綾波レイの日記 3冊目

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1名無しが氏んでも代わりはいるもの
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綾波レイの日記 2冊目 : http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1122215092/
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綾波レイの日記 : http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1094990781/
2名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:13:39 ID:???
関連スレ
アスカの日記 4冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1111761234/
【LAS】アスカの日記 8冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1146989124/
碇シンジの日記 2冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1123423924/
葛城ミサトの日記 2冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
霧島マナの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131333238/
渚カヲルの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1119309531/
3名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:14:00 ID:zRL4dTmu
余裕のよっちゃんちゃんこ鍋で2ゲット!
>>3お前今まで何のために生きてたの?wwwwwwwwwwwwwwwwwww(冷笑
2ゲットしやすいこの時間に、それはないおwなんて憐れなwwwwwwwwww(蔑笑
>>3は糞どころか、ゴミにすらなれない、
努力してゴミになろうとしても、ゴミになれないゴミ以下の存在です。
どうか一切相手しないようにお願いします。
>>3は自分自身の存在があまりにも、ちっぽけで、愚図すぎて、
自分自身の存在価値が皆無なことに気づいてないのですwwwwwwwwwwww(嘲笑
>>3はカワイソウな人なのです。無能です。存在価値の欠片すらありません。
それに気づかせるためにも、皆さん☆人間様☆(←ここ注目!!)の協力が必要ですw(爆笑
もし、書き込む場合は【 死ね、ゴミ以下の存在よ 】と書き込みましょう。
実績があります。そうすることいよって救われた人間も、
いや、失礼…そうすることによって救われたゴミ以下の存在も
数百います。ゴミ以下の存在からゴミに格上げされた物になりますwwwwwww(苦笑
どうかゴミ以下の存在のためにも私の云うことを良く聴き、
この文の上記に記載した通りの行動を実行してゴミ以下の存在を一物でも多く
救いましょう。どうか、引き続き、この後も…
このゴミ以下の存在>>3を決して軽蔑の眼差しではなく……………………、wwww(失笑
生暖かい眼差しで見守っていきましょう。

あっ!まだ生きてるのか>>3よ、ここまで書かれて生きていけるって凄いなwwww(恥笑
4名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:15:52 ID:???
>>1
自分乙
職人まち
5sage:2006/08/10(木) 02:15:53 ID:zRL4dTmu
6名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:15:58 ID:???
オレはどういう対処をとればいいんだ?
7名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:16:59 ID:???
笑えばいいと思うよ
8名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:21:06 ID:???
オマエラシネ
9綾波さん(4人目):2006/08/10(木) 02:44:59 ID:???
>>1
乙。新スレ祝い投下!
10綾波さん(4人目):2006/08/10(木) 02:46:39 ID:???
リナレイの日記

私が第三新東京市に引っ越してきてから、もう一ヶ月が経った。
ここも、来年の遷都で、新たな首都になるんだけど、今はまだまだ発展途上な感じ。
この街もこれから人も増え、大きく変わっていくだろう。
私もこの街と一緒に成長していきたいな。

なーんて、優等生的な発言を、どっかでしてみたいモンだけど、当の私といえば、
どちらかと言うと、っつーか確実に、劣等生の仲間入りしてるんだよね・・・。

転校初日こそ、かろうじて始業時間に間に合ったものの、
それ以来、登校日数にして26日間、1日たりとも始業に間に合った日はない。
要するに26日間連続して遅刻ってコト。マジにゲロマズな状況だよね・・・。

私が、今一番、天に感謝している事は、編入先がミサト先生のクラスだったこと。
他の教師だったら、私なんて、何言われているかわかんないけど、
ミサト先生なら、私が九時半頃、教室に入っていっても、
「おおう、レイ、今来たかあ。今日は早いなあ。」
とか言って済ませてくれる。嫌味じゃなくて、ホントにそう思ってるっぽいんだよね。

だから私はミサト先生に、随分救われている。
大好きだよミサト先生、愛してるわ。
三年生になるとき、クラス替えがあるとしても、私を引き取ってね。
って言うか、ミサト先生のクラスに引き取ってもらえないと、マジでヤバい・・・。

ホント、このままだと、将来、進学しようが就職しようが、
「遅刻を直さなければ、我々に未来はない!」
ってカンジだよね。・・・あ、「我々」ってよか「私」か。

ふう。・・・・・・「鳥になりたい」と真剣に願った14歳の夜・・・・・・。
11綾波さん(4人目):2006/08/10(木) 02:48:15 ID:???
まあ、そんなわけで、当然今日も遅刻したんだけど、私が教室に入ったとき、
ちょうど、遠足のバスの席決めをしていた。

遠足の時は、数名のグループに分かれて行動するんだけど、どういうわけか、
私は、アスカ&委員長との3人組。転校初日のいきさつを考えれば、不思議な
組み合わせにも思えるけど、まあ、人生なんてそんなもんだ、という事にしておこう。

で、だ。クラスの男子グループで、人数が奇数なのは、「パンツ覗き魔」こと、
碇君のグループだけ。女子のグループでは私たちだけ。バスの座席は二人がけ・・・。
そうでーす!私達の中から、後々冷やかしの対象とされる「ペアシート」が出来ちゃうのです!

でも、「誰がペアシートに座るか」なんて、話し合いで結論が出るわけないじゃない。
碇君とアスカに「あんたら、ペアシートでいいじゃん。」と言っても、本人達は
ムキになって否定しちゃうしで、もう大変。

そこでミサト先生が助け舟を出す。面倒臭くなっただけかもしれないけど。
「ようし、グループの三人ずつでジャンケンだぁ!負けたもの同士を、今日から
 二年A組公認カップルとする!」
って、カップルとかそういう問題じゃないんですけど・・・。周りから見りゃそんなモンか。

そして・・・負けたよ、私は。これで私は、少なくともこのクラスが解散するときまで
みんなのネタとして生きていかなければいけないことが確定・・・。そして相方は・・・
男子でジャンケンに負けたのは碇君だった。他の二人よりは、まだいいわ。

相手が碇君と決まったら、アスカが恨めしそうな目で、こっちを見てくる。
「やっぱり代わろうか?」って言ってあげても、
「イヤよ、私はジャンケンで勝ったんだから!」って意地張っちゃって、バカだねえ。
そんなこと言ってると、私が碇君を誘惑しちゃうよ!

でもね、私にとっての問題は、「遠足の日に遅刻せずに済むか」なんだよね・・・・・。
12名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:50:46 ID:???
GJ!!&wktk
13名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:52:29 ID:???
なにこの巧さw
しかも、ペアシートとか発想が若い。(´・ω・`)ウラヤマシス
14名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 02:53:12 ID:???
>>1 乙!

>>10-11 GJ!
15名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 05:01:39 ID:???
>>1
乙です。
前スレは埋めた方がいいの?
16名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 05:52:34 ID:???
>>1乙(゚∀゚)
17名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 06:17:59 ID:9dgmSWPT
1スレ立て乙!
これでしばらく日記が続くぅ!
三冊目は何か新展開でワクワク…w
18名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 09:36:29 ID:???
綾波レイが日記なんて書くわけねーじゃんあほか
19名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 10:15:56 ID:???
だいたい「リナレイ」ってなんだよ
勝手に作んなボケ
20名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 11:18:44 ID:???
20だったら上の2人禿げる
21名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 11:22:11 ID:???
>>20

……あの、とりあえずオメ。
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 17:53:36 ID:???
自演はイラネ
23名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 18:04:30 ID:???
きもいねこのスレ
24名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 18:49:16 ID:???
綾波が日記書いて何がおかしいの?
25名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 18:51:06 ID:???
>>10-11
GJ
26名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 22:32:58 ID:???
オッテュ
27名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 22:55:30 ID:???
13月32日
今日は葛城三佐の家に泊まらせてもらった。
暑かったので風呂に入ろうとしたら碇くんがいた。
碇くんが入浴を阻止してきたけど、早く入りたかったので
碇君の制止を押し切り風呂に入った。
すると碇くんの性器がムクムクと大きくなっていった。
多分、あれが勃起症状というのね。
この前保健で習ったわ。
28綾波さん(4人目):2006/08/11(金) 00:16:09 ID:???
新スレ祝い投下その2
29綾波さん(4人目):2006/08/11(金) 00:17:44 ID:???
二人目レイの日記

朝、小鳥のさえずりで目を覚ます。
私の部屋の窓際で歌っているのは、碇君がプレゼントしてくれたカナリア。
この子がこの部屋に来てから、もうすぐ一ヶ月が経とうとしている。

「これでもう、『私には何もない』なんて、言えなくなったからね。」
碇君は、この鳥をここへ連れてきた時、ちょっと照れたような笑いを浮かべて言った。
その時に私は、「人が気を遣ってくれる事」が、嬉しい事だとはじめて知った。
それまで殺風景で無機質だったこの部屋に、生命のぬくもりが感じられるようになった。

鳥かごの水を替え、新しい餌を補充してあげる。
もし、私がいなかったら、この子は水も飲めず、餌も食べられず、
きっと、早いうちに死んでしまうだろう。
この子の命の為にも、大切な私の「イノチ」。

午後、ネルフ本部へと向かう。
碇司令に呼び出されているので、まずは、真っ直ぐに司令室へと向かう。
碇司令には、いつも色々な事を尋ねられる。
「学校はどうだ?」、「体調はどうだ?」、「食事にしようか?」。

私には、本当のところ、碇司令がどんな人なのか、よくわからない。
その「わからない」部分や、私に対する優しさが、時々、怖く感じることもある。
でも、一つだけ確かにいえること、目の前の碇司令が、私を大事にしてくれる事。

「はい、問題ありません。」
私がそう答えると、碇司令は決まって穏やかな笑顔を見せてくれる。
碇司令にとっては、私に大事無い事が、一つの安心材料なのだろう。
私を気遣ってくれる心の為にも、大切な私の「イノチ」。
30綾波さん(4人目):2006/08/11(金) 00:19:33 ID:???
パイロット控え室では、碇君とセカンドが戯れている。
正直言って、騒がしいのは好きじゃない。
他人には、干渉するのも、干渉されるのも嫌い。

そう思っていたはずだった。でも今では、そうとは言い切れない自分がいる。
この二人といると、不思議な感じがする。
口早にまくし立てるセカンドに、気弱な態度の碇君。
そこに、何か口を挟みたいのに、必要以上のことを言葉に出せない自分。

二人の会話の内容は、得てして穏やかなものではないのに、その空間が
さわやかな感じがする。この感じが、きっと「不思議な感じ」の正体。

セカンドは私にも構わず「口撃」を仕掛けてくる。
碇君は頼りない顔で、私に助けを求めている。
この三人の関係の中で、私の役どころは、かなり面倒な位置にあるんだと思う。

私の代役は、多分、誰にも出来ない。私が死んだら代わりなんていない。
失いたくない時間の為にも、大切な私の「イノチ」。

夜。部屋の中に一人。小鳥は、もう巣箱に入り込んでいる。
以前から別に、一人の部屋に孤独感を感じたことなんてなかったけど、もしも今、
この小鳥がいなくなったら、きっと、そういう感情に苛まれるんだろうなあ、と思う。

明かりを消し、ベッドに潜り込む。
夜の闇は、私に色々な事を想う時間を与えてくれる。
ネルフの事、セカンドインパクトの事、エヴァの事、使徒の事・・・・・。
碇司令の事、冬月副司令のこと、葛城三佐の事、赤木博士の事、セカンドの事・・・・・。
・・・・・・碇君の事・・・・・・。

何よりも自分自身の為にも、大切な私の「イノチ」。
31名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 00:43:27 ID:???
>>27

綾波さん、Cool!!
32名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 00:50:56 ID:???
>>29-30

綾波さん、Sweet!!
33名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 11:46:02 ID:???
おつ
34名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 21:44:50 ID:???
オッテュ
35名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 21:52:23 ID:???
一本書いてよろしいですか?(ヘボですが)
36名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 22:01:40 ID:???
≫35
書いてください。
3735=木魚達磨 ◆NxvZ1ED60Q :2006/08/11(金) 22:06:32 ID:???
11月23日(金)
あの時以来私は変化している。
外に対して見せる物もなく、開いてもいなかった私が外に少しだけ開いている。私は外に見せる<ナニカ>を持ったのか?
もしそうならそれは碇君から貰った物。ヤシマ作戦の時に。
碇君。碇指令の息子、エヴァのパイロット、サードチルドレン、14歳。
こんなことを書いても意味が無い。こんな物碇君の何をも表していない
そもそも日記を書くこと自体無意味。だけど書きたい。残したい。私と碇君の関係の痕跡を。碇君を想うと胸が高まる。初めての感情。分析不可能、私にはわからないこれが碇君がくれた<ナニカ>?
私は何を書いているの?日記?本当に?日記なら私は今日本部へ行き戦闘訓練をしたそれだけ。今日は碇君とも会わなかった。そうだリツコさんが新兵器がが出来たと言っていた。ならば明日あたりに碇君それにアスカも来るだろう。
アスカ。彼女も私の変化の一因。でもここ書かない
明日碇君に会える、決まってすらいない事で喜べる。誰も明日碇君が来るとは言っていない。だけど嬉しい、喜べる。これが人の心、始めての私の心。明日に備えてもう寝よう。なにに備えるのか分からないけどそうした方がいい、きっと。
38木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/11(金) 22:10:59 ID:???
これだけです。駄文ですいません。m(__)m
できれば感想等を書き込んでいただけると嬉しいです。
39名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 22:13:19 ID:???
まず適当なところで改行を
40木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/11(金) 22:40:20 ID:???
>>39
すいません携帯のものででも分かりました。
41名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/11(金) 22:50:31 ID:???
>>37
>>39氏の仰るとおり、まず改行ですね。
読み易くなるだけでなく、印象も変ってくると思います。

本編付随モノですか?
レイの揺れる心の続きが見たいですね。頑張って。
42木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/11(金) 22:56:09 ID:???
>>40
ありがとうございます!!
これからも頑張って行きます。
それから改行には気をつけます。
43木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/12(土) 00:36:22 ID:???
11月24日(土)
新兵器の訓練及び説明のため本部へ朝から出勤命令が出ている。
おそらく碇君も来る。
何故だか楽しみだ。こんなに感情の原因は?
きっと碇君から貰った<ナニカ>。
とにかく碇君に会える、これから本部へ行く。


碇君には会え無かった。
新兵器は零号機用のみが開発され他機の開発はまだだそうだ。
残念。碇君に会えると―
何故?残念?やはり私は変わってきている。
残念なんて言葉、感情が自然に出てくることがその証拠。
これは私にとっての良い変化?悪い変化?分からない。
怖い。始めての物に触れる恐怖。
私にとって掛け替えの無い<ナニカ>も怖い。
44木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/12(土) 00:40:48 ID:???
普通は怖くない?
これが普通?
普通とは?
アスカみたいなのが普通?
彼女は怖くない?
分からない。私には。
私とアスカの違いは?
代わりがいること?
代わりがいると何が違う?
書くことに意味がある?
でも書きたい。何故?
誰かに聞きたい。
でも誰に?
でもこれは自分で解決すべきこと。
誰かに聞くべきことではない。
自分で解決してこそ意味がある。
いつもそうしてきた。全てを自分で解決してきた。
全てを自分で背負って。
そう。碇君といるとそれが少しだけ軽くなる。
碇君が私の背負ってる物を消してくれる。それが碇君の力 。
碇君、逢いたい。逢って私を………

45木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/12(土) 00:41:44 ID:???
続き

普通は怖くない?
これが普通?
普通とは?
アスカみたいなのが普通?
彼女は怖くない?
分からない。私には。
私とアスカの違いは?
代わりがいること?
代わりがいると何が違う?
書くことに意味がある?
でも書きたい。何故?
誰かに聞きたい。
でも誰に?
でもこれは自分で解決すべきこと。
誰かに聞くべきことではない。
自分で解決してこそ意味がある。
いつもそうしてきた。全てを自分で解決してきた。
全てを自分で背負って。
そう。碇君といるとそれが少しだけ軽くなる。
碇君が私の背負ってる物を消してくれる。それが碇君の力 。
碇君、逢いたい。逢って私を………

46木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/12(土) 00:47:07 ID:???
すいません2回書き込みをしてしまいました。m(__)mごめんなさい。
>>38氏、>>40氏の忠告に従って改行に気をつけてみました。いかがでしょうか?
感想などがありましたら書き込んでいただけるとありがたいです。
47名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 00:54:28 ID:???
>>39でしたたびたびごめんなさいm(__)m
48名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:00:38 ID:???
か・・・葛藤してますねえ・・・。
49名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:05:56 ID:???
落 月 成 日(通常営業)

かねてから碇司令が建ててくれていた牛小屋が、今日にも完成する。
今まで、「危険だから」と、建築現場に近寄らせてくれなかった碇司令も、
今日ばかりは、落成の瞬間に立ち会わせてくれるそうだ。

「レイ、中に入るときには一応これを被ってくれ」
碇司令にヘルメットを渡された。もうすぐ完成するなら、そんな危険は無いのでは、
と疑問に思いつつも、私を気遣ってくれる司令の御厚意に感謝する。

建物の外観は、洒落たログハウス風に仕上がっていて、とても牛舎には見えない。
私はこれを見て、逆に不安になった。碇司令は、自分が建てているのが
「牛小屋」であると言う事を理解しているのだろうか?

建物の中に入ってみると、私の不安はやや的中。普通の人の考える牛小屋とは
かけ離れた造りになっている。碇司令のセンスは、やはり常人には理解できないようだ。
人間用の休憩室の片隅で、碇君が内装の仕上げ作業を行っている。
見学しているだけの私は、ヘルメットを被るよう促されたのに、
碇君は作業をしているにも拘らず、被っていない。司令、碇君のことも心配してあげてください。

そんな碇君に「お疲れ様」と声を掛けると、振り向いた碇君は、
恨みのこもった様な視線を私に突き刺した。そんなに牛小屋建設の手伝いが嫌だったのかしら?

後で本人に直接聞いた話だが、碇司令の強権発動により、
碇君の机やベッドや本棚が、牛小屋の材料として徴発されたそうだ。
碇君は、「いや、綾波が悪いわけじゃないんだけど・・・。」とは言ってくれたけど、
ごめんなさい碇君、私の牛たちのために・・・。

碇君が最後のクロス張りを終えたところで、作業工程は全終了。
これで、古く、汚くなった現・牛小屋ともお別れね。
50名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:09:43 ID:???
建物としては、牛舎及びその附帯設備、それに、さっきは休憩室だと思ったが、
人が二人位までなら、寝泊りできるような施設が一体化した構造となっている。

牛舎の窓にカーテンが付いていたり、牛の洗い場に風呂桶が付いていたりと
いささか不可解な点が目に付くが、建物の造りとしては、とても素人の作とは思えない。
これからは、碇司令の事、「大工の源・・・ゲンさん」と呼ぼうかしら。

それにしても、この建物、私が第三新東京市に住んでいた時に使っていた部屋よりも、
遥かに豪華だ。この辺りに人生の理不尽さというものを感じる。

「見てくれ、レイ。この制御システムを。このボタンでバリヤーが張られる。
 これならテポドンが飛んできても、お前のかわいい牛達を護ってくれる。
 それに、こっちのボタンは迎撃ミサイルで・・・。」

碇司令は建設計画当初、予算が出せないと言っていたが、こんな施設を造るための
予算など、それは通るはずが無いだろうと痛感。ミサイルにお金がかかってしまったため、
碇君の机やベッドや本棚は・・・。やっぱりごめんなさい、碇君。

「レイ、せっかくだから私は、今夜ここに泊ろうと思う。お前もどうだ?」
・・・おばけが出たら嫌なので、初日に泊るのは遠慮しておく。これでも木造なんだから
火の元には注意してくださいね、と言い置きして、私達はそれぞれの部屋に帰る。

深夜、私の不安はまたまた的中。ネルフ本部内に火災報知機が鳴り響く。
火の元はやはり中庭の牛小屋。皆が続々と現場に駆けつける。
炎上する牛小屋の前には、ランニングシャツにパンツ一枚で立ち尽くす碇司令の姿が・・・。
焼け跡から逃げ出したこの姿。これからは、碇司令の事、「はだしのゲンさん」と呼ぼうかしら。
炎を見上げる碇司令の瞳は、少し、潤んでいた。

幸いにも、私の牛達は、碇司令の判断で、無事に避難していた。それにしても、
ミサイルを配備し、火災報知機を設置し、消火栓を付けない碇司令のセンスって・・・。
やはり、常人には計り知れない。
51名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:32:37 ID:???
ふむ、ドリフ的展開でもある。乙
52名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:46:27 ID:???
ゲンドウが「大工」「はだし」二人のゲンに。

「大工」は「はだし」をオチにするための前振り。
二段ボケに感心しました。
53名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 01:49:53 ID:???
8月○日

最近世間は夏休み。かくゆう私も夏休み。特に出かける用事もない時は、一日部屋から出なかったりもする。

カビてしまうわね。
クーラーもない亜熱帯のようなこの部屋で、一日何をしているかというと、特に何もしていない。

一人でずっといるせいか、その日一日、一言も声を出していなくて、なんとなく「…あ」と声がでるのを確認してみたり、わざと咳こんでみたり。

そんなことってないかしら
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 02:23:39 ID:???
>>49
昭和の漫画、ゲーム等々に詳しい綾波さん、いつも乙です。
>>53
たしかに、レイってあの部屋で、寝てる以外のときは何してたんだろ。何もないから
何もできないよな……。
55名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 16:44:54 ID:???
オッテュ
56名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 18:01:00 ID:???
>>53
GJ

「せきをしてもひとり」
57木魚達磨 ◆/xfDUi9Ob6 :2006/08/12(土) 18:55:18 ID:???
>>37,>>43,>>44の続き
11月25日(日)
今日は碇君と逢った。本当に嬉しい。
ただの日常が今日程輝いていた事は無い気がする。
今は私のベッドも机も何もかもが愛しく見える。
錯覚だと分かっていてもいつもと全てが違って見える。
でも変わったのは私。もしかしたら今なら笑えるかもしれない。
昨日まで感じていた恐怖も今はない。
私は今まで何を思い悩んでいたんだろう、というぐらい全てが無い。
碇君に逢ったら全てが消えていたのだ。
きっと碇君に逢う事が私の中で全てを解決するスイッチなのだろう。
私は凄い勢いで変化してている。
これは良い変化。今はそう断言できる。
あと少しで皆のように明るいなれるかもしれない。
全て碇君のおかげ、明日碇君に感謝と私の心を伝えるたい。
私の心、碇君を愛し碇君の全てを理解する心。
碇君は自分を理解する人を常求めている。
碇君は孤独だったから。
私が碇君の心を埋める。碇君のために。
明日全てを伝えよう。碇君をこの部屋に呼んで。
そのたにまず部屋をかたずけけよう。


これが使徒との戦闘に於いて綾波が自爆し命を落とす1日前の日記である。
58名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 01:26:42 ID:???
3日分の日記を残して死んじゃうのは寂しすぎ!
59名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 03:46:54 ID:???
8月○日

暑い。容赦なく気温があがる今日この頃。部屋の中も常時35度をキープ。
食欲もなく、口にするのは水か氷ばかり。完全に夏ばてだ。

赤木博士から、体重維持の司令が出た。
セカンドはアイスの食べ過ぎで減量だとか。
「あなた達、人に観られていることを忘れないで。常に気を引き締めてちょうだい。」

はて(・д・?)
60名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/14(月) 09:45:26 ID:???

心も体も引き締める・・全裸で
61乱入者:2006/08/15(火) 01:08:48 ID:???
◎月○日
暇だったので碇司令の家を物色・・・基 点検に行ってきた。
司令宅に到着、早速部屋に入ると私のポスター アルバムがビッシリ
写真は嫌い、私は私 人形でもなければ写真でもない、でも他の人は私の写真を見て私だと言う
だから 嫌い
取り敢えず私関連の物は廃棄する
62乱入者:2006/08/15(火) 01:17:32 ID:???
机の引き出しを開けると鍵の掛かった小さな箱を見つけた、箱には[青春の思い出]と書いてある。
なんだろうと思い 鍵を探してみたけど見つからない
暫らくして(赤木博士なら何とかしてくれるかも・・・)
と思いつく
早速行ってみよう。
63乱入者:2006/08/15(火) 01:28:12 ID:???
研究室に到着。
赤木博士に小箱を見せ 「司令の部屋でこんな物を見つけたんですが・・・」まで話したところで既に作業に取り掛かっている博士
普段はクールなのに司令の事になると・・・侮れない・・・
64名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/15(火) 01:28:31 ID:???
8月○日

お盆だからといって、私は特にお盆らしいことはしていない。

参りに行くお墓も、帰省する所もない。何もすることがない。

きっと明日も、今日と同じ事をするだろう。
朝起きて、ぼーっと。
昼寝して、シャワー。
夕飯の、買い出し。

毎日一緒。暇と暑さとの戦い。
65乱入者:2006/08/15(火) 01:42:27 ID:???
待つ事約1時間 ようやく鍵が開いた
箱の中には[TAKADA BAND]と書かれたCDが入っていた。
生憎ここには之を再生する機器が無いが 赤木博士の表情を見ると凄く懐かしい・・・でも少し悲しそうな表情だった。
66乱入者:2006/08/15(火) 02:01:28 ID:???
歌が聴けないのは少し残念だったが 一緒に入ってた歌詞カードを読んでみると
青く光る月の下で 束の間に微笑みあい

月影冴え渡り 別の夜に誘う
等、月に関する部分が目に入る。
月は好き 決して地球と1つにはならないのに 離れる訳でもない
星空にあるのに 月の周りに星はいない
陽のように強い光はないけど
67乱入者:2006/08/15(火) 02:06:38 ID:???
挨拶も無しに勢いで書いてすみませんm(__)m
只でさえ陳腐な文才なのに携帯から書くという暴挙ですが 大目にみてやって下さい。
68名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/15(火) 21:33:42 ID:???
まあがんがれ
69名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/15(火) 21:56:48 ID:???
70名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 00:50:24 ID:???
教 月 育 日

第三新東京市が壊滅して以来、私達チルドレンは、
義務教育期間中であるにも拘らず、学校に行く機会を失っている。
それを危惧した葛城三佐は、本部の1室を自習室として提供してくれた。

「わからないコトがあったら、私にでもリツコにでも訊きなさい。」
葛城三佐は、その辺りまで世話を焼いてくれた。「サービス、サービスぅ」の
看板に偽りのない人だ。が、ここには、一応、大学を卒業しているセカンドも
いるので、彼女に訊けば大概は解決できるだろう。余計なお世話よ、ばあさん。

そのセカンドだが、この部屋に来た時はほとんど、「日本語の学習」と称して、
私の貸してあげた「魁!!男塾」の単行本を読んでいる。
それを読んでも、使える日本語の学習にはならない気もするが。不安だ。

今日、私が自習室に行ってみると、しょんぼりとした姿のセカンドが目に入った。
どうしたのかと尋ねてみると、漢字の読み方を間違えて、碇君にバカにされたという。
何でも、「既出」を「ガイシュツ」と読んで、大笑いされたそうだ。
セカンドに、「ねらー」としての素質を、垣間見たような気がする。

「そりゃあねえ、アンタ達みたいに、生まれたときから日本語を使っていたわけじゃ
 ないんだから、日本語力が劣るのは仕方ないとは思うけど、よりによって、あの
 バカシンジに笑われるとは・・・クヤシイ!」
自分でバカだと思っている人に、バカにされているようじゃ、もう、あなたもおしまいね。

「・・・・・漢字教えて・・・・・。」
えっ、何を言い出すの?
「アンタに教わるのも嫌だけど、バカシンジにバカにされるよりは、まだマシよ。
 だから・・・・・漢字教えて・・・・・。」
わかったわ。そこまで言うなら、あなたの気持ちに応えて見せましょう。
71名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 00:51:56 ID:???
そもそも、漢字のどんなところが苦手なのか、尋ねてみると、
やはり、「既」と「概」のように、似た漢字、というか、「へん」やら「かんむり」
が付いただけで、別字となってしまうあたりが腑に落ちないようだ。

ただ、それでも漢字の覚え方として、「部首+α」という考え方は有効であると
思うので、少し例に出して説明してみる事にする。

「西」にある「木」は「くり(栗)」、「西」にある「米」は「あわ(粟)」、ついでに
「西」にある「山」は「きくえ」、と教えてみた。さすがに、
「ちょっと日本語知ってるからって、ナメないでよね!」などと怒り出すかと思いきや、
「へえー、アンタって、意外と物知りね。『きくえ』なんて文字があるんだ。
 んで、それってどういう意味?」
 
そう、私は物知り。テレビで知識を得ているし、女子アナ、好きだもの。
でも、意味については訊かないで・・・。もし、どうしても意味を知りたいと言うのなら、
民明書房の書籍を探してみるといいわ、と強く勧めると、
「え、民明書房ってホントにあるんだ!今度本屋に行ったら、探してみよっと。」
・・・・・・もう、何も言う事はないわ。

あまりに素直に、私の言う事を聞いているセカンドを見ているうちに、
私は、もう一つ、余計な事を教えてあげたくなった。

確か昭和24年に、古くから使われていた、複雑でややこしい漢字に変えて、
簡素な略字などが、新たに正字体と定められた。そのために、あまり使われることの
なくなった、古くからの字体を、「旧字体」というのだとセカンドに教え込む。

さらに、「惣流」の「惣」は旧字体で、現在では「物」と書くのが正自体であると
教えると、セカンドは全く疑う素振りも見せずに、真剣にメモしている。

セカンドが何かに署名する機会が訪れるのが楽しみだ。
72名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 02:43:30 ID:???
オッテュ
73名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 06:10:53 ID:???
某スレじゃん乙
74名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 10:23:37 ID:???
あいかわらず、ロクなコトをしない綾波さんw
75名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 22:17:15 ID:???
男塾読んでる奴に、「そんなん読んでても漢字の勉強にはならんぞ」って、
小さいとき言い合ってたわw
ここの綾波さん絶対昭和生まれに違いない
76名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/16(水) 23:46:40 ID:???
;月@日

夏休みなのでアルバイトをすることになってしまった。
家で寝ていたいのに・・・。

面接へ行くと部屋に入るなり
「人の目を見て話しができない奴はいらんぞ」
と言われて面接官の目を見ながら話をしようとすると
「何メンチ切っとんじゃコラ!」
目を伏せると
「人の目を見て話せやボケが!」
以下無限ループ

「初対面の人間にいきなり喧嘩を売るような奴はいらん!帰れ!」
と怒鳴られて面接終了。

後日「根性があるので採用したい」などと書かれた採用通知が届いたけど断った
77名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 01:00:18 ID:???
嘘 月 偽 日

この間、碇司令が全焼させた牛小屋は、再び建て直され、
既に、牛達は引越しを済ませている。さすがに今回は、迎撃ミサイルや
バリヤーは装備されていないものの、元々そんなものは誰も望んでいなかったので、
特に困りはしない。その分、再築時には居住性を重視したようで、とても居心地がいい。

そんなわけで、最近は私が牛小屋で過ごす時間が、以前にも増して増えているのだが、
今日、私が居間でくつろいでいると、珍しくセカンドが訪ねてきた。
一体どういう風の吹き回しかしら?

「シンジがケーキ作ったんだけど、ミサトがさ、アンタにも分けてあげなさい、って。」
それはいいけど、何故あなたが持って来るの?
「よくわかんないんだけど、ミサトが私をご指名でさ。そういえば、最近ミサトに
 変なこと言われるんだよね。私が漢字を書く練習してたら、いきなり『アスカ、運送業
 でも始めるの?』なんて。」

そうか。きっとセカンドは書いてしまったのね、「物流・アスカ・ラングレー」。
その業務第一弾として、ケーキの宅配を依頼されたようだ。
今のセカンドの説明からするに、、葛城三佐も、本気とも冗談ともつかない事をする人だ。

それにしても、私の言う事をそのまま信じて、自分の名前の漢字を間違えて覚えるなんて、
何か、セカンドがとても可愛らしく思えてきた。これを「萌え」というのかしら?

「そうそう、この間、アンタに教えてもらった漢字なんだけど、その中に、ミサトも
 知らない字があったみたいでさあ。『これ、なんていう字?』なんて訊かれちゃった。
 『西』の下に『山』と書いて『きくえ』と読むんだよ、って教えてあげたら、
 目を真ん丸にして驚いてたよ、ミサト。」
それは多分、白眼視されているのよ。違う意味で驚いてもいただろうけど。
78名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 01:02:27 ID:???
無邪気に喜んでいるセカンドを見ているうちに、何だか、自分がとても悪い事を
しているような気がしてきた。気がしてきたというより、悪い事をしたわ、私。

でも、今更、嘘を教えたなんて言い出せない雰囲気。
セカンドには、私が言った事を信じ込んだまま生きていってもらうべきなのか・・・。
恥を掻く事も、ひとつの勉強になるかもしれないし・・・。

でも、根が善人な私は、セカンドに真実を打ち明ける事にする。
ひょっとしたら人間サンドバッグにされるかもしれないという覚悟を持って。
・・・大丈夫、私にはもう一体だけスペアの体がある、問題ないわ!ちょっと怖いけど。

あの、惣流さん?実は、「西」の下に「山」と書いて「きくえ」と読む、あれは嘘なの。
セカンドは、最初、キョトンとした表情を浮かべていたが、やがて、
「えーっ、ひっどーい、そうなの?『西』の下に『山』と書いて『うそ』と読むの?
 あちゃー、ミサトに間違った読み、教えちゃったよ。」

・・・・・どうしよう・・・・・。

時間をかけて説明し、ようやくセカンドに、自分が騙されている事に気付いてもらった。
セカンドの顔が見る見る紅潮していく。思いっきり怒鳴りつけられるかと思いきや、
「・・・うわ、恥ずかしい・・・。ミサトのことだから、アタシのバカっぷりはもう、
 ネルフ中に広まってるよ・・・。もう、アタシ、お嫁に行けない!!」
恥かしいのはわかるが、セカンドがお嫁に行けるかどうかは、まずは性格の矯正が先決と思われる。

責任を感じている私は、状況を打破するべく、一計を講じる。セカンドのプライドを賭けた
6時間のドラマが始まる。次回「瞬間、言葉、重ねて」、明日決行予定。

追記 今日はセカンドに自己紹介を教えた。自分の身分、名前を言った後、「〜である」
   と付けると、締りもいいし、威厳もあるわ。ちょっとやってみなさいよ!
   「私が特務機関ネルフ・セカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーである!!」
   ・・・・・それでよし。
79名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 01:22:45 ID:???
魁!女塾!!
80名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 01:43:16 ID:???
綾波さんも「死亡確認!」されても生きてることが多いタイプだもんな。
81名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 04:46:33 ID:???
アスカかわいいなWWW
乙です
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/17(木) 20:22:39 ID:???
あいつらスペアいくつあるんだろな?
83名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/18(金) 01:47:23 ID:???
オッテュ
84名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/18(金) 20:26:28 ID:/niEByYU
腹月痛日

 今日は、朝帰り、
帰宅して制服をきたまま、ベッドに横になる。
とたんに、下腹部に激痛が走る。
「うっ・・・」
とりあえず、トイレに駆け込んでみた。
「うんうっ!」
歯を食いしばり、何度か力んだ。
「う・・・・出ない!」
1時間ほど力み続けたが、痛みが増すばかりだった。
何か薬でもと思い、一旦トイレから出る。
ドアを閉め、しゃがみ込んだ。

{ガチャ}
玄関のドアが開く。
「あ、綾波、入るよ」
碇君が来てくれたみたい。ここ数日ずっと学校に行っていないので、
またプリントなどを頼まれて、登校前に届けにきてくれたのだろうか?
「綾波、おはよう。しゃがみ込んで、どうしたの?」
心配してくれているようで、声をかけてくる。
「い、碇君。私、お腹が痛くて・・・駄目、立てない・・・」
「大丈夫?、何か思い当たることって、ないかな?」
碇君が言う思い当たること、考えてみた。もしかしたら、
ここ数日の実験と、データ取りのためにトイレに行かせてもらっておらず、
赤城博士にトイレに行きたいといったら、正座をさせられて折檻されたんだった。
「碇君、ここ数日トイレに行ってない、ううん、行かせてもらってないの」
「綾波が便秘になるなんて。想像できない・・・」
「碇君、お願いがあるの、聞いてくれるかな?」
私の切実なお願い、碇君は聞いてくれるだろうか?
85名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/18(金) 21:56:15 ID:???
つ 正露丸
86名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/18(金) 23:12:53 ID:???
>>85
それは逆効果。下痢止めじゃんか。
87名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 02:14:39 ID:???
綾波、今日は携帯なの?
88名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 09:26:08 ID:TA87dcvR
>>27
最高です!
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 11:33:00 ID:/z2dz05y
90名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 12:03:36 ID:yaiDmGZu

皰月皰日皰曜日

朝起きたら顔にたくさんのニキビが生えてました。
その内の一つを爪で採って食べてみたらスゴく美味しかったので毎日集めていきたいです(^^)
91名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 13:33:59 ID:???
↑精神病院逝け
92名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 15:33:01 ID:???
菌月類日
朝、鏡を見たら頭にキノコが生えていた。
青くて卵に似た不思議なキノコ。
ためしに味噌汁に入れて食べてみると、実に美味しい。
明日も生えてくればいいと考える。

頭月茸日
今日もキノコが生えていた。
食卓が豊かになるのは良いことだが、これは何と言うキノコなのだろう。
ネルフの資料室で探してみたがそれらしいものはない。
でもこの色はどこかで見た記憶がある。
もう少し調べてみることにする。

食月用日
何でも、キノコの本体は菌糸と呼ばれる糸状の器官で、これは光合成をせずに周囲から栄養を吸って生きているのだそうだ。
キノコの部分は胞子を撒き散らす花のようなものらしい。
しかし、菌糸が住んでいるのは私の頭なのだから、キノコの材料はつまり私の肉体である。
タダでおかずが増えると喜んでいたが、どうやら自分の足を食べているようなものであった訳だ。
明日碇君に相談してみようと思う。
93名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 15:34:59 ID:???
胞月子日
碇君に相談すると、我が家の居住環境に文句をつけ始めた。
風通しが悪く、高温多湿の環境をキノコは好むのだという。
言われてみればその通りなので、二人で部屋の大掃除を始めた。

笑月茸日
部屋はさっぱりと掃除され、頭にキノコが生えることもなくなった。
碇君の見立てが正しかったと言うわけである。
しかしあのキノコは何と言うキノコだったのだろう?
標本くらい採っておくべきだった。

子月実日
最近気になることがある、髪の毛が薄くなっている気がするのだ。
当初気のせいかとも思っていたが、事態は確実に進行しているらしい。
近いうちに私のあだ名が「副司令」になるのはほぼ確実だ。
ごっそりと抜けた髪の毛を見ていて、不意にどこかで見た色だということに気づく。
そういえば、キノコの本体は糸状の器官だと書いてあった。
すると、つまり、これは、まさか──
94名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 16:34:21 ID:ZCfY3KiT
腹月痛日 その2
「あの、碇君。お願いがあるの」
もしかすると断られるかもしれない。でも、こうしてもらわないとこの激痛からは逃れられない。
「碇君、私のベッドに下に、大きな注射器があるの。それを使って、私に浣腸してくれる?」
そういうと、案の定碇君は困惑した表情で言った。
「か、浣腸って、そんな・・・」
「無理を承知で、お願いしているのよ。でないと、私・・・」
「わ、わかったよ。と、とりあえず注射器持ってくる・・・」
碇君、ごめんなさい。でも、私のお願い、聞いてくれるみたい。
「綾波、これでいいのかな?」
言って持ってきたのは、長さ30センチほどの大きな注射器だった。
「それでいいわ。洗面器にお水汲んで、ここでやってくれるかしら?」
「水でいいんだね?それじゃぁ」
碇君が洗面器にお水を汲んで持ってきてくれる。中の水を注射器で吸い上げる。
「綾波、ほ、本当に、いいのかな・・・ゴクッ・・・」
碇君、ちょっと緊張しているみたいね。
「それじゃぁ、お願いするわ」
碇君、私のスカートを捲り、パンツを脱がす。
「それじゃ、綾波、覚悟はいい?」
覚悟?そんなこと言っている場合じゃないのに・・・頭の中でそんなことを考えていると、
お尻に注射器の先端を入れ込まれた。
「あうううっ!」
私、小さな悲鳴を上げてしまった。そういえば夕べ赤木博士にもスカートを捲られパンツを脱がされ、
指を肛門に入れられて、痛い思いをしたのを思い出した。冷たい水が、少しずつ私の腸内を満たしていくのがわかる。
「綾波、痛かった?ごめん。」
碇君、心配して声をかけてくれた。
「私、大丈夫よっ、うっ・・・」
急にお腹の痛みが増し、トイレに行きたい衝動に駆られる。
「碇君、ごめんなさい。私、そろそろトイレに行きたい」
「あ、うん。じゃあ注射器抜くね」
注射器を抜いてもらい、私はまたトイレに駆け込んだ。
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 16:43:24 ID:yaiDmGZu

皰月皰日皰曜日

今日で毎日蓄めていたニキビが1000を超えました。
タッパーも満杯で汁が食欲をそそる匂いを発しているので卵に混ぜて食べることにしました。
酸っぱくて塩っぱい味がしてご飯に掛けると良く合います(^^)
ビンのなかにもたくさん詰まっていて赤黄色なのでジャムのようにヨーグルトと一緒に食べました。
鈴原クンのオデコがニキビだらけなので今度食べてみたいです(^ ^)
96名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 20:30:33 ID:???
キノコはいいけどニキビはキモすぎです><
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 20:32:57 ID:ZCfY3KiT
腹月痛日 その3
10分後・・・
トイレから出て、手を洗う。
ベッドの脇にあるいすに、碇君が腰掛けて待っていてくれた。
「綾波、お腹痛いの治ったかな?」
色々心配してくれていたみたいね。
「もう、大丈夫よ。お腹痛いの、治ったわ。どうもありがとう」
「え、あ、それなら、良かった・・・これ、昨日先生に頼まれて持ってきた
プリント。置いていくね。もう、学校行くから」
「あ、ありがとう。その、もしよかったら、今日の学校の帰り、また寄ってくれる?
話したいことがあるの」
「あ、うん。わかったよ。じゃ、帰りにまた、それじゃ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい。その・・・気をつけてね」
 そんな言葉を交わして、碇君は学校に行った。
どうして私、「行ってらっしゃい」なんて言ってしまったのかしら?
脱衣所に行き、制服や下着、靴下を脱ぎ捨て、碇君がこの間買って置いてくれた
ボディーソープ、という物を持ってお風呂に行く。
お風呂から出て着替えたら、ひと眠りしておこうと思った。
今日、また碇君に会える。碇君に話したいこと、たくさんある。
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 22:04:31 ID:???
職人の群雄割拠状態だなw
と 元乱入者の俺が高見の見物こいてみる
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/19(土) 23:35:11 ID:yaiDmGZu
綾波が10分もウンコしてたんかw
100名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 00:22:56 ID:???
>ベッドの下に用意
レイは常日頃から浣腸趣味、と見た。
101名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 14:55:37 ID:K8IteJ3J

皰月皰日皰曜日

今日朝シャワーを浴びようと思って服を脱いだら、
背中にスゴく大きいニキビらしきものが生えてました。
爪で採ろうとしたら出血が激しくて痛かったのですが、
苦労のかいあって3〜4cm代のニキビを採ることに成功しました。
嗅いでみるとラーメンみたいな匂いがしました(^^)
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 15:09:27 ID:???
いくら綾波でもニキビ面はキモい
103名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 15:31:12 ID:???
いや、なにがどうなろうと受け止める自信がある
104名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 16:04:02 ID:???
洗顔しろよww
105名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 20:17:30 ID:z5cDOeB0
腹月痛日 その後

 お風呂から上がり、着替えてベッドに横になる。
とたんに、睡魔に襲われ、私は眠りについた。

「綾波、入るよ」
学校が終わったのかしら。碇君が来てくれたみたいね。
さっき一度起きたのだけど、まだ眠いので、冷蔵庫からドリンクを出して飲んで、
その後また眠っていたの。でも熟睡はできなくて。
ベッドのそばまで碇君が来る。起こしてくれるのかなと思って、私はベッドに寝転んだまま。
「綾波、気持ちよさそうに寝てる。綾波の寝顔、けっこうかわいいな」
そういえば、碇君、ベッドで私が寝ているのを見たことないんだよね。
「ゴクッ」
ん?なんか音が聞こえたような・・・
「綾波は寝ているし、前からやってみようと思っていたんだよね〜」
碇君、私に何をするの?あ、頭を撫ではじめたみたい。ぼさぼさの私の頭髪なんてなでたいのかな?
「ここも、触っていいかな?」
そう言って、今度は私の足を触り始める。
「綾波って、以外に脚細いな〜」
そんなことばかり。碇君こそ以外にHなのね。うっ、痛い。そんなに足首強く掴まなくても。
「っつ!、痛い・・・」
ボソッと呟いて、私は目を開ける。目を擦りながら起き上がる。碇君、ちょっと驚いた様子。
「あ、綾波、その、ごめん」
「私の寝込みを襲うつもりだったの?、もう学校終わったのね?」
「あ、綾波が学校終わったら来てほしいって言うから、来てみた」
朝に私がお願いしたこと、ちゃんと守ってくれたみたい、嬉しいけど、何言わずに体を触られるのは迷惑。
「来てほしいって言うのはお願いしたわ。でも、体を触ってほしいとはお願いしてないわ」
「綾波、本当にごめん」
「まぁ、いいわ。今度から、ちゃんと声かけてから触ってくれる?」
「え!?」
碇君、今度は目を丸くする。私は碇君に今何時なのかを聞いて、ベッドから離れた。
106名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 20:35:06 ID:???
ageんな。
107名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 20:37:07 ID:???
シンジ君気持ち悪いわね
108名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/20(日) 21:17:42 ID:???

皰月皰日皰曜日

寝る前にお風呂に入ろうと思ったらお尻に大きなできモノが生えてました、
嫌だわ・・・・・
こんなモノもし司令に見られたら・・・
とりあえず爪ではさんで採ってみました。
採れた塊を指でこねくってると、
血と脂が混じったネバネバの汁から酸っぱい匂いがするので舐めてみました。
それからというものハマってしまい頬っぺたや鼻やオデコに生えるニキビを食べずにはいられません(^ ^)
109名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 00:23:06 ID:???
綾波のイメージダウンを狙ったアスカ厨か
はたまた他スレで散々叩かれたハルヒ厨か・・・
どっちでも善いがageんな
110名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 00:34:16 ID:???
するー汁
111名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 02:49:15 ID:???
☆月○日

今日学校をさぼった。なんとなく具合が悪い気がして。
今時間、みんな勉強してるんだなと思ったら、なんだか勝った気になる。誰にも勝っていないんだけど、この優越感はなんだろうか。
たまにさぼるのは悪くない、リフレッシュも大切だ。
ただ、司令にどう説明しようかが悩みどころだ。
体調不良なんて言ったら、あれこれ調べられてしまう。
病気ではなく、何かそれらしい病はないだろうか。
・・・あ、あった。女特有の体調不良が。

司令を前にして、うまく伝えることができるのかが問題だが・・・
112名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 06:47:31 ID:E6xoESUf
お前ら綾波のウンコや生理には何も言わないのにニキビだけには過剰に反応するよなぁwww
113名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 08:26:46 ID:???
俺がsageる
114名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 10:23:22 ID:???
職人さんまち
115名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 11:15:26 ID:???

皰月皰日皰曜日

今日学校でクラスメイトの洞木さんと目が合ったの。
それで前から木にはなっていたけど、
洞木さんの顔ってニキビがすごいの。
だから放課後呼び出して洞木さんにニキビを集めていることを打ち明けたの。
洞木さんは快く手伝ってあげると言ったの。
嬉しくて嬉しくて前祝いとして家に帰ったら蓄めてあるニキビをビニールに入れて、
ビニールを圧縮させた後その先端を切ってクリームみたく絞りだしてパンにつけて食べたわ(^^)
116名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 11:45:13 ID:???
ヤベェ、何かニキビが崇高で美味なモノに見えてきた
117名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 21:41:05 ID:???
あげ
118名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 18:36:55 ID:5yIp9TvB
綾波のお尻のデキモノ・・・ハァハァ
119名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 19:08:42 ID:???
ニキビを溜めるの意味が分からないんだけど。
どこを溜めるんだ
120名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 19:31:06 ID:???
>>116
クラウザーさんに取り込まれたか
121名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 20:53:59 ID:???
ニキビの粒をビンとかタッパーに蓄めるって・・・オェ
122名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 22:47:45 ID:???
>>115ある意味荒らしよりたちわるいよ
123名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 22:54:23 ID:???
キノコの綾波がかわいい
最初の三つで終わっとけばよかった
124名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:16:03 ID:???
○月○日

家の食料がなくなったので、久しぶりに外に出ることにした。

久々の外出で、なんとなくいつもより念入りに髪をとかして、少し気合いを入れて部屋を出たとたん、水溜まりに足がはまった。

やっぱり、明日行くことにしよう。
125名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:44:27 ID:???

顔月鼻日額曜日

今日もいつものようにニキビを爪で採っていたら、
ニキビの芯みたいな所から茶色い小さな粒みたいなのが血と汁に混じって見えたの。
よく見てみるとダニのような虫だったの、
他のニキビにも同じ虫が入っていたわ。
そういえば昔ニキビの中にはダニがいて寝ている間に出てくるって聞いたことがあったわ、
きっとそれがこのダニのことなのね。
さすがにダニには少し引いたけれど、
ニキビの魅力には勝てなくて食べてしまいまうわ。
明日洞木さんのニキビにもいるか調べてみます(^ ^)
126名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:51:28 ID:???
邪 月 鬼 日

私の言った冗談を真に受けて、妙な日本語を身につけてしまったため、
ネルフ中に、そのバカっぷりを広めてしまったセカンド。
小指の爪ほどの罪悪感を感じた私は、セカンドの汚名をそそぐため、一計を講じた。

今日は、その作戦の決行の日。昼過ぎにセカンドと合流した私は、
その足で司令室を目指す。こんな時頼れるのは、なんといっても碇司令・・・のハズ。

その碇司令だが、私達が司令室に辿り着いた時、冬月副司令と、今ではネルフの
オペレーター兼、牛の世話係兼、塗装工(要するに雑用)となっている日向二尉
と共に、大型スクリーンに映し出されている映像に見入っていた。

それは野球の映像なのだが、野球に疎い私には、それが録画されたものなのか、
今行われているものなのか、よくわからない。
「早実・・・か。」冬月副司令が碇司令に呟いた。

碇司令は、遠い目をしながら、私達に向かって言った。
「早実、と言えば・・・。私が十歳の頃だったかな、王選手が756号を打ったのは。
 それを見て、えらく感動した私は、ある決心をしたのだが・・・。」
そんな話、どうでもいいわ。私が、露骨につまらなそうな顔をすると、
「・・・まあ、その話はまたそのうちに・・・。で、どうした、レイ?」

待ってました♪私は、持参した紙を碇司令に見せる。その紙には、「西」の下に「山」
という、私が勝手に作った文字が書かれている。そして、私はぼそっと呟いた。
「・・・きくえ・・・。」
碇司令は、キ○ガイを見るような目で私を見ている。私は頑張って、瞳を潤ませもう一度言った。
「・・・きくえ・・・。」
「・・・・・わかったよ、レイ。この字は『きくえ』だ・・・・・。」
うふふ。どう、見た?セカンド、これが「大強引流奥義」よ!
127名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:52:59 ID:???
やり取りを見ていた冬月副司令が引きつっている。私は、潤んだ瞳のまま
濃い茶色のカツラを被り、副司令に向かい「きくえ」と囁きかける。
「ユ・・・ユイく・・・・・『きくえ』だ!!」
うふふ。どう、見た?セカンド、これが「大強引流秘奥義」よ!
この時、副司令に向けられていた碇司令の視線は、とても殺気立っていた気がする。

とりあえずここでは、この二人さえ懐柔できれば良いのだけれど、
ついでだからもう一人の雑魚も懐柔しようと試みる。ところが、日向二尉には、私の
「うるうる攻撃」が通用しない。仕方ない、見せてやるわ、私のニュー・ブロウを・・・。

私は日向二尉の耳元にフッと息を吹き(Blow)かけ、そのまま耳元で囁いた。
「あ・・・あふぁ〜気持ちい・・・・『きくえ』。」
うふふ。どう、見た?セカンド、これが「フラッシュ・ピストン・マッハ・ふ〜」よ!
ユー・アー・ノット・マイ・マッチ!


数十分後、非常召集が掛けられ、発令所へと人々が集まった。
スクリーンに例の文字「きくえ」が大写しになり、碇司令が用件を話し始める。
「早速だが・・・この文字を知っているものはいるか?」

ここで意外なことが起った。何と、葛城三佐が元気良く挙手したかと思うと、
「ハイ、ハ〜イ!それは『きくえ』で〜す!」
「葛城君、どうしてそれを・・・・・?」
「いや〜、実はアスカに教えてもらったんですけど・・・。それにしても驚い
 ちゃいました。アスカが、私も知らないような漢字を知ってるなんて・・・。」
この瞬間、ネルフ一の大バカ者は、葛城三佐に決定したようだ。良かったわね、セカンド。

「そうか、今から公示しようと思っていたのだが、実は、この『きくえ』という文字の使用を
 文部科学省に申請した。来年度にも正式に常用漢字として内閣告示があるだろう。」
この瞬間、ネルフ一の大バカ者の座は、碇司令が奪取したようだ。
128名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:55:21 ID:???
GJ
129名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 01:33:38 ID:???
オッテュ
130名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 10:34:38 ID:???
GJGJGJ!
131名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 22:38:18 ID:???
優月綾日

 お腹が減ってきた。
朝方、今まで私のお腹の中を支配していたものがすっかりなくなり、
少し食欲が出てきたみたい。
「碇君、もしよかったら、夕飯一緒にどうかしら?」
碇君、少し驚いているようね。
「夕飯って、言われても。一緒に食事とか、したことないし・・・」
確かに、一緒に食事したことはない。でも、色々話とか、聞いてもらうのには
一緒に食事をするのがいいのでは?と思っただけ。
「でも綾波、どこで食事するのかな?綾波って、結構好き嫌いあるから」
場所とか、私の好みを気にしているわけね。私も問題なく食べられる物があるでしょうに。
「今は食材がないの。一緒に買い物、行ってくれる?」
「いいよ。一緒に行こう」
「わかったわ。着替えてくるから、ちょっと待っててくれる?」
「か、鞄置いていってもいいかな」
好きなところに置いてくれればいいのに。今はここには私と碇君の二人きり。
遠慮することなんか、何もないのに。
あの時、{お互い不器用だけれど、一緒に生きていこう}なんて言ったのは誰だったかしらね。
着替え・・・碇指令や赤城博士から送られてきた服、どこに行ったのかしら?
普段は学校の制服か、パジャマしか着ないから。。。隣の部屋に置いてある、洋服ダンスをあける。
送られてきていたたくさんのシャツとスカート。これとこれと、スカートはこれでいいかしら?
服なんて買ったことない。買うのは、下着と靴下くらい。まぁ、消耗品でしょ。
余所行き、なんてあっても、私には関係ないと思ってた。
お仕置きと折檻の関係で靴下なんて普段は黒しか履かない。でも今日は他の色にするわ。
132名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 22:58:26 ID:???
優月綾日 其の弐
「碇君、お待たせしました」
「え、あ、うん。綾波・・・と、図書館とか行くんじゃないんだから・・・」
「他にも服はあるわ。といってもほとんどがスカートだけど、色違いとか、そういうのしかないわ」
シャツは普通の半そでのワイシャツ、スカートは薄い青と白の斑模様みたいなのを選んだわ。
確かに、図書館とかに行くようなもの静かな人かと思われても仕方ないわね。
「それじゃ、行きましょうか?」
そう言って、私は玄関に行き、下足入れから黒の革靴を出して履く。靴下は白を履いたわ。
「え、綾波、ちょっとまってよ〜」
碇君、早くしないと置いていくわよ。初めての碇君とのお買い物、ちょっと楽しみ。
エレベーターのボタンを押して、碇君が来るのを待っていた。
「綾波、待ってよ、走るのも早いよ」
息を切らしながら、碇君が走ってくる。そういえば私、あんまり走ることないのにどうして
走るの早いのかしら。わからない。
 エレベータが着たので、碇君と2人で乗り込む。一緒に乗るのは本部で乗るときくらい。
でも今まで1度か2度しかなかったと思うわね。
特に話をすることもなく、エレベータは1階ロビーに着く。
マンションを後にして、近くのスーパーに向かって歩き出したわ。
下り坂になっているので、ここからは市街地が見える。でも碇君や葛城三佐がすむマンションはもっと高いところに
あるのだけれども。
「綾波が行くスーパーってどのあたりにあるのかな?学校の近くとか、かな?」
「そこまで行かないわ。すぐ近いところにあるのよ。そこの信号、まっすぐ行かずに左に行くのよ」
「それじゃぁ、綾波の後をついていこうかな」
学校に行くときは、いつもとなりを歩くのに。信号を左に曲がると、私がいつも行くスーパーが見える。
「こんな近くにあったんだ。いつもはミサトさんと街のスーパーで買い物するから、わからなかったよ」
133名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 23:39:40 ID:???

 優月綾日 其の参
「いらっしゃいませ」
スーパーに入ると、店員さんが挨拶してきた。
「碇君。私、麺類が食べたい」
私は殆ど不規則な生活。お米なんて炊かない。麺類なら、お鍋煮立てて食べたい麺を茹でれば
いつでもできるもの。
「綾波、ガーリックラーメンのチャーシュー抜きなんて言わないよね?」
それが食べたいなら最初からそう言うわよ。
「・・・うどんやそばって言ったら?」
「にんにく入・・・痛い!」
碇君のほっぺたをつねってみた。私が食べるのは全て必ずにんにくが入るものだと思っているのね。
屋台ラーメン店でにんにくラーメンチャーシュー抜きなんて言ったのが失敗だったかしら?
私は乾麺売り場に向かう。そばやラーメンなら家にたくさんある。でも今日は他のものが食べたいな。
碇君が私の後をそそくさとついて来る。
「綾波って、カップ麺とか食べたり・・・いっ!」
いい加減、想像で私を見るのはやめてもらえないかしら。ため息が出てきたわ。
「私が食べたいのを好きに選んで構わないわね?帰ったら、一緒に作りましょ」
「は、はい・・・」
お湯を注げば、カップ麺なんてすぐにできるでしょうね。でも、そんなのばかり食べても体に良くないでしょ。
きっと、碇君は私がインスタント食品やレトルト、冷凍食品ばかりで生活していると思っているのね。
そういうの、便利でしょうけど、何か物足りないのよね。それとも、私が料理なんかしないとでも思っているのかしら。
碇君、貴方に疑問が出てきたわ。それは後で聞くとして。
私は、うどんと、パスタ麺を取って碇君が持ってくれているかごに入れる。お好みでお揚げもいれた。
「あとは、お野菜ね」
野菜売り場でねぎを手に取った。碇君はイチゴやメロンを手にとって、かごに入れる。
「あ、綾波。しょ、食後にこういうの、どうかな?って思って」
「碇君が食べたいって言うのなら。どんな味がするの」
イチゴやメロンなんて、食べたことない。でも、イチゴはともかく、2人だけで食べるのに、メロン1個は多すぎないかしら?
134名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:08:19 ID:1X/xw1q/

皰月皰日

ニキビは脂っぽいものと寝る前にチョコレートを食べると出来やすくなるそうです。
なので今日は板チョコ5枚と顔にバターを塗って寝ることにします(^ ^)
135名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:28:40 ID:???
優月綾日 其の四

辺りを見回すと、小さな器に入った、カットメロンというのが置いてあった。食べ切りサイズ、というのが売りみたい。
碇君に、1個のメロンを売り場に返して、カットメロンにしてほしいと話した。
「碇君、他に食べたいものとか、ある?」
「ないよぉ〜」
ちょっぴり不貞腐れたりしてない?そんな気がする。
レジに並ぶ。お財布出して、お金を払う。私が支払いをしている間に、買ったものを碇君が袋に入れておいてくれたみたい。
「他に買うものがないなら、家に帰るわね」
碇君が袋を持ってくれるみたい。御出汁なんかは、家にあるのを使おう。
スーパーを出て、私の家に帰った。

 家に着いて、革靴を脱いでスリッパに履き替える。普段革靴なんてはかないから、ちょっぴり足先が痛い。
キッチンで買ったものを広げる。お鍋を2個出してきて、お水を汲んで煮だてた。
「綾波、包丁やまな板、貸してくれるかな?」
碇君、悪いけどねぎは私が切りたい。
「碇君、ねぎは私が切るわ。お鍋をおねがいしてもいい?私、エプロンしてくるわ」
食器棚の引き出しから、エプロンを出してつける。
「綾波、火加減ってどこを調節すればいいのかな?」
碇君が聞いてくる。火加減?ガスコンロは使ってないわ。ここにあるのはクッキングヒーターよ。
「調節つまみ、ついてない?菜箸は、箸立てのなかよ」
なべが煮だったので、うどんをなべに入れて茹でてもらった。もうひとつのなべに、粉スープを入れて煮立ててもらったわ。
私はねぎを水で洗い、包丁とまな板を出して小口切りにした。切ったねぎをスープを煮だてているなべに入れた。
「綾波って、料理好きなの?ねぎ、切るのうまいね。調理実習のとき、綾波がいないときが多いから」
私の料理好き。貴方は知らないでしょうね。食材を買って、殆ど自分で作っているから。
自分で作って、自分で食べて自分で片付けているだけよ。
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:28:49 ID:???
137名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:29:55 ID:???
135も乙
138名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:32:24 ID:???
オッテュ
139名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 00:55:11 ID:???
>自分で作って、自分で食べて自分で片付けているだけよ。

切ない。急にレイが可哀そうになってきた。
140名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 10:18:08 ID:???
優月綾日 其の五
「綾波、うどん、そろそろいいんじゃないかな?」
菜箸で1本取り、口に入れる。確かに、ちょうどいいわね。
ヒーターを切って、どんぶりを2個食器棚から出す。茹で上がったうどんを笊にあける。
私は笊に空けたうどんをどんぶりに移す。杓子でスープを入れて、うどん用のお揚げをのせてできあがり。
家のキッチンには小さいけれどテーブルと、2人分のいすは用意されている。いつもはベッドをおいているリビング?
しか写らないでしょうから、こういうの殆どの人は知らないでしょ。
箸立てから、お箸を2本とってどんぶりのそばに置く。
「碇君、ちょっと狭いけど、ここでいいでしょ?」
「え、うん、頂きます」
「いただきます・・・」
ちょっと熱かったかしら。舌を火傷した。
「綾波、話って何?」
唐突に碇君が聞いてくる。
「私の話、聞いてくれる?」
頼みの綱はあなたしかいないの。私を助けてくれるかな?
「碇君、大人の人に自分の体を叩かれたりしたこと、ある」
「あんまり、ないかも。どうしてそんなことをきくの?」
「殆ど毎日そういうことをされてきたから。実験の結果が悪ければ当たり前のようにね」
赤城博士と、碇指令。私にお仕置きと折檻するのはこの二人。
「綾波にも、お悩み結構あるんだね。そういうの、関係ないんだと思ってた」
「最近は、そういうのはあまりないけど。そうね、惣流さんが自我崩壊したころから、折檻とかされなくなったわ」
先日から赤城博士は幽閉、碇指令は今はどこにいるのか知らない。
「誰にそういうことをされているのか、話してくれる」
「赤城博士と、指令」
碇君、顔が強張ってるわ。無理もないわ、碇君こそ今の話を聞いて驚いているようだし。
「リツコさんになら、先週電話で呼び出されて、本部の地下施設まで行ってきたよ」
碇君がうどんを食べ終わる。私も食べ終わったとこ。
「碇君、何かを見てきたような顔をしているわね」
「僕も、綾波に聞きたい事があったから」
赤城博士がわざわざ碇君に見せたもの、それは絶対私に関係あることでしょうね。
141名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 10:49:01 ID:???

優月綾日 其の六
「綾波が口癖のように、自分がいなくなっても代わりがいるっていうことの意味、わかったような気がした」
そういえば私、以前そんなことばかり言っていたわね。赤城博士から私が複製品というようなこと、聞いたのでしょ。
「リツコさんが言っていたよ。必要だから生み出された。でももう要らないからって・・・」
私も要らないのかな?碇君も以前自分は要らない人間だなんて話していたよね?
「綾波は、父さんやリツコさんに色々酷い事されたみたいだけど、この間のは、そういうんじゃないんだ、あれって、殺人・・・」
殺人?その他の私の体?といえばいいのかな?何かあったのかしら?
「リツコさんがボタンを押したら、みんな、バラバラになっちゃって。それまで笑ったり、手とか振っていたりしていたのが、
一瞬でいなくなってしまって、はぁはぁ・・・はぁ・・・」
笑う?手を振る?命令ならそうするわ。命令以外のことをしたら私はお仕置きされてしまうもの。確かに、自分でそういうこと、
自分以外の人にやってみたいって願望はあったわ。でも行動が制限されていたからできなかった。
「碇君、その後、どうなったか教えてくれる?」
コップにお水を汲んで碇君に飲ませる。ちょっと落ち着いてもらわないと。
「君が生まれたという部屋に案内された。ちょうどここみたいな感じだった。光と水というのが君の深層心理というのも教えてもらった」
光と水、人が生きていくのに必ず必要とされるものだよね?光は希望で、お水は安らぎとかいったところかな?
「生まれた部屋?私は作り出されたのよ。必要だから、ということでね。でも、要らないというのなら、私はどうなるの?」
「必要としてくれる人だっているんじゃないかな。綾波の元は、母さんなんだって、リツコさん言ってた」
赤城博士から洗いざらい聞かされたみたいね。短い時間に色々あったみたいだけど、碇君は本当に私の全てを受け入れてくれるのかしら?
「その後、泣き崩れたリツコさんを置いて、ミサトさんと一緒に上がってきたよ。話を聞いてくれるかわからなかったけど、
綾波に会いたくなって、ここに何度も着たけどいなかったから。」
142名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 11:10:21 ID:???
綾波!赤木博士だよ!!
143名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 11:27:04 ID:???

今日朝帰りしたのは、病院からでてきたから。昨日まで病院で記憶装置とかつけられて、私の記憶、色々弄られていたの。
「病院で綾波が3人目とか言い出して、何を言い出したのかわからなかったけど、その2人目の君が使徒から守ってくれたから」
「何人目の私なんて、もう関係ないでしょ。体はいくつも作られていたでしょうけど、私の魂なんてひとつだけよ。
私も、まだ全ての記憶があやふやだけど、病院で寝ているとき、夢をみたわ。予知夢って言うのかしら?その話も聞いてくれる?」
「予知夢・・・これから、どうなるのかな?」
「未曾有の大事件になるのは間違いないわね。碇君、時間、大丈夫なの?」
「遅くなるようなら、また後で聞かせてもらうけど、とりあえず、ミサトさんに電話しないと。。。あれ、携帯どこいったかな?」
「電話なら、私がするから」
スカートのポケットから、携帯電話をだして、葛城三佐に電話する。今夜はここに泊まる旨を伝えた。碇君の保護者は・・・
というような話も出てきたけれど、保護者というのは私のコピー元の碇ユイさんでもあるでしょうに。入院3日目くらいから、
ユイさんの記憶みたいなのが鮮明にフラッシュばっくしてくるようになった。
「私の予知夢の話のまえに、なにか冷たいものでも」
リビングに置いてある冷蔵庫から、冷たい酎ハイ炭酸缶飲料をだして、碇君に渡す。缶をみて碇君が驚く。でも、私はこの類を飲むように
命令されてきたから、今夜一晩だけ、お付き合い願えないかしら?缶を開けて、一口飲んだ。
「予知夢の最初のほうで、見たことのないような白い人型兵器が数匹暴れていたの。みんな同じもの。背中に羽が生えていて、それで飛んだり
街を壊していったわ。私は指令に呼び出されて、本部の地下深くでお腹の中に指令の手を入れられたわ。すんごく痛かった。」
そのあと、私の体、白くなって大きくなり始めたの。どうしてなのか良くわからない。」
144名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 11:46:05 ID:???
優月綾日 其の八
「私、よくわからないけど体がだんだん大きくなっていって、本部を突き抜けて、頭は宇宙にまで行っちゃった。体中から力がみなぎってきて、
私の背中に大きな羽がいくつも生えてきたの。空飛べるのかなって思ったのだけど、そうでもないみたい。私の両手の中に黒いおおきな
丸いものを大事そうにもっていて、そのなかから初号機がでてきた。それが、私の額の中に入ってきて、しばらくしたら、私の顔が
腐り始めて、首の辺りから出血、かな?血が噴出してきて、私は地面に倒れたの。よく見たら、目の前にあなたと惣流さんがいて、
抱き合ってた。 夢はそこで終わりだよ。そこで、目が覚めたの。 私は起き上がって、病室の鏡を見たけど、そこにはいつもの私が映っていたわ」
碇君、ちゅーはい缶を持ったまま、ぽかんとしている。まだ飲んでないみたい。
「碇君、飲まないの?」
「綾波、これお酒だよ。酔ってこんな話なんかするなよ」
「私は一口飲んだだけ、それに見た夢をそのまま話しただけよ。でたらめとかそういう話でもないわ。
白い人型兵器は、あれは量産機ね」
「リツコさんは、綾波の秘密というのを教えてくれたけど、お酒まで飲んでいたんだね」
「命令だから飲んでいただけ。本当なら、飲んじゃいけないんでしょ。本人しか知らない私を教えてあげるわね」
命令体制が崩壊した今、私の行動を制限する人はいない。とりあえず碇君が持つ缶をあけて、
少し無理やりだけど、口をあけさせて飲ませたわ。耳元で「お母さんの言うことが聞けないの」
って言ったら、青くなって飲み始めちゃったし。ほんと碇君ってお茶目でかわいい。
量産機の話とか、聞かされていないのかしら?いわゆる知らないほうがいいって話かしらね?
さてと、今夜は碇君にどんな悪戯をしようかしらね。
145名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/24(木) 11:55:02 ID:???
姉御乙
146名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 01:25:16 ID:???
復 月 活 日

久しぶりに零号牛に乗せてもらって、ジオフロント内を散歩した。
牛の気分に任せ、好きなように歩かせていたら、見たこともない場所へ来てしまった。
広いようで狭いのが世間、狭いようで広いのがジオフロントね。

一軒の小屋が見える。以前の牛小屋より、まだ古い建物のようだ。
私が興味本位で近付いてみようとすると、それより早く、一人の見知らぬ男が
その小屋へと入っていった。その男の外見的特徴は、モヒカン刈りのように
頭頂部だけ残した髪型と、額の周りに施された、ラーメン屋さんのどんぶりの
縁に描かれた模様のような刺青。見るからに怪しすぎる。

私が、恐る恐る小屋の中を覗いてみると、そこに見えたモノに対するショックと
恐怖のあまり、一瞬、体と魂が分離してしまった。普通の人ならショック死と言われる状態。
怖いも何も、だって、小屋の中には、葛城三佐の恋人で、スパイの人のおばけが出たんですもの。

抜け殻となった私の体の倒れる音を聞いて、小屋の中から、さっきの怪しい男が
飛び出してきた。そして、私の体を一頻り眺めた後、一言。
「・・・・・死亡確認。」

勝手に殺されて、体を処分されたりしたら困るので、私(魂)は、必死で身体に宿る。
死んだと思われた私が、急に蘇生したら、この怪しい男もさぞ驚くに違いない、と思ったのだが、
「ぬう、短時間で蘇生するとは・・・。そうか、貴様が『綾波レイ』なのだな?」
・・・どうして私の事を知ってるの?この男が、だんだん怖くなってきた。

「私の名は『王 小人(わん・しょーれん)』。えだじ・・・碇殿との友誼により日本に参った。」
どうやらこの人は、碇司令の知り合いらしい。司令も顔の広い人だ。
それで、あなたは何をするために日本に来たの?
「これは機密なのだが、仕方ない。実は、中にいる男に治療を施す為に来たのだ。」
なんだ、スパイの人はおばけじゃなかったの、よかった。・・・って、納得していいのかな?
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 01:26:58 ID:???
しかし、治療も何も、スパイの人は、辛うじてでも生きていたのだろうか?
「なに、少しぐらい死んでいたって、私の中国四千年の秘術にかかれば、本体さえ
 残っていれば、どうにかなるものだ。後は、この男が男塾魂を持っているかどうかだな。」
残念ながら、スパイの人に限っては、男塾魂などとは無縁だと思うわ。ご苦労様。

「否、この男、助かるかもしれんぞ。先程、私が抱き起こしてみたときに、そう感じた。
 おお、貴様はそれを見て肝を潰したんだったな。大方、幽霊とでも思ったか・・・。」
・・・秘密にしてたのに、この人、私がおばけを怖がっているのを、知ってしまったようだ。
後で碇司令に、王小人の早期抹殺を提言しておこう。

ところで、碇司令は一体どこで、こんな人と知り合ったのだろう?
「中国武術の総本山、神拳寺という寺がある。碇殿は、かつて、そこにふらりと現れ、
 我々が数十年かけて行う修行の一切合財を、僅か数週間でこなしてしまったのだ。
 当時、修行僧の一人だった私は、強く憧れたものだ。」
なんかよくわからないけど、碇司令ってスゴい人だったんだ。

スパイの人は、昏々と眠り続けている、でいいのかな?死んでるようにしか見えないけど。
王小人が言うには、既に手は施してあるので、後は蘇生を待つばかりだそうだ。
ただし、治療の成功が確約されているわけではないらしい。一月ほど様子を見て、
それで目を覚まさないようであれば、諦めるよりないようだ。

たが、外的要因による刺激を与える事で、蘇生率が上がることがある、とも言われた。
「何がスパイの人に刺激を与えるのか、その辺りを調査して欲しい」という、碇司令に対する
伝言を頼まれたので、今日のところは、本部に帰ることにする。

ここが、牛の気分任せで連れて来られた、知らない場所だったので、本部まで帰るのに
三時間もかかってしまった。疲れた身体に鞭打って、碇司令に報告に行く。
「そうか、刺激か。わかった。考えておこう。」
王小人の伝言を伝え、任務は完了したのだが、碇司令に一つ聞いておきたいことがある。
神拳寺での修行の事についてだ。数週間で免許皆伝って、本当ですか?
「ああ、それか・・・。世の中、カネだよ。資格は持ってて困らんしな。」
148名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 02:29:32 ID:???
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 11:06:12 ID:???
悪月戯日
碇君、ちゅーはいすっかり飲み干してしまって、寝てしまったみたい。
まぁ、無理やり私が飲ませてしまったのだけれど。
予知夢のこと、最後に私が朽ち果てて、碇君と惣流さんが残るというの?補完計画の行き着くところがそこだというのなら、
私には不本意だわ。私にだって、本当に守るべき人ができたもの。
寝息を立てている碇君。私、抱き上げられるかな?背中とひざ裏に腕をかけて、抱き上げてみた。結構軽いのね。
私がいつも寝ているベッドに寝かせる。寝顔も結構かわいいかも。
あやふやな私の記憶、彼が生まれる前から繋がっているのかしら。彼のお母さん、私のコピー元のユイさん、
結構優しい人だったみたい。調理師の資格なんかも持っていたようで、料理も上手かったのかしら?
「私も、そういう女性になれるかしら?」
朝に碇君が持ってきてくれた学校で配られて、頼まれて持ってきたというプリントに目を通してみる。
学級通信。保健だより。進路だよりというものと、自習プリントのようなのが何枚か。
進路だよりなんて、私には無縁のものだと思ってた。今までも誰かが私の部屋まで持ってきて、ドアの受け口にいれておいてくれた
のでしょうけど、興味がないから読まなかった。プリントを持って、隣の部屋に行く。普段使わない洋服ダンスと、本部の予算で
買ってくれた少し大きめのコンピュータが机の上においてある。プリントスキャナーに原稿プリントをおき、ボタンをおす。
紙でもらっても、しまっておく場所がない。こうして電子ファイルにして、コンピュータの中に入れておく。
すべて取り込まれるまで少し時間がかかるようだった。その部屋においてあるベッドに転がり込み、天井を見つめる。
「本当は、最初から私と碇君とで、ここで生活することになっていたのに。。。」
パイロットはパイロット同士で共同生活させるというのが、最初の予定だったみたい。ただ、葛城三佐がだだをこねた?らしく、
未遂で終わってしまったみたいなの。せっかく新しいベッドとか、用意してもらったというのに。
コンピュータの画面の電源を入れる。この子、ほとんど電気が入りっぱなし。
今日も私宛に、各方面からたくさんメールが届いているようね。
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 11:24:37 ID:???
職人さんたち乙かれです
>>147
ゲンドウ……金許しであったか……
151名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 12:11:28 ID:???
悪月戯日 その2
このコンピュータには、毎日私宛にたくさんのメールがくる。
ほとんどはクラスメート、といってよいのかしら?話なんてしたことない人たちばかり。
ほとんど学校になんていっていなかったのに。体に使徒が進入してきて自爆、あの日以来たくさんのメールがくる。
色々心配になってメールしてくれているみたい。最初はどうしてなのかわからなかった。
こういう問題が解けないので教えて、といったメールもくるようになった。
相田君かしら、写真を撮らせてほしいなんてメールまで。学校で時々私の周りで閃光がしたのはそのせい?
私や惣流さんの写真とかをとって売りさばいているみたい。今度モデル料でも徴収しようかしら?
この部屋は、私のブラックボックスね。ほとんどの人は知らないもの。
メールをくれた人に、碇君にはどんな悪戯をしたほうがいいのかメールで質問してみた。
久しぶりに、学校行きたくなってきた。でも、いない人というのもいるわね。
プリント、取り込みが終わったみたいね。取り込みデータを選択して、MOにおとした。
このほうが、嵩張らなくてすむし、場所もとらない。でも、そろそろMOや印刷用紙などもなくなってきたわ。
プリンターインクも、もうないみたいだし、明日、碇君と一緒にまた買い物に行こう。
書斎部屋から出て、リビングのベッドで寝ている碇君のところに行く。時計を見ると夜の10時。
こんなとき、何をしてあげればいいのかしら?ほっぺたを指でつんつんつついてみる。
頭も撫でてみた。ズボンをはいているから、私がされたように足とか触ることはできないけれど。
碇君の口が少し動く。「 あ、綾波、優しいんだね」
あ・・・起こしてしまったと思った。寝言だったみたいね。私のこと、優しいと思っているのね。
なんだか少し、うれしくなった。明日学校に行ったら、ほかのクラスメートにも私のこと、聞いてみようかな?
冷蔵庫からスポーツドリンクの缶を出して1口飲む。ちゅーはいよりもこっちの方が口に合う。
黒いカーテンを開けて、缶をもったままベランダに出てみた。以前まで街があったはずのところにおおきな水溜りのようなものが
できている。いつの間にできたのかしら?
152名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 12:37:54 ID:???
綾波さんは同棲中。。
153名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 15:55:28 ID:???
悪月戯日 その3
冷たい風が吹いてきた。スポーツドリンクを飲みながら、ベランダのフェンスに寄りかかる。
この街も、色々変わったわね。ここにきてからいろんなことがあったわ。
明日は学校。朝から教室の席で眠り込んだりしないかしら。少し強い睡眠薬でも飲んで明日に備えようと思ったわ。
大きいビーカーを取って氷を入れ、持っていたスポーツドリンクをそれに注ぐ。
パジャマを持って、脱衣所に行く。洗濯籠の中に靴下や下着を入れる。夕方着たシャツやスカートはハンガーにかけた。
シャワーだけ浴びて、浴室から出る。着替えの下着を身につけ、パジャマを着込んだ。
「お風呂上りに氷入りで飲むのが一番ね」
ビーカーに注いでおいたスポーツドリンクを飲み干して、歯を磨いたわ。今度は二人分歯ブラシやコップをそろえておけばいいかしら?
ビーカー 実験道具。実験道具は、私?必要だといって造って、今まで散々使いまわしておいて、要らなくなったら破棄されて。
碇君、私も被害者だよ。歯ブラシをコップに立てて、私は碇君が寝ているベッドに歩み寄る。睡眠薬を飲んで、碇君の隣に横になる。
「一緒に寝てもいい?」
問いかけても、寝息を立てているだけで返事なんかなかった。
誰にも言ったことなかった、この言葉、言ってみようかな?
「おやすみなさい」
その日は昼間はずっと寝ていたので、眠気が起きなかったけれど、次第に薬が効いてきたのか、私も目がとろんとしてきて、眠りについた。
154名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 18:35:50 ID:???
155名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 19:50:12 ID:???
綾月優日
 翌朝目が覚めると、隣に寝ていたはずの碇君がいなくなっている。
「碇君?・・・」
帰ってしまったのかしらと思って、リビングから出ると、キッチンに碇君の姿があった。
「碇君、そこにいたのね。居なくなったからどこに行ってしまったのかしらと思って?」
「綾波、おはよう。朝ごはん食べる?隣のマンションにコンビニがあったから、そこで色々買ってきたんだ」
昨日一緒にうどんをたべたテーブルの上に、パンと牛乳、紙パックの飲み物と、小さなカップに入った食べ物がおいてある。
朝ごはん、時間があるときなら私も食べてたわ。私でも食べられるものを買ってきてくれたのかな?
カップの食べ物、昨日私に言って来たカップ麺なんかじゃないでしょうね。
カップ入りの食べ物を持ち上げて見てみる。  ヨーグルトって書いてある。これ、何?
牛乳なら、あの時、コップに注いであげたから、なんとなくわかるのだけれど。
「碇君、ヨーグルトって、何?」
「食べてみればわかると思うよ。とりあえず、着替えてきたら?」
「そうね、着替えてくるわね」
どういう味がする食べ物なのかしら?とりあえず、制服に着替えてくる。・・・お仕置きとかはもう考えたくないし、
靴下、白に戻してもいいかな?
書斎部屋で着替えて、キッチンのいすにすわる。碇君が袋入りのジャムパンと、紙パックの飲み物をくれた。
碇君との食事、これで何度目かしら?
「碇君、この紙パックの飲み物は?」
そういうと、紙パックを開けてくれて、ストローをさしてくれた。とりあえず、1口飲んでみる。
「甘い。。。」
今までこういうの、飲んだことない。
ジャムパンをほうばって、ヨーグルトというものを食べようと思ったのだけど、どうやって開けるかわからないの。
「碇君、ヨーグルト・・・どうやって開けるの?」
ヨーグルトのふたも開けてくれた。碇君はちょっと困惑したような顔をしていたのは気のせい?
156名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 20:56:26 ID:???
綾月優日弐
碇君にスプーンを持たされた私は、ヨーグルトを掬って、恐る恐る口に運ぶ。 甘酸っぱいような、そんな味がした。
碇君はフルーツ牛乳を飲んでいる。私には紙パックに入った甘いジュースかな?色々気遣ってくれているのね。
こうしてのんびりと朝ごはんを食べたのは初めて。時間があったときしか摂らなかったけれど、ほとんど食べていないのと同じ。
食べ終えた私は、脱衣所で歯を磨き、顔を洗う。碇君も朝コンビニというところで携帯用の歯ブラシセットを買ってきたみたい。
碇君、いつもどのくらいのお金を持ち歩いているのかしら?評価金があるのだから、あまり困っても居なさそうだけど。
評価金。。。何か思い出したような気がするわ。胸騒ぎがする。。。
私のベッドの脇にある引き出し棚の鍵をかけている段の中を覗き込んだ。
ファスナーつきの事務袋に通帳が入っている。かたっぽは私のもの。もうひとつは、カードも一緒に入っている。
裏にシールが貼られていて、「碇シンジ様」と記載されていた。
「これ・・・渡すのを忘れていたわ」
カードは、銀行などの預金カード。私は、財布の中に入れて持ち歩いている。あまりお金なんて使うこともないのだけど、
一応緊急時に困らない程度のお金を財布にいれていた。
これを預かって、もう半年以上になる。新しいパイロット(碇君のことだけど)がくるので、指令から預かっていたものだった。
「これ、事情を話して、今日学校で渡したほうがいいわね」
毎月ほぼ決まった金額が振り込まれているはずなので、それでも使っていなければ年収と呼べばいいのかしら?そのくらいの
金額にはなっているはず。私も、あまり使うこともないし、このマンションは本部名義で借りているので実質私は払っては居ない。
「綾波、支度できた?そろそろ学校いこうか?」
碇君が声をかけてくる。気づかれないように鞄にしまいこもうとしたけど、鞄の中に入っていた靴下のおかげでなかなか入らない。
そういえば、学校に行くたびに白の靴下を鞄に入れられるのはなぜかしら?
とりあえず、鞄の中にうまく隠しいれて、碇君と一緒にマンションを出た。
157名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 22:13:48 ID:???
綾月優日参
通いなれた学校までの通学路。何度か碇君と一緒に歩いたこの道。夕べからずっと碇君と一緒。どことなく、安心しているような私。
「碇君、聞いてもいい?」
夕べベランダから見えた大きな水溜りのことを碇君に聞いてみた。
「あれは、綾波が自爆して、そのときの衝撃で地面とかえぐられて、湖とえぐられた地面が繋がってしまってそれでできたんだ」
碇君、すこし元気なさそう。自爆までしてしまった私のこと、本当に色々心配してくれていたのね。
第5使徒との戦いの後、私に言ってくれた言葉、覚えてくれているかしら?(一緒に生きていこうってこと。)
校門に入ると、まだほかの生徒の姿は見えなかった。以前は、この時間帯でも結構ほかの生徒が居たと思ったのだけど。
昇降口で上履きに履き替える。校内に入っても、あまりほかの生徒は見られない。
教室に入ると、相田君が何かを作っていた。碇君が声をかける。
「ケンスケ、朝から何を造っているの?」
「お、おはようシンジ。家から戦車のプラモを持ってきたんだよ。家で作れないからここで作ってた。
綾波も一緒か?しばらく見なかったからな〜。今日も何人学校来るかわからないし」
何かあったのかしら?ほかの生徒があんまり居なかったのは何か理由がありそうね。あまり話をしたことないけど、
相田君に聞いてみたわ。
「あの、相田君」
声をかけると、相田君は作っていた戦車というものを手から落としてしまったみたい。
「え、あ、綾波、何か用?」
ごめんなさい、私もあんまり話をしたことないから、ちょっと驚かせてしまったみたいね。
「ほかの生徒があまり学校に来なくなったのは、何か理由があるのかしら?」
少し近寄って聞いてみた。相田君の後ろのほうで、ほかの何かが落ちる音がした。
「ああああぁぁ!カメラがぁ!」
カメラ?私を撮ろうとしていたのかな?相田君、右往左往して、落ちたカメラを拾えずにいる。相田君の後ろに回り、
落ちてしまったカメラを手で拾い上げて相田君に渡した。
「あ、綾波、ありがと」
相田君にも、「感謝の言葉」言われたの、初めてだよ。本当の私は、まずは学校でお披露目しようかしら?
158名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 00:30:23 ID:???
オッテュ
159名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 05:24:18 ID:???
乙!
世の中金なのね…、ゲンドウ汚ねぇ!
160名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 12:36:46 ID:???
綾月優日四
始業のチャイムが鳴り、私は窓際の自分の席で、いつものように外をぼんやり眺めていた。
周囲を見ると、このクラスでは以前の半分くらいの生徒しか登校してきていないみたい。
私の自爆が原因で、みんなよそに引っ越したりしたのかしら。
1時間目は数学、でもあの先生、数学じゃなくて別の話を板書するから、どんな授業なのかよくわからない。まぁ、数学なんて、知らない
数式なんてないって言い切れるわね。授業でならう数式なんて、全部私の頭の中になぜか入っているもの。
先生の話を聞いている分にはかまわないのだけど、セカンドインパクトの時の話ばかり、それも政府官報なんかのうそ情報(といっても
一般論はこちら。私が知っているのが真実に近い)なので、窓の外をぼんやり眺めていたほうが気が楽。空とか雲とか。こっちのほうが
見ていて楽しい。時々刻々と変化するから。
赤いノートパソコンに、新着メールのお知らせ。洞木さんからお昼ご飯のお誘い。授業中にこういうやり取りばかりなの?
まぁ、授業といっても、この先自分たちがどうなるかわからないというのもあるのかしら?真剣に受けているひとって今はあまり居ないみたい。
クラスが荒れているとか、そういうのではないわ。洞木さんにお昼ごはんの件、屋上でならOK、と返信しておいた。碇君にも一応転送。
ほかの女子から、チャットというのかしらね、そういうメールも届いていた。以前は、授業中にこういったメールなんてなかったのに。
黒板を見てみる。例のごとく、ね。セカンドインパクトのときのこと、板書されてた。内容も前と同じなの。みんな飽きちゃっているのね。
でも、私が知っている情報、教えるわけには行かないわね。私が収容所に連行されるもの。零号機ももうない。私はきっと、必要とされてない。
161名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 12:56:04 ID:???
綾月優日五
私は、いつの間にかクラスの女子同士のチャットというものに参加していた。ほかの生徒が少なくなったから、久しぶりに登校してきた私に声を
かけたのかも知れないわね。私が日焼けをしない理由とか聞かれた。そんなこと、聞かれても困ってしまいます、って書き込んだ。
ある女子の虐待話とか、先日シェルターに避難したときに、日常的にされていた虐待をほかの人などが居る目の前で親にされた話とかも出てきたわ。
私が今まで受けてきたお仕置きや折檻というのも、虐待になるのかしら?赤木博士に片腕をシュレッダーに入れられてもぎ取られて、その後で腕が再生した
話とか、ここに出してみようかしら?もぎ取られた私の片腕、ちゃんと再生したのかしらね?でも、こうしてほかの人と会話(チャットやメールを通してだけど)
するのも悪くないって思った。こういうの、初めて。ここにきたときと比べて、私、だいぶ変わった。切欠をつくってくれたのは、やっぱり碇君ね。
当の碇君は・・・?あらあら、眠ってしまったようね。やっぱりちゅーはいが強すぎたかしら?
そんなことをしている間に、授業終了のチャイムが鳴った。
休み時間になると、ほかのクラスの女子たちまでも、私の席の周りに集まってきた。集団で私に暴行でもするつもりかしら?
チャットのお誘いをしたという女子から、私の携帯の番号を教えてほしいといわれた。ほかの女子もいっせいに携帯電話を出す。
まぁ、いつ使徒攻撃されても近くのシェルターに逃げ込めばいいのでしょうけど、そうなると家の人とかと離れてしまうでしょうね。
そんなときの安否確認などのために、みんな携帯電話を持たされているみたい。あくまでお呼び出し用の私の携帯とは用途が異なるみたいね。
洞木さんたちのグループにも、私の番号を教えてあげた。今夜あたりから頻繁にかかってきそうね。
私の髪の色が薄い青の理由?そんなの知らない。今まで私のことなんか気にもかけてこなかったのに、どうしていまごろになって、興味を
持ち始めたのかしら?
162名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 13:57:43 ID:???
綾月優日六
次の時間は何?と聞くと、ほかの女子たちは家庭科と教えてくれた。何か縫い物をするみたいね。
碇君の様子は、寝ているままかしら?あ、ちゃんと起きて相田君と話をしているみたい。次の時間まで後10分、私はほかの女子たちに連れられて、
家庭科実習室に行くことにした。みんなが私の腕を引っ張る。い、痛いっ。 
腕を皆に引っ張られながら、家庭科実習室というところに入ったわ。こんなとこ、来たのはじめて。ほかの女子に頼まれて、ミシンを実習机に置いていく。
ミシンで何を縫うのかしら?ミシンなんて使うの初めて。どの科目に限らず、実習科目というのは誰と組んでもいいみたい。
メンバーを組むなんて、使徒撃退作戦のときくらい。私は持っていなかったけれど、洞木さんが私の分の裁縫箱と、実習教材を持ってきてくれたわ。
実習教材はエプロンみたい。エプロンを縫っていって、紐を通して出来上がりというようなものみたいだけど、これが出来上がらないと調理実習ができないというの。
エプロンには、刺繍かステッチをほどこすようになっていて、ほとんどの女子生徒がそこで苦労している話も聞いたわ。
私はエプロンをとって、まずは刺繍のところを仕上げていった。刺繍なんてお手の物、家で暇になったとき、よくやっていたわ。
裁縫箱からはさみと針と糸をだして、針に糸を通す。糸先を小さな舌で舐めて、針に糸を通して、夢中で刺繍を仕上げていった。
「綾波さん?」
ふとこえをかけられたので、顔を上げると、同じクラスの女子が私の前に立っていた
「わつぃ、朝霧園子だよ、刺繍教えてくれないかな?」
朝霧さんって言うの?名前なんて覚えてなかった。でも、私を頼ってきてくれて、なんだか嬉しいかな?刺繍を園子さんにに教えてあげる。
家に持ち帰ってやっている女性生徒も居るようなので、今日これ家に持って帰ろう。碇君は?と思って見回すと、碇君の所にほかの男性がいっぱい。
男子でまともに刺繍とかできるの、碇君だけなのかしら?碇君の目の前にエプロンが何枚か置かれているのは気のせいかな?
163名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 14:35:01 ID:???
オッテュ
164名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 14:48:27 ID:???
織りキャラ登場
165名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 14:49:35 ID:???
綾月優日六
午前中の授業が終わり、洞木さんに誘われて屋上に出た。屋上に行く前に、碇君から昼食セットをせしめてきた。
中身は、ヨーグルトがない分、朝ごはんと同じ。碇君、帰ったら叱ってあげる。
屋上でお弁当を広げる洞木さん、なんでも手作りみたい。私も、手作り弁当作りたい。
ジャムパンをほうばり、紙パック飲料を飲む。最初は無言のまま口に入れ続けた。
「綾波さん・・・」
洞木さんが呼ぶ。自分の口の中でまだもぐもぐしている。私はとりあえず飲み込んだ。
「鈴原のこと、どう思う」
鈴原・・・4人目の適格者のこと?でも彼はもう居ないの。碇君と私のダミーシステムで使徒もろとも・・・取り返しのつかないことをしてしまった。。。
「どう?って言われても、返答に困るわ」
「綾波さんは、どういう風に思っていたの」
彼とは、ここで一度はなしをしただけ。私がここで考え事をしていたら、それは碇君のことを考えているのだと、図星をつかれたわ。
私のことこそ、洞木さん、どう思っているのかな?冷たい印象を与えてしまっていたから。。。
「あまり話したことないわ。でも、彼も優しい人ね」 
そう答えた。自分が受けた印象をそのまま話しただけ。
「洞木さんこそ、私のこと、どういう人だと思っているの?」 
「厳しい人、冷たそうに見えるけど、でも、案外やさしかったりするでしょ?」
いつもは彼女、惣流さんと学校では一緒に居るのに。私をお昼に誘ったのは私のことを知りたかったから?でも、今言われたことは案外当たっている。
厳しい?というのが、よくわからないけど、周りから見ればそういう人だと思われているのね。
洞木さんの傍らに、上履きが置かれていた。これ、洞木さんのかしら?触ってみる。
166名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 17:30:34 ID:???
綾月優日七
「それ、私の上履き。いつも食事は正座だから」
洞木さんに言われて、出した手を戻す。とはいえ、洞木さんの後ろに見え隠れする靴下に触ってみた。
「綾波さんに、今夜電話をしてもいい?」
電話?何も予定がなければ、出ても問題ないわね。今夜・・・晩御飯、どうしようかしら?
今は午後の授業はないみたいね。まぁ、生徒があまり居ないのに授業をやっても仕方がないということかしら?
それに、何度も考えているけど、この先どうなるか、私もわからないから。
学校帰りに、碇君を誘って、また買い物に行きたいな。
洞木さんがお弁当を食べ終わる。私も、パンと飲み物、胃の中に押し込んだわ。
屋上から降りて、教室に向かう。教室にはまだほとんどのクラスメートが残っていて談笑していた。
碇君は一人で耳にイヤホン。また歌謡曲でも聞いているのかしらね。
「碇君、学校帰りに、一緒にお買い物行ってくれる?」
「目標をセンターに入れてスイッチ・・・え、あ、綾波、買い物行くの・いいよ。一緒に行こう」
私は机の上においてある赤いノートパソコンと、家庭科実習のエプロンを無理やりしまいこむ。1足分また増えてたの。
「それじゃ、さよなら。また明日」
そう言って、私は碇君と学校を出た。明日も学校に来たい。
使徒はすべて、倒したはず。渚君、いえ、タブリスとかいう、あの付きまとい男ももういない。どぐまの地下で、碇君が殲滅した。
私から言わせれば、撃退してくれたといってもいいわね。一応、始末されるのを見ていたもの。
最期まで、私に笑みを浮かべていたわ。どういうつもりだったのかしらね。私が望めば、碇君と一緒に居られる。
167名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 18:14:34 ID:???
電月撃日
繁華街まで出てきたわ。行きつけの電気店に行く。
碇君にかごを持たせて、私はほしいものをかごの中に入れまくる。MO20枚にプリンターインク、モノクロカラーとで
それぞれ3つずつ。印刷用紙も各種、一応、入れておく。碇君に何かほしいものがないか聞いてみる。
「碇君、何かほしいもの、ある?」
「綾波ってこういうの買うんだね?。ほしいもの、特にないよ」
「遠慮しなくても、いいのよ」
「遠慮なんか、してないよ。綾波、それより早く会計しよう」
「何か用事でもあるの?」
「そうじゃないけど、とにかくここを早く出ようよ」
碇君がそういうので、会計を済ませる。荷物は、私と碇君とで半分ずつ持った。
お店を出ると、商店街から離れた公園に行ったわ。
「公園にきて、何をするつもり」
私が碇君に問いかける。すると碇君、ちょっと困惑したような表情で私に言う。
「さっきからつけられているんだよ。広いところにと思ってここにきたんだ」
つけられている?付きまとい男は碇君が始末してくれたんじゃなかったの?
「何をさっきから二人で話しているのかな?」
どこかで聞いたことがあるような声がした。振り返ると、そこには見知った男の子が居たわ。
「渚カヲル・・・」
碇君が声に出す。どうしてここに使徒が?使徒が話し出す。
「サルベージされただけだよ。本当の君の前であんな醜態さらされたのは屈辱だよ」
本当の私?どぐまの地下に居たのが一応本当の私なのでしょうけど、今は私はここに居る。あんな姿じゃ、人前に出られないもの。
ましてや私は、いえリリスは元々この街の地下に居たわけだし、あんまり動き回りたくもないわね。眠っていたいもの。
あの人たちも、自分勝手な都合とはいえ、こういう姿にしてくれたのには一応感謝するわ。でも、目の前の使徒はいったい何者?
私はスカートのポケットの中にある携帯のEMOボタンを押す。何かあったときにはこのボタンを押すよう(命令)されていたわけだから。
168名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 18:41:42 ID:???
電月撃日其の弐
「こんな街の中で・・・」
私は、複雑な思いになっていた。倒したはずの使徒が復活している。予知夢で見たように、背中から羽を生やして、碇君を抱えて
ここから逃げるべきか、そんなことしたら碇君にはもう会えないかもしれない。そんなこと、したくない。
「リリス、君と添い遂げたい」
やめてくれる?添い遂げたくないわ。だってあなた、私の敵ですもの。それに私、今はリリスって名前じゃないわ。
タブリスが一歩前に踏み出る。其のとたんに様子がおかしくなる。
「ぐっ、な、なぜだ」
彼の口から、一応赤いものが吐き出される。そして、両手でおなかを押さえて倒れこんだわ。
「ぐ!、体が腐る・・・」
腐る?外見上何も変化ないわよ。それとも内部から崩壊しているのかしらね?彼の腰の辺りから、赤茶色の液体が流れ出す。
立ち上がろうとすると、液体が見る見る出てくる。液体に足が滑って、また倒れこんだわ。ちょっぴり臭い、何の臭いかしら?
碇君。両手で顔を隠している。もちろん、こういう場合には表情は、得体の知れないものを見たように、目も倍ぐらい丸く大きくなっている。
上空にヘリが飛んでくる。本部の特殊部隊。何人かがヘリから降りてきて、タブリスに銃口を向ける。
タブリスは、そのまま朽ち果てて消えてしまった。そこにはさっきまでと同じように、何もない。
「碇君、もう、大丈夫。大丈夫、だから。」
碇君を諭して、私は特殊部隊に事情を説明したわ。とりあえず、そこは特殊部隊に任せて碇君を連れて私のマンションに戻ったわ。
「あれは、なんだったのかしらね・・・」
制服を脱いで、昨日着た服に着替える。書斎部屋のコンピュータから、テレビシステムを起動させた。そこでは、おかしなニュースを
取り上げていた。
169名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 18:51:34 ID:???
170名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 19:33:40 ID:???
電月撃日其の参
碇君を帰して、私は普段かけることのない玄関ドアの鍵をかけた。そして書斎部屋に戻る。
碇君に、別れ際にポケットカメラを渡しておいたわ。これは、ノートパソコンにつないで、オンラインで会話や電話ができる機能
を持った優れもの。これも高かったわね。そうそう、銀行の通帳とカードも忘れずに渡しておいた。碇君、ちょっと驚いていたみたいね。
通信ソフトも一応立ち上げておく。画面を見ると、不可思議なニュースを特集をくんで放送している。今日一日で、女子生徒が何人も
不審な男子生徒に声を掛けられたらしいの。私も、変なのに声を掛けられた一人だけど。
携帯電話がなる。碇君からみたいね。ソフトの使い方がよくわからないというので、教えてあげた。10分後、通信ソフトの片隅に、
碇君の顔が映る。これでいつでもライブチャットおっけーじゃなくて、一応、私も不安なの。始終碇君と話をしていたいと思うようになった。
碇君の後ろに、葛城三佐が移っている。お酒を飲みながら画面を覗き込んでいるわ。碇君が話してくれたと思うけど、葛城三佐に
私も今日の1件、話しておいたわ。今日はもう外を出歩きたくない。時計を見ると、夕方の6時過ぎ。ドリンク缶とドリンク剤を持ってきて
コンピュータの前に座る。今日は、ここで寝たほうがいいかもしれない。ライブチャットソフトも立ち上げる。洞木さんからメッセージが
きていたみたいね。あのクラスのほかの女子が次々とチャット部屋に入室してくる。ここは毎日彼女たちがおしゃべりしているのだとか。
でも、今日は私も一応怖い思い?をしたので、其の話をみんなにしようと思うの。
クラスの女子とチャットで入り乱れて会話をしているうちに、私のこと、理解してもらえたみたい。やっぱり、最初はみんな、私が冷たい
人だと思っていたみたいで、でも、内心どこかにやさしさがあると思っていたみたい。今日の家庭科の実習で、刺繍を教えてあげたけど
それが功を奏したみたいで。他人との関わりなんて持ちたくなかった。でも、今はいろんな人に頼られて私もうれしい。
明日は学校はお休みだったみたい。「また明日」なんていってしまった私、ちょっと恥ずかしくなった。
171名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 21:00:41 ID:???
電月撃日其の四
ライブチャットでクラスの女子たちと会話しながら、片一方では市内のニュースを見ていたわ。
いろんな人が、中学生くらいの男子生徒に声を掛けられて、体を触られたと言っているの。あの人、黙って女性の体を触るなんてね。
一度、私も本部でスカートの中に手を入れられて、血が出るくらいの痛い思いをしたけど、やっぱり一度引っ叩くか、この青い
髪を伸ばして、締め上げてやればよかったのね。失敗したわ。
あぅ、目がしょぼしょぼしてきたわ。赤い瞳に目薬をさす。とりあえず、まだライブチャットは続けましょ。カメラを通じて、私の
普段着?をみてほかの女子たちが色々話す。一緒に映画でも行こうとか、そんな話。確かに、昨日引っ張り出してきてこの服を着るまでは、
ほとんど私は制服か、パジャマだけだったから。家に行ってもいい?という会話まで。きてもらうぶんにはかまわないけど、何もないと
返事を出したら、DVDというの?そういうのを色々持っていく、と返事が来た。コンピュータがあるなら別に問題ないみたいね。
こんなにほかの人と話をしたのは始めて。でも、DVDというものを見るための機材なんて、私、持ってないわ。そんなの知らないもの。
後で電気店に行って、どういうものか見てみようかしら?コンピュータに接続できるタイプのものがあるならいいのだけど。
学校のメールシステムから、「変質者に注意」というメールがきたわ。どうやら今日の事件を受けて生徒に配信しているみたい。
私、あの事件のことはあんまり思い出したくない。ちょっぴり、頭が痛くなってきたわ。
ベッドにシーツを敷き、枕を置く。学校で使っているノートパソコンにリンクケーブルをつなぎ、カメラのケーブルもつないでベッドにごろん。
うつぶせになって、キーボードをたたく。とりあえず時計を見るともう9時、私、3時間余り夢中でチャットとメールばかりしていたのね。
そろそろログオフして、お風呂に入ろうかしら?其の意思をみんなに伝えたわ、でも、皆に反対された。
仕方なく、「お風呂に入ってきます」と書き込んで、着替えとパジャマを持って書斎部屋を出たわ。
172名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 21:31:19 ID:???
電月撃日其の五
着ていたものを脱いで、フェイスタオルをもってお風呂に行く。もちろん、碇君が買ってくれたボディーソープや洗顔ソープも持って行く。
シャワーを浴びて、体を洗いながら、鏡に映った私を見る。今まで余り気にはしていなかったけれど、青い髪、赤い瞳、白い肌、肌の白さなんて
クラス中の女子が皆羨ましがってた。髪と体を洗い終えて、浴槽に入ろうと片足を入れる。途端に引っ込めた。 
「つ、冷たいわね。」
お風呂を沸かすのをすっかり忘れていた。ひと月前までは行水するだけ。ただお風呂に張ってある水の中に浸かるだけだった。
でも、碇君がボディーソープとか、色々買ってくれて体を洗ったりするようになると、少し熱いでしょうけど、お湯に入りたいという気持ちも出てきたの。
体とか洗ってなかったから不潔とか言わないでくれる?そういうことをするのを、今まで誰も教えてくれなかったのだもの。
とりあえずスイッチを入れて、お湯をわかす。そのあいだ、穴の開いたいすみたいなのに腰掛けて、ぼんやり考え事。
今日一日、初めてのこと、色々あったわ。今まで生活してきて、興味ないって思っていたのに。みんな、私を必要としてくれる。
1人の仲間って言うことかしら?皆に優しく接してあげたい。
お風呂が沸いたみたい。湯船に浸かって、考え事の続き。明日、何をしてすごそう。今までやったことがないこと、色々やってみたい。
街での買い物は、ちょっと危険すぎるわね。クラスの女子を呼ぶのもありでしょうね。学校は、明日と明後日は休み。
とりあえずお風呂から上がって、またチャットに参加することにした。とはいっても、パジャマに着替えてからのほうがいいでしょうね。裸で出て行ったら、
どう思われるかわからない。あの時は碇君だけで、かなり同様居ていたみたいだけど、今度はたくさんのクラスメートが見ているから。
下着を身につけ、パジャマに袖を通す。バスタオルで頭を拭いて、とりあえずリビングの冷蔵庫からちゅーはい一本取り出して、景気づけに空けたわ。
書斎部屋に戻って、クラスメートとライブチャットを再開、みんなの明日の予定を教えてもらったの。
明日は、私のマンションで映画鑑賞会、ということになりました。
173名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 22:44:50 ID:???
嬰月優日
「おっはよ〜、あさだよ〜」
ちょっぴり間の抜けた声で起こされる。ライブチャットの目覚まし機能をセットしたのはいいのだけど、まさかボイスコールというのかしら、
こんなので起こされるとは思っていなかったわ。同じクラスの、ちょっとのんびりして、でも元気のいい鈴鳴さんというのが、ボイスコールをつかって私を
起こしてくれたみたい。朝早いのね。眠い目をこすりながら、寝ぼけ眼と寝癖頭でコンピュータに向かう。
「「レ〜イちゃんっ。おはようっ!今日も1日がんばろう〜ねっ。あ、寝癖すごいことになってる〜」
私、いすから転げ落ちそうになったわ。こんな感じで、「レイちゃん」なんて呼ばれたのは初めてよ。ごめんなさい、調子が狂いそう。
「鈴鳴さん、おはよぉ。とりあえず、着替えてくるわね」
そんな会話をして、私は洋服ダンスから、色々引っ張り出して脱衣所で着替える。朝ごはん、どうしようかな?
キッチンの冷蔵庫から、パインジュースとバターを。戸棚からバターロールという、小さなパンがたくさん入った袋を出す。
バターロールにバターを塗って口に入れる。パインジュースも口に含んでもぐもぐ。。。
朝食を済ませて歯を磨く。顔を洗ってライブチャットに入り浸る。
今日は、あんまりログインする人はいないみたいね。まぁ、学校が休みだから皆朝はのんびりなのかしらね。
こうして、朝からのんびりするのも悪くないわね。今まで色々せかせかとばかりだったから。みんなと打ち解けあって、少し余裕が出てきたみたい。
174名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 23:04:19 ID:???
嬰月優日その2

予備機の電源と、UPSの電源も入れる。リビングにはそういう機械が一切置かれていないから、メインマシンをリビングに運び出す
必要があったの。でも、このコンピュータ、予算は本部のものだけど、部品の購入や組み立て、取り付けはすべて自分でやったわ。
一見何もない部屋だけど、こういう設備くらいはあるわ。ということで、コンピュータとケーブルをつなぎ、片方をリビングの冷蔵庫脇の
インターフェースボックス、というのにつなぐ。映像と、音声とを。行き先は、天井にそなえつえられているスピーカユニットと、
天井から降りて来る投影機、そこに行き着く。もちろん天井から降りるスクリーンというのもあるわ。ちょっとした映画館にはなるわね。
ドライブを空けてみる。ちょっと崩したような印字で、DVDと読めるのがある。大丈夫みたいね。
みんなが来る前に、たまった洗濯物を処理しましょ。夕べまで脱ぎだした下着や靴下を洗濯機に入れて、洗剤と柔軟剤というの?そんなのを
入れて一緒に洗う。いつもはベッドの上に干しておくのだけど、いくらなんでもみっともないかしらね。
ベランダの物干し台、使うのは今日が始めてだけど、大丈夫かしらね。下着や靴下はリビングベッドの上に這ってある紐に洗濯ばさみで吊るしておいたほうが
無難かしら?シャツやスカートは外でも大丈夫だと思うのだけど。
脱水が終わり、洗濯物をかごに入れて、ベッドの上に上がる。下着や靴下を洗濯ばさみではさんで吊るす。黒い靴下、洗濯したのになんだか臭い。。。
シャツやスカートは今洗濯中、もう少し、かかるかな?家事をするのも久しぶり。ほかの人は、あまりやらないでしょうけどね。
ベランダに出てみる。天気がよくて気持ちいいわ。雲ひとつない快晴。目がとろんとしてくる。なんだかちょっと、眠いかも。
洗濯機から音がする。終わったみたいね。私は、洗濯かごを持ってシャツとスカートを取りにいく。
ベランダの物干しに、シャツとスカートを干す。時計を見ると8時半。ちょっと早いけど、お茶でも飲みましょうか?
175名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 02:31:46 ID:???
おつ
176名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 04:27:10 ID:???
MOですか?乙
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 10:03:43 ID:???
嬰月優日その参
 冷蔵庫からペットボトルのお茶を出して飲む。お茶を入れたほうがいいのだけど、一人で飲むのなら
ペットボトルのほうがいいわね。
ベッドの下に目をやる。大きな注射器と、整腸キットがおいてある。これ、どこかに隠さないと。
「ガチャガチャ・・・」
玄関ドアの音がする。誰かきたみたい。
「綾波さん、おはよう」
洞木さんと鈴鳴さんがきた。とりあえず、あがってもらう。キッチンでお湯を沸かして、お茶を入れることにしたの。
2人とも、はじめてきたとはいえ、何もないような私の部屋に戸惑っているみたい。ごめんなさい。
ベッドのしたにおいてある箱の中のものをだして色々見ている。隠匿するの、すっかり忘れてた。
お茶を居れ、ティーカップを3人分お盆に入れてリビングに持っていく。ごめんなさい、お茶しかない。。。
「きれいな色。。。煎れるの、上手ね?」
洞木さんに言われて、私も同じようなこと、前に碇君に言った事を思い出した。
煎れ方、碇君があの後教えてくれたんだった。
鈴鳴さん、大きな注射器をもって、何に使うのか聞かれた。い、一応真相は話しておいたわ。ほかの女子たちも、
似たようなお悩み、でいいのかしら、そういう人、多いみたい。
映画が見たいって言い出したのが鈴鳴さんなので、色々映画DVDなんて持ってきてくれた。
コンピュータのドライブに入れて、立ち上がるかどうかやってみた。一応、大丈夫みたい。
ほかには誰か来るのかしら?クラスメートなんかと遊ぶ、というのは初めてだから。
惣流さんのは、別よ。いつも突っかかってきて、色々迷惑。今は精神病院に入院中ね。
178名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 10:35:15 ID:???
嬰月優日その四
「ほかには、誰が来るの、かな?」
柔らかい口調で、二人に聞いてみたわ。碇君も、来てくれるのかしら?
「レイちゃん、今日は私とヒカリちゃんだけだよっ」
2人だけなの?まぁ、急であったからしょうがないわね。でも、3人で映画というのを見てるだけというのも
面白みがないかも。ほかに何をしようかしら?
「ガチャコン・・・」
玄関のドアが開く、碇君、来てくれたのかしら?
「おはよう・・・だね」
そこには、碇君ではなく、タブリス、が立っていた。ほかの2人は、私の後ろになぜか隠れる。
「綾波さん。こいつ、昨日街に出没した変質者よ」
洞木さんが言う、知ってる。私も昨日会ったもの。腐り果てて消えたんじゃ、なかったのね?しつこい。
「リリスとちょっと遊びたくなってね、ここにきちゃったよ」
そういって、彼は浮かび上がる。そして、私たちの周りをぐるぐる回り始める。そして、窓ガラスを割り開け、外に出る。
「さぁ、外で遊ぼう」
遊ぶ?私なんかと遊んで楽しいのかしらね?この二人には申し訳ないけど、ちょっと本気を出さざるを得ないわね。
「洞木さん、鈴鳴さん、今から見るものは、夢だと思ってくれる?」
「え、あ、、うんでも、こいつ変質者」
「わかってるわ。でも、追い出さないと危険よ」
肉体を滅ぼされたら、また復活する。ちょっと前までの私じゃないのだから。はぁ。。。仕方ないわね。向こうが飛んでいるのなら、
どうにかして羽を生やすしかないわね。
179名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 11:00:52 ID:???
嬰月優日その五
「お二人さん、目を閉じいてくれる?」
2人にそういって、私は体に力を入れる。背中のほうでもぞもぞ動き出す。白いものが生えてきてくれる。こうしないと2人を守れない。
「うっ・・・うあぁぁぁぁぁっ!」
びゅりゅびゅると音がして、背中から、白い羽が伸びきる。ちょっと、光り輝いているみたい。
「それじゃ、行くわよ」
羽を羽ばたかせ、私は宙に浮く。そして部屋の外に出た。
「リリス、遊ぼう」
嫌よ。私の領域を侵しに来ただけでしょうに。羽を伸ばして羽ばたかせる。彼のスピードに追いつくように生やした羽を使って、
私も飛はじめたわ。でお、彼の手の中から、光る鞭のようなものが出てきた。第四使徒の武器みたい。
「どうしても嫌だというのなら落とすしかないか」
結局、目的は何なのかしら? 私は彼よりも飛ぶ速度ははやい。でも、光の鞭を持ってそれを振られていくおかげで、すこしずつ
私の羽が切り落とされていく。速度もだんだん落ちてきた。どうしよう。。。羽も再生できるのかしら?切られた羽の先から、赤いものが
にじみ出ている。これ以上切られたら、私は飛ぶこともできなくなるし、呼吸まで荒くなってくる。あ、ひとつだけ、いくらでも使える私の
武器があったんだ。私は髪に力を入れる。2メートルくらいの長さになったかしら、白く伸びた私の髪。色々な形に変えることもできるの。
左かたっぽを細い鞭に、右かたっぽを人の手のような形に変える。彼が私に向かって飛んできたので、鞭状の髪を振り上げる。
「なっ!」
彼の足に私の髪鞭が絡みつく。彼が逃げようとしても、髪の毛が引っかかって、逃げられないのだけど、髪が引っ張られるので私も痛い。
服以外は全身真っ白の私。地下で磔にされている本体みたいな体の色。彼はそれでもうれしそうだけど。さてと、そろそろ引っ叩いてやろうかしらね。
180名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 11:47:52 ID:???
嬰月優日其の六
彼の股先に、鞭の先を細くして、それでちょっぴり悪戯をはじめたわ。くすぐってみる。彼は笑いながらやめてほしいとかなんとか色々言って来る。
とりあえず、止めにお尻のほうに鞭先を突っ込んだ。
「あぐぅぅぅ!」
彼は大きな声を上げる。ちょっとあなたのこと、教えてくれるかしら?腸壁から彼の情報を読み取って、彼の精力も頂いちゃおう、ということ。
色々調べさせてもらったわ。これ以上は私が持たないから、右かたっぽの髪の手で彼を引っ叩く。彼は、勢いに負けて海のほうへ飛んでいった。
その際に、突っ込んだ鞭先が無理やり引き抜かれたものだから、断末魔のような悲鳴を上げていたわね。伸びた髪の毛が抜けて、下に落ちていく。
その後、元のショートカットにまで伸びてきたわ。私はマンションの自分の部屋に飛び戻る。
部屋の中では、洞木さんと鈴鳴さんが、身を寄せ合って震えていたわ。私は羽で2人を包んで声を掛ける。
「ごめんなさい、でも、もう大丈夫よ。大丈夫だから・・・」
声をかけると、二人の震えが治まった。まぁ変質者にこられて、其の上で私が人間離れした業をやってのけてしまったから、無理もないわね。
私も、疲れたわ。碇君が始末してくれたのは、一体何だったのかしら?私は、葛城三佐に、タブリスが生存していることを伝えた。ただし、
特殊な事情でということ。
2人には、さっきまで見ていたものは夢だと考えてほしいと伝えたが、受け入れてもらえなかった。洞木さんはぽかんとしていたわ。
でも、受け入れてもらえないとはいえ、鈴鳴さんの対応は異なっていたわね。「羽が出てきて飛んだの〜」って、なんだかメルヘンチックな話に
なっているのね。これはこれで、ちょっと困ってしまったわね。まだ課題は山積み。平和な時間も、まだ来ないということかしら?
とりあえず、お茶を入れなおし、2人に飲んでもらい、落ち着いてもらった。今日はもう、私も疲労困憊。割られたガラスも直さないと。
181名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 17:22:42 ID:???
otu
182名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 19:51:01 ID:???
嬰月優日其の7
2人は疲れたというので、帰ってしまったの。私はリビングベッドにごろん。天井を見つめる。私にとっては、見飽きた天井。
目がとろんとしてくる、眠くなってきてしまった。目を閉じると、そんなに時間もかからずに眠ってしまった。

 目が覚めると、あたりはすっかり夕暮れ。私は目をこすりながら起き出して、ベッドの脇に脱いでおいたスリッパを履いて
書斎部屋に行く。予備機の電源を入れてライブチャットを立ち上げると、すっかり今日のの私の話題になっていたわ。
「綾波さんに羽が出てきて飛んだの〜」
というのは、鈴鳴さんね、そういうの、普通の人なら卒倒する話題でしょ。私はライブカメラを覗き込む。
「すごい〜ほんとに羽が生えてる」「綾波さん、天使みたい」そんなのばかり、え!
私は背中を覗き込む、羽が生えたままだったの。このままの姿を晒してしまった。どうしよう・・・普段の生活をするのに羽は邪魔。
すぐにたたんで、背中に隠しいれたわ。ちょっと頭がくらくらする。冷蔵庫からドリンク剤を出して飲む。戦闘中に羽を切られたときに
出血して、それで貧血気味なのかもしれないわね。あ、いけない。洗濯物取り込まないと。 ベランダに干してあるシャツやスカートを取り込んで、
洋服ダンスの中に入れる。室内干ししていた下着や靴下なんかは、なくなっていたの。タブリスが持っていったのかもしれないわね。まったく・・・
頭を抱えながら、書斎部屋に戻り、赤いノートパソコンに切り替えて、ベッドににごろん。少し楽になったわ。玄関先のチャイムも修理するか
改造してもらわないと。ライブチャットで会話しつつ、タブリスから抜き取ったデータをMOに落としていく。落とすといっても、あの時感じたこと
をそのままレポートみたいな形にしているだけ。碇君、あなたが殲滅したものはいったいなんだったの?碇君に電話してみる。
183名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 19:53:20 ID:???
嬰月優日其の八
「あ、綾波、どうしたの」
「碇君が殲滅した使徒のことで電話したのよ。タブリス、殺したんじゃなかったのね」
私の言い方がまずかったみたい、電話の向こうで頭とか抱えて、また自分の中に閉じこもって目を倍ぐらいに開いて自問自答しているのかしら?
そんな様子みたい。とりあえず、殲滅してくれたあとのように、私は落ち着いてもらおうと、色々碇君を諭したの。「なぜ殺した?」
問いかけもあったみたいだけど、ああしなければ私の本体や、ほかにも要らない犠牲が出ていた。だってあれ、使徒だもの。それに私に色々
付きまとってきて、困っていたもの。とりあえず、碇君落ち着いてくれたみたいね。そうでないなら、またちゅーはい飲ませるわよ。
ドアをどんどんとたたく音がする、今度は誰なの?ライブチャットで会話する皆に来客があったことを伝えて、私は玄関に向かう。のぞき穴から見ると、
見知らぬ女の子が立っている。誰でしょうかね?
ドアを開ける。白いシャツとミニスカートというのかしら、灰色の髪の女の子。背中には羽。誰の差し金?もう、いい加減にして。
「あなた、誰?何しにきたの?」
碇君が最初にここに来たときと同じような言葉を冷たく言い放ったわ。
「私の、名前?タブリスXX、あなた、綾波レイさんね? 事情聴取に来たの。入ってもいい?」
誰とはいえないけど、似たような冷たい口調で私にそう返してきた。タブリスXX?付きまとい男と何か関係あるのかしら?
「お邪魔、します」
最初のころの私みたい。今になって考えれば、私と話す人、今の私みたいな気持ちになったのかな?
「タブリスのコピー、ここに来たでしょ?其のときの様子を教えてくれる?」
背中の羽を畳みながら、タブリスXXというのは言った。靴を脱ぐ、黒い靴下が露になる。
見た感じ、スポーツ少女、というのかしら?そんな感じ。とりあえず、お茶でも入れようかな?私はタブリスが来たときの様子を話す。
184名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 19:58:58 ID:???
憂月鬱日
「今朝方ここに来て、私と遊ぶといって飛び始めて。私の友人がきていたから、私は羽を広げて外に出て迎撃、一応撃退したけど、
海のほうに飛ばしてやっただけよ。他に、聞きたいことある」
「あなた、リリスXXにそっくりね。目の色が違うだけかしら?」
「リリスXX?!・・・知らないわ。何、それ?」
「本部のXXプラントにいるわ。私たちは殲滅された使徒のDNAを使って生み出された対使徒迎撃・殲滅を行う部隊。リリスXX
は私たちを束ねるリーダーよ」
XXプラントプロジェクトなんて、私でさえ碇指令から聞かされていなかった。そんなプロジェクトがあることさえ知らなかった。
「それ、碇指令は知っているの?」
私はちょっと聞いてみる。
「碇指令?私たちこそそんな人知らないわ」
どういう事?本部といったら、一番上は指令のはずなのに。
「私たちは、あなたたちとは全く別の組織だから。知られていないのも当たり前ね。タブリス量産タイプは、これでないと倒せないわ」
そういって、右手に両歯剣を出現させる。
「ロンギヌスの剣、これでないと、やつらは倒せない。貴重な情報、ありがと。リリスXXが、あなたに会いたがっていたわ」
剣をしまいこみ、彼女は立ち上がる。
「時々、ここに来てもいい?これは、私の連絡先よ。何かあったら、飛んでくるから。いつもは松代にいるわ」
松代?第2指令所ね。でもどうして予備指令所なの?参号機の暴走があったところなのに。なぞは深まるばかり。
とりあえず、下まで送り、彼女は羽を広げて第2新東京市方面に飛び去った。
185名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 20:55:18 ID:???
憂月鬱日其の弐
XXプラント、どういうところかしらね?ロンギヌスの剣って・・・私も知らないことばかり。
とりあえず部屋に戻る。今日1日で色々ありすぎた。連絡先を書いてあるというMOが一枚。予備機に入れて、中を見てみる。
XXプラントの場所。メンバー構成、それぞれの連絡先が入っていたわ。こういうの、情報展開しても問題ないのかしら?
パイロット、じゃないわね。メンバーは全員女子みたい。リリスXXというデータを見てみる。顔写真、本当に私にそっくり。
目の色が藍色なだけで、それ以外は私と瓜二つ。
長い時間、家に居たのは初めて。今後、他にどんな使徒が来るというの?予知夢のようなことになるのは、絶対嫌よ。
人がみんなLCLに溶け込まれていく。それで最後に欠点を補完しあう?ため息ばかり出てくる。
人間、欠点があって当たり前。人に気遣うことなど私にはあまり得意ではない。でも碇君は表に出てこないけど、そういうところ
けっこうある。いろんな人が居てもいいと思う。そういう考えができるようにもなったの。
「晩御飯、どうしようかな?」
お昼ごはんも食べていないので、おなかがぺこぺこ。本部での実験データ取りがあるようなときには、指令にくっついて食堂でいろいろ
頼んでいたけど、こういうとき、やっぱり何か作らないとだめなのね。キッチンにノートパソコンを持っていく。
一昨日の夕方、スーパーで買ってきたパスタ麺をゆで始める。フライパンに油を引いて野菜も炒める。パソコンを覗きながら、ライブチャット
に参加。予想はしていたけれども、他の人はあんまり料理とか、やらないみたいね。茹で上がった麺をフライパンに移して、胡椒で味付け。
野菜パスタの出来上がり。肉だけは使いたくないので、どうしてもこういったメニューしか考え付かないの。鈴鳴さんからメールが届く。
肉がだめなら、野菜ハンバーグがあるよ。とのこと。ハンバーグというので、肉でしょ?と思ったけれど、パッケージ写真と原材料の欄を
写真にして添付してくれたのをみると、肉類は一切使ってないみたい。これなら、私でも大丈夫だよね。今度、スーパーで買ってみようかな。
186名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 20:57:31 ID:???
憂月鬱日其の参
晩御飯を食べ終えて、たまった食器類を洗っていたわ。こうしてのんびり洗い物をするのも久しぶり。碇君、私に、「主婦とかにあってるかも」
なんて言ってきた事があるけど、もしかしたらあたっているのかもしれないわね。のんびりやらせてくれるのなら、いくらでもやるわよ。
食事、洗濯、お掃除、そのほか。そういえばお部屋の掃除をしていない。明日、のんびりお掃除でもしようかしらね。
私はこれでも、けっこうなのんびり屋さん。普段はそんな素振り、見せないけど。一人の時間ですもの。のんびりやってもかまわないよね?
夜、ベランダで星空を眺める。メインサーバに電源を入れる。これで私のコンピュータフル稼働。でもいいの。いつでもどこでも、みんなと
会話したい。ライブチャットとかなら、電話よりも安いしね。本部でのお仕事、引退じゃないけど、そろそろ離れて普通の生活をおくりたい。
私が、料理屋手芸のこととか、教えて、代わりに私が知りたいことを皆から教えてもらおう。元気も出てきた。
もしかしたら、もう情報として手に入れているかもしれないけれど、タブリスXXさんに付きまとい男から収集したデータを
メールで送りましょ。メールにMOにおとしたデータを添付して送る。本当は手渡しがいいのでしょうけど、それだと向こうまで出向かないと
いけないよね?一応、ノートパソコンを書斎部屋に戻す。メインコンピュータに色々処理をさせている間に、お風呂に入ってくることにしたの。
お風呂を沸かしている間に、縫いかけのエプロンを探す。お風呂上りに少し縫っておこうと思ったの。
お風呂上りに、書斎部屋でエプロンを縫う私。時々ライブチャットにも顔をだす。もう少し早く、こういうことに気づいていたら、
私の生活、変わっていたかもしれないのに。私、専門知識などは豊富。でもこういうコミュニケーションとか、ちょっと疎いかな。
学校から、1人1台学習用のノートパソコンを支給されているから、こうしてみんなとチャットとか出来るのには感謝しないとね。
187名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 21:34:18 ID:???
188名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 23:22:27 ID:???
オッテュ
189憂月鬱日 :2006/08/27(日) 23:34:36 ID:???
別スレ話題で申し訳ないのですが、お酒を飲んで酔っ払ってしまった綾波の
日記に仕立てたりしてもいいですか?
背景は、とりあえず今186 憂月鬱日其の参 の続きを書いています。

190名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 00:15:21 ID:???
衣 月 装 日

ネルフ内部に、生活部という部署がある。
職員の福利厚生に関連する業務を行っている部署で、目に見えるところでは、
食堂や、大浴場の運営、休憩所の設置、清掃業務などを行っている。

業務の一環として、職員に対する衣服の支給を手掛けているのだが、
私に支給されるのは、いつも第壱中学校の制服と決まっている。

考えてみると私は、第三新東京市に散歩に行った時も、ニンニク栽培する時も、
料理会に参加した時も、溜池に落ちた時も、生き埋めになった時も、いつもこの制服姿。
たまには他の格好をしてみたい気がする。

そんなことを思いつつ、今日もまた本部内をふらついていると、
赤木博士の研究室前を通りかかった時、大量の白衣を抱え、中から出てきた博士と出会った。
何でも、新しい白衣が支給されたので、古くなった物を処分するのだという。

ちょうど他の格好をしてみたかったところなので、その処分される白衣のうち、
状態の良い物を、何着か譲り受ける事にする。
早速、羽織ってみると、白魔導師にジョブチェンジした気分。赤木博士もいつも
こんな気分なのかしら?そんな訳ないわね、博士、やってることは(暗)黒魔導師だもの。

そうだ、こうやって、みんなに古着を分けてもらおう。そう思い立った私は、
一旦、部屋に戻り、紙袋を持って、みんなの部屋を回る事にする。
どうせ、タダで支給されてるんだし、古着なら気持ちよく分けてくれるに違いない。

まずは葛城三佐の部屋を訪ねる。事情を説明すると、葛城三佐は、自分がいつも着ている
赤いジャケットとベレー帽、おまけにサングラスをくれた。
実は、以前から、「あのジャケット、いいな。」と思っていたので、これは嬉しい。
葛城三佐のことが好きになりそうだ。
191名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 00:17:02 ID:???
今、貰ったものを、制服の上から着用し、次は碇君のところへと行く。
屋内でサングラスをかけると、視界が悪くなる事に辟易しながらも、私が「おめかし」した
この姿を、碇君に見てもらいたくて、頑張って歩いたのだが・・・。

「綾波・・・そのサングラスwww。」
碇君に会った途端、彼に大爆笑された。碇君はいい人だと思ってたのに・・・。
その時、私の中に、確かな殺意が芽生えた。

「ゴメン、笑ったりして・・・。そういう事なら、僕はこれをあげるよ。」
そう言って碇君が差し出したのは、日の丸に「平常心」とプリントされた
タンクトップ。こ、これは・・・。雑巾決定。

碇司令の部屋へと向かう。実は、司令の部屋には、私の着れる服が何着かあることを
知っているのだが、それは碇司令の趣味で集められたもので、日常生活で着用するのは
憚られるような物ばかり。しかも、以前、それを発見したのがセカンドだったのだから、
もはや、司令としての威厳など、あったものではないというのが現状だ。

案の定、事情を把握した碇司令は、私用の服を隠してある、みかん箱の中から、
メイド服を持ち出してきたので、司令の机に思いっきりグーパンチしてみせると、
司令は悲しそうな顔でそれを引っ込め、代わりに牛小屋建設時に着ていた「はっぴ」をくれた。

その後はたいした収穫もなく、最後に、私が着れる服を一番持っていそうなセカンドを当たる。
セカンドの部屋へ向かっていると、ちょうど本人が前から歩いてきた。鴨葱、鴨葱。
「見て見て、ファースト。この服、今回の支給で貰ったのよ♪」
セカンドが着ていたのは黄色いワンピース。それが支給品って、どういうこと?
「アンタ知らないの?特別に注文しておかないと、毎回デフォで設定された服が支給されるのよ。
 え?アンタ、毎回制服を貰ってるの?んじゃ、私のお古でよければあげるから、ついてきなさい。」

という訳でセカンドの部屋へ。部屋の前で彼女がドアの開閉スイッチを押すと、部屋の中から
空気が流れ出し、彼女のスカートが舞い上がる。お尻に、おさるさんの顔のプリントされた、ぱんつ。
私に支給されるのは、白の無地のぱんつなのに、彼女のは、ぱんつも特注品なのかしら?
192綾波さん(4人目):2006/08/28(月) 00:21:20 ID:???
>>189
ゴメン、途中だったんだ・・・。
193名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 00:33:59 ID:???
オッテュ
194名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 00:49:13 ID:???
195名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 02:55:08 ID:???
乙です。
綾波さん、FF知ってるのか。あの何もない部屋に、TVとゲーム機隠し持っていたんだな。
セカンドインパクト挟まってるけど、FFも15くらいまで出てるんだろうか……。
196名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 05:52:32 ID:???
学園FFにはやはり評価は低いクチなのか?
197名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 11:04:51 ID:???
おさるさんパンツGJ!
198憂月鬱日 :2006/08/28(月) 13:06:23 ID:???
憂月鬱日其の四
チャットをしながら、カシスオレンジカクテルを氷と一緒にコップに入れて飲んでいるの。お酒なんて本当は飲んだりしてはいけないのだけど、
命令、ということで買い入れたちゅーはい、まだのこっていて、仕方なく。。。でも、いろんなフルーツジュースみたいな味ばかりで飽きないのよね。
なんだかおつまみがほしくなってきた。塩茹での枝豆も買っているからそれを食べようかな?
他の人は、ジュースにジャンクフードとかばかり。さすがに洞木さんだけはお茶みたいね。結構質素な生活みたいだしね。
私も、以前は余計なものは買わなかった。(命令で飲まされるお酒は別だよ)他の人と触れ合ったりして、色々私も覚えていったの。
ちょっといじわるな質問皆にぶつけてみたわ。ストレートに「お酒飲む?」って聞いてみたの。こっそり飲んじゃったって人が半数かな?
今は私を含めて、12人が入り乱れてチャットしているから、まぁ6人7人といったところかな?枝豆の塩茹でを持ってきてつまみだしたの。
普段枝豆食べないから、これも久しぶり。明日の朝、私ちゃんとおきられるかしらね?他の人に、何を飲んでいるか聞いてみたの。
そんなことを聞いたら、はじめはジュースといっていた人も、じつは私と同じ、ちゅーはい飲んでいたりする。時事的に将来を悲観して、
それで気を紛らわそうということで、のみやすいちゅーはいを飲んでいるのだとか。家の人に頼んで買ってきてもらうって、家の人、何も言わないのかしら?
見知らぬメールが届く。夕方来たタブリスXXからみたい。夜中こっそりこちらに来ているということなので、私にまた会いたい、とのこと。
ベランダのほうで物音がする。今度は何かしらね?ベランダに出てみたの。
「こんばんは、また、来てみたの」
ベランダに、タブリスXXさんが立っていたわ。少しおおきな鞄も持っている。
「この街にしばらく駐在することになるわ。この部屋、ちょっとの間、借りてもいい?」
そんなことを急に言われても困ってしまうわ。ここは、私の家だもの。
199憂月鬱日 :2006/08/28(月) 13:26:42 ID:???
憂月鬱日其の五
「ごめんなさい。ここは私の家。だから貸せないわ」そう言ったの。
「言い方が、悪かったわね。一部屋空き部屋を使わせてほしいの。隠し部屋、あるみたいだもの」
なぜ、ここに隠し部屋(とはいっても物置倉庫、埃まみれ)があるのを知っているのかしらね?
タブリスXXさんから、一枚のMOを渡される。其の中に、今回の職務内容と、こちらの部屋を一部屋借りるための書物が入っているとのこと。
とりあえず、メインコンピュータに渡されたMOを読ませる。
数種類ファイルが入っている。タブリスXXさんがマウスを奪い取って勝手に操作する。もぅ・・・
プレーヤーが開き、そこに私の顔が映る。いえ、これ、私じゃない、瞳の色、藍だもの。この人が、リリスXXなのかな?。
「突然の訪問を許してください。私はXXプラントのリリスXXです。綾波さんの家のお部屋、一部屋かしていただければと思います」
声まで私にそっくりなのね。私の器、すべて破棄されたのではなかったの?
「タブリスコピーの調査のため、協力をお願いします」
そのように言って、再生ファイルは途切れた。タブリスXXさんが口を開く。
「協力してくださるかしら?もちろん、あなたが不在の際には掃除、洗濯、食事の用意などもするように言われています。
後日、リリスXXがこちらに出向き、あなたに正式にお願いすることになりますが」
そこまで言うのなら、仕方ないでしょうね。埃まみれでしょうけど、残りの1部屋、貸すことにしたの。間取りはわからないというので、
私が教えてあげた。とりあえず、荷物もそこにおいてもらう。中は案外きれいだったの。どうしてかしらね?
トイレやお風呂の場所も教えてあげた。急ではあったけど、同居人ができました。
「早速で悪いわ。おトイレ、借りてもいい?急いで松代から出てきたから」
「かまわないわ。私は、真中の部屋に居るわ。何かあったら声を掛けてくれる?」
そういって、タブリスXXさんはトイレに、私は書斎部屋に言って、飲んでいたカシスオレンジをまず飲み干したの。
200憂月鬱日 :2006/08/28(月) 13:57:32 ID:???
憂月鬱日其の六
トイレのほうから、なにやら喚くような声がするので、行ってみたの。タブリスXXさんが、お腹をおさえて、両足をばたばたさせながら
うんうん言いながら、お腹痛いって何度も言っていたの。ここに着くまでずっと我慢して飛び続けたのかしら?私はとりあえず、一昨日の朝
碇君にして貰ったように彼女にも同じことをやる。彼女、すごい脂汗をかいていたわ。お風呂にも入りたいというので、タオルとか、色々
脱衣所に用意してあげたわ。私は手を洗って、書斎部屋に戻る。
チャットルームのクラスメイトに、お客さんがきたのでこれで失礼する旨を伝えて、チャットを閉じたわ。
30分後、タブリスXXさんが書斎部屋に入ってくる。
「お腹が痛いの、直してくれたり、色々迷惑かけてしまって、ごめんなさい」
そういうと、私の脇に正座する。別にそんな、遠慮とかいろいろ、することないのに。
「お酒、なの?」
彼女が言う。私がこれを飲んでいることは秘密にしてもらおうとも思ったの。でも、リリスXXさんというのが、そういうことをすべて
彼女に話していたみたいね。どうして、私のこと、色々知っているのかしら?疑問がたくさん出てきたの。私が話し出す。
「最初に会ったときには、冷たい人かと思ったわ」
「私も、同じことを考えていたの。あの、お酒、温くなるわよ。この国の法律では、まだ飲んじゃいけないのでしょ?」
「そうね。でも、私は上からの命令で買わされて、飲まされていたの。それは聞かされていたのでしょ?」
「でも、私は設定上、あなたより年はひとつ上、ということになっているわ。オリジナルも、そうだったみたいだから」
同じような口調で話す私と、タブリスXX。どこか変。
「一本、頂いてもいいかしら?」
タブリスXXさんがちゅーはいをてにとって、蓋を開けて一気に飲み干す。躊躇なく一本一気飲み。
「綾波さんも、どんどん飲まないと・・・だめでしょ?」
え、あ、それはそうでしょうけど。鞄のなかから彼女が、ビールというの?冷えた缶を私に持たせた。
201憂月鬱日 :2006/08/28(月) 14:12:03 ID:???
憂月鬱日其の7
「これ、飲んで」
勧められるまま、ビールを開けて飲む。苦い、辛い。私にはだめ、飲めないわ。
1口飲んで、口から離したの。そうしたら、タブリスXXさん、無理やり私の口に押し当てる。それで苦いのと辛いビールを
無理やり飲まされる。一本ようやく飲み終わる。口の中、何か変。ビールって、甘くないし、美味しくない。
ビールを飲んだら、一気に酔いが回ってきたみたい。ちょっと立って、鏡を見ると、あれだけ白かった私のほっぺた、紅潮してる。
頭がグラグラする。これ以上飲めないわ。タブリスXXさんはビール2本を立て続けに空けちゃったの。
「もう、終わりなの?、これじゃ、使徒になんて勝てるはずないわね。情けないわね。そんなだから、あなたたち、侵食なんてされたりするのよ」
グサっとくる言い方ね。でも、私は使徒になんか侵食されてないわよ。誰のことを言っているのかしら?って、えぐっ。また口に無理やり。
苦いよぉ、辛いよぉ、美味しくないよぉ〜。こんなの私のキャラじゃないわ。でも、頭の中ではもうそんな感じ。もうやめてほしいわ。
「もおう、呑めないわ。いくらなんでも飲みすぎよっ」
少し強い口調でタブリスXXに言う。この人、私にお酒を飲ませるために来たのじゃないでしょうね?ビール。、応援を呼ぼうかしら?
碇君に電話してみる。一応、電話に出たけど、ちょっと驚愕している。
「綾波、今、どこに居るの?え、じゃぁ、今ここに居るのは誰?・・・」
どういうこと?私、酔っ払ってしまって頭がおかしくなったかしら?私は私。2人も居るはずないでしょうに。赤木博士が残りを殺したのでは
なかったの?私は、上機嫌にまでなってしまっているタブリスXXさんに、出かける旨を伝えると、彼女も着いてきたいとのことだった。
一度自分を殺した人間に会いにいくですって。どこまで酔っ払っているのかしら???
202憂月鬱日 :2006/08/28(月) 15:00:23 ID:???
驚月愕日
所変わって、葛城邸
この日は、監視を解かれた赤木博士を呼んで、葛城三佐と碇君とで食事などをしていたみたい。そこに、急なお客様が来られたみたいなの。
碇君が、レトルトベースのカレーを煮込んで、それを葛城三佐がまたアレンジしたみたい。赤木博士は下を俯いたまま。
「リツコ、何時までも塞ぎ込んでないで、せっかく御呼ばれされたのだから。さ、これ飲んで!」
三佐が博士にビールを差し出す。博士は黙って受け取り、一応蓋を開けて飲んだみたい。
「別にこんな散らかった場所にあたしを呼ばなくても・・・」
「御呼ばれされといて文句を言わない。シンジ君、カレーできた?」
「え、あはい。あれ、ミサトさんはどれに分ければいいの」
「あたしはね〜、これにいれちゃって〜、ドバ〜ッと」
「ほ、本気ですか?」
碇君、ちょっと困惑。レトルトのカレーをカップ麺にかけろというのだから、無理もないでしょうけど。
「ピンポ〜ン」
チャイムが鳴る、ドアの鍵を勝手に施錠されて、誰かが上がりこんできたみたいね。
「だれ〜お客さんかしら」
葛城三佐が立ち上がる。そして、其のお客さんが目の前に来る。
「ちょ、ちょっとレイ、あんたプラグスーツなんて外に着てきたら規定違反でしょ!何考えてんの?リツコも言ってやって!」
「あ、あたしはああ、あぁぁぁぁぁ!」
そういって、顔をテーブルに伏せて泣き叫ぶ。碇君が名前を呼ぶ。
「あ、綾波、どうしたの?それに、そんなの着てきちゃって」
プラグスーツをきた彼女が話し出す。
「綾波・・・レイ。そういう風に呼ばれていた時もあったわね」
「ちょっとレイ、いったい何なのよ」葛城三佐が立ち上がり、近づこうとしたみたいだけど、飛んできた何かに邪魔をされ、途中で止まる。
「な、何よ。これ、レイ、あんたね、どういうつもりよ!」
彼女の背中から伸びた羽が、葛城三佐を阻んでいた。
203憂月鬱日 :2006/08/28(月) 15:21:40 ID:???
驚月愕日其の弐
プラグスーツを着た彼女は、他の羽と、長い鎖のような白い輪を出して、自分の頭の上で回転させる。
「この子、私が最後に倒した使徒。今は、私と一緒なの」
碇君に電話がかかってきたみたい。電話の主は私みたい。目の前に居るのは誰って?私じゃないわよ。私、今自分の家に居るもの。
「こ、これ、綾波じゃないみたいだよ、今、本人から電話がかかってきたから・・・」
葛城三佐がが赤木博士に問いかける。
「リツコ、あんたまだなんか隠してるでしょ、これがレイじゃないって言うなら誰なのよ?」
「あたし、知らないわよ。こんなの・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
今、こんなのって、言ったわね! プラグスーツを着た彼女が話し出す。
「赤木博士、私は、あなたに捨てられたの。使徒と融合したということで死亡扱いで秘匿して、破棄したのでしょ?」
使徒と融合?どういうことかしらね?私はよくわからない。
白くて長い鎖を使って、碇君を巻き取り、自分の目の前に出す。碇君、目が大きくなってて、驚いているのね。
「碇君、私、あなたに会いたかった。このまま会えずに終わってしまうのだと思ってた。」
「君は綾波じゃない。やめてよ、放してよ」
「今は、確かに私はそういう名前じゃない。でも、以前はそう呼ばれていたの」
「何を言っているのかわからないよ」
碇君、抵抗する。そこにお腹を空かせたペンペンが乱入、プラグスーツを着た彼女にじゃれ付く。
「お邪魔します!」
そこに、私とタブリスXXさんも到着したの。3人とも、目を丸くしていたわ。
204憂月鬱日 :2006/08/28(月) 16:09:06 ID:???
驚月愕日其の参
私が葛城三佐の家に上がりこんだとき、大きな羽を広げて、ペンペンを抱きかかえているプラグスーツを着た私そっくりの人が居たの。
タブリスXXが、私そっくりの人に話しかける。
「リリス≒、もうそのくらいで十分よ。放してあげて」
リリス?じゃぁ、この私そっくりなのがリリスXXなのね。リリスXXさんが、碇君を解放する。碇君、驚愕の余り声とかでないみたいね。
葛城三佐、少し大きな声で話し始める。
「どういうことか、説明してもらおうじゃないの。リリス?あんた、どういうつもり?」
プラグスーツを着たリリスXXさんがとりあえず羽や輪をしまいこみ、その場に座って話し出す。
「急に押しかけてしまって、ごめんなさい。この服は、プラグスーツを元にデザインされた戦闘服。私は、このアルミサエル迎撃の際に自爆した、
2人目のレイで間違いありません。私のプラグは、ゼロ号機自爆と同時に強制射出されて、山林の中へ。体はぼろぼろでしたけど、気を失っていただけなの。
何日か経って、私が目を覚ましたときには、プラグは回収されて一時破棄場にあったの。私は外へ出ようとしたのだけど、体が言うことを利かなくて、
そのまままた、倒れこんでしまって。その後気がついたら、私はLCLの中でした。体は元通りに直ってました。知らない人たちが、私を観察していて、
LCLから出されたとき、赤木博士の破棄文書を読まされて、それで私は使徒と融合のため破棄されたと知ったのよ。私がいたのは、松代にある本部第弐発令所
XXプラントというところ。本来は殲滅した使徒のDNAを回収、解析して、対使徒用の決戦兵器を生み出すところだったみたいね。」
赤木博士が恐る恐る口を開く。
「XXプラント計画なんて、10年前に破棄されたわ。どうしてそんなところが」
「私も知りません。ただ、E計画とはまったく別のプロジェクトということ、大体のプロジェクトの中身を知りました。赤木博士、使徒と融合したからといって、私を
破棄した理由を教えてください」
赤木博士が泣きながら話し出した。
205憂月鬱日 :2006/08/28(月) 16:26:59 ID:???
驚月愕日其の四
「仕方なかったのよ、あの人に取り入ってもらうために。新しくコピーを興すしかなかったわ、あぁぁぁぁぁぁ!」
そしてまた、テーブルに突っ伏す。
「人の命の大切さ、身をもって知ったでしょうね。私はあなたの道具じゃない、玩具じゃない。ストレス解消のためのものでもないわ」
そうだったのね。でも、私の記憶には、そういったこと、ない。記憶があやふやだったのは、そのためね。
「3人目まで投入して、いつまでお遊びを続けるつもりなの?私は今になって、まだ無に帰りたいとか、そんな事言わないわ。ただ、
私が望んでいることをかなえさせてもらうわ」
そういって、私を呼ぶ。私に何か用?私に会いたいというのはどうしてなの?
「もともとは、同じところで造られたからわかるでしょうけど、私とあなた、ひとつになりたい。それは、とても気持ちのいいことなのよ。
最も、私はこの街の人間。松代などは他のメンバーに任せたい。私の役目は、一緒になればわかると思うわ」
私は、リリスXXとひとつになれというの?確かに、記憶はそれでひとつになるわ。でも、それで碇君とか、納得したりしてくれるのかしら?
今のお仕事のこと、どうするつもりなのかしら?まぁ性格も人柄も、全く一緒なのだから、ひとつになっても私自身は問題ないとはおもうけど。。。
「わかったわ、あなたとひとつになる。でも、その代わり、お願いがあるの」
「お願い?何でも聞くわ。言ってくれるかしら?」
「碇君のこと、碇君とした約束のこと、いつまでも守るって約束してくれるかしら?最も、其の約束は2人目のあなたならちゃんと覚えているはずよね?
「ヤシマ作戦の時のこと、今でも覚えているわ。あんなこと言ったら、後で碇君に怒られたけどね。そのあと、また碇君と約束したことも覚えているわ」
碇君が不思議そうに口を挟んでくる。
「約束なんて、したっけ?・・・」
碇君、あなたね・・・!とりあえず、私とリリスXXさんとで2人、口をそろえて碇君に言い放ったわ。
「あなたは死なない、私があなたを守るから。そして、あなたとこれから、ずっと一緒に生きていくってこと。お互い約束したでしょ!」
葛城三佐と赤木博士、口をあけてぽかんとしている。タブリスXXさん、ちょっとうれしそう。
206名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 17:00:49 ID:???
シンジがうらやましい
207憂月鬱日 :2006/08/28(月) 17:46:26 ID:???


驚月愕日其の五
私とリリスXXさんとで、お互い口付けを。其の瞬間光に包まれたの。
5分くらい経って、そこには融合した後の私。着ているものはプラグスーツみたいなものから、私がきていたシャツとスカート。目の色が藍色。
とりあえず、ぶるぶる震えている碇君のところに行き、やさしく抱きしめてあげたの「大丈夫。もう大丈夫だよっ」そういうと、碇君、落ち着いて
くれて。私がこの後すべきこと、欠落していた一部の記憶、頭の中に思い描いたの。そして、碇君への気持ちや思い。これから忙しくなりそう。
碇君が、私にもカレーを分けてくれる。ちゃんと肉は省いてくれたみたいね。タブリスXXさんにも分けてくれた。
5人でカレーを食してみたの。1口食べて、私はスプーンをおいたの。これ、美味しくない。どういう味なの?カレーじゃないわ。
とりあえず、気分を落ち着かせた赤木博士が言い放つ。
「これ、作ったのミサトね。」
葛城三佐が答える。
「あったり〜。どう?美味しいでしょ?」
ため息が出てきた。タブリスXXさん、スプーンを置いて話し出す。隣の部屋でペンペンが倒れる音がしたの。
「作り直したほうがいいわね。こんな不味いの、食べたことないもの」
私は、一度晩御飯食べてるからそんなに要らないのに。材料があれば、1時間あれば作り直せるでしょうけど。時計を見ると夜の10時。
私は、タブリスXXさんを連れて、家に帰ることにしたわ。碇君、下のホールまで送ってくれた。
「あ、綾波、でいいんだよね?」
碇君が聞いてくる。今までどおりで問題ないと思うのに。
「碇君、今までどおりで大丈夫だよ。私のこと、色々心配したり気遣ってくれて、ありがとう。これは、お礼よ」
そういって、私は碇君の唇に私の唇を重ね合わせる。{ずっと、一緒にいたい}そんな気持ちを込めながら。
碇君は顔真っ赤。サルみたいでかわいい。それじゃぁ、また、と言って、私とタブリスXXさん、羽を広げる。
文字通り、飛んで家に帰ったわ。でも途中で、変な男に会ったの
208憂月鬱日 :2006/08/28(月) 18:05:04 ID:???
驚月愕日其の六
「やぁ、また会ったね」
家に帰る途中で、飛行中にタブリスと接触したの。海のほうまでビンタしてやったけど、あんまり効果がなかったみたいね。
「今度はお友達連れかい?羨ましいよ。リリス〜」
甘い声出してもあなたとは関わりたくないの。
「夜のお散歩に付き合ってくれるかい?嫌なら、また落とすしかないようだね」
そういって、私のほうに飛んできた。でも、見計らったようにタブリスXXさんが横から突っ込む。
「だあぁ。なんだい気味は?僕の邪魔をしないでくれよ。うくっ。。。」
彼の右腕が切り取られている。あの剣を瞬時に使ったと言うの?速くて私にはわからなかった。そんなことを考えているうちに、
第弐射がくる。とりあえず、避ける。飛行用の羽だけじゃ、避けるので精一杯。
「あなた、ぼおっっとしないで!リリスと一緒になったなら飛行中でも通常攻撃できるわよ!!」
あうっ、ごめんなさい。タブリスXXさんに怒られる。そうだ、さっき私、融合して1つになったのよね?攻撃手段を考える。
今ある上半身のみに生えている羽を、腰の辺りからも生やす。アルミサエルを模した光の鎖で遠距離攻撃、どらぐーんしすてむ。
どらぐーんって、何?とりあえず、羽をすべて生やしてみる。腰からも私の体の下に向かって、羽が生えてきた。なんだか
よくわからないのだけど、この羽、静止時なら私が向いている方向に90度近く曲がるみたい。それと、羽先が分離して、
相手に波状攻撃をかけることもできるみたい。以前より、攻撃力が倍になったわ。羽を出すのに息んでいたのに、ぜぇはぁ
言わなくなったのも大きいわね。私が使徒と融合したメリットというものみたい。
209憂月鬱日 :2006/08/28(月) 18:52:03 ID:???
驚月愕日其の七
彼が私に向かって突っ込んでくる。一応、避けると同時に、光の鎖で攻撃する。彼が逃げた方向に、私も飛んでいく。
昼間は、彼より少し速い程度だったのが、すぐに追いつくようになったの。移動速度も倍ぐらい。えと、頭の中で焦点を絞る。
私は一度制止する。彼が、私のほうに向かってくるので、羽をまげて一斉攻撃してみたの。眩しい。目をちょっと開けてみる。
羽の先から、光線が発射され、彼の足に直撃。私の羽が全部で12枚になったから、威力も大きいみたい。ここでどらぐ〜んを使ってみたの。
羽先が私から分離して、私を中心にほぼ放射状に離れる。再度焦点を絞り、一斉攻撃。さっきよりは細いけれど、光線が彼めがけて発射され、
彼を貫いたの。羽先たちが戻ってくる。彼は、戦闘能力を滅され、黒い煙を上げながら落ちていき、最後に大爆発したの。
「お見事、大手柄ね」
タブリスXXさんにほめられた。何より自分の力で使徒?を殲滅できたのがうれしかった。自分を犠牲に自爆などせずに。
このまま私の家に帰ることにしたわ。とりあえず、ベランダから家に入ることに。え?ベランダのところに変な装置がある。
見たところ、私の部屋のあるところ、ガラスが割れているからよくわかるのだけど、何か滑走路みたいなのができている。
先端に、そりみたいなのと、回転灯がある。タブリスXXさんに言われるまま、そりに体を乗せる。すーっと、そりが動いて
体が前に引き寄せられ、速度が落ちていく。羽を閉じると、急に速度が落ちる。私は前につんのめり、そのまま壁に頭をぶつけた。
「痛ーいっ。」
「あちゃー・・・」
げほげほ。とりあえず、家に帰還。タブリスXXさんがお腹が減ったと言うので、パンと飲み物を出してあげる。
私、お風呂に入らないと。パジャマと下着類を持って、脱衣所に行く。酒酔いは戦闘のおかげですっかり醒めていたわ。
お風呂に入り、記憶を整理する。私がアルミサエル戦の後の記憶、それ以前の記憶がすっかり繋がった。
お風呂から上がると、タブリスXXさんが懲りずにビールを飲んでいる。また私、飲まされるの?
「私とリリスXXさんが融合してしまったのだけど、今後タブリスXXさんたち、どうするの?」
いくつか疑問に思うこともあったので、聞いてみる。
210憂月鬱日 :2006/08/28(月) 20:30:17 ID:???
驚月愕日其の九
タブリスさんが、このまま私と一緒にいたいというので、いつまでかわからないけど、一緒に生活する分には構わないと伝えたの。
ただ、私に無理やりビールを飲ませるのはやめてほしいと言ったら、リリスにビールを飲ませようとしたところ、正座させられ鞭で
体を叩かれ折檻され、ゴムひもをつけて靴を履かされずに雑巾がけをさせられたりというのがあったらしく、飲ませたくない。とのこと。
靴下、何度も擦り切れて何足も犠牲にしたり、真っ黒にしたりと。最初のリリス、赤木博士みたいね。私、自分がそういうことをされても
他の人にそんなこと、できないの。傷つけるのが嫌だから。それで根にもたれるのも嫌だしね。
タブリスさんがビール、私がちゅーはいを飲む。今までは1人で飲んでいたけど(命令で飲まされていたけど)こうして他の人と話を
しながら飲むと今まで以上に美味しく感じる。湯で枝豆を持ってきて、2人で飲みながらつまんだの。申し訳ないけど、タブリスさんの足、
ちょっと触らせてもらったの、柔らかくてあったかい。私より脚力ありそうって、私はあんまり運動できないから、そういう話は無し。
他のXXメンバーのことも教えてもらったの。メンバー表を見せてはもらったけど、私と融合したリリス、第3使徒派生のサキエル、
壱拾四使徒派生ゼルエル、CODE BE.XXの4人みたい。アルミサエルというのもメンバーの一員みたいだったけど、現地でリリスと融合
さっきは私と融合してひとつになったから、2人減ってしまったみたい。サキエルさんとゼルエルさんて、会っても大丈夫なのかな?
211憂月鬱日 抜けちゃた:2006/08/28(月) 20:40:15 ID:???
驚月愕日其の八
ここに開設した事務所は、このままタブリスさんが使うことになったの。降って沸いた仕事だけど、私がXX計画を統括する立場に。
リリスさんと融合してしまったのだから、其のあたりは仕方ないのでしょうけど、毎日ビールにつきあわされるのは嫌。
「リリスさんが居なくなって、寂しいとか、思わないの?」
タブリスさんに聞いてみる。あ、呼び方は、タブリスさんと呼んでいいみたい。例の付きまとい男は、一応使徒、と言うことに。
ビールを飲みながら、タブリスさんが答える。
「寂しくないわよ。もうじきもう1人、増えるもの。でも、結構じゃじゃ馬みたいで。」
じゃじゃ馬?惣流さんみたいな人かしら?
「CODE BE.XX。リリスを作る過程で生まれたもう一人のリリス。ちょっと半透明。目の色は片方が赤。もうかたっぽが藍、
結構わがまま。リリスも、最初は結構わがままだったのよ。でも、アルミサエルXX、まぁ、2人目のレイさんと融合して、さっきのような
的確な判断と、知的な戦士になったのだけどね・・・メンバー表、見ているでしょ?私は、一番後に生みだされたわけなの。それでもリリスが
色々面倒見てくれて。レイさんと融合した後のリリスは優しかったわ。それまでは、本当に厳しくて。。。」
タブリスさんが足をすくませる。足に何かされたのかな?優しいといっても、そうでもないと思うのは私だけ?
「レイさん、私にいつも声を掛けてくれて、落ち込んだりしたときに、色々話を聞いたり、頭とか撫でてくれたり。抱いてくれたり。
こんなに優しくされたの、初めてだったから。私、うれしかったの」
私と2人目、いえ、他の人がそういっても、私は私。何人目の。。。と言う思考はもうできなくなった。2人目というのと、3人目という私も融合して
しまったので、そういう概念が私のなかで消えてしまっているのでしょうね。
212憂月鬱日 :2006/08/28(月) 20:55:21 ID:???
驚月愕日其の壱拾
「他の2人に会っても、大丈夫なのかな?」
タブリスさんに聞いてみる。
「2人とも、とっても優しいの。私も以前は、さっき戦闘したようなのだったみたいだけど、使徒だったとは思えないくらいだよ
2人とも、最初はリリスに嫌な思いをさせられたみたいだけどね」
そうなの、近いうちに会いたくなってきたわ。
「今度、会えるようにお願いしてくれるかしら」
「今はあなたが統括しているのだから、ご自分でお願いしてみても問題はありません」
確かに、リリスさんと融合してしまったのだから、私からお願いするというのも筋が通る。この子なかなか頭いいのかも。
1人のときに、のんびりぼけっとしている私とは違うのね。
「明日、この部屋掃除しようと思うの。色々、手伝ってもらってもいいかしら?」
そういうと、タブリスは、何でもします。と答えてくれたの。私、うれしかった。
明日も早いから、もう寝ましょう、と言ったの。でも、タブリスさん、隣の部屋まだ整理しきっていたなったみたい。
私と一緒に寝たいというので、今日はこの部屋で一緒に寝ることにしたの。一応、家のすべての鍵をかけたわ。
窓ガラスが割れたところは、滑走路がそのまましまい込まれて、完全にカモフラージュされている。でも、いつの間に
こういうのつけたのかしらね?タブリスさんも再度お風呂に入ってくる。下着などは私のを着せてあげたの。
タブリスさん、ちょっぴりふくよかだから入るかな?って思ったのだけれど、大丈夫みたい。
明日は2人でお掃除、ご飯、何を食べさせてあげようかしらね?
213憂月鬱日 :2006/08/28(月) 22:10:24 ID:???

呆月呆日

「レイさん、おやようございます」
おやようございます?よくわからないけど、私は翌朝タブリスさんに起こされたの。
時計を見るとまだ朝の5時半、朝、早いのね。朝ごはん、どうしようかしら?タブリスさん、もう着替えちゃっている。でも、昨日着てきた服と
ほとんど同じ。シャツとパンツを着ているだけ靴下も黒のまま。着替え、全部一緒なのかしら?服、私が持って言うのでよけば、着せてあげられるのだけど。
でも、スカートとか履いてないのかしら?もしかして、昨日もワイシャツと、パンツだけ?えぇ?
「タブリスさん、その、言いにくいのだけど・・・スカートとか、はかないの、その、ぱ、パンツだけっていうのはよくないと思うから」
「え、あ、これ?半ズボン。だから、大丈夫よ。色々、気遣ってくれてありがとう」
半ズボン、盲点だったわね。足しかに、そちらのほうが動きやすかったりするのでしょうから。時間早いけど、先にお洗濯、しちゃいましょうか。
「タブリスさん、私、お洗濯するわね。あの、朝ごはん、お願いできるかしら?」
「え、あ、はい。了解」
とりあえず、脱衣所に行く。夕べ私が脱いだもの、タブリスさんが脱いだもの、それぞれ分けて洗濯籠にいれたの。
さきに私のを洗濯機に入れる。私一人分、昨日着た下着とシャツ、スカートと靴下。たったこれだけ。
タブリスさんの洗濯物、かごに入れる。ん?ちょっと臭い。汗臭いのかな?あんまりやりたくなかったわでもちょっと嗅いでみる。
「う!」
汗臭い・・・松代から飛んでくると、結構汗かくのかな?電車とか、そういうのでくるのはやっぱり難しいのかしら。
もしかしたら、まだ疲れとか、取れていないのかもしれないわね。あんまり無理しないようにしてもらわないと。
214憂月鬱日 :2006/08/28(月) 23:18:43 ID:???


呆月呆日其の弐
まず私の分の洗濯がおわったので、ベランダに干しに行く。キッチンでは、タブリスさんが朝ごはんを作ってくれていたの。
「タブリスさん、あんまり無理しなくても、大丈夫だよ」
「はい、でも、大丈夫です」
彼女の口調も、少しずつ、和らいできたような気がする。私は、どうかな?今までの私。融合した後の私。優しくなれるかな?
融合とか合体、普通の人には、考えられないでしょうね。でも、私の出生事情を考えれば、こういう話も出てきて当然だと思うの。
私も、被害者だから。コピーとはいえ、たくさん私の個体を作って、私の予備、もしくは、ダミープラグの原料にしようとしていたこと。
指令の考えていたこと、わからなくなってきた。やっぱり、ただの「道具」としか見ていないのでは・・・。
最初に襲来した使徒のときも、私に「予備が使えなくなった」って言っていたくらいだから・・・
碇君の苦しみ、どうして私、わかってあげられなかったのかしら?冷たい、嫌われているだなんて思わせてしまったようだしね。。。
いつも私のことは、色々、心配して気遣ってくれて。でも、私はあまり、彼の話、聞いてあげることができなかった。
碇君に伝えたい気持ちや思いはある。でも、それだけでいいの?私が彼にしてあげられること、ないのかな?
洗濯機のほうから音がする。タブリスさんの洗濯物、終わったみたい。洗濯籠を持って脱衣所へ行く。
洗濯機から、洗濯物を出して、洗濯物を入れる。籠をもって、またベランダに行って干した。
今日の分の選択はこれで終わり。キッチンに行って、タブリスさんの様子を見に行く。
「タブリスさん、お洗濯終わり。朝ごはんはどう?」
「朝ごはん、こういうので、どうかしら?」
テーブルの上にトーストとトマトサラダ。コンソメスープが載っていたの。いいと思う。
「私は大丈夫だよ。食材、あんまりなかったのに・・・」
「気にしないで。ここにあるものを使って作ったの」
彼女がうれしそうに笑い出す。彼女も料理するの、好きみたい。
2人、テーブルに着く。
「いただきます」
そう言って、今日の朝ごはんを食べ始めたの。
215名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 23:58:29 ID:???
なんか微笑ましい・・
216憂月鬱日 :2006/08/29(火) 10:58:34 ID:???
呆月呆日其の参
朝ごはんを食べ終わって、二人で後片付けをしていたの。タブリスさんが洗い物、私が食器のあと片付け。
ブリキのバケツを出してくる。それと、雑巾も。雑巾を絞って、私はリビングの床拭き、タブリスさんにキッチンの床拭きを
お願いしたわ。タイル張りの床、掃除するのも久しぶり。とりあえず、30分、床を拭き終わった私は、リビングベッドの埃とか
そういうのを拭いて、X計画で使用するお部屋の掃除をしにいったの。部屋に入ると、昨日置いてもらったバッグのほかに、
ダンボールに入ったコンピュータとプリンター一式が置いてあったの?私は首をかしげる。昨日まではこんなの置かれてなかったのに。
とりあえず、一応其の部屋の床も拭いておいたの。とりあえず、お掃除終わり。トイレやお風呂はお掃除不要。自動で洗浄されるから。
其の部屋を出ようと、扉のところまでくる、後ろのほうから、何か、白い帯?見たいなのがきて、私の顔を覆う。
「※!○×△□※※※・・・」
声を出そうにも、口をふさがれて話ができない。何?これ?新種のテロ計画?私だけを襲うなんて、戦自か付きまとい男くらいしか
考えられない。
「動かないでください。そうしてもらえば、何もしません」
う、動かないでと言われても、あなたが動けないように、白い帯で私を拘束し始めているでしょうに。誰なの?目的は、何??女の子の声?
「リリスが消息を絶ちました。何かご存知でないかと思いまして」
「リリスXXさんなら、昨日私と融合したわ。あなたの目的は何?」
私が言うと、後ろで私を拘束していた人?は白い帯をしまい始める。私は解放されたの。後ろを振り向くと、赤い髪の女の子?が立っていたの。
背は、私よりちょっと大きいくらいかな?
「はじめまして、私はゼルエルXXと言います。タブリスがお世話になっていると思います」
ゼルエル?最強の使徒、私がN2爆雷で融爆させても傷ひとつつかず、白い帯みたいなので零号機を行動不能にした使徒。
217憂月鬱日 :2006/08/29(火) 11:14:06 ID:???
呆月呆日其の四
「あなたが、ゼルエルXXさんね。でも、どうしてここに?」
「この部屋の準備をしに、松代から空間転移してきました。先ほど、誰かが入ってきたので、隠れておりましたし、ちょっと拘束させていただきましたの。
それと、申し訳ないのですが、何か食べ物を分けていただけませんか?私にはS2機関がないので、食事をしないとだめなんですの。
パンと飲み物でよければ、と言う話をして、とりあえずキッチンに来てもらうことにしたの。タブリスさん、大喜びしていた。
戸棚から、パンと、冷蔵庫からレモンジュースをだして、ゼルエルさんに出してあげたの。この子、頭の後ろに、何か装備されてる。
食事を終えて、ゼルエルさんはお部屋の準備の続きをしている。ダンボールを開けて、中からコンピュータを出す。
ケーブルを繋ぎ、プリンターを繋いで、電源を入れる。点かない。電源がきていない。この部屋は元々倉庫として使っていたの。
だから、電気配線はされていなかった。街の電気店にテーブルタップを買いに行く必要がありそう。
「バッテリーはありますか?UPSで構いません」
UPSって何?そんなの私、使わない。ないって言ったら、ちょうどいいのを後で持ってくる、とのこと。電源タップは 、今日買い物に行くので
其のときに一緒に買っておこう。この部屋以外でも使うこと、多くなると思う。
彼女もちょっと不思議な子。使徒のDNAで作られたというのにS2機関がないというのはなぜかしら?あの使徒、初号機に食べられてしまったのよね?
彼女は其の残骸から起されたのかな?
218憂月鬱日 :2006/08/29(火) 12:03:21 ID:???
呆月呆日其の五
大方の掃除なども終わり、私とタブリスさんは、街に買い物に行くことに。ゼルエルさんは、外見がちょっと他の人と異なるので、一度松代に帰って、
またきますとのこと。結構礼儀正しいみたい。使徒のときのように、目から光線を発射して、装甲層を貫通したり、本部を直接攻撃したりといった
力任せに色々やってくる、と言うのではないみたい。先日行った電気店に行き、テーブルタップと、タブリスさんに聞いて、コンピュータの事務用品とか、
どんなのが必要なのかを聞いてみた。おおよそ、私でも見当はつくのだけど、一応、ね。事務所分の買い物には領収書をもらい、スーパーに向かうことにしたの。
スーパーで、野菜などの食材とお米を購入、久しぶりにお米、たいてみようかな?と思って。それとお豆腐とかお味噌。ごはんにはお味噌汁だよね。
いままであまり、食べたことないけど、お菓子、というの?色々買ってみたの。お茶菓子?というのかしら。今までは紅茶を入れてそれを飲むだけだったから。
スーパーを出て、私のマンションに帰ってくる。ゼルエルさんが戻ってきていて、UPS、と言うものを設置していた。何でも結構重いものみたい。自身の腕では無理
みたいで、背中の白い帯?あれを手のように使って運んでいたの。そういう使い方もできるのね。事務所のほうも結構かたちになってきたみたいで、どこから運んできたのかな
会議室にあるような長机、そういうのもあったの。松代からゼルエルさんが運んできたのかしら?白くて新しい。いすも10脚運ばれてきていて。本当に仕事用の事務所みたい。
大きな業務用のコピー機まで置いてある。ゼルエルさんって、最強の使徒であったためか、力持ちなのね。ゼルエルさんにお茶を入れてあげることにしたわ。
ティーカップを3人分用意して、買ってきたばかりのお茶菓子を器に入れて、事務所の机に置いたの。ここにはポットも置くようになるみたい。さっきはなかったFAXも置いてあった。
いすに座り、ちょっと休憩。お茶とお茶菓子をほうばる。あとは何をこの部屋に運び入れるのか、何かお手伝いできることはないか聞いてみたの。私は、UPSというの?
バッテリー装置の充電をお願いされたの。この部屋のとは別に、おおきなUPS、3個もらうことに。メインと予備のコンピュータに繋いで使うことにしたわ。
219憂月鬱日 :2006/08/29(火) 12:22:56 ID:???
呆月呆日其の六
この部屋は元々倉庫、というのは何度も出てきたけど、ラックのようなものを両脇においていたから、最初に出したコンピュータ以外はラックにうまく収まっている。
ラックに設置したコンピュータとUPSなどを、ねじで固定したり、ラックを床と壁に固定する作業もお願いされたのだけど、これは私の手とかじゃ無理。
こういう日とか、碇君、何をしているのかな?電話をして、呼んでみることにしたの。私を助けてほしいって、悪戯っぽく言ってみたら、すぐにきてくれたわ。
「あ、綾波、お客さん来てるんじゃないの?僕なんか呼んで、どうしたのさ?」
ゼルエルさんのお手伝いをしてほしくて呼んだのと伝える。
「ゼルエルとタブリスっていうのか。変わった名前だね?はじめまして。タブリスさんて昨日会ったよね」
ゼルエルさん、くすっと笑って答える」
「はじめまして、ではないわ。あなたとは、一度会っているから」
碇君。不思議そうな顔をする。
「会ったって、どこでだっけか?」
「思い出させてあげる」
そういって、ゼルエルさん、背中の帯をにほん、碇君の心臓めがけて突き出す。其の動作を何度か繰り返す。
「こんなことされても、思い出すって何を?」
「立ってこんなことしているから、思い出せないのね。碇君、だっけ?其の壁際に、足を前に出してよっと座ってもらえるかな?」
言われるように碇君、壁際に両足を出して座り、ゼルエルさんを見上げる。ゼルエルさん。帯をしたにだらんと垂らし、中に浮き始める。
「あなた、使徒、と戦ってきたのでしょ?こういう感じの、いなかった?」
そういって、ゼルエルさん、さっきと同じように帯の動作を繰り返す。今までは寸止め。でも一度、碇君のお腹の辺りにちょっと当ててみた。
220憂月鬱日 :2006/08/29(火) 12:42:01 ID:???
呆月呆日其の七
「い、痛いよ。そういえば、こんな攻撃してきた使徒、いたような?どうやって倒したか、覚えてない」
私が口を挟む。
「あなたは途中で気を失ってしまったみたいなの。シンクロ率が400%を超えて、初号機が暴走、使徒は初号機に食べられてしまったの」
ゼルエルさんが話し出す。
「私はその後採取されたDNAを元に生み出されたの。初号機というのに食されてしまったおかげで、永遠動作器官と、内臓器官を失った。
他の人と同じように、食事と排泄をしないと私は生きられなくなってしまったの。でも、大丈夫。襲撃したりすることは、もうないから。
一応、使徒、というのはあなたがすべて倒してきたみたいだから」
碇君、少しほっとしたように立ち上がる。
「それで、何を手伝えばいいのかな?」
ラックの固定とコンピュータなどの固定作業。ゼルエルさんと一緒に、碇君が作業を始めた。
打ち解けることができたみたい。私も安心した。
2時間ほどで作業は終了。時計をみるとお昼を過ぎていたので、私がお昼ご飯を用意してあげたの。
事務所の机にお皿を並べる。箸なども持ってきて、人数分並べた。4人で食事。碇君、3人の元使徒の女の子に囲まれて食べる料理はおいしい?
私とゼルエルさんとタブリスさんの3人で、碇君を小突く。彼の反応が面白いみたいで、2人とも、食後も色々やっていたみたいね。
私が洗い物を済ませて、事務所に戻る。碇君へのいたずら、まだ続いているみたい。
221憂月鬱日 :2006/08/29(火) 14:47:28 ID:???
呆月呆日其の八
碇君への悪戯がおわり、彼は二人から解放された。
まぁ、彼女たちは一度は彼に倒されたのだから、腹いせに色々悪戯したくなる気持ちもわかる気がする。
コンピュータの電源をゼルエルさんがすべて入れる。部屋の両側に設置されたコンピュータ群が一斉に動き始める。
ラックに入っているとはいえ、モニターは2台、それぞれを切替え装置で切り替えて見ていくものみたい。
この部屋の入口に、会議室なんてはられている。管理責任者は私。自宅兼SOHO事務所みたい。
業務用複合プリンタにも電源が入る。これはトナータイプかしら?事務用品の購入品がこれから増えるわね?
あ、一応領収書、もらってきたはず。これをゼルエルさんに渡すと、突っ返された。
今まではリリスさんがこの手の備品購入の承認をしてきたわけだから、今後は私がそれをやってほしい。とのこと。
買うのはいいけど、全部私のお金なの?本部の事務費と言うのか、そういうので買ってはいけないのかしら?
予算は、取られていないの?ちょっと考えてみる。そういうのを専門に行う事務員じゃないけど、そういう人が必要になるかも。
誰か、引き受けてくれないかしら?予算のことは、ちょっと考えることにして、ゼルエルさんが松代に帰ると言うから、部屋で見送ったの。
空間転移、便利だよね。私も一度だけ、使ったことがある。このマンションから、駅前までだけど。
碇君、几帳面?聞いてみると、自分はそこまでじゃない。と言うの。この件、どうしよう?
222憂月鬱日 :2006/08/29(火) 15:19:14 ID:???
呆月呆日其の九
碇君は帰ってしまったの。タブリスさんも、一度松代に帰るって言い出して。とはいえ、彼女は一応この街と周辺に
付きまとい男のコピーがいないかどうか調べながら帰ると言っていたわ。私、また1人。ベランダにでて、ベッドの脇に置いてあるいすを
もっていって腰掛ける。ベランダの柵に頬杖をついて、ぼんやり考えごと。今夜、お米をたいて、夕べの口直しにカレーでも
作ろうかと思ったのだけれど。1人で食べても仕方がないわ。レトルトは中に肉が入っているもの、そんなのたべたくない。
ついこの間までは、1人でいるのが自然だったの。親しい人なんて、ごくわずかだもの。カーテンがひかれた暗いこの部屋で
やることと言えば、寝るか本を読むかだけ。本、読んでみようかな?書斎部屋から、1冊本を出してくる。ベランダに出て読み始めたの。
スカートのポケットから、携帯電話も出してみる。着信履歴、ほとんどが赤木博士からの呼び出し。とはいっても、
1月前くらいまで。私が自爆してから、碇君から数回かかってきただけ。連絡先も、必要な分のみ。
晩御飯とか、どうしようかな?時計を見ると午後の4時。お腹はまだ減ってない。とりあえず、本を読み続けることにしたの。
本を読んでいると、急に空気が湿っぽくなってきたの。雨でも降りそう。空を見上げると、さっきまで晴れ渡っていたのに、
泣き出しそうな曇り空。でも、私、空や雲、好き。見ていても、同じ形ばかりじゃないから、厭きないの。私の頭に、何か水が落ちてくる。
本をポケットにしまい、洗濯物を取り込んで、ベッドの上に置く。ざぁざぁと雨が降ってきたわ。
223憂月鬱日 :2006/08/29(火) 15:38:13 ID:???
呆月呆日其の壱拾
 洗濯物を整理して、私の分とタブリスさんの分とでわけたの。タブリスさんのパンツと半ズボン、中のほうに赤い染みがある。
怪我でもしていたのかな?衣装箱を一個持ってきて、そのなかにタブリスさんのを入れておいたわ。
雨が降りしきる外を見ながら、私はベッドに腰掛けて読書の続き。本を読むのも久しぶり。
とりあえず、本を読みふける。でも、内容が頭の中に入っていかない。仲間のこと、皆のこと。友達?そういうのが頭の中に浮かぶ。
本を読むのはやめたの。余計な思考と言えばいいのかしら邪魔をするばかり。
「雨、止まないわね」
そういって、メインコンピュータの画面を覗いて、天気を調べてみる。今日はこのあと、明日の朝まで雨みたい。
タブリスさん、ちゃんと松代まで飛んで帰れるかしら?そちらが心配になってきた。雨降りばかり見ていても仕方がないので、
事務所に行って、コンピュータの画面を見てみる。メンバー所在地情報、というのがある。
其の画面を見てみると、私は大3新東京市サキエルさんとゼルエルさんは松代みたい。タブリスさんが今ちょうどその真中付近。
山梨県、というのかしら?ちょうど其のあたり。空を飛んでいくと、どのぐらいの時間を要するのかしら?以前は、夜の暇なときに
羽を伸ばしてこの街の上空をちょっと飛んでみただけ。あとは昨日の戦闘時のみ。
224憂月鬱日 :2006/08/29(火) 17:42:51 ID:???
馬月鹿日
止まない雨が降りしきる。私は晩御飯の用意を始めたの。
メニューが頭に思い浮かばなくて。うどん、そば、ラーメン、どれがいいかな?
手軽に作れるラーメンを一個取り出して、お鍋を2こ出してきて、茹ではじめたの。
もうかたっぽでスープを煮込んで、麺をほぐして出来上がり。どんぶり1個に移す。
簡単でしょ。でも今は1人。こういうの作って食べて、自分で片付ける。それだけ。
他に何をすればいいの?
外でごろごろと言い出す。雷かしら?そう思った時、外に閃光が走る。
大きな音がして、電気が消えたの。でも、コンピュータのほうは、ゼルエルさんがくれた
UPSのおかげで点きっぱなし。お部屋、真っ暗。ラーメンが見えないよ。懐中電灯を点ける。
一応、これで食事はできる。
早々とラーメンを食べ終え、食器を流しに置く。電源が回復してからでも洗いましょ。
ベッドに横になる。外は雷雨。光ったり、うるさい轟音の繰り返し。どこかに雷落ちたのかしら?
UPSのバッテリーも、どうやらあと30分と言ったところかしら?でも、いい物をもらったわね。
225憂月鬱日 :2006/08/29(火) 18:43:13 ID:???
馬月鹿日其の弐
電源が回復したので、私はちょっとしかないけど、洗い物をしていたの。メインコンピュータの画面に
テレビの画面を映させて、それを見ながら。
洗い物、10分で終わり。おなべ2個にどんぶり一個、お箸だけだからそんなにかからないの。
今日は1人だけだから、リビングベッドに寝ようかな?書斎部屋の電気製品の電源を落としてくる。
事務所は・・・さすがにこれだけのコンピュータが動いているのだから、電源を落とすのはまずいわね。
ここは明かりだけ消して、リビングに戻った。
ライブチャットは、今日は鈴鳴さんと朝霧さんの2人だけ。彼女たちは鈴原君が学校に来ていないので、
それで色々話をしていたみたいね。マタンキとかいう言葉が聞けなくなって寂しがっていたの。
あれだけ色々批難していたのに、今頃になってどうしてなのかしら?私がチャットに参加すると、
2人とも、うれしそうに歓迎してくれたの。私は鈴原君のことは伏せておいた。
2人とも、ライブカメラの私の映像を凝視しているみたい。私、何か変わったのかな?
「綾波さんて、カラーコンタクトつけてるの?」
カラーコンタクト?目の色が違うと言うことかしら?昨日リリスさんと融合したから、目の色が変わっている。
すっかり忘れていたわ。い、一応カラーコンタクトと言うことにしたの。理由は視力が弱いけど、目の色をちょっと
変えてみたくなったの、と返事しておいたわ。他には2人とも、私の趣味とか色々聞いてきたの。
明日学校に行ったときに、私の羽を見せてほしいとも言われたわ。見せてもいいけど、倒れたりしないでね。
226憂月鬱日 :2006/08/29(火) 19:15:19 ID:???
馬月鹿日其の参
着替えを持って、脱衣所に行く。
お風呂が沸いたので、頭と体を洗って湯船につかる。明日は図書室に行ってみようかな?
本はいっぱいある。各種のメディアもいっぱいある。でも借りたことがないの。
明日、鈴鳴さんと朝霧さんを家に呼んでみようかな?そんなことを考えていたの。
湯船につかりながら、ぼんやり考える。いつまでこういう楽しい日が続くのか、わからない。
でも、こういった楽しい1日を大切にしたいと思うようになったの。ライブチャットでおしゃべり。
結構楽しいけど、学校でみんなと直接話をするのもいいのかも。
お風呂から上がり、パジャマに着替えたの。ライブチャットをしながら、エプロンの刺繍を完成させたわ。
できた刺繍をライブチャットの2人に見せる。明日現物を見せててほしいとのこと。羽も見せてほしい
というのは、やっぱり譲れないみたい。どうしよう、どこで羽を見せてあげようかな?見せても問題ないのかな?
明日も早い時間に学校に行こう。碇君に電話しておかないと。
ベッドにごろんして、目を閉じる。今日も色々あったから、すぐに眠りにつくことができた。
227憂月鬱日 :2006/08/29(火) 19:52:33 ID:???
暈月呆日
翌朝目を覚ますと、部屋には私1人。夕べからずっと私一人きり。
トーストにバターを塗り、牛乳と一緒に飲み込む。乳製品は私は大丈夫なの。
其の後で、下着類を脱いで、頭からシャワーを浴びる。冷たい水が気持ちよかった。
歯を磨いて顔を洗う。制服に着替えて、碇君が来るのを待っていたの。
でも、碇君は来なくて、その代わり葛城三佐から、碇君が今日学校を休むと連絡をもらったの。
今日は1人で学校に行くことになってしまったわ。

教室に入ると、まだ誰も来ていなかった。私は自分の席に座り、ノートパソコンを出して電源を入れる。
それと、昨日読んでいた本を鞄からだして、読み耽っていたの。窓を開ける。朝の風がひんやり心地よい。
30分くらい読んでいたら、他のクラスメートが何人か入ってきたわ。
「綾波さん、おはよう。」
「え、あ。おはよう」
急に声を掛けられて驚く私。今まで学校で、朝に挨拶されるのって、あまりなかったから。
「よしよかったら、刺繍を教えてほしいの?私、うまくできなくて・・・」
そういって、彼女たちはエプロンを出してきたの。私は読んでいた本をしまって、彼女たちに刺繍を教えてあげたの。
ホームルームが始まるまで、私は他の子たちにも刺繍とか、色々教えてあげていたわ。
228憂月鬱日 :2006/08/29(火) 20:18:52 ID:???
暈月呆日其の弐
ホームルームが始まり、先生が茶木絵里と黒板に書いたの。そして、今日は転校生の紹介からと言うことで、
茶木絵里という女子生徒が教室に入ってきたわ。
「茶木、絵里です。よろしくお願いします」
彼女の席は廊下側の私の対極。気のせいかな?風貌が私に似ているような、そうでないような?
連絡事項ということで、1時間目は自習、プリントを配って、先生は教室を出て行ったわ。
私を除くクラスメイトが、茶木絵里さんの周りに集まる。珍しい髪の色や瞳の色、なんだか違う私が
クラスの反対側にいるみたい。言い回しと、当て字なだけで、もしかすると・・・
「波さん、綾波さん」
呼ばれているのに気づく。私のそばに、茶木絵里さんが立っていた。クラスの皆が私のほうを見ている。
「な、何?」
私が問いかけると、彼女は私の頭を鷲掴み。痛い!彼女が腕を持ち上げるので、そのまま立たされる。
「後で、お話があるのですが、お時間取れますか?急なお願いでごめんなさい〜」
彼女に頭を捕まれたまま、一応後で時間を調整すると答えたの、この状況、確か第参使徒が初号機を攻撃する
時の状況に酷似しているわ。私、鑓か何かで頭を突かれるの?
「了解です。私、茶木絵里です。よろしくね」
そういうと、彼女は私の頭から手を離す。同時に、私はいすにへなへなと座り込んだの。朝から疲れた。
そのとき、校内放送が入ったの。
229憂月鬱日 :2006/08/29(火) 20:32:13 ID:???
暈月呆日其の参
「先週末から学区内において変質者が出ております。生徒の皆さんは登下校の際や休日なども十分注意し、
友達と一緒に集団登下校を行うようにしてください。」
変質者の件ね。今度出てきたらどうしようかしらね? 窓ガラスをどんどんと叩く音がする。窓を見ると。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
クラス中の女子が悲鳴をあげたの。無理もないわね。男の子が浮いているのだから。其の正体は付きまとい男。
学校にまで押しかけて、いったい何のつもりなの?他の生徒が教室備え付けのボタンを押す。不審者用なの。
「あいつめ!」
廊下側から声がするので見ると、茶木絵里さんが腕まくりをする。同時に大きく息を吸って、瞬間、制服姿から、
よくわからないけど、第3使徒を模したような格好に変わっていたの。背中には虹色に光る羽付き。
ガラスを割って、外に飛び立ったわ。クラスの女子は、ぽかんとしている人が多かったけど、鈴鳴さんのグループは
私のほうをみていたの。え!私も羽を生やして戦うの?学校なんかではあまりやりたくない。
「綾波さん、悪いけど、手伝ってくれる?」
そう言うのは外に出た茶木絵里さん。私の席の窓のところで私を呼ぶ。しょうがないわね。羽、皆に見せてあげるわ。
私も、羽を生やし始める。一応、すべての羽を生やす。あれ、頭に何かついてる?これ、プラグスーツ着るときに
頭に突ける増幅器だよね?今度は通信機のようなのに変わっていたわ。
230憂月鬱日 :2006/08/29(火) 20:50:31 ID:???
暈月呆日其の四
クラスの女子が私の姿を見て喜ぶ。「チャットの話は本当だったのね」「本当に天使みたい」
そういう話が聞こえる。厳密には確かに天使なのでしょけど。とりあえず私も外に出たの。毎度毎度しつこいわ。
「あれ?今日も友達連れなんだね?リリス」
頭が痛くなってきたわ、一昨日の夜に撃墜したのは何だったのかしらね。
「今日は、1人じゃないんだ。見てよ」
彼が指差す上空のほうを見てみる。勘弁してほしいわね。彼があと10人くらい、ぐるぐる回っているのよ。
「先日は、数に圧倒されたから、今日はいっぱいつれてきたんだ」
私と茶木絵里さん、2人でため息をつく。なんか、子供の喧嘩みたい。数で圧倒?ほとんど私が相手したでしょうに!
10対2、数では確かに圧倒されているわ。タブリスさんとゼルエルさんは昨日松代に帰ってしまったわけだし。
そんなことを考えていると、上空の連中が一斉に私たちに向かって攻撃してくる。私は光の鎖を両手にだして、飛行しながら
彼らを叩けるだけ鞭で迎撃しつつ叩いた。バランスを崩して1人が校庭に落ちていく。それでも、他のタブリスコピーは旋回して
私のほうに向かってくる。あれ?茶木絵里さんはどこ?彼女は、校庭に降りていって、墜落した1人の頭をつかんで、鑓をさして
止めを刺してくれたみたいだけど、あの数を今は私1人で相手するの?無理よ。一応、どらぐ〜んを使い、ちょっと離れた位置から
一斉攻撃してみたの。一応、彼らの体の一部には命中したけど、打ち落とすとか、そういうことはできなかったわ。
231憂月鬱日 :2006/08/29(火) 21:09:40 ID:???
暈月呆日其の五
連中は光の鞭を両手に出してきて、一斉に攻撃を仕掛けてくる。ちょっと、まずいかも。
光の鎖をめいっぱい伸ばす。でも、鎖だから、あんまり言うことを聞いてくれなくて。そんな時、私のそばの空間がちょっと歪んだの。
黒いトンネルができて、中からゼルエルさんが出てきたわ、。昨日見せてもらった空間転移だよね。
ゼルエルさん、背中の白い帯を放射状に伸ばす。私もいったん制止して、羽の先から光線を連中めがけて発射。何体かには当たったみたいだけど、
それ以外にはあたらず。でも突っ込んできた連中は、ゼルエルさんの帯と接触して、体の一部を切り取られてしまったの。そういう使い方
もあるのね。連中は、体を切り取られたことでちょっと混乱していたみたいね。次の瞬間、眩しい光が私たちを包み込んだの。
ものすごい爆音を立てて、光線群が発射される。それらは、連中を完全に包囲する形で照射されていたわ。
「リリス、私とどらぐ〜んを」
上空から声がする。え?半透明の私?私と同じような羽の配置をしているの。言われるままに私、どらぐ〜んの発射体制をとる。
彼女のほうも上空からどらぐ〜んを放射状に展開する。同時に一斉攻撃。眩しい光。連中は逃げることなどできずに一体を残して爆発したの。
「すご〜い」
私が声に出すと、残った一体が、半透明の私?にむかっていく。半透明の私、動じずにその場をうごかない。危ない!
そう思ったときには、残った一体は、半透明の私を透かして通り抜けていたの。どういうこと?何が起こったの?
次の瞬間、静止した彼女から放たれた光線群が、残る一体を直撃。
「とどめっ!」
あ、タブリスさんが、剣を持って猛スピードで切り裂いた。
残る一体も大爆発を起して、粉砕したわ。
232憂月鬱日 :2006/08/29(火) 21:27:54 ID:???
暈月呆日其の五
「お疲れ様でした〜」
教室に戻ると、クラスの皆から胴上げと言うことをされたの。こんなこと、されたの初めて。
私と茶木絵里さんは学校に、ゼルエルさんと半透明の私?とタブリスさんは、昨日開設した事務所に行ったわ。
茶木絵里さんはもとの制服に戻っている。でも、羽をしまいこむのが大変みたい。クラスの男子生徒に触られて。
私のは、クラスの女子に人気があるみたい。羽を触られてばかり。もう、仕舞えないよ。
やっとのことで羽を畳み、背中に仕舞いこむと、私は席につく。朝から疲れてしまったの。クラスメートと会話をしつつ、
今日襲撃してきた量産タイプの謎を考えてみたの。一体、どういう目的で、どこからやってきたのか?
自習と言うことでやっていたプリントも、学校に変質者が押し寄せたと言うことで、今日はもう放課となり、
集団下校をすることに。私が住むマンションのほうには、このクラスには今日はいないんだった。。。
私は、茶木絵里さんと空を飛んでマンションに帰宅することにしたの。彼女、やっぱり第3使徒派生のサキエルさん。
普通の氏名に見せかけるために、当て字を使ったのだとか。クラスメートに声を掛けて、帰宅後にライブチャットで会話
することにしました。
空を飛びながら、一応付きまとい魔が他にいないか上空から探しつつ、マンションの私の家に到着。学校から2kの空の旅も
無事に終わりました。今度は、着陸は失敗しなかったわ。
233憂月鬱日 :2006/08/29(火) 21:46:00 ID:???
暈月呆日其の六
家に帰ると、制服を脱ぎ、シャツとスカートを着替えたの。みんな、会議室に集まっているみたい。
「お待たせしました」
そういって、私は会議室に入る。そこには、XXプラントのメンバー全員が集まっていた。
「今日のコピー大量発生について〜」
ホワイトボードに、そんなことが書き込まれている。各自、あの男の思惑や、発生場所などを思いつくまま、
ホワイトボードに書いていくの。まるで学級会ね(・・?。テーブルには、1人1台ずつ小型のモニターが備え付けられていて、
会議資料などが見られるようになっている。結構進んでいるのね。私は、メンバーにお茶を配りつつ、自分の席に着く。
司会というか、議長はゼルエルさんがやっていたわ。
何度か戦闘を経験した私に、皆から意見を求められる。戦闘時の様子や武器などを話していく。私は、ちょっと緊張していたの。
「固くならなくても、大丈夫。あなたが考えることを言ってもらえれば、それでいいのよ」
半透明の私が言う。彼女は確か、CODE.BEさんだよね?なんて呼べばいいのかしら?
コピーの大量発生について、今後もさらに数が増えることも予想されるので、一応周囲の監視や見回りなどをやっていくことになったの
私はここの管理と、上空周辺を飛行して、カメラで街の様子を撮影することになった。パトロールと言うものかしら?
234憂月鬱日 :2006/08/29(火) 22:18:21 ID:???
暈月呆日其の七
私は、メンバー全員に、MOを1枚ずつ配る。私はCODE.BEさんに言われるまま、MOを配ったりその他の雑務もやっていたの。
リリスさんと融合したからとはいえ、私が今は新人さん。色々教えてもらわないと。でも、私はメンバーからはレイさんなどと
呼ばれることになり、CODE.BEさんがリリスと名乗ることにしたわ。CODE.BEというのは開発CODEだから、
名前はまだないみたいだったの。今回の会議で、私は自分の名前で、CODE.BEさんをリリスさんと呼ぶことで全会一致。
リリスさんは、私のこと、「レイちゃん」って呼びたかったみたい。途中で派生したみたいとはいえ、人格や性格がちょっと
異なるみたいなの。今までの私と正反対の性格かな?私が目指すものって、彼女のような優しさ、なのかな?
リリスさんが、私と話をしたいと言うので、私は会議室の外に出たの。
「レイちゃん、私は最初は、リリスちゃんの個体の突然変異として生まれたの。不安定な存在で、人のあらゆる操作や調整といったものを
かたくなに拒否してきたの。でも、それじゃだめなんだって思って。私はリリスちゃんやレイちゃんとそっくりさんだけど、人といえばいいのかな?
そういう人たちとうまく仲良くなりたいって思い始めて。かたくなに拒むものだから、ついには私捨てられそうになっちゃんだよ」
そういって、彼女は泣き始めたの。私は彼女を優しく抱きしめてあげたの。彼女、なんだか温かい。不安定と言うのは彼女の心の中だったのね。
私のように、色々経験して、それで会得してきたものもあるし、自信を持って、と彼女に言ったの。
捨てるというのは、要らないから、またはその人のエゴね。都合とか勝手とか。意にそぐわないものだったから、彼女は捨てられそうになったのね。
235憂月鬱日 :2006/08/29(火) 23:02:28 ID:???
暈月呆日其の九
会合が終わって、りりすさんと2人きり。半透明とはいえ、プラグスーツを模したようなのを着られているのもどうかと思うので、
私の服を何着か見てもらい、それを着てもらおうと思ったの。でも彼女、一応プラグスーツから、裸体に変化させることができるみたい。
でも半透明。とりあえず、シャツとスカートを着てもらったの。目の色以外は私とそっくり。他の人が見たらどっちがどっちだか
区別がつかないかもしれないわね。時計を見るとお昼を過ぎたところ、りりすさんに何か食べたいものがないか聞いたのだけど、彼女は
食事を取らなくても大丈夫みたい。私も、今日に限ってはお腹が余り減っていないので、飲み物と、お茶菓子で済ませてしまったわ。
半日学校の予定が、要らぬ不審者のおかげで散々な日になってしまったわ。そうね、連中の出所とか、心当たりというか、情報がないか
りりすに聞いてみたの?まだそういった情報はないとのこと。とりあえず、今日のことは私がMOに記録した。
メインコンピュータの画面を見て、ライブチャットを立ち上げる。今日の参加者は鈴鳴さんと朝霧さん。今朝の件、お礼をもらったわ。
ライブチャットの画面をものめずらしそうにリリスが覗き見る。お2人さん、今度は彼女に興味津々。私とそっくりだから、兄弟かなにか、
というようなことを要っているの。りりすさんも私にライブチャットのこと、色々質問してくる。彼女たちは学校のクラスメートで、
私のことも理解してくれつつある、ということ。マタンキという言葉に過剰に反応すること、色々教えてあげたの。マタンキといったとたん、
りりすさんは顔を赤らめて、そんなこと、口に出さないでください、と私に言ったわ。マタンキというのは言ってはまずい言葉なのね。
236名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/30(水) 00:05:48 ID:???
刺 月 激 日

スパイの人に対する、王小人の治療は続いている。
碇司令に何の目論見があって、この人を助けようとしているのかは解らないが、
助けるとなった以上、ネルフの尽力が注がれている。

王小人に協力を求められていた、「外的要因による刺激」という課題を
解決すべく、スパイの人の生存に関する機密が解除された。
碇司令はどんな方策を執ろうとしているのだろうか?

司令室に、葛城三佐、赤木博士、伊吹二尉の三名が召集された。
そこで碇司令が、スパイの人生存の事実を告げる。
伊吹二尉は素直に驚き、葛城三佐は固まり、赤木博士は冷静に。反応は三者三様だ。

「今、生死を彷徨っている彼に、外部からの刺激を与えると、蘇生率が上がるそうだ。
 そこで君達を呼んだわけだが、どうにかやってくれるかね?」
碇司令が女性三名を呼んだのは、まあ、その・・・私の口からはちょっと言いづらい
刺激の与え方を考えているからなのだろうと思う。

それにしても、この場にセカンドが呼ばれていないのには笑えるわ。
セカンドでは、スパイの人に刺激を与えるのは無理だと思われているんだろう。

などと思っていたら、何処から話を聞きつけたのか、司令室にセカンドが乱入。
「ちょっと!!加持さんが生き返るかもしれないんですって?何でアタシに黙ってんのよ!
 ああっ、加持さん・・・私のアイで必ず助けてあげるから、待っててね♪」
セカンド、貴方は「必要ないから、呼ばれなかったまでだ」。碇司令はそういう人よ。

スパイの人の治療が行われている小屋までは、私が案内することになった。
移動する人数が多いので、私の牛たちも総動員。今まで出番のなかった零号牛以外の
牛たちも嬉しそうだ。ちなみに私とセカンドは、零号牛に二人乗り。
237名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/30(水) 00:07:50 ID:???
小屋に到着。王小人の歓迎を受ける。休む間もなく、スパイの人に刺激を与えるべく、
葛城三佐が取り掛かる。
「加持くぅん・・・。」大胆にも葛城三佐は、スパイの人の耳たぶを、そっと噛んだ。
「う、ううっ・・・。」スパイの人が呻いた。これは、イケるかもしれない。

「ちょっと!ミサト、手緩いわよ!」セカンドが割って入る。
「あは〜ん、加持さぁん・・・ゴロゴロ♪」
・・・へんじがない、ただのしかばねのようだ。スパイの人よりむしろ、
傍らで見ている王小人の方が息を荒げている。これにセカンドが一言「気持ち悪い」。

そんな中、伊吹二尉は一人、おどおどしている。
「私、どんな事をしたら、オトコのヒトを刺激できるのか、わかりません・・・。」
仕方ないので、私のニュー・ブロウ「フラッシュ・ピストン・マッハ・ふ〜」を伝授する。

「加持さん・・・頑張ってください・・・。ふ〜っ。」
スパイの人がピクリと動いた。さっきの、葛城三佐の時より反応がいい。これを見た葛城三佐、
王小人が自己の鍛錬の為に持ち込んでいた棍を、スパイの人の頭上に振りかざす。
私とセカンドが捨て身で止めに入り、どうにか事なきを得る。

「あんたたち、遊んでるんじゃないのよ、こういうのはもっと合理的になさい。」
赤木博士は、こう言い放つと、スパイの人の股間をむんずと掴み、揉みしだいていく。
「あふぁ〜・・・。」スパイの人が一瞬笑ったように見えた。

やがて、赤木博士は何らかの手応えを感じたのか、手を動かすのを止めた。
「リョウちゃん・・・・、ぶざまね・・・・。」
見やると、スパイの人の股間の部分のシーツが、盛り上がっている。
これは・・・以前マンガで見たことがある。確か、「もっこり」って言ってたかしら・・・。
あっちは、加持のリョウちゃんじゃなくて、冴羽のリョウちゃんだったけど。

赤木博士の与えた刺激には、王小人から「スパイの人復活確定」のお墨付きをもらった。
後で聞いた話だと、私達が小屋を離れてすぐ、スパイの人は目を覚ましたそうだ。
238名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/30(水) 00:16:35 ID:???
シティハンターか!乙!!
239名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/30(水) 00:24:25 ID:???
加持さんに一切女扱いされていないアスカ乙
240憂月鬱日 :2006/08/30(水) 00:53:55 ID:???
暈月呆日其の壱拾
ライブチャットをしながら、冷蔵庫にある在庫のちゅーはいを持ってきて、私とりりすさんで飲んでいたの。
りりすさん、ちゅーはい飲んだことないみたいだったから、1本試しに飲んでもらったわ。
「甘くておいしいです。私、こういうの初めて飲んだよ」
そういうと、躊躇なくもう1本とって、一気飲み。ライブチャットの中でも、鈴鳴さんと朝霧さんとで、ちゅーはい飲んで
結構、酔ってました。私、まだ1本飲み終わってないのに。。。りりすさん、3本目突入。ちょっとピッチが早くない?
大丈夫かしら?
「大丈夫ですよぉ。私、れんれん酔っていませんからぁ」
え、何か呂律が回っていないような気がする。3本目も躊躇なく一気飲み。ちょっと想定外。
「レイちゃ〜ん。飲んでくださいよぉ。勧めてきたのはレイちゃんだよ」
りりすさんが言う。まぁ、勧めてしまったのは私。でも、もう5本目飲んでるの?早くない?
鈴鳴さんもライブチャットで話し出す。
「レイちゃんまだぜんぜん飲んでないでしょ。たまにはパーッとやりましょうよ」
「そうよ、綾波さん。まだぜんぜん飲んでないじゃないの?」
ライブチャットってば、リモート宴会システムかしら?と最近になって思えてくるのは私だけかしら?
そんなことを考えていると、りりすさんが私の口にちゅーはいを無理やり押し付ける。
「えあ、んぐっ」
ちゅーはいをひと缶無理やり飲まされる。彼女にちゅーはいなんて勧めた私が御馬鹿だったわ。私が飲まされて、
酔わされてしまってどうするのよ。
結果的に私が3本、りりすさんが10本、チャットの向こうの2人はそれぞれ5本ずつ。うちはともかくとして、
2人とも、5本も飲んで大丈夫なのかしら?家の人になんと説明するつもりなのかしらね?
241憂月鬱日 :2006/08/30(水) 01:08:42 ID:???
酔月飲日
ちゅーはいを10本飲んで、へろへろになっているりりすさん。
ライブチャットのほうでは、朝霧さんの家のほうで、なにやら修羅場映像が。
家の人に昼間からちゅーはいを飲んでいるのがばれて、ちょうどいまライブで
お仕置きと折檻されているの。とりあえず正座させられてパンツを脱がされて、
え、スティックをどうするのかな?って、無理やり朝霧さんのお尻に差し込まれる。
朝霧さん、断末魔のような大きな悲鳴をあげて足をばたつかせる。白い足の裏とか露に。
結構真っ黒。家の人に何度も折檻お仕置きされているからそうなってしまったのね。
以前の私と一緒みたい。何度もほっぺたをビンタされ、スティックを刺されたまま
正座。悲鳴が大きくなる。30分くらい色々されて、朝霧さん、おお泣きしながら
開放されたの。
「醜態を晒してしまってごめんなさい。今度は、他の人の家でやろうね。
ぐすっ、お尻とお腹が痛い」
彼女のライブチャットは、そこで途切れたの。鈴鳴さんが話し出す。
「うわ、結構な修羅場だったよね。私のとこは家の人があまりいないから、
大丈夫だけど。空き缶、ちょっと下まで捨ててくるね」
まぁ、確かに空き缶をすぐに家の外のどこかのくず入れに捨ててくれば
証拠隠滅になるでしょうけど。
でも、赤木博士にされた事に比べれば、まだ序の口のような気がする。
りりすさん、私に寄り添ってきて、寝息を立てていたわ。
242憂月鬱日 :2006/08/30(水) 10:08:42 ID:???
酔月飲日其の弐
りりすさんを書斎の私のベッドに寝かせてあげたの。寝顔、結構かわいい。
私も、寝るとこんな感じなのかな?半透明とはいえ、ちゃんと抱きかかえることが
できたわ。今日の戦いのときのことは、たぶん彼女が意図的にやっていたことだと思うの。
時計をみると午後6時過ぎ、ちゅーはいを飲んでしまったおかげで余りお腹減ってない。
今日はこの後、余りやることがないの。エプロンは教室の机の中に入れてきてしまったし、
ライブチャットを鈴鳴さんと2人だけでやるのも味気ない。
他に何をすればいいのかな?今までは本部でのデータ取りと指令の接待?みたいなもの。
零号機はもうない。私は、今後どうなるの?予知夢のような補完計画だけは絶対嫌。
私にも、せっかくできた仲のよい友達。彼女たちと一緒におしゃべりしていると楽しいの。
とりあえず、お風呂に入ることに。まだちょっと早いでしょうけど。
いつものように、湯船につかり、ぼんやり考え事。1人のとき、こういうとき、何をして
すごせばいいの?背中を丸くしてみる。わからない。ベッドに寝転んでみようかな?
とりあえずお風呂から上がり、シャツとスカートに着替えて、リビングベッドにごろん。
私、何をしたいの?どうしたいの?何を望むの?これからどうなりたいの?
私も、色々と自問自答してみる。でも、答えが出てこないの。
言われるまま、EVAに乗って使徒を倒して。今はすべてOFF。自分のこと見つめなおしてみるのも
いいかもしれないわね。私自身が、これからどうして生きていくべきかを。
243憂月鬱日 :2006/08/30(水) 10:54:49 ID:???
写月真日
「レイちゃん、おはようございますっ」
今日も朝早く起されたの。りりすさんも朝早いのね。最も、夕べは夕方には
就寝したから、そのせいもあるのでしょうけど。
眠い目をこすりながら、私も起き上がる。カーテンはもう開けられていた。
今日も私は学校に行く。りりすさんは会議室にこもって、昨日の戦闘データ
の照会とデータ整理をするみたい。あさごはんももうすでに食卓に並べられていたの。
パンをほうばり、牛乳を一緒に飲む。飲んだそばからカップと皿を取り上げられる。
それらは、りりすさんが洗ってくれたの。
「朝にパトロールに行って来ましたよ。涼しくて爽やかだよ。湖がきれいだよね」
朝から元気がいいのね。私には無理かも。何か見つかったのかしら?
「今朝は特にタブリスコピーなどはいません。そのかわり、朝の風景を写真に
撮ってきました」
銀色のカメラを手に彼女は喜んでいる。写真、撮ったことないからよくわからない。
最も、私は顔写真を撮られたことか、相田君に盗撮されたことくらい。
シャワーを頭から浴びてくる。脱衣所で歯と顔を洗い、制服に着替える。
お洗濯も、彼女がやってくれるみたいで、私は助かる。
やっぱり、誰か一緒にいてくれると、ゆとりができるわね。
昼間は、彼女のほうで好きな麺類を自分でゆでて作るみたい。
甘えんぼうだけど、割としっかり物みたい。これなら、留守番お願いできるわね。
244憂月鬱日 :2006/08/30(水) 11:14:39 ID:???
写月真日その弐
碇君がきてくれたので、一緒に学校に行くことに。りりすさんのことは一応彼には
紹介したのだけど、結構不思議そうな目をしていたわ。
碇君に、カメラを持っているかどうか聞いてみたの。彼は持っていないみたい。
デジタルカメラと言うのかしら?学校帰りに買ってみようかしらね?
碇君、この間渡したカードと通帳は持っているみたいなので、銀行にも行くことに。
教室に行くと、やっぱりまだ誰もきていないみたい。昨日読みかけていた本を出して、
窓のほうを向いて読み始める。碇君は、机に突っ伏して、朝寝がてら音楽を聴いているみたい。
30分くらい経ったかしら?何人かのクラスメートが教室に入ってきたの。
「碇君、綾波さん、おはよう。今日も早いね」
「おはよう、私が来る時間にはまだ誰もいないの。碇君が朝早いから」
「一緒に学校に来てるんだよね。仲がよいのが羨ましいなぁ」
そんな会話をしつつ、彼女たちもまたエプロンを持って私のところに来る。
朝仕事はエプロン刺繍。日課になりそうね。彼女たちにも色々教えてあげる。
私がまた学校に来るようになってから、男子生徒の数が半分以上に減っているみたい。
女子も減ったとはいえ、それでもまだ残っているの。みんな疎開してしまったのね。
刺繍を教えていると、鈴鳴さんも教室に入ってきた。今日は1人かしら?
245憂月鬱日 :2006/08/30(水) 12:05:36 ID:???
写月真日その参
始業のチャイムが鳴ると、朝霧さんが入ってきたの。なんだかちょっと元気なさそうね。
席に座るとき、ちょっと顔をしかめる。あの後も、何かあったのかしら?
今日は、茶木絵里さんが学校を休むとの事。まぁ、昨日松代に飛んで帰ってしまったから、
向こうで何か処理をしてくるのかしらね?
授業が淡々と進む。私はぼんやりと外を眺めながら、メールにチャットばかり。
授業のノートは碇君が取ってくれているようだから、後で見せてもらうことにしたわ。
元気のない朝霧さんにメールを出してみる。彼女に昼休み屋上で話したいと言われたの。
時間は取れるから、30分くらいならと返事を出したの。その後も授業は淡々と進んでいく。
でも、私が相談に乗ってあげても、いいのかな?そんなことを考えてばかりだった。
今日の授業が終わり、ほとんどのクラスメートが帰り支度をはじめる。私は碇君に断って、
屋上にいくことに。朝霧さんの姿は、教室にはなかったの。もう、屋上に行ってしまったのかな?
246名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/30(水) 12:15:36 ID:???
ペース早すぎまつw(>д<)
247憂月鬱日 :2006/08/30(水) 12:22:03 ID:???
写月真日その四
屋上に行く階段を上る。校舎は5階建て。無駄に大きいの。生徒も少ないのに。エレベータも
あるのだけど、今日は午後から業者さんの点検みたいで使えないみたい。
屋上に続く扉を開ける。そこには、朝霧さんと鈴鳴さんが、何か引っ張り合ってた。
「うーっ、う。お腹いたい。まだ、抜けないの?」
「少しずつ抜けてきているけど、どうしてこんなスティックなんて挿されたりしちゃったの?」
彼女のお尻に夕べで刺されたスティックが挿されっぱなし。それを引き抜いていたのね?
私、どうすればいいのかな?とりあえず、2人の間に入って、手伝う。朝霧さんが細い足で前に蹴り出す。
少しずつどうにか抜けてきて、なんとか引き抜く。朝霧さん、シャツを脱ぎだす。背中は痣だらけ。
ちょっと前までの私と同じね。
「今のこと、他の男子に見られたらこっちが変態とか色々言われそう、でも、本当に痛かったんだよ」
まだ傷がうずくらしく、朝霧さん、手でお腹とかを押さえる。屋上にある水道で、3人手を洗う。
「無理なお願い、聞いてくれてありがとう」
朝霧さんにそう言われる。ちょっと、私が思っていたのとは違ったみたい。。。
朝霧さんと鈴鳴さんに、一緒に街に来てくれるようにお願いされたの。誘われたって事かな?
248憂月鬱日 :2006/08/30(水) 12:33:51 ID:???
写月真日その五
屋上を出て、一度デジカメ部という部屋に行く。そこで朝霧さんと鈴鳴さんがカメラを持ってくる。
2人はデジカメ部、というのに所属していたのね。その部屋を出て、学校も出る。街のほうに3人で
歩き始めたの。不思議、友達と出かけるというのは、こういうことなのかしら?私にとっては初めて。
朝霧さんに、ジェラートを食べに行こうと誘われたの。なにそれ?知らない。二人に聞いたら、
行ってみてのお楽しみ、といわれたの。
ジェラートを売るお店に着くと、彼女たちは何を組み合わせるか色々話し始めたの。私には、何のことだか。
よくわからないのだけど、私も、聞いたことがあるような名前で組み合わせて、それを注文。
コーンカップみたいなのにジェラートというのが3段重ね。手で持っているだけで冷たいの。
先の部分を舌で舐めてみる。やっぱり冷たい。それに、頭にキーンとくる。ちょっと痛い。
食べているうちに、舌も痛くなってきたわ。途端に、私の目の前で閃光がする。2人がカメラで私が
ジェラートを舐めるところを撮っていたの。ちゃんと断ってほしかったわ。でも、このジェラートと
いう食べ物、冷たいけれど、とっても甘いの。舐め終わって、私の手にカップが残る。これも食べられる
ようなので、食べてみる。私の知らないものばかり。彼女たちにも色々教えてもらったの。
249憂月鬱日 :2006/08/30(水) 13:33:16 ID:???
写月真日その6
食べ顔を写真にたくさん撮られてしまったけれど、とてもいい時間をすごせたと思うの。
彼女たちと別れて、私は彼女たちも持っていたカメラを買いに電気店に行ったの。
いろんなカメラが置いてある。とりあえず、色々てにとってみたの。これくださいなとレジにもっていくと、
カメラケースとメモリーカードも一緒に買わされた。それとプリンターまで勧めてくる。私がほしいのは
このメモリーカードのリーダライターと写真用紙なの。プリンターは要らなくて、その代わり、
私が持っているプリンターの型番を言うと、フォトインクというのを勧められたわ。
先日買ったカラーインクと組み合わせて使うみたい。一応これも3つ買い込む。
写真用紙も買い込んで、お店を出たの。4万何某ほど使ったわ。
家に帰ると、りりすさんが会議室にこもっている。昨日の戦闘データや戦闘映像まで。
色々コンピュータにかけていたわ。テーブル上には、今朝のパトロールの際に撮ったと思われる
写真が転がっている。ここにあるプリンターでも無理なく写真がプリントできるみたい。
「きれいな写真・・・」
私が声に出す。りりすさんが気づく。
「あ、お帰りなさいです。お買い物してきたのですか?」
250憂月鬱日 :2006/08/30(水) 14:04:12 ID:???
写月真日その7
昨日のタブリスコピーとの戦闘データの解析はまだ終わっていないみたいだけど、写真の整理とかは
したほうがいいのかも知れないわね。一体、何枚撮ってきたのかしら?と思うくらい。
駅、橋、湖、商店街、このマンション。昨日この街にはじめてきたとはいえちょっと撮りすぎ。
写真を入れるアルバムも用意されている。彼女の机の上にはコーヒーも置かれているの。
私は写真を風景別にアルバムに入れていく。サインペンで表紙に今日の日付なども入れていく。
一通り作業を終えて、一度会議室から出てきたの。出る際に、りりすさんから、「お姉さんみたい」
って言われて。少し照れてしまって・・・彼女にとっては、そういう存在なのかな?
私が買ってきたカメラの箱を開けてみる。カメラのバッテリーを充電しながら、説明書に目を通す。
私は書斎部屋に行って、ライブチャットの画面を見る。今日はまだ参加者はいないみたい。
私はティーバッグの紅茶を出してきて、ねこさんが描かれている自分のカップに入れてお湯を注ぐ。
ちょっぴりミルクを注いで、書斎部屋で飲むことに。
買ってきたばかりのMOを開けて、ドライブに読ませる。フォーマットしながら、ラベルに
新しい日記帳と書き込んだわ。昨日までの日記がいっぱいになったから。この部屋に備え付けの
ラックに一枚のMOを入れる。昨日までの、私の日記。記憶があやふやな私のための代わりの記憶。
時計を見ると2時過ぎ。3時になったら、りりすさんと一緒にお茶にしましょうか。
251憂月鬱日 :2006/08/30(水) 14:23:51 ID:???

写月真日その八
私は、コーヒーは飲めないの。赤木博士に飲まされたら、お腹が下り始めて。
体質なんだからしかたないよね。でも、あの時はトイレに行くことも許されなかった。
腸がパンパンに膨れ上がって、お腹が痛くなってしまって、でもずっと我慢し続けていた。
そんな日も、もう来ないよね。来てほしくないもの。あ、ライブチャットに人が集まり始めたみたい。
ここにはクラスの女子だけ。男の子は来ないのかな?むしろそういうのには興味がないのかも。
充電が終わったカメラをコンピュータに繋ぐ。MOのフォーマットも終わり。
ライブチャットをしながら、メールにも目を通していたの。校内の男子生徒などからのメールがいっぱい。
昨日の戦の時のぱんつの色を教えてください?どうして、こんなこと聞くの?私の写真を撮らせてほしい?
撮りたいなら勝手に撮ればいいでしょうに。撮られるのは嫌じゃないわ。メールのアカウントを切り替える。
私がインターネットを申し込むときに登録したメールアドレスを入れる。これは、知っている人はごくわずか。
学校のメールアドレスみたいに、名前そのままというわけではないの。一応安全。
学校のメールアドレス宛に、碌なメールが来たことはなかったわ。
252憂月鬱日 :2006/08/30(水) 17:27:36 ID:???
写月真日その九
相田君にもメールを出しておいたの。私の写真を撮るなら、今度からは有料。撮った写真、男子生徒に
売れているみたいだし。モデル料くらい徴収しても大丈夫だよね?碇君まで一緒になって写真買っり
してないよね?彼は私にはいつでも話はできるし、ここにくることもできるし、挙句その、体に触る
こともできるのだから。最近、碇君の手、私触れてない。触れさせてもらっても、いいかな?
私のメールアドレスあてには、今日はまだメールが来ていないみたい。学校のメールアドレスに切り替える。
一応、すべてのメールに目を通す。でも、興味がないメールは消してしまった。やる気がおきない。
「お茶が入りました」
りりすさんが書斎部屋にお茶を持ってきてくれたの。時計を見るともう3時。
お菓子を食べながら、りりすさんと話す。昨日の戦闘結果を取りまとめて、松代にすでに転送済み、
とのこと。松代、第2新東京市、私の記憶では、何度か行ったことがある。あれ、一度だけじゃなかったの??
壱時期の記憶が、二重になっているから、どうなのかな?明確な回数が出てこないわ。
りりすさんはいつごろまでこの街にいるのかしら?松代で統括すると言うのなら、向こうに戻ったほうが
いいのでは?と思うのは私だけかしら?他のメンバーはどうなのかしらね?
253憂月鬱日 :2006/08/30(水) 17:53:23 ID:???
写月真日その壱拾
「レイちゃん、もうしばらくここにいてもいいかな」
りりすさんがそういってくる、わたしは構わないのだけど、XXの指揮系統が混乱しないか心配。
「XXの指揮系統が混乱しないか、そっちのほうが心配よ。問題ないのなら、私は大丈夫よ」
「殆どみんな独立行動だから、そのあたりは大丈夫なの。週に一度、ここで会合を開くことにはなるかな〜」
松代周辺と、このあたり周辺を相互にパトロールしたりして情報収集、見つけ次第殲滅と言うことかしら?
私が羨ましく思っていた、自由登校の学校みたい。何日かに一度学校に行き、残りはレポートだけ。
そんな形式なのかしらね?とはいえXX計画の本部は松代なのだから、会合なども向こうで行うのが
本筋ではないかしら?まぁ、ここを出張所といった形で使うのであればそれでも問題はないでしょうけど。
隠し部屋とはいえ、同じ本部の出資金で月極金を支払っているのだから、安上がりと言えばそうだけど。
そして、ここには私という管理者が必ずいる。うまくできた話ね。
「カメラ、買ってきたんですか?」
りりすさんが興味津々に私が買ってきたカメラを見ている。
254名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 03:32:43 ID:???
255名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 07:57:07 ID:???
憂月さん、オチがなくて・・・。
256憂月鬱日 :2006/08/31(木) 09:40:27 ID:???
円月¥日
私1人でお茶を飲みながらぼんやり。りりすさんはお茶を飲み終えると、
他にすることがあるらしく会議室に行ってしまったわ。
銀行の預金残高を確認してきたのだけど、一応今月分は振り込まれていた。
私1人でライブチャットに入り浸る。鈴鳴さん1人が相手してくれる。
またどこかにいこ〜ね、と彼女が元気よく言うものだから、私も時間が
ある限りは一緒に行きたいなと返事したの。2人だけの会話、余り続かない。
私も話をするのは苦手だから、どういった話題を作っていいのかわからないの。
最も、その話題がないと言うのもあるのよね。それでも、私と色々話をしたいと
思って、必死に話題づくりを彼女はしてくれる。今日は2人だけなの?
他の人はどこに行ってしまったのかな?茶木絵里さんも、松代から帰ってきていない。
飛行機のエンジン音がする。だんだんこっちに近づいてくるようね。
って、飛行機が近づくって、こうしてはいられないわ。
ベランダに出ると、黒い飛翔体が私の部屋めがけて飛んでくるのが見えたの。
257憂月鬱日 :2006/08/31(木) 09:44:11 ID:???
円月¥日その弐
黒い飛翔体、それは昨日松代に帰った茶木絵里さんだったの。
ベランダに備え付けられた滑走路が開く。先端部のそりに着陸したの。
「松代から帰ってきたわ。とりあえず、学校あるしね」
羽をしまいこみ、普段着になる茶木絵里さん。そういえば、彼女はどこに
住んでいるのかな?
「りりすは、会議室?」
茶木絵里さんがそういうのでりりすさんが会議室にいることを伝えたの。
私は、書斎部屋に戻って、鈴鳴さんとのライブチャットの続き。
彼女とは、毎日メールしあうことになったわ。他のクラスメートとも、
順次メールをし合っていくつもり。私にも、大事な仲間ができました。
また、ここに来たいとも言っていたの。ちょっとうれしい。
258名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 22:49:19 ID:???
>>237
オッテュ
259名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/31(木) 23:35:07 ID:???
>>236->>237
つい笑ってしまうww 乙
260名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 01:46:15 ID:???
再 月 会 日

私が、暇潰しに司令室に行ってみると、碇司令と葛城三佐が談笑していた。
ちょうどいい機会だ。昨日から気になっていたことを訊いてみる。「もっこりって、何?」
二人は、困ったような顔を浮かべていたが、葛城三佐が苦った顔で答えてくれた。
「それは、とてもとても、気持ちのいいコトなのよ・・・、たぶん。」

そう・・・よくわからない。マンガで見た絵や、前日のスパイの人の様子から、
股間に何かが起こっている、という事は分かるのだが・・・。
「それはだな、レイ。男性がある種の刺激を受けると、股間にある海綿体と・・・。」
言いかけた碇司令の頭頂部を、冬月副司令が思い切り叩いた。副司令は私の方を見て、
ゆっくりと、首を左右に振っている。私が知識をつける事が気に入らないのかしら?

まあいいわ。男性に、昨日、赤木博士がやっていたような方法で刺激を与えると、
何かが起こるというのね。今度、碇君で実験してみよう。
「とてもとても気持ちのいいコト」なら、碇君も実験台にされても怒るまい。

「こんちわー、お久しぶりです、その節はどうも。」
リョウちゃんが、蘇生後、初めて本部に姿を見せた。その姿を見た司令が、口元だけ笑っている。
それに合わせるかのように、リョウちゃんもニヤリと笑う。そして、葛城三佐に目を移して言った。
「葛城・・・済まない、心配をかけたな・・・。」
「・・・・・おかえりなさい。」

それっきり、二人は押し黙ってしまった。でも、視線だけは反れることがない。
ただ時間だけが流れている。そんな沈黙の時を、碇司令が破る。
「・・・血液が貯留され、海綿体が膨張していくと共に・・・。」
言いかけた碇司令の後頭部を、冬月副司令が思い切り叩いた。碇司令はその勢いで
机に顔面を強打し、鼻からおびただしい量の出血をしている。机上の書類は、まっ赤に染まる。
副司令は、天(井)を仰ぐと、寂しげに呟いた。
「やはり、この男に付いて来たのは・・・私の判断は間違いだったのか・・・ユイ君・・・。」
261名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 01:47:48 ID:???
リョウちゃんが、今度は、私の方に歩み寄ってきた。
「レイ、君も、俺の治療のために随分と動いてくれたらしいな、王小人から聞いたよ。
 おかげで、ほら、この通り元気になったよ。」
そう・・・よかったわね。
「ははは、でも、元気になったのが、一番目立ってたのは、俺より股間の方だったりしてな。」
そう・・・かもしれない。

「あんた!14歳の女のコにそんなことばっか言ってると、そのうち警察に捕まるわよ!」
葛城三佐がリョウちゃんの耳を引っ張りながら喚く。
でも、引っ張る方も引っ張られる方も、嬉しそう。微笑ましい光景だ。

リョウちゃんが生きていたので、せっかくだから、あの疑問も訊いてしまおう。
リョウちゃんは、一体何で、誰に、殺られちゃったのですか?
「ま、平たく言えば、俺がネルフを選んだから、ってのが理由なんだろうな。
 俺を殺りに来たの?ああ、ゼーレの人間さ。日本政府?奴らにとっては、俺を殺したところで
 何の得にもならないさ。ま、こっちを選んだ以上、この先政府側に積極的に関わる気もないけどな。」

成る程。ゼーレの会議でもきっと言われてたのね、「リョウちゃんは用済み。」
殺害を提案したのは、きっと、あの眼鏡の、声の甲高い人だろう。あの人は多分、悪い人。
きっとそうだ、そうに違いない、そうと決めた。何故って?何となくあの人、嫌いだから。

「レイ、俺を殺した相手なんかより、碇司令が俺を助けたことの方が、余程、不思議に感じないかい?」
そんな事ないわ、碇司令は、私を助けてくれるもの。いい人かはともかく、悪い人じゃない。
「レイと同じように、俺にもまだ何か用がある、って事ですか、碇司令。」

急に矛先を変えた、リョウちゃんの疑問に、碇司令は答える。
「結果として君は、冬月を助けてくれたのだし、アダムやらJAやらの件で借りもある。
 それに、君には、守ってもらわねばならない約束がある。」
「約束?ああ、女の子が可愛い店、紹介しますよ、ってのですか?しかし、上(第三新東京市)が
 この状態では、店どころじゃないですからねえ、いやあ、残念、残念。」
「・・・そんなら、助けなきゃよかった・・・。」
262名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 01:57:09 ID:???
助けた理由はそれかよ!?毎度のオチ乙
263名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 16:53:45 ID:???
「スパイの人」呼ばわりから「リョウちゃん」に。
一応名前で呼ばれているわけだから、扱いは上がったのか?
ともかく乙です。
264名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 19:05:07 ID:???
憂月、もう止めような。
265名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/01(金) 21:53:31 ID:???
オッテュ
266名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/02(土) 11:20:24 ID:???
GJ
267名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/03(日) 00:05:46 ID:???
乙です。続きが楽しみ
268名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 00:10:33 ID:???
集 月 合 日

碇司令に散々罵倒されたリョウちゃんだったが、涼しい顔で聞き流す。
その様はまるで、ラオウの剛の拳を受け流すトキのようだった。
碇司令にここまで対抗するとは、またネルフに厄介な人が一人増えたとも言える。

そんなリョウちゃんだったが、さすがに体調は完全に戻りきってないらしく、
司令室からそのまま自室へ直行、昨日はそのまま出てこなかった。

そして今日。私が自室でくつろいでいると、葛城三佐から電話連絡。
「レイ、悪いんだけど、加持クンを発令所まで連れてきてくれない?みんなを集めて待ってるから。」
忘れてた、昨日、葛城三佐と、「蘇生したリョウちゃんを、みんなに会わせる」
段取りを、打ち合わせしていたんだった。

と、いう訳で、早速リョウちゃんを呼びに行く。リョウちゃんは部屋で、コンピューターに
なにやら打ち込んでいる。何をしているの?
「ん、ああ、ちょっと碇司令に調査を頼まれてね。これはまだ、みんなには内緒だぞ。」
何だ、結構、碇司令と仲良しじゃない。つまんないの。

私はリョウちゃんに事情を説明し、作業を中断してもらうと、次は、二人して発令所へと向かった。
途中、自販機コーナーでジュースを買ってもらった。リョウちゃんは気前がいい人だ。

発令所へ着くなり、リョウちゃんはまたしても罵倒を浴びせられる。今度の相手は赤木博士。
「リョウちゃん、友人として忠告した筈よ!『あまり深追いすると、火傷するわよ。』って。
 まったく、心配と手間と迷惑をいっぺんにかけるなんて〜・・・。」
凄い剣幕でまくし立てる赤木博士には、さすがのリョウちゃんもタジタジだ。

「葛城ぃ・・・。リッちゃんにも謝っといてくれって言ったじゃないか!」
「な〜んで私に振るのよ!私が悪いってえの?」
・・・これがネルフの中核をなす人々の会話だと思うと、将来が不安になってくる。
269名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 00:13:24 ID:???
「何や、また夫婦喧嘩かいな?」
聞き慣れぬ変な日本語で、セカンドが二人に割って入る。中の人の地が出たのかも。
リョウちゃんと葛城三佐は、顔を見合わせ照れる・・・ハズもなく、
「ま、まあ、そんなところかしらね・・・。」
「予行練習、ってトコかな。」

セカンドは、否定されるのを期待していたようで、二人揃っての肯定的な反応に、
頬を膨らませ、ぶつぶつと呟いている。
「いーわよ、どうせお子様はお子様同士で、仲良くしてるわよ!行くわよ、ファースト&バカシンジ!」
・・・どうしてこんな時だけ都合よく、私を道連れにしようとするの・・・?

セカンドに連行されそうになるのを振り切った碇君が、リョウちゃんに声を掛ける。
「加持さん・・・、前に僕に言ってくれましたよね、『君にしかできないことがある』って。
 僕はあの時、その一言で何か吹っ切れた気がして・・・。でも、そのお礼を言う前に、加持さんは・・・。」
「・・・・・そうか。」
「でも、結局、僕には何も出来なかった様なモンだったんですけどね。」
「・・・・・そうか、何も出来なかったか。・・・君はまるで『のび太君』だな・・・。」

「そうそう、『のび太君』で思い出した。私の新発明があるの。マヤ、あれを。」
何かを思い出した赤木博士が、伊吹二尉に指示を出す。それを受けた伊吹二尉は、台車に
乗せられた「新発明」とやらを運んでくる。博士が、それに被せられていた布をまくる。
「どう?これ。汎用猫型収納機器『どら慰問』。その零号機よ!」

赤木博士によると、ネルフ本部内に皆が住み込むようになった為、物が増えすぎたのを
解消する為に製作された収納機器で、腹部のポケットが「ディラックの海」へと繋がっているという。

「ちょっと、リツコ!猫好きのあなただから、猫型はわかるけど、何で青いのよ?」
「・・・レイの『器』を造ってた時に、髪の毛に使っていた染料が余ってるのよ、大量に。」
「・・・だからって、青はないでしょうに・・・。」
傍から機体を眺めていたリョウちゃんが、私にボソッと呟いた。
「これが猫?耳もないし・・・。リッちゃんの造形センス、暴走しまくってるなあ・・・。」
270名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 00:31:40 ID:???
271名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 23:56:19 ID:???
GJ
272名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/05(火) 01:12:45 ID:???
オッテュ
273名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/05(火) 10:16:39 ID:???
gj
274名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/07(木) 00:16:41 ID:???
hozen
275名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/08(金) 06:32:33 ID:???
ドラえもん乙
276名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 01:17:37 ID:???
投下まち
277綾波さん(4人目):2006/09/10(日) 02:09:49 ID:???
相当、読み手を選んじゃうかも。ゴメンよ・・・。
278名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 02:11:44 ID:???
泡 月 群 日

荒廃した第三新東京市に、最初に再建されたのは、以外にもパチンコ屋だった。
店主いわく「こんな時だからこそ、人々に娯楽を提供したい」んだそうだが、
「こんな時だからこそ、娯楽に興じる余裕のある人などいない」が正解だと思う。

そんな店主の良心を裏切るかのように、碇司令から、その店に総攻撃の命令が下った。
新たに、保安諜報部・諜報一課長を兼任する事になった、リョウちゃんの報告がある。

「昨日の調査命令の報告です。新規開店予定のパチンコ店、設置機種は各所からかき集めた
 と思われる、『何とか動く』パチンコ台。現在、機種メーカーが機能していないので、
 当然、新台などはありません。むしろ、台数あわせの為に、古い台が多くある模様。
 換金率は3円。当面、遠隔操作などを行う意思は無いようです。」

その報告を聞いて、碇司令が命令を下す。
「一般職員は総力を持って台を確保しろ。赤木博士と伊吹二尉は、ホール側のコンピューター
 に接触。くれぐれも足跡を残さないように。接触に成功したら、各員の携帯にワン切りを送信。
 受信から30分後をもって、作戦開始とする。なお、エヴァパイロットは未成年の為、
 葛城三佐に従う事。私と冬月先生は・・・・・楽しんでくるよ。」

そんな訳で、何故か未成年者までを人員に含めた、パチ屋総攻撃作戦が開始された。
開店から、多少の時間差をつけて、続々とネルフ職員が店内を埋めていく。
が、周りは見知った顔ばかり。私の予想通り、一般客など一人もいない。
この店の店長は、経営者としては間違いなく失格だろう。

似たような台が揃っている一角を見つけた。CRギンパラ、3回権利のギンパラ、
CR海物語(5回リミッター)、CRギンパニ云々。これらを見たセカンドが驚きの声を上げる。
「海シリーズ・・・・・完成していたの・・・・・。」
いいえ、完成なんかしていないわ、多分、来年にはまた新しいのが作られると思うから。
ちなみにスロットコーナーには海物語のみならず、山佐の「海一番」まで、しっかりと設置されていた。
279名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 02:13:45 ID:???
碇司令を探すと・・・いた、「玉ちゃんファイト」という羽根モノの前に座っている。
斜め後には、勿論、冬月副司令が直立している。
碇司令の足元には、既に1箱分の出玉が確保されている。

「ユイと一緒になる前の一時期、コレで食っていた。・・・以前、王選手の話をしたことがあるだろう。
 彼の756号本塁打を見て、いたく感動した子供の頃の私は、将来、球を打つ職業に就こうと
 決心した。・・・行き着いた先が、これだった・・・。」
確かに、「玉を打っている」わ。しかも、かなりの腕前。あ、また当たった!これには冬月副司令、
「また玉を吐かせおって・・・・・。」

碇司令が大当りを消化している間に、司令の携帯に着信があった。変な所で律儀な司令は、
「遊戯中の携帯使用禁止」というホールのルールに従って、私に携帯を投げてよこした。
私が代わりに電話に出てみる。相手は伊吹二尉。
「マギ、ホールコンピューターに侵入。自滅促進プログラムを仕掛けました。完全侵食まであと30分。」

私がこの電話の内容を碇司令に報告すると、司令は、さっさと玉を流してしまった。
「出るとわかっている台など、打っていてもつまらんよ。」
・・・碇司令が、男らしい発言を・・・。明日、ロンギヌスの槍でも降るのかしら?

司令と副司令は、休憩所に陣取った。・・・そして、ドル箱の補完がはじまる・・・。
さっきの電話連絡からちょうど30分後、店中の台が一斉に大当りし始めた。
「始まったな。」「ああ、全てはこれからだ。」

3時間後、各台の足元には、決して崩れる事のない「ジェリコの壁」が築き上げられた。
赤木博士のハッキングによって、ホールコンピューターが自滅に向かって暴走しているので、
閉店を迎える頃には、多い台で50箱程を抱えている。ネルフ側の利益は2000万、といったところか。
青い顔をしている店員たちを見て、碇司令がほくそ笑む。
「これだけの出玉、ホールが一つ、傾くな。」
碇司令、これでは傾くどころか、店が潰れてしまいます、確実に。
碇司令は、ハッと我に返ったように呟いた。
「・・・せめて、玉ちゃんだけでも、営業してくれないかなあ・・・。」
280名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 02:25:29 ID:???
しかしパチンコ好きとは知らなかった。乙
281名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 03:13:02 ID:???
オッテュ
昔ホースケを打ってました
282名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 05:32:32 ID:???
乙です
この日記には珍しくゲンドウさんが男らしいw
>>280
この職人さん、パチからエヴァに入ったと他スレでおっしゃってる
283名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 17:49:24 ID:???
すごい!!
いつもクールなオッテュさんからコメントを引き出してる!!
284名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 17:50:26 ID:???
乙です
285名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 22:21:49 ID:???
乙!玉ちゃんファイトワロスwww確かに海シリーズは全然完成しません
これからもどんどん増え続けますね
286綾波さん(4人目):2006/09/11(月) 00:48:34 ID:???
日記には書けなかったけど、実は、若き日の碇司令が、「王」選手を超える漢になる為、
「玉」ちゃんファイトを好んで打っていたという裏設定。内緒よ。

ちなみに、2006年の夏頃、尊敬する王さんの様態が心配でたまらない碇司令は、
ユイさんが消えた時に続き、二度目の失踪をしたらしいわ。
287名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/11(月) 10:19:49 ID:???
2日目といい、4人目といい、名はそのものの実を示している。
はっちゃけたいのだな。うむうむ。
288名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/12(火) 23:03:25 ID:???
がんがれ
289名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 01:19:27 ID:???
空 月 間 日

赤木博士が開発していた、「どら慰問」が、いよいよ起動段階に入った。
今日は、その実験があるというので、見学に行く事にする。
技術開発部の実験場には、私と同じように興味を持った人が、数名、集まっている。
とはいっても、いつもと変わらない顔ぶれだけど。

実験は定刻どおりに開始。エヴァ零号機の起動実験の時のように、
広大なスペースを必要としない事、また、エヴァ程の危険性が認められない事から、
実験場の片隅において起動試験が行われる。

赤木博士が、どら慰問の後背部に付けられた蓋を外し、電源を取り付け、また蓋を閉める。
30秒後に自動的に、どら慰問が起動。
「ぼーくーどーらーいーもーんーでーすー。」
どら慰問は、潰れた声で自己紹介をした。

「おお〜っ!」
見学者が一斉に驚嘆の声を上げる。何でも、マギのような人格移植ではないものの、
それ相応の人工知能を搭載しているんだそうだ。それにより、自律して動作を行うらしい。

ちょこまか動き回る、どら慰問を見て、葛城三佐が赤木博士に疑問をぶつける。
「これ、収納機器でしょ?こんなに自律して動き回る必要性あんの?」
「・・・ないわね・・・。単に、私の科学者としての興味本位で造っただけだから。」

セカンドが面白がって、どら慰問を構っている。
「どらいも〜ん、シンジにいじめられたよう・・・。」
「・・・道具は出ないわよ・・・。」

赤木博士の即答に、セカンドは一発で興味を失ったようだ。
早くも、その目が、いかがわしい物を見るような目に変わっている。
290名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 01:21:15 ID:???
肝心の収納器具としての性能の検証に入る。
「加持く〜ん・・・♪」
「な、なんだよ、葛城がそんな声で話しかける時は、大概、ろくな事考えてないんだよなあ・・・。」

「リツコ、この中、人間が入っても大丈夫なの?」
「え、ええ、そこに入ったから即死ということは無いはずだけど・・・。」
その答えを聞いた葛城三佐は、リョウちゃんのほうを見ながら、どら慰問を指差している。

リョウちゃんは、結構、満更でもない表情で、どら慰問に近寄ると、
その腹部にあるポケットに、片足を突っ込んだ。
「・・・・・なぁ〜んてな。」
周囲を見渡して、その姿勢のまま笑って見せたリョウちゃんだったが、
多分、本人の意思とは無関係に、そのままポケットに吸い込まれるように消えていった。

唖然とする一同。いまいち状況を把握しきれていないセカンドが、
「なんなのよ、これ!」と喚きながら、どら慰問にバシバシ蹴りを加えている。

突然、ブチッという音が響いた。その瞬間から、今迄セカンドに蹴られまくっていた
どら慰問が、両手をぐるぐると振り回しながら、物凄い勢いでセカンドを追いかけ始めた。
「も〜う、なんなのよう、コレえ!」
「まさか・・・・・。」「暴走?」

「どら慰問の臀部についている尻尾が、非常停止スイッチになってるわ、誰か、早く!」
赤木博士の指示に、みんなが一斉に「セカンドを追いかけるどら慰問」を追いかける。
私が辛うじて、尻尾のスイッチを引っ張れた時には、セカンドは既にタコ殴りにされていた。

「よ、よかったねわねえ、アスカ。何とか助かって。」
葛城三佐がセカンドに慰めの言葉をかけている背後で、赤木博士が一人、浮かない顔をしている。
「アスカは助かったけど、今の非常停止で、加持君の収納位置もリセットされてしまったわ・・・。」

その日、リョウちゃんがポケットの中から、帰ってくることはなかった。
291名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 02:17:34 ID:???
292名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 04:39:07 ID:???
乙です。
293名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 14:11:46 ID:???
乙かれ
まあ、道具は出ないよなw
294名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 21:33:29 ID:???
悪月戯日

今日も碇君は惣流さんに暴行を受けていた。
アレに付き従っているというのが不思議だけれど、でも惣流さんの方はもっと不思議。
ああやって叫び続ける気力が何処から出てくるのか、まったく分からない。

まったくもって理解不能なのだけれど、一つだけ真似してみたかった事があった。

夕刻、本部でちょうど帰り際の碇君に出会う。
周囲に人影無し。今がチャンス。
すれ違いざまに、できるだけ小声で、碇君にだけ聴こえるように。

「ばかしんじ」

言った途端すごく恥ずかしくなって、私は碇君の顔も見ないで逃げ出してしまった。
これを書いている今もどきどきしている。

明日碇君の顔を見るのが、少しだけ楽しみ。
295名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 22:18:23 ID:???
>>294なんか萌えた


296名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 00:44:25 ID:???
オッテュ
297名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 07:39:42 ID:???
298名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/17(日) 07:56:46 ID:???
GJ
299名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 01:36:46 ID:???
絶 月 望 日

せっかく生きて還ってきたはずのリョウちゃんだったが、
昨日、吸い込まれた、どら慰問のポケットの中から戻っては来なかった。
あんなリョウちゃんでも、いなくなるのは寂しいので、私なりに、どうにか
救出する方法はないものか、考えてみたのだが・・・。

朝、「加持・諜報一課長捜索本部」が設置される。本部長は勿論、碇司令。
碇君が何か、意見があったようで、碇司令に「父さん」と語りかけると、
「・・・ボスと呼べ。」と一喝される。碇司令、いや、ボスは、こんな事態でもノリノリだ。

「君たちも知っての通り、『山さん』が行方不明になった。」
山さん?リョウちゃんが、山さん?って、合ってるような、合ってないような・・・。
「何か心当たりはないか?ゴリ。」
「い、碇・・・、私が、『ゴリ』か?」
「・・・ボスと呼べ。」

ボスの、状況把握度合いに不安を感じたのか、赤木博士が説明を加える。
「昨日、どら慰問を緊急停止させた際に、どら慰問のポケットの中、つまり、ディラックの海に
 収納された、全ての物の位置座標を記憶したメモリーがリセットされてしまいました。
 それに伴い、加持、じゃない、山ちゃんの存在する位置座標も不明になってしまったのです。」
「そうか、そういうことなのか、長さん。」
どうやら、ボスの中では、赤木博士=長さん、のようだ。

「ボン、お前、以前初号機でディラックの海に取り込まれたことがあったな。
 お前、行って探してこい。」
ボスが碇君(ボン)に、難題を突きつける。ボスが一度言い出したらきかない人なのを察してか、
葛城三佐が同行を直訴し、認められる。それを見た日向二尉も行く意思を見せるが、却下される。
ボスは碇君や葛城三佐より、日向二尉のことが心配なのかしら?
「メガネ(日向)、君の一番大事な仕事は、牛の世話である事を忘れるな!」
300名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 01:38:36 ID:???
その後、私とセカンドも同行の意思を示すが、「危険である」という理由で却下される。
ボスは、その場の面々の顔をざっと見渡すと、
「マイコン(青葉)、君も行ってこい。」
「え、ぼ、僕っスかあ・・・・・。」
青葉二尉の顔色が、初号機カラーにみるみる変色していく。大分、具合が悪そうだ。


捜索要員に、赤木博士からの簡単な説明が行われる。
「いい?あなた達のディラックの海の中での居場所は、こちらから常に把握しておきます。
 その点は心配しないで頂戴。青葉君にはこの機械を渡しておくわ。この機械を使えば
 どら慰問の口を通じて、こちらと通信する事ができます。何かあったら報告して。
 それがわかっていれば、この作戦は、そんなに危険なものではないわ。
 ただ、作戦が長引けば長引くほど、加持君が餓死してしまう可能性は高くなるわ。
 その点だけには注意して。」

「だぁ〜いじょうぶよ、リツコ。私がついて行くんだから安心して。」
「・・・・・あなたが行くから心配なのよ・・・・・。」
そう、葛城三佐には、以前、勝算が万に一つもない作戦を敢行した「前科」がある。
その作戦の時は、奇跡を起こせたからよかったものの、決断そのものは暴走といえる。
何だか私まで不安になってきた。他に良い方法はないのかしら?

セカンドが赤木博士に質問する。
「ねえ、いつか、シンジを助ける為に立案された方法はダメなの?」
その方法とは、ディラックの海中心部にN2爆雷を投下、ATフィールドを利用し、
千分の一秒だけ虚数空間に干渉することで、ディラックの海を破壊するというものだった、かな?

「その衝撃だと、さすがに加持君でも死ぬわね、確実に。」
赤木博士が断言する。別に、訊くまでもなく、そうなる事は分かりそうなものだ。
セカンドには「あんたバカァ?」と言ってやりたい気分だ。

作戦決行は明日。それまでにリョウちゃんが餓死していない事を祈るばかり。
301名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 02:27:23 ID:???
アスカがあまりにもヒドいwww
GJだ!!
302名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 04:44:17 ID:???
乙です。おもしろいwww
303名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 07:16:37 ID:???
304名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 16:50:36 ID:???
オッテュ
305名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/19(火) 15:05:35 ID:???
gj
306名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/19(火) 18:47:59 ID:???
307名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/21(木) 05:53:41 ID:???
ネルフ七曲署
308名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/21(木) 23:45:41 ID:???
がんがれ
309名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 00:22:59 ID:???
異 月 界 日 (前編)

リョウちゃん捜索作戦の決行日。既に起動しているどら慰問のポケットに
碇君、葛城三佐、青葉二尉の順で入っていく。青葉二尉の姿が見えなくなると、
私とセカンドは同時に、どら慰問のポケットに足を突っ込んでいた。
「碇司令、あ、ボス、ごめんなさい・・・。」

身体が飲み込まれて行き、もう頭も消えようかという瞬間、碇司令の呟きが耳に入った。
「いい友達を持ったな、シンジ・・・・・。」
碇司令には悪いけど、私は葛城三佐の暴走を止める為、セカンドは単に
「いなくなったのがリョウちゃんだから」探しに行くだけ、だと思う。

どら慰問のポケットの中には、ただ薄暗く、だだっ広い空間が広がっていた。
理論的にはこんな場所じゃないのかもしれないが、細かい事を気にしてはいけないわ。

「加持さーん、どこにいるんですかあー。」
碇君が呼びかけてみる。しかし、その声は虚しくこだまするばかり。
私たちの居場所は、外から把握されているはずなので、恐れず周囲を歩き回ってみる。
が、闇雲に歩き回った結果、待っていたのは、体力の消耗と空腹だけだった。

「シンちゃーん、ちょっと、リュック貸してー。」
碇君は、朝からずっとリュックを背負っていたのだが、どうやら葛城三佐の荷物だったようだ。
「みんな、お腹すいてきたわよねえ。」
さすがは作戦部長、用意周到ね、と言いたいところだったが、葛城三佐のリュックから
出てきたのは、飯ごう。ここで炊事をするつもりのようだ。

が、こんな場所で火を起こす事に抵抗を感じるので、その旨、進言すると、
「平気よお、火ぐらい。」
と、取り合う様子もなく、手にしたライターを点けてみせた。
私の予想を大きく超え、そのライターからは3m程の火柱が上がったのだった。
310名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 00:25:15 ID:???
前髪を焦がした葛城三佐は、冷や汗をたらしながら、バツの悪そうな顔をして、
「ちょっち、よく燃え過ぎたかしらん♪」
と笑って見せた。ちょっちじゃすまないわ!(怒)

食事にありつける期待が大きかった分、裏切られた反動も大きく、
特にセカンドなどは、その目に明らかに殺意が宿っている。
もはや、いつ、誰が暴走してもおかしくない状況下にあると思われる。

この場合、一度、赤木博士に連絡して「外」の世界に戻してもらい、
食事を済ませた上で、もう一度、この世界に戻ってくるという選択肢もあるのだが、
皆、リョウちゃんを一刻も早く助けたいという気持ちが強いのか、誰もそんな提案を
する者はいない。私もリョウちゃんを見つけることが最優先だと思うので、
余計な口出しは、せずにおくことにする。

「あのー、これ・・・。」
碇君が葛城三佐のリュックから引っ張り出したのは、非常食のカンパン。
「いや、その、何かあったとき、腹の足しにでもなれば、と思って入れといたんだけど。」
さすがは元・葛城家の専業主夫。碇君って、「お母さん」って感じがする。

分けて貰ったカンパンを口に、また歩く事になる。
これは、「奇跡を待つより、捨て身の努力」が持論の葛城三佐の方針。
そんな状況下でも、食料にありつけたセカンドは、ご満悦の様子。
でも、あまりにニコニコしているセカンドも、それはそれで気持ち悪い気もする。

積極的にリョウちゃんを探そうという姿勢に、異論はないのだが、
無策に歩き回っても、さっきと同じように、体力の消耗を早めるだけだろう。
ここは一つ、策を練る必要がありそうだ。今度こそ作戦部長に本領発揮して貰わねば。

しかし、この世界の情報に精通している人間がいるわけでもなく、「歩いていれば見つかるだろう」
と思っているのが二名、半ば強制的に来させられたのが二名。真面目なのは私だけ?
仕方ない、赤木博士に助言を乞う事にしよう。(つづく)
311名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 00:37:26 ID:???
312名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 03:18:36 ID:???
wktk
313名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 21:32:42 ID:???
オッテュ
314名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 22:17:02 ID:???
315名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/23(土) 11:22:53 ID:???
GJ
316名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/24(日) 03:52:26 ID:???
もう月秋日

最近、夕食を食べに葛城宅へ行くのが日課になっている。
どうも慣れないのが、ペンペンという名の生き物だ。
慣れないというか、少し気になる。
特にこれといって接することはないのだが、私の隣のイスに座って、一緒にご飯を食べているのでどうも目に入る。
ペンペンの食事は人と同じだ。

鶏の唐揚げやらキムチやら厚焼き卵、ペンギンに食べさせてはいけないのではと当初は思ったが、美味しそうに食す彼をみていると、特に問題なさそうだ。

今日もセカンドの残した余り物をペロリと平らげていた。

例しに、ちくわを差し出したら、目を輝かせてぱくついてきた。
これはおもしろいぞ。
お皿に盛ってある残りのちくわを全て与えた。
「ちくわ、好きなのね」うなずいた気がした。

明日、葛城家へ寄る前に、ちくわを何袋か買って行こうと思う。
317名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/24(日) 06:52:27 ID:???
318名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/24(日) 15:46:03 ID:???
オッテュ
319名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/24(日) 22:59:51 ID:???
PEN2もアヤナミさんもかわいい(*´д`)
320名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/25(月) 15:40:56 ID:???
GJ
321名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/26(火) 17:16:47 ID:???
病月気日
朝からおなかの具合が悪いの。
今日は、下痢止めを買って帰ったわ。
322名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/26(火) 19:41:04 ID:???
ペン月ペン日

毎日のちくわの餌付けによって、ペンペンが少し懐いてきた。

懐いたといっても、お出迎えと見送りをしてくれるようになったくらいだが、少し嬉しい。

一回くらい撫でてみようかと思い、彼の頭に手を差し出してみた。
すると、愛らしい瞳から一変、一瞬で目が鋭くなって「ガー」っと威嚇されたのであえなく断念。

まだ心を許してもらえてないようだ。

またせっせと餌付け作戦で行こう。少し高めのちくわを買って…
323名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/26(火) 23:26:02 ID:???
まぁ二人は中の人一緒だしなw
324名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/27(水) 09:03:33 ID:???
小悪魔レイまち
325名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/27(水) 20:05:28 ID:???
>>323
その理屈だと、初号機とかユイさんとかコンビニのおばさんとかもてなづけるのか?w
326名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 01:33:59 ID:???
異 月 界 日 (後編)

「あー、リツコ〜?今、加持君を探している最中なんだけど、この空間、
 ただ、だだっ広いだけで、お手上げなのよねえ。加持君の居場所のヒント、無い?」
「ヒント・・・って、ミサト、あなたねえ、遊んでるわけじゃないのよ!
 そんな物あるなら、何もあなたたちに探しに行ってもらってないわよ!」

どうやら、赤木博士を怒らせてしまっただけのようだ。
いずれにしても、地道に捜索活動を続けなければならないらしい。

しかし、これだけ広い空間を、虱潰しに探していたら、一生を費やしても
見つからないような気がする。人間、一日や二日、何も食べなくても大丈夫では
あるだろうけれど、この捜索活動に、一生どころか一週間でも費やしていたら、
間違いなくリョウちゃんは餓死してしまう。何かいい方法は、無いの・・・?

「あのー、これ、使ってみまスか?」
青葉二尉が、何やら、テレビやビデオのリモコンのような機械を、みんなに見せた。
「コイツは、以前、マヤちゃんにモニターを頼まれていた機械で、なんでも、人の体温に反応
 するセンサーらしいんスけど、結構、高性能で、半径1q位まで探知できる設計になっている
 らしいっス。まあ、計算上の話ですけど、上手くいけば、これで加持さんも・・・。」

「なんで今迄そんな物隠してたの!」というツッコミは、セカンドに任せておいて・・・
と思う間もなく、私の期待に一字一句違わず、セカンドのツッコミが入る。
「どれどれ」と面々が青葉二尉を取り囲み、そして皆の期待を乗せ、機械に電源が入れられる。

「ピ〜〜〜〜〜〜」
電源を入れた途端、青葉二尉の前後左右に反応が現れる。
「・・・・・それ、アタシ達じゃない?」
セカンドのストレート過ぎる疑問が、その場に沈黙をもたらす。が、私もそう思う。
「マヤちゃんも、リツコの域までは、まだまだね・・・。」
327名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 01:35:35 ID:???
「あーもー!さっきからピーピーうるさい!」
セカンドのミドルキックが、探知機を青葉二尉の手から掠めていった。
探知機は、鈍い音と共に地面に叩きつけられ、静かになった。探知機、完全に沈黙。

皆が一瞬、探知機に期待を寄せただけに、その分、重苦しい空気に包まれる。
そんな中、碇君が葛城三佐に「ねえ、ミサトさん。」と問いかけている。
碇君の事だから、またネガティヴな話題で無いといいのだが・・・。
「何となくだけど、さっきから、同じ所をグルグル回っているような気、しません?」
まったく、揃いも揃って、私の予想を裏切らない人達だ。

葛城三佐に「気のせいよ」となだめられ、また歩き出す事となった。
しかし、私も碇君の言い分を否定しきれない部分があると思うので、これから歩くコースに
目印を付けて行こうと思う。何か適当な目印は無いかと、手持ちの荷物を探してみると、
以前、炒って食べてみようと、リョウちゃんに貰ったスイカの種があったので、
これを、これから通る場所の要所要所に撒いて行こうと思う。

しばらく歩いたところで、碇君が立ち止まる。
「あれ、カンパンが落ちている。」
どうやら碇君も私と同じ理由で、通った場所にカンパンを落としていたらしい。
つまり、ここは一度通った場所という事。が、しかし、カンパンはあれど、私が撒いていた
スイカの種は見当たらない。これって一体、どういう事?

私が皆に事情を説明すると、葛城三佐の提案で、カンパンを頼りに、今通ってきた場所を、逆に
戻ってみることになった。つまり、ここから戻っていけば、基本的にカンパンとスイカの種が一緒に
落ちているはずだが、「ある地点」からスイカの種だけが無くなる事になるはずだ。
その「ある地点」まで戻って、スイカの種が消える原因を突き止めようというのだ。

ちょっとオカルトチックな現象に、柄にも無くセカンドが怖がっている。
「ね、きっと、リスかなんかがスイカの種を食べちゃってるのよ、きっとそうよ、そうに違いないわ!」
ひまわりの種を食べるリスは聞いたことがあるが、スイカの種を食べるリスもいるのかしら?
というより、ディラックの海に生息するリスなどいないと思う。
328名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 01:37:12 ID:???
面白そうなので、セカンドの希望的観測を打ち砕いてみる。
赤木博士と通信し、この空間に野生動物の生息する可能性を訊いてみる。
返ってきた答えは、当然、「ゼロ」。セカンドは、しゅんとなってしまった。
なんかカワイイ。久しぶりにセカンドに「萌え」を感じたわ。

碇君が意地の悪い笑みを浮かべながら、セカンドに話しかける。
「アスカ、犯人はリスなんかじゃないよ、きっとおばけの仕業だよ。」
い、碇君、何を言うのよ!おばけなんて、い、いるはずないじゃない!!!
わが身に返ってきた事で、セカンドに意地悪したことをちょっと反省。

さて、そんな訳で、スイカの種の消える場面に立ち会うため、目印を頼りに戻っていく。
セカンドは、まだ怖がっているのか、私の後に隠れるように歩いている。
私が、「私より碇君の後にでも隠れていれば?」とセカンドに勧めると、
「アンタねえ、いざという時に、あのバカが頼りになると思う?」
と、逆に質問されてしまった。・・・・・私の口からは、答えられないわ・・・・・。

おそらく、あれが「ある地点」なのだろう、前方にある、蠢く物体が視界に入る。
リスか、はたまた、おばけなのか・・・。
今更言うまでもないと思うが、そこには、スイカの種を物色する、リョウちゃんの姿があった。

「よう、どうしたみんなお揃いで?えっ、俺?スイカの臭いに誘われて、ふらふらと
 歩いてきたら、種が一杯落ちてるもんでさあ。もしも、ずっとここに居続けるハメになったら、
 また、スイカを育てようと思って、拾い集めてたんだ。」
リョウちゃん・・・、この状況で拾い集めるなら、まずはカンパンが先だと思うわ・・・。

こうして、どうにかリョウちゃんを発見し、元の世界に戻ったのだが、葛城三佐がしみじみと、
「加持を呼ぶには電話は要らぬ、スイカの種があればよい、か。」と呟いていたのが印象に残る。

別室でリョウちゃんの生還を喜ぶ面々を、碇司令がブラインドの隙間から覗いている。
「ボス、ボスもあの輪の中に加わりたいんじゃないですか?」と私が訊くと、
碇、いや、ボスは、おどけた顔で肩を竦めて見せるのだった。
329名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 05:29:04 ID:???
乙(゚∀゚)
330名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 07:39:57 ID:???
331名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/28(木) 19:36:00 ID:???
オッテュ
332名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 05:40:40 ID:???
GJ
333名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 05:42:41 ID:???
腹月減り日

今日で丁度、ネルフから離れて3年がたつ。
生活の為のアルバイトにも少しは慣れた。

わたしは綾波レイ。綾波レイだけど、綾波レイではない。
正確には、3年前まで綾波レイだった。【わたし】は、欠陥品でネルフから抹殺されたのだ。

抹殺とは言っても、新しく造られた【もう一人のわたし】と、それに関わる全ての人物に、今後一切関わらないという事と、綾波レイの名を二度と名乗らないという条件のもと、ネルフから解放されたのだ。

はじめの頃は大変だった。住むところも、お金も、頼る人もいない。
何しろ、




あーー思い浮かばない。
脱落しました・・すいません
334名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 11:11:10 ID:???
何しろ、造られた時からずっと、ネルフ本部内での生活を余儀なくされていた私は、
様々な知識は身につけたものの、そういった根本的な「人間社会で生きる為の知恵」
に関しては、全くもって無知なのだから。

そんな私でも、この処分が屈辱的なものであることは、わかった。
生きる為には、背に腹は代えられない。私は、恥をしのんで、碇司令に、
当面の世話だけはしてもらえるよう、懇願した。

「第3新東京市に、ボロアパートの一室を所有している。それを、くれてやる。」
そう言うと碇司令は、私に向かって、鍵を二つ放り投げた。
「それからな、『綾波』を名乗れないなら、『碇』を名乗っても、いいぞ。」
碇司令は、哀しげな目で私を見た。どうやら今回の件の首謀者は、碇司令ではないようだ。

だとすると、一体私のどんな行動が、誰に対して「欠落品」と感じさせたのかしら?
冬月副司令の大事にしていた将棋盤をちゃぶ台代わりにして、お茶をこぼしてしまった事かしら?
伊吹二尉に「同性愛者」と言ってしまった事かしら?
それとも、マギに「ばあさん」と入力して検索してしまった事かしら?
3年が経過した今でも、この謎は深まるばかりだ。

碇司令の言葉に甘え、私は「碇」姓を名乗る事にした。
下の名前も変えようかしら。私の中での第一候補は「やちょうすけ」だったのだが、
私の中の一片の良心が、それを食い止めた。聞き覚えのある名前の中から「ユイ」というのも
考えたのだが、まあ、この件は保留して、「碇レイ」としておくことにする。

「もしも」碇司令の名前が、「やちょうすけ」だったら、
「問題ない」という口癖が、「ダメだこりゃ」になっちゃったりするのかしら?ぷっ。
・・・・・まあ、どうでもいいわね。


なんか適当に続けちゃった、ゴメンよ、>>333
335名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 11:56:11 ID:???
これならば乙
336名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 15:24:10 ID:???
>>334
ありがとう

gjです(゚∀゚)
337名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/29(金) 21:26:56 ID:???
オッテュ
338名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/30(土) 02:18:10 ID:???
職月業日

約3年の間、私が何とか生活してこれたのは、とある喫茶店のオーナーのお陰だった。
彼は、年の頃としては20代後半といった感じ、無精髭の似合う、
まあ、いい男と言って差し支えの無い範囲に入ると思う。

明らかに未成年、それも、どう見ても18歳に満たない私を、何も訊かずに黙って雇ってくれた。
私を店の看板娘として押し上げてくれて、自信を付けさせてくれた。
自分で言うのもなんだが、私目当てに常連客も沢山付いてくれた。
でも、私は自分に人気が出た事より、ただ、「お店の為に、役に立てている」事が嬉しかった。

オーナーは、詳しくは話してくれなかったが、他にも仕事を抱えているらしく、
店に顔を出すのは、良くても週に一回ぐらいだったが、そのかわり、店に来たときは、
時間の許す限り、私にいろいろな話をしてくれた。
どこかに出掛けた時は、お土産を買ってきてくれたりもした。

ただ、オーナーは、私に、「学校に顔を出すように」という事だけは、口煩く言った。
私は、それはきけなかった。店の一員である事に、幸せを感じてしまっていたから・・・。

今年の春、オーナーが、店をたたむと言い出した。
赤字を出しているわけではない。寧ろ、潤っている方だと思う。
閉店の理由については、「諸般の事情」としか教えてくれなかった。
最後の日に、オーナーは「退職金」としてお金をくれた。
それは、1年位は、楽々、生活できるほどの額だった。

その後、私はパン屋さんでバイトを始めたのだが、どういうわけか、その店の
パン焼き釜が爆発するという事故に巻き込まれ、右目と左腕に怪我を負ってしまった。
店は大破、営業できる状態ではなくなったので、私はまたしても職を失った。
喫茶店時代から、夜にはコンビニでバイトをしていたのだが、怪我の為、それもできなくなった。
私は、しばらく休む気でいたのだが、「休む位なら辞めてくれ」と言われ、仕方なくそれに従った。
339名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/30(土) 02:20:10 ID:???
する事も出来る事も無く、ただ部屋で呆ける毎日を送っていたのだが、
そんな時、喫茶店のオーナーの「学校に行け」と言う言葉を思い出し、
ここ最近は、毎日、学校に行くようにしている。

今日も学校に行ったのだが、正直言って、ここで学ぶような事は何も無い。
私のクラスの担任の先生は、人はいいのだが、何しろ話に脱線が多い。
何の話をしていても、最終的には「セカンド・インパクト」の話に行き着いてしまう。
それも、私がネルフ在籍時に教えられていたものと違う、情報操作された話に、だ。

こうして退屈な時間が過ぎてゆく。学校に来て、授業を受けていると言っても、
ただ、その場にいて、座っているだけの私。こんな調子で、午前中を消化する。

「あ、あの、レイちゃん、だったよね?」
昼休み、私に話しかけてきた人がいる。確か、学級委員長の洞木さん、だったかな?
私が相手に対して、不確かな記憶しかないように、洞木さんも私に対して、
話しかける言葉の端々から、不安な様子を覗かせている。

「あの、もしよかったら、お昼、一緒に食べない?」
洞木さんは、そう誘ってくれた。でも、私は、お昼なんて食べるつもり無かったので、
お弁当なんて、持ってきていない。でも、正直にそう言ったら、彼女も、
「みんなで、わけてあげるから。」とか言い出しかねないので、対処に困る。

結果、出てきたのは、「私、いい。」こんな無愛想な言葉だった。
せっかく彼女が誘ってくれたのに、こんな答えを返されたんじゃ、いい気分はしないわね。
でも、断るような言い方をしたけれど、私だって、誘ってもらって、嬉しくない筈が無い。
これだけは理解って・・・もらえなくても仕方ないか。

結局、お昼は予定通り、校舎の屋上から、一人で遠くの景色を眺めている。
多分、私には、一生、友達なんかできないんじゃないか、と思う。
それが、私の生き方なんだ、と、揺れる心に必死で言い聞かせてみる。
でも、本当の私の心は、どこに、あるのだろう。私には、わからない。
340名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/30(土) 02:32:35 ID:???
オッテュ
341名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/30(土) 08:45:05 ID:???
おつ
342名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/01(日) 09:10:27 ID:???
4人目レイまち
343名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/01(日) 10:29:56 ID:???
セツナイ
344名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 01:22:38 ID:???
襲月来日

出遅れてしまった!街には、とうに避難勧告が出されているというのに、
私は、部屋に残してきた、ある「モノ」が気になって、避難所へと向かって来た道を、
後戻りしてしまったのだ。まだ余裕があるだろうと、タカをくくっていたのが悪かった。
危機は、もう、すぐそこまで迫っている。

私には、この日が訪れる事は、分かっていた。そのために私は、この危機に対処すべく、
3年前までネルフという組織に所属していたのだから。
もっとも、正確な日付が分かっていた訳ではない。ただ、その日が「今日」であったというだけ。

しかし、市井の人となった今では、その危機にどう対処するのかなど、
私には関係の無い事。私は再び、避難所へと向かう。もう、車の交通なども途絶えているので、
道という道を突っ切り、避難所への最短コースを選び、走る。

何本目かの道を突っ切る途中、私は、おかしな光景を見た。
この状況の中、公衆電話を使って通信を試みる男の子がいたのだ。
それを見た私は、思わず立ち止まってしまった。

どうしてだろう、胸がドキドキする・・・。
その男の子とは初めて会ったはずなのに、初めてじゃない気がする。
本当は、彼を引っ張ってでも、避難所へと連れて行かなければいけないのだが、
私は、その旨の高鳴りが、何故か怖くなって、そのまま走り去ってしまった。
でも、わからないのは、この不思議な感覚。一体、何なんだろう。

かわいそうだが、あの少年は助からないだろう。
ネルフにいた時に培った、冷静な判断力が、私にその結論を下させる。
人が込み合った避難所に着くと、その隅の方に居場所を確保する。
不安そうな表情を浮かべる人々。大丈夫、この避難所の造りは、そんなにヤワじゃない。
むしろ、危機の根本である「使徒」を退けられるのかどうか、そちらの方に不安を覚える。
345名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 01:24:28 ID:???
かなり厚い装甲を施された、この避難所に轟音が鳴り響く。
おそらく、使徒に対してN2兵器を使用したのだろう。

だが、使徒に対して通常兵器では通用しないはずだ。
良くても数日程度、使徒が自己修復を完了させるまでの間、足止めをするに過ぎないだろう。
普通なら、せいぜい数分、動きを鈍らせる程度が関の山か。

この時、私の心に、何かが訴えかけてくる気がした。「今しかない」。
私は、この訴えに急かされるように、避難所を抜け出した。
そして、被爆によって使徒の動きが緩慢となっているうちに、できるだけ遠くへと離れた。

国連軍も退却してしまったせいか、使徒は積極的な破壊活動をするようにも見えず、
何かを窺っているようだ。おそらく、使徒がここに出現した「目的」である物を探っているようだ。
そのおかげで、私は安全圏と言えるであろう位置まで、離れる事ができた。

ここから、ネルフの切り札、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」が登場するはずなのだが、
一向に出てくる気配が無い。私は、避難所を抜け出して来てしまったのは失敗だったか、と不安に
なりつつも成り行きを見守っていたのだが、ようやくエヴァが出撃してきたのは、
辺りが暗くなってから、使徒がネルフ本部方面への攻撃を開始した後だった。

迎撃に出たのは、私がまだネルフに居た時には開発中であった、テストタイプ・エヴァ初号機。
ところが、初号機はまともに歩く事もできず、使徒の攻撃を受けてしまう。
一体誰が乗っているの?あれなら私が乗った方がまだマシだわ。私に思いつくエヴァ搭乗者といえば、
【もう一人のわたし】位のもの。まさか、彼女も欠陥品だったのでは?と、
要らぬ心配までしてしまう。

結果として、初号機は使徒を殲滅した。が、途中から初号機の動きが豹変した事から、
あれは、パイロットの制御によるものではなく、初号機が暴走した事により、
結果として勝利する事が出来た、という、偶然の産物であると思う。

それにしても、実戦は見てても怖いわね。私は欠陥品でラッキーだったかも。
346名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 01:56:56 ID:???
オッテュ
347名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 15:58:10 ID:???
乙(・∀・)ソレデソレデ
348名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 22:18:06 ID:???
>>344-345
これって、エヴァのストーリーと何か関係があるの?
349348:2006/10/02(月) 23:15:47 ID:???
誰からも突っ込みがない・・・
「お前は第1/2話も見たことがないのか!」と。
350名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/03(火) 01:50:55 ID:???
このような下層で一時間以内のツッコミを期待するほうが激しいボケであろ。
351名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/03(火) 03:37:08 ID:???
関係あるもないも、そんなこと言ったらこの板自体ないだろ。とマジレス
352名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/03(火) 08:02:42 ID:???
投下まち
353名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/04(水) 02:12:18 ID:???
出月会日

最初の使徒の出現以来、更に2体の使徒の襲来を受けた。
そのいずれも、エヴァによって撃退されている。

2つの四角錐の底面を張り合わせたような形状の使徒が殲滅されてから、
もう1週間が経つ。その使徒により、第3新東京市は、かなりの損害を受けたが、
人が生きていく以上、いつまでも打ちひしがれては、いられない。

今日は、そんな被害を免れた商店街に、買い物に行った。
用を済ませ、喫茶店で軽い食事を取って帰ろうと、適当なお店を物色していたその時、
思いがけぬ事態に遭遇した。最初の使徒の襲来時、公衆電話の前で見かけた、
あの、「絶対助からないだろう」と思っていた男の子に出会ったのだ。

私は、思わず立ち尽くしてしまったが、相手も同じように、驚いた表情を浮かべている。
そして、彼は、私を更に驚かせる言葉を口にした。
「あ・・・綾波・・・・・。」
えっ、どうしてその名前を知っているの・・・?

彼はふっと我に返ったように、次の言葉を繰り出した。
「あ・・・ご、ごめん。知り合いに似ていたもんだから・・・つい・・・。」
その後、しばらくの間、その場を沈黙が支配した。が、またも彼が言葉を放った。
「あの・・・君の顔見てたら・・・。悪いんだけど、ちょっとだけ、僕の話を聞いてくれないかな
 ・・・なんて・・・。あ、ごめん。僕は『碇シンジ』っていうんだ。」
碇・・・。その名前に運命めいたものを感じた私は、彼の話を聞いてみる事に決めた。

「立ち話もなんだから」と、またしても適当な喫茶店を探し、そして入る。
自分だけ何か食べるのも気が引けるので、軽食を取る予定は諦め、紅茶を飲みながら彼の話を聞く。
もし、これがナンパだったら、それはそれで悪くないかも、ぐらいの軽い気持ちでいたのだが、
彼の話は、私がさっき感じた以上に、運命の悪戯を色濃く示すものだった。
354名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/04(水) 02:14:28 ID:???
「僕は、つい先日、この街に来たばかりなんだ。これは大きな声ではいえないけど、
 特務機関ネルフに召集されて。この街に住んでるなら、名前ぐらいは知ってるでしょ?ネルフ。」
知っているも何も、私も昔は・・・、まあ、余計な口を挟むのはやめておこう。

「ここに着いたその日、使徒と呼ばれるモノが、この街を襲った。僕はネルフ本部に着くなり、
 エヴァンゲリオンという巨大ロボットに乗せられ、使徒と戦う事になったんだ。」
そう。あの無様な戦いぶりは、あなただったの。・・・これも言えないわね。

「ネルフには、もう一人、エヴァンゲリオンのパイロットがいた。名前を『綾波レイ』といって、
 この人が、僕がさっき言った、君にそっくりな知り合い。」
そっくりっていうか、それ、「もう一人の私」だもの。・・・やっぱり言えないわね。

「・・・無口なところまで、綾波に似てるよ、君。・・・で、その綾波なんだけど、ずっと怪我していて、
 戦闘には参加していなかったんだけど、1週間前に出現した使徒の迎撃に、初めて出撃したんだ。」
エヴァに乗れないパイロットなんて、やっぱり彼女も欠陥品?・・・また余計なことだわ。

「その作戦の際、彼女は盾を持って、使徒を狙撃する役の僕を、敵の攻撃から防御する役目を
 言い付かったんだ。・・・だけど、敵の攻撃の火力が予想以上に強くて・・・、使徒を殲滅
 することには成功したんだけど、僕が彼女を助けようとした時には、既に・・・。」
死んでいた、と。

「前に、綾波が呟いてるのが耳に入った事があるんだ。『私が死んでも変わりはいるもの』って。
 冗談かもしれないけど、君を見たらその言葉がなんか気になって・・・。
 ごめんね、変な話しちゃって。聞いてくれて、ありがとう。じゃ・・・さよなら。」
・・・別れ際に「さよなら」なんて、寂しい事言うなよ・・・。

彼の立ち去った後、テーブルには伝票が残されていた。紅茶二人分?
これは、涙・・・。泣いているのは、私?

ちょっと鬱な気分で部屋に帰る。ドアに付いたポストを探ると、何故か「綾波レイ」宛ての手紙が来ている。
「来い・・・いや、来てください   碇ゲンドウ」・・・・・!!!
355名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/04(水) 13:56:46 ID:???
おつ
356名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/04(水) 23:33:17 ID:???
一人目まさかの招集w

今後の展開に期待シマツ(*´∀`)
357名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/05(木) 01:25:15 ID:???
オッテュ
358名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/05(木) 01:47:35 ID:???
乙!
ちょwwゲンドウ下手にですぎwww
359 ◆INbou/hWAA :2006/10/05(木) 20:46:26 ID:???
レイより弁財天
360名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/06(金) 01:58:38 ID:???
まち
361名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 02:18:52 ID:???
困月惑日

どうしてだろう?こんな物に気持ちが移ってしまうなんて・・・。
あの、最初の使徒の襲来時、私の判断力を鈍らせ、危機迫る中、
私に、もう一度、この部屋へと戻る決断をさせた、ある「モノ」。

碇司令の愛用していた眼鏡。正確には「宴会のとき愛用していた眼鏡」。
丸渕に、鼻と髭まで付いている、その眼鏡。
3年間、何故かこんなものを大切に感じ、事実、大事にしていた。

あの時、私は、この眼鏡を取りに、この部屋へと戻ったはずだった。
が、現物を目にすると、「何でこんな物取りに来たんだろう」と、冷静に戻ってしまい、
そのまま放置して避難所へと急いだ。幸い、私の部屋は被害を免れ、その眼鏡と再会するのだが、
今度は、あの時の冷静さが嘘のように、愛おしさまで感じてしまう。

思えば、この眼鏡は、私と碇司令の「絆」そのものなのだ。
あれは数年前のネルフ慰安旅行での事。宴会中の碇司令が、いつまで経っても
サウナから戻らない私に気付き、様子を見に来たらしい。
私はその時、サウナの中で気を失っていた。私の様子の異変を感じ取った碇司令は、
サウナのドアをこじ開け、私を助けてくれた。碇司令の声に私は意識を取り戻した。

その時、碇司令はサウナの中に眼鏡を落としてしまい、高温の為、その眼鏡のフレームは
グニャリと曲がり、使い物にならなくなってしまった。
今、ここにある眼鏡は、その時の物を、私が譲り受けたものだ。

もっとも、碇司令の受難は、この後も続き、女湯に覗きに入った不審者として
警察に通報されるわ、女子職員から白眼視されるわで、さんざんだったようだ。
更に、「綾波救助にかこつけた覗き」説も、まことしやかに語られ、
呆れ果て、ネルフを離脱しようとする冬月副司令を説得するまでには、
数ヶ月の月日を要したという。
362名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 02:20:25 ID:???
そんな碇司令が、今、私を必要としている。
「エッチ・痴漢・変態・信じらんない」の汚名を受けてまで、私を助けてくれた碇司令が、だ。
この部屋を提供してくれたのも碇司令であるし、もしも欠陥品の私でも碇司令の力になれるのなら、
今すぐにでも、馳せ参じたい、という気持ちはある。

しかし私は、実質的にネルフを「クビ」になった身。
こんな私がネルフに戻ったところで、一体何が出来るというのだろう。
碇司令も、そんな私を呼び戻して、一体どうするつもりなのだろうか。

もしも私を、ネルフから抹消したのが碇司令の本意ではないとしても、
それなら別に、私の存在を好ましく思っていない人、つまり私をネルフから追い出すよう、
画策した人間がいるはずだ。そんな環境で、上手くやっていける自信は無い。

碇司令を助けてあげたい、だけどネルフに私の居場所は無い。
どちらも本当の思い。そしてそれらは均衡している。どちらの道を選ぶにしても、
今の私には、その均衡を破れるだけの、決定的な要素を見つける事ができない。

あの少年のことをふと思い出す。「碇シンジ」君。
珍しい、「碇」姓を名乗るその男の子、多分、碇司令の身内であろう。
息子さんである可能性も高い。そう考えれば、何となく面影があるような気もする。

彼にとって「綾波レイ」は、死んだ人間なのだ。
私がネルフに戻れば、私は彼に「綾波レイ」として接する事になる。
そんな時、どんな顔をすればいいのか、わからないわ。

だが、私がネルフに戻らなければ、人類の命運をかけた戦いを、彼一人に背負わせる事になる。
そうなったのは、「もう一人の私」が悪いのだけれど、どうにも私も責任を感じてしまう。

ダメだ、下手に考えても、答えに辿り着けない。
この先、私はどうすればいいの?
誰か、教えて!
363名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 02:30:09 ID:???
憂月さん、続き書かないのですか?結構好きだったのに……
364名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 07:56:28 ID:???
 †⌒⌒丶     
 ′ 从 从 )   test
 ヽゝ゚ー゚ν   
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
  \/    /
     ̄ ̄ ̄
365名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 09:43:51 ID:???
四人目まち
366名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 19:45:11 ID:???
オッテュ
367綾波さん(失業中):2006/10/08(日) 00:46:05 ID:???
この先、私はどうすればいいのか、わからないので、
とりあえず、単発ネタ投下。読みにくいこと必至で悪いけど。
368名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 00:47:44 ID:???
時に、西暦2006年

あやなみれい(5さい)の にっき

きょう、ようちえんで、うんどうかいがありました。
ほかのこたちは、おとうさんや、おかあさんが、みにきていたけど、
わたしには、なにもないので、おとうさんも、おかあさんも、いません。
でも、かわりに、いかりしれいと、あかぎナオコはかせが、みにきてくれました。

ふたりは、グラウンドのすみに、ばしょをとって、おべんとうをたべたりしています。
いかりしれいは、ひるまから、おさけをのんで、あかぎはかせにおこられています。
でも、おこってるはずなのに、あかぎはかせは、なんだかうれしそう。

プログラムがすすんで、つぎは、かけっこ。わたしも、はしります。
よういドンで、はしりだして、もうちょっとで、いちばんになれる、とおもったのに、
ゴールのてまえで、ころんでしまって、みんなにぬかされてしまいました。
ひざから、ちがでていて、とってもいたかったです。

つぎに、わたしがでるのは、きばせんです。しんこうやくの、せんせいが、
「れいちゃん、けがしてるけど、だいじょうぶ?」
と、しんぱいして、きいてくれました。でも、わたしは
「かまいません、いきます。」
と、こたえました。わたしがしんでも、かわりはいるもの。

わたしは、きばに、のるやくめなので、あしがいたくても、だいじょうぶだと、おもっていたけど、
いまは、たってあるくのも、つらいです。しかたないので、ネルフほんぶで、ひろった
えぬ2しゅりゅうだんを、つかって、あいうちになる、かくごをきめました。
でも、わたしが、えぬ2しゅりゅうだんを、てにもったら、「はんそくまけだ」といわれました。
わたしは、せんせいに、「そんなのルールに、かいてありません」と、こうぎすると、
「それなら、れいちゃんの、かちにしましょう」といわれました。
369名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 00:51:42 ID:???
こんどは、あいてチームの、ふけいから、こうぎがでましたが、せんせいに、
「おこさまを、なくされるよりは、ましでしょう。」
といわれ、あきらめさせられていました。これで、わたしの、かちが、きまりました。

ごごは、ふけいさんかの、「かりものきょうそう」がはじまります。
せんしゅは、まず、ほんぶせきにむかい、そこによういされた、カードをひきます。
そのカードには、レースごとにきめられたテーマにそった、どうぐのなまえが、かいてあります。
そこにかかれた、どうぐをかりてきて、1ばんさきにゴールしたひとが、かちになります。

さいしょのレースのテーマは、「ようふく」でした。
せんしゅのなかに、カードをひいたとたん、わたしのほうにむかってくるひとがいました。
しんちょう160a、たいじゅう120`(すいてい)の、あぶらぎったひとです。
そのひとは、わたしにカードをみせました。そこには「ぱんつ」とかいてありました。
わたしは、なんとなく、みのきけんをかんじました。そのひとが、せまってきます。
370名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 00:54:55 ID:???
「だめなのね、もう」と、おもったとき、ものすごいかおをした、いかりしれいがとんできて、
そのひとを、ぼこぼこにしてしまいました。きょうの、いかりしれいなら、ぷらいどぐらんぷりに
しゅつじょうしても、ゆうしょうできるとおもうほど、すごいはくりょくです。
わたしのよこで、ケンスケくんが、ないていたので、やられたひとは、ケンスケくんの
おとうさんだと、おもいます。そのひとは、たんかではこばれるとき、つぶやいていました。
「ろりこんだって いいじゃないか だんせいだもの   あいだ」

そして、いかりしれいの、でるレースがはじまります。テーマは「うみ」。
みんなが、「すいちゅうめがねだ」「ぎょぐんたんちきだ」と、あわてているなか、
いかりしれいは、カードをとると、そのままゴールへと、あるいていきました。

しんこうやくの、せんせいが、「おとうさんは、なにをかりてきたのですか?」ときくと、
いかりしれいは、せんせいに、カードをみせながら、いいました。
「わたしが、いかりですが、なにか?」
いかりしれいのカードには、やはり「いかり」とかいてありました(かんじで)。
いかりしれいは、しんきろくでかちました。「でぃーぷいんぱくと」よりつよいかも。
すこし、いかりしれいを、みなおしました。

けっきょく、いかりしれいと、わたしの、かつやくもあって、
わたしのチーム、「しろぐみ」は、ゆうしょうすることができました。
みんなには、わたしと、いかりしれいに、かんしゃしてほしいです。  おわり
371名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 01:02:00 ID:???
なんですと!
なにもできませんが、心を強くお持ちになってください。
仕事だってそのうちまた見つかりますよ。

しかしネタのキレはお見事。
372名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 02:15:37 ID:???
ちょwww ケンスケの父ちゃん有名人wwww
373名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 04:30:22 ID:???
錨って何処から借りてくりゃいいんだ;
374名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/09(月) 06:29:12 ID:???
375名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/10(火) 05:25:04 ID:???
乙。
376名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/10(火) 07:43:57 ID:???
GJ
377名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/10(火) 21:01:18 ID:???
オッテュ
378名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/11(水) 08:39:04 ID:???
gj
379憂月:2006/10/11(水) 18:41:03 ID:???
書いてもいいのですか?
380名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/11(水) 18:44:38 ID:???
がんがれ
381名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/11(水) 22:05:16 ID:???
憂月さんへ
やめて、マジで。
あなたのオチが何もないから面白くも何ともないの。
382名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 00:55:16 ID:???
出月頭日

おとといから様子が変だ。
今まで、私の部屋に訪ねて来る人などいなかったのに、
毎日、呼び鈴を鳴らしていく人がいる。

私は、居留守を使って、来訪者に応対していないのだが、
昨日などは、土砂降りの雨の中、この部屋の前まで来た人がいるのだ。

今日も、前二日とほぼ同じ時刻に、呼び鈴が鳴らされた。
やっぱり、おかしい。私がこの部屋に住んでいることを知っている者など、
限られているし、その人たちの中にも、ここを訪ねて来そうな人など思い当たらない。
大方、訪問販売か何かだろうと思うが、今日も居留守を使い、
まるで意味の無い行為かもしれないが、頭から布団を被り、気配を消そうと勤める。

・・・・・布団に潜り込んでいたら、どうやら、そのまま本当に寝てしまったようだ。
もう、部屋には夕日が差し込んでいる。いけない、夕食の買出しに行かないと。
そう思って、部屋を出ようと、ドアを開けると、そこには人が立っていた。
・・・・・碇司令、だった・・・・・。

そのまま無視して通り過ぎる訳にもいかず、とりあえず部屋に上がってもらう。
「三日目にして、ようやく会えたな、レイ。」
そうか。おとといから、呼び鈴を鳴らしていたのは、碇司令だったんだ。

気まずい沈黙が続く。碇司令がここに来た目的は、先日、手紙が届いているので、
私にはわかっているのだが、碇司令は、あえてその話を切り出してこない。
沈黙に耐え切れず、私から問いかける。私をネルフに呼び戻して、何を願うの・・・?

「予備が、使えなくなった・・・。」
???あの少年・・・碇シンジ君が、エヴァ搭乗を拒否したというの?
383名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 00:57:46 ID:???
「そうではない、『綾波レイ』の予備が使えなくなったということだ。」
って、予備、と呼ばれるとすれば、それは私の方であるはずなのに・・・。
「先日の戦闘で、使えなくなったのだよ、予備が。あれは予備、そう、まさしく
 予備だ。・・・死人に口な・・・いや・・・。」

何か、とても失礼な言い方をされたような気がするので、碇司令を追及する。
こちらが思っていたより素直に、碇司令は全てを話してくれた。
その話を、かいつまんで説明すると、こんな風になる。

かつてネルフでは、魂の器(肉体)が造られ、そこに魂を宿す実験が行われていた。
その結果、器の内の三体に、魂を宿らせることに成功した。
新たに誕生した三つの生命体を検査した結果、そのうちの一体は能力的にやや劣り、
「予備」と位置付けられ、他の二体は能力的に遜色無い事から、魂の宿った順に、
「正」「副」とされた。つまり、「綾波レイ」には、正・副・予備の三人が存在した事になる。

三人に宿っているのは、リリスの魂。細かい理屈は、赤木ナオコ博士にしか解らないらしいが、
その魂を、3で割った商が「正」と「副」、余りが「予備」と考えて良いらしい。

三人は、それぞれ別々に育てられた。そのため互いに面識は無く、
私は、私がネルフから抹消された際に現れた「もう一人の私」を、
新たに造られた存在であると思い込んでいた。

しかし現実には、その時現れた「もう一人の私」は「予備」であり、先の使徒との戦闘において
命を落とした。さらに、私自身は「副」の綾波レイであるらしい。

では、「正」の綾波レイは、どうしたのかというと、幼少時に、
赤木ナオコ博士に暴言を吐き、博士の怒りに触れ、絞殺されてしまったらしい。

ちなみに私達は、肉体が死んでも、新しい魂の器さえあれば、復活は容易なのであるが、
「正」については、後を追う様に命を絶った赤木博士の喪に服す為、「予備」については、
「あくまで予備だから」という碇司令の判断で、復活は行われていない。
384名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 00:59:23 ID:???
以上、日記用に私の言葉で書き記したが、これだけの事を話した碇司令は、
疲れきった表情を覗かせつつも、更に続けた。

「まさか、レイにまで突き上げられるとは・・・。まったく、どいつもこいつも・・・。
 こっちは命懸けで地球の平和を守っているというのに、ゼーレの老人達は、上から
 口やかましく言うばかりだし、国連と日本政府の間に挟まれて、上手い事立ち回らねば
 ならないし、戦自からは、やっかみを受けるし、冬月は生真面目だし、
 葛城君は遅刻ばっかりだし、伊吹君は潔癖症だし、赤木博士はヤラせてくれないし、
 シンジは・・・・・冷たいし・・・・・。もう、どうでもよくなってきたよ。」

我が道を行っているような碇司令でも、それなりに不平不満はあるようだ。
最後の方は、自業自得な部分や、単なる八つ当たりも見受けられるが・・・。

私は、こんな時、どんな言葉をかければいいか、わからない・・・。
だからといって、放置もできないので、適当な事を言ってみる。
「確固たる、ご自身の地盤を築いたらどうですか?たとえば、国連の加盟国の中にも
 ゼーレの、金と権力に任せたやり口に、不満を抱いてる国も少なくないはずです。
 そういった国に働きかけ、ゼーレと国連の風通しを悪くする・・・・・。」

碇司令は、私の話に呆けた顔で聞き入っているので、続ける。
「ゼーレと国連が、互いに不信を抱いているうちに、碇司令は、その他の各方面に掛け合って
 ネルフを第三勢力として独立できるまでに仕立て上げる。ただし、いくら力を付けても、
 いきなり両者と事を構えるのは、感心できません。まずは、国連とは良好な関係を保ち、
 ゼーレの金の力に対抗するのが得策かと・・・。」

碇司令は黙って最後まで私の話を聞いていたが、突如、膝を打つと、
「レイ・・・、お前を訪ねて来てよかったよ。どうやら、お前はこの三年で、
 『私の可愛いレイ』から、『野に伏す竜』へと成長を遂げていたようだな。」

何の事か良くわからないが、碇司令は喜んでいるようなので嬉しい。ちなみに、碇司令が、
三日に渡り、私を訪ねてきた事は、後の世に「三顧のレイ」と言われる事に、ならないだろう、多分。
385名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 07:30:37 ID:???
386名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 13:43:15 ID:???
>>381
なんかちょっとヒドイなあ・・・。

憂月さんへ
>>381さんの言い分も、分からないでもないので、その辺を少し
意識して書いてみたら、いかがでしょう?
ネタの拾い所とか、良いと思うんだけど、ちょっと分かりづらいかも。
387名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 18:59:31 ID:???
オッテュ
388名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 19:02:15 ID:???
憂月さんにはトリップつけてもらえばいいんじゃない?
389名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 08:02:29 ID:???
>>388
同意。私は作品読みたい派なので、アンチはあぼーんすればいいとおもう。
390名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 17:25:14 ID:???
トリップって?
391名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 23:36:18 ID:???
アンチは旅に出ろって事だよ
392名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/14(土) 13:04:32 ID:???
専ブラ使用前提だけど
読みたい人がいれば、他のレイの作品が間に挟まっても途切れなく抽出できるし、
反対に読みたくない人であればNGに登録できるからね。

憂月さん、トリップ付けてガンガン書いてくれよ。
393名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/15(日) 09:49:43 ID:???
>>392
ギコナビでも大丈夫ですか?
394</b> 憂月鬱日:2006/10/15(日) 10:07:23 ID:SzeCspjB
円月¥日その参
茶木絵里さんが会議室から出てきたの。コピー資料を手に持っている。
「これ、昨日の戦闘データのコピーだよ、目を通しておいてね」
そういって、資料を私にくれる。紙でもらっても、保管に困ってしまうのに。
茶木絵里さんは、紙媒体が好きなのかな?私も会議室に行ってみる。
会議室に入ると、プリンターが大きな音を立てて印刷中なの。そんなに
紙に印字しても、しょうがないと思うのに。茶木絵里さんに聞いてみた。
「文書を電子化して、媒体に保存すればいいと思うわ」
「綾波さん、もちろん媒体にも保存するわ、でも、紙に印字しておくと、
改ざんができないの。電子ファイルならいとも簡単に情報を改ざんできるから」
なるほど、そういうことか。紙に印字した分は、だんぼーるにいれて、
松代に保管しておくみたい。媒体保存は、同様に松代と、ここに金庫を
買って、その中に入れておくみたい。結構、手が込んであるのね。
395名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 14:06:00 ID:???
386さんと同意ですが憂月さん、改行するときや会話文の所などで一行あけたらいかがでしょう?
以前の連載を読んでる時、文量が多いので見にくい感じがしました

初代スレからシュール毒微笑の流れ&高レベルな少数の職人で固定してるんで、すぐには大多数に受け入れられないかもしれんが、アナタの日記ぽくない内容&大量投下する様子こそ、シュールで頑張ってる感がして私は好き


ヤメロ&ネタが云々〜という意見がチョコっと出ても気にしちゃイヤ。だって2ちゃんだもん
396名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 16:30:50 ID:???
大いに気にして欲しいのだが、とにかくトリップつけてくれ。
397名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 18:30:27 ID:???
>>396
トリップのつけかたがよくわからなくて・・・
398名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 07:31:40 ID:???
#てきとうな言葉
399名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 12:08:52 ID:???
復月帰日

碇司令の「三顧のレイ」に報いる為、私はネルフに戻る事を決意した。
凝り性の碇司令は、これを機に名前を「碇ゲントク」に改名するなどと言い出したのだが、
どうせ皆、「碇司令」と呼ぶのだから、改名する効果は、あまりありませんと説得し、事無きを得る。

かつて、私がネルフに在籍していた事、そして私が造られた存在である事は、
その当時、上層部にいた人なら、誰でも知っている。
今回、私が復帰するに当たり、当時を知らない人達、つまり、「綾波レイ」は
死んだと思っている人達に対し、どう接したら良いのだろう。

「案ずる事は無い、私と冬月に任せておけ。」
碇司令はそう言っていた。まあ、碇司令が、偽装と誤魔化しにかけてのプロフェッショナル
である事は、私も知っているので、大船と言わずとも、救命ボートぐらいには乗ったつもりでいよう。

碇司令の段取りしてくれた通りに事を進める為、私は指示された通り、
ネルフ本部へとやってきた。そして、とある場所で待機している。

本部内の一室に、これから私と深く関わりを持つであろう人達が招集され、
そして、これから何事が言い渡されるのであろうかと、不安と期待の入り混じった顔を並べている。
私は、待機場所にあるモニターから、この様子を窺っているのだが、なかなか滑稽に感じる。

その部屋に、碇司令と冬月副司令が姿を現した。ええと、この中で、私の知っている人は、
司令に副司令、赤木博士、それに、この間出会った男の子、碇シンジ君ぐらい、かな。

碇司令が、召集を受けた面々に、その理由について語りだす。
「先日の使徒迎撃において戦死した綾波レイ、彼女の抜けた穴を埋める手段を論議したいのだが・・・。」
碇司令の描いたシナリオでは、ここで私が声を出す事になっている。ええと・・・。
「フッ、その必要は無い!」
台本通りの言葉を喋ると、突然、私の前の扉が開き、そして私の体は、強烈なバックライトに照らされた。
400名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 12:10:29 ID:???
この照明だと、私の対面からは逆行となり、私のシルエットしか見えないのでは、
などと、余計な心配をしていたのだが、碇司令は、そんな事にお構いなしに、シナリオを続行させた。
碇「な、何ィ〜ッ!」
冬「お、お前は〜ッ!」
赤「あ・・・・・綾波、綾波レイ〜ッ!い、生きていたのか〜ッ!」

・・・ベタベタの少年マンガね。一同はその展開に、あっけに取られていたが、
それで人を納得させられるほど、世の中甘くない。それでも、赤いジャケットを着た
長髪の女性(後に葛城三佐と判明)だけは私を見て、腰を抜かしてひっくり返っていた。

「ちょっと、レイが生きているって、これ、どういう事なんスか!」
長髪の男性(後に青葉二尉と判明)が、至極真っ当な疑問を呈す。しかし、
前、左、右をそれぞれ碇司令、冬月副司令、赤木博士に囲まれて、
「そういう事なんスよ、わかったかね?」
と凄まれると、もうそれ以上の言及は出来なくなっていた。

しかし、こんな恐喝染みた方法で、強引に話を締めても、不信感を募らせるだけだと思うので、
私は、碇司令に真実を話すように、みんなの前で提言すると、
「わかった、では話そう。今までのレイはニセモノ、このレイがホンモノ、以上。」
・・・非常に手短ではあるが、まあ、さっきよりはマシか。

これから私は、不思議な環境に身を置く事になる。相手は私の事を知っているが、
その相手のほとんどは、私にとっては、初対面の人達なのだから。

その中でも、少しは面識のある、碇シンジ君が話しかけてきた。
「綾波・・・、なんか、複雑な事情はよくわからないけれど、また逢えて良かったよ。
 僕たちは皆『見た目は寡黙な美少女だけど、実はドジっ娘』な綾波に、癒されていたんだから。」

・・・寡黙な美少女はともかく、私がドジっ娘?予備ってば、そうだったの?教えて、碇君。
「そりゃあ・・・今時、いないよ、バナナの皮に滑って転ぶ人とか。」
・・・なんか・・・ちょっと・・・。先行き不安になってきた。
401名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 20:53:48 ID:???
オッテュ
402名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/18(水) 00:46:20 ID:???
403名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/18(水) 19:57:31 ID:???
憂月さん、マジ、トリップ付けて。
404名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 00:35:12 ID:???
惣月流日

私が搭乗する予定のエヴァ零号機は、先の、予備が帰らぬ人となった戦闘において大破、
現在、鋭意修理中である。つまり、今、使徒を迎撃できるのは初号機のみ。

そのために、戦力を補強する目的があってのことか、或いは、ただ単に
開発が完了したからなのか、その辺りは分からないが、とにかく今回、
エヴァ弐号機とその専属パイロットが、ここネルフ本部に配属される事となった。
ドイツ第3支部から、海路輸送されてくるのだが、今日、新横須賀に到着する事になっている。

葛城三佐が碇君と、その友達二名を伴い、弐号機の引き取りに向かった。
碇君の友達は、私のクラスメイトでもあるらしいのだが、私はあまり学校に行ってないので、
名前を聞いても顔が思い浮かばない。まあ、そんな人達どうでもいいわ。
それよりも、民間人二名を連れて行った、葛城三佐の意図のほうが気になる。

さて、留守番の私なのだが、ネルフ復帰以来の行動パターンとなっている、
司令室での世間話に花を咲かせる。司令も副司令も、私が話し相手になると、
とても喜んでくれる。今日は本部に来る前に、最中を買ってきたので、それをお茶菓子にしよう。

私にはドジっ娘は無理そうなので、マッタリ系の癒しを目指しているのだが、
その目論見は当たりかもしれない。これで縁台でもあれば、副司令など完全に好々爺だわ。

「レイ、この間の話なんだが、私は、自分の地盤を固める事にしたよ。勿論、冬月も
 承諾してくれた。これから国連やゼーレに対抗できる力を蓄える、そしていつか天下をこの手に。」
えっ、この間の話って、私が気休めにと思ってした話?天下をこの手に、って・・・・・。
使徒迎撃やら人類補完計画やらは、一体どうするつもりなの?
「使徒は・・・。我々の敵だからな、倒すさ。人類補完計画は、どうでもいいや。
 権力をこの手に握ったその後に、ユイと会う別の方法を考えるさ。」

野心に満ちた碇司令。そんな時、司令に一本の電話が入った。
405名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 00:37:16 ID:???
「ああ、君か。・・・何、使徒と遭遇?・・・そうか。最悪の場合、君だけでも・・・
 ぬゎに!シンジが、セカンドチルドレンの女の子と、二人きりでエントリープラグに?!」

碇司令を、愕然とした表情が覆った。年頃の息子が、気になって仕方ないのだろう。
司令は、部屋のモニターに、弐号機のエントリープラグとの回線を繋いだ。

「・・・あんた日本語で考えてるでしょ、ちゃんとドイツ語で考えてよ!」
「わ、わかったよ・・・バ、バームクーヘン。」
モニターを通して伝わってくる二人の会話に、冬月副司令が、えらくストレートな結論を出した。
「・・・碇、お前の息子さん、バカだろ・・・。」
碇司令は、「今のナシ」とでも言うように、有無を言わさず、その回線を切断した。

碇司令は言葉を失い、その場を、どんよりとした空気が支配したまま、時間だけが流れる。
そんな重苦しい雰囲気を断ち切るように、突然、ドアをノックする来訪者があった。
「ご無沙汰してます。最悪の場合を想定して、早めに逃げてきちゃいました。」
あ、あれ、この人・・・。

「久しぶりだな、レイ。」
司令達への挨拶を済ませた後、私にそう話しかけてきた、その人は、私が以前お世話になっていた
喫茶店のオーナーに瓜二つ・・・って言うか、本人?
「いや、まあ、色々と、大人の事情ってモンがあるんだよ、お前を働かせていた事も含めてね。」
そうか、そういう事か、ネルフ。(私の)雇用は用意されていたのよ、誰かにね。

オーナーの本名は「加持リョウジ」と言って、ネルフに所属する人間であった。
真実を知った私は、今まで騙されていたような気がして、不愉快でならない。
弐号機が、国連軍の協力を得て、使徒を殲滅したという報告にも、嬉しさが沸かないぐらいだ(怒)。

加持さんが、持参した手荷物を碇司令に見せる。何でも「人類補完計画の要」なんだとか。
「人類補完計画?あ、アダムか。いや、実は、もう要らなくなっちゃったんだよ、それ。」
唖然とする加持さんを尻目に、碇司令は副司令に、アダムの処分について相談している。
「・・・・・そうだな、とりあえず水槽にでも入れて飼っておくか・・・・・。」
406名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 10:53:01 ID:???
>>403

トリップのつけ方がよくわからなくて・・・
407名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 18:59:48 ID:???
憂月は確信犯w
気が小さいくせに自己顕示欲が強いんだな。
408名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 22:17:55 ID:???
オッテュ
409満月 ◆mHbRKzUQ2A :2006/10/20(金) 01:29:35 ID:???
>>406
>トリップのつけ方

この投稿者欄が
満月 ◆mHbRKzUQ2A
と表示されているが、これがトリップ。

実は投稿する際に、名前欄に
満月#j]fg^%5/>
と入力した。

この様に「#」の後に適当な文字・記号を続けると、トリップという形で表示される。
( # をつけることを忘れないこと)

これが何故個人識別になるかというと、トリップは暗号化操作によって生成されるので、
◆mHbRKzUQ2Aから逆に → #j]fg^%5/>を見破ることは不可能である。
見破るには、文字・記号の組み合わせを総当りで調べる以外に方法が無く、
高速コンピュータを休み無く稼動しても何十万年も掛かる。

だから #j]fg^%5/> を秘密にしておけば、他人がなりすますことは出来ない。

なりすますために、名前欄に直接 ◆mHbRKzUQ2A を入力すると、
◆が白抜きの◇になるので、偽者であることがバレる。

# に続く文字・記号は全くの自由なので、適当に組み合わせて、下記のスレでテストをしてみるといい。
大事なこと=作った組み合わせは記録をしておくこと。忘れると復活出来ない。

「初心者の質問」板
トリップテストpart429
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/qa/1161103073/l50
410名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/20(金) 11:57:49 ID:???
四人目まち
411綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/21(土) 02:38:40 ID:???
鳥 月 符 日

最近、私の参加しているインターネット上のコミュニティでは、
「トリップ」というものが話題に上っている。

あまり詳しい事はわからないのだが、それは本人証明に使われるようで、
「私は私、貴方じゃないわ」といった場合に、「私」である事を示す為のモノ、
そんな風に私は解釈している。やっぱり、よくわからないわ。

という訳で、私もそのコミュニティに参加する際、トリップなるモノを使ってみることにした。
都合のいい事に、>>409で、「満月」さんという方が、「トリップの付け方」について、
丁寧に説明してくれているので、それを参考にやってみよう。

さて、トリップを付ける為には、自分の名前に加え、「#」と、適当な文字列を
名前欄に書き込めば良いらしい。しかし、注意すべき点は、この「適当な文字列」を
失念してはならないということで、これを忘れてしまうと、最初に表示されたトリップを
再現できなくなる。あまり自信は無いけど、「適当な文字列」×「暗号化の法則」
=「トリップとして表示される文字列」、満月さん、この解釈でいいのかしら?

「適当な文字列」は忘れてはいけないので、とりあえず、他のサイト等で「パスワードが必要」
とされる場合に、私がいつも使っている文字列を流用する事にしよう。

ええと、本文は何でもいいや、「パターン三毛、ネコです!」、そして私の名前、
「女神」と。そして肝心な文字列、「20010330」。よし、これでパーペキね。
送信ボタンをクリックして完了。

しかし、リロードされた書き込み結果を見て、私は愕然とした。
「女神 20010330」・・・・・。しまった、「#」を付けるのを忘れたわ・・・・・。
ニンニクラーメンはチャーシュー抜きでもよかったが、トリップを付けるのには
シャープ抜きではダメだったようだ・・・・・。
412綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/21(土) 02:40:20 ID:???
いけない、「20010330」を流出、というか放流してしまったのは、非常にまずい。
もろに生年月日だし、ネット銀行やらアマゾンやらのパスワードとしても使っている。
この書き込み、無かった事にならないかしら?
・・・・・ダメなのね、もう・・・・・。

早急に関係各所のパスワード変更の手続きを済ませる。
迂闊だった・・・。私に近い人なら「20010330」という数字から、「女神=綾波」と
特定するかもしれない。もう「女神」という名前は使えないわね。
今度トリップテストをする時は、「20011204」という文字列を使うことにしよう。
これなら失敗した時、何を思われても構わないから。

私はちょっと精神的に疲れたので、同じように、他のコミュニティに参加している
セカンドを実験台にすることを思いつく。「実験台」と言うと言葉は悪いが、
自己主張の強いセカンドには、トリップというのは、ピッタリの機能だと思う。

私がセカンドの部屋を訪れたとき、彼女は丁度、パソコンに向かっていた。
これは好都合。私は、トリップについて知る限りの事を、彼女に話した。
>>392に書いてあった、「NGに登録」や、>>392の「アンチはあぼーん」等も含めて全てを。
私の想像が正しければ、これらは、特定の発言を無視する機能だろう、とも伝えた。

「あぼんは嫌、あぼんは嫌、あぼんは嫌、あぼんは、イヤァ〜ッ!」
・・・・・セカンドが壊れた。ごめんなさい、きっと過去に、余程辛い思いをしたのね。
私にまで鬱が移ると嫌なので、その場を立ち去る。あ、「鬱が移る」はシャレよ、一応。

とはいえ、「あぼんは嫌」なのは私とて同じ。いくらネット上とはいえ、一応は社会である以上、
私のことが嫌いな人がいても、それは仕方ないと思うが、それでも、
発言に目を通してすら貰えないというのは、ちょっと寂しい。そう思うと、私の決意も揺らぐ。

だけど・・・故・ジャンボ鶴田さんも言っていたわ、「人生は、チャレンジだ」と。
私はその言葉に奮い立たされ、また、トリップ付けにチャレンジする事を決めた。
成功したら、満月さんに、ちゃんとお礼をしなくちゃね。
413綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/21(土) 02:47:26 ID:???
おお、名前の後ろに何か付いた。これでいいのかな?

何はともあれ、満月さん、どうもありがとうございます。

でも、やっぱり「あぼんは嫌」と思う私は、自己顕示欲が強いのかなあ・・・。
414名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/21(土) 03:24:51 ID:???
好みの別れる長文書くなら、トリはともかくコテハンは必須だろね。
どうでもいいが、てっきり憂月は補完だと思ってた。
415名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/21(土) 11:05:08 ID:???
416名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/21(土) 12:17:04 ID:???
GJ
417憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/21(土) 12:32:15 ID:???
円月¥日その四
金庫は、あとでゼルエルさんが持ってきてくれるみたいなの。結構な
セキュリティーシステムをこのお部屋に導入する必要があるみたい。
でも、そんなお金、どこから持ってくるのかしら???
経理なんてのはまだ機能していないし、まだタブリスコピーの情報収集
段階だから、まだ動けない部分もあるはず。とりあえず、お茶でも
飲みましょうか?と思って、2人にお茶を入れてあげたの。
今交換できる情報が知りたいと思って、3人で打ち合わせ。
タブリスコピーがどこから来たのか情報はまだわからないということ。
言い換えれば、使徒がどこからやってきていたか、という議論になったの。
茶木絵里さんに聞いても、気がついたら、自分はあんな不恰好をして、
この街に向かって泳いでいたそうなの。自分がどこからやってきたのか
全くわからないみたい。それで、この街で自殺を図ったけれど、
残骸を回収されて、今の彼女になった、ということみたいね。
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/21(土) 17:53:01 ID:???
オッテュ
419名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/21(土) 18:26:26 ID:???
あぼんなんて余程うざいAA・コピペにしかしないから
過疎スレなんだからマターリ行こうよ
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/22(日) 09:27:19 ID:???
とうかまち
421名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/23(月) 15:09:41 ID:???
おつ
422憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/23(月) 23:20:41 ID:???
円月¥日その五
使徒がどこからやってきたのかわからない以上、今はそれを追及しても
仕方ない、ということになったの。茶木絵里さんから、この部屋にも
空調設備をつけてほしいとお願いされたの。でも、おかしいわね。
この部屋にも空調はあるはずなのに。。。天井を見てみる。真中に
吹き出し口がついている。たぶん、スイッチが入っていないだけ。
部屋の入り口にスイッチがあったの。でも、ラックの影になっていたの。
ちょうど空きになっていたから、ここにはものを置かないほうがいいわね。
スイッチを入れる。冷たい空気が天井から降りてきた。
「涼しい。飛んでいる間は涼しいのだけど、止まったりすると途端に
暑くなってしまうのよね」
この部屋の空調は、止めることなくずっと入れっぱなしのほうがいいわね。
でも、なんだか埃臭いような、そんな感じ。使っていなかったからかな?
通信設備も別途入れることになるみたい。
423憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/23(月) 23:27:01 ID:???
円月¥日その六
急にファックスが流れてきたの。松代のゼルエルさんからだったわ。
電子機械設備は、今後私に購入をお願いするみたいね。電子機械設備?
何?どういうものを買ってほしいのかしら?購入希望の電子機械の
情報が送られてきたの。映像を録画可能なレコーダー?とりあえず
私が知る限りではHDDに録画できればいいのかな?他にはパラボラアンテナ?
衛星動画受信が可能!そういうものなら最初からここに取付けされているわよ。
テレビ会議システム、これはあったほうがいいわ。それから・・・
とりあえず、可能な限りのものを購入することに。とりあえず、支払いは
私が立て替えておくことになったわ。そうはいうものの簡単に見積もると、
30万円を軽く越えているの。ちょっと、頭が痛くなってきたわ。
4241人目:2006/10/25(水) 00:02:38 ID:???
甲月乙日

セカンドチルドレンの名は「惣流・アスカ・ラングレー」という。
昨日は、直接会う事ができなかったので、今日が初対面となった。

彼女は14歳にして既に大学を卒業している「天才少女」らしいのだが、
おおよそ天才などと呼ばれる人種には変わり者が多い、などとも聞くので不安が無い訳でもない。
案の定、私が、これからのことも考えて「仲良くしましょ」と声を掛けると、
彼女から返ってきたのは「命令があれば、そうするわ」という答えだった。やはり変わったコだ。

本部内に警報が鳴り響く。紀伊半島沖に巨大な潜行物体が確認されたようだ。
「受信データを照合、波長パターン青、使徒と確認。」
碇君と惣流さんに出撃命令が下される。先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、
大きなダメージを受けている為、他所にて迎え撃つ作戦のようだ。

零号機の改修が終わっていない為、私はまたしてもお留守番。また司令室にでも居ようかしら。
今日は本部に来る前に、羊羹を買ってきたので、それをお茶菓子にしようかな。

「・・・従って、今回は上陸直前の目標を、水際で一気に叩く。初号機並びに弐号機筆頭は
 交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ!」
葛城三佐が下した今回の作戦。私は司令室のモニターで、碇司令達と、お茶をすすりながら
観戦する。パイロットの二人には、少し悪い気がしないでもない。

碇君が弾幕を張り、それに乗じて惣流さんが使徒への接近を図る。
さすがに天才少女の名に恥じず、使徒との間合いを、あれよあれよと言う間に詰めてゆく。
そして、天高く舞い上がったかと思うと、弐号機筆頭?の背中に装備されていた
エヴァの身の丈程もある大刀を一閃、見事に使徒を真っ二つにした。

「どう?サードチルドレン。『一文字流斬岩剣、この世に斬れぬ物は無し』よ!」
なるほど、これが弐号機「筆頭」のいわれね。機体も赤(い)し。
4251人目:2006/10/25(水) 00:04:22 ID:???
これにて任務完了、と思いきや、弐号機筆頭に一刀両断にされたはずの使徒が、
切断された二つの断片、そのそれぞれが独立して活動を再開した。
結果、隙を突かれた初号機及び弐号機筆頭は、活動停止に追い込まれてしまった。

国連軍によるN2爆雷投下により、一時的に使徒の侵攻を止める事に成功したものの、
これは単なる足止めに過ぎなく、再度侵攻は時間の問題であるという。
二体の使徒には、それぞれ「甲」「乙」と付せられ、この使徒を倒す為には、
「甲」「乙」それぞれのコアに対する、二点同時過重攻撃が必要であると結論付けられた。
これに備え、碇君と惣流さんは、即日、訓練開始することになった。

しかし、碇君と惣流さんの様子を見ると、とてもそんな連携が可能な仲には見えない。
私が思うに、二人の連携を高めるより、使徒二体の仲間割れを誘う方が、確実そうだ。
私にある「ハズ」の、リリスの力を持って、使徒に思念を送れないかしら?やってみよう。

「貴方、人から何て呼ばれてるか知ってる?『乙』よ、『乙』。お疲れ様でも何でもないの、
 『甲』と比べて『乙』なのよ。同じように見えて、貴方は『甲』より劣っているの。
 ネルフ内でも言われているわ、『乙なんか用なし、問題は甲だ』って。」
「・・・・・俺はアイツの噛ませ犬じゃない・・・・・!」
何か悪くない手ごたえ。6日後の、使徒再侵攻が楽しみだ。

6日後追記

案の定、使徒は活動再開と共に、同士討ちを始めた。双子の兄弟喧嘩の様で微笑ましい。
発令所内は唖然としつつも、モニターで事の成り行きを監視している。
結局、二体の使徒は合体する事なく、エヴァによる迎撃地点まで辿り着いた時には、ヨレヨレになっていた。

一方、碇君と惣流さんだが、一週間足らずで連携など完成するはずも無く、と言うか、
碇君が惣流さんの動きに全くついて行けない。これでは前座のタッグマッチのようだ。
業を煮やした惣流さんが、碇君の初号機を思い切り、後ろからど突いた。
前のめりに転倒しそうになる初号機。それを防ぐ為、初号機が両手を突いたその先には、
甲と乙のコアが・・・・・。かくして二点同時過重攻撃は達成され、使徒は殲滅されたのだった。
426名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/25(水) 01:00:00 ID:???
オッテュ
427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/25(水) 04:00:45 ID:???
スレッド情報局から宅急便です。
つ●
428名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/25(水) 04:18:22 ID:???
ウンコ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/26(木) 01:00:07 ID:???

豊月奉日、雨
買い置きのカップ麺が切れたので買出しに出かけた。
赤いおさるを1カートン、緑のメガネを1カートン。
帰りに公園で碇君を拾う。例によって家出中との事。風邪でも引かれると面倒なので、持ち帰って保護する事にする。
ひとまずカップ麺を勧めてみる。碇君は赤いおさるの方が好きなもよう。
疲れているようなので、早めに眠るように告げるも、私の寝台に眠る事を碇君が拒否。
「間違いが起きたら困る」と言うのでゴミ箱に残っていた包帯で縛ってあげた。
私の血で染まった包帯に縛られている姿はとても──

(報告書作成者註──以下、涎と血痕により判別不可)


大至急、損壊部分を技術部1課分析班にて解析。
報告書を碇総司令に提出の後、原本を薬品焼却すること。
430名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/27(金) 00:20:05 ID:???
とうかまち
4311人目:2006/10/27(金) 01:54:36 ID:???
停月電日

かねてから不穏な空気の漂っていた、碇司令と碇君の間の溝が、また深まった。
事の成り行きはこうだ。数日前、浅間山火口にて孵化直前の使徒が発見された。
ネルフは使徒の捕獲作戦を敢行、結果として作戦は失敗に終わったが、
返す刀で使徒を殲滅、作戦実行チームは、麓の温泉で鋭気を養い、帰還した。

その翌日、いつも通り私がお茶をしている司令室を、碇君が訪ねてきた。
「父さん、あの・・・・・これ・・・・・。」
律儀な碇君は、司令にお土産を買ってきたようだ。ちなみに私は先程、温泉饅頭を貰った。
碇司令は、受け取った袋を開封し、中身を取り出す。・・・山を模したキーホルダー・・・。
「シンジ・・・お前には失望した・・・。」

「父さん、鍵、使わないのかなあ?やっぱり、綾波のと同じのが良かったのかなあ・・・。」
さて、ここからが今日の出来事。久々に登校した私は、放課後、碇君、惣流さんと共に
ネルフ本部へと向かっているのだが、碇君は先日、お父さんを失望させた事が、まだ気になるらしい。
まあ、敢えて言わせてもらえば、いずれにしてもセンスの感じられないお土産、って事は確かね。

本部ゲート前。認証カードを通して、扉を開けようとするも、反応が無い。
停電かしら?いや、本部の電源は3系統あるはずだし、同時に使用不能になるとは考えにくい。
他の出入り口を回っても、通行不能。おまけに内部との連絡回線も繋がらない。

仕方なく、ネルフの非常時用マニュアルに目を通すと、手動開閉扉の存在を発見。
手動とは言っても、その扉を開くには、かなりの労力が要りそう。
妙にリーダーシップを握りたがる惣流さんの命令で、碇君がヒィヒィ言いながら、扉を開ける。

その扉でさえ、普段は使われることが無いのだから、況や、中の通路など、どこへ通じているのやら。
おまけに施設内(というか第3新東京市?)は、本当に停電しているようで、ろくに回りも見えやしない。
惣流さんの仕切りに合わせ、暗闇の中を彷徨う。と、かすかに人の声が。
それは、拡声器で「使徒襲来」の報を告げる、日向二尉の声だった。
4321人目:2006/10/27(金) 01:57:20 ID:???
これは、いけない。事態は急を要するようだ。
本来なら本部中心部まで、早く行かなければならないのだが、惣流さんの指示通りに
移動すると、ろくな場所に行き着かない。いくらなんでも、ネルフ本部に行くはずが、
第3新東京市の、使徒の目前に行き当たるなんて、ちょっと考えられないわ。
多分、惣流さんは、「豆腐の角に頭をぶつけても死ぬ」タイプの人なんだろう。

形振り構っている場合ではないので、この際、ダクトを破壊して、その中を移動する事にする。
空調用のダクトなら、人の多い場所に行き当たる可能性も高い。
ただし、これが技術部の実験場などに繋がっている、排気用のダクトであったら、
命の保障はできない。どんな排気ガスが流れているか、わからないもの。
停電中ではあるけれど、ダクト内の残留物質による中毒も否定できないわ。

まあ、ダクトの一部を破壊すれば、そこから流れ出てくる気体で安全かどうかは判断できるだろう。
万が一の事があっても、大丈夫。私が死んでも代わりはいるもの。
他の二人が死んだら・・・安心して、ちゃんとお墓参りには行ってあげるわ。

ダクトを移動中、私の後ろを這っている惣流さんと碇君が暴れだす。
何でも、碇君が、惣流さんのお尻を凝視していたとか・・・。
惣流さんが、碇君の顔面を足蹴にしている。惣流さん、それではお尻どころか
スカートの中まで見えちゃうわよ?頭、悪いのかしら。
二人が暴れた事で、ダクトの底が抜けてしまった。損壊部の直上にいた二人は、そのまま落下。
ところが、上手くしたもので、そのダクトは、ちょうどエヴァ格納庫を通っているものだった。

停電中のため、碇司令が手動でエヴァの発進準備を整えていてくれた。
今回は、私の零号機も修理が完了していて、初のエヴァ三機の揃い踏みとなる。
「さあ、行くわよ!」 「うん。」 「ええ、わかったわ。」
いざ、使徒との決戦へ!三機のエヴァは、戦いの地へと飛びだ・・・ほふく前進を始めるのだった。
第一部 完

今まで応援ありがとう。綾波先生の次回日記にご期待下さい。
週刊少年 雀符 編集部
433憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/27(金) 14:38:48 ID:???
円月¥日その六
街の電気店に行ってみたの。私と、普段着の茶木絵里さんと2人きり。
りりすさんはまだお留守番。お願いされたHDDレコーダーと、テレビ会議
システム、無線通信機とちょっとしたテレビ。茶木絵里さんと相談しながら
どういうタイプのものがいいのか現物を見て回ったの。人が作りしもの。

これらは今後の私たちの活動には必需品。ある程度見ながら、これがいいかも、
と思ったのを店員さんに話して商品を決定。私がお金を払っている間に、
茶木絵里さんに私の部屋まで運び入れてもらったわ。通信用アンテナは
私が持って飛ぶことに。飛び方にも慣れてきたわ。経理のお勉強をするための
本も買ったの。物品購入とか買うだけなら私でもできるけど、その後のお金
とか、処理の流れとか、大まかなことを勉強したいと思って買ったの。

文具店に寄って、必要な文房具類も買い入れた。ペン類はもちろん、私の
判子やスタンプインキに承認印など。何かを始めるというのは結構物入り
なのね。今回改めて身に沁みたわ。
434憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/27(金) 16:58:14 ID:???


円月¥日その七
会議室に戻り、買ってきたものを広げていたの。
HDDレコーダーはラックに入れたわ。無線通信機も一緒に。テレビは会議室
の奥に、液晶の薄いタイプ。これが今回一番高い買い物。でも、本当にこれ、経費で
落とせるのかしら?無線通信機は1人一個ずつ、持つことに。テレビ会議システムは
レシーバーと私の家のLANに接続。衛星回線を利用して松代と交信も可能にしたの。

事務用品もテーブルに広げる。使いたい分だけとって、各個人の机の引き出しに入れて
もらうことにしたわ。松代から、テレビ会議のお知らせが届く。
こちらも、準備万端。液晶テレビを私がセットアップする。でも、よくわからなくて。
私、数式や化学式には強いのだけど、コンピュータを除く機械には弱くて。。。

以前惣流さんに「優等生はメカ音痴」と揶揄されたことがあるけど、実際当たっている。
ちょっと悔しくなった。りりすさんが後ろでいろいろやっている。私と正反対の彼女が
セットアップを難なくこなしてくれる。助かったわ。ありがとう。
テレビ会議システムを起動。すると、松代の本部施設の映像と、向こうにいる
タブリスさんとゼルエルさんが映ったの。
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/27(金) 18:27:37 ID:???
オッテュ
436憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/27(金) 20:57:49 ID:???
円月¥日その七
松代の会議室には2人きり。でも、会議テーブルは高そうな木でできている、
楕円形のテーブル。真中におおきな穴が開いているの。天井は明るい蛍光灯が
点いていて、正面には大きな液晶画面が置いてあるの。その下にラックに入った
色々な機械。向こうの処理設備は、別室にまとめておいてあるみたい。

まぁ、向こうが本部でこちらはあくまでも駐在所・出張所なのだからそれは仕方ないわ。
今日は、双方でのシステムトラブルなどがないかの確認をしたの。特に大きな
トラブルなどはなく、交信や会話、映像の送信などもうまく行ったわ。
XXプラントにとっては松代は総合司令部、今後はここと向こうとで、色々情報の
やり取りや会合が行われることになるわね。

通信を切って、最終的な調整をやったの。私のお金、予想よりもはるかに高い
100万ものお金を費やしたのだから、宝の持ち腐れにはしたくないわ。
あまり私はお金を使わないのだけど、こんなに使ったのは初めてよ。
437憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/27(金) 21:06:19 ID:???
円月¥日その八
預金残高を見てみる。あれだけ使ったのにまだちゃんと残っているの。
不思議ね。時計を見るともう夕方の6時、時間があっという間に過ぎていく。

晩御飯、用意しないといけないわね。キッチンに行って、パスタをゆで始める。
今夜はスープパスタにしようかな?パンもあるしね。トマトとたまねぎを切って
水を入れたなべに入れる。沸騰してきたのでコンソメと胡椒を入れたの。
うまく混ぜ合わせて、茹で上がったパスタをなべに入れて、トマトケチャップを
ちょっと多めに入れたの。これで出来上がり。会議室にいた2人を呼んで、
キッチンで3人で晩御飯。茶木絵里さんは私の料理を食べるの初めてね。
2人とも、おいしいって、言ってくれたの。私嬉しくなったわ。

料理のレシピはインターネットから拾ってこれるけど、実際はいつも私1人、
1人で食べるのに、量作っても仕方ないしね。でも、これからはそういう機会が
増えると思うの。もっと自信持たないといけないわね。
438憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/27(金) 21:33:31 ID:???
円月¥日その九
キッチンで洗い物。3人分。ちょっと増えたかしら?でも標準的な食器の量は
やっぱりこれぐらいなのかな?でも、1人でこういうことやっているの、私くらい。
碇君は交代でやっているとは聞いているけど、実際どうなのかしら?

食器を拭いて、食器棚に片付ける。他の2人は会議室。タブリスコピーの戦略を練る
つもりかしらね?出てくれば、また戦うことになるでしょうけど・・・
欠伸が出てくる。最近欠伸をするのが多くなってきたの。
羽を生やして、空を飛んだりしているせいかしら?今日は早く寝たほうがいいわね。
お風呂を沸かしておいたわ。ところで、今日は2人はここにお泊りするのかな?
ベッドは2人分しかないのだけど、どうなのかな?

リビングベッドに横になる。使い慣れたスチールベッド。マットに所々赤いシミに
なっているところがある。起動実験で瀕死の大怪我を負ったときのもの。
あれから、もう一年以上が経とうとしているのね。
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/28(土) 02:41:51 ID:???
おつ
440憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/28(土) 22:48:58 ID:???
円月¥日その壱拾
お風呂が沸き、私は着替えを持って脱衣所に行く。洗濯籠の中にきていたシャツやスカート、
靴下を放り込む。そういえば、今日の洗濯物、取り込んでくれたのかしら?
頭からシャワーを浴びて体とか、洗って、湯船にどぼん。そしてしりもち。お尻が痛いの。

きょうもぼんやり考え事。のんびりと。最近、碇君とあまり話をしていない。
必要最低限のことだけ。直接会って、もっと話したい。明日、話とかできるかな?
とりあえず、お風呂からあがり、着替えてしまう。リビングベッドにまたごろん。

天井を見上げる。カーテンが開けっ放し。閉めようと窓を見ると、今日の洗濯物が
干されっぱなしだったの。ベランダに出て、洗濯物を取り込んで、衣装箱に入れる。

私の白い下着と靴下。枕元においておく。今夜も寝汗、かくのかな?
どんな夢を今夜は見るの?最近、寝ると夢をみてばかり。前はそうでなかったのに。
目がとろんとしてきたので、私はベッドに横になり、目を閉じたの。
私1人の部屋。誰に言うでもなく、「おやすみなさい」そう言って。
441憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/28(土) 22:50:35 ID:???
惚月暈日
「レイちゃん、おはようございます」

今日もりりすさんに起される。この子、夕べはどこに寝たのかな?
「あの、私のことはりりすちゃんでいいですよ」

私、人をそういう風に呼ぶキャラじゃないし、呼ばれるキャラでもないのに。

「あさごはん、よういできてますよ」

私はベッドから降り、スリッパを履いてキッチンへ。りりすさんと今日も朝ごはん
を一緒に食べる。今まで1人で食べていたから、ここ数日の朝ごはん、ちょっと新鮮。

「レイちゃん、今日も学校だよね?私今日もお洗濯して、お留守番してますね」

「お洗濯してくれるのはありがたいけど、夕方忘れずに取り込んでおいてね」

ちょっと釘をさしておく。昨日は私も気がつかなかったから。

「昨日は、ごめんなさい。お仕事に夢中になってしまったの」

下を向いて、りりすさんが言う。そんなに気にしなくてもいいのに。
442憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/28(土) 22:52:08 ID:???

惚月暈日その弐

りりすさんに洗い物や洗濯を任せて、私は脱衣所で歯磨き、洗顔、着替えをして、
碇君を待っていたの。でも、葛城三佐からまた電話がかかってきて、今日も学校お休み。
なんでも、夕べ葛城三佐が腕をふるって作ったご馳走を食したら、体調を7崩してしまった
みたいなの。何かよからぬものを入れたのね。

昨日買い入れたデジカメを鞄に入れて、私1人で学校に行ったわ。
教室に行くと、今日も私が一番乗り。空調をつけて、自分の席で本を読んでいたわ。
一応、机の上にノートパソコンを置いてメールソフトは立ち上げておいた。

夕べから、私のところに結構な件数が来ていたの。本を読むのをやめて、メールを読むことに。
件名、写真を・・・撮りたいなら撮れば? 下着がほしいです?・・・ほしいならあげる。どうして、こういう
メールばかりなのかしら?こういうメールをくれた子たちにはそれこそお仕置きが必要ね。
マタンキというものを教えてくれる?とメールしたの。その後が楽しみね。

マタンキって、結局何なのかしら?
443憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/28(土) 22:53:01 ID:???
惚月暈日その参

メールを読んでいきながら、その中に図書室メールマガジンというのを見つけたの。
図書室、行きたかったけど、行く時間がなかった。放課後に行ってみようかしら?

他のクラスメートたちが教室に入ってくる。彼女たちもノートパソコンの電源を入れて
メールを読み始めていたの。他のクラスメートからもメールが入ってきたわ。
授業中でもないのだから、直接私に言えばいいのに。
「にゃおん」

何か声がする。声がするほうを見てみると、ねこさんがいたの。
ねこさん、私の足もとによってきて靴下にすりすり。このねこさん、どこから入ってきたのかな?
そして、私のひざの上に乗ってきたの。ふわふわしてとっても暖かいの。え、あ、でも、
私、これじゃ立てないよ。どうしよう?ねこさん、かわいい。なぜかしらね、動物を見ると
ほっとする。頭を撫でてあげるとのどをごろごろ鳴らす。私に懐いてしまったみたい。

クラスメートたちが私の席の周りに集まってくる。ねこさんの頭を撫でたり尻尾を触ったり。
まだ子猫ね。授業が始まるので、私のそばの窓のところに寝かせてあげたの。小さい目を閉じて、
丸くなって寝ているの。授業中、起きずに眠り続けている。かわいい〜。
444名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/29(日) 14:22:28 ID:???
天然シュール綾波さん乙。
憂月さん、随分印象変わりましたね。

445名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/29(日) 18:27:58 ID:???
スレッド情報局の方から来ました
446憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/29(日) 23:31:45 ID:???
惚月暈日その四
休み時間になると、他のクラスからも女子生徒がやってきて、私の周りに人だかり。
ねこさんををなでなでしたり、私の頭をなでなでしたり。どうして私の頭が出てくるの?

髪の色が珍しいからというのと、一度撫でてみたかったということみたい。
このねこさん、学校の校舎の前に、だんぼーるに入れられて捨てられていたというのね。

昨日の放課後からあったらしく、涼しい校舎の中に入ってきたというわけね。でも、この子、
このクラスで飼う事になるの?いつまでも私のひざの上で寝られていても困るかな。

クラスメートからの提案で、この子、私が飼う事に。この中では私に一番懐いているから
それが理由みたい。今朝私のところに迷い込んで来ただけだよ。でも、本当にいいのかな?

帰りにこの子のご飯とか、買ってあげることに。三毛猫っていうの?他の子達はミケちゃんって
勝手につけて呼んでるの。
447憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/29(日) 23:36:45 ID:???
惚月暈日その五
放課後、私は図書室に行ったの。私の後ろをミケがとことこ付いてくる。
さすがに階段は無理そうかな?でも、この子、どうやって2階まであがってきたのかな?

ミケをだきあげる。4階にある図書室に入ると、本棚がたくさんあったの。
私は、受付というか、そこにいた図書委員の子にミケを預けて、図書館の中をうろうろ。
図書館のほかの生徒、私の頭のほうを見てくる。やっぱり、薄水色は珍しいのね。
談話室というのがある。そこでは、上履きを脱いで入るみたい。でも今日はそういう時間、
ちょっとなくて。ミケのこともあって、今日は図書室の中を眺めているだけだったの。
学校から出て、帰りにスーパーによって、ミケのご飯を買って帰る。
「ただいま」

家に帰ると、ミケを私の家に上げる。ちょっと待ってて。足ふき。持ってくるわね。
足ふきで、肉球を拭いてあげたの。上目遣いで私を見てくる。ここ、私の家だよ。

これからはあなたの家。好きに遊んでもらって大丈夫だよ。家の中に放してあげると、
真っ先に窓際の暖かいところへ。カーテンはあいているから、陽のあたるところに
丸くなる。おトイレキットを作ってあげて、ベランダにおいてあげたの。
448憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/29(日) 23:38:35 ID:???

惚月暈日その六
ミケを放して、会議室に行くと、りりすさんがなかでお昼寝していたわ。画面を見ると、この端末で
松代とメールをしていたみたいね。内容をちょっと失礼。?、読みにくい。本文の後ろや
真中などに記号を組み合わせたようなものがあるの。わからない。暗号文かしら?

一応、私のメールアドレス宛にちょっと転送。書斎部屋に行って、元気のいい鈴鳴さんに
この暗号のような文字のところだけを抜き出して送信。玄関のほうでがちゃがちゃ音がするので
行ってみると、鈴鳴さんが立っていたわ。ねこと遊びに来たみたい。私とではないみたい。

ちょっと、複雑な気持ちになったわ。その後も、ねこを目当てに何人かのクラスメートが
やってきたの。私、一応お茶を入れてあげたのだけど、皆から要らないって断られたの。
猫と遊ぶためだけに来たというのかしら?私は、とりあえず洗濯物をベランダから取り込み始める。
しばらくして、遊び飽きたというので、皆帰ってしまったわ。結局、何だったのかしら?
449綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/30(月) 01:04:28 ID:???
「相当、読み手を選んじゃうかも。ゴメンよ・・・。」
とか言って以前に書いたモノ(>>278)の続きを、性懲りもなく書いてしまいました。
「読んでみて、ワケ分からん。でもちょっと知りたいかも。」
という方がいらっしゃいましたら、できる範囲で説明させていただこうとは思いますが・・・。
450綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/30(月) 01:06:06 ID:???
七 月 九 日

先日、碇司令の命令により、総攻撃を行ったパチンコ店だが、
これまた、碇司令が「玉ちゃんファイトを打ちたい」というだけの理由で、作戦を中断、
その店は、開店初日に、推定約2000万の損害を出したものの、何とか営業を続けている。

碇司令も、暇を見つけては、その店に通っている。とは言っても、
今のネルフ、暇を見つけるも何も、常時暇なので、店通いが生活習慣となっている。
碇ユイさんと出会う前の、六分儀さんの一日は、こんなものだったのであろう。

碇司令は普段、一人、若しくは冬月副司令を誘って出かけるのだが、今日は久々に
多数の連れを伴っての出撃となった。勿論、私もその内の一人。

今日も司令の目当ては、「玉ちゃん」なのであるが、生憎、先客がいる模様。
皮肉にも、いつも碇司令が箱を積んでいることが、サクラ効果となってしまったようだ。
碇司令は表情も変えずに懐の銃に手を伸ばしていたが、副司令に窘められ、思いとどまる。

碇司令は他の台を物色し始め、店内をうろついているので、私達もそれぞれ思い思いに見て回る。
一緒に歩いていたセカンドが、パチスロコーナーの、とある一台の前で足を止めた。
パチスロ「新世紀エヴァンゲリオン」?どこかで聞いたことあるような・・・。

セカンドはツキも良かったようで、打ち始めてすぐに、左リールに「スイカ・青7・青7」
を停止させると、「これがリーチ目(ボーナス当選時に停止する出目)よ!」と教えてくれた。
そのまま青7を揃えてボーナス消化。獲得枚数343枚。ボーナス終了時に筐体から、
「まだまだこれからだ」と男の子の声が流れると、セカンドはご満悦の様子でニヤニヤしている。

それから間を置かずに、今度は赤7が揃う。ノッてるわ、彼女。
獲得枚数366枚。しかし、ボーナス終了時に、筐体上部の液晶に絶世の美少女の笑顔が
映し出されると、何故かセカンドはむくれてしまった。変な人。
その後、30回ほど回してヤメ、セカンドは、結局合計600枚強のメダルを獲得した。
451綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/30(月) 01:08:06 ID:???
その後、次なる台を探して、店内をふらつくと、似たような台が揃っている一角を見つけた。
F・パワフルV、CR・F・ビッグパワフルFX、F・マジカル夢夢ちゃん云々。
これらを見たセカンドが驚きの声を上げる。
「夢夢シリーズ・・・・・完成していたの・・・・・。」
いいえ、完成なんかしていないわ、多分、来年か再来年には、また(以下略)。
ちなみに、CR・F・スーパーナインではナナちゃんが主役だった事を覚えている人、いるのかしら?

どうやらセカンドはこのシリーズに惹きつけられた模様。
彼女が果敢にも腰を下ろしたのは、CR・F・ビッグパワフルEX。
しかし、初期フルスペックCR機(確変確率1/3・プラス2回の大当り)
は甘くない。セカンドの投資はかさむ。溶け合うお札がアスカを壊す。

「財布の中身が無くったって、こちとらには、1万2千円分の特殊景品と、ATヒューマンが
 いるんだからあ!負けてらんないのよぉ、アンタ達にぃ!」
え、ATヒューマン?現金自動預け払い人間?それって、もしかして、私・・・・・?
とか言っているうちに、 ア ス カ 、 轟 沈 。

セカンドは、今月分の、ネルフからの手当て(要するにお小遣い)を使ってしまった様だ。
とは言っても、さっきスロットで得た特殊景品があるので、別に一文無しという訳ではない。
しかし、「次こそは、次こそは」で、お金を注ぎ込んでしまうギャンブルは、やっぱり怖いわね。

と、横では、碇司令がF・パワフルVで、地道に保留玉連チャンを堪能していた。
どうも碇司令は、天からパチンコの才能を授かっているようだ。司令が輝いて見える。

指令の出玉を見ていたら、ふと、ある計画を思いついた。
そう、 かつて誰もが成し得なかった、神への領域、出玉補完計画よ。
と、言うのは大袈裟ね。今時、出玉共有なんて、ありがちなサービスだわ。早速、碇司令に接近。

「碇司令、私と一つにならない?出玉も飲まれも一つにならない?
 それは、とてもとても(私にとって)都合のいいコトなのよ・・・・・。」
碇司令は一瞬、嫌な顔を見せたが、可愛い私の頼み、渋々ながら了承してくれた。ラッキ♪
452綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/30(月) 01:09:51 ID:???
碇司令の出玉を一箱拝借して、私が向かったのは、ちょっとした顔見知りであるO氏が、
以前、教えてくれた「ホー助くんDX」という台。
何でも、「羽モノとデジパチが融合した、ある意味奇跡的な権利モノ」なんだそうだ。

念のため、教えてもらった遊技方法を確認しておこう。
まず、盤面下のオトシに玉が入賞すると、盤面中央の役モノに付いている羽(電チュー)が開く。
羽に拾われた玉は、フクロウを模した役モノ内に移動、そこにある回転体に開いている5つの穴のうち、
「X」印の穴に玉が入ると、フクロウの目の部分にあるデジタルが回転する。
両目に「X」が揃えば当たりとなる。なお、1Ror16Rのラウンド振り分け式。

・・・・・どういうことなの?打ち始めて数十分。確かに当たりは引いている。
この台の特長である、自力連チャンの恩恵にも与っている。しかし・・・・・。
1Rしか引けないのは何故?確か1Rと16Rの振り分け率は、1:4だったはずなのに・・・。
5回当たって、16Rは最後の一回だけ。振り分け比率が正反対だ。
自分の引きに失望したので、もうやめる事にする。

初めより、ちょっとだけ増えた出玉を碇司令に返し、見学に回る。
順調に当たりを引いていた碇司令も、徐々に出玉を飲まれ始め、手持ちが二箱にまで減ったところで
ヤメ時と判断する。と、そこへリョウちゃんが、コーヒーの差し入れを持ってきてくれた。

「どうです?今、スロット打っているんですが、たまには『猪木』でも打ちませんか?」
前にも日記に書いたことがあるが、碇司令は、実は「猪木信者」。
リョウちゃんのこの誘いが、司令の闘魂に火をつけたようだ。

碇司令の出玉を流した後、みんなでスロットコーナーへと移動。
碇司令が台の前に腰を下ろすと、いつものように冬月副司令がその斜め後ろへ直立するが、
「冬月、一緒に打たないか?実は私はスロットを打ったことがないんだ。」

並んで打っている二人を見ていると、やたらと頷いているので、それをリョウちゃんに報告。
「ああ、慣れない人が、リールの絵柄を直視しようとすると、そうなりがちなのさ。」
成る程、いつになく真剣な目つきの碇司令。冬月副司令は・・・・・こっちは居眠りしているだけだった。
453平和 ◆3X3yZ8vlQc :2006/10/30(月) 05:59:28 ID:???
スレッド情報局から宅急便です。
つ●
454憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/30(月) 13:47:18 ID:???
惚月暈日その七
時計をみると3時過ぎ。りりすさんを起してお茶を煎れ直したわ。お菓子をほうばりながら、
りりすさんにネコさんのことを話したら、私も遊びたいって言い始めたの。ミケは遊びつかれて
私のベッドの上でお昼寝。遊ぶのは後にしてほしいとお願いしたわ。

そういえば彼女、先日まで半透明だった部分が白い肌になってきているの。だいぶ安定して
きたからかしら?もうしばらくここにいれば、全身が露になってくるかもしれないわね。

玄関のドアノブをガチャガチャする音がする。今度は誰かしら?私が出てみると、そこには
朝霧さんが立っていたの。猫と遊ぶことが目的だけならお断りといったら、私に相談したいこと
があるようなの。とりあえず、入ってもらうと彼女は困惑する。キッチンでお茶を飲む
もう1人の私、ではなくてりりすさん。私とそっくりだから双子と間違えられたの。
戦闘用プラグスーツではなくてよかったわ。機密がばれるところだった。彼女にも紅茶を入れてあげる。

りりすさん、私にもよければ話してほしいと言うので、その場にいてもらったわ。
455憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/30(月) 13:48:50 ID:???
惚月暈日その八
朝霧さんがいすに座る。もう棒のようなものは入れられたりしていないみたいね。
引っ張り出すのも一苦労だったのに。入れられるだけでも痛いでしょうにね。

「家に帰りたくない」

彼女はそう言い出す。確かにまだ制服のまま。どうやら昨日は
家に帰らずにクラスメートの家に止めてもらったようなの。ちょっぴり汗臭いと思ったら、
そういうことね。とりあえず、着替え、私のでよかったら使っていいよ、と言って、洗濯籠を
別に用意してその中にきているものを脱いでもらって、お風呂に入ってもらったわ。

「朝霧さんて、家で何かあったのでしょうか?」

飲酒したからといっては、ライブチャットで虐待を見せられたしまったわけで、
それ以外にも、もしかしたら日常的に虐待されていたのかもしれないわね。

りりすさんに、虐待と、心療関係の資料を会議室で調べてもらうことにしたの。
私も虐待経験あるし、りりすさんも、情緒不安定といっても、そこで色々虐待みたいなことを
されてきたようだから、やはり他人事ではないの。
456憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/30(月) 13:49:35 ID:???
惚月暈日その九
お風呂に入って、着替えてきてもらった朝霧さんに、温かいスープを作ってあげたの。
ちょっとおなかを空かしている様だったから。スープを飲んでもらいながら、朝霧さんに
話してもらい、事情を理解したわ。メモ帳に書いていく。今日はこの後どうするのか聞くと、
ここに泊めてほしいとのこと。ベッドは書斎部屋のを使ってもらおう。りりすさんは、
私とリビングで寝ることに。晩御飯、どうしよう?いくら最近は家にいるといっても、
麺類ばかりじゃそろそろ飽きるでしょう。メニューを考えるのも大変だ。

朝霧さんに、晩御飯、何が食べたいか聞いてみたの、うどんやそばとか、軽く食べられるもの
とのこと。今夜も麺ですか。トッピングは何にしようかしらね。

ミケが起き出して、リビングベッドの上から降りて、私の足元に来る。靴下にすりすり。
ひざの上に乗せてあげると、尻尾も振り出す。まだミケは子猫だからミルクかな?
キャットフードかって見たけど、一度ミルクを飲ませてみようかな。
457憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/30(月) 13:52:01 ID:???
惚月暈日その壱拾
キッチンに行って、なべを2個用意して、そばをゆで始める。まな板で私はねぎを刻む。
りりすさんは相変わらず会議室、朝霧さんは書斎部屋のベッドで寝てもらっているわ。

ミケはテーブルの下で、ミルクを舐めている。当分はミルクで大丈夫みたいね。
切ったねぎをなべに入れて、スープのもとを入れて煮込む。そばのほうも茹で上がる。
どんぶりを3つ用意して、そばを3等分してスープをかける。これでできあがり。
そばだけだと味気ないから冷奴も3つ用意してみたの。朝霧さんを起して、りりすさんを呼んで、

3人で食事。ミケはミルクを舐め終わって、だんぼーる箱の中ですやすや。
朝霧さん、先にそばを食べ終わる。

「綾波さんのおそば、温かい。いつも1人で料理しているの」

「私は今までは1人きり。最近になって、この部屋にいろんな人がきたわ。ちょうど食事が重なって、
一緒にしてきたけど、1人のときよりも楽しかった」

「調理実習のときは、いつもいなかったから。綾波さんが1人暮らしというのは聞いていたから、
いつもどういうものを作っているのか気になっていたの。おそば、ご馳走様」
458名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/30(月) 23:08:48 ID:???
オッテュ
ちなみにミサイル7は打ったことないです
459名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/31(火) 18:54:56 ID:???
ん? 日記スレが五つ並んでる……;
460憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/31(火) 20:08:05 ID:???
私は書斎部屋に行って、パソコンの画面を見ながら、メールを書いていたの。
他にコンピュータを活用できる方法はないのかしら?隣の部屋にも、色々
コンピュータは設置されているわ。
でも、現状は隣の部屋のコンピュータも、戦闘データの解析
などには使っているけれども、そのほかの仕事は?高いコンピュータ、
遊ばせておくだけでは買った意味はないと思うの。隣の部屋のコンピュータを
私のお金で買ったものではないのでしょうけど、設備として、ちゃんと機能しているのかな?
ということなの。

私の新しい仕事、XXプロジェクトの統括もだけど、今までの経験や知識をを
もとにして、何かできること、ないのかしら?
情報漏えいも心配なので、このパソコンと隣のコンピュータを繋いでいない。
ラックに入ったコンピュータ、今後も色々増やす計画みたいだけど。。。
松代から、このXXプラントの年間執行予算を教えてもらったわ。

私たちだけで12億円。この数字、どう見ればいい?別に、12億円が多いとかそういうのではなくて、
12億円を意義ある使い方をしないと。。。設備を買って、遊ばせておくのなら
あんまり導入した意味がないように思えるし。。。私、嫌な上司になったりするのかしら?
今のうちはここでいいのかもしれないけど、今後、どこかに事務所移転するとか。
今後は、こういうものを使った何かのお仕事がしたいわ。
計算してみた。もしかして、人件費だけで半分?もう半分で色々設備を買ったり、
光熱費を払ったりするの?光熱費は、ここの月極に入るから、また別になってくるのかしら>
仕事と予算、私もいろいろ勉強していく必要があるわね。

メールを書き終えて、松代の3人宛に送信。もう夜の11時。今日はもうりりすも寝てしまっている。
この部屋のベッドでは朝霧さんが気持ちよく寝息を立てているの。
新しい仕事、ちゃんと流れに乗るかしら?私はパソコンの電源を落として、リビングに戻る。
りりすが寝ているとなりに身を寄せて、私も、ごろん。目を閉じると、不思議と眠りに落ちていった。
461憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/10/31(火) 20:23:06 ID:???
「レイちゃんっ、おはようございますっ」
私は今日も起される。りりす朝起きるの早いのね。彼女が用意してくれた朝ごはんを済ませて、
シャワーを浴びて洗うもの洗って、着替えて、いつものことを済ませて先にマンションのロビーで待機。
本を読みながら待っていると、碇君が来る。本をしまいこんで一緒に学校に行ったわ。
「綾波、明日、アスカ退院してくるってさ。家で療養するみたいだね」
「そう・・・・」
惣流さんが退院してくるのね。自信喪失して、あの後も色々あって薬やったりして。
リリスを除いて、使徒は全部倒したわ、タブリスコピー、気になるけど。
リリスを倒すって言われたら、私、どうなるのかしら?本体はまだ本部の地下に、。
その魂は、色々あったでしょうけど今はここにいる。人を襲ったりしないわよ。
もちろん、この街を含めてここは私の領域だけど。ここにいる人たちを私は守る義務がある。
もちろん、隣を歩いている碇君も。私も使徒だと知ったら、彼は手がつけられなくなるでしょうね。
たぶん、発狂、それ以上ね。どうなるか、わからないもの。
私は眠り続けていたかった。でも、眠りから覚まされた。必要だからと、でもそれは偽りのもの。
私を必要としていてくれるのは、今私を頼ってきてくれる人たち。そんな人たちの力になりたい。
そんなことを考えていると、学校に着いた。
教室に行くと、茶木絵里さんの机の上に新しいノートパソコンがおいてある。
「綾波、転校生が来たって聞いたけど・・・」
「転校生、茶木絵里さんていうの」
碇君に教えてあげていると、案の定彼女が教室に入ってくる、お腹を抑えて、首をよこに降るフルと降っている
彼女は、碇君に通信機を渡す。トレードマークのサキエルの顔のかたち、ちゃんと目もついているの。
「あなたが、碇君ね。私、茶木絵里です。ちょっと、綾波さんを借りていきますね」
そういって、私は彼女とトイレに。碇君、不思議そうにみていたの。
462今日から碇レイ:2006/10/31(火) 21:15:45 ID:8/FBv44C
今日は碇くんとの結婚式。
わたしが着替えを終えて控え室からでると
碇くんがすでにそこにいて
「綾波、きれいだよ。」
「そ、そんな、何を言うのよ」
と、思わず赤面したわたし。
おなかの子供も喜んでいるかな。
463綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/10/31(火) 23:52:43 ID:???
4人目の雑記

ホー助は打てど、ミサイルは打たず。
オッテュさんの台の嗜好、他人とは思えなくなってきたわ。
ひょっとしたら、あの人、3人目か5人目じゃないのかしら。
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/01(水) 00:46:53 ID:???
牛小屋が気になる
前スレ読みたい
465名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/01(水) 03:53:26 ID:???
漏れも続きよろ
466名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/02(木) 00:49:56 ID:???
おつ
467名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/03(金) 02:17:50 ID:???
468名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/04(土) 07:05:24 ID:???
gj
469憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/04(土) 20:49:53 ID:???
教室の彼の席に座り、かれはイヤホンを耳に当てる。通信機をずっと見ている。
例のごとく、通信機が瞬きをする。結構愛嬌があると評判。碇君ちょっと驚く。通信機が
にっこり笑う表情をする。碇君、イヤホンをはずして後ろにのけぞったみたい。
「これ、見たことがあるような、ないような」
私と茶木絵里さんが教室に戻ると、碇君は驚いた表情で言ってくる。
「こ、これ、目が動いた」
「目が動くって、愛嬌があってかわいいでしょ」
茶木絵里さんが言う。
「そ、そんなことを言われても。な、なんか怖い」
「大丈夫、怖くないよ。あなたに会うのは、何ヶ月ぶりかしらね?」
「?、今日初めてだよ、前に会ったことあったかな」
そこで、私が口を挟んだの。
「碇君がこの街に来たとき、彼女、いえ彼かしら?この街に来たのよ。
その日に私とも会ったでしょ。碇君、あなたの初陣だよね」
「あの使徒と彼女に何の関係があるんだよ」
「そこまで言うなら、思い出させてあげるわ」
そういって、彼女はつかつかと碇君の前に行き、顔を鷲づかみする。
「い、痛いってば」
「こうやって、私は腕からあるものをだしてあなたの乗っていたものを攻撃して、遠くに飛ばしたの」
「ま、まさか」
そのまさか。彼女はあなたが倒した使徒のDNAを使って作られたの
「でも、安心して。ああいったことをしようものなら、私たち、厳しいお仕置きや罰が待っているから」
そういって茶木絵里さんは碇君の顔から手を離したの。
「その通信機、碇君にあげる。私たちと話がしたかったら、それをつかってね」
「私たち?」
碇君が不思議そうにしているの。
470憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/04(土) 20:51:44 ID:???
私以外の3人にはもうあっているでしょうから、彼女たちと話がしたかったら、ということね。
綾波さんは別として、あの2人、あなたに会いたがっていたわよ。タブリスは特にね。
使徒だったときに、握りつぶしたんですってね。私とゼルエルは、暴走した初号機に殲滅。捕食
されてしまったけれど」
「どうして、僕にそんなことをいうのさ?」
「あなたに興味があるから。それ以外に何があると言うの?明日の朝起きたら、ゼルエルあたりが
あなたに添い寝していたりして」
「そそそ、添い寝って!!」
碇君、お顔真っ赤。私、それをみて思わずちょっと笑ってしまったの。私が添い寝してあげたの、
忘れてない?

ここを襲撃しにきた使徒たちも、気づいたら、この街に向かっていて、それぞれの格好をしていた。
私は元々この町にいたけど、「あだむ」とかいうのに接触するために。実際いたのは私。私にあいてきてくれたと
言うのですもの、ちゃんとお相手して、仲良くしてあげないと。

教室に他のクラスメートたちも入ってくる。始業のチャイムが鳴る。
私は、いつもと変わりなく、授業中にくるメールやチャットのお相手をしてあげつつ、ぼんやりと窓の外を
眺めていたの。朝霧さんは今日は休み。私の家にいるはず。
りりすとうまくやっているかしら?ミケは?前は考えもしなかったことが、今は私の思考を支配している。
りりすにメールをだしてみる。返事は返ってきたのだけど、彼女たち、昼間から酒盛りみたい。
ちゅーはい10本のんだりりすと、ちゅーはいもびーるも飲みだす朝霧さん、彼女たちがそろえば、
宴会になるわね。タブリスがいなくて、よかった。あれ?私、いつの間に彼女たちのことを呼び捨てに?
( ..)φメモメモっと。
471憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/04(土) 20:53:06 ID:???
朝霧さん、一応彼女のパソコンからチャットをしてくる。え、洗濯籠?私の靴下?
「えぇぇぇぇぇっ!!!」
教室中が騒ぎ出す。そんな、朝霧さん。りりす、洗濯してないの?
どういうことかしらね?家に帰ったらお仕置きしてあげないと。
休み時間になると、私の周りにもクラスメートが集まってきておしゃべりしだす。
朝霧さん、家に帰ったら話を聞かせてもらうわ。
ため息ひとつ。もう、帰りたい。
パソコンにメールが届いたの。「前に比べて話しやすくなったし、優しいのね」
そう書いてある。そういうことを言われるとは思ってもいなかった。
閃光がする。誰かが写真でも撮っているのでしょうね。デジカメ、持っているけど、何をとればいいのかしら?
放課後、生徒会室に来てくれるよう依頼があったの。生徒会室?そういうの、あったかしらね?
472名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/05(日) 01:15:00 ID:X+Dkoymq
乙です!!続き読めてヨカタヨ…(ノ∀T)
473憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:13:49 ID:???
放課後、生徒会室に行って見たわ。殺風景な部屋、なにか、雑然とされていて、誰か使っていたのか
わからないの。掃除の依頼?雑巾絞っていいかしら?
「綾波さんですか?」
生徒会室に、私は見たことのない女子生徒が立っている。

「生徒会の榊です。こんにちは」
榊さんというの?榊さん、何の用?
「綾波さんが持っている巨大なコンピュータを使わせてほしいと思って」
「巨大なコンピュータ?用途は何?」
巨大なコンピュータの話?会議室においてあるラック付けのコンピュータ群のことかしら?
なぜ、榊さんがそのことを知っているのかしら?どこから情報が漏れたの?

「私、昨日綾波さんの家に行ったときに、会議室と言うのがあって、興味があって、中を
見させてもらったのよ」
人が多かったから気づかなかったわ。私、手を顔で隠す。
「個人的に興味があるだけ、また見せてもらえるかな?生徒会のデータエントリーとか、
そういう仕事を任せてみたいの」
そういう用途ならお断り。あれはこちらの仕事でつかうのだから。

「ごめんなさい、そういう用件はお断りよ。そういった用途に使うコンピュータじゃないわ」
対使徒のデータ処理用なの。データエントリーなら普通のパソコンで問題ないでしょ。

「そういうことなら、仕方ないわね。今夜、あなたの家に行ってもいいかしら?、
嫌だと言うのなら、他の人に色々秘密バラすわよ」
脅迫するつもり?脅しには屈しないわ。私に関する秘密情報って、なに?
MAGI、今の保存しておいてくれる?状況証拠よ。
「先日の戦いの様子からみると、あなた、人ではないでしょ?背中から羽が生えるなんて、
人間業ではないもの。ここ最近はないけど、この街を襲う化け物の仲間なんでしょ」
474憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:15:47 ID:???
厳密には違うけど、作られた存在であることは確かね。そんなのばらしてどうするの?
もとより、彼女、本部の機密情報などを聞き出して、どうするつもり?まさか、戦自の手先?
MAGI、一応、調査できる範囲で調べておいて。彼女を一応マーク。
私も、今日から頭に通信機をつけているわ。りりすは「ねこさんみたい」って言っていたけど、
戦闘状態のあなたも一緒だと思うのは私だけかしら?浪費?何を浪費するのかしら?
「好きにすれば?榊さん。でも、私に何かしでかせば、貴方こそ、無事ではすまないわよ」
「そう、楽しみね」
そういうと、榊さんは生徒会室から出て行く。私も、すぐに部屋を出たわ。

すぐに家に帰る。変なのに付回されていないか、あたりを警戒しながら・・・
どういうことかしらね?私は茶木絵里さんや他のメンバーにも連絡。どういった情報を流されるか、
松代とこちらを含めて情報が漏れ出した形跡がないかすぐに調べたわ。
当日、会議室にいたのはりりす。彼女に聞いてみると、制服着た子が覘いていたよ、とのこと、
りりすに、そういうことがあったら、すぐに皆に連絡しなさいと話したわ。
りりすは、「ごめんなさい」と言って会議室に引き篭もり。そういうことをされても困るわ。

明日は、惣流さんが退院してくるとのことで、碇君が休み。私は、学校で不審なことを想定して、
茶木絵里さんに話を出しておいたの。彼女の話、キナ臭いと。
一応、玄関ドアに鍵をかけておいたわ。
セキュリティーロックの件、早々に検討したほうがよさそうね。それとも、ここではない
別の場所に移転するとか。そのくらいかしら?
 ところで、昼間から酒盛りしていたあの2人、やっぱりリビングで一緒に寝ていたわ。
ミケは、キッチンのテーブルの上でお昼寝。私はいすに座り、ミケの頭を指でやさしく撫でてあげる。
気持ちよさそうに寝ているの。私も眠くなってきたわ。
475憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:18:33 ID:???
でもいけない、ここ数日、以前のように授業をぼんやり聞いてばかりいたから、碇君にここ数日分の
授業のノート、フロッピーに入れてもらっったのよね。
書斎部屋に行って、フロッピーディスクを取り出す。私のコンピュータに入れて、メディアに落とす。
私、フロッピーは普通についているけど、とりあえず、MOとCD・DVDは読み書きできるわ。
でも、メモリーカード、というの、あれは余り持っていないの。
私自身、使い道がないので、余り買ってない。

メモリーカードのリーダライターは先日カメラを買ったときに一緒に買ったのだけど、
それまで、メモリーカードと言うものを買ったり、使ったことはなかったの。
碇君みたいに、今もフロッピーを使う人もいるのね。でも、フロッピーを5枚も渡されても、
ちょっと困るわね、中身も、バラバラ。ファイル整理がなってなかったりする。
今度、私が教えてあげようかしら?碇君、ノートパソコンを選ぶときに、フロッピーなんて
今は余り使われていないのに・・・・・
 フロッピーに入っているファイルを一度私のパソコンに移したわ。
碇君に電話してみる。家にいて、ベッドに寝転んでいたみたいね。
「碇君、今、私の家にこれるかしら?ちょっと、教えてあげたいことがあるのよ」
「え、わかったよ。とりあえず、今行くよ」
碇君、きてくれるみたいね。私が色々教えてあげないと。ノートのとり方はきれいだけど、
その、ファイルの整理の仕方と言えばいいのかな?私のことは色々心配してくれたり、
気遣ってくれたりなのだけど、こういうのは苦手みたいね。
 ライブチャットを立ち上げる。今日はクラスメート10人ほど。
私も、一応参加してみる。今日の授業中に流れたメールの件、結構皆気になっている様子。
洗濯は、家に帰ってすぐにやって、干しておいたの。夕方には乾くでしょうね。
どうして、こんなことに?昼間から、酔った人たちが、学校にチャットでその様子を送る。
こういうの、よくないのじゃないかしら?
碇君から電話。私の家ノ玄関前についたようね。鍵をかけたから、ということで、着たら電話を
くれるように伝えておいたの。彼はちゃんとそのようにしてくれたのね。
476憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:19:54 ID:???
ドアを開けると、碇君が立っていたの。
彼を中に招き入れて、書斎部屋へ。
ファイルの整理方法などを教えてあげたの。
教えてあげながら、指紋認証などの装置を探していたの。榊さんという不審者にとなりの部屋を
見られた以上、セキュリティーなど色々検討する必要があるわね。
まぁ、電算処理などを通常業務としてさせると言うのであれば話は変わるでしょうけど。
そういうのとはちょっと違う使い方をするから。

碇君が色々聞いてくる。ファイル整理はやり方を私なりの手順を説明してあげたの。
あくまで私なりのやりかた。もっといい方法とか、あると思うけど。
碇君にFDDしか持っていないのかきいてみたの。よくわからないからとりあえず
当たり障りのない仕様にしたとか。テープデバイスなら、容量も多いけど、
マスターとして使うのならまだしも、普通に使うのには無理があるわね。
私は、容量もそこそこ、大きさも手ごろなMOを使っているとはいえ、もうこちらも
そろそろ絶滅危惧種だよね?光学ディスク装置のほうが売れているみたいだし。
機械にはちょっと苦手、でもコンピュータは、どういうわけか好き。
本部の中にも大きいのがあるけど、気がついたらそれを使いこなしていたわけで。
477憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:21:29 ID:???
碇君、よくわからないのだけど、どうしてそんなに私のあしとか触りたいの?
碇君が言うように、確かに私、病弱でもないのに色白、それに手足細いよ。
でも、そんなに興味を持つほどなのかしらね?
え、あ、くすぐったいってば。私が靴下、白をはくの、そんなに珍しい?
まぁ、今までずっと黒ばかりだったから、彼の目には新鮮なのかもしれないわね。
「レイちゃん、のど乾きませんか?」
そういって、いつの間にやら起きたりりすが、コップにつめたい飲み物を入れてもって来てくれたの。
碇君、ちょっと顔色悪いわね。どうしたの?
「あ、綾波が2人・・・」
あなた、本部の地下で、とはいってももう破壊されてしまったのでしょうけど、
培養層に入れられた私のたくさんの体、見ているでしょうに・・・
「シンジ君でいいんだよねっ?私、りりすです。よろしくねっ」
「り、りりすか。はは・・・」

表情がこわばっているわね。まぁ、私と全く正反対の性格なのだから仕方ないか。
私は、りりすが持ってきてくれた飲み物を1口飲んだの。炭酸みたい、え?これちゅーはい・・・
「シンジ君、これ飲んでくださいな」
そういって、りりすが碇君に飲み物を渡す。一度私が無理やり飲ませているから問題ないわね。
りりすも、自分のコップを手にとって、飲みだす。碇君、いっぱい飲み終えて口に出す。
「これ、お酒じゃないか?りりす、綾波のまねしてお酒なんて飲んじゃだめじゃないか?」
碇君、怒っているのね。でも、冷蔵庫にはまだ買い置きがあるわ。
「シンジ君、そんなこと言わずに。甘くておいしいです」
「綾波も、ちゃんと止めないと。え、あ、っぐ!」
りりすがちゅーはいの缶を碇君の口に無理やりつけて飲ませたわ。あとは知らない。
りりす、あとは任せたわ。私はパソコンで指紋認証の機器を探し始めたの。
ドアのところにつける機器と、それから、玄関ドアにつけるカメラ付インターホンね。
どろぼうなどに入られたことはないのだけど、一応、ね
478憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/05(日) 19:24:40 ID:???
「誰が情報を漏らしたというの?」
松代から、ゼルエルさんが空間転移装置を使用してきてくれたわ。
彼女が言うには、情報などが漏洩した形跡はないというの。やっぱり私の会議室を見られたのが
まずかったみたいね。
ゼルエルさんが私のほうを睨んできたわ。確かに、会議室を見られたのは私の失態ね。
でも、こういうコンピュータラックなんか、普通の人なんて興味ないでしょ。
それとも、こういうコンピュータが好きなだけ?だったら、私を脅迫なんてしないはずよね。
どうしてかしらね? ラックに入ったコンピュータ、私も余りよく知らなかった。

私が知っているのは、普通のパソコンや、MAGIなどの基幹メインフレーム。
MAGIは、メインフレームにしては大きすぎるけど、スーパーコンピュータ、といったところかしらね?
スーパーコンピュータでももっと大きいものかもしれないわね。
私がゼルエルさんに事の顛末を説明する。ゼルエルさん、背中の白いのを、私の首に巻きつける。
苦しい。ゲホッ。私の責任として、すべてを押し付けられても困るわ。それに、ゼルエルさんも、
常にそういう戦闘状態でなくてもいいと思うのに、ゲホッ。
とりあえず、ここのセキュリティー強化を図ることで合意、私は、松代のホストルームを見に来るように
言われたの。靴を履き、ゼルエルさんと一緒に、松代のメインフレーム置き場に行ったわ
479名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/06(月) 01:00:05 ID:???
投下乙
480某月某日:2006/11/06(月) 11:47:17 ID:???
今朝、冷蔵庫と財布が空っぽなのに気がついた。
仕方ないのでネルフの図書館で図鑑を借りて山に入った。
大量だった。もう、食費いらないかも?
と喜んだのもつかの間、碇司令にたかればよかったことに気がついた。
へっぽこな気分に包まれながら山菜鍋をつつく。
とてもおいしかった。
今度やるときは碇君を誘おう。今日よりもおいしいはずだから。
481綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/07(火) 00:30:41 ID:???
三 月 平 日

碇君が例によって、何か言いたそうにモジモジしている。
そのまま無視しても良いのだが、例によって私も暇なので、「何か用?」と訊いてみると、
釣りに行かないかと誘われた。いきなり何を言い出すのよ・・・。

深く話を聞いてみると、そもそもは碇君が、司令に釣りに誘われたらしい。
だが、例によって、父と二人きりの状況には耐えられそうもないという。
そこで、司令と仲の良い私に、一緒に来てほしいというのだ。
そんな訳でレイによって、碇親子の仲は、取り持たれる事になったのであった。

「おおシンジ、行く気になったか。・・・そうか、レイも一緒に来るか。」
とりあえず碇君と共に、司令に報告。親子水入らずに水を注すようで、悪い気もするが、
司令も嫌な顔はしていない。まあ、司令にとっては、私も娘みたいなモノだし、問題ないわ。

しかし、どこに釣りに行くのか、まだ決まっていない。
心当たりを尋ねられたので、少し考えてみるが、私に思い当たるのは、
以前、暴走した零号牛と共に落ちた、スイカ畑の傍にある溜池ぐらい。
その池は、タガメが生息しているぐらい条件の良い池なので、釣りにも悪い場所ではないだろう。

その池の事を提案すると、他に候補地がないこともあって、すんなりと決定。
丁度良い機会なので、私は予てから考えていた、水生昆虫の採取を行うことにしよう。
もちろん目的は、養殖、そしてマニアへの販売。ネルフには形而上生物学という、よくわからない
学問の研究者がいるが、一応、生物学のようだし、飼育法ぐらいは教えてもらえるだろう。

釣竿を担いだ碇君、虫取り網を持った私、そして、何故か手ぶらの碇司令が
目的の池に着くと、池の水を汲んでスイカ畑に撒いているリョウちゃんに出会う。
当然、誰一人として手伝おうなどとはせず、それぞれに自分の身支度をはじめる。
碇君は仕掛けの作り方がわからず、戸惑っている。それを見かねた碇司令、
「シンジ、私が作った、この仕掛けを使え。」
482綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/07(火) 00:32:16 ID:???
昆虫採集の前に、私も釣りを経験してみようと、予備の竿を借りる。
私と碇君が支度に手間取っている間に、既に準備を済ませた碇司令は、スイカ畑の脇に
積まれた、枯れた雑草の下を穿っている。

「お前達、これを餌に使うのだ。」
碇司令は、餌を捕まえていたようだ。碇司令の手にした容器を覗き込むと、これは、ミミズ?
そのミミズを見ているうちに、私はその形状から使徒アルミサエルを思い出し、腹が立ってきた。

・・・・・はっ、怒りのあまり、我を忘れていたようだ。
我に返った私の手の中には、真っ二つに折れた釣竿が・・・・・。
「・・・・・シンジ、予備が、使えなくなった・・・・・。」

私は予備の竿を折ってしまったので、釣りは、また次の機会に持越しとする。
碇君と司令は、二人並んで釣りを始めた。私は昆虫採集に専念する。
とは言っても、どのような場所に昆虫が生息しているのか、見当も付かないので、
とりあえず二人の間に陣取って、闇雲に網ですくってみる。
と、二人の目が私の方に向けられている。何か、痛いような視線だ。
「レイ・・・・・すまんが向こうでやってくれないか?」

司令の命令では仕方ない。不本意ながら、私は場所を移動し、作業を再開。
ふと、釣りをしている二人の方を見やると、私が向こうにいたときはピクリともしなかった
ウキに反応が出ている。あっ、碇君が小魚を釣り上げた。
・・・・・私って、魚に嫌われてるのかしら・・・・・。

碇君が釣り上げたのは、クチボソという10pにも満たないような魚。
さすがに魚の引きを楽しむという釣りではないようだが、ウキに出る反応を見ていても、
なかなか楽しそうだ。私も竿を折らなければ・・・・・と激しく後悔。

そして私は・・・。さっきから、タガメを狙ってすくっているのだが、
どうも思うように網にかかってくれない。
たまに網に何か入っていると思うと、アメリカザリガニばかりだ。
483綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/07(火) 00:35:49 ID:???
そのまま捨てるのも勿体ないので、取れたザリガニはセカンドへのお土産としよう。
碇君に調理してもらって、「ロブスター」として召しあがって頂く予定。
時折混じる、甲羅のプヨプヨした脱皮前後の個体は、気持ち悪いので、そのまま逃がす。
在来種のザリガニだったら、いい値で売れるんだけどなあ。

水際に茂っている草の陰を狙ってすくうと、ゲンゴロウの捕獲に成功。
タガメではなかったが、初めて捕れた水生昆虫に、ちょっと感激。
俄然、やる気の出てきた私は、続けてヌマエビや、巨大なオタマジャクシ等を捕獲。
これで私のバケツも、なかなか賑やかになってきたわ。

突然、碇君が大きな声で私を呼んだ。声のする方を見ると、碇君の竿が満月のように
・・・満月はないわね、ええと、逆立ちしたアントンの顎のようにしなっている。
私が網を持って碇君の方へ駆け寄ろうとすると、息子への対抗心からか、碇司令も
「レイ、網、網。」などと騒いでいる。でも、駄目、碇君が呼んでる。
484綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/07(火) 00:37:48 ID:???
碇君は慎重に魚とやり取りして、その魚を浮き上がらせる事に成功。
魚を網ですくうときは、魚の頭の前に網を入れるのがコツ。こうすると魚は網を避けようと
減速するので、上手く網に入る。尾の方からすくおうとすると、魚は前に泳いで逃げてしまう。

こうして上がってきたのは、20pを超えるマブナ。クチボソ用の細仕掛には、ちょっとした大物ね。
これには碇君も嬉しそう。碇司令は悔しそう。ちなみに、網を要求していた
碇司令が釣り上げたのは、12p程のクチボソ。これも、クチボソとしては大物ね。

そんなこんなで三者三様に楽しんで、もう夕方。それぞれ帰り支度を始める。
結局、大物を釣ったのは碇君だが、釣り経験で勝る司令は、碇君の倍以上の数を釣り上げた。
「凄いや、父さん。大物は運だけど、実力がなければ、数はつれないもんね。」
碇君が、父に尊敬の眼差しを向ける。美しい光景だ。が、碇司令が余計な一言。

「シンジ、小物釣りにそんな大きな針を使っているのか?私のは、ほれ、『タナゴ針』だ。」
「・・・この仕掛け、父さんが使えって言ったんじゃないか!何だよ、自分だけ、釣り易い
 道具を使ってたのか・・・。だから嫌なんだよ、父さんと何かするのは!」

・・・・・帰り道が、過度の緊張感に包まれていた事は、言うまでもない。




送信しようとしたら、「本文が長すぎます」ってでちゃったよう(泣)。
485名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/07(火) 00:53:01 ID:???
うまいね
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/07(火) 01:31:29 ID:???
オッテュ
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/07(火) 05:46:51 ID:???
488名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/07(火) 06:17:18 ID:???
GJ
楽しみにしてます
489綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/08(水) 00:12:35 ID:???
三 月 平翌 日

昨日、釣り場から帰り着いた時には、既に暗くなってしまっていたので、
捕ってきた水棲動物の数々は、バケツに入れたまま一夜の間、放置しておいた。
タガメこそ捕れなかったものの、色々な種類の生物が捕れて、結構満足していたのだが・・・。

朝、バケツを覗いて見ると、ゲンゴロウの数が半分ほどに減っている。
おかしい。誰かに盗まれたのかしら?とは言っても、ここに私の捕ってきた生物が
入ったバケツがあることを知っているのは、碇君と碇司令だけのはずだ。

とりあえず碇君に事情聴取。しかし、「盗んだか?」と訊いても、「盗んだ」と答える
筈も無く、それ以上の追求は保留。そのまま碇君を連行し、今度は司令室へと向かう。

司令室へと着くと、司令は副司令との雑談の真っ最中だった。
司令は、一枚の写真を副司令に見せながら、なにやら楽しそうに話している。
「見てくれ冬月。このでかいフナ、私の息子が、シンジが釣ったんだぞ!凄いだろ!」
・・・碇司令は、碇君のことが好きなのか嫌いなのか、最早、分からなくなってきた。

私達が部屋に入った事に気付くと、碇司令は、照れ隠しするように、咳払いをひとつ。
用件を訊いてきたので、「私のゲンゴロウ知りませんか?」と尋ねる。
当然のように「知らん」という答えが返ってきた。

私の考える容疑者二名が、目の前に揃っているわけだが、さすがに泥棒呼ばわりする訳にもいかず、
「ゲンゴロウ、どうしちゃったのかねえ。」などと和んだ雰囲気(当然、私の心中は穏やかでないのだが)
で会話を進める。と、冬月副司令が、新たな説を打ち立てる。
「・・・・・単に、逃げられたんじゃないのか?」

詳しく聞くと、ゲンゴロウは甲虫類といって、カブトムシ等と同じ分類に属するそうだ。
水の中で生活しているが、飛行能力が退化した訳でなく、他の昆虫と同様に飛べるらしい。
知らなかったわ、ゲンゴロウの背中には、遥か溜池目指す為の羽があることを。
490綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/08(水) 00:14:29 ID:???
一人、納得する私だったが、昨日に引き続き、碇君と司令の、痛いような視線が私に注がれる。
あ、ひょっとして、二人を疑った私を責めてるのかしら?・・・・・そりゃ、当然か。
ごめんなさい、こんな時、どんな顔をしていいか分からないの・・・・・。

と言いたい所だが、このところ処世術を身につけている私は、引きつった笑顔を浮かべてみせた。
誤魔化そうとする私を見て、二人は大きなため息をついた。そして碇君が一言、
「綾波、何か、変な所でミサトさんの影響受けてない?」
え、葛城三佐の影響?そうなのかしら?・・・・・そうかもしれない・・・・・。

何とか二人の追撃をかわしたところで、この話はオシマイ!と、無理矢理流れを断ち切る。
せっかく司令室まで来たのだから、ついでに、形而上生物学の権威、かどうかは知らないが、
冬月副司令に、水生生物の飼育について軽くレクチャーを受ける事にする。


場所は移って、最近では私のセカンドハウス、いや、セカンドルームとなりつつある
牛小屋の休憩室。ここに水槽を置いて、ゲンゴロウ達を飼育する事にする。
冬月副司令に教わった通り、水槽内に石や水草をセッティングして、水を注ぐ。
水は汲み置きにしたものが望ましいというが、そんな準備していないので、カルキ抜きを投入。

そして水槽に生き物達を放す。昨日、碇司令に貰っておいた、5匹のクチボソも一緒に。
水槽の中では、やはり「まっかちん」が目立つ。「まっかちん」というのは、私が
アメリカザリガニにつけた名前。司令と碇君には「ベタだ」と否定されたが、私の中では
この子の名前は「まっかちん」。問題ないわ。

昨日までとは考えが変わった。この子をセカンドの餌になんかさせやしないわ。
・・・って、あれ?私は、養殖、販売のために水生生物を捕ってきたはずなのに、いつの間にか、
飼う気になってるわ。今回の件といい、零号牛の件といい、私は情にほだされ易いタイプのようだ。

冬月副司令の昆虫まめ知識
ゲンゴロウは、成虫になるまでに、卵・幼虫・蛹・成虫という成長過程を辿るが、このような
形態変化を「完全変態」と言うそうだ。字面から判断するに、フィフスのようなモノかしら・・・・・。
491名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 00:46:31 ID:???
492名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 01:08:47 ID:???
最近の水道水にはカルキなんて入ってないらしいお
むしろ水温の変化に気をつけた方がいいお
一時間ぐらいバケツを水槽に浮かべてちょうせいできるお
493名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 09:50:45 ID:???
おつ
494名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 19:45:57 ID:???
オッテュ
495名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 23:38:45 ID:???
GJ!
496名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/10(金) 09:19:03 ID:???
gj
497憂月 鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/10(金) 23:25:58 ID:???
「何?このコンピュータ?」
私は、松代の発令所ないにある大型コンピュータを目の当たりにして、言葉が出なくなったの。
MAGIと全く同じ。本部の発令室と全く同じだったわ。ただ、人員が異なり、
本部とは雰囲気と言うのが、全く違っていたの。碇指令の影響かしら?本部は殺伐としているのに、こちらはどこか
のんびり仕事をしているの。このコンピュータは本部のMAGIを全く同じにコピーしたものと言うの。
私も使いこなせそうね。この子に殆どの制御処理をさせて、私のところでは戦闘データの解析に回す。
コンソールを見ると、確かにMAGIと同一だったわ。

詰所、と言うところに案内されたの。そこには、タブリスさんがいたの。私のほうを見る。
「いらっしゃい。こっちにきてくれたのね。、松代はどう?」
「本部と余り変わりはないようね。ただ、働いている人の雰囲気が本部と比べてけっこうのんびりしている
みたいね」
ここの最高司令官は誰かしら?
「ここの最高司令官は誰なの?」
私はゼルエルさんとタブリスさんに聞いてみる。2人とも、いつの間にか戦闘服から、
こちらの制服なのかな?そんな服に着替えていたの。ちょっと不思議。
「司令官?今は司令官はいないの。そのポストが不在、誰もいないって事」
誰もいないのに、どうやって仕事をしているのかしら?とはいえ、タブリスコピーの出現のときには、
XXメンバーがそろって3東京市に来てくれたりしたのはどうして?
「司令官の変わりに、今はこちらのホストフレームが代わり。戦闘指示や敵の出現場所を
教えてくれるのよ」
ゼルエルさんがそのように教えてくれる。今は司令官はいないのね。今後誰かがそのポストに
なるということなのね。
498名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/12(日) 01:48:21 ID:???
499綾波さん(4人目):2006/11/12(日) 16:13:15 ID:???
何か規制とかって表示されて書き込めなくなっちゃったよ(これは携帯から)。
一体、何が起こったのか、詳しい人教えて。

全然関係ないけど、カワカミプリンセスの連勝ストップより、ディアデラノビアの連続3着継続に
幸せを感じる私はヤバい人ですかそうですか。
500名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/12(日) 17:36:42 ID:???
>>499
それは「規制の巻き添え」のせいだネ。

あなたと同じプロバイダー利用者が、2ちゃんねるに荒し投稿をした。
そいつの投稿を阻止するため、2ちゃんねる運用側がそのプロバイダーからの投稿を
全面的に禁止した。
あなたはその巻き添えで、投稿出来なくなっている。

今、2ちゃんねる運用側がプロバイダを経由して、荒し投稿者へ何らかの警告をしている。
それなりの決着がつけば、規制は解除される。
(例えば、その荒し投稿者が「2度としません」と侘びを入れるとか)
気の毒だが、それまで待つしかない。

プロバイダ規制状況は2ちゃんねるの「2ch規制情報」板にある。
501憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/12(日) 18:09:22 ID:HT/qhE/P
「りりすは、どうしているの」
タブリスさんが聞いてくる。りりすは結構甘えん坊。従順で人懐っこい。
「りりすは、今は私の部屋で生活しているわ。毎日会議室のコンピュータに向かっているわ。
私と性格、正反対ね。」

「元気にしているのなら安心ね。サキエルも元気かしら?そちらの学校に転向する形を取ったわ」
ゼルエルさんが聞いてくる。
「彼女なら、今はどこにいるかわからないわ。学校以外ではあまり合わないから。
碇君と仲良くなりたいみたいね」
そういうと、私、どういうわけかわからなかったのだけど、ちょっとぷんむくれ。
ただ、碇君はいまはりりすとお酒を飲んでいたから、その後どうなったか。
あまり留守にすることはできないわね。

「私、向こうに酔っ払いを3人残してきているの。ここに長居するわけには行かないわ」
『よ、酔っ払い!あなたたち、お酒なんて飲んでいるの?』
ゼルエルさんが大声で言う。
私は、リリスが碇君と、学校のクラスメートにちゅーはいを飲ませていることを話したわ。

「とりあえず、また空間転移するから、りりすにお仕置きしてあげないと」
ゼルエルさんが言う。でも、私の家にちゅーはいがあることも原因でしょうね。
命令で私もお酒を飲まされていた。それは事実。何度もやめようとも思ったのだけど、
赤木博士に折檻され、それを振り切りたくて仕方なく飲む。それの繰り返し。

普通の人なら、泣いて喚いて、お酒を飲む。でも、私がなくことなんてなかった。
使徒と一次接触、そして、病院から朝帰りして、碇指令のめがねを握り締めたとき。
こみ上げてくる感情、そして、どうしてなのか、私の目から溢れ出るものがあった。
『涙』悲しいことや嫌なこと、つらいときに、人は涙を流すと言う。
私には、そんなことないと思っていたのに。
ゼルエルさんに手を握り締められて、私は大三新東京市の自宅マンションに帰ったわ。
502憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/12(日) 18:15:30 ID:???
「りりす、どういうことなのか説明しなさいよ!」
ゼルエルさん、背中の白いのでりりすを締め上げる、私、見ていられなかった。
あの白いので、あの戦いのとき、私は自爆をしたけど、未遂。そして腕をもぎ取られた。
碇君、震えながら彼女たちを見ていたの。私、ゼルエルさんを止めに入ったわ。
いくらなんでも、これ以上締め上げられたら、彼女がかわいそうだもの。私にも、同じような経験が
あるから。

「もう、いいでしょ。その辺でやめてくれる?大声を出されても、隣近所が迷惑だわ」
私はゼルエルさんに言い放つ。りりすは、締め上げられて声が出せないみたいね。
開放されたりりすを、私は後ろにかくまう、私に瓜二つ、でも私と正反対の性格。
それでも、私には妹と言う存在ができたようで、嬉しかった。

「レイ、あなた、自分がどういうことをしているのかわかっているの!」
逆上するゼルエルさんに、私は言い放った。
「お酒、まだ確かに飲んではいけないものよ。でも、私はそれを飲まされた、飲んだことで、
多くの人との絆ができたの。命令でお酒を飲まされていたと言う話、したでしょ?
それでも、いいことはたくさんあったわ。このあいだ、あなたに飲ませたのみもの、ちゅーはい
と言うお酒なのよ」
「ま、まさか、あたしお酒なんか飲まないっ、飲んでないっ」
503憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/12(日) 18:26:42 ID:???
悪いけど、この家には炭酸ジュースなんて買って置いてないわ。あるのはスポーツドリンクとお茶、
炭酸ちゅーはいや牛乳、パック飲料ね。タブリスさんがビールを勧めてくるのを不思議に思っていたのだけど、
彼女がお酒を飲む理由、嫌なことをスッキリ忘れたかったからでしょうね。
赤木博士も、お酒を飲めば嫌なことを忘れられると言っていたもの。
ゼルエルさんがへなへなと、床に座り込んだわ。

「私を騙したのね。お茶が入ったとかなんとか、そう言って。お茶なんて飲んだことないもの。
あののどにビリビリきて、顔が赤くなるのがお茶だと思っていたから。。。私、お酒、飲んでしまったのね」
ゼルエルさん、結構プライドなんかが高い人なのね。とりあえず、後ろでなきながらおびえているりりすを
リビングにいかせ、とりあえず落ち着いてもらうことにしたわ。
碇君にも、明日は惣流さんの退院の日なので、今日はもう帰ってもらうことに。
はぁ・・・どうして、こうなってしまったの?私、どうすればよかったの?
りりすをリビングベッドに寝かせる。朝霧さんはリビングベッドにもたれて熟睡。

取り乱したゼルエルさんにコーヒーを入れてあげて(私は紅茶)彼女にも落ち着いてもらう。
私も、疲れてしまったわ。ゼルエルさんお酒とか、嫌いなの?私が肉を嫌いなのと同じと言うこと?
私も、XXメンバーのこと、もっと把握するべきよね。
もっと、おちついて、慎重に行動しないと。物静かでおとなしい。そういうメールを学校の生徒から
何通ももらったけど、私はそうは思っていないわ。どこか抜けているところ、あると思う。
ゼルエルさんは、コーヒーを飲んで、松代に帰ってしまったわ。

今酔っ払っているのは、りりすと朝霧さんね。
昼間からお酒なんて飲むからよ。後できちんと言っておく必要があるわね。
もとよりお酒は、何度も言うようだけど命令で私が飲まされていた、ということだから。
でも、早いところ、在庫のちゅーはいもなんとか片付けてしまわないと。
りりすは、「ごめんなさい、飲むなら夜にします」と言ったの。あのちゅーはい、私が飲むはずだったのに。
とりあえず、私は夕飯の支度を始めたの。二人とも、お腹いっぱいとのこと。私1人でラーメン。
りりすと朝霧さんはベッドで寝ているまま。今日は、私1人。また、1人。
504名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/12(日) 18:45:39 ID:???
マスオ「ハァハァ…サザエっサザエっ…ウッ」
505名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/12(日) 20:19:13 ID:???
>>499
もしso-netだったら、もう解除されてるお
506綾波さん(4人目):2006/11/12(日) 23:26:43 ID:???
500
情報ありがとう。
「あらし」の通過した後だけに、二次災害も仕方ない、という感じかな(違うか)。

505
残念ながら、ウチのはso-netじゃないみたいだお。
それと、今日、ネオンテトラを十匹買ってきたお。
ちゃんと水温調整してから水槽に入れたお。

501
憂月さん乙。
507名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/12(日) 23:53:52 ID:???
>>506
>「あらし」の通過した後だけに、二次災害も仕方ない、という感じかな(違うか)。

上手い!!ザブトン2枚。
508憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/13(月) 00:28:10 ID:???
ラーメンをすすりながら、私は携帯電話を弄ってみる。赤木博士に持たされた、私の携帯。
連絡用と、GPSという位置特定機能があると言う。レンズやインターネット機能まで。
でも、私は殆ど連絡用にしか使っていない。私がかけてきたのは赤木博士、葛城三佐、碇君。
まずはこの3人、あ、碇指令も。連絡帳は、クラスメート分のおかげでだいぶ増えたけど、
連絡先を教えてくれたクラスメートからかかってくることはまずない。
「持っている意味、あるの?」
呟いてみる。今まで私はこの部屋に1人、友達と言うの、そういうの、できるとは微塵も思っていなかったから。
いつも私の居場所や還るところを探していた。

『冷たくて陰湿、何を考えているかわからない』
この街に、いえ、学校のAクラスに転校したときに、誰からともなく入ってきたメール。
そういうことばかり書いてあった。自分の存在意義、見出してきたと思っていたのに。
夕食を食べ終えて、私は食器を洗い始める。この先、どうなるの?そう思うこともある。


使徒との戦いを終えて、私は以前の半分の生徒しかいない教室で、皆から色々と話をされたり、連絡先を交換したり
してきたけれど、先日のミケのときのように、ミケとだけ遊びたくて、私は相手にすらされていなかった。
先日までの騒ぎは何・と思うように。それ以外にも、XXのこと、今後の私。考えていくべきこと、たくさんある。
赤木博士のストレス解消の道具にされ、碇指令の玩具にされ、私は今まで散々傷だらけにされてきた。
他の人は、上層部からのお気に入りと言う人もいるけれど、私は表情や口に出さなかっただけで、
精神的、身体的な苦痛、まぁ虐待と言えばいいのか、お仕置きと言えばいいのか、されてきたから。
そういった傷も色々癒えてきたと思っていたのに、私、また傷だらけになりそう。
509綾波さん(4人目):2006/11/14(火) 00:12:37 ID:???
まだ書き込めないので、ストックタイム突入!!
ストック放出条件は、純ハズレと書き込み規制解除のみ。チェリーもスイカも松も弁当も放出はありません。
えっ?4人目日記自体が純ハズレ?・・・何を言うのよ・・・。
510憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/15(水) 21:05:05 ID:???
私はこの後、何をすればいいの?どこに行けばいいの?どのようにすればいいの?疑問ばかり。
公園のブランコで1人ブランコに乗ったりしたときもあったわ。
とりあえず、ちゅーはいでも飲みましょうか?

ベランダに出て、私はちゅーはいの缶をあける。350の缶を一気に飲み干す。
月がきれい。この家で、のんびりするのももう何日目かしら?
手すりにもたれながら、私はもう1本のちゅーはいに手をつける。
ベッドでは、朝霧さんがすやすや。りりすも隣で寝ているの。
私は、心地よい風に薄青の髪を躍らせながら、ぼんやりと外を眺めているの。
月明かりが、街と湖を照らしだす。水面に映る月。まんまるお月様?かな。
511憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/15(水) 21:07:47 ID:???
「にゃぁ?」
ミケがリビングからとことこ出てくる。昼間寝ているから、夜に起き出すのかな?
いつものように、私の足元に寄ってきて、靴下にすりすり。結構甘えん坊なの。
この子も、いろんな意味で独り。でも、私に会えて、この子も喜んでいるみたいね。
一緒に景色を眺めることにしたの。ミケ、まだ小さいのに、私が頭を撫でてあげると、
のどをごろごろ鳴らすの。気持ちがいいみたい。ミケ、今夜は私と一緒に寝よっか?
私はちゅーはいを飲み終え、ミケと一緒にリビングの中へ。
タオルと着替えを持って、お風呂に行く。服や下着、靴下をぬいで、洗濯籠に。
お風呂から上がり、レモンジュースのペットボトルを持って、家中の鍵がかかっているかどうか、
見て回る。玄関とベランダ、両方鍵をかけて、私は書斎部屋へ。
ベッドにごろん、ミケもベッドの上に載ってきて、小さく丸くなるの。
私は、ミケと一緒に一晩寝て過ごしたわ。
512憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/15(水) 21:09:01 ID:???
「レイちゃん、おはようございますっ」
今日もリリスに起される。昨日あれだけ飲んだというのに、いつも朝早くから元気ね。
私は、ベッドから起き上がり、ミケを連れてキッチンにいく。朝霧さんとりりすとで、朝ごはんを作ってくれたの
2人が用意してくれた朝ごはんを済ませて、制服に着替える。朝霧さんも、今日は一緒。調理実習があるからと言って、
今日は学校に行くみたいね。今日は、碇君はお休み。朝霧さんと2人に学校へ行くことに。

学校に着くと、私たち以外はまだ教室にはいなかった。
私はノートパソコンを鞄から出して、ケーブルを繋ぎ、電源を入れる。
昨日の夜からのクラスメートからのメールがたくさんとどいていたの。
今日の調理実習の件、私に色々手伝ってほしいとか、教えてほしいとか。
ミケのときとは大違いね。皆が教えてほしいと言うのなら、私もそのほか、
色々教えてもらおうかな?
513名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/15(水) 21:31:41 ID:???
514憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/15(水) 23:20:28 ID:???
程なくして、他のクラスメートたちも入ってきたの。メールの返事を書いていたら、
間に合わなくなってしまったの。皆返事が早いものだから。
授業中もメールやチャットでひっきりなし。私は今までは興味なかったのに、
最近では窓のそとをぼんやり見ている時間すらなくなってしまった。
携帯MOをパソコンにつなぎ、メールをMOに落とす。今日の分。
20人分のメールが今日もたくさん。3・4時間目が調理実習。えびピラフとトマトソースパスタ、
どちらかを作ることに。肉が入ってなければどちらでも構わないわ。料理、すきだから。

 調理実習の時間、私は朝霧さんと茶木絵里さん、そして洞木さんと鈴鳴さんの5人。
私は、碇君にも居てほしかった。でも、今日は惣流さんの退院の日。
アルミサエルに言われたこと、思い出してしまったの。でも、彼女?でいいのかな?
碇君と私のこと、どうして知っていたのかしらね? 
私は野菜を切る。結局両方作ることに。私は野菜とパスタ担当。麺類なら任せて。
515憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/15(水) 23:35:00 ID:???
野菜を切り終えて、なべに水を入れて火にかける。パスタを茹でて、別にしておく。
切った野菜をもうひとつのなべに入れてトマトソースと絡める。いつもトマトソースは
作らないのだけど、皆と力を合わせて両方作る。でも、私は食べることはできない。
ハムとそセージと言うものが、入っている。私の嫌いな肉。茶木絵里さんが盛り付けてくれるときに、
一応私と彼女の分の肉類はすべて取り除いてくれたわ。彼女も肉類はたべないから。

「いただきます」
調理を終えて、私たちはできた料理を口にする。いつもは私が1人で作って、食べて、片付ける。
でも、今日のは何か、味が違うような気がする。皆で作ったからかしら?
りりす、1人で大丈夫かな?ちょっと心配になってきた。
516名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/16(木) 20:48:50 ID:???
よにんめ
517名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/17(金) 22:16:32 ID:???
そろそろか
518憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/18(土) 00:45:31 ID:???
調理器具や食器類を皆で洗い、後片付けを終えて教室に戻る。皆帰り支度を始めていたわ。
私も、のーとぱそこんを終了させて、鞄に入れる。教室を出ると、榊さんが私の腕を引っ張る。
「今日、綾波さんの家に行かせていただいてもいいかしら?」
「何の用?」
私は彼女に問いかける。どうして、うちの汎用機が気になるの?
「私も、コンピューターが好きだから、どうしてもああいうの、見てみたくて。べ、別に、
その、ハッキングするとか、情報を盗み出すとか、そういうわけじゃないから」
彼女はそういう。胡散臭い。茶木絵里さん、きな臭いと首を横に振る。
「どうしても、駄目なの?」
駄目と言うか、興味があると言われても、困ってしまうの。元々XXで設置してきたものだから、
私は管理しているだけ。それと、以前脅迫的言動をされているから、簡単に中に入れることはできないの。
そろそろ、指紋認証などの機構が家に届くので、先にそちらを使用したいと考えている。
暗証番号も必要ね。
「見るだけでいいの。どうしても見たい」
茶木絵里さんが彼女に同行する形で、一応了解を取った。何かあったらゼルエルさんに拘束して貰おう。
519憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/18(土) 00:59:51 ID:???
家に帰ると、リビングでリリスがミケと遊んでいたの。私は、茶木絵里さんと一緒に、榊さんについて会議室に行く。
「すご〜い」
榊さんがラック搭載されているコンピュータをみてうっとり?している。彼女はラック搭載のコンピュータをh一つ一つ触る。
「私もほしいなぁ」
ほしい?これ全部買うとなると莫大な金額になるわよ。どうやって買うのかしら?それに、用途は何かしらね?
一応、いじらないことを条件に、彼女には中を色々見てもらったわ。退避用MOやDATなど、普通はあまり使わないものばかり。
今までフロッピーばかり使っていた彼女は、新しいものばかりでしょうね。
「綾波さん、時々、ここに来てもいいかな?それと、毎日ライブチャットしようね」
彼女、私を脅迫してきた割には結構人懐っこいのね。リリスとはまた違った意味でだけど。
りりすには、今日はお酒は絶対注がないようにと釘をさしておいたの。昼間から、ここでお酒ばかり飲んでいたら、私が後々、
どういう風に思われるか、わからないもの。

榊さんにお茶を出して、一緒に飲んでいると、黒い時空のひずみのようなものが出てくる
「きゃぁ!」
榊さんが悲鳴を上げる。たぶん、ゼルエルさんが来たのね。
歪から、ゼルエルさんがでてくる。でも、ちょっと様子がおかしかったの。
「ぐ、、お腹痛い、痛い!」
泣きながら、彼女はその場にしゃがみこむ。向こうの制服のようなものを着てきたけれど、どこか薄汚れて、彼女自身、
だいぶやつれてぼろぼろ、と言ったところかしらね?
「これは・・・」
茶木絵里さんがつぶやく、何か事情を知っていそうね。私は、とりあえず薬でも思って、
救急箱を取ってきたの。ゼルエルさんの話を聞いてみる。
520綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/18(土) 01:01:49 ID:???
差 月 替 日

今日は、碇司令と冬月副司令が、朝からお出かけしているので、
司令室に押しかけて暇を潰す事ができない。碇君とセカンドも、
葛城三佐とリョウちゃんに連れられて、第3新東京市のパチンコ屋に行ってしまった。

なので、遊び相手を求めて発令所へ。が、ここでも赤木博士と伊吹二尉は休憩中
という事で、席を外している。従って、今、ここにいるのは、日向二尉と青葉二尉、それに
顔だけは見たことがあるが、名前も知らなければ、話した事もない、女性オペレーターのみ。

いじり甲斐の無い面子なのでと、仕方なく私は、伊吹二尉の席を拝借して
インターネットに興じる事にした。別に、自分の備品であるパソコンを使ってもいいのだが、
マギを介して「2ちゃんねる」に接続するというのも、何かリッチな気分で優越感に浸れる。

実は最近、掲示板内の親切な人に教えてもらって、「トリップ」なるモノの付け方を
覚えるまでに、私のスキルは上達しているのだが、未だにその「トリップ」の恩恵について
良く分かっていない。その板の人達に悪い人はいないみたいだから、私の名前が騙られるなんて
事も無いし、そもそも私も「4人目」だし、自分が「綾波レイ・オリジナル」という意識も無い。
外的要因に囚われず「私は私」であるだけ。って、まあ、そんな話はどうでもいいわね。

さて、と。今日は何を書き込もうかしら?
・・・・・・・・・フンフ〜ン♪・・・・・・・・・よし、書けた。これで送信、っと。

ERROR:アクセス規制中です!!

???これは、何?私、何か操作を間違えたかしら?
念のため、もう一度操作を繰り返してみたが、先程と同様のエラーメッセージが表示された。
何よこれ?機械が壊れているのかしら。そうならば修理をしなくては。
以前、葛城三佐が、映らないテレビを蹴飛ばして、映るようにしたのを見たことがある。
それに倣って、私も、伊吹二尉の席の前に設置されている機械に、蹴りを加えてみる。
521綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/18(土) 01:03:21 ID:???
しかし・・・。この方法、機械の修理方法として、原理的に正しくないような気がしてきた。
そういえば、この間碇君に「綾波はヘンな所でミサトさんの影響を受けている」
と言われたばかりだった。そうね、こんな事をしても、私の足が痛くなるだけだわ。

何か、今までの行為が、機械に対して申し訳なく感じてきたので、今度は、慈しむ様に撫でてみた。
・・・・・キーボードの隙間から湯気が出てきた。この機械、私に撫でられて照れてるのかしら?
ん?何か臭い。これは湯気ではなくて、煙だ。という事は・・・・・。

「ちょっと、レイ!私の席で何やってるの?」
タイミングの悪いことに、伊吹二尉と赤木博士が休憩から戻ってきてしまった。
伊吹二尉は、自分の席上のキーボードが煙をあげているのを見て、茫然自失としている。
私は、これまた何処かの誰かさんに倣い、「あ、あたしじゃないわよ・・・。」と自己弁護を図る。
が、残念な事に、私の行為の目撃者がいたため、責任逃れに失敗。

日向二尉が事の一部始終を赤木博士に報告した。怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒!
許せない!今度から日向二尉には、牛の世話、ペンキ塗り以外にも、トイレ掃除と
水槽の水替えもやらせるよう、碇司令に頼んでおこう。

そんな訳で、私は赤木博士にみっちりと絞られたのだが、怒られっ放しでは
納得いかないので、私が機械の暴行を加える事となった理由を、きっちりと伝えた。

どれどれ?と、赤木博士が、私の話を元に、「2ちゃんねる」への接続を試みる。
適当な文章を入力し、送信をクリック。・・・・・ほら、送信できないでしょ?
「レイ・・・・・。しっかりと『アクセス規制』とエラーメッセージが出てるじゃない!
 機械の故障じゃないのよ!ほら、丁度いいレスがあるから、よく読んでみなさい!>>500
・・・・・火に油を注いでしまったようで、更にこってりと怒られた。ぐっすん。

赤木博士に言われた通りに、レスを読んでみると、アクセス規制がなされる原因は、
端的に言うと、私と同じ回線を使ってインターネットに接続している「誰か」が、
「2ちゃんねる」に対し、荒らし行為を行った事に因るらしい。
だが、ネルフ本部から外部への接続には、確か独自回線が使われていたはず。だとすると・・・。
522名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 11:25:37 ID:???
オッテュ
523名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 11:36:39 ID:???
524名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 23:10:46 ID:???
ヒューガ君は煙突掃除がお似合いだお
525憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/20(月) 16:25:00 ID:???
私、腸を抜き取られて・・・お腹痛い、まだ再生しきってない〜うっ・・・」
腸を抜き取られる?どういうこと?わからない。
ゼルエルさんのお腹の中で、何かがもぞもぞ動いている。どうなっていうるの?

茶木絵里さんが、代わりに話してくれたの。中身はすごく恐ろしいことだったわ。
「私たち、人を襲うことがないように、色々調整されているって話は聞いているでしょ?
その中で、何か悪さをしたら、厳しいお仕置きをされるって話も聞いているでしょ?
彼女はそれをされたのよ。理由は本人に聞けばわかると思うけど、たぶん下剤を飲まされて、
その上で内視鏡で中をのぞかれて、その後で腸を無理やり抜き出されたと思うの。私も一度、腸を抜き取られているから。
その後、ホルマリンにつけられたわ。それが汚いものだとか、色々罵声を浴びせられたの」
何だかよくわからないけど、お仕置きをされたと言うことね。あとで理由などを聞いてみようかしら?
「私たちの場合、失ったからだの部位は後々再生してくるけど、これは個体差があるわ。時間もかかるときもあるの」
ゼルエルさんはかなり疲弊しきっていて、立つことすら間々ならない。会議室のいすをベッド代わりにして、ちょっと休んでもらったの。
内視鏡を無理やり入れられたことはあったけど、腸を抜き取られたことは今までなかった。
内視鏡を入れられるだけでも、やっぱり痛いでしょうに、腸を抜き取られたときの痛みなんて、私には想像できないわ。
ゼルエルさんのお腹の動きが止まる、茶木絵里さんが、再生活動が終わった、と話してくれたのだけど、その後機能するのかな?
私にはよくわからない世界。
526憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/20(月) 16:26:06 ID:???
榊さんは、ぽかんとしていたの。ゼルエルさんの空間転移と、腸を抜き取られるとか、再生活動とかそういう話を聞いていたから、よくわからなくなってしまったのね。
私は、一度リビングに行って、りりすと話す。頭が痛い。最近の私の周りでは、こういうことばかり。もう少し、私ものんびりしたいのに。
疲れてきた。私もゆっくり休みたい。
「これでいいかな?」
私、温かいスープを作って、ゼルエルさんに飲ませてあげたの。
「温かい」
そう言って、彼女はスープを飲んでくれる。私の周りにはこういった傷ついた人たちが集まってくる。私自身、瀕死の重傷を負ったりしてきたけれど、
どうして、今になって、私の周りにたくさん集まってくるのかな?。。。
527名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/21(火) 00:17:01 ID:???
>>520
>>521
規制は解除された様ですね。
おめでとうございます。
また楽しい投稿をお願いいたします。
528綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/21(火) 03:00:02 ID:???
犯 月 人 日

アクセス規制は、まだ解除されない。
ネルフからのインターネットへの接続には、独自回線を用いられているが、
その回線にも、正・副・予備の三回線があり、赤木博士の説明によれば、
「正」回線は、国・国連その他、公共的な重要機関への接続にのみ使用され、
それ以外の一般的な接続には「副」回線が使用されていると言う。

つまり、今回規制がかかったのは、「副」回線で、しかも、それはネルフの独自回線で
あるのだから、当然、ネルフ内部に「荒らし」行為をして、規制の原因を作った人間が
いるということになる。

実は、私には何となく、その人間の目星はついている。
最近のネルフにトラブルを持ち込んでくるのは、大概、昨日は出かけていた「あの人」だ。
と、いう訳で、事実関係を確認する為、司令室へと向かう。

司令室には、司令、副司令、リョウちゃんの三人の姿が会った。
司令とリョウちゃんは、どういう訳か仲良しだ。だが、この二人がつるんでいると、
大抵、ろくなことをしない。二人のお目付け役として、副司令の存在は、以前より重要度が増している。

司令に、2ちゃんねるで荒らし行為をしませんでしたか?と尋ねる。
「2ちゃんねる、か。確かに私も閲覧した事はあるが、書き込んだ事はないぞ。」
リョウちゃんがフォローするように、話に割り込む。
「俺もたまに碇司令と2ちゃんねるを見る機会があるけど、司令が書き込みをしているのは
 見た事が無いな、俺が保障する。司令が書き込みをしているのは、むしろ、であいけ・・・。」

話していたリョウちゃんが、急にその場に倒れこんだ。あまりに突然すぎて、何があったのか
わからない。が、碇司令が私に、すぐに出て行くよう促した。部屋の外で聞き耳を立ててみると、
「あまり余計な言動は、君の命取りになるぞ。・・・・・最近、リツコ君が怖いんだよ。
 君だって、葛城君の耳に入れたくない事があるだろう?」
529綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/21(火) 03:03:45 ID:???
リョウちゃんの保障に、どれだけ信用があるかは別として、どうやら碇司令は「シロ」のようだ。
私の中では、ほぼ碇司令が犯人という事で確定していたのだが、それが消えてしまった以上、
次の可能性を探らなくてはならない。ひとまず発令所へと向かう。

「私って、不器用ですか?」
そこでは、泣きそうな顔をした伊吹二尉が、昨日、私が壊してしまった機械を、
必死で直している。どうやら細かい工作は不得手なようだ。見ていて、どこか滑稽な感じ。
だが、壊してしまった原因の一端、じゃないわね、全ては私にあるので、彼女の手伝いをしてあげよう。

ふう、やっと直った機械を使い、次なる「規制の原因」を探る為、2ちゃんねるを閲覧。
すると、変なスレを発見。「地道に頑張る青葉君を讃えるスレ」・・・何これ?
内容を見てみると、「誰か僕を讃えてよ!」これだけが延々と100回近く書き込まれている。
丁度、本人が横で仕事中なので、タイミングを見計らって、尋問モードに突入。

「え、見つかっちゃったか。頼む、レイ。そのスレの事は内緒にしておいてくれよ、
 ちゃんと削除依頼、出しておくからさ・・・・・。」
そうじゃなくて、私が訊きたいのは、荒らし行為の事。だが、青葉二尉は、規制されるような無茶な
書き込みはしていないと言う。スレをよく見ると、「誰か僕を讃えてよ」と言う書き込みも、
約三ヶ月をかけて、毎日、書き込まれたものだ。・・・地道に頑張る青葉二尉を讃えたくなってきたわ。

青葉二尉犯人説も消え、うなだれる私に、赤木博士がいい話を持ってきてくれた。
「掲示板の運営側から、規制の警告が来ていたわよ。」
その警告によると、荒らし行為とみなされたのは、某版において、若い女性と思われる人物の、
「妻子持ちの上司との不倫お惚気話」に対して、短時間に連続して付けられたレスで、
「アンタなんか死んでも、変わりはいるのよ。」と、延々と書き込まれているという。
530綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/21(火) 03:05:17 ID:???
しかし、ネルフ内に、そんな「お惚気話」位で、目くじらを立てるような人がいるのか、
ちょっと想像つかない。リョウちゃんや葛城三佐なら、面白がって見るだろうし、
私を含め、碇君やセカンドには、ちょっと足を踏み入れるには早すぎる世界。
冬月副司令なら、もっと理路整然としたお説教をしそうなものだし、
ひょっとすると、犯人は赤木博士?

心なしか、赤木博士の顔色が芳しくないように映る。
まさか、さっきの消去法の通りに、赤木博士が荒らし行為をしたというのかしら?

でも、冷静によく考えてみれば、赤木博士が、そんな簡単に足が付く様な
ミスを犯すとは思えない。博士がその気になったら、もっと狡猾な手段を用いるか、
若しくは、書き込みをした若い女性の所在を突き止めて、直接攻撃に出るような気が・・・・・
気のせいね。うん、博士も目の前にいることだし、気のせいと言う事にしておこう。

そこで私は、とりあえず、荒らし行為の舞台となった「某スレ」を覗いて見る事にした。
そこには、まあ、なんとも破廉恥な内容が書かれており、自分で言うのもなんだが、
14歳の女の子には、口に出すのも憚られる様な事も、多々、見受けられた。

そんな中で、特に印象的だったのが、次の一文。
「彼ったら、最近、本気で『結婚しよう』なんて言ってくるの。確かに、私も本気で
 彼の事愛してるし、嬉しくないと言ったら嘘になるんだけど、現在の彼の家庭を壊したくないし。
 でも、彼は、子供達が独立したこともあって、今の奥さんとの離婚も考えているみたいで、
 その奥さんの事を『バアさんはしつこい』とか『バアさんは用済み』とか言ってるのよ。」
531綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/21(火) 03:06:57 ID:???
私の後ろからディスプレイを覗き込んでいた赤木博士が、何かに気付いたように指示を出す。
「マヤ、マギの・・・・・いえ、カスパーの通信記録を調べて頂戴。」
数分後、伊吹二尉が調べてきた通信記録には、丁度、荒らし行為があったのと重なる時間帯に、
おびただしい数の送信が、カスパーからなされている事が示されていた。

「母さん、いくら人格移植OSとは言っても・・・・・。」
どうやら、今回の荒らし行為の犯人は、カスパーだったようだ。赤木博士の説明によると、
何らかの原因で「某スレ」のログが、マギの解析にかかってしまい、その中から検出された
「バアさん」という単語に反応して、カスパーが暴走してしまったのではないか、と言う。

いけない、私は碇司令を真っ先に疑ってしまったので、謝りに行く。
碇司令は特に怒っていなかったが、私がどのスレに書き込んでいるのか訊くので、
「綾波レイの日記」です、と答えると、
「レイ・・・そのスレは、別にお前のリアル日記を書き込むスレじゃないと思うぞ・・・。」
えっ、そうなの?
532綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/21(火) 03:15:50 ID:???
>>527
ありがとうございます。お蔭様で解除されましたw。
せっかく規制という目に遭ったので、ネタにしてみました。

>>憂月さん
読んでるだけで、おなか痛いよ。

>>524
それじゃ、ネルフ本部の何処かに煙突を建造するお。
533名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/21(火) 07:07:06 ID:???
534名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/21(火) 21:04:40 ID:???
535名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/21(火) 21:25:15 ID:???
オッテュ
536綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/22(水) 01:22:40 ID:???
11月 21 日 (緊急番外編)

赤木博士がカスパーのプログラムに修正を加え、その旨を掲示板の運営側に
伝えた事により、めでたくアクセス規制は解除される事になった。

規制中でも、書き込みができないだけで、閲覧する事はできたから、
掲示板を覗く事自体は、別に久々という訳でもないのだが、
心に引っ掛るもの無く、安心した気持ちで見る事ができるのは数日振りだ。

なので、新鮮な気分で、いつもよく見るスレとは違うスレの中で、私の興味を
引きそうなものを探していると、「今日はリツコさんの誕生日」というスレを発見。
あれ?リツコさんって、もしかして赤木博士のこと?

そうか。今日が赤木博士の誕生日だったんだ。悪いけど知らなかったわ。
それにしても、掲示板に専用スレが立つなんて、赤木博士って結構、有名なのね。
まあ、私の日記スレがある位なのだから、別に不思議でもなんでもないが。

で、そのスレを覗いてみると、赤木博士本人や、葛城三佐の書き込みもあった。
その他の書き込みも、9割方が赤木博士を祝福するものだ。
ただ有名なだけでなく、人気者なのね、赤木博士。

私も、常日頃から赤木博士にはお世話になっているという自覚があるので、
何か祝福をしてあげたいのだが、こんな時、何をすればいいか分からないの。
とりあえず、碇君に相談してみると、葛城三佐とリョウちゃんが発起人となって、
今夜、ネルフの食堂を使って、誕生パーティーをやる計画があると教えてくれた
537綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/22(水) 01:24:35 ID:???
この事は、まだ、赤木博士には内緒だと口止めされた。その件については了解。
だが、私が碇君に訊きたかったのは、私が赤木博士に、何をしてあげればいいかという事。
「うーん、パーティーに参加すれば、それはそれで祝福になると思うんだけど・・・。
 あ、じゃあ、アスカも誘って、僕たち三人で何かプレゼントをあげようよ。」

そういう訳で、セカンドにも声を掛ける。基本的にケチな人ではないので、
赤木博士にプレゼントをあげるという事には、賛成してくれた。問題は何をあげるか、だ。

「アンタの飼ってる牛を一途提供するってのはどう?パーティーにご馳走は欠かせないわよ?」
な、何を言うのよ、零号牛達は食べ物じゃないわ!・・・・・肉牛だけど・・・・・。
碇君が、フォローをしてくれているつもりなのか、口を挟む。
「アスカ、そんな高価なものじゃなくても、心のこもった物ならいいんじゃないかなあ。」
「・・・・・アンタって、ホントにつまんない事言うわね・・・・・。」
セカンドは呆れ顔。牛を提供するというのは、最初から冗談だったようだ。

結局、無難なところで、猫型のクッションを作ってプレゼントする、という事に決まった。
今から突貫作業で、夜までに完成させる。碇君にデザインしてもらい、
私とセカンドで繕い物をする、というように段取りも決まった。

私とセカンドの作業は、碇君のデザインに忠実に、という決まりで進められた。
と、言うのも、短時間で分業を進めるには、アレンジなど加える余裕は無いからだ。
そして出来上がったモノは・・・・・とてもネコ科の動物には見えなかった・・・・・。
しまった、碇君はデザインなんかより、お裁縫の方が得意だったんだ。もう遅いか。
538綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/22(水) 01:27:17 ID:???
そして夜。パーティーは始まった。が、状況的に見て、赤木博士の誕生祝、というよりは、
単に葛城三佐が、飲んで騒ぎたかっただけの様にも見える。

頃合を見計らって、赤木博士にプレゼントを渡す。
いつもなら贈呈役とか、オイシイ所はセカンドが持っていくのだが、
今回ばかりは、渡すモノがモノだけに、その役目は碇君に。
ところが、赤木博士は、その奇抜なモノを受け取っても、怪訝な顔一つせずに、
「ありがとう。アンタ達が一生懸命、作ってくれたんでしょ?嬉しくない訳ないわよ。」
そう言ってくれた。ただ、周りの人達はその「ネコ」を見て爆笑している。ちょっと悔しい。

「便乗するわけではないのだが・・・・・。」
そう言って碇司令が私達と赤木博士の前に進み出てきた。
「実は、私からもプレゼントだ。赤木博士、手を出してくれ。」
赤木博士が右の手の平を差し出すと、碇司令はその上にそっと小箱を置いた。

何か、いつもの碇司令とは雰囲気が違う。司令は、赤木博士の掌で小箱を開けると、
半ば強引とも言えるように、今度は赤木博士の左の手首を掴み、持ち上げた。
そして、小箱から取り出したキラキラ光るモノ・・・指輪を、博士の左薬指に、そっとはめた。
「赤木博士、これからも、私を支えてくれ・・・・・頼むぞ。」

赤木博士は余程、心の応えたのか、心なしか目が潤んでいる。
「言ってる事は、あの時、・・・・・母さんが死んだ時と、そう変わりませんわね、碇司令。
 もっとも、今度は、こんな「楔」まで打ち込まれちゃいましたけどね。」

パーティー会場は、盛大な拍手と、満面の笑みと、そして、ちょっぴりの涙に包まれた。
でも、この「ちょっぴりの涙」は、人が、嬉しいときに流す涙だと思う。
そう、ラミエル戦の時、私の生存を確認した碇君が、流してくれた涙のように。

それじゃあ、私からも言わせて貰おう。
「お誕生日、おめでとう、赤木博士。」・・・・・えっ、違う?
539名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/22(水) 14:38:30 ID:???
540名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/22(水) 15:04:37 ID:???
よしよし
541憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/22(水) 15:33:57 ID:???
「ピンポン」
玄関のチャイムが鳴る。今度は誰かしら?
私、玄関に出る。そこには、大きな荷物を持った碇君。ちょうど、この街に来たとき、この街を何度も出そうになったときの格好。
「碇君、今日はどうしたの?」
私は碇君に聞いてみる。
「アスカが退院してきたのはいいけど、僕の顔とかみたくないって、ミサトさんとふたりがいいって言われて」
「追い出されたってわけね」
今度は碇君。まぁ、一度一緒の夜をすごしているから、私は大丈夫だけど、碇君はどうなのかな・
とりあえず、私は碇君を中に招き入れる。リビングに荷物を置いてもらう。
今夜は大人数ね。食材の買出しに行かないと。私は、りりすにミケのお守りを、茶木絵里さんにはゼルエルさんの介抱と、榊さんを見てもらい、
碇君とスーパーにに買出しにいくことにしたの。今夜は何にしようかな。
542憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/22(水) 15:35:30 ID:???
「碇君、晩御飯、何が食べたい?」
私、碇君に聞いてみる。私が食べられるもの、以前彼には教えてあるから、そのあたりは心配ないと思う。今までにも、私のこと、色々心配したり、
気遣ってくれたりだったから。
「何を食べたいって、言われても、綾波は殆ど麺しか食べないし、肉や魚や卵は食べないし、何を食べたいって言われても、
一緒に食べられるものってあまりないと思うけど」

肉抜きね。仕方ないでしょ。私はそれらを食べられないの。あ、そうね、以前鈴鳴さんが教えてくれた豆腐ハンバーグというのを探してみようかしら?
「碇君、今夜はお豆腐ハンバーグでも大丈夫?肉は一切使ってないって言うから、私でも食べられると思うの」

私はデイリー食品売り場に行き、豆腐ハンバーグを人数分+αかごに入れる。それと、ハンバーグソース。
それと、ジャガイモと野菜サラダね。お米は炊いていなかったから、パンでいいかしら?
スープはコーンポタージュをパックで2本かごに入れる。サラダを作るのに必要な野菜を探して、かごに入れる。

碇君は私のあとをついて来るだけ。碇君の歯ブラシと、コップも買っておかないと。もしかすると、私のところで受け入れて、
今後は一緒に生活することになると思うの。私は別に構わない。2人で一緒でも。
私は、一緒にいたいから。今日は、晩御飯、一緒に作ってくれるかな?
543憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/22(水) 15:37:14 ID:???
買い物を終えて、私と碇君は家に帰り、買ってきたものをキッチンのテーブルに広げていたの。今夜は豆腐ハンバーグ。
フライパンを出して、油をひいて温める。私は、ハンバーグなんて焼いたりしたことがないから、そこは碇君にお任せ。
私は野菜サラダを作るのに、包丁とまな板を出して、野菜を切りはじめる。とまとにれたす、、きゅうり。3種類しかないけど、
パンとスープ、ハンバーグがあるからこれでも十分だよね?切った野菜を器に盛る。人数分テーブルに置く。

ハンバーグも何個か焼きあがる。パンを置くための皿を食器棚からだして、マーガリンとドレッシングも冷蔵庫から出す。
カップに温めたコーンポタージュを注いで、これも人数分テーブルに置いたの。私のほうはお仕事終わり。
私は家中をまわって、皆に晩御飯の用意ができたことを伝えたわ。6人、こんな大勢で家で食事をするのは始めてね。

『いただきま〜す』
6人そろって、テーブルを囲む。りりすと茶木絵里さん、ゼルエルさんとでハンバーグに目をやる。私と一緒で肉、食べられないのかな?
「レイちゃん、これハンバーグだよね?」
りりすが私に聞いてくる。お豆腐ハンバーグというと、3人が驚く。本当に豆腐からできているの?と言いたげね。
私も最初は驚いたわ。でも、豆腐からできているとは思えないくらい。
544憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/22(水) 15:38:29 ID:???
「にゃおん」
ミケが私の足元に寄ってきて、靴下にすりすり。ごめんなさい。あなたのミルクを用意するのをすっかり忘れていたようね。
ミケのお皿にミルクを注いで上げる。小さな舌で舐め始める。ミケ、今夜も私と一緒にねよっか?
同居人が次々増えていく。以前までのあの閑散とした殺風景は何だったのかしら?
545憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/22(水) 20:43:33 ID:???
6人分の食器を洗い、私は食器棚に片付ける。6人分、多すぎるわね。でも、大人数で食事をするのも楽しいって、思い始めたの。
今日は、よくわからないことばかりね。XXのことゼルエルさんのこと。碇君の同居。私は碇君のことは構わないのだけども。
さてと、今後どうしましょ?今までのことをよく整理しておくべきだよね?
食費は、私1人のときより少しかかるかもしれない。でも、私が料理好きでも、結局今まで私1人だけだったから、材料が余ってしまうことも、
できた料理が余ってしまうことも、あったわけで。一緒に食べる人ができるのはうれしいかな?
碇君にも後片付けを手伝ってもらったの。彼のほうも、今日から私と食事を作ることに。私もわからない、作れないものもあるから、
碇君がわかる範囲で教えてくれることになったの。私の料理のレパートリーが増えるといいかな?
ゼルエルさんと茶木絵里さんは会議室に。りりすはミケと遊んでいるの。朝霧さんは彼女のパソコンでライブチャットをそれぞれ。
私は、本棚から1冊本を取り出して、読み始める。碇君はポケットプレイヤーを聞いているの。
皆、お互い夫々やりたいことをやっているのだから、私も1人で読書にふけるのもいいよね?
お茶を飲みながら、私はキッチンのいすに座って、本を読み始める。少し時間にもゆとりが出てきた。
リビングで、りりすがミケと遊んでいるのが聞こえるほかは、静かなの。本を読むにはちょうどいいわね。
 建設機械の音がやむ。今日のお仕事はもう終わりといったところかしら?
本を読みながら、私は色々戸鑑みる。
少し眠くなってきたわ。夕飯の後だから仕方ないわね。本を閉じて、ちょっぴりうとうと。
546名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/23(木) 01:38:43 ID:???
オッテュ
547名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/23(木) 01:46:41 ID:???
乙です(_ _)
548名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/23(木) 13:43:48 ID:???
四人目さんGJ!
549憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/23(木) 17:31:21 ID:???
目を覚ますと、あたりはすっかり真っ暗なの。
私はいすから立ち上がり、リビングに行く。
りりすが、ベッドに横たわって寝ている。ミケがその傍らで丸くなって寝ていたわ。
会議室に行ってみると、ゼルエルさんと茶木絵里さんがいすに座って眠っているの。
榊さんはどこに言ったのかしら?碇君もいなくなっているわ。二人でどこに?
私に黙って、二人きりでお出かけかしら?私の頭の中で、お餅が焼きあがっていくのを感じる。

とりあえず、お風呂を沸かすことにしたの。ミケが足元によってきてすりすり。ミケは私と一緒のほうがいいみたいね。
ミケを抱き上げて、私はキッチンに戻る。ミケもそろそろお風呂の練習?しよっか?

服と下着を脱ぎ捨てて、私はお風呂に入る。
桶を取って、ぬるま湯を入れてあげる。ミケの手をとって、お湯に入れてあげながら。
ミケにとって、熱いのか、そうでないのか、わからないもの。とりあえず、このぬるま湯くらいの温度で大丈夫みたいね。
ミケを桶に入れてあげたわ。最初はびっくりして、周りをきょろきょろしながら桶の中をとことこ歩くの。でも、
次第に慣れてきたみたいで、次第におとなしくなる。前足でお湯を掬って、顔にかけたりしているの。
鼻や口で水を吸ったりしないように、桶のそこにお座り。尻尾を振って上機嫌みたい。
「ミーミー、ニャ?」
私は湯船につかり、ミケの様子を見ていたのだけど、ミケも私の顔をみているの。
私は手を伸ばして、ミケの頭をなでてあげる。お湯とか、もう大丈夫みたいね。
この子、頭いいのかも。私は桶を湯船に浮かべる。ミケと一緒。以前はこんなこと、なかったのに
550憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/23(木) 18:38:10 ID:???
お風呂から上がり、私はパジャマを着て、ミケの体をタオルで拭いてあげる。
ミケも気持ちよさそうにみ〜み〜鳴くの。
私はリビングに行き、ベッドで寝ているりりすを起こす。
「え、あ〜お風呂なの?レイちゃん、先に入ったんだねっ」
あなたがベッドで寝ているから、私が先に入らざるを得なかったのに。

りりすもパジャマや着替えを持って、お風呂に行ったの。私はベッドのシーツや毛布を
きれいに直して、ミケを枕元に丸くさせておいたの。私の枕元で丸くなって寝るのが好きみたい。
ゼルエルさんと茶木絵里さんはお風呂に入らなくても大丈夫なのかな?

ミケはあくびをして、その場で眠り始めていたから、私は会議室にいったの。
いすに座って寝ているゼルエルさんと茶木絵里さんを起こしてあげて、お風呂をどうするか聞いたわ。
一応入るみたい。今はりりすが入っているから、ということを伝えると、彼女たちにバスタオルを渡したの。
足元が寒いかな。昨日間ではそうでもなかったのに。

私は書斎部屋に行き、パソコンの画面を点ける。画面にはメールの着信がびっしり。
クラスメイトからばかりだったの。私は一通づつ開封して内容を読んでいく。とはいえ、
ライブチャットに出てこないからどうしたのかな?というメール、内容が同じなのばかり。
誰かが出したのをコピーして、チェーンにしたというの?
ライブチャットを立ち上げると、そこには朝霧さんと洞木さんが出ていたの。
ほかの人は今は食事中とか、入浴中とかというところだったわ。
551綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/24(金) 01:40:50 ID:???
外 月 人 日

サードインパクトの際には、ゼーレの指揮下に落ち、ここのマギ・オリジナルに
ハッキングを仕掛けてきた、ネルフ・各国支部だが、今では指揮系統も回復され、
支部としての役割を果たしている。とは言っても、本部同様、開店休業状態ではあるが。

昨日、その内のアメリカ第2支部からの入電があった。
何でも、第2支部の玄関前に、惣流・アスカ・ラングレー宛の荷物が放置されていたそうだ。
本人の同意無しに開封する訳にもいかないので、その荷物を空輸するという。

そして今日の昼前、その荷物が専用ヘリによって届けられた。
得体の知れない荷物一つの為にヘリを飛ばすというのも、経費削減が叫ばれる昨今、
如何なものかという気もするが、その辺りへの言及は、またの機会にする。

セカンドには、事前に荷物の存在について知らされていたが、その荷物の到着を受けて、
改めて招集がかけられる。ヘリが再びアメリカに向けて飛び立った後の、ヘリ発着所において
開封される事になったのだが、荷物の引渡しを受けた司令と副司令、私、当事者のセカンド以外にも、
既に多数のギャラリーが集まっている。この辺りに今のネルフの、暇さ加減が窺い知れる。

野次馬達が興味津々なのはともかく、セカンド自身も、荷物に心当たりは無いらしい。
多くの視線に見守られる中、セカンドが開封にかかる。と言っても、その荷物、1m四方の
木箱なので、またまた例によって、碇君が開封を手伝わされる。
・・・いや、正しくは「碇君が一人で開けさせられる」ね。

碇君がバールを使って木箱の蓋をこじ開けると、中から出てきたのは、なんと、人間。
「ヘロォ〜、アスカ、グーテンモルゲン♪」
「あ、あ、あんた、トーリーじゃない!」
何でも、中から出てきた女性(だと思う)は、トーリーといって、セカンドの大学時代に、
アメリカからの留学生としてドイツに来ていたのだという。
セカンドとは、その時知り合ったそうだ。
552綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/24(金) 01:43:56 ID:???
しかし・・・・・。これはひどい・・・・・。言っちゃ悪いがトーリーの顔の事だ。
敢えて例えるなら、ミルコ・クロコップとノーガードで打ち合って、判定まで持ち込んだような顔。
ネルフ内はおろか、日本中探し回って見つかるかどうか、といった稀有な人相とも言える。

「あーあ、長旅でくたびれちゃった、アスカ、シャワー借りるわよ、そこら辺にあるんでしょ?」
トーリーは一方的に話すと、勝手に本部施設内に入っていってしまった。
何か図々しい振る舞いに、ちょっと腹が立つ。しかし、本部施設が民間人に対して、
こんな開放的でいいのかしら?まあ、碇司令の見ている前だから、問題無いのね。
と、思ったら、碇司令はトーリーの強引な振る舞いに、呆気にとられていただけだった・・・。

セカンドに劣らず、態度が大きいトーリー。類友を体現したようなコンビだと思う。
セカンドに冷たい視線を送る。だが、セカンドから返ってきた反応は、私の予想と違うものだった。
「ゴメ〜ン、なんか、ヘンなのが来ちゃったよう・・・。」
ヘンなの?あなた達、友達同士じゃないの?

セカンドは、言い訳するように、トーリーと知り合った経緯を話してくれた。
トーリーがドイツに留学してきた当初、彼女に話しかける者は、誰もいなかった。
それはそうだろう、顔から近寄りがたいオーラを発しているのだから。
それを見た、当時12才のセカンドは、あまりに不憫に思い、声を掛けてみたそうだ。

当時から天才少女として、大学内でも有名だったセカンドに声を掛けられたトーリーは、
最高の援軍を得た気分だったのだろう、その時を境に、活発に言葉を発するようになり、
そして、恐らく彼女の本性である、横柄な態度が目立つようになったと言う。

彼女とは、そこから腐れ縁的に交友が続いているそうだ。だが、「人の友人関係に口を出すのは何だが」
と前置きした上で、トーリーは性格的に問題があるのでは、とセカンドに訊くと、
「いや、そーなんだけど、トーリーと一緒にいると、私の可愛さが目立つかなと思って、つい・・・。」
・・・あなたは、人に褒められたくて、トーリーと付き合ってたの・・・?

ん?という事は、前にセカンドが私に冷たかったのは・・・。よく分かってるじゃない、セカンド♪
553名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/24(金) 10:39:37 ID:???
オッテュ
554名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/24(金) 15:05:09 ID:???
おつ
555名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/24(金) 20:02:38 ID:???
556名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/24(金) 22:18:03 ID:???
新キャラ登場乙!
557綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/25(土) 00:22:45 ID:???
映 月 画 日

お騒がせ娘、と言うより単に傍迷惑娘、トーリーは、昨日、シャワーを浴びに行った後、
更衣室で爆睡しているところを発見され、やむなくセカンドが自室へと引き取っていった。

誰からも望まれていないながらも、ここに来てしまった以上、仕方が無い。
という訳で、改めてセカンドがトーリーを連れて司令室へと赴き、
紹介を兼ねて挨拶をさせる事になった。

「あまり形式張って見せて、トーリーがまた調子に乗ると困る」というセカンドの
断っての希望で、司令室では至って普段通りに振舞う事にする。
「普段通り」って事は、当然、暇潰し目当ての私やリョウちゃんが居たりもする、って事だ。

「惣流アスカ、入りま〜す♪」
トーリーを伴ってセカンドがやって来た。
「えっと、昨日は失礼しました。こちらが私の大学時代の友人、トーリーです。」
一応、セカンドが碇司令にトーリーを紹介する。それを受けて、普通ならば挨拶を交わす
場面であろうが、トーリーに限っては、違った。

「あん?アンタがアスカの上司?・・・・・・・・・ムサい。
 何?エヴァンゲリオンの操縦者に託けて、子供集めちゃって。ホントはただのロリコン
 なんじゃないの?そうよ、絶対そうよ、その趣味悪い顎鬚が物語ってるわ!」

碇司令のこめかみの辺りが震えている。冬月副司令は、碇司令の背中の辺りに手を当て、
どうにか平静を保たせる事に必死だ。碇司令に一通り罵声を浴びせたトーリーは、
続いて私に「アンタもエヴァンゲリオンのパイロットなの?」と訊いてきた。
558綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/25(土) 00:25:46 ID:???
私はあまり関わりたくないので、ただ黙ってコクリと頷いてみせると、
トーリーはつまらなそうに、矛先をリョウちゃんに向け変えた。
ちなみにサードインパクト後の、エヴァの行方は公表されていないので、
トーリーが知らないのも仕方ないが、私やセカンドがパイロットだったのは、過去の話。

「へえ、アンタが、いつもアスカの話に出てくる、『加持さん』ね。なかなか渋味がかった
 いい男じゃない。でも、見た感じ『遊び人』ね。どう、私とも遊ばない?」
もう、呆れ果ててセカンドが引きつっている。リョウちゃんも引きつっている。が、
「いやあ、済まないが、オレ、ブス専の趣味は無いんでね。」
・・・言ってしまった。この瞬間、私の中で「リョウちゃん最強説」が確定した。

トーリーは怒りと屈辱のあまりか、涙を流しながら目をひん剥いている。
以前、某元総理が、「涙は女性の武器」と発言し、論議を呼んだ事があったらしいが、
トーリーのそれは、「武器」と言うよりは「殺人兵器」の域に達している気がしてならない。

取り乱したトーリーを押さえつけるようにして、セカンドが退室していった。
「すみませーん」と、申し訳無さそうな顔をしているセカンドには同情を覚える。
とは言え、リョウちゃんのストレート過ぎる発言には、流石にトーリーにも哀れみを感じる。

しかし、少しは堪えると思われていたトーリーだが、その勢いはとどまるところを知らず、
その後もネルフ内外各所で「引き籠り」「マセガキ」「貴方が死んでも代わりはいるもの」
「ずぼら」「レズビアン」「母娘揃って大バカ者」「髪は長いが影は薄い」「横恋慕」
「ラーメンのドンブリ頭」等と暴言を吐きまくり、結果、碇司令の元には、
おびただしい数の苦情が寄せられた。

無論、碇司令が悪いわけではなく、トーリーをどうにかしてくれ、と言った類のものだ。
559綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/25(土) 00:27:19 ID:???
先程、「ムサい」だの「ロリコン」だのと言われた碇司令が、果たしてトーリーに対してどう出るか。
どうやら、碇司令は一計を講じたようだ。「トーリーさん歓迎パーティー」を開催するという。
日頃から「常に強行突破」を実践している碇司令にしては珍しく、懐柔策を採るのかしら?

しかし、その後、私は自分の考えの甘さを痛感する事になる。

その夜開かれたパーティーには、発令所主要メンバーも招集され、深夜まで騒ぎは続いた。
調子乗りのトーリーは、殆どのメンバーが引き上げて行った後も、司令、リョウちゃん、
赤木博士らと飲酒を続け、挙句、酔っ払ってピクリとも動かなくなってしまった。

それを見届けた碇司令は、どこからともなくトーリーが入ってきた木箱を持ち出すと、
その中に、言うなれば「体育座り」の姿勢になるよう、トーリーを押し込めた。
「赤木博士、ここに特殊ベークライトを注入してくれ。首だけ露出させてな。」

指示を受けた赤木博士は、躊躇することなく、実行に移した。
きっと赤木博士もトーリーに対して、相当悪い印象を受けたのだろう。
碇司令はベークライトの固まりきったのを確認すると、今度はリョウちゃんに指示する。
「さて、加持君、こいつを海に捨ててきてくれ。運が良ければ母国まで辿り着くだろう。」

僅か二日の滞在で、ある意味、伝説を成したトーリー。彼女の事は
「無礼ブストーリー」として、ネルフ本部で末永く語り継がれる事だろう。
560名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 01:20:46 ID:???
>>559
乙。

落ちにワロた。
「トーリー」とはドイツ人らしくない名前だな、
と思いながら読んでいたが、成る程。

それと >>558 の「ラーメンのドンブリ頭」とは
誰のことか教えて欲しいのだが。
561名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 01:39:52 ID:???
オッテュ

気になる
562名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 01:41:07 ID:???
ふ〜みん副司令の悪口だったら「嫁無しカカシ元モグリ医師」でもいいと思うお
563綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/25(土) 18:47:21 ID:???
>>560
トーリーは一応「アメリカからの留学生としてドイツに来ていた」んです、
もう出て来ないと思うけどwww。

>>560
>>561
「ラーメンのドンブリ頭」は、>>146で加持さんを蘇生させていた「王 小人」
というキャラです。エヴァキャラでなくて申し訳ないんですけど。
元キャラは、こんな人。ガンダムみたいのじゃないお。
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3

ちなみに、「ラーメンのドンブリ頭」というのは、元ネタの人が、本当にそう形容されていました。

>>562
副司令は高齢だから、いたわらないとだめだお。
564名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 18:56:51 ID:???
ああ、死亡確認の人か
565憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/25(土) 23:19:00 ID:???
ライブチャットを二人としながら、私は今は榊さんが家に来ていることを伝えたの。
二人に聞いたら、彼女はかなりのコンピュータ好きということみたいね。
ここから、どうなるのかはまだわからないのだけど。新しいコンピュータを彼女もほしがっていたみたいね。

そんなことをいわれても、会議室にあるのはxxプロジェクトで使うコンピュータだから、
そういうのは無理だよね。無心でこちらもキーボードをたたき続ける。

榊さんと碇君、どこに行ったのかな?私は二人と一緒にライブチャットを楽しむ。
碇君たちのことはもう頬って置いて、私は二人とチャット、それと今度はミケと遊ぼうかしら?
これと一緒に、私はテレビソフトを立ち上げる。明日の天気予報が気になるの。

明日も晴れるのかな?一応市内は晴れるみたいね。チャンネルを切り替えてみたのだけど、
あまり面白いと思うような番組はやっていないわ。
今までは私はテレビなんてあまり見なかった。見ても天気予報やニュース番組ばかり。

そんなところ。そうしたところで、今日はライブチャットも私はお開きしようかなと思ったのだけど、
その他二人がぜんぜん許してくれないので、私はまずはミケを書斎部屋のベッドの枕元に寝かせてあげたの。
私はベッドにゴロン。キーボードとマウスを手元に持ってきて、ごろごろしながらライブチャットを楽しむの。
566憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/25(土) 23:20:55 ID:???
指紋認証機器、そういえばどうしましょうかね?
隣の部屋に入るのに、一応認証されている人しか入れないようにしないと。
認証機器とその管理パソコンも必要になるわね。どうしようかしら?

指紋認証機器もまだ未導入。松代のほうは先日見てきたとおり、指紋認証とかカード・パスワードを
入力してあげないと入れないという箇所ばかり。ここも泥棒さんから守るためにそういう認証機器を
準備したほうがいいのかしら?もちろんこの部屋の玄関ドアはパスワード認証に変えておいたから、

そのあたりは問題ないと思うのだけど。。。
隣で寝る二人のことも考えてあげて、その上で指紋認証としたほうがいいのでしょうけどね。
顔立ちが私たち似ているかもしれないけど、でもそういうことを行っていたら、何もできないような気もするし、
指紋くらいは違うでしょう・・・

「レイちゃん、お風呂気持ちよかったよ。次誰かはいるのかな?」
そういって、りりすが書斎部屋に入ってきた。私は隣に部屋にいる茶木絵里さんとゼルエルさんにお風呂に入ってもらおうと
りりすに伝えたの。りりすは、わかったといってはいたけど、大丈夫かしらね?
りりすには、リビングベッドで寝るように言い聞かせたわ。それでも、りりすも素直だから、それでいいと了承してくれたわ。
これでいいのかしら?他にも改善すべきこと、取り組むべきこと、色々あるのではないのかしら?


567名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/26(日) 06:33:19 ID:???
ベークライト漬けwwコンクリ漬けよりましか?
568名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/26(日) 09:16:19 ID:???
シリアス綾波の日記、単発でも書いてくれる職人さんいないかのぉ。
4人目さんが書いたらそのギャップに笑ってしまいそうだがw

過去スレのどっかにシリアス系あったっけ?
569綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/27(月) 01:59:20 ID:???
帰 月 国 日

「ねえ、ファースト。トーリーが見当たらないんだけど・・・。」
セカンドが何故か私に訊いてきた。何で私に訊いてくるの?
大真面目に、「こんな時、どんな顔をしていいか分からない」じゃない。

ただし、セカンドの顔から、不安そうな様子は見受けられない。
むしろ、「厄介払いができて、清々した」という様な表情だ。
いくら何でも、それはあんまりだわ。

さすがに事実を在りのままに話す事は、私にはできないので、
今朝早くに、船でアメリカに帰って行った、アスカに宜しくと言っていた、
そう嘘をついてしまった。神様ごめんなさい、地獄に落とさないでください。

「へえ、『宜しく』なんて言ってたんだ。あのコも少しは成長したわね。
 それにしても『さよなら』も言わずに帰っちゃうなんて・・・。」
ふふふ、セカンドは知らないのね。別れ際に「さよなら」なんて言ったら、
碇君に怒られちゃうわよ。

「そうか、でも良かったわ、何か事件を起こす前に帰ってくれて。
 あのコの事だから、また何か人を怒らせるようなことを仕出かして、
 コンクリート詰めにでもされて、海に沈められたりしたんじゃないかと・・・。」
す、鋭いわね、セカンド。ほとんど正解じゃない!でも、大丈夫、トーリーは
ちゃんと海路を帰って行ったわ。無事に帰国できる保証が無いだけで。

セカンドが「仏」でいられるよう、やはり事実は知らせずにおくべきね。
だけど、トーリーが居た時は、あんなに困った顔をしている時間の長かったのに、
いざ、居なくなってしまうと、やっぱり寂しいものなのかしら。
でも、どう見ても昨日よりは明るい表情のセカンド。
「喉元過ぎて熱さを忘れた」と捉えるのが妥当な線かもしれない。
570綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/27(月) 02:01:08 ID:???
昼過ぎに、廊下で、眠そうな顔をしたリョウちゃんとばったり。
昨日、トーリーの入った箱を海に捨てに行って、朝方ここへ帰ってきた後、
多少仮眠を取り、今から司令に報告に行くところだという。

「いや、ちょっとドキドキしたよ。ベークライトで固めた箱が、水に浮くものかどうか。」
何か、ドキドキするところがズレているような気もするが、どうにも
楽しそうに任務を遂行しているリョウちゃんの姿が、想像されてならない。

そんな訳で、私も一緒に司令室に行く事にする。
途中、リョウちゃんが、捨てたときの状況を、色々話してくれたが、そんな中、
今回の任務で一番満足したのは、「特殊ベークライトは水に浮く」という
真実に近づけた事だ、と嬉しそうに語っていた。

さて、司令室。リョウちゃんが、事の成り行きを一通り説明。すると碇司令が聞き返す。
「まさか、何か間違って戻ってくるような事はあるまいな?」
「箱の縁に、マジックで大きく『不法入国者』と書いておいたので、大丈夫かと。」
さすがはリョウちゃん、抜け目無い。

次にリョウちゃんは、司令室のコンピューターを、ちょいといじると、
巨大モニターの電源を入れた。そこには、トーリーの顔が大きく映し出される。
「念の為に、監視用のカメラを取り付けておきました。
 硬化ベークライトで固めてありますが、生きてます、間違いなく。」
「・・・別に生きて無くてもいいのだが。人類補完計画の要でもあるまいし。」

映像を見る限りでは、さすがのトーリーにもこの仕打ちは堪えたようだ。
さっきのセカンドとは対照的に、昨日までとは打って変って、しゅんとしている。
それを見た碇司令は大爆笑。・・・・・余程、根に持っていたのね。

しばらく三人で談笑していると、急にトーリーの叫び声が響く。
「キャァァァァァァァァ・・・・・」
轟音と同時に映像が途切れた。トーリーの乗った船・・・いや、箱に、一体何が・・・・・?
571名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/27(月) 02:06:23 ID:???
オッテュ
572綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/11/27(月) 02:33:00 ID:???
>>563で、「もう出て来ないと思う」と言った、舌の根の乾かぬうちに
出て来てしまいました(トーリー)。ごめんなさい。

>>568
4人目さんがシリアスな日記を書こうとすると、
・途中でシリアスに耐えられなくなって4人目日記に戻ってしまう
・ネタが消化できなくて、長期間放置
のどちらかです(断言www)。

一応、このスレの最初の方に「2人目日記」というシリアスっぽいのを書いたのですが、
ストーリーもオチも無いモノに出来上がった前科があるので・・・。
573名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/28(火) 00:48:58 ID:???
乙!ベークライト浮くのねww
574憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/11/29(水) 12:46:31 ID:???
これから取り組むべきこと、やるべきこと、何があるのかしらね?
ライブチャットをやりながら、私はメモ帳を起動してそこに思い浮かぶアイディアを書き込んでいく。
他には?ほかには?と色々思案しながらやっていく。
ライブチャットのほうも、人が増えてきたみたい。今のところは私を含めて5人。
毎日ライブチャットばかりしておしゃべりばかりというのも、飽きたりしないのかしら?
とは思うのだけど、どうやらそうでもないらしいわね。どこからここまで色々と話題を集めてくるのかしら?
私のほうがちょっと見習ったりしたいところ。
 薄型本体のパソコンを一台導入して、それで指紋認証管理なんかをしたほうがいいのかもね。
どこでそういう薄型のパソコンを売っているかネットで調べてみる。お金の心配はあまりいらないのだけど
機器のほうが心配。本当に私が求めるものがあるのかしら?

私は、こういうものばかりを最近では色々探しているわね。以前はこんなこと考えもしなかったし、やりもしなかったというのに。
私の周囲が、私を変えてくれた、ということかしらね?
玄関ドアが開く音がする。誰が入ってきたのかな?
そのあたり、ぜんぜんわからないの?私はこういうとき、どんな対応をしてあげればいいのかわからないの。
顔が見えるようにもしてあげないとね。私の書斎部屋に、碇君が入ってくる。
「ごめん、綾波。榊さんを近くまで送ってきたんだよ」
「そう、ご苦労様、何か、飲む?今ちょっと手が離せないところ」
碇君はパソコンの画面をのぞく。そういうのよくないよ。
「女子のライブチャット?毎日やっているようだけど、綾波がこういうことするなんて思っていなかったよ」
失礼ね。私もこういうことくらいはするわよ。後で膨れてやろうかしら?
以前の私のままという思い込みも激しいのね。私自身、自分を変えて生きたいと思って、今は色々と挑戦して言っているところだから。
彼にもわかってもらわないとね。
575名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/30(木) 14:58:50 ID:???
まち
576綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/01(金) 01:11:53 ID:???
諜 月 報 日

この度、ドイツ支部イギリス出張所から、一名の英国人がネルフ本部へと
配置換えされて来る事になった。保安諜報部・諜報一課に配属されるという。

これに先がけ、碇司令の元に、赤木博士、葛城三佐、それにリョウちゃんという
責任者クラスの三名が召集され、事情の説明が行われた。

前にも書いたかもしれないが、人類補完委員会の無い今では、「特殊監査部」という
部署の存在意義が失われているので、そこに所属していたリョウちゃんは、現在は
保安諜報部・諜報一課長という役職に就いている。つまり、今回やって来る人間は
リョウちゃんの直属の部下になる、という事だ。

「で、今回やって来るジェームスという男なんだが・・・・・・。」
碇司令が用件を切り出す。が、その「ジェームス」という名前を聞いた途端、
赤木博士の顔色が、みるみるうちに青く変色していった。

「ジェ、ジェームスって、まさか・・・・・・。」
「おそらく、その『まさか』だろう・・・。皆まで言わないでくれ。」
赤木博士と碇司令は、葛城三佐とリョウちゃんを置き去りにして、自分達にしか
分からない様な会話を交わすと、それきり沈黙。何か嫌な予感がするのう・・・・・。

結局、司令室での会話は、そこから先に続く事は無かった。
これで不安になったのは、リョウちゃんだ。何しろ、自分の部下になる男に対する
評価が「沈黙」だったのだから。司令室を退室して行く赤木博士をリョウちゃんが
焦って追いかける。私も、好奇心から、その二人を追いかける。

「リッちゃん、教えてくれよ!一体『ジェームス』って何者なんだよ?」
リョウちゃんが赤木博士を問い詰める。すると、博士はリョウちゃんの顔をじっと見つめた。
それは、まるでリョウちゃんを憐れむ様な視線だった。
577綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/01(金) 01:14:47 ID:???
「ジェームス、彼は、かつてドイツ支部に於ける『技術開発部』に当たる部署に
 所属していたの。・・・何をやらせても駄目な男で、与えられた職務の完遂率は
 0.07。100の任務の内93回は失敗するような男でね・・・。
 ダブルオーセブンの名を欲しい侭にしていたわ。」

これを聞いたリョウちゃんは絶句。お得意のとぼけた笑いすら出てこない。
固まりきったリョウちゃんの様子に気付いた赤木博士は、すかさず
「あ、でも、ほら、エヴァの起動、オーナインシステムに比べれば、全然マシじゃない。」
確かに数字だけ見れば、そうなのだけれど、赤木博士、それ全然フォローになってません!

午後、その問題の男は、専用ヘリに乗って来日を果たした。
一応、出迎えた数名が見守る中、なんとその男は、馬に乗ってヘリから降りてきた。
唖然とする皆の視線を、その男は羨望の眼差しと勘違いしたのか、
「ふっ、俺の愛車、もとい愛馬、アストンマーチャンさ。」
何故か流暢な日本語で紹介。あれ、この馬って確か今週末の有力馬・・・いや、なんでもないわ。

「よう、俺が課長の加持リョウジだ。よろしくな。」
リョウちゃんも一応、上司として出迎える。きっと心では泣いているんだろうな・・・。
「・・・ジェームス・ポソドです。お世話になります・・・。」
予想に反して腰が低い。ひょっとして「いい人」なのかなあ?

「早速だが、君の仕事がある。あそこにネルフ付属のごみ焼却場があるんだが、
 ほれ、そこに建っている煙突の掃除をしてもらいたい。」
ちょっとリョウちゃん!それは諜報一課の仕事とまったく関係無いような。いきなりの嫌がらせ?
だが、ジェームスは短く頷くと、そのまま焼却場の方へ向かおうとした。

「待って下さい、その煙突掃除は、僕が葛城さんに頼まれたんだお!」
お?そう言って飛び出してきたのは日向二尉。それを見たリョウちゃんは、やれやれといった表情で、
「競え、若人よ!自分の仕事の確保を目指して!」
こうして煙突掃除を賭けた「加持ノロワイヤル」の火蓋は、切って落とされたのだった。
578名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 01:23:03 ID:???
オッテュ
579名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 19:40:59 ID:???
580名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 21:34:27 ID:???
またまたオチに笑わせて頂きました。
(煙突と火蓋も何気に関連しているし)
581名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/02(土) 00:17:08 ID:???
乙!
まさかとは思ったけどやっぱりワロタww旬な話題だ
582名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/02(土) 18:15:29 ID:???
サンタさんと子供たちのためにも頑張るのだお
583名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/04(月) 18:21:21 ID:???
おつ
584綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/05(火) 02:33:27 ID:???
12 月 4 日 (雑記)

今日はセカンドの誕生日。15歳になったそうだ。
でも、これは極秘事項なんだけれど、明日からまた14歳。不思議だ。

それにしても、この無意味なはしゃぎ様を見ていると、どうやら
精神年齢と実年齢に乖離があるものと思われる。
それ相応に静かになって貰いたいものだ。

何はともあれ、おめでとう。これでまた一歩、平均寿命に近付いたわね。
えっ、これはめでたくない?そうか。

585名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/05(火) 22:29:34 ID:???
オッテュ
586名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/06(水) 00:28:57 ID:???
そしてアスカは突如、等しきものの永遠回帰の予感に震撼するのだお
587綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/06(水) 00:31:43 ID:???
機 月 密 日

先日・・・確か、「2ちゃんねる」からのアクセス規制が始まった日、かな?
ちょうどその日、碇司令と副司令は本部を留守にしていた。
行き先は第2新東京市。日本政府との会合に出席するためだ。

「まったく、碇の奴、何を言い出すかと思えば・・・・・・。」
帰って来るなり、冬月副司令のボヤキが始まる。一体、何を言い出したのかと思えば、
どうやら碇司令は、ネルフがエヴァ三機の回収及び修繕を完了している様な事を
臭わす発言を繰り返していたらしい。もっとも、碇司令に言わせれば、
「我々がエヴァを保有していると思わせる事は、それだけで無言の圧力となる。」
と、いう事なのだが。それではまるで、某「北の国」だわ。

まあ、その話は置いておいて。その席上で、日本政府は、その会合に出席していた
各機関に対し、「機密情報の管理」を徹底するように通達したそうだ。
何でも、サードインパクトによる混乱に乗じ、悪意ある第三者による情報の略取、
また、情報管理側の手落ちによる情報の流出が、相次いで起こっているようなのだ。

ネルフに対しては、各種情報はマギによってプロテクトされている事や、
最終的に赤木博士の管理下にあることから、コンピューター内の情報については
それほど心配されていないようだが、紙文書等の、形の残るものの取り扱いについては、
十分注意をするよう、指摘されたそうだ。

前置きが長くなってしまったが、そんな話があったことを受け、
私は今日、碇司令と一緒に、紙文書を処分する為の道具を調達しに行くことになった。
ネルフ本部を専用ヘリで後にする。おそらく何処かでシュレッダーでも入手するのだろう。

ヘリから見下ろした、そこに広がっている光景は、ほぼ一面の焼け野原。
サードインパクトの後遺症なのだろうが、そんな中、唯一栄えているのが、例のパチンコ屋
の周辺だけというのは、理不尽という言葉を理解するのに充分過ぎる現実だと思う。
588綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/06(水) 00:34:56 ID:???
ヘリが着陸したのは電気街、ではなくて、辛うじて緑の残る野原の真ん中に、
ポツンと一軒だけ建っている小屋の前。碇司令はその小屋の中へ入って行くと、
「紙を処分する、例の『あれ』を買いたいのだが。」
と、その小屋の住人に話を持ちかける。話を聞くと住人は、一旦、小屋の奥へと
入っていった。おそらく、「あれ」を取りに行ったのだろう。

「こんなもので、いかがですか?」
しばらく後、その小屋の住人は、小屋の奥から2頭の山羊を曳いて戻ってきた。
山羊?確かに紙を食べるとは言うけれど・・・・・。ホントにこれでいいの?
「レイ、お前の牛達と共に、彼らの世話もしてやってくれ。頼むぞ。」
こうして、私の牛小屋に於いて、「マギシステム」を補完すべく、
「ヤギシステム」が稼動する事となった。

ネルフ本部へと戻ると、私は2頭のヤギを連れて牛小屋へ。
この2頭は、まだ子供だが、オスメス各1頭であり、輸送中のヘリの中で碇司令が、
メスに「さくら」と命名したので、必然的にオスの名前は「いちろう」に決定。

早速、碇司令から、処分すべき書類が山のように届けられる。
さくらといちろうには、お腹をこわさない程度に頑張ってもらうしかない。

とは言っても、一度にこれだけの量の紙を食べさせる訳にもいかないので、
少し整理する事にする。すると、膨大な書類の中に、一冊のノートを発見。
赤茶に紙焼けした、その表紙には、「1999」と記されている。
ちょっと興味が湧いてきたので、そのノートをパラパラとめくってみる。

「〜(中略)、感情をどうしても抑えきれない私は、最近オープンしたばかりの、某掲示板に
 【LYG】京都大学の碇ユイたんはエロカワイイ【LYG】というスレを立てたところ、返ってくる反応は
 『クソスレ立てんな』『氏ね』といったものばかり。下賎の民にはユイ様の良さが解らんのか?
 でも、トラブると嫌なので、削除依頼を出しておこう。」

これは碇司令の日記では?面白そうなので、とりあえずキープしておこう。
589名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/06(水) 00:41:14 ID:???
スレ立てたくなったじゃないかw
590名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/06(水) 00:51:51 ID:???
その手のスレは早めの画像うpがキモなのに
ゲンさん神になり損ねたお
591憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/06(水) 18:41:20 ID:???
私は、キッチンに行き、暖かいコーンスープをカップに入れて持ってくる。
碇君に、ゼルエルさんと茶木絵里さんがお風呂から出たら、入るように伝えたわ。
松代はタブリスさんだけになると思うのだけど、一人でさびしくないのかしら?
これから、人員不足になるようなら、私とリリスを分離していく必要もあると思うけど。
そのあたりは私は仕方ないとは思うのだけど、他の人たちが納得したりするかしらね?

パソコンに向かい、ライブチャット画面をみる。榊さんが参加してきたわね。
うちの会議室のコンピュータたちのことを話し始めるの。そんなに目新しいものでもないと思うけど。
でも、あまり色々はなされるのもまずいわね。こちらの機密保持というのも、考えてほしいものだけど。
どうやって、そういうことを教えてあげればいいのかな?
ミケが目をこすりながら起き上がる。ごめんなさい、起こしてしまったかな?
ミーミーとなきながら、私の頬に前足を出してちょっとたたくの。遊んでほしいのかな?

私はミケを両腕の間に入れてあげて、パソコンの画面が見えるようにしてあげたの。
ライブチャットをしている仲間から、やっぱりだけど「かわいぃ〜」というような声ばかり。
ミケは、何が起こったのかよくわからないみたい。画面を凝視して、尻尾をふりふり。
ミケがまた丸くなる。丸くなったまま画面を見続けているの。コーンスープを飲みながら、
明日は学校が終わったら、何をしようかと考えていたの。特に予定はないのだけど、
何も考えておかないことよりはましだよね?
592名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/07(木) 00:24:27 ID:???
おつ
593名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/07(木) 00:41:09 ID:4C668MtA
オッテュ
594名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/07(木) 20:17:29 ID:???
日記と名のつくスレ一覧(順不同)

アスカの日記って何か教えやがって下さい
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1099727786/
渚カヲルの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1119309531/
葛城ミサトの日記 2冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
【LAS】アスカの日記 8冊目【LAS】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1146989124/
アスカの日記 5冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1159527435/
マナのまなまな夢日記 3冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163600275/
碇シンジの日記 3冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1163926547/
エヴァ量産機の流浪日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1153743226/
霧島マナの日記
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131333238/
595綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 01:05:46 ID:???
この間発見した、碇司令の日記の一部を公開するわ。
激しくスレ違いな気もするけど、一回限りのつもりなので勘弁してね。
レイからのオ・ネ・ガ・イ(はあと)。・・・ふう、疲れるわね、こういうの。
596碇くん(6分儀) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 01:08:20 ID:???
碇ゲンドウの日記(4人目日記・番外編)

あ 月 い 日
今日も朝から行きつけのホールに出勤。お目当ては勿論「玉ちゃんファイト」。
残念ながら、これが現在の私の職業だ。だが、食べていく事はできる。
出玉は順調、予定出玉より2.8%も遅れていない。
2.5円・4000発定量を3台打ち止めにし、+25,000円也。問題ない。

あ 月 う 日
時間を忘れ、夢中で玉ちゃんを打っていると、どうにも喉が渇いてきた。
体は正直だ。丁度よくコーヒーワゴンが廻って来たのだが、私としたことが、
売り子をしていた女の子に一目惚れ。思わずコーヒーを3杯も買い求めてしまった。
周回してくる度に、3杯ずつ飲んでいたら、お腹をこわしたようだ。問題・・・ない!

あ 月 え 日
下痢がひどくて1日寝込む。問題・・・、今日は訊かないでくれ・・・。

あ 月 お 日
常連特権を生かして、店長からコーヒーワゴンの女の子について聞き出す。
最近入ったバイトで、碇ユイさんというそうだ。京大の学生さんらしい。
今日は、パチンコの方は、思うように15Rが引けず、−8,500円と不調だったが、
彼女の名前を知ることができたので、私の心は+100万円!問題ない。

あ 月 か 日
今日は日曜日。私の中では「休日は出ない」が既成事実となっているので、パチンコはお休み。
1日、ユイさんに想いを馳せる。ああ、ユイさん、ハァハァ・・・最低だ、俺って。

あ 月 き 日
玉ちゃんを打っていても、頭の中はユイさんのことばかり。自分の現状を考えると、
真面目に学校行って、真面目に就職しとけばよかった、と激しく後悔。問題だ。
597碇くん(6分儀) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 01:10:03 ID:???
あ 月 く 日
この歳になるまで、恋する事がこんなに苦しい事だとは知らなかった。
私のセンシティヴな心が哭いている。あの人に想いを伝えぬ限り、それは止まらないだろう。
しかし、今日の玉ちゃんは、私の心と正反対に全然鳴かない。鳴かない羽モノに用は無い。
今日は久しぶりにナナシーでも打とう。+3,500円。まあ、良しとするか。

あ 月 け 日
調べたところによると、ユイさんは生物工学を専攻しているそうじゃないか。
よし、今日は、彼女がコーヒーを売りに来た時に、それとなく話しかけてみよう。
「あの、生物工学を専攻しているそうですが、私のような生物に興味はありますか?」
彼女はクスクス微笑んでいる。悪くない反応だ。よくやったな、ゲンドウ。+5億円。

あ 月 こ 日
店長のユイさん情報によると、これは職業上、付き合いのある「その筋」の人から
聞いた事だそうだが、どうもユイさんの背後には「ゼーレ」と呼ばれる、どうにも香ばしさ漂う
組織の影が見え隠れしているらしい。ゼーレ?知らん。ユイさんに対する私の愛の前では、
何者も無力に過ぎん。中畑清張りに絶好調で、+48,500円。

あ 月 さ 日
ユイさんに対する感情を、どうしても抑えきれない私は、最近オープンしたばかりの、某掲示板に
【LYG】京都大学の碇ユイたんはエロカワイイ【LYG】というスレを立てたところ、返ってくる反応は
「クソスレ立てんな」「氏ね」といったものばかり。下賎の民にはユイ様の良さが解らんのか?
でも、トラブると嫌なので、削除依頼を出しておこう。

あ 月 し 日
と、思ったのだが、「画像うp」という希望があったので、削除依頼を出す前に、冥土の土産に
画像をアップロードしてやろう。「精神的ブラクラ」「グロ画像」等といった、下賎の民の
羨みと嫉妬の声に混じり、「神」と賞賛してくれる人間も、少数ではあるが存在した。
私はどうやら「かつて誰もが成し得なかった、神の領域」に到達したようだ。
598碇くん(6分儀) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 01:12:04 ID:???
あ 月 す 日
最近ではユイさんも仕事に慣れてきたのか、私の側を通る時は、黙っていても
私の好みのコーヒーを入れてくれるようになった。ささやかな幸せを感じる。
京都に移り、早数年が経つが、こんなに幸せな気分になったのは、以前、CR花満開の
確変終了後の保留玉で、7のリーチが掛かったとき以来だ。最早、我が生涯に一片の悔い無し。
ん?私のコーヒーの好み?勿論、砂糖とミルクをどっぷり入れたやつだ。

あ 月 せ 日
今日はユイさんの仕事が早番なので、思い切って飲みに誘ってみると、見事「OK」。
京都に移り、早数年が経つが、こんなに嬉しかったのは、95年のマイルCSで、間違えて
千円分買った13−18の馬券が、どういう訳か大当り、100万円の配当を手にしたとき以来だ。
最近、いい事が続くなあ。私はもうすぐ死ぬんじゃないか?それでも・・・問題ない。

あ 月 そ 日
ユイさんのおかげで、私はゼーレという組織に連なる職を得ることができた。
ユイさんは私にとってまさに女神だ。しかし、ここで問題が一つ。
就職すると、玉ちゃんを打てる時間が減ってしまうのではないか?それは困る。
私の片腕となってくれる人物を探さなくては。−6,000円。

あ 月 た 日
昨日浮かび上がった問題点を、ユイさんに相談すると、「冬月」という男を推薦してくれた。
現在は京都大学で教鞭を執っているようだが、普通に考えたら、そんな安定した職を捨て
私の手伝いをしてくれるなんて、ありえないよなあ。とりあえず連絡先を聞いておく。
今日は時間の許す限り、「マジカルチェイサー」ブン回し。+34,000円。

あ 月 ち 日
久しぶりにCR機を打ったら、なんと10万勝ち。周りの羨望の視線が痛い。
ホクホク顔で換金を済ますと、3人組の男達に絡まれる。強盗か?
必死で財布を守るも、容赦ない攻撃が加えられる。騒ぎを聞きつけた警官が駆けつけ、
「助かった」と思ったものの、男達は逃走、私が警察に連行される。なんでこーなるの!
599碇くん(6分儀) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 01:13:49 ID:???
あ 月 つ 日
警察が釈放してくれないので、身元引受人を冬月先生に依頼する。
冬月先生は、来てはくれたものの、私を見るその目は冷たい。
ユイさんから私の事を聞いてはいるだろうが、初対面がこれでは仕方ないか。

あ 月 て 日
今日はユイさんが飲みに誘ってくれた。今日が親の葬式であっても、絶対飲みに行く方を選ぶ。
居酒屋での会話中、何度か「ユイさん」と声に出した時、ユイさんは言った。
「六分儀さん・・・・・・ユイって呼んで・・・・・・。」
ユイさん、いや、ユイ・・・酔っているのか?あqwせdrftgyふじこlp

あ 月 と 日
例の、某掲示板に立てたスレだが、私に賛同してくれる人がいたので、削除依頼は中止。
その中に、毎日ユイ情報を報告してくれる人がいる。「今日は授業中に居眠りしてたお」
「今日は昼食に明太子スパを食べてたお」等等。大方、ユイのストーカーか。
だが、レスを通じた会話によって、私にも友達ができたようだ。嬉しい。

あ 月 な 日
冬月先生とも、ユイを含めた3人で何度か飲みに行ったりしている内に、随分と親しくなった。
あの初対面の時の冷たい視線が嘘のように、今では10年来の友のように接している。
今日は2人で飲みに行ったのだが、ユイの話で盛り上がった。
「ユイ君は、あれで結構有名人でな。某掲示板にも専用スレが立つ程なんだぞ!
 同姓同名かと思い、画像希望のレスをしてみたら、ユイ君の画像がアップされていたしな。」
・・・まさかとは思うが、毎日、ユイの活動報告をしてくれるのは、冬月先生、あなたでは?

あ 月 に 日
飲んでる最中、冬月先生に、私の決心を打ち明けた。それは、ユイへのプロポーズ。
「・・・まだ早いのではないか?」冬月先生は何故か青い顔をしているが、問題ない。
まさか冬月先生、自分にも脈があると思っていたんじゃないでしょうね・・・?

それ以来、何故か冬月先生とは疎遠になってしまった・・・。
600名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/08(金) 01:31:19 ID:???
激しくGJ!!!
ゲンドウ何やってんだよwww
601名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/08(金) 21:00:04 ID:???
オッテュ
初めて打った台がナナシーでした
602名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/08(金) 21:29:06 ID:???
ストーカーにされたついでに教えてあげるお
ユイたんは友だちのクリスマスパーティーの誘いをことごとく断ってるらしい
指輪代は玉ちゃんで貯まってるだろうし、今こそ冬月先生を出し抜くチャンスだお
603綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/08(金) 22:16:19 ID:???
>>601
あなたは私?昔私だったモノ?
パチンコネタを出す度に、オッテュさんに、そう感じる。

>>602
いや、別に、貴方に悪意があったわけじゃないわ。
気分を悪くしていたなら、ごめんなさい。
604名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/10(日) 09:22:13 ID:???
GJ!
ゲンドウパチプーやってたのかよww
605憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:09:16 ID:???
碇君も、ノートパソコンを持ち出して、床に座り込んでハブにケーブルをつなぐ。
一応、私が色々ソフトを入れてあげたから、ライブチャットには参加できるとは思うのだけど。
彼もライブチャットに参加してくる。クラスの女子たちも歓迎している様子。碇君もあまり他の女子たち
と関わりとか持ってはこなかったけれど、それでも他の男子に比べれば純粋なほうだから、
こうして他の女子たちからも信望があるのかな?
コーンスープを一口飲む。そして、ライブチャットを続ける。時計を見ると夜の10時茶木絵里さんとゼルエルさんは
もうお風呂に入ってくれたかな?

「コンコン」
書斎部屋のドアがノックされる。
「レイさん、私たち、お風呂あがりました。碇君、お風呂いいですよ」
茶木絵里さんとゼルエルさん、もう二人とも、入ってくれたのね。
「碇君、お風呂入ってきてくれるかな?もう、皆入ったから、ごゆっくりどうぞ〜」
私は碇君にお風呂を勧める
「綾波、わかったよ。とりあえず入ってくるけど・・・・」
「入ってくるけど、何かな?」
「そ、その、脱いだものとかって、分けておいたほうがいいよね・・・」

私は一緒でもかまわないのだけどね・・・
「一緒で大丈夫だよ。明日私が洗濯するから・・・お風呂から上がったら、下着類だけ洗濯お願いできないかな」
碇君は不思議な顔をしていたけど、洗濯などはやってくれるみたいね。
今後は最後に入った人に下着類だけでも洗濯してもらおうかしら。
606憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:11:32 ID:???
ライブチャットにその会話の内容がなかれたみたいね・・・・
「綾波さん、女の子が入った後に碇君にお風呂に入ってもらうって言うのはちょっと問題なくない?
問題?特にはないとは思うのだけど。
「その、一番最後に碇君に入ることで、下着とか、その、そういうの、問題になったりするとは思わない?」
洞木さんがそのように言うの。私はあまり気にならないのだけど、どうして皆、そんなことばかり気にするのかしら?
「その、気にしないというのなら、別にいいけど・・・」
彼女は、少し困惑したような顔で言う。
私というのも、ちょっと変なのかな?そういうの、あまり考えたことなかったから。
ミケは私の枕元で丸くなってすやすや。やっぱり眠かったのかな?それでも今日は一日中寝ていたのじゃないかな?

「ミケ、寝ちゃったの?」
榊さんがライブチャットで声をかけてくる。彼女もお風呂上りみたいね。ドライヤーで紙を乾かしているの。
夜の10時、確かに今くらいの時間になると、皆お風呂の時間なのかも。ほとんどが一時退席しているみたい。
お酒によっている人はまだいないみたいだけど、やっぱりみんなはお風呂に入ってから飲み始めるのかな?
私は今夜はコーンスープ。暖かくて飲みやすい。いつもは在庫のちゅーはいを飲んでいるけど、こちらの在庫ももう少し。
でも、どうなのかしらね?このチューハイというのも、けっこう甘くておいしいの。私には飲みやすいのかな?
「綾波さんは今日はちゅーはい飲まないの?私はもう一本空けちゃったよ」
そういって、榊さんが空になったチューハイ缶を手で振る。彼女は結構飲むペースが速いから。
すぐになくなってしまうのでしょうね。私はもともと、こういうのはゆっくり飲むほうだから。
誰にも急かさないし、私も急がない。ゆっくり飲みながら、ゆっくり話ができればと思って。
でも、他の人が言うには、私は結構早口みたい。ゆっくり話しているつもりでも、相手にはそのようにきこえてしまうのかしらね?
607憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:14:42 ID:???
コーンスープを飲み終えて、私はライブチャットを一時退席。カップを持って、キッチンに行き、軽く洗ってあげる。
乾いたタオルで拭いてあげて、戸棚に戻してあげたわ。冷蔵庫から、チューハイの缶を持っていく。
そして、チャットを再開。チューハイの缶をあけて、一口飲んだわ。
朝霧さんも参加してくる。彼女もまたチューハイを片手に。でも、先日みたいにならなければいいけど。
「綾波さんこんばんは〜。ミケは元気かな?」
鈴鳴さんがメッセージを送ってきてくれた。ミケなら私の枕元で寝ていることを伝えたわ。今日はレモンのちゅーはいを片手に
ライブチャットでメッセージでメッセージを送る。クラスメートと顔を見ながらの会話は本当に楽しい。
そうして、今夜も夜の楽しい時間?というのは過ぎていった。
明日も早いのだから、そろそろ寝ようかな?碇君、まだお風呂から上がってきていないのだけど、本当に大丈夫かな?
608憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:17:25 ID:???
翌朝・・・・
「レイちゃん、おはようございますっ」
「う・・・もう朝、なの?」
私は今朝もりりすに起こされる。隣ではミケも目を覚ます」
「私とシンジ君とで、朝ごはん作ってました。ゼルエルさんと茶木絵里さんはまだオネムですよ」
要するに、碇君とで朝食を彼女が作って、あとの二人はまだ寝ていますってことだよね?
「ありがとう。今、キッチンに行くから待ってて」
そういうと、私はミケを連れてキッチンに行く。

「綾波、おはよう。夕べは寝るの早かったよね」
碇君、私が寝たあとにベッドに入ったのかな?どうなのかな?
「綾波、今日はトーストと目玉焼きでいい?」
私、卵は食べられたっけかな?一度彼には目玉焼きは作ってあげたことはあるけど、その後ちゃんと食べてくれたかどうか・・・
「い、一応食べてみる・・・」
鳥さんがそこから出てくるわけでもなさそうだし、大丈夫かな・と思うのだけど、牛乳と同じように考えてもいいのかな?
私の目の前に、朝食が並べられる。トーストに目玉焼き、とコーンスープ。他の二人も同じ。
609憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:21:23 ID:???

「戴きます」
そういって、私は食べ始める。ミケは私の足元で、ミルクをなめていると思うのだけど。
「りりすは、こっちの学校、行ったりしなくてもいいの?」
唐突だけど、私はりりすに聞いてみた。
「学校?・・・行ってみたいけど、レイちゃんと同じ容姿の女の子が二人いるのもどうなのかな?と思って・・・
茶木絵里さんも、ちょっとは異なるけど、ちょっと似ているところもあるから、私は遠慮するね」
そういえば、茶木絵里さんとゼルエルさん、どうも私に顔が似ているような気もするのだけど、気のせいなのかな?
これについては、後で考えたほうがよさそうね。いまは朝食を済ませて、着替えて、学校に行かないと。
「ご馳走様」
私は食器を片付けると、着替えと制服なんかをもって脱衣所へ。碇君は別の部屋で着替えなどを済ませていたみたい。
610憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 11:22:34 ID:???
制服に着替えて脱衣所から出ると、ミケが待っていてくれたの。ごめんなさい、今は遊んであげられなくて。
ミケをリビングのベッドの上に載せてあげて、私は自分の鞄を持って玄関へ。
碇君が先に玄関に来ていたわ。色々と行動が早いのね。私は一緒に玄関を出て、エレベータに乗る。
「今日は結構慌しかったね。明日は学校休みだから、もうすこしのんびりできるといいね」
碇君が私に話しかける。私はちょっと、別のことで頭がいっぱいだったのだけど、一応相槌などはうっておく。
611名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/10(日) 19:58:59 ID:aMFlSv80
憂月さん乙です。
612憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 22:30:25 ID:???
学校に着く。いつもどおりまだ他の生徒は登校していない。
私は、鞄からノートパソコンを出して、新着メールのチェックを。碇君は相変わらず携帯プレーヤーで音楽を聴いている。
碇君、どういうものを聞くのかな?以前から気になっていたの。私はあまりそういうの聞かないから、別に関係ないって思ってた。
でも、彼とこれから一緒に生活するわけだから、そういうのも気をつけておかないといけないよね。
メールをチェックしていても、昨日の分は全部読んでしまったし、その後はまったく届いていないみたいね。
メールの変わりに、ライブチャットといったところかしら?

他の男子生徒も最近はメールなんて出さなくなったみたいだし、どうかしたのかしらね?
何人かの生徒が教室に入ってくる。それでも、まだ数人ね。チャットに参加してきたわ。
学校ではカメラは使えないから、いつもどおりの画面の隅っこに表示しておくしかないけど、
それでも授業中にクラス全員で参加することもできるの。
茶木絵里さんが教室に入ってくる。彼女もノートパソコンを開いて、チャットに参加する。彼女が参加するのはあまりないのだけど、
どうしたのかしらね?で、私にメールも出してくる。
613憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 22:37:00 ID:???
綾波さん、ちゃっとってこれでいいのかしら?今日が参加するのは初めてだから」
私は一応手順などを説明してあげたの。他のクラスメートたちも教室に入ってきて、話したり、
パソコンを開いてチャットに参加したり自由気侭。今日の時間割を確認しておく。
始業の開始のチャイムが鳴る。私はぼんやり外をながめたまま。ちらちら黒板とパソコンの画面を見やる。
今日は大きな雲ばかり。放課後に屋上に行って、写真でも撮ろうかしら?
私はチャットに放課後一緒に屋上に行ってくれる人がいないか聞いてみた。
とりあえず、朝霧さんが一緒に来てくれることに。私は学校には毎日デジカメを持参していたののでいつでも大丈夫。
今日は朝霧さんと放課後に屋上で雲の写真を撮ることに。碇君には、他の子とも遊んでていいよって
伝えておいたわ。夕方には帰ると思うから先に帰っていてもいいよ。

614憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 22:41:18 ID:???
今日の授業が終わり、私は朝霧さんとデジカメをもって屋上に。今日は鈴鳴さんは用事があるみたいで来れないみたい。
そんなところで私は屋上で、空に向かってカメラを構える。何枚か写真を撮る。朝霧さんもデジカメで雲の写真をとる、
何枚かとったところで、下から茶木絵里さんが上がってきたの。
「二人さん、私も一緒にとってもいいかな?」
そういって、茶木絵里さんもカメラを手に持ってくる。
「レイさん、空、好きなのかな?いつも外をぼ〜っと眺めているから」
いつも、私のほうを見ていたの?
「授業を聞いているより、空をぼんやり眺めているほうが楽しいから」

茶木絵里さんも、空にカメラを向けて何枚かとっている。
「綾波さんも授業聞くよりも楽しいことってあるんだ。あの先生もいつも同じことばかり板書して、
話もそうだから、皆つまんないって言っているからね」
朝霧さんが私にそう話しかけてくるの。授業よりってはまぁ確かにそうかもしれないけど。

「授業よりは、確かに楽しいかな?内容もほとんど同じだから。それに私、授業でやっている内容なんてほとんど理解できているから」
「そうなんだぁ。今度教えてくれるかな?」
教えてあげるのはいいのだけど、何を教えてあげればいいのかな?
デジカメのバッテリーがなくなる。そろそろお開きかしら?
「綾波さん、バッテリーがないなら、そろそろ部室に行って現像しようよ、茶木絵里さんも一緒にどうかな}
私と茶木絵里さんとで、朝霧さんに連れられて、デジカメ部の部室にいく。
「綾波さん、茶木絵里さん。デジカメのメモリー貸してくださいな」
615憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/10(日) 22:42:50 ID:???
彼女がそういうので、私はデジカメのメモリーを朝霧さんに渡す。彼女はそれをカードリーダにつないで、
パソコンの画面にさっきとった写真が出てくる。何枚もとったけど、この写真をどうするのかな?
まずは私が取った写真を、朝霧さんがプリンターで印刷してくれたの。小さい写真と、大きな写真とで2枚ずつ。
私の後に、茶木絵里さんが取った写真を印刷してくれたの。そして、小さなアルバムに入れてくれたわ。
そうして、3人でとった写真の印刷が終わる。私と茶木絵里さんとでにっこり笑いあう。
「プリントも終わったし、そろそろ帰りましょうか?」
朝霧さんが、部室の鍵を閉める。私たちはその前に、部室から出ていた.
616名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/11(月) 00:36:48 ID:???
オッテュ
617名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/11(月) 01:01:22 ID:???
パチプロゲンドウさん日記乙かれです。
ていうかこんな人の良いゲンドウさんならあんなアホ計画すすめなかったろうに……。
618碇くん(6分儀) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/12(火) 12:04:09 ID:???
>>617
アホ計画なんて言うな!ユイに逢いたかったんだよぉぉぉぉぉぉ!
619名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/12(火) 20:22:27 ID:???
620憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/13(水) 10:05:19 ID:???
写真をもって、私たち3人は学校を出る。その後、街に遊びに行くことに。私が放課後に街に遊びに行くなんてこれで2度目。
今までは、こういうこと、なかったのに。それでも、私は朝霧さんと茶木絵里さんと街に出たの。
さてと、今日はどこに行くのかな?携帯で碇君に電話する。3人で街に出張ることを伝えたの。
以前は、ジェラートというものを食べに行ってきたけど、今日はどこかしら?

「綾波さん、今日はここでいいかな?」
そういって、彼女は芦ノ湖畔に。
街って、確かに芦ノ湖畔も市内だけど、どうしてここに?
「以前から、綾波さんとゆっくり話がしたいなって思っていたから」
「え、私と?」
3人で湖畔のベンチに腰掛ける。
「綾波さんは以前はあまり学校に来ていなかったから、話をすることもなくて、それに気難しかったりするのかなって思って、
声をかけづらかったの」
621憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/13(水) 11:00:24 ID:???
朝霧さんが話し出す。
「私は鈴鳴さんとはすぐに打ち解けることはできたけど、彼女以外のことはなかなか打ち解けることができなくて、そうしているうちに、
去年綾波さんが転校して来て、綾波さんと仲良くなりたいって思い始めて。でも、学校にあまり来ないみたいで、会う機会もあまりなくて、
声を掛けることもできなかったの」
彼女の話を聞きながら、確かに私は色々実験などであまり学校に行く機会はなく、それでも何もない日は極力学校に行くことにはしていたけど、
他の子と話すことなんてなかったかな?
「それに、綾波さんの髪の色とか、ちょっと違っているから気になっていたの。頭、なでてもいい?」
彼女はそういって、私の髪を触ったり、頭を撫でるの。彼女の手、とても温かい。

「他の人とはちょっと変わっているから、どういう風にして染めたりしたのかなって思って」
「私、別に髪を染めたりなんかしてないわ。元々、ぎうぅ・・・」
言いかけて、茶木絵里さんが私の口元を摘む。そして、「言っては駄目」と声に出さずに口にする。
「元々、染めたりしてくれる人がいて、その人が藍い色に染めてくれたんだよ」
私は、とりあえず考え付く言い訳のようなものを話したわ。茶木絵里さんがどうして「言っては駄目」と言い出したのか、その真意を
後で確かめないと。
「そうなんだ。そういうの、ちょっと羨ましいかな?そうやって、コーディネートしてくれる人がいるって言うのは」
朝霧さんは、とりあえずそのように取ってくれたみたい。
「私たちはその後、日が暮れるまでそこで語り合っていたの。
622綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/16(土) 00:08:37 ID:???
鳳 月 凰 日

サードインパクト時には外郭をむき出しにされ、エヴァシリーズと共に
空高くへと上昇していったジオフロント。結局、都合のいい事に、元の位置に着陸し、
サードインパクト後の現在も、これまで通り、特務機関ネルフの本拠地として活用されている。

そもそもジオフロントとは、「黒き月」、即ちリリスの卵であったらしい。
「らしい」と言うのも、当事者である私自身、ここから生まれ出た記憶は無いし、
大体、自分が卵生動物であるなどとは想像もし難い。みんなもそう思うでしょ?

まあ、今更そんな事はどうでもいいのだが、とにかく、サードインパクト後、
このジオフロントは、破壊された天蓋部を仮補修された後、埋設され、
以前と変わらぬ様相を保っている。

地上では、まだ住む場所にも困っている人が大勢いる中、何故ジオフロントの復旧に
これだけの力が注がれたのかと言うと、国連、日本政府、ネルフの三者会談において、
特務機関ネルフの機密を保つ事が有用である、という政治的判断が為された結果だそうだ。
勿論、その判断が為されるまでの間に、碇司令が、あの手この手を使って
関係各位に対し、欺き、脅し、懐柔しまくっていた事は言うまでも無い。

・・・・・・どうも、最近、前置きが長くなりがちだわ。まあ、いいか。
ジオフロント埋設後、その地上部には、一般の資本家により、例のパチンコ屋等が建設され、
その一方、地下では天蓋部の本復旧が為されていたわけだが、その工事も
数日前には竣工し、ネルフ本部は、再び閉鎖された空間へと戻った。

機密性の確保が最優先とされたため、本部の建物自体の改修は、後回しにされていた。
その割に碇司令や赤木博士は、無駄な物ばかり開発していた気もするが、
どうやら、施設の復旧にも、公費による支出を当てにしているらしい。
天蓋部の工事が完了した今、政府に対して、建物修繕予算を請求しているそうだが、
その要求も通りそうだと言うのだから、碇司令の手腕も侮れない。
623綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/16(土) 00:10:12 ID:???
でも私には、今ひとつ納得できないものがある。それだけのお金があるのなら、
今、地上で困っている人達を助ける事もできるし、本来なら、それが政府の支出する
公費の使途として正しい気がするのだが、碇司令に言わせると、こうだ。
「おおよそ血税などと言うものは、民意に沿って使われるとは限らないものだよ。」

碇司令は、既に新・ネルフ本部に思いを馳せてニヤケ顔。
そして、それまで眺めていた一枚の写真を私に見せ、こう訊いてきた。
「レイ、これが、何かに似ているとは思わんかね?」

それは、旧・ネルフ本部の写真だった。私が、ピラミッドですか、と答えると、
「・・・・・・天空に極星は、二つは要らぬ。」
せ、聖帝十字稜?確かに、似ていると言えば似ているような・・・・・・。

「改修するなら、ついでに、そんなギミックを詰め込もうと思うのだが、
 どうだ、レイは賛成してくれないか?」
賛成も四成もないわ!不浄よ、碇司令!自分の将来の墓に、皆を住ませるつもり?

「いや、な、レイ。別に私自身の墓でなく、私の『アイの墓』ならぬ『ユイの墓』を
 造ってやりたいのだよ。初号機も無くなってしまった事だし、な?
 もう、ユイを、共同墓地に一人にしておきたくないのだ、わかってくれ。」

ちょっといい話に聞こえるが、碇司令の事だ。放っておくと「聖帝の座に就く」などと
言い出しかねないので、念のため、釘を刺すと、
「いいじゃないか!【神聖アスカ帝国】なんてのも、あったみたいだし・・・・・・。」

やはり碇司令は、帝位を見据えていたようだが、そんなバカな事のために世界中を
敵に回すような愚行は避けたいので、帝位の断念及び、建物外周部にのみ施工という条件で
司令の案に賛成する事にする。何故って、どうせ反対したところで、勝手に独断で
暴走してしまうのだから、条件を付けて賛成しておいた方が得だもの。

ユイさんが安置されたら、碇君に司令、それに何故か副司令が、毎日お参りするんだろうなあ。
624名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/16(土) 01:25:38 ID:???
オッテュ
625名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/16(土) 10:14:17 ID:???
GJ!
聖帝十字稜ワロタww
626名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/16(土) 23:52:28 ID:???
それってサウザーの師匠のお墓だよね?
627名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/17(日) 00:17:31 ID:???
>>622
乙かれです
赤い海から帰ってきてもゲンドウさんのやることはユイさんのために国民の血税を使うことなのねorz
だれかこのおっさんの鎧を剥いで翼をもいでやれ

でもあれか、ゲンドウさんも聖帝と同じく、ユイさんがいなくなったときに「こんなに悲しいのなら……
愛などいらぬ〜!」ってなってあんな性格になったんですね。納得しました
628憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 17:23:44 ID:???
写真をもって、私たち3人は学校を出る。その後、街に遊びに行くことに。私が放課後に街に遊びに行くなんてこれで2度目。
今までは、こういうこと、なかったのに。それでも、私は朝霧さんと茶木絵里さんと街に出たの。
さてと、今日はどこに行くのかな?携帯で碇君に電話する。3人で街に出張ることを伝えたの。
以前は、ジェラートというものを食べに行ってきたけど、今日はどこかしら?

「綾波さん、今日はここでいいかな?」
そういって、彼女は芦ノ湖畔に。
街って、確かに芦ノ湖畔も市内だけど、どうしてここに?
「以前から、綾波さんとゆっくり話がしたいなって思っていたから」
「え、私と?」
3人で湖畔のベンチに腰掛ける。
「綾波さんは以前はあまり学校に来ていなかったから、話をすることもなくて、それに気難しかったりするのかなって思って、
声をかけづらかったの」
629憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 17:42:28 ID:???
「ただいま・・・」
玄関のドアを開けると、ミケが尻尾を振って出迎えてくれたの。
リリスと碇君が夕食を作ってくれていて、私は一応普段着に着替える。制服は書斎部屋にハンガーで掛けた。
食事の用意ができていたので、キッチンのテーブルに着く。
「綾波、結構遅かったね。どこに行っていたのかな?」
碇君がちょっと心配そうな顔で私に聞いてくる。
「朝霧さんと茶木絵里さんとで、湖畔に。そこで話をしてきたの」
「湖畔か・・・」
今度二人で行きましょうか?碇君。
「いただきます」

私は箸を取って、目の前にあるお皿のものを手をつけていく。黙って食べていた。
「レイちゃん、押し黙ってしまって、どうしたの?」
りりすが聞いてくる。好きで押し黙っているわけではないのに。私も色々考え事があって。。。
「ちょっと、考え事、かな?」
「思い悩んでいることがあるなら、相談してよ」
碇君が言ってくれる。でも、こういうことはあとでりりすにでも聞いたほうがいいのかも知れない。
ちょっとした、「可能性」を。
「ごちそうさま・・・」
私は元々小食なのであまり食べない。私は自分の食器を流しにおいて、書斎部屋に行くことにしたわ。
630憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 18:11:42 ID:???
「こんこん」
ドアをノックする音がする。
「レイちゃん、お風呂沸きましたよ。おさきにどう〜ぞです」
りりすが、お風呂が沸いたことを知らせにきてくれたわ。彼女も家のこととか、そろそろ慣れてきたみたいだよね?
りりすは、もうしばらくこちらにいてもらうことにして、私はリリスさんを解放してあげようと思った。
りりすがいなくなってから、私はリリスさんを解放する。大きな光に包まれ、リリスさんを開放分離した。
光が収まると、そこにはぼお〜っと立ち尽くすリリスさんがいたの。

「あれ、私、どうしてここに?」

裸のままのリリスさん。このままではちょっとまずいので、たんすの中をあけて、彼女にどういう服がいいのか
選んでもらい、取り合えず下着もろともきてもらうことに。ここで、私は自分の記憶を整理する。
以前のように途切れたりおかしくなっていないか思い出して見る。色々思い出してみたけど、特に記憶の欠如というのはなかった。
「れ、レイさん、どうして急に私を分離したりしたのですか?」

以前と様子が異なるリリスさん。私もちょっと驚く。
「松代で、人手不足のようだから、とりあえずリリスさんに向こうにに行ってもらおうと思って、分離開放したのよ」

「そ、そうだったの?ご、ごめんなさい、私、前は色々意地を張ってしまって・・・」

意地っ張りの見栄っ張りで、ちょっと違う自分を演じてみようとしたわけね。
「わかりました。そういうことなら、明日松代に帰って、向こうで陣頭指揮を執りますね。
こちらでは、レイさんにお願いします。それと、りりす?もこちらですか?彼女のこともお願いします。
そう言って、リリスさんは会議室に行く。向こうでやることなど、ちょっと計画を立てたいとのこと。
私は着替えと下着を持って、脱衣所へ向かう。お風呂に入りながらでも、まずはゆっくり考えましょか?」
631憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 23:10:26 ID:???
お風呂に入りながら、私は途中でついてきたミケを桶に入れてあげて、またお湯を入れてあげる。
しっぽを振ってご満悦、といったところかな?
最近は本部からは特に連絡などは来ていない。使徒はすべて倒した(一応、第2使徒はこの家の中に何人か?)けれど、
私が先日帰宅して以降特に何も情報や連絡が来ていない。この後はどうなるのかな?
お風呂に入ると、このところ毎日考え事ばかり。これからは新しい趣味、というのも見つけようかな?写真も、撮ってみるとけっこう楽しいかな?
どうしようかな?あまり長風呂するのもよくないと思って、とりあえずあがる。バスタオルで頭と体を拭いて、

お風呂から上がり、ミケの体も拭いて上げる。体をぶるぶるとふって水気を飛ばす。
書斎部屋に戻ってライブチャットを見ると、今日の参加者はまだだれもいないみたいね。
「こんこん」
部屋のドアがノックされる。そこにはリリスさんがいた。

「あの、お風呂、入ってもいいですか?」

彼女にはとりあえずバスタオルと着替えを渡して、誰も入っていないようなら入っても構わないと伝えた。
私は、朝霧さんにプリントしてもらった写真を見てみる。
青い空に浮かぶ、白いっ雲たち。大きさが一様でなく、形もそう。毎日ぼんやりと窓の外を眺めていたのだけど、
写真にとって見るとちょっと違うかな?撮るものは、今日は空ばかり。明日は何をとろうかな?ベッドに横たわって、
キーボードを枕の上に乗せる。マウスはその脇に。
まだ、ライブチャットの参加者はいない。その後も誰もいないの。
どうしたのかな?私は不思議に思う。今日に限って、誰も参加してこない。
メールも見てみるけど、メールも届いていないの。どうして?明日が休みだから、今日はもういい、ということなの?
それとも皆、街のほうにでも出かけて、ってそれはないでしょうね。
何があったのかしら?今日に限って、誰も入ってこない。何があったのかな?
私はライブチャットを立ち上げながら、朝霧さんに電話してみたの。
632憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 23:25:31 ID:???
綾波さん、どうしたの?」
そう言って、朝霧さんが電話に出る。私は、誰もまだライブチャットに出てきていないので、どうしたのかな?
と思ったことを彼女に伝えたわ。
「う〜ん、私にもよくわからないかな〜。週末だからみんな挙ってどこかに遊びに行ったりとかじゃないのかな?」

朝霧さんもそういう話。鈴鳴さんとは今日はまだ遊んだり話をしたりしていない。
夜に出歩くようなところなんて、この街にあったかしら?
そんなことを思いながら、松代メンバーにメールを書いてみる。
今日に限っては誰もお相手してくれないのね。枕元でミケが丸くなって寝ているだけ。
寝ているのに起こすというのもいうのもミケにとってはいやだと思うので、そのまま。
皆、どこに行ったのかな?とりあえず、書斎部屋から出てリビングに行く。
碇君がソファーで転寝、りりすがベッドに寝ているの。窓が開けっ放しだったので一応閉めておく。
「皆疲れていいるのかしら?」
そう言って、私はりりすと碇君に毛布を掛けてあげたの。まだお風呂にすら入っていないみたい。
私にできるとこと、あるのかな?まだまだしてあげられることはあるはず。
633憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/18(月) 23:31:05 ID:???
レイさん、お風呂気持ちよかったです」
そう言って、リリスさんがパジャマに着替えて出てくる。

「レイさん、私は今日はどこで寝ればいいのでしょう?会議室ですか?」
そういえば、彼女が今夜寝る場所を確保していなかったの。今後、どういう風にASSIGN
していけばいいのかしら?とりあえず今夜は会議室で寝てもらおうかな?
会議室に行って、先日ゼルエルさんが運んできてくれたふかふかのソファーに毛布や枕を置いてあげる。
会議室とは言うけれども、松代マギの代理機器があって、そこにテーブルとソファーやいすを並べているだけなので
リリスさん、ちゅーはい飲むかな?って、私もお酒を勧めてどうするのよ。
まぁ、いいかな。どうせまた飲むことになるでしょうに、会議室で一緒に飲むことにしたわ。
「リリスさん、会議室に行きましょうか?」
「了解しましたっ」
634名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/19(火) 10:57:59 ID:???
灯火まち
635名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/22(金) 19:26:39 ID:???
乙です!
636憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/22(金) 21:53:46 ID:???
そう言って、彼女と二人で、会議室に入る。二人でちゅーはいの缶を開けて乾杯。彼女は、ちゅーはいの缶を見て
ぽかんとしているの。
「レイさん、これ、何ですか?」
私が勧めるのもおかしいとは思ったのだけど、彼女にこれはお酒ということを伝えたの。
「あの、お酒って、何ですか?」
そういうので、私はまず彼女に持っている缶の中身を飲んでもらうようにつたえたの。
リリスさん、とりあえずちゅーはい缶を一気飲みする。
「甘くておいしいです」

妹分のりりすと同じ感想。もしかすると案外似たもの同士なのかもしれないわね。
私と彼女と二人、ちゅーはいを飲みながらとりあえず話をしていく。
今後のここと松代のこと、そのほかメンバーのこと。予算のこと。私はすこしお酒が回り始めてきているけど、
リリスさんはあまり関係ないみたい。結構強いのかしら?
「リリスさん、あなた、結構お酒強いのね」
私がそういうと、彼女は、
「タブリスにBeerというものを飲まされたことがあるのですが、確かそのときも、こんな感じだったような
気がしますです〜」
637憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/22(金) 22:17:22 ID:???
 タブリスさん、リリスさんにも無理やりBeerを飲ませていたというの?飲まないのは茶木絵里さんと
ゼルエルさんくらいかしら?でも、少しは酔いが回っているということね。こんな形で早々と打ち解けてくれるとは思わなかったわ。
彼女たち、どこかいきたい場所ってあるのかな?ドライブとかもしいけるのであれば、私もどこかに行きたいな。そう思い始めてきた。
え?免許?車を運転するための免許だよね?それなら、無理やり取らされたから、心配ないわ。もっとも、NERVで情報をうまいこと操作して、
私の免許を預けてくれたわけだもの。今度は車?心配しないで。このマンションの地下駐車場に止めてあるから。
まだ本格的に運転とかしたことないけど、今となってはもう関係ないでしょ。
今度、碇君を乗せて、どこか車で出かけたりしようかしら?どうしようかな?
私は免許なんて、必要ないって思ってた。使徒を倒すためだけに色々な訓練とデータ取り、そしてダミープラグの原料生成のためにLCLの中に入れられたり。
「レイさん、何か考え事ですか?」

638憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/22(金) 22:37:07 ID:???
リリスさんが私に聞いてくる。確かにちょっと考え事。今日湖畔で朝霧さんと話をしたのだけど、湖畔とか、そこだけじゃなくて、私も色々な場所に行きたい。
今までは、NERVで実験事ばかりだったから、そんなこととか、考える暇もなかった。
いまはNERVに行くことなんて、以前のようにお呼び出しなんて事がない限りは行くことはないでしょうから、他の人が言う、「普通の女の子」
という生活を営むのも悪くないでしょうね。本来私は、どういう風にあるべきだったのかな?
私も、ちゅーはいを飲み出す。ほんのり甘い舌触り。命令でのまされていたとはいえ最初は私はあまり飲めなかったの。
「レイさん、明日学校お休みでしたら、どこか出かけませんか?」
彼女がそう言ってくる。どこに行けばいいのかな?
「リリスさん、どこか行きたいところ、あるのかな?」
私は聞いてみる。
「どこって具体的には言えませんが、お出かけはしたいです」
そういうのなら、どこに行こうかな?私がぐ〜すか眠っていた地下というのはおかしいでしょうし、どこがいいかな?
とはいえ、この街の一部分は私が自爆したときに沈めてしまったし、お山のほうは、行っても特に面白みがないでしょうし、
どこに行くのがいいのかな?どうしようかな?
639憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/22(金) 23:13:42 ID:???
レイさん、やっぱり考え事」
え、やっぱり見透かされているのね。
「私にお酒を勧めておいて、レイさん飲まないのですか?」
あなたがどこかに出かけたいというから、どこに行こうかと考えているからじゃないの。
しょうがないわね。私はとりあえず、ちゅーはいを口にする。とりあえず、今はもう何も考えずに飲むことに。
何かおつまみになるようなものなんて、何かなかったかしら?
「リリスさん、私、何かおつまみになるようなもの、もって来るわね」
そう言って、私は会議室を出て、キッチンの戸棚の中や冷蔵庫を探してみたの。チーズに柿の種を持ってきたわ。

「リリスさん、これでいい?」
私はリリスさんにチーズを渡す。
リリスさんは上手にパッケージを剥いて、チーズを口に入れる。
「レイさん、私はこういうのは食べたことないです。とってもおいしいです」
彼女が喜んでくれて、本当によかった。柿の種も一袋渡したの。袋を開けて、何個か取って食べだす。
「あぅ、辛いです」
ちょっと辛いかもしれないけど、食べなれればそうでもないよ。こういうの、食べたことなさそうね。
私もこの間までは、食べたことなんてなかった。クラスメートの子から、おつまみの話を聞いて、
どういったものが手ごろで食べやすいのか、ということで色々話を聞いていたわ。
640名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/23(土) 15:16:54 ID:???
漏れもなんか掻きたくなってきたお。文才ないが。
641名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/23(土) 15:21:59 ID:???
あと、憂月鬱日さん乙。
642憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/23(土) 21:49:20 ID:???
私自身、どういうものがいいのか色々買って(もちろん私が食べられる物ね)食べたりしてみたの。
今のところ、柿の種は碇君から、小腹がすいたときにも食べられるというので、何種類か買っておいたの。
チーズは鈴鳴さんから。まだ、全部は試していないけれど、色々食べ比べてみよと思うの。
明日も、お出かけしながら色々見つけてみようかな?碇君に買った荷物を持ってもらおう。
どこか、景色のいいところにでもいって、リフレッシュできればいいかな?
のんびりしたいなぁ〜って、私、いつからこんな調子になってしまったのかしら?

以前は、こういうことすらなかったというのに。いろんなことが、以前の私とは違ってきているような気がする。
私も、柿の種の袋を開けて、何個か食べる。そして、またちゅーはいを飲む。おなかいっぱいとはまだいえないけれど、
こんな感じで、おつまみをリリスさんと一緒に食べていく。
少しまた、彼女と話をしながらいろいろと。この後は、彼女と話すなり、一緒にベッドで寝ることにしたりと、
普通ではあまり考えられることではないことばかりをしていたみたいなの。
確かに、女の子同士で寝るのも私には珍しいわね。
碇君は、どうやら今日に限ってはりりすとねたみたいなの。りりすも甘えん坊だから、碇君にすっかり気に入られてしまったのかしら。
643憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/23(土) 22:00:30 ID:???
レイちゃん、おはようございますっ」
翌朝、またもりりすに起こされる。私は眠い目をこすりながら、体を起こしたわ。
りりすが用意してくれた朝食を済ませて、私は服を着替える。碇君はまだトイレに。
とりあえず、今日はどこに出かけようかしら?
碇君がリビングに戻ってくる。私は碇君にどこか行きたいところがないかどうか聞いてみたの。
「碇君、今日、私とどこかに出かけないかな?」
「綾波、僕と一緒でいいのかな?」
「一緒で構わないわ。行きたい場所、ある?」
「湖・・・でいい?」
え、湖なの?一緒に行けるのであれば、私も構わないのだけど、碇君、この街のことまだあまりわからないのかな?
今日は碇君と湖畔に行くことに。碇君と一緒に玄関を出て、エレベータに乗り込んだの。
644憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/23(土) 22:31:35 ID:???
マンションから出て、私と碇君は湖畔に歩いていくことにしたの。私が碇君の手を握る。
何度か、触れたことのあるこの手、どことなく、温かいの。
街の中を一緒に歩く。湖畔といっても、私の自爆で街の3分の1が湖になってしまったから、
以前に比べれば、近くなったかな?
マンションから歩いて、1時間、湖畔に着く。碇君が飲み物を買ってきてくれる。
二人でベンチに座る。湖を眺めながら私は碇君に話し出す。
「碇君、私と湖に来たのはどうして?」
私はどこに行こうかな?とは考えていたけど、湖畔に行きたいとは考えてはいなかったわ。
「こういうところで、綾波とゆっくりと、話をしてみたかったんだよ」
そういって、碇君、私の頭をなでてくるの。私、片目を瞑る。頭をなで続ける碇君の手をどけて、
私も碇君の頭をなでてみる。私が碇君の頭をなでたりするのは今日がはじめて。今までは碇君の手に触れたり、
握ったりするだけだったの。
645憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/23(土) 22:36:36 ID:???
綾波は、今後、どうしたいの?」
碇君が私に聞いてくる。私が今後したいこと、私はもともとはこの街の住人なり、地下にずっといた。
私は、今後はXXのメンバーとして、今はフィフスコピーの監視と殲滅が仕事になるのかな?
それと一緒に、学校に通うなり、私の限られた時間を楽しむとか、できることはたくさんあるはず。
「碇君。私、今後はこの街にすみ続けるつもりよ。私の出生の秘密、今までのこと、私が話してきた以外にも、
知っていることがあるはずでしょうけど、この街は、いろいろな意味で私を育んでくれたから、私はここを離れずに、
この街でできることをしていくつもりよ」
一呼吸おいて、今度は私が碇君に聞いてみる。
「碇君こそ、今後、どうするの?使徒は一応すべて倒したわ。1体を残してね。碇君は、ほかの街で先生?という人というのかな?
知り合いの方に預けられてずっと生活して来たわけでしょうし、そこに帰るのでしょ?」
「今後のことなんて、まだ考えてないよ。使途ったって、まだその、フィフスというコピーが、またいろいろ出てきたりするだろうし、
残りの使徒も、どこにいるのかわからないけど、そうなら早く倒してしまわないといけないから・・・」
646憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/23(土) 22:39:11 ID:???
そうなのね。残りの使徒も倒したい、彼はそう考えているのね。
「碇君、残る一体の使徒は、どこにいるかわかる?」
私は、碇君に聞いてみる。もしかしたら、真実を話さなければいけないのかもしれない。
「わからないけど、もしまた襲ってきたりしたら・・・」
「襲ってきたら、あなた、どうするの?」
「倒すしか、ないよ。どうしてそんなことを聞くのさ」
私、覚悟を決めたわ。
647名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/24(日) 12:01:47 ID:???
今日、初めてセカンドチルドレンとあった。
彼女は何故か私をいやらしい眼でじろじろ見る。
でも、どきどきするのはどうして.... 。

今日はシンクロテストの日だった。テストが終って
更衣室で着替えてると、彼女が話しかけてきた。
「あんたが、ファーストチルドレン?惣流・アスカ・ラングレーよ。
これから、あんたとライバルになるわけだけど、負けないからね」
そう話している間も、着替え終ってない私の体を上から下まで
舐めるように視線を移動させていた。
私はとても恥ずかしかった。
648名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/24(日) 12:03:01 ID:???
日付入れ忘れた。
649名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/25(月) 10:03:22 ID:RhqISIaK
age
650名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/26(火) 07:40:14 ID:???
稲荷町
651憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/26(火) 13:49:47 ID:???
残る使徒の名前はリリスというの。名前は聞いたこと、あるでしょ?」
碇君、少し考える。ちょっと、表情が険しくなる。
「リリスって、本部の地下にあったあの白い巨人のこと・・・かな?それと、いま綾波の部屋にいる二人も、たしかそういう名前だったような?」
「そうよ。でもあのリリスは拘束とかされているから動けないし、何しろもぬけの殻だから。魂がないの。抜き取られたのよ」
碇君、きょとんとする。
「動かないとか、魂が抜かれたとか、どういうこと?」
私は、成り行きを碇君に話し始める。
652憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/26(火) 13:51:30 ID:???
残る使徒の名前はリリスというの。名前は聞いたこと、あるでしょ?」
碇君、少し考える。ちょっと、表情が険しくなる。
「リリスって、本部の地下にあったあの白い巨人のこと・・・かな?それと、いま綾波の部屋にいる二人も、たしかそういう名前だったような?」
「そうよ。でもあのリリスは拘束とかされているから動けないし、何しろもぬけの殻だから。魂がないの。抜き取られたのよ」
碇君、きょとんとする。
「動かないとか、魂が抜かれたとか、どういうこと?」
私は、成り行きを碇君に話し始める。

「この街の地下、ジオフロントはもともと、卵の形をした地下の空洞だったの。そこにリリスは眠っていたの。
この街を作るときに、リリスは掘り出された。いいえ、ネルフ本部を作るために掘り出されて、今は本部の地下に幽閉、拘束されているのよ」
私は話を続ける。
「リリスはね、南極で発見されたあだむというのと対を成すもの。わかりやすくいえば、敵、といったところかしらね。敵どうしだから、将来せめて来る使徒への対抗手段として、
利用されようとしたの。そして、まずはサルベージをされたのよ」
碇君が不思議そうに聞いてくる。
653憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/26(火) 14:55:11 ID:???
サルベージって、どういうこと?」
「さっき話したとおり、まずは魂を抜き出して、空っぽにする、そして、人類の命令や調整を可能にしようとした。でも、そう簡単には、いかなかったでしょうね。
犠牲者が出たの。それが、あなたのお母さんね。リリスは抵抗、というのかな?そういうことをしたの。でも、結局何らかの形で最後には拘束されて、地下に磔にされて
幽閉、拘束されたのよ。そして、魂は無事にサルベージされたわ」
「僕の、母さんがサルベージを・・・」
「碇指令は、あなたのお母さんを失った後、だいぶ悲しみに打つひしがれていたみたい。そして、色々やって、あなたのお母さんのクローンを作りあげることに成功したの。
クローンの肉体は、あなたも培養層をみたりしているから、わかっているでしょうけど・・・」
碇君が話し出す。
「君が、僕の母さんのクローンということなんて、前々から話とか聞いたり、ドグマで色々見せられているから知っているけど、それと、リリスと何の関係があるのさ」
「私の体群が作られたのは、あなたのお母さんがなくなった後ね。でも、肉体だけあっても、動けないでしょうね」
「そう、なのかな?」

碇君は何か思うようなところがあるようだけど、話の続きは聞いてもらおう。
「動けないような私の体にね、抜き取られたリリスの魂を、無理やり植えつけたのよ」
「植え付けって、どうやって。え、それじゃぁ、まさか」
「今いる私の体は、まぁ本部の地下の培養層の中から、適当に選んで持ってこられたものでしょうけど、魂、私の意志は別。抜き取られたリリスの魂そのものよ」
そこまでいい終えると、私は碇君の腕を強くつかむ。動揺とかしたり、驚愕したり、大声を上げられたりされないように。
碇君は落ち着いて話す。
「その、普通に笑ったり怒ったり泣いたりしないから、ほかの人とは違うんだっていうこと、なんとなくわかっていたよ。でも、まさか綾波まで使徒だったなんて」
「そうでなくても、私は使徒アルミサエルと接触、融合してしまったのはわかるでしょ」
碇君、どうしてかはわからないのだけど、今までのように動揺や驚愕といったことがないみたい。
654名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/26(火) 18:20:41 ID:???
駄月文日(日)
今日、初めてセカンドチルドレンと会った。
・・・・・かわいい。
赤味がかったサラサラの長い髪、潤んだ青い大きな瞳、
すらっとした体躯の中に見え隠れする豊満さ・・・・ハッ、あたしは何を考えているの!?。
恥ずかしい。相手は女の子なのに。もう寝よう。

続きを読みたい場合は、「おはようマクガーレン大尉」と(ry
655名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/26(火) 18:42:13 ID:32rgv5AD
おっ、おはようござりましゅマクガ―レン体位!!
656654:2006/12/26(火) 19:34:16 ID:???
657名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/28(木) 14:57:40 ID:???
十日町
658名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/29(金) 17:51:34 ID:???

659憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/29(金) 23:20:11 ID:???
「綾波が使徒だったとしても、ほかのやつらみたいに人を襲ったりすることとか、なかったから。引っ叩かれた事はあるけど、その、なんていうのかな?普段あまり見せない
やさしいところとかあったからね」
「普段見せない優しいところっていわれても、私にはわからないわ。でも、私には、この街を守る使命があると思うの。ほかの使徒があだむから造られしものとして、
この街に襲撃してきたのだから、本当なら私が、いえ、リリスが守るべきだったのよ。碇君がいま心の中で思っていること、言い当ててもいい?」
碇君、図星を突かれたようでちょっと驚く。
「私は、貴方を裏切らないから」
碇君、少し安心したような顔をする。
「私のほうこそ、貴方にお願いしたいの。私は、この後もずっと、貴方のそばにいたい」
660憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/29(金) 23:25:21 ID:???
碇君、私にそういわれてちょっと顔が赤くなるの。
「い、一緒にいたいって、いまそんなことを言われても・・・・」
私はさらに続ける・
「碇君。・・・・私のこと、好き?」
さらにお顔が真っ赤になる。碇君の咽喉元で、いま確か「ゴクっ」
という音が聞こえたような気がするわ。
「綾波」
「何?、碇く・・」
私が言い終わらないうちに、私の口に、碇君の唇が重ね合わされる。
碇君の唇、温かい。私は目を閉じる。
以前から、彼とひとつになりたいと思っていたの。
661憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2006/12/29(金) 23:28:42 ID:???
碇君とキスをした後、彼が話し始める。
「綾波だって、被害者だし、僕も色々あったから。
だから、あの時、一緒に生きていこうって言ったんだ。
綾波の出生の秘密とか、色々あるけど、
この街に来て、色々話ができる子だと思っていたから。
使徒だからとか、そういうの、関係ないよね。今は部屋にいる子達だって、
昔のこととかはあるけど、そういうの関係なしに普通に僕らに接してくれるわけだしさ」
碇君、私の手を取る。
「綾波、そろそろ、帰ろうか?」
「うん」
そう言って、私は碇君と手をつないで歩き出す。街で一緒に食事をして、
ちょっと買い物をしてマンションに戻った。
662綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 01:59:41 ID:???
北 月 斗2 日

全く違和感を感じないかもしれないが、碇司令には殺人の前科がある。
それも銃殺や謀殺によってではなく、「槍の投擲」によって、だ。

それは、半年程前に、赤木博士が開発した、汎用人用決戦武器・ ロンギヌスの槍の
投擲実験中に起こった。碇司令本人は、事故を主張しているが、
その被害者となった老人の所有していた「種モミ」を、碇司令が保持していた事から、
これは事故ではなく故意によるものではないか、と私は睨んでいる。

まあ、真相は闇の中な訳だし、それについて今更、碇司令を責めるつもりも無い。
だが、不思議な因縁があって、実は、この事故が起こる数日前、私は
この被害者の老人の世話になっているのだ。

その日、第3新東京市に散策に出かけた私は、荒廃した大地に行き倒れになっていた
その老人を発見、保護し、彼が住居としていたテントまで送り届けたのだが、
その際に、日が暮れてしまったため、彼のテントに一泊させてもらっている。

そんな彼のために、私は粗末ながらも、お墓を作ってあげたのだが、
彼には身寄りが無く、お参りする人もいない。
そんな訳で、今日、お墓の掃除も兼て、お参りに行くことにした。
以前から碇君に「お参りに行くときは教えて」と言われていたので、声を掛ける。
碇君は碇君なりに、父である碇司令の行為に罪悪感を持っているらしい。

久々に零号牛の背中に乗せてもらい、第3新東京市にあるお墓へ向かう。
カートレインが復旧しているので、第3新東京市までは、それを「カーフトレイン」として利用。
そこからは零号牛に頑張って歩いてもらう。

お墓は、老人が住んでいたテントの側に建てたのだが、実はこの地域、
サードインパクト後の第3新東京市の中で、スラムのような存在になっているので、ちょっと怖い。
663綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 02:01:35 ID:???
やはり、と言うか何と言うか、同じ第3新東京市でも、パチンコ店のある辺りの
地域では、人々から復興に向けての活気が感じられるが、この辺りの人々からは
そういった気配が伝わってこない。まあ、人の数的にも多くはないのだが。

極論してしまえば、この辺り、ホームレスの居住区となってしまっているのだ。
現状、サードインパクトの後遺症で、人口の9割以上がホームレスではあるのだが、
その中でも筋金入りの、「サードインパクトが有ろうが無かろうがホームレス」
といった強者の集う場所がこの地域であり、追い討ちをかけるように、
ホームレス狩りを生業とする者や、狂人達をも引き寄せ、極めて治安の悪い地域を
形成してしまっている。
あまりそう思いたくはないが、あの老人も、根っからのホームレスだったのかも知れない。

とにかく、周囲の気配を常に気にしながら、お墓へと向かう。
途中、何度か嫌な気配を感じはしたが、気を緩めなかったことが功を奏してか、
何事も起こらず、無事にお墓まで辿り着く事ができた。
今にして思えば、行き倒れの老人を助けた時は、よくこんな所を一人で歩けたものだと思う。

碇君の持参した花を墓前に供え、手を合わせる。
あなたの集めた種モミは、稔りの時を迎え、碇司令のお腹に収まりました、と、
天国か地獄かは分からないが、とにかくあの世にいる老人に報告。その横で碇君、
「ごめんなさい、父さんの事、許してあげてください。きっと、わざとじゃないんです。」
・・・この父子だけは、仲がいいのか悪いのか、私には理解しかねるわ。

お墓参りも無事に済ませ、ほっと一安心、といきたいところだったが、
さっきから零号牛が、やけにモーモー言っているので、そちらに目を遣ると、
そこには、私が不安に感じていた事態が現実のものになろうとしていた。

私達から金の臭いを嗅ぎつけてか、それとも、零号牛を食料と見立ててか、
それは分からないが、私達は、火炎放射器を持った狂人の集団に包囲されてしまっていたのだ。
664綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 02:03:37 ID:???
碇君の言葉を借りれば「大ピンチ、って事か」。
とにかく、話をして通用しそうな相手ではないので、武力で対抗するよりなさそうだ。
でもこっちは素手だし・・・などと考える暇もなく、相手のリーダー格の男が
火炎放射器で攻撃してきた。

私は咄嗟に、自分の身体を盾にして、碇君を守ろうとした。
碇君は生身の人間だが、私の場合、「カラダは死んでも、替わりがあるもの」
という合理的な判断の結果だ。でも、熱いのは嫌だなあ・・・・・・。

ところが、私の体が熱を感じることはなかった。一体どういう事なの?
さすがに恐怖のあまり、硬く閉じてしまっていた目を開けると、私の目の前には
黒こげになった零号牛が仁王立ち、じゃない、四本足で立ち尽くしていた。

零号牛は、私と目を合わすと、安心したように、そのままドスンと横に倒れた。
その瞬間から、私の目から涙が流れ出し、止まらなくなった。
それはもう、自分の身体のどこに、これだけの水分が蓄えられていたのか、疑問に感じる程に。

零号牛との思い出が、走馬灯もとい走牛灯のように脳裏をよぎる。
これが・・・・・・「カナシイ」という事なの?
絶命寸前の零号牛の目が、私に訴えかける。「悲しみを怒りにかえて生きよ!」

それからしばらくの記憶がない。次に私が気付いた時には、辺りに
無数の狂人達が、生死も分からない程の深手を負って倒れていた。
どうやら「悲しみを知る心」を身に付けた私は、究極奥義・無想転生を体得してしまったようだ。

腰を抜かしてしまった碇君を立たせ、零号牛へと駆け寄る。
一度止まっていたはずの涙が再び溢れ出し、私の視界を遮る。
誰かが私の脳に、直接語りかけてくる気がする。「最後に母さんと呼んでやれ」。
私が零号牛に「かあさん」と呼びかけると、一瞬、優しい目をした零号牛の目は閉じられ、
再び開く事はなかった。
665綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 02:05:16 ID:???
零号牛の遺体を前に、これからどうするか、碇君と思案に暮れていると、
どういう巡り会わせか、ネルフ一行が目の前を通りかかった。

何でも、ネルフが毎年年末に行っている、ホームレスへの炊き出しのボランティア活動が
今日、実施され、その帰り道に偶然出くわしたようだ。

実は、碇司令は今年末にイベントの開催を目論んでおり、そのPRも兼ねて
今年の炊き出しは大盤振る舞いだったそうだ。

まあ、その話は置いておいて。私達を発見して歩を止めたネルフ一行に
今日のこれまでの事情を説明すると、碇司令の計らいで、零号牛の遺体をネルフ本部まで
運んでもらえる事になった。炊き出し用の食材の運搬に使用されていた台車が
空になっているので、それを幾つか連結して、零号牛を乗せて運ぶ。

私にはそんな記憶は無いのだが、私は帰り道中、ずっと泣きじゃくっていたらしく、
零号牛の輸送は、碇君、日向二尉、青葉二尉に任せっきりになっていたようだ。
どうやら皆に恥かしいところを見せてしまったようだが、
セカンドがその場に居なかったのが、不幸中の幸いだったかもしれない。

本部内の自室に戻ると、私は、疲れからか、崩れるように眠ってしまった。
日が落ちた頃、私は、部屋を訪ねてきた碇君によって起こされた。
「綾波、気持ちは分かるけど、何か少しでも食べないと、体に毒だよ。」
碇君が心配してくれている。これ以上心配させたくないので、一緒に食堂へと向かう。

ええと、何を食べようかしら?よし、「タンタン麺挽肉抜き」を注文。
テーブルに就くと、隣のテーブルでは、葛城三佐とリョウちゃんが、すき焼き鍋をつついている。
セカンドは美味しそうにハンバーグを頬張っている。注文カウンターの方を見ると、
「本日のサービスメニュー・牛ステーキ定食」・・・・・・。
何かしら、この落ち着かないカンジ・・・・・・。
666Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2006/12/31(日) 07:49:47 ID:???
>>665
みんなヒドスww
でも、食べること即ち供養なのかも……
667名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/31(日) 10:23:40 ID:???
GJ!
夢想転生ワロタww
668名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/31(日) 11:54:03 ID:???
オッテュ
669名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/31(日) 12:43:17 ID:???
零号牛(2頭目)に期待するお
670綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 23:28:10 ID:???
12月31日

碇司令の企画していたイベントが開催された。
お題目としては、「第3新東京市復興支援チャリティイベント」となっている。
その名も「IKARI BOM−BA−YE 2016〜神話になれ 羽を持て〜」。

一応、格闘技イベントという事なのだが、このご時世、それ程多くの
格闘家をブッキングできるはずもなく、時間調整のためにトークショーや
ライブステージなども組み込まれている。
この見切り発車っぷりや、PRとしてのホームレスへの炊き出しなども含めて、
碇司令の崇拝する「猪木」イズム満載のイベントであると思う。

「チャリティイベント」として、特別な入場料などは設けておらず、
いくらの値を付けるかは、客側の厚意による、という、某球団のファン感謝デーのような
形態を採ったため、当初の予想を遥かに上回る観客が集まった。

プログラムとしては、最初にライブステージが行われるのだが、開演時間直前になっても
ミュージシャンらしき人の姿は見当たらない。初っ端から頓挫か、と碇司令に報告すると、
「何を言っているのだ、君達が歌うのだよ。」
・・・・・・という訳で、私とセカンド、葛城三佐、赤木博士、伊吹二尉で歌を歌うハメに。

だが、歌といわれても、「残酷な天使のテーゼ」とか「Fly Me To The Moon」ぐらいしか
歌えないのだが、もう、引くに引けない状態であるので、覚悟を決めて熱唱。
これが意外なほど盛り上がった。改めて「可愛さとは罪である」と実感。
なお、バックバンドで青葉二尉が大活躍していた事も付け加えておく。

続いては、リョウちゃんの司会による「碇ゲンドウ・冬月コウゾウ トークショー」。
の筈だったのだが、例によって碇司令は「ああ」とか「問題ない」しか話さない。
これでは、猪木祭り名物の「暴動」に発展しかねない、と思いきや、意外にウケている。
どうやら、トリオ漫才か何かと間違われているようだ。
671綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 23:29:43 ID:???
そして、このイベントのメインである格闘技へとなだれ込む。
ここまでの流れは、悪くない盛り上がりを見せているので、このまま最後まで
行きたいものだが、どうしても前座の試合では、テンションが落ちてしまう。

更に追い討ちをかけるように、アクシデントが勃発する。
セミファイナルに登場する予定だった選手の内の一人が、何らかのトラブルに
巻き込まれ、会場入りする事ができなくなってしまったのだ。

さすがにこれには碇司令も慌てふためいていたが、これを見ていた日向二尉が
「白旗でも揚げますか?」
などと余計な茶々を入れ、碇司令に、立てなくなるまでグーで殴られる。

私は、最近何の役にも立っていなかった日向二尉を代役にするよう、
提案しようと思っていたのだが、日向二尉は既に虫の息。
それでも試合を中止にするよりマシなのでは、と、言うだけは言ってみる。

「残念ながら、日向君を代役にはできぬ理由があるのだ。」
碇司令は本当に悔しそうに呟いた。どういう事かと尋ねてみると、
実は、セミファイナルに出場する、もう一方の選手に原因があるのだという。

その選手とは、戦自所属の空手家で、武蔵・リー・ストラスバーグという選手。
K−1グランプリでも準優勝の経験のある強豪だ。
相手の実力が高過ぎる、というのが日向二尉を代役にできない理由かと思いきや、
実際の理由は「中の人が同じ」という、訳の分からないものだった。

「という訳で、レイ、ここは頼んだぞ。」
結局、そういうことになるのか。急遽、私の為に、選手のキャラが用意される。
・ハードコア・プロレスの強豪 ババ「レイ」・デットーリ
・PRIDFミドル級チャンピオン ヴァンダ「レイ」・シルバ
・立ち技の雄、「南海の黒豹」 「レイ」・セ4(セフォー)
・400戦無敗の伝説の柔術家 ヒクンソ・グ「レイ」シー
672綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 23:31:14 ID:???
・・・・・・もう、そんなの、どうでもいいのだが、相手が空手家ということで、
レイ・セ4というリングネームで出場する事にする。

こうして試合に穴を開ける事無く済んだのだが、肝心の試合内容はと言うと・・・・・・。
いくら相手にK−1準優勝の実績があるといっても、北斗神拳究極奥義・無想転生を
体得した私の前では、その技術など児戯に等しく、私が攻撃を加減していなければ
公開殺人になるところだった。思い出しても恐ろしいわ。

どうにかこれでメインイベントへと繋げる事ができた。が、
メインにどんな試合が組まれているのか、私は知らされていない。
リングアナを務めていた青葉二尉のコールで、私は驚愕のカードを知る事になる。

「これより、本日のメインイベント、10分5ラウンドを行います。
 『謎の覆面格闘家』ゲンドー・カシン対『元・暴走族総長』宇加持タカシ!」

入場してきた二人は、覆面やメイクを施してはいるものの、どう見ても
碇司令とリョウちゃんだ。試合として成立するのかしら?

ゲンドー・カシンのセコンドに付いていた碇君と一緒に試合を見守る。
超至近距離なので、リング上の二人の話し声まで鮮明に聞こえてくる。

「無理ですよ、俺には格闘技なんて。俺はヒットマンにも無抵抗で殺された男ですよ!」
「いいんだよ、ヤオなんだから!とにかく見せ場ぐらい作れ!」

対戦相手であるカシンから叱咤を受け、宇加持も何とか打撃を繰り出すが、
それは、往年のミッキー・ロークの猫パンチを彷彿とさせるものだった。

及び腰の宇加持だったが、のらりくらりと時間を引き延ばし、それなりに試合としての
形はつけた。最終的には、おそらくシナリオ通りに、カシン選手が勝利を納めたのだが、
それは、総合格闘技の試合としては異例の「首四の字固め」による決着だった。
673綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 23:32:51 ID:???
これにてイベントも無事終了、と思っていたら、アナウンスが入る。
「これより年越し企画としまして、特務機関ネルフ司令・碇ゲンドウによる
 『闘魂注入・百八つビンタ』が行われます。観客の皆様、奮ってご参加下さい。」

しかし、時間を置いてみても、参加希望者は現れない。
誰も碇司令から闘魂注入される事に、価値を感じていないのだろう。
これではイベントが進行しない。どうにかしなければ・・・・・・。

碇司令が傍らにいた碇君の手首を掴んだ。碇君は、半分諦め顔をしている。
「シンジ・・・・・・可愛い息子にそんな事はせん。・・・・・・日向君・・・・・・。」
視線を遣られた日向二尉はそそくさと逃げ出そうとしている。

「誰か、その男を捕まえてくれ!」
日向二尉は、碇司令の声に呼応した観客達に捕獲され、リングの上に引き立てられた。
そして、そのままコーナーに、テーピングを用いて縛り付けられた。

観客のカウントに合わせ、身動きの取れない日向二尉に、碇司令が闘魂を注入していく。
ところが、76回目の闘魂注入で、碇司令が手を傷め、私と交代する事になった。

こう見えても、ビンタは私の得意技。以前、司令を悪く言った碇君にもお見舞いした事がある。
更には私のビンタする模様が、「ADDITION」というCDに収録され、発売されている程だ。

私が闘魂注入を引き継ぐと、何故か観客のカウントはリセットされ、
結局、日向二尉は184回のビンタを食らう羽目になった。
日向二尉には気の毒だが、私はすっきりしたので、まあ、よしとする。

さて、イベントも本当に大詰め。最後に年越しカウントダウンが残っている。
これは、碇司令の指名で、伊吹二尉が任される事となった。さあ、23時59分を回った。
「僭越ながら、伊吹マヤ、行きます。行くぞーッ、3・2・1・・・活動限界です!」
最後の最後で会場中が大コケしたことは言うまでも無い。
674綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2006/12/31(日) 23:37:27 ID:???
何とか今日中に間に合ったよ。
皆さん、よいお年を。
675名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/01(月) 05:43:46 ID:???
GJ!
メガネ184回もビンタwwテラカワイソスww
676名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/01(月) 11:15:36 ID:???
あけましてオッテュ
677名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/01(月) 23:10:02 ID:???
よにんめあけおめ
678名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/02(火) 18:28:44 ID:???
憂さま4さま名無しのみなさま
あけおめことよろとうまち乙だお
679名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/03(水) 07:46:39 ID:???
あけおめだお
みなさんモツカレーション
680綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/04(木) 02:08:24 ID:???
あけでとう!
・・・・・・略する部分を変えてみたわ。なかなかいいでしょ?
今年も北斗神拳伝承者の名に恥じない生き方をするつもりよ。
頑張って波乱に満ちた日常を送るので、日記の閲覧をお願いするわ。

という訳で、中の人です。
本当は、日記投下と同時にご挨拶しようと思っていたのですが、
現状でブツが出来上がっていないので、挨拶のみで。

昨年中は、こんなへっぽこ日記に多くのレスを頂き、誠に有難うございました。
今年も、出来る限り継続していきたいと思いますので、宜しくお願いします。

4人目日記以外にも、リナレイ日記や、ゲンちゃん日記の続きなんかも
書いてみたいな〜、と思ってます(ゲンちゃんはスレ違いか)。

681綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/06(土) 00:40:19 ID:???
新 月 年 日

大晦日には、歌ったり、戦ったり、ビンタしたりと、慣れない事を
立て続けに行ったため、体の節々に痛みが出て、寝正月を送るハメに。
お陰で、昨日までネルフ本部から一歩も外に出ていない。

一応、元旦には、皆で発令所に集まって、碇司令から新年の挨拶があり、
その後、食堂で軽い宴会が催され、そこで「おせち料理」を食べた。
この料理には、肉類が殆ど使われていないので、安心して食べられる。
材料となっているのは、碇司令と冬月副司令、それにリョウちゃんが
精魂込めて育てた作物が中心。無農薬なので、体にも優しい。

軽い宴会の筈なのだが、葛城三佐にとっては、「酒宴は酒宴」。
碇司令が釣ってきた小鮒で作った甘露煮をつまみに、熱燗を水のように流し込んでいる。
葛城三佐にも新年の挨拶をしておこうと、近付いたのだが・・・・・・くさい。
私が顔をしかめていると、葛城三佐に捕まっていたリョウちゃんから、
「レイ、悪いことは言わない、離れていた方がいいぞ。」
と忠告されたので、それに従う事にする。「君子危うきに近寄らず」ね。

そんなこんなで、「寝る」と「食べる」だけで数日が経過してしまった訳だが、
いつまでも正月気分で居る訳にもいかないので、昨日は、久しぶりに司令室に顔を出した。
とは言っても、お茶を飲んで雑談するだけなのだが。

ところが、碇司令はご機嫌斜めの模様。副司令に事情を訊くと、
どうやら、初日の出を見に行けなかった事と、正月に魚介類(刺身や蟹)を
食べられなかった事で、ふてくされているらしい。

そんな事言っても、大晦日にイベントなど開催すれば、疲れて初日の出どころじゃない
のは自業自得だし、いかにジオフロントに自給自足施設が整っているとは言っても
さすがに海水魚の養殖は困難だし、まったく、年が明けても要求の無茶は変わらない。
682綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/06(土) 00:41:55 ID:???
「と、言うわけで、レイ。初日の出とはいかなかったが、明日の朝、
 海に日の出を見に行かないか?ついでに海で魚介類でも獲ってこよう。」
碇司令にとっては、提案=決定なので、否応なしに明朝、日の出を見に行く事となった。

15年程前なら、この時期に海に日の出を見に行くとなれば、寒さを覚悟しなければ
ならなかったそうだが、幸か不幸か、今の日本は常夏の国なので、その心配は無い。

早速、同行者を募集すると、まず、リョウちゃん、それに「加持さんが行くなら」と
セカンドも名乗りを挙げた。副司令は腰痛、葛城三佐は面倒、という理由で辞退。
碇君は「正月早々、父さんと出かけるのは嫌」という理由で拒否。

「どうだね、リツコ君。たまには息抜きも必要だと思うのだが・・・・・・。」
碇司令が赤木博士に声を掛けた。博士は少し考えた後、答えた。
「・・・・・・そうですわね、たまには。行きましょうか。」

「ヒャッホォォォォォオオオォォオオォォォ!!!」
碇司令は、余程嬉しかったのか、奇声を上げてのた打ち回っている。喜びの舞かしら?
「まさか・・・・・・暴走・・・・・・?」
赤木博士のこの一言で、行き先も房総半島へと決定した。

「センパイが行くんなら、私も・・・・・・。」
伊吹二尉が、何かを言いかけたが、碇司令に怖い顔をされて、黙り込む。
「マヤ・・・・・・。悪いけど、今回はお留守番しててね。」
赤木博士になだめられ、伊吹二尉は今回の同行を断念したようだ。

ふう、ようやく「今日」の話に辿り着いたわ。
今朝早く、日の出の時間に間に合うように、専用ヘリでネルフ本部を出発。
千葉の海岸で、日の出を待ったのだが、辺りは徐々に明るくなっているのに、太陽は見えない。
何やらポツポツと・・・これは、雨?泣いているのは、空?迂闊にも天気の確認を忘れていた。
明日に期待し、天気予報を確認した後、ヘリの中で一泊する事となった。
(これだけ書いて、当日の活動模様が4行とは・・・・・・。)
683名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/06(土) 04:06:55 ID:???
オッテュ
684名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/06(土) 16:53:05 ID:???
GJ!
初日の出をヘリで見に行くなよww
685綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/07(日) 02:43:22 ID:???
初 月 漁 日

昨日とは打って変って本日は快晴となり、無事に日の出を拝む事も出来た。
そこで、次の目的である「魚介類の捕獲」の為、小さな漁港へと移動する。

「捕獲」と言っても、大掛かりな漁具を所有している訳でもなく、
手段としては「釣り」になる。私の下調べしたところによると、かつては今の時期は
カレイやアイナメといった、冷水温を好む魚が釣れたようなのだが、現在の
日本近海では、それらの魚は減少し、一年を通じて暖水系の魚がターゲットとなっている。

それを考慮し、私が選択した釣り物は「アジ」。私はあまり食べた事は無いが、
美味しい魚らしいので、皆に喜んでもらえそうだし、初心者でも手軽に釣れそうだ。
私は以前、碇司令達が釣りをしている様子を見て(>>481)、少しは要領を掴んでいるので、
全く初めてというセカンドに説明しつつ、足場のよい岸壁に釣り座を構える。
碇司令とリョウちゃんは、「イセエビ、イセエビ」と騒ぎながら、テトラ帯へと行ってしまった。

寄せ餌を撒くと、すぐにアジの群が寄ってきた。群が散らぬよう、撒き餌を切らさずにおく。
釣趣を考慮し、ウキ釣りで一匹ずつ釣り上げる。食わせ餌のアルミサエル、じゃなくって
アオイソメが、人によっては、特に女子には毛嫌いされ易い形態をしているので、
セカンドが嫌がるのではないか、と心配していたのだが、平気な顔をして針に刺している。
どうやら、私が思っていた以上に、セカンドは逞しかったようだ。

すぐ足の下で小アジ、沖目を狙って少し大き目のアジを釣るなど、コツを掴んで
数釣りを満喫しているところへ、赤木博士がやって来た。
葛城三佐から「遊ばせてやって」と頼まれて連れて来たペンペンも一緒だ。

見ると、ペンペンの首輪には、細い縄が繋がれている。
「レイ、アスカ。魚ってのは、こうやって獲るものよ!」
赤木博士は、言うが早いか、ペンペンを海へと突き落とした。ペンペンは海を泳ぎながら
くちばしで魚を捕えた。おおっ!これは、「鵜飼い」ならぬ「ペンギン飼い」?
686綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/07(日) 02:45:11 ID:???
しかし、である。ペンペンに魚を獲らせたまではよかったが、今、私達が立っている
岸壁から水面までは、約1.5mの高低差がある。どうやって魚、というかペンペンを
取り込むのか、興味津々で見ていると、赤木博士は、首輪に繋げた縄を引っ張り始めた。

首吊り状態で引き上げられたペンペンは、苦しかったのか、途中で魚を吐き出してしまった。
岸壁に上がっても、体の水を切ることも忘れ咽ている。これを見た赤木博士が一言、
「ぶざまね。」って、それはないんじゃない?

今の騒ぎで、せっかく寄っていたアジの群も散ってしまった。
アタリの遠のいた釣竿を置きっ放しにして、セカンドが呆けている。と思っていたら突然、
「ねえ、ファースト・・・・・・。キスしよっか。」
な、何を言うのよ!

「キスよ、キス。・・・・・・それとも、怖い?」
こ、怖くなんかないわ!セカンドに見下されているようで悔しいので、私も覚悟を決める。
目を閉じて、その時を待つ。何だか時間の流れるのが、とても遅く感じる。

「ドボ〜ン!!!」沖合いから聞こえた、大きな着水音に驚いて、目を開く。
辺りを見回すと、さっきまで呆けていたセカンドが、夢中で釣竿を操作している。
「な〜にやってんのファースト!早くしないと私が全部釣っちゃうわよ、シロギス。」
・・・・・・どうやらセカンドは「キス(に)しよっか」と言いたかったらしい。

日も傾き、そろそろ片付け始めようと言う頃、1台のパトカーが、この漁港に乗りつけた。
車から降りた警官達が、テトラ帯へ向かい、碇司令を引っ張ってくる。
抵抗する碇司令に、「いい加減にしろ!イセエビ密漁の現行犯じゃないか!」と一言。
こうして碇司令は、正月早々、警察に連行されるハメとなった。

一緒に居た筈のリョウちゃんはどうしたのかしら、と思っていると、足下の水面から人の声が。
「よう!釣れないんで、素潜りしていたら、イセエビばかりか、サザエにアワビまで獲れたぞ!」

この日の夜、ネルフ本部では、碇司令を偲びつつ、再び小宴会が開かれた。
687名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/07(日) 08:26:33 ID:???
オッテュ
688名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/08(月) 00:10:00 ID:???
この独特の文の雰囲気がよいねぇーあぁーよいね
689名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/08(月) 02:00:49 ID:???
ちょwwペンペンがww
リツコひでーよww
690名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/08(月) 08:28:50 ID:???
691名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/09(火) 14:28:08 ID:???
おつ
692憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2007/01/10(水) 18:25:51 ID:???
[ただいま」
マンションに帰ると、ミケが尻尾を振って出迎えてくれたの。リリスさんとりりすはどこに行ったのかしらね。
私は革靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。普段あまり革靴を履いて長い時間歩かないから、足が痛い。
リビングに行って、スリッパを脱いでベッドに上がる。ベッドの上に座り、はいている白い靴下の上から、痛い足の指や踵をマッサージしてみる。
指で押したりすると、よけいに痛み出す。靴擦れっていうものなのかな?

二人のりリスはどこに行ったのかな?午後の昼下がり、私と碇君は街で食事を済ませてきたから、あとはお昼寝するなり好きなようにできるのだけど。
少し足の痛みが治まったところで、会議室に行ってみると、二人のリリスが気持ちよさそうにお昼寝をしていたの。
私は、リビングベッドでミケとお昼寝することに。碇君はリビングでソファーに持たれて寝息を立てている。
そういえば、最近は寝具の洗濯とか、していない。明日、碇君に手伝ってもらって、寝具の洗濯をしようかな?
ミケがベッドの上で丸くなる。私は、碇君とのこれからの生活のこととか、どうしようかと考えているうちに、眠ってしまったみたい。
693名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/11(木) 01:48:53 ID:???
694憂月鬱日 ◆.5wljPk1.c :2007/01/11(木) 21:35:02 ID:???
「レイちゃん、起きて下さいな」
私は目を開ける。りりすがベッドの脇に立っている。
私は目をこすりながら起き上がり、ベッドから離れる。
「りりす、昼間いなかったみたいだけど、どこに行っていたの?」
「え、私ですか?お散歩です」
お散歩・・・どこまでお散歩に行ったのかな?
「ところで、何かあったの?急に起こしたりして」
私は起こされた理由を聞き出す。
「晩御飯、できましたよ」
そういうので、私は外を見てみる。窓の外は暗くなっている。昼過ぎから曇っていたみたい。
私はスリッパを履いて、キッチンに行く。碇君がいすに座ってもぐもぐしていたの。
私も、いすに座り、箸をとってサラダを口に運ぶ。あ、ドレッシングをかけるの忘れた。
私は、サラダにドレッシングをかけて、改めて口に運ぶ。りりすが作ったのかな?
695名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/12(金) 03:44:19 ID:E2RrXyap
上乙
696名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/12(金) 15:16:30 ID:???
おつ
697名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/13(土) 00:17:22 ID:???
レイたん最後の日記を頼むお
本当に最後にはならないけど
698綾波さん(4人目) ◆0tXLzE7Lmk :2007/01/13(土) 02:34:10 ID:???
終 月 局 日

今日も朝から伊吹二尉はコンピューターとにらめっこ。
一体何を監視しているのやら。

私が赤木博士と、昨日食べて刺身について雑談していると、
こわばった表情の伊吹二尉が振り返り、叫んだ。

「書き込みスペース減少!スレ、書き込み不能モードに切り替わります!
 スレ、書き込み限界まであと1KB!!」
「なんですって!」

同じく会話に加わっていた葛城三佐が、驚嘆の声を上げる。
どうやら伊吹二尉は私の日記を監視していたようだ。再び、彼女が叫ぶ。
「ミッションモード、突入!」

ミッション:3日以内に次スレを立てろ

という訳で、スキルのある方、次スレをお願いするわ。何日持つか分からないけど。

あと、万一、ココが閉鎖になった場合の投下先候補地を教えて欲しいわ。
一族郎党引き連れて引っ越すつもりよ。
699名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/13(土) 02:53:03 ID:???
>>698

気付かなかった

綾波レイの日記 4冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1168624222/
700名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/13(土) 03:36:52 ID:???
オッテュ
701名無しが氏んでも代わりはいるもの