1乙!
1乙ν
乙
私、シャア・アズナブルが>>1乙しようというのだよ!アムロ!
とおりすがりの俺が
>>1 乙
まとめさいと見てくるノシ
だからこそ
>>1 に希望の乙を見せなければならないんだろ
>>1 を乙しに来た。
そうすれば君の気もすむのだろう
それならば今すぐ
>>1 に乙をさずけてみせろ!アムロ!
大佐、これが現在の戦況です。 98氏 :機動戦士ガンダムSEED bloom(種:AA地球降下中あるいは直後) 373氏 :ガンダムSEED D CCA(種死:オペレーション・ラグナロク)停滞中 (・ω・`) 125氏 :メビウス・リンク(種死:ハイネ加入直後) 400氏 :機動戦士ガンダムSEED side A (種:新星攻防戦[種本編の半年前]) 以上であります <(・ω・)
ナナイ乙。他は?
↑のは今年に入ってから確認された戦況です。 他の職人は皆、去年からMIAに・・・(/Д`)
まだそうと決まったわけではない!
15 :
507 :2007/03/27(火) 13:57:51 ID:R6uTo1cs
C・E73。宇宙要塞「メサイヤ」での地球連合・オーブ軍とザフトとの最終決に、 ある未確認の艦隊が乱入する。この物語はその乱入者から見たC・E世界の歴史 である。 第1話「介入」 U・C0093年 1年戦争以来延々と続くジオン残党の抵抗。その中でも第1次ネオ・ジオン戦争後、瓦解したネオ・ジオンを『赤い彗星』のシャアが再興させ、 地球連邦軍に対し宣戦を布告した。戦いは連邦軍の象徴「ガンダム』のパイロット「アムロ・レイ」が引き起こした奇跡によって アクシズの落下は阻止される。その奇跡と同時に2つの世界でそれぞれの連邦軍のある部隊が消息を絶った。 1つは「地球連邦軍第13独立部隊 ロンド・ベル」。 そして、もう一つは旧エゥーゴ旗艦「ネェル・アーガマ」。この2つの部隊はそれぞれの歴史で「行方不明」とされた。 この艦隊の存在は混沌に満ちたコズミック・イラを彼らは救えるか。 「う・・・。気絶していたのか?・・・ん?レーダーに反応?」 彼、アムロ・レイは愛機のレーダに反応があるのに気付いた。それは彼にとっては懐かしい物だった。 「馬鹿な、ゼータだと!?あんな物が何故!?」 アムロは驚愕していた。 5年前のグリプス紛争の際にエゥーゴが象徴としていたガンダムで、 彼自身も乗ったことがある。だが、なぜゼータがいるのだ。アムロは気になり、νガンダムをゼータに接近させた。 近づくにつれ、ゼータの姿がはっきりとみえてくる。その姿はカミーユ・ビダンが乗っていたものと瓜二つだった。 「まさか・・・カミーユ!?」
前スレの書き出しでも思ったけど、0093の話の途中から「それぞれの歴史」って表現はおかしくないか?
17 :
507 :2007/03/27(火) 14:06:17 ID:R6uTo1cs
だが、アムロはその考えをすぐに否定した。 ―カミーユはアレ以来戦えないはずだ・・・となると・・・。可能性は1つしかない。 もう一人のニュータイプ「ジュドー・アーシタ」しか考えられない。アムロの知っている中ではゼータを乗りこなせる パイロットは彼くらいしか思いつかない。 「そこのゼータ、聞こえるか?こちらは地球連邦軍第13独立部隊所属、アムロ・レイ。」 返事はすぐに返ってきた。その声はジュドーの声だった。 「アムロさん!?」
>>16 ネェルアーガマは0093からじゃなくて0088から飛んだんじゃね?
>>18 それだと
>その奇跡と同時に
ってのがおかしくないか?
ケチつけてばかりで申し訳ないがどうにも全体として文章に違和感がある
乙。 とりあえずメモか何かにまとめてから順々に投下されてはいかがでしょうか?
とりあえずもうちょっと推敲してからやり直しされた方がよろしいかと思います
22 :
507 :2007/03/27(火) 14:27:24 ID:???
>>16 そう
ジュドー達は0088からの来訪者だ。ジュドーは当分ゼータで行く。
アムロはνだ。
すまない。 投下する心意気は買うんだが、今のままだとちょっとクオリティ不足の感がいなめない。 最近三連続でレベルの高いモノが続いただけにな。
24 :
507 :2007/03/27(火) 14:49:53 ID:???
もうちょっと推敲してくる。
>>24 頑張れ、こういう1勢力が造れるくらいの介入モノは少ないから
>>507 乙だ。上手いとかとか下手とか気にしなくて良い。俺は気にしていない
アクシズ押し返しの時の影響が時空を超えたってことね。
アムロとジュドーの接点ってアニメでは無かったと思うんだが…。小説版か?
小説版かギガンティスだな
というか、ブライト艦長が二人の奇跡ですか? ・・・え、ネェルアーガマの艦長ビーt(ry
EVOLVEはでかい画面で一度みたいなぁ...
>>32 なんというスタイリッシュ!
ただ98氏のキラは、安易に種割れに頼る事はなさそう。
>>22 おおっ!ジュドーだ!
予想も出来ない話が始まりそうでwktk
期待してまつよ
>>32 すばらすい! |・∀・) カコイイヨー!
最終的にはこれ位させたいなぁ
>>34 皆さんにも色々と予想したりと楽しんで頂きたいので、ちょこっとだけネタバレ
今のとこ、キラの種割れ回数は種編では3回のみ予定でつ
どこで割れるかはお楽しみにしていてくださいまし
それはそうと、おいら、誤植とか多いし校正しっかりしないとなぁと、反省中・・・orz
さて、台本書こーっと |・∀・)ノシ マタネー
>前スレ963 ハゲホモは自分がキモチイイのが第一だから、将来を考えて譲歩するとか骨折り役をするとか思いもつかないだろ。 逆に自分より優秀な部下がいると気分悪いのでいびったり、周りが自分の思い通りしてくれないと当り散らして逃げたり、 そういうのばっか。
>>32 アムロの奴を見た…
これのアムロとクェス、ハサウェイが種世界にというのを妄想した…。
>>36 そんな話聞くと思うんだが…彼、エリートの癖に将の器ゼロだな
>>35 >種編
まさか!?
これは……期待してよろしいのでしょうか?
>>36 ……まるっきりガキの行動に見えるんだが俺の気のせいか?
ファンタジーに出てくる傲慢不遜な王とかそんなタイプじゃない?
ギルガメッシュのことかーー!!
体は大人、でも頭脳は子供の逆コナン君だな
>>37 イボルブ5か
個人的にあのifは好きだね
>>32 エールストライカーパックはあんな使い方ができるんだな
08のEZ-8みたくちぎって敵MSをぶん殴るのにも使えそう
兵站将校「ああ、そのての戦術は予備部品が豊富にある時だけにしてくれたまえ」
Vのボトムアタックだな
>>43 後にシンがフリーダムを倒すのにも応用した由緒ある技といえよう。
凸の器の小ささは種死でもひどかったしな 奴がしっかりしてればシンは主人公の座を追われなかったかもしれないのに(ヽ'ω`)
ぼうや誤爆かい
50 :
507 :2007/03/28(水) 14:22:58 ID:???
ただいま推敲中 大体のブロットは完成した CCA側はロンド・ベルのすべての戦力が転移、ZZ側はプル生存Ifあり 種死は史実より大幅にデストロイの完成が遅れたという設定。 MSの強さ ν、ZZ、Z>>越えられない壁 ジェガン>>ストフリ、デスティニー
い、いったいどんな話になるんだ?!>507氏 期待して待ってるぜ! にしてもMSの強さがハンパねぇww でも、面白そうだ。
主役側の厨性能機体が叩かれまくった種死と同じ道を辿る気か? 主役が一方的な展開で勝つとかテロまがいの行動をやらかさない事を求むぜ
UC側がどんな大義名分をかかげて戦うのか予想がつかんw 最高指揮官のブライトさんがどんな対応見せるかも楽しみで戦闘は質vs量の戦いかな? とりあえず正座して待とう
まあ、いくら強くても補給が全く見込めない状況だからなぁ まともに戦闘できるかどうか
百式とメガライダーは?
UC93の最新鋭量産機のジェガンがZ以下ってのも妙な感じだな。
88〜93あたりは技術的な進歩はほとんどなかったという設定 ジェガンはGMIIIよりコストが下がっただけで、性能的には大差ないか かえって低いくらい
GMVってGMUのマイナーチェンジじゃなかったか。
GMIIはGMのマイナーチェンジだけどGMIIIは新設計 ザクIIとザクIIIくらい違う
新設計はヌーベルジムVだろ。
ジムU改修→ジムV 新規生産→ヌーベルジムV だな。
プル生存ktkr
98氏のナタルがニュータイプに覚醒する妄想をしてみたら、CCA終盤のナナイみたいにナタルが号泣する妄想になってしまったよ・・・・。
あぁぁ、大尉の命が吸われていきます… か。うわお。すごく見たい。
スパロボやGジェネの世界から来た面子ですな?
俗にヌーベルジムVっていわれてるタイプは、新規生産型の中で初期のタイプだそうです。 後期型はネモの優秀なジェネレータや冷却システムやらを取り入れて、廃棄ダクトが4基から2基に減り、 外観上は改修型のジムVと変わんなくなったのでまとめてジムVって呼ばれてたみたいです。 あとジェガンは生産性・拡張性・コストパフォーマンスを重要視したが、第一世代ベースのジムVとは違い、 第二世代MSとして開発されているのでジムVより弱いということはないはず。 敢えてダウンした面をあげると、装甲がガンダリウムγからチタン系合金になったことだろだと思いますが・・・どうなのでしょう?(汗
そのあたりはwikiで調べると載ってるから見てくると良いと思うよ
507氏どうだろうなぁ。ここは、あくまでアムロ主軸で進んでいくとこだから。そんだけの面子がワッとやってきて大丈夫なのか?ZZのハイメガキャノンで、終了ォ−みたいな…。ま、書く事に反対はしないが…。
69 :
507 :2007/03/28(水) 23:50:39 ID:???
すまん 推敲にはあと1日かかりそうだ。
>>68 心配はいらない、物語はあくまでもアムロ主軸だ
ジュドーは準主役扱いだ
>>53 戦闘は戦略をフルに活用して、いかにして少ない数の軍で大軍に勝つかになる。
>>69 という事はほぼ独立勢力?(+種のどの現有勢力にも不満を持つ支援者とか)
>>64 やだいっ!!見たくないo(><)oナタルチルドレンが見たいっ!!!
>507氏 俺はそれが見たいと思った。 そして、あなたならそれを書くと思った。 あの期待はそういった期待だった。 ありがとうっ!
作品自体は期待してるんだが・・・ 雑談くらい普通にレスして欲しいな 傍から見ると中二病っぽく見える
職人が思い通りの行動取らないのにいちいち噛み付く輩の方が余程…… SS製造人形とでも勘違いしてんじゃないよ。
工工エエエ(´д`)エエエ工工 雑談くらい普通にしてくれって願いすら言っちゃ駄目なのかよ・・・
>傍から見ると中二病っぽく見える ↑ これのどこが「普通にしてくれって願い」なんだって事だろ。
>>76 >雑談くらい普通にレスして欲しいな
その前に↑って書いてるじゃん
C.E 71年。 ナチュラルとコーディネイターの戦いは苛烈さが増し、その影響は中立を貫くオーブにも避けられ ぬものとなった。 連合はオーブに対して協力という支配を求め、オーブのウズミ・ナラ・アスハはこれを拒否。それ を機にブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエルはオーブに侵攻を開始した。対するオーブも自ら の自由を守るために反撃をした。 その中で、未だその戦火から逃げ惑う人々を残して……。 ―――ハァ、ハァ、ハァ。 耳に聞こえるほどの人の吐息。それが自分のものだと気付く間もなく、紅き瞳を宿した少年は目の 前を走る両親とその間に挟まれて走る妹の後ろを走っていた。 通る道は舗装などされていない荒れた土。木々は静かさには満ちてはいなく、自然のものではない 風に吹き当てられている。駆ける歩は止まることなく動かし、疲れる身体を無視して進んでいく。す ると、いきなり目の前を走る父親が少年の方に振り向き。 「大丈夫か、シン」 シンと呼ばれた少年は大丈夫と答え、父親は家族を動揺させない為に柔らかな声で安心させる。 「あともう少しだ。みんな頑張るんだ」 「ええ、そうね」 「うん」 母親と妹はそれを察したのか、精一杯の声で答えた。 連合とオーブの戦いはオーブの劣勢へと傾いていた。当初はオーブの予測以上の反撃で連合は一時 撤退を余儀なくされたが、連合の数の前にはそれは長くは持たなかった。既に内陸部は連合のMS部 隊とオーブのMS部隊の戦場となり、通信網の一部が断絶し、飛び交うのは怒声や叫び、光の粒子や 弾丸となっていた。
「くそっ、まだ避難も完全に済んでいないのにこれでは」 父親は愚痴るように呟く。 当然と言えば当然だ。戦線は崩れ、混乱した戦場で正しい情報が中枢部に届くとは限らない。現に オーブのウズミ代表は避難は完了したとの連絡を受けていた。しかしどうだ。逃げ遅れた国民が居て、 未だ収容すら完全ではない。その情報が中枢に届くことがないなら、末端の国民達にも知らされない のも道理だ。 火薬の臭いが鼻につき、地上に着弾した光の粒子が爆風を巻き起こす。余波で砂が舞い上がり、目 は砂の風に沁みていく。怖い。シンの思考を満たしたのはその言葉。でも、とシンは思う。目の前に は必死に逃げようとする家族が居る。守る。そう守りたい、大切な家族を。だから――― 「伏せろ!!」 突然、父親の叫びが響く。 シンは「何?」と思って前を見ると、そこには翼を持ったMSが地上をギリギリの高度で飛行して いた。すぐさまシンは膝を曲げて身体を伏せる。 瞬間にして一瞬、されど永遠とも感じた。高速の速度で上空を通過した機体に続いて、地上に叩き つけるように強風を伴った。続いて二回目、その機体を追いかけてきたMSが上空を通過する。二度 に渡る強風に身を揺さぶられながらもシンは懸命に耐えた。 目の前に視線を移すと両親は妹を守るように支えていた。ようやく身動きが取れると急いで立ち上 がり、シン達はその場から離れようと走り出す。 「マユ、疲れた……」 「あともう少しだから頑張って!」 妹が疲れた声を出し、母親は自分も怖い筈なのに宥める。だが、その足取りは先程よりも重くなっ ていたのは事実だ。そのせいか妹のポケットに入っていた携帯が落ち、砂利道から外れた下の木の根 元に引っ掛かった。 「マユの携帯!!」 それに気付いた妹は携帯を取りに行こうとするが。 「ダメよ、マユ!!」 「イヤ!マユの携帯!!」 母親はマユの手を離さず叫ぶが、マユは暴れて聞き入れない。 「俺が行くよ」 それを見かねたシンは斜面を滑って木の根元に辿り着いて携帯を拾う。 その時、気が付くべきだった。 ここは戦場で、まだあの二機のMSが近くにいる事を。
突然の爆発。 地上は抉れ、爆風で木々は薙ぎ倒された、破片は周囲を撒き散らす。軽いシンの身体などそれに耐え れる筈もなく吹き飛ばされた。 「う……っ…」 呻き声が喉から漏れる。気が付くと身体は叩きつけられ、動かそうとすると全身に痛みが走る。軽 い脳震盪が起こったのか意識がハッキリせず、焦点が定まらない。 「大丈夫か、君!!」 遠くで声が聞こえた。シンは痛みを我慢し、ゆっくりと身体を起こす。 「大丈夫か?」 頭が朦朧としているのか上手く聞き取れない。声の主はオーブの軍服を身に纏っており、心配そう にシンを見つめている。 シンはハッと意識を戻して自分が居た場所へと振り向く。 「――――」 だが、そこは自分が先程まで居た場所ではなかった。 形を為さなくなった木々。瓦礫の屑となった岩。天へと昇る煙。撒き散った土。そして、そして、 首のない身体。岩に潰された腕。捻じ曲がった左足。千切れた右腕。血は土に染み、動かない誰かの ヒトガタ。 「―――ぁ……ああ……」 動かない人間はただのモノになり、温かさは冷たいナニかになる。 「ぁああ……う、あああああ……!!」 大切なものはもう居ない。笑っていた居場所は過去へと消えた。 「ああぁあああ……あああああっ!!」 守れなかった。守りたかったのに。どうして、なんで。 「ああああああああああああああああああ―――っ!!」 涙が溢れる。悔しくて、悲しくて、止めどなく流れていく。 もう戻れない、暖かいあの場所には。一切の感情を絶叫へと変えていく。空を見上げるとそこには 戦いあう二機のMS。地と天を分かつように二機は終わりなく戦い続けている。 その瞬間、少年は何よりも力を求めた。 憎悪と悲しみを叫びとして。
宇宙世紀0093。 地球連邦政府とスペースノイドの確執は大きく深まっていた。腐敗した連邦政府は地球に拘り続け 、スペースノイドに対する弾圧も止まることを知らなかった。そんな地球にしがみつく人々に絶望し た一人の男が居た。 キャスバル・レム・ダイクン。またの名をジオン公国軍エースパイロット、赤い彗星のシャア・ア ズナブルは旧ネオ・ジオン残党や優秀な人材を集め、組織として小規模だが精鋭という戦力を保持し た。そして、シャアを総帥とするネオ・ジオン軍は連邦政府に対して事実上の宣戦布告を宣言した。 彼の宣言はスペースノイドから高く支持されたが、連邦政府はネオ・ジオンを軽視してそれほど重 要としなかった。だが、シャアはスウィート・ウォーターから艦隊を率いて出発、小惑星5thルナ を連邦軍本部のあるチベットのラサに落とす地球寒冷化作戦を開始していた。 「クソッ!墜ちろよコイツ!!」 深緑と金色で塗装された指揮官用アンテナが付いた鋭角的な頭部をしたMS―――ヤクト・ドーガ のパイロット、ギュネイ・ガスが全天周囲モニターに映し出された映像を見て叫ぶ。その映像には漆 黒の闇に光を散りばめさせたような宇宙があり、映像の端々には断続的に光の線が点いたり消えたり していた。しかし、ギュネイはそれ以上に目の前の敵に対して強い怒りを見せている。 「なんで墜ちないんだよコイツは……っ!!」 それもそうだろう。今まで数々の敵を撃墜してきた彼にはその敵の動きが信じられなかった。 モニターは赤いロックオンマーカーが敵を捉えようとするが、敵は光の尾を一際輝かせて右斜めに 浮き上がるように逃れる。ギュネイもそれを追おうとフットペダルを踏んでヤクト・ドーガが敵を追 う。だが敵の旋回性能は高く、ビームライフルの射線を取ろうにも狙いを付けた時にはモニターの端 へ動いていた。 「ハッ、いつまでも当たらないと思うなよ!!」 ギュネイはバイザー越しに歯を見せて笑う。敵の動きを予測していたのか、ヤクト・ドーガのビー ムライフルは敵が来るであろう空間に向けられ、銃口からは微かにメガ粒子の光を見せていた。 トリガーが引かれる。黒塗りの銃口からは黄色の閃光が迸った。敵が回避行動を取ろうとしても遅 く、あの速度ではスラスターも間に合わない。宇宙空間では一切の減衰しないメガ粒子のは敵を貫か んと走り――― 「なんだと!?」 愉悦になる筈の表情は驚愕へと変貌した。 敵は僅かな時間でエアとスラスターによる姿勢制御を行っただけで回避したのだ。脇を通過したビ ームはそのまま5thルナの岩壁に当たって爆発する。その様子をギュネイは歯噛みして、岩壁に沿 って遠ざかっていく敵を追った。
「やるな、あのパイロット……」 白のパーソナルカラーをしたノーマルスーツを着たアムロは先程の事を思い出して呟いた。 先程の敵MSの動きにはアムロ自身も驚かされた。十数分前にヤクト・ドーガと交戦を開始して今 まで、敵は5thルナに取り付かせまいと追撃してきた。アムロもその動きからエースだと判断して 、なるべく引き付けて本隊から離そうとした。そこまでは良かったがヤクト・ドーガのパイロットは 思ったよりも腕が良く、同時にファンネルを使うことでアムロ自身も5thに取り付けず膠着戦とな っていた。 「この精神に偏りがある感じは強化人間か」 アムロは敵パイロットから出てくる怒りのような感情を機体越しに感じていた。ピッ、と機械音と ともに前面のモニターに敵MSが映し出される。ヤクト・ドーガはアムロを墜とそうと追撃しており 銃口は常に向けられている。なのに撃たれないのはアムロがリ・ガズィを射線に行かないように動か しているからだ。 リ・ガズィは宇宙戦闘機形態たるBWSに依存している。Zガンダムの量産機として開発されたが 、コストに見合わない性能と使い勝手の悪さに少数しか生産されなかった。アムロはZガンダムを使 用したかったが、連邦政府から封印指定を受けたのでその量産機のリ・ガズィにバイオセンサーを搭 載させて搭乗した。しかし、リ・ガズィではネオ・ジオンのMSには遅れを取り、事実、ヤクト・ド ーガ相手に膠着していた。ふと、アムロは青く巨大な地球と眼下の5thルナを見た。 シャア、これが貴様の望みか……っ!! 内心でこの行動の首謀者の男に叫んだ。かつては互いに戦い合い、そして共に戦った男は人類に絶 望し地球にこんな物を落とそうとしている。グリプス戦役、第一次ネオ・ジオン抗争を経ても人類同 士の争いは終わらず憎み続ける。 しかし、誰が知るだろう。この争いの結末が思わぬ道筋を辿ることになったのは誰も予測出来なか った……。
何やら電波を受信したので書いてみた。後悔はしていない
乙。 内容はいい電波だと思うんだが、文章がなんか変だ。携帯かな?
乙 素晴らしい電波じゃんw
まだ何とも………言えない
そりゃまだクロスしてないしな。 期待しておりまする。文章は俺は別に気にならなかったけど。
いいよいいよ
ミンナガンガッテ
90 :
507 :2007/03/29(木) 14:50:57 ID:???
こんにちわ まだ時間かかりそうだ。事前にちょっとだけネタバレをしとく。 ロンド・ベルとネェルアーガマは、ラクシズとは敵対関係になる、 種世界のとある企業がロンド・ベルへの支援を公言する、 種死の主役級キャラの誰かががロンド・ベルの捕虜になるとだけ記しておく 機体について明言は避けるが、HI―νガンダム、登場予定 戦闘は戦術しだいで量産機も高性能機体と互角に戦えることがロンド・ベルによって証明される 以上だ
厨煮臭が…
>>83 乙です!
今回は導入部分ですな
どうなるか期待して待ってます |・∀・) ガンガレー!
>>38 予定は未定ですが頭の中のアイデアは固まりつつあります
やるとしたら今の続きになると思いますよ
何にしても、まずは種をしっかりやらないとね |・∀・)ノシ サテ シゴトシマツネ
話の内容と同じくらい、文の書き方や魅せ方も重要だと思うから いざ本物を見てみないと期待もできんぜ
>>92 >予定は未定ですが頭の中のアイデアは固まりつつあります。
>やるとしたら今の続きになると思いますよ。
>何にしても、まずは種をしっかりやらないとね |・∀・)ノシ サテ シゴトシマツネ
OK!!!
今から激しくwktk!
>>90 乙です。
物語の基部に関わってくるようなネタバレはアンマリやらない方がいいかと……
96 :
507 :2007/03/29(木) 15:26:25 ID:???
ロンドベルとネェルアーガマがラクシズと 敵対するのはある意味自然かもw
問題は、まがりなりにとはいえラクシズは 種死後、プラント&オーブの同盟軍って位置づけになっているって事だな。 下手に手を出しゃ、ロンド・ベルは平和を脅かす謎のテロリストって事にされちまう。 一勢力丸ごとのクロスオーバーの難しさだが何とか政治的正当性を持たせて行動して欲しいな。
職人さん達もこっちに書き込んでるし、 そろそろ前スレ埋めないか?
>>100 前スレはもうスレ容量いっぱいで書き込めないよ
103 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/03/29(木) 22:26:23 ID:EoJ1pdiq
ネェル・アーガマが跳ばされたら、、当然歴史が変わって、その後の「シャアの反乱」にも影響が出てくるじゃないの。
>>103 サイコフレームの共震で飛ばされたと考えるんだ
いや何で飛ばされようともタイムパラドックスは発生するだろ 部分分枝の考え方を導入するしかないな
ところで、ジェガンってスペック的にはガンダムMk-IIにひけを取らんのだが。
というかUCは量産機とワンオフ機に大きな差がない上に 性能の違いが戦力の決定的差にならない世界ですから
つーか百式より上じゃなかったか<ジェガン
つーかクロスキャラの最強機体が種世界蹂躙ラクシズ皆殺しなんてのはもう見飽きたんだが
違う時間軸から飛ばされたとでも、分岐した一種の影で本来の歴史は何事もなく進んだとか 理屈の付け様はなんとでもなるさ。
んじゃこの辺でお約束、98氏マダー?
373氏復活キボン
>>109 まあまあ、ようは書き方・魅せ方次第だ。
それにまだ本格的に始まった訳じゃないんだし、この時点で判断するのは早計だと思うぞ。
>>111 マッタリ汁!
地球連邦新興外郭部隊ロンド・ベル。ラー・カイラム級戦艦のラー・カイラムを旗艦としてクラッ プ級巡洋艦ラー・ザイム、ラー・エルム、ラー・チャターの4隻からなる部隊は、その足を止めて地 球へと艦首を向けていた。その先では、大気圏の摩擦熱で表面を焼かせながら落下軌道を取る5th ルナがあった。 ラー・カイラムのブリッジ、艦長のブライト・ノアはノーマルスーツのヘルメットを外して地球へ と落ちていく5thルナを見つめて溜め息を吐いた。 「5thルナを止めることが出来なかったとはな……」 その言葉の通り5thルナは阻止限界点を突破しており、作戦失敗を悟ったブライトはMS部隊の 帰還を命じた。そして今、帰還したMSの収容と修理、整備を行なって一時の休憩を余儀なくされた 。 「ネオ・ジオンの艦隊はどうだ?」 ブライトはオペレーターに視線を向けて問う。オペレーターはすぐさま振り返って顔を顰めて首を 横に振った。 「ダメですね、ミノフスキー粒子を散布して撤退をしています。本隊は無理ですが分隊の方なら可能 ですが」 「そうか……」 オペレーターの言葉を聞いてブライトの表情も僅かに曇った。5thルナも止められずネオ・ジオ ンの艦隊すらも殲滅出来なかった。これでは何の為に今までやって来たのか、そんな愚痴を声には出 さずに心に留めるに抑えた。 「艦長!!」 突如、脇の扉が開いた。大きな声を出してブリッジに入ってきたのはヘルメットを脱ぎ、白のパイ ロットスーツを着たアムロだった。アムロは床を一蹴りして無重力の場を進むと、艦長席に座ってい るブライトの横に身体を止めた。そしてアムロは悔しさが混じった声で呟いた。 「シャアの目論見を食い止められなかった」 ブライトとアムロは互いに視線を合わせずに地球に落ちていく5thルナを見つめていた。
「お偉方はシャアを甘く見過ぎていたんだよ。それでようやく動けたと思ったら俺達だけときた」 「言うなよ。コロニーをしらみ潰しに探し回ってこれだ。スペースノイドは連邦政府に少なからず反 感を抱いてるからな、連邦政府も俺達もシャアにまんまと一杯食わされた」 「だが、これでは―――」 アムロはやり場のない怒りを吐き出そうとした瞬間、地球の一部が大きな爆発を起こした。5th ルナが地表に衝突してその衝撃で爆発と衝撃波を巻き起こしたのだ。宇宙から見ても分かるのだから 地球に居る人達はそれを肌で感じているに違いない。そして、あの場に居た人達は理不尽に死んでい ったのだ……。 「クソッ!シャアめ……ッ!!」 「アムロ……」 握った拳は血が出かねないくらいに力を込めていた。ブライトが落ち着かせようと名前を呼ぶが、 アムロの表情は怒りと後悔が混ざっている。暫くすると爆発は収まって、ドーナツ状に雲が穴を空け ていた。 「ガンダムを取りに行く」 「今からか?」 アムロの言葉にブライトは怪訝な表情をする。既にロンド・ベル隊はネオ・ジオンの陽動部隊を追 撃する事を決めて、今、正に航路は動こうとした瞬間だった。 「ああ、奴を倒すにはガンダムが必要だ」 「しかし、まだ完成してはいないだろう?」 「ラー・カイラムで仕上げるさ」 ブライトはアムロの無茶な言葉にアナハイムの開発スタッフに同情したが、いかんせん時間が足り ない。いつまたシャアが動き出すかわからない。状況は待ってはくれないのだ。 「仕方ないか。我々はこのままネオ・ジオンを追うが……」 「わかっている。何かあったらすぐに戻る」 アムロは敬礼してブリッジから出ていく。アムロがブリッジから居なくなったのを見届けるとブラ イトは立ち上がり、 「格納庫にジェガンとゲタの準備をさせろ。ジェガンが出たと同時に我々はネオ・ジオン艦隊追う! 」 艦長の言葉にブリッジクルーは全員顔を引き締めて、了解、と声を揃えて応じた。
CE73年。 二年の平和を謳歌していたプラントは瞬く間に打ち砕かれていた。新型艦ミネルバの進水式を目前 に控えたプラントの軍事工廠「アーモリーワン」に於いて、三機の新型MSが強奪された。迎撃に向 かったザフトのMS部隊もカオス、ガイア、アビスの前には歯が立たなかった。 「アハハハッ、これじゃあ連合のパイロットの方がマシじゃねぇ?」 アビスに搭乗したパイロット、アウル・ニーダは両肩シールドを羽ばたくように拡げて胸部のカリ ドゥス複相ビーム砲と共に計七門のビームの奔流が数機のディンを貫いて爆散した。アビスは次の獲 物を探そうと―――コクピット内部に警報が鳴り響いた。レーダーはアビスの背後に熱源を示してい る。 「―――!?」 アウルはそれに気付いて振り返れば半壊した状態のゲイツRがビームライフルの銃口をアビスに向 けていた。アウルは咄嗟に両肩のシールドで身を守るように包む。 「………アレ?」 アウルは思わず間抜けな声を出した。いつまで待っても自機に衝撃が来ない。メインカメラから様 子を伺うように見ると、ゲイツRは全身を深緑に塗装されたカオスに後ろからビームサーベルでコク ピットを貫かれていた。 バチッ、という音が鳴るとゲイツRは全身から力を失ったようにモノアイが消えて前のめりに崩れ 落ちた。カオスはつまならそうにゲイツRの頭部を踏みつけ、ゲイツの頭部は軽く火花を起こして爆 発する。 『調子に乗り過ぎだぞアウル』 カオスに搭乗したスティング・オークレーはアウルの動きを諌めた。その言葉に多少の癇に障った アウルだが、スティングのカオスに助けられたので反論しようにも言葉が出ない。子供っぽさを大き く残した彼にとって年上のスティングの大人びた言葉は反感を覚えるのも仕方ないと言えば仕方なか った。 「ちぇっ、悪かったよ」 だが基本的に素直なアウルは呟くだけにした。そんなアウルにスティングは苦笑する。 『そろそろザフトの連中も冷静になる頃だからな。その状態で相手にするのは御免だぜ』 「ヘッ、別にいいけどね」 『数やエネルギーの問題もあるんだよ……っと、ステラはどうした?』 スティングとアウルは話しをしながらも手は一切休めてはいない。上空から攻めてくるMSにはア ビスが牽制と破壊を行い、地上から攻める敵はカオスが相手をしていた。 二機の機体は背中合わせに互いを守る。カオスはビームライフルを撃ちながらもう一つ強奪した機 体のガイアを探すが見つからない。アビスは両肩のシールドの先端にある二門の砲塔からビームを発 射、二対のビームがディンの左肩とシグーの頭部と胸部を直撃して地上へと叩きつける。 「そんなの知るか―――って、居た」 アウルがモニターに映し出されたガイアの映像を見る。ガイアは左手にシールドを持ち、右手には 柄を握ってビームサーベルを展開した。刀剣状になったビームの刃は全身を緑色に塗装された一つ目 の機体に向けられている。
「アレってザフトの新型だっけ?」 『ああ、確かザクって量産型MSだ』 ガイアと相対するザクはガイアに応じるように左肩のスパイクシールドからビームトマホークの柄 を抜いた。同時にトマホークの刃先はビーム刃が形成され、ガイアにビームトマホークを向けた。静 止する二機は互いに出方を伺っていたが先に動いたのはガイアだった。 『不味い……っ!』 そう叫んだのはスティングだ。ガイアはザクを断ち切ろうと迫るが、対するザクはビームトマホー クを握る腕を振りかぶっていた。勢いをつけて振り切った手からはビームトマホークが離れ、空中で 回転しながらガイアに襲い掛かる。ガイアもそれに気付いて何とかシールドで防ぐが衝撃までは殺せ ない。 「あのバカッ!!」 アウルはガイアが体勢を崩した瞬間、既に懐に飛び込んでスパイクを持った右肩を向けてタックル を仕掛けたザクを見て叫ぶ。衝突、そして衝撃をまともに喰らったガイアは一瞬宙に浮いて背中から 倒れ込んだ。ザクのパイロットはガイアが倒れたのを見てようやく息を吐く。 「――――ッ!?」 その時、後ろへと脚部のサブスラスターから光を吐き出して跳んだ。数瞬後、先程まで居た空間に ビームが通過した。ザクのパイロット、アスラン・ザラは警戒音が鳴るコクピットで此方に来た二機 のMSの存在を理解した。 『おいおい、大丈夫かステラ』 カオスがザクの後ろに現れ、スティングは倒れているガイアに搭乗しているステラ・ルーシェに声 をかける。ガイアはゆっくりと立ち上がって体勢を整えて眼前のザクにビームサーベルを構えた。 「アスラン……」 「大丈夫だ、君は俺が必ず……クッ!?」 瞬間、頭上からビームの雨がザクへと降り注いだ。アスランは反射的に左肩のスパイクシールドを 前面に突き出して防ごうとするが右腕は貫かれ、爆発。ザクは体勢が崩れながら横にあったビルにぶ つかり、尻餅をついた体勢でその動きを停止させた。 『甘いってね』 空中からザクを射撃したアビスはガイアの後ろに着地する。モニター越しにアビスがやった事に気 付いたアスランは衝撃に悶えながらカガリの心配し傍らに居るカガリに振り返った。
「大丈夫か、カガ―――カガリっ!?」 カガリは頭から血を流して動かなかった。アスランは冷静さを失いそうになったが気絶しているだ けだと知ると息を吐く。だが、状況は未だに危険だ。ガイアはトドメを刺そうとビームライフルへと 持ち替えて銃口を向けている。 くそっ!カガリすら守れずこんなところで……!! アスランは心の中で罵倒する。しかし、突然空から三機のMSに向けて一機の戦闘機が側面に取り 付けられた20mmの機関砲が絶え間なく撃ち放たれる。カオス、ガイア、アビスはその戦闘機に注 意が逸れた。 「なんだ……?」 アスランは一人の介入者に疑問に思う。 戦闘機は弧を描くように空から地上、そして空へと舞い上がる。その間にも撃ち続けられた機関砲 のせいか三機のMSは一瞬動けなかった。空へと舞い上がった戦闘機にはそれだけで良かった。戦闘 機に追随するように空から現れた二機の戦闘機が一列に並ぶ。 「何を―――」 する気だ。とアスランは言いかけて驚いた。三機の戦闘機は空中でドッキングしてMSへと姿を変 えたのだ。MS―――インパルスは背部に装備された二本の対艦刀を抜いてザクの目の前に降り立っ た。そして二本の対艦刀の柄を繋げ合わせて巨大な剣となり、レーザー刃発生デバイスがレーザー刃 を形成した。 インパルスのパイロット、シン・アスカは怒りを込めて目の前の強奪されたMSに向かって叫ぶ。 「また戦争がしたいのか!アンタ達は!!」 少年は守るための力を望み、争いを求める者達を断罪する。皮肉にもその力が新たな悲しみを呼ぶ という事にシンはまだ気付かなかった。
「………ん?」 「どうかしましたか大佐?」 ネオ・ジオン総旗艦レウルーラ。ブリッジでは赤を基調とした制服を着たシャア・アズナブルが天 井を見上げていた。その様子を怪訝に思った女性、ナナイ・ミゲルは心配そうにシャアを見る。 「いや、誰かが叫んだような気がしてな……」 「叫び、ですか……?」 「気のせいだろう。それよりナナイ、現在の状況を報告してくれ」 シャアはそう言うとナナイは気にせずに、はい、と頷いて答える。 「5thルナは無事にチベットのラサに落下。現在艦隊は本来の航路を迂回して分隊との合流ポイン トに向かっています。後に大佐はシャトルでロンデニオンに向かって貰い、連邦政府との交渉を行う 予定です」 「迂回?」 シャアは一つの単語に疑問に思った。現在ロンド・ベル隊は分隊の追撃を行なっており、本隊が取 る航路には問題はない筈だ。分隊は陽動も兼ねている為にロンド・ベルは尚更、此方の動きには気付 いていない。 「はい、先程連絡が来ましてこのままの航路で行くと連邦軍とぶつかります。それを回避する為に迂 回をします」 「連邦軍が?スペースノイドを刺激しないようにコロニーから出て来れない筈だが」 「どうやら我々の持っている情報が食い違っていまして」 「そうか……今後、情報管理は徹底させろ」 そう命令して床を蹴ってブリッジから出ていきナナイも後ろから付いて行く。通路を移動しながら シャアは先程の感覚を思い出していた。 感情のままに叫ぶ声。そこには悲しみと怒りが満ちていて泣いているようにも感じた。思わずシャ アは苦笑を漏らす。そんな時代は既に通り過ぎた道だ、今の自分は人類至上最悪の虐殺者になろうと している。このやり方が間違いなんて理解している。だがそれでも人類は変わらず争いを続けて、憎 しみ合っているのだ。そう、ニュータイプ同士ですらも……。 「アムロ、お前は今の私を笑っているだろうな……」 呟く言葉には自嘲しかない。返す相手も居ないそれは空気となって消えていく。その背中に乗せた 悲しみを気付く者は誰も居なかった。
二度目の電波だったりする。後悔はしていなry
改行がヘン、携帯から打ってる?
携帯。今はPCを修理出して来週に戻ってくるから来週には直せそう
>>124 サンクス!wktkしながら待ってるぜ!
GJ 電波で携帯からか・・・バリサン?
乙J!
GJ。少しずつ絡んでいくね。 できたらコテをつけて。
保守。
コテつけてみた 上手くできてるかな?
よし投下 U・C 0093年 1年戦争以来延々と続くジオン残党の抵抗。そのジオンの血統を受け継ぐ歴史上最後の組織「再興ネオ・ジオン」は 地球連邦軍に対し宣戦を布告した。 戦いは激烈を極めたが、小惑星アクシズを地球に落下させる作戦を連邦軍のエース「アムロ・レイ」によって阻止される。MSが小惑星であるアクシズを押し返したのだ。 それを担ったνガンダムは今、まさに大気圏に突入しようとしていた。 「―その暖かさが地球さえ潰す・・・それが分かるんだよ、アムロ!!」 νガンダムの腕に掴まれた脱出ポッドからシャア・アズナブルの声が響く。 「だったら、人々に心の希望の光を見せなくてはならないんだろう!」 アムロはシャアの声に答えた。彼はシャアと違い、腐敗した連邦政府には呆れてはいたもの、人類そのものの可能性に失望していなかった。だからシャアとは違い、希望を見出せたのかもしれない。 「黙れ!ララアは私の母になってくれるかもしれぬ女性だったのだぞ!!それを殺した貴様に言えたことか!」 シャアは憎しみを込めた声でアムロに言い放った。 「お母さん・・・?ララアが・・・?」 ここでアムロは一年戦争からシャアの悲しみはまったく癒されていないことに気がついた。 その時、不意にνガンダムが激しく揺れた。アムロの意識はそこで途切れた。 ―アムロ・レイ大尉、戦闘中行方不明。(後に戦死認定がなされる)と後の歴史に記録されるとおり、U・Cでのアムロの戦いはここで終わりを告げた。 それに続くように「地球連邦軍第13独立部隊 ロンド・ベル」は、νガンダムに組み込まれていたサイコフレームが引き起こした原因不明の光に包まれ、消息を絶った。 0093年での史実と別の経過を辿ったU・C0088 この年の前年のグリプス戦役から続く戦乱も収束に向かっていた。 ハマーン・カーンは弱体化した地球連邦を打ち滅ぼすべく、戦力をコア3に結集させる。地球連邦もエゥーゴとカラバの双方の組織を吸収し、勢力を盛り返すと、実働部隊の全てを動員してそれに対抗した。 決戦の最中、その主力を担った旗艦「ネェルアーガマ」はその艦載機を乗せたまま消息不明になった。この2つの部隊は宇宙世紀とは別の歴史を辿った世界に召喚されることになる。そこで彼らは自分らとは違う、 ―人類のもう一つの可能性を見ることになる―
第1話「未知との遭遇」 C・E73年 ある空域 「う・・・。気絶していたのか?」 愛機―νガンダムのコックピットでアムロ・レイは目覚め、辺りを見回し、すかさずアムロは自分の位置とνガンダムの状態を確認した。 「地球から離れている・・・?あの光で吹き飛ばされたのか?」 幸いにも機体はほぼ無傷だったが、予備のサーベルと頭部バルカン砲以外の武装が尽きてほぼ丸裸同然だった。 「サーベル一本とバルカンか。・・・きついな。ラー・カイラムまで持つか・・・?」 いつまでもその場に留まるわけにはいかないので、アムロは機体のスラスターを吹かして機体を移動させる。 次の瞬間、レーダーが何かに反応した。 「レーダーに反応?こ、これは・・・馬鹿な!?」 アムロは驚愕した。 レーダーに写っているそれは彼がよく知っている機体だったからだ。 「ゼータガンダム・・・!あんなものが何故!?」 ―Zガンダム。 それはグリプス紛争、第一次ネオ・ジオン戦争の2つの戦乱を通してエゥーゴの象徴として活躍したガンダムである。 アムロもその時機に同機の3号機のパイロットを務めていたので、Zのことはよく知っている。 シャアとの戦いが始まる前、彼が欲していたガンダムもこのゼータであった。 「この感覚、よく知っている…。カミーユ・・・・いやジュドーか?」 アムロはゼータに懐かしい感覚を覚えた。一応所属の確認のために通信回線を開く。 「ゼータ、聞こえるか?こちら地球連邦軍第13独立部隊所属、アムロ・レイ。」 返事はすぐに返ってきた。 「こちらジュドー・アーシタ。アムロさん、久しぶりですね。」 ミノフスキー粒子が薄いのか、無線の音声の音質は比較的クリアだった。 「ああ。久しぶりだな。それにしてもジュドー、君が何故ここに?」 「それはこっちが聞きたいくらいですよ。ハマーンの近衛部隊と戦ってたはずなのに、気がついたらこの空域にいたんですからね。」 ここでアムロはジュドーの言葉のある点に気付いた。 ―ん?ハマーン・カーンだと?・・・奴はたしか5年前に戦死したはず・・・。 そう。たしかにハマーンは(アムロから見れば)5年前に戦死している。しかしジュドーの口調はまるで今まで戦っていたかのようである。 アムロは思い切ってジュドーに日付を尋ねてみた。
「ジュドー、今日は何年だ?」 「アムロさん、何を突然…。0088年だけど?」 アムロはこの言葉でジュドーが自分よりも過去の人間であることに気が付いた。 だが、仮にここが0088年にしてもおかしい点がある。 辺りにミノフスキー粒子がほとんど存在しないのだ。その上、地球を初めとする全ての地域への通信ができない。 「通信はどこも反応なしか・・・・。」 反応を示さない無線を切ると、アムロはゼータが地球のほうを向いているのを見た。 「どうした、ジュドー?」 「あ、アムロさん、アレを見てくれ!」 ジュドーはゼータの指を地球に向ける。 「何!?」 次の瞬間、2人は驚くべき光景を見る。Zが指を向けている先に見えるオーストラリア大陸の地形が往年のままの姿だったからだ。 宇宙世紀の歴史では、オーストラリアはコロニー落としの影響で一部が水没したはずである。 それがどうだ。眼前に広がる地球には一年戦争以来の戦乱の残痕が見当たらない。 「どういうことなんでしょう・・・?」 「・・・わからん。少なくとも俺たちの知る地球じゃないことは確かだ。・・・取りあえず俺の母艦を探す。ジュドー、Zを変形させてくれ。」 「了解。」 νガンダムがウェイブライダーの上に乗る。ウェイブライダーはνガンダムを乗せて、加速してゆく。そんな2機を遠くから監視する「目」があった。 「あの機体・・・どこの所属なのでしょう?」 「さあ・・・?地球軍のでも、オーブのでもないな。とにかく監視を続けろ。・・・我が軍の領域に入った場合は攻撃を開始する。もしかすると先ほど確認された国籍不明艦の艦載機かも知れぬからな。」 「了解。」 2機を監視しているのは、ザフト軍の長距離強行偵察型ジンだった。 この時機、ザフト軍は地球側との決戦に備え、メサイヤに戦力を結集し始めていた。 決戦前に戦力の消耗を何としても避けたいザフトとしては、たとえ未確認の機体であっても監視だけに留めていた。 だが、メサイヤにこれ以上接近されるのを見過ごすわけにもいかない。 「司令部からの次の命令です。『未確認機をポイントD―01に追い込み次第、鹵獲する。なお、増援にはミネルバを送る』とのことです。」 「なに、ミネルバだと?たった2機くらいにあの部隊を動員するのか?」 「ハッ、どうやらそのようです。上の連中は確実に鹵獲したいのでしょう。戦力は多いにこしたことはないですから。」 「戦力か、なら他でもいいだろう。仮にもミネルバは最前線の要だぞ。それをどこのとも分からない機体の調査に向かわせるとは、上の連中は何を考えている?」 パイロットの1人が部下に愚痴をこぼす。その口調はどこか不満げだ。 「さあ?あの部隊なら確実に成功させられるからじゃないですか?」 彼らの言う「ミネルバ」とは、ザフト最強の部隊であると同時に議長が最も信頼している艦の名だ。 ガンダムタイプも配備されているのが特徴で、作戦の成功率も他の部隊よりも遥かに高い。 そのため、彼らの働きは上層部にも高く評価されている。 「議長はミネルバに頼りにしておられる。だがそれが命取りにならなければいいが・・・。」 このパイロットはミネルバに頼りきりな上層部を憂慮していた。 この時の上層部の選択が後にザフトの運命を大きく変えることになることになるとは誰が予想したのだろうか。
135 :
980 :2007/03/31(土) 15:27:25 ID:???
20分後 ミネルバ艦内 格納庫 「鹵獲?」 「ああ、なんでも未確認の機体が接近中らしい。それを調査し、出来れば捕獲してほしいと議長から命令が下った。」 「何で俺たちにそんな任務がきたんだろう?」 「未確認機がインパルスのようなタイプだった場合、量産機では対応できんからだろう。その点、俺たちなら不測の事態にも迅速に対応できる。」 ミネルバのMS隊のまとめ役の「レイ・ザ・バレル」が通信で任務の詳細を説明する。 「そうだな、こんな任務さっさと終わらせる。それでフリーダムへの対策でも考えるか。」 通信に答えた彼、シン・アスカはザフト軍最強のMS「デスティニー」のパイロットである。 シンはテロまがいの独自行動で戦場を混乱させる「アーク・エンジェル」とエターナルを率いる「ラクス・クライン」、そして、恋人である「ステラ・ルーシェ」を殺しかけたMS「フリーダム」に対して激しい憎悪を燃やしていた。 決戦となると当然、彼らも介入するだろう。 ―今度こそ俺がこの手でアイツを・・・! 彼が望むのはフリーダムとの決着。それだけだった。これから調査に当たる機体のことなど歯牙にもかけていなかった。 だが、シンは後に思い知る事になる。人の真の革新が何であるか、そして人の心の強さを。 ミネルバから「レジェント」、「デスティニー」が発進してゆく。 2機のプレッシャーを感じ取ったアムロたちはそれぞれの機体を戦闘体制に入らせる。 「ジュドー、感じたか?」 「ええ、ばっちり。このどす黒い憎しみのプレッシャー・・・、ハマーンに似ている・・・。」 ジュドーは高いニュータイプ能力を有しているため、人の思念を敏感に感知できる。 シンが発した「憎しみ」のプレッシャーはハマーンのそれと類似した物であるため、ジュドーはこう言ったのだ。 「ン・・・このスピード・・・ガンダムタイプか! ジュドー、一機でも撃破して活路を開くぞ!」 「了解!」 レーダーに映ったMSがガンダムであることを知ったアムロは一機でも落とすという選択をとった。 ガンダム同士の戦闘は歴史上、デラーズ紛争以来となる。 だが、2人は敵を侮らない。 過去のガンダム6号機「マドロック」に代表されるように、ガンダムが落とされた実例はいくつか存在するし、大昔の孫子の兵法にも「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と記されている。 それに加え、今までの戦いで培ったカンのようなものがアムロたちの戦術を決める。 現在、2機の武器は残弾少ないバルカン砲と2本(νは一本)のサーベル、グレネードランチャーのみ。 これで完全武装しているMSに挑むのは、いかに二人が卓越した操縦技術を持っていようとも無謀と言うほかない。 幸い相手のガンダムも2機のようなので、アムロは戦いようによっては油断を誘って逃げ切れるとふんだようだ。 二人は機体を反転させ、腕にサーベルを持たせる。 「来るか・・・来るならこい。俺が薙ぎ払ってやる!!」 シンは憎しみを露にしてデスティニーに対艦刀を構えさせる。 レイもこれに続く。 ―νガンダムとZガンダム、デスティニー、レジェント。 それぞれ違う世界のガンダムの対決。 ―アムロたちのC・Eでの初陣が今、始まる―
すまん、三回目の投稿コテ間違えて投稿してしまった 980じゃなくて507だ…
おおっ!自作板からプレッシャーを感じて来てみれば... 507氏GJ ウェポンのないUCサイドと完全な状態で挑むCEサイド 世間の評価だとパイロットも性能もUC>>>>>>>>CEだけど、507氏がこれをどう料理するのかたのしみだ
ちらっと読んだ限りだとC.E.も本編と違う流れになってる? なんかステラ生きてるっぽし
GJ! アスランとは違った大人なアムロはシンを導いてくれそうだし、ジュドーも 同い年のシンたちと仲良く(最初は対立しそうだが)なってくれそうだ。 ところで、このSSにはラーカイラムとネェルアーガマも来てるんだっけ? そうなると、艦隊戦も面白そうになりそうだな。
>>140 信じられるかい・・・ジュドーって14歳なんだぜ・・・
つまりシンより年下なんだぜw
しかも妹が存命だ
俺にはGJしかかけないぜ!
この時点じゃ妹が生きている事を知らない。 生きていると信じているようだが、周りからは気がふれたように思われているフシがある。
実はマユも生きてましたとか しかもグレミーが保護してましたとか
>>141 すまん、うっかりしてたぜ。
てか、年下の方が色んな意味でしっかりしてるよな。
決戦の頃には15になってんじゃね?
富野キャラは設定年齢に+3〜4歳すると丁度いい。
ウッソは15〜16歳か それでもシンよりよっぽど大人なんだが
富野キャラは精神年齢が異様に高いと思う。
それぞれ背景があるからな。 ジュドーは妹に人並みの教育を受けさせる為に、 働いてるお兄ちゃんだし。
ウッソはハンゲルグとミューラに英才教育されたしな。
シーブックは割と歳相応 その上パイロットとしての才能はトップクラスだったりする
シーブックって、歴代主人公の中でも一番まともな家庭環境な気がする。 まぁ、母ちゃんは家を出てるけど。
むしろ軍人としての教育を受けて、 その中でもエリートと言えるアスランやシンの駄目っぷりが…
プルが生きてるそうなんでジュドーへの断罪期待します。
>>154 お父さん 素材工学かなんかの専門家だけど、
二人の子供を育てる為にコロニーのブルーカラー労働者として働く家庭人。
子供だけでなく、子供の友人達からも慕われる人柄。
お母さん 旦那の理解を得てサナリィの技術者として外で働く。
でも、子供達に対する愛情は忘れていない。
こんな感じだっけ?
>>157 テレビシリーズ主人公達の本編開始直前までの境遇が
アムロ:親父はワーカホリック、母親は家族より地球での生活と愛人
カミーユ:親父はワーカホリック1号(+愛人)、母親はそこからの逃避の為に2号に
ジュドー:出稼ぎに行ったまま夫婦揃って蒸発
ウッソ:夢に導かれた親に、戦士としての英才教育を施される
ドモン:母の死と父が冷凍刑になった原因は兄と信じて戦いの日々
ヒイロ:天涯孤独で子供の頃からテロリスト
ガロード:戦災孤児
ロラン:出自不明。親につながる物はブリキの金魚のみ
って事を考えると、ガンダム主人公の中では平穏な家庭環境・・・か?
もっともその後の人生は波乱万丈だが。
これを見るとSEの主人公が いかに甘ったれかわかるな
シンも悲惨なんだが自らも復讐鬼になりさがっていく 所が悲しくも苛立たしい
私は、お前とリィズをちゃんと育てた…ちゃんと育てたよ… お禿様に何があったんだろう
これでいいのかな?
月面都市フォン・ブラウン。其処は宇宙世紀0027年に完成した初の恒久型月面都市であり、同時に月面最大規模を持つ中心都市。 コロニー建設の資材を採掘させる為の施設として設けられた基地として始まり、月面のマスドライバーから多くの資材を打ち上げ、サイ ド3を除く全てのコロニーに資源を補給している基地の近傍に建設されたフォン・ブラウンにはある一つの会社がある。 アナハイム・エレクトロニクス。過去に電子・電気機器の製造販売を中心とする複合産業企業体だった会社は次第に宇宙戦艦、モビルス ーツにまで手を広げ、地球連邦軍の半分以上はこの会社に頼っていると言っていい。そのアナハイムのフォン・ブラウン工場の一つのドッ グでは台座に寝かされたような体勢のモビルスーツの前で二人の男女が言い争っていた。 「だからってどうして重量が3kgも減るんですか!?」 連邦軍の制服に短いスカートを履いている女性がアナハイムの作業服を着た男に今にも飛び掛らん勢いで息巻いている。男の方はうんざ りした顔をしながらも丁寧な言葉遣いで返す。 「さっきも説明した通り、材料開発部から流れてきて私もよく知らないんです。ですがその性能は信頼出来ますよ」 「素材が良くても何処から来たのかわからないなら危険じゃないですか!」 「機体の追従性も上がりましたしサイコミュの運動性も増しましたよ!」 「だからって勝手に組み込むなんて―――ッ!!」 二人の言い争いに段々と熱を帯びていく中で他の開発スタッフは近づけずに遠巻きに作業を行なっている。その為か、誰も止めるの者が 居ないので段々と子供の喧嘩のようになっていく。他の開発スタッフは作業を行いながらも、さっさと終われよ、という風な顔になる。し かしその時、彼等にとって救いが現れた。 ドッグの扉を開けて入ってきたアムロはモビルスーツの前に居る二人を見ると、床を蹴って二人の下へ宙を進む。二人もそれに気付いて 女性の方も同じようにアムロへと駆け寄った。 「大尉!」 「チェーン……っと、どうしたんだ?」 アムロはチェーン・アギを受け止めると疑問の表情を浮かべた。チェーンは先程とは違って子供のような顔でアムロに拗ねた表情を見せ る。 「私が真剣なのにオクトバーさんが人をからかうんですよ」 アムロはその意味がわからなかったが、その後ろに居るオクトバー・サランが疲れた顔をしているのを見て理解して内心で労いの言葉を 掛けた。 「チェーンがチャーミングだからさ」 「もうっ……大尉まで」 アムロがからかうように言うとチェーンも満更でもない顔で恥ずかしがる。そんなチェーンを横目で見て、アムロはチェーンの後ろに居 るオクトバーに真面目な表情で問い掛けた。 「それで本当に3kgも減った理由はなんなんだ?」 このフォン・ブラウン工場に着く前にチェーンから報告されたデータには機体の重量が設計の時と違って減っているとあった。アムロ自 身、何か理由があっての事だとすぐに理解出来ていたが重要視していた。本来、モビルスーツに限らず兵器というのは設計段階で全高、重 量、部品等が決められている。それら一つでも狂いがあれば原因究明による解体が必要となり、遅ければ原因を探すだけでも数ヶ月も掛か る。それはアムロにとっては許されない。シャアの宣言によって予断を許さない状況になった以上、これ以上の時間の経過は不利になる。 その為にアムロはわざわざラー・カイラムから離れて月にまで来たのだから。
オクトバーはアムロの質問に言葉をたどたどしい口調で答えた。 「それが私もよく知らないんですが材料開発部から流れてきたサイコフレームの影響だと思います」 「サイコフレーム?」 聞き慣れない単語にアムロは鸚鵡返しをした。その様子にオクトバーが頷く。 「はい、機体の追従性を上げる素材なのですが、コクピットや駆動系に組み込む事でサイコミュの小型化、感応度が上がって機体自体の運 動性能も上がっています。そのお陰で全体の重量が減りました」 オクトバーも説明はしているが本人自身も何故こんな物が来たのか解らないという風だった。 アムロは彼は本当に知らないようだなと思うと、いつの間にか後ろに居たチェーンが背中越しに文句を言った。 「でもサイコフレームが何処から来たのか解らないって言うんですよ。それにアナハイムはジオニック社の人も居るからネオ・ジオンにも 機体の開発や補給の提供をしているって噂です」 「そんな……っ!!確かにウチは色々噂がありますが此処の開発スタッフは情報をリークなんてしませんよ!」 「じゃあなんで急にサイコフレームなんて物を組み込んだんですか!!」 「私だって上司に命令されたので知りませんよ!!」 二人はまた子供のように言い争う。そんな光景に頭を抱えたくなったが、アムロは溜め息を吐いて諌める。 「チェーンもオクトバーも止めろ。それよりオクトバー、νガンダムの作業はどうだ?」 アムロは視線を横に向ける。そこには一機のモビルスーツが眠るように鎮座している。 人間の目に似たデュアルセンサー、角のように額に掲げられた二つに伸びたアンテナ、白を基調としたカラーリング。かつてアムロが愛 機として共に戦い、その名を受け継ぐ『ガンダム』だった。父が設計したモビルスーツは、時を経てその子供に設計された。 「後は調整だけですが完全に仕上げるには三日は掛かりますよ」 「三日ァッ?」 オクトバーの言葉にアムロではなくチェーンが代わりに不満も露わに答えた。 「長いな……もう少しなんとかならないか?」 「全力でやってこれですよ………これ以上なんとかしようとしたらスタッフが倒れますよ」 「そうか……」 疲れたように言うオクトバーの目の下にクマがある。恐らく開発当初から寝ずに勤しんでいたのだろう、彼の他の開発スタッフも気だる にしているが不満も言わずに作業を行なっている。アムロも彼等には感謝してもし足りないが状況は待ってくれない。三日も待てば確実に シャアは事を成してしまう。だからアムロはすぐに決断した。 「わかった。νガンダムはこのまま持って行ってラー・カイラムで調整する」 「えぇっ!?」 「本気ですかっ!?」 オクトバーとチェーンが声を揃えて驚いた。特にオクトバーの方は反対の意思を見せている。 「もう少し待ってください!不完全な調整じゃガンダムの性能が発揮出来ませんよ!!」 「時間がないんだ。此処の開発スタッフには感謝しているが、やはりネオ・ジオンの動きが気掛かりだ」 一刻の猶予もない、それは誰もがわかっているがオクトバーは技術者としてそんな事を許せない。造ったからには完全な状態で動いて貰 い、パイロットにも満足がいくモビルスールであって欲しいのだ。 だが、アムロの意思は固い。オクトバーはその意思を確かめるように見つめる。 「……本気なんですね?」 「すまない……」 「ハァ……わかりました。ですが二時間待ってください。せめてフィン・ファンネルとハイパーバズーカを持たせますんで」 「ああ、ありがとう」 アムロは心から感謝をする。オクトバーはそんなアムロを見て苦笑を漏らしながら答えた。 「いえ、あのアムロ・レイに乗ってもらうんです。技術者冥利に尽きますよ」 そう言ってオクトバーは背を向けて作業をしているスタッフの下に歩いていく。その背中を見ながらポツリとチェーンが呟いた。 「……オクトバーさんに悪いことしましたね」 「ああ、だが時間は待ってはくれないからな」 νガンダムを見つめるアムロの表情は真剣そのものだった。チェーンは横目で伺いながら、そうですね、と言って黙った。
「それでアレからボギーワンは見つかったかね?」 ミネルバのブリッジ、ギルバート・デュランダルはシートに腰掛けながら艦長席に座っているタリア・グラディスに問う。タリアは艦長 席を回して振り返ると横に首を振る。 「いいえ、あの戦闘以降は姿を現していません」 「そうか……やはりあの時に叩けなかったのが痛いな」 あの時。その言葉に反応してタリアは僅かに表情を曇らせた。 アーモリーワンでの新型のモビルスーツ、カオス、ガイア、アビスの三機を強奪された事件は、同時に現れた所属不明の戦艦の奇襲によ って思わぬ打撃を喰らった。迎撃部隊のほとんどは潜んでいたモビルスーツにやられ、ドッグも出航しようとした戦艦の撃沈の爆発で無残 に破壊された。又、三機の新型もコロニー内部で迎撃に出たモビルスーツから逃れて強奪された。ザフトがたった一艦の奇襲によって良い ようにあしらわれたのだ。これが無様でなくてなんと言う。そしてつい先程の戦闘もそうだ。 「すみません……」 「ん?ああ、すまない。別に君達を責めているわけではないよ」 「ですが、あの時チャンスだったのは確かです」 「なに、それを言ったら我々の情報漏洩が問題だ。情報管理は上層部の責任だからね」 デュランダルは今更だ、と暗に言ってタリアはそれを理解してそれ以上は何も言わなかった。 「しかし問題だね。アレはどう見ても連合製のモビルスーツだ」 「議長は連合がやったと?」 タリアの言葉にデュランダルは横に首を振る。 「あくまで憶測だよ。確たる証拠もないし海賊がやったとも考えられる……どちらにせよ、今はボギーワンを追いかけるしかないな」 デュランダルが渋い顔をして言うと、ブリッジは一時沈黙となった。それも当然だ。もし、これが連合の仕業であれば国際問題どころか 世界中を巻き込む戦争になりかねないのだ。それもたった二年という最短の月日で。 「戦争、か……」 誰かがそう呟く。伝染するようにブリッジクルーはそれを噛み締めていた。デュランダルは重くなった空気を軽くするために話題を変え る。 「……ところでアスハ代表は?」 戦闘が終わった時、カガリはそのままアスランに連れられてブリッジから出ていった。それから数時間経っても一度も見ていない事にデ ュランダルは少なからず気にしていた。アクシデント続きとは言え、オーブの代表をこんなところまで連れてきたのだ。それもザフトの軍 艦に乗せてだ。 「アスラ……アレックス・ディノと共に部屋に戻られました」 タリアがカガリの手を取って連れていったアスランを思い出して訂正する。 デュランダルは律儀だと思うが、戦闘中にアスランの正体を伝えたのは他でもないデュランダルなのだ。それ以降、クルーのアスランを 見る目が変わった。まるで腫れ物にでも触るような扱いだったのにはデュランダルも表情を濁すしかなかった。 まあ、そんな扱いになるのも当然ではあるがな……。 デュランダルが口には出さずに思うとタリアが自分を呼んだのに気付いた。
「なんだ艦長?」 「議長もお休みください。後は我々がやっておきますので」 「ふむ……」 デュランダルは顎に手を当てて一瞬逡巡する。 確かにこれ以上は何もする事はない。それに自分が居てもボギーワンは見つからないだろうし、此処に居て時間を潰すだけなら今後の対 策を考える必要がある。 「そうだな……なら後を頼めるかね?」 「はい、お任せください」 「では、私は休むとしよう」 タリアが頷いて応じるとデュランダルもシートから立ち上がって背を向ける。ブリッジクルー全員が立って敬礼するのを横目にデュラン ダルはブリッジから退出し、通路を歩いて考え事をした。三機の新型モビルスーツの強奪、ボギーワンの行方、そして今回の事件の真の狙 い、考えればキリがない。だからだろうか、つい注意を疎かにして十字路の横から来た誰かに気付くのに遅れた。 「ん………?」 「えっ………」 二人は避けきれずにぶつかったが軽い衝突だった為にデュランダルはすぐに体勢を整えた。 「すまない、大丈夫かね?」 「ああ、大丈―――デュランダル議長……」 「ん?君は……シン・アスカ君だったね」 「あっ、はい!申し訳ありません!」 デュランダルの問い掛けにシンは慌てて敬礼する。シンのそんな様子にデュランダルは思わず笑みを浮かべた。 「いや、気にしなくていい。私も注意不足だった」 「いえ!自分が前方不注意だったせいです!」 語気を強めて否定するシンの様子をデュランダルは値踏みをするように見つめる。 戦闘前のあの時より印象が違って見える。格納庫でカガリに相手に噛み付いた怒りは一切なく、今のシンは少年らしい顔と目上の人に敬 意を示している。
「ふむ……」 こんな少年がオーブで家族を失い、そしてザフトの赤服を着て兵士となった。レイからの報告ではそこに至るまでの努力が並みのコーデ ィネイターでは及ばないほどのものだったらしい。元々才能はあったのだろうが、それを上回る努力を以って彼はインパルスのパイロット となった。本来、レイをパイロットとする予定にしていたデュランダルの意思を変えるほどに。 「あの、議長……?」 シンはデュランダルが黙ったままなのがおかしく思ったのか怪訝な表情をしている。 「いや、なんでもないよ。気にしないでくれ」 「はぁ………」 「あ、シンこんな所に居たー」 デュランダルの答えに釈然としていないのかシンは間抜けな声を出した。すると、デュランダルの後ろからシンを呼ぶ女性の声が通路に 響いた。二人はその声に振り返るとそこにはシンと同じ赤服を着たルナマリア・ホークの姿があった。 「―――って、議長!?」 「ルナ」 「え、あっ!失礼しました!!」 ルナマリアはデュランダルとシンが一緒に居るのを見て驚いた。シンが名前を呼んで少し冷静さを取り戻し、先程のシンと同じように混 乱しながらも敬礼するがその目はせわしなく二人を行ったり来たりと動かしていた。特にシンには疑惑の視線を思いっきりぶつけていた。 「それでは私はこれで失礼しよう」 「あ、はい。すみませんでした議長」 「ああ、これからは互いに気をつけよう」 「はい……」 そしてシンは立ち去ろうとするデュランダルに向けて敬礼し、デュランダルも小さく頷いて歩いていく。その背後、ようやく息が詰まる 空間がなくなったのを安心してルナマリアがシンを横目で睨んで呟いた。 「ねえ、議長と何を話したの?」 「……ルナには関係ないだろ」 「まあ、どうせ格納庫での一悶着でしょ?」 「別にそんなんじゃないよ」 「ふーん」 シンがぶっきらぼうに答えるとルナマリアもそれ以上は追求しなかった。
アナハイムのフォン・ブラウン工場近辺にはマスドライバー施設がある。本来、資材などの荷物を打ち上げて補給するマスドライバーは 今回、全く別の用途に使用されている。 マスドライバーの線路には一機のモビルスーツが膝を曲げた姿勢で行動範囲の狭いモビルスーツの補助を行なうベースジャバーの上に乗 っている。そのモビルスーツ―――νガンダムのコクピットで最終確認を行なっていたアムロは、オクトバーから連絡を聞いていた。 「衛星軌道上にネオ・ジオンの部隊?ロンド・ベルからの情報か?」 アムロの言葉にモニターに映ったオクトバーが頷く。 『はい、大尉はこのままネオ・ジオンの部隊の方に向かってくれとの事です』 「陽動と時間稼ぎか……了解した。ラー・カイラムには向かうと伝えてくれ」 『了解しました』 オクトバーの映像が消えるとアムロの前の補助シートに座っているチェーンが振り返った。 「ネオ・ジオンと戦闘に入るんですか?」 チェーンの目は少し不安があったが、アムロはスロットルを動かしたり横のコンソロールを軽快に叩いている。νガンダムはそれに連動 して左手が握り拳を作ったり開いたりし、センサー奥のメインカメラが機械音を鳴らして動く。 「ああ、チェーンには悪いがこのまま戦闘宙域に行く」 アムロの気のない返事にチェーンは少し苛立ったが、戦闘に入るなら話しは別だ。文句を言っても仕方がないので心に留めるだけにした 。 「よし……」 アムロはようやく調整を終えて頷いて前を見る。そこに広がるのは月面と宇宙空間、そして丸く浮かび上がる地球。そこは人類が生まれ た母なる星、宇宙という住処を得ても人類は未だ地球に焦がれている。それはある意味仕方のない事なのかもしれない。人はまだ、地球の 重力に魂を引かれている。それはまだ、人類が進歩していないからだとある男は言った。 「シャア……あの地球を滅ぼしてでも人類を昇華させるつもりか」 アムロの呟きに近くに居るチェーンも答えなかった。
コクピットのモニターを見ていると一瞬何かを幻視した。地球に落ちようとする瓦礫の屑となったコロニー、そこで戦闘を行なうモビル スーツ、感情と感情が入り乱れた叫びが宇宙に木霊する。その光景にアムロは声を出そうとするが出なかった。 そして爆発。 波のように広がる光はそのままアムロを包む。瞬間、コクピットに居た筈が宇宙空間に放り出され、何もない空間から白鳥が羽ばたいて アムロの下に現れた。綺麗な純白の羽を散らしている白鳥を見てアムロは叫んだ。 「ララァ・スン………ッ!?」 名前を呼ばれた白鳥は光となって人の姿に変わった。 「アムロ………」 今も少女の姿をしている彼女は優しく大人となった少年の名を優しく呼ぶ。 「何故君が………!?」 ララァの姿を見たアムロは叫んだ。何故現れたのだと。その問いにララァが優しく微笑む。 「貴方に伝えにきたの」 「伝えにだと……?」 「そう、これから起こる事は貴方にとってもあの人にとってもとても大切なこと……」 その言葉の中にアムロは一つの単語が引っ掛かった。 「あの人……シャアか!」 「忘れないで……これは貴方達にとっての運命……」 「どういう意味なんだ!ララァ!!」 ララァは少しずつアムロから遠ざかっていく。アムロは手を伸ばして叫ぶが届かない。 「忘れないで、アムロ………」 ララァは何度も繰り返す。アムロに叫びも虚しくララァの後ろから段々と光が広がっていき宇宙を包んだ。
「―――アムロ!」 「え……?」 突然の叫びにアムロの意識は覚醒した。寝惚けたような声を出すと目の前で座っているチェーンが睨んでいる。周りを見渡すとそこは先 程まで居た宇宙ではなく、コクピットの中。モニターに映る地球は青く、瓦礫となったコロニーなど見当たらない。 「夢……いや、違うな」 確信はなかった。何故かララァ・スンが見せた幻は頭に強く残っている。 「運命、か……」 ララァが言った言葉を呟いた。それには何か意味がある気がするのだ。 と、思考を巡らせていると視線に気付いた。チェーンは何も言わず、ただアムロを睨んでいる。 「チェーン?」 「なんでもないです!」 チェーンはそれっきり黙り、アムロは首を傾げる。何を怒っているのだろうと思って問おうとしたがそこでオクトバーから通信が入った 。 『準備が完了しました。いつでもどうぞ―――って、何かありましたか?』 オクトバーが問うのも無理はない。通信を入れたらチェーンはノーマルスーツのバイザー越しでもわかるほど膨れっ面になっているのだ 。しかし、当のアムロも原因がわからないのでどうしようもない。二人の男は今までの女性経験から触らぬ神に祟りなしということわざの 通りに触れないことにした。 「今までありがとうオクトバー、他のスタッフにも伝えておいてくれ」 『いえ、大尉も御武運を』 「ああ、それじゃあ行くぞ。チェーンも舌を噛むなよ」 「大丈夫で―――うっ!?」 チェーンが言い切る前にマスドライバーが作動する。νガンダムを乗せたベースジャバーはマスドライバーの線路に沿って発射され、そ の時に掛かるGは相当なものだ。既に速度はモビルスーツの出せる速度を超えて、νガンダムを乗せたベースジャバー漆黒の宇宙へと駆け ていった。
とりあえず三回目の電波。見やすくはなったかわからない
>>174 乙
かなり見やすくなったよ。
続きに期待してまつ。
乙 句点の位置が…PC戻ってきたら投下しなおしてホスィ
>174 続き期待してますよー頑張って下さい! >507氏 これは熱い展開ですね!UC最強クラスのパイロット二人が、少ない武装でどう戦うのか見物です。
◆Oa7bLA.9Wg 氏GJ。 どう絡んでいくんだろうか、すごい楽しみだ。 アムロとチェーンとオクトバーの会話はいいね。 原作に沿いつつオリジナルで。
小説の丸写しじゃないよね?
最近また活性化してきたな。(^_^)ご無沙汰の職人さん達にも是非戻ってきてほしい!!!
それならいいんだ。
まだクロスしてないから小説ににててもいいんじゃね?
185 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/01(日) 12:06:14 ID:jrPFw/d+
400氏マダー?
【072144:映画化】実写版機動戦士ガンダム ハリウッドで製作決定
>噂ばかりが繰り返し囁かれてきた実写版ガンダムだが、どうやら製作が決定したようだ。
>(中略)
>には、アムロ・レイ役にDaniel Radcliffe(ハリーポッターのダニエル・ラドクリフ)、
>ミライ・ヤシマ役にMamiko Noto(声優の能登麻美子だろうか?)とある。
>
>アキバ総研-ハリウッド版実写ガンダムついに始動! 2007年03月30日22:30
能登の英語が心配。
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news7/1171991823/
何故だ… 本編のキラには全然wktkしなかったのに、 このスレのキラは成長が楽しみで仕方ない うざければ聞き流してほしいが、 98氏のお話、出来れば、キラには種割れしないまま強くなってほしいな
3話花緒のクラスは… 8話噂のあの人 10話友情狂想曲-カプリッチオ- 16話指扇高校 23話厳しい先生 33話春のおとずれ 55話俺は岩石!遠足は大乱闘!17組の大冒険 68話指扇ファンタジア 102話サマーバケーションランデヴー 110話花緒覚醒 114話TOSHIKAWA RYETHM 115話リュウVS利川 122話仕掛けられた罠 133話あの日の早乙女はもういない 153話もう遅い…神宮寺の叫び 154話絆 155話大吾郎の思い 230話奇跡の花 350話三上帰還、とくとみよ、烈火の数学メトリー 369話HITORI とりあえずこの詳細が欲しいやつも俺に聞け
なにこれ?
>>188 激しくイミフなんですがどこのキチガイさんですか?
誤爆じゃないか?このスレと関係ないしスルーでおk
あちこちに爆撃して回ってるキチガイだよ
オレも違うとこで見た。 なんなんだろ?
507氏、◆Oa7bLA.9Wg氏、ご両人ともにGJ!
先がどうなるかwktkでつよ
楽しみにしてますね
>>187 今後の作って行く上で参考とさせていただきまするよ
ありがとうございまする
さて、仕事の間見て書こーっと |・∀・)ノシ ソイデワー!
>>187 >>キラには種割れしないまま強くなってほしい
こういうのなかったよな
ただ、キラは一回種割れしたほうがいいかも
それを見たアムロが種割れの危険性を感じて
種割れさせずに強くしていく・・・
なんかどっかでそんな話あったな
>>195 種割れってなんかリスクなんてあったか?
ローリスクハイリターンの代名詞みたいな能力だと思うんだが。
元々は物凄く集中した状態らしいからね。
>>196 あえて言うなら自主性の低下?
いや、桃姫とオーブの首領も使っているから違うか・・・
>>196 >ローリスクハイリターン
普通はハイリスクハイリターンだろ。
そっちのほうがヒーローとしてかっこいいしな。
本編もテッカマンのブラスター化みたいに、発動するごとに記憶が薄れていくとかのリスクを伴う能力だったら、よかったんだろうけど……
種割れはどうしようもなくなっても癇癪起こせば何とかなると思ってる子供の理想をそのまま形にした能力だからなー
怒りのスーパーモード扱いとか。
シンは種割れすればするほど主役から遠のいたな。
ふと思ったがNT能力の発現にリスクってあったっけ? 慣れない頃は人の死に影響を受けすぎたり、 カミーユレベルまで突き抜けると精神崩壊の危険が出てきたりもするけど、 裏を返せば普通のNTってそれこそノーリスクハイリターン状態なんじゃ…
種割れすると周りのことが最初のうちは殆ど見えなくなっているな バーサーカーみたいな感じなのかな
NTは…… も れ な く 戦 争 に 利 用 さ れ ま す
ティファの場合は死人が出すぎると発狂したりカリスの場合は定期的に発作が出る。
死人にとり憑かれたり、生命の潰れる音が聞こえたり。
敵と同じ人間として分かり合うってのは戦場じゃつらいだろ>ニュータイプの感応能力
>>204 今までと違う感覚が目覚めるというのは、かなりハイリスクだと思うよ。
アムロのように、自分用にカスタマイズ(先鋭化)されていけば、それなりにリスクに低くなるんだろうけど。
それでも、死んだ人間の発する叫びを嫌でも感じてしまう、というのはいろんな意味でヤバイと思う。
俺はそんなの絶対感じたくないな。
……そう言えば、ファンネルとかサイコミュ兵器を使用すると頭痛に襲われる、と小説かなんかで見たことがあるな。
これも一種のリスクになるのかな?
CCAのクェスはめっちゃ『…気持ち悪い』って言ってたな。 ただ、宇宙くるくるを慣行して以降(小説ではまっ裸だったか?w)は、笑いながらジェガン墜落しまくってたがw
下手すると、壊れるからなNTは 殺し合いなんぞ、するべきじゃないね
感覚が敏感すぎるんだ。 そういったものを心で捉えるから、無理をすると間単に壊れてしまう。
>>209 敵をモノのように認識せんと戦争なんぞやってられんのに
NTの場合、鋭敏な感覚がそれを許さんからな。
殺しあうにゃつらすぎる。
んで、対する種割れは結局ノーリスクの超パワーアップってことでFA
もし文字通り種割れでバーサーカーになるとしたら友軍もテラヤバスなんだが どうなんだろうなその辺
シンがいい例 レナマリアを手にかけようとした テラヤバいです
あれは…そう、若さ故の過ち
アムロはNT能力でララァの死を感じ取ったせいで一生ララァにとらわれたんだよな…
キラはNT能力が無い所為でフレイの言葉を聞くことができなくて変になったんだよな やっぱりNTの方が良いんだろうか
キラは肝心な時に相手の声を聞く事ができないという特殊能力がある。 戦闘の時、シンと対峙している時だけ通信をOFFにしているのか? それ以外の時は常にオープンっぽいが。
ロンド・ベル隊は地球を正面にしてネオ・ジオンの別働隊との交戦を開始していた。ネオ・ジオンの別働隊はロンド・ベル隊と距離を置 いていたが、急にその動きを変えて四隻平行に航行していたロンド・ベルに攻撃を仕掛けてきたのだ。 宇宙で明滅する光は時に帯となり点となる。人類が宇宙に住むようになった時代でも、ミノフスキー粒子によって有視界での戦闘を余儀 なくされた戦いに置いて光の有無は重要視される。そしてそれは、今、正にラー・カイラムへと迫るモビルスールのスラスターの光でも同 じくだ。 「艦長!敵モビルスーツ部隊の発進を確認しました!!」 「主砲回頭!敵の鼻先に発射後、モビルスーツ隊を発進させろ!!」 「了解!主砲回頭!目標、敵モビルスーツ部隊!!」 ブライトが忙しなく動く戦闘ブリッジで指示を出す。オペレーターもブライトの指示を繰り返すと、ラー・カイラム前方に備え付けられ たメガ粒子砲三基が音を立てて起動する。三基のメガ粒子砲の砲塔からは淡い桃色の光が漏れ出て、その光が膨れ上がって三門の主砲から は大きな光の線が向かってくる敵モビルスーツ部隊へと発射される。平行している三隻の艦からもだ。 しかし、その弾幕を察知していたのか敵モビルスーツ部隊は光を増して散開。主砲など一発も当たらないのだとでも言うように上下左右 へ避ける。だがそんなものはブライトとて承知している。これは敵の勢いを増させない為の牽制に過ぎない。 「モビルスーツ発進!!」 オペレーターの言葉と共に左右舷にあるカタパルト・デッキで既に発進態勢に入っていた淡い黄緑色をしたモビルスーツ、ジェガンが弾 き出されるようにカタパルト・デッキから発射される。宇宙へと勢いよく放り出されたジェガンは一呼吸置いた後に背部のスラスターは真 空に熱風を吐き出して、瞬間、光が爆発して宇宙を駆ける。 「…………」 次々と発進していくモビルスーツを見ながら、ブライトは考えていた。 ネオ・ジオンの別働隊は急に動きを変えた。陽動と時間稼ぎなのは目に見えていたが、何故このタイミングでそれを行なうのか不明だっ た。その真意を探ろうとしたが見えてこない。わざわざあちらから仕掛けてまでなんのメリットがあるのか。 「いや、考えても答えは出ないか」 ブライトは頭を振って打ち消す。何はともわれ今は戦闘中だ、今はこれを乗り越えてからにすればいい。そう結論するとオペレーターの 方へと首を向ける。 「アムロから連絡は?」 「十分後には此方に着くそうです」 「そうか……」 ブライトは溜め息を吐いて艦長席のシートに身を預ける。すると、傍らの副長席に座っている副艦長のメランが前を見ながら呟く。 「陽動、ですね」 「ああ、これが奴らにとって予定調和だというのが癪だがな」 「ネオ・ジオンは何をするつもりなのか……」 「それはシャアに聞かんとわからんな。だが、その前にこれを乗り越えてからだな」 「そうですな―――左!ラー・チャターの火線が緩いぞ!敵艦の攻撃を許すな!!」 それで終わり。メランはすぐに戦闘指示へと戻って激を飛ばす。ブライトも戻ろうとして――― 「―――んっ?」 一瞬、宇宙が揺れたように見えた。瞬きをしてもう一度見ると元通りになっている。 「気のせいか……」 疲れているのかもしれない。ブライトはこれが終わったら少し休もうと思った。
「なんだろう……この感じ」 シャトルが地上を離陸して宇宙へと上がる最中、クェス・パラヤは窓際の席で外を見ながら呟いた。 「どうしたんだ、クェス?」 クェスの横の席、アデナウアー・パラヤはクェスが何かを言っているのに気付いて怪訝な表情を見せた。その様子にクェスは見る見る内 に不機嫌になり、アデナウアーが父親にも関わらずぶっきらぼうに答える。 「なんでもない」 「クェス……」 「今更、父親をしないでよ。どうせ私のことはついででしょ」 「クェス!いい加減にしなさい!!」 「そっちこそあの人が居ないからって私に構わないでよ!!」 機内では二人の応酬が激しくなる。それを見かねた乗務員の一人が止めに入ってようやく終わったが、それでも二人から漂う険悪な空気 は簡単に近寄れるものではない。クェスは、ふと、アデナウアーを挟んで隣に座っている少年を見た。少年、ハサウェイ・ノアは居た堪れ ない気持ちで座っているように見える。すると、ハサウェイはクェスの方を向いて互いに目があった。 「…………」 「…………」 ハサウェイは苦笑に口許を歪めるがクェスはすぐにそっぽを向いて窓際からまた外へと視線を戻した。 クェスとて喧嘩をする為にわざわざ父親に付いて来たわけではない。最初こそ反発していたが、宇宙に行くという言葉を聞いて多少は大 人しくした。しかしその父親は地球連邦軍参謀次官としての仕事と愛人の事しか頭になかった。それでも地球生まれのクェスには宇宙とい うものは興味があったのだ。 ニュータイプ。人類の新たな革新を指す言葉はクェスには心揺さぶられるものだった。誰もが知ってる知識としてではなく、それを感じ るためにインドにだって行った。 「でも………」 結局、アデナウアーから連れ出されてという形でシャトルに乗った。だけど、これはある意味良かったかもしれない。憧れていた宇宙に 上がれた事は決して損ではないのだから。 「うん、そうだよね」 そう少しでも納得するとクェスは近くなっていく宇宙の光景を眺める。唯一つ、首の裏がピリピリとした痛みを感じながら……。
ムサカの二本のカタパルト・デッキから発進したネオ・ジオンのギラ・ドーガ部隊は、敵艦から撃たれた砲撃を回避すると『脚』たるシ ャクルズを切り離して、前方の敵艦から発進したジェガンとぶつかっていた。 モビルスーツ同士の戦闘により、混戦となった宙域は絶え間なく光が発せられている。その中で、ブレードアンテナが設置された青のカ ラーリングに染め上げられたギラ・ドーガを先頭として二機のギラ・ドーガの小隊がその戦闘の中で一際輝いていた。 「ハッ、陽動するにしても気付かれてるだろうにさ!」 激しい気性を露わにした女性、レズン・シュナイダーがコクピットの中で叫んだ。 レズンのギラ・ドーガが勇敢に一機のジェガンへと突撃を掛ける。ジェガンもそれに気付き、ビームライフルの銃口をレズンへと照準を 合わせる。が、レズン機の影に隠れていた二機のギラ・ドーガが一気に飛び出すと、ジェガンは後ろから現れたギラ・ドーガに驚いて一瞬 動きを止めた。しかし、それをレズンが見逃す筈もなく。 「戦場で動きを止めるなんざ馬鹿のする事だよ!!」 青いギラ・ドーガのモノアイが輝く。ビームソードアックスの柄を抜き放つと、スラスターの光が増してジェガンの懐へと入ろうとする。 ジェガンのパイロットもようやく意図を理解してビームライフルをレズン機へと撃つが当たらない。レズン機は微動な動きを加えることで ビームの射線から避けているのだ。 そして、散開した二機のギラ・ドーガがすれ違い様にビームマシンガンによる斉射を行なう。連続的に撃ち続けられるビームの塊がジェ ガンの肩部、頭部、脚部へと直撃して機体を揺さぶる。瞬間、動きが制限されたジェガンの懐にレズン機が潜り込んだ。その手には斧状の ビーム刃が既に展開されている。 「――――」 一つ眼とコクピット越しに目が合う。 青いギラ・ドーガは横一閃にビームソードアックスを振り払っている。 レズンは笑みを浮かべながら、ジェガンのパイロットの息を呑む声を聞き、 「死にな―――ッ!!」 コクピットごとジェガンを薙ぎ払った。ジェガンは為す術もなくコクピットを引き裂かれてパイロットは即死した。 ジェガンの胴体は外側に抉れるように中身を剥き出しにして赤く熱を発していた。レズンはその様子に気を良くして部下に次の指示を出 そうとした時、別方向からビームの一斉斉射が三機のギラ・ドーガに襲い掛かった。 「なんだと……ッ!?」 レズンは兵士としての勘でシールドで胴体を庇ってビームを防ぐ。他の二機も同じようにシールドで防いでいた。 『コイツぅっ!』 通信機から聞こえるのは女の声。一機のジェガンが先頭に立ってその後方には三機のジェガンがビームライフルを構えてレズンの小隊に 肉薄している。 先頭のジェガンのパイロット、ケーラ・スゥは味方がやられたのを見て、その動きからエースだと判断した。そして三機のジェガンを率 いてレズン達へと向かったのだ。しかしそれは敵も同じ。レズン達の下にも数機のギラ・ドーガが向かっている。 「死にに来たかい!」 レズンは先頭のケーラ機へと機体を向けるとスラスターに瞬時に光が点った。ビームソードアックスからビームライフルへと持ち換えて ケーラ機へと迫った。同時にレズンを追って二機のギラ・ドーガも後ろからビームマシンガンを撃って援護する。 『何を!!』 レズンの挑発が効いたのか、ケーラも横を通過していくビームの塊を尻目にシールドを前面に突き出してレズン機にビームライフルを照 準を定めた。ジェガンもまた、一斉斉射を行なってギラ・ドーガの動きを止めようとする。 この混戦の中で陣営の違う光が交差した。
「戦闘はもう始まっているようだな……」 アムロはモニターに映った光の輝きを見てポツリと呟く。 「そう見たいですね……」 それに答えたのは前のシートに座っているチェーン。彼女もアムロと同じ場所に視線を向けている。 「チェーン、これから戦闘に入る。少しキツイだろうが我慢してくれ」 「ええ、私の命はアムロの腕に掛かっていますから」 「おいおい、それは責任重大だな」 チェーンが茶化して笑うとアムロも同じように笑う。これから緊張に満ちた戦闘に入るのだ。パイロットのアムロならともかく、メカニ ックのチェーンからすれば戦艦の格納庫に居る以上に恐怖を味わう。しかし、その程度で怯むようでは軍人は務まらない。彼女は軍人とし て、一人の女性としてアムロを気遣っている。アムロもそれをわかっているからこそチェーンの厚意を受け取っている。 そしてチェーンは前のシートから降りてアムロの横にしゃがみこむ。戦闘時に掛かるGは時代が経ても変わらないものだ。特にモビルス ーツ戦闘は宇宙空間を縦横無尽に駆けなければいけないので、パイロットの訓練を受けていない者からすればジェットコースターを常に乗 っている気分になる。 「それじゃあ行くぞ」 「はい、どうぞ」 ベースジャバーのアフターバーナーに火が点る。νガンダムを乗せたベースジャバーは交戦している光の中に飛び込んでいった。 「なんだいっ!?」 ビームサーベルとビームソードアックスが火花を散らして拮抗する最中でレズンは通信機から部下の報告を聞いていた。 『一機、月の方向からモビルスーツが接近中です!』 「一機がなんだ!落とせばいいだろう!!」 『今だ!!』 レズンがコクピットの中で怒鳴ると、ケーラのジェガンがチャンスと見てレズン機を蹴り飛ばす。ジェガンはその勢いを利用して後方に 下がるとマニュピレーターを向けてダミーバルーンを発射する。ダミーバルーンはジェガンと同じように人型になって撹乱させる。 レズンはサブスラスターで姿勢制御を行いながら体勢を立て直すとビームライフルでダミーバルーンを撃ち抜く。弾けるように貫かれた ダミーは、付与されている機雷が爆発してケーラ機のモニターが爆発の光で覆われた。 『クッ!?』 「甘いんだよ!」 怯んだケーラ機にロックオン・マーカーが赤く合わさる。レズンの指がトリガーに掛かるのに連動してギラ・ドーガーの指が引き金に力 が篭った。光が収まってケーラがそれに気付いた時には遅かった。反射的にコクピットの中で顔に手を寄せた瞬間。 「なにっ!?」 肩部にビームが直撃した。ギラ・ドーガはよろめきながら新たな敵に警戒する。
「くそっ!誰が―――」 頭部をビームが発射された方向に回すと接近するモビルスーツがあった。そのモビルスーツを更に拡大するとモニターに映ったモビルス ーツにレズンは声を出して驚く。 「ガンダムだとっ!?」 νガンダムはベースジャバーから立ち上がって離脱する。そしてベースジャバーのアフターバーナーを全開にさせるとギラ・ドーガとジ ェガンの間にベースジャバーが通過した。だがそれだけでは終わらない。νガンダムはビームライフルをベースジャバーに向けて斉射して 爆発。爆光が目暗ましになった隙にνガンダムは二機の間に滑り込む。 『大丈夫か、ケーラ』 アムロは頭部のバルカンを放つ。バルカンの側部からは次々と薬莢が排出され、青いギラ・ドーガに叩き付けながら後ろのジェガンへと 通信を入れた。ケーラはそれに安堵すると同時に申し訳ない気持ちになって悔しさを声に出す。 『すみません、大尉……』 『反省は後だ。ケーラは他の機体の援護に向かってくれ』 『了解』 アムロの命令にケーラは頷いて応じ、ジェガンは反転させて後退する。 ようやく体勢を整えたレズン機は寮機に指示を出す。他のジェガンと交戦していた二機のギラ・ドーガはその動きを変えてνガンダムを 標的にしてビームマシンガンの黒塗りの銃口が火を噴いた。挟撃を仕掛ける二機のギラ・ドーガを援護に、正面のレズンのギラ・ドーガも ビームライフルを撃ってアムロに回避行動をさせないようにする。 『ファンネルは使えない……ならばっ』 アムロはダミーバルーンを正面に放出してレズン機の視界を狭める。アムロの機転が功をそうして、レズンのモニターからはνガンダム の姿が見えなくなる。思った通りにその射線は外れて在らぬ所にビームが通過した。そして、νガンダムのスラスターを全開にして真正面 からレズン機へと接近し、ビームマシンガンは空を切る。 『よせっ!隊長に当たるぞ!』 一機のギラ・ドーガが銃口をνガンダムへと向けるが、もう一機のギラ・ドーガが静止させる。 射線には青いギラ・ドーガも入っており、此処で撃てばレズンにも当たる可能性がある。アムロはこの事を見透かしてわざわざ敵機の懐 に飛び込んだのだ。しかし、レズンもこれで終わるほど落ちぶれてはいない。接近してくるνガンダムをダミーごと撃って爆発に巻き込ま せようとする腹だ。照準をダミーへと向け、 「喰らいなっ!!」 撃った。νガンダムは爆発の範囲内に入ってその爆発に呑み込まれる。幾らガンダムと言えどあの爆発に巻き込まれればタダではすまな い。レズンは自然と勝ち誇った笑みを浮かべた。 「え………?」 しかし次の瞬間に呆けた声にそれは変わった。 爆発の中から一つの影が這い出たのだ。影は煙と光に包まれながらも輪郭を形取って姿を現した。 『貰った!!』 その声と同時に、白と黒の銃身をしたビームライフルがビームの粒子を加速させて発射。だがそれだけに止まらずにビームは次々と絶え 間なく発射される。その数は三発。従来のビームライフルの連射速度を超えた速さはギラ・ドーガを貫かんと迫るが、レズンもシールドを 突き出して防衛。シールドは三発のビーム粒子を立て続けざまに喰らったせいか破砕する。 アムロはそのままνガンダムをレズン機の頭を通過して脚部のサブスラスターだけを使用し、前転する形でギラ・ドーガの後ろを取った。 そしてビームライフルを無防備になった背中に撃ち込もうと――― 『なんだ……?』 突然、鈴の音が聴こえた。
同時刻、ラー・カイラムのブリッジでは奇妙な現象を観測していた。 「艦長!艦内の計器が異常な数値を出しています!!」 「なに……?状況把握を急げ!この隙に撃たれでもしたら取り返しがつかんぞ!!」 ブライトが混乱に陥ったブリッジに命令を下して落ち着かせようとする。だがその中で一人のクルーが呟いた。 「なあ、何か聴こえないか?」 「え?………確かに、聴こえるけど」 「お前達!今は戦闘中だぞ!!」 私語をする部下にメランは怒り出すが、その横のブライトも冷静ではいるが何かを感じ取っていた。 「これは一体なんだ………?」 小さく呟いた疑問に鈴の音は唯鳴り響くだけ。 「なに、これ……」 シャトルが大気圏を突破して航行していた機内でクェスも天井を見て呟いた。 しかし、客の中には誰もそれを気付いていない。だがその中でクェスの隣の席のハサウェイだけは何故か首を傾げていた。 「鈴の音……?」 クェスはハサウェイの呟きが聞こえて振り向く。 「貴方も聴こえたの?」 「え、君も……?」 二人は互いにその音の異常さを感じて鈴の音を感じていた。 レウルーラのブリッジではブリッジクルーのほとんどが艦内の計器の異常な数値に驚いていた。 ナナイはその様子を見ながら、ずっと耳に入ってくる鈴の音に疑問の表情を浮かべる。 「これは………」 聴こえてくる鈴の音には穏やかさと優しさがある。しかし、それが逆に不気味だった。まるで嵐の前の何かのように……。 それを感じ取っていたナナイはシートに身を預けるシャアへと視線を向ける。 「大佐、何が……」 ナナイの疑問にシャアは答えなかった。そして瞑目していたシャアはゆっくりと瞼を開けて、 「そうか、これが運命だと言うのだな。ララァ……」 既にこの世には居ない誰かの名前を口にした。 「これは一体なんだ……っ!?」 アムロは鈴の音を聞いて混乱していた。だがそれを好機と見たレズンは、急に動きを止めたνガンダムに振り向き様にビームソードアッ クスを投げつける。その動きに一瞬遅れて気付いたアムロは左腕を覆うほどのシールドで弾き返した。 「―――、チッ!」 『なんだか知らないが墜ちな!!』 不意の衝撃に苦悶の声を出すが、レズンはビームライフルを連射してνガンダムの動きを止める。アムロも鈴の音の異常さに気を取られ ていて攻勢に移れずにシールドで防ぐのみ。 「アムロ!」 コクピットの中でずっと黙っていたチェーンがアムロの危機に叫ぶ。 「くそっ!何が起きて―――」 その言葉は最後まで紡げなかった。 突如、現れた光がνガンダムはおろかロンド・ベル隊、そしてネオ・ジオンの艦隊をも包み込んだからだ。その光は大きく広がりを見せ て地球とコロニーに光を照らしていた。 そして肥大していた光がゆっくりと小さくなっていき、完全に光が収まった時にそれは起こった。光の発生源たる交戦していた宙域には 誰一人反応がなく、そこには戦闘していた痕跡すらもなかったのだ。まるで跡形もなく消えたようにロンド・ベル隊もネオ・ジオンも、ν ガンダムの存在さえ。 宇宙世紀0093年。二つの陣営は完全にこの世界から姿を消した。同時にある一つの世界へと彼らは交差する。
ようやく一区切りの電波。そろそろ三本から二本になりそうなペースだったりするのは気にしないで
面白い。 アデナウアーがいるなら、CEの軍なり政府なりとの交渉事には彼が出るのかな? 大作になりそうだが、何とか完結まで頑張って欲しいよ。
乙!ナイス電波
あっさり殺されそう<アデナウアー
乙!!正直、自分は映画や小説でのハサウェイが嫌いだったので、これからのifな展開に期待! 鈴の音でギロチン思い出した…
いっそイボルブ5的なハサウェイ&良い女になりそうなクェスで…
>>234 俺もザンネックが視えた。つーかこの鈴の音、なんだっけ?ララァは確か
ラ…ラ…
だったよな?
Vのファラ・グリフォン。
・・・チリン・・・チリン・・・
ファララァ・グリフォン
まさか、宇宙漂流の刑になってたポッドも一緒にCEの世界に……ハワワワワワワ(´Д`)
>>240 ザンネックまで来てた日にはマジで洒落にならんなw
ミニカイラスギリーだけあって射程が途轍もないし。
ファラ様はダメだろww ファラ様は根は優しいよね
今読んでみたけどおもしろい!! ◆Oa7bLA.9Wgさん乙です! 他にこんなスレない?
>>243 「デス種はエースコンバットに似て〜」スレなんかどう?
最初はネタスレだったが今や良作のSSが投稿され、CEの似非エースパイロット達が真のACEパイロットになりつつあるスレだ。
とりあえず、一つ確かなのは桃色毒電波の影響を受ける事無く27歳になってタバコを吸いながらインタビューを受けるキラはかっこよかったということだ。
247 :
243 :2007/04/04(水) 00:05:27 ID:???
98氏&400氏マダー?
職人さんへ もしファラ登場でないのなら他の表現にするべきと考える。ララァなら歌が聞こえるが正しかろう。以上いちゃもんでした。 PS「ロンド・ベルは鈴でも鳴らしときゃいいんだよ」(レズン)に掛けた?
>>248 年度末、年度初めは忙しくて時間がナカナカ・・・orz
すまんこってす。
マターリ自分のペースでおk。
えー、鈴の件はこっちの表現ミスです。 ララァのアレが中々思い出せなかった……orz ちなみにファラ様は出ません。カミーユやハマーン様は一緒に送り込もうと思ったけど、種キャラが結構食われそうだったんで止めたのは内緒
>>252 そうでしたかー ドンマイでつ あまりお気に成されるな
しかし、ファラ様が出てこられないのは、ホッとした様な残念のような………
CEのMSをなぎ払うザンネックも見てみたかった まあ、スレ違いだが
俺はルペシノ派だけどね。 まぁGjだ
強化ファラのMS操縦技量はVで最強だった気がする あと、ザンネックの出力はUCMSの中で一位なんだよね ともわれGJ!
>>228 電波GJっす!
思いっ切り面白い事になりそうでつな
一体どうなるんだろ?スゲー楽しみだ!
さて、おいらもこれから投下しまするが、今回も確実に連投規制喰らいます
途中モデムの再起動かけるので投下が止まった場合は
再投下が始まるまで10分程お待ちくださいませ
『機動戦士ガンダムSEED bloom』
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167057938/917 の続きです
地球衛星軌道上での地球、ザフト両軍の戦いは、アークエンジェルの降下を以て幕を閉じた。地球降下時にイージスの追撃を振り切ったアークエンジェルは、灼熱の大気を越え、大地と海を眼下に捉えながら蒼穹の中を降りて行く。
アークエンジェルの格納庫では帰艦したνガンダムと左腕を失ったストライクがハンガーへと、その巨体を納めていた。
ストライクは灰色の機体と外されたエールストライカーパックに見受けられる傷は、戦いが如何に壮絶な物だったかを物語っていた。
「――ハァハァ……済みません……ストライク、壊して……しまい……ました……」
「――おい、大丈夫かよ!?……たっく、馬鹿野郎が!パイロットがそんな事、気にするんじゃねえよ!そんな事より、自分の体を心配しろ!」
「……ハァハァ……ありがとう……ございます」
ストライクのコックピットを降りたキラは肩で息をしながら、マードックの元へとやって来た。見るからに疲労の色が濃く、足元も覚束ない様子だった。
コーディネイターのキラが、ここまで酷い顔色を見せているのをマードックは心配しながら肩を貸した。
その様子を見た整備兵達がキラに声を掛ける。
「――お疲れ、大丈夫か?」
「……ハァハァ……はい……大丈夫……です」
「……全く、大丈夫に見えねえぞ。ストライクを直すのは俺たちの役目だ。気にしないで休め」
「……ありがとう……ございます。ストライクの修理……お願いします」
誰がどう見ても、無理をしている様に見えるキラに対して、マードックは呆れた顔を見せる。
キラはストライクを壊してしまった責任を重く受け止めているのか、マードック、そしてキラを見つめる整備兵達に頭を下げた。
そこへムウが駆け寄って来て、キラに声を掛けた。
「おい!大丈夫かよ!?」
「……ハァ……ハァ……はい……」
「無理すんな!肩、貸してやるから、とっとと医務室に行くぞ!……キラ、出れなくて済まなかったな」
「はぁはぁ……いいえ」
「ま、何であれ、無事に帰って来れたんだ。行くぞ!」
「……ハァ……ハァ……はい……済みません……」
ムウはマードックから引き継ぐ様に、キラの脇に肩を差し込み支えた。
その傍らでは、νガンダムを降りたアムロが出撃前にマードックから渡されたバッグを返そうと差し出した。
「マードック、これは必要無くなった。返しておく」
「ええ。お疲れ様です!」
「また、よろしく頼む」
「ええ。勿論ですとも!」
マードックはバッグを受け取ると、アムロが差し出す手を取り握手を交わした。
その二人を見ながら、ムウがアムロに声を掛ける。
ギラドーガとジェガンって、CEMSのレベルで どこまで行くかな?
「お疲れさん!」 「ああ。また世話になる事になった。よろしく頼む」 「ああ。こっちこそ、ヨロシク」 アムロはムウに挨拶をすますと、ムウの支える反対側からキラの肩を支える。 その間もキラは肩で息をし、苦しそうな表情を見せていた。 「キラ、大丈夫か?」 「……ハァハァ……はい……大丈夫です。……ハァハァ……アムロさん、さっきは……ありがとう……ございました」 「気にする必要は無いさ。それよりも、熱でやられたんだな?早く治療をした方がいい」 「ああ、今から医務室に連れて行く。手伝ってくれ」 「分かった」 アムロはムウの言葉に頷くと、医務室へと二人でキラを支えながら格納庫を後にした。 格納庫を出てすぐの居住区へと繋がる通路の角で、アムロは目の端にピンク色の淡い髪の少女を捉えた。 「――ラクス・クラインか?」 「――あ?」 「……ラ……クス!?……ハァ……どうして……こん……な所……に!?」 アムロの声に反応したムウが顔を向けると、項垂れていたキラもゆっくりと顔をラクスの方へと向けた。 本来なら、ここはまだ格納庫に分類されるブロックで、ラクスは立ち入りを許されてはいない。 しかし、展望デッキで傷ついたストライクの帰還する姿を見たラクスには、立ち入り禁止である事さえ忘れて、この区域に走って来たのだった。 アムロとムウに支えられたキラの姿を見たラクスが、彼の元へと駆け寄る。その表情は、血の気が引いている様に見えた。 「――キラ、お怪我は!?大丈夫ですか!?」 「……ハァハァ……あ、うん……僕は……大丈夫……。……ハァハァ……ストライクは……壊しちゃった……けどね……」 「――大丈夫ではありません!そんなにお苦しそうなのに……」
キラはラクス心配掛けまいと無理に作り笑いを浮かべる。 しかし、キラの笑顔は痛々しく見え、ラクスは心配しながらも無理をするキラに怒った。 「……ハァハァ……ラクス……心配かけて……ハァ……ごめん……ね……」 キラにラクスの怒っている意味が伝わったのか、キラは本当に申し訳なさそうな表情を向けて謝った。 そして、言い終えたキラは、ラクスに少しだけ笑顔を見せると、力尽きたかの様に意識を失った。 「――!しっかりしてください!キラ、お願いですから目を開けてください!」 「ラクス・クライン、落ち着け!」 気を失ったキラを見てパニックを起こしたか、ラクスはキラの顔を手で包むと揺り動かそうとする。 それを見兼ねたアムロがラクスに怒鳴る様に声を上げると、ラクスは一瞬、体を強張らせた。 続ける様にアムロはムウに声を掛ける。 「ムウ、急ごう!」 「ああ!おい、お姫さん!ここに入った事は見逃してやるから、一緒に来てくれ!キラを医務室に連れて行く!」 「――はい!」 ムウは頷くと、目の前に立つラクスに声を掛け、一緒に来る様に促す。 ラクスは、必死に頷くと、キラを支えるアムロとムウの後を涙を溜ながら付いて行った。
地球軍プトレマイオス基地への奇襲を成功させたクルーゼ率いるザフト軍艦隊は、月の他の地球軍基地よりの援護を確認し、一路、帰還の途へと着いていた。 作戦自体、クルーゼの望み通りには行かなかったが、プトレマイオス基地ドックの完全破壊には成功し、旗艦ヴェサリウス、そして、他の艦でも、兵士達は作戦成功で歓喜が溢れんばかりだった。 そして、作戦の立て役者であるイザーク・ジュールは、バスターに乗るディアッカ・エルスマンにより救出され、旗艦ヴェサリウスの医務室で体を横たえていた。 「……ううっ……こ、ここは……?」 「お、気が付いたか?安心しろ、ヴェサリウスだ」 「……ヴェサリ……ウス……だと?」 「ああ、そうだ。作戦は成功したんだ。君はあれだけの爆発に巻き込まれたのにも関わらず、大きな怪我も無い。全く運がいいな」 イザークは目の前に見える蛍光灯の灯りに目を細めながら、体を寝かしたまま声のした方へと顔を向けた。 そこには、あまり世話にはなってはいないが、ヴェサリウスに常駐勤務している軍医の顔があった。 「……本当に成功したのか……?」 イザークは呟くと体を起こしす。体の節々が痛み、自分が生きている事を実感させた。イザークが体を起こし終えると、軍医がベッドの上半身側を起こして寄りかかれる様にと気を使う。 軍医にイザークは「済まない」と礼を言うと、体が五体満足なのを確認する。しかし、心の中では作戦を見届ける事が出来なかった為に、未だに半信半疑の表情を浮かべていた。 医務室の扉が開き、ディアッカが顔を覗かせる。 「――イザークはどうですか?」 「ああ、目を覚ましたぞ」 軍医は顎でベットの方を指すと、ディアッカは医務室へと入りイザークの元へとやって来た。 イザークは、その遣り取りを見ていた為、ディアッカが声を掛けるよりも早く口を開く。 「ディアッカ、貴様も無事な様だな」 「ああ、当たり前だ。イザークこそ大丈夫なのかよ?」 「……ああ。それよりも、作戦が成功したらしいが本当か!?」 「ああ、凄かったぜ!」 作戦が成功した事を実感出来ないイザークは、本当に成功したのかとディアッカに確かめた。 ディアッカは片手で椅子を引き寄せると、腰を下ろしてにやけながら答える。 そこへ新たな来訪者が訪れた。イザーク達よりも若干年位に見えるが、グリーンの制服に身を纏っていた。 「――失礼します。こちらに、ブリッツのパイロットが運び込まれたと聞いたのですが……」 「――ん?ああ、それなら彼だ。さっき目を覚ました」 「話をしても大丈夫ですか?」 「見て分かる通り、話しているだろう?」 軍医はディアッカの時と同じように顎でイザーク達を指すと、机に向かい書類の整理を始めた。 グリーンの制服を着た兵士はイザーク達に歩み寄ると、敬礼をする。
「――お話中の所、失礼します」 「――ん?なんだ?」 「脱出の時に助けて頂いたジンに乗っていた者であります!この度は助けて頂き、ありがとうございました!」 「……あのジンに乗っていたのか……大丈夫か?」 イザークは基地内で起こった脱出時の出来事を思い出した。 声を掛けられた兵士は背筋を伸ばし、脱出の時に情けない声を出していたのが嘘の様な凛とした声で答える。 「はい。あなたに助けて頂けなければ、今頃は死んでいたはずです。感謝しても、しきれないくらいです。それで、お怪我の方は?」 「ああ、見ての通り大きな怪我も無い。気にするな。それから、今度は情けない声を出すなよ」 「――は!あの時は、情けない姿を晒しまして申し訳ありませんでした!」 「イザーク、流石は英雄様だな。言う事が違うぜ」 二人の遣り取りを見ていたディアッカは、ニヤけながらイザークを茶化す。 イザークはディアッカの言葉が気に入らなかったのか、少し怒気を含んだ様に睨んだ。 「……英雄だと?俺は任務を全うしただけだ!ディアッカ、貴様は何寝ぼけた事を言っている!?」 「寝ぼけてるのは、お前だってぇの。作戦成功させて、しかも、コイツ助けたのを評価して、隊長がお前に勲章与える申請するって言ってたぜ」 「……本当か?」 「……本当でありますか?」 イザークと兵士は飄々と答えるディアッカに言葉に目を丸くした。 ディアッカは二人の表情を見て、「信じられないのかよ」と言うかの様に息を吐くと、少し怠そうな感じで口を開いた。 「マジだよ。敵基地ぶっ壊して、味方まで助けたんだ。勲章でも何でも、貰える物は貰っとけよ」 「……信じられん……」 「私は、あなたが勲章を受ける、それだけの働きをしたと思います!」 「……」 イザークが呆然としながら呟くと、兵士はイザークに向かって言った。 言われた当のイザークは、一瞬、時が止まったかの様に固まるが、あまりにも真っ直ぐ過ぎる褒め言葉に、顔をディアッカ達とは反対側に向けた。 それを見たディアッカはニヤケながらイザークをからかう。 「……イザーク、何照れてんだよ?」 「――だ、黙れ、ディアッカ!お、俺は照れてなどいない!」 「――あっははは!その割には、顔が赤いぜ!」 「――わ、笑うな!貴様も見てないで、要が済んだなら出ていけ!」 「――は!失礼します!」
豪快に笑うディアッカにイザークは怒鳴ると、その矛先は兵士へと移った。 イザークに怒鳴られた兵士は、すぐに敬礼をすると踵を返し、医務室を後にする。 それを見たディアッカは呆れながらも、イザークを諭す様に言った。 「おいおい、照れを隠すのに、心配してくれた相手を無下に扱う事ないだろ?イザーク、お前の悪い癖だぜ」 「う、うるさい!それ位は自分でも分かっている!」 「はいはい、分かりましたよ、英雄様」 「その、英雄様は止めろ!」 「茶化して悪かった。イザーク、そう、熱くなるなよ」 「――フン!それなら、初めからそうしろ!」 ディアッカは降参とばかりに、答えるとイザークは鼻を鳴らして怒鳴った。 しかし、やがてその怒りも治まったのか、思い出した様にイザークは自分の乗っていたモビルスーツが気になり、ディアッカに真面目な顔を向けた。 「……そう言えば……ブリッツはどうした?」 「ああ、ありゃ駄目だ。ほとんどスクラップ状態だったからな。新しく組み直した方が早いって言ってたぜ。まぁ、助かったのが不思議な位だったからな」 「……そうか……ニコルに悪い事をしたな……」 ディアッカから出て来た言葉に、イザークは目線を落としながら呟いた。 出撃前に自分のデュエルを壊すなとニコルに言いながらも、その借り物であるニコルのブリッツをスクラップ同然にしてしまったのを後悔していた。 「……何、湿気たツラしてんだよ!作戦成功させたんだ、ニコルだって文句言うはずねえだろー!」 イザークの責任感の強さはディアッカにも分かっている。らしくないイザークを見るのは、あまり好きではなかった。 ディアッカは、そんな事は気にするなとばかりにイザークの背中を大きく叩いた。 その後、再びイザークの怒鳴り声が医務室に響き渡る事となる。
地球衛星軌道上で地球軍第八艦隊との戦いを終えたユウキ率いるザフト軍艦隊は、アスランの暴走で多数の犠牲者を出しながらも、第八艦隊自体がアークエンジェルの守りに回った事で、難なく離脱する事が出来た。 実質的な被害も、臨時編成の部隊ながら被害予想こそ下回ってはいたが、中には複座式の機体なども混ざって戦闘に参加していた為、機数に比べると人的被害は以外に多い。 しかし、クルーゼ率いる艦隊が地球軍プトレマイオス基地への奇襲を成功させた事で、艦隊の各員に悲壮感は見受ける事は無かった。 その中、問題の命令無視を犯したアスランは、帰艦後、出頭する様に命令が出され、今、正に隊長室に居るユウキの元を訪れようとしていた。 「――アスラン・ザラ、入ります」 隊長室の扉が開くとアスランは、隊長室へと一歩踏み込むとユウキに敬礼をして、その場で背筋を伸ばした。 ユウキは椅子に座ったまま、アスランの方に体を向けると、厳しい目付きで口を開いた。 「……アスラン・ザラ、どうして呼ばれたかは分かっているだろうな?」 「……はい。この度は申し訳ありませんでした……」 「分かっているのなら、何故、あの様な行動を取った?」 「……それは……」 「ラクス・クラインの為か?だとしても軍人として許される行為ではないぞ!一つ間違えれば、全滅していてもおかしくはないのだぞ!分かっているか貴様は?」 命令無視を行った理由を問われ、アスランは友達であるキラが原因だとは言えず、ユウキから目を背けながら言葉を濁した。 事情を知らないユウキは、その原因は婚約者であるラクス・クラインに有ると勘違いをしていた。しかし、その後に続け出て来る言葉は、軍人として、しては成らぬ一線を越えてしまった事を実感させた。 「――!……はい。私は軍人として、しては成らぬ行動を取りました。……どんな処分も受けるつもりです」 「……ほう、潔い覚悟だな。本来なら、ニコル・アマルフィも貴様の隣に立たせているとこだ」 「――ニコルは……、私を止めようとしただけです」 「……本当か?庇っている訳ではあるまいな?」 「はい。先程言った通り、ニコルは私を止めに来ただけです」 自分の行動を止めようとしたニコルが、同罪扱いとして見られていたのをアスランは必死に弁明し、自分の単独行動であると主張した。 ユウキにとって、自らの教え子でもあるニコルの行動を過去と照らし合わせて考えてみれば、確かにアスランの言う様に止めに入ったと思うのが妥当だった。 納得した様にユウキは頷いて席を立ち、アスランの前に向かう。 「……分かった、信じよう。貴様の独断行動が原因でニコルは負傷したと言う事だな。他にも戦死者まで出している。分かっているのか?」 「……はい」 「なら、歯を食いしばれ。修正してやる」 「――は!」
アスランは手を後ろ手で組むと歯を食いしばり、両脚を踏ん張る様に力を入れ背筋を伸ばす。 ユウキは、思い切り腕を振りかぶると、力一杯にアスランを頬を殴った。 「――うっ!……申し訳……ありませんでした……」 殴られたアスランは、踏ん張っていた為に倒れる事は無かったが、口の中に血の味が広がった。口の端から流れる血を拭うと、すぐに背筋を伸ばす。 ユウキは、厳しい視線を向けながら命令口調でアスランに怒鳴る。 「二度とこの様な真似をするな!本国に戻るまで貴様は謹慎していろ!処分は本国にて下される事となる。分かったな!」 「――は!アスラン・ザラ、謹慎に入ります!」 ユウキの言葉にアスランは敬礼をすると、踵を返して隊長室を出て行こうとするが、扉が開いた所で歩を止めた。 「……あっ!」 「……なんだ?」 席に戻ろうとしていたユウキは振り返ると、アスランに声を掛けた。 アスランもユウキの方に体を向けると、躊躇いがちに言う。 「あ、申し訳ありません。……ニコルの様態が気になった物で……」 「知りたいのか?」 「……はい。ニコル……いえ、私は隊の全員に迷惑を掛けてしまいましたから……」 「……全員の様態を私が知ってると思うのか?」 「……いいえ」 当たり前だが、艦隊の司令官が全員の事まで知る訳がない。ユウキはアスランに対して、少し呆れた表情で言った。 アスランもそれは分かっていたが、自分の行動が原因で怪我を負ったニコルの様態を気にかけていた。 ユウキは、アスランの表情がいかにも心配している様だったのを見て、息を吐くと腰に手を当てながら答える。 「……ニコルは呼ぶつもりでいたからな……。いいだろう、教えておく。顔に裂傷を負ったそうだ」 「――ニコルは大丈夫なんですか!?」 「命に別状はない。貴様の独断行動で迷惑を被ったのはニコルだけでは無いのだぞ。肝に銘じておけ」 「……はい。ご迷惑をお掛けしました。失礼します!」 アスランは神妙な表情で頭を下げると、踵を返して部屋を出て行った。 ユウキは椅子に腰を下ろすと、背もたれに体を預けて疲れた表情で大きく溜息を吐く。 「ふぅ……全く……。しかし……アスラン・ザラがあの様な行動を取るとはな……。私の兵士教育が甘かった……か、クルーゼに問題が有ったと言う事なのか?何であれ、由々しき事だ……」 アスランの命令無視の原因が、婚約者であるラクス・クラインにあると思っているユウキは、人間としては分からないでも無いと少しだけ同情をするが、しかし、そんな個人の感情のみで動かれては堪った物では無い。 自分自身、その様に教育した憶えも無い為、自分が指導が甘かったのかと反省をしながらも、軍のあり方を考えた。 ユウキはコンピュータの端末を立ち上げると、緊急報告用の書類を作り始めた。
アークエンジェルの医務室では、アムロとムウが気を失ったキラに出来うる限りの治療を施し終えていた。 キラは、未だ苦しそうな表情でベッドに体を横たえ、その傍ではラクスが椅子に座り、心配そうな表情で見つめながら、寝ている少年の名を呟いた。 「……キラ……」 ラクスは、アムロとムウがキラに治療を施している間、何も出来ずにただ見守る事しか出来なかった。 アムロはタオルで手を拭くと、寝ているキラから、額を拭うムウへと視線を移した。 「――俺達に出来るのは、ここまでか……。後は水分を多く取らせるしかないな」 「――ふぅ。きっと、熱中症みたいなもんだろ?体を冷やすのが一番だしな。あれだけの熱に当てられて、脱水症状と発熱だけで済んだんだ、運が良い方だぜ」 「ああ。恐らく、大気圏突入の操作手順を踏む暇さえ無かったんだろう」 「ちゃんとした医者がいりゃいいんだが、それすら今のアークエンジェルには居ないからな……ったく」 ムウの吐く言葉は事実で、今のアークエンジェルには軍医すら乗っていない。その為、キラに施せる治療は、熱を下げる為の投薬と医療マニュアルに書いてあった分かりうる限りの対処法でしかなかった。 アムロはタオルを使用済みを示すダストボックスへと放り込むと、眉を寄せながら口を開く。 「キラはこれだけで済んだがいいが、これから先、怪我人が出れば、とんでも無い事になるぞ」 「だよな……。せめて、軍医くらい補給と一緒に入れろってんだよ!まぁ、済んじまった事言っても仕方ないけどさ」 「……こうしていても仕方がない。俺達は着替えて来るが、ラクス・クライン、キラを任せてしまって構わないか?」 ムウは頭を掻き毟ると、お手上げだとばかりに両手を上げた。 アムロも現状を嘆いても仕方ないとばかりに、ムウへと頷くと、ラクスに声を掛けた。 「――あ、はい!」 「お姫さん、ブリッジの方にはキラの事を伝えておいた。あと、禁止区域に入ったのは黙っといたから、安心して構わない。何か聞かれたら、俺が指示したとか言っとけばいいから。んじゃ、キラの事、頼んだぜ」 「はい、ありがとうございます」 ムウの言葉にラクスは頭を下げると、すぐにキラへと視線を向ける。 アムロとムウは、寝ているキラと、それを見守るラクスに一度だけ目線を向けると、そのまま医務室を出て行った。 ラクスは、キラの顔に浮かんだ汗を優しくタオルを当て拭いて行く。 「……ハァ……ハァ……うああぁ…うぅぅ………」 「……もう、戦いは終わったのです……早く良くなってください……」 「……うっぅぅ……ぼ……くじゃ……ア……スラ……ンには……てな……」 「――えっ!?」 「……ハァハァ……」 「……どうして、キラが……?」
ラクスはキラの口から婚約者であるアスランの名が出て来たのに驚く。しかし、もしかしたら違うアスランと言う人なのかもしれない。 戸惑いを憶えつつも、キラの看病に集中しようするラクスは、キラの手に自らの手を重ね合わせた。 無意識なのだろう、寝ているキラは重ね合ったラクスの手を握ると、苦しそうな息を吐きながらも、その表情は譫言を漏らしている時とは比べ様の無いくらい、穏やかな物だった。 そうしていると、空気の抜ける音と共に医務室の扉が開き、ミリアリアとトールが顔を覗かせた。 「あれ、ラクス?」 「……ミリアリア……」 「どうして、ここに?」 「えーっとですね、フラガ大尉とアムロ大尉にキラ事を看病をするようにと……」 ミリアリアと共に医務室に入って来たトールが、ラクスに声を掛けた。 ラクスは、ムウに言われた事を思い出し、空いている手を頬に当てながら答えると、ミリアリアは、キラの手を握るラクスを見ながら頷く。 「……そうなんだ。それで、キラの様子はどうなの?」 「はい……今は、熱を出して寝ています」 「少し苦しそうだな……」 「……脱水症状が酷いらしいです」 トールはキラの顔を覗き込むと、心配そうな表情を見せる。すると、ラクスは呟く様に病状を口にした。 ミリアリアはキラを見詰めながらも、眉を顰めて口を開いた。 「……モビルスーツで大気圏突入しちゃって、アークエンジェルが助けなかったら、今頃、死んでたかもしれないんだもんね……」 「……そうだな」 「……あの、どうしてキラはモビルスーツで大気圏突入なんて無理な事を……?」 ラクスはミリアリアの話を聞き、キラが何故、そこまでしなければならなかったのかと驚きをながら二人を見詰めた。 トールは少し苦い表情を浮かべると、壁に背中を預け、どうしてそうなったのかをラクスに話し始めた。 「帰艦の時にイージスに絡まれてさ、盾代わりに成ってた補給艦の爆発に巻き込まれて、そのまま大気圏に突入したんだ」 「……キラ……怖かったでしょうね……」 ラクスはイージスにアスランが乗っている事など知るはずも無い。戦争だから仕方ないとは言え、キラが体験した事を想像すれば恐ろしい目に遭った事を容易に想像出来た。ラクスの握る白い手に少しだけ力が篭る。 ミリアリアが、躊躇いがちにトールへと顔を向けた。 「……ねえ、トール」 「ミリアリア、なに?」 「……やっぱり、パイロット辞めて……危ないよ……」 「……パイロット?ですの?」 「ああ、俺、正式にモビルアーマーのパイロット要員になったんだ。今はまだ、フラガ少佐の許可が無いから乗れないんだけどさ。だから、こうしてブリッジ追い出されて、ここに来てるのさ」
ミリアリアからトールへと向けられた言葉を耳にしたラクスが、きょとんとした表情で小首を傾げた。 トールは少し恥ずかしそうにしながら、頭を掻きながらラクスに答えると、今度は真面目な表情でミリアリアへと顔を向けて言う。 「……ミリアリア、ゴメン。それだけは、ミリィのお願いでも聞けない……」 「……どうしてよ……。……うっ……キラがこんな目に遭ってるのに……トールの馬鹿!」 「ミリアリア!」 トールの言葉を聞いたミリアリアは俯いて涙を溜め、怒鳴り声を上げると走って医務室を出て行った。 それを見たトールは、慌ててミリアリアの名を呼ぶが、戻って来る事は無かった。 「……きっと、ミリアリアは不安なんです。だから、追いかけてあげてください。キラは私が見ていますから……」 「……うん、ありがとう。キラの事、頼むよ」 ただ呆然と立ち尽くすトールに、ラクスはキラの手を握ったまま優しく声を掛けた。 トールはラクスの声に我を思い出し、頷いてミリアリアを追う為に医務室を飛び出して行った。 二人だけになった医務室には、寝息が聞こえていた。 ラクスはキラが握る自分の手に空いていた手を添えて優しく包み込む。そして、優しくも温かな歌声が静かに流れるのだった。
ナタルは片手に地球軍の身分証明書、IDカード等一式を携え、パイロットルームの扉の前に立っていた。 未だアークエンジェルは降下中にも関わらず、ブリッジを離れてここまで来なければ成らない理由は、その手に持っている物をアムロに渡す為だった。 ナタルは扉を開く為にスイッチを押すと、空気が抜ける音と共に扉が横へとスライドする。 「失礼しま――!」 開いた扉の向こう側には、シャワーを浴びた直後なのか、水滴が体に付いた裸の状態のムウとアムロが着替えをしようとしている所だった。 男性の裸に免疫が無いのか、ナタルは口をパクパクさせながら顔を赤らめる。それはまるで水面で酸素を吸う金魚の様にも見えた。 「ん、なんだ?……男の裸、覗きに来たのか?」 「――ち、違います!し、失礼しましたっ!」 ムウが開いた扉に目を向けると、茶化す様な口調でニヤリと笑う。それを見たナタルは、我に返ると慌てながらスイッチを押して、扉を閉じた。 シャワーを浴びる為に裸を晒す事は当たり前で有る訳で、ましてや軍隊ならば共同生活を強いられるのだから、この様な状況での羞恥心などは無いに等しい。 そう言う意味では、ナタルの男性への免疫の無さは驚きに値する。 アムロはムウに向かって苦笑いを浮かべる。 「……ムウ、茶化す事は無いんじゃないか?」 「いやぁ、ハッハハ!それにしても、うちの副長さんは男にえらく免疫が無い様子だな、ありゃ」 「まぁ、だとしても彼女も大人なんだ、男の裸の一つや二つ、見た経験があるだろう」 「だとしても、あの様子だからなぁ?そう言うアムロはどうなのさ?向こうじゃ、エースだったんだろ?かなりモテたんじゃないか?」 「それは、それなりに。としか、答えようが無いな。ムウはどうなんだ?」 「俺か?……んー、俺はこう見えても結構、純情なんだぜ!なーんっつてな!」 「それなら、俺もムウを見習わせてもらおう」 戦闘も終わり緊張が解けた事で、アムロとムウは冗談も含めながらも、いかにも男性らしい会話に花を咲かせる。 そうしていると、扉からノックをする音とナタルの声が聞こえた。 「……あ、あのぉ、着替えは終わりましたでしょうか……?」 「おっと!流石に待たせるのは不味いな。ちょっと待っててくれ!何言われるか分からんし、着替えちまおうぜ」 「そうだな」 ムウが笑いを浮かべながら言うと、アムロは頷き、すぐに二人は着替えを始めた。 着替え自体は、そう時間が掛かる訳でも無く、二、三分程で終えると、ムウが扉のスイッチを押し、外で待つナタルを中へ入る様にと促す。
「お待たせしました。さあ、どうぞどうぞ!」 「……し、失礼します……。先程は……失礼しました……」 「いや、気にする程の事でも無いさ」 顔を赤らめ、俯き加減にパイロットルームに足を踏み入れたナタルは、男性二人の顔をチラチラと見ながら見ながら、恥ずかしそうに扉を開けてしまった事を謝ると、アムロは首を横に振って答えた。 アークエンジェルが地上に向けて降下中にも関わらず、副長がここに赴く事を疑問に思ったムウがナタルに問いかけた。 「それで、一体、こんなとこに何の用だ?」 「あ、はい。アムロ大尉にこれをお渡しする為です」 「もう出来たのか。早いな」 ナタルは思い出したかの様に手に持っていた、アムロの身分証一式を差し出した。 アムロはこんなに早く手元に届くとは思わなかったのか、対応の早さに驚きながらも、ナタルから身分証一式を受け取った。 そして、ナタルはアムロの疑問に答えるかの様に頷く。 「ええ。私とハルバートン閣下の話を耳にした者達がアムロ大尉が何者なのかと言い出しまして……。それで、艦長が早急に作る様にと……。状況が状況と言え、私も迂闊でした……」 「ハルバートン准将との接見前に、そんな事を言ってたな……。済まない、迷惑を掛けた」 「いいえ!そんな事はありません」 アムロは戦闘の合間を見て行われたナタルとの通信での遣り取りを思い出し、彼女や動いてくれなければ、今、こうして居られる事も無かったかもしれない。 感謝と苦労を掛けた礼を込めて、アムロはナタルに頭を下げた。 ナタルは、アムロ自分に頭を下げるのを見て慌てた様に首を振って応えながらも、彼の役に立てた事が嬉しいのか、少し頬を緩ませた。 その遣り取りを見ていたムウが、アムロの事を疑った者達に呆れたのか、まだ完全に乾き切らない髪をタオルで拭きながら言う。 「しっかし、ここまで一緒にやって来たってのに、何、疑ってんだかな……」 「だが、冷静に考えて見れば、疑問を持っても仕方がないさ。それで乗組員達にはどんな言い訳を?」 「一応、モルゲンレーテから派遣と言う形で、極秘裏な協定により正規の地球連合軍大尉扱いとなっていると言ってあります」 「分かった。ハルバートン准将からも、地球連合の軍人を名乗る事の許可を貰っているから、何とか成るだろう」 「なら、問題無いな。なんか言ったら俺が黙らせるさ。まぁ、階級なんて下に言う事利かせる為に有る様なもんだからな」 ハルバートン自ら、アムロに許可を与えた事を知ると、ムウは納得しながら頷いて、タオルを籠へと投げた。 ナタルは投げられたタオルを目で追いながら、話を続ける為に口を開くと、タオルは籠の中へと見事に納まった。
「それでですが、アムロ大尉と一部の現地徴用の少年達を除き、各員、一階級が上がる事となりました。キラ・ヤマト、トール・ケーニヒはパイロットとして少尉に。フラガ大尉は少佐となります」 「おめでとう、フラガ少佐。これで俺は、ため口は言えなくなるな」 「ありがとう。だけど今の状態じゃ、あんま意味なんて無いさ。今まで通りで構わない」 「分かった。宜しく頼む」 「ああ、また頼りにさせてもらうぜ」 「バジルール中尉、おめでとう」 「――は!ありがとうございます!引き続き、宜しくお願いします」 「俺こそ、迷惑を掛けてばかりだが、宜しく頼む」 ムウとナタルは、アムロから昇任を祝う言葉を貰うと、それぞれに握手と言葉を交わした。 それが終わるとムウは、トールが突然少尉扱いになっている事を疑問に思い、ナタルに質問する。 「しかし、実戦に出てるキラが少尉なのは分かるが、何で実戦に出てないトールまで?」 「艦長がお決めになられました。ケーニヒ少尉のブリッジ要員としての任は解いてあります」 「要は、訓練に集中させて育てろと言う事か?」 「はい。それに、余った機体を遊ばせるだけの余裕は本艦にはありません」 「まぁ、あいつの面倒は俺が見るしかないもんな……。了解した」 説明を聞いたアムロは腕組みをして聞き返すと、ナタルは頷いて答えた。 それを聞いたムウは、仕方ないとばかりに首の後をさすりながら言うと納得したのか頷く。 「それでヤマト少尉の様態とストライクの被害は?」 「キラなら熱を出して寝ている。あの様子だと、今日明日は起き上がるのも厳しいだろう。ストライクは左腕を損傷している。詳しくはマードックに聞いた方が早い」 「それなら格納庫行かないか?新型のマニュアルも見ておきたいからさ」 ナタルはムウが頷くのを確認すると、今度は二人に質問をして来た。 その問いに、アムロは少し苦い表情をしながら答えると、ムウが提案をしてきた。 アムロとナタルは頷くと、三人はパイロットルームを後にして格納庫へと向かった。
プラント本国の軍関係者達は、作戦の成功の報を待ちわびていた。たまに送られて来る細切れの報告のみを信じて、迂闊に発表などは出来ないからだ。 地球軍プトレマイオス基地への奇襲の事を知らないメディアの人間達は、どこで嗅ぎ付けたのか不思議な位に、軍本部施設前や建物内の報道ブースで、その発表を待っている状態だった。 その軍本部施設の一室――、パトリック・ザラの執務室では灯りは殆ど落とされ、静寂と闇が支配している。部屋の主は目を閉じ、各艦隊からの報告を待っていた。 突然、扉が開き静寂を打ち破って、一人の士官が部屋へと入って来た。 パトリックは、ゆっくりと目を開くと、椅子に預けていた体を起こした。 「失礼します!各艦隊とも作戦を成功させた模様です。これが地球軍プトレマイオス基地攻撃艦隊指揮官ラウ・ル・クルーゼ隊長、地球衛星軌道迎撃艦隊指揮官レイ・ユウキ隊長よりの通信での報告を纏めましたレポートです」 「うむ、ご苦労。下がれ」 「――は!」 パトリックは、レポートの束を受け取ると士官を下がらせ、冷めた珈琲を軽く流し込んだ。そして、部屋の灯りを点す為にスイッチを押すと、部屋は瞬く間に明るくなった。 背を椅子に再び預けながらパトリックはレポートを捲った。 作戦自体の流れは、逐一未確認ながら情報が流れて来ていた為、半ば成功したであろうと言う確信があった。 「……ほう。これだけやれたのならば、十分だ。クルーゼめ、株を上げよったな」 クルーゼからの報告には、地球軍プトレマイオス基地、奇襲成功の報と、プトレマイオス基地の被害状況等が記されていた。 内容的にはプトレマイオス基地内ドック破壊、迎撃火器の破壊について記されているが、いずれもパトリックを満足させるだけの戦果と言えた。 これだけやれれば、プラントはまだ戦えると確信し、読み進める内に、パトリックの表情は穏やかに緩んで行く。 「ん、勲章の申請……だと?イザーク・ジュール……、エザリア・ジュールの小倅か」 パトリックはクルーゼからの勲章申請に目が止まり、内容を確認して同じ評議会のメンバーであるエザリア・ジュールの顔を思い出した。 エザリアは子煩悩と言うより親馬鹿に近く見える。息子を褒め称えると言う飴を与えれば、印象は自分への印象は強くなる。 エザリアの子供であるイザークは、報告の内容を見れば、奪取した新型を壊してこそいるが、それに見合うだけの働きをしていた。 それだけに、勲章を与えて評議会のメンバーとして、更に関係を強固な物にしておくのも悪くないと考えた。 そうして、パトリックは再びレポートを捲り始めた。 「ユウキは敵艦隊の全滅までは出来なかったか。しかし、確実に成功はさせるか。実に実直な男だ」 ユウキからの報告を目にし、その作戦にも性格が現れているのを可笑しく思った。 その内容には、敵である地球連合軍第八艦隊の被害状況、そして、突然現れたアークエンジェルの記述が記されていた。周辺艦隊を臨時編成して戦闘を行ったのだから、内容的には上々と言えた。 流石にその手腕は特務隊FAITHの隊長を務める者だと関心させられる。
「……何だ、これは?」 読み進めているとレポートに挟まれた封書に気づき、パトリックは目を細めた。 封書を開封し中を確かめると、パトリックの表情は瞬き間に険しい物となり、手にしている紙が折れ曲がる。 「……命令違反だと!?……あの馬鹿は自分が誰の子か、全く分かっておらんのか!頼にも因って親の顔に泥を塗るとは、この親不孝者が!」 パトリックは怒りを抑え切れず、怒鳴り声を上げ、肩を震わせた。 封書の内容は息子であるアスランが戦場で命令無視し、多数の死傷者を出してした事が記されていた。 アスランの命令無視に因って負傷した者のリストの中には、同じ評議会メンバーのユーリ・アマルフィの息子であるニコルの名も連ねてある。 封書は秘密文書になっているが、実直なユウキがそんな指示をするとは思えず、本部付きの自分の部下が秘密文書にする様に指示を出したのだろう。 「……これではプラントの英雄に成るべき者としての自覚が足らん。どの道、戦意高揚の為には英雄が必要ではあるか……仕方あるまい」 エザリアの息子と比べると、アスランの行動は余りにも情けなく、親の期待を裏切る物だった。 本来ならば、アスランがそれなりに活躍したとあらば、ラクス・クラインの事を含め、英雄に仕立て上げるつもりでいたが、今回は仕方は無いが、エザリアの息子であるイザークに立たせる他無かった。 パトリックは怒りを治める為に、再び冷めた珈琲を流し込むと、手に持った紙を握り潰す。そして、士官を呼ぶために呼び出しボタンを押した。 「――お呼びでしょうか?」 士官は部屋の外で待機していたのか、驚くほどの早さで部屋へと入って来た。 パトリックは握りつぶした紙を大きなデスクの前へと転がし、険しい表情で口を開く。 「……この報告は私は見てはいない、受け取ってもおらん。分かるな?」 「――は?」 「――その報告を私は、見ても受け取ってもおらんと言っている!二度も言わせるな、内々に処理しておけ!それから、アスラン・ザラが戻り次第、出頭する様に伝えろ!いいな?」 「――は!りょ、了解しました!至急、処理します!」 士官が間抜けな声で聞き返すと、パトリックは顔を鬼の様にしながら怒鳴り声を上げた。 怒鳴られた士官は慌てて紙を拾うと、敬礼をして部屋から逃げる様に出て行った。 「……全く……言って分からぬのでは意味が無いではないか。しかし、この機を逃すのは得策では無いな……。少しは父親の苦労も分かって欲しい物だ」 パトリックは、士官と自分の息子であるアスランを皮肉る様に呟いた。 アスランにはプラントの英雄としての役目があるのだ。こんな事で経歴に傷を付ける訳にはいかない。その為には、権力に物を言わせ握り潰してしまえば良いのだ。 パトリックはこの後、アスランの行動に因って負傷したニコルの父であるユーリ・アマルフィを自分の陣営に取り込む為にどうすれば良いのかと考え始めた。
アークエンジェルの格納庫へと足を向けたアムロ、ムウ、ナタルの三人は、スカイグラスパーが置いてあるあたりが騒がしいのに気付く。 ストライクの足元で困った顔をしているマードックの元へと向かうと、当のマードックもやって来た三人に気付いたのか、頭を掻きむしりながら声を掛けた来た。 「大尉さん達、いい所に来てくれました」 「どうした?」 「いや、何があったか知らねえけど、あのお嬢ちゃんが泣きながら、新型……スカイグラスパーをね……」 アムロが聞き返すと、マードックはうんざりした表情でスカイグラスパーの方を指さした。 そこには、整備兵達に因って取り押さえられたミリアリアが泣き伏す姿があった。 「……あぁ、そう言う事か……。ちょっくら行ってくるわ。バジルール中尉にストライクの損傷具合、教えてやってくれ」 ムウはそれを見て、何か思い当たる事があったのか、マードックにストライクの損傷を説明する様に言うと、ミリアリアの元へと駆けて行った。 マードックはムウの言葉を聞き、ナタルの階級が少尉だったはずだと思い、目の前に立つ二人に聞いたみた。 「中尉?少尉じゃありませんでしたっけ?」 「俺を除いて、全員、階級が上がったんだ」 「へえ。でも、こんな所で給料上がった所で、金も使えないんじゃ意味ねえや」 「それは良いとして、ストライクの現状を」 アムロは疑問に答えると、マードックからすれば、無意味な昇任と思えたのだろう。皮肉るかの様に目線を外してストライクへと目を向けた。 ナタルは見上げるストライクの損傷内容を聞く為に、マードックの言葉を聞き流して、報告をするように促した。 「へいへい。見ての通り、やられた左腕の肘関節部を交換する修理が主です。ヘリオポリスからの持ってきたのと、補給で入ったパーツを合わせれば問題は無いですが……」 「……何か問題でも?」 「ええ、補給で受けたパーツは全部バラの状態で、左腕は一から組み上げねえとならねえから、一日二日じゃ修理は無理ですよ。それから、νガンダムですが……」 「νガンダムも問題が?」 「……交換が利かないから消耗は仕方ないですが、問題はエンジンの方で」 「エンジンだと?問題でも発生したか?」 目の前の二人の遣り取りを聞いていたアムロは、その内容に眉を顰めてマードックに問いかけた。 マードックは頷くと、自分の回りにいる整備兵達を追い払ってから、ナタルへと顔を向ける。 「お忘れですか?νガンダムが何で動いてるか」 「――あ!……Nジャマーが利いてる地上では……」 「恐らくエンジンは停止しますよ」 「……一体、どう言う事だ?」
ナタルはマードックの言葉で思い出したかの様に息を飲んで呟く。それを遮る様に再びマードックが完結に起こりうる結果を口にした。 今のアークエンジェルからすれば、νガンダムが出撃出来ないと言う事は、大幅な戦力ダウンを示している。 ストライクは片腕を失い、ここ数日では修理は終わらないのは明白なのだ。もしも、その間に攻撃を受ければ、アークエンジェルは簡単に落とされてしまうだろう。 この世界の事には詳しくないアムロは疑問の声を口にすると、ナタルは苦々しい表情を浮かべながら事情を知らないアムロへと説明を始める。 「今まで、地球に降りる事を想定してませんでしたから気にも留めて無かったのですが、地球にはザフトに因って多くのニュートロンジャマーが投下され、核分裂が抑制されている状態なのです」 「要はνガンダムは動けなくなるって事です。アークエンジェルみたいにデカいのなら核融合炉型エンジンだし問題は無いが、このクラスのモビルスーツが積み込めるって言ったら、良いとこ核分裂型エンジンでしょ?」 ナタルの説明がまどろっこしいのか、マードックは完結に内容を伝えると、νガンダムのエンジンが核分裂型だろうと言う自分の推論が正しいのかアムロに聞いて来た。 二人の説明を聞いたアムロは頭の中を整理するとνガンダムについて、最初の頃にした自分の説明が不十分だったのかと思いながら、少し困った顔をして言う。 「……いや、νガンダムは融合炉エンジンなんだが……言って無かったか?」 「「――えっ!?」」 「……どうしたんだ、二人とも?」 アムロの言葉を聞いたナタルとマードックは絶句しながらνガンダムをマジマジと見詰めた。 二人の余りの驚きように、驚いたのはアムロの方だった。 「……いや、聞いてませんて!それにしても……マジ……ですかい?あの大きさで融合炉を?」 マードックは、まるで機械人形の様な動きでゆっくりとアムロの方に顔を向けると、νガンダムを指さして聞いて来た。 「ああ、そうだが」 「……何て技術を有した機体なんだ……」 アムロが頷くと、ナタルは驚愕の表情でνガンダムを見上げた。 ナタルの言葉を耳にしたアムロは、首をさすりながら正直な感想を漏らす。 「俺からすれば、バッテリーで動いてPS装甲なんて代物が有る、この世界の方が凄いと思うが……」 「……世界の技術進歩の違いと言う事なんですかね……?」 「かもしれないな」 ナタルはアムロに顔を向けると、頭の中で思った事を素直に言った。 アムロはナタルの言った事も可能性として有り得ると受け止めながら頷いた。 「何にしても、νガンダムの方は最大の問題は解決か……。設備と人員と時間がちゃんと有るなら、一度バラしてみてえなぁ……」 マードックが安心したように肩を撫で下ろすと、メカニックマンとしての素直な思いを口にした。 きっとそれはマードックだけでは無いだろう。この世界のメカニックマンからすれば、νガンダムと言う機体は、余りにも魅力が有りすぎるブラックボックスなのだ。
整備兵達に因って取り押さえられたミリアリアは、両膝を床に着け、俯いたまま涙を流していた。 アムロ達から離れたムウは、ミリアリアが何をしたのかと疑問に思いながら整備兵達に声を掛けた。 「おい、俺が話し聞くから退いててくれるか?」 「あ、はい」 整備兵達は頷くと、その場を離れて行った。 ムウはミリアリアを見下ろすと、その手に血が滲んでいるのに気付き、呆れた表情で口を開いた。 「……人の手で殴ったとこで鉄の塊が壊せる訳ないだろ。一体、何やってんだよ、全くさ」 「……ごめんなさい……。でも、キラがあんな目に遭って、トールが本当にモビルアーマーに乗るって決まって、辞めてって言ってもトールは聞いてくれなくて……」 「だから、これが無くなればと思ったのか?」 「……はい」 ミリアリアは俯いたまま頷いた。 ムウは「やっぱりな」と、聞こえない様に呟き、真剣な表情を見せた。 「だがな、これが無けりゃ、船を守れんのは分かってるだろ?それに、あいつは自分から志願して来たんだ。気持ちは分からんでも無いが、宇宙に居た時と状況も違う。こっちとしては断る理由も無い」 「じゃあ、トールが戦って死んじゃってもいいって言うんですか!?」 ミリアリアは思いやりも無い言葉に怒りを覚え、ムウを睨みつけた。 しかし、ムウは、それでも厳しい言葉を止める事は無かった。 「……悪いがな、あいつがもし戦って死んじまったとしても、それはあいつの運が無かったって事だ。俺にしてやれるのは、そう成らない為にきっちりと育て上げる位だ。 俺もアムロもキラも……、直接戦って無い奴だって、必死に戦って生き残ろうとしてる。それはお前もそうだろ?」 「……だけど!」 「何回か話し合ってんだろ?トールは、お前に何て言った?」 「えっ!?……えっと、キラを助けてあげたい……あと、守りたい物があるって……。それから、一緒に生きて帰ろうって……」 ミリアリアはトールの言った言葉を、一つ一つ確認するかの様に口していった。 するとムウは、穏やかな顔つきでミリアリアの目線に合わせる様にして腰を落としてた。 「こっ恥ずかしい台詞吐いちまってな……。でもな、守る物が有る奴は強くなるぜ。あいつの言葉を信用するかは、お前次第だが、自分の男が何かを守ろうと決めたんだ。少しは見守ってやってもいいんじゃないか?」 「でも、それで死んじゃったら……」 「そう成らない為に俺が戦い方を教える。絶対とは言い切れんが、やられない様にフォローもする。見込みが無いなら、とっとと下ろすしな。教官がエンディミオンの鷹じゃ不満か?」
ミリアリアはどう答えて良いのか分からず、俯きながら首を振った。 ムウも、これ以上は説得するのは諦めたのか、疲れた様子で立ち上がった。 「まぁ、嫌だと言っても、本人が乗る気で居る訳だし、俺としては乗せない訳にはいかんのよ、諦めてくれ。その分の努力はこっちもすっからさ」 立ち上がったムウは格納庫に入って来たトールを見ながらミリアリアに言った。 それは、今のミリアリアにトールの行動を左右する権利は無いと言われた様な物だった。 ミリアリアは俯くとその瞳に涙を滲ませる。 今までの事など知らないトールは、息を切らしながらミリアリアの前までやって来た。 「――ハァハァ……ミリアリア……ハァハァ……こんなとこに居たのか……ハァハァ……」 「……トール」 「おせーぞ!自分の女の場所くらい、直感で当てろよ!」 「……ハァハァ……済みません」 「それよりも、早く医務室へ連れてってやれ。……トール、まだ疲れてないだろうな?」 「ええ、元気です!」 トールは頷いて、いかにも元気だと言わんばかりの表情を見せた。 ムウは表情を引き締め、背後に有るスカイグラスパーを親指で指しながら低い声で言う。 「スカイグラスパー二号機は、今日からお前の機体だ。こっちとしても簡単に落とされちゃ堪らんし、俺はお前の彼女の恨みを買いたくないからな。医務室に届けたら戻って来い。今から訓練を再開する」 「分かりました!宜しくお願いします!」 真剣な表情で言うムウを見て、トールは、自分が本当の意味でモビルアーマー乗りになる為の訓練が始まる事を感じ、思い切り背筋を伸ばして敬礼をした。 そして、ミリアリアの手を取り、医務室へと歩いて行く。 ムウは二人を見送ると、スカイグラスパーへと歩み寄り、「頼むぜ」と言って機体を撫でる。そして、踵を返し、アムロ達の元へと歩いて行った。
皆さん、こんばんわー! 今回も至らない点があると思いまするが、何卒ご了承ください えっと、今回は地上篇突入序章みたいな物?です 前回、ムウがあまり出てなかったんで大増量してみますた 嫌な役回りもさせてみましたが、こういうのも必要かなと思います それにしても台本書いてる時に台詞に合わせて 自分の表情が変化してるのには笑いますたわ |・∀・)ノシ デワデワー
GJです!! いや〜イザークが無事でよかった。しかしニコルは・・・アスランかばうよりもストライク落とすこと優先してしまいそうw アムロもC.E.MSを分解したいんだろうな・・・
GJ!!!!!!!!
GJ!!! アスランは二コルに後ろから撃たれるんじゃ無いだろうか・・・ しかし、どこのクロススレ行ってもアスランは扱いが酷いなww
GJ 今回も面白いなーwwwナタルさんwwwwwwww 凸のヘタレっぷりが気になるがどん底まで叩き落されてそこから成長するとかなのかなあ ちなみに宇宙世紀MSのミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉は 正確には核融合炉ではないんだぜ
98氏乙っす
今回の菜樽なんか見覚えある状況…w
>>283 ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉(ミノフスキー・イヨネスコがたねつかくはんのうろ)は、
『機動戦士ガンダム』への後付設定として『ガンダムセンチュリー』より登場する、
ジェネレーター技術及び装置の一種。宇宙世紀のモビルスーツや艦船などはほぼ全てが
この熱核反応炉を使用している。
ヘリウム3による原子核融合を行う技術である。この際に発生する熱や放射能を
Iフィールドで押さえ込むことにより、安全なエネルギー供給技術となった。
ヘリウム3の核融合では反応前と反応後で質量の変化がないため、核融合炉ではなく
核反応炉という名称となる。
『機動戦士ガンダム』などではこの熱核反応炉が爆発するような描写があるが、
核融合は暴走することはないため、本来は爆発することはない。このため、一部の資料では
熱核反応炉を構成する装置(冷却装置など)が爆発するだけであり、
熱核反応炉自体は爆発を起こさないと記述されている。
これやね。Wikipediaからとってきたまんまだけど。
>>284 そうそう。
てかwikipediaこんなのも載ってるのかwwwww
しかも細かいwwwwwwwすごいなwwwwww
GJ!!
アスラン、拙いなぁ。
親父が勝手にもみ消しちゃってるし。
まあ、遺伝子信仰のようなものがあるプラントでは、この行動はある意味仕方ないのかもしれません。
アスランの能力が疑われる=パトリックの能力(遺伝子)も疑われるですし。
ただ、パトリックのこの行動は絶対にいい結果を生み出しませんね。
書類上の記録は消せても現場の人間の記憶は消せないから、後々拙い事になりそうだ。
AAは核融合炉っすか。
確かにハッキリさせといたほうがいいかもしれませんね。
ツッコミ所は残ったままですが、本編のように動力不明のまま進行されるより余程マシってもんですよ。
それにSS自体が面白いから、これが非常に些細な問題に思えるw
>ナタルの男性への免疫の無さは驚きに値する。
ウホッ!いいナタル!!
実際の女性士官は男性の裸なんて見慣れたもんなんでしょうけど、ナタルだからおk。
次回も楽しみにしております。
>>284 これは核分裂炉とも違うって事なんですかね?
>>286 「核融合」は原子核の合体。核融合の中でも反応前と後の質量変化が無いものを「核反応」という。
「核分裂」は原子核の分裂。
スレ違いだけど、こういうのwikipediaを読んでると時間を忘れるな。面白くて。
288 :
287 :2007/04/05(木) 10:17:07 ID:???
なんてこった、忘れてた。 98氏GJです。 ユウキがクルーゼとの間に入ることで、しっかり統制が取れてる感じがします。 なんつーか、原作より組織っぽい。
98氏ぐっじょぶですー アスランがカッコよく扱われてるなんてX運命くらいのもんじゃないかなぁとおもうなぁ 横道でとことん弄られまくってるけど……
Wスレのアスランは比較的格好いいかも
本編自体が 「何処が正規の教育を受けたエリート軍人なん?」 な人だから…。 MSの操縦技術ぐらいしか見るべきところはない。
ザフトの連中って皆そうじゃないか 特に赤服 正規の教育って実は技能しか教えてないんじゃね?
誰か、各職人さん達のアムロが、CE世界において墜としたMS・MA・艦船の数をまとめてくれる方はいないだろうか?(作中のわかる範囲で) 出来れば、その時の搭乗機も。奇特?な御仁求む!
>>283-284 >>287 ご指摘ありがとうです
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の名称は知ってたんですけど
おいらは内容的に核融合炉として認識してましたわ
>>286 AAはレーザー式?核融合炉エンジンの設定だったはずですわ
確かECの融合炉はエネルギー効率が悪いとか何とかで小型化に失敗してるんじゃなかったかな?
読んでくれてる皆さん、ありがとうです!
とりあえずνガンダムのエンジンはNジャマーの影響を受けないと言う事で皆さまにはお願いいたします
文章は追々修正したいと思いまするよ
ちゃんと設定を確認しておけばよかったなと反省・・・orz
凸さんの成長は楽しみにしていてくださいませ
キラや友人達、勿論、大人の人達も悩むだろうし色々書けたらと思っておりまする
話の速度がなかなか上がらないですが、最後までおつきあい頂けたら幸いです |・∀・)ノシ オイラハ シゴトモドルッスヨ!
>>292 元々自分達はナチュラルより勝っているから奴らに学ぶ事など無いってのが
プラント在住のコーディネイターの基本思想としてある”らしい”から、
ザフトの組織は通常の軍隊とはあえて違う形態にしてあるそうだ。
その弊害の一つだあね。ナチュラルとの違いを意識し過ぎて悪い結果に…。
>>287 科学用語だと核分裂も核融合も核反応なんだけど、ねw
GJGJ! ところで…… 【こんなミリアリアは嫌だ】 ・飛竜破岩掌を極めているWWWA所属の神拳ミリアリア ただなんとなく書いた、今は反省してる
>>299 初登場でカジノ暴走させて惑星壊滅させたアレか。安彦御大の絵だとどう見てもヤバスw
【こんなミリアリアは嫌だ】 ・身長12m程 ・機動強化服着て戦ってる ・ライバルと銭湯中に恋に落ちる ・数十年後には教育ママの市長さんに
銭湯中・・・エロいな
>>287 dクス!
>>294 >AAはレーザー式?核融合炉エンジンの設定
正確にはレーザー核融合パルス推進のはずです。
種の設定担当が「核融合は可能だが、核融合発電は実用化に失敗していて、宇宙船の推進用レーザー核融合パルス推進だけが唯一可能。」
と訳の分からないことを言っており、艦内のエネルギーを生み出すための動力炉に関しては未だに不明なんですよ。
それに核融合発電が存在する事になると、種は話の根底部分の一つが崩れちゃいますから。(既に破綻してるような物ですが)
……森田は本当に死ねばいいのに。
でも、SS内の設定はこれでいいと思いますよ。
お話が面白いから、多少の矛盾は全然気になりません。
因みに自分の脳内設定では、種に存在する全ての戦艦はソーラーエネルギーで動いてる事になっています。
まぁ、これでも矛盾は出ちゃいますけどねw
>>304 実は結構リアリティあるんだよね、核融合が出来て発電が出来ないって。
ITERこけてNIFは出来たけどMHD発電できませんでしたなんてことになると現実でも・・・
現に今も水素爆弾とかあるしね。核融合の温度に耐える素材さえあれば明日にも核融合発電は可能だとか。
水素爆弾は核融合を起こすために原爆を使ってるんですが…
核融合の理論『だけ』は完成しているって話だっけ? とてつもない高温で、実現が出来ないとか
核融合が起こる高温状態を維持できない。 そのためすぐに止まってしまう。
310 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/05(木) 20:21:50 ID:aKBKI+vw
しかし、ガンダリウム合金に比べればPS装甲なんぞたいした物でもないと思うのだが。 やたら重いし、種世界程度のビームにも無力だし。 ガンダリウム・コンポジットならあれくらいのビーム弾けるんじゃないか?
>>259 ストフリ=百式とかなら、ストフリ以上の機体だわな。
ストフリはネモと同程度と言う結論が出ている。
そういうのは止めろ。荒れる。
昔同級生に、水素爆弾のほうが原子爆弾より威力があると言うことをいくら説明しても、 そんな事ないよ水素なんか〜と納得しなかった奴がいる。
水素が燃えて水になる爆弾だと勘違いしたままだったんでしょうな。
νは地上で動かすことを前提に設計してないんじゃないの? 詳しく教えて すれ違いになるかもしれんが
>>316 脚部が有る事を考えれば地上での運用も考慮されてたんじゃない?
ジオンの再興に出て来るRX-92B 試作型νガンダムは地上で試作型サザビーと戦ってたよ
>>308 理論だけなら1950年代には完成してたんだけど、核融合を引き起こせる
高温高圧状態を維持するのが無理だった。瞬間的には核分裂爆弾を
使って出来てたけど。
そこら辺は考察スレでやった方がいいんじゃないか?寂れてるし。
コズミック・イラ73年10月3日。百年単位で安定軌道にあったユニウスセブンはその軌道を大きく離れていき、地球へと向かって動 き出していた。 これに気付いたプラントは緊急事態として、ボギーワンを追撃していたミネルバに乗艦していたギルバート・デュランダルに報告。デュ ランダルはこの事態を重く見て、全世界に向けてユニウスセブンの落下という重大な事実を伝えた。プラントはザフトからジュール隊をユ ニウスセブンの破砕に派遣、衛星軌道上に近かったミネルバもデュランダルの命の下、そのジュール隊の破砕作業の支援という事になった。 しかし、それは思いも寄らぬ道筋を辿っていた。 ジュール隊が『メテオブレイカー』によって破砕作業を行なっている最中に所属不明のモビルスーツ部隊に襲われた。襲撃にあったジュ ール隊は作業と同時に応戦を開始。後方で待機していたミネルバは支援要請から援護要請に変更、その携行武器も破砕を行なう為ではなく 、戦闘の為にという事に変更された。 だが、事態はそれだけに止まらなかった。 存在を明らかにしていなかったボギーワンが突然姿を現したのだ。ボギーワンはモビルスーツ部隊を出撃させ、その中には強奪されたカ オス、ガイア、アビスの三機の新型モビルスーツの姿もあった。ユニウス落下という事態でありながら、三つの勢力は入り乱れながら戦闘 を行なっていた。 唯一つ、誰も予期せぬ事態が起こっていたとは知らずに……。
ユニウスセブンが地球への落下が未だ止まらぬ中で無数の光が交差する。交差する度に時間を置いて爆発するのはユニウスセブンが瓦解 する光ではなく戦闘するモビルスーツの爆発だ。そこには作業しているジュール隊のモビルスーツもあり、無防備となった背中を撃ち抜く 黒と紫の色彩に彩られたジン・ハイマニューバU型はビームカービンを外殻に設置されたメテオブレイカーへと照準を向ける。 『―――!?』 が、ビームカービンから光の一条は放たれず、ジン・ハイマニューバU型は突如側面から襲い掛かった巨大な光条に貫かれて二つに分か れて爆散した。 「おいおい、これじゃあ作業する前に落ちちまうぜ?」 長大な砲身を構えた緑色のガナーザクウォーリアーのパイロット、ディアッカ・エルスマンは常の陽気な冷静さからは考えられない焦り の声を出す。ガナーザクウォーリアーのモノアイは左へと動き、作業の邪魔をしようとするジン・ハイマニューバU型を捉えると脇に構え たオルトロスを向け、その咆哮を響かせた。 しかし、それを悟っていたのか寸前で上昇して避けたジン・ハイマニューバU型の動きにディアッカは思わず舌打ちする。 『泣き言を言うな!それでもザフトか!!』 その側面、青に彩られたスラッシュザクファントムが長柄の斧を形状としたファルクスを上体を捻りながら相対するカオス目掛けて振り 被る。カオスは後ろに下がる事で避けようとするが、ファルクスの牙から逃れる事が出来ずに左肘から先を寸断させられる。だが、スティ ングは数度打ち合っただけでスラッシュザクファントムの欠点を見抜いていた。 それはスラッシュザクファントムが接近に特化した機体だという事だ。長柄の武器は自然と両手で握らねばならなくなり、ビームライフ ルは持てなくなる。あの肩部に付いている二門の銃砲もすぐには使えまい。カオスは右手で握ったビームライフルで既に狙いを定めており 、後はトリガーを引くだけ。スティングはほくそ笑み、 『この程度で俺を―――なっ!?』 スラッシュザクファントムの脇からカオスに迫ってきたハンドグレネードの存在に驚愕した。ハンドグレネードはカオスの前で爆発して 、その爆風でカオスを吹き飛ばす。スティングは衝撃に悶えながらもモニターに映った映像に僅かに目を見開く。 スラッシュザクファントムの背後、ディアッカが乗るガナーザクウォーリアーが後ろを向きながら片手だけをオルトロスから手を離して カオスに掌を向けていた。ディアッカは咄嗟にハンドグレネードを放り投げてスラッシュザクファントムを守ったのだ。 「でもこれじゃあどうしようもないぜ?イザーク」 そう呼ばれたスラッシュザクファントムを駆る、イザーク・ジュールは背中合わせになった親友のとぼけた言葉に不甲斐無さから来る怒 りを声に出す。 『ならばどうにかしろ!こんな物を地球に落とさせるわけにはいかんぞ!』 ディアッカは、やれやれ、と思いながらもイザークのそういう真剣な所が面白いから良いんだけど。等と不謹慎なことを考えた。 「はいはい、それじゃあさっさと済ませようか」 『行くぞ!!』 イザークの掛け声と共に二機の機体はそれぞれ別方向へと駆けていく。
落下するユニウスの地表に背後に光を追随させ、フォースインパルスが幾度目かアビスとの激しい攻防を見せつけていた。 アビスが展開してビームランスで横一閃に薙ぎ払って距離を取ろうとする。対するフォースインパルスもアビスの火力の高さは理解して いる為に機動防盾を構えて距離を詰め防ぐ。 『お前、さっきから邪魔なんだよ!』 「チィ……ッ!作業はまだかよ!?」 焦燥する気持ちをシンは叫ぶ事で冷静にさせようとする。 その後ろにはジュール隊所属のゲイツRがメテオブレイカーに取り付いて作業を続けていた。それを見つけたアビスはゲイツRを撃墜し ようとした所をインパルスが阻んだ。そして、シンはゲイツRを守りながら守勢に回ざる得なかった。アビスもゲイツRを墜とそうとする が、フォースインパルスがアビスに接近戦を仕掛ける事で己の能力を発揮出来ずに今に至る。 『この……ッ!』 しかし、膠着した状態に苛立ったのかアビスがスラスターを全開にして突撃してきた。片手で握り直したビームランスの切っ先はビーム 刃の煌めきを残光を見せながら刺突を繰り出す。シンはその動きを好機と見て、機動防盾の外部装甲を上下に縮ませスライドさせる。同時 にインパルスの上体をアビスの半身より下に屈ませる。 『なに……!?』 アウルがフォースインパルスの一連の動作を見て危機を直感的に悟る。 だが、インパルスは既にビームランスの辿るだろう軌跡から外れ、取り回しが良くなった機動防盾をアビスのビームランスの切っ先の表 面に滑らせて防ぐ。重く鈍い音を、無音の宇宙空間に響かせるのは想像に難くない。 「今だっ!」 瞬間、シンの言葉に応じてフォースインパルスは機動防盾を持つ左腕を上へと爆ぜさせた。軽い光を散らせてアビスのビームランスを握 っている腕を弾かせたのだ。シンは体勢の崩れたアビスの懐へインパルスを潜り込ませて、下に構えていたビームサーベルを袈裟斬りに跳 ね上がらせる。 取った……っ!! 絶対の確信はアビスの隙を詰めた事で確実となる。 「―――えっ?」 筈だった。 側部に衝撃が走る。それが何かに吹き飛ばされたと気付いた時にはアビスは危機を脱していた。
「くそっ!一体なんだ―――って、ルナぁ!?」 シンは愚痴りながらぶつかってきた相手を確認すると、フォースインパルスに前でくっ付くように居たのは赤という特徴的なカラーリン グを施されたガナーザクウォーリアーだった。コクピットのサブモニターに映った少女、ルナマリア・ホークは頭を擦りながら気の抜けた 声を出した。 『痛たたた……っ』 「何やってんだよルナ!」 シンが怒鳴るのも無理はない。せっかく追い詰めたアビスを墜とせなかったのだ。その邪魔をした原因に憤りをぶつけるのも当然と言え る。 ルナマリアもシンにあからさまにそんな事を言われるものだから口を尖らせて拗ねた表情をする。 『そんなに怒鳴らないでよ、私だって好きで邪魔をしたわけじゃない―――うっ!?』 「だったらなんで―――クッ!?」 問い詰めようとしたらフォースインパルスの左に緑光が通過した。シンは正面に向き直るとアビスの前に出て、ビームライフルを構えた ガイアの姿があった。シンはすぐに状況を理解してビームサーベルを刀剣状から解除する。仄かな光を散らせてビームサーベルを発生機器 の柄をフォースシルエット上部に収納し、背部に接続していたビームライフルを取り出す。 「ルナは援護!俺が分断させる!」 シンはそう言うや否や、ルナマリアの返事も聞かずにメインスラスターから漏れ出る輝きを発して正面から突撃した。ルナマリアは遠ざ かってアビス、ガイア二機に向かっていくフォースインパルスの背中を見ながら呟く。 『もう、せっかち……ね!』 しかしその手は一切休めずにオルトロスの砲門をフォースインパルスの脇へと照準を合わせ、その咆哮を轟かせた。
『ステラ!来るぜぇ!』 「わかってる」 アウルの言葉に端的な呟きで答えたステラは、接近してくるフォースインパルスに狙いを定め――― 「なに……っ!?」 フォースインパルスの脇から赤い大きな光を見た。赤光はユニウスセブンの小さな破片を巻き込んでガイアとアビスに迫ってくる。その 砲撃から逃れようとアウルは上へ、ステラは左へと動いた。赤光はガイアとアビスには当たらずに落下するユニウスセブンの表面を溶解さ せ、砕いた。 破片が飛び散る中でステラはガイアの頭部を動かしてフォースインパルスを探そうとして、 『バカッ!上だ!!』 アウルの叫びがコクピットに響く。ガイアは上を向くと、上方からフォースインパルスが猛烈な勢いでガイアへと迫っていた。ガイアは ビームライフルを撃とうとしたが、突如、瓦礫がガイアの視界を遮った。 『はあぁぁぁぁぁ―――ッ!!』 だが、それはフォースインパルスも同じ。しかし、シンがその勢いをもって叫んでフォースインパルスを各部のバーニアスラスターで姿 勢制御を行いながら、瓦礫に向かって蹴りを繰り出した。フォースインパルスの速度を以ってぶつかった瓦礫はガイア目掛けて動き出す。 突然起こった事態にステラは理解出来なかった。動き出した瓦礫はガイアを潰そうとして、ステラは咄嗟に機動防盾を前面に突き出した 。衝撃と混乱、その二つが同時にやってきてステラを後ろへと吹き飛ばした。 「くうぅぅ……っ!!」 苦悶の声を出すステラ。すぐ後ろにはユニウスセブン地表が迫る。それを横目に捉えたステラはレバーを押しながらガイアの姿勢制御を しようとするが勢いは止まらない。ならば、と思ってステラはガイアを変形させた。四足の獣の姿となったガイアは、地表へと四つの足を 落として煙と破片を散りばめさせながら着地する。各部のスラスターから光を噴射させてガイアはようやくその動きを止めた。 「……お前ぇぇぇ!!」 表情を怒りに変えたステラは吼えた。 『コイツ、まだ!?』 シンは獣の如く走るガイアに、標本でしか見たことのない狼を彷彿させる。 ガイアは背面、姿勢制御ウイング前面に淡いビーム粒子を漏らし、バクゥに搭載されている口吻部ビームサーベルと同様の原理で固定化 させる。翼のように伸ばしたビームブレイドはガイアが左右へと跳びながらフォースインパルスに迫る。 後方にいるルナマリア機はオルトロスを構えて阻止しようとするが、横合いからアビスが両肩部シールドを拡げて胸部のカリドゥス複相 ビーム砲と三連装ビーム砲の一斉発射が邪魔をする。 『くっ、邪魔よ!』 『へっ、やらせないってね!』
シンは二機の交戦を感じるが気を向ける余裕はない。モニターの端には未だ作業を続けているゲイツRの姿があり、今下手に動けばガイ アがゲイツRの方に行くかもしれない。フォースインパルスはガイアに向けてビームライフルを撃つ。しかし、ガイアの不規則な動きがそ れを許さない。 「だったら!」 フォースインパルスのビームライフルを手放してビームサーベルを引き抜く。ビームが集束して刀剣条に固定化されるとインパルスはガ イアを待ち受ける。 当たらないなら引き付ければ良いだけの話しだ!! シンの思惑通りにガイアはフォースインパルスの手前で地表を強く踏んだ。それが跳び掛かる動作だと察知して、シンはいつでも合わせ られるように手足に力を籠めた。 ガイアが跳ぶ。 フォースインパルスが構える。 ステラの言葉にならない叫びを木霊した。 シンは無言でガイアの挙動を一切見逃さない為に目を細めた。 そして、二機の機体が交差を――― 「えっ……?」 『うっ……!?』 寸前、宇宙が揺れた。 次の瞬間にはユニウスセブンの中心から広がるように光が発した。それは交戦する者達も、破砕作業する者も、そこに居た全ての者を呑 み込んで、包んでいった。
「何が起きたの!?」 ミネルバのブリッジではタリアは予期せぬ事態に声を荒げた。 「艦内の計器が異常な数値を出しています!インパルス、他三機にも通信出来ません!」 答えたのは管制官のメイリン・ホーク。赤を着るパイロットであり姉のルナマリアを持つ彼女は冷静に努めて報告する。 「なんだってぇ!?どうしましょう艦長!?」 だが、それに驚いた叫びを出すのは副長のアーサー・トライン。アーサーは副長という立場とは思えない気の動転振りでタリアの方へと 身体ごと向く。タリアも自分以上に混乱しているアーサーを見て、冷静になった。 アーサーは優秀ではあるが、こういった突然の事態に弱い。生来からの気の弱さのせいか実力を出せないでいるのは艦長としては歯痒い 気持ちになるが、アーサーのような存在は自分にとっては冷静さを与えてくれるのである意味良かったりするのだが……と、タリアはそん な考えを頭を振って消して、後ろに座っているデュランダルに意見を問う。 「どう思われますか?」 「どう……とは?」 「この光の事です。出来れば議長にはもしもの時に備えて脱出して貰いたいのですが……」 光。タリアを除くブリッジ要員の全員は先すら見えない光に目を奪われている。しかし、その中でデュランダルだけは冷静な面持ちで光 を見ていた。 「君はこれが敵の仕業だと考えるのかね?」 「断定は出来ません。ですが、良い状況とは思えません」 「そうだな。だが、まだ破砕作業を行なっているのだろう?」 「ええ……」 「なら懸命に作業を行なっている彼等に任せて、我が身可愛さで私だけ逃げるわけにはいかないよ」 「ですが」 言葉を続けようとしたタリアにデュランダルは首を振って遮る。 「わかっている。もしもの時は君に従おう……タリア」 最後に語尾を優しく、そして懐かしむような目でデュランダルはタリアに視線を移す。タリアは少し目を伏せて、 「はい……」 すまなそうに頷いた。
フォースインパルスのコクピット。シンは突然発せられた光の中で首を回して状況をなんとか把握しようとしていた。 「なんだよ、これ……」 最初は敵の兵器かと思ったが、無防備になったフォースインパルスに何の衝撃もない事からガイアにとってもこれは予定にない事態だと わかった。しかし、それだけではこの状況が変わるわけではない。シンはミネルバに通信を行なって対処しようとしたが、この光は何らか のジャミングもあって出来なかった。 「くそっ!これじゃあ何にも―――」 そう言い掛けて、目の前の光に大きな影が浮き彫りになっていくのが見えた。 「なんだ……?」 その光景にシンは不気味に思った。それが敵なのか味方なのかという事ではなく、ただ不気味としか思えなかったのだ。 影は段々と鮮明になって姿を現す。その大きさからモビルスーツクラスのものと理解して、シンはようやく気を引き締める。影が鮮明に なっていく程に広がった光も収まっていくのに気付いたからだ。 足はペダルをいつでも踏めるように力を籠め、 手はスロットルを握って一切手を離さず、 目は一瞬も逃さないように鋭くなり、 口は真一文字に引き締まり、 「なっ――――」 呆然と我を忘れた。 光が消え、目の前に現れたのは見たこともないモビルスーツだった。突如、現れた白く塗装されたインパルスの頭部に似たモビルスーツ は静止していたガイアとフォースインパルスの間に、その通り、静かに佇んでいた。 静止する三機のモビルーツ。しかし、先に動いたのはガイアだった。 『なんだ、お前……』 疑問は当然だ。ステラは自分の邪魔をした目の前の白いモビルスーツを睨み付ける。だが、それに反して白いモビルスーツは沈黙を守っ ていた。 『なんだ、お前はああぁぁぁ!!』 ガイアがモビルスーツへと変形してビームサーベルを引き抜く。そして、ステラの叫び応えてガイアが白いモビルスーツへと目標を変え て跳び掛かる。 「不味い!」 シンはガイアの行動に思わず声を大きくする。シンの懸念は当たって白いモビルスーツは動きを見せない。ガイアのビームサーベルは白 いモビルスーツを断ち切ろうと振り払い、 『えっ―――く、ああぁぁぁっ!!』 突然動いた白いモビルスーツに跳ね飛ばされた。 シンは一瞬、その動きに目を奪われた。振り払われたビームサーベルを僅かに動かしたシールドで受け、ガイアの腕に掛かる力を利用し て外側に流れるように微細な調整をした。受け流されたビームサーベルごと体勢を崩されたガイアに、反撃すら許さずに右側のバックパッ クに収められた「鍔」を持つ独特な形状をした大型の柄を取り出す。 白いモビルスーツは手に取った柄を振り上げ、瞬間的に曲刀状に形成されたビームがガイアの右腕を切断する。ガイアの右腕はあらぬ所 に飛んでいき、白いモビルスーツは懐へと飛び込んで蹴りを見舞わした。ガイアは今度はユニウスセブンへと叩き付けられた。その一連の 動作にシンはただ見惚れていた……。
とりあえず何とか電波終了。 そろそろ表現が行き詰ってきたんで小説でも読もうかなぁ、と考えてるこの頃
ナイス電波!
>>329 乙
話しはいいんだけど…
字切りがすごいことになってて読みにくいのがもったいない
>>329 乙!激しくナイス電波
もうコテも電波にしちゃいなよw
乙ジーグブリーカー!!! ……すまん、興奮が抑えられなかった。
ちと読みにくす
336 :
3倍 :2007/04/06(金) 07:30:24 ID:???
ジークジオン
νうっひょーww
338 :
3倍 :2007/04/06(金) 09:55:13 ID:???
ジオン軍のMAはビグザムが1番かっこいいよね
乙!νガンダムでユニウスセブン押し返す事は可能?
>>338 何を言う!ザクレロだ!?
>>340 ザクレロか・・・
そういや前になんかの雑誌で(たぶんダムA?)2機のザクレロに角つけて赤と青に色わけして節分の鬼役にしてたのあったな。
めっちゃ似合いすぎて吹いたのは俺だけではないはずw
342 :
3倍 :2007/04/06(金) 14:59:06 ID:???
アッザムも好きだな
たまにはビグロのことも思い出して上げてください
ブラウ・ブロ、忘れんなよっ!
エルメスとかブラウブロとか見ると、モビルアーマーと宇宙戦闘機は何処で区別してるんだろうと思う 種のメビウスなんかもそうだけど
まず種世界とUC世界は別物と考えた方がいいと思うよ。個人的にはだけど。 種世界は簡単だと思う。人型がMSで、そうでないのがMAでしょ。 種の航宙戦闘機に覚えが無いけどサ。 UC世界は微妙だよな。形で選別しているわけではないみたいだものな。Gアーマーとか。 もしかして、戦闘力の強弱でつけてんのか? んなわけないか。
UCのは人型に拘らなかったのがMAだったような 汎用性を捨ててMSを超える戦闘力を獲得した存在 だからボスキャラ的扱いを受ける事も多い CEのもザムザザー等の出現によって大意では同じものになった それまではMS未満の存在だったっぽい
>>346 種の航宙戦闘機というと、コスモグラスパー(MSVより)とか?
それと、ザフトにはバクゥ等の四脚型「MS」が存在しているわけだが。
まあこれはザフトの「MS=弱いもの(或いはナチュラルの使うもの)」という差別意識に起因しているだけで、
のちにMAと認識を改められる可能性もあるけど。
349 :
348 :2007/04/06(金) 17:29:11 ID:???
訂正 四行目のMSはMAの書き間違いですorz
?
>>348 バクゥ……たしかにあったな、そんなMS。すっかり忘れてた。ラゴウもあったな。
となると、何で区別してんだ、種世界? まさか本気で戦闘力か?
設定自体が適当な作品だから、兵器の区別も適当、ってわけじゃなかろうな。
種世界は四肢があるものをMSと呼ぶんじゃなかったか? UCは単純に非人型で強いものがMAでいいかと。というかMS登場以降は宇宙戦闘機必要ないし、MS登場以前はMAは存在しないはず
いや、以前からあるメビウスはMAと定義されてたはず。
356 :
353 :2007/04/06(金) 18:44:34 ID:???
>>354 後半はUCの話ね。種は強さ関係なくすべてMAかと
そういやUCでもメガライダーとかGディフェンサーとかがあるんだよな・・・あれはMAじゃないよなぁ
あとは考察行きます
357 :
3倍 :2007/04/06(金) 18:46:51 ID:???
MAはファーストが1番いいよねそういえばビグロマイヤーってMAあったよね
単に足があるのがMS、足がないのがMAと考えた ○○支援機辺りのカテゴリーじゃないかな>メガライダーとか
UCは運用目的によって分けてた気がする
サイコガンダムをMAと言ったりするしなあ
サイコガンダムは可変MSだからMA形体も普通にあるぞ?
MS形態のある可変MA MA形態のある可変MS さあ、違いは何処だ
機体のサイズ?
どちらの形態が主かだ。 実は定義はあいまいなんだが……
母艦から発進させる時にどっちかということじゃないの?
インパルスは「戦闘機」だからMSには含まれません! バナナもおやつに含まれません!
インパルスは発進する時はコアスプレンダー。 あくまで合体した時だけインパルス。モビルスーツに合体する機能のある戦闘機という扱いのはず。
それでMS保有数を誤魔化すのも狙いだったハズ
371 :
3倍 :2007/04/07(土) 07:32:03 ID:???
アプサラスVもすごくいいよね
>>370 その設定て書籍で見たことないんだけど?本当なの。
誤魔化すと言うか、コアスプレンダー1機あたりをMS1機として計上して、 様々なチェスト、レッグ、シルエットを用意し、どんな状況でも使用可能な 究極の汎用MSにする事による、少ない保有数を有効に活用するという事だったはず Dアストレイでそんな風に書いてあったと思う
>>370 >>373 両方とも聞いた事あるような
少なくともMS数制限が関係してるのは確実なんだろうか?
wikiの記述から インパルスに3つのパーツからなる分離・合体機構を採用した理由の1つに、 ユニウス条約に規定された「MSの保有数の制限」の規制をパスする目的があったのではないかとも推測される。 インパルスを「1機のMS」では無く、合体してMSとして「も」運用出来る「3機の航空機(航宙機)」と考えれば、 制限された機体数以上のMS(インパルス)を保持しても条約違反には問われないのではないかと考えたと思われる。
だからお前ら考察スレでやれよ。
378 :
3倍 :2007/04/07(土) 16:13:03 ID:???
インパルスよりジムのほうがいい
>>375 休戦条約で全長1000m以上の艦艇の新規建造が禁止されたため、全長は999m全幅8500mの巨大戦艦造った某作品を思い出した。
今回の電波は体調が悪いんで遅れそう。遅くても一週間くらいかもorz
>>333 という訳で電波にしてみた
最近、SSまとめwikiの方が、更新されてないな。
ユー、やっちゃいなYO!
384 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/07(土) 23:40:30 ID:s1bOFmdG
385 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/07(土) 23:59:01 ID:n/8RThvW
だからノアはガチですって!
ノアオタは自重できないからきめえ 死ね
マダかな マダかな〜 職人の皆さんマダかな〜♪
なんかまとめ目に悪くなってない?
職人の皆さん 学業お仕事を考え 自分のペースでお書き下さい(建前) 禁断症状がーーー早く次の話を・・・(私の本音)www
>>389 今、60%程でござる。しばしのお持ちを。
しかし、書けば書くほどガンダムSEEDじゃなくなっていく。
どうしよ・・・orz
>SEEDじゃなくなっていく それが良いんですよw 次回も頑張ってください。
>>390 新星攻防戦はそもそも原作より前の戦いだからな。
オリジナルで突っ走っておk
面白さの前にはseedらしさなど無問題さ!
396 :
382 :2007/04/10(火) 17:35:46 ID:???
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
歴代主役 1st、逆シャア:アムロ・レイ 古谷徹(現青二、元俳協) 08:シロー・アマダ 檜山修之(アーツ) ポケ戦:アルフレッド・イズルハ 浪川大輔(現俳協、元こまどり) 0083:コウ・ウラキ 堀川亮(現アズリード、元青二) Z:カミーユ・ビダン 飛田展男(アーツ) ZZ:ジュドー・アーシタ 矢尾一樹(現シグマ、元俳協) F91:シーブック・アノー 辻谷耕史(現クレイジーボックス、元シグマ) V:ウッソ・エヴィン 阪口大助(青二) G:ドモン・カッシュ 関智一(現アトミック、元俳協) W:ヒイロ・ユイ 緑川光(青二) X:ガロード・ラン 高木渉(アーツ) ∀:ロラン・セアック 朴ろ美(円企画) 種:キラ・ヤマト 保志総一朗(アーツ) 種死:シン・アスカ 鈴村健一(アーツ) スタゲ:セレーネ・マクグリフ 大原さやか(俳協)
↑だから何?
誤爆でしょ
60%でいいから投下してほしいぜ。。。
マターリ待つんだ! ジックリと練り上げられた物の方が面白いと思うぞ。
コトコト…ひたすらコトコト
404 :
389 :2007/04/11(水) 22:07:21 ID:???
私も なんとか禁断症状に耐えています。
507氏はまだかな?アムロとジュドーの活躍を激しく見たい
あんまり職人さんたちをせかせるなよwじっくり座して待つべし
ここの連載作品は全部頑張って完結まで行って欲しい…。
いや、一週間で禁断症状とか、職人過労死しちまうぞw
職人さんが、どんな結末を導きだしたとしても、ケチをつけず素直に敬意と労いの拍手を贈らせていただきたいと思います。 ですから、ご自分のペースで職人さんの思い描く結末に至るよう、ここから離れず最後まで描いて下さい。お願いしますm(__)m
今、50パーセント書き上げた。もう少し時間かかるから気長に待っててくれ
MADA????
MADA!!!!
MADARA
MADARASUKARU
ああ、従兵。 >412 に、ココアを一杯あげ賜え。 無論、塩味を効かせてだ
RoyalNavy風か
コーヒーよりも紅茶の方が良かったんだけど
。 ο ,.。 ο ο ,. ゚ ο o 。 o ο 。 ゚ ο ,ヘ、 ,.:-一;:、οガンダムSEED side A 第6話始め・・ _,.-';: ミ;;:;,. _,.;:゙ミ '^ー、 ο 。 ,r( ´・ω・) ,.*。\,r'! ο .,。 ツィー=ニ彡' ,.。 _j 〜'l つとノ '" {-' ,.;:;u‐―u' ,.。* ._,.-! -=、,r' ,r='i:,ィ' ,.*。 ,__,.-=':トー' ヘ_,、 /;;::-一' ‐-、`-'iニレ'^'
後に『新星攻防戦』と呼ばれることになる戦いは 連合、ザフト共に決定打の無いまま小競り合いが繰り返され L4宙域コロニー群に多数の被害を与えながらひと月が経過しようとしていた。 「こちらB中隊、ジン残存4!!」 「了解、こちらも結構やられちまった。だが・・・」 ザフトのモビルスーツ部隊は多く被害をもたらしながらもついに第10艦隊の艦影を捉えた。 もしモビルスーツにとりつかれれば戦艦などひとたまりもないだろう。 もちろんこのまま蹂躙されるのを黙って待つ者などいやしない。 艦隊から発進したモビルアーマー、メビウス部隊が多数の光の尾を発しながら火線を抜けたモビルスーツ部隊に接近する。 「隊長、敵艦隊のモビルアーマー発進を確認!!例の"白い奴"も!!」 「"白い奴"――あれが・・・」 このひと月の間、ザフトのパイロット達に徐々に浸透していった存在。 それが白のボディにオレンジのラインが入ったメビウス・ゼロ――"連合の白い奴"であった。 曰くパイロットは裏切り者のコーディネイターである。 曰く連合の新兵器が搭載されているなど、その存在はいつしか彼らの中で恐怖という名の幻想となり誇張されていった。 「各機、なんとしてもこの群れを突破し敵艦隊に接近しろ!!奴らの帰る家を無くしてやるんだ!!」 「そんなこと言ったって・・・うわッ!!」 応答する間もなくそのパイロットのジンが4機のメビウスに囲まれる。 反撃する間の無く銃身、そしてもう片方の腕にリニアガンを浴び戦闘能力を奪われる。 その手際の良さからもこのメビウスの連携が完全に確立されたものだと見て取れた。 ザフトのパイロット達のやや直線的過ぎるきらいのある攻撃を機体性能差に関わらず見事に阻止してみせていた。 「クソッ、ここまできてやられてたまるかぁ!!」 急加速したジンに取り付かれたメビウスは無反動砲の直撃を受け爆散する。 ジンのパイロット達はここに到るまでに第10艦隊が構築せしめた布陣からの高密度かつ立体的な射線と十字砲火によって出血を強いられていた。 正に殺人機構と呼ぶに相応しいビームとミサイルの嵐による多数の犠牲を無駄にせぬ為にもと彼らとて必死なのだ。
「こちらアルファ。アムロ中尉そちらに三機いった!!」 その声に呼応するかのように三本の光の尾が撃破されたメビウスの空域から艦隊にめがけて伸びていく。 「了解!ブラヴォー各機、敵に飲まれるなよ。教えたとおりにやれば生き残れる、よし散開!!」 アムロの率いる編隊に直進を阻まれ勢いを殺されたジンの一機に容赦なくリニアガンの雨が降り注ぐ。 艦砲の射線上に機体を弾き出された所を見計らった様に発射された猛烈なビーム光に包まれ大破した。 残りの二機もメビウス・ゼロによるガンバレルの牽制を受け、思うように進む事ができない状況にあった。 「これがウワサの白い奴か、流石に!!」 「俺が・・・俺がヤツを葬ってやる!!」 二機のジンの火線を回避しながらアムロはリニアガンを連射しジンを大きく仰け反らせる。 そこに他のメビウスが放ったミサイルが突き刺さりすでに限界にきていた装甲が砕け散った。 「クソォ!!他は・・・他の隊はどうした!!」 ただ一機残ったジンのパイロットは恐慌し絶望の声をあげる。 レーダーはニュートロンジャマーの強い影響で使い物にならず、カメラを動かし周囲の仲間に救援を求めようとする。 だが、あたり一帯の宙域にはすでに戦闘を告げる閃光は見受けられず己が状況を否応にも理解させられる結果となった。 そのジンの周囲をメビウスの群れが隙間なく包囲する。 有体に言えば完全に詰みの状態だ。 「フッ・・・フフッヒヒッヒヒヒァハハハ・・・」 360度を完全に包囲するメビウスから一斉に放たれたリニアガンの光が何故か酷くゆっくりに見える。 それが彼が最期に見る光景となった。 「ザフトに栄光あれぇ!!」
メビウス・ゼロから降りたったアムロにオペレーターの女性から清潔なタオルが手渡される。 「お疲れ様です!!」 「ああ、ありがとう」 アムロが汗を拭いながら会釈すると彼女は顔を少し赤らめながら 遠くから様子を見やっていた女性の群れに戻っていく。 すぐに黄色い声がテッキ中に広がり彼女らが離れていくとともに徐々に消えていった。 「いやぁ、流石エース様ともなるとモテモテですなぁ」 「モテモテって・・・いつの時代の台詞だ?」 背後から聞こえてきたメカニックの冷やかしを軽く流しながらアムロは己の乗機を見やる。 「反応がまだ鈍く感じるんだが・・・これ以上は無理なのか?」 「おいおい、贅沢言わんでくれ!!これでもアンタに合わせてチューンしているんだぜ。これ以上は無理だ」 「まあ、確かにノーマルよりは幾分マシにはなっているのだがな」 「ったく、出撃の度に被弾はゼロでも操縦で機体をガタガタにしちまうんだから。整備士泣かせだよ、アンタは」 「すまない、これでもそれなりに機体に気を使っているつもりなんだけどな・・・」 「それじゃあ、本気を出したら一体どうなるってんだ?いやはや・・・」 そのような談笑を続けているうちにブラヴォーチームのパイロットがアムロの周囲に集まる。 「アムロ中尉、今回もお疲れっす」 「中尉も腹減ってんでしょ?メシにいきましょうぜ、メシに」 「そうそう、我らが偉大なるエース様に乾杯ってね。まあ酒は飲めねぇけど」 「おいおい、戻ってきたばっかりだぞ。先に着替えさせてくれないか?」 アムロ達がそのような会話を交わしている間に他のチームのパイロットも参加し始める。 「いけませんなぁ、アムロ中尉。不本意ですがあなたを抗命の罪で食堂まで連行させていただきます!!」 「さ、エース殿。食いながらでいいんで、今日もなにか戦術の一つでもご教授お願いしますよ」 「そういえば叙勲の推薦もされているそうじゃないか。うらやましいねぇ」 アムロが考案した対モビルスーツ戦におけるメビウスの運用法は他の編隊も積極的に取り入れていた。 そして、第10艦隊の空戦隊のこの一連の戦いにおける敢闘がその有用性を証明していた。 アムロが他の編隊のパイロットからも一目置かれる存在となるのも当然のことだったといえるだろう。 「待て、分かったから押さないでくれ。自分で歩ける」 そうして、半ば引き摺られる格好ながらもアムロは顔に笑みを浮かべながら食堂に向かっていった。
だが、半日も経たないうちに状況は一変する。 戦線の左翼方面を担当する友軍、第12艦隊がザフトの特殊部隊の強襲を受けたのだ。 防衛陣の間隙をつく形で懐深くまで潜り込まれた艦隊の狼狽振りは哀れなほどで それに乗じる形で押し寄せたザフト主力艦隊よる打撃をまともに受け短時間のうちに潰走したのだ。 これによって第10艦隊左翼側背に敵の圧力が生じ、これ以上の戦線の維持は不可能と判断した第10艦隊司令部は撤退を決定した。 この時点で『新星攻防戦』の帰趨は決していたとみていいだろう。 第10艦隊にしてみれば友軍に足を引っ張られた格好ではあるが、だからといって第12艦隊を責めるのは酷というものだ。 今大戦においてザフトに対し連合軍は常に劣勢の立場にあるのだから。 「我が艦隊の現在の状況は説明したとおりです。今なら敵主力からの半包囲を受ける前に後退する事は可能ですが・・・」 そして今、ジェファーソンのブリーフィング・ルームには各艦長以下のメインスタッフと 小隊クラスのパイロットが集められ撤退戦における作戦行動の説明が行われていた。 ザフトもただ黙ってこちらを逃がしてくれるつもりは無いようで ナスカ級高速戦闘艦の接近がすでに確認されていた。 もし、敵モビルスーツに艦隊への突入を許せば、第10艦隊は第12艦隊同様に多大な被害を被ることになる。 「――以上です」 作戦仕官の説明が終わると第10艦隊提督を初めとした全員が立ち上がり、 「厳しい戦いが予想されるがなんとしても敵モビルスーツ部隊の行動を阻止してくれ。 空戦隊の諸君の奮起に期待するところ大である!!」 「「「了解!!」」」 その提督の言葉に一同も返礼した。
≪クルーゼ隊長、ナチュラルどもの尻尾を捕まえました≫ 先行する偵察型ジンからの報告を聞きクルーゼはジン・ハイマニューバを加速させる。 報告のあったポイントに接近するとモニター越しに確認できる数隻の戦艦がこちらへ急速に回頭するのが見てとれた。 「敵は半数は後方、遅滞行動ということだな。ふむ・・・」 艦隊から次々と接近するモビルアーマー部隊のテール・ノズルの光が束になって見え、それが徐々に近づいてくる。 だが、その行動の妙な鈍さにクルーゼは違和感を持った。 慌てているにしては余りに動きが整然としすぎている。 何かある。クルーゼの直感がそう告げていた。 「隊長、ナチュラルどものカトンボが!!」 「落ち着け、逸る必要など無い。――我々と敵との中間位置の上方にデブリ帯・・・ このまま突入すれば接触はそれを背にする辺り――これは・・・そういう事か、小細工を!!」 血気盛んな若い兵を御しつつクルーゼは第10艦隊の狙いを正確に看破する。 「各機、敵の狙いは前方の艦隊を餌にし、挟撃を仕掛けることにある!!」 その言葉にクルーゼ隊の先鋒は今まさに突撃せんとした足を押しとどめる。 そちらには目を向ける事無くクルーゼはヴェサリウスに回線をすぐさま開く。 「アデス、上方デブリ群に主砲三連!!コソコソと隠れているハエを燻りだすぞ!!」 「ハッ!!」 ヴェサリウスを含めたナスカ級艦艇から一斉射されたビームがデブリを焼き払い クルーゼの予測どおりに息を潜めていたメビウスの一群がたまらずに飛び出してくる。 「チィ、失敗だ!!各機、散開しろ!!」 たまらず出てきたメビウスをジン・ハイマニューバの重斬刀が真っ二つに切り裂く。 メビウス隊の中隊長が作戦の失敗を悟り全機に散開を命じるが 時すでに遅くクルーゼ隊の攻勢に対処し得ないままに次々と撃墜されていった。
≪オメガチーム、全機シグナルロスト!!≫ その報告を聞いた全員に戦慄が走る。 オメガチームはアムロ率いるブラヴォーチームに次ぐ戦果をあげていた精鋭だ。 作戦を見破られたこと以上にそのオメガチームを全滅させるまでのあまりの速さに 彼らは心臓が凍てつくかのような思いを味わっていた。 アムロも動揺こそしてはいなかったものの、クルーゼ隊の予想を上回る強さに苦虫を噛む思いだった。 「今までの相手とはまるで違うという事か・・・」 アムロは、迫り来る敵部隊の錬度の高さと強靭な力を持つ者の存在を察知し慄然とした。 「ブラヴォー各機、ここで押さえるぞ。本隊に一機たりとも近づけるな!!」 「「了解!!」」」 各部隊が一斉にクルーゼ隊に向かい殺到する。 アムロはガンバレルを展開し敵を牽制、それに気をとられたジン数機にミサイルが直撃する。 アムロの編隊が一連の戦いでもっともよく使用した連携だった。 クルーゼもこの時になって初めてメビウス・ゼロの気配を感知する。 「なんだ!?奴らの中に壁になる者がいる!?――なんだというのだ、この感覚は!?」 クルーゼは慣れない感覚に戸惑いながらも機体を上昇させ一気に直進する。そこで、白いメビウス・ゼロの姿を視認した。 「零式だと!ムウ・ラ・フラガか・・・!?」 メビウス・ゼロが下からのジン・ハイマニューバの攻撃を大きく回避し機種を向ける。 「来たか!!各機、コイツは危険だ。近付くなよ!!」 展開していたガンバレルを機体に戻しメビウス・ゼロをジン・ハイマニューバに向かい加速させる。 クルーゼは試製27mm機甲突撃銃で牽制しつつ、メビウス・ゼロの放つリニアガンを回避した。 「これは・・・」 攻撃の際に放たれたアムロのシャープな意思はクルーゼの感覚を刺激した。
「クッ・・・これは!?――いや、違う、違うな!!奴ではない」 ラウ・ル・クルーゼとムウ・ラ・フラガはその出自の秘密もあり互いの存在を感知できるという特殊な才能があったが 今、クルーゼが感じているのはそれとは全く異質のモノだった。 まるで、相手の意思そのものがぶつかってくる様な感覚に戸惑いながらもクルーゼは攻撃の手を決して緩めない。 「一体、何者だね、君は!!」 「・・・・・・!?」 アムロはまだ漠然とではあるがジン・ハイマニューバから徐々にプレッシャーが漏れ出し始めているのを感じとる。 それに比例するかのようにジン・ハイマニューバの動きに鋭さが増していく。 「何だ!?これは・・・」 リニアガンを最小限の動きで回避しつつ接近するクルーゼの異質な気をアムロは見た。 シャア・アズナブルとはまた違う類の絶望を確かに『見た』のだ。 すれ違いざまに抜き放たれた重斬刀の一撃をメビウス・ゼロの機体各所のバーニアを噴射させてすんでのところで避ける。 「押されている!?どうした!奴の気にあてられたのか!?」 アムロは、こうも手こずる自分の腕に焦りを覚え始めていた。 モビルスーツとモビルアーマーの機動性の差など初めから承知していた事だ。 もっとも、アムロだからこそクルーゼに対しガンバレルによる攻撃は無意味と推量し ガンバレルのスラスターを本体の加速にあてねば抗し得ないと瞬時に判断できたのだが。 そのアムロをこうまで翻弄しているのもクルーゼが特別だからである。 「チィ、弾切れだと!?」 交戦を続けているうちにジン・ハイマニューバの突撃銃の弾薬を使い果たしたのだ。 アムロが、そうさせたのだ。 直線的な動きしか描けないメビウス・ゼロでよくもったというのが正直なところだが メビウス・ゼロも、もう反撃する力は残っていない。 限界を超える機動を行い続けた為に機体の挙動がおかしくなり始めていた。 「ここまでだな・・・アデス、後退するぞ!!」 クルーゼは状況からこれ以上の戦闘継続はリスクが大きいと判断し後退指令を出す。 ヴェサリウスが信号弾を三回発射するとクルーゼのモビルスーツ部隊は、一挙に後退していった。
「引き際も鮮やかなものだな・・・」 アムロは退いていくクルーゼ隊を一瞥すると回線を開く。 「こちら、一号機。状況はどうか?」 ≪はっ・・・はい!?・・・艦隊への接近は阻止できましたが・・・空戦隊の40%以上がやられて・・・敵の攻勢は尋常なものではありませんでした≫ 若干、涙交じりの声になっているオペレーターの報告を聞くとアムロは大きく息を吐いた。 「艦隊は確かに守りきれたが・・・完敗だな。――くそっ不甲斐無いものだな、俺も」 任務こそ達成できたもののパイロットの半数近くを失ったのだ、まさしく敗北といってよかった。 クルーゼはジン・ハイマニューバをヴェサリウスのカタパルトデッキに押し込みながら 先程の凄まじい技量を誇るパイロットとの戦闘を思い返していた。 「まさか、あれほどの敵が存在していたとはな。面白い・・・しかしあの時の感覚は一体?」 アムロと交戦していた時、クルーゼは周囲の状況や殺気といったものがダイレクトに察知できていた。 もっとも、その感覚も後退と共に消え失せてしまったのだが。 「錯覚とも思えんな。奴ともう一度戦えば何か解かるのかも知れないが・・・」 この時、クルーゼは漠然とではあるが自身の隠された才能が ――アムロ・レイとの接触が無ければ決して目覚める事の無かったであろう力が息づき始めているのを感じ取っていた。 ―――戦線を崩壊させた地球連合軍は同日、新星の放棄を決定。 ザフトはこの衛星を自軍の防衛用軍事衛星として改装、L5へのに移送を開始。 後に新星はボアズとその名を改めることになる。 アムロはメビウスによる対モビルスーツ戦における戦術の構築を評価され そして、なによりも戦意高揚の為の"英雄"を欲した地球軍上層部の意向により大尉への昇進とオークスター勲章を授与した。 新星での"勇戦"を支えた英雄として、今後、彼は『白き流星』という異名で喧伝される事となる。
第6話、終了っす。 ちょっと蛇足ですがアスラン達はまだクルーゼ隊にいないってことでヨロっす。 ようやく本編に近付いてきたかな。これで。 ( ´・ω・) 訂正っす。 6ページ目 ×「「了解!!」」」 ○「「「了解!!」」」
乙!!
乙。相変わらず400氏の書くメビゼロの戦闘シーンはかっこいい! これでアムロ゙大尉゙が復活したな
あえて言おう、乙であると! クルーゼ隊TUEEEEE
GJ!!!乙です。 アムロが居ても、新星守れない所が現状を表してんなー クルーゼ、やはりナチュだけあって覚醒したか。アムロも、強者と闘う事で能力を研ぎ澄まされるだろう。 ん?でも…まさかコーディもNT覚醒したりすんのかなぁ?
乙、ここも訂正だな。 ラストページ >>ザフトはこの衛星を自軍の防衛用軍事衛星として改装、L5へのに移送を開始。 ザフトはこの衛星を自軍の防衛用軍事衛星として改装、L5への移送を開始。 しかしアムロの存在が引き金でクルーゼ覚醒か。 皮肉な話だがニュータイプへの覚醒のキッカケとしてはピッタリだな。 責任とれよ〜400氏アムロ!!
( ´・ω・) すんませんここも訂正っす。 6ページ目 ×メビウス・ゼロが下からのジン・ハイマニューバの攻撃を大きく回避し機種を向ける。 ○メビウス・ゼロが下からのジン・ハイマニューバの攻撃を大きく回避し機首を向ける。
400氏GJ ヤベェ、覚醒クルーゼとアムロの戦いがすごい楽しみだ
激しく乙&GJ!!! どうみても今の時点でクルーゼの能力は原作より高いです。本当に(ry いいなぁ、最後はプロヴィテンスとアムロのガンダムの戦いかな? これだけ強い(しかもまだ覚醒しきってない状態で)と >第10艦隊が構築せしめた布陣からの高密度かつ立体的な射線と十字砲火 これだけのことが出来る将がいるなら、知将の名を返上しなきゃならん奴がいると思うのだがww
439 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/13(金) 11:08:34 ID:rVojWhCs
投下記念age
なる程、アムロという異分子の存在が、
クルーゼという種世界でNTに覚醒するかもしれなかった、
数少ない存在の変化を促したと…。
後、可能性のあるやつはムウとレイくらいか?
>>438 アムロ所属の艦隊って普通の軍隊っぽくなってるよなw
確実に原作の連合より強い。
GJ!
結構仲良く話していた空戦隊の面々あっというまに半数戦死かよorz
無情だな・・・だが、それがいい。
>>440 有能な指揮官のいる艦隊に配属されたところに盟主王の介入を感じるな。
下手に愚将のトコに送られて実力も発揮できないまま戦死されたら目も当てられんし。
443 :
442 :2007/04/13(金) 12:16:40 ID:???
>>441 半数でも生還したのは大きいよ。
再編成の為に彼らが一時的に後方配置になったら、
有効な戦術やら、戦技がより広く軍に伝わる事になるし、
途中でより洗練されたモノに進化するかもしれない。
…人的資源が多い分、これがジワジワと利き出してくると、
クルーゼがNTに覚醒しようが、ザフトは数の暴力に押しつぶされちまう。
GJ!!! 禁断症状が薄れていく……これでまたしばらく持ちそうだw 高機動型ザクVSボール、ベテランパイロットがMSに乗っているのなら、この結果は当然かな。 シローとかは何とか相打ちに持ち込んだけど、あれは相手に気付かれずにある程度まで接近できていたからな。 むしろアムロはこのハンデ有りまくりな状況下(アムロは乗機の差をハンデと思っていないんだろうけど)で生き残った事を誇るべきかと。 それにしても、クルーゼに覚醒の兆しが見られるとは……これはwktkの予感! 滅びだけを意識していた彼にどういった変化が現れるのか…… >アスラン達はまだクルーゼ隊にいないってことで 新星攻防戦の段階では、赤福組はまだアカデミーに在籍してると思われ。(多分……自信ないけど) クルーゼもこの時点では特務部隊は任されていない筈なので無問題かと。
>>434 >ん?でも…まさかコーディもNT覚醒したりすんのかなぁ?
無いんじゃね?
あいつら中途半端に能力が高いから、それがかえって覚醒の邪魔になるだろ。
>>…人的資源が多い分、これがジワジワと利き出してくると、 クルーゼがNTに覚醒しようが、ザフトは数の暴力に押しつぶされちまう。 普通はそうなんだ。 だが種世界は一部のエースが戦局を動かし 戦術上の勝利が戦略上の優位を覆す世界なんだぞ。
根本のところでナチュラルを見下し、優秀すぎるために自己完結の度合いが激しいコーディネーター 肉体的、精神的にあらゆる物事を理解する事ができ、それが全人類に広がった時にかつてなしえなかった相互理解が可能となるNT 完全に相容れない概念だな。 そもそも新人類を謳うコーディとしては、 宇宙での生活に適応するため進化したとされるNTの概念は認められんだろうなぁ。
まあ、認めたら自分たちの存在意義が怪しくなるからな 認められないんじゃなく、認めるわけにはいかないってことになるだろうな
>>447 そりゃ本編では連合側の戦いっぷりがあまりにも稚拙だから
(アラスカとか…後の事考えてるのか?)
>>450 半端にファーストとかZとかのストーリーを真似たが故の喜劇……だな。
大方ティターンズのジャブロー破棄でも真似たんだろうが、そこへ至るまでの経緯が中途半端だから滑稽にしか見えん。
真似るなら真似るで、過程から結果までちゃんと作りこめば稚拙にはならなかったかもしれんね。
こんなだから、種は素材は良くても料理長が最悪だった、みたいに言われるんだろうなぁ。正しい意見だけどさ。
>オレンジのラインが入ったメビウス・ゼロ ちょうど配色がムウ機と逆転しているのかアムロ機。 ところで、今回アムロがやってのけた 対MS戦用のメビウスによる連携構築って結構すごいことなのか? どうも、今回のアムロは撃墜数を自分で稼ぐよりもそっちを優先していた印象があってな。
あれだろ 「僚機を失った者は戦術的に負けている」
メビウスの非力をなんとかせんことにはどうにもならんからな いくら、アムロでも戦場全体をカバーなんぞできんし
>>戦場全体をカバーなんぞできんし ・・・ハイマット・フルバースト、ミーティア一斉射撃('A`)
考えてみればZ以降のアムロって、小隊任務も単独任務もこなせるんだよな トップエースの宿命とはいえ凄まじいな
>>452 連携がすごいというよりも、MA(旧型)でMS(まったく新しい異質な新型)を狩る為の戦術を編み出した事が評価されてるって事だろ。
連携自体は集団戦闘の基本中の基本だからね。
……種世界では違うようだがな!
だけどアムロ、よく集団戦闘で「詰め将棋」をやれたな。
全体ではぼんやりとしか見えなくとも局所的には、何が何処にあるか完全に認識してるんじゃなかろか。
……アムロ、恐ろしい子!!
最後に作者氏、GJ!!!でした。
>>455 本当ならあれでもカバーできないはずなんだけどな。メビウス1でもあるまいし。
アムロがMSに乗る日が楽しみで仕方無い。 …盟主王もそうだろうがw
GJ! 序盤でヴェテランの消耗を押さえられるとこの先に効いてくると思う。 なによりアムロの存在が大きくなったことで今後後方に回っても発言力が上がるだろうし。 盟主王も喜んでるんじゃないだろうか。 NTといえば、ガンバレル使える空間認識能力者を集めてアムロが鍛えれば、 それなりに物になりそうな気がする。
>>460 NTと種の空間認識能力者じゃ微妙なすれ違いとかありそう
NTは技術よりも感覚を重要視しそうだけど、空間認識能力は感覚よりも技術を重要視するって感じがする
ほら、サイコミュ兵器とドラグーン兵器って似ているようで結構違うから、軌道とか応用力とか。
UCのファンネルは強敵に使う場合は あくまでフェイント(誘導した場所に本命のライフルやミサイルを打ち込む) として使うことが多かったけど、 種のドラグーンはその機体の切り札的な扱いだった
クルーゼってクローンなのは覚えてるがコーディネーターだっけ?
>>463 エリートであるフラガ家の遺伝子を持ってるが、
基本的にナチュラル
>>461-462 これから開発するのもあるんだから、アムロの意見が通りそうな気もするな。
コーディネーターのフリをしているだけだな。
あちこちで既出な意見だけど、ドラグーンは無線インコムみたいなもんなんじゃね? 量子通信とかで操作してるんだし。
量子通信が可能なら、あんな戦場にはなってないよ! と心の中で叫んだ15の夜
脳波で操っているという話は聞かないなぁ あくまで空間認識能力としか聞かない
目隠ししてラジコン飛行機やヘリを操るようなものだろうか?
>>469 さらに言うなら、種死では空間認識能力不要になってる
カガリとアカツキがいい例。あれは簡易ドラグーンだから大丈夫だ、なんて言われるが。
もう完全に人を選ぶ技術体系だな。
使用できる人を選ぶ時点で、技術としては最低の欠陥だけどな。
GJ! クルーゼ覚醒ktkr! ムウも早めに会っておかないとあっという間にぼこられて退場しかねんなwww ふと思ったんだがC.EではMSより先に(力関係が逆転しているとはいえ)MAが存在しているんだから、 アムロがかつての強敵との記憶を元にU.Cのような対MS兵器としてのMAを考案してくれないだろうか? ぶっちゃけビグロでも今の段階ならかなり使えると思うんだが。
>>472 ・コンセプトだけ伝えても開発するのに時間が掛かる。
・兵器システムとしては高コスト。
カガリはドラグーン使ってないが。 まあカガリが乗る事を想定して造られたもんだけどな。 レジェンドも元はアスラン用だったし。 むしろレイに本当に空間認識能力があったかどうかも疑問だな。 それまでロクすっぽ活躍してない奴が(本編じゃルナとどっこいだろ?)誰でも使えるドラグーン飛ばしたってねぇ……
>>475 つかアムロにあれもこれもやらせるなよw
400氏GJ! アムロは「白き流星」の異名ですか〜 シャアの「赤い彗星」になんか似てて、アムロ本人は複雑な心境かもしれませんねw 今回の戦闘でザフトも史実よりは損害が大きかったとみていいのかな? わざわざクルーゼ隊を増援として送ったくらいだから 連合の方も半数を失ったとはいえ有効な戦術を示せたことで、今後の戦いに影響が出そう
コスト考えると、MS量産した方がマシ ……のはずなんだけど…… ……駄目だ、CEじゃゴミクズのように落とされる所しか想像できない……
>>472 ビグロだと
クロー×2、ミサイルランチャー、ビーム砲の武器になるのかな?
むしろザムザザーが早期に開発される気がする
MA開発よりも、アムロ設計のMSを元にしての量産型を開発した方がいい気がする ガンダム→ジムとかZ→リ・ガズィとかみたいに。
GJ!! で他の人マダー?
>>481 インコム装備に換装しても、使いこなせるパイロットがいないっぽいな。ドラグーンでさえ少ないし
むしろ、陸戦型ガンダムとかの使い回しが利く武装が主体の機体の方が量産機としては正しい気がする
つか、何で種世界のMSってあんなに固定武装満載なんだ? アムロが呆れ果てそうだ
>>480 原案は提示できるだろうけど、詳細設計は無理だろ。
陽電子リフレクターを考えなければビグロ+ザムザザーなMAは出来るかも。 アムロが設計と言えば昔、何処かの雑誌でビギナ・ギナはアムロが設計したってのを 見た気がするんだが未だに真相が分からん…
アムロはデュエルみたいなのを好むだろうな
さすがにそろそろ議論スレのほう行こうぜ
面白そうだから、議論スレで続けようぜ!
クルーゼ「連合のMAはバケモノか!!」
>>477 でもザフトでは「白い悪魔」って言われてるんだ、きっと
クルーゼも白っぽい機体に乗ってるしな……
もともとあっただろ白き流星って通り名
400氏の人気に嫉妬。スゲエGJ
んじゃ白色矮星
白い狼で
もうホワイトユニコーンでいいよ
それだ
盟主王は、NT理論を発表するのだろうか?それともアムロに発表させるのだろうか?そもそも、種世界の奴らに理解できるよう説明できるのだろうか? 只ひとつ言えるのは、今まで自分たちこそが進化した人類だと思ってたコーディが青ざるってことだな。
というか、コーディ至上主義なザラ派テロリスト連中に命狙われることになりそうな… まあ当面は一笑に付して見向きもしないだろうから安全とは思うが。
現時点で種世界唯一のNTであるアムロに死なれたら正直、困りますどころじゃないから アムロの名は伏せて発表するんじゃ? と、今思ったんだが某大天使の操舵士がNTに覚醒するとかマジでありそうだw クルーゼの例もあるし。
クル−ゼがNTの存在を知ってどう変わるか気になる。
とはいえ地球在住のむる太が言ってもいまいち訴えるものが弱いだろうしなぁ。
かと言って宇宙に目を向けてもいるのはコーディ、ピンク、おハルさん、サハク… 消去法で盟主王になってしまう罠
アムロの活躍を見せ付けて、その実績を元にNT論を展開するんじゃね? タイミング的にはプラントが消耗しだす頃が効果的かな
>>498 ブルコスの下部を使い情報操作すればすむ。
曰く「宇宙に自然適応した人間が生まれつつある。」とかね。
ここに無理にオカルトを絡める事をせずシンプルな情報を流せばいい。(ジオニズムを少し改変して流しても良いんだけど)
重要なのは、「ナチュラルが進化しつつある、または進化の可能性がある」という情報を世間に浸透させる事。
CEのナチュラルには多かれ少なかれコーディネイターに対するコンプレックス・恐れを持っているから、それを排除できるだけでも大きい。
後半でもいいんで全世界に向け、演説するアムロが見てみたい。ダカールのシャアみたく。
>>505 マスコミも使って、徐々に情報を流していけば完璧だな。
「こういう人間が現れつつある」とかいって軍のエースたちを紹介していけば宣伝工作にもなるし、一石二鳥だ。
>>506 いいね。「ダカールの日」ならぬ「オーブの日」とか。
それを凸が阻止しようとするのか……
>>506 アムロなら、理屈だけじゃなく人の心に響く演説になりそう
>>506 アムロに政治の舞台は無理だよ、現場どまりの人間だとおもうなあ
シャアはロリコンでマザコンで、その他多くの欠陥を抱えた男だけど革命家としての資質は一応持ってるからなw
そうなるまでの過程が難しいよね… パイロットの実績だけでそんなこと言えるかな?
>>513 ハヤトやブレックスの言うことちゃんと聞いていればなぁw
Zの小説に、一年戦争後NTについて遊説するアムロだったけど アムロの言ってることは難しすぎて分からなくて、民衆はすぐ飽きた って書いてあったような気がした。
じゃあ、やっぱり盟主王でおK?
職人さん次第って事さ! 続きを期待してます
お前ら向こうでやれよ また来たのかと思ったぜ(^_^;A
すごい遅い遅レスだが、たしか青枠の話で新星攻防戦でクルーゼはすでにクルーゼ隊もってて アスラン以下赤服配備済み。んでここでクルーゼはMSで出撃してなくて 代わりにクルーゼ隊MS隊長として戦ったのがミゲル。 ミゲルと戦ったのが劾。二人とも専用ジンで戦闘してこの新星戦闘終了後に ヘリオポリス襲撃に繋がることになる(ミゲル専用ジンはここで小破しちゃって ヘリオポリス襲撃じゃあ使えないってことになってる)
おはようございます。昨夜は疲れ果てて早々に寝たけど
起きたら400氏キテタ―――――!GJGJGJ!!!
>>516 あの時アムロは16歳。3ヶ月前までNTとか人類のことなんて
全然考えもしない普通の生活してきたんだよ。
しかも基本的にバカ正直だから正確に物事を伝えようとすれば
するほど曖昧な言い方になってしまうし。
ギレンやシャアなんかは大衆が受け入れやすいように事実を
そのまま言わずに都合の良いことだけを単純化して話してる。
そもそもアムロは言葉ではなくその行動で人の心を動かす人だ。
>>520 外伝は……ねぇ。
年表とか見てみると、赤服共がクルーゼ隊に配属されたのはCE70の9/20。
新星攻防戦が終ったのは同年の7/12。
……まあ、種自体矛盾の塊だから、気にすんな!
にしてもよくよく年表見てみると、ザフトが子供の士官を養成するのに僅か7ヶ月程度しか時間を割いていない。
ある程度歳を食っているのなら、まあまあな訓練期間だけど、14年一寸しか生きていない子供にとっては促成栽培もいいとこだな。
せめて、2,3年は教育しろよ。そうでなくともあいつらはモラルが低いというのに。
つーかな、子供を戦場に出すなと。
巻き込まれたとかならまだしも、中途半端に教育して出すなよ……
親の贔屓目と自分達の能力への過大評価の結果といった所だろうな。>7ヶ月間の促成栽培 にしてもよく考えてみると滅茶苦茶だな、これ。 コーディネイターの兵を少しでも多く前線に出せば、 容易に決着が着く等と考えていたのなら浅はかにも程があるし、 前途有望な子供まで駆り出さないと戦争できないような状況なら戦うこと自体愚策だろ…
>>520 そんな設定はどこにもないわ!
劾とミゲルが戦ったのは種一話のちょっと前の時期だ。
劾が参加したのはヘリオポリス崩壊後に起きた第二次新星攻防戦で相手はドクターだ。
プラントの成人年齢が15歳というあり得なさだもの、何を今更って気がしないでもない 元服とかやるような時代じゃないんだから、せめてもう3年くらい後にすればいいものを……
>>525 美少年や美少女兵士を沢山出せないじゃないか!
美少年は種で飽きた 美女と美少女を!
>>526-527 自重しろ!!
敵味方にタイプの違うヒロインが3人ずついれば満足できそうだよね
そろそろ女の子が主人公のガンダムがあってもいいと思うんだ
>>530 スターゲイザー
……女の子って歳じゃねーな……
アスナ・エルマリートでは不足か?
いやアニメで 漫画だとReonとかもあるし
あれは女の子じゃなくて女性だろ<Reon
じゃあブラスターマリ
EVOLVE 9
Reonが許されるなら、ポケットの中の戦争でいける筈だ! それとも08MS小隊ラスト・リゾートの方が好みか?
GJ!! 一時期、98氏以外の更新が途絶えどうなるものかと思ったこのスレも 今や新たな連載陣もついて感無量だつдT)
しっかし、この分だと連合MSは最初っからナチュ仕様になって キラがストライクに乗る必然性が薄れるな それともキラがコーディネイターであることを公表して同胞すら プラントのやり方に憤りを感じていると喧伝するのか
ユーラシアと大西洋でそれぞれMS開発しました〜でいいんじゃね? 主導するのは池沼ハルバートンと不死身のガルシア閣下
まあ、全ては職人次第だろう。 俺の印象としてはアムロに全能性を持たせる必要はないと思うがな。 (結局、アムロはエースとしての活躍は出来たものの 新星の結末を変えるには至らなかったというアムロ自身の限界があってこその面白さが今回あるんだし)
職人さんマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
アムロ全能にしたら、結局TV版のキラみたいなのがもう一人できるだけだしなあ。 その辺のバランス感覚は読む側にも必要だろう。
そうなんだよな。 どうも、知らぬ間に種の超展開に毒されているのかも試練。
アムロが大局を変えたのは最期の時のみ
でも一年戦争といい逆シャアといい 結局最後にはなにかを犠牲にしてでも 誰かを救ってくれるのがアムロだと 政治家には不向きな人間だと思うが
そのための盟主王。
なんでお前等議論スレでやんないの?
SSと感想だけだと過疎になるからじゃないか?
議論ばかりで過疎どころか過密になってるじゃないか…… 程度を考えてくれ……
でも過疎ってるよりはいいことだと思ってロムってるけど
正直この程度で?とも思うが そう思うことでますますエスカレートしてしまうか しかしこれは議論というより雑談だろ こんなのまで議論スレでやらなきゃならんのか?
や、あっち雑談スレでもあるからな こっちは職人の投下とそれについて一言二言くらいでいいんじゃね? あんまり書き込むと容量すぐなくなるし
なんにしろ職人諸氏GJです。
>>400 氏
面白かったです。戦闘全体の流れがすごい納得できます。
アズラエルとの絡みや、種キャラクターとの絡みとか期待してます。
原口言い訳が苦しいなぁ
誤爆スマソ
たかじんか?
400氏に期待!
98氏のナタルにNT覚醒してもらって、アムロと感じあってホシー ミライさん程度のNT能力でいいから
>>561 そのポジションだとノイマンが覚醒してしまわないか?w
見渡す限りの大海原・・・ 晴れ渡る青い空、眩しい太陽、潮風が心地よく吹き抜けている・・・ そんな景観を損ねる煙、轟音・・・硝煙の狼煙。 最早、戦場と化した大海を滑る様に移動しりつつ、アムロは見上げる……天空を………。 「……ガンダム、か」 形容しがたい因子が含まれているような言葉だった。 彼方に在りしは翼を広げて佇む一機のMS・・・そう、ガンダムの姿があった。 時間は少し溯る ディオキア基地を出航した戦艦・・・ミネルバは黒海を行進中、きたる出撃に備えて主なクルーによるブリーフィングを行っていた。 「・・・・・では、今後のMSの部隊運営は以上の通りだ・・・・なにか異論のある者は?」 ブリーフィングルームにてアスランがパイロット達を前に確認をする。 特にこれといった声も挙がらなかったのでアスランは頷くと解散の指示を出して退室していった。 それを見送ったアムロは同じくアスランを見ていたハイネと目が合った。 「…どう思います?」 「考え込んでいるようだな、色々と」 やはり同じことを考えていたらしく、ハイネは軽く息を吐くと「どうしたもんかね」と言いつつ黄金色の髪を軽く撫で付ける。 アスランの考えていることは二人には見当がついていた。 今や敵国となったオーブのことだろう。 つい最近までオーブに居てのに今やそれと戦うザフトの兵士なのだ。 頭ではそのことを理解していても気持ちの整理までは追いついていない・・・それがアムロとハイネの感想だった。 「…で、どうします?」 「ん?」 「ハッパをかけるにせよ、愚痴を聞くにせよ、早くしないことにはね」
確かに、迷いを抱いたまま戦場に出ることは可能な限り避けさせたい。 それがそのまま死に直結するのが戦場なのだ。 ここは自分が・・・・・ 「俺が行きますよ」 「あ?ああ…頼めるかい?」 「これもコミュニケーションの1つってヤツだしね」と笑いながら、アムロの背後をチョイチョイと指差すハイネ。 振り向くとブリーフィングルームの入り口にメイリン・ホークがこちらを伺っていた…が、目が合うと咄嗟に隠れてしまった。 その仕草にクックックとハイネは笑うとアムロの肩をポンと叩く。 「ひとつ・・・貸しですよ?」 「・・・オトナをからかうんじゃない」 ハハハと笑いながら颯爽と歩き去るハイネ。 いい青年だなと思う。 彼がこのミネルバに来たことはクルーたちにとってプラスになるだろう。 俺もお払い箱かな?そう苦笑いしつつ、さて…とメイリンの方を見やる・・・・ プシューとドアが開き、アムロと…そしてメイリンが入ってくる。 「さあ、入るといい」 「は、はいっ。失礼します」 少し緊張気味なメイリンがおずおずとアムロに続く。 あれから、アムロがメイリンに話を聞こうとすると向こうから近づいてきてこう言ったのだ・・・「アムロさん、今、お時間いいですか?出来れば二人っきりで」と。 自分の耳を疑った。 目を丸くする自分を見てメイリンは真っ赤になりながら言うには・・・・。 備え付けの椅子に座らせるとコーヒーを手渡し、自分はベッドに腰掛けるアムロ。 メイリンはキョロキョロと視線を泳がせている。 「言いたいことは分かるよ、メイリン」
「えっ?」 「何故…ナチュラルの僕がコーディネーターに味方するのか、分からずに不安だったんだろう?」 「あ。あの…そういう意味じゃ」 「いいんだよ、別に。そう思うのも当然のことだ」 そう言って穏やかに笑うアムロに安心したのかメイリンはポツポツと疑問を口にする。 「どうして…ですか?」 「無いさ。これといった理由なんて」 「え?」パチクリと瞬きするしかないメイリンの様子に苦笑するとコーヒーを一口飲む。 「オレにとってはナチュラルも、コーディネーターも大して違わないんだろうな、恐らくは…。 遺伝子を弄くろうが、それによって様々な恩恵が得られようとも突き詰めればお互い人間だろう? 腹が空いたら飯を食うし、眠くなったら寝る。惹かれ合った者同士が恋愛する。 お互いが笑って、泣いて、怒って、憎んで、愛し合うんだ・・・何も違いなんてありはしない」 「はあ」 「メイリンはいつ僕がナチュラルだと分かったんだい?」 「えっと、お姉ちゃんから聞いて…それでビックリしちゃって」 「それまでは俺のことをナチュラルだとは思わなかったんだろう?つまり、そう言うことさ」 まだ分からないという顔をしているメイリンに「この続きは宿題だ」と意地悪そうに笑うアムロ。 そこで、やっとからかわれていることに気付いたメイリンは少し頬を膨らませつつ「もう、知りませんっ!」とそっぽを向く。
なんだか思い悩んでいた自分が馬鹿みたいだと思い始めたメイリンは不思議と心の中の疑問が氷解していくのを感じた。 (ああ、だからなんだろうな。こんな人だから、姉は惹かれているんだろうな。初めて会うタイプだもんね) 心のしこりが減ってフフフと微笑みを浮かばせるメイリンは部屋の片隅におかしな物を見つける。 「あれ、アムロさん?」 「ん?なんだい」 「あの赤いダンボールってなんですか?」と興味深げにソレを指差す。 その先には・・・・・四角のダンボールにペンキか何かで赤く着色し、ザクのモノアイみたいなものが描かれている上にツノみたいなものが接着されている…なんとも珍妙なものだった。しかもカタカタ小刻みに揺れているような・・・・ (あれ、なんか書いてある・・・『ザ…ザクポン』?) 「ああ、あんまりにも赤くしろだのツノつけろだの五月蠅いんでね、ご要望に答えたまでさ」 「へ、へぇ・・・」 その後、メイリンはアムロと『ザクポン』の内部に居た<赤い物体>の言い争いを目にすることになる。 ソレを目の当たりにしつつ、メイリンは「カワイイ」なんて思ったりもしたのだが、どちらについて思ったのかは・・・名誉のためにも伏せておくことにする。
支援
御久し振りデス。 中途半端で申し訳ない。 なにせ、データがね、消えてしまったものですから。 次回はキラとアムロの対決といきたいものです。 今度はもう少し早く、今週中にはUPしますんで。待たせて申し訳ない。
久し振りの投下乙 ワクテカしながら待ってる。
メビウス・リンク氏GJ 今回もおもしろいです。 次も期待して待ってます
『イツデモヤッテヤンゾ、コラ、コノモトニート』 「うるさい、さっさと海に向かってダイブして来い」
今更ながら400氏のアムロは アズラエル的には技術面運用面での活躍を期待しているのに 一気に英雄だの異名まで付いてエースパイロットに伸し上がっちゃって アズラエルは嬉しいやら困るやらで複雑そうな気がw これほどの活躍を見せ付けられて 他がアムロをパイロットから外すなんて許さないだろう。 νの設計もパイロットやりながら作ったっぽいからそんな感じで行くのかな。
>>568 GJ!
シャア・・・一体アンタは何なんだーッ('A`)
GJ 相変わらず笑えるwww 誰か赤くて角の着いた奴描いてくれw
CCAのシャアじゃないことは分かった。
GJ!! ザクポンいいよ、ザクポンw 皆さまご反響ありがとうございます。みんなのGJが次への動力源っすm(__)m 今、ちょっとプロット飛び飛びでパナマ防衛>オーブ侵攻とかはほぼ固まっているんですけど 遥か手前のG計画>ヘリポリ襲撃にアムロ組み込むか迷ってるorz 結構、仕事も多くもしかしたら時間かかるかもしんないですがどうかご容赦をば
OK!ジックリやってくれ。 それにしても、パナマ防衛の後にオーブ侵攻とは…… 一体何処が攻めるのか、それとも攻められるような理由をオーブが作ってしまったのか。 激しくwktkだな! G計画>ヘリポリ襲撃に関しては、個人的な意見をいえば組み込まなくてもおkかと。 ヘリポリは囮+データ収集(それ以外にもオーブに腹を決めさせる目的もあったり)にして、本命は月でアムロにより既に部隊レベルで試験運用中。 この時点で三馬鹿の顔見せを行うのもいいかも。 AAは原作通り、ヘリポリを脱出⇒アルテミス(ここは初代っぽく変えたり)で月で合流ってな感じ。 月で改修を受けたAAは、アムロ達のMS部隊の母艦となり低軌道会戦後、地上に降下、地上のザフトを撃破し宇宙に追い出していく、とかなんとか。 マリューとかは、技官に戻し昇進させAAの整備主任辺りに回し、ナタルを昇進・艦長に任命。 これが無茶なら、ナタル昇進・副艦長のまま、艦長にはイアン・リー辺りを持ってくる、とか。 ……AAはそのままで、AA級二番艦を使ってもいいかもしれん。ナタル辺りを引き抜いてねw ヘリポリにアムロを回す場合は、奪取されるGの数の変化くらいかな。 奪取されるのはイージス一機だけとか。 一機も奪取されない展開もありと思う。 理由は、その後の戦闘展開。一機で四機は相手に出来ない、八百長でもやらない限りは。 これはアムロがパイロットでも同じだと思う。 艦を「攻める」なら一機でも出来る(アムロなら多分)だろうが、多数の敵から艦を「守る」というのは一機じゃまず不可能だ。 ヘリポリにおいての最大の見せ場は無論G!間違ってもパイロットではない。(アムロも含めて) 機体の性能を「硬い(装甲が)・強い(火力が)・速い(機動性・運動性)」の三拍子でシンプルに表す。(機体ごとの特徴を強調すればなお良し) OSの問題は出さなくてもいいと思われ。MSを手足のように使いこなせるよう訓練されたパイロット(ナチュラル)を用意すればいい。 無意識に身体が動くくらい鍛えられりゃOKだろう。 もの凄い妄想爆発してしまった。作者氏スマソ! 妄想を抑えられんかったOTZ
>>578 あんま注文つけんな 作者さんにバターぬって喰っちまう気かwww
まあ、ヘリオポリスが囮ってのはアリかもな
盟主王の全面バックアップがあるんだから、最高機密を
中立国の、敵勢力圏ずっぽりコロニーでわざわざ開発するのも何だしな
オーブが攻められる理由っていうのはやはりカグヤマスドライバーにあるんだろうな。 連合だったら宇宙に進出するための足がかりにしたがるだろうし、宇宙に連合の戦力を上げたくないザフトがマスドライバーを破壊しようとオーブに侵攻せんとするかも。
>>568 GJ!!
いよいよ、アムロvsキラか。wktkしながら待ってるぜ。
後、赤いハロの中の人・・・何処からやって来たw(絶対ΖでもCCAでもねぇw)
>>577 >パナマ防衛>オーブ侵攻
基本的にアムロ視点っぽいな。(勝手な推測)
だとすると、オーブが攻められる理由・・・ありすぎてどれのことやらw
アムロ率いるMS部隊に蹂躙されるオーブか・・・wktkすぎる。
>>578 前者と後者でGの扱いがだいぶ違ってくるな。
前者は、ザフトを欺くための物だから、意図的に低性能にされるか「それなり」の性能しか与えられないため見せ場が無い。
だけど後者は、その性能を強調するためかなり格好のいい描写がされるという。
なんという両極端w
>>580 あの国、連合からしたら攻める意味が無いんだよな。
マスドラが欲しいんなら、海上封鎖でもすれば向こうから差し出すだろうし。
また、マスドラにしても破壊されたのなら修理すれば良いだけの話だし。
攻められるとしたら、ザフトが疑心暗鬼に駆られてか、連合の一部(ユーラシア・東アジア)が利権・技術を求めて、って感じかな。
まあ、オーブがうまい具合に立ち回れば防げる事なんだろうが。
AAの連中を更正、あるいは桃色返還とかで絡ませるつもりならヘリにおった方がいいやろね。
オーブは近くにカーペンタリアがあるからな 連合にとって対ザフトの前線基地に最適 ザフトから見れば東亜、ユーラシアへの侵攻路として便利 しかもマスドライバーはあるはモルゲンレーテはあるは 狙われるフラグ立ちまくりなんですオーブ
>オーブがうまい具合に立ち回れば防げる事 あ、オーブオワタ('A`) 理念>>>>>|圧倒的に超えられないアスハの壁|>>>>国民の生活
3馬鹿がブーステッドではなくNT候補生(not強化人間)になってアムロに教育を受ける・・・。 という妄想をした。
>>583 AA連中はアラスカ到着後に捨て駒にせず配転させればおk
負債は一体何を考えて 種や種死を作ったのだろう?
>>588 考えて作ってればあんなザマになるかwww
>>588 自分達だけの主義主張と趣味
他人の声は一切考えていない
>>588 「戦争の影に軍需産業の陰謀有り!」
というプロ市民的感覚で作ったのが種死
(最後はさらにワケワカメだったがw)
種は…よくわかんね
>>591 種は過去の作品のオマージュ(失笑)だろ
もちろん負債なりのアレンジを加えてるけど
まだ着てないのか(´・ω・`)
歴代主人公 1st、逆シャア:アムロ・レイ 古谷徹(現青二、元俳協) 08:シロー・アマダ 檜山修之(アーツ) ポケ戦:アルフレッド・イズルハ 浪川大輔(現俳協、元こまどり) 0083:コウ・ウラキ 堀川亮(現アズリード、元青二) Z:カミーユ・ビダン 飛田展男(アーツ) ZZ:ジュドー・アーシタ 矢尾一樹(現シグマ、元俳協) F91:シーブック・アノー 辻谷耕史(現クレイジーボックス、元シグマ) V:ウッソ・エヴィン 阪口大助(青二) G:ドモン・カッシュ 関智一(現アトミック、元俳協) W:ヒイロ・ユイ 緑川光(青二) X:ガロード・ラン 高木渉(アーツ) ∀:ロラン・セアック 朴ろ美(円企画) 種:キラ・ヤマト 保志総一朗(アーツ) 種死:シン・アスカ 鈴村健一(アーツ) スタゲ:セレーネ・マクグリフ 大原さやか(俳協)
コピペ厨ウゼー
各職人さまGJです! みんなすごいよ本当に ほんと読むのも書くのも楽しいですわな えーっと、おいらの方は、とりあえず書いてるとこなんですが、 また長くなってしまって、連投規制当確となりました 今回はザフト側のお話がメインとなっております 残り2パート半なんで、週末までにはなんとか投下出来そうでつよ それまで期待しないでお待ちくださいまし |・∀・)ノシ ソレデハ オヤスミー
おけ 無理せず仕上げてくだされ 期待して待ってる
>>596 あえてプレッシャーをかけてみるw
「期待して待ってます」
頑張れー。
そろそろ長期正座の準備をしようか……
みなさん、おはようございます 今から投下させていただきますが、今回も確実に連投規制喰らいます 途中、モデム再起動かけるので、投下が止まりましたら再投下が始まるまで 10分ほどお待ちくださいませ
『機動戦士ガンダムSEED bloom』
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1174923341/278 の続きです
プラントでは、クルーゼ、ユウキ両艦隊に因り行われた地球軍への攻撃作戦の報は未だに発表されてはいなかった。何故なら、軍上層部はクルーゼ艦隊の攻撃が失敗した場合、ラクス・クラインの弔い合戦で敗退した事と成り、面目が立たないと言う理由があった為だった。
それならば、名目上公表されているユウキ艦隊の戦果を発表すれば良いかと言えば、そう言う訳にも行かない。間もなく帰還するユウキ艦隊が残した戦果は、内容的には余りにも地味な物で、それだけ見てしまえば民衆は不甲斐ないと受け取る可能性が高かったからだった。
しかし、今作戦の目玉であるクルーゼ艦隊が地球軍月基地奇襲を成功させた事で、軍部の威信は保たれる事となった。
クルーゼ艦隊も、ユウキ艦隊と時間を置かずして帰還すると言う事で、内容の公表は各艦隊が帰還し、報告が纏まった時点でパトリック・ザラ自ら発表する予定となっている。
その中、ザフト軍に入隊している家族を持つ評議会議員達には、既に軍部から各員の安否の報が届けられていた。
評議会メンバーの一人、ユーリ・アマルフィは、自分のオフィスで息子である、ニコルの負傷を耳にし、すぐに自宅に居る妻のロミナに電話を入れていた。
「……ロミナ、落ち着いて聞いてくれ」
「はい……どうしたのです、そんなに慌てて……?――も、もしかしてニコルが……?」
「落ち着くんだ、ロミナ!ニコルは死んだ訳じゃない!私も聞いた話なので詳しく分からないが、負傷したらしい。命に別状は無い」
「……あぁ、ニコル……」
ロミナはユーリの言葉に青ざめながら、その手に持った受話器を落として泣き伏した。
その様子を見ていたフレイが慌てた様に駆け寄ると、肩を震わせて泣くロミナの肩を抱くようにして声を掛ける。
「……おば様?……どうしたんですか!?」
「……ニコルが……うっぅぅ……」
「……もしもし……あのニコルに……何かあったんですか?」
涙を零すロミナの言葉を聞いたフレイの表情は一瞬にして青ざめ、震える手で床に落ちている受話器を拾うと、言葉を区切るようにして声を出した。
電話の向こう側に居るユーリは、フレイが出た事に少し驚きながらも、慎重に言葉を選びながら、ゆっくりと事の内容を伝える。
「……フレイか?……ニコルが負傷したらしい。済まないが、ロミナに付いていて貰えるか?」 「はい!それでニコルの様態は?」 「命に別状は無いと聞いている。裂傷を負ったそうだが、後遺症も残る心配は無いらしい。……間も無くニコルを乗せた艦が帰って来る。少ししたら、軍病院の方にロミナを連れて向かって貰いたいのだが、良いかな?」 「はい!……それでおじ様は……?」 「私も飛んで行きたいのだが、そうもして居られなくてな……。済まないが、宜しく頼めるかな?」 「分かりました!」 落ち着き払ったユーリの声を聞き、フレイは、ゆっくりと頷いてから電話を切った。 泣き続けるロミナに家政婦が声を掛けて慰めていると、フレイはロミナの前で腰を屈めて、優しく声を掛けた。 「……おば様、もうすぐニコルを乗せた船が戻るそうです……。私達も……病院に向かいましょう……」 「……奥様、ニコル様が戻って来られます。……早く病院へお向かいください。お嬢様、ニコル様のお怪我は……?」 「……怪我はしてるみたいですけれど、後遺症とか残る心配は無いって、おじ様は言ってました」 ロミナに優しく声を掛ける家政婦は、フレイにニコルの怪我の具合を聞いてきた。 フレイは、一瞬、家政婦に視線を向けが、すぐにロミナへと戻し、思いの他しっかりした口調で答えた。 家政婦は安堵した表情を浮かべると、ロミナに優しく語り掛ける。 「……奥様、お聞きになりましたか?……ニコル様はお怪我はしておりますが、ご無事なご様子です。早くお逢いになってあげてくださいまし。お喜びになられますよ」 「……うっぅ……そ、そうね……ニコルが待っているのですものね……」 「お嬢様、私はお車の手配をしてまいります。奥様を宜しくお願いします」 ロミナが涙を拭うのを確認すると、家政婦は部屋を出て行った。 フレイはロミナをソファへと座らせると、彼女の為に紅茶を注ぎ、迎えの車が来るのを待つのだった。
キラは目を閉じた暗闇の中で体の節々に少しだが痛みを感じていた。特にお腹の辺りが重たく、自由が利かない。だけど、誰かが手を握っているのか、右手が温かく感じた。 ――トリィ。 幼少期にアスランから貰ったロボット鳥、トリィの声が聞こえた様な気がして、少しだけ目を開けてみようと思った。 ゆっくりと目を開けると光が差し込み、キラは目を細めた。 「トリィ!トリィ!」 「トリィ……」 「……うぅん……トリィ、なんかお腹の辺りが……妙に重たいんだけど……」 キラは耳の傍で鳴く声がトリィの物だと分かり、顔をゆっくりと向けると、トリィは小首を傾げるた。 お腹の辺りに変な重みを感じたキラは、トリィに尋ねるが、人の言葉を話す事の出来ないトリィは、何回も不思議そうに小首を動かすだけだった。 キラは仕方なく自分のお腹の辺りを見ようとして、首を動かした。自然と少しだけ上体が動く。 「……うぅん……」 「……ラ、ラクス!?……うっ!」 自分のお腹に淡いピンク色の髪の女性の後頭部があった。正確には、彼女はキラのお腹を枕代わりに突っ伏したまま寝ているのだと思われる。 キラには、その女性がラクスだとすぐに判断出来た。慌てて上半身を起こそうとするが、関節に痛みが走り、そのままベッドに背中を預ける事となった。 「……ふぅ。なんでラクスが?……それに、ここって……?」 キラは仕方なく息を吐くと、何故ラクスが居るのかと思いながら、天井を見詰めた。そして、首と目と駆使して、何所なのかを確かめる。 それは前にも見た事のある部屋の造りで、今、自分が寝ている場所が医務室である事を知った。 そうしていると、お腹の辺りがモゾモゾと動き始めた。 「……ふぁ……んぅ……キラ……?」 「……お、おはよう……ラクス……」 突っ伏したままの状態でラクスは顔をキラの方へと向けた。その顔は、とても無防備で、キラの心臓を瞬間的に高鳴らせた。 キラは顔を赤らめたまま、ラクスにぎこちなく挨拶をした。 「……ふぅわ……ぁ……キラ……おふぁよーござぃまふぅ……」 ラクスは体をフラフラと起こすが、相当眠たそうな顔をしていた。 キラは、そんなラクスの表情をマジマジを見詰める。 当のラクスの頭の中は寝たままなのか、船を漕ぐとゆっくり前にのめり込む様にして、再びキラのお腹の辺りへと顔を沈めた。 「――うはっ!」 「……んくっ……ぅん……もぅ少しだけ……眠らせて……くださぃ……すぅ……すぅ……」 キラは、自分のお腹にラクスの顔が落ちて来た事で、肺の中の空気を吐き出したが、ラクスの寝言を聞いて、まだ寝かしておく方が良いと思った。 少しだけ首を動かし、ラクスの寝顔を覗き込む。とても愛らしく、再び心臓を高鳴らせた。そして、寝ているラクスの片手が、自分の右手を握っている事に気付く。キラは心臓を高鳴らせながらも、自然と心が暖かくなるのを感じた。 ……が、キラも年頃の健全な男子な訳で、言わば生殺し状態なのに気付き、ラクスが起きるまでの時間を、キラは体を強張らせながら待たなければならなかった……。 それから、小一時間程してからラクスは目を覚ます事となり、当のラクスは両手を頬に添えながら、その愛らしい顔を真っ赤に染めていた。
「……あ、あの……わ、私、お恥ずかしい所を……み、見せてしましまして……」 「――えっ!?あ、ぼ、僕は、き、気にして無いから……。そ、それに……寝顔……可愛かったし……」 「――えっ、えっ!?キラ……今……なんて……」 キラは寝たままの体勢で、ラクスに負けず劣らず真っ赤で顔で首を振ると、目線を外して呟くくらい小さな声で答えた。 それを聞いたラクスは、驚いた様に更に顔を朱に染め、俯くと上目遣いでキラを見詰めた。 「――えっ!あ、あの――っつ!」 「――キ、キラ、大丈夫ですか?」 見詰められたキラは赤い顔のまま、体を起こそうとするが、体に鈍い痛みが走り声を上げた。 ラクスは慌ててキラに体を寄せると、片手をキラの背中に回して、ゆっくりとキラを寝かせながら言った。 「……私、キラが意識を失われてしまいました時は、取り乱して……しまいましたわ……」 「……ありがとう。もう、大丈夫だから……心配掛けちゃってゴメンね。……それでここは?」 「地球の砂漠ですわ。昨日、着きましたの」 「……そう……なんだ……」 キラは呟いて、体に鈍く走る痛みとラクスの温もりを感じ、自分が生きて帰って来た事を実感しながら目を閉じた。 そうしていると、少しだけ冷たく柔らかい感触がキラの額を触れた。 「――えっ!?」 「熱は下がった様ですね。お食事は食べられますか?」 キラは驚いて目を開けると、目の前にはラクスの顔があった。一瞬、キラは驚くが、そのまま目を閉じて安心しきった表情を見せた。 ラクスはキラの額から手を離すと安堵の表情を浮かべて聞いてきた。 「……あ、うん……何だか、生きてるって分かったら、お腹が空いてる様な気がするよ……」 キラは、ゆっくりと目を開けると少しだけ残念そうな表情をするが、すぐにラクス笑顔を見せると、体を起こしてベットを降りようした。 ラクスは微笑みながら首を振って両手でキラを止め、寝かしつけようとする。 「病み上がりなのですから、そのまま寝ていてください。私が持ってまいりますわ」 「……うん。……ありがとう、ラクス」 「はい、では行ってまいりますね。すぐに戻りますわ」 「……うん、いってらっしゃい」 ラクスはキラがベッドに体を戻すのを確認すると、微笑みながら医務室を後にする。 キラはラクスに穏やかな笑みを向け、この時間が続く事を願うのだった。
プラントへと帰還したアスランは、すぐに軍部本部より呼び出され、父であるパトリック・ザラの執務室を訪れていた。 ここに着くまで、同乗した艦のモビルスーツのパイロットには白い目を向けられたが、自分が仕出かした事を鑑みれば致し方無い事だと思っていた。 アスラン自身、厳格な父に呼び出されたかは皆目、見当が着いている。予想通り、その薄暗い執務室にパトリックの厳しい声が響く。 「アスラン、お前は一体、何をしていたのだ?」 「……申し訳ありません」 「自らプラントを背負って立つ者の自覚があるのか!?民衆が求めておるのは英雄なのだぞ!エザリアの小倅なんぞに後れを取りおって。全く、情けないにも程があるぞ!」 「……私は……いいえ。……それで、どの様な処分が下されるのでしょうか?」 パトリックが言ったエザリアの小倅――イザークの事を引き合いに出され、アスランは一瞬、戸惑うが、地球軍基地の奇襲の立役者となったイザークと今の自分を比べれば、父が自分に求めていた理想とは遠くかけ離れて居る事を実感し、襟を正す思いで背筋を伸ばした。 アスランの言葉を聞いたパトリックは眉を顰める。 「……処分だと?」 「はい。ユウキ隊長から本国にて処分を下されると……。覚悟は出来ております」 「……親の心、子知らずとは良く言った物だ……。お前も大人なのだ、親に要らぬ苦労を掛けるな。ほとぼりが冷めるまで、家で大人しくしていろ。いいな?」 パトリックは自分の息子に対し呆れた顔を見せると、厳しい口調で言った。 アスランは驚愕の表情を浮かべ、父を見詰める。 「――そ、それは……ち、父上!」 「……父上だと!?……アスラン、貴様は自分の立場が分かって無い様だな」 「――す、済みません!し、しかし、それは――」 アスランにも父の言った事がどう言う事か、皆目見当が付いた。それは軍規上あってはならない事だった。 反論を口にしようとするアスランにパトリックは怒りの表情を見せ、怒鳴り声を上げる。 「――馬鹿者が!お前には民衆の英雄と成り、ナチュラルどもを倒すと言う役目があるのを忘れるな!分かったのなら、出て行け!」 「わ、私は――」 「――言って分からぬか、この大馬鹿者が!命令だ、出て行け!」 「――!……うぅ……」 それでも尚、アスランは食い下がろうとするが、パトリックに命令と言われ、唇を噛み締め俯いた。自分の仕出かした事が原因で、理不尽な命令を受けなければ成らない自分に不甲斐なさで一杯になった。ましてや実の父が、自分の罪を権力で握り潰そうとしているのだ。 アスランは遣る瀬無さも極まり、パトリックに敬礼もせず、そのまま執務室を後にした。 「……俺は……俺は――!」 アスランは背後の扉が閉まると呪文の様に呟き、自らの拳を壁に打ち付け、涙を零した。
白い壁と窓から柔らかい光が射し込む部屋のベッドの上で、ニコルは消毒液の臭いを少し気にしていた。その鼻を衝く臭いも、普段、病院などに掛かる事が無いからこそ感じる物だった。 ニコルの姿は、顔面を包帯で覆い、母親譲りの可愛らしい顔に出来た痛々しい大きな傷を隠してした。 軍医、そして医者は口を揃えて「この程度の傷は消す事が出来る」言っていた。その言葉は、自ら傷を見る事が出来ないニコルにとっては、何よりも安堵を覚える言葉であったし、目の前で自分の為に泣く母親の姿が、それ以上の薬となって、心に余裕を与えていた。 「――母さん、お医者さんもすぐに治るって言ってましたし、傷も跡が残らないって言ってたんですから、そんな泣かないでくださいよ……」 「……でも、本当に大丈夫なの?」 「ええ、見ての通り大丈夫です。僕も軍人なんですから、怪我の一つや二つ当たり前ですよ。母さん、済みませんが家から着替えを持って来て貰えませんか?どうも病院から支給されるのだと落ち着かないので……」 「……分かったわ。準備させるから私は取りに戻るわね。フレイさん、ニコルの事をお願いね」 「はい、分かりました」 ロミナは涙をハンカチで拭いてニコルにキスをすると、フレイにこの場を任せ病室を後にした。 母親を見送ったニコルの顔を覆う包帯の下は怪我で笑う事は出来ないが、その口調は照れの混じった物となる。 「……過保護過ぎて、恥ずかしい所を見せちゃいましたね」 「ううん、そんな事無い……。私、ママが居ないから、うらやましいわ。私も、おばさまみたいなママが欲しいもの」 「ありがとうございます。自慢の母ですから、褒められると嬉しいです」 「フフフッ、怪我、早く治さないとね」 「はい。傷が残ったままだと、母さんがまた泣きそうですからね」 フレイは思ったよりもニコルが元気な事に安堵し、少しでも勇気付ける為に笑顔を向けると、ニコルは大好きな母を思い遣るかの様に頷いた。 そうして、他愛も無い話を二、三していると、病室の扉をノックする音が響いた。 「――はい、どうぞ!」 「失礼する」 「よぉ!ニコル、大丈夫か?」 「イザークにディアッカ!お見舞いに来てくれたんですか!?」 ニコルが声を掛けるとイザークとディアッカが扉を開けて入って来た。 二人が見舞いに来るとは思わなかったニコルは嬉しそうな声で二人を出迎えた。 「ああ、俺な。イザークは見舞いじゃなくて検査受けに来たんだ」 「お前な……」 「……二人とも、ありがとうございます」 ディアッカの言葉にイザークは呆れた声を出すとニコルは二人に礼を言った。 そんなニコルにイザークは首を振って言う。 「……構わん、気にするな。それよりも傷の具合はどうだ?」 「大丈夫ですよ。少し入院が必要になりますが治るそうです」 「そうか……大した事無くて良かったな」 「はい」 「それよりも、確かナチュラルだったよな?……なんでここに居るんだ?」
イザークとニコルが話している中、ディアッカはニコルに声を掛けると、椅子に座るフレイの事を顎で指して聞いて来た。 ディアッカだけではなく、イザークもフレイの事はヘリオポリス強襲の折、救命艇がヴェサリウスに運ばれた時に見ていた為、知っていた。勿論、彼女の父親の肩書きも知っている。言わば敵軍方の娘なのだから、良い気分はしなかった。 二人の表情を見たフレイは、少し脅えた様に体を強張らせて俯く。 「……フレイは僕の家で預かってるんですよ。……ディアッカ、フレイ事をそんな風に言うのは止めてください。彼女は地球軍でもブルーコスモスでも無いんです。僕とアスランの友達なんですから、そんな目で見ないでください」 「……はぁ……へいへい、分かったよ。えーっと、悪かったな」 「……あ、いいえ」 包帯の間から見えるニコルの口から、珍しく強めの言葉が出て来たのにイザークとディアッカは驚いた様だった。 ニコルが入院していると言う事もあってか、ディアッカは少しバツが悪そうに頭を掻くと、フレイに対して一応の謝罪を口にすると、フレイは謝られるとは思っていなかったのか、戸惑いながらも首を振った。 「ディアッカも悪気があって言ったんじゃ無いんです。許してあげてください」 「ううん……私、気にして無いから……」 ニコルが声を掛けると、フレイは自分を庇ってくれたのを感謝するように微笑む。 そんな二人の遣り取りを見て、ディアッカはフレイがナチュラルだと知らなければ、年相応のカップルに見えただろうし、良い雰囲気に見える。ディアッカのタイプでは無いが、フレイは女性としては綺麗な部類に入ると思った。 ――お人好しのニコルがねぇ……。ま、相手は悪いが俺が文句言う事じゃねえな……。 そう思うと、ディアッカはニコルに向かってニヤリと微笑んだ。 「……そう言う事か……。空気読めないでスマン!俺は行くとこあるから帰るわ。ニコル、苦労するだろうが、まぁ、頑張れ!」 「……はぁ?」 「……えっ?」 「……ディアッカ、お前は何言ってんだ?」 「そんじゃな!早く治せよ!」 ディアッカの言葉を聞いて、その場にいた全員が「何を言っているのか」と不思議そうな顔をしたが、当の本人は気にしていない様で、とっとと病室を出て行ってしまった。 残された三人はディアッカが出て行った扉の方を見ていたが、やがてニコルが口を開いた。 「……ディアッカに物凄い勘違いをされた気がするんですが……違いますか?」 「……恐らくな……。違うのだろ?」 「ええ。そうですよね、フレイ?」 「――え!?あ、うん」 「……それだけはっきり言われると、何かへこみますね……」 「――ご、ごめん、ニコル!」 「フッ、ディアッカが勝手に勘違いしてるだけで、少し考えれば分かる事だ。気にする必要は無い」 ワザとらしくニコルが項垂れると、それを見たフレイは慌てた様にニコルに謝った。 その遣り取りが面白かったのか、イザークは少しだけ笑うとフレイに言った。 イザークの言う通り、プラントは婚姻統制を行っている為、婚約者は遺伝子的に相性の良い相手がリストアップされる。ニコルやイザークもまた然りであるが、彼らの様に親が政治的背景などを持っている者達は、相手も限定されて来る。 最も、プラントとナチュラルの融和を願うならフレイを娶るのも可笑しくは無いが、戦争状態にある現状では有り得ない話な訳でイザークの言う通りなのだ。 イザークはニコルに向き直り、真剣な顔を見せる。 「……それよりもニコル、俺は、お前に謝らなければならない事がある……」 「えっ!?……なんですか?」
ニコルは突然の事に聞き返すが、イザークはフレイが居ると話しずらいのか、中々口を開こうとしなかった。 それを察した様にフレイは立ち上がるとニコルに言った。 「私、飲み物買ってくるね。何か欲しい物ある?」 「僕はいいですよ」 「済まない、俺も必要ない」 ニコルは首を振ると同じ様にイザークも答えたが、違う事は場を察したフレイに対し、イザークは感謝の言葉を混ぜ込んでいた事だった。 フレイは頷いて病室を出て行くと、ニコルとイザークの二人だけになった。 イザークは仕切り直すかの様に、再び真剣な表情でニコルに向かって口を開いた。 「ニコル……俺は……作戦の為とは言え、ブリッツを大破させてしまった……。本当に済まん!」 「……イザーク。……でも、ブリッツは作戦を成功させて、イザークを守ったんですよね?」 「ああ、そうだ」 「……それなら、充分役目は果たしたんですし、気にしないでください。それに、僕もデュエルを壊しちゃいましたから……謝るのは僕の方ですよ」 「いや、しかしな……」 ニコルが乗っていたデュエルは壊れたとは言え、修理すれば十分戦える。出撃前にニコルに「壊すな」と告げておいて、自分がブリッツを完全にスクラップにしてしまったのだから、イザークはニコルの言い分に納得出来ずにいた。 ニコルは、いかにもイザークらしいと感じながらも、軽口を言う様に告げる。 「……お相子って事で良いじゃないですか」 「しかし、それでは俺の気が済まん。お前がデュエルを使え」 「……いいえ、お断りします。やっぱり、デュエルはイザークの方が似合いますよ。僕は専用機でも貰います。多分、ジンでしょうね。パーソナルカラー考えないといけませんね」 「それでは俺の気が済まんと言っているだろう!」 「……はぁ。……それじゃ、お願いがあります。それで手を打ちませんか?」 「……それでいいのか!?……分かった、何でも言ってくれ!」 予想通り、自分の考えを曲げる事の無いイザークに、ニコルは溜息を吐くと、少しだけ考えて交換条件を出す事にした。 イザークは驚いた顔を見せるが、それでニコルに借りが返せるならと頷いた。 ニコルの表情は包帯で見える事は無いが、イザークに向けられたその目は真剣さを感じさせた。 「……それじゃ……僕が戻るまでの間……アスランを守ってあげてください」 「……アスランをか!?どうしてだ?」 「……お願いしておいて、虫が良すぎるとは思いますが、僕からは理由は言えません。ごめんなさい……」 ニコルの頼みにイザークは戸惑って聞き返すが、当のニコルは申し訳無さそうに答えた。 病室に沈黙が訪れる。 イザークにはニコルがどうして、その様な頼みをするのか理解が出来なかった。しかし、それでニコルも自分自身も納得するのならばと思い、沈黙を打ち破るかの様に口を開いた。 「……約束だからな……分かった。アスランは癪に障る奴だが、ニコルが戻って来るまでは俺が守ってやる。それでいいんだな?」 「はい、お願いします!」 「ああ、必ず約束は守る。とにかくニコルは早く傷を治せ」 返事を聞いたニコルの声は、本当に嬉しさを滲ませていた。 イザークは真剣な表情で頷くと、「それじゃな」と声を掛けて病室を出て行った。
アークエンジェルのブリッジから見渡す景色は、四方全てに砂丘が広がる砂漠だった。 窓の差し込む日差しは肌を刺す様に強く、外の暑さを容易に想像出来たが、艦内は空調が利いている為に快適に過ごす事が出来、それは乗組員達にとっては一つの救いでもあった。 その中、モニターに写し出された地図を見詰めるアムロ、マリュー、そして地図上でアークエンジェルが置かれた状況を説明するナタルの姿があった。 「ここがアラスカ、そしてここが現在地です。見た通り、ザフト軍の勢力圏内ですね……」 「仕方無いわね……。あのまま、ストライクと離れる訳には、いかなかったし……」 「……ええ」 マリューは、ナタルの説明に大気圏突入時の事を思い出しながらも、眉間に皺を寄せ困った様な表情を見せると、ナタルも同様に仕方ないとばかりに頷いた。 何と言っても降下した場所が敵の支配下のど真ん中で、余りにも悪すぎた。救いはこの暑さとNジャマーの影響で、すぐには発見され難い事くらいだった。 かと言って、このまま何もせず留まって居れば、何れは見つかってしまうだろうし、もしかしたら既に見つかってしまっているのかもしれない。 何であれ、攻撃を受けて無いだけ幸いであり、今を嘆いている場合では無いのはマリューも理解しており、彼女は艦長らしくはっきりとした口調でナタルとアムロに告げた。 「兎も角、本艦の目的、目的地に変更はありません」 「分かった。それよりも疲れているんだろう、大丈夫か?」 アムロは頷くと、疲労の色が濃いマリューを気遣う言葉を掛けた。 何と言っても、このアークエンジェルの中で、一番、神経を使っているのはマリューなのは誰から見ても明白だった。余談ではあるが、医務室の胃薬の量が減っているのはマリューが服用しているからとの噂があったりする。 だが、そのマリューはアムロの気遣いに気丈な振りをしながら頷く。 「ええ」 「そうは見えないがな」 「……大丈夫ですよ」 アムロは肩を竦めて答えると、マリューは苦笑いを浮かべた。 実際、睡眠を取ったナタルとマリューの顔色と比べるとはっきり分かるくらい血色が良くない。 ナタルも気を遣って、声を掛けた。 「艦長、お休みください。まだ寝ていらっしゃらないのでしょう?」 「……でも」 「今、無理をして、ラミアス艦長に倒れられては困るからな。少しでも寝ておいてくれると有り難いんだがな」 マリューが艦長と言う責任感からか渋い表情を見せるが、アムロが責務に追われるマリューを宥めるかの様に言った。 そう言われたマリューは諦めたのか、感謝を込めた笑みを浮かべる。 「……分かりました。お言葉に甘えさせていただきます。ナタル、お願いね」 「了解しました。後の事はお任せください」 「ありがとう。それじゃ、何かあったら起こして」 「はい」 ナタルは、艦長席を放れるマリューを敬礼で見送る。 マリューは軽く微笑むとナタルに敬礼で応え、顔をアムロに向けた。 「アムロ大尉、アークエンジェルの守りをよろしくお願いします」 「了解した。ゆっくり休んでくれ」
アムロは頷くと、労いの言葉を掛け、マリューを敬礼でブリッジから送り出す。 マリューは解放されたとばかりに軽く伸びをすると、ブリッジを後にした。 「他の者達は休ませたのか?」 マリューがブリッジを退室し扉が閉まると、アムロは艦長席に座ろうとしているナタルに言った。 今、ブリッジに居る者達は殆どが交代要員の上、最低人員しか稼動して居ない。 ナタルは席に腰を下ろすと、深刻そうな表情をアムロに向けた。 「ええ、今は半数以上の者を休ませていますが……。やはり、突然重力下に降りた事と環境の変化やストレスからでしょう、クルーの中には体調を崩す者も出て来ております。ブリッジ要員に関しましては、予定では昼過ぎには、皆、起きて来るはずです」 「そうか。ここまで少ない人数でやって来ているからな……全員、疲労もかなり溜っているだろう」 「本来ならば、あのままアラスカの大西洋連邦本部基地へ降りるはずでしたから致し方ありません。せめて補充要員が入っていれば、ここまで酷い状況にはなってなかったのでしょうけれど……」 ナタルはアムロの言葉に頷き、眉を顰めながら背中をシートに預けながら言った。 アムロは目の前に広がる砂漠に目を向けると、その陽射しに目を細める。 「ああ、全くだ。……皮肉な話しだが、俺は昔を思い出す」 「前にお聞きしたときに言われていた……ホワイトベースと言う艦の事ですか?」 「ああ。あの時もサイドセブンで乗り込んで、そのままジャブローまで向かわせられたからな。それに砂漠では脱走した思い出もある」 「……大尉が脱走……ですか!?」 若き日のアムロが採った行動を聞いたナタルは、信じられないと言わんばかりの驚きを見せると、アムロはそこまで驚かれるとは思わなかったのか、苦笑いを浮かべて言った。 「ああ、そんなに意外か?」 「ええ……。アムロ大尉の様な方が脱走をするなんて想像も出来ません」 「あの頃は、僕も若かったからな」 「……アムロ大尉は今でもお若いです。そんな事を仰らないでください」 「……若いか。……そう言って貰えると助かる」 長年戦いの中で身を置きながら若者達を見る度に、アムロは年齢を重ねて来たかを実感していた。ましてや、今はムウと共にキラやトール達を指導する立場に有るのだ。 アムロは再び砂漠に目を向けると、続ける様に口を開いた。 「……しかし、ストライクは修理中、スカイグラスパーも飛べない今、襲われたら堪った物ではないな」 「ええ。今、攻撃を受ければ、間違いなく防戦一方になるでしょう」 「そうならない為にもやれる事はやっておくべきだな。俺は何時でも出れる様に待機しておく。何かあったら連絡をしてくれ」 ナタルは現実を思い出した様に苦々しい表情を浮かべながら言った。 事実、修理を行っているストライクで戦力として扱うには厳しく、スカイグラスパーだけでは戦力としては頼りなさ過ぎる。νガンダムでさえ、まともに使える飛び道具はアグニとエネルギーの残りが少ないビームマシンガンだけなのだ。 しかし、かと言って、何もしない訳にもいかない。 アムロは向き直って言うと、背を向け扉に向かって歩き始めた。 「了解しました。アムロ大尉、よろしくお願いします」 ナタルはアムロの背中を目で追いながら頷き、頼りにするかの様に言った。 アムロは歩きながら軽く片手を上げてナタルに応えると、ブリッジを後にした。
アークエンジェルの格納庫では、徹夜でストライクの修理が行われていた。しかし、ストライクの左肘から先は未だに無く、修復には予想以上の時間が掛かる予定だった。 整備兵達も懸命に頑張ってはいるのだが、始めから二、三日で修理が出来る様な物では無いのも分かって居るだけに、各員の疲労の色も濃くなっていた。 その為、一時はマードックが部下達に怒鳴り声を上げては居たが、状況を良く理解しているだけにジレンマを感じながらも、仕方なく小休憩を入れている所だった。 そこへ、起き抜けにトールの体力作りを終わらせたムウがやって来て、話し込んでいた。そのムウは、マードックに戯けた表情で、新しい愛機であるスカイグラスパーの事でマードックに口を開いた。 「マニュアルは昨夜見たけど、なかなかたのしそうな機体だねぇ。しかしまぁ、ストライカーパックも付けられますってのは、俺は宅配便か?」 「はっはっはっは!大尉なら、じゃねぇや、少佐ならどんなとこにもお届けできますってね」 「まぁ、その宅配便はもう一機あるから便利なんだろうけどさ、乗るのは新米だからな」 冗談を言うマードックに応える様に、ムウは笑いながら肩を竦ませた。 マードックはムウの言葉に苦笑いを浮かべた。 「でも、やる気はあるんでしょ?エンディミオンの鷹が育てるんだ。すぐに一人前になりますよ」 「本当にそうなら有り難いんだけどな」 「まぁ、それはそうと、ボウズの熱は?」 首の後ろを摩りながら愚痴る様に言うムウに、マードックはキラの事を聞いて来た。 ムウは「ああ」と頷くと、通路でラクスと逢った事を思い出して口を開いた。 「さっき、ピンクのお姫様に聞いたけど熱は下がったってさ。ストライクが凄いんだか……あいつの体が凄いんだかな……」 「はははっ!そんじゃ、こっちもピッチ上げますかね。あれを直さねえと、どうしようもないですからね」 「そりゃ、そうだわな。ストライクの事で忙しいとこ悪いが、スカイグラスパーを飛べる様にしといてくれ。流石のアムロでも、一人でデカ物を守るのはキツイからな」 「……分かりました。何人か回しますよ」 アークエンジェルの事をデカ物と例えたムウが修理中のストライクを見上げながら言うと、マードックは少し歯切れの悪い応え方だが頷いた。 ストライクの修理で手一杯の所に、ムウの願い通りにスカイグラスパーを飛ばせる状態にすると成ると、整備で人員を割かなければならない。しかし、ここでやらなければ死の危険性が高くなるだけなのだから、やる以外に選択肢は無かった。 そこへ、スカイグラスパー二号機のパイロットであるトールが、黄色いパイロットスーツに身を包んでやって来た。 「フラガ少佐、お待たせしました!」 「お、少しはそれっぽくは見えるが、やっぱ、着られてるって感じだな。まぁ、じきに似合う様にはなるだろ」 「まぁ、新米ですからね。それじゃ、俺は戻ります。新米、がんばれよ!」 「ありがとうございます!」 ムウがトールの姿を冷やかすと、マードックはにやけながら頷いて、アークエンジェルの守り手の一人となるトールに激励の言葉を掛け、ストライクの修理へと戻って行った。 トールは生真面目にマードックの後姿に頭を下げると、ムウに背筋を伸ばして向き直った。
「さて、始めるぞ」 「はい、お願いします!……それで、今日は乗るんですか?」 「おいおい、俺の格好見りゃ分かるだろ。馬鹿な事言うなってぇの。スカイグラスパーは、まだ飛べる状態じゃないんだ。それに誰が乗せるなんて言ったよ?」 トールの言葉にムウは呆れた様に応えた。 パイロットスーツ姿のトールと違い、ムウは制服を着ていて、どう見ても今からモビルアーマーに乗る格好では無く、トールは頭を掻くとバツが悪そうに苦笑いを浮かべながら言った。 「……パイロットスーツ着ろって言われて、てっきり……」 「お前、シミュレーターもやって無い奴に乗せられる訳無いだろ?それに操縦する時はパイロットスーツ着てるのが殆どだからな。それを着せたのは、早く感覚に慣らす為だ。分かったか?」 「はい」 呆れた表情で言うムウにトールは頷いた。 これからトールは命の遣り取りをする事になるのだから、生半可な事をすれば、戦場では全てが死に繋がる。教えるムウにしても、教えられるトールにしても手を抜く事は許されないのだ。 ムウは顔を引き締め、自分の教え子となったトールを見詰めながら口を開いた。 「時間が有れば、じっくりやる所だが、そんな余裕は無いからな。まずはシミュレーターを使って、基本操縦技術を教える。いいな?」 「はい。よろしくお願いします」 トールは背筋を伸ばして返事をすると、格納庫の片隅に設置されたスカイグラスパーのシミュレーターの元へムウの後を追う様に歩いて行った。 モビルアーマーなど無縁だったトールにとって、本当のパイロットに成る為の訓練が開始される。
地球衛星軌道上での戦いを終えた地球連合宇宙軍第八艦隊の眼前には月が大きく輝いていた。 第八艦隊はプトレマイオス基地出撃時に比べれば艦の数こそ少なくなってはいるが、過去、不利な戦いを強いてきた中では沈められた数と比べれば損害は少ないと言えた。 それも、プトレマイオス基地が強襲された事や、アークエンジェルのモビルスーツ隊の活躍が原因で彼らを奮い立たせた結果だったのかもしれない。 兎にも角にも、第八艦隊を指揮するデュエイン・ハルバートンと、その副官であるホフマンは、帰るべきプトレマイオス基地ドックを破壊された事で、艦隊をどこに帰港させるかを決めていた。 「……ホフマン、プトレマイオス基地のドックが使えない以上、艦隊を月の各基地へと振り分けて帰港させる事としよう」 「承知しております。一応でありますが、既に各艦の振り分けも考えておきました。これでいかかでしょうか?」 ホフマンはハルバートンの決定に頷くと、四つ折りにしたメモをポケットから取り出してハルバートンへと手渡した。 ハルバートンはメモを受け取り、目を通すと満足そうな表情を見せ、口を開いた。 「ホフマン、ご苦労。……うむ、これで良いだろう」 「了解しました」 ホフマンは頷くとオペレーターを呼び、各艦の艦長に伝えるように命令を伝えた。 ハルバートンはその間、少し疲れ気味の表情で月を見詰めて呟く。 「……それにしても、地球に降りたアークエンジェルが無事であれば良いがな」 「敵勢力下に降下しましたからな……。アラスカには、アークエンジェルの救援要請をしておきましたので、すぐに動いてくれるでしょう」 「……だと良いのだがな」 ホフマンの言葉にハルバートンは愚痴る様に呟いた。 地球連合は決して一枚岩では無い。多数の地域の連合体が共に協力しあっているだけにしか過ぎない。 ましてや、自分達が属する大西洋連邦でさえ、様々な派閥で構成されているのだから、宇宙軍のハルバートンを良く思わない地上軍の将官は多かった。 それだけにアラスカで腰を落ち着けて居る者達が、敵地に降りてしまったアークエンジェルを見捨てる可能性も有るとハルバートンは思っていた。 ホフマンは疲れた様なハルバートンの呟きを耳にすると、眉を顰める。 「……と、言いますと?」 「いや、何でもない。それよりもプトレマイオスからの報告は?」 「変わらず、復旧と戦死者の遺体処理を行っている様です」 「……そうか」 ハルバートンはプトレマイオス基地の現状報告を聞き、更に疲れが増した様な顔を見せた。 アラスカからの要請とは言え、自らの留守中に襲われたのだから、囮と分かっていれば出撃する事は無かっただろう。しかし、既に起きてしまった事で、今更、何を言っても仕方がない事だった。 ホフマンは月に目を向け、背凭れに体重を預けて口を開いた。 「……しかし、プトレマイオスがあの様な事になるとは、想像も出来ませんでしたな……」 「……うむ。だが、被害が基地中枢まで及ばなかったのは救いではあるがな……。そこでだが、ホフマン、メネラオスはプトレマイオスへ向かわせようと思う」 「しかし閣下、帰港出来ないのであれば行った所で意味は……」 「ホフマン、艦くらいワイヤーで固定すればよい。メネラオスくらいならどうにでもなろう。私はプトレマイオスが気になる。済まんが付き合ってくれ」 「……分かりました。不測の事態に備えまして、損害の少ない艦を護衛として同行させましょう」 「うむ。宜しく頼む」 さっきまで疲れた様子を見せていたハルバートンの表情は、強い物へと変わっていた。 それを見たホフマンは、自らの上官の疲れた顔を見るのが嫌なのだろう。今度は満足そうな表情で命令を受けると、ハルバートンは頷いて月を見詰めた。 その後、第八艦隊各艦は、振り分けられた各基地へ帰港して行った。
ザフト軍本部を後にしたアスランは、パトリックの言いつけを守らず軍病院に来ていた。 本来なら言いつけ通り、自分の部屋に戻り大人しくしているべきなのだろうが、どうしてもここに来なければならない理由があった。それは至極簡潔な理由で、自分の命令違反が原因で負傷したニコルを見舞う為だった。 しかし、そのアスランはニコルの病室の前まで来て、扉を開く事が出来ずにいた。 「……くっ……」 病室の前で立ちつくすアスランは扉を開こうとしたが、口から自然と苦しむ様な声が漏れた。 扉の向こう側に居るニコルにどんな顔をして会わせれば良いのか分からず、それ以上、手を動かす事が出来なかった。 そんなアスランに、突然、誰かから声が掛けられた。 「……アスラン?」 「――!……フ、フレイ……」 アスランは体を一瞬、震わせると、ゆっくりと振り向いて、自分の名を呼んだフレイを強張った表情で見詰めた。 しかし、フレイはアスランの心の中など知る由も無く、アスランが無事に帰って来た事を喜んで、その手を取って笑顔を見える。 「アスラン、無事だったのね!ニコルが喜ぶわ。病室、入りましょう」 「……お、俺は……ゴメン……」 「――ア、アスラン!?……ま、待って!」 アスランは、まともにフレイの顔を見る事が出来ず、声を上擦らせながら後ずさる。そして、手を振り払うと、逃げる様に走り出した。 突然の事に驚いたフレイは呆気に取られたが、思い出した様にアスランの後を追い始めた。 建物の中をどれくらい走っただろうか、アスランは病院の屋上へと来ていた。 「――ハァハァ……くぅ……お、俺は……うっぅぅ……」 アスランはフラフラと手摺りの所までやって来た。そして、手摺りに凭れ掛かると、両手で顔を覆う。その手の下からは、自然と涙が溢れて来ていた。 ニコルの病室を目の前にして、尻込みしてしまう自分が情けなかった。顔を合わして謝るつもりだった。しかし、病室の前まで来て、その気持ちは恐怖へと変わった。自分の命令違反で何人も死人を出しているのだ。決して、謝って済む事では無い。 そうしていると、息を切らしたフレイの声とゆっくりと歩いて来る足音がアスランの耳に届いた。
「――ハァハァ……ハァ……ア、アスラン……ハァ……な、泣いてる……の……?」 「うっうぅぅ……お、れは、……うっぅ……ニ……コルに……会わせる……顔が……無い……うっう……お……れは……どんな……顔をして……会えば……いい……んだ……」 アスランは顔を上げる事が出来なかった。零れる涙が、コンクリートの床を濡らして行く。 フレイは涙を流すアスランを見て、戸惑いながらも優しく声を掛ける。 「……アスラン……どうしてニコルと会えない……の?ねぇ、何があったの?」 「……ニコルは……うっ……俺を……止め、ようと……して、その所為で……そ、れで、キラが、ニコルを……うっぅ……傷つけて……」 「……キラが……ニコルを!?」 アスランは途切れ途切れだが、涙を流しながらも話し始める。その姿は、まるで子供が許しを請うかの様だった。 フレイはアスランの言葉に驚き、絶句する。 「ううっぅ……俺の……所為で……うっぅ……ニコルだけ……じゃなく……て、み……んなも……うっうっぅぅ……」 「……アスラン……キラを説得しようとしたんだよね!?」 「うっぅ……う……あぁ……でも……キラは……」 フレイの問いに首を振りながら涙を流すアスランは呻くように顔を人工の空へと向けた。 信じた友達に裏切られ、そして、その裏切った友達は、自分を信じてくれた仲間を傷つけたのだ。アスランの事だから、キラを懸命に説得したのだろうとフレイは思った。 知り合って短いが、アスランの優しさをフレイなりに知っている。婚約者を失い、友達に裏切られたアスランが余りにも可哀想に思え、放っておく事が出来なくなった。そして、アスランを裏切ったキラを憎らしく思った。 フレイはゆっくりと歩み寄ると、涙を流すアスランを抱きしめた。 「……アスランの所為じゃ無い……全部、キラがいけないのよ。……ね、だから……泣かないで……」 「……うっう……フ、レイ……」 「……私はアスランの味方だから……。ね、お願い、泣かないで……」 アスランは、今、唯一自分を許してくれる年下の少女の胸の中で涙を流す。彼に取って、少女は自分が失った母の様に優しい存在に思えた。 二人の心の内など知らぬ人工の空は、どこまでも青く晴れ渡っていた。
もう帰る事の無い娘の部屋を閉めたシーゲル・クラインは、リビングのソファへと腰を下ろした。そのリビングへは光が降りそそぐ。 娘のラクスが生きてここに居れば、ハロ達と共に戯れる姿が見られただろうと思った。しかし、そのラクスの捜索は既に打ち切られ、死は決定的と成り、受け入れる他無かった。 時間が許すのならば、自ら捜索に向かいたい所だが、そんな事は自らの立場からが許される事は無い。もしも、自分が今の立場に居なければ、ラクスは死ぬ事は無かったのかもしれないと父は思った。 そんな想いからか、目が自然と娘の写真へと向けられたが、その思考を中断させる様に電話が鳴り響いた。 シーゲルは腰を上げると、TV電話のスイッチを入れた。画面には、良く知る同じ評議会、そして同じ派閥である女性の顔が映し出された。 「クライン議長、アイリーン・カナーバです。お休みの所、申し訳ありません」 「いや、構わんよ。一人で居ると、色々と思い出してな……」 「……あの、後からお掛け直ししましょうか?」 「いや、いい。話を続けてくれ」 アイリーンはシーゲルの心中を察してか、申し訳無さそうに申し出たが、シーゲルは首を横に振った。 シーゲルに取って、プラント最高評議会議長と言う立場がある以上、いつまでも父ばかりしている訳には行かないのだ。 シーゲルの言葉を受けたアイリーンは、気を遣いながらも早速、仕事の話しに取り掛かった。 「……はい。議長、攻撃に出ていた艦隊が帰還した様です」 「そうか。……しかし、このままではいずれ……パトリックの行動はプラントを死へと追い遣る事になる。……君はどう思う?」 「……今の段階では何とも申しかねます。しかし、確実に民衆の支持はザラへと向くでしょう」 「……であろうな。ラクスの死を上手く使いおって。……例え、私が議長の職を失うとしても、この現状をどこかで止めねばならん」 「……ええ。ですが……」 シーゲルは、娘の死を使い、民衆を焚きつけるパトリックのやり方に一抹の怒りを感じながらも、今のままでは確実に議長の座を追われ、民衆達はパトリックの誘導の元に後戻りの出来ない道を歩まなければ成らなくなると考えていた。 アイリーンは、そんなシーゲルの悲壮な表情を見て言葉を躊躇った。 少しの間が空き沈黙が流れると、徐にシーゲルが口を開いた。
「……地球側にコンタクトは取れるかね?」 「……ええ、マルキオ師ならば。……しかし、地球側がこの様な情勢で応じてくれるかどうか」 「地球側とて、立て直す時間は欲しがるだろう。この機を逃せば、我々……いや、人類は血で血を洗う戦いに明け暮れる事になる」 「とは言え、ザラが知れば、議長の行動を黙って容認するとは思いません。それに……申し訳にくいですが、ザラの支持層が増えている中で、議長自らその様な行動に出られると……水を差す形に成り、世論から非難の声が出て来るかと思いますが」 民衆は民意を汲み取ってくれる者を指示するのは当たり前の事で、パトリックは地球軍への報復と言う形で民衆の望みを現実の物としたのだ。 シルバーウインド事件公表の折に、パトリックが報復を仄めかすなり、ラクスの父として涙を見せ泣き崩れでもしていれば、また現状は違っていたかもしれない。 アイリーンの言葉に、シーゲルは自分が如何に不利な状況にあるかを改めて思い知らされる。 「むぅ……。だが、誰かがやらなければ、プラントは破滅の道を歩む事になる。……出来れば、民衆に気付かせる為にも、公式の物として行いたい。私が直接出向く事で誠意を見せなければ、地球側は腰を上げてはくれんだろうからな。明日の議会で提案してみるつもりだ」 「情勢が情勢ですから……反対の者も出て来るかと思います。それに地球側が応じた所で、どの様な要求を出してきますか……」 「いつまでも続く戦いを誰も望んではおらんよ。それは地球側も同じはずだ。議会で過半数が採れれば望みは繋がる。例え、束の間の平和しか得られなくとも、私が行う事の真意を民衆は気付いてくれるはずだ。今は、何より間違った道を進む事を止めねばならんのだよ」 静かに言うシーゲルの言葉には力が篭っていた。まるでそれが、亡くなった自分の娘の為でもあるかの様だった。 アイリーンはシーゲルの気迫に圧されたのか様に頷いた。 「……分かりました。ザラに同調する兆しを見せる議員以外には根回しをしておきます」 「……済まない」 シーゲルはアイリーンに礼を言うと、少々の遣り取りをしてTV電話のスイッチを切った。 そして、再びソファに体を沈み込ませると背中を丸め、両手を顔の前で組むと、ラクスの写真に目を向けた。 「今は一時的な停戦でも構わん……。パトリックの勢いが潰えれば、民衆もラクスの想いに気付こう……」 シーゲルの寂しげな声が、リビングに小さく響くのだった。
軍病院内の廊下には、戦闘で傷付き、体を治す為に遣って来ている者や入院して居る者達が数多く行きかっていた。 ある検査室の扉が開き、検査を終えたばかりのイザークが姿を見せた。 「……ふぅ。俺の言った通り、検査など必要無かったじゃないか。しかし、これで母上も安心するだろう」 イザークは背後の扉が閉まると、検査に疲れたのか、愚痴を零すと歩き出した。 窓の外は穏やかに晴れ、光が廊下に差し込んで来る。中庭には緑が溢れ、その光景を目にしたイザークは未だに戦時下である事を暫し忘れた。 そして、人工の空へと目を向けた時、知っている人物を反対側の建物の屋上に捉えた。 「……ん?……あれは……アスラン!?……何故、あんな所に?まぁ、いい。あの噂……確かめてみるか」 イザークは軍港で聞いた一部の噂を思い出し、アスランの居る建物の屋上へと向かって歩き出した。 その途中、様々な者達を目にした。戦闘で傷付いた者を見舞う家族や恋人、そして、傷付いた兵士達を助けるべく治療に当たる者達の姿を目にした。 改めて自分達が守っているプラントには多くの人達が居るのだと実感し、その守り手として働く自分の仕事を誇りに思いながら、イザークは屋上へと続く階段を上がって行った。 階段を上がり切り、扉を開くと、そこには良く晴れた青空が広がっていた。 イザークは歩みを進めて見回すと、そこには抱き締め合っているカップルしか居なかった。が、良く見れば、女の方はニコルの病室で見たナチュラルの女に似ている上、男の方は忘れもしない知っている顔だった。 「……ア……スラン!?」 「「……えっ!?」」 絶句する声を聞いたアスランとフレイが、イザークの方へと顔を向けた。 イザークは信じられない光景に固まって居たが、顔を鬼の様に赤くすると怒りを顕にアスランの方へと歩き始めた。 「――貴様、何をしている!」 「――えっ、な、なに!?」 イザークの怒鳴り声に、フレイは脅えた様にアスランに寄り添う。 それを見て、更にイザークの怒りは激しい物へとなって行く。 「アスラン、貴様と言う奴は!」 「――えっ!?イザークな――うっ!」 イザークは左手でアスランの胸倉を掴むと睨み付けると、空いた右手の拳で顔を思い切り殴ると、掴んでいる左手で突き飛ばした。 突然の事で、防御も取る事が出来なかったアスランは、拳をまともに喰らい体をふらつかせ、倒れる。 「――アスラン!何をするのよ、止めて!……アスラン、大丈夫?」 フレイが声を上げ、理由も無く突然、アスランを殴ったイザークを睨み付けると、すぐにアスランの元へと駆け寄った。 アスランは体を起こしながら口の端から流れる血を拭って、理由も無く殴って来たイザークを睨み付けた。 「……ああ、大丈夫だ。……っつ……イザーク、突然、何をするんだ!?」 「――ふざけるな!ラクス・クラインと言う婚約者が居ながら、彼女が死んだと分かれば他の女か!俺は貴様を見損なったぞ!」
イザークは、まるでアスランの事を親の敵の様な目で睨みつけながら怒鳴りつけた。 ラクスのファンでもあるイザークは、その婚約者であるアスランの行動は、敬愛する彼女への裏切り行為としか見る事が出来なかった。それ故にイザークの怒りは修まる事は無い。 アスランはイザークの言葉を耳にし、ラクスの婚約者としての立場を思い出した。確かに知らない人間がこの状況を見れば、誰もが誤解をしても可笑しくは無い。 「そ、それは違う!俺は――」 「――それなら、何故、抱き合っていた!?言って見ろ!」 「……それは……」 どう言い訳して良いのか分からないアスランは、口ごもる他無かった。 イザークは怒りを隠そうとはせず、アスランを見下す様な態度で口を開いた。 「――フン!その様子だと、泣いて慰めて貰ってたか?情けない!貴様、それでもザフトの軍人か!?貴様がそんなだから、あんな噂が立つんだ!」 「……噂?」 「……知らんのか?なら、教えてやる。貴様が命令違反を犯し、味方に損害が出たと言う噂だ」 「……それは……」 「……まさか、本当なのか?」 「……ああ……それで、俺は……ニコルを巻き込んでしまって……」 「――貴様と言う奴は!」 アスランは問いに辛そうな表情で頷くと事実を口にした。 イザークは、アスランの採った命令無視と言う行動の結果、仲間であるニコルを巻き込み負傷させた事で、更に怒りを爆発させると再びアスランを殴りつけた。 「――うっ!……っ……イザーク……」 「――やめてよ!アスランは――」 「――フン、知るか!こんな奴が同じ仲間だと思うと反吐が出る。ナチュラルの女ごときに慰められて、良い様だな、アスラン」 フレイは倒れ込んだアスランを介抱すると、アスランがどうして命令無視をしたのか理由を言おうとしたが、イザークがフレイが言いかけた所で一蹴した。 ナチュラルの少女に庇われるアスランの無様な姿をイザークは嘲笑う様に吐き捨てた。 イザークの言葉を聞き、頭に来たアスランは立ち上がって、怒りを顕わにする。 「……イザーク、俺なら何を言われても構わないが、フレイは関係無いだろ!」 「貴様の様に軟弱な奴が何を何をほざく!相手になってやる、掛かって来い!」 「――アスラン、止めて!」 「……フレイ」 イザークの挑発に乗り、アスランが格闘戦の構えを取るが、そこにフレイが慌てて止めに入ると、アスランは渋々ながら構えを解いた。 それを見たイザークが鼻で笑うと、アスランに向かって馬鹿にする様な態度で吐き捨てる。 「――フッ!アスラン、貴様は本当の腑抜けに成り下がった様だな。そのナチュラルの女を抱いて、骨抜きにでもされたか?」 「――イザーク!」 「貴様の攻撃など通用するかよ!」 「うぐっ……!……さっきの、さっきの言葉を取り消せ!」
アスランは頭に血が上り殴り掛かるが、イザークはアスランの拳を叩き落とすと、膝をアスランの腹へと叩き込んだ。 体をくの字にさせて、腹の奥からせり上がって来る吐き気をアスランは押さえ込むと、イザークの脇腹を狙って拳をねじり上げる。 「うっ!……腑抜けが……ほざくな!」 「つっ……!フ……レイを馬鹿にするな!」 イザークは脇腹へのパンチに顔を顰めるが、すぐにアスランの体を押して間合いを取ると、右脚で中段への回し蹴りを出した。 アスランは両腕を重ね合わせて防御に入ると、イザークの蹴りはアスランの両腕に当たり、筋肉同士がぶつかり合う音が屋上に響く。 蹴りを防がれたイザークは蹴りを出した右脚を引き戻そうとせず、そのまま振り抜いた。蹴りを振り抜いたイザークはアスランに対して、一瞬、背を見る事になる。 アスランはその隙は見逃さず、懐に飛び込む為にコンクリートの床を蹴った。 「甘い!」 「――ちっ!喰らえ!」 「――ちぃ!」 イザークは舌打ちをすると、振り抜いた右脚へと体重を移動させて軸足を変える。そして、飛び込んで来るアスランへの迎撃の為に左脚を跳ね上げて後蹴りを出した。 アスランは後蹴りが跳んで来るとは思わず、不用意に懐に飛び込んだ事を後悔する。体が浮いてしまっている以上、ベクトルは殺す事は出来ない。 しかし、まともに喰らう訳にも行かず、体を浮かせながらも片膝と両肘を合わせる様にして体に引きつけて、後蹴りに対して防御に入る。 イザークの後蹴りは、飛び込んだ状態のまま防御に入ったアスランへとぶつかる。 アスランは弾き飛ばされ、背中からコンクリートの床に落ちて行く。 が、コーディネイターの運動能力の成せる技なのか、両脚を振り上げて無理矢理宙返りの態勢に持ち込み、落ちる直前に片手で床を叩いて落下のダメージを打ち消し、片手と両膝を折り曲げた状態で床に着地した。 「――ア、アスラン!」 「――くたばれー!」 格闘の素人であるフレイには、アスランが派手に蹴り飛ばされた様に見え、慌てて駆け寄る。 そのフレイが動くのと同時にイザークが床を蹴り、アスランへと向かって行っていた。 「――危ない!」 「――ちっ!?女、避けろー!」 アスランは自分とイザークとの間に体を割り込ませたフレイに向かって咄嗟に叫んだ。 それはイザークも同じで、突然フレイが飛び出て来た為に勢いを殺す事が出来ず、避けるように怒鳴った。 「――えっ!?」 二人からの声にフレイは驚いて、イザークの方へと瞬間的に顔を向けた。 そこにはイザークの拳が近づいて来ているのが見え、フレイは動く事も出来ずに声に成らない悲鳴を上げ、恐怖から目を瞑った。 アスランの脳裏にラクスやニコルの顔が過ぎる。
「――俺は――守って見せる!」 アスランの中で何かが弾けた――。 体が勝手に反応して両脚が信じられない様な瞬発力で床を蹴り、フレイの体を右手で抱きかかえるとアスランの目はイザークの拳へと向けた。 今のアスランには、迫るイザークの拳がコマ送りの映像の様に見えた。しかし、頭が拳を避ける事が不可能だと判断すると、左手を咄嗟に出してイザークの拳をフレイに当たる寸前の所で受け止めた。 イザークは自分の拳を受け止めたアスランの動きに驚き、目線をアスランへと向けた。 「……イザーク、止めろ!」 「――!……ああ」 アスランの顔には感情が感じられず、信じられない程の冷たい目がイザークを睨み付けていた。 イザークは背中に寒気が走り、一瞬、息を飲んだ。そして、絞り出すように声だしながらアスランに対して頷いた。 アスランはイザークの拳を離すと、腕の中のフレイに優しく声を掛ける。 「……フレイ、大丈夫か?」 「……えっ?……う、うん……うっ……うっぅ……」 「……もう終わったから、泣かないでくれ」 腕の中で体を竦ませていたフレイは恐る恐る目を見開くと、先程の恐怖を思い出し涙を零した。 アスランは腕の力を緩めると、フレイの背中をあやすかの様に優しく叩く。 それを見ていたイザークは、アスランの表情が先程とは全く違う事に気付き、あれは何だったのかと呆気に取られたが、アスランの腕の中で泣くフレイを見て、一瞬、バツが悪そうな表情をするが、すぐに語気を荒げながら口を開いた。 「……おい、女!男同士の戦いに邪魔に入るな!……こんな後味の悪いのは初めてだ!」 「イザーク!」 「うるさい!おい、女。俺は貴様を殴るつもりは無かった。それだけだ!」 イザークはアスランに怒鳴ると、泣くフレイに言い訳がましく言うと顔を背けた。 アスランは謝りもしないイザークを睨み付ける。 「……フレイを侮辱した事を取り消せ!」 「――フン!俺は謝らんぞ。元はと言えば、アスラン、貴様が原因なんだぞ!女に守られん位には、しっかりしろ!俺が認めん限りは頭を下げるつもりは無い!」 「……分かった。フレイ、俺の為に嫌な思いをさせて済まない……」 「……うっぅ……」 イザークの言葉に、アスランは口ごもるが、自分が事の原因なのは事実でもある為、頷くとフレイに謝罪をした。 すると、フレイは俯いたまま涙を流しながらも首を振って応えた。 二人の遣り取りを目の端で捉えていたイザークは、怒りを隠す事無く吐き捨てる。
「……胸糞悪い!だが、ニコルとの約束もあるからな。アスラン、貴様が立ち直るまで、戦場では俺が貴様を守ってやる」 「……ニコルと……そんな約束を……?」 「あんな傷を負いながらもニコルは貴様を心配していたぞ。礼は言っておけ!俺は帰る。次の作戦までに少しはマシになっていろ、いいな!」 「……分かった。心配を掛けて済まない」 「――フン!貴様の事など知るか!」 アスランはイザークの言葉に静かに頷いて、面倒を掛けてしまった事を謝るが、当のイザークは顔を背けると、一言文句を言って屋上から姿を消した。 二人きりになった屋上には、フレイのすすり泣く声が小さく響く。 「……うっぅ……うっ……アスラ……ン……」 「……フレイ……俺の為に本当に済まない。……それから、ありがとう」 アスランは抱えていた腕を離してフレイを開放すると、いざこざに巻き込んでしまった事への謝罪と、自分庇ってくれた事の礼を言った。 少しの沈黙と共にアスランは、一度、空へと顔を向けて息を吐くと、少し言い難そうな表情をフレイに向けながら手を差し伸べる。 「……フレイ、俺は……ニコルに謝りに行きたいんだが、……一緒に……付いてきて来て貰えないか……?」 「……うっ……ぅん……」 フレイは涙を手で拭うと小さく頷いてアスランの手を取った。 人口の青空の下で、アスランはフレイと手を繋いだまま、彼女の涙が完全に止まるのを待って、二人で屋上を後にしたのだった。
月明かりが砂の丘陵をどこまでも美しく描き出していた。それだけ見ていると無限に続いている様にも思える。 その中、砂の丘に停まっている一台の車――軍事用の指揮車両と、砂地用の迷彩服を着た二人の男が居た。一人は赤外線スコープを覗き、もう一人は、その手にカップを持ちコーヒーを飲んでいた。 カップを持った男、アンドリュー・バルドフェルドが、スコープを覗く男に声を掛ける。 「どうかなぁ?噂の大天使の様子は?」 「――は!依然なんの動きもありません」 スコープを覗いていたマーチン・ダコスタは、上官であるバルドフェルドに顔を上げて答えた。 「地上はNジャマーの影響で、電波状況が滅茶苦茶だからなぁ。彼女は未だスヤスヤとおやすみか……。――んっ!?」 「――うっ!何か?」 アンドリューはダコスタが見ていた先を眺めながら、手に持ったカップを口へと運ぶと、突然、表情を変えた。 驚いたダコスタが慌てた様にバルドフェルドに顔を向けた。 「……いや、今回はモカマタリを五パーセント減らしてみたんだがね……こりゃぁ良いな!」 「ぁ……」 ダコスタが緊張の面持ちで見詰める中、バルドフェルドの口から出て来た言葉は、カップの中に有る黒い液体――コーヒーの感想だった。 コーヒーの味一つで、嬉しそうな表情を浮かべるバルドフェルドに、コーヒーが好きでは無いダコスタは呆れ返った。 そんな上官ではあるが、一度、戦闘が始まれば『砂漠の虎』と呼ばれ、ザフト地上部隊屈指の名将、そして名パイロットとして、その名を轟かせていた。 バルドフェルドは指揮車を降りると、コーヒーを飲みながら丘を下って行く。その途中、空になったカップを放り投げた。
「――あ!あぁっ……」 後を歩いていたダコスタは慌ててカップをキャッチする。 バルドフェルドが足を止めると、そこには月明かりに照らされた虎とも狼とも採れる巨大なモビルアーマーとヘリコプターやバギー、そして今や遅しと出撃を待つ部下達の姿があった。 自分達の隊長の姿を見た彼らは、素早く整列するとバルドフェルドが口を開く。 「ではこれより、地球軍新造艦、アークエンジェルに対する作戦を開始する。目的は、敵艦、及び搭載モビルスーツの、戦力評価である」 「倒してはいけないのでありますか?」 兵士の一人がバルドフェルドに言うと、隊の全員が笑い声を上げた。 「んー、その時はその時だが……あれはクルーゼ隊とFAITHのユウキが仕留めらなかった艦だぞ?それを忘れるな。……一応な」 バルドフェルドは少し考えると、そう言ってニヤリと笑みを湛えた。 兵士達の顔にも自信に満ち溢れた笑みを浮かぶ。 「では、諸君の無事と、健闘を祈る!」 満足そうな表情でバルドフェルドが言うと、まるで、それが合図であるかの様に全員が揃って敬礼をした。 彼らの隊長も敬礼で応えると、ダコスタが号令を掛ける。 「――総員、搭乗!」 兵士達は散ると、各々、自分の機体に乗り込んで行く。 ダコスタが指揮車を運んで来ると、バルドフェルドは素早く乗り込んだ。 「んー、コーヒーが旨いと気分がいい。さあ、戦争をしに行くぞ!」 呑気そうに言うバルドフェルドの目が途端に獲物を狩る者の目へと変化した。 彼らの獲物――大天使と言う名を持つ、白い船を狩る為に動き出した。
今回は以上です 皆さん、おはよーです! 今回も至らない点があると思いまするが、何卒ご了承ください えーっと、ようやく寅さん登場となりますた ほんと、ここまで来るのに長かったなぁ 今回、アムロとキラの活躍を期待してた人達には出番が少なくて申し訳ないっす 次回、アムロとキラの出番はかなり多いのでそちらでご容赦を! |・∀・)ノシ フロハイローット
乙!!! 次回は犬ッころとの大立ち回りですかい 期待してますよ!
GJ! GJ! GJ!
GJ! フレイは獲物をキラからアスランに変えたか?w
生身の喧嘩で種割れするというのも面白いね
GJ!GJ!
MS戦ではなく喧嘩で初種割れとは流石種世界白兵戦最強の男だな、アスランw
フレイ、相変わらずダメ男が好きなんだなー
ぐっじょぶ! 全キャラ、生身の人間としての見せ場があって、なかなかええわ。
まだ読んでないが先に言っとく GJ!(*゚Д゚)b
先に読めよ
GJ!!! 気のせいかな、イザークが漢に見えるよ…… アスランは前々回に続き種割れの大バーゲンだな。 でもこういう種割れの形も有りかもね。 あれって別にMSに限って起こる事でもないんだろうから。 フレイは、歳相応の反応というべきか。 だけど周りの状況から考えると、ストックホルム症候群といってもいいかもしれん。 ニコルは、良い奴だ。本当に良い奴だ! 後、痔は空気読もうぜ。イザークでさえ読んだんだから。
フレイ達の様子がうまいこと書けていて実に面白い
戦艦ミネルバの士官室 大尉待遇で迎えられているアムロに与えられた部屋は只今ちょっとした喧騒に包まれていた。 『ヤダヤダーー!!ツノツケテ赤クヌッテ…ブゲラッ(ブツン)!!!』 「まったく……」 ぴょんぴょん飛びながら五月蝿く喚き散らす赤いハロに堪えかねたのか、電源を切って黙らせたアムロは痛むコメカミを抑えつつ、今までほっぽったままだったメイリンに向き直る。 「すまない、メイリ…」 と彼女が腰掛けたベッドに目をやると、そこには必死に笑いをこらえようとしているのか枕に顔を押し付けて肩を震わせているメイリンの姿があった。 「プ、ククッ……プフフ」 「……メイリン?」 仏頂面でアムロが声を掛けるとメイリンは慌てて起き上がり「あ、ご、御免なさい」と取り繕おうとするが、それでも堪えきれずに吹き出してしまう。 目に涙すら浮かべているメイリンを複雑な顔で見るしかないアムロだったが、フウっと息を漏らして真向かいの椅子に座る。 「そんなに滑稽だったかい?」 「ち、違うんですよ、アムロさん」 ようやく落ち着いたのか涙を拭いながらメイリンが微笑みながら畏まる。 「なんがか…凄いギャップがあって……。アムロさん、普段は凛としてて凄く頼りがいがある感じなのにそのペットロボット…ハロですよね…相手だと感情剥き出しでドタバタするんだもの」 などと上目遣いで言われた日にはアムロとしてもグウの音も出ない。 「…僕は断ったんだけどね、コレを乗せるのは」 と苦々しげに言うアムロ。 ペットロボットが畏くも戦艦に乗っているのにはちょっとした訳があった。 今朝、補給を終えて後は出港を待つだけというミネルバにいきなりギルバート・デュランダル議長がラクス・クラインを伴って現れたのだ。 急な来訪に艦長以下主だったクルーは慌てて艦橋に降り立った。 まず、議長は連絡も無しに来たことを詫びた後、今後の作戦及び戦火に期待するといった訓示を述べた。 ラクスも「無事な帰還を願っております…etc]と言ったことを…主にアスランの顔を見ながら…言った後、どういう訳かアムロの前まで進み出て「はい☆」てな形で持っていた『赤いハロ』を差し出してきたのだ。
これにはアムロ以下その場の全員が?マークを頭上に浮かべるしかない。 その様子に苦笑した議長が説明するには… 「実は今度、このペットロボットを商品として売り出そうかという企画があってね。かねてより歌姫が愛用しているとあって商品化の希望が殺到していたんだよ。 それではイメージUPも兼ねて、第一線で活躍している戦艦に少しの期間乗せてもらって、内部のクルーとの交流の様子を記録してもらおうと思ったわけだ」 これはプラントにいる民衆が日頃の兵士を知るいい機会にもなるからね、などとさわやか〜な笑顔でのたまうデュランダル議長。 勿論、難色を示した者はいた………タリア・グラディス、アスラン・ザラ、アムロ・レイ…そしてルナマリア・ホークの四名である。 タリアとアスランは純粋に職務の弊害、及び艦内の風紀の低下を心配しての意見だったが「ほんの僅かな期間だし、もし問題が発生したら即座に機能を止めてくれて構わない。これも市民を元気付けるためだ」と言われると引き下がるしかない。 アムロは……説明は不要だろう。何が悲しくて自分にとっても愛着深い『ハロ』に寄生している(←失礼)元宿敵(?)を傍に置かなくてはいけないのか。 しかも、どうもキナ臭い感じがする(ラクスの後ろに控えて微笑むサングラスの秘書…サラの存在も手伝って)、疑いたくもなるというものだ。 ルナマリアに至ってはもっと単純だ……気に喰わない…どういうわけか気に喰わないのである。 自分でも説明は出来ないのだが、向こうの『赤いちんちくりん』も自分を敵として認識しているらしい…のっけから噛みつかれたりしたし……。 しかも『この赤いちんちくりん』は何故か自分の憧れているアムロさんに懐いているのだ(アムロが聞いたら断固否定するだろうが)。 しかし、一介のパイロットに過ぎない二人では大して意見も言える筈もなく、艦長が承諾したのなら引き下がるしかない。 「このコのこと、お任せしますわね。貴方に懐いているようですから☆」 「……………善処します」 かくして、『ニッコリ笑顔で差し出すラクスと、対称的になんとも嫌そ〜〜な顔で受け取るアムロ』といった構図と相成ったのである。 やれやれといった具合に事の顛末を思い出したアムロは「いい迷惑だよ」と電源が切れて今は大人しい物体を見つめる。 「でも、アムロさん…」 「ん?」 言おうかどうしようか逡巡した後、メイリンは微笑みながら言う。 「そのコの相手をしてるとき、普段より活き活きしてますよ」 「……そうかい?」 「あ〜、認めたくないって顔してる」 フフフフっと年齢相応に笑うメイリンを見ては否定する気も起きず、アムロも苦笑する。
「あ!いっけない、もうこんな時間!!もうすぐ交代の時間っ!!」 時計を見ればあれからかなりの時間が経っている。 「胸の痞えはとれたかい、メイリン」 「あ、はい!有り難うございました!!」 「いいさ、それじゃあ一緒に出ようか」 とアムロは立ち上がると、徐に備え付けの机の上にあるT字型の金属の様な物を手に取った。 「あの、アムロさんって戦闘の際はそれをいつも身に付けてるってシン達が不思議がっていましたけど………」 「ああ、御守り……いや、違うな。俺がいまこうして存在していることの証…みたいなものだよ」 そう言ったアムロの顔を、メイリンはこの先、忘れることはなかった……その、表情はなんとも儚げで…例えようのない孤独をほんの少し浮き彫りにした表情を。 アムロ達が退室してすこしの時間が流れた…沈黙が支配する部屋だったが、艦を揺らすほどの振動が起こった。 ズズ……ン カチ、ブブン 何かの拍子か電源が入ったのか、ハロの瞳が明減した。 『ミトメタクナイモノダナッッ!!!!!!!』 起動して早々、意味不明なことを叫んだ赤いハロだったが周囲に誰もいないことに気付くと何やらぶつぶつ云いながら(?)、ベッドの上にテーンテーンと飛び乗った。 『・・・・・・・・・』 そして、壁の一点をじぃっと見つめる……穴が開きそうな程、その先にある光景が見えているかのように……… 「ガンダム……」 アムロは紺碧の空の下、戦場を睥睨するかのごとく浮遊する青き4対の翼を持つ機体を見つめる。 連合、オーブの待ち伏せを受けたミネルバは迎撃を敢行。 シン、アスラン、そしてアムロに艦の護衛をさせ主砲のタンホイザーで一掃する作戦に出た。 何とか敵を艦に近づかせないことに成功し、射線軸を確保したタリアは主砲の発射を指示した……その時である、天空より一条のビームが降り注いだのは………
その頃、ミネルバのブリッジは騒然とした空気に包まれていた。 「アーサー!被害状況は!?」 「だ、大丈夫です!!主砲の所々に穴が空いた事による爆発のみで誘爆の危険性は無いそうです!!たった今、ダメージコントロール班を向かわせましたぁ!!!」 「負傷者は!?」 「今のところ重軽傷者のみです!!」 そこまで矢継ぎ早に指示を出してから「そう…」と、やっと一息つく余裕が出来た。 危なかった・・・その一語に尽きる。 もし、エネルギー充填中に直撃を受けていたら最悪誘爆に次ぐ誘爆で墜落、撃墜もありえた そうならなかったのは… 「彼のお陰ね」 モニターの端に写る、海面を滑るように滑走しているザクを見つめる。 あの時、タンホイザーの発射を指示する直前に先行するアムロが声を送ってきた。 その声はブリッジにいる者全てを彼のザクが映るモニターに目を向けさせるほど緊迫したものだった。 そして一様にギョッとした。 今まさに彼の銃口が<ミネルバ>に向けられ、そこから光が迸ったのだ。 傍目からしたらアムロが自軍の戦艦に攻撃を行うようにしか見えなかったし、タリア自身も息を呑んだ。 しかし、彼が撃ったのは『ミネルバ』ではなく『ミネルバの主砲の僅か手前の空間』であったのだ。 そのことに気付いたのは横殴りの衝撃がミネルバ全体を襲ったあとであった。 「…………」 ギリギリだった。 モニターに映る母艦の様子を見ながら(主砲は黒煙を上げているが航行に支障はないようだ)吹き出た汗を拭う。 あの時、海面を滑りながらミネルバの援護をしていた時、背中に怖気が走った。 まるで冷たい氷柱が背骨を駆け抜けてゆく様な感触。 そして気が付いた時には(いや、無意識にといったほうが正しい)機体の上半身を捻って何もない空間にビームを放っていた。 その際、何か叫んだかもしれない。 今となっては偶然の産物としかいいようがない…『飛来したビームを辛うじて相殺したのは…』。 コンマ一秒、いや零コンマ一秒遅かっただけであのビームは主砲を貫いていただろう。 しかも、完全には相殺できなかったようで、ビームの粒子が幾つか穴を空けたようだ(こちらは出力を最大にして撃ったというのに)。 アムロは気付けなかったが、あの瞬間、膝に留めてあるT字型の物体が緑色に薄く発光したのだのである。 まるで意思を持つかの如く…… 戦場は混乱の様相を呈してゆく……
今回はここまで ひょっとしたら深夜には続きをUPできるかも 他の職人様方、つくづくグッジョブです では…
サイコフレームの輝き キタ━━(゚∀゚)━━!!!! いよいよアムロVSキラか? アムロ、キラみたいな人間に対してはどう思うのか……。 結構前例が無いタイプだからなぁ、平和を謳いながら戦争をするタイプ? まさにテロリストだな。 メイリンはアスラン脱走時付いていかないルートなんだろうか? そうなら嬉しいんだけど……。 あぁ、アムロがガンダムに乗るのは何時になるのか……。
GJ!!
だが、まだ続きが深夜に出そうな気配!
感想はそれまで我慢我慢。
>>644 メイリンはアスランが眼中に入ってないっぽいから、大丈夫なんじゃね?
それ以前に、このアスランは脱走しないとおもう。
98氏もメビウス・リンクの中の人もGJ。 凸は女難の王だな、最早。主席と次席のバトルに燃えた。 ハロの正体 アムロは本人だと思ってるのね。 アムロはCEでも凄いな。 続き待ってます。
アスラン脱走しなくてアムロもいるとなると、パワーバランスがなぁ・・・ いっそエクステンデット3人を死なさず、ネオ共々AAに引き込むとか
ステラAA側!? ララァ、フォウの悲劇が繰り返されるのか!
職人様GJです。 なんにせよ + + ∧_∧ + (0゚・∀・) ワクワクテカテカ (0゚∪ ∪ + と__)__) +
98氏、メビウスリンク氏GJ GJ 98氏、砂漠のとらさん達にアムロ一人でどを立ち向かうのか気になる。 メビウスリンク氏、ガンダムVSアムロが乗るザク 感慨深いものがあるな。
ザフト:シン、アムロ、アスラン、レイ、ルナ、ハイネ 連合:ムネオ、オクレ兄さん、アウル、ステラ AA:キラ、虎、カガリ どう見てもパワーバランス崩壊でス本当に(ry
>>651 アスランとルナあたりがAAに行くとちょうど良くね?
アスラン一人だと、まだザフト寄りっぽいけど、もう一人ぐらい抜けると良くね? 個人的には抜けて欲しくないけど……
シンとレイはAA論外だし、ハイネは裏切りなんてしないしなっ!
まぁなんにしても職人様次第だけどな。
GJ!
アムロの神業ktkr!!!
>>651 いんじゃね?
テロリストなんてそんなもんだぜ。
むしろ奴らがテロリストに有るまじき物を持てること自体問題だよ。
戦術兵器級のAAとか核動力機とか。
確かにパワーバランスがちょっと偏ってるかも アスランはAAでもいいかもしれないね アムロによってまっすぐ成長できたシンとアスランの決着も見てみたいぜ
クロススレのでの裏切り凸は いいかげん見飽きた
最強クロスキャラとその仲間がラクシズ皆殺しってのもね。
一部のアスランを除けば、アスランって基本ヘタレで応用意味不明キャラだからな 成長したシンとの対象的になりそうだ そういえば、アスランって裏切り者×3+父殺しなんだよな…… 完全悪役系じゃねえかよ。再確認。
パワーバランスを気にしすぎなくていいい。
なぜだろう…98氏の作品を読んでてニコルが生き残ってイザークが死にそうな 気がしてきた…。
イザーク「ニコル!約束は守ったぞ!!!…………母上」⇒爆発音。
ニコルとか同僚の事や母親のことを話し始めたら危険信号だな まさしく死亡フラグが立つわけだ
急に婚約者が出てきても危ない。
イザーク「この戦争が終わったら母上に頭ナデナデしてもらうんだ…」
というかラクスはどこで降りることになるんだろうか? 一番ありそうなのがオーブなんだけど、ザフトの面々が乗っているのを知ったらどうなるか楽しみでもあるんだけど
一話で死亡フラグ立てて、ライバルキャラから主人公を逃がす為に自爆。 で、最後にちゃっかり生き残って、無事を知らせる・・・ そんな、死亡フラグを思い出した。
ぶっちゃけレイやルナなんか、居ても居なくてもパワーバランスは変わらん気が
一人では不可能な戦術が、二人いる事で可能になる事もある 個人の力の優劣は問題ではなく、人数がいるかどうかが問題 という戦場もある。というか、それが大半じゃないか? ルナやレイ、M1・3人娘であっても、いるといないとでは戦術に多大な幅が出る。
まああれだな。 裏切り者凸の髪の毛掴んで引きずり回すか一本も残さずに毟り取りたいね。
まああれだな。 職人さん達の裁きに期待しよう。
>>665 中の人絡みなら、格納庫で自分の機体にシール貼ろうとしてて
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
なんてのもあるが。フラグもクソもねぇがなw
>>670 あれは当時見ていてびびったなあほんと、ぜってー殺すところまちがえてるだろ
あれって。
>>671 都合のいいヒロイックの否定があの作品だからあれでよかったんじゃない?
というかこれはIFものなんだからむしろパワーバランスを気にする方がおかしい IFなのに原作と戦力比が変わらないってほうがおかしいしな
ていうか戦闘に重点を置くSSでもない限りパワーバランスなんてどうでもいいってか 人員的な問題なんて環境弄れば幾らでも調節可能なわけだし
>>672 そんないいもんじゃねえよ、あれ。
脚本家の悪い趣味が出ただけ。
パワーバランスなどどうでもいい
要は面白いか面白くないか、だ
>>670 ナデシコ?
>>666 種死本編なら確かに言える。
ようはキラとアスラン、ラクス、カガリ、ディランダル(敵)があって圧倒的なパワーで敵を薙払っていくのが成立する世界が種死
メビさんおつ&GJ! シリアス編も期待してまっせ!
>>676 正解。ちなみにス○ロ○ではえらく優遇されてて、
最新作じゃ遂に劇場版設定で出て来やがったw
劇場版でもW○キ○ンフ○ア披露するしな。
更にジョージ・グレンが○連にあのアニメを伝えた事になってて
あっちで大偉人扱いされてたりする。
…これぐらいにしとこうか。ス○○○の話は荒れるしな。
>>675 都合のいいヒーローは要らないって話だろ、月の話とかちゃんと見直してみ
>>680 だってその後のラジオ番組や雑誌のインタビュー読むとねえ…
>>679 伏字にする意味ないし見づらいだけだからやめようぜ
>>675 確かに後味の悪い話が多かった。
避難民押し潰しとか、ガイのそっくりさんが親友に裏切られて死亡とか。
ガイってヒーローでもエースでもなくただのマニアキャラだろ?
そう簡単にヒーローなんかにゃなれねーよwwwwってことじゃねーの? まあスレ違いだからもうやめようぜ
_________________________ <○ノ ‖ <このスレの流れひとつ、ガンダムで変えて見せる!! くく
_________________________ <○ノ ‖ <νガンダムは伊達じゃない!! くく
_________________________
ちょwwwwwwww
どうやらνガンダムは上杉らしい
…やあ、久しぶりだね。(´・ω・)ノ まずテキーラでものんで落ち着いてほしい。 三ヶ月も放ってて悪かったと思っている。いまさらかと思われるかもしれない。 もし投下してもいいんであれば投下してもいいだろうか。といっても投下するが。 (えらそうに書いてすいません。転職→引越し→海外出張の三連コンボでした。では投下。)
大気圏外で静かに漢たちは祈りでもするかのように目をつぶっていた。 降下カプセルは既に降下準備を済ませ切り離しを待つのみとなっていた。そして しばしの沈黙の後、降下ポッドの切り離しのカウントダウンが始まる。 「降下ポッド切り離し予定時間までマイナス20。各員、降下後の健闘を祈る。」 オペレーターの女の声が各機に届く。こういうときむさ苦しい男の声でないのは唯一の救いだろう。 「マイナス15…10、9、8、7、6、5、4、3、2、1」 「ザフトの為に!!」 オペレーターを含めパイロットたちは口々に自身を、仲間を鼓舞するかのように叫んだ。 同時に降下ポッドがゆっくりと大気圏に向かって落下していく。あるものは祖国に残す 家族を想いあるものは戦争の無い世界を夢見て戦地へと向かっていく。 ふと、地表が白く光ったと想うとコックピット内にアラームが鳴り響き、 「地表より高エネルギー反応確認!あ…ああ…」 声が聞こえたかと思うと、男たちの体から肉は削げ、骨は砕かれ、その想いと共に虚しく消えた。 大気圏突入コースに入っていたポッドをニーベルングが覆い尽す。 オペレーターは避ける事も防ぐことも出来ない仲間たちをただ見続けることしか出来なかった…
地表から放たれた光が消えるのと同時に我に返ったデュランダルは間髪入れずに 怒鳴った。 「何だ、あれは!!降下部隊はどうなった!!」 メイリンは泣きそうな顔で振り返ると、やっとのことで声を振り絞った。 「降下部隊…全てのマーカーがロスト…全滅…と思われます…」 デュランダルは自分の心臓が"ドクン"と嫌に大きくなるのを感じた。 ミネルヴァの艦橋に一斉に他の艦からの通信が入る。その全てがデュランダルの耳には 入っていない。暫く黙っていたタリアもたまらず 「議長!!」 と半ば怒鳴るようにデュランダルを呼ぶ。 デュランダルは静かに立ち上がり、メイリンに味方の艦に通信を入れるように頼むと毅然とした態度で話し始めた。 「対ロゴス同盟軍に通達します。先ほどのヘブンズベースからの攻撃、すでに皆もわかっているでしょうがザフト軍の降下部隊が 全滅しました。これにより我が軍の消費戦力は50%を超えた。しかしこれは我々の敗北を意味する物では断じて無い!!ここで引けば ロゴスはつけあがりさらに戦争の歴史を繰り返す!我々には退路は無いのです!今散った英霊たちに我々が正しいと言う事を 勝利をもって証明しようではありませんか!せめて彼らの死が平和の礎とならん事を…」 通信が切れると誰からとも無く雄たけびを上げそれは瞬く間に同盟軍内に広がり、同時に艦上から様々な MSが発進していった。散っていった者達の思いをも乗せて。
デストロイの一機を相手にしていたアムロはその雨のような砲撃を辛くも避けながら その通信を聞いていた。 不信感と安堵感が入り混じった感情を感じながらも目の前の巨大な敵にビームライフルを放つ。しかしビームは先ほどから敵にはまったく届いていない。 機体の周りに浮かぶデストロイの腕部、シュテュルムファウストが陽電子リフレクター ビームシールドでことごとく防ぐ為だ。 いや、それだけでは無いとアムロは解っていた。 先ほどからデストロイのパイロットからであろう殺気の中に感じる悲しみや苦しみの感情がアムロの判断を鈍らせてる。デストロイに銃口を向けるたびに パイロットの声が聞こえていた。 モウ…タタカイタクナイ…ヤスマセテ… コロシタクナンカナイ…シズカニ…ネムリタイダケナノニ… 心まで支配されてしまいその本心さえも自覚していないパイロット。ただただ白いMSに向かってトリガーを引き続ける体、その行為に何の疑問も持っていなかった。 さっきまでは。 彼は目の前の敵に向かってトリガーを引くたびに心地悪さを感じ、バイタルをモニターしている嫌なヤツの声も序所に聞こえなくなっていく。 目の前が暗くなりトリガーを引く動作が遅くなる。それは彼の心が少しだけ戻ってきた瞬間だったかもしれない。 その衝動を一瞬のうちに押さえ込み再び前を見据えたが、白いMSは眼前まで迫っていた。 νガンダムはバック中するように背中に装備したバズーカをツォーンが放たれようとするデストロイの顔面へと撃つ。人で言う口腔で誘爆し、 デストロイの顔半分が吹き飛ぶがそれでも恨めしそうに光るデュアルアイ。しかしその輝きはもう虚勢を張っているに過ぎなかった。 腹部にはすでにビームサーベルが突き刺ささっており、まもなく機体がガクンと崩れ落ちそうになった。 爆発を始めたコックピットの中でまだトリガーを引こうとするデストロイのパイロットとそれに呼応するように輝き始めるスーパースキュラ。 「もう…やめるんだ!」 アムロは地上ではほとんど使えないフィンファンネルがデストロイを覆うように展開 させるとビームを湾曲させる磁場を形成しスーパースキュラを磁場内で幾度も曲がりくねらせた。 自ら放ったスキュラに幾度も撃たれ、のたうちまわるデストロイ。轟音を立て崩れ落ちていくなか、アムロには アリガトウ… という言葉を聞いた気がした。
…短くてすいません。 今回は以上です。ちなみに次回は早くても六月半ばです。 おそらく国内にいないもんで…
>>373 氏GJ!
たしかHi-νが出てきたやつの続きですよね?
長らくMIAになってたので心配してたんですが復活してくれて良かったです。
697 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/04/24(火) 03:43:37 ID:yx4a/6J1
GJ!! お仕事お疲れ様です。そんな事があったんですか 大変でしょうが次も頑張って下さい。
GJ! 海外出張とかなんかいいなぁ 俺なんてフリ(ry('A`)
>>695 373氏、GJ!おかえりー!
仕事、大変だろうけど、無理せずがんばってくだされ
おいら仕事が徹夜だったからそろそろ休も |・∀・)ノシ ガンガレー
もうやめて打ち切ったのかと思ってたwwwwwww 海外とはなんというか、大変ね
個人的に一番楽しみにしてたのキテル━━━(゚∀゚)━━━!!! 海外出張って、なにその、なに、このインテリめぇ(ヽ´ω`)σ)´д`)
373氏、グッジョブ と言えば君の気がすむのだろう
373氏 海外でホームシックにならないように 好きなDVD あと日本食は持っていくんだぜ
373氏が・・・か、帰って・・・ キター ゚.ノヽ , /} キター 、-' `;_' ' キター ┏┓ ┏━━┓ (,(~ヽ'~ キター ┏┓┏┓ ┏┛┗┓┃┏┓┃\ キター i`'} /┃┃┃┃ ┗┓┏┛┃┗┛┃┏━━━━━━━━━━━━━━┓┃┃┃┃ ┏┛┗┓┃┏┓┃┗━━━━━━━━━━━━━━┛┃┃┃┃ ┗┓┏┛┗┛┃┃ . キター /},-'' ,,ノ キター --┗┛┗┛ ┃┃/ ┃┃/,i' _,,...,-‐-、/ i キター . \┏┓┏┓ ┗┛ ┗┛ <,,-==、 ,,-,/ ┗┛┗┛ キター {~''~>`v-''`ー゙`'~ キター レ_ノ キター キター キター キター GJ!!&仕事ガンバ!
MIAと思ってた人が帰ってくる・・・ こんなにうれしいことはない! 373氏GJ!!!
止まるな!
_________________________ <○ノ ‖ <たかがスレひとつ、νガンダムで上げてみせる!! くく
_________________________
☆ュ
そんな事より投下マダー?
各職人様今更ながらGJ! そしてお帰りなさい373氏!そしてまたいってらっしゃい。お待ちしてます。 >メビウスリンク氏 この文章のノリがすげー好き。笑いどころがわかるっていうか。ノリで読んじゃう。 アムロがムキになる相手はどこまで行っても赤い人なんだなw そこがアムロと赤い人の面白いところ。 ぜひともアムロとルナと赤ハロが揃った場面が見たい。 シリアス入って早速NT発揮のアムロにも目が離せないね。 赤ハロが見てる(?)のはガンダムと対峙するアムロのザクか?
>98氏 アムロ、キラの活躍の次回予告にwktkが止まらないw アムロとナタルの場面を見るたび萌え心が擽られる。 そのうちAAとはぐれたアムロがナタルとだけテレパシったりしそう。 そしてザフト側の描写もいいね。イザーク好きになりそう。 でもフレイが言うように軍を除いて個人的な問題としては アスランも結構可哀想なのかもしれないと思った。でもヘタレはヘタレ。 両者の描写が入ることによって戦闘がより面白くなってる。すげー。
>373氏 打ち切りかと思ってたからすげー嬉しい。大歓迎。 アムロの感知はこっちの方だったのね。 アムロの異名の白い「悪魔」は悪魔的な強さって 意味なんだろうなと思わされる戦闘ぶり。 この戦法はイボルブ5で使ってたやつだね。CCAでは自身にバリア張ってたけど。 アムロって基本は優しいと言うか温厚で、警告はするけど強制はしない。 でも戦争に加わったからには自己責任だから情け容赦なしのイメージ。 というのはCCAなんだけど、イボルブは違うんだよなー。どっちも好きだが。 なんか後半関係ないや。 職人さんお待ちしてまっせ。
職人さん待ち
このG・W中に多くの投下が有らんことをここに切に願う!
無理そうだね(´・ω・`)
アムロの前に立ちふさがるは昆崇坤(コン・スーコン)&包羅(パオ・ロー)の2大艦長だった! ( ´,_ゝ`)サーセンwww
職人さん達から、一言でいい。現状の報告が聞きたい。 それだけでこのGWを戦っていける…。
えーっと、書いてまするよ ようやく台本が固まったとこです 5/2、3くらいには投下出来るかと思われまする 皆さま、しばしお待ちくださいまし
今日から仕事っす。 GW?新しい食べ物ですか? ・・・・・・orz
〉98氏 wktkしながらお待ちしてます!! 〉400氏 (;´д`)・・・・・・イキロ
・・・orz
>>722 GW?
ガンダムWがどうかしたんですか?
・・・orz
風邪引いて金土日月と寝込んでますがなにか? oTZ...
730 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/05/01(火) 09:39:54 ID:YsD7UCN6
早く、盟主王のお話を…
少し遅れたけど、 >373氏GJ! 面白いです。時間の許す限りドンドン書いてくだされ。
テスト
電波氏と507氏はもう来ないのかな… 違うパターンで面白かったから続きが読みたかった。 98氏、373氏、125氏、400氏は確定だと思ってるので そういう心配はないんだけど。 ようつべでイボルブ9が見れなくなってる? ホワイトユニコーン見ようと思ったのに。
たしかイボルブは今月レンタル解禁じゃなかったっけ? もう少し待ちんしゃい そーいや、Vはイボルブに出てこねーな...MGやHGから忘れられているから仕方が無いが
224氏の続きが気になって仕方が無い・・・ 読みたいです。
寂しいGWだ…
一言言っておく チュプにもGWなんかないやい・・・orz
GWだぁ!? 俺は毎日がGWのようなものだぜ!!! ・ ・ ・ ・ 明日も職安逝ってくるOTZ
やってんの?
すまん。今最後の推敲に時間かかっているんだ。もう少しの辛抱だ。
おk。
wktk
正座してお待ちしております。 AA略
wktkのしすぎで氏にそうだ・・・
CCAを観ながらお待ちしております。
トリップ紛失したの?
・・・・・・・・・・・・・・
さてと、次の投下までスク水+ニーソで待機しておくか
なんと外道な組み合わせ
だがそれがいい。
CCA
まだ書き終わってません・・・orz
よーしよし無理せず無茶せずしっかり書き上げてくだされ。 なーに、ちょっとやそっと期限が過ぎてもここの住人は怒りはしませんよ。
98氏ガンガレ!つ_且~~
98氏のナタルはチェーンみたいに νの補助シートに座ったりとかしないかな…と妄想。
>>754-755 ありがとうです!
がんばって書きますよ!
明日中には何とか成るかと・・・
>>756 本当はアルテミスでアムロが捕まって脱出の折
ナタルが助けに行ってνで脱出と言う話があったんですが
プロット変更の都合でカットしちゃったんですわ(w
さて、今回も皆さんに楽しんでもらえるようガンガルっす |・∀・)ノシ シバラクオマチクダサイ!
>>757 98氏ワクワクしながら待ってます
個人的にはアムロとナタルはこの世界で生きていて欲しいな
あえて言おう ハヤクヨマセテ('A`)
職人にプレッシャーかけるなよ
まだだ!! まだ仕上がらんよ ※作者でもなんでもない
765 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/05/05(土) 18:10:49 ID:XaY7KjVc
ホシュ 400氏頑張れ…
>>765 G計画の骨子を説明付けるのに苦労しちょりますです。
自分の力量超えてるぞ、こんな内容orz
まあ深く書かずに、適当にある理由でってレベルで済ましたっていいじゃないか あまりくどくど説明ばっかていうのも萎えますし だからって説明皆無は困ったり… どっちなんだよ俺…orz
お待たせしました!
あと15分ほどしたら投下しまする
今回も連投規制掛かりますんで、その時は10分ほどおまちください
>>766 ガンガレ!負けるな!楽しみにしてるよ
『機動戦士ガンダムSEED bloom』
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1174923341/625 の続きです
見渡す限り黄土色の平原が続く砂漠が闇に包まれ、その空には神々しく月が輝いていた。
砂漠の中に舞い降りた白い大天使――アークエンジェルのブリッジからは昼夜問わず、光が見え人の気配を感じさせていた。
敵の勢力下にも係わらず、その地域を治めるザフト軍の部隊は姿など見る事は無かった。かと言って、アークエンジェルの面々が気を抜ける訳では無い。
ザフト軍の勢力下に有る以上、いつ襲われてもおかしくは無いのだ。
その中、CICの席に座ったカズイがモニターを見詰めながら、うんざりとした表情で言う。
「ニュートロンジャマーかぁ……。撤去できないんですか?」
「無理無理、出来りゃやってるよ。まぁ、影響被害も大きいけど、それでも核ミサイルがドバドバ飛び交うよりはいいんじゃないの?あのユニウス・セブンへの核攻撃のあと核で報復されてたら、今頃、地球ないぜ?」
カズイの隣にはモニターを覗き込みながら、そう言ったチャンドラの姿があった。
そうしているとブリッジの扉が開き、休憩に出ていたナタルが両手にドリンクボトルを携えて、ブリッジへと戻って来た。
「異常は無いか?」
「はっ……は!異常ありません!」
チャンドラは背筋を伸ばして敬礼で答えると、前を通り過ぎる上官を目で追った。
ナタルはそのままチャンドラの側を通り過ぎると、いつもに通り自分の席に座るノイマンに手に持ったドリンクを差し出した。
「……あっ」
「先刻の歪みデータは出たか?」
「はい、簡易測定ですが、応力歪みは許容範囲内に留まっています。詳しくは……うわっ!?」
ノイマンは差し出されたボトルを少し驚いた様に見詰めると少し慌てながら受け取るが、ナタルは気にした様子も無く声を掛けた。
聞かれたノイマンはキーボードを叩こうとして、受け取ったボトルを宙に置くかの様に、その場で手を離した。
無重力の宇宙とは違い重力の有る地球上なのだから、ボトルは宙に浮く事も無く重力に従って床へと落ちて転がる。
落ちたボトルをナタルは拾って差し出しながら言う。
「少尉……いつまでも無重力気分では困るな」 「す、すみません……」 「重力場に斑があるな。地下の空洞の影響が出ているのか?」 ノイマンが気まずそうな顔で差し出されたボトルを受け取ると、ナタルはモニターに映る測定結果を覗き込みながら言った。 気を取り直す様にノイマンは頷いて口を開いた。 「ええ、恐らくですが。戦前のデータで正確な位置は分からないんですが、船体が沈まない事を考えるとアークエンジェルの真下は大丈夫なんだと……思います。……一応ですが。あの……突然陥没なんて……有ると思いますか?」 「……」 「……」 この辺りは古くから石油や天然ガス鉱床の廃坑が有った為、坑道が蟻の巣の様に無数に走り、地盤が弱く成っている土地だった。アークエンジェルの様に重量が有る物体が降りると大変なことに成りかねない場所だった。 その事を心配したノイマンが笑顔でナタルに聞いたが、当のナタルは答えようともせず、ドリンクに口を付け窓の外に目を向けるばかりで、ノイマンは笑顔を引き攣らせた。 その時、突然、警告音がブリッジに鳴り響く。 「――!」 「……へ?あ!」 「――本艦、レーザー照射されています!照合!測定照準と確認!」 その場に居た全員が何事かと息を飲み顔を強張らせると、チャンドラが大きく事の内容を告げた。 それは、誰かがアークエンジェルを狙っていると言う意味で、確実に敵である事を示していた。 「――第二戦闘配備だ!」 「――了解!――第二戦闘配備発令!繰り返す!第二戦争配備発令!」 ナタルが声を上げると、チャンドラがアークエンジェル内に非常事態である事を告げる声が響き、寝ている者達全員が目を覚ます事となった。
アークエンジェル艦内の至る所にアナウンスが流れる。 突然の敵の来襲に、休息を取っていた者達は慌しく自分の持ち場へと向かって行く姿が多く見受けられた。 敵の勢力下なのだから、悠長に構えていては瞬く間に艦など落ちてしまう。全員が慌てるのは当たり前の事だった。 勿論、パイロットルームで控えて居たアムロにも、この事は届いていた。 「――第二戦闘配備発令!繰り返す!第二戦争配備発令!」 「――!このタイミングで来たか!」 パイロットルームで長時間の待機に入っていたアムロは、既にパイロットスーツへの着替えを済ませており、暇を潰す為に読んでいた本を手放すと立ち上がって、ヘルメットを持って素早く部屋を出て行った。 今、待機しているのはアムロ以外に居らず、対応が遅れれば裸同然のアークエンジェルは反撃すら敵わない。 アムロは格納庫に飛び込むと、近くに居た整備兵に大きく声を掛けて、愛機であるνガンダムの元へと走って行く。 「おい、νガンダムを出すぞ!」 「――了解しました!アグニの準備だ!」 マードックも休息に入っている為か、アムロの命令を受けた整備兵は周りに居た者達に怒鳴り声を上げると、素早く発進準備に入る。彼らはメカニックと言う立場故、一番、自分達の戦力把握が出来ているのだろう。今まで以上に必死に動いている。 その間にアムロは、νガンダムのコックピットに体を滑り込ませ、ブリッジへと回線を開いた。 「ブリッジ、状況は!?」 「――はい!現在、詳しい事は全く分かっていません」 「敵影は?」 「まだ捕捉してません」 「敵の戦力が分からないのか!?……とにかく今は後手に回る訳にはいかない!νガンダムを発進させるぞ!」 アムロの問いに答えるミリアリアの言葉は、アークエンジェルが何の対応も出来て居ない事を現していた。 不味いとばかりに眉を顰めたアムロは、ミリアリアに出撃を告げると、コックピットを閉じてνガンダムを起動させた。 そこにミリアリアでは無く、ナタルの声がアムロの耳に届く。
「アムロ大尉、申し訳ありませがお願いします」 「分かっている。ムウとキラは?」 「フラガ少佐は、そちらに向かっていると思われます。ヤマト少尉は医務室で休んでいるはずですが……詳しい事は分かりません」 「そうか。最もストライクがあの状態では、キラは戦力として計算すべきでは無いな」 「ええ、私も精一杯の援護を致しますのでお願いします」 ナタルは現状でアムロ以外にアークエンジェルを守る者がおらず、その必死さが読み取れる程の物だった。 そうしている間にもνガンダムは左手にアグニを携えると、閉じられたエアロックの前へと進んで行く。 アムロはナタルの口から出た援護の言葉に対して、軽く頷き口を開く。 「当てにさせてもらうぞ。エアロック、開けてくれ」 「はい!νガンダムが出撃する。エアロック開放だ!」 「了解しました!エアロック開放します!」 ナタルはスピーカーの向こう側で大きく頷くと、ミリアリアに指示を飛ばした。 ミリアリアの声が響くとエアロックが開いて行く。 アムロはエアロックが開き切ると、νガンダムをカタパルトデッキへと進め、ハッチが開放されるのを待った。 「続けてカタパルトデッキ開放!νガンダム、どうぞ!」 「――νガンダム、出るぞ!」 ミリアリアの声と共にハッチが開放され、闇に包まれた砂漠が目の前に広がった。 アムロはνガンダムを出撃の声と共に砂漠へと出すと、バーニアを噴かしてアークエンジェルの甲板上へと跳び上がらせ、迎撃態勢へと入った。
アークエンジェルの医務室で体を休めていたキラは、体力こそほぼ回復はしたが念の為、未だにベッドの上に体を置いていた。 キラの傍らにはラクスが椅子に座り、楽しい話しに花を咲かせて居たのか笑顔を綻ばせている。 その二人の笑顔を打ち消す様に、突然、スピーカーから声が響く。 「――第二戦闘配備発令!繰り返す!第二戦争配備発令!」 「――えっ、敵!?」 「――えっ!?」 二人は突然の事に驚きの声を上げると、しばし呆然として互いの顔を見合わせた。 キラは思い出した様に慌ててベットを下りようとした。 「――い、行かなきゃ!」 「――だ、ダメです!キラは病み上がりなんですよ!」 「で、でも!――うっ!」 「だ、大丈夫ですか!?」 ラクスは抱き付く様にして止めるが、当のキラは焦りの表情で応えた瞬間、発熱明けの所為で関節に鈍い痛みが走り顔を歪ませた。 それを見たラクスは慌てて体を離して心配そうな表情でキラの顔を覗き込んだ。 「う、うん……大丈夫。でも、行かなきゃアークエンジェルが!」 「ご自分のお体の事を考えてください!」 それでも尚、出撃しようとキラはベッドを降りようとするが、ラクスは何所にも行かせまいとキラの手を掴んで、珍しく怒鳴り声を上げた。 キラはラクスに怒鳴られ、苦しそうな表情で顔を伏せると絞り出す様な声で言った。 「……でも、ここでやられるには行かないんだ」 「フラガ少佐やアムロ大尉が居られるのでしょう?今、その様なお体で出撃されても、満足に戦えるはずもありません!」 「分かっているけど、みんなに迷惑掛けたくないし、それに……負けたくないから……」 「……負けたくない?……それは誰にですか?」 キラの言葉を聞いたラクスは、不思議そうな表情を浮かべると問いかけた。 真っ直ぐ見詰めるラクスから逃れる様にキラは顔を背けた。 「それは……」 「……アスラン……さん、ですか?」 「――えっ!?ど、どうして知ってるの!?」 「……譫言で言っておられましたわ。あの……、どの様な方なんですの?良かったらお聞かせください」
まさか、ラクスの口からアスランの名が出て来るとは思っていなかったキラは、戸惑いながらも顔を向けると、ラクスは心から心配する様な表情を見せ、優しく語りかけた。 キラは言って良い物かと迷いながらも、自分の手を離そうとしないラクスの顔を見ると、少し体の力を抜いて話し始めた。 「……アスランは……小さな頃から友達だったんだ。……だけど、再会したらアスランはザフトの軍人になってて、ヘリオポリスを襲って来て……、それで僕はストライクに乗っちゃって……」 「……もしかして、そのお友達のお名前は……アスラン・ザラ……ですか?」 「――ど、どうしてアスランの事を!?」 話を聞いたラクスは、少し視線を彷徨わせると小首を傾げてキラに尋ねると、キラは驚きが隠せない様子で逆に聞き返した。 ラクスは自分の婚約者であるアスランと目の前に居るキラが、皮肉にも友人で有りながら敵対している事に心を痛めながらも、事実を口にする事にした。 「……アスラン・ザラは……、私がいずれ結婚する方ですわ」 「――!」 「優しいんですけども、とても無口な人。ハロをくださいましたの」 「……」 「私がとても気に入りましたと申し上げましたら、その次もまたハロを」 ラクスの口から出て来る事実に、淡い想いを抱き始めていたキラは言葉を失う他無かった。 そして、しばしの沈黙の後、絞り出す様にキラが口を開いた。 「……そう……なんだ……。……トリィもアスランが……」 「まぁ!そうですの?」 「……ぁぁ……でも……今は敵なんだ……。やっぱり、行かなきゃ!」 「――ダメです!」 ラクスの無邪気な表情を見たキラは、呻く様に首を振ってベッドを下りようとするが、ラクスは握り続けた手を離そうとはしなかった。 キラはラクスから顔を背けたまま、破れた想いをぶつけるかの様に叫ぶ。 「――アスランがラクスの婚約者でも、今の僕達には敵なんだっ!仕方ないじゃないか!」 「アスランがキラの敵であったとしても、そんな事は関係ありません!……私は戦うな、なんて言いません。でも、今はお体を大事にしてください。お願いですから行かないでください」 「……ありがとう。でもね、僕だって死にたくないし、みんなを守る為にも戦うしか無いから……。もしも、アスランを殺す事になったら……ごめん……。その時は……ラクスに恨まれても……仕方ない……から……」 必死に止めようとするラクスの優しさにキラは礼を言うが、ヘリオポリスから苦楽を共にしたアークエンジェルに乗る仲間を守る想いが先に立ったのか、悲しげな表情を浮かべていた。 それを聞いたラクスは、一瞬にして泣きそうな表情へと変化した。 「そんな……」 「……お願いだから……恨んでくれてもいいから……手を離して……」 「――嫌です!離しません!もし、キラが居なくなってしまったら私は……だから、お願いです!」
余りにも悲しそうな顔つきで言うキラに、ラクスは涙を流すと、首を横に振りながら握った手に力を込めた。 キラは自分の為に泣いてくれるラクスに出会えた事を嬉しく思いつつも、彼女の優しさに礼を口にする。 「ラクス……ありがとう」 「……いいえ」 礼の言葉にラクスは、キラを見上げながら応える。瞳からは涙が溢れ流れ落ちて行った。 ラクスを見詰めるキラは、アスランに対して激しい嫉妬を覚え、目の前の彼女を手に入れたいと思った。 「……ラクス……ごめんね」 「――!」 キラが呟くと顔がラクスに近付き、奪う様に唇を塞いでいた。 突然のキスにラクスの目は見開かれ、キラを掴んだ手から力が抜ける。やがて唇が離れた。 「――ふぇ!?えっ、えっ!?」 「……ラクス、こんな真似しちゃって……本当にごめんね……」 ラクスは目を白黒させながら、自分の唇に手を添えると呆然とキラを見詰める。 その隙にキラはラクスから離れ、素早く扉へと向かう。そして、扉が開くと振り返り、泣かしてしまった事と唇を奪ってしまった罪悪感からか、本当に申し訳無さそうな顔でラクスに謝ると格納庫へと走って行った。 「――キラ!」 ラクスは走り去ったキラの名前を呼ぶが、戻って来る事は無かった。 そして、一人残されたラクスは、へたり込んだ様に床へと腰を落として涙を零した。 「……キラ……どうして……うっ……わ、私は……ぅっ……」 キラを止める事が出来なかったラクスの涙と呟きは、止む事が無かった。
アークエンジェルのブリッジでは、突然の敵の襲来に各員がそれぞれの役目で対応しつつ、慌しく動いていた。 時は一刻を争い、対応の遅れは命取りと成る。 そこへ自室で休息を取っていたマリューが遅ればせながらも駆け込んで来た。 「――状況は?」 「第一波、ミサイル攻撃六発!イーゲルシュテルンにて迎撃!」 「砂丘の影からの攻撃で、発射位置、特定できません!」 「第一戦闘配備発令!機関始動!フラガ少佐は搭乗機にてスタンバイ!アムロ大尉は……出てるのね。ヤマト少尉はどうなの?」 チャンドラとカズイが素早く答えると、マリューは頷き、指示を出して艦長席へと着いた。そして、窓の外へと目を向けて、νガンダムの姿を確認するとナタルに声を掛けた。 ナタルはすぐに顔を向けると口早に返答する。 「医務室にいるはずです」 「キラ君は……ストライクもあれだし、早々、無理させられないわね。とにかく今はアムロ大尉に頼る以外は無いわ。フラガ少佐はまだなの?」 「格納庫に確認を取ります。フラガ少佐は出られるか?」 マリューは眉間に皺を寄せて厳しい表情を見せて、苛立たしげに言うと、ナタルは答えて格納庫へと回線を繋ぐ。 その間にも数発のミサイルが飛来し、νガンダムのアグニと、アークエンジェルの対空迎撃兵器である七五ミリ、イーゲルシュテルンが撃ち落していった。 艦内にも爆音が響き渡り、戦闘が開始された事を否が応でも知らせるのだった。
アークエンジェルの格納庫では、νガンダムの出撃後も慌しく整備兵達が動き回っていた。この様な状況を乗り切り、生き残る為に全ての者達が懸命に自分のやれる事をするのだった。 その中には、警報で目を覚ましたマードックの姿も有り、パイロットスーツ姿のムウと何やら言い争いをしている様だった。 「とにかく飛べるようにしてくれって言っといただろ!」 「そうは言われましたが、こっちだって全員使ってこれなんだ!調整も済んで無いんだから、無茶だって言ってんでしょうが!弾薬の積み込みも間に合わねぇし……」 「ちっ!」 ムウの罵声に、マードックは怒りを隠そうともせずに対応を決めかねていると、ムウは舌打ちをして髪を掻き毟り、苛立たしげな表情を見せた。 実際問題、整備兵達の消耗は激しく、環境の変化とストレスから体調を崩す者も多かった。それも、アークエンジェルに乗り込んでいる人員が少ないのと、第八艦隊から補充要員を受ける事が出来なかった事も突起している。 その様な中、パイロットスーツに身を包んだトール慌てて駆け込んで来た。 「――遅くなりました!」 「遅いぞ!お前を出すつもりは無いが、万が一って事も有るからな。二号機で待機してろ!」 「――り、了解しました!」 ムウは苛立ちからか八つ当たり気味に指示を出すと、トールは慌てて敬礼をするとスカイグラスパー二号機の元へと走って行った。 振り返ったムウは、トールに対して、少々大人気ない態度を取った事で少しは冷静になったのか、マードックに言った。 「とにかく弾薬は今すぐ積めるのだけで構わない。一号機の発進準備をしてくれ」 「……分かりましたよ!どうなっても知りませんよ!」 「文句は後から言うさ!今は手を動かしてくれ!」 マードックは少し拗ねた態度で応えると、ムウにはそれが気に喰わなかったのか、怒鳴る様に声を荒げてスカイグラスパー一号機へと走って行く。 それを見送るマードックは腹立たしげな顔をするが、近くに居た整備兵を捉まえると二〇ミリ機関砲弾薬の装填と発進準備を指示した。 そこへ、今度は医務室で寝ていたはずのキラが駆け込んで来て、ストライクへと向かって行く。 「――済みません、遅れました!」 「――坊主!?大丈夫なのかよ?」 「はい!ストライクで出ます」 マードックはキラの姿を見て慌てて呼び止めると、キラは真面目な顔で応えた。 修理も終わっていないストライクを考えて、マードックは呆れ気味に口を開いた。 「修理が終わってねぇんだぞ、無茶言うなよ!」 「でも、やらなきゃ、やられますよ!」 「……はぁ。まったく、どいつもこいつも無茶な事ばかり言いやがって……。ストライクは片手しか無いから、ソードもなぁ……、エールパックもダメージが残ってるか……」 気迫の篭ったキラの言葉に、マードックは溜息を吐いて愚痴ると少し考え込む。 現状で使えるストライクの装備と武器の選択肢は多くは無い。片腕のストライクがまともに使え、尚且つ、戦闘に対応し得る物を選ばなければ成らなかった。 ダメージの残るエール、ランチャーは使用するには心許なく、残ったソードは対艦刀が片腕で振り回すには大きすぎる。例え振れたとしても剣に振り回され、どれだけでまともに戦えるか疑問が残った。 やがて考えが纏まったのか、マードックはキラに対して問うように口を開いた。 「……無いよりはマシか。ソードストライカーパックにライフル装備でいいか?」 「はい、お願いします!」 「片手しか無いんだ、絶対に接近戦はするんじゃねぇぞ!」 「了解です!」 「――ストライク出すぞ!ソードストライカーパックにライフル装備だ!」
キラはマードックの言葉に大きく頷くと、ストライクのコックピットへと走って行く。 マードックはキラを見送ると、すぐに怒鳴り声を上げて整備兵達にストライクの出撃と装備を指示した。 ストライクのコックピットにキラは体を滑り込ませると、すぐにブリッジへと回線を繋ぐ。 「敵は!?ストライク発進します!」 「キラ?待って、まだ――」 「――早くハッチ開けて!アムロさんは出てるんでしょ!?」 スピーカーの向こうからはミリアリアの声が聞こえ、ストライクへの命令が出てない為に出撃を止めようとしたが、キラはその言葉を遮る様に言った。 キラの言葉を聞いたナタルが、ミリアリアに変わって応える。 「そうだが、ストライクは修理中だろう!?まだ敵の位置も勢力も分かってないんだ!」 「ストライクは片腕でもアムロさんのサポートくらいはやれます!出撃させてください!」 「……艦長!」 「……アグニを持ったνガンダムじゃ動き回れないし、艦の方では小回りが効かないわ。出てもらう他ないわね。ストライク、発進させて!」 ブリッジではキラ言葉に、ナタルは修理の終わっていないストライクを出撃させるべきなのかと、マリューに指示を仰いだ。 マリューは眉を顰めながらも現状を鑑みて出撃命令を出すと、ナタルは頷いて指示を飛ばす。 「ハッチ開放、ストライク発進!敵戦闘ヘリを排除せよ!重力に気を付けろよ!」 「カタパルト、接続。APU、オンライン。ソードストライカー、スタンバイ。火器……えっ!?……ビームライフル!?」 ミリアリアはコンソールモニターに表示される、格納庫から送られて来たストライクの武装データを復唱していると、ソード装備であるはずなのに、何故、ライフルを持つのかと驚きの声を上げた。 ストライクはカタパルトデッキへと移動し、ストライカーパックの装備を待つキラはミリアリアの驚きに答える。 「――片腕が無いから、ストライクはライフル装備で出ます!」 「――わ、分かりました!……パワーフロー、正常。進路クリアー。ストライク、発進どうぞ!」 「――キラ・ヤマト、ストライク、行きます!」 キラの声と同時にストライクに急加速が掛かり、勢い良くカタパルトデッキから夜の砂漠へと飛び出して行った。 「くぅっ……は!うぅ……」 急激な重力加速度が病み上がりのキラには堪えたのか、口から呻き声が漏れた。 それでもキラは何とか着地させるが、足場が安定しない砂地の為にストライクは足を取られそうになった。 「――くぅぅっ!」 キラは操縦桿とペダルを動かして倒れるのを防ごうとする。その所為か、ストライクは片膝を着き何とか倒れるのだけは回避した。 既に戦場に居るのだから隙を見せれば死に繋がる。キラの額に嫌な汗が滲んだ。
暗闇の中にその白い船体を晒す大天使の名を持つ船、アークエンジェルの甲板上から、突然、閃光が走り、轟音と共に空中で大きな爆発が起こる。それは、戦闘ヘリが姿を現して一〇秒もしない間に起きた出来事だった。 砂丘からアークエンジェルを見詰めるバルドフェルドは、迎撃に出て来たモビルスーツ、νガンダムの正確な狙撃と、その手に持つアグニの圧倒的な火力に因って、自分の部下が乗る機体の一つが散った事を悟った。 「あのモビルスーツのパイロットは出て来る位置が分かっているとでも言うのか……!?これは、ヘリなんかじゃ相手にならんぞ……」 「出した方が良いんじゃないですか?」 「そりゃ、出すさ。もしかしたら、万が一と言う事も有り得るかもしれんな……」 上官であるバルドフェルドと共に戦況を見て居たダコスタは、ナイトスコープを覗きながらも味方が撃墜された事に顔を顰めるとモビルスーツ出撃の進言をする。 当のバルドフェルドは、眉間に皺を寄せると目を細めて応え、珍しく弱気な言葉を口にした。 二人が見詰める先では、自軍の戦闘ヘリが砂丘の影に隠れ、再攻撃の機会を窺っている様子が見えた。大抵の敵は姿が見えなくなる事で、一旦は攻撃を止める物だが、アークエンジェルの甲板に立つモビルスーツは違っていた。 砂丘が戦闘ヘリを遮り、見えないにも関わらず左腕に抱えたビーム砲の火力に物を言わせ、砂丘もろとも戦闘ヘリの一機を再び葬り去る。そして、残りのヘリも同様にビームの餌食となって爆散して消えた。 その光景を目の当たりにしたバルドフェルドは、半ば唖然としながら口を開いた。 「……なんて奴なんだ。一分と経たずに全滅させるとは……。あの攻撃ぶりは、砂丘の向こう側が見えいるとしか思えんな」 「もう一機、出てきました……。左腕が無いですが、あれがX−一〇五ストライクですね」 「片腕で出して来たのか?余程、自信が有ると見えるな。全く……あのモビルスーツと言い、連合はとんでもない物を造ってくれたな……。ダコスタ、バクゥを出せ!」 「――攻撃開始だ!」 バルドフェルドは、アークエンジェルのハッチから勢い良く飛び出して来た片腕のモビルスーツ――ストライクに目を向けると、ザフト軍地上用モビルスーツ“バクゥ”による攻撃指示を出した。 ダコスタはすぐに片手に持った通信機のスイッチを入れると、五機のバクゥへと鋭い声を飛ばした。 この戦場に間もなく姿を現す事となるバクゥは、ザフト軍が地上作戦用に開発した機体で、四本足の獣の姿をしている。砂漠においては、その脚部で身軽に跳び回り、キャタピラによる高速走行をも可能にした、高い運動性を誇るモビルスーツであった。 そのバクゥが疾走しながら戦場へと姿を現し、アークエンジェルの前方に立ち塞がる片腕のストライクを追い詰めるかの様に戦闘を始めていた。もう一機のモビルスーツ――νガンダムからの砲撃は止んでいる。 ストライクと戦闘を行うバクゥが優勢だと見たバルドフェルドは、徐に言う。
「ストライクも確かにいいモビルスーツだ。パイロットの腕もそう悪くはない。が、所詮人型。あの二機がこの砂漠で、組織されたバクゥ相手にどこまでやれるかな?」 「バルドフェルド隊が負ける訳ありませんよ」 「……だと良いんだがな」 「はぁ?」 バルドフェルドは嫌な予感が過ぎり、呟くと、ダコスタは今の発言が信じられないとばかりに、目を丸くして自らの上官を見詰めた。 その瞬間、目の端に閃光が走り、すぐにダコスタは目を戦場へと向けた。 バクゥに取り囲まれたストライクがバーニアを噴かして跳び上がると、νガンダムの持つアグニから眩いばかりのビームが飛んで行く。 ストライクを追おうとしたバクゥ一機が物の見事にビームの直撃を喰らって爆散した。 「――ああっ!」 「狙撃している方にやられたか!……こりゃ、様子見なんて言ってられんかもな……。最悪の事も想定しておかないと不味いかもしれん……」 「……えっ!?」 絶句するダコスタを尻目に、バルドフェルドは先程の予感が現実の物と成りそうな状況に顔を顰めながら言うと、ダコスタがその言葉に驚きの声を上げた。 ダコスタの驚く顔を見たバルドフェルドは不敵な笑みを浮かべると言う。 「ま、その前に、俺自身が出て確かめてみんとな。ダコスタ、アイシャにラゴゥを持って来させてくれ。それからレセップスに打電だ。敵艦を主砲で攻撃させろ!」 「た、隊長自ら出るのですか!?」 「そうでもしなきゃ全滅するかもしれんぞ」 ダコスタは声を上ずらせて聞き返すと、バルドフェルドは険しい表情を戦場に向けたまま応えた。 目の前で光が走り、自分の部下達が地球軍相手に激しい戦闘を行って光景を見ながら、バルドフェルドは戦う者として、心の奥底にある熱い何かが沸き立っていた。
戦場はνガンダムが撃墜した戦闘ヘリの燃える火と月明かりが周辺を照らし出し、一時的な静寂が支配していた。 ストライクが出撃したとほぼ同時に、νガンダムが戦闘ヘリを撃墜した為、ストライクは着地点で周辺警戒に当たっていた。 キラはストライクを移動させるたびに足元の砂が流れ、思う様に動けずに苦労していると、突然、コックピットに警告音が響き、砂丘の向こうから闇に紛れて黒っぽい何かか疾走しながら飛び出して来た。 その黒っぽい何かは、砂丘を利用して飛び上がると四本足の鋼鉄の獣へ姿を変形させた。 「――あれって、モビルスーツ!?」 突然、見た事も無いモビルスーツが現れた事にキラの反応が遅れ、四本足の鋼鉄の獣――バクゥは、その脚で砂地を蹴ると、次々とストライクへと迫って来た。 その光景はアークエンジェルの甲板上で警戒をしていたアムロにも確認する事が出来ていた。 「――新手か!?四つ足……モビルアーマーか!?」 明らかにモビルスーツとは違う形状にアムロは声を上げると、νガンダムに持たせたアグニを構え直し、狙撃の体勢へと入り狙いを定める。 一方、アークエンジェルのブリッジでは、見た事も無い敵が現れた事でマリューが目を見開いた。 「あれは!?」 「敵数五!TMF/A−八〇二、ザフト軍モビルスーツ、バクゥと確認!」 「バクゥだと!?」 呼応する様に機種特定を終えたサイが声を上げると、ナタルが顔を顰めた。 ストライクは足場が悪い事も相まって、バクゥに翻弄されていた。その内の一機に蹴り飛ばされ、ストライクは倒れた。 「――くっ!」 キラはコックピットの中で歯を食い縛りながら体勢を立て直そうとするが、そこにバクゥの背中に装備されたミサイルランチャーがストライクを狙って発射された。 ストライクを激しい衝撃が襲い、砂丘を滑る様に落ちて行った。 「砂の上であの動きか!?このままでは、砂の上で機動性で劣るストライクはやられるぞ!こちらから敵を狙い撃つ!キラ、回避しろ!」 「――は、速い!」 アムロは狙いを付けたまま、バクゥの機動性に驚きを見せつつもキラに指示を出すが、翻弄されるキラには届いていなかった。 体勢を立て直したストライクはライフルで応戦するが、バクゥを捉える事は無かった。 「――ちっ!ストライクが!」 バクゥがストライクの周りを囲む様に動く為、アムロはアグニのトリガーを引くことが出来ない。しかし、このままでは埒が明かないとばかりに、狙いをずらしてアグニを発射した。 発射されたビームを避ける為にバクゥは、ストライクを取り囲んだ輪を一気に広げる。 ビームはストライクの脇を通り過ぎ、キラは後方からの突然の援護に振り返った。 「――!?ア、アムロさん!?」 「――キラ、跳べ!」 「――えっ!?り、了解!」
ストライクのコックピットにアムロの怒鳴り声が響くと、キラは訳も分からぬままペダルを踏み、スロットルを開けてストライクをジャンプさせた。 一機のバクゥがすぐに反応し、加速を付けてストライクを追う様に飛び掛かる。 「――当たれ!」 狙いすましたかの様にアムロはアグニのトリガーを引いた。アグニから発射されたビームは、飛び上がったバクゥを正面から捉え、その装甲を溶かして激しい爆発を起こした。 バクゥの爆発は瞬間的に辺りを照らし出し、破片は飛び散って砂へと突き刺さった。 「くぅっ……!す、滑る……」 ストライクは無事に着地こそするが、砂に足を取られストライクは膝を着いた。その間に残り四機のバクゥが、再びストライクを攻撃し始める。 それを見ていたナタルは唇を噛むと、ストライク支援の為に声を上げる。 「くぅぅ!スレッジハマー、撃て!」 「ストライクに、当たります!」 「ストライクを避けて落とせ!」 「そんなの無理です!」 「命令だ!ストライクに寄せ付けさせるな!」 無茶難題にトノムラが抗議するが、ナタルは言い放った。 事実、あのままではストライクは撃墜されても可笑しくは無い。ブリッジの者達は自ら支援出来ず歯痒い思いをしていた。 「……了解、どうなっても知りませんよ!スレッジハマー、撃ちます!」 「キラ!避けて!」 トノムラは顔を強張らせると、狙いをストライクから少しだけ外してミサイルの発射ボタンを押した。すると、アークエンジェルの後部ミサイル発射管が開き、艦対艦ミサイルが発射された。 それと同時にミリアリアがキラに叫んだ。 「――ミサイル!?」 「キラ、避けろ!」 キラはミリアリアの声に振り返ると、数発のミサイルが飛来して来るのが見えた。 アムロの声がスピーカーを通じてストライクのコックピットに響くが、そう簡単に避けられる物では無い。 「――そんな、無茶な!?うわっ!」 ストライクの周りにミサイルが着弾し、直撃が無かったのが嘘だと思える程の激しい爆発がストライクを包んだ。 四機のバクゥは輪を崩して散開し、ミサイルを回避した。 キラは衝撃が襲う中、ストライクのバーニアを噴かして後方へと大きく後退する。 「くぅぅ!砂が逃げる……。こうなったら、逃げる圧力を合わせるしかない!」 着地したストライクは再び膝を着き、体勢を崩した。 キラは、このままでは不味いとばかりにキーボードを引き出すと、ストライクの砂地に対応させる為にプログラムを書き換え始めた。
まともな支援が出来ないアークエンジェルのブリッジクルーは、歯痒い思いをしながらも、それぞれが何とか状況に対応しようとしていた。 だが敵地の真ん中に居て、逃げ場など無いに等しい絶望的な状況にも関わらず、全員が懸命に成るのは無理も無い事だった。 ブリッジのスピーカーからムウの声が響く。 「スカイグラスパー、出るぞ!」 整備も出来ていない機体に乗り、出撃しようとするムウの声にマリューは顔を上げた。 その時、チャンドラが慌てた様に声を上げる。 「――南西より熱源接近!砲撃です!」 「――離床!緊急回避!」 マリューは指示を出すと、ノイマンがすぐにアークエンジェルの舵を動かす。 アークエンジェルの船体はゆっくりと上昇を始め、イーゲルシュテルンが迎撃を開始する。数発のミサイルが撃ち落され、残りがさっきまで艦が有った場所に着弾し、上昇中の船体を激しく揺らした。 「――どこからだ!?」 「南西、二〇キロの地点と推定!」 「本艦の攻撃装備では対応できません!」 ナタルが叫ぶと、サイが割り出したポイントを報告し、続く様にトノムラが現状で対応不可能だと事実を告げた。 レーダーが利かない上、発射ポイントの特定までは不可能な為、闇雲に攻撃もする事が出来ずナタルは唇を噛んだ。 「くっ!」 「俺が行ってレーザーデジネーター照射する。それを目標にミサイルを撃ち込め!」 「今から索敵しても間に合いません」 「やらなきゃならんだろうが!それまでは当たるなよ!」 ムウの声が響くとナタルは無駄だとばかりに声を上げるが、ムウは怒鳴って反論をすると通信を切った。
「フラガ機スタンバイ。進路クリア。システム、オールグリーン!」 すぐにミリアリアがスカイグラスパーの発進準備を進める。それが終わるとカタパルトデッキから、青白い尾を引いたモビルアーマーが飛び立って行く。 まともに調整が終わって無い為に、現状で武器もほどんと使えないスカイグラスパーを見送りマリュー達は見送ると、しばらくしてチャンドラが新たなミサイルの到来を告げる。 「――!第二波、接近!」 「――回避!総員、衝撃に備えて!」 「直撃――来ます!」 マリューは叫んで指示を出すが、それ以上の術は無く飛来するミサイル群に息を飲むと、上ずった声でチャンドラが無情の報告を告げた。 全ての者が衝撃に備えると、やがて窓の外が白く光り爆音と衝撃が襲って来る。――が、艦の揺れは予想を遥かに下回る物だった。 爆発の光が治まり目を向けると、そこにはアグニを構えたνガンダムの姿があった。 「あっ!……敵弾消滅!」 チャンドラが思い出した様にモニターを確認して歓喜に満ちた声で報告をすると、クルー達は全員が喜々とした表情を浮かべた。 「ふぅ……助かったわね……」 マリューは大きく息を吐くと背凭れに体重を預けるが、未だ戦闘は継続中で有り、気を抜く事は出来ない。すぐに表情を切り替えると戦場へと目を向けるのだった。
闇に光が走り、時折、激しく花火の様に光が散って行く。その光景をバルドフェルドは砂丘の頂で聞こえて来る爆音を感じながら眺め続けていた。 敵である地球連合軍所属艦アークエンジェルは、バルドフェルドの予想を遥かに上回る戦いを見せていた。 既に開戦当初に投入した攻撃ヘリ部隊を全滅させられ、虎の子のバクゥさえも一機撃墜されていて、圧しているとは言い難い。 敵とて、ラウ・ル・クルーゼ、レイ・ユウキが指揮する艦隊の追撃を振り切って生き残って来た艦なのだから、バルドフェルド自信、アークエンジェルの事を侮っていた訳では無かった。 ただ、彼にとって予想外だった事は、果たしてどの様な人間が乗っているのか分からないが、モビルスーツの戦闘能力、そして火器の威力が非常に高い事だった。その所為で、当初は戦力を見るだけのつもりが、予定を変更せざるおうなかった。 そして、もう一つ、見た事が無いモビルアーマーが、隊の母艦であるレセップスの有る方角に飛び去って行った事だった。もしかするとと言う、有り得なくも無い可能性が頭の中で一層、強まる。 そうして居ると、後方から聞き慣れた駆動音が聞こえて来て振り返った。そこには派手なオレンジ色をしたバクゥに似た機体、TMF/A−八〇三“ラゴゥ”が近付いて来た。 ラゴゥは、バクゥの上位機種に当たる指揮官用陸戦型MSであり、基本構造はバクゥと酷似しているが、機体サイズ、出力共に大型化しており、各センサー等も高精度で新型の物に変更されている。 「お、来たか」 バルドフェルドは目を細めると、ラゴゥが砂を巻き上げて停止する。そしてコックピットが上がり、中から淡いピンク色のパイロットスーツに身を包んだ女性が顔を出した。 「アンディ、お待たせ!」 顔を出した女性――アイシャはヘルメットをまだ被っておらず、その艶やかな長い黒髪の両サイドに入った金のメッシュが暗闇に一層、際立って見え、その雰囲気は猫を想像させる。 アイシャは砲手専用の前部シートに身を移してラダーを下ろし、バルドフェルドを引き上げる。 「アイシャ、済まないな。今度の相手は、このところの退屈を吹き飛ばしてそうだ」 バルドフェルドはアイシャの手を借りてラゴゥの後部シートに身を滑らすと、彼女にキスをして言った。 二人が乗ったラゴゥのコックピットは前席に砲手、後席にメインパイロットが乗り込む複座式と成っている。 この機体は役目を分ける事で、バクゥよりも機動力・射撃特性を活かす事ができ、遠距離では装備された二連装ビームキャノンによる砲撃、近距離ではクローと口に咥えられたビームサーベルによる二段構えの攻撃を可能としていた。 「フフッ。アンディ、嬉しそうね」 「ああ、嬉しいさ。ドキドキするねぇ」 アイシャが艶やかな笑みを零すと、バルドフェルドは満足そうな表情で応えて着ていたコートを下に放り投げた。 ダコスタは慌てて落ちて来たコートを受け止めると、ラゴゥを見上げながら両手をメガホンの様にして大声でバルドフェルドに呼びかける。 「隊長、本当に出られるんですかー?」 「ああ。後の事は任せるぞ」 「了解しましたー!」 バルドフェルドは計器のチェックをしながら言うと、ダコスタは大声で答えた。その様子をアイシャはクスクスと楽しそうに笑う。 ラゴゥは異常も無く、コンディションも上々の状態で計器のチェックを終えたバルドフェルドが、まるでこれからドライブに行くかの様な軽やかな口調で告げる。 「さて、僕らも行こうか、アイシャ」 「ええ、アンディ」 アイシャは軽く微笑んでヘルメットを被るとシートに座る。 バルドフェルドはコックピットを閉じて、アイドリング状態のエンジンを唸らせる。その音はまるで飢えた獣が威嚇する唸り声の様に聞こえた。
闇の砂漠を四肢の獣の影がが縦横無尽に駆け回る。獣は獲物を狩る為に集団で襲い掛かる姿は、まるでハイエナを連想させた。 取り囲まれたストライクは、四機のバクゥ相手に大苦戦を強いられていた。 「――くっ!……動きに付いて行けない……どうすれば……」 持ち前の動体視力ではバクゥの動きを捉え切れているのだが、足場が悪い事でまともに動く事が出来ず、ストライクは半分以下の性能も出し切れてはいなかった。 体の痛みも有るが既にそんな事を気にしている余裕すら無く、ヘルメットの下のキラの額を汗が流れ落ちる。 「――キラ、動き回るんだ!」 スピーカーを通して、ストライクのコックピットにはアムロの声が響いた。 キラにはアムロの言葉が、まともに動く事の出来ないストライクにどうやって動けと言うのか分からず、焦りも有って怒鳴る様に言う。 「――でも、どうやって動けって言うんですか!?」 「バーニアを使って跳び上がれ!着地のタイミングに注意しろ!こちらから援護をする、動き回れ!」 「モビルスーツで跳び回るの!?……僕に出来るの!?」 キラは動き回るバクゥに注意を払いながらも、アムロのアドバイスに困惑した表情を浮かべた。 その時、レーダーに新しい反応が現れる。 「――増援か!?」 νガンダムのコックピットでも、その新たな反応を捉えアムロは顔を顰めた。 その数は一つだが、今のストライクには脅威でしかない。 「――やるしかない!アムロさん、援護、お願いします!」 キラは歯軋りをすると、そう言ってストライクのバーニアを噴かすと後方へとジャンプさせた。ストライクは高く舞い上がり、バクゥを下に見ながら引き離す事に成功する。 それは、一機目のバクゥを撃破した時も同じ様な戦法を取ったのをキラは思い出すと、敵の動きが良く見える様に成り、先程まで自分に余裕が無かった事を悟った。 「――これなら狙える!当たれ!」 キラは空中でバクゥを狙うとトリガーを引いた。が、バクゥは横に跳ぶ様に避ける。 しかし、狙撃をするアムロに取っては、それが狙い目だった。 「――そこだ!」 アムロは一気にトリガーを引くと、アグニから発射されたビームがバクゥの横っ腹に直撃し、装甲を溶かすと爆発させた。 その様子を見たキラは、自分が師事するアムロの凄さを思い知った気がした。 「……凄い!……でも、これなら僕でも戦える!僕も、僕の役目をしなくちゃ!……着地まで……三、二、一、今だ!」 キラはタイミングを計りながら着地する直前に軽くバーニアを噴かして機体を安定させる。そして、不安定な砂地を蹴って、再びバーニアを噴かしながら前方へと高く跳び上がった。 再びアムロの声がコックピットに響く。
「キラ、突出し過ぎるな!動きが単調に成らない様に気をつけろ!」 「分かりました!」 キラは返事をすると着地体勢へと入り、νガンダムからの砲撃がバクゥ達を牽制する。 バクゥが砲撃を逃れる中、ストライクは着地すると砂丘の形を利用して、今度は敵から離れる様に横へと跳んだ。 ストライクを逃すまいとバクゥはミサイルを発射するが、キラは空中で機体の向きを変え、追いかけて来るバクゥが放ったミサイルへとイーゲルシュテルンを放ち撃ち落として、着地。そして、また跳び上がった。 「――そこだ!」 バクゥの群れにνガンダムからの攻撃が襲い掛かると、その中の一機が急旋回をしてビームを回避しようとする。キラはそれを見逃す事無く、ジャンプしながらビームライフルを向けると見事に撃破した。 その光景を見たバルドフェルドは顔を顰めるが、その口調は悔しさよりも喜びを感じさせる様に聞こえた。 「……何て事に成ってるんだか。戦闘ヘリ、バクゥ、それぞれ三機ずつ撃破されるとはね。敵とは言え、全く良い連携してるねぇ」 「アンディ、嬉しそうね。……それで、どうするの?」 「フフッ。狙撃している方を黙らせんと全滅しかねんな。かと言って、尻尾を巻いて逃げるのもつまらんからね。せめて、楽しむ為にも逃げれん様に足止め位はしとくさ。――ストライクは任せるぞ!やられん程度に動け!」 アイシャは軽く言うと、バルドフェルドはアークエンジェルの甲板上でアグニを構えるνガンダムへと目を向けて言った。 命令を聞いた残り二機となったのバクゥのパイロットは、それぞれ「――了解!」と応え、目の前のストライクを落とす事に専念する。 「さあ、楽しませてくれよ!」 バルドフェルドはνガンダムに向かって挑戦的な笑みを零すと、ラゴゥをアークエンジェルへと向けて疾走させた。 アムロはストライクの援護をしつつも、ラゴゥが接近して来るのを察知して顔を向ける。 「――来る!?あの四つ足、直接アークエンジェルを狙うつもりか!?」 νガンダムとアークエンジェルは、砂を巻き上げながら向かって来るラゴゥに対して迎撃を開始する。 バルドフェルドは飛んで来るミサイルを攻撃を巧みに回避しながらアークエンジェルに取り付こうとするが、そう簡単に行かず、一気に近付こうとした所をビームが襲い掛かって来た。 「――っ!」 バルドフェルドは寸での所で機体を捻る様にして回避するが、ラゴゥの装甲には見事に焼き焦げた跡が付いていた。 コンソールモニターには装甲にダメージを示す表示が出ると、バルドフェルドは汗を浮かべ嬉しそうな表情を浮かべて言う。 「……思った通り、良い腕してるじゃないか!」 「……ラゴゥの装甲を焦がすなんて……アンディ、熱くならないでね!」 「ああ、分かってる!だが、地球に来て、これだけの相手に逢えるとは嬉しい限りだよ!後ろに回り込むぞ!」 アイシャもνガンダムを脅威に感じ叱る様に言うと、バルドフェルドは一瞬、唸るが、すぐに喜々として答えるとラゴゥをアークエンジェルの後方に着ける為に大きく回避し、回り込む様に加速し始めた。 「――まずい!後ろに回り込むつもりか!?」 加速するラゴゥに向かって、アムロはアグニを放ちながら叫んだ。 アークエンジェルの後方は守りが手薄で、取り付かれれば一溜まりも無い。しかも、この位置で後方に向かえばストライクの援護すら出来なく成る。 今、白い大天使に最大の危機が訪れようとしていた。
アークエンジェルの居住区には、外で行われている戦闘の爆音が時折響いて来ていた。その中、医務室の開いた扉からは少女の嗚咽が聞こえていた。 一人取り残されたラクスは、つい先程まで少年が寝ていたベッドに腰を掛け、目を真っ赤にして涙を零していた。 「……うっぅ……うっ――あぅ!」 ザフト軍の攻撃を受けたのか、室内は激しい揺れに襲われるとラクスはベッドへと倒れ込んだ。やがて揺れが治まると、ラクスは体を起こして涙を拭う。 「……うっ……攻撃……キラは……?」 ラクスは自分の制止を振り切って出て行ったキラの事が心配で、フラフラと立ち上がると危な気ない足取りで医務室から出て行く。 アークエンジェルの艦内が時折激しく揺れるとラクスは転び、そしてまた立ち上がって展望デッキへとやって来た。 展望デッキは突然の来襲で慌てたのか、シャッターは閉じていなかった。 「……キラは?」 ラクスはフラフラと窓に近付くと、暗闇の中のストライクを捜した。 暗闇の中を走る光や爆発が辺りを照らし出す。その中、跳び回る片腕が無いモビルスーツのシルエットが目に映った。 「あれは……キラ……」 ラクスは窓に張り付くと目を凝らした。暗い為に良く見える事は無く、瞬く閃光がストライクのシルエットを見せる。しかし、その様子からも、キラが苦戦している事が手に取る様に分かった。 医務室で無理やりにでもキラを止めてさえ居ればとラクスの心を痛め、額を窓に押し当てて涙を零した。 そうして居ると、展望デッキの入口から女性の声が響いた。 「――あなた、ここで何してるの!?」 「あっ……」 「早く部屋に戻りなさい!」 ラクスはゆっくりと振り返ると、そこには良く見知った厨房の女性スタッフが居た。地球衛星軌道上での戦いの折に、ブリッジに向かおうとしたラクスを部屋に軟禁した女性兵士だった。 その女性は先日の戦いの事もあってラクスに対して怒鳴り声を上げた。
「……はい……」 ラクスは迷いながらも頷くと、女性に連れられる形で自分の部屋へと戻り、外から鍵を掛けられ完全に外に出る事が出来ない状態となった。 部屋の中には何時の間に戻って来たのか、ハロと戯れるトリィの姿があった。そしてラクスに気付いて機械的な声を掛けて来た。 「ハロハロラークス、ハロー!」 「トリィ」 「……私、キラを止められませんでした……」 扉の傍で立ったままのラクスは、そう言って悔しそうな表情を見せると俯いてベッドに腰を下ろした。 何も自力で出来ない後悔が波の様に押し寄せて来る。 「トリィ」 「ハロッハロー」 ハロとトリィは、ラクスの心の中などお構い無しにヘッドの上で戯れていた。 ラクスは、そんなハロ達に気を留める様子も無く、ただ俯くばかりだった。そうして居ると、遊んでいたハロがラクスの背中にぶつかった。 「……少しだけ大人しく……あっ!」 少しだけ怒ったラクスは振り向くと、そこには連絡用コンソールパネルが有る事に気付いて、小さく声を上げた。 ラクス自信は、このコンソールパネル使った事は無いが、これでブリッジと連絡が取れる事は知っていた。 小首を傾げてコンソールパネル見詰めるラクスは、ベッドの上に乗ると表情を変えた。 「お願いします、繋がってください!」 ――後悔はしたく無い。 ラクスは、そんな一心でコンソールパネルを弄り始めた。
見えるはずの地平線は暗闇の為に限りなく境目を無くしている。分かる事は夜空には瞬く星が無数に見えている事くらいだった。 しかし、やるべき事があるムウには、それすら見る時間すら無かった。 スカイグラスパーに乗り、アークエンジェルを出撃してどのくらい経ったのか、一分か、五分か……。そんな事すら気に掛けていられない。 南西、二〇キロ――、スロットルを開けばすぐに到達する距離にありながら、そう簡単には見つからなかった。本来なら、今、飛行している辺りに敵艦が有るはずなのだ。 「――くそっ!敵艦はどこだよ!?」 ムウは苛つきながら敵艦を捜した。ブリッジから零れる光ぐらい見えても良いはずなのだ。 突然、コックピットに警告音が鳴り響く。 「――!?ロックされたか!?」 ムウはスロットルを一杯に開くと急上昇を掛ける。 Gに因る肺を圧し潰される様な感覚、これは正しく大気圏でしか味わう事が出来ない。 「――くっぅぅぅ……はぁぁ!――ご丁寧に二発も撃ちやがって!この糞野郎がっ!」 ムウは肺から出た酸素を一杯に吸い込むと、機体を捻って後ろを確認して怒鳴り声を上げ、追い掛けて来るミサイルから逃れる様に機体を左右に振り回した。 後方用モニターに、二発のミサイルが跳ね上がった様に上昇する姿を捉えた。 「――来るか!」 ムウは顔を顰めると、一気にスロットルを閉じて急減速を掛け、機体を捻る様にロールさせた。 一発目のミサイルが目標であるスカイグラスパーを捉え切れずに通り過ぎると、そのまま爆発する。 操縦桿を切り返したムウは、二発目を目の端で捉えた。スロットルを全開に開けると、急上昇を掛け、そのまま宙返りに入った。 「――くっうぉぉぅ……」 肺から酸素が抜けて行くのを歯を食い縛りながら耐える。 天地が逆の状態で頭上に捉えたミサイルは一発目同様、通り過ぎるとスカイグラスパーを捉え切れずに爆発を起こした。 「……はぁぁぁ――おっしゃ!」 ムウは機体を水平に戻して酸素を取り込むと、小さく拳を握り声を上げると、すぐに目を下に向けて辺りを見回し敵艦を捜す。 アークエンジェルへと向かって発射されるミサイルの炎が見えた。
「おっ、あんな所に居やがったか!あれは……レセップスか!?……砂漠の虎の母艦とはな!少し位は傷を付けさせてもらうぜ!」 ムウは顔を顰めると吐き捨てる様に言って降下を開始しすると、レセップスはスカイグラスパー目掛けて迎撃ミサイルを発射した。 苦々しい表情でムウは文句を言う。 「――ミサイル撃つしか能が無いのかよ!」 スカイグラスパーに対して機銃掃射が始まり、大型のハッチが開き、中からモビルスーツが多数のモビルスーツが姿を現した。 バクゥ、ディンなどで構成されたモビルスーツ達は、アークエンジェルの方向に移動を開始する。 「あの数!?寄りにも因って、増援かよ!」 ムウはモビルスーツに気を取られ、ミサイルの事を失念していた。 コックピットに警告音がうるさいくらいに鳴り響き、毛穴から汗が吹き出る。 「――ヤバイ!……こうなったら!」 スカイグラスパーは失速域ギリギリの超低空から砂を巻き上げながらミサイルを引き連れて、レセップスに向けて侵入して行く。 機銃が向けられ、コンソールモニターに被弾を示す表示が出ると警告音が鳴り響く。 「――糞!喰らったか!?だか、この程度で落ちるかよ!――うおりゃあぁぁぁぁ!」 被弾した箇所は飛行に問題無い場所であるのを確認すると、ムウは巧みにスカイグラスパーを操作し、レセップスに激突しない回避可能距離までミサイルを引き連れて来ると、一気に上昇しながら操縦桿を切った。 ミサイルはそのままレセップスに激突し、爆発を起こす。 「――おっしゃ!」 ムウは雄叫びを上げると上昇を続けてレセップスの被害を確認する。 ミサイルを着弾したレセップスの横っ腹は煌々と燃えてはいたが、高々、ミサイル一、二発で壊せる様な物でも無く、大した損害も与える事は出来なかった。 「これ以上は無理か……。それよりも増援を知らせねと!離脱する!」 まともに使える武器も無い今のスカイグラスパーでは、レセップスを落とす事は不可能とムウは判断すると、敵の増援が向かっている事を知らせる事を急務として空域を離脱して行った。
アークエンジェルのブリッジでは、突如現れた鮮やかなオレンジ色をしたバクゥに似た機体――ラゴゥが現れた事で、異常に緊迫した雰囲気に包まれていた。 目の前の甲板ではνガンダムがラゴゥの迎撃を行っているが、アークエンジェルから発射した迎撃ミサイルは、動きの速いラゴゥに傷一つ付ける事さえ敵わない。 今の所、傷を付ける事が出来る可能性を持つのはνガンダムだけだった。しかし、νガンダムにはストライクの支援と言う役割も有る為に、非常に不味い事態と成っている。 機種特定を終えたサイが報告の声を上げる。 「――出ました!TMF/A−八〇三ラゴゥです!」 「あの機体……もしかして……」 「……艦長!?」 「……砂漠の虎!?」 報告を聞いたマリューは、嫌な予感が走り顔を顰める。 その呟きを耳にしたナタルが顔を向けるが、マリューはその事に気付く事無く呟きを口にした。 ナタルとて『砂漠の虎』の異名は聞いた事が有り、艦長の口からその名が出た事で、一層険しい表情となった。 「――底部イーゲルシュテルンで対応しろ!」 ナタルは叫ぶとイーゲルシュテルンが稼動し、ラゴゥを追い始めるが易々と回避されて行き当たる事は無かった。 何発目かのビームがνガンダムが持つアグニから発射されると直撃すると思われたが、装甲を焼くだけにとどまり、ラゴゥはそのままアークエンジェルの後方へと回り込もうと移動を開始した。 その時、突然、艦長席のコンソールが点滅する。 「――こんな時に何なの!?今は戦闘中よ、後からにしなさい!」 マリューは受話器を取り、掛けて来た相手に向かって怒鳴りつけた。 その間にも戦闘は続いて行く。アムロはラゴゥの迎撃とストライクの支援、ナタルは声を張り上げ、ラゴゥを近付けさせまいと奮戦している。 そして、チャンドラが大きく声を上げて報告を告げた。 「――第四波、接近!」 「――こんな時にか!?」 「直撃――来ます!」 「――総員、衝撃に備えろ!」 再びチャンドラが顔を強張らせて叫ぶと、ナタルが怒鳴る様に全員に指示を出した。 νガンダムが敵艦からのミサイルに向けアグニを発射する。 発射されたビームはミサイルの半分を消し去るが、残りはアークエンジェルの右舷へと着弾すると爆発を起こし、アークエンジェルを激しい揺れが襲った。 ブリッジには、誰かの口から漏れた悲鳴が響いた。そして、揺れが治まるとすぐに、元の通りの業務に掛かった。今は戦場に居るのだから、泣き言など言っている暇は無かった。 「ナタル、少しだけ任せるわ!」 「分かりました!」 マリューは受話器を持ったままナタルに声を掛け、艦の指揮を少しの間預けると、ナタルは大きく頷いた。 そしてマリューは耳に受話器を押し当てると、誰かと話し始める。 そうしている間にも次々と報告の声が上がる。 「フラガ少佐より入電!敵母艦を攻撃するも損害は軽微。敵母艦はレセップス!敵増援がこちらに進行中!至急、戦域を離脱せよ!との事です!」 「――ラゴゥに回り込まれました!」 ミリアリアがムウからの報告を、サイはラゴゥがアークエンジェルの後方に回り込んだ事を告げると、ブリッジのクルー達は顔を青ざめさせた。
明かりも点けず、爆音が聞こえる部屋でラクスはコンソールパネルを弄くっていた。どれを押せば良いのか良くは分からないが、主要なスイッチを手当たり次第に押してみた。 モニターが点滅してマリューの顔が映ると、ラクスは嬉しそうな顔をしたが、すぐにマリューの怒鳴り声が響いた。 「――今は戦闘中よ!後からにしなさい!」 「ま、待ってください!私です、ラクス・クラインです!」 「あなた、何を考えてるの!今は戦闘中なのよ、分かってるなら後にしなさい!」 「戦闘中だからこそ、後に出来ないんです!私の話を聞いてください、お願いします!」 慌てたラクスは、マリューに話を聞いて貰おうと必死に頼み込んだ。 マリューは怒り狂ったように怒鳴った。 「――こんな時にふざけないで!」 「ふざけてなどいません!私はプラント最高評議会議長シーゲル・クラインの娘、ラクス・クラインです!私は、キラを……皆さんを……この戦いを止めたいだけなんです!」 「あなた一人で、どうにか出来る訳無いでしょう!」 「して見せますから、お願いです!私をブリッジに入れてください!」 マリューはラクスを助けた時から知っては居るが、『プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの娘』と言う言葉を聞いて少し引っ掛かる事があったのか、怒りを抑えると諭すように言った。 しかし、ラクスはキラの事での後悔もあって、引き下がろうとはしなかった。 そこへ、今まで以上に激しい揺れが二人を襲う。 「――えっ!?あっぁ……っつ!」 「――きゃっ!?……だ、大丈夫ですか!?」 「……ええ」 ラクスは揺れが治まると、マリューを心配して声を掛けた。 顔を顰めながらもマリューは無事だと応えると、しばしの間、モニターから顔が消える。 しばらくして、再びマリューの顔がモニターへと映ると口を開いた。 「悪いわね」 「いいえ」 ラクスは首を振ると真面目な顔でモニターに映るマリューを見据える。 その時、ミリアリアの声がラクスの耳にも届く。 「フラガ少佐より入電!敵母艦を攻撃するも、損害は軽微。敵母艦はレセップス!敵増援がこちらに進行中!至急、戦域を離脱せよ!との事です!」 「――レセップス!?」 マリューは顔を横に向け、唖然とした表情をしていた。すぐに苦虫を噛み潰した様に顔を歪ませると、考える様な素振りを見せ、ラクスに問いかける。 「……あなたなら……本当に止められるの?」 「はい!必ずお約束します!」 「……許可するわ、早く上がってきなさい!」 ラクスは大きく頷いて答えると、マリューは眉を顰めながらも急き立てる様に言った。 その後、閉じられた扉をマリューにブリッジから強制開放して貰い、ラクスは扉の外に見張りとして立っている女性と共にブリッジへと走って行った。
目の前に居る二匹の鉄の獣――バクゥが、今にもストライクに飛び掛らんとしていた。さっきまであった、アムロからの援護が徐々に減り、今ではビームすら飛んで来る事は無かった。 アムロ程の腕を持つパイロットが援護出来ない状態と成ると、恐らくアークエンジェルが集中的に狙われているのだろうと、キラには予想はついた。 今すぐにでもアークエンジェルに戻りたいが、そうするだけの余裕も無くなって来ていた。額を大量の汗が流れ落ちる。 「……ハァハァ……ライフルを使いすぎたか……」 キラは一瞬だけ、コンソールモニターに目を向けて確認すると、肩で息をしながら呟いた。 二機のバクゥはゆっくりと、まるで狩りを楽しむかの様にストライクを追い詰める。 「……どうする?――動いた!?」 キラは目を左右に動かしてバクゥの出方を窺っていると、左側に居たバクゥが動き出した。 すぐにバーニアを噴かして、キラは後方へとストライクをジャンプさせた。 こうしていても埒が明かない事は、キラにも分かっている。どうにかしなければと頭を働かす。 「――くっ!……こうなったら!」 キラは着地と同時にライフルを捨て、キラはストライクの左肩の装備されているビームブーメラン“マイダスメッサー”に右手を掛けさせた。そして、次に左の腰のアーマーシュナイダーを開放する。すると、巨大なナイフが、砂へと落ちて突き刺さった。 ストライクは一歩引き、左足爪先を砂に突き刺さったアーマーシュナイダーの傍へと置いた。 バクゥは離された分の距離を一気に詰め、先程と同じ分の距離を保ちつつも、ジリジリと近付いて来る。 「……ハァ……ハァ……早く……来い……」 キラは二機のバクゥを睨みつけると、相手が大きく動くのを待った。 どのくらい時間が経ったのか、今度は右側に居たバクゥが一気に距離を詰めて来た。 「――来た!いけーっ!」 キラは、動いたバクゥをロックすると、マイダスメッサーを投げつけるが、バクゥは避けてストライクへと飛び掛かって来た。 待ってたとばかりにストライクは、左足でアーマーシュナイダーを蹴り上げると、直ぐに空いている右手にアーマーシュナイダーを装備させると腰溜めに構え、バーニアを噴かして突っ込んだ。 左足で蹴り上げたアーマーシュナイダーは回転しながら飛び掛って来たラゴゥへと飛んで行くと、刺さる事は無かったが、頭部へとぶつかりバランスを崩した。 ストライクはそのまま、右手に持つアーマーシュナイダーを落ちて来るラゴゥの腹部へと突き立てた。 ラゴゥはストライクに凭れ掛かる様な体勢に成ると、後ろからブーメランの様に飛んで来たマイダスメッサーが、その背に突き刺さり動きを止めた。 キラはそのままの体勢を活かし、ラゴゥを盾にしたまま残りの一機と対峙する。 「残り、一機か……」
ストライクに残された武器は、イーゲルシュテルンと右手に持ちラゴゥに突き立てているアーマーシュナイダー、そして背中に装備された一五・七八メートル対艦刀“シュベルトゲベール”の三つ。 それをどう駆使するか、キラは再び考え始めた。 そこへ突然、凛とした少女の声がストライクのコックピットに響いた。 「――そこのモビルスーツのパイロット!死にたくなければ、こちらに指示に従え!そのポイントにトラップがある!やって来る増援をそこまで誘き寄せるんだ!」 「――えっ!?な、なに!?」 キラは辺りを見回すが少女だどはおらず、変わりに何台ものバギーが走り、ランチャーなどでバクゥを攻撃し始めていた。 キラは訳も分からず、コンソールモニターに目を向けると、そこには何やら地図らしき物が映り、マーキングが付いてた。 「――おい、聞こえているのか!?下だ!分かったのなら指示に従え!」 再び少女の声が響き、キラは言われた通り下を見た。 そこにはバギーの助手席に座る金色の髪の少女の姿が確認出来た。そして、少女が手に持ったワイヤーがストライクと繋がっている。 「――い、一体、何なの!?」 キラは何が起こったのかと困惑の表情をしながら唸った。 その直後、キラはアークエンジェルの医務室で唇を奪った少女の声を聞く事と成る――。
鮮やかなオレンジ色をした四つ足の獣が砂煙を舞わせながら、中に浮かぶ白い大天使の背後へと移動して行く。 大天使――アークエンジェルの高度はそう高くは無い。オレンジ色をした四つ足の獣――ラゴゥ飛び乗ろうと思えば可能な高さではあった。 アークエンジェルから迎撃のミサイルと、砲弾が飛んで来る。バルドフェルドは巧みにそれを回避し、確実に近付いて行く。 バルドフェルドは前のシートに座るアイシャに言う。 「アイシャ、やれ!」 「ええ、まかせて」 アイシャはそう言って微笑を湛えると、二連装ビームキャノンのトリガーを引いた。 ラゴゥから発射されたビームは、アークエンジェルのスラスターの一部に当たり、白い巨体を徐々に落とし始めた。 そこへ、レセップス主砲からの第五波砲撃がアークエンジェルへと向かって飛んで来る。 「――良いタイミングだ!取り付くぞ!」 バルドフェルドは不敵な笑みを浮かべると、バーニアを噴かしてアークエンジェルの後部甲板上へ跳び上がった。 その途中、アークエンジェルの向こう側――前部甲板上からのビームが走り、レセップス主砲からの砲撃を全て撃ち落とした。 その光景を見たアイシャが、νガンダムのパイロット――アムロの事を褒め称えた。 「――!……凄いわね、あのパイロット!」 「ああ、今まで見た中では最高の腕だ。生きてる内に、そう何度も廻り逢える相手じゃない。そんな相手と戦えるんだ、最高じゃないか!」 アイシャの賞賛にバルドフェルドも頷き、満足そうな表情を浮かべると、ラゴゥは着地態勢はと入る。 レセップスからの砲撃を撃ち落したアムロは、ラゴゥが来る事を直感的に感じ取る。 「――来る!?この位置では!」 アムロはνガンダムにアグニを抱えさしたまま、バーニアを噴かしてブリッジ上に飛び上がると、それと同じタイミングで、ラゴゥがアークエンジェル後部甲板上へとに着地した。 バルドフェルドは、そのままブリッジを狙おうとするが――。 「――やらせるか!」 ブリッジ上にνガンダムが見下ろす形で現れ、左腕に持ったアグニをラゴゥへと向けた。 バルドフェルドは、一瞬、呆気に取られながらも、笑みを浮かべて言う。 「――!……あれだけの芸当をやっておいて、本当にナチュラルなのかい、このパイロットは……?この戦い、終わらせたくは無いな……」 「……でも、やるんでしょう?」 「――ああ、勿論だ!」 アイシャは問いかけると、バルドフェルドは目を輝かせながら答えて、νガンダムに対して通信回線を開き、 「――その位置からでは撃てまい!」 と言って、ラゴゥの咥えたサーベルを展開させ、νガンダムに向かって飛び掛かった。 バルドフェルドの言う通り、νガンダムがラゴゥに向かってアグニを撃てば、アークエンジェルの後部甲板に確実に直撃する事になる。 「――ちっ!」
アムロは舌打ちをすると、νガンダムをラゴゥに正対させたままバーニアを噴かし後方へと跳んだ。 落下するνガンダムの腰がブリッジ正面に差し掛かった時、アムロは軽くバーニアを軽く噴かして、コンマ数秒間だけ滞空させると、ブリッジの上部とアグニの砲身を水平にしてトリガーを引く。 「――そこか!」 アグニから発射されたビームは、ブリッジの上部装甲を焦がしながらも、飛び出して来たラゴゥへと向かって走って行く。 バルドフェルドは飛び出した途端にビームが飛んで来た事に驚き、瞬間的にビームサーベルのスイッチから指が外れ、操縦桿を全力で切りバーニアを噴かして回避しようとしたが、勢いは殺す事は出来ない。 「――なんだと!?――つっ!」 「――きゃっ!」 ラゴゥは右前後の脚部を失いながらも、アークエンジェルのブリッジ上部に突っ込む様に叩きつけられ行動不能となった。機体の右側面からは所々、火花が散っていた。 バルドフェルドは額から血を流しながら、呻く様に口を開く。 「……うっぅ……まさか、撃って来るとはね……。しかも、あの状態から艦に当てずにこっちを狙うなんて、何てパイロットだ……」 「……でも、これでチェックメイトよ」 「ああ、つまらない終わり方だが仕方あるまい……」 アイシャはパイロットスーツを着ている為に怪我はして無いのか、衝撃の割りにはっきりした口調で言った。 バルドフェルドは不満そうに応えると再び操縦桿を握り、ラゴゥはブリッジの上部装甲にサーベルのノズルを押し当て、いつでの破壊出来る体勢を取った。 一度、前部甲板上に着地したνガンダムは、再びラゴゥの前に着地しアグニを向けた。 「大人しく投降しろ!」 「おい、見て分からないのか?撃てばどうなるか分かっているだろう?」 「ブリッジをやれば、こちらも撃たせてもらうさ」 投降勧告にバルドフェルドは、ラゴゥの首を少し動かすと、サーベルで上部装甲を軽く叩いて何時でもビームを発生させて破壊出来るとアピールするが、アムロも引く気が無いのか、アグニを突き付けたまま答えた。 バルドフェルドは肩を竦めると、傷が痛むのか、顔を顰めながらもアイシャに聞いてみた。 「……なぁ、アイシャ、彼は本気で撃って来ると思うか?」 「きっと本気じゃないかしら?」 「……全く、運が悪かったかったとしか思えん。アイシャ、俺の我が儘に付き合わせてしまって済まないな……」 「フフッ、最後まで付き合うわよ」 「そうか……では付き合ってくれ!――さあ、モビルスーツのパイロット!俺がブリッジを潰すのが先か、君が俺達を殺すのが先か、勝負と行こうじゃないか!」 アイシャは微笑を湛えて言うと、バルドフェルドはこの女性と死ねるなら良いと思い満足そうに応える。そして、アムロに対して勝負を持ちかける。 どっちに転んでも死が待っているが、バルドフェルドに取っては、これだけの相手と戦えた上に、愛する女性と共に死ねるなら本望だった。 「――貴様、正気か!?武器はアグニだけじゃない!死にたいのか!?」 「――さあ、どうする?」 アムロに取ってもアークエンジェルを失う訳には行かない。一人、この世界に放り出され、今では我が家にも等しい場所でもあった。νガンダムの右手にビームサーベルを装備させると、大破したラゴゥへと向ける。 バルドフェルドは挑発するかの様に言うと、両者は睨み合った。 「――私の名は、ラクス・クラインです!ザフト、連合両軍共に武器を引き、戦いを止めてください!私はラクス・クラインです!」 突然、アークエンジェルの外部スピーカーを通し、闇夜の砂漠にプラントの歌姫の声が響き渡るのだった。
今回は以上です 皆さん、こんばんわ! 今回も至らない点があると思いまするが、何卒ご了承ください 展開的にいかがでしたかな? 良い意味で期待を裏切れたらと思っているのですが 楽しんでいただけたのなら本望ですわ さてGWもうすぐ終わりですなぁ もっと休みたいよ・・・orz とりあえず煙草でも吸いますかな |・∀・)ノシ マタネー
GJ! ラクス、男のためですか。 でも、本編よりは人間らしくていいです。 フレイも含めていい方に転がるといいですね。 そしてアムロとキラ、そしてムウとそれぞれが為すべきことを見事にやってます。 虎もらしくていいと思いますよ。 カガリが不安材料ですが……、それも含めて今後を楽しみにさせていただきます。
98様 GJです。 為すべきことを為そうとするする登場人物が人間くさくてとてもいいですね。 続き楽しみにさせていただきます。
GJ! 戦闘の描写が凄いですね。そしてカガリは無視されそうな予感がする。
>キラが呟くと顔がラクスに近付き、奪う様に唇を塞いでいた。 >突然のキスにラクスの目は見開かれ、キラを掴んだ手から力が抜ける。やがて唇が離れた。 キラ………!!!! とにもかくにもGJ!です
男のためにと思い男の足を引っ張る そんな平凡なただの女ラクスのほうが可愛いな やってることの是非はともかく
98氏GJ 98氏なら、カガリも人間味あふれるキャラになるはずさ。
それじゃまるで原作じゃ人間味なかったかのようじゃないか。
原作で人間味のあるキャラのが少ない(メインキャラでは皆無)だから仕方ない。
アムロ「こんなのメンタリティの持ち主が指揮官なのか? まるでティターンズじゃないか」
98氏キタ―――――! GJGJGJ!!! なんか白い悪魔が降臨してますけど・・・ 孤立無援で人員も物資もろくに無いという1stに近い状況じゃアムロも必死だよな でもこれを目の当たりにしたAAの面々が逆にドン引きしそうな気がする コーディネイターより遥かに怖いわ
>>794 でキラが倒したのってラゴゥじゃなくバクゥだよな?
98氏最高ー! 原作じゃ好きになれなかったキラも 98氏の描くキラならすごく好感もてるなあ なによりアムロテラカッコヨス! すげー!すげーよ98氏!
どうも、皆さんこんばんわ!
メシ食って帰ってきました
>>810 ご指摘ありがとうございます
またミスがありましたか、大変申し訳ない・・・orz
保管庫・まとめの方、申し訳無いですが修正をお願いしてよろしいでしょうか?
お手間をかけますが可能であれば、よろしくお願いします
98氏GJ!! いや〜なんという恐ろしい戦闘能力。 さすが、白い悪魔!! さてオイドンも明日にはなんとか。 (盟主王にキャラに合わん事させちまっているが・・・)
皆さま、どうもありがとうです!ほんと感謝感謝!
まだまだ先は長いですが、お付き合いいただければ幸いです
>>813 楽しみにしておりまするYO!
>>812 >>794 のラゴゥをバクゥに修正で良いのでしょうか
できれば修正前と修正後の文章を書いていただけると嬉しいです
>>815 毎回お手数かけております
>>794-795 のパートを修正しまして再うpしますのでしばしお待ちください
申し訳ありませんがよろしくお願いします
>>794-795 のパート修正版です
目の前に居る二匹の鉄の獣――バクゥが、今にもストライクに飛び掛らんとしていた。さっきまであった、アムロからの援護が徐々に減り、今ではビームすら飛んで来る事は無かった。
アムロ程の腕を持つパイロットが援護出来ない状態と成ると、恐らくアークエンジェルが集中的に狙われているのだろうと、キラには予想はついた。
今すぐにでもアークエンジェルに戻りたいが、そうするだけの余裕も無くなって来ていた。額を大量の汗が流れ落ちる。
「……ハァハァ……ライフルを使いすぎたか……」
キラは一瞬だけ、コンソールモニターに目を向けて確認すると、肩で息をしながら呟いた。
二機のバクゥはゆっくりと、まるで狩りを楽しむかの様にストライクを追い詰める。
「……どうする?――動いた!?」
キラは目を左右に動かしてバクゥの出方を窺っていると、左側に居たバクゥが動き出した。
すぐにバーニアを噴かして、キラは後方へとストライクをジャンプさせた。
こうしていても埒が明かない事は、キラにも分かっている。どうにかしなければと頭を働かす。
「――くっ!……こうなったら!」
キラは着地と同時にライフルを捨て、キラはストライクの左肩の装備されているビームブーメラン“マイダスメッサー”に右手を掛けさせた。そして、次に左の腰のアーマーシュナイダーを開放する。すると、巨大なナイフが、砂へと落ちて突き刺さった。
ストライクは一歩引き、左足爪先を砂に突き刺さったアーマーシュナイダーの傍へと置いた。
バクゥは離された分の距離を一気に詰め、先程と同じ分の距離を保ちつつも、ジリジリと近付いて来る。
「……ハァ……ハァ……早く……来い……」
キラは二機のバクゥを睨みつけると、相手が大きく動くのを待った。
どのくらい時間が経ったのか、今度は右側に居たバクゥが一気に距離を詰めて来た。
「――来た!いけーっ!」
キラは、動いたバクゥをロックすると、マイダスメッサーを投げつけるが、バクゥは避けてストライクへと飛び掛かって来た。
待ってたとばかりにストライクは、左足でアーマーシュナイダーを蹴り上げると、直ぐに空いている右手にアーマーシュナイダーを装備させると腰溜めに構え、バーニアを噴かして突っ込んだ。
左足で蹴り上げたアーマーシュナイダーは回転しながら飛び掛って来たバクゥへと飛んで行くと、刺さる事は無かったが、頭部へとぶつかりバランスを崩した。
ストライクはそのまま、右手に持つアーマーシュナイダーを落ちて来るバクゥの腹部へと突き立てた。
バクゥはストライクに凭れ掛かる様な体勢に成ると、後ろからブーメランの様に飛んで来たマイダスメッサーが、その背に突き刺さり動きを止めた。
キラはそのままの体勢を活かし、バクゥを盾にしたまま残りの一機と対峙する。
「残り、一機か……」
ストライクに残された武器は、イーゲルシュテルンと右手に持ちバクゥに突き立てているアーマーシュナイダー、そして背中に装備された一五・七八メートル対艦刀“シュベルトゲベール”の三つ。
それをどう駆使するか、キラは再び考え始めた。
そこへ突然、凛とした少女の声がストライクのコックピットに響いた。
「――そこのモビルスーツのパイロット!死にたくなければ、こちらに指示に従え!そのポイントにトラップがある!やって来る増援をそこまで誘き寄せるんだ!」
「――えっ!?な、なに!?」
キラは辺りを見回すが少女だどはおらず、変わりに何台ものバギーが走り、ランチャーなどでバクゥを攻撃し始めていた。
キラは訳も分からず、コンソールモニターに目を向けると、そこには何やら地図らしき物が映り、マーキングが付いてた。
「――おい、聞こえているのか!?下だ!分かったのなら指示に従え!」
再び少女の声が響き、キラは言われた通り下を見た。
そこにはバギーの助手席に座る金色の髪の少女の姿が確認出来た。そして、少女が手に持ったワイヤーがストライクと繋がっている。
「――い、一体、何なの!?」
キラは何が起こったのかと困惑の表情をしながら唸った。
その直後、キラはアークエンジェルの医務室で唇を奪った少女の声を聞く事と成る――。
以上です
>>815 申し訳ありませんがよろしくお願いします
GJ!!!!!! アムロがいるとキラ良い事尽くめだ。 原作においてのキラのポジションをアムロの存在がうまく補完してるから、戦闘面での異常さが出ていない。 逆に主人公としての面が強く押し出されてるから、普通に燃えられる内容になってる。 キャラクターにとってこれほど幸せな事は無いよ。 戦闘シーンは流石としか言いようがない出来です。 囮となって動くキラ、それにあわせて狙撃するアムロ、この連携は燃える! 虎さんたちも戦闘シーンがカッコイイのですが、それと比例するかのように虎の指揮官としての無能さが際立ってきたのが惜しいかな。 ストライクが出てきて、バクゥが一機撃墜された時点で撤退すべきでした。 AAや搭載機の戦力評価は略この時点で終了しているため、撤退しても問題は無いはずなんですが、自分で出撃しちゃってますし。 この時点で虎の思考が、指揮官としてではなくパイロットのそれに変わっちゃってる。 これは部隊の指揮を預かる者の思考としてはいくらなんでも拙いでしょう。 結果としては、AAを苦しめる事に成功しているのですが、それが意図して出された回答でないため「運に頼る人なのか」という印象が残りました。 ラストのラクスの突然の出現。 その行動の是非はともかく、これがザフトに対してどのような影響を与えるのか? ここの反応次第で、ラクスの歩む道が決まりそうだ。 虎の部隊にも宇宙の情報は下りてきてるっぽいから、下手するとずっとAAに残る展開もあるのかも。 ラルとセイラさんのネタを持ってきて使うのも有りかもしれません。 なんにせよ、次回が楽しみだ!!
♪ __ ♪ / : 》:、 ヽ( ===○=)ノ <機動戦士ガンダムSEED side A 第7話 (へ ⇔) >
CE70.7月22日―― 第8艦隊司令デュエイン・ハルバートン少将は軍司令部に呼び出されていた。 彼は連合製モビルスーツ開発プロジェクト"G計画"の本格的な始動。 そして、その開発計画の一翼を担うようにとの命令を下されたのだ。ハルバートンとしては願ってもない話である。 だが、最初こそ彼の心中に生じていたある種の高揚感は幾つかの書類やデータに目を通していくうちに 急速に違和感へと塗りつぶされていった。 「これは・・・」 書類上ではすでに開発予算などを含めたあらゆるお膳立てが既に整えられていた。 そう、今までの苦労が嘘だったかに思えるほどに"整えられすぎている"のだ。 「おやおや、何をそんなに恐い顔をしてらっしゃるのですか。 少将の今日に至る努力がようやく認められたのです。もっと喜んでみてもいいのでは?」 軽薄そうな笑みを浮かべながらタイミングを見計らったように一人の男が入室してくる。 「・・・あなたは!?」 「予算に人員、十二分に確保したつもりなんですが・・・まだ何かご不満でも?」 突如現れた闖入者を確認し、ハルバートンはようやく状況を理解した。 これほどにG計画の環境が整えられたのは間違いなく目の前の男の介入があったのだという事を。 だが、こうなってくるとハルバートンも素直に喜んではいられなかった。 目の前の男――国防産業連合理事ムルタ・アズラエルは軍内部に蠢動するブルーコスモスの首魁でもあるのだ。 地球連合軍においてハルバートンはいわゆる反ブルーコスモス派に属する。 彼を含む反ブルーコスモス派はブルーコスモス派閥の人事権への介入や過激な行動を憂い それを支援していると目されるアズラエルを目の敵にしていた。 「アズラエル理事・・・これはあなたが?」 「僕としてはハルバートン少将の慧眼に感銘を受けた次第でしてね。 まあ、こういった形でご協力させていただいたということです」 むろん、アズラエルの言葉には一分子の本心も含まれてなどいない。 アズラエルの芝居ががった口上にハルバートンは憮然とした想いを自覚せざるを得なかった。
「まあ、そういう事で今計画におけるあなたの手腕を期待します。 ああそれと、僕もこの計画には"特別顧問"という形で参加させていただくことになりましたので」 ―――商人が!! アズラエルの物言いはハルバートンにしてみればモビルスーツ開発における利権確保の為のものだとしか思えなかった。 「なるほど、計画の指揮と責任は私に。・・・ただし、最高指揮権はあくまであなたにあるということですか?」 「さすがに察しがいい。むろん、あなたがうまくやっているうちは口を挟むつもりはありませんが・・・なにかご不満な点でも?」 場の空気が一気に剣呑なものへと変わっていく。 別の将官がハルバートンを叱責するが彼はアズラエルの真意を聞き出すまで退くつもりは無かった。 「アズラエル理事はこの計画において一体何をしようとしているのですか!?」 ハルバートンの静かだが威圧を多分に含んだ言葉にもアズラエルは動じた様子も無く答える。 「開発計画というのは新しい技術を生み出す為の土壌になりえるでしょう? それに乗ろうというのは、我々商人にとっては当然のことだと思いますがねぇ」 そうはぐらかしつつアズラエルは背を向けそのまま退室しようとする。 「――あなたは前線で死に逝く兵達のことを何も考えてはいないのですか!!」 アズラエルの背にハルバートンは怒声を浴びせた。 この戦争で死んでいった多くの者達に応える為にもこの計画は必要であり そして、それにはアズラエルの協力も必要なことはハルバートンも理解していた。 しかし、『利』以外の何も見えてこないアズラエルの言に感情が理性を上回ってしまったのだ。 ―――これだから軍人さんは・・・結果的にその『兵』が救われればどうでもいい話だろうに。 心構えだけ問われてもアズラエルとしては正直腹立たしいだけだった。 多くの兵を実際に死地に向かわせている将官がこのような事を臆面も無く言ってくるのだ。 ハルバートンを人情家を気取る滑稽な男だと、アズラエルは軽蔑を含んだ視線を向け、 「当たり前じゃありませんか、それでは――」 アズラエルはそう言い放つと部屋を出て行ってしまった。
CE70.8月18日―― 「それじゃあ誰だって怒ると思うぞ」 「いやぁ、今にして思えば他にも言い様があったなと僕自身思いますが・・・」 その時の話を聞いたアムロの指摘にアズラエルはバツが悪そうに答える。 どうにも敵を作りやすい男だとアムロは若干呆れながら思った。 最後の捨て台詞などアズラエル自身余計であったとは自覚している。 何のことはない、腹が立ったのでハルバートンの最も聞きたくないであろう返答を選んでしまったのだ。 「まあ、他ならぬ『白き流星』殿の指摘とあれば、今後は控えることにしましょう」 「・・・俺としては勝手に祭り上げられていい迷惑なのだがな」 『新星攻防戦』の後、アムロ・レイの名は英雄として連合内に広く喧伝されていた。 無論それは、新星における敗北から目を逸らし兵の士気を高揚させるためという 連合上層部の思惑が大いに反映されたものではあったが。 ―――僕も困っているんだけどさ・・・戦う相手を見に行ったと思えば、あっという間に"英雄"なのだから。 まさか、アムロが"ここまでやってしまう"とはアズラエルにも予想外の事だったのだ。 むろん、それなりの活躍は期待していたのだがそこにアズラエルの誤算があった。 モビルアーマーでの戦闘参加にも関わらず一度の戦いでアムロは連合のトップエースに躍り出たのだ。 モビルスーツ開発前にアムロがこれ程の武勲をたて、目立ち過ぎてしまったのはアズラエルの計算外であった。 そのため、アムロを後方に回し自由に使えるように手はずを整えるのにも予想以上の費用とコネを必要とした。 その新しい英雄に対するアズラエルの行動は軍内部にまことしやかに広まってしまい アムロ・レイは軍内部で"ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルに近い位置にいる英雄"と認知されてしまったのだ。 すでに、アムロに反ブルーコスモス派を含む多くの派閥からの接触があったと報告を受けていた。 各派閥それぞれ違った思惑があるのだろうが、アムロの利用価値に目をつけての事なのは明白だった。 ―――色々と僕やブルーコスモスについて言い含められたな、きっと。・・・ああ、頭が痛い。 アムロが最近ブルーコスモスについて独自に調べ始めているともアズラエルは部下から聞いていた。 これは、対応を間違えると取り返しがつかなくなる類のものだとアズラエルも分かっている。 アムロの予想以上の能力を確認できた事は喜ばしい限りなのだが、その副産物として発生した弊害にアズラエルは頭を抱えていた。
今、アムロとアズラエルは、ヘリでワシントンにあるホテルに向かっていた。 そのホテルの最上階全てはモルゲンレーテ社が永久に借り受ける契約となっており外部との会談に主に利用されている。 「しかし、オーブとの会談に俺が顔を出す必要があるのか?こんな格好までさせて」 アムロの服装は黒のスーツにサングラス、典型的な警護随員の格好だ。 余りの似合わなさにアムロ自身、辟易としている。 「オーブじゃありません。モルゲンレーテですよ、一応ね」 アズラエルは"G計画"にはモルゲンレーテの協力が必要だと 一度、オーブ連合首長国国家元首ウズミ・ナラ・アスハと会談の場を持った。 その時は取り付く島もなく交渉はあっさり決裂したのだが すぐ後にモルゲンレーテ社からの――オーブの五大氏族の中でも暗部を担うサハク家からの接触があったのだ。 アズラエルは予測できていた事とはいえ、ウズミに対しては良い印象を持ち得なかった。 『オーブの理念』――『他国を侵略せず・他国の侵略を許さず・他国の争いに介入しない』 に固執し、思考を硬直させているように感じたのだ。 ―――『オーブの獅子』ウズミ・ナラ・アスハか。今のところはそれでも問題ないのだろうが・・・ 『理念』とやらが時勢にそぐわなくなった時の事を彼は果たして考えているのか? オーブに中立を認めるだけの価値を連合もしくはザフトが見出し得なくなった時 『オーブの理念』は、オーブ自身にとっての害悪となりはてるだろう。 その時、ウズミがとりえる行動を幾通りか推測したアズラエルだったが一瞬なにか危険なものを感じた。 ―――まあ、オーブの未来の事を僕がいちいち考えるのもおかしな話か。 しかし、それは希薄なものであったためアズラエルはそれ以上考えるのを止めてしまった。 ムルタ・アズラエルがコーディネイターへの劣等感という『固執』を増幅させ続けていたなら あるいは、ウズミ・ナラ・アスハの危険性を看破し得ていたのかもしれない。 だが、この時にはアズラエルの内面では思考の質が既に変化していたために ウズミの『固執』を彼は却って読みきれなくなっていたのだ。
「まあ、詳しい説明は終わった後にしますよ」 「そうか・・・」 アムロは、それ以上追求するのは止めておいた。 アズラエルがそう言うからには何かしら理由があるのだろうし 後で説明するというのなら、今むやみに聞きだす必要も無い。 ―――しかし、何を考えているのだろうな。 地球に降りてから、アムロには様々な人間から接触があった。 アズラエルへの橋渡しにと利権を得るために利用しようとする将官達が主だったが ブルーコスモスの弱みをアムロから引き出そうとする輩なども少なからず存在した。 もっとも、ブルーコスモスの思想になど全く共感しておらず内部の事情など何も知らない アムロから聞き出そうというのだから随分と間の抜けた話だといえた。 アムロはアズラエルの義理というよりは、単純に政治に巻き込まれるのを嫌い今の時点では全て撥ね付けていた。 しかし、彼自身ある程度の情報を聞かされ、そしてそれを自分で整理していくにつれ アズラエルにこのまま協力してもいいものか早いうちに判断しておく必要があることは感じていた。 エイプリルフール・クライシスの災禍を眼前で見せ付けられ戦う事を決意したものの それは、アズラエルに協力し続ける事とは必ずしも同一のものではない。 アズラエルに対し少なからず恩義があるが、場合によっては敵対する事も考慮せねばならないのだ。 『そして結局は、お前はまた才能を利用されようとしているのだからな』 シャアに言われた言葉が一瞬アムロの思考を流れた。
アムロ達が会談の場となるホテルの最上階の一室に到着すると全身を黒で包んだ男女が彼らを出迎えた。 ロンド・ミナ・サハク、そして、双子の弟ロンド・ギナ・サハク。 両者の外見は一見、鏡に映っているかのように同じに見えるが やはり、性別の違いかよく見れば顔つき、体つきに相違点を見出す事が出来た。 サハク家はオーブ五大氏族の中でも累代軍事を司ってきた家柄であり、モルゲンレーテ社との結びつきも深い。 彼女たち姉弟はオーブのために造られたコーディネイターであり養子という形でサハク家に入っており その能力によって、既に養父コトー・サハクに変わり実質的な権限を有するに至っている。 そのためG計画におけるモルゲンレーテとのやり取りも主に彼女らを通じて行われていた。 「これはアズラエル理事、おいで頂いて恐縮です」 「いえいえ、こちらの方こそご多忙のところ時間をとって貰ってありがたく思いますよ」 ミナは一瞬アズラエルの背後にいるアムロに目を向けるが表面上は気にするそぶりも無くすぐにアズラエルの方に視線を戻した。 一応の挨拶が終わり、話はモビルスーツの開発計画のものへと移っていく。 この日までにモルゲンレーテは大容量パワーパック技術の提供をきっかけとして 支援ユニットの開発を初めとする多くのプロジェクトへの参入を勝ち取っていた。 そうなれば、後は簡単だ。 モルゲンレーテがモビルスーツ開発のルートの一翼を請け負う事になるのも自明の理というものだった。 「あなた方にはスペック実証用のスペシャル機の製造を請け負ってもらう事になります」 「分かりました。では、開発は先の話の通り『ヘリオポリス』で」 「ええ、お願いしますよ」 今回の会談は、あくまでトップ同士の最終確認に過ぎないものだ。 会談はスムーズに進行し、ごく短時間のうちに終了した。
「いやぁ、それにしても本当に助かりましたよ。ウズミ代表にあっさり振られた時にはどうしたものかと思ったものです」 「これは、異な事を。あなたはこの展開を充分読めていたのでは?」 唐突にアズラエルが口にしたウズミの名に、ミナの雰囲気が若干棘棘しいものに変わる。 「代表があなた方の協力依頼を断ったとて、それは必ずしもオーブの総意というわけではありません。 だからこそ、我々がモルゲンレーテを通じて協力させていただいているのです」 洩れだしかねない敵意をなんとか抑え付けようとするロンド姉弟の精神の動きが場の空気に干渉していた。 表舞台で華々しく活躍するアスハ家が光とするならば このようなアンダーグラウンドな仕事を担うサハク家は影といえる。 そして、彼女らはその境遇を決してよしとしている訳ではなかった。 「まあ、そういう事にしておきましょう。それでは僕はこれで・・・」 最後に握手を交わすとアズラエルはアムロを伴って部屋を後にした。 「・・・食えない男だな、あいかわらず」 二人きりになった所でギナがアズラエルをそう評した。 「ああ、そうだな。・・・ところでお前は気付いたか?後ろにいた男の事を」 「後ろにいた男・・・赤毛のSPか?いや、特に気にはしなかったが・・・」 「あれは、おそらく連合の『白き流星』だ」 「連合のトップエースか・・・何故ここに?」 ギナは当然の疑問を彼の半身に対して返す。 「さあな、だがアズラエルの側近という話もある。んっ、そうだな、少し調べてみよう」 アムロが聞けば間違いなく眉をしかめることを口にしつつミナはアムロに若干の興味を示した。
「アムロ君、彼らをどう思いました?」 その日の深夜、デトロイトのオフィスで再びアムロはアズラエルと顔を合わせた。 ロンド姉弟との会談の後にもアズラエルには別件があり、アムロは先にデトロイトに戻っていた。 忙しい身の上なのだろう、アズラエルの顔には疲労の色が見受けられた。 「・・・危険な感じがしたな、具体的にどうとはいえないが」 それが、アムロがロンド姉弟に感じた率直な感想だった。 ウズミの名が出た時に生じた感情によからぬ邪気が結びついているイメージが飛び込んできたのだ。 「危険な感じですか・・・なるほど」 「俺に彼らを見せる為についてこさせたのか?言っておくが・・・」 「"ニュータイプは超能力者じゃない"でしょう?」 「ああ、あくまで勘の範疇だと思ってくれ」 「だが、他ならぬ君の勘が危険を告げているんだ。考慮にいれる価値があると僕は考えます」 アズラエルはアムロの勘が、特に敵意や悪意などに対し鋭く反応するものだと見越していた。 これは、戦場において特に重要となる要因のはずだからだ。 実際にアズラエルはエイプリルフール・クライシスの折、その片鱗を目の当たりにしている。 ―――戦士としての才能の表現・・・彼自身は快く思ってはいないのでしょうが。 それは、アムロが言ったニュータイプとして失敗しているという自身の評価の根源というべきものだった。 人は解り合えるということを知っていながら最後は拒絶し合うことしかできず 殺し合うのがニュータイプではないと言うララァの言葉を信じているのにも関わらず 自身の才能をこのようにしか表現できないのだから。
アズラエルが決めかねていたのは、所有する技術をモルゲンレーテに提供するかというものだった。 アムロが危険を感じているのならば、きっとそうなのだろう。 これでは、νガンダムの解析を経て得た技術など到底『ヘリオポリス』では使えるものではない。 アズラエルはアムロの協力を基にモビルスーツを開発するのには、やはり別の拠点が必要だという結論に達した。 「それじゃあ、ちょっと値は張りますがこちらのプランで行くことにします」 そう言って、アズラエルは2枚あったディスクの片方をアムロ手渡す。 それには、連合のモビルスーツ開発の三つのルートが示されていた。 まず、地球上のパナマ基地を中心とした量産型の開発計画。 もう一つは、オーブのコロニー『ヘリオポリス』での連合の技術を全て注ぎ込んだスペシャル機の開発。 これは、ハルバートンに一任するつもりだった。 データだけ定期的に送ってもらえれば特に干渉をする必要もないだろうと考えたからだ。 最後にザフトが放棄したローレンツ・クレーター基地を再建した上でのモビルスーツ開発計画だ。 むろん、再建を一手に引き受けようと考えると莫大な費用が発生するが アズラエルが好きに使える拠点が宇宙に必要なのも事実だった。 そして、そこで得たデータもヘリオポリスの方と合わせ 逐一パナマの量産計画にフィードバックするというのがアズラエルの考えだ。 「良いのか?費用も馬鹿にならないぞ」 「投資と考えればそう悪い話じゃありません、宇宙での拠点も欲しかったところですから」 「それじゃあ、俺はここで?」 「はい、君の意見と我が社の技術を合わせたカスタム機の開発計画に参加してもらいます」 「νのコクピット、サイコフレームも使うのか?」 「いえ、そちらは今回は無しです。貴重な資料を早急に投入するのは愚というものです」 「もう少しデータが揃ったところで使うという事か」 アムロの言葉をアズラエルは肯定した。 そのまま、今後の対応について話していたのだが、しばらくすると急にアズラエルの口が重くなった。 「・・・・・・・・・」 アムロはアズラエルが何か言いよどんでいるのを察していた。 何か、口に出すのを迷っている様だった。 しばらくして、アズラエルは一度だけ頭を掻くと、 「この計画では君の他に・・・"ソキウス"を投入しようと考えています」 アズラエルは普段の彼からは想像も出来ないような顔つきでソキウスについての説明を始めた。 それは、賭けに出た者にしか出せない表情だった。
戦闘用コーディネイター"ソキウス" 遺伝子操作と、訓練と教育により戦闘に特化した能力を持たされた存在。 その行動原理を服従遺伝子による刷り込み効果によって支配されたナチュラルのための兵器である。 「計画が始まった当初、コーディネイターとの戦争が始まることなど当時は誰も予想していなかったようです」 ジョージ・グレンによってコーディネイターという存在が世に出現した時 まず、それに注目したのは軍だった。 戦闘用コーディネイターの研究は軍主導で長い年月をかけて続けられ徐々に成果をあげていた。 だが、コーディネイターとの戦争が勃発してしまい計画は中止されたのだ。 コーディネイターがナチュラル達の敵となった上に服従遺伝子よるコントロールも完全なものではなく 少しでも裏切る可能性が残っている以上、戦闘に特化したコーディネイターを造ることなどできる話ではなかったのだ。 「本来なら、既に造られたソキウス達も処分される所でした。ですが、それをロゴスの一派が引き継ぎましてね」 そこからの、内容はさらに酷いものへとなっていく。 引き取られたソキウス達はロゴス内で配分され、ある者はラボに送られ実験動物として利用され また、ある者は薬物で精神を壊された後、パナマのモビルスーツ開発の為に使われる事になるだろうと。 「・・・・・・・・・」 「――話を続けます」 先程からアムロは一言も口にしてはいない。 だが、部屋中を満たしている圧迫感は彼を中心にして発せられているのは確かだった。 ―――怒っているな。でも、これは今、言っておかなければいけない。 アズラエルも意を決してこの話を持ち出している。 決して、楽天的に考えているわけではない。 下手をすればアムロの離反も招く事になりかねない事も承知の上だ。 ―――今、僕はどうしようもなく馬鹿な事をしているのかもしれない。
アズラエルは次に自分にあてがわれたソキウス達についてアムロに説明した。 現在、彼らはアズラエルのファクトリーで様々な作業に従事している。 その扱いは、他のソキウスに比べれば雲泥の差と言えるものだった。 「これは、僕自身、決して善意でやっている訳じゃありません。あくまで彼らが利用できるからです」 ソキウスのコーディネイターとしての能力は充分に生かせるものでありアズラエルは彼らを優秀な人的資源と捉えていた。 「無駄に使い潰すなどとんでもない事ですよ、ですから――」 「精神コントロールが完全ではないといったな。その点について、あなたはどう思っているんだ?」 それまで黙って話を聞いていたアムロは、ここにきて初めて疑問をアズラエルにぶつけた。 「そうですね・・・僕自身は、正直たいした問題では無いと考えています」 完全に制御しきれる存在など在りえるものではない。 裏切りなどナチュラルの間でも日常茶飯事だ。 ソキウス達が裏切れば被害もそれ相応ものになるだろうがそれだけのリスクを負うだけの価値はあると考えている。 己の根幹となっていたコーディネイターの能力への劣等感をはっきりと認識し それを自身でも認めたことがアズラエルの選択と視野を広げていた。 重要なのは心中の妄執に囚われすぎない事なのだ。 「これが僕のやり方です。利用できるものは何でも最大限に利用する」 アムロも今の話の流れを一点を除いて理解していた。 ソキウスの事を皮切りにアズラエルは自らの遣り様を言っているのだ。 「これを変えるつもりはありません。 綺麗事だけで何でも解決できると思っているほど僕は自惚れてもいないし、強くない事も自覚しています」 サハクにしてもそうだが光があれば必ず影ができる。 そうでなければ不自然であり、またそれを担う役割の人間がいない世界など歪みきった代物に過ぎない。 少なくともアズラエルはそう思っている。 「そうか・・・それでは、無駄に切り捨てるという気は無いんだな?」 「ええ、少なくとも僕の手の届く範囲では・・・ね」 何時の間にか圧迫感は部屋から消え去っていた。
「場合によっては、俺はあなたの敵になるかもしれないぞ」 「あまり想像したくはありませんが・・・そうですね、それくらいでちょうどいいと思いますよ」 アズラエルの言に完全には同意出来そうになかった。 だが、アズラエル自身もそれは承知の上のことである。 そのリスクを飲み込む覚悟が無ければこんな話などしない。 「何故、俺にこの話をしたんだ。俺が言うのもなんだが幾らでも誤魔化しようはあっただろう?」 これが、アズラエルがソキウスについて話し始めた時にアムロが感じた疑問だった。 この話題を持ち出すことはリスクが高かったはずなのだ。 アムロもブルーコスモスについて調べる事でアズラエルの反応を確かめようとはしていたが この展開は、正直予想外だった。 「そうですねぇ〜」 アズラエルは表情を普段の何処か軽薄な印象を与えるものに戻すとしばらく唸り、 「まあ、腹を探り合いながら飲む酒は仕事だけで沢山・・・って事でどうでしょうか」 「なっ・・・」 アムロはその答えに絶句し、しばらくすると苦笑いしながら頭を抱えた。 分かってしまったのだ、その冗談めいた言葉がまったく偽りの無い物だということが。 利に聡い男だとは思っていたが、そうでも無い一面も持っているのだとアムロは確認した。 「そういう事で一杯どうですか?いい酒を用意しているんです」 「ああ、いただくよ」 アズラエルは部屋の奥からブランデーの入った木箱と二つのグラスを持ってくる。 「それじゃあ、早めにソキウス達に会えるよう手配してくれ。あと、幾つか条件もある」 「ええ、分かりました」 そして、グラスを軽く当て、二人は注がれた琥珀色の液体を一気に飲み干した。 コズミック・イラ70、地球、プラント間の緊張は、一気に本格的武力衝突へと発展した。 誰もが疑わなかった数で勝る地球軍の勝利。 が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は優秀な少数の兵器と大軍のぶつかり合いという歪な形のまま膠着していった。 ―――これは、帰るべき場所を失い、新たな世界で戦乱の中を駆け抜けた一人の戦士の物語。
第7話、終了です。 今回はSEEDとは言いがたい代物になっちまいました。 次回から、ガンダムSEED本編の時間軸に突入っす。 訂正です。orz 7ページ目 ×アムロが聞けば間違いなく眉をしかめることを口にしつつミナはアムロに若干の興味を示した。 ○アムロが聞けば間違いなく眉をしかめることを口にしつつもミナはアムロに若干の興味を示した。
乙&GJ〜 なんかあれだな、ラクシズの出る幕もなく政治的に決着付きそうだw
400氏GJ まだ読んでないけど、今から正座して読ませていただきます。
リアルタイムで読ませていただきました 400氏さん、GJです! アムロとアズラエルとの会談、かなりハラハラして読みました この2人がここで決裂したらしたらですごい展開になってたかもしれませんねw 次回からはSEED本編と同じ時間軸のようで アムロの協力でどんな展開になっていくか楽しみです あと質問なのですが、アムロがMSの運用面での協力もする以上艦艇もAA以外に 独自の物もでてくるんでしょうかね? アムロならカイラム級戦艦とかクラップ級巡洋艦とかを知ってますから、「こんな MS運用艦があった」みたいに助言できそうですしね
837 :
836 :2007/05/06(日) 01:59:23 ID:???
あと気づいた訂正箇所があったのでご報告 ハルバートンは少将ではなく准将だったはずです
>>836 アムロも結局は一人の人間で、できることにも限界があるってのが前提っす。
なによりMSに比べれば知識も浅く、新規戦艦建造までやるのは流石に無理ってことで。
ナタル指揮下のドミニオンにアムロ乗ったりしたらアークエンジェルじゃ勝ち目なさそうだ。 ノイマンが如何にかわすか次第かも知れんがw
ご指摘ありがとうございます。 訂正1ページ目 ×第8艦隊司令デュエイン・ハルバートン少将は軍司令部に呼び出されていた。 ○第8艦隊司令デュエイン・ハルバートン准将は軍司令部に呼び出されていた。 勝手に階級かえとったorz
>>839 神業操舵士ノイマンとニュータイプ操舵士ミライさんを比べてしまうかも知れないな、アムロはw
98氏&400氏共にGJ!!!! 98氏のはアムロの強さ、戦闘描写の妙を楽しめますし 400氏のはアムロの抱えてしまったNTとしての歪みと 盟主王との友情(キラ、凸のものとは方向性が違う)が楽しめました 両者ともに次回もwktkしながらお待ちします
アムロ率いるソキウス部隊って派手なMSに乗らなくても、 かなり強いだろうな。 とか妄想したGJ
GJ!!!!!! このスレは連続で作品が投下されるから困る。 もう頬が緩んじゃって緩んじゃってw アズラエルがコーディネイターへの劣等感を向き合った事で生まれた物は、+もあったけど−もあったんですね。 トータルで考えれば彼にとってプラスなんでしょうが……深いなぁ。 アムロに対して、ソキウスのことを伝えるアズラエル。 ここに変に奇麗事なり「仕方ないから」とかの言い訳でも入れてたら、アムロ離反してたなw アムロにしてもガキでは有りませんから、世界にそういう話があることは理解してるでしょう。 納得するかどうかは別問題ですが、正直に打ち明けた事についてはかなりポイント高かったと思います。 それに、アズラエルがアムロを「言い包めてしまおう!」という姿勢でないのもかなり大きいかな。 まだ、お互い「分かり合っている」という間柄では有りませんし。(というかこの時点で御友達とかだったらむしろ変) 現時点においては、アズラエルはアムロの特異な能力を、アムロはアズラエルの社会的な地位を信用しているだけのように見えます。 一個の人間として信用している訳ではありませんし、ましてや信頼関係なんかは望めないでしょう。 とりあえず、真正面から意見をぶつけ合って化学反応を起こしていくべきです。 そういったやり取りの上で、ジックリと関係を構築していくのが正しい道ですね。 月面での新型の開発、いきなりνのデータを流用しないのは実にGOODです。 まずは自分達の世界のMSの基礎を作った後に、徐々に取り入れていくという感じですか。 基礎を疎かに考えず、ジックリと事を進めていく姿勢は後の宝になりますね。 カスタム機って事は、G辺りから原型を引っ張ってきて魔改造を施すのかな? ……アムロはデュエル辺りを好みそうだ。 他の四機に比べれば整備も簡単そうだし、何より一番汎用性がありそうだから。 それにしてもソキウス部隊とアムロの意見が取り入られたカスタム機か…… 連合最強の部隊が出来るとしか思えんのですがw 教導団的な扱いになるのかな? 量産機の計画もこの時点から本格的に進むとなると、下手すりゃ第二次ビクトリア戦か遅くともアラスカ戦辺りで投入が可能となるかもしれん。 歴史が変わっていくぜ…… と、妄想はこれくらいにしておくとして。 こういう風に清濁合わさった話はやっぱり面白いです。 進み方もジックリと、そして確実に進んでいきますし。 ……wktkが抑えれない。 とりあえず次回まで正座してます!
追加、というか書き忘れ。 >―――これは、帰るべき場所を失い、新たな世界で戦乱の中を駆け抜けた一人の戦士の物語。 アズラエルが主人公じゃないんですか!?(マテw 第5話と今回の第7話のアズラエルの苦悩っぷりを見てると、彼が主人公なんじゃないかとつい錯覚してしまいます。 第6話を見てるとクルーゼも主人公なんじゃないかと思ってしまうしw
400氏GJ!
>>846 つまりアムロ、アズラエル、クルーゼ関係無しに物語の主軸に関わっているだろうキャラ達は魅力的ってことだな。
少なくとも俺はそう思うw
98氏、400氏、GJGJGJ!! どっちもwktk展開でたまらん反面、同日とは投下の冬が来るぞ。 やっぱ戦闘は盛り上がる!! いつもアムロとナタルの触れ合いには萌えてるけど、 今回は艦とMSの共闘って感じがしてまた萌えてしまったw キラ戦はまだ未熟な面とセンスが光っている面が見て取れて面白い。 おまけに今回は片腕&武器不十分&足場悪しとハンデありまくりだし。 個人的にはニコルデュエル戦が今んとこ一番好きかな。 で、何と言ってもアムロ。すげーって言いたくなるところは 作中で皆が言っている(特に砂漠の虎さん)けど、 何が凄いかってのがわかる。98氏の描写がうまいんだろうなぁ。 特にAAに当たらないようにアグニを水平にして撃つとこなんて鳥肌モン。 ああでも砂丘をものともせず火力に物言わせてw ヘリを落としていく場面も外せないなぁ… カガリ、ラクス登場でどう転ぶのか、wktk過ぎる…!!
初っ端のハルバートンとの会話の反省会に吹いたw 盟主王、こうやって話せる人が本編にはいなかったんだろうなぁ… GJ!!
アズラエルは使える駒も必要としているけど、 アムロには戦友を求めたってことかな。 つーか、やっぱりアムロがエースになって困ってるしw アズラエルはあからさまに目に見えて利益に終始してるけど、 ハルバートンを挑発したり、上手く言いくるめて誤魔化して アムロを使っていく手もあるのに、リスクを冒してまで 手の内を明かして挙句ポロッと本音じみた言葉で本人曰く口説いてみたり 感情的な面も目立っていてアンバランスで面白い。 ソキウスに関しては先手を打つことによって 自分のイメージダウンを最小限にする打算もあるだろうけど。 アズラエルが表面上は取り繕って見せても、アムロはニュータイプであるが故に(? 本心を見抜いてしまって絆されてるのも面白い。 アズラエルはアムロを引き込みたい割には、アムロに嫌悪されるとわかっていて 仕事上においては媚びないところは、ある意味信用性があるのかも。 アムロって強化人間の起源のわりには、強化人間と戦うことはあっても 触れ合う機会ってなかったから、ソキウス達に会って、何か感じたりするのかな。 この先どう転ぶのか楽しみ。
わざわざ似たような長文連続投下せんで一つに纏めれ
1ページ目の追加修正箇所ハッケソ 少将の今日に至る努力がようやく認められたのです。もっと喜んでみてもいいのでは?」 ↓ 准将の今日に至る努力がようやく認められたのです。もっと喜んでみてもいいのでは?」
お二方ともにGJ過ぎる。 〉98氏 婚約者キラー健在にワロタw しかし、この話でも原作でも虎は指揮官としてはアレですな そしてなによりアムロ最強!! 〉400氏 アズラエルは損得を計れるように認識が変わったことにより ウズミを測る事が出来なくなってしまうとは・・・ 案外、盟主王、種世界では生きにくくなってしまったのかもしれん これは素直にうまいとオモタ
>>821-832 dクス
今回は戦闘無しか…
いつも思うのだが他キャラとクロスさせる度に
種世界の歪さが明らかになるな
507氏マダー?そろそろ禁断症状が・・・・・
アズラエルが大人になり、強かになっている……… アムロとの関係も深まっているし。 それにアズラエルの変質が必ずしもプラスに働くとは限らないのが心憎い。 まさにGJ!!
98氏&400氏GJ! 連休の最後にいいもの読ませてもらった。 これで来週もまた戦える。
400氏GJGJGJ! アムロとアズさんのやりとりがまたいいでつなぁ アズさん、男としてカコイイよ! 次回から本編突入ですな期待しておりまつよ |・∀・)b GJ! それにしても、みんなからGJ!もらえて、お互い書き手冥利につきますな 楽しい物書けるようにお互いがんがっていきましょい!|・∀・)ノシ ミンナモ アンガトー
400氏もキタ―――――! GJGJGJ!!! 商人の勘なのか盟主は最も効果的な方法を、というか 唯一アムロを口説き落とせる方法を選びましたな 本編の実は盟主も孤独だったのかもしれない しかし、CEはつくづく真っ当な人間が行き難いのだなぁ・・・
>アムロはアズラエルの義理というよりは、単純に政治に巻き込まれるのを嫌い アムロとことん政治に向いてねぇw うまくすりゃ権力の階段上る足掛かりにもなるってのに
いや、こんな世界で権力握っても厄介ごとを背負い込むだけだろうw
>綺麗事だけで何でも解決できると思っているほど >光があれば必ず影ができる。 そうでなければ不自然 うん、分かってる。でもそんな世界は嫌なんだ。byキラ☆ ↑ 種は、これがマジでまかり通るから恐ろしいw
負債は共産主義者か?
綺麗事だけで何でも解決できると思っているほど自惚れているし、強いんだからしょうがないw
最初は「思いだけで何が出来るっていうんだ!」みたいにいってたのにねぇ。 いや、逆に思いと力さえあればなんでも出来るとあの頃から思ってたのか?
キラって外面はともかく、内面は典型的なコーディネーターだからな。 技術や経験ではなく能力の高さで相手を押し切り、相手の話を聞こうとせず勝手に自己完結する。 心の奥底の部分ではナチュラル(というか能力的に劣っているもの)を見下している。 自分、もしくは自分の信じた人のしている事は正しいと信じて疑わず、それ以外の方法は否定する。 思いと力さえあれば、というよりも“自分ならば”何でも出来ると思ってたのかもしれない。 利用しやすそうで利用しにくいタイプだな。ハサウェイみたく一人で勝手に暴走して、敵味方巻き込んで自滅するタイプだ。
400氏GJ! アムロとソキウス達の出会いが、ソキウス達にどんな変化をもたらすか楽しみー
アズラエルがまともになった所為でウズミのマイナス面が強調される展開になるらしいって、 種世界にはドンだけまともな人間がいないのかと小一時間(ry
強調も何もエテ勝手な理屈で国を焼いた男だぞ
確かに。 国を守るために理念はあるのであって 理念の為に国を焼いたら本末転倒だろう・・・
常識という眼鏡でSEEDの 世界は覗けはしません><
最後通告されてるんだから自国領海に入った時点で戦闘開始でしょ。 なのに海軍は動いてないし本土決戦選んでるしヘリオポリスだって守備隊が殆ど居なかったし。 普通じゃありえない凄いものを見たんです。
アムロからすれば、ネオジオンと交渉してアクシズ渡した連中と被るのでは。
よくわからんから教えてくれ。 コーディとオーブ軍って、どっちがタチ悪いんだ?
>>874 ラクシズ所属のコーディ>>>アスハ派オーブ軍人>>>プラントコーディ、ぐらいじゃねーの?
遅ればせながら98氏&400氏GJGJGJ!! 98氏のは、キラの熱い主人公振りがいいな。原作だとここで増長の極みに達しとったし。 健やかな成長を期待。 400氏は、ミナ様が以外にTPOをわきまえていたのが以外だw デュランダルの前でも偉そうな口聞いてたカガリとは違うな。
宇宙のコロニーで暮らしてるのは数千万程度いるプラントのコーディネイターがほとんどなので、 プラント全滅もありな選択肢な気がする。 遅かれ早かれ、こいつらは経済や軍事でナチュラルを支配するだろうし。
>>877 >遅かれ早かれ、こいつらは経済や軍事でナチュラルを支配するだろうし。
おいおい、ベイビー、新手のジョークかい?
食料やその他の物資(水・空気)を地球に依存しているのに、一体どうやって支配するんだい?
何より、プラントの経済というのは連合が新たに資源採掘基地を作れば終るほど脆い物なんだぜ。
仮に月面でのテロが起こらず、彼らの独立が条件付で承認されていたとしても、彼らが我が世の春を謳歌できるのは精々二・三年といったところ。
独立、意味ねーな。
某スレの議論では「プラントの独立」というものは、「コーディネイター」にとってまったくメリットが無いこともわかったしね。
軍事に関しては、語るまでも無い事ですから言いません。
内容がスレ違いとなってきましたので、議論スレにでも移動しましょう。
>>878 えー?アムロのMS談義が始まったのに余計なの持ち込まないでよ。
>>878 水はともかく食料は農耕プラントで自給自足できるんじゃなかったっけ?
>>878 某スレなんぞ知らんし、語るまでもないで自己完結されても困る。
しかも、なんでそんなに偉そうに見下してんだ?
>プラントの経済というのは連合が新たに資源採掘基地を作れば終るほど脆い物 ん、デルタアストレイかなにかでそういう設定が出てきたのか、知らんかった。
某スレって凄い権威なんだな。
あの種世界の住人がこちらの常識通りに動くとは思えない。
なぁ(´・ω・`)ここのSSでアムロとシャアが一緒にCE来てたのあったっけ?
つメビウス・リンク ちゃんと、シャアがテーンテーンと跳ねながら出てくるぞ。
>>885 つ【メビウス・リンク】
アレをシャアと見るかどうかは任せるがなwww
888 :
885 :2007/05/07(月) 13:35:22 ID:???
> Thanks いや、本当にアレでいいのか?
>>818 >>「――そこのモビルスーツのパイロット!死にたくなければ、こちらに指示に従え!そのポイントにトラップがある!やって来る増援をそこまで誘き寄せるんだ!」
種が1stのパクリと知ってはいるが
あの名シーンと“あの人”を侮辱されたようでイライラする
やはり負債は許せん
>>876 【bloom】
フレイ&幼女イベントを回避しているからな。
しかし、このままだと自由に乗り換えれるのかチト心配。
(あのお粗末な強奪劇はいらんがキラにはやっぱフリーダムに乗って欲しくも思ふ)
【side A】
いくらなんでも、カガリ基準にオーブ氏族のTPOを考えなくてもいいだろw
むしろストライクのままで強化+新ストライカーパックの方が燃える
新ストライカーパック つI.W.S.P つライトニングストライカー つガンバレルストライカー つノワールストライカー(これは無理か? うん、種類も豊富だ。
IWSPやノワールストライカーみたいな万能兵器は好きじゃないな
万能だったら換装する意味がなくなるからなあ
98氏のバルトフェルドは 三隻同盟後にアムロがマーカー表示無しのマニュアル 操作で砲撃してたことを知らされたら、腰を抜かして驚くだろうな。
E型は無理でもルージュ相当の改良を施して試作型ジェットストライカーつけた大気圏内高速戦闘型なんて見てみたいかも 宇宙ならガンバレルのパーツを可動式ブースターポットとして追加したエール改とか
すまん、敵としてでてきたフリーダムを破壊してフリーダムのウイングユニットを ストライカーパックとしてカスタマイズして使用するストライクが頭にうかんだ 首つってくるわノシ
面白そうだかNジャマーキャンセラー無いから あっという間にフェイズシフトダウンだなw
機動性はメチャクチャ上がるがウルトラマンメビウスの メテオールの制限時間分しか動けないフリーダムストライカーw
で、スカグラが電童のセルファイターの如く電池を撃ちまくるのかw
なんで核分裂のフリーダムはあんなに撃ちまくってパワーダウンしないんだろうな。 核融合のサザビーはメガ粒子砲を撃ちまくったらパワーダウンしたのに。
>>903 負債は、自分の製作したアニメの設定を知らない。単純に何も考えて無かっただけだろ。
講演会での会話抜粋
質問)戦艦のビームをムウが止めたのはやっぱり奇跡?
福田)対ビームシールドだから、止められてもおかしくないでしょ?
質問)でもローエングリンは対要塞用ビームなんですが…
監督)…知りませんでした
戦艦のビームをそんな理由でMSにホイホイ止められちゃかなわんなw
普通は設定知らんでも戦艦のビーム砲を対ビーム仕様とはいえMSの楯で防げるとは考えんよなあ。
>>903 疑問自体は尤もだが、サザビーを引き合いに出すのは適切じゃないな。
サザビーの場合はロクにテストもせずに実戦投入した結果、設計の不備が表面化しただけだし。
Wのツインバスターライフルとか? 無限に撃てる謎機構の無敵武器だし …サザビーのアレって設計の不備だったのか知らんかった シャアがはっちゃけすぎて機体に無理させたからだと思ってた
あの頃のシャアとアムロはパイロットとしての能力が拡大しすぎてついていける機体が全然なかった。 そんな状態でお互いが相手を倒すべく自分に合わせた機体を開発途中で回戦したもんだから・・・ νガンダムなんて調整途中で持ち出して戦艦内で出撃寸前まで調整してたぐらいだw
>>910 あれって、たしか数発しか撃てないんじゃなかったっけ?
Wは中途半端にしか見てないし設定もうろ覚え状態...
>>912 ゼロのツインバスターライフルは本体からエネルギー供給していくらでも撃てる設定になってるな。
Wのバスターライフルはカートリッジ式で3発のみ。
ってwikiに。
914 :
903 :2007/05/08(火) 00:50:32 ID:???
>>908 そういえばそうだった
スーパーロボットの真ゲのゲッターですらゲッタービームを連射できないのに・・・
フリーダムはスーパーロボットか?
>フリーダムはスーパーロボットか? 違うよ。監督の「ぼくのかんがえたさいきょうのがんだむ」だよ。
気になったんで質問させてください。 98氏の >νガンダムが敵艦からのミサイルに向けアグニを発射する。 >発射されたビームはミサイルの半分を消し去るが、残りはアークエンジェルの右舷へと着弾すると爆発を起こし、アークエンジェルを激しい揺れが襲った。 >バルドフェルドは不敵な笑みを浮かべると、バーニアを噴かしてアークエンジェルの後部甲板上へ跳び上がった。 >その途中、アークエンジェルの向こう側――前部甲板上からのビームが走り、レセップス主砲からの砲撃を全て撃ち落とした。 は同じ場面だと思うんだが、前者は撃ち落したミサイルは半分、後者は全てになってる。 これは撃ち落した半分のミサイルはレセップスから放たれたミサイル全てを指し、 撃ちもらした半分はラゴゥからの強襲という意味でいいんでしょうか? 読解力なくてすみません。
>>916 おいらの書き方がややこしいのも原因であるのでお気になさらずに
前記は第四波攻撃、後記は第五波攻撃でありまするよ
>>917 解説させてすみません。
理解しました。
>>914 まあ、‘光線’のレーザーですら無限に発射は不可能なのは常識な訳で
一応‘粒子線’であるガンダム世界のビームに至っては弾数制限は当たり前
レールガン?当然でしょ
出力がでかいから無限に撃てる?
銃身の劣化は?酸化反応による異物の発生は?触媒の機能低下は?過負荷による伝達系への負担は?使用後の整備換装性は?
へ?アニメだから問題ない?
確かアニメの枠を越えたリアルな戦争を描いているって話だったんだが…
えっ、死に方だけ!?
うん、自重する
いや、そもそもレールガンは弾丸が必要だから、無限に打てるはずないんだが……
構造材を撃ち出してだんだん小さくなってかわしやすくなるんだよ。
レールガンの撃ちすぎで縮んでいき、 しまいには宇宙細菌ダリーを倒すの命懸けなちび自由w
そこまで逝った暁には、キラが氏んだ代わりに自由が自意識を持つことになる件wwww
のちのSDガンダムである
ある程度小さくなった時点で、パイロットいらなくね? と気付いた自由がニート弾にして撃つのかw
今から Vガンでも見てくるよ
まあなんだ ザフトの素敵超技術で 5千発くらいまでは整備不要で撃てるビーム砲とかなら造れるのかもな
ザフト脅威の技術ならビームで融解したデュエルの腕のコピーも楽勝だったからな!! (一体、何時間でPS装甲材の解析終わらせて腕を製作したのやら;)
そんな脅威の技術を持ってすれば、νのファンネルをポッド式にしなくても、長時間使用可能にすることもできるかも……
種世界の高エネルギービームって荷電粒子砲でいいのか? なんと言うか語感が…ZOIDSで最終兵器扱いされてたのとは雲泥の差だし。
>>931 種のビームはプラズマ、としか説明されていない。
大槻教授が聞いたら怒りそうだけどな。
>>931 水中でも撃てる上に、大気圏内でも減衰しないものを粒子砲とは呼ばない
何も考えてない負債の独自設定だろ
水中のはフォノメーザーって音波兵器だそうだ 視聴者にわかるようにビームっぽくしたそうだ(wikiと小説版に説明があるぜ
いわゆる後付設定である。
>>934 視聴者にわかるように、って
それって要するに、水中でビーム撃ててしまった事の理由付けに“視聴者”が使われた、ってことじゃ……
音波兵器を使った作品多いけど、ビームっぽくした作品なんか無いよな?
むしろ、フォノンメーザーは視認できないんだから、ビームみたいに見せたら駄目だろ。
分かり易くしたいなら、ライディーンみたいにでもしてろ、って思うよ。
>>914 地球最後の日だとストナー乱射してなかったか?
>>936 ライディーンって勇者、超者、REIDEENと全く違うのが三つもあるんだが…
>>938 じゃあ、ゴッドヴォイスとはっきり書いた方が良かったのか?
「ゴッドマン超音波!!」ならなおわかりやすいネ。
スレ違いになりかけてるな。修正。 νが改修されたり、新武器持ちそうな展開だけど、そのときはやっぱり種世界の設定武器を持つんだろうか? 水中でも撃てるフォノンメーザーとか、大気圏内でも減衰しないビーム砲とか持ったら、 なんかパイロットの腕も含めて、ずば抜けた戦闘力になりそうだ……
使われたのかどうか知らんが超者にもあるぞ>ゴッドボイス
多少スレチになっても埋まればいいんじゃね
>>932 現実のプラズマは拡散する性質があるので、通常は磁気等で誘導かけて
制御する必要がある。
プラズマトーチが実験室のごつい研究機だけで、日の目を見ないのは
そのため。
その誘導も結構敏感で、ちょっと狂うと色が変わったり放電したりする。
まぁ、負債は全然解ってないんだろうけどな。
新スレ立つ前から埋めるなよw
>>932 武器にわざわざプラズマの名が付いているモノがあるところを見ると、
ビームライフルのビームはプラズマではない。
なんとか仕上げたんだけど次スレになってから投下したほうがいいかな?
余裕ないし、次スレのほうがイイと思う。
ってことで次スレよろ
>>950
任された!
つーか、SSスレで容量がいっぱいにならずに1000行くのって珍しいな
>>955 ●
目
..-──- 、
▲ ヽ , - ´~~` -、
/ ● ● | \ 天晴 /
| ( _●_) ミ ヾア
彡、 |∪| 、`\ノつ
/ __ ヽノ /´ヽ ノ
(___) /
>>937 してる。でもビームも連発が利かないって言われたのは12話のみだから
あの時のビームは大軍勢相手のために特別に大出力で撃ったと思っておこう。
13話に至っては真ドラゴンと同調したせいか撃ちまくりだし。
あぁ、ゲッターだからな。
生め
ゲッターなら何を起こしてもおかしくない
スーパーだからな…
種もスーパーだったら突っ込まれずに済むのになぁ。
>>966 残念ですがお帰りください。
埋め終わったら行くよ
まぁまぁ、初代でも超汎用ガンダムだったし
>>936 おいおい、ガメラのギャオスの光線も超音波メスって音波兵器だぜ?
其れを言っちゃあ、ギャオスのもゴッドヴォイス風にしろといっているようなもんだぜ
大気圏内でも減衰しないビーム砲と言っても減衰していて宇宙より弱いと 主人公が愚痴るシーンは歴代ガンダムには無かった筈だぜ? ミリタリー色の強い08小隊でも陸戦型ガンダムが持ってないのは製造数が少ないからであって、 ビームスナイパーライフルに至っちゃ戦艦を一発で沈めてるぜ? それに初代MS−Vだったかの水中型ガンダムってのも水中用ビームライフルを持ってるぜ
>>970 偏光ビームライフル。
ジオンとかも偏光ビーム関連を研究していたし
SEED関連ではフォビドゥンブルーも設定では
偏光ビーム持っていたような・・・
種は時々意味もなく減衰してるかも だって戦艦でドッグファイトするんだぜ きっと減衰のせいでビームの有効射程距離がめっちゃ短くなってるんだよ
>>972 戦艦ドックファイトはガンダム世界で戦艦を目立たせるには
其れぐらい必要だってことじゃないの?
でないと、今までの攻撃を受けるだけないし沈められるだけの背景になっちまう
>>973 戦艦ってのは本来そういうもんじゃね? 支援と兵器運用が主目的。
高機動兵器が主流なのに、戦艦が前に出てドッグファイトなんて有り得ない。
リアル嫌いな富野だって、やらなかったよな?
>>974 ザブングルの時はランドシップで結構そんな感じの事やってたぞ
>>975 人型に変形して格闘戦やらかすような戦艦をガンダム系戦艦と一緒にしてしまったら、もうどうしようもないだろ。
だけど富野がやってない、は修正する。ザブングルの存在は完璧忘れてた。
そもそも種世界でもMSの登場が戦艦による撃ち合いを止めさせたんじゃないの? にもかかわらずなんでわざわざ前に出るんだぜ?
戦艦の運用としては矢面に立って殴り合うのが正しい運用、何故ならそーやっても勝てるように戦艦は作ってあるから。 支援と兵器運用は本来は空母の役目かと(某強襲空母なホワイトベースのように) まあ、AAは本来は強襲機動特装艦なので、味方に守られつつ敵陣の真ん中でローエングリンを撃ってる艦なんだけどなーと思った。
>>976 いや変形するのはアイアンギアー系の3隻だけだし
>>978 いや、だからMS登場で矢面に立って殴りあうって運用が出来なくなったんじゃ。
ガンダム世界においての戦艦=現実の空母と戦艦を合わせたようなもの。 超長距離からの支援とMS・MAの運用が主目的。 MS=現実においての戦闘機・艦載機。 こんなトコでおk?
UC世界は戦艦の区分けが出来てたと思う、うまいかどうかはともかく。 初期のマゼラン・サラミス級がMS登場で退場して、ペガサス級のMS運用艦が対MS戦闘にも耐えることができるようになった。 それ以降、対MS戦闘を前提として戦艦が建造されていく流れでしょ? それでも主砲クラスは支援か、MSを併用しての砲撃しか当たらない。 種世界は何故か戦艦の主砲級が普通にMSに当たってるんだよな。種MSって速いのか遅いのかわからん。
UC戦艦はMSがあれば戦艦落とせるから空母化したんだっけ? MSが速過ぎで機銃ぐらいしか当たらんし
ルウム戦役でブリッジに至近でバズーカでアボン あの神演出は未だに忘れられん
ラーカイラムの超弾幕に楽々と突っ込んでいったギラドーガ隊のトコも捨てがたい
>>982 ミノ粉が無いから、高機動兵器のアドバンテージが、
UC世界程でもない…のかもしれない。
種MSの機動性?フルバースト撃たれる時フリーズするような奴らですよw スタゲの厨機動は別問題として。
>>987 一般パイロット「演出を問い詰めてくれ、こん畜生!」
それにしたって種MSは設計思想からして意味不明な部分が多い。 某小説でアムロが言っていたように、高機動を誇るMSなら実弾兵器など当たる事など少ないのに、限界時間を削ってまでPS装甲などを装備させてるし。 新兵や機動力の無い機体にこそ必要で、ワンオフの高性能機に装備させたら害悪にしかならんだろ。 それに、これは種MS全般に言えることだけど、特殊装甲など当たる事が前提の機動兵器って、なに考えてんだ? 装甲戦車じゃあるまいし。 種技術者は上から下まで、兵器技術者とは思えん。
あれはだね、量子通信という超技術を用い、 敵MS10数機の操作系を同時にハッキングして、 一時的に金縛りにしてるんだ。 スーパーデリシャスワンダフルコーディならではの荒業だね。
>>989 それは、400氏が書いてるみたいに種初代Gがスペック検証機だったからじゃあるまいか?
MSというのは、どこまでやれるかという考えの下に生まれてきたわけで。
その後に出てきたPS装備機に関しては弁護しようが無いけどな。
基本的にUCでは、MSの防御って「運動性」なんだけどね。
とにかく動き回る事が最大の防御方法だし。
>>989 種 自由・正義、後半MS他色々
種死 セイバー・暁・運命、他色々
種初期MSは試験的に色々実装したんだろうし、ナチュラル製MSはコーディの高機動に対抗するためって理由があるんだろうけど、
プラント製のコーディが乗る事を前提としたMSは、一体どういう理由で特殊装甲の類を装備させたんだろうな?
>>992 よくよく考えたらセーフシャッターがあるんだったら特殊装甲なんていらんよな
なんでそうなるんだ シャッターはあくまでも機体に致命的なダメージを受けた時 パイロットの身を守るためのものだろ
いっそコックピットを武装させてだな……
まあ、高機動兵器でも、 売りである高機動を損なわない限り、生存性を高めるのはそう不思議ではない、 MSは陸戦兵器としての性質もあるんだし。
高機動でも継戦能力下げてちゃ意味なくね?
>>996 リスクが無いなら別に不要なんていわない。有った方がいいのは確かだし。
だけど、稼動限界を減らし戦闘中にシステムダウンするような特殊装甲は、高機動兵器には害にしかならない。
さらに特殊装甲だから重量も増し、機動性が幾分か損なわれるのは間違いない。
必要か?
ただ、ナチュラルの機体には必要かもしれないね。対コーディMSでは機動力よりも防御力を優先させたいかもしれない。
>>994 うん、だから特殊装甲なんていらないじゃんって言ってる
敵の攻撃が当たるの前提に作られた装甲なんてよく考えたら変だし
バッテリー効率だって悪いのに
もし敵の攻撃が当たって戦えなくなったら後退させれば済む話だし
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