ToHeart2 SS専用スレ 1

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1名無しくん、、、好きです。。。
春の舞う並木道、新たな物語がまわりだす


ToHeart2のSS専用スレです。
新人作家もどしどし募集中。

※SS投入は割り込み防止の為、出来るだけメモ帳等に書いてから一括投入。
※名前欄には作家名か作品名、もしくは通し番号、また投入が一旦終わるときは分かるように。
※書き込む前にはリロードを。
※割り込まれても泣かない。
※容量が480kを越えたあたりで次スレ立てを。


関連サイト等は>>2
2名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 09:24:37 ID:SANhHuJ7
AQUAPLUS『To Heart2』公式サイト
http://www.aquaplus.co.jp/th2/index.html

アニメ版『To Heart2』公式サイト
http://www.toheart2.net/

アニメイトTV WEB - Radio ToHeart2
http://shop.frontierworks.jp/digital/web_radio/detail_058.html
3由真!メリークリスマス!!第1話:2006/02/07(火) 09:28:19 ID:SANhHuJ7
今日はクリスマスイブか…
俺は由真へのプレゼントを持ってドアの前に立っている。
早く由真の喜ぶ顔が見たい。
由真へのプレゼントは一週間前から決めていた。
このプレゼントにした理由は――

一週間前
由真「ねぇ、貴明。今から付き合ってよ」
貴明「どっか行くのか?」
時刻にして放課後。
つまらない授業を終えた俺は雄二とでも帰ろうとしていた所だ。
4由真!メリークリスマス!!第2話:2006/02/07(火) 09:29:17 ID:SANhHuJ7
由真「ちょっとデパートの方に用事があってね」
貴明「特に用事もないし…いいよ」
由真「じゃあ決まり!」
デパートか…なにするんだろ?
雄二「おーい貴明ぃ!一緒に帰ろうぜ!」
雄二だ。今日は一緒に帰れないんだよな…
貴明「悪い雄二。先に帰ってくれ」
俺は雄二に一緒に帰れない理由を話した。無論殴られた。
モテない症候群に冒されてる奴はやだねぇ…
貴明「んじゃ行くか由真」
俺は雄二に睨まれながら教室を出た。そんなのはシカトだシカト。
5由真!メリークリスマス!!第3話:2006/02/07(火) 09:30:08 ID:SANhHuJ7
貴明「んで、デパートでなにするんだよ」
デパートに向かう途中。俺はさっきから疑問に思っていたことを聞いた。
由真「ま、まぁいいじゃないなんだって!」
由真はあわてながら言った。
あやしい…
貴明「なんだよ。言えよ」
由真「なんでもないってば!」
貴明「ジー…」
由真「な、なによ」
貴明「ジー…」
由真「あう…」
よし、もう少し!
6由真!メリークリスマス!!第4話:2006/02/07(火) 09:31:06 ID:SANhHuJ7
貴明「ジー…」
由真「し、勝負よ!どっちが早くデパートにつくか!」
ダッ!
貴明「あっ!」
逃げやがった…なんなんだ?
由真の事だから恥ずかしくて言えないとかそんなとこだろうな。
貴明「さて、俺も走るかね」
由真に負けないように…な。
7由真!メリークリスマス!!第5話:2006/02/07(火) 09:33:57 ID:SANhHuJ7
由真「ハァハァ…ひ、卑怯よ!」
貴明「どこがだよ」
由真「ば、バスなんて反則じゃない」
貴明「手段については一言も言ってないじゃないか」
由真「これで…勝ったと…思うなよ…ハァハァ」
俺の完全勝利だな。
貴明「由真、行くぞ!」
由真「ちょ…待ちなさいよ!」
なにか忘れてるような気が…ま、いっか。
8由真!メリークリスマス!!第6話:2006/02/07(火) 09:34:43 ID:SANhHuJ7
貴明「お菓子?」
由真「そ、愛佳に教えてもらおうかと思って」
由真がお菓子ねぇ…材料を買いに来たってわけか。
…ん?
貴明「なんで俺がついてこないといけないんだ?一人でいいじゃないか」
由真「あっ…だから!」
貴明「だから?」
9由真!メリークリスマス!!第7話:2006/02/07(火) 09:35:23 ID:SANhHuJ7
由真「く、クリスマスにお菓子作ろうかと思って…それで貴明の好きなお菓子作ろうかと…」
貴明「へぇ〜由真が俺のためにお菓子をねぇ」
由真「べ、べべべべ別にあんたの為じゃないわよ!」
赤面しながら由真は言った。
貴明「ま、いいからとっとと買い物済ませようぜ」

貴明「結構買ったな…」
そして結構重い。
貴明「こんなに買うものなのか?」
由真「普通よ普通」
貴明「そうか?」
由真「そうよ、そ…」
ピタッ
由真がふと立ち止まった。
10由真!メリークリスマス!!第8話:2006/02/07(火) 09:36:18 ID:SANhHuJ7
貴明「どした?由真」
由真「え?いや、なんでもないわよ」
由真の視線の先にはネックレス。
宝石店か…
貴明「欲しいのか?」
由真「べ、別に欲しくなんかないわよ」
星の形をしたネックレス。ちょうどクリスマスも近いし買ってやるか。
17万…ちょっと高いな…
今は手が出せない。でも家にあるお金を掻き集めたらなんとかなるかもしれない。
由真「ほ、ほら!行くわよ!」
俺は強制的にその場から連れ去られた。

ネックレスか…
俺はある計画を練っていた。
11由真!メリークリスマス!!第9話:2006/02/07(火) 09:36:59 ID:SANhHuJ7
――よし!
俺は家にあるありったけのお金を掻き集めた。
えーっと…

………。

貴明「16万か…あと1万足りないな」
誤算だ…
貴明「なんとかして1万集めないとな」      俺はふと由真の喜ぶ顔を思い浮べた。
…なんとしてでもあと1万。絶対に稼いでやる。

――次の日
俺は雑誌を見ながらいいバイトがないか探していた。もちろん授業そっちのけで
貴明「そう都合よくあるわけないか…」
キーンコーンカーンコーン
もう授業が終わったのか…今から昼休みだ。
雄二「貴明!早く学食行かねぇと今日限定のスペシャルAランチにありつけねぇぞ!」
貴明「いや、俺はパンでいいよ」
てかそれどころじゃないし。
雄二「そんな冷たいこ…何見てるんだ?」
雄二が聞いた。
貴明「バイトしようかと思ってね」
雄二「バイトぉ?なんでまた」
貴明「ちょっとお金がいるんだよ。なんかいいバイト知らないか?」
雄二「あー…駅前のケーキ屋が人出が足りないとか言って臨時募集してたような…」
マジか!?
貴明「ありがと雄二!」
雄二「お、おい!どこ行くんだよ貴明!」
貴明「河野貴明は腹痛で早退しましたって先生に言っといてくれ!」
俺は一目散に鞄を持って教室を出た。
12由真!メリークリスマス!!第10話:2006/02/07(火) 09:37:38 ID:SANhHuJ7
俺は全力疾走に近いスピードで駅まで走ってきた。
ケーキ屋に到着してからバイト募集の貼り紙を探す。

貴明「どこだ……あ!これだ!」

バリ!

貼り紙を勢いよく剥がし、いざ店の中へ。

貴明「あの!これ…まだやってますか!?」

店員「え…?あ、はい…」

店員さんはキョトンとした顔で答えた。きっと俺の顔が凄かったからに違いない。


面接等も終わり、一発で受かった。
バイトは明日からだ。
クリスマスまでにはプレゼントを買えるお金は貯まるはずだ。
由真の笑顔まであと一週間!…ってとこだな。
13由真!メリークリスマス!!第11話:2006/02/07(火) 09:38:17 ID:SANhHuJ7
ケーキ屋のバイトは案外キツイ。
俺は製菓ではなく、接客の方だ。製菓に比べて体力は使わないだろうがキツイのには変わりない。
まず名前を覚えるのに苦労した。そういやバイト経験ないもんなぁ…

っと!お客さんだ!

貴明「いらっしゃいませ!」

雄二「おっ、いたいた!」

貴明「雄二!?」

雄二「いや〜先生に昨日の早退理由話したときはヒヤヒヤしたぜ」

貴明「それよりなんで来たんだよ!」

雄二「貴明くん…学校が終わるなり走ってどこかに行っちゃったから…心配になって」

なぜ小牧口調なのかはさておき。

貴明「お前、タマ姉にバレてないだろうな?」

タマ姉にバレるとなんか言われそうだしな…

雄二「大丈夫だよ!うまくごまか――」

環「二人とも、こんなところにいたのね?」

タ マ 姉 ぇ え え !
14由真!メリークリスマス!!第12話:2006/02/07(火) 09:41:34 ID:SANhHuJ7
環「タカ坊、あなたどうしてバイトなんかしてるの?」

貴明「いや、その…ちょっとお金が必要になって…」

環「いくら?」

貴明「い、一万ほど…」

環「それくらいなら貸してあげるのに…」

貴明「そういう問題じゃないんだよ。自分で稼がないと意味がないんだ」

雄二「もしかして長瀬にあげるプレゼントか?」

そんな目で睨むなよ雄二。

環「…しょうがないわね、今回は大目に見ましょう」

雄二「後で覚悟しろよ…」

雄二の卑屈な声が聞こえた気がしたが…今は仕事の事を考えないとな。
タマ姉も認めてくれたことだし。
15由真!メリークリスマス!!第13話:2006/02/07(火) 09:44:04 ID:SANhHuJ7
環「じゃあちょっとケーキでも食べようかしら」

貴明「あ、ハイ!こちらへどうぞ!」

雄二「おっ!接客モードだねぇ」

うるさいな…
知り合いにこんな口調なのは結構恥ずかしいんだぞ!

その後このみも来て注文がやたらと多くなり、店長さんにまた連れてきてほしいと言われたほどだ…
悪いが俺がバイトしてる間は来ないでくれ…頼むから!

ま、とにかくバイト1日目終了。あと4日…頑張ろう!
何事も起こらないことを信じて…
16由真!メリークリスマス!!第14話:2006/02/07(火) 09:44:46 ID:SANhHuJ7
12月23日。
バイトの最終日だ。
なぜ24日がないかというと、接客の人が風邪で休んでるから
臨時でバイト募集してたわけで、また24日に復活するそうだ。
ま、状況説明はこれくらいにして、今日もやりますか!


一方その頃――
由真「愛佳、ありがと!」

愛佳「河野くんにあげるお菓子なんでしょ?明日、頑張ってね」

由真「べ、別にあいつの為なんかじゃ…」

愛佳「そうだ!駅前のケーキ屋さんに行かない?あそこのケーキおいしいのよ」

由真「ケーキ?」

愛佳「うん、行こうよ!」

由真「愛佳が言うなら…」
17由真!メリークリスマス!!第15話:2006/02/07(火) 09:45:31 ID:SANhHuJ7
カランカラン…

入り口の鈴がなった。お客さんだ。

貴明「いらっしゃいま――あっ!」

由真「た、貴明!?」

お互い驚いた顔を見せる。
由真に俺の計画がバレると今までの苦労が台無しだ…

由真「なんでアンタがここにいるのよ!」

貴明「み、見ての通りバイトやってるんだよ」

愛佳「河野くんの家…そんなに貧乏なの?」

違うて!
そんな売られていく小羊を見るような目で俺を見るなよ!
18由真!メリークリスマス!!第16話:2006/02/07(火) 09:46:20 ID:SANhHuJ7
貴明「ちょっとお金が必要になったんだよ!け、決して貧乏だからとか…そんなんじゃないぞ!」

由真「だから何に使うのよ?」

貴明「そ、それは秘密だ!いいからお客さま、ご注文は何になさいますか!?」

由真「逃げたな…」

愛佳「ん〜…あたしはミルフィーユにしようかな」

由真「あ、あたしはティラミス!」

貴明「かしこまりました。店内でお召し上がりですか?」

愛佳「はい、お願いします」


ふぃ〜…一応ごまかせた…かな?
19由真!メリークリスマス!!第17話:2006/02/07(火) 09:46:57 ID:SANhHuJ7
貴明「こちらがミルフィーユで、こちらがティラミスになります。ご注文は以上で?」

愛佳「はい、いいですよ〜」

由真「なかなか板についてんじゃん」

貴明「そりゃあどうも。ナンパは禁止ですよ?」

由真「べ、べべべべ別にそんなんじゃないわよ!」

顔を真っ赤にして叫ぶ由真。こういうとこが可愛いんだよな。
おっと、つい顔がゆるんでしまった。

貴明「じゃあな、ゆっくりしてけよ」

照れ隠しをしながら俺は言った。
しかし由真に見つかるとはな〜。予定外だ。
20由真!メリークリスマス!!第18話:2006/02/07(火) 09:47:38 ID:SANhHuJ7
愛佳「んじゃ河野くんまたね!」

由真「頑張んなさいよ!あ、そうそう。明日午後6時ぐらいにあたしの家に来てよ」

貴明「午後6時だな?分かった分かった」

由真「絶対だかんね!」

貴明「じゃあな由真!」

由真「ばいばいっ!」

よし、俺もあと一時間でバイト終わりだからな。頑張るか!


時給640を一日4時間。これを五日やって12800円か。
これなら買えるはずだ!さっそく買いに行かないとな!
21由真!メリークリスマス!!第19話:2006/02/07(火) 09:50:45 ID:SANhHuJ7
俺はデパートまで止まる事無く走った。
早くあのネックレスを買わないとな。
17万。俺の苦労の結晶だ。
由真の笑顔まであと24時間きったな。
待ってろよ由真!

確かこの店だ!

俺は店に入るなり俺はあのネックレスを探した。
22由真!メリークリスマス!!第20話:2006/02/07(火) 09:51:17 ID:SANhHuJ7
探すこと30分。

貴明「な、ない!何十回探してもない!」

ここまで来てそれはないだろ!いや、店員さんに聞いてみよう!

貴明「あ、あの!星の形のネックレス…前ありましたよね!あれはどこに行ったんですか!?」

店員「あれですか?あれは…昨日買い取られましたけど…」

な、 な ん だ っ て ! ?

貴明「じ、冗談ですよね!?」

店員「い、いえ…申し訳ありませんが…」

貴明「そ、そうですか…」

なんてことだ…売り切れなんて…
なんだが目の前が真っ暗になった気分だ。
なにより悔しい。俺は由真を喜ばすこともできないのか…?
くそっ!

貴明「どうにもならないのかよ!」
23由真!メリークリスマス!!第21話:2006/02/07(火) 09:51:49 ID:SANhHuJ7
??「あ……」

聞き覚えのある声だ。俺は顔をあげた。

由真「貴明…」

貴明「由真…」

なんでここに由真が…?くそ…合わせる顔なんてないぞ。

由真「貴明…あのバイトってもしかしてあたしの為に…」

貴明「そんなわけないだろ…?17万なんて払えるわけ――」

由真「じゃあなんでバイトなんかしてたのよ!?なんで…アンタここにいるのよ…」

鋭いな…魂胆見え見えじゃないか…
24由真!メリークリスマス!!第22話:2006/02/07(火) 09:52:37 ID:SANhHuJ7
由真「…あのネックレス売り切れたんだ…」

貴明「ああ…ごめんな」

由真「別にアンタのせいじゃないわよ」

貴明「でも…!」

由真「いいの!気持ちだけ…気持ちだけ受け取るね」

由真は無理矢理笑顔を作って言った。
25由真!メリークリスマス!!第23話:2006/02/07(火) 09:53:14 ID:SANhHuJ7
違う!




こんな笑顔が見たかったんじゃない!
俺が見たかったのは――

貴明「由真、もう遅いし…帰れよ」

違うだろ!由真を家まで送ってやるんだよ!

貴明「じゃあな由真」

笑顔を作れよ!由真が心配するだろ!

貴明「……」

由真「…貴明が言うなら…じゃあね」

貴明「……」

なんか言えよ!由真の手を引いてやれよ!
やさしく…声をかけてやれよ…


今の俺にはなにも出来なかった。
声をかけてやることも、手を引いてやることも…笑顔を作ってやることも…
26名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 09:53:55 ID:QXThcoj7
葉鍵板に行け阿保。
27由真!メリークリスマス!!第24話:2006/02/07(火) 09:55:17 ID:SANhHuJ7
店員「あのお客さん?」

貴明「…すみません。邪魔でしたね」

店員「いや、そのことじゃなくて…ネックレスの事で」

貴明「?」

店員「明日までに取り寄せることできるかもしれませんよ?」

貴明「ほ、本当ですか?」

店員「ああ。来栖川の令嬢が知り合いにいてな。彼女に頼めば…」

貴明「お、お願いします!」

店員「んじゃちょっと待ってな」

プルルルルルルル…

その店員さんは電話を掛けはじめた。
それにしても来栖川の令嬢と知り合いなんて…一体何者なんだ?
名札に名前書いてたな。
確か「藤田」…だったかな?

お、終わったみたいだ。

店員「明日までに探してくれるってさ!」

貴明「あ、ありがとうございます!」
28由真!メリークリスマス!!第25話:2006/02/07(火) 09:56:23 ID:SANhHuJ7
次の日、俺はあの店員さんからネックレスを受け取った。
もちろんお金も払った。
現在午後1時。約束の時間までまだ5時間ある。
そういえば昨日のこと謝っておかねば。

かっこ悪いとこ見せちゃったしな――

俺はクラス名簿を取り出した。
えーっと由真のクラスは……これだ!

ピッピッピ プルルルルルルル…

ガチャ

ダニエル「はい、長瀬ですが」

貴明「なんだじいさんか…貴明だけど、由真に代わってくれないか」

ダニエル「孫は今出掛けておるが…」

貴明「どこに?」

ダニエル「それがわしも知らんのじゃ。何も言わずに出掛けおっての」

貴明「そうか…ありがと」

ガチャ

俺はそれだけ聞くと電話を切った。
由真のやつ…どこいったんだ?ダニエルにも行き先を告げてないのか。
ま、探すしかないよな。
29由真!メリークリスマス!!第26話:2006/02/07(火) 09:57:01 ID:SANhHuJ7
まずは駅。

いないな…

次に商店街。

いない。

ゲーセン

いない。

ヤック

いない。

他には…そうだ!ツインタワー!

いるわけなかった。

貴明「ハァハァ…どこだよ…」

どこにもいないじゃないか…
30由真!メリークリスマス!!第27話:2006/02/07(火) 09:59:01 ID:SANhHuJ7
貴明「由真の行きそうなとこ…人にでも聞かないと無理か…」
俺は一旦家に帰ることにした。

貴明「さて、誰に聞こうかね…」
そうだ、小牧!あいつなら何か知ってるかも!
よし、早速電話だ!

ピッピッピ プルルルルルルル…
ガチャ

愛佳「はい、小牧ですけど〜」
この舌足らずな口調…小牧だ!
貴明「あ、俺河野だけど」
愛佳「河野くん!?」
貴明「ちょっと聞きたいことがあってさ」
やばい…手に汗が出てきた…そういえば女の子に電話なんて滅多にしないもんな。
愛佳「な、なんですか?」
貴明「あ、その…由真どこにいるか知らないか?家に電話したけど留守って聞いてさ」
愛佳「え?由真ならここにいますよぉ?」
貴明「へ?」
愛佳「代わりましょうか?」
貴明「あ、ああ…頼む」
なんだ、最初からこうすれば早かったのか…
無駄に1時間も街をさまよっちまった。
31由真!メリークリスマス!!第28話:2006/02/07(火) 09:59:36 ID:SANhHuJ7
由真「もしもし貴明?」

貴明「由真!お前どこ行ってたんだよ!」

由真「どこって…愛佳ん家だけど…」

そりゃそうか。

由真「何?なにか用?」

貴明「その昨日のことで…かっこ悪いとこ見せちゃったし…由真に心配かけたからさ」

由真「べ、別に気にしてないわよ!売り切れなんだからしょうがないじゃない」

貴明「いや、でもちゃんと――」

待てよ?今言っちゃうと貰ったときの喜びってのが少なくなるよな……由真には黙っておこう。

貴明「ちゃんと――家に…帰れた?」

由真「…は?」
32由真!メリークリスマス!!第29話:2006/02/07(火) 10:05:25 ID:SANhHuJ7
滑った…さすがにあの切り替えはなかったな。よし、なかったことにしよう。

由真「あ、そうそう。今日の6時!まさか忘れてないでしょうね?」

貴明「へ?あるの?」

由真「あったりまえじゃない!そのために愛佳ん家来てお菓子作ってるんだからっ!」

俺はてっきり昨日の出来事があったから俺の為にプレゼントなんか作らないよな…
って思ってた!
なんだ、中止とかしないのか…よかったよかった!
すべては俺の早とちりか!

由真「ねぇ、ちょっと聞いてんの!?」

貴明「ああ、聞いてる聞いてる!」

由真「ま、とにかく6時よ!あたしは忙しいんだから、じゃあね!」

ガチャ
33由真!メリークリスマス!!第30話:2006/02/07(火) 10:06:32 ID:SANhHuJ7
貴明「きゃっほーい!」

俺はうれしくて奇声を上げながら変なダンスまで踊ってしまった。
いや、それぐらいうれしかったってことだ。
まともにクリスマスプレゼントすら買えない俺に失望とかしなかった事、俺の為にお菓子を作ってくれること、そして由真の笑顔が見れること……

う れ し い こ と だ ら け じ ゃ な い か !

いや、まて!はしゃぐな!今夜は長いかもしれないんだぞ!

……。

貴明「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

浮かれているあまり自分で言った下ネタに爆笑してしまった。
いかんいかん。冷静さを保たねば。
でも由真の喜ぶ顔を想像すると顔がどうしてもニヤケてしまう。
一体どうしたものか…
34由真!メリークリスマス!!第31話:2006/02/07(火) 10:07:06 ID:SANhHuJ7
俺は由真の部屋のドアの前でこの一週間の事を思い出していた。

色々あったよな…回想シーンが頭のなかに浮かんでくる。

でも由真の喜ぶ顔まであと1分もない。
一度深呼吸。

貴明「スーハー、スーハー…」

よし、完璧だ!
ドアノブに手をかける。
ゆっくりと扉をひらく。



貴明「由真!メリークリスマス!!」

プレゼントを手に持ったまま俺は笑顔で言った!

    〜END〜
35名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 10:08:32 ID:SANhHuJ7
以上、由真スレの名無しさんの作品でした

タイトルは本文中から勝手に付けさせてもらいました
36由真!メリークリスマス!!エピローグ第1話:2006/02/07(火) 10:12:10 ID:SANhHuJ7
大きめのテーブルと椅子が二個。そしてテーブルの上にご馳走がある。
貴明「すげえな!まさか由真が作ったの!?」
由真「ま、まあね」
フライドチキン、タコの形をしたウインナー、色とりどりのサラダ、さらにはケーキまである。
貴明「どれも美味そうだな」
お世辞なんかじゃない。素直な感想だ。
俺は由真の顔を見て言った。
貴明「将来いいお嫁さんになるよ」
由真「な、なななな何言ってんのよ!」
顔を真っ赤にして叫ぶ由真。
37由真!メリークリスマス!!エピローグ第2話:2006/02/07(火) 10:23:36 ID:SANhHuJ7
貴明「なぁ、食べていい?」
由真「ふ、ふんっ!残さず食べるならいいわよ!」
もとから残すつもりなんてないけどな。
俺は椅子に腰掛け、いただきますをした。
まずはウインナーから。
ぱくっ
貴明「うまい!」
由真「ウインナーぐらい誰でもできるわよ!」
貴明「いや、この皮をパリッパリに焼いた食感。中から溢れだす肉汁。そして胡椒による味付け。どれも最っ高ですよ!」
俺はどこぞの料理番組の真似をしながら言った。
由真「い、いいから早く食べなさいよ!」
38由真!メリークリスマス!!エピローグ第3話:2006/02/07(火) 10:24:24 ID:SANhHuJ7
貴明「いや〜食った食った!」
由真の手料理はどれも最高だった。

さて、そろそろ…

貴明「由真、手を出せよ」
由真「え、なんで?」
貴明「いいから!」
由真は右手を差し出す。
貴明「由真、メリークリスマス!」
俺は由真の右手にクリスマスプレゼントを置いた。
由真「んじゃあたしも。」
由真が差し出したのは小さくラッピングした小包み。
由真「中身はチョコクッキーだから」
貴明「へぇ〜」
39由真!メリークリスマス!!エピローグ第4話:2006/02/07(火) 10:25:16 ID:SANhHuJ7
由真「ねぇ、開けていいの?」
貴明「どうぞ」
由真は包装紙を丁寧に剥がす。
由真「……」
貴明「……(ごくり)」
由真は最後に残された箱を開けた。
由真「…これ!わざわざ探してくれたの!?」
貴明「ああ。お前の喜ぶ顔が見たくてな」
由真「貴明っ!」
がばっ!
貴明「おい、抱きつくなよ。苦しいだろ」
由真「だってうれしくて!」
そして由真は俺が見たかったものを見せてくれた。

由真「ありがとう貴明!」
40名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 10:26:57 ID:SANhHuJ7
以上、由真スレの名無しさんの作品でした
41お正月ver@:2006/02/07(火) 10:35:09 ID:M14bQRkR
12月31日 大晦日の日。
俺は今バスの中だ。
なぜバスの中かというと、それは数日前にさかのぼる。

俺は大掃除の為に商店街に買い出しに行っていた。
雑巾だの洗剤だの色々買わないといけなかったのだ。
そこで3回分の商店街の福引き券をゲットした。
その中の一つがなんと「特賞 お正月温泉招待券」だったのだ!しかもなぜか5人ご招待。
普通は4人だろ!…っと突っ込みたかったが、人数は多いに越したことはない。
問題は俺、雄二、このみ、タマ姉…あと一人どうするかって話だよな…。
ま、答えは始めから決まってたけど。
42お正月verA:2006/02/07(火) 10:35:50 ID:M14bQRkR
このみの母。柚原春夏さん!

…じゃなくて、由真だ。
本人いわく「暇だしちょうど温泉に行きたい気分だから仕方なく行ってあげるわよ」…らしい。
以上、俺の回送シーンでした!

んで今、5人でババ抜きをしている。温泉につくまでの暇つぶしだ。
このみ「やたー!あがりでありますよ隊長!」
早ッ!
こっちはまだ4枚もあるっていうのに…
そしてタマ姉、雄二と次々とあがっていく。
みんなすっきりした顔しやがって…
貴明「さて、俺とお前の一騎打ちになるわけだが…」
由真「ふふん、絶対負けないんだから」
ババを持っているのは俺。合わせて3枚。対して、由真は2枚。
こっちが少し不利だ。
そして由真が引いたのは…
43お正月verB:2006/02/07(火) 10:36:25 ID:M14bQRkR
由真「あ!」
貴明「残念だったようだな」
由真「は、謀ったな!」
貴明「お前は負ける運命なんだよ!」
由真が引いたのはババ。
しきりにカードをきる由真。
由真「絶対勝ってやる…」
そんなつぶやきは無視して。さて、どれを取るかね…
右だ。直感が、本能が、これを取れと言っている!
雄二「うおっ!なんか二人の背後に物凄いオーラが!」
ゴゴゴゴゴ…!
ええいっ、ままよ!
スッ…
俺が引いたのは…
恐る恐るカードを見た。
貴明「よっしゃぁぁぁあああ!!」
揃った!残るは一枚。由真が引けば上がりだ。
由真「う、嘘よ!何かの間違いよ!」
貴明「ほら、早く最後の一枚を引いてくださいよ」
ピラピラ〜っと由真の目の前でカードをちらつかせた。
由真「うううううるさい!これで勝ったと思うなよ!もう一回!」
44お正月verC:2006/02/07(火) 10:36:59 ID:M14bQRkR
貴明「んじゃ次は何にする?」
このみ「私はポーカーがいいな!」
ポーカーか…それもなかなか…
環「ちょっとみんな!もうすぐ着くみたいよ」
貴明「…残念だったな」
由真「なによ、勝ち逃げするつもり!?」
貴明「いえいえとんでもない」
バスが旅館の駐車場に着いた。降りる準備しとかないとな。
結構広い。それに旅館も大きい。
確か1泊2日だったかな。これで年明けができるなんてやっぱ嬉しい。
おっ、停まったみたいだ。
バスガイドさんが案内をしている。ぞろぞろと他の客もそれに付いていく。
環「タカ坊!何してるの早く来なさい!」
貴明「ああ、すぐいく!」
ちょっと準備するのが遅かったかな…
45お正月verD:2006/02/07(火) 10:39:00 ID:M14bQRkR
バスから降りた俺。新鮮な外の空気がおいしい。
雄二「ぜひ〜ぜひ〜…」
雄二…可哀相にタマ姉とこのみの荷物まで持たされちゃって。
由真「はいコレ」
貴明「なんだこの荷物は」
結局俺が由真の荷物を運ぶことになった。決して敗者じゃないぞ決して。

旅館はキレイで広かった。
部屋は二つ。一つは俺と雄二の、もう一つはこのみ、タマ姉、由真の部屋だ。
まぁ説明するまでもないけど。
さっそく部屋に入る俺たち。
荷物を降ろし、ぐっと背伸びをした。体が少し楽になった。
雄二「どは〜!姉貴のやつ可愛い弟を奴隷のように扱いやがって!姉貴の血は何色だ!」
貴明「……」
雄二「そんな可哀相な人を見るような目で俺を見つめるんじゃねえよ」
つい見ちゃうんだよお前見てると。
46お正月verE:2006/02/07(火) 10:44:44 ID:M14bQRkR
ゆっくりしていると、雄二に温泉に入らないかと誘われた。
もう少しゆっくりしてからにすると言って俺はテレビを付けた。
大晦日スペシャルの番組を見る。
なかなか面白く、度々出てくるユーモアについつい笑い転げてしまう。
由真「何ヘラヘラしてんのよ」
いたのか…
貴明「なかなか面白くてね。で、なんだよ?夕食にはまだ早いと思うけど」
由真「どんな部屋になってるか見にきただけよ。決してアンタの様子を見にきたわけじゃないんだから!」
そういう素直じゃないところが由真なんだよな。うん。
47お正月verF:2006/02/07(火) 10:45:19 ID:M14bQRkR
由真が部屋にきてからそろそろ30分くらいになるかな。
雄二「いや〜最高だったぜ!」
風呂から上がった雄二が来た。もちろん浴衣だ。
雄二「おっ、長瀬も来てんじゃん」
髪をタオルで拭きながら雄二は言った。
貴明「そうだ夕飯まだか聞いてきてくれない?」
由真「あたしもちょっとお腹空いてきた」
雄二「へいへいっと」
雄二はタマ姉の部屋に行く。その間俺はテレビを見ながら雄二を待ち続けることにした。
雄二の声が聞こえる。
雄二「姉貴、貴明が夕は――」
このみ「え?」
環「ちょ――!」
雄二「あっ!わ、悪い!着替え中だとは思わな――あだだだだだ割れる割れる割れる割れる割れる割れるー!」
なにやってんだ…
由真「ちょ!なに想像してんのよイヤラシイ!」
貴明「するかっ!」
48お正月verG:2006/02/07(火) 10:45:51 ID:M14bQRkR
夕飯の時間。
目の前にたくさんの料理。
こんなに食べきれるのかってほどある。いや―このみがいるんだから食べきるに決まってる。
このみ「タカくんなんでこっち見るの?」
貴明「い、いや別に」
感付かれたか…
雄二「この刺身うまいぞ貴明!」
環「まだいただきますしてないでしょぉぉおおが!!」
雄二「ぐぎゃぁぁあああ!死んだ婆ちゃんが見えるーーー!」
アイアンクロー炸裂!もう見慣れたな。
由真「んじゃいただきますしよ!」
このみ「はい!お腹ぺこぺこでありますよ!」
場を切り持ちする由真。
案外俺たち4人に馴染んでるんだよな由真のやつ。
環「そうね、由真ちゃんの言うとおり早くいただきますしましょうか雄二抜きで」
雄二「くそっ!なんで姉貴なんか連れてきたんだよ!」
タマ姉に聞こえないように俺に言う雄二。タマ姉を連れてこないと俺が殺されるからなんて言えない…
適当にごまかすことにした。
今年最後の夕飯だな。
「「いただきまーす!」」
合掌した。
みんないい声じゃないか。
49お正月verH:2006/02/07(火) 10:46:24 ID:M14bQRkR
さて、何から食べるかね。
刺身、牛肉、漬物、他にも小さい鍋の中に雑炊が入ってる。
そしてテーブルの中央に鯛のお頭。
まずは刺身に挑戦だ!
わさびをたっぷり付ける俺。いや、Mなんじゃないぞ。わさびが好きなの!Mじゃないからな!
醤油をつけてぱくっと。
うわ!付けすぎた!
鼻にツンときた。やばい…涙が…
ふと由真と目が合った。
由真「その勝負受けて立つ!」
へ?
わさびをたくさん付ける由真。
いや、付けすぎ付けすぎ!辛いよ!
俺は今戦闘不能。声を出せない。
ぱくっ
あーあ…食べちゃった…
由真「〜〜〜っ!」
顔を真っ赤にして由真は言った。
由真「こ、こここのくらいどうってことないんだから!」
とかいいながら3杯もお茶飲むなよ…
50お正月verI:2006/02/07(火) 10:51:18 ID:M14bQRkR
由真「ふふん!あたしの勝ちのようね!」
涙溜めながらなに言ってんだ。
貴明「はいはい、お前の勝ちでいいよ」
適当に流すことにした。
由真「なによ、張り合いないわね」
貴明「今はくつろぎたいんだよ」
由真「じゃあどっちが早く食べ終わるか勝負よ!」
貴明「人の話は聞け!」
結局やることになったけど。

勝者 このみ。
「このみもやるー!」とか言って乱入。15分もしないうちに完食。
そして由真。「これで勝ったと思うなよ〜!」
いつものパターンだな。
51お正月verJ:2006/02/07(火) 10:55:47 ID:M14bQRkR
夕食も終わり、ロビーへ。
現在午後8時。今年もあと4時間。さて、今から何するかね。
風呂に入った後マッサージ機に座ってのんびりしながら…いいね。
よし、早速風呂に入る準備だ!
部屋に戻って浴衣とタオルをもって温泉へ。
この旅館は「松」「竹」「梅」と、三種類の温泉がある。
色々迷った末、「松」に入ることにした。

おっ!露天風呂か!
誰もいない…俺の独占状態だ。
服を脱ぎ、全裸になる。
……一応タオルは付けとくか。
いざ、温泉へダーイブ!
52お正月verK:2006/02/07(火) 10:56:28 ID:M14bQRkR
程よい熱さが気持ちいい。俺、風呂は熱めがいいんだよな。
しかし湯煙がすごいな。冬だからか。
誰もいないんだ。大の字になっても怒られない。
ガララッ!
と思った矢先、誰かが入ってきた。
あわててお湯からでる。
お湯から出たついでだ。体でも洗うか。
入ってきた人の姿が近づいてきたので見えるようになってきた。
??「あっ!」
貴明「聞き覚えのある声…」
俺は入ってきた人を見た。
その瞬間血の気が引いていく…
貴明「由真!?」
由真「やだ!なんでアンタがここに!?」
それはこっちの台詞だ!
貴明「お前ここ男湯だぞ!」
由真「何言ってんの!?ここは女湯――」
「「あ…!」」
よく見ると入り口が二つある。てことは… 混 浴 ! ?
そんな馬鹿な!!
53お正月verL:2006/02/07(火) 10:57:03 ID:M14bQRkR
由真「ちょ…!は、早く出なさいよ!」
貴明「どうみても俺が先に入ったじゃないか!」
由真「や、やだ!こっち見るなぁ!」
お互い体にタオルは巻いている。うれしいような残念なような…
だがボディラインぐらいは分かる。
慌てて目を逸らした。
この状況どうしたらいいんだ!?
貴明「と、とにかくお前が出ていけよ!」
由真「う、うううるさい!」
ゲシッ
痛てぇ!
飛び蹴りを俺に食らわした由真。もろ脇腹に入った。
貴明「こんなとこで飛び蹴りするな!転ぶぞ!あと、もう少しで見えてたって!」
由真「ど、どこ見てんのよ!」
貴明「拡大解釈じゃ!」
お互い譲る気はないみたいだ。
俺は体を洗うことにした。
由真「…こっち向かないでよ!」
堂々と向けるか!!
54お正月verM:2006/02/07(火) 10:57:36 ID:M14bQRkR
一通り洗い終わった俺。
シャンプーもすべて終わった。
どうしたらいいんだよ…風呂の方には由真がいるし。
かと言って上がるには冷えすぎた。もう少し温まらないと風邪引くかもしれない。
覚悟を決めるか。
貴明「由真ァ!そっち入ってもいいか!?」
返事を聞く前に風呂の方へ向かう。だって寒いんだもん。
由真「や、なんで来るのよぉ!」
なるべく由真の方を見ないようにしてお湯に浸かる。
由真「……」
貴明「……」
沈黙が時間を感じさせない。
やばい…なに話したらいいかも分からない。
こんな状態だもんな。
ちょっと気まずい雰囲気が流れる。
由真「あ、あのさ――」
貴明「俺もう上がるわ」
由真が口を開きかけたが、俺は耐えきれずに風呂からでる。
由真「あ…うん」

温泉から出た後、俺はふと思った。
さっき由真はなにが言いたかったんだろ…
55お正月verN:2006/02/07(火) 10:59:40 ID:M14bQRkR
浴衣って久しぶりだな。
年に1回着るか着ないかぐらいだからな。祭りなんて私服だし。
そんな事を考えながら部屋に戻る俺。
階段のとこでこのみとタマ姉に会った。
環「あらタカ坊。こんなとこにいたのね」
このみ「探したでありますよ隊長!」
探した?
貴明「なんか用があるのか?」
環「別にそんなのじゃないけど…姿が見えなかったから。どこに行ってたの?」
貴明「どこって…松の湯だけど…」
このみ「あそこって混浴だよね?」
しまった余計なことを…!
環「ふーん。由真ちゃんと入ってたんだ」
貴明「う、うるさいな!偶然一緒になっただけだよ!」
否定はこの際しないことにした。
でもそう言った後でさっきの由真を思い出してしまった。
よく考えるとバスタオル一枚しか身につけてなかったんだよな…
俺の中で妄想が膨らんでいく。肉付きよかったよな…由真のやつ。
ハッと我に返る。不謹慎だぞ俺!!
56お正月verO:2006/02/07(火) 11:02:01 ID:M14bQRkR
環「で?気持ちよかったの?」
貴明「なにがだよ!そりゃあ気持ち良かったよ!?温泉『は』!!」
そう言って俺は逃げるように自分の部屋に戻った。
やましいことなんてしてないからな!ほ、本当だぞ!

貴明「さて、風呂から上がったし…予定どおりマッサージ機にでも座ってくつろぐか!」
雄二は女の子をナンパしにいくとか言ってどっかに行った。無駄なのに…
貴明「頑張るよね…あいつも」

マッサージ機にお金を投入しようとしたその瞬間。
パコンッ!
何かが俺の頭に当たった。
なんだ?
俺はその物体を拾った。
貴明「ピン…球?」
間違いなく俺が拾ったそれは卓球に使うピン球だった。
由真「リターンマッチよ貴明!バスの中での勝負はちょっと調子が悪かっただけなんだから!」
貴明「いきなりこれかい…」
57お正月verP:2006/02/07(火) 11:02:37 ID:M14bQRkR
俺たちの間でさっきの気まずい雰囲気は消えていた。
でも由真を見てるとついつい思い出してしまう。バスタオル一枚のあられのない姿…
由真「顔赤らめてんじゃないわよっ!」
貴明「ぐっ…」
図星だった。

由真「30分で多く点取ったほうが勝ちだからね!1ゲームとか面倒だから」
貴明「そういえば久しぶりだな。お前と卓球するの」
由真「今度は手加減なんかしないでよね!」
貴明「そのつもりはさらさらねぇよ!」




汗びっしょりになってしまった。風呂入った意味ないじゃん!
ま、あと少しのとこだったんだけど制限時間ぎりぎりのとこで由真のスマッシュが決まり、負けてしまった。
体力を使い果たしてしまった俺たち。マッサージ機どころじゃない。
雄二「おっ!卓球か!面白そうじゃんやろうぜ!」
「「え"っ!」」
この後このみやタマ姉まで参戦し、2時間もやってしまった。
死ぬ…疲れすぎて死ぬ!
58お正月verQ:2006/02/07(火) 11:03:36 ID:M14bQRkR
そんなこんなで今年も残り30分。
さっきの卓球が俺の体力を大幅に消費してしまった。
貴明「ちょっと風に当たってくる」
そう言って俺は玄関から外に出て、ぐっと背伸びをした。
冬の冷たい空気が熱い体の俺を冷やしてくれる。
由真「結構気持ちいいよね」
貴明「なんだお前も来たのか」
気が付くと隣に由真がいた。
由真「今日は特別にもっと隣に来てもいいわよ」
貴明「なんで得意そうな顔してんだよ」

由真「ん〜!今年ももう終わりかぁ!」
貴明「ああ…」
由真「こういうのってちょっともの淋しいよね…もう終わっちゃうんだぁって」
貴明「由真らしいな」
由真「ねえ、今年は何かいい事あった?」
「由真に会えたことかな」なんて言いそうになり、口ごもる。
貴明「それは秘密だ」
こんなこと恥ずかしくて言えねぇよ。
59お正月verR:2006/02/07(火) 11:04:36 ID:M14bQRkR
由真「ねぇ…さっきも言い掛けたんだけど…」
さっき?ああ、風呂でのことか。
由真「今日はその…」
少しためらってから由真は言った。
由真「ありがと」
俺は嬉しくなった。由真が喜んでくれただけで大満足だ。
貴明「由真…」
すぐ目の前に由真の顔がある。
俺たちは徐々に顔を近付けていった。
唇と唇が触れ合う。
誰にも邪魔されずに二人っきりで――
60お正月verS:2006/02/07(火) 11:07:13 ID:M14bQRkR
部屋に戻ってから今までなにしてたか――だの質問の嵐。
「全部ノーコメントだ!」の一言ですべて終わらせた。
雄二「しかし…もう年明けは終わってんだぜ?」
言われて初めて気付いた。
時計を見ると、確かに午前0時を回っている。
今の時間からざっと見積もってキスしてる間に年が明けたみたいだ。
俺と由真は顔を見合わせた。
ま、そんな年明けも悪くないさ。


貴明「由真、今年もよろしくな!」


     終 わ り
61名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 11:08:24 ID:M14bQRkR
以上、由真スレの名無しさんの作品でした
62二人の夜〜由真 @:2006/02/07(火) 11:11:57 ID:M14bQRkR
「足はいるかね?」
「いや、いい。もうちょっと景色を見て行きたいんだ、二人でな」
「ほっほっほっほ」
ブロロロロロロロロロ

「ねぇ、たかあき」
「ん?何だ?」
「綺麗ね・・・景色」
「あぁ」
クシュン
「大丈夫か、由真。風邪ひいたか?」
「ううん、大丈夫。ちょっと寒かっただけだから」
「そういや冷えてきたな・・・」
「うん」
「俺の家でも行くか?」
「えっ?う、うん・・・」
63二人の夜〜由真 A:2006/02/07(火) 11:12:59 ID:M14bQRkR
「ここがたかあきの家・・・」
「まぁ、散らかってるけど上がってくれ」
「うん」
並んでソファーに座る。
「たかあき・・・」
由真が寄り添ってくる。
「えーと、その、なんだ。あ、俺お茶入れてくる」
立ち上がろうとしたとき
クイッ
袖が引っ張られる。
「由真・・・?」
「あ、ごめんね、たかあき」
「いや、別にいいけど」
「今日は・・・今日だけは、私から離れないで欲しいの・・・」
「えっ?」
「いい?」
「・・・うん」
そっと、由真の肩を抱く。
由真の額が胸板に触れる。
64二人の夜〜由真 B:2006/02/07(火) 11:14:41 ID:M14bQRkR
「・・・私、これからの事、とっても不安だった。
でも、たかあきが居てくれるから、不安はないよ・・・」
「俺はいつまでも由真を応援してやる。ずっと傍にいてやる」
「うん、ありがとう、たかあき・・・好きだよ」
そのまま唇を重ねる。
「たかあき、好き」
「あぁ」
「大好き」
「俺もだ」
「たかあきは私の事好き・・・?」
「さっきから言ってるだろ」
「好きって言ってない」
「・・・好きだよ」
「愛してる?」
「あ、愛してる」
「何で詰まったの?」
「お、お前が変なこと言うからだ!」
由真の肩をつかみ引き倒す。
65二人の夜〜由真 C:2006/02/07(火) 11:18:01 ID:M14bQRkR
俺が下、由真が上の状態で抱き合う。
「たかあきは私の事を愛していないのね」
「そ、そんな訳ないだろ!」
「ふふふ、わかってるわよ」
よ〜し、悪い子にはお仕置きだ。
由真の耳にフッっと息を吹きかける。
「ひゃあ!」
「おや〜?由真は耳が弱いのかな?」
「そんな事無い!ちょっとびっくりしただけよ!」
フッ
「ひゃうん!」
「はははは」
「もう・・・」
由真が身を寄せてくる。
66二人の夜〜由真 D:2006/02/07(火) 11:18:36 ID:M14bQRkR
「たかあき・・・温かい・・・」
何だかすごく可愛く見えてきた。
いや、いつもは可愛くないと言う訳じゃなく・・・
由真の顔が間近にあるせいで混乱してきた。
まぁそれぐらい可愛い。
「私はずっとたかあきと一緒にいるよ。どんな事があっても」
「俺も、できるだけお前を支えてやるよ」
「たかあき、たかあき!」
由真が子供みたいにじゃれついてくる。
何度も唇を重ねた。
何度も抱きしめ合った。
「たかあき・・・」
「ん?」
「愛してるよ・・・」
67名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 11:20:11 ID:M14bQRkR
以上、由真スレの名無しさんの作品でした
68死神くん貴明編〜2月14日午前0時 @:2006/02/07(火) 11:28:35 ID:M14bQRkR
2月11日午前0時
俺は布団の中で考え事をしていた。
っていうか妄想していた。
「あと三日でバレンタインデー♪
由真からチョコが貰える♪」
妄想が止まらなかった。
気分はウキウキウォッチン!だった。
【チョコだけじゃなく、私も食べて・・・】
「なーんてな!」
と布団の上をごろごろ転がっていたその時。
「お楽しみ中失礼する」
「うわ!!!」
見ると部屋の中央に子供みたいなのが浮いている。
69死神くん貴明編〜2月14日午前0時 A:2006/02/07(火) 11:29:26 ID:M14bQRkR
「ななななな、何なんだあんた!」
「こう言うものだ」
名刺を差し出す。
「えっと・・・し、死神!?」
「そうだ」
「お前が?」
「そうだ」
「死神が俺になんの用だ!」
「最近、霊界では魂が不足しててな。人間の魂を回収しに来た」
「そ、それで?」
俺の声は震えていた。
「河野貴明、お前の命はあと三日だ」
「な・・・」
「死亡予定時刻は2月14日午前0時だ」
70死神くん貴明編〜2月14日午前0時 B:2006/02/07(火) 11:30:08 ID:M14bQRkR
俺は言葉を失った。
頭をハンマーで殴られたような衝撃だ。
「な、何で俺なんだよ!」
「人はいずれ死ぬ。お前の場合それが早かっただけだ」
「そ・・んな・・・」
「あと三日を悔いの残らないように生きる事だな。見た所、あんたには恋人がいるようだしな」
死神はその場で消えた。
「俺の命が・・・あと三日・・・?」
71死神くん貴明編〜2月14日午前0時 C:2006/02/07(火) 11:31:51 ID:M14bQRkR
朝の気分は最悪だった。
昨日の出来事は夢だろうか?
しかし、ポケットを探ると・・・
名刺が出てきた。
どうやら夢じゃないらしい。
「あと三日か・・・」
「おっはよ〜たかあき」
由真が手を振っている。
「由真・・・」
せめて由真には悟られないでおこう。
まぁ、言っても信用されないと思うが・・・
「あぁ、おはよう!」
72死神くん貴明編〜2月14日午前0時 D:2006/02/07(火) 11:32:32 ID:M14bQRkR
授業なんか頭に入らなかった。
心は不安と恐怖で押し潰されそうだった。
「あと三日・・・あと三日・・・」
由真の顔が浮かぶ。
「由真・・・」
そんな時、死神の言葉を思い出した。
【あと三日を悔いの無いように生きる事だな】
・・・そうか、そうだよな。
くよくよしてたって何もならないからな。
あと三日、精一杯生きてやろうじゃないか。
73死神くん貴明編〜2月14日午前0時 E:2006/02/07(火) 11:35:41 ID:M14bQRkR
放課後
「なぁ、由真」
「なぁに?」
「久しぶりにゲーセンでも行かないか?」
「え?いいけど」
「クレーンゲームでぬいぐるみ取ってやるぞ」
「どうしたの?急に?」
「なんでもねぇよ。それより行くのか?行かないのか?」
「い、行くわよ!」
その日俺はぬいぐるみを3つゲットした。
これが本当の死に物狂いって奴か?
まぁ、由真の喜ぶ顔が見れて満足だった。
74死神くん貴明編〜2月14日午前0時 F:2006/02/07(火) 11:36:57 ID:M14bQRkR
2月12日
この日も由真と日が暮れるまでデートした。
帰り道
「もう少しでバレンタインデーだね」
「うっ・・・」
心がチクッとする。
「大丈夫、心配しなくても私がちゃんとあげるから」
「い、いや、そうじゃなくてな・・・」
「?」
「な、何でもない!じゃあな、気をつけて帰れよ」
「うん、じゃね」
姿が見えなくなるまで見ていた。
頬に暖かいものが流れる。
俺は・・・泣いているのか・・・?
そう意識した瞬間悲しみが溢れ出した。
「ううぅ・・・由真ぁ・・・俺、死にたくないよ・・・」
その言葉は誰にも聞こえていなかった。
75死神くん貴明編〜2月14日午前0時 G:2006/02/07(火) 11:38:30 ID:M14bQRkR
2月13日
俺の命はあと24時間をきった。
明日の0時に俺は・・・
「おはよ、たかあき」
「おはよう」
せめて由真の前では最後まで明るく生きようと思う。


「由真」
「何?」
「今日はさ、あの、ケーキバイキングでも行かないか?」
「え・・・でも・・・高いでしょ?」
「大丈夫、俺がおごるからさ」
「そ、それならいいけど・・・大丈夫?」
「あぁ」
どうせ死んだら使えない金だ。
由真のために使えるなら本望だ。
76死神くん貴明編〜2月14日午前0時 H:2006/02/07(火) 11:39:17 ID:M14bQRkR
「おいしかったね〜」
「そうだな」
「ねぇ、たかあき・・・」
「ん?何だ?」
「き、今日・・・」
「?」
「な、何でもない!」
「そうか」
「それじゃあね!」
「あ、ち、ちょっと!」
「ん?」
「あの、その、何だ・・・キス・・・しないか?」
「いいけど・・・何でまた突然?」
「い、いいじゃねーか、したいんだか・・・」
ちゅっ
唇がふさがれる。
「由真・・・」
「えへへ、何だか恥ずかしいね」
「・・・」
「それじゃ、明日楽しみにしていてね」
「・・・うん、じゃあ」
走っていく由真
「・・・じゃあな・・・」
77死神くん貴明編〜2月14日午前0時 I:2006/02/07(火) 11:41:30 ID:M14bQRkR
2月13日午後11時46分
俺は居間のソファに座っていた。
悔いは無い。
そう自分に言い聞かせた。
だが、いざ死ぬとなるとやっぱり怖い。
「由真・・・」
そう呟いたとき。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
「ったく、誰だよ、こんな時間に」
ガチャ
立っていたのは・・・
「ゆ・・・ま・・・何でここに・・・?」
「えへへ、実はね」
「帰ってくれ」
「え?」
「いいから帰ってくれ」
「ちょ、ちょっと!何でなのよ!」
「何でもだ!」
「待ってよ!たかあき!」
「お取り込み中失礼する」
78死神くん貴明編〜2月14日午前0時 J:2006/02/07(火) 11:42:47 ID:M14bQRkR
死神が現れた。
「お前・・・」
「きゃっ・・・な、なにこれ?」
「河野貴明、お前の命はあと十分を切った。逃げても無駄だぞ。心臓マヒの予定だ」
「え・・・?なに言ってるの・・・」
「お前・・・由真の前で言わなくてもいいじゃないか!」
「一応規則なんでな」
「この野郎!」
俺は死神に殴りかかった。
しかし手ごたえはなく、勢い余って倒れそうになる。
「うわっ」
「たかあき!」
「無駄だ。俺には実体が無い」
そういい残すと死神は消えた。
79死神くん貴明編〜2月14日午前0時 K:2006/02/07(火) 11:43:33 ID:M14bQRkR
「ちくしょう・・・」
「たかあき・・・今のうそよね?」
「・・・」
「ねぇ、どうなの?」
「・・・」
「ねぇ!うそって言ってよ!たかあき!」
「由真・・・」
「これは夢よね?朝起きたらまた普通の生活が始まるのよね?」
「由真・・・全部本当だ・・・」
「・・・んで」
「え?」
「何でたかあきが死ななくちゃならないのよ!」
「人間はいずれ死ぬ。俺の場合、それが早かっただけだ」
「たかあきは・・・怖くないの・・・?」
「そりゃ怖いさ。でも由真には知られたく無かった・・・」
「あんたが死んだら私は何を頼りに生きていけばいいの・・・?
私を・・・一人にしないで・・・」
「由真・・・」
「ばか、ばかばかばかばかぁ・・・」
涙を零しながら俺を抱きしめてくる。
80死神くん貴明編〜2月14日午前0時 L:2006/02/07(火) 11:44:21 ID:M14bQRkR
「由真・・・ごめん・・・」
「うっ、うわあぁぁぁぁん」
由真が泣き叫ぶ。
時計を見るとあと20秒で0時。
「由真・・・お前と出会えて俺は幸せだった・・・」
あと10秒。
死に場所が最愛の人の胸の中か。
俺は幸せなんだな・・・
あと3秒。
「さよなら、由真」
カチッ
2月14日午前0時になった。
81死神くん貴明編〜2月14日午前0時 M:2006/02/07(火) 11:45:24 ID:M14bQRkR
あぁ、俺死ぬのか・・・
心臓マヒって言ってたな。
心臓マヒって痛いのかな、苦しいのかな?
それとも一瞬で死ぬのかな?
まだかよ、来るなら早く来いよ・・・
カチッカチッ
秒針が一周した。
「あれ?」
「・・・たかあき・・・?」
「俺、生きてる・・・?」
「え・・・?何で?」
俺も何故かわからん。
「死神出て来い!」
「何だ」
一瞬で姿を現す。
82死神くん貴明編〜2月14日午前0時 N:2006/02/07(火) 11:49:41 ID:M14bQRkR
「なぜ俺は死なないんだ」
「あー、今同僚から連絡があってな。
ここから遠く離れた内戦が起きている国でな、一人の若い男が倒れていた。
そいつはまだ死ぬ予定じゃなかったからな、同僚が助けようとしたんだ。
そしたらそいつは
‘‘俺には恋人も友達もいない。ここで死んでもいいんだ。
その代わりに、他の所で愛している人と別れなければいけない奴がいたら、
そいつに俺の寿命を分けてやってくれ’’
ってな。霊界はそいつの願いを聞き入れた。そして、あんたに適用されたんだ」
「マジかよ・・・」
「もらった命で彼女を幸せにしてやりなよ」
死神はフッと笑って消えた。
83死神くん貴明編〜2月14日午前0時 O:2006/02/07(火) 11:51:01 ID:M14bQRkR
「よ、良かった・・・」
「たかあき!たかあき!」
「ちょっ、由真!むぐっ・・・」
気がつけば由真にキスされていた。
「良かった・・・本当に良かった・・・」
「あぁ、一安心だよ」
「このままたかあきと別れるなんていやだよ」
「もう大丈夫だ」
「良かった・・・」
「ところで、由真は何しに来たんだ?」
「え?えっと、チョコ・・・食べてもらいたくて」
「そっか、ありがとな」
「これ・・・」
綺麗にラッピングされた包みを受け取る。
「食べていいか?緊張が解けて腹が減ったよ」
「うん、どうぞ」
包みを開けて手作りのチョコを食べる。
「おいしい・・・」
「そう、よかった・・・」
今年のチョコは特別な味がした。
84死神くん貴明編〜2月14日午前0時 P:2006/02/07(火) 11:52:18 ID:M14bQRkR
【ま、しっかりやりなよ。
俺がもう一度お前の前に姿を現すのはまだだいぶ先なんだからな。
それまでに彼女を悲しませるんじゃないぞ】

どこからか声が聞こえたような気がした。
「・・・言われなくてもわかってるよ、死神」
「ん?どうしたの」
「いや、なんでもないよ」
俺は由真にそっとキスをした。
85名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 11:53:08 ID:M14bQRkR
以上、由真スレの名無しさんの作品でした
86大学受験ver.1〜由真:2006/02/07(火) 11:56:41 ID:M14bQRkR
3月――俺にまた春が来た。肌寒い空気が身に染みる。
一年前、俺は由真に会った。あの時からずっと由真は俺の隣にいる。
今もそしてこれからも――


由真「う"〜っ」
隣で由真が声を上げた。
貴明「もっと頑張れよ」
今は放課後。
由真「べ、別に手が疲れたわけじゃないんだから!」
愛佳「ならちょっと休憩する?」
場所は図書室。
貴明「そうだな、少し休憩するか」
由真「ま、まだ大丈夫だってば!」
休憩に入る俺たちを止める由真。だがもう遅い。休憩モードに突入してしまった。
俺たちがなにをしているかというと、大学に進学するための勉強だ。
由真がダニエルに「進学させてください」と言ってからずっと勉強している。
志望校のレベルが高く、こうして補習でもしないと追い付けないぐらいだ。
そして勉強を教えてくれる先生は俺と由真の共通の友達、小牧だ。
流石優等生だけあって分かりやすい説明で俺たちに教えてくれる。実際先生より分かりやすい。
俺は伸びをしながらふと窓を見た。春の日差しが差し込んでくる。太陽にも暖かさが増してきた。
87大学受験ver.2〜由真:2006/02/07(火) 11:57:13 ID:M14bQRkR
愛佳「はい、休憩終わり〜」
小牧は手を叩いて休憩終了の合図を出した。
気が付くと10分もたっている。ボーッとしてた分、時間を感じさせなかったのだろう。
なんか損した気分……。
しかし、こんなこと考えていても仕方ないので再開することにした。
由真「……」
ふと由真を見るとさっきから考え事をしている。
由真「なんでこうなるの?」
呟くように言った。
由真が悩んでるのは数学の図形の証明。
小牧が由真に近づいて解説をしていく。
愛佳「だからここがこうなるからぁ」
由真「なんでこの公式が使えないの?その方が早いじゃん」
愛佳「それはここの角度がぁ…」
舌足らずな口調で解説していく小牧。由真はどうも納得していない様子だ。
普段どうでもいいことを気に掛ける奴だからな。
88由真〜屋上で・・・@:2006/02/07(火) 11:59:53 ID:M14bQRkR
「なぁ、由真」
「なに?」
「そのリップって・・・」
「うん、たかあきから貰ったやつだよ。
一回濃いからって先生に没収されたけどね」
「そうか」
由真が俺があげたものを使ってくれるのはかなりうれしかった。
「これは私の宝物の一つ。たかあきから貰ったものは全部宝物だよ・・・愛とか」
俺はその言葉を聞いて思わず由真を抱きしめた。
「ねぇ、たかあき・・・好きだよ」
「俺もだよ」
89由真〜屋上で・・・A:2006/02/07(火) 12:00:27 ID:M14bQRkR
そのまま唇を重ねる俺たち。
完全なバカップルだった。
他の人が見ていたら「今の会話でどうやったらそこまでいくんだよ!」
とツッコミを入れるかもしれないが、俺たちにはきっかけは何でもよかった。
ただお互いを感じられるだけでいい。
「そろそろ教室戻ろうか」
「あぁ」
先に歩いていく由真。
俺は口に違和感がある事に気がついた。
多分由真がリップをしていたからだ。
俺はこの違和感に覚えがある。
ちょっと前、屋上で・・・
「まさかな」
俺は教室へ戻るために歩き出した。
90secret kiss(Page 1):2006/02/07(火) 12:03:18 ID:M14bQRkR
「はあ〜」
 長いお説教を終えてようやく解放されたあたしは、ため息をつきながら
職員室を出てきた。
「お疲れ様」
 愛佳が苦笑しながらあたしを出迎えてくれる。
うちの学校の生徒指導の教師というのは、どうして態度がやけに高圧的な上に
話はやたらと長いのか。
愛佳もそれを知っているのであたしの気分の滅入りようは察していた。
「それで、どうだったの?」
「一応返してもらえた。使うのはプライベートだけにしとけって」
 そう言うあたしの手には、たかあきからもらったリップがあった。
そんなに濃く塗ったつもりはなかったのだけど、生徒指導に情熱を燃やす
ベテラン教師の彼はわずかな違和感も見逃さないらしい。
「由真!」
 たかあきがこっちに駆け寄ってきた。
あたしが生徒指導室に呼ばれていたのは知っていたからちょっと心配そうな
顔をしていたけど、あたしがリップを見せてあげるとほっと息をついた。
91secret kiss(Page 2):2006/02/07(火) 12:06:49 ID:M14bQRkR
「そうか、戻ってきたんだな」
「せっかくのプレゼントだもん。没収されっぱなしなのも嫌だから」
「プレゼントというほどでもないだろ?ゲーセンで取っただけだし」
「経緯はどうあれ、河野くんが由真にあげたんだから立派なプレゼントですよ」
 ねえ?とあたしに振ってくる愛佳。うん、まあそれはそうなんだけど…
その微笑ましい視線は何なのよ。
「そういえば、由真」
「なに?」
「お前、やっぱり俺の口にそれ塗ったんじゃないか?」
「いきなり何を言い出すのよ」
「覚えてるか?俺が屋上で寝てた日。お前がこれ塗ってきた時だよ」
 …もちろん、覚えてる。
あの日のことは忘れようにも忘れられない。
「起きてから飯食ったらなんか変な味がするから、後でハンカチで拭いてみたら
ソレの色がついてたんだよ」
「あ〜…あれ?」
「思い出したか」
 思い出したというか…たかあきはそのリップの意味を知ってるはずがない。
その真実はあたししか知らないのだから。

 そう、あたししか――
92secret kiss(Page 3):2006/02/07(火) 12:07:24 ID:M14bQRkR
 さっきたかあきが屋上に向かうのが見えたので、あたしも行ってみた。
キィィ…という鈍い音と共に屋上の扉が開き、外から光が飛び込んでくる。
(綺麗な空…)
 透き通るような青空に雲がゆっくりと流れていた。
そしてあたしの探し人はその空の下でひとり、惰眠をむさぼっていた。
「なーに寝てんのよ」
 たかあきはうっすらとまぶたを開く。
「よっ」と軽く手を上げるとたかあきも「よう…」と力なく手を上げた。
「高いところで空を見上げるのって、いい気分だよね」
「ああ」
 この学校で一番高い場所で見上げる空。
自分が誰よりもこの空に近い位置にいるような気分になる。
実際はそんなことなくて、本当に気分でしかないんだけど…なんだか
とてもすがすがしい。
「どんな悩みも、大したことないように思えてくるよ」
 まったく、くだらない。
どこまでも続く空を見ていると、自分がうじうじ悩んでいることが途端に
ばかばかしく思えてくるから不思議だった。
「何か見えた?」
「自分の行き先くらい、自分で決めろ」
 ちょっと不機嫌そうに言いながらたかあきは寝返りを打つ。
「もーっ、そういう意味じゃないのに…」
 その言葉は不服なんだけど、睡眠の邪魔をされた向こうとしても
これ以上絡まれるのは勘弁してほしいらしい。
けれどあたしが去る気配がないことをわかると、たかあきはのそのそと
身を起こした。
93secret kiss(Page 4):2006/02/07(火) 12:07:55 ID:M14bQRkR
「どうしてお前がここに?授業は?」
「何言ってんの。体育は二クラス合同でしょ」
 そう答えてから、あたしはじっとたかあきを見つめる。
実は、今のあたしはいつもとちょっと違うところがあった。でも彼はそれに
気づかない…というか眠くて気づく余裕もないのか、再びベンチに横になった。
「こら、寝るな!」
「あん?…何?」
「何?はないでしょ」
 たかあきに見てもらうために「それ」をつけて来たのに、眠気優先でそれを
無視されるのはやっぱり我慢ならなかった。
ちょっと不機嫌な口調になりつつ、たかあきの気を引こうとする。
「だからなんだよ?」
「よく見なさいよ」
 薄く開いた目でしばらくあたしを見ていたけど、ようやくあたしが見せたかった
ものに気づいたようだった。
「……何か口についてる」
「つけてるのよ」
「昨日のルージュか」
「リップよ」 
 たかあきが昨日、アーケードのゲーセンで取ってくれたリップ。
せっかくのプレゼントだったから、使っているのをきちんと見せたかった。
でも肝心の見せる相手の方はあまり関心がなさそうだ。
「どっちでもいい…薄く引いてるからわからなかった」
「学校なのにそんなごってりとは塗れないでしょ」
 こっちはそれなりに気合を入れて見せに来たんだけど、たかあきの方は
相変わらず素っ気無い態度。
はあ…わかんないかな、たかあきにはあたしの気持ちなんか。
94secret kiss(Page 5):2006/02/07(火) 12:08:27 ID:M14bQRkR
「とにかく俺は眠いんだ、散れ散れ」
「むー」
 手をひらひらさせてあたしを追い払おうとする。
でも、あたしはここを立ち去る気はなかった。反応は悲しいほどに薄かったけど
リップを塗った自分を見せるという目的は一応達した。
 それでも…あたしはここにもう少しいたかった。
たかあきのいるこの場所に。
「寝てる間に、いたずらすんなよ…」
 最後にそう言うとたかあきは目を閉じて寝息を立て始めた。
よほど眠かったらしく、もう反応はない。
「…ばか」
 ほんとにドライな奴だと思う。
普段は素っ気無いくせにいざという時にはかっこいいんだから困ったものだ。
(時間はあるからあたしも寝ちゃいたいけど、眠気がないなあ)
 眠っているたかあきの側に腰を下ろす。
彼の髪を軽く梳いてみると、男の子の髪の割には意外とさらさらしていた。
「………」
 ここにいるだけでなんだか幸せな気分だった。
たかあきは、本当はきっとあたしなんか見てないんだろうけど。
それならそれでせめて今だけでも…こうしていたい。

 ああ、もうあたし――手遅れかな。
こいつと一緒にいることに幸せを感じるなんて。
95secret kiss(Page 6):2006/02/07(火) 12:09:28 ID:M14bQRkR
「…たかあき」

 愛しさと切なさが入り混じった声で、そっと彼の名前を呼ぶ。
きっとこの気持ちに応えてくれることはないとわかっているけど。
「……」
 あたしはおそるおそる唇を近づけていく。こんなこと、誰かにしよう
なんて今まで一度も考えたことなかった。
(知ったら…怒るかな?)
 怒るかも知れない。いや、照れて真っ赤になりながら困った顔をして
怒るに違いない。
河野貴明という人間をそれほど深く知っているわけじゃないけど、なぜだか
根拠なくそう思った。
(許して、くれるかな――)

 お互いの唇がそっと触れた。
たかあきの知らない、あたしだけが知っている二人のファーストキス。
96secret kiss(Page 7):2006/02/07(火) 12:12:28 ID:M14bQRkR
「…ってお前、学校出た途端につけるか普通?」
「大丈夫だってば。あの先生だって別に見回りするわけじゃないし」
 それに濃く塗ってるわけじゃない。
久しぶりに手元に返ってきたものだから、使ってあげたかったのだ。
「しかし…」
「ん?」
「やっぱりなんというか、改めてそれ塗ってるのを見るとお前が女の子
だってのを意識するな」
「それはあたしが普段は女らしくないって意味?」
「違う違う、そうじゃなくてだな」
 右手でグーを作ったあたしをいさめながら、たかあきは言葉を続ける。
「あー…なんて言えばいいんだろ。色っぽい?んー、違うな。すまん、
いい言い方が思いつかない」
 どうやら自分なりの言葉にできないようだけど、なんとなく彼が言いたい
ことはわかった。
「まあ、たかあきにはそれくらいの表現が限界かもね」
「それはどういう意味だ。お前も国語の点数大して変わらないだろ」
「言ったでしょ。あれは本気じゃないんだから」
「まだ言うか」
 そしていつもの調子に戻る。
うん、こんな風にバカやってる方があたし達らしいのかも知れない。
97secret kiss(Page 8):2006/02/07(火) 12:16:41 ID:M14bQRkR
「あー、あたしこっちだわ」
「お、もうここなのか」
 いつの間にか分かれ道にさしかかる。
ここからあたしとたかあきは別々の方向に帰って行く。でも、まだ
離れる気にはなれなかった。
「………」
「………」
 いつの間にか、手を繋いで歩いてきていた。
どちらも手をほどけなくて、かといって手を離さないと帰れない。
でもやっぱり手を離すのはためらわれて…堂々巡り。
「一応…帰らなきゃね」
「そうだな」
「手、離さなきゃ」
「ああ…そうだよな」
 あたしよりもたかあきの方が名残惜しそうにしている。
しょうがない――あたしは視線を巡らせて周りに誰もいないのを
確認すると、すっと背を伸ばした。
「――っ」
 手は離れた。
でも、今度はキスしたままでたかあきにぎゅっと抱きしめられて
余計に離れられなくなってしまった。
「…なあ、由真」
 唇を離すと、たかあきはまだあたしを抱いたままで聞いてきた。
「何?」
「さっきのリップのことなんだけど」
「うん」
「もしかしてお前…塗ったんじゃなくて俺に――」
 続きを言わせる前にあたしは再びたかあきの唇を塞いだ。
そして彼からぱっと離れる。
98secret kiss(Page 9):2006/02/07(火) 12:18:59 ID:M14bQRkR
「だから言ったでしょ。ずっと秘密って」
「ということは…」
「あーダメダメ。言ったら秘密じゃなくなっちゃうから」
 くすくす笑いながらあたしは手を振って駆け出す。

おかしさと恥ずかしさで浮かれながら遠目に見たたかあきの顔は
困っているような照れているような、だけど怒ってなんかいなくて。
最後には笑顔であたしを見送っていた。
99名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 12:20:58 ID:M14bQRkR
以上、由真スレの780さんの作品でした
100exchange(1/5):2006/02/07(火) 12:26:03 ID:M14bQRkR
 ツインビルでキスを交わしたあの日以来、俺達は時間さえあれば
一緒にいるようになっていた。
登校時、授業の合間の休み時間、昼休み、そして放課後。
特に話題がなくても隣に由真がいるというだけで幸せな気分だった。
それは由真も同じらしい。
「キスしなくても、ぎゅっと抱いてくれなくても、隣にいてくれたら
それだけで十分なの」
 とは由真の弁。
なんともまあこっ恥ずかしいセリフだが(由真も自分で言ってそれは
自覚しているようだ)、俺も同じなので返す言葉もない。
「…で、早速クラスの連中にはバレてしまったわけだが」
 そう言って俺は苦笑する。特に雄二や小牧にはからかわれる毎日だ。
正直ことあるごとに色々言われるのは非常に恥ずかしいが、由真という
恋人を得た代償と割り切るしかない。いや、本当は勘弁して欲しいけど。
「仕方ないかな…態度でバレバレだし」
「それ以前に常に一緒にいるからな」
 あの日を境にして、ずっとくっつきっぱなしという様子を見れば、何も
言わずとも付き合っているであろうことは誰にでも推測が出来ることだ。
「じゃ、離れる?」
「…できるか?」
 悪いが俺には無理だ。
101exchange(2/5):2006/02/07(火) 12:27:06 ID:M14bQRkR
「――やっぱりやだ」
 そう言いながら俺の服の裾をぎゅっとつかんでくる。
くあ〜!その仕草が可愛すぎて思わず抱きしめて頭を撫でたくなってしまう。
「わわっ!た、たかあき?」
「ああもう、なんでお前って奴は…っ」
 ぎゅっと抱きしめて頭をなでなで。
思ってるどころかしっかり実行に移してしまっている辺り、俺はすっかり
制御が利かなくなっていた。
「あ、う…」
 由真は由真で真っ赤になって、周りに人がいないかを気にしながらも
俺に撫でられるがままになっていた。
「――はっ!」
 ようやく我に返ると、俺は由真の身体を離した。
「わ、悪い」
「う…ううん」
 お互いしどろもどろで、まだ顔も赤い。
視線をあちこちにさまよわせていると…ふと、由真のカバンに見慣れたものが
下がっているのが目に付いた。
「あ…カバンに下げてたのか」
「これ?うん…やっぱりあたし達をツインビルで引き合わせたのはこの子の
おかげかなって。それで――」
 由真はそう言って自分の相棒の人形を微笑みながら見つめる。
102exchange(3/5):2006/02/07(火) 12:27:46 ID:M14bQRkR
『こんなものなくたって、俺はお前を見つけ出す』

 あの日、ツインビルで由真に言い放った言葉。
本当にそうか?自分の力だけで見つけ出せたか?
気ばかりが焦っていた俺に、由真の居場所なんかわかっただろうか。

 いや、きっと無理だった。
こいつがいたから――こいつが教えてくれたから俺は由真の元にたどり着く
ことができたんだ。
「あっ…たかあきも持ってたんだ」
 俺がカバンから取り出した人形を見て、由真はちょっと嬉しそうに呟く。
「一人ぼっちで家で留守番させてるのも寂しいだろうから」
「…うん、そうね」
 二つで一組の、俺達に似た男の子と女の子の人形。
男の子の人形は俺が、女の子の人形は由真が持っている。
「たかあき」
「ん?」
 由真は一つ呼吸を置いて、俺に提案を出した。
「この子達…交換しない?」
「交換?」
「そう、取り替えっこ」
103exchange(4/5):2006/02/07(火) 12:28:17 ID:M14bQRkR
 この二つの人形はゲーセンで買ったプライズ品だ。
本来は(?)男が女の子の人形を、女が男の子の人形を持つようだが、
その時は由真が「恋人同士みたいじゃない」って言って、男の子の人形を
俺に押し付けた。
「今は…立派に恋人同士でしょ?」
 少しうつむき加減に由真が呟いた。
そうだ。もうあの頃のように勝負を挑んで挑まれる関係じゃない。
お互いを想い合う恋人同士なんだ。
「ああ…そうだな」
 俺は男の子の人形を由真に手渡す。
だけど次に口にした言葉は、由真が思っていたものとは違うものだった。
「ずっと一緒だから。だから…こいつらも一緒にいさせてやってくれよ」
「え?」
「俺達はいつも一緒にいるのに、この二人は離れているなんて寂しいだろ?
だから、こいつらもずっと一緒だ」
 そう言いながら、出来る限り優しい笑顔を向けてやる。
すると由真はちょっと涙ぐみながら、
「――うん」
 すごく幸せそうな微笑みで応えてくれた。
104exchange(5/5):2006/02/07(火) 12:29:10 ID:M14bQRkR
 ――少し前まではもうちょっと殺風景な部屋だったのよ。
それがいつの間にか、あたしの好きなもので満たされていって。
「ここで、いいかな?」
 晴れてカップルになった二人を窓際に向かい合わせて座らせてあげる。
これをあたしとたかあきに置き換えてみると…あ、いや、やめとくわ。
すごく恥ずかしいから。
「タコは、ここ…と」
 たかあきがゲーセンで取ってくれたタコのぬいぐるみ。
それにしてもタコなのにタラコくちびるなのはこれいかに。可愛いからいいけど。
「これは、どうしよっかな?」
 たかあきに押し付けられて結局捨てきれなかった、二人が写っているプリクラ。
それも今では写真立てに入れて飾られております、はい。
母さんに見つかった時、なんだかすごく微笑ましい視線を送られてしまった。
「さてと…もうすぐ来る頃かな?」
 ピンポーン。
「あ、はーい」
 たかあきが来たみたい。
さて…今日は父さんも母さんも家にいることだし、あることないこと根掘り葉掘り
聞かれるかと思うと気が滅入るけど。

 そんな時間も、また幸せなのかも知れない。
105名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 12:38:53 ID:M14bQRkR
以上、由真スレのexchange作者(780=794)さんの作品でした
106ダニエル編(BAD END):2006/02/07(火) 12:41:30 ID:M14bQRkR
がっしゃ〜〜〜ん。
二人は抱き合ってそのままキス。
その拍子に由真の足にガラスの破片が刺さる。
「痛っ!もう、割るならちゃんと割りなさいよ!」
「わ、悪い」
「足はいるかね?」
「いや、いい。」
「そうか、わかった…」
「ではすぐに帰って足の手当てを」
「えっ、えっ、えっ?!」
「ちょ、ちょっと爺さん!」
「お主も早く帰るんじゃぞ」

ブロロロロロロロ...



(BAD END)
107ダニエル編(NORMAL END):2006/02/07(火) 12:42:11 ID:M14bQRkR
(おっ、ちょうど2人が出て来おったわい。わしの助言が役に立ったようじゃ。)
「足はいるかね?」
「いや、いいよ。」
「まあ、そう言わずに、2人とも早く乗るんじゃ。」
「いや、だから爺さん。俺たちは大丈夫だって。」
(ピクッ)
「何じゃと?!」
「(爺さんに何とか言ってくれよ)」
「(どうしてあたしにふるのよ)」
「(爺さんの扱い慣れてるだろ?)」
「(嫌よ、責任とってあんたが言いなさいよ)」
「え〜と、じゃ乗ろうか。」
「(覚えてなさいよ…)」

「貴明殿、孫娘のことくれぐれもお願いしますぞ。」
「えっ? あっ、はいっ!」
「ちょっ、ちょっと急に何言い出すのよ。」
「ずっと2人を見ていて気づいたのじゃ、この老いぼれが間違っておったと。」
「爺さん...」
「おじいちゃん…」
(小僧を婿に取れば家族も同然。ダニエル候補が2人と言うわけじゃ。これで我が家も安泰じゃのぅ。)
「ほっほっほ。」
「何よ、気味悪いわね。」
「老い先短いこのわしにひとつ楽しみが増えたのが嬉しくてのぅ。」
「もぅ、変なこと言わないでよね」
「ほ〜ほっほっほ。」



(ダニエル NORMAL END)
108ダニエル編(HAPPY END vol.1):2006/02/07(火) 12:43:48 ID:M14bQRkR
(おっ、2人が出てきおったわい)
「足はいるかね?」
「いや、いいよ。」
「まあそう言わずに。 ん? お主怪我をしておるようじゃな。」
「大したことないから大丈夫だよ。」
「あたしのせいで貴明が…」
「そうじゃったか。それでお主が怪我を…。礼を言いますぞ。」
「当然のことをしただけだから。」
「是非ともこのわしからも礼を言わせてくだされ。いや礼をさせて下され。」
「だから爺さんいいって。」
「それではわしの気がすまんのじゃ。」
「わかったよ。気の済むようにしてくれ。」
「そうか、そうか。では礼をさせてもらうとしよう。」
(ちゅっ)
109ダニエル編(HAPPY END vol.2):2006/02/07(火) 12:44:48 ID:M14bQRkR
「えっ? 爺さん、あんた今…。」
「あわわわわわっ」
「ほっほっほ。」
「おじいちゃんと貴明が…。」
「爺さん! あんた何考えてんだ?!」
「スキンシップじゃよ、スキンシップ。外国じゃみんなやっておろう。」
「ここは日本だ!」
「あんたたち… いつの間に…」
「ゆ、由真?」
「そう、そういうことだったのね…」
「な、なにが?」
「前からあたしのいないところで2人こそこそしてると思ったら、そういうわけだったのね…」
「えっ? 爺さんとはお前のことで話をしてただけで…」
「わかったわ…」
「わかってくれた?」
「あたしはお邪魔だってことがね。」
「だから違うって。爺さんも何か言ってくれよ!」
「ほっほっほ」
「あたし帰る。貴明…」
「なっ、なに?」
「おじいちゃんとお幸せに。」
「待ってくれよ、由真! 爺さんも何とか言ってくれよ!」
「ほ〜ほっほっほ。」



(ダニエル HAPPY END)
110短編〜結婚後:2006/02/07(火) 12:47:57 ID:M14bQRkR
由真「たかあきぃ、これかってよぉ〜」
貴明「ダメ。お前この前かってやったばっかじゃんかよ」
由真「ケチ。私のこと嫌いになったんでしょ…(ウソ泣き
貴明「お前のウソ泣きはもう見飽きたぞ」
由真「ほんとに泣くから!ここで大声で泣くから!後悔するなぁ!」
貴明「わーった!分かったから今回だけだぞ?絶対だぞ?約束しろよな?いいな?」
由真「うん!絶対!約束!間違いない!今回だけ!たぶん!」
貴明「すいません、これ下さい。(小遣い減るけどまあ由真が喜ぶならいいか…)
由真「たかあきってだから大好き!」
111短編〜結婚後(ツンデレver.):2006/02/07(火) 12:48:35 ID:M14bQRkR
貴明「それ欲しいのか?」
由真「見てただけよ。欲しくなんかないんだから」
貴明「お前のウソは分かりやすいな」
由真「嘘じゃないわよ。ほんとに見てただけだって言ってんでしょ」
貴明「分かった分かった!分かったから今回だけだぞ?次は買わないからな」
由真「欲しくないって言ってんじゃない。人の話を聞きなさいよ」
貴明「すいません、これ下さい。(小遣い減るけどまあ由真が喜ぶならいいか…)」
由真「だからいらないって」
貴明「はいはい」
由真「ホントはいらないんだからね。買っちゃったから仕方なく貰ってあげるんだからね」
貴明「うんうん、そうだね」
由真「お礼とか言ったりしないんだから」
貴明「分かった分かった」
由真「・・・・・・ありがと」
112短編〜クリスマスイブ:2006/02/07(火) 12:49:29 ID:M14bQRkR
貴明「だだいま〜」
由真「遅い!今日が何の日か分かってんの?」
貴明「ごめんごめん、急いで帰ってきたんだけど。待たせてごめんな」
由真「ま、待ってなんてないんだからっ」
貴明「良い匂いがするな〜。お〜、すごいごちそうじゃないか!」
由真「そ、そう?」
貴明「作るの大変だっただろ?」
由真「ま、まあね」
貴明「俺のためにこんなに作ってくれたなんて感激だな」
由真「べ、別に貴明のために作ったわけじゃないんだからね!スーパーで安売りしてただけなんだからっ!」
貴明「ふーん、安売りか〜」
由真「ほ、本当よ。貴明を喜ばそうとか思って作ったんじゃないんだからねっ!」
貴明「ありがとありがと」
由真「人の話を聞けぇ〜!」
113短編〜クリスマスイブ:2006/02/07(火) 12:54:50 ID:M14bQRkR
以上が由真スレの主なSSです
エロ作品は葉鍵板なので載せていません

以下は愛佳スレからの作品です
114小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第1話:2006/02/07(火) 13:08:13 ID:M14bQRkR
5月22日
郁乃が登校するようになり、早一週間が過ぎた。
体力が維持できるといっても、やはり車椅子での登校になってしまい、
俺が押して愛佳が隣で歩くという場面が増えていた。
あれから愛佳と俺は書庫には行っていない。
特に立ち入りが禁じられているわけでもないが、行くとなると少し胸が痛む。
もうあの作業には実質戻れないのだ。
バーコードを張ることも、書物を整理することも・・・
「・・・たかあきくん?ねぇ、たかあきくんってば!」「いひゃ!?」
耳に暖かく、甘い香りの吐息がかかる。
気が付けば愛佳の息が耳にかかるぐらいの距離に縮まっていた。
思わず一メートルくらい後ろに飛んでしまう。
ついでに車椅子を掴んでいた手もお留守になってしまった。
「えっ・・・ちょっと!何!?」と郁乃。
程よいスピードで進んでいたせいか、車椅子はそのまま転がっていた。
郁乃は車椅子のタイヤを掴み、急ブレーキをかける。
「いきなり離さないでよね・・・しかも後ろで何が起きたか知らないけど、
『いひゃ』ってバカみたい。あ、元々バカか。」
確かに立派な男が『いひゃ』はないよな・・・
でもコイツに言われるとやはりどこかしら、むかっ腹が立つ。
ま、ここは冷静に行くか。
115小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第2話:2006/02/07(火) 13:08:53 ID:M14bQRkR
「あぁ、悪い悪い。ちょっとびっくりして。」
実はちょっとどころじゃないんだけどな。内心ドキドキだ。
何せ人間誰しもがもっている性感帯にあんな吐息をかけられたら・・・
「たかあきくん、だいじょぶ?顔赤いよぉ?」
「あ!いや、全然問題ない!ごめん!」
何を慌ててるんだ俺は。これでは昔の愛佳状態ではないか。
「熱があるならあたしが押してあげよっか?」
「いや大丈夫だって、顔だって赤くないよ、うん。」
嘘だった。自分でも分かるほどだ、相当紅潮しているに違いない。
「あーもー、さっきからイチャついてないで早く車椅子押してよ」
と割って入ってくる郁乃。
まったくこのわがままお嬢さんは・・・と思いつつまた3人で帰り始める。

俺はあの日以来たまに愛佳の家の近くまで来るようになっていた。
車椅子を押して登校するとか下校するからという少しこじつけ臭い理由で、
いつも何気に来ている。
とは言えど、実際に愛佳の家を見たことはない。
結局近くになると「後はあたしが押すから」という
愛佳の言葉でさようならしてしまうのだ。
今日もそういう言葉が待っているのだろう。
そろそろ実際に見てみたい、という興味が強くなってきた。
もちろんいやらしい気持ちとかはこれっぽっちもない・・・わけでもないが・・・
116小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第3話:2006/02/07(火) 13:09:25 ID:M14bQRkR
だから今日こそ勇気を振り絞って言おう。
『なぁ愛佳・・・お前の家に・・・・・・』
やばい、イマイチあとのキメが思いつかん。
そもそも彼氏彼女の関係にはなったわけだが、やはりいきなり押しかける(しかも夕方に
のは抵抗があるよなぁ・・・
とかくだらない考えをしているうちに愛佳の家の近くまで来た。
「あ・・・もうそろそろ近くだな・・・」
と自然に口からそんな思いが出てきてしまう。
「そうだね・・・」
気のせいか、愛佳の表情がどこかいつもに比べて寂しげだった。
何で?何故?Why?なにゆえ?どうして?
などと煩悩が次々に脳内にお引越ししてくる。
めちゃくちゃ「どうした?」の一言でもかけてやりたいが喉の辺りで止まってしまう。
あー、今日も無理だったか・・・
いつか愛佳にキスをしたあの日の勇気はどこにいったんだ・・・
自分を罵る言葉ならたくさん出てくる、ほめ言葉はゼロだけど。

「あのね・・・たかあきくん・・・」

愛佳の、それは小さな小さな声が俺の耳に入ってくるのに1、2秒はかかった。
愛佳が俺を呼んでる。
「何?」
「あのね・・・その・・・」
手を右頬に当てて下にうつむく仕草、愛佳が迷ってたり何かを言おうとしているポーズだ。
「今日・・・あたしの家に来て・・・もらえませんか・・・?」
一瞬目が点になった、理解するのにやはり1、2秒かかった。
「え・・・え?え?」
117小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第4話:2006/02/07(火) 13:10:59 ID:M14bQRkR
「だから・・・う、家に来てください!」
今度ははっきりと聞こえた、意味も瞬時に理解した。
自分から切り出そうとしていたことが愛佳に言われてしまった。
しかし何故唐突に?なにゆえ今まではなくて今日?
「べ、べつにいいけど・・・な、何故?」
俺のバカ、相当歯切れは悪くなってるよ。
「きょ、今日ね・・・実は郁乃がまた病院にかかる用事があるの・・・」
「そ、あれからまたその後の経過を見たいからって、視力検査とか何とかで
今日1日は病院に泊まるの。」
おどおど言う愛佳に比べて早口でずけずけ言う郁乃。やっぱちょっとこの兄弟似てないよなぁ・・・
なるほど、確かに手術は成功したがその後万事うまく生活できるかも分からない。
そこで経過を定期的に見なければならないわけか。
「って、待てよ。そっちのご両親はどうしたんだ?ご両親がいるなら心配ないだろ?」
そうだ、別に俺が行かなくても愛佳の家族がいれば問題はない。
まして愛佳だってもう17歳だ、このみじゃあるまいし、一人じゃ淋しいもなかろうに。
「それがね・・・今日は父方の法事があるとかで・・・しかもここから新幹線で4時間。
だからホテルに泊まっていくんだって・・・」
偶然に偶然が重なったのか?それとも本当に神というのは存在するのか?
つまり愛佳が言いたいのは『今夜はふたりっきり』とかいうアレか?
それは流石にまずい、俺だってこう見えても男だ。
郁乃なんて『恋なんて性欲じゃない・・・このケダモノ』
とか罵る始末だ。
どう考えても危険過ぎはしないか?
「でも愛佳、やっぱりそれはまずいよ。男と女が屋根の下二人きりなんて・・・」
「言い回しがいやらしいのよ・・・このケダモノ。」
ほらきた、やっぱり郁乃に殺されそうだ、このままでは。
「大丈夫だよぉ、たかあきくんだってそんなえっちなことしないってぇ・・・」
とか何とか言いながら顔が真っ赤になってるぞ愛佳。
118小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第5話:2006/02/07(火) 13:11:32 ID:M14bQRkR
しかし・・・えっちなこと・・・かぁ・・・
俺が愛佳を必要としているように、愛佳も俺を必要している・・・ハズだ。
それを確かめる行為って言えば聞こえは良いけど、
俺、ついこの間まで女性苦手宣言だしてんだぜ?
どうも運びが速すぎるというかなんというか・・・
「お姉ちゃんはそんなこと言うけどね、男なんて所詮狼なのよ。」
「ぐ・・・」
郁乃の言葉が妙にグサッと来る。やましいことを考えてただけに。
「普段は穏やかでにこやかな顔して、女性を騙してるのよ。
二人っきりになったらどう暴れるか・・・」
「「そんなことないッ!!」」
郁乃の過剰とも言える一言を、愛佳と俺はハモって否定した。
そしてお互い顔を見合わせてしまう、恥ずかしい。
しばらくして・・・
「・・・ゥホン!」とわざとらしい咳払いをして俺は続けた。
「確かにお前から見たら俺は愛佳ににこにこして一緒にいる狼かもしれないよ。
けどな、俺が愛佳のそばにいるのはやましい気持ちがあってのことじゃない。」
そうだ、俺は・・・俺が愛佳のそばにいるのは・・・
「俺は愛佳を心から愛しいと思ってるし、
これ以上ないってくらいに俺は愛佳のことを必要としてるんだ。」
こっ恥ずかしいはずの台詞が心から直に出てくるように俺は言い切る。
「俺は、愛佳が好きだから一緒にいるんだよ。」
「・・・ぁぁ・・・たかあきくん・・・」
少し驚いてかすれる様な声で俺の名を口にする。
あぁ・・・言っちゃったよオイ・・・
119小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第6話:2006/02/07(火) 13:12:06 ID:M14bQRkR
しばしの沈黙が、永遠とも思えた。
何故反論も否定もしない、郁乃・・・
「ふぅん・・・あんた、そこまでお姉ちゃんのこと思ってるんだぁ・・・」
少し感心したように郁乃が感想を述べる。
「・・・そうだよ。男に、いや、俺に二言はない。」
もう半ばヤケだ。このまま突っ走ろう。
「分かった・・・信用したげる。そこまで必死に言うんだもん。」
郁乃は半分呆れたような、そして半分嬉しそうな顔をしていた。
と言うことは・・・?家に入ってもOK宣言?
しかしいつからコイツにそんな権限があったのかと思うと疑問に思えてくる。
「じゃあ・・・今日、うちに泊まってくれるよね?たかあきくん?」
等と愛佳に紅潮した顔で上目遣いに見られるのだからたまったものではない。
今言ったことを真っ先に矛盾しそうな行動に移りそうだ。
愛佳を抱きしめたい、抱きしめてその存在を今一度確かめたい。
だが俺はそんな欲求を捨て
「あぁ、分かった」と返事を返した。据え膳食わぬは男のなんとやらだが。

そうして俺たちは郁乃を病院に連れて行ってから再び家に着いた。
・・・・・・・・・・
『お姉ちゃんにやましいことでもしようものならあんたの家に張って行ってバラバラにしてやる』
郁乃の目は明らかにマジだった。
本気で殺されそうだよ、俺。
120小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第7話:2006/02/07(火) 13:14:05 ID:M14bQRkR
愛佳は「汚いところだけど・・・」と案内をしてくれる。
あー、ついに俺はこのみとタマ姉以外の女の子の家に来てしまったんだな・・・
何か新鮮な感じだ。謙遜で言っただろう言葉とは裏腹に愛佳の家はきれいに片付いていた。
雄二ン家ほどでかくないにしても、そこそこ広い家だった。
「何か・・・すごいなぁ・・・」
素直な感想が口から出る。
内装は明るく、床には絨毯がきれいに敷いてあり、非の打ち所がなった。
「や、や、そんなことないよぉ。」と照れながら愛佳が振り向く。
そうこうして階段を上ると愛佳の部屋の前にたどり着いた。
きた、男にとっては決して侵してはならない女性のサンクチュアリ。
すごくドキドキしてしまう。愛佳はこっちの気も知らずにニコニコしながらドアを開ける。
意味もなく目を細めてしまい、腕で顔を隠す。
よくRPGで秘密の扉をあけた時にとるあのポーズだ
なんてバカらしいことやってないでと・・・
「ここがあたしの部屋ですぅ〜。」
一歩進んで部屋を見渡す。
まるで豪邸の中を見回すようにきょろきょろしてしまう。
それはそれは、とてもきれいな場所だった。
本が乱れることなく本棚に納められ、机の上に小型のノートパソコンが置いてあり、
ベッドはしわすらなく、天井からは心温まるような電球の光がさしてくる。
まるで、愛佳の心の中を映しているような、そんな部屋だった。
自然とこちらまで落ち着いてくる。癒されてくる。
「ちょっと待ってて、今お茶持ってくるから。そこらへんに座っててくださいね〜」
よく見ると床に小さな木のテーブルが置いてあり、椅子もちょうど二つある。
愛佳は部屋を出ると階段をトコトコ下りていく、俺はホントにそこら辺に腰掛ける。
しかし・・・見れば見るほど心が和んでくる。
愛佳の心の中に入ったような感じがして、知らず知らずのうちにポカポカしてくる。
ん・・・?待てよ、愛佳の心の中・・・
そうだ、愛佳の心の中ならば、俺が居ても不思議じゃないはずだ。勝手な思い込みだけど。
写真とかないかな?けど勝手に机とか漁るのも失礼だよなぁ・・・
121小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第8話:2006/02/07(火) 13:15:02 ID:M14bQRkR
そもそも、よくよく考えてみれば俺は愛佳と二人で写真などとったことがない。
そりゃなくて当たり前だ。
物思いにふけってると愛佳がお膳の上にティーポットと二つのティーカップ、
そしてやはり外せないお菓子をもってきた。
「もぉ〜、たかあきくんってばホントにその辺に座っちゃうんだからぁ・・・」
テーブルにお膳を置いて、「ささっ、椅子に腰掛けて」と進めてくる。
お言葉に甘えさせてもらって座ることにした。
あぁ・・・何か懐かしいな・・・
書庫を出て以来、俺たちは二人で小さなお茶会を開くことはなかったから、余計懐かしく感じる。
愛佳がお茶を淹れてくれ、俺は香りを楽しむ。
ついこの間まで紅茶など別世界の飲み物かと思っていたのだが・・・
「今日のお菓子は・・・これ、プリン?」
「う〜ん、残念。これはクレーム・ド・ブリュレ、
味はプリンと似てるけど、上のカラメルを少し固めてあるのが特徴なの。」
「やっぱりこれもお手製?」
「そうだよ〜。保存がきくように冷蔵庫に入れといたの」
流石愛佳、お菓子に関してはパティシエ並みの腕だ。
しかしクレーム・ド・ブリュレ、言ってて舌をかみそうだ。
よく愛佳が舌をかまなかったな。
「このブリュレっていうのはね、フランス語で焼いてある、って意味なんだよぉ。
えへ、言ってて舌かみそうだよね、このお菓子。」
122小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第9話:2006/02/07(火) 13:18:08 ID:M14bQRkR
考えていることがまったく同じだ。座布団一枚もの級の。
「お、面白い。表面がぱりぱり割れる・・・」
スプーンでつつくと亀裂が入ってパキッと割れる。
そのまま口に運ぼうと思ったら
「あ、たかあきくん、ちょっと待って!」
「え?」
愛佳が制止してくる、何故?今更になって賞味期限に気が付いたのか?
「はい、口開けて・・・」
愛佳がスプーンでクレーム・ド・ブリュレを俺の口の方に近づけてくる。
「え・・・これって・・・」
「うん・・・あ〜んして・・・」
やっぱり。あ〜んなんて弁当を屋上で食べて以来だ。
俺は口を少し大きく開けてスプーンを口に入れる。
「・・・どう?」とワクワクしながらこっちを見てくる。
「うん、おいしいよ・・・すっごく」
市販品など食べたことがないから分からないが、すごく美味だった。
「ホント?良かったぁ・・・」と安堵の笑みを浮かべる。
ホントに可愛いなぁ・・・と思える。
123小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第10話:2006/02/07(火) 13:19:11 ID:M14bQRkR
ちょっと顔を近づければ唇が重なる距離だった。
高鳴る心臓の鼓動とともに、俺は少しづつ顔を近づけていった。
ふにっ。
唇に何かやわらかい感触を覚える。愛佳の唇だった。
「ん……」
突然の行為に驚いてしまう。距離はまだ離れていたのに何故だ。
目の焦点をあわせると愛佳が瞳を閉じて、唇の感触を楽しんでいた。
「……ぷはっ!ま、愛佳!?」
やっと話してくれたので、俺は息を吸い込む。
「たかあきくんの顔がそこにあったから……だから……」
「へ?」
「すごく、キスしたくなって……」
そういうと愛佳はうつむいてしまう。
自ら行った行為に対しての赤面を隠しているようだ。
まだ少し、ことの状況を把握できていない俺はマヌケだ。
「たかあきくん……あたしっ、あたしねっ!」
急に顔を上げると愛佳が俺の胸に飛び込んできた。
元々力を抜いていた俺は愛佳に押し倒される形になってしまう。
124小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第11話:2006/02/07(火) 13:20:12 ID:M14bQRkR
まずい、この体勢は非常にまz
「ん……!」
急にキスをされる。愛佳は俺の体の上に寝そべり、唇を重ねていた。
この体勢じゃ離れられない。
俺はなす術もなく、愛佳の行為を受けるしかなかった。
「たか…あきくん……」
そう聞こえたあと、唇を割って何かが入ってきた。
こ、これは……愛佳の……舌……?
ざらついていて、暖かくて、それでいてやわらかい。
俺も舌を伸ばし、愛佳の舌に触れる。
頭が真っ白になった。これがおとなのきすとかいうものか。
すごい、おれたちおとなのきすをしてる。
もはや俺に言葉の変換能力はなくなっていて、本能がままに愛佳の唇もむさぼる。
「ッハ、愛佳ぁ……」
もう遠慮はいらない。愛佳の方から誘ってきたんだ。
俺は一旦体勢を変える。今度は俺が愛佳を押し倒している体勢だ。
情熱的で濃厚なキス。
快感が体中を駆け巡る、それは愛佳も同じだと思う。
「ッぷあ、ハァ、ハァ……」
長い間のキスで息が出来なかったので、息を十二分に吸い込む。
「たかあきくん、激しすぎる、よぉ…」
愛佳も十分に息継ぎが出来ていない。それほど長く、甘いキスだった。
なのに……なんだ?この、まだ何かが足りない感じは……
もしや……身体を求めてるのか?俺が、愛佳の身体を?
いやいやいやいやいやいやいや(ry
まだ早すぎる、俺たちにはそれはまだ早すぎる。さかりのついた動物じゃあるまいし。
「ねぇ、たかあきくん?」
「え?」
125小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第12話:2006/02/07(火) 13:21:31 ID:M14bQRkR
「私ね……身体の何かが疼いてるの……それが何なのかも分かってる。」
愛佳は非常にしおらしい顔でこちらに語りかけてくる。
なるほど、愛佳もソノ気になりかけているのか。
「だけど……やっぱり何か違うの。
このままだと、何かあたしたち、大事なものを失いそうなの。」やはり俺と同じ考えか。
「だから……ごめん……」
愛佳の声が震えだす。
愛佳の顔から雫が落ちる。
愛佳の顔が悲しみに歪む。
「あたし……勇気なくて……ごめん…」
俺はそんな愛佳の全てを包み込むように抱きしめる。
「!……たかあきくん……」
「今日の愛佳は…いつも以上に勇気振り絞ってた。
家に来てくれってことも、今、俺にキスをしたことも、全部愛佳の勇気だよ。」
俺はそのまま愛佳の頭を、優しく優しく撫でる。
「なのに俺は、全然何も出来なかった。
結局のところ、今までも愛佳の勇気に助けられてたんだ……」
126小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第13話:2006/02/07(火) 13:23:31 ID:M14bQRkR
俺は心の本音を愛佳に打ち解けた。
「だから、今日はもう、それ以上勇気出さなくても良いんだよ……」
ひくっ、ひくっ、と愛佳が俺の胸の中で泣きじゃくる。
「またいつか……俺たちが二人とも勇気を振り絞れるときになったら。
その時にしよう……」
そしてよりいっそう愛佳を強く抱きしめる。
これ以上愛佳を傷つけてたまるか。
「ぅん……ありがとう……ありがとう……」
小さく、しゃくりあげる声で必死に俺に礼をする。
礼をするのは俺のほうなんだけどね。
「さ、もう大丈夫だよ、愛佳。今から夕食にしよう?」
「うん……」
涙ながらもこちらに微笑んでくる。

それから俺たちは夕食を食べた。
愛佳が腕を揮って作ったスパゲッティだった、すごく美味しかった。
それから風呂に入った。
愛佳が入ってることに気づかずに扉を開けると、愛佳がびっくりして桶を投げてきた。
クリーンヒットして、その後愛佳は謝ってきた。
チラ見だったがきれいな裸体だった、もし今日例の行為をしていたらじっくり拝めたのにな。
そして愛佳の部屋に布団が敷かれ、俺はそこに寝そべった。
127小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第14話:2006/02/07(火) 13:24:27 ID:M14bQRkR
「ねぇ……たかあきくん」
「ん、何?」
愛佳が布団越しに話しかけてくる。
電気は消されていて、愛佳の姿ははっきりと見えない。
「前に……私の大事な場所って、書庫だって紹介したよね。」
そういえば。
まだ会って間もなかったあの頃。全てはあの書庫で始まったんだ。
和み、悲しみ、憤り、そして互いに愛しいと思い合い。
そして今の俺たちが存在する。
「あぁ、それがどうしたんだ?」
思い出に浸りながら、俺は返事を返す。
「あれからね……もうひとつ、あたしに大事な場所ができたんだ……」
「え?」
もうひとつの大事な場所?
それは聞いてなかったな……一体どこだ?
学校?教室?図書室?病院?
いや、何か違うな。となれば?
「それって……?」
「あたし達の……心の中だよぉ」
心の中?何それ?ちょっと意味分からないぞ愛佳。
「ちょっと分からないよね……説明しにくいけど、それはお互いに素直になれるから。
このたかあきくんに対する気持ちも、全部この中に詰まってる。
たかあきくん、あたしの部屋見て、あたしの心の中みたいだって思ったでしょ?」
ここまで正確に言い当てられると否定する理由すらなくす。
「うん、そう思った」
「じゃあ、何で自分の姿がないのかってことも?」
「うん」
俺は素直に答えていく。自意識過剰だとか、そういう問題じゃないし。
愛佳が思ってるってことは俺が思ってもおかしくないことだし。
「たかあきくんの姿がないのはね、常にたかあきくんが変わってるからだよ」
「?」
更に意味が分からん。何が言いたいんだ、愛佳?
128小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第15話:2006/02/07(火) 13:26:03 ID:M14bQRkR
「それはどういう……?」
「人ってね、何かあるごとに変わっていくと思うんだ。
その人のイメージも、その人に対する思いも。」
確かにその通りだ。俺の中に存在する人物と言うのはどんどん変わっていく。
雄二だって、高校のときと中学のときじゃ全然イメージが違うからな。
このみもタマ姉も、俺が会うごとに変わっていく。
もちろん愛佳もそうだけど。
「変わっていくたかあきくんが好きだから……
あたしの中でどんどん大きくなってくんだよ、たかあきくんが……
前にたかあきくんが教えてくれたんだよ、自分を大切に思うことを」
今までの愛佳は人に振り回されたり、自我が出なかったからな。
いつの間にか自分よりも他人を優先する心になってたんだよな。
「だからあたしは、自分の心が好きになった。そして大事な場所になったんだよ。
たかあきくんがいつもそばにいるから……」
俺も自分の心の中にはいつもそばに愛佳がいる。
会えなくても記憶をたどって、あの頃に戻れる。
愛佳がいるから。だから俺は自分の心が好きなんだ。
愛佳が今気づかせてくれた。ありがとう愛佳。
「たかあきくん……?部屋暗いよ、歩くと危ないよ…!」
俺は愛佳にそっと口付けた。なるべく優しく、優しく。
「俺も、自分の心が好きだよ。」
起き上がる愛佳を抱きしめる。
「愛佳がそばにいるから……俺の中で変わっていく愛佳が好きだから……」
「たかあきくん……」
俺たちは二人一つのベッドで、互いの愛しさを確かめながら眠りに落ちた……

明日がまた来る。それはどんな日になるか分からない。
だけど、愛佳と一緒だったらどんな日でも乗り越えられる、そんな気がするんだ。
……その夜は暖かかった。眠っている二人を祝福するような暖かさだった……
             END
129小牧愛佳AnotherStory〜私の大事な場所〜第15話:2006/02/07(火) 13:31:35 ID:M14bQRkR
以上、愛佳スレの619さんの作品です


作品は出来るだけ原文のまま載せています
作者の訂正があった部分のみ修正しています
ブリュレについてはクレーム・ド・ブリュレ、クリーム・ド・ブリュレと
どちらの表現もあるようなので作者のクレーム〜をとりました
130沖縄旅行@:2006/02/07(火) 13:37:42 ID:M14bQRkR
俺と愛佳と郁乃は沖縄に旅行に行くことになった
商店街の福引きでなんと一等の沖縄が当たったのだ
「たっ…たかあきくん…当たったね…」
「あぁ…当たった」
二人とも言葉が少なくなってしまう、
「四人かぁ…郁乃も…いい?」

「もちろんいいよ、郁乃の退院祝いだな」
「たかあきくん…ありがとう……それでね、もう一つ頼みがあるんだけど…いいかな?」
愛佳がたのみごとをするのはめずらしいことだ
「なに?」
「あのね…もう一人は郁乃に決めさせてあげたいの、学校で友達…出来たみたいだから…」

そんなことならお安いご用だ
「いいよ、愛する愛佳のたのみだしな」
ヤバい…たぶん赤面してる
「たっ…たかあきくん………こんなところで、恥ずかしぃ…」
こんなかんじでまちあわせの日
ふぅ
ちょっとはやかったかな、雄二に男は30分前だのなんだのいわれたからだが

ん?あれは…
「ごめーん、おそくなっちゃったよぉ…まった?」愛佳が郁乃の車椅子をおしながらやってきた

「いいや、ぜんぜん」
131沖縄旅行A:2006/02/07(火) 13:38:12 ID:M14bQRkR
「あれ、もうひとりは?」
「もうすぐくるはずなんだけど…あっ」
どうやらきたみたいだ
「ごめ〜ん、おそくなっちゃった、まった?…あっ」こいつは…
「このみ…」
なんでこのみが…
「男の子って…タカくんだったの!?」
聞いてなかったのか…確かに聞いてたら一緒に来ていたけど
「郁乃の友達ってこのみだったのか」
「なに?知り合いだった?」
こいつは驚きもなく言う奴だな
そしてフェリーで三泊四日の旅行へと旅立つのだった、

「うわぁ〜っすごいでありますよ!!隊長!」
ほんとにすごかった
「あぁ、すごいな」
「……」
ん?愛佳がさっきからだまってるな、
「お姉ちゃん、どうしたの?」
くそ、先に言われた
「べつに…」
どうしたのだろうか
受付を済ませた俺たちは部屋割りを決めるジャンケンを
「「「「ジャンケンポイッ」」」」このみはグー、郁乃もグー、愛はパー、俺もパー
「じゃあパー同士の俺たちだな、このみは郁乃とな」
少しセコいが愛佳とふたりきりになってないからな
「うん…わかった」
「言っておくけど、お姉ちゃんに変なことしたら…バラバラにするからね」はぁ…それはもうなんどもきいたよ…
「…」
愛佳…まだだまってるな
132沖縄旅行B:2006/02/07(火) 13:38:55 ID:M14bQRkR
ふたりっきりならなにかはなすかもしれないな
「なぁ、愛佳…どうしたんだ?」
「べつに」
「べつにじゃわかんないよ」
「……だって…たかあきくんこのみちゃんとばっかりはなして、わたしはほったらかし…寂しいよ…」
…俺のせいだ
俺の軽率な態度が愛佳を傷つけたんだ
「…ぐすっ…ひくっ」
俺は優しく愛佳をだきしめた
「ごめん…愛佳……でも俺は愛佳を愛してるし、書庫でも言ったようにこのみは幼なじみだから…それだけだから」
本音だ
このみはただの幼なじみだしそれ以上のものは今はないしこれからもない「よかった…わたし…ひくっずっと心配で…ふぇぇぇぇ…」
声を押し殺しながら泣く愛佳がすごく愛しい
俺を思って泣いてくれている
俺は愛佳にやさしくキスをした
「!!」
お互いの顔はかなり赤くなっているだろうけどそんなことはきにしない
どちらともなく唇が離れた
「たかあきくん…うれしい……二回目…だね」
もう一度抱き合った
「タカく〜ん、お風呂いこ〜…!?!」
このみと…郁乃にまで……
「…どうやらバラバラになりたいみたいね……」目が笑ってないよ…
「ちがうよぉ、たかあきくんは…そんなえっちなこと考えてやってるんじゃないよぉ…ずずっ」
「!…まっ…まぁ…今回は見逃してあげるわ」

たぶん…たぶんだけど郁乃は愛佳が泣いていたのに気づいたんだろう

俺と愛佳はお互いにほほえんだ
END
133名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 13:39:43 ID:M14bQRkR
以上、愛佳スレの名無しさん719の作品でした
134名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/07(火) 13:54:23 ID:M14bQRkR
次は愛佳スレの名無しさん733の作品です
未完のようですが発表されたところまで載せておきます
135運動会ver.1:2006/02/07(火) 13:55:25 ID:M14bQRkR
まだ夏とも秋とも言い難い日差しのなか、俺は体操服で登校した。
今日は運動会。
小学校の頃は死ぬほど嫌いだった運動会だが、高校生ともなると運動会の楽しさが分かる。
要はゲームだ。楽しんだ者が勝ち。
今年は赤組。このみやタマ姉とは違う組だった。
それだけに不安がある。それにウチの組はなんたって……
愛佳「みなさーん!荷物はこちらのかごの中に…わひゃぁぁああ!!」
愛佳がいる。確か愛佳は運動苦手だったっけ。
毎度のことながら要領の悪い愛佳を見つめた。
みんなの荷物を渡された愛佳。揉みくちゃにされてぐったりしてる。
しょうがない。
貴明「愛佳、手伝うよ」
俺は荷物の入ったかごを持ち上げながら言った。
愛佳「たかあきくん…ありがと…」
136運動会ver.2:2006/02/07(火) 13:56:35 ID:M14bQRkR
荷物は理科室に運ばないといけなかった。
幸い、軽い荷物しかないため難なく運ぶことができる。
貴明「愛佳、この辺に置いていいか?」
愛佳「…え?あ、うん」
愛佳の元気がない。一目見てそれが分かった。
なにかあったのかな?
聞かずにはいられなくなり、尋ねてみた。
貴明「元気ないけどどうかした?」
愛佳「そう?いつも通り普通だよ」
ぎこちない笑顔が浮かんだ。
……。
……。
…まさか。
貴明「運動会が嫌い…とか」
愛佳「ギクッ」
図星か。
愛佳「だ、だって…運動苦手だし日焼けすると肌が赤くなるだけだしその上運営企画までやらされちゃって大変なんですよぉ!?」
愛佳らしいといえば愛佳らしいけど…
愛佳「どうせあたしは徒競走でも何でもビリですよーだ」
あらら、いじけちゃったよ。
137運動会ver.3:2006/02/07(火) 13:57:06 ID:M14bQRkR
俺は愛佳のおでこにデコピンをした。
ベシッ!
愛佳「あうっ」
貴明「わがまま言わないの!」
愛佳「…はぁい」


雄二「おい貴明!約束覚えてんだろうな!」
グラウンドに行こうと下駄箱に行ったら雄二に呼び止められた。
貴明「約束?ああ、あれか」
徒競走で順位が下だったほうが昼飯をおごるという約束してたんだっけ。
雄二「ぜってぇ負けねぇからな」
貴明「ぬかせ、俺だって全力で行かせてもらうからな」
しかし雄二も好きだよなこういうの。
『全校生徒へお知らせします。全員グラウンドに入場行進の体型で並んでください。繰り返します…』
雄二「おっと、早く行かねぇとヤバいぜ!」
そう言って雄二は走り始めた。
俺も急がないとな。
138運動会ver.4:2006/02/07(火) 13:58:24 ID:M14bQRkR
吹奏楽部の景気のよいファンファーレが聞こえると共に運動会の幕開け。
いきなり2年男子の130m走が始まる。
愛佳「たかあきくん、頑張って!」
愛佳も応援してくれている。こりゃ期待に応えないとな。
俺は自分の番が来たのを確認してクラウチングスタートの構えをした。
『位置に着いて…よーい!』
パーン!
火薬の音が鳴り響いたと同時に俺は走りだした。
体育の成績は悪くないんだ。そこそこの順位は狙えるはず!
そう思い、全力で走ったものの…

全員陸上部じゃん!!

本業をしている奴らには勝てず、辛うじて5位を得とくした。
下から2番目なんだけどね。
なんじゃこりゃ…

活躍することなく終えた俺の出番。
退場門からトボトボした歩きで持ち場に帰る俺。
由真「所詮その程度ね」
ひどく胸に突き刺さった。
愛佳「由真、そんな事言わないで…」
さすが愛佳。天使だ…天使が目の前に…!
ちょっと感動。
139運動会ver.5:2006/02/07(火) 13:58:54 ID:M14bQRkR
次は女子の番。
愛佳…顔が真っ青になってるよ。
じっと女子の走りを見る俺。すぐに愛佳の番はやってきた。
『位置に着いて…よーい!』
パーン!
周りの女子に比べてトロトロ走る愛佳。
案の定最下位だった。
どんよりしてるのが遠くからでも分かる。
愛佳を見つめてると見覚えのある奴が目に入った。
貴明「あいつは十波…」
さっき散々俺をこけにした奴だった。
あんな事言うんだから自分はさぞかし速いんだろうな!
『位置に着いて…よーい!』
パーン!




確かに速かった。
勝負つくのが。
クラウチングスタートをした直後に滑ってこけた。
当然最下位。

退場門から愛佳と由真が出てきた。
ニタニタしながら見てると「これで勝ったと思うなよ〜!」と言ってどこかに去っていった。
愛佳「…いじめちゃだめですよ」
貴明「俺はさっきいじめられたぞ」
そういえばさっきより顔色良くなってる。
愛佳の顔は笑顔だった。
なにはともあれ徒競走は終了した。
140運動会ver.6:2006/02/07(火) 13:59:28 ID:M14bQRkR
その後は特に目立った競技もなく、昼食時間となった。
貴明「さて、どうするかね」
学食や購買部は運動会でも開いている。
だが絶対混雑しているはずだ。
かと言って街まで行って昼飯を食べるなんて疲れるだけだ。
どうしようかと思ったその時。
愛佳「たかあきくん」
振り返ると愛佳がいた。
愛佳「あ…あのね!」
顔を紅潮させながら蚊の鳴くような声で言った。
愛佳「お、おべんと作ってきたんだけど…!」
おべんと…お弁当…弁当…
貴明「弁当!?」
ついつい目を見開いて叫んでしまった。
愛佳「迷惑だった?」
上目遣いで俺に尋ねてくる愛佳。
貴明「そ、そんなことない!うれしい!!」
手作り弁当なんてついこの前屋上で食べてから今日で2回目。
なんて幸せ者なんだ…
なるべく人の少ないとこに移動する俺たち。
感動のあまり手が震えてしまう。
141運動会ver.7:2006/02/07(火) 14:02:31 ID:M14bQRkR
俺たちは中庭の隅っこの周りからは木で隠れて見えにくい位置に来た。
ここならゆっくり愛佳の弁当を食べられる。
日影に座り、一呼吸。
愛佳「はい、たかあきくん!」
愛佳はオレンジのチェックの布に包まれた弁当箱を差し出した。
いかにも女の子の好むような柄だ。
俺は礼を言いながらそれを受け取った。
ゆっくりと結び目をほどき、蓋を開ける。
貴明「やっぱり何回見ても美味しそうだな」
愛佳「そ、そんなことないよぉ!」
照れてるのが一目で分かった。顔が真っ赤になってる。
かくいう俺も顔が赤くなってる。顔が熱いからすぐに分かった。
それを誤魔化すように箸を取り出し、いただきますをした。
まず始めにだし巻き卵から……
パクッ
貴明「うまい!」
俺は感じたままに言った。愛佳「ね、ねぇ!」
いきなり拳を強く握り、俺に声を掛けた愛佳。
なに?と聞いてみた。
こういう風に俺に話し掛けるときは何かやるんだよな…
愛佳「その…前あたしがお弁当作ったことあるよね?」
屋上でのやつだな。
愛佳「だから…今度はあたしが…」
口を開けてなにかを待っている愛佳。
ま、まさか…今度は俺が愛佳にあーんするのか!?
142運動会ver.8:2006/02/07(火) 14:04:04 ID:M14bQRkR
やばい…
手が震える…
俺はウインナーを掴んだまま硬直していた。
あーんなんてこのみにもしたことないんだぞ!
なのに…
俺は口を開けたままの愛佳を見つめた。恥ずかしいから早くしてと言わんばかりの眼差しで見つめ返してきた。
だめだ。後には引けない。
ええい、ままよ!!
慎重に口の中にウインナーを入れた。というより突っ込んだ。
貴明「お、おいしい…?」
じっとしてられずに愛佳に聞いた。
愛佳「う、うん…やっぱり恥ずかしいね…」
もうダメだ…顔もまともに見れなくなってしまった。がむしゃらに弁当を口にほおり込む俺。その名どおり食べるではなくほおり込むだった。
愛佳「あっ!たかあきくん!さっきのって」
もじもじしながら言った。
愛佳「か、間接キス…」
と一言。
貴明「ぐっ!ごほごほっ!」
食べ物が胃の中から逆流してくる感覚と共にむせ返りながら胸をバシバシ叩いた。
貴明「ごほっ!…〜〜!げほ!」
愛佳「だ、だいじょうぶ!?」

落ち着くまで約3分。

貴明「ま、愛佳…いきなりなにを…言いだすんだ」
愛佳「ごめんなさいごめんなさい!」
お互い混乱してるよ…

それよりさっきから何か忘れてるような気がするんだよな。何だっけ……?
??「た〜か〜あ〜き〜!!」
なんだこの独身男性がクリスマスの日にカップルを見て妬むときのような地の底から響く呪い殺さんばかりの声は!?
俺は恐る恐る後ろを振り返った……
143運動会ver.9:2006/02/07(火) 14:04:35 ID:M14bQRkR
雄二「どこに行ったかと思えばこんなとこにいやがったのか!」
貴明「いや、なんでここに?」
雄二「約束忘れたのか?」呆れたような口調で雄二は言った。
約束?
俺は記憶を辿っていった。
貴明「あっ!!」
そういえば徒競走で順位が下だったほうが昼飯おごりなんだったな。
んで俺は5位、雄二は2位だ。
雄二「やっと思い出したか…」
貴明「悪い雄二!すっかり忘れてた」
雄二「別にそんな事は怒ってねぇけどよ…」
ふつふつと雄二から怒りの波動が…
雄二「ぬぁんでお前は委員ちょといちゃいちゃしてるんだよぉぉおお!」

その後雄二にボコられた。
144運動会ver.10:2006/02/07(火) 14:05:19 ID:M14bQRkR
貴明「イテテ…ヒドイ目に合った」
愛佳「大丈夫?」
やっぱり愛佳はやさしいな。天使に見えるぜ。


弁当の残りを食べ終わり、昼食時間はあと10分といったとこだ。人もまばらになってきたことだし、
愛佳とグラウンドに行くことにして立ち上がった。
すると。
「委員ちょ〜!」
と言うクラスメートの声と同時にバタバタという足音が聞こえた。
俺と愛佳は顔を見合わせた。
愛佳に何か用事があるのだろうか……
愛佳「なにか用ですか〜!?」
大きく手を振りながら点呼する愛佳。それを見たクラスメートが近づいてくる。
「い、いたいた委員ちょ!」
息を切らせながら用件を言っているようだ。
たが愛佳と少し離れた位置に立っているため内容までは聞き取れない。
あっ仕事押しつけられたな。
愛佳の行動から分かった。
なにがあったのだろう…そんな好奇心が沸き、愛佳になにがあったのか聞いてみた。
愛佳「うん…それがね…」
145運動会ver.11:2006/02/07(火) 14:06:39 ID:M14bQRkR
愛佳「応援団の応援任されちゃって…」
真っ青な顔してる愛佳を見た。
気の毒で掛ける言葉がない……
貴明「その内いい事あるよ」
愛佳「そんな事言わないで助けてよぉ」
上目遣いで俺を見つめる。そんな潤んだ瞳で見ないでくれ。
………。
まぁいつもの事ながら負けるのであった。
貴明「まぁ…できるかぎりは協力するよ」
愛佳「あ、ありがとうたかあきくん!」
貴明「で?応援団ってなにするの?」
協力すると言いながら何するか分かってなかった。
愛佳「とにかく大声で応援すればいいって」
なら問題なしだな。
……大声?
貴明「愛佳って大声出せるの?」
愛佳「す、少しなら…」
貴明「ちょっとやってみてよ」
愛佳「え?こ、ここで?」
戸惑う愛佳。しかし有無は言ってられない。
愛佳「…よし、せーの!」
146運動会ver.12:2006/02/07(火) 14:10:05 ID:M14bQRkR
愛佳「ふ、ふれー!ふれー!あ・か・ぐ・み!」
………。
愛佳「ど、どう…?」
貴明「迫力がない」
愛佳「そんな事ないよね?」
貴明「そんな事ある」
愛佳「……」
貴明「……」
結局俺もやることになった。


貴明「学ランも必要なの!?」
愛佳「うん。必要女子の分だけなんだけどね」
なんだ、俺はしなくていいのか。
貴明「ところで学ランはあるの?」
愛佳「それが…」
ないのか。
貴明「俺の使えば問題は解決するわけだ」
愛佳「え…えぇぇえええ!?たかあきくんの使うの!?」
傷ついた……
愛佳も今の発言が微妙に傷つけるものだと理解したのか、あわてて否定する。
愛佳「あ、いえ、違うんです。決してたかあきくんのを使いたくないとか…そんなんじゃなくて…ただあたしなんかが使っていいのかなって!ほ、本当だからね?」
敬語になりながら否定する愛佳。
しかし愛佳が俺の汗を含んだ学ランを着るのか…。なんかエロティックな…いや違う。征服感…じゃなくて…って俺はなにを…
147運動会ver.13:2006/02/07(火) 14:11:14 ID:M14bQRkR
午後の部開始。
始めに各組の応援合戦だ。
団長「赤組のーー!勝利を祈ってーー!!フレー!フレー!あ・か・ぐ・み!!」
貴愛「フレ、フレ、赤組!」




愛佳「みんな〜!声出してってば〜!」
なかなか声を出さない人に向かって叫ぶ愛佳。
「そんなこと言ったってなぁ」
「委員ちょが私たちの分まで頑張ってよ〜!」
「そうだそうだ!」
愛佳「ちょっとみんな〜!?やってよぉ!やりなさいってば〜!」
必死に呼び掛けしている。
結局なんだかんだ言って最後には一致団結していた。
恐るべし委員ちょマジック。
まぁ白組のこのみやタマ姉のチアリーダーには勝てずに終わった。
148運動会ver.14:2006/02/07(火) 14:12:23 ID:M14bQRkR
種目も残りわずか。2年男子の競技はもう終わってしまった。
今から2年女子の騎馬戦がある。
俺もやりたかったんだが多数決の関係で2年男子は棒上旗奪いになってしまった。
貴明「愛佳!頑張れよ」
すでに顔が真っ青になり固まっている愛佳にエールを送った。
愛佳は小柄ということもあり、一番上になっている。それゆえプレッシャーが大きいのだろう。
愛佳「が、ががが頑張ります」
どもってるって。

『プログラム16番、2年女子による騎馬戦です』
アナウンスが入り、2年女子はフィールドに入場。みんなテンポよく位置について始まりの合図を待つ。
「位置について…よーい!」
パーン!
競技開始。みんな敵陣に突っ込んでいく。
貴明「えーっと愛佳は…」
愛佳を探す俺。隣にいた雄二が見つけてくれ、なんとか見失わずにすんだ。




逃げてんじゃん!!
一目散に逃げている。見てればすぐに分かる。大丈夫なのか……
149運動会ver.15:2006/02/07(火) 14:13:22 ID:M14bQRkR
そうこうしている内に愛佳の騎馬一組になってしまった。
幸い相手側も一組しかいない。
貴明「頑張れーー!!」
精一杯エールを送った。愛佳に届いたのだろうか…
意を決して正面激突を決めたのだろう。相手の騎馬に突撃していう愛佳組。
『おーっと!恋人と不倫相手のような修羅場だーー!!』
おい解説…
相手と組み合いになっている。緊張感ある光景にだれもが息を飲んでいる…
相手の騎手が愛佳のハチマキに手をかけた!
貴明「危ない!」
誰もがもうダメだと思ったに違いない。
だが寸前のとこで回避。
ヒヤヒヤしたぜ。
一旦距離を置いた愛佳組は再度突撃を謀る。
またもや組み合いになり、緊張感溢れる空気へ一変。
しかし――
愛佳の騎馬が足を崩した。
貴明「あーー!」
雄二「あ〜あ、残念だったな」
ウチの組は敗北してしまった。
150運動会ver.16:2006/02/07(火) 14:13:58 ID:M14bQRkR
雄二「残念だったな」
貴明「ああ」
最高に盛り上がった瞬間だったな。周りも騒いでいるし。
さっきの興奮が抜けていない人もたくさんいる。
愛佳の方を見た。まだ立ち上がってないようだ。
雄二「…なんか…様子がおかしくないか?」
貴明「え?」
言われてみれば…一向に愛佳が立ち上がる気配がない。
周りも騒ぎはじめた。
観戦席からでは遠くて見えない。俺と雄二は近くに行くことにした。

雄二「なぁ、何かあったのか?」
近くにいた女子に雄二が質問した。
「委員ちょ…右足骨折したんだって」
貴明「骨折?」
あの愛佳が?
なにかの間違いではないかと思ったがどうやら本当のようだ。
救急車もすぐに来た。
雄二「なんかすごい事になってきたな」
『え〜アクシデントが発生しましたが、競技を続けたいと思います』
アナウンスが入った。
だがそんなものロクに頭に入ってこない。
俺は何もできないのか?

愛佳の側にいてやることもできないのか?

雄二「…行こうぜ貴明」
貴明「悪い雄二」
俺は意を決した。
貴明「河野貴明は早退しましたって先生に言っといてくれ!」
雄二「おい、貴明!?」
雄二の言葉を振り切り、俺は病院へと走りだした。
151運動会ver.17:2006/02/07(火) 14:18:25 ID:M14bQRkR
貴明「病院って郁乃がいるとこだよな?」
走りながら呟いた。
だとしたら場所は分かるし、ここからそう遠くもないはずだ。
全速力で走る俺。我ながらよく体力が持つものだ。


病院内に入り、受け付けの人に聞いた。
貴明「あ、あの!さっき骨折で入院した小牧愛佳さんいますよね!?」
「え、はい…いますけど…」
よしビンゴ!やっぱりこの病院だった。
貴明「今から会えますかね!?」
「今手術しているので…無理です」
貴明「へ?」
よく考えりゃそうか。骨折した直後に病院にきてそのまま放置するわけないもんな。
貴明「す、すみませんでした」
俺は受け付けの人に軽くお辞儀した。
??「なにやってんのよ」
聞き覚えのある声に俺は振り返った。
貴明「郁乃…」
郁乃「姉が骨折したんだってね」
郁乃はとても運動会に参加できるような体力じゃないので病院にいることにしたんだったな。
現に車椅子に座っている。
郁乃「…面会できるようになるまで時間があるから来なよ」
郁乃の病室に案内される俺。
…やっぱり郁乃にとっても大きな事態なんだろうな。大事な姉が怪我したってのは。
152  :2006/02/11(土) 21:43:01 ID:j0xT+QoD
  
153Sweet Valentine Day-1:2006/02/13(月) 10:01:45 ID:Wfo8FgP9
 え…今日が何の日かって?
平日だろ、いたって普通の平日。別に特別なことなんかない。
普通に登校して普通に授業を受けて、そしてホームルームも滞りなく
終了していつもの時間に帰宅する。
ああ、たまに雄二とつるんでゲーセンに行くかな。
 さ…寂しくなんかないんだからっ!うう…

「…というのが去年までの俺や雄二だったわけだが」
「あっはっは。このみちゃんからはもらわなかったの?」
「もらってはいたが、感動というのがなかった」
 爆笑されるとちょっと傷つくなあ。
まあ寂しかったといえば寂しかったのだが開き直ればそうでもない。
でも雄二はゲーセンにいる間も
「くそー、チョコ欲しいなあ。一個でいいんだよ。一個でよお」
 と何度もぼやいていたっけ。
もちろんその日は結局もらえないんだが。
「毎年寂しい思いをしてきたのねえ…そんなあんたにプレゼンツ」
 にやにやしながら由真はカバンからリボンのついた可愛らしい
包みを取り出した。そ、それはっ?
154Sweet Valentine Day-2:2006/02/13(月) 10:02:39 ID:Wfo8FgP9
「欲しいか?」
 うっ。「で、できれば…」と言いたいところをぐっとこらえる。
俺に残されたひとかけらのプライドが負けることを許さない。
ああ、むしろこんなプライドなんかいらないから目の前のチョコが
欲しいです。…俺って弱いな。
「…いや、別に」
 拒絶の意思表示としてはあまりにも弱い、力ない返事。
「欲しいだろ」
「べ、別に欲しいとは…言って…」
「欲しいくせに」
「う…うぬう」
 由真はちらちらと俺の目の前でチョコをちらつかせる。
それは飢えた馬の目の前にニンジンをぶらさげている様そのものだった。
「…頑張って、作ったんだけどな」
 何!?今何て言った?
それってまさか由真の、て、手作り…?
「たかあきがいらないって言うなら…向坂くんにでもあげようかな」
 それは断固反対。
そんなことをされればチョコをもらえた嬉しさと優越感でニヤニヤした
雄二に一日中絡まれ続けることは必至。
『あれえ〜、貴明くんチョコもらえなかったのかなあ〜?』
 俺を見下しながら笑う雄二の姿が目に浮かぶようだ。
155Sweet Valentine Day-3:2006/02/13(月) 10:03:25 ID:Wfo8FgP9
「…ほんとに、いらないの?」
「え?」
 はっと我に返って見ると、由真はちょっと寂しそうにうつむいていた。
「あたし、料理とかあんまり上手じゃないから…おいしくはできなかったかも
知れないけどさ」
「あ、そ、そういう意味で欲しくないって言ったわけじゃ」
「わかってるわよ。けどさ、意地でももらってくれなかったら…やっぱり
寂しいかな」
 ――バカか、俺は。
由真が慣れないのに頑張って作ってくれたって言うのに、変な意地で
突っぱねようだなんて。
「すまん、悪かった。その…俺にくれるか?チョコ」
「…うん」
 こくっとうなずくと、由真はラッピングされた包みを俺に差し出した。
俺はそれをしっかりと受け取る。
そんなに大きいものじゃないが、これには由真の想いが詰まってるんだな。
「味は期待しないでよね。レシピ見ながら作ったけど」
「由真からもらえたならそれで十分だ。由真の気持ちがこもってるんだから」
「え、あ…うん」
 我ながら恥ずかしい台詞だったと思う。けど嘘じゃない。
俺と由真はお互い真っ赤になってうつむいてしまっていた。
156Sweet Valentine Day-4:2006/02/13(月) 10:04:01 ID:Wfo8FgP9
「青春ですねえ〜」
「若いわね」
 物陰から小牧と郁乃のにやけた顔が覗いていた。
…いつから見てたんだよお前ら。
「ま、愛佳〜っ!?」
 二人の存在に気づいた由真はますます顔を赤くしてがばっと立ち上がる。
「あらあら、見つかってしまいましたね」
「ここはさっさと退散した方がよさそうね」
「お幸せに〜」
 うふふと笑いながら二人はそそくさとその場から逃げ去っていった。
そして後には俺達だけが残される。
「…由真、とりあえず腰を下ろせ」
「うう〜」
 まだ怒りと恥ずかしさが収まらないようだが、由真は大人しく
ぺたんと座り込んだ。
「――やっぱり屋上じゃまずかったかな」
「俺達、よくここにいるしな」
 屋上は俺達にとってつくづく縁がある場所で、今日も別に意識した
わけではなく、二人ともなんとなくここに来ていたのだ。
「なんでここを選んだんだろうな」
「ナントカと煙は高いところに昇るっていうじゃない」
「それはお前も含むがいいのか?」
「…前言撤回」
 空を見上げながらそんな会話をする俺達。
屋上といい、ツインビルといい…俺達二人は高いところが好きなのか。
いや、もしかしたら空にもっとも近い場所だからなのかも知れない。
157Sweet Valentine Day-5:2006/02/13(月) 10:05:01 ID:Wfo8FgP9
「ねえ、たかあき」
「ん?」
「…膝枕したげよっか」
 さっきまでご立腹だったのに、少し空を見上げていただけでもう機嫌は
直っていた。それどころか妙に優しい。
「それは…嬉しいが、いいのか?」
 以前、俺が由真に膝枕してもらおうとかしたことがあった。
その時は結局してもらえなかったけど。
「今日だけだからね」
「…ああ」
 由真の柔らかな太ももに頭を乗せて仰向けになりながら空を見る。
雲はやけにゆっくりと流れていて、時間の流れすら忘れそうになる。
「どう、気分は?」
「最高」
 バレンタインチョコをもらった上に、膝枕まで。
幸せの絶頂とはこういうことを言うんだろうか。思わず頬が緩む。
「ん〜…あげてばっかりじゃつまんないわね」
「そう言われても俺、何も持ってきてないぞ」
 ホワイトデーはまだ一ヶ月先。
残念ながら俺のカバンにも由真にあげられそうな物は入っていなかった。
「あるじゃない。持ってなくてもあげられるもの」
「え、何?」
「わからないなら教えてあげる」

 静かに重なる唇。
去年とは違う、暖かな幸せに包まれた新しい2月14日の午後だった。
158153-157:2006/02/13(月) 10:10:34 ID:Wfo8FgP9
一日早いですが由真のバレンタインSSです。
4の途中からと5はちょっと蛇足な気がしましたが…一応。


ネタが切れた…次の方よろです。
159名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/14(火) 20:34:31 ID:o8GvYnhO
ギャバンダイナミック!いいぞ!!

よし、次は俺に任せろ!――と言いたいが受験勉強やら色々あるわけで、書くのは3月以降だな。
160名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/14(火) 20:35:36 ID:mMuai6nb
>>158 ナイス!
161名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/14(火) 21:02:56 ID:jgp3W+qx
>>158
良かったぞ
162ツン期の由真だと思って:2006/02/15(水) 03:49:36 ID:M9n/hxrC
4時間の終了のチャイム。雄二の誘いで学食を食べに廊下に出た。
 ・・・遠くから由真が異様にニヤケた顔で包みを見ている。
 嫌な予感がする・・・気づかれないように逃げ・・・・・・られなかった。
 奴は俺を見つけるやいなや、顔をグッと我慢させる・・・まだニヤけてるぞ?
「ふふふ、おはよう貴明くん。ってぇー!?無視するなぁ!」
「俺は食堂に行くんだ、俺は知らん。」
俺はそういって無視して歩いていくと
「ちょっと待ちなさいよ!」「あ、河野く〜ん。あのね、チョ・・・」
 小さな包みを持って俺の肩を掴む由真と教室から小牧が出てきた。
 瞬時驚きつつもすぐに小牧はニヤニヤしだし、それで由真も自分の状況に気づいたようだ。
「あ、いや・・・これは・・・その・・・えっと・・・うぅぅぅぅぅ・・・あぁもういい!これで勝ったと思うなよー!」
 あぁ〜行っちゃったなぁ・・・また後で俺のせいにされるんだろうな・・・
「由真が男子にチョコをあげるなんてなかったんですよぉ?」
「あいつのことだ、なんか裏はあるだろ?」
 そういってもまだニヤニヤしている。少し経ち、突然思い出したかのように
「あ、チョコあげようと思ったんですが・・・本命貰えそうだから要らないですか?」
「いや、俺が本命を貰う予定は一切ないぞ?」
「由真の手作りチョ〜コ♪」
 まだ言うか。
「とりあえずありがとう。くれるんなら貰うよ。」
「どうぞ、由真にもちゃんと貰ってあげてくださいね?」
「・・・あいつのは「たかあきぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃ」
「なんで俺が学食の席を取ってる間に委員ちょからチョコ貰ってるんだよ!?
遅いから来てみれば俺がこの17年間憧れたバレンタインデーにチョコを実現させやがって!!!」
「落ち着け、これは義理チョコにきま「そんなの関係ねぇ!!!」
 そういって追いかけてくる雄二、もう逃げるしかないか。
「うおおおおおおおおおおおおたかあきいいいいいいいいいいいい、い!?」
「どうした雄二・・・?タマ姉?なんで2年のところに?」
「なんでってタカ坊にチョコレートをあげる為に決まってるじゃない?」
「あぁ、そっか。タマ姉は昔は俺にいつもくれてたからね。」
「そ、はいタカ坊。ちょっと大きいけど愛情の大きさに比例しちゃったのよ。」
いや、デカイにしても1m以上はどうかと・・タマ姉を見たときから思ったけど。
163来栖川って凄い会社じゃないの?:2006/02/15(水) 04:05:39 ID:M9n/hxrC
少し前に走る音が聞こえたがこの際気にしない。
「タマ姉・・・今度は半分くらいでもいいかも・・・」
「あら、タマ姉ちゃんの愛情が受け入れられないの・・・?」
「いや、これ1日で食べたら確実に鼻から大量出血で死ぬから・・・」

そんなことで今年はチョコを2個貰えた、去年の0という寂しい数値からすればだいぶ嬉しい。
タマ姉がくれるのはわかるがなんで由真が・・・まぁやっぱりいたずらか。


「けっきょく渡せなかった・・・」
その後の休み時間、放課後を探すも貴明が見つからずに、結局帰ってきてしまった。
「!別に渡したかったわけじゃないじゃない!あいつに勝つ為に渡すだけでしょ・・・?」
チョコをどうするか・・・ハバネロを入れてみたがターゲットにはあげられないで残ってしまった。
「捨てるのは・・・もったいないわよね、せっかくあたしが作ったんだし。あんな奴に食べさせるには惜しいわ。
いただきま〜す。」
ハバネロチョコという組み合わせによる好奇心によって食べてしまった。
「別に辛くないじゃない・・・!」



「由真、なにがあったのじゃ!?」
「おじいちゃ・・・」
ガクッ!
「由真ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ」


翌日の朝
新聞の見出し「ハバネロ製品、販売中止!」
「・・・なんだこの見出しは・・・」
164名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/15(水) 09:33:52 ID:QPgjMFx4
>>163
ちょwハバネロどのくらい入ってたんだ?w
165名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/15(水) 21:40:41 ID:WPAOXy4c
オチが弱かったな。これだとタマ姉が出てきた意味ないし。

だ が 萌 え た !
166名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/16(木) 17:12:46 ID:X5Dnlzz7
>>164
なんとなく浮かんだんだけど途中で飽きたから中途半端になっちゃった。
タマ姉も立ち絵とか声とか聞いたこと無くて「あだだだだ割れる割れる!」しか覚えてないし。
だからタマ姉めんどいから無視して次進ましたしなw
まぁ叩かないだけありがとう。
正直これじゃあ叩かれるなってことで途中だけど段落つけて無理矢理終わりにしちゃったから・・・
167名無しくん、、、好きです。。。:2006/02/25(土) 20:06:09 ID:UYEL4buC
べ、別にアンタたちの為に保守するわけじゃないんだからっ!
168名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/03(金) 01:21:45 ID:2jXNyPba
ねぇ誰もやらないの?俺投下してもいいの?
169名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/03(金) 06:23:25 ID:FYYLeKus
どうぞ
170名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/03(金) 10:36:22 ID:xWgUqJN2
是非SS書いて欲しいぞage
171名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 16:12:33 ID:GgMxKkX2
>>168
wktk
172名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/04(土) 21:24:33 ID:luOS/zy1
age!age!age!
173SS運動会ver18:2006/03/08(水) 18:22:01 ID:sJWcGFT1
居ても立ってもいられない。愛佳がどうなってるのか心配だ。
郁乃「ちょっとは落ち着きなさいよ」
貴明「でもなぁ…」
郁乃「あんたがしっかりしないから姉があんな目に遭ったんでしょ」
郁乃の言うとおりだ。「仕方がない」なんてのは言い訳。俺が支えてやらないといけないんだ。
コンコン
ふと、ドアにノックがかかる。
郁乃「どうぞ」
郁乃が返事をすると、ドアが開いた。
入ってきたのはナースさんだ。
ナース「郁乃ちゃん。お姉ちゃんの手術終わったわよ」
貴明「それで、どうなったんですか!?」
ナース「複雑骨折じゃないから1ヵ月で退院できそうね」
1ヵ月……案外長いな…
貴明「今、面会しても大丈夫でしょうか」
ナース「ええ、いいわよ」その言葉を聞くと、俺は走りだした。
ナース「病院内は走り回っちゃダメよーー!!」
174SS運動会ver19:2006/03/08(水) 18:44:45 ID:sJWcGFT1
貴明「愛佳!!」
俺は病室のドアをおもいっきり開けた。
愛佳「あっ、たかあきくん!」
元気そうだな。
俺はほっと胸を撫で下ろした。
貴明「大丈夫なのか?」
愛佳「うん。複雑骨折じゃないみたいだし…手術も終わったから」
貴明「そ、そうか」
愛佳「そういえば運動会どうなったのかな?」
あ……すっかり忘れてた……
今頃閉会式をやっている頃だろうか。
雄二に悪いことしたな…いきなりあんな事言ったし…
愛佳「わたしも…」
愛佳は呟くように言った。
愛佳「わたしもみんなと一緒に運動会やりたかったな……」
ふと気が付いた。
泣いてる。
ベットの上を大粒の涙で濡らしながら泣いていた。
そりゃそうだ。運動会で一番頑張っていたのは愛佳だ。
貴明「愛佳」
抱き締めた。泣いている愛佳を包み込むようにそっと。
愛佳「た、たかあきくん…」
貴明「頑張った。愛佳はすごく…」
たとえ苦手でやりたくないことでも他人の為に頑張るのが愛佳だ。
そしてそんな愛佳だから好きなんだ。
だから俺にできることはなんだってしてあげたい。泣いている愛佳を慰めてあげたい。
貴明「好きだよ、愛佳」
唇と唇が触れ合う。
甘いフレンチキス。
その熱を愛佳の涙が冷やした。
175名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/09(木) 01:57:19 ID:hUxKGoL1
じゃ由真の春SSが終わったらここ使わせてもらいます。
こっちの板のSSスレ全く活用されてないからなw
176どこかに生息する719:2006/03/12(日) 08:38:15 ID:MvKArUyA
俺も…おK?
177名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/14(火) 20:14:54 ID:yyYgyZNk
>>176
OKよ、山崎春のパン祭りじゃなくて。
SS祭りにして盛り上がって行きましょう(^O^)/
178名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/15(水) 05:49:50 ID:631i+XY9
自演乙
179名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/19(日) 22:58:53 ID:BgJXDshI
自演じゃない〜ってばぁ〜(AA略
180名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/20(月) 06:11:01 ID:9gTU+htw
>>179
言うの遅wwwwwww
181もしもドラマだったら…:2006/03/21(火) 15:50:47 ID:+5ZqCuGk
監督「シーン121!3…2…1」

このみ「ん〜、きょうはいい天気だね。ずっとこんな日が続けばいいのに」
貴明「ずっと続くのはマズいんだろうけど、確かにそんな感じだよにゃ」

監督「カット!」
貴明「す、すいません…最後のとこ間違えちゃいましたね」
このみ「もー、しっかりしてよタカくん!」
監督「んじゃ、テイク2!」


監督「シーン125!3…2…1」

雄二「お前の方は……いや、みなまで言うな。自分から振ってきたんだもんな」
貴明「悪くはなかったね、今回は」
雄二「はいはい」
由真「…………」
雄二「どひゃぁっ!びっくりした……」

監督「カット!雄二君…それびびり過ぎでしょ」
雄二「あ、やっぱり?」


とかなると思うんだが……
182カン違い:2006/03/24(金) 08:17:18 ID:u2PtYdLK
愛佳「えっと〜、じゃあマイクのテスト始めるね〜。あ〜あ〜、あ〜あ〜、
    マイクのテスト中〜」
由真「あ〜もう聞いてられないわ。そんなんじゃ日が暮れちゃうでしょ。
    貸しなさいよ」
愛佳「ご、ごめん」
由真「いい?マイクテストっていうのはこうやるのよ。ちゃんと見ときなさい」
愛佳「う、うん」
由真「あ〜あ〜、ただいまマイクのテスト中。あ〜あ〜、本日はあおてんなり、
    あおてんなり。どう、わかった?」
愛佳「う、うん、ありがと」
由真「こんなのちょろいもんよ」
愛佳「ねえ由真、ちょっと聞いていい?」
由真「なに?まだ分かんないの?」
愛佳「ううん、そうじゃなくて…。『あおてんなり』って『せいてんなり』だと思うの」
由真「えっ!?」
愛佳「青い天って書いて『せいてん』って読むんだけど…」
由真「し、し、知ってるわよ。『せいてん』でしょ、『せいてん』。そんなの常識じゃない」
雄二「ぷっ!聞いたか、貴明?『あおてん』だってよ『あ お て ん』。
    こいつお前よりも頭悪いぞ」
貴明「お前より頭悪い、の間違いだろ」
由真「う、う、うるさーい!!ちょ、ちょっと言い間違えただけじゃない!あたしだって
    本当は知ってたわよ、そのくらい」
雄二「俺はしらなかったな〜。『あおてん』なんて。ぷぷっ」
貴明「雄二、あんまりからかっちゃダメだろ?」
雄二「だ、だってさ〜。くくくっ」
由真「ちょっとあんた!」
貴明「え?俺?」
由真「このことは絶対忘れないからね…。これで勝ったと思うなよ〜〜〜〜〜!!!」
貴明「俺のせいじゃないだろ…」
雄二「ダメだな、貴明。女の子いじめちゃ」
愛佳「河野君、今のはちょっとひどいと思う」
貴明「何で俺がこんな目に…」
183名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/24(金) 14:32:33 ID:dWehwHUS
オチがない……
184名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 11:34:26 ID:davNpWsh
ギャハハハハハハハハ(^O^)自作自演おつかれさま〜♪蛆虫くん自作自演で自分のSS賛美してるのー?
キャハッ(^O^)キンモーイ
185名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 21:02:52 ID:Ds57Oe1O
キャハに不覚にも萌えてしまった俺ガイル('A`)
186名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/25(土) 22:47:07 ID:efrelhen
俺も萌えた……
187名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 12:07:08 ID:QEIae/1+
はじめまして、平○堅です。
最近、歌番組で欲情しちゃって大変なの。
Mステーションじゃ、タモリさんの大人の魅力にメロメロ。
タモリさんのお尻に、堅の固いものつっこみたい!
うたばんじゃ、貴さんのダンディーさにメロメロ。
貴さんの大きいものつっこんでほしいな!
中居くんも超かわいいくて、なめてイカセテあげたい!
ヘイヘイヘイも素敵。
マッちゃんハマちゃん、どっちもステキ。
マッちゃんはナイーブそうで色っぽいし。
ハマちゃんのツッコミという言葉に堅、濡れちゃう!
前にヘイヘイヘイに出た時、ハマちゃんが堅のペニスつかんだの見た?
あの時、いやがったフリしてたけど、ほんとは射精しちゃってたんだ。
ダウンタウンとは、いつか3Pしたいなあ。
188名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 12:31:13 ID:O478ANyO
よたばちゃんねる復活
ttp://yotaba.dyndns.org/
画像貼り付け掲示板
189名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 17:42:26 ID:c1eOkUgx
ハアハアーことりタンを思い切り抱きしめたい。ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア

190名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/26(日) 19:32:37 ID:o464k5vC
「ちょっと、春だからって荒らさないでよっ!いるよねそういう奴。そういうのって屋上から突き落としたくなるくらい嫌い!」
191名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/27(月) 01:20:00 ID:EvXtDfMz
 へヘ      
  /〃⌒⌒ヽ
 〈〈 ノノノハ)))
 ∋川 ´A`)∈ < このみも花火タンのちんこしゃぶりたいよぅ〜
   / つ |)
   し―J



はーなびたんってばちんぽしゃぶられていっちゃったー!いっちゃったー!!
はーなびたんってばちんぽしゃぶられていっちゃったー!いっちゃったー!!

ぶっといよぅ〜♪しゃぶりたいよぅ〜♪
花火たんのち・ん・こ


ぎゃははははははははははははははははははははははははははっ!!!!




192名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 09:19:54 ID:mlol9WbB
>>191は氏ね
193 ◆VmYw9I.QLw :2006/03/31(金) 10:23:15 ID:CszE2UXs
キャハッ(^O^) すっさまじいクソスレぶりだねー
SSってウケないんだねー

ギャハハハハハハハハ(^O^)キンモーイ
194名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 11:49:58 ID:xOg8AhbX
キャハ様酉付けてる…(*´Д`)ハァハァ
195名無しくん、、、好きです。。。:2006/03/31(金) 18:57:38 ID:G5Eb/wIM
みんなに言いたい
[キャハッ(^O^)]
[自作自演]
[ギャハハハハハハハハ(^O^)]
[キンモーイ]
等の神出鬼没の糞野郎を見つけたら無視しよう⊂⌒`⊃。Д。)⊃
何故なら奴は[テラウザス][テラカワイソス]以外の何ものでも無いからだ(´゜ω゜`)

出来ればみんなこの文を色んな所に貼りしてくれ
196TOHEART2・愛のちんこ劇場:2006/04/02(日) 05:15:51 ID:DLDeqhKh
〜こうちゃんの名作ドラマ傑作篇〜
「DOKI! DOKI! 恋のレッスンちゃんばらきっず☆」

「いざッ、尋常にッ!」
雄雄しく隆起した己の美麗な肉棒を、きゅっと握り直し、同じく己の肉棒を弱々しい
手付きで握っている銀髪の美少年レニに向かい、
花火は真剣な眼差しと掛け声と共に肉棒を振りかぶり、襲い掛かった。
「や・・・ち、ちょっと待って花火お兄ちゃん! 痛っ、痛いよお兄ちゃん!
 お願い、ちょっと手加減してっ! あっ、やっ・・・んくっ、んっ」
ビシッ、バシッ、という肉棒と肉棒がぶつかり合う真剣勝負の音が舞台中に鈍く響き
渡る中、時折くちゃっ、ちゅっ、という鈴口と鈴口かぶつかり合う甘い音が鳴ると同時に
レニの口から艶っぽい吐息が漏れ聞こえてくる。
稽古中に何とふしだらな――。と、レニの吐息を聞いて花火は、更にやる気になった。
「レニッ! ちょっと位先っぽがくっ付いた位でなんなのその声は? 情けない、
 レニはそれでも男の子なのっ? 悔しかったら私を負かしてごらんなさい!」
「そんな・・・ だって、だって花火お兄ちゃんのおちんちんって凄く温かくって
 先っぽだって綺麗な蜜でぬらぬらと濡れていて、ボク、おちんちんの先っぽ同士が
 当たって擦れるとたまらない程気持ちいいんだ!    
 ボクだって稽古中に不謹慎だと思うけど・・・ ボク、花火お兄ちゃんの事大好き
 なんだもん。 もう、稽古なんてしていられないよ! お兄ちゃん・・・。」
レニは稽古中だというのに肉棒の構えを解き、小さな手で、蜜に濡れそぼった花火の
肉棒をきゅっと掴み、「いただきます――」と言うやいなや、愛らしく小さな口に
花火の怒張したそれを丸呑みし、喉の奥まで使ってディープスロートを始めた。
「はぁぁぁ・・・ん。 だ、駄目よレニ! そんな、奥に当たってる。凄い、いいっ、
気持ちいいのレニ! やッ、いやッ、イク・・・いっちゃう!!!!! レニ! 口に、
レニのお口に聖液出していい?」
「うん、花火お兄ちゃん、いいよ。 ボクの口の中にお兄ちゃんの濃い聖液たっぷり放って!
はぁぁん、美味しい。 花火お兄ちゃんのおちんちん甘くってとっても美味しい!」
197名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/09(日) 05:40:17 ID:yjzC2V9T
ほしゅ
198名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/19(水) 22:34:44 ID:WAcoEFDQ
             ,. -ィ~ ̄``ー-、
            ,イミ  { i  ァ'"´ ≦、
            |ミ/´`ヾ./ `ヾ  三ミ、
            lミ'i,、__ , ; __,、Nーィ"~´
            }ヘ' -ェニ゙ 'ニェ- レ^{
           〈 {¨ー‐;^ー‐'¨} /
            ゝ!` '辷=゙、 i7    < 呼んだ?
             ト/ィ"¨ヾ\.l
             イ'"`ヾili/'~゙`ヾ、
          _,.ィ |\__]∨[__./| ゝ、
        ,.-‐ " /  |  〈._ソヾ_.〉 | ヽ ` ー- 、
    /     /  |     l l   | ヽ     \
  _,ノ´      /   |     l: l   |  ヽ      ヽ._
. }ヽ      〈   |    l: l    |   〉      /{
 !       「``ヽ'´|    l: l    |ヽ-'´ .!        !
. !   ヽ    !   |    l: l     |    !    ,   !
.,!    ゙i     !     |     l: l.   |   .!    i'    !
,!     i    !   |     l:.l.   |   !    i     !
199名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 19:58:21 ID:65tNUDcw
ギャハハハハハハハハ(^O^)チンコ花火厨オジサン毎日暇そうで羨ましいねー またクソスレ立てて自作自演なんて暇人丸だし(プゲラッチョ
ギャハハハハハハハハ(^O^)チンコ花火厨オジサン毎日暇そうで羨ましいねー またクソスレ立てて自作自演なんて暇人丸だし(プゲラッチョ
ギャハハハハハハハハ(^O^)チンコ花火厨オジサン毎日暇そうで羨ましいねー またクソスレ立てて自作自演なんて暇人丸だし(プゲラッチョ
ギャハハハハハハハハ(^O^)チンコ花火厨オジサン毎日暇そうで羨ましいねー またクソスレ立てて自作自演なんて暇人丸だし(プゲラッチョ

ギャハハハハハ(^O^)チンコ花火厨オジサン自演頑張ってねー
200名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/21(金) 20:01:32 ID:65tNUDcw
キャハッ(^O^)200げとー
201名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 11:54:29 ID:ItedbGCa
ほしゅ
202名無しくん、、、好きです。。。:2006/04/30(日) 13:43:27 ID:W3z1cWzi
SS書きの勇者たちはどこ行ったんだ?
203名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/04(木) 22:08:11 ID:RKfhSfIS
202>>同感!…もう帰ってこないのかな。このスレも終わりだな…
204名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/06(土) 12:41:48 ID:SSd7R4Eh
キャッハハ-(^O^)自作自演キンモーイ
205名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/13(土) 11:21:58 ID:Hq8a653i
ほしゅ
206名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 21:05:58 ID:5ralmaUc
SummerAgain
もうすぐ夏祭りか…
そんな事を考えながら窓の外の高い雲を見ていた。
「何ボケっとしてんだよ」
「ん、ああ雄二か」
「雄二か、じゃねぇだろ。長瀬待ってんぞ」
そう言いながら駐輪場の方を指差す
「いけねっ。サンキュ、んじゃ先帰るわ」
「たくっ、この恋愛ブルジョアジーめっ!!!」
雄二の悲痛な叫びは無視して俺は駐輪場に向かう
「悪ぃ待たせたか?」
「遅いっ!私が来たらすぐ来る。常識でしょっ!」
「そこまで言うんだったら先帰っても良かったんだけど…」
「あんたの場合私が先に帰ったら泣きそうだからよっ」
「はいはい」
そんな事を言いつつ二人で校門を出る
あの日からこんな風に二人で帰っている
「そうだ、今度の祭り一緒に…」
「勝負よっ」
「えっ?」
「下のバス停まで先に着いた方の勝ち。負けた方は勝った方の言う事を聞く。いい?」
「いやっ何故お前はMTBにまたがっている?」
「……ハンデ」
由真はそのままスピードを上げていく
「ちょっと待てっ!!」
207名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 21:14:22 ID:3ew3pC0d
来た来た来た来た―――(゚∀゚≡゚∀゚)――――!!!
君を待っていた!!
208名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 21:50:13 ID:55yps0U9
これか。
この気持ちがwktkってやつなのか。
209名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 21:57:36 ID:5ralmaUc
SummerAgain〜2話〜
俺がバス停に着いたときには由真はMTBを停めてベンチに座っていた
「私の勝ちね」
「はぁはぁ…うるせぇ、MTBなんて、反則だろ…」
反則という言葉に反応したのだろう、由真は慌ててこう言った
「と、とにかく私の勝ちなんだから言う事を聞いてもらうわよっ!!」
「はぁ、んで何がお望みなんだ?」
「あう…」
「?」
なぜか口ごもる由真。そして一思いにこういった
「こ、今度の祭りでタコ焼きおごって…」
「それって、今度の祭り一緒に行こうってこと?」
「ち、違う!!ただ夜店のタコ焼きがおいしいからっ!!!」
大声で否定してからこの時間バスを利用する学生達の注目を集めていることに気付いて黙りこくってしまった
「まぁ俺も誘おうとしてたし」
その言葉を聞くと由真はハッと顔を上げた
「…たかあき」
210名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 22:16:37 ID:5ralmaUc
SummerAgain〜3話〜
「んなひっぱんなよ」
「次は射的よっ」
「はいはい」
祭りの日俺達はどちらともなく手を繋いでいた
「たかあきの下手くそ〜」
「お前だってさっき外してたじゃないか」
「眼鏡かけてないからよっ!!」
「そんなもんか?」
「そんなもんなのっ。ほらもうすぐ花火が始まるから、どっかいい場所に連れてってよ」
「はぁ、んじゃちょっとキツいきもしれないけど我慢しろよ」
「うん」
なんだかんだで由真も笑っている。そういう俺もさっきから頬が緩みっぽなしだった
「結構いいだろ?」
「たかあきにしちゃ上出来ね」
祭り会場の近くの高台に来ていた。俺達の他にはだれもいなく、静かだった
『バーン!!』
「キレ〜」
俺は「お前の浴衣姿もきれいだぞ」と言いたかったが何をされるかわからないから、黙っていた
「たかあき?」
「ん?どうした由真?なんか見つけたか?」
「違うっ!!」
「……」
気がつくと俺達は花火をバックにキスをしていた。何分ぐらいそうしていたかはわからないが、永遠にこの時を過ごしたいと思った…


自分の描いた同人の文章盤でかなり下手だが見てくれてありがとう
211名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/16(火) 23:27:00 ID:55yps0U9
>>206
>>209-210
GJでした。
ええね、ほのぼのラブラブで。
この二人には幸せになって貰いたいもんです。
212名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 02:05:00 ID:ZKtKw3Zh
やっぱ由真はいいよ
213名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 07:53:42 ID:1oTzeNPc
由真タソ(;´Д`)ハァハァ
214名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/17(水) 23:01:11 ID:MVRQa4wB
実際にあってもおかしくない話だな。このスレにもようやく春が来たようだ。乙!
215RUI:2006/05/18(木) 00:41:19 ID:Nm00qsv7
あの、双子のSS書こうと思うんだけど、俺携帯だから長文書き込めない。HP晒しもいいのかな
216名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 00:45:24 ID:XXVwFdVb
>>215
大歓迎に決まってるじゃないか!!
お待ち申し上げております。
217RUI:2006/05/18(木) 01:26:04 ID:Nm00qsv7
じゃ、書いてみるよ。しばらくかかると思うけど、待っててください
218名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 02:06:14 ID:/lrOleTu
>>215
俺も由真のSS書いたとき携帯だった、安心して書き込んでくれ。
みんな俺のつまらいSSを読んでくれてありがとな(つд`)
219RUI:2006/05/18(木) 16:50:45 ID:Nm00qsv7
>>218
いや、おもしろかったぜ
220名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/18(木) 22:39:24 ID:tmUUqqIJ
もう闇に落ちたかと思ったこのスレに再び光がぁ〜!!
待っていたぜ!SS勇者たち!└|∵|┐♪┌|∵|┘
221RUI:2006/05/22(月) 01:29:52 ID:xYR/BNcw
予想より長くなった。火曜の夜にはここに晒したいです。あげ
222名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/22(月) 12:46:48 ID:oDRbGLNc
>221

ガンガレ
223名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/24(水) 21:48:36 ID:PZbsvjRc
もう水曜なんだがw
224名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/24(水) 23:20:08 ID:YorUfe+9
まあ気長にまってやろうぜ!
225名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 23:03:19 ID:qafvXI1j
木曜日なんだけど…
226名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/25(木) 23:36:37 ID:FgIRkplb
本気にしてるヤシがいるとは…w
227ミステリ研−渡英計画議事録(1/5):2006/05/26(金) 01:20:27 ID:ekiJIosn
停滞しているようなのでネタ投下して行きます。
初SSなので大目に見て下さい。
ではどうぞ。
↓↓↓

「ちょっとたかちゃん!もう見たこの記事?」
珍しく先に部室に着いたので置いてあったミステリな雑誌(月刊む〜む〜)で時間を潰していたのだが、
けたたましく現れた待ち人の声で現実に引き戻された。
「どうしたの笹森さん、そんな慌てて。宇宙人とビッグフットの朝帰り2ショット写真でも見付けた?」
「あ、それもちょっと魅力的かも。ってそうじゃなくて、これなんよ!」
ズビッと目の前に紙を突き出される。どこかのサイトをプリントアウトした物のようだ。
どうせまたろくでもない物を用意して来たんじゃないのかと思いつつも、
無視したらしたでやいのやいの五月蝿いので仕方なく目を通してみる。
「えーと、何だって…。」

英国防省、空飛ぶ円盤は存在しないと研究報告書で結論??
ttp://www.zakzak.co.jp/top/2006_05/t2006050805.html

「ねえ、どう思うたかちゃん。わざわざイギリス国防省がUFOの存在を否定するなんて、怪しいと思わない?
これは国家機密的何かの隠蔽工作に違いないんよ!」
「国家機密的何かって言われても…。大体隠蔽工作ならこんな大っぴらにする方が怪しまれるんじゃないの?
それこそ笹森さんみたいな人達が居る団体とかに…」
と言っているうちに想像(妄想?)の虫が変な羽を広げ始めた。

***********************************************************************************
228ミステリ研−渡英計画議事録(2/5):2006/05/26(金) 01:22:08 ID:ekiJIosn
花梨A「イギリスがUFO、ううん地球外生命体に関して何らかの情報を隠しているのはほぼ間違いないんよ!」
花梨B「そうなんよ、民衆の知る権利をないがしろにするなんて紳士の国が聞いて呆れるんよ」
花梨C「ミステリ研究会英国支部の私達としては、ここで負けるわけにはいかないんだからっ」
花梨D「貴明会員!ありったけの食料(タマゴサンドしかないけど)を用意して!これから英政府に対して持久戦だよ!」
花梨A「絶対に情報公開させてやるんだからぁっ!」
花梨B「もうこっちは実力行使だって辞さない覚悟なんよ。並み居る敵はこのタマゴ爆弾
(自作、作製方法はゆで卵をレンジでチン、良い子は真似しないでね)で!」
花梨C「ほら何してるの、ミステリ研英国支部は貴明会員の双肩にかかってるんだよ!」
花梨D「私の予定だと貴明会員は政府との交渉、その裏で密かに行われる政府からの刺客との戦闘、食料確保と
八面六臂の大活躍をするんだから。そして最後は愛する私達を助けるために…うぅ」
花梨ABCD「…たかちゃんっ、可哀想」

「何で俺ばっかそんな目に遭うんだよ!そもそも何だよこの笹森さんだらけのアヤシゲな集会は!
一人居れば十分って、うわ何で押し倒ちょっ泣きながら服脱がす意味がわかんな…アッー!」

***********************************************************************************

「…ちょっと、ねえ、たかちゃん?たかちゃん!」ユサユサ
「ッヒイィ!!」
花梨に揺さぶられて我に返る。
「ヒイィって何よヒイィって!こんな可愛い娘目の前にしてそんな声あげるなんて。
何か言いかけて止まっちゃったから心配して声掛けてるのに、全然反応しないんだもん」
本当に心配してくれていたのか、少し困った顔だった花梨だが、
俺の悲鳴が気に食わなかったらしくすぐに表情を変えプリプリ怒り出した。
229ミステリ研−渡英計画議事録(3/5):2006/05/26(金) 01:24:07 ID:ekiJIosn
「え?あ?あ、そう、ごめん、何か今見てはいけない物が見えたって言うか思い出したくないって言うか」
「?変なたかちゃん、それより話を戻すけど、これ、やっぱり私としては気になるんよ…」
俺のしどろもどろな言葉に訝しげな様子の花梨だったが、特に追求せず本題に戻ろうとする。
さすがミステリ研会長。ミステリに対する飽くなき情熱。
でも俺はまださっきのダメージから回復出来ていなかったので適当に受け流す。
「あー。気にしなくていいんじゃない」
「たかちゃん!」
バン!と机を叩く花梨。ついでに身を乗り出して机に乗っかり俺の顔に手を伸ばしてくる。
「何でいーっつもそんなやる気ないの!もう名誉会員の称号は剥奪なんよ、たかちゃんは一生会長専用奴隷に決定!」
「ひあ!ほんはほほひはへれも、らひらいひふへいよはいいんにらっれはろは
(いや!そんな事言われても、大体いつ名誉会員になってたのさ)」
頬の肉をぐにんぐにん引っ張られながらも口答えをする俺。
きつくやられていないので痛くは無いのだが、その、ちょっと近いんですけど、顔。
図らずもじっと見詰め合う事になり気恥ずかしくなってきたので、花梨の手を外して椅子から立ち上がる。
「それに名誉会員だろうと、専用奴隷だろうと、笹森さんの俺に対する扱いって変わらない気がするんだけど」
さすがに言われっぱなしも癪なので、じとーっとした目付きで頬をさすりながら言ってみる。
「〜すぴ〜すぴぴ〜すぴ〜♪」
明後日の方向を見て口から何やら空気を漏らす花梨。
「いや、だから、口笛吹けてないし。何も誤魔化せてないよ、それ」
「うぅ〜元はと言えばたかちゃんが意地悪言うからなんよ〜、気にならないの?イギリスだよ?
ミステリの本場だよ?ミステリの宝庫なんだよ?ねぇ、たかちゃ〜ん〜」
いつの間にか机を降りてにじりよってくる花梨。
230ミステリ研−渡英計画議事録(4/5):2006/05/26(金) 01:25:34 ID:ekiJIosn
何だかここ最近甘え方が一段とパワーアップしている気がする。
それとも前からこんなだったのかな。今はこっちが意識し過ぎてるだけで。
あぁもうそんな目で見るな、捨てられた子猫か。
うっかり手を出すと懐いて離れなくなりそうな所なんてもうそのまんまだ。
にゃあにゃあ言いながら足元にまとわりつく猫花梨を想像しつつ。
「そう言われてもなぁ。気になるって言ったってほいほい行けるもんじゃないでしょ、イギリスなんて」
「諦めちゃ駄目だよ、たかちゃん!ミステリ研会員なら不屈の精神で物事に当たらないと!」
「…で、具体的に何か考えてるの、そう言う笹森さんは」
「………えーっと………密航?」
「却下、って言うか何でいきなりド犯罪な発想なのさ。もっと真面目に考えてるかと思えば」
「飛行機は無理でも、北欧ツアーのクルーザーなら何とか忍び込めるんじゃないかなーって」
「本気で言ってたのかよ!無茶言うな!大体忍び込んでイギリス着けたとしても、それから
どうすんのさ。そもそも笹森さん英語話せるの?きゃんゆーすぴーくいんぐりっしゅ?」
「え?あ、うー、うーん。ぱ、ぱーどぅん?」
「…もういい。ごめん、悪かったよ。そんなひょっとこみたいな顔しなくていいから」
「してない!失礼だよたかちゃん!私の事あほの子だと思ってるでしょ!」
「Unidentified Mysterious Animalなんて澱みなく言った時は英語得意なのかと思ったけど、
やっぱり自分が興味無い事にはからっきしだね」
「んー、だってUMA自体日本人が考えた造語だから」
「へー、そうなんだ。って本当どうでもいい知識だな」
「どうでもいいとは何よー、たかちゃんたまにミステリ研とは思えない暴言吐くんよね」
「無理矢理会員にしたのはどこの誰だよ」
「えへへ…」
舌を出して照れたように笑う花梨。
231ミステリ研−渡英計画議事録(5/5):2006/05/26(金) 01:28:38 ID:ekiJIosn
う、く、駄目だ。いつもこの笑顔にしてやられて余計な苦労背負い込んでるんだ。
これは悪魔の微笑みなのだ。魅了されちゃいけない、気をしっかり保て俺!
などと花梨から視線を逸らし一所懸命自己暗示を掛けていると、じっと見詰められている事に気付いた。
「ん?どうかした笹森さん」
「ねぇ、たかちゃん」
「うん」
「新婚旅行は、イギリスにしようよ」
「ぶぴっ」
「うわわ、たかちゃん、えんがちょ!」
吃驚し過ぎて鼻水吹いた。
「さ、笹森さんが変な事言うからだろ!!何言い出すんだよいきなり!!!」
「え〜、変かなぁ。まぁ確かにアマゾンの奥地とかアフリカの秘境も魅力的だとは思うけど、
はいバッチィのふきふきしましょうね〜」
「変なのはそっちじゃなくて!!あと自分でふくから!やめれ恥ずかしい!!!」
「んふ、照れ屋さんだね、たかちゃんは」
「あああ、もう、ほんとに、何でいきなりそんな方向に話飛ぶかな…」
「だって、やっぱり結婚したら、新婚旅行はしたいでしょ?その旅行をミステリーツアーにしたら
一石二鳥じゃない!?もう、花梨ちゃんってば天才!」
「…はいはい。そうですね。笹森花梨会長は大天災です…」白旗宣言。
「でしょ〜♪」心からって感じの満面の笑みでにこにこする花梨。
まったく、先が思いやられる。俺達の将来が一番ミステリだよ。
心の中で愚痴りながらも、目の前の笑顔に抗えない自分を感じていた。
黄色い悪魔に取り憑かれた俺の受難はまだまだ続いていくんだろう。
この笑顔に魅了されながら、多分ずっと。

おしまい
232名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 06:28:22 ID:Zjn9Cm5e
>>227>>231
GJ!楽しませてもらいました
233名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 12:24:22 ID:/rWgxsfe
両方のスレに投下するくらいなら、片方にだけ書いてもう片方にリンク張ったほうがいいよ。
容量の無駄遣いになるから。
234RUI:2006/05/26(金) 17:02:22 ID:+k3xsLIX
お待たせしました。文章力ないなりに書き上げました。暇な時にでも読んでやってください。あと、このストーリーはPS2版TOHEART2のラスト後の話です。
http://story.awalker.jp/toheart2/
235名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 17:48:18 ID:ne16unVg
>>233
一応あっち21禁板なんで。
最初からこっちに書いてあっちリンクだけにすれば良かったんですけど。
申し訳ない。

>>234
乙です。
読ませて頂きます。
236名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 19:43:31 ID:ne16unVg
>>234
読み終えた〜。
凄いっすよ!大作っすよ!
読み応えありました。巧いと思います。
文章力無いなんて謙遜し過ぎ。
キャラの特徴も上手い具合に出てるし。
瑠璃ちゃんの反応が可愛い(*´Д`)

>>232
遅くなりました。
GJレスありがとうございます。
237名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/26(金) 19:53:21 ID:IZu+eYyY
>227,>234
乙!!!!!!!
238名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/27(土) 00:45:06 ID:5pjbMsaY
236>>
乙!面白かったぞ!!続きも楽しみしてますよ!~ヽ('ー`)ノ~
239名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/27(土) 17:14:32 ID:6ESKhe4V
>>234
白地にピンク文字…反転させないと読み難いな。
240RUI:2006/05/27(土) 18:26:04 ID:8/dKviIz
>>239
申し訳ありませんでした。
241名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/28(日) 00:58:40 ID:pXtGRcNJ
>>239
それは俺もオモタ
でも内容はいいよう
242名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/28(日) 13:44:57 ID:rRTvBCu8
評価
ストーリーは大変いい出来で、細かな描写が大きなプラスポイントになりました。
ただ、「ランドセル」の場面はネタバレが遅かったのでずっと頭に引っ掛かったまんまで
少しパッとしなかったのと、やはり文字が見えにくいのが残念でした。
もっと読み手を引き込ませるテクがあればよりよい作品になるはずです。
4/5点ってところでしょう。


偉そうでごめん。
243RUI:2006/05/28(日) 23:01:43 ID:nRasolz6
皆さん、読んでくださってありがとうございました。時間はかかるかと思いますが、あと二本プロットあるので、時間の出来た時に少しずつ書いていこうと思います。
あと、不評だった文字色、変えました。自分としては桜のイメージでHPをデザインしたのですが、まあ読者が一番ですし。それでは、お楽しみ頂けたなら幸いです。
244名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/28(日) 23:20:07 ID:PHx05t8J
気持ちは解るけどね。
桜のイメージを出したいなら、文字色は黒で背景を淡いピンクにすると見やすいよ。
245名無しくん、、、好きです。。。:2006/05/30(火) 14:40:02 ID:RY3SiGy0
227>>
読ませていただきました!ラブラブというよりも友達っぽい関係がよく出ててこんなのもいいかなって感じっすな!!乙!
246名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/08(木) 18:20:43 ID:M7wAhett
>>243
ガンガレ
247名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/09(金) 20:11:57 ID:5zcTnCHJ
神GJ!!
248名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 00:51:25 ID:LRWZzXPG
双子age
249名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/17(土) 00:53:17 ID:MwuA4gLl
250名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/27(火) 22:13:15 ID:kMzcN2ds
あげ るー
251RUI:2006/06/27(火) 23:47:45 ID:sE+iHGh3
上げる意味も込めて質問。貴明ってダニエルの事何て呼んでたっけ。じいさん?
252名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/28(水) 00:39:34 ID:dJAxHqTA
じいさんで、あってるよ
253名無しくん、、、好きです。。。:2006/06/28(水) 00:45:14 ID:nCouawYh
>>252
今書いてるのに、ダニエル出そうと思って。ありがとう
254名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/15(土) 00:05:19 ID:Rop+X0th
隔離ったな…
255名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/16(日) 09:33:36 ID:3i7SNqMZ
やべえよ
256名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/26(水) 20:10:26 ID:4kYOCPTD
まだまだ終わらないスレに乾杯
257名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/27(木) 20:19:30 ID:+c1VSTS4
保守あげ
258名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/27(木) 23:24:50 ID:7DwM4bU3
ageようと思ったら先を越されていたので、とても悔しかったです。
259RUI:2006/07/27(木) 23:34:48 ID:7DwM4bU3
このスレ活性化のために、まだ全然出来てないけど、今書いてる双子小説第二章のプロローグだけ、うpするよ。土曜か日曜に、このスレから誘導します。ってか、プロローグだけでかなり長い……orz
260黒愛佳〜書庫編プロローグ:2006/07/28(金) 06:55:21 ID:4zx+5fmV
愛佳は書庫保存のため、その身を犠牲にして図書委員長から守ろうとする
だがその最中に図書委員長が不能に陥ってしまう
焦る図書委員長、安堵する愛佳
そして2人の立場は逆転して行く・・・
必然であった

委員長「小牧君、この間のこと誰にも話してないだろうね?」
愛佳 「何ですか、この間のことって?」
委員長「とぼけるな、あのことだ」
愛佳 「良いんですか?そういう口の利き方しても」
委員長「くっ・・・すまない。僕の、あ、あれが、という話のことだよ」
愛佳 「心配いりませんよ、まだ誰にも言ってませんから。あなたが勃たないなんて」
委員長「小牧君!」

261黒愛佳〜書庫編@:2006/07/28(金) 06:58:59 ID:4zx+5fmV
愛佳 「何だかちょっとお腹減ってきたみたい。そういえば最近○○○の××××食べてないな〜」
委員長「小牧君、それは買って来いということなのかい?」
愛佳 「え?やだ、そんな風に聞こえちゃいました?そういうつもりは無かったんですけど・・・」
委員長「仕方ない。だが今日はもうこんな時間だからあるかどうか・・・」
愛佳 「そうですよね。あれは人気があるから朝から並ばないと買えないですし」
委員長「人気があるのは知っていたがそこまで人気があるとは思わなかった。でも朝から並ぶとなると
     平日は授業があるから無理だな」
愛佳 「・・・・・・・・・」
委員長「・・・・・・・・・」
愛佳 「・・・・・・・・・」
委員長「わかった。明日並んで買ってくればいいんだろう」
愛佳 「そんな・・・、受験で大変なのに授業『さぼってまで』朝から並ばなくてもいいのに・・・」
委員長「そうかい?じゃ今度の土曜日にでも買って」
愛佳 「却下」
委員長「・・・」
262黒愛佳〜書庫編A:2006/07/28(金) 21:46:32 ID:iy4rmtRP
愛佳 「明日も書庫にいますね」
委員長「やっぱり買って来いってことなんだな」
愛佳 「あたしはそんなこと言ってませんよ。あなたがどうしても買って来たいって言うから」
委員長「・・・」
愛佳 「明日が楽しみ。それじゃさよなら」
委員長「くっ・・・」
(翌日)
委員長「小牧君、いるかい?」
愛佳 「はい、ちょっと待って下さいね。どうぞ」
委員長「失礼する」
愛佳 「あら図書委員長じゃないですか。どうしたんですか?今日は見ないな〜と思ってたんですよ」
委員長「君に頼まれたものを買いに行っていたんだ」
愛佳 「あら、あたしは『頼んで』ませんよ。そうですよね?」
委員長「・・・」
愛佳 「ね?」
委員長「・・・。ああ、そうだな・・・」
愛佳 「でもまさか図書委員長が学校さぼってたなんてみんなが聞いたらびっくりするでしょうね」
委員長「そのへんは心配いらないよ」
愛佳 「あら、どうしてです?忌引きは使えませんよ」
委員長「なっ、ど、どうしてそれを・・・」
愛佳 「当たっちゃいました?今日は勘がさえてるみたい」
委員長「そ、そんなわけないじゃないか」
愛佳 「そうですよね。図書委員長がお菓子買うために忌引き使って先生たちをだまそうとしてた
    なんてことあるわけないですよね」
委員長「あ、当たり前じゃないか。僕がそんなことするわけないだろう」
愛佳 「そうですよね。お菓子代を経費で落とすために領収書もらったりするわけないですもんね」
委員長「ぐっ」
愛佳 「そんなことしてませんよね」
委員長「・・・。ああ、してない・・・」
愛佳 「しようとしても落ちないですけどね」
委員長「・・・」
263黒愛佳〜書庫編B:2006/07/28(金) 21:47:21 ID:iy4rmtRP
愛佳 「そんなことより、それがそうですよね」
委員長「あ、ああ。そうだ」
愛佳 「ありがとう。さっそくいただきますね。ごくろうさま」
委員長「あ、小牧君」
愛佳 「なんですか?」
委員長「君が食べたがっていた以外にもいくつか買ってきたんだが・・・」
愛佳 「あ、ほんとだ〜。これもおいしそ〜」
委員長「・・・。ちょっと量が多いから1人じゃ食べきれないだろうね」
愛佳 「ご心配なく。あたし甘いもの好きですから」
委員長「・・・。いやさすがに甘いものが好きでもその量は無理じゃないかな」
愛佳 「甘いものは別腹ですからいくらでも入りますよ」
委員長「食べすぎで具合悪くなると困るだろうから、僕も少し」
愛佳 「ごちそうさま」
委員長「食べても」
愛佳 「ごちそうさま」
委員長「良いんだが」
愛佳 「ご ち そ う さ ま」
委員長「・・・・・・。これで失礼するよ」
愛佳 「さあてお茶にしよ〜っと」
264名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/28(金) 23:40:48 ID:y/Ju2amR
GJ!!
265名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/29(土) 09:01:53 ID:teUbF1P/
GJ、です。
また書いてくださいませ。
266ブラックスマイル(短編):2006/07/29(土) 09:57:26 ID:teUbF1P/
委員長「・・・小牧君」
愛佳「あら〜?どうしたんですかぁ〜?」
委員長「ちょっと書庫の件でな・・・。(いつも苛められているからな、少しは仕返しをしないと)」
愛佳「ええ、分かりました。では、昼休みに図書館で。」
委員長「ああ、分かった。(よしよし)」

―――昼休み。

晴れているせいか、図書館には人影は無い。そんな中、彼は其処の一箇所に愛佳を見つけた。
「あの河野とかいう男子も一緒のようだな。これからひどい事が起きようとしているのに。」
ふふふ、と今から嫌がらせに悶える愛佳の表情に忍び笑いしてしまう。
委員長「小牧君」
愛佳「あ、まってましたよ〜。それじゃ河野くん、またあとで。」
と、人払いをする。河野と言う男子生徒は一回会釈すると、図書館から退室した。さて、本番だな。
愛佳「では、こちらにどうぞ〜。」と手招きをされ、近寄っていく。そして、最初に一言を放とうとした瞬間。
愛佳「何か考えているのなんてお見通しなんですから♪」
委員長「え?」
委員長は気づいていなかった。今、自分が何処にいるのか。其処は本棚の一角。但し、只の本があるわけではない。
そこは辞典やら六法全書やら「重い」本が沢山在る場所。その愛佳の雰囲気と周りに流石に委員長も気づいたようで、
委員長「ま、まってくれ、小牧君!!!」
愛佳「駄目です♪謀反を起こした武将は、打ち首と決まっているんですよ〜♪」

―かくして。それから委員長を見た人間はいないんだとか。
                             END

愛佳スレに存在するタタリ的な口調で話す名無しの作品でした。皆さんが書いているのを見て創作意欲がわきましたので、ここに書かせて頂きました。
色々未熟ですが勘弁してください。
267名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/29(土) 22:51:20 ID:rE2PSea5
ひでぇwGJ
268RUI:2006/07/30(日) 00:22:44 ID:Co2jQK+B
http://story.awalker.jp/toheart2/
プロローグだけだけど、書いた。感想よろしくです(´・ω・`)
269名無しくん、、、好きです。。。:2006/07/30(日) 01:03:41 ID:eT1bJ4XJ
>RUIさん
プロローグからもうムッハーて感じで読ませていただきました。
二人が貴明の理性を破壊したいと言うあたりでもうあの二人が貴明のことが大好きっていう気持ちが伝わってきて、とってもいい感じに仕上がってます。
GJ、です。また頑張って書いてくださいね。
270名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/02(水) 23:21:28 ID:sPwyOMGG
>>269
ありがとうございます。かなり長くなりそうだけど、がんばります(´・ω・`)
271名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/04(金) 00:05:04 ID:jEYQD5go
>RUIさん
長ければ長いほど読み甲斐もあります。頑張ってください。
272名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/06(日) 10:27:28 ID:7pXrrXOg
RUIさん>>
なかなか読者を引き込む文章力で思わず夢中になってよんじゃいました!
続きも期待しています!頑張ってください!!
273名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/14(月) 09:26:22 ID:H4Yl8OCa
age
274名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 00:23:14 ID:j8TAbG+0
age
275名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 22:28:11 ID:fY2a2FbB
276名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/18(金) 22:37:10 ID:jaafeIgv
↑踏むな
277名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/25(金) 23:38:43 ID:JfDGWTpP
中学の頃、私は友達いなくてさ、
親には知られたくなかったから私は自分宛にクラスメイトの名を騙って年賀状出してた。
親も「花梨、こんなにきてるよ」とか言ってばれない上にちょっと喜んでた。
で、調子に乗った私は翌年好きな子の名前で自分に
「あけましておめでとう。今年はもっと仲良くなれるといいね。3学期から一緒に帰りませんか?」
みたいなことを書いて送ったの。しかも届いたら親にわざと見られるようにした。
そしてすっかり忘れた頃に授業参観があったんだけど、
友達がいない私は授業が終わってそそくさと帰ろうとしてたら親が例の好きな子に話しかけてるんよ。
嫌な予感がして聞き耳たててたら、
親が「年賀状ありがとう。花梨をよろしくね」って

初恋はクラスの同級生。色白で清楚で真面目な子だった。
だけど付き合い始めてからは自由奔放。
トイレで真っ白でしなやかな手でシゴかれたり
二人っきりの放課後の教室で、授業では涼やかな声で
教師の質問に答えている形のいい唇で咥えてもらったりした。
だけどセックスだけはなぜか頑なに拒否された。
卒業後、なんとなく疎遠になったあの子は、
いまごろどこでなにをしているんだろう。
先日、母校が共学になったという知らせを聞いてふと思い出した。

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1156257583/

花梨スレに神降臨。応援書き込み募集中
278眠り姫へのエンゲージリング(1/8):2006/08/27(日) 23:58:05 ID:wl8ltrYR
 ミーンミンミンミン…

「ここはこうで…いや、違う」
「えーっと、これでいいのよね…」
 クーラーの利いた部屋で向かい合って問題集と格闘する俺と由真。
外で鳴いているセミ達の合唱はまるで別世界から聞こえているようだ。
「由真、麦茶飲むか?」
「あ、うん。ありがと」
 対面にある空のコップに麦茶を注ぐ。
ガラスコップの側面を流れた水滴はコップの底の周りに溜まり、丸い水溜まりを作っていた。
「ねえ、たかあき」
「なんだ?」
「もう一時間経つし、ちょっと休憩入れない?」
 お互いに約三分の一を終えたところで由真がそう提案する。
合っているか不安というよりは、机に向かい続けているせいで鬱屈した気分を
喋ることで晴らしたいという感じだった。
「いいのか止めちゃって?スピード勝負じゃなかったのか」
「いいのよ。このまま黙りこくってたらあたしの方がもたないもの」
 何のスピード勝負かと言えば、この時期ではひとつしかない。
どちらが夏休みの宿題を先に全部片付けてしまえるかという勝負である。
しかしこの勝負、実はここ最近に始めたわけじゃない。
「そんなこと言って、いつも途中でやめて喋り始めちゃって結局どこかに
遊びに行くからここまで勝負が延びたんだろ?」
「過去は過去よ、忘れなさい。というか忘れろ!」
「命令かよっ」
279眠り姫へのエンゲージリング(2/8):2006/08/27(日) 23:58:44 ID:wl8ltrYR
 この勝負は夏休み初日に由真から仕掛けてきたのだが、8月30日という夏休み終了間際の日に
なっても未だに決着はついていない。つまりそれはイコール宿題も終わっていないということ。
「しょうがないな。でも俺もそろそろ一息入れたかったし、いいか」
「そうそう。人間休息は必要よ」
 由真はそう言って麦茶を飲み干す。なんとか残り一つまでこぎつけたものの、
このペースではなかなか進まない。しかしいい加減終わらせないと、もう明後日は始業式。いや、その前に…
「んぐんぐ。なあ由真、できれば今日中に終わらせたいんだけどな」
「え、なんで?」
 なんでって言えば…せめて最終日の明日は思い切り遊びたいからというのも
あるのだが、本当の理由がちゃんとある。
由真にはわからないだろうか。わかりそうな気もするんだけど。
「なんででも。もし俺が先に終わってお前がまだ終わってなかったら手伝ってやるから」
「うわ、それって勝利宣告?」
「違うっての」
 そんな意図はないんだって。ああもう、とにかくさっさと終わらせた方がいいなこれは。
もう昼の3時を過ぎているし、時間にあまり余裕がない。
「あ、たかあき。それ間違ってない?」
「なぬ?」
「なんか式が違ってるように見えるんだけど」
「い、いやそんなはずは…ないはず」 
 と言いつつ指摘された問題を手で隠そうとする俺。
…うん、いや俺も間違ってるんじゃないかなとは思ってたんだけど。でも『ふふーん、やっぱりね』と
得意げに言われるのもちょっと悔しいのでここは見間違いということにしてごまかして…
「めがねめがね」
「やめてよしてくっきり見ないで」
 カバンから眼鏡ケースを取り出そうとするのを慌てて止める。
「間違いを認める?」
「…前向きに検討する」
 ちなみに後で答え合わせしてみたら二人とも間違っていたのはまた別の話である。
280眠り姫へのエンゲージリング(3/8):2006/08/27(日) 23:59:32 ID:wl8ltrYR
「おわっ…」
「た〜〜っ!」
 約一ヶ月以上の苦闘がようやく終わりを告げた。
その喜びに思わず同時にバンザイした後、パンッと手を叩き合った。
「ふっ、あたしだってやればできるじゃない」
「あとは終わるのがもう少し早ければな」
「む…あんただって終わったのはあたしと同時じゃないの」
 そう、最後の一問を解き終えたのはまったくの同時だった。
俺達は行動が時折妙にシンクロすることがあるが、こんな時もシンクロするとは。

『お前らって合わせ鏡みたいな関係だよな』

 そういえば雄二にそんなことを言われたことがあったっけ。
俺は由真で、由真は俺で。自分を映す鏡のような存在なんだと。
…俺達は二人でひとつ、か。なるほどそうなのかも知れない。
 単に行動パターンが同じだと言いたかっただけなのかとも思うが。
まあ…とりあえずそのことは今はさておいて。 
「由真、腹減っただろ?何か作るよ」
「え?でも悪いわよ」
 時間はもう夕方の6時だった。
実は、買い物は由真が家に来る前にあらかじめしておいた。
最初から由真に晩飯を作ってやるつもりでいたのだ。
「お客さんはテレビでも見てゆっくりしててくれ」
 由真の頭にポンと手を乗せてそう言うと俺はキッチンに向かい、珍しく
たくさん食材が入っている冷蔵庫を開けた。

(さて…頑張りますか)
281眠り姫へのエンゲージリング(4/8):2006/08/28(月) 00:00:16 ID:wl8ltrYR
「ふえ〜…」
 約一時間後、テーブルにはできたての料理が並んでいた。
この日のために自分で本を見ながら料理の練習をしたり、時にはタマ姉や
春夏さんに教わりに行ったものだ。
 理由を聞かれたので恥ずかしながら答えたら、二人とも妙な笑みを
浮かべて「なるほどね〜」なんて言っていたっけ。うう…
「これ、全部たかあきが作ったの?」
「ああ。この家に俺とお前以外の誰がいる」
「あーいや、疑うわけじゃないんだけどさ」
 そりゃ信じられないだろう。
惣菜の類とインスタントが食生活の大半を占めていた俺が、これだけの
手料理を披露しているのだから。
実は俺自身も夢か幻か、なんて思ったりしたがどちらでもない。現実だ。
「それじゃ冷めないうちに食べようか」
「あ、うん」
 二人とも席につくと、茶碗にご飯をよそって由真に手渡す。
自分の分もよそってから一緒に「いただきます」と手を合わせた。
「…わ、おいしい」
「自分でもびっくりだ」
「あんたが驚いてどうするのよ」
「いや、予想以上に美味しくできてたから」
 それでも由真にはかなわないだろうなと思う。
付き合い始めた頃はまだ料理慣れしていなかったのだけど、何度か作って
もらって食べたことがあった。食べるたびに腕が上がっているんだなと
実感したものだ。
随分上達した今では長瀬家の台所をおばさんと交代で担当しているらしい。
 しかし、今更だけどよく考えたら彼女の手料理をごちそうになるというのは
すごく幸せなことなんだろうな。うん。
282眠り姫へのエンゲージリング(5/8):2006/08/28(月) 00:01:10 ID:wl8ltrYR
「でもいいの?こんなに奮発しちゃって」
「いいんだよ。今日はお前のために色々してやりたいんだ」
「え…」
 俺の台詞にかすかに頬を赤くする由真。
うーん、可愛いなあ。
「で、でもいきなりなんで…」
「う〜ん、それじゃヒント。明日は何日?」
「何日って、8月31…」
 そこまで言って、ようやく俺が手料理を振舞った理由を察したのか。
「あたしの、誕生日――」
「正解」
「でも今日はまだ30日じゃない」
「単なる俺の思いつきだけどさ。たまにはいいだろ?二日かけてお前の誕生日を祝うのも」
「じゃ、宿題を今日中に片付けようって言ったのは」
「そういうこと」
 大げさねえ…と呟きつつも由真はどこか嬉しそうにしながらハンバーグに箸をつけている。
「ま、今夜は前祝いってことで」
 そう言いつつ冷蔵庫から取り出したのは食材と一緒に買ってきたシャンパン。
戸棚からグラスを取り出して注ぐと由真に手渡した。
「準備いいんだから」
「はは。それじゃ…」

「「乾杯」」

 二人だけの空間に乾いたグラスの音が響いた。
283眠り姫へのエンゲージリング(6/8):2006/08/28(月) 00:05:32 ID:wl8ltrYR
「うん。朝には一度帰ってくるから」
 俺が食器を洗っている間、由真は家に電話をしていた。
誕生日は関係なしに由真は最初から俺の家に泊まるつもりでいたので、
お泊まりセットはカバンの中にしっかり用意してあった。

『頑張りなさいね〜』
「な、何を?」
『色々とよ。ふふ、それじゃあね』

「まったくもう…」
 由真は受話器を置きながらなにやらぶつぶつ言っている。
おばさんに何か言われたんだろうか。
「どうした?」
「な、なんでもない」
 妙に顔が赤いが突っ込むのは野暮だろうか。その表情を見ただけで何を言われたのかは
ある程度予測がつくけど…あ、だめだ…俺まで赤くなってどうするんだよ。
「たかあき、顔赤いわよ」
「お前だって」
「へ、変な想像してないでしょうね」
「そ…そっちこそ」
 奇妙な沈黙。いかんいかん、由真の誕生日をちゃんと祝ってやるのはこれからだって
言うのに気まずくしてどうするんだ。
「こほん…風呂沸いてるけど先に入るか?」
「う、うん。そうしよっかな」
「俺はその間に片付けをしておくから」
 俺からバスタオルを受け取り、居間を出ようとしたところで由真は立ち止まって振り向いた。
「覗く?」
「…覗かないから早く入って来い」
「はいは〜い」
 俺が真っ赤になったのを楽しそうにしながら由真は出て行った。
やれやれ…気を取り直してさっさと片付けてしまおう。
284眠り姫へのエンゲージリング(7/8):2006/08/28(月) 00:06:07 ID:wl8ltrYR
 由真が上がった後に風呂に入り、俺が上がった頃には9時を回っていた。
彼女の隣に座ると、髪からかすかにシャンプーの香りが漂う。
――同じものを使っているのに、使ったのが由真というだけでどうしてこうも鼓動が早くなるのか。
「たかあき、ちょっと寒い」
「ん、クーラー利きすぎてた…か?」
 訊ねた矢先に由真は俺の肩に頭を預けてきた。
いつの間にかお互いの身体が触れて、由真の体温を直接感じている。
「…お前、寒いって嘘だろ」
「うん。嘘」
 あっさり言う。こうやってくっつくための方便だったのか。
吐息を感じられるほどに俺達の距離は近く、心臓はバクバクいっている。
そのくせこのまま離れたくなくて、俺は由真とくっついたままでいた。
「…そうだ、由真」
「なに…?」
 眠いのか、由真は薄目を開けて俺の呼びかけに応える。
「31日になったらさ、渡すものがあるんだ」
「プレゼント…?」
「ああ。今年の夏はちょっと頑張ったぞ」
 ぎゅっと。
目をつむったまま由真は俺の手を握って嬉しそうに微笑む。
「なんだろ…」
「あと3時間経ってからのお楽しみだ」
「うん、じゃあ待ってる――」
 やがてすうすうと静かな寝息が聞こえてきた。
身体を俺に預けたままで、贈られるプレゼントを心待ちにしながら夢の中へ。

「おやすみ、由真…」
285眠り姫へのエンゲージリング(8/8):2006/08/28(月) 00:06:54 ID:wl8ltrYR
 ――由真と二人だけで過ごす夜。
もっとも彼女は未だ夢の中にいて、起きているのは俺だけだけど。
由真の温もりを感じているうちに鼓動はおさまって、代わりに穏やかで
幸せな気持ちに包まれていた。
(おっ…)
 顔を上げた時、時計の針が12時ちょうどを指した。
8月31日――由真の17歳の誕生日。
「由真、31日になったよ」
「う、ん…」
 呼びかけるが起きる気配はない。
仕方ないな…ちょっと残念だがこっそりプレゼントを渡すことにしよう。
朝起きたらどんな顔をするだろうか。

 戸惑うのか、喜ぶのか、呆れるのか。
いずれにせよ夜が明けるのが楽しみだ。

(さてと…)
 ポケットの中に忍ばせていた小箱を取り出して開く。
その中の台座にはまっている指輪は、この夏休みにバイトをしてようやく
買ったものだ。
 エンゲージリングなんて呼べるほど高い指輪でもない。
でも俺にとってはそれくらいの意味を持つ。
「うん…ぴったりだ」
 薬指にはまった銀色の指輪。
ずっと一緒にいてくれた君へ、俺の感謝の気持ちと…愛する気持ちを。



「誕生日おめでとう、由真――」
286278-285:2006/08/28(月) 00:09:38 ID:Nzzs4c0M
過疎ってるので、というわけじゃないけど久々に投下。
まだ31日じゃないのでフライングですが。
287名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/28(月) 02:30:32 ID:FIKcjokm
由真キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
288RUI:2006/08/28(月) 02:39:16 ID:FIKcjokm
読んだ!!
おもしろかったです(´・ω・`)
289名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/28(月) 21:31:38 ID:ifj9wRH6
コレ見て宿題する気になった。ありがと。
290名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/30(水) 22:35:50 ID:4AMfoMld
お前らの大先輩である白詰草氏が葉鍵で叩かれてる。
ちょっと不利なので擁護しに行ってくれないか?頼む

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1142690477/
291名無しくん、、、好きです。。。:2006/08/31(木) 14:33:58 ID:tM7cjiDI
>>290
白詰草って誰よ
292名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 19:06:30 ID:/x64qw5n
由真のSSいいですねぇ〜!
よかったぜ!
293名無したん、、、好きです。。。:2006/09/11(月) 20:13:09 ID:+ac4fD/h
いまさらですが、9月6日のこのみの誕生日はスルーでつか。

しばらく誕生日の人はいませんねぇ
(それを言うなら、るーこはどうすんの!)
294名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/12(火) 20:41:27 ID:/PFv/pUr
>>291
葉鍵板TH2系スレのあらしの中心人物
295名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/12(火) 20:46:37 ID:/PFv/pUr
証拠提出
885 名前:白詰草 ◆Pd9gE38GCU [sage] 投稿日:2006/09/11(月) 23:36:29 ID:hyhiLR370
荒らしをこっちに返されても…。削除版に持っていく?

886 名前:名無しさんだよもん[] 投稿日:2006/09/11(月) 23:40:05 ID:yyEnYjSoO
>>885
荒れる一番の原因が何言ってるの?

887 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/11(月) 23:42:09 ID:0+mUFQ5d0
>885
さっさと消えろ、荒らしの基地外儲
他人に迷惑かけるのがそんなに楽しいか
296名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/15(金) 06:05:23 ID:jUj+Zqvq
由真かわいいよね( >∀・)b
297宣戦布告:2006/09/16(土) 13:18:36 ID:5lojDWb8
本日9月16日より、「最萌トーナメント煉獄スレ」と「小牧愛佳」とは戦争状態にあることを宣言する。

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1158312506/29-34
298宣戦布告:2006/09/16(土) 13:19:17 ID:5lojDWb8
なお、我々「最萌トーナメント煉獄スレ」が望むのは、あくまでフェアな戦いである。
我々のみが多重投票の方法を知り、「小牧愛佳」陣営がそれを知らないとしたら、
それはフェアな戦いとは言えないであろう。
そこで、貴様等にも多重投票の方法を教えておく。

◆多重投票の方法(パソコン)

簡単に言えば、
 「コード発行所で投票コードを取得」
 ↓
 「モデムのつなぎ変え」+「Cookie(クッキー)の削除」
を繰り返すだけだ。これで投票コードをたくさん取得できる。

モデムをつなぎ変えてもIPアドレスが変わらない人は、残念だが多重投票はできない。
IPアドレスが変わったかどうかは、2chのIDが変わったかどうかで判断できる。
2chのIDが変わっていれば、IPアドレスも変わったということだ。

【モデムつなぎ変えの方法】
 これは各人の環境によって異なるだろうが、よくわからない人は、
 モデムの電源アダプタを一度抜いて再度入れればよい。

【Cookie(クッキー)削除の方法】
 Microsoft Internet Explorer(IE、マイクロソフト・インターネットエクスプローラ)を使ってる人なら、
 ツールバーから『ツール』→『インターネットオプション』→『Cookieの削除』をすればOK。
 あるいは、コード発行所のCookieだけを個別に削除したい人は、最後の『Cookieの削除』の代わりに、
 『設定』→『ファイルの表示』→名前が「LK2/」というCookieファイルを見つけて手動で削除すればOK。

なお、 決勝トーナメントに入ってから、コード発行所のルールが改正され、
同一プロバイダからの投票コード取得の上限が厳しくなった。
たくさんコードを取得したいと思ったら、取れるときに貪欲に取っておくことだ。
また、パソコンと携帯を併用した多重投票も可能であるが、
同じ携帯からの複数コード取得は不可能である(携帯を複数用意するしかない)こともつけ加えておく。
299名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/23(土) 00:20:33 ID:DFrR1+LN
あげ
300名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/24(日) 14:02:04 ID:lFjxu349
300
301名無しくん、、、好きです。。。:2006/09/24(日) 14:10:06 ID:4nC8jN7g
300
302真下 このみ:2006/09/24(日) 16:07:15 ID:0+Co3iuh
このみも花火タンのちんこしゃぶりたいよぅ〜♪
303RUI:2006/10/02(月) 17:59:06 ID:GjrQXLJA
途中までだけど、UPしますた。続きは、気長に待ってて欲しいっす(´・ω・`)
http://story.awalker.jp/toheart2/
304名無したん、、、好きです。。。:2006/10/02(月) 23:49:18 ID:v5VO9jCW
どこかで雄二が「オレたち、友達だよな」というのはタダのバッドエンドで、
本当の雄二エンドは別にあるという話があったけど、その上がある。

つ図書委員長エンド
(18禁ネタなので詳細は書かない)
305名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/06(金) 20:48:24 ID:RGfNGV+h
age
306名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/07(土) 20:35:50 ID:fnmIfSQP
>303
面白かったんだけど気になる点が2〜3ほど。
まず、呼称だけど

 たか坊→タカ坊
 たか君→タカ君
 たま姉→タマ姉
 たまお姉ちゃん→タマお姉ちゃん
 雄君→ユウ君


執事のダニエルはいつのまに来栖川を乗っ取ったんだ?
307名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/07(土) 23:43:57 ID:MBWJaqO5
>>306
ダニエルって社長じゃなかった?
308名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/08(日) 04:10:14 ID:fFauigpa
>307
由真シナリオやればわかるとおもうが……
長瀬一族は執事の家系(メイドロボ技術者もいる:長瀬のおっちゃん)で、ダニエルは来栖川社長が執事につけた愛称。
前作のセバスチャンとは従兄弟か何か。
309名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/09(月) 13:33:38 ID:BBVgcLGD
age
310名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/09(月) 13:35:23 ID:BBVgcLGD
>>308
OK。ミスった。全消去も視野に入れて、対策を考えます
311名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/09(月) 16:06:29 ID:Ee3vppV8
>310
来栖川社長を来栖川の執事に替えればよくね?
312名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/12(木) 13:59:41 ID:pFtts7EM
303
前と変わらずよかったぞ!b多少の設定間違いは気にすんな!話がおもしろいからおK。
313名無しくん、、、好きです。。。:2006/10/27(金) 07:51:35 ID:i40ORo6C
314名無したん、、、好きです。。。:2006/10/31(火) 12:35:53 ID:6zmAWoyc

143 :名無したんだよもん :2006/10/30(月) 21:26:47 ID:3+TRMy6O0
タカくんはこのみのもの!
ゼッタイだれにもわたさないんだからぁ!
・・・って、聞いてる?タカくん?

貴明:(反応なし)

タカくん!タカくん!氏んじゃやだあ〜
315名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/07(火) 22:42:53 ID:/KLQKKe7
316名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/07(火) 23:53:34 ID:JvF6ANv5
317名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/08(水) 00:27:46 ID:4BKWILS7
318名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/08(水) 07:50:30 ID:CAOdWXeZ
319名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/08(水) 23:45:43 ID:pTHJsP2+
320名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/09(木) 00:38:42 ID:5bguJcJj
321名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/09(木) 12:29:06 ID:xs/kg8YF
321
322名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/09(木) 23:16:35 ID:Qlk6KNQK
323名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/10(金) 00:26:44 ID:p9ZtwAku
324名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/10(金) 07:56:03 ID:3PJyrDiS
325名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/10(金) 22:27:48 ID:YIBS7JA4
326名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/10(金) 23:59:45 ID:cVroMpgn
327名無したん、、、好きです。。。:2006/11/13(月) 12:34:28 ID:Vfm4Yp5F
流れをぶった切ります!

「これがホントのミステリー」
このみなんよ!
ラブラブなんよ〜
運命的なんよ。

トドメはこちら。
タカちゃんはヘンタイなんよ。
女の子を押し倒して、ムネにさわったんよ。
328名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/29(水) 01:21:23 ID:dsgp7yD+
age
329名無しくん、、、好きです。。。:2006/11/29(水) 21:42:27 ID:5AEK2mh8
330名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/02(土) 07:29:36 ID:MlG/7Vxq
331名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/02(土) 12:29:49 ID:/IWsPKuG
332名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/03(日) 07:41:08 ID:wckLmMn1
333名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/05(火) 23:51:08 ID:6puNWcPl
334名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/06(水) 23:46:35 ID:2HBEBx0D
335名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/07(木) 12:09:42 ID:fgLyhokI
336名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/07(木) 23:35:11 ID:d8vMM0rC
337名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/12(火) 03:48:45 ID:ow0Vd2wk
              / ̄ ̄ ̄ ̄|
             /  _,..----、 \
             /北大路珍宝堂| 北大路珍宝堂本日開店!
             |______|  しゃぶれよ国民!つーか根元までしゃぶり倒せ!
             i,__ i ‐=・ァj,ir=・゙)                     ______
             lk i.l  /',!゙i\ i                     |69・顔射 350$
             ゙iヾ,.   ,..-ニ_ /                     |けつまんこ 450$
             Y ト、  ト-:=┘i   ,                   |おしゃぶり 250$
              l ! \__j'.l                     , |・・・・・・・・・・
              」-ゝr―‐==;十i      _,r--――、        |・・・・・・・・・・・
             .ト、.j.!レ' ̄三! >ーr‐r‐r‐<  _,.r<"「 l_____
     ____,..r--r=ヾヽj,r―'"≦__ ̄ ̄r―'"\\ \r",.-、, \
    ∧   ト-'‐'"三へ>ト-‐'"~    ゙i  /       \\(_.人 ヽ._ ヽ
    レ'へ._ノi 「 \ ゙l //./",「 ̄/ / /       ヽ-ゝ. \   /
    レ'// .l l   ! ! i/./ ./  /  / /         ,(  \  ノハ
    レ'/  .! !   i ゙'!  ̄ ∠,  /  ヽ._        ,ター  '",〈 !
   /゙" ,r'" .l‐=ニ゙,「l ! 「 ̄!. /./   ー=='       .l.ト、. -‐'"/!.ト,
  /   .ト-  ゙ー―┘!└‐'='-‐"   ヽ._/   、     トミ、 ̄ ̄._ノノli\
338名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/12(火) 08:10:27 ID:R+6SG9pk
339名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/13(水) 23:58:06 ID:Dj+3QTA2
340名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/14(木) 12:23:12 ID:XKHXT/IJ
341名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/15(金) 23:47:18 ID:sZ57LEgf
342名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/16(土) 23:58:35 ID:VrXSk1pb
343名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/17(日) 20:45:51 ID:jJbXqFe7
344名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/21(木) 03:24:17 ID:pNN9OMj4
345名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/21(木) 12:20:26 ID:iA8yIn8q
346名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/22(金) 03:22:45 ID:aAW1SBWo
347名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/22(金) 08:16:00 ID:8DoavsU7
348名無しくん、、、好きです。。。:2006/12/29(金) 23:32:28 ID:g7rsZVoQ
349名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/05(金) 12:35:22 ID:ZoII56cV
350名無しくん、、、好きです。。。:2007/01/13(土) 08:15:05 ID:OrjjDyPM
350
351名無しくん、、、好きです。。。:2007/02/01(木) 23:37:36 ID:x5s5rFUK
age
352名無しくん、、、好きです。。。:2007/02/13(火) 07:00:54 ID:QT36YF2U
河野家オワタ
353名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/14(水) 00:07:10 ID:llitW4Ee
354名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/16(金) 17:48:33 ID:NavDo0Dk
355名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/17(土) 22:54:49 ID:zsZera50
今更だけど今まで見てたw
SS書いてた人、皆GJ!!!!!
>>114-129
読んで人的に一番よかったw委員ちょ信者だからだろうかwGJ!!!!!
356名無しくん、、、好きです。。。:2007/03/29(木) 12:27:57 ID:axZ9LEUk
357名無しくん、、、好きです。。。:2007/04/11(水) 01:16:17 ID:5auXgkHK
358名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/12(土) 13:24:06 ID:88M4Eimt
(´・ω・`)○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
     このレスをみたあなたは・・・3日から7日に
     ラッキーなことが起きるでしょう。片思いの人と両思いになったり
     成績や順位が上ったりetc...でもこのレスをコピペして別々のスレに
     5個貼り付けてください。貼り付けなかったら今あなたが1番起きて
     ほしくないことが起きてしまうでしょう。
     コピペするかしないかはあなた次第...
     ○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○。・。○
359名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/13(日) 15:18:53 ID:te/V9CRG
http://story.awalker.jp/toheart2/

お久しぶりです(´・ω・`)
360名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/29(火) 20:41:31 ID:WdJMXvy7
「貴明!」
「あ?雄二。」
「なんだ?元気ねーなあ。なんかあったか?」
「勃たねえんだ・・・」
「・・・ま、まあ気にするな。委員長もそれくらいで嫌ったりしないだろ。」
「お前はどうなんだ?最近彼女できたんだよな?俺の知ってる女か?」
「ああ、よ〜く知ってる女だぜ!」
「誰だ?」
「いくのん」
「・・・はああああああああああああ!?」
361名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/30(水) 08:13:18 ID:XG6Wxd4d
(゚д゚)
362名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/30(水) 11:56:23 ID:bE3uPZN8
郁乃「そのぉ…できちゃった…みたい…」
363名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/30(水) 13:03:32 ID:XG6Wxd4d
それは無理ってもんだ
激しい運動はできないはず
364名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/30(水) 22:08:23 ID:iPqnCqVT
>>361
こっち見んな
365名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/31(木) 00:58:36 ID:wjzSVP9H
>>363
いやぁ、ヤり方にもよるぞ
366名無しくん、、、好きです。。。:2007/05/31(木) 20:25:43 ID:UAi87XxZ
じゃあダッチワイフでやってもらおうか
367名無しくん、、、好きです。。。:2007/06/01(金) 13:25:20 ID:ESt63imU
>>366
一人でヤってな
368名無しくん、、、好きです。。。:2007/06/22(金) 18:53:28 ID:4pw9KaIA
やらせんよ
369向坂 環 ◆u8YacDeZBU
          /^ \  ,ヘヘ、
          l/, 二=‐宀ー〜-、
         l /          ` ヽ、
         l i /  /  / i  i    ヽ
        l i/ i /  /  iハ i i    ヽ
.        l i  i/  _厶L/_i iハi i  i  i
        | レi i ///∠/ノ i ナナトi i  i|
.       l  |i  i レ欠}f^   テマト||  i  ハi
        l  ハ  ト`辷ソ    .じ:ソソ  iノ / i   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       l  l  i ヽ     、 ゙^' /ノ ///  <  ん〜、我が性春、順風満帆
.      l  i  i  i|\  ー'  , イ「//     \
        l ii, ---  ∩-r 'i´ハ i |          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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