裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 参乃巻

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427仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:53:35 ID:YbwWRg4e0
テングの群れから解放されたコウキは、服を着替えた後、まつと共に道を歩いていた。今彼女達が滞在している場所に案内してくれるという。
コウキはまつにここ数日の事について尋ねてみた。
「テングを追っていたら滝のある場所に出て、その裏にあった洞窟を抜けたらこの場所に出たんです」
コウキと同じだ。
急に立ち止まるとまつはコウキに頭を下げた。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした!サポーターである私まで一緒になってこんな所に来てしまって……」
「頭を上げたまえ。……しかし分からん。何故君達はこんなにも長くここに滞在しているのかね?」
確かにここは気候も良いし、自然も美しい。滞在したくなる理由も分かる。しかし十日以上も無断で滞在して良い訳がない。
「……いずれコウキさんにも分かりますよ」
まつは一言そう言うだけだった。そのまま二人は再び歩きだす。
「それにここは何処なんだ?この山にこんな場所があるなんて初耳だぞ。それにさっきのテング達も……」
「ドキさんが、多分ここは隠れ里ではないかと言っていました」
隠れ里。山中異界の概念としてよく語られる伝承である。
これに類似した概念は世界中に存在し、有名なところでは中国の桃源郷、チベットのシャンバラ、中央アジアのシャングリラ、南米のエル・ドラド等が挙げられる。
また、島国である日本では海上異界の概念も存在し、常世の国と呼ばれている。沖縄ではニライカナイと呼ばれる。
「隠れ里……。まさかそんなものが……。否、魔化魍が存在する世界に『まさか』は通用しないか……」
改めて周囲を見回してみるコウキ。実に穏やかだ。社会の喧騒が嘘みたいである。
「……君達以外にも誰か人は居るのかね?」
「はい。それこそ子どもからお年寄りまで幅広く」
コウキは出発前にあかねから聞いた神隠しの話を思い出していた。おそらく、ここの住人こそ神隠しに遭った人々であろう。
「待てよ?ではあのテング達は……」
テングは人が転じた魔化魍だとされる。
「……どうやら江戸時代にここへ迷い込んだ人達の成れの果てらしいです。……あっ、見えました。あれです」
まつが一軒の小屋を指差した。
428仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:54:29 ID:YbwWRg4e0
小屋には誰も居なかった。まつと二人で誰かが戻ってくるまで待つ事にした。
暫くして、手に沢山の野菜や果物を抱えたドキが帰ってきた。コウキの姿を目にしても、表情一つ動かさない。おそらく予めコウキの気配に気付いていたのだろう。
「セイキはどうした?」
コウキの問いに、ドキの代わりにまつが答えた。
「おそらく湖へ魚釣りに行っているんじゃないかと……」
「そうか。ならそこへ案内してくれ」
そう言うとコウキは立ち上がった。

案内された湖はとても大きく、そして素晴らしい景観だった。岸辺で子ども達がわいわい遊んでいる。
沢山の小島が湖面に突きだしており、それを渡って向こう岸まで行けるようになっている。セイキは湖の真ん中にある小島に腰掛け、釣糸を垂らしていた。
コウキ達は小島を渡り、セイキの傍へと近付いていく。
「セイキ。私だ、コウキだ」
話し掛けると、セイキはおもむろに振り向いた。その顔に覇気は無く、目もまるで死んだ魚のようだ。
「あ、コウキさん……」
気の抜けた声で返事をするセイキ。
「……一体何があったのだ?」
コウキの問い掛けに答える事なく、再び釣糸の先を見つめだすセイキ。
「ここへ来てからセイキさん、あんな風になってしまって……」
まつが心配そうに言う。
以来、今日までずっとこの調子なのだという。
「各地の伝承に登場する異界が富や幸福を運んでくると言われている通り、ここには大量の陽の気が溜っています」
ドキが静かに説明を始めた。
「元々荒ぶる鬼だったセイキは我々三人の中で一番陽の気の影響を受けてしまったようなのです」
コウキはもう一度セイキを見た。相変わらず静かに釣糸を見つめている。
コウキは彼に近寄ると襟首を掴んで引き上げた。
「しゃきっとしないか!私が活を入れてやる!尻を出せ!」
だがセイキは無反応のまま、視点の定まらない目でコウキを見つめている。
「……もういい。今のお前は叩く価値も無い。好きにしろ」
そう言ってセイキを突き放すと、コウキはその場から立ち去っていった。
429仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:55:55 ID:YbwWRg4e0
とりあえず仲間達に三人を発見した旨を伝えるべく、コウキは元来た道を戻っていった。
だが。
「……馬鹿な」
潜ってきた筈の洞窟が跡形も無くなっていたのである。
付近一帯を探してみたが、洞窟の姿は何処にも無かった。
途方に暮れるコウキの傍に、まつとドキが後を追ってやって来た。
「さっき話したのはこういう意味だったんです。出て行こうにも出て行けないんですよ……」
その晩、コウキは三人の小屋で寝泊まりしながらも脱出策を考えていた。だが何一つ思い付かないまま時間が流れていった。
と、隣で寝ていたドキが話し掛けてきた。
「暫くここに滞在して分かった事があります」
静かに耳を傾けるコウキ。
「定期的に外へ出るテングがいます。その際彼等はどうやらここの主から許可を貰っているらしい……」
「ヌシだと?」
「その主に交渉すれば、あるいは……」
「しかしそれならば何故君達はそうしなかったのだ?」
コウキが当然の疑問を口にする。
「……そういう存在がいるらしい事は分かったのですが、居場所までは掴めていないのです。ここ暫くずっと探していたのですが……」
申し訳なさそうにそう告げるドキ。
「分かった。明日は私も探してみよう。しかし問題はセイキだな……」
「ええ。今のまま彼を我々の世界に帰す訳にはいきません」
同じく隣で眠っているセイキを一瞥するドキ。
会話はそこで終わり、再び静寂が夜の闇を支配した。コウキはそのまま眠りへと落ちていった。

翌日、コウキはドキと共に隠れ里の主を探し始めた。だが、式神をも導入して徹底的に探したものの、何も手掛かりは見つからなかった。
そうこうしているうちに日が暮れ、夜が訪れた。
「明日は東の方角を探してみるつもりだ。ドキ、君は引き続き西の方角を探してくれ」
「私も手伝います」
まつが声を上げた。
こうして、翌日は三人で捜索する事になった。
430仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:57:13 ID:YbwWRg4e0
コウキがここに来てから三日目の朝、コウキは昨日話した通り東の方角を重点的に探し始めた。
と、一体のテングが歩いていくのが見えた。こっそりとその後を尾行していくコウキ。
テングは、入り口に大きな石造りの鳥居が立てられた洞窟の中へと入っていってしまった。
入り口の傍で耳を澄ますコウキ。中から低い唸り声が響いてきた。明らかにテングの声とは違う。
見つけた。
コウキは直ぐ様式神を打ってドキ達に知らせた。

コウキの知らせを受けたドキとまつは、隠れ里に住む住人を手分けして洞窟のあった場所へと集めだした。
「ここに住む者全員で脱出するんだ。誰かが主を見つけたら式神で他の二人に連絡する。連絡を受けた者は住人全員を入り口のあった場所に集める」
昨夜コウキが提案した事である。
流石にテングと化した者達は集められなかったが、それ以外の住人は何とか全員集める事に成功した。
まつがセイキを連れてやって来た。相変わらず生気の抜けた顔をしている。
「コウキさんは大丈夫でしょうか……」
まつが心配そうに尋ねるも、ドキには何とも答えようがない。
ドキも加勢に行きたいのはやまやまだが、この中で戦えるのは自分だけである。万が一何かが起こった時のために、ここから離れるわけにはいかなかった。

テングが洞窟から立ち去ったのを見計らって、コウキは洞窟の中へと入っていった。「劫火」に炎を灯し、一歩一歩慎重に進んでいく。
禍々しい風が吹きつけてくる。
洞窟の奥で、コウキはとんでもないものを目撃した。
巨大な猪が蹲っていたのである。その体色はどす黒く、爛々と光る大きな目を持ち、口からは鋭い牙が覗いていた。
「これが……主」
主が一声吼えた。空気がびりびりと震える。
「くっ!主よ、聞こえていますか!私達をこの隠れ里から出していただきたい!」
だが主は再び一声啼くと、コウキ目掛けて突撃してきた。
咄嗟に音叉を鳴らし変身する。鬼に変わったと同時に、主の体当たりによって高鬼の体は洞窟の入り口まで弾き飛ばされた。
431仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:58:36 ID:YbwWRg4e0
腑抜けになったセイキを、まつは必死で説得していた。
「いつものセイキさんに戻って下さい!いつもの賑やかで根拠の無い自信に溢れて、それでいて頼り甲斐のあるセイキさんに戻って下さい!」
まつの必死の訴えも何処吹く風、セイキはずっと明後日の方向を向いたままだ。
ドキがおもむろにセイキの傍へと歩いていった。その瞬間。
まつがセイキの頬を思いっきり平手打ちしたのだ。驚くドキ。周囲にいた人々も何事かとまつ達の方を見ている。
平手を喰らったセイキも、きょとんとした顔でまつの顔を眺めている。
まつは、感情の赴くままに訴え続けた。
「あなたは、鬼じゃないんですか!?セイキさんがどんな理由で鬼になったのか詳しい事は私には分かりません。ですが、鬼というのは人を救うものでしょう!?」
まつの顔を眺め続けるセイキ。微かに無反応だった彼の瞳が「鬼」という単語に反応し動いた。
「今コウキさんがここの主に会いに行っています!でもコウキさんだけじゃ……。行って下さい!そしてコウキさんと私達を救って下さい!お願いします!」
最後の方の言葉は、もう言葉にはなっていなかった。まつ自身も自分が何を喋っているのか正直あまり理解出来ていなかった。ただ、思いの丈をぶつけるだけだった。

洞窟の中から主がその姿を白日の下へと現した。その恐ろしい相貌を高鬼に向け、睨みつけてくる。
「くっ、話を聞いてくれ……」
だが、主は再度高鬼に突進を仕掛けてきた。今度はぎりぎりのタイミングで回避に成功する高鬼。
(戦うしかないのか?)
二本の「劫火」を構える高鬼。と、主が口から霧のようなものを吐き出してきた。それに触れると同時に、地面に生えた植物が瞬時に枯れていく。
「まさか瘴気か!?」
慌てて間合いを取る高鬼。そのまま遠距離から鬼棒術・小右衛門火を放ち攻撃する。だが、命中しても主は全く効いた素振りを見せない。
「……厄介だぞ、これは」
高鬼は長期戦を覚悟した。
432仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/20(火) 23:59:32 ID:YbwWRg4e0
セイキは思った。何故自分は鬼になったのだろうと。
思い出す。あの日の出来事を。日常を非日常へと変えたあの日の出来事を。
甘言に踊らされ、人の言うがままに生きてきたあの日々。本当の自分を見失っていたあの時。
それ故に人を、社会を信じられなくなっていたあの頃の自分。
そして辿り着いた答え。「鬼」の中に見出した本当の自分。
俺は……俺は……。
セイキの瞳が完全に生気を取り戻すのを、まつとドキは目撃した。
「まつ……俺の『黄金響』はあるか?」
その一言にまつが笑顔を見せる。
「セイキさん……」
「『黄金響』ならここだ」
そう言ってドキがセイキに音撃弦を渡す。
「行ってくるぜ。こんなうわべだけの理想郷、俺がぶっ壊してきてやる!」
確固たる自分を取り戻したセイキの顔には、今まで以上に強さが溢れ出ていた。
式神を飛ばし、その後を追って駆けて行くセイキ。その姿を見送りながらドキがまつに向かって言う。
「君が彼をぶつとは思わなかった」
「本当はドキさんがするつもりだったんでしょう?偶には私にもそういう役回りを背負わせて下さいよ」
そう言うとまつはドキに向かって微笑んだ。
433仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/21(水) 00:01:08 ID:nS3YVC1e0
主と死闘を繰り広げる高鬼。しかし瘴気のせいで迂闊に接近戦に持ち込めないし、遠距離からの攻撃も効いている様子がない。まさに八方塞がりである。
そこへ。
「うおおりゃああああああ!」
威勢の良い掛け声と共に、主の真上から聖鬼が飛び降りてきた。それと同時に刃を展開した「黄金響」を突き刺す。
「聖鬼!立ち直ったのだな!」
「当然ですよ!やい、猪野郎!俺様を腑抜けにしてくれた礼をたっぷりしてやるぜ!」
そのまま音撃斬の体勢に入る聖鬼。
「待て、倒すな!戦闘はあくまで交渉をこちらの優位に進めるための……」
だが聖鬼は聞く耳を持たない。
「喰らえ!音撃斬・白い奇蹟!」
音撃震・悪魔を掻き鳴らす聖鬼。清めの音が主の体を駆け巡っていく。
しかし主は苦し紛れに思いっきり暴れまくり、それによって聖鬼は「黄金響」を主の体に突き刺したまま振り落とされてしまう。
434仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/21(水) 00:02:15 ID:nS3YVC1e0
聖鬼の下へ駆け寄る高鬼。
「大丈夫か!?」
「へへへ、まだちょっと体が上手く言う事を聞かねえや……」
陽の気に侵され、ついさっきまでまるで死人のようだった聖鬼だけに、完全にいつもの調子に戻ったわけではないようだ。
「黄金響」を背中に刺したまま、瘴気を吐き出し暴れ狂う主。最早話し合いに応じる事は不可能のようだ。
「馬鹿者が。倒してしまっては永久にここを出られなくなるかもしれんのだぞ」
「大丈夫ですよ。あれはここの主なんでしょう?だったら、あいつを倒せばここと外界とを隔てている結界も消えるってもんですよ!」
あっさりと言ってのける聖鬼。
「その無根拠な言動……、どうやら精神の方は完全に本調子のようだな」
「まあね。……一気にケリを付けましょう。俺があいつの動きを止めます」
そう言うと聖鬼は両の拳を掲げた。その先端に光が集中していく。
「そりゃ!」
鬼法術・蓑火を両拳から放つ聖鬼。蓑火は主の体に命中すると、途端に全身を眩い光で包み込み、その視界を奪った。
突然の出来事に混乱し、悲鳴を上げて暴れ狂う主。近くの大木に頭から突っ込み、折れた大木が主の上に圧し掛かってきた。
「動きを止めた!今だ!」
すかさず主に駆け寄る高鬼と聖鬼。高鬼は音撃鼓・紅蓮を貼り付け、聖鬼は背中に刺さったままの「黄金響」を再び手にする。
「音撃打・炎舞灰燼!」
「光の聖鬼の復活劇だ、とくと見やがれ!音撃斬・白い奇蹟!」
両者の音撃が主の体を駆け巡っていく。巨大な魔物は、断末魔の悲鳴を上げると爆発四散した。
435仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/21(水) 00:03:49 ID:nS3YVC1e0
コウキとセイキの帰りを待つドキ達の目の前に、突如として洞窟が現れた。それと同時に隠れ里中を揺るがす大きな地震が発生する。
悲鳴を上げ、その場に伏せる人々。木々が倒れ、地面が割れ、川の水が氾濫を始める。その様子はまさに世界の終わりを表していた。
「早く洞窟を通って外へ逃げて下さい!」
まつが大声を上げて人々に指示する。我先にと洞窟の中へ入っていく人々。
「一体何が起きているんですか!?セイキさん達は?」
「君も早く逃げろ」
「嫌です!セイキさん達の帰りを待つつもりでしょう?私も……」
「あの人達を放っておくつもりか?行け」
そう言われ、自分がサポーターである事を再認識するまつ。
「す、すみませんでした。私、あの人達と一緒に先に行きます」
ドキに二人の事を託し、まつは洞窟へと向かっていった。

洞窟の外では、全く地震など起きていなかった。やはりあの地震は隠れ里の中のみのようだ。そしてそれは隠れ里の消滅を意味する。
洞窟自体も微かに震えていたのだが、とうとう震えは完全に収まってしまった。おそらく、隠れ里が消滅したのだ。
三人は無事なのだろうか。まつは気が気ではなかった。
と、洞窟の奥から……・
ドキ、そして顔だけ変身を解除したコウキとセイキが出てきたのである。涙を浮かべ彼等の生還を喜ぶまつ。
洞窟は三人が中に飛び込むと同時に落盤で入り口が塞がれてしまったという。これでもう誰も隠れ里へ立ち入る事は出来なくなった。
しかし、彼等と一緒に脱出した隠れ里の住人、即ち神隠しの被害者達は一様に浮かない顔をしていた。さっきまでのセイキ同様覇気が無い。
一人の老人が、全員を代表してコウキ達に訴えた。
「何故……何故私達を里から出したのです?」
暗く沈んだ目で、無事を喜び合う四人に向かって告げる。
「私達は争いも何も無いあの里で、ただ平穏に暮らしていただけなのに……。何故こんな事をしたのです?今更故郷に帰って一体何をしろと?」
人々の中には涙を流している者さえもいた。
コウキ達は何も答える事が出来ず、ただ黙って恨み辛みを聞くだけだった。
436仮面ライダー高鬼「眠れる理想郷」:2006/06/21(水) 00:04:58 ID:YbwWRg4e0
その後、彼等は無事下山し、人々は皆保護された。
その際、コウキはこちらの世界では既に十日以上も経過していた事を聞かされて驚いた。
「浦島太郎の話なんかでも分かる通り、異界と外界とでは時間の流れが異なるみたいだからね……」
報告を聞いたあかねの言葉である。
この事実は新たな悲劇を生んだ。
住人の中でも最年長の人間となると、明治時代に隠れ里に迷い込んでいたらしい。
当然ながら身内は誰もおらず、また、当時と明らかに異なる外界の社会に順応する事が出来ずに失意の日々を送っているそうだ。
他の者達も似たり寄ったりだという。
コウキ達は結果として多くの人間を不幸な目に遭わせてしまった。これは紛れも無い事実だ。
ちなみに、これもあかねの談であるが、隠れ里の主の正体は陰の気そのものが具現化した存在だったのではないかと考えられている。
ドキが語ったように、異界からは富や幸福がやって来る。それと同時に時には災厄もやって来るのである。
陽の気で満たされた隠れ里は、陰の気で形作られた主が存在する事によってバランスが取られていたのであろう。だから主が消えた事により崩壊したのだ。こう考えると全て納得がいく。
これ以降、山にはテングが湧く事は無かった。当然ながら神隠しに遇う人間も現れなくなった。
山中異界。それはどの山にでも存在している可能性がある。
あなたも山に登る時は気を付けるといい。異界への入り口は、何気ない場所にぽっかりと開いて来訪者を待っている筈だから……。 了
437DA年中行事:2006/06/21(水) 00:52:18 ID:qvKxG3F20
弾鬼SSさん
おおう、燃える展開です!
弾ける鬼の誕生秘話、そしてそれを言い淀むダンキさん。すごくダンキさんらしいです。GJ!

高鬼SSさん
マヨイガですか・・・むーん、さすが!
どうも高鬼SSさんの書く物語が丁度自分が読んでいる本とクロスする傾向が強くて、一つ一つがツボです。

そして斉藤真斗芽さんと用語集さん。
いつもありがとうございます。お二人にどれだけ助けられていることか。
お二人がそれぞれ編集・編纂されているサイトも、オレは一つの作品だと思っています。
今後とも、それぞれのリズム、それぞれのアプローチで。ご無理をなさらないように。
438元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 10:59:42 ID:yKQEglT40
相変わらず、みんなうまいなぁって感じですね。
俺もたまには真面目な話書いて見ようかな。
魔化魍異聞録とか、なげっぱなしだけどw
てなわけで、DANKI in WCネタを再び投下します。
439元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 11:00:32 ID:yKQEglT40
2006年−7月
ワールドカップを残念な結果で終えた日本代表
過ぎてしまった事とは言え、やはり悔しさの残る日本国民は未だに
選手の選出や監督の起用法などについて喧々諤々の論争を繰り広げていた。

その頃、日本サッカー協会では−
「さて、次の監督だが…ベンケルにもオスムにも断られてしまった……」
「あの結果では仕方ないだろう……ストイコピクシーや、リティバルスキーもやらないだろう」
引き受けてくれる代表監督がいない……しかし、世界を相手にして戦うには日本人監督ではやや力不足である。
そんな状況のなか河渕キャプテンがある決断を下す。
「アイツしかいないな……」キャプテンに一同の視線が集中する。
「まさか……」固唾を呑む一同
そしてキャプテンは静かな声でその名を言った。
「……ダンキだ」
440元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 11:01:20 ID:yKQEglT40
大学の研究室でネットを見ていたバンキ。
「そういえば、今日は新監督が発表されるんだよな」
スポーツニュースを見るバンキ。しかし、見た瞬間に雄たけびと共に桂三枝ばりのずっこけを披露した。
「ど、どうしたんですか馬場さん!」
「いやいやいや、なななな、なんでもないいいいい。」
明らかに動揺しているバンキ。しかし、それも仕方ない。
何故ならトップ一面にダンキの姿と後ろの方で照れくさそうにピースするショウキの姿があったのだ。
「あ?監督?いいよ。監督なら選手を傷つけないし、何しろ俺は知性派だからね。
誰を招集するかって?海外で活躍する人は全員集めるよ」
こいつはサッカー協会とどんな関係なんだ?訳が分からないバンキ。
だが、そんなバンキの元に一本の電話が来る。
結局バンキも日本代表のスタッフ(ダンキのお守り)として呼ばれた……。
441元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 11:02:03 ID:yKQEglT40
そして迎えるニュージーランドとの練習試合。
直前まで代表の発表が無く、サポーター達は国立競技場で初めてメンバーを知らされる事になった。一体誰が?
中田と中村は招集されるのか?いや、次世代のツーリオや平山田か?
だが、そのいずれでもないメンバーがオーロラビジョンに現れると、日本中がダンキマジックに驚かされた。
「FW イチロー! マリナーズ ナンバー51」
「えええええ!!!」
あまりの出来事にどこからツッコめばいいのか分からないサポーター達。
だが、そんなのお構いなしにダンキマジックは更に続く。
サイドバックに短距離の為末を、ボランチにはQちゃん事、高橋尚子。
センターバックには室伏と武蔵。FWには更に亀田興機を。
「ダンキさん!違う意味で凄いメンバーじゃないですか!」驚くバンキ。
「まあここからは順当なメンバーだけどな」不適な笑みを浮かべるダンキ。
中田とか?と、まともな選手を思い浮かべるバンキ。しかし微妙に裏切られた。
「ナインティナイン!ペナルティ!」
あ、なるほど。と意外とリアクションの薄いサポーター。
この面子ならむしろまともな方だ。
そして、最後のメンバーは……。
「チェ・ホンマン!」
会場がザワザワと騒ぎ出す。おもわずツッコむ。
「えっと…日本代表ですよね……」
「ちっちゃいことは気にすんなよ」
全然ちっちゃくないんだが……。
442元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 11:02:53 ID:yKQEglT40
そしてキックオフ。
すでに殆どの日本人がヤケクソ気味に「テーハミング!!」と応援していた。
だが、試合が始まると直ぐにその秘められた実力に驚かされる。
やべっちからボールを受けると誰も追いつけないようなスピードで上がっていく為末。
持ち前の運動神経と動体視力の良さで、どんなクロスでも対処するイチロー。
反則ギリギリ、むしろ反則でチャンスをつくる亀田。そして審判。
ゴール前で競り負けない室伏と武蔵。
怖がって相手が近づく事すらできないチェ・ホンマン。
豊富な運動量で仕事をするQちゃん。
地味にうまいナイナイとペナルティ。
結局試合は5−0と日本の圧勝となり、ダイキ初采配は成功に終わった。

「いや!ダンキさん凄いですよ!」興奮気味のバンキ。
「まあ、脳ある鷹はなんとやらだよ!」
「だけど、ダンキさんが監督の免許を持っていたってのは意外でしたよ」
「は?免許?持ってないよ」
「え”」
(注)サッカーの監督は監督免許が必要です。
443元・ZANKIの人:2006/06/21(水) 11:16:52 ID:yKQEglT40
それから数日後、サッカー協会は無難な代表監督を選出した。
協会はNZとの一戦は只のイベントと発表した為にダンキ監督の勝利は幻となった。

さらに数日後、研究室で日経新聞を読むバンキ。
「ダンキファンド設立。」
あの人は一体どこまでいってしまうのか。
と、思いつつもダンキファンドの株を取り合えず購入しておくバンキ。
僕メインの話はいつになったらできるんだろうと思いつつ今日も研究に励むのであった。

FIN
444名無しより愛をこめて:2006/06/21(水) 21:14:20 ID:+v9EvNmI0
470KB越えてるのでスレ立てしてきます。
445名無しより愛をこめて:2006/06/21(水) 21:24:01 ID:+v9EvNmI0
立てられなかったのでテンプレ置いてゆきます。

タイトル、
裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 肆乃巻


446テンプレ1:2006/06/21(水) 21:24:34 ID:+v9EvNmI0
「仮面ライダー響鬼」から発想を得た小説を発表するスレです。
舞台は古今東西。オリジナル鬼を絡めてもOKです。

【前スレ】
裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 参乃巻
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1146814533/l50


【まとめサイト】
http://olap.s54.xrea.com/hero_ss/index.html
http://www.geocities.jp/reef_sabaki/

【用語集】
http://www.iiyama-catv.ne.jp/~walachia/index.html
※用語集へはTOPの「響鬼」でたどり着けます


次スレは、950レスか容量470KBを越えた場合に、有志の方が
スレ立ての意思表明をしてから立ててください。

過去スレ、関連スレは>>2以降。
447テンプレ2:2006/06/21(水) 21:25:13 ID:+v9EvNmI0
【過去スレ】
1. 裁鬼さんが主人公のストーリーを作るスレ
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1131944389/l50(DAT落ち)
2. 裁鬼さんが主人公のストーリーを作るスレ その2
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1138029584/l50(DAT落ち)
3. 裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1139970054/l50(DAT落ち)
4. 裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 弐乃巻
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1142902175/l50(DAT落ち)


【関連スレ】
--仮面ライダー鋭鬼・支援スレ--
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1124581664/l50(DAT落ち)
弾鬼が主人公のストーリーを作るスレ
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1133844639/l50(DAT落ち)
448名無しより愛をこめて:2006/06/21(水) 21:28:52 ID:ZsSQllM/0
>>444
ありがとう、そして乙!
やってみる!
449448:2006/06/21(水) 21:41:14 ID:ZsSQllM/0
・・・あかんかったorz  どなたか、頼みます!
450弾鬼SSの筆者:2006/06/21(水) 21:54:12 ID:D4yA+2920
次スレが立ちました

裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 肆乃巻
http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1150894135/
451名無しより愛をこめて:2006/06/21(水) 21:55:26 ID:+v9EvNmI0
ありがとう!
452名無しより愛をこめて:2006/06/21(水) 22:40:18 ID:ZsSQllM/0
おお!弾鬼SSさんありがとう!乙です!
453名無しより愛をこめて:2006/06/22(木) 11:03:14 ID:dpKdtraF0
弾鬼SSさん乙です!
そして六の巻中篇にひとしきり燃えました。

触発されてSICの弾鬼さんをヤフオクで探す日々です。
454名無しより愛をこめて:2006/06/25(日) 06:05:55 ID:d9snUawyO
>>453
素直に弾裁鋭セットを買えよ。
455弾鬼SSの筆者:2006/06/25(日) 18:59:14 ID:MUqjEdWT0
>>453
ご感想有難うございます。
自分もヤフオクで探してますが、影も形も無いんですよねぇ・・・
裁鬼・弾鬼・鋭鬼セットも予約してるんですが、待ちきれないw
後期OPの、11鬼シーンを再現できるのはいつの頃やら・・・
456DA年中行事:2006/06/26(月) 23:29:20 ID:CXmVfQu40
まだ20kbくらいあるねぇ。仕事も一段落してるうちに、なんかコネタ
考えます・・・・あ、でももうじき七夕か。
457元・ZANKIの人:2006/06/27(火) 12:08:38 ID:z+Xykooy0
では小ネタを……夏も近いのでこんな感じで……。
458元・ZANKIの人:2006/06/27(火) 12:10:34 ID:z+Xykooy0
=裁鬼さん音頭= 曲は一般的な盆踊り風で

石割くん 彩子ちゃん 裁鬼さん音頭で ウェーーイ ウェーーイ
今日も魔化魍退治だよ 閻魔を担いで森の中
童子と姫は倒したけれど ふいをつかれてボコボコに
は〜 オトロシ バケガニ ヤマアラシ (ヨイヨイ)
バケネコ ノツゴに イッタンモメン (ハァ ドッコイ)

「音撃斬!閻魔裁き!」「裁鬼さん!極楽忘れてます!」

エイキくん フブキさん 裁鬼さん音頭で ウェーーイ ウェーーイ
夏の魔化魍退治だよ 太鼓もできるよ芸達者
だけど河童が多すぎる ふいをつかれて水の中
は〜 オトロシ バケガニ ヤマアラシ (ヨイヨイ)
バケネコ ノツゴに イッタンモメン (ハァ ドッコイ)

「オンドゥルの音頭ディスカ?」「エイキくん……あんまり面白くないわよ」

小暮さん ダンキさん 裁鬼さん音頭で ウェーーイ ウェーーイ
音撃双弦もらったよ 連敗記録を止めてやる
だけど相手の魔化魍は 音撃効かないヨブコだよ(そりゃないよ)
は〜 オトロシ バケガニ ヤマアラシ (ヨイヨイ)
バケネコ ノツゴに イッタンモメン (ハァ ドッコイ)

「ええい!腕の振りが甘い!尻を出しなさい!」「なんで俺が叩かれるわけ?!」

は〜 オトロシ バケガニ ヤマアラシ (ヨイヨイ)
バケネコ ノツゴに イッタンモメン (ハァ ドッコイ)
裁鬼さん音頭で ウェーーイ ウェーーイ 裁鬼さん音頭で ウェーーイ ウェーーイ

「ちなみに振り付けはジェバンニが一晩で考えました」
459元・ZANKIの人:2006/06/27(火) 12:13:04 ID:z+Xykooy0
ちなみに太鼓の鬼が太鼓を叩き 裁鬼さんが歌い
その周りを全作品の出演者 DA 魔化網が囲って踊ってるイメージで

是非、ご近所の夏祭りに採用してください。
460高鬼SS作者:2006/06/30(金) 21:23:10 ID:7y++dgfH0
埋め用小ネタ 「ドクハキさん」

もしドクハキさんと弥子が2006年現在現役だったら

音楽番組を視聴中のドクハキさんと弥子
ドクハキさん(以下毒)「何ですか、この歌詞も薄っぺらでノリだけの頭悪い曲は?否、これを曲と呼ぶのはあまりにも失礼か……」
弥子(以下馬鹿)「そうですか?私は良いと思うけどな。何もかも忘れて馬鹿になれそうな感じが……」
毒「あなたは既に充分馬鹿ですから、これ以上馬鹿になれませんよ」
馬鹿「……」
毒「大体、こんなの世間を知らない小・中学生しか買いませんよ。否、小・中学生だから買うのかな?」
馬鹿「ドクハキさん、もうその辺に……」
毒「しかしこんな適当に何かしているだけの曲が売れるなんて……。もっと他の良い楽曲をプロモーションしてやれば良いものを……。そうだ!」
馬鹿「……何でしょう?私、物凄く嫌な予感がします」
毒「あんなのが売れるのなら私達もインディーズでデビューしましょう!」
馬鹿「また唐突な……。でも歌手ってのも良いかもな。当然私がボーカルですよね?」
毒「違います。私がトランペットを吹いている横でTNT火薬を使った脱出マジックをやってもらいます。勿論タネも仕掛けもありませんがね」
馬鹿「……色々ツッコミたい所がありますがとりあえず一つ。歌手ちゃうやん!」
毒「……何故関西弁?」

終わり。
え?ドクハキさんが聞いていたのは何かって?あ〜……多分この世界のみの曲なんじゃないでしょうかね?
あと本スレの方にもSS投下しておきます。
461高鬼SS作者:2006/06/30(金) 22:02:06 ID:7y++dgfH0
ついでだからもう一つ 「ドクハキさん 第二話」

音楽番組を視聴後、その曲の通販でのカスタマーレビューを検索中のドクハキさんと馬鹿
馬鹿「あ、出ましたよ。……うわっ酷い!星一つばかり!」
毒「ほう。ネットにはまだまだ良識人もいるようですね」
馬鹿「でも、この歌手だからって理由だけで叩いている人もいるみたいですよ?」
毒「しかしちゃんとした理由も述べず持ち上げている輩もいますよ。見てみなさい、この顔文字とか使った頭悪そうな文章……」
馬鹿「うわっ……。これは流石にちょっと……」
毒「自分の馬鹿さ加減を全世界に配信しているという事に気付いていないのでしょうね。その点あなたは実に素晴らしい」
馬鹿「はい?何ですか、突然褒めだしたりして……」
毒「だってそうでしょう?あなたの馬鹿さ加減は北陸のみにとどまっているのですから」
馬鹿「……」
毒「そういう意味ではあなたのお守りをしている私はなんと良い人なのでしょうか!きっと死んだら天国に行けます」
馬鹿「本当に天国に逝かせてやろうか……」
毒「はい?何か言いましたか?」
馬鹿「ちょっと代田さんにドーピングコンソメドラッグ貰ってきます……」
毒「それは良い……。さあ、宴の始まりですよ!」
以下の展開は自主規制。

終わり。
…念のため言っておきますが、これはお遊びですから。高鬼SS本編とは全く関係ありませんから。
462高鬼SS作者:2006/06/30(金) 22:14:00 ID:7y++dgfH0
折角だ、もう一本書いちゃえ! 「ドクハキさん 第三話」

苺「弥子、弥子」
馬鹿「何ですかドクハキさん。犬猫を呼ぶみたいに呼ばないで下さい」
苺「犬猫と同じに扱ってもらえているだけ感謝しなさい。ところで何か気付きませんか?」
馬鹿「……さあ?」
苺「何も気付きませんか?本当に?」
馬鹿「何なんですか、教えて下さいよぉ!」
苺「本っ当に馬鹿ですね、あなたは!さっきから私の名前が「毒」ではなく「苺」と表記されていたのに気付かなかったんですか!?」
馬鹿「い……いちご?」
苺「ふははははは!あなたが本当に馬鹿だという事が証明されましたよ!今度から大馬鹿と読んであげます!ふははははは!」
大馬鹿「うう〜。……って本当に大馬鹿って表記になってるし!」
苺「そこは気付きましたか。馬鹿レベルとしては下の中というところですかね」
大馬鹿「そんな、スマブレの社長じゃないんですから……」

終わり。
…あの、気付かなかった人、別に馬鹿にしていませんよ。馬鹿にしているのは作者ではなくドクハキさんですから。
463用語集サイト:2006/06/30(金) 22:36:12 ID:6KEXhBPK0
苺て。
長身痩躯でものすごい毒々しい青年が某雛苺の格好してるのを想像しちゃったじゃないですか!
いや……うん、これはこれで。

現役じゃなくともどっかで毒を吐いてるんでしょうね、ドクハキさん。
現役じゃなくともどっかで毒を浴びてるんでしょうね、馬鹿ちゃん。
464高鬼SS作者:2006/07/06(木) 02:35:45 ID:4oFr2YQx0
埋め用小ネタ 「ドクハキさん 第四話」

何故か神奈川県川崎市金山神社の「かなまら祭り」を見学にやって来たドクハキさんと馬鹿

馬鹿「でも珍しいですね。ドクハキさんが旅行に誘ってくれるなんて。しかも二人っきりで……」
毒「二人っきりなら誰にも邪魔はされませんからね」
馬鹿(え?ひょっとしてドクハキさん私の事を……。キャッ)
毒「ほら、神輿が来ましたよ」
馬鹿「どれですか?……え?あ、あれが神輿……?ちょっと待って下さいよ……」
毒「弥子。屋台で飴細工を買ってきましたよ。さあ、食べなさい」
馬鹿「ちょ!こ、この形は流石にやばいんじゃ……」
毒「どうしました?あなたの為に大量に買ってきたのですよ?さあ遠慮せずぺろぺろ舐めなさい!ふはははは!」
馬鹿(こ、この鬼畜!……って本当にこの人鬼だったな)

終わり。
弥子が何を見たのかは下記のサイト参照
ttp://www.tanteifile.com/tamashii/scoop_2006/04/06_01/index.html

…すいません!もうこんなネタはやりませんから見逃して下さい!
465高鬼SS作者:2006/07/06(木) 03:27:38 ID:4oFr2YQx0
お目汚しすいません。気を取りなおして 「ドクハキさん 第五話」

何故かスペインのトマト祭り(潰れたトマトを数万人で投げ合う祭り)にやって来たドクハキさんと馬鹿

馬鹿「ああ、トマトが!トマトが勿体無いの〜!」
毒「だったら投げつけられる全てのトマトをあなたが食べなさい」
馬鹿「ああ……こんなに沢山のトマトがあったらどれだけナポリタンを食べられるだろう……」
毒「ふはははは!三個か!?トマト三個欲しいのか?三個……イヤしんぼめ!!」
馬鹿「ちょ!そのトマト潰れてない!痛っ!うおおう、うおっ」
毒「では鬼の力で投げましょう。空気抵抗で潰れるでしょうからね。行くぞ弥子、また三個行くぞ!」
馬鹿「ちょっと待って!そんな力で投げたら潰れてても当たると痛い!ぎゃあああああ!」
毒「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄WRYYYYYYYYYYYYYYY無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァアアアアア」
馬鹿「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!」

結論・トマトは祭り以外では投げたら駄目だよ

終わり。
ネウロスレにもカキコしたけど、茶碗が当たったもんで嬉しくてつい。
でもジョジョネタなのはご愛嬌w
466元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:25:33 ID:8LL/fCVD0
では、こっちもどうでもいいネタ投下します。

−馬場氏の悪夢−
「おはようございます」「おはよう馬場くん」
研究室に入ってきた御前崎教授にバンキは挨拶をした。
「実は馬場君に紹介したい人が居るんだ」入るなり御前崎教授はそんな事をいう。
「以前、君の『妖怪と古代生物の類似点』の論文を見て、興味をもったらしい」
「それはうれしい話ですね」バンキはコーヒーを教授に渡すと、テーブルに座る。
そういえば、そんな論文書いたっけ?ちょっと覚えていなかった。
「で、その先生もそういった世界では有名でね。ぜひ、一緒に調査がしたいという事らしい」「そうですか、私は構いませんよ」
「そう言うと思って、実はもう呼んでいるんだよね」教授は中に入るように言った。
入ってきたのは眉毛の濃いおっさんだった。
「どうも、馬場です」「探検大学の藤岡です」二人は挨拶をする。
「藤岡教授は生物物理化学的数学系易学風心理学的見解における総合科学研究において、
ドイツ文学風ロシアンチック社会学系量子栄養学に基く家庭で出来る
簡単おいしいインド人もビックリ健康法を推奨した第一人者なんだよ」
舌を噛みそうなジャンルだがそんなのあったか?疑問に思った。
「すみません、存じませんでした」つまり健康法を推奨してるのか?
「ほうほう、博学な馬場くんでも知らない分野だったんだな」
「まあ、正式な学会として認めてもらってないからな。ハッハッハ」
まあ、認めんだろうな…。
467元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:26:06 ID:8LL/fCVD0
「お近づきの印に私の本をサイン入りで上げよう」
藤岡教授は自分の本を取り出し、サインをするとそれをバンキに渡す。
『ドンマイ!超常現象! 藤岡 弘、著』
「どっかで聞いた事あるような…」「ははは、上田教授とは知り合いでね」
「え!あれはテレビの…」
「ははは、まあ、局も一緒だし、関係者がスレ見ているとは思えないしな」
「まあ、そうですけど…。それに、この”弘、”の句読点って一体」
「それはね、まだ、私は完結していないって事なんだよ」
(注)どうやら実話みたいです。
「そもそも人生とはねぇ…冒険なんだよ」藤岡教授は語りだす。
「あの、すみません。話が進まないんで…」バンキはストーリーの進行を気にした。
「ああ、そうだった。実は未知なる古代生物が発見されてね、その調査に君が行くんだ」
「あ、決定してるんですね」「今回は長編SSだからな急がねば」
「長いのか短いのかわからないっすね」
いつも以上に適当に書いてるな。バンキは思った。
「まあいいですが、どこの国ですか?」「ああ、高尾山だよ」
「へ?東京の?」「そうだ、あそこに伝説の野人エトゥーを探しに行くんだ」
高尾山なら普通、天狗じゃないか?しかもエトゥーってなんて適当なんだ。
「まあ、番外編だから気にするな」「わあ!心を読まないでください!」
という訳でバンキと教授は高尾山に向かった。
468元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:27:18 ID:8LL/fCVD0
−(注)これからはナレーションが変わります。−

約束の時間までに少しあったので、バンキは駅で貰った割引券でとろろそばを食べていた。
腹が減っては戦はできぬ。冒険の備えはばっちりだ!
「ごちそうさま」「毎度!」冬そばを堪能したバンキはまだ少し時間があるので
もう一軒かと思った。が、しかし!
「なっ!」お店を出るとそこには、まるでレスキュー隊のような格好をしている藤岡教授と一行がいた!
「おお!馬場くん!」「な!?教授なんですかその格好は!?」バンキは度肝を抜かれた!
「はは、いつ危険が迫るかわからないからね」
隊長は富士山に登山する人よりも重装備で現れていたのだ!
「我々といっしょなら、どんな敵も怖くないぞ」「敵って誰ですか?」
「獰猛なライオン」「高尾山ですよ」
「キングコング」「存在しません」
「サーベルタイガー」「氷河期に絶滅しました」
「ヒル」「微妙ですね」
バンキのテンションをよそに隊員たちのテンションは絶頂に達していた!
469元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:29:47 ID:8LL/fCVD0
「よし、みんな行くぞ!」「はい!」
設置されているロープウェイを無視して隊員たちは山道を登っていく。
ここは未開の道、どんな危険が起きるとも限らない。
隊長は自分の危機センサーを研ぎ澄ますのであった。
「なんだあれは!」すると目の前から巨大な丸太が転がってきた。
とっさに松田が体を張って守る。
松田の強靭な肉体と反射神経が隊員の安全を守ったのだ。
「さすがだな。松田!」「いや、ジャンプすればいいんじゃないですか?」
隊員は丸太を道端に避けた。しかし、気がつくとあたりにはサソリがいた。
「嘘!?高尾山だぞ!」目の前の異常な光景にバンキは驚きを隠せない。
「わあ!」「待て!動くんじゃないぞ。」隊長は携帯していたサバイバルナイフで
サソリをどかそうとする!刺されれば、猛毒が体に周り、死に至るのだ!
「よおし、よくがんばったな。」隊長の命を懸けた救出は成功した。
「やった!さすがです!」喜ぶ隊員。
「それっ!それっ!」その後ろでサソリを踏み潰すバンキ。
結局、サソリの殆どはバンキが片付けた。
470元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:36:33 ID:8LL/fCVD0
しばらく行くと、ちょっとした休憩場が見えた。
「おお、こんなところに原住民が…」「いや只の都民ですよ」
隊長は村の原住民との接触を試みた。相手はどんな人種か分からない。
隊員に緊張が走る。しかし、それより先にバンキが原住民に接触する。
「ばあちゃん、みたらし団子ね」「へい、150円でございますぅ」
バンキの勇気ある行動で探検隊と原住民は打ち解けた。
「おばちゃん、エトゥーって知ってる?」「ああ、江藤さんならこの先だよ」
原住民の有力情報により、士気の上がる隊員たち。
山登りで疲れた体にも新たな活力が湧き上がる。
なぜなら我々は新しい歴史の1ページを開こうとしているからだ!
既に息のあがっている隊長を先頭に更に奥へと進む。
471元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:38:15 ID:8LL/fCVD0
「なんだこれは!」隊長は地面に転がっている物質を発見した。
「あ、おにぎりが捨ててある、マナーの悪い奴だな」バンキは拾って捨てようとした。
「まて!」隊長はバンキを制止した。そして持ってきたマイクロスコープで謎の物質を調べる。
マイクロスコープならどんな小さな物質も逃さないのだ。
「おお!これは!」物体を調べる隊長が見たものとは!
「これは…、梅干か?」「マイクロスコープ必要ないですね。」
「エトゥーにはライスボウルを作る文化があるのか…」「なぜに英語?」
野人エトゥーは我々の想像をはるかに凌ぐ知能を持っているのだろうか?
しかし、危険な部族かもしれない。ここから先は真の勇気が試されるのである。
「コレイジョウハススメナイヨ!」だが、現地のガイドであるチョナンがこれより先に進むことを拒んだ。
これから先は聖なる土地、神々の世界を汚してはいけないのだ。
「あれ?こんな奴いましたっけ?」「何をいってるんだ、最初からいたぞ。」
「高尾山に登る時からですか?」「いや、研究室から」「そこからかよ!」
なんて適当に書いているのだろうか!?バンキには怒りに似た感情が沸き起こった。
「大体こんなストーリー、ダンキさんかエイキさんでやるべきじゃないのか?」
「いや、あっちは他の職人さんがやってるからな」
「大して、ストーリ練ってないし。そもそも僕が出る理由がわかりません!」
「まあまあ、せっかくのピンネタだろ喜びなさい。」
「どうせなら、もっとかっこいいのがいいですよ」
「まあまあ、大蛇と戦ったり、野人を捕獲したり見せ場はあるはずだ」
「どっちも高尾山にはいません!」
高尾山に対し誤解を招くのでは?高尾山からのクレームと
あまりに適当なストーリーを心配しながらバンキたちは奥へと進む。
472元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:40:02 ID:8LL/fCVD0
「あ!あぶない!」高尾山の天狗が探検隊に襲い掛かってきた。
「童子たちが居ないな、天然物か…」
(注)ここからはBGMは探検隊ではなく、響鬼に変わってると思ってください。
バンキは刀弦響を突き刺し、とりあえず変身した。
「変身まで適当に扱われたが、まあいい。いくぞ!」「ギャアア!」
バンキと天狗は戦い始める。
「まてぃ!」しかし、隊長が制止する。蛮鬼と天狗はすっころんだ。
「ここはプロに任せろ」「え、僕はプロですよ」
隊長の腰にはベルトが巻かれていた。「ええ!まさか!」
「ライダー…へんしん!とうっ!」
隊長は、鬼にどこか似てなくもないかもしれないマフラーを巻いた戦士になった。
(注)ここからは響鬼ではなく初代ライダーにBGMを変えてください。
「さあこい!」そう言うとどこからか、「ヒー!」と叫ぶ黒い集団が現れた。
「お前の仲間か!?」蛮鬼は天狗を指差す、しかし、天狗は両手と顔を振り否定する。
「オレ、コイツラナンカシラネェヨ!?」
蛮鬼と天狗は顔を見合わせる。なんじゃこりゃ!?
目の前の光景が理解できない蛮鬼と天狗。
「どうすんだこれ?これ以上適当にやると話がまとまんないぞ!」
そんなことはお構い無しに隊長は戦う、いつの間にか文章も教授ではなく隊長になっている。
473元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:42:47 ID:8LL/fCVD0
「く、強いな!」苦戦する隊長はボスもいないのにパワーアップするようだ。
「まさか装甲藤岡!」「イヤ、アマリニモフザケスギダロウ!」
はあ!!!なんと隊長は巨大化し、銀のボディーに赤いラインの入った体に変身した。
「ウルト○マンンンンンッ!」蛮鬼と天狗は驚いた!
「ジュア!」隊長はいつの間にか現れた怪獣と戦っていた。
(注)ここからはライダーでなく…(ry
「もうやめるんだ作者!これ以上はまとめきれない!話が終われない!」
「ココハ2チャンダゾ!ナニイワレルカワカランゾ!」必死に作者を説得する。
隊長がスペシ○ム光線を放つとその衝撃波で蛮鬼は飛ばされた。
「しまった!」蛮鬼はなぜか突然現れた谷底にまっさかさまに落ちる。
「うああああ!」
474元・ZANKIの人:2006/07/06(木) 16:44:46 ID:8LL/fCVD0
そこで目が覚めた。バンキは酷い寝汗を掻いていた。
チッチッチと時計の音だけが静かに響く……。
「…夢オチかよ!!!」バンキは叫んだ。
不思議な事にバンキ意外にも何人かの突っ込みと罵声が聞こえたような気がした。

「酷い夢だったなぁ」すっかりゲンナリしたままバンキは研究室に登校した。
ガチャリと音が鳴り、御前崎教授が入ってきた。
「おはようございます。」
「おはよう馬場くん。」
「実は馬場君に紹介したい人が居るんだ。」
入るなり御前崎教授はそんな事をいう。
「え!まさか藤岡教授ですか!?」「誰なんだい、その人は?」バンキはほっとした。
「いや、いえ、なんでも、で、どなたなんですか?」
「ああ、川口 浩 名誉教授と言ってね…。」
なぜかわからなかったがバンキは嫌な予感がした。
「川口先生は社会経済学的土壌管理民族学系世界風俗学………」
悪夢はまだ続くようだった。 END
475裁鬼メインストーリー最終章:2006/07/08(土) 00:41:45 ID:FVW+484WO
『五日後』
夏の日差しが、微かに弱まりかけていた午後。間島医院の入り口を出たイチゲキとバンキは、正門へと続く桜の樹の影に入った。
「彩子ちゃん、少し落ち着いてきましたね」
「うん。 明日夢君もいてくれてるし、こっちは一安心かな」
大学へ行くというバンキと別れると、イチゲキは空を見上げた。あの日から、空は一日も曇っていない。
駐輪場の隅で、イチゲキは2日前に吉野から届いたばかりの、真新しいバイクに乗った。
凱火と同型のものだが、ワインレッドのボディと、三種の音撃武器を収納できる大型のサイドバッグが装備されている点が異なっている。
『裁火』を走らせ、イチゲキは自宅へ戻った。

営業を再開したたちばなに、天美あきらが訪ねてきた。明日夢から今回の事を聞かされたが、すぐに休みを取れなかった事を詫びた。無論、おやっさんは笑顔で首を横に振る。
「私の方こそ、近々、君にお世話になるかもしれないから…… 先に、謝っておこうかな?」
そんな冗談に、愛息子の疾風を寝かしつけた香須実が、頬を膨らませた。
「ちょっと父さん。まさか老人ホームへ逃げるんじゃないでしょうね? いくら今回の事で、義父さんから関東は今まで以上に警戒を厳しくしろって言われたからって……」
とぼけて頭を掻くおやっさんとあきらは、顔を見合わせて笑った。
「じゃあ、あきら君。早速で悪いけど……」

春香は受話器を置くと、台所に立ち、ゴウキから届けられた紅茶を淹れた。葉のブレンド方法を遺さなかったソウキの味を再現するには、まだまだ試行錯誤しなければならない。
「……さて、と。あきらちゃんに会うのも、久しぶりね」
「……」
「また、いつか…… そうね、春になったら…… あの場所に、行きましょう」
「……」
「イチゲキ君と彩子、二人の子供と…… 亮太達も、鬼のみんなも。」
「……」
「そんなに大勢じゃ、もうお花見の宴会になっちゃうわね」
「……」
寝室に入った春香の笑顔に応えるように、寝息が一定のリズムで繰り返される。眠り続けるサバキが、微かに笑ったような気がした。
夏が終わりを告げても、物悲しい秋、凍えそうな冬が待っている。

春は、まだ遠い――   終
476穴埋さん・プチ
>前スレ472より

さて、石割が裁鬼から押し付け…受け継いだものとは!?

@折れたてホヤホヤの閻魔
A小型音撃弦ウクレレ・退