>>1乙。
彼氏持ちの素直クールな娘が後輩の女のこに告白されたら
目の前で彼氏にぶちゅーってキスして
「私は彼を心から愛してる。」とか言っちゃうんだろうな。
_,,....,,_
-''"::::::::::::::::\ 新スレだってさ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::\ おお、
>>1乙
>>1乙
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi rr=-, r=;ァ .| .|、i .||
`! !/レi' rr=-, r=;ァ レ'i ノ !Y!  ̄  ̄ 「 !ノ i |
,' ノ !  ̄  ̄ i .レ' L.',. 'ー=-' L」 ノ| .|
( ,ハ 'ー=-' 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
>>1 乙だ
スレ立てのお礼といってはなんだが、君の大切なところを立ててあげよう
>>1 乙だ
君という人は、どこまで私を虜にさせるのだ?
9 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:51:33 ID:avSO6auc
保守
>>1乙
>>2のせいで変な電波を受信した。
のっけからエロなしで申し訳ないが、興味なければ読み飛ばしてほしい
***
「センパイのことが好きです。私と付き合ってください!」
今日も今日とて、いつもの放課後。
いつものように部活に出ようと下駄箱を開ければ、後輩から屋上に来てほしいとの呼び出しが入っていた。
何か伝達事項でもあるのかと思って来てみれば、後輩の口から飛び出したのは仰天発言だった。
「へっ!?でも俺、付き合ってるヤツが…」
予想もしていない事態に、思わずしどろもどろになってしまう。
俺に彼女がいるという事実。
というより、“彼女”の彼氏が俺であることは、良くも悪くも学校中で有名な出来事のはずだった。
色んな意味でぶっ飛んだ“彼女”だが、さしあたって俺に別れるつもりはない。
そんなわけで、いかに後輩を傷つけずに断るか必死で考えているうちに、彼女のほうはどんどん話を進めてきた。
「センパイの彼女って、クゥ先輩ですよね。
私、あの変な人よりセンパイのこと好きな自信があるし、
センパイに好きになってもらう自信もあります!」
そんなこと言われても、俺にその気がないんだって。
なんて返せるわけもない。
ほとほと困り果てた俺の背後から、突如声が割り込んできた。
「それは聞き捨てならないな」
慌てて振り返ると、そこにいたのは件の“彼女”。
いつもと変わらぬポーカーフェイスのクゥだった。
「クゥ!?どこから湧いて出たんだよ」
「君のいるところ、私の姿ありだ。君のことで知らないことなど何一つない。
ちなみに今日の放課後君がここにいることは、3日前からわかっていたぞ」
いろんな意味でとんでもない台詞をのたまったクゥは、やはり無表情。
このやりとりだけでも、彼女のぶっ飛びっぷりが分かってもらえると思う。
俺とクゥが付き合っているのが有名なのも、きっと理解されるだろう。
なんて現実逃避している場合ではなかった。
色々言わなきゃならないことはあるが、まず言っておかなければならないことはこれだろう。
「呼び出しの手紙貰ったの、さっきだったんだけど」
「乙女の情報網を見くびるな、ということだ」
乙女はそんなコワイこと、無表情で言わないと信じたいなぁ。
思わず遠い目になった俺だったが、金切りの後輩の声で現実に引き戻される。
「クゥ先輩、いきなりしゃしゃり出て何なんですか!」
嗚呼、いつもの舌っ足らずなしゃべり方は演技だったんだね。全然気付かなかったよ。
なんて女の怖さを実感しているうちに、別の意味でコワいクゥさんが勝手に話を進めてくれた。
「何と聞かれれば、彼女と答えるしかないな。
しかし改めて口にすると、やはり照れるものだな」
無表情で言っても説得力ゼロだよ、クゥ。
せめて頬くらい染めてほしいなぁ。…実際されると驚天動地だけど。
そんなクゥの態度がカンに障ったのか、激高した様子の後輩が、普段からは考えられないくらい機敏な動きでクゥに詰め寄った。
「そんなことはどうでもいいんです!クゥ先輩」
対するクゥには、いつもと変わった様子は見えない。
「なんだね、後輩」
「センパイと別れてください」
「ふむ、それは出来ない相談だな」
「私のほうがセンパイを幸せにできると思います!
貴女みたいな変人にセンパイはふさわしくありません」
後輩の言葉に、クゥの纏う空気が変化した。
ヤバイ。
表情の乏しい彼女であるが、感情自体は意外とわかりやすい。
後輩の一言でクゥの沸点が超えたのが、俺にはありありと感じられた。
「3つほど反論させてもらおう」
たぶん、静かな怒りってこういうのを言うんだろう。
いつもと変わらぬ淡々とした物言いが、逆に彼女の怒りの深さを思い知らせる。
「まずひとつ。彼にふさわしいかどうか決めるのは、私でも君でもない。彼自身だ」
クゥの醸し出す雰囲気と言葉に、後輩も言葉が出てこないらしい。
そんな後輩の様子を歯牙にもかけず、クゥは無表情に言葉を続ける。
「ふたつめ。君は、私より君のほうが彼のほうを好きだと言ったが、その表現には語弊がある。
私は彼のことを好きなのではない。彼のことを、心から愛しているのだ」
「そ、そんなの詭弁じゃないですか!」
ようやく言い返した後輩の言葉に、クゥが小さくため息をついた。
そのまま、俺のほうに振り返るクゥ。
「最後に、みっつめ」
クゥが突然、俺の首にその手をまわした。
「ちょ、何す―――むぐっ」
唐突に、俺の口が柔らかくふさがれる。
いつもよりかなり激しい口づけ。
濃厚なクゥのキスに、俺は状況も忘れてのめりこんでしまった。
クゥの華奢な肩に手を回す。
どのくらい時間が経っただろう。
おもむろに口を離したクゥが、硬直している後輩にとどめの言葉を放った。
「彼は私を心から愛しているんだ。君が私より好かれることはありえない」
そう言ったクゥの口元には、嫣然とした微笑が浮かんでいた。
わっふるわっふる
>>13 あぁ・・・
素直クールっていいなぁ(*´ω`)
死ね
イキル!
あげ
他の女の子と喋ってたらヤキモチ焼かれて
「お前は私のものなんだからな。」って言われたい。
ちょっと遅いがハロウィンネタを投下。エロは……ない。2レスほど頂くぜ。
___________________________________
「おはよう、男クン」
私立属性学園のクールビューティーといえばこの人、として知られる留学生、
素那緒・クーラ・ホーネストがいつものように声をかけてきた。
「おはよう、クー、今朝は寒くなかったか?」
彼女からの告白(そして一方的な恋人宣言)の後、クーラは毎朝のように
通学路で男を待ち、こうして挨拶をしてくるのだが……今朝は少しばかり様子が
違ってみえた。人を真正面から見据える静かな視線こそいつもと変わらないが、
彼女は男の前で足を止め、一定の距離をあけて近寄ろうとしない。
「……? どうしたんだ、クー?」
彼女はいわゆる「キス魔」で、男を視界に捕らえると時と場所をえらばず
まっすぐ歩み寄ってきて、唇を奪おうとする困ったクセがあった。彼女が元いた
欧米ならいざしらず、日本の高校でそんなマネをしていたら衆目を集めてしまう。
平穏な日常を送りたいと常々考えている男にしてみれば、喜びより困惑の度合いの
方が大きい。だから男は、人前での露骨な接触は(少なくともキスは)さけてくれと
クーラを説得し、今日にいたっていた。
そのキスの代わりというわけでもないのだろうが、状況が許す限り、彼女は男に
触れていようとする。道を歩く時も有無をいわさず腕を組んでくるのに、なぜか
今日はそうしようとしない。
「…………」
「クー? おい、大丈夫か?」
彼女は不思議そうな顔をしている男に向かって掌を上にして腕を突き出し、
流暢な撥音でさらりと言った。
「Trick or treat」
「え? な、なんだって?」
ネイティブな英語の撥音になれていない男にも、何かを要求されている、
ということだけは判った。だが、何を要求されているのかがサッパリ判らない。
誕生日プレゼント? クリスマスプレゼント? ホワイトデー? それとも何か
別の約束ごと? 何か借りていたか? 渡さなければならないモノ……?
一瞬の間にあらゆる可能性が脳裏に浮かんでは消えていく。思いつく限りの
情報を検討したが、彼の頭脳は主人を裏切り、答えを導き出そうとはしなかった。
「え、えっと……ご、ごめん、クー……判らない。降参」
「降参? つまり要求に応える準備はしていない、というコトね?」
「い、いや、何だか判るように言ってくれれば……ヒントをくれないかな?」
「……だめ」
23 :
その2:2008/10/31(金) 22:01:13 ID:YfT6YxEu
クーラはわずかに目を細めつつ唇の両端をわずかにつり上げる。
つき合いが薄い者には判りづらい表情の変化だったが、彼女は今微笑んでいた。
それも――何かの企みごとがうまく運んだ時の――満足の笑みだ。
すぐに察した男が良からぬ予感に身を引こうとした瞬間、彼女が飛び込むように
抱き着いてきたので思わず受け止めてしまう。
「ちょ、ちょっとクー……!」
オランダ人の父と日本人の母を持つクーラは、容貌こそ母の血を濃く受け
継いで黒髪と黒い瞳だが、スラリと長い脚、黄金のプロポーションは文字どおり
日本人離れしている。同年代の女生徒たちが逆立ちしてもかなわない豊満な
バストとくびれたウエストは、学園の男子生徒たちの羨望の的であった。
「男クン……あったかい……もう少しだけ、このままで……」
「く、クー……」
そんな彼女が身体をあずけてきたのだ。すぐ引き剥がさねば、と思いつつも、
彼女の温もりと肢体の柔らかさ、抱き心地の良さに現状を忘れてしまいそうになる。
だが、そんな牡としての本能によって生じたわずかな逡巡の間、彼女が何を
していたのか気付いた男は慌ててクーラの肩を押しやった。
クーラの白い手には男のズボンから外されたベルトが握られていた。
24 :
その3:2008/10/31(金) 22:01:44 ID:YfT6YxEu
「こ、コラ! 何すんだ、返……むぐっ」
気がつくと男の唇は彼女のそれによって塞がれていた。
クーラの手から伸びた革のベルトは、魔法のようにすばやく男の首にかけられ、
その顔は彼女に引き寄せられていた。あとはかかとを浮かせて背伸びをするだけで、
クーラは易々と男の唇を奪うことができたのだった。
「◎×△○○〜〜〜……ッッ!」
男が目を白黒させている間、たっぷりと10秒以上男とのキスを味わって
いたクーラは、名残惜し気に身を離し――二人の唇の間には透明な唾液の橋が
かかっていた――歳に似合わぬほど艶然とした笑みを浮かべてみせた。
「……んん……ぷはっ……ごちそーさま、男クン」
「…………」
対する男は耳まで真っ赤になり、文句を言うことすらできないでいた。
登校時間の真っ最中、学園を目前とした道ばたでのフレンチキス。当然、
同学園の生徒たちの目線を多いに集めることとなり、周囲からは冷やかし半分、
妬み半分の歓声が上がる。そしてそれがまた、男の羞恥心を刺激する。
「Trick or treat……お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞ……
お菓子を準備してなかった男クンが悪いのよ?」
「……!!」
Trick or treat……そういえば今日はハロウィンだったっけ……男は今に
なって気付いたが時すでに遅し。
男の胸に指先で「の」の字を描きながらうっすら微笑むクーラに、男は
口をパクパクさせるだけで何も言えなかった。
「今日はタップリ……イタズラしちゃうから、ね」
普段から男に対して容赦なくモーションをかけてくる彼女の「イタズラ」が、
キス程度で済むはずがない……男は赤くなったり青くなったりしながら彼女の
顔を呆然と見おろし……嬉しいようで恥ずかしい、彼女からの攻撃から逃れるため、
学園に向け、全速力で駆け出したのだった
改行が多すぎるって蹴られちまったい。
3レス(このレス入れると4レス)になってしまったが、まぁお許しあれ。
前スレを先に埋めようぜ
だが乙
GJ!
季節ネタはいいものだ
すなおくーる×おとこくん
の続編はまだかな
さすがに全裸待機には厳しい季節になってきたよ
保守
素直クールさんのクリスマスプレゼントは、
サンタコスと裸リボン縛りの複合技
らしいね知らんけど
コイネコは素直クールでいいのか?
俺はそうだと思ってるが、どうだろ。
俺は素直クールを誰かに説明する時、例えとして真っ先に浮かぶのがコイネコだ。
桜崎ナオのナオは素直クールのナオのことだと確信していますが、何か?
って読み辛い文章だな我ながら
俺もナオは素直クールだと思う
素直クールと猫っぽい子は相性がいいな、ウム
犬だと甘えん坊タイプかな
なんで二つスレあるん?
>>37 半年ROMれ
といいたいところだけどマジレスすると、もう片方は前スレッドで、容量500KBを越えてるから書き込めない
>>31-36 お前らの書き込み見たおかげで昨日本屋
行った時にコイネコ衝動買いしちまったよ
お前らありがとう
スレ違いかもしれないけど
男子生徒と素クールっぽい女教師の話がどこかのエロパロスレであった気がするんだが
誰か知ってる?
>>40 嘘でも、一応保管庫は探してみました、とつけると印象がかわるよ。
コイネコkwsk
角煮池
>>42 ・ヒロインの名前は桜崎ナオ
・初登場時のセリフは「キスしよう!」(場所はクラスメートの目がある教室)
・屋根の上から「実はオマエにぞっこんなのだ。OK?」と告白
・キスしたいがために主人公の部屋に押しかけ
・キスするためには発情が必要→パンツ見る?
などなど。このスレに巣食う素直クール好きならば必ずや満足できることだろう
死ね
「極端に羞恥心が薄い」という、まあこのジャンルのキモなんだけどぶっちゃけチョイ不自然な部分を
「実はネコだから」でうまくクリアーしてるなぁ、と思いました
2巻くらいで切ったなぁ。まだやってんだ。
投下します。
短かめ、エロなしです。
-卜者型敬語系素直黙クール-
私立一本松高校、2年1組、浦内鼎(うらない かなえ)は、彼女の特技によって学校内外で有名な
生徒だった。
その特技とは、『占い』。
鼎の家は代々続く占い師の家系で、先祖は平安時代の卜部氏まで遡ることが出来ると言う。
その的中率たるや、実に100%。
彼女の教室には、休み時間の度に占い希望者の列が出来る。その列は、恋愛運占い希望の女子生徒
がほとんどだが、男子生徒の数も少なく無く、中には教師や学校の理事長までもが列に加わることが
あるほどだ。
そんなある日の昼休み。
今日も占い希望者が並ぶ列の中に、芹住真(せりずみ まこと)はいた。
真は二日前にこの学校に転入してきたばかりで、鼎の占いを受けるのは今回が始めてだ。
真の目的は、表向きは運勢を彼女に占ってもらうことだが、彼にとっては彼女との接触自体が大き
な目的でもだった。
* * * * *
「この学校に来たなら、浦内さんの占いを体験しないとな!」
「そうそう、すっごく当たるんだよ!」
「なんせ的中率100%だからなぁ」
昨日、転入したばかりの真に、クラスメイトが口々にそう言ってきた。
「100%って……。占いだろ?」
真にはにわかに信じられなかった。というか、単に誇張して言ってるだけのように聞こえた。
普通に考えて、100%当たる占いなんてあり得ない。某無免許外科医だって、手術の成功率は
97%とか99%とからしいのに。
「占いだけどさ、100%なんだよ」
「外したところなんて見たこと無いよね?」
「無いな。まあ、芹住君が信じられないのは分かるよ」
「俺も占ってもらうまでは信じられなかったな」
「私も! とにかく一度占ってもらいなよ!」
あまりに熱心に薦めるので、「じゃあ、そのうち占ってもらいに行ってみるよ」と答えた。
その日の帰り、真はなんとなく件の浦内さんがいるという1組の教室を覗いてみた。
そこには放課後にもかかわらず十名近くの希望者が並んでおり、噂の浦内さんが占いの真っ最中だった。
真は彼女を目にした瞬間、
「うぁ、かわ……っ!」
思わず、声が出た。
辛うじて、「可愛い」という形容詞の後半部分は飲み込んだが、目は彼女から逸らすことが出来な
かった。
まわりの生徒よりも頭二つ分は低い、小柄で華奢な身体。
髪の毛は烏の濡れ羽のように艶やかな漆黒で、ゆるやかにウェーブがかかっている。その毛先はお
尻の方まで伸びており、小柄な身体を包み込んでいるかのようだ。
髪の毛とは対照的に、肌は病的なまでに白い。前髪が顔の半ばぐらいまで伸びているため、余計に
白い肌とのコントラストが際立っている。
長い前髪の向こうに見え隠れしている瞳は、髪の毛と同じ漆黒で、吸い込まれそうになるほど仄暗い。
感情を感じさせないような瞳だが、まるで黒曜石のような輝きを放っており、同色の髪の毛に半ば
隠れているのにもかかわらず、不思議な存在感をかもし出していた。
まさに、一目惚れだった。
真の頭の中は最早「可愛い」という形容詞しか存在せず、ほとんど呼吸すら忘れている始末だった。
「──はい。では4時になったので、浦内さんの今日の占いはここまでです」
その声で、真はやっと我に返った。
見れば、鼎の隣にいる女子生徒が「今並んでいた人で占ってもらえなかった人は、明日優先的に占っ
てもらえるのでノートに名前と希望の休み時間を書いてくださーい」などと言っている。(真は後で
知ったことだが、鼎のクラスには「占い補佐係」が設置されており、係の者が希望者の列の調整や受
け付けなどを行っているのだ)
どうやら今日の占いは終わってしまったようだ。
真はもっと彼女を見ていたい気分だったが、さすがにじろじろ眺めているのも失礼すぎる。
後ろ髪を引かれる思いいっぱいで、学校を後にした。
* * * * *
そんなこんなで翌日。
受け付けの影響で、その日で一番早く占ってもらえるのは昼休みらしく、真は素早く昼食を済ませ
列に並んでいた。
「はーい。次の人どうぞー」
程なくして、占い補佐係に誘導され、真は鼎の前に座った。
「よろしく、お願いします」
間近で見る彼女は本当に可愛く、真は声が裏返りそうになった。
小柄すぎて、制服のサイズが合っていないようだ。手の甲までブレザーの袖が覆い、白い指先が
可愛らしく覗いている状態になっている。
うつむくように目を伏せているので、彼女の黒曜石のような綺麗な瞳は見ることが出来ないが、
人形のように長い睫が、白い肌に影を落としているのが見て取れた。
「占ってもらいたい内容はなんですか?」
鼎ではなく、占い補佐係の女子が尋ねてきた。鼎は先ほどからずっとうつむいたままだ。
真は思わず呆然と見とれてしまっていた頭を切り替え、尋ねてきた女子に答えた。
「えっと、今週の運勢で」
本当は恋愛運を占って欲しかったが、なんとなく気恥ずかしく、とりあえず今週の運勢にした。
別に占いは今日しかやってもらえないわけではないのだから、恋愛運は折を見て占ってもらえばいい。
とにかく、彼女とある程度親しくなるのが先決だと真は考えていた。
「……今週の、運勢ですね?」
真の注文を聞き、鼎がゆっくりと顔を上げた。
始めて聞いた彼女の声は、聞き逃してしまいそうな程、か細く小さいものだった。
「うん。お願いします」
「……わかりました。……私に、目を、合わせて下さい」
鼎の占いは手相やタロットではなく、相手の目を見ることで運勢を読み取るらしい。
真は若干緊張しながら、言われた通りに彼女に目を合わせた。黒曜石のような瞳が正面から飛び込
んできて、真は思わず背筋を伸ばした。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……あなたは……」
数秒後、鼎は見つめあったまま、か細い声でそう切り出した。
「……あなたは、今日、一つしか持っていないものを失い、同時に、一つしか持っていないものを、
受け取ります」
ひどく漠然とした言葉だが、一つしか持っていないものというのは、なんとなく怖い想像を掻き立
てられる。
もしかして、命とか、心臓とか肝臓とか、そういう類のものなのだろうか?
真の心配をよそに、鼎の占いは続く。
「……それ以外は、今週は、特に、大きな変化はありません。……明日以降、毎日、今日と同じこと
を繰り返すことになります」
また漠然とした言葉が出てきた。占いとはそういうものかも知れないが、出来ればより詳しく知り
たいのが人情だし、的中率100%を謳うならもっと詳細を聞かせてもらいたい所だ。
「えっと、質問いい?」
「……どうぞ」
真は少し緊張しながら、尋ねてみた。
「一つしか持っていないものって、何?」
「……あなたが失う方と、受け取る方と、どちらですか?」
「あ、別なんだ? えっと、じゃあ失う方って何?」
「……童貞です」
…
……
………
…………
「………………は?」
あまりにさらりと言われたため、何と言われたのか、はっきり聞き取れなかった。
何か物凄いことを言われたような気がするが、真は気を取り直して聞き直してみた。
「……ごめん、もう一度お願い」
「……童貞です」
「えーーと! なんか俺の耳がおかしくなってみたい。ごめんもう一回いいかなあ?」
「……ですから、童て「わーーー!」
思わず声を上げて遮った。
「ちょ、まっ、そっ……」
ちょっと待ってそんな、と言ってるつもりで、真が慌てる。慌てながら、真はあることに気付いた。
「あ、そっか。俺が転入生だから、そうやってからかってるんだ? なんだもー。悪趣味だなー、ねえ?」
ねえ? と、隣にいた補佐係の女子を見ると、真以上にぽかんとしていた。
「あ、あれ?」
見ると、クラス中の生徒がぽかんとこちらを見ている。
「……あなたが受け取る方も、知りたいですか?」
周りの反応をまるで気にしていないかのように、鼎が聞いてきた。
「う、受け取る方って……」
失うのが童貞で、それと同時に受け取るものと言ったら……。
「……処女です」
でーすーよーねー。
「……私の」
…………。
今度こそ、真は固まった。
硬直している真をどう思ったのか、鼎が更に口を開いた。
「……あなたは、今日の昼休み終了のチャイムがなる直前に、私から愛の告白を受けます。……そし
て放課後、私の家に招待され、そこで、あなたは童貞を失い、私の処女を受け取ります」
とつとつと、彼女が言い募った。
先ほどと変わらぬか細く小さい声だが、周りが物音一つない空間となっているため、教室中に響いている。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
教室中を巻き込んだ沈黙の中、真はもう、完全に思考が停止していた。
告白? 愛の? 彼女から? いや、彼女に一目惚れしたのは俺のほうで。だから告白するのは俺
の方なんじゃ? でも彼女から告白するってことは、両思いで、いや、俺は一目惚れだから……あれ??
完璧にループ状態に陥った真に、鼎はいつもの調子で口を開いた。
「……あなたが、好きです。……私と、結婚して下さい」
直後、
キーン、コーン、カーン、コーン……。
「はい、よろこんで」
彼女の占い通り、チャイムが鳴り響く中、真は気がつけば頷いていた。
終わり
若干続く予定です。
最近、アクセス規制が多発しているので、ひとまずここまで
投下できる内にしておきます。
楽しんでいただけたら幸いです。
リアルタイムGJ!放課後マダー?
一つ質問なんだけど、〜型〜系の人ってロリコ(ry
GJ
きいいいいいいいいいいいたああああああああああああああああああ
>>55 華奢な女の子が好きだそうだ。
中の人のサイト行って来い。
続きまってゆ!
>明日以降、毎日、今日と同じことを繰り返す
これから毎日ヤリまくるつもりなのか!?
続き期待しながらGJです。
まったく処女膜再生手術代もバカにならないってのに・・・。
うわ!お久しぶりだあああ!
心配しなくとも中の人はいつもやってくれるさ、
あせらず待とうぜ
GJはあえて最後まで待ってからにするさ
植芝理一の、謎の彼女Xで脳内再生された
続編もwktk
GJ
>>40 もっと中身を詳しく言ってくれれば分かりやすいと思うよ
卜者の続きまだかああああああああああああああああああああああああああああああ
このリビドーをどうしてくれるううううううううううううううううううううううううううううううううううう
>このリビドーをどうしてくれるうう(ry
ヒースレへ帰れば良いと思うよ
流れぶった切って。
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ、これからずっとの人でございます。
――注意 WARNING――
暴力描写などはありませんが、多くの人がもやっとする展開になっているのではないかと思います。
ちょっと読んで合わないと感じた場合はすぐにNGにしてください。
心と時間に十分な余裕はあるでしょうか?
ではどうぞ。
「先輩」
「なんや後輩」
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
「お前と違って色々考えてるだけや」
繋いだ手を引き寄せて睨みつけるときょとんと見つめ返される。
「……あー、もう!」
「そんなにイライラしなくても、事前に話は両親に通してるんですから大丈夫ですよ。断られることは絶対あり
ません」
「そういうこと違うやろ」
俺が親なら、自分の高校生の子供が彼氏と同棲したいなんて言い出したら全力で止めるだろう。それが普通の
感覚だろうし、安田夫妻がそういう感覚を持ち合わせていない人には見えなかった。
「とにかく、もう少しゆっくり歩いてくれへんか」
「運動不足ですね」
「違うわ。心の準備する時間くれ言うてるんや」
「あげません。どっちにしろ避けられないんですから、それが10分後でも1時間後でも一緒です。……本当は私
も少し緊張しています。大丈夫ですよ」
珍しいこともあるものだ。そんな風に考えながら腕に引かれて、彼女の家への上り坂を登っていく。
* * * * * *
「じゃあそういうことで、よろしくお願いします」
事前の心配は杞憂に終わった。安田夫妻は簡単に同棲の許可を出してくれたし、金銭の援助についての約束も
すぐにまとまってしまった。安田がある程度話を通してある、と言っていたが、それでもあまりに話が上手く回
りすぎて気持ちが悪いくらいだ。
「……今日はこれで失礼します、時間も遅いですし」
帰ろうと立ち上がると隣から彼女に袖を引かれる。くいくいと何度も引っ張られるので、再度ソファに腰を落
ち着ける。何かまだ用事でもあるのだろうか。
「先輩、聞いてほしい話があるんですけどいいですか?」
「別に構へんけど……ここでせなアカン話か?」
俺達2人の向かいに座っている安田夫妻の様子を窺うと頷きで返される。どうやらこの話をすることはあらか
じめ家族の中で決めていたらしい。
「何の話や?」
「私の背中の痕のことです」
ついこの間、訊いても答えてくれなかった話題だ。あれだけ嫌がっていたらもう期待は出来ないだろうと考え
ていたから驚いて聞き返してしまう。
「はい、その話です」
言うと彼女は大きく息を吐いた。ソファに座り直して身体をこちらへ向けたので、俺もそれに倣って身体の向
きを変える。
背中に傷を残してしまった原因は彼女の両親にあるという。(今の2人からは想像も出来ないが)夫婦喧嘩を
したときに中身の入ったポットを投げたのが飛び散ってしまったそうだ。
「怖いことをしますよね、ウチの両親も」
顔を引きつらせている俺に、自嘲気味に笑いながら話を続ける。
幸いなことに怪我は火傷だけで済んだが、背中には広く浅く痕が残ることになった。俺が見たのはそれが成長
してもまだ残っているものなのだという。
「両親2人はすごく反省したんですけど、私は別に大したことは無かったんです。……当時は喧嘩なんていつも
やっていたことですし、巻き込まれたのも一度や二度じゃなかったので」
さらっととんでもないことを言い放ったが、彼女自身はどうでもいいと感じているようで、眉一つ動かさずに
話を進めていく。
ちらりと安田夫妻を見るとバツが悪そうな顔をしていた。自分達の大きな失敗を人前に晒すのが辛いのだろう
か。
「そんな情けない傷、誰にも見せたくないんです。……分かってくれましたか?」
彼女は普段通りの顔をして淡々と語り終えた。この間の愚図りが嘘のようだ。訊くとお父さんやお母さんがい
ないところでこんな話は出来ません、と返される。
それにしては妙だ。彼女は痕についてなんとも思っていないと言っていたのにどうしてあんなに嫌がっていた
んだろう。あの嫌がりかたは心の底から見てほしくないということではなかったのか。
「もう一つ訊いてもええか? 理由があるなら理由があるで、なんでそれを言わへんかったんや。自分以外も関
係してるから勝手に言うたらアカンことです、て言うてくれたらそれで終いと違うんか?」
「あ……」
単に疑問に思っていたところを訊いただけだったのに、どうやら俺の指摘はいいところをついていたらしい。
見る見るうちに表情が変わっていき、顔を歪めて微笑むことしか出来なくなってしまう。それほど訊かれたくな
いことだったのだろうか。
「……別に理由も言われへんて言うんやったらそれでもええ、もう諦める。けどな、流石に嘘吐かれるんは気分
悪いぞ」
「嘘じゃないです」
「それやったらなんで答えられへんねん」
「だからそれは……」
その後の言葉を必死で探しているようなので黙って待ってみたが答えは出てこない。もういいよ、と声をかけ
ようとしたとき、それまでだんまりだった安田父が口を開いた。
「そこから先は僕が話そうか」
おじさんが静かに喋りだし、全員の視線が集まる。その中でも一番派手な反応をしたのは俺ではなく安田娘
だった。睨みつけて止めてほしい、と一言、強い口調で言い放った。
「とは言っても、これ以上は自分の口では言えないみたいじゃないか」
「……全部言いました」
「…………」
父娘は無言で睨み合う。やがて耐え切れなくなったのか安田が立ち上がると、俺を引っ張り上げようと腕を掴
む。こんな空気にしておいて俺にさっさと帰れと言いたいらしい。
「先輩、話は終わりです。帰るんでしょう?」
「……安田」
「話は終わりです。さあ」
「あのなあ、お前は終わりでも――」
「私が終わったんだから終わりなんです」
反論は許さない、と強く言い切った。これ以上掘り下げてほしくない話題なのだろう。だがそんなことは今ま
での彼女の様子を見ていたら分かっている。
「俺が訊き終わってないんやから終わりやない。訊き手が満足せえへんような回答が許されるんか?」
この間だって嫌がるのを分かっていて訊いたのだ。ここで妥協してしまったら多分二度と聞けないだろうし、
このままでも関係がギクシャクするのが目に見えている。
「俺は、聞きたいです。こいつのことやったら何でも知りたいんで」
どっちにしろ嫌われるなら、全部聞いてしまったほうが後腐れもなくすっきりするじゃないか。それをしない
なら訊いた意味は無いし、答えてくれた意味も無くなってしまう。
おじさんは不承不承席に着いた安田を見て一つ頷いてみせると、ゆっくりと語り始めた。
安田父は娘が語ったことは全てが事実だった、という一言から入った。問題はその顛末を最後まで述べていな
かったことにある、と続ける。
怪我自体はなんともなかった。そして彼女自身も気にしていなかった。そこまでは本当だったが周囲はそうで
はなかった。背中に残った傷痕を友達がはやしたてたと言う。
それが当時の彼女には我慢がならなかった。今の彼女からは信じられないが学校で幾度と無く喧嘩をしたそう
だ。その度に先生からは叱られ、挙句の果てには親を呼び出された。家族全員がもうくたくただった。
「本当なら言ってはいけないことだったんだ」
どうしてそんなに喧嘩ばかりするのか、どうして親戚の娘のようにおしとやかになれないのか、と怒鳴り散ら
してしまった、と呟いた。
「元はと言えば僕等のせいなのに、最低だろ? 負けるなって応援したりゴメンって謝ったり、言うべき言葉は
別にあったのに」
それから彼女は変わっていった。性格は大人しく、感情を表に出さなくなった。もちろん喧嘩なんて絶対しな
くなった。言われた通りのいい子になった。
「それって……」
「うん、翠が今の性格になったのは僕が原因だ」
部屋が静まり返った。
俺の生唾を飲み込む音が響いたとき安田が無言で立ち上がった。見上げたが近すぎて表情は分からない。
「……そんな話をして面白いですか? 私は聞いていて面白くありません。部屋に戻ります」
「おい安田」
そのまま部屋を後にしようとするので腕を掴むと睨みつけられた。真っ青な顔をしている。
「あ……」
「離してください。……離して!」
突き飛ばされてバランスを崩しているうちに彼女は部屋を飛び出していった。瞬間、追いかけようと体勢を整
えるとそれまで黙っていたおばさんが静かに言葉を吐き出す。
「追いかけなくていいから。あの子は耐えられなくなったらああいう風に部屋に篭もろうとするの」
「それやったら尚更何かしてやらんと……」
「何かって、何を?」
おじさんの言葉と視線に息を呑んだ。今まで見たことのないような冷たい視線だった。
「僕等も親だ。何かしてやろうとしたことはいくらでもあるんだよ」
「……それで出した結論が何もせえへんってことですか」
安田父が静かに頷いたのを見て決めた。立ち上がって彼女を追いかけることにする。階段を昇っていった足音
が聞こえたから、多分自分の部屋に行ったのだろう。
「待って。無駄だって言ってるのが分からないの?」
「俺はまだなんにも試してませんもん。やってみて痛い目見ぃへんと分からんでしょ。……放っといてもらえま
せんか」
「そんなことして、あの子のことを分かってる振りなんてしなくていいのよ」
この、人を小馬鹿にしたような言葉に久々にカチンと来た。確かに傍から見れば俺はカッコつけにしか見えな
いだろう。だけどこうしたいと思うのにだって一応理由がある。
「分かるわけないやないですか!」
声を張り上げると夫婦が共に息を呑んだ。彼らからすれば俺は逆ギレをしているようにしか見えない。
「……怒鳴ってすんません。でも、分からへんから訊くんです。どこに傷があるか分からへんでどうやって付き
合ってくんですか」
「知らなきゃそれでいい話でしょう?」
「それは……そうしたいんですけどね。俺の弱みをあいつは知ってるんで。俺ばっかり秘密を知られっぱなしな
んは癪なんですよ」
一応年上だし偉そうな顔もしたいから、と言うと、やっとおじさんが諦めた表情を浮かべた。
「……じゃあもう好きにしたらいいよ」
「ちょっと!?」
「その代わり! あの子が帰れって言ったら帰ってくれよ」
「言われんように頑張ります」
それだけ言うと居間を出て彼女の部屋に向かった。
「もしもし、入ってもいいですかー? ……入るで」
ノックを数度繰り返しても反応が無いので勝手に入ることにした。
「なんや、おるんやないか。返事してや」
「……すみません」
彼女はベッドにうつ伏せに寝転がりクッションへ顔を埋めていた。俺が近付くとクッションへ回した腕に力が
入ってカバーがよれる。
そんな彼女を横目に、俺は床へ腰を下ろした。ベッドの縁に背中を預け後ろに手を伸ばすと彼女の身体に触れ
た。探るように指を滑らせると感触が無くなる。触ってほしくないと転がって壁のほうへ逃げたからだ。
「……さっきの話やけどな」
触っていなくても彼女が震えたのが分かる。ウチのベッドと違って高級品だからか、小さな震えまで背中に伝
わってくるのだ。
「俺は気にしてへんで」
「嘘ですよ」
すぐに答えが返ってきた。凹んで会話も出来ないのかと思っていたが、それなりに元気は残っているようだ。
「嘘吐いてどうすんねん」
「私を慰めようと思ってます」
「まあ慰めようとしとることは間違ってないけど」
残った髪の毛を指で手繰って絡める。目に見えないせいでしっとりとしているのがよく分かる。
「……言いたいことはそれだけですか?」
「俺はな。でも終わりと違うよ? お前の言いたいことまだ聞いてへん」
「私はもう言いました」
「言うてへん。言うてたら怒って部屋に戻ったりせえへん」
彼女がごそりと起きだした。どうやらベッドの上に腰を下ろして壁に背中を預けたらしい。
「先輩は何を私に言わせたいんですか」
「俺はおじさんから話を聞いただけや。お前からはまだ聞いてない」
「全部本当ですよ。これでいいですか?」
投げ遣りな声で返され、してはいけないと思っていながら声を荒げてしまう。
「……ええ加減にせえよお前。そういうことと違うのは分かってるやろ。何を不貞腐れとんねん」
振り向いて睨みつけると、彼女は抱いたクッションに顔を埋めていた。俺の顔を見たくないということか。
「私、周りの人に嘘ばっかり吐いてきたから」
彼女は体育座りで抱いた膝を強く引き寄せて声を詰まらせる。こんなに湿っぽい声を聞くのは久しぶりだ。
「嘘って?」
「……前に話したことありましたっけ、親戚のお姉さんのこと」
多分彼女の親戚の中では一番歳が近く、自分が一番懐いていると言っていた人のことだろう。SEXの知識もそ
こで聞いてきた、なんて言っていた気がする。
「真似なんです。感情を見せないように冷静に振舞うのも、思ったことをそのまま口にするのも。……全部、年
上の従姉妹に憧れて真似をしていただけなんです」
彼女は更に、本当の自分はもっと意地悪で意地っ張りで暴力的なんだ、と呟くとクッションを抱き直した。話
している間、一切顔を上げていない。
「先輩への態度も全部格好つけていて、ずっと……」
「カッコつけでなんかアカンことでもあるんか?」
顔をこすり付けるようにしていた首が動きを止めた。
「ダメですよ」
「なんで?」
「私の仕草も言葉も、全部借り物なのに」
「そんなん関係無いやん。お前がどう思っとるか、それが伝われば借りモンでも構へんやろ」
ここでやっと彼女が顔を上げた。目を真っ赤に腫らして、顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃの酷い顔をしている。
「それでも私は、自分のそういうところが嫌いなんです」
それだけ言うとまた顔を隠してしまった。仕方がないので俺はベッドの上によじ登ると彼女の隣に腰を落ち着
ける。深く尻が沈んで落ち着かないが、真横に座れば少しは表情も見えるだろう。
「……私、ずっと不安だったんです。いつか私が演技をしているってバレて、嫌われるんじゃないかって」
「演技て」
「演技ですよ。……気付いてました? 私も、素を出そうと頑張ってたんですよ。笑おうとしたり、怒ろうとし
たり。それなのに全然上手く出来なくて」
先輩の迷惑にしかならなかった、と抱きしめたクッションに吐き出す。不気味なほど平坦な声で、それが返っ
て失望していることを分からせてくれる。
「……なあ」
抱き寄せようと肩に手を置くと振り払われた。
「やめてください。軽蔑されて当然のことをずっとしてきたんです。人の真似をして格好をつけて、嫌われない
ように考えながら振る舞って。……おかしいですよね。自分らしくするのがどういう風にしたらいいのか分か
らないなんて」
ひたすら自己批判を繰り返す彼女を見ていると胸が苦しくなってきた。無茶苦茶に怒鳴り散らして解消したい
のを我慢して深呼吸をする。
「こんなに格好をつけていても身体は傷が残っていて爛れてるんです。滑稽ですよね。いくら嫌われないように
無関心無表情を貫いても、身体は醜くて、自分もそれを気にしてて」
「その辺で止めとけ」
「どうしてですか? 全部本当の……」
「止めろ、言うてるんや」
本気で睨みつけて黙らせる。こんなに弱気な彼女の自虐をいつまでも聞いていたくない。
静かな部屋で彼女の吐息だけが音を立てる。軽い興奮状態にあるようだ。それが落ち着くのを待って、なるべ
く優しい声音を意識して話し始めた。
「俺はお前の言うとるところの『演技しとるお前』しか知らんけどな――」
沈んだ顔を持ち上げるために、今度は頬に手を当ててこちらを向かせる。掌が涙で少しべたつく。
「――お前のこと、好きやで。そやからそういう風に言わんとってや。本人がそんなこと言い始めたら俺の立場
が無くなるやんか」
親指で両瞼を拭うと、それまでかろうじて止まっていた涙がまた溢れ出してきた。ずるずると鼻をすすりなが
ら泣き出してしまう。
「ぅえ、俺なんかマズいことでも言うたか?」
言葉も無くぶんぶんと首を横に振るばかりの彼女にますます困惑する。好きだと言ったことでこんな反応をさ
れるとは思わなかった。
「……ひっく、先輩、今まで……ずるっ、一度も好きって言ってくれなかったのに、こんなとき……に、言わな
くても、ひっく、いいじゃないですかぁ……」
「……言うたことなかったっけ?」
彼女は泣きながらもこくんと一つ頷いた。そんな馬鹿な。いくらそういうことを言うのが苦手だからって今ま
で言ってなかったなんて。
「ずっと、いつ好きって、ひっく、言ってくれるのか待ってたのに、ずるずるっ……こんなタイミングで、ズル
いですよぅ……」
「あーもう、ゴメンて。そういうつもりで言うたん違うねん」
「じゃあ嘘なんですか?」
涙をいっぱい溜めた瞳で見上げられる。可愛すぎてたまらなくなる。
「んー、嘘やなくてな……」
どう説明したものか困った笑顔を浮かべているとすぐに彼女の表情が曇り、俺の手を振りほどいて再び顔を隠
してしまった。
「分かってますよ。先輩は私と違って嘘を吐いてまで好きなんて言えない人ですから。……だから余計に自分が
みじめに感じるんです。先輩に好きだって言ってもらってすごく嬉しいのに、私はそんなイヤなことばっかり
考えてるって」
そんなことしか考えていないのに先輩に好きって言ってもらえるなんて本当はおかしいんだ。そう、一生懸命
に主張する。
「……分かるで、そういう気持ち」
それは嫉妬だ。相手の振る舞いを見て、自分の欠点ばかりが目に付いてしまうのは俺にも経験がある。そして
俺の場合は、彼女に対しての嫉妬だった。
「分かりません。先輩には絶対に」
それなのに嘘を吐くつもりならもう少しマシな吐きかたがあるだろう、なんてぶつぶつ呟いている。コラ、と
言いながら頭を軽く叩くとじろりと睨まれた。
「絶対とか言うな。全部は分からんよ。でも自分がみじめに思えるような気持ちは分かるて言うてるんや」
「……嘘です」
私の悲しみは誰にも分からないんだ、という自分本位の考え方に腹が立つ。少し前まで自分がそうだったから
尚更だった。
「何遍も言わすな、ホンマや。俺の場合は女の人と付き合ったらアカンと思っとった。それが学校の後輩にいき
なり好き好き言われてな。どうしたらええか分からへんかった」
いきなり告白されたときのことを思い出して苦笑する。そんな視野の狭い考え方が全てだと、疎ましいと邪険
に扱っていた。
「それが今や彼女作って、部屋にあがって、同棲しよう、てな。考えられへんやろ」
昔の俺が今を見たらただの間抜けだろう。でも俺は今、安田が好きなことを悪いことだとは思っていない。
「……先輩は」
涙や鼻水の気配はするが、さっきまでと違って落ち着いた声だ。少なくとも感情が昂ぶっているという状態で
なくなっているらしい。
「先輩は『俺が乗り越えてみせたんだからお前も頑張れ』と言いたいんですか?」
「違う。俺は全然乗り越えてないよ。多分この先も忘れられへんし、ずっと気にしたままお前と付き合うていく
んやと思う」
こいつと付き合い始めたときからずっと覚悟していたけど、改めて口に出すと辛い。ぞっとする。
「先輩?」
「……なんでもないよ。もらい泣きしただけや」
何故か鼻がつんとして涙をこぼしてしまう。それを安田が指で掬って微笑んだ。
「さっきは私が涙を拭ってもらいましたから」
「自分でやんのに」
「私がしたいんです。先輩が私を励ましてくれるみたいに、私も先輩を励ましてあげたいから」
掬った涙を口に運び満足そうに笑むと涙の後に軽いキスをくれた。
「そうやって笑っとる顔、作ってるようには見えんけどな」
「……笑ってましたか?」
「めっちゃ可愛かったで」
珍しく褒めてやったのに泣きだされた。仕方ないので抱き寄せて背中をさすってやることにする。普段我慢し
ているからかは知らないが、一旦感情が表に出るとなかなか抑えられなくなってしまうらしい。
「……お前はお前がしたいようにしたらええ。かっこつけたいんやったら真似してたらええんや。俺はそんなこ
とで怒れへんから安心せえ」
耳元で囁いて聞かせる。これからどうするかは彼女次第だ。
暫く抱いていると、安田は機嫌を直したのか顔を上げた。そのままキスをしようと顔を近づけてくる。
「待て待て待て、ぐちゃぐちゃの顔して寄って来るな。洗面所行って綺麗にしてこい。」
「先輩の上着で拭いたから綺麗ですよ」
「拭くなアホ」
「嘘ですよ。顔を洗ってきますから、そうしたら……」
「今日はせえへんぞ。もう帰るからな」
彼女は不満なのか頬を膨らませた。人差し指でつつくとぶー、と言いながら息を吐き出す。
「泊まっていけばいいじゃないですか」
「明日も仕事があるんやからしゃあないやろ」
「でも……」
せっかくこうしてベッドの上で2人きりなのに、と言って身体を寄せてくるが突き放す。
「やるべきことはきちんとやろうって言うたやんか。もう忘れたんか?」
お互い、自分のやるべきことをきちんとこなすこと。それが同棲の条件だった。さっきも階下で彼女の両親に
言っていたのだから忘れているわけはないだろう。
「ええから早よ行ってこい。涙と鼻水で顔テカテカになっとるで」
「……分かりました」
安田は渋々といった様子でベッドから立ち上がるとこちらを振り返る。
「そのかわり、ここで待っていてもらえますか?」
「ええよ。待っといたる」
俺からの返事を聞くと文字通り部屋を飛び出していった。そういうところが無くならない限り元の性格を隠せ
たとは言えないぞ、と俺は静かな部屋で溜息をついた。
安田は部屋に戻ってくるなりクローゼットをごそごそやって大きな鞄を取り出した。
「さあ帰りましょう」
「どこに?」
「2人の愛の巣に?」
悪びれる様子の無いその仕草に再び溜息をつく。いくら一緒に住む準備をしなくてはならないとはいっても、
もう鞄に全部準備をしてあるなんて。
「今日から来るつもりかい」
「だって一人で荷物を運ぶの大変ですし。お願いします」
「……作り笑いなんかそうと違うんかだけ教えてくれ」
「作ってますよ?」
満面の笑みでパンパンに膨れたボストンバッグを突き出された。
鞄を持たされて階下に戻ると心配そうな顔をした安田夫妻と出くわす。
「どうだった?」
「一通り、話は聞いてきました」
「それで……」
「別に大丈夫やと思いますよ。『親の了解はもらったし、今からでも先輩の部屋に行く』なんてアホなこと言う
てるくらいなんで」
2人が安堵に溜息を吐き出したのを見て、玄関へ歩を進める。
「とりあえず俺は帰ります。荷物も預かってるんで」
「ちょっと待って。あの子はなんて言ってた?」
おばさんが詰め寄ってきた。心配で心配で仕方がないというのが表情から伝わってくる。
「それは、本人から訊いたほうがええん違いますか?」
「……訊いても、いいの?」
「俺は構やしません。あとは本人に、訊いたほうがええんと違いますか?」
階段の上で黙って話を聞いていた安田娘を顎でしゃくると、2人は一様に驚いた顔をする。
彼女にはさっき部屋を出るときに心配をかけたんだから親にも謝って来い、と言い置いたのだ。ついでにそう
しないと部屋に入れないぞ、とも。
「んじゃ、失礼します。お邪魔しました」
凍りついた空気から逃げ出すように俺はその場所を後にした。嫌な雰囲気を作ったくせに、家族じゃない奴に
は責任までは取れないのだ。
* * * * * *
次の日仕事から帰ってくると、部屋のドアに寄りかかって制服の彼女が待っていた。
「先輩、お帰りなさい」
「ただいま……ってお前、いつから待っとんねん」
秋も深まったこの時期、日に日に日没が早くなってきているし、時折冷たい風が強く吹き付ける。そんな中で
薄っぺらい制服のまま、コートも着ないで外に立っているのはかなり辛いことなんじゃないだろうか。
「えへへ……ずるっ、先輩と一緒に住めるって思ったらいてもたってもいられなくなっちゃいました」
鼻の頭を赤くしてこんな寝言を言う。鼻水は出ているし手もかすかに震えている。かなり寒そうだ。
「すぐに風呂沸かすから……」
「こっちのほうがあったかいです」
言って俺に抱きつくと胸に頬ずりをする。背中に腕を回されてしまったので身動きが取れない。
「先輩、あったかいなあ」
「あーもー、分かったから離せ。ホンマに風邪引くやろ」
「……ケチ」
愚痴りながら離れていく彼女を尻目にキーケースを取り出して扉を開くと、部屋にあがって一番最初に給湯器
のスイッチを入れた。
彼女は外で待っている間相当寒い思いをしていたようで、お湯が溜まるまで待っていられないと言う。仕方が
ないので風呂場に放り込んでやり、俺は外で待つ。
「ふー……」
「熱くないか?」
「はい。でも先輩にだっこしてもらうほうがあったかいです」
「…………」
「怒らないでください」
彼女はざばりと音を立てて無理矢理に湯船へ身体を沈めたらしい。ぶくぶくと泡を吐き出している。
「別に怒ってへんよ。……ところでな」
すりガラス越しの会話は丁度よかった。こんなこと、顔を見て訊けない。
「昨日の顛末、よかったら聞かせてもらってもええか?」
俺が原因で引っ掻き回して、あんな微妙な雰囲気のまま逃げ帰ってしまったのがずっと気がかりだった。
「別に先輩が心配するようなことは何も無かったですよ。両親に私が謝って終わりです」
「そんなわけ無いやろ」
「少しは話もしましたけど」
「その内容、聞きたいなあ」
「……ぶくぶくぶくぶく」
「答えたくないんやったらそう言うたらええんやから、そういうのは止め」
「分かりました。大した話をしたわけではないんですが」
彼女は浴槽から身体を持ち上げると蛇口を閉めて外へ出てきた。突き出された顔へ向かってバスタオルを投げ
つけると、そのまま受け止めて髪を拭き始める。
「昨日話していたのは、私の立ち居振る舞いについてです。両親は自分たちのせいだなんて言ってましたけど、
真似をしようと決めたのは私です。そのことを少しだけ話をして、2人には分かってもらいました」
髪を拭き終え今度は身体へ手が伸びる。腕を拭きながら淀みなく喋っていく。ある程度、自分の中で整理がつ
いているのだろう。
「こういう風に振る舞いたいと思ったのは私です。だから両親が責任を感じる必要は無いし、これからもそれを
変えないと伝えました。それだけですよ、他には何もありません。……先輩?」
「あーいや、ホンマに大した内容と違うなあって思て」
「聞きたいって言ったの先輩じゃないですか」
足を拭いながら怒っている。確かに聞きたいと言っておいてこのリアクションは無いだろう。謝ると膨れ面の
ままこっちを向く。
「でもそう言ってもらって安心しました。今まで通りでも先輩は気にしないでいてくれるみたいだから」
「当たり前やろ。昨日も気にせえへんって言うたし、急に性格変わってもびっくりするわ」
背中を拭こうとする彼女の手からバスタオルを奪い取って背後に回る。が、身体を翻した彼女と正対してしま
う。もう一度後ろに回り込もうとすると、今度は後じさりをされた。なんとしても背中は見せたくないらしい。
「風邪引くで」
「自分で拭けば風邪なんて引きません」
「アカンか?」
「……先輩が甘えてくるなんて気持ち悪いです」
最後に一言呟くと、観念して後ろを向いた。
肩甲骨より下まで伸びた後ろ髪の下へタオルを差し込みゆっくり拭いていく。彼女が気にしているといってい
た爛れた肌というのを久しぶりに見たが、やはり言うほど醜いとは思えない。傷痕にタオルを当てて水分を拭う
とすぐに逃げられてしまう。
「もう終わりです」
「まだや」
「……悪戯するときの目ですよ?」
「嫌か?」
「イジめられるのは、嫌です」
「イジめへんよ。好きな奴イジめてどうすんねん。ほら、後ろ向け」
それでも不満そうな顔をしているが、まだちゃんと拭き終えていないのは事実なのだから仕方がない。回れ右
をさせて再び傷痕の辺りを拭っていく。
一旦水気を取り去って指で肌の凸凹をなぞると、彼女がくぐもった声を漏らした。膝立ちになって腰と高さを
合わせ、唇もつけて舌を走らせてやると身体を震わせる。そのまま抱き寄せる。
「まだここ触られるの嫌か?」
「嫌じゃないです。……イジめないって約束してくれたから」
「ならもっとちゃんと拭かなアカンな」
抱き寄せた腕は胸と臍に伸ばしながら背筋に沿わせて少しづつ下へ移動していく。尻の谷間まで下りきると、
彼女が耐え切れないといったように膝から力が抜けてしまった。
「くす、ぐったいです」
「嫌やったらそう言わんと」
「……嫌じゃないって言いました」
聞きながら臍から指を滑らせて薄い茂みの中で止める。もう片方の手は下から乳房を持ち上げて指先で乳首を
捻った。ここからでは彼女の表情は見えないが、苦しそうに呼吸が引き攣っているのが聞こえてくる。
尻たぶに噛み付くように軽くキスをしながら茂みに埋めた指で肌を引っ掻く。あえてその更に下にある場所に
は手を触れずに責めていくと、上から下半身へ伸ばした手を押さえつけられた。もっと下を触ってほしい、と身
体をよじっている。
「でも、また濡らしたらアカンやんか。せっかく身体拭いたのに」
「濡らす気、満々のくせにぃ……」
「なんのことかさっぱりやな。……湯冷めせんうちに寝巻き着るか? 持ってきてるやろ?」
「先輩の意地悪」
「イジめへんとは言うたけど、意地悪せえへんとは言うてへんからな」
「……意地悪もしないでください」
わざと崩れ落ちる彼女を受け止めると、そのまま押し倒された格好になった。
お互い何も言わずに唇を塞ぎあい舌を擦り合わせる。息が苦しい。酸素が欲しくて口を大きく開けると唾液が
糸を引いた。何度もそれを繰り返して、頭がくらくらしてきたところで彼女が上体を起こす。
「……これからすっと、毎日こうしていられるんですよね」
「ずっとこうしてるんは無理やって」
苦笑して抱き寄せると、彼女も息が苦しかったのか簡単に潰れた。鼻と鼻の触れ合う距離で見つめあう。
「無理、なんですか?」
「そんなにがっかりせんでもええ。チューとか抱っことかやったら、してほしいって言われたときはいつでもし
てやれるで?」
彼女の下唇を俺の唇で挟んで持ち上げて舐めると、また深いキスが始まった。ぐちゅぐちゅという粘っこい音
を立てながら舌を使って唾液を交換する。彼女の舌が捩れる度に身体も捩れて俺の身体に匂いを擦り付けていく
ようだ。
「あむ……ぁうん、じゅるっ……んんぅ、ふぅん……」
これほど激しい口づけ――もう舌以外は触れ合っていない気もするが――は久しぶりだ。いつもは俺が我慢出
来なくなって胸や下半身に手を伸ばしてしまうからだ。たまにはこういうのもいいだろう。
彼女の喉の奥で響く、くぐもった喘ぎ声が舌や鼻から伝わってくる。こっちが唾を飲み込んだ音も聞こえてい
るのだろう。わざと派手に飲み込んで涎を垂らし過ぎだ、と意地悪するのもいいかもしれない。そんなことを考
えながら肩を抱き寄せると冷えた肌に指が触れた。予想外に冷えていて少し驚く。
「んっ……はぁ。待って、ホンマに湯冷めしとるやないか」
「でもそっちのほうが先輩の体温が伝わってきてあったかいです」
「アカン、起きろ。もう終わりや」
「嫌です。運動すれば寒くないですよ」
もぞもぞとジーンズのファスナーを探り出した安田を持ち上げて身体を起こす。不満そうな顔をしている彼女
をなだめすかしながら抱き上げた。
「風邪引いてほしくないんや。抱っこしてベッドまで運んだるから機嫌直せ」
お尻を両腕で抱えるようにして前で抱き、脱衣所を後にした。
数歩でベッドに辿り着き、彼女の身体と一緒に自分の身体もベッドへ投げ出す。またどちらからともなく唇を
合わせると舌を吸いあった。抱き寄せ身体も密着させて襲う。
「んっ、ひぇんひゃい、いきなり、息、れきなっ……!」
俺の求めに応じてはいるが流石に激しくし過ぎたらしい。一旦身体を離すと大きく肩を上下させている。時間
を置こうと、抱きしめる代わりに胸に手を伸ばす。
「あ……」
掌を丘に置き、揉むでもなくさするでもなく捏ねるように刺激していく。
「先輩、おっぱい、んっ、好きですよね」
「そうか? 自分ではそんな気無いけど」
「好きですよ。私のなんて全然大きくないのに」
大きくないというよりもまな板という表現のほうが正しいんじゃないかと思ったが口にはしない。
「大きくないから?」
「普通は男の人って大きいっ、ほうがいいんでしょう?」
「俺は別に気にせえへんけどな」
「でもベッドの下のエッチな本は大きい人ばっかりでした」
「……こういうときにそういう話するか、普通」
自分が情けなくて泣きたくなってきた。これ以上話題を続けたくなくて再び襲い掛かる。
腰に左腕を回して乳首に口を寄せ、右腕は臍の周囲を手繰りながら下の割れ目へ指を沈めていく。胸の先端を
涎で濡らして啜り舌で転がす。びくんびくんと反応するのを楽しみながら右手指を裂け目へ挿し込むと、そこは
既に挿入できそうなくらいに濡れていた。最初は周りからほぐしていこうと思っていたが、その必要は無かった
みたいだ。
「お前、濡らし過ぎや」
「脱衣所でずっと弄られてたんですよ? さっきからずっと待ってるのに、先輩、焦らすの好きだから」
反撃とばかりにジーンズの股間を強く押された。張り詰めていたそれに強い刺激を受けたせいで顔が歪む。
「ごめんなさい。今日は私、我慢出来ないんです。好きにしてもいいですか?」
息も荒く顔を赤くしてお願いをされたら嫌とは言えない。こくこくと何度も頷くと、彼女はジーンズを開き上
着を捲ってあっという間に服を脱がした。大きくなったそこの震えが収まる前に竿を手に取られる。
「前はこのまま欲しいって思ってたんですけど――」
枕元に置きっぱなしだったコンドームを手に取ると手早く被せていく。
「――先輩に好きって言われたらどうでもよくなっちゃいました」
一言言うと、騎乗位の体勢で腰を落として咥えこんだ。
「ふ、うぅんっ!」
挿入と同時に密着される。俺が身体を離そうと両腕に力を込める前だったから引き剥がすのは難しい。
「入っちゃったぁ……あ、動かないで。今日は私が好きにしていいって言いましたよね?」
嬉しそうに腰を押し付けてくる。深く入る感触が心地いい。我慢出来ない、と声を漏らしてしまう。
「……先輩」
「なんや後輩」
「私、先輩の彼女で幸せです。私のこと本当に考えてくれていて、好きでいてくれて」
「な、なんやいきなり」
腰を揺らしながらそんな告白をされてもちっとも頭の中に入ってこない。何かいいことを言ってくれてるのは
分かるのだが。
「要するに感謝しているってことです。……先輩、愛しています」
言いたいことを言い終えた、と彼女は唇で俺の唇を塞いだ。舌を絡ませない軽いものが連続して交わされるう
ち、俺のほうが我慢出来なくなって舌を伸ばす。
俺の求めと同時に今度は腰を振り始めた。内部の襞がうねり凹凸が俺自身を擦りあげ、くちゅくちゅと卑猥な
音が鳴る。彼女は一生懸命に腰と舌を動かしている。
「んっんっんっ……」
一定のペースで振られる腰の動きに合わせて喉の奥から声が響く。それが無性にくすぐったくて気持ちいい。
しかも舌は腰の動きから外れて動いており、それがアクセントとなって快感を倍増させていた。このままでは俺
はすぐに達してしまうだろう。
「んっんっんぅっ!? ぷあっ!」
さっきお願いされた通りにされるがままだったのが我慢出来なくなって腰を突き上げてしまった。思わぬ衝撃
に口の繋がりが外れ、唾液が糸を引く。
「我慢出来へん……今度こそ、動くからな」
「ダメ。最後まで我慢してください。今日は私が先輩を感じさせてあげたいから。部屋に住まわせてもらう、そ
のお礼です」
そう言うとさっきまでのリズムのいい動きと違う、ゆっくり捻りあげるような快感で俺を責め始めた。今まで
の動きで随分追い詰められていたのに、絶頂間際の苦しみさえ覚える快感がまだ長く続きそうだ。それを思うと
頭の回路が焼き切れそうになる。
弾け飛びそうな衝動に任せて彼女の細い腰を掴むと、手の甲を摘まれた。痛みで一瞬我に返った瞬間に彼女が
身体を寄せて囁く。
「動いたら、ダメ」
この言葉が刷り込みの要領で頭に染み込んできた。腰を動かしたいという本能は相当強いのに、催眠術でもか
けられたかのように動けない。あまりの快感で呼吸まで出来なくなってきた。頭は射精に十分、いや十二分に痺
れているのに、最後の一押しがいつまでも与えられない。
「うっ……く、やす、だ……」
「気持ち、んっ、いいですか?」
違うそうじゃない、という声をあげたくても息と思考が続かない。もう何度も頭の中が真っ白になっているの
に終わりが来ないなんて生殺しにもほどがある。
「イきたい? イきたいですか?」
がくがくと頭を揺することしか出来なかったが、それで十分伝わったようだ。童顔に不釣合いな妖艶な笑みを
浮かべる。
「じゃあ、動いてもいいでっ――」
返事を全て聞き終わる前に腰を打ち上げる。尻を平手で叩いたときみたいな大きな音が鳴った……気がする。
はっきり言ってしまうと、この後のことは一切覚えていない。
次の記憶はバックの体勢で膝と肘をついた彼女がイジめないって言ったのに、と涙目で呟いていたところから
始まっている。
* * * * * *
「私、すごく幸せです。……ちょっと激し過ぎじゃないかと思いますけど」
「……こんなしんどいエッチ、もう勘弁してほしいのは俺も一緒や」
「普段私がされてることをお返ししただけなのに。……これから毎日試せますし、身体の調子と相談しながらい
いところを探しましょう。楽しみですね」
語尾に音符やらハートマークをつけて恐ろしい提言をしてくれているがまともに取り合う気はない。無視して
ベッドの脇を探って服を持ち上げ、ジーンズのポケットに捻じ込んだままだった財布を取り出しながら手招きを
すると、彼女は猫のようなしなやかさで身体を寄せてきた。
「手ぇ出せ」
「お小遣いですか?」
「そっちのほうがええか?」
小銭入れから取り出した部屋の合鍵をぶらぶら揺らすと彼女の目も一緒にぐらぐら動く。
「ほら、落とすで」
声と指を離すと彼女が慌てて両手で掬った。珍しいものでも見るようにじいっと見つめた後、大事そうに握り
締める。
「ありがとうございます」
「無くさへんようにせえよ。もう作らんからな」
「分かりました。優しい先輩は大好きです」
抱きつかれて押し倒された。マットレスが2人分の体重を受け止めて柔らかく跳ねる。
「『は』ってなんやねん、『は』って」
「普段の先輩は意地悪するからです」
「……鍵しまう前に意地悪されたいか?」
「それは困ります」
困ると言いながら唇を近づけてきた。そういうつもりなら今日はとことんまで付き合ってやろう。本当は明日
に響かない程度で止めてほしいのだが。
「一つ訊きたいんやけどな。」
「はい?」
「こんなにベタベタと男と一緒におるんが、理想の冷静でかっこいいお姉さん像なんか?」
「今は先輩に甘えているだけですからノーカウントです」
「ノーカンて、無茶苦茶やんけ」
「先輩のことが無茶苦茶好きだからノーカウントです」
「……好きにせえ、アホ」
と以上です。
書きたいことが多すぎて、削って削ってこうなって、読み直したらgdgdというorz
あと少なくとも1つは書きたいことがあるので、次回が今回の補完をしつつの最終回になるかと思います。
ついでに。
冒頭の挨拶部分は全部ワザとです。いくらウチのアホIMEでもそれくらいは修正してくれますw
最初に無視ったらその後全く反応しなくなってくれましたが。
81 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 22:10:52 ID:xVdvkN+j
何か今気付いたけど俺はどうやら、こういう関西弁をきくと
喋ってる男はタコ社長(男は辛いよ)なヘアスタイルで脳内補完する様だ
禿げた中年太りでKY、結構いい地位についているが実は小心者のおっさん
そんな連想をするかまいたちの夜
>>80 おいしく頂きました
もやっとと言うことでしたが、当方は全くなりませんでした
むしろNGしたらまずいでしょう…
というか物書きするのであればATOKにしたほうがいいですよ
>>80 GJ!ついに最終回か
冒頭の挨拶部分ってどこ?
GJ!!
もやっとするどころか凄くすっきりしました。
次回で最後と言わずもっと書いて欲しいですが
とりあえずは次回にwktkしてます
卜者マダー
>>80 いつもながらGJ!
最終回は寂しいですが、楽しみに待ってます。
-卜者型敬語系素直黙クール-
「……どうぞ、上がって下さい」
「お、お邪魔します」
放課後、気がつけば真は鼎の家に招待されていた。
あの告白の後のことは、何も覚えていないし思い出したくない。
次の休み時間が始まる頃には、「童貞と処女の交換会が行われるらしい」という噂が学校中に知れ
渡り、全校生徒が動物園のパンダよろしく、自分を見物しにきたことなんか覚えていない。
学校中の人間に、「芹住真は童貞」と暴露された現実なんて、誰だって記憶から抹消したいと思う
だろう。
もちろん、男子高校生の中では童貞の方がかなりの多数派なのは分かっている。でも、だからといっ
て好き好んで「○○は童貞だ」と暴露されたい男なんていないはずだ。
だいたい、『交換会』ってなんだ? クリスマスのプレゼントじゃないんだぞ。
そのうえクラスメイトにまで、
「よう、童貞!」
とか、
「都会の人間は進んでるっていうけど、そうじゃない男もいるんだな、童貞!」
とか、散々かからかわれたことなんか覚えてないったら覚えていないし、
「うるせえ! そういうお前らはどうなんだ!?」
と言い返したら、
「……死ね! あっと言う間に死ね!」
とか、
「どどどど童貞ちゃうわ!」
とか、泣きながら突っかかってきたことなんか記憶に無い。
そんな様子を見て、
「芹住君が、転入二日目にしてこんなにクラスに馴染んでくれて、先生はとっても安心しました」
なんて、ちょっと頭がお花畑チックな担任はきっと幻に違い無い。
だいたいこんな馴染み方はしたくないし、教師として安心していいのか?
おまけに職員室に呼び出され、初めて見る保健体育の先生から自己紹介もそこそこに、マンツーマ
ンの性教育が始まったことなんか覚えていないし、その内容が教科書に載っていないような極端に実
技的なものだったことなんか特に覚えていない。
「とにかく爪を切れ! 深く切ってヤスリを掛けろ!」
と言われ、その場で爪を切らされたこととか、
「胸は丁寧に触れ! 間違っても揉みしだくなよ! 思春期の女性の乳房には内部に芯が(略」
とか、そんなことを言われたなんて記憶にあってたまるか。
続けて理事長室にも呼び出され、
「鼎さんのお宅は平安時代から続く由緒正しい名家であり、我が校はもちろん、この町にとっても大
変重要な御家だ。くれぐれも粗相の無いように」
とか、
「きみは生徒だが、浦内家の次期当主である鼎さんに見初められた以上、一部の校則は超法規的措置
も取られる。具体的には不純異性交遊がそれに当たる。存分に励みたまえ」
とか言われたことなんか、これっぽっちも記憶に無い。
それでも教師か!? ダメでしょそんなこと推奨しちゃ! と反論したけど、聞く耳を持ってもら
えなかった。もちろん、それも覚えていない。
そんなことを思い出し……いや、思い出したりなんかしない。あんなのは現実じゃない。と必死に
頭からかき消しながら、長い廊下を進む。
鼎の家は、名家らしくとても歴史を感じさせる建物だった。決して古いだけではなく、まるで文化
遺産のような、一種独特な神聖不可侵的な雰囲気を感じさせる。
真は、古いのによく手の行き届いた廊下を、鼎の後をついて歩く。
程なくして、鼎が障子の前で振り返った。
「……ここが私の寝室です」
相変わらずか細い声で言いながら、障子を開け放つ。
「あー、おうちの人は?」
部屋には入らず、真が訪ねた。鼎の家に入ってから、一度も家人の姿を見ていなかった。
鼎の家族構成は正確には知らないが、両親は健在らしいし、これだけ大きいのだからお手伝いさん
がいてもおかしくないように見える。
真の疑問に、鼎は事も無げに答えた。
「……今日は、誰もいません」
「ああ、そうなんだ? じゃあ……」
おうちの人がいないのにお邪魔するのは悪いから、また今度にさせてもらおうかな! と言おうと
した真を予測していたかのように、鼎が口を開いた。
「……正確には、家を、空けてもらっています。……家族は、全員、今日ここで行われることを、知っ
ていますから」
「…………知っているって……?」
「……安心してください。……家族は、行為の、細かい内容までは、知りませんから」
「ああ、良かった。それは安心だ。……って、おおい!」
思わず突っ込んだ。
「そういうことじゃないでしょ!」
「……?」
鼎がこちらを見上げたまま、不思議そうに小首を傾げる。
その仕草に、うっ、可愛いなちくしょーめ! と内心悶えながら、真は問いつめた。
「知ってるって、つまり、なんだ、その、ここで、俺と浦内さんが、」
「……鼎です」
真のセリフを鼎が遮った。
どうやら名前で呼べとの事らしい。
「あー、うん。俺と鼎さんが、」
「……鼎さんではなく、鼎と、呼んで下さい」
「いや、さすがに呼び捨ては」
「……では、おまえと、呼んで下さい」
「あれ!? 呼び捨てよりハードル高くなってるよね!?」
おまえ、なんて、演歌とか昭和の頃の歌詞じゃ無いんだから……。
彼女は家も古風なら、発想も古風なようだ。
「……それならば、鼎ちゃん、とか、かなちん、とか、呼んでもらえると、私が凄く、喜びます」
「…………」
別に古風なわけでは無かったようだ。
淡々とした口調なので、冗談なのか本気なのか分からない。というか話が進まない。
「とりあえず、鼎さんで」
「……分かりました」
ちょっと不満そうに、鼎が頷いた。
真は今まで振り回されっぱなしだった状況から、ようやく一つ自分の主張を通せて、ほんの少し気
を落ち着けることが出来た。……こんなことで、とか、器が小さい、とか言ってはいけない。
「えっと、つまり、俺と鼎さんがここで、……『交換会』をするのを知ってるってこと? 家族も?」
「……はい」
「そ、そぉなんだ……」
家族公認の交換会。
そんなのは、自分の常識からかけ離れすぎていて一体どういう反応をしていいのか、真はもう分か
らなくなっていた。
まあ、家族公認どころか、学校公認であり、学校中の人間が知っているという現実を考えると、そ
んなことは小さなことなのかもしれない。……とても小さなこととは思えないが。
ちなみに、帰りの道すがら鼎に、
「占いの時、何も童貞とか処女とか言わなくても……」
などと女々しい抗議めいた発言をしたら、
「……あなたに、一つしか持っていないものとは何か、と、聞かれたので、答えたのですが」
と、きょとんとしながら返され、ああ、そうだった俺の馬鹿。と頭を抱える結果に終わった。
「……浦内家では……」
もう何も考えたくない心境で、半ば呆然としてる真をそのままに、鼎が口を開いた。
「……私の家では、毎年元日に、その年に門閥で起きる大きな出来事を、占うことになっています」
相変わらずの、か細い、感情に乏しい声で、鼎が語り始めた。
歳の初めに浦内家の一族が全員集まり、その年に一族に起きる重要な出来事を、裏内家の現当主で
ある鼎の母が占うらしい。
一年分なので、日々の細かい内容までは占わず、大きな出来事だけを拾い上げていくようだ。
一体どのような仕組みの占いなのか分からないが、随分と柔軟な選択が出来るものだ。
鼎曰く、相手の目を見ることで、その人に起きる出来事がコマ送りのように飛び飛びでフラッシュ
バックするらしい。
その人にとって重要な出来事であればあるほどコマ送りの“絵”として現れやすく、その精度を上
げたり下げたりすることで、重要度をふるいにかけることが出来るとのことだった。
「……もっとも、私は、母と違って、それほど細かく見ることは、出来ません」
まだ修行中の鼎は、精度の調整が苦手らしく、占いを受けた人が本当に重要だと感じた出来事こと
しか見ることが出来ないようだ。
鼎の母はかなり精度を上げることが出来るらしく、相当に細かく見ることが出来るとのことだった。
さすがは当主と言った所か。
「……ですので、今日、これから起きることは、裏内家では、予定行事の1つとして、扱われています」
「…………」
鼎の、か細く途切れ途切れな口調で説明されるとあまり実感がわかないが、よくよく聞いてみると
とんでもない占いだ。
真はやっと、理事長や教師の行動に合点がいった。鼎の占いに、教師や理事長までもが並ぶわけだし、
鼎の家を重要視しているわけだ。
彼女が言っていることが本当ならば、これは最早、占いというよりも未来予知なのではないだろうか?
占いも未来予知の一種かもしれないが、鼎の能力はなんとなく占いとは質が違うような気がする。
鼎の占いの凄さは分かったが、真にはそれとは別に、彼女に確認を取らなければならない事があった。
「つまり、鼎さんの家では今日のことが元旦から予定されていたと?」
「……はい」
こくりと、鼎が頷く。
「なるほど。じゃあ、これは……」
言いながら、真は開け放たれた障子から鼎の寝室を伺った。
先程からチラチラと視界の端に映っていた不穏当なものの正体を、覚悟を決めて、正面から捉える。
「この、どピンクな内装とか、いかがわしい照明とか、なんだかやけに円いベッドは、鼎さんの趣味
じゃないんだね?」
12畳の和室は、およそ目にしたことの無いような様相を呈していた。
薄ピンクの下地に、濃いピンクのハートマークがちりばめられた壁紙。
天井の四隅に備えつけられた照明からは、ピンク色の光が星型やハートの形に降り注ぎ、吊り下がっ
たミラーボールが、キラキラと壁や天井に反射光をばら撒いていた。
仕上げに、部屋の中央にはレースやらなにやらでふわふわにデコレーションされた回転ベッドがデン
と居座っている。
文化遺産のような屋敷の、純和風の部屋に、ラブホテル(しかもかなり下品)の内装。
斬新過ぎるレイアウトに、真は目眩がしてきた。これが彼女の趣味だとは思いたくない。
「……私の、趣味では、ありません。……この日のために、用意したものです」
「……こんな熱烈な歓迎、身に余る光栄だなあ」
なんだかもう、突っ込む気も失せて、真は棒読みするだけで精一杯だった。
「……私の母も、このような部屋で、父を誘ったと、言っていました」
「…………」
鼎さんのお母さん、何ヘンな入れ知恵してるんですか。というか、お父さんもなんでこんな部屋で
落とされてるんですか。
真は思わず脱力したが、
「……あなたに、喜んでもらえて、とても、嬉しいです」
こちらを見上げながら、鼎が嬉しそうに微笑んだ。微笑みはほんの僅かだったが、初めて見る鼎の
微笑みに、真は思わず胸が高鳴った。
「……どうぞ、部屋に、入ってください」
「う、うん」
真は誘われるがままに部屋に入った。後ろで障子が閉まる音が微かに聞こえる。
「…………」
どこを見てもピンク一色で、真は所在なさげにぽつねんとしてしまう。立ったままでいいのか、
座ればいいのか、座るにしてもどこに座ればいいのか。なんとなく身動きが取れないでいた。
「……どうか、しました?」
「あ、いや、なんでも……ッ!」
真は思わず声を失った。
見れば、鼎はベッドの真ん中にちょこんと正座している。
ブレザーの制服に、緑のリボンタイ。正座して、プリーツスカートから覗く太ももは、黒いタイツ
に包まれている。
ピンク一色のベッドは、下品なはずなのに、人形のように小柄な彼女はレースでふわふわになって
ベッドにとてもよくマッチしていた。
声を失って見とれている真をそのままに、鼎が深々とお辞儀をしてきた。
「……不束者ですが、よろしくお願いします」
「……っ!」
それの意味するところを理解して、真はいよいよ慌て出した。
「ちょ、ちょっと待って!」
「……はい?」
鼎がブレザーのボタンを外しながら真を見上げる。
「俺たち、ほら、会ったばかりだし、その、こういうのは……」
「……私は、何ヶ月も前から、あなたを、知っていました」
鼎が淡々と言いながら、ブレザーから腕を抜く。
「でもっ、俺はまだ鼎さんをよく知らないし、」
「……では、今から、私のことを、知って下さい。……隅々まで」
また淡々と言いながら、脱いだブレザーを丁寧にたたむ。
「す、隅々までって……」
「……胸は、小さいですし、背も、小さいですが、気に入ってもらえると、嬉しいです」
またまた淡々と言いながら、リボンタイを取り、黙々とブラウスのボタンを外していく。
「いや、まあ、俺はその方が大変好みなんですけどちょっと脱ぐのストップ鼎さん!」
マイペースに淡々と服を脱いでいく鼎に、たまらず待ったをかけた。
「何しれっと脱いでますか!」
既にブラウスの胸元が際どいところまで開いている。非常に目のやり場に困る光景だ。
しかし鼎はきょとんとしながら、
「……あなたは、着衣のままの方が、好きなのですか?」
「着衣というか半脱ぎが大好きなんですがそうではなくてっ!」
ああもうっ! と、真は思わず頭を抱えた。混乱しすぎて、自分が何を言ってるのかも分からなく
なってきた。
「と、とにかく、会ったばかりなのに、いきなりこういうのはどうかと思うんですよっ」
誘われるがままに、鼎の家までのこのこと付いてきてしまったが、何も占い通りに律儀にセックス
しなくても良いのだ。
というか、鼎の占いが100%当たると決まったわけではないのだ。自分がここで拒否すれば、占
いは外れたことになる。彼女の告白のタイミングは、確かに彼女の言う通りだったが、あれは狙って
出来ないとも言い切れない。
「こういうのは、ほら、お互いの気持ちをちゃんと確かめあってからするもので、」
「……私は、あなたが、好きです。……それが、私の気持ちです」
真の言葉を遮って、鼎が真直ぐ見上げて気持ちを伝えてきた。
「うっ……!」
ふわふわのベッドに、華奢で小柄な女の子がちょこんと座って、ブラウスを半分脱ぎかけで見上げ
てくる姿は、とてつもない破壊力で、真は思わず呼吸が止まった。
思考も呼吸も止まっている真に、鼎が微かに悲しげに目を伏せて問いかけてきた。
「……あなたは、私の事、お嫌いですか?」
「いや、そんなことは! ていうかぶっちゃけ一目惚れだったし!」
「……本当ですか? ……嬉しいです」
勢いで余計なことまで言ってしまったが、それに気付く間もなく、真は固まった。
鼎の嬉しそうな微笑みに、完全に目を奪われていたからだ。
相変わらず微かな表情の変化だが、黒曜石のように綺麗な瞳をかすかに細め、小首を傾げて微笑ん
でいる。
……禁止だ。小首を傾げるのは、禁止だ。
……こんな、ふわふわベッドに脱ぎかけブラウスで、小首を傾げて見上げてくるとか、もう禁止だ。
呼吸すら忘れ、真は鼎から目を離すことが出来なかった。
「……私は、あなたが、好きです」
繰り返すように言いながら、鼎がベッドの上を四つん這いで近寄ってくる。
そうだ。彼女は、俺のことが好きなんだ。
「……あなたも、私の事が、好き、なんですよね?」
四つん這いで近寄る彼女から目を離せないまま、真が頷いた。
一目惚れだった。思わず「可愛い」なんて声に出そうになるほどに。
「……お互いの、気持ち、これで、確かめあえましたよね?」
気が付けば、至近距離に彼女はいた。彼女はベッドの端まで移動し、膝立ちの姿勢でこちらを見上
げている。気付かぬうちに、自分の方からも彼女に近寄っていたようだ。
……鼎さんは、俺のことが好きで、もちろん、俺も好きなわけだ。
……でも、告白したその日の内にセックスなんていきなり過ぎるだろう?
……スネーク! 何を迷っている!? こんな可愛い子が誘ってるんだぞ!
……そうは言うがな、大佐。
混乱のあまり、頭の中で真Aと真Bのやり取りが始まっていた。
……スネーク! ちゃんと目の前のものを見るんだ!
……!!
際どいところまで脱げたブラウスは、真の位置から見ると完全に中が丸見えだった。
真っ白い肌に浮き出た鎖骨。薄く膨らんだ胸。あろうことかブラジャーはレースがふんだんに付い
ている黒のブラだった。
人形のように小柄で、折れそうに華奢なのに、黒のセクシーブラ。
反則すぎる組み合わせだった。
……ああ、これはもう……。
……性欲を持て余す。
でーすーよーねーー。
気が付けば、押し倒していた。
「……あ……っ」
か細い声を上げて、鼎がベッドに倒れこんだ。
「……鼎さん、あのね」
「……はい」
「……そのブラ、反則過ぎです」
「……?」
反則、という言葉の意味がピンと来なかったのか、鼎はきょとんとして小首を傾げた。
「こっ、小首を傾げるのも、反則ですっ」
自分に組み敷かれ、少しウェーブがかった艶やかな長い黒髪をベッドに広げた彼女が、こちらを見
つめて小首を傾げる仕草は、もう可愛すぎてどうしようもなかった。
思わず、うわああ……! と、悶え苦しむ。
「……このような下着は、私には、似合わないと、思ったのですが……」
鼎が綺麗な瞳で真直ぐこちらを見つめながら、微笑む。
「……あなたに、気に入って頂けたみたいで、とても、嬉しいです」
俺も、そんなエッチなブラを着けてくれていて、とても嬉しいです。
最早言葉には出せず、真は鼎に覆い被さった。
組み敷いた状態で、小柄な彼女を抱き締めながら、心の中で保健体育の教師に謝った。
すんません。鼎さんが可愛すぎて、俺、教えられた通りに出来そうにないっす。
* * * * *
「……ん……ん、んっ……」
鼎に覆い被さって、真が唇を重ねている。
双方共に、初めてのキスで、見るからに拙くぎこちない。
しかし、それだけに、夢中になって唇を重ねているのがよく分かる。
そんなキスの応酬を、二人は繰り広げていた。
「……ん、ん、ん……ぷあ、ん……」
時折、唇を離して息をつきながら重ねあう。
熱い吐息がお互いの顔を焦がし、頭が熱を持ったかのようにぼうっとしていくのを二人は感じていた。
「……ん、んっ、んぅ……。ぅん……。は、ん……」
真は鼎のぷにぷにした唇に夢中になり、鼎も真の唇を激しく求めた。
ベッドに投げ出された状態だった鼎の腕は、いつしか真の首に絡み付き、頭もベッドから浮かし気
味になっている。
「……ん、ん、ん、ん……」
お互い顔をぐるぐる回して、唇を貪りあう。
漏れ聞こえる鼎のか細い吐息が、真にはとてもいやらしく聞こえ、興奮がさらに増大していった。
「……んぅ……ん、は、ぅんっ……」
唇を重ねるだけのキスは、どちらからともなく舌を絡めあう激しいものへと変化していた。
鼎は真の首に抱きつくようにしてしがみつき、夢中になって唇と舌を絡める。
「……ん、ん、ちゅ、んぅ……んっ、ちゅ、ん……」
唇をぴったり合わせて口の中で舌を絡めたり、ちゅっちゅと唇をついばむようにキスしたり、舌先
だけを絡めあったり……。
「……んっ、んっ……。はぁ……」
やっと顔を離した時には、お互い顎までだ液まみれになっていた。
唇同士を銀の糸で結びながら、鼻と鼻がくっつく距離で、見つめあう。
鼎は黒曜石のような瞳を潤ませ、透き通るようなミルク色の頬を、耳まで朱に染めている。
半開きになった唇はキスの名残りでぬらぬら光り、はぁはぁと荒い息を漏らしている。
「……好き。……好き、です。……大好き、です」
熱に浮かされたように、鼎が囁く。
声はいつも通りか細く小さいが、艶っぽい響きを含んでおり、真は腰がぞくりと震えた。
はぁはぁと荒い息は、激しいキスで息苦しいかっただけではないだろう。見つめあう潤んだ瞳の奥
には、隠しきれない情欲が滲んでいる。
その瞳に誘われるかのように、真も答えていた。
「俺も、鼎さんが、好きだ」
「……あぁ……ッ!」
か細い声を感極まったように漏らし、鼎がまた唇を重ねてきた。
「……んっ……ん、すき……すき、んぅ……すきぃ……」
好き好き呟きながら、ついばむようにキス。
綺麗な瞳を潤ませ、頬を赤く染め、首に腕を絡めて自ら唇を絡めてくる鼎に、真はもう居ても立っ
てもいられなくなった。
鼎のキスを受け止めながら、震える手でブラウスの残りのボタンを外し、前を開く。
「……あぁ……」
恥ずかしさのせいか、興奮のせいか、その両方か、鼎がか細い声を漏らした。
透き通るような白い肌。仰向けになっていると、ほとんど膨らみが認められないような小さな胸。
ぺたんとやせたお腹と、ほっそりとした胴回り。
そんなふうに、小さくて華奢な身体なのに、胸を覆う下着は、黒のセクシーブラ。
そのギャップが、真に頭がおかしくなりそうなほどの興奮を与えた。
「鼎さん……!」
「……ぁっ……」
真はすべらせるように鼎の胸に右手を当て、劣情に任せて揉み始めた。鼎がわずかに身体を震わせる。
ブラ越しに、撫でるように手を動かす。ごわごわしたブラの感触の下で、うっすらと膨らんだ胸が
やわやわと形を変えるのが分かった。
「……あ……、ふ、ぁ……ん……」
その度に、鼎が吐息のようなか細い声を漏らした。
荒い吐息に混じって消えてしまいそうな声だが、それがかえって真には扇情的に感じられた。
「……ぁ……ん、は………あ……んぅ……」
半開きになった唇から、吐息に混じって時折聞こえるか細い声が、真の興奮を高めていく。
真は左手も胸にあてがい、両手で夢中になって揉み始めた。
「……はっ……あ、ぁ……ふ……ぅん……」
ブラの感触の下で感じる、微かな胸の膨らみ。吐息に混じって消えそうな、か細く漏れる声。
胸の感触も、声も、控えめで、か細いものだからこそ、それを感じた時に例えようのない興奮を真
は覚えた。
「……鼎さん、すげえ可愛い」
真は思わず呟き、たまらなくなって鼎の唇を吸った。
「……んぅ……は……ん、ん……あっ……ん、ふぁっ……」
鼎も真の興奮を感じ取り、夢中になって唇を重ねる。
そうしながらも、彼の両手で揉まれる胸が、じんわり熱くなっていき、どんどん敏感になっていく
のを感じていた。
「……はっ……んっ……ん、ん、ん……あぁ……んぅ……!」
喉の奥から勝手に声が漏れてきて、唇をキスで塞いでいないと溢れてしまいそうだ。
胸を刺激される度に、身体が勝手にくねくねと反応してしまう。
気持ちいい。胸を揉まれるのが、とても気持ちいい。
そう気付いた時には、声に出していた。
「……あ、は……ぁ……。……きもち、いい……です」
はぁはぁと息を荒げ、綺麗な瞳を情欲に染め、か細い声で「きもちいい」と訴える。
そんな鼎が可愛すぎて、真はもう本当にどうにかなりそうになった。
頭に一気に血が上り、ブラジャーに手をかけ、強引に上にずらした。
もともとブラのサイズが大きかったのか、揉んでいる途中でずれていたのか、ブラはたやすく胸か
ら外れ、真っ白い胸が外気に晒される。
「……あっ、や……」
恥ずかしいのか、鼎が反射的に身を捩って隠そうとするが、真がそれを許さなかった。
細い手首をベッドに押さえ付け、至近距離から胸を凝視する。
なだらかな胸の頂点には、薄桃色の小さな乳首が外気に触れてふるふると震えている。
小さな胸にぴったりの小さな乳首は、可愛らしくツンととんがっており、真は弾かれように口に含
んだ。
「……ふぁっ……!」
ぴくんっ、と小さな身体が跳ねる。
ブラ越しでない胸は、真の想像以上に柔らかかった。
膨らみが微かにしか認められないのに、マシュマロのようにふにふにだ。
そのくせ乳首は固くしこって、グミのように弾力がある。
真は夢中になって唇で愛撫した。
「……あ、や……っ、ぅんっ……」
鼎の胸は、真の手の平の方が余ってしまうくらいの小ささだった。
それは乳房が小さいというより、身体自体の作りが小さいためだ。その上で乳房も小振りなので、
相乗効果で余計に小さく見える。
そんな鼎の胸を、真は撫でるように揉みながら、唇と舌で乳首を刺激する。
「……んっ、ふぁ……。……胸、あっ……、そんなに……したら……」
鼎がか細い声で喘ぐ。相変わらず消え入りそうな声だが、甘く甲高い響きが含まれ始めているのを
真は感じた。
薄い胸をやわやわと揉み刺激を与え続けながら、真が尋ねた。
「そんなにしたら、何?」
「……そんなに、したら……んっ、私、きもち、よくて、あっ、ヘンに、なっちゃいます……」
途切れ途切れで鼎が訴えてくる。
そのセリフに、真は思わず顔を上げた。
……そんなこと言われたら、是非ともヘンにさせたくなるではないか。
愛撫を止めて彼女を見ると、軽くウェーブのかかった長い髪の毛をベッドに広げ、綺麗な瞳を泣き
そうな程に潤ませ、唇はだらしなく半開きにさせて、はあはあと荒い息を付いていた。
快感の残滓が残っているのか、小さな身体を時おりぴくぴくと可愛らしく震わせている。
自分の愛撫でこんな状態になっている彼女に、真は喉がひりつくほどの興奮を覚えた。思わず唾を
飲み込む。
「鼎さん、そんなこと言われたら、余計にヘンにさせたくなっちゃうよ……」
その言葉に、鼎が身体を震わせた。「はぁ……!」と、吐息も一際荒くなったような気がした。
「……鼎さん、ヘンに、なりたい?」
真の問いに、鼎の瞳がより一層潤み、隠しようのない情欲を溢れさせた。
はあはあと荒く息を付きながら、欲情しきった瞳で真直ぐ真を見つめ、小さく、こくりと頷いた。
真は、一気に頭に血が上った。
「……あっ!」
弾かれたように鼎に覆い被さり、胸にしゃぶり付く。
「……あ、んっ、んっ……! ふぁ、あ、はぁ……ッ」
薄く盛り上がった胸をやわやわと揉み、乳首を摘み、舌で舐め、唇でくわえ、前歯で軽く甘噛み。
「……ふ、あっ……、あ、あ、あ……! やあ……んっ」
か細い喘ぎを唇から漏らして、鼎が悶える。
小さな身体を可愛らしく震わせ、快感から逃れるように上体をくねらせる。
「……や、や、んっ……、あ、んぅ……! ふ、あ、あぁぁ……っ」
気が付けば、鼎は真の頭を抱き締めるように形になっていた。
嬌声は途切れ途切れだが、快楽に陶酔しきったように甘く響いている。
「……あ、あ、きもちぃ……! すき……、すき……、すきっ……」
真の頭を力一杯抱き締めながら、鼎が喘ぐ。
相変わらずか細く小さい喘ぎだが、まるで語尾にハートマークがついているような甘く可愛い嬌声
に、真は更に劣情を膨らませていった。
本能のままに、右手を下へ滑らせ、鼎のスカートの中に侵入させた。
「……あっ、や、そこは……」
思い掛けない侵入者に、鼎は思わず太ももを閉じるが、興奮しきった真は構わず手を進ませ、股間
に到達させた。
「……あぁ……ッ!」
一際高い声を上げ、鼎が仰け反った。
鼎のそこは、すでに滴る程に濡れそぼり、真の指をあっという間にぬるぬるにしていく。
真は夢中になってショーツごしに指を擦りつけはじめた。
「……や、あ、あっ……んっ、それ……ダメ……ッ、やぁ……っ!」
鼎は、初めての刺激に髪の毛を振り乱しながら悶える。
下着越しとは言え、敏感な所を擦られ、激しい刺激に腰がひとりでにビクビクと跳ねてしまう。
「……あっ……あっ……ダメ、ダメ、や……あ、んっ……私、私……っ」
もうどうしようもないような感じで、鼎は小さな身体をはしたなくくねらせ、訴えてきた。
「……私、もう……。……あなたの、あなたのを……あぁ……っ」
真ももう限界だった。
鼎から身体を離し、震える手で制服のズボンを下げる。
弾かれるように飛び出た陰茎は、自分でもびっくりするくらいガチガチになっていた。
「……あぁ……!」
凶悪なまでにいきり立ったそれに、鼎が嬉しそうな喘ぎを漏らした。
黒曜石のように綺麗な瞳は、完全に情欲に染まり、半開きの口から荒い息を漏らしながら、雄々し
くいきり立っているそれを見つめている。
真も息を荒げながら、鼎のプリーツスカートに手を伸ばした。
逸るあまり、震える手でプリーツスカートを捲り上げ…………。
息を、飲んだ。
飲んだというか、息が止まったと錯覚するほどの、衝撃だった。
ショーツはブラとお揃いの黒で、ふんだんにレースがあしらわれたセクシーなものだった。ひどく
ローライズで、真っ白い下腹部が際どい所まで覗いている。
真の息を止めたのは、それだけではなかった。
黒いタイツだと思っていたのはストッキングで、あろうことに、ガーターベルトで止められていた。
ぺたんと痩せたお腹。華奢な腰に黒いガーターベルトが巻かれ、真っ白い下腹部をローライズの黒
いショーツで申し訳程度に覆っている。ただでさえほっそりとした太ももは、黒いストッキングをは
いているせいで、余計に細く華奢に見えた。
セクシーなのは、ブラだけでは無かったようだ。
自分の胸よりも身長が低い、小柄な体躯。
烏の塗れ羽のように艶やかで、緩やかにウェーブがかかっている長い黒髪。
長い前髪の奥で見隠れしている、仄暗いのに、黒曜石のように輝いている瞳。
透き通るような白い肌と、人形のように華奢な身体。
こんなに小さくて、こんなに可愛いのに、こんなにエッチな下着を着けているなんて。
そのギャップに、脳味噌が瞬間的に煮沸するような感覚を覚えた。
真は、完全に止めを刺された。
獣のように鼎に襲い掛かり、一目散にショーツを掴んで、ほとんど乱暴に引き下ろした。
ブラとお揃いの黒いショーツは紐のように丸まり、鼎の内ももに愛液の筋をつけ、ストッキングに
染みを作る。
まるでおもらしでもしたかのようにびしょ濡れになっている股間を凝視しながら、脚を開かせ、細
い腰を掴んだ。
鉄棒のようにガチガチになった自分のものを鼎の割れ目にあてがったところで、辛うじて、真の理
性が動きを止めさせた。
「……鼎さん、いいよね? 俺、鼎さんのナカに入れたい」
荒い息を付きながら、真が確認を取る。
正直、ここで拒否されても止める自信はない。
もう駄目だ。自分はもう、完全に駄目になっている。
それは、鼎も同じだった。
散々いじられた身体は、完全に快楽に酔っており、鼎はもう、真のそれで膣内をかき回してもらっ
て精液を出してもらうことしか考えられなくなっていた。
「……私も、欲しいです。……あなたの、それ、私の、ナカに、」
か細く途切れ途切れのお願いは、途中までしか口に出来なかった。
「……あッ、あぁぁぁぁ……ッ!」
ガチガチに固くなった肉の銛が、鼎のナカに突き刺さってきたからだ。
途中の抵抗を突き破り、更に奥に侵入してくる。
「……あ、ぅ……、あぁぅぅ……!」
ほとんど渾身と言ってもいいくらいの力で、鼎が真にしがみついた。
涙を浮かべ、口を真一文字に結んで震えている鼎に気付いて、真は動きを止めた。
「だ、大丈夫?」
「……は、はい……」
小さく頷いているが、大丈夫そうには見えない。
正直、彼女の中は、温かくてとろとろで、真は一刻も早く腰を振りたかった。
柔らかいのにきつく締まって、不規則にうねうねと刺激してくるので、挿入の途中で止めるなんて
拷問にすら思えた。
だが、震えながらきつく抱き締めて来ている彼女を見ると、とても動く気にはなれなかった。
「……もう、大丈夫です。……ありがとうございます」
「う、うん」
程なくして、彼女は落ち着いたようだ。震えも随分収まっている。
「……実は、少し、不安でした」
「不安?」
「……占いで、見えるのは、断片的なもののみなので……」
そういえば彼女は大雑把にしか見えないと言っていた。
「……占いで、あなたが、獣のように、私の下着を下ろす所が、見えたので、こんなに優しくしても
らえるとは、思いませんでした」
「……あー……。ごめんなさい」
思わず謝った。
確かに、先ほどの、小柄で華奢な彼女とは不釣り合いな官能的な下着を見た時は、我を忘れたほど
に興奮して、思わず獣化した。
今も十分興奮しているが、まるで爆発したかのように瞬間的に興奮が高まったのは初めての経験だった。
「……謝らないでください。……私で、あんなに興奮してもらえるとは、思いませんでした。……と
ても、嬉しいです」
本当に嬉しそうに、鼎が微笑んだ。
赤く染めた頬をわずかに緩ませ、黒曜石のように綺麗な瞳を細めている。
至近距離からそんな可愛い笑顔を見せられては、もう我慢出来なくなってしまうではないか。
「……あっ……! ……ナカで……」
半分程入った肉棒が持ち主の心情に反応して、彼女のナカをこじ開けるかのように膨らみを増した。
「動くよ? いいよね?」
真は興奮の余り若干早口だ。
「……はいっ……私も、動いて欲しいです」
鼎の言葉が終わると同時に、真は己のものを奥までねじ込んだ。
「……ああぁぁ……っ」
甲高い声を上げ、鼎が仰け反った。
膣内に溜まっていた愛液が、ぷちゅっと音を立てて押し出され、突然の刺激に驚いたかのように膣
がきゅうきゅうと締まる。
「うあっ……」
その刺激に呻きながら、真は夢中になって腰を振り出した。
ぐちぐちと淫らな水音が響き、ベッドが軋む。
「……あ、あ、あ、あっ」
か細い声を漏らしながら、鼎の瞳が情欲に濡れていく。
狭い膣内をガチガチに硬化した肉棒でかき回される刺激に、鼎はたまらず溜め息を漏らした。
「……ああぁぁ……! きもちいい、です……!」
上気した顔でこちらを真直ぐ見上げ、甘い口調でそんなことを言ってくる鼎に、真の興奮がさらに
高まっていく。
覆い被さるように上体を倒し、がむしゃらに腰を振る。
「……あっ、は、んっ……ああ……っ」
小さな彼女の小さな膣内を、凶悪なまでに勃起した肉棒が往復する。
プリプリに盛り上がった亀頭で膣壁をえぐるように進み、子宮口を叩く。
膨れ上がったカリ首が、敏感な膣内の襞を引っ掻きながら入り口まで肉棒を引き抜く。
「……ん、は、あっ、や、あぁ、ああっ……」
鼎は、鉄棒のごとく硬化した肉棒で膣内を広げれる度に、熱い先端で子宮口を突かれる度に、パン
パンに張ったカリ首で敏感な所を一気に入り口まで刺激される度に、快感が腰から脊髄を通って脳を
直撃するのを感じていた。
「……ああっ、あっ、あ、んぅっ、ふああぁ……っ!」
慣れない快感に、鼎は戸惑いながらも夢中になった。
腰が蕩けるような気持ち良さが、神経を通って身体中に伝播していく。
気持ちいい、気持ちいい。何よりも、彼がこんなに自分を求めてくれているのが、嬉しくて、気持
ちよかった。
「……あぁっ……すき、すき、すき、すきっ」
声はいつもようにか細いが、甘く蕩けた調子で鼎が呟く。
とにかくもう、彼が好きで、こんなに求めてくれるのが嬉しくて、
「……きもち、いいっ……、です、これ、ああ……きもちぃ……!」
鼎はもう、どうしようもなかった。
頭の中は、愛しい彼と、彼から与えられる快楽と、それを与えられる幸福感に満ちあふれていた。
とにかく好きで、気持ち良くて、幸せで、好きすぎて、大好きすぎて、気持ち良すぎて、幸せすぎて。
「……あぁ、あぁ、きもちいい、すき、すき、あなたがすき、だいすき、ああ、きもちいい……!」
「鼎さん……ッ!」
小さな身体を可愛らしく震わせながら、ハートマークが付いているかのような、とろんとした調子
で訴えてくる鼎に、真はもうおかしくなりそうだった。
ガーターベルトが巻かれた華奢な腰を両手で掴み、打ち付けるように腰を振る。
黒いストッキングにガーターベルト、そんな妖艶な格好とは裏腹に、彼女の生白い腰は華奢で、お
尻も小さかった。
そのうえ、ショーツを脱いで大事な所を丸見えにしているのに、ストッキングとガーターベルトを
そのまま着けている状態が、真の興奮を天井知らずに高めていった。
「……あ、ふあ、や……んっ、あ、あ、あ、ああっ」
ぱちゅぱちゅと音が鳴り響く激しい注挿に、鼎が可愛らしく身体を震わせ、悶える。
ガーターベルトが巻かれた彼女の華奢な腰に、自分のいきり立ったものが出入りしている様は、恐
ろしく卑猥で扇情的だった。
真は夢中になって腰を打ち付け続ける。
「……ああ、ああ、や、あっ……、わたし、わたし、もう……!」
「俺も、もう、出そう……ッ」
「……あっ、あっ、だめ、や、やあっ……!」
か細く、切羽詰まった声で喘ぎながら、彼女が小さく小さく声に出す。
「……イク、イク、あ、だめ、イク……!」
そんないじらしい様子にたまらなくなって、真は狂ったように腰を振った。
射精寸前のガチガチになった肉棒が、容赦なく鼎のナカをえぐり、子宮口を突く。
「……あッ、や……イク……ッ!」
限界をとうに超えて高まった快感が、一気に弾けた。
「……あああぁぁぁ…………ッ!」
甲高い声を上げ、鼎は細い身体を折れそうに仰け反らせ、絶頂に達した。
「う、ぐッ!」
同時に、真の肉棒が狭い膣内で跳ね回った。
ビュー、ビュー、と音を立てるような勢いで、精液がほとばしる。
鼎は絶頂中に新たな刺激を受け、声もなく身体を震わせた。
「……ッ! ……ッ! ……ッ! ……ッ!」
熱い精液を子宮口に浴び、絶頂を迎えて限界に到達したはずの快感がさらに引き上げられる。
緩やかにウェーブがかかった長い髪を振り乱し、びくびくと可愛らしく身体を痙攣。
「……ッ! ……ん……ッ! ……ぁぁ……ッ!」
強すぎる快感から逃れるかのように、ベッドの上で鼎が悶える。
小さな身体を仰け反らせたり縮めたり、気持ち良すぎてどうしようもないといった様子で、可愛ら
しくくねらせている。
自分の射精でこんなに悶えている鼎が愛おしくてたまらず、真は繋がったまま上体を倒して彼女を
抱き締めた。
* * * * *
「一つ、聞き忘れたことがあったんだけど、いいかな?」
「……はい」
ふわふわのベッドに二人並んで座りながら、真が尋ねた。
「今週は今日以外は特に変化がなくて、毎日同じことを繰り返すって言ってたけど、あれは具体的に
どういうこと?」
漠然とした占いの結果に気になって聞いてみたが、鼎はきょとんとして答えた。
「……そのままの、意味です」
「そのままというと、いつも通りってこと?」
いつものように朝起きて、いつものように学校に行く。そんないつもの生活を送るということだろ
うか。ということは、逆に言うと大きな出来事がないということになる。
真は少し安心したが、少し残念な気もあった。
いつも通りと言うことは、鼎とこういうことをするのは、今週はもう無いということだからだ。
エロいとか猿とか言わないで欲しい。こんな可愛い彼女としたいと思うのは、当然のことだろう。
しかし、鼎はきょとんとしたまま口を開いた。
「……いつも通り、というのは、少し、違います。……今日と同じ、ということです」
それって同じ意味では? と思ったが、真はハッとした。
「今日と同じってことは……もしかして、放課後、毎日?」
隣に座る彼女を見ると、黒曜石のように綺麗な瞳を真直ぐこちらに向け、いつものようにか細い声
で、嬉しそうに答えた。
「……はい。……今日と、同じ、ですから」
そういうことか。
……すいません、俺は猿でした。
「あー、身体、持つかな?」
なんとなく恥ずかしくなって、独り言のように言った真に、鼎は事も無げに答えた。
「……占いで、見えたのは、今日と同じ、光景です」
「それって…………」
今日と同じ光景ということは……。獣化?
真の問いに、鼎は嬉しそうにこくりと頷いた。
訂正、俺は猿じゃなくて、獣でした。
終わり
以上です。
楽しんでいただけたら幸いです。
規制が変わったのか、何度か連続投稿制限に引っ掛かりました。
危ない危ない。
>>55 >>57さんが代弁してくれましたが、小柄で華奢な娘が好きなんです。
エロパロ板には多種多様なシチュのスレがありますが、
不思議と「小柄な女の子」とか「背が低い女の子」とかのスレがないんですよね。
(「妖精」とか「小人」はあるんですが)
リアルタイムGJ!
リアルタイム キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
乙です
あと、スレがなければ作ればいいじゃない
この後彼は婿候補として浦内の占いを学びつつ
彼女の性感帯を占ったりするんですね。わかりま(ryu
かわええええ
きいいいいいいいいいいいいいいいいいいたあああああああああああああああああああ
小柄で華奢でブラが浮くような娘が好きと……メモメモ
しかし思ったのだが彼女が占いできるとなると
この後のキャッキャッウフフで彼女に対し突然言い出して驚かせた挙げ句
恥ずかしがらせながらお強請りするとか
いった醍醐味が味わえなくなるんじゃなかろうか
断片的にしか占えないらしいからいいじゃない。
「相手の目を見ないと運勢が読み取れない」ってあるから目隠しプレイですよ、きっと
いや別にエッチだけでなく、だな
「膝枕で耳掃除して」とかの
まあ素直クールがモジモジしたりするかは疑問だが
「今日一日私とずっと一緒にいないと天罰が下ります。」
「今この場でキスをしないと今日の運勢は最悪です。」
「今日の貴方の運勢は1位、キスを迫る女の子に出会うでしょう」
「今日の貴方の運勢は最悪、私とエッチすればツキが回復するので今すぐここでエッチしましょう」
「名前を変えないとあなた死にますよ」
「苗字を変えるだけで十分なので私の家に婿入りしてください」
「今日のラッキーアイテムは素直でクールな女の子です」
「その子と添い遂げるとばら色の人生が待っているでしょう。さあさっそく市役所に婚姻届k(ry」
いい加減本当に占いかどうか疑いたくもなってくるな
でもそれを表に出すと周囲にボコられるじゃろうて
「今日の天気は占うまでもなく雨です。ですが不幸を避けるには青い傘です」
「持ってない?ならば私ので相合い傘しましょう」
呪い型強請り系素直クールとはいいなぁ……
って
>>103さんごめん。
瑞希ちゃんや陽乃樹先輩のような小柄な女の子は好きなんですが。
たまには夜子さんのことも思い出して…
小柄な女の子…
やっべ、戦車兵と騎手とか人型作業機械レ(ry の操縦者しか想像出来なくなった。
「ほかの女の子に……こんなことしたら…・・・呪う…わ…」
石津さんを思い出してしまったのはオレだけでいい
石津は全く素直じゃないがなw
ま、みんなで幸せになろうよ…
後t(ry
年がバレそうだなw
よーし貴様ら、スレ違いの無駄口はそのくらいにして次の題材で何か書いて来るんだ。
・南雲たいちょうが素直クールだったら
・おタケさんが素直クールだったら
・香貫花巡査長が素直クール(ry
・野明が(ry
そいつらが素直クールだとドタバタ劇が殆ど無くなってしまいますがよろしいですか?
香貫花さんは素直クールだろ
>>127 南雲さんとおタケさんは「素直じゃないクール」だろ
それにひよっこでおっちょこちょいの野明と違って二人とも大人の女性だし
なんとなくだが、失恋クールっても萌えれそうな未来見たよ
>>131 いいかも…と思ったけど、ずっと失恋してなきゃいけないなら話がすすまんなぁ…
で、主人公とくっつけちゃったら素直クール…あれ?
「フ……そうか。キミが他の人を選ぶというのなら、身を引くしかないな。
そんな顔をするな。気にしなくていい。こう見えて私はモテるのだぞ?
こちらとしては、後々キミが後悔しないか心配なほどだ。
失恋は悲しいが、しかしキミへの想いの強さの証明なら悪くない。
数日落ちこむかもしれないがそれだけのこと。すぐにいつもどおりになるさ」
クールな微笑をしながら言う瞳からは大粒の涙がぽろぽろと……。
涙を切るように背を向け、秋口の冷たい空を見上げる。
視界を滲ませる雫を強く目を瞑って頬を伝わせ、深く震える息を吐く。
「ではな。……彼女と幸せになれよ」
一人で歩くには寒い空の下を、失恋クールさんは歩いていくのでした。完。
>>133 朝っぱらから何てものを……慎んでGJを送ろう。
なんか脇役ぽいけどかっこいいんだぜ
ふと思ったが素直クールな人がラブレター書くとどんな感じになるんだろう
私はあなたのことが好きです、結婚を前提にお付き合いしてください
とメモ帳の切れ端で渡されるとか
拝啓と時候の挨拶で始まってかしこで終わるような正式な手紙になりそう。
追伸 結婚と子作りの準備はすでに完了しています
凄い達筆で
手紙を出してから受け取ったヤツが読むまでに三回くらい聞かれそう。
「で、手紙は読んでくれたか?」「まだだけど」「む、そうか」
「で、手紙は読んでくれたか?」「まだだけど」「む、そうか」
「で、手紙は読んでくれたか?」「まだだけど」「む、そうか」
なんだか我慢がきかない子ってイメージが少しある。素直クール。
ある日、クーから
手紙が届きました・・・
_____
/ ヽ____//
/ / /
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 拝啓 |
| 向寒のみぎり、〜〜 |
/  ̄ ̄ ̄ ̄ /_____
/ 好きです。〜〜〜〜 /ヽ__//
/ 愛が止まりません。 / / /
/ かしこ / / /
/○月○日___クー / / /
/ 追伸 / / /
/.婚姻届は記入済です/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
欲望が見え隠れしとるwww
ブラックだなぁwww
>>133 GJ。だが一つだけ。
一発だけで良いからクーをフった男を殴らせてくれ。
>>135-140の流れでふと、
知的で無い素直クールは成立しないんだろうか?
などと考えてみたが…
その昔にアホの子クールがあったのを思い出した。
俺の中の素直クールはこんな感じだ
男「最近放課後すぐ帰るけど、どうしたの?」
素「書道を始めまして」
男「何でまた」
素「近々大切な手紙を書かねばなりませんので。想いを伝えるには矢張りそれなりに美しい字も必要だと思ったんです」
男「大切な手紙って?」
素「ラブレターです」
男「ラブレター!?」
素「はい。この機にお尋ねしたいのですが、ラブレターは下駄箱に入っていたほうがいいですか?手渡しがいいですか?」
男「ええ、あー、手渡しかな」
素「わかりました。それではもうしばらく待っていて下さいね」
男「え? ええ?」
>>144 〜昼休みの教室にて〜
「なぁ男、友人達が言っていたのだが…対面座位とはなんだ?
彼女達が言うには、『ギュッとできるのがいい』とか
『深く繋がってる感じがする』とか
『奥まで突かれて気持ちいい』とか、
そういったものらしいのだが、
皆の言うことがバラバラで私には何が何やら
サッパリわからないんだよ。
なぁ男、もし対面座位というのが何か
知っていたら教えてくれないか?」
こんな電波が飛んできた
ごめん、書いてから気付いたがこれではただのアホの子だ
良いんじゃない?こんな無邪気に言葉責めしてくる子
赤面して口籠もるか悪のりしてベッドインするかは分からないけど
時代劇で「セックス」という言葉の意味を聞いてくる大和撫子な素直クールとか
「まぐわい、という言葉を先日小説で読んだのだが、これはどういう
意味の言葉なのだ、和明?」
俺は飲んでいたコーラを盛大に噴出した。
……何を聞いてくるんだこいつは。
「何を吹いているのだ。吹いたコーラは拭いておけよ。……あ、これは
別にダジャレではないからな。まあ、面白かったら笑っても構わないが」
そんな事を、全く表情を変えずにのたまう。
……一見してどこまで本気なのかさっぱりわからないのが、こいつの
特徴ではあるのだが、長年付き合いのある俺にはよくわかる。こいつは
常に全力で脇目もふらずに本気だ。当然、先の疑問も本気で聞いている
女であるこいつ――美濃紗耶香が、男である俺に。……ため息をつきたくなる。
色んな意味で。あるいは、叫びたくなる。アホかっ!?と。
「流れとしては、男と女がどうにかなるという意味合いであろうという
予測はついているのだが、いかんせんはっきりした意味合いは
何故かぼかして書いてあるのでわからんのだ」
「……辞書で調べればいいんじゃないかな?」
俺は穏当に解決しようと、そんな提案をした。無駄だとはわかりながら。
「生憎、私は辞書というものが嫌いなのだ。言葉の意味は、知らない物に
関しては人に聞く事にしている。その事はお前も知っているだろう」
……そうなのだ。こいつは何故かそんな厄介な信念を持っている。
人と人との関わりを円滑に進めるにあたって、知らない事、わからない事は
自分で調べず人に聞くという、意味のわからない信念を。
教えてちゃんかよっ!? 俺は再び叫び声を挙げたくなる衝動をこらえた。
「というわけで、教えてくれ、和明」
全く表情を変えないまま、小首をかしげて上目遣いで――性格や言葉遣いに
反して、こいつはチビっこだ――俺を見つめる紗耶香。
……畜生、やっぱりこいつかわいいんだよなぁ。
人形のような……それも、日本人形のような、という形容がこれほど的確に
当てはまる存在を、俺はこいつ以外に知らない。
そんな外見に加え、武道を嗜み、茶の湯や華もやるという、大和撫子という
言葉をちょっと間違えて解釈したような奴だ、こいつは。
そんなかわいい娘から、いわば言葉責めを受けているようなもんな
わけで、俺としてはもう頭が痛いやら頬が熱いやら眉間にしわが寄るやら――
「そうだ!」
そんな俺の心境を知ってか知らずか――というか、間違いなく知らずに、
紗耶香はとんでもない事を言い出した。
「幸い私は女で、和明は男だ。実際にまぐわいとやらを実践してみようではないか」
………………。
ここが教室じゃなくて俺の部屋だったら、間違いなくベッドに押し倒してるな。
いや、外から部活動してる奴らの声が聞こえなかったらここでもやばかったな。
そんな名案思いついた!みたいな笑みを浮かべて俺を見るなっ!
結構ギリギリだぞ、俺の理性っ!? という叫びを三度押さえ込み……。
「……あのなぁ、紗耶香」
「どうした、和明? 何か悩み事でもありそうな顔をして」
ありますよ。今現在悩みの種がばりばり芽吹き中ですよ。
自覚してくれっ!? 俺は四度目の叫びを何とか飲み込んだ。
「まぐわいってのは、要するに……その、な……セックス、の事だ」
こいつには下手に誤魔化そうとしても通じない。俺は単刀直入に――
やや口ごもってしまいはしたが――事実を教えた。
「セックス? ……要するに、性交渉の事か?」
「そうだ。和風に言うと、まぐわいっていうんだよ……ああ、恥ずかしいなもうっ!」
「何を恥ずかしがっている? 別に恥ずかしい事では無いだろう、
そういった知識を持っているという事は」
「知識持ってるのは恥ずかしくなくても、異性にその知識を披露する
のは恥ずかしいんだよっ!? 理解しろいい加減そこら辺っ!?」
とうとう、俺は叫んでしまった。っていうか、叫ばないと色々と、もう、無理。
こういう奴なんだよな、紗耶香は……昔から、そういう事に疎い上に、疎いが故に
そういう事に対する拒否感みたいなのがあんまり無い。まあ、そういう事を話す
ような友人は、俺くらいしかいないから――外見と性格のせいか、誰も彼も
紗耶香からは一歩引いた感じで接するんだよな――被害を受けている
のは俺だけだと思うんだが。
「それはすまなかった。では、私も同じように恥ずかしい思いをしよう」
「……いや、別にお前のこういう天然言葉責めはいつもの事だから、
そろそろ慣れてはきて……って何故脱ぐっ!?」
目の前で、紗耶香は脱ぎ始めた。しかも、素早く。止める暇も無く。
「……どうだ? 私も、それなりに恥ずかしいぞ」
……全裸の幼馴染が、目の前に立っている。
なんだこのシチュエーション? エロゲ? エロ漫画?
いや、現実だ。リアルだ、これは。信じ難いが、本当に。
「………………」
俺は無言で、驚きのあまり目を見開いたまま、紗耶香の裸身を見つめた。
ちっこい身体で、それなりに出るところは出て、引っ込んでいる所は
引っ込んでいて、何というか、均整の取れた体つきをしていた。
胸の桜色の突起も、うっすらと生えている茂みも、その奥に除く筋のような秘所も、
包み隠さず、手で覆う事も、身体をよじって隠すこともせず、全て俺の目に
晒して……立っている。
「さ、紗耶香……お前……」
「知識を得たので……実際に、まぐわいを実践してみたいと、そう思ったのだが」
少しだけ。ほんの少しだけ、紗耶香の頬に、いつも表情を変えないその顔に、
朱が差していた。こいつの無表情を見慣れている俺でなければ、その違いには
気づけなかっただろう。
本人の言葉通り、紗耶香は今恥ずかしがっているのだ。
……っていうか、男に全裸晒してそれだけしか恥ずかしがらないというのも
どうなのかと思わないでもないが、それでも普段の紗耶香を知る身からすると、
それは驚愕ではあった。あの、笑みを浮かべる以外にはほとんど表情を
変えない紗耶香が、羞恥心に頬を染めているという事実は。
「……お前、自分で、何言ってるか……わかってるか?」
喉の奥が急激に水分を失ってしまったように、上手く声が出ない。
「わかっているつもりだが」
紗耶香の声は、いつも通りだ。特に上ずる事も、掠れる事も無い。
いつもと違うのは、僅かに浮かんだ頬の朱色だけ。
「私が、和明の事を好きで……そして、和明と性交渉を行いたいと、
そう思っている……そういう事を、私は言っている、そのつもりだが」
………………。
ずるいよなぁ。なんだよこれ。なんだこの告白。ホントにずるいよ。
「……俺と、そういう事、したいの?」
「ああ。兼ねてから、和明とは結ばれたいと、そう思っていた。たまたま聞いた
意味のわからない言葉がそういう意味だったという、これは天の配剤だろう」
「……俺で、いいの?」
「幼少のみぎりより共に過ごし、少し間の抜けている所のある私を
真摯にサポートし続けてくれた男に、そういう想いを抱かないでいられる程、
私は女である事に鈍感ではな……つもり、だ」
………………。
ホントにずるいよ。こんなの、もう気づかないでいられないじゃないか。
俺も、紗耶香の事、好きだったって事に。
「……勃っている、な。私の裸身を見て、興奮したのか?」
「……うん」
俺は素直に頷いた。紗耶香の裸に、俺の愚息はすっかり反応して、
ズボンの下からその存在を主張していた。その存在は、他のどんな裸を
見た時よりも――と言ってもAVやエロ本で、だけど――大きく、固かった。
好きという感情に気づいたその瞬間、さらにそれは大きくなった。
「そういうのは……知ってるんだな」
「何を言う。教えてくれたのは……和明だぞ」
……そういえばそうだった。というか、そういう事教えまくりで、よく
理性保てたなぁ、俺。凄いぞ俺。よく頑張った俺。だからもう……いいよね?
「これからも、もっと色々教えてくれ。私の知らない事を」
「………………ああ、わかったよ」
俺は、苦笑いをしながら、そっと紗耶香の身体を抱き寄せた。
細い身体の感触に似合わない、柔らかい感触をみぞおちの辺りに
感じながら、そっと頬を寄せ合い――みぞおちと同じくらい柔らかい感触を、唇に得た。
ここまで投下です。
っていうか勢いに任せてエロシーンまで一気に全部書こうと思ったら、
背後におかんの気配が・・・というわけでとりあえずここまでで。
続きは書けたら書きますんで、期待せずに待たないで下さい。
強要パソコンのバカー!
そりゃそうだwww
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
教えて素直クール先生
・まぐわうってなーに?(解決済)
・同衾ってなーに?
丁度いいとこで切れてるね
というかin教室に吹いたw
>>152 男は洋行帰りとか海外通とか・・・
明治のお嬢様に勉強を教える家庭教師の書生とかそういうの?
おかんのばかー!
続きはまだぁあああああああああああああああああああああああああ
「……」
初めてのキス。それは、唇と唇を合わせるだけのもので、それでも俺は
物凄く興奮していた。そして、それは紗耶香も同じだったらしい。
鼓動を、強く感じる。自分自身のそれも、そして紗耶香のそれも。
「……ん」
吐息を漏らしながら、名残惜しげに俺達は唇を離した。
すっ飛ばしたはずの理性が、一つの問題に気づかせてくれたのだ。
固く大きくなったはずの物も、心持ち小さくなって、何とか目立たなくなる。
「紗耶香」
「なんだ? 気持ちよかったぞ、私は。和明はどうだ?」
「ああ、気持ちよかった……ってそうじゃなくてだな」
そう。ここは教室だ。俺達が日夜学業を行う学びの園だ。
そこに全裸のちんまい娘っこと一緒にいる所を誰かに見られた日にゃ、
こう、なんやかんやと問題が起こるのは間違いない。
「ここじゃ不味い。とりあえず、服着ろ」
「ここでは駄目なのか?」
「当たり前だ。誰かに見られたらどうする」
「見せ付けてやればいい」
「アホかっ!」
……そういうのって、男が言う台詞とちゃいます?
っていうか、人が来たら見せ付けるつもりなのか、紗耶香は……。
「俺は色んな意味で社会的に終わりたくは無いし、お前にも社会的に
終わって欲しくない。だから、とりあえず服着ろ」
「……そうか、私の為を思っての事か。感動したぞ、和明。男という生き物は
こういうシチュエーションでは何よりも性欲を優先してしまうと以前聞いて
いたが、和明はそんな男のサガを抑えこんでしまう程に私の事を想って
くれていたとは……嬉しさのあまり、思わず涙が出てきそうになったぞ」
……いや、半々なんですけどね、自己保身と。今更そんな事は言えなくなった……。
「ま、まあ、そういう事、だよ」
「よし、着たぞ」
「はやっ!?」
脱ぐ時と同じく、紗耶香は着るのも素早かった。
一体全体下着から制服までをこの速度で身につけるにあたって、こいつは
どんな魔法を使っているのだろうか。謎だ。
「では、どこでまぐわうんだ?」
「まぐわうって言うな! ……と、とりあえず……帰らないか?」
「帰る? どこへ?」
「帰るって言ったら家に決まってるだろ。……あの、だな……俺の家、
今日、その……家族、いなくて、さ」
そうなのだ。何とも都合のいい事に、今日俺の家には父さんも母さんも
いない。何やら出張と、それにくっついての観光に出かけ、明後日まで
帰ってこないのだ。それに加えて、いつも口うるさい妹も、今日が中学校の
創立記念日で休みだというのにかこつけて、昨日の晩から友達の家に
泊りがけで遊びに行っている。こちらも、日曜の夕方くらいまでは帰って
来ないだろう。今日が金曜日だから、それで十分だ。
「ふむ、それは好都合だな」
紗耶香は全く動じた様子を見せずに頷く。何か、えらい意識してる俺が
間抜けな感じだなぁ……。
「だから、その……親御さんには」
と俺が言おうとした時、既に紗耶香はその手に携帯を握り耳に当てていた。
おいっ!?
「もしもし、父か。私だ。今日は帰らないのでそのつもりで。夕飯の準備も
必要ない。何? 何を怒鳴っている。別にやましい事など何もないぞ。単に
和明の家に泊りがけで遊びに行くだけだ。それがやましい? ……そうなのか、
和明? ……和明は眉間にシワを寄せているが?」
……そこで俺に聞くな。親御さんには女友達の家に泊まりに行く事に
なった、と説明してくれと言おうとしたのに……。
「とにかく、今日は私は帰らないので、食事の用意は必要ない。特に心配する
必要も無い。では、そういう事でよろしく頼む、父よ」
そう言うと、かすかに聞こえる親父さんの怒号の声を打ち切るように、
紗耶香は携帯の通話終了ボタンを押した。
「……お前、ホント家族に対してもそんななのな……」
「そんな、の意味がよくわからないが、問題は無い。以前から父は私に
自分の人生は自分の物なのだから、後悔の無いように選択しろと説いていた。
父の教えに従えば、今ここで和明の家に行かないという選択をする事は、
私にとっては重大な後悔の種となる。父に行くなと言われようが、私は行く。
それが父の教えにも報いる事になるだろう」
……お父さん、色んな意味で教育間違ってませんか?
俺は以前一度だけ見た事のある、いかつい顔をした紗耶香の父の顔が、
何故か夕暮れの空に浮かんで消えた。
「さて、後遺の憂いはなくなった」
ホントかよ。
「待つのは行為の嬉しさだ」
……洒落てるよ。駄洒落てるよこの人っ!? 相当浮かれてるんだな、実は。
顔には出ないからわかりにくいが。
「じゃま、行くか」
俺はそう言って右手に鞄を持って、歩きだした。
「待て」
空いた左の手が、紗耶香の一言と同時に塞がる。
紗耶香の右手が、俺の左手を握っていた。
「この後、そういう事をするわけだから、つまりは私たちは、こうして
堂々と手を繋いでいてもいいという事にはならないか?」
ああ、そうか。そうだよな、確かに。
「……なる、ね」
そうなんだよな。何か、そういう事をするって事にばかり意識が行っていた
けど、ついさっき、俺達は互いの気持ちを確認しあったんだった。
俺達は、お互いに……互いの事を好きあってるんだ。
「……恋人、かぁ」
「私では不服か? 私には不服は無いぞ」
「とんでもない。不服なんてあるはずないさ」
左手をぎゅっと握ると、紗耶香も握り返してくれた。
その温かさは、さっき感じた唇のそれとも似ていて、でも何だかほんわか
した気分にさせてくれて、俺の顔には知らずに笑みが浮かんでいた。
紗耶香を見れば、同じように笑っている。
「じゃ、かえろっか?」
「ああ」
俺はゆっくりと、紗耶香の歩幅に合わせるように、歩きだした。
廊下に出ると、いつもとは違う速度で景色が流れていく。
「紗耶香」
「なんだ?」
「好きだよ」
「私もだ」
そして、俺達は帰途についた。
ここまで投下です。
・・・あれ? エロシーンどこー?
引き続き、続きは期待せずに待たないでください。
+ 。 * ワクワクテカテカ +
ツヤツヤ ∧_∧ +
+ _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
⊂_。+ ゚+_⊃
⊂__⊃. + * + ワクテカ +
GJ!
だから続きは(ry
あと「後顧の憂い(こうこのうれい)」だと思うの。間違ってるかもしれないけど
だね
>>163 もしもしガッデム!?
差し替えて読んでおいてください・・・orz
洒落は成立すると思うんで・・・orz
>>162に火を付けたマッチを放り投げたくなった
さぞかし盛大に燃え上がってくれることだろう
酒飲んで酔いつぶれたお父さん見えたw
面白かったよ
ちょっと考えた
言葉責めは、恥ずかしい言葉を言わして恥ずかしがらせるのが目的だと思うが
素直クールに言わせようとしたら普通に言ってくれるのだろうか
それだと言わせようとした方が逆に恥ずかしい思いをすることに?
ちょっと恥ずかしいことを言わせようとしたら、平然とその100倍恥ずかしい台詞が返って来る
それが素直クール!
「俺の事好き?」
「私は誰よりも君の事を愛している。
今この教室で君とSEXをしてもいい。寧ろ見せ付けてやりたいくらいだ。
いつでも私の準備は出来ているぞ?」
コイネコ読んだ。
これはイイ
逆に恥ずかしがらせようとすると
その素直さにこちらが恥じらう事になると言う事か
そしてそんな状況を
「どうした?顔が赤いぞ」
などと口に出して更に・・・か
「俺の事好きか?」
「勿論。この前君を愛している事を友人に繰り返し伝えたら、翌日から3日休んでしまった」
「は?」
「酷い胸焼けだそうだ」
「…ならお前にとって俺はどんな存在なんだ?」
「知れたこと。私の愛を注ぐべき相手であり、全てを捧げる存在だ」
「あ、あはは…」
「代わりと言ってはなんだが、今日は危険日だ。君の濃い精子を私の中に注いではらまs」
「ち、ちょい待て!!」
素直クールに羞恥プレイなど効かない。改めてその事を実感した昼下がりの教室。
…周囲の赤く染まった顔(羞恥とか嫉妬、殺意)はもう馴れたが。
「はぁ…でも」
「ん?」
「お前と一緒だと退屈しないどころか、毎日楽しいよ。サンキュー」
「ば、ばか…照れるじゃないか」
…どうやら俺は『素直クールを照れさせる』という近年稀な偉業を遂げたらしい。
ほほう。
ふと思ったが「自分に自信のない素直クール」って結構かわいい気がした
目には目を、と言う事か
>>175 そうだ。どうせ叶わぬ想いなら、聞かせてやるさ。
キミが好きだ、愛しているんだ、キミを。
出会う前から好きだったんだ(横島的な意味で)
好きなんてもんじゃないキミの事はもっと知りたいんだ。
キミの事はみんな、ぜーんぶ知っておきたい。
キミに抱き締めてほしいんだ。潰しちゃうくらい抱き締めてほしい。
心の声を、心の叫びをブチ撒けてやる。キミが好きだ、愛しているんだよ。
私のこの心のうちの叫びを聞いてくれ。
一目見たその時から、キミを知ってから、私はキミの虜になってしまったんだ。
愛してるってこと。好きだってこと。私に振り向いて。
キミが私に振り向いてくれれば、私はこんなに苦しまなくってすむんだ。
優しいキミなら、私の心のうちを知ってくれて、私に応えてくれるかもしれない。
私はキミに私のモノにしてほしいんだ。この私の心と全ての純潔を。
誰が邪魔をしようとも奪ってほしい。
恋敵がいるなら、負けてもいい。相手になってやる。
でもキミが私の愛に応えてくれれば、こんなに嬉しいことはない 。
私はキミを抱きしめるだけだ。キミの心の奥底にまでキスをする。
力一杯のキスをどこにもここにもしてみせる。
キスだけじゃない。心も身体キミに尽くす。それが私の喜びなんだから。
喜びを分かち合えるのなら、もっと深い関係を、どこまでも、どこまでもして構わない。
キミがツンドラの中に素っ裸で出ろというのなら、やってもみせよう。
あのときのゲイナーはクールどころかオーバーヒートしてるじゃないかw
ついでに、元ネタについては「キングゲイナー」「ウソのない世界」で検索推奨
いつも思うんだけど、クーって全般的に羞恥心が薄いのか
それとも羞恥心は人並みだけど惚れた相手にだけGENKAITOPPAしてしまうのか
どっちもありだと思う
普段は無口で引っ込み思案だが
男の事になると途端に饒舌&アクティブになる素直クールか…
イイな(*´∀`)
そして「OK」と答えても
からかわれてないかと疑ってしまい
そんな不安も正直に語りつつやっぱり思いをさらけ出しちゃうのか
口下手だから言葉じゃなくて手紙や昼の弁当とかで思いを伝えようとするとかどうだろう
流れぶった切るようで悪いが
宮廷魔術師ヨハンってもう保管庫のから続き無いの?
過去ログ見ればいいじゃん
羞恥心が薄いのもいいが羞恥と彼への愛との間で揺れ動くのも良いよね
「ほ、本当にここでするのか?」
「大丈夫だって、今の時間なら誰も来ないよ」
「しかし・・・、いや男の要望なら・・・だが・・・って待て!まだ心の準備が!」
「俺に任せて、な?」
「・・・・・・ぅん」
あげ
家に帰り、自分の部屋へと紗耶香を招く。
別に、一般的高校生男子の部屋としては綺麗な方だと思うし、エロい
本とかを隠していたりするわけでもない。
だと言うのに、俺は何故にこれ程までに緊張しているのか。男友達は
普通に呼んだりしているのに、やはりこれは彼女だからなのか。
いや、無論、女の子だから、というのはあるだろう。けれど、実際問題
一番大きいのは、何よりも誰よりも、ここにいるのが“彼女”だから、なの
ではないかと思う。そして、その“彼女”と、これから……いわゆる、その、
そういう……事を……するという、事実が……あぁぁぁああ、もうっ!
緊張をほぐそうと意識すればする程、逆に心臓が強く高鳴っていく。
彼女はというと、やはり表情をほとんど変える事なく、俺が用意した
座布団に正座し、興味深げに俺の部屋を見回している。
……やっぱり意識してるのは俺だけか。
「ちょっと待っててくれ……その、何か、飲む物でも持ってくるから」
このままだと、そういう事をいざしようとした時に、心臓麻痺でも起こして
しまいかねない。今の俺に必要なのは、心の準備だ。
その為に、俺は台所から飲み物でも取って来ると言う理由をつけて、
一旦部屋から離れ、気持ちを落ち着かせようと思ったのだけが……。
「必要ない」
部屋を出ようとした俺の服の裾を、彼女の腕が掴む。
「……でも、喉渇いたんじゃ」
「私は渇いていない」
「……俺は渇いたんだけど」
「私から出るジュースを飲め」
今飲み物を飲んでたら、確実に吹き出していた自信があるね、俺は。
毎度ながら、なんつうことを言いますかあなたは!
だが、そう叫ぼうとした俺の口は、間抜けな形で固まった。
「あのまま、教室で抱いてもらうつもりだったから……」
俺を止めた紗耶香は、だがしかし、自分自身を止める事はしなかった。
俺の服を掴んでいる片手。もう片方の空いている手で、彼女は自分の
スカートの裾を、摘みあげていた。
「ここは、もう、こんなになっている」
唖然とするしか、なかった。
紗耶香の履いている純白の下着は、いまやその役目――要するに、
秘所を覆い隠すという役目――を全く果たしていなかった。
水分をしとどに含み、うっすらとした茂みが完全に透けて見えている。
何故にそんなに濡れたのか――これは無論、考えるまでもない。
「……興奮、してるのか?」
「その通りだ。教室で、和明に好きだと言ってもらった時から、
溢れて止まらない。もう、下着から染み出て地面に垂れそうだ」
表情は、少しだけ、ほんの少しだけ赤くなっている以外に変化は無い。
だが、それよりも何よりも、紗耶香の大事なところが、そこから、今もまだ
溢れ出続けている愛液こそが、彼女の感情を如実に物語っていた。
「女は、興奮すると濡れる……そうだったな?」
「そう、だけど……」
かつて教えたその事実を、まさかこんな形で俺自身確認する事になるなんて。
「恋人として……責任を持って、この愛液を飲んでくれ。多分、美味いぞ」
そうか……そうだよな。責任は、取らなきゃ、だよな。
「紗耶香」
俺は、紗耶香の身体を抱きしめ、そのまま抱えあげた。
「……」
少しだけ、紗耶香の頬に差す朱が増した。
「いいんだよ、な?」
最後の確認。答えは聞くまでもないけれど、それでも、俺はそう聞いた。
「んっ」
紗耶香は、言葉では応えず、俺に頬寄せ口付ける事で応えてくれた。
「……優しく、するから」
俺の言葉にコクリと頷き、紗耶香は瞳を閉じ、俺の腕に身をゆだねた。
その彼女の小さな身体を、俺はベッドに横たえた。
そのまま覆いかぶさることはせず、まずは責任を果たす事にする。
つまり、紗耶香の股間に顔を寄せ――
「うわ」
――俺は、思わず声を漏らした。
紗耶香のそこは、遠目から見てもうっすらとした茂みが見えていた
のだが、間近で見ると茂みどころか、小さな筋が開きかけているのまで、
はっきりと確認する事ができた。
……これは、何というか……エロい。
「脱がしても……いいんだよな?」
紗耶香はこくりと頷く。
すぐさま、俺の手はパンツへと伸びた。……俺も大概エロいかも。
両脇に手をかけ、引き下ろす。分泌された水分で股間に張り付いていた
基底部が、にちゅ、というやや粘り気を含んだ音と共に外れ……紗耶香の
大事な部分の全てが、露わになった。
「……」
声を漏らす事も無く、俺はただただ目の前の光景に見惚れた。
興奮の為か、紗耶香の大事な部分は僅かに口を開き、微かに震えていた。
中までは見えないが、震える度にその口からは涎が垂れ、その様はまるで
俺に早く飲んでくれとせがむかのようだった。
「……じゃあ、紗耶香」
見れば、紗耶香はまだ瞳を閉じたままだ。頬の朱も、心なしか深い赤に
なっているような気がする。……まあ、そりゃ、全裸になったら恥ずかしい
んだから、全裸に等しい今の状況は恥ずかしいよな。
だから、俺は一言だけ言って、紗耶香のそこに口をつけた。
「いただきます」
「ひぁっ!?」
紗耶香の口から、今まで聞いた事の無いような声が、漏れた。
ここまで投下です。
……ご、ごめんね?(上目遣いで様子を伺うようにしてはにかみながら
わっふる
これが噂の寸止めか!
わっふるわっふる
すふれ!すふれ!
思い付いたんだが
日常は無口だが
電話越しでは素直クールになるというのはどうだろう?
見つめあうと素直になれないんですね。わかります
サザンかよw
俺はやぱし、男君と会ったら自分の気持ちを言わんではいられん、っつー所は欲しいな
つまり本番は、電話付きのテレホンセック(ryu
某2時間ドラマの帝王みたく出張先から電話を義務づけられたあげく、
電話越しに発情されて悶々ですね、わかります。
そしたらインターホンが鳴るんですね。…あとはわかるな?
メールではどうなんだろう
I LOVE YOUウィルスが送られてきてぬか喜びするクー
ジャック・バウワーになりきって犯人を捜し出す素直クールさん
常に大ピンチ
206 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 17:06:14 ID:EDewiqP4
でもなんだかんだハッピーエンド
oh やっちまったな俺!
208 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 19:19:14 ID:hWP9vMY/
>>204 ジャックバウワーってモノマネのほうしか知らんけど、こんな感じ?
ク「両手を挙げてぇ!挙げるんだ!」
男「ク、クー?どうしたんだよぉ」
ク「私にはこの会社の全権限が委ねられている。君は私の協力者になってもらう。拒否権はない!」
男「まだ仕事中なんだけど…」
ク「特命だ。今から24時間以内に、私を孕ませろ」
…誰か昇華して。
>>208 力ちゃんボイスで再生されたじゃないか!どうしてくれるw
じゃあ柚姉ボイスで中和すればいい
脳裏で再生されたボイスを中和するなど、この俺がゆ゛る゛さ゛ん゛!
>>208 なにかあればすぐに性的拷問を加えるんですね。わかります。
>>211 なんでブラッアルェーッが出てくるんだw
精液を出す前と後にクーをつけろ
こうですか?(ry
)
「く、くー……」
「うん、限界だろ? ……出して、いいから」
「くー!」
「……くー」
「すごく暖かいぞ。幸せな気分だ。このまま受精して、着床して、お腹が大きくなって」
「くー!」
騎乗位で再生された
射精する寸前に相手の名前を連呼することも
射精後の朧気な意識の中で相手の名前を呼ぶことも
よくあること
多分無いとおもうんだが
刑事物で素直クール
男女刑事コンビか刑事×怪盗か
前者の場合
結婚詐欺とかイケメンの写真見て愚痴こぼす男平に
自分がどれだけその平均的な容姿を愛してる語って
周囲や上司の警視に砂糖吐かせる女警部
後者の場合
イフユーキャンなしで「キャッチミー」とねだる女怪盗
もしくは人質にして逃げろとか言っちゃう女刑事とか
どうだろう?
219 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 00:57:01 ID:d9lqBldY
脳内でクーの声は一色ヒカルがデフォ
いきなりキャッチミーでは話が終わってまうがね
>>213 力ちゃんは太陽の子の弟分ですよ。
クー「私はキミの虜!」
男「イキナリ何の冗談だい?」
クー「冗談じゃない。私は今、キミのことで頭が一杯なんだ」
男「はぁ……そりゃ光栄なことで」
クー「キミが死んだら、私も死ぬんだ」
男「何かすっごい話が飛躍してるんですけど!」
クー「私は炎(恋愛的な意味で)の皇女。(恋の)炎の力は、私のエネルギーだ」
男「いやいやいや!もうわけわかんないから!」
クー「さあキミ、その剣で私の処女を貫けるか?」
男「…………。あ、ちょっと急用が……!」
クー「に゛か゛さ゛ん゛!」
男「いやー!やめてー!犯されるー!」
クー「文句を言わずに、私を絶頂まで連れて行け」
男「駄目ー!ほら、準備!準備とかしないと、子供ができちゃったりするから!ねっ!?」
クー「待て。子供が出来るのは、男と女の愚かな家族計画のためだ」
男「既にゴムの準備済み!?」
クー「私に好かれたのがキミの不幸だ。キミに(私と添い遂げる以外)生きる道は無いと思い知れ」
男「ヴア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」
ただの危ない人になってしまった……。
ああそっか、霞のは力ちゃんだったな。完全に忘れてたわ。
>私に好かれたのがキミの不幸だ。キミに(私と添い遂げる以外)生きる道は無いと思い知れ
男のリボルケイン喰らうほうがRXとはこれいかに。
つーか自分が好きになることで男が不幸になるんなら喜んで自殺しそうだぞ、属性的に。
まあそこは、言葉のあやというか「良いではないか良いではないか」的なノリってことで、その単語使っただけなんで。
Sッ気のある素直クールはたまらんな
どこでも有無を言わずにキスされる
「男」
「ん、どうし…むぅ」
一瞬思考が停止した。
クーの舌が俺の口の中に……って!
「ちょ、ま。なぜ舌を入れる!?」
「入れたいから入れた、ただそれだけのことだ」
こともなげにのたまうクー。
あーもう、この娘は……。
「したくなったらすぐするような発言は……」
「まぁ……したくなった訳だが」
「ちょ、アッー!」
こんな感じ?
>>223 なんかスマンかった。全てはゴル『ゴム』の仕業ということで一つ。
>>225 そこで男が待てと一旦押し止めておいて、何故か親が海外旅行中なヒロインの家に招待ですね、分かります。
「ちょ、ま、タンマ!」
「なんだ男、これ以上焦らさないでくれ。
私の子宮は君の精液を求めてこんなにも疼いているのに」
公衆の面前で堂々とのたまうクー。
……だれかこの娘を止めてくれる人はいないのか。
「TPOを考えてくれ……頼むから」
「ふむ……」
俺の必死の懇願に思案し始めるクー。
このまま逃げたいと思うのは俺だけじゃない……きっと
「よし、男」
「……どうした」
なぜか名案を思い付いたような表情をするクー。
いやな予感が背中を震わせる
「私の家でセックスしよう」
「……親は!?」
「ちょうど海外旅行中であと四日は帰ってこない。
よかったな男。四日間この体を好きなだけ貪れるぞ」
顔を真っ赤にしながらも嬉しそうにに言うクー。
……何故か、空を見上げながらドナドナを歌いたくなった。
なんか、素直じゃなくて変態っぽいと思うのは俺だけでいい……orz
奇跡クール
(ミラ)
……うん、ふと思い付いただけなんだ。
気にしないで欲しい。(´・ω・`)
「おい、男」
「どうしたクー?」
「突然だが私はどうやら孕んだらしい」
「なっ!ゴム有り外出し、ピルまで飲んでいたのに…」
「まったくだ…奇跡としか言いようがないな。これも私の男への愛の大きさが成せる技だろう」
こうですか?わかりません><
>>228 you don't forget
「なぁ、クー」
「どうした?」
「いや、クーって運がいいよな」
くじ引きで必ず商品を当てたり。
ホテルやスーパーのぴったり賞をとってみたり。
「ふむ、確かに私は運がいいでもな……」
「……?どうし―――うむぅ」
またいきなりキスをされた。
たまには俺から……じゃなくて
「……いきなりどうした?」
「いや、私がこれまでで最も幸運だと思うのは、
君が今私の隣にいることだ」
「……誉めたって何も出ないからな」
あまりの恥ずかしさに、クーから顔をそむけてしまう。
そんな俺の様子に、彼女は笑いながら、
「ああ、何も出なくたっていい。
君が私の隣にいてくれるならな」
こんなことをのたまった。
やっちまった……orz
「すげーよな! 商店街の宝くじ、一発で一等引くなんてさ!」
「……そうか」
「宝くじとかロトとかtotoとか片っ端から当ててるし、奇跡クールと書いてミラクールって感じだぜ!!」
「……そうか」
「当選金とかどうしてんだ? 何でも買えるじゃん! 何か特別なもの買ったか?」
「……別に」
「……テラクール……!」
<俺のミラクールは…>
予備校に行く途中の道沿いでやってたフリマで、変な古道具ばっか売ってる爺さんに
「あんた悩んでるね…」といきなり声を掛けられ、気付くと1000円で超ボロい
ランプを買わされてた。
「これを擦りながら願い事をしなさい、って言われてもなぁ…」とブツブツ言いながら
ダメモトでゴシゴシやってると、いい加減アホらしくなってきた頃にランプからいきなり
モクモクと煙が湧き出した。
その黒雲が消えると、中には一人の女性が立っていた。
褐色の肌を、スパンコールのついた極めて露出度の高い衣装に包んでいる。
全身はほっそり引き締まっているのに、胸とか腰は大変いい感じに豊満。
顔を覆ったヴェール越しに、黒曜石のような深い黒の瞳がジーッと俺を見つめていた。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンだ」
とその女性はクールな口調で告げた。
「お前の望みを1つだけ叶えよう。シンキングタイムは5秒、4、3…」
「うわ早ッ!じゅ、受験です!今の第一志望に絶対受かりたい!」
「その為にお前は大切にしてる何かを捧げねばならない。それは何。5,4…」
「え?捧げるって何だよ、無条件じゃ無いのかよ!」
「3、2…」
大切な、とか言っても、俺貯金とか全然無いし、今切実なのは、えーっと、ぶっちゃけ
オナ禁位だった。
と頭の中で思った途端、その美しい女性は無表情のままカウントダウンを止めた。
「そんな恥知らずな事を考えたのはお前が初めてだが、まあ仕方が無い」
彼女がパチンと指を鳴らすと俺のズボンとパンツがいっぺんにずり落ちた。
ほっそりした手で顔のベールを取ると、人形のように綺麗に整った顔が現れた。
そのまま彼女は俺の前にひざまずき、可憐な唇を開いていきなり俺のチンポを咥え込んだ。
俺は思わず「ウオッ!」と叫んでしまう。
彼女のフェラはかなりぎこちなかったけどすごく一所懸命で、アッという間に登り詰めた
俺は、やがて彼女の喉奥に大量の精液をドクドクと放ってしまった。
「…あ…な、何と妙な味なのだ…それに…濃い…」
彼女は口内に溜まった濃い粘液を苦労して飲み込み、ポ〜ッとした表情になってしまう。
口の周りにこびり付いたソレを僕がティッシュで拭いてあげ、やっと落ち着いた様子で
彼女が言った。
「で、何から教えて欲しいのだ。理数系は結構自信があるぞ。外国語はアラビア語を選択
するがよい」
「ないよそんな科目!つかそういう事なの?!」
<こんな感じ>
「やあ男!こんなところで会うとは偶然だな!いや奇跡だ!これは神が私たちを祝福しているのだ!」
「というわけで奇跡的に目の前にあるホテルに行こうか。」
(三ヶ月間ホテルの前で男が通るのを待ち伏せしていたクーさん)
奇跡クールの伸びっぷりにフイタww
しかしエロに結び付けにくいと言う点では
ほの板へ投下した方が良かったかも分からんね。
一回目で妊娠、これ奇跡ナリ
・・・ごめん馬鹿言った
というか出会えた事が(ryu
ひたすら荘厳さんに近付いていっているような気がしないでもない
「男、愛してる!」
「くっ、なんだこの威圧感は!?か、体が動かん!」
「男、結婚しよう!」
「ぬぉっ!?クーのオーラで俺の服が木っ端微塵に!」
「男、子供を作ろう!」
「うわぁっ!俺の意思とは無関係にペニスが勃起を!
公衆の面前なのにぃ!」
という荘厳父のような素直クールを妄想した
新ジャンル系のスレでやってくれ
荘厳クールか。
「前も後ろも君に捧げたんだから責任は取ってもらうぞ」
>>202 そういう素直クールなら日にどれ位メールするんだろう
メールより
直接話すほうがあってそうだな
「そう言えば、一度聞こうと思っていたんだがな男君」
「何ですかクー先輩」
「君が本読んだり携帯見る振りして私の乳をチラチラ見てる件だが」
「グハッ!そそそそそんな事ありありありあり」
「落ち着け。私も女性にしては背がある方だが、自分でさえこの大きさはどうかと
思う位だ。他人から見て奇妙に映るのは当然だ」
「ち、ちょっと自分でユサユサさせないで下さい!あと別に全然奇妙とかそんな…」
「あれだな、男性が大きい乳に目がいくのは種族保存の本能がどうとかこうとか」
「い、いや、僕は別にそんな…」
「安心しろ。私も同じだ」
「お、同じって、何がですか?」
「私の乳を見て種族保存の本能をたぎらせている君を見て、私も種族保存の本能が
たぎってしまうのだ」
「え?な、何言ってるんですかクーせんぱ、あ、うわ、ちょ、ちょ」
「君となら出来れば一人目は女の子、二人目は男の子、最低二人は保存したいと
思っている…」
「ち、ちょっとこんな所で、うわ、生で見るとほんと大き、むぎゅ、んぐぐぐぐ…」
やはり素直クールで
電話越しやメールの際のみ素直クール
というのは不自然か
素クールは微乳と思っていたが
別にそんな事は無かったんだぜ
きょぬークールには巨乳の良さが、
ひんぬークールにも貧乳の良さがあるんだぜ
もちろん無口クールにも饒舌クールにも
それぞれの良さがッ
まこと素クールは奥が深いのか、業が深いのか。
「おとこ、きょうのかえりはわかってるな?」
「えっ?ツンちゃんとあそぶやくそく…」
「ダメだ、いっこくもはやくきみとけっこんしたい!!だからきょうはリアルおままごとを!!」
「でも…」
「いや。そのまえにてつけきんならぬ、てつけチューをいただくぞ」
幼女素直クールは失敗に終わった!!
ちっちゃい頃の約束とかもちゃんと覚えてそうだよね
コピペブログの管理人乙
コピペブログの管理人いつも乙!
数文字書き足すだけでニュアンスがガラリと変わるな
ええい士郎と知恵のえろシーン…でなくてもいいから続きはまだかッ
一瞬、Fateの主人公とカレー先生ってなんか繋がりあったっけ?って思ってしまった。
一瞬朱鷺恵さんは士貴だろJKと考えたオレの同類がこんなところにw
うっせえ、スパゲッティ食って寝ろ!
>>234 ワロスwww
っていうか、アラブ美人な魔法家庭教師とラブラブえっちな関係になる続編はまだですか
ライバルのペルシャ風指輪妖精も登場させてはどうだろう?
受験対策の教師としてはより優秀な、で
>>234 この魔神には猫耳はないのか?(スモーキーかよ
無ければ生やせば良いじゃない。
そしてSSを投下するのです。
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
素直クールなサンタ(無論女性)か
素直クールさんが男のためにサンタになるのどっちが良いと思う?
後者で
プレゼントは私
とかしか思い付かない俺orz
>>267 「プレゼントは私の貞操、代わりに君の童貞を頂こう」
という取り引きのような贈り方しか思いつかない俺よりマシ
「その申し出は断ろう。代わりにお前の人生を寄こしてもらおうか」
「フッ、サンタへのクリスマスプレゼントで、しかも指輪とはな。ならばお返しに首輪を進呈しよう」
「……主導権握るつもりが握られたか」
「策士策に溺れるというやつだ。どうせ溺れるなら、今後は私にしたまえ」
十二月二十五日、電気街。
緩やかに雪の降る町を、一組の男女が歩いていた。
コートを着た細身の眼鏡少年と、紺色の和服の小柄な少女だ。
「どこもかしこもジングルベルが鳴り響いてますね」
一歩下がった位置から、少女が少年を見上げた。
「あー、クリスマスだからねー」
機嫌がいいのか悪いのか、ニュートラルな表情のまま、少年は一
軒の店に入った。
その後ろを少女が追う。
店は『ブルータンク』というアナログゲーム専門店だ。
店にはTRPGのボックスや書籍が陳列されている。ケースに並
んでいるのは様々なTCGのカード類だ。
「時に増田君、クリスマスというのは恋人達の為のイベントと聞き
ましたが、本当でしょうか?」
少年、増田卓(ますだ たく)はショーケースから顔を上げた。
そして少女、駿河壱与(するが いよ)に視線を向ける。
「それは違うぞ駿河さん。クリスマスってのは、某神様のバースデ
ーだ」
「日本でのお話です」
「まあ、そういう人もいるな。俺には無縁だけどな」
「これはデートではないのですか?」
「へ? んー、クリスマスパーティーのお買い物、だよな? 違っ
たっけ」
「私はデートと認識してました。違っていたのは残念です」
少なくともデートでこういう店は選ばないんじゃないかな、と思
う増田卓である。そして軽く笑った。
「ふーむ、そうかそうか。本気で駿河さんとデートなら、もうちょ
っとめかしこんでたなー。で、プレゼント交換用のアイテムだけど
さ、こっちのダイス詰め合わせとフィギュア六点セット、どっちが
いいと思う? ……って、あのあの、駿河さん?」
何だか、腕を絡めて店の外へ出ようと引っ張られた。
「増田君、今からでも遅くありません。ちょっとブティックに行き
ましょう」
「何で?」
もっとも小柄な壱与なので、さすがに細身といっても男の子な卓
はビクともしない。
真っ直ぐに、壱与は卓を見た。
「めかし込んで欲しいんです。個人的に」
「そっか。とりあえずプレゼント選んでからにしない?」
「増田君がそう言うなら、まずはそれを優先しましょう。時に私は
こちらのクリスタルダイスなど大変綺麗と思うのですが如何でしょう」
彼女いないので両親とケーキ。
とか、それすら出来ず、もしかすると職場から帰れない私の現実逃避。
オチもない、某スレ某キャラクタールート。
スレ違いを承知で投下。
どうでもいいが、男が致命的なまでに鈍いです。
誤爆なのか本気で落としてるのかわからんのだが
スレ違いって言ってるから、
これが素直クールと呼ぶには微妙なものであることは分かってるみたいだな。
だが、どうしてここに投下したのか理解できん。
某スレって書いてんだから、そっちに落とせばいいのに。
>>265 ミニスカなのか赤い短パンかそれが問題だ
と思ってる俺
ちなみにクリスマスネタはもう25日過ぎたから止した方がいいんだろうか
>>272 なんの。
別スレで1ヶ月前にフライングした俺の言い分としては。
年内なら構わない。
むしろお願いします。
>>272 ミニスカか短パンかにせよ
ニーソックスは赤いか白いかあるいはストッキングか
そちらも重要と思ってる俺
個人的に黒髪のロング、釣り目の娘がミニスカに黒ストだと最高だな
>>272年越さなきゃセーフだと思うが。
というかお願いします。
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわ。これからずっとの人でございます。
劇中はクリスマス直後くらいをイメージした内容になってます。他に注意は要らないかと。
ではどうぞ。
「先輩起きてください。先輩?」
被っていた布団を捲られたので冬の冷気に晒される。12月の末の寒さに思わず声が出る。
「寒っ!」
「これでも暖房は入れてるんですよ? 早く着替えてしまってください」
「……鬼」
自分の身体をさすりながら起き出して部屋着を脱ぎ捨てると、あらわになった背中に小さな掌が押し付けられ
る。どうも俺が起きる前までに朝食と洗い物を済ませてしまったらしく、冷水に指先が冷たくなっていた。思わ
ず軽い悲鳴を上げてしまう。
「今日はデートに行く予定でしょう? 早くしないと混んじゃいますよ」
ペタペタと何度も冷えた指をぶつけられたおかげか目が覚めてきた。さっさと着替えてしまい、さっきから背
後に立ったままだった安田に向き直ると、案の定抱きついてきた。
「おはようございます」
「うん、おはよう」
抱きしめた腕の輪で彼女を少し持ち上げておはようのキスを交わす。唇を離して腕を下げると、もう一度した
い、と今度は彼女に首を引き寄せられる。
「痛たたた……無茶すんな、首折れるわ」
「先輩が意地悪するからです」
腰を折り曲げて再び口を塞ぐ。無性に舌を絡めたいがそうなると今日の予定を全てキャンセルしてしまうこと
になるだろう。第一、昨晩だって随分長い時間睦み合っていたのだ。
「……名残惜しいですけど仕方ないですよね。行きましょう」
「あのー、俺の朝飯は……?」
「寝坊したのに食べたいんですか?」
有無を言わせない笑顔と口調に空腹感は吹き飛ばされた。……同棲一ヶ月で早くも尻に敷かれている気がする
が考えないようにしよう。
かなり早い時間にやってきたはずなのに、シネマ・コンプレックスのロビーは既にかなり混みあっていた。目
当ての映画はまだ空席が残っていたが、他の作品の中には次々回まで待たなければならないものまである。
ちなみに今日の予定は映画館、昼食、お互いの欲しいものをプレゼントしあうためのショッピングとなってい
る。去年と同じような内容だが、提案したのは安田なので俺は悪くない。
上映まで時間があるので少し待とうか、とロビーの端に設置されていたソファに腰を下ろす。部屋を出てから
繋ぎっぱなしだった手を離し、掌にじんわりかいた汗を拭う。
「……んな目で見んな。しゃあないやろ、汗が気持ち悪かったんやから」
繋いでいた手を離してすぐに拭いたこっちも悪いが、だからと言ってこんな怖い目で見られる覚えはない。
「私だって汗掻いてるんですよ。……私は舐めとっちゃいますけど」
掌を口の前に持っていく安田の頭を軽くはたく。
「汚いからやめとけ。アホかお前は」
「アホになるくらい先輩のことが好きなだけです」
真顔で返されて返答に詰まる。恥ずかしい気持ちも当然あるが少し嬉しい。変態か、俺は。
「どうかしましたか?」
「……いや、なんでもない。どうやったら上手く返せるか考えてただけや」
「ツッコミはテンポが大事ですよ」
思わず苦笑が漏れた。ボケ要員に言われるなんて情けないにも程がある。
「あれ、飯嶋先輩、久し振りに見た! 何してるんですか、こんなところで」
不意に後ろから大きな声が上がった。振り向くと高校の美術部の後輩とその友達らしい3人組が立っている。
「人を珍獣みたいな言いかたすんなアホ」
「ごめんなさーい」
ゲラゲラ笑いながらの謝罪を聞いていると、3人ともが俺の隣へ視線を集めているのに気がついた。珍しさと
しては安田のほうが数段上だったようだ。あっという間に取り囲まれる。
「安田さんもいる!」
「まだ続いてたんだ、よく飽きないね」
「何観に来たの?」
女が3人寄ればかしましいとはよく言ったもので、すぐにお喋りの花が咲く。若干失礼な発言が聞こえた気も
するが。
「うん、いる。好き過ぎて飽きる暇なんて無いよ。観るのは――」
「「「きゃー!」」」
安田のノロケ発言に、3人が一斉に俺を見る。その目は最初こそキラキラと輝いていたがすぐにその光が消え
ていく。……悪かったな、大した顔じゃなくて。
「飯嶋先輩はどうなんですか? やっぱり彼女を愛してますか?」
後輩がリポーター気取りなのか、右手をグーにして突き出してきた。
「んなこと訊いてどうすんねん」
「そんなの、私達が楽しいからに決まってるじゃないですか」
「……トイレ行ってくる」
こういう連中の相手をするのは面倒だ、と逃げようとしたが、間一髪、翻ったコートの裾を掴まれる。
「逃がしませんよ。ちゃんと答えてもらわないと」
ぐいぐい引っ張られてたたらを踏む。このコートお気に入りなんだからやめてくれ。使い古してるけど結構い
い奴なんだぞ。
「お前らこんなことしてんと早よ映画観に行けや、もう!」
「残念でした。私達、次の回まで待たないといけないんです」
「俺等は1回目からや。もう行かなアカンから離せ」
「安田さん、本当?」
「うん、『カンフー・スパーク』の1回目だから、あと30分くらいで始まるかな」
3人組が今度は非難の目で俺を睨む。そんな映画、彼女と観に来るなよという目だ。
「んな目で見んなや。最初に観たい言うたんは俺と違うぞ。こいつや、こいつ」
最初に映画を観に行きたいと言ったのは安田だ。当然タイトルも指定されていたので俺は悪くない。
3人組にたっぷり遊ばれて、シアターに入ったのは上映開始5分前だった。チケットの座席番号を確かめながら
辺りを見回すが、年末だというのに殆ど人が入っていなかった。
「なあ、これってもしかして……人気無い?」
タイトルを聞いたときの悪い予感が再び浮かんできたので一応訊いておく。新年の映画が大量に出る時期とは
いえ、3割も座席が埋まっていないのを見せられては映画館の経営を心配したくなる。
「私は好きですよ」
ああ、お前『は』好きなんだろうな。よく分かった。大体『カンフー・スパーク』なんてタイトル、普通なら
観るのを避ける要素の一つなんじゃないか?
「でも主演の人のアクションが作品毎にどんどん進歩しているんです。特に最近出演した――」
そんな風にカンフースターについて熱く語りだした。ドラゴンの人とか酔っ払い拳法の人なら名前くらいは俺
でも分かるが、それ以外は映画には興味が無いせいもあって全く分からない。
ちなみに安田がアクション映画が好きだなんて知ったのもつい最近だ。それまでは彼女の趣味なんて教えてく
れることも無かった。それが変わったのは一緒に住み始めたからというだけではないと思う。そのことを彼女が
どう考えているのかは知らないし、そんなことを今更訊くつもりも毛頭無いからどうでもいいけど。
「くぁ……」
実に退屈な映画だった。ヘタレの主人公がたいした修行もしないままいきなり強くなって、敵方の超人をカン
フー技で薙ぎ倒していく、トンデモとしか言いようのない内容だったのだ。
「先輩」
「なんや後輩」
「よく寝てましたね」
「朝に叩き起こされたから、まだ眠、ふぁ……」
大した修行シーンも無いままいきなり空へ飛び出す主人公の顔のアップの辺りまでは覚えているのだが……そ
の後は寝ていた。観なくてもきっとハッピーエンドだっただろうことは予想がつくから別に構わないのだが。
「先輩」
「なんや後輩……痛い痛い、腰入れて殴んなアホ」
今観ていた映画の登場人物のように深く腰を落として正拳突きを一発、脇腹にもらった。数歩身体を離すよう
に逃げたがステップで距離を詰められる。更に一発当てようとしてくる彼女の額を片手で無理矢理押さえ込む。
「こんなところで暴れんな。周りの人に迷惑やろ?」
「先輩と映画の話、したかったのに。……酷いですよ」
「それは、ゴメン。誘ってくれたのにな」
もう殴られることは無いだろう、と手を離す。確かに俺が悪かった。せっかく一緒に映画館に来ているのに、
これでは一人で観に来てるのと同じだ。
「抱っこしてくれたら許します」
「ここでか?」
「当然です」
上映後の入り口周辺は出てくるお客と次の上映を待っているお客で結構混みあっていた。そんな中で抱きしめ
るのは色々な意味で邪魔じゃないだろうか。年の瀬も押し迫った時期にこんな映画を観に来てるのは、その、お
相手がいない人ばかりだというのに。
「……ちょっとだけやからな」
抜き打ちでギュッと抱きしめてすぐに離す。それでも見ていた人はいたようで、いくつかの険悪な視線が飛ん
できている。彼女はというとあまりに短すぎる抱擁に尚更機嫌が悪くなったようだった。
「ちょっと過ぎます。家でしてくれてるみたいに――」
「さ、次行こうか!」
これ以上彼女が不穏なことを言い出す前に退散しないとヤバい。周りの人達の視線がさっきから痛い。このま
まここにいたらショックで死ねる自信がある。
映画館近くにあったチェーンの喫茶店に入り、安田に先に座席を確保するように頼んでおく。それを目で送っ
てから注文レジカウンターを見ると知った顔が働いていた。勤労大学生、泉田だ。
「いらっしゃいませー、お一人ですよねー? そうですよねー?」
「……今日は厄日か」
「なんで厄日なんだよテメー」
「お客にそんな口利いてええんか? てんちょーさーん、ここに不良店員が――」
「うわー! やめろバカ、マジでクビになるだろうが! で、注文は?」
「態度悪いわーここの店員。……そやな、エビカツバーガーとクラブハウスサンドイッチ、それから――」
5つほどの軽食とカフェオレのビッグサイズを2つオーダーすると、泉田があからさまに嫌そうな顔をした。1
人にそんなに食われると回転が落ちる、とかぶつくさ言っている。
「俺1人と違うぞ、大食らいの連れがおる」
「まだ続いてたのかよ。意外だなあ」
「……お前ら、俺に何か恨みでもあるんか」
今日2回目の失礼な発言に呆れていると、泉田がお前は何を言っているんだ、と怪訝な顔をされた。彼は一旦
咳払いをしてまあいい、と一呼吸を置くと、ぐいと身を乗り出してくる。
「ここだけの話、夏に彼女から話を聞いたときはすぐに別れると思ってたんだけどな――」
「待て待て、何の話を聞いたんや」
「……やっぱ今の無し。聞かなかったことにしてくれ」
気まずそうにそっぽを向くので襟首を捕まえてこちらを向かせる。
「言え」
「……言わないでくれって言われてたの忘れてたよ。あのな――っと、注文は以上か? んな顔しなくても後で
教えてやるからさっさと次の人に替われ」
後ろで行列を作っている人の視線が痛い、と言って真面目に仕事をやり始めた。
安田の姿を探してテーブルにトレイを置くと、彼女は俺が腰を下ろす前に手にとって食べ始めた。食べるのに
集中している彼女に泉田が下で働いていると告げたが、そうですか、なんて適当に相槌を打ちながら手と口を動
かしている。こんな様子では自分の分が残るか怪しいので、とりあえずサンドイッチとハンバーガーの包みを一
つずつ確保し、さらに彼女の解いた包みからサンドイッチを一切れいただく。
「あ、それは……」
「ん? ほれ?」
口に咥えたサンドイッチを指差すと、彼女はこくりと頷いた。
「最後に食べるつもりだったのに、取らないでください」
「んなほと……んなこと言われても知らんがな」
口にモノを入れたまま喋るのは行儀が悪いからと食べかけを手に持って弁解する。しかし彼女は許してくれる
つもりは無いらしい。俺の手元に置いてあったエビカツバーガーをひったくると、大きな口を開けて一気に押し
込んだ。
「コラ、俺のエビカツバーガー返せ!」
「ふぁって、わらひのふぁんふぉいっひ……」
「お前の食っとるエビカツは俺の朝昼兼用や」
「あひゃごはんは、ひぇんはいがはひゃくおひ……早く起きないから悪いんです」
エビカツバーガーを1個丸々入れていたはずなのに、信じられない速さで口の中を飲み込んでしまった。こい
つと食事をする度に思うことだがどういう胃袋をしているんだろう。そんなことを考えていると、彼女が俺の手
に持ったサンドイッチも掠め取っていく。
「待て、それは……俺の食いさしまで手ぇ出すなや。ホンマ意地汚いんやから」
食べかけを満足そうに頬張って、もしゃもしゃ、ごくん、と飲み込んだ。……だからどうしてそんなに早く飲
み込めるんだ、お前は。
「そんな早食いしとると太るぞ」
「私より先輩はいいんですか? 餡子ばっかり食べて太っちゃうんじゃないかって心配で……あ痛」
また俺の手元のサンドイッチに手を伸ばそうとする安田の手をぴしゃりとやり、取られないように自分の手で
しっかり持つ。これまで持って行かれたら夕食まで持たない。
「最近は作るほうのお手伝いも始めたんでしょう?」
「作っとるからって食いまくるわけと違うって。味見でほんのちょっと舐めるだけや」
「でも最近、先輩、太って、きて、ませんか?」
俺の手の中から奪い取ろうとテーブル越しに暴れているが、手を高く上げてしまえばそれも届かない。どうだ
と勝ち誇った表情で安田を見ると頬を膨らませて座席に落ち着いた。
「自分では太ってないと思うけどなあ」
「お腹回りが柔らかくなってる気がします。エッチのときに抱きしめたらぷよぷよしてますよ?」
その言葉を聞いて力を失ってしまい、サンドイッチをトレイの中に戻した。安田はそれを当然のように奪い取
り胃に叩き込む。
「ふー、ごちそうさまでした。……先輩のお腹がぷよぷよなのは最初からですから安心してください。特別太っ
たりはしてませんよ」
「……俺の昼飯返せ」
「だから、ごちそうさまでした」
「先輩」
「なんや後輩」
「クリスマスのプレゼントは何が欲しいですか?」
「……エビカツバーガー」
「しつこいですよ」
繋いだ手を引っ張られて今度は腕を取られて組まされる。身長差が大きいせいで肩を引っこ抜かれそうだ。少
し痛かったので文句を言おうと見下ろすと、どうかしたのですか、という満足そうな表情に見上げられた。そん
な顔をされたら何も言えなくなるじゃないか。
「なんでもない」
「それならいいですけど」
更に強く腕を抱かれた。自然、彼女に耳を寄せる形になる。
「嘘は吐いちゃダメですよ。欲しい物は欲しいってちゃんと言ってください」
「だからエビカツバーガーを」
「怒りますよ、流石に」
耳たぶに噛み付かれて首を竦める。こんな街中でそんなことしないでほしい。
「危ないなもう。……お前はどうやねん、何が欲しいんや?」
「私は……ここです。この中で売ってます」
立ち止まらされたのは大きなデパートの前だった。何か馬鹿みたいにお高い服でも買わされるのかと、ドキン
と心臓が飛び跳ねた。しかし彼女を見下ろすとそんなに心配しなくても大丈夫だ、と言う。
「お互い、どれくらいのお金が自由になるかは分かってるでしょう? そんなに無茶苦茶なおねだりはしません
から安心してください」
同居を始めてからまず最初にしたことはそれぞれの給料と仕送りの使い道だった。結果、家賃と光熱費と水道
代は折半、それ以外はお互いの財布の収めるように決めた。
そんなルーズな家計だから毎日夕食の準備をしてくれている彼女からは食費が消えやすいのだが、その辺りは
一緒に買い物に出たときになるべく俺が払うようにして解消している。彼女もそれを察してなのか俺がいるとき
に限って米やら醤油やら味噌を買い込むので、今のところは2人の支出のバランスはトントンといったところだ
ろうか。
「行きましょう」
彼女が俺の腕を引いて店の中へ入っていった。
俺は人生初めてとなるお洒落な空間に落ち着きを無くしていた。取り扱っている品はどれも高価で、以前一緒
に入った小物を扱う店とは比べ物にならない値札をつけている。
「先輩」
「なんや後輩」
「そんなにきょろきょろしなくても大丈夫です」
「とは言われても」
薄手のカーディガンみたいなのが2〜3万もするような世界で落ち着けというほうが無理だ。全くの異世界に放
り込まれた今の俺は、まな板の上の鯉という表現がぴったりくるだろう。
「ここです。ここにどうしても欲しいものがあるんです」
そんな風に俺が動揺している間に目的地についていたらしい。白く広い通路からテナントを覗くと、腰の高さ
のガラスケースが置かれている店だった。どう見ても貴金属を扱う場所だ。息を呑んだまま固まってしまう。
「大丈夫ですよ。そんなに何十万円もするようなもの欲しがらないですから」
「……とは言われても」
カウンターの奥には恭しくピンスポットに照らされた首元だけのマネキンが回っており、そこには大粒の宝石
がくっついたネックレスがかかっている。眩しくて視線を上へ逸らすと……俺でも名前を聞いたことのある超有
名店だ。
「マジでここで買い物するん?」
「はい」
「……マジで?」
「はい。そんなに心配しなくても――」
再び彼女は俺の腕を強引に引っ張っていく。カウンターが近付いて中身が見えた。……眩しい。色々な意味で
眩しい。
「――これです、欲しいのは」
指の先を見るとシルバーのチェーンブレスレットが置いてあった。先端にかわいらしいサイズのリングが2つ
ほどくっついているもので、値段も想像していたより随分安い。こういう店ってもっと札束持って来ないと何も
買えない印象があったんだけど。
「先輩は夢を持ちすぎですよ。それなりの商品のほうが多いんですから。……すみません、これ、ください」
彼女はカウンターの中の店員さんに声をかけた。店員さんは俺達を見て一瞬薄く笑うと、すぐに接客用の笑顔
切り替えて仕事を始めた。……腕を組んだままで悪いか、この野郎。
右手にさっきのシルバーブレスレットの入った紙袋を提げて、左手には彼女の手。そんな格好で、今度は彼女
から俺へのプレゼントを探そうと色々見回ったが、欲しい物は見つからなかった。
「先輩もアクセサリというのはどうですか?」
「そういうの着ける癖無いし、細かいモンはよう無くすからパス」
「服は?」
「仕事は仕事着でええし、私服はジーンス3本、パーカー2着、Tシャツ数枚あるし問題ないで」
「じゃあ何か欲しいものはありますか? ……エビカツバーガー以外で」
「ボケを潰しな。でも欲しいものとか――」
今の生活に満足してるから欲しいものなんてない、と言いかけて安田の顔を見る。自然と見上げてくる安田と
見つめあう形になった。
「――無いし、なんやろな」
「私に訊かれても困ります。……本当に無いんですか?」
「無いな。今日の予定決めたときから考えとったけど――っと」
突然、ポケットの携帯電話が鳴り出した。泉田からの着信だ。安田に断って離れ、通話ボタンを押す。
『もしもし』
「なんやお前か。デート中やし切るぞ」
『ちょっと待て! お前が話聞きたいっつったんだろうが!』
それでわざわざ電話をしてきたのか。こういう変なところでは律儀な奴だ。
「そういえばそうやったっけ。てっきりフカシやと思っ――」
『ざっけんな! こっちは短い休憩時間削って電話してんだぞテメー!』
憤慨している泉田をなだめすかし、気がついたら飯を奢らされる約束を取り付けられていた。
「で、なんて言うとったんや? ……なんやそんなことか。あのなあ、そんなことお前に心配されんでも人並み
程度には――」
「先輩」
「うわっ!」
いきなり声をかけられたせいで携帯電話を取り落とすところだった。気配を消して背後に立つのは勘弁してほ
しい。寿命が縮む。
「誰と電話してるんですか?」
「ちょっと待ってや。――とにかく、話は分かったから。……はいはい、んじゃ。」
電話の向こうを無視して通話を終えた瞬間に安田に携帯電話を奪われた。ピピピとキーを操作する。
「なんだ、泉田さんじゃないですか」
「人の着信履歴を勝手に見んな、ボケ」
何をするのかと思ったら俺の通話記録を見ている。そんなことしなくても訊かれれば答えるのに、信用されて
いないようで非常に気分が悪い。
「気ぃ悪いからやめてくれ」
「すみません。でも泉田さんなら私から離れる必要無いでしょう? 何の話をしていたんですか?」
何かやましいことでもあるのか、と疑いの目を向けられる。こうなったら滅多なことでは疑いを晴らしてくれ
ない。
「忘れ物があったって言うてくれただけや」
「嘘ですね。あの席片付けてきたときは何も残ってませんでしたよ。……こっちを向いてください」
コートの襟をくいくい引っ張られるがあえて視線を合わせない。顔を見てしまったらこっちが折れてしまう。
「先輩。……もう」
彼女はここで訊いても答えてくれないと思ったのか手を離した。広がった襟からぬるい暖房の空気が流れ込ん
でくる。
「あ、そうや。コート欲しいかもしれへん。これ5年以上使こてるから、もうヨレヨレやし」
そう言うと安田は不機嫌そうな顔をした。どうしたんだ、と訊くと突然抱きつかれる。顔を埋めるようにおで
この辺りを胸に押しつけられて少し苦しい。
「この感触、すごく好きなのに」
「……俺はこんなところで抱きつかれるのは嫌やねんけど」
「先輩の匂いが染み付いてて最高です」
「今すぐ離れろ」
「嫌です。さっき映画館では抱っこしてくれなかったからその代わり。……それにここならあまり人目につかな
いですから、先輩も安心でしょ?」
今俺達がいるのはテナントとテナントの間にある通路のようなところだ。確かに人目に付きにくい場所ではあ
るが、だからと言ってしていいという理由にはならない。そもそも俺がこういうことをするなと言っているのは
人の目があるからというだけじゃないのだ。
「どうかしましたか?」
「俺が我慢出来へんようになるからやめてくれ」
「先輩が求めてくれるならここでもいいですよ?」
楽しそうに口の端を引き上げて目を閉じる。キスをしろと言いたいのだろうか、踵を上げて顔を寄せてくる。
「ねえ、先輩。……あ痛」
無防備なおでこを指で弾くと相当痛そうに反応した。心の準備が出来ていないから普段よりも痛い、とか言い
ながらおでこをさすっている。目の端に少し涙が浮かんでいたのを謝りながら指で拭ってやる。
「本当に悪いと思っているなら、キス、してください」
ぷーっと頬を膨らませて上目遣いで頼まれたら嫌とは言えない。デコピンをして痛い思いをさせたのは自分だ
し仕方がないか、と軽く唇を落としてやる。
「これでええ――」
「見直しました!」
不意に後ろから大きな声が上がった。振り向くと高校の美術部の後輩とその友達らしい3人組が立っている。
今日の朝、これと全く同じシチュエーションを経験した気がするがそんなことはどうでもいい。
「先輩も安田さんのこと大事にしてるじゃないですか」
ニヤニヤしながら3人組が近寄ってくる。……今すぐ帰りたい。
* * * * * *
「先輩」
「なんや後輩」
「今日は久し振りにあたふたしてる先輩が見れて楽しかったです」
繋いだ手がきゅうっと握られる。あの3人組の攻勢からなんとか逃げ帰ってきて、さっきスーパーで夕食の買
い出しを済ませてきたところだから、反対側の手にはスーパーのビニール袋とプレゼントの入った紙袋を提げた
ヘンテコな格好になっている。
「俺は全然楽しないわ。あんなんはもう勘弁」
顔から火が出ると思った、と呟くと安田は繋いでいないほうの手で頬に触れてくる。ずっと冬の外気に触れて
きた彼女の指は氷のように冷たかった。
「本当にあったかいですね、先輩の顔」
「お前の手ぇが冷たいだけや。手袋買うたらええのに」
「手袋つけたら先輩の体温を感じられないじゃないですか」
俺の肌で暖を取っているのか掌を擦りつけてくる。最初のうちこそ我慢できたが、ベタベタと触られるうちに
段々うっとおしくなってきた。
「……人の顔で遊ぶんやめろ」
「先輩の顔では遊んでないですよ。先輩で遊んでるんです」
「ブレスレット捨てるぞ」
「やめてください」
本当に捨てられたら困るから、とシルバーのほうの紙袋を奪っていく。これで彼女も両手が塞がって悪戯出来
なくなるだろう。そう心の中で胸を撫で下ろしていると安田がまたこちらに向き直った。
「そういえば先輩」
「なんや後輩」
「泉田さんからの電話の内容、有耶無耶になって訊き忘れてました。何だったんですか?」
「……そのまま訊き忘れとけや」
「何か言いましたか?」
視線を合わせないように反対側を向くが、顎を掴まれて首を捻じ曲げられる。真っ直ぐにじいっと見つめられ
て思わずたじろぐ。
「言いたくないならそう言えばいいじゃないですか」
「そしたらお前、アイツに訊くやろ」
「当然です」
そんな分かりきったことを今更訊き直さなくても、とこちらを睨みつけてくる。こうなったときの安田はテコ
でも動かない。……仕方がないか。
「今年の夏、2人で花火観に行ったやろ。あのときの話をしてもらったんや」
「あのときのって……もしかして?」
途端に唇を尖らせ不満を露にする。泉田さんには話さないでと頼んだのに、と機嫌を悪くしている。このまま
ではアレに迷惑をかけてしまうから誤解を解いておこう。
「俺が訊き出したんや。最初に匂わせたのはアイツやけどな」
「やっぱり泉田さんが悪いんじゃないですか」
まったくもう、と憤慨しながら俺の手を引いていく。彼女の機嫌は簡単に直ったらしいが、今度は俺に引っか
かる部分が生まれた。今の話を聞かされて何も思わないのだろうか。
「なあ、何も言うことないんか?」
「何かって、何を?」
とぼけた振りをしているのか知らないが、返答が嫌にもどかしく感じる。
「だから『好きだって言ってほしかった』って言うとったのバラされて、なんかこう、もっとリアクションはな
いんか?」
泉田が言っていたのは、安田が俺から『好きだ』という言葉を聞いたことが無い、というものだった。理想の
彼氏は自分のことを好きだときちんと言ってくれる人だ、と言った上でそう付け加えたという。それを聞いてア
イツは俺と安田はもう長く付き合っていられないだろう、と思ったそうだ。
「リアクションなんて必要ないですよ」
「なんでやねん」
「だって先輩、ちゃんと私のことを好きだって言ってくれましたから。それさえあれば私は先輩のこと、ずっと
好きでいられます」
彼女は燃費がいいでしょう、なんておどけてみせた。繋いだ手がまたきゅうっと握られる。本当は言ってほし
い、と指から伝ってくる。
俺は好きだの愛してるだのは恥ずかしいから言わないが彼女は違う。真正面から好きだと言ってくれる。いつ
もそういう言葉を貰ってばかりでいいのだろうか。
「……我慢はせんでええで。それくらいのことやったらいつでも言うたるから」
「言いましたね?」
手が更に強く、締め付けられると表現してもいい強さで握られた。……どうやら彼女の手指の動きに騙された
らしい。
「優しい先輩は大好きです」
「俺は嘘吐きは嫌いや」
「嘘なんて一言も言ってないですよ?」
勝手に勘違いをしておいて言いがかりは止めてほしい、と繋いだ腕をぶんぶん振る。言葉にはしないがもう楽
しくて仕方がないといった様子だ。
面倒な約束を交わさせられたとは思うが彼女が嬉しいというならそれでもいいか。
買い出して来た食材を片付けるのもそこそこに、俺はベッドに押し倒されていた。さっきから嫌にテンション
が高かったから覚悟はしていたが、そういうことをされるのは夕飯の後だと思っていた。
「お腹、空いてるんやけどな」
「朝は自業自得」
「昼はお前に取られたからや」
「じゃあ夜はどうしますか?」
私を食べますか、なんてベタなことを言い出す前にその唇を塞ぐ。百貨店の通路でしたような軽く触れさせる
だけのつもりだったが、安田が求めてきたせいですぐに深いものに変わる。
「はぁ……ちゅ、ちゅぱ……あむぅ……」
甘い吐息を吐き出しながら舌を絡ませてくる。俺に重なるように沈めてくる彼女が愛おしくて、身体を掻き集
めるようにして抱き直す。背中に回した腕に力を入れながら下半身へ手を伸ばしてスカートの裾を弄り、膝の裏
の柔らかいところや引き締まった内腿をタイツ越しに指で捏ね回す。
「……ふぅ、せんぱいの、えっち」
「なんもエッチなところ触ってへんやんか」
「触りかたがエッチなのぉ……」
文句を一通り言い終わるとまたくっついてくる。俺も嫌いじゃないが、彼女はキスが異常に好きだ。最近は場
所も構わずキスをねだってくる。大抵の場合は無視をしてしまうのだが。
「もっとぉ……」
つぷり、と音をさせながら舌を離すと2人分の唾液で出来た橋が架かる。重力に耐えられない橋は帰ってきた
ときから着たままだったコートにだらしなく垂れる。
「その前に、服、脱ごか。コート汚れたわ」
「多少なら汚れても大丈夫ですよ。……私のプレゼントもありますから、困らないでしょう?」
キスシーンを見られたあの後、男1人女4人の変な組み合わせで各テナントを回って結構な値段のするコートを
贈ってもらった。外野からは散々今着てるコートと同じ型じゃないかとか、センスが古いとか言われたが、彼女
から贈ってもらったものだ。特に文句を言うつもりはない。
「でも、これも大事にしてるやつやから」
「……前の彼女からのプレゼントですか?」
「違うよ。中学の頃から使っとるけど」
ボタンを外しながらその質問に答える。もう5年以上使って、ところどころほつれてきているが、それでも着
ている程度には愛着があるものなのだ。新しいものを貰ったからと雑には扱えない。
「このコートを着た先輩はすごく素敵ですけど、やっぱり贈ったものも着てほしいなって思って。……我侭、で
すか?」
開いたコートの襟に鼻を突っ込んできて、クンクンやりだす。蒸れて汗臭いだろうにまたいい匂いだなんて言
うつもりなのだろう。
「我侭っつーか、着古したコート相手に嫉妬すんなや」
軽く笑いかけたが俺の言っている意味が分かっていないらしく、不思議そうにこちらを見上げてきた。ボタン
を外し終えたコートから腕を引き抜いて彼女を更に抱き寄せると、やっと一言漏らした。
「……そっか、こういう気持ちって嫉妬なんだ。知らなかった」
気持ちよさそうに俺の胸に顔をすり寄せてくるが、声音には不安の色が見え隠れしていた。
「……翠」
「なんですか、先輩」
「お前のこと好きやで」
抜き打ちでそう言うと彼女は大きく息を呑んだ。
「俺もお前に好かれるように、出来る限りのことはするんやで? やから言うてくれ」
「嫉妬なんて格好悪いことしちゃったのに」
「それも合わせてお前は可愛いから問題ない」
「でも」
まだ何かを言おうとする彼女の口に人差し指で蓋をする。その目を見て言う。
「俺も、お前が誰かのブレスレットつけたりしたら嫌やな。……めっちゃ妬いとるけど、どう思う?」
「嬉しいです」
「俺も一緒や。嫉妬してくれて嬉しい」
妬くのも程度によるんだけどな、と苦笑すると彼女がまた唇を押し付けてきた。舌を絡ませない薄いキスなの
にたっぷりの余韻を残していく。たまらなくなってこちらから唇を奪い舌を差し入れ、本格的に彼女の服を脱が
せにかかった。
上着を殆ど一息で脱がせて鎖骨の窪みへ口元を寄せる。肌の表面は冷えていたが胸元から流れてくる体温が嫌
に心地よい。女の子の匂いに包まれるようだ。
「んぅっ……くすぐったぃよぅ……」
犬のようにぺちゃぺちゃ舐めていると彼女の息が乱れてきた。鎖骨、特別弱いわけでもないだろうに。
「せんぱい、もっと、きもちい、とこ、ほしいの……」
これから与えられるだろう快感が待ち遠しくて身体を捩っているのか。それが分かると、無性に意地悪したく
なってきた。舌を硬く伸ばして、つつつっと首筋から耳まで一気に走らせる。びくんと彼女の身体に力が入った
が、耳たぶを口に咥えて舐め回すとすぐに力が抜けていく。
「耳弱いなぁ、お前」
「……もっと弱いところ触ってるくせに」
耳を舐めながらフリーになった手はスカートの裾を捲り上げ、小ぶりなお尻を撫でさすっていた。タイツの中
へ手を差し込んで窮屈さを楽しみながら、少しずつ女性の部分を目指す。
「やぶれ、ちゃうから」
俺の手がある程度までタイツの中に侵入するとそれを押し止めるような言葉を吐き出した。それなら自分で脱
いでくれ、と促すとそろそろとタイツを下ろしていく。
「あ、ダメ……」
両手でタイツの端を持っているから俺の手を押し止めることは出来ない。それをいいことに下着の中に侵入し
た。しっとりと湿っているのはまだ汗だが、もう少し進めると違う湿気とぶつかるだろう。そんな感触を愉しん
でいる俺の手を払いのけようか、それとも先にタイツを脱いでしまおうか。悩んでいる彼女の耳たぶを甘噛みし
て困らせる。
「あぅ、ま、まだ……待ってください。ホントにやめて?」
「嫌や、って言うたらどうする?」
耳元で囁きながら舌でぴん、と耳たぶを弾く。唾液をまぶして穴に舌を突っ込もうとすると、くぅ、と喉を鳴
らして嫌がった。
「どしたん?」
「涎、耳の中はいっちゃうから、ね?」
「だって手ぇ動かしたらアカンのやろ? でもお前のことずっと弄ってたいやん」
「……どっちも我慢しないとダメです。邪魔しなかったらすぐ脱げるから、ちょっとだけ我慢して」
俺を叱るように軽く睨むとタイツを脱いだ。ベッドの下へ投げ捨てると下着にも手をかける。もう本番がした
いのか、と訊くとこくりと頷く。
「まだなんにもしてへんで?」
「先輩に好きだって言われたら濡れちゃいました」
真顔でそう返してくるので思わず苦笑する。お前がエロいってだけの話だろうに。
彼女が腰を持ち上げて入り口に先端を押し付け、そのまますとんと座り込んだ。少し弄っておいたから十分に
濡れていて、抵抗もなく入っていく。膣全体でぎゅうぎゅうと締めつけてくる。
「う、んっ……! これ、欲しかったんだぁ……」
肉棒を伝って下腹部に垂れてくるくらい濡れている。ちょっと濡らしすぎじゃないかと困惑している俺を置い
てけぼりにして、彼女が腰をスライドさせはじめた。
「一番おく、ぐりぐりって、きもちいっ……!」
気持ちのいいポイントに当てるために上体を反らせるから、俺からは繋がっているところが丸見えだ。結合部
位外もぬらぬらと愛液で濡れて光っている。
「お前、濡らしすぎちゃうか?」
「だって、自分じゃコントロールできないっ、からっ!」
コントロールできないのは腰の動きもだ。さっきから痛いくらいの勢いで尻を打ちつけてくる。ただ痛い以上
に絡みついてくる襞が快感を呼び、声が漏れる。
「文句言ってるくせに、先輩も感じてるんじゃないですかぁ」
語尾にハートマークをつけた愉しそうな声をあげる。反撃しようと腰に手をかけると急に締めつけが強くなっ
た。膝をくっつけて内腿の張りを強くさせて、その体勢のまま身体を上下させる。削られていると錯覚するほど
の強い刺激で絞られて、奥歯を噛み締め耐える。
「あ、はぁっ……んんっ! ……先輩も声、出して? きもちいい声、聞かせて?」
蕩けそうな喘ぎ声と一緒にそんなおねだりをされる。俺としてはむしろ、自分の喘ぎ声でお前のそれを掻き消
してしまうのが嫌なのだけど。
上体を起こしながら彼女の腰に腕を回して抱き寄せ、対面座位の形に変えた。あのままじゃ俺は碌に抵抗する
ことも出来ずにイってしまう。お互いがお互いの肩に顎を埋めて身体を密着させる。
「せんぱい、このかっこ、好きですよね」
「お前も、俺の上に乗るの好きやんか。……お互い、ワンパターンやなぁ」
「王道、です」
彼女はそう囁くとゆっくり身体を揺らし始めた。やっぱりこの刺激は、何度経験しても気持ちがいい。
まだ暖房を入れたばかりで部屋は冷え切っている。それなのに俺も彼女もじんわりと汗ばんできていた。下半
身を繋げながら口を吸い合い、胸を弄る。すべすべとした女の子の肌が湿ってきたせいで、触れあっているお腹
が吸盤のようにくっつく。
「せんぱいと、こういうふうにくっつけるの、すきです」
彼女は唇をついばむように愛撫しながらそう囁いてきた。瞳がとろんとして今にも眠ってしまいそうに見える
が、俺を包んでくれている中は全然違った動きをしている。入り口から奥へ向かってしごきあげるような締めか
たで、もうさっきから何度もイきそうになっていた。
それなのに彼女は腰を揺することを止めない。さっきから胸を触っていた俺の手指が、快感に頭が焼き切れて
何度も止まっているのが分かっているだろうに。
「先輩、がまんできない? だったらイっちゃって? わたしももうすぐイけるから、おもいっきり動いてくれ
たら……ね?」
私も満足できるから、と肩口へ軽く噛みついてきた。それを合図に俺も腰を使う。下から上へ何度も、突き上
げる動きで彼女と身体を重ねる。彼女は彼女で腰を捻るように使ってくるから堪らない。
「せんっ! あっ、あんっ! すき、それすきぃっ……!」
首筋に腕をかけてきてぐいぐい引き寄せようとする。負けじと俺も彼女の身体を抱き寄せて唇を貪る。柔らか
い唇と弾力のある舌。
「んぐ……んうぅん、くぅうん……!」
涙をこぼしながら俺の全てを受け入れようと頑張っている。もっと苛めたくなる。
「ふぅん、ん、んん!? ふにゅ、じゅるっ……」
彼女の全てを感じたい。ひとつになりたい。そんなことを遠くのほうで考えながら腰を動かす。もうそろそろ
限界だ。
「俺、もう、そろそろ……」
「うん、わたしも、イく、イくよ!?」
更に深く激しく繋がれるように少し身体を離し、腕だけで互いの身体を支えあう。結合部分から卑猥にぬかる
んだ音が響いてくる。異常な興奮で頭の芯が痺れてきた。もう、限界だ。
「イっ……!」
彼女を抱きしめて一番深く突き入れて発射した。ゴムの内側をいっぱいにするくらいの量と勢いだった。
* * * * * *
「なあ、そろそろ布団くらい買わへんか?」
安田が満足していないと1回、俺に火がついてしまってもう1回、もうこれで終わりと言ったのに1回、4回戦を
戦い抜いた後、疲れ果てて寝転がってそんな提案をした。
「どうして?」
「んー、だって狭いやんか、ここ」
俺が越してくるときに持ってきたシングルベッドをバンバンと叩いて示す。2人暮らしになって既に一月経つ
のに、この部屋にはまだこのベッド1組しか寝具が無いのだ。当然寝るときは2人がこのベッドで一緒に眠るわけ
で。
「お前がベッドで寝たい言うんやったら、俺は買うた布団で寝ても全然構へんし」
「嫌です」
「何が? ベッドのほうがええんか?」
「違います。先輩とくっついて寝たいから」
「俺はそれで困ってるんやけど」
好き同士の男女2人が同じベッドに寝るということはそういう行為が待ってるわけで、更に言うなら毎日そん
な状況なわけで。
疲れたから今日くらいは勘弁してくれ、と拒否して背中合わせで寝てたら背後から艶かしい声が聞こえてき
て、何事かと思ったら自分で慰めてたとかいうことも何度あったかなんてもう思い出したくない。
「先輩、私と一緒に寝るの嫌?」
「……嫌と違うけどな」
「だったらいいじゃないですか」
これで話は終わりだ、と腕に擦り寄ってきた。絶対に分かってやっている。俺を困らせて楽しいのだろうか。
「先輩」
「なんや、翠」
「これからずっと、一緒にいてください」
「……そやな。一緒にいたいな」
彼女の身体に腕を回して抱き寄せる。温かい塊が腕の中でくっついてきて、またキスを求めてくる。
俺達がいつまで続くのか分からないけど、少なくとも今はこうして彼女を抱きしめられている。とりあえず今
は手の中に収まっていてくれる彼女を大事にしよう。俺にはそれ以上の難しいことは出来ないから。
と以上です。
とりあえず使いたかったギミックは全部使い切ったのでこのシリーズはこれで終了です。
本当にやりたかったことは前回でやりきっていたので、今回はぶっちゃけ蛇足回だったり。
それではみなさま、よいお年を……
一番槍GJ
GJ!
もっとこれからずっとのお話を読みたいという反面、
新しい作品を手がけて下さるならそちらも読みたい、といった感じです。
安田お幸せに!
GJ!そして乙!
「あ、男」
「やあ、クー。
何度も言ってるけどあんまり窓からは入ってこないで
・・・ってなんだいその格好は」
「・・・サンタクロースだ」
「・・・何故に?」
「男・・・実はなサンタさんはいないんだ」
「・・・知ってるよ」
「何!?男はサンタを信じてるって男のお母さんたちが言って」
「それはクリスマスにプレゼントを渡すのを
楽しみしにしてる父さんたちを喜ばせたいから
韜晦してたんだ」
「なんと・・・」
「まあ、クーは僕に贈り物を用意してくれたんでしょ?
嬉しいな。クーにもお昼にあげたのとは違うのあげるよ」
「やん、男。・・・男のトナカイさんの角がこんなに」
296 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 02:04:48 ID:tngzSnD9
男のソリに乗るんですねわかります。
>何度も言ってるけどあんまり窓からは入ってこないで
何度も窓から入ってるんだ・・・
毎晩夜這いしにくるんだろ
コイネコ風味なだけじゃない?
素直クールな猫の干支精霊と神様とか
考えたが、干支の説話と絡める意味があるのか
微妙なので没
「……あいつにしちゃ遅いな、いったいどうし……ん?」
「…………………………」
「なんだ知恵、そこに居たのかよ」
「…………………………」
「居たんなら声をかけ……おいどうした?」
「ん……? ああ、士郎か、いやすまない、ボーっとしてた」
「どうした、最近冷え込むし、風邪でも引いたか? 初詣は止めとくか?」
「いや、気遣いには感謝するがそういう訳でもない。単に士郎の装いが予想外で不意を付かれただけだ」
「ん? おお、そう言われるとめかしこんで来た甲斐があったな」
「紋付袴とはな。一体どうしたんだ?」
「いや、お前はどうせ力いっぱいめかしこんで来るだろうって予想がついたからな、こっちも対抗してみた」
「そうか……いやまったくの不意打ちだった」
「で、どうよ、感想なんかはあるかい」
「うむ、まさに眼福だ。士郎の魅力は重々承知していたつもりであったがそれが浅はか極まりない理解で
あったと思い知らされたよいやもちろん士郎は普段からも十分すぎるほどに魅力的であるがそのような
新鮮な装いを見せられるとまた新たなる発見があるというかいっそう魅力が引き立つというかいやまったく
見た瞬間私としたことが見惚れてしまったよ特に士郎は堂々たる偉丈夫だからな紋付袴の似合うことといったら」
「すまん俺が悪かった。その辺で勘弁してくれ」
「む、こちらこそすまん、つい浮かれてしまった」
「でもまぁ、予想通りで助かったぜ。俺だけだったりするとサムかったからな」
「む? どういう意味だ?」
「お前の振袖姿、似合ってるぜってことさ」
「…………まずいな、これはまずい。新年となってまだ半日も経っていないというのに、士郎の艶姿を
眼福できるは、こっそり勉強して着付けた振袖を褒められるは、あまりにも幸せすぎるぞ……!」
「大げさな」
「しかし、元旦早々からこんなにも幸福では、これから一年分の幸せを使い切ってしまわないかと不安で
しかたないな」
「だから大げさだっつーの。この程度のことなら、この先いくらでもあるさ」
「いくらでも、だと……?! このレベルの幸せが、これから先も続くというのか……?!
それはそれでまずいぞ、そんなに幸せ責めにされたら私はどうなってしまうのか」
「難儀なやつだなお前は」
「心外だな、士郎が罪作りなだけだ」
「俺のせいかよ?!」
「で、知恵は何を祈願したんだ?」
「そう聴かれると困るな。何しろ時間が許す限りに片端から願を掛けまくったからな」
「そんなに何を願ったんだ?」
「家族の健康と、まぁ一言で言えば士郎のことばかりだ」
「さいですか」
「それで士郎は何を願った?」
「あー。まぁ……俺はわりと験を担ぐから、言わないようにしてるってことで」
「……他人の主義主張に口を挟む気はない。その割には私には聞いたというのも許そう。
だが、なぜ目をそらして答えるかだけはきっちりと説明して貰おうか」
「そ、それよりもおみくじ引こうぜおみくじ!」
「……まぁいい、乗せられてやるとしよう」
「おっし、行こうか!」
「で、士郎。結果はどうだった?」
「……………」
「ほう、中吉か。まずまずではないか」
「俺に取っちゃあそうでもない」
「ほほう? 大吉以外は認められないと?」
「そうじゃねぇ。ここだよ、ここ」
「ん? ……なるほど、『旅立ち:わろし』か。風来坊には大問題だな」
「ご理解いただき感謝だよ。で、知恵のほうはどうだったんだ?」
「私の方はこうだ」
「……げ、凶かよ。最近は凶も減らしてるって言うのに引いちまったかぁ」
「なに、問題はない。もとよりさほど重要視もしていなかったが、士郎流に言えば決して悪くもないからな」
「……どういうこった?」
「私のほうの重要点は、ここだな」
「……『待ち人:遅かれども来る』?」
「つまり、士郎はどこに旅立とうとも、待っていれば必ず帰ってくる、ということだろう?」
「……なんか、スマン」
「何を謝るのだ?」
「んじゃ、言い直す。……愛してるぜ知恵」
「ああ、私もだよ士郎。だが急にどうしたのだ」
「なんとなくさ」
というわけであけましておめでとうございます。
相変わらずエロなしですまんが、もうちっと待っておくれやす。
305 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:13:40 ID:0cPpa05U
新年明けましておめでとう!
今年もこのスレを訪れる全ての人に限りない幸せがありますように!
新年あけまして、おめでとうだな。スレのみな。
今年は素直クールな彼女がほしいなぁ、なんて。
あけおめ
今年こそは素直クールなSSを書いてこのスレに投稿してみせるぞ!
>>303 あけましておめでとうございます。GJでした。
このスレ見てると胸のキュンキュンが止まらないんですが
ふと思ったんだが
素直クールな子ならどんな年賀状なんだろう?
というか年賀状をどういうものにすれば素直クールらしくなるだろう?
会いに行って直接とか、一緒に年越ししてそのまま
とかいった渡すシチュエーションでも可
>>311 むしろ年明けと同時に「初詣行こう」って突撃してくる方がそれっぽい気がする。
年賀状は「あんな文面、直接言った方が早いだろう?」とか言って出さない…とか?
むしろ気合入れまくった年賀状を送っておきながら、
それでも足りずに新年明けたと同時にメールがきて、
男くんがまだメールを見てる最中に電話がかかってきて、
電話をしてる最中に玄関のチャイムが鳴って、
「さあ、初詣に行こう」
>>311 俺は素直に普通の文面を普通に送ると思う。
で男に「普通の年賀状だったな」とか言われたら
「いくら男のことを愛していてもラブレターのような年賀状を出すわけないだろう。
男以外にも見られる可能性も有るし」とかクールに返されちゃう感じ。
それで男が落ち込むと「まぁ愛の言葉ならこうして直接囁くからそれで我慢してくれ」
とか正月早々無意識に男を刺激しちゃうようなそんなイメージ。
ラブレターにしか見えない内容の年賀状が、
数十枚束になって送られてくるのでは。
「君への想いを葉書一枚に収めるのは到底不可能だよ」と。
むしろ直径10cmはありそうな巻き紙が送られて来る
振袖姿で突撃して来て、男の前でそれを脱ぎ捨てる
するとそこには全身に書かれた男に対する愛の言葉が!
「男よ・・・じっくりと読んでくれ」
こうですか?わかりません><
其れはもはやただの痴女だw
しまった耳にだけ書いていない
男は悪霊か何かかw
耳だけ愛してもらえないではないか!
初詣に行くために男くんの家に出向き、出てきた男くんの目の前で、
手品よろしくどこからともなく取り出した年賀状を渡す。
「確実に渡したいから直接持ってきたんだ」
>>317 むしろ羽根付きで男みずからかかせるというのは(ryu
>>323 「その熱く猛った君の筆を私の硯に浸してくr(ry
素直クール関係ねぇな
>>325 たしかに、真っ最中の台詞に思える
やはり素直クールというのは日常から
といってもここはエロパロだけどさ
「手書きの年賀状を出したぞ?
ご両親に悪い印象をもたれては後々困るのでな。」
「そういうのはきっちりしてるよなお前。」
「親しき仲にも礼儀ありと言うしな。生きていく上では必要なことだ。」
「・・・今の状況と矛盾してないか?その発言。」
「そう言うな。ほら、あと106回だ。」
「死ぬって!」
2008/12/31 23:20 男部屋にて
赤球でちゃうよ…
うああああああああああああ
誰か書いてくれええええええ
俺の素直成分が切れそうだあああああああ
「私達も他人のことは言えんが、新年早々から混雑承知でご苦労様だな。」
そんな不満をこぼしながら彼女はオレの腕に抱きついてくる。
「今日は家でゆっくりして、初詣は明日にしとけばよかっただろう。」
「分かってないな。年が明けて色々やることがあるんだから、こういう疲れる行事は先に済ませたいだろ?」
お互い実家に帰らず一緒に年越しして、朝起きたら始めに言われた言葉は「おはよう、では初詣に行こうか。」だった。初詣はいいんだけど、起きてすぐじゃなくてもう少しタイミングを読んで言って欲しい。
「でも、人が多いとこうやってくっついていられるから良いものだな。普段はこうやって密着して歩く事なんてないからな。」
「し、仕方が無くだからな。くっついていないとはぐれてしまったら面倒だろ。」
「そうだな。でもこうやって歩くと暖かいな。雪も降っているのに。それに君を感じられて幸せだ。」
「きょ、今日だけ特別だからな。普段はあんまりベタベタくっつくなよ。まわりが引くし。」
「む、そうか。なら帰るまでこのままでいいか?ずっと人ごみだし。」
「……勝手にしろ。」
ちょっとお参りに来ただけなのに、えらく疲れてしまったのは人混みのせいだけじゃないんだろうな。
「帰ったらテレビ見ながらゆっくりするか。」
「何を言ってるんだ。帰ったら姫始めをしなければいけないぞ。」
「それは明日だ。」
「なら、日付が変わったらすぐ始めよう。早く君と愛しあいたいんだ。」
「わー、っていうかこんなところでそういう事を言うな。」
新年早々まだまだ疲れは溜まりそうだ。
やhっほおおおおおおおおおおGJだぜえええええええええええ
通りがかって久しぶりに覗いてみて
>>329が見えたので即興で書いてみた。
ムラムラしてやった。ちょっと反省している。
>>332 GJ
その続きが書いてくれたらもっと嬉しいのだが
>>332 うむ、俺からもお願いしたい。長編の甘アマな奴がすげえ見たい。
男の杵がつく餅が何かは決まってるんだなw
結局部屋に帰るまで彼女はべったりくっついていた。
帰り道ずっと気恥ずかしかったが、結局最後まで離れろとは言えなかった。
「やっぱり、ちょっと離れろよ。」と何度も言いそうになったのに彼女の感触が名残惜しくて言葉が出てこなかったのは、オレも本当は彼女とくっついていたかったという事だろう。
「子供みたいだな。」
そんな気持ちに気付いたら思わず口に出てしまった。
「む、子供とはなんだ。ふん、甘えん坊の子供でいい。だからベッドの中でたっぷり甘えてさせてもらうぞ。」
「だから、外でむやみにこういう話をするなって。」
彼女はこんな性格で、いつも気を抜いたら振り回されてしまう。告白された時はこういうことを言うような人だとは思ってなかったんだけどなぁ。
「ん、難しい顔して何を考えていたんだ。」
「いや、告白された時の事を思い出して。」
「うん、あの時は本当に緊張した。『好き』という一言がなかなか出ないのが苦しかった。」
思い出してちょっと恥ずかしそうにうつむいたのは、あの日の彼女と同じだった
相談がある、君にしか話せないから二人っきりで話したいと空き教室に呼び出された。始めはなかなか話を切り出せず彼女ももどかしかったのだろう。本当に困った顔をしていてしばらく黙ったままだった。
そんな彼女にこのまま黙ってても話が進まないし、オレにできる事なら協力してやるからと促したら、始めに出てきた言は「どうしよう、好きなってしまったんだ」だった。
「え、誰が。」
「うん、だから君が好きなんだ。友達としてではなくて異性として。」
目を合わせられずにいた彼女が真っ赤だったのは夕日のせいではなかっただろう。それと対照的にオレは驚きの方が大きかった。
「オレが?どうして?」
「分からない。でもこの気持ちは多分恋してるって方の好きなんだと思う。」
そう言われてオレも恥ずかしくなってくる。
「私と恋人として付き合って欲しい。一緒に食事したり、話をしたり、しょうもない事で笑ったりしたい。友達としてではなく恋人として。」
オレもちょっと前から彼女が異性として気になりだしていたから本当は嬉しかった。大喜びでO.K.したかった。でも少しの沈黙の後に出てきた言葉は
「しょ、しょうがないな。そんなに言うなら付き合ってやるよ。べ、別にお前の事嫌いじゃないし。」
だった。こんな場面で素直になれない自分がちょっと嫌だった。意地っ張りだ。
「本当にいいのか?こんな私で。色気の無い女で。」
「いいんだよ。それにその…、オレはそこそこ美人だと思うぞ、おまえは。」
それでも、そんな返事でも彼女には十分だったらしい。泣きそうな顔をして抱きついてきた。
「よかった。もしもダメだったら、友達にも戻れなくなったどうしようか考えたら怖かった。夜も眠れなくなりそうだった。ありがとう。」
「……、いいんだけどこの場合は『ありがとう』じゃ変だろ。」
「そうだな。これからは君の彼女だ。よろしく。」
「うん、よろしくな。」
そう言って抱きしめると彼女は恥ずかしそうにうつむいていた。
「あの時は守ってあげたいなんて思ってたんだけどな。」
「む、今は違うっていうのか?」
「いや、別の意味で色んなものから守らねばとは思っている。」
「なんかひどいコト言ってないか。私は君をこんなに大事におもっているのに。」
「ほどほどにしてくれ。」
「湧きあがる君への想いは止められない。」
いつもこの調子で疲れる事もあるが、変なところで天邪鬼なオレにはこのくらい積極的な方があっているのかもしれない。こんな二人で今年も楽しくやっていけたらと思う。
「さて、今夜必要なものも買ったし今年初めてを楽しもうじゃないか。」
「いったい何を買ったんだよ。」
「うん必要最低限のものだ。ほら。あと、いざというときのために安産のお守りも買ったから準備万端だ。」
「そういう準備は要らん。…っていうか買い物袋の中にゴムが入ってないんだけど。」
「今年初めてなんだぞ。君の熱い想いを直接私に注いで欲しいな。」
「……。ゴム買いに戻るぞ。」
「いいじゃないか。今日は君の熱い想いを直接受け止めてあげるぞ。」
「ダメだ。本当にお守りのお世話になったらシャレに成らん。」
「そのためのお守りだし、私は別に……。」
撤回。やっぱりほどほどにして欲しい。
というわけで要望があった
>>330の続きを書いてみた。
実はこの前書いた話は前に設定だけは書いたけどボツにしたネタの使い回しだったりする。
だからあんまり自信無いけど要望があったから頑張ってみた。
分かってるとは思いますがツンデレ気味の男性と素直クールな女性のお話です。
たいして推敲してないから、クォリティ低めだけど疲れた。
>>339 ツレンデ男か。
某ヒーの方じゃ定番だが、お相手がクーだとまた新鮮だな。
GJ!
ツンデレ男と素直クールの相性は抜群だな
喪男とか冴えない男との相性も良いと思うぜ
主題 常識的な御曹司と、ちょっとかっとんだ素直クール嬢の愛の激情
主人公:御曹司の青年
カテゴリ:素直クール 男主女従
同性愛要素: なし
グロ:なし
糖度:ほのかに甘く
うんちく:適当なので本気にしないでね。
エロ:すんません。今回はありません。
素直クールどうしのカポーだと一瞬で話が終わっちゃうのは実験済みだしなw
「お帰り」
自由民主党と民主党、そして経団連の新年総会に出席した後、帰宅し自室に入った僕を迎えた第一声はそれだった。
言っておくが、愛人や部屋付きメイドの類は僕に関してはない。
通常なら適度に部屋が温められ、クリーニングされた部屋着が畳まれて置かれ、私信の手紙と共に僕を迎えるだけはずだった。
だがその日は、とんでもない格好をした女が、部屋にいた。
長く艶やかながら背の半ばまであって切りそろえられた黒髪。
切れ長で大きく澄みきった瞳、まっすぐな意志を感じさせるとおった鼻筋と、肉感的な唇。
名工が掘り出したような首と肩から鎖骨のラインとそこにつながる白く長く細い手。
胸はCカップぐらいだろうか、プロポーションを壊さない絶妙な大きさの釣り鐘型をしている。先端は桜色だった。
そこから滑らかな腹部とその下の黒い茂みが見え、白く長い肉感的な太腿が下に続いていた。
「君は?」
「深雪、芳賀深雪(はが・みゆき)」
彼女は、美しい顔にいかなる表情も浮かべずたんたんと僕を出迎えた。
彼女は全裸で、しかも僕は男であるにも関わらずだ。
おっと、訂正しよう。なぜかソックスとメイド衣装の名残らしいカチューシャは着けていった。
僕は、こんな安っぽいポルノビデオもどきの演出をした奴を本気で殴りたくなっていた。
「どういうつもりだ? 確かに君の御祖父とお父上の借金は、僕が肩代わりしたが、こんなことを頼んではいない」
芳賀と姓を僕は忘れていない。最近緊急融資を実行した企業の社長と専務がこの姓だし、融資を頼んできた老人もこの姓だ。
僕の怒りに、彼女は全然表情を変えなかった。ただかすかな雰囲気で戸惑っているらしいことはわかった。
「メイドは嫌いだろうか?」
彼女の言葉で、僕は自分の部屋なのにすっころびそうになった。
「……家には本物のメイドが三十人はいる」
「では、私を借金奴隷とでも思えばいい。ちなみに借金奴隷とは借金をかたに体をもてあそばれる女のことだ。
借金の相手に、好き放題あんな事やこんな事を……具体的な描写は必要だろうか?」
体を震わせ始めた僕を見て、彼女は小首をかしげて僕をみた。
「いらん! というか、どんだけ金持ちを馬鹿にしてるんだ? 僕がボンボンだと思って侮っているのか?
たとえ借金があろうがなかろうが、合意なしでは、強姦罪だ。そんなリスクを犯す必然性が無い!」
我ながら若い女性に怒鳴るのはみっともなかったが、どうにも止まらない。
「ふむ、では私はどのように奉仕をすれば?
一盗二卑といって、昔から人妻寝取りとメイド陵辱は男のロマンと聞いている。
だから、この格好で私のご主人様をお迎えしたのだが?」
無駄に訳のわからない知識を持っている割に、センスは最悪で、僕は悶絶しそうだった。
「……頼む、頼むからまともな事をしゃべり、まともな服を着てくれ……」
全身を包む脱力感の中、僕は初めて家族以外の女性に対して心からの懇願をした。
とっても……ハートフルではなく、ハームフルな経験だった。
「恋愛無敵結婚驀進、素クールスレイブここにあり! 」
「第一話 衝撃登場空気不読 素直クール奴隷、ここに参上!」
僕の名は星城輝一郎(せいじょうきいちろう)、二十八歳。
星城グループの跡取りだ。
星城グループというのは、首都西部から北部にかけてを走る鉄道を基幹事業として発展した企業群だ。
近郊の富農達が共同で敷設した出荷用鉄道の買収を皮切りに、戦前は軍部統制時代をうまく立ち回って弱小鉄道を買収して回った。
戦後は、米軍基地への物資輸送で儲けながら、ただ同然となった土地を買いあさってのし上がり、多角経営を開始。
住宅地の開発とともに、工場誘致と行楽地開発を続け、百貨店、ショッピングモール、住宅土地販売、旅行代理店などを発展させていった。
転回点となったのは首都地下鉄、国営鉄道との相互乗り入れの早期開始で、これによりおりしの列島開発ブームで住宅地開発と販売が爆発的に伸びたのだ。
旧財閥系に属さなかった銀行や軍事技術を有する会社、鉄道飛行機系の制御信号機器系の会社を手にれたのは七十年代。
ダム建設や大型原子力発電の建設が行える会社の支配権も手に入れ、非旧財閥系ながらも国の中枢に食い込むようになったのが八十年代。
その後の不況を、星城グループは海外雄飛で乗り切り、アメリカで金融サービスを設立し、新興国バブルで巨額の利益を得ることが出来た。
それが二千年代前半までの話。
今グループは内部に巨大な自己資本を貯め、不況の中を次のターゲットを探してうろついている。
そして僕は、最高顧問である祖父、総帥である父についで、グループの執行幹部として勉強をさせてもらっている。
僕の外見については、節制と服によって、それなりには見えると思うが、いい男と言えないのは自覚している。
男性本来の魅力としては、僕は線が細く頭でっかちな感じがあるのだろう。むしろ父の方が年が三十も上だが、充分以上にオスだ。
しかし父は父、僕は僕であり、英雄色を好むを踏襲する必要はないと思っている。
僕の趣味はというなら、やはり仕事だ。企業再生というべきだろうか?
つぶれかかった企業の中で活かせる部分を活かして、再生するのが好きで、もう十件再生に成功している。
父からは盆栽趣味と言われたが、祖父は僕に似合いだなと言ってくれた。褒め言葉かどうかは不明だ。
いずれにせよ、僕は今や立派な仕事中毒で、異性関係はなおざりにしていた。
でもそれでいいのだ。僕はおそらく適当なところで見合いが組まれ、適当な相手と結婚して子供を作るだろう。
そのプロセスに僕の意志は決められた相手からどの女性を選ぶかだけにしか及ばない
結婚しない事はあり得ず、候補の女性以外と結婚することも可能性は低く。何よりも結婚の最終決定権は祖父にある。
星城のような家では、いってしまえば、無能な男でも子供をつくれば目的は達成される。
力を家族の元に集めることで、力が振るえるのだから、血が続けばそれでいいのだ。
だから僕が結婚について深く考えることはない。誰かがどうにかするだろう。
翌朝、執務室。
「星城様、この度は当社へのご融資を頂きまして……」
「礼は必要ありません。それよりも貴社も親族経営で見られるような経営的弱点が散見されます。
こちらから調査スタッフを派遣します。財務状況の開示と研究開発部門の人事を当社管理下へ移行させてください。
東京星城タワー、二十四階。星城信託銀行本店の上の階にある僕の執務室に来客があった。
芳賀電子工業の社長と専務、実直だが短気そうな薄い銀髪の小太りな初老男性と、やはり小太りで実直だが気が弱そうな中年男性である。
「そ、それは!」
「あれだけ販売が固い製品を持ちながら、この経営状況は、正直言うなら経営陣の無能です。
買収してトップの首を全て切りとばしても良いのですが、何でも抱え込むことは時代に逆行します。
経営陣の再奮起と間接部門の大幅なリストラを実行していただき、その上で本業以外の多角経営は全て取りやめていただきます」
「は、はぁ」
僕の言葉を不服そうに聞く、六十を越そうとする年の三代目社長と、四十代の四代目、専務。
この会社はすでに亡くなっている一代目と完全引退している二代目は優秀だったが、三代目で身代を持ち崩した。
棺桶に片足つっこんでいる二代目の会長、車いすが手放せないこと以外は頭がピンシャンしている九十歳から是非にと頼まれて、僕はこの会社を救済した。
「それとも、孫娘に因果を含めて、僕のベッドに潜り込ませたら、何もかもこれまで通り行くとでも思っていましたか?」
僕が目に迫力を込めて睨み付けると、社長も専務も震え上がった。
自慢じゃないが、僕は八歳からアラスカで狩りと耐寒訓練とマーシャルアーツをやらされた。
帝王学で言う、戦う心を養うってやつだ。
だからそんじょそこらの甘っちょろい三代目ごときに負けることはない。
もっとも海千山千の名経営者には勝てない部分もまだまだあるのだけども。
社長と専務が充分震えたところで、僕はインターホンを押して秘書を呼んだ。
「深雪さんをここに通してください」
「わかりました。若様」
渋くしかし深みがある男の声が応える。
女性の声は落ち着くが、それ以上に優秀で信頼できる男の声は、表現しようのない安堵と信頼をもたらす。
数分して扉が開いた。
昨日の女が、何事もなかったかのように感情を見せずに入ってくる。もちろん僕の顔を見ても鉄面皮は揺るがない。
まともな服を着て、背を伸ばして立っていると、昨日とは違い、鉄面皮でもそれなりに見えるのは女性のマジックだろう。
「娘さんをお返ししますよ。もちろん誓って言いますが、指一本触れていません」
本当はあの時の丸出しだったお尻を猿のように赤くなるまで引っぱたきたかったが、我慢したのは僕だけの秘密だ。
「み、深雪ぃ」
社長と専務が、取り乱しながらも娘に近寄って涙ぐむ。
まあ、自作自演とはいえ、かわいい娘を夜伽に出して、それでも無事に帰ってきたというのは、感動しても良いとは思う。
だが、ここに空気を読まない女が一人。
「おじいちゃん、お父さん。私、帰れない。身も心も輝一郎様に捧げて、奴隷になった」
途端にすべてに裏切られたような涙目が四つ、僕の方を向いた。
「ま、待てぇぇぇぇ! 何を言っている! 僕は君に指一本触れていない!」
だらしないことだが、僕は思わず立ち上がってまた怒鳴ってしまう。
「輝一郎……」
不意に女が僕の目をじっと見つめ始める。大きく美しいが切れ長でまつげの長い魅力的な目だった。
何もやましいことはないので、僕は一歩も引かない覚悟で彼女を見つめ返す。
やがて彼女がふと目をそらし、僕は勝利したと思ったその時、彼女は盛大に顔を赤らめていた。
「輝一郎はベッドの外でも情熱的なのだな……」
それと共にまたもや社長と専務の涙目が加わり、僕は視界が回るのを感じ始めた。
「災難でございましたね。ミントティーはいかがでしょうか?」
「ありがとう、槇さん」
執務室横のプライベートルームで、僕はクラクラする頭をもてあましながら、ソファーにだらしなく座っていた。
この人は、僕付きの執事、槇康作さん。
五十代前半で、禿頭、短躯、肥満という肉体的に見れば弱点だらけの人だ。
だがそんな弱点を内的成長に振り向けることが出来た得難い人材でもある。
彼は柔軟で気配りが効き、出しゃばらず、しかし忠告を適切に行え、穏和かつ陽気で、料理がうまい。
僕の人格形成には槇さんの影響があるはずなのだが、我慢強さや穏和さでは未だ至らない。
槇さんは、優雅でありながら機敏な手つきで紅茶をいれ、笑顔で僕に差し出してくれた。
「しかし槇さん。妙齢の女性が、恋人ならまだしも奴隷と自称して僕の周りをうろつくというのはどういうことだろう?」
カップを受け取り、口をつける。ミントの鮮烈な味が、もやもやした気分を落ち着かせていった。
「わたくしめには、判りかねます。なにせこの外見なもので、私の女性経験は数えるほどでございます」
微笑みながら槇さんは言うが、その過剰でも過小でもない言葉が僕に一つの事実を教えてくれる。
槇さんが自らの肉体的コンプレックスを彼なりに受け止めて良い方向に昇華したということだ。
だから怒りも口ごもりも過剰に笑いも自嘲もしない。たんたんと出来ないとだけを言える。
「槇さん、こういう問題で異性経験が豊富というのは、得てして安直な結論に導かれやすいと僕は思う。
僕は槇さんの人生経験に沿った見解を聞きたいのさ」
たたずんでいた槇さんが考えるような顔をして、やがて口を開く。
「あのお嬢様が若様にご好意を持たれているのは間違いないと思います。
からかいや何かの目的にしては、やり方が稚拙で過激すぎますし、あのお嬢様の知性にも合わないように思います」
「ふーむ」
僕は顎に手をやり槇さんの言葉を脳裏で検討し始めた。
「ですが、あのお嬢様にも引け目があるものと思います」
「引け目?」
「はい。若様と対等の恋人や、愛人、お妾様といったことを訴えられずに、奴隷というのはそういうことかと」
「彼女の実家の借金を肩代わりしたことが?」
「それもあるでしょうがそれだけではないでしょう。それが何かはわたくしめには判りませんが」
「うーーん、今すぐには僕も思い出せない。……秘書室に調査を頼んでおくか」
「それがよろしいでしょう。若様、それに大旦那様やお館様もそうですが、皆様は時として自らのふるっておられる力の大きさをお忘れになります。
今回のことでも、つぶれかけの企業を救うことを、まるでかすり傷の手当てでもしたかのように、若様はおっしゃります。
しかし、救われる方からすればそれがどれだけのことか」
「……槇さんの忠告はもっともだけれども、星城グループはいちいち大きすぎるからね。
一輪の花を植え替えるのにもブルドーザーを持ち出すようなことになりがちだ。
そしておだてや悪意の誘い、詐欺話が日常茶飯事に出てくるのだから、感謝の言葉を全て真にはうけれないよ。
それに経済環境が変われば、感謝のまなざしをくれたところも切らなければならない。
そうなれば感謝も恨みに変わる。……感謝の言葉だけをよすがに仕事を続ければきっと僕は狂ってしまうよ」
「若様はそれでよろしいかと。ただ多くの人は若様のような世界には生きておりません。
感謝は感謝のまま、恨みは恨みのまま、死んでいくのです。
むしろ若様のように、それが変転することを知っている人たちのほうが、世間では少数派で、人の心を理解しないと罵られる立場であろうとは思います」
「……槇さんは厳しいな」
「厳しいのは私ではなく、人の世の不条理でございましょう。さ、もう一杯いかがですか?」
僕は肩をすくめてミントティーを飲み干す。
槇さんは笑顔のまま、茶をもう一杯注いでくれた。
その夜、午後十時。星城本宅内自室。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
自室では、例によって深雪がまっていた。僕も名前を覚えたのだ。ちなみに出迎えの文句はひどい棒読みだった。
姿は我が家の一般的な黒色のメイド衣装。昨日に比べれば大いにましだが、いただけないものがある。
「どうして僕の部屋にいるのですか? あなたを入れないようにと使用人には伝えたはずですが?」
「総帥にお願いしたら、すごく笑って、息子をたのむって言われた。従って私がここにいることは公認されている」
あんの親父……いやいやいや、ふぅ。……父上、なんてことを。
僕はあなたと違って六人も愛人作って、曜日ごとに寝るベッドを違えるなんて趣味はないのです。
ため息をついてリラックスチェアに座る。
「本気で奴隷なんて言ってるつもりですか?」
「本気。マジ。真剣。確信的行動。主体的意志による自発的動作」
鉄面皮な顔で言われるとなにか非常に堪えた。
「じゃあ、僕が昨日あなたに襲いかかっていたらどうするつもりだったんですか?
犯されて、それでも奴隷だからって泣き寝入りするつもりですか?」
「泣き寝入りなんかしない。嬉しくて涙を流しながら奉仕をして、性奴隷に堕ちる」
思わず椅子からずり落ちかけた。
言った内容も内容だが、それをピクリとも表情変えず、言ってのけたのだ。
「せ、せいどれい? ……何を考えているのですか?」
「輝一郎の愛を受けること」
「なんで、それで奴隷なんですか?」
僕の言葉と共に、朝と同じく彼女はその切れ長の目でじっと僕を見た。
「私が輝一郎の側にいるため。輝一郎の恋人と名乗ったら玉の輿狙いと言われる。愛人ならお金目当てだと思われる。
私はそんなもの、いらない。私は奴隷でいい。側に居させてもらって愛してもらえるだけでいい」
「なっ! そ、そんなっ」
思っても見ない言葉に、久々に頭が真っ白になる。
「私は疑われたくない。この気持ちだけは疑われたくない。疑われて遠ざけられたくない」
彼女の真摯な目の光に僕は何も言えなくなった。
「輝一郎は、許嫁候補がいても、恋人はいない。愛人もいない。
同性愛者じゃないかって言われるくらい女性の影がない」
それは事実だ。結婚させられそうな女性の候補は何人かいる。けれども今はまだ友人の段階だ。
恋人いないのも愛人がいないのもそのとおりだ。そんな気分になれないからだ。
「私だって社長の孫娘だからわかる。私の背景に人が媚びへつらってくるから、人の笑顔が信じられなくなる。
この人は、私ではなく、私の後ろのおじいちゃんのお金や会社を見てるっていうのがわかる。
事実、おじいちゃんが不渡り出したら、あっという間にみんなどこか行った」
彼女の目にたゆとう色から僕は目が離せなくなる。
「だから輝一郎も女性を信じられなくなったのだと思った。
いや、あの時から輝一郎の笑顔は、こわばっていた」
「あの時?」
不意に出てきた過去の話に、僕の脳裏が猛烈にイメージを検索し始める。
「十年前、芙蓉家主催の六月宴。激しい雷雨の中、何回も短い停電があった。
私は父に連れられていた。白いドレスに青いリボンで十歳の普通の女の子。
あなたは、米国留学が決まっていて、美しい女性に囲まれた王子様だった」
記憶が目の前にふくらみ始める。
当時、僕は目標だったIVYリーグの一つから合格通知を受け、肩の荷を下ろしての参加だった。
まもなく日本を見納めになるという感慨もあり、いずれにせよ気楽に参加したパーティだった。
芙蓉家は、金融畑を主軸に発展した保田グループの中核で、星城グループよりも歴史が長い名家だ。
そして六月宴とは定期人事異動後、落ち着いた頃を見計らっての顔合わせをすることを目的としたパーティだ。
とはいえ、下っ端ではなく重役レベル以上しか来ないわけだが。
会場は大正時代に芙蓉迎賓館であった煉瓦積み三階建ての豪華な洋館であり、重要文化財指定も受けている。
そういう場所で、日本のトップが集うことになる。
経済界ばかりではなく、政治家はもちろん、官僚やマスコミトップ、海外からのゲストも招待される。
宴は古式ゆかしい欧州式ダンスパーティであり、常連は皆ダンスをマスターしてくる。
鹿鳴館を今の時代に伝えているわけだが、伝統と格式であり、不作法ものを排除する仕組みでもあるので今まで津津いい手いる。
その日、会場周囲を見舞った激しい滝のような雨と轟音のごとき雷は、いくら心配が無いとわかっていても思わず首をすくめる代物だった。
たぶん、何度目かの停電の後だった思う。芙蓉迎賓館は重文指定で電源工事ですら認可が必要なため、電気設備はほとんどが骨董品だったのだ。
ひときわ激しい紫電のきらめきの後、すぐに壮絶な雷が空を圧する轟音をまきちらした。
室内の電気が瞬いて、光を失い、着飾った人々が窓の外や天井を見上げていた。
僕は肩をすくめて、酒をもらおうと周りを見回し、立ちすくんだ一人に少女を見つけた。
白いかわいいドレスに青いリボン。けれども、もっとも印象的なのはその目。
切れ長で大きく澄んだ目は、全てを貫き通して見つめるかのようだった。
その目が、再び起こった紫電と轟雷で揺れた。そんな彼女に近寄るものはいない。
こういうとき、男がするべき事は一つだ。まして、星城の家の男ならば。
今でも変わらない信念に、当時も突き動かされて、僕は小さな淑女に近寄った。
そして膝を折り、目線を下げて、彼女と同じ高さに立ち、手を差し出す。
「お嬢さん、よろしければ一曲、私と」
せかすことも促すこともせず、ただ優しく微笑み、手を差し出してじっと待つのが男のたしなみ。
揺れていた彼女の瞳が、驚きで少しだけ丸くなり、無言のまま、やがて彼女は僕の手をとった。
その少女の目が、目の前で僕を見つめる目と重なる。
「……あの時の? たったそれだけで?」
深雪は肯いて、そして首を振って否定した。
「あの時が始まりだけど、たったそれだけじゃない。
それからずっとあなたを追いかけて、そして家の会社が傾いてあなたに会えなくなると知って絶望した。
けれども会社を救ってくれたのがあなただと知って、私はやるべき事を知った」
彼女の真剣な目と語りに引き込まれていた僕の意識が最後の言葉で現実に引き戻される。
「……あれが?」
珍妙なポルノビデオの出来損ないみたいなメイドまがいのコスチュームプレイ。あれがやるべき事とはとうてい思えない。
「気に入らなかっただろうか?」
「僕にメイド趣味はありませんから」
「では幼女趣味?」
「こら」
「被虐趣味? それとも加虐趣味? まさか、近親相姦趣味?」
彼女の語りにほろっときていた流れが完全にぶち壊れる。
たんたんと一般社会人にとっては社会的抹殺を意味する性的嗜好を並べるこの女はやはり空気を読んでいなかった。
「だれが、そんな危ない趣味をもってますか!」
「では何が趣味?」
「今は仕事が大事なのです」
「秘書とか社内恋愛が趣味?」
「僕の秘書は全員男です」
「……やっぱり同性愛?」
「あのねぇ?」
「もちろん冗談」
思わず座ってた椅子からずり落ちる。わからない、この女のジョークセンスはわからない……。
「ともかく、私はなにかご奉仕をしたい」
「……それで?」
「私は奴隷だからなんでも応えるつもりなのだが、輝一郎はそんなつもりはないだろう?」
「当たり前です。だぼはぜみたいに女と見れば食いつく馬鹿はハニートラップ対策講習をみっちりとうけていただきたいですね」
「まあ、すぐに信じてもらえなくても、まずは小さな一歩から」
僕は疑い深そうな視線を彼女に送る。だがそんなものでこの鉄面皮が崩れるはずもない。
「言ってみてください」
「膝枕」
「ぷっ、あははははははは」
いきなり出した提案のかわいさに思わず僕は笑った。
「ダメ?」
「はははっ、いいですよ、はははっ」
「ではさっそく」
そういうと彼女は部屋続きの寝室に移動してベッドに飛び乗ると、足を伸ばして座り手招きした。
僕は肩をすくめて寝室にはいるとウォーキングクローゼットに入り、手早く服を脱いで寝衣を来た。
「じゃ、まあ、ありがたく膝枕を使わせていただきますよ」
自分でも何をやっているんだろうとは思いながらも、高校生みたいな純朴ないちゃつきに僕は心躍るものを感じていた。
寝ころんで彼女の大腿に頭をのせ、掛け布団を首まで引き寄せる。
彼女を見ると心なしか微笑んでいるように見える。
彼女の指が僕の髪をゆっくりと梳くのに任せ、目を閉じる。
変なことをしてこないなとふっと気を抜いたときには、僕はもう眠りに落ち込んでいた。
翌朝 午前六時半
僕の一日は、給仕が朝食をベッドまで運んできてくれるワゴンの音で始まる。
「おはようございます、若様」
「ん、おはよう。……今日は溝口さんじゃないのですか?」
だが今日に限っては男の優しいテノールではなく、女の張りのあるアルトで起こされた。
「はい。女性の方と同衾されているはずですからということで、女性の給仕が適任と判断しまして、私、袴田が給仕を申しつかりました」
「ああ。ご苦労様です。……ミルクと砂糖は不要で、アメリカンでお願いします。
トーストはバターを片面、卵は完熟で……て、えええ! ど、同衾!!」
とんでもない単語を起床ラッパにして、僕は跳ね起きた。
しっかりもので清潔感あふれた本物のメイドが、目を丸くして僕をみていた。
だがそれに構ってられなくて、あたりをきょろきょろとまさぐる。
人間大の嫌なふくらみがすぐ側にあったりした。
布団をすこしずつめくっていく。まず現れたのは、長く黒い艶やかな髪。
かなり絶望的な気分に陥ったが、希望は残っていた。
なおも布団を剥いでいくと、安楽そうに寝息をたてる顔が現れ、細く白い首がでてくる。
僕は神に祈った。大型案件が某国のとんでもない金融政策でぽしゃりかけたときよりも神に祈った。
頼む、服を着ていてくれと。
そろりとさらに布団を剥ぐと、白い裸の肩が現れる。胸への丸い隆起もはっきりと見えた。
問答無用で布団を戻し、一緒にのぞき込んでいた給仕を見る。
「……誤解はしないでくださいね?」
僕の言葉に少し戸惑っていた給仕は、やがてにっこり微笑んで、答えてくれた。
「はい。全て承知しております、若様」
何かが終わったことを僕はこの時確信していた。
本日はここまで。
割り込んですみません……orz
GJでした! 続きを期待しております
Gj!
最後ワロタwwww
ウッホGJだぜええええええええ
これは期待の長編wwwwwww
けしからん、実にけしからんですぞおおおお!
期待するぜ!
しかし祖父や父からうけついで鉄道が基盤ときいて
マイトガイン連想する俺orz
家が隣同士の幼馴染素直クールが毎日、
「男、朝だぞ。今日も好きだぞ、愛してる」
って言いながら起こすやつが読んでみたい衝動に駆られた。
>361とは友達になれる気がする
そして>343には続きを期待してしまう。GJ
>>343 GJ!続編も全裸待機するよ!
しかし何か、別の所でお世話になってる職人さんな気がするんだぜw
365 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 02:06:58 ID:AqTC394v
うおおおおおお素直クールエロパロ始動だぜええええええ
続き期待して待ってます!!
「デートで映画っていうのもいいものだな。なかなか楽しかった。」
「そうですね。でも先輩、手くらい握ってくれてもよかったんじゃないですか。」
「そうか?いや、夢中で観てるみたいだったから邪魔するのは悪いかと思ったんだが。それに、横顔が可愛かったんでもったいないと思ってね。」
「私は握って欲しかったです。もう。」
彼女はむくれてしまう。
「映画館でくっつけなかった分埋め合わせするべきです。」
そう言って彼女は彼の太ももに頭を乗せた。
「いつも思うが、こういうのは普通は女性が男性にやるものじゃないのか?」
「だめです。機嫌が直るまでこのままでいてください。」
こうなるともうどいてくれないので満足するのを待つしかない。
「…先輩は私のこと本当に好きなんですか。」
しばらくして、不意に彼女が口を開いた。
「どうして?もちろんだ。」
「先輩、表情があんまり動かないからつまらなそうに見えます。それに好きって言ってるのに反応してくれないじゃないですか。」
「そうか。あんまり伝わってないんだな。それなら。」
ひざの上の彼女に唇を重ねた。
「これで好きだと信じてくれる?」
いきなりの事でしばらく固まってしまう彼女。
「好きだよ。こういうときのかわいい反応も。」
「不意打ちなんて卑怯です。よく分からなかったのでやり直しを要求します。」
「うん、いいよ。」
そう言ってキスしようとした彼だったが、いきなり押し倒されてしまった。すかさず彼女が上にまたがる。
「先輩、勘違いしちゃだめですよ。今度は私が上です。」
彼の両腕を押さえたまま彼女が仕返しのキスをした。
>>344が素直クール×素直クールは成立しないって言ってたので試しにやってみた。
たしかに、ただいちゃついてるようにしか見えないかも。
素直クールには観察者が要るからなぁ
>>343 テラGJ!長篇書くのは疲れるかもだが、
ボチボチでも続けてくれると嬉しいぜ。
>>361 某勇者特急も成城のアレを基にしてるとか聞いた事がある。
まだ例の疑惑が騒ぎになる遥か前の放映だったし。
>>367 素直クール×素直クールの問題点は
話が一瞬で終わるか、書いてる内にどちらか(または両方)が
素直クールからズレていく事だと思う。
ましてエロパロやろうとすれば尚更に。
両方が素直クールって言えば
ほの板の、いるか堂のケーキの人とか好きなんだが。
>>369 >素直クール×素直クールの問題点は
話が一瞬で終わるか、書いてる内にどちらか(または両方)が
素直クールからズレていく事だと思う。
そうですよね。あの空気と間は表現するのが難しいです。
そういう意味では
>>330みたいな物の方が書きやすいですね。
>>343 GJ
主人公名前が星条一郎(せいじょういちろう)じゃなくてよかったなw
全裸待機には厳しい季節だが、素直クールの為ならば…!
それが彼の最後の言葉でした…
>>374 「なぜ、ネットに書き込んで私に言わなかったのだ…」
「ただ私の前で全裸になってくれれば」
素直クールな幼馴染にチンチンペロペロしてもらいてー
>>191 続きマダー?
去年から正座して待ってるんだが
>>376 じゃあ俺は素直クールな幼馴染みに(意図せずに)言葉責めしてもらう
「おはよう、クー男」
「おはよう、クー子。今日も一日よろしく頼む」
「こちらこそ。さしあたり一時限目の英語だが、やや予習に心もとない。確認させてもらえないだろうか?」
「ああ、ノートはこれだ。好きに使ってくれて構わない」
「感謝する。ところでクー男、少し大事な話がある」
「なんだろうか?」
「好きだ」
「実は俺もだ」
「そうか、それはよかった」
「同感だ……しかし唐突だな」
「うむ、私も驚いている」
「どういう事だ」
「実はだな、昨晩、君を夢を見た」
「夢くらい珍しくもあるまい」
「それはそうだが、その夢と言うのが君と恋人同士になって、その、なんだ、猛然といちゃつくという内容でな」
「ほほう」
「そのような夢を見てしまうくらいに君のことを意識していると自覚し、それを鑑みて自身の行動と心情を
振り返るに、どうやら私は君の事を好ましく思っていたようだと気付いたのだよ」
「なるほど。しかしそうと自覚したその日のうちに告白とは、クー子の即断即決ぷりにはいつも驚嘆させられるな」
「うむ、我ながら驚いているが、そうと気付いたならいても立ってもいられなくてな」
「そうか……試みに問うが?」
「なんだ?」
「もし断られたら……とは考えなかったのか?」
「愚問だな。私が君を好ましく思っていることと、君がそれに応えてくれるかどうかは別の問題だ。
もちろん即決で受け入れてくれた事は存外の喜びだが、それはそれとして私はとにかく、一刻も早く君にこの思いを
伝えたかっただけだ」
「そうか……クー子は強いな」
「……すまない、無自覚的に嘘をついてしまったようだ。今になってもし拒絶されていたら、という不安が
押し寄せてきている。
どうやら、とにかく伝えようとだけ視野狭窄し、断られた場合について考慮していなかったようだ」
「それはこちらこそすまなかった。嫌な思いをさせてしまったようだ」
「気にするな。受け入れてもらえた以上、これも笑い話の種だ」
「ところで、俺の方からも言うべきことがある」
「拝聴しよう」
「先日、君の夢を見た。内容と、その後の心理的経緯は君と同様だったと言っておこう」
「ほほう? 私が君への想いを自覚するよりも前から思われていたと言うことだな。それは光栄だ」
「だがそれは逆に言えば、俺の方は自覚後もこれといった行動には出ていなかった、という事だ。
そうは自覚しようとも、君の方が俺のことをどう思っているかが不明だったもので、実行に踏み切れなかった」
「なるほど、先ほどの質問はそういう意図か」
「恥ずかしながら」
「だが、それでこそクー男だろう。ついつい勇み足を踏みがちな私から見れば、その慎重さは尊敬に値する。
これぞまさしく、『お似合いのカップル』というに相応しいと考えるが、どうだろう」
「そう言ってもらえるならありがたい」
「うむ。しかし……互いに相手を夢に見る、か。なかなかに浪漫に溢れる話だ。運命的というやつかな」
「そこまで突飛な話でもあるまい」
「ふむ?」
「相手を意識していたからこそ、夢にまで見る。お互いに意識していたからこそ、それが同時に起こった。
それだけのことだ」
「なるほど、浪漫には欠けるが、お互い思い合っていたからこそ、というのはある意味でそれ以上に喜ばしい
解釈だな」
「気に入っていただけた様で何よりだ」
「ところでクー男?」
「なんだろうか?」
「これで私たちは、晴れて恋人同士となったわけだが」
「うむ」
「恋人同士というものは、どのように振舞うべきだろうか?」
「ふむ……定番で言えば、『時間の共用』『心理的・身体的な接近』というところだろう」
「そのあたりだな」
「さしあたり『時間の共用』だが……まずは登下校の同行というのはどうだろう?」
「いい提案だ。それに加えて、昼食も共にするのも効果的に思う」
「それは盲点だった。いつも学食と弁当で別れていたからな」
「うむ」
「我が学食は、たしか弁当の持ち込みも許されていたはず。クー子の弁当を、学食にもって来てもらって
昼食を共にするのが現実的か」
「うむ、今日の所はそうするとしよう」
「今日のところは、というと?」
「提案するのだが、明日からは君の分の弁当も、私が用意するというのはどうだろう?」
「……それも盲点だった。だが、たしかに恋人らしい行動と言う意味では効果的だ」
「もし、遠慮を感じているというなら気にすることはない。一人分も二人分も手間は変わらん」
「遠慮は確かに感じているが、それ以上に魅力を感じる。よろしければ頼む」
「うむ、腕によりをかけるとしよう」
「材料費なども支払う用意をしておこう」
「それも気にしなくてもいい……と言いたい所だが、それでクー男の精神的負担が軽くなるというなら、
受け入れよう」
「気遣い感謝する。それと同時に期待する」
「ああ、楽しみにするといい」
「あとは、休日なども外遊を共にするべきか」
「ああ、世間一般的に言うところのデートだな。それは外せまい」
「映画、遊園地、動物園、博物館巡り、水族館、プラネタリウム、その当たりか?」
「妥当だな。まぁ、どこに行くかはゆっくり吟味するとしよう」
「しかし、こういったものはどの程度の頻度で行なうべきなのだろうな? 土日は全てそれに当てるべきか」
「だがそれでは、とても小遣いが足るまい」
「確かに、こちらの小遣いも潤沢とは言いかねるからな」
「アルバイトなどをして、活動資金の確保に乗り出すべきか?」
「考慮に値するが、それで共にいる時間が限られては本末転倒と言うべきだろう」
「確かに……いやまて、心理的陥穽だ。同じ職場で働くなら、その問題は解決できる」
「素晴らしい提案だ。まさに逆転の発想と言うべきだな」
「土日を共にバイトに勤しむなら、まず外遊の機会を減らし、逆にそのための資金を増やせる。
そしてクー子と共に過ごす事もできる」
「一石三鳥だな」
「早速学生二人組を受け入れてくれるアルバイト先を探すとしよう」
「うむ、こちらでも探してみよう」
「あとは『心理的・身体的な接近』だが……む?」
「予鈴か……クー男よ、続きはあとにするとしよう」
「了解した」
「おーし、お前等ホームルーム始めんぞー、って……
おい、クー男にクー子、なんでお前等以外の連中がことごとく果ててんだ?」
「判りません、気付いたらこの有様でした」
「右に同じです」
ちょっと前のレスで素直クール同士だと話が速攻で終わる、と言うので試してみた。
……なんかウチの素直クールどもは勝手にどんどん喋るんですけどー。
なかなかに素晴らしかったです。GJ!
できればこの二人のエロシーンをですね。
おお、俺の夢見たSSがいまここに現出しておる…!
超GJです!続き期待しても構いませんね!?
gj!
しかしなんだ、何というかセンター試験の問題文を和訳したようにも思えるな
いいぞもっとやれ
お、俺も口から砂糖吐きそ・・・グハ
二人とも淡々とした表情と淡々とした態度で、正面から目を見据え合って、
でも時々言葉につまったり、頬を赤らめたりしていたんですね。
そしてまるで囲碁の対局のように端然と身動きもしない二人の間で
言葉がやりとりされる毎にクールで極甘のオーラが噴出し、
クラスメイトをバタバタと死亡させていったんですね。
お見事です。
>>380 委員長「…お前ら、凄腕コンサルタント同士が仕事の話詰めるみたいに恋愛話すんな」
>>380 片岡義男の小説にこんな感じのやりとりがあったなぁ。
>>380 GJ!どんどん喋ってとまらないってのは嬉しさの表れだろw
>>388 俺は清水義範氏の「永遠のジャックアンドベティ」連想したな
>>380 この二人からより濃縮されたエリート素ク娘が生まれるんですねわかります
エリートというか・・・サラブレッド?
相手の男も素直クールか普通か
逆にマイナスになる可能性もあるぞ
過剰なまでに素直クールな両親に反発した結果、
長女はツンデレに。そんな姉と両親を見て育った
次女は素直シュールに。そんな姉二人を見て育った
三女は素直クールに。そんな複雑な家庭の反動で
四女は素直ヒートに育ちましたとさ。
しかしエロ成分は皆無だな……
素直シュールって何?
イキれ
(※的な意味で)
コシジワセがなんだって?
Shining Waist
越路 吹雪(こしじ ふぶき、本名: 内藤 美保子(ないとう みほこ)、1924年(大正13年)2月18日 - 1980年(昭和55年)11月7日)は、東京市麹町区(現・東京都千代田区麹町)出身の、シャンソン歌手。舞台女優。(山梨県出身の説もある)
※wikipediaより
……シュー民はそろそろ自重しようか。
父「娘達よ、父さんは今夜母さんと愛し合う。決して寝室には近づかないでもらいたい」
ツン長「ちょっと!子供の前でそんなこと言わないでよっ!!」
母「そんなことを言うな。父さんとの性行は何よりも代え難いのだ」
ツン長「なんでお母さん達はいつもこうなのよ…バカ」
クー三「まあそう言うな姉上よ。私達にも共通の男と愛し合う時があるではないか」
シュ二「クーの言う通りです。それにそろそろ新しい兄弟が欲しい季節です。五月人形って素敵です」
クー三「さてそれでは私は男の家に行くとしよう。父上達を見ていると私も人恋しくなる」
ヒー四「お姉ちゃんだけずるいぞー私も行くー!!」
ツン長「待ちなさいヒー!ってもう行っちゃったじゃない…もうっ!クーが変なこと言うから」
クー三「案ずるな姉上。ヒーの面倒は私が見る」
シュー四「あの娘は未だにフェラチオが上手くないですからね。ツンが教えましょう」
ツン長「なっなんてこと言うのよ!!大体あれは…男がして欲しいって言うから…」
母「自分に素直になれツン。自己を隠して生きるのは苦しいことだ」
父「同感だ。ツンよ妹達を見るんだ」
ツン長「みんながこうだから私がこうなったのよっ!!」
クー三「姉上にはいつも迷惑をかけて申し訳ない。お詫びといっては何だが今日は姉上から男と交わるといい」
シュ二「そうですねツンにはこの魚沼産コシヒカリを…」
ツン長「いらないわよ。それ以前にそんなものどこに携帯してるの…」
シュ二「それで私の全てを知ったつもりか!?」
ツン長「いや…もういいから」
クー三「さあ姉上、ヒーが待っている。早く出発しよう。では父上、母上行ってくる」
>>394こうですか?わかりません><
よし、ひとまず四姉妹の相手の男は
この俺が監獄固めにキメておくから
>>402はベッドシーンをkwsk描写する
作業に戻るんだ!早くしろ!長くは保たんぞ!!
え?一人の男をみんなで取り合ってるの?w
>>404 ×取り合って
○分け合って
|w´- -v <……とても大事。
406 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 21:32:19 ID:ipC+Lwya
>>406 長女はやっぱり体面座位だろうな。
ただ、俺のチンケな妄想力では次女以降の得意体位が思い浮かばない。
まだまだ修業が足りないようだ。
胸の大きさランキングは
クール>シュール>ツン>ヒートだな
おいらのイメージだとツンはシュールより大きい
俺的には
シュー>クー>>越えられないパイズリの壁>>ツン≧ヒー
だなぁ
ツンには多少コンプレックスがあった方が可愛い希ガス
>>407 感じてる顔を見られまいと男に抱きついて離れないわけですねわかります。
ヒートは立ちバックで自分の尻をバチーンとたたいておっしゃこーい!なイメージが。
シュールは騎乗位で、なぜか突然ナイフで切りかかりそうなイメージ。
クールは意外に正統派で正常位だったりして。
俺にツンが貧乳という印象があるのは間違いなく某声優のせい
世間でツンデレと言われてるキャラが何故か貧乳ばかりなのもそういう印象を抱かせる原因かもしれん
ハルヒとかは貧乳じゃないけどね
>シュールは騎乗位で、なぜか突然ナイフで切りかかりそうなイメージ
それは何か違う気がするぞ!?
どっちかっていうとデート中に些細なきっかけで発情して求めてきたり、変態的なプレイを淡々と提案したりしそうだ>シュール
418 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 13:42:41 ID:e7S2ac3K
すれ違い
ならばスレ違いついでに。
「ところでクー男」
「なんだろうか?」
「先ほどの話の続きだが」
「うむ、『恋人らしい行動』についてだろうか?」
「然り。さしあたり『時間の共有』についての方向性は定まった」
「ふむ、となると次は『精神的・身体的な接近』について話を詰める番か」
「うむ、話が早くて助かる」
「しかし『精神的・身体的』とは銘打ったが、この場合はある程度同一視してしまってもよいかもしれんな」
「というと?」
「例として挙げるなら『手を繋ぐ』などは非常に恋人的な身体的接近だが、それを許される精神的接近が
反映されてこそのモノだ」
「なるほど。精神的な接近が反映されて、身体的な接近を許される。あるいはその逆、という考え方か」
「うむ。それらは互いに密接に関係していると見るべきだろう」
「なるほど。私たちもそのように、密接に関係するようになりたいものだ」
「うまい事を言う」
「光栄だ。さて、論点の定義付けも済んだところで、具体的に考えていくとしよう」
「うむ」
「まずは、先ほどクー男の挙げた『手を繋ぐ』などは基本中の基本と言うべきだな。他には……」
「『腕を組む』『肩を抱く』、などと言うバリエーションもある」
「いや、それはバリエーションではなく、別個のものとして定義してしかるべきだ」
「ふむ? こだわりがあるようだな。では、別カウントとしよう」
「配慮感謝する」
「抱くといえば『横抱き』はどうだろう」
「…………! それは女性に共通する憧れと言っても過言ではない。外せんな」
「クー子が乗り気で、提案した俺としても助かる。では、『横抱き』もカウントするぞ」
「それは構わないが、できうるならば名称は俗称のほうで登録して欲しい」
「なるほどなるほど、クー子は俺が思った以上に乗り気のようだな」
「笑わないで欲しいな、面映い」
「すまない。では、『半魚人持ち』、と」
「クー男」
「冗談だ。そんなに怒った顔をするな。そんな表情も素敵で交際開始三時間にして早くも惚れ直してしまいそうだ」
「クー男……今日は随分と人が悪いな」
「すまない。つい浮かれてしまっているようだな」
「……その気持ちは非常によく判るので、今回は許すとしよう」
「感謝する。それでは……『お姫様抱っこ』、これでよいのだろう?」
「ああ。素晴らしい響きだ」
「うむ、茶化した俺が言うのもなんだが、非常に浪漫を掻き立てられるものがある」
「実行される日が今から楽しみだ」
「俺もだ。だが今は、一通り列記してしまおう」
「うむ。そういえばいきなり『横抱き』に行ってしまったが、その前に普通に『抱き合う』のも漏らすべきでないな」
「む、見落としたがあったか。俺も我知らず気が焦っていたようだな」
「なるほど、ではそういった隙も今後は見逃さず、茶化し返すとしよう」
「お手柔らかに願う。さて、『抱き合う』まできたら、することは一つだな」
「『キス』だな」
「『キス』だ」
「『キス』ときたなら、次はおのずと決まる」
「……というと?」
「『フレンチ・キス』だ」
「それは別カウントなのか」
「当然だ」
「即答で断言か。まぁ別に異論はない。カウントしておこう」
「頼む」
「ちなみに俺はキスの次と言うのに、別の物を想定した」
「それは?」
「『ペッティング』と『性行為』だ」
「ああ、ABCと言う奴だな」
「まさしく」
「それも、列記しておくべきだな」
「そうしよう」
「ところでその手の話題では『フェラチオ』、『パイズリ』といった単語もよく耳にするが」
「それは『ペッティング』に含まれる」
「なるほど。なるほどなるほど」
「クー子よ、何か言いたいことがあるのか?」
「いやなに。私は細分化してカウントすることに拘ったが、クー男は逆なのだな、と思っただけだよ」
「……見透かされてる、と言うことか」
「む? あえて詳細を明かさない事で、そこにどんなものが内包されるか隠蔽する意図の事か」
「完全に予想済みか。御見それした」
「なに、何を内包しようが、なんであるなら後付けで追加されようが一向に構わんよ」
「なんと?」
「当方には、クー男が私に求める事であるならば、その全てを受け止め応える用意があると言うことさ」
「尻もか」
「尻?」
「あ、いや、すまん、忘れてくれ」
「尻か、尻ね、尻、尻と。まったく尻に何をされるやら、楽しみだよ」
「あまり連呼しないでくれ、気恥ずかしい」
「先ほどの報復と思っていただこう。しかし尻か……思いもよらなかったな」
「まだその話題を引っ張るか」
「あ、いやそうじゃない。単に、この分野の知識ではクー男に一日の長があるようだ、と思っただけだ」
「ああ、やはり男女で比べるなら、男のほうが性欲が強いからな」
「なに、私も負けてはいないぞ。自慰行為は週に三日は行なっていた」
「俺は毎日だ。ついでに言うならここ数日のオカズはクー子だ」
「それは私も負けてはいられないな。今日から毎晩、クー男を思って励むとしよう」
「光栄だな」
「いやまて。私たちは恋人同士だ。互いを思って自慰行為に耽るより、直接的に互いの身体を
貪ってしまうほうが話が早いのではないだろうか?」
「それなのだがクー子よ」
「なんだろうか?」
「気を悪くせずに聞いてもらいたい。あくまで他意のない質問だ」
「だからなんだろうか?」
「うむ、この交際は将来的な何かを見据えてのものだろうか? それとも、一時的な快楽を求めた遊びだろうか?」
「……なるほど、前置きがなければ激昂するところだな。無論、生涯にわたり共に歩む事を目標とした交際だ」
「ありがとう。質問の意図を説明する前にまず、少なくとも現時点での俺の意思もクー子と同様だと言っておこう」
「喜ばしい事を言ってくれる。ただ……現時点という条件が、正直、少々寂しいな。
その慎重な物言いがクー男らしいといえばらしいのだが……」
「すまない。だがこれは逆を返せば、現在の関係が永続するものだと盲信するよりも、壊れかねないものだと
危惧する事により維持に努める姿勢を示すものだと理解してもらいたい」
「なるほど、物は言いようだな」
「姑息である事は自覚している」
「一つ、訂正を求める」
「なんだろうか?」
「『維持』ではなく、『発展』に努めて貰いたい」
「……ああ、そうだな。撤回し修正しよう」
「うむ。そして私も、同様の姿勢を貫くと宣言しよう」
「ご理解感謝する」
「しかし大分話がずれてしまったな。結局、今の質問の意図はどのようなものだったのか?」
「ああ、話を戻そう。つまりだ、いまだ学生であり扶養される身分である俺たちがみだりに性行為を行い、
不用意に妊娠などをしてしまえば、それは俺たちの将来に障りが出てしまうという事だ」
「……理解はできる。理解はできるが……納得は難しいな」
「正直、言う俺も同感だ。だが現実問題、現時点での俺たちに結婚・出産しその後の生活を営んでいく
経済基盤はないし、そういう事態が周囲に発覚した場合、最悪引き離されてしまうケースも考えうる」
「悔しいが認めざるを得ないな。愛する男の精を胎に受け命を授かる事は、女の至福だと言うのに」
「俺とて同様だ。この滾る性衝動をクー子の中に思うさま注ぎ込みたくて仕方ない」
「言うな、処女膜に守られたはずの子宮が疼く……しかし、一つだけ安心した」
「なんだろうか?」
「そこで堕胎を口にしていたら、蹴飛ばしてやろうと思っていた」
「……考えもしなかったというか、今俺はひょっとして侮辱されたのだろうか?」
「気を悪くしたなら謝ろう。だが、私としてはより一層クー男への愛を深めたと理解していただきたい」
「……それもまた姑息な言い方だ。そう言われたのなら何も言えない」
「それはすまない、重ねて謝罪しよう」
「まぁいい。要するに俺が言いたい事はこうだ。
『性行為も子を授かる事も、いずれ自由意志でできる様になる。だから学生たる身分である現在に焦る事はない、
今は節度をわきまえて……』」
「………………」
「……『 安 全 日 ま で は 我 慢 す べ き 』、と」
「うむ、致し方ないな」
「ちなみにクー子の月経予定日はいつだろうか?」
「私は比較的周期が安定しているので、おそらく2週間後、前後二日と言ったところだろう」
「12日後から16日後といったところか。オギノ式で考えるなら、現在はまさに危険日か」
「うむ、安全日まであと一週間と言ったところか」
「危険日を避けて避妊具を併用すれば、まず意に沿わぬ妊娠をすることはあるまい」
「そこまで慎重にいくか」
「当然だ、大事なクー子の事だからな」
「面映いぞ、クー男よ」
「と言うわけで、放課後は早速薬局に立ち寄り、避妊具を吟味しようと思う」
「同行しよう。二人の初デートだな」
「む、そう言われるとなにやら面映いな」
「同感だ、だが同時に悪い気もしないな」
「ああ」
「ところでお二人さん、盛り上がってるところに恐縮なんだがね」
「これは先生、何故このようなところに?」
「何か御用でしょうか?」
「いやなに。
学食のど真ん中で堂々と不純異性交遊を語ってんじゃねー!!」
うん、まぁ、あれだ。
素直クールは「何言ってんだー!」と突っ込む常識人と対になってこそ輝くのであって、
ツッコミ不在の素直クール同士だともっと別のシュールな何かになるという結論に達したのだが、
どうだろうか?
凄くいい!萌える
これは好い起動修正、ナイスクールだ。
この二人の通った跡は死々累々だろうなw
途中でどっちがどっちかわからなくなったのは俺だけじゃないはずwwww
>>425 俺も俺もw
仕方ないから二人で一人ってことで納得した
レオですか、わかりません
ホワイトソース系を頼んでた生徒
撃沈?
二人で一人ったらバロロームだろJK……
>>422 いいぞもっとやれ
さらなる大殺戮を望むぜ?
いいねいいね、次は薬局編かな
店主が見ず知らずの人より二人の事を知ってる人物だといいかも
店主ではないが
たまたまサニタリショーツを買いに来たツンと出くわして(ry
>>428 牛乳ですらアウトだろJK
その場にいたいのかいたくないのか、微妙だ。
最後のツッコミまでえらく真面目に読んでしまったよ
面映いなんて初めて聞いたのでついググった
やはり知的なのも素直クールの特徴だね
434 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 12:50:16 ID:/AyNFeMy
GJ!!
こういうまわりくどい表現方は好きです(誉めてます)
理性があるのもいい
素直クール女って、無恥に発展しやすいから、ほっとくとビッチみたいになるからなぁ
まあ、落ちはアレなんだが……w
>さらなる大殺戮を望むぜ?
これ以上・・・
事の真っ最中とかにならね?
あるいは・・・どうだろう、この二人が体育館の用具庫で仕事をしていたら
催してここならこういうプレイが出来るな
と語り合ってその声が体育館内の同級生に聞こえて
最後体育教師が怒鳴り込む
みたいなのは
>>435 それは単なるオープンな変態じゃないか?
バカな……っ! 「あーんして食べさせる」を早くメモに書き加えるんだ!!
せっかくの学食だというのに! あれか、カレーうどんとかで食べさせっこできなかったのか!?
「うどんが長いままではカレーの汁がはねてしまうな」
「女がはねさせたのなら怒るつもりはないが」
「いや君の服を汚してしまうのは忍びない。私が咀嚼して短くしてから口移しというのはど(ry
好きとかそういう恋愛感情をハッキリ言ったり行動に移したりするのは素直クールだと思えるんだが
性的なことや粘膜の触れ合いについて見境なく人前で言ったりやったりするのは変態にしか思えん
(´・ω・`)こんな俺はおかしいのか?
>>439 おかしくはないと思う
エロパロらしくしようと思ったら変態的すぎた
辺りは難しいな
>>439 エロパロだから変態に見える。
他だったら告白→つきあい方について→18までor結婚するまで駄目→プロポーズと一直線で進むんじゃないか。
主題 常識的な御曹司と、ちょっとかっとんだ素直クール嬢の愛の劇場 第二話
主人公:御曹司の青年
カテゴリ:素直クール 男主女従
同性愛要素: なし
グロ:なし
修羅場:あり
糖度:ほのかに甘く
うんちく:適当なので本気にしないでね。
エロ:今回はてんこ盛り ハーレムみたいなぁ?
深雪来襲より三日後。執務室、午前10時40分頃
秘書室が騒がしいのに気づいたのは、昼も近い頃だった。
鉄道事業部で行われている連続立体交差複々線化事業による、近隣商店街を呼び込んでのショッピングモールプランについて検討中の時だった。
細かい権利者が多く、いずれも後継者難に悩まされている商店街店主達をどこまで助けるかは難しい問題だった。
「お待ち下さい! お待ちを!」
深雪がその騒動を聞きつけ、わずかに怪訝な光を目に浮かべる。
「深雪様、もう茶葉は充分に蒸れておりますよ」
「うん」
槇さんが深雪に紅茶の入れ方を指導していた。
深雪は人形のごとく無表情ながらも、素直に槇さんの指示に従ってポットから丁寧にカップへ紅茶を注ぐ。
深雪は僕の身の回りの世話をやりたがり、槇さんは嫌な顔一つせず、やり方を教えていた。
本来なら槇さんの職掌範囲ではないはずなのだが、槇さんは笑って
「熱意と素直さを持つ人にものを教えるというのは、快いものです。まして、深雪様のような美しい方であるならば、なおさら」
ということだった。
かくして深雪は押し掛け女房よろしく、槇さんの指導の元、僕の世話を焼いている。
深雪がうまく淹れられたとばかりに目に喜びと誇りを浮かべてカップを持ち上げたとき、扉が荒々しく開かれた。
「どうした……」
入ってきた人物をみて、僕は驚愕のあまり言うべき言葉を失う。
槇さんが片眉をあげて怪訝な表情をし、深雪の目からあらゆる色が消えた。
「も、申し訳ありません、若様。しかしこの方が!」
追いすがった僕の秘書をまったく無視して、その人物は僕の顔をじっと眺め、次に槇さんを確かめるとすぐに視線を外し、深雪をにらみつけた。
「きぃくん? この子、いったい何?」
「美月姉さん! ニューヨークじゃなかったのか?」
「恋愛無敵結婚驀進、素クールスレイブここにあり! 」
「第二話 三角関係争乱必至、姉は惜しみなく全てを奪う?」
完璧に着こなした艶やかな赤主体の和服、結い上げられた艶やかで豊かな黒髪。
大きいのに妖艶な目とすっきりと通った鼻筋、薄いのにエロティックな唇。
そこにたたずむ男を食べてしまいそうな成熟した妖艶な日本美人は、しかし僕の義理の姉でもある。
そんな姉さんは僕の問いに全く答えず、つかつかと深雪に近寄った。
「あなた、きぃくんの何なの?」
普段は落ち着いた色香をたたえている姉さんの目が、この時ばかりは情念の炎を燃やしている。
対照的に深雪の目は、氷に覆われた湖のごとく冷え切って、何の色も浮かんでいない。
「私は輝一郎の奴隷。体で奉仕する性奴隷」
その言葉に僕は打ちのめされて、執務机に倒れ伏した。槇さんがハンカチで僕をぱたぱたと扇いでくれている。
ぎんっと殺人光線が発せられているに違いない姉さんの目が、僕を射る。
「きぃ〜〜くぅ〜〜ん?」
「ボク、オワタ。ゼンブ、オワタ」
「若様、しっかりなさってください。なにもなさっておられないのにそのような態度をとっては疑惑を晴らすことができませんよ」
だが僕は起きあがれなかった。よりによってというタイミングで最悪のことになると、どうにも心が折れるらしい。
「はは、はははははは」
へらへらと笑い続けるボクをみて、美月姉さんはターゲットを再び深雪に変えた。
姉さんは手を伸ばし、深雪の両手をつかんでひきよせた。
深雪の持っていたカップがはねのけられ絨毯に落ちて割れる。
だが姉さんはそれに構わず、深雪を抱きしめた。
僕も槇さんも秘書も、そして当の深雪ですら姉さんの行動が理解できず、動きを止める。
ただ姉さんだけが、目に強い決意の光を込め、その顔を深雪の首や胸、脇の下、手に近づけた。
匂いを嗅いでいるらしいとわかったのは、深雪の首筋をなんども姉さんが嗅ぎまわって離れてからだった。
「ふふ、脅かしてくれたわね。きぃくんの精液の匂い、全然しないじゃない。
まったく、なにが体で奉仕よ、ほんとにもう。いいこと、冗談はほどほどにしなさいよ」
入ってきた時の姉さんの夜叉の表情が、菩薩の笑いに豹変していた。
にこやかに笑う姉さんは、足取り軽く僕の机をまわって近寄ってくる。
その余りの豹変に、僕も打ちのめされた気力が少し戻り、体を起こして姉さんを見つめてしまっていた。
そんな僕のところに姉さんは飛び込んできたのだった。
革張りの肘掛け椅子に座った僕の膝に、柔らかく温かい重みがかかり、ふんわりと甘い匂いが鼻をくすぐる。
次の瞬間、僕の唇は姉さんにふさがれていた。
しなやかな腕が拘束具のように僕の首に巻き付き、和服の棟はぐいぐい押しつけられ、口の中は縦横無尽にむさぼられた。
僕が息もつけず驚いている間に、姉さんの舌が僕の舌に巻き付き、姉さんの尻が僕の股間に押しつけられてこすられる。
「ね、ねぇさ……んぐっ……」
落ち着いてと叫ぼうとして、突然絡みつく女体が魔法のように消失する。
何が起こったのか把握できないうちに、異なる感触の女体がからみついてきた。
清冽な匂いと低めの体温が感じられ、長くひんやりとしてすべやかな手が首に巻き付く。
深雪? と思った瞬間、メイド服の胸が眼前に迫り、気がつくと温かく柔らかな肉の間に顔が埋まっていた。
なんとか顔を動かし、僕の顔を包み込もうとする大きな胸から片目を出して、姉さんを捜す。
姉さんは、呆けた顔で椅子の側の床に尻餅をついていた。
和服の裾が無残に開かれ、あられもない姿になっている。突き飛ばされたらしかった。
その呆けていた顔が見る見るうちに険しくなった。
「なにするの!」
言葉と共に、姉さんに相撲取りより猛烈な勢いで突き押しを食らわされて、僕と深雪は椅子ごとひっくり返って転がった。
椅子から転落すると共に横向けていた首が嫌な角度に引っ張られ、僕は首に猛烈な痛みを覚えた。
だが恐るべき事に深雪は椅子から転げ落ちても僕を離さず、床に転がった僕に覆い被さり、全身でしがみついていた。
「……輝一郎は、……私のもの。……おまえなんかに……触らせてやらない」
ひっくり返った椅子で車輪が空回りさせる音を立てる中、とぎれとぎれの低い声で深雪が宣言し、当然ながら姉さんは顔を真っ赤にしていきり立った。
「きぃぃぃぃぃ、誰があんたのものよっ! 離れなさい!」
和服を振り乱し、姉さんは深雪の髪の毛を引っ張り、顔につかみかかった。
だが深雪がおとなしくされるがままでいるはずもない。
僕を抱きしめていた手が姉さんに伸びると、姉さんの顔をかきむしって、頬をつねりあげた。
「いひゃひゃひゃひゃ、はにふんのよー、はなひなはい!」
「やだ。おまえこそ、髪の毛放せ」
姉さんの目が赤い劫火の色で輝き、深雪の頬をはたいて鳴らし、赤くはれあがらせる。
深雪の目が青い超高温の炎を宿すと、爪が猛獣の前足のごとくふるわれ、姉さんの顔がかきむしられた。
「お、お嬢様方、お、おやめください」
うろたえる槇さんの言葉が二人に届くはずもない。
「きぃふんからはなへろー!」
姉さんの蹴りが深雪の腹にヒットし、深雪が僕の上から転がり落ちた。
「いつまでも私のきぃくんにくっついてんじゃないわよ!……んぎゃっ!」
下品に中指を立てて挑発する姉さんに、ゆらりと立ち上がった深雪が手近にあった置物をなげつけ、見事にあてた。
「正義は勝つ」
ふんと鼻息を荒くして勝ち誇る深雪の額で飛んできたカップが割れ、深雪がぐらりとよろめく。
「死ね、泥棒猫っ!」
見事な投擲姿勢で吐き捨てた姉さんが、次は重そうな灰皿をとりあげた。
「それはこっちのセリフ」
深雪は、書棚からたくさんの重要書類が詰まったファイルを一冊取り出す。
「あ、あわわわわわわ」
うろたえる槇さんを横目に、僕は痛む首をさすりつつ立ち上がり、机の上のインターホンにとびついた。
ガラスの割れる音や、大量の紙がまき散らされる音、置物が床にめり込む音を聞きながら、僕はわめいた。
「緊急だ! 秘書室にいる男は全員僕の執務室に! はやく!」
頭の上を通り過ぎた花瓶に僕は首をすくめた。確か、結構高かったはずだが考えたくもなかった。
槇さんは既に床に伏せ、盆で頭を覆っている。姉さんを追ってきた秘書は机の下に隠れていた。地震じゃないだろと僕はあきれた。
「頼む! 頼むから早く!」
もう一度わめいたとき、扉から秘書室の男達が多数入ってくる。
だが誰もが室内の惨状に呆然と入り口で立ちつくしていた。
「ぼうっとしてないで、二人を引き離すんだ! 力ずくでいい!」
しかし秘書達は動かない。
「特別ボーナス10万と、臨時有給休暇3日!」
「みんな! 若様を助けるんだ!」
「若様、すぐに済ませます!」
「ふぉぉぉぉぉぉ、やるぞー!」
僕の叫びに我が頼もしい秘書達は、水を得た魚のような勢いで動き出す。
飛び交うファイルや置物を回避しながら、たちまち女達を取り囲み、引き離して、動きを封じた。
「若様、押さえ込みました」
「いかがいたしましょう、若様?」
やる気と熱意にあふれた僕の秘書達は、暴れる女達を華麗に押さえ込みながら、僕の指示を乞うた。
「本宅に送り返しなさい。……しかし間違っても僕の部屋に入れてはいけませんよ? 必ず姉さんの部屋とゲストルームに」
「はっ、了解いたしました」
「よし、地下に送迎の車を回せ」
「星城本宅に連絡を」
「きぃく〜ん〜」
「……」
僕の指示で、まったくもって有能な秘書達が、きびきびと女達を連れ出していく。
姉さんと深雪が何かを訴えるような目で僕を見たが、答える気になれず無視した。
僕はのろのろとひっくり返った椅子を起こし、体を投げ出すように座った。
首が痛んだが、それ以上に部屋の惨状は気分を重くさせる。
割れた花瓶に、破損した置物、散乱した紙。先ほどまで検討していたプロジェクトの書類も水に濡れ破れて用をなさなくなっている。
「はぁーーーーーーーー」
重いため息を長々と吐いていると、声が掛かった。机の下に隠れていた秘書だった。
「あ、あの」
「なにか?」
「私の特別ボーナスと臨時有休は?」
僕の首がさらにずきずきと痛んだが、僕はことさら明るい笑顔を浮かべた。ただし、目には怒りの光が残ったままだったと思う。
「安心してください。僕にもそんなものはありませんから、お互いがんばりましょう!」
「あは、あはは。……失礼いたしましたぁぁぁ」
逃げ去っていく秘書の目に涙が浮かんでいたような気もするが、気にしないことにする。
「げに恐ろしきは、女人の悋気、ですかな? ……カモミール・ティーでございます」
またもや深々とため息をついた僕に、ティーカップが差し出された。槇さんだった。
「身ぎれいに生きてきた僕がこんな目にあって、父上が太平楽に女の間を渡り歩けるのは、なぜだろうな?」
爽やかな紅茶の味わいも、憂鬱な気分を覆すには至らない。
「総帥も、若様が知らぬところで、女性でのご苦労はなさっていることと思います」
「それにしたって、これはないでしょう? これは? ……すみません、槇さん。清掃サービスを呼んでおいてください」
指で惨状を呈した室内を指し示してから、僕は額を押さえ、うつむいた。
「かしこまりました。……まあ若様。裏を返せば、嫉妬で荒れ狂うほどに愛されているということでございますから。
正直わたくしめも、深雪様がこれほどに激しいお方とは思いもよりませんでした。
深雪様はいつもクールに澄ましておいででしたから、あるいは若様に邪な企みで取り入るつもりなのかと思ったりもしたものです。
ですが、それも杞憂であったようで、なによりでございます」
微笑みながら槇さんが、ポットを持ち上げる。紅茶セットはおおむね無事だったようだった。
「槇さんは、良かった探しがうまいな。いい経営者になれるよ」
廃墟に等しいレベルの室内を眺めながら、僕は首をさすりながら紅茶をすすることをただ繰り返したのだった。
医師の診察を受けたため、帰ってきたのは遅めの時間になった。
執務室を離れ、会議室を臨時の執務室にして、仕事をこなした。時間を要するショッピングモールプランは担当部署に差し戻した。
担当部門を臨時に増強し、商工会だけでなく商店主一人一人との個別折衝をさせることにしたのだ。
だが、与党代議士の応援パーティは欠席にした。あえる人脈はなかなかに魅力的だったが、絶対に出席しなければというほどのものでもない。
特別ボーナスと臨時有休を逃した気の毒な秘書に、せめてうまい酒でも飲んでもらおうと考え、代理で出席させた。
そうした手配を済ませて、疲れ切った心と体で帰宅し自室の扉を開ける。
出たのは安堵の息だった。僕を緊張させる深雪も美月姉さんもいない。
出迎えたのは整えられた部屋着とスリッパ、そして私信だけだった。
部屋着に着替え、ペーパーナイフで私信を開けて確認したところで、喉の渇きを覚え、インターホンで給仕を呼んだ。
「いかがいたしましたか?」
「僕のアルマニャックを少し冷やして届けてください。つまみはいりません」
「承知いたしました。少々お待ち下さい」
お待ち下さいといったものの、給仕はすぐにやってきた。最近朝に来ることが多い袴田という若いメイドだった。
クーラーに浸したボトルから、大きめのグラスの1/3ほどまで琥珀色の液体を注ぎ、彼女は一礼をする。
「ありがとう。ボトルはさげてください。それともう時間も遅いから、これであがってください」
「ありがとうございます」
再び頭を下げた彼女が、頭を上げると目線を部屋のあちこちに飛ばしているのに僕は気付く。
彼女は星城本家特有の地味な黒一色のメイド服と白いカチューシャをつけ、豊かな染めていない黒い髪の毛を後できつく束ね、丸められている。
胸元は少し刺激的なほど飛び出ているが、腰の肉に緩みがないのは見て取れた。
顔は派手ではない清潔なメイクがなされ、穏やかで明るい大きな目と、小ぶりは鼻、小さめの整った口により、清楚で真面目な印象があった。
事実、働きぶりに文句はなく、メイド長も彼女を気に入っているようだった。
「どうかしましたか?」
「え? あ、い、いえ」
そんな彼女が珍しくうろたえた。
僕は、ブランデーの香りと喉をすべりおりていく焼けるような感じを味わいつつ、何気なく聞いただけだった。
「なにか気になるものでもありますか?」
そういうと僕は彼女の視線の先をみるが、変わったものがあるはずもなく、明かりを消した寝室があるだけだった。
「も、申し訳ありません。で、では失礼いたします」
弾かれたようにメイドはワゴンを押して部屋を出ていった。
なんだったんだろうと思いながら、僕はグラスを傾け、滑らかな舌の上の味わいと、下っていく熱いのどごし、そして少しぼやけていく頭の芯を楽しんだ。
やがてグラスは空になり、部屋の電灯を消して、寝室に移り、ベッドに潜り込むと、僕は何の憂いもない最高の快楽に身を躍らせた。
眠りの精の導きのままに睡眠をむさぼったのだ。
不意に覚醒したのは、主観的には眠ってからすぐの時間だった。
下半身がやけに風通し良く、冷えたのだ。
足を動かして、掛け布団を探ろうとしたのだが、足に何かが重くのしかかり動かない。
半覚醒の頭で僕は金縛りだと思った。
霊感などかけらもない僕は、側から聞こえてきたひそひそ声に、冷や水を浴びせられるような恐怖を味わい、体を震わせた。
しかし
「私が先」
「きぃくんの事は私が最初って決まってるの!」
聞き慣れた不吉な声に、急激に頭がクリアになり、目が覚める。
見開いた目は暗い寝室内でうごめく二つの白いものを認めた。
焦点がなかなか合わない瞳を必死で細めて、僕は白い二つのものを見極めようとした。
白いものが次第に人の姿をとり、輪郭が明らかになる。
肌も露わな胸の膨らみや腰のくびれ、はち切った太股がはっきり見えるようになると、おそるおそるその顔に視線を向けた。
「深雪っ! 姉さんっ!」
「おはよう、輝一郎」
「きぃくん、起きたの?」
真っ裸で人の寝入りばなを襲っているとは思えないほど、冷静な返答が二つ、返ってくる。
「……何を……しているのですか?」
息が詰まるような驚きの後にこみ上げた怒りによって、僕は跳ね起き、素肌に当たる冷気に気がついた。
見ると、僕の部屋着も下着も取り去られ、素っ裸になっている。裸で寝る習慣など無いにも関わらずだった。
「お詫びのご奉仕」
「はい?」
無表情で簡潔に語られた深雪の言葉に、僕は思わず首をかしげる。
「ごめんなさい」
「きぃくん、ごめん」
女達が深々と頭を下げる。解いた髪が滝のように滑り落ちて、僕の体でわだかまった。
二人の言葉でたぶん、この時僕の口はぽっかり開けたことだろうと思う。たぶん、というのは僕が混乱して記憶に自信がないからだ。
「私、きぃくんのお仕事、むちゃくちゃにしちゃったね」
「輝一郎、昼間のこと、私、心から悪かったと思ってる」
二人の目に浮かぶ真摯な光で、ようやく僕の心が落ち着き、事態を飲み込んだ。
「わかりました。そのことはもういいですから、部屋に戻ってください」
「いや」
昼間のことを許したはずなのに、深雪は拒否して動かなかった。
姉さんも気まずそうに僕を上目遣いでちらちらとみている。
「二人とも、なんか考えています?」
「輝一郎に体でお詫びする」
「……あのね、きぃくんと久しぶりに……したいなって」
僕の足の上で行儀の良いわんこのように構ってもらうのをつぶらな瞳で待つ深雪。
そしてもじもじと僕の太腿を人差し指でつつきながら、頬を染める美月姉さん。
暗い寝室の中で、二人の女はそれぞれの姿で僕を見つめた。
その上で重たげな胸が揺れ、むき出しの尻が振られ、おまけに寝起きで、僕の陰茎は節操なく大きくなり始める。
二人の目が僕の目を追って、大きくなっていく下半身に集まり、姉さんが嬉しそうに笑い、深雪はまじまじとみつめた。
「いや、その、これは、生理現象で……」
「輝一郎が、女の子を欲しがっている」
「きぃくん、私と離れてからも真面目にしてたもんね。この子以外部屋に入れてないし」
笑いながら言う姉さんを、僕は不思議にかんじていた。
「どうして姉さんがそれを知ってるんです?」
「うふん、秘密」
そういうと姉さんは素早くにじり寄って、僕を押し倒した。
天をついた陰茎に二人の女が顔を寄せ、陰茎を握った。
「……すごい。熱くて固い」
「はぁ、……きぃくん、私もね、誰ともしてないから。あそこに指も入れてないよ」
うっとりとした顔の姉さんと、真剣に見つめる見つめる深雪は、それぞれに僕の陰茎を握りしめていた。
「深雪ちゃん、ほら、胸をね、こうやって、おちんちんにくっつけて」
やがて姉さんが微笑みながら両胸の間に僕のものに挟み込んで、埋めた。
「う、うん」
「そうしたらこうやって、胸をおしつけるの」
陰茎の片側を柔らかい肉が覆うとまもなくして弾力に富む温かい肉が反対側も覆い、全部埋まって軟らかい四つの肉でこすられ始める。
「こ、こう?」
「ん、でね、時々乳首でね、……んんっ、……こうやって、こすってあげて」
「んんっ、こう……だな?」
陰茎の先端をしこった肉がつつきまわすようになり、電流のごとく走る快感に僕は思わず目を閉じた。
「はぁっ……そうよっ……きぃくんはね……おっぱいで……んんんっ……包んであげると……はうんっ……とっても喜ぶの」
「……へんな……感じ……だけど……輝一郎が……嬉しそう」
「んくっ、……姉さん、深雪っ!」
「じっとしてて、……んっ……いっぱい……ふぅんっ……気持ちよくしてあげるから」
「……やっと……ご奉仕……できる」
陰茎からわき出る柔らかい快感に腰が浮きそうになって、女達に優しく抑えつけられる。
弾力の異なる優しい胸肉に陰茎がからみつかれ埋められた。
固くしこった肉で先端をつつかれ、なでまわされると、思わず我慢できなくなって陰茎を胸に突き立ててしまう。
「輝一郎……気持ちいいんだ」
「こんなのまだまだ序の口よ? きぃくんをもっと気持ちよくしてトロトロに溶かしちゃって私達から離れられないようにするから」
「うん、輝一郎を溶かそう。……どうするの?」
抱き合うように姉さんに近づき、胸を寄せ、僕の陰茎を胸肉でこね回しながら、深雪が姉さんに尋ねる。
姉さんがにっこり笑った。
「当然、きぃくんの感じるところをたくさんじっくり舐めるの。きぃくんが降参するまで」
正直言うと、下半身のことでは姉さんに太刀打ちできたことはない。
昔からずっと姉さんにいいようにされてきた。弱点も嗜好も全部知られているからだ。
今回も、姉さんに舐められただけで腰が抜けそうになった。ましてや深雪が加わったらもうどうしようもない。
「そう、そこ。そこをゆっくりいやらしく舐めるの」
「うん」
深雪の舌が陰茎の裏筋のあたりをゆるゆると這い、姉さんが先端に舌を巻き付けて尿道口を舌でつついた。
微塵も嫌悪や躊躇を感じさせず、ただ僕の快感を掘り起こすだけという気迫で二人に愛撫された。
おかげで僕は女のように身をよじり、歯を食いしばって出すのを耐えるしか出来なかった。
「そしてね先端の穴を、舌でかわいがってあげて……」
「こうだな」
二枚の舌が尿道口に突き刺さると、僕の脳裏で火花が散った。だがしびれを切らしたのは姉さんが先立った。
「あん、もう我慢できない」
そういうと姉さんが大きく口をあけて先端を含む。
「一人だけずるい!」
「ほめんほめん」
謝りつつも姉さんは口を離さず、陰茎に舌を巻き付けては啜った。
顔を寄せてきた深雪に、姉さんが唇をずらして先端の一部を露出させる。
深雪は飢えた獣のように陰茎を口を付け、好き放題になめ回した。
先端から根元まで二人は好き勝手に舌を巻き付け、くわえて、舐め啜った。
「輝一郎、声出さずに震えている」
「きぃくんはね、気持ち良いと静かに震えるの」
姉さんがうれしさを隠さず目尻をさげて先端に舌を巻き付けてなんどもなぞる。
深雪すら目元を喜びで緩めて、陰茎の先端を口の中でなぶった。
淫靡な舌の音と息づかい、そして水音が続き、僕は腰から陰茎にせりあがって来るものを自覚し始める。
「ね、姉さん……そんなにしたら……もう」
「ん、出していいよ」
「射精する?」
「くっ!」
射精の衝動を歯のくいしばりで我慢したと思った時、姉さんの舌が尿道口につっこまれ、深雪の舌が先端を淫靡に這いまわった。
止める暇もなく、精液が駆けのぼり拍動感とともに放出される。
「わ、私も飲む」
陰茎の先端を分け合ってまるでキスするかのように、姉さんと深雪が唇を重ね、喉を動かして飲み下していく。
軽くなっていく腰とともに、拍動感が小さくなっていく。
けれども女二人はいっこうに口を離そうとしなかった。
ただひたすらに喉を嚥下させ、拍動が途絶えてしばらくしても、さらに残った精液を吸いあげ飲み込んだ。
僕は荒い息をつきながら、ようやく唇を離した二人をみつめた。
「……呑まなくてもいいのに……」
「浮気チェックもかねてるからいいの。でもきぃくんの精液、すごく濃かったから、ちゃんと我慢してくれてたみたいでうれしいな」
そう言いながら姉さんが自らの唇についた白濁液を赤いいやらしい舌で舐め取って飲み込んでいく。
「……確かに美味しくはないけど、飲めなくもないな。うん、毎日のご奉仕可能」
深雪は指で顔に付着した精液をすくい取っては飲み下していった。
それを見ていた僕は何かとても馬鹿馬鹿しい気分に陥った。
僕は星城の後継者として、後ろ指さされないように自分の振る舞いを律してきたつもりだった。
ハーレムを作っている父は論外としても、祖父も愛人を抱え、伯父達も品行方正とは言えなかった。
星城がここまでになるにあたっては、いろいろと強引な事や人の恨みを買うこともしている。
だから僕は、つまらない弱点をできるだけ無くすために品行方正に生きることは必要なことだとおもっていた。
けれどもそんな品行方正さなど、この女達には愛を感じる小道具でしか無かったらしい。
目の前で呼吸に合わせてかすかに揺れる四つの乳房をみていると、凶暴な食欲が湧いた。
出したばかりなのに、また陰茎がたぎり、屹立する。
「ははっ……僕だけ我慢して気を使って、馬鹿みたいだ」
「……きぃくん?」
「輝一郎?」
体を起こすと、怪訝な顔をして僕を眺める二人の女を両腕で抱きよせる。
わずかに力をかけて押し倒し、寝ころんだ二人の右胸と左胸を寄せて、先端をまとめて吸った。
「きゃん」
「あぅん」
手を伸ばして残りの乳房をそれぞれつかみ、感触を楽しみながらもてあそんだ。
弾力も大きさも違う魅力的な肉をもてあそぶのは、思いもよらず心楽しいものがあった。
「きぃくん?」
「輝一郎?」
驚いたように僕を眺める二人に、僕は肉食獣の笑みを浮かべて応えた。
「姉さんや深雪ばっかり好き勝手してずるいな。今度は僕の番。……もうやりたい放題に犯すから」
そういうと姉さんの股間に手を伸ばす。股間はかなり濡れている。
どうしてやろうかと考えながら、歯で二つの乳首を甘噛みしながら、先端を舌でつつきまわし、吸い立てた。
べっとりと舌を乳首に巻き付けてなめまわすと、二人の体が小刻みに震える。
乳房をもてあそんでいる両方の手で乳首の先端を優しくなで回しながら、舌で乳首先端のくぼみに突き刺した。
「はぁぁぁぁぁぁあうん」
「くあっ……くぅん……んはぁぁぁ」
突然二人が全力で体を寄せて僕の頭を抱きしめた。
食欲すら感じる優しい四つの胸肉に顔を挟み込まれ、心の底から楽しさと充実感を覚えて、さらに二つの乳首を虐める。
浮いた両手を二人の股間に這わせる。
姉さんには、クリトリスを優しくこすりつつ、膣に指を滑り込ませ、ゆるゆると出入りさせた。
深雪は、手を秘所に這わせると太腿を締めて拒むような仕草をした。それで僕は彼女が処女とか言ってたことを思い出す。
すぐに太腿を開いたが、その開き方が中途半端で、深雪の心で羞恥と恐れが暴れていることはすぐにわかった。
僕は、まず手のひらを深雪の女陰だけでなく、内股から尻まで優しく撫でることから開始することにした。
当然ながら、先に声を漏らし体を震わせ始めたのは、美月姉さんだった。
膣の中を丁寧にこすっていた指に肉がまとわりつき、熱い液を何度も浴びせかけ、姉さんは体をぶるぶると震わせる。
昔と変わらない姉さんの体に、安心感と郷愁すら覚えながら、ゆっくりと抜いた愛液にべたつく指をクリトリスに滑らせる。
「うはぁぁぁぁぁうううううう……指じゃやだぁぁぁぁぁ」
びくびくと不規則に震え、乳房をつぶさんばかりに僕に押しつけ、快感に振り回されている姉さんは、しかし手を伸ばし切なそうに僕の陰茎を握った。
「どうしようかな。姉さんは僕を信じてくれなかったみたいだし、指だけにしようかな」
「いやぁぁぁぁぁぁ、そんなのいやぁぁぁぁぁぁ、ごめんなさぁぁぁぁぁい」
僕は成長したのだろうか? 昔は必ず姉さんに主導権を取られて、入れさせて欲しいと懇願するのが普通だった。
なのに、僕は全然余裕で姉さんを追い詰め、快楽に追いやっていた。追い詰められていやいやと頭をふる姉さんがたまらなくかわいかった。
それで、僕は思いもかけず、さらにたぎってしまう。我慢出来なくなったのだ。
「……じゃあ、姉さんを犯すから。……深雪、ちょっと待ってて」
そう言って手を放して二人の間から起き上がると、淡い快楽にゆるゆると体を動かしていた深雪の目に、切なそうな光が宿る。
「深雪は処女だろ? 後でゆっくりと痛くないように可愛がってあげるから」
それだけを言うと、僕は姉さんを仰向けにして足の間に割って入り、勃起しきった陰茎を、女陰に押し当てた。
「きぃくん」
「姉さん、ちなみに僕、コンドーム着けないよ? 姉さんの奥で思いっきり出しちゃうよ?」
僕は単に調子に乗っているだけだった。僕の愛撫ですごく喜んだ姉さんをもっと振り回したかっただけだった。
コンドーム着けてと、哀願する姉さんが見たかっただけなのだ。
だが僕の言葉を聞いた姉さんの反応は、完全に予想外だった。
「うれしい」
頬を染め、姉さんは自分でさらに足を開いた。
「私、頑張るよ……私、お腹をきぃくんでいっぱいになりたい」
僕をみつめ、微笑みながら言った言葉に、僕の理性はぶっ飛んだ。
しゃむにむに姉さんの中に入り込み、柔らかい太腿を抱え込んで陰茎を姉さんの熱い奥のさらに奥まで埋めた。
「あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、きぃくんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
からみついてくる肉が僕の陰茎を絞り嬲った。それに構わず陰茎を押し進め、姉さんの腰をおさえて根元まで突き入れた。
すぐに無数のヒダが先端から根元までからみつく。
同時に、熱い壁がまるでもう出さないと言わんばかりに挟み込んで締め付ける。
乳房が揺れて僕を誘ったので、両手で握り、もう一度乳首を吸った。
腰をゆっくりと引いてからみつく肉ヒダを引きはがし、ほとんど引き抜いてから、もう一度奥の奥まで突き入れる。
「いやぁぁぁぁぁぁ、変にぃぃぃぃぃぃ、変になっちゃうぅぅぅぅぅぅぅ」
陰部でわき起こる重い水音と同時に叫ぶ姉さんの口も欲しくなり、姉さんに覆い被さって、唇を重ねた。
その間も僕の陰茎で姉さんの入り口から奥までをえぐり、先端でわずかにざらつく姉さんが狂うポイントをこすりたててやる。
果たして、昔と同じように、いや昔よりも激しく姉さんは狂った。
足を痙攣させつつ僕の腰にからみつかせ、伸ばした手を僕の背中に巻き付け、痛いほど爪をたててのけぞる。
姉さんの中も陰茎を抜こうとすると肉ヒダがからみついて絞り、突き入れると根元から先端まで締め付けた。
精液が徐々に根元に貯まってくるのを感じながら、何度も姉さんの中にたぎった陰茎を打ち込み、姉さんの口を貪って、両乳首をねじって好き放題なぶった。
僕が何をしても姉さんの体も太腿もぶるぶると震え、姉さんの目は焦点を失ってあらぬ方向をみるようになった。
何とも言えない征服感と愛しさがたまらなくこみ上げ、僕は姉さんを所有することを決めて、奥まで陰茎をぶちこむ。
「姉さん、決めたよ。やっぱり、姉さんを僕のものにするから」
答は絶叫と全身でのしがみつき、そして痛いほどの中の締め付けだった。
「わたしぃぃぃぃぃ、きぃくんのものぉぉぉぉぉぉ、なるからぁぁぁぁぁぁぁぁ」
どこを見てるともわからない目のまま、姉さんは壊れた人形のようになんども肯いて、僕は心の奥深くから満足した。
もう一度唇を軽く重ねて宣言する。
「この唇も僕のだから」
答は僕の舌にからみつく舌だった。
両手で豊かな胸を軽く鷲掴みにして、乳首を指の股にはさんでこすった。
「このいやらしいオッパイも僕のだよ?」
「ああああああああ、きぃくんのにしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
そして漏れ出そうな精液にせかされて、何度も大きく陰茎を突き入れて姉さんの肉の奥を思う存分征服する。
僕は、姉さんが応えれば、奥の奥で出してやろうと、決意していた。
「じゃあ、おまんこもこのお腹も……姉さんの体全部僕のもの。……姉さんは、僕のものだ。姉さんは、弟の所有物になっちゃうよ?」
当然ながら姉さんは堕ちた。
溶けきった雌の顔をさらけ出しながらも、微笑みのようなものを浮かべて、姉さんは自分で堕ちた。
「わたしぃぃぃぃぃ、きぃくんのぉぉぉぉぉぉ、あああああああああ、ものになるぅぅぅぅ、うはぁぁぁぁぁぁぁぁ」
言葉と共に姉さんの体の痙攣がひどくなった。
「あああああああ、いくぅいくぅいくいくいくいくぅぅぅぅぅぅぅ………」
雌を一人、自分のものにした充足感に酔いながら、腰を何度も打ち込む。
女の中は僕を離さないとばかりに締め付け、僕はそんな中を全部突きこすりたくて、腰を早めた。
女が絶叫のまま声を失い、背骨を折りそうなほど反り返る。
ついに僕も我慢できなくなり、最後に大きく長く奥まで突いて、陰茎先端がはじけるような感覚とともに放った。
孕ませたいという本能の欲求に逆らわず、僕は女の腰を強く引き寄せて、うごめく女の中の肉を楽しみながら、精液を注ぎ続ける。
女は力を失ってベッドに倒れ込み、目を閉じて、時折体をひくつかせながら横たわるだけだった。
ついに放出しきって、陰茎が硬さを失っても僕は女の中から出ず、僕のものになった乳房をもてあそびながら、女の体を楽しんだ。
そんな僕の背中に、熱い肉が張り付く。深雪だった。
「……わ、私も……欲しい」
「僕が?」
意地悪く笑う僕に、深雪はこっくりと肯く。その姿はなにか非常にかわいかった。
「私も輝一郎のものになりたい。輝一郎に……僕のものって言われたい」
背中に押しつけられた柔らかい二つの肉の先端が、僕の皮膚を刺していた。
首をねじり、背後から抱きつく深雪の唇を奪った。深雪が目を閉じ、僕の口を一心不乱に吸った。
「たぶん僕は君が思っているような立派な人間じゃないんだけど……でも、もう何もせず帰すつもりもないしね」
自嘲してみたものの深雪も欲しくなり、僕は姉さんから離れて、深雪を抱き寄せる。
ベッドに座った僕の足の間に深雪を座らせ、背後から抱きしめると、陰茎がすこし立ち始める。
姉さんの中に思いっきり出して貯まった感じは去ったが、僕の中で深雪を犯したい気持ちはむしろつのっていたのだ。
深雪の体は、白く細いくせに胸も尻も豊かで、しかし清潔さをどこかたたえていた。
だから新雪に足跡を残すような気分で、深雪を抱きたかった。
……もっといえば、彼女の表情に乏しい顔を快楽で溶かしてみたかったのだ。
けれども焦りは少しも無く、わずかに満足して牙を収めた征服欲も、まだまだおとなしくしてはいなかった。
だから、じっくりと弄んで犯そうと思った。痛みではなく快楽で泣かしてやろうと僕の中の黒い獣がささやいたのだ。
重々しく揺れる胸肉を僕は最初の征服対象に定め、背後から深雪の胸に手を這わし、出きる限り優しく胸肉を弄んでもんだ。
女の胸肉は意外にデリケートなことを、昔、姉さんから怒られて、僕は思い知っていた。
そして、優しく扱えばこの上なく魅力的になることも。
首筋にキスを降らせながら、五本の指を緩やかに動かし、乳房をやわらかく変形させていく。
手の中で形をかえる胸肉の、その色が変わる先端を指で挟み、こする。
「んっ」
唇で首筋をなぞりながら、綺麗な鎖骨にキスをして吸った。
「んんんっ」
深雪が体を小さく跳ねさせる。弱点らしかった。
楽しくなって、首筋から鎖骨をなめ回して、ついばむように吸った。
「んっ、んんっ」
目を閉じ快感に耐えている深雪の体が何度も小さく跳ねる。その姿は可愛く満足のいくものだった。
それだけでもう深雪の処女をいただくことにたいするためらいが消えた。
「深雪、深雪が僕のものだっていう印、つけてあげる」
そう言うと首筋に口づけをして、強く吸う。
「んんああああっ」
連続して深雪の体が震え、深雪の息が荒くなる。唇を離すと赤い印が深雪の白い首に浮かび上がった。
深雪の怜悧だった目が潤みはじめる。そっと手を伸ばして確かめると深雪の股間は濡れていた。
そのまま女陰を手で愛撫しようとして、くたりと頭をもたせかけてくる深雪の顔が目に入って僕は思い直した。
処女ならば膣で感じることはなくクリトリスしか感じないはずだが、しかし処女故に敏感すぎて指での愛撫でも痛がる可能性があった。
少しだけ悩んでから、僕はあっさりとするべき事を決めた。
静かに寝息を立てている姉さんの側に、体から力が抜けている深雪を横たえた。
僕は深雪の下半身のほうにまわり、両足をそっと割り開いて、股間に顔を近づける。
薄く細い陰毛の下に、濃いピンクの女陰があった。
舌を伸ばして大陰唇の上の合わせ目をぺろりと舐めた。
「んきゃぁっ! きききき、輝一郎!」
太腿が僕の顔を固く挟み、女陰が手で隠され、頭だけを起こした深雪が、珍しく目を丸くして僕をみていた。
「ん? どうしたの? 手をどけてよ?」
「そそそそ、そんなところを舐めるのは駄目だ!」
ぶんぶんと頭が振られ、深雪は僕の頭をますます太腿で締め付けた。正直、柔らかくて弾力あってすべすべの内股ははさまれると気持ちが良くて幸せだったりする。
「どうしてさ? 深雪だって僕のを舐めたでしょう?」
「それとこれとは色々違う! それに私は奉仕したいのであって……んきゃぁ!」
僕はそれ以上深雪のごたくを聞くつもりは無かった。
深雪の手をはねのけ、太腿を一気にもぎ離し、持ち上げてまんぐりがえしの格好にすると、可愛い悲鳴があがる。
「はいはい、深雪は僕のものだから、ここも僕のもの。だいたい性奴隷とか言ってたの、君だろ?」
「そ、それは……。とにかく、こんな格好は……きゃぁぁぁぁん」
頬を染めて抗議する深雪に萌えるものがあり、僕は太腿を抱えて、深雪の股間に顔を埋めた。
包皮をかぶった丸い突起にキスをして、優しく舌をのせる。
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁんんんんん」
急な動作を避け、ゆっくりと舌でクリトリスをねぶると、再び僕の頭を気持ちいい太腿が締めた。
違うのは、舌の動きに合わせて細かく震える体だ。
舌の縁を使って、クリトリスの付け根をなめ回し、そのまま頂点までゆるゆると舐めあげる。
「だめぇぇぇぇぇぇ、だめだめだめだめだめだめぇぇぇぇぇぇぇぇ」
目の前で深雪の大きく白い尻が、だらしなくぶるぶる震えた。
それが面白くて今度はクリトリスをそっと唇で覆う。
そのまま舌の先端でクリトリスを転がしながら、軽く吸引した。
「うあぁっ、ああっ、はぁぅっ、っあああああああああああっ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、あああうぅぅぅぅ」
次の瞬間、顔面にしぶきがかかる。口に入ったしぶきには、粘り気も味も無い。
顔を引いた僕の眼前で、溶けた目の深雪が尻も太腿も振るわせながら、液体をほとばしらせていた。
「はぁはぁはぁ、……み、見ないで……、んぁっ」
噴出が終わり、息を荒げ紅潮した顔を背けながら、深雪がつぶやく。
僕は何も応えずに、顔を腕でぬぐうと、もう一度濡れきった女陰に口をつけた。
今度は舌でべったりとクリトリスを押さえ、ずりずりと時間をたっぷりかけて舐めあげたあげく、舌を丸めて包んだ。
「ああああはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
今度は尻が震えるだけでなく、腰が浮いた。
もだえる深雪を見ながら、頃合いと感じ、左手中指をたてて、深雪の愛液を充分にまぶす。
膣の入り口に舌を這わせ舐めあげるが、深雪の反応は弱かった。
もう一度クリトリスに舌を戻し、先端でつつきながら、中指をゆっくりと膣に埋めていく。
「うあぁぁぁぁ、き、輝一郎ぉぉぉぉぉぉ」
「痛くない? 大丈夫?」
僕の言葉に深雪は必死で首を横に振った。しかめた顔は痛みではなく、快感だと思うことにした。
唇でクリトリスをついばみ、丁寧に転がして、舌で何度も嬲った。
その間も中指をゆっくりゆっくりと埋めていく。腰を引くような動作はなく、腰を浮かせて振るわせる動作だけだった。
だが、処女や経験に乏しい女の中はかなりデリケートらしい。
クリトリスも過激にならないようソフトタッチを念頭に置いて、愛撫した。
深雪が何度も快楽の叫びを上げた後に、僕の中指は根元まで埋まった。
締め付けてくる中は、姉さんのような柔軟性は無く、一様に固い感じがある。
中指を突き入れたまま、僕は深雪のクリトリスを何度もなめ回し、やがてクリトリスを充分にしゃぶりながら吸った。
「くぅぅぁぁぁああああああああああ、またぁ、またぁぁぁぁぁぁぁぁ、いくぅぅぅぅぅぅぅぅ」
浮き上がった腰がさらに何度も跳ね上がり、ついに反り返って、そしてベッドに尻から墜落した。
そしてようやく、深雪の膣に柔らかさが現れてきたのだった。
「深雪の好きなように、腰を落とせばいいから」
まだ幸せそうに寝息をたてている姉さんの隣に僕は寝ころんだ。
膝立ちで僕の腰をまたいでいる深雪は、中腰になって僕のものを入れようとしている。
すでに元気を取り戻した僕の陰茎のすぐ上に深雪の女陰があり、陰茎の先端は深雪の女陰に押し当てられ、わずかに僕にも快感があった。
よたよたと腰の力がぬけたかのように、深雪は膝立ちの足を動かして位置を微調整する。
「こ、こうかな?」
「深雪が一番痛くないところが正解」
両手を深雪の手とつなぎ、僕はじっと待った。せかすつもりはなかった。すでに二発出たために切迫感は一切無い。
深雪がそろそろと自分の中に僕の陰茎を埋め始める。
「んっ……いたっ……んんっ……」
時折、苦痛を感じたのか何度も体を大きく震わせたが、深雪は表情をまったく崩さず、そろそろと自分の中に埋め続けた。
突然陰茎の先端にかすかな抵抗を感じた。
どうする? という感情を目に、僕は深雪をみる。
さっきまで処女をもらうつもりだったが、けなげな深雪をみていて、僕は意志がぐらついていたらしい。
だが、深雪は迷わなかった。息を止めて、腰をさらに落としただけだった。
抵抗が消えて、深雪の腰はさらに下がり、やがて痛みで叫ぶことなく深雪は根元まで僕を収めることに成功した。
全てを収めた深雪が僕の胸に倒れ込んで、首に抱きついた。
「ふぅぅぅぅぅ、……やっと、輝一郎に……あげることが……できた」
深雪はいつものように無表情だったが、目だけはそれを裏切り、幸せそうに輝いていた。
そんな深雪の頭を僕は何度もなでた。可愛かったからだ。だが撫でてると、突然深雪が頭をあげた。
「……その、動かないのか?」
「ああ、いいんです」
怪訝な目をして、陰茎を出し入れしないことを深雪が尋ねる。
だが僕はその気を失っていた。というか、射精したいのなら、こんなまどろっこしい挿入方法などしなかった。
姉さんの中に思いっきり出し、深雪のクリトリスを責めて、絶頂に追いやった時点で、僕はかなり満足していたのだ。
それに処女相手に激しく突いても、苦痛に耐える顔を見るばかりで面白くはない。
女の中に入ってのんびりするのがいいときもあることを僕は知っていた。
深雪の中は、ひたすらに僕を締め付けていた。指の時と同じく、姉さんのような柔軟性は無く、ただ締め付けるだけという感じだった。
けれども、処女なんてこんなものなのだと思う。まだまだ男に慣れていないのだから。
「処女だし、激しくしても痛いだけでしょうし、それでは僕が楽しくないですから」
深雪が首をかしげた。
「でも私の中に出したいだろう?」
「……コンドーム着けるの、忘れましたね」
しくじったと僕が顔を歪めたのをみて、深雪は挑戦的な光を浮かべてにやりと笑った。
「安心してくれ。輝一郎の子供を孕んでやろう」
「……外で出すように頑張りますよ」
だが深雪はにやにやと笑う。
「ご奉仕は中だししてもらってまでがご奉仕だ。安心して私の中で出して良いぞ」
「……どこの三流エロマンガですか、そのご奉仕とや……」
深雪が僕に唇を重ねる。ゆったりと舌を絡ませ合い、僕は深雪の唾液を飲み、髪の毛を手櫛ですいた。
唇を重ねたまま、手を背中から尻に滑らせ、尻を撫でてつかむと、深雪の中が僕をきゅっと締め上げた。
乳房が欲しくなり、僕の胸で押しつぶされた乳房に手を差し込んで、感触を楽しみながら揉みしだき、乳首をひねった。
また、深雪の中が僕を何回か締めた。
深雪の口を貪りながら、深雪の体のあちこちに手を伸ばし、僕はその滑らかさとしなやかさと柔らかさを楽しんだ。
もはや、姉さんの柔らかさとはまた違う、この弾力にあふれたしなやかな体を離すつもりは完全に無くなっていた。
しばらくして突然、深雪が唇を離し、反り返る。そして腰を動かし始めたのは、深雪自身だった
「はぅぅぅぅぅぅぅ……、こ、腰がぁぁぁ……」
深雪の中の硬さがかなり薄れ、にも関わらず締め付けは強くなっていた。
深雪がくねらせる腰に合わせて、僕も少しだけ腰を使った。
反応はあった。深雪の腰の動きがさらに激しくなったのだ。
僕は深雪の腰を押さえ、優しくゆっくりと陰茎で深雪をついた。
「……お、おなかがぁぁぁぁぁぁ、変なのぉぉぉぉぉぉ」
そう言いながら深雪は僕を奥深くまでくわえ込んで震えた。痛みを感じていないらしい。
そのうちゆったりとした出し入れが、だんだんと速くなり、お馴染みの精液がたまってくる感じが出始める。
僕は外で出すタイミングを謀りつつ、腰を動かし、自らを追い込んでいった。
やがてもう少しで射精に至りそうになり、腰の下から突き上げる動作を大きくして、膣外射精の準備を進める。
カウパー氏液に含まれる精子のことは考えないようにした。
もうすぐ出るというタイミングで、突然深雪が僕にしがみつき、足もからませる。
そして何より、深雪の中が搾り取るように僕を締め上げた。
「え? ちょっと! くぁっ」
あっと思ったときには、深雪の奥で僕は震えながら射精を続けていた。
今度こそ腰が抜けるような快感と共に、僕は放ち続けた。
引き抜こうとしたが、射精によって脱力し、深雪をふりほどけず腰が動かない。
「み、深雪っ?」
その深雪は、僕にしがみつきながら、何度も痙攣して体を震わせ、目を快感に溶かしていた。
精液を吐き出す拍動と共に、深雪も体を震わせ、決して離さないと言わんばかりに僕を抱きしめ続けている。
結局僕は、深雪に捕まって呆然としながら、最後の一滴まで深雪の中で精液を放出してしまっていた
「……ははっ……やっちゃった。……全部中出し……」
萎えた僕のものが抜け落ち、抱きついていた深雪の体からも力が抜けて、ぐにゃりとした体を深雪は預けてきた。
低いつぶやきを聞いたのはそんな時だ。
「……すごい」
「へ?」
「……輝一郎に……出してもらったら……お腹が震えて……頭が真っ白に……すごい……」
そのまま、溶けた深雪の目がゆっくりと閉じられ、小さな寝息が聞こえ出す。
「きぃくーーん」
寝ていた姉さんが寝ぼけたまま僕にしがみついて、右腕の中に潜り込む。
体の上にのっている深雪をそっとおろして左腕の中に抱え込んだ。
両腕で二人の女を抱きしめ、足で毛布を引き寄せて、体にかけると、左右の女の顔を見た。
二人とも険のない幸せそうな顔で寝息を立てているのを見て、僕は軽く息を吐いた。
「ま、いいか。二人の面倒くらい見れない訳じゃないし……」
目を閉じ、柔らかさとしなやかさ、そして温かさを楽しむために女達を引き寄せる。
三回も出したので、意識はすぐに暗黒へ落ちた。夢すらもみなかったくらいだ。
翌朝 午前六時半
僕の一日は、給仕が朝食をベッドまで運んできてくれるワゴンの音で始まる。
「おはようございます、若様」
「ん、おはよう」
今日も女の張りのあるアルトで起こされる。最近続いて僕の部屋に来てくれている袴田さんだった。
「アメリカンコーヒーはブラックでよろしいでしょうか? トーストのほうは、本日は無農薬ブルーベリージャムでございます」
「それでいいです。ありがとう。……あれ? 袴田さんは昨夜も勤務だったのに今朝も勤務なのですか?」
僕の言葉に袴田さんは優しく微笑んで頭を下げた。
「若様のお世話は、私の喜びですから」
「ありがとう。勤務が終わったら、ゆっくり休んでください。無理して体調を崩さないように」
「はい……え!?」
袴田さんの返事を聞きながら、身を起こそうとした僕の体から毛布が剥がれ落ちる。
現れたのは、安らかな顔で僕に身を寄せて眠る裸の姉さんと深雪だった。
目を丸くした袴田さんと僕の間で、気まずい空気が流れる。
「……えーと」
誤解だといおうとして、誤解でなくて真実そのものであることに意識がたどりつく。
言い訳しようもない状況に、僕はただひたすらぐるぐると脳裏で言葉を探していた。
突然、姉さんと深雪の目がぱちりと開いた。
「おはよ、きぃくん」
「おはよう、輝一郎」
「……おはよう」
僕が言えた言葉はそれだけだった。だが袴田さんはプロだった。
「おはようございます、美月様、深雪様」
「おはよ、恵(めぐみ)ちゃん」
「おはよう、恵」
三人は何事もなかったかのように平然と挨拶をしていた。僕は彼女達に女の強さを垣間見たと思った。
だがそれにしては様子がすこし変だった。
「ありがと。全部うまくいったよ」
姉さんが満面の笑みを袴田さんに向けていた。
「私もだ。中にいっぱい出してもらった。……すごく……幸せだった」
深雪は、裸の腹を押さえ、真摯な光を瞳に浮かべ、袴田さんに報告をしていた。
「そ、その、じゃ、じゃあ、私のほうも」
「いいわよ」
「構わない。そういう取引だし」
胸を押さえ頬を染めて恥ずかしげに語る袴田さんに、二人は肯いていた。
「待って。いったい、あなた方は何を話しているのですか?」
僕の言葉に、三人の女は三様の表情を浮かべて僕を見た。
「うん、きぃくんの部屋に入れてもらうかわりに、恵ちゃんも混ぜてあげるって約束なの」
「はい?」
「恵が輝一郎の部屋でオナニーしてたことも帳消しにする」
「……ええ?」
袴田さんはうつむいていた。
「私が輝一郎の部屋で帰ってくるのを待ってたら、恵が駆け込んできて、輝一郎の椅子に座って自分でいじっていたんだ。
それで、私も恵にお願いして、カチューシャ借りて、裸で待つことにしたんだ。
でもやっぱり自分でするところを見せつけるべきだっただろうか? 裸だけでは、インパクトに欠けていたかも」
深雪が裸のまま腕を組んで斜め上な反省をしていた。
「馬鹿ね、それじゃただの変態じゃないの。まあ、恵ちゃんは充分に変態だけど。
でも恵ちゃんはきぃくんの事をいつでもちゃんと私に教えてくれたから、きぃくんとしてもいいよ。許してあげる」
姉さんが目を光らせながら袴田さんをみた。袴田さんは相変わらずうつむいていたけど、体が震えていた。
「……ということは、袴田さんは姉さんの手先で、深雪や姉さんをこの部屋に入れたのも、袴田さんだったってこと?」
「正解だ、輝一郎」
「私の手先だけじゃないよ。きぃくんに無理矢理犯されるところを妄想して慰める変態メイドなのよ」
僕はめまいを感じて、ベッドに倒れ込む。
そんな僕の上にのしかかってくる影があった。
……袴田さんだった。頬を染めて染めながらも目は肉食獣の輝きを浮かべていた。
「若様がいけないんです。……私に……ご奉仕をさせてくれないから」
そういうと、袴田さんは僕の下半身に食らいつくように近づいて、僕の萎えている陰茎をためらいなく口に含んだ。
恐るべき勢いでなめ回されて吸われると、陰茎があっという間にそそり立ち、僕自身がそのことに驚きを覚えた。
「ああ! こんなにたくましいのが……、これがやっと私のものに……」
袴田さんが普段絶対に見せない妖艶な表情で、そそり立った陰茎にほおずりした。
「ねえ、恵ちゃん。今日も下着着けてないんでしょ?」
そういうと姉さんがメイド服のスカートを盛大にまくった。
現れたのは、ガードルだけつけた白い尻。……パンツは無い。
「当然、ブラもしていないのだな? ……うん、乳首がたっているのがわかるな」
深雪が袴田さんの背後から胸をつかみもみまわすと、服を下から持ち上げるしこった突起の形が明らかになった。
「わ、若様のお世話するときは、……その、何があってもいいように……全ての準備を整えていますから」
「何があってもとは、例えばこんなことか?」
そういうと深雪が袴田さんの制服の前ボタンを手早く外していき、胸元を開く。
服で抑えつけられていた白く巨大な乳房が飛び出し、重々しく揺れる。こちらも下着はなかった。
「こんなことかも?」
姉さんが袴田さんの陰部に差し込んでいた手を引き抜く。濡れ光った指を広げると、粘液が糸をひいた。
袴田さんはもう何も答えなかった。
ただ僕の陰茎を全部飲み込み、とろんとした目で、なめ回すだけだった。
「ふむ、輝一郎のもの以外はどうでもいいみたいだ。……恵、私も舐める。それは独占禁止だ」
「きぃくんは恵ちゃんの朝食だね。……私もいただきまーすっと」
そう言うと深雪と姉さんが左右から、僕の陰茎に吸い付き、好き勝手に舐め始める。
結局、僕は三人の女においしく食べられる羽目になった。
仕事をしていたのが、残りカスだったことは言うまでもない。
もっとも夜には、その残りカスもさらに絞られた訳なのだが。
第二話 終
投下終了
461 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:45:10 ID:tSzTfl/4
一番槍GJ!
これはなんとGJな作品w
いいねぇ
なんという十面埋伏www
美味しくいただきました。
良い
非常に良い
うほっ!いい女!
深雪と美月姉さんがどうやって和解したのかと袴田さんの人物背景が気になる
うむ、美月姉さんがいつ輝一郎とそう言う関係になったのかとか気になるね!
俺は4
俺は4Pの詳細が気になる
GODjob!
典型的な男口調素クールもいいけど、キャラ追加で幅を出してるのもいい!
面白いんだけどさ……これハーレムものじゃね?
素クールがメインなら問題ないんじゃない?
他キャラがいるからこそ引き立つこともあるし
「素直クールによるハーレム」なら問題ない
「素直クールがメインヒロインのハーレム」ならまだ大丈夫
「素直クールのいるハーレム」ならハーレムスレ向き
>ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
>クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
>しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。
これの「男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ」と「シチュ萌えの素直クール」が最近薄い気がする
やはり男が女性の暴走にちょっとついて行けないくらいのほうが萌える
クーによりスルースキルがガンガンにupした男
相変わらずのクー、それを華麗にかわす男、しかし周りにいるクラスメイトからしたら
そのやり取りを聞くだけでもはや羞恥プレイ
始めてSS書いたんであまり自信はないですが投下。
タイトルが全てを表してるので嗜好のない方はスルー推奨。
「んちゅっ…ちゅ……ちゅっちゅぱっ…」
吸い合っていた口を離すと、つう、と互いの舌のあいだに混じり合った唾液の橋がかかる。
それが切れると同時に二人は再び唇を重ねあって、また互いの口を吸いあう。
「ぷはぁっ……」
ようやく相手の唇と舌を開放し、クーは深く息を吐いた。
睦みあっているときはつい情熱がこもってしまうせいで、
ちょっと軽めのキスを、のつもりでもすぐに濃厚な接吻になってしまう。
もっともクーはほとばしる情熱――――愛情を押しとどめる気などさらさらないし、
それによってお互いに昂ることが出来るのだから何の不都合があろうか、というのが持論でもある。
いつもながらの濃密なキスに酔いしれ、余韻を味っているように見えるクーに、男は奇妙な違和感を抱いていた。
普段は名刀のごとき切れ味で言いたいことをズバズバと言ってのけるクーが、珍しく何かを言いよどんでいるようなのだ。
男は相手の目を見つめ、やさしく問いかけた。
「どうした?」
「いや、その…実はだな」
紅潮していた顔をさらに紅く染めたクーの困ったような表情を見て、男はようやく得心した。
ああ、あれは照れだったのか。
「……今日は避妊具を付けずに愛して欲しい」
「それって…!」
「うむ。私の膣の中で…射精して欲しいんだ。君をもっと深く感じたい」
願ってもない申し出に背筋に痺れにも似た何かが走った。
男としての、否、牡としての根源的な欲求が、そそり立っていた陰茎をさらにいきり立たせる。
かつて無い欲情が湧き上がっていた。しかし簡単に応じてもいい話ではないから、何と答えたものか。
その逡巡が良くなかった。
「今日は安全日だから気兼ねはしないでくれ。………いや、そういう問題ではないな」
そう言うとクーは俯いてしまった。
「君は初めてのときから、必ず避妊具を付けてくれていたというのに。
君の想いを踏みにじってしまったな…………。すまない、今言ったことは忘れてくれ」
いつもの涼しげで自信に満ち溢れた表情が影を潜め、悲しげな顔で消え入りそうに呟くクーを見て男は盛大に後悔した。どうしてすぐに答えなかったのか。断るにしたって理由を告げて気持ちだけ受け取ることも出来たはずではないか。
それにクーがどんな想いでそんなことを言ったのか考えもしなかった。
クーなら、単なる快楽の追求や好奇心でそんなことを言うはずが無い。
よしんばそうであっても、それだけの筈がないだろう。
考えるより先にクーを抱きしめていた。
「……本当に、中に出していいのか?」
「…男くん?」
「本当に、いいのか?」
「…………覚悟は出来ている。しかし私の身勝手だぞ。男くんが付き合う必要など――――」
「俺は、クーの中に思いっきり出したい」
「……っ!」
クーの髪を撫でてやりながら男は続けた。
「ごめんな。さっきはちょっとびっくりしたんだ」
「男くんは本当に私の膣の中に射精したいのか?」
「好きな女に中出ししたくない男なんていないの!それにほら――」
ぐっとクーの手を引っ張り、男は自身の逸物に触らせた。
いつもそうするように、クーの手はやさしく陰茎を包み、指を這わせてその感触を確かめてみた。
いつになく性の滾りに満ちている。まさに怒張だ。
「あ…」
「クーが中出しして欲しいなんてエロいこと言うからほら、こんなになってる。責任取ってくれ」
「ん…ふっ」
責任とってくれ、のあとに耳を甘噛みし耳たぶを舐めしゃぶる。
クーにとってはそれほど敏感な部位ではないが、前戯で気分と性感を高めるのによく愛撫している。
今回はいかに自分がクーを求めているか、その証としてである。
「……わかった。君をこんなにも興奮させてしまったのは、確かに私の責任だ。
私の全てをもって鎮めよう。いや、鎮めさせてほしい」
「お願いします」
どうやらいつもの調子が戻ってきたようだ。
男は抱きしめていたクーから一旦体を離し、まっすぐ相手の目を見据えた。
伝えるべきことが、言うべきことがあるから――――。
「ただこれだけは約束してくれ。もしものときは一人で抱え込まないで、ちゃんと俺に言うこと。
二人の問題なんだからな?」
「誓おう。――――――ふふ」
「どうした?」
「君が恋人で…男くんと恋人になれて、君が恋人になってくれてよかった。そう思ったんだ」
「〜〜〜〜〜っっっ」
直球ゆえに男を悶絶させずにはおれぬ、それがクーの愛の言葉だった。
えー、今回はこんなところで。
どうにも遅筆なのでチマチマ続きを投下する事になると思いますが、
よろしくお願いします。
次回はキス地獄編・……になったらいいなあ。
+ 。 * ワクワクテカテカ +
ツヤツヤ ∧_∧ +
+ _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
⊂_。+ ゚+_⊃
⊂__⊃. + * + ワクテカ +
GJ
しかしそこまで書いておいて入れる前に終了とか何たる寸止め
>>481 点火したい
483 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:46:55 ID:YhF7r3ks
ちょww寸止めww
続きwktk
VIPじゃないんだから草生やすなよ
VIPじゃないと草つかっちゃいけないとかないだろwww
ちょ(笑)寸止め(笑)
続きwktk
とか書かれるより草はやされたほうがよっぽどましだ
自分女騎士が大好きだったんだ
あの、強気で気高くて普段はぶっきらぼうで口調も堅い…まあ女騎士じゃなくてもいいんだけど
この萌えを一番端的に表せていたのがそれだった訳で
でも、このスレ見つけてこの萌えが「素直クール」というのが分かった、人生が変わった瞬間だった
言葉があればそれだけで安心できるタイプか
所謂ポルノガイジン現象的な
>>489 部長乙。
交尾厳禁とかこのスレ的には厳しすぎます。
素直クールの前でオナニーしたらどうなるんですか
制止も聞かずに襲いかかるか、男に配慮して自分もオナニー始めるかのニ択
いや、初めて見る男性の自慰行為をじっくり観察する、という選択肢もあると思う。
自分の欲望のままにオナニーの手伝い
素クールなねえさまにべったり依存して甘えてみたい
んで偶然外で会いたい
投下します。携帯からで失礼
短編・素クール視点・エロ無し
「あー…すまないがもう一度言ってもらえないか?」
今まで生きてきた十七年間に男を好きになったことはあるか。
答えはイエスだ。
しかし思いを相手に伝えても成就しなかった。
恐らく理由は私にあるのだろう。この性格にな。
友人に言わせるとストレート過ぎるらしい。もう少し乙女の恥じらいを持てとも言われる。
そんな私は男からしても可愛くないのだろうが、私は自分を変える気は毛頭ない。
自分にも他人にも嘘は絶対につかない、それが私の正義。
おかげで男とは縁のない今まで学校生活を送ってきた。
その私が今、こともあろうか告白されている。
「もう一回!?わかったよ…僕と付き合ってください」
うむ、間違いない確かにこれは告白だ。
顔に見覚えがあるから同じ学年だろう、が名前は知らない。
頭髪は校則通り守っていて決して目立つ人間には見えない普通の男だ。
物凄く格好いいかと聞かれたら答えはノーだろう。
しかし今時放課後に体育館の裏で告白をするこの男のことが妙に気になった。
「承諾しよう」
「………」
「どうした?」
彼は信じられないといった表情をしている。
そこまで摩訶不思議なことを言っただろうか?
「本当にいいの…?」
心なしか彼の唇が震えているのは見間違いではないな。
「確かに私は君のことは全く知らない。だからこそ断る訳にはいかない」
「それでもいいよ、ありがとう!」
今度は心底嬉しそうな表情を浮かべる。
多様に変化する表情は魅力的だ。
「そういえば名を聞いていなかった」
「あっごめん、忘れてた。僕の名前は中山信だよ」
「中山信か…了解した。知っての通り私は上條空華だ。よろしく頼む」
握手のためにスッと彼に右手を差し出すと彼は素直に応じた。
疑問なく応じる人間は初めてだった。
「どうしたの?」
私の手を握る彼の力はまるで苺大福を握るかのように優しい。
いや、私の手は苺大福のようにふくよかではない。訂正しておく。
「私の握手に素直に応じたのは君が初めてでな。驚いている」
「だって相手が握手しようとしてるのに断ったら失礼だと思うけど」
なかなかの男だ。このような男がいたとは盲点だった。
「惚れた」
一旦手を離し彼を真っ直ぐ見据える。
「上條さん?」
「君に心底惚れた。間違いない、今から私達は正式に相思相愛の恋人同士だ」
母親譲りである人を見抜く眼には自信がある。
この数分間で確信した、彼は私のベストパートナーになると。
「上條さん…」
「あー…そのよそよそしい呼び方はやめてもらえないか?」
「う〜ん…じゃあなんて呼ぶ?」
「『クー』と呼んでくれ親しい者はそう呼ぶ」
「い、いきなり!?名前で…」
「恋人同士なら当然でなないのか?」
「わかったよ、く…クー。僕のこともシンでいいよ」
「うむ、了解した。では再びよろしく頼むシン」
改めて手を差し出し彼もまた応じる。
しかし今度はお互いに強い力で手を握り合った。
「さあ帰ろう」
一瞬このまま手を繋いで行くか止めるか悩んだ。
「シン、私としては手を繋いでいたいのだが構わないか?」
「えぇ!?いや…嬉しいんだけど学校の周りはさすがに、ごめん」
「そうかそれは残念だ、非常に。しかし私の意見だけを通すわけにはいかないな」
「正直なんだね」
彼が感心したように呟く。
「嘘をつくことは私の正義に反する。たとえ君であっても自分であってもだ、予め警告しておこう。」
よし、ひとまず伝えることは伝えた。願わくば彼が引いてくれないよう祈ろう。
しかし彼の反応は少し予想外だった。
「クーはすごいね」
凄い?一体何のことだろうか。
「ウソをつかないのって大変でしょ?特に自分に対してなんてさ」
果たしてそこまで凄いことだろうか。
嘘をついてはいけないと幼き頃から言い聞かされてきたのだ。
私からしてみれば嘘をつく方が凄いことだ。
私がそんな真似をしたら…想像するだけで胸が張り裂ける思いがする。
彼の意見を聞き入れた私は手を解くと並んで歩き出した。
正門に近づいていくと見覚えのある人影が見えた。
彼女は振り向き私の姿を見ると声を上げる。
「クー、相手は誰だったの…って中山くん!?」
「や、やあ前田さん」
「何?前田はシンを知っていたのか」
「去年同じクラスだったからね。でもまさか中山くんとは…」
「前田には一番に報告しておこう。彼は私と相思相愛の恋人だ。以後彼を優先する場合もあるが容認して欲しい。」
彼女は私の良き理解者であり、私も同様に彼女のことはよく理解しているつもりだ。
校内で最も親しく、信頼を置いている。
「ちょ、ちょっとクー」
不意にシンが驚きの声を発した。
「どうしたシン?」
「いや、他の人にはあまり広めて欲しくなかったっていうか…」
「何故?」
「目立ちたくないから…」
目立つ?交際関係にある男女はクラス内にも以前から存在している。格段目立つことはないはずだ。
「クー…自覚ないの?実はモテモテなのよ、あなたは」
まさか、そんなはずはない。男達は普段誰も話しかけもしないではないか。
何か思う所があるなら面と向かって言うべきだ。
第一に前田の方が私よりも遥かに魅力溢れている。
私自身に不満はないはずだが彼女の女らしさに羨望の眼差しを向けてしまうのも事実だ。
「だからそんなあなたに彼氏が出来たとなるとちょっとしたニュースなのよ」
彼女が説明している最中シンも頷いていた。なるほど彼もその一人だったわけか。
「しかし何故隠す必要がある?シンは思いを伝えてくれた。他の男達がしなかったことをやってのけたのだぞ」
「まぁクーならそう言うと思ったけど。中山くん、諦めなさい」
彼女がそう言うとシンは力なく笑った。
「でもよかったじゃない中山くん。みんなの憧れのクーの彼氏になれたんだから」
自分の事を棚に上げておいて皆が羨むとは大袈裟だと思う。
「すまない前田、そろそろ帰ろうかと思う。非常に心苦しいが席を外してもらいたい」
「あったり前でしょ。私はクーに彼氏が出来て嬉しいんだから。大切にしなさいよ」
「勿論だ。私はこの先彼を愛し続ける。この気持ちが変化することなどありえない」
前田の後ろ姿を見届けいざ帰ろうとするとシンの顔が赤く染まっていることに気付いた。
「どうしたシン顔が赤いぞ。熱でもあるのか…よし」
髪をかき分け彼の額を露わにして私の額と合わせる。
うむ、よかった。熱はないようだ。
「く、クー…離れて」
上擦った彼の声が耳に届く。
額を離し彼の顔を覗き込むとどういう訳かより一層赤みが増していた。
「あの…ここ正門なんだけど…」
当たり前だ。そんなこと分かりきっている。
それにしても急に周囲が騒がしくなったな。どうしたというのだ?
「あのさっ、クー早く帰ろう?ねっ?」
早足で彼が歩き出し私は一瞬の遅れを取る。
「待ってくれシン」
慌てて追いかけ横に並ぶ。うむ、居心地が良い、彼の真横は恋人だけの特等席だな。
その後は私達は分かれるまで他愛の無い会話をして過ごした。
しかし周囲が騒がしくなった原因も、彼が急に早足で歩き出した原因も最後まで解明することはなかった。
終了です。素クー視点って難しい…
そーだよなー、ハードル高すぎるよなー。
と妙に納得してしまう今日この頃なのでした。
携帯からおつかれさん。GJなんだぜ。
このスレの皆がコイネココイネコ言うから読んでみたら
なにこれすごい幸せ
素直クールってキャラとしてはいいけど、作者の視点まで知られてしまう怖さをしったよ
素直クールって一途さにおいてはヤンデレと同じくらいのものがあるよな
というわけでヤンデルクールというのはどうだろうか
「おとこくん、さっき色目を使ってきた泥棒猫を殺害しに行こうと思うのだが、不都合は無いだろうか?」
「えっ!?いや、俺とクーやんが付き合ってる事なんて周知の事実なんだから、色目とか無いって!」
「発情した雌猫の臭いがしたのだが……34の可能性と8つのプランを示し合わせた結果、今のうちに処分しておく方が……」
「ていうかクラスの中でそんな話するなよ!みんなドン引きしてるじゃん!バカップル扱いのがまだマシだよ!」
みたいな
ヤンデレという属性が特殊過ぎて素直クールを食ってしまう感がする
素直クールの派生の1つのヤンデレではなくヤンデレの派生の1つの素直クールみたいな
ヤンデレクール出てたような新たな世界が拓けた
俺、日本語でおk
512 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 20:23:50 ID:1p6MjO5S
個人的に、素直すぎるクールは、こいつ完璧に病んでるだろって思ってしまう。それか我が儘娘。
どうでもいいレスであげてしまったorz
素直クール=付き合ってからが楽、なイメージがある。
ツンデレと違って手がかからないというか、燃費が良いというか。
男の察しが悪くてもまるで関係ないし。
あと2週間の時節ネタ投下ー。
「む、もうそんな時期か」
帰宅途中に立ち寄ったコンビニで、バレンタインデーの関連商品の山を見かけたクーは、
このところのクラスメイトたちが妙に浮かれていた原因に思い至っていた。
近年は同性の友人同士で、とか自分へのご褒美として、
などと本来の意味合いとはかけ離れるどころではないその日の日本だけのその風習ではあるが、
メインはやはり男女の、である。
「クーはいいよねー。男くんがいるしー」
共に来ていた友人の女子生徒がやっかみを口にする。
まあな、と自慢げに胸を張るクーを見て、友人はイラッときた。
全くあんたたちときたら人目も憚らずイチャイチャイチャイチャイチャイチャ!
なによあの会話は!聞いてるだけで蜂蜜吐きそうになるじゃないの羨ましいったらありゃしないわよ全く!
大体なんであんたは胸だけ着やせするのよ手足も腰も細いし卑怯だわ私と体交換しなさいようんぬんかんぬん
…などと思ったがおくびにも出さず、逆にからかうことで精神の安定を保とうとする。
「でもさー、男くんって意外にモテるんだよー。他の子が男くんにチョコあげたらどうする?」
クーはフ、と不敵な笑みを浮かべて答えた。
「こういったチョコレートは皆甘いだろう?」
「?」
「私と彼はカカオ分70%未満はチョコレートとして認めない。よってなんら不都合は無い」
「いやそういう問題じゃないから」
バレンタインデー当日。
男はクーが手にした物体を見て小躍りしたい衝動に駆られた。
クーが資本主義的陰謀がどうのとか言いだしたりして、もらえないことを覚悟していたのだから喜びもひとしおだ。
「これはカカオ分99%だ。70%台に慣れた私たちにもなお苦い。
――――だが二人で食べれば少しは甘く感じるだろう」
ああそうか、一枚の板チョコを二人で交互に食べるのだな、いかにもクーらしい、男はそう解釈した。
果たしてクーは手早く包みを解き、チョコの端を齧り取った。
しかしそのチョコは舌の上に乗せられ、口の外に突き出されたではないか!
「ん」と何かを促すように唸るクーを見て、男はあることに思い至った。
二人で…舌の上に…チョコ…食べる…。つまり…舐めあう…絡める…吸いあう…。
「二人でってそういう意味か!」
おあとがよろしいようでー。
べっ別に平井次郎氏のファンじゃないんだからねっ!
この二人の掛け合いを聞いてるだけで
俺も口から蜂蜜吐けそうな気がしてきた('A`)
口直しにカカオ100ッパー囓ってくるノシ
>>517 ムチャシヤガッテ(AAry
あれは素直クールと同じだ
素材としては申し分ないが単体ではキツい。
男という生クリームが必要だな。
唾液というシロップで甘いとかそういうオチか!いいぞ!もっとやれ!
>>517 無粋なツッコミをするとカカオ100%はつなぎが入ってないってことだから存在しえな(ry
チョコレートがだめならカカオを食べればいいんだよ。ってか?
>>514 「付き合うのが楽」じゃないのか、向こうから100%のLOVEで突っ込んでくるわけだし
>>521 付き合うのは難しいと思うぞ。
だって状況に流されてOKとかはまずないし(=クール)、
人の良い所は良い所でちゃんと認めるけど、そのぶん悪い所もきちんと認めるわけだろ(=素直)。
要するに盲目的なもんが皆無なんだから、LOVE100%になるまでが遠いように思う。
熱しにくく冷めにくいというか、クーに信用されるのは誰でも出来るけど、絶対の信頼を得るのは難しい感じ。
>>522 一目惚れが発生しやすいジャンルだとも思うんだけど
幼馴染な素直クールもいいぞ
>>522 逆に考えるんだ。
相手の人となりを理解した上で惚れるのが素直クールであると!
素直クールはあげまんのイメージがある
愛情を真っ直ぐに向けてくるから、
その気持ちに応えるためにと精進できそうだ
甘やかしまくって男を駄目にしてしまうさげまん素クールもまた良し。
自分は駄目だと嘆く男を気遣ってさらに尽くし、ドツボに入るのも赴きがある。
男に別れを告げられ半狂乱になるシチュなどもうたまらない。
最終的には手に手を取り合って共依存エンド。最高だね。
素直クールに告白して断られた場合、何が駄目か相手を怒らせないレベルで率直に細かく述べるイメージがある。
「君は確かに魅力ある人間だ。ただ口臭がよくない。
歯を磨く回数を…現在1日三回と仮定すると4回に増やすといいだろう。
そして一度あたりをより丁寧に、時間をかけて磨いた方がいい。
歯は人間にとって一生涯必要とする。君自身のためにも歯を大切にしてくれ」
うん、違うなこりゃ
キスのためだと熱弁を振るうべきだろうな
>>522 つーか素直クールって基本的に男LOVEがスタートだろう
>>528 むしろ悪気なく、怒るのを通り越して再起不能になるまで淡々とダメ出しをしそうなイメージが。
>>531 SSは基本的にそうだけど、別に
>>522の言ってることは間違ってないとオモタ
素直クールが男に惚れるまでって視点のSSはちょっと読んでみたいかもしれん
素直クール=万能な娘ってイメージあるけど、逆にダメっ娘な素直クールってどんなんになるだろう、とふと思った。
クール属性って、ダメ子とかドジっ娘とは混ぜるな危険だと思うんだ
その昔、アホの子クールと言うのが居ってじゃな……
駄目な子とか前にも有った気がするが
>>532 逆にふられてからも
「迷惑にならない程度に自分をアピールする」とか
言いながら素直クール娘が
それまで気付かなかった男の良さに気付いて惚れていく
とかどうだろう
惹かれていく過程はアピールといいつつ意識してみせた部分ではないし
なにより俺には書けそうにないのがすまないがw
今週のジャンプの新連載は素直クールか否か
否
あれは新連載じゃなくて読みきりなんじゃ。
ふられても少しでも可能性があるなら自己アピールしてきそう
以前より激しくなって。
うーん
でもあんまり激しくなるとクールではなくなるんじゃない?
なんとなく、黒髪娘の印象が強い素クールスレだけど、
銀髪クールとか別にアリだよな?
人の数だけ存在する
外見描写がされてないSSだと特に
自分の中では背は高くて胸は控えめで黒ストの釣り目ってイメージがある
俺もそうだな
試しに、言葉遣いが女性らしい、あらあらうふふな雰囲気の
素直クールを妄想しようとしたが非常に難しい。
歯に衣着せずズバズバ物言うイメージから離れてるしなぁ
俺のイメージじゃ素直クールは背が高くてナイスバディだな。
対極の属性のツンデレに背が低い&貧乳なキャラが多いし、
自分の色気に無頓着で男をドギマギさせるシチュがいい感じ。
クールで色香も無いってチンチクリンだもんな
もう言葉で攻めるしかない
ロリ体型素直クールはアリじゃないか?
得意にしてる作家さんもいるし
ぼんきゅぼんのおねいさんが迫ってくるのは絵的に圧迫感が(ry
素直クールがゆえにバイトの面接に失敗しまくって落ち込んだところを慰めてみたい。
>>547 ・昼食
「はい、忘れ物」
「いや、弁当あるし」
「おば様の作ったお弁当も大切でしょうけど私もお弁当作ったの、食べてくれるわよね?」
「重箱はさすがに・・・、みんなにあげたらどうかな、お前のファンも喜ぶぞ」
「ダメよ、私が作ったお弁当なんだから真人くん以外の人にはお米一粒も
渡せないもの、そう、全部あなたのものなの」
「・・・・・・・」
・下校
「おい、あそこでお前に手振ってる男子がいるぞ」
「本当ね、まったくもう」
「手ぐらい振ってやれよ」
「ごめんねー、真人くん以外に見せる笑顔は持ち合わしてないのー!」
「あーあ、みんな泣いて行っちゃった」
「うふふ、これで懲りてくれたら嬉しいんだけど」
「・・・・・・・」
・夕食
「真人くんの両親がお出掛けって聞いたから夕飯作りに来たの」
「今の時代一日ぐらい料理しない学生でも一食ぐらいなんとかなる」
「オムライスで良い?」
「ちょ、話を聞け」
「私が真人くんのために作りたいの、別に不具合はないでしょう?」
「ま、まぁそうだけど」
「そういう物分かりの良いところ大好き」
「・・・・・・」
・就寝
「実里」
「なあに?」
「帰らないのか」
「なんで?」
「ここは俺ん家の俺の部屋、お前にはお前の家があるだろ」
「どうせお隣さんだし今日ぐらいいいじゃない」
「あのね、高校生の男女が一緒に寝るのは普通じゃないの」
「やだ、恥ずかしいの?私なら何をされてもいいのに、まったく真人くんったら」
「・・・・・・・」
なーんか違うな
なんかヤンデレっぽいw
ちょっと強引すぎるなw
・昼食
「ほら、忘れ物だ」
「いや、弁当あるし」
「お義母様の作った弁当も大切だろうが、私も丹精こめて弁当作ったのだ。食べてくれないのか?」
「重箱はさすがに・・・、みんなにあげたらどうかな、お前のファンも喜ぶぞ」
「却下だ私が作った弁当なんだから真人以外には米粒ひとつも
渡せないな、そう、全部キミのものだ」
「・・・・・・・」
・下校
「おい、あそこでお前に手振ってる男子がいるぞ」
「本当だな、やれやれ」
「手ぐらい振ってやれよ」
「真人以外に見せる笑顔など持ち合わせていないな」
「あーあ、みんな泣いて行っちゃった」
「ふっ、これで懲りてくれたら嬉しいのだが」
「・・・・・・・」
・夕食
「真人の両親が出掛けていると聞いたから夕飯作りに来たぞ」
「今の時代一日ぐらい料理しない学生でも一食ぐらいなんとかなる」
「オムライスで良いか?」
「ちょ、話を聞け」
「私が真人のために作りたいのだ、別に不具合はないだろう?」
「ま、まぁそうだけど」
「そういう物分かりの良いところも大好きだ」
「・・・・・・」
・就寝
「実里」
「なんだ?」
「帰らないのか」
「なぜ?」
「ここは俺ん家の俺の部屋、お前にはお前の家があるだろ」
「どうせ家は隣だし今日ぐらいいいではないか」
「あのね、高校生の男女が一緒に寝るのは普通じゃないの」
「なんだ、恥ずかしいのか?私なら何をされてもいいのに、まったく真人ときたら」
「・・・・・・・」
>>555氏、無断でゴメン
なんとなくヤンデレっぽさは消えた気がする。
個人的結論:やっぱり口調って大事w
素直クールってほぼその口調になっちゃってるよな。
クールな感じがするからな。
さあ豆まきだ
これ、真人クンがもうちょいデレたら印象変わるんじゃなかろうか。
「うはーっ!うめー!」
とある暖かな日の昼休み。男は至福のときを過ごしていた。
交際中のクーに弁当を作ってきてもらったのみならず、その味が絶品というほか無かったからだ。
味付けから盛り付けまで、隅々まで配慮の行き届いた弁当は、
一度食べたら無粋なコンビニ弁当に食指が動かなくなるほどだ。
うめーを連呼しながら弁当を頬張る男を見ながら、クーも至福のときの只中にいた。
「喜んでもらえて何よりだ。最高級のフルール・ド・セルとマウント・ニードル・ラベンダーのラセラヌーを
取り寄せた甲斐がある」
このとき教室に居合わせた生徒たちは、二人の一挙手一投足をある者は呆れつつもじっくりと、
またある者は横目でと思い思いの方法で注視していた。
(主にクーが)何をするか分からないこのカップルは、いつも娯楽を提供してくれる。
そんな周囲の視線に気づかず、二人は自分たちだけの世界を展開していた。
「クーってホントすげーよな。料理まで得意なんてさ」
「よかったら今度家に来るといい。腕によりをかけて御馳走しよう。
――――何が食べたい?『アバッキオのポニファッチオ八世風タリアテッレ』か?
それとも『スキタイの子羊』がいいか?『フビライのチーズ』…は通向けすぎるか」
「クーが作るんだったら何でもいいよ〜」
「わかった、それはそのときの楽しみということにしておこう。――――ところで」
「ん?」
「今君が食べているその弁当。少々変則的だが、より美味しく食べられる方法がある」
「マジで?」
「うむ。――――失礼」
クーはやおら玉子焼きを半分にすると、片方を自らの口にくわえた。
「…っ!」
相手の意図を察した男は身を引こうとしたが、一瞬早く伸びたクーの右手がネクタイを引っつかみ、
遅れて左手が後頭部を押さえたとあっては、もはや観念するしかなかった。
「んー」
唸りながら顔を近づけてくるクーを前に、男はためらいつつも全てを受け入れた。
どよめきが教室を揺るがし、この日、伝説が生まれた。
……なぁ、節分の豆って何粒ほど食い続けたら死ねるんだろうな
……丸かぶり寿司の一気飲みの方が楽に死ねるかな?
ちくしょう、うらやま…羨ましくなんかないんだぜ
(´;ω;`)
そろそろ100粒は超えてると思う。
豆をつまみにチューハイを飲んでおります。
・昼食
「ほら、忘れ物だ」
「いや、弁当あるし」
「ルームメイトの作った弁当も大切だろうが、私も丹精こめて弁当作ったのだ。食べてくれないのか?」
「いやっほーう! 重箱とは気が利くじゃねぇか。そういうことならいただくぜ!」
「却下だ私が作った弁当なんだから真人以外には米粒ひとつも……え?」
・下校
「おい、あそこでお前に手振ってる男子がいるぞ」
「本当だな、やれやれ」
「手ぐらい振ってやれよ」
「真人以外に見せる笑顔など持ち合わせていないな」
「じゃあ俺が代わりに振ってやるぜ! あまりの腕の速度に驚くなよ」
「ああ……うむ、そうだな」
・夕食
「真人のルームメイトが出掛けていると聞いたから夕飯作りに来たぞ」
「今の時代、プロテインで一食ぐらいなんとかなる」
「……オムライスで良いか?」
「何か悪ぃなぁ。そうだ。お前の分もプロテインジュースあるけど、どうだ?」
「え、遠慮する。私が真人のために作りたいのだ、別に不具合はないだろう?」
「仕方ねぇ。プロテインよぉ、お前の出番はまた後だ」
「そういう物分かりの良いところも大好きな自分が不思議だ」
・就寝
「実里」
「なんだ?」
「帰らないのか」
「なぜ?」
「ここは男子寮の俺たちの部屋、お前にはお前の部屋があるだろ」
「どうせ寮は隣だし今日ぐらいいいではないか」
「それもそうだな。夜が明けたら見つからないように帰れよ」
「なんだ、恥ずかしいのか? 私なら何をされても……って、寝るな」
>>555>>558よ、何ていうか、その、すまない。名前ネタが浮かんでしまったんだ。
ちょっとチャージさせてもらえずに消滅してくる。
余りにも女女した口調だと、迫られたとき陰性というか湿性な迫力がありすぎて
ちょっと怖いと思うんだ。男口調だと適度にドライでクールだから、
まだ受け入れられるというか。
568 :
555:2009/02/04(水) 01:29:45 ID:Kkwdvzpr
真人と実里でなんか話(といってもネタ的な感じだけど)作ろうかと
思ったけど実里の口調をスタンダードにした方がいいか
それか無謀にも女口調でやってみるべきか悩む
しかし女口調だと腹黒やヤンデレみたくなってしまうんだよね(´・ω・`)
何か心当たりあるのか?
知っているのか雷電?!
>>549 ナイスバディかはともかく
なぜか俺は背低いかわいい系の容姿
とかで補完してたな
いま、「まんがタイムきららフォワード」を読んで萌え転がってきたんだが……
この「S線上のテナ」に登場するアルンは、素直クールに分類していいものだろうか?
男性口調でなく丁寧口調、一般的な素直クールほど押しは強くないけど、
照れもなく一途に主人公に好意を抱き、でも主人公がいまちょっと複雑な状況に置かれてるので
自分の思いを押し付けたくないと一歩引き、でも彼に尽くそうと暴走気味に世話を焼こうとした挙句、
押し留められたあとも彼の役に立ちたいとウズウズしてるような子なんだが!
「ここが俺の部屋」
「お邪魔する。――――ふむ、男子の部屋は雑然としているものだと聞いていたが、
よく片付けられているな」
「(そらもー今日のためにがんばりましたよ)まーね。適当に座って」
「お構いなく」
「あのークーさん?」
「何かな?」
「何で本棚漁ってるんスか」
「君の性的嗜好の調査だ。二人の今後のために君の傾向と性癖は知っておく必要がある」
「性癖って」
「私はまだ生娘だからな。いくらでも君の色に染まれるぞ」
「俺の色…」
「だが今日はノーマルにお願いしたい。せめて最初くらいは普通がいい」
「今日はそこまで進もうと思ってませんから!」
>>574 君のその書き込み見なけりゃそういう解釈しなかったなぁ
何つーか素直クールって誰憚る事無いイメージがあるんだが、アルンにはそれが足りん気がする
業界歴の長い岬下部氏が分かってて敢えて典型から外した説もありそう
テナなんかも(こっちは私の思い違いかも知れんが)ドンピシャでツンデレってのとは・・・とも感じるし
結局素直クールの難しさって
ストーリー性を出すのが難しい
↓
長編を書くのが難しいってところだよな。
ツンデレはストーリーが進行していくにつれてでれるし、
ヤンデレはストーリーが進んでいくにつれて病むから
恋愛を中心にした話を書く場合メリハリがつく。
けど素直クールって
だいたい最初から好感度マックスだから
恋愛ものなら最初からエンディングみたいなもの。
だから話を続けるならホームコメディみたいな感じで続けるしかない。
ツンデレ・ヤンデレは長編向き
描写を丁寧に積み重ねていかなければ魅力を十二分に発揮できないタイプ
対して素直クールは短編向き
ある種の出オチみたいなものだが、その分単発の破壊力に特化したジャンル
だと個人的に思っている
ツンデレもあんまりツン状態を引っ張るとなんだし
いったんデレ始めたら後は単なるデレなので
長編よりは中編程度に向いている気がする
つまり男をツンデレにすれば長編も可能!
ツンデレ対ヤンデレ対素直クール
脇役とかの絡みを軽視しなければ長編もいけると思うな。
世の中には初期からデレデレ(素直クールとは限らないが)なカップルの話だって実際にあるわけだし。
>>576 難しいところだが、辺りをはばからないのと空気が読めないことは同じではないと思うから、
両方あっていいんじゃないかな
俺はどっちも萌える
ツンデレ…目を見ない。強がる。
素直クール…目を見る。強がらない。
ヤンデレ…総じてやりすぎ。
俺的見解。
ヤンデレ…目をくり抜く。強い。
>>584のIDが登録335番目のe(エロ)ss1と見えてしまった…orz
それは 335本エロSSを書くという宣言?
>587>589
わかる奴いたのか────
カヒッ
ふと思ったんだけど他の属性に似合うシチュの中で、
素直クールにも応用可能のものってあるかな?
例えば好きな相手のジャージの匂いを嗅ぎながらソロ活動中、
持ち主に見つかってしまう素直クールなんてどう?
まんま同級生型敬語系素直クールじゃないか。
そういや続編あるみたいだな。wktkが止まらない。
正月は炬燵でゴロゴロしながら男とゆっくりいちゃいちゃすごしたい寒がり素クール娘が、
男にせかされていやいや初詣に行く話を考えていたら正月終わってもうバレンタインデー間近だわ。
いいから投下するんだ
「本日は○○電車をご利用頂き有難う御座います。
次は××駅、××駅で御座います。
私からお客様にお伝えしたいことが御座います。
3両目にご乗車の山田様、山田様。
…好きです。愛しています。貴方を初めて見たその日から、
生涯の伴侶は貴方以外に考えられなくなりました。
もし付き合ってもいい、或いは会ってみてもいいと
思うのでありましたら、
貴方がいつもお降りになる××駅の、
最寄りのベンチでお待ちください。
次は××駅、××駅で御座います」
という電波を突如受信した
>>594 待て待て待て。
最寄りのベンチで待つのはいいが、車掌クールは職務ほったらかしで会いに来るのか。
次の停車駅は誰がお知らせしてくれるのかね。
車掌引継ぎでもするんだろ、多分。
しかし車掌はどうやって名前しったんだ?
定期を見た、軽くストった、さりげなく友人同士の会話を聞いていた、興信所を雇った
山田が車掌クールに乗るわけですね分かりまs(ryu
車内巡回中に見初める
毎日タイミングをずらした車内巡回を繰り返し
男の乗車降車時間と駅を知る
(男が電車に乗らない日=オフ日もチェック)
シフトを駅員業務に替えて
自動改札で男の定期券の記載情報をチェック
男が電車に乗ったタイミングで車内放送
来週はバレンタイン、私は仲の良い親友達と共にそれぞれの彼に送る
チョコについて語っていた。
「ふむ、私は無難に手作りチョコと私自身をプレゼントしようと思う」
「わ、私は別にあいつにあげたいわけじゃないのよ、みんなが渡すならってだけで・・・」
「私はね〜、材料から手作りなんだ、だって市販のチョコなんて
どんな女が触ってるか分かったものじゃないもの」
「私は彼と二人でホンデューする」
「私もい〜〜っぱいチョコあげるんだ!愛情もたっぷりなんだよ!」
各々の想いは様々だが彼を愛するという点で同じだと再確認する。
「ふむ、ではみんな健闘を祈る」
「みんなやりすぎないようにしなさいよ!?」
「大丈夫、彼なら全て受け止めてくれるわ」
「チョコだから平気」
「うん!頑張ろうね!」
そして私たち五人は暗い表情と共に同じデパートの一角で再会を果たした。
「ふむ、チョコ作りがこれほど難しいとはな」
「あ、あいつにあげるものなら市販のでいいかな〜って、アハハ」
「私が渡せば私のチョコ、私が渡せば私のチョコ、私が渡せば私のチョコ、私が渡せば・・・」
「きっとカカオが怒ってる」
「ふみゅ〜、お財布と相談だぁ〜」
帰りにファーストフード店に寄った私たちは自分達用に買ったチョコ
に舌鼓をうつ。
「ふむ、最近のチョコはよく出来ている」
「おいしー!なにこれ、あいつにあげるの勿体ないわ」
「ごめんね、今だけ許してね、・・・幸せ」
「カカオさんありがとう」
「わー、みんな食べ過ぎだよー!?」
チョコを大量に買ったはずの私たちの手荷物が軽かったのは言うまでもない。
「そんなわけでこれで我慢してくれ」
「お友だちとチョコパーティーしたからバレンタインチョコは板チョコ一枚って
どんだけ食ったんだよ」
「なに、胸焼けが二日続いた程度だ」
「へー('A`)」
「ふむ、しかし安心してくれ、バレンタインの本番はチョコのように甘い夜だと
誰かが言っていた」
「誰がって誰だよ」
「問答無用!」
「あうぁー」
後日みんなで集まった時みんな似たような展開だったと知り、なんだかんだで
みんな似たもの同士だと笑みを交わした。
バレンタイン
チョコより私を
食べないか?
終わり
後ろ二人が何なのかわからん未熟者の俺に誰かエロい人教えてください
愛の翼に素直クールを込めて回せエロパロの大車輪!
素直特急、車掌クール、ご期待通りにただいま到着!
おれ実はつばさって小さい頃に家族旅行で一度乗ったきりなんだ
最後のところは普通に帝国通りでいいんじゃないかなあ……w
帝国・・・
皇族・・・アリだな
>>604 マイトガイン「銀の翼に夢を乗せ、灯せ平和の青信号!(略)定刻通りただいま参上!」
マイトカイザー「愛の翼に勇気を込めて、回せ正義の大車輪!(略)ご期待通りただいま到着!」
・・・比較してまあカイザーの方が良いかなあ、と
文句つまらなかった?
607 :
604:2009/02/07(土) 00:12:52 ID:esc/TQ/0
いや、車掌素直クールだったからねw
数年後、元宇宙飛行士のサイボーグになった車掌さんが!
死ねぇっ!
サイボーグはサイボーグでもお前はレーサーだろうがw
>>598 『初めて見た時』が明記されていないので、
同窓生か幼なじみというのはどうか。
鉄道会社に就職したクー。通勤ラッシュの中、偶然あの人を見かける。
最初は他人のそら似と思った。
しかし立ち居振る舞い、慌てている時の走り方、人にぶつかって謝るあの仕草……
予感が確信に変わりつつある中、胸の奥で再び燃え始める恋心。
彼のことを考えつつ車内アナウンスをしてたら、うっかり口がすべって――
車内アナウンスネタだと、バスガイドの方がよくないか?
山田がいっぱいいたらベンチに座りきれない
>>593 結局、狙ってたオチにまでいけなかったんだけど、それで良いなら投下してみる。
/** **/
新年を迎えてからすでに10時間はたとうとしていた。つまるところ朝10時。
俺は炬燵に体をもぐりこませて頭だけちょこんと出した、いわゆるコタツムリ状態の、
恋人であり幼馴染の夏美と対峙していた。
「なぁ〜初詣・・・行かない?」
もうこのセリフを言うのは何度目だろうか。そして次のセリフを聞くのも、もう何度目か。
「魅力的な提案だが・・・もろもろの事情の故、辞退させていただく」
「もろもろの事情って、単に寒いだけだろ」
「そうとも言うな」
「寒がりすぎるんだよ。厚着すればいいじゃん。行こうよ」
「今外に出たらせっかくの温めた炬燵や部屋が冷えてしまうだろ」
「付けたまま行けばいいじゃん」
「電気代の無駄だ。火事になったらどうする」
「一日中暖房付けっぱなしのほうが電気代無駄じゃないの?」
「無人か有人かでは大きな違いだ」
ただの屁理屈だろそれ。と言いかけた言葉を何とか飲み下す。
「そんなことよりせっかくなんだから、炬燵で姫初めというのもいいんじゃないか?」
「姫初めならつい数時間前に済ましただろ」
「・・・チッ」
「あからさまに舌打ちすんなよ」
「とにかく、いくら冬馬の頼みでもそれは了解しかねる」
「んじゃあいいよ。俺一人で行って来るから」
「うむ」
毎年似たようなやり取りを繰り返して、結局俺が一人で初詣に行くことになる。
これも今年で何度目だろうか。
来年こそ一緒に初詣できますように。このお願いをするのも、もう何度目か。
「・・・ックショイ。帰ったら炬燵で暖まろう」
「さて、そろそろ冬馬が帰ってくるか」
時計を見る。距離や例年の参拝客の混み具合から考えて、大体あと少しで帰ってくる頃だ。
ふふふ。どれだけ体を冷やしてくるのか楽しみで仕方ない。
なお、誤解があるようだが言っておく。私は断じて寒がりではない。
寒がりという事にしているのは、冬馬を一人で外に出す方便だ。本当の事情は別にある。
思えば、あの時。学校行事でスキーに行くのを楽しみにしていたのに、直前で怪我をしていけなかった私。
スキーから帰ってきてすぐ、私を見舞ってくれた冬馬の冷たく冷えた手が、気持ちよかった。
そして温かくて気持ちいいと言ってくれた冬馬。それから冷えた冬馬の手を温めるのが癖になってしまった。
出来れば初詣を一緒に行きたい。だが、それでは一緒に冷えてしまって温められなくなる。
一緒に温まるのではない。温めるのだ。この違い、素人には判わかるまい。
去年はお腹で温めたな。今年はどうする。やはり妥当なところは熱をよく持つ乳房だ。
幸いにも大きめの乳房を持つことが出来たから、その熱量はお腹の比ではない。
だがいきなり乳房に誘導するのは下心があると感づかれて拒否される可能性がある。
やはりここはお腹からゆっくりと誘導するのがベターか。うまく誘導できれば、あわよくばそのまま・・・
「夏美の胸って、温かいんだな」
「もっと強く、触ってもいいんだぞ」
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
「あっ・・・」
「わ、わりぃ。強すぎたか?」
「違う。冬馬の手が冷たくて、気持ちいいんだ」
「夏美っ」
「あん」
そしてしっぽりと・・・。
「ただいまぁ。あ〜温けぇ〜この部屋」
っと、妄想しているうちに帰ってきた。
頬や鼻の頭が赤い。手袋を外す指先の動きが緩慢になっている。
うん。温め甲斐のあるよい冷え具合だ。
「お帰り、冬馬」
さぁ存分に温めてやる。
/** おしまい **/
俺も暖めてくれー
アソコで。
名前的に
ヒロインの方は暑さに強そうだな
ちょっくらバレンタインネタで投下させてもらいます
―家に来て欲しい―
よっぽどのことがない限りメールなんかしない彼女からそう伝えられ、僕は急いで向かった。
確か彼女の家に行くのはこれで三回目。何があったんだ?
ピンポーン
チャイムを押してしばらくすると彼女が迎え出た。
料理中?
見慣れないエプロン姿にアップにした髪。これは新鮮でまた可愛い。
「早かったな。もう少し時間がかかるかと思った」
「そりゃあ雪子からのメールだぞ。緊急事態だと思ったんだよ」
まあそこまで重大事件でもないようだから一安心だ。
「ここでは何だからあがってくれ。今日は両親もいないから遠慮はいらない」
両親がいない…ってまさか!いやいくらなんでもそんな急に…
「期待している所すまないが今日はセックスするつもりはないぞ」
ああそうですか…なぜだか一安心。
雪子は今時珍しいくらい正直な人間だからな。
大概自分から誘うくせにその気がないと本当にしてくれない。
彼女に連れられリビングに入ると中は強烈な甘い臭いが充満していた。
「なあ雪子、これ何?」
「今日は何の日か分かるな?」
「バレンタインデー」
雪子と付き合う前は縁もゆかりもなかった日だ。
「正解だ。ということで今年は手作りにしてみた」
ええ!?手作りだって?
いや確かに雪子は料理上手だけど、まさか手作りチョコをもらえるなんて考えてなかった。
「ふっ、そんなに呆けた顔をするな。けど待ってくれ後は冷蔵庫で固める必要がある」
元から感情が表に出るタイプじゃないけど、いつになく嬉しそうに雪子が作業を始めた。
それにしてもエプロンっていいなぁ〜。なんか奥さんって感じで。
「将来私のエプロン姿など好きなだけ見れる。裸エプロンもまた今度だ」
ぼんやり眺めていた僕を振り向いて一言。
いつも思うけど何でわかるんだ?っていうか裸エプ…やば鼻血出そう。
「ん?それは?」
小さな鍋を両手に持ち雪子がこっちにやって来た。
「今、冷やしているのはお土産用。ご家族に渡してもらいたい。そして君へのプレゼントはこれだ」
鍋をのぞき込むと中には溶けたチョコレートが入っている。
チョコレートフォンデュだっけか?話にしか聞いたことないから定かじゃないけど。
雪子は皿に盛られたイチゴやらバナナを手際よく串に挿してチョコの中をくぐらせる。
それをフーフーすると僕の目の前に持ってきた。
「ほら、あーんだ」
………は?
「ん?まさかチョコレートは嫌いだったか?」
「いや、好きだけど…これは一体」
「こういう恋人らしいことは私の夢だった。普段学校ではさせてくれないからな」
そりゃあ学校でそんなことしたら校内の雪子ファンと全面戦争になるからな。
今でさえやたらと睨まれるんだから。
「私の君に対しての愛だ。受け取ってくれ」
どんな時でも物怖じをしない真っ直ぐな視線。見つめ返すと瞳に吸い込まれそうな気持ちになる。
「愁也……」
ずるい。普段は君としか呼ばないくせに、こんな時に名前でよぶなんて。
僕は観念して口を開いた。
すると雪子が優しく口へと運んでくれる。
瞬間に口いっぱいに広がるカカオとイチゴの香り。
イチゴが酸っぱく感じないよう甘みの抑えられたチョコが美味しい。
これ以上は言葉で言い表せない。とにかく美味しい、それだけ。
「……すっげー美味しい」
「当たり前だ。私が愛を込めて作ったんだ。市販の大量生産とは次元が違う。美味しくなかったら困る」
こういう事を嫌み無く言えるのが雪子の凄いところ。恐らく本人もそのつもりはないだろう。
「ほら、まだまだあるぞ。あーん」
もう恥ずかしさも消えてきた僕は今度は素直に口を開いた。
「ふぅ。ごちそうさま」
「喜んでくれてなによりだ。作った甲斐がある」
しかしかなり食べたな。まあ本当に美味しかったんだけどさ。
「君……少しじっとしていてくれ」
じっと僕の顔を見ていたかと思うとゆっくり近づいてくる。
少し後ずさろうとするもそれよりも早く雪子の唇が僕の唇に………あれ?
雪子の唇が到着したのは僕のから少しずれた場所、頬に近い箇所だった。
そこから綺麗なピンク色の舌がのびてきてゆっくり下から上へと舐めあげた。
「お、おいっ!!?何してんだ!?」
舌なめずりをしていた雪子がやたらエロく見えたけど今はそれどころじゃない。
「何してるって、君の口の端にチョコレートが付いていたから舐めとったまでだ」
それがどうした、みたいなこと言われても困るし。
「まだ完全に取れていないんだが続きいいか?」
僕の答えを待つまでもなく再び同じ箇所を雪子は舐めあげた。
「ん。綺麗になったな」
さぞ満足したように一人頷く彼女を見るともはや何も言えない。
というかここまでするならキスくらいしてくれたって…バレンタインデーなんだし。
「なあ雪子…」
「ダメだ、さっきも言っただろう。今日はエロいことは無しだ」
そこまで深い意味じゃなくてキスくらいと思っただけなんだけど。
大体さっき舐めとってたのだって十分エロいじゃないか。
「今日は君に普段学校でさせてもらえない、恋人らしく甘いことをする日と決めている」
いやいや、普段の学校でも十分譲歩してるつもりなんだけど…
「安心しろ私が君から離れることなどありえない。この先何があってもだ…いや、さすがに君が法を犯したら別だが」
なんでこうも恥ずかしいことを平気な顔で言えるんだろう。少し羨ましい。
僕が黙っているとポンっと肩に手を置かれた。
「大丈夫、明日好きなだけさせてやる。そうだな君がさっき想像していた裸エプロンでもどうだろう」
だからそこまで考えてなかったって。
「しかしチョコレートがまだ残っているな。試しに私の体に塗り付けてみるか…」
「いや、頼むからそんなことしないでくれ」
「そうか?喜ぶと思ったが」
まぁ雪子のそんな姿…
「おい鼻血が出ているぞ」
えっ!!うわ、本当に鼻血が出てきた。
「すまないチョコレートを食べさせすぎたか…」
いや、多分これはそれだけが原因じゃないだろうな。
「しかし君の血は美味しそうないい色をしているな」
じっと僕を見つめていた彼女が一言。
「はい?」
ナニイッテイルンデスカ?
「…………」
え、マジなの?
いや、さすがにそれは…やばいでしょ
「ふっ冗談だ。頼むからそうあからさまに引かないでくれ」
「本当に冗談だったか?」
「40%ほどな。それも君が望むならの話だ」
それって60%は本気だったってことじゃないか。危ないな、おい。
いまさらだけど雪子がわからない。
「ほらティッシュだ、使うといい」
ティッシュを丸めて作った鼻栓を僕の鼻に突っ込んでくる。
それにしても鼻栓なんて何年ぶりだろ。しかも両鼻とも…なんかかっこ悪いな…僕。
続く……のか?
続いて下さい!!
お願いします!!
続いて下さいオナシャスと私の愚息が申しておりますが
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
その調子で、ほの板の素直クールスレも救って貰えまいか
627 :
雪子と愁也:2009/02/10(火) 00:31:43 ID:sLuXxglr
>>617-619の続編
「なあ、今日も誰もいないのか?」
2月15日、ここは彼女の部屋。綺麗に整理されている。無駄な物は少なく女子高生の部屋にしては物寂しい。
そこら中に数多くの動物のぬいぐるみがいる以外はだけど。
「大丈夫だ。外出するように言ってある」
まさかセックスするから家を開けてほしい、とか言ってないだろうな…
「安心しろ。私は無恥ではない。君が来るからとしか伝えていないさ」
「………」
それで家を開けてくれって言ったらバレバレじゃないか?
「ん、どうしたの?」
急に雪子が黙りこくって僕の顔をじっと見つめ出した。
「そろそろいいか?…愁也」
普段呼ばない下の名前で呼ぶのは、僕にお願いをする時かエロエロスイッチが入った証拠。
昨日はあれほどエロいこと、というかキスすらしてくれなかったかくせに…なんかズルいな
とはいえこっちもそのために昨日に引き続き今日も雪子の家にお邪魔したんだ。
雪子の部屋に入った時からアソコは戦闘態勢になっていた。
雪子はまるで獲物を前にしたケモノのように僕を見て舌なめずりをする。
ケモノとはいえ雪子はハイエナや狼とは違って気品溢れる。例えるならホワイトライオン。
妖しいほどに赤いあの舌は僕を魅力する。
「愁也…」
短く呟いたかと思うと襲いかかるように僕に迫り唇を奪う。
唇の表面を数回ついばんだかと思うと一気にあの舌が入りこんできた。
「…んむ、ちゅ…ん」
歯、歯茎、内頬と僕の口内全てを舐め回される。ただキスをしているだけ、でもたったそれだけで頭がボーっとしてくるのだ。
けど、僕もただやられるだけではない。負けじと舌を動かし雪子の舌を責め返す。
一進一退の攻防。喰うか喰われるか。いかに相手を喜ばせ感じさせらるかの戦いだ。
でも意外なほどに勝敗はあっけなく着く。
「…んはっ…はぁ、相変わらず愁也には敵わないな。これだけでイかされそうだ」
同時に責め合って雪子が勝つことはまずない。僕が特別上手いわけではなくて感じやすいんだろう。
「さあ、いよいよお楽しみだ。少し後ろを向いていてくれ。着替えたい」
そういえばまだ学校帰りで制服のままだったな。
別に今の格好のままでも興奮するけど、雪子が言うなら仕方ない。
「着替えてるとこ見たいって言ったら?」
「今日はダメだ。さっき言っただろう私は無恥ではない、とな。そういうプレイはまた今度だ」
こうも真面目に答えられると素直に従ってしまう。
628 :
雪子と愁也:2009/02/10(火) 00:33:13 ID:sLuXxglr
シュルシュルと聞こえる衣擦れの音。
僕の後ろで雪子が着替えていると思うだけで愚息が一段階堅くなった。
まだか…まだか…まだか…一秒が何分にも感じる。
「…いいぞ」
言われるや否や後ろを振り向いた。
「………………」
コレハイッタイナンデショウカ??????
「ふっ、昨日予告しただろう。そんなに驚くな」
「いや、だ、だって本当にやるなんて…その…は、裸エプ…」
「裸エプロンは俺のロマンだと聞いている」
誰からだよ?それ以前に無恥じゃないんじゃなかったのか。
「こんなことを聞くのもなんだが、似合うか?」
僕は改めて雪子を見直した。
………やばい、すっげーエロい。
昨日着けていた首からかけ紐を背中でクロスさせるタイプの黒いエプロン。
メイドさんが着けるような白くてヒラヒラもしていない。けどエロい。
服の上からだと驚くほど目立たない雪子の大きな胸が…エプロンを下から押し上げ今は激しく自己主張している。
膝の少し上まで来る長さの丈だけど健康的なほっそりした足が覗く。
もう一度、いや何度でも言おう、エロい。
「愁也?」
雪子が前屈みになって俺の顔を覗きこんでくる。胸元の隙間からち、乳首がぁ…
「雪子」
「なんだ?」
「僕もう無理、理性が崩壊する」
「ふっ、かまわん。今日はエロいことする日だ…あ、愁也っ…」
今度は僕が襲いかかった。
布越しに豊胸を揉みしだくとあっという間に乳首が堅くしこり立つ。
「やっ、ん」
たとえ布越しでも指で弾くと甘い声を奏でる。
クールな彼女がこの時ばかりは乱れる。それは誰も知らない彼女のもう一つの姿。
「あ、もっと…もっと、んあっ」
そうだ、せっかくだから後ろ姿を拝ませてもらうか。
……うん、やっぱりエロいな。
エロいとはいえ背中が、お尻が、アップにした髪ならではのうなじが、全て美しい。やはり品がある。
僕はうなじにキスしながらエプロンの脇から手を入れ、直接胸を触り始めた。
ぽよぽよしたそれはいくら触っても飽きない。手に吸い付くかのようにきめ細かい肌触り。
そして頂にあるのはすっかり勃起した桜色の乳首。
まだ触らない。周りだけを指先で円を描くように優しくさする。
「ぁ、愁也…頼む、直接に、んっ」
「いいよ」
雪子の言葉を合図に乳首本体への責めを開始した。
こねるように摘み、指先で弾き、とどめにギュッと胸に押し込んだ。
「い、や、もうっ…イって、あああんんッ」
629 :
雪子と愁也:2009/02/10(火) 00:34:25 ID:sLuXxglr
力が抜け崩れ落ちそうになる雪子を慌てて支える。
「すまない…あまりにも気持ち良くてな」
こちらを見上げるその顔は赤らんでいて扇状的だ。
「愁也、さっきからずっとペニスが当たっているんだが…少し痛い」
そういえば…後ろから抱き締めながら無意識に押しつけていたみたいだ。
「わ、悪い」
「気にしなくていい。そうまで勃起されると私も嬉しい」
こっちを振り向いて自分の唇を舐めながら雪子はニヤリと笑みを浮かべた。
「次は私の番だな。ほら、いつまで服を着ている」
雪子の逆襲が始まる。
手際よく僕のシャツを脱がせるとしゃがみこんでズボンに手をかける。
下着を脱がすと元気よく愚息が雪子の眼前に飛び出た。
「相変わらず元気ビンビンだな」
ふぅっと息を吹きかけられるとそこはビクビクと震えた。
次の行為は分かっている。
「しゃぶるのと舐めるの、どっちがいい?」
挑発的な視線を僕に送る。なんだかとっても嬉しそう。
「舐めるほうで…」
正直どっちでもいい。彼女の舌による技にはどうせ長いこと持たないさ。
まずは亀頭に軽くキス。
そして一旦僕を見上げる。僕が感じているのを確認すると彼女は目を細めた。
これだけで出ちゃいそうだな…
竿を下から上にゆっくり時間をかけて舐め上げる。
先端まで到着したら裏筋やくびれの部分に舌を這わす。
唾液がたっぷりついた舌で舐められることで滑りも良くなり動きが活発になった。
竿に巻き付けるようにしたり舌先を尖らせて敏感な箇所をつついたり。
口に入れてないにも関わらず気を抜いたら射精してしまいそうだ。
「限界か?」
「さっきからずっと」
「それはよかった。実は私も限界だ」
立ち上がって僕の手を取ると太ももに持っていく。僕の手はヌメリのある何かに触れた。
あ…これって…
「今日はいつも以上に興奮している。太ももまで垂れてきてしまうなんて初めてだな」
エプロンの裾を両手で持ってそろそろと捲りあげる。
現れたかなり薄い茂みの股間。そこから湧き出た愛液が一本の煌めく線となって太ももまで伝っていた。
しかもそれは止まることを知らず、このままだと膝まで垂れてきてしまいそうだ。
「入れてくれ…愁也」
反則だ……今のはズルすぎる。
返事をする間も惜しく僕は彼女をベッドに押し倒し、痛いほどに勃起した愚息を突き立てた。
潤っていた秘所はすんなり僕を受け入れて優しく包み込む。
繋がった箇所からは快楽以外の心安らかなものを感じた。
630 :
雪子と愁也:2009/02/10(火) 00:35:43 ID:sLuXxglr
「やはり心地よいものだ。普段から君に愛を捧げているがこれ以上の行為はないからな」
「そ、そうだな…」
「ん?どうした?」
いや、このままの状態かなり辛いんだけど…
本人にそのつもりがあるかは知らないけど、繋がった部分がぎゅうぎゅう締め付けてくる。
「いいぞ。好きなだけ思いっきり動くといい」
言われなくてもそのつもりだって。
お言葉に甘えてくびれた腰を掴んでゆっくり体を前後させる。
「ん、ああっ、気持ち、いい」
雪子の体が弓なりになりベッドの上を跳ねた。
エプロン生地を掴み両胸に挟ませると大きな胸が強調された。
黒いエプロンと白い肌のコントラストが…いい。
「はぁ、ん、いや…あぅ!」
奥まで突いたかと思うと抜けてしまいそうなほど引き、雁首で入り口をかき分ける。
同時に奥から湧き出る愛液が外へと掻き出されシーツに大きな染みを作っていった。
愚息全体にねっとり絡みつく肉襞。その一枚一枚が複雑に動きこの上ない快楽を与えてくれる。
優しく包み込み、時折強く圧迫し精液をせがむ。
彼女は元々恥毛がとても薄いため結合部が鮮明に見えて、余計に興奮を煽った。
「はぁん…あ、あっ…いや、も、っと、しゅうやぁっ」
せがむままに僕が体を抱き締めると彼女も僕の背に手を回した。
体の表面の密着度が高くなるということは結合もより深くなる。
「んんー!…私、そろ、そろ、ん…ひゃああッ」
呂律まで回らなくなってきているということはそろそろ限界だ。
そして僕の限界も近い。
「いいよ。雪子…思いっきりイって」
コンコンっと最奥をノックすると膣全体が小刻みに震え出す。
そのまま子宮口を押し開くようにさらに深くへと愚息を押し込んだ。
「ひゃふんッ!だめ、だ、め、しゅうやぁ、本当に…ひゃッ、私っ、いっちゃ…ああぁーー!!」
彼女の体が大きく飛び跳ね、絶頂に達する。併せて僕は愚息を引き抜きお腹の上へと吐精した。
「雪子…大丈夫か?」
「ああ平気だ、またもや先にイかされてしまったな」
そうは言っても満足そうな顔をしてる。
「しかし…中に出してくれても一向に構わないぞ。避妊具を着けない時点で外に出す意味はないぞ」
「いや、まぁそうだけどさ…」
と、雪子が自分のお腹を見て何かに気づいた。
「なるほど、これが理由か」
はい?何のこっちゃ?
「この黒色の生地に愁也の精子。これはエロいな」
そう言われて見てみると…確かにエロい。わざとじゃないからな。
631 :
雪子と愁也:2009/02/10(火) 00:37:16 ID:sLuXxglr
「黒色のエプロンにこんな使い道があったとはな。なんともマニアックだ」
だからワザとじゃないって。
「しかし沢山出したな。洗濯が大変だぞ」
精子の量を嬉しそうに語るなって。そりゃあ昨日はお預けだったし。溜まるよ。
「そういえばさっきから言おうと思っていたんだが」
「何を?」
「前に比べてペニスが大きくなったな」
…果たしてそうだろうか、自覚はない。嫌なのか?
「勘違いしないでくれ。私の中を余すところ無く埋められて嬉しいのだ。心も体も満足している」
まあそう言われると悪い気はしない。
「ところで裸エプロンはどうだった?」
「そりゃあもう最高」
「私もだ。ここまで興奮するとは予想外だった」
本当に最高だったなぁ。またやってもらおうか。
「当分しないぞ」
……ナンデ?
「こういう特殊なプレイはマンネリ化を防ぐためのものだ。多用は出来ない」
確かにそうだけど…
「ふっ、心配するな。また新しいプレイに挑戦すればいい。ただSMだけは勘弁してくれ。ソフトにお願いしたい」
何の心配をしているんだ…この人
「あと複数プレイもダメだ。私とセックスするのは君だけの特権だ」
大丈夫、僕も雪子だけだから。安心してほしい。
「提案だが…例えば吸血プレイとかはどうだ?」
「………」
「または看護婦の格好での採血プレイ」
頼むから血から離れてくれ……
「雪子おまえ大丈夫か?」
「心外だな、私はいたって真面目に考えている。それに君が嫌がるならしない」
あぁ…でもいつかは雪子に血を取られそうだ。
なんでそこまで血にこだわるんだよ、本当にヤバい気がする。
不意に雪子がエプロンを脱ぎ捨てた。
見事なプロポーションの体がさらけ出される。エプロン無しでも全然気にならないほどエロい。
「さあ今日はエロいことをする日だからな。まだまだ終わらないぞ…愁也」
彼女が僕の首に手を回しくっついてきて唇の間から舌を覗かせた。
「親が帰ってくるまで後何回出来るか、楽しみだ」
二人とも一回なんかじゃ満足しないのだ。特に雪子は何回でも求めてくる。
「まさか昨日しなかったのは今日沢山するためだったり?」
「それは違う。昨日は本当にする気がなかった」
何が基準かよくわからないけどそれが雪子の本能。本人もわからないらしい。
「今度こそ私がイかせてやる。覚悟しておいてくれ」
今日は大変だな、文字通り絞り取られそうだ。
明日に響かないといいけど…唇を重ねながら僕は思った。
以上です。
また来させてもらうかもしれません。ではでは
お願いです、何回も来て下さい!
これはエロい。
情念、獣欲に流されてズルズル、とはいかないクールさが素晴らしい。
血を欲しがるのは恋人の体液に飢えてるからなのかw
GJ
まんじゅうとあなたのSSが怖い
しかし雪子という名前だと料理下手な印象を感じてしまう
今更だけど
>>594 帰りの新幹線か特急の中で
両方素直クールによるチャーハンの旗倒しで
最期まで旗を倒さず食べ続けた方が勝ちで今夜の主導権を握る
とかいうネタを考えた
うん、意味わからんな
639 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 17:09:07 ID:Y4gf9ZTK
>>637 OK意味わからん。
意味わからんから素直クールに例えて
エロも絡めて詳しく描写したSSを頼む。
皆さんこんにちわこんばんわおはようございます。
・バレンタインネタ
・非エロ
ではどうぞ。
「蓮太、プレゼントだ」
幼稚園からの付き合いのお隣さん、聖子がそうそっけなく包みを放り投げて寄越してくる。
「ども」
「感想を聞かせてほしい」
深夜、開け放った窓越しの会話がひどく簡素なのは流れ込んでくる外気が冷たいせいだけじゃない。我が幼馴
染は必要以上に喋らないのだ。
「ん、分かった。じゃあおやすみ」
「今、聞かせてほしいんだ」
「今? 俺、別にお腹空いてないんだけど」
「それなら空かせてくれ」
「なんだよそれ」
彼女はどうしても今食べてほしいらしい。もう夜中だというのに、俺に甘いもの食わせて太らせたいのか。
今年のバレンタインは土曜日で週末を挟むからと、今日の高校ではイチャイチャ甘々した光景があちこちで繰
り広げられていた。それに内心うんざりしながら家に帰ってきた。
甘いものが苦手な俺にとって、バレンタインは母親と姉からひとかけらのチ○ルチョコを貰う嫌がらせイベン
トの日だった。しかし今年は母親が仕事場にカンヅメにさせられており、姉は去年結婚して出て行ったので、世
間のイチャイチャを我慢すればそれでいいと胸を撫で下ろしていたのだ。
それが隣に住む幼馴染がバレンタインデーなどと口走ったときは自分の耳を疑うとともに、今年も甘いものの
責め苦から逃げることは出来なかったか、と内心がっかりしたのだが。
「……しゃーねーな」
睨むようにこちらを見てくる彼女に折れて手の中の包みを解くとふんわりと甘い匂いが広がった。中を覗き込
むとチョコレートの色をしたパウンドケーキが姿を見せる。どうせ友達やら彼氏に贈った余りなんだろうが、あ
りがたくいただくことにした。
口に放り込むとしっとりとした舌触りに目を見張った。舌に絡みつくような濃厚さなのにしつこい甘みがある
わけではない、熱せられたバターとカカオが混じり合った香りを楽しみながら、ほんのりと暖かい塊を胃へ落と
し込む。
「どうかな?」
「うん、おいしいんじゃない? 俺は甘いの苦手だけど、これなら」
「そうか、よかった」
俺が正直な感想を述べると彼女は珍しく感情を表情に浮かべた。さっきまで険しい表情を見せていたのに今は
笑顔だ。
「ありがとな、旨いの食わせてくれて」
「おいしかったのならよかった。ほら、蓮太は甘いものが苦手だろう? 何度か作り直して、やっと今日のう
ちに渡せたよ」
「……作り直した?」
これは学校の連中に配った余りではなかったのか。まさか俺のために……いや待て、生地を作りすぎたのを処
分するのに困ったからと、甘さ控えめで焼いて渡してくれたのだと考えれば合点がいく。
「ずっと試行錯誤していたんだ。甘くないチョコレート、どうしたらいいだろうかって」
まるで俺のために作ったような言い草だ。まあ身近に甘いものが苦手な奴がいたら、そいつの気に入るような
お菓子を作ってみようと思っても不思議ではない。
「お前なー、そういうこと言ってると勘違いされるぞ」
「勘違いって?」
「……だから、お前が俺に気があるみたいな話に聞こえるだろ」
幼馴染の俺が言うのもなんだけど、こいつは結構な美人だ。顔もいいしスタイルもその辺に転がっているよう
なレベルじゃない。唯一クール過ぎる性格が難だが、それを差し引いたって彼氏の一人や二人いてもおかしくな
いだろう。
「聞こえちゃ不味いのか」
「俺は別に気にしないけど、そっちが迷惑なんじゃねーの。彼氏くらいいるだろ」
「いないけど?」
「へー、いないんだ」
意外な答えが返ってきて思わず声を漏らしてしまう。高校が違うから向こうの様子は分からないが、さぞかし
モテてるだろうに。
会話も途切れたし窓を開けっ放しだから寒いし、何より眠い。
「……そろそろ寝るか。おやすみ」
「待って、そっちに行く」
一瞬何を待てばいいのか分からなかったが、自分の部屋の窓から身を乗り出す聖子を慌てて押しとどめた。
「落ちたらどうすんだバカ、さっさと寝ろ」
2階の窓同士は1mくらいしか離れていないが、それでも足を滑らせたら大怪我をしかねない。
「落ちそうになったら蓮太が助けてくれるだろ?」
「そりゃ小学生のときだろ。今じゃ重すぎて支えらんないよ」
子供の頃は親に内緒で夜中にお互いの部屋を行き来していたこともあった。だけど5年位前だったろうか、聖
子が足を滑らせたせいで親にバレてこっぴどく叱られた。それ以来窓を伝っての行き来なんてなかったのに、こ
いつは何を考えているのだろうか。
「いいから寝ろよ。もう12時近いじゃねーか」
「蓮太と一緒に寝る」
「バッ……!」
バカかお前、という叫びを飲み込んだ。近所迷惑が気になったことのもあったが、聖子の意志の強いまなざし
に冗談を言っているわけではないというのが分かったからだ。
「バカじゃない。蓮太、ダメか?」
「ダメだろ。お互いもう小学生じゃねーんだから」
彼女は片手をいっぱいに伸ばしてこっちの窓の桟を掴んでいて、今にも乗り込んできそうだ。
「……小学生じゃないことしたいから、そっちに行きたい」
言われた言葉の意味が分からなくてたじろぐと、その隙に聖子が乗り込んでくる。小学生のときと違って幾分
か余裕のある身体の動きで窓を滑り降りてきた。
俺は聖子を睨みつけたが、彼女は我関せずといった様子でこちらに歩み寄ってくる。
「……懐かしいな。小学校のとき、こうやってよく遊びに来てた」
「だからなんだよ」
「足を滑らせて怒られたとき、なんて言ったか覚えてるか? 悪いのは私なのに、俺が無理矢理引っ張ったから
だ、ってかばってくれて」
そんなこともあったのは覚えている。でもそれとこの不法侵入と何が関係あるというのだろうか。
「そのとき思ったんだ、蓮太のお嫁さんになりたいって」
その瞬間、胃の中に押し込んだチョコケーキが出てきそうな衝撃を受けた。
「なっ……ンなこと初めて聞いたぞ!?」
「初めてじゃないよ。そう思ったときに伝えた」
「……悪いけど全ッ然記憶に無いわ」
「だろうな。どうも冗談に思われたらしいし」
俺の言葉に聖子は苦笑いを浮かべると俺のベッドに腰掛けて話を続ける。
「だからまず私は蓮太に好かれる女はどんなタイプか調べた。体格で好みが決まったらどうしようもないが、幸
いなことにロリコンだとか熟女専門とか、そういう趣味が無くて安心した」
……ちょっと待て、何をどうやって調べたんだ。そんな疑念をぶつける暇も無く彼女の語りが続く。
「次は君に尽くすために何が必要か考えた。結論として蓮太が働かなくても済むようにデキる女になればいいん
じゃないかと思い至った。君は面倒が嫌いなタイプだからな」
「仕事が出来ても家事が出来なければ嫁失格だ。だから料理や裁縫の勉強も頑張った。その結晶がさっきのケー
キだ。甘いものが嫌いな君でも食べられるように。そしてやっと君の好みに適うものが作れた。これで君が何
を作ってほしいと要求してきても応えられる」
「だから蓮太、改めてお願いする。私をお嫁さんにしてくれ」
「……勘弁してください」
と以上です。
どう見ても
>>527(ダメ人間養成素直クール?)です、本当にありがとうございました。
……なんでこんなことになっちゃったんだろう(´・ω・`)
甘々エロエロで書いてくれる誰かに期待期待。
ダメ人間育成素直クールもありなんじゃないだろうか
年上女で、若い男の子を全力でヒモにするとか
え、なんで勘弁して下さいって言うのかよくわからんぞこの男。
もちろんこれから甘い甘い展開になるんですよね?ね?
続けよー!?
勘弁してくれと言われて引き下がるような素クールが今までいたか?
いや、いない!
ただ単に好きじゃ無いだけじゃね?
当然
>>645は続き(てゆかこれからがホンバン)を執筆中なんですよね?
ほしゅ
ほ
り
っ
く
り
こ
っ
VIPに帰れ
ええい、スレイブの続きはまだかッ
>>637 一応言い出したのでやってみる
男「・・・むむむ、とう!」
クー「くう、米一粒で立っていた所を三分の一ほど削ってだと!?
・・・むう残りの部分に(パタ)・・・あ・・・」
男「・・・ふははは俺の勝ちだな、クー」
クー「むう、これで私が男を思うよりも
男が私を思う想いの方が強いという結論になるのか」
男「ふふふ、それでは今日のお楽しみといこうか」
クー「ひゃん!?くっ、こら
・・・ああ、男の口で生暖かくなったスプーンが」
男「ふふ、今日の俺は最初からクライマックスだぞ、クー」
最初からクライマックスは死にフラグと受けとるぞwww
OK、お前らの想い受け取った
「お前、僕に釣られてみる?」(竿的な意味で)
「ふふふ。愛する男のモノだぞ? むしろ望むところだ」
「イクぜイクぜクぜーーー!!」
〜数時間後〜
「俺の(性欲の)強さにお前が泣いた」
「あ、侮りすぎていたか……」
「まだ続くけどいいよね?」
「いや、さすがにちょっと待っ――」
「答えは聞いてない!」
〜さらに数時間後〜
「さ……さっきので……最後だったんじゃ……」
「記憶にございません」
面白い分には、別に続いたって構わないと思うんだ、俺
最近の特撮ネタは分かる奴にしか分からんのが問題だな
俺?分かるからBLしか浮かびませんが何か?
書いといてなんだが、ちょっとでも奥に踏み込んだら、昔のもわかる奴にしかわかんねえよw
あとBLまでいくと、さすがに穿った見方しすぎだと思うぜ
いや、声を脳内再生するという無駄スキルが発動したせいで(ry
つ、つられクマー(AA略
669 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 07:00:58 ID:A1b5R2Tq
>>664 GJ!電王ライダーでやってくれるとはwww
残念なのは、わかる人が少ないのと、ネタにしかならないことだな
ちょい素直クール分に欠けるんだよなあ
>>667 俺もだw
>イクぜイクぜクぜーーー!!
吹いたw
くそっ、まったく分からないのが残念だ…
電王は人気声優使った腐女子向けライダーって聞いてたから敬遠してたぜ。
最終回だけは見たけど、それだけだと何も分からないのが平成ライダークオリティ
分かったところで某頑駄無の絡みしか思いつかない俺みたいなのもいるから安心しろorz
>>663 >最初からクライマックスは死にフラグ
クライマックスしすぎて腎虚で入院して
ションボリ顔のクーが見舞いに来るとかいう状況なのに
とうの男は回復してて「俺参上」のプラカードとか用意してたのに
クーがあまりにも落ち込んでるので言い出しにくいとかそういうのですかw
「どうにも浅はかだな、
>>672は。人気声優使っただけで成功するなら、特撮もアニメも失敗作など生まれんだろうに。
この手の成功例は、腐女子向けだから受けたのではなく、順番的には腐女子に『も』受けたというのが正しい。
事実、放送終了後の低予算単発映画であっても、主流の客層は親子連れだという結果がある。
それに最終回だけ見てもよくわからんのは、最近に限らず当然のことだろう。そもそも最終回の例としては――」
「あー……クーさんや?」
「――というパターンで、数話、期間にして一ヶ月ほど使って盛り上げることも珍しくなく……何だ?」
「熱弁振ってるところ悪いけど、そこそこにしておかないとヒかれちゃうよ」
「ふっ、嬉しいことを言ってくれる」
「いや、僕がきみに惹かれるんじゃなくてね」
「ならば私がキミにか。まいったな。これ以上惚れたら、あちこちどうにかなってしまいそうだ」
「……時々さ、意図的に曲解してないかと思う時があるよ、僕」
「残念ながら、俗に言う大マジだ。今もそう言われて気付いたくらい……いや、ズレでる自覚はあるんだぞ?」
「本当に?」
「多少なりとも、感性が他人とは違うのだろうな……と。こんな私に愛想を尽かさないでくれて、キミには感謝している」
「いやいや。気にしないでいい。でもさ、正直な話、KYとか言われることあるでしょ」
「お見通しか。悪気はないのだが……我慢弱すぎとか、すこぶる調子に乗りすぎとか、よく言われる」
「あー……二人は運命の赤い糸で結ばれているとか、公衆の面前で、恥ずかしげもなく言っちゃったこととかあるもんねえ。僕、穴があったら入りたかったよ」
「ならば私の――」
「はい。下ネタ禁止」
「ボケ殺しとは……」
「二人きりなら、いくらでも暴走に付き合ってあげるから」
「ピローなトークまで余さずか?」
「お姫様の望むままに」
「言い忘れたけどさ。頼むから、冗談でも珍妙な仮面とか被るのはやめてね。いやホント、お願いだから」
「当然だ。私はキミの前では全てを曝け出すだけの覚悟がある。無粋な隔たりは望むところではない」
「不安が残るなあ、もう……」
電王自体は特に悪いとは言わんがいかんせん信者が異常にウザ痛い
エロパロ板でまで争おうとするその姿勢が一番ウザ痛い
>>674 いつもと違う反応に、クーがそのまたさらに上を行く反応を返して男がやっぱり撃沈してだな。
そこから、パワーアップを果たしてクーを華麗に組敷くという戦隊ものにありがちな展開を考えてたwww
>>675 コスプレ会場で特撮ヒーローのマスクを小脇に抱えて
哀愁漂うポーズでカメラ目線をキメるクーさんを幻視した
個々の作品には触れないが
改造人間の悲しみを描かないモノは
仮面ライダーでは無い
>>679 >改造人間の悲しみ
それはつまり、「どうせ手術するなら、ついでにあそこまで
改造してくれれば良かったのに。ちょっと皮を切るだけじゃ
ないか・・・」という男の嘆きですね。
わかり、ません。
ということにしておいてください。
>>680 >改造人間の悲しみを描かないモノは
平成のほとんどが装着変身方式なのは
リアルで身体に機械入れたりする人が出る様になったからと聞くな
しかしヒーローは孤独、という点が生かされて無くもないと思うが
素直クールでする話じゃなくなってるが
>>675 しかし珍妙な仮面で想像したのはむしろ某王の力を持つ正義の味方だという罠
この素直クールは自分のオタク趣味に付き合ってくれる男に惹かれたのかい?
話題を変えるにはおっぱいの話が一番と聞きます。
釣り目で背の高い貧乳な子ががいいと思います。
丸目はヒンヌー
キツネ目は豊乳と
聞いて居ります
貧乳コンプレックスは和の心であると存じております。
昔の人は言いました
キミにチチあれ
そんな乳が大好きです。
688 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:37:00 ID:Ys2FpOCi
でも、ぞうさん(性的な意味で)の方がもーっと好きです。
既出かもしれませんが
素直クールとおっぱいなら
普段から男の視線を集めるおっぱいについて
こっちがドギマギするほど率直に感想を尋ねてきて
自由にしろとか言うのだろうか?
ちょっと上の話題に便乗した小ネタを投下
非エロ小ネタ注意
「……なあ守(まもり)、これはどういうことなのか教えてはくれないか?」
俺の彼女である守の部屋へ呼ばれていくと、床一面をアニメ雑誌が占拠していた。
「ああ正治(まさはる)、よく来てくれた。とりあえずそのへんに座っておいてくれ」
こちらを振り向くこともせず、一心不乱に手元の雑誌に目を落としている彼女を尻目に、唯一の空き区画だった彼女のベッドの上に乗り込んだ。なんとなく眺めていると、どうやら特定の記事だけを熱心に読み返しているらしい。
「なー」
「何だ?」
「なに読んでんだ?」
「雑誌」
そうじゃなくて。そう言いかけて正治は言葉を飲み込み、代わりに溜息を吐き出した。完全に入り込んでしまっている彼女に何を言っても無駄だ。ちょうどお昼どき、眠いしこのベッドを使わせてもらおう。
「――寝るなよ。用があって来てもらったんだから」
ぼふっと音を立てて寝転がるとすぐに叱責の声が飛んでくる。
「だったらさっさと要件を済ませちゃくれないか。俺もうお昼寝モード……」
「だから少し待ってくれと――あった、これだ」
そのお目当てのページはカラー満載のアニメ誌には珍しく白と黒が殆どを占めていた。アニメ開始前に公開される設定画というやつ……ってちょっと待て。
「後ろの腰の辺りのつくりがイマイチよく分からなくてな」
「……またかよ」
彼女の趣味は所謂コスプレだ。服もカツラも自作する、珍しいタイプのコスプレイヤーらしい。実際そういうイベントに連れて行かれたときは結構人が集まってきていた。そっけない態度をとりがちな彼女だというのにこんなに知り合いがいたとは、と驚いたくらいだ。
それは彼女のスタイルに一因があるのだろう。日本人には珍しい手足の長さと整った小さな顔はアニメやゲームのキャラクターを表現するにはうってつけだという。
「これでお揃いでイベントへ行けるぞ」
「……俺はこういうの苦手なんだけどな」
そんな彼女の趣味に付き合わされて俺もコスプレ衣装を着せられることがある。なんでも男女揃ったほうが絵になるのだそうだ。
「しかし正治はコスプレ向きの体型をしているのに」
「悪かったな、ガリガリのヒョロ長で。……まったく、何でアニメってのは関節キめたら空中分解しそうな身体
してるんだ」
「それなら正治が太ったらいいだけの話だろ?」
そんなやり取りをしながらも、彼女は設定画を元におおよその図面を引きはじめる。俺のサイズはもう何度も採っているから何も見なくても描ける、とはいつ言ってたんだっけ。
「……動くな、出来るなら息も止めろ」
「言われなくても動かないって」
毎度この瞬間は息が詰まる。出来上がった型紙を裁断したものとマチ針で俺の身体に紙の衣装を作っていくのだ。その出来上がりが悪ければ型紙を作り直してもう一度最初からになる。
ぷち、ぷち、とマチ針を刺すごとに平面だった型紙が皮膚の真上で立体に仕上がっていく。ちなみに俺はパンツ一丁で試着に臨んでいる。本来は実際に着るときの服装になってからサイズをあわせるが、この衣装はそういうものを身に着けない、露出度の多い衣装らしい。
「……んっ」
「痛いか?」
「いや。さっさと仕上げてくれ。生きた心地がしないんだよ」
黙って身体を固くしていると時々針が肌に触れてひんやりした感触が広がる。突き立てているわけじゃないから刺さらないのは分かってはいるが、それでも声が漏れてしまうのだ。
「そうだな、早く終わらせよう。裸の正治を見ていたら私も集中が続かないからな」
「?」
「コスしてる正治なんて最高で最強だ」
守はそう言いながら最後のパーツを留め終えると俺の周りをぐるぐる回りだす。
「どうなんだ?」
「もう少しディティールを詰めてもいいかもしれないが、そうすると実用性が……」
「なんでコスプレに実用性が必要なんだよ」
「だってコスエッチしたいから」
その言葉に思わず半目になる。そんな理由で実用性を求めるな。
「毎度思うんだが、お前は俺を何だと思ってるんだ?」
「私の趣味に理解のある彼氏だ。正治も好きだろ?」
こう言われてはぐうの音も出ない。
こちらを振り向くこともせず、一心不乱に手元の雑誌に目を落としている彼女を尻目に、唯一の空き区画だっ
た彼女のベッドの上に乗り込んだ。なんとなく眺めていると、どうやら特定の記事だけを熱心に読み返している
らしい。
「なー」
「何だ?」
「なに読んでんだ?」
「雑誌」
そうじゃなくて。そう言いかけて正治は言葉を飲み込み、代わりに溜息を吐き出した。完全に入り込んでし
まっている彼女に何を言っても無駄だ。ちょうどお昼どき、眠いしこのベッドを使わせてもらおう。
「――寝るなよ。用があって来てもらったんだから」
ぼふっと音を立てて寝転がるとすぐに叱責の声が飛んでくる。
「だったらさっさと要件を済ませちゃくれないか。俺もうお昼寝モード……」
「だから少し待ってくれと――あった、これだ」
そのお目当てのページはカラー満載のアニメ誌には珍しく白と黒が殆どを占めていた。アニメ開始前に公開さ
れる設定画というやつ……ってちょっと待て。
「後ろの腰の辺りのつくりがイマイチよく分からなくてな」
「……またかよ」
彼女の趣味は所謂コスプレだ。服もカツラも自作する、珍しいタイプのコスプレイヤーらしい。実際そういう
イベントに連れて行かれたときは結構人が集まってきていた。そっけない態度をとりがちな彼女だというのにこ
んなに知り合いがいたとは、と驚いたくらいだ。
それは彼女のスタイルに一因があるのだろう。日本人には珍しい手足の長さと整った小さな顔はアニメやゲー
ムのキャラクターを表現するにはうってつけだという。
「これでお揃いでイベントへ行けるぞ」
「……俺はこういうの苦手なんだけどな」
そんな彼女の趣味に付き合わされて俺もコスプレ衣装を着せられることがある。なんでも男女揃ったほうが絵
になるのだそうだ。
「しかし正治はコスプレ向きの体型をしているのに」
「悪かったな、ガリガリのヒョロ長で。……まったく、何でアニメってのは関節キめたら空中分解しそうな身体
してるんだ」
「それなら正治が太ったらいいだけの話だろ?」
そんなやり取りをしながらも、彼女は設定画を元におおよその図面を引きはじめる。俺のサイズはもう何度も
採っているから何も見なくても描ける、とはいつ言ってたんだっけ。
「……動くな、出来るなら息も止めろ」
「言われなくても動かないって」
毎度この瞬間は息が詰まる。出来上がった型紙を裁断したものとマチ針で俺の身体に紙の衣装を作っていくの
だ。その出来上がりが悪ければ型紙を作り直してもう一度最初からになる。
ぷち、ぷち、とマチ針を刺すごとに平面だった型紙が皮膚の真上で立体に仕上がっていく。ちなみに俺はパン
ツ一丁で試着に臨んでいる。本来は実際に着るときの服装になってからサイズをあわせるが、この衣装はそうい
うものを身に着けない、露出度の多い衣装らしい。
「……んっ」
「痛いか?」
「いや。さっさと仕上げてくれ。生きた心地がしないんだよ」
黙って身体を固くしていると時々針が肌に触れてひんやりした感触が広がる。突き立てているわけじゃないか
ら刺さらないのは分かってはいるが、それでも声が漏れてしまうのだ。
「そうだな、早く終わらせよう。裸の正治を見ていたら私も集中が続かないからな」
「?」
「コスしてる正治なんて最高で最強だ」
守はそう言いながら最後のパーツを留め終えると俺の周りをぐるぐる回りだす。
「どうなんだ?」
「もう少しディティールを詰めてもいいかもしれないが、そうすると実用性が……」
「なんでコスプレに実用性が必要なんだよ」
「だってコスエッチしたいから」
その言葉に思わず半目になる。そんな理由で実用性を求めるな。
「毎度思うんだが、お前は俺を何だと思ってるんだ?」
「私の趣味に理解のある彼氏だ。正治も好きだろ?」
こう言われてはぐうの音も出ない。
「ところで俺はこれをいつまで着てればいいんだ?」
「とりあえずあと10分……」
「衣装完成したら好きなだけ写真撮らせてやるから風邪引く前に服を着させてください」
「脱いでもいいけど服は着るな」
「なんで!?」
「君のコスを見てたらムラムラしてきたからだ」
「ちょっと待て抱きつくな型紙が破れたらまた一から……アッー!」
続かない。
ちなみに名前はどっかの犬とレゴブロック狂から持ってきたり
これはGJ
俺もパツンパツンで露出の高いクーのコス姿を拝みたいぜ
クーの方が好きなものが主流の様だが
逆に男の方が、なら
・・・きめえな
696 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 02:05:34 ID:a/qczvsH
>・・・きめえな
キモデブ、で想像したじゃないかw
やめてー。たぷたぷの素直クールなんて想像できないwww
むしろDBのヤジロベー体型のオタ男にクールビューティーが絡んでいるさまを幻視したんだがw
理想だ
どう絡むのか気になるな
さすがの猿飛ですねわかります
DBキャラからヤジロベーを持って来る
>>698に惚れた
1
やぁ姉さん、久し振りだね。実家に帰って来るのは三ヶ月振りかな?
えっ、女らしくなったって? ふむっ……たぶんアレか?
最近、セックスと言う行為を覚えたんだ。
彼のおちん……ペニスが私の中に入り込み、膣肉をゴリゴリとえぐりながらハメ回すのさ。
そして最後は膣内射精。つまり中出しだな。彼の精子が、私の子宮口を情熱的にノックしてくるんだ。
まだ子供を作る準備なんてしてないのに、ノックしてこじ開けて、隙間から無理やり入って来て、卵とくっつこうと子宮の中でばちゃばちゃ泡立って暴れ捲くる。
とっても……はぁぁっ、アツイ、んだ。
それに彼は、女の私が見ても可愛いと思う。顔は女みたいだし、体型だって華奢だ。身長も私より低い。
でも、凄く優しいんだ。それに、おちん……ペニスが、たくましいんだよ。
んっ? 勿論、気になったから測ったさ。24センチだ。さすがに、根元までは入らなかったな。
彼の全てを受け止めれ無いのが悔しくて、一度だけ思いっきり突かせたんだが……ふふっ、子宮が潰されるかと思ったよ。
私は気を失ってしまうし、結局は駄目だったらしい。彼のを余さず咥え込もうとしたら、子宮の中まで使わないとイケないらしい。
どうだ、良い彼だろ姉さん?
さっきも言ったが、す〜んごく可愛いぞ? 特に泣き顔だな。
悲しくて泣くんじゃない。それは私も嫌だ、泣き止むまで慰めるよ。
そうじゃなくて、恥ずかし過ぎて泣いた時の顔が……ふぅっ、堪らないんだ。
女の私にな……簡単に押し倒されて、簡単に服を剥かれて、簡単に乗られるんだよ。
ペニスを膣内に納められて、腰を振られてさ、顔を真っ赤にしながら私の名前を呼ぶんだ。
もうでちゃうから抜いてって。このままじゃ赤ちゃんできちゃうから駄目だよって。外に出させてって。私の名前を呼ぶんだよ。
そしたら私もな、腰を上げてやるんだ。ゆっくり、ゆっくり、な。
でも抜かないぞ? 抜く直前、彼が安堵の溜め息を吐いた時……腰を一気に落として、きゅきゅぅって締め付けてやるんだ。
すると大量の精液が噴き出して来て、すぐにお腹がいっぱいに満たされるよ。
私もイクし……んっ? ああっ、そうだな。私はどうやらサディストらしい。
ところで姉さん、実家には今月末まで居るんだろ?
だったらすまないが、家族団欒は明日以降で頼みたい。
いやなに、彼の事を話していたら少々発情してしまってな。
ふふっ、コウビ……したくなったのさ。
おしまい
GJ!
で、続きは?
俺の彼女である守が部屋を訪れると、あからさまに嫌そうな顔をした。
「ああ守、よく来てくれた。とりあえずそのへんに座っておいてくれ」
彼女のほうを振り向くこともせず、一心不乱に手元の雑誌に目を落としている俺を尻目に、彼女は唯一の空き
区画だったベッドの上に乗り込んだ。
「正治」
「何だ?」
「何を読んでるんだ?」
「雑誌」
そうじゃなくて。彼女はそう言いかけたのだろうが、代わりに溜息を吐き出した。そのままぽふん、とベッド
に倒れこむ。
「――寝るなよ。用があって来てもらったんだから」
寝転がったまま動きを止めるので一応釘を刺しておく。
「だったらさっさと要件を済ませちゃくれないか。昼寝がしたくなってくる」
「だから少し待ってくれって――あった、これだ」
そのページは最近話題のアニメの放送開始前に公開された設定画だった。
「後ろの腰の辺りのつくりがイマイチよく分からなくて」
「……またか」
俺の趣味は所謂コスプレだ。しかも服もカツラも自作する、今時珍しいタイプのコスプレイヤーだ。小さな頃
から仕込まれた針糸の技術とアニメ好きが高じた結果で、服を着るのも作るのも楽しんでやっている。
そこへ彼女とであった。趣味とは全く関係のないところで出会った彼女だが、付き合いが深くなるにつれ俺の
趣味がバレた。嫌われるかとも思ったがそんな俺を彼女は受け入れてくれた。
「これでお揃いだな」
「……本当はこういうの苦手なんだぞ?」
そんな俺の趣味に付き合ってくれて彼女もコスプレ衣装を着ることがある。イベントなんかでは男女揃ったほ
うが絵になるし、手足の長い彼女は他のレイヤーの羨望の的だ。俺も自慢がしたくて連れている部分もある。
「もったいないな、コスプレ向きのスラッとした体型をしているのに」
「褒めてくれているのか分からないな」
「褒めてるよ。俺もそういう体つきになりたかった」
手足が短く頭がデカく、かろうじて小太りと呼ばれるラインをギリギリ維持している俺にとっても彼女は羨望
の的だ。顔だって10人が10人、美人だと認める彼女と違ってブタっ鼻のブ男だ。
「私は正治のこと、好きだぞ?」
「はいはい、お世辞でもうれしいよ」
そんなやり取りをしながらも、彼女は設定画を元におおよその図面を引きはじめる。彼女のサイズはもう何度
も服を作っているからもう何も見なくても描けるくらいだ。
「……動くなよ、出来るなら息も止めてろ」
「言われなくても動かないよ」
毎度この瞬間は息が詰まる。出来上がった型紙を裁断したものとマチ針で彼女の身体に紙の衣装を作っていく
のだ。その出来上がりが悪ければ型紙を作り直してもう一度最初からになる。
ぷち、ぷち、とマチ針を刺すごとに平面だった型紙が皮膚の真上で立体に仕上がっていく。彼女には下着姿に
なってもらった。今度作る予定の衣装は露出度がかなり高いものでサイズもかなり詰めているからで、実際に着
るときのスタイルに近いほうが都合がいい。
「……んっ」
「痛いか?」
「いや。さっさと仕上げてくれ。生きた心地がしないんだよ」
針が素肌に触れてひんやりするのが心臓に悪い、と文句をこぼしているが、あと数分我慢してもらおう。どう
やらこの型紙はそのまま使えそうだ。
「そうだな。俺も守の裸を見てたら俺も集中が続かないし」
「バカ、君が脱がしたんじゃないか」
「だから間違ってお前を針で刺さないうちに仕上げようって言ってるの」
最後のパーツを留め終えた俺は気になる部分をチェックするために彼女の後ろへ回り込んだ。
「どうなんだ?」
「もう少しディティールを詰めたいところだけど……あんまり原作に正確にやりすぎると実用性がなくなってし
まうからなあ」
「コスプレに実用性?」
「言い方が悪かったな。モノによってはパーツの強度的に持たないつくりもあるんだよ」
「なんだ、コスチューム着てエッチしたいからだと思った」
その言葉に思わず咳き込む。そんな理由で実用性はとらないっつーの。
「毎度思うんだが、お前は俺を何だと思ってるんだ?」
「私の大事な彼氏だ。それに前にしたとき正治、燃えてくれただろ?」
こう言われてはぐうの音も出ない。
「さて、これで型紙完成だ。すぐバラすからもうちょっとだけじっとしてろ」
「分かった。……ところで正治」
「なんだ?」
「これが完成したら、これを着たままエッチしたいか?」
「……正直、お前だったらどんなカッコでもそそられるからそんなに関係ないな」
「そうか。じゃあ今からしよう」
「ちょっ、ちょっと待て、まだ型紙バラしてないのにそんな動いたら破れアッー!」
続かないって言ったのに続いちゃったダメな例。
まあ直接繋がりはないし別にいいか。
なんで、こんなに絵になるんだろう。
でも、やっぱり素直クール成分が少ないね。
よくやった。
GJ!
後輩に迫られたい
俺としては
オタクでブサイクな自分にも自然な好意を向けてくれるクーに
悶えるとかもみたいな
主人公がオタクで不細工はちょっとなあ
素直クールにことあるごとに
「○○は顔は不細工だがいいところはいっぱいあるうんぬん」
とか言われても萎えるだけじゃね?
同意
萎えるってかそんなこと言われても普通に付き合えるのはもう完成してるカップルだよなあw
>>705の捌き方とか見てると余計にそう思う
特徴の無い男が無難かと
>>715 俺も少なくとも外見(しゃべり方も含む)に関してはそれが良いと思う。
特徴は趣味とかでつけてほしい。
717 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 02:11:18 ID:GNq/eEVo
素直クールな幼馴染み
なんか、さらりと「愛してる」とか顔色変えずにささやいてくる感じで
素直クールなフタナリっ娘
女の子のアレも男の子のナニも付いてるフタナリっ娘。でも素直でクール。
>>715 男「いやそもそもおかしいし! 俺の顔ってローランドゴリラがダンプに轢かれたみたいな顔だし!」
ク「逞しい顔だ。私はそういうのすごく好みなんだ」
男「っていうかお前は審美眼がおかしい!お前美人なんだからもっとどっか顔のいい男を捕まえればいいじゃん!俺じゃなくて!」
ク「おかしくても全然構うものか。知ってるか?私は嫉妬深いんだ。君みたいな変わった顔の男なら、他の女に取られる心配は皆無だ」
男「って、お前、む、胸、あたたた、当たって、あ当たってるぅっ」
ク「わからないのか?当ててるんだ」
っていうのでも全然OKなんだぜ
正直どういう環境で育つと素直クールな性格になるのか気になる
>>720 外国とか異世界とか東北とか千葉とか俺たちの想像しづらい文化圏で育ったことにすると説得力が増すな。
あるいは幼なじみ素直クールだと、幼いころに交した約束を律義に守ってるとかポイント高い。
そこが地元の人はどうすんだw
千葉って関東だろ?そんなに魔境なのかwwww
>>721 東北をどんなところだと思っているんだ。
>>724 なぜか知らんがこち亀だと恐竜が生息するジャングルがある秘境というか最早魔境。
北上川流域と聞いてきました。
素直クールさいこー
ダブルなら条件は揃いそうな気がする。
両親の片方が感情表現に躊躇いのない外国人でもう片方がクールな日本人、
お互いの性格がいい感じにミックスされて、素直かつクールな美人さん誕生。
地域よりも家庭環境だろ。
両親が武道家とか
ある夫婦の元に、可愛い娘さんが生まれました。
両親は娘を大層に可愛がりましたが、その娘さんはニコリともしませんでした。
もしかして、娘は今の生活に不満があるのだろうか?
ある時、両親は思い余って娘に尋ねました。
「娘や、今お前は幸せなのかい?」
娘は即座に、しかし無表情に答えました。
「はい、お父様とお母様に大切にしていただき、とても幸せです」
そうです、娘はとてもクールだったのです。
そのことには安堵した両親でしたが、一方で他人の誤解を招きそうな娘の将来に不安を覚えました。
困り果てた両親は、夫婦で相談して、娘にこう告げました。
「娘や、何か思うことがあったら、なんでも正直に言うんだぞ?」
「どうしてですか?」
「だってそうしないと、もしお前が困ってても判らなくて、助けられないじゃないか」
娘はしばし考えた後、こくりと頷きました。
「はい、お父様、お母様。これからはそうします。いつも私のことを気にかけてくれてありがとうございます」
こうして、素直クールは生まれました……
と言うのはどうだろう? 参考文献はサトラレだ。
両親が藤岡弘、とか。
さておき、爺様が柔剣空手道の道場主で
両親のどっちかが日本文化にあこがれる欧米人
というのは若干ベタ気味ながらお約束と言えるのでは。
しかしエロ向けではない鴨
>両親が藤岡弘、
ドッペルゲンガアッー!
父・春画画家、母・女流官能小説家
の家に産まれた双子素直クール略して双子クール
そんな双子クールに迫られる男くんの将来はいかに!
うらやましいではないか!
当然耳年増なんだな?
「君があまりにも魅力的過ぎて、誰かに奪われないか心配なんだ」
「だったら私はいついかなる時も君に心からの愛の言葉を捧げ続けよう」
こうして素直クールが誕生したのです。
>>736を見て、ヤンデレクールもありかもしれないと思った。
ピュアな素直クールというのはどうだろう
性知識なんて欠片も無いからなんでくっつかれてそんなに慌ててるのかわからないぐらいの
「わ、ちょ、そ、そんなに抱きつくな!」
「なんで?好きな人にはぎゅっとしてあげなさい、
っていつもお母様が言ってたもん。
お母様も私のこといつもぎゅっとしてくれてたよ」
「た、頼むから学校では控えてくれ」
こうですか?
「た、頼むから学校では咥えてくれ」 に見えた
('A`)
>>740 何を咥えるのかわからずに、とりあえず指をぱくっとしてみるクー。
「ふぉへへひひほは?」
「…………もういいぞ」
「……ふぅ。なんだか少ししょっぱかったよ」
「そうか」
「うん、しょっぱかった。……ところで、今のは何の意味があったんだい」
「趣味だ」
「そうか、趣味か。……まだまだ君には私の知らないところがいっぱいあるな。
一生かけて、ひとつでも多く君のことを知らなければ」
「プロポーズか」
「うん、プロポーズだ。生涯をともにするとなったら、私は君以外に考えられない」
「……まぁ、その、なんだ。こちらこそ不束者ですが、これからもよろしくお願いします?」
「ん」
(授業中なのに何やってんだコイツら……)
>>741 俺の弱点たる指チュパをだしてどうしてくれるw
744 :
雪子と愁也:2009/03/01(日) 22:51:15 ID:ax3ekVKc
世の全ての学生にとって避けては通れないもの、それは定期テスト。
当たり前だが僕たちにもそれは容赦なく降り懸かってくる。
高校第二学年学年末テストまであと二週間。
「困ったな」
珍しく彼女が困っていた。実際そこまで困っているようには聞こえなかったけど。
ここは放課後の教室、こんな時から居残ってテスト勉強に励むのは僕たちだけだろう。
雪子は家だと勉強しないらしく、テスト前はこうやって勉強するのが恒例になっていた。
「何が困ったの?」
「私の成績は君も知っているな?」
もちろん知っている。
彼女は常にクラス席次3位の実力者だ。どう頑張っても10位前後にしかならない僕とは違う。
「そろそろ1位を取らなければならなくなった」
「なんで?」
「このままでは英語の単位を落としてしまう。単位をクリアする得点を取ると席次も上がってしまうではないか」
どういう意味だ……頭が混乱している。
単位を落としそうなほど英語の成績が悪いこと。
にも関わらず優秀な成績を修めているというのは他の科目がいかに出来ているかということ。
そしてその英語は勉強さえすれば点数が取れるらしい、ということ。
「えーつまり今までワザと3位狙いだったの?」
僕の問いに彼女は小さく頷いた。
「必要以上に目立ちたくない。出来る奴と勘違いされるのは御免だからな。私はパーフェクトではない」
いやいや、十分目立ってますよ…お陰で僕も大変なんだから。
成績よりも普段の言動を目立たなくさせた方がいい気がする。
「待てよ…英語で98点取るとすると……各科目7、8点下げれば、なるほどそうすれば合計点は変わらないな」
一人で納得してるし…そもそも自分の点数ってそんな風に狙って取れるんだろうか?
まあ雪子なら簡単にやってのけるから恐ろしい。
「よし、さあ始めようか」
ペンを手に取り彼女は勉強をスタートした。
しばらくして空がオレンジ色に染まり太陽が沈みかける。
僕は何気なく雪子に視線を向けた。
『人が真剣に何かに取り組む姿は美しい』
昔誰かに聞いた言葉だけど、非常に的を射ている。
黙々と勉強に励む雪子の姿は本当に綺麗だ。
白魚のような指がペンを走らせる姿、セミロングの髪をかきあげる仕草、真剣な眼差し。
一つ一つの動作に品があり美しい。例えるならまさにホワイトライオン。
こうなってしまうと僕はもう勉強に身が入らない。ただ彼女に見とれてしまう。
僕はペンを置いて彼女をじっと眺め始めた。
745 :
雪子と愁也:2009/03/01(日) 22:52:25 ID:ax3ekVKc
「……きろ…おい…」
……ん?遠くで雪子の声が聞こえる。どうしたんだろう…
「おい、そろそろ起きたほうがいいぞ」
ハッとして僕は意識を回復した。どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
「すまない。君の寝顔を見ていると起こすに起こせなくてな」
外を見ると辺りはすっかり暗くなっていた。
「大丈夫か?疲れが溜まっているんじゃないのか?」
目の前にいた彼女が僕の横へと移動してくる。
左手を背中に回すと右手で僕の頭を撫でてくれた。
少しの間そうされていると落ち着いてきて…心が癒される。
「ありがとう雪子。楽になった」
「それはよかった。私でよければ力になるぞ。いつも君には世話になってばかりだからな」
世話?そんなことしてるか?
「君といるだけでこの上なく幸福な気分になれる。私のような女と付き合ってくれていることにも感謝している」
まったく…こっちが恥ずかしくなるようなことをさらりと言うなんて。
「それはそうとして雪子」
「どうした?」
「胸、当たってる」
「それは語弊だ。当てている」
雪子の柔らかい豊胸がぎゅうぎゅうと腕に押し付けられている。
制服の上からだと分からないその大きさ、着痩せにもほどがある。
もしかして…誘っているのか?
いや、そんなはずない。
雪子は校内では絶対にそんなことしないし、流されることもない。
口を開こうとすると、廊下から足音が聞こえてきて扉が開いた。
「あら?雪子ちゃんじゃない…邪魔しちゃったかしら?」
現れたのは白衣を着た物腰穏やかな女性。軽くウェーブのかかったブラウンの髪がよく似合う。
「問題ない。今日はエロいことはしない日だ」
「い、いや、本当に何でも、大丈夫ですっ」
なんで僕の方こんなに慌てているんだろう…
「そう?ならいいんだけど…そろそろ帰らないとダメよ。じゃあちゃんと戸締まりよろしくね」
僕たちに軽くウインクするとその人は白衣を翻して教室を後にした。
「いつ見ても可愛らしく綺麗な人だな。葵ちゃんは」
白石葵、それが今の人の名前。この学校の保健医を務めている。
若いし綺麗な人だし保健医だしと様々な理由で生徒からも大人気だ。
そして何故か雪子と親しい。前に保健委員をやっていたかららしい。
ちなみに雪子が保健委員だった時はただでさえ多い保健室の男子生徒の来訪者数が跳ね上がっていた。
でもそのほとんどが雪子に大した怪我でない、と一掃されてほんの数秒で保健室を後にしていたけど。
746 :
雪子と愁也:2009/03/01(日) 22:53:38 ID:ax3ekVKc
「素敵な人だ。君もそう思うだろ?」
「確かに素敵だと思うよ」
「そうとなると私もより努力しないとな。相手が葵ちゃんだと私も分が悪い」
分が悪いって…白石先生以外は大丈夫だと思ってるのか?ずいぶんさらりと言ったな。
「いいよそんなこと。僕にとっては雪子が一番だから」
「ん…そうか?うん、そうかそれは光栄だ」
よっぽど嬉しかったのか僕の言葉を確認するように彼女は何度も頷いていた。
ずいぶんと恥ずかしいことを言っちゃったな…
「ありがとう」
真っ直ぐ僕の方を見据えて一言。
そしてそのまま僕の顔に近づいてくる。
えっ…まさか!?今日はエロいこと無しって――
僕は目を瞑ってその瞬間を待った。
…ペロリ
鼻の頭に柔らかい感触が。
「ふっ、今日はエロいことはしないと言っただろ」
僕から離れた彼女は口の周りを舐めながらどことなく楽しそうに言った。
「さあ、そろそろ帰るとするか」
鞄に教科書を詰め雪子は立ち上がる。
……やられた。どうやらライオンが僕にじゃれただけだったらしい。
出ていく彼女を僕は慌てて追った。
暗い夜道。僕達が最後らしく通学路に他の生徒は見当たらない。
突然すっと彼女の手が伸びてきて僕の手を握った。
「誰もいないからいいか?」
普段は余りにも人が多いから制服を着ている時は手を繋ぐのを遠慮してもらっている。
でもこのテスト前の時は見られる心配はないのだ。
「青春だな。うん、まさに青春だな」
実はデート中なら手を繋いでいるからそんなに珍しい行為じゃない。
でも通学路で制服に身を包んだ状況だとまた違うらしい、よく分からないけど。
「ところで君、保健医ってエロいと思わないか?」
「な、何をいきなり」
「さっき葵ちゃんに見とれているように見えたからな」
いや、勘違いだ…雪子。変な考え起こさないでくれ。
「やはり男は保健医という言葉に弱いのか」
「誰から聞いたんだよ…」
「秘密だ、女の約束だからな。友人を裏切る訳にはいかない」
女の友人ってまさか…白石先生本人じゃないだろうな。
「あー…恐らく君の想像通りだ。いや、私は何も言ってないぞ。あくまでも君の推測だからな」
何も言わなきゃいいのに、雪子はウソが得意じゃないんだから。
「で、今の保健医の話だが」
話が戻ってきた…今日はエロいこと無しじゃないのかよ。いや、彼女はいたって真面目なのか…
「やってみたいか?」
……ナニヲデショウ?
「保健室でのセックス」
747 :
雪子と愁也:2009/03/01(日) 22:54:47 ID:ax3ekVKc
ずいぶんと涼しい顔で言ってくれるじゃないか。
聞いてるこっちが恥ずかしい。
「とはいえ、そんなプレイは出来ないが…」
「ん、なんで?」
「当然だろう。学校の保健室でそんなこと出来ると思うか?私は決して無恥ではないぞ」
まったく、じゃあ今までの会話はなんっだんだよ…
「それにしても保健室か…うむ」
何かおかしな事考えていないだろうな。やめてくれよ、こっちは雪子以上に恥じらいがあるんだぞ。
雪子はいきなり裸エプロンをしてきた前科もあるから用注意だ。
あの時はお互い凄く興奮したけど。
「当分は今まで通りいたってノーマルにいこう」
淡々と述べると彼女はより一層強く手を握ってきた。
「君と共に過ごす。何をするわけでもなくただ一緒にいる。それだけで私は満足だ」
普段から似たようなことを言っているけど、今のはやけに心に響いた。
暗い夜道で手を繋いでいるからか、言い方がいつもより感慨深かったからか、理由はわからない。
これといった返事をせず、ただ僕は手を強く握り返した。
なんだかんだで雪子の手は僕よりも小さい。
それから大して歩かない内に二人の分かれ道がやってきた。
右に行けば僕の家。
左に行けば彼女の家。
「早くな…分かれ道か。今日はここでいい。一人で大丈夫だ」
「いいや、家の前まで送っていく」
こんな夜道を彼女一人なんて危なすぎる。
「しかし君と付き合う前は一人だったのだぞ」
「ダメ、今まで何もなかったからって安全とは限らないよ」
自覚がないのか?こんな人通りのない時間に一人で歩くなんて、しかも雪子が。
…今まで何もなくて本当によかった。
「ふっ、君がそこまで言うなら仕方ない。今日もお供してもらおう」
一応彼女も最初は断る素振りをするが実際は断るつもりはないようにも見えた。
もう少しだけ続く二人の時間。
「それにしても君の勉強は間に合うのか?」
「まだ時間もあるし間に合わせるよ」
学年末なんだから今までで一番の成績を取りたいし。
「余計かもしれないが日曜日にでも家に来ればみっちり教えるぞ」
そこまで言うと雪子は視線を宙に泳がした。
「うん、そうだな日曜日なら父も母もいる。尚更好都合だ」
好都合って…ご両親に会わないといけないなんて、すっごく緊張するじゃないか。
「エロいことは出来ないかもしれないが我慢してくれ。埋め合わせはする」
あぁ…俺の意見は全く尊重されないのな。まあ確かに少し楽しみだけどさ。
748 :
雪子と愁也:2009/03/01(日) 22:57:00 ID:ax3ekVKc
雪子も嬉しそうな顔をしているし今更断りはしないさ。僕の家にもいつか招待しないとな。
親に何て言えばいいのか…彼女を連れてくるなんて言ったら発狂しかねない。
それにしてもご両親に会ったら何て挨拶すればいいんだ?
「どうした?難しい顔をして」
「あ、いや、何でもない」
もう少し時間もあるからそれまで考えよう。後はその場で思いついたことを言えばいい。
どうか雪子のお父さんが怖い人じゃありませんように…
その後も二人で他愛のないことを話しながら歩いているとあっという間に彼女の家にたどり着いた。
「毎度すまないな。ありがとう」
礼を言われるほどではない。僕が勝手にやっていることなんだから。
一緒にいられる時間が増えるのは僕だって嬉しいこと。
さてと、そろそろ帰るか。親も心配…してないかもしれないけど。
僕は別れの挨拶をしようと雪子に向き直った。
「………」
ん?どうしたんだ。じっと僕の顔を見ている。顔に何かついているのか?
「別れのキスは?」
………ハイ?
「ふっ冗談だ。残念だが今日はエロいことなしだからな」
残念って自分で決めたんだろ…そもそもキスはエロいことに含まれるんだろうか。
「代わりと言ってはなんだが…少しだけじっとしていてくれ」
彼女はそう言うと僕にゆっくり近づいてきて腕を広げた。
………むぎゅっ
あれ?僕の身に何が起こっているんだ?
「これで我慢してくれ」
耳元で彼女が囁いてやっと自分が抱きつかれていることに気が付いた。
首の後ろと背中に腕が回り力強く抱きしめられ動くことが出来ない。
ただ立ち尽くすだけだった。
「雪子…?」
「ハグは挨拶の一つだ。エロいことには含まれない」
頬にキスする挨拶だってあるような気もするけど、誇らしげに語る彼女を前に何も言えない。
「よし、ではまた明日」
少しだけ名残惜しそうにしながら僕から離れると彼女は家の中へと入っていった。
うん、やっぱり雪子は不思議な人間だ。僕を引きつけて止まない。
僕は今抱きついてきた雪子の感触を思い出し、頬を緩ませながら帰路についた。
おわり
今回はエロいことなしなんだ。期待させて申し訳ない。
GJとしか!
埋め合わせはしていただこう
GJ
いいじゃないかGJ
GJだ
753 :
正直スマン:2009/03/04(水) 22:22:08 ID:N0q8Airo
「士郎、ちと質問したい事があるのだが」
「ん? 俺に応えられる事なら構わんが、俺が知恵に助言できるような事あんのか?」
「安心してくれ。私の受け持つ生徒の情緒面に関する判断の、参考意見を聞きたいだけだ」
「それくらいなら、まぁ何とかできるか?」
「気負わなくていい。第三者から見ての客観意見が聞きたいだけだ」
「おっけ、拝聴しましょう」
「うむ。まずここに、一人の少年がいる。
学業・スポーツの面でさほど目立った成績ではないが、とかく温和で善良で心優しい、周囲に気遣いを
忘れない人物だ。そんな彼を慕う人間も多いが……彼の家庭環境は少々込み入っていてな?
やや自分に劣等感を抱きがちで、自身を過小評価するきらいがある」
「ほうほう。お前さんとこの妹ズNo1みたいな?」
「――ああ、言われていればそうだな、清恵を男にすると近いな」
「ふむふむ、それで?」
「うむ。そしてそこに一人の少女がいる。先の少年の幼馴染で、彼と共にいることが多い。
ちとマイペースと言うか周囲からワンテンポ遅れて行動するような面を持つが、いつも穏やかに微笑んでいて、
そんな彼女の周囲の人間もいつの間にか笑みがこぼれてしまうような、そんな人物だ。彼女を仮にAと呼ぼう」
「ってことは、まだ登場人物が?」
「お察しのとおりだ。さらにここに、もう一人の少女がいる。クラス委員を勤める真面目で厳格な少女でな、
物怖じもしないためややもすると周囲に対して手厳しい発言も出てしまうが、そうして叱咤した相手が
努力をするなら最後まで手助けをする、真の意味での優しさを持った少女だ。こちらはBと呼称するが、
そんな彼女が見かねて背負い込む職務以上の仕事を、先の少年は率先して手助けしている」
「ほうほう。ちょっと質問の行き先が見えてきたかな?」
「そうか? 続けよう。さらにまた一人、少女がいる。とかく明るい、クラスのマスコットというか
ムードメーカー的な存在でな。その後先考えぬ行動力がややもすると周囲にトラブルを引き起こす事も多々
あり、先の少年などは特に真っ先にそれに巻き込まれ、最後には共に後始末に奔走する羽目になりがちだが、
それでも周囲はなんとなく笑って許せてしまうような、そんな人物だ。彼女はCとしよう」
「まだいるのか」
「ああ、他にもいるぞ? 次の少女は、先だって我がクラスに転校してきた外国人子女でな。さすがに
まだ日本の言語や風習には不慣れで、戸惑いがちではあるのだが、実は帰国子女である先の少年が、
何くれとなく彼女の面倒を見ている。彼女はDと呼ぶ」
「ちょっといいか?」
「なんだ?」
「結局、その少女シリーズはどんだけ続くんだ?」
「――む、そうだな、ひとまずここで区切っておこう」
「ひとまず、でございますか」
「ああ、士郎に頼んだのはあくまで『私の受け持ちの生徒』に関することだ。ならば、生徒会長やら
図書委員やら後輩やら部活の先輩やらまで説明するのも定義から外れてしまうし、負担が大きいだろう」
「俺はどっちかってーと、件の少年の負担が心配だよ」
「うむ、まさに士郎に相談したかったのはそのことでな?」
「誰を選んだらいいか、とか相談受けたか?」
「いやそれ以前でな?」
「以前?」
754 :
正直スマン:2009/03/04(水) 22:23:06 ID:N0q8Airo
「正直なところ、私のみならず周囲の誰が見ても件の少女たちの少年への好意は明らかで、少女たちはお互いに
水面下で牽制しあっているのだが、当の少年自身のみがそれにまったく気づいていないと言う、奇妙な状況でな」
「あー……そういや、なんか自分に自信がない奴だとか言ってたなぁ」
「私からすれば、周囲を気にしてあと一歩を踏み出せない少女たちにも問題はあるとは思うのだが」
「微妙なお年頃なんだから、お前と一緒にすんな」
「そうか? まぁとにかく、それで私は秘密裏に彼から『なんだか最近、自分の周囲の雰囲気が微妙なんですが、
どうなってるか理由がさっぱり判りません』との相談を受けたのだよ」
「ノンキにも程があるな」
「同感だ。そこでようやく、本題に入るわけだが」
「うん? そうか、これは俺への相談だったな」
「うむ。前置きが長くなってしまって恐縮だが、以上を踏まえた上で士郎に尋ねたいことはこうだ。即ち、
『このような状況で、少年に対し今のような私の分析を洗いざらい説明したい衝動に駆られた私は、間違って
いただろうか?』、だ」
「……いやまぁ、人として当然だろ、それ。俺だって話聞いててそう思ったぞ」
「――そうか、いや安心した。私はひょっとして教師としてあるまじき事をしてしまったのかと不安になってな」
「いやちょい待て」
「む? どうした?」
「念のため確認するぞ? 今『してしまった』と言ったか?」
「うむ、言ったが?」
「……あのな、考えちまうのは仕方ない。俺だって思った。でも、まさか実際に言っちまったりはしてないだろうな?」
「……………………」
「し・て・な・い・だ・ろ・う・な?!」
「……そんなことはしていないぞ?」
「俺の眼を見て話せ」
「士郎、協力に感謝する。『衝動に駆られるのも仕方ない』と言う回答を得られたため、この話題は終了だ」
「強引に打ち切りやがったな」
「ところで士郎、先ほどとはまったく、全然、これっぽちも関係しない別の質問なのだが」
「しかも力技で話題を変えるか」
「私の受け持ちの生徒のうち、男子生徒一人がここ数日出席しておらず、それ以来彼と親しい女子生徒数人の間で
緊張感が高まっているのだが、私はどうするべきだろうか?」
「やっぱり言ってんじゃねぇかああああああああああああああ!!」
ありがちな、「鈍感主人公とそれを囲むヒロインズ」なラノベを読んで、むしゃくしゃして書いた。
今は反省している。
GJ!
相変わらずニヤニヤしてしまうw
…その少年の話が読んでみたくなってしまったのはオレだけじゃないと思いたい。
>>755 気持ちはわかる。ただしここは素直クールスレだ。我慢しよう。
俺はてっきり士郎の事かと……GJ!
「友達の話なんだけど」と言いながら実は自分のことパターンかと思ったのにw
今回からトリつけたので嫌な方はNG登録を
「春休みか…一年とは早いものだな」
終業式が終わり大方の生徒が帰っても僕達は教室に残っていた。
こんな日に日直だなんてついてない。
ちなみに学年末テストにおいて雪子は宣言通り英語の単位を落とすことなくクラス席次3位を取った。
僕も雪子にみっちり教えてもらったおかげで7位というなかなかの成績に終わった。
「今度また家に来てくれ。母もまた会いたがっているし、父も今度こそ会いたいと言っている」
そう、この間勉強を教えてもらうために雪子の家にお邪魔した時、お母さんと初めて会ったのだ。
姉妹でも通じそうなほど若い人で、親子だけあって顔や仕草もよく似ていた。
幸いなことに気に入られている。
一方お父さんは出かけていて会うことはなかった。
少しほっとしたのは内緒だ。
「そうだね。また行かせてもらうよ」
「うむ、是非とも」
その後も二人で喋りながら仕事をしていたため、全て終わる頃には校舎に人は残っていなかった。
いざ帰ろうとしたとき彼女が口を開いた。
「悪いがもう少しだけ付き合ってくれないか?」
教室に施錠をすると彼女は歩き出す。
はて…どこへ行くのだろうか?
向かった先は保健室。
彼女は徐に取り出した鍵で扉を開くと中に入った。
「その鍵どこで手に入れたんだ?」
「葵ちゃんからに決まっているだろ」
葵ちゃんとはこの学校の保健医である白石先生のことだ。
前に保健委員だった雪子はとりわけ親しい。
「で、ここに何しに来たの?」
質問に答えることなく彼女は扉の内の鍵を閉めた。
まさか…いや、まさかね…
「あの〜雪子?」
「テストの関係で君と久しく体を合わせていないからな」
いや、だからといってこんな場所で。
そもそも学校ではエロいことしないんじゃなかったのかよ。
「今日から春休みだ。それに他に人はいないから感づかれる心配もないだろう」
ただの屁理屈にしか聞こえないが、彼女なりに考えに考えを重ねたのだろう。
雪子はそういう人だから。
「ここなら注射器もあるしな」
「ハイっ!???」
本気か?いや、いくら雪子が望んでもさすがに吸血プレイは無理だぞ…
「ふっ何を慌てている。冗談だ」
ニヤリと口角を上げた表情を見ると冗談には思えない。
この気高きホワイトライオンはいつも僕を困らせる。
「愁也……」
名前で呼ぶのはエロエロスイッチが入った証。彼女は今まさに僕を捕食しようとしていた。
僕をじっと見つめながらブラウスのボタンを一つずつ外していく。
動作が淡々としていてストリップにしては少しばかり色気がないけど僕にとってみれば十分過ぎる。
上衣を脱ぎ捨てると丁寧にたたんで置いた。
「下着を脱ぐのとスカートを脱ぐの、どっちが先がいい?」
「このままの格好というのは?」
「悪いがそれは却下だ。制服に皺をつけるわけにはいかない」
それは残念だ…仕方ない少しでも抵抗するために下着から脱いでもらおう。
「少々マニアックだな」
そう言いつつも背中に手を回しブラを外し、スカートの中に手を入れる。
しなやかな足からショーツが引き抜かれた。
うん、思った通りエロい…エロすぎる。
「ここから先は君が脱いでからだ」
さすがは雪子といったところか。全てを僕の思い通りにはさせてくれない。
服を急いで脱ぎ捨てると戦闘体制に入っている愚息が外気に晒される。
満足そうに鼻を鳴らすと雪子はスカートに手をかけ下に降ろした。
何度見ても雪子の体は美しい。染み一つない白く均整の取れた体つきは彫刻のようだ。
一方で、着痩せするため普段は目立たない豊胸が、息をするたびに上下する様子は生を感じさせる。
既に赤みを増した桜色の乳首、無毛と見間違うほどうっすらと隠毛が生える股間。
どこを見ても興奮を煽ってきた。
見とれている僕をベッドに押し倒すと顔を近づけてくる。
舌なめずりする仕草は獲物を前にしたケモノそのもの。
真紅の舌で僕の唇を一舐めすると、一気に唇を重ね合わせてきた。
激しいキス。
雪子の舌が僕の口内を舐め尽くそうと暴れまわる。
侵入された僕は翻弄されるだけだ。ただ彼女の体を抱きしめることしか出来なかった。
けどこれではいけない。ただやられるだけというのは性に合わない。
動きが弱まった一瞬の隙を突いて僕も舌を動かし出した。
お返しと言わんばかりに舌を絡ませ思い切り吸う。今度は僕が犯す番だ。
どことなく甘く感じる彼女の口内を味わうようにじっくり舐めとる。
歯の一本一本を磨くかの如く満遍なくだ。
先の勢いはどこへやら、雪子は力なく僕に覆い被さっていた。
「ぷはぁ…はぁはぁ」
彼女は僕の両頬に手を当て無理矢理引き剥がす。上気した顔がエロい。
「やはり愁也には敵わないな…あのままではイかされるところだった」
いや、僕のテクニックだけの問題じゃなく感じやすいのだ。実際に雪子はキスだけでイったことも数多くあった。
「一度でいいから愁也を攻め通したいんだがな」
それはなかなか難しいかもしれない。
エロエロスイッチが入った雪子は敏感過ぎる。体に少し触れただけでビクリとするくらいだ。
もう一度軽く唇を合わせると雪子は股間に移動した。
「やはり…前に比べて大きくなっているな」
そそり立つ愚息を軽く手で握りふぅっと息を吹きかける。
たったそれだけで腰から溶けてしまいそうなほどの快楽が襲った。
これじゃあ僕も人のことは言えない。
そんな反応を気に入ったのか彼女は再び息を吹きかける。
根元から先端へ強弱をつけて刺激する。冷たい息、温かい息、全てが気持ちよかった。
息コキ、とでもいえばいいのだろうか?手や口のようにすぐ射精感が来るわけではなくじわじわと快楽が襲う。
不意に亀頭にぬめりとした感触がした。顔を起こして見ると淫らな赤い舌が巻き付いていた。
どうだと言いいたげに挑発的な眼をして僕を見る。
愚息に一通り舌を這わすと再び息を吹く。濡れた愚息にひんやりとしたまた新しい感覚。
彼女の吐息がまたエロくて聴覚にも訴えてきた。
やばい、そろそろ出そうだ…
そんな様子を察したのか上目遣いで僕を一瞥すると愚息を美味しそうに頬張った。
キスでも味わったあの舌使いが今度は亀頭、竿に駆使される。
口に含んでいるだけに見えるが中ではいやらしい舌が激しく動き回っているのだ。
裏筋に舌を添えたまま亀頭を頬の内側にすりつけ、唇で優しく圧迫する。
どうやって動かしているのか想像もつかないほど複雑な動き方。
息コキの時から限界だった僕は呆気なく射精してしまった。
久しぶりということもあり大量の精液が彼女の口に注ぎ込まれる。
けど彼女はそれに戸惑うこともなく愚息をストローのように吸い、残りの精液を吸い出した。
気付いたときにはゴクリという音と共に飲み込んでいた。
「とてつもない量だったな」
僅かに口の端についた残り汁を舌で舐め取りながら、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた。
そりゃあそうだ。テスト前ということで禁欲生活を強いられてきたんだ。溜まるに決まっている。
「私を思ってする分には構わないぞ。男は大変なのだろう?対象が他の女だと考えものだがな」
いやいや、雪子を考えながら一人で処理するのもなんか複雑なんだけど。
それにしても息コキなんてどこで知ったんだ?
「私は愁也のペニスを口に含むだけで感じてしまうからな。考え抜いた結果だ」
なるほど…息を吹くだけなら大丈夫ってことか。だから最後だけ口に入れるようなやり方だったんだな。
こんな方法を自分で考え出したっていうのは自慢出来るようなことじゃないかもしれないけど。
「すまない…愁也、我慢の限界だ」
努力の甲斐なく彼女は今まで通り感じ過ぎていたらしい。
短く言うと馬乗りになって愚息を掴み秘唇に照準を合わせた。
もう片方の手で秘唇を開くと溜まっていた愛液がどろりと溢れ出し僕の下腹部を濡らした。
ゆっくりと先端がぬかるみに突き刺さっていく。竿を伝った愛液の助けもあってすんなりと中に納まった。
「はぅ…はぁはぁ…あっん」
雪子はそのままストンと座り込んでしまった。どうやら入れただけでイってしまったらしい。
中の温かい肉襞が痙攣し僕を締め付けてくる。
しばらくして絶頂の余韻も去ったはずなのにじっとしたまま雪子は動かない。
「雪子、どうした?」
「……動き方が分からない」
雪子らしいその答えに思わず笑ってしまった。
「笑わないでくれ。思い返せば騎乗位は初めてではないか。いや…見苦しいな、すまない今回は私の不足だ」
そんな雪子があまりにも愛しくて、僕は手を優しく握り指を絡めた。
「ほら、支えててるから好きなように動きな」
しばらく考え込んでいた彼女だがやがて動き出した。
まずは上下に、次は前後に揺らすように。激しくはないけど十分気持ちいい。
ほぼ無毛の秘所に愚息が出入りする様子や揺れる胸が目に優しかった。
「はぁん…あぁ…んッ」
自分にとって気持ちいい場所が見つかったらしい。その箇所に当たるよう動き出した。
上下に動くと溢れた愛液が糸を引き、前後に動くと下腹部に塗り広げられる。
少し動くだけでねちょねちょといやらしい音が部屋に……そういえばここ保健室だったな。
学校でこんなことをしていると考えると余計に興奮してきた。
「あんっ…中で愁也の、が、また…大きく、あぁぁ、ダメだ…愁也は動く、なっん」
下から腰を突き上げると体を弓状にしならせ彼女が喘ぐ。
うん、これでこそ雪子だ。攻められるのも悪くないけど乱れる彼女を見る方が僕の好みだ。
普段クールな雪子がこんな姿を見せるのはセックスの時だけ。
僕だけが知る彼女のとても淫らで美しい一面。
「はぁ、やぁッん…あぅ」
感じ過ぎて体を起こせないほどになった彼女が僕の胸に倒れこんでくる。
僕は手を離し思い切り抱きしめると唇を合わせた。
もう彼女に余裕はなくなっているらしい。
舌の動きは緩慢で僕にされるがままになっていた。
「はふっ…しゅ、うやッ…あん、しゅうやぁ…ぅんん」
もはや自分では動くことも出来ず、結局いつもと同じように僕が攻める構図になる。
覆い被さられているから少し動きにくいけど、些細な振動でも雪子には十分みたいだ。
動く度に膣全体がきゅうきゅう愚息を包み込んでくる。
肉襞の一枚一枚が満遍なく愚息にまとわりつき本人の意志とは関係なく淫らに動いた。
「だめ、だっ…しゅ、うや…私、もう…ひぁっ」
呂律が回らなくなってきたということは限界がすぐそこまで来ているということ。
一度出しているから余裕のあった僕にもそれは訪れる。
「ひゃああ、んっ…あぁ、ひゃんッ…だめぇ、ん、しゅうや、あああーー!!」
ひたすら僕にしがみつき体が暴れないように雪子が達した。
同時に僕は雪子の中思い切り吐精する。二回目というのも関係なく凄い量だ。
ぐったりしている彼女を離し横に寝かせると胸に頭を寄せてきた。
「しゅうや…愛して、る……」
久しぶりのセックスで体力を使ったのか、彼女はそのまま眠りに落ちてしまった。
赤くなった顔を見られなくてよかった。
隣で幸せそうに眠る姿を見ていると僕も嬉しくなる。
雪子が目を覚ましたのはそれから一時間ほど経ってからだった。
「…ん、すまない。寝入ってしまっていたか、君は?」
雪子の寝顔に見とれて寝るのも忘れていたなんて恥ずかしくて言えない…
後片付けはそこそこ大変だった。
なんせ雪子の愛液がシーツ一杯に広がっているのだ。そのせいでお互いびしょびしょだ。
とりあえず体を拭き制服を着てからシーツを取り替える。
「このシーツはどうするんだ?」
「私が責任をもって洗って返すさ」
でも勝手に持って帰って大丈夫なのか?いや、このまま置いていくのもあれだけど…
「心配するな。葵ちゃんには言ってある」
………ナンデスト!?
「安心してくれ。さすがにセックスするとは言ってない。放課後少しの間だけ貸して欲しいとは言ったが」
それってほとんど同じ意味じゃないか…今度白石先生に会ったらどんな顔すればいいんだよ。
しばらく保健室には近づかないようにしよう。うん、それがいい。
「それにしても随分と溜まっていたんだな。あの量を中に出したとなると妊娠するかもしれないぞ」
え…!!?
まさか今日って…危ない日?
いや、完全に僕の責任だけど、あの、本当に?
「ふっ、冗談だ。君に迷惑をかけるつもりはない、今日は安全日だ。いくらなんでも子供は結婚してからでないと」
くそっ、冗談にもほどがある。なんて悪い冗談だ。ニヤリとしながら言う彼女が少し憎たらしい。
「さて、保健室でのセックスの感想は?」
「そりゃあ、興奮させてもらったよ」
「私もだ、普段とは違う場所というのはいい刺激になる。そういえば…白衣を忘れていたな」
言われてみればそうだ。まぁそれは次の機会に取っておこう。
裸白衣、きっと雪子がするとエロいだろうな。
……やばい想像したらまた勃ってきた。
「君、この後は暇か?」
ヒマと言えばヒマだ。予定なんて何もない。
「今日はちょうど両親が出かけていてな。よかったら家に来ないか、愁也?」
エロいことする日はとことんするのが雪子だ。
さらには久しぶりのセックスなのに今の一回で満足するわけない。もちろん僕も。
「次こそ愁也を先にイかせたいものだ」
多分それは無理だろうな…雪子は敏感すぎるんだから。
雪子もそれは分かっているだろうから、なんだかんだで今の状況に満足しているはず。
嬉しそうな表情の彼女を見ながら僕は思った。
今日は何回戦までするだろうか?
おわり
キタキタキタ━━━━━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━━━━!!!!
一番乗りでGJさせてもらおう!
キタ━━('A`)━━!!
でも俺の白衣プレイがorz
ただ一言「GJ」
GJGJ
俺は二回このことばを贈ろう
769 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 02:11:50 ID:wvqtBwNC
年下ロリっ子な素直クールが読みたい。
>>769 お兄様は、いつだってそうです。
そうやって不平を言えば誰かが何とかしてくれると安易に考えすぎです。
そのような考えでは、お兄様のためになりません。
お兄様の素敵な所は、この私も重々承知しておりますが、その悪癖だけは
早く改善される事を願います。
ええ、そうは言いながらもこうして結局お兄様の言う通りにしてしまう私が
一番よくないということも、そんな私が言える立場ではない事も承知の上
ではござますが、たまには言わせてくださいませ。
年下ものクーだと、ツンとの差がわかりずらくね
オレ主観だけど
>>771 悪かった。
俺がこのスレ住人の優しさと、才能に甘えていたのがいけない。
少なくとも素クールを愛する心は誰にもひけを取らない、それだけは自信を持って言える。
だからちょっと構想を練ってくる、それまで良い子で待っていてくれ。
と
>>769が言ってくれるのを期待する。
>>771 なんか、呼びかける言葉を変えれば
奔放な旦那と貞淑な女房
とも読めるね
俺の脳内嫁が居ると聞いて(ry
まぁテンプレにハメれば兄妹も夫婦も、さらに教師生徒(逆もあり)、旦那メイド、医師ナース、ナース患者、果ては魔王勇者や御奉行町娘などなど
ありとあらゆるパターンに対応出来るのも素直クールのキャラ付けが明確に為されてるからだな
そんな素直クールに出会えた事を感謝して今日も白米おかわり自由だぜ
テンプレ「ほぅ、私に何をハメようとしてるんだ君は?」
「ちんぽだ!」
「ち……! そ、そうか///」
「兄(あに)、抱け」
「これを外したらな」
ガチャリ
頭上のベッドの枠に繋がった、頑丈な手錠を鳴らす
「駄目だ
それを外したら、兄は92.8%の可能性で逃げる」
横たわる俺に馬乗りになったまま、小鳥遊冷(たかなしれい)は何時もと変わらぬ冷静な口調で宣言した
どういう計算だ
むろん、逃げる予定ではあったが……
「何故、抱こうとしない
才色兼備の美少女が、躰を開いて待っているというのに……」
わざとらしくため息をつく
「何を気にしているのだ?
私たちに血統の繋がりはないのだぞ」
そりゃあ、単なるお隣さんだからな
「こんなに見め麗しい私が、欲しくないのが」
まあ、整った顔立ちなのは認める
「家の両親も、兄のおじ様おば様も、応援してくれてる」
あのスチャラカ夫婦たちだって、こんな事態まで推奨しちゃいない
「幼なじみの同級生の初めて同し
美しいシチュエーションではないか、兄よ」
その言葉に矛盾を感じんか
「それともナニか?
まだ若いのに、EDか?」インポではないが、お前ほど若くはない
「やっと、女の兆しが来たのだ
存分に抱いてくれ」
「だから、10才児を抱けるかぁ〜〜〜!!」
私、鳳鷹(おおとりたか)の苦悩の日常は続く
>>769さんに触発されて、ちっと書いてみた
クールつうか、キモウトか?
>>778 紛れも無く、フォローのしようも無い程に後者です。本当に(ry
キモウトだから素クールと異なる、ってことも無いんじゃね? つか、もっとやれw
愛ゆえの暴走なんて若い頃にはよくある娘とジャマイカ
大人になってそれなりに分別がつくお年頃になっても
子供の頃の暴走ネタでからかわれるクーを幻視した
可愛いよクー可愛いよ
アウトーーーーー!!
GJ!
みなさんおはようございますこんにちわこんばんわ。
いつぞや書いてた忍者っぽいのの続きです。一応エロシーンあり。グロシーンなし。
ではどうぞ。
「……問題はこいつ、か」
二三日前に算盤と首っ引きでおおよその年貢の量を出し終え、明日にも城からお偉いさんが来るという。数日
前から緊張して仕方がないが、それ以上に頭を抱える問題があった。
それが年貢役人の接待の酒宴だ。毎年豪勢な準備をして迎えるのだが、彼にとって今年は去年までとは全く違
うものになってしまった。ほんの一月ほど前にちょっとした『事故』が起こり、今年の宴の主役は権兵衛になっ
てしまったからだ。
ついでに言うならこの宴は彼の『嫁』の御披露目会になりかねない。この数ヶ月『色々』あったお陰で、多く
の村人にはこの奈々と名乗る女、紹介すらされていないのだ。
「……こいつ、とは失礼な言いかたではないか、主様」
「起きていたのか」
権兵衛は忌々しいといった様子で言葉を吐き出した。
「奈々と呼び捨ててくれればよいものを、権兵衛は照れているのか?」
「煩い。お前の名など覚えるつもりなどない」
そんな辛辣な言葉を吐き出しながら彼が手に持った筆を置くと、奈々が身体を起こして権兵衛の背中に寄りか
かった。
「そんなつれないことを言うな、権兵衛。名実とも、私達は夫婦ではないか」
「違う」
「なにが?」
「俺はお前が嫌いだと、何度も何度も何度も言って聞かせたはずだがな?」
「気のせいだろう。それに私はお前のことを好いておる」
好いた相手と離れる理由があるのか、と女が肩越しに手を伸ばして胸板へ指を差し入れると、すぐに男の乳首
を探り当てて、軽く捻るように刺激しながら揉み解す動きを繰り出そうとする。
「やめろ」
「やめんよ。主様が私のことを好いていると言うてくれるまでな」
「好いていると言ったところでやめるつもりなどないだろう」
「好かれているならもっと好かれるように続けるだけだな」
その言葉に無言で腕を振るう。相手をしていたらまた押し倒される羽目になる、と男は立ち上がった。
「もう仕事は終わったのか?」
「とっくに終わってるよ。明日のことを考えたら眠れなかっただけだ」
この言葉の半分は嘘だ。男は柄にもなく緊張していた。初めて城の年貢役と顔を合わせるから、と年寄衆から
毎日のように脅しに近い小言を言われているのだから堪ったものではない。そもそもこんな若造に庄屋の代わり
をやれなんて無茶を押しつけたのは老人達だというのに、と最近権兵衛はよく独り愚痴をこぼしている。
当然そんな不満を飲み込んでの作業がはかどるはずがなく、権兵衛が思っていた以上に明日のもてなしの準備
は出来ていない。女もその辺りのことは承知の上で男に絡んでいるのだが、癒しとは全く逆の効果しか生み出し
ていなかった。
「疲れているなら肩でも揉んでやろうか?」
「煩い、触るな、気分が悪……」
ここまで言いかけて男は溜息を吐き出す。渋い顔をして明日に備えてもう寝ることを宣言すると文机のある部
屋を横切って閨へと引っ込んだ。
ちなみに今彼等が寝泊りしているのは庄屋の屋敷である。この屋敷で行われるもてなしの準備をするのにも都
合がいいだろうとの配慮からだった。
* * * * * *
次の朝、権兵衛がようやく慣れた柔らかな寝具の感触を楽しみながら目を覚ました。今日は身を清め、着慣れ
ない服を着込まなければならない上に、まだ身につかない作法を覚えなおさねばならない。歩きかたから箸の持
ちかたまで矯正されているからまだ覚えきっていないのだ。
とりあえず時間いっぱいまでもてなしの準備を進めておかないと、と権兵衛が立ち上がろうとすると、横に寝
ていた奈々がその裾を掴んだ。
「起きていたのか?」
権兵衛の問いかけにも女は答えない。どうやら寝ているようだと男が結論を出してその手を振り払うと、その
途端に奈々の眉が歪む。
「いか……ないで……」
寝つきの悪い子供のように駄々をこねる。成熟した大人の女性が愚図る様子に、奈々を遠ざけようとしていた
権兵衛でさえも一瞬迷いが生じた。――このまま、起きるまで相手をしてやってもいいのではないか――そんな
考えを持って立ち止まっていると、奈々が目を覚ます。
「んぅ……おはよう、早いな」
先程までの子供のような寝顔は拭い去られている。それをもったいないと感じるところが権兵衛にはあった。
だがそんな余韻は次の一言で粉々に打ち砕かれる。
「……まだ時間はあるよな? まぐわおうか」
「はぁ?」
起き抜けの一言に男は言葉を失った。突然何を言い出すんだ、と慌てて離れようとしたがもう遅かった。足を
払われ盛大に尻餅をついてしまう。
「痛てて……」
「暫くしていなかっただろう? だからたっぷり出して、一度落ち着け」
「こんなときに何を!」
部屋を整えるのも酒や肴を用意するのもまだ全然終わっていないというのに、そんな馬鹿なことをしている暇
なんてない。男はそう噛みついたが女は意に介さなかった。
「田舎者がいくら気張ったところで見下されるのは目に見えている。ならば心身ともに一番いい状態でその場に
臨むほうがいいのではないか?」
権兵衛はじりじりと後退しようとするが奈々はその裾をしっかと掴む。
「そんなことをしても身体も心もよくはならん。離せ!」
「なにもすること自体がいいというわけではないさ。いっぱい出して、眠くなったらゆっくり眠る。最近はあま
りよく眠れていないだろ?」
「大きなお世話だ。確かに寝不足だが、今から眠りなおせばいいだけだろう」
「出来るのか?」
この一月、権兵衛は満足な睡眠を取っていない。それは女が毎晩絡んでくるからという理由だけではなくて、
今日の接待に心を揉んでいたから、というところが大きい。
権兵衛がそんな悩みを持っていることに気がついた女は、なるべく男とのまぐわいを我慢した。しかしその我
慢もいい加減限界に近いし、男は寝起きだというのに疲れた表情が抜けていない。奈々が溜め込んだ欲求を吐き
出すにはちょうどいい口実だった。
「身体を動かせば自然と深く眠れる。さあ」
奈々はそう言って男の身体を蹂躙し始めた。
彼女がこう言い出したらもう止められない。それは権兵衛にも分かっていたが今日だけは事情が違う。権兵衛
の前の合わせに手がかかった瞬間、彼の手が閃いた。その手を受け止めた女は不敵に笑う。
「こういう風に抵抗するのは久しぶりだな。それでさえ愛おしいのだが」
男はその言葉に頭に血が上った。彼の害意程度、彼女にとって『愛おしいもの』だと断じられたのだ。屈辱
だった。彼は拳を握りこんで再度殴ろうとしたが、腕を振り上げる前に女が押さえつけてしまい、意思を示すこ
とさえ叶わない。
「君の味、愉しませてくれ」
彼女は掴んでいた手首を離し胴に腕を回して鳩尾に舌を這わせる。何度も丹念に舐め掃きとっていくと権兵衛
の抵抗が止んだ。さっさと相手をしてやらないと今以上に力技に訴えられてしまう。疲れきっていた男は、もう
どうにでもなれ、といった心境だった。
どう、と両手両足を投げ出して大の字に寝転がった小柄な男に女が寄り添う。分厚い胸板に自らの胸の膨らみ
を擦り付けて、彼に刺激を与えんと躍起になっていた。その豊満な身体を目一杯使って権兵衛を奮い立たせよう
と褌へ手をかける。
「ふふ……」
女が吐息とも笑い声ともつかぬ声を漏らす。彼女が手で触れたそこは、既に熱く、硬く、大きくなっていた。
もう条件反射の域で男の身体は反応していたのである。
「なんだかんだ言って、主様も好きなのだな」
「…………」
その言葉に男は答えなかった。身体の反応が意思の埒外にあることは彼女も知っているし、そのことをいくら
言い訳しても女が遊ぶ理由になる。こういうときは全く材料を与えてやらないのが一番いい。彼はそこまで考え
て、それからゆっくりと悦楽の波に身を委ねた。どうせ逃れられない行為なら、その中に多少でも喜びを見出す
ほうが余程建設的だ、と毎夜彼女に襲われることで学んだのだ。
奈々は男の褌を解いてしまうと姿を現した立派なモノに指を置いた。それの拍動を感じると満足そうに口元を
歪め、それから先端を口に含んで頭を上下させる。
男が口で致すことが嫌いなわけではないことを知ると、奈々は舌を使う頻度を増やした。権兵衛が苦しそうに
表情を変化させるのを観察するのが楽しいのもあったが、彼女の女だけでは権兵衛の男を満足させられないまま
滅茶苦茶にされることが多かったからだ。
それほど彼の巨大な剛直は力強く、彼女を一方的に満足させていたのである。
女が男自身を舐っている、粘り気の強い水音が部屋に響いていた。その音が大きくなると権兵衛は息を詰めて
顔をしかめるが、奈々にはそんな権兵衛の反応を愉しむ余裕が無くなってきていた。
何しろまともに含めば喉の奥を軽々突き破るほどの巨根だ、呼吸の苦しさに口を閉じそうになってしまう。当
然そんなことをしては一物を噛み千切ってしまうので、我慢をしながら舌で竿を弾いたりして刺激だけは与え続
けていた。
「っく、おい、お前……?」
「んぅっ、ぷぁっ……なんだ、主様」
「……そんなに苦しいならしなければいい」
息が続かないせいか女の顔は涙で崩れていた。それを見かねた権兵衛は声をかけたのだが、彼女は男に理解で
きない理由からそれを拒む。
「いいんだ、苦しいのが気持ちいいんだ」
「訳が分からん」
「いいさ、分からなくても」
結局は自己満足だから、と女が呟いて、再び男の股間へ顔を埋めた。ぷりぷりに張り詰めた亀頭を唇で愛撫し
ながら裏筋を伝って蟻の門渡りまで降りていく。彼女が舌を硬くしてそこを押し込むと男の腰が跳ねた。
「どうした主様……ここが好きとは変わっているな」
奈々は手も使って根元を責める。権兵衛が反応したそことふぐりを交互に指で刺激して、唇は再び先端へ添え
る。唇で亀頭をしごきあげながら男の出口に愛おしそうに舌を押し付けると、その瞬間に迸りが彼女の口の中を
汚した。数日溜め込んだ男の子種は奈々の表情を塗り替えるのに十分な量と質だった。
「ご、ごふごふっ……んふっ……んく、んく、んく……」
普通なら顔を背けてしまうような匂いの粘液を、彼女はさも当然のように飲み下していった。ちゅう、と音を
立てて中に残った精液を吸い上げるとにんまりと笑みを見せ、権兵衛へ口の中を見せる。舌がくちゃくちゃと唾
液と精液で粘つく口の中をかき混ぜて、それから音を立てて飲み込んだ。
「濃すぎて飲み込むのに苦労するじゃないか……まったくもう」
これには流石に鈍感な権兵衛でも気がついた。文句を言っている風に見えて誘っている。『口ではとても飲め
ない、だから……』というわけだ。
だから、奈々は早々に自分の中へ権兵衛を誘った。既に一度出していたにも関わらず権兵衛のそれは力を失わ
ないままだったが、女はこれ以上我慢が出来なかった。本当ならもう少し抜いておかないと女の身体が持たない
のだろうが――
「ごんべ、もう……ほしいよぉ」
――そういう打算は毎日するようなときに考えればいい、と奈々は考え直したのだ。
女は男を弄っている最中、同時に自分も弄っていたのだが、それでも権兵衛のものを受け入れるには準備が足
りなかった。彼の腕を取って自分の場所を触らせ、指を動かすように促した。
権兵衛は無言で指の曲げ伸ばしを始めた。ぬめつく周辺で指を湿らせてから膣中へ少し潜らせると女の眉が寄
る。その反応を見ながら権兵衛は女を悦ばせていった。そういう術は全て奈々との交わりで覚えさせられたもの
だ。
「ひあっ! そこ、そこぉ……」
肉芽を摘むと奈々が悲鳴を上げた。権兵衛にはこういう方法以外では聞けない声だ。丁度いい、さっき押さえ
つけられたお返しだ、と彼は指先に更に力を込めて刺激を与える。
「だ、ダメだごんべえ、そこ、なんかいもくりくりしちゃらぁっ! らめなんらぁ!」
奈々は声の大きさに比例して呂律が回らなくなってきた。彼はそれを愉しみながら自分の身体を持ち上げて彼
女を抱き寄せた。胸を殆ど噛み付くようにして責める。
「んうぅっ!?」
胸への愛撫と同時に権兵衛の手指の動きが激しくなる。それまで蕾を中心としていた責めに内側の壁を擦りあ
げる動きを加えた。親指で突起を捏ね回しながら人差し指と中指を女の膣に突っ込んで広げ、壁の弱いところを
叩いたのだ。
女は急な強い刺激に軽く達してしまった。身体をピンと突っ張り歯を食いしばって耐えた後、男の顔を恨みが
ましく見上げる。
「……もう、欲しいの、分かってるだろ?」
「知らん。お前がここを弄ってほしいと誘ってきたんだろう」
「そんなに強がっても、ここは、正直……」
女が勃ったままの男の分身を手に取ると軽くしごいてみせると、手の中で更に大きくなった。
「挿れてくれるな?」
そういうと女は仰向けに寝転がり股を開いた。そこはぬらぬらと光り、権兵衛のものが収まる形に出来上がっ
ている。
「ふ、ふぐぅあああぁぁ!」
権兵衛は彼女にのしかかり、無言で腰を押し付けた。これは自分の性欲を発散する道具なのだ、気にすること
はない、と自分に言い聞かせながら抽送を開始する。そんな冷たい動きにも女は驚くほどの反応を見せた。
「ぬし、さまぁっ! カリがぐにぐにぃって、こつこつって、奥、おくにっ!」
最初のうちこそ奈々がまぐわいの際にあげる叫びが理解できなかった権兵衛だが、まぐわいを重ねる度にそれ
が何を意味するのかが理解できるようになっていた。
それと同時に自身の感覚が――快感と言い換えてもいいかもしれない――鋭敏になっていることもまた感じて
いた。以前の権兵衛なら女の行き止まりに分身の先端が押し付けられていることなんて感じている暇もなく搾り
取られていただろうが、今は刺激を把握し、なおかつその強い性感に耐えることが出来るようになっている。
これは男にとっては言い知れない恐怖を覚える事実だった。いつか自分も殺されるかもしれない、そんな相手
とのまぐわいを快感だと感じてしまうだなんて到底信じられるものではないし、彼にとっては信じたくないもの
だった。
「……女っ!」
「ぅんっ? な、なに!?」
特大の剛直に貫かれて殆ど気を遣りかけていた奈々は彼の呼びかけで我に返る。男の動きが止まっているわけ
ではないから、その度に飛びそうになる意識を無理矢理に捕まえての生返事しか返せなかったが。
「おれ、はっ! おま、えが! だいっきらい、だっ!」
男は女の身体をがむしゃらに揺さぶる。もうほとんど暴力を振るっているようにしか見えない。
「なのにっ! なんで、俺に! おれにっ!」
執着するんだ、と言おうとしたとき我慢出来ずに女が達した。権兵衛の胴にしがみついてぶるぶる震えて、権
兵衛の名を何度も何度も呼ぶ。その様子がダメだった。権兵衛も何かたまらなくなって腰の奥のぞわぞわとした
感覚が爆発する。
二度目とは思えない量が出たのは数日溜め込んでいたからなのだろう、権兵衛はそう結論づけた辺りで強烈な
睡魔に身を任せてしまった。
「……ごんべぇ、今日も、すごかった、ぞ?」
共に果てた後、すっかり脱力して倒れこんだ男に奈々は思わず笑ってしまった。さっきまでの仏頂面からは想
像出来ないような穏やかな寝顔だった。
「子供みたいだ」
誰に聞かれるでもない言葉を女が漏らす。
「にしても、『大嫌い』か。情事の最中に相手に吐く言葉ではないな」
一瞬悲しそうに瞳が揺らいだのは気のせいか、奈々は立ち上がると宴の準備をすることに決めた。
「……その前に身を清めたほうがいいかもしれない」
溢れ出した男の子種が彼女の内腿を伝ってどろりと流れ落ちていく。
* * * * * *
「……い、起きんかこの大うつけが!」
権兵衛の二度目の寝覚めは最悪だった。目を開いたところに殺人鬼とはいえ美人の女が飛び込んでくるか、し
わくちゃの長老が飛び込んでくるか。寝覚めの心地よさがどちらに軍配が上がるかは歴然としている。
「もう昼前じゃというに、まだ寝ておるのか馬鹿者」
「……ぅあい! すみません爺様! ってもう昼!?」
「そうじゃ、お天道様がこんなに高くなっているのに寝惚けおってからに」
怒っているのか呆れているのか、爺様と呼ばれた長老の一人は溜息を吐き出すと権兵衛の寝ている床の横へ腰
を下ろす。
「嫁を見てみぃ、朝も早くから宴の準備をしておるというに、お前は鼾をかいてからに。……まあいい、さっさ
と仕度をせい。挨拶の礼儀くらいは覚えているな?」
彼は女が朝早くから宴の準備をしていたことに驚いた。夜が遅かったのも朝が早かったのも(ついでにその後
要らぬ運動をしたのも)同じだというのに自分だけが泥のように眠ってしまっていたなんて。権兵衛は女の言う
ように疲れが溜まっていたことを認めざるをえなかった。
「挨拶の礼儀……ですか。まあ、それなりには」
寝起きで働かない頭で薄ぼんやりとした答えを返すと途端に長老の雷が落ちる。
「それなりとはなんじゃ! お主は本当に村の年貢を預かっているという自覚があるのか!」
預かっているじゃなくて預からされているのほうが正しいじゃないか、この役目を押し付けたのはお前らだろ
う。彼はそう思ったがいつも通り口には出さなかった。口に出してこの癇癪が収まるならいくらでも言っている
のだろうが、彼にとって不幸なことにはこの老人はそういった類の冗談でさえ介せない器量の持ち主だった。
「まったく、お前は親父に似て責任というものの大きさを知らん」
「親父の話は! ……止めてほしいと以前にも」
若者に好き勝手言えるのが自分の特権だと勘違いしていたからだろう、突如大声を張りあげた権兵衛に爺は腰
砕けになってしまった。
「……大声を出してしまいすみませんでした。着替えますので部屋の外で、少々お待ちいただいてもよろしかっ
たでしょうか」
権兵衛はついこの間習ったばかりの敬語で爺を追い払うと大きく息を吐き出した。
権兵衛が顔を洗うために土間へ出ると、そこでは村の女が数人詰めて煮炊きをしていた。
男は思わず顔をしかめてしまう。主役がこんな時間に起き出したなんて知れたら女共からもお小言を言われる
に違いない。踵を返して逃げようとした。
「おはようございます、主様。大きな声を出していたようですが、大丈夫ですか?」
それを奈々がぶち壊した。女達の視線が遅れてきた主役を突き刺す。それを引きつった笑顔で返して、慌てて
その場を突っ切った。身を清めるために汲み置いている水瓶はこの裏手にあるのだ。遠回りして裏へ回ろうと考
えていたがこうなったら仕方がなかった。
「待って主様……待てよ」
権兵衛が息を詰めて土間を通り抜けた後を女がついてくる。手にはどこから出したのか手ぬぐいを持って、権
兵衛と二人きりになろうとしているのは明らかだった。
「なんだ」
「いや、いい顔になったと思ってな。憑き物が落ちたような顔をしている」
ぐっすりと眠った彼の顔は生気が戻ってきていた。寝不足の陰気臭い顔と比べたら数倍いい顔だ。それを指し
て女は声をかけたのだが、権兵衛は自分がそんなにひどい顔をしていたと自覚が無かったために、途端に機嫌を
悪くした。
「そんなことをわざわざ言いに出てくるな。不愉快だ」
「そう言うな。……ほら」
奈々から手渡された手ぬぐいで水気を拭き取った男の顔に、女が唇を寄せた。無精髭の生えた頬へ何度も口づ
けを繰り返す。
「……やめろよ!」
「さっきまで眠っていた君と違って私はあれから寝ずに準備をしていたんだ。少しくらいご褒美をくれてもいい
んじゃないか?」
言いながら彼女は権兵衛の口を吸い付ける。舌でくすぐるように唇を叩いてこじ開けると、閨でしか見せない
妖艶な表情で男と舌で交わる。
その間、男は抵抗が出来なかった。癪なことではあるが、全く女の言い分が正しいように感じたからだ。
しかしこの判断は間違っていたと言える。彼らの口付けはすぐに飯炊き女達に見つかってしまい、二人揃って
村一番の肝っ玉母さんに叱られてしまったのである。
* * * * * *
城からやってきた役人は二人いた。一人は小太りの温和そうな男、もう一人は蜥蜴のように扁平な顔をした男
だった。
「今日はお招きいただいて、どうもありがとうございます――」
小太りが人のよさそうな笑みを浮かべて頭を下げる。落ち着いた様子の小太りとは対照的に、蜥蜴男はいかに
も慣れないといったように周囲をきょろきょろと見回していた。どうも小太りのほうが蜥蜴より偉いようだ。
村の爺と小太りの間に通り一遍の挨拶が交わされ終えると宴は始まる。宴と言っても祭のときのような乱痴気
騒ぎをするのではなかったので、若い権兵衛はこの酒席にむず痒い違和感を覚えていた。
「――そういえば、今度ここの年貢の集計をする者が変わったとか」
おもむろに、小太りの男が権兵衛の話題を振る。その話は酒宴の前の顔合わせでかなり突っ込んだところまで
話をしていたのだが、男はまるでそんなことは無かったかのように言葉を並べた。
「その男は信用の置ける者なのですかな?」
男はは村人たちの困った顔を肴に自らの杯を空にする。酒も入って盛り上がり始めていた場を凍らせながら、
手酌で酒を注ぐ音だけが響いた。
「……権兵衛はそんな大それたことが出来る器ではございません」
「まあ、こちらとしては年貢だけ納めてもらえればそれでよいのですがな」
これは嘘だ。彼にとっては年貢さえきちんと払ってもらうことよりも大事なことがあった。だがこの場にいた
村人の、誰もが知らないことでもあった。愚鈍な村人達を内心でせせら笑いながら徳利を振る。
「切れましたな」
「そうですか。……おおい、酒を持て!」
「あい、ただいま」
そろそろ酒の切れる頃合だと予想でもついていたのか、襖はすぐに開いた。村のきれいどころが数本の徳利を
部屋に運び入れる。
その中には奈々の姿もあった。彼女は素早く小太り男の脇へ近づくと、二三本を膳の上に置き、何事かを耳打
ちしてその場を離れた。なんでもないように見せた行為だったが、権兵衛の胸の奥がざわりと揺れる。思わず険
しい顔をすると、酒席で渋い顔などするのではない、と隣に座っていた長老に窘められる。
「どうかしたのか」
「……ちょっと気になることがあったのですが……恐らくは気のせいです」
気のせいというのは彼の願望でもあった。しかし願望は願望でしかなかったのである。
* * * * * *
「奈々さん、もう家に帰ってもらって大丈夫ですよ。朝から働きっぱなしじゃないですか」
奈々よりもやや歳の下の彼女が奈々を気遣う言葉を発した。それを聞いて女は思わず苦笑してしまう。権兵衛
と同い年だというその少女は、昼前に手伝いに連れて来られてから誰よりもよく働いていた。そんな者に休めと
言われて、素直に休む者などいないだろう。
「どうして笑うんですか」
「いやな、一番動いているお前が休まないと他も休めないだろう。それは私も同じだ」
「私よりも奈々さんのほうが働いています。日の出より早く起きて準備をしてくれていたのでしょう?」
「たまたまその時間に目が覚めたからだよ。私自身が働き者というわけじゃない」
それに働かないとこんな屋敷を使わせてもらっている意味がないからな、と大きく伸びをする。
女は口でこそこんな風に強がってはいたがもうくたくただった。朝から権兵衛の相手をして、宴の準備をし
て、今はもてなしの場の外で控えている。何か目的がなければこのまま眠ってしまいそうだ。
「でも疲れているのは奈々さんのほうですよ。さっきからあくびが……ふあぁ……やだ、私まで」
「お互い疲れているんだ。とりあえずこの徳利を運んだら家に帰ろう。それなら誰も文句は言うまい?」
彼女は同じように控えていた女たちに目を遣ったが誰も反対する者はいなかった。
「……おおい、酒を持て!」
襖の向こう側から声が響いてきた。彼女達はそこでお喋りを中断して次々と部屋の中へ入っていく。奈々は
真っ直ぐに上座へと向かい、小太りの男の膳へ手持ちの徳利を置いた。そうして擦り寄る。
「お酒に少し、混ぜ物をしております。……お楽しみください」
彼女の言葉に小太りの男の目が一瞬見開かれた。しかし男も狸だ。すぐに元の表情に戻ると微笑んで頷いてみ
せた。女の仕事はこれで終わりだ。
『混ぜ物』というのは当然水などではなく、徳利の底に砂金粒を数個沈ませておいたことを指している。所謂
賄賂だ。ちなみに砂金は蔵の裏側に隠されていたものを使っており、それは元々年貢をごまかして私腹を肥やし
た庄屋の爺の財なのだから、間接的にではあるが村人に還元したと言えるだろう。
仕事を終えて部屋を出ると奈々は疲れからかよろけてしまった。これだけはこなさねばならないと気を張って
いた証拠だった。そんな彼女をさっきの少女が慌てて支える。
「やっぱりお疲れではないですか。今日はどちらで寝るのですか?」
「一応、元の家でな。今日のもてなしが済めば帰る約束だったから」
「それならお送りします。私の家も途中にありますから」
送るなんて大袈裟だろう、と奈々は思わず笑ってしまったが足腰に力が入らないのも事実だ。彼女は大人しく
少女の申し出を受けようとした。
そのときだ。襖を挟んだ向こう側、怒号が響いた。
* * * * * *
酒に酔ったのかしきりに目をしばたかせていた蜥蜴男がふらりと立ち上がった。そのまま無言でその場を後に
しようとする。
「どうかされましたかな」
「どうもしておらぬ。ただ……」
「ただ?」
蜥蜴男の顔つきが一変した。酒に酔ったような茫洋とした表情が今にも人を殺しかねない凶悪なものへと切り
替わったのである。
これにはその場にいた者全員が息を呑んだ。何か無用心な発言をしたら、その場で斬り伏せられても文句は言
えない。何かへの憎悪と憤怒が入り混じった醜悪な顔だった。
「厠を! ……お借りしたい。場所は、何処か」
一言一言区切るように蜥蜴男は吐き出した。宴の場は水を打ったようにしんと静まり返っていたが、唯一権兵
衛だけは違った。この程度の殺気、女に感じている恐怖心と比べれば大したことはない。
「あ、あの!」
その場の視線の全てが権兵衛に降り注ぐ。
「おれ……じゃなくて私がご案内致させてもらいます」
立ち上がった権兵衛と蜥蜴面の男は襖の向こうに姿を消す。村人達は彼の頓狂な言葉遣いに、そして彼を人身
御供に捧げることが出来たという安堵に、深い深い溜息をついた。
襖を開いた向こう側に控えていた女たちが息を呑んだ。男共が襖の向こうで何か揉めていたのは知っている。
そしてその原因が、権兵衛の後ろについてきたこの大柄な男にあることを一瞬で理解した。身に纏った空気が常
人のそれではなかった。
その男が給仕をするために控えていた女たちを見渡すと全員が俯いたり横を向いてしまった。視線を合わせた
らそのまま喰われてしまうと錯覚するほどの殺気を視線から放っていた。
その中で唯一怯まない女が一人。
「お客人、怖い顔をしていらっしゃるがどうかなされたか」
扁平な顔をした男の殺気から逃げるでもなく、かわすでもなく、真正面から受け止めていなしてしまった。こ
れには権兵衛を含む村の連中は皆肝を冷やした。男は刀を持っていないといえど侍だ。戦うための身体を持って
いる兵(つわもの)だ。暴れられれば怪我だけでは済まない。
村人達が恐れおののいているのとは対照的に蜥蜴男の頭は醒めてしまっていた。普通の感性を持ち合わせてい
るのならこういう風に激昂した自分に対してこのように返す者はいないだろう。親兄弟でさえ自分が睨めば黙っ
てしまう。それは彼らが情けないのではなくて自分の膂力が一目置かれている証拠なのだ。
男はそれほど自分の力に自信があった。しかし自惚れてはいない。いくら膂力が人より優れているとはいって
も通じぬ相手もいる。それが自分以上の力を持つ人物だ。事実この寂れた村に一緒に来た小太りの上司には頭が
上がらぬ。組織に組み込まれている以上、上のものには逆らえないのだ。
だからこそ彼は上を目指した。その恵まれた体躯を躍動させ、幾つもの戦場を駆け抜けた。そうしてようやく
人の上に立てるようになったのだが――
「お客人? 顔色が悪いようだが、酔いなされたか?」
――それもこれも、この女が悪い。幾分落ち着いた男はそう結論付けてから口を開く。
「……男、厠はどこか」
「は、はい! こちらになりますっ!」
蜥蜴面がボソッと呟くように吐いた言葉に権兵衛が飛びつく。こんな恐ろしい男と一緒の時間を早く終えたい
一心で先へ立った。
* * * * * *
「おかえり、随分酔っているな」
「……酔ってなど、おらん」
「それならいいのだがな」
彼らが一月前まで住んでいた元の小屋は少し埃臭かった。それを掃除してとりあえず眠れるように整えたのは
一足先に帰っていた奈々だ。
「宴でたらふく食ってきただろう。もう寝るだけか?」
「水が欲しい。……出てくる」
「待て待て、そういうと思って裏の甕に少し汲んできてある」
にやりと女が笑む。権兵衛が酔っているのを口実に逃げようとするのを許さない用意のよさだった。
「なら寝る」
「着替えなくていいのか? 衣装に皺が残るぞ」
「どうせ借り物だ。洗濯しないといけないのは変わらん」
権兵衛は女の用意していた布団へ身を投げ出すとそのまま目を瞑ってしまった。明らかに女を避けての振る舞
いだ。
「そう邪険にするなよ、権兵衛」
「朝のようにいきなり襲われたら困る」
だからお前のことなど知ったことではない、と言って、男は女に背を向けるように横向きに寝転がった。それ
を後ろから抱きつくように奈々がしがみつく。
「襲わんよ。今日はもうヘトヘトなんだ」
「……お前がそう言って本当に襲わなかったときがあったか」
「うーん、無かったか? それなら今晩が初めてだ。朝から立ちっぱなしで働いていたら流石に参る」
権兵衛がそれに応えずに無視をしているとすぐに女の寝息が聞こえてくる。どうやら嘘ではないようだ、と彼
は服を脱ごうとした。
「……離せ。脱げと言うたのはお前じゃないか」
男の臍の前で手を組むように女は眠っていた。猿の子供が振り落とされまいと必死で親の背につかまっている
ようだった。権兵衛は一つ溜息を吐き出すと身体を固くする。気持ちよさそうに眠っているところを揺り起こす
のは気の毒だと思ったのだろう。
奈々が深い眠りに落ちているのとは対照的に、昼に起き出した権兵衛はなかなか寝つけなかった。しかも眠く
ならないだけではなくて、女の肌が触れる微妙な刺激が男の興奮を誘っている。
頬が肩に押し付けられる。二の腕が腹をこする。乳房が二の腕を挟み込む。これらの接触は二人の情事の際に
行われるものだ。自然、男の脳裏には嫌でもそのときの快感が浮かんできてしまって落ち着かない。穏やかな寝
息さえ激しい吐息と間違えてしまいそうだ。
「……苦しい」
権兵衛は一言漏らしたが、これは抱きつかれて苦しいのではなくて自らの褌の中を指していた。いつもなら興
奮の原因にとっくに解放されているはずのそれはぐいぐいと勃ちあがろうとしている。
男がとりあえず褌を緩めないと、と手を伸ばしても女の腕が邪魔をして思うようにいかない。しかも身を捩る
と竿がこすれてしまい、少しでも気を抜くと精を放ってしまいそうだ。
権兵衛はもうどうしようもなくなって、女を振り払うことにした。自分の腹にかかった腕を持ち上げると、途
端に不機嫌そうな寝言が吐き出される。
「んー、やぁ……」
他愛のない寝言だというのに切羽詰まってきていて余裕がないせいか、権兵衛は嫌じゃないだろう、などとぶ
つぶつ言いながらゆっくり引き剥がしていった。男が四苦八苦していると女の瞼が開く。
「……ごんべ」
「あっ……」
起きたばかりで焦点が合っていないのかそれとも寝惚けているのか、権兵衛に抱きついたまま身じろぎさえし
ない。
「これは夢かえ? ごんべがこんなに近いはずにゃい……」
完全に寝惚けていた。
「夢なら……ごんべ、して……?」
性欲で頭の中が真っ白になっていた権兵衛はまたまぐわおうと言われたのだと思ったのだが、奈々は彼の唇を
軽く吸うとまた眠りについてしまった。
予想と期待を大きく裏切られた権兵衛は何か釈然としないものを抱えながら、更に二刻ほどの時間を悶々と過
ごすことになる。
と以上です。
無防備っていいよね。あと考証無用って言葉も好き。
エンターキーが割れたよ!押し込んだら戻らなくなったよ!
やっぱり安物のキーボードはダメだよ!だよ!
おお、これはお久しぶり。
よくやった。だが現在496KB誰か取り急ぎ次スレを
書くの大変そうだけど、このシリーズ大好きです。GJ!
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────────(~〜ヽ::::::::::::|/ = 完 =
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人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
从 iヽ_)// ∠ 再 開 !!!!
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ノ ノ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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