「ラット・キング」チャイナ・ミエヴィル(角川ブックプラス)
表紙若干キモイが、面白いよこれ。
ロンドンのホ−ムレス的世界に君臨するラットキングが強烈すぎ。
ゴミを喰い、屋根を跳び、下水道に精通するラットキング。
主人公はラットキングの甥というところから話が始まるが、
ひょろい笛吹き男とか鳥の王とか地下宮殿とか色々出てきて半分アメコミだなこりゃ。
主人公が成長していくにつれ、ラットキングがどんどんダメオヤジ化していくのが笑えた。
アイディア自体は高野文緒「ムジカマキーナ」と同じだが、
より童話的説得力に満ちていて楽しい。
ドラムンベースという当時の流行を中心に据えてしまったことで
ある種の寒さを出してしまうという失敗はあったが、まあ気にしない。
ブリテンの作家がロンドンを舞台にして初めて書ける、
ドライブ感にあふれた良質エンターテインメントだと思った。
8点
931 :
930:2005/07/02(土) 00:49:03
この作品にはロンドン本来の魅力を感じる。
アメリカ人作家がロンドンを描くと、
どうしてもヴィクトリアン/ジョージアンな女王陛下の霧の都になってしまう。
(チバシティと同じことが起きる)
それはそれで好きだけど、ロンドンはそれだけじゃないだろう、という。
932 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/02(土) 09:28:33
「傀儡后」 牧野修
初マキノ。
なんかいろいろと爆発してて楽しめた。
ホラーから入った人にはつらそう。
6点
933 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/02(土) 13:07:19
長沢工「天文台の電話番」 7点
SFヲタには「西の空にUFOを見たのれすが…」(実は金星(w))とか、
訳がわからない電話を天文台にかけて、職員の人を悩ませる輩が多いようである。
本書は、こういった連中に突き付けて読ませたい科学エッセイの佳作である。
著者は、国立天文台広報普及室に属しながら(非常勤)、温厚なアドバイザーという
タイプではなく、ちょっと頑固なところがある学者爺というのが面白い。
農業高校定時制から東大の天文学科、同大院へ進学し、理学博士号取得、
ただし、就職先は東大の地震研究所という変り種の秀才である。
2001年刊行(従って内容は2000年までの話題)と、少し古い本ではあるが、
既に、ゆとり教育による学力低下、学生の理科離れ、世間のオカルト信仰等の
現時点でも通じるような問題点が指摘されているのは鋭いものを感じる。
>>924,925
あんたまったく読めてないな。
最後の「プロ」を誉めるなら、この作品を補強するために「アンタレス」があることに気付けよ。
つまり、「プロ」の主人公の作家が、むかし「アンタレス」みたいな作品を書いていたってことだ。
さらにいえば、この作品集全体が、「プロ」の作家の経歴を彷彿とさせる構成になっている。
ほかの作品の評価も的はずれなのが多くて、呆れるを通り越して悲しくなるよ。
バカにかまうバカ
つうかいいかげんミス住いじるのやめろよ>クネ
939 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/02(土) 13:35:24
>>934 東京創元社は完全週休2日制らしいな、商品を批判されて切れるのは
「プロ」として非常に見苦しいものがある。
読者からの声は、謙虚な姿勢をもって傾聴したまえ。
後ね、
>>932もSFヲタが書いたものにしては、あまりに寒過ぎるものがある。
自戒されたし。
以上、他板スレから来た友人として忌憚が無い意見を書かせてもらった。
ポール・オースター「最後の物たちの国で」
9点
カタストロフ後アメリカに渡った女性が主人公。手紙スタイル。
アメ公の好きな「家族の再生」とかフリーダムとかカケラもなくて、
ただひたすら汚辱と苦痛にまみれたド貧民生活をめんめんと語る。
新聞紙で肥満みたいになったガリガリの人の描写にはワロタ
ジーンウルフの「アメリカでの七日間」に似た設定だけど
もう少し寓話的、終末的な匂いがあるか。
なんかアメリカでは妙に真面目な受けとられ方したようだが、
(「現に世界にはこういう生活をしている人がいるザマス! キーッ」など)
俺は普通に近未来アメリカに生きる人々を描いたSFとして楽しめた。
成田良悟「バッカーノ!1931 鈍行編・特急編」絵エナミカツミ
6点
後輩に勧められて読んだ。
ラノベは都市シリーズとやらを一冊(評価は2点)しか読んだことない。
まず上巻の前半すべてがプロローグにあてられているという構造にたまげる。
一本の列車のあっちこっちで話が進む。登場人物は多いが、
集団ごとに色分けされてるので特に見分けるのに苦労しない。
逆に言えばけっこう薄い。そんな中、キレ担当とおぼしきラッド君が非常に印象に残る。
下巻を読んで「まあ、よくまとめたな」と感心。
不死者とかのラノベ的要素はどうでもいいと思ったが、
まあ密室ドタバタ小説として値段分は楽しめた。
扉部にエピソードごとの名場面イラスト?(セリフつき)が数頁あり、
雰囲気をつかむのに役だった。
942 :
941:2005/07/02(土) 14:15:47
>集団ごとに色分けされてるので特に見分けるのに苦労しない。
>逆に言えばけっこう薄い。
集団ごとの色ははっきり描き分けられているが、
個々のキャラの性格はあんまり出てないな、ということです。
次スレ、ミス住はスルーってテンプレいれといたら?
948 :
905:2005/07/02(土) 16:21:52
>>944 「ニッポン太平洋帝国」G・ミキ・ヘイデン 2点
先週読了してたんだけど、つまらんかったので書かなかった。
訳者あとがきには「ヘンなニッポン観はない」みたいな言があったが、
1990年代の作品だというのに相も変わらず
ステロタイプかつ珍妙なニッポン描写だらけで萎えた。
登場人物の名前が「谷崎」「川端」というのを見れば、
作者の日本に対する知識がいかほどのレベルかは一目瞭然。
なにしろ改変が起こる以前から改変されたニッポンになってるんだからなあw
そりゃまたw
むしろ興味がわいたので読むわ。
951 :
◆GacHaPR1Us :2005/07/03(日) 09:16:50
ガチャはスルーが基本なのででしゃばらなきゃいい
しかし
>>951の時点で危うい
つうか糞コテどもの話なんかどうでもいいから
感想書こうぜ
954 :
名無しは無慈悲な夜の女王:2005/07/03(日) 10:48:03
まずカイより始めよつーことで
「架空地名大辞典」アルベルト・マングェル&ジアンニ・グアダルーピ(講談社)
カロールメンからオズからゴント島からアーカムからローハンから
ムーミンランドからゴーメンガーストからザントドンからラピュタからユートピアまで
載っていない架空地名はないというまでの徹底ぶり。
当地の歴史、地図、最近の出来事、当地を訪れた旅行者の顛末、
これから当地を訪れる人のための諸注意など、
ガイドブックじみた解説がいい味出してます。
改訂版は初訳で省かれていたものも訳されているという話。
今買うならそっちかな。
10点
955 :
954:2005/07/03(日) 10:52:33
毛色の変わったファンタジー入門としても使えるぜ
ハイだのロウだのエブリデイだのエピックだのと分類から始めやがる凡百の入門書より
こっちのほうがなんぼかクールか知れません
クトゥルー期待したらアーカムしかなかった。
地球外は掲載対象外だからな
インスマスは載ってるぞ
超人が異世界で活躍する痛快小説であるという触れ込みでソードワールドリプレイが10数冊送られてきた。
しかし、あくまでもひれは予習的なものであって、本番としてソードワールド小説が大量に送られてくるらしい。
果たしてどんなモンか。
ロードスみたいなもんじゃね?
>>958 このスレに書きこんだからには
それの感想も一冊ずつ書いてくれるのだろうな? ええ?
961 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2005/07/04(月) 22:53:52
小松左京「日本アパッチ族」 5点
久々の再読。角川文庫新版は随分と表紙が渋くなっている気がする。
(随所にユーモラスな会話は見られるとはいえ、シビアな展開が多い前半部分には適した
表紙かもしれぬが、アパッチが本格的に登場し活躍する中盤以降の展開(ここからが本筋であり、読ませどころでもある)には、ミスマッチ感が強い)
日本SF作家クラブオールタイム・オールジャンル・ベスト国内篇第29位にランクイン
された古典的作品であり、文学好きの知識人にも好評だった作だが、
さすがに今読むと古さは否めない。
当然、開高健の「日本三文オペラ」を意識して書かれた作であるわけだが、
「純文学」と「SF」というジャンル違いとはいえ、作品的には若干見劣りする感がある。
そもそも、鉄屑を食らう日本アパッチ族の叛乱というアイデアそのものが、
小松御大と同じ関西出身のSFのマエストロ、筒井公向きのものであったように思う。
「筒井が書いたアパッチ族」、これに興味を惹かれるのは、ひとり私だけであろうか?
あ、なんか普通だし……
>>960 結婚するというんで、本の他にもエロDVDやら漫画も大量に送られてきたんだ。
今日第二弾のエロゲがきた。
何冊あるんだか知らないが、とりあえずダンボール三箱分の友情が重くのしかかってきたよ。
とりあえずリプレイは意外と面白かった。
エロDVDや漫画はわかるが、
ソードワールドリプレイを結婚前に始末するというのがわからない
もしやご友人の婚約者はアンチSNEなハードコアファンタジー者か?
>>964 結婚
↓
今の部屋に同棲or引越し
↓
本多すぎじゃぼけ殺すぞ
適当にだけど、まとめページでも作ってみようかと思うんだ。
いいかな?
好きにしなよ
うむ、さっさと作れ
>>966 俺はなにも手伝わんが
がんばれ!!くじけるな!ひざをつくな
>>966 俺はなにも手伝わんが
あの、ずっと前からその…好き、でした…
>>966 俺はなにも手伝わんが
あう!おにぃちゃん・・・ダメだよ、わたしたち兄妹だよぉ・・・
>>966 俺はなにも手伝わんが
はやっ
スレ1と2も入ってるのか?
>>973 乙!
見やすくていいね。
作品名でも一覧できるといいかなとオモタ
>>973 まとめページ作成乙かれ様っす!!
早速、お気に入りに放り込んどきますた。
>>973 GJ!
自分の書いた酷評が載っててワラタ。
>973
うーむ、見た目は大切だなあ。