったので理性で押し止めた。
不思議と心に余裕が出来た。
「梢様、・・申し訳ございません。一人であられもない姿を・・・・」
「何を。妖艶・・・と言うより可愛いものだったぞ。っと、だが俺も」
そろそろ下がまずい。かつて無いほどに怒張しているのが触らずとも分かる。
帯を解き、張り詰めたそれを出す。明花は言葉に詰まる。
430中華風5:2007/07/16(月) 23:46:51 ID:RhYyOUYf
「では・・・・」
「えっ!?」
「どうした?やはり、嫌か?」
「いえ、嫌ではなく・・・」
何か言いにくそうに口篭もる。
怖いかと尋ねても、違う。
「その、将軍様らは、満足するために・・・・・女どもの・・く、口に挿れるのだと
聞き習って・・・きましたので」
笑った。これも余裕が出来たおかげだろう。
「ははは!そうか、そう習ったか。くく、安心しろ。それはあくまで戯れだ
無理強いはせん。したいか?」
「いえ!あ、梢様がしたいと言われるなら・・・・」
「いい、いい。俺も、遊んでいたらまずそうでな・・・・挿れるぞ」
茶色がかった髪を縦に揺らした。
初めて体験する情交。なんだかよく分からなかったが聞かされていた
本番と言うのが、いまならよく分かる。
小柄な明花の身体に等しく初々しい膣に当てがう。
手を添えながら先端から、埋めてゆく。
「くぅ、ふぁく!」
湿った中は引き込むように梢統の侵入を受け入れる。
壁。『初めて』の証拠に立ち止まる。
「いいんだな?」
聞いたきり、返事は聞こえない。ただ首筋にかけられた腕を了承ととり
力を込めた。鈍い音は一瞬、明花の顔を歪めさせた。
「痛いか?」
「大丈夫です。もっと・・・貴方の、お好きな・・ようになさって下さい」
ずぶずぶと棒を沈めこむ。全部入りきると、引き戻す。
凹凸のある内部の壁は分身を伝って、梢統に絶え間なく快感を送りつづけた。
「はっ!はっあん、梢様の・・・あぁぁく!」
明らかに先ほどと違う明花の反応。
淫核をこすったようだ。加虐心が湧く。
「明花、ここか?」
「そんな!梢様!!んぁん!きゃぁぁあ!」
狙った一点に擦り付けるように腰を振ると、いとも簡単に昇天してみせた。
脚を梢統の腹に絡め、更に密着する。口付けをし、互いに唾液を注いで、飲んだ。
次第に動きは水音と共に大きくなり、そして
「うっ!く!!」
「ひゃ、ひゃおっさま!!し、梢様!!」
一際大きな快楽の波と同時に明花の中で精を放つ。
脚をだらんと垂らし倒れこむ。
「明・・花」
梢統もそのまま重なるよううに寝込んだ。
431名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 23:49:16 ID:RhYyOUYf
以上です。
後日談は短くなると思うので、明日くらいには。では。
432名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 14:47:58 ID:bH2aPaXN
>>431
GJ!
しっかし人いないな。
433名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 23:40:33 ID:iaEl2WZU
414です。最後出来たので投下します。
434中華風〜後日談・終〜:2007/07/17(火) 23:42:10 ID:iaEl2WZU
それから一度情事はしていた。それはいつものよう終えた後、二人で
寄り添っていた時のこと。慣れたのか、すぐに眠ることはない。
梢統は何か小箱を取り出した。
「なぁ、明花」
「はい」
「手、出してくれ」
分からないまま差し出された、手首を握った。
梢統は小箱から小さな指輪を取り出す。
「・・・これは?」
「西方では古来から伝わる伝統らしくてな」
そこまで言うと賞等は一度大きく息をはき、続けた。
「男から求婚する際に渡すらしい。分かるか?」
察しがついたのか顔は緊張し赤みがかる。切れ長な眼は
大きく開いてこちら見つめてきた。
「明花、結婚してくれないか?」
「・・私とで?」
「他の明花はいないだろうに。明花。お前だ」
混乱しているのか言葉を失う。
「で、っでも私のような者では・・・」
「家柄も、世間の目も気にするな。梢洪台(シャオ・ホンタイ)が
明花という一人の女性を愛している。それだけでいい。俺はそう思う」
梢統も言い切ると顔を赤くした。
「まったく、貴方様は・・・私に良くし過ぎです」
もう一度、まったくと呟くとしっかりと見つめた。
「私でよろしければ、喜んで一生お供いたします」
「明花で良いのではない。明花がいいのだ」
そっと細い指に輪をいれる。何のこともない動作が
二人には何刻も続いたように感じられた。
何も言わずとも唇を寄せ、二人で眠りについた。

後の事。車騎将軍の息子の髪が、茶がかっている理由は両親と幼馴染の
相国しか知らない。
435名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 23:43:36 ID:iaEl2WZU
以上です。
長々と、お付き合いありがとうございました。
436名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 22:34:37 ID:0D2/uHSO
人、いる?
437名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 23:08:17 ID:IHNkMZAc
ROMならここに。
438名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:48:36 ID:xFRdrYTk
人いるよ!

中華風の人ありがとうございました!
中華風ってのも新鮮でいいね〜
439名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:06:16 ID:gezE1CRu
中華風の者です。
本当に拙い作品にコメントありがとうございます!
調子に乗っていくつかシチュ考えたんですが…

1・中華風続き
2・中華風別話(温安とか)
3・最初に言ってた軍内恋愛
4・半分人半分モンスター男×女




3・4は西洋風(?)かと。
まだ書くかすら決まってせんので、皆さんの意見をお願いします。
440名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:54:14 ID:vO8RkMiN
4希望
441名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 07:27:16 ID:xd9sRY1s
>439
はら○いらさんに全部
442名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 03:11:19 ID:l5fb6RRm
2番にアタックチャ〜ンス!
443名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 18:13:12 ID:QsLZFCt4
1をおながいします。
444名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 21:40:51 ID:KuBQ08YJ
439です。今2に手をつけてます。
>>440
文章・設定がまとまらず保留させて下さい…

恐らく、2→1で二本続くかと
445名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 08:56:03 ID:TFWc5BCs
人に意見聞いておいて、それは設定がまとまりません云々ってあんた・・・
446名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:42:28 ID:5c7oBLQu
本当に申し訳ない。
まとまり次第手をつけてくので…
447名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:24:02 ID:ryM+odTZ
414です。
結局2と4をあわせることでやってみました。
入りだけ投下します。
448亜人系 1:2007/07/26(木) 23:27:27 ID:ryM+odTZ
小さく火を吹いた。龍の血は、薄くない。
文。それも祝いの文章。
一月に梢統が、祝言を挙げた。続いて触発されたように温安も
同じ月のうちに、娶ったらしい。
友として祝うべく会いに行きたかったが、無理である。
アル=フロイセンは遠く西の地にいた。龍の血を引き継ぐ少し赤みがかった髪と
整った目鼻立ち。歳は十七と梢統より上だが、背丈は高くない。そもそも梢統と知り合ったのは
数奇な運命かもしれない。今と変わらずエラサレス王朝の『龍槍隊隊長』、友好関係を保つため
増援として参戦した先で、知り合った。指揮が巧い。特に
歩兵隊を見事に動かせて見せた。同じほどの歳であるだけにライバル意識が生まれた。
「馴染めたか?」
夜、アルの幕舎に訪れて最初に聞いてきた言葉。それが精一杯覚えた言葉だったらしく
あとは、酒を頼りに手振り身振りで話した。
結局、東西連合は戦争に圧勝。かなりの余裕が出来るはずだったが
今後の二国の協同に話が長くかかり、予定以上に異国の地で過ごすこととなった。
その間、梢統と語る時間が出来た。一ヶ月もすればお互いの言葉に支障はない。
始めて見る類だが、好きな人間だった。美味い店があるのだ、とわざわざ貧相な食堂にも行き
名もない民と酌み交わす。大抵初見では気味を悪がる龍の血も、格好が良いと
憧れてきたときは思わず声を出して、笑った。
そんな梢統の事だ、惚れた女なら仮に異民族であっても厭わないだろうと小さく笑う。
「だったら俺とは真逆だな・・・・」
龍族。そういうものが、いるのだ。幾代も前のこと。龍の血を啜った一族の者が稀になるらしい
火を吹き、尾が生えている。腕は鱗の名残か硬くなり、流れに合わせれば矢程度ならはじける。
腕力だけで石を砕くのも難くない。
異質であった。
魔族だと忌み嫌う者もいる。世間など、そんなもんだ。アルは宿命だと割り切っている。
今一緒に紅茶を楽しむ少女。彼女は受け入れてくれる一人。
理解されるのはほんの一握りで十分だった。
背の半分まで伸びたブロンドの髪。屈託のない穏やかな美貌。
リファ=エーゲナー改めリファ=フロイセン。妻である。どちらかと言えば
恋人や馴染みと言ったほうが似合いそうな気もする。
上官の計らいで娶ることになったが。情けないことに、未だに
話すと心音が高鳴ることがある。結婚してから、惚れた。
「クッキー」
「ん?」
「焼いてみたの。どう?」
仮にトカゲの炭焼きが入っていても不味いなどはアルには言えまい。そもそも不味くない。
「美味しいと想うぞ」
リファが屈託なく笑って見せるとアルは顔を赤くした。
「あっ、と。そういえばリファ・・・」
毎回これは、心臓に悪い。龍族で最も難儀な所だ。
「『そろそろ』なんだが、あ〜」
「分かってる。大丈夫・・だよ?」
リファまで赤くなり、恥ずかしさごまかしにクッキーに手を伸ばした。
449名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 23:31:53 ID:D+wEwa5I
諸事情でID変わってるが414です。
今回はここまで。
迷惑かけて申し訳なかった。
450名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 23:33:15 ID:4lXADFAk
age
451名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 23:42:23 ID:2u/kOJIJ
あげ
452名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 01:04:51 ID:4N+AX9kO
>>449
期待してるから頑張ってくれ。
453名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:23:26 ID:4Hq6s1W9
414です。
続き投下します。
454亜人系 2:2007/07/30(月) 00:25:52 ID:4Hq6s1W9
優雅、ともいえないが微笑ましい朝食を済ませて、仕事に向かう。
今日は毎月行なう調練で十人の将校と刃を交える日。一種デモンストレーションだが、こうすると
向上精神からか団結力も士気も上がるのだ。内で競り合う隊。アルの理想の組織が出来る。
木剣。それに尾。一人目が渾身の力で薙いできた。肘で、空いた脇を打つ。将校は息がままならず
倒れこむ。
「同時で構わん!」
アルの叫び声と同時に一人、飛び掛る。一人の手首を叩き、得物を落とさせた。
棒を顔の前に突きつける。その間に背後から跳んできた、二人がアルの尾で叩き落とされる。
雄たけび。駆けて来る四人にすれ違いざまに、鳩尾を突く。汗。見守る兵の額は濡れている。
一人の脚を払い、崩す。最後に、尾を
気がついたときには将校十人全員が倒れていた。
龍槍隊と名乗るだけに、隊員は全員が龍族だ。アルは中でも、異常だった。汗も少ない。
木の棒を三度小気味よく音を立てながら地を突き、自慢げに笑って見せた。
「終わり!!明日は・・・・・休み!」
はちきれんばかりの兵の声。その中心で笑うアル。
それは怪物じみた王国最強の将軍ではなく、言うなれば悪餓鬼どもの大将格のような顔だ。
酒を持ち出して、階級問わず専用調練場で騒ぐのは龍槍隊の恒例行事。
激しいときは、アルが頭から酒をかけられることすらあった。
そんな不良でも実戦では並み軍隊では一刻と持たない。
常人と比べ圧倒的に強く、好戦的。種族的に有利な龍族。その龍族の最大の欠点。
欲求が定期的に理性を勝る日がくるのだ。
下手に抑えようとすると、気が狂う。はたまたなりふり構わず、犯すしかなくなる。
そうなった者を何人か都市の牢獄で見たこともある。
アルが初めてそれに襲われたのは四年前。まだリファが嫁いでくる前
のこと。押さえきれぬ肉欲を娼婦が喋らなくなっても続け、晴らした。
死んでいた。いつ死んだのか分からぬほど狂ったように抱いたのだった。
二人を壊してしまってようやく、『対策』を見つけるに至った。
『来る』前に情交で晴らす。それしかなかった。
だからリファとは定期的に体を重ねることで、発狂するのと、何より
リファを殺してしまうのを防いでいた。今回はこれで五度目。毎度申し訳ないと想う。
自分が愛すれば、愛する程リファを苦しめている気すらした。
が、だからと言って結局どうする術もなく、結局家に帰りリファの部屋を訪れた次第だった。
やはり、気まずいものがあるのかリファはベットの中で赤くなっている。
「スマンな。本当は・・・・・」
「いいの。アルちゃんは謝らなくて」
「アルちゃん、か慣れな・・・」
バスローブのアルの手を、そのまま体をリファがベットに引き込む。
地上最強の龍族もたった一人の女性に敵わなかった。
アルが倒れたことでベットが少し弾んだのを楽しむように笑う。
「分かってるから」
「何を?」
「私を、本当に大切に想っていてくれてるんだって。
国でも最高峰の軍人なのに、奇人の学者の娘でも愛してくれてる」
瞳が潤んでいた。溢れそう溜まったのを、知らぬ間にアルの指が拭う。
「アルちゃんと居る。それが本当に幸せなこと。だから
私の全てを貴方に捧げるの」
そこまで言うと言葉を失った。
もう言葉は必要なかった。
455名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:30:34 ID:4Hq6s1W9
今回は以上です。
短い上にエロ入れず、スマン・・・
続きは更に時間かかるかもしれない。重ね重ね申し訳ない。
人がいたらコメントでも保守でも御願いします。
456名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 04:48:49 ID:j5feOgCt
いるぞ。そしてGJ。
まあ、のんびり楽しんで執筆してくれ。
457名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 08:55:16 ID:+az5hfjg
保守してくれるわッ
続き! 続き!
458名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:41:21 ID:IiEMYRk0
お待たせしました。414です。
ラストまで一気に投下します。
459亜人系 3:2007/08/04(土) 23:42:34 ID:IiEMYRk0
俺のものだ。アルの意志とは別に体が叫んでいた。
「アルちゃん・・・・」
服は既に剥ぎ取られ、床に散乱している。ベットの上で二人は
腰掛けるようにして向き合った。最愛の夫であっても怯えている。
分かっていても、止めがたかった。まだ『来ていない』
とは言え、いざとなると体がひとりでに動くのだ。
「済まん」
短く、それしか言えなかった。目の前の柔肌。血が疼く。
「ひゃは!アルちゃん。んく!!キ、キスして・・・」
いきなり胸のふくらみを揉むアルに、小さく嘆願した。
応えるようにアルが唇に吸い付く。舌を絡めると、少し口を離す。
互いの間で、舌と舌交わらせているのがありありと見える。少し
意地悪になるのが好きだった。唾液が二人の間で垂れ落ちる。
アルの思惑通り、次第に顔を赤くするリファ。舌に集中しながらも
羞恥心で瞳が潤む。やりすぎると泣き出しかねないと、一度、唇をつけてから離れた。
「っ・・・」
「やりすぎたな・・・ごめんな」
一度鼻をすする音を聞きつつも、再び柔らかな胸に手を伸ばす。
リファはアルと同年、つまり十七であるが発育は良い。
アルの手が動くたびに、その乳房は自由に動いた。
「やっく!ふ・・・・ん!」
しなやかに体をくねらせ、合わせるように艶やかな声を漏らす。
顔をうずめ、吸い付き、渇いた獣のように暴れた。
「ひぐっ、っちあ!!んんん!!」
弓なりに躯をよじると、ぐったりとアルに体重をかける。
じわりと、秘部からシーツへ、愛液が伝う。鼻先にまで迫る髪を撫で、強く抱きしめた。
「リファ・・・・・」
まだ、浮ついたままのリファを寝かし、重なるようになってから秘所に手を伸ばした。
手を掴まれる。
「だぁ・・め。はぁ。アルちゃんが気持ちよくならなきゃ・・・・・ね?」
弱々しくもしっかりと握った手に従い、アルが横になった。
「私だった・・・・・出来るよ?」
460亜人系 4:2007/08/04(土) 23:43:49 ID:IiEMYRk0
大きく下にさがり、アルのに触れる。
先端に少しゆっくりと顔を近づけ最後にこちらを見た。こんなのは初めてだ。
「無理・・・・しなくていいんだぞ・・・・・」
大丈夫。と小さく呟いた息が性器に妙な感覚を引き起こさせる。
そのまま、よそよそしく先端を飲む。最初、顔をしかめてから我慢するように更に
深く咥えていく。生暖かい、ぞくりとするような快感。舌のざらついた
感触と温かい口、くちゅくちゅと卑猥な水音。何よりおぼつかない表情で
懸命にフェラチオをするリファ。それらの全てがアルを刺激した。
「っ、離れ!!」
離れるのが一瞬遅れた。思い切りリファの口内に吹きだしてしまった。
リファはどうすることも出来ず、アルのを溜め込んだまま、苦そうに
眉間にしわを寄せている。ふと、何か吹っ切ったのか一気に精を飲み下した。
「お、おい」
「っこほ!けほ!!気持ちよかった?」
上目遣いで咳き込みながら笑って見せた。彼女なりの情事での尽くし方だったのだろう。
淑女などとはかけ離れた、天真爛漫な少女だがどんなladyと呼ぶべき夫人と比べても
恥ずかしくない。
「ありがとう・・・・けど、もうそんな無理しなくて、いいから」
微笑みかける。気を良くしたかリファも屈託なく笑い返してくる。
一度、頭を撫でると眼で合図をとって、互いの性器をつけた。
「うん・・・・来て」
461亜人系 5:2007/08/04(土) 23:44:45 ID:IiEMYRk0
すでに雄を迎える準備の整ったように、秘所は濡れ、肌は上気している。
爆ぜる。アルの血が一層わめき出した。腕と尾でリファの躯を軋む音がしそうなほど
締め付け、密着しズブズブと分身を体に挿入していく。
「ん!アルちゃ・・・・・すご・・・きあ!」
一気に最深部まで入れ込むと尾を緩めた。
露に結合部が視界に入る。髪をそのまま持ってきたような、ブロンドと猩々色の毛が
卑猥にこすれあっている。悪戯に笑ってみせた。
「もう・・・・アルちゃん、うえっ、ひっぐ、意地悪・・・えぐッ!」
とうとうその嗜虐的な性癖が、少女を泣かせてしまった。
こうなった時このサディストが取るのは動くことしかなかった。忘れるほど快楽を
与えつづけ、ほとぼりが冷めてから謝るしか他ない。
今宵もそれに従い、泣き声を一瞥してからすぐに、大きく動いた。
グチャグチャと遠慮なく中で暴れる。リファはまだぐずりながらも、刺すような快感に喘ぐ。
激しくキスをしながら、尾で胸をいじる。飽きたように胸から下半身へ。
「あん!くぅ・・・・ひ!!一緒は無理だよ」
「じゃあ、こっちなら・・・・」
リファが変な顔をした。尾はリファの尻をまさぐり、後ろの穴を犯していく。
「な!!んんん!!きい!」
痛みが走り、アルの背に回していた手に力が入り、ぎりぎりと爪をたてる。
そのうちおかしな感覚に襲われた。後ろを好きなように挿入されているのが
どうしようもなく、快感に変わってきたのだ。そうなると今までと比にならない
甘い快感がリファに押し寄せてくる。
「ああああ!私ぃ!い、犬みたいに!!」
よじり、狂おしいほどの快感に身を委ねた。二人だけの世界にいる気がする。
「も、もう!!アルちゃん!!ひぎ!!くあぁあああ!」
白。薄れ行く意識でそれだけを感じた。



「ごめんな・・・」
汗ばんだ肌を寄せ合って朝を迎えた。窓から朝日が差し込む。
あの後からベットから動くのが面倒なほど、セックスをしていたらしい。
二人とも覚えていなかったのは、顔を見合わせて笑った。
「いいよ、そんなに」
リファが更に肩を寄せ来た。応じるように頭を傾ける。
「ねぇアルちゃん」
「ん?」
「龍って大きいんだね。この間初めて、見つけたよ」
宝物を見つけた童女のようにリファが話す。今や龍など
山奥でも滅多に遭遇しないだろう。相当の運か巡り合せか。龍によっては
会ってもも喰われるか分からない。
「そうか、見つけたか」
「信じてくれる?」
「だって、見たんだろ?リファが言うなら、信じるさ」
「アルちゃん」
「ん〜?」
「大好き。アルちゃんのお嫁で良かった」
「俺も」
キスをした。食卓で思いっきり笑って、時々途方もないことで悩んで、倒れるまで
抱いて、ゆっくり愛し合う。型に外れるがこれも幸せな形だろう。
アルはまぶしそうにに眼を細めた。
462名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:46:56 ID:IiEMYRk0
以上です。
一人でも多くの方に、楽しんでいただけたら幸いです。
では。
463名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 20:27:24 ID:IjCwpVaa
……ハァハァ…ハァハァ
……ウッ

すこし、展開が早かったような気がしないでもない。
要肉付け……かな。ほんのちょっぴりだけど。
でも、GJなんだぜ!
464名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 15:34:38 ID:sRVkjZMZ
良いと思うよ。これで。
また、何か思い付いたら、投下してください
465名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:36:26 ID:66Kd9De5
保守しとく
466名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 08:28:11 ID:4x8dOOHH
避暑
467旅行話 1:2007/08/15(水) 00:40:40 ID:2Oq4GVNf
中華風の者です。
保守ついでにこのスレが活性化すればと、少し書いてみました









銀。刃は躊躇なく梢統の頭を狙う。避けはしない。
突き出された刃の、付け根より少し下を掴み思い切り引っ張った。
そのまま、右手に持つある鉄棒で横腹を打ちにいく。
尾。棒に絡みつき、動きを直前で止める。馬上で二人、静かな力の駆け引きになった。
虫一匹入れぬ刃圏。遠巻きに兵が眼を見張る。
尾が微妙に緩まる。その間に梢統が一気に引き抜いた。
槍。一思いに左手を離し距離を作る。馬。愛馬は、その艶やかな
黒毛を靡かせながら疾駆した。馳せ違う。また、馳せ違う。
四回打ち合ってから、共に跳び降り走る。薙ぎ、防ぎ、次の一打を狙いにいく。
十、二十合と攻防を続けた後、渾身の一打に懸けた。
風が周囲を吹きぬけた。
決着。槍の穂先は地。棒は確実に胴を向いている。
だが―
「敗け・・・・か」
口。大きく開いた口が梢統に向け奥から煌々と光っているのが分かる。
「まったく、片目に顎鬚、面が怖くったなホンタイ!!よく来た!」
去年、梢統は片目を斬られた。調練での事故。思ったより支障もなく、斬った伍長を罷免にするどころか
副官に置き、あまり気にするでもなく、威厳が出たとさまざまな眼帯を
試したが黒が一番落ち着くそうだ。合わせるように顎鬚も伸ばし始めた。
互い、武器を離し拳をかかげる。深緑と紅蓮の篭手がぶつかり、甲高い金属音と
小さな火花があがる。アル・梢両隊が一斉にわいた。各所で興奮か歓喜かわからぬ雄たけびがこだまする。
地上最強。将校全員でかかってもここまで苦戦はしない。無敵と信じて疑わなかった
龍槍隊の、龍族の当主。誰しもが、ここまでその崇拝の対象を追い詰めた異邦人に賞賛を送った。
もっとも当の二人は、いつ覚えたか流暢な言葉で世間話をしている。
年に二回互いに円王朝とエラサレス王国は合同調練を設けた。
貿易による経済支援を基盤とし、喫緊時の軍事支援など二国は相互利益での同盟を組んでいた。
仮に軍の質が開きすぎていたたならば先述の軍事支援は成り立たなくなってしまうためだ。
そのための合同調練。力の均衡を保つためである。
圧倒的な隊をもつこの二人にとっては貴重な交友の場でしかない。
「で?」
「?」
「さっきからあの馬車に乗っているのは誰だ?」
アルの顎でしゃくった先には万が一に備え、将校に囲まれながらこちらを
窺っている。ブラインド式の窓を通しても強く視線を感じられた。
「あぁ・・・・あれは・・・」
468旅行話 2:2007/08/15(水) 00:42:04 ID:2Oq4GVNf
「硝子細工が、欲しいのか?」
梢統が明花の言葉を解した。
初雪を眺める。新年の祝いの盛大な雰囲気よりこちらの方が二人とも好きなようだ。
エラレスへの出発半月前、明花が珍しく我が儘を言ってきた。
我が儘と言っても、普段梢統に尽くしているのとは比べようのないほど
ささな可愛らしい願いであった。俸禄から考えれば、硝子どころか銀細工でも良いだろう。
それでも伴侶の域を越えていると思っているのか恥じるようにうつむいている。
「・・・・はい、その・・・市で見ました西方のが・・・そう」
結婚より二年。明花も歳は十九。女は一生であっても特に飾りをしてみたい歳なのだろう。
それでも気性でなかなか言えなかったのだろう市が開かれたのは三ヶ月ほど前、まだ秋の頃。
「で、エラサレスで買ってきて欲しいと・・・・」
頷き、うつむいていた頭が一層下がる。だが、どんなものが良いのかなど生粋の軍人である
梢統は分かるはずもない。
「じゃあ、行ってしまうか」



「・・・・と言うわけだ」
「それで、護衛四人に馬車。随分と大切にしているようだな。」
アルの家を訪れていた。当然宿も手配されていたが視察と適当に理由をつけてきた。
建築法からしての街並み、店に並ぶ品、往来の人々。
円では秘匿とされる魔術を何らはばかりなく使う者達。
馬車で見えるだけでも全てが目新しく二人は道中驚きの連続だった。
窓から食い入るように外を眺める二人をアルは含み笑いで眺めた。
今、明花はアルの妻といるはず。瞳は澄み、美しい純粋無垢な女性。
旧知の友を歓迎するように通訳もなしで部屋へ伴った。アルが言うには家柄のせいで
友と呼べる友が居なかったらしい。考えてみれば明花にも友人はいるか知らない。
「ふん、『アルちゃん』には言われたくないな」
自分はアルと葡萄から作った酒と母国とは趣向の全く違う料理を楽しんでいる。
どちらかといえばこの酒は温安の口に合いそうだ。
「不思議な国だ。円で錬丹術師が堂々と路を歩くことすら出来んというに」
「異端だろうと、誰かの助けになるのならせめて俺の自治区だけでも開放させている。
そして文化、嫌いか?」
「いや、面白い。ただ、この国の服はきつくて性に合わんな」
食器もまるで違う。小さい三叉矛と片刃剣のような金属器を両手で使う。
慣れない手つきで苦戦しながら、嫁が作ったという料理を綺麗に食べ終えた。
「酒は、強いか?」
「樽でも自分を忘れたことはない」
「今日は絶対に酔えるはずだ」
「この葡萄酒も芳醇だが、そんなに強くはないぞ?」
「ワインなんかよりよっぽど心酔できるぞ。リファ!」
遠くから間延びした返事の声と足音。明花も一緒のようで二人分聞こえる。
扉を半開きにしてリファが顔を現す。さも嬉しそうな表情は梢統に向けられた。
「ふふふ。ではシャオ様」
カチャと小さく音をたて扉が開く。
469名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 01:26:30 ID:AK/jrZXh
またID変わってますが中華風です。今回はこれで。
パッと浮かんだネタなんで荒唐無稽になるかも知れませんがよろしくお願いします。
470名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 12:58:06 ID:utHeyQbS
イイヨイイヨー
471名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:10:51 ID:EeuX/LbK
中華風の者です。
制作途中PCが故障し、(今は携帯から)少し停滞しています。
故障直るまで待つか、携帯で書くかどちらが良いでしょうか?
472名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 23:57:05 ID:5xH2E52p
支障が無ければ、携帯でもいいと思う。
慣れないと改行とか心配だから、選択肢の一つとして、ね。

オレは普段から携帯厨orz
473笑顔:2007/08/18(土) 03:16:53 ID:Nc8RP77m
ぶっちゃけエロも世界観も句読点も改行もクンもありません
つまらないものですがこの板が好きなので投下
474笑顔:2007/08/18(土) 03:20:37 ID:Nc8RP77m
それは一つの物語
一人の物語
誰も知らない物語




自己満足の為に伝説となる
その男は最強と謳われた。
その男の心は弱く。
男の力は自己満足
決して他人の力を当てにせず
その力は他人の力
自己満足の為に人を捨てた
故に人を超えた。
足りない
友を忘れた
故に伝説となった
・・には足りない
恋人を殺した
故に不可能を可能とし奇跡を日常とした
・・を満ちさせるには足りない
神を倒した
故に足りぬものは満ちた
が満ちる為に自分を捨てた

他人を救うのでは無い。他人の笑顔を見たい。その自己満足の為に
475笑顔:2007/08/18(土) 03:27:12 ID:Nc8RP77m
負けるわけには行かなかった。
誓ったのだから。
愛する女の笑顔に、友に、自分を頼っていた人々に。
目の前の超越者はその誓いを破ろうとしている。
だから負けられない。


「まだ挑むか人間よ」

目の前の化け物が何か言っている。
何故戦う。退けばいい事。私はここを通るだけ。今なら見逃そう」
見逃す?ふざけるな。お前は奪った。
「戦うか・・・では受けよう。その信念を」
お前は――――あいつの笑顔を奪った!あいつの家族を奪った!あいつから心を奪った!許せない。
あいつを失った事も、だが一番許せないのは――――
「・・・を奪ったな」
あいつの笑顔が見れない。
「むぅ?」
「あいつから・・・奪ったな」
だから俺は誓った。
「何を言っている」
「あいつから・・・笑顔を!奪ったな!」
「貴様・・まさか・・生き残りか・・!」
「違う!生き残れるはずが無い!貴様等の・・神の「削除」を前にして生き残れるはずが無い!!!」
この誓いを貫こう。
「ならば・・貴様は何者だ」
誓おう愛した女よ、愛した友よ、愛した親よ、愛した人々よ。
「俺は・・・」
もう笑顔を奪われやしない。俺が全て守る。
「俺は・・・ただの人間!!貴様等への恨みを!!憎しみを!!全てを背負い貴様等を殺す!」

故に男は人を捨てていた。人を超えた伝説の英雄達、それさえも超えた。不可能を可能とした。そして今、神の前に立っている。
男は笑顔が好きだった。愛する人の笑顔が、友の笑い声が、両親の笑みが、人々の談笑が。
それを奪った。だから神を倒すのは自分の為。自分の復讐の為、男は自己満足の為に全てを捨て、自己満足をかなえようとしていた。

「だが貴様等がそれを許さない。だから俺は神を超える神を超えて夢を叶える。それが間違いであろとも、不可能であろうとも、この信念、貫く事が出来るかぁ!!」

男の事を知る人は既に無い。
何千年もの時を越えて戦い続けた。
人と、化け物と、理不尽と、死と、世界の理と。

「その偉業、既に人を超えて鬼と成り、更に神を殺そうと企むか、ならば私はそれを阻む。貴様の行いは人としての有り様を変える。我等はそれを見過ごせぬ。さぁ戦おう自己満足の化身よ。貴様の誓い。果たさんとするならば私を倒してゆけ!!!!」
476笑顔:2007/08/18(土) 03:30:56 ID:Nc8RP77m
戦いは始まった。
簡単に男の身体は吹き飛ぶ。
防御など関係なくそれが人の限界というように。
何日も一方的に攻められ続けた。
だが男は立ち上がる。
その姿は決して聖書のような、伝説のような格好のいいものでは無い。
醜く生に縋り自分の自己満足を叶えようと足掻く。
それは人間の望みではない。
人はそれを望む事はあるだろう。
だが自分を一番大事にするのが人間。
男は自分の存在を道具と割り切った。
男は他人を簡単に切り捨てた。
男の願いは狂っていた。
狂っていた。だからこそ憎まれた。
自分を理解する人はもういない。
だが少なくとも理解してくれた人はいた。
それだけで男は十分だった。
だから立ち上がる。
肉が裂けようと
骨が割れようと
身体が滅びようと
心が削れようとも
魂だけで立ち上がるその醜い姿を
誰が馬鹿に出来る?
その狂った姿、。叶わぬものに立ち上がる滑稽な姿を。
477笑顔:2007/08/18(土) 03:32:00 ID:Nc8RP77m
戦いは終わりに近づく。
神は人を超えた意思を代弁し人の力等及ばぬ力を振るう。
今、正に目の前で聖書の大災害のような力を振るおうとしてる。
だから何だ。
人の力が及ばない?ならばどうすればいい。
ああ、簡単じゃないか。みんなの力を合わせればいい。
俺の力だけじゃない。

男の槍が光った
――俺の村の皆の談笑
光が増す
――友達の笑い声
光が槍という存在を消し違うものへ変える
――いつも優しく見守ってくれた母さん、親父の微笑
光は槍を光そのものとする
――親友の大笑い
光の槍は色を変える
――俺の夢の為に命を差し出してくれた偉大なる龍の最後の笑み
光の槍は赤い火に
――そして旅の中世界中の、自分の数千の人生の中で出合った人たちの笑顔
槍は朱き炎に
――そして、俺が愛した唯一の女の笑いが
槍を赤と呼ぶには熱い色に、朱というには生温い紅の焔の槍に変えた
槍は笑いかけていた

――――ねぇ?この世界を去りましょう?―――

「ああ・・・悪ぃ、お前の事忘れてたな。」

――――ええ、私は貴方の中で生きている。さぁ一緒に行きましょう?―――

「ああ・・・俺の愛する唯一の女、お前は最高の女だ」
「ぬぅ・・ぬお・・ぬあああああ!!!」

全てを滅ぼしつくした破壊の力が
たった一つの簡単な表情
皆が浮かべる簡単な笑顔
そんな簡単なものの前に紙切れのように吹き飛んだ


男は笑っていた。
何千年も笑わなかった。
今―――世界を去るときになってやっと笑えた
目の前で槍が光を失う
それと同じように身体が消えていく
当たり前だ、数千年もの間戦い続けた
人は当たり前、英雄であろうとも、魔獣であろうとも、身体も、心も、魂さえ削り去るだろう
だが男は笑っていた
何故なら目の前で皆が笑っていたから
在りし日の「人間」であった自分の普通の生活の普通の人々
旅の中で出合った戦士、騎士、武士、龍、獣、全ての人々が笑っている
そして―――愛する女が笑っている
それだけ、それだけの事で男は笑った
そして男は消えた
魂も、身体も、心も、存在さえも忘れ去られ消えていった

その日、人間という種は最後の一人である男を失い滅び去った
そして―――「ニンゲン」という種が生まれた
478笑顔:2007/08/18(土) 03:32:33 ID:Nc8RP77m
以上
お眼汚し失礼しました。またROM専になります
479名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 03:58:30 ID:hRy5PeOx
……非常に読解力を必要とする文だなあ。
なにか壮大な物語であることは分かるんだけど、
ぶっちゃけ何がなんだか分からない。
480名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 07:48:02 ID:wMqbfT7e
というか、ただ大げさなだけだな。
ただ大きいスケール感じさせるようなセリフやシチュ並べてるだけ。
書いた人には1レス目は導入に見えるかも知れんが
少なくとも俺にとっては自分酔いの電波文にしか見えんし。
ぶっちゃけ読者意識しないんだったらチラシの裏にでも書いとけってやつだ。
481名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 13:15:16 ID:qYGNCNVV
脳内補完?
482名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 16:19:54 ID:hb6F8Bzu
スルースキル検定?
483名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 22:11:39 ID:GRDXo3hH
なんだよこれ中世でもエロでもないし。
自己陶酔の気色悪いポエムは勘弁してくれ。
頼むから永久にROM専でお願いします。
484旅行話 3:2007/08/19(日) 00:58:24 ID:nSyvJW0w
PC今は調子良いので、ある程度まで一レスで投下していきます。









そういうことか。
「な?」
そこに居たのは明花であって明花でない。
藍のドレス。大きく開き、小さな胸のふくらみが見えそうにすらなっている。
いつも結っている焦げ茶の髪は露出した肩まで流し、僅かに香水の香り。
首と手首、髪に銀で羽をあしらった飾り。
目が合い互いに赤味が差したのをフロイセン夫妻が笑う。
この男はこういった悪戯が好きだった。おそらくは今回も首謀者なのだろう。
根っからの武人で、文官とよく衝突する顔とは全く違う。
「・・・どういうつもりだ」
「何って、妻が綺麗になるのは嫌か?」
「そういう・・・!!」
「無粋だぜ。シャオ将軍。楽しむ時は愉しめよ。ささ、ご夫人」
手を牽かれにリファに促されるままに梢統の横に座る。
「気にするな。遠方からの友がはるばる来て土産の一つも無しとなっては、顔がない。
それに、俺も綺麗な女を見て悪い気はしないしな」
笑うアルの隣に腰掛けたリファが対照的に不快そうな顔をして、梢統が話題を変えようとした。
「悪い、長旅がたたったらしい。少し疲れてんで俺らは・・・」
「この街から用意された宿までは駿馬でも二時間、あーそっちでは四刻か。一人ならまだしも
姫君連れて市街を走りつづけんのは、色々大変だろ?」
「じゃあ、どうしろと。荷もなく野営など出来んぞ」
「だから、無粋なんだよシャオ将軍。うちにも客室ぐらいあるさ。掃除しといたんだぜ?」
結局帰る術もないので泊まることになってしまった。もっとも複雑な顔を
していたのは梢統だけで、他は何も心配していないようだ。
案内された部屋は梢統の部屋より少し広い。いままで人が居ず、少し冷えていたのでアルは暖炉に薪を投げ入れ火を吹いた。
「じゃあまた明日な。あっメイファさん?それ、リファがあげるって言ってたから。
ホンタイも少しは気がつけよ。それじゃおやすみ」
「あっ、ありがとうございます。お休みなさいませ」
「?」
背を向けたまま、ひらひらと手をなびかせて部屋を出た。すでにベッドに倒れている梢統。
「明花」
「梢様・・・・似合い、ませんか?」
「どうして?」
「これを着てから、梢様は何も言ってくださりませんので」
『少しも気がつけよ』
成る程、と無粋な将軍は先ほどのアルの真意をようやく理解した。
「似合っていないものか、ただ・・・」
「ただ?」
「性的過ぎるな、それ」
「なっ!?」
「それも含めて良いんじゃないか?こっちへ」
ベッドで隣り合ってから明花がもじもじと動いた
「そういうのは人様の家では・・・」
「何かあったら、俺から言っておく。それにもう、まんざらでもないだろ?」
明花は小さく頷いて見せた。
485名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 20:01:29 ID:JJFgCIz/
保守しちゃう
486名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 13:43:06 ID:mgg/GUAL
中世ファンタジーの総合ということは、少年誌よりアレな設定でいいんだろうか。
魔法とか魔法とか魔法とか。
487名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:20:03 ID:F4khLOYF
>>486
ピンポイントでおkじゃないか?
488名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 20:42:48 ID:mgg/GUAL
>>487
mjd? す、凄い……
ちょっと中世の勉強(RPG)してきますね。
489名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 10:43:00 ID:+qxdqYgL
>>486
中世(ちゅうせい)だけに……厨設定(ちゅうせってい)……
なんてね。
490名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 14:26:52 ID:qQybYT00
491名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 18:40:52 ID:lMAqvq6A
492名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 19:00:34 ID:h6UfpdyH
493名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 23:49:29 ID:+qxdqYgL
(´・ω・`)ごめんね
494名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 22:18:36 ID:/v2kWC6a
>>489の人気に嫉妬
495旅行話 4:2007/09/02(日) 23:41:28 ID:4GaxnLu0
かなり時間あいてすいませんでした。
一気に最後まで投下します。









「これどうやって脱ぐんだ?」
「私はリファさんに任せていたので・・・」
「着たまま・・・・でいいか」
服を着たままという背徳感はあった。だが、それを超えた先の誘惑に勝るものでもない。
生まれてから体を重ねたのは梢統だけ。回を増すごとにお互いに分かってきたのは
梢統が支配欲が強く、明花はそれに従うのに快感を覚えていること。
だから今度もこの要求を飲むのが、そのまま明花の快感にもなっていた。
明花から顔を近づけ唇を寄せる。唾液を流し込む。受け入れ、明花はゆっくりと飲み下す。
「にしても、美しくなった」
「・・・・!!梢様」
「胸は全くできんがな」
「もう!」
少し、恥ずかしがる顔。梢統が明花の好きな顔の一つ。
「冗談だ、それに俺は無いほうが好きだな」
好みだから惚れたのか、惚れてから好みが変わったのか。どちらかは梢統自身分かりはしないが
梢統にとって明花は理想の女性であるのに違いはなかった。
「ふむ、これじゃ前戯もままならんが」
必要はなさそうだ。下半身に熱がこもっている。明花も同じなのだろう。眼がどこか浮ついている。
こんなに、早く興奮するのは珍しい。もしかしたら、何か料理に盛られていたか。
それでも良かった。そんなとりとめもない事は目の前の光景でかき消される。
いつまでたっても、閨事に恥じらいを感じるらしい。顔が赤い。初々しさが男を煽る。
確かに、普通の夫婦と比べれば、決して多くない。
「ではな」
「はい」
布を掻き分け、手探りであてがう。
「んき・・!」
丁寧に割れ目を広げ、中に進んでゆく。
アル達に声が聞こえたら不味いと思っているのだろう、シーツを噛んで、必死になっている。
やめて欲しいものだ。どうにかして声を挙げさせたくなってしまうでないか。
らしくなく、ひどく激しく突いた。
「くぅ・・ふっンンん・・・・!」
「ほら、声!出しても良いんだぞ?」
「そんな、事したら、見つかって、んん!!しまい・・ます」
ますますだ。もっと、叫ばせたくなった。アルおろか、四海全ての民にでも聞かせてやりたい。
496旅行話 終:2007/09/02(日) 23:51:33 ID:4GaxnLu0
「くく、虐めたくなる。もっとだ、更に大きく鳴いてくれ!!」
「ひん!今日の、梢様はなんだか怖いです」
アルに負けたからかもしれない。満たされないものを、明花に求めすぎている。
「悪い。俺もまだまだ・・・」
そう言いつつも、妻のこんな姿は本能が疼いてしょうがない。
明花の腹の中で存分に暴れまわった。
「ひゃふ!かっ!!んあんあんんん!!」
油断して布を噛みつづけた隙に子宮の奥にまで突き上がり、明花が甘い声を漏らした。
のけぞる体を抱き寄せる。梢統の腰の上に座るように位置を変え、明花の体重で
挿っている状態を作る。
「俺は動きづらいから、明花。動いてくれよ」
おずおずと腰を上げ、ある程度のところでゆっくり降ろす。
段段と、恥じらいよりも快感に飢え、大きく激しく体を打ちつけた。
「ん、ん、ん!!梢さ・・ま!私、もう!!!」
「ああ良いぞ。俺も、そろそろ・・」
最後に一層大きな揺れで梢統は射精した。
服。どうなったかは、もうどうでも良くなっていた。



「一ヶ月に渡る合同調練。感謝する」
深深と代表の温安が相手方の代表に頭を下げた。
「初日に抱いていた事が俺に見つかり、五日もすれば自身の隊に発覚し
つくづく良かったじゃないか」
「良くない!お前のせいで隊内では良いように笑われ、兵卒までが
話を聞きたがるようになってしまってでないか!!」
「『あれ』のか?」
「・・・・ああ」
明花に懐妊の気配。どうやらかなり確実のようだ。
「くくく、また来い。色ボケ殿」
「ふんっ!」
拳がぶつかり合う。帰り道は速度を落とそう。
城門で見送られた後、なんとなくそんな事を考え出した。
497名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 23:52:53 ID:4GaxnLu0
最後に4の方sage忘れすまん・・・・
498名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 03:45:43 ID:HfMq3+t/
一番乗り>>497 乙。
499名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 11:01:32 ID:iGAX8d46
ここって、ある程度ストーリーがないとダメなん?
ケモ耳女盗賊と部屋の中でひたすらギシアンとかはアウツ?
500名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 16:16:20 ID:yqWDNaRP
全然問題ないと思うぞ
501名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 13:59:05 ID:hSedcFKt
ファンタジーの要素があれば猟奇でもいいんだろうか

ファンタジー+近親相姦とか
ファンタジー+猟奇とか
ファンタジー+戦火とか

該当する属性かここか、どっちに投下するか迷う
ファンタジーならではのエロって何だろうなあ
502名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 17:34:47 ID:BkoGGttV
>>501
ファンタジー成分よりも、
プラスされてる属性の方が拒絶反応を起こしやすいので、
該当属性のスレの方が良い反応が得られそうな気がする。多分。
503名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:04:17 ID:KTC6FwAm
>>502
やっぱそうか。サンクス
変態物ばっかり書いてると、どれがやばいネタなのか分からなくなるんだよな
504名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:07:35 ID:g+mrKCfE
>>503
それはちょっと人間的にヤバイぞwww
505名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 06:55:09 ID:zJDt2okB
ほしゅ
506名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 03:41:24 ID:z70L1m1n
保守
507名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:17:45 ID:/453W0fB
緊急保守
508名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:08:31 ID:K9nPxLWd
偶然伝説の剣を抜いてしまった村娘の話はここか
聖女スレか正義のヒロインスレか迷うね
509名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 04:38:30 ID:T0GxnqjO
>>508
更に迷わせるために、女兵士スレもあるぞと言ってみるw
510名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 10:30:15 ID:Ms1O1y1p
人いる?
511名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:51:38 ID:s3pbbYTo
>>510
ん?
512名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 02:19:37 ID:/R9NG7sL
>>510
ん?
513名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 05:13:16 ID:Lz9/dWGX
>>510
ん??
514名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 09:30:14 ID:bNTur6gF
>>510
ん?
515名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 09:51:44 ID:kBmYDgyc
んんっ!
516名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 18:10:52 ID:kFtfc3HQ
位置が悪すぎるので浮上
517名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:34:40 ID:xC+oPssA
女兵士……
ファンタジー総合……

迷う。
518名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:29:36 ID:l7z8e8j8
女兵士の新スレ、スレタイをいちおうファンタジー総合にしてみた。

立てたばっかりだしスレの空気によるかもしれないけど、それによっては
統合してもいくね? とか思うんだけど…。

微妙にかぶってるし、似たようなスレがあるから投下先迷うって人多いし。

519名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 06:56:02 ID:5OL1uPJA
変えてから報告っすか
520名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 21:29:33 ID:gEHCO9D0
まぁ、分かりやすくなるのはいいんじゃないか?
521名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:50:24 ID:IOBsExcc
あっちもこっちも静かだなあ…
522名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:42:27 ID:uVBc7X69
被ってるスレが多すぎるんだな
523名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:16:24 ID:J68FmPiU
他スレで連載してたやつなんだけど、ここに引っ越してくる場合、
元スレの保管庫のリンクをはるのと、最初から投下するのとどっちがいいかな?
524名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 06:42:24 ID:szo99vVl
保管庫のリンク
525永世勇者@名無しさん 1/8:2007/10/28(日) 08:07:29 ID:qcYcB74W
 俺は勇者だ。
 名前は残念ながら無い。

 大陸の西部に突如現れた魔王が、魔族の軍を率いて大陸を支配しようとしていたとき、
 当時普通の鍛冶屋の息子だった俺は、神によって魔王を討ち滅ぼす『永世勇者』に任命された。
 無限の力と不死身の体を得た俺は、仲間と共に、文庫本で換算すると百二十巻くらいの無駄に長い旅を経て、
 ついに四天王を打ち倒し、魔王城を陥落させ、悪の首魁である魔王を討ち滅ぼすことに成功した。

 名前が無いというのは俺が永世勇者として神の力を得たとき、その代償として名前を失ってしまったからだ。

 魔王を倒したのは、大体四百五十年くらい昔の話。
 その後も、俺は神に引き続き『永世勇者』をやらされて、無限の力と不滅の肉体を今も保持している。
 この不滅の肉体ってのが厄介なもので、心臓を潰そうが頭を潰そうが、何しようが全く死ねないのだ。
 俺自身が死のうと思っても死ねなくて、年を取ることもなくなり、勇者になったときの当時の若さを今でも保っている。

 国を救ってみたのはいいものの、時が流れていくうちに知り合いはどんどん死んでいき、
 しかも俺があまりにも強すぎるせいで、「化け物だ」などとわけのわからないことを言われて、国から追放される始末。
 追放された後は、周辺諸国を旅してみたり、百年経ったあとこっそり戻ってみたり、
 あっち行ったりこっち行ったりと、様々な紆余曲折を経て、
 今はデルパ山という山に家を造り、そこでひっそりと暮らしている。

「なあ、勇者」

 今声を掛けてきたのは、『永世勇者補佐』に任命されたヤツだ。
 『永世勇者補佐』というのは読んで字の如く、永世勇者の補佐役。
 世界がぶっ壊れても死ねるかどうか最近少し疑問に思えてきた俺の手助けをする、同じく不死身の仲間だ。
 職業は魔法使い。より具体的に言うならば『黒魔術師』

 常に黒い三角帽子と、黒いローブを身に纏っている女。
 家の中でも例外ではなく、夏場は見てるだけでも暑苦しい格好をしている。

「そろそろ側室を持った方がいいと思うんだ」

 何を言うんだろうか、このアホは。
 第一、側室って……正室は誰のことだよ。

「……私だ」

 俺の考えを読んだように黒魔術師は言った。
 まあ、確かに初めて会ってから四百五十年の付き合いで、今も床を同じくしてるし、
 一番最初の魔王討伐の旅で色々あったから、確かに正室というのも間違いではないが……。
 少し性格に難があって、なんか認めるのは嫌なような気がしないでもない。

 それはともかく。

「側室って……一体どーいう風の吹き回しだ?」
「私の負担を減らすためだ」
「負担?」

 首を捻って考えてみる。
 負担、と言っても俺はこいつにそんな負担をかけたような覚えはない。
 家事一般は俺がこなしているし、狩猟だって俺がやっている。
 料理なんかもはや生き甲斐になっているくらい毎日俺が調理している。

 するとそいつは俺がすぐに思いつかなかったことを呆れるようにこっちを見てきた。
526永世勇者@名無しさん 2/8:2007/10/28(日) 08:11:10 ID:qcYcB74W

「夜の生活のことだ」

 夜の生活……。
 最近の性生活を省みても、これもまた普通だった。
 一時期SMプレイにはまっていたりしていたものの、最近はやってない。
 ここ数年間は、変なことは何もしてない。

 変身魔法を使って犬だの馬だのローパーだのになってのエッチもしていないし、
 緊縛プレイも、緊縛放置プレイも、媚薬漬け緊縛放置プレイだってやってない。
 使っている穴も正常だし、多少オーラルの方に偏っているような気もしないでもないが、それだって許容範囲内だろう。
 出すところを見て、喜んだりもしてないし。

 うん、この上なく普通だな。

「別に、普通じゃないか」

 俺がそう返すと、こいつは目を細めて俺を睨んできた。

「ほほう? 日が半ば沈みかけた頃合いから日が半ば昇りかける頃合いまで、
 ぶっ続けで私を面白半分にイカせ続けることが普通だと?
 ならばこの世で普通の性行為を行っているのはお前だけだな」
「いや……まあ、そりゃそうだけど、なんで今更言うんだよ、そんなこと」

 何百年の付き合いなんだから、今の状態よりもっと凄かったときも普通にある。
 そのときに俺が「側室持ちたいなっ」などと言ったなら、まず間違いなくはっ倒されていただろう。
 一体どういう風の吹き回しなんだか。

 そいつは三角帽子のつばをそっと掴み、きゅっと回して被り直した。
 これはいつものクセだ。

「お前のおかげで私は毎日寝不足になっている。
 そのせいで、まるでむきたてのゆでたまごのような肌が荒れ果てて……」
「いや、普通につやつやしてるぞ。俺の精を吸ってるんだから」
「目の下にはクマが出来て、つぶらな瞳は常に充血している。ああ、このままでは私が壊されてしまいそう」
「どこにクマが出来て、どこの目が充血してんだよ。お前の顔のどこ見ても両方ともないぞ」
「というわけで、側室を持て」
「無視かよ」

 こういう風になったこいつはもはや俺の言うことなんて絶対に聞かない。
 それで、情けないことだが、こいつは俺よりも精神的に上位に立っており、
 俺自体もこいつに頭が上がらない立場にある。
 まさに女は強し、だ。

「にしても『側室を持て』か。
 別にそのことに対しては異論はないが、なんでまた急にそんなことを言い出したんだ?
 竜人族の集落で楽しくやっていた俺を、眠っている最中に麻袋に突っ込んで、
 拉致ったヤツの口から出るとは正直思わなかったぞ」
「別に勇者が誰と付き合おうと私は構わない。ただ私をおろそかにしたら許さない」

 前半部については「嘘つけよッ!」と突っ込みを入れたかったが、我慢した。
 後半部は実に納得できる事実だ。
 神の力によって不死身で名無しになった俺だが、痛いのが好きってわけでもない。
 こいつはこいつで、怒ると俺の頭蓋骨を平気でたたき割るし、勇者だから死なないとはいえ痛いのは嫌いだ。
527永世勇者@名無しさん 3/8:2007/10/28(日) 08:19:04 ID:qcYcB74W
 なんだかんだ言って、こいつは一番付き合いが長くて、一番気の合うやつだから、
 今となってはおろそかにするってことは多分ないだろう。

 竜人族の集落のことは、まあ、あいつ自身が竜人族と馬が合ってなかったみたいだからな。
 両者の間に生まれた確執を上手くフォローできなかった俺にも若干の責任がある。
 でも、たまには顔を出したいよなあ。
 竜人族は長命だから、人間とは違って顔なじみが生きてるし。
 俺の子どもだって何人かいるのに……ただ行くとこいつがものすごく怒るんだよね。
 こいつが怒るようなことを俺が向こうでしちゃうからなんだけど。
 子どもの顔くらいは定期的に見に行きたいな。
 いくら気が長い竜人族とはいえ、俺がいないことを寂しがってると思うし。
 ……このことは後で考えよう。

「それはそうと側室って一体どうやって作る気だ?
 ここ数十年人間とも亜人種とも接触してないから、コネとかそういうの全くないぞ。
 第一、あの忌々しい伝説が残ってるせいで、人里に降りても相手にしてくれるかどうか」
「ふふ、その点は心配ゴム用だ。実は既に手配してある」
 さっき、私が山を降りてちょっと王都に行ってきたのは知ってるな」
「まあな」

 こいつは魔法使いなので空間転移の魔法を使えるのだ。
 故に、北向きに早馬で三日、山道を徒歩で半日かかるここから王都までこいつは一瞬で行くことが出来る。
 今朝もなにやら荷物をまとめていたかと思ったら、「王都へ行く」と簡潔な置き手紙を残していった。

 一応俺も魔法が使えるといえど、流石に高位の魔法は無理だ。
 王都にいくには自前の足で行かなければならない。
 ほんの五分だけ買い物を楽しむにしろ、こいつは往復に五秒とかからず、俺は二時間近くかかる。
 それでも、二時間とはいえ俺が勇者でなければ相当な日数かかるので、速いって言えば速いんだが……。
 どうせ俺はあんまり王都に行かないから気にしてはないんだけどな。

「最近は色々なものが出回っていてな。
 王都でも魔法の実験の材料が容易に手に入るようになった。
 気分良く買い物を済ませた私は、いつもの道から少し外れたところも見ることにした。
 そうしたらどういうことだろう。
 確かにご禁制になっているはずのアイテムがごっそり売られていたのだ。
 実験にどうしても必要な材料だが、販売されていないから涙を飲んで諦めたものが、だ。
 それに気付いた私は気分良く買い込み、ついでに奥へ奥へと入り、ちょっとしたものを買った」
「ちょっとしたもの?」
「ああ、それほど大したものじゃない。奴隷を三匹ばかりだ」

 こいつは入ってこい、とドアに向かって言うと、ドアの外にいた人達が三人入ってきた。
 全員見事な金髪の女の子達だ。
 青色の瞳を振るわせ、震えながらも笑顔を浮かべているのがものすごく痛々しい。

 ……一瞬、腰が抜けるかと思った。
 たまにこいつは何を考えているのかわからないときがあるが、今回ほど驚いたことはそうはない。
 いや、あるかな……五、六回くらい……やっぱり最低でも十回はあったな。

「さあお前達、こいつがお前達のご主人様となるお人だ。挨拶をしごぶっ」

 思わずチョップをかましていた。

「あのな。奴隷なんて買ってくるなよ。
 お互い子どもじゃないんだ、それくらいわかれよ、あぁん?」
「どうしてだ? 別にいいじゃないか。
 三人奴隷がいても、暇だからってやたら増築を重ねたこの家だったら置き場所に困ることはあるまい」
「置き場所の問題だけじゃねーだろーがっ!
 第一、奴隷の所有は法律で禁止されているんじゃなかったか?」
「情報が古いぞ。十二年前から奴隷制度は復活を遂げている。
 それに、過去あれだけやりたい放題やらかした者が言う台詞ではないな」
528永世勇者@名無しさん 4/8:2007/10/28(日) 08:21:10 ID:qcYcB74W
 ああっ、こいつはああ言えばこう言いやがって……。
 軽く頭痛を覚えてきたので、こめかみを指で押しながら、あいつの腕を引っ張った。
 俺が大きな声で怒鳴るたびに身を震わせている三人の奴隷には聞こえないよう、あいつの耳元を引き寄せる。

 長く生きているせいで触れられたくない過去が一杯で、その過去を全部余さず知っているヤツがそばにいるのは、
 すっごく気持ち悪いな、今に始まったことじゃないが。
 そしてその上、俺も長い間一緒なのに向こうは弱味が全くない完璧超人だから余計に胸くそ悪い。

 いや、弱味ならあるにはあるが、俺自身あんまり使いたくないし、使いすぎると頭かち割られる。

「普通の人間と意味もなく関わりを持たないっていう取り決めを忘れてないだろうな?」
「ああ、忘れてなどいない」

 ということは意味がないわけじゃないということか。
 こいつの性格からして奴隷達の世話は俺に全部丸投げにするだろうし、
 俺もついついお人好しだから結局は一番辛い目に合わなきゃならなくなるだろうし。
 なんでこー、四十六年間大人しくしてくれてたかと思うとこんな大それた、その上バカみたいなことをしだすんだろうか。
 やれやれ。

「……じゃ、しょうがないな」

 俺もたいがいお人好しだな。
 定命の人間と一緒にいると色々と疲れるんだけどな、精神的に。
 俺にとっては時間は無限で、その価値はほとんどゼロに近いものの、いちいち気に病むのはばからしいってのに。

 俺は溜息をつきつつ振り返る。
 三人の娘達は、視線を向けられると同時にビクッと身を震わせた。

「名前は?」

 俺がそう尋ねると、大きい方から順に名前を言っていった。

「え、エレノアです」
「ケイト、です」
「キャロル」

 エレノア、ケイト、キャロル、ね。
 それだけしか名前がないわけじゃないだろうが、それ以上は名乗らなかったので、聞くことはやめておこう。

「ふーん、で、姉妹なの?」
「は、はい」

 エレノアが答えた。
 心なしか妹たちより前に立ち、庇っているように見える。

 にしても、どことなく立ち居振る舞いが垢抜けているような気がする。
 ふむ、あいつが目を付けたんだから、何かしら意味があるんだろう。

「この家は結構広いから、一人一部屋割り当てられるけど。
 姉妹三人一緒の一部屋を使ってもいいぞ」
「え、あ、はい、では三人で……」

 エレノアは意外そうな様子で答えた。
529永世勇者@名無しさん 5/8:2007/10/28(日) 08:25:13 ID:qcYcB74W
 ふぅむ、奴隷制度が復活していたらしいけど、一般的な奴隷の扱いってどんな感じなんだろうか?
 昔の奴隷はもうちょっとはきはきしていたような気もするが……。

 三人を先導して家の中を歩く。
 さっきあいつが言ったように、俺の家は結構広い。
 暇をもてあまして、俺が増築に増築を重ねたのだ。
 一応、大工の弟子を総計で六十年近くやっていたことがあるので、増築自体に失敗はしなかったが、
 二人暮らしなのにやたら広い家になってしまった。
 そういう意味では根本的に失敗ではあった。
 使っていない部屋がたくさんあるし、掃除も面倒になってしまっている。

 あいつはちょうどいい荷物置き場がたくさん出来た、って言って色んなところに色んなものを置いているけどな。

「ここだ。この部屋を自由に使っていいぞ」

 三人一緒なので広めの部屋を選んだ。
 窓が一つあり、カーペットは敷いていないし、ベッドは一つ。
 あとはテーブルと椅子が一個ずつあるだけで、他の家具はない。
 家は増築したものの、家具は本気で必要なかったので作っていなかったのだ。
 他の空き部屋にあるものを持ってきて、どうしても足らないものは作ればいいか。

「悪いな、急な話だから、あんまり用意してなかったんだ。
 ベッドとか、タンスとか、後で適当に運ぶから」
「あ、いえ、ありがとうございます」

 エレノアは恐縮そうに頭を下げた。
 次女のケイトと三女のキャロルは、部屋の様子をうかがいながら、そろそろとした足取りで中に入っていった。

「ちなみに、いくらか聞きたいことがあるんだが、いいかな?」
「なんでしょうか?」
「世間一般における奴隷の扱いって、どんな感じなの?」
「はい?」
「いや……俺って世間に疎くてさ。奴隷って言ってもどういう風なものか正直よく分からないんだ」

 エレノアはきょとんとした目でこちらを見ていた。
 どう反応していいのか分かりかねているらしい。

「あ、その前に聞いておくけど、君ら、ここがどこだか知ってる?」

 今度はエレノアだけでなく、ケイトとキャロルがこちらを見てきた。
 無言で俺のことを見つめている。
 あいつは説明しなかったようだ。

「デルパ山だよ」
「デルパ山……そんな、私たちはさっきまで王都にいたんですよ」
「ああ、空間転移の魔法って知ってるか? 一瞬で、遠く離れた地点にまで行く魔法なんだけど」
「空間転移の魔法? 知ってますわ。
 ですが、あの魔法は高位の魔法で、宮廷魔術師でも使えるものがごくわずかだとか」

 一番下のキャロルが反応した。
 どうやらキャロルはそっち方面に学があるらしい。
 エレノアもかろうじて名前を聞いたことがあるようで、次女のケイトは知らなさそうだった。
 たださっきから見ていてケイトの歩き方はしなやかで、何かしら武芸を学んでいる者の歩き方をしている。

 ふむ、女性らしくお姉さんらしい長女エレノアと、どっちかっていうと体育会系の次女ケイト、
 そして秀才の三女キャロル、そういう組み合わせのようだ。
530永世勇者@名無しさん 6/8:2007/10/28(日) 08:34:57 ID:qcYcB74W
「その宮廷魔術師でさえ、王都からデルパ山まで飛ぶなんてこと……」
「あいつは出来るんだよ。魔法に関して言えばこの世にあいつ以上優れたヤツはいないってくらいな」

 ただでさえ、通常の年齢を重ねていたころに不世出の天才と言われていた人間が、
 何百年も生きて研究を続けているんだから当たり前っちゃ当たり前の結果だ。

 にしても、空間転移の魔法は宮廷魔術師にしか使えないのか。
 もっと昔は普通にいたんだがなあ……なんでそんなに堕落してるんだろ……。

 あ、そうか。
 俺が邪魔な魔術師組織を少し粛正してやったからか。
 特に空間転移の魔法を使ってくるやつはしつこく追いかけてくるから、念入りに消しておいたんだっけ。
 だったら少なくなるはずだな。

「それは、本当ですの?
 ということは、あの方はもしや『東の魔女』ジュセノゥ様ですか?
 数年前から姿を消していたらしいですが、まさかデルパ山に来ているとは……」
「いやいや、違うよ。ジュセノゥって名前じゃない」

 ジュセノゥって誰だろう?
 どっかで聞いたことあるような……。

 んー、まあ、いいか。

「ということは、『サイクロプス』ミッテルノ様?」
 ……そういえばミッテルノ様は隻眼でしたわね。ということは、『破壊の大槌』ボガンノス様?
 いいえ、ボガンノス様は女傑で筋骨隆々らしいので……あの方は線が細すぎですし。
 『爆裂伯爵』ジャーキン……様は、男でしたから違いますし……一体誰ですの?」
「……さあてね。正直なところをあいつの名前は俺も知らないんだ」

 ジュセノゥはどこかで聞いたことあるような気がする名前だったが、
 ミッテルノやボガンノス、ジャーキンは全員聞いたことのなかった。最近はそんなヤツがいるのか。

 ……あいつの名前はそもそも『無い』からな。
 俺もそうだが、神から力を得て不死身になった代償として『名前』を失った。
 名前というのはそのものの本質を差す要素だから、名前の無い俺達は本質のない存在。
 つまり『勇者』や『勇者補佐』と肩書きだけの存在なわけだ。
 ちなみに『魔王』もそうらしいが、まあ、それは置いといて。
 俺らは偽名すらも名乗れない。

 今は名無しであるが、過去は、つまり勇者になる前は名無しではなく名前があった。
 俺の元の名前は一応知っているが、あいつのは知らない。
 初めて会ったとき、既にあいつは名無しだったし、
 名無しである宿命として元であろうが何だろうが名前は名乗れないので、聞くことが出来なかった。

「知らない? ……何故?」
「事情があるんだよ」

 と、言ってみたものの、キャロルはどこか胡散臭そうな目でこちらを見てきた。
 うーん、まあ、普通は名前は知らないってことはないよなぁ。

 ただ俺がこの場で「俺とあいつは名無しなんだ」と言うつもりはない。
 面倒くさいことに、俺たちの魔王軍討伐の旅は一般では伝説となっている。
 四百五十年前の出来事だから、いくらかのバリエーションがあるものの、大抵の筋は決まっている。
 かつて世界が闇に閉ざされていたとき、東方より一人の勇者来たり、ってな。
 『名無しの勇者伝説』とかそんな風に言われているらしい。
 魔王を倒すまでは俺の英雄譚なんだが、
 最後に世界が平和になった代わりに俺が悪魔になって呪い続けているとかいう酷すぎるオチがついているので、
 幼子のころから語られていた伝説の名無しは俺だ、と宣言して、
 相手にいい感情を与えられるかどうかなんて容易に判断出来る。
531永世勇者@名無しさん 7/8:2007/10/28(日) 08:38:28 ID:qcYcB74W
「あっ」

 キャロルが口に手を当てて、驚いた仕草をしてみせた。
 ……ひょっとして気付かれたか?

「す、すいません。私、ど、奴隷の身分でご主人様に失礼な真似を……」
「ああ、別に気にしてないよ」

 どうやら大丈夫だったようだ。
 とはいえ、どこらへんまでごまかせるかどうかちょっと不安だ。
 彼女らにとっては真実なのかどうかすらもわからない伝説の登場人物が目の前に立っている、とは考えづらい、
 俺らはちょっと規格外過ぎるので、ひょっとしたら気付かれるかもしれない。

 それはそうと、キャロルはどうやら魔法関連に対しての知識欲が旺盛らしい。
 んなら、あいつの元で勉強させてやるのがいいだろうな。
 あいつも助手がいれば楽になるだろうし。

「んで話は戻るけど、ここはデルパ山。
 麓にはイムイム村っていう、確か特産品が漬け物の村があるけど、
 ここはデルパ山の大体八合目だから、イムイム村との交流は全くない。
 知っているかもしれんが、デルパ山の森は天然のダンジョンみたいに入り組んでいて、
 上級冒険者でないと頂上まで行けないし、行ったところで何もないから滅多に人が入ってこない場所だ。
 この家周辺はモンスターも出ないし、道に迷ってもすぐに助けてやれるが、あんまり下に行くと死ぬから気をつけてくれ」

 えーっと、俺は何の話をしようとしていたんだっけ?
 デルパ山の話になったのは……うーん……ああ、そうか、奴隷の扱いの話か。
 思い出した。

「で、俺らはこんなところに住んでいるから、はっきり言って世間に疎い。
 奴隷っていうものは、知ってはいるが、どういう風に扱えばいいのかわからないんだ。
 だから、君らに教えて欲しいんだが……」
「……」

 エレノアとケイトの二人はお互い顔を見合わせて目を丸くしていた。
 やっぱりこんな質問をしたらアホに見られるんだろうか?

 キャロルはどこかそわそわしている。
 この子は、さっきからあいつのことが気になってしょうがないようだ。
 俺の話なんてろくに聞いている気配がない。

「えっと……その、私たちは……」

 エレノアは切れ切れに奴隷の扱いについて話をしてくれた。
 嘘も言えたんだろうが、エレノアは正直に、顔を赤らめながら本当のことを言った。

 彼女の話によると、馬や牛なんかと同程度に扱ってくれる主人ならば、奴隷にとってよい主人らしい。
 女奴隷は、主に炊事洗濯掃除と、あとは夜伽。
 三人娘は見目麗しいから、主に使われるのは夜の分野だろうと、そこまで正直に言ってくれた。

 なるほどね。
 最初からわかってたけど、必要ないな、こいつら。
532永世勇者@名無しさん 8/8:2007/10/28(日) 08:41:41 ID:qcYcB74W
 洗濯や掃除はともかく、料理は俺の趣味だ。
 勇者が料理の趣味を持っているというのは変だが、長く生きていても料理は飽きない。
 勇者になった故に敏感になった味覚と、不死身になった故に蓄積された知識を集結させて、思いっきり上手いものを作る。
 うまいものを作れれば、俺も嬉しいし、あいつも喜ぶ。
 どうせ他にやることもないのだから、生き甲斐といってもいいくらいのものになっている。
 その生き甲斐を他人にやらせるつもりは毛頭ない。

 夜伽も、いらない。
 俺にはあいつがいるし、そもそも我慢しようと思えばいくらでも我慢出来る。
 エレノアは18、ケイトは16、キャロルは15……俺の好みから言っても年が少なすぎるし。

 じゃあ、どんなスキルを持っていれば役に立つ奴隷なのか、と言われても返答に困る。
 そもそも俺は奴隷なんて必要なくて、あいつが勝手に買ってきたものだ。

「あー……別にいいよ」

 正直なところを言うと、あいつと俺だけの静かな二人暮らしを満喫させて欲しいんだ。
 普通の人間は普通の人間の中で普通に生きているのが一番。
 異質な存在である俺たちと関わっても、余計な面倒が生まれてしまう。
 とはいえ、向こうを巻き込んでしまったのはこちらの方だし、強く言えないのが辛いところなんだけれども。

「洗濯や掃除はちょこっとやってもらうが、他のことは何もしなくてもいいし、求めもしない。
 夜伽とかも気にしなくていいよ」
「え、あの……」

 エレノアとケイトは意外だった様子。

「あの……自分で言うのもなんなんですが、その、私たちってそれなりに高かったんですけど……」
「いや、金のことなんて興味ないから。俺のじゃないし、あいつのだってどうせあぶく銭だったんだろ」
「そういう次元の金額じゃ……」

 なんでまたしつこく言うんだろう?
 この子らの脅えっぷりを見れば、そーゆーことはしたくなさそうだったのに。
 長年女性を見続けてきた俺の眼力が確かなら、彼女らは全員処女だ。
 そして、処女を望まぬ相手に献げたがるタイプではない。

「俗世に未練のない老夫婦の養子に入ったとでも思えばいいんだよ。
 とにかく金のことは本気でどうでもいいし、そんな深く考える必要はない」

 ……俗世に未練のない老夫婦、って自分で言っていて嫌な言い回しだな。
 その通りじゃないか、と言われれば否定できないんだが、認めるのも少しアレな気がする。
 今度久々に『生きている』友人の家に尋ねてみようかな。
 俺には若さが足りなくなっているかもしれん。

「じゃ、夕飯になったら呼ぶから、適当にくつろいでいてくれ」

 ぽかんと口を開いて、俺を見ているエレノアとケイトを尻目にドアを閉めた。
 あーあ、これからどうなるのかねえ。
 死ぬまで面倒見なきゃならんのだろうか。
 適当な折り合いを付けて、追っ払うことが出来ればいいんだがなあ。

 と、思っていたら背後でドアの開く音と、ぱたぱたと走ってくる足音を聞いた。

「なんだよ、別に本当に金のことはどうでもいいって」
「あ、あの! さっきのお姉さまの部屋ってどこですか?」

 俺の服の裾を掴んだのはキャロルだった。
 眼をきらきらと輝かせ、なんだか異様に嬉しそうにしている。

 ……この子はマイペースだなあ……あいつみたいな性格にならなきゃいいけどなあ。
533名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 08:42:50 ID:qcYcB74W
今回はここまで。
エロは次回以降になります。
534名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 09:19:04 ID:kGDbzj7O
おっおっお
こりゃ良いな、続きwktk
535名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 09:35:16 ID:kwFlgqZo
面白いですわ。うん、これは期待。
536名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:22:40 ID:s0tYCCih
久しぶりに、主人公勇者とか見た、面白そうなので期待している。
あと「心配ゴム用だ。」で笑った。
537名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:50:48 ID:WB8LAfuZ
永世勇者と永世勇者補佐のエロも見たいです。
538名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:27:06 ID:1Uy3Eyk8
心配ゴム用
つまり、生ですよというメッセージか!
539名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 02:10:50 ID:B/uRsXAT
GJ!
永世勇者子供もいるし、時間の分子孫も沢山いそうで、生殖能力健在だけど
永世勇者補佐は永世勇者と交わりまくってて子供出来ないのは魔法による避妊か、補佐化した時に生殖能力が失われてるのか
まあ何にせよこの二人の間に子供できても普通の人間としてすぐ寿命で死ぬだろうしね
というかもう死んでるだけで作ったことあったりするんだろうか?どっかにその子孫とか
“現在”の二つ名持ちの連中……永世勇者達からすればひよっこもひよっこの青二才だろうなー
新たに魔王が生まれたとしても、同じ名無しで同格だけど、やっぱ経験値的にひよっこか(笑)
というか単純なようでいて深い設定という、絶妙な世界観にもう色んな意味でwktkが止まりません
540名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:27:56 ID:mAD023tN
勇者と補佐の間に子供が出来ないなら、
勇者が外に子供作った時、補佐はどんな気持ちだったのかな……?
541名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:02:07 ID:BcVgHjor
これは期待
542名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:23:28 ID:QCvYw9lk
>>533
GJ。
互いにどう呼んでるのかちょっと気になるなあ。
それこそ、俗世に未練の無くなった老夫婦みたいに、「お前」「アンタ」で呼び合うのかね?
三人娘が二人をどう呼ぶかも興味がある。


そういえば、勇者って魔王より強い存在なんだよな。
とある漫画で、魔王を倒した後、迫害される勇者の姿が描かれていて、とても悲しくなった。
543名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:31:07 ID:+mae/ZkV
ドラクエ2のことかー

いやあれは神殺しだけど
544名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:12:43 ID:nGA5Qiio
>>543
破壊神も魔王も同じだべ。
ちなみにアレは隠しパラメータとして設定されていた「賢さ」がスライム以下だったらしいぞww
545名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:41:57 ID:0dpCBfHF
永世勇者の続きを投下します。
結構長い上に今回もエロ無しです、申し訳ありません。
次回には必ずエロを入れます。
546はじめまして名無しさん@永世勇者 1/21:2007/11/07(水) 23:48:12 ID:0dpCBfHF

 三人娘が来てから早くも半年ほどが経った。
 いや、本当に早く感じられたのか、ちょっと俺にはわからない。
 長く生きすぎていると時間感覚がボケてくるらしく、
 時間の進み方が早く感じられるのか、遅く感じられるのか、わからなくなってくるのだ。
 まあとにかく、俺の主観的な時間のことは置いといて、客観的な時間は確かに半年くらい経ったのである。

「ししょー! ししょーってば! 起きてくださいよ!」

 心地よい惰眠に身をゆだねていた俺を揺さぶり起こすヤツがいた。
 ケイトだ。

 ケイトは女性であるにもかかわらず、過去に剣術道場に通っていたことがあったらしい。
 それなりに筋も良く、剣だけでなく槍の扱いも出来たので、この俺が直々に鍛えることにしたのだ。

 鍛えることに意味はない。
 ただの暇つぶしだ。

「素振りは終わりましたっ! 約束通り、今日は私の相手をしてください!」

 半年前は長かった金髪は、今ではばっさり切っている。
 エレノアやキャロルとは違ってとてもアクティビティーな彼女にはよく似合う髪型だ。

「ああ、はいはい、わかったよ」

 欠伸をするついでに背筋をのばし、流れた涙と涎を手の甲で拭く。
 今日は、ケイトに組み手をしてやる約束をせがまれて、ついつい了承してしまった日だ。
 適当にストレッチとアップ運動、
 そして素振りをやらせている最中、日差しが気持ちよかったため、ついうとうとと。

「もう、いくら私が相手だからってそんなに気を抜かないでください」

 いや、それにしても今日はいい陽気だな。
 びっくりするほど昼寝日和だ。
 適当に相手した後、昼寝することにしよう。

「はいはい」

 木剣を片手に持ち、軽く二度振ってみる。
 ケイトも自分の木剣を持ち、俺の正面に立って油断無く構える。
 ケイトは彼女の年齢で、更に女性というハンデもありながら、中々堂に入った構え方をしていた。
 最近平和ボケしている俺ですら指先がチリチリとする。

 裂帛の気合が籠もっている。
 なるほど、かなり本気でもって俺とやろうとしているらしい。

 少し構えを直して、ケイトと見合う。
 しばらくの間見合っていた俺とケイト。
 先に動いたのはケイトだった。

 俺相手には下手な小細工は通じないと考えたようで、まっすぐ突っ込んでくる。
 それがベストな考えだ。
 まあ、ベストを尽くしたところで、勝てるかどうかはまた別なんだが。
547はじめまして名無しさん@永世勇者 2/21:2007/11/07(水) 23:49:20 ID:0dpCBfHF

「ぃやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 ケイトの全力の一撃が振り下ろされる。
 もし一般人がこれを食らったら、いかな木剣といえ、下手したら死ぬほどの一撃だ。
 俺は右手に持った木剣で、その一撃を受け止める。

 バヂィ、という木と木がぶつかり合って通常出さないような音を出し、弾けた。
 ケイトの木剣は受け流されて、俺の頭ではなく、何もないところに滑り落ちる。

「ま、まだまだぁッ!」

 俺は自分の木剣をケイトの脇に差し込んだ。
 そのままくるっと力を込めれば……。

「へ、あっ、きゃっ!」

 バランスを崩したケイトは、その場で転ぶ。
 仰向けに倒れたケイトの首元に、軽く木剣を向けてやって、終わりだ。

「これで満足したか?」
「うっ……うう……や、やっぱりししょーはバケモンだぁっ!」
「バケモンって、人聞きの悪い」
「で、でもでも、あんなことやれるなんて人じゃないですよ。
 私の全力の一撃を片手で受け流して、人の脇に木剣差し入れて転倒させるなんて、
 常人の筋力と反射神経じゃありません」
「要するに慣れの問題さ。
 まっすぐ突っ込んでくるのがわかれば、筋力と反射神経はそれほど必要じゃない。
 行動を予測して、通常の反応より早く動けば割と簡単にこれくらいできる」
「それでもやっぱり常人のすることじゃありませんよ!」

 普通の人間で俺の今言った境地に立ったヤツは何人か知っている。
 ただ俺もそうかというと違う。
 全て筋力と反射神経で出来てしまうからだ。
 出来るんだから、相手の動きを予測なんてする必要もなく、必要がないから鍛えなかった。
 鍛えない上に、筋力と反射神経以外の、もう一つの能力を使えば対人戦では無敵になれてしまう。
 そもそも頭をかち割られようと、胴体ぶった切られようと、俺はどうせ死なないんだけどな。

 手に持っていた木剣を地面に落とし、俺はさっきまで寄りかかっていた木に向かって歩いていった。

「じゃあ、後は適当にいつも通りのことをやっててくれな」
「師匠は何するんですか?」
「今日はちょっと昼寝を楽しむことにする」
「いいんですか? 剣術の修行は一日怠けると取り戻すのに時間がかかりますよ」
「かわいい弟子が俺に追いつけるように怠けてやるんだよ」

 さあ昼寝昼寝。
 今日は何十年に一日もない昼寝日和の日だ。
 いつもは律儀に生きている俺も、今日ばっかりは昼寝することに決めた。

 近くでケイトが剣術の訓練をしている音を聞きながら、俺は木に寄りかかって眼をつぶった。
 木漏れ日が実に暖かい。
 優しい風が俺の頬を撫で、髪を揺らしている。

 うん……実にいい……。

 俺が眠りに落ちるのに、一分とかからなかった。
548はじめまして名無しさん@永世勇者 3/21:2007/11/07(水) 23:52:46 ID:0dpCBfHF

 夢を見た。
 懐かしい夢だった。

 辺りは暗闇、空には月が。

「……勇者様」

 白いドレスを着た女性がいた。
 腰まで伸びた美しい金髪が、夜風に吹かれてほんの少し揺れる。
 俺は腰に剣をつり下げたまま、暗闇と戯れる彼女を眺めていた。
 彼女の声を、俺の耳が欲していた。

 ああ、懐かしいな。
 何年前のことだろうか。

「姫……」

 話自体は陳腐だったものの、俺は彼女のことが本気で好きだった。
 長く生きてきて、色んな女性を愛してきたけれど、彼女は一番最初に本気で愛したヒトだった。
 そして一番最初に救えなかった女性だ。
 彼女とともに王城のテラスで見た星空は、今でもはっきり覚えている。

「父は……父はきっと私たちのことをわかってくれます」

 彼女が俺に寄りかかってきたときの心地よさも、体温も、涙の色も鮮明に覚えている。
 俺がまだ勇者になったばかりで、まだ多くの人間性を持っていたときの話だ。
 魔王を倒し、魔族を屠り、人間を救った……一番調子に乗っていたときでもある。
 当時の俺は何でも出来ると思っていたし、いつかは必ずハッピーエンドを迎えられると思っていた。
 恋に酔っていたことも、失敗したことの一つの要因だったのかもしれない。

「そうですね、きっと俺たちは……」

 バカみたいな笑みを作って、空を見る俺。
 俺以外に頼れる人がいないヒトの体温を感じつつ、俺は彼女以外のことを考えていた。
 愚か過ぎるといえばそうなんだが、これを愚かとだけ言って斬り捨てるのは、人間性の否定に他ならない。

 当時の俺に、もうちょっと上手く立ち回ることができたら、現状も少しは変わっていただろう。
 最低でも彼女を連れて逃げる甲斐性があれば、彼女をあんな目に合わせることはなかったろうに。

「勇者様……」
「姫……」

 世界を救った勇者と、救われた国の姫、か。
 初心だった頃の俺が交わした、唇が触れるだけのキス。
 今でもあれ以外で、あれほど濃密に他者と心を交わしたキスはない。
549はじめまして名無しさん@永世勇者 4/21:2007/11/07(水) 23:54:13 ID:0dpCBfHF
「師匠、終わりましたー」

 ケイトの声がした。
 途端に眠りが醒め、今まで見ていた夢はうたかたに消える。

「師匠、師匠ってば」

 起きるのは面倒で、体を揺さぶられるがままにして、狸寝入りをする。
 こう心地よい眠りを味わったら、目を開くことさえ酷く億劫になる。

「もう、ししょーっ!」

 起きない俺に痺れを切らせて、ケイトはやけになって力一杯揺さぶってきた。
 ケイトが俺に近づいたせいで、汗の臭いが鼻腔一杯に広がる。
 これが男だったら、何すんじゃボケェッと飛び起きてぶん殴るところだが、
 別に女、それも見た目のいいものだから特に気にならない。

「……起きない……全っ然、起きない……流石師匠、っていうべきか。
 動かざること山の如しだわ」

 ようやく諦めてくれたのか、ケイトは俺を揺さぶることをやめてくれた。
 ただ、俺を放っといてはくれないらしく、その場で座り込んだ。

「んー……確かに今日はぽかぽか暖かくて、眠くなりそうな陽気よねえ」

 今更気付くだなんて、ケイトもまだまだだな。
 百年くらい生きてみれば、今日の昼寝の適温っぷりはわかる。

 えーと……ああ、そういえば人間の寿命って百年もないか、じゃあ俺の境地まで立てないわな。

「でもあれほど揺さぶっても起きないなんて異常よね。
 師匠、強いし、若いし、なんか悟っちゃってる目してるし、最初から異常といえば異常なんだけど」

 ほっとけ。

「本当は起きてるんじゃないかしら? ……寝たふりしてる?」

 再びケイトは俺の顔に近づいてきた。
 寝息やら何やらを感じ取って、眠っているかどうかを確かめているらしい。

 ふっ、無駄な事よ。
 狸寝入りは勇者の必須スキル。
 熟練レベルに達している俺に、ケイトが気付くはずもない。

「寝てるわね……本当、ぐっすりと」

 ふん、その通りだ。
 俺は寝ているんだ、だから早くあっちいけ。
 今こうしている間にも、絶好の昼寝タイムは刻一刻と減りつつあるんだ。
 一秒がダイヤモンド一粒に匹敵する黄金の時間を無駄にしたくはない。

「……起きないわね」

 そうだよ、起きないよ、だからあっち行け。
550はじめまして名無しさん@永世勇者 5/21:2007/11/07(水) 23:55:48 ID:0dpCBfHF

 俺のあっち行けという心の奥底からの念は、ケイトには通じなかった。
 不出来な弟子を持って俺は不幸だ。

 ケイトはあっち行くどころか、顔をますます俺に近づけてきた。
 このままじゃ、顔が触れるぞ。
 目を開いてないからよくわからんが、気配が顔の前に来てる……。

「……」
「……」
「……」
「……」

 ……。

「起きない、わよね……」

 あれれ?
 ケイトって俺にそーゆー感情を抱いていたのか。
 普通の師弟関係だと思ってたんだけどな。
 やっぱり俺の感性が鈍っているせいか、見抜けなかったようだ。

「やっぱり起きない……」

 ケイトの声は心なしか残念がっているようだった。
 いや、俺の気のせいかもしれんが。

「……私も昼寝しよう。師匠、膝を借りますよ」

 ふうむ、流石に、もう、起きた方がいいかな?

 ケイトの気配がもそもそと、横になって俺のフトモモに頭を乗せようとした直前に足を動かした。
 ケイトの後頭部は空を切り、地面の木の根にぶつかる。

「あ、いたたたた……」

 直後、目を開いた俺と、目が合った。
 地面に転がっているケイトを、木に寄りかかっている俺が見下ろしているような格好になる。

 ケイトはきっかり五秒ほど、硬直していた。

「し、しししししし、ししょーっ! お、おおおおっ、おきてらしたんでしたきゃかかかか」
「言葉になってないぞ」
「い、いひゅ、いひゃから、いつからおきてらっしゃりんらから」

 いつから起きてらっしゃったんですか、か。
 あまりに慌てすぎて、呂律が回ってない上に舌を噛みまくってるせいで言語が崩壊をきたしている。

「いつからだと思う?」
「いつ、いつ? え、っと、わ、わかりません……」
「最初からだ」
「最初、最初……え、えっ、ええええええええええええッ! じゃ、じゃあッ!」
「いやあ、ケイトは変わった性癖を持っているようだな」
「や、やあああああああッ!」
551はじめまして名無しさん@永世勇者 6/21:2007/11/07(水) 23:56:54 ID:0dpCBfHF

 ケイトは顔を真っ赤に染めてうずくまった。
 両腕で顔を隠して、なにやらよくわからない言語をうめいている。
 精神的七転八倒状態とでも言うのだろうか。

「まあまあ、ケイト、落ち着け。顔を上げろ」

 うずくまっていたケイトの肩に手を当て、優しい声を掛ける。
 ケイトは肉団子みたいに丸まった状態から、ちらと顔を出し、すぐまた隠す。
 そしてその後、うあーんと声を上げて余計に体を動かし始めた。

「十秒だけお前に猶予をやろう。その間に走って逃げるんだ」

 わかったか、と言うとケイトは少し顔を出してこちらを見た。
 俺がこんなことを言い出した意図がわからないようだった。
 まあ、通常のやり方じゃないというのは俺だってわかっている。

「ほら、うずくまってないで早く逃げる準備をしないか。十、九、八、七……」
「わっ、わわわッ!」

 ケイトはただ焦って言われるがままに立ち上がり、俺に背中を向けて、全速力で走り出した。
 両手で顔を隠しつつ、そのせいで時々転びそうになりながらも一目散に逃げていく。

 ふむ、きっとケイトは混乱していると思って、俺の都合のいいことを滅茶苦茶言ってみただけなんだが、
 なんだか予想以上に上手くいったようだ。

「も、もうお嫁に行けないーッ!」

 ケイトは大声で喚きながら、森の中に突っ込んでいき、すぐに見えなくなった。
 ここの生活に慣れてきたことだし、我を忘れているというものの危ないところまでは行かないだろう。

 やれやれ……最後まで騒がしいヤツだったが、これでようやく落ち着いた。

「……また変なことに巻き込まれないようにしないとな」

 木の下という、目立つ場所で昼寝をしていたからいけなかったんだ。
 要は見つからないところで昼寝をすれば邪魔も入らない。

 ふむ……木の上、ってのもいいな。
 ちょうど俺が背にしていた木は大きさといい、高さといい文句なしの逸材だった。
 この木に登って眠ることにしよう。

「とうっ!」

 地面を軽く蹴ると、数メートルの距離を飛び上がる。
 すかさず手を伸ばして木の枝を掴み、そのまま反動を付けてよじ登る。
 出来るだけ太い枝に跨り、幹に体重を掛ける。
 俺の体重に負けて折れたりはしないみたいだし、余程強い風でなければ揺れることもないようだ。
 あとはロープがあれば、俺の体を縛って、寝ている最中に落ちないようにすれば万事OKだが、
 残念ながらそこまで用意していなかった。
 まあ、落ちたところで多少痛いだけだから大丈夫だろう。

 うん、より近くに感じられる木漏れ日と、頬を撫でる風が実にいい感じだ。
 このまま、昼寝を楽しむことにしよう。
 今度は陰気な夢なんて見なけりゃいいな。
552はじめまして名無しさん@永世勇者 7/21:2007/11/07(水) 23:58:05 ID:0dpCBfHF

 ゆるゆると、睡眠という俺には生きるために必要不可欠でなくなった生理状態に陥ろうと目を閉じた。
 いくらでも寝ていなくてもいい体になったとはいえ、眠ると頭がすっきりするし、ストレスも落ちる。
 一日中起きていてもやることはないし、どちらかといえば寝ることは好きだ。
 しかし、一度起きてしまったため、いくら陽気がよくてももう一度寝付くことが中々できない。

 ううむ……ケイトめ……余計なことをしてくれたッ!

 ケイトを恨んでもしょうがないので、目を閉じ、風が俺の頬を撫で、木の葉を揺らす音に集中してみることにした。
 すぐさま寝ることが出来る、というわけではないが、これはこれでいいかもしれない。

 しばらくゆるゆると心地よい状態に身を任せ、時間の感覚が次第に無くなっていく。

 ……。

「どうしたの、ケイト姉さん?」
「あ、いや、さっき師匠がこの木のところで寝ていてな……ひょっとしたら近くにいるのかな、って思って」

 また邪魔が入ったッ!
 はっきりとした意識が蘇ると、木の下に三つの気配があることに気が付いた。
 あの三人娘が、集まって、なにやらこそこそ話している。

「そういえば、さっきのケイトの叫び声が聞こえたけどどうしたの?」
「エレノア姉さん……い、いや、別に何でもなかったよ……」
「ケイト姉さんは『お嫁に行けない〜』って言ってたから、想像に難くないけど」
「きゃ、キャロルッ! だ、黙れよ!」

 思ったより騒がしい。特にケイトが。
 ようやく気分が良くなってきたというのに、またダメになってしまった。

「で、何でまた今日は呼び出したんだ? キャロル」

 ……ケイト、こいつ俺のいないところだとちょっと言葉遣いが荒いな。
 まあ、どうでもいいけど。

「いえ、ちょっと……先生達のことでね」

 キャロルの言う先生とはあいつのことだ。
 あいつを魔法の先生として師事しているからな。
 ケイトが俺のことを師匠と呼ぶのと同じ理由だ。

 ……何故かキャロルは俺のことを『お兄様』などと呼ぶんだが……。
 エレノアとケイトはあいつのことを『お姉様』と呼んでいるので同じノリなんだろうが、
 『お兄様』って俺の柄じゃないし、呼ばれるたびにどことなく面はゆい。
 前にそれとなく、お兄様って呼ぶのやめろ、って言ってみたが、ニッコリ笑ってスルーしやがったからな。
 あんまり深く突っ込むと、今度はあいつが俺のことをお兄様と呼び始めるような予感がするので、やめておいた。

 ……ううっ、想像しただけで寒気がする。

「ケイト姉さんは先生達のこと、どう思う?」

 ……あれまあ、なんというか出ることが出来なくなるようなお話をするみたいで。
 気付かれないようにこの場から立ち去ることも出来るっちゃ出来るが……うーん、聞いていこうかな。
 あんまり趣味のよくはないが、俺だってやっぱり他人からどう思われているのか気になる。

「どう、って言われてもな」
553はじめまして名無しさん@永世勇者 8/21:2007/11/07(水) 23:59:33 ID:0dpCBfHF

 ケイトはうーんと唸って腕を組んだ。

「師匠は強い」

 強い、って言われても俺としてはあんまり嬉しくない。
 もちろん自分で鍛えたのもあるが、ほとんどが神の力によるパワーだからな。
 強さが生きることも、最近は滅多にないしな。

「強さの底すら見えないほど強い。
 今日も手合わせしてもらったけど、見合った瞬間絶対に負ける、ということがわかるほどだった。
 しかも、それでいて師匠自体は全然本気を出していないというか……。
 師匠がその気になったら、私なんて三秒と経たずに殺されちゃうんじゃないか、ってそんな風に思えてくる」

 俺がその気になったら、残念だけど三秒も経たずに殺せちゃうんだけどな。
 まあ、ここまで見抜けていただけでもケイトもいい目をしていると言える。

「あとちょっとジジ臭い感じもするかな」

 ……今度、起きあがれなくなるくらい相手してやろうかな、ケイトには。

「若いくせに達観しすぎているっていうか。万事に冷めているような感じがする。
 はっきり言って、情熱が足りない。かといってクールっていうわけじゃなくて……ジジ臭い」

 ケイトの言うことも一理あり、俺自身万事に冷めていることをわかっている。
 だって、大抵のことはやりつくしちゃっていて、どれもこれも新鮮さを感じられないんだもの。
 無駄に熱くなって疲れるより、適当にやって休んでいた方が楽なんだもん。
 実際、年齢はジジ臭いってレベルじゃないしな。

「……なるほど、ケイト姉さんは精神的おじさん趣味だったわけ」
「な、なッ! 何を言うんだキャロルッ!」
「ちょっ、ね、姉さん、ちょ、チョークとかやめてよ! 締まってる、締まってる!」

 その場でキャロルを締め上げ始めたケイトを、エレノアがたしなめる。
 キャロルはここに来た日から、ケイトやエレノアなんかより精神的にタフだったが、
 あいつの影響からか、性格がちょっとずつこう、ちょっと、なんか嫌な感じになってきてしまってる。

「こほん、それで、ケイト姉さんは先生のことはどう思う?」
「先生? ああ、お姉さまのことか……正直なことを言うとちょっと怖い人、かな」

 それには全面的に同意できる。
 ただあんまり迂闊なこと言い過ぎると、消されちまうぞ、ケイト。

「むーっ、それはケイト姉さんの脳みそが筋肉で出来てるからじゃないの?」
「な、なんだとっ!」
「いつも黒い服着てるし、部屋の趣味も悪いし、足音立てずに歩いてるけど……。
 でも、先生だってちゃんと優しいところもあるのよ」
「そうなのか? あの人、無口だからあんまり話したことないしなー」
「無口、っていうのは偏見よ。
 確かに私にも必要以上のことはあんまり話してくれないけど、お兄様とはよく一緒に話しているもの」
「……ふーん、そうなのか」

 ケイトの声のトーンが一段下がった。
 キャロルはそれを察したのか、ささっと話題を転換すべくエレノアに話しかけた。

「エレノア姉様は、先生達のことはどう思う?」
「うーん……私は強いとか頭がいいとかあなたたちよりわからないけど、とにかくご主人様もお姉様も恩人ね。
 本来奴隷として扱われるはずの私たちにとてもよくしてもらっているもの」
554はじめまして名無しさん@永世勇者 9/21:2007/11/08(木) 00:01:10 ID:0dpCBfHF

「そうね、先生達の対応があまりにも普通過ぎるから忘れかけてたけど、
 私たちはお兄様にも先生にも一生かかっても返せきれないくらいの恩があるのよね」

 俺としては別に気にしてないけどな。
 食い扶持が三人増えたところで、どうってことはない。
 剣術を稽古してやってるのも、俺の暇つぶしだし、
 あいつが魔法の勉強をつけてやってるのも、自分の研究を手伝わせるためだからだ。
 それに、色々と事情もあるしな。

「でね、ケイト姉さんにエレノア姉様。お兄様や先生の名前って、知ってる?」
「いや、師匠は私がいくら聞いても名前を教えてくれない。
 あれほど腕の立つ人なんだから、それなりに有名な人だと思うんだけど……。
 お姉さまの方は、尋ねたこともないな。エレノア姉さんは?」
「私も……ご主人様に聞いても、その度に笑って誤魔化されてるわ」

 ……んー。
 こんなことを言い出すなんて、キャロルのやつはもうわかったのかな?
 ま、いずれバレることだしな。

「私も先生やお兄様に名前をいくら聞いても教えてもらえなかったわ」

 俺の名前を教えて欲しい、と一番しつこかったのはキャロルだ。
 エレノアは俺に遠慮しているのか、一度教えなかったら二度と聞いてこなかった。
 ケイトは俺をさぞ高名な剣士だと思って聞いてきたが、しばらくすると忘れてしまった。
 キャロルは俺に遠慮もしないし、忘れもせずに何度もしつこく聞いてきた。
 あんまりにもしつこいから、一時期顔を合わせるたびに俺の方が走って逃げ出さなきゃならなかったほどだ。

「弟子入りして、こっそり先生が書いた論文なんかを読んでみたけど、
 現在の魔法技術の数百年先に行ったものを平然として使っているの。
 中には魔法関連の業界が、一晩にしてひっくり返るといっても過言じゃないようなものも、
 先生の部屋には無造作に積まれてるの」

 ふーん、そうなのか。
 いいよなあ、あいつは。
 空よりも広く海よりも深い学問を、飽きることなく探究できて。

 剣術なんていくら鍛えても確実な限界がくるし、
 そもそも鍛えたところで張り合える相手が魔王とその部下一くらいしかいない上、
 魔王は数十年に一度しか戦えず、部下一の方とはもう本気で戦えない。
 その点魔法の研究ってのは、役に立ったりするから楽しいんだろうなあ。
 俺も魔法は使えるけど、理論があーだこーだとかいちいち考えずに、感覚だけで使ってるからな。
 使える魔法も、ほとんど攻撃魔法だけだし。
 いまさらあいつに頭下げて教えてくださいってお願いするっていうのもイヤだから、
 趣味として料理に逃げたわけだが。

「ただの天才、ということすら出来ないレベルなのよ。
 先生の外見年齢から言って、赤ん坊の頃から研究をしていたとしても、
 あそこまでの境地に立てるわけがないわ」

 その場でキャロルはなにやら専門用語を交えながら、捲し立て上げた。
 実現不可能とされていた魔力永久機関の創造やら風邪、水虫、癌の特効魔法薬なんかの発明品とか、
 そういったことを熱く語り始めた。

 それにケイトは興味なさげに欠伸をし、エレノアはいまいちわかっていないのか、首をかしげている。
 魔法の学問ってのは高度なので、一般人にとっての反応はこんなもんだろう。
555はじめまして名無しさん@永世勇者 10/21:2007/11/08(木) 00:02:56 ID:bS1tZIjk

「で、要するに何なんだ? 師匠とお姉さまの話してたんだろ?」
「っと、そうだったわね。先生はただ天才というだけでは説明できないモノがあるのよ」
「はいはい、お姉さまがすごいってことはよくわかったよ。毎晩のように聞かされてるから」
「先生が書いた本やら論文を計算してみると、何十年不眠不休で書いたところで絶対追いつけないくらい量があるの。
 だから、先生もお兄様も私たちとはあまり年齢が違わないように見えてるけど、
 本当はもっとお年を召しているんじゃないかなあ、と思ったのよ」
「はあ?」
「どういうことかしら?」
「先生とお兄様が私の予想通りの人物だとしたら……四百年以上生きている人なのよ」

 おおっ、まさに的中だ。

「……キャロル、師匠達をネタに使って私たちをからかおうとしているんだったら許さないぞ」
「そんなことするわけないじゃない! ある程度、裏付けるようなことを調べて言っているんだから!」
「でも四百年以上生きていられる人なんて……」
「今の魔法技術であれば、百五十年ほどまで生きられる延命魔法があるわ。
 それとは別に、『奇跡の人』スタマール氏は、延命魔法無しで三百年生きた普通の人間よ。
 もっとも行方不明になっただけだから、今も生きている可能性もあるのよ」

 おっ、スタマールか。
 これはお馴染みだ。
 俺が勇者になって、魔王を討伐する間に知り合ったヤツだ。
 ただの人間のくせにやたら長生きしている謎なヤツだった。
 俺らと違って緩やかだが年をとって、最後に会ったときは爺さんだった。
 爺さんっていっても元気溌剌で、米二俵担いで平然とフルマラソンできるスーパー老人だったがな。

 どこにいても必ず俺たちの居場所を察知してきて連絡をよこしてくれたり、
 永世勇者補佐のあいつですらもスタマールの情報源やら長命の理由を理解できなかったり、
 不思議を通り越して気持ち悪いヤツだったけど、嫌な伝説が残っている俺達の数少ない理解者だった。

 最近、遊びに来ないと思ってたけど、行方不明になってたのか。

 ……ひょっとしたら逝ったのかもな。
 死に際を人に見せるようなタイプじゃなかったからな。

 ま、スタマールに関しては死んだと思っても忘れたころにひょっこり顔を出すヤツだったから、
 生きている可能性も十分あるがな。

「でも、四百年以上ってのは、ありえないだろ。
 私も『奇跡の人』の話は聞いたことあるけど、あの人、ちゃんと年を取っていたじゃん」
「もし実在したならば、たった二人だけ年を取らない人がいるのよ」
「それは……誰? キャロルちゃん」
「『名無し』よ」

 流石はキャロル。
 とりあえずそれなりに幸せで頓着していないエレノアと、剣術ばっかに打ち込んでいたケイトとは違うな。
 憶測で物を言うタイプじゃないから、いくらか手がかりも掴んでいるんだろう。

「『名無し』……『名無しの二人』『ノー・ネーム』様々な言われ方があるけど、『名無し』が一般的ね。
 『名無しの勇者伝説』に出てくる神に任命された若い男の勇者と、若い女の補佐。
 四百五十年ほど前に現れ、魔王を打ち倒し、勝利をもたらされたとされている存在よ。
 彼らは神から不滅の肉体を得て、その代償として、名前を失った……。
 何年経とうが年を取らず、死ぬこともない存在。
 ……先生とお兄様が名前を名乗らないのではなく、そもそも名前がないのならば説明がつくわ」
556はじめまして名無しさん@永世勇者 11/21:2007/11/08(木) 00:04:12 ID:bS1tZIjk

「ば、バッカバカしい。名無しの勇者伝説みたいな御伽噺が本当だと思っているのか?」
「歴史家の中では名無しの勇者伝説は実際に起こった出来事だと認める人もいるわ。
 中央図書館で起こった火災のため、当時の資料はほとんど残っていないけど、
 各地に断片的に、名無しの勇者伝説が実際に起こったことを裏付ける文献がいくらか見つかってるわ。
 第一、ケイト姉さんだって名無しの勇者伝説は本当のことだと信じていた人だったじゃない。
 第百十二回武闘大会での優勝賞品が名無しの勇者が使っていたとされる『名の無いの剣』だった、って」
「あれが本物の『名の無い剣』だった証拠はないだろ!
 私たちが生まれるずっと前の武闘大会だったし、
 優勝者がそのまま姿を消して、結局本物かどうかわからなずじまいだったそうだし」
「私がそれをケイト姉さんにいって、絶対本物だ! と言い張ったのはケイト姉さんなんだけどね。
 それに、その大会だけ群を抜いてハイレベルな選手が参加してたのに、優勝者は当日参加者の無名の剣士。
 東洋の武器『ジュッテ』なるものを使って、全試合相手選手の武器破壊をして勝ち抜き、
 尚かつ、当時武闘大会の公営ギャンブルで悪行を働いていた地下組織を準優勝の女剣士とたった二人で壊滅に持ち込み、
 副賞の賞金を惜しげもなくばらまいた上、決勝戦で人間離れした勝負を見せた女剣士と翌日結婚宣言をし、
 庶民の人気が最高潮に達していたのに、更にその翌日に逃げた人だったんだけどね。
 もちろん、本物の名無しの勇者が自分の剣を取り戻すために大会に参加したっていう話は今でも聞くし、
 その人は『名前を覚えさせられない呪い』という、本当にそんな呪いがあるのか疑わしい呪いにかかってたらしいわ。
 お金に執着していないってところが、私たち奴隷三人を買って、特に何もさせない誰かさんに似てない?
 その上、私、『名の無い剣』にすごく似ている剣をこの家の空き部屋の中で見たことあるんだけど」

 もちろん、その大会優勝者は俺だ。
 いやー、自分の剣なのに数百年放りっぱなしにしちゃってて、
 たまたま王都に行ったときに優勝賞品にされてたのを見てびっくりして参加したんだよね。
 その際なんかもう色々と大変な目にあったんだけど、それはまた今度の話にしておこう。

「じゃあ、なんなんだよ! 師匠があの『三つ首の悪魔』だと言うのか、お前ッ!」
「そうじゃないわ、姉さん」
「うるさいッ!」
「きゃっ」

 ケイトがキャロルを突き飛ばした。
 キャロルは木に当たり、微かに振動がここまで伝わってくる。

「もう二度とそんなこと言うなよ、キャロル!」

 ケイトはそう言い捨てたあと、その場から走って行ってしまった。

 『三つ首の悪魔』ってのは『名無しの勇者伝説』に出てくる名無しの勇者の末路だ。
 その名の通り三つの首があって、口から毒と呪いをはき続けているらしい。
 もちろんそんなのは当時の王が勝手に作り上げた捏造だ。
 激しい粛正の嵐が王都に吹き荒れて、俺を擁護していた人間は皆殺しで、資料もほとんどが燃やされた。
 表向きには中央図書館の火事と片づけられているが、歴史の裏では人間の業が働いていたってわけだ。
 そのせいでこんな突飛な嘘がまかり通っている。
 戦争直後、俺の周りには味方より敵が多かったから、嘘の広まり方も早かった。

 俺と一緒に前線で戦った人間には仲間が多かったし、親友と呼べるような人間も結構いた。
 ただ危機的状況にあるっていうのに、王国には保身しか考えていないヤツが多くて、
 そういうやつらは大概安全な場所にいるから戦争が終わっても生きてる上、
 庶民やら兵士やらに人気のあった俺を嫌いらしかった。

 戦争が終わってしばらくしたら、
 王とタコ貴族どもが魔王軍と戦っていたときよりも強く結束して、勇者である俺を追っ払ったのだ。

 前線で恐怖で震えながらも家族のいる国を守るために戦って生き残ったが、守った国の人間に殺された戦友や
 スタマール、それに竜人族のみんなにも迷惑掛けたことを考えると少しやるせない。
557はじめまして名無しさん@永世勇者 12/21:2007/11/08(木) 00:05:45 ID:bS1tZIjk

 あのとき俺にもう少しの甲斐性があって、見通しの甘さがなかったら、防げたかもしれない。
 ……いや、そのことを考えるのはもうやめることにしたんだった。
 時計の針を止めることが出来る俺でも、戻すことはできないんだから。

「姉さん……」
「……ケイトちゃん」

 キャロルとエレノア、あと俺は走り去っていくケイトを見る。
 どうやらケイトはもうちょっと落ち着かせてから、俺と一対一で話す必要があるみたいだ。

「エレノア姉様。もし先生達が『名無し』だったらどうする?」
「どう、って?」
「きっと先生達は優しいから、私たちにどうするか選ばせてくれるわ。
 ここを出て行って、別の場所で生きることを許してくれると思うの。そうなったら、どうする、ってこと」
「ここを出る? どうして?」
「……ああ、いいわ、エレノア姉様。最初っからそーゆー考えは頭にないのね」

 さってと、とキャロルは自分の服の埃をはたいて、三角帽子をきゅっと被り直した。
 ふむ、この二人は大丈夫そうだな。

「で、キャロルはどーすんだよ」
「きゃっ!」

 木からぶらーんと垂れ下がって、俺は二人の目の前に姿をさらした。
 キャロルは、突然俺が現れたことに驚いて、小さい悲鳴を上げて尻餅をついた。

「お、お兄様ッ!」
「いやー、聞くつもりはなかったんだけどな。
 木の上で昼寝してたら、お前らが話をし始めちゃってさ。
 しかも内容が内容だから降りるわけにもいかないし」
「き、聞いてらしたんですか?」
「うん、まあ、な」

 さあて、なんと言うべきか。

「キャロルの推測は的中してるぞ。俺こそが名無しだ。来月で四百七十歳になる。
 東方より来たりて王都を救い、魔王の心臓に剣を突き立て、勝利をもたらした勇者だ」

 地面に降り立ち、言う。
 エレノアもキャロルも、突然の登場にまだ泡を食っているようだ。

「で、キャロルはどうするんだ? お前の言ったとおり選ばせてやる。
 ここに残るか、それとも出て行くか。
 奴隷のこととか、出て行った後の行き先とかそういうことは考えなくてもいいぞ」
「私? 私ですか? 私は例え出て行けって言われても出て行きませんよ。
 先生がこの世界で最も優れた賢人であることが証明された以上、石にかじりついたってここに残ってみますわ」

 キャロルは青色の瞳でこちらをじっと見つめてきた。

 キャロルはそうだろうな。
 最近は格好まであいつを意識していて、黒い三角帽子を真似して常に被るほど、あいつに心酔している。
 一体何世代前の魔女スタイルなんだよ、と突っ込みを入れたい。

「そうか、なら別にいい」
558はじめまして名無しさん@永世勇者 13/21:2007/11/08(木) 00:06:45 ID:bS1tZIjk

「ところで、お兄様。お兄様が名無しの勇者なら、魔法が使えるんですか?」
「まあな、攻撃魔法くらいなら……って、その前に聞くことはないのか?
 お前らの話じゃ、俺は『三つ首の悪魔』ってことにされてるんだろ?」

 偉く普通に接してくるキャロルに今更ながら気付いた。
 正体を明かしたらもうちょっと驚かれると思っていたんだが……。
 エレノアが驚いていないのは、育ちが良すぎるため、少し物事を二歩三歩遅れて考えているからだ。
 自分にはついていけない話には口を挟まないように躾けられているのか、黙って聞き役に徹している。

 剣術のケイトに、魔術のキャロル。
 エレノアは長女であるが故に、妹たちよりも自由を制限されていたんだろう。

「ふふん、あんなの作り話に決まってるじゃないですか。
 ちょっとくらい頭が回って、名無しの勇者伝説のことを真剣に調べた人がいるならわかりますよ。
 誰も倒せなかった魔王をたった二人で打ち倒した勇者が悪魔になって、
 どうして戦力が激しく減退していたはずの国の騎士団で倒すことができますか?
 神の力を得た勇者に代わる勇者『エリント・フォン・ドルリエ』が出てきた、と書かれていましたが、
 それに関する歴史的資料には色々と矛盾点が多くて、役に立ちはしません。
 実在したエリント・フォン・ドルリエは、ただの貴族で戦闘訓練は積んでいませんでしたし、
 神の力を得たといいつつも、残存モンスター討伐に直接参加したことは一度もありませんでした。
 他にも上げれば枚挙にいとまがないくらい胡散臭い点が多いんですよ。
 名無しの勇者が、魔王を倒すところまではちゃんと筋が通っているのに、それ以降がガタガタで、
 何らかの見えない力が働いていた可能性があるというのは、今や歴史家の間にとっては常識なんですの」

 ……ほほう、もう人間なんかに期待しないっ、なんて思っていたけど、中々どうして成長したもんだな。

 あと関係ないけど、糞エリントはぶっ殺す。
 もうとっくに死んでるが。

「ただそれは飽くまで歴史家の中の話で、一般じゃまだまだ名無しの勇者は悪魔のままなんですけどね。
 四百五十年の間続いたプロパガンダは、今や数年で掘り返すことのできない根深いものになっていますわ」
「そ、か。まあ、今更俺のイメージのことなんてどーでもいいんだけどな」

 イメージはどうでもいいが、キャロルが賢明な判断を下してくれて少し助かった。
 俺らの正体に気付いて、エレノアやケイトを煽ったら今以上にややこしいことになっていたに違いない。

「私は……よくわかりませんが、ご主人様が三つ首の悪魔なら、別にそれはそれでいいかな、と」

 ふと忘れたころにエレノアは口を開いた。
 おっとりとした口調で言っているものの、嘘を言っているようには見えない。
 こういう反応が一番コメントに困るなあ。
 普通の人間からは恐れられるくらいの反応をして貰った方が正直な話一番楽なのだ。

 ちょっと胸が温かくなるような、優しいお兄さんを演じていて報われたなー、と思わなくもない。

「ところで話は戻りますけど、お兄様、魔法を使えるんですよね」
「ん、まあ、な。理論とかは簡単なことくらいしかわからんから高度なものを聞かれてもわからんけど」

 キャロルは突然しなを作り、俺に体に肩を当てて、顔を見上げてきた。

「なら、それを見せて欲しいんですけど。
 勇者の魔法は大きな光を放つ神聖なものと聞きましたから」
「いや、無理」
559はじめまして名無しさん@永世勇者 14/21 :2007/11/08(木) 00:08:22 ID:bS1tZIjk

 断ったらキャロルの顔が変化した。
 あからさまな落胆っぷりで、実にわかりやすいヤツだ。

「俺の魔法は威力を抑制してもかなり大きい音と光が出るんだよ。
 試し打ちなんてしたら、イムイム村の連中が驚く」

 ただでさえ、デルパ山には天狗が住んでいる、などと変な噂を流されているのだ。
 これ以上刺激して、賞金なんかをつけられたら別の場所に引っ越さなきゃならない。
 別にここに執着しているつもりはない。
 ただ他の場所を探し、新しく家を造って荷物を運ぶだけでも結構な労力になる。

 キャロルはタコみたいに口をとがらせて、不機嫌さを全開にしていた。
 文句を言ったりはしないものの、向学心が旺盛なキャロルは俺の魔法を解析しようとしていたんだろう。
 ただの魔法ならまだしも、勇者だけしか使えない魔法もあるからな。
 もちろん、永世勇者補佐のあいつは俺の魔法よりももっと高い威力の魔法を使える。
 俺でも全力をもって魔法を放てば山を一つ消し飛ばせることもできるんだから、
 ずーっと魔法の研究を重ね、魔力を高める修行をしていたあいつなら一体どれほどの威力があるのか。
 想像すらできない。
 何年前か忘れたが、一度あいつと俺が魔法を打ち合ったときがあったけど、
 あのときは手も足も出なかったというか、もはや一方的な蹂躙だったからな。
 俺の体は塵も残さず消滅させられたわけだ。
 体が完全消滅しても、全く死なないのが永世勇者の辛いところだ。

 ん、まあ、魔法は見せられないけど、ちょっとしたパフォーマンスくらいは見せてやろうか。

「クタートッ!」

 俺の声と同時に、家の空き部屋の壁がばりばりと音を立てて割れた。
 壁の割れ目から飛び出てくるのは『名の無い剣』
 名の無い剣、とはいうものの、実際には名前がある。
 いや、本来はなかったはずなんだが、ちょっとした事情があって『クタート』という名前が存在するのだ。

 名の無い剣は俺の手に収まって、動きを止める。
 いくつものルーンが刻まれた柄、強力な魔力が篭められた黒い鞘に入れられた白銀の剣だ。
 黒い鞘を抜きはなつと、刀身がこの世に現れる。
 自ら光を発し、ウォォォと唸りを上げる『名の無い剣』

 とある鍛冶師の体に神が宿り、一晩のうちにこの剣を作りあげた。
 その鍛冶師の息子が俺なんだがな。

「どうだよ? カッコイイだろ?
 勇者にしか抜くことのできない『名の無い剣』
 一々呼びだすたびに壁を修復しなきゃならないのが面倒だが」

 剣が飛んできた方向を見ると、また壁に大きな穴が開いていた。
 あの穴を修復するのはもちろん俺だ。
 いっそ、呼びだしたときに開閉するドアか何かを付けておこうか。

「ふふん、見せるのは何も剣だけじゃないぞ」

 そういって一歩下がり、名の無い剣で左腕を肘の当たりから切り落とす。
 相変わらずわけのわからない切れ味だ。
 空気を斬るのと、腕を斬るのとで全く感触が違わない。
560はじめまして名無しさん@永世勇者 15/21 :2007/11/08(木) 00:09:35 ID:bS1tZIjk

「きゃああああああああッ!」
「ご、ご主人様、う、腕が、腕がぁッ!」
「まあまあ、慌てなさんな」

 斬られた左腕はぼたっと地面に落ちる。
 落ちた腕の傷からは血が溢れ出て、地面を赤く染めている。
 俺の肘の切り口からは少ししか血が出ない上、すぐに止まった。

 うっすらと腕の輪郭が浮かび上がり、段々と彩度が上がっていき、五秒と立たず実物となった。

「ほらな。いくら斬ろうがこんな風に復活するんだ。これが勇者の不滅の肉体の本領だ。
 例え全身が灰も残さず燃え尽きても、一分もかからず完全復活を遂げる。
 死ねないことに感謝すりゃいいのか、恨めばいいのか、わからないけどな」

 名の無い剣を鞘に収めた。
 この剣ってあまりにも切れ味が鋭すぎるから、使いづらいんだよね。
 あんまり木を切るのに適してないし、魔王だって素手で倒せるから、使う場面はほとんどない。

 キャロルとエレノアはまだ青ざめた顔をしている。
 うーん、ちょっと刺激が強すぎたか?
 手首くらいにしておいた方がよかったかな。

 とりあえず、斬った腕は捨てておこう。
 落ちた腕を拾い上げると、手首を掴み、そのままぶん投げた。
 木々の上を回転しながら飛んでいって、空の彼方に消えた。
 あとは動物達が食ってくれるだろう。

「お、お兄様、い、痛くないんですの?」
「腕は斬ったら普通は痛いもんだ」
「で、でも今……」
「痛いけど、どうってことはない。死なないし、痛みになら慣れてる。
 俺は魔王と戦った勇者だぞ、全身の皮膚を炭化させられたり、
 肉を腐食させる呪いをかけられたり、痛みだけをもたらす魔法なんてのも掛けられたことがあるからな」
「そ、そうですの……」

 ふと見たら、エレノアはぼろぼろ大粒の涙を流していた。
 そ、そんなショッキングだったんだろうか?

「も、もう止めてください、ご主人様」
「お、おおぅ!?」
「ご自分でお体を傷つけるような真似は、おやめくださいっ!」

 いつもは大人しいエレノアが大きな声を上げているのにちょっとビックリだ。

「わ、わかったよ。エレノアがそう望むんなら、そーしてやる」

 別に俺は狂った自傷癖は持ち合わせていない。
 今回腕を切り落としたのも、ビックリ人間ショーみたいなノリだった。
 ただ見せる相手が悪かったようだ。
 俺が名無しの勇者であることを告げたときでさえ、のんぽりしていたエレノアが、震えて泣いている。
 罪悪感で胸が締め付けられているような感じがする。
 少し脅かし過ぎたってレベルじゃねーな。
561はじめまして名無しさん@永世勇者 16/21 :2007/11/08(木) 00:10:40 ID:bS1tZIjk

「すいません、お兄様。エレノア姉さんって、血とかそういうのに耐性なくて……」
「お前はあるのかよ」
「魔法に血はつきものですから」

 キャロルはエレノアの肩を叩いて宥め始めた。

 うーむ、失敗したなあ。
 きゃーすごーい、というリアクションを期待していたのにこんな結果になるとは。
 普通の人間ってこんなに血を見て泣いたりするんだろうか?
 昔の俺だったらわかったんだろうが、今はもうわからん。

 痛みっていうのは元々生命の危機を知らせるためにあるものであって、
 不死身の俺にとっては、ただの普通の人間だったときの名残でしかないからな。
 普通の人間とは腕一本切り落とすことの意味の重さの違いがはっきりしているようだ。

「でも、腕を切り落としてもまた生えてくるって便利ですね。
 どうしてもお腹が減ったときとか、自分の腕を食べてしのげるんじゃないんですか?」
「自分の腕なんてまずくて食えたもんじゃないさ」
「食べたことあるんですの?」
「二回くらい、な。俺は餓死をしないんだが、まあ、ちょっとした事情があって……」
「どんな事情なんですの?」
「……言いたくない」

 長く生きていると、思い出したくない記憶なんてたくさんある。
 もう今ではそういった過去とは上手く折り合いをつけられるようになってきている。

「そんなことより、もうちょっとキャロルの話を聞かせてくれよ。
 なんで俺が名無しの勇者だとわかったのか、その理由を最後まで聞いていなかったろ」

 名の無い剣をほいと木に立てかけた。
 ポケットに入っていたハンカチーフを取り出して、今も嗚咽するエレノアに渡して、
 俺も背中を軽く撫でてやる。
 もちろん、右手でだ。

「お兄様が勇者ではないか、という疑問を持ったのは初日のことでしたわ」
「初日? 結構早いな」
「私、頭の中で人に自分流の名前を付ける癖があるんですの」
「ああ、なるほど、そういうことか」

 『名無し』は伊達ではない。
 俺という存在につけられたあらゆる名前は、消滅するのだ。
 だから例えば、キャロルが俺のことをミッシェルと名付けたら、
 その次の瞬間、ミッシェルという言葉がキャロルの頭の中から消滅する。
 紙に書きとめるなどの物質的に残しておくことは可能だが、それを覚えることは決してできない。

 なんでそうなっているのかは説明が出来ない。
 世界がそういう構造になっているから、としか言えない。
 なんで? なんで? と問い続けた極限に至った答えと同じく、
 俺の名前が消失する理由は神のみぞ知ることになる。
 そういった何かしら働いている見えない力のことを俺は仮に『世界の力』と呼んでいる。

 特に俺はそういった『世界の力』に影響されやすいのか、
 俺は俺に付けられた名前を誰かが声に出しても、その音を認識できないし、
 誰かが俺の名前を何かに書いたとしても、その文字を読み取ることができない。

 ただ、これも実は例外の事柄が一つあるのだが、今回は割愛させてもらう。
562はじめまして名無しさん@永世勇者 17/21 :2007/11/08(木) 00:11:56 ID:bS1tZIjk

「そこから、名無しの勇者伝説のことを調べようとしたんですわ。
 まずは先生の書庫に入る許可を得て、過去の伝説や物語がまとめられた本棚へ行ったんですの。
 先生の書庫には国立中央図書館に匹敵するほどの蔵書数があって、
 私が探している本がある本棚には、世界各地の細かな物語から有名な伝説まで多くの本が揃っていたんですが、
 その本棚の中で『名無しの勇者伝説』という最も有名な伝説の本がなかったんですの」
「ああ、あいつ、歪められた伝説のことを毛嫌いしてるからな」

 曰く、この私が逆立ちして下劣な言葉を言い続けてるなんて信じられない、だそうだ。
 この俺が三つ首の悪魔と呼ばれているのに対し、あいつは『五つ足の悪魔』と一般的に呼ばれているが、
 それは最大の禁句で、俺がそう呼ぼうものなら肉体を粉々にされる。マジで。

「本が無い以上詳しく調べることはできませんでしたので、
 微かに残っている記憶で、何か証拠はないか、と空き部屋なんかを探索していたときに、
 その、名の無い剣を見つけましたの」

 名の無い剣は、俺以外の人間には決して抜けない剣だ。
 だから伝説通り刀身が光っているかどうかを調べるのは無理だったろうが、
 柄に刻まれたルーンが少し特殊なので、キャロルの予測の参考にはなったんだろう。

 しかし、それだけで特定するのは証拠として少ないな。
 名前をつけられないのも、本がないのも、名の無い剣らしき剣も状況証拠でしかない。
 別に推測だけならば十分立てられるが、キャロルがエレノアやケイトに告げるのにはちょっと動機が弱い気もする。

「確証は、先生の契約書を見たことなんです」
「あいつが見せたのか?」
「いえ、先生が留守にしている間こっそりと……」

 な、なんちゅー恐ろしいことをするんだこの子は。
 俺がそんなことやろうものなら、底がないといわれている『大地の割れ目』から突き落とされるぞ。
 実際に落ちてみたところ、底はあったけどな。
 体が溶けちゃったが。

「契約書……悪魔や精霊なんかと契約を結んだことの証明書みたいなものですわね。
 この契約書には名前の記入が必須なんですが、
 確かな効力を持った契約書に普通に『永世勇者補佐』と書かれていたんですの。
 普通こういった類のものに、肩書きといったものを書いても意味がないのですが、
 永世勇者補佐、というのはこの世界にたった一人しかいないわけですから、認証されたものなんでしょう。
 契約書は偽物ではありませんでしたし、その通り書かれているので、もうこれこそが確固たる証拠だと思いまして」
「いや、お前……よくあいつに殺されなかったな」

 キャロルはきょとんとした目でこっちを見てきた。
 お前は何を言っているんだ、とばかりの目つきだが……これは、やっぱり。

「先生はそんなことしませんよ」

 そういった途端、キャロルの体がほんの少し小刻みに震え始めた。
 目尻にうっすらと涙が溜まり、今にもこぼれそうになる。

 これ以上はまずい。
 キャロルの腕を掴んで引き寄せると、顔を俺の胸に押しつけて宥めた。

「大丈夫、大丈夫だ。あれは全部夢だから、な」
「お、お兄様……せんせ……ごめんなさい、もうしません、許しテクダサい」
563はじめまして名無しさん@永世勇者 18/21 :2007/11/08(木) 00:12:51 ID:bS1tZIjk

 やっぱり見つかっていたか。
 手加減はしているだろうが、あいつのお仕置きは常人には耐えられないだろう。

 おお、キャロル、かわいそうに。
 決して触れてはならないものを触れてしまったんだろう。
 だがやがては好奇心が我が身の破滅を呼び起こすことを知るのは大切なことだ。

 懐かしい。
 あいつが取っておいた栗のケーキを勝手に食べてしまったとき、俺もお仕置きを受けたからな。

 キャロルは俺の腕の中でがたがた震え、涙で俺の上着を濡らす。
 時間が経つとともにゆっくりと落ち着いてくる。

 ふと前を見るとエレノアが泣きはらして赤くなった目で、何故か恨めしそうにこっちを見ていた。

「ど、どうしたエレノア?」
「……別に何もありませんわ」

 ぷいっと顔を逸らすエレノア。
 言葉に刺があったり、態度の不機嫌さからは、どう見ても何もないようには見えない。

 キャロルの頭をぽんぽんと優しく叩いてやったあと、ゆっくり引き離した。

「ご、ごめんなさい、お兄様……なんだか急に寒気がして……」
「ああ、別に構わないぞ。もしまた辛くなったら、俺に言えよ。
 特に雷の日の夜とかしんどいだろうからな」
「も、もう、そんな子どもじゃありませんわ」

 ぐず、と鼻をすするキャロルだが……雷の轟音はきっとトラウマを触発させるだろうからな。
 記憶を消す処理はしてあるようだが、根の深いところまで消し去るようなことはしていない。
 多分、キャロルはこんなトラウマを植え付けられた以上、戦闘魔法使いとしてはやっていけないだろう。
 ま、キャロルは学者畑で活躍するようなタイプだから、これも一つの親心なのかもしれない。

「で、キャロル、俺たちを名無しの勇者だと見破ったことはわかった。
 じゃあ、なんでお前らが俺たちに買われたのか、それはわかったか?」
「いえ、それはまだ、調べてません」
「ふーむ。お前のことだから推測の一つでも立ててるんじゃないのか?」
「……いえ、本当に何も……今お兄様に指摘されて初めて、
 そういえばなんで私たちが買われたのかしら、と思ったところで」

 うーん、普通、俺たちの正体を見破ったらそれを考えると思ったんだがなあ。

「正直、舞い上がってましたわ。
 確信を得られて、それだけで満足していたというか……目に入りませんでしたの」

 そうか。
 ま、そういうもんなのかもしれんな。

「じゃ、次までの宿題ということにしてやろう」
「え? 教えてくれるんじゃないんですの?」
「まあな、自分でたどり着くならまだしも、今はまだ俺から教えるようなことじゃないしな」

 見たこともない人物のせいで、今のこいつらが振り回されるようなことはしない方がいいだろう。
564はじめまして名無しさん@永世勇者 19/21 :2007/11/08(木) 00:13:54 ID:bS1tZIjk

「ただちょっと今回のはシビアかもしれんぞ。ヒントを一つくらいやろう」

 と、言ったところで少し戸惑った。
 ヒントをあげて、変な勘違いされては困るな。
 そこんところは教えてやろう。

「一応言っておこう、俺らはお前らを苦しめるために買ったわけじゃない。
 そこんところは確認しておくぞ。
 じゃ、ヒントだ。『ドルリエ三令嬢』……いや今は元三令嬢か」

 エレノアとキャロルがあからさまに反応した。
 こいつらも今までずっと『エレノア』『ケイト』『キャロル』としか名乗らなかった。
 もちろん、奴隷の身分に落ちた以上、以前の生い立ちなど捨て去る決まりだが、
 それでも一度も名乗らないのは変だ。
 今まで俺から聞いたことはないが、聞いたところで教えてくれなかったに違いない。

 なんてったって、貴族の生まれなんだからな。
 かなり前から落ち目の家だったとはいえ、
 三人の娘はわざわざ自分の素性を恥知らずじゃあるまい。

「どうしてそのことを……」

 反応したのはエレノアだった。
 長女であるが由縁か、特にそういうことに敏感のようだ。

「俺にだって物事を調べるスキルくらいある。何もキャロルや永世勇者補佐の専売特許じゃないのさ」

 不安そうにしているエレノアの肩を軽く叩いた。
 今となっては……つまり、俺が名無しの勇者であるということがわかってから、
 エレノアには別の懸念が生まれているんだろう。

 ドルリエ家は、昔はかなり有力な貴族だった。
 最盛期は、そう、ざっと四百五十年から四百年くらい前あたり。
 当主が三つ首の悪魔と五つ足の悪魔を大地の裂け目に突き落とした勇者だったという話さえある。
 その後、王から娘を嫁に貰って、ますます力を付けた。
 ただ、時代の流れというのは残酷なもので、段々と力を失い、最後の当主は借金に首が回らなくなり、
 首が回らないんなら吊っちまおう、と自殺してしまった。
 お家取り潰しになった上、借金返済のため、何もかも売り、娘も売って今に至る。

 こいつらが三人セットで売られていたのも出身が理由だ。
 金を持っている商人っていうのは、大抵が貴族に嫉妬している。
 どんなに貧乏貴族ですら、生まれの卑しさというものが理由で、商人のことを嘲ったりする。
 商人はそれがどうにも我慢ならないらしくて、自らも貴族になりたがろうとする。
 だけれども、貴族の血というものは金では買えないし、
 買えたとしても金額が高すぎたり、条件が付いていたり、やたら手間暇かかったりする。

 エレノア、ケイト、キャロルは三人セットで売りに出された。
 大抵性奴隷というのは、奴隷商側が調教を施し、閨の技を覚え込ませるものらしいが、
 元、とはいえ貴族という箔がついた三人は全く手を付けず、むしろ純潔ということをアピールポイントとして売られた。
 元貴族の娘を犯したところで自分が貴族になれるわけではないが、代償行為くらいにはなるだろう。
 貴族の尊い血を汚すことに特別な快感を感じたりもするんだろう。
565はじめまして名無しさん@永世勇者 20/21 :2007/11/08(木) 00:15:33 ID:bS1tZIjk

 エレノア達がもし永世勇者補佐に買われることが無かったら、
 ケイトの剣術の腕も、キャロルの魔法の才能も生きることも無く、
 変態商人どもの愛玩具として、一生を過ごしていたのは間違いない。

 よくよく考えてみればすごいもんだ。
 滅多に奴隷として売りに出されることのない元貴族の娘。
 三人セット。
 全員処女。
 器量良し。
 文句のつけようのない完璧な奴隷だ。

 具体的な金額はわからないが、びっくりするほどの高額商品だったんじゃなかろうか。
 需要は限りなく高いだろうし、オークションか何かで売られるだろうから値段は青天井だったのは想像に容易い。

 俺が初日にどうでもいいって言ってこいつらすごく驚いていたけど、それも無理はないような気がする。
 というか、永世勇者補佐のあいつは一体どっからそんな金を集めたんだろう?
 知りたいような、知りたくないような……。
 あいつは空間転移の魔法が使えるから、俺の知らないところで何かをやっていても不思議じゃない。

「不安か、エレノア?」

 出自を知られたことがよほどショックだったのか。
 エレノアの顔は若干青ざめていた。

「いえ、大丈夫です」

 割り切れないところも色々あるんだろう。
 俺は事実関係のみしか調べていないし、どういう経緯で没落したのかは知らない。
 だから詳細はほとんどわからない。

 安心しろ、と俺がエレノアに言ったところで説得力無いだろう。
 でもやっぱり言うべきことは言っておかなきゃダメかな?

「いいかエレノア。俺は永世勇者だ。
 気まぐれでストライキ起こしたら、人類は終了する。
 我ながら軽い性格の持ち主だと思うが、この世界で最も重要な存在であると自負している。
 そんな俺が、お前の過去なんてことにいちいちかまうと思うのか?」
「……」

 あー、もう面倒だな。
 この後ケイトがいると思うとうんざりする。

「ま、俺から言えることはこんなことくらいだ。
 俺はお前の事情を深く調べたわけじゃないし、例え調べたところでお前の気持ちなんてわかりっこない。
 思う存分悩んで、苦しめばいい。少なくとも、全く無駄にはならんさ」

 恋でもしたら悩みもなくなるんじゃなかろうか。
 そういえばイムイム村のケリズとかゆーのが中々の男前だったような気がする。
 今度紹介してみようか……あ、いや、そういえばケリズは死んだったんだな。
 九十二歳の大往生、ひ孫に囲まれて幸せな死を迎えたって風の噂で聞いた。

「キャロルは……ま、お前は大丈夫か」
「ええ、私は末女でしたから」
566はじめまして名無しさん@永世勇者 21/21 :2007/11/08(木) 00:16:49 ID:bS1tZIjk

 キャロルはそう控えめに言ったが、胸の内には恐らくもっと他のことが蠢いているのだろう。
 調べてないが大抵分かる。
 長女のエレノアは家存続のため貴族に嫁がせ、次女のケイトと三女のキャロルは、
 奴隷にせずとも商人に金と引き替えに嫁入りさせる。

 彼女らの父親はあんまりろくな人間じゃなかったようだからな。
 家に対する価値観が、姉妹といえど違うんだろう。
 本当はもっと言いたいことがあるんだろうが、エレノアに遠慮して黙っているってところか。

「じゃ、今回はここいらでお開きってことで」

 エレノアはこの後悩むんだろう。
 それが悪いことだなんて言えない。
 定命の人間は、生まれてきたときに世界の全てを得て、死ぬときに世界の全てを失う。
 結局はゼロなのだから、生きている間の足し算と引き算はより多くやっていた方が、ゲームとしては楽しめるだろう。

 エレノアとキャロルは自分の部屋に戻っていった。
 ま、なんだかんだ言ってあの二人の問題で、俺が今やれることはやった。
 あとは時間が解決してくれるだろう。

 さて、残ったのはケイトだけか。
 ま、今夜あたりが山だろうな。

 気付けばすっかり昼寝をする気が失せていた。
 あれだけ濃い会話をしたあとだ、それも無理はない、か。
 ただ少し残念だったような気もする。

 しょうがない、今日は早めに夕飯の支度に取りかかろうかな。
567名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:18:40 ID:bS1tZIjk
以上です。
エロパロ板なのにエロ無い上に無駄に長くてすいません。
568名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:48:29 ID:dJH2/n8r
面白かった。引き込まれた。
ギャグも語りも良かった。
つまり大GJだと。
569名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:50:02 ID:woOJMJK/
>>567
待ってた! 凄い楽しませてもらってる!
勇者も好きだが、今回名前しか出てこない永世勇者補佐が素敵すぐる。
お仕置きガクブル。

長い話はばっちこーい。続き楽しみにしてるよ。
570名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:32:26 ID:zyCMP41v
面白かったー、まさにGJ。

それにしても今回も新たな設定等がてんこもり、
大変ですが回収がんばってください。
571名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 02:35:23 ID:nb5Rij68
そろそろエロのかほりがしてきたな
wktkwktk
572名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 04:07:31 ID:a9n96lgU
GJ! 続きが楽しみです。

ただ、1/21のアクティビティーは
文脈から行くと、アクティヴ(ブ)かと。
573名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 06:36:49 ID:l96WhZkB
超GJ!!
人に歴史あり、ですが、永世勇者には歴史ありまくりですねー。
エリントとやらは生きてる間に酷い目にあわなかったのかなー?
574名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 07:13:07 ID:kPzhSmwT
グッジョブ
結果的にこの3姉妹は家が残ってたよりもずっと幸せになってますよね
魔王を素手で倒せちゃう……つまりもう縛りプレイをしても楽しめない域な訳ですね
『名の無い剣』は神の手で創られたって意味で永世勇者と補佐の二人とある意味では同格っぽいのに名前手に入れてるあたり凄いエピソードありそう。
勇者専用の『名の無い剣』と勇者専用魔法の組み合わせの魔法剣とか使えないのかな?……いや例え使えても使い所無いだろうけど。
王女だの人間離れした女剣士だの、やっぱり女性遍歴は凄いなー、ハーレム作ってみた事もあるんだろうなー。
永世勇者のエピソードは人間以外の種族の間では人間の愚かさを示すエピソードとして語られてたりしないかな?
つか宗教者的に永世勇者の扱いってどうなん?
3姉妹の懐きっぷりはすごくカワイイ。
続きが凄まじく楽しみ。
575名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 08:50:34 ID:O2yw24Ye
いやはや、語りが軽妙なのに設定が凝っていて素直に面白いです。
勇者の無敵具合が素敵ですね。
しかし勇者補佐の存在感が凄い、これから5人がどういう関係になるのか先が読めないですわ。
576名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 13:43:35 ID:d1fihshQ
GJ
いくらでも話広がりそう
577名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 14:02:13 ID:1P4vnyO7
スパーGJ! 勇者の語りがすごく好きだ。
ヘタしたら中二病な俺TUEEEEEになりかねんキャラ設定なのに
奴がじじくさいせいでむしろチャーミングに見えるw
掛け合い、エピソード、何よりストーリーが面白いので
個人的にはエロなしでもまったく問題ナッシング。
いやもちろんエロ大歓迎ですが!
578名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 15:56:15 ID:3T2xeMjL
細かい設定までしっかり練り込まれていて面白い。
今回語られなかった部分も是非いつか書いて欲しい。
579名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 19:28:09 ID:y/zsup6l
おお、良いな
ここに書いてもらうのが勿体無い様な出来だw
580名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:18:29 ID:ktF6C0Z1
GJ!
激しくGJ!

エロ無くても面白いですよ
次回にも期待!!
581名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 18:11:53 ID:4WKFZ6o9
ほしゅ
582名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 15:21:10 ID:XobXCeAs

583名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 15:21:41 ID:kVdI/TGD
ほ、ほぁーっ!ほぁーっ!
584名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 08:42:14 ID:X+wVvJ1Q
勇者降臨町
585名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 07:20:51 ID:oY/6uRsN
ほっし
586名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 12:01:18 ID:XjvKHptk
勇者面白いし好きなんだけど、肝心のチンコ役がお爺ちゃん気質の勇者だから、
エロ展開にもってく所が想像出来にくいよな。
エロパロ板に書いてる以上、考えてはあるんだろうけど、一読者の俺には全く想像できん。
587名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 01:33:31 ID:G2gya/9Q
圧縮回避保守
588名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 19:57:41 ID:8HUF71pv
12月だねぇ。
雪の降る村、暖炉の灯る民間で……なんてSSを書こうとしたけど無理だった。
誰か頼む。
589名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 18:49:38 ID:13duoQhD
590名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 20:42:43 ID:UF9iLdIr
雪の降る村、暖炉の灯る民家でおじいさんとおばあさんは余生を静かに過ごしました
591名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 20:43:49 ID:Sq8xuOQX
そこで終わるなw
592名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 06:59:10 ID:0KFUcjYW
ある雪の日おばあさんがスケートをしに川に向かうと上流から大きな雪球が転がってきました
593名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 07:13:01 ID:+4djXg5f
そのころお爺さんは雪山で隣国の敗残兵20名相手に
鉈と雪うさぎ狩用のちいさな弓矢で静かで熱い殺戮劇を演じていました。
594名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 15:25:18 ID:inbccWvu
相手は忌むべき劣等民族。中央から絶滅命令の出された、金を貪る豚どもです。
「グランパより。ポイント・シバカリに到着、本日イチマルマルマルを以って制圧行動を開始する。祖国万歳、オーバー」
お爺さんは大ハッスル、敵地のど真ん中にもかかわらず高々とローマ式敬礼をしたのでした。
595名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 16:23:44 ID:JGl3kD/k
流石、オジイ=サンの称号を手にしただけのことはある。
596名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:46:07 ID:oYfZvMup
じいさん自重WW
597名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:20:36 ID:qKmUWDCk
一方婆さんは化学兵器鬼飛弾號の製作にいそしんでいた。
598名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 03:46:39 ID:DLii0EIP
そんなこんなでいろいろありましたが、今ではおじいさんとおばあさんは攻めと受けについて語り合いながら暖炉に薪をくべています
599名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 14:35:20 ID:CQQaU15R
微エロさえ無い。スレチン
600名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 19:54:58 ID:pEiQuFly
いやエロとかそれ以前に色々間違ってるだろ
601名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 21:13:52 ID:SesU0cGZ
なるほど、これがリレー小説というやつか。
602名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 04:12:26 ID:jWbW1zXK
ほし
603名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 01:36:24 ID:kWl0Ncx+
ほっすほす
604名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 01:44:11 ID:H1O5U+K5
ほしゅ
605名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:01:14 ID:87BVrqI1
やばいね。
やばすぎるね…
606名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:08:53 ID:oj9h7n7Z
緊急連絡。

ピンクの運営が2chの運営と揉めました。
そんでもって、現在Pinkちゃんねるは一切の規制がかかっていない状態にあります。

(以前の危機のように)いきなりピンクが消えるという心配はありませんが、
スクリプト爆撃で現行スレが皆殺しにされる可能性はあります。
(既に葉鍵板は壊滅しました)
607名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:36:14 ID:N+yH0NFh
保守
はやく平穏が戻ってきますように・・・
608名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 15:38:14 ID:6ZT8VWg4
保守

今は投下しないほうがいい?
609名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:27:52 ID:u/NFRxjD
2ch並みの規制が入ったからもう大丈夫
壊滅した板も順次復旧されてる

まあ、2chが提案してた内容なんだけどな
それを放置し挙句に煽ってたpink運営はマジで氏ね
610名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 08:50:39 ID:sTTQbH2U
キャラサロン運営といい糞だから仕方ないよな
611名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 02:08:17 ID:lYM0qSMl
永世勇者の続きまだですか?
612名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 14:24:18 ID:khhQLhVC
613名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:27:07 ID:AR06rV1d
614名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:39:21 ID:TiMkAgEz
保守
615名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 11:41:14 ID:ve1ZBRc0
保守っとこうか
616名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 23:48:50 ID:AP7rlRUF
近いうち不評だった、中華風の三作目(正確には四作目)
書いていいっすか?
617名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 06:39:28 ID:VUANR5bX
ダメって言われたら書かないの?
黙って投下すればいいと思うよ
618名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 00:25:02 ID:dIVsvDb0
保守
619名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 02:56:45 ID:n6GboZsR
容量423 KBかまだ大丈夫か
620名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 00:20:28 ID:z1XN5xyv
保守
621名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 19:04:14 ID:PWRRCfGF
移転か
622名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 21:43:47 ID:r/RpHkUH
次より中華風の続きを投下させて
頂きます。
623春節 1:2008/02/01(金) 21:44:54 ID:r/RpHkUH
年末。だからといって変わった事はない。朝議も嫌いでないが、長々と
続くのは性に会わない。年納めは決め事も多いのだ。休憩で外に出ても
今日は雪が降るほどに寒い。雪も面倒に思う。戦の時には支障をきたし、
顎鬚にもかかる。詠い愛でるほどの才も無いのは重々承知しているつも
りだ。肩に乗った白いのを梢統は払い落とした。
円王朝の世も陰は見えず、過去の王朝と比べるに今が勢力増加の末期な
のだろう。おそらくはこの治世も長く続いて三百年。もともとは円も前
王朝を倒してきた。
「軍費を五部削ぐべし、とはたまったものではないのでないか?」
「!・・・宰相殿。ここは冷えますよ」
重い足取りと鍋のような胸から下腹までよく肥えた初老。男は温託、字
を伯擁と言った。梢統の親友、温安の叔父で政界の中枢に居座る大人物
だが、子に恵まれなかったため温安や、梢統も小さい頃から可愛がって
もらってきた。本人は今年で齢は四八になる。多分に神に白いものが混
ざっているのは雪ではないだろう。
「私は軍費よりも減らすものがあるとは思うがね」
温託は袖の内をぱたぱたと叩いてみせた。賄賂は少なからずあるものだ。
戯れを。と笑って返すと梢統は一つ息をついて、むずがゆそうに眼帯の
下を掻いた。
「この大陸は、平和になりました」
「だからといって五部は急だろう。そのまま給料になったら嫁に土産も
買えぬぞ?」
温託はしたたかに笑う。五日に一度の市で、妻の手を取り歩いていたの
が、直属の将校らに見つかった。それが一度や二度でなく、官吏の間で
有名な話になっている。
「宰相殿!私は真面目に・・・!」
「ははは!うむ。奇獣(モンスター)どもとの小競り合いはあるだろうが
人同士は、当分ないだろうね」
「奇獣を討つのは、私は狩りとなんら変わりないかと存じます。戦とは人
の行いです」
「武官ならば歩の武玄王・梢統始め、水軍の旋応鬼・趙典、騎馬の凌天馬
・夏候鈴。錬丹術の公孫禅。言葉を武器とし、幾万と道を探しつづけた索
貴、李法、胡嬰、我が甥とする文官たち。その士を信じ遅疑することなく
命を賭した兵。そして誰よりも治世を飢え望んだ民。良くやったが、私は
まだ誉めん。ようやく円の始まりであるである」
負けん気の旋応鬼に怒ることを知らない凌天馬。いずれも若年から戦って
きた親友である。が、公孫禅は、死んだ。再入雲などと称された奇術師の
は雨のような矢で酷い死に体を晒した。公孫禅だけでなく何人もの友の死
を見てきた。
「・・・戦は消えますね?」
「世が必要とせぬならばな。私はそうなる事を願わねばならぬ身。なんだ
ろうな」
温託がぱんと手を打った。
「さぁ、最後まで血生臭ことはよそう、よそう。おぅ冷えてきおったわ。
年寄りはふぐりもすぐ縮んじまうわ」
時に無頼の徒のように騒ぐ浅眠虎・温託。虎は穏やかに眠っているようだ。
二人はそそくさと緩くなりきった気の席に走った。
624春節 2:2008/02/01(金) 21:45:34 ID:r/RpHkUH
流石に帝都、街一つが大きな塞になるような広大さ。数里出ても都の明かり
は野から見えた。
家は都より西に駿馬で五刻。成木という奇獣との要衝の都市の太守をしてい
る。
今日ぐらいは泊まってもいいかもしれないが、任地から離れるのは好きでは
なかったし、都の宿と言えば妓館の隠語のような風潮がある。まともな宿で
も都は夜通しでうるさく、決して良い環境でもなかった。
「戦がなくなったら、お前も必要なくなっちまうのか?」
手綱がなくとも意志は伝わる。共に返り血を浴び、共に死にかけもした。
愛馬は一度息を吐いてから、黙ってと闇を蹴った。
大きいが飾りのない部屋だった。大きく変わった事と言えば、都市を預かる
身分上、住んでいるのは城内になった。
物欲が薄いのは親譲りのもので直しよう無い。馬蹄が聞こえたのか梢家に明
かりが点いた。玄関が自然に開く。
「お帰りなさいませ」
古式の作法に準拠できてはいないが、咎めようとは思わない。彼女が迎え
てくれるのが、何より安心する。下げた頭に手を置いて撫でる。
「ただいま」
嬉しさを越え、少しばかり申し訳ない気がしながら、沓を脱いだ。
「今年最後の御仕事お疲れ様でした」
「あぁ。なに、疲れるほどでもない。梗は?」
「まだ齢も十と数えません。もう寝ておりますよ」
明花との第一子は五年前の秋に生まれた。名を梗、字を秋鉄と決めた。
始めてみた時は猿のようにしわくちゃなで人のようでなかった、中々に涼し
げな風貌を年を重ねるごとに表している。
梢統が武芸の斜陽を感じ始めたのも、梢梗が戦に出るのかと考え始めたから
だった。戦場での心臓が浮いたような非現実的な感覚を、誰しもが楽しめる
わけでないのを、梢統は知っていた。
「じゃぁ夕飯を」
「今、お持ちいたします」
身ごもった時は皆無だったが、明花は酒を飲む時に付き合う。もしかしたら
好きでないのかもしれない。静かに二杯程度を、時をかけて干すだけであっ
た。止めはしないのは、酔いでほのかに頬が紅潮した顔が好きだったから。
梢統も今日は酔いが回るのが早い。普段見て楽しむだけの明花の顔がえらく
扇情的に見えた。その切れ長な眼で、家の中を横目で見るときの表情や、酒
を飲んで息をつく際の喉や唇の動き。今日は一段と際立っていた。
「・・・明花?」
「はい?」
「もう一人・・・」
「・・・・はぁ・・?」
「もう一人・・・子が・・・。いや。部屋に来てくれか?」
二人の顔にどっと顔に血が上る。沈黙で自分の心音がうるさい。先に破った
のは明花だった。
「分かり・・ました。では、・・・お待ちしております」
625春節 2:2008/02/01(金) 21:46:46 ID:r/RpHkUH
ゆっくり食べた。望んだわけでなく、自然とおそく羹をすすった。
(俺も、小心者だ)
空になった椀は下人に渡した。人を遣うのは好きでないが、役職が有るのだ
から仕方がない。
定刻通りに下人を家に帰すと、城で活動するのはいよいよ二人だけになった。
梢統は変わっていると、よく言われる。溺愛だとも言われている。明花以外
の女は知らないが、必要ないと思っていた。何十人もの『美女』を囲むとか、
略奪で無差別に犯すなどは、そこまで考えた事もない上、結婚以来は頭を掠
めたこともない。
梢統の女性ついての愛情は一に明花だった。
「失礼致します」
明花は既に着替え、その栗色の髪にはささやかな飾りをさしている。明花の
挙動一つ一つが、不意に記憶の門を撞いた
「くく、懐かしいな。憶えているか?」
「?・・・申し訳ありません。何のことだが」
「いやな。初めての夜も同じように呼んだのを、思い出していた」
二人が初夜を迎えたのはまだ梢統が十六の頃だったはずだ。明花は今年二十
五になる。
あの頃と比べると明花は一層しなやかな雰囲気を持っている。昔見せていた
悲壮感のようなものも、今はまるでない。穏やかに佇む海のような印象を漂
わせている。
扉の前に立ったままの明花を抱きしめた。あまりに無粋だったがそれ以外に
術を知らない。
思うが侭に唇を吸った。梢統のほうが背が高く、見下ろす形で唾液を流した。
明花は応えるように一滴もこぼさず、砂金を扱うように大切に飲み込んだ。
「んふぅ・・・くふ・・!」
くすぐるような甘えた声が漏れ出す。
舌で口内を心ゆくまで蹂躙した。絡ませ、歯の裏を端から端へと撫でる。力
が抜け落ち、やがて立っているのも億劫になり、二人はようやく寝台に移っ
た。木の台なので、強打せぬよう押し倒した時に体は支える。
薄い青の服の襟に手をかけ、一気に引き剥がす。多少強引に裸の背に手を回
し、明花をしっかりと腕の中に収めた。
「梗も苦労したであろうな。ん?」
恥ずかしそうに明花が梢統の片目を塞いだ。梢統は何も見えなくなった。
「む、胸が小さい事は、厘族の血でございます」
「たははは。それよりそろそろ手を・・・」
「なりません。お疲れであります梢様には寝てもらいます」
上手く重心を利用され、視界がひらけると梢統は下に寝かされていた。
626春節 4:2008/02/01(金) 21:47:44 ID:r/RpHkUH
「どうすると言うのだ?明花!?怒っておるのか・・・・?」
有無を言わせず、明花の手が梢統の頬に添えられる。温い。そう思った。
「傷を、お見せください」
するりと眼帯が落ちた。右目の傷はもう六年も前のもので、今は昔からなか
ったかのように、肌が張り付いている。
「いとおしい・・・」
明花とは出会って十年になろうとしているが、こんな顔を見たのは初めてで
はあるまいか。傷をさする明花を見て思った。
「私にだけ・・・」
「ん?」
「私にだけお見せください。誰でもなく私にだけ・・・・」
「・・・どうして?」
明花はかするほどの近さでふっと息をつくと、小さく口を開いた。
「隠しているということは、その傷は梢様の弱さでございます」
どこかで儒家の友でも作ったのか、言葉で遊ぶそのの語り口は「らしく」な
かった。
「誰にも語れない弱さを天地に、私にだけお教えして頂きたいのです。出来
るのならば、支えていられる。それが嫁いだ私の望みであり、幸せなのです」
指は滑らかに傷跡を撫で、不思議と安心した。ゆっくりと子を慰めるような
安心感。唇に触れるかすかな吐息がなまめかしい。
舐めた。子猫のように小さく舌を出し、傷を這う。芯のある柔らかな舌は意
外にも快い。彼女が精一杯舐めまわしているとき、上下する喉が見え、梢統
は思わず名を呼んだ。
「申し訳ございません。・・・不浄な真似を」
「いや、良かった。続けてくれてもいいが?」
ちょっとした意地悪。明花は頬を染めると寝台から降りた。
「お、お・・・お座りください・・・」
促されるまま、梢統は身を起こし寝台に座った。
「で・・では」
自身の着物を糺すと、梢統の藍の帯に手をかけ男のものを取り出した。
「明・・・!?」
さらに驚いたのは普段控えめな明花がそれに口付けをしだしたのだった。
それだけで終わらず、口は先端のふくらみを咥えこんだ。口内は湿潤で精
を促進させるような快感が迫る。
徐々に咥える範囲は広がり、中では舌が暴れている。
根本まで行かない時点で、明花は一気に口を離した。梢統も束の間の夢か
ら醒めたように唖然とする。沈黙のなか、見詰め合った。
627春節 5:2008/02/01(金) 21:48:17 ID:r/RpHkUH
「謝」
最初に出てきたのは、労いにも似た言葉だった。
彼女が何処からか聞いてきた中で、羞恥心と奉仕を天秤にかけ、極点にあ
った行為。惜しむらくは精を放つ前に終わったが。
極限まで熱し、冷やされた男根は、餌欲しさに餓える獣のように禍々しい
姿で天を指している。
「では、明花に。馬に乗ったことは有るか?」
「?。いえ・・・」
「ふむ。では・・そう跨げ」
寝そべる梢統の腰の上。明花は交合の寸前で膝立ちにさせられた。
「これはッ・・・!」
「乗馬の感覚とはこういうのもだ」
梢統は桃の小枝のようなか細い腕を掴み、ぐいと明花を下に落とした。
「はッッ!〜〜!」
口を抑える、手をほどいた。
「鳴いてよい」
鳥の音のような、交合の際の明花の声が好きだった。勝鬨に槍を掲げるよ
うに、明花の女陰を突き上げた。快感に耐えかね、明花の膝が折れだす。
「たぁあ!!んんま!」
乱暴に擦られるほど性は興奮した。被虐による快感。確かに明花にあった。
「鳴け。もっとその声を聞かせてくれ」
「ひゅぁあ!もう、いけませ・・・ん!!」
腰をがっちり掴み弄ぶ梢統の表情は、悪童のように純粋な興味と潜在的な
加虐性的興奮の気に由来する。梢統の脊髄を渡って全身に回る快感は、次
々に虐げる発想を生み出した。あえて、動きを止めた。
「ふぅ、疲れたな。よし・・・明花。動いてくれ」
「えっ!?私が・・・」
考えるだけでも、それはあまりに浅ましい姿だった。だが、こういうとき
の梢統は決して退くことはない。生唾を飲むと意を固めた。
「ん!・・・ぁ!」
「そう、自ら動いて恍惚とする面。まったく・・・」
まったく。その後に続くのは明花への嘲笑か、偏屈な自身の性癖への叱咤
か。どちらにしろ語りはしない。自分の上で踊る明花を見ると言葉を失っ
た。
(俺の伴侶は天女の仲間か)
悶える明花に本気でそうとさえ思った。淫らな舞は二人。演目の終は近い。
「出すぞ」
「ひゃ・・ふぁい!はい!ぃあああぁ!!」
びくりと跳ね、劇は幕を下ろした。
628春節 あとがき:2008/02/01(金) 21:49:06 ID:r/RpHkUH
「戦争が、なくなる」
「はぁ・・・?」
疲れてはいるが、不思議と眠気が遠く二人は並んで窓から星を眺めた。
「俺のような文に疎いものは、乱世の遺物として邪魔になるだろう」
全員がそうではないが武官は、基本として自尊心が高い。生の戦場で戦
ってきたという思いが強いのだ。梢統にも少なからずある。
しかし同時に、自分には武しかないのだと頭ごなしに決め付けてもいた。
商いがどのように利を生むのか。どのように耕し、どのような土で作物
はなるのか。関心は有ったが、聞いたところで全く理解が及ばない。
「武官の方々が疎まれるかはわかりませぬが、それ以上に戦争がなくな
るのは純粋に良いことなのではないでしょうか?」
(もっともだな。では俺はこれからどうする?)
奇獣の狩りも愉しいが、兵を率いる戦場の愉悦感とは根本から方向性が
違う。
全く違うもので心惹かれたのは史書ないし伝記であった。時に愚者をあ
ざ笑い、ときに歴戦の勇士の貌や声音を想像し自らと競った。
史書。そう考えると、どんどん興味が湧いてきた。遺す。自らの名を。
梢統としてだけ。それでいい。それがいい。こうして呆けて星を数えた。
些細な事でいい。脳に途方もない絵が浮かぶ。
次第に夢と現が重なりだした。
「楓」
浅い眠りにつこうとしていたとき、梢統がこぼした。
「二人目は、楓。字は秋応・・・」
「はい。・・・私は幸せ者です」
梢統は史書について空想していたが、今はこの幸せに溺れようと考えた。
ゆっくりと笑みを浮かべ次第に柔らかな闇の中、二人は目を閉じた。
629名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 21:51:44 ID:r/RpHkUH
ナンバリングミス・・・申し訳ない。
無駄に人とあだ名を書いたのは、最近北方水滸伝に
はまっているから。
旧暦正月にあわせたために、季節感0ですが多めに御願いします。
では。
630名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 12:41:00 ID:FENZVBDQ
雪記念age
631名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 15:46:35 ID:vNPWrgRd
これはいい中華。あざなの知識とかがオレに無いのが悔やまれる。

GJ!
632名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:48:00 ID:obBW961m

そして保守
633名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 00:19:06 ID:UtY5HVfF
保守
634名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:16:33 ID:vdXBanly
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
635名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 23:32:45 ID:/7Km8aAk
保守
636名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:37:57 ID:eNQKN6M8
エロ小説投下します。
…途中で展開に関する質問しますんで、よろしくおながいします。

「タイトル未定」
地図を頼りに、僕は貴族住居地の中心より少し外れた屋敷に訪れた。
呼び鈴を鳴らすと使用人がやってくる。
友人の名を出したとき、こちらを訝るような表情をしたのが少し気になった。

案内されたのは屋敷の地下だった。彼のこの家における立場はあまり芳しくないものらしい…
しかし同じ趣味人として立派に世間に背を向けているのだろう、と思うと逆に心が浮き立つ。
彼と知り合うきっかけは、研究発表会の立食パーティーだった。 
意気投合した僕たちはそのあと飲み明かし、潰れた彼を背負って近くの僕の家に泊めてあげたら、大仰なくらいに感謝され、是非今度は自分の家に招待させてくれといわれたのだ。
そのときのことを思い出しながら、少しゆっくりめに、しかし確実に聞こえるように強くノックすると、彼が隣に女性を伴って出迎えてくれた。
「よく来たね」
「うん、招待してくれてありがとう。 こちらは…ええと、その」
僕は隣の女性に視線を向ける。 どうやら彼より一回りは年上のようだが、ずっと幼いような印象なのが不思議だった。
「彼女と私の関係が気になるだろ?」
にやり、と得意げに笑いながら彼は謎めいたことを話し始めた。
「彼女は母であり、妻であり、娘でもある。 ははは、いや、スフィンクスの謎掛けをしたいわけじゃないぞ。 これはそのままの意味さ」
「うーん? 僕は黙って相槌を打っているから、とりあえず話を全て聞かせてくれないか」
「いいとも。 私たちは座って話す、お前はお茶の用意と、それに適当なところでみんなを連れてくるんだ」
はい、と一礼すると女性は奥に引き払った。ソファに腰を沈め、彼は語り始める。
「本題に入ろう。 しっての通り私は錬金術の生命創造を専門にしている。 世間的にはビーカーの中の生命止まりってことになってるが、実はもう成功しているんだ」
「今日はそれを見せてくれる…ということか?」
「くくく。 もう見せたさ。 さっきの彼女は私が作った」
やはり、そんな気はしていた。 にわかに信じがたいことだが、彼ならやってのけてもおかしくない、と思う。
「彼女は人間ではない。 私がつけた種族名はミニエルフ、だ。
エルフといっても、魔法の使用や自然感知はできないし、弓が得意なわけでもない。 大体人間と変わりない生活をする。
しかし、人と大きく違う点がいくつかある。
637:2008/02/17(日) 03:42:40 ID:eNQKN6M8
ひとつ、成長と寿命。 生まれてから2年で成体となり、7年か8年ほどで寿命が尽きる。 つまり普通の10倍ってわけだ。
 物覚えも格段に速いが、さすがに10倍ってわけにはいかないから、見た目よりちと遅れることになるな。
ふたつ、女しか生まれない。 はははは、さすがに「第一人者」だけあるな、ここでもう狙いがわかったって顔だな?
うれしいね、やっぱり君を呼んでよかったよ。 安心して任せられるってもんだ。 まあそれは後で話すけどな。 
まずは説明の続きだ。 さっき言ったとおりミニエルフは人としての生理が10倍の速さだから、妊娠して一月で子を生む。 
そして子を育てるのは母親だけじゃない。母の母、そのまた母、さらに母…一族で徹底的に教育するんだ。 父親である私に仕えるための教育だ。
 歴代の母たちの夫は、私一人だ。 二年に一〜二回、ミニエルフにとっては10〜20年にあたるが、代が変わるたびに子を産ませている」
戦慄が走った。彼は想像を上回るほどの異常人物のようだ。
「自分の色に染めるための種族を作ってしまう」なんて。
なんて、なんて……罪深くも羨ましいことをするのだろう。 たしかに生命に対する尊厳を冒涜しかねないことだが、僕の素直な感情はそれを善しとしている。
女たちがかしずき、その娘も父に捧げるさまを想像すると、たまらなくて顔が紅潮してしまう。 
彼が話を一旦途切れさせると、女たちが部屋に入ってきた。 先ほどの女性を先頭に、年齢順に彼の後ろに並んだ。
「改めて紹介しよう。左から、最年長のリザ。6歳だ。ミニエルフ三代目で、全員をまとめる役についている。
次がアニタ、4歳。リザの娘で教育長だ。そしてラウラ、2歳。いま私の妻は彼女なんだ。」
その言葉にラウラが恥ずかしそうに顔を伏せると、その母親たちがニカリと笑って彼女をからかった。「そして最後に、ナタリー。1歳だ」
実は、最初から彼女が気になっていた。 この部屋でただひとり、陰のある表情をしていたからだ。
栗色の巻き毛と長い睫毛を振るわせるその姿は作り物とは思えない可憐さがあり、笑顔がさぞ似合うだろうにと勿体無く思う。 
しかし、その憂いの表情は、豊かなボディラインがはっきりと出る桃色のドレスにマッチしていて、僕は心を強く掻き立てられた。
「今日はようこそおいでくださいました」
硬い声で、しかし精一杯歓迎の意をこめて彼女は礼をした。
そしてお茶の用意をてきぱきとすませ、女たちは再び奥に引っ込んだ。
カップに口をつけてみると…おいしい。1歳でここまでの味を出せるとは、さきほどの「物覚えの早さ」という話を思い出し納得する。
「どうだい、かわいい子だろう」
「うん…まあ、羨ましいよ」
彼はその言葉を聴いてにやりとわらった。
「彼女を…抱きたくないか?」
「…!」
638:2008/02/17(日) 03:43:55 ID:eNQKN6M8
あやうく茶を吹きかける。 
しかし、私は内心、ミニエルフの特性から考えて、そういう意図だろうなあ、とは考えていたのでそれほど驚きはなかった。
「なぜだ。 君の娘であり…未来の妻だろう、そんな簡単に差し出せるものか?」
一応抗弁はする、どう考えてもあやしい話だからだ。 彼にとってはそれ以外にも研究の漏洩、反倫理の疑惑などリスクが大きいはずだ。
「いや、彼女は私の妻にはなれない。 血が濃くなりすぎたんだ。
私とミニエルフのあいだに生まれた子は、双方の特徴を半分ずつ受け継ぐ。そして娘と私との子だと、私の血が4分の3となる。
それが6代目ともなれば、ほとんど私と同じ特徴の少女となるわけだ。そこで一旦君という異分子をはさんで血をリセットしてみるわけさ」
「…つまり、君を女に性転換したような状態ってことか?僕と君がsex?ぞっとしないな…」
「くくく、このひげ面と寝るのは嫌だろうが、美少女なら僕のように人見知りでも可愛いと思えるだろう?
まあ、それ以外にもいい話がある。彼女との子をひとり返してくれたら、『素体』を一粒分けてあげよう。
僕の血が一切入っていないミニエルフの種だよ。製造法は秘密だ。 君も一族を起こせるというわけだ。
まあ養うには結構な費用がかかるから増やしすぎるのはお勧めしないが」
「大事な研究成果を人に任せられるというのか?」
「ああ、私はこの研究については『趣味』だからな、どうせ世間には出せないから惜しくないよ。 
でもそうだな、君が毎月レポートを書いて渡してくれるならありがたいな。 もしそれでよりよい成果があげられたら、君の一族もよりよいものとなるかも。
どうだい」
「…まあ、種については遠慮するよ。そのかわり、ナタリーのことだけど…」
639名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:57:33 ID:eNQKN6M8
今はここまでです。
この先の展開は「売られた」ナタリーが主人公を拒否するわけですが、どんな性格が面白そうでしょうか。
つんでれ、従順だが内心恨み節、天然、純愛にこだわる主人公を誘惑、かあさまによる洗脳気味、意外とサバけてる。
他にも「こんなのどう?」なんてのがあれば是非聞かせてください。

また、みごとナタリーを口説き落とした主人公は徐々にその変態性を発揮していきますが、その内容は?
こっちは女の子にあんまり負荷をかけすぎないものにしようと思いますが…

他にも、文章のおかしい、読みにくい、わかりにくいところがあったら是非指摘お願いします。
主人公が葛藤しなさすぎ…とかw
640名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 07:15:53 ID:KWJu8f1X
人って様々だなあ
そういう部分を考えるのが楽しくてSSを書くのではないのか…
641名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:55:58 ID:xn55Zl/F
639の好きなように書けばそれで良いよ
642名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 09:06:54 ID:I0sNrRcT
だな
その葛藤やジレンマ込みで作品だ
643名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:22:08 ID:8zPaszFP
つーか描きたいキャラもいないのにSSとか言われても
644名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 18:04:07 ID:xlkueaBA
>>639
悩むのは分かるが聞かないほうがいいと思う。
645名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:44:12 ID:MnoUYbEM
どうも、639です。アク禁に巻き込まれてました
いや、なんでアンケートしたかというと、自分は設定マニアなもんでこれだけ書けばもう満足というかにやにやできるんですよ。
TRPGでいえばルールだけ書くようなもんです。

でも人様に見せようと思うなら、少女との出会いから濡れ場、結末までないと成り立たないでしょう。
・・・あとは、この世界観にどっかでみたことあるキャラや設定をあてはめるだけです。
646名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:38:46 ID:WvCuDXjF
荒らしじゃないなら半年ROMれ
何もせずに立ち去ってくれマジで
647名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:52:49 ID:7swymoTc
こりゃスレ違いなんだろうな。

>>645
俺、物書きやってるけどどうにもよく分からない。
書こうと思っている動機は何よ? 書きたいからだろ? 書いて楽しいからだろ?
設定を用意して文章化して、「ああ、できたよ。やったー!」みたいなさ。
SSも基本は同じでしょ。いや、ケータイ小説すら同じよ。
人様に見せる前にお前さんは原点回帰するといいよ。
設定や粗筋で満足しちゃうのなら逆に書かないほうがいい。
人様に見せることありきの物書きは苦行でしかないよ。
648名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:38:40 ID:BisC0pk4
>>645
>>・・・あとは、この世界観にどっかでみたことあるキャラや設定をあてはめるだけです。

さすがにこれは聞き捨てならん。SSなめんな。

世界観を先に作るのが間違いだとは言わないが、それはキャラを含めての話だ。
キャラが出来てもいないのに世界観が出来てると口走るのは米は無いけど飯は炊ける
と言っているようなもの。
当たり前だが、「魅力」ってのは世界ではなくキャラに付いてくるものだ。
その女性キャラが何が好きで何に怒って泣いて笑って喜んで、絶対に許せないものは何で、
その為に普段どんな行動をしていて、そーゆー前提が出来上がった上でこそ、キャラは
魅力を放つものだ。
個人的には、エロ展開になった時に普段からは想像できないような面を見せるからこそ
そのギャップが読者の心の琴線に触れるものだと俺は思っている。

もう一つ言うと、貴方の行為は「誘い受け」と呼ばれる嫌われる行為の一つだと言う事を
知っておいた方が良い。
649名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 04:45:06 ID:KaLMDquG
>>648
見るな、触るな、関わるな
650名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 08:45:10 ID:44LXZoJG
>>648
荒らしに反応するのもまた荒らしである。
651名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 17:43:15 ID:BisC0pk4
正直すまんかった。
本人は荒らしのつもりはない天然ちゃんだとは思うがね。
ま、今回のは黒歴史に放り込んで、他人のふりして完成品を投下して欲しいものよ。
652死刑執行前:2008/03/06(木) 09:54:33 ID:m1R5eT5m
「・・・お父さん」
「大丈夫だ、おまえは嫁入り前だ
 この国の法律で処女は処刑できないことに
 なっている、だから安心しなさい」

城の使用人の少女、うっかり国王お気に入りの
花瓶を割ってしまい、死刑の判決を受けた
今日は家族と最後の面会を行っていた

しかし親子はこれが最後とは思っていなかった
上述の法があり、これまでもそれが理由で放免された
若い娘は大勢いたからだ
きっと今回も執行寸前、大司教様の御託があり
刑の執行は中止されるはず


あくる朝、まだ空も明けきらぬうち
本日執行される者が牢から連れ出された

手に枷をつけられた少女が、引っ立てられていく
しかし行き先は広場ではないようだ
653死刑執行前-2:2008/03/06(木) 09:56:23 ID:m1R5eT5m
「ここは、どこですか?・・・」
少女がか細い声で尋ねる

「拷問部屋さ 拷問するわけじゃないがな」
がっちりとした男が答える

「俺が今日の執行係だ
 ただ、問題がある 処女だと執行出来ないものでな
 今からそれを吟味する」

少女は枷を外され、囚人服も脱がされた
拷問台の上に乗り、脚を広げるよう命じられる
少女は大人しく従った

***********************

日もだいぶ高くなり、広場に見物人が集まっていた
その中に、少女の父親もいた

我が娘が引っ立てられてくる、何か様子がおかしい・・
髪はくちゃくちゃに乱れ、脱力したように視線が無く、
蟹股で脚を引きずるような歩き方をしていた
「ど・・・ どうしたんだ・・ あの子に何が・・」

高らかに刑の執行を宣言する大司教、少女は膝まづかされ
巨大な鎌が振り上げられた
「な・・ な!・・ なな! なぜだ?! どうなってるんだ!!
 どういうわけなんだ!!!」
父親は人ごみを掻き分け、駆け寄ろうとする
654死刑執行前-3:2008/03/06(木) 09:57:36 ID:m1R5eT5m
大鎌は鈍い風音を立てて振り下ろされた
処刑人が少女の首を高らかに見物衆に向けて示す
その顔はそうなる前に既に生気を失っているかのようであった

「ええい! 下がらんか!」
衛兵に止められる父親
「ばかな! ばかな! こんなはずは!・・・」
衛兵が耳元で囁いた
「おまえさん、大司教宛に幾らかでも包んだかね?
 それも無しに、あんな法を鵜呑みにしてたのなら
 馬鹿正直にもほどがあるよ」

**************************

早朝の拷問部屋
蝋燭の明かりがぼんやりと、重なり合って蠢く、
裸の男女を浮かび上がらせる

幼い弟妹達を養うためにスリをはたらいていた少女が
死刑執行人の”吟味”を受けていた

ニキビだらけの少女は、重い釜を振るう太い毛むくじゃらの腕に抱かれ
ほっそりとした生白い体の奥底まで、しっかりと吟味されていた
ず・・ ず・・ ずぅ・・・
「うっ!  ぐ!  はぅ・・・」
獰猛な腰が未熟な腰を打刻する水音と、涙混じりの吐息が
重なって響き続けた


だらりと手足を大の字に広げ、生気を失った顔の少女
無惨に散った花弁の奥から溢れ出たものが、拷問台の上に濁った
液たまりを作っている

そのわきで執行人が書類に記述を行っていた
”執行上における法的問題なし”

(終わり)
655名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 16:09:58 ID:m1R5eT5m
×重い釜→ ○重い鎌 です
 しっかりと吟味され”る” のほうがしっくりきますかね

次回から冷却期間置いてから投下するようにいたします
656名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 03:09:08 ID:Iv5d816M
殺してどうすんねん!(=゚ω゚)ノ
飼わなくちゃ!
法的には「もう死んだ、若い娘の亡骸を晒し者にするのは忍びないから火葬した」とか言って
牢獄でこっそり 飼 わ な く ち ゃ !



ごめん。俺、病気だな。もう寝る。
657名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 08:38:01 ID:7M0hfTup
おお・・・
感想?どうもです

実際に古代ローマだかギリシャだかにあったらしい制度をモチーフに
してみたもんですが、確かに救いようのない内容なものでスルー確定かなと
思うとりました
658名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 15:38:03 ID:4a9kly8X
いやGJだぜ
こういうシチュ物好きだ
またよろしくお願いします
659名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 22:18:44 ID:5z9EhPfn
俺にはちとストイック杉
660名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 22:32:20 ID:3I5p+6+A
永世勇者の人、もう来ないのかなー
661名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:51:22 ID:T+WvpU2v
映画ベイビーオブマコンを思い出した。

キリスト教の、マリア信仰=処女絶対信仰の影響からか
処女なら罪を問われない
って法だか慣習があって、だから処女は罪を犯しても
処刑されない……というのではなく、男たちに犯され
非処女にさせられてから処刑されたんだと。

エロパロ的には>>656がいいと思うw
662名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:05:23 ID:PbLPGCJl
ジャンヌダルクも処刑の前にレイプされたんだっけ
663名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:36:11 ID:PAEY8ZIC
タイムマシンでも発明されればわかる
まあ、そういうことにしとけばネタにはなるな
664名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 11:57:44 ID:MOzaaCmH
最近まで(もしかしたら今でも)、
イランでは反政府分子の独身女性を一度無理やり結婚させて
処女を奪ってから処刑したそうです。
「映画 ペルセポリス」でぐぐってみそ
665名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 13:14:55 ID:CKa3lQYN
ストイックじゃないだろ、jk
666名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 19:39:27 ID:lSc8O+DL
女兵士スレより、こっちの方が少し敷居が低いような気がするな…
667名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20:20:33 ID:ST85p0O/
そりゃ範囲が広いからな
668名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:51:39 ID:QwTUbyhy
ファンタジーなら魔法だっておkなんだ。そりゃあ範囲だって……
……あれ? このスレ魔法って取り扱ってるっけ?
669名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00:10:02 ID:9G/gpLWC
魔法×じゃファンタジーじゃねえべ
と書いてて苦しくなったり、めんどくさくなると魔法任せにする俺が言ってみます
670名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00:58:43 ID:mpVzBtiO
[ファンタジー] - [魔法] = [中世ヨーロッパ]
こうですか?わかりません><
671名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 01:09:20 ID:II5unxe5
まあいいじゃないか、適当で
672名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 01:11:00 ID:ToLbz+gn
ヨーロッパじゃなくっても中世はあるよ。
673名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 09:28:08 ID:IoXoxGnE
いまいち中国の中世がいつからいつまでかわからんw学会でもいくつか意見があるらしいが。
日本だと鎌倉から室町だっけ?
674名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 15:04:24 ID:mpVzBtiO
まあどちらにせよファンタジーを名乗る以上、魔法は必須だろうなあ。
ハリポから魔法を無くしたらただの学園ドラマになるしな。
675名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 13:26:45 ID:gqx4vvd1
狼と香辛料なんかはファンタジーだけど魔法はないぞ。
まあ、曖昧模糊な定義の方がやりやすい
676名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 16:54:26 ID:UW+Z19U9
魔法は可であって、必須ということでは無いのでしょう?
>>674はたぶんわかってて書いたと思うのだけど

で、誰か次スレ立てないのかな
取りあえず一本投下可能な状態になってるっす
677名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 00:01:57 ID:jfVi0Lj/
>>675
魔法はないが魔性の女がいるだろ。
678名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 01:42:06 ID:JJJN6TWY
ファンタジーってのは、どこの国でもない場所を舞台にしてればいいんじゃないのか?
でないと、現実世界でもなく魔法を使ってない小説の行き所が無くなるだろ。
679名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 07:31:22 ID:DUazMMHY
それは仮想歴史小説ってやつじゃね
田中芳樹風にいえば
680名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 11:53:09 ID:x28tBJb4
国籍不明の剣と魔法のファンタジー、
冒険者ギルドに盗賊ギルドなんてなものがあり、
妖精と悪魔と猫耳が跋扈する世界
水着みたいな鎧着た女戦士に、
どーんと横スリットの入ったローブ着た魔女っ子に僧侶っ子
とどめは、Tバックの盗賊娘

エロでも魔法大活躍
伝説の媚薬や性愛魔法で、レイプ中の処女だっていき捲くりさ

・・・とは言うものの、庶民を題材にした場合、国籍不明はちとつらい場合も

俺は”オリジナルで”という所がこのスレの重要な部分だと思ってる
そのうえで、シナリオや背景はどこかから一部拝借くらいは勘弁してほしい
てな感じです
681名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 12:41:56 ID:R6u+StIx
悪魔っ娘は精気を吸い取り
謀略渦巻く社交界の可憐な華は愛憎渦巻く云々以下略絡み合い
お嬢様はフィンガースミスの侍女とイチャイチャする世界さ。


……ん? ちょっと違うって?
682名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 14:26:10 ID:GGX/rXmJ
要は読み手が「幻想的だ」と感じる説得力を持っているかどうかと言ったところなんじゃないかね。
魔法や怪物はその演出を行うのに便利な小道具であり、それ自体がファンタジーを定義付けるとは
言わないよ。

舞台が現実世界であるかどうかはともかく、近未来を意識した都市でブラスターキュンキュン撃ち合って
超能力者がサイキックバトルを繰り広げるようなお話では、例え背後に本物の神や悪魔がいたとしても、
多くの読者はファンタジーではなく”SF”だと感じると思う。
逆に神や悪魔は実際には存在せず、魔法は化学反応の応用、怪物は突然変異と言う設定でも
読者に「幻想世界」に浸らせるだけの説得力を持っていればファンタジーと呼べるんじゃないかな。

読み手が「幻想的だ」と感じる要素が一切登場しないのではファンタジーとは言えないと思うよ。
ファンタジーには「幻想」の他に「空想」と言う意味もあるが、それを言い出すと最終的には
「ノンフィクション以外は全てファンタジー」になってしまうからね。
683名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 19:15:12 ID:PEBvwunm
ぶっちゃけそれっぽくて一定以上の文章力なら
こだわりは無い
684名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 23:48:41 ID:LMMi8ruK
だな
685名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 23:44:13 ID:WBnLAW3Y
502キロバイトに達してるようなので、新スレ立てました
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205504913/
独断で古代も混ぜてみました
686名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:05:21 ID:YOIUhFcS
近親相姦ものいきます
オーストリアとかチロル地方とか、そんなイメージでやってます
687ある村の兄妹-1:2008/03/15(土) 01:06:23 ID:YOIUhFcS
ここは山間の小さな村
ぽつぽつと建つ、藁葺きの三角屋根の家
その一つでの出来事
今は夕べ
窓の向こうで、女の子がカーチフから下がった三つ編みの
おさげ髪を震わせている・・・


「まだ言ってるの! 兄さんに冒険なんて無理よ!」
泣きそうな顔で抗議する私

「無理なもんか! この一年、俺は必死で剣の腕を磨いて来たんだ!
 毎日、毎晩同じことばかり言わせやがって!
 俺は明日の朝ここを発つ! いいな!」
「兄さん・・・」
母さんが亡くなって2年、この村で私と兄さんは二人暮らしてきた
でも決してそれは、寂しい暮らしぶりではなかった

豊かな自然に囲まれたこの村
村全体で代々共同で運営してきた農場は毎年、お城に納めても
余りあるほどの恵みをもたらしてくれていた

村長さんはじめ、皆親切で、毎日わいわい言いながら農場の
作業を分担して行う
笑いの絶えない、楽しい毎日だ

でも、兄さんはそれでは満足できないらしい
偶々村に立ち寄った旅人の話しを聞いて、それからというもの
「こんなつまらない村、必ず出て行ってやる
 他所の街、他所の国で大儲けしてやるんだ!」
これが兄さんの口癖になっていた
688ある村の兄妹-2:2008/03/15(土) 01:11:04 ID:YOIUhFcS
・・いやだ、兄さんと離れるのなんていや
昼間は村の人達といられるからいい、でも夜は・・・
わたし、一人でこの家で寝るなんてできない
なんとかして、兄さんを食い止めないと・・・
もう、あれを使うしかない
私はエプロンの裾をぐっ・・と掴んで、木靴に視線を落とした
「わかった、兄さん
 そこまで言うなら、私もう止めない
 それじゃ夕食にしましょう」
・・・どうしてもお兄さんが考えを変えず、それでも
引き止めたいのなら、これを食事に混ぜなさい・・・
村外れに住む魔女のお婆さんから買った薬
私は今夜、兄さんの食事に盛った
その薬の効用はお婆さんからしっかり聞かされていた
ごめんなさい兄さん・・・


カラン・・
兄さんの手からスプーンがこぼれ落ちる
「う・・ なんだ・・・ 急に目眩が・・・」
「兄さん!だいじょうぶ? 気分が悪いのなら
 ベッドに行きましょう・・・」
「うう・・ 体に・・力が入らん・・・
 腐った食い物でも・・・ は!・・おまえ! まさか?!」
「兄さん・・ ごめんなさい・・・」
689ある村の兄妹-3:2008/03/15(土) 01:12:25 ID:YOIUhFcS
屋根裏部屋
兄さんが子供の頃から使ってる部屋だ
他に部屋は空いてるのに、いい歳していまだにここで寝てる
干し草にシーツをかけただけのベッドもあの頃のまま
よくここで干草だらけになってふざけっこしたっけ

「よせ! やめろ!・・・」
「だめ、兄さん 動かないで」
私は動けない兄さんの腹の上に馬乗りになって、服を
脱がしていく
「気分が悪いときはこうして母さんに服を脱がされて
 いたじゃない」
「い! いつの頃の話だ!・・・」
「大丈夫 これからはこの私が母さんの代わりだから
 色々な意味で・・・」
「! な!・・・ おまえ、まさか知って・・・」


何時の頃から二人がそうなっていたのかは知らない
若くして未亡人になった母さん
あの日、あの晩、物音に気付いてそっと覗いた母さんの
部屋で見た光景は信じられないものだった

親子だからという点で驚いたのはずっと後の話し
二人の行い自体が私にとって衝撃だった

優しい眼差しで、いつも温かい笑顔を絶やさなかった母さん
その母さんが、馬小屋で二頭の馬がしているのと
同じことを兄さんとしていたのだ

四つんばいになった母さんは、昼間はピンで留めている、
自慢の髪を振り乱し、声が漏れないよう、片方の手で口を押さえ、
壊れた人形みたいにガクガク揺れていた

ぱあん! ぱあん! ぱあん!
兄さんの腰が母さんのお尻を叩く音
背中に圧し掛かった兄さんは、赤ちゃんだった頃の私達を育てた
母さんの大きなおっぱいを鷲掴みにしていた

そして何より衝撃だったのは、兄さんの驚くほど大きくなった
オチンチンを、母さんのお尻の穴に挿し込んでたことだった
((な・・・なんで そんなこと・・してるの・・・
  きたなく・・ないの?))
690ある村の兄妹-4:2008/03/15(土) 01:17:20 ID:YOIUhFcS
昼間はこれまで通りの仲のいい家族、しかし夜は・・
兄さんは週に二度くらいの割合で母さんの部屋に入っていった

母さんが兄さんのオチンチンを掴んで口に咥えている
ぺちゃぺちゃという音が私の耳まで届く
「あああ・・・ 母さん・・ すごい・・・いい気持ちだよ・・・」
昼間は大人ぶって大威張りの兄さんが子供みたいな
猫なで声をあげる

「さあ、今度は母さんを気持ちよくしておくれ」
息子の前でお馬のような姿勢を作り尻を突き出す母さん

兄さんが母さんのお尻をべろべろ舐め回す
やがて兄さんは自分のオチンチン持って、その背中に乗りかかる
”う!”という声が、二人から漏れて、ゆさゆさと揺れ始める

「母さんと兄さん、とても気持ちよさそう・・・」

くぐもった唸り声をしながら重なったお馬のように揺れ動く二人
段々、烈しくなって、また”う!”という声がして止まる

向かい合って口付けをしてる間に、私は部屋に戻る

一年が経ち、二年が経っても兄さんと母さんの行いは続いた
その間、私も色々な知識を得るようになっていた
「母さんと兄さん、”夫婦の交わり”をしてたのね
 兄さんは、父さんの代わりなんだ・・・」
赤ちゃんがまちがって出来ないよう、二人は用心しながら
お尻で交わっていたのだ
691ある村の兄妹-5:2008/03/15(土) 01:19:10 ID:YOIUhFcS
「兄さん、母さんが死んで、ずっと寂しかったのでしょう?」
ついに兄さんをパンツ一枚の姿にしてしまった私
「くそ! おまえ、なんてことを! 生意気だぞ!」
この期に及んで強がる兄さんの最後の一枚をひっぺがす

男の力をただ一点に完全に集める秘薬の影響で
びーーーん!と青筋立ったオチンチンが天を向く
私はそれをおずおずと手にとってみた
「く!・・」
「兄さん、ぴくんと跳ねた
 これから、あの時の母さんと同じことしてあげるね」
私はおさげ髪を後ろにどけると、一度深呼吸した
そして、兄さんのオチンチンに顔を近づけた
ぺろ・・・
一舐めしてみる、何だかしょっぱい
「く!・・」
兄さんがまたぴくんと跳ねる

「兄さん、気持ちいいのね」
私は兄さんのオチンチンを下から上まで舐め回した
「くぅぅ! よせ! やめろ!」
「兄さん・・ 母さんにしてもらってた時と顔が同じだよ」
私はそう言うと、思い切り口を開いて、むぐぅ〜と
特大ソーセージを頬張るように兄さんを口一杯含んだ
「ぐ! ああ・・・」
情けない声で兄さんが仰け反る

私は兄さんを思い切りしゃぶってあげた
兄さんはいくことが出来ない
この薬は、一度使われたら朝日が昇るまで決していけない
薬なのだ
692ある村の兄妹-6:2008/03/15(土) 01:22:18 ID:YOIUhFcS
ちらりと上目で兄さんの顔を見る、早くも朦朧とし始めてる
まだまだ夜は長い
「兄さん・・・ 見てて」
私は寝そべる兄さんを跨いで立ち、カーチフとエプロンを外す
次いでブラウスを肌蹴、花柄のスカートを足元に落とした

「見て、兄さん もう母さんにも引けをとらないでしょ?」
産まれたままの姿になった私は、すっかり大きくなった
胸の膨らみを兄さんの目の前に差し出して見せる
「おまえ・・ おまえ、本気なのか?」
「兄さん・・・」
私は片方の乳房を兄さんの顔に押し付けた
「んっぷ!」
兄さんが、私の乳房の中で咽ぶ

「はあ・・ 兄さん、兄さんのものだよ」
兄さんの頭を抱えて、むにゅむにゅさせる
「んぶ!・・ んむむ・・・」
「あん・・・ 兄さん・・ くすぐったい・・・」
私の胸の圧力で顔をざくろみたいに赤くした兄さんを見ながら
魔女のお婆さんにもらった、もう一つの薬を今度は私が飲む

「はぁ・・・ 兄さん・・ 私、なんだかぼおとしてきた」
つぅーー・・と私の股の間から液が垂れてくる
兄さんと母さんを覗いていた時にうっかりを寝巻きを濡らしてたのと
同じやつだ

「にいさん・・ 待ってて・・ 準備・・するから」
しゅっ・・ しゅっ・・
「んん!・・」
私は兄さんの顔の上で、自ら慰め始めた

ぽた・・ぽた・・
兄さんの顔に私の液が垂れ落ちる
「ふぅ・・ これだけ潤えば、大丈夫ね」
私は兄さんの下半身の上に移動する
「兄さん、私、母さんとは違うよ・・ 私、兄さんのお嫁さんになるわ」
母さんと比べれば全然薄い毛の中に宛がいながら呟く
「お! おい! そっちはまずい! そっちはよせ!」
「大丈夫兄さん、 私、兄さんを繋ぎ止めるためならなんでもする
 私自身が兄さんをここに繋ぐ紐になる」
693ある村の兄妹-7:2008/03/15(土) 01:24:19 ID:YOIUhFcS
ぐっ・・と場所を探り当てる
「それじゃ兄さん・・ 交わろぉね・・」
「よせ! よせ! よせ! よせ!・・・」
私は尻を落とし始めた
「んん!」
二人して自分以外の体温を感じて同時に声を発する
さっき飲んだ薬のお陰で痛みはあまり感じない
私はさらに尻を落として行く

私の割目がぱっくりと兄さんのオチンチンの幅に広がり
そのままずぶずぶと身体の中に突き刺さってくる
「ああ・・すごい・・ 私のお股・・ あの時の・・母さん・・みたい
 あ・・・ ああ・・・ 兄さん・・ どんどん・・ 嵌って・・くる」
そしてついに私は兄さんの腰の上に尻餅をついた
兄さんと私のちぢれ毛が縺れ合う
私達、兄妹は夫婦になっていた

「兄さん、見て・・・ 私達・・”夫婦の交わり”・・してるわ
 ほら、よく見て・・・」
乙女を捧げた証拠の赤い血が、私達の隙間から流れ落ち、
二人のちぢれ毛を染めていた
「お・・おまえ・・・ おまえという・・やつは・・・
 最低の! 最低の妹だ!」
「おまえは・・・ さすが、母さんの娘だよ 淫乱な血はそっくりだな」
「に・・ 兄さん、怒らないで・・・」
「母さんはな・・・ 父さんが亡くなったあと、村の別の男と
 関係し始めたんだ
 でも、そいつは・・・ 母さんの頼みを無視して、母さんを妊娠させた
 魔女の薬で・・ 堕胎したそうだけど・・・」
「そ・・・ そうだったの」

「ある晩、母さんが・・・ 俺のベッドに潜りこんで来やがった
 魔女からもらった薬をもってな・・・
 そして、それ以来・・・ 母さんが亡くなる寸前まで・・・
 おまえ・・・ おまえがやってることは! あの時の母さんと
 おんなじだ!!」
「兄さん・・・」
私は上体を倒し込んだ
すっと兄さんの口を唇で蓋をしてあげた
「ん!・・・ むぅ・・・」
「うん・・・ にい・・しゃん・・」
私達は甘い口付けを交わした
兄さんがしゃべる気が失せるまで舌と舌を絡ませあった
694ある村の兄妹-8:2008/03/15(土) 01:31:50 ID:YOIUhFcS
屋根裏部屋の天井から差し込む月の光が
干草ベッドの上で裸で重なり合い、ボッス・・ ボッス・・と
シーツを乱れさせる兄妹を照らし出す・・


「う! うん! にい・・さん あの頃も 水浴びしたあと
 裸のまま・・ ここで 遊んでて・・ よく叱られたよね・・・」
すっかり身体は成長した私たち
頭の中はあの頃のままであるかのように、裸でじゃれあう

「はあ・・ はあ・・ 兄さん なんだか・・変な気持ち
 これが・・ 夫婦の・・交わり・・なの・・ね」
兄さんは終始、無言で横を向いたまま
でも、口は半開きで息はかなり荒いのがわかる
兄さんが感じてる、私の中で感じてくれてる


私は腰を振った、腰の中で兄さんを愛し続けた
「は! は! に! にいさ!・・ あ・・あうぅぅ!!!」
私は感極まって、兄さんを入れたまま天国へ上った
「は・・ふぅ・・ いい・・きもちぃ・・・」

がくんと兄さんの胸の上に倒れ込む
「ふう・・・ 兄さん、 夫婦の交わりって、こんなに気持ちいいこと
 だったんだね・・・
 道理で母さん、兄さんを誘惑しちゃうわけだ・・・」

体が気だるい、眠気が襲ってくる 
「私、もう寝るね、兄さんも眠って 繋がったまま寝ましょう」
「こんな状態で寝れるわけないだろ・・・
 おまえは、ほんとに昔からわがままだ・・・」
兄さんの愚痴が遠くに聞こえていた
695ある村の兄妹-9:2008/03/15(土) 01:37:24 ID:YOIUhFcS
カッコぉ・・ カッコぉ・・
外からカッコウの鳴く声が聞こえる
「ん・・・」
兄さんの胸板の上で意識が戻り、下半身にひりひりとした
異物感を感じる
「目が覚めたか」
頭の上から声が降ってきた

「兄さん、おはよう 一睡もできなかった?」
「不思議なことに眠れたよ、いやらしい夢をさんざん見たがな」
そういうと兄さんは私の両肩を掴んで引っくり返した
「え? あ!つぅ!・・」
媚薬が切れて、今更初めての痛みを感じる

天窓の外が少し白み始めていた
「兄・・さん 力が・・戻ってるの?」
「昨夜はずいぶん、コケにしてくれたな」
そんな!薬の効力が切れるのが早い!

ボッス! ボッス! ボッス!
兄さんに逞しく抱かれる私
「あん! あぅぅ!」
私達、兄妹の熱烈な交わりに干草ベッドが烈しく揺れ
シーツの端から中身が舞い散る

「あ! くぅ! にいさ! 痛い! ゆるして! あうぅ!・・」
「おまえは! 悪い妹だ! こうして!・・やる!」
兄さんは怒りに任せて私を猛然と串刺しにした
「あ! あぅ! あ! は!・・・」
舌を噛みそうなほど兄さんに突かれる私
信じられないような勢いで自分の乳房が弾け飛ぶ

そして兄さんは私をがっしりと抱き締め、めり込みそうなほど
腰をくっつけると ”う!” と低く唸った
「あ・・・」
お腹の奥でじんわりと熱いものが弾ける感じに
思わず熱っぽい声が出た
696ある村の兄妹-10:2008/03/15(土) 01:43:12 ID:YOIUhFcS
山並みから朝日が顔を出した
まばゆい陽光を受けながら、私達兄妹は血を混ぜあう
兄さんは私のお腹の奥に溜まり切っていたものを気の済むまで
出すと、水を飲みに下の階へ降りていった

改めて自分のお股を眺める
べろ・・と歪にめくれた、その奥から濁ったどろどろが溢れ出ている
「・・・これが、兄さんの子種・・
 これで・・これで、よかったのよ・・ね」
ここへ来て、ようやく涙がこぼれた

ドカドカと兄さんが、上がってきた
ベッドの上でしょげてる私を、いきなりベッドに組み伏せた

兄さんは妹の身体をべたべたになるまで舐め回し
やがて、両足を思い切り広げて、力強く貫いた
「う・・ うん・・ 兄さん・・ もう・・ 旅には・・ 出ない?」
「・・・ 当分・・はな・・・」
私達はしっかりと抱き締めあった

その日一日、私は兄さんと干草塗れになって交わった
「あ! あ! あ! あ! あ!」
私は大きな善がり声を上げて、いっぱいお腹の中に
兄の深い愛をもらった



あれから一年が経った
暖炉の前で、赤ん坊に乳を与える私
すると不意に扉が開いた
「あ!にいさ・・あなた! おかえりなさい!」

私のお腹の子が兄さんの子であることはすぐに知れ渡った
法律上まずいことなので、村長が別の村を紹介してくれ
今はそこで夫婦として暮らしてる

「いつまで経っても”兄さん”と言いそうになるな」
兄さんは相変わらず仏頂面でいることが多い
でも、あれ以来私から離れるようなことは言いださない

「食事はいい、 子供の手が離れたら、すぐに来い」
兄さんは、私のお尻をぽんと叩くと隣部屋に消えた
今晩、久しぶりに私を苛め抜くつもりのようだ
私はぶるんと胸をふるわせた

(終わり)
697名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 02:45:45 ID:rLfLG/G8
698ID:YOIUhFcS:2008/03/15(土) 09:15:12 ID:YOIUhFcS
この左下の赤い数字が容量だったのか・・・
確かに471KBだわ
今までマジで知らんかったOTL

天然なアホでほんとにすまん!

ちょいと荒削りだけど一本いかせてもらう
699光るキノコ-1:2008/03/15(土) 09:16:08 ID:YOIUhFcS
雪深い山奥、そこにぽつんと温泉が沸いていた

「ふぅ〜、生き返るぜ・・・」
温泉の湯気の中に、赤い髪の男・・・ いや女が
ぼんやり浸かっているのが見えた
強気な面立ちと、あまりに髪が短く刈られているため
一見すると男に見える

だが、しかし湯の水面から、女であることの証拠の膨らみが
二つ、ぽっかりと半分顔を出していた


「おお〜い! いつまで浸かっておるんじゃ!
 そろそろ上がらんと、また雪が降り出すぞぉい」
しわがれた声が飛んできた
「ああ、わかったよ、今いくぜ」

女はざっ!と湯から飛び出す
木の枝にかけてあった、毛布を纏うと一目散にそこから五メートルほど
の場所にある小屋に飛び込んだ
「うー! さぶさぶ!・・」

小屋の中では土間で薪が燃えていて、その横でさっさと身体を
拭うと壁にかけてある服を手早く着る
「おっさん、もうこっち向いて平気だぜ」

背を向けていた六十ほどの男が、やれやれといった表情で振り返る
「しかし、おまえさんは、ほんとに男の子にしか見えんのお」

短い髪に、上から下まで全て男物の出で立ち
女・・ といっても十代の少女だが、きっとした目で男を睨む
「どうせ色気も何もねえよ、俺なんて
 つうかさぁ、どうせもう一度全部見られてんだから
 着替えくらい見てられても、かまわねんだけどな」
700光るキノコ-2:2008/03/15(土) 09:18:15 ID:YOIUhFcS
男が少女を狩りの途中で拾ったのは数日前のことだった
雪の中で倒れているのを、連れていた猟犬が見つけたのだ

幸い倒れてからさほど時間が経っていなかったようで命に別状もなく
手足が軽い霜焼けになっていた程度だった
「おっさんには、感謝してるよ・・・」
「温泉で温めるのに服を脱がした時は驚いたわい、
 わしが枯れた男で幸いだったのお ふっふっふ」
「おっさん、こないだから、そればっかだね」

男は少女に素性を尋ねようとはしなかった
口の効き方や、短剣と数本の投げナイフを持っていたことから
都から落ち延びてきた盗人か何かだろうと思ったからだ

拾って来て二日ほどしてから、男の狩りに少女は着いてきた
まるでムササビのように山道を駆け上がる姿を見て
男は目は丸くしたものだ
「どうりで、この深山まであの軽装で辿り着けるわけだわい」

薪の炎がパチパチと燃える
その傍で男は今日食べる分の干し肉を裂いていた
雪に閉ざされたこの季節、狩りと言っても晴れた日にせいぜい昼間
何時間かうろつく程度
春から秋までに手に入れていた収穫品だけで暮らしているのが
現状であった
「おっさん 春になったらここから出て行って、
 それで、おっさんにうんとお礼返しに来るよ
 だから、今はすまね」
男は温かい笑顔で少女を見つめる
「気にせんでええよ
 若い娘といられるだけで満足だでな
 まるで孫ができたような気分だわい」
「まあ、去年はかなりの収穫があったでな、
 気の済むまでここにおったらええ」
少女の強気な顔に少し照れた色が浮かんだ
701光るキノコ-3:2008/03/15(土) 09:19:52 ID:YOIUhFcS
ある日、男が体調を崩し、熱を出して起き上がれなくなった
「薬は?! 薬はねえのかよ?!」
「・・・しばらく病気と縁が無かったものでの
 まあ、何日か寝てたら治るだろぅ」
しかし男の容態は三日経っても好転しなかった

「ほっといたら・・ ほっといたら!死んじまうかもしれねえよ
 なあ!どこか!どっかに薬草が生えてる場所とか無えのかよ!」
「・・・ある
 おまえさん、採って来てくれるかい」
男は、黄色いキノコが生えている洞窟を少女に教えた

「それじゃ、おっさん! 必ず採ってくるからな!」
「ゴホ!・・ くれぐれも気をつけてな・・・ ゴホゴホ・・」
少女は犬を連れて元気に出かけて行った


男からもらった地図を頼りに場所を探す少女
「・・・おかしいな、迷ったかな」
書かれているような場所に中々巡り合わない
そのうちに雪も降り出してきた
「やべえな・・・」
自分が遭難してしまったのでは元も子も無い
少女は引き返すことにした

「あれ?! 橋が無いぞ!」
来たとき通ったはずの場所、谷にかかった吊り橋が消えていた
「あれれ、どうなってんだ・・・ 本格的に迷ったか?」
強気な少女もさすがに焦りの色が浮かぶ
連れてる犬もあたりをキョロキョロしている、鋭い嗅覚も帰巣本能も
どうやらお手上げのようだ
立ち止まってても仕方が無いので谷に沿って少し歩いてみることにした
702光るキノコ-4:2008/03/15(土) 09:21:38 ID:YOIUhFcS
「暗くなってきたな・・ それに腹が減った・・・」
すると突然、犬が一目散に走り出した
「あ!おい!帰り道みつけたのか!!」
少女も着いて行く


「なんだよ、ここは・・・」
大きな洞窟に辿り着いた
「もしかして、地図の場所ってここか?」
中へ入ると、奥のほうがぼぅーーと光っていた

「・・・あったけえじゃん・・・」
光の元に辿り着くと、そこには黄金色に輝く傘を持つキノコが
一面に生えていた
「・・・なんか、いい匂いもするぜ 、これがおっさんの言ってた
キノコかね」
ふと見ると、犬がバクバク食っている
「お! おい! 大丈夫かよ?」
美味そうに食ってる姿を見て、少女も我慢できなくなる
「ちょっと・・ 食ってみるかな」


「うまいじゃん! なんだか菓子みたいな味すんぞ!これ!」
少女は夢中で貪り食った
「ふぅ・・・ なんだか眠くなってきた」
少女はそのまま倒れ眠りこけてしまった


う・・・
犬の吼え声に、目を覚ます少女
「う〜ん・・・ よく寝たな、と、こうしてる場合じゃねえ
 早く帰らねえと・・・」
持って来た袋にキノコを詰めれるだけ詰めると、洞窟をあとにした
703光るキノコ-5:2008/03/15(土) 09:24:10 ID:YOIUhFcS
「あれ?! けっこう、近いところだったじゃん!」
犬のあとを着いて歩くこと二時間もしないで、見慣れた小屋が
見えてきた

「おっさん!帰ったぞ!」
「おお・・・ た・だい・・ま・・・」
「お! おっさん!!」
男の顔は土気色になり、かろうじて息をしている状態であった
「死ぬな!おっさん! ほら、キノコ!たくさん採ってきてやったぜ!!」

少女はキノコを急いで粉にして、湯に混ぜて男に呑ませようとする
「ぶほ!」
「あ! こら! 吐き出すなよ!」

「もぉ・・ 仕方ねえな」
少女は、キノコの溶けた湯を口に含んだ
「ほら・・ おっさん」
少女は無我夢中であった
ちゅぅ・・と湿った音が響き、少女の柔らかい唇が男の堅い唇に
重ねられる
ごく・・ ごく・・ ごく・・
少女の甘酸っぱい唾液に導かれるように、苦い湯が男の喉奥に
流し込まれた

男は相変わらずぶるぶると震えている
「おっさん・・・ 今、温めてやるからな」
少女はぱっぱと服を脱ぎ捨て裸になると、男の寝床に潜り込んだ
「あんたは・・命の恩人なんだ 死なせるもんかよ」
少女は、自ら湯たんぽとなった
男の脇に取り付いて胸や腹を摩る、そうしているうちに
自分も眠りに落ちていった


「うう・・・ん」
((なんだ・・・ 俺の胸・・・ 何か動くものが))
胸に違和感を覚えて、うっすらと目を開ける少女
「え?・・・」
自分の胸の膨らみに毛むくじゃらのものが取り付いて蠢いている
「な!・・・」
頭頂が少し薄くなった白髪・・紛れも無く男の頭であった
男が少女の青さの残る乳房に顔をめり込ませ頬擦りしていた
704光るキノコ-6:2008/03/15(土) 09:25:45 ID:YOIUhFcS
「お! おっさん! 何してんだ!!」
少女は跳ね除けようとした、しかし男は少女をがしっと押さえつけ
逃がさなかった
「ふふぅ・・・ やわらかいのお・・・」
男は呟くと、ピンク色の乳首をくぷりと口に含んだ
「うぅ!・・・」
少女の身体がぴくんと跳ねる
「や! やめ! やめろぉ!・・・」
ジタバタして逃れようとする少女

「・・・わしは命の恩人だぞぉ・・・ これくらい、いいではないか・・・」
少女の動きが止まった
「命の・・・恩人・・・」

あの時、この男に拾われてなかったら、自分は確実に凍死していた
「確かに・・・これくらい・・・ 胸を触られるくらいなら」
少女はぐっと我慢することにした
・・・どうせ、あっちは役に立たないんだ、これぐらいどうってことない
「あんまり・・・ オモチャにするなよな・・・」

ちゅば〜〜〜〜
男は孫ほど年の離れた少女の可憐な胸に吸い付いた
「くうぅ〜〜〜〜」
少女は唇を噛んで、柄にもなく顔を紅く染めた

「ふぅ〜〜・・ すべすべした肌だのお・・・」
男の染みだらけのごつごつした指が、少女の白い胸を
もみくちゃにする
「くそぉ・・ このスケベじじい・・ 調子にのりやがってぇ
 俺の胸、べたべただよ」
705光るキノコ-7:2008/03/15(土) 09:33:22 ID:YOIUhFcS
「ひ!」
少女は身を思い切りびくんと跳ねさせる
男の指が彼女の一番大事な場所に触れてきたからだ
「ど!・・どこ、触ってんだよ!! あ! よせったら!!」
再びばたつき始める少女、しかし男の力は予想外に強かった

男に両の足首を掴まれ、ぐぐぅ・・と頭のほうへ折り曲げられる
身体が軽く柔らかい所為かいとも簡単に屈曲位の体勢にされる
「くぅ! くそ!・・・」
己の小便出すところが目の前にある
「あああ・・・ なんだよ!このかっこう! もお!いい加減にしろよ!」
この体勢で上から圧し掛かられては身動きはとれない
男の舌が少女の股のど真ん中めがけて降りてきた

べ・・ちょっ・・・
「うあ!・・」
蓮っ葉な態度の割に、紅い薄い毛に覆われた綺麗な色の少女の
凹みをざらついた感触が這いずり始めた
「あ!・・・ くぁ! やめ!・・ くすぐったい! よせっ!・・・てぇ」
舌先が少女の豆を突付き、花弁をめくって中をなぞりたてる
「う! く!・・・」
びく! びく!と弱点をつかれる度しなやかな身体が跳ねる

じゅるじゅるぅ〜
すべすべの太ももに頬擦りしながら男は少女を啜った
「変な・・音・・・たてやがって」
少女の息が微かに荒くなっていた

男は顔を少女の股から離すと、上体を起こし折り曲げられた少女に
乗り掛かるように覆い被さって来た
少女の目の前に信じられない光景があった

役に立たないはずの男の凸でた所が隆々と勃起し、自分の凹んだ所に
狙いを定めていたからだ
706光るキノコ-8:2008/03/15(土) 09:45:21 ID:YOIUhFcS
「すまねえ・・ すまねえなぁ・・ おまえさんが・・かわいくて
 ほしくて・・どうにもならねんだよ・・・」
男は無様な姿勢で、目一杯おっぴらいた少女の凹みに、
ぬちゅと宛がった

「やだ! やだよ! やめて!・・・いやだ! いやだぁ!!」
逃げようと泣き喚く少女、構わず男は宛がわれた部分に
体重をかけはじめた
「うぎゃ!・・」
少女の凹みがめりっと広がり、ドス黒いキノコと化した凸器が
ずぶずぶ打ち込まれていく
「ぎゃああああ!!」
身を裂かれるような貫痛に少女の絶叫が小屋を突き抜ける
ぎちぎちと嵌っていく、接ぎ目から少女の鮮血が滲み出た

「ふぅ〜 おまえさん・・全部入ったぞ」
祖父と孫娘ほど歳の離れた肉体は、すっかり奥まで接っていた
「はぁ・・ はぁ・・ なんて・・こった・・ やられ・・ちまった・・かよ・・・」
横を向いて口を噛み、泣くのをこらえる少女



しんしんと雪が降り続く山の中、そこにぽつんと建つ小さな家の中で
一組の男女が一塊となって熱気を発していた

「ん!・・・ いた!・・・ いたぃ! 
 そんな!・・ うごかさない!・・で!」
染みだらけの厳つい腰が白いすべすべの腰にがつんがつん杭を打つ
少女は真上から男に貫かれていた
目の前で、怒張した黒キノコが自分の身体の中を露を噴きながら
出入りしている
「ふぅ・・ 見えてるか? わしらの・・繋がってる・・とこ 
 わしが・・ わしのこれが・・おまえさんを・・ 女にしたんだぞ」
「ぐぅ・・・ ふざ・・ ふざけん・・な」
「ふぅ・・ おまえさんの・・中 おまえさんの・・からだ いい気持ちだぁ
 もっと・・ もっと・・はめあうんじゃ」

男はその歳からは想像できないほど、力強く少女を抱いた
男の太いキノコは、容赦なく少女に己の形を刻み捲くった
「は! はひ! も もお いい かげん かんべん してよぉ」
白い餅のように、男にこね回され強情な少女もついに弱音が出た
707光るキノコ-9:2008/03/15(土) 09:49:48 ID:YOIUhFcS
「ふぅ! ふぅ! それでは! それでは! おまえさん! 
 わしの・・子種 受け取ってくれぇ!」
「はひ・・ よせ・・ それ・・だけは・・ 赤ん坊・・ でき・・ちまう・・」

男は猛然と少女で数度、己の分身を扱いた後、ずぶぅ!・・と深々打ち込んだ
「ん! んむ!」
少女の体内で、いつ以来かと思われるほど、濃く熱い胞子が放流される
「いやあああぁぁぁ・・・」
取り返しのつかないことをされている事を嗅ぎ取り少女が悲鳴をあげた

男は密着させた腰をぐりぐりひねりながら、一滴でも、一粒でも注ぎ込もうとする
目の前の無惨に捲れた奥から黄ばんだ汁がどろりと溢れてきた
「うう・・ ばか・・やろ・・・」
少女の意識が遠のいていく
・・・ごめん・・ごめんよ・・・
男の詫びる声が遠くで聞こえていた


「ん・・・」
少女の意識が戻る、鼻の頭に雪がかかる
「あれ・・ 温泉の中だ」
「目が覚めたかね」
はっとして声のほうを向くと、あの男がいた

少女は男に抱かかえられるようにして、温泉につかっていた
「て! てめえ! よくも!・・・」
「ごめんな、 おまえさんを繋ぎとめたくてよ あんな真似しちまったんだ」
「冗談じゃねえ! あんな!・・ あんなことされて!
 誰がてめえなんかと!・・・」
「おまえさんは、やさしい娘だ ずっと、ここでわしと暮らすんだよ」
「何!言ってやがる! 俺はもうこんなとこ・・・ あれ?」
身体が言うことをきかない
「ど! どうなってんだこりゃ・・」
すると横から男の大きな手が伸びて顎を掴まれ向けさせられた
ごま塩髭のひびわれた唇が接近し、少女の尖った柔らかい唇を摘み取った
708光るキノコ-10:2008/03/15(土) 09:53:43 ID:YOIUhFcS
雪の中、温泉からあがる湯気に包まれ、頭頂の薄い白髪頭と
少年のように短い赤毛の頭が重なり合っている
「ん・・・」
男に短い髪を撫でられながら少女は接吻を交わしていた
咥え合った二人の口の中で舌がねっとりと絡み合い
少女は唾液を男に啜られる
「うう・・ん」
少女は甘い息を男の口の中で吐き続けた

つぅ・・と光る糸を垂らして二人の口が離れる
男は少女の首筋に舌を這わせた
それを皮切りに男は少女の身体を順次やさしく愛撫していく

「はあ・・・ はん・・」
少女は乳房を揉みしだかれつつ、女にされたばかりの部分も
弄りさすられ、不似合いな息を吐いていた
「どう・・なってんだ・・・ 力・・はいらねえし・・・ 
 なんか・・ きもちいいし」

男は少女を、幼子を小便させるような姿勢で持ち上げ
自分の腰の上にゆっくりと降ろした
「く!・・ ううん・・・」
当然の如く、天を向いた男の黒キノコは、少女の窪みに温泉の湯を
巻き込みながら嵌め込まれていった

じゃっぷ・・ じゃっぷ・・ じゃぷん・・
小雪の降りしきる中、温泉の水面を重なり合って揺らす男と少女
「こうやって・・ おっぱい一杯揉むと・・ 将来、もっと実るんじゃ」
背後から少女の乳房を揉みながら、のんびりと若い身体を味わう男
「んあ・・ ふあ・・ やべ・・ いい・・ きもち・・ くあ・・」
いつしか少女も異性と交わる味を覚えはじめていた
709光るキノコ-11:2008/03/15(土) 09:58:28 ID:YOIUhFcS
ざぷん! ざぷん! ざぷん!
湯の中で烈しく交わる男と少女
男は水の浮力で軽くなった少女を抱え込んで、上下に揺すり
己の茎を扱き抜く
「ふぅ! ふぉ! うぉ!つぉ!・・・」
「あ! あぅ! あ! あん!・・・」
二人の嬌声が山にこだまする
やがて男は低くうなると、己の思いの丈をどっぷりと少女の中に
噴き上げた
「は!・・・ふん」
少女は体内で弾ける男の熱い思いに身を震わせた

じゅわぁあ・・・
少女の胎内から溢れた胞子が湯に溶けていく
あまりにも熱くなった身体を冷やすべく、少女は男の手を引いて
湯から上がった

積もった雪の上に、火照った裸身を投げ出す少女
「・・・おっさん、こいよ」

男は生意気な・・これ以上ないほどに可愛らしい誘いに
一気に襲い掛かる
「おお・・ん」
雪の上でじゃれ合うように烈しく接吻を行う二人、互いの髪を撫であい
性器を摩りあう

そして少女の細い指が男のキノコを掴んで、己の熱く湿った窪みに
引き寄せた
男はそれに応え、少女をがっちりと抱き締め、深々とその体を貫いた
「あ!」
自分の中が太く逞しい茎に充たされたことを確認して
少女のしなやかな脚は男の腰に絡みついた
710光るキノコ-12:2008/03/15(土) 10:07:15 ID:YOIUhFcS
三度、嵌め繰りあう二人、熱い息を吐きあいながら
雪の上を転げ回る
「ん・・ んふぅ・・ お・・ おっさん・・・」
口付けを交えつつ、上になり下になりしながら、肌から湯気を立てて
爛れあう
「かんじ・・る・・ かんじる・・ぜ・・ 
 おっさん・・おれの・・なかで・・ すげえ・・ あちぃ・・ 
 あ・・ は・・ すげぇ・・ きもち・・いいわ・・」

やがて、雪の上に少女の体は磔にされる、男が猛然とぶち抜き始める
「うぉ! おぅ! いい! いいぜ! 
 おっ・・さん! もっと! もっと!・・・」
雪をうっすらと積もらせながら肉欲にどんどん溺れて行く
「あぅ! はぅ! おっ! おっさん! なんか! なんか! 変!」
少女の息がいよいよ荒さと熱さを増していく、自分を無理やり女にした
この男の胸の中で、女の極みを覚えようとしていた
「あぃ! うぃ! あ! うぁ!!!・・・
 わああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
上に乗った男を持ち上げるほど、大きく撓る少女
その生意気な顔に随喜の涙が流れた

「かわいい子・・・ わしの娘・・ わしの女・・・」
男はがっくりと脱力した少女に、都合三度目の迸りをその子宮に
植え付けた



「あれ?・・・」
ぱっちりと目を開ける少女、裸で男にしがみついたまま朝が訪れた
外の雪は止み、窓から日が差し込んでいる

目の前に男の顔がある
「死んでる・・・」
少女は一見して男が息をしてないことに気付いた
すっ、と布団から抜け出し改めて男を眺める
明らかに死後数日が経っていた
「夢だったんか・・・」
少女は目を細める
「ごめん・・・ おっさん、助けてやれなくて」

裸のまま、外へ出てみようと歩み出した、次の瞬間
「つ!・・」
股に強い違和感を覚えた、恐る恐る、手で触れてみる
指先にべっとりと白いものがへばりついた

あれだけ取って来たキノコはどこにも見あたらなくなっていた

(終わり)
711名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 10:08:52 ID:YOIUhFcS
あと12KBまで漕ぎ着けました
お粗末でございました
712名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 21:48:47 ID:tAX65WL1
>>711
お疲れ様でした。
過去レス見返してみて、短期間に三作(新スレ含む)を投下とは
かなりの速打ちの腕と妄想の持ち主と見た。

713名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:38:55 ID:YOIUhFcS
書き殴りストックがありますもので、それで速攻で清書して投下いたしました
しかしながら、残り12ではさすがに落とせるものがもう無いです
714名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:51:14 ID:AqGJvzU3
なるほど。それなら短期間でのあの投下もうなずけます。

>書き殴りストックがあるもので
残りは新スレでお待ちしております。
715名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 13:28:47 ID:KymFpiaf
次スレはー?
716名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 14:38:56 ID:35aXDWyR
717715:2008/03/18(火) 10:07:32 ID:tXYWEznc
うお。すまん。見落としていた。
718名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 12:03:31 ID:QVWiY2T1
なかなか埋まらないようなので、小ネタなぞ
719小鬼は見た-1:2008/03/18(火) 12:05:20 ID:QVWiY2T1
やあ、おいらはゴブリンのトムトム
身長45センチ、チン長15センチ左曲がりなキュートな小鬼君さ
おいらの趣味はずばり人間の女とやることさ

やり方は単純明快、夜、煙突や天窓から寝床に侵入して
やっちゃうんだよ

間違って起きださないように、最初に顔に屁をぶっかけるんだ
たいがい、”う!”と小さく唸って、こてんと深い眠りに落ちる
後はやりたい放題だね
不思議なことに女って、寝ながらでも感じるんだよね

気をつけなきゃいけないのは猫
犬は屋根や塀の上に逃げればいいけど、こいつらはおなら爆弾
使いまくらないと逃げ切れない
これ持てる数に限りがあるから、ほんとに焦るよ
特にこの辺りを仕切ってる、ヤンキーて名のビヤ樽みたいな
ドラ猫は要注意さ
おいらの仲間が何匹もディナーにされてるからね
720小鬼は見た-2:2008/03/18(火) 12:05:52 ID:QVWiY2T1
さて、今晩は未亡人のミルカさんの家に来たよ
ミルカさんは、三十代半ば、栗色の毛と瞳のしっとりとしたイイ女で
おいらの存在を密かに認知してくれてる数少ない一人さ
昼間は淑女、夜はメス獣て感じでもう、その乱れぷりったらすごいんだ

熟女といえば巨乳だと思ってるかい?
ミルカさんはそれほどゴージャスじゃないよ
でも、その所為で垂れはほとんどない、いい具合に熟れてる感じ
でも、乳首はちと黒ずんでるかな


さ〜てと、もうここはミルカさんの家の天井裏だよ
ん? あれ? なんか声がするぞ
あそこの穴から覗いてみよう、説明的で申し訳ないね


あ! 先客がいやがる!!
ん? あ!あいつは、酒場のハゲおやじじゃないか!
奥さんいるくせして! おいらのミルカさんに手を出しやがって!!
・・ま、少し様子見てくか

くぅ・・ミルカさんのおっぱい、あんなにいじり回して
おぉ! 舐めまわしはじめやがった
くぅ、あのやわらかいミルカさんの胸に、ハゲ頭が・・
ああ! ミルカさん自ら手で押し付けてる!

すごいな、このオヤジ全身熊みたいに毛むくじゃらじゃないか
ううむ、ミルカさんの白い肌とのコントラストが
まさに野獣と美女て感じ
721小鬼は見た-3:2008/03/18(火) 12:06:40 ID:QVWiY2T1
う!よせ! そんなのミルカさんに、嵌めんな!
よせったら!・・ やめろぉ!!
て、あ〜あ・・ ぶちこんじまったか
おいらのミルカさん・・ ミルカさんのオマンコ・・・あんな汚い男に・・

”おぅ! おぅ! おふぅ! おぅ!”

ミルカさん・・ あんなに喘いでる
すげえ乱れっぷり 

ミルカさんのしっとりとした太もも、毛むくじゃらの腰に絡み付いて
自分に押し付けてるよ・・
おいらはチビだからあんなの絶対無理だよね
挟まれて圧死させられそうになったことあるけど

”おぅ! おおぅ! おおん!・・・”

ミルカさん、口の周り舐めまわしてるもうすぐ、飛ぶな 

”あおおおおおおぉぉぉぉ!!!!・・・”

・・すげえ声、隣ん家に絶対聞こえてるよ
お!この馬鹿オヤジ、中出ししちまってるよ!

あ・・ あ〜あ、 あんなに出しちまって・・
ミルカさんのマンコ、どろどろじゃないかよ

キスしてやがる、
というか、ミルカさんのほうが積極的だな
もしかしてオヤジのほうが誘われた?
ミルカさん、昼間は貴婦人然としてるけど、ものすごい男好きだからな
この村一帯、全員兄弟だったりしてな、ひゃはは!

・・て、おいらもその一人じゃないか
さて、他所移るとするか
722小鬼は見た-4:2008/03/18(火) 12:07:38 ID:QVWiY2T1
ここは酒場だ、さっきのオヤジの店だね
おお、けっこう賑わってる
女将さん、お客と盛り上がってる場合じゃないよ
あんたの旦那、全開浮気中だぞ
こっそり密告ってやろうかな

さて、おいらは、あのオヤジの娘、エリーナちゃんに会いに
来たんだ
エリーナは店の看板娘、プラチナブロンドのポニーテールがとてもキュートさ
今日は店にいないってことは、寝室か!
よしいくぞ!


さて、天窓から侵入成功
愛しのエリーナちゃん、待ってろよ〜・・・ て、あれ?
エリーナちゃんの声がする? 誰かと一緒か?

ああ! なんてこった、ここにも先客・・
ん? あいつは、三日くらい前から村に泊まってる吟遊詩人じゃないか?
くそぉ! さては歌で巧みに落としやがったな!

肩寄せ合って、恋人同士みたいじゃないかよ
さすが雰囲気作りはプロだな
お! 顎持ち上げて、キスか!
くぅ〜〜〜! おいら、あんなのしたこと一度も! 
・・・金も名誉もいらん、おいらももう少し背がほしい
723小鬼は見た-5:2008/03/18(火) 12:08:19 ID:QVWiY2T1
ううむ・・上着の裾から手突っ込んで、胸もみまくってやがる
おっ!脱がせ始めた

小ぶりなおっぱいがかわいいね、感度良いんだよねこの娘

ん?二枚目野郎も脱ぎ始めたか
けっ!なんだありゃ皮被りかよ
ん?んんん! エリーナちゃん! 口で皮むきし始めやがった!!

ぺちゃぺちゃ・・んぐ、くちゃ・・ じゃねえだろ!!
あああ・・ エリーナちゃんの可憐な唇が・・ あの野郎のチンポ
扱き倒してる・・・
野郎め!ネズミの死体、頭に落としてやろうか


お? いよいよ、合体か

”ああ!・・ん・・”

ううむ、嵌め込んだみたいだな、エリーナちゃん、上擦ってるよ、くそ
がたがた、ぎしぎし、ベッド揺らしちゃって
くそぉ・・・ 気持ち良さそうにやってやがるな

お?!男の腰が早くなった! もういく気かよ
あれれ?! こいつも中に出してやがるのか!
あ〜あ・・ エリーナちゃんのオマンコ・・こいつのザーメン塗れ
外で出せよ、スマートじゃないな
と言いつつ、おいらもいつも中出しだけど

ん?金、渡してるぞ
売春? エリーナちゃん、そんな娘だったのか
もしかして女将さん公認か?!

男が出ていったな
あれ、エリーナちゃんしんみりしてる、これは、これは、
売春強要されてんじゃ・・・ オヤジといい、ひどい家族だ!

城に行って訴えてやろうかな
とりあえず今晩は引き上げよう
724小鬼は見た-6:2008/03/18(火) 12:09:07 ID:QVWiY2T1
あ〜あ・・ なんだか今晩は嫌なものばかり見せられるな
なんかすっかり萎えたよ
さて、もう、水車小屋に帰るとするか


ふぅ・・ ん? こんな夜中に、誰かいるぞ
誰だよ、おいらの寝床に勝手に入り込んでるやつは!


ううん? 二人いるな
一人は・・ 馬鹿でかいやつだな
村に駐在してる衛兵のグラートか、魔物と一騎打ちできるほど
強いけど、女垂らしでもあるんだよな

もう一人は・・ 青い髪で、華奢で小柄・・ あ?!あの子!
村長の娘のセーリアちゃんじゃないか!

お、おい・・・ まさか、まさか・・ そんなわけないよな
いくらなんでも、彼女はそんなことするにはまだ早い・・おお!

く!・・ 口付けしてる!
でかいタラコ唇に、セーリアちゃんの小さい口が食われてるぞ!!

そ・・そこまでだよな・・ それ以上しないよな・・まさか
な!脱がし始めた・・ と!フリルのスカートが飛んできたじゃないか
725小鬼は見た-7:2008/03/18(火) 12:09:45 ID:QVWiY2T1
うわぁ・・セーリアちゃん、華奢だと思ってたけど・・そうでもないな
けっこう発育してる

お!このゴリラ野郎! セーリアちゃんのおっぱいを!
くぅ〜〜〜! 柔らかそお!・・ おいらも揉みてえ

ああ・・体中舐めまわしてる
はあ・・ セーリアちゃんの肌、どんな味がするんだろな・・

ここまでくりゃ、まあ後は・・・
ほんとに、あんなバケモノみたいな物があの細い体に入るのかよ

お!・・ 入れ始めた・・  お! お!入っていく!
セーリアちゃんの股、裂けちまいそうだけど・・ でも入っていってるよ!

なぁんと! 信じられねえ・・ この熊、根元まで突っ込みやがった
けど、セーリアちゃん、頬を染めて、気持ちよさそうだな

”あ! あ! あん! あ! あ!・・”

すげえ・・あのぶっといやつが、あんなきつきつな場所を、露噴きながら
出入りしてやがるよ

”ひ! あく! あひ! はひ! ひは・・”

操り糸の切れたフランス人形みたいだな
セーリアちゃんて歳いくつだっけ、確かまだ・・
股にろくに毛も生えてないってのに、あんなに、顔真っ赤にして・・・
あいつと、何時からこんな関係なんだろ
726小鬼は見た-8:2008/03/18(火) 12:10:22 ID:QVWiY2T1
お? 動きが止まった、あの野郎の汚いけつがぶるぶるしてやがる
セーリアちゃんの腹の中にてめえの種汁ぶち蒔けてやがるのか
ひどいやつだな

”あぁん・・ はふ・・ん・・”

あ〜あ、空ろな目しちゃって、
村長は知ってんだろうか? 
知らねえだろうな・・こんなとこで逢瀬を愉しんでんだから

あれ?おいおい、二回戦目行く気かよ
今度は後ろからか

また揺れ始めやがって・・ 
あれれ〜、干草の上にセーリアのマンコから溢れたやつが
臭い染み作ってやがる
そこはおいらの寝るところだっつうの

・・・明日は色々怪文書が飛び交うことになるな
こいつら、どんな顔になるか楽しみだ、うきき

(終わり)
727名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 21:22:36 ID:YIJY9pZN
面白かった!
乙です
728名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 22:23:17 ID:QVWiY2T1
>>727
おひねりどうもです!
729名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 05:02:36 ID:MsMy50hy
埋め
730最後の笑顔-1:2008/03/21(金) 12:37:02 ID:/DKNi5e6
「はあ・・ はあ・・」
「し! しっかりしろ!・・」
草原の一角、巨大な魔物の首が転がるその傍ら
ズタズタになった女魔道士とその肩を抱く剣士
「今! 今、町まで運ぶから!・・」
背負い上げようとうする剣士、それを魔道士の息が引き止める

「はあ・・ はあ・・ いいよ・・ もう、助からない・・
 あんたにも・・ わかるだろ?」
「そ!そんなことは!・・」
剣士に対して、ふっ・・と笑顔を浮かべる魔道士

「ずいぶんな怪我だけど・・ 痛みをあんまり・・感じないんだ」
「・・・・・・」
黙り込む剣士に、魔道士はさらに口を開く
「・・・あたしの・・最期の我侭・・聞いてくれる?」
「・・・なんだ?」
「・・・あんたと・・・ ひとつになって死にたい・・・」
「・・・・・・」
「あんたと・・知り合って2年・・
 ずっと・・おあづけ・・食らわしちゃって・・・ ごめんね
 だから・・ 今・・」
数秒、見詰め合う二人
剣士は鎧を外し、さらに魔道士から破れたローブを取り去った
731最後の笑顔-2
肩口から胸の中央へ、裂けるような大きな傷から血が噴出し
白い女の肌を鮮やかに染めていた

剣士はその厳つい胸板でそっと傷口を塞ぐ
軽く口付けを交わしたあと、剣士は魔道士の白い太ももを大きく広げた
「いくぞ・・・」
剣士の問い掛けに魔道士が軽く頷いてみせる

「ん!・・・」
二人同時に上擦った声を発する、女の股の奥から破瓜の血が飛び散った
「ふぅ・・」
今度も二人同時に安堵のため息を漏らす
「痛く・・ ないか?」
「だい・・ じょうぶ」
魔道士の目から涙が零れ落ちた
「温かい・・体の底が・・・ 感じる・・あんたを・・ やっと・・私達・・
 さあ、時間が・・ない・・・ 愛して・・・」


ざわざわ・・と風に草むらが揺らされる音に
くちゅ・・くちゅ・・と肉の擦れ合う音が微かに混じる
剣士と魔道士の冒険者コンビが、産まれたままの姿で熱く愛情を
確かめ合っていた
「う・・ う・・」
苦しいのか、快感なのかよくわからない呻き声を発する女魔道士
女から溢れる血が、男の体も真っ赤に染める
血塗れになって情を交わすコンビ


「この・・ 2年間・・ いろいろ・・ あったね・・」
「そう・・だな」
「ずいぶん・・ 危ない橋・・ 二人で・・渡ったよね」
「そう・・・だな」
荒い息を吐きながら、鼻の頭をくっつけあって会話をする冒険者コンビ
揺れながら止め処も無く涙が流れる

「はふ・・ まだ・・寒い・・ もっと・・抱いてよ・・ もっと・・温めて・・」
剣士は魔道士をしっかりと抱き締めた
「う!・・ う!・・ く!・・ う!」
「あ!・・ あ!・・ は!・・ あ!」
最後の会話・・ 最後の泣き顔・・ 最後の笑顔・・ 最初で最後のセックス・・

女魔道士は、つんざくような息を、草原中に轟かせた
そして剣士の二年分の熱い想いが、女神のような安らかな笑みを浮かべる
その白い体の奥で溢れ返った

(おわり)