2 :
1:2005/07/02(土) 14:25:31
前スレ埋まったら移住よろ
★荒らしの自作自演や陰湿な挑発、ID表示でも明らかな煽り書き込み等などはスルーを、反応した書き込みにもスルーを。
(反応すると削除依頼の妨げとなります。 荒 ら し の 名 誉 毀 損 書 き 込 み があっても却下されます)
上記の名誉毀損書き込みを行った、荒らしコテハンにどうしても我慢できない場合は以下のスレへ。
書斎魔神・アホアホ語録格納庫 その3
http://tmp5.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1115991431/l50 (「書斎馬神」は「ミステリ板住人」の別ハンです)
●スレを私有化し、日記代わりにする事や、スレ違いの講義なる長文、オリジナルシナリオなる長文などの書き込みは、
ご自身のサイトを作り、そこで行ってください。削除人からも警告されている行為です
煽りや間違いだらけの文章を読みたくない人は
ミステリ板住人
をNG登録するように推奨。
☆★ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 の発言★☆
> 734 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 投稿日:2005/06/30(木) 21:10:36 ID:hZ8GyVe7
> ある程度レスすることを前提として(ROM専は除く)、
> 常駐板→当該板住人
> たまに行く板→他板住人
> これが通常の理解かと思う。
> 例えば、俺の場合だと常駐と言えるのはミステリ板のみかな。
> 常駐していないため、荒れても痛痒を感じないせいか、
> 77 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 本日の投稿:2005/07/02(土) 21:15:16 ID:EjxjW6/s
> 遂に総合スレ終了。
> 自分は、他板住人ゆえ野次馬根性(面白半分でどうでもいいというか)で見ていたが、
《要約》
「自分は部外者であり、荒れようがどうしようが知ったことか」
このような発言をする悪質な荒らし、自演には一切反応せず、スルーして下さい。
あの・・・もうわかったんですが
しつこいよ
>>1-4はテンプレにってことなんだろうが(5冊目のこというのははやいがテンプレにしてもいいと思う)、
>>5は確かに目的不明。
以下は
>>1に従いスルーってことで
5ってID入ってるだろ。NG指定のせいで表示されてないよ。
>>9 乙!
ところで、海外SF作家の項目で
コメントのまだない作家のリストは
どういう基準で選ばれてるの?
>>11 このリストは目配りがきいてるとはいえないよ。
短編しか訳されてない新人が載ってるかと思えば、
邦訳単行本のあるウィルヘルム、コーニイ、ナイト、
ビショップ、リーミイ等大物がごろごろ抜けている。
ふつうに、コメントされた作家だけを
順次リストアップしていけばいいんでないの?
そのやり方よりある程度リストアップされたものに随時付け加えていく方が楽なんで・・・
まぁ、もうちょっと試行錯誤してみます
>>9 乙
んでも、自分もいろいろこのスレにうpしてるわけで
こうゆうカタチで使ってもらえたらいいのにな、って思ってたら
なんだ全部抜けてんのな。がっかしだ。
15 :
まとめ:2005/07/05(火) 23:02:31
ごめん、あぼーんしてたんで見落としてたわ
がーん
ええい、もうどうでもええわい。勝手にせい
がちゃかわいいよがちゃ
ハリイ・ハリスン「銀河遊撃隊」
レンズマンなどのスペオペのパロディSF。
くっそくだらねぇギャグがバンバン出てきて笑った笑った。
(妙にアメリカンな宇宙人、何故かどこの星にも存在する大気、お馬鹿な武器、いかにもな主人公たちがホモ・・・etc)
もっとハリイ・ハリスンが読みたい。ラノベっぽい表紙でも良いから復刊してほしいぞ。
7点
19 :
吾輩は名無しである:2005/07/07(木) 11:58:26
k
「中国諸民族服飾図鑑」(上海戯劇学院、柏書房)18500円だとさ……
デカい。イラストが美麗。モンゴル・満州(東北)、トルキスタン(西北)、
チベット(西南)、東南の4部構成。都合56民族。
その民族の概説と代表的な服装をした男女のイラストで各項目が始まり、
衣裳や装身具の平面イラスト、写真などがそれに続く。
断り書きに「実際はもっと多様で、こんな少数の例だけ紹介しちゃっててスマン」とあるが、
すでにこの本自体の多様さに目がくらんでしまう。
共産党中国もまた、諸民族をたばねその支配の広域性、多様性を誇示する「帝国」なのだなあと実感。
なんかイラストが美麗すぎて、写真とのギャップに「げっ」となることもある。
特に女のイラストが美少女過ぎるようにも思えるが、気にしない。
各種資料にどうぞ。
10点
以下、印象に残った民族衣装イラストについて。
・イ族の女性(四川)
写真に比べて色白すぎだろw だがこの重ね着上衣とロングプリーツスカートの構造、
推古朝時代の女官の服装と同じではないですか! レッツ照葉樹林文化
・ペー族の女性(雲南)
ファンタジー系ラノベ絵にありがちな「エセ民族衣装」に近いフレーバー。
だがやはり本物は違う!と思わせるのはその裾や襟をかざる紋様の精緻さ。
・リー族の男性(海南島)
土佐の漁師と言われても信じる。
・タタール族の女性(ウイグル自治区)
ステップの少女ハイジ
・キルギス族の花嫁
風の谷に住んでそう
などなど。おもしろいよ。
22 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/09(土) 12:05:27
ロバート・リード「地球間ハイウェイ」 2点
科学性も乏しく、ファンタジーにもなり得ていない中途半端な糞作品であった。
そもそも、訳者伊藤典夫のあとがきを読むと、
「原著の刊行は1991年(中略)ぼくが読んだのは94年のことで、
当時の個人的評価はBプラス(中略)評価がBプラスと出た作品は、翻訳することもあり、
しないこともある。ティプトリーやコードウェイナー・スミスなら、評価などおかまいなしに訳すが、新しい作家を紹介するときには、やはりAぐらいは必要だ。」
この後、Aマイナス評価の作(続編の内容を確認するため翻訳は後回し)があるので、
併せて本書が翻訳されるに到った経緯が語られている。
つまり、悪しき抱き合わせ販売の代物なのである。
さらには、作者のプロファイルはと言うと、56年ネブラスカ州オマハ生まれ。
ネブラスカ・ウェスリアン大学(同州リンカーン)にて、生物学理学士号取得。
大学の実験室や地元の工場に勤務後、86年「未来の作家」コンテストで受賞、デビュー。
以後、9作の長編と多数の短編を発表。本書でイマジネール賞(仏)受賞。
現在、妻と娘と共にリンカーンに在住。
早い話が、学歴は地方の無名大学出の学士、ネビュラ、ヒューゴー、左京等の
メジャーなSFの賞には無縁な日曜作家並みの田舎のオヤジに過ぎないのである。
このような香具師にハードSFが書けるとでも言うのだろうか?
ネットゆえ、忌憚の無い意見を書いておく、こんなものを喜んで読むのは、
エレクト目当てのエロ好きなSFヲタだけだと。
>ネットゆえ、忌憚の無い意見を書いておく、こんなものを喜んで読むのは
匿名だから好き勝手なことを書くってわけ?
最低な人種だなミス住って
>23
>ネットゆえ、忌憚の無い意見を書いておく
スルーしてくれ
>>23 せっかくNGしてるのに1行でも奴の書き込みを引用するなよ。迷惑すぎ。
本人ですか?
スティーブン・バクスター「時間的無限大」
この人の描く不思議なモノってなんか綺麗なんだよな。
ジーリーのリングにしても、今回のインターフェースにしても。
それよか今までのを復刊&翻訳お願いします>早川
10点!
「宇宙戦争」H・G・ウェルズ 9点
名作傑作と言われるのもわかる。20世紀はじめに書かれたとは思えないくらい
技術的な視点が先進的。いまでも色あせてない。パニック描写が今も昔も
同じということは、人間の性質てのは100年くらいじゃ全然変わらんということか。
>左京等の メジャーなSFの賞には無縁
左京賞は新人発掘の賞。
デビュー済みの米人がどうやったら取れるんだ。
ヴァカってのは本当にヴァカだなあ。
引用する人もミステリ板住人の名前で書いてくれ
30は自演かそれとも
>>3-4も読めねえ盲かどっちだ?
もうたのむよ・・・・そんなにスレ荒れるのがおもしろいのだろうか?
↓↓↓以下広域荒らしの挑発と名無しによる自演はスルーで。ほんとにお願い。
33 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/10(日) 13:46:30
今頃、「宇宙戦争」を読んで喜んでいるSFヲタがいるのを知り、愕然とした思いである。
タコ形の火星人が存在するとでも思っているのだろうか。
「心して生きろ!」という言葉をかけるしかないような…
中根研一「中国『野人』騒動記」 6点
いまだに広島では「ワシがヒバゴンの首取っちゃるけんのぉ」と豪語しながら、
行方知れずとなるSFヲタが多いと聞くが、このような輩に付きつけて読ませたい書で
ある。80年代以降に日本でも知られるようになったUMA、中国・湖北省の「野人」
についての軽快だが読ませるリポートである。
著者は、科学者ではなく中国文学の研究者(横国大教育学部→北大院)だが、
専攻分野の観点に立った徹底した「野人」否定論が説得力をもって論証されている。
(著者自身は、「野人」の存在の有無については断定するつもりはないと明言しているが、
本書第5章第2節で展開されている中国のフォークロア、白話等を引用した「野人像」の検証は、現代でも野人はフィクショナルな存在に過ぎないのだと思わせるに十分である)
つまり、フォークロア等により中国人の意識にインプリンティングされた「存在」、
これこそが、謎のUMA野人の正体そのものなのである。
こいつマジでむかついてきた
人類戦線
(S-Fマガジン2005/8月号『宇宙戦争特集』より)
ケン・マクラウド著、嶋田洋一訳
本来はここではないんだろうけど、これは名作だとおもうので取り上げる。
平行世界の別宇宙、資本主義陣営が謎の超科学陣営の協力のもと
共産主義世界を'60年代にはすでに屈した時代に生まれた主人公が、
幼いころスターリンが銃撃されて死亡する思い出から始まる物語。
結局、主人公の世界も思想独裁と革命の名のもとの破壊行動によって
どんどん破滅していく様子がリアルに描かれてるわけなんだけど、途中途中で
伏線として描かれる謎の「爆撃機」とその搭乗員の存在が不気味に物語の
背景に描きこまれるところまでは”サイ-ファイ”というより”ミステリー”に当てはまる。
途中の金星人云々にはおおいに笑ったけど。
NGワードで自動あぼーんしてるのでよくはわからないんだけど、知ったかで自称ミステリ好きの
コテハンがなにやら煽ってるようだけど、メタファーの多重スクリプト構造が理解できないのはいいとして
せめてウェルズの作品の一冊でも読んでから批判するべきだろうと思う。
彼の作品の背景があって初めてこの作品が生まれてるのは確かなのだろう。
そんな気にさせる名品でした。とっきどきこゆのに出会えるからS-Fマガジンは辞めれないんだよな
10点
クネクネしつこいよクネクネ
コリン・ウィルソン「宇宙ヴァンパイヤー」
映画版の、元気に動き回るゾンビやロンドン大パニックを期待して読むと肩透かし。
SFとしてもホラーとしてもそれほど面白くはない。
クライマックスはアクションのないウルトラマンorヒドゥン、といった感じ。
しかし、M・R・ジェイムズ作品への言及や、吸血鬼ドラキュラへのオマージュ、
ウボ=サスラの登場など、怪奇小説ファンとしては嬉しい部分は多く、
意外と楽しめた。人に勧める気にはならないが。
5点
>>34 ハルク・ホーガンがSFを書いたと主張したり、
自分が編集者なら一年後に出版される本をパクッたと指摘すると豪語するアホのいうことだ。
相手にするな。
どうしても我慢できないときは
>>3のスレで。
ここに書くのはよそう。
最近ここ香ばしいなw
>>39 呼びかけても無駄
なぜならミス住に反応するカキコは
1 ミス住の自演
2 クネクネのミス住いじり
であり、両者ともに聞く耳を持っていないから
42 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/12(火) 00:15:26
ジョン・E・スティス「レッドシフト・ランデブー」
ストーリーとかキャラ設定はハリウッド映画にありがちの感じ。
例えばテレビ東京でやってたB級怪物映画「グリード」のような。
主人公と恋に落ちるヒロイン、冷酷で冷静で賢い物語の最初のころに
主人公に敵対する犯罪者、主人公と過去に因縁のあるラスボス。
なのでストーリー自体はあんまり評価高くない。
けどSFはハード。設定集が後ろに載ってるくらいハードサイエンス。
ちょっと走るとすぐに音速を超えるくらいハード。
設定に敬意をしめして7点。
ジョージ・R・R・マーティン/氷と炎の歌1―七王国の玉座(上・下)
二段組で計800頁以上、かてて加えてシリーズ第一部に過ぎないという
重厚長大っぷりだが、一気に読み通してしまうほど引き込まれた。
ファンタジーなのは冒頭と結末のみで、あとは歴史もの、しかも華々しい合戦より、
人々の生活や宮廷の権謀術数が中心を占める。
英雄や天才軍師といった便利なキャラクターは存在せず、
過酷な状況に翻弄されながら、それぞれの弱さ、卑劣さや無能さと格闘しながら
生きている登場人物たちは、一人一人が非常に魅力的で、その人数の多さに埋没しないだけの輝きを持っている。
個人的に特に好きなキャラは、小人のティリオン・ラニスター。私生児のジョン・スノウや不具になったブランへの態度が、良い。
欠点は、その語り口ゆえか、ストーリー上で明確な山場が見え難い(というか全部が山?)ので、
読んでいて少し疲れる。第一部の中で、もうちょっと話を纏めて欲しかった、と思う。
9点
44 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/12(火) 19:41:23
氷と炎の歌シリーズは面白いよなぁ
さっさとハヤカワは続きを出せ!
45 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/12(火) 21:00:22
オルタード・カーボン ALTERED・CARBON
読まれた方いらっしゃいますか?いかがでした?
47 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/13(水) 01:23:55
48 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/13(水) 01:50:35
「盗賊の危険な賭け 下 エイナリン物語第1部」ジュリエット・マッケナ
早川や創元のFTよりも軽い感じで日本のライトノベルよりも重厚。
主人公一行が下痢で苦しんだり、女主人公が船旅で吐きまくってたり
メインキャラがあっけなく死んだりとなかなかよろしい。
萌え一色のラノベFTに不満がある人はぜひ読んで欲しい。
9点
>45
オルタード・カーボンの作者の新作「Market Forces」は
先日(9日)発表のキャンベル記念賞とってる。
オルタードカーボンで、ディック賞とってるし、
好みの差はあるだろうけど、注目の作家であることは
間違いないと思う。
チャールズ・シェフィールド/マッカンドルー航宙記
ハードSFが苦手な自分にも快適に読めたのは、
巻末付録で丁寧に講義してくれているから、
というだけでなく、キャラクターの描写によるものが大きい。
この手のSFにありがちな、取って付けたトラウマや家庭問題などで
キャラを立てるのではなく、物語を通して描かれるキャラクターが、
自然と感情移入できるものとなっている。
行動の船長と思考の博士、という組み合わせは珍しくないけど、
その2人がカップルというのは面白く、その絆が実に上手く抑えられて描写されていて、良い。
地球人類の1/11を殺した大量殺人犯や、地球から交信を絶って優生学社会を築いた《方舟》、
放浪惑星など、ハードSFとは思えないようなケレン味溢れるガジェットも堪らない。
いままでこの作者の名前をあまり聞かなかったのが不思議なくらいの掘り出し物だった。
8点
平谷美樹/エリエリ ハルキ文庫
読みやすいし面白いけど、450P費やしてプロローグで終わりはどういう事か。
7点
ティプトリー/老いたる霊長類の(ry ハヤカワ文庫
大中編「ひとときのいのちの味わい」が駄作なのでダルい。他もちょっと。
「ネズミに残酷(ry」はコニー・ウィリスっぽくて痺れる。観察イラスト激萌え
6点
4000億の星の群れ マコーリィ ハヤ文庫
ネタ割れるからなんとも言えぬが、もうちょっとスッキリと説明しろよと言いたい
が、デビュー作なので仕方ないか。。。続編も出せよハヤカワ。
7点
ロブスター岩礁の燈台、クリュス、未知谷
良いお話です、見つけたら是非読んでみてください。8点
53 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/23(土) 19:52:48
「4000億の星の群」ポール・J・マコーリイ
日系人女性天文学者でエスパーのヨシダが異星人と接触する話し。
一言で言うと、地味。表紙絵の胸は派手だが内容は地味。ちなみに
文中で「小さい胸・・」という描写有り。
エイリアンとの接触と惑星上の冒険がメインなんだけど同種の話しに比べて
すっごい意外性があるわけでもなく、目を引くSFっぽいネタがある
わけでもなく盛り上がりにかけるような気がする。
とくに終章のタイトルに「4000億の太陽」なんてついてるけど
話しのスケールが小さくてなんだかなーと思ってしまう。一応続編希望。
6てん
54 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/23(土) 21:43:36
>>37 >コリン・ウィルソン「宇宙ヴァンパイヤー」
>映画版の、元気に動き回るゾンビやロンドン大パニック
「スペースバンパイア」 1985年 (原題:Lifeforce)
ですね。 マチルダ・メイの
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
イイなぁ〜
55 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/23(土) 22:01:06
新城カズマ「サマータイムトラベラー」ハヤカワJA文庫
二冊まとめて読んだ。面白かった。お勧め。
以下は本筋ではないキャラクターの話だが
とにかく主人公に魅力がない。実につまらない男。
ヒロインに振られるのもむべなるかな。
もっともそこでヒロインが主人公の側にいることを選ぶと違う話になるので
あえて冴えない男として造形されたと見るべきだろう。
あと主人公の回顧録という形をとっているので
こいつのすかしっぷりが目に付いてしょうがなかった。
記述されていない部分ではこの主人公、
ヒロイン二人を使ってオナニーしまくっているはずだ。
56 :
◆GacHaPR1Us :2005/07/24(日) 00:46:10
マッカンドルー航宙記 創元推理文庫
酒井 昭伸 (翻訳), チャールズ・シェフィールド (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488693032 懐かしいタイプの小説で、久しぶりに一気に読み終えた。
科学者の考えるSFガジェットってのは、こう下手な作家のものより
かなり素っ頓狂なものになり易いわけなんだけど、この作品内の
「無慣性航法」とかもかなり素っ頓狂。
初心者とか若年の人向けに、これはいいかもしれないんだが、
いかんせん、宇宙関連の科学技術は昨今は流行らないので
ついていけない人もいるかも。悲しいけど、これが現実なのよね。
7点。 ジーニー船長がときどき可愛く見えるだけに、もちっとね・・・。
57 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/27(水) 02:52:29
新城カズマ「サマータイムトラベラー」1,2(完)ハヤカワJA文庫
面白かった。7点。
娘さんだけみてると、天然に話は通ってるんだけど、周囲のエピソードがばらばら。
筋はなんとなく合流するんだけど、これといった必然性はないので、
そのあたりを期待するとマイナス。必然性をを期待する話でもないのも確か。
1/n じゃなくて 1/2^n じゃないかとか、
存在を保証されていないものを存在するとしているところとか、
正規分布よりはベキ分布じゃないかなあとかでマイナス。
なんだか作者があんまりにも見えすぎる文章がなんとも気持ちが悪くマイナス。
考えようとしていることは好きなのでプラス。。
58 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/27(水) 03:14:12
藤崎慎吾 「ハイドゥナン」 ハヤカワSFシリーズJコレクション
10点つけるしかないので10点。
「クリスタルサイレンス」の時も思ったけど(他未読)、
この人は、とうに来てしまってこれから来るに決まっている未来をSFとして書く人なのだなあと思った。
それはあまりワンダーではないと感じる性質なので、減点としたいところだけれど、
圧倒的なディテールでの押し切りが余りに見事なので降参。
複数のラインがゆっくりとよりそって、ただやさしく合流する淡白な話なのに、
おそろしいスピード感を伴って進行するのが驚異。
ただやっぱりこの淡白さは良くも悪くも日本SF。
「日本SF史上最高」とウリ文句をつけれても「SF史上最高」とはウレない。
59 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/27(水) 21:29:57
最近のSFヲタのレスを見ていると、失笑を禁じ得ないものがある。
ラノベ板とかと勘違いでもしているのだろうか。
ネットゆえ、はっきりと言わせて頂く、「君たちはドキュソ厨房だ!」と。
小松左京「虚無回廊T〜V」 7点
いまだ未完成ゆえ、7点と抑え目にジャッジしてみた。
本作を読破して疑問に思ったことがある。
「長さ2光年、直径1.2光年の、茶筒みたいな物体が、5.8光年先にキター!
キター!キター!………」と、ひたすら絶叫し続けるしか術を持たないアホなSFヲタ
(アキバの駅裏でウオークマンでシンディ・ローパー聴きながら、栗本薫を読んで喜んで
いるような典型的な奴である)に、果たして本作の本質が理解出来るのかと。
世紀末において、遂に「日本沈没」が予言の書となり得た今、
執筆時には絵空事と思われたAE(人工実在)同士のファーストコンタクトが絶対に実現し得ないと、誰が断言出来るのであろうか。
まず、この点につき、私はSFヲタ諸兄に深く問うことをしたい。
ただし、それぞれの作品の良し悪しは別としても、「日本アパッチ族」
「果てしなき流れの果に」等から、「日本沈没」を経て、「さよならジュピター」や
「首都消失」の時期に到るまで、小松長編がハードSFでありながらも共通に有していた、大衆エンタメ性(読み易さとストーリーの明解さ)が、本作では失われてしまい、
オタク化の傾向(わかる者・興味がある者のみをメーンな読者対象とする)を
辿っているようなのは、「SF」を愛する者のひとりとしては残念な感はある。
現在、私は本作のジュブナイル化に取り組んでいるところであるが、
小松御大(注 小松の親分さんではない(w )の了解が得られ次第、
当スレにおいてプロトタイプをお目にかけたいと考えている。
謹んで待て!
>59
すげぇ・・・
本物だ。
>>60 俺も本物のキチガイ、初めて見たよ。
まともな神経じゃ恥ずかしくてあんなレスできないものな…
前からおかしいおかしいとは思っていたが・・・
今日は一段と気温が上がったからな。
遂にいくところまでいっちまったのかな・・・
有名なキチガイ。
ミステリ板住人でぐぐるといい。
65 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/27(水) 23:06:39
>アキバの駅裏でウオークマンでシンディ・ローパー聴きながら、
>栗本薫を読んで喜んで いるような典型的な奴である
ここだけすげえ好きだな。
こんな奴、ギブスンの小説にも出てこないだろw
祭りの会場はここですか?
まあ、ラノベに10点や7点付ける奴らも(本気なら)立派な基地外だと思うけどな。
>>66 > 祭りの会場はここですか?
ここは、みんなでミステリ板住人のチンポをしゃぶる会場です。
ここまで狂ってるとむしろ清清しいなw
台風が去った後、いよいよ本格的にか。
71 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/28(木) 12:45:45
書斎の論考は素晴らしいな。
他のSF板住人たちはもっと恥じてひれ伏してしかるべきなんだがな。
書斎の論考ってなに?
73 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/28(木) 13:19:26
ミス住がんばれ
荒らしに負けるな。
74 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/28(木) 16:33:16
やってることはいつも同じだろうがヴォケどもが。
日長いちにちちゅう書斎のヲチに興じやがって。
シンジや須藤などその最たる暇人の変質狂どもだわあn
75 :
誘導です:2005/07/28(木) 17:16:25
クネクネとミス住が対消滅してこの世から消えればいいのに
>>76 お前らがクネクネとミス住のチンポコを咥えてるかぎり、
対消滅しないって。
78 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/28(木) 20:04:17
>>66は、「ゲームセンターあらし」好きなニワトリ頭のSFヲタ、
こういうレベルの連中には、このスレに来て欲しくないんだよな。逝ってよし!
さて、ジュブナイル版「虚無回廊」を執筆中。
遠藤(注 ココリコではない)とアンジェラのセクースシーンをどの程度残すかで思案中。
刊行後に、「あの場面で性に目覚めました」なんていうファンレターが届けば最高かと
思う。
ところで、オリジナルの権利者の許可無くして、ジュブナイル版を2ちゃんねる上に
掲載した場合には、法的な問題は生じるのではあろうか?
BBS管理者の法的な責任のみが問われるのであれば、掲載を強行したく思っている。
>>79 くねくねのチンポをしゃぶるのをいますぐ止めろ。
つーか感想スレでは感想書けよおまえら
ミス住のアホ感想だって感想である以上おまえらのレスよりゃ百倍マシ
法的な問題は無い。
連載してみな。
>>78 連載してみな。
これで止めたらヘタレだぜ。
いいから連載してみろよ。
できないとは言わせないぜ。
イイヨイイヨー
基地外コテが発狂書き込みすりゃ祭りになる
それが2ちゃんだろ!?
ミステリとやら、もっとどんどんアホな書き込みしてくれ!
笑えるから
>基地外コテが発狂書き込みすりゃ祭りになる
>それが2ちゃんだろ!?
おまえSF板住人じゃないな
とうとう名無しを煽るやり方も飽きられて、
ほかのコテをいじるだけの能しかなくなったか……>くねくね
すでにガチャでその手は通用しないと悟ればいいのになw
強制ID制にすりゃあいいのにな、ここ。
>>91 感想の70%を俺が書いてるのがバレちまうじゃねえですか
強制ID制も何も、SF板の人口は平均4人未満。
しかも住み分けがされてるから同一スレには同じ奴しか書き込まない。
95 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/29(金) 00:08:59
>>91 >>93 強制IDは簡便な。
ひとつスレが荒れてるなんてのは板全体を締め付ける理由にはならない。
現状はよく隔離できているのでなんの問題もない。
そんなに強制IDが好きなら別の板に行ってくれ。
96 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/29(金) 05:58:40
ミステリー板が強制IDになったのはミス住がジエンで荒らしまくったからな訳だが
そして強制IDになって以降、自演バレ第一号はミス住でした。
この人、やっぱり本物……。
2ちやんへの書き込みを論考などといってる時点で真性のアホ
俺、ミス住って唯の気違いキャラだと思ってたけど
実際はどうなんだ?リアルで真性気違いなの?
キャラで5年もあんなアホなこと続けられんわな
ミステリー板じゃ毎日書き込みしてるよ。
論考とやらをw
虚無回廊に関して言えば
「あれは色々な知的生物が一堂に会する小説版花博なんだよ!」って
話が一番納得させられたな。読んだの小松スレだっけ?
今回のミス住はちょっと甘いな!
103 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/29(金) 21:55:54
ミステリ板における強制ID導入の因は、ネタバレ防止対策の一助にでもなればという
ことであった。結果はミステリ板レス削除依頼スレを見ればわかるとおり効果無し。
>>86 レスサンクス。
SFヲタ諸兄は、引き続き「虚無回廊」ジュブナイル化掲載の法的な問題について、
検討しておくこと。心してかかれ!
>ミステリ板における強制ID導入の因は、ネタバレ防止対策の一助にでもなればという
>ことであった。結果はミステリ板レス削除依頼スレを見ればわかるとおり効果無し。
ネタバレしてるのってお前じゃん
>SFヲタ諸兄は、引き続き「虚無回廊」ジュブナイル化掲載の法的な問題について、
>検討しておくこと。心してかかれ!
自分でやれやアホ。
結局口だけかよ。
あぼ〜んしてあるのに、ご丁寧にどうも
ミス板自治スレを見ればわかるように、ミス板における強制ID導入の因は、
誰かさんの自演&騙りが目に余るために導入が検討されたんだよね。
まあ誰かさんはそれでもしつこく自演&騙りを繰返しているけど、
IDのお陰でその見苦しさが白日の下に晒された事例は数多い。
だいたいIDがネタバレ荒らし対策になるわけないでしょ?
自分が大恥かいた自爆行為を何とか忘れて欲しいのだろうけど、あまりいい加減なことを言うなよ物知らず。
あ、ちなみにミステリ板レス削除依頼スレを見ればわかるとおり、
ネタバレ荒らしの大半は「書斎魔神」というバカの仕業ね。
確かミス板のトップコテハンと自称する癖に、何がネタバレか理解できないとか言っていたな。
判断力とか他人への配慮というものが全く欠けている駄目人間の典型ですな。
あ、それから人にものを頼むときは「お願いします」だろ?
まともな教育を受けていない奴はこれだから困る。
108 :
◆GaChAPiHNI :2005/07/29(金) 23:30:15
助けてー!フレミス叔父さ〜〜ん!
>>108 __
〈〈〈〈 ヽ
〈⊃ }
∩___∩ | | ∧∧
| ノ ヽ ! ! 、 (:;ノд゚)
/ ● ● | / ,,・_ / づ つ
| ( _●_) ミ/ , ’,∴ ・ ¨ ~て )" )
彡、 |∪| / 、・∵ ’ (/ ∪
/ __ ヽノ /
(___) /
>>105 了解が得られ次第と言ってたくせに、たった一日で許可なく連載とか言い出す馬鹿には、
何の問題もない
と言っておきゃいいさ。
何かトラブルが起きてバカス住が多額の賠償金でも支払ううハメになったとしても、
自分のことを他人任せにしようとするバカには当然の報いだし、
俺たちに何かペナルティが科せられるわけじゃないしなw
だいたいミス住の文章力じゃとても「連載」出来る能力なんてないだろ。
113 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/30(土) 21:56:01
小松左京「継ぐのは誰か?」 5点
うーむ、角川文庫に収録されていた初読時には、7〜8点はつけたと思うが、
現時点評価では、5点が良いところである。
コンピューターや進化の問題も深く絡んだ、決して単純なストーリーではないのだが、
全盛期の小松御大の作らしく、読み易さとわかりやすさは抜群、
一応、ネタを割っておくと、南米に潜む電波・電気人間とでも称すべき新人類が、
その特異な能力によりコンピューターシステムに介入するというもの。
だが、サバティカルを取れるレベルとはいえ、学者の卵に過ぎない連中が、
南米のジャングルにまで乗り込んでゆく展開は、少年探偵団シリーズも顔負けの
トンデモぶりではある。
「果てしなき…」のような何でもありな時空を駆け巡るスケール感がなく、
「日本アパッチ族」のような諷刺劇に徹したものではないリアルな基本設定なため
かえって、この辺の不自然さが際立ってしまうという欠点はある。
主人公を若手研究者ではなく少年・少女にし、ジュブナイルとして書けば、
一応の仕上がりになったのではないだろうか。
>>114 うわぁ、凄いねそれ。
本気で書いてたら完全に基地外の人だし、シャレで書いたとしてもかなり痛いな。
いい加減ミスいじりはこのレスで最後にしてくれよ…
ほんとにそうだ。このレスで最後にしよう。
桜坂洋-スラムオンライン
JA文庫から出てはいるもののSF的な要素は殆ど無い。強いて言えば格ゲーがオンライン化しているあたりか。
そんな訳で内容は普通の青春小説+格ゲー。
格ゲー部分は面白いけど専門的な知識を必要とするものだし、恋愛部分は個人的にはちょっと痛いかった。
個人的には楽しめたけどSF者向けって言うよりは格ゲーおたく向けの小説ですね。
6点。
格ゲーの知識がいる小説ってなんじゃ???
ちょっと気になる
>>118 ああいう、自分でなんでもひとり決めしちゃう女の
子って……むかしつきあってました……
Stephen Baxter "Mayflower II"
ジーリークロニクル物。世代宇宙船物。
不死となった男が二万5000年かけて、
船内に閉じ込められた人類の進化(退化)のヴィジョンを目撃する話。
バクスターらしく後半はなかなか強烈。
ただオチがちょっと甘い希ガス。
8点
123 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/08/04(木) 21:45:27
懲りないSFヲタのJコレクションへの耽溺ぶりには笑えるものがある。
橋本忍「幻の湖」 6点
ラスト、宇宙遊泳中、琵琶湖上空に竜笛(幻の犬シロと並んで本作の最重要ガジェットとも言い得る)を置いて物語の締めとする展開は、まさに秀逸の一言に尽きる。
ここにおいて、悠久の時を刻むかに見える琵琶湖も宇宙レベルでは、「幻の湖」に過ぎない
という事実が明らかとなるわけである。
物語のメーンな舞台が雄琴であり、ヒロインがトルコ嬢なため、妙な期待を抱くSFヲタ
も多いだろうが、濡れ場は皆無に近い。
むしろ、SF的展開のラストに向けて、伝奇小説(琵琶湖湖畔におけるヒロインと竜笛を吹く謎の青年との出会い)松本清張風ミステリ(シロ殺しの犯人探し)、
「マラソンマン」を想起させるような2度の追跡アクションシーン、
旅情満点な琵琶湖周辺の詳細な描写等々、健全なエンタメ要素満載で楽しめる作に仕上が
っている。
SFヲタ諸兄も、たまにはこういった「オトナの小説」を読んでみたまえ。
世の中にはJコレクションとSFジュブナイルしか存在しないわけではないのだからな(w
ミステリ板住人のおじちゃまが来たよ〜!!
125 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/04(木) 23:44:57
司政官 眉村卓
学園ものは好きだったが、宇宙ものは、レムやブラッドベリを読んだ後には、
物足りない。
スピードグラファーの感想たのむ
>>125 司政官のゲームが出ていたことは…
この板なら知ってる人も多いだろうなあw
セカチューというものを読んでみた
なんていうか、アウトローというかワルSFとでもいうか。
今までクラークやイーガンなどのいわばいい子ちゃん系のSFを
好んで読んでた俺にはちょい読み難かった。あと、本人も言ってたがSFというより
寓話、皮肉とかをこめたものに読めた。そのせいか時事ネタとか現地に根付いたネタなど、
正直、読みづらかった。
よくあるSF的な状況をアウトロー的な視点で読み直したというものを多く感じた。
一回だけ読んだ限りだと眠れ、安らかにと殺戮すべき多くの世界、少年と犬あたりが
わかりやすさと一般的なSF的な面白さという意味でおもしろかった。
あと一晩で50回はやりすぎだと思う
たぶんエリスンのほうだろう。
SFの感想なんだからエリスンに決まってるだろう。
>>129はエリスン読んでないだけかと
セカチューと訳してるから勘違いしたんじゃないか
読んだ事ない俺でもエリスンだと分かったけどな
今ごろセカチューとか言われてもね・・・( ´,_ゝ`)プッ
意味がわからなかった人が必死です
時代の変化についていけないジイさんが必死です
顔真っ赤にしてるならオウム返しじゃないでもう少し気の利いた返しをしろよ。
みっともない。
SF者はピカチューも知らないのか。
俗物図鑑の音楽のひとか
NHKでやってたな
広島、長崎に落とされたやつだろ
「ピカ」は閃光だろ?
「チュー」って方言? どういう意味?
生中だよ
かみちゅでちゅっちゅー!
143 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/08/10(水) 22:02:22
マイク・ブラウン 俺は銀河の流れ者 9点
元お尋ね者のギャラクシー・ジョーは大宇宙を流離う一匹狼だ。
彼の味方は、恋人でもある美人アンドロイドのミルキー・ウエイン、
ジョーに命を救われたことがある犬の顔をしたドッグ星人アイケーンの
2人(1台と1匹か??)のみだ。
地球には存在しない新鉱物ラッパーをめぐる宇宙海賊センズリアンとの
争奪戦が、今、始まる。
鬼才マイク・ブラウンが書き下ろした渾身のSF大作だ。
144 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/11(木) 00:47:58
異次元を覗く家
ウィリアム・ホープ・ホジスン
初めてのSF。
凄く面白かった。
緑の太陽がどうした光る白い球体がどうしたって辺りがしつこくて鬱陶しかったけど、全体的には良かった。
出てくるものがいちいち叙情的。(豚人間、偏屈じいさん、愛敬たっぷりの犬、奇妙な太陽など)
今までSFはちょっとキモいイメージだったけどちょっと変わった。
でも表紙と挿絵が気持悪かった。ゲームの説明書みたいな絵で。
もっとシンプルで良いんじゃないかな。
145 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/11(木) 00:52:30
↑忘れてた。九点。
え
あの挿絵は雰囲気ばっちりだと思うんだけど
そうなんだ。
私は違和感があった。
SFの挿絵の絵柄ってなんか馴染めないな。手に取りにくい。
むかしの挿絵の本が欲しくてブクオフを経巡りはじめてから、
もう何万年経ったろうか……
やはり奇想コレクションみたいなオサレ表紙じゃないと手にとってもらえないのか。
奇想の真似さえすりゃいいわけじゃないけど、
80−90年代のSFとか
初版イラストのままじゃ駄目かもな。
クラークの「海底牧場」と「渇きの海」を続けて読んだ。面白い。
どっちも今ドラマでやってる海猿みたいな話だけど・・・w
小説書くのがこんなにうまい人だったとは。
普通にエンタテインメント小説として及第点。
両方8点。
>>151 あの頃のマンガ系イラストは痛くて見てられないな。
>>152は、イネス、マクリーン、バグリイなどの英国冒険小説が気に入ると思われ
海底牧場の世界って、仏教が世界を支配しているんだよねw
156 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/08/11(木) 22:04:28
>>154には、ジャック・ヒギンズを追加したい。
俺はアーサーの近未来もの「渇きの海」や「海底牧場」は面白いとは思わなんだ。
冒険小説もお家芸とする英国の作家だけに、こういう作風のものも書くのかな、
とは思うが、先の結末が見えるハッピーエンドの冒険ものに過ぎないという感が強い。
「幼年期の終り」のような哲学的な要素による感動は皆無であり、
「裏庭の中心にある便所の窓を開けて叫んだけもの」になっても良い気分には、
到底なれないのである。
先の2冊は、中学生が夏休みに「大冒険GO!GO!」とか言いながら、
首振りが不十分な壊れかけの扇風機に当たりながら読むには、丁度良い程度の本かと
思う。「海猿」とか書いているところを見ると、
>>152が真性厨房であるのなら、
私の論考に何ら悪意は無いので、この点については誤解無きように願う。
今、荻原規子「西の善き魔女」を読んでいるぜ
なかなか面白いぜ
善き魔女なんていねーよバーヤ
善い魔女は死んだ魔女だけだ
白かろうと黒かろうと、ネズミを捕るのが善い魔女だ。
「祈りの海」グレッグ・イーガン 7点
広く浅くをモットーに意図的に同じ作者のものを避けてSF読んでるんだけど
なんとなくイーガンは現代風で読みやすいのでつい買ってしまう。
内容は同作者の短編集のしあわせの理由に比べて現代より(これは技術・年代的にといった意味だけでなく)
な話題に集中して、さらに後味がイマイチすっきりしない話ばかりで少し気分が重くなった。
イーガンは現代版クラークみたいなやや楽観主義かと思ってたら結構黒いんだな
「凍月」 ハヤカワ文庫SF
グレッグ ベア (著)
小野田 和子 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150112428 初読みはS-Fマガジンだったんだけど、その時は絶対零度への研究だとか
頭部だけを冷凍することで死後復活できる、と考えるメリケン的なプラグマティズム、
はたまた、当時オーム真理教などに見られたカルトブームなどを取り入れた意欲作、という
認識が主で、巻頭で説明されるまで”政治”としてのSF小説、という側面にはなかなか気がつかなかった。
思うに、メリケンだろうが日本だろうが衆愚的になりうる可能性が常にあるのは、
人類たる所以なんだと思う。だれも韓国や中国のこと笑えないのよね。
かなり面白かった。でもいまだに物質の新状態によってヘッド内の情報が過去未来へ無限転送される、
っていう理論がよくわからない。
9点
だいぶん前に読んだので詳しくは忘れてしまったが
絶対零度達成でウギャグギャになるっつー感じのお話だったかな。
物質を絶対零度近くまで冷やすと原子の運動が極端に遅くなり
ボーズ・アインシュタイン凝縮という奴が見られる。
原子の運動が遅くなったために物質の波動性が可視レベルに
拡大する現象で、これをさらに拡大したのが凍月のネタだったかな。
波動関数が拡大して時間方向(過去未来)に広がるというSF展開。
まー、絶対零度というのは達成できないのが絶対零度なので
出だしからSFなんだね。
無伴奏ソナタ/オーソン・スコット・カード
SFというよりは、残酷な寓話といった趣きの短編集。
だが、こうした常の世の感覚を平然と無視して繰り出される
ゾッとするような鋭いアイディアは、間違いなくSFのそれと言える。
特に『王の食肉』の最後の一文には、背筋が凍りついた。
『死すべき神々』の逆説にはニヤリとさせられる。
あまり行き過ぎると、『猿たちはすべてが冗談なんだと思い込んでいた』のように、
物語として理不尽なものになってしまうのだが・・・
9点
「宇宙飛行士ピルクス物語」
スタニワフ・レム(著)
深見 弾(訳)
・・・欲しい、この本が欲しい。図書館になんか返したくない、だってどっちゃにしても
書庫で腐らせてんだろうが。だったら、世の為人のため一重に俺のためにも、
この本は俺っちの手元にあるべきだろうが、そうだそれがいい、返す時に売ってくれって
頼んでみようそうしよう。
スタニワフ・レムという作家はたった一人でSFのあらゆる事象をすべて再現してしまった、
という同じ国の作家からすれば悪夢のような偉業を成し遂げた人なんだが、
そんな批評読んでもイマイチピンとこなかった、この本を読むまでは。
タイトルどおり、ピルクスという宇宙飛行士が試験飛行によってパイロットとなり、
遂には熟練の宇宙船船長としての辣腕を奮うまでを、短編形式で描く傑作。
なにが凄いって、たった一冊の小説であらゆるジャンルが網羅されてしまっていることだ。
スラップスティックコメディあり、ホラーあり(なにが怖いってテルミネスよりも”ブルースター号”という存在がいっちゃん怖い)
アクションあり、推理あり、事件捜査あり、第一次接近遭遇あり、なんと宇宙飛行士の物語だというのに山岳踏壁まである。
後半になると、自動化された機械群と人間との葛藤が主に描かれるようになるが、それでも一貫してピルクス、という主人公の
存在原理はまったく変わらず、強く、しぶとい。
こんな本はだな、本来であれば中高の学校の図書館に各一冊なけりゃならん本だと激しく思うんだが
でないと彼らはこの本と出会う機会を一生失うんだぞ、それは一重に人生における大いなる損失だと思うんだ。
とにかく、面白かった。欲しい・・・
10点
>>166 ぼけなす
数十年後まで本を確保しておくのが図書館の存在意義だろうが
現在過去未来、てめえ一人の世の中じゃねえんだよ
>>166 そんなに欲しいならウダウダ言ってねえで
ネット古書店で買えばいいだろ、ル・グイン共々。
>中高の学校の図書館に各一冊なけりゃならん本だと激しく思うんだが
とか言っておいて、おまえが買取ってどうすんだこのクソ女野郎!
ピルクス積みっ放しだった。
心をいれかえて読んでみよう
まぁそんなにいじめてやるなwww
171 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/08/21(日) 17:14:58
喪主
>>167 それがさぁ、うちの市の図書館廃棄してやがんだよねー。
「私は無」も「おぼれた巨人」も「サンドキングス」も「シティ5」も何度も読もうと思ってたのに…
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1123667887/545-547 なんか疲れたのでこれ以上の推察は辞めるけど、何が言いたいかといえば
老ヴォールの惑星
小川 一水 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150308098 を読んだ。どうも小川さんは伝えたいものがしっかり確立されていない印象を受けてしまった。
表題作がいっちゃん好きで買ったのだが、他の短編も含めて、彼の『欠点』が分かりだすと
傑作にも陰が差してしまう。どうにも薄っぺらいのだ。「伝えたいもの」が。
なぜかこの作品より古く、そして科学考証的にも正しくないであろう作品でも、伝えたいモノ、という
存在のおかげで光って見える。
・ギャフナルカの迷宮
「テーオがいっぱいしたから・・・」;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
なめんな。こんな理想的な崩えセリフ言うオナゴなんか居るもんか!ウワーン!
それはともかく、歴史の先生にしてはずいぶん人間性に対して楽観主義的すぎるし、実際、楽観的な
世界だな、というのが印象だった。400人のコミュニティってのもちと少なすぎるような・・・。
・老ヴォールの惑星
名作。ハード設定云々に目がいきがちだけど、個よりも全体の思想が強い生命体が自然体で
行う犠牲と祈りがみんなを感動させるのだろう。
最後にテトラントがあの命名を選択したのもこの式によるものだ、が、クダンの小川氏はこれを
狙って出したモノではないんだと思う。誰かのセリフじゃないが、
「読者は作者の意図しない意味を勝手に盗んでいた」んだと思う。
>>173 ・幸せになる箱庭
ずいぶん薄っぺらい情報知性体で、全知全能なんてセリフに歯が浮いてしまった。
それに人類側もこんな他人任せなお気軽な存在なら、とっくに戦争なんて回避できてる、できないのは
人間が疑心の塊だからで、本来ならば人類は遠回りしてでも、クインビーの母星の座標へ
殴り込みを掛けてるはずだ。ヒロインへの遠まわしな女性蔑視的スタンスもいただけない。
・漂った男
ようは培養シャーレみたいは惑星に落ちた男の話なんだが、
思うに体に付着しているウイルスやらなんやらのほうが、落ちた男の生存時間よりも早く大量に
培養されるように思えてならない。その結果は悲惨だ。
あと、起承転結はいいんだが、途中で間延びがある、はっはーん、書くのがタイギになったな?
最初のアイデアの予想に反して、なんかツマんなくなっちゃったな?それでも書き続けたのは最後の最後が
描きたかったからだろうか?
どうも、伝えたいもの、というのが環境であってりロジックであったりキャラクターの設定であったりで、
ちょっと深みがない、というのが欠点でそれが残念だけど、ラノベにしては上出来だと思う
8点
知らぬ間にスレ2も記録済みなまとめサイトのヌシ乙
「果てしなき旅路」ゼナ・ヘンダースン、ハヤカワ文庫SF
ホントーに素朴なSF。
微妙な選民意識とかキリスト教的な説教部分は気にせず、優しい気分で読むと
楽しめると思います。
小説は上手いんで。
あと、なんか微妙にレズ系SFの香りが……。
アメリカの田舎な雰囲気が気に入ったんで、
7点。
続けて。
「ハイペリオン」ダン・シモンズ
娯楽系SFの最高峰なのは分かるが、結局思ったのは「やっぱ娯楽系だと漫画とかアニメとか
ドラマとか映画には全然適わないなあ」ということ……。
もう、活字SFにこういう方向性は無理と断言しても良いのではないかと思った。
単独では神父の話が一番面白かった。
二次元萌えの軍人の話は笑った。
なんだかんだで一気に読めたので、
8点。
>>177 > 二次元萌えの軍人の話は笑った。
? なにそれ?
なんだろ、カッサードとモニータのことかな。いやでも全然二次元じゃないなコレ。
まさか、カッサードがずっとモニターの前に座ってコントローラー握っていたと
勘違いしてたりして!!
181 :
でへ:2005/08/24(水) 00:07:11
万物理論 グレッグ・イーガン 創元SF
すでに星雲賞に選ばれているので、いまさらの感があるのだが
面白かったので書評をあげる
読み応えのある本でした。
ハードSFであり、スペキュレィティブ(思弁的)な面もあり、非常に面白かった。
厚さもあり読むのに2週間くらいかかった、時間がかかったのは、夜を徹して
読み通すような、わくわくするような面白さがなかったせいもある。
(私にとっては、難しかったという意である)
9点 以前、9点をつけた、山田正紀の「神狩り2」よりは面白いと思う。
でも正紀様のほうが私は好みでした。
まさきさま 下から読んでも まさきさま ですから(わら
(C)田中啓文
「スカヤグリーグ」
大森望の例の本で書評を読んで、通販で買ってみた。
・・・すげえ。
俺にとっては奇跡の作品。
長いけどな(でもその長さはリアリティのために必須)。
これがSFかって問われると微妙だけどな(でも大森的にはSF)。
障害者というものに関心のない人には読むのがきついかも。
でも10点。
「エンベディング」
異色の言語学SFという帯にひかれて買った
でもあんまり言語学使ってないよねこれ
繰り込み言語がすげえマジやべえとかいわれても、いやそれを描けよといいたかった
どんな現実だっての
宇宙人があまり魅力的じゃないのもマイナスかな
最後、主人公がああなっても「今更それをやられても…」って感じ
まあデビュー作だからな
というわけで6点
「地球の長い午後」 ブライアン・W・オールディス
いわずと知れた退廃した世界と退廃した人類を描いた小説。
カエアンの聖衣とかみたいに植物が物語に大きく関わるものと思っていたら
思ったよりかかわらず残念。いや、キノコ脳とかはあったけど
超未来の世界を探検する小説みたくなってたのが予想と外れて少し残念
ラスト主人公達マジやる気ない。翻訳がイカしてるなぁ
あと結局火口の歌とかはなんだったのだろうか 8点
「地球の長い午後」は「世界の中心で愛を叫んだ獣」と似てる気がするなあ。
筋とかどうでもよくて、読者を楽しませることもどうでもよくて、
わけわからんガジェットをひたすら詰め込み、
執筆当時において衝撃的であることだけを求めて書かれた作品。
こういうやり方もあるのか!と突破口を開いた功績はあるかもしれないけど、
とうてい「名作」とか「古典」とか呼べるシロモノではないように思う。
あえて言えば「実験作」?
いや、あのビジョンは間違いなく後生に多大な影響を与えた古典だと思うけど。
だな。
ついでにいうとセカチューとの類似も安易に云うべきでない。
そもそも短編と長編はジャンルが違うと思うぞ。
「地球の長い午後」のあの異質な生態系、崩壊した世界像は
短編なら「インパクトある描写をほどよく羅列して以下略」って
やりかたにできるが、オールディスは長編のほとんどの部分を
その描写に費やしている。
こういう力業ができるとは、端倪すべからざる想像力だよ。
自分の好みからは外れるが「地球の長い午後」は名作だと思う。
神狩り2 山田正紀
今更脳学もなぁ・・・。5点かな。
タフの箱船
エンタメSFとして良い出来。Sが足らないのは敢えて目をつぶりたい。
大変楽しめたが敢えて苦言呈せば、10年前に訳せー!!!!
SF初心者に奨める本にするべし。9点
「サイティーン1,2,3,4」 C・J・チェリイ
ようやく全巻読み終わった。ダウンビロウステーションと同じく密度がk濃くて読み辛いところがある。
とくにサイティーンは政治話あり少女の成長話あり精神科学話ありということもあり、思考の流れを描写
することが多くて微にいり細にいり文を続けていくから読み辛いこと読み辛いこと。
それでもこんな大著をなしたことには尊敬念を禁じえないしハッピーエンドっぽかったから好き。
8点
>>189 サイティーンで激しく萌えて10点満点な私は、
もしかして激しくロリなのでしょうか?
>>190 一応17歳くらいまで描かれてるから激しくロリでは無いと思うが、
貴兄がもし中年の域に達しているのならちょいロリだと思う。
「未来獣ヴァイブ」山田正紀
20年ぐらい前の未完の作品「機械獣ヴァイブ」を加筆して完結させたもの。
初めて読むので、どのへんが加筆されたのかはよくわからん。
もしかして、あのとってつけたようなエピローグだけなのだろうか。
だとしたらけっこうひでえな。
これだけ分厚いのに、ラスト辺りのグダグタっぷりはいかがなものか。
伏線が回収しきれてないし、キャラの性格が途中でいきなり変わったりするし。
まあ、怪獣ものは好きだし、勢いは買う。
おまけして6点。
塵クジラの海、ブルース・ウィルス、ハヤカワFT
愛と哀しみの海洋冒険小説、全然ウィルスらしくなくて面白かった。
わかりやすい話だし。8点
スターリングだろ
ハルク・ホーガンだけでなく
ブルース・ウィルスまでSFを書いているとはッ!
ウィリスではなく?
かもだ
なんかツボにはまるな、「ブルース・ウィルス」w
ブルースに感染しちゃうよ!
お前はこの、面白いのだか面白くないのだか微妙な映画に出まくるウィリス空間を永遠に彷徨うのだウィリス。
ファンタジーの歴史――空想世界 キイ・ライブラリー
リン・カーター (著), 中村 融 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488015204 ファンタジーなんてもうまったく読んでなかったのに、
ル=グィン女史やマイケル・ムアコック、T・H・ホワイトにロジャー・ゼラズニィなんて名前が
出てきた時にはちょっと興奮した自分を発見した。
この中で指摘されている本のほとんどは近年まで国内でもほとんど絶版か廃版になっていて、
しごく丁寧な中村氏の解説によって、挙げられた「近年の若手ファンタジー作家」のほとんどは
2000年を見ないまま亡くなられていることを考えるとすごく寂しく感じてしまう。
それだけ、リンカーター氏の熱情的な文章に当てられたわけで、これはすごいことだと思う。
最近はAMZON開いても分かるようにフリッツ・ライバー氏の<ファファード&グレイ・マウザー>シリーズや、
ポールアンダースンの「折れた魔剣」が再刊されたようになかなか読める環境になってきたので、
これらの名作を手にするパンフレット代わりに読んでみることをお勧めする。
ただ、勘違い多杉なのはなんか人事に思えない…。
8点、読み手を選ぶので
ファンタジーなんて指輪とロードスとゲドの最初のくらいしか
読んだことないな。
>ロードス
いや・・・
ジャンル分けするとロードスはファンタジーでいいんじゃん。質はともかく。
時々あのへんの和製ファンタジーを必要以上に貶める人がいるなあ。
ロードス読むなら他の名作も嫁よって話じゃね
人、それを余計なお世話という
いや、ほんと
ほんとだよな
オーソン・スコット・カード/死者の代弁者
『エンダーのゲーム』と『ゼノサイド』の間に挟まる
エピソードだが、これが一番面白かった。
文化人類学とミステリー、それに南米文学的な
家族の物語と、それぞれ単体でも十分長編を構成しうる要素が絡み合い、
非常に濃密な内容となっている。
鋭利な刃物のような天才だったエンダーが、
静かな話術と洞察力で物事を解決していく「死者の代弁者」となった姿は、
前作と併せ読むと感慨深く、3000年を経てその贖罪が遂に果たされる結末は胸を打つ。
10点
「銀河帝国興亡史1 ファウンデーション」 アイザック・アシモフ
18冊目にしてはじめてのあしもふ
SFものの原典に近いものでもあり人類補完機構読みたいなSF未来史も好きな自分としては
いつか読みたいとは思ってはいたが続編がけっこうでてるので敬遠してた。
個人的には原子力万能主義が時代を感じさせる以外(というかアシモフはそれほど
科学的に精確なハードSFを書くタイプではない、か?)、非常に読みやすく登場人物たちの
鮮やかな思考とプランを楽しめた。
9点
カードはいまだに読んでないんだよなあ。
モルモンだと思うと読む気が萎える・・・
>>211 読んだけど宗教臭さは感じなかったけどね。
モルモン教自体よう知らんが
とりあえず「エンダーのゲーム」呼んでみたら?
訳文に難があるらしいけど、話自体は面白いよ。
ガッコで宗教学を勉強したのはだいぶん前だから記憶は定かではないが
モルモン教はキリスト教の変種のひとつ(末日聖徒イエスキリスト教という)
で、一夫多妻制を容認するなど本流キリスト教からは異端視されていた
新興宗教だったかったかと。
始祖ジョセフ・スミスと信者は迫害を受け流転の後、当時は未開の荒れ地
であったソルトレイクに住み着いたとか。このあたりのシチュエーションは
時代は違えどイスラム教と似たところがあったような。
カート作品はやはり宗教臭がかなりある。説教臭さと対話にね。
短編はモルモン教をモチーフにした作品も多くある。
「消えた少年たち」はモルモン家族をテーマにした小説だし、「辺境の人々」はモルモンがユタ州に理想郷を作り上げる、みたな小説だった気が
子供の頃モルモン教の教会の敷地内で盆踊りやってた
俺の場合は、カードがモルモン教徒ってことを知らずに読んだけど宗教臭さを感じたなぁ。
読んだのがそのものズバリ信仰心云々についての描写があったから
というのもあるかもしれないけど、何作か読んでみるとやっぱり宗教っぽい
(というより倫理とかそういうの)感じがにじみ出てるとは思う。
説教臭いというか真面目というか、ある種の厳しさも含めてそういうのが苦手だと
カードはあんまり好きになれないかも知れない。
エンダーだけなら、大して宗教臭さはないと思うけどなあ。
翻訳がアレなせいで伝わってこないのかもしれんがw
そして『第七の封印』は触手萌え小説な。
そこでソングマスターと無伴奏ソナタですよ
ローバート・シェクリィ/人間の手がまた触れない
地球人類をエイリアン側から見た作品が多い、短編集。
それぞれ個性豊かな生体部品たちからなる宇宙船の物語『専門家』が、
一番面白かった。文字通りパーツが揃うオチが感動的。
7点
そういや最近あいつ来ないな。嬉しいわ、やっぱw
>>219 無伴奏ソナタしか読んで無いけど、
このスレ見たらそれだけでいい気がした。
「甲賀忍法帖」山田風太郎
とりあえず妙な登場人物を大勢出し、
舞台を移しながら都合よくというかむりやり一対一対戦に持ちこみ、
バカすぎて笑ってしまうような技で対決させて人数削っていくだけのラノベ。
さくさく読めたが、ぜんぜん面白くなかった。
これがエンタテイメントの王道? ヌルすぎだろ。
漢字の開き方がかっこいいのと
忍法帖というジャンルを創り出した功績だけは評価したい。
2点
224 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 11:51:15
yt
>これがエンタテイメントの王道? ヌルすぎだろ。
山風に向かってこれは言い過ぎだな。
他の小説も読んでみるこった。
>>225 「王道」などと見当違いなことを言い出す時点で虚言を弄していると見破るべき。
223はただの厨か無職。ほかのスレにも同様の幼稚な書き込みが散見される。
王道ってのは帯にでもかかれたんじゃねーの
俺本人だったのか
そうだよ、お前だよお前
そうかあ俺なのかあ
233 :
223:2005/09/10(土) 02:40:21
本物の本人が来ましたよw
>>225 言いすぎか。でも、今の時代に読んでみた素直な感想だぜ?
あんたのお勧めを教えてくれるとありがたい。
>>227 通報されますた
>>228 帯じゃないけど巻末解説とか。文庫の紹介とか。
水鏡子わらた
ジジウゼエ
デクストロU接触/イアン・バンクス&マイクル・ビショップ
日本人女性(京女!)というエイリアンが、
機械とも生物ともつかない異星のエイリアンとコンタクトする話。
ロラン・バルトっぽい日本描写にはやや違和感ありだが、
あるいは外からみれば、こういうものか、という真実性もある。
ホラーっぽい語りや探検隊内の人間関係は割りとどうでもいいが、
異星種族カイバーの生態はイアン・バンクスらしい奇想で
そら恐ろしくも面白い。
237 :
236:2005/09/12(月) 02:27:41
ワトソンやっっちゅうねん
バンクスもっと訳してよ
ワトソン読んだことないのが丸分かり。
おそらくはビショップも。
241 :
236:2005/09/12(月) 17:20:59
すいません、ご指摘のとおり
236「デクストロ2接触/イアン・ワトスン&マイクル・ビショップ」の誤りです。
感想中もワトスンと書いたつもりでした。(バンクスと混同して読んでいた訳ではないです)
オルタードカーボンつまらんのか。。。
まあ、指摘されて訂正しに戻ってくることが出来る程度の間違いでよかったじゃないか。
狂人ハルク元気かな。
最近見ないな。
オルタードカーボンは良くも悪くもハリウッド映画みたいなつくりで、
そういった大味な展開が鼻につかないなら楽しめるんじゃないッスかね。
後半のプロットのひねり具合はなかなかのものでしたよ。
半分の枚数で書かれてればチョーおすすめしたかも。
最近、英米の長篇は長すぎるのが多いよね。
「ハイペオリン」しかり「ダイヤモンドエイジ」しかり。
もう長すぎて訳者かわいそう
シモンズなんて今や辞書並みの厚さらしいぜ
しかもそれで四部作だった気が
これ翻訳できるのかなあ
重厚長大も最初のひとりは芸だけどあとはクソだよな
ちったあカルヴィーノ見習えってんだ
今気づいたが「ハイペオリン」になっていた。
いやなクスリだな。
251 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 10:49:48
ほんとに憧れる
アメリカ人って意外と暇なのか?>分厚い
プールサイドで分厚いペーパーバックを読む連中
断言してもいいが最後まで読んでない
または飛ばし読み
……それは俺か
反省してます
「スターシップと俳句」ソムトウなんちゃら
変な日本観。捕鯨反対運動の一環か
一応最後まで読めたから5点
256 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/14(水) 21:35:05
英語のタイピングは[変換]の必要が無いし、スペルチェッカーがあるから、
タイピングに習熟したら、画面を見ることもなく文章を作ることができる。
慣れてる人は猛烈に速い。
話す速さでタイピングするというのは、
日本語では、速記の専門家が専用のハードを使ってやっと達成できる特殊技能だが、
英語の場合は特殊技能じゃなく、物書きなら普通にできること。
近年の英語の小説がやたらと長くなってしまった一因は、タイピングの容易さ。
タイプライターの時代はプリントゴッコで
小説書いてるようなもんだもんな。
今から見るとほとんど奇跡だ
つまりアレか。
ローマ字で書けば本邦作品もお手軽に重厚長大化できると。
誤字? キニシナイ
変換て面倒な作業だよなあ
志村〜!英語、英語!
あれじゃね?テープレコーダーに録音してあとで文字起こしすれry
ローマ字とひらがなの差こそあれ、
マジに温帯は
>>258実践してるな。
Sean Stewart "Galveston"
面白かったー! <巻おくあたわざる>とはまさにこのこと。
大洪水を経て魔法がはびこる未来のアメリカ、ガルベストン島を
めぐる不思議な冒険物語。魔法一族の娘、ギャンブラーの息子の
医者、この二人を軸に波乱万丈のストーリーが展開される。
魔法を一掃しようとする保安官のとんでもない悪役っぷりを始め、
魅力的なキャラが満載で、最後まで飽きさせず一気に読ませる。
こういうのもっと読んでみたい
9・5点
Robert Silverberg "The Book Of Skulls"
永遠の生命を求めて、「4人一組で2人が死に
2人が永遠に生きる秘儀」が記された経典の出所へ
向かう4人の大学生の話。
おちがすげえ怖かった。
結局超常現象は全く起こらないから、
SFはおろかホラーですらない、普通小説といって
いい内容なのだが、やはり人間の頭の中身が
いちばん怖いということか。
シルヴァーバーグのベストかも。
9・5点
クラーク&ベンフォード『悠久の銀河帝国』
第1部はクラークの『銀河帝国の崩壊』がそのまま収録。
「ダイアスパー」や「アルヴィン」という固有名詞以外の内容を
ほとんど忘れていて10数年振りに読んだが、面白い。
で、それをベンフォードが書き継いだ第2部だが…
なぜこの話を『銀河帝国の崩壊』の続編として書こうと思ったんだろう?
オーソドックスにやるより違う角度から攻めようと思ったのかもしれないが、
物語にせよ文体にせよかみ合わないにも程があるし、
第1部を包括する世界観を提出しようとすればするほど矮小になっていくのが辛い。
まさか屁をこくアライグマに説教されて終わるとは思わなかった。
古臭くて若書きだがシンプルで力強い構造とイマジネーションを持った第1部に対し、
最近の作品で格段に情報量の増えているはずの第2部があまりにも貧弱に思えた。
第1部は7点、第2部は3点。
>>244 あのあくの強さが
意外に懐かしかったりして。
>>248 今年の英国協会賞とヒューゴー賞の受賞作も
どっちも原書で700〜800ページもあるよ……
邦訳すれば最低でも3〜4分冊にはなるな
しかも無理やり不必要なディテールを詰め込んで
無駄に長くしてる感じ
嫌な風潮だ
椎名誠の小説が出てきた当初、無理矢理な漢字名詞や
音読不可能な擬音的表現が話題になったことがあったが、
あれは当時読んでいた自分的には、
「ああ、ワープロで書いてるな」と直感した。
PCでもって作られる小説、ワードプロセッサーで作られる小説、
そしてタイプライターで作られる小説に手書きで描かれる小説、
実は同じようでいて違うものなのだろう。
>>267 居たらスレ荒れるんだが、居なきゃ居ないで少し寂しいかもな。w
271 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/18(日) 20:53:05
・。・、・ヨ、ヌ。ヨフ、ヘ霓テ。ラ、テ、ニ、ノ、ウ、ヒ、ヌ、ニ、ュ、ソ、ホ。ゥ
272 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/18(日) 22:28:59
音声入力も実用段階に入ってきたから、小説は今後も長大化し続けるよ。
「ドロへドロ」林田球(漫画)
うーん。めちゃくちゃカッコいいなこれは。
「ホール」に住むワニ頭のカイマンがかけられた魔法を解き記憶を取り戻すために「魔法使い」を探して
狩り殺していく話。相棒は餃子娘のニカイドウ。
魔法使い側の武闘派コンビ心(しん)と能井(のい)がいい味だしてる。
グロ・バイオレンスだけどどこかまったりしているところが面白い。
紹介する言葉を探すのが難しいがこれは「ファンタジー」と言ってかまわんだろう。
藤崎慎吾 「ハイドゥナン」 ハヤカワSFシリーズJコレクション
5点
どこが日本SF史上最高なのか。帯はやりすぎ
冗長で、上下二巻にする必要0
キャラも立っていないし、話に無理ありすぎ
今は日本語SF自体の出版点数が少ないからな・・・
誇大宣伝もむべなるかな
昔は長い小説を書くと「これじゃ売れないよ」といわれて
編集者にカットさせられてたんだよな。
最近の編集者はだらしねえな。
俺もなんで2巻なのかわからんかった。高いだけ。
編集も含めて「日本沈没」を見習えといいたい
「日本沈没」を文庫で読んで
上・下は長いぞゴラァと漏れは思った。
ハイドゥナン、上巻の最初の暗い話しを見てから読み薦める気力が無くなった。
そんな不幸話いりません。もっと明るく元気のある話にしてくれ。
ハイドゥナンは単純にエンターテイメント分が不足してたのが失敗の原因だと思う
この手の大作は辻褄合わに終始するより、多少矛盾が出ても勢いを重視すべきなのに
つまり梅原先生との共著がよかったというわけですね
282 :
でへ:2005/09/23(金) 09:21:34
そんなことより
「新しい太陽の書」 ハヤカワより復刊だぞ
絶対読め、3回は読め
イーガン「ディアスポラ」
相変わらずハードなネタてんこ盛りで、それだけで945円の元はとれた気分になる
・・・んだけども、メインになるコズチ理論が、難解なわりに衝撃度が小さい(
今までの長編にくらべて)のが難点か。触媒とかイカとかは良かったのだが。
アイデンティティー関係はいつもより控えめだったけど、冒頭の自意識の発生までの
描写はまさしくイーガン。思考モデル自体は借用とはいえ、それをここまで突き
詰めて描けるのはこの作家だけでしょう。
イーガンよりも来月上旬に出るレナルズのほうが
楽しみ。
この時期に出すってことはSF読みたいの上位を狙ってるんかね。
やっぱり。今年は大したの出てないしね
285 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/09/26(月) 23:45:18
立花隆「宇宙からの帰還」 9点
久々の再読だが、あらためて時代を超えた普遍的なテーマ性(「宇宙と人間」)を
感じさせるルポであった。
スペースシャトル計画が終期を迎え、宇宙ステーションが建設され、一般ピープルの
宇宙旅行さえ実現可能となった現代にこそ、あらためて読まれるべき作と言い得る。
アストロノーツのコスプレをし、「マンセー!」とか言いながら、
アキバを御機嫌で徘徊しているSFヲタにこそ突き付けて読ませたい作でもある。
各アストロノーツたちの宇宙体験は、それ自体がドラマチックでありSOWにに富んだ
ものが多いが、SF的視点で見て特に面白いネタは、ウォーリー・シラー(アポロ7号)が語る宇宙戦争の非現実性、ジェリー・カー(スカイラブ4号)が語る宇宙でのセックスの可能性と誕生するであろう子供の特異性(まさに「宇宙人」そのものだ)、
ラッセル・シュワイカート(アポロ9号)が語るガイア理論(平成ウルトラシリーズでも
おなじみ)等か。
ひとつ残念な点は、著者である立花氏はSF小説などには興味が無いのか、
アストロノーツたちが読んだSFのタイトルが明記されていないことだ。
バズ・オルドリン(アポロ11号)の精神病発症の因のひとつになったと見られている、
彼が子供のときに読んだSFで、月探検にいったアストロノーツが気が狂って地球に
帰ってくるという物語とは何か?
また、ポール・ワイツ(スカイラブ2号)が共感したという、最近読んだSF(当時)で、
地球をはるかに離れて移住した連中の三代目、四代目になり、地球を全く知らない、
地球を見たこともない世代の強烈な地球への帰属意識をテーマにしたものとは、
何という作品なのだろうか?
286 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/09/26(月) 23:47:29
余談ながら、筆者は本作(「宇宙からの帰還」)に関して次のような思い出がある。
丁度、本作が刊行されて間もない頃であった。
筆者はビッグシティのあるハンバーガーショップで、
高校時代の友人(高卒・今はしょぼいリーマン、在学中から影が薄いぱっとしない奴で
あった)と出会ったのです。
軽い挨拶を交わした後、偶然にも互いに本を手にしていることに気付いた。
その時、私が手にしていたのが、既に評判になりつつあった立花隆「宇宙からの帰還」、
その友人の手にあったのが、あだちみつるの「タッチ」(巻数は見落したが南ちゃんの
アップが表紙絵のやつ)である。
一瞬、気後れしたかのように友人は言った「凄いねぇ、こういうの読むんだ」
(注 「宇宙からの帰還」は当時のベストセラーであり、ある程度のレベルの人間で
あれば、読んでいて当然のような書である)
私は、かっての友人との最早埋めきれぬまでになった断絶を感じた。
つまり生きる世界が違ってしまったのである。
287 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/09/27(火) 00:00:58
うをおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!11
お帰りなっさーーーーーーーーーーーいっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
悪夢再び・・・orz
やっぱりみすじゅういないともりあがんないよね
余人には真似できない文章だもんな。w
できれば皆、ミス住関係のレスするときは全部アンカーつけて欲しいな。連鎖あぼーんにかかるように。
>>291 ミス住およびクネクネになにを言っても効果なし
無差別に荒らす広域荒らしとそれに乗っかるくねくね・・・最悪
宇宙からの帰還、俺まだ積みw
サマー/タイム/トラベラー(上) ハヤカワ文庫 新城 カズマ
スーパーお嬢様女子高生とかが大活躍な青春ストーリーで
30過ぎのSFファンのおっさんには付いていけないというか
ラノベならラノベと書いておいて欲しかった。。。
紛らわしいので、JA文庫とは別レーベルでやって欲しいのだが>ハヤカワ
想定外読者のワシが点数付けるのもどうかと思うけど、4点くらい。
下巻が死ぬほどハードで面白いSFだったらスマン。
一応下巻まで読んでみては
俺も上巻読んだ時はげんなりだったが、下巻は結構楽しめたぞ
好き嫌いはともかく、リアルフィクションの帯ついてるのは
ライトノベルであることを隠して売ってる訳ではないと思うんだが。
反逆の星/オースン・スコット・カード
『エンダー』シリーズと同じく、「凄い主人公が凄いことしてもの凄い業を背負う」お話。
星の未来から、民族丸ごとの大量虐殺まで、すべて主人公一人の決断に背負わせてしまう、
その倫理主義はそら怖ろしい気さえする。
そうした中心テーマとは別に、各々の始祖=流刑者の技を受け継いで、
それぞれユニーク過ぎる発達を遂げた各部族・国家の描写は、
伝奇小説における忍者の一族のようで愉快。
哲学者の末裔は時間の流れを操れるようになり、地質学者の子孫は石と対話する技を学んで不死化、
政治家一族に至っては幻術師に・・・ってSFか?
そうした点からも、カード作品のエッセンスは詰まっていながら娯楽的に読みやすい一篇だった。
7点
299 :
295:2005/09/30(金) 10:59:19
300 :
でへ:2005/10/01(土) 21:00:14
悠久の銀河帝国 クラーク&ベンフォード
ベンフォードが続きを書いたというより、古いクラークの名作と
ベンフォードの作品が一冊の本に入った。という感じの話
私はベンフォードが好きなので、「人類には理解できない異質な
存在が、人類をケチョンケチョンにぶちのめす。」という
いつものベンフォード節が味わえたので良かったです。
グレゴリー・ベンフォードの作品を読んでみたい人にはオススメ
6点
301 :
でへ:2005/10/01(土) 22:41:44
輝く断片 シオドア・スタージョン 奇想コレクション
ようやく読了、全部面白かったけど、輝く断片、マエストロを殺せ
が特に良かった。
SFじゃないと思うけど、、、
7点
最近でた中では、再読だけど、創元の時間のかかる彫刻(の表題作)
が一番良かった。 これは8点
スタージョン最近出すぎ、ついてゆくのが大変
「奇術師」クリストファー・プリースト
何が面白いのか全然わからん。このミスに入賞する理由も。
無駄に長いし。100ページくらいで書ける話じゃないかなー。
まあ読みやすかったので5点くらい。
ケリー・リンク「スペシャリストの帽子」
怖ぇーよこの作風! 読んでて不安になる
青空と雲の絵で、題名が『呪い』っていう絵画があるけど、なぜだかそれを思い出した(作者忘れた)
明確な恐怖の対象っていうのははっきりと出さないんだけど、読んでるうちに自分の感覚がねじれてく
出てくる主人公(みんな女性なんだけど)がラファティの書く天才少年・少女みたいだったな
異様な知識を持ち、奇妙な詩をうたって、人々を巻き込んでく感じ
で、前提となる世界が日常なのか非日常なのかはっきりしない メタフィクションなのかな
日常生活の中に幻惑的、魔法的要素がある、そんな世界を垣間見られる作品だね
長編も読んでみたい作家だ 期待してますよ
つーわけで8点
ロレンス・ダレル「ジュスティーヌ」ほか
ジョン・コートネイ・グリムウッドのアラベスク三部作*が訳される気配が微塵もないので、
その元ネタと言われるダレルのアレキサンドリア四部作読むことにした。
ていうか筑摩全集のダレル、第一部と第三部しか載せてないつーのはどういうことですか。
感想:
ロマン主義コテコテの昔風の筆致。ジュリアン・グラック「シルトの岸辺」とかと同じ感じ。
第一部だけ読んだら「東洋のファムファタルにつかまったモヤシ西洋人の嘆き」という感じで
フーン大変だねー、オリエンタリズム全開だねーとしか思わなかったのだが、
第三部で同じエピソードがいきなりエスピオナージュとして語りなおされてるのに舌巻いた。
もうこの頃にはコテコテな美文も気にならず、夏のアレキサンドリアの湿気と海風のなかに没入状態。
これは四部全部読まないといけない……のだが、
たぶんJ・P・グリムウッドの原書のほうに挑戦してしまいそうだ。
これを元ネタにしたSFならきっと面白く、雰囲気があるだろう。
*「パシャザード」「エフェンディ」「ファッラーヒーン」からなる、
改変オスマン帝国の国際都市アレキサンドリアを舞台にしたサイバーパンク三部作。
つーか早く訳せ。
>>305 そーだったそうだった なんだか題名勝ちって気がするよねあれ
テリービッスン 「ふたりジャネット」
初めての奇想コレクションだ! ベスター、シモンズとどれにしようと迷ってたけど、
帯のラファティ、ヴォネガットの名前に惹かれて購入
・熊が火を発見する
熊かわいいねぇ 不思議な読後感だ もうちょっと人類大騒ぎしろよ
・アンを押してください
これは舞台で見てみたい 電車の中で読んで、吹き出しちまった
・ふたりジャネット
ちょっとわからなかったな 多くの作家の名前をよく知らなかったからだろう
・冥界飛行士
これだけ異端な感じの短編 一番出来がいいんじゃないのか
・万能中国人ウー
これは素晴らしい素晴らしい ウーの問いを適当に返答する主人公がいちいち笑える
手書きの数式、ハッタリ理論、トンでも展開が合わさって ありえない速度で話は進むのだ
銀河ヒッチハイク・ガイドが好きな人はあうんじゃない?
いい短編集でした 河出GJ!
8点
ついでにもういっちょ
マイケル・マーシャル・スミス「みんな行ってしまう」
解説にもあるように、前半部分がどうにももたついてしょうがない
ばっさり切ってもいいような気がするけど、文体や描写が好きなほうなのでまあいいや
読んだばかりだけど、あまり印象に残るような短編はなし とはいえ平均以上なのは間違いない
あえていうなら「ダイエット地獄」 ダイエットを解決するためにアレを持ち出してきたときには
思わず「はぁ!?」と声に出してしまった
SFホラーよりも、ミステリのほうを読んでみたくなった 創元さん訳してくれんかね
つーわけで6点
新しめでもっといい短編作家いっぱいいるのに
何でこいつのを出すんだ?ってきはするけど
まあ何にも出ないよりはましだね
翻訳者足りてねーんじゃないの?
自前で翻訳してハヤカワに持ち込んだら意外と出版交渉してくれるかもよ。
ニール・スティーブンスンの「スノウクラッシュ」読んでるけど
はじめ面白かったのに中盤あたりからどんどんつまんなくなってくよー
「ダイヤモンドエイジ」のときと同じ不吉な感じがするよー
えーん
冗長なんだよねスティーヴンスン
プロットぐちゃぐちゃ 脱線しまくり 好きな人はそこが好きらしいけど
イーガンも飽きたし
もっといい作家いねえかなあ
今日はレイ・ブラッドベリを二冊
「十月の旅人」
ブラッドベリは何を書いてもブラッドベリだなあ
「すると岩が叫んだ」が一番いい ブラッドベリ短編の中でも個人的上位に入る
もともと既存の立場を逆転させて、アレコレするのが上手い作家だけど、これは秀逸
読後にとてもやるせなくなる 登場人物の一言一言がまた染みるんだよ
「恐竜物語」
レイ少年
詩人詩人いわれてて、どんなところが詩人なんだろと思ってたけど、なるほど詩人だ
そう納得した短編集でした(実際詩もあるしね)
恐竜はでっかいし強いし恐ろしい
「ティラノサウルス・レックス」はこの本のテーマにあんまり合ってないんじゃないかな
前になんかの短編集で読んだから、新鮮味が薄れたというのもあるけど
あわせて10点
平均5点?
それはひどい!
ひどいとかいわれてもな 単なる数字だぜ
ヴァーナー・ヴィンジ「遠き神々の炎」上・下巻
んんん…これは微妙だった いきなり黒幕が現れて最初から「これ大丈夫かよ」と不安だったな
いつ本編が始まるんだ? と思いながら読んでたら、いつのまにか終わってしまった 長い第一部だった
犬世界なんてどうでもいいっすよ もっとこう、宇宙規模の大惨事や戦闘が繰り広げられるかと思ってたのに
邪悪意識がどう凄いのかわからなかったのは俺だけか? 単位とか数字とかはやたらでかかったけど
世界の謎に迫って欲しかったけど、作者の興味はそこにはないんだろう
シャンドラ・カイが破壊されたのを、描写もせずさらりと流したのにはびっくりした
何百億と死んだんだろ? それ書いてくださいよ
異世界で普通にブランデーとか100マイルとか出てきて戸惑ったぞ
アイデアはいいんだけどね 群体意識とか低速圏とか銀河ネットワークとか とてもよいバカSFっぷりです
この人の書く、本格ファンタジーが読みたいと、犬世界の描写をみて思ったよ
どこかのレビューで、ハイペリオンを越えてるとかあったんで少し期待してたんだけどな
6点
>>316 俺はわりと好きだな。
あれは鉄爪族を楽しむもんだろ、きっと。
>>316 あれが物足りなく感じたんなら、
次のやつはもっとスケールダウンするので
さらにつまらなく感じるだろうなw
ま、趣味に合ってなかったんでしょう。
レナルズ「啓示空間」
すごいな、解像度を増して、プロット作りとキャラ設定が
異常にうまくなったバクスターって感じ。
目眩のするような細密描写やガジェット類の積み重ねによる
リアリティが圧倒的。
終盤オチをちょっと引っ張りすぎてるのがやや減点だが、
とにかく面白かった。すごかった。キャラも立ってた。
最後まで謎で引っ張り、「本格ミステリ」してて
飽きなかったし、暴力的な大技のオチにも満足。
今んとこ今年のベストワン。
ハデス星萌え。超住みたい。
9・5点
>異常にうまくなったバクスター
ここは笑うところだな。
おれも刑事空間はやく読もう。
321 :
でへ:2005/10/09(日) 18:14:23
サマー/タイム/トラベラー 新城カズマ ハヤカワJA
マイクルコニィの 「ブロントメク!」「ハローサマー、グッドバイ」
見たいな感じだったけど、
4点
「大人になる前の少年が経験した、ひと夏の甘い思い出」
みたいな話だった。 それだけ
その点が評価できるなら、
おそらく10代からせいぜい20代前半までに読んだなら、
(評価できるだろうから)もっと高得点になるだろう
以下ネタバレ
作品中に「私はタイムトラベル物をこれだけ読破して、
書いているんだ」とでも言いたげに、たくさんのタイムトラベル
作品の名前が出ているが、この作品自体、タイムトラベルに関して
たいしたアイデアを出していない。
舞台となった町のいろんな時代の町の地図が、もっともらしく
挿絵として出てくるが、作品の内容とまったく関係無いように
思える、意味不明
作品として未熟な感じがする
ジョージ・R・R・マーティン「サンドキングズ」
読んでいてどこかヴァーリィを連想させる作品群 ていうか初めてなんだけどね、この作者
・龍と十字架の道
どんな信念だよ神父よ うーん、信仰を持ってる人だと彼には共感できるのでしょうか
嘘つきにはわりとうなずけたりして 一つだけ印象的な一文があったな
・ビターブルーム
魔法使いと少女 話自体はたいしたことないんだけど、背景にうっすらと見える世界はかなり魅力的だ
ここから↓はマーティンの独特な宇宙が華麗に展開していく
・蛆の館にて
食い物がやけに旨そうだぞ 俺も虫と戯れたい
・ファスト・フレンド
情けねー男の話 でも誰でも普通そうするよね
・ストーン・シティ
なんだこの底辺っぷりは 宇宙トリップする主人公はどこへ行くのでしょうか
・スターレディ
これが一番いい話だ 人間っていいなとマジで思った 情けない男を書かしたらすごいな、マーティンは
・サンドキングズ
しだいに加速していく展開に目がはなせなかった オチはすぐわかるんだけど、その過程がいいね
ストーリーそのものより、それぞれの世界を楽しむ作品
この人がワイドスクリーンバロック書いたら絶対に面白い
頼む書いてくれ
8点
>>321 新城カズマは書痴、地図マニア、異世界設定者としては尊敬できるが、
ストーリーテラーとしてはラノベ作家の並以下だと思う。
ま、ヘタな小説つかまされるほうはたまらん罠
マーティンはサンドキングズもいいけどその前の短編はもっといい
70年代の短編集出してけれ
「啓示空間」書店で見たがでか過ぎw
恐ろしいくらい分厚かったんですが・・・
327 :
295:2005/10/11(火) 10:38:59
サマー/タイム/トラベラー(下) ハヤカワ文庫 新城 カズマ
>>295の続き
下巻は割と良かったかな。
超光速移動としてのTT考察の部分は、ちょっと「ルミナス」を
彷彿とさせて興味深い。
ただ、やっぱお約束な人物描写は、ちょっと抵抗感ありで
おっさん向けではないかも。 上下巻で6点+α
傀儡后 ハヤカワJコレクション 牧野 修
世界観の構築はおもろいけど、終盤に物語が崩壊してるのが。。。
折角の前半が勿体ない。 6点
329 :
でへ:2005/10/11(火) 22:53:57
ハイドゥナン 藤崎慎吾 ハヤカワJコレ
帯の文句ほどではなかったけど、よく頑張った
「大作」
作者は多くの分野に知識があるようなので
単にその類似性から帯に小松御大の作品名が
出てしまったのであろうが、帯の文句、煽り過ぎ、
「日本沈没」を超えた、なんて書かれると、われわれ
ロートルSFファン(SFファンの大部分がそうであるが(藁)
は、ついつい評価基準が厳しくなってしまうぞ
よその板でこの作品を評して、
「大作と言う人はいるが、傑作とはだれも言わない」
とあったが、そのとおりだと思う、しかし自分としては
量的にも大作な作品であったが、苦痛なくスイスイ読み進めた。
(特に海底探査のシーン)
また、この作品は大作ともいえるが、広汎な知識に基づいた
力作でもあることから
7点はあげたい
ただし、上下巻で3500円、しかもこの分量、読むには
ちょっと決心の必要な本だろう
以下多少ネタバレ
ISEIC(圏間基層情報雲)理論なるものは、どうも神とか超常現象を
説明する理論であるらしいが、ここをもっと詳しく書いてほしかった。
そこが物足りなかった。
330 :
でへ:2005/10/11(火) 22:55:09
>321は書きすぎたわ、スマソ
読後感は悪くなかったが、内容を整理しながら感想を
書いていると、悪いほうのツボにはまったというか、、、
以後気をつけます。
「ディアスポラ」 グレッグ・イーガン
とりあえず読み終えた、という感じ。
しあわせの理由、宇宙消失、祈りの海とイーガンを読んできたけど
その中でも一番吹っ飛んでて、もっともハードであり、スペースオペラ的な壮大な世界観を
理論物理的な視点で描いた(あとがきにもハードSF版スタートレックとあったし)作品だった。
長編より短編のパッチワークといったその体制も、そのタイトルに合致している…のだろうか
自分の数学の対する理解力のおよばぬゆえに
8点
デイワールド/フィリップ・ホセ・ファーマー
人口過剰を解消するために、人々が曜日ごとに分かれて生活する、
というトンデモ管理社会のお話し。
ただ、話の主眼はその奇妙な社会システムよりも、
そこでスパイとして全ての曜日を、別々の人格を操って
生きる主人公の特異な性格に向いている。
複数の人格を持つ超人的主人公が社会システムと戦う、という点では、
ゼラズニィっぽくもある。
続きが訳されてないのが残念。
7点。
アルフレッド・ベスター「願い星、叶い星」
奇想コレクションは2冊目 まず短編全体にいえることだけど、会話文がいいね
論理がぽんぽんとんでいくのが目に心地いい ちょっと冗長な感じもするけど
・ごきげん目盛り
狂いっぷりが面白い わたしって誰よ?と最初ちょっと混乱した あせるな!あせるな!
ジェットコースター
うーん、わかんなかった 結論が唐突で短すぎですね
・願い星、叶い星
最後の一文にちょっと興ざめ ガキの正体は謎のままがよかったな
・昔を今になすよしもがな
一番笑える作品 最後にはホッとした
・選り好みなし
ちょっとオチが見えていても、これはこれでいい
時間旅行短編にしては変わった切り口だ
・イヴのいないアダム
ラストで主人公が達した境地にちょっと感じ入った 時の旅人っていう歌を思い出したよ
・時と三番街と
これも時間もの 未来人が紳士で惚れた ベスターは議論させるのが好きなんでしょうか
・地獄は永遠に
これがなきゃ6点にしてるところでした 一番の出来かな
つーわけで7点
小説探偵GEDO/桐生 祐狩
Jコレクションは8割方読んだが、これはその中でも飛 浩隆『グラン・ヴァカンス』に次ぐ面白さ。
この手のメタフィクション物にありがちな晦渋さ、気取りが無く、
身近なジャンル・小説(801、伝奇、ラノベ等)を題材としていて、雑食性乱読者な自分には向いていた。
探偵が侵入する小説世界の住人より、「現実世界」の住人の方がキャラが濃かったりするのも、
面白い捻りだと思った。文弱な主人公に対して矢鱈ノワールなヒロインや、ダンディーな右翼の人とか。
「やおい穴から破水」とか、おバカなネタにもかなり笑わされる。
SF色が薄いので、続編ではスペオペ、サイバーパンク、ニューウェーブなどのSF小説世界にも飛び込む展開が
読みたいところ。
面白いのかー
作者で避けてたが今度読んでやってもいいな。
好みは分かれるかなあ。
私はまったくだめだった。
退屈だった。
338 :
無名草子さん:2005/10/18(火) 10:43:35
いいネタ
星を継ぐもの他2冊・ホーガン
ハードSFの代表作のようにいわれてるが
良くできたパズル小説という面もあると思いました
われわれ人類はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか・・
なんてねw 8点
340 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/19(水) 02:51:57
コニー ウィリス《ドゥームズデイ ブック》
歴史学者が中世の英国を研究するためにタイムトラベルする設定。
前半は〈世界ウルルン滞在記〉みたいな感じのほのぼのストーリーだが、
そこで仲良くなった「原住民」が、
後半ではバタバタ死んで《火垂の墓》みたいな重苦しい悲劇になっていくので、
読むのがつらくなる。
そういう過去の側の災難とは別に、
歴史学者を送り出した未来の側でもトラブルが起きているのだが、
こっちはドタバタ喜劇になっている。
本筋と無関係な面倒くさいだけのキャラやエピソードが多く、
このパートには増量ページ稼ぎの印象がある。
……でも、とにかく泣ける。
もっと短かったら、ためらい無く名作と呼べるんだが。
341 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/19(水) 22:13:41
「屑籠一杯の剃刀」
何も怖くないホラー。
一体作者は何を考えてこんなつまらない話を書いたんだか全然理解できない。
伊藤竜太郎・山本一郎「スカーレット・ソード」
ライトノベルと銘打ってるが、むしろ軽妙な文章のファンタジー小説。
辺境警備もの、大帝国あり、剣と魔法の正統派ファンタジーの世界観。
状況描写は淡々としてるが貧乏な辺境都市で苦労する女貴族と
流れてきた若い戦士の成長とドタバタ、間に挟まるシリアスな描写が
心地よい感じ。伏線はしっかり消化してて構成は良いが
文章はちと粗いと思うかも。
キャラ多すぎで感情移入は少し「?」
唯一の弱点は1400円という値段。ページ数多いけどさくさく読める分、
もったいない感じがする。
てなとこで8点。
343 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/23(日) 16:42:28
>辺境警備もの
なんてジャンルがあったのか。
思いつく源流としては
ブッツァーティ「タタール人の砂漠」
ジュリアン・グラック「シルトの岸辺」
サトクリフ「第九軍団のワシ」ほか
などかな。
344 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/23(日) 17:14:15
>>343 むしろ漫画やアニメのファンタジーでは定番設定かと
ワロス2
読書歴の違いといえば、気鋭のSF作家がマトリックスについて語る『エクスプロ−リング・ザ
・マトリックス』も、「こいつらドラゴン・ボールはおろか、もしかしたら攻殻も見てないんじゃな
いか?」と思わせるビミョーな本だったなあ。
348 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/23(日) 21:08:02
本日の読了結果
読み終わった本
グインサーガ15巻パロヘの帰還
感想
いつものことだが死ぬほど台詞がしつこい。話の展開が遅々として進まずやっとここまで来たという感じ。次の展開に期待。6点
349 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/23(日) 23:58:51
>>348 30巻過ぎた辺りから無意味なモノローグが十数ページも続くようになるんだけど、覚悟は出来てる?
350 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/24(月) 00:41:48
知り合いいわく
「10ページに渡ってマリウスが泣くシーンが出て来たときは投げた」だって。基本的に会話シーンはパラ読みしてるよ
>10ページに渡ってマリウスが泣くシーン
そんなのあるのか
やばい読んでみたいぞ
>>342 「半魔」より売れてるらしいね。立ち読みして面白そうだったけど、
他の作品を買う予算を考えて後回しにしたんだが。
後で買うか。
>>348 頑張って70巻ぐらいまで読んだけど、前の方のストーリーを完全に
忘れちゃって出るたびに読み直す作業に疲れる。
だが、それがいい。
>>352 スカーレットソード、俺も一応読んだけど、なんつぅかドラゴンパスや
ローマ帝国史のエピソードのもじりが多くてあっさりしすぎてる。
半魔は未読。ただどっちも値段が高いよなぁ。
「啓示空間」の感想って
>>319 しかないんですが、
ほかに読了された方は感想すら書き込む気にならないのでしょうか。
じつは1000ページ読み終える前に挫折してるとか・・・
354ががっかりする姿が目に浮かぶ
みんな山本一郎=切込隊長
ってのは判ってるんだよな?
誰だよそのしょぼい名前の隊長は
>>355 ずいぶん辛口だよなーみんな
レベル高杉
>>355 しょうもないことで言い争ってるな。お前は何歳なんだと
>>353 まだ読了まで半分近く残ってるが
たしかにスカーレットソードは微妙だな
俺が大学生とかなら喜んで読んでたかも知れん
主人公がキャラ弱すぎて何したいんだか分からん
中年男や女領主が面白すぎというのもあるが
>>353 スカーレットはラノベのようだがエンタメ小説に近いな。
店頭で表紙買いして、しばらく読み進んで2ちゃん語が軽く出てきたので
もしやと思ったら切込隊長だったよ。
山形浩生は書評を書くのだろうか
啓示空間って、そんな熱くなるようなもんなのか
367に対して、思わずくだらない駄洒落をいいたくなると思うが、どうかみんなこらえてくれ
ヤバイ
思いつかない
368は田中啓文
そのネタ、読めた!
372 :
369:2005/10/26(水) 00:23:22
一日考えてようやくわかった
374 :
369:2005/10/26(水) 21:51:24
いまこの本がアツい!
というわけで。
お粗末
ほんとに粗末だな(w
376 :
でへ:2005/10/26(水) 22:14:15
折れた魔剣 ポール・アンダースン ハヤカワSF
ポール・アンダーソンというと「タウ・ゼロ」が有名な、ハードSFな人
というイメージが強いのですが。これは立派なファンタジーです。
訳も良いし、長さも適当、ファンタジーを読みたい人にはオススメ
(ファンタジー好きな人には、あまりにまともすぎて面白くないかも)
8点
このところ、ここに書けるような本を30冊くらい読んだのに
いまいち感想書く気がしない・・・
いかんいかん
378 :
でへ:2005/10/26(水) 22:19:46
啓示空間 アリステア・レナルズ ハヤカワSF
本屋で見たときは思わず笑ってしまった、
辞書みたいに太い1冊の本になっている。
1冊でこれだけページ数があるのも珍しい
(1000ページ超)
手元の本で比べると「理科年表」が
ちょうど同じくらいの太さだった(藁
内容は、すっごく面白かった。
スターリングとバクスターとベイリ−の
ガジェットをちりばめたハードボイルドSF
途中、ちょっと中だるみを感じるが、
まあ快調なストーリー運び
まさに、ポストサイバーパンクのSFだと思います。
最近のSFは、みんなこうだったら、SFの将来は
明るい
ただし、長いから、読みづらい
8点
やっぱSFは文庫で400ページまでだな!
最近はだいたい5、600pが基本のような
まあ字大きくなったしな
なんで分冊にしないんだろ。あれじゃ取り回し辛くて文庫の意味ねー。
どんがらがん アヴラム・デヴィッドスン
奇想コレクション第7回配本はアヴラム・デヴィッドスン。
ソノラマ海外シリーズから出た「10月3日の目撃者」は既に絶版で、古本相場ではだいたい4、5000円ぐらいです。
本短編集は完全新訳。かつて邦訳され、あちこちのアンソロジーにちらばった短編、ショートショートをまとめてあります。
もちろん本邦初翻訳作品も収録。そのせいか、これまでの奇想コレクションより若干厚いです。
お値段はもちろん据え置き。お得ですね。
翻訳者は浅倉氏、伊藤氏、深町女史などの堂々たるメンバー。読みづらい、悪文といわれた(らしい)デヴィッドスンの文章も
これらの方々に任せられるとあっては、読者としても安心して読めるというものです。
さて感想ですが、なるほど異色作家だなと思いました。
簡単に何々系の小説、とは分けられません。あの作家に似てるなとかこいつの影響を受けてるな、というのが感じられませんでした。
オンリーワンの作家といえるでしょう。
奇想奇想という評判がありますが、デヴィッドスンの短編にある奇想とはアイディアの突拍子のなさではなく、
世界の見方、話の展開のさせ方が奇想なのだなと思います。
見せ方がとても上手い。いくつかの短編はとくにオチがあるわけでもないのですが、読後妙な気分を掻き立てられます。
「ナポリ」「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」などがそれに当たりまして、描写が超現実的でくらくらします。ご一読を。
難解な話、というのは特にありませんでした。むしろとてもわかりやすい。編者のおかげですね。
「さあ、みんなで眠ろう」「パシャルーニー大尉」「物は証言できない」などは作者のやさしさがよく現れているのではないでしょうか。
度肝を抜かれた作品はありませんでしたが、買ってよかったと思いました。
もっと訳してほしい!とは思いますが、長編はあまり万人向けじゃなさそうな感じですね。読むこっちが疲れそう。
短編集を希望です。そのへんはラファティと似てるかな。よくわかんないけど。
おすすめです。9点
デヴィッドスンといえば、
何とかの首飾りって長めの短編が
扶桑社文庫の犬アンソロジーに入っていたな、
あれも読んでみるか。
啓示空間
期待していたレナルズだったけど、1000ページ読まされて疲労困憊。
800ページまではダルかった。4点位
最後200ページは、10点なんだけども。
平均すると7点。惜しい。
欧米の事情を考えると、ああならざるを得ないのだろうけど、ちょっとなぁ。。。
SFマガジンのインタビューによると、次のケズムシティは
最初コンパクトな長さだったんだけど、編集者に
不釣り合いだから長くしろといわれて、仕方なく
世代宇宙船のサブエピを追加して分厚くしたらしいね。
重厚長大化恐るべし……
うわ、なんかジャンプの連載漫画みたいなハナシだな。
SFって、「10ページ読んだだけでメチャメチャ疲れたな」みたいな詰め込みも魅力なのに。
ワイドスクリーンバロックが廃れるわけだよ。。。
つーことはまた厚いのかレナルズは
勘弁してくださいよ
啓示空間、背表紙が青じゃないのが許せん
本棚の早川コーナーで一冊浮くじゃないか…
向こうの編集者氏ね!
どこも厳しいんだよ SF作家ってのはさ
むかーしは制限文字数でバッサリ削られてたもんだが
……時代は変わるもんだね
後世からすると現代って小説不作の時代になりそう。
「20世紀末のポストモダニズム(第一ムニャロスポンディズム期)の反動から、
21世紀初頭の英語文学はひたすらゴモモブンダ的な重厚長大性を追求することとなった。
その動きはトマス・ピンチョンなどのmainstreamよりもslipstream*1においてさらに顕著である。
(1*slipstream 20世紀末の批評家B・スターリングが唱導した文学運動。
当時、正統的文学批評に耐え得ないとされた文学作品群を指す。
スターリングは自分でもいくつか作品を書いていたらしいが、詳しいことはわかっていない)
ダン・シモンズ、ニール・スティーヴンスンらは本筋に関係のない小エピソ−ドを積み重ねることによって
「ウマウマ=クォクォ」と同程度の密度のシナリオを際限なくふくらませる手法を取った。
概して冗長、散漫であり、今日では21世紀初頭の米文学作品の価値を認める者は少ないが、
同世紀中期におけるSFルネサンスの準備期間として重要であり、
今後のさらなる研究が待たれる。
コニー・ウィリスもソウヤーも無駄に長い 特に前者
395 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/10/28(金) 19:04:49
2chには、三行以上の文章を書いたら、
「長文ウゼエ」と罵倒されるような板もあるんだが、
このスレッドは、ある意味ではそういう板に似てきたな。
水増し長大化した書籍に適応するため、今後は、
脳内音読を介さない「速読」の技能が一般化するんじゃなかろうか?
395のいってることがさっぱりわからない
するわけないじゃん
アメリカ人って暇なのかな?
どのジャンルも最近はクソ長くて読む気失せる。
ユリシーズはSFだろうか?
でもさ、昔の小説も長いものは長かったじゃん。
『岩窟王』、ディケンズの諸作、『収容所列島』……
ある意味、「短い小説」はラノベという形になってしまっていて、
ラノベ以外は、「短くない小説」になってしまっているのか。
マジで400のいってることが理解できない
>>395 >>400 読書技術としては、『速読』は初歩の初歩なんだけどな。
本を読まない世代が闊歩する現代ではもはや、読書技術自体が
時代遅れなのだろう。
10行を越えると長文だからな。
小説版のZガンダムでもカミーユは2ちゃんねる世代だったな
2ちゃんねる世代ってなんですか?
>>405 > 2ちゃんねる世代ってなんですか?
テレビにビデオ入力端子がまだついていないころに育って、
「ビデオを見る時は2チャンネル」と認識している
世代のことだよ。
今22だが、小さい頃は2チャンでビデオ見てたなぁ。
ぎりぎり2ちゃんねる世代ってとこか。
うちは地方だから2チャンネルはテレ朝系
会話文だけ読んでもストーリーはだいたい分かる。
会話文の少ないパートは、段落の最初の文だけ拾い読みする。
こうすれば重厚長大作品でも短期間で読了できる。
下手にだらだら読んで前の方の内容を忘れるよりも
遙かに内容の理解度も高いし、面白く読める。
「ブルースカイ」 桜庭一樹(ハヤカワJA)
桜庭初体験。ラノベ板行けとか言われそうだな。ネタバレありです。
第一部では中世ドイツと現代の女子高生がけっこう魅力的。
第二部は近未来。バーチャルリアリティ?現実と虚構の境目が曖昧になるの?
と思わせておいて、全然関係ない方向に話は収束する。
ぶっちゃけて言ってしまえばありきたり。
タイムパトロールとアカシックレコードを組み合わせたかんじ。
(とかいうと、だいたい話の見当はつくよね)
過剰サービスに慣れたSF者には物足りないだろう。
構成もバランスがいいとは言い難く、回収されない伏線らしきものもある。
SFとしては6点ぐらいか。
407のマジレスにワロス
(410続き)
しかし、おそらく作者の主眼はSFにはない。
テーマは「少女」。
第一部で中世ドイツの女の子と現代の女子高生を対比し、
第二部で少女化した成年と女子高生を対比し、
第三部で現代の女子高生の日常を描き、そして死を迎える。
そうすることで、現代の女子高生の姿を浮かび上がらせること。
それがテーマだとすれば、この構成もある程度は納得がいく。
女子高生の描写はうまいね。
オサーンの俺はけっこう感心したよ。
少女小説としてはおまけして7点。
>409
それ、SFには当てはまらないような……。
ハードSFなんか、会話文はほとんど科学的な解説なんかに費やされるし。
あ、でも「順列都市」は
>>409みたいな読み方したヤツもいるだろ?
塵理論関連とか・・・
順列都市はディアスポラと比べるとそんなに難しくないよ
416 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/10/29(土) 19:40:16
グレッグ・イーガン「ディアスポラ」 1点
「順列都市」「万物理論」等までは、まだ許容範囲だとしても、
本作に関しては、エンタメとしてのハードSFという志向を放棄した
学部卒の学校職員(作者グレッグは修士号さえ持っていない)の戯れ歌という
感さえある奇怪至極なものと化している。
比較するのも気の毒だが、アーサー、スタニスワフ、あるいはJ・Pあたりなら、
肉体無き人類の旅という哲学的でさえある本書のテーマを、ツボを外さず、
もっとおもしろおかしく書き得たかと思う。
本書を読んで、「きっと空くらい飛べるはず」とか叫びながら、ビルの便所の窓から
ダイブせんとするアホなSFヲタが続出しないかも強く懸念されるところだ。
この程度の作であれば、俺が書いた「遠い宇宙の流れ者」(仮題)の方が、はるかに面白い。
おなじみ、大宇宙の流れ者ギャラクシー・ジョー・シリーズ第3弾だ。
今回も、アンドロイドな恋人ミルキー・ウエインとドッグ星人アイケーンと共に、
ジョーが大宇宙を舞台に大暴れだ!
後ほど、詳しく紹介したく思っている。
なお、自作を熟読のうえ紹介することも、スレの趣旨に沿ったものであり、
削除依頼の対象とはならない点を付記しておく。
難解すぎて理解できんのなら、その頭を恥じて、
オマエがビルの便所の窓からダイブしとけや。
419 :
れーく:2005/10/29(土) 22:28:53
ミス十三、ヨイトマケのれーく21歳だす。
オラの股間もヌレヌレのぐちょぐちょどすえ。
「遠い宇宙の流れ者」(仮題)を早く読みたいだべさ。
今日、飯場でうちに言い寄るムサイオヤジが一発やろまい、とほざきよったとや。
「うちにはミス十三という心に決めた王子さまがいるでありんす!!!!!!」
こう叫んだら、オヤジは引っ込んだとね。
あちきの処女膜をぶち抜くのはミス十三だけだがや。
ハルクをJPって呼ぶようになってるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
分解された男 アルフレッド・ベスター
もっと引っぱる、いわくテンソルってどういう歌なんだろうと真剣に考えた
7点
テンソルが商品名だっけ?
まあベスターが思い描いていであろうたメロディーとは絶対に違うけど、個人的には
テクノを思い浮かべていた。
A&B・ストルガツキー ストーカー 早川SF文庫
映画のほうはクソ眠たくなった 実際寝てしまった
10点
>>423 実際はチャーミーグリーンとかあの手のヤツだろうな
426 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/10/30(日) 20:15:32
>>417-420 喪前ら、ギャラクシー・ジョー・シリーズの新作を心待ちにするヲタだろ(w
後ほど、シリーズ作品の執筆予定を御紹介するとしよう。
俺はだんご三兄弟とかお魚天国のほうだと思う
さかな・さかな・さかなー
429 :
イラストに騙された名無しさん:2005/10/31(月) 00:07:31
d
聖なる侵入 PK・ディック
ディックの与太話につきやってやった俺は超偉いと思う
3点
ワロタ
まあともかく「どーん」スイッチ禁止な。
「宇宙舟歌」
レイフェル.アロイシャス.ラファティ (著), 柳下 毅一郎(訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336045704/qid=1130766215/ まえから常々思ってたんだが、どうしてアメリカ人はあんなにアメリカンなんだろう?
特に軍隊だとかマスメディアだとか政治分野になると、それはもう生粋の、真から
「アッメーリカッーン!ゥワァオ!!」なオツムになるんだろう?と疑問に思っていた。
これ読んでちょっと判った。アメリカ人はみーんな偉大なるロードストーム船長みたいなのが
大好きだからだ。
と、こんな前置きでだいたい内容は推察できたと思う。まあ最初に船長があくまで平明に語ったあたりで
もう『イヤッホー!』と腕を高々と掲げて叫びたくなったくらいだ。そう、つまり自分もかなりアメリカンなんだろうな。
10点、こんな大人な表紙は似合わないだろうというのは内緒だ。
>>432 その感想みてほしくなったけど2千円もするのか・・・たけぇよ
「地球最後の男」 リチャード・マシスン
藤子FのSF短編の元ネタであることと、
これを映画化した「オメガマン」がマニアの間で好評だと言うことは知っていたが、
読むのは今回が初めて。
映画化で受けた原作というものは総じてつまらないものと思い、あまり期待せずに呼んだところ・・・
意外や意外。面白かった。
ストーリーは、藤子Fの漫画を読んだ人は察しがついているだろうが、
人類がなぜか次々に、かつて伝説として恐れられた吸血鬼のようになり、
人を襲い始めた世界で主人公が一人、孤独な戦いを続けるというもの。
このストーリーは今となっては陳腐なものであろうが、
当時(1954年)としてはなかなかにツイストの効いていたものであっただろう。
だが、今回読んでみて驚いたのだが、このストーリーを読者に追わせるための「展開」が見事。
まさしく事態が「二転・三転」するというに相応しい展開で全く飽きさせない。
さらに、人類が「吸血鬼」と化した原因は実はバクテリヤによるものであるが、
このウィルスが人体にどのように作用し、その結果「吸血鬼」のようになるのか
その機序について詳しく――おそらく当時としては――書かれているのにも驚かされる。
特に驚いたのが、「何故、吸血鬼は胸に杭を打たれると灰になって死ぬのか」を説明したくだり。
「つまり、吸血バチルスは任意性の寄生菌なんだ。酸素があっても、無くても、生きていられる。
(中略)
しかし、組織の中に空気が入ると、状況は途端に違ってくる。 吸血バチルスは好気性に変わり、
組織との共生をやめて、激しい寄生性を示し、宿主の吸血鬼を食い尽くしてしまうんだ」
「じゃあ、杭は……」
「もちろん、空気を入れるだけのものさ。空気を組織の中に落とし、
傷口が体膠質で閉じられないように、開いておくわけだ。心臓は何も関係は無い」
当時(1954年)としてはなかなかの科学考証ではなかろうか?
もしかしたら、この作品は今流行りのバイオ・ホラーの先駆けとして受け止めるほうが良いかも知れない。
現代でも及第点を与えられると思うよ。
点数:8/10点
436 :
イラストに騙された名無しさん:2005/11/03(木) 12:54:13
羊は読んだ
437 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/11/03(木) 17:20:23
>>434-435 「縮みゆく人間」も読んでみろ。
これは、単なる推奨ではなくして、先達からの命令だと受け取って欲しい。
ネタばれしておくと、ラスト、ミクロの世界で生きることを決意し、
あらたな自己の人生へと立ち向かってゆく主人公の姿は感動を呼ぶものがある。
2ちゃんねらーには、こういった姿勢が無いのである。
心して読め!
バリントン・J・ベイリー/永劫回帰
主人公迂闊過ぎとか、凄い能力を主に覗きにしか使ってないとか
色々細かい文句はあるが、それらを吹き飛ばすような無茶な理屈が痛快な、
、デタラメを半光年ほど飛び越えた奇想小説。
「究極の苦痛に対抗できるのは究極の快楽だけだ!」
と開眼してヒロインとの房事に励む主人公や、
「もう一回究極の苦痛に耐えれば、お前は全宇宙の神になれる」と簡単に言ってのける異星人だの。
こんな「永遠」だの「宇宙」だのと真っ向勝負してる主人公じゃあ、
ちょっとくらい足元がお留守になっても仕方ない。
珪素骨やタイム・ジェム、放浪惑星、哲学者のカードといった数々のガジェットも、
印象が薄くなってしまってるのもご同様。
8点
>>438 「奇想」というのは褒めすぎな気がする。
ジャンプ系マンガ(の連載末期)にあるようなスケールインフレだよ。
妄想バカ話を科学的論理で裏付けてこそSF。
永劫回帰は解説が面白い。
カワマタのぼやきが・・・
441 :
でへ:2005/11/04(金) 00:38:08
ディアスポラ ハヤカワSF G・イーガン
今までのイーガンの作品の中では、一番ストレートなSFでした。
SFという文学(?)の定義を、SFファン及びSFに関して興味を
持っている人たちが、どう捉えているかだろうけど、
私はそう思いました。
一流のハードSFであり、しかも思弁性も強い。
(私の求めるSFの真髄はここです。)
8点 再読すれば10点もありえる
1997年に原書は出ているので、もう少し早く読みたかった。
442 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/04(金) 16:26:53
>>441 うーん、俺は最近読みかけて挫折したなあ。
一応SEなんで、コンピュータ用語の頻出には戸惑わなかったが、
その余りにも数学よりな世界観に尾いていけなかったのは、本質的に文系だからか。。。
正直ワクワクしなかった。
ホラーアンソロジー、「幽霊世界」の1話目「来る夜も来る夜も」を読了。
正直つまらない。読んでて恐怖感もわかなかったし少々ありがちなネタでもあり凡作というよりも駄作であった。ホラー的要素も並以下で何を読んでるのかわからなかった。
ということで
総合評価0点
「鬼哭街」上下巻 虚淵玄(角川スニーカー)
6点
日本刀を持った武侠ヒーローが最愛の妹を奪還するためにアジアンノワールな未来上海で暴れる話。
ゴーストを5分割され、5体の愛玩用義体と化した妹という設定は面白かった。
その義体の所有者5人を主人公が誅しつつ、
妹のゴーストを五分の一ずつ回収していくというストーリーも自然。
エロゲのノベライズのくせに(偏見)文章がキモくなく、テンポもよく一気に読めた。
ただし武侠もののお約束なのかもしれないが、延々と続く技の応酬や
上段からの連撃のなんのといった戦闘描写はまるごと飛ばし読みさせていただきました。
好きな人にはたまらないんだろうけどね。
あと五分の二までゴーストを回収した時点での妹のキャラがキモすぎ。
「あにさま」とか、キモイを通り越して笑ってしまった。つくづく異質な文化だなー
上海らしさがゼロなのも減点。武侠な設定さえ成立すれば別にどこだっていいような話の内容。
いろいろと辻褄が合わなかったりするけど、まあ勢いに免じて許そうかという気になった。
「町で一番の美女」チャールズ・ブコウスキー (新潮文庫)
実はブコウスキもSFを書いていた。もちろん下品なやつ。
日雇い労働短編や競馬短編なら9点つけるんだが、SF短編はまあこんな感じ↓
「15センチ」5点
魔女と評判のサラと暮らしているうちに、わたしは手頃なサイズに変えられてしまい・・・
ところでブコウスキのは15センチらしい。勝ったな。
「ファックマシーン」5点
フォン・ブラシュリッツの作ったファックマシーン「ターニャ」は私に惚れたすえに傷害事件をおこしてしまう。
役人や警官たちにバラされてしまった「ターニャ」を思い、私は安物のダッチワイフを前にため息をつく・・・
「気力調整機」8点
幸福な状態に調整した人間を派遣する会社の話。
幸福な状態→「神も、家族も、国も、町も、そして労働の神聖さも信じています!」
ディストピアSFにならずに下世話なオチになるのが笑えた。
「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス
個人の幸福論を扱った作品。
精神遅滞の成年が、脳外科手術により天才になる話だった。
主人公は、知能が向上していくにつれて世界の見え方が変わっていく。
単純で幸せに満ちた世界が、変わっていく。
初期の主人公は、人間の美しさの結晶みたいだな、なんて思ったり。
読み終えた後、幸福って何だろうなと考えてしまった。
文句なしだが、個人的にはSFではないと思うので9点にしとく。
447 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/11/05(土) 14:49:54
>>441 厳しい言い方かもしれないが、SFヲタが書いた渾身の論考にしては、中味が薄過ぎる感
がある。十二分に自戒されたし。
>>446 単なる感想文の域にとどまっているという感を強く受ける。
過去ログにある私の論考を参照のうえ、より作品の熟読玩味に努められたし。
>>447 ヒント
今日読んだSF/FT/HRの 「感想」 4冊目
スルーしようぜ
スレタイも読めない馬鹿がいてはりますな
ヒント
H・ホーガン
未来に出る本をパックンチョw
>>446 「くらやみの速度はどのくらい?」も併せて読んで欲しい。
キミは今、そんな幸福な時代に生きているのだ。
おまえら!
ミス住様とガチャ様の言うことを聞け!
orz
世界の果てまで何マイル?
体が参る
ガチャほんとSFに関して適当だよな
レスする前に調べろよと。
どうせ読んでないんだろう
SFガイドブックやネットのレビューとかの引用かもな
例の気違いとどっちもどっちのようなw
「くらやみの速さはどれくらい」(エリザベス・ムーン)は確かにいい本だな。個人的には10点。
アルジャーノンと対立させてこの本を挙げる人もいるみたいだけど、それはどちらかを読み違えている。
それか、どちらかを「読みもせずに語っている」
エリザベス・ムーンはダニエル・キイス的主張を解釈し、わかりやすくしたという感じだろうか。
簡単に言ってしまえば、「健常者>障害者」という図式に疑問を投げかけるのが両者の主張だろう。
こう書いてしまうと非常に陳腐になってしまうけれども。
未読の方は、アルジャーノンとあわせて読んでほしいね。
「トリスタンとイズー」岩波文庫 ガストン・ルルー編
8点
英コーンウォ−ル半島を舞台にした中世ロマンスの代表作らしい。
主君の嫁イズーを連れて帰る最中、「フィルトル」という媚薬を飲んでくっついてしまう二人の話。
少女漫画にしか出てこないようなすれ違い展開を繰りかえして最後には二人とも死ぬ。
しかも勝手に騒いだあげく「ロミオとジュリエット」みたいな勘違い死。ダサすぎ。
「バカップルという言葉はこいつらのためにあるのではないか?」
とまで思わせる愛情描写はさすが。愛は盲目。愛は偉大。フランス万歳。
しっかしなあ、おまえら。嫁と養子に裏切られたマルク王の気持とか考えたことあんのか?
けなげにトリスタンを愛した「白い手のイズー(バカップルのイズーとは別人)」とか可哀想だと思わんのか?
つうかイズーどこがいいんだ? 始終ヒステリーおこしまくるナイーヴなお脳をしたアホ女じゃん。
お相手のトリスタンにしても至るところでドキュソ丸出し。そのくせキリスト教的道徳だけは遵守しやがって。
こんな奴らがヒーロー&ヒロインな中世ヨーロッパに生まれなくて俺は本当によかったと思った。
だがケルト神話のゲイシュ(呪い)をフィルトルという簡素かつ強力なガジェットに置き換えた点、
息もつかせぬ展開の妙、それから「白い手のイズー」に萌え苦しませてもらった点を評価して8点やる。
俺はこの手の薄幸ちゃんに弱い。プチ悪女めいた役柄ならなおさらだ。
465 :
464:2005/11/06(日) 10:32:06
今確認したら題名は「トリスタン・イズー物語」だった。
466 :
464:2005/11/06(日) 10:33:53
しかも編者はベディエさんでした
薄幸ちゃん萌えな一人の酔っ払いを許しておくれ
二人が並んで寝ているのを見た王が、
「間に剣を挟んで寝てるということは、こいつらヤってないんだろう」と、
自分を納得させようとするあたり、せつない描写で記憶に残ってるな。
468 :
でへ:2005/11/06(日) 10:56:27
どんがらがん アブラム・デイヴィッドスン 河出書房
デイヴィッドスンの名前は良く覚えていなかったけど、
かつて読んだ、「どんがらがん」はよく覚えていました。
期待の一冊
読んだ感想
なんといったらよいのでしょうか、、
ひねった話が多い、帯の文句にある<変な小説>の宝箱。
まさにそのとおり。
それと文章(訳文)が少々古めかしい感じがします。
再読した「どんがらがん」はまさに期待通り、
話の舞台となる世界のしっかりした構成と、作者独特の
ひねったストーリーがあいまって、傑作!
続編が読みてぇ
「どんがらがん」は9点、それ以外は6-7点
469 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/11/06(日) 19:44:51
NHKスペシャル 立花隆最前線報告「サイボーグが人類を変える」 90点
このスレに屯しているSFヲタが読む狂っている駄SF約200冊分に相当する
面白さであった。
ネットゆえ、ストレートに書かせてもらうが、「スウィングガールズ」など見ていた奴は
アホである。(私はビデオで見る予定だ)
人工義手、ボディスーツ等にとどまらず、脳治療まで可能になった現実には目を見張ら
ざるを得ないものがあるが、懸念されるのは、この番組を見たアキバに来たことがない
地方人たちが、「アキバにはサイボーグが歩き回っている」と誤解しないかということだ。
(あれはレイヤーである)
|┃
|┃ ≡ / ̄ ̄ ̄\
|┃ .ミミ 丶
|┃三 ミミ /一◎-◎-) _________
|┃ (9 U (_ _) ) /
|┃ ≡ | ∴) ⊂フ ) < 「スウィングガールズ」など見ていた奴はアホである。(私はビデオで見る予定だ)
____.|ミ\___/ \_____/ \
|┃=___ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃ ≡ / / \ ガラッ
ミス住絶好調wwwwwwwwwwwwwww
ミス住に新鮮さを感じてしまった漏れは逝ってよしですか?
「去年をまちながら」 P・K・ディック
・なんつー主体性のねえ主人公だ。ディック世界の主人公が生産的なことをするのを見たことがない
けど、これも同様。ストーリーや人物については特になにもいわない。いつものドラッグが出てきて
適当にでっかい世界観で、女が叫んで男が泣いて、それでも生き続けるというだけの話。
ディック小説を読んで、それが感情移入できるものだと、時々自分がみじめになってくるような
気がするのはなぜだろう? 今までしたことやしなかったこと、その他人生のありとあらゆることを
思い、たまらなく悲観的、または感傷的になってしまう。
ディックが書いているのは優しさだ。
それがあるからディックは今でも読まれている。時代性を問わないコンテンポラリーな作家なのだ。
巻末のインタビューもいい。いつか「ラスト・テスタメント」も読んでみよう。
8点
「ヴァリス」 P・K・ディック
・危うい緊張感が漂う小説。ギリギリだなディック、と何度も思った。神学関連についてはその知識がないのでパス。
そうすると感想が書けなくなってしまいますね。ディック作品には色々と神学が含まれてるのもあるけど
↑といってしまうぐらいに、今回のディックはマジだ。はっちゃけすぎ。売れなかっただろうなこれ。
「わたし」がいることでかろうじて小説の体裁を保ってる感じだ。
内容については、わけが分からないながらも、それなりに面白くは読める。
そんなに救いが欲しかったのかとちょっと同情してしまったな。VALISの扱い方がうさん臭くてとてもいい。
そして解説が長いのが気になった。誰が読むんだあれ。
5点
墓穴を掘るミス住イイヨー
475 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 09:05:18
誰かマイクル・クライトンの「恐怖の存在」を読んだ人いますか?
どんなかんじ?
476 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 13:32:43
チャールズ・シェフィールド「太陽レンズの彼方」
前に出たマッカンドルーの続編だね。ハードSFにしてはちょっと軽い感じかな。
悪役もなんか俗っぽいしね。この人の作品で翻訳されているものでは「プロテ
ウスの啓示」が一番いいと思う。最低作品は「マイブラザーズキーパー」か。
6点。
キース・ローマー「タイムマシン大騒動」
この人はおおむねユーモア・ドタバタSFとシリアスな系統の作品と2種類に分け
られるんだけど、これは題名からして前者に属する。前半はドタバタの連続で笑え
るが、後半はややシリアスも入って失速している。伊藤典夫は解説でほとん
ど読後感の軽い彼の作品の中で比較的コクのあるものにしている」と書いている
が私は最後までドタバタで通した方が面白かったと思う。
7点。
477 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/07(月) 17:16:55
平井和正「幻魔大戦」
今回読んだのは決定版幻魔大戦で、これは通常の幻魔大戦の2巻分を一冊にまとめたものである。従って漏れが読んだのは幻魔大戦1〜2巻になることを前置きしておく。
平井和正の作品はこれが初めて読むものだったが導入部から引き込まれ、その後もつっかかることなくすんなりと読み下すことができた。
設定や世界感からアニメ「学園戦記ムリョウ」を思い出したが幻魔大戦のが先だと気付き、一人頷く。
人物の心情描写やキャラの性格の基盤もしっかりとしていてよかった。
ただ、やや厨的に芝居がかかった大演説シーンには少々僻易とさせられた。まぁ当時にしてみればあれが普通だったのだろう。吸血鬼ハンターDにも同じように芝居がかったシーンがあったのを思い出す。
総合評価
9点
とても面白い。無敵過ぎるヒーローに飽きたらこれ
幻魔大戦は中盤以降がぐだぐだだった気がする
映画に惹かれて原作を最後まで読み通した小学生の俺を褒めてやりたい
479 :
でへ:2005/11/07(月) 22:33:15
クリスタル・サイレンス 藤崎慎吾 朝日ソノラマ
ハイドゥナンがわりと良かったので読みました。
ヒロインの描き方はまあまあ、悪役はもう一息、
話は良くできている
ハイドゥナンより面白かった。
8点にしとく
この本も、付いていた帯の文句 ほめすぎ
(日本SFに超弩級の新人が現れた、だそうな)
でも、出てすぐの時点で読んでいたら、私も高く評価したかも
ハイドゥナンは、話のスケールが大きすぎ、かつ詰め込んだ
情報が多すぎて、ストーリーがうまく作れなかった感がある。
大森望だからなあ。
ディアスポラの帯も相当萎えたが。
「異形の王権」網野善彦 平凡社
絵巻に残る異様な服装・小物から「神と人のあいだに立つ者」の姿を構想した「異形の風景」
婆娑羅、覆面姿の非人、乞食と乞食坊主、猟師、猿引き、童形、市女傘、扇、
「神の民」が「道道の者」となり「まつろわぬ者」と化してゆくさまを網野善彦はあざやかに注視する。
ジブリ「もののけ姫」がいかに多くの中世日本ガジェットで成り立っていたかを知った。
引き続きミノ・カサ・ハチマキなど異形の衣裳を考察する「異形の力」
一揆に加わる者が「神と人のあいだに立つ者」となる過程に注目し、
考察は飛礫(つぶて)を兵器とする「印地打ち/石打ち」へと進む。
一揆の印地、祭りの印地、京白河の印地戦団、島原の乱、戦前朝鮮の石戦(トルサム)などに言及するが、
それ以上の追求がないのが惜しい。飛礫を扱った和風ファンタジーなどあればぜひ読みたいところ。
続き)そして網野善彦の筆はいよいよ冴え、ついに終章「異形の王権」へと突入。
「皇族以外が天皇位につくかもしれない」古代以来最悪の状況に達した王権のゆるみ。
東国及び九州をがっちり把握し、西国にも支配の手をのばす幕府の攻勢。
14世紀はじめ、天皇家は未曾有の危機にあった。
これに対し後醍醐帝は、日本を絶対的な天皇専制国家と化して対抗することを決意。
悪党武士団、非人集団、貿易力、無数の綸旨(りんじ)、神仏、悪魔調伏、タントラ秘法、
まさに動員できるあらゆる諸力を動員して立ちあがった!
だが後醍醐帝の賭は失敗に終わる。
そして彼が動員した諸力は天皇の権威とともに失墜し、
その失墜の結果は今なお現代日本を色濃く覆っているのだ……というお話でした。
和風ファンタジーを書こうという人間なら読んでおいて損のない一冊。9点
太陽レンズの彼方へ―マッカンドルー航宙記
チャールズ シェフィールド / 東京創元社
ほのぼのと地味。ガチなハードSFというほど
ハードでも無く読みやすいし。
巻末の著者による科学解説が面白い。
作品リスト見て、こんなにあったのかー!と驚嘆。
寡作の兼業作家だとばかり思ってましたので。
7点くらいでしょうか。
484 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/12(土) 19:24:22
ジャック・ヴァンス『復讐の序章』<魔王子 第一巻>
紛れもない傑作。これがあと四冊もあるなんて嬉し過ぎる。
簡単に説明すると。
五人の<魔王子>に村を皆殺しにされた主人公ガーセンの復讐行。
第一巻の標的は魔王子<災いの>マラゲート。
年齢がいってから皆殺しにされたのではなく
少年時代から祖父に復讐機械として育てられているので
そのへんのゆらぎが面白い。
女の子を見て顔を赤くしては「俺は小学生か!」と反省する復讐者にワロス
途中で、あれ?これひょっとして『星を継ぐもの』の元ネタ?みたいな部分もあったりして。
なんかこいつ途中から復讐どうでもよくなってないか?
という疑問を覆す最後の二行には震えましたよええ。
さて、第二巻を探す旅に出るとするか。
次なる標的は<殺戮機械>魔王子ココル・ヘックスだ!
「神狩り」 山田正紀 発刊:1975年
えー、何を今更と思われる方も多いでしょうが
やっと読了いたしました。
で、感想:
ストーリーは以下の通り:
機械翻訳の天才であると評判の主人公が
古代遺跡に描かれた文様について解読するに当たり、
それが人間の知能を超えた存在により描かれたものであること、
つまり「神」の言語であるという結論に辿り着く。
そして、この主人公の周囲に
文様を主人公に解読させようとする勢力や解読を阻止しようとする人物が現れ、
またそこで生じた様々な出来事から主人公はこの文様(「古代文字」)を解読し、
神の実態に迫ろうと、「神狩り」を行おうと決意する・・・
というもの。
一読してまず思ったことはとにかく「読みやすい」こと。
この読みやすさは近年のライトノベル並、いや、描写においてはライトノベル以上に
きちんと書き込まれているため、それ以上といってもいいであろう、であること。
一気に読めました。
で、内容についてですが・・・
この「古代文字」を解析していくことで
徐々にSF的見地からの「神」というものを示していくのかな、と思っていたのですが、
実際はこの「言語」に用いられている論理記号の数が人間のそれより少ないことや
用いられている関係代名詞が人間が用いるのに可能な個数よりも多いことから
これが人間より上位の存在の、つまり「神」の、言語であるという指摘にとどまっていて
少し肩透かしな印象を受ける。
で、この小説の主な部分は「古代文字」の解読をめぐっての
様々な勢力や人物達の争いの描写であり、
その合間合間に「神」に関する登場人物の個人的な意見や感情が挿入されている。
作中に「神は人間達の前にニンジンをぶら下げて、走らせるのを楽しんでいる」という台詞があるが
おそらくはこの小説の内容自体のことも指摘しているのだろう。
まぁ、娯楽小説としてはそれが正しいのかもね。
最後、火星の運河も「神」の言語であるとか、
NASAが火星探査を失敗し続けているのは「神」の妨害によるものか、といった
良い意味でのSF的想像の飛躍があって、読後感も爽快。
大変気持ちよく読めました。
点数:8/10
現代SF1500冊 回天編1996-2005/大森望/太田出版
書評集というか、一度死んだ日本SF業界が奇跡の復活を遂げる
ジェットコースターノベルとして読める、というか読もう。
SFMとかも書評を纏めて出して欲しいものです。 10点
>>487 確かに、かなり多くの小説について、
「大森の書評だけ読んだ段階が一番わくわくして楽しい」からな。
「なつかしく、謎めいて」
Modern&Classic
著)アーシュラ K.ル・グウィン, 訳)谷垣 暁美
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309204503 通して読めば分かるが、非常に高度な筆致による「キノの旅」のようなものか。
自分は本を読むうちにいろんな夢想に邪魔されることが多いんだが、
特にル=グィン女史の作品には影響を受けやすい。ので、「オールウエイズカミングホーム」なんか
一回読んだだけでは簡素が書けないのだ。これも同じなので読後感だけを一気に紹介してみたい。
・シータ・ドゥリープ式チェンジング・プレーンズ
シータって女性が「発見」するくだり。日本人だったら多分同じ環境でも
通勤電車で座る技術なんかを見出そうとするだろう。
どうでもいいが、自分が直訳したら「カンナを取り替える」になる。
・玉蜀黍の髪の女
この小説は、いくつもの短編で構成されている、その冒頭作品、ということが
よく分かる一章。遺伝子改変ネタはこの作品全体で扱われるネタである。
・アソヌの沈黙
「もし仮に、しゃべる機能を失う人類があれば、彼らはどんな文化を有するだろうか?」という主題。
鰯の頭にも信心を見出す人と、主人公の現実的な感覚のギャップが素敵。
・その人たちもここにいる
自分に似た人たちが自分とまったく異なる者である、とはどうあるべきか?という主題。
魂ではなく、情報としての多重人格なんだな、と拙い読者は感じた。
(続く)
>>489の続き
・ヴェクシの怒り
怒りそのものの衝動によって大局的な破壊行動を伴わない世界について。
一人一人が世界を滅ぼすスイッチを持った世界を描いた漫画が昔あったが、そんなのを思い出した。
ヴェクシ人の異形の創造にも唸った。
・渡りをする人々
これはもう文字通り。自分的にはマイフェイバリットのひとつ。せつなさ、悲しみ、そして喜びが
語りの中に漂うさまに浸るべきだろう。
・夜を通る道
これはネタバレになりかねんので主題については説明できないが、まあサトラレか。
ただし、あっちは主に言語に極限した機能だったが、これは…。ひとつの現象に対して
様々な立場の人の意見を描く、という女史の特徴がよく現れてると思う。
・ヘーニャの王族たち
笑うところですよ、奥さん。でもさ、この章読んでひとしきり大笑いしたあと、ふと気づいた。
日本の皇族って…。まあそれはともかく、あちらでも語尾に「にょ」だとか「へーちょ」だとか「ポン酢」とかの
音に面白さを感じるんだな。
・四つの悲惨な物語
マイフェイバリットのひとつ。特にブルトとターヴの夫婦神のやり取りは絶妙。無論、大笑いするところです。
・グレート・ジョイ
「シリの海」思い出した。
(さらに続く)
>>490のさらに続き
・眠らない島
この辺から文化人類学的な考察が増えてくる。哲学者とイモリの違い。
・海星のような言語
言語学ではどうしてもレムには適わないだろうに…なんて斜交いな見方をしながら読んでたんだが
どうしてどうして、レムは言語に情報理論的な構造を目指したのに対して、あくまでも女史はコミュニケーションツールとして
言語を構築していて、実に驚いた。それにしてもどうしても分からないのは、日本語で
「星明りの下でコオロギが鳴いている」と「交差点でタクシーが渋滞に陥っている」をひとつの語でどう表すのか?ということで。
・謎の建築物
「ヴェクシの怒り」「渡り〜」そして「夜を通る道」と基本的に同じスタンスで別の衝動を描く。世界観構築技術は凄い。
・翼人間の選択
マイフェイバリットNO.1。っていうかこれを読みたいがためにこんな夜中までぶっ通しで読んでたんですはい。
自分も人間が飛ぶためのどんな設定が必要かかなり考えた時期がありましたよ…。
・不死の人の島
この作品群のなかではもしかしたら一番普通の作品かもしれない。昔のホラーなんかでありがちなオチだった。
・しっちゃかめっちゃか
途中から女史がマジブチ切れるわけだけど、その辺踏まえてこれは大阪弁に翻訳すると面白かったと思う、残念。
全体的に訳者の頑張りにエールを送りたくなった。よくよく読むと、この訳者、女性で”まだ”40代だというのに
脳医学関係の翻訳かなりこなしてるわけね、納得。総じて思うにこのタイトルで正しかったようです。
(クドイくらい続く)
>>491の終わり
SF作家というのはどうにもいい加減な輩が多くって、大局的なエクソダスだとかハルマゲドンだとかを描くだけ描いておいて
そのあとその世界がどうなったかってーと、一様に「皆滅んだ」か「助かった」か「めでたしめでたし」で終わりがちなんだけど、
ル=グィン女史は、その後のその世界を描くことにしたんだと思う。他の作者たちの無責任を引き取って。
その姿勢は大人だと思う。
ユートピアの限界点を常に突破しようとする姿勢は「オールウェイズ~~」にも通じるものがあるけど、時々失敗してる世界にも
優しい視点で見つめる彼女が素敵だ。決して彼女はあきらめないんだな。
無論10点
> 「星明りの下でコオロギが鳴いている」と「交差点でタクシーが渋滞に陥っている」をひとつの語でどう表すのか?ということで。
ボルヘスいわく「英語やドイツ語はそういうのやりやすいよなあ。その点スペイン語はいけねえ」だってさ。
「星明りの下でコオロギが鳴いている」はstarlightchirruping
「交差点でタクシーが渋滞に陥っている」はjamcrossingtaxicaughtかな?
>>493 日本語で
~~~~~~~~~~
章内でさ、海星のような言語をあらわすのに、日本語が例題ででたわけ。
で、説明者は日本語は知らないと念を押しつつ、このような例題を例えたわけだ。
…ん?あ、そーか。”日本語”を知らないわけだから日本語の例を知ってるわけがないんだな。
んでスペイン語に精通してるル=グィン女史はその例えの「例え」としてスペイン語を持ってきたと。
なるほど
ルグィン日本好きなんだから日本語勉強すりゃいいのに。
>>494 おまいの言ってることがよくわからんから、
もう一度筋道立てて解説しろ。
血液魚雷
著/町井 登志夫
これは SF じゃないだろ・・・
評価不能
>>496 …悪い。よくよく読んだらまったく説明になってなかった。
まああれだ、
>>489を実際に読んでくれ。買ってな
ドイツ語を例に出すならドイツ語の単語はそのまま日本語の句だから
「星明りの下でコオロギが鳴いている」で一単語でいいんじゃないかね。
長くて嫌なら「星下蟋蟀歌」とか漢文調でやるとか。
ああ!もう!
(ンナモイ次元の文字が方向性のない多元言語である、という例として)
「日本語では、ひとつの単語にささやかな変化が付け加えられ、その意味が変わると、
文全体の意味がすっかり変わるそうです。例えば――ぼくは日本語を知らないので、
次の例は勝手に作ったものですが――ひとつの語をひとつの音節が変わると、
「星明りの下でコオロギが鳴いている」が「交差点でタクシーが渋滞に陥っている」になる。
日本語の詩歌ではこのような二重の意味のようなものを意図的に利用するそうです。
いわば、詩の一行から、それが別の文脈をもちうる意味がほのかに透けて見えるのです。
表の意味は、潜在的な可能なほかの意味が動じに意識されることを防げません。」
2ch語でいう 厨房 とか 池沼 みたいなもん…ともちょっとちがうか
ダブルミーニングの例をそのまま訳しちまってて、
日本語で読むと文脈が意味不明になってるって理解でいいのか
503 :
でへ:2005/11/14(月) 23:17:41
マッカンドルー航宙記 太陽レンズの彼方へ チャールズ・シェフィールド
刊行されていることを知ってすぐに購入し、読みかけだったソウヤー
の新刊を読むのを止めて、こちらを先に読了しました。
正直に評すると、ちょっと懐かしいハードSF
登場人物に若いねーちゃんが出てこないことを除けば、のじりんの
クレギオンシリーズと大して変わらないクオリティのハードSF
日本のハードSFも良くなったなあと思う。
本が薄いのも良い、厚い本が多いから、こういう薄い本なら読む、
という人も多いでしょう。
楽しく読めたんだけど、7点
>>501 なーんだ。掛詞のことだったのか。
ていうかルグィンばあさん、テッド・チャン読んだな
>>503 野尻さんもなんか女性描くの下手だもんな
かけことばと読む
SFファンって学力低いのかね。
関係ないな
510 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/15(火) 22:08:18
平忠度
たのめつつ来ぬ夜つもりのうらみてもまつより外のなぐさめぞなき
期待させながら来ない夜が積もり積もった。津守の浦ではないけれど、いく
ら恨んでみたところで、結局松ならぬ待つよりほか、私には慰めなどないのだ
わ。
「つもり」=「積もり」+「津守」
「うら」=「浦」+「恨み」
「まつ」=「松」+「松」
でもなあ、こんなの英語だっていくらでもあるだろうに。「sun」と「son」と
かさ……(「ハムレット」で使われてた)。
日本語を知らないル・グウィン氏なら「おお、ウェイトとパインの二重の意味
を持っているのか」と驚くかもしれないが、「フィネガンズ・ウェイク」読ん
でないのか……?
そろそろ感想書こうな
>510
へ〜いちゅ〜ど、どんめ〜きばっど……
平中なら美女のウンコ食った人だな
・・・そろそろ感想書こう
ル・グウィンには日本のおっさんが操るda-jyareがおすすめ
ル・グウィン・田中啓文(共著)
517 :
名無しは無慈悲な夜の女王 :2005/11/18(金) 12:01:31
de
南極大陸なんちゃら氷太平洋どうたらこうたら
サンケイ文庫
南極大陸の海底火山を衛星レーザー兵器で
氷河ごとちゅどーん。荒唐無形文化財w
2〜3点
なにそれw
ペンギンが大活躍(?)する 『南極大氷原北上す』 かな?
521 :
でへ:2005/11/19(土) 05:07:58
一角獣・多角獣 シオドア・スタージョン 早川書房
またまたソウヤーを読むのを止めて、こちらを先に読了。
今まで読んだスタージョンの短編集の中で、一番の出来です。
最初の「一角獣の泉」、と最後の「考え方」が良い、9点
孤独の円盤、死ね、名演奏家、死ね(マエストロを殺せ)
が8点(ほかの短編集と重複しますが)
あとは7-8点
これは良く復刊してくれました。感謝を込めて
総合評価は9点
今手に入るスタージョンの短編集の中では、
一番のオススメ
520
あたり〜
あんな適当なプレビューでわかるとはw
さすがSF者
「ペンギンが大活躍」というだけで読んで見たい俺ガイル
荒唐無形文化財w ってのも気になるから注文してみたw
524 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/11/19(土) 20:28:36
梶尾真治「フランケンシュタインの方程式」 7点
この作者と言えば、「美亜へ贈る真珠」だろうが、ネット上ゆえ、はっきりと書かせて
頂くが、あのような作を読んでハァハァしているSFヲタは、ずばり「アホそのもの」
と言い得る。SF板のスレを「萌えながら上げ!」とか絶叫しながら、空上げしているような奴と進化の過程において、いくらも変わるところはなかろう。
これに対して、本作品集収録作品は表題作を始めとして、作者が福岡大学経済学部卒と
いう限界を十二分に自覚したうえで、科学的な考証を断念し、お笑いに活路を見出している点は、かなり評価出来るものがある。
何事にも自身を知ることが肝要であり、これは作家業とて例外ではないのである。
以下に収録作品につき講評を記すゆえ、心して読め。
・「フランケンシュタインの方程式」
表題だけあって、面白さは収録作品中一番である。
宇宙船の中、酸素不足対策のため主人公(俺)と船長はオート合体手術を受けた。
手術は見事に成功し、俺の左半身と船長の右半身が見事に一体化したのだが…
では、俺の右半身と船長の左半身は?というのがオチになる。
・「干し岩」
実質、結構オーソドックスな吸血鬼ネタである。
吸血鬼の血を吸った蚊はどうなる?その蚊に血を吸われたものたちは?
というのがオチである。
・「宇宙船<仰天>号の冒険」
仰天=ヴィークリの語呂合わせのみならず、内容もスペース・オペラ諷刺のようでいて
楽しめる一編。
525 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/11/19(土) 20:29:25
・ 「泣き婆伝説」
選挙ネタで、最後の方だけ都市伝説風SFという異色作。
登場する若手候補者が杉村太蔵を想起させて面白いものがあり、
締めの文章も少しふざけ過ぎの感はあるが笑えるものがある。
「この小説はほとんど事実であり、登場する特定の個人・団体にはモデルがあるかもしれません」
・ 「ノストラダムス病原体」
結果的に出来が悪い新作落語レベルに終わった作。
奇をてらい過ぎたわざとらしいオチ(今度は、覚醒剤が抑制剤)も頂けないものがある。
・ 「地球はプレイン・ヨーグルト」
作者のはしゃぎ過ぎはつまらないという見本のような作。
「味覚によるファースト・コンタクトおもろ杉」とか思って書いているのだろうが、
読んでいる方は白けるばかりである。
私が担当であれば、「チラシの裏にでも書いていろ!」と真治に叩き返していたであろう作。
( ) ∞
) ( プーン
( / ̄ ̄ ̄\ (
) ミミミ 丶 )
ミミ /一◎-◎-)
(9 U (_ _) )
| ∴) 3 ) ∞ <ハァハァしているSFヲタは、ずばり「アホそのもの」 と言い得る。
∞ / \_____/
| ̄U ̄ ̄ ̄.|
(===========)
. \____/
. 从从从从
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| チラシの裏にでも書いていろ!
\
 ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
__
〈〈〈〈 ヽ
〈⊃ ノ
. / ̄ ̄ ̄\ | | @@@@@@@
ミミミ 丶ノ ! @@@@@@@@@
ミミ /一◎-◎-) / 、 /,_;:;:;ノ、ё @@
. (9 U (_ _) ) / , ,,・_ | C 6
. | ∴) 3 )/ , ’,∴ ・ ¨ 、 ◎ ミ
\_____/ 、・∵ ’ / ヽノ ̄ヽ
/ _ / / /\ 〉
(___)∩∩ / / /
ギギ・・
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( 0日0)< オマエモナー
( つ )つ\_____
| | |
(__)_)
527
オキアミトロ−ル船の乗組員が出てた。
ロシア軍の降下部隊殲滅したw
531 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/22(火) 01:21:05
これ おもしろいよ
http://orz.matrix.jp/ 2004年09月12日 20時10分30秒
2ちゃんねる・オカルト板に今日もまたひとつのスレッドが立てられた・・・。
「本当に危ないところを見つけてしまった・・・」
1 :GOGO :04/09/12 20:10:30 ID:hS7H5ala
私は岡山に住んでる 22歳の不真面目なOLなんですが
昨日、友達6人と飲みまくった挙句肝試しに行きました。
が、もう大体のスポットは行った事があったので飽きてしまい
カーセックスの名所に行って見ようという事になりました。
そのスポットには何度も行った事があるんですが、今回始めてあんな建物を発見しました。
しかも・・・
入るんじゅなかった。
6人の内一人は行方不明です。本当に
それはオカルト板で起こったまさにオカルトな出来事の始まりだった。
GOGO=HINAが語るは真実か、それとも・・・。
532 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/22(火) 19:18:00
フィリップ・K・デイック「流れよわが涙、と警官は言った」
かなり面白かった。
ただ主人公が遺伝子改造者出身である必要性がわからなかった。
何か読み落としているのだろうか。
9点
必要性なんてないよ
みんなに好かれるエリートが落ちに落ちて、みじめで孤独なさまを書きたかったんだろ
で、エリートが遺伝子改変者ってわけ
お薬で平行次元移動が可能だ、なんて発想はPKDにしかできんだろう。
もうだいぶ昔読んだだけなので忘れちまったけど、たしか、常人よりも
長寿であったり、高機能だったりするところを表現したかったんじゃなかったけか?
>>534 > お薬で平行次元移動が可能だ、なんて発想はPKDにしかできんだろう。
『幻影への脱出』ブラナー
538 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/11/23(水) 18:30:46
「ブラッド・プライス」 タニア・ハフ
一応ホラー。女性が主人公のエロ成分ありのアメリカのドラマみたいな印象。
というか、性交シーンが幾つかあるということしか頭に残らないくらい本筋はたいしたこと無い。
結論としては極めて普通平凡平坦。聖少女バフィーの方がまだ面白い。
5点。
>>538 俺的には文体見ただけでもう敬遠だなあ・・・
540 :
でへ:2005/11/25(金) 22:44:40
現代SF1500冊 回天編 大森望 太田出版
先程読了
大森氏が1996年から2005年にかけてリアルタイムに読んだSFの感想を、
リアルタイムに語った文章を掲載した本です。
(乱闘編の感想そのままやんけ w)
読了にえらく時間がかかった、
最初は評されている作品で面白そうなのをアマゾンで探しては
絶版でめげる、の行為を繰り返し、それでも注文できた本で積読が2倍に
増えた時点で自分の読書能力(キャパシティ)と懐具合からこれを断念、
純粋に読むことだけに専念したが、それでも長かった。
前回は
「私と同じ年代(1950年後半から1960年前半生まれ)のSFヲタには9点、
それ以外の人には勧めません。」
としましたが、今回は最近の作品の評もあるので、
SFを隅から隅まで読みつくしたいオタにはオススメ
8点(あくまでそういったオタ向けとして)
とします。
ただし、絶版にめげないことと、
「あらゆるものの9割はクズである、SFと呼ばれるものの9割もクズである。」
の2つを念頭において、参考にしてください。
>>539 いあ、いあ、ホラーシナリオのネタになるかと思って買ってみた。
一本道すぎてネタにすらなんなかったけど
天の光は全て星
フレドリック・ブラウン
リアリティに「一見」沿った設定でだまされる
そうとう荒唐無稽な普通小説。
登場人物はプロットにイトモ簡単に犠牲になる。
オチは必然性がない上にかなり嫌な気分にさせるもの。
映画化したら面白いかもしれない、ウェスアンダーソンあたりが適役か。
悪く書いたが「噺家」としてはブラウンは一級。
6点〜7点。暇つぶしに。
>>542 > 天の光は全て星
> フレドリック・ブラウン
> オチは必然性がない上にかなり嫌な気分にさせるもの。
これには、嫌な気分にさせられる人と、そうでない人がいる。
世界の中心で愛を叫んだけもの
ハーラン・エリスン
スタログの「愛」とは何だったのかを考えながら読むとすごくおもしろかった。
でも読みやすいとは言えない。
8.5点
ス、スターログ?帝国通信ですか?違うか。
546 :
544:2005/11/27(日) 02:25:48
ごめんよ……全然違うんだ。
「悪夢の機械」 K・W・ジーター
小さなきっかけから、雪だるま式に事件がでかくなっていく。
思いつきをそのまま詰め込んだように、色んな要素・キャラがごちゃごちゃ入り乱れているが
読むのに苦労するような感じにはならなかった。キャラが立っていたからだろうか。
しかつめらしい主人公の語りが可笑しい。
楽しい馬鹿B級エンターテイメントだった。
8点
548 :
547:2005/11/27(日) 22:39:32
「悪魔」の機械だった。
ハイドゥナン 藤崎慎吾
とりあえず、帯の煽り文句「日本沈没を超えた・・・」ってのは
言いすぎ。
地球がとか、地球外生命がとか、話を広げる努力はするものの
描いている世界は小さいので、結局は纏まりを悪くしているだけ
のようなきがしました。
でもまぁ、ふつ〜に読めます
6点
藤崎は小説書くのがへたすぎ。古典でも読んでもっと勉強しろ。
551 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/03(土) 12:19:56
t
552 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/03(土) 14:22:30
レイジング・アトランティス ハヤカワNV
まるっきりハリウッド大作映画のノベライズ。
アイディアはわるくないんだけどねぇ。
4点
553 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/12/03(土) 14:28:54
ピーター・アトキンス 「ガリレオの指」 0点
進化論、遺伝子、大宇宙等々、SFネタ満載の科学読物だが、理科系学問に関する
知識が無いと読むことは難しい書である。
結局、SFヲタ等の2ちゃんねらーが本書を入手したとしても、
「なんとも硬い枕代わりハードカバーキター!コレ」となるのがオチであろう(w
無駄なことはやめておけ。
554 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/03(土) 14:40:34
>>553 ははは。面白い事言うなあ。上質の落語を聴いてるみたいな気分だよ。
新訳版「暗闇のスキャナー」。
買うべきか迷う。
砂の中の扉/ロジャー・ゼラズニィ
ゼラズニィ&黒丸尚の黄金コンビ。
「嗅げているか死を…」謎めいた言葉が眼裏を過ぎる、というカッコ良過ぎる導入で
ガッチリ心を掴まれる。
13年間大学に在籍して、叔父の遺産で遊び暮らす主人公のロクデナシっぷりも素敵。
地球存亡の危機が、あの手この手で彼を卒業させようとする大学当局との攻防が同列に語られる・・・
むしろ主人公にとっては後者の方が断然重大らしい(卒業すると遺産が貰えなくなるので)、というお気楽ぶり。
軽快なストーリーに、高所愛好症だのカンガルーに化けた宇宙人だの、星間「クラ」連鎖(宇宙人にモナリザ貸し出しました)だの、
反転装置だの、襲撃療法だの、駄法螺と紙一重なガジェットが詰め込まれた、玩具箱のような一篇。
あと、叔父さん最高。
9点
557 :
556:2005/12/04(日) 18:22:13
ごめん、邦題は「砂のなかの扉」が正しい。
「啓示空間」 アレステア レナルズ
なんとなくスキズマトリックスな雰囲気があります。
でも、長い。
無駄な部分がありすぎ。いや、無駄な部分があっても
良いですが、そこに魅力がない気がします。
半分くらいにダイエットしてください。
でも、パスカルさんは良い娘です。
6点
559 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/06(火) 19:22:29
「逆転世界プリースト」読了
主人公が淡々と職務をこなしているだけで
何一つ能動的に行動しないのにもかかわらず読ませるのは凄い
「もし主人公がセガールだったら」とかいろいろ妄想した
ほら閉鎖空間だし
8点
鉤括弧の位置を間違えた
サンド・キングス ジョージRRマーティン
名作を復刻、となればつい手にとってしまう。
内容的には未来史を中心とした短編集なのだが
俺は未来史もの、そんな好きじゃなかった…orz
作者が設定した未来世界での出来事の数々を
連作短編で紹介されてもぶつ切りでイメージが
拡がらないんだなあ。未来世界を舞台にした
物語なら長篇でドカンと読みたい。
とはいえ、表題作はそれほど未来史的臭いがせず、
単発SFとしてよく出来た一作。飼い主を神とあがめて
進化する異生物、というモチーフは魅力的。だが、
飼い主(人間)自体の自業自得で破滅的状況へ向かう、
という展開はありがちと言えばありがち。もう少し
意外な方向性をみたかった。
>>561 イメージが拡がらないのはたんに想像力が貧困なせいだろ(w
>>562はもう本を読む必要はない。これからは自分の想像力のみを
味わって生きて行くこと。
564 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/07(水) 21:09:43
>>561 「サンドキングス」のラストは絶対に映像化してほしくないなあ。
悪夢にうなされそう・・・
クネクネは人のレス茶化すヒマあったらSF読めよ
/ ̄ ̄ ̄\
ミミミ 丶
ミミ /一◎-◎-)
(9 U (_ _) )
| ∴) ⊂フ ) <無駄なことはやめておけ。
/ \_____/
/ ( / |
カクカク. / | | ヽ |
((/ l | ) |
(( / \ \_,,-ーー-
| `ーヽ \ \ `ヽ__ 人_
(、`ーー、ィ }ヽ ξ / ==== ∵\
`ー、、___/ノ ̄ヽ " ミミ∴ ======== )
| \_)\ .\ ≧ lヨ=lヨ≦)\
\ 〜 ) \ .\∴)(_ _) )ヽ_つ <なんとも硬い枕代わりハードカバーキター!コレ
 ̄ \_つ 3 ゞ)
まあ、こいつら馬鹿だなあ。
「惑星カレスの魔女」ジェイムズ・H・シュミッツ
おもしろかった。
非常にキャラが生き生きしています。
終盤ちょっとグダグダ気味だったけど、まあどうってことないさ。
SF的にはどうってことないバカスペースオペラです。
7点
「スロー・バード」 イアン・ワトスン
バカだなあワトスンは。
大西洋遠泳大会が世界経済を左右する? 2080年のワールドコンってどんなの?
もし夢の中に突然CMが流れてきたら? 自分の魂を金魚鉢で飼うだって?
設定のあほらしさとしょうもない結末が読者にこう思わせる。「バカだなあ」
でも中には驚くほどの奇想と、洗練された美しい文章でつづられた作品もある。
地球を両親からプレゼントされた少女。敵を倒すために絶対零度装置を使う国。
未来から遡行してきた救世主。時速30フィートの究極ミサイル。
それらイメージは鮮烈だ。読んでいる途中で何度感嘆の息をついたことか!
このへんは翻訳者の力も大きいだろう。「頑な」の原文はどうだったのかすごく興味が沸くところだ。
また自己認識と世界変容のテーマを扱った作品が多い。
彼の長編をよんだことがある人なら、きっとニヤニヤできるだろう。好きなんだろうなあ。
でも決して、それらの作品群はとっつきにくいものではない。
それどころか、どことなく親しみやすさを感じるのだ。アイデアの単純明快さか、読み心地のいい文章か。
もしかしたら彼の書いた序文にあるのかもしれない。
いわく、「日本が私をSF作家にした」 これはファンサービスかもしれないが、ヨナ・キットやエンベディング、
黒き流れシリーズで自分が感じていたコワモテ作家のイメージを取り去ってくれた。一気に読めたしね。
9点
>>570 >未来から遡行してきた救世主
私も最近「スローバード」読んだけど
この短編は最高だったな
バカSF系はあまり笑えなかったが
超低速時間移行機が読めただけでも幸せでした。
「ロクス・ソルス」 レーモン・ルーセル
文学畑の人には「SFか?」って怒られるかも知れんが。
「カラクリへの愛好」という生理、(あるいは病理)にSFを感じた。
純粋にマッドサイエンティストものとして読むことも出来るが。
ストーリー性は皆無の、SF版千夜一夜というか、 飛浩隆『グラン・ヴァカンス』や小栗虫太郎を想起させる挿話の集合。
人間の歯で描いたモザイク画、水槽の中に半ば生きるダントンの脳髄や、
死体の脳に蘇生剤を打ち込んで、その人生で最も印象的だった場面を再演させる、など不気味な場面が多いのも印象的。
挿話の中にも、息子の婚約者を死姦する男、悪漢に踏み殺された娘の「声」を再現しようとする狂人発明家
など、なにか作品を通底する冷たく暗い情念を感じてしまう。
悪趣味というよりは、人間の肉体すらもカラクリの一部と化してしまう冷徹な眼差し・・・かもしれない。
10点
Locus Solusという、レコメン系のCD屋があるな。
アメリカのカンタベリー、マフィンズは好き。
銀河ヒッチハイク・ガイド ダグラス・アダムス
アホ話が延々と続きます。
なぜだかNHKアニメの『青いブリング』が頭に浮かびます。
内容を理解するには英国人な感性と、英語力が必要そうです。
4点
「サンティアゴ」 マイク・レズニック
ま、たまにはこんなのもいいよね。かるーく読める小説。全然SFしてないんだけど、
そんなの気にならないくらい面白かった。なんといっても登場人物のセリフが輝いてる。
内容の半分ぐらいがセリフで、それがみんなカッコいい。
アルフレッド・ベスターみたいな弾む会話じゃないんだけど、出てくる言葉がいちいち名台詞なんだよ。
しかもあざとくない。演技の上手い俳優女優が出演してるみたいだった。
読んでて軽い酩酊感を覚えたなあ。読むときはアルコール度数の低いお酒を一緒にどうぞ。
8点
576 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/15(木) 13:09:42
p
イーガン「ディアスポラ」
連作短編的な構成のせいか、
物語としてはそつなくまとまっているが、
普通の宇宙ハードSFになってしまい、
イーガンらしさは希薄になった気がする。
わずかに数学への執拗なこだわりにかいま見えるぐらい。
バクスターの作品だと言われて読んでも
あまり違和感がないかも知れない。
ま、とりあえず水準作。
7点
Greg Egan "Axiomatic"
第1短編集 未訳の4編を読んだ。
"Closer"がずば抜けた名作。<宝石>もの。
相互理解と愛とは相容れないという話。
これ何で訳されてないんですかね。
あとは「行動原理」と同じ<インプラント>ものの
"The Walk"もまあまあ。
ナンシー・クレスの無眠人同様の
遺伝子操作による天才児育成もの"Eugene"も、
ありがちなオチだが水準作。
"The Moat"も遺伝子ものだが、
普通のアイデアストーリーで底が浅く今一。
"The Seeing"は幽体離脱を扱った
アイデアストーリーで平凡。
既訳分含めると総合8点
>>577 バクさんならもっとグロいイメージを多用すると思うな。
イタルバーに死す/ロジャー・ゼラズニィ
宇宙を相手に回して一人戦う男、とかいつものゼラズニィだが、
視点が激しく切り替わって、やや話が判り辛い。
廃墟となった地球にただ一人君臨し、慰みに核ミサイルぶっ放す主人公、とか
ビジュアル的なハッタリは最高なのだけど・・・
オチもかなり唐突。
マッドな主人公にひたすら忠実なテレパシー生物シンドにはちょっと萌え。
6点
『カエアンの聖衣』ベイリー
のっけからグングン引き込まれて一日で読了。
可聴下音世界や、スペースマン、ヤクザサイボーグの生態系とか社会体系は
一つずつまた別の小説が作れそうなくらい面白いし、オチも良かった。
ただ、はじめから終わりまで、アマラとかいう女社会学者にまじむかついて
こいつ早く死なねーかなとかずっと思いながら読んでたのに
結局最後まで何事もなく生き残ったのが本当に残念でならない。
俺も最近読んだが、あいつは蝿の惑星にでも放り込むべきだな。
しかしこれ異星生物侵略物だったとは。
『大いなる復活のとき』 サラ・ゼッテル
久しぶりに読みづらいと感じる文だった。訳者のせいか?
ヴィタイ属、シセル異属といった特殊な文化のしっかりした設定と描写ができててその辺すごいなぁとおもう。
日本人作家の小説をあんまり読まないから変なこといってるのかもしれないけど、
権力闘争、権謀術数、権利と義務とかそういう状況を緻密に描写できるのは西洋人の文化によるのだろうか?
残念だったのは物語の最後で《御霊》という超システムが出てくるんだけど
あまりに万能というか十分に進化しすぎて魔法にしか見えなかった。
もう少し描写にサイエンスぽさを感じさせてくれればね。
7点
バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』 9点
ペデルがフラショナール・スーツを着てみるシーンあたりから無茶苦茶面白くなった。
鏡に映ったアレクセイのシーンなんかはここだけ切り取っても短編にできそうなくらい良くできてる。
バリントン・J・ベイリー『永劫回帰』 3点
未来永劫苦痛が痛い主人公が未来を変えるために時間の秘密が眠る「タイム・ジュエル」を探す話。
主人公は自殺願望少女や加害者にされそうになった被害者とチームを組んで、それがあるという放浪惑星を目指す。
なんとかタイムジェルを手に入れるが、それを製造した鳥頭の超越種族から自分達でも未来を変えることはできないと聞かされる。
あきらめ切れない主人公は、反逆罪で帝国から追われながら未来を変える方法を探る。
主人公の「苦痛が痛い」シーンが想像し辛いせいか、途中から主人公について行けなかった。
たしかに痛いな。
「苦痛が痛い」って変な言葉だけど本文にあるの?
もしかして変な言葉だから想像できなくてついていけなかったということ?
>>586 >未来永劫苦痛が痛い主人公が未来を変えるために時間の秘密が眠る「タイム・ジュエル」を探す話。
お前文才あるんじゃない?
山田語か?
わけわからん
「火星転移 上下」 グレッグ・ベア
唯一気になるのは、なぜ戦闘型アルバイターがイナゴ形なのかということ。
まあこれは瑣末なことでどうでもいいのだが、話自体はベアらしいく科学と政治の話でよかった。
俺はグレッグ・ベアの話がすきなのだがなぜだろうか。
少し考えてみると、ベアの書く世界をすごく綺麗な世界という感じを受けるからなのだと思う。
政治的には激しい対立があったり、人間は混乱し憎悪し必ずしもみな善い人というわけではないが、
進化したテクノロジーの作り出す世界が、モノが、システムが透明感があってきらきらして綺麗な印象がある。
たぶんこれがベアの作品が好きな理由なのだと思う。そんなわけなので10点。
『無限アセンブラ』 ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン
よかった。かなりいい。ナノテクが出てくる話、とくにナノマシンが端役として出てくる話は多いけど
ナノマシンについての具体的な描写をした話を読んだのはこれがはじめて。
ナノマシンによってもたらされる恩恵と背中合わせの恐怖、特に恐怖についての具体的な描写がいい。
ストーリーテリングとしてもひねってあって面白い。英雄的なエリート官僚がマッドになる。
いい人かと思った老人科学者が科学者にありがちな倫理の踏み外しによってマッドになり、危機を引き起こす。
危機を引き起こすのが異星人のナノマシンではなく、(結果として)狂気とも思える思いつきや興味が危機を引き起こすというのは毛色が変わっていていい。
とはいえ、この本の価値はナノマシンについての具体的な描写と検討を加えていることにあると思う。
9点
そーなの?
ねじの回転 恩田 陸
オーソドックスなタイムトラベルSF。
色々と面白そうなSF的ガジェットが出てきます。
ただ、そのガジェットに読み手を騙してくれる科学的 (SF的?) 根拠が
無いので多少、薄っぺらになっています。
あと、緊迫感を煽る仕掛けも、もう一歩な感じです。
でもまぁ、一般受けは良いかもしれません。
7点
恩田さんにそれを求めるのは酷w
まあ、物語としてそつなく一般向けに面白いのを
書けるからいいのでは……。
つまり、無いものねだりだな。
597 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/12/23(金) 19:23:50
小川一水「老人ヴォールの惑星」 7点
厨房なSFヲタの読み物かと思いきや、SF魂を感じさせるなかなか面白い作品集
であった。好評につき、以下に各話講評を記してみたく思う。
「ギャルナフカの迷宮」
投宮刑(表題であるギャルナフカの迷宮への幽閉)の刑期の終わりとは、
反社会的とされた囚人たちにより「社会」が構築された時だったというシニカルな
展開が面白いが、さらに娑婆(?)の世界のような圧制社会でなくても、
秩序がある社会構築が可能であったという2重の皮肉の面白さがある。
70年代のSF作家(小松御大、筒井堂等)であれば、迷宮社会の住人たちを突き放す
ような形でエンドとしたように思うが、街へと向かう主人公たちという
前向きなエンディングがこの作家らしい。
「老ヴォールの惑星」
タイトルは「老ヴォールの遺伝子」(メタファーとしての「遺伝子」というワード使用)
とした方が、その内容を良く伝えているやに思う。
まさに、「ヴォール死すともその精神は死なず」という感がある。
短い作ながら、人類と異星の知的生命体のFCの成功を描いて深い印象を残す。
「幸せになる箱庭」
若きエンジニア助手(日本人)と女性予備パイロットのカップル登場という
ジュブナイルまがいのOPには萎えるものがあったが、
後半のトランザウトをめぐる主人公(高美)とクインビー(知性体)との禅問答
のような論争は読み応え十分、G・イーガンを超え小松御大に迫るかのような
SOWに溢れるものであった。ラストは一応のハッピーエンディング。
「漂った男」
解説では星新一先生のS・Sを例に挙げた比較がなされているが、
やはりこの状況設定(図太いユーモアも含めて)は、小松御大に似たものがあると
言い得る。
全面海に覆われた巨大な惑星に不時着した戦闘機パイロットの運命は…
70年代の作品であれば、やはり主人公(タテルマ)には悲劇的なラストが待って
いたのではないかと思われるが…
「足が、踏んだ」の結びの一行が何気に感動的だ。
収録作品全作を通じての徹底したハッピーエンド志向は逆にすがすがしいものがある。
ハルク・ホーガンことミステリ板住人=書斎魔神が、
来週早々に告訴されることが決定しました。
> 253 名前:馬は嫌い ◆ersxaRKmLc 投稿日:2005/12/23(金) 19:58:38 ID:6gd8lvAa
>反書斎はたくさんいても、反バラントレーなんて一人しかいないだろw
>
>ところで、例の書類は週明け早々に当局に提出してくるのでお楽しみに。
>添付資料が多すぎて整理するのが大変だよw
「影のジャック」ロジャー・ゼラズニイ
T&Tを始めとする米国TRPGで名前を聞いて以来、
(主として「盗賊」タイプの元型キャラクターとして)ずっと読みたいと思っていた一作。
期待に違わず、その全てが異彩を放ち、魅惑的な世界。
影を支配する不死の主人公に始まり、世界の〈西極〉にあって殺された〈暗黒界〉の住人がそこで復活する〈堆屍穴〉、
〈エルズの書〉にその名を記された七人の魔王(パワー)たち・・・
なかでも魔法を奉ずる〈暗黒界〉の住人の世界観が機械を中心としており、
科学技術を信じる〈陽光界〉の世界観はその逆となっている、という世界の根幹を成す設定の捻りが面白い。
そうした特異な世界観が、主人公の復讐譚と魂の葛藤というドラマと結びついて導かれる完璧なまでに美しい結末。
オールタイム・ベストにこの作品を挙げる人が多いのも納得の傑作であり、
《アンバー》シリーズ並の長編で描いてほしかった、とさえ思う。
10点。
いやぁ、ジャックはあの長さで良かったと思うよ。
ミス住帰ってキター
>>592 >危機を引き起こすのが異星人のナノマシンではなく、(結果として)狂気とも思える思いつきや興味が危機を引き起こすというのは毛色が変わっていていい。
そうか? ありがちじゃね?
一水ミス住に誉められたー
珍しくまともにレビューしてるね。
1点つけてSFヲタ罵倒したかったんだろうが、ご愁傷様。
その代わりに、ちゃんとオチ1行ばらして未読者の興をしっかり削いでる
あたりの根性がさもしいな(w
ネタバレ禁止のミステリー板で、犯人やトリックを平気でバラしていた奴だからなあ。
で、板ルール違反で削除されたら「どこまでがネタバレかわからない」と言い出したし。
そりゃ気違いにはわからんだろうなw
雑談系のスレでやらかすからタチ悪いよな。
作家スレとかなら「ファンなら読んでから来い」とか言われてもしょうがない面も
あるが、雑談スレではそんな理屈は成立しない。
まあ、こいつのレス見かけたら目の焦点をずらしてスルーするが吉だな。
自分が読む予定の本を先回りされる可能性もあるし。
クリフォード・D・シマック「中継ステーション」
ステーションと呼ばれる宇宙を旅するために必要な施設が銀河のあちこちにある。
19世紀生まれのイノックはひょんな事から地球に新しくできるステーションの管理人に任命される。
それから百年間、問題なくステーションは運営された。
しかし歳月は最初に交わされた「誰にもステーションの存在を悟られない」という約束に深刻な影響を及ぼしつつあった。
イノックは「自分は慣れ親しんだ自然を捨てられるほど宇宙人寄りの人間なのだろうか」と悩む事になる。
読んでる時はひたすら長く思えたんだけど、読み終わってみる削るところなんか無いよなーと感じた。
やっぱり田園風景の描写に馴染みが無いからなんだろうか。俺、堕落した都会人orz
あと不思議ちゃんを宇宙人と言わず魔女と言いわせるあたりにこだわりを感じた。
8点
611 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/12/24(土) 16:15:30
ジュール・ヴェルヌ「地軸変更計画」 3点
北極の未踏査の地域が競売へ。裏にはあの大砲クラブの活動があったのだ。
彼らの狙いは、キリマンジャロに巨大な発射坑を設置、ここから巨大な砲弾を発射し、
力学の効果により、地球の地軸を変更し、地形・気候変動を起こしてしまうという
トンデモなもの(というか、これは最早テロである)
「地底旅行」や「海底二万里」のようなジュール作品の大きな魅力のひとつである
冒険小説的面白さはないが、徹底した科学考証にはうならされるものがある。
メーンキャラに美男美女がひとりも登場しないのも異色な作だが、
仮に映像化されることがあれば、マストンもスコービット夫人も美形になってしまう
のであろうなと、ふと思った。
(ちなみにこの2人は結ばれるが、地軸変更計画はケタ違いの計算間違いがもとで
大失敗に終わるというオチがつく)
>>611 よお、何がネタバレかわからない能無しクン。
おまえ来週告訴されるんだってな。
さっさと有罪判決が下されることを祈ってるぜ。
これ削除依頼出した方がいいかもな。
偉そうに語る前にまずマナーくらい身に着けろカス住
>スレ住人の皆様
現在、特定コテハンが故意にネタバレを連発しています。
ラストの展開や本文の最後の一文など、これからその作品を読まれる方に
とっては致命的なものばかりです。
当スレは特定の作家作品スレではないので、誰でも被害を受ける危険性があります。
今後はこのコテハンの名をNGワードにして読めないようにするか、
本文に目を合わせないようにしてスルーすることをお勧めします。
>>602 書いてからありがちかもと思ったが放置。
琴音「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」
自殺した元恋人の部屋で「私」は地図の描かれたメモを見つける。地図を頼りに辿り着いたのは、
都心のスラム街にある一軒のアパート。住人たちが職業としているのは、客の「告白を聞く」という商売だった。
聞き屋となった私は、住人のひとり葉(イップ)との恋に落ちる。しかし甘い生活は長くは続かない。
街には葬列、追いかけてくる過去、恋人の秘密。数々の謎はある夜に起きた爆弾テロに収束し、物語はクライマックスを迎える。
フーガ音楽の形式をプロットとして採用し、起承転結の形をとらない。幾組もの恋愛関係が、模倣的に展開され、その間に、
嬉遊部が挟まれる。この部分は、削りに削った「告白」からなり、その独創的な内容は、読む者を飽きさせない。
アパートは核に守られた擬似日本をイメージしていることは明らかであり、また、信仰的な問題とコンピューターへの言及も多い。
しかし、このような政治的、宗教的要素を作者は、意図して背後に追いやり、私と葉の恋愛を、筆力の限りに書ききる。
魅力的なキャラクターや多くの解けない謎など、読者を楽しませる要素には事欠かない。
だが、この小説は、第一義的に、究極の恋愛を書いた小説であり、読者を独自の世界に引き込むため、エンターの手法が多用されている。
ここ10年ほど、遡って考えても、ここまで壮大かつ緻密な作品には出会っていない。海外小説の傑作に比肩すると思われる。
新潮からでてたら読んだだろうけど…
>>617 > 琴音「愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ」
ほ〜、新潮のファンタジーノベル大賞優秀賞を辞退した作品ね。
紹介文がアホみたいだから読まないことにする。
新潮に喧嘩売ったせいかずいぶん変なとこから出たな。
売れなかったらソッコー絶版になりそうだ。
フーガの「感想」の方が色々と面白い
ブルースカイ 桜庭 一樹
概ね3部構成の話ですが、それを繋ぐ仕掛けが弱すぎ。
特に解決辺とも言うべき3部目が、すいませんがハッキリ言うと糞です。
あと、題名のオチが非常にアホな理由なので、思わず本を投げ捨てたくなりました。
強いてあげれば、シンガポーリアンの青年の世界設定が少し興味深いです。
2点
625 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/12/30(金) 19:21:41
小川一水「老人ヴォールの惑星」
「ギャルナフカの迷宮」7点。ヒロインが処女なら10点だったのに。
「老ヴォールの惑星」オチが読めるようあえて親切に書かれていて好印象。8点
「幸せになる箱庭」うーん。こういうのだったら森岡浩之の方が上手いなあ。5点
「漂った男」一本目の迷宮とかぶりすぎ。どちらかがあればよかった。同じ短編集に
載せる必要があったのか疑問。6点。
とりあえず復活の地を買ってくる。
626 :
でへ:2005/12/31(土) 06:54:05
アインシュタイン交点 サミュエル・R・ディレイニー
ディレイニーというと「ゲイ」と言う言葉が
キーワードとして出てくるのだが、それでも
読む価値のある作品。
解説に書いてあるような深読みできる教養はないので、
表層的な読みしかできないが、それでも美しい文章と、
ゼラズニィのような神話をモチーフにした遠未来の地球を
舞台とした物語を楽しめます。
(訳文も名文で、かつ深読みできるような注記が入れてあり、
翻訳者の苦労がしのばれます。)
なぜかアマゾンに在庫があるし
おそらく在庫処分して、新装版が出るのでしょう、
今の表紙より、新装版の表紙のほうが「恥ずかしい」
表紙になると思われるので、今のうちに買ったほうが
良いと思います
8点
冒険の惑星1〜4/ジャック・ヴァンス
未知の惑星チャイに不時着した地球人アダム・リースが
故郷に帰るべく複数の異種族とそれらに従属する亜人類がひしめく世界を旅するお話。
ストーリーは行き当たりばったりだが、それを補ってあまりある異国情緒たっぷり・・・・・・を通り越してあまりに異質にして多彩な
惑星チャイの風俗が素晴らしい。
どれくらい異質かと言うと、ちょっと対応を間違えただけでヒロインが全裸でピストル振り回して無差別殺人の挙に及ぶほど。
いちいち特殊な民俗用語に注釈がついて、欄外で「おおまかには〜を表す翻訳不可能な語」などともっともらしく説明されてるのが楽しい。
基本的に男三人旅で色気のない(最初のヒロインは上記のようなザマだし)話だが、
最終巻で登場する少女ザップ210(凄い名前)が悪魔の如き萌えキャラで、最終的には収支が合う。
「小僧屋」だの「安全暗殺会社」だの妙な商売も楽しく、なかなか地球に帰れず悪戦苦闘する主人公には悪いが、
もっとチャイを旅していたいと思える作品。
7点
628 :
でへ:2006/01/01(日) 09:53:53
シャングリラ 池上永一 角川書店
ストーリーと、キャラクタの疾走感、というか
暴走感はすごい、すごく面白かったけど
5点
以下ネタバレ、
コレだけ都合よく生き返るキャラや、
主人公、サブキャラの繰り出す、物理法則を無視した
アクションの満載は、
いくらなんでも止めてほしい
(法則を無視するには、何でもいいから理屈を
つけてほしい)
これではドラゴンボール以上だ(スマソ)
おそらく21世紀中ごろの最新鋭の戦闘機に
C130ハーキュリーズが落とせないのか?
エンジン1発被弾したハーキュリーズが
どれだけ急上昇できるのか
コナンじゃあるまいし翼の上は走れんぞ
と、突っ込みどころ満載
面白さで言えば、ERバローズや、最近(でもないか)出た
短編集「火星ノンストップ」と同質の面白さ
なのだが、書かれた時代が違いすぎる
>面白さで言えば、ERバローズや、最近(でもないか)出た
短編集「火星ノンストップ」と同質の面白さ
その喩えだと、面白くなさそうに見える……
理屈をつけたら違う作品になっちゃうタイプじゃないのか?
方向性は違うけどカフカみたいな不条理ものとかマジック・リアリズムとかの系統じゃないの?
プロペラもまわさず無音で飛来して空中に停止するC-130だってあるんだからいいじゃん。
633 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/01/03(火) 22:57:24
>>625 >「ギャルナフカの迷宮」7点。ヒロインが処女なら10点だったのに。
お前も結構なアホだな(w
「老ヴォ―ルの惑星」が面白かったので、俺は今さらながらだが、
年末に小川一水「第六大陸 2」を買って来た。
(なぜ2だけかといえば、近所のブックオフには1が無かったのである。
なお、新刊で買う気などはさらさらない)
1を未読のため、読んでいて不明な部分もあるが、民間企業による月開発、
第六大陸とは結婚式場であることを念頭に置き、狂言回し的役割を務める
妙という萌えキャラは、厨房なSFヲタ対策だと把握しておけば、
2から(だけ)読んでも、まずまず面白く読めるものがある。
ただし、、エーリアンの来訪は、未来の世代(主人公たちの子孫の代)になってから
という形にして締めた方が、余韻が残って良かったように思われる。
比較的若い作家のせいか、この辺に、小説作りに関しての基本的な工夫の余地が
残るやに思う。
この作者の特徴だが、アニメ、ジュブナイルまがいの表装ながら、
作品のコアはハードSFであることである。
正月早々から、「漏れの妙キター、コレ」とか絶叫しているレベルのSFヲタには、
ちと読破するのがきついものがあるのではないか(w 5点
634 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/03(火) 23:49:00
>お前も結構なアホだな(w
「星を継ぐもの」の作者がH・ホーガンだとのたもうたアホよりはまともだろうよ(ww
>新刊で買う気などはさらさらない
これってけなし文句で使うんでなけりゃ、自分の下劣さを表明してることだと思うのだが。
ごめん、おれも処女うんぬんはアホな感想だとおもったw
というか、感想になってないし。
でもまぁ、面白いからOKでしょ。
関係ないけど、小川一水の特徴は『とりあえすハッピーエンド』なんでない?
身構えずに読めるから、私は好きだけどね。
小川一水は結構好きなんだけど
プロジェクトX風の地に足がついた話をやりつつ
突然オチに宇宙人とか持ってきちゃうところがなぁ
うまくはまるといいんだけど、はずすとウヘァなんだよな
>>637 気にするな。
君をバカと貶した奴自身、別板某スレで
「自分はエヴァキャラでオナーニしている」
なんて言っていた機智外なんだからw
バカにバカと言われるのはやっぱり嫌だろ
それも相手が2ちゃん有数のバカコテならなおさら
紛らわしい書き方だったかもしれないけど、私(637)≠625だよ〜w
このコテハンの書き込みは一切合財が煽りか荒らしだからスルーが吉。
コナン・ドイルのファーストネームをサーだと思っていた
ミス住のいるスレはここですか?
賑やかだな
>>642 はっきりバカだと分っている奴をからかうのは楽しいので構ってしまった。
今は反省している。
山椒魚戦争 創元推理文庫
カレル・チャペック (著), 松谷 健二 (訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488633013/ (正確にはISBN4-488-63301-3)
発見、発達、そして自滅。ここまでわかってるのなら回避できようもんなんだが
現実、不可避だ、という皮肉。
書かれた時代が時代だけに、最後の山椒魚総統のくだりがまったく笑えないのが
逆に可笑しい。しかも、実は人間だった、なんて暴露までする。
結局、この話は山椒魚でもRURでも原爆でもなんでもいいのだ。人間は同じことを繰り返す。
現代でもだ。
途中、ヴォルフ・マイネルトの労作が披露される、そしてそのアンチテーゼ(?)な
「Xの警告」が表される。これは右傾化する日本と世界に対する皮肉である。
10点。
>>646 文章力のない人間の書いた感想文は読むのがつらいな。
感想書くだけおこがましい、読んでる方が恥ずかしい・・・
>>647 ガチャなんか弄るなよ…
お前も同レベルだぞ
ミス住を構うのとどっちが低レベルですか?
ミス住ほどのバカなら構いたくなる気持ちもわからんでもない。
よってガチャ弄りのほうが低級。
正月ということでたくさん買いこんで読んだはいいが、どれもこれも駄作ぞろい
感想書く気すらおこらんわ
タイトル列挙しれ
>>652 とりあえずハヤカワ関係では
ウィリアム・C・ディーツ「帝国を継ぐ者」
仁木稔「スピードグラファー3」
>>653 感想くらいきちんと書いてくれ。恥ずかしくないのか?
俺読んでないけど感想書いていい?
>>656 読まずに感想書くヤツはミス住だけで沢山だ
某コテはいくらスルーしたって来るけどな
正月休に読んだ本の中から日本SFを二つ
山野浩一『花と機械とゲシタルト』
革命によって精神病院から反精神病院となった精神医学研究所。
そこでは、「我」と呼ばれる人形に主体を預け、
「彼」「彼女」と呼ばれる元患者達、「汝」と呼ばれる院長ら元医療従事者
によって構成される共同体が形成されていた。
当初は上手く運営されていたこの研究所もやがて軋みを見せ始め、
そして仮想の「我」が姿をあらわし、世界も変容をはじめていく…
いやー、もう「ニューウェーブ」としか言いようの無い作品。
レインの影響の濃い精神分析部分はともかく、
数学やらパラコンパクト空間やら持ち出されると正直付いて行けなくなってくる。
とりあえず8点。減点分は理解が及ばなかった分ということで。
水見稜『夢魔の降る夜』
ヨハネス・ケプラーを主人公にチコ・ブラーエやガリレオを交え、宇宙の秘密に迫る歴史SF。
極めて魅力的な題材なのだが、最後の所であと一歩物足りない感じを受けた。
解説で菊地秀行が書いているとおり、SF的な仕掛けはむしろ不要だったかもしれない。
7点。
661 :
♂読者:2006/01/08(日) 02:54:24
「タイタンの妖女」 カート・ヴォネガット・ジュニア 1959年
8点。
ストーリー構成が巧みで楽しめた。作品の主題について、フレドリック・
ブラウンの 「さあ、気ちがいに」 が想起された。
ただ、古い作品にはよく見られるのだが、本作にも
“淫売”
などの言葉が散見され、
“強姦”
もあることから、女性には嫌悪感を催す人のほうが多数と思われ、
おすすめできない。
その程度の言葉で嫌悪感てのは気にしすぎじゃないの。
「虎よ虎よ」も主人公が強姦かましてるからお勧めしづらい……
664 :
663:2006/01/08(日) 10:56:04
「淫売」とか「乞食」とかののしる表現があるのは別にいいと思うけどね。
ってことだ、よくおぼえとけ、売女!
666 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/01/08(日) 14:51:41
筒井堂も絶賛した青木淳悟「クレーターのほとりで」を読んでいる。
風邪気味でややきついが、読了後は、当スレにて論考を掲載する予定だ。
かなりシャープなレス(いわゆるシャープレス)になる予定ゆえ、
お前たちSFヲタも予習として読んでおくこと。
667 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/08(日) 15:55:12
そんなもんイラン、お断りだ!
>筒井堂も絶賛した
スタインベックスレでもそうだが、ここでも誰かが高評価したものじゃないと読めないわけかw
で、今度はどこの高学歴な方の意見を剽窃するつもりだい?
まあ本編読まずに解説だけ読んで論考するようなお前に、
自分で思考することなどできるはずはないのだけどねww
風邪引いたんなら2ちゃんなんかやめて、ゆっくり寝てろってw
病気のときまでネットに執着するとは、ダメ人間のダメ人間たる証拠だなw
そういえば、このコテハン、前にエウレカセブンを随分誉めてたな。
それだけでお里が知れるってもんだ(w
672 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/08(日) 20:05:48
ミス住さん、期待してます。
673 :
672:2006/01/08(日) 20:13:11
途中で送信しちゃったよ。
ミス住さん、期待してます。
ハルク・ホーガンなる低レベルな間違いをしでかすアホが、
どこまで読んだことをデッチあげられるかをねwww
いい加減スルーしろよ。
>>661 強姦が出てくる小説なんてザラにあるだろ
むしろSFは少ない方だ
>>674 そんな生易しい表現ではダメだよ。
ハッキリと「ミステリ板住人の書き込みは完全に無視しろ!」と書かなきゃ。
書店いきゃボーイズラブと称して男が強姦されまくってる
小説が普通に売ってますがな。ヽ( ̄▽ ̄ )ノ
美少女とする喜び。そして、美少女としてされる喜び(by吾妻ひでお)
>>669 なかなかですな(w
保坂和志も早大卒だから、「この程度の学歴では・・・」とか逃げをうてないしな。
ま、がんがってもらいましょうか。
679 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/01/09(月) 21:15:45
青木淳悟「クレーターのほとりで」 3点
シニカルなバイブルねた、現代文明批評等、いかにも「バブリング創世記」の
作者筒井堂好みの作品らしい。
しかし、ストーリーそのものはエデン調査団登場のあたりから俄然面白くはなるものの、
いかに経験不足の作者の手になるものとはいえ、
冒頭部分から続く文章の拙さはいかんともし難いものがある。
もっと文章を短く切り詰め、主観を極力排した描写に徹して書けば、
この手の物語はかえって迫真力を持ち得るのである。
俺が担当であれば、「文学やサイエンティフィックでフィクショナルなるものを甘く
見るな!」の言葉と共に書き直しを命じたやもしれぬ。
作品の永続性という観点から見ると、安易なフォークソングの引用も頂けないものが
ある。後、何年くらい、たまのこのヒット曲を記憶している者がいるだろうか。
斜め上キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
お友達の斜めギコ置いときますね。
∧
/´。 `ーァ イシャハドコデスカ?
{ 々 ゚l´
/ っ /っ
/ /
∪^∪
そうかな。言ってたわりに全くシャープさがない駄レスだと思う。
ネタも完全に外したしな。
>>669の「『なんとも面妖な獣姦キター!コレ』などと絶叫するSFヲタ」の方が面白い。
スルーしろって。
>>679 風邪の具合はいかがですか?心配しております。
クネクネにとっちゃミス住は友達みたいなもんなんだろ。
でも、よそでやってくれんかな。
686 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 13:58:41
>>679 「たま」って、フォークソングだったか?
「イカ天」でブレイクしたバンドだから時期も時期だし、他の曲聴いてもちょっとフォークとは
言いがたいんだけどねぇ。
ジジイの目から見るとフォークソングなんだろ
お若いの、世の中のことがまだあんまりよく分かっとらんようじゃの
昔のフォークに愛着のある年寄りなら、最近の歌をフォークと認めるはずがない
よって、その書き込みはフォーク世代ではあるまい
689 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 18:37:52
「たま」のおかっぱ頭のギター兼ボーカルのヤツは
埼玉県立川口高校で俺と同級だったけど、ヤツは在学中
フォークソング同好会にいたよ。
「たま」自身がフォークかどうかは別として、音楽的な
ルーツはフォークだと思う。
ちなみにヤツは在学中はボンジョビみたいな髪型(長髪)してたよ。
690 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 18:48:16
俺が「たま」をはじめて聴いた感想は
アコーステイクなヒカシューってイメージだったよ。
歌詞が昔のテクノぽいし。
ちなみにヒカシューはテクノバンドだけど
ステージ上にコタツを置いてたり
ギターリストがワイヤレスギター弾いたまま
ステージから客席出口まで走りぬけ、そのまま
ライブ途中にも関わらず帰ってこないとかね・・・
おまいら脇道にそれすぎだ
692 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 19:19:47
そうだ!オナニーでもして反省しろ。
693 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 19:23:07
「たま」なんて紅白にも出てたみたいだけどようするに一発屋で、
今の読者はピンと来ないだろうな。
「たま」については竹中労が入れ込んだため深遠な内容があるように捉える向きもあるが、
年老いた彼の目利き違いで、いかにもバブル末期のキワモノバンド(バブル期だから逆に
貧乏っぽい感じが受けた)やに思う。
694 :
罧原堤 ◆SF36Mndinc :2006/01/10(火) 19:27:59
オゾンのダンスと、あと、あれが好きだな。
誰も知らない玄関の腐った軒下で泣いてよう。ギロチンにはねられた。ギロチンにはねられた。
人魚の首から上だけが。あああ、人間だか人魚だかわからなくなっちゃって知床の海に身を投げ出しだ夜だった〜。ってやつ。
それと、栄養不足たちが並んで、なーなめ懸垂しているよー。てやつ。
695 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 19:45:56
「たま」は今NHKで歌の変なおにーさんやってるぞ!!
>>688 フォーク世代よりもさらにジジイなんじゃね?w
コピペして自分が話題の中心になってるつもりってか?
変な人のやることは分からんね
699 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/10(火) 21:52:30
>>689さんよ、まだ社会に出て、もしかしてニートかもしれないが
右も左もわからん小僧の言うことだから多めに見てあげなよ。
お前さんも、こんな青い時期があったんだから。
イカ天出身のバンドまだ活動してるのどんくらいいるのだろ
リトルクリーチャーズくらい?
「ビジネスマン」トマス・M・ディッシュ
途中まで副題「恐怖の物語」を「恐怖についての物語」と
とらえて読んでいたが、そんな単純な解釈では読み解ける話ではなかった。
生者による死者の呪縛、個人によって異なる天国、幽霊の妊娠・・・
あまりにオリジナルなアイデアは初読では消化できそうもない。
一方でとっちらかってる印象も。
だが私はいかれた創造力に素直にノックアウトされた。
文体にも注目。
クローネンバーグ調の幽霊とのファックシーンは設定、筆運びなど
特に冴えており、個人的には非常に感銘を受けた部分。8.5〜9点。
>>698 つーか、このスレでは誰も自分の書き込みにレスを付けてくれないから、
別の板のスレに書き込まれた物を勝手にコピペして、自分の書き込みにも
レスが付ける人がいるように見せかけたいんだろ。
孤独な50代後半のジジイのやることはその程度のことさw
>>701の訂正デス
>レスが付ける人がいるように … ×
↓
>レスを付ける人がいるように … ○
スマソ
古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」
人間には”老人”や"少女"といった人称代名詞しか与えられず、ただひたすらに犬の生き様が描かれる小説。
古川日出男を読むのはこれがはじめてだったけど、この人はすごいね。
ここまでひたすら犬に突き詰めて物語を描けるの人は古川日出男を除いては押井守ぐらいなもんじゃないだろうか。
まあSFじゃないかもしれんが、無理をすれば第二次世界大戦からゴルバチョフのペレストロイカまでの歴史改変SF・・・・・と読めないことも無い。
これがこのミス第七位に入ってるのは本当に謎。
8点
このミスはミステリー&エンターテインメントのベスト10だから
エンターテインメントの部分を知らない人多すぎ
>>703 おお、なかなか面白そうじゃんと思ったが
>古川日出男を除いては押井守ぐらいなもん
ここで一気に萎えた。
押し井かよ…
「タクラマカン」ブルース・スターリング
スターリングの短編集。
序文で二人の娘は別室でもののけ姫を見ているとか日本のSF作家になる夢をみたとか日本のポップカルチャーは最高だとか捲くし立てているに何故か笑ってしまった。
極めつけはこれ。「みなさんも通産省にもっと圧力をかけて『物の哀れ』を輸出させるべきだ」
何だか海外親日SF作家はヘンテコばっかな気がするぞ・・・。
ギブスンもガンヘッドがどうのとか書いてた気がするし。
収録作はルーディ・ラッカーと共著のドタバタ「クラゲが飛んだ日」と「自転車修理人」、「タクラマカン」が面白かった。
SFマガジンのために書き下ろしたという「招き猫」は何だかいまいちよくわからなかった。
7点
>「みなさんも通産省にもっと圧力をかけて『物の哀れ』を輸出させるべきだ」
ハゲワロタ
それこそSFネタになりそうだ。「物の哀れの缶詰」とかな
招き猫は、オープンソースコミュニティみたいなのをもっと極端にして、現実世界に
おとしこんだらこうなるよね、って一種のユーモアSFだと思った。
最後らへんの超展開は、スターリングの味と割り切るしかないw
709 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/13(金) 22:28:53
おぉっ、ここは読みかけの本の感想はダメみたいね。
『ダウンビロウ・ステーション』があと少しで読み終わったら感想書きます。
しかし、この本は終盤に差し掛かっても全然盛り上がらず、もちろん俺も盛り上がってこない……。
フレーフレー!!
>>708 > 招き猫は、オープンソースコミュニティみたいなのをもっと極端にして、現実世界に
> おとしこんだらこうなるよね、って一種のユーモアSFだと思った。
「インターネットコミュニティ」なんだけどな。
商業勢力が入ってきた途端、あの伝統は失われてしまったな。
VIPPERならこの作品くらいのテロはやれそうだと思った。
713 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/01/14(土) 17:48:54
小川一水「第六大陸1」 7点
SFヲタには一生縁が無い作品だろうが、均一台のスタインベック「エデンの東」を
買った際に併せてゲット出来た。ヲタなら「キター、コレ!」という感じか(w
既に2を読破しており、第六大陸は結婚式場だというネタも割れているため、
面白く読めるか否か、疑問なところであったが、
2のSFらしい破天荒な面白さは、この1における巨大で地道な前振りがあってこそ
だったのだとわかる。
2ではすぐ死んでしまう感がある天才ロケット学者泰の第六大陸建設計画における欠く
べからざる存在感がさりげなく書き込まれているのが憎いものがある。
2でクローズアップされるNASAも最後に登場して来るが、1における設定で面白い
のは、多くの問題は有しながらも月基地を持つのは中国のみという点、
神舟の打ち上げの成功等、近年の中国の宇宙開発における躍進ぶりを見るにつけ、
妙にリアルさを感じさせるものがある。
2では成熟したヒロインとして登場する妙(注 モーグルのアスリートではない)は、
まだ、1の初期では中学生として登場、あらためて明らかに萌え狙いのキャラだった
とわかるが、「宇宙飛行の無重力状態における漏れの妙タンの抱っこキター!」と
絶叫するSFを見るにつけ、私はこのような連中に声を大にして言いたい、
「お前はアホか」と。
「ゲットした」とか「キター」とか絶叫する50過ぎた大の男を見るにつけ、
私はこのような連中に声を大にして言いたい、
「お前はアホだ」とw
352 名前: ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日: 2006/01/10(火) 21:42:21
このスレの大半の住人が駄目な点は、剽窃を騒ぎ立てながら、引用等による具体的な
論証を一切をおこなっておらず、いたずらにスレを荒らすだけに終わっていること、
もっと駄目な点は、「スタインべック作品はハードボイルドか否か?」という本論から
逃げ回っていることである。こういった点、十二分に心しておけ。
>スタインベックをエデンなしで論ずるのは如何かと思いましたので
ふーん。
概略を調べてみたら、結構面白そうな感じがしないでもない「エデンの東」。
映画版でジョー・ヴァン・フリートが演じた淫乱な母親の若き日が描かれているらしいな。
あの母親、出番は少ないが、かなりの存在感があり、その前半生には興味を惹かれる
ものがある。
早川文庫の4分冊なら、行きつけの均一台でパックされてセールされているので、
ゲットしてみるか。
718 :
オクテの春 ◆09WqI9oiIc :2006/01/14(土) 21:08:55
『ダウンビロウステーション』 C・J・チェリイ <82年ヒューゴ賞受賞作>
スペースオペラを基調にした作品。
『地球』、『同盟』の間で揺れ動きながら、何とか中立を保とうとするペル・ステーションが舞台。
話の展開は緻密(執拗という感じもあるが……)で陰鬱だが、最後にはオチが付くけど……。
如何せんオチが弱い気がして、爽快感が無かった。
スペースオペラといっても大規模な艦隊決戦があるわけでもなく、
延々とペル・ステーションの混乱を描いた作品である。
<夢見る人>と<下界人>の大長老との関係など若干不明な点もあったが、
まぁ堅実にして盛り上がりに欠ける長編小説でした。
評価4点。
執拗で陰鬱なのがチェリイ。
サイティーンもそのテンションで4巻だから読むの大変だった。
サイティーンは最後で救われたけど。
>>718 そうそう、はっきりしない話だよな。
チェリイはみんなそうだけど。
721 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/14(土) 22:45:16
『眼を擦る女』 小林 泰三(こばやし やすみ)
短編集です。そして表紙が少し怖いです。
個人的な好みでは有りますが、やはり個人個人の世界の境目が曖昧になる恐怖を描いた物が面白い。
内容をあまりばらしてしまうと面白みが激減する性質の話なので内容は書きませんが、
一番好きなのは「超限探偵Σ」。
探偵Σの名推理を友人の視点で書いている。推理小説じゃないと思う。
もう一つ紹介
「未公開実験」
『家に清むもの』収録の「肉」で登場した生物学者丸鋸遁吉(まるのことんきち)が、
物理学者として再登場する。
タイムマシーンならぬ「ターイムマスィーン」(言うと同時に両手で奇妙なポーズ)を
製作したと言い張る丸鋸とその実験に呼ばれた友人たちの問答が面白い。
ホラーとしては話し自体も面白いが、気持ち悪いとこはちゃんと気持ち悪い。
九点
>タイムマシーンならぬ「ターイムマスィーン」(言うと同時に両手で奇妙なポーズ)
「オースティン・パワーズ」だな(w
723 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 00:27:56
「生存の図式」ジェイムズ・ホワイト 8点
久しぶりに引っ張り出して読んだ。
ハヤカワの海外SFノヴェルズで出たけど文庫化されなかった可哀想な作品。
Uボートに撃沈された貨物船内で生き延びて世代を重ねていく人々と、
世代宇宙船で地球を目指す水棲宇宙人を平行して描く。
40年も前の作品だけど、思ったほど古びていない。
地球側は完全に海洋冒険小説のノリで、まさに「宇宙の孤児」ミーツ「アリステア・マクリーン」
という感じ。実際に「宇宙の孤児」が裏ネタにもなっている。
双方の修羅場がいたたまれないくらいハードなんだけど、それがラストの感動につながる。
特に、地球側の苦労は「ポセイドン・アドベンチャー」を一生やってるような過酷さ。
SFに限らず、冒険小説が好きな人にもお勧め。
年季の入った古本屋なら見つかるかも。
まとめの人の更新早いね
もはや神掛かり的だ
よく休んでくらさい
今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ
名無しは無慈悲な夜の女王 (著)
http://www2.atwiki.jp/zgok0079/ まとめサイトを見返すたびに感じるんだけど
例えば最新の簡素ネタのうpを確認するために開くと
過去の同じ作品についての簡素もいっしょに読むことができる。
こうやって多重露出によってでもいいし、最小公倍数でもいいし、
微分化でも積分化でもいいんだけど、他の人の簡素と並べて比較できる、
というのは面白いし、その作品に対する真なる一といえるものが見えてくるように
思える。これはよいことだ。
意外にそういうサイトないからなかなかよいコンテンツなんじゃないだろうか?
えーっとつまり何がいいたいか?というと、みんなもっと簡素書けよな、重複でもいいんだよ。
暗いと不平を言う前に、すすんで炎を放ちましょう。
728 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 12:37:10
まとめサイトの人に、あらためてお礼言っとく。
本当にお疲れ様。いつも重宝してます。
SFに特化したクロスオーバーレビューはすごく貴重。
悪意のあるレスがフィルタリングされてるから読みやすいし。
これからもよろしくお願いします。
で、漏れも感想を。
ブレンダン・デュボイズ『合衆国復活の日』(扶桑社ミステリー文庫)
いわゆる”もうひとつの歴史”での謀略もの。
キューバ危機が核戦争に発展し、大打撃を受けたアメリカは戒厳令下で海外の
援助に頼る二等国に落ちぶれていた。
そのキューバ危機の謎に新聞記者が迫るが、何者かの妨害が・・・という話。
漏れはドンパチ中心の架空戦記が苦手なので、こういうタイプの方が楽しめる。
話の流れはロバート・ハリスの「ファーザーランド」にそっくり。
ただ、戦時の描写がない「ファーザーランド」に対して、こちらは核戦争勃発時の
パニックが描かれているので、スペクタクル的な要素をより楽しめる。
ワシントンやニューヨークのような大都市が突然滅びるという出来事は現実には
なかなかないので、こういう場面をいかに説得力を持たせるかが作者の腕の見せどころか。
書かれたのは1999年なんだけど、9.11を予言したような場面も垣間見られる。
脇役たちのプロジュクトX的な人間ドラマが随所にあるのも特徴。
特に、廃墟のニューヨークで生き抜く小学生たちや、米本土に墜落してしまったソ連爆撃機
のパイロットのドラマが面白かった。
次は前から気になってた「英国占領」を読んでみるつもり。
欧米ではこういう架空歴史ものが結構出てるらしいけど、なかなか翻訳されないから残念。
シルヴァーバーグの「永遠なるローマ」シリーズなんか、ハヤカワがさっさと出せばいいのに。
オムニバスに一編だけ載せて放置すんなよ!
志村〜!点数点数!
730 :
728:2006/01/15(日) 12:41:48
すまそすまそ、8点てことでよろしく。
731 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/01/15(日) 17:12:56
篠田節子「ロズウェルなんか知らない」 7点
ホラーもSFも書く作者(直木賞作家)だが、本作の本質は「村おこし小説」とでも
称すべき内容のものである。
スキー場の撤退、ゴルフ場計画の廃止等で過疎に悩む村を舞台に、村の青年グループは
UFOや心霊現象を売りにして村の観光化を仕掛けてゆく、
村を上げての詐欺まがいの物語と読めないこともないが、主人公たちの真摯な行動には、
共感さえ受じさせるのは、作者の巧みな筆使いゆえであろう。
展開やオチ(本物のUFOが出現する等)が読めてしまう部分があるのは、
小説としては残念だが、浮世離れした者が大半を占めるSFヲタにこそ読んで欲しい作で
ある。
例えば、運動不足で足をつっただけに過ぎないにもかかわらず、
あるSFヲタ「足が…足が動かない…謎の磁力だ…ここは宇宙の魔界なのか!」
とか、意味も無く絶叫している輩である。
本作には、このような椰子に対するシビアでビターな視点も随所にかいま見える。
732 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 18:31:13
735 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 19:00:03
>>713 以後の概要 : 2でこうだったキャラは、1ではああだったんだ!
2でこうだったモノは、1ではああだったんだ! )
全2巻の本を2のほうから読み出すという馬鹿っぷりも笑えるが、
なにこの無意味な感想文w
>>736 >>737 おまいらもウザイ!
ミス住のレスとそれにレスをしているレスをスルーすれば済む話しなのは分ったから
もう消えろ!
という名無しでのミス住のレスがそろそろ書き込まれる模様ですw
なにを得意げに指摘してんだか
おまえら叩き屋もミス住と同類だよ
感想の邪魔だからよそいってくれ
全部狂人コテミス住のジエン
誰のどんなレスであれ気にくわないレスならスルー。
他板の諍いを持ち込まない。
こういう基本ができてない人が多過ぎて困る。
744 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 19:32:12
アンチはわざと諍いを持ち込んで、最悪板にて荒れるのを見て楽しんでいるんですよ。
どうしようもないクズだな。
森奈津子『西城秀樹のおかげです』
レズエロティックな短編集。
ワンアイディアものでそれなりに読ませるが、
似たような話が続くので少し飽きる。
レズに興味がある人向け。
SF大賞ノミネートというのは過大評価ではなかろうか?
746 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/15(日) 20:56:10
>>737 何?マジで告訴されたの?なんで?
詳細キボン
恩田陸『劫尽童女』 0点
なんだこりゃ! グズグズにもほどがあるぞ!
キングの『ファイアスターター』がオマージュだっていうから
期待してたら、デッドコピーじゃねえか!
打ち切り漫画じゃあるまいし、敵の組織をあんな風に始末するか、普通?
そもそも、レインバードのように主人公とタメはれる敵を置かないもんだから、
序盤でさんざんひけらかした能力の見せ場がろくにない。
恩田陸って、アベレージは高いのに時々こういうズッコケた作品を出すから
油断がならない。
>>747 同意。
恩田作品中、最低の出来と言ってもいいかもしれんね。
>>723 神保町の羊頭書房で見かけた気がする。ちょっとそそるな。
羊頭って品揃えどうなの?
交通費片道390円もかかるんで行ってみたことないんだが。
羊頭狗肉だよ。
>>723,751
「メデューサの子ら」もあわせて三位一体で読むべし
交通費390円「も」か…
東京は交通費安くていいよな
>>752 神保町に行ったことないなら、一度はのぞくべし。
ここと@ワンダーをはしごすれば、けっこう時間がつぶれる。
あとは値段が妥当か自分で考えること。
地方の人でも、立ち寄るチャンスがあったら一度行くといいよ。
>>754 それは初めて聞いた。
サンリオかあ。ちょっと探してみるかな。
そういえば、海外SFノヴェルズで文庫になってないのって結構多いような気がする。
>>756の
>東京は交通費安くていいよな
は皮肉だよね。
オレは都営地下鉄新宿線と京王新線を乗り継いで行っているんだけど、
それだけで片道330円かかるよ。もちろん23区内在住。
地方の公共交通機関の料金はバカ高いよ。
おれは無理矢理定期圏内にしてる>神保町
『死者の代弁者』 オースン・スコット・カード <1987年ヒューゴ・ネビュラ賞受賞>
『消えた少年たち』、『エンダーのゲーム』を過去に読んでいるが、
今回もカードの期待通りに、気持ち良くノックアウトされてしまいましたw。
まぁ、先に読んでいたニ作品もそうだったが、とにかく「巧いな〜」と何度も嘆息。
特に、人物に対する心理描写が巧くて脱帽。
個人的に心理描写に関しては、女性の作家の方が巧いと感じることが多いのだが、
カードはそれに勝るとも劣らず素晴らしい技量を持っていると再認識。
おかげで、作中の人物がリアルに感じられ、作品に没入することが容易だった。
ときに伏線の貼り方に回りくどさを感じることも有ったが、
カードはしっかりオチを作ってくれるので、最後には十分満足できた。
まぁ唯一しんどかったのは、面白過ぎて途中で読書を止め辛かったことかw。
有意義な読書ができたことに満足。
評価9点
二瓶勉 「SNIKT!」
BLAME!で有名な二瓶勉のアメコミ。
X-MENのウルヴァリンが未来の世界に行き、そこで珪素生物と戦うという単純明快なストーリー。
やっぱり二瓶勉ということで、アメコミでも武装島田倉庫的かつサイバーパンクな独特の雰囲気は健在。
SFとしての読み応えはあんまりないけど、ケレン味たっぷりのアクションと建築物の組み合わせでおなか一杯です。
8点
エンダーのシリーズは、その二作で止めるのが吉。
ほしゅ
766 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/22(日) 22:47:53
ジョン・ヴァーリイ 『残像』
この本は全9作の中短編集を収録した作品集である。
そのうち、7作は“八世界”に属した作品群であり、他2作は別の世界の話である。
まず“八世界”に属する小説を理解する際、あらかじめ『ヘビ使い座ホットライン』を読むのをお奨めしたい。
その方がこれらの作品への理解と没入が早く済むことは確実です。
ちなみに、この“八世界”に含まれる7作品ですが、P・K・ディック的な作品の印象を受けました。
デキとしては標準的な中短編作品という感じです。
で、他の2作品ですが、まず『空襲』という作品はハーラン・エリスン的な感じの1作。
センスと勢いで駆け抜けたような作品で、読んでもよく分からないw。
でも巻末解説によれば、この作品を基に映画が作られたようなので驚いたw。
最後に表題作になっている『残像』ですが、これは収録作品中ブッち切りで素晴らしい作品。
さすがに、1978年にヒューゴ賞/ネビュラ賞受賞しただけは有りました。
細かいとことはこれから読む人のために書かないけど、中短編特有の切れ味を堪能できる1作。
最近読んだ中短編のデキとしては一番でした。
評価:全体で6点、『残像』だけなら9点。
「霊玉伝」/バリー・ヒューガート
中華風ファンタジーのシリーズ第二作。
前作に引き続き、異世界としての無時間的中華世界は魅力たっぷり。
作者の博学と訳者の芸達者ぶりには頭が下がる。
蘇った古の暴君、地下墳墓を巡る冒険など、良い意味でのオリエンタリズムと相俟って、
ちょっと古川日出男「アラビアの夜の種族」を思い起こしたりも。
地獄の住人さえ手玉に取る李老師の悪漢ぷりは相変わらず。そんな達者過ぎる老師を背負って
走り回る主人公の頑張りも微笑ましい。
ストーリー自体はその根幹が前作とちょっと被ってることもあって、(前作よりは)やや落ちるか?
7点
>>766 >あらかじめ『ヘビ使い座ホットライン』を読むのをお奨めしたい。
これはどうかな。
この人、短編の名手だと思うけど長くなると駄目さに定評があるんだよね。
『ヘビ使い座ホットライン』は長らく絶版扱いでいつぞやの復刊フェアで
出たのを読んで期待がデカかったのでちとショックだった。
“八世界”の概要は解説あたりで知って貰って、八世界の歴史は遠い過去の
断片を伝え聞く位の感じで良いと思う。
そう言えば「ティーターン」なんて金返せもんだったなあ。
>>766を書いたものですが、確かに『ヘビ使い座ホットライン』のデキ自体に疑問符は付きますねw。
起・承・転までは良い感じなんですけど、結で凄まじく失速して残念でした。
傑作になり損ねた凡作かも知れないです。
ただし、共生者<シンブ>とか<服>をいきなり短編から読んで理解しやすいかな?
“SF者”なら問題ないか……。
残像は実に良い本だ
ヴァーリイの中ではこれが一番好きだ
ポール・J・マコーリイ「フェアリイ・ランド」
「4000億の星の群れ」はクソだったが、これは良かった。
大規模な気候変動が起こり、大量の難民が押し寄せたヨーロッパを舞台にしてのナノテクSF。
ナノテク以外にも色々とネタがぶち込んであるんで情報量が多く、読み応えがあった。
気になったのは、「啓示空間」みたく最近のイギリスSFの傾向なのかやけに分厚かったこと。
もっとスマートに纏められそうなもんだがなあ。
それとヒュンダイがナノテクも扱う大企業みたいな感じになってることも気になったw。
何故よりにもよってヒュンダイ?
8点
「フェアリイ・ランド」って最近か?
啓示空間ってイギリスSFか?
刑事空間はどうだったか忘れたが
フェアリィ・ランドはハードカバーでかなり前に出て、
文庫本が今月出たんだったかじゃなかったかな。
文庫で初めて見た人には最近ってことになるだろ。
俺はハードカバーで読んでたので文庫は買ってないや。
星の群れ、はフェアリィランドを出す前の撒き餌みたいなもんか。
775 :
772:2006/01/26(木) 20:11:16
>773
フェアリイ・ランドは1995年刊。最近ではないかな。すまん。
レナルズはイギリスで間違いない。
776 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/01/26(木) 20:26:37
「地球帝国秘密諜報員」
ペリーローダンにたとえると、主人公がアルコン帝国側の諜報部員で、退廃しきって滅亡へのカウントダウン中の帝国を
少しでも延命するべく、新興勢力である太陽系帝国のミュータント工作員による作戦を撃退する、そんな感じの内容。
主人公はモテモテの完璧超人だが、最終的な目的が空しいためあまり嫌みに感じられない。
女キャラは使い捨てだが、執事のチャイブズやライバルのアイキャレクなどがいい味出しまくり。
肩のこらない気楽なスペオペとして楽しめる。
志村!
後ろ!
第4間氷期/阿部公房
期待が大きすぎたためグズグズな読書になってしまった、反省
主人公と共にイライラしながら読み進む、何とか読了w
早逝加点が付いて6点
ルーディ・ラッカー「ホワイト・ライト」
たまたまヒルベルト空間便り(
ttp://www.ltokyo.com/ohmori/rucker/rr_panel.html)を読んだんで再読してみた。
こんなん絶対理解できねえだろと思っていたハチャメチャ数学SFだけど解説見てから読み直すと何となくわかった気になる不思議。
”アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。”みたいな、意味わかんないけど楽しいという感じ。
こういう難解な題材をそれなりに読ませるあたりやっぱラッカーは偉大だわ。
イーガンとかが書いたらこうは行かないだろうなあ。
9点
「とあるSF小説が物理学的にデタラメ」と指摘するのと同じだな。
ま、無粋な物言いだよね。
ホワイトライトはあくまで小説として企画されたものだと思うし
ラッカーはちょっと特異な思想を持ってるみたいね。
小説として読んでも結構面白いと思うけどホワイトライト。
じゃあわかった気になるなよ。
数学の原理を、幽霊を集積・圧縮する実験で証明するんだぜ?
でたらめとか、言うほうが間違っているな。
そういう手合いはそもそもSFを読むこと自体間違ってるな
デタラメの指摘こそSFの醍醐味じゃないか。
とりあえず、781にはどこがおかしいか具体的に指摘してもらわんと。
>>780 無限の話だったけか。
天国も無限なら地獄も無限。
789 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/02/05(日) 21:38:19
谷崎潤一郎「人魚の嘆き・魔術師」 1点
ネットゆえはっきりと書かせて頂くが、この板は、偏屈なSFヲタに限らず、
気色悪げなホラーヲタ、頭の中が1年中春のファンタジーヲタが巣食う場ゆえ、
(比較すると、ミスヲタはやはり知的な感がある)
あえて本書を紹介しておくこととする。
うーん、後年の大谷崎が念頭にあるせいか、オチも人生観も無いこの2作は、
いかに文豪の手になるものとはいえ、高い評価を与えることは出来かねるものがある。
「人魚の嘆き」は、人魚を海に逃がしてやって、人魚がお礼のポーズをして終わり。
「魔術師」は、半羊神化した恋人同士の角が絡みあい離れなくなって終わり。
これじゃあねぇ(w
文豪に言わせれば、人魚や魔術師という異者をテーマに、作品中に「美」そのものを
描ければそれで良しとしたのであろうが、今、読むと、さすがにこれのみでは物足りない
ものがある。
790 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/05(日) 22:49:25
>>789 いい作品を紹介してくれたね。偏狭なヲタ風情にどこまで通じるかわからないけどさ。
>781
あれ確か、ラッカーの信奉するゲーデルの神の証明をまんま小説にしてるらしいよ。
で、その証明自体がどうもアレな説みたいな。
いや俺全然分からないけど。
「夜明けをつげる森の調べ」 (シャーリアの魔女3/上下巻) 9点
作者、訳者、編集者、出版社に告ぐ。
「早く続編を読ませてください、即買いますから。いや、マジで」
すまん、文章書くの苦手なんだ。
>>792 早く詳しい感想を読ませてください、参考にしますから。いや、マジで。
。ρ。
ρ
m
C|.| /⌒⌒⌒ヽ/~ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/⌒ヽ⌒ヽ___ | ∴ヽ 3 ) < ネットゆえはっきりと書かせて頂く
./ _ ゝ___)(9 (` ´) ) ウッ!
/ 丿ヽ___,.───|彡ヽ ―◎-◎-|
_/ ) (彡彡 )
(__/ \____/
ごめん。悪意は無かった。
表紙でなんとなく敬遠していたんだが高得点だったので気になったんだ。
>>796 いやー、別に悪意は感じないけど。
言葉って難しいね。
はっきりと悪意を感じるのはミス住くらいだな。
「時は準宝石の螺旋のように」 判定不能
「プリズマティカ」が図書館にあったのでとりあえず上記を読んでみた。
駄目だ。俺には意味わかんねえ・・・・・・・。
ジョー・ホールドマン 『終わりなき平和』
名作と名高い『終わりなき戦い』よりもこっちの方が面白かった。
『終わりなき戦い』には、ベトナム戦争とかいわれても自分が生まれる前の話しであんまり現実感がないし、それをSFに置き換えられて物語られてもなあ・・・と思った。
でも『終わりなき平和』は設定も今日的(VR、ナノマシン、粒子加速器など)でとっつきやすかった。
内容もホールドマンからの現代社会に対する問題提起が詰め込まれていて読み応えのある話でした。
8点
あんまり本筋とは関係ないけど、
主人公(黒人)とそれより一回り年上の白人女性とのセックスフレンド的関係ってアメリカではどれだけスキャンダラスなもんなんだろ。
時準って別に意味分からんような難しい話ではなかったと思うが……。
ジョナサン・キャロル『炎の眠り』
なんか変な構成な話だった。前半の登場人物とかほとんどいらない気がするんだが。
しかしラストへ向けて走り出してからは面白かった。
意外な結末(クライマックス)ではあったが着地が読めないというよりも、目的地がわからないふわふわした
話だったという印象。
7.5点
>801
言い換えます。
どこが面白いのか分からないです。
沼 正三『家畜人ヤプー』
登場アイテムや背景の解説がやたら多いねーw
小説全体の半分以上が解説じゃないか?
これは噂どおりの仮想文化論ですな。
変態文化を強引かつ傲慢な論理で正当化する流れはたしかに面白い。
OSHICKの用語解説に10ページも使っていたのには笑った。
他動詞としての変形「オシッコ/立て」というのは、世界の背景を踏まえると妙な説得力あるね。
後半はアイテム化された各ヤプーの解説に飽きてきたので飛ばし読み。
いかに白人(神)信仰に喜びを与えるか、慈蓄論なるものが展開されるが基本的には都合の良い洗脳w
全体的な感想としては、論文調残酷おとぎ話とも言える体裁だけど、評判の気色悪さとかは
それほどでもなかった。むしろヤプーその他獣人が可愛らしく描写されているように思った。
情け容赦ないが、登場人物たちがあまりにもあっけらかんとしていて笑える。
主人公もかなり酷い仕打ちうけるんだけど、なぜか重く深刻にはならないんだよね。
この軽いのりと書かれている内容のアンバランスさが絶妙。
著者も文を駆使して各ヤプーの機能を説明するんだけど、いまひとつ造形が理解できないところが惜しまれる。
できれば各ヤプーの解説イラストを併記してくれると嬉しい。
角川版のイラストは評判いいみたいたが、抽象的に描かれているので説明としては不十分。
そこはやはり漫画の力が多いに貢献するだろうと思った。
余談だが石の森正太郎がこの話を描いていたとは驚き。江川達也版は漫画のわりに文字が多くてあまりいい評判聞かないね。
6点(-4はしつこい解説で萎えたぶん)
あの本が戦後期に出版されたときは大スキャンダルになったらしいが、
もしも、平成になってから初めて公開されたとしたら、
「民明書房系ギャグ本」という扱いになっただろうね。
アレステア・レナルズ 『啓示空間』
まず、見た目の文庫の驚異的な分厚さにビックリさせられる本作品。
ちなみに、個人的な理由から読書の時間がまとまって取れず、
毎日チビチビと読みながら一冊読み切ったわけですが、
たいしたストレスも無く読み続けられた作品でした。
例えば長編小説をチビチビ読む際、
作品によっては話の展開が遅々として進まず、
グズグズになることも結構多いのですが、
この小説は話がサクサク進むのでテンポが良い。
ページ数ほど、読んでも疲れないと思います。
話の中身も、受け入れやすい内容でした。
ただしテンポの良さゆえに、
やや軽めの読後感が残り、重厚な読後感の余韻には浸れませんが、
それは長所と短所の裏表というわけで、仕方がないでしょうね。
最後になりますが、
作品中の船内三人委員会のメンバーの一人が、
ほとんど作品に絡むことが無かったのは肩透かし気味でしたが。
評価:7点
>>806の文章を一部訂正。
> まず、見た目の文庫の驚異的な分厚さにビックリさせられる本作品。
⇒まず、文庫の見た目の驚異的な分厚さにビックリさせられる本作品。
サジャキとか飾りですから
>>807 分厚さで思い出したが、
最近の文庫本(ハヤカワ)は、無駄に文字が大きいよね。
「読みやすい大きな文字」とか書いちゃってるし、もうね・・・・。
電車ん中で片手に持って読むには、重いっつーの('A`)
読者の平均年齢が上がってるからね……。
一文字一ページ
812 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/16(木) 10:07:27
文字でかい分ページの余白(でいいのか)が少なくなって
気持ち悪い。
ブクオフで文字が削り取られる本が現れる日も遠くないか
字が大きすぎると、読みにくいよね
なんか絵本読んでるみたいで気持ち悪い……
>>809 講談社文庫や岩波文庫もあんな感じ、というか全体的に大きくなってるぞ
>>808 刑事空間は飾りを取り去るとストーリーが無くなってしまう
という意味で希有な小説。
超でかい宇宙船に超重兵器が30機!とか馬鹿なノリは好きだったけどな>啓示空間
でもあんまりスケール大きい話に感じなかったよな。登場人物少ないからか。
あのクーデター話は完全にイラネって感じ>啓示空間
なんか無駄なエピソードが多すぎる。
ここ10年のごっつい翻訳SFはたいていそれじゃのー
描写で稼がず小ネタの増量で稼ぐという
ハードカバーと文庫の同時発売とか、やらないのは何故だろうね?
ぶっちゃけハードカバーは、置き場所に困るから要らないんだが。
デジタル出版の時代は、まだなのか。
世の中2006年なのに、出版社は紀元前から思考停止ですか、そうですか。
そんなことしたらハードカバー買う人がいなくn……あれ、ハードカバーって要らなくね?
821 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/17(金) 20:01:22
漏れ的にはハードカバーで読んだ方がおもしろいのはなぜ?
読みやすいからじゃね?
文庫高いって言ってもハードカバーだと二千円超えるからなあ。
糞国書の未来の文学シリーズなんかまだ全然買ってないよ。
古本屋に出回る可能性も極めて低いし。
ハードカバーはコレクターアイテムだね。
相当好きで、所有する喜びを感じるものならいくら高くてもOK
制作費ン十億な映画のDVDが1000円〜4000円程度で売られている世の中、
本1冊に2000円も出す気にゃならないよな。
活字離れと娯楽の多様化のこの時代に。
学生の頃は暇を持て余して本読みまくってたから
ハードカバーの新刊買うために食費削ったりしたけど
今は3年遅れくらいで読んでるから文庫しか買ってないや
>>821 おれと逆だ……
ハードカバーだと値段の元とろうとして
要求度が高くなるせいか、
よほど面白くないと腹が立つことが多い
『ラス・マンチャス通信』平山瑞穂
帯にあった正体不明の肌触りってのがふさわしい話だなあ。
「行間を読む」っていうのがあるけど、これは行間からなんか滲み出てるとうか、語られない
部分がじわじわ膨らんでいく感じ。嫌なものの内部に取り込まれていく気分だった。
「得体の知れない」ってこういうことかなー。
8.5点
>>827 最近のハードカバーって、絵本かと思うくらい
文字が大きく余白が多いよな。
ゲド戦記とか読みたいんだが、中見てびっくり。
つーかゲンナリ。
>829
あれは児童書だから…
>>830 原書の活字は全く大人物同様のサイズ
第一、児童書扱いは日本のみ
>>828 アマゾンの書評すごいことになってるな。
ここまで完璧無比なまでに絶賛の連発だと逆に引く。
>831
829に原書嫁と言ってくれ。それか同時代ライブラリで読むか。
つーか論点違うだろ
>>831 児童書扱いのほうがルグィン的には正しいとも言えるぜ
『ゲド戦記』ルグィン
文字がでかくて児童書みたいで萎えすぎ。
こんなちゃちい扱いの本なんて、ゲド戦記ならぬ外道戦記じゃないかと。
1点
おまえら装本や扱いの話がしたいなら雑談スレにいけよ。
いつまでもうだうだと、ざけんなっつーの
本の感想を肴に雑談にふけるスレはここですか。
本の感想に関係なく雑談してもいいスレははここですね。
>>836 どこの出版社の人か知らないけど、こんにちは。
売り上げ良くない上に、酷評多くて怒り心頭ですか?
>>839 そんなことより雑談続けましょうよw
今何読んでるの?
これから読みたい本は何?
賑やかだからミス住かと思ったら違うのか残念。
クネクネはまったくファンタジー読んでなさげ。
耐えられなさそう。
「ロードマークス」ロジャー・ゼラズニイ
合法的殺人ゲーム、ティラノサウルスに跨ったサド侯爵、
異星人の残した地球破壊ロボットと、小道具だけ見ればまるでプラット「フリーゾーン大混戦」
ばりのイロモノSFだが、(ちゃんとヒットラーも登場する)さにあらず。
ベイリー「時間衝突」に匹敵するユニークな発想で編まれた時間SFの大傑作。
ラスト近く、自分で埋めた物を未来で発掘する、某「神の手」みたいなウルの考古学者との問答が、この作品の特異な時間観念を
最も良く表している。(「詐欺じゃありませんか?」「とんでもない。・・・埋めたものが発掘されるのは、ほんとに六千年あとなんだから」)
〈道〉を行く人々の活動によって絶えず変化を繰り返す、動的な歴史・・・こんな素晴らしい大舞台に
魅力溢れる多数のキャラクターを満載しながら、こんなコンパクトな一篇にまとめてしまうゼラズニイの廉潔さがむしろ憎い。
それにしても、実質的なヒロインにして、殆どの修羅場を解決する大活躍を見せるのが2冊の「本」、
というのはどういう変化球なのか。個人的には「草の葉」よりも、世話焼き女房な「悪の華」萌えでした。
10点
『疾風魔法大戦』 トム・ホルト
古沢嘉通訳で、銀河ヒッチハイクガイドやモンティ・パイソン好きにお勧めのユーモア・ファンタジイだというので読んでみた。
かつて魔法使いの王と戦ったヴァイキングたちがが一千年の眠りを経て現代社会に現れ、
力を取り戻しつつある魔法使いの王に挑むってあらすじ。
緩急つけて小ネタ大ネタがあり、それなりには面白いんだけど先にあげた二作には及ばないかな。
もうちょっとパンチが欲しかった。
6点
『スチール・ビーチ』 ジョン・ヴァーリイ
ヴァーリイお得意の、性転換で男性⇔女性になったり(無性もあり)、
人体改造をバンバンする世界が繰り広げれる本作品。
しかし、作者本人は<八世界>シリーズに属さないと明言していますw。
で、話の筋としては、
快適な生活を享受するルナ人の中で、なぜか自殺率が急上昇。
そして、同じく自殺願望を抱いたゴシップ記者である主人公が、
その原因を調査するという話。
ところが、実はなかなか調査を始めないんですよ、これがw。
本筋と関係ないところで主人公が動き回り、自殺云々よりも、
主人公が中年の危機を回避するために、悪戦苦闘し続ける話になってました。
ちなみに記憶が定かではないですが、
かなり昔に読んだ『スノウ・クラッシュ』の序盤も
本筋と関係ないところでウロウロしていた記憶がありますけど、
それに似た感じが延々と続いた気がします。
そのため、話自体にあまり起伏が感じられないんですが、
そこはヴァーリイのアイデアと語りの巧さで、最後まで読ませる作品。
爆発的な面白さは無いけど、続きが読みたくなる面白さは十分にありました。
評価:7点
シャングリ・ラ 池上永一
プロパーSFファンなら「んなアホな!」を連発すると思いますが(というか私は連発しました)
あれだけ明後日なベクトルが、終盤で収束し落着する奇跡には思いっきり脱帽です。
業界的にどのジャンルにするか困ってる様なので、SFのレッテルを貼りましょう(w
こんなもん連載させたニュータイプも凄いな。
10点
848 :
名無し物書き@推敲中?:2006/02/25(土) 11:30:44
鬱になる
849 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/02/25(土) 16:59:22
相変わらずくだらない本の話題で盛り上がっているSFヲタ乙彼という感がある。
俺は「啓示空間」を買いに行きがてら、途中で気が変わり100円均一台で目に
とまった「古典」を再読してみた。
ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」 7点
結局、この作品ってSF的要素は、有名なパワード・スーツ等ほんの一部なんだよな。
しかも、科学的解説は不足かつ強引かつトンデモな領域にまで入ってしまっている。
従って、辛口の評価と論考で有名な俺が付けた7点という、荒川静香かスルツカヤを
想起させるような高得点(w は、あくまで「SF」という偏狭な枠にこだわらない
「小説」としての魅力を評価したものである。
(こういったフェアな姿勢は、SFヲタは見習うべきかと思う)
内容的には、ヒロイン不在の「愛と青春の旅だち」という形容が一番ふさわしいかと思う。
思想的な偏向の問題はひとまず置くとすれば、これゆえの男っぽい魅力に溢れているのは
否定出来ない事実である。
懸念されるべき事は、本書を読んだアホなSFヲタが自家製のパワード・スーツ(と称す
るもの)を着込み、
アキバのビッグカメラの屋上から「漏れのパワード・スーツによる降下キター!コレ!」
とか絶叫しながら、飛び降りたりしないかということである。
地上(SFヲタに言わせれば降下地点)に人がいたらどうするつもりなのだろうか?
キチガイめが!
850 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/25(土) 18:25:30
今日読んだSF/FT/HRの感想 4冊目
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1120281850/849 > 849 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日:2006/02/25(土) 16:59:22
> 相変わらずくだらない本の話題で盛り上がっているSFヲタ乙彼という感がある。
> 俺は「啓示空間」を買いに行きがてら、途中で気が変わり100円均一台で目に
> とまった「古典」を再読してみた。
つまり、「啓示空間」を買おうと思ったけどお金が無いからやめて、
代りに100円均一台を物色してみたら「古典」が目に止まったので
それを立ち読みして済ませた、ということですねw
851 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/25(土) 18:34:55
>アキバのビッグカメラ
アキバにビッグカメラなんてあったっけ?
はいはいスルースルー
>>851 ねーよ!
つーか、ビッグカメラじゃなくてビックカメラだしw
いずれにせよ、キチガイのレスなんか無視しろ!
こんな基地外デンパレス久しぶりに見た
春先はやっぱ病気が出ちゃうのかなあ
ミス住はビックカメラも知らない田舎者のようだな。
つーかミス住はもう30年以上も引きこもり生活を続けているから
実際には何がどうなっているのかなんか知らないんだよw
ミス住は仕方ないとしてもw、
それに反応してレス枠を消費する奴らのタチも良くないな。
うすぎたないミス住のチンポしゃぶりども。
ミス住来ると盛り上がりが違うwwwwwwwww
ミス住の人気に嫉妬。
アキバオタでタツノコスーツ知ってる奴どんくらいいるんだろか。
>>859 キチガイ荒らしの性犯罪者・ミス住は死ぬべきだと考えている点では完全一致しているんだよw
863 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/02/26(日) 15:52:31
>>800 欧米だと異人種セクロス(主に白人と黒人)は立派な変態行為。
あっちのエロビデオ通販サイトとか行くと、Inter-racialというジャンルが大体ある。
たぶんSMとかスカトロと同じレベル。
「怒りの神」フィリップ・K・ディック&ロジャー・ゼラズニイ
それぞれに癖の強い二者の共作だが、割合としてはディック8:ゼラズニイ2くらいの印象を受ける。
SFっぽいフレームで始まって、どんどん悪夢的に逸脱していくストーリーは、
まさにディックそのもの。神学についての薀蓄やリルケなど詩の引用にゼラズニイの衒学趣味を観て取れるが、
話の進行とあまり関係ない対話にて述べられるので、実にディック的に読みづらい。
大戦争後の荒野で出会う狂った機械たちが良い味を出している。
3つだけなんでも「質問」に答え、その後相手を殺してしまう逆スフィンクスなロボットとか。
自転車を「修理」してホッピングにしちゃう自動修理工場とか。
7点
>>863 まあ獣姦みたいなもんだろうね。もともと、獣姦ってケモノとやることじゃなくて
異教徒とのセックスを意味してたらしいし。異教徒は人間じゃないんだよ。
「マイナス・ゼロ」 広瀬 正
夏への扉が駄目だったけどこれも駄目だった タイムマシン話は好きなんだけどな
流されまくりの主人公がどうもねえ もっと冒険してほしかったな
タイムパラドックスが話の根幹にあったら楽しめたかもしれん
爽快感がいまいち 広瀬スレで「バック・トゥ・ザ・フュ-チャーの元ネタ?」とかネタで騒がれてたけど
エンタテイメントとしてもSFとしてもやっぱりバック〜のほうが上かな
話の展開は丁寧なんだけど、どうにも規模が小さすぎる
伏線の処理のしかたはちょっと気に入らない つじつま合わせにしか感じなかった
その時代時代の描写はいい 登場人物があったかくて好き
しかしタイムマシン小説の金字塔…とはちょっと認められないな
うーむこれがオールタイムベストか…
4点
>>866 じゃあ、たぶん懐古趣味の権化ジャック・フィニイもダメですね。
広瀬正に爽快感を求めるなよw
あれはノスタルジックな雰囲気を楽しむもんでしょ
>>869 まあ、同人種同部族同宗教のやつでもバンバン奴隷にして輸出してた黄人、黒人とどっちが野蛮かって話だわな。
interracialで変なのは黒人男+白人女ものばっかりということ。
あれは黒人男が買って「ホワイトピッグめ」と言いながらオナってるのか、
それとも白人男が買って「あああ……こんな逞しいのに……犯されてるぅ」と言いながらオナってるのか。
両方いそうだな。
黄色人男が買って「ホワイトピッグめ」「あああ……こんな逞しいのに……犯されてるぅ」と言いながらオナってる
>>872 うはwwwwそれ俺wwwww
見た目のインパクトがあるよね、コントラストが鮮やかでw
>>871 白人女と黒人女もあるぞ。(多分白人男と黒人男もあるだろうなw)
浮浪者に犯される美女とかそういうのに近い感覚なのかもな。
いいかげんによそでやれや豚ども
「10月3日の目撃者」 エイブラム・デイヴィッドスン
デイヴィッドスン初邦訳の短編集 ソノラマ海外シリーズ
とても変なお話を書く作家 ばかばかしいアイデアなんだけど、どうも作者は大真面目で書いているらしい
だからこっちも大真面目で読むと、妙な読後感が生まれる そういう意味での変なお話
スラップスティックをスラップスティックとして読んではいけないような感じ
奇想コレクションの「どんがらがん」のなかにもあったような
弱者よりの物語と不条理小説とラファティの居住世界シリーズのようなSF、
そして古典的ホラーなどで構成されている
話の質はまあまあかな 「どんがらがん」の落穂拾いという印象 先に出たのはこっちだけど
ていうかさ、裏表紙に「あるいは牡蠣でいっぱいの海」や「ラホーア兵站事件」で読者を釣っておきながら
それが全然収録されてないってどういうこった編集者 無理やりにでもつっこめよ
まずそれをいれなきゃデイヴィッドスンのよき紹介にはならんぞ
ああだから日本でのデイヴィッドスンの知名度が低いわけですね
そして紙質が悪すぎる ページの裏に文字のあとが浮き出ているんだぜ 全ページにわたってな やれやれ
6点
稲生平太郎『アクアリウムの夜』
近作の『アムネジア』もそうだったが、ミステリとホラーとSFの各ジャンルから微妙に逸脱しつつ、
オカルティズムと狂気と虚構の関係にまつわるメタフィクショナルな構造を持つすぐれた幻想文学。
あえていうなら、クリストファー・プリーストやジーン・ウルフ、ジョン・クロウリーあたりに近い。
こんなのに緒方剛志のイラストつけてスニーカー文庫から出しちゃって良いのか。
濃密さでは『アムネジア』に劣るが、青春文学というパッケージの持つせつなさと
それが反転する際の戦慄は得がたいものがある。
8点
ふーん、なんか面白そうだね。
>>877 煽りがうまいな。
早速本屋で探したけどなかったでよ。
アマゾンでも売り切れ
ポール・アンダーソン「地球帝国秘密諜報員」
主人公フランドリー大佐は一言で言えば「超能力使わないレンズマン」って感じ。
口八丁手八丁で地球帝国に敵対する国家をばったばったとなぎたおす!
上司のフェンロス中将や従僕のジャイヴス、ライバルのトリ男、アイキャレイクもそれぞれ
いい味出してる。敵のはずのアイキャレイクとパーティ開くとこは爆笑もの。
さすがに古さは否めないけど、その古さもいい具合だと思う。
7点
ほほう、なかなか面白そうだね。
>>881 煽りがうまいな。
早速本屋で探したけどなかったでよ。
アマゾンでも売り切れ
ん?デジャヴ?
>>877 > 稲生平太郎『アクアリウムの夜』
>
> 近作の『アムネジア』もそうだったが、
げ……またキモい小説書いたのか……勘弁してくれ……(ヒステリックな笑い)
>>877 メタフィクションって小説について考える小説のことだよね。
そういう構造持った小説なの?
だからそう書いてあるだろう。
オカルティズムと狂気と虚構の関係にまつわる本について語る幻想文学小説なんだよ。
オースン・スコット・カード 『辺境の人々』
戦争によって荒廃した近未来のアメリカを舞台にした連作短編集。
あんまりオースン・スコット・カードに対する知識も無く、普通のSFを読むつもりで読んだら全然SFじゃなかった・
ちょっと調べたらカートは
「わたしの作品を手にとる読者は、わたしのサイエンス・フィクションにほとんど科学というものがないことにお気づきになるだろう。
わたしはこのジャンルが与える自由を、シュチュエーションを生かすために活用しはするが、未来を予測あるいは規定しようとする気はどこにもない。」
などとおっしゃっているんでSFを期待した自分が馬鹿だったんだろう。
小説としてはつまんないわけじゃないけど、SFとしては駄作でした。
特にモルモンに興味もないし。
4点
>>890 えと、あなたのSFの定義がわからないと、反応のしようがないです。
オースン・スコット・カードがSFでないとすると、何読んで満足して
いるんですか? これがSFだというような、面白い作品が何かあるな
ら教えてください。最近なんだか読みたいものがないので。
感想を書くスレで、感想にレス書くのは
どうかと思うんだが、どうよ?
問い詰め感出てるしなー
自作自演じゃないの?w
>特にモルモンに興味もないし。
この部分で駄目さが分かるな……。
カードも、いいのはいいんだけどねえ……。
カードので、普通のSFとしても満足できるのって
「死者の代弁者」ぐらいかな。あれはよかった。
そのあとのは辛気臭くて途中で挫折……
>>890 煽りがうまいな。
早速本屋で探したけどなかったでよ。
いつからくねくねが常駐するようになっちまったんだ・・・・
カードヲタの擁護乙。
901 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/03/11(土) 15:19:50
SFヲタよ、少しは古典に親しみたまえ。
これは俺からの指導(注 中村ではない(w )と理解して頂いて結構である。
心して読め!
ロバート・A・ハインライン「異星の客」 5点
人類初の火星探検隊員の遺児(不倫の子)ヴァレンタイン・マイケル・スミスは、
火星人から身につけた超能力により教祖的存在となるが、民衆の反感も買い
虐殺されてしまう。正直言うてメーンストーリーはこれだけであるが、
ヒッピーの聖典となり、マンソンファミリーのアジトからさえ押収されるという
SF作品、特にこのジャンルのプロパーと言うてよいマエストロの手になるものと
しては稀有な読まれ方をされた書である。
知識人にして資産家のジュバル・ハーショー
(第2部から登場し、以後は主人公ヴァレンタイン(注 マリーンズの監督ではない(w )
以上の存在感でドラマを引っ張る)を中心とした禅問答的会話(メーンテーマは
人類とは何か)が延々と登場し、800頁が費やされる次第。
物語のスケール感も派手なアクションにも乏しいため、読み進めるに当たっては、
007シリーズで知られる井上一夫氏のこなれた日本語訳に随分と救われている感がある。
俺のようにSFは思索小説であるべしと把握する者には適した読物と言えるだろうが、
レイ・ガンやパワード・スーツにうつつを抜かしているSFヲタには、いささか読むのが
きついものがある作かと思う。
ただし、ハインラインのサービス精神は健在であり、ヒロインのナース、ジリアンを
筆頭に女性萌えキャラには事欠かない。
内容をグロク出来ないにもかかわらず、「漏れは抜くために読む」というアホな
SFヲタも多いのではないか。もう氏ねよ。
新刊の話題にはついていけないとこうなるwww
ハインラインはただのウヨ
思弁小説と言いたくて言えなかったミス住……
(´・ω・`)カワイソス
宇宙戦争読んだ人間は33でバカにしているくせに、今度は古典に親しめだとさw
記憶力のない阿呆はこれだから困る
ミス住いつにも増してアホだな
春先は病状が悪化するんですかね?
>>907 俺はミステリー板や文学板にも行くからわかるけど、
今回のはまだ症状は軽いほうですw
「脳髄工場」 小林泰三
表題作はテンポ悪すぎ。いちいちくどい。ネタに新味がない。落ちがたいしたことない。
未来予測モデルに説得力が無い。話がだらだらとしてうっとおしい。
いろいろと言ったけど、つまりは「どうしちゃったんだ小林泰三?」ということ。最近は駄目なのが多いなあ。
社内誌に載ったショートショートもちょっとね。やっつけ気味で呆れる。しょうがないか。
他の短編はどれもいい。日常からの転換がうまいのはさすが。
狂気と笑いのギリギリの線を突っ走る話はこびが爽快だ。
順位をつけるなら
1 影の国 2 C市 3 友達
7点
新刊を読んでも理解出来ないオッサンの例
52 名前: ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日: 04/12/26 17:57:27
SFヲタ御推薦の「万物理論」を読んだ。
正直言って、わけわからないつまらない本であった。
山本弘「神は沈黙せず」の方がまだ面白い。
このような作品を持ち上げているようでは、SFはますます駄目になってしまうよ。
ちなみに、自分は「幼年期の終り」「ソラリスの陽のもとに」に感動し、
今でもたまに読み返すタイプであり、センス・オブ・ワンダーに
対する感受性は恵まれている者である。
911 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/03/12(日) 10:30:57
アーサー・C・クラーク「海底牧場」 4点
アーサー作品初期の近未来もの。標準的な出来といったところで
評価はこんなもんであろう。
ネタばれ気味(ネタばれやめれ!)のタイトルからもわかるとおり、
大宇宙に劣らない神秘な世界である「海」を舞台にした作品であり、
古来からお約束のクラーケンやシーサーペントも登場するものの、
メーンストーリーは、不慮の事故により挫折したアストロノーツが近未来における
海の男として、私生活でも新たな伴侶を得て再起してゆく人間ドラマである。
作品のテーマが明確化され、アーサー(注 王ではない(w )の本領が発揮されるのは、
現場を離れた主人公が上級管理職となって予算措置や対外的な折衝に苦悩するという
本書中で最も「SF」らしからぬ部分が多い第3部(官僚時代)というのが面白い。
ここには、どこか空前絶後の古典「幼年期の終り」の世界の訪れを示唆するものが
感じられるのである。
ジュブナイル版もあるようだが、自動化された鯨の解体作業の場面は当然の如く
カットなのであろう。主人公どころか人類共通の悩ましき問題である食糧問題をリアルに
考える場合には、残酷過ぎるからと言うてカットしてよいものではないのだが…
ミス住必死だな
またはよほどの暇人か
働けよ無職
ミス住って「小池徹平のケツを掘る」とネットで宣言した変態なんだってな。
小池徹平に相応しい男になるためにバイトを始めるとか言っていたが、
誰かに相応しい男になるために「バイト」てw せめて正社員目指せよw
はいはいスルー、スルー
916 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/12(日) 22:57:40
ヴァーナー・ヴィンジ 『遠き神々の炎』
とにかく設定が面白い!!
宇宙論が凄い。
出てくる生物が奇抜。
特に、犬型エイリアンは巧いねぇ〜。
ただし、文庫の最初の方に登場人物の紹介ページがあって、
『邪悪意識…………?』と書いてあるんだけど、
小説を読み終わっても「邪悪意識って何? 」 って感じだったw。
結局、小説の壮大な設定に対して、ページ数が少なすぎたと思う。
それが結末の弱さに繋がったかな? と。
ちょっと惜しい感じがしました。
評価 7点
「古典を読め!」とかいいながら4点とか5点評価の古典を紹介する不思議。
918 :
感想1:2006/03/14(火) 06:49:35
浴槽で発見された手記 スタニスワフ・レム
サンリオSF文庫のなかでも結構な値段の小説。5千円した。
まあそれはさておき、レムの小説の中では一番楽しめたよ。
レムの過剰なディティールが今まで俺は気に食わなかった。ソラリス学とか、GOLEM14とか、高い城とか。
現場検証にいたっては異世界の文明描写が確か100pぐらいだ。
俺にとってはどれもこれも読む気を削ぐ要素でしかない。
だけど浴槽にいたってはそういったリアリティのための虚構はどちらかといえば、薄い。
リアリティのための虚構、というのはもちろんまえがきのことだ。遥か未来の知性が見つめる過去。
それは異化された現実であって、未来知性たちと俺たちの認識の齟齬がまず面白い。
アメリカ、ペンタゴン、キリスト教… 彼らにはどう映っているのか?
こういう見せ方でも一つの物語ができそうだけど、それは「星からの帰還」を読めばいい。
浴槽のメインはそんなところにはないのだ。俺たちの延長、つまり想像できるような未来は
あらゆる紙の崩壊、つまり情報だな、それが失われるとともに消滅した。その経緯がまえがきによって
明かされる。では本文は? ペンタゴンの「浴槽で発見された手記」の内容はいかに?
ほとんどの読者はカタストロフィ寸前の時代にて、一人の人間がその時代の様子をを克明に記した
ものと思うだろう。違うのかって? 全然違う。本文には文明の崩壊をもたらした原因など書かれていないし
それを食い止めようとする人類などかけらも出てこない。
919 :
感想2:2006/03/14(火) 06:50:15
では何が描かれているか。暗号である。何の暗号? それを追求するのが俺たち読者なんだ。
手記の内容は錯綜している。時系列や文面といったことではなくて、手記を書いた(と推測される)<わたし>
のペンタゴン、本文の中では「本庁」における立場がページを繰るごとに錯綜していくのだ。
<わたし>はある指令書に基づき上官のもとへ出頭する。そこで任務を得るはずだったが、なぜか上官は
任務をはっきりさせず、指令書を隠匿し、そんな指令は無かったと言い張る。
<わたし>は自分の任務をはっきりさせるため、仕方なく本庁の部署という部署をたずねるが無駄骨に終わる。
しかも会う人物全てが自分に何かを隠しているようで、その上、本庁へのスパイ行為を臭わせるているのだ。
ようやっと自分の指令書を手に入れた<わたし>だが、そこに書かれていたのは<わたし>が体験したこと行動
の詳細な描写であった。困惑する<わたし>にある人物が告げる。
「あらゆるものは暗号なのです」
例としてシェイクスピアの文をデコーダにかける。するとまったく違う意味の言葉が吐き出されてくる。
このあたりは「完全な真空」に収録されている「ギガメシュ」を読んでいると理解が早いだろう。
「あらゆるものは暗号なのです」
この時点で読者はこう思うのではないか。この手記というのは、<わたし>による手記ではなくて、
指令書そのものではないのか? さあここからがレムとの戦いだ。手記が暗号だとしたら?
書かれている内容は全く意味の無いものであり、本当の意味をつかもうとするなら、解読しなくてはならない。
しかしどうやって? 俺は無限の淵に立たされてるようだったよ。盲目で海を渡るようなものだ。
920 :
感想3:2006/03/14(火) 06:51:18
仕方が無いので先を読み進める。<わたし>の任務はいっこうにわからない。そして会う人物はスパイ、
二重スパイ、三重スパイ、四重、五重……そんなやつらばかりだ。<わたし>はこんなことを想像する、
本庁はすべてスパイによって構成されているのでは? そして敵側は味方で構成されているとしたら…
だとしたら任務を知らない<わたし>自身はいったいなんなんだろう? いまだつかめない任務に関係があるのか?
読んでいると疑問符ばかりが沸いてくる。一向に休まる気配を見せない不条理な世界だ。
確かなものは何だろう。いつしか意識は小説から離れ、答えを探し続ける。答えが見つからないので
手記を読む。そしてまた新たな疑問が沸いてくる… そんなことの繰り返しだったよ。
<わたし>は最終的に真実をつかみかかる、が、その真実は彼の元を離れていく。手記は終わっている。
そうして読者だけが取り残されて呆然とするんだ。どうやってこの小説を扱えばいいのか俺にはまったくわからん。
メタフィクションとして? スラップスティックとして? 寓話として? 文明批評として?
まえがきをいれた意味はなんだろう? 未来の知性が崩壊した文明を色々と勘違いしていたように、
この手記の読み方も、彼らにはどこか違った角度から読めるのかもしれない。
すると俺の読み方はどうなんだってことになる。正しいのか間違っているのか。そんなことは問うべきじゃないのか。
俺こそが未来知性であり、本質は永遠にわからないのかも。
ジーン・ウルフが好きな人は読んでみるといいだろう。
ああしかし面白かった。たぶん読書の楽しみっていうのはこういうのをいうのだろう。
しばらく小説はいいや、って気分だ。
10点
長いわりに中身の乏しい感想だった。とにかく独善が鼻につく。
3点
こんな感想ブログにでも書いとけ
2点
>>918 > 浴槽で発見された手記 スタニスワフ・レム
非常に興味をそそられました。
あ〜あ、買っておけば良かったなあ。
レムは「退屈そうだからなあ」と見逃しまくっていて、
今になって後悔してる。
価格10点
本が泣いてるわよね ( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
レムのそれはカフカの城みたいな不条理文学として
俺も楽しめた。ソラリス以外で唯一楽しめた本。
「テラプレーン」ジャック・ウォマック
平行世界ものだが、どっちの世界も大概なディストピアでした、
という珍しくも気の滅入る小説。
一応ヒロイン的なロシア人天才女性科学者なんかも出てくるが、中心にいるのは
サイボーグめいた話し方をするコチコチの(元)軍人二人なので、ますます灰色の世界、という印象を強める。
スターリンがあらゆる広告に顔を出す資本主義化されたソ連、
テスラコイルによるタイムトラベルに神経を加速する疫病、と
いった数々の奇想と、圧倒的な現実感を持つ過酷な世界の描写がもろともに詰め込まれ、構成としては破綻しながらも
異様な読後感を残す作品。
9点
9点かあ、じゃあなんだかんだいって楽しんだんだ・・・(´∀`*)
漏れも買ってこよ
>>927 > 異様な読後感を残す作品。
そう、ストーリーも忘れたけど、この作品の異様な迫力を持つ
気味の悪い世界設定は覚えている。思い出すたびに落ち着かな
い気分にさせてくれるいや〜な本。
930 :
でへ:2006/03/15(水) 06:25:30
銀河の荒鷲シーフォート 1〜7 ハヤカワSF
キャプテンフューチャーが出ないので、替わりに
1巻を読み、割と面白かったので7巻までイッキ買い、
読了に1ヶ月以上かかった、ちなみに、いまだ
キャプテンフューチャーは出ない。(泣)
本シリーズの特徴ですが、
・キリスト教が大きなポイント
・少年たちの厳格?な軍隊生活
・如何にもな表紙だが内容は期待を裏切るw
・主人公のキョーレツな個性とおバカなところに萌え
てな感じです。
以下、感想
2月の初旬に購入し読了するまで1ヶ月以上かかった。
シリーズ後半になると、如何にもな表紙ともあいまって
(読むのが)とてもつらくなった。
巻を増すごとにキョーレツになる主人公のキャラに
萎えながらも、読み切った自分の忍耐力に感心した。
(特に5巻以降はツラカッタ、最終巻まで読み進めたら、
大量の男子小学生(しかも制服姿)が出てくる、とても
おぞましい夢を見てしまいマスタ、でも、シリーズの
続きが出たら読むと思います。w)
1〜4巻は7点 5〜7巻は6点
大量の男子小学生(しかも制服姿)が出てくる夢を
みて、至福を感じる人たちにとっては、
たまらんシリーズでしょう。
「BE FREE!」 江川達也 1〜12巻(10巻抜け)
古本屋でゲット。
コンプではなく10巻抜けですが、まあ、あの巻は抜いても話はつながるから。
20年ぶりぐらいで読み返した。
当時、このマンガの登場が出たときの衝撃を思い出した。
江川達也のデビュー作。
彼のやりたいことがこれに全部詰まっている。
これ以後の江川氏は、いってみれば自己模倣の繰り返し。
以後の彼の作品のどれよりも面白いのは困ったもんだ。
あのラストには賛否両論あるだろうが、俺は好き。
「わが名はコンラッド」とか思い出した。
だからSFってことで。
いや、むしろ「イヤハヤ南友」かな。
932 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/15(水) 10:47:04
>>931 SFはともかく読んだものの感想を書きたかっただけなんじゃないか?
934 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2006/03/15(水) 21:52:24
いくらなんでもスレ違い
創元、早川、サンリオ、新潮、角川、講談社表紙絵全てを網羅したの出ないかな。
>>936 ↓がそうなんじゃないの。てかスレ違いだな。
>『武部本一郎SF挿絵原画蒐集【1965〜1973】/上』
>SFアートの父・武部本一郎が描いた火星シリーズや金星シリーズの
>SF文庫本のカバー・口絵・挿絵の
>原画約1,000点を上下巻に分けて年代順に編集。
>監修・解説=加藤直之。下巻は4月予定。
それ一人限定じゃん。
939 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/03/18(土) 11:23:33
木原喜彦著「UFOとポストモダン」 2点
SFヲタでも知っている奴は知っているユングのUFO=集団的無意識説あたりから、
ポストモダンの時代におけるUFO像を語るのかと思いきや、いきなり前書き(はじめに)
で、深層心理学はオカルト的な疑似心理学の色合いを帯びているとし、この方向性を
取らないことを明言、以後は各章で社会学・哲学の観点からUFO神話とでも称すべき現象の変遷が分析されてゆく。
(ジャック・デリダの「バロール」と「エクリチュール」等は分析にあたっての肝要な
ツールのひとつとなっている)
不満点は、著者が論考の対象にUFO(及びその搭乗員と考えられるエイリアン)を
取り上げながら、終章ではほとんどUFOに関して語らなくなってしまうことである。
(代わって、聖書の暗号、アポロ月面着陸の陰謀説、スカイフィッシュ、環境ホルモン、
Y2K問題、911とテロ等の話題が、ポストUFO神話として分析対象とされている)
これは、ロズウェル事件の実態が判明する等、90年代後半以降のUFO現象の
沈滞傾向(つまり、語るに値するほどの社会現象足り得ない)もあって仕方無い面も
あろうが、アキバのグレイ(注 歌手ではない(w )タイプのコスプレをした奴を見て、
「やはり宇宙人は地球に来ていた!」と興奮、そのついでに新築のアニメセンターに乱入、
「山ちゃんキター!、ショウコタンもキター!コレ!」と絶叫のうえ、
警備員に不審者として叩き出されてしまうUFOヲタ兼SFヲタには、
納得がゆかないところであろうかと思う。
「バ」ロールだとさw
馬鹿丸出しだな
バカ住の狂った妄想を見るたびに思うんだけど、
こいつ、俺たちを煽っているつもりなのかな?
それとも本気なのかな?
とにかく気持ち悪いんだけどな・・・
俺は毎回面白く読ませてもらってるよ>ミス住
なんか憎めないところがあるw
パワードスーツ着てビルから降下は笑った
>>943 バカさ加減は確かに笑えるな、バロールとかw
本人が「笑われている」と「笑わせている」の区別のついてないところがイタイな
フランス基礎単語語すら知らないミス住哀れwwwwwwwwwwwww
もう大好きwwwwwwwwwww
タンゴ誤
>>943 ああいう狂った妄想文は、確かに普通の人間には書けないよな。
キチガイにしか思いつかない場面だものな、確かに憎めないよ。
むしろ哀れみのほうが先に立つw
でも去年の夏あたり、ぜんぜんミス住来なかった時期あったけど
あの時はなんだか寂しかったし、ちょっと心配してた。
入院しちゃったのかってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ミス住が入院したら、俺は花を持ってお見舞いに行くぜ。
サイネリアの鉢植えをねw
さっきからなんなのこの自演は
952 :
959:2006/03/18(土) 17:11:22
<豆知識>
サイネリア・・・・・・別名「シネレリア」。
「死ね」に通じるからお見舞い向けの花ではない。
鉢植え・・・・・・・・・「根付く」ことから病気が長引くことにつうじるため、これまたお見舞いには適さない。
いつも必ずオチに出てくるまぬけなSFヲタは
全部自己紹介なんだろうね。
954 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/03/19(日) 11:58:52
筒井康隆「銀齢の果て」 6点
政府によるシルバー・バトル(老人相互処刑制度)、
老舗和菓子屋のご隠居宇谷九一郎も戦いの渦中に巻き込まれてゆく…
紆余曲折の末、サバイバルした宇一郎は、他地区のサバイバーたちと共に
憎き厚生労働省への決死のアタックを決意するものの、ひょんな誤解から、
またしても死に場所を逸してしまう…
SFていうか寓話、筒井堂の手になる言わば「老人版バトル・ロワイアル」で、
さもあらんという期待どおりの展開だが、逆に予想外、意表を突くというものが無い
のが不満が残るところであろうか。
この辺が、インテリゲンチュア・イン・ジャパン編集部内でも、4点から8点と
上下ダブル・スコアの範囲で評価が割れた所以かとも思う。
しかし、3点以下は有り得ず、9点以上は不可解という点は多くの禿しい胴衣を得られる
ところであろうかと思う。
とは言うても、筒井堂のストーリーテリングは健在であり、面白く一気に読ませるのは
さすがである。
>>953 同感。
あんな突飛で異常な行動なんて、いくら頭をひねっても思いつきゃしないよ。
できるとすれば実際にあんな変態行動とった本人くらいだものなw
>この辺が、インテリゲンチュア・イン・ジャパン編集部内でも、4点から8点と
>上下ダブル・スコアの範囲で評価が割れた所以かとも思う。
何それ?
ネタのつもりならセンスゼロ。
本気で言ってるのなら明日すぐ入院しろや。
兄三角定規+赤インク=ミス住
最近筒井の「死にかた」って漫画のコピペたまに見かけるがあれ面白かった。
筒井は読んだことないんだが、けっこうグロ作品多いのか?
グロも多いし泣ける作品も多いし実験小説も多い。
なんでもあり。
山上たつひこの漫画を活字にしたような感じ
>>958
>インテリゲンチュア・イン・ジャパン
で検索してもそんな書籍は見当たりませんが?
>>961 ミス住の脳内だけに存在する雑誌だから。
ミス住はその雑誌をはじめとする色々な書籍を出版している会社の社長、
と自分の脳内で設定している、らしい・・・w
あと気違いはスルーっていう注意を
あとはこれかな。
「未読の人のために、結末部分のネタバレは厳禁とします。
どうしても語りたい人はメール欄を活用してください。」
最近、いやがらせのつもりか故意にネタバレするコテハンがいるようだし。
スレ独自のルールであっても、明記してあれば削除人は考慮してくれる。
このコテハンが何か書くたびに、金魚のフンみたいに罵倒レスを連ねるのは勘弁してほしい。
NGワード登録の意味がないよ。忠告してくれるのはありがたいが、元々の住人はちゃんとスルーできてるから、
あなたたちもそうしてくれよ。
古参気取りもやめてくれ
>>939 たった2点なのに、なんで不満点が1つしかないんだw
まあ、レスする方も幼稚だ罠。
901 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日:2006/03/11(土) 15:19:50
SFヲタよ、少しは古典に親しみたまえ。
これは俺からの指導(注 中村ではない(w )と理解して頂いて結構である。
心して読め!
↑
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/comic/1138341700/197 197 名前:ミステリ ◆0FE6khB7i2 投稿日:2006/03/25(土) 23:44:31 ID:CeZm9n8g0
個人的な意見の表明に対して、上記のように「上からモノを言う」ような姿勢
は好ましいものではありません。注意した方が良いですよ。
972 :
でへ:2006/03/26(日) 21:55:20
ページをめくれば ゼナ・ヘンダースン 奇想コレクション
ゼナ・ヘンダースンと言えば、ピープルシリーズ
なんですが、この本はそれ以外の短遍を集めた本、
ほとんどの短遍が、主人公はアメリカの田舎の
小学校に勤める女性教師で、ちょっと変わった
教え子に出会う話になっています。
この人はこういう話しかかけない人なんだ、
と思いました。(良い意味で)
でも、独特の味のある この人の話は好きです。
総合点は7点
最後の短遍だけは8点
ちょっとゼナ・ヘンダースンらしからぬ
味わいですが、密度の濃い話、これはオススメ
子供たちの午後 R・A・ラファティ
青心社SF。やたらと高値のつく短編集だ。
収録されているのはいつものホラ話。でも「いつもの」ってどんなの?
と聞かれると「なんか変な話」と答えざるをえないのがラファティ。
・アダムには三人の兄弟がいた
題名からして大嘘! これは詐欺師一族の話なんだ。
詐欺テクニックの名称が無意味にずらずらと羅列されているのが楽しい。
・氷河来る
終末SFでいいのかな? 題名まんまの話。デビュー作ということだが、難解な概念をそのまま放り出す
手法はこのころから確立されていたのだった。
・子供たちの午後
地球礁を思わせる作品。地球はなんて不幸な惑星なんだ。
・この世で一番忌まわしい世界
宇宙旅行者による異星探訪。主人公の正体がわかるとあら不思議。ラファティ式異化作用が楽しめる。
ああまったく最低な世界さ。
・彼岸の影
本書の中で一番の出来だと思う。夢を具体的に映像化する機械によって繰り広げられる、世界の謎探索行。
現実と○○が交差する展開は圧巻。誰もが盛大にずっこけるに違いない。そして……最後はひたすら怖い話。
いやあ傑作だ。
不純粋科学研究所が入ってないのが惜しい。9点。
974 :
でへ:2006/03/28(火) 23:40:04
レフト・アローン 藤崎慎吾 ハヤカワSF
3冊目の藤崎慎吾
クリスタル・サイレンスに関連した短遍が2つ、
遠未来の太陽系、近未来の地球を舞台とした短遍が3つ、
どれもなかなか良かった。
個人的には、奄美大島を舞台にした「星窪」が良かった。
7点
975 :
でへ:2006/04/05(水) 00:19:28
マジック・キングダムで落ちぶれて コリイ・ドクトロウ
長いことアマゾンのオススメにあった、表紙の写真と
題名からファンタジーだと思って敬遠していたが、
本屋で立ち読みし、思ったより面白かったので購入
絶版にならないうちに購入できてよかった。
土台となる世界(ビッチャン世界)はなかなか面白い、
これを元にいくつか作品が書けると思う、、、
だが土台が良くできすぎているせいか、物語の舞台が
狭すぎる感じがする。
その分、話は良くまとまっているのだが、、、
土台を生かすためには、もっとスケールの大きな
話を書いて欲しかった。
面白かったので、7点
つまんねえ感想だな。
977 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/07(金) 12:40:13
競争での敗因
わざわざ書き込む価値なし