1 :
名無しさん@ピンキー:
2 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:23:35 ID:0VhmzpUF
3 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:31:09 ID:0VhmzpUF
4 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:33:16 ID:0VhmzpUF
5 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:35:51 ID:0VhmzpUF
6 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:36:44 ID:0VhmzpUF
【注意】
◇強制女性化でも萌えは各人各様。好みが異なる人ともマターリ共生を。
【スレが荒れたときの対処】
◇荒らしは、自分の書き込みに対するスレの反応を楽しみます。
◇荒らし煽りはスルーが原則。
◇本人の意図に関わらず、荒らしに反応しているレスもその一部です。
◇荒らしに議論を仕掛けることは、スレの荒廃を招くだけです。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。
◇状況が目に余るときは、やんわりとこのテンプレ(>7)を示す。
◇コピペ荒らしやブラクラなどの書き込みは削除依頼を。
◇趣向が合わないと思った書き込みはスルーすること。
自分の好みに他人を従えようとすれば、スレは荒れてしまいます。
以上テンプレ終わり
一部DAT落ちなのかスレ名が分からずとりあえず見つからなかったものには
スレURLの後ろに(DAT落ち?)をつけております
次回スレたてまでに現状を知ってる方は修正お願いします
あとテンプレ中にageまくってしまい申し訳ないorz
>>1乙。
職人様、カイト君シリーズの更新待ってます
>>1乙
色々な職人様の降臨に期待。
カイトの人気は、根強いな。
まぁ俺も好きだけど
12 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 17:15:15 ID:4gwGQliq
∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ・・・
( (-( -( - ( -д( -д)
(つ(つ/つ// 二つ
ハァ─) .| /( ヽノ ノヽっ ─・・・
∪∪とノ(/ ̄ ∪
∧
(( (\_ ∧ ∧ ∧ ∧ Д)っ
⊂`ヽ( -д-) _)д-) ) ノノ
ヽ ⊂\ ⊂ ) _つ
スゥ──(/( /∪∪ヽ)ヽ) ノ ──
∪ ̄(/ ̄\)
(\ ∧ ∧ ・・・・・・。
< `( ゚Д゚)
\ y⊂ )
/ \
∪ ̄ ̄ ̄\)
13 :
1:2007/12/24(月) 23:39:12 ID:vG0FTe8F
「サンタが迎えに来る夜」
12月24日、午後9時。
クリスマスイブ、都会のデートスポット。
19歳の誕生日を明後日に控える雄飛にとって、この時期、この数日間は子供のころなら
毎年パラダイスのような時間が続く日々だった。
クリスマスイブ、家族や友達とパーティのあと、夜にはサンタさんがやってきて
次の日は朝からプレゼントで遊ぶ。
その次の日には誕生日。ケーキもご馳走もプレゼントも、もう一度やってくる。
そして冬休み、そしてお正月。
そんな楽しい日々は次第に薄くなり、高校生ともななったころには、彼女のいない寂しさとも
そして、去年は受験戦争うを戦う中で、苦しみばかりの「特別な一週間」が過ぎていった。
だが、今年は違った。
大学生になって、バイトで作った資金で、愛する彼女とのクリスマスイブは、
明日の朝では終わらない。23日から続く楽しい時間は、誕生日の26日までは、少なくとも続く。
「・・・幸せだなぁ」
ポツリとつぶやいた彼の視線の先には、一足先に19歳を迎えていた彼女、美里が
眩いイルミネーションのクリスマスツリーを見上げている。
この場にいるのはカップルばかり。去年までならその喧騒を淋しく見つめるだけの彼にとって
自分もそのお祭りの中に同化していることが何より幸せなことだった。
「ゆうくーん、はやくぅ。」
美里が僕を呼ぶ。その飛び切りの笑顔に引き寄せられるようにツリーの方向へ歩く。
「こんな気分、ひさしぶりだな。」
14 :
2:2007/12/24(月) 23:40:40 ID:vG0FTe8F
クリスマスの一週間の楽しさを久しぶりに思い出した彼に、どんな罪があったというのだろう。
クリスマス本来の意味を忘れて退廃的な年中行事へと転化させてしまった日本人の
その全員が追うべき責めを、彼一人が背負う必要などあったのだろうか?
いや、彼にとってはこれから起きる大事件の方が幸せへの第一歩なのかもしれない。
「ね、今日すごい楽しかったね。」
「うん。でも、あの・・・」
「わかってるよ。もうホテルにいこうか。」
「うん・・・」
今日のメインイベントはこの後のシティホテルでのお泊りである。
18歳の少年にそのことについて文句を言っても無駄だし、本来のクリスマスの意味を説いて聞かせても
決して分かることはないだろう。
「先にシャワー浴びてくるね。」
ミサとも緊張して、そして興奮しているのだろう。すごく積極的だ。
「後から入ってきてもいいよ。」
「うん・・・分かったよ。」
しどろもどろになってそう答える少年の心は、もうすでにドキドキで、
股間の昂ぶりを何とかおさえることに必死だった。
美里がバスルームに入って、1・2分もたっただろうか。
ピンポーン、と呼び出しベルが鳴った。
「えっ?誰だろう。」
何かとんでもない来客を恐れた彼がドア越しにのぞくと、そこにはサンタクロースが立っていた。
チェーンをつないだままドアを半開きにして応対する。
「はい。なんでしょう?」
「こんにちは。あなたの性を勝手に選択する、センタクロースです。」
15 :
3:2007/12/24(月) 23:49:13 ID:vG0FTe8F
「はあ?」
意味不明な言葉に、雄飛はすぐにドアを閉じた。
「こっちは意味不明なサンタに付き合ってる暇ないっつうの。」
気を取り直したはずの彼の耳に再び届いたのが、ピンポーン!と煩くなるチャイムだった。
「いったいなんなんですか?」
チェーンロック越しに再び話しかけた雄飛に、サンタはゆっくり話し始めた。
「あなたが拒否しても、もう決まっているんですよ。雄飛君。」
「えっ?」
自分の名前をなぜか知っている。これは、ひょっとして、美里の元カレとかか?
いや、そんなはずは・・・でも・・・
「そのチェーンロック、外してもらえます?」
混乱する雄飛に、サンタはとんでもない要求をした。
「そんな、ふざけないでくださいよ。いったいなんなんですかあなたは。」
「だから、センタクロースだって。」
「・・・・・・はぁ?」
絶句する雄飛の言葉を遮るように、サンタはチェーンロックに手をかざした。
「仕方ないですね。こういう手は使いたくなかったけど。」
「うわっ!」
チェーンは一瞬にして粉々に砕け散って、
星のかけらのようにあたり一面に、キラキラ光りながら舞い降りた。
音もなく砕け散った金属が光りながら舞い降りる様子は、客観的にはとても綺麗なものだったが
雄飛にとっては、意味の分からない恐怖の始まりでしかなかった。
16 :
4:2007/12/24(月) 23:54:39 ID:vG0FTe8F
「う、うわぁ!」
オートロックのドアは、雄飛と美里の、恋人の空間を外と断絶する結界。
目の前に立つサンタは、その結果意をやすやすとこじ開けて
恋人の空間へ入り込もうとした。
「や、やめろ!」
チェーンロックのバリアがなくなった以上、力でサンタの侵入を抑え込むしかない。
しかし、この超自然的な力を持つサンタに太刀打ちできる術がない。
力で全く叶わないことに気づいた雄飛は部屋の奥に逃げて大勢を立て直そうとする。
美里を守らなければ・・・
混乱した頭の中でまずそう思うほど男らしい彼の運命は、しかしこの残酷なサンタの
理不尽な力の従属物でしかないことはもう、火を見るより明らかだった。
「あぁっっ!」
部屋の奥に逃げようとする雄飛の足がもつれて、バスルームの前でじゅうたんにダイブした。
入り口のほうを見上げるとサンタがにんまりと笑って立ち尽くしている。
サンタは、赤いサンタクロースの衣装に身を包み、不自然に大きな袋を持っていて
ガタイはかなりいい。アゴから伸びた白いものはつけヒゲで、部屋に入ると
まずそのヒゲと、同じ色の眉毛を二つ床へと脱ぎ捨てた。
ぎぃーっ・・・
ドアが軽くきしむ音を立てて、しまる。
これで、外から隔離された世界が再び出来上がった。
17 :
5:2007/12/25(火) 00:05:56 ID:pdihS18T
「どうしたの?ゆうくん!」
美里が物音に気づいてバスルームのドアを開けた。
カラダは半分濡れ手、バスタオルを胸に巻いていた。
「だめだ、出てくるな!」
無様に怯えながら横たわったまま後ずさりする雄飛の姿が彼女の目に入った。
「なに、どうしたの?」
驚く彼女、そして・・・雄飛のカラダは恐怖に震えだした。
「美里さん、ちょっと黙っていてくださいね。」
サンタがそういうと、その声に彼女はサンタを見つけ、恐怖の悲鳴を上げようとする。
しかし、それよりも一瞬は開くサンタが両手で何かをしばるようなしぐさをすると、
彼女の口の中に、突然ギャグボールが現れた。
「むー!むー!」
もう一度サンタが何かをしばるようなしぐさをすると、
今度は彼女の胸を隠していたバスタオルが、まるで生きているように縦に伸び始めて、
起用に彼女の手まで縛り上げた。
「美里!」
横たわったまま雄飛は声をあげる。
「美里さんには、座ってみてもらいましょう。あなたが生まれ変わる瞬間をね。」
「な・・・なにを・・・」
サンタはそういうと、指一本で奥のソファのほうへと指を向け
美里のカラダは宙に浮いて、一直線にソファへとたたきつけられた。
「いったい、何が目的なんだ?」
雄飛は怒りと動揺に任せて、サンタに対して反抗的な態度をとる。
「言ったでしょう。私はあなたの性を勝手に選択するセンタクロースです。
今日はあなたに、雄飛君に新しい人生をプレゼントにやってきたのですよ。
女の子としての、淫乱女の人生をね。」
18 :
6:2007/12/25(火) 00:10:45 ID:pdihS18T
「・・・・・・」
理解不能なサンタの言葉に雄飛は再び絶句する。
「その沈黙は理解していただけたようですね。」
「ち、ちくしょう!」
立ち上がろうとする雄飛の方をめがけて
入り口に立ち尽くすサンタは振り下ろすように手をかざした。
ぴかっ!
再びの眩い光が今度は雄飛のカラダを包む。
雄飛が着ていたセーターが少しずつ・・・さっきのチェーンのように崩れ落ちて、
粉々になって、キラキラと光りながら舞い上がり、そしていつしか舞い降りる。
「う、うわぁ!」
雄飛は崩れ落ちる自らの衣服を脱ぎ捨てようとする。
しかし、脱ぎ捨てようとしても、もはやその衣服は掴むこともできない。
勝手に崩れ落ちるようにも早く、粉々になって
光を放ちながら舞い上がるだけ・・・
タオルでしばられたままの美里が見たのは美しい光景だった。
怯えきった少年の身を包む衣服が崩れ落ち・・・恐怖をあざ笑うかのように
キラキラと舞い上がり、再び少年の体に降り注ぐ。
「美里!」
その美しい光景を見ながら、涙を流す少女をなんとか守ろうと
立ち上がって彼女の方へ駆け出そうとする雄飛。
「おっと、そうはいきませんよ。」
19 :
hiroshi:2007/12/25(火) 00:35:38 ID:pdihS18T
美里の視線の向こうで、サンタは左手を振り下ろした。
すると、自分を守ろうとして立ち上がり、駆け出そうとする少年・・・美里の彼氏の
両脚がもつれて勢いよく倒れた。
セーターは崩れ落ち続ける。粉々になって、舞い上がり、光を放ちながら。
「抵抗しても無駄ですよ。雄飛くん。」
それでも、雄飛は立ち上がろうとする。美里のほうへ向かおうとする。
そして美里が次の瞬間見たものは
セーターが完全に消えて、衣服が次々と、今は中に来ていたシャツが崩れ始めている中で
必死に立ちあがって駆け出少年の奥にいる
サンタが手から雷を放って、その雷が彼の体に巻きつき
そして、彼の体が、美里自身のときと同じように宙に浮いて
立って大の字になったまま宙に留まる、彼氏の姿だった。
「う、うわぁ!」
衣服はゆっくりと崩れ、粉々になり、光を放って舞い上がる。
その光が彼氏を包む。おびえきった表情のままの彼氏を・・・
「さて、始めるとしましょうか。」
サンタはそういうと、入り口のドアのほうに向けて大きく手を振り下ろした。
ガシャーン!
少し大きな音を立てて、真っ黒な分厚い金属の板がドアのこちら側に現れた。
美里は目を疑った。
このサンタの使う超自然的な力の中でも、その力を使った瞬間は、彼女に
絶望を感じさせるのに充分なものだった。
・・・もう、逃げられない・・・
これから何が始まるのか・・・恐怖に身を包まれ、抵抗できない美里の目に
大粒の涙が溢れ出した。体は動かないが、ココロは、恐怖で大きく動いていた。
「美里さんもゆっくりご覧になってくださいね。」
サンタはそういうと笑いながら部屋の中へ向かった。
広いダブルベッドにどかっと腰を下ろすと、サンタの帽子を脱いで
「これから、雄飛君の体を女性のカラダへと変化させます。」
そう一言、宣言した。
20 :
hiroshi:2007/12/25(火) 00:44:24 ID:pdihS18T
「ふ・・・ふざけるな。」
「あれ、まだそんなことをおっしゃるのですか?これはあなたへのプレゼントなんですよ。
センタクロースからのね。ありがたく受け取ってくださいよ。」
「ク・・・クソ!」
「まずその汚い口ぶりを何とかしないといけませんね。」
そのガタイからも、恐ろしい行動からも想像できないほど丁寧な口調は
しかし、低くドスの聞いた声で、敬語ながらも恐怖を増幅する。
きゅっ、とサンタが空に一文字を描くと、
雄飛の首に衝撃が走った。
「あっっ、あぁ・・・っ」
殺されてしまう!そう思って悲鳴を上げようとした
その刹那に彼の口から出たのは・・・かわいらしい少女の声だった。
「な、なにこれ・・・?」
まるで声優のような甘い猫のような声で話すには
目の前の少年は似つかわしくない。美里はその少年が彼氏であるかどうかに関係なく
不思議な感覚に陥った。
「ふふふ。まだほんの手始めですよ。」
サンタはそういうと、今度は両手で彼の足の方向を指差し、
何かを念じるそぶりを見せた。
ぱんっ!と雄飛の靴がはじけた。
そして次の瞬間上半身から徐々に崩れ去っていく衣服が
下半身では下から崩れ始めた。
「まずはハダカになってもらいます。」
デニムのパンツが青い光を放ちながら消えていく。
白い光を放つシャツと混ざり合って、美しい水色の光が
美里の目に映る。
少年の・・・大きな恐怖に怯えた姿とともに。
「ハダカになったら、少しずつ雄飛君の体を改造します。なぁに、
すぐに終わりますよ。そしたら、次はお楽しみですよ。」
21 :
9:2007/12/25(火) 01:14:28 ID:pdihS18T
雄飛は全身に悪寒を感じた。
「お楽しみ」の言葉の意味はすぐに分かった。
この「センタクロース」を名乗る男は、さっき、自分に女性のカラダと
淫乱女の人生をプレゼントするといったばかりだった。
目の前の、ガタイのいいオトコが・・・自分のカラダを女のものにして
そして・・・その毒牙にかけようというのだ
恐怖よりも大きい、悪寒が体中を走る。しかし、宙に浮かんだまま
不思議な稲妻にしばられたままの雄飛は、自らの意思でカラダを
微動だにさせることができない。
サンタは、いちどベッドをたって、部屋にあるポットを使ってコーヒーを入れ始めた。
そのコーヒーが出来上がるまでの間、雄飛と美里はお互いの目をずっと見詰め合っていた。
二人に突然おとずれた異常なこの事件。
であって、付き合ってまだ日の浅い二人にとって、全てを目だけで語り合うことはできない。
でも、お互いに何事かを伝えたい。そんな思いで、二人は視線を交し合った。
「ふふふ、美しいですね。恋人の絆ですか。」
コーヒーが出来上がるまでのわずかな時間。二人にとって、とてつもなく長く
そして、一瞬のようにも思える時間が過ぎる。
その間も、水色の光を放ちながら雄飛の衣服は崩れ落ちつづけた。
「さて、と。」
コーヒーを一口すするとサンタは再び腰をベッドにおろし、
雄飛の方向へと目を向けた。
「もう・・・やめてぇ・・・」
女の子の声で雄飛はそう懇願する。
「ははは、いい声ですね。雄飛君。今、他の部分も
女の子に変えてあげますからね。」
「い、いやだぁ!」
時計は11時半を指していた。
22 :
10:2007/12/25(火) 01:15:06 ID:pdihS18T
そして、宙に浮かんだままの雄飛の衣服は、もう、ほとんど残っていなくて
わずかに短パンのような状態になったデニムだけが彼の身を包んでいた。
「ふふ、ふん!」
それでもゆっくりと崩れ落ちるデニムに痺れを切らしたのか
サンタは指で斜めに線を引いた。すると、一瞬にして、残っていた
デニムと、トランクスが一瞬にして砕け、華々しい光を放って宙を舞った。
「や・・・やめて・・・」
雄飛はとうとう素っ裸になった。
眩い光の中にいるハダカの少年。
美里は目を伏せようとする、しかし、それに気づいたサンタは
美里の首と、目を強制的に少年の方へ向けさせて
その目をそらすことも、そして閉じることも許さなかった。
「ゆう・・・くん・・・」
「みさと・・・」
美里を呼ぶ彼の声はかわいらしい少女そのもので
もはや、彼氏のものとはいえない。しかし、それでも、まだ目の前で宙に浮かぶ
その人が、美里の彼氏であることに・・・大好きな彼氏であることにかわりはなかった。
本当に美里が、彼氏の消えていく姿を、ゆっくりと消えていく姿を見るのはこれからだった。
「まずは、脚からいきますよ。」
サンタは両手を大きく振って何かを念じ始めて、
その瞬間、雄飛は足の指先に衝撃を感じた。
「い・・・いやだぁ!」
彼の願いがむなしく響く。足は細く、しなやかに変化していく。
わずかな変化だった。でも、美里の目に確かにうつっていた。
大きな雄飛の足が小さく縮んで、そして細くなっていく。
23 :
11:2007/12/25(火) 01:50:18 ID:pdihS18T
遠めに見ても肌がきめ細かくなり、くるぶしの辺りまで、あっという間に
白く、細くなっていく。
雄飛はその変化が目に見えない。ただ、軽い違和感が足を上ってくる。
ふくらはぎにその違和感がかかるころ、美里の目にも変化ははっきりとしてきた。
足首はきゅぅっ、とくびれて、ふくらはぎの造形は、筋肉質のものから
柔らかく、細く、白く・・・美しい脚へと少しずつ変化していった。
しなやかな曲線が彼の両足を包んでいく。その一方で
ほんのすこし上を見ると、上半身も・・・そして下半身の中心も
まだ立派な男のものだった。
美里は恐ろしくて目を閉じようとする。
しかし、上半身と下半身を見比べることはできても、どうしても
目を閉じたり、そらすことはできなかった。
二本の太ももが、完全に女のものにかわって、その変化が脚の付け根まで来ると
変化は一度収まった。
「ふ・・・ふぅっ!」
カラダを走っていた衝撃がやんで、雄飛はため息をつく。
「どうですか?美里さん。綺麗な脚でしょう。」
「う、うわぁ!」
サンタはそういうと、宙に浮かんだままの雄飛の体を水平に回転させて
美里に脚の後ろ側も見せた。
「ふふ、とっても綺麗で触りごごちもいい。どうですか、気持ちいいでしょう」
「あ・・・いやっ、あぁ!」
サンタは立ち上がって雄飛に近づき、優しく太ももを撫でた。
その感覚は、すでに雄飛の想像を超えるものだった。
膝小僧を指先で撫でられると、全身に快感が走った。
「あ・・・あは・・・やめろぉ」
雄飛の目から涙が流れた。
24 :
12:2007/12/25(火) 02:17:02 ID:pdihS18T
美里は、彼氏があげている声のトーンが艶を帯びていることに
敏感に気が付いた。
そのことを同じように見ぬいたサンタが、彼の
「次にいきましょう。」
サンタが再びベッドに腰を下ろした。
次は、水平に広げられた両手に、衝撃が走った。
脚と同じように、指の先から、細く、白く、
そし、筋肉が抜けてしなやかな曲線を腕が描いていくようになる。
「それ!」
美里が目の前の現実に目をそらすことすらできない中で
サンタの手は両手で何かを締めるようなしぐさを作る。
「い・・・いやだぁ・・・」
雄飛が感じたのは腰への衝撃だった。
三郷の視線の向こうで、彼の腰は、細く締まっていく。
「う・・・うぅ・・・ん!」
そして、次の瞬間、お尻がぽこっ、と膨らんだ。
「今、君の体の中に子宮が生まれたんだ。雄飛君」
雄飛の体の中に・・・子を宿す、女としての器官が生まれた瞬間だった。
「よぉし・・・そうだ、そうだ。」
「あぁ・・・ん!」
一度、不自然にぽっこりと膨らんだ腰周りをサンタが遠くから造形するような
しぐさをするだけで、雄飛の体は・・・しなやかな曲線を作っていく。
「ええと、次は。」
サンタが両手で何かを引っ張るようにすると、
雄飛の胸が膨らみ始める。
「いや・・・いやぁ・・・」
女の子のかわいらし声で悶え泣く雄飛の姿が少しずつかわいらしくなっていく。
「体の中に女性ホルモンが急速に巡っているんだ。
顔はもう何もしなくても、女の子になっていく。」
25 :
13:2007/12/25(火) 02:30:32 ID:pdihS18T
少し大きめのCカップほどに膨らんだ雄飛の胸は、
美里の目にもうらやましく映るほどの美乳で、
目をそらすことのできない美里は、わずかな嫉妬すら覚える。
「はぁ・・・はぁん!」
サンタは「顔は勝手に変わる」といいながらも、自らの力で
雄飛の顔の造形を整える。
縮んでいく唇が、かわいらしく悶えたとおもうと、
彼のひげは一瞬にして全て抜け落ち、そして髪の毛も細くなる。
首も細く、喉仏も完全になくなる。
「は・・・はぁん・・・」
顔、頭から衝撃が抜けると、再び雄飛が安堵のため息をつく。
もはや、彼の体のほとんどは美少女のものであったが
まだ、一部分だけ残っていた。
「さぁ、仕上げといくか。」
サンタはそういうと、右手で何かを引っこ抜くような動作をした。
「きゃ、きゃあ!」
雄飛の体中に激しい性的な衝動が走った。
そして、唯一のこった彼の「オトコ」の部分が
はるか空をさして、大きく勃起した!
「さぁ、オトコの性器をオンナの性器に作り変えてやる。」
サンタはそう言って、指で上から下へと何かを切り裂くようにした。
「ひゃぁ!」
陰嚢・・・玉袋が縦に裂けるのが雄飛にもわかった。
じわり、じわりと熱いものが股間に広がっていく。
「ふぅ・・・あぁは・・・ぁん」
その熱さの源から、温かい液体が、内ももを伝っていくのが雄飛にもわかった。
26 :
13:2007/12/25(火) 02:31:13 ID:pdihS18T
裂けた陰嚢から、何かが流れ出しているのはよく分かった。
同時に体の内側にも熱いものを感じた。
さっきできた子宮と、今裂けている穴とがつながろうとしているのだ、と
雄飛は感覚的に理解していた。
美里にはその、内側の光景は見えない。
彼女の見ていたのはもっとグロテスクな風景だった。
陰嚢が裂けて、裂けた皮が体の中にめり込んでいく。
いつの間にか水平な大の字を描いていた雄飛の体は
45度かたむいて、その裂け目が体の内側へ向かって沈んでいくのが
はっきりと見えるようになっていた。
「あはぁ、ぁん」
じんわりと体に熱いものが伝わりつづける雄飛は、
そのいい用意のない感覚に耐えられず、よだれも涙も汗も同時に垂れ流す。
気づくと、髪の毛が少しずつ伸びていた。
その長くなった神が汗で首に、頬にまとわり付く。
そして、美少女そのものの、空気との境目がはっきりしないほど
みずみずしい顎のラインから、体液が滴る。
そうこうしているうちに、裂けた陰嚢は、完全にヴァギナを形成していた。
最後に残った肉棒が邪魔しているが、それでもはっきりと分かる。
美里の目に映ったのは、さっきまでのグロテスクな光景からは想像もつかないほどの
薄紅色の、綺麗な割れ目だった。
「雄飛・・・」
美里は息を呑んだ。その美しさに。
そして、美しさと引き換えに失われた美里の「彼氏」の唯一の残滓は
まだ空を高く向いたまま、ひくひくしながら、透明の体液を滴らせていた。
「さぁ、最後にその目障りなものを消しましょう。」
「ひゃ・・・ひゃぁ!ん!」
サンタは手で何か動作をしたりしなかった。ただ、何かを念じている。
いいねいいねー。支援しとこう。
28 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:29:30 ID:pdihS18T
「いやぁ・・・あぁん!」
雄飛はあまりに気持ちよくて、動かない体をぴく、ぴくと痙攣させる。
次の瞬間、ガマンできない雄飛の肉棒から白い液体が飛んだ。
「おやおや、恥ずかしい女の子ですね。」
雄飛が、オトコとして最後の射精に耐える。目の前の視界が真っ白になった。
完全な興奮状態で悶える。
射精した後も、気持ちいい状態がまだ続いていた。
美里の目には、ゆっくりと、勃起した肉棒が縮んでいくのが見て取れた。
「オトコの性感の密集しているその部分をもっと密集させて、クリトリスにするんですよ。」
サンタが美里に説明した。おそらく雄飛の耳にはとどかないだろう。
彼は今、快楽と興奮の坩堝にあった。
じわじわと肉棒は縮まっていく。
「あぁん、あぁん!ぁは・・・ぅんふぅ・・・!」
我を忘れて感じる雄飛を見て、美里も体が熱くなるのを感じた。
とろりとした液体が、下着を着けていない美里の内ももにもつたわってきた。
「ゆう・・・くん・・・」
目の前で、完全に少女への変貌を完成させようとしている彼氏の姿を目に焼き付けた。
「あぁん、あはぁん・・・ああん!」
雄飛はそんなこと考える暇がない。
「さぁ、もうおわりだ。」
「あっ・・・なにかくるぅ!あぁん!いやぁ!」
空中に浮かんだまま、雄飛を拘束する稲妻が解けて、
彼・・・いや、彼女の体は大きくエビぞりになった。
「おわったぞ。」
29 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:30:13 ID:pdihS18T
「あ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
彼女の体中を走っていた衝撃が消えた。
すうっ、とゆっくり彼女の体が地面に降りた。
宙に浮かぶ前とは完全に別の性別になった体が、初めて地面に付いた。
「はぁ、はぁ・・・」
雄飛の体を疲労が包んでいた。上手く立てない。
体に慣れていないというのも有る。そして、生まれたばかりの女の子に、サンタが近づいた。
サンタが時計をみた。12時半を示していた。
「ユウヒ、お前の誕生日は12月26日だったな。でも、今日が、お前の淫乱女としての誕生日だ。12月25日、1日早くなったな。」
「・・・」
ユウヒはなにも答えなかった。
「これからが本当のお楽しみだぞ、ユウヒ。」
その男を見上げると、急にユウヒのココロに悔しさがこみ上げてきた。
「な・・・なにがお楽しみだ・・・」
「ふふ、気が強くていいじゃないか。」
サンタが指を鳴らした。
「わっ!」
ユウヒの胸と、股間に、同じ種類の白いレースの下着が現れた。
「にあうぞ、ユウヒ」
もう一度、もう一度と指を鳴らすたびにユウヒの体に衣服が増えていった。
チェックのスカート、紺色のソックス、白いブラウス、カシミヤのカーディガン、
髪はツインテールにまとまった。
「ほら、立て。」
くやしいが、男のいうことには逆らえなかった。ユウヒはゆっくりと立ち上がった。
まだ、くらくらした。
30 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:30:50 ID:pdihS18T
「ユウヒ・・・そうだな。名前はかえなくてもいいだろう。でも、漢字は
沈む夕日の夕日にした方がいいかな。」
サンタの格好をしたその男は、ユウヒを女にしたばかりか、命名まで
勝手にしてしまった。
「・・・」
好むと好まざるとに関わらず、夕日には拒否することはできなかった。
「美里も、もういいぞ。」
もう一度、サンタが指を鳴らすと、美里の体も自由に動くようになった。
とはいえ、バスタオルで隠しているだけの体をそれほど自由に動かすこともできなかった。
そして、夕日と美里は見つめあった。
二人とも、疑心暗鬼だった。どうして自分がこんな目に・・・
この人と一緒じゃなければ・・・ひょっとして、このひとのせい?
相手を思いやる気持ちとともに、黒いココロも、芽生えていた。
「美里、サービスだ。お前にも淫乱なカラダを与えてやるよ。」
二人の間の疑心暗鬼を見抜いたのか、サンタはそういうと、美里に向けて
何か念じた。
「きゃ・・・きゃぁ!」
美里はその瞬間、全身をのけぞらせて、一瞬にして果てた。
今まで感じたことのないエクスタシーだった。
「な・・・なに、いまの・・・」
体を覆っていたバスタオルもはだけたまま、美里は額に手を当てて
自分の存在を確認するように汗をぬぐった。
「すこしだけ、気持ちよくなれるようにしてやったのですよ。」
思い出したように敬語を再び使い始めたその男の方を美里はじっと見つめた。
「な・・・なによ、やめてよ、なんで、あたしまで。」
「・・・」
夕日と自分は関係ない、とでもいいたげな美里の言動に
女の子に生まれ変わったばかりの夕日は、急に悲しくなった。
31 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:31:34 ID:pdihS18T
「ふふふ、夕日さん、心配することはありません。すぐに彼女も分かってくれますよ。」
「夕日・・・」
二人の間を微妙な空気がまだ、流れていた。
「さぁ、はじめますよ、夕日さん。」
「えっ?」
つぶらな瞳をうるませる夕日にむかって、サンタは「次」の始まりを告げる。
「こっちにいらっしゃい。」
夕日は、恐怖に体をこわばらせた。だが、逃げ道などはじめからない。
きゅっ、とこぶしを握ったときに気が付いた。
もう、男だったときのような力がない。
男だったときでも、サンタの力にはまるで叶わなかったのに、
いま、リボンのついたチェックのスカートを身に纏う
華奢な体の女の子が、抵抗などできるはずがないことに気が付いた。
早くこの悪夢がおわってくれれば・・・
そうおもって、夕日は、サンタのほうへ一歩ずつ、歩き出した。
「夕日・・・」
おとなしく従う夕日に、美里はとまどう。
「ふふふ、すっかりかわいい女の子ですね。」
褒められているのだ、と頭では分かった。が、それだけだった。
視線が15センチ低くなった、身長155センチほどの夕日の頬に
サンタが手をかけた。
「目を閉じてください。」
おとなしく従った。こぶしをきつく握ったまま。
一番悪くても、淫乱女にされるだけだ・・・命まで奪われることはないだろう・・・
そう開き直った。
32 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:32:17 ID:pdihS18T
「ふぅ・・・ん」
目を閉じた次の瞬間に左側に傾けられた夕日の唇に触れたのは
信じられないほどの快感だった。
(なにこれ・・・す・・・すげぇ・・・)
そう思うが早いか、唇の中にサンタの舌が割ってはいる。
(なに・・・だめ・・・もう・・・だめぇ!)
あっという間に、口の中を蹂躙された夕日・・・
サンタは手を腰に回して、夕日の尻を撫で始める。
(す・・・すごいきもちいい・・・)
胸をもまれて、脚から力が抜ける。
夕日は、サンタにしがみつくように抱きついた。
すると、サンタは唇を夕日から離して、カーディガンのボタンに手をかけた。
夕日は、もう、抵抗しようともおもわなかった。
「あ・・・ぁん・・・」
快楽に陶酔していた。
美里は、その行為をじっとみつめていた。
体の中に熱いものを感じながら。
なに・・・あれ、どうして、あんなに、気持ちよさそうなの?
そう思うと、自然と興味が湧いてきた。
下着だけになった夕日の体からは、女の子になってはじめての性行為に向けて
あふれんばかりの女性ホルモンが分泌されて、それがほのかに香って、
美里の鼻にもそれは届いていた。
「あの・・・」
夕日は、ベッドに押し倒されたときに、サンタの姿をまだしている男に聞いた。
「なんでしょう?」
「あの・・・なんてお呼びすればいいんですか?」
33 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:32:56 ID:pdihS18T
「・・・そうですね、とりあえず、ご主人様、とでも読んでもらいましょうか。」
「はい、ご主人様・・・」
美里の目の前で、そうして夕日は男に服従するようになった。
一度ベッドに仰向けになった下着姿の夕日の上半身を抱き上げた男が
パンツの中に上から手を入れた。
「はずかしい・・・ご主人様・・・」
目を潤ませて、正直な感想を口にする夕日。しかし、心の中に不安もあった。
このまま淫乱女になってしまっていいの?そもそも淫乱女ってどういうこと?
しかし、そんな疑問を打ち消すような快楽がその先にはまっていた。
「あっ・・・」
男の指先が、さっき出来上がったばかりの夕日のおマメに触れた。
「あぅ・・・はぁ・・・」
くちゅ、くちゅ、と音を立てはじめる夕日のクリトリス・・・
男はその音の源をたどって、指を割れ目に向かわせた。
「はぁ・・・ん・・・」
夕日は気持ちよくてとろけそうだった。
くにゅぅ、くちゃ、くぽ・・・
割れ目をなぞるだけでも、粘液と肌の間の摩擦は
様々ないやらしい音を立てて、それがまた夕日のココロを刺激する。
「どうですか、夕日さん。」
「あっ・・・ぁ・・・きもち・・・きもちいぃ、です。ご主人さま・・・」
その答えに満足したように男は右手を背中から回して夕日の胸をもむ。
「あぁ・・・ん・・・」
形もよくて、弾力の有るおっぱいが、男の指に反発する。
そのたびに夕日のココロに快感が走る。
こりこりっ、と乳首を軽くいじられたとおもうと、
左手は同じようにこりこり、とクリトリスをもてあそぶ。
34 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:33:35 ID:pdihS18T
「すっかり硬くなってきましたね。ここも、ここも。」
「いやぁ・・・ご主人様・・・はずかしいです・・・」
夕日は、敏感に悟っていた。少なくともこの男に従順でなければ
生きてここを出ることすら叶わないかもしれない。
はじめは、本当にそうやって生きて帰りたいという、生命体としての本能で
従順になっていたのだ。
「あぁん・・・」
だが、その気持ちを快楽が少しずつ塗り替えていくのも事実だった。
「夕日・・・」
ついさっきまで、男だったころ、彼女だった女の子と目が合う。
はずかしい。。。見ないで欲しい。
そう思う。でも、美里も軽い興奮状態にある。
夕日のその姿を、すこしずつ、うらやましい、と思っては心の中でそれを打ち消していた。
「夕日さん。腰を浮かせて御覧なさい。」
男がそう命令する。
「はい・・・」
その意味するところは分かりやすい。
男は夕日が腰を浮かせると、夕日の大事な部分を守っていたパンツを脱がせた。
「これでよく見えるようになりましたね。」
「いやぁ・・・はずかしいです。。。ご主人さまぁ。」
夕日は、快楽に負けて、ココロがとろけそうだった。
指先で割れ目をなぞる男。気持ちよくて・・・夕日には、もう、
その先に進んで欲しいという思いすら生まれていた。
「夕日さん、ここはなんていうかご存知ですか?」
「あ・・・あぁん・・・い、いやぁ。」
恥ずかしくて答えられずに両手で顔を覆う夕日・・・
そんな夕日に、男は新しい力を見せた。
35 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:34:13 ID:pdihS18T
(そこは、ヴァギナ。いや、オマンコ、っていうんですよ。)
頭の中に直接話しかけてきた。テレパシーとでもいうのだろうか。
「お・・・」
「お?」
「そ・・・そこは・・・夕日の、オマン・・・オマンコです。」
「そこをいじられてどんな気持ちがしますか?」
「あ・・・あぁん!」
(きもちいい、すごくきもちいいでしょう?)
「ご主人さま・・・とっても、きもちいい、きもちいいんです。」
そのテレパシーでの呼びかけにも夕日はおとなしく従う。
身を守るためとはいえ、ココロまでこの男の奴隷になってしまいそうな
夕日だった。
美里は、テレパシーの件にまで思いがいたらないから、
夕日のどんどん淫乱になっていく姿を、息を呑んで見つめていた。
「どうして・・・こんなにすごいの・・・夕日・・・」
さっき、ついさっきまで自分の彼氏だった「男」だ。
その男が、確かに目の前で女の子に生まれかわった。
そして、すぐにこんなにいやらしい言葉をうれしそうに口にしている。
美里は戸惑いながらも、体の中がどんどん熱くなってゆく。
「ああん!」
男の舌が夕日のクリトリスに触れた。
「ダメダメ・・・ご主人様ぁ!夕日・・・おかしくなっちゃう!」
だが、男は容赦しない
(おかしくなっていいんですよ。夕日さんは淫乱女なんですから)
「あぁん・・・だめぇ・・・いやぁ!」
ぴくぴく、と全身を痙攣させて、夕日はまた、イった。
「はぁ、はぁ。」
36 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:34:49 ID:pdihS18T
「夕日さん。随分反抗的ですね。」
「ご・・・ごめんなさい、ご主人様。」
呼吸が落ち着くと男は、夕日に向かってそういった。
「いってごらんなさい、次はどうして欲しいですか?」
「えっ・・・?あっ、あの・・・」
正直に言って、夕日はそこまでの頭の整理ができていない。
(すなおになるんですよ、夕日さん。)
「あの・・・また・・・なめてほしいです。」
「それじゃ、そう、お願いしてみてください。」
「あの・・・ゆ、夕日の・・・オマンコ・・・なめて・・・ほしいです・・・」
「夕日さん、オマンコだけでいいんですか?」
「・・・よくないです。」
「なめるだけでいいんですか?」
「・・・いいえ・・・」
(そう、そうですよ。この後、私の大きなおちんちんを
夕日さんにぶち込んであげますからね、楽しみにしていてくださいね。)
「あの・・・」
口をつぐむ夕日に痺れを切らしたか、男は、
夕日の股間に再び顔をうずめた。
「あ・・・あぁん!すごい。。。すごい気持ちいいです。」
(私のもなめてみますか?)
「あ・・・あぁ・・ふぅん・・・ご主人さまぁ・・・」
「どうしました、夕日さん?」
「ご主人様のも・・・ご主人様のも・・・夕日、なめたいです・・・」
その言葉を信じられない思いで聴いていたのが、美里だった。
37 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:35:27 ID:pdihS18T
実はテレパシーで指示されているセリフとは知らない彼女には、理解できない。
いや、テレパシーで支持されているとはいえ、夕日の気持ちは
実は揺るぎのないものだったのかもしれない。
美里は、そのことを感じ取って・・・自分もそんな体験をしてみたい、と
素直な気持ちを認めざるを得なくなってきていた。
「さぁ、夕日さん、どうぞ。」
夕日が震える目の前に、男は大きな、勃起した肉棒を差し出した。
夕日の小さな口では、くわえるのも大変なほどの肉棒は
女の子になった・・・淫乱な女の子に生まれ変わった夕日には
男だったときとまるでちがって、
とっても、とっても、魅力的で、
しゃぶりつかずにはいられないものだった。
「あ・・・あぁん・・・」
口に含むと、男は軽く腰を動かす。
その肉棒が、夕日の口の中の粘膜にあたると、それだけで達してしまいそう・・・
「すご・・・い・・・おおきい・・・」
そう、口走ったのは、夕日ではない。美里だった。
二人の性行為を見せ付けられて淫乱に改造された体をもてあますばかりの
美里は、ついに、ガマンできずに、
バスタオルの下の、女性器に・・・しなやかな指を伸ばした。
「あ・・・あぁん・・・」
ひくくうめくようなあえぎ声は、夕日にとっては懐かしい声でもあった。
男の肉棒をしゃぶりながら、夕日は美里の痴態を見ていた。
そして、男も振り返って、同じ美里の痴態を見つめていた。
「夕日さん。」
「ふぁい・・・ごひゅひんさま・・・」
38 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:35:59 ID:pdihS18T
肉棒を咥えたまま夕日が男に答える。
「どうやら、美里さんも淫乱になる決心が付いたようですね。」
「ふぁい・・・」
夕日は、自分の気持ちよさと、美里も痴態を眺めている興奮で
さらに気合を入れて男の肉棒をしゃぶっていた。
「今日は、あなたと美里さんの、ふたりの淫乱女の誕生日です。
世間とはちょっと違う挨拶で、美里さんも、一緒に気持ちよくしてあげましょう。」
「えっ・・・?」
「不満ですか?」
「そ・・・そんなことないです。ご主人様。」
咥えていた肉棒を離した夕日がそう答える。
本当は、ちょっと不安だった。
このまま、ご主人様とセックス・・・初めてのセックスができると
期待に胸を躍らせていた夕日に、ひょっとしたら美里に邪魔されるのではないかという
不安が生まれていた。
「ふふ、もう、夕日さんはすっかり淫乱女に生まれ変わったようですね。」
かぁ、っと夕日の顔が赤くなった。
夕日は、ご主人様にココロの中も読まれていることを確信した。
そして、ご主人様の下僕として・・・奴隷として、そのことが
実はものすごく安心できて、心地よいものだと、敏感に感じ取っていた。
(大丈夫ですよ。最初にまずは夕日さんに入れてあげます。)
「ご主人・・・さまぁ・・・」
潤んだ瞳で話しかける夕日に、男が答える。
「夕日さん、美里さんを、淫乱女らしい挨拶で迎えてあげてください。」
「はい・・・」
とはいえ、どんな挨拶をすればいいのか、わからなかった。
39 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:36:37 ID:pdihS18T
(夕日さん、メリー・クリトリス、ですよ。)
はずかしい、とっても恥ずかしい挨拶だった。
「ご主人様ぁ・・・」
ほんとうに、そんなあいさつをするの?と聞き返した夕日に
男は優しく笑い返した。
(そしたら、ご褒美に、入れてあげますよ。)
夕日のココロは、それできまった。
「ゆ・・・夕日・・・」
脚を広げて、オナニーする美里に、夕日は近づいた。
「美里・・・あの・・・」
「・・・なぁに・・・夕日・・・」
淫乱女としての自分を止められない美里は、話しかけられても、
オナニーする手を止めようとしない。
「あぁん・・・あぁん・・・」
美里は、楽しんでいた。
さっき、サンタにプレゼントされた、淫乱な・・・
ずっと・・・ずっと、感度のよくなったカラダを・・・
クリトリスを、割れ目を、胸を・・・
弄繰り回すのが、気持ちよくて仕方がなかった。
「美里・・・メリー・クリトリス!」
その淫乱振りを目にした夕日の心から、迷いが消えた。
そして、夕日の思いが、美里にもつたわった。
「メリー・・・メリー・クリトリス!夕日・・・」
「美里・・・なめてあげる。。。」
その場で美里のアソコに顔をうずめる夕日。
40 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:48:57 ID:pdihS18T
夕日はもちろん、美里も昨日までの美里ではない。
そのことは、彼氏だった夕日が一番よくわかった。
「あぁ・・・気持ちいい!夕日ぃ!」
「よくできましたね。夕日さん。」
「ご・・・ご主人さまぁ・・・」
美里のアソコをなめる夕日の腰を、男が持ち上げた。
「あ・・・あぁん!いたぃ・・・あは・・・ぁ」
男の大きい、大きすぎる逸物は、生まれたばかりでしかも小さな
夕日のヴァギナには大きすぎる。
めり、めり、と音を立てながら割ってはいっていく。
生まれたばかりの夕日のヴァギナから血が滴る。
でも、夕日は幸せだった。
「あぁ・・・ん・ん・・・だ・・・だめえ!」
痛み、衝撃・・・快楽!どっちにしても
逆らうことのできない、決してできない強い感覚が
夕日のカラダを支配し続けた。
「全部はいりましたよ。」
男の腰がいったん動きを止める。
「ゆっくり動きますよ、いいですね。」
「は・・・はい・・・あの・・・」
「夕日さん。動きますよ。」
「あの・・・やさしく・・・優しくしてください・・・ごしゅ・・・あぁんん!」
尋常でないほど、男は早く腰を動かす。
処女の夕日には刺激の強すぎる動きで・・・痛みで気を失うかと思ったが
それも一瞬で・・・
痛み、衝撃・・・快楽!どっちにしても
逆らうことのできない、決してできない強い感覚が
夕日のカラダを支配し続けた。
「全部はいりましたよ。」
男の腰がいったん動きを止める。
「ゆっくり動きますよ、いいですね。」
「は・・・はい・・・あの・・・」
「夕日さん。動きますよ。」
「あの・・・やさしく・・・優しくしてください・・・ごしゅ・・・あぁんん!」
尋常でないほど、男は早く腰を動かす。
処女の夕日には刺激の強すぎる動きで・・・痛みで気を失うかと思ったが
それも一瞬で・・・
限界を超えた痛みは、すぐに快楽に変わる。
41 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:49:56 ID:pdihS18T
「あぁん・・・すごい・・・すごい!・・・ご主人様・・・あぁん、あぁん!」
目の前にいる美里のことなど忘れてしまうほどのはげしい快楽を
目の前にいる美里のことをまるで無視したおおきな、かわいいあえぎ声で、
夕日は表現した。
「いく、いく、イくぅ!」
夕日は絶頂に達する。
「あはぁ・・・ぁん・・・ご主人様あ・・・すごい・・・」
「まだですよ。夕日さん。」
「は・・・はい・・・ご主人様。」
夕日は気を取り直す。とろけきっているカラダを回転させて
正常位で、ベッドの上で「ご主人様」を待つ。
「あぁ・・・あぁん・・・」
男だった夕日は、なんとなく、さっきの絶頂を「1回」と数える。
だから、これが二回目のセックス。
「あぁ・・・すごく・・・いいです・・・」
まだ、男が入ってくる瞬間は激痛が走った。
でも、その激痛がすぐに次元違いの快楽に変わることを、
もう知ってしまった。
「ごしゅじんさまぁ・・・いやぁ・・・」
ゆっくり、ゆっくりと出し入れされる男の肉棒に、
じれったさすら感じるようになってしまっていた。
「いきますよ、夕日さん!」
「あぁ・・・あぁん!」
男に翻弄されるしかない・・・悲しい淫乱女のカラダ・・・
夕日は、まだそのカラダが夕日に与えてくれる
その本当の快楽の一部しか・・・いや、ほんのわずかな部分しかしらない。
「あぁ・・・夕日イっちゃう!あぁん、ダメェ!」
42 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:50:37 ID:pdihS18T
そして、再び男は体位を変える。
「夕日さん、今度は上になって、自分で入れてみてください。」
「ご主人様・・・ぁ・・・はい・・・」
恥ずかしかったが、拒否することなく夕日は男にまたがった。
「う・・・ぅん・・・あぁ・・・はぁ・・・」
夕日は、痛みに耐えて、ゆっくりと腰を沈めた。
そう・・・この先にまだ見ぬ快楽が待っていると・・・信じられたから。
「美里さん。この後お相手しますから、オナニーでもなさっていてください。」
「はい・・・あ・・・あぁん!」
美里も、淫乱女としての自分を受け入れて、恥ずかしげもなく
オナニーを続けていた。そのことに男が容認と、そして
オナニーを、夕日とのセックスが終わるまで続けるようにとの、命令を与えた。
「あぁん・・・ああん・・・ごしゅじんさまぁ!」
上になっても夕日は、すぐに快楽を得る。そして、イく。
そして・・・また男は体位を変える。
夕日は何度も絶頂に達したが、「ご主人様」は容赦してはくれない。
だが、床におりて、立ちバックで突かれているときに
ついに、この長い快楽にも終わりのときがやってきた。
「夕日さん、イきますよ。口でうけとめてくださいね!」
「はい・・・あぁん!ごしゅじん・・・あぁ!」
床に倒れこんだ夕日の横を向いた顔に、
白くて温かいものがかかってきた。
「あぁ・・ん・・・きもちよかった・・・おいしい・・・」
すっかり淫乱女に生まれ変わった夕日は、初めてのセックスにすっかり
陶酔しきって、狂うように悶えて、美里の前で存分に痴態をさらした。
43 :
hiroshi:2007/12/25(火) 03:57:56 ID:pdihS18T
「夕日・・・すごい・・・」
美里は、自分もこんなふうになれるの?と思って
期待に胸を高鳴らせた。
「美里さん、次はあなたですよ。」
美里の胸が、きゅん、と、高鳴った。
「はい・・・ご主人様・・・」
夕日は、床に倒れこんだまま、すぐに始まる美里と「ご主人様」の
行為を見つめた。
美里も・・・昨日まで彼氏としていたセックスとは桁違いの快楽に溺れているのが
夕日の目に見えて分かった。
その彼氏だった夕日の目を気にすることなく、感じまくり、悶えまくる美里の姿は
夕日のとって、本来ならとても切ないはずなのに・・・そうは思えなかった。
「あぁん!?いい!あはぁ・・・ぅふぅん・・・いくぅ!」
快楽を素直に口に出さざるを得ないほどの快楽・・・
夕日はそれをさっき味わったから・・・同じ淫乱女に生まれ変わった美里・・・
女の子から淫乱女に生まれ変わった美里は、
それでも、やっぱり夕日の気持ちを共有できる親友であるとおもえた。
そして感じた。
今日、夕日と美里の前に現れた、サンタは、まさしく
淫乱な女の子の体という、最高のプレゼントを届けてくれた・・・
淫乱な女の子として生きるという運命をプレゼントしてくれた。
普通の人間の・・・普通の男と普通の女の子の暮らしは
夕日も、美里も、この日、完全に捨て去ることになる。
淫乱女の生活は、想像以上に・・・大変なものになることを、まだ二人は知らない。
サンタは、いったい何者なのだろう。夕日はそんな、今ではどうでもいいことが
頭の片隅に浮かびながらも、これから先の
快楽にまみれた人生に、まだ、少しも不安を抱いていなかった。
44 :
hiroshi:2007/12/25(火) 04:00:27 ID:pdihS18T
おわり。
即興で落としてみようと思って、11時過ぎから突然はじめたんですけど、
途中レスエディタが飛んだりして、やっぱり即興はよくないと思いましたね。
これは、続けるつもりないです。
後半の方が薄いのもまあわかってますけど、それはご勘弁。
またきます。
投下乙
ただいきなり投下されるとびっくりしてまう
乙!
メリークリトりスでふいたww
彼女も挨拶返してるからなw
もう彼女をふたなりにして彼氏をバコバコ犯す逆転カップルに調教とかでも何でも良い
前スレに投下すれば容量ちょうどよかったのに…
余裕見て立てるのは本当にいいことがないな。
ちょうどいいぐらいの状態なら投下はしなかった。
昨日は本当に即興だったから。
容量調べてないのかよw
立てなくても十分だったと思うが切り替えのタイミングは難しいな。
51 :
hiroshi:2007/12/26(水) 01:53:55 ID:wpBTgc0N
そうじゃなくて、どのくらい書くかはじめたときには分からなかったから。
多分ローカルで書いてから投稿してるんじゃなくて、直接書いてるんだ、って
言いたいのでは。
まあ前スレに小説が書かれる事はもうないだろうが、それは別にいいんじゃない
とも思うんだがな。
53 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:08:09 ID:9qLqaVdq
荒らし対策保守
54 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:14:45 ID:31dR/lQm
保守
久々にアホが湧いたなー。
難民の隔離スレが落ちたが、誰も使ってなかったからまぁいいか。
>>55 他のスレで聞いたんだが
運営が乱心して規制全解除した影響だと
pink鯖で鎖を解いて野放し状態になると
こうなる らしい
規制について考えるスレ見てきた。
なかなかカオスな状態になってるなー。
つか、もう議論終って雑談になっちまってたがw
58 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 10:56:21 ID:X2/lSIxr
ほっしゅ
とりあえずお前らスルーしとけよ…。
60 :
Zh-nS:2007/12/28(金) 13:45:53 ID:dMYyKWeV
前スレのほうにも書きましたが、出来る限り今日明日中に前スレのほうへ
Part-3の残りを投下したいと考えております。
というわけで、その旨よろしくお願いします。
旧スレの荒らしがひどいな。早く立てすぎて新スレ使うからこうなる。
次回は注意しようぜ…。
支援所も荒れてんなー。
集会所スレに誘導できただけでもGJと言いたいが。
投下しよう…と思ったけど予約はいってるんで新年入ってからにしときます
64 :
Zh-nS:2007/12/30(日) 00:06:56 ID:AkwglszA
今しがた、前スレにPart-3の残りを投下させていただきました。
容量が足りなかったらどうしようかと戦々恐々でしたが、
終わってみればまだ後11kbほど残ってしまったようです。
完全に埋めきれず、本当に申し訳ないです。
11kbか
微妙な残り容量になったな
アホが沸いているからもう2KBだな。
こっち荒らさず前スレ荒らしてるって事はこのスレの住人かな。死ねよ。
スルースルー
バカは相手にしないのが一番です
まぁ、今更何だかんだ言っても仕方あるまい。
結局前スレは完全に埋まったみたいだし、
「二度あることは〜」にならないよう、再発を防ぐことを考えるべきだろう。
という訳で、今後「新スレは480kbを超えた辺りで立てる」ってのを
ローカルルールに盛り込むことを提案したいが、どうだろうか?
保管庫から来た。
保管庫のSS作品見てる感じだとどうも鬼畜陵辱ものが多かった気がするんだけども、
ここってそういう作品ばっかりなの?
例えば、主人公と親友(無論二人とも男)がいて、主人公が女性化しちゃって
親友が主人公に恋するみたいな純愛系の話はない?
それともスレ違い?
71 :
京丸@ピンキー:2007/12/31(月) 04:47:36 ID:OgRFqVqw
>>70 そんな感じの作品なら私が書いてます。
木陰の散歩道、なら甘〜いと思う。
まぁ最近の私、鬼畜なのが書けない状態になっているのですがね・・・
>>70 スレ違いではないけど無理矢理女にされて男と恋愛するのは色々こえていかなければならないものがあって
エロにいたるまでの道のりが遠いから難しいんだろうね
>>69 ちょっと待て、何か勘違いしてないだろうか。
自分は新スレが立って以降、前スレには手を付けてはいない。
前々スレの時ですら苦々しく思ってたのに、まして埋めるなんて馬鹿げたことはしない。
自分はあくまで、過ぎた事に拘るよりも、二回連続で同じような事が起こった以上、
再発を防ぐべきだろうと主張しただけだし、それで埋め立てに加担したとまで言われるのは心外だ。
だがもし、それ以外に上の発言で何か気に障ったよう事があるのだったら謝らせていただきたい。
流石に自分と合わないやつを犯人呼ばわりはひどいのでは。。
>>70 『強制』女性化だから
少なくとも何物かの作為的に女性化されるシチュエーションが存在するんで
親友とくっつける目的で女性化させる第三者という妙な存在を置かない限り
単純な純愛で済まないから、純愛はどうしても少なくなるだろう
親友が、主人公の内面を好きで自分のものにしたくて勝手に女性化パターン チョイ黒
第三者が何かの陰謀で主人公を女性化、親友が主人公を助けだして恋愛にパターン 活劇入り
純愛だけに絞ると、何故か第3者が主人公を女性化したが理由があって放棄
捨てられて行き場をなくした主人公が親友の元に転がり込み世話を焼く内にかな
これやると、読者にとっては何故主人公がそんな目にっていう疑問がつきまとい
純愛だけに集中はできないし
すんなり純愛に入るには、強制女性化と言う枠組はちょっと厳しいと思う
超自然的な無作為性のある女性化なら、ある日突然女になってたで済むけど…
それは強制かというと疑問。
失礼します、
もしよければ、投稿をしてもよいでしょうか
今回は主人公は女性化とヴァンパイアかした主人公のお話です
一応、内容はグロデスクな部分もあります、というより、かなり
それが苦手な方はスルーで
と・・・一応、投稿してもよいでしょうか?
是非お願いします。
ありがとうございます。
一応、今回はエッチシーンとかグロでクスなので、嫌いな人は注意を
お願いします
あと、主人公のエッチより、今回は事件によるエッチシーンがメインです
では、題名はPhantasy BLOOD(ファンタシーブラッド)
追記、トリップが前回のしぎとちがいますが、しぎ本人です
では、はじまります
闇は無限
闇は光が生んだ影
闇からは正義も悪も生まれ
闇からはいろんなものが生まれる
光からも生まれる
光と闇
そのどちらにも善悪なんてものは存在しない
1546年 レブス・ストーカーの詩より
おーぷにんぐ
場所 日本のある都市 23時31分
私は深夜になっても眠らない街を一人で歩いていた。だけど、私に話し掛けてくる人はいない。
何故なら、私は闇に紛れて眠らない街を歩いているのだから
場所 どこかの裏路地 23時31分
男は一人の女を犯す。女は喘ぎ、お腹からは血を出し、股からも血が出ている。
しかし、女は何も出来ずに喘ぎ、犯されて、死を待つだけである。男は乱暴に腰を
振って女を犯す。女は自分が死ぬとわかっていながら、絶頂を向かえ、男はその後
に自分の欲望を女の中へとばら撒いた。男は満足して、女からはなれ、その場を後
にする。だが、男が去ろうとして、一人の女性が裏路地に入ろうとしていた。男は
にやりとして、新たに来た女に狙いを定めた。
仲間は
「アメリカで、吸血鬼に思われる殺人事件があって、それの調査を」
と言ってから私に茶色の封筒を渡す。私はその封筒の中身を見る。それは殺され
た被害者の情報と殺人現場の写真、その他もろもろの資料だった。
「で、アメリカに行けと?」
「そう言う事」
仲間は人差し指を立てながら言って、近くに通りかかった店員に話し掛けてカフ
ェオレを注文する。私は店員を気にする事もなく写真を見る。なぜなら、ここの
店員も私と同じ組織の一員なのだ。
「・・・」
しかし、この写真はヴァンパイアの仕業だとしたら狂っていた。
「どう、何かわかる」
仲間は興味があるのか顔を乗り出して聞いてくる。
「そうだな、写真だけで見るなら」
私は写真から見て判る事だけを伝える。
「まずは現場写真だが、血まみれでヴァンパイアだったら、血が目的なら現場は血まみれにならない」
「うんうん」
仲間は目をきらきらとさせて見ている。
「次に被害者の写真だが・・・これは内臓が食われたかのように滅茶苦茶だ。それと、首にある吸血した後だと思われるが、4つなんて・・・私が知る限りはヴァンパイアで見た事ない」
「そうでしょう。でも、この被害者は血が一滴ものこっていないのよ」
仲間は自慢するように言う。しかし、疑問が残った。
「でも、被害者が身元不明って、どう言う事だ」
そう、被害者は綺麗な女だった。しかも、顔は一切傷一つなく、顔だけで見た
ら今でも起き上がりそうだった。
「それも謎の一つね。とにかく、明日に出発だから準備しといてね」
と言ってカフェオレをちびちびと飲む。私には拒否権は無しかと想いながらガト
ーショコラを食べていた。
「そういえば、仕事はどうだ」
私は質問を投げかける。
すると、相手は
「それがね、天使と契約した男の子が女の子になったり、竜に契約した女の子があーでこーで」
「それで・・・」
「解決して、明日から休暇」
と笑顔で言う。
殺意も憎しみも生まれないが
「浮かれすぎだ」
と言ってやった。すると、相手は頬を膨らませた後にいろいろと言ってきた
ごめんなさい、投稿ミスです
>81 の間に
場所 どこかの裏路地 23時45分
私は血の匂いにつられて裏路地に来てしまった。その血は女の甘い血の匂いだ
った。あと、すぐ近くで足音がした。
場所 あるカフェ 11時45分
私はある人と合うために、カフェにいた。カフェと言っても軽い食事もできて、
昼を過ごすにはいい場所だ。私はキャラメルマキアートを頼んで、それを飲みな
がらのんびりと待っていた。
「・・・」
しかしキャラメルマキアートを飲み終わっても来る気配はなかった。私はシガレッ
トケースから葉巻を取り出して・・・
「お客さん、喫煙ですよ」
店員に指摘される。忘れていた、喫煙だった。もし、葉巻を吸うならば、外に出
るしかない。仕方がないので、私はウィンナーコーヒーを注文する。そして、仲間
が来るのは私が5度目の注文(キャラメルマキアートを頼んで42分後)をした時であった。
「なんか、遅くない」
私は文句を言う。しかし、相手は反省の色もなく謝るだけだった。
私はため息をついて
「で、今回は?」
と言う。
がはいります
場所 どこかの裏路地 11時46分
男は獲物を見つける。口元には嫌な笑みを浮かべて、物陰に隠れて・・・その
女を狩るチャンスを待つ。女は無防備で、裏路地に歩いて行く。
場所 何処かの裏路地 11時46分
私は血の匂いがする方向へ歩く。
がっ
「!」
背後から、不意を突かれる。しかし、すでにこうなる事を判っていたので、す
ぐに反撃をする。男が手に持つナイフの突きを回避して、男がナイフを突く力を
私が投げ技へとつなげる。男は私が投げた方向へ飛んで地面に激突する。それで
も、その程度死ぬ男ではない。男はよろよろと立ち上がる。黒いコートに黒いハ
ットを被った男はまるで不死のヴァンパイアみたいだった。男の手にはまだ、ナ
イフが握られて、男はナイフを振りかざしながら私に迫ってくる。私は紙一重で
かわして、左の前蹴りで相手を吹っ飛ばす。男はゴミの山に突撃して、動かなく
なる。どうやら、気絶したようだ。まあ、どうでもいい。それより、血の匂いのす
る場所へ行くほうが先だった。私は男から背を向けようとした。
ばす
その前に、体に衝撃が走る。
「あっ」
私の口から吐かない声が出て
ばすばすばす
「・・・っ・・・ぁ・・・・」
声にならない悲鳴が私の口から漏れる。私は自分の体の様子を見る。私の体には沢
山の矢が刺さっていた。しかし、全て急所をはずされていて、私は後ろに倒れた。
男は立ち上がって、口元では嫌な笑みを浮かべている。
どす
「がっ・・・はっ・・・」
ナイフが私のお腹に刺さる。血が沢山でていて、私の服を血に染める。男はナイ
フを抜かずに私の服を乱暴に剥ぎ取る。私は抵抗しようとも、今度は右手に
ばす
男は片手で持てるボウガンで私の左手を打ち抜く。
「あっ・・・」
声が出ない。呼吸は荒く。
「はぁはぁ」
と酸素を求めて必死に呼吸して、男はどろりとした血を自分の肉棒に塗りたくり、
「うぐぅ、ぐあぁがあ」
それが私の中へ入って来た。女になってから、未だになれない挿入は最悪だった。
男に屈辱される事、前遊もなく、無理やり犯され、愛もない。ただ、肉欲のために犯される。それは私が女になって無理やり犯された悪夢を思い出さ
せるのにも十分だった、
「ほら、いい声で鳴けよ」
男は乱暴に腰を振りながら言う。しかし、気持ちよくなんてない。私は元男で、
男を好きになる事なんてない。しかし、私の意志とは別に濡れている。決して感
じてはいなく、体の防衛反応によるものだ。男は私が気に食わないのか
ばす
右手に矢を打ち、まだ持っているナイフで私の右の太ももにゆっくりと刺してゆく
「あがぁああ・・・ああ・・・・」
ずずぶずと突き刺さるナイフは熱を帯びて痛みも帯びる。私は快楽で鳴く事は鳴
く地獄の苦痛で鳴いた。だが、男はそれが快楽の源になるらしく、私を傷つける
のを楽しんだ。左の太ももにナイフを突き刺し、
「うぐはぁああうあああ」
痛みが私を襲う。本当に最悪だった。この男を殺したいと思う。だが、今の私に
は何もできない。ただ、今は私が女で男に好きにされるだけだった。そして、男が
くぐもった声と同時に私の中に欲望の塊を吐き出した。お腹が嫌な熱を帯びて、
男になれるのなら今すぐ殺したかった。だが、
ざしゅ
男は私の首をかき切った。私の首から沢山の血が噴出して、男は黒いコートでそ
れを全身全霊で受け止めて、男は嫌な笑みを浮かべて私から離れて、股から欲望の
塊がどろりと出て、月が私を照らした。
場所 どこかの裏路地 23時59分
あと10秒で12時になろうとしていた。男は予定外だったが、獲物を狩れて
笑みがとまらなかった。予定は一人だったが、もう一人も犯せるとは思わなかっ
た。だが、その予定外に男は少し心残りがあった。女は命乞いもせず、快楽に酔
いしれる事もなく、痛みにただ、耐えるだけだった。女を犯したはずだが、自分
が犯された気分になって癪に障った。だが、いっぱい傷つけてやった。これでも
いうぐらいに。
「ふぅ」
ため息をついて、身なりも元通りにしたから、去ろうと思った。そして、明日は
ニュースになって殺人鬼がこの街に広まると思うと楽しみでしかたがなかった。
「さて、明日の獲物は何しよう」
男の心はどろどろとした不快な欲望が渦巻いていた。
時刻は12時になった。
「へぇ、これでも飽き足りないのかい」
声がした。それは女の声だった。しかも、先ほど聞いた声のような気がする。
ばこ
「がっ」
男の顔に女の蹴りがめり込む。男は吹っ飛んで地面に激突して、男は見上げる。
「ずいぶん、やってくれたな」
月に照らされて、先ほどの女がたっていた。まるで、月を背に照らされる闇の魔
物のようにたっていた。
「たく、すごく痛かっただぞ」
と言いながら、ポケットからシガレットケースに入った葉巻を取り出して、次に
ポケットから、ナイフを取り出して、吸い口を作る。
「あっあ・・・」
男は女が何故生きているかのほうに驚き、目を見開いている。しかし、女の傷は
すでに治っており、女は男を気にせずに葉巻に火をガスライターで点け、女の顔
が照らされる。
「さて、買ったばかりの洋服をどうしてくれる」
「お、お前、一体?」
男は女の言う事が耳に入らず、疑問を凪ぎかける。女は
「どうだっていい」
と言って、葉巻を深く吸って、吐き出す。普通なら吹かす葉巻を女は灰まで吸う。
明らかに体に悪い。そもそも、葉巻は香りを楽しむものなのだが・・・
「あっわあぁあ・・・」
男はそこまで気にする余地はない。
「とりあえず、お前はやった事に後悔はないか?」
「えっあ、ひぃい」
男は意味も判らず、首を立てに振ってしまった。
女は
「だよな〜、あれだけやるんだから」
と言って、煙を吐き出して
「だが、唯一の誤算は私がヴァンパイアである事だな」
と言う。
「ヴぁ、ヴァンパイアだと」
男は何を言っているのだと思った。ヴァンパイアなんて、架空の存在のはずだ。
「だが、目の前にいる」
女の言う通りだった。女は男に近寄る。
ばすばすばすばすかちかちかち
男はボウガンを女に向かって撃つ。
全ての矢が女に命中して、女はくぐもった声を上げてその場に膝をつく。それで
死ぬはずだが・・・全ての矢を抜き去り
「銀製だったら、私を殺せただろう。だが・・・」
「も、もってな・・・」
銀製の武器なんて持ってなかった。女は男に近寄り
「夢の世界にお行き」
と言って
ばすごすぼあぐそがそがすごすがぐぎばぎがすがいそがすがすがそぐうすさすば
すがそそぐばす
ぼこぼこにしてやった。
「ふぅ、殺したいけど・・・」
女は男の懐から財布を取り出す
「・・・はぁ」
洋服代をこの男からもらいたかっが、財布にはお金になるようなものはなかった。
そのかわりに、女は男に襲われて地面に落ちた自分のバックを拾って携帯電話で
あるところに電話をした。
場所 病室 9時41分
私は白い病室で目を覚ました。だが、起き上がる事はできない。私は起き上が
ろうとしたけど、お腹が痛くて起き上がる事ができなかった。それよりも、ここ
は何処だろう。私は首だけを動かして、周りの状況を確認する。白い天井、白い
壁に白いカーテン・・・白い布団
「・・・天国?」
私はここが天国だと思ってしまった。でも、すぐにその考えは消え去った。お腹
が痛む。この痛みが・・・私が・・・生きていると言う事伝える。でも、ここは
一体どこか。次に浮かび上がるのは
「病院。じゃあ・・・私は」
がちゃ
ドアを開ける音がして、私に近寄る足音がして、その足音の主が私の顔を覗き込
む。
「・・・」
看護婦だった。
「体調はどうですか」
看護婦は笑顔で言う。
私は
「えっと、お腹が痛いです」
と答える。
看護婦さんは笑顔だった。
「でも、すぐに直りますし、跡も残りませんよ」
と言って、カーテンを開ける。
「あ・・・」
私はこの場所が何処だかわからない。だけど、鳥達が空へ羽ばたいていた。
Phantasy BLOOD
場所 どこかの裏路地 12時10分
私は傷ついた女の人の止血を終えたあと、組織が来るのをまった。そして、電話
してから5分で来てくれた。医療班の話だと女の人は現代の医学では危険な状況
だが、簡単に助ける事ができる範囲で助かるみたいだ。で、男のほうは、拘束さ
れて連れて行かれる。
で、私はというと
「はぁ、綾(あや)やってくれたな」
白髪の老人は頭をくしゃくしゃとしながら言う。
「ん、まあ・・・同属が暴れていると思って」
一方、私はそれに対して気にする事様子もなく言う。
老人はため息をついて、
「もう少し、かわいい女の子だからおしとやかにいかないと駄目じゃないか」
と言う。
「悪いが、25歳で年が止まっていてね。好奇心旺盛で、しかも、元男がどうやっておしとやかになれっていうんだ」
「・・・ああ、そうだな。昔からそうだな」
老人は呆れて
「その葉巻は似合わないぞ」
と言う。
「いいだろ、私は葉巻が好きなんだから」
「そうだな、人間好き嫌いはある」
と言って、私にタバコを差し出す
「吸うか?」
と老人はタバコの入った箱を一つ差し出す。
「お前、タバコ吸わないじゃなかったのか?」
この老人がタバコを吸うところなんて見た事がなかった。
「嫌、同僚が外国の任務の帰りでな」
「そうか、あまりタバコは趣味じゃないけど、1本ちょうだい」
私は老人からタバコを1本貰って火をつけて、香りを確かめる。
「・・・香りが悪いから、いらない」
私は点けたばかりのタバコの火を携帯灰皿で消す。
「で、私はもう開放されていいのかい?」
私は老人に尋ねる。
「ああ、釈放だ。けど、その格好で歩かれたら警察行きだ」
確かに私の格好は血に塗れて、洋服は見るも無惨な常態だ。
「わしの自家用車に乗せて送ってやるよ」
「本当か」
「もちろんだ」
私はありがたく老人の行為を受け取って家に帰った。そして、お礼に大好きなウイスキーを上げた。
おーぷにんぐ おわり
とりあえず、オープニングが終わりました
が・・・時間がめちゃくちゃで・・・ごめんなさい
一応、主人公がぼこぼこにするシーンと老人との会話は深夜です
では、1日目いかせていただきます
1日目
この先はほぼ英語で話していると思ってください
なお、物語の展開上、時間が奇妙になっております
場所 航空 10時56分 空港
俺の名はフロー・ローガン。フローっていうのは女の名前だけど。親は何を間違
えたの、俺の事を女だと思ってフローって名前を付けた。それが原因でいじめら
れた事があったが、親が付けてくれた名前に誇りを持っている。だから、俺は名
前を変えずにいる。さて、事項紹介はここまでにしとこう。さて、俺は今、空港
に待っている。で、それは何故か、日本から来る客人を待っている。名前はたしか
・・・アヤ・ユウキリという女性だ。それで、実はこいつと一緒に仕事をするわ
けだ。けど、俺はやっと1人前に認められて、このアヤ・ユウキリを案内役に抜
擢されたのだ。何としてもこの仕事成功させなければいけない。しかし、アヤ・
ユウキリは何処へいるのだろうか?たしか、この時間に来る手はずだったが。俺
は辺りをきょろきょろとして、アヤ・ユウキリを探した。
場所 空港 11時05分
私は空港から出て、タクシーを捕まえて、運転手に場所を告げる。
運転手は
「わかりました」
と言って目的までタクシーを走らせる。運転手は私が観光客かと思ってご丁寧に
も観光案内じみた話をする。私はだまって聞いていた。
だが、飽きて来たので
「この辺でおいしいお店をしっているか?」
と聞いた。すると、運転手はうれしそうに答えてくれた。
そして、少しだけ・・・運転手に好感を持てた。
場所 目的地 時刻11時26分
目的地に着いた。レンガ作りの建物で、歴史を感じさせる建物だった。私はそ
の建物の中に入る。中に入るとカウンターには人がいて、私はカウンターにいる
一人の女性に
「日本から派遣された者だが、確認を頼む」
と話し掛ける。女性は私に名前を尋ねてきた。なので、私は名前を女性に告げる。
しばらくして、案内の人が来て4階のオフィスに案内されて、部長室に案内され
て、部長が私を歓迎してくれた。部長は、お腹は出ていて、頭の上の部分がはげ
ていて、黒いズボンにサスペンダー・・・なんというか・・・映画で出てきそう
なおじさんだった。
「よくきたね、ミズ・ユウキリ」
しかし、性格は根っからいい人みたく、笑顔で言う。
それに対して
「綾でいいですよ」
と返す。
すると、部長は
「そうかい。よく来たね。アヤ君」
と言って
「フローを呼んで来い」
と部下に命令する。しかし、10分たってもフローという人物は来なかった。
その代わりに先ほどの部下が来た。
「どうした?」
「実は先ほど、彼の携帯電話に電話をしたら、
空港でアヤ・ユウキリを探していると」
部下は忠実に部長に答える。
「そうか・・・かなしい彼を早く呼んで来い。君が探しているアヤ君はここに来ていると」
「はっ、わかりました」
部下はそう言うとフローと言う人物に電話を掛けに行った。そして、私は嫌な予感がした。
それを私は確かめるために
「まさか、案内人はフローという方ですか」
と尋ねる。
「うむ、やっと1人前になって、今回、君の案内人になってくれる方だ」
「・・・そうですか」
私はこの先、とても・・・不安になっていた。
場所 第3課Killer Queen(キラークィーン) 11時32分
俺が急いで第3課へ行くと、部長は
「はい、お帰り」
と言って怒らなかった。
「アヤ君は、連絡ミスで直接来てしまったよ。すまなかった」
「はへ?」
俺は間抜けな顔した。一方、部長はそんな顔して
「お前、客人に失礼だぞ」
「は、はい」
部長に指摘されて、びしっと立つ。
「まあ、フロー君。固くならなくていいから、客人に挨拶しなさい」
俺はそう言われて
「第3課キラークィーン所属のフロー・ローガンです」
と挨拶をする。
客人は立ち上がって
「夕霧 綾(ゆうきり あや)だ。綾とてでも呼べばいいだろう」
と名前を告げる。
「すでに、言ったと思うが。ここ最近起きている猟奇殺人事件のために日本から派遣された調査員だ」
と部長が言う。
しかし、
「調査員もやっている、フリーの何でも屋だと思えばいい」
と客人は言う。
「よ、よろしくお願いします。アヤさん」
と言って手を差し出す。
「こちらこそ」
と言って俺は客人と握手をした。そうれいば、女の人の手を触れるの・・・久しぶりだなって、いかん不謹慎だった。
そして、これがアヤさんの出会いであり・・・
「それと、フロー。お前に言ってなかったが。今日からお前の家でホームスティだ」
俺は目が点になり、アヤさんも目が点になる。
「事件が解決するまでは、基本的にここにいて貰う。ということで、長期滞在を考えて」
「ちょ、ちょっとまってくださいよ」
「安心しろ、ご両親には許可を貰っている」
部長は親指を立て、言う。用意周到だ。
そして、ちらりとアヤさんを見る。どう見ても、母さん好みの女性だよなと思った。
注意 この時間はグロでクスなエッチシーンがあります
場所 一つ目の殺人現場 11時31分
一人の少女が殺人現場に立っていて、少女以外の人はいない。殺人現場は昼間
なのに薄暗い。少女は、適当に辺りを見回して適当に壁を触れた。その瞬間、少
女はその場の過去の映像をほんの数秒で見た。何十時間も何十年も過去を。だけ
ど、少女が見たい映像はただ一つだった。兄が殺される瞬間だった。少女はその出
来事を見つけると、その出来事を見る。だが、それはおぞましいものだった。
男は走っていた。そして、背後からは得体の知れない怪物が追ってきた。怪物
は触手で男の脚を捕まえ、触手を俺の口の中へ無理やりねじ込み、甘い液体を流
し込む。俺は飲んではいけないと判っていながら飲んでしまった。
「んーーーんーーー」
男はくぐもった声を上げ、体はぼこぼこと変化する感覚を味わった。
「げほげほ」
触手は口から出て行き、男はむせ返った。だが、すでに変化が始まっていた。気
が付けば、男は外見が女になっていた。
「は、あれ・・・」
意味がわからず、体が動かない。触手の拘束は鳴く。地面にぺたんのついてしまう。
「ぐぅあ、あああああ」
女の声を上げながらお腹を押さえる。お腹がものすごく痛み出したのだ。そう、
男から女に必要な生殖器が無理やり作られているのだ。
「あが・ああああぐぐがぁあああ」
女とは思えない声をだしながら、もがく。それは体が急激な変化だった。
「はぁはぁ」
体の変化が終わると男は男から綺麗な女へとなっていた。だが、この者の頭の片
隅に恐怖となる存在が近づいているのだ。今なら逃げられるが、体がうごかない。
気が付けば触手で吊るされて脚を開かれてM時開脚していた。
「あ・・・あぁ・・・・」
だが、声が出なかった。声が出そうともできない。なぜなら、目の前にいるのは
現実を超えた存在なのだ。そして、その存在はぬめぬめとした触手を目の前の女を楽しむ。
「あぁ・・・やめろ・・・」
思い切って叫びたかった。しかし、叫ぶ事は出来ない。
「あぁ・・・うぅぁああ・・・」
触手は胸をらんぼうに揉む。そのたびに、甘くせつない快楽が女になった者に襲
う。さらには触手が口の中に入って暴れて、体液を吐き出し、それを飲んでしまう。すると、体が急に熱くなり、股のあたりが疼く。
ぽたぽた
愛液がお漏らししたようにズボンを濡らしていた。触手はズボンを引き裂いて、
その存在は顔を股に近づけて舌を這わせる。
「ひゃう・・・あぅ・・・ああ・・・」
不意をつかれ、声がでて、その後も声が自然とでてしまう。その存在はまるで、
膣から分泌される愛液を楽しんでいるようだった。否、楽しんでいた。
ぴちゃぴちゃ
といやらしい音を立てながらその存在はなめ上げ、味わう。
だが、何時までもそればかりを楽しむ事はなく、その存在は凶器とも言える肉棒を女となった者にあてがう。
「ひぃ・・・」
小さくはかない声を上げて、拒否する事も言えなかった。次の瞬間には
「・・・・っ・・・・・・・ぁ・・・・・」
声にならない悲鳴を上げ、口をぱくぱくするだけだった。処女を失い、凶器とも
言える肉棒を突き刺され、股からは血が垂れる。触手はその血をすくい取って、
その存在はその血を口に含んで味わい、喜びの顔を示す。その存在は腰を乱暴に
振り、女になった者を弄ぶ。女になった者はそれに対して、
「うぐぅ、ひぎぃ、あがぁあああ」
人の言葉を忘れて獣じみた声を出し、気が付けば体に男だったとは思えない快楽
が女になった者を支配する。
「あっあ・ああ・・・んっうっ」
快楽に酔いしれる声となる。女となった者はほぼ、否、完全に女としてしか生き
られなくなった体となった。すでに女とよんでもよかった。女はいやらしい声を
上げながらなき、その存在はそれを楽しんだ。女は快楽の波が押し寄せ、おぞま
しい初めての体験で絶頂を迎えようとしていた。
「はぁ、ううぅああ・・・あっあ・・・あああ」
声は高くなり、女は
「あぁは、あはっは、はぁううウウあくああああああああああああああああ」
大声をあげて、舌をだらしなく出している。そして、それに続くかのようにその
存在は己の肉棒を抜いて女にぶっかけた。女は白濁の液に塗れ
「うふぁぁあああ」
今だ熱を持った肉棒に貫かれる。
「あっ、あはっあ・・・ああ・・・」
今度も激しく動く、そのたびに大声を上げ、
「ぁつあぁああ、ああああああああ」
数回突かれただけでも前兆を迎える。女に休む事は許されず、その存在が欲望の
塊を吐き出すまでは続けられる。しかし、何回か吐き出せばいいのかわからない
地獄である、だが、女にはすでにそれだけの思考はもってはなく、
ただ、快楽に溺れる肉の人形にすぎなかった。
ぶしゅう
その存在は女の中に欲望の塊をぶちまけ、
「あ、あつ・・・あつい・・・やけ・ああ・・・死んじゃう」
女は本能的な言葉しか発さない。
「あっああ・・・」
何度、犯されただろうか、何度、自分の中にだされたのだろうか?
「はぁうあ、いくいくうううううう」
どれだけの時間がたったのだろうか?
「ひゃあ」
判らない。何かもがわからない。ただ、あるのは気持ちいいだけだった。
だが、永遠に続く事はなかった。女はその存在と一緒に絶頂を迎えた。だが、
お腹が熱く、欲望の塊が吐き出された時よりも熱かった。なんだろうと、目だけ
動かして見ると、自分のお腹から触手が出ていた。
「あ・あああ・・・」
自分のお腹が食べられていた。卵巣を食べられて、卵管も食べられ、そして、内臓
を食べられて、ついにはお腹をやぶられて触手は動き、触手は激しく動き、白濁
した液を噴出する。
「いたいた・・・あ・・・つあああわ、ああはははあはあ」
先ほどとは違った、快楽が女に襲い、女を狂わせる。体のいろんな部分を突かれ
て穴が開き、その穴から触手は暴れてその穴から白濁した液を出してゆく。気が
付けば、自分が死ぬと理解していた。だけど、自分の死が近づけば近づくほど気
持ちいいよかった。
ぷしゃああああああああ
女はお漏らしをして、目を見開いて
「ぁがぁああぁあはあぁはぁあぁはははあ、あははは」
その女は意識が消えるまで、狂ったように笑い、心は狂った幸福に満たされた。
少女は現実に戻った。少女は足に力が入らずに地面にぺたんと座った。
ぷしゃあああああ
そして、少女はお漏らしをする。時間は1分もたっていない。だが、少女には強烈な映像だった。
しかも、少女はその映像を見るだけでもなく、全ての感覚で感じた。つまり、匂いも、痛みやらも感じるのである。
それでも、少女はなんとか立ち上がって、ふらふらとその場を立ち去った。
それは強靭なる精神から出来る事なのか、それとも人ではない能力を持つ者だからか。
しかし、それの答えを答えてくれる者はだれもいなかった。
場所 タクシーの運転手に紹介してもらったお店 12時25分
私はとにかく食べた。出される、フライドチキンにフライドポテトにハンバー
ガーから、ポテトサラダとかを食べた。
「よ、よく食べますね。アヤさん」
フローはそんな事を言っているが、気にしない。なにせ、これでも足りないのだ
。間に合わないのだ。ちなみに、フローはフライドポテトをつまんでいる。でも、
気にしない。次から次へと私は料理を味わって食べてゆく。
「すみませーん。オレンジアイスをお願いします」
沢山食べて、デザートも私は注文する。
「す、すごいですね」
とかフローは言っているが
「仕方がない。ここに来る前に血が失ってしまって、沢山食べて血を作らなきゃいけない」
「は、はぁ・・・そうなのですか」
「そうだ。しかも、買ったばかりの服はぼろぼろにされるし、最悪だったよ」
私は初日に会ったばかりなのに、遠慮もなく話す。相手は、それを丁寧に聞いて
くれる。以外にいいやつだと思った。しかし、いい奴すぎて恋人はいないだろう
と予測できた。まあ、こいつに恋人ができかろうと、できるかなんでどうだって
いい。私は手を休める事もなく、
「はい、オレンジアイス」
最後に楽しみにしていた、オレンジアイスが来た。
「おお、やはり、おおきい」
日本ではありえない大きさのオレンジアイスだった。
「さてと、食べ終わったら行くぞ」
「へ、何処に?」
「決まっているだろ。あの場所だ」
「あ、わかりました」
フローはうなずいた。一応、わかったのかわからないのかはさておき、オレンジ
アイスを楽しむ。でも、フローは私が思ったとおり物分りのいい若者だった。な
にせ、食べ終わった後は私が何も言わなくても一つ目の殺人現場へ向かったのだから。
「うむ、タクシーの運転手が言っていた通りおいしい」
私はオレンジアイスをほお張った。
場所 一つ目の殺人現場 13時13分
俺はアヤさんを殺人現場まで案内した。アヤさんは
「ふむふむ」
と言いながら現場を見て
「お前はどう思う?」
と尋ねて来た。
俺は思った事を言った。
「現場は見に行って、死体は回収されていました。それで、その他もろもろの資
料を見て言える事は、人の仕業だとは思えないです。それに被害者の体内に血が
1滴も残っていないのも謎です」
「そうだな、機械とかで血を抜き取ったとも思えない」
アヤさんは、だいたい現場をみて
「もういいや、何も見る事はないや」
と言う。
「え、いいのですか」
10分ぐらいしか見てないけどいいのかと思った。
「何もないからね。それと、被害者の遺品とかは?」
「それが、遺品は一つもないんです」
「ない?」
アヤの目は鋭くなった。
「実は被害者は裸ですが、その周囲を捜索した結果。被害者の遺品につながるものはなかったそうです」
「・・・そうか」
と言ってしばらくアヤさんは何か考え始めた。俺は、ここは黙っていたほうがい
いと思ってだまった。
「おい、今回の事件の事を判っているだけ説明しろ。それで、死体はどうなっている?」
「えっと、まずは死体のほうですが・・・司法解剖がなされて、死体は・・・」
死体安置所にある。
「よし、死体のおいてある死体安置所へ行くぞ」
「はい」
俺はまじめに返事をした。
場所 死体安置所 14時32分
被害者を発見したのは、早朝に犬の散歩で犬が急に走り出して、それを追った
ら死体を発見した、不幸な男。死亡推定時刻は11時から12時の間で死んでか
ら7時間は立っている言う事だ。被害者の身元は首から下は無惨だが、顔がはっ
きりとわかるのに判るのはきれいな女性だと言う、けど・・・身元不明の状態。
さらに、首筋に吸血したと思われる4つの跡
「はぁ・・・」
で、書類を見せて、実際に死体を見てみると首筋に4つあった。だが、体中にも
穴が開いている。だが、それは機械で血を抜き取るには大きすぎるし、血管以外
の場所に穴が開いている。さらに、その穴からは精液が確認されたという、なん
ともマニアックな犯人だ。
「はぁ・・・」
さらに突き止めていくと、本当に狂っている。しかし、それを調べて、解決するのが仕事だ。
「どうですか?」
フローが尋ねる。
「わからない。それと、目撃者は?」
「いないです。裏路地であったためか、悲鳴すら聞いた人すらいないそうです。
それにあの場所は元々、人がほとんどいない場所みたいです。
「そうか、なら・・・やっかいだな」
厄介すぎた。
「まさか・・・」
「大きな声で言えないが、人じゃない」
「やはり・・・」
これは長期滞在決定だな。まあ、人だと判明しても解決させられるだろう。
「で、どうしますか」
フローは死体を見ながら言う。
「とりあえず、もう見る事はないから、行こうか」
「わかりました」
そう言って私達は死体安置所を後にした。
場所 フローの車 15時3分
俺はアヤさんと一緒に自分の車に乗り込み、
「次は何処に行きますか?」
と尋ねる。
♪〜♪〜♪
と、いきなり、携帯がなった。
「すみません」
と言って車から一旦出て、電話に出る。
「もしもし」
「フローか?」
電話にすぐに相手はとても焦っている事がわかった。
「セシル兄さん、仕事中だ。いきなりなんだよ?」
電話はセシルからだった。
だが、次の台詞を聞いて俺はセシルと同じように焦った。
「いや、大変だ?おばさんが」
「なんだって、母さんが」
「待っていろ、とにかく」
「え、嘘、まじかよ」
「いや、とにかくおばさんに電話変わるな」
え、なんで、母さんに変わるのか判らないが?
「フロー?」
「そうだよ、母さん」
「よかった・・・」
「母さん」
え、ちょっと・・・え・・・まだ・・・
「とりあえず・・・お願い・・・あるの」
すごく、深刻だ。
「何?母さん」
「早く帰ってきなさい」
「はっ」
俺は携帯電話を落とした。アヤさんは大丈夫かという顔していた。だが、俺は気が付いてはいない。とりあえず、携帯電話を拾って
「母さん、なんで?」
「いや〜、今日はホームスティに来る子が来る日でしょう。だから、歓迎会を」
母さんはどこか抜けた明るさで言う。
俺は
「わかったよ。それで・・・」
「19時半に帰ってきなさい」
俺の心を読み取るように何時に帰って来いかをしっかりと告げる。
「で、セシル君に代わるね?」
「あ、ちょ・・・」
「やっほーフロー、元気にしているか?」
「しているよ。でも、心配させるなよ」
俺は非常に文句が言いたかった。
「でも、俺も焦ったぜ。台所でワイン使い過ぎてファイアーしてたんだからな」
「・・・」
何か返事をするのすら面倒だった。
「でも、早く帰ってこいよ。フロー」
「わかったよ、じゃあね。セシル兄さん」
俺は通話終了ボタンを押して、携帯電話をポケットの中にしまう。
「誰だったの?」
車に戻るとアヤさんが俺に尋ねてくる。
「アヤさんがホームスティする愉快な人達と電話してました」
俺は正直に答えた。
「そう。じゃあ、次の行き先だけど・・・この街を案内して」
「へふ」
俺は目が点になった。
「今日はこれで終わりにして、街の案内して、一応、この街を知る事で事件との関係を探すのもあるし・・・それと・・・」
「?」
俺は首をかしげた。
「あんた、おいしい葉巻が売っている場所を知らない?」
「へ?」
「いや〜、税関をあっさり通るために、葉巻をおいてきちゃってさ〜」
「・・・すみませんが、部長に聞いてください。部長は葉巻とか吸ったりするので」
俺は車のエンジンをかけて、車を走らせた。
場所 フローの家 20時04分
私はフローに付くと、見知らぬ妙齢の女の人に抱きつか、押し倒された。私が
本気をだせば、簡単に妙齢の女の人を押しのける事は可能だった。しかし、これ
から関わる者に対してと考えると何も出来ず、成すがまま・・・
「おい、どこをさわっている」
妙齢の女の人を私の胸を触る。それをフローが引き剥がす。
「にゃ」
とかなんか言っている。
で、
「はじめまして、私がフローの母のソフィー・ローガン。で、萌え萌えね」
なんか、非常に独特な人で萌えという言葉を知っているって、そこだけ日本語だし・・・
「綾、夕霧・綾です」
でも、しっかりと挨拶はしとく。
と、私の手をとって
「こんにちは、お嬢さん。私はフローの従兄弟のセシル・ローガンです」
なんか、黒色の髪に青い目をした男が挨拶をする。
でも、なんか・・・女好きというのがわかる。
「・・・」
と、これが19時30分に着いて、これがフローの家族の初対面であり・・・今は・・・
「アヤちゃん。日本人形みたくてかわいいなあ。さあささ、どんどんお食べ」
と私にいろんな料理を勧めてくる。一応、ここに来る前に失った血を作るため問題はない。だが・・・増えていないか
「はっはっはっ」
なんか、がさつな男にセシルといちゃついている女の人に
「フロー、なんか増えてない」
私はフローに尋ねる。
「いや、あれは近所の知り合い」
「まあ、いいや」
「ほら、フロー飲め、飲め、若い時こその飲め」
なんか、すげぇおっさんに無理やりフローはお酒を飲まされていた。
23時21分 フローの家
今だ、私の歓迎会は続いていた。もう、何か言う事があるかと言って何も言う気はしない。とりあえず、私はこっそりと歓迎会からフローから抜け出して
「明日に備えて寝たほうがいいわね」
「俺もそう思う」
「とりあえず、失礼だけど・・・シャワー」
「あ、俺が案内するよ」
フローは快く案内してくれた。そして、この後、フローは気を利かせて、私を先に寝かしてくれた。
場所 フローの家 23時56分
俺はアヤさんを先に部屋に案内して
「がっはっはっ」
「今日も綺麗だよ」
「酒だ、酒だ」
「ふぃやぁばなー
「にゃ」
歓迎会は主賓がいないのに盛り上がり、
「フロー」
母さんが俺に話しかけ
「アヤちゃんは?」
と尋ねる。
俺は
「明日仕事があるから寝かした」
と答える。
すると、母親の目がキラーンと光った。
「母さん、夜這いはだめだよ」
「もう、やだぁ」
ばし
思い切って背中を叩かれた。
そして、この歓迎会は朝まで続き、俺はそれに付き合わされるのであった。
と・・・ここでオープニングはと1日目は終わりです
できれば、今回も判定をお願いします
二日目の参考にさせていただきます
追記・・・投稿ミスがあり、本当にすみません
あと、オープニングで主人公のエッチシーンと老人と主人公の会話は
深夜に行われているものです
あとがきみたいなもの
かなり、マニアックになりすぎました・・・ごめんなさい
かなり、自分勝手の内容になりました・・・ごめんなさい
かなり、ハイテンションで・・・・・・・・ごめんなさい
そして、思ったよりながくなって作者は1日目の作成で力尽き
休憩後、新年の二日目までに完成させる予定です
では、よいお年を
んじゃ一つ苦言を
謝りすぎ
しぎ殿、乙でした。
私的には、読み物としても面白かったですよ。
楽しませて頂きました。
次回お待ちしてます。
堂々と投下して下されば良いかと。
>>109乙
あんまり気にしないほうがいい。
そこまで謝り倒すのも何だか変
次の投下のとき慎重にやればいいんだし。
読者を過剰に意識してるふうなコメントに見えるんだけど…
あなたの作品なんだから、別に
好きなように自分の世界を展開しちゃって構わないのでは。
癖のある文章を書く人だなあとは思った、
けど話の展開具合はに興味をそそられる。
自信持って投下しておくんなまし。
あけおめ
114 :
Zh-nS:2008/01/01(火) 00:35:48 ID:6B3OREH3
ことよろです。
>>しぎ ◆VpKHzOu04Y 様
投稿乙です。そこまで過剰に謝らなくてもいいかと。
作品の方も読ませていただきましたが、独特の雰囲気に引き込まれました。
続きも期待させてもらいます。
閑話休題。
結局旧年内に終わらなかった拙作ですが、
今年こそは完結させたいと強く考えております。
また、今書いてる作品以外にも何か書ければとも考えておりますので、
皆様どうぞ、よろしくお願いします。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
実は昨年末、1週間以上もウイルス性急性胃腸炎で床に伏せっておりました。
今でもほとんど食事が喉を通らないような状況で、ご飯がおいしくありません。
みなさまも、家から帰りました折は、手洗いとうがいを。貝類や生ものは十分に熱を通してお召し上がりください。
正直、あんなにしゃれにならない腹痛は初めてでした。(牡蠣にあたった時よりひどく、長く続きます)
三が日まで……は無理かもしれませんが、なんとか松の内くらいまでにはなんとかしたいです。
今年はもうちょっとお話が投下できればよいな、と思っております。
皆様あけましておめでとうございます。
私は大スランプ中・・・
良い新作を物にしたく思います。
今年もよろしく
117 :
能面@:2008/01/01(火) 11:13:34 ID:KRDKbk1A
あけましておめでとうございます。
ついでにラストまで投下しときます
アーカイブNo,25 21時31分、御堂宅 御堂ゆうき
今日の流れは概ねこんなものであった。
朝
「おーはよ〜祐樹〜」
起きて一番に見たもの=チンコ
ブルンブルン(振りチンする音)
「……ハサミどこだったっけ」
「いや〜〜〜〜!」
昼
「俺のフランクフルトをゆーき自身で調理してくれよ〜」
ブルンブルン(振りチン音)
「んじゃ、今油引くから乗せといて」
「ちゃんと味わってね」
「…冗談に決まってんじゃん」
頼まれたって食わない。
夕
(今日のけーごは様子がおかしいな)
更にバカになったというかキモくなったというか……
(本でも読もう)
ガチャ
「さあいらっしゃい、一緒に寝ようか」(全裸)
バタン
自分の部屋だけどガムテープで目張りして塞ぐ。
>「開けて〜助けて〜ウサギは寂しいと死んじゃうんだぞ〜」ドンドン
そして1時間前。
居間でテレビを見てくつろぎ中
「チェンジ」
「は?」
俺の部屋から脱出してきての第一声がこれ。
「チェンジチェンジチェーンジ!あの乙女のゆーきをかえせー!」
「どっちかといえば圭吾をチェンジしたい」
「しくしく。俺の知ってるゆーきは自分の身体でデザートを提供したりスマタしてくれる勇気のゆーきなのに」
それを聞いて数日前までを思い出してちょっと赤くなる
「ああああれはだな!けーごを、その、あの」
「ゆーきに嫌われるなんて予想GUYだよ」
明後日の方向を向いて男泣き……してるように見える圭吾を見て焦る。
「き、嫌ってないってば!」
「しくしくしくしく」
「わ、わかったよ!いーよしよーよ!」
「何を?」
「せっ。せっ…せ、せっくす」
「おー、それでこそ我が心の友よ〜!」
大げさに抱きつかれた。
そんなこんなで今。
「…………」
「…………」
お互いに臨戦態勢(裸)のままうつむいて動かない。
いざ、となるとやっぱり恥ずかしい。
「お、お手柔らかにします」
と圭吾が。
「お、お手柔らかにされます」
と俺が。
とは言ったものの身体は動かない。
「イタズラの時は、その。あそこまでできたのに」
「あ、ありゃイタズラだからできたんだよ」
「じゃあ何で今は勃たないの?」
「お前だってわかるだろ」
と言われても男の時は使ったことないからちょっとだけわからない。
「あぁ、もう!こうやって対面してっからダメなんだ!」
ぐいっと圭吾が俺を引き寄せる。
より一層照れてしまった。
「何かしてれば自然とできる!」
圭吾が一瞬美形度2割増しになった気がした。
「よし!一緒に風呂はいっぞ!」
「う………うん」
「気づけよ、うちの風呂が二人はいってイチャイチャできる大きさじゃないってことに」
「う〜む、窮屈」
二人で入ったらほとんど動くスペースがなかったのでエッチどころの問題じゃなかった。
ちょっと楽しかったけど。
お次はAV。
圭吾のチンコが大きくなった。
「女優の顔キモっ」
圭吾のチンコが萎えた。
「モザイクばっかりでわかんない」
「雰囲気すら出ない」
「エロゲーみたいな展開になんかならないから」
圭吾が目をそらした。
「はぁ…なんか疲れた」
「とりあえず居間戻ろーよ」
落胆しながら全裸で居間に舞い戻る。
「おい、あれ…」
圭吾を見て指差す方向へ視線を移す。
窓の外から覗いてるのは瓶と飲み口付近をうちわで扇いでる二本の腕。
瓶からは何かの香りを撒き散らしてるみたいだった。
ちょっと甘い香りが漂う。
「あ、あらてのユーレイか?」
「地下鉄サ○ン?」
その瓶から舞ってくる匂いを嗅いでいたらちょっとずつ身体に変化が訪れはじめた。
「ん……」
思考が若干ぼやけて、だんだんと気持ちが少しずつ昂ぶってくる。
「祐樹?どうした?」
「んん」
身体を圭吾に預ける
「したい」
自然と口に出た。
「その前にあ、あの窓にいるあれ…あれ?」
再度見た時にはもう手は引っ込んでいた。
「気のせい、か…?」
「……」
あっけに取られる圭吾を無言で抱きしめる。
なんだ、変なことしなくても(変なことはあったけど)。
身体を押し付けていたら抱きしめ返され
「お手柔らかにするぜ」
「されるぜ」
ムードはなかったけどまぁ、こういうのも。
「んんっ」
指が一本だけ身体の中に侵入してくる。
「うわ、すげぇ。食われてるみてぇ」
指が動くたびに小さな刺激がやってきてその度に思わず下半身に力を入れてしまう。
「ほーら、逃げんなよ」
小さな動き一つ一つにも喘ぎ声を漏らしてしまい、腰を無意識に引いてしまう
「ぅぅん。あ、んんぅぅ」
我慢なんてまずできない
「あっ。んはぁっ」
指を根元まで挿入れられた。
チュッ.....ヌチッ
「はぁぁっ」
だんだん水音が聞こえるようにもなってきた。
(あっ、指が暴れてる)
クチックチッ
「なぁ、どんな感じなんだ?」
「あぁっ!な、なんかすっごいふぁっ!」
「ちゃーんと詳しくいってくれよ」
クチュクチュと聞こえてきそうなくらいに指を上下してくる。
「はあぁぁ」
「答えないと指の動きとめるぞー」
「か、身体中に電気gんあぁっ!」
太ももに一筋液体が伝わり落ちていく。
「もうそろそろ十分、かな?」
「わかんない、けど。もう。してもいいよ」
「指ピストーン」
「あんぅぅ!ふぁ、あ、あ、あ。い、いじわる」
「はは、わるいわるい」
圭吾に言われるがままにソファーに寝そべり、力を抜く。
実際には少し怖いので下半身に力はちょっとだけ入っているけど。
圭吾が下半身のほうに回りこみ両足をつかみ、広げられる。
でもちょっと体制的に辛い。
ぐぐっ
「あ…」
ずぶっ
「はぁ、あ」
亀頭だけが入ってきた。
ズブ、ズブ、ズブ。
だんだん奥に侵入してくる。
ズブズブッ。
もう少し奥まで入って、それから圭吾の身体が尻に軽く接触する。
「あ…あれ?」
想像してたのとまったく違う。
「祐樹、寝てる間に勝手にしてないよな?」
「今が初めてだけど…」
「じゃあ最初から処女じゃないのかぁ。ちょっと残念だ」
残念がられた。でも俺自身知らなかったし
「御堂は処女ではない、と。ふむ、いきなり女になった者には必要ないのか」
「でも、初めてだからいいじゃん」
圭吾のが入ってるよ、と膣をちょっと広げてみる
「いやあなんか嬉しいなぁ」
「すごいよ…お腹の中がすっごいきつい」
「痛いくらい締め付けてくるよ」
「あ、ご、ごめ」
「ちょっと緩めてくれっと。その、初めてだからこんなされっと」
「じゃ、じゃあちょっとまって」
すー、はー、すー、はー。
深呼吸して少しだけ下半身の強張りをなんとか緩める。
「これで直んないなら圭吾がでかすぎってことで」
「ひーひーよがらせてやるぜ♪」
「さむっ」
「むっ」
ズンッ
「あんっ!」
完全な不意打ちに大きく反応してしまう。
「うわ、すっげぇ…動かしたらすぐイッちまいそう」
イッちまいそう…イク。
圭吾に見えない悪い笑みを浮かべてわざと自分の腰を左右に揺らす。
「やめっ、やめって!マジやめって!」
「んんぅっ!んー、んぅっ」
気持ちよくて動くのを忘れてしまいそうだけどなんとか我慢して動く。
「ああ!ダメだ!出ちまう!」
「出ち?あっ、ダメ!まっ!」
ビクンビクンとチンコが脈打ち身体の中に熱いものが放出されてる
膣内に、いっぱい。
「とめて、とめてよぉ」
「くっ!」
放出し終わってもまだチンコはビクビクするのをやめない。
「あぁ、バカぁ…」
口では言っても身体は更に熱を帯びてきてた。
「お前が動かすからだろー」
とは言いながらすぐに圭吾のは復活していく。
「早いね」というと若いからな、と返して圭吾がまた動き始めた。
「あぁん!ぁっ!あ、あっ、音、恥ずかしいっ」
さっきとは違うより激しい音が耳に届くまでに響く。
一度イッたことで余裕のできた圭吾の腰の動きが少し豊かになってきた。
それが身体に流れる刺激の量を強くする
「たーねっづけー♪たーねっづけー♪」
「んあん!こ、こども、は、まだ、怖ぁっ、い、よっ!」
「あぁ…避妊道具か。この時間は…もう薬局は開いてないな」
「確かここはGスポットっつう場所でしたっかねー」
圭吾が股の下腹を触った後意地の悪い笑みを浮かべると腰の動きを変えてぐりぐりとチンコをおしつけるような動きをはじめ
る。
動かれると同時にさっきよりすごい快楽が一気に全身を駆け巡る。
「あっ!は、あぁ、ぁぁ。あぁあ…っ!!」
最後の一突きの際に身体が一度跳ねて考えることができなくなる量の快楽に襲われる。
たぶん、イッたんだと思う。
「ぁ…っ、はっ、はっ」
「今、もしかしてイッた?」
「はっ。ぁっ…かも、しれない、はぁ」
圭吾の腰はずっと動いたまま。
「絶頂、確認。女としての機能は問題なし」
「け ご。きゅ、きゅーけい」
「俺イッてないから」
さっきさっさとイッたくせにとか思いながら呼吸を整えようとする。
「ぅあぁっ!?あぁぅ!んあ、あぁ!」
一突きされる度に身体がビクビクと震える。
「さっ、さっ、きっ、イッた、じゃぁはぁん!」
圭吾のチンコがまた波打ってるのを感じてもう少しだけ我慢することにした。
「やべ、その顔かわいすぎる」
「は、や、く、し、てぇぇ!」
「く、やべ!」
最後に身体がぶつかる音を一度鳴らすとチンコが身体の中から一気に引き抜かれる。
「っ!」
「ぁっ!」
お腹の辺りに熱いもので満たされるのを感じながら俺自身もだらしなく舌を出しながら大きく身体を痙攣させた。
「ぁ。ぁぁ。ぁ」
「はぁー…はぁ」
意識が朦朧としている中で圭吾に呼ばれながら初めて唇を奪われた。
迫るそれを積極的に受け入れた。
「どーすんだよ!できたら!」
し終わっての俺の第一声。
実はまだ後処理をしていなかったりする
「お前が悪ふざけしたからだろー!」
「ま、ま、まさかけーごがあんなに早くイクとは思わなかったんだもん!」
「は、早く…」
がくぅ、と跪く圭吾
うぅ、膣内から垂れてくる。
「安心しろ、御堂は今日安全日だから」
「え?そう?よかっ……」
…………え?
「まぁ、一応ピルと避妊具は買っといてやったぞ。…どこで調達してきたかは言わないが」
ドサッ
「きょ、教授?」×2
「何だ?」
二人して一旦の沈黙。
「…ぁぁぁぁぁぁぁあああああ!」
「うおああああああああ!!」
「わかりやすい奴ら」
「ううぅぅ、あの瓶の時点でするべきことはするべきだった」
戸締りとか戸締りとか戸締りとか戸締りとか戸締りとか。
熱さに身を任せたばかりにいいいぃぃぃぃ
「最初から最後まで見てたよ」
腰を8の字にぐりんと教授が動かす。
それを見て顔が真っ赤に染まる
「早漏君」
「げはぁー!」
そら恐ろしいことを平気で言っちゃう教授。
圭吾が底が見えないほど落ち込んでるのがわかる
「まぁ、これでわかった。御堂」
「うぅ?」
「お前はもう何の心配もない。立派な女だ」
立派な女、といわれて気持ちはちょっと動いていた。
「この瓶の匂いを嗅いでお前は欲情したろう」
「えぇ、まぁ」
ふりふりと左右に瓶を振って見せ付ける。
「あ、それ俺特に何でもなかったですけどー」
「これな、女が興奮する匂いってのだ。だから男のフェロモンみたいなものかな」
つまりは…
「期待した効果が出たみたいだしな」
「む…」
恥ずかしくて俯く
「それにな、御堂。おまえ自身気づいてないかもしれないけど」
「?」
向きなおす。
「誰から見ても違和感のないほど女の仕草をしている」
「あ、そういえば」
ほら、今。と圭吾に座り方を指摘された。
両足を外側に出して太股で座る女性がよくする座り方だ。
「そういえば、思い当たる節がいくつか」
「男のままの女なら興味はあったんだがな」
教授が手にしてた紙とバインダーをカバンにしまいこんだ。
「後は御堂、お前次第だよ」
じゃあな、と玄関へ向かう。
でも靴を履く前に立ち止まる。
「そうだ、柿崎。いいもんをやろう」
「へーい?」
圭吾が近づいていく
「さっき嗅がせたのと媚薬だ。遠慮なく使え」
「ありがとうございますお代官様」
ははーっと頭を下げる圭吾
嫌な予感がするから今奪っておこう。
「よこせ!奪っておかないと何しでかすかわかんないし!」
パタン
「あーっ!ダメー!」
「よこせー!」
「いやー!返して〜!」
外にて。
「お。いいことを考えた」
ピッピッピッ プルルルルル
『はい』
「斉藤真央か?」
『あ、教授?どしたんですかこんな時間に』
「御堂と柿崎がちちくりあってるぞ」
『なに〜っ!? ガタンガタドタドタ』
ピッ
「くっくっくっくっくっ」
遠方で扉が激しくしまる音と靴の音を聞きながら後にした。
バンッ!
「あたしも混ざるー!」
「お〜。ゆーきはもう準備ばっちりだぞー」
「こ、のぉ…ひきょーもの…」
さっきの薬を嗅がされてまた身体が熱くなっていた。
アーカイブNo,26 10時01分、御堂宅 御堂ゆうき
昨日、頑張りすぎて俺の部屋で川、というよりは//|←こんな感じで眠っていたそんな休日。
「ん〜…」
「ふあ〜〜〜…あ」
圭吾と真央が先に起きる。
全員全裸だ。
「ぉはよ」
「ぉー」
「ぐ〜」
俺はまだ寝てる。
「へっへっへっ」
圭吾が瓶を取り出す。
「ごーごー」
真央が小声で促す。
寝てる俺に下半身から小さな刺激が走る。
「んん」
目が覚めるほどではなく、すぐに静まる。
「ん〜ぅ」
圭吾がOKサインを作る。
そして二人ともこっそりと部屋から出て行く。
「ぐ〜」
ゴロゴロ
バンッ!
「けーごぉ!!」
異様な身体の昂ぶりで目が覚めた。
しばらくは指で慰めていたがもしや、と思ってすぐに居間に飛び出してきたのだ。
「おー、おはよー」
二人ともまだ何も着てない。
「おや、もーグショグショだねぇ」
「あっ」
言われた途端に恥ずかしくなって両手で下を隠す。
けど太股を伝う雫までは隠せない。
「じゃ〜朝の一発やっぞ〜」
「チョーシのんな!」
と力の入らないビンタを繰り出したが、逆に圭吾に手を取られてしまった。
「ほぉ〜れ逃げられんぞ〜」
「はなせぇ〜」
圭吾の一挙手一投足でさえも身体が興奮するそんな状態で。
「ほぉ〜れゆーきの朝ごはんだよー」
と圭吾が反り返ったビンビンなチンコを見せる。
そんないきり立ったのを見せられれば我慢の限界を超えてしまうもので。
結局、2人掛りで3回もイカされた。
「うぅ〜。絶対おかしいって。3人でなんて」
行為の余韻に包まれながら不満を口にする。
昨日は3人で乱交状態。
でも真央は圭吾とヤらないで俺とずっとレズ?ってた。
その間圭吾は餌を待つ犬みたいにビンビンにさせたままお預けをくらってたりもした。
「だっていいじゃーん。あたしは祐樹が好きで圭吾も祐樹が好きなんだしー」
「じゃー真央、俺の肉棒をじっくりと味wんがっ」ガツン!
「やだ。あたしゆーき専用だもん」
ちょっと照れる。
「まーゆーきが貸してやるって言ったらあんたとしてもいーよ」
「俺を搬入してくれ!」
それを聞いてからやたらとノリノリの圭吾にちょっとムカついたので
「じゃあ、けーごの部屋でしよ」
と部屋へ先に入ることを促す。
「ひゃっほ〜い」バタン
圭吾が入ったのを確認してガムテープで目張りし重いものを扉の前に置く。
「じゃ、二人でしよ」
「おっけー♪」
「あん、あむっ、はぁん」
「ちゅっ、ちゅっ」
>「うわ〜ん!!開けてくれ〜!!生殺しだ〜!!」ドンドンドンドン
アーカイブNo,27 12時24分、大学 御堂ゆうき
それなりに親しい友人数人との談笑中、一人の友人からバンドを結成したとの報を受ける。
その辺りから自然と将来とかの話で盛り上がり始めた。
「んでよ、祐樹と圭吾って何か考えてんのか?」
「あ〜…そういえばこんなことなってから考えてもいなかったな」
もちろん、俺が女になったこと。
「俺は祐樹の嫁だ」
すかさずツッコミを入れる
「お前らいつからそんなバカップルになったんだよ」
裏で圭吾をつねりながら笑って誤魔化す。
「う〜ん、夢ねぇ…」
女になってしまった今、考え直さなければならないのかも。
この後はなんだか人生相談みたいな会話になっていき、そこでお昼時間も終わる。
夕方、真央を待つために校舎内で待ちながら圭吾とまた将来のことで話し合っていた。
「俺はちょっと適当にサラリーマンで生きていけたらいいかなーとか思ってたかな」
「俺、こんなんなって社会人として生活できるのかなぁ」
将来、となるとどうしても俺がこうなったということが何かに響いて不利になる気がしてならない
「いざとなれば俺の家政婦になればOKだ」
圭吾が自分の胸をドンと叩く
「それも楽そうだけど」
「SEXするなら家でしてくれよ」
教授がこちらへ歩いてきた。
教授が今話していたことを聞いてきたのでとりあえず説明。
「ほう。確かに今の御堂は要素が集まって不安定だな」
俺としては元男という歴が色々と苦しめてくるんじゃないかと思っている。
「ん〜、いっそのこと自営業なんてどーだ?」
ず〜っと考えていた圭吾が突然口を開いた。
「下積みがなければ辛いが、それならば確かに御堂は安心できるかもな」
「やっぱゆーきを嫁にもらうんだからそれくらいはしないとね〜」
「稼げない男じゃないと結婚しないぞ」
とか言いながら心の中じゃ期待していたりはする。
ここで真央がやってきてまたその場で談笑開始。
「あたしは圭吾がきちんとやるんならいいんじゃない?」
「じゃあがんばってくれよけーご」
「普通チミ達も何かするんじゃないかねんんん〜?」
「まぁ、この線で話がまとまりそうなら少し探しておいてやろう」
「んじゃ、お願いします」
とここで教授はすらっと退散していった。
「3人でかぁ〜」
「やっぱ食品とかか?」
「いっそのことパン屋とかっ」
「でも、資金問題どうすんの?」
現実を口にして3人全員固まってしまう。
「あ、あるっちゃあるけどさ」
親の遺した分が。
「あれはゆーきと圭吾の結婚式に使うんでしょ」
「それもそうだな」
「ふ、二人してそれで納得するなよ」
「こーんな至高の嫁さんもらうんだし〜」
圭吾に胸を揉まれる。
「わ!バカ!」
「お二人さんあつあつぅ〜」
そんな調子で今日も家に帰っていく。
でも今日は話題が尽きなかった。
アーカイブNo,28 17時58分、大学 御堂ゆうき
ピンポンパンポゥゥゥゥン
「プッ」
最後に音が落ちた。
『えー、えー。おとがおかしいな』
女の先生がしゃべってるのだろうけど、その音は壊れてて野太い声になってる
「ププッ」
『コンコンコンコンコン……あー、あー』
あ、直った。
この声は、あの教授だ。
『えー、呼び出しの連絡だ』
↑から突然声が急上昇。
「ブッ!」
は、はらいたい…くく、くくく…
あらゆる場所からも笑い声が聞こえてくる。
『ゴン!ゴン!ゴン!……あー、あー』
あ、直った。
『さっさと言う。斉藤真央、柿崎圭吾、御堂祐樹。来い』
急に教授の言い方がすっげぇいい加減になった。
『それと、今の放送を笑ったものは怖いことになると知れ』
ブツッと乱暴に切れる。
…………一瞬で辺りが静寂に包まれた。
(こえぇ!)
またブチッと乱暴にマイクの音を入れる音が聞こえる。
ん?次はなんだろう。
『訂正だ。柿崎祐樹、来い』
そして、すぐブツッと切れる。
………………
もちろん、職員室に入るまで何人かにからかわれた。
職員室に入り、教授の下へ歩み寄る。
「怖いことっていうかすっげーハズいことにはなりました」
「笑ったからだ」
「近くにいなかったでしょ!何でわかったんですか!」
「カン」
今、心底敵わないと思った。
そんなやり取りをしてると圭吾が、少し遅れて真央がやってくる。
圭吾は俺を見るなり「あなたって呼んでくれよ〜」と言ったのでガン無視。
「んで、呼んだ理由ってなんですか?」
「あぁ、そうそう」
と教授が3枚の紙を取り出す。
「お前らの最適な就職先だよ」
と、一人ひとりに渡す。
「いや、卒業までまだ2年もあるんですけど」
「私の顔が利くところだ」
「あ、もしかして」
「そう。3人で一緒に選ぶもよし、別々の道を歩むもまた一興だ」
いつ聞かれてたかわからないけどすっごい都合のいい展開だ。
いつどこで秘密が漏れてるかわからないけどこういう気遣いは嬉しかったりする。
「教授、ありがとうございます」
もう、今すぐ相談しよう。
将来がとても楽しい。
二人の顔を見る。
「俺にゃ聞くなよ」
「愚問じゃん」
二人が笑顔を向ける。
それがたまらなく嬉しい。
「頑張れよ」
教授に頭を下げる。
「社長は私だからな」
最後に聞いちゃいけないことを聞いた。
LASTアーカイブ 16時03分、ケーキショップ
無事に卒業して2年の月日が経過した。つまり4年も経っている
今日も元気なオレンジの制服に身を包み、お客様に笑顔とケーキを届けている。
以上、店内キャッチコピー。
カランカラン
「いらっしゃいませー」
どこかで見たことのあるお客さんが一人。
目にも留まらぬ速さで気づいたら目の前にいた。
「おおおぉぉぉじょうさん。俺とお話しませんか」
妙にむかつく顔をしてくる。
「ご注文は?」
「貴女を」
「売約済みです」
「あああああぁぁぁぁぁぁうちぃぃぃ!!」
悶絶している目の前のアホに困ってると見かねた毒物売りが助け舟を出してくれた。
「お客様。こちらの商品をお買い上げいただけるならば…を」
最後の辺りはお客との内緒話。
「10個買います」
えぐい色のケーキを10個、箱に入れる。
「2万円になりまーす」
戸惑うこともしないでさっと万札を2枚出す。
「ちょうどいただきまーす」
そして商品を受け取って毒物売りにスマイルを投げると一瞬のうちに店から出て行く。
「ありがとうございましたー」
二度とこないでくださーい、と小声で。
「すっげー悪い笑みしてるぞー」
「いきなりナンパしてくっから」
>「何ー!?どこのどいつだー!?」
厨房からうるさい声が響く。
「外がさわがしーよ」
と聞いて外へ視線を向ける。
見えないけど声だけは聞こえてくる
>ああああぁぁぁぁぁいぼおおぉぉぉぉううう!!今の俺はハァイだぜぇぇぇぇぇへえへえへへへへへへ
>すげぇぜあいぼぉぉぉぉぉ!!
「さっきの客だな」
>俺の闘魂をみよやぁああぁあぁぁ!!
>あ、あいぼー!こんなところでー!!
>アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!!アリーヴェデルチ(さよならだ)
>ひぎゃああああぁぁあああぁぁぁぁぁ!!
「夏子さん、あれなんだったの?」
「なぁに。ちょっとしたものをな」
絶対触らないでおこう。
>「追加はいりまーす」
「はいはーい」
と横の同じ制服を着た女の子、真央にレジを頼んで厨房へ向かう。
厨房に入って早速できたてが乗ったトレイを受け取る。
「今日も俺の手で汚したいくらい似合ってんぜ」
「ばーか。」そして声を小さくして「スペアは?」
つられてパティシエも声を小さく「ばっちり」と一言
「じゃ…終わってからな」
と照れながら言う。
「頑張っちゃうぞ〜」とガッツポーズを取る。
それをお客に見せるのとは違う本心の笑顔で返してトレイを手に戻る。
「あっつあつだねぇ、お二人さん」
「年を取った私でも羨ましいな」
二人からからかわれる。
「き、きーてたのかよ」
「昔はツンデレだったのにね〜」
作業しながらお客がいないか探して、いないことを確認する。
「むー。もう照れ隠す必要もないだろ」
「あぁ〜あついあつい」
真央が制服の胸元をパタパタさせる。
胸元を見てちょっと悔しくなる自分がいる。
「そうだな。あいつの妻になったのだからな」
「う…あぅ」
カランカラン
「いぃ!いらっしゃいませぇ!」
思いっきり声が裏返った。
閉店間近になるとお客もほとんどやってこない。
二人に「熱々の時間を楽しんで来い」といわれて半ば無理やり厨房へ押しやられた。
パティシエの肩を揉みながら二人の時間に入る。
「なぁ」
「うん?」
突然、話かけられた。
「幸せか?」
「幸せじゃないのか?」
「後はお前が俺の要求するプレイを恥らいながらやってくrいててててて!」
「口が減らないな」
拳でぐりぐりする。
「幸せか?」
改めて聞かれる。
「わかりきってることだろ。けーご」
「んだな。ゆーき」
どちらからともなく唇を重ねる。
二人にこっそりと見られてももう気にならない。
気にしたくない、そんな時間。
数秒して惜しみながら離す。
そして、生涯で一番の笑顔が出た。
「あん?俺何してたんだ?……まぁ、ゲイバーの昭雄ちゃんとこ行くか」
スタスタスタスタ
「あいぼー…闘魂注入されてビンビンさぁ…」
そして息を引き取った。
132 :
能面@:2008/01/01(火) 11:30:24 ID:KRDKbk1A
といったわけで長いこと付き合ってくれてありがとうございました。
今新しいの作ってるけどラスト付近で容量が170kbを超えてしまったので
テレビの編集者さながらすっげー見直してる最中でございます
そして最後の最後に名前入れ忘れる超イージーミス
気にするな! 俺なんか投下するときも常時名無しだ。
新年早々の投下ありがたや。
新作も期待します。
そして今年もよろしくお願いします。
>>70に超亀レス
鬼畜陵辱モノにしちまえば問答無用にエロに突入できるから、
手軽に書けるというのが最も大きな要素じゃないかな? と思う。
『強制』というキーの解釈次第でいかようにも展開できるので、
純愛ものも出来ない訳じゃない。
ただし短編で仕上げるには少々骨が折れるだろうね〜。
男同士の頃も好意はあったが、ガチホモじゃないのでそっちに行けない
片方が女性化した事でそういう制約が一気に決壊してHへ
とかなら楽にできるな
ここって基本的に女性向け女体化じゃなく
男向け朝おんだからな、そういうのは皆好きじゃないんだろうけど
TSした元男が葛藤しながら順応していくって流れが大好きだから
男とくっつくでも女とくっつくでも堕ちるでもなんでもOKだわ
あの、失礼します。二日目が完成したので投稿してもいいでしょうか
どうぞ↓
ありがとうございます
基本的にTSの部分はエッチシーンのみになっております
なお、そもかなり不快な内容になっております
なので、苦手なかたは華麗なるスルーでお願いします
では、Phantasy BLOOD二日目始まります
Phantasy BLOOD二日目
場所 心 夢幻
私は・・・
「あれ・・・」
私の体は女でなく、男だった。でも、何故だろう。私は女のはずだ。
「ほら、起きなさい」
私を姉が起す。
「えっ・・・」
私には意味がわからなかった。なぜなら、死んだはずの姉がいる。
だって、私の家族は15歳の時に
「あっ・・・」
目の前で大好きな姉が、弟が・・・お母さんとお父さんも殺されているんだもの。
「・・・」
私は家族の流れた血の溜まりの上にいた。
そして、私も私の胸を貫ぬかれた。
正直、ため息をつきたいところだが、俺ははアヤさんを呼びに行く事にした。
とりあえず、アヤさんを起しに行くために、アヤさんが寝泊りする部屋へ行く。
こんこん
「アヤさん、起きてますか」
と礼儀を考えて、アヤさんが寝泊りする部屋の前でノックをする。
「・・・」
しかし、反応はない。俺は何回か、ノックして
「アヤさん。入りますよ」
と部屋に入る。
「・・・」
アヤさんは部屋にいなかった。俺は何処に行ったのか思案した。結果、遠くには行っ
てはないと思う。では、家の何処かにいるのだろう。とりあえず、俺はアヤさんを探す。
だが、いない。俺は、家の外にいるのだろうと思った。
場所 フローの家の外 7時12分
私は動きやすい格好で、体を動かしていた。朝早くに起きて、もう一度寝ようかと
思ったが、嫌な夢を見て寝る事ができなくて体を動かしていた。初めは準備体操をし
て、突き技の練習に蹴り技の練習に受け技の練習を行い。ナイフによる戦闘の練習をする。
「アヤちゃ〜ん」
「あ、フローさんのお母さん。おはようございます」
フローのお母さんが私を呼んでいたので私は挨拶をして、フローさんのお母さんも挨拶をする。
「で、アヤちゃん」
「はい、何ですか」
「ソフィーでいいわよ」
とウィンクをして言う。私はそれに対してうなずく事にした。
「・・・ソフィーさんと呼ばさせていただきます」
と答え、ソフィーさんは嬉しそうな顔をする。外見は妙齢だが、心は子供のようにも見えた。
投稿ミスです
>>140はスルーでお願いします
場所 フローの家 6時30分
私は目を思い切って開け
「はぁはぁ」
と荒く呼吸をする。
私はとても嫌な夢を見た。悪夢だった。しかし、その悪夢を見なければいい事だ。
だから、私は過去の悪夢を見る。
つまり、終わってないだ
だから、私はヴァンパイアと関わるために組織にいるんだ。だけど、それが終わった
ら私はどうなるんだろう。しかし、その答えをだすほど、私の思考は働く事はなかった。
場所 フローの家 7時00分
俺は身なりを整えて、起きる。ご飯を食べる部屋へ行く。
「お、おはよう。フロー」
「おはよう、セシル兄さん」
俺はセシル兄さんに朝の挨拶をして、席に付く。
「はぁ」
まだ、眠い。昨日は5時まで、歓迎会をして、寝たのは5時30で約1時間30分しか寝ていないが・・・
「おっはようー、フロー、セシル」
「おはようございます、おばさん」
どうして、こんなに元気なんだ。俺には理解する事が出来なかった。しかし、気にしてもしかたがない。
「フロー」
母が俺を呼ぶ。
何だろうかと思うと
「アヤちゃんを呼んできなさい」
と母さんは言う。
正直、ため息をつきたいところだが、俺ははアヤさんを呼びに行く事にした。
とりあえず、アヤさんを起しに行くために、アヤさんが寝泊りする部屋へ行く。
こんこん
「アヤさん、起きてますか」
と礼儀を考えて、アヤさんが寝泊りする部屋の前でノックをする。
「・・・」
しかし、反応はない。俺は何回か、ノックして
「アヤさん。入りますよ」
と部屋に入る。
「・・・」
アヤさんは部屋にいなかった。俺は何処に行ったのか思案した。結果、遠くには行っ
てはないと思う。では、家の何処かにいるのだろう。とりあえず、俺はアヤさんを探す。
だが、いない。俺は、家の外にいるのだろうと思った。
場所 フローの家の外 7時12分
私は動きやすい格好で、体を動かしていた。朝早くに起きて、もう一度寝ようかと
思ったが、嫌な夢を見て寝る事ができなくて体を動かしていた。初めは準備体操をし
て、突き技の練習に蹴り技の練習に受け技の練習を行い。ナイフによる戦闘の練習をする。
「アヤちゃ〜ん」
「あ、フローさんのお母さん。おはようございます」
フローのお母さんが私を呼んでいたので私は挨拶をして、フローさんのお母さんも挨拶をする。
「で、アヤちゃん」
「はい、何ですか」
「ソフィーでいいわよ」
とウィンクをして言う。私はそれに対してうなずく事にした。
「・・・ソフィーさんと呼ばさせていただきます」
と答え、ソフィーさんは嬉しそうな顔をする。外見は妙齢だが、心は子供のようにも見えた。
場所 フローの家の外 7時15分
目の前にはかわいいアヤちゃんがいる。そして、息子は今頃、家の中を探している
だろう。ふむ、待っていれば、ご飯食べる部屋に来るわね。
「アヤちゃん。今、セシル君が朝食に作ってるから、ご飯を食べる部屋へ行きましょう」
私はアヤちゃんに提案する。すると、アヤちゃんは
「はい」
と答えてくれた。
場所 フローの家の外 7時32分
俺はアヤさんを探していた。しかし、何処にもいない。アヤさん、どこにいるので
すか?俺はアヤさんを探すため、更なる探索をした。
場所 フローの家 7時31分
私はフローを待っていた。
「フロー、おそいな〜。こんな綺麗な方達をお待たせするなんて、失礼な奴だ」
とセシルは言い
「そうね、食べちゃいましょう」
とソフィーさんは言って
「そうですね、おばさん」
「じゃあ、いただきますをしちゃいましょうか」
「・・・」
結局、フローが来る事もなく、食事が始まった。
そして、フローが戻って来た時は私達が朝食終えて
「俺の分は?」
「それがね、アヤちゃんがお腹を空いていて、あなたのをあげちゃった」
「え・・・これって・・・フローの分なんですか」
私はフローの分はあるので大丈夫だと言われていたので、動揺して、私はフローに謝る。フローは
「あ、気にしないでください」
と言ってくれた。少しだけ、私はフローに交換を持つ事ができた。
とりあえず、フローは朝の入れたてのコーヒーを自分で入れて、席に着き
「アヤさん、今日は何処へ行くんですか?」
と尋ねる。
私は
「とりあえず、第3課のオフィスへ行きましょう。それで情報を集めましょう」
と答える。
「わかりました」
フローはそう言うと、コーヒーを角砂糖を沢山いれて、かき混ぜて、一気に飲み干した。
場所 第3課 Killer Queen 8時45分
第3課 キラークィーンに着くと同僚が二人着ていて、部長は何時もの席に座って
いた。ちなみに、部長室は客室化している。
「おはようございます」
俺は挨拶をし、アヤさんも挨拶をする。同僚、部長とも挨拶を返して
「お〜い。アヤ君、フロー、こっち来い」
と部長に呼ばれる。俺はアヤさんと一緒に部長のところに行く。
「実は、昨日に手続きをとって警察からいろいろと聞けるようにした」
と言い出す。つまり、部長が言いたい事は
「警察と協力しろと」
「そう言う事だ。お前は外面いいかな。がんばれよ」
部長はそう言うと
「次はアヤ君だ」
と言って、机の引き出しを開ける。
「アヤ君はシガレットケースとか持っているか」
と部長はアヤに尋ねた。
「持っているが」
とアヤは答える。
「なら、大丈夫だな。一応、お前が来る前に知り合いから葉巻が好きで、税関を楽にパスするために持ってこなくて・・・お、あった」
部長は木製の箱を取り出した。
「こいつは・・・ヒュミドールじゃないか」
アヤさんの目はきらきらとしていた。なんとなく、理解できた。つまり、この箱に葉巻
が入っていると言う事だ。
「ほぉ、葉巻を吸う事だけはあるな」
と言って
「ほれ、12本。お前のための葉巻だ」
アヤさんに葉巻を12本渡す。
「な、何?いいのか」
アヤさんは遠慮をしながら、しっかりと葉巻を受け取った。
「しかし、誰から聞いた?私が葉巻を好きだなんて」
アヤさんは思った事を部長に投げかける。
部長は
「モズからな」
と答えた。
すると、
「あ、百舌鳥さんね。」
と頷くように言ってから部長にお礼を言う。しかし、モズさんとは一体誰だろうか?
俺は後でアヤさんに尋ねる事にした。そして、俺達は警察署へ行く事にした。
場所 警察署 9時31分
私は警察署へ行くと、警察署のカウンターはとても静かだった。フローがカウンタ
ーの人に話し掛けて、用がある刑事に会えるようにお願いする。すると、一人の刑事さ
んが来て、私達を2階の客室に案内される。
「・・・」
ブラックコーヒーが出される。
「なあ、こいうマナーとかわかる?」
とフローに尋ねるが・・・フローもわからない。とりあえず、コーヒーを飲むのは後
にして、用がある刑事が来るのを待り、3分後にその刑事さんが来た。私は立ち上が
り、フローも私を見て立ち上がり、私は挨拶し、フローも挨拶をする、もちろん、自
己紹介もして、私達が一通りいい終えると、刑事さんが朝津をする。名前はリーブ・
スヴェール。今回の事件を担当する事になった刑事だ。外見は50から60歳の男性
で茶色のズボンに白い長袖のシャツにネクタイをしていて、髪は白髪のおじさんで、
中肉中背だった。さりげなく、お腹が出てなくていいと思った。
「それで、何を聞きに?」
「事件で思った事」
私は面倒なので、正直に聞く。リーブ刑事は少し悩んで
「そうですね。一つだけ言える事は人が一人で行える事件ではない。では、複数で行
えば、目撃者の一人や二人が怪しい人物を見ていいはずです。けど、目撃者は一人も
いない。さらには身元がわからない。DNA鑑定をしても身元はわからなかった。」
と答える。
どうやら、この刑事も薄々と人を超えた存在の仕業に気が付いているのだろう。
でも、この刑事は一人でも大丈夫だろう。なんとなくだが、この刑事は異常な状況に
追い込まれても冷静に対処できると思えたからだ。そして、これ以上は何も聞く事は
ない。私はこの場から去る事にした。
どん
客室にいきなり、刑事さんと思われる人が入ってきて
「大変です。また、起きました」
と言う。
刑事は
「わかった。すぐに現場へ向かう」
と言って、私達はその現場を一緒に見ていいいか尋ねる。
すると、刑事は
「いいだろう」
と渋くハードボイルド風に答えてくれた。
場所 二つ目の殺人現場 10時12
二つ目の殺人現場は街で唯一の美術館で、おぞましい美術品を見ているようだった。
死体の状態は男女が抱きあって、コンクリートの壁にめり込んでいる。だが、首から
下までは骨だけなのだ。そして、私は首元を確認してもらうと、男女とも首筋に4つ
の黒い点、そう、吸血した跡がしっかりとあった。
「こりゃあ、どうやって・・・運ぶんだよ」
明らかに、壁ごと死体を運ぶしかなかった。とりあえず、私とフローは警察の調査の
邪魔にならないように調査を眺め、遠目から死体を見るだけであった。
「アヤさん、どう思いますか」
フローが尋ねる。
私は
「人技とは思えないよ」
と答え、フローはどうなのか尋ねる。
「そうですね。コンクリートで彼らを埋めるのにも、コンクリートは色あせています。つまり、コンクリートに自然にめり込んだと言う事になります」
フローはまじめで、私が思っている事を的確に言ってくれる。
「だよな」
と私は言って警察の調査を眺め、21分後に死体を壁ごと取り外すために機材が持っ
てこられた。そして、死体を壁ごと取り外す作業を始める。工事現場のような音を立
てながら作業は進み。無事に死体は壁ごと引き外され、壁には長方形の穴が開いた。
だが、それだけだったらよかった。
「あれは・・・」
長方形の穴を越えた先には、魔方陣が描かれていた。もし、言葉に表すならば円の中
に正三角形が納まり、私には理解できない言葉が円の中に書かれている。しかも、それ
を触ろうとする調査官がいた。私はすぐに叫んで止めに入る。
「え・・・あっうわあぁああああああああ」
私の制止は間に合わず、目の前で人が一人消えた。私はすぐに
「その魔方陣に触れるな」
と叫んで、魔方陣に近づき
「フロー、この状況を説明しろ。たぶん、異界に繋がる魔方陣だ。私は鑑識官を助けに行く」
とフローに言う。
フローは
「わかりました。でも、武器はありますか」
と言う。
私は
「安心しろ」
と答えて、魔方陣に触れた。その瞬間、私は光に包まれて、私を包む光が消えると闇
の中にいた。私は自分の体を見ると、体が粒子となり闇の彼方へと吸い込まれた。
場所 二つ目の殺人現場 10時47分
俺はアヤさんに言われた通りに説明した。一応、誰でもわかるように説明をしなく
てはいけないのだが。
「異界に行ったなんて、信じられん」
リーブ刑事が言い、まわりにいる人も異界に行った事をあまり信じていない。一応、
目の前で人が消えている。しかし、それは人間の常識を超えている。俺はこれが専門
で常識を超えた事も対応できる。しかし、常識と言っても、それはこの人達の常識で
はない以上が常識で、俺にとって別に起きた異常が起きたら対応できないだろう。だ
からと言って、それに対応しなければいけない。そして、人は常識以上のものを対峙
すれば、ほとんどは回避を行う。だが、それが出来なくなれば、立ち向かう事になる。
つまり、その以上を受け入れる事ができるようになる。だから、俺がしなければ、い
けないのはこの異常事態を対応させる事である。
「とにかく、触れては危険です」
一応、注意もしとく。
だが、
「おい、人を集めろ」
リーブ刑事は異界に行くつもりである。俺は必死に異界に行かないように説得する。
「無理だ。仲間が異界に行った。なら、助けに行かないでどうする」
「・・・」
もしかしたら、リーブは誰よりもこの状況に対応していたのかもしれない。しかし、
その対応の早さがいけなかったのかもしれない。異常になれた事によって、リーブは
異界に誤って行ってしまった不幸な鑑識官を助けに行こうとしている。しかし、異界
は危険だった。異界にはこの現実世界で起きる事とは違う世界なのだ。しかも、そこ
に行って帰る事ができるかというと、わからない。つまり、未知の場所を探検するよ
うな事である。
「リーブ刑事」
私はリーブ刑事に話し掛ける。
「なんだ?」
「今すぐ、貴方の仲間を救い、誰も犠牲者を出したくないと思ったら、ここで待って
ください。アヤさんを信じてください」
俺は無力で言う事しかできなかった。だが、無力で、言う事で人が助かればいい。
リーブ刑事は俺の目を見た。俺もリーブ刑事を真剣な目で見る。
「わかった、15分だ。15分まって誰も帰ってこなければ、突撃だ。それぐらいで、
大体人が集まるからな」
リーブは15分待ってくれる事を約束してくれた。後はアヤさんを信じて待つだけだった。
場所 異界で不快な美術館 49時89分
私は粒子で、異界でその粒子は一つとなり、私は異界の上に立っていた。私はとり
あえず、辺りを見回しながら6つの指輪を両手の人差し指、中指、薬指にはめた。周
りの様子は美術館だった。だが、美術館に飾れている美術品は不快な美術品ばかりだ
った。女性が小さな幼女を食い殺す絵。腕をもぎ取られた叫ぶ少年の肖像。それから、
下半身を失って、自分の内臓を必死に探す絵などが飾られていた。壁に掛けられた電
子時計は49時79分と表示されて、あたりは暗くて、視界が悪かった。でも、私には
関係ない。なぜなら、私がヴァンパイアだからだ。
「・・・」
さて、何処を探そうか。とりあえず、魔方陣を探す。しかし、魔方陣は私がいた世
界にあった場所に魔方陣はなかった。では、やる事は一つだった。鑑識官を探して異
界から出る出口を探すだけである。だが、調査員は何処行くだろうか?私は歩きなが
ら考えて、
「もし、この場所から早く抜け出したいと思うなら」
まずは私がい
た世界にある魔方陣の場所を探す。けど、それが見つからなかったら・・・異界
に来て、この異界に耐える事ができなかったら、鑑識官は美術館の出口へ向かう。私
はそうと判れば美術館の出口へ向かうだけだった。
「すぅうううううう」
?
「すぅうううううう」
人では何かの存在の音がした。私は歩みを止めて懐に隠していたナイフを鞘から抜く。
それと、指にはめた指輪を確認する。一応、この指輪はナックルダスターという格闘
武器で、私はケルベロスと呼んでいる。
「すぅううううう」
べたべたべた
確実に私に近づいてくる足音がした。私はその足音に対して、神経を研ぎ澄まして何
処から襲ってきてもいいように構えた。
場所 異界で不快な美術館 49時90分
僕は仕事で使っていた懐中電灯で薄暗い廊下を照らしながら歩いていた。ここは何
処だ。僕はあの赤い文様に触って、こんなおぞましい場所へ来てしまった。そう、本
能でわかる、現実を超えた世界。そこで、精神が持つかというと、あまり持たない。
僕はここに着いた瞬間から、発狂しそうで、美術品を見た瞬間吐いてしまった。でも、
もうすぐここから抜け出せる。出口はもうすぐなのだ。僕はゆっくりでもいいから、
確実に出口へ歩く。本当は走りたい。だが、本能が恐怖で走る事すらできなかった。
とにかく、歩く事のみだった。もうすぐ、ホールに出る。そこに着けばすぐに出口だ。
「すぅうううう」
「ひっ」
ナニカイル
べたべた
コッチニクル
「すぅうううう」
アブナイ、シヌ、キケン、コロサレル
一体、なんだ
というのだろう。この世界に怪物は架空の世界だけで十分だった。だけど、俺は
ミテハイケナイ
照らしてしまった。その何かの足元を・・・
べたべた
それはこちらに近づいてくる。
シンジャウヨ
僕は懐中電灯の光を上へとゆっくりとあげる。
シヌ シヌ シヌ シヌ シヌ
「・・・あっあ・・・あああ」
何を言えばいい。今まで見たことない生物か、でも、おい、こっちに来ているじゃないか。
助けてくれよ。
べたべた
僕の足動けよ。
「すぅうううう」
誰か、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、
助けて、助けて、助けて、死ぬんだよ。助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、
助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、
助けて、助けて、
助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて
「・・・・・・・・・・・・」
それは・・・・・だった。
場所 異界で不快な美術館 49時90分
それは異界の住人だった。外見は小学生低学年の子供ぐらいの身長で熊が2本足で立って
いるようだった。人の形をして、毛は見当たらないく、首は太くて顔はなく・・・そ
の顔は大きな口だった。
しゃきん
私が近くによると、異界の住人は鋭利な爪を出す。私はナイフを構えて、一撃で仕留め
る事が出来る距離まで近づいていく。すると、相手はなぜか、私に近づくのをやめた。
「・・・」
ちなみに、私はあと1歩で奴を仕留める間合いにいる。でも、むやみに近づく事はで
きない。なぜなら、私はこの異界の住人が何者かもわからない。それにどんな能力を
持っているのかなんてわからない。だから、気をつけなければいけない。
「すぅうううう」
しばらく、異界の住人とにらみ合った。
「!」
だが、異界の住人は私から背を向けて立ち去る。私はきょとんとした目になって、唖
然としていた。あの異界の住人は何をしたかったのだろうか?だが、それを確かめる
すべなんてない。私はナイフを鞘にしまって調査員を探しに行こうとする。
ざしゅ
「あっ・・・」
口から声が漏れて、私は両足に力が入らなくて前に倒れる。まさか・・・あれ
は囮か。だが、今は傷の確認だ。足の筋をやられていた。つまり、私は背後から足の
筋を切られて動けなくなってしまったのだ。
「すぅうううう」
異界の住人は私の背後に3人いて、先ほどの異界の住人がもう2人ほど、連れ来て合計
6人の異界の住人に囲まれた。
「・・・」
異界の住人は
べたべた
という足音をつたって歩いてくる。私は地面にお尻をついたまま、ナイフを構える。
べたべた
異界の住人は私がナイフを構えているのに、それも気にせずに向かってくる。
だが、私はそれを待つ。
あと3歩
あと2歩
あと1歩
ざしゅ
首に鋭利な刃が突き刺さり、血が噴出する。
どさ
と倒れる音がした。
「・・・」
ばこ
両足で蹴り、後ろへ思い切って吹き飛ばした。
そして、私は投擲したナイフを抜く
倒して倒れた異界の住人に刺さった首からナイフを引き抜く。
「すぅうううう」
一方、立ち上がった異界の住人は私を見て同様するどころか
べたべた
と確実に歩む。先ほど、私が起き上がるために両足で蹴った異界の住人は口から血を
だしながらも立ち上がる。私は、この程度ならまず負けない。だが、異界の住人を倒
している暇はない。なぜなら、異界に私とは別に迷い込んだ人がいるのだ。私は、異
界の住人を相手はせずに走り出した。異界の住人は走り出した私を走る事はなく、歩
いて追う。だが、それは私に追いつく事ができず、
「出口ハ無イヨ」
と言ってようにも思えた。
場所 異界で不快な美術館 49時94分
僕の目の前には、怪物がいた。俺は尻餅をついて、腰が抜けて走る事も歩く事もで
きなかった。僕は目を見ひらいた。目の前には3匹の怪物で、こっちに迫っている。
僕は後ろへ引き差がる。
「すぅううう」
怖かった。だから、怖くて後ろを確認した。
「はっぁ・・・」
後ろにも3匹いた。しかもその距離は5歩で僕に触れる事ができる。僕は、前からも
後ろからも来た怪物から逃げるために横に逃げた。だけど、
「あ・・・まってくれ・・・助けてくれ」
壁が邪魔して、俺は逃げられない。
「助けて・・・ママ・・・ママ・・・助けてよ、ママ」
怪物たちは僕を殺すために歩みを止めなかった。
ざしゅ
大量の血が吹き出ていた。
場所 異界で不快な美術館 49時97分
私は廊下で異界の住人に囲まれた鑑識官を救うために、手に持っているナイフを投げ
て走り出す。ナイフは異界の住人の首に刺さり、異界の住人はどさりと倒れ噴水のよ
うに血を出した。異界の住人は自分の仲間が倒れて、敵がいると判断したのか、私の
ほうを向いた。だが、遅い。
「はっ」
私は異界の住人を蹴り上げる。
べき
と骨が折れる音と感触がした。私は首にナイフが刺さった異界の住人からナイフを抜
き取り、4人・・・否、さきほど蹴った異界の住人が立ち上がって5人の異界の住人
と対峙する。私はナイフを構えて、すぐ近くの異界の住人からナイフで首を切り裂い
た。ただし、切り裂くのは私から見て右の首筋である。なぜなら、そこが弱点ですよ
と言わんばかりに、異界の住人の欠陥は浮かび上がっているのだ。だから、それを切
れば異界の住人は動かなるはずだ。実際、そこを先ほど切られた異界の住人は動いて
いない。私は異界の住人の首を確実に一人、また一人と切り裂いてゆく。そして、全て
の異界の住人を切り裂いた時は血まみれだった。
「・・・はぁ」
黒いスーツを着てきてよかった。血が目立たないから楽だ。でも、洗わなければいけ
ばいけないと思った。
「大丈夫か」
私は鑑識官に状態を確かめるために聞く。だが、相手は自分が助かった事についてこ
られていない。さて、どうしたものか。まだ、異界の住人はいるだろう。
だから、ここで立ち止まっているのは危険だろう。なので、やる事は一つだ。鑑識官が走れるようにする。
私は
ぺちぺち
と鑑識官の顔を叩いて
「あんたの名前は?」
と尋ね、言えるまで繰り返す。鑑識官は私が3回目に聞いて時にやっと
「ジャック・スピネスです」
ち答える。
私は
「そうか、ジャックというのだ。よし、よく聞け、私と一緒に来い、それだけだ。いいな?」
と相手に言い聞かせるように言い
「私と・・・一緒に・・・来い」
と相手にやるべき事だけを言う。ジャックはそれに頷いて立ち上がる。後はここから
逃げるだけだ。だが、何処へ行くかなんてわからない。だか、片端から調べても、ジ
ャックが精神崩壊とか、錯乱されても困る。ここは、出口に向かおうと思っていたん
だ。だから、私達は出口へ向かう。途中、現れる異界の怪物は基本的に逃げる事に徹
底し、ジャック危害が及ぶ場合のみ倒す。それ以外は無視をして私とジャックは美術
館を走りぬける。そして、
ごーん
「!」
ごーんごーん
何か鐘が鳴る音がした。一体、何が起きているのか。私にはわからない。
「な、何が・・・」
ジャックはブルブルと震えている。私はジャックの様子を見て、一刻もこの異界から
抜け出さないといけないと思った。
場所 異界のホール 00時13分
私達は必死に走りホールに到着した。ホールは吹き抜けで、壁に掛けられている絵
はとにかく不快な絵ばかりだった。しかし、それよりも、魔方陣があった。
「た、助かった」
ジャックはそう言うと魔方陣に向かって駆け出した。私も周りを見る限りには敵がい
ないのでジャックを制止させなかった。
「う、うわぁああああああ」
だが、それがいけなかった。いきなり、ホールにある一番大きな絵から出てきた大き
な顔が潰れた犬に襲われる。私は跳躍する。犬は潰れた顔が3つに顔が割れてジャッ
クを飲み込もうとする。私はどこでもいいから、犬の急所だと思うところにナイフを
突き刺す。だが、効かない。もう、ジャックが飲み込まれようとしている。私はナイ
フが効かないのかもしれないと思った。なら、次に持っている武器はナックルダスタ
ーのケルベロスしかない。私は犬の首と思われるところに狙いを定め、犬の背骨に当
たる部分を拳で突いた。
ばぎ
骨は固くて、とても痛かった。だが、骨が砕ける音がして、犬は叫び声をあげてジャッ
クを振りほどこうとする。ジャックはその間に逃げ、私は振りほどかれないようにす
るためにナイフを突き刺した。だが、犬は激しく暴れる。これでは、攻撃ができない。
私は、犬からナイフを抜き取って犬から離れる。犬は標的をジャックから変えて私に
移す。私と犬は魔方陣の上で対峙するような形になる。その瞬間、魔方陣が光りだした。
「!」
一体何が起きたのかと思った。だが、すぐにわかった。
「で、出られない。出してくれ、助けて」
魔方陣が壁になって、魔方陣の中に入る事も出る事もできなくなったのだ。さて、私
達が生き残るにはこの怪物を倒すしか無いようだ。
「・・・」
私はナイフを構えながら犬を観察する。犬は毛皮で覆われている。顔も潰れているが
厚い皮で覆われている。つまり、この犬の内側は柔らかいという事になる。しかし、
犬の中に入るのは少しばかり嫌だと思った。なぜなら、犬は顔が3つに割れて私を丸
呑みにしようとしている。そこまではいいが、丸呑みにされた瞬間に私の体はすっぽ
りと収まる。だが、沢山ある鋭利な牙で串刺しにされる。そう、鉄の処女という、拷
問器具なのか、処刑器具なのか、脅迫器具なのかわからない、あれに見えた。でも、
一つだけ判る事は、この犬を使えばどれもが当てはまるだろう。ただし、拷問器具はあ
の串刺しにされて助かる人だけだ。で、私は助かるほうだが・・・串刺しになるのは
嫌だ。ならば、あの犬に効くのは打撃しかない。奴の骨を粉々に粉砕したりするしか
ない。私はナイフを鞘にしまって、拳を構える。犬は私を見て、威嚇をするような事
はしない。もちろん、私もしない。なぜなら、犬も私も威嚇しても無意味だとわかっ
ているからだ。ならば、何を意味するか。それは勝負が長引かない事を意味した。
つまり、1激必殺で相手を殺すと言う事である。私は微動だしない。犬も微動だしな
い。ただ、少しでも動けば、この戦いは勝敗が決まる事を意味していた。
「・・・」
「・・・」
沈黙が続き、この戦いに邪魔する者はいない。私は犬と向き合う。犬は何を考えてい
るのかはわからない。でも、わかってしまう気がする。よくわからない、この一撃で私
を殺そうとしている気がする。それは私も同じだ。もしかしたら、相手も同じ事を考
えているのかもしれない。だからこそ、互いに、この一撃に集中するのだろう。だか
ら、この先は考えずに思うままに行動するのだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だっ すぅ ごっ
この戦いに引き分けなど存在しない。もし、存在するならば、相打ちのみだ。私は立
っている。相手も立っている。だから、見ている人は引き分けだと思う。だけど、引き
分けなんかじゃない。私と犬はわかっている。もうすでに決着はついている。だから、
倒れるのを待つだけだ。
ぽたぽた
血が出ている。私は膝をつく。私の右肩から腕までなくなっていた。沢山の血が私か
らあふれ出してくる。意識が消えてしまいそうだ。たとえ、ヴァンパイアといえども
・・・血が無くなれば終わりだ。だから、私は血が出ている部分を押さえる。
「あっああああっあああ」
熱い、腕が焼ける。痛みに気絶して倒れればどれだけいいだろう。だけど、それは許
されない。だって、私は勝ったのだから。
ずどん
犬が私の後ろで倒れた。
私は振り返ると、犬はだんだん溶けていき、赤くどろどろとした液体が魔
方陣に沿って染み渡ってゆく。そして、最後に残った骨は灰になってしまった。私の
右腕はなかった。その代わり、ナックルダスターと何かの1枚の紙があった。私は、
ナックルダスターのケルベロを拾ってポケットに入れて、一枚の紙を手に取る。それは古新聞だ
った。
「・・・」
今は読む気にはなれない。とりあえず、ジャックを呼んで密封できるビニール袋に入
れてもらい、私はその紙をポケットにしまう。そして、魔方陣はあの赤いどろどろの
液体が全て染み渡り、私達は光に包まれた。光が溶けると闇の中にいた。だけど、自分
の姿ははっきりと見えて、私は粒子となって、また何処かへ飛んで行った。
場所 二つ目の殺人現場 11時20分
すでに、15分は超えていた。
「わるいが、行くからな」
一応、俺は説得してみるが、刑事を止める事はできない。
「準備がもう出来ています。ホールに待機させています」
もう、すでにホールに人を集めたようだ。こうなったら、
「刑事さん、俺も一緒に行ってもいいです?」
こうなったら、一緒に行くしかない。刑事は
「好きにしろ」
と言って許可してくれた。そして、俺達はホールへと向かう。
場所 美術館のホール 11時23分
ホールに来ると約18人の武装した人達がいた。なんか、かっこよかった。映画や
テレビのドラマでしか警察は知らないけど、なんか、あこがれた。って、不謹慎だ。い
かん、アヤさんが異界に言ってがんばって・・・
「ぐへぇ」
あ、天罰か?それとも、一体?あれ、目の前で異界に行った人がいる。しかも、みん
ながその人に注目して駆け寄っている。あれ、と言う事は
「おい、お前のコートを貸せ、早く羽織らせろ」
アヤさんだ。俺の上に乗っているのはアヤさんだ。一応、アヤさんは俺の上からすぐ
にどいて、コートを脱いで・・・
「あ・・・その・・・」
「だからだ、貸せ」
「は、はい」
俺はアヤさんにコートを貸す。それと、着るのを手伝ってあげたが
「大丈夫ですか」
一応、心配だから聞く。何せ、肩から腕が
「はっきり言って、血が足りないね」
とアヤさんは不機嫌そうに答えて、
「あの鑑識官に私の腕がもぎ取られたのを見られているから、組織に連絡して後処理
をお願いして、他の人達は私の腕が無くなっている事に気がついていないから。明日
になって、私の腕が元通りになっていたら怖いでしょう」
俺にしか聞こえないように言う。だけど、俺の緑のコートが血で染まり始めている。
「アヤさん、とりあえず・・・後処理は組織にまかして、アヤさんの治療を」
今はそれしかなかった。今後、ジャックという鑑識官がどうなるかは俺が知る事では
ない。ただ、彼にとっては不幸な出来事で、今後は第4課 Guardia Emperor
(ガーディアンエンペラー)に保護されるだろう。ちなみに、俺達の組織は人を守る
事で殺す事ではない。だから、もしかしたら・・・ジャックという鑑識官が組織に入
ってもおかしくないだろうと俺は思った。だが、そんな事は結局どうでもよく、俺は
アヤさん車までつれて行く事だった。
「一人で歩ける」
アヤさんは俺の肩を借りずに車まで歩いて行き、俺はそれについて行くだけだった。
場所 美術館周辺 17時49分
少女は過去をたどって来た。少女が来た時にはすでに事件が起きて、美術館は警察
が見張りをしていて入れない状況だった。少女は忍び込もうとも思ったが、捕まって
何をしていたかと答えても信じてはもらえないとわかり、しかたがなく、美術館のまわ
りにいた。そして、少女は美術館の建物の壁に触れる。少女は美術館の過去を見る。
美術館が建てられる映像。美術館に新しい絵が入って来る映像、美術館で絵に感動す
る人々の映像が見える。だが、それらはどうでもいい。必要なのは、この事件の映像
だった。なぜなら、兄を殺した犯人の映像を探す。だが、それは少女がまた悪夢を体
験する事を意味した。
この先はグロデクス、暴力シーンがあります あと、エッチなシーンもあります
一組の男女がいた。二人は美術館の職場で出会った。初めは美術のお話をしてから、
付き合いはじめ、友達から・・・時間を掛けて・・・互いを知り始める。だが、二人は
恋人同士なのかわからず、未だに曖昧な状態だった。しかし、二人の心は強く結ばれ
ていた。例え、お互いの体を交えなくても、結ばれていた。それは白く美しい愛なの
かもしれない。
だけど、白は染まりやすく、黒とは違う。
異変はすでに起きていた。ただ、二人に最後の白き愛を味わわすために時間を与え
て待ってくれたようにも思えた。だけど、それを自分の好きなように染めるのはどれ
だけ楽しいだろうか。
「ねえ、あれ・・・」
二人の前に人が現れた。それは、見た瞬間は人だった。だけど、すぐに人じゃなくなる。
では、その存在はなんなのか?だけど、確かめる方法なんてない。人からその存在に
なったものは壁にめり込み、体を変化させてゆき、植物なものになった。まるで、花が
壁に咲いているようにも見えた。しかし、綺麗なものには棘があるバラのように、触
手が二人を襲う。二人はわれ先と逃げ出し、人間の醜さを見せる。だが、二人は簡単に
触手に捕まえられて、壁へめり込む。まるで、壁が底なし沼のようにずぶずぶと入っ
ていく。それと、同時に体の変化が起きている。わからない、痛みはない。何も感じ
ない。まるで、体が麻痺をしたように壁に入りこんだ部分だけ何も感じない。その代
わり、壁に入り込んだ部分は強烈な苦痛が伴う。顔が焼けるような感じだった。二人
は叫ぶが、その叫び声は誰も聞こえない。
「ぐがぁがあ」
「があぁああ」
だけど、すぐ
に収まる。しかし、二人は未知の感覚に襲われ、二人の男女の性別が入れ替わってい
た。
そして、細い2本の触手は女の処女幕を破る事なく、女の中に侵入して、膣を通
り、子宮を通り、それぞれ一つずつ二つの卵管を通り卵巣まで到達して、
ぶす
卵管に髪の毛より細い針を突き刺して大量に卵を作り、排卵を促す液体を注入する。
それと同時に
「あっあああ」
お腹が熱くなった。それは体の一部が活性化して起きた熱さだった。でも、すぐにそ
の暑さは引き、未だに女の中にいる細い触手は全ての卵に一つ一つ液体を注入する。
だが、時間がかかるので、細い触手の束が女の中へ入る。しかも処女幕を破られない
ように入って行く。男からなった女になった女は普通の女でも味わう事ができない体
験をした。さらには何本の触手が膣内や子宮を刺激した。
「くぁ・・・あっ・・・いぃ・・・」
たださえ、女と言う体に馴れていないのに馴れない刺激に襲われる。しかも、それが
男よりも気持ちいい。なんどか、自分を慰めた事はあるが、それ以上である。一方、
女から男になった男は女と同じように未知な感覚を味わっていたが、何もされていな
かった。その代わり、目の前で喘ぐ元男の女から目がなぜか離す事ができなかった。
一方、女は自分が見られている事にわかっていても、それを拒む事を言えなかった。
なぜか、自分の全てが見てもらいたくて言う事ができなかった。
「くっ・・・はぁ・・・うぅうああああ」
少しだけイってしまった。
男はその姿がとてもいやらしく美しく見えた。女は、くの字
になってお腹だけ壁にめり込むかたちになり、男は体全体が壁から出され、女の目の
前に男の肉棒が目に留まる。なぜか、自分が入れるはずのものが目の前にあって、な
ぜか、自分の中に入る事を想像してしまう。一方、男は目の前にいる女を犯したいと
思った。支配したいと思った。だから、そう願ったら、自分の肉棒を女にあてがっていた。
ずぶ
先の部分だけ入り、弾力性のあるものに邪魔される。だけど、全てを支配したいと思
う男は女がどう拒もうと入れるだけだった。
「あ・・・痛い、痛い、痛い」
みちみちお入るが構わない。どんなに言おうと構わない。だから、女は気がつく。女
は支配するのではなく支配される存在だと言う事に気がつく。女がそう思った瞬間
ずぶり
「・・・かはっ」
全ての肉棒が女の中に入る。膣内は先ほどの触手によって、塗らされて男が肉棒を入
れた後はスムーズに腰を動かす事が出来た。男は女の中を楽しむ。一方、女は処女を失
った痛みに苦しみながらも
「はっあ・・・あぁつあ・・・あっ」
いやらしい声を出す。しかし、痛みによって女は絶頂に達する事はなく。男は腰を振る
だけである。その間、その存在はこの光景を楽しんでいた。そこに愛はなく、歪んだ
欲望が渦巻いていた。男は男になって初めての絶頂を味わおうとした。
そう、己の欲望の塊を吐き出す絶頂を・・・
「出る・・・何か・・・出そう」
と男は言う。それを聞いて、女は絶望を味わう。それが何を意味するか、それは完全に
染められ、服従させられると言う事だ。だが、それを止める者はなく、
どくん
欲望の塊は吐き出され、女の子宮を満たす。女は女になって、満たされる快楽を覚え、
放心状態になっていた。男は触手によって女から引き離される。一方、女の股からは
先ほど出した欲望の塊が赤い血と一緒にどろりともれ出ていた。
だが、これで終わりではなかった。女は急に気持ち悪くなる。
「げふくぅあぁああ・・・うぉおええええ」
さらに女は吐いてしまう。さらには、食べ物を欲する。かわりに、触手が女の口に甘
くて美々なる液を飲ませる。女はごくごくと飲み干す。すると、女のお腹はどんどん
とふくらみ、妊娠したようになる。否、女は妊娠していた。だが、それは・・・
「あっ・・・つう・・・」
破水した。本当だったら、味わうはずもない事を女は味わい、苦しむ。男から女にな
った女はこの世に命を産む苦しさを味わっている事でもある。
「がぁあぁあつあぁはあぁはぁはぁ」
息がうまくできない、お腹が暴れ、何かが出てくる。
べしゃ、ばしゃ
しかも次から次へと出てくる。
「あ・・・1匹、2匹、3匹」
男は女が産んだ命を数える。そして、全てを女が産み終えると股からはへその緒が何
十本と垂れ下がっていて、そのへその緒につながれているのは顔がない赤子で代わり
に口がある。その口はぽっかりと穴が開いているようにも見える。でも、それは人型で
ありながら成長しても人にはならない存在だった。女は異界の住人を生んだ。一方、
男は見た。男は女を支配した。でも、逆に支配されている事にも気がつく。なぜなら、
女が存在しなければ、男は生まれない。ならば、女が女だけで、命を生み出す事が出
来るのならば、男は不要である。つまり、男は気がつく、女は男に体を支配され、男
は心を支配された。だから、男は何があっても女を放す事はない。だから、何時まで
も繋がっていたいと思う。だから、その願いが感じたのか。また、女と繋がるチャン
スが巡る。
女はすでにその存在によって後処理をされた後だった。
「良イ子ニハ、ゴ褒美を」
二人は繋がった、男は獣ように女の体を支配し、女は男の心を支配して
「あっあぁうああああああああああ」
男に与える肉の快楽に喜びを得る。二人は壁にめり込む。だが、二人は繋がることを
忘れない。二人は自分達の体が溶けている事にすら気が付かない。ただ、少しずつ二人
が体も心も一つとなっていた。二人は自分達の意識が消えるまで、心は狂喜の愛に満たされていた。
以上でエッチシーンは終わりです
少女は過去を見るのをやめた。今回は失禁はしなかった。
少女は
「はぁはぁ」
と荒く呼吸して、今度は気持ち悪くて吐いてしまった。それでも、すぐにハンカチで口をふ
き取った。今日は、これ以上能力を使う事はできない。少女はとても疲れていて重た
い足を動かして家に帰る。だが、あの狂喜な体験を間接的に体験してもなお歩ける精
神を持つのは復讐からくるものなのか?それを答える者は未だ、誰もいなかった。
場所 第6課 Healing Lover(ヒーリングラバー) 15時2分
私の腕の再生のために2階にある。医療に携わるヒーリングラバーの治療室で治療
を受けていて、私は医療器具に固定されて、肩から失った腕を再生していた。一応、
外見から見れば肩から腕は再生していて、あとは神経や間接のつながりの再生だけで
ある。本当なら、千切れた腕をくっ付ければ30秒で直る傷も1から腕を再生すると
なると時間は掛かる。一応、私の場合は自然治癒で1からの再生の場合は半日から1
日かかる。この部分は人それぞれだ。しかし、お腹が空いた。
「お〜い、誰かいないか。オレンジアイスでもいい、リゾットでもいい、釜飯でもいい、
ティラミスでもいい、ガトーショコラでもいい、とにかく何か食べさせてくれ」
私は叫んだ。何か食べたい。血が足りない。一応、お腹が膨れればいいけど、できれ
ば美味しいものがいい。とにかく、右腕にあるチューブに繋がれた点滴がご飯とか嫌だ。
「お〜い、葉巻でもいいよ」
葉巻もここに担ぎ込まれた時、吸っていた葉巻も持っていた葉巻も没収された。
「お〜い、頼む。なんでもいいから」
私は叫ぶが、誰一人として治療室に食べ物も葉巻もお菓子を持ってくる人はいない。
「うぅ〜」
私はうなるが、誰も・・・
がちゃ
来た。
誰だ、何か持ってきたか?お菓子か、葉巻か食べ物か?それは美味しいものか?
「アヤさ〜ん、お見舞いに来ました」
フローは手ぶらだった。
「・・・」
私は落ち込んだ。
「すみません、アヤさん。車に乗っている間、葉巻を吸いながら、お腹空いていたと
言っていたので、お菓子を持って行こうとしたのですが、来る途中で没収されてしまいました」
「そうか」
つくづく、こいつは正直でいい奴だと思った。フローは適当に椅子を見つけて座り
「何があったのですか?」
と尋ねる。私は異界の出来事を全て話した。
「で、開いた口に骨で覆われた部分が弱点だと思ってそれを破壊するために肩から右腕を・・・」
「あ、うん」
「アヤさん、無理をしないでください」
「あ、うん」
「怪我をしたら、したらで心配なんですからね」
「あ、うん」
なんか、フローが親に見えてきた。でも、こういうのもいいと思った。
それに、小夜を少し思い出す。
「そういえば、アヤさん」
「なんだ?」
「あの紙を調べた結果を」
フローはポケットから異界から拾った紙が入ったビニール袋を取り出した。
「おお、それで」
「結果は、かなり古い紙でして、新聞に記載された日にちのものだそうです。あと、その新聞に記載された事も本当でした」
フローはそう言いながら、私に紙を手渡す。
「ありがとう。ということは、この紙に書かれた事は真実か・・・」
私は考える。紙に書かれているのは、30年前に起きた集団殺人事件の内容だ。
だが、今回の事件の関連があるのかは謎だ。
「おい、フロー」
私はフローを呼んで、
「二つ目の事件の話し合いだ」
と言って今回の事件をフローと話し合いをする。
まず、今回の二つ目の殺人の発見は美術館の警備員である。警備員が9時30分の
巡回で発見した。だが、問題は美術館に来ていた人は誰も気が付いていなかった。
警備員の話だと、たまたま壁から浮かび上がってでてきたそうだ。はじめは、警備員
も疑われたが、監視カメラが証拠になってくれた。ちなみに、監視カメラには事件の
様子は写されてなかった。あと、今回も遺品は見つからず、死亡したと思われる時間
は顔だけの部分から判断して23時から1時の間の深夜だと言う事だ。あと、今回も
身元は不明だった。だが、異界に行けた事でわかった事もある。あくまでも、推測だ
が、二人は異界に行っているだろう。だから、警備員もそれまで気がつかなかったん
だ。しかも運よく魔方陣を見つけなくてよかったと思う。フローの話によると、警察
が厳重に見張っているそうだ。
24時間体制で、しかも警察は魔方陣を街中を探し回っている。
「で、魔方陣の事はどう思う。フロー」
私はフローに問う。
「そうですね。俺が思うには、まずこの地図を見てください」
フロー1枚の地図を私に見せて、
「ここが一つ目の事件で、ここが二つ目の事件です」
と説明する。
「それで、3つ目はここで起きるのではないかと思うのです」
と地図のある場所を示した。
「つまり、正三角形を描こうとしているというわけだな」
「はい、そういう事です」
この殺人は儀式的なものが含まれている。
「と、いうことは・・・」
私は地図を見て顔をあげる。
フローはそれに対して
「はい、アヤさんが思っているとおり、もしかしたらですが、この街を異界化させようとしているのかもしれないです。」
と真剣な顔で言う。
「はぁ〜」
正直、やっかいな事に巻き込まれてしまったと思う。もし、魔方陣が完成して異界化したら大変だ。
「でも、アヤさん。あの魔方陣はどう思いますか」
「ん?」
「だって、あの魔方陣には何一つとして情報がないんです」
「はっ」
私は目が点になる。えっと、フローの説明によると、本にも情報庫を見ても、専門家
などに聞いても見た事がない魔方陣だという事だ。つまり、どういう意味の魔方陣か
は不明だという事だ。
「これは、魔方陣を書いたやつを探すしかないな」
「そうですね。すでに第1課が動いて調べているそうです」
正直、これは大変だと思った。もし、異界化すれば
「集団失踪で新聞記事になるな」
「な、なんか嫌ですね」
「それほどめずらしい事ではない」
私は知る限りの情報を説明してやった。
「1590年にロアノーク島、アメリカ建国前の植民地でこの島に移住してきたイギ
リス人120名全員が失踪している事件がある。しかも家財道具を残して失踪だ」
「なんか、すごいですね」
私が話しを区切りフローは合図地をうつ。だが、まだある。
「あとはBermuda Triangle(バミューダトライアングル)を知っているか?」
私はフローに問う。
「ええ、知ってます。フロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミュー
ダ諸島を結んだ約283平方kmの三角形の海域ですよね」
「そうだ。おもしろい事に昔から、昔から船や飛行機やらが行方不明になる地域で有
名だろ。一応、事故の部分も否定はできない。」
「そういえば、そういう話もありますね」
「あとは、ハールメンの笛吹き男の話を知っているか?」
「はい、知ってますが。あれはグリム童話のお話ですよね」
と首をかしげ言う。
「たしかに、そうだ。しかし、1284年6月26日、ドイツのハールメンでは約1
30人の子供が失踪している」
「それは知ってます。けど、事件とは関係があるとは思いません」
たしかに、あまり関係ないかもしれない。
「だが、集団失踪事件はめずらしいものじゃないと言う事さ」
「あ、なるほど。でも、似てますね」
なんか、フローが妙な事を言いはじめた。
「だって、バビューダトライアングルって、三角形で、今回の事件にでてくる魔方陣
も三角形じゃないですか」
「あ・・・」
と口を開けて目が点になってた。
「お前、地図を見ていて説明した時に気が付いたか?」
「いえ、なんとなくです」
こいつ、考えるのも勘もいいなと私は思った。
「とりあえず、第1課が、次の事件になる場所を調べているのだろう」
私はフローに確認をとる。
「はい、そうです」
とフローは答える。
それを聞いた私は
「なら、今日は休んでいい。どうで、明日もいい事が起きる気がしないからな」
今の私達でできる事はこれだけだ。情報集めをしてもいい。あせっても仕方がない。
だけど、フローは
「わかりました。適当に情報集めをしとくので、アヤさんは体が直るまで休んでいてください」
なんて、いい奴だと思った。しかも、外見もそれなりに良い。だが、私にはフローと
恋人として付き合うつもりはない。理由は私は元男でしかも、恋人がいる。あ、そうだ。
「おい、フロー」
「はい、なんですか」
フローは地図を畳むをやめて、私のほうを見る。
「電話、国際電話使えるか?」
私はフローに尋ねる。
フローは
「わかりました」
と言って治療室を後にした。しばらくして、電話機の回線を延長しながら電話をもっ
て帰ってきた。
「・・・」
いい奴過ぎて、恋人がいない気がした。
「アヤさん、もって来ました」
「ありがとう」
一応、私はお礼を言う。
「いえいえ、それより誰に電話を?」
フローはそう言いながら小さな机に電話を置いて、延長コードを使って壁にあるコン
セントに差し込む。
「ん?まあ・・・知り合いにね」
なんとなく、どう言えばいいかわからなかった。フローは私の返答を聞いて、気をつ
かってこれ以上は何も聞かずに
「俺、邪魔してはいけないので出てますね」
と言って治療室から出て行く。私はそれを止めて
「そんなに長くないから、15分で戻ってきてもいいぞ」
と一応、言っとく。フローはそれに対して、私を見て
「じゃあ、何か飲み物を買ってきますね」
「よし、ジンジャーエールだ」
私はしっかりと、飲みたい飲み物をお願いして
「わかりました」
と言って治療室を後にした。私は右手で受話器を持って、番号を押そうとした。しか
し、プッシュ式ではなく、ダイヤル式だった。私は小さな机に受話器を置いて、小
夜に電話はするために・・・まて、時間を確認しなくてはいけない。今は15時47
分だ。つまり、日本は3時47分だ。私は電話できないじゃないかと思って、少しか
なしくなった。その後、フローがジンジャーエールを買ってきたが、それも治療室の
手前で没収された。
場所 ある家 10時54分
電話がなっていたので、電話にでた。
「もしもし」
声は知っている人物だった。
「百舌鳥さん?」
「おお、そうだ、元気にしているか綾」
「元気だと思うよ、それより小夜(さよ)は?」
こいつはいつも変わらない口調で言う。
「ああ、小夜ちゃん、今は一緒にお昼ご飯を作っているよ」
「そう」
「ああ、それと、お前を家に送った時に貰ったウィスキーありがとな、美味しかったぞ」
「あ、うん。こちらこそ、葉巻の事ありがとうね」
「いや、いんだよ。たまたま、お前、仕事で行く行き先アメリカで、たまたま、知り合いだっただけだよ」
「その嬉しそうな声を聞くと仲がよさそうだな」
あいつの顔は見えないが、少し微笑んでいる顔が浮かんだ。
「で、国際電話だろ。すぐに小夜ちゃんに変わってあげるよ」
「お願い、だけど、その前にお願いがある」
わしはなんだろうと思ってあいつの願いを聞いた。わしは断る事はしなかったが、あ
いつの願いを聞いて少し不安になった。だが、あいつは昔とは違う。わしは、あいつ
の願いを引き受けると、わしは電話の受話器を電話の横に置いて台所にいる小夜ちゃ
んを呼んだ。
場所 ある家 10時58分
台所で私はお昼ご飯を作っていた。そこに電話に出ていた百舌鳥さんが戻ってきた。
「小夜ちゃん、電話だよ」
百舌鳥さんはやさしい顔で言ってくれる。誰だろうと思って聞いたら綾だった。私は
嬉しくて、お昼ご飯を作るのを忘れて電話にでる。
「もしもし」
「あ、小夜」
「うん」
綾は何時もと変わらない。
「元気にしている?」
「うん、大丈夫。綾も大丈夫」
「私は大丈夫だよ」
「・・・そう」
私は綾と電話ができてとても嬉しかった。綾が仕事で行って私は寂しかった。だけど、
百舌鳥さんが来てくれて今は寂しくはない。
だけど、
「綾、早く帰ってきて」
と言う。本当に、今すぐ仕事なんて放棄して帰ってきてほしかった。だけど、綾は仕
事を放棄して帰る事はないだろう。だって、綾の悪夢は終わっていないのだから。
だから、私は
「無理しないでね」
と言う事しかできかった。だけど、綾は無理をするだろう。自分がヴァンパイアだか
らと言って、誰かの盾となり、剣にもなるだろう。だから、私は綾を守りたかった。
だけど、そんな私は無力で涙が出ていて泣いていた。
「あ、おい。小夜、どうかしたか?」
綾は慌てている。いけない、心配をかけてしまった。
「大丈夫、とにかく・・・無理しないでね」
これ以上は綾の声は聞けなくて、百舌鳥さんが心配そうに見ている。私は、泣きたい
のを堪えて百舌鳥さんに受話器を渡した。
場所 フローの家 23時02分
国際電話の料金は高い。だが、フローの母ソフィーさんは
「いいの、いいの。あなたの家族に電話をするのでしょう。家族は大切にしていいわよ」
とか言って、電話を貸してくれた。
だけど・・・
「大丈夫・・・とにかく・・・無理しないでね」
と小夜は震えた声で言った後、小夜は電話にでず、百舌鳥さんがでる。ちなみに、百
舌鳥さんはここに来る前に自家用車で家に送ってくれた老人だ。
「まあ、あれだ。お前の事を心配して、小夜ちゃん泣いてしまったんだろ。お前も無理をするなよ」
私は百舌鳥さんの言う事に対して
「うん、ありがとう」
と返事をするしかなかった。そして、私は電話を切った。
「・・・」
背後には隠れて、私の会話を盗み聞きしていたフローの母ソフィーさんとその従兄弟がいた。
そこにフローが通りかかって、何か言って、
「しっ、フロー。ばれちゃうでしょう」
とフローの母ソフィーさんは言うが、
「もう、完全にわかってますよ」
と私は言ってやった。
一応、二日目は終わりです。
投稿ミスがはじめに起きまして、未熟者で投稿を重ねてなれていこうと
思います。
なお、エッチシーンが目当てのかたは
>>161からお読みください。
あと、できれば判定などお願いします
あとがきみたいなもの
基本的に萌よりも燃の部分が多いです。
なお、作者はサイレントヒル、デメントなどのホラーのゲームが好きで
それらを参考させいただきました。
あと、さりげなくニトロプラスのデモンベインとか、好きだったり
ごめんさい、趣味に走りました。
あと、宣伝じゃないですよ
と、そういうことなので・・・
ということで、休憩後に3日目の作成に入りたいと思います
そして、あけましておめでとうございます
乙でした。
いがいと達者ですな。
楽しく読ませていただきました
ちょいといつの間にキャラの視点が変わってたのかわかりづらいとです
後変改行あるとです
それ以外はGJです
>>しぎ ◆VpKHzOu04Y 様
GJですが、やっぱり視点がころころと変わる部分は気になりました。
それ以外は非常に面白く読めたのですが、そこだけはちょっと残念だったり。
とは言え、今後も期待しておりますので、ぜひとも頑張って下さい。
あの、3日目が完成したので、投稿してもいいでしょうか
俺は、おK
ありがとうございます
今回は、グロデクスなシーン度はたぶん、低いです
Phantasy BLOOD W日目 始まります
Phantasy BLOOD 3日目
場所 フローの家 7時11分
今日も朝は来る。だから、私は起きる。カーテンを開ける。少し、
太陽の光がまぶしかった。今日も、空は青くていい日になりそうだ
った。私は準備体操をして、パジャマから黒いスーツに着替えた。
場所 フローの家 7時30分
俺は朝食を食べている。だが、怖かった。朝食が静か過ぎる。だ
が、セシル兄さんが作った、朝食はいつもどおりで、美味しい。
もぐもぐ
しかも、静かだ。今日は母さんもセシル兄さんも静かで、アヤさん
はどうなのかわからないけど、華麗なナイフとフォークさばきで食
べてゆく。まあ、とりあえず、コーヒーでも飲もう。俺はコーヒー
が入ったポットを手に取って、コーヒーをカップに注ぐ。
「・・・ずずず・・・ぶっは」
俺はコーヒーを噴出した。
「きたね」
とセシル兄さんは顔をおなべでガードしながら言い
「もう、フロー」
と母さんはナプキンでガードしながら言い
「どうした」
とアヤさんは言う。唯一、ガードせずにのんびり構えている。で、
ここまでの行動でわかる事は一つだけだ。
「母さん、セシル兄さん、コーヒーに何か入れただろ、辛いのだが」
ほとんど、わかっていた。セシル兄さんは笑って、母さんは
「やったー、成功」
とか言っている。この二人に反省している様子はない。で、犯人は
この二人で確定だった。
「アヤさんが、コーヒーを飲んだらどうするんだ」
「大丈夫よ」
と母さん。俺は訳がわからないので問う。
「だって、アヤちゃんはコーヒーを飲まないって聞いているもん。ねー、
アヤちゃん」
「確かに、朝は飲みませんが。まさか、朝に飲みたい飲み物を聞いたの
はそのためですか」
「ええ」
なんて、母さんだ。ああ、何時からだろう、こんなふうにされるのは
「・・・」
俺が物心ついた時からだ。そして、こうやって、ローガン家の朝が終わ
り、1日が始まる。
場所 車の中 8時15分
私はセシルの運伝する車に乗って、第3課へ向かう。
「そういえば、組織が作った日焼け止めってすごいんですね」
なんか、フローがよくわからぬ事を言う。
「お前、何を言っている。私は日焼け止めなんぞ使っておらん」
何か、フローは勘違いをしている気がする。
「え、そうなのですか?ヴァンパイアって日の光ってだめじゃないので
すか」
「・・・」
これは完全に勘違いしている。
「フロー、私は太陽の光は大丈夫だ」
「え、そうなのですか。じゃあ、ニンニクは」
「大丈夫だ」
「・・・」
「それに私は血を吸わないヴァンパイアだ」
「それって・・・ヴァンパイアじゃないような」
確かに、それではヴァンパイアとは言えないだろう。だが、私はヴァン
パイアである。それだけは変わりない。
「フロー、ヴァンパイアのイメージが通じるとは限らない。実際にやっ
てみなければわからない事もあるんだよ」
外見だけで、判断するのもいい。だけど、相手の全てを知れば、しらず
と相手の事がわかるものだとも思っているが。実際に、それが出来ると
言うと
「フロー、私は本質を見抜く事なぞ、面倒な事は私にはできん」
面倒でする気はない。まあ、必要な時に見抜けばいいのだろう。でも、
必要な時なんて、私にはわからない。
場所 8時48分 第3課 Killer Queen(キラークィーン)
今日も、部長、同僚に挨拶をして、
「フロー、アヤ君来なさい」
と部長に呼ばれる。何だろうと思ったら、
「今日は、それぞれ別々行動だ」
と言って部長は俺達に説明する。部長が指示したのは、俺はハンクと一
緒に被害者の大地発見者から話を聞いてくる事。それで、アヤさんはと
言うと・・・
「アヤ君は、シェリルと一緒に、ご飯を食べて来なさい」
「はぁ?」
アヤさんは目が点になっている。部長の指示はこうだった。昨日の負傷
で血を失って、血を作るためにご飯を食べて、今日は休養しろという事
だった。
アヤさんは、それに対して
「わかったよ」
と答えた。そして、俺はシェリルさんを紹介して、ハンクと一緒に目撃
者に会いに行くのであった。
場所 ある人の家 9時37分
俺はハンクと一緒に一人目の被害者の第一発見者に話を聞くために、
その人の家に行く。俺達が事件について話を聞きたいと言ったら、第一
発見者の兄が出てきた。俺とハンクはその兄に家の仲へ案内してくれ、
紅茶を出してくれた。
「すぐに、呼んできます」
兄はそう言うと第一発見者を呼びに言って、2分ぐらいで第一発見者の
男が来た。
「こんにちは、アレックス・ハガーです」
と礼儀正しく挨拶をしてくれた。俺は、ハンクを紹介して挨拶をする。
相手は部長が相手に話を通していたので、さほど怪しまれずに警察と同
じように事件を調査するフリーの調査員として話は通った。俺はアレッ
クスに必要な事だけ聞く。
「発見した時に、思った事、気が付いた事、あとは発見した時の事とか
教えて下しださい」
俺が尋ねると、相手は大きく息を吸って
「その日は、何時ものように散歩していた。だけど、犬が走りだしたん
だ。それで、犬を走って追いかけたら死体があったんだ。初めは何だと
思ったけど、怖くてすぐに逃げ出して警察に通報した。それで、気が付
いた事は、狂っているしかいいようがない。それに、不気味すぎるよ」
確かに不気味だ。だが、アレックスはこうも言った。
「だって、あそこは昔、集団殺人事件があって、あの裏路地の周りに人
なんて住んでいないんだから」
俺は黙って聞く。まるで、溜まりに溜まった恐怖を吐き出すように言う。
ちなみに、集団殺人事件とは一体?あとで、あの裏路地について調べる
必要があると思った。まだ青年の彼に聞くのはまずいと思った。なぜな
ら、アレックスは、何かに怯えているようだった。
「なあ、この街の噂を知ってるか」
アレックスは俺に問う。
「噂、それは一体なんですか」
俺は21年、ここに住んでいるが妙な噂を聞いた事はない。だが、アレ
ックスは奇妙な事を言う。
「最近、学校に流行っているんだ。あの裏路地には、約80年前に起し
た殺人鬼が今でもうろついているだという噂だ。でも、あれは本当だ。
だって、あんな殺し方は歪んでいるじゃないか」
相手は真剣だ。しかも、がたがたと震えている。完全に怯えている。こ
の事件が解決するまでは、アレックスという青年は怯え続けなければい
けないだろうか。
「わかりました。では、それについて詳しく話せますか」
「え?」
アレックスは開いた口が閉じない状況になっていた。まあ、しかたがな
い事だと思った。
「だって、警察は聞く耳なんて持たなかったのに・・・」
「そうですか。ですが、それが重要な情報になるので」
だが、アレックスはこれ以上わからないと答えて何も聞くことができな
かった。俺は最後に3枚の写真を見せる。それは、昨日にアヤさんが異
界に行っている間にデジタルカメラで撮影した魔方陣の写真と、あとは
第7課にあった2匹の狼を彫ったエンブレムの写真と、机の上に置いた
綺麗な模様の刺繍の入った布の写真である。
俺は
「この中に見覚えのあるものはありますか」
と尋ねる。
それに対してアレックスは
「いいえ、見覚えのあるものは一つもありません」
と答えた。どうやら、あの魔方陣については見てないらしい。俺とハン
クはお礼を言って、俺は第4課にアレックスという青年を保護するよう
に頼んだ。一応、これで事件を解決した後も、その後も大丈夫だろう。
そして、俺達は二つ目の第一発見者のいる美術館へ行く。
場所 シェリルのお気に入りのレストラン 9時41分
私は部長に言われてシェリルと一緒に歩いてシェリルのお気に入りの
レストランに行く事になった。ただし、歩いて5分もかからないレスト
ランで、組織が経営しているレストランだそうだ。それから
「ここ、和食も食べれるんですよ。だから、それで選んだりもしました」
和食もありだそうだ。というより、元は和食のレストランだったらしい。
だが、レストランの料理人の腕が上がったのかなんなのか、多種多様の
メニューを揃えるレストラン化したそうだ。それで、私はメニューを見
て注文して今はというと
もぐもぐ
出された料理を食べる。今は釜飯を食べている。それが、食べ終われば、
次は串カツを注文して、リゾットを食べる。どれも美味しい。さらに、
天ぷらそばに、ちらしずし、後はカルボナーラにパエリアと焼き鳥にう
なぎにたれを付けない白焼きと海老の天ぷら丼を食べて、一応、天ぷら
丼って天丼の事で、最近は天丼でとおるけど、あれは天ぷら丼が略され
たものだ。
もぐもぐ
血を作るためには沢山のものを食べなければならない。私は他人の血を
吸血する事はできない。だから、こうやってご飯を食べるしかない。一
応、最終手段で輸血パックを飲むという方法がある。確かに、ご飯を食
べるよりは早く血を補給できる。しかし、女の甘い血ならいいけど、た
まにとてつもなくまずい血があって、輸血パックを飲むの事はしない。
それに輸血が必要な人たちに申し訳ないと思う。だから、こうやって食
事で補うしかないのだ。それに、こっちのほうが、味も多種多様で飽き
てこないからとってもいい。
「あ、すみませーん。肉じゃがをお願いします」
和服姿の店員さんに注文をお願いして、私はアイントプフ(Eintopf)
というスープを味わう。ちなみにアイアントプフとはドイツのごく庶民
的なスープ料理だ。名前は鍋に投げ込んだという意味で農夫のスープと
いう呼び名もある。日本でいう味噌汁に当たる。ちなみにこのレストラ
ンのアイアントプフはソーセージにじゃがいも、にんじん、たまねぎ、
レンズ豆が入っている。一応、それらを鍋で煮込む。あと、他の具も入
れていい。だが、一般のレストランで出されるのはすごいなと思った。
百舌鳥さんの話だと自然公園の中にあるレストハウスで安く提供され簡
単な料理の定番で・・・一般のレストランなどではでないと聞いていた
が・・・まあ、美味しいのでどうでもいいや。ちなみに、メニューは食
材の仕入れに影響するらしく日替わりらしい。
「お待たせしました、肉じゃがです」
お、肉じゃが来た。すでに、丁度、アイントプフを食べ終えたところな
ので、私は肉じゃがを食べる。だが、このレストランのメニューの数が
半端ではない。なぜなら、多種多様すぎる。まるで、各国からいろんな
料理人を集めたようなレストランだ。
「おい、シェリル」
私は、シェリルを呼んで
「あ、なんですか」
「ここの料理人に会う事はできるか」
と尋ねる。すると、シェリルは
「出来ますよ。ここの料理人も店長もウェイトレスもみんないい人です
から」
と言って、シェリルがウェイトレスに頼むと、厨房に案内してくれた。
そして、私に会ってくれる人は店長と副店長だった。
「あたしが店長の美沙・神崎(ミサ・カンザキ)だ。今年で389歳、
独身で彼氏募集中だ」
と黒い髪の毛を後ろで束ねて、バンダナをして、紺色のエプロンを付け
た女の人が店長で
「はっはっはっ、俺は副店長のマイケル・トーキンだ。よろしくな、譲
ちゃん」
と筋肉のマッチョで無精ひげを生やして、妙に男の料理と書かれたエプ
ロンをつけた男が副店長で・・・
「・・・」
なんか、想像と違う。お店に入った時は外見は和風でメニュー豊富の
レストランが、戦うレストランな気がする。実際、強盗は入ってきても
大丈夫だろう。なにせ、人じゃない人もいるわけだだし・・・しかも店
長さん、
「尻尾」
「ん、あたしは化猫だ。シェリルと一緒に来て見たことない顔だから、
あんた第3課の新人だろう」
どうやら、私は勘違いされているみたいだ。まあ、どうでもいいのだ、
シェリルがすぐに訂正をしてくれた。
「へえ、日本からね」
「そう言う事だ」
私はいつもの調子で答えて
「それと、肉じゃがだが、醤油、砂糖、味醂(みりん)のシンプルな味
付けでよかった。しかも味がしっかり染み込んでいるのに、じゃがいも
固さがほどよく残っていて美味しかった」
と本当の事を伝える。
すると、副店長が
「すげぇえな。しっかり、観察しているじゃねえか」
と褒めてくれた。でも、これぐらいなら、誰でも判ることだと思うのだ
が。
「へぇ、煙草の匂いがあんたからして、味がわかんないと思ったら意外
だね」
と店長が言う。
それに対して私はこう返事をする。
「ヴァンパイアだからな。だから、それぐらいの害ならなんともないん
だ。ちなみに、私は煙草よりも葉巻のほうが好きだ」
煙草も葉巻も吸わない人には余り、よくわからないが・・・そうだ。料
理の好みと同じだ。
「そうか。料理に細かい違いがあるように、煙草に微妙な違いがあるの
と同じだな。だが、店内は禁煙なので、くれぐれも吸わないでくれよ」
店長は最後の禁煙だけを強調して言った。少しだけ、残念だった。しか
し、喫煙の礼儀だ。それに葉巻は煙草を吸う人すらも、葉巻の匂いを嫌
うものがいるのだ。仕方がない。だが、それを守ってこそ、葉巻を気持
ちよく吸えるのだ。礼儀を破るのは気分が悪い。
「わかった」
私はそう答えて厨房を後にした。その後、私はシェリルに
「なあ、匂うか?」
と尋ねると
「ちょっと、独特な甘い香りがします」
と返された。私は自分の匂いを嗅いでみた。たしかに、シェリルの言う
とおりの匂いがした。
場所 美術館 10時31分
俺はハンクと一緒に第一発見者の警備員に話を聞くために美術館に来
ていた。やはり、こちらも部長が話を通していてくれたおかげで、すぐ
に客室に通してもらい。すぐに警備員が来た。
「こんにちは、警備員をしております。オリバー・エリックです」
警備員は白髪の中年と老人の間の男性だった。警備員は自己紹介をし
て、ハンクを紹介して、自分の自己紹介をする。
「それで、何を聞きに来たのでしょうか」
俺ははじめに、被害者を発見する時とその前後の話を尋ねる。
「そうですね。営業時間が終わってからの話でいいですか」
「はい、お願いします」
「何時ものように、巡回時間に巡回時間に仲間と一緒に巡回して、4人
で交代しながら、監視カメラを監視して、手が開いていたら何時ものよ
うに仲間でチェスをしていました。それで、たまたま、一人で巡回をし
ていたら見つけたのです」
俺は疑問ができたので、警備員に問う。
「警備は何人で行うのですか」
「警備は、何時も昼は10人、夜は4人です。そして、必ず二人一組で
行動します」
二人一組は、安全のためだろうか?とりあえず、次を尋ねよう。
「どうして、一人で巡回を?」
「それは、仲間がたまたま、お腹を壊してトイレに行って一人で巡回す
る事にしたんですよ。信用できないなら、仲間を呼んできましょうか」
「あ、大丈夫です」
ふむ、偶然なのか。この老人が嘘を付いている能性はないとも言えない
が、それもないだろう。証拠も監視カメラでばっちり映っているのだ。
「それで、見つけたあとはたまげましたが、すぐに警察に連絡しました」
ふむ、ほとんど俺が知っている情報と展開は変わらない。変わるとした
ら、警備体制ぐらいか。俺の想像だと、二人で美術館の警備をして、片
方が警備室に残って、もう片方が巡回していると思った。でも、これほ
どまでこの美術館に警備員を配置する理由は一体?ここにはそれほど貴
重だと言えるものは存在しない気もするが。まあ、美術館の館長が用心
深い人なら別だ。一応、俺は魔方陣の事を尋ねるが、
「すまないが、見ていないよ。それに、その日、私と一緒に警備してい
た仲間も見ていないです」
と答えた。やはり、そのようだ。まあ、見つけても大変な事になるだけ
だ。俺は尋ねるか尋ねまいか考えた。だが、警備員みずらか言ってくれ
た。
「そういえば、ここに勤める時に先輩から聞いたのですが。一時期です
が、幽霊騒動があったそうです。なんでも、30年前に集団殺人事件が
あったとかそうで・・・そと、それで警備員の人数が増えたそうです」
また、集団殺人事件。それと、これだけの人数の警備員を雇ったのはそ
のためか。
とありあえず、
「すみません。30年前の事と幽霊騒動のお話を聞かせていただけない
でしょうか」
俺は流行る気持ちを押せて尋ねる。
警備員は
「いいですよ」
と言って答えてくれた。
そして、30年前の事件を語ってくれた。
「30年前の事です。その日は雨で、事件は2人の刃物で武装した男女
が美術館になにげない顔で入り、手当たり次第に美術館にいた人を手当
たり次第に殺したそうです。ですが、不思議な事にまだ、殺す相手がい
たのにぴたりと殺すのをやめて、自殺したのです」
「・・・」
異界で手に入れた新聞と書かれている事と同じ内容だった。だが、そ
れで犯人を含めて死んだのは21人。
「それで、その後です。事件からまだ1週間後に幽霊が出始めたのは」
「・・・」
「それで、先輩の話だと・・・一人の霊能力者が来て、事件は沈静化したそうです」
「それで、その先輩は、あとその霊能力者とは」
「すみません、その霊能力者についてはわかりません。あと、その先輩
は集団殺人事件の当事者でした。ですが、今はお亡くなりになられてます」
「そうですか、すみません。悲しい事を聞いてしまい」
「いえいえ、私の長い仕事の経験が貴方達に伝えろと言った気がしただけですよ」
警備員はそう言った。俺達は警備員にお礼を言って後にした。しかし、
今度は殺人鬼と来て、幽霊と来た。なんか滅茶苦茶である。しかし、こ
れで共通点がでてきた。それは殺人が行われる場所は過去に何か起きた
場所だ。だが、謎は深まるばかりだった。もしかしたら、犯人を捕まえ
るまではわからないのかもしれない。
場所 シェリルのお気に入りのレストラン 15時15分
私は食べ続けた。そして、今は食後の紅茶とデザートを食べている。
シフォンケーキを食べ、ガトーショコラも食べ、フルーツパフェを食べ
て、今は特大のオレンジアイスを食べ終えようとしている。
「す、すごいですね」
シェリルもフローと同じような事を言う。まあ、確かに食べすぎといえ
ば食べすぎだ。普段なら、こんなに食べない。私は紅茶を飲みながら、
小夜の作るお菓子が食べたいなと思った。そういえば、小夜は何をして
いるだろうか?今は13時12分だから、時差を考えると日本は1時1
2分か。もう、寝ているな。そう考えながら、ふと窓の外を見る。
「!」
私は立ち上がって
「そこで待っている」
と言ってから、私は店から出ようとする。後ろでは
「あ、どうしたんですか。ちょっと、待ってください」
と聞こえるが私は無視をして、店を後にした。
場所 ある通り 15時18分
男がある通りを走っていた。理由はある人を追ってである。必死に追
う。遠くから見て、自分が追っている人がいた。だから、必死に追った。
だが、男は見失った。男は立ち止まり、辺りを見回す。見当たらない。
何処にいる。心が焦る。しかし、すぐに焦りは消えて冷静になる。見失
った。これ以上は追いかけても無意味だった。男はあきらめようとした。
すると、そこに自分の背中である気配を感じる。男は後ろを振り向こう
と思った。だが、その必要がなくなったので、後ろを振り向くのをやめ
て歩きだした。
場所 ある通り 15時18分
私は走っていた。私の悪夢の始まりを追っていた。だけど、
「きゃあ」
私は一人の少女とぶつかってしまった。私は悪夢の始まりを追いたかっ
た。だけど、追いかける事ができなかった。なぜなら、男がどの方向へ
行ったかなんてわからない。そう、見失ってしまったのだ。だが、確信
できた。この事件に奴が絡んでいる。私はぶつかってしまった少女に歩
み寄って手を差し伸べた。
場所 ある通り 15時21分
少女は学校が終わって、歩いていたところに一人の女の人にぶつかっ
た。女の人は誰かを追っていた様子だったが、少女に手を差し伸べた。
少女は戸惑いながらも差し伸べた手を借りる。本当は、差し伸べた手を
借りたくはなかった。なぜなら、少女は自分の能力を制御できないのだ。
だから、見てしまった。この女の人の過去を
家族が殺された。そして、一人の少年も殺された。人型の怪物で右腕
が槍になっていて、少年の胸を貫いた。少年は口から血を出して、怪物
の右腕の槍を抜かれた。それでも、息をして、必死に生きようとしてい
た。目からは涙はでない。だが、目の前に家族が死んでいて、自分だけ
が生きていた。でも、もうすぐ自分は死ぬだろう。でも、信じる事がで
きない。だって、死ぬとは思えない。だけど、自分は死ぬ。だけど、何
故死ななければいけない。どうして、自分の家族が死ななければいけな
い。だけど、誰も答えてくれない。家族も答えてくれない。少年は願っ
た自分の死と引き換えに家族が蘇る事を願った。だけど、願いは叶わな
い。少年は気が付く。もう、希望はない。希望がなくて、何をすればい
いかわからない。ただ、わかったことは自分が死んでゆく事だけだった。
わかっていて死ぬ事を受け入れていた。だけど、息をしていた。必死に
大切な家族。初めて異性を好きになった姉の見開いた目を閉じてあげた
かった。だけど、腕を伸ばしても届かない。届かなくて、体も動かない。
雨が降ってきた。少年は雨に濡れる。少年は息をしながら、手を伸ばす。
胸を貫かれているはずなのに生きている。それが不思議だった。だが、
怪物は少年が生きているので刺そうとする。だが、一人の男がナイフで
怪物を切り裂いて殺す。男はまだ生きている少年に歩みよった。男は少
年の首筋に噛み付き血を吸った。少年は何が起きたかわからない。だが、
自分の血が吸われて今度こそ死ぬと思った。だけど、意識はある。その
後、少年は口移しで自分の血を飲まされた。抵抗する事もなく、気管支
に入っても容赦なく、自分の血を飲まされる。その後、不思議な事に自
分の体は治ってゆく。だけど、それと同時に自分の体が変化している事
に気が付く。だけど、少年は安堵して、男は少年を抱きかかえて安全な
場所へとすぐ近くの家に運ぶ。そして、少年は1階の部屋のベッドに寝
かされ、裸にされる。一体何が起きたかわからない。ただ、男が人の形
をしておきながら怪物と同等の存在に見えた。少年は動く事ができない。
ただ、男の大きな手が少年の胸を触る。少年は焦る。しかも、なぜか気
持ちよく、男は少年の乳首を舐める。意味がわからない。ただ、抵抗し
たくても体が動かない。しかも、自分の股を触られている。だけど、何
かがおかしかった。だから、気が付いた。自分の体の変化に。それは自
分の性別が変わっている事だった。だから、確信した。この男は自分の
事を犯そうとしている。だけど、逃れる事ができない。男は少年の股を
舐めている。とても、気持ち悪かった。しかも、相手は男で余計だった。
だけど、抵抗はできない。したくても、できない。だけど、必死に抵抗
したら、胸から血がでた。
「まだ、完全ではない。暴れるな」
男はそう言うと、自分の股を舐め上げる。少年すでに少年の時の面影は
ほとんど消えて、少女だった。体は華奢で、簡単に壊れてしまいそうだ。
だけど、男は気にせずに少女を扱う。だけど、それは不器用だからであ
る。男はなるべく、少女を傷つけるつもりはない。だが、男は少女を乱
暴に扱ってしまう。本当に不器用だった。戦闘では繊細な動きができて
も、女を抱く事になれていないようだった。だが、それを少年から少女
になった少女にはわからない。ただ、目の前の恐怖しかない。自分が願
っていない快楽を与えられて、恥辱されているだけだった。男は少女に
快楽を与える。だけど、少女は思ったより、快楽を得ていない。ただ、
目の前にある恐怖であり、体は防衛本能で濡れているだけであった。だ
が、男には時間がなかった。なぜなら、少女の胸が血にぬれてきた。先
ほどの怪物にやられた傷が開きはじめた。
「・・・」
男は自分の肉棒を取り出した。
ずっ
男は処女幕を気にする事なく少女を貫いた。
「・・・・・・・・」
声が出なくて、目から涙が沢山出る。少女の中は男の肉棒をいたいくら
いに締め付ける。男はしばらく動かなかった。それは少女を観察してい
るようでもある。一方、少女は体に入った異物で吐きそうだった。だけ
ど、吐きたくても吐けなくて、胸からは血が出ている。意味がわからな
い。でも、これで自分は殺されるのだろうかと思った。最悪だった。誰
と知らぬ男に犯されるのだ。しかも自分は元男で異性が好きだった。
「・・・」
男は無表情で少女を犯した。
ぎしぎし
とベッドはなり、女は泣かない。快楽も感じない。ただ、感じるのは恥
辱と苦痛だけである。男は作業的に腰を振った。
そして、男は
「俺がこの悪夢を作った正体だ。俺を恨め、そして、俺を追って来い」
と言って、悲しき欲望の塊を少女の中へ吐き出した。男はその後、少女
の事を気にせずにその場から去っていた。残された少女は股からどろり
と、白濁した液体と血に混じった液体がでる。これが、幻だったどれだ
けいいだろう。夢で終わるならどれだけいいだろう。少女は、ベッドか
ら落ちた。自ら落ちた。足が思うように動かない。だけど、地面を這う。
理由はただ一つ、あの男を追うためだった。だけど、追いつくはずはな
く。少女は家の外にでて、辺りを見回す。どこにいなくて、家族の死体
が転がっていた。少女はコンクリートの地面を気にせずに這い、家族の
中で目を見開いて死んでいる姉に近寄り、抱き寄せる。姉の体は冷たか
った。それでも、少しだけゆすってみたけど、動かない。少女は理解し
ながらも、姉の見開いた目を閉じる。そして、少女は
「姉さん、起きないの?」
と言う。だけど、死んだ姉が答えるはずもない。
だから、理解した。
もう、誰も帰ってこない。
だから、少女は姉の亡骸をしっかりと抱き、雨に濡れながら、ありたっ
けの声で
灰色の雲が覆う空を見上げながら叫んだ。
少女は一瞬である。だけど、強烈な映像だった。目眩がして倒れそう
になる。だけど、少女に手を差し伸べた女の人が支えた。少女はお礼を
言って、別の映像を見る。それは警察とは別にこの事件を追いかけてい
る映像だった。しかも、自分が殺人現場で過去の映像を見ている時に見
た事ある人物だった。つまり、少女の話を信用してくれる可能性のある
人、否、話を信用してくれる人だった。だから、少女は決意を決めて女
の人に話し掛けた。
場所 ある通り 15時24分
私は少女を立たせてあげたが、何故か目眩を起して倒れる。それを私
が咄嗟に支えて、もう一度、立たせてあげる。今度は大丈夫なようだ。
少女は
「ありがとう」
と言う。
それに対して
「気にするな。私のほうこそ、ぶつかってしまってすまない」
と言う。しかし・・・見失ったものは仕方がない。私はシガレットケー
スと取り出そうとした。だけど、ここで葉巻を吸うのは無理だと思い諦
め
「あの」
と少女が話しかけてきた。なんだろうと思ったら、
「私、知っています。貴方調べている事件を」
とか言ってきた。とりあえず、私は警戒する。だが、この昼間の人がい
る時間に何かをやらかすようにも見えなかった。外見からは、髪の長さ
はミディアムで髪型はドール風レイアーで色は赤毛の少女でグレーの目
をして、何処かの学校の制服を着ている。白いブラウスと緑と赤のチェ
ックのスカートがよく似合っている。しかもネクタイもしっかりと決ま
っている。
「・・・」
とりあえず、シェリルが待っているレストランに戻る事にした。
場所 車の中 12時31分
俺は車を運転して、ハンクはその隣で黙って座っている。ハンクは表
情を変えずに前を向いている。俺は話しかけようと思うが、どうも話し
掛けにくい。まあ、そういうのもいいと思っていた。
だが、
「これからどうする?」
とハンクが自ら尋ねてきた。俺は、これから、二つの現場の過去を探ろ
うと思っている事を伝える。
それを聞くと
「そうか」
と言って黙ってしまう。とりあえず、俺が向かう先は、過去の新聞とか
を保存して、この街の歴史を調べるのにいい図書館を目指して俺は車を
走らせた。
場所 図書館 12時52分
俺はハンクに探してほしい資料を1枚の紙に書いて渡した。それをハ
ンクは黙って受け取りに探してくる。俺は、二つの現場の過去を探る。
さて、大変な作業になるだろうと俺は覚悟を決めた。
場所 14時2分 図書館
俺は大体の新聞を調べあげた。だが、犯人を特定する手がかりらしい
ものは見つからない。わかったのは、一つの目の殺人現場で、実際に約
80年前に事件があっと言う事だ。正確に調べると19121年だった。
でも、あの裏路地で事件があったのは確かだ。事件が起きる前は裏路地
でなくて、綺麗な住宅街だったそうだ。事件はあの場所に昔住んでいた
子供達に人気の老婆が犯人だった。その老婆は材料を持って来ればお菓
子を作ってくれた。ただし、その材料のほんの一部を貰うという条件で。
だけど、それだけでお菓子を作ってくれる老婆は人気だった。近所から
もいい老婆で評判がよかった。だけど、そんないい老婆が事件を起した。
その日、老婆はお菓子パーティをするという事で近所の子供や親たちを
呼んでパーティを開いた。この事件での生き残りが言うには、お菓子に
毒が入れられたそうだ。老婆は途中で席をお菓子の焼き具合を見に台所
に行ったそうだ。その後、何人かの子供達が吐き気を訴えたそうだ。親
たちは少し休めばと思ったそうだ。その後、老婆は戻ってくる事はなく、
だんだんお菓子を食べた人達が苦しみだした。だが、何人かお菓子を食
べても大丈夫な人がいたそうだ。そして、周りが悶え苦しんでいるとこ
ろに戻って来て、お菓子を食べても大丈夫な人達を殺し始めた。それは
老婆とは思えない俊敏さで襲い掛かってきたそうだ。なんとか、命から
がら逃げ延びた人は警察を呼んだ。駆けつけた時にはパーティ会場は血
の海と化していて、老婆はまだ生きて口から血を出して悶えている女の
子のお腹を切り裂いて内臓を取り出して食べようとしていた。警察はす
ぐに銃で老婆の頭を撃って射殺した。パーティに参加していた老婆を除
いた56人のうち、死者21人、重症8人、軽傷16人をだす大惨事と
なった。しかも、死者の中には内臓を食べられた後があった。しかも、
それは全員、女性であると言う事だった。警察に助けられた女の子は一
応、重症を負ったものも助かり、毒による後遺症はなかった。だが、精
神的に以上をきたしたそうだ。事件の後、一応捜査はしたものも、老婆
が死んでいて事件の動機などは一切不明で、綺麗な住宅街からは、その
事件以後、人が住なくなったそうだ。
「はぁ〜」
何か、疲れる。しかし、これが仕事な以上はやるしかなかった。さてと、
ハンクの様子を見に行く。
「お〜い。ハンクどうだ」
ハンクに調べてもらうのは、事件が起きると予測される場所の過去だっ
た。
「すまない、何もなかった」
過去に事件は起きてはいなかった。俺は首をかしげた。
「まさか、一度もそこで事件の話とか記録はないと言う事?」
ハンクは
「そうだ」
と短く答える。俺はハンクにお礼を言って、考える。そこにハンクが
「一応、俺の個人で調べた事だが、この街では集団殺人事件は2件しか
ない」
「えっ」
つまり、そういう事だ。これまで2件とも過去に何か起きた事がある場
所だ。それも集団殺人事件だ。だけど、違う。
「フロー落着け。これは相手を混乱させる罠だ」
「どう言う事だ」
「お前は集団事件にこだわりすぎだ。多種多様に考えろ」
ハンクはそう言ってから
「俺はお前が推理に必要なものを探してくる。図書館内にいるから必要
な時に呼べ」
と言いながら、何かを探して何処かへ行ってしまった。一人になった俺
は考える。まずはハンクが伝えたい事を考える。
「・・・」
そうか、ハンクは何でもいいから、共通点を探せと言う事か。それに関
係する情報を集めて調べろと言う事か。だが、これは1日で終わる作業
でもない。俺はそれを覚悟した。それで、電話で部長に連絡をいれよう
と携帯電話を手に取る。
「わるいけど、図書館内は、携帯電話禁止です。電話したいなら、公衆
電話か、そとでしてください」
だが、図書館の人に注意されて図書館の外に行く事にした。
場所 図書館の外 14時46分
俺は携帯電話で部長に連絡を入れた。すると、部長が図書館を貸切り
にする手続きを取ってくれるそうだ。それで、アヤさんの事を聞くと、
まだシェリルさんとご飯に行っているそうだ。最後に部長は
「がんばるのもいいが、気をつけろよ」
と言って電話を切った。あとは母さんに連絡を入れる。
「もしもし、ソフィーさんですよ」
とマイペースの母の声が聞こえた。
「母さん、恥ずかしくないの?」
「全然」
「・・・」
反論したくても、反論する気もないし、反論できかった。
「で、何かよう?」
「それが、今日は家に帰れないかもしれない」
伝える事はしっかり伝える。
「そう、わかった」
と母さんは答えて
「よし、アヤちゃんのベッドに侵入しちゃおっと」
「おい」
お気楽な母さんだと思った。結婚してすぐに5歳で亡くなった父さんが
見たらどう反応するだろうか。だけど、あのお気楽さが俺をここまで育
ててきた強さなのかもしれないと思った。でも、
「母さん、夜這いはいけないよ」
「ん、もう。フローったら」
「違うよ、母さん。もう、電話を切るよ」
「はいはい、わかっていますから。早く帰ってきなさいよ」
そう言って電話が切れる。最後に言った台詞はお気楽じゃなくて願いの
ように聞こえた。俺は携帯電話をポケットにしまい、早く家に帰るため
に仕事を始めた。
場所 シェリルのお気に入りのレストラン 15時31分
私は少女を連れて、シェリルの元に戻る。で、シェリルは
「わ〜ん、心配したんですよ。急に、走り出してしまうんですから」
と私に泣いて抱きついて来た。私は
「わかった。すまない、許してくれ」
と言ってシェリルを引き剥がす。
「はぁ〜」
と私はため息を付きながら、袴姿のウェイトレスに
「ミルフィーユ3つに紅茶を3つお願いします」
と注文して、少女を席に案内する。一方、シェリルは
「この子誰ですか」
と尋ねる。
「えっと・・・この子は・・・」
紹介しようにも名前も知らないし、外見から学生しかわからない。だけ
ど、私が紹介する必要もなかった。
「マリーエ、マリーエ・スミスです。高校生です」
自分から言ってくれた。
「それで、どうして、ここにいるんですか?」
シェリルはさらに尋ねる。
私は
「事件の事を知っているからだ。お前も聞くか?」
「えっと、私は・・・」
「まあ、適当にミルフィーユと紅茶が来るから、それでも食べていろ」
とりあえず、今はマリーエの事のほうが先だ。
「じゃあ、わかる事から話してくれるか」
まずは、わかる事からだ。
「わかりました。だけど・・・」
何か条件を求めてきた。私がそれを訪ねる。
マリーエは
「絶対に兄を殺した犯人を見つけて」
と頼んで来た。
「?」
なぜなら、殺された人達は身元不明なはずだ。なぜ、この事件で自分の
兄が殺されたとわかる。
「おい、それは本当に私が追っている事件か?」
「ええ、貴方達がおっている事件なのは間違い。じゃあ、貴方が信じて
くれる事を言ってあげようか」
「・・・」
「二人目の人は壁に死体がめり込んでいたわ」
なぜ、知っている。組織が完全に報道を規制して表にはだしていない情
報だ。それを、このマリーエという少女は知っていた。
「なぜ、知っている」
「それは・・・今は秘密」
情報をするには、交換条件が必要と言う事か
「なぜ、兄を殺した犯人を捜す」
私は尋ねる。
「復讐がしたいから」
マリーエは悩むように言った。この短い台詞にはどんな意味が込められ
ているだろうか。一つだけ、わかる事はそれほど大切な人だったという
事だろう。
「なるほど、じゃあ。犯人を見つけて殺すつもりか」
と私は尋ねる。しかし、マリーエは否定する。
「じゃあ、なぜ復讐を?」
マリーエは
「・・・だって犯人を殺しても兄は帰ってこない」
と答える。こいつは、復讐して殺してやりたと思っているのだろう。だ
けど、殺して兄は戻らない現実に葛藤しているのだろう。だが、私が何
かを言って可決するはずもないのだろう。つまり、マリーエは自分の兄
が死んだ事が受け入れられないのだろう。
「お前が、兄を殺した犯人を捜しているはわかった。じゃあ、それにつ
いて詳しく話してほしい」
「・・・」
マリーエは黙っている。と、その時
「ミルフィーユと紅茶、それぞれ3つお待たせしました」
と私が注文したものが来た。とりあえず、私はマリーエとシェリルに食
べるように勧めた。
「・・・」
シェリルは不謹慎だと思って食べない、マリーエもミルフィーユを眺め
て食べない。私はと言うと、ミルフィーユを食べていた。
「おい、食べないのか」
「・・・」
「・・・」
二人とも黙っていた。だが、話が進まない。マリーエは私の顔みて真剣
に話始めた。なので、ミルフィーユを食べる手を止めた。
「私の兄は、あんた達が調べていた裏路地で殺されたわ」
「?」
私はマリーエの言う事が理解できなかった。なぜなら、殺された人は女
の人のはずだ。
「まて、殺されたのは女の人のはずだ」
マリーエは私の疑問を打ち消してくれた。
「兄は・・・女の子にされたの。だから、わからない」
「!」
私はマリーエの言う事に驚き、そう言う事かと思った。これなら、マリ
ーエの言う事にも頷ける。
「じゃあ、二つ目の事件も?」
「性別が入れ替わっています」
なんて事だ。これで、身元を調べる事ができる。だが、焦りは禁物だ。
「シェリル。フローに連絡を取れるか?」
私はシェリルを呼んで問う。すると、シェリルはフローを持っている携
帯電話で呼んでくれた。
「では、フローさん。今、アヤさんに変わります」
私はシェリルの携帯電話を借りる。
私は
「フロー、被害者の身元がわかった」
とすぐに伝える。
すると、フローは
「え、本当ですか」
と驚いた声をあげる。
「ああ、それでお願いがある」
「なんですか」
「一応、わかったのは、一人目の被害者だ。のこりの被害者は不明。そ
れで、警察に行って行方不明の届けか何かが出てないから調べてほし
い」
しかし、フローは
「すみません。俺も調べごとで手が離せないんです」
と申し訳なさそうに言う。仕方がない、フローは私と違ってさぼってい
るわけでないのだ。
「アヤさん」
フローが私を呼んだ。
「何をしているかわかりませんが、がんばってください。それじゃあ、
電話切りますね」
最後にフローはそう言って携帯電話を切った。シェリルに電話を返す。
シェリルは自分の携帯電話を受け取ったあと
「あの〜私が調べてきましょうか?」
と言ってくれた。私は断る理由もないのでシェリルにお願いした。
「じゃあ、さきに第3課のオフィスに戻っていますね」
と言ながら席を立って
「食事の代金は経費から落ちるので、好きな用に食べてください」
と言って去って行った。
場所 シェリルのお気に入りのレストラン 16時00分
私は自分のミルフィーユを食べ終えて、シェリルが食べ忘れた、ミル
フィーユを食べる。
「・・・」
マリーエの目線は下を向いていた。
「お前、食べないのか?ミルフィーユ、美味しいぞ」
マリーエはせっかく、美味しそうなミルフィーユを食べようとしない。
「・・・美味しくないな」
私は言葉を漏らす。
「えっ」
マリーエは顔を上げる。
「一人だけ食べるのは、あまり美味しくかんじられん」
「・・・」
マリーエはフォークを手に取り、ミルフィーユを食べようとする。
「お前、ミルフィーユを食べた事ないか」
私はすかさず、マリーエに問う。すると、マリーエは食べた事がないと
答えた。
「そうか。ミルフィーユはパイが何層も重なっている。だから、普通の
ケーキと同じように食べようとナイフを入れるとカスタードが横にはみ
出す。さらに、簡単に崩れて食べにくい」
私は実演をしながら、ミルフィーユの食べ方を説明する。
「フォークを上から押さえて、ナイフを押すのではなく横に引きながら
パイ生地を切って一口ずつ食べる事ができるぞ」
と言って私はミルフィーユを口に運ぶ。マリーエはそれを聞くとためし
にやってみる。だが、なかなかうまくいかない。
「まあ、何回か食べればうまく食べれるさ。それと、パイ生地を1枚ず
つはがすとカスタードのバランスが会わなくなるからそこは注意な」
と補足をいれる。そして、さらに私はティラミスを2つ注文した。
「美味しいか?」
私がマリーエにミルフィーユの事を訪ねると、
「美味しいです」
と答える。しばらく、私もマリーエもミルフィーユを食べ終えるまでは
静かだった。
「あ・・・」
マリーエが元気ないのは始めからだ。たぶん、過去が見える能力で人の
暗い過去を見ているからだ。それでも、好きになれる兄とはどんな人な
のだろうか。私はマリーエの左手を握る。
「ほら、大丈夫だろ。私はお前の能力を嫌だとは思ってはいない」
と言って手を離してやる。すると、マリーエは泣き止んだ。
「・・・」
「確かに、お前の能力は人によっては嫌われる。だけど、全てがそうじ
ゃない。それにお前の能力は練習すれば制御ができるじゃないかな。私
はそっちの専門じゃないからわからないけど」
マリーエは何も言わない。あ、まさか・・・別の過去を見ちゃったとか。
やばい、大丈夫かな。
「・・・兄さんは純粋だった」
「・・・」
マリーエは語りだした。
「親が交通事故で死んでしまって、兄と私だけになってしまった。だけ
ど、兄は純粋に働いて私を高校に行かせてくれた。だけど、怖かった。
表ではよくても、裏では何を考えている怖くて、何度も過去を見た。悪
いとわかっていながらも見た。だけど、兄は純粋で優しかった」
「・・・」
私は黙って聞く。ただ、マリーエが言たい事だけを言わせていた。そし
て、マリーエが言いたい事を言い終える。
「へい、ティラミス、二つお待ち」
とマリーエが言いたい事を言い終えるのと同時に店長みずらから、ティ
ラミスを持ってきた。しかも日本語で言われてもわからないから、マリ
ーエはわからないって、しかも
「おい、耳、あと尻尾でているから」
耳隠していない、尻尾でているよ。いいの?
「いや〜いいの、いいの」
「いいのかよ」
「コスプレだと思われるから」
何か反論したいけど、なぜこうもマニアックなんだ。
「あの〜誰ですか」
シェリルはいきなり現れた店長に怯えている。
「あ〜こいつ、このレストランの店長」
なんか、紹介するのすら面倒になってきた。
「私はここの店で働く化猫店長、美沙・神崎だ。彼氏募集中。よろしく
ね」
おい、怯えているから、その程度にしとけと思った。
「で、ティラミスを二つお待たせしました」
尻尾が動いている。あ〜これ大丈夫なのかな。とりあえず、全力で無視
をする事にした。店長はティラミスを二つテーブルに置いて
「おまけ、紅茶二つ(ハート)」
さらに紅茶をテーブルに置く。だが、そのウィンク、マリーエ怯えてい
るから。
「じゃあ、ごゆっくり」
店長はマリーエが怯えているのも気にせずに尻尾を振りながら去ってい
った。
「・・・なんですか」
私は聞かれたので
「あれは300歳以上生きた化猫だ」
と答えてやった。
そして、
「ティラミスの意味を知っているか?」
と私は聞く。
「えっと・・・」
「Tira mi su(ティラ・ミ・ス)」
私がそう言うと・・・マリーエは
「イタリア語で私を引き上げてですか?」
と言う。
「そう、つまり、私を元気付けて!という意味さ」
そう、私はマリーエが、元気がでるようにとティラミスを注文した。一
方、マリーエは私を見て
「いい意味ですね」
と初めて笑ってくれた。
場所 第3課 Killer Queen 18時12分
あの後、私はマリーエとレストランティラミスを注文したあと、楽し
くお話をして、マリーエを連れて第3課にいた。今は、部長と話をして
いる。
「で、過去が見えるわけか」
「そう言う事だ。しばらく、私のところで保護してもいいか?」
部長は少し考えて
「親とかは」
と尋ねる。
「いない。兄も事件で・・・」
私はマリーエに聞こえないように言う。今はシェリルがマリーエの相手
をしている。部長はちらりとマリーエを見て
「大変だな」
と言った。
それに対して
「どうだろうな」
と私は言う。部長はそんな私を見て、
「そうだな、アヤ君のいう通りかもしれん」
と言ってしばらく、窓の外をみる。私は部長の返事をまつ。そして、部
長は
「好きにしていいぞ、アヤ君」
と言ってくれた。
「ただし」
どうやら、何か条件があった。
「組織に入るか、入るにせよだ。能力制御のために、第3課に来てもら
う。シェリルは子供みたいな正確だが、元は組織の教官をしていた。だ
から、マリーエという子の能力制御も簡単に教える事ができるだろう」
ふむ、人は見かけによらぬか。それに、シェリルは今日始めて話したが、
決して悪い奴ではないという確信もある。
「それと、アヤ君」
「何ですか?」
「今日は、フローの家に帰って休みなさい。事件の事は気になるが、休
んどいたほうがいい」
何故だ、すでに血の回復はほとんど大丈夫だ。
「何故だという顔をしているようだ。今は私の部下がいろいろと調べて
いる。君も参加したいが、今はマリーエの面倒を見るほうが先だろう」
たしかに部長の言う事は確かだ。
「じゃあ、フローのお母さんには連絡を入れておくから」
と言って机の引き出しから1枚の紙を取り出して、ペンでサインとかす
る。それを私に渡す。
「これで、ガレージにある車が借りられる。一応、免許は持っているか
い?」
「ああ、国際運転免許を持っているよ」
「なら、安心だ」
そして、私はマリーエ連れて第3課を後にした。その後、私たちはフロ
ーの家に向かった。
場所 フローの家 19時02分
久しぶりの車の運転は真剣を使って疲れた。しかも、ハンドルは左側
でかなり運転しづらかった。さらにはフローの家の道のりをまだ覚えて
なくてかなり時間が掛かってしまった。まあ、無事にフローの家に着い
たからいいとしよう。で、私が玄関を開けた瞬間
「おかえ〜り、アヤちゃん」
容赦なく、ソフィーさんは思い切って抱き付いてきて、私を押し倒して
きた。私は何とかフローの母、ソフィーを引き剥がす。マリーエは唖然
としている。ソフィーはマリーエに気が付いて
「この子がマリーエちゃん」
「・・・そうだが」
「ま、マリーエ・スミスです」
ソフィーはちょっと怖そうで歓迎してない顔する。
「・・・」
マリーエは怯えている。ソフィーはマリーエに近寄って
「んもぉ、かわいい」
と言って抱きつく。
「はぁ〜」
私はため息がでて、葉巻をシガレットケースから取り出して、吸い口を
作る。
そこに
「あ、アヤさんお帰りなさい」
とフローの従兄弟セシルが出迎える。
「マリーエちゃん。しばらく、この家にいるんでしょう。それで、歓迎
を準備していたの」
ソフィーはマリーエを家の中に案内する。私は嫌な予感がした。もちろ
ん、その予感はあたった・
「はっはっは、こんにちは譲ちゃん」
「ふぁいあばーなー」
「きゃーかわいい」
フローの家のご近所さんたちも来ていた。私はマリーエの肩をぽんとた
たいて
「がんばれ」
としか言う事しかできなかった。
場所 図書館 23時42分
俺はハンクと一緒に、さらにあの昨日、会ったリーブ刑事がいる。俺
達は3人ならんで、事件を調べている。図書館には今、この3人しかい
ない。なぜなら、部長が図書館を貸しきったのだからだ。
「しかし、まさか、ここで会うとはな」
と過去の新聞を読む刑事。
「そうですね」
と合図地を返す俺。
「・・・」
無言で本をめくるハンク。とにかく、俺達はこの街の過去を調べていた。
刑事は個人的に図書館に来た。理由は、一人目の第一発見者のアレック
スの証言していた裏路地の噂だった。それで、たまたま会って、閉館時
間すぎて俺達に貸切りなっても、俺が一緒に調べませんかと誘って一緒に事件を調べる事になった。
「まさか、裏路地の噂を信じたんですか」
俺はあえて刑事に尋ねる。刑事は
「地道に手がかりを探すしかない。始めはどうでもよかったが。昨日のあれを見せられたらな」
たしかに、人が目の前で消えて、いきなり現れるのは驚く。
「じゃあ、刑事さん。この事件をどう思いますか」
「はっきり言って、なんとも言えん。真相がわかるまではな」
たしかに、刑事の言う通りだ。何せ、俺達にも謎の事件だ。
「だが、わかる事は非現実離れした何かが、そう、物語にしかでてこな
いような物が関与している可能性も捨てきれないということさ」
刑事の言う事は、人を超えた存在の可能性を否定してないという事だ。
「なるほど、つまり人を超えた何かがという事ですね」
「確かに、ただし一つの可能性だ。案外、わかってしまえば、単純な事
かもしれん。真相がわかるまでは地道に捜査するしかない」
「そうですね」
俺は適当に合図地をうった。
そして、
♪〜♪〜♪
携帯電話が鳴った。
「失礼」
と言って、ハンク、刑事の邪魔にならない場所へ移動した。
場所 図書館のホール 23時56分
俺は携帯電話の通話ボタンを押して形態にでる。
「もしもし」
「フロー、元気にしているか〜」
母さんだった。俺はため息をついた。
「何、母さん。今、仕事中で・・・」
「そう、だけど。今、マリーエちゃんの歓迎会をしていて、早く帰って
こないかなって」
携帯電話からは、母の声と混じって騒がしい声が聞こえる。
「・・・一つきになるけど、歓迎会の主賓は?」
「それが寝ている。アヤちゃんも今、寝たところ」
ただ、パーティをしたいだけじゃないのかと俺は思った。
「母さん。悪いけど、早くは帰れない」
それを聞いた母さんは
「そうかい。残念だよ」
と悲しそうに言って
「なるべく、早く帰ってきなさい。フロー」
と言う。
俺は
「わかっている。終わったらすぐに帰るよ」
と言って通話を止めて、携帯電話をコートのポケットにしまった。図書
館はとても静かだった。それもそのはずだ。今、図書館は俺達の貸切り
で、俺とハンクに刑事の3人しかいない。俺は背伸びをした。そして、
ハンクと調べごとをしている刑事にコーヒーを買おうと自動販売機に俺
は歩み寄った。
以上で3日目が終わりです
>>180でPhantasy BLOOD V日目です、間違えてしまってごめんなさい
あと、グロデクスを抑えたと
>>180で書きましたが・・・グロデクスな
部分が入ってます。特に
>>195の部分は注意をお願いします
あとできれば、判定お願いします
追記 目次みたいなの
読み始め
>>181 エッチシーン
>>190 あとがき
今回は主人公の過去が地味にわかってしまうという展開です
しかし、肝心なエッチシーンは今回薄いです。期待していた人ごめんなさい
さて、現在4日目の作成をしています。
なお、皆様の感想を聞いて、視点変更を減らしました。
あと、メモ帳を使うという技術を使って、変改行をへらしました。
では、この辺で、おつかれさまでした
おまけ、次回予告?
Phantasy BLOODのキャラクターのイメージが壊れる可能性があります
フロー「大変です。アヤさん」
綾「なんだ」
フリー「実は次回は俺がぐへ」
ソフィー「私が、大活躍するスペクトラルアクションアドベンチャー」
小夜「綾・・・私の活躍は・・・ぐす」
綾「あ、ちょっと・・・小夜、なかいで。おいフロー」
フロー「俺・・・俺・・・」
店長「へぃ、ティラミス」
綾「お前は黙れ、フローいじけているな」
小夜「うぅ・・・うえ〜ん」
綾「あ、ほら、泣かないで」
副店長「はっはっはっ、へい、男のティラミスおまち」
マリーエ「ひぃ」
綾「脅えているから」
シェリル「いいな、楽しそうです。私もまぜてください」
綾「遊んでないから、おい、フロー」
フロー「いじいじ」
綾「・・・」
ハンク「男は挫けても立ち上がり、そして強くなる」
綾「意味わかないから、あんた誰だよ」
部長「あ〜、次回はわしも活躍だな」
ソフィー「それは、私だ〜」
綾「・・・」
作者しぎ「・・・」
綾「あんた、誰?」
作者しぎ「ただの、通りすがりです」
綾「そうか、逃げろ」
作者しぎ「そうします」
本当に、次回予告なってすみません。
さようなら
メモ帳使ってるなら投下ミスなんてしないと思うが
あー、誰かがもっとやんわり言うかも知れんのだが。
あとがき以降はマジ蛇足だと思った。>209とかな
作品の内容に関しては期待しているけれど、
校正の段階でもうすこし誤変換とか脱字を
気にしてくれると読みやすいと思う。
読者を意識するなら、変なサービスよりも
文章まわりに気を配ってくれると地味にうれしい。
あと>178の誘い受けもやめた方が良いと思う。
俺が言えた義理ではないかもしれんが
>>209だけは個人サイト内だけでやってくれ
わかりました。
次回、
>>209をしないように努力します
あと、書き込むときは堂々と書き込みます
ご指摘ありがとうございます
わかりました。
次回、
>>209をしないように努力します
あと、書き込むときは堂々と書き込みます
ご指摘ありがとうございます
しぎ殿、乙でした。
指摘以外は達者で面白かったですな。
次回作楽しみにしております
残念なお知らせ
今さらですがあけましておめでとうございます。
枕の下にファ−レンの秘宝とかを入れておいたのに初夢すら見られなくて落ち込んでいます。
やっぱり文章ではダメなのでしょうか?
Part31までの更新が終了したのですが、インデックスファイルの生成がうまくいきません。
という訳で、しばらくの間閲覧はリンクからお願いします。
インデックスの肥大化で規制がかかっているとか、そういう場合は検索エンジンそのものを見直す可能性も……
あああああもう、家族がいるからテキスト打つタイミングがねぇよおおおおお
そんな
>>219にはテキストエディタを使えるケータイをお勧めするぜ。
auは知らんけど、ドコモとソフトバンクの携帯ならtxtファイルを編集できるアプリがあるから
ふと思いついたネタをメモするのにも使えて重宝しとるよ。
そんあ
>>219には、W-ZERO3をお奨めするよ
QWERTYキーボードがついているし、メモ帳相当のはついてるし
本格的なテキストエディタもインストールできて蒲団の中でも執筆できるぜ
外付けのキーボードも使えるしな(03/04除く)
外出先でテキスト打つ仕事とかに使ってるぜ
W-ZERO3は俺も欲しいが、自宅に電波が届かねえ!
誰か、うちの前に建ったマンションを破壊してください(´・ω・`)
そのマンションをTSさせてみたらどうだろうか
ワラタWWWW
ところで、カイト君シリーズはまだ存命なんですか?
誰も書いてないなら続きを書きたいなぁとか思ってるんですが。
>>225 私的には、あの雰囲気を壊さぬなら是非とも。
できればカイトは、学校に監禁されたまま。ムラタが死んで欲しい
>>225 幻の30話を無視して新たに新30話から分岐で良いと思うです。
おそらく、強制系のSSで最も陰惨と言える展開になりつつあったお話ですから、
もしハッピーエンド系でしたら個人的にはお引取り願いたいところですが。
徹底的に救いの無いバッドエンド一直線な展開で希望しますです、はい。
>>225 俺は救いの無いのは好きじゃないから、
徹底的に救いの無いバッドエンド一直線な展開でしたら個人的にはお引き取り願いたいところですが。
バッドエンドって
バッドエンドって痛いと分かっていながら剥くカサブタ的な感覚だろうかww
まぁ、それが良いか悪いかはとにかく、カイトが最終的に完全な女性化して終わって欲しいな。
その上で不可避な運命的強制転換があって微妙にハッピーエンドなバッドエンドだと、それはそれで良いかも。
まあ他人の作品は超気になる部分以外は黙ってみとけと
超BADなストーリーって書き手も相当でかいダメージを喰らうんだよなー。
プロットは案外とサクサク出来るもんだから困ったもんだ。
『TSといえばバッド、ダーク展開が王道』と声高らかに主張し続けている人が目立ち始めてきたけど、
あんまりやりすぎると嫌われますぜ。
私ゃ甘でハッピーなのが多いからなぁ。
ハッピーもダークも呉越同舟出来れば良いんだが。
気に入らない作品は放置しておけば良いのに片一方だけ好きなやつがもう片方にケチつけるからよくない
俺はどっちでもいけるクチだけど
つか、KYでやたら冷たい一言を
『 退 屈 で 詰 ま ら な い エ ン デ ィ ン グ が 一 番 の バ ッ ド エ ン ド 』
じゃね?w
本人の意思とはかんけー無く強制的に性転換されるなら、そこに僅かの救いがあろうと無かろうと、
最終的にはバッドエンドに結びつくと思うんだよね。
だって、冷静に考えてみ?
まず戸籍の書き換えから始まって、世間の目だとか役所関係の届出だとか、身近なところだと運転免許。
それから、今話題の社会保険庁まで出向いて年金だとかの手続きしてetc・・・・
考えただけで身の毛がよだつwww
あ
論点違う?
こりゃまた失礼
とりあえず、空気読め。
BADに突き進む奴だと、大抵ただの淫乱女になって終わりのが多いからなぁ。
それだと、別にTSの必要性が無くね?ただの女じゃん、と思うこともあったり。
241 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 23:18:11 ID:h9gFrpiu
エンドはbadでもhappyでもよいけど、基本的には濃厚な『屈伏感』漂う話がいいな
カイトで逃げおおせて戸籍がなく職につけず風俗をやって生きる、と言うものを
昔書きかけたことがあった。文章力がなくてやめたが。
244 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 01:47:11 ID:GCbPS6eJ
話の流れ的に聞いてみる。
今までに職人さんが書いてきたSSの世界設定を使いたい場合はどうすればいいんだろう。
できれば原作者の人に許可もらえたりすると免罪符的な心の保険になるんだが…
それとも時間が経ちすぎていたら許可なしで見切り発進していいんだろうか…
教えてほしい。
誰々の何々の設定を使ってます。とか最初に注意書きしとけばいいんじゃないか。
>>245 俺もそう思う
そうしておけば、その作者氏だって
もしかしてROMってて
事後承諾してくれるかも知れないしさ
>>244 まったく同じこと考えてた
きっと使いたいネタも同じだろうから、めちゃ期待しながら待ってます
書く前に「●●のネタで書きたいんだけど」ってふってやれば、作者が見てたらレスするだろ
事後承諾よりは事前に前振りした方がいい
基本的にゆる〜〜〜〜りした展開とEDしか書けないんだが
女として順応していくってこと重点にしすぎかね
250 :
244:2008/01/10(木) 17:59:29 ID:GCbPS6eJ
みんな返答ありがとう。
センター直前だから今は書けないが、
色々と落ち着いたら書いてみるよ。
やっば傑作って世界設定から練り込まれてるよなあ…
>>248 それもそうだな
>>250 今はしっかり頑張ってくれ。健闘を祈る
落ち着いたらよろしくな。待ってるぜ
支援図書館の保管庫の作品を別ウィンドウで短時間に大量に開いたらアク禁された・・・orz
支援図書館のアク禁ってどれぐらいで解除されるんだろうか・・・?
253 :
能面@:2008/01/11(金) 16:14:48 ID:3GhWRRBU
新作の収縮版が少しできたので連投に引っかかるくらいの程度を投下します。
元の作品から一部の場面だけを抜いて書き直したものなのでちょっと展開が早くなってしまってますがご了承を。
254 :
能面@:2008/01/11(金) 16:17:06 ID:3GhWRRBU
時は今より近未来。
人々は非科学的でありながら科学的な使い方をできる魔法を開発
これにより古代の人々の想いが実現する形となる。
また、地球の環境も魔法によりなんとか改善
昔危惧されていた温暖化は抑えられた。
まだ誰でも使用できる、という域にはなっていないが
魔法専門の学校を設立し50年、今では生まれてきてから魔法使いの道を歩む者もいる。
11月18日、日曜日。
日本の北海道にある私立創魔法学園。(はじめのまほうがくえん)
この学校は初等部、高等部の二つに別れ、いわば高校と大学という形をとっている。
今では小学校、中学校レベルでも魔法を扱う学課が増え、その頃から学習するものもいる。
「あ〜〜〜〜ん……Aパターンチェック…パス」
男子制服を着た創魔法学園高等部1年、葉山秋斗。
身体はそれなりに大きいが顔が女性のように成長していく元気な男の子。
中学生の時、初めて魔法用機材を扱った時、共鳴を起こして暴走。
学校に穴を開けたことがある。
しかし不幸中の幸いか、それを見た先生の報告により特待生の推薦を受けて難なくここへ入ってこられた。
そして入学してから4年目、その才能をメキメキと発展させていく。
現在はまだ一度も暴走は起こしていない。
「Bパターンチェック」
寮内の自分の部屋にある大きな機械の前、そこから出る管に繋がれた胸に包帯が巻かれ、小さなパンツを履いた少女。
これはホムンクルス。
大昔では人が人を造ることなど自然に反する、と全世界で叫んでいたが
一度一つの国が成功してしまうと、そんな大声なぞおかまいなしにホムンクルス技術は発展していった。
ただし、普通に造れば人となんら変わりはないこの「人もどき」には色々と法で縛られていた。
管理タグの必須、法に反することの不可を本能から教育すること。
大まかに言ってしまえばある意味物として扱えという感じでもある。
「よし……固定」
小さな試験管から透けるディスプレイが展開されている。
エンチャントアイテムといって、魔法を織り込んだ新しい科学のスタイル。
これによって既存の物に『可能性』が飛躍的に上昇、更に用途が増えた。
「っくぅ〜〜〜〜、きゅうけ〜〜〜」
一度大きく伸びをして骨をパキパキ鳴らす。
ピンポーン、と部屋のインターホンが鳴った。
「ハイハ〜イ」
ガチャ
「っす、秋斗」
「おう、秀秋」
俺の親友、須藤秀秋。
いわゆる調子いい奴であまり魔力についての才能はない。
今でも初等部2年程度が扱える魔法ぐらいしかうまく使えてなかったりする。
秀秋は制服も袖をまくり、中指から肘まで魔法の繊維がランダムに網状を展開しながら巻きついている。
これはルーンファクトと言って魔法を扱う者の補助となる魔法使い本人のオンリーワンの持ち物。
この学校では入学の時に自分だけのルーンファクトを精製し、卒業するまでまたは死ぬまで愛用することになる。
俺のは本のルーンファクト。今はテーブルの上においてある
「今日も可愛いな」
「キメェ〜」
もはやお決まりとなった挨拶を交わして笑いあう。
「なぁ、林の方が騒がしいんだが行ってみねぇ?」
「なんかあったのか?」
「あったらしいぜ」
ちょっと興味があったので野次馬として見に行ってみることにした。
255 :
能面@:2008/01/11(金) 16:18:04 ID:3GhWRRBU
学校の男子寮を過ぎた奥にある林。
何があるかはわからないがフェンスもなくて危ないので立ち入りは許されていない場所。
それでも俺らは林の方へと入っていく。
騒がしいと言っていたけど俺たちが来たときは誰もいなかった。
「さっき見た時は男子が集まってたんだけどなぁ」
そんなのおかまいなしに秀秋が林の中に足を進めていく。
「おい、いいのか?」
「いーいんだって」
少し奥深くへ入っていくと、何かが目に留まった。
それに向かって歩みを進めていく。
「なぁ、あれって」
「定規……ルーンファクトか?」
小走りで近寄りそれを拾い上げる。
それは定規で、100cmサイズの多少大きい定規。
でも魔法の力を帯びてるので、エンチャントかルーンファクトだろう。
「なぁ、もしかして…これって行方不明になった生徒のじゃねぇの?」
うかつに放った俺の一言で、二人に恐怖が芽生えてきた。
2週間ほど前に生徒が一人行方不明になり、今も帰って来ていない。
林へ行ったという情報はないが、こういうのは一度でも可能性を想像してしまうと怖いものである。
「ま、まさかなぁ…ははは」
『ハァァァァァ……』
「っ!?」
人ではない吐息に二人に戦慄が走り、音の方向を見る。
ガサ、ガサ、ガサ。
こちらに近づいてくる。
突然白い手が樹をつかみ、なぎ倒しながら後ろからそいつの顔が遅れて現れた。
『キケキャキャキャキャキャキャキャ』
その顔に目はない。
白い皮膚の下に血が流れるのがはっきりと見える血管にびっしりと覆われ
七光する涎をダラダラたらしている。
「も、モンスター……!」
モンスター。
魔法という技術にもやはり汚れた部分は存在するもので
機械に宿った魔法が暴走した成れの果て、または魔法を帯びた生物が本能のままに巨大化したり。
あるいはその両方だったりと、人間が発展してきたからこその汚い失態でもある。
今ではこういったモンスターを駆除する機関まであるほどだ。
しかし今はそんなものは近くにいない。
目の前の存在に恐怖し動けない。
モンスターは確実に俺らを定めている。
殺られる。
「う…くっ!」
生き延びるためにもたじろいでいるわけにはいかない。
魔法を使用するための準備段階、チャージを始める。
魔法はこのままでも使えることはできるが、チャージをすることによって自分の魔力を高めたり
魔法の強さを上げたりと若干の時間はかかるが基礎としてこのチャージをすることが薦められている。
俺の周りに魔法のオーブが大量に包み始め、体に満ちていくのがわかる。
「お、おい、秋斗。逃げようぜ!」
「そうはいってもこいつを連れてきたら学校があぶねーだろ!」
『ギェアアァァァァ!』
目の前にモンスターの手が降ってきて、間一髪のところでダイブして回避する。
そしてモンスターに向きなおし、何の魔法を使用するか動きながら考える
「こっちこいよバーカ!」
秀秋の声だ。
それと魔法が当たる音が聞こえ、モンスターは俺ではない方向へ視線を移す。
(チャンスだ!)
素早くモンスターの側面へ回り込み、手にありったけの魔力を乗せてモンスターへと突撃する。
「ここだ!」
衝撃が走る。
256 :
能面@:2008/01/11(金) 16:19:01 ID:3GhWRRBU
「っ……!?がっ!」
モンスターではなく俺に。
傲慢だった。
モンスターをまったく見ずにただ一面を見ていただけだから。
だからこそモンスターの不意打ちもまともにくらう。
こいつは最初から俺を狙っていた。
俺の体はそのまま宙を舞い、近くの樹に体からぶつかる。
『ギャァァァァァァオ!!』
耳が痛くなりそうなほどの咆哮が聞こえる。
モンスターの攻撃が飛んできて、俺は一瞬モンスターに体を持っていかれ、そのまま地面に叩き落される。
地面に当たり派手にバウンドし、そのまま樹にぶつかるまで転がっていった。
「おい!秋斗ー!大丈夫かー!?」
秀秋はモンスターに遮られ、こちらからは確認できない。
体の痛みをこらえて立ち上がろうとする。が、手をつけなくてそのまま倒れこむ。
俺の左腕はなかった。
「っ!!がああああああああ!!」
現実を認識してしまい、激痛に身をよじらせる。
「秋斗!?ぐっ!てめええええ!」
秀秋をかるくあしらいながらも視線は俺を見定めている。
恐怖が勝る。目の前の化け物に怯える。
一層高い咆哮の後、地面に落ちてる餌を口で拾い上げ、歯を立てる。
「うああああぁぁぁああぁぁあぁあああ!!」
「あきとおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
激痛なんて生易しいものではない。
これならいっそのことすぐ殺してくれとも思う。
でも奴は俺の体を味わうように少しずつ噛み砕く。。
体に攻撃を受けているがひるむほどでもなく、悠々と食事を楽しんでいる。
俺の目に牙が映った時、そこで俺の人生は幕を閉じた。
グシャッ
一方、秋斗達が部屋を後にした後すぐに部屋に訪問者が来ていた。
女子生徒用の制服を身にまとった大きな胸の女生徒。
「あーきとぉー?…あれ?」
部屋に誰かいないかきょろきょろと見回す。
秋斗はいない。
でも見た感じ財布や学生証は置きっぱなしだからそう遠くには行っていないと予想した。
(あがって待ってよ)
秋斗の友達、加護理々子。
元気な体操系のノリのショートヘアーの女性で秋斗と自然と仲良くなった友達以上恋人未満な関係。
本人は秋斗のことはまんざらでもない模様。
腰に回した2本のベルトのうち、1本がルーンファクトである。
今日はちょっとした用事で男だけの負の領域に入り込んでいたのである。
「誰もいないけどおっじゃまっしまーす」
と玄関で靴を適当に脱いで手提げカバンをテーブルの近くに置く。
しっかし、汚いなぁ。
ま、男の部屋だから仕方ないのかもしれないけどさ。
目で部屋を物色してるとホムンクルスが目に入った。
女性型で小さな子供のような全体的な肉付きの少なさ。
目を瞑り、死んでいるように動かない。
これがスリープ状態。
(ちょうどいいから盗み見しちゃおう)
調整機械を弄ってデータを確認する。
257 :
能面@:2008/01/11(金) 16:20:09 ID:3GhWRRBU
「ふぅ」
まだ秋斗帰ってこないなぁ。
携帯を開いて時計を見る。大体15分経ってたみたい
ふと窓側から中に強い光が入ってきた。
「えっ?」
振り返ってみるけど眩しくてまともに見れない。
ちょうどテーブルに秋斗の物らしいサングラスがあったからそれを着用する。
「な…何なの!?」
改めて光を見てみたが、その光はあたしに向かってきてた。
「うわ、うわ、わわわわわわ!」
慌てて左方向へ急速回避。ぎりぎり避ける事が出来た
見てはいないけどバシュンという音はあたしの後ろから聞こえてきた。
音のしたほうへと振り返る。
「あ、あれ?」
ホムンクルスが倒れていた。
けど、何かおかしい。
どう贔屓目に見てもさっきの子供のようなホムンクルスではない。
モデルのような抜群のスタイルに。
ショーツは食い込んで。
胸に巻いた包帯は今にも弾けそうに、でもあたしの胸には遠く及ばない。
そして何より。
「えっ…?秋、と……?」
その顔はどう見ても会う予定だった秋斗。
今日の朝に行く約束してるときにちゃんと見てたから間違いない。
念のため、秋斗の学生証を手にとって念じる。
「ソウルディテクト」
学生証が光だし、それをホムンクルスにかざす。
学生証にはエンチャントが施されていて、本人識別用の魔法が織り込まれている。
これも時代が進歩したからこそできる最新の識別装置。
反応がなかったら本人じゃなくて、青く光れば本人であるという指紋や声じゃなく魂で判別する魔法。
これ、ホムンクルスが出てきた当初にドッペルゲンガー現象が多々起こったために急遽できたもの。
果たして結果は。
「……え!?光った!?」
青く光ったからこその驚愕。
つまりこれはホムンクルスじゃなくて秋斗。
でも何故秋斗なのかあたしには説明できない。
あたし自身が何のことかわかっていないし。
「と、とりあえず服!」
何かしなきゃと思って出た発想第一。
258 :
能面@:2008/01/11(金) 16:21:13 ID:3GhWRRBU
「うっ、ぐっ……うう、ぅぅぅ」
突然意識が覚醒する。
唸りながらもモンスターのことを思い出して重い体を起こす。
体が軽いし一部はきつい。モンスターに体のあちこちを食われたからか。
せめて、秀秋でも逃がさないと……!
「くっ……うぅ」
「あっ!?起きた!」
「えっ…?」
林にいなかった人の声が聞こえる。
「あ、れ…?理々子?」
目の前に今日会うはずだった理々子が目の前にいた。
ここでようやく現実を認識する。
ここは…多分俺の部屋。
よくよく考えれば声も変。
そしてなんか胸の辺りが重い。
体を確認……制服ではないけど服を着ている。
なんだか俺の手が妙に小さい。
というか…手はある。喰われたはずだが……
視線を立ったまま足元に下ろす……けど俺の服が視界に入って見えない。
けどズボンは履いていないみたいで、ブリーフのような履き心地の何かを履いているようだ。
それはともかく何だこれ?
「秋斗、秋斗」
「?」
気づけば理々子が手招きしていたので、とりあえず近づく。
途中、秀秋もいることに気がつく。
「はいはい、須藤はあっち向いて」
「あ、ああ、うん」
見えないところで秀秋は俺らから視線を逸らしたようだ。
ばんざーいと言われたのでとりあえず万歳をする。
服をめくられたので抵抗したが怒られたのでとりあえず我慢しておく。
服が首元まで上がると同時に俺の視線の下で肌色の何かがぷるんと弾む。
俺の体が揺れたから俺の体の一部だろうか。
「……ん?」
胸?
「何これ?」
「あたしが聞きたいところだけど…」
「須藤さん!緊急事態って何です!?」
と突然慌てた声と共に先生が入ってきた。
そして服を脱がせた状態の俺と理々子を見て
「ごごごごごごめんなさい、お取り込み中でしたか」
と顔を逸らして出て行った。
「ご、誤解ですー!」
弁明はしたけど秀秋だけは状況を把握していなかった。
259 :
能面@:2008/01/11(金) 16:22:38 ID:3GhWRRBU
俺らの担任教師、中野凛先生(俺、理々子、秀秋は同クラス)。
スタイル抜群胸は普通で俺たちが入学してきた時に同時に先生として赴任した
最も先生として信頼できる理想像なタイプの先生。
でもさっきみたいに色情に関して超どもるので処女じゃないかとまことしやかに噂が。
ちなみに先生のルーンファクトは指揮棒っぽい特殊警棒。
以前指摘した時頭に?を出していたのでわかってないっぽい。
「では、整理しますね」
「はい」×3
話の整理。
まず、俺がモンスターにやられ、殺された後すぐにモンスターが光の球を吐いた。
その時モンスターは林へ逃げ込んでいったらしい。
それはまっすぐ寮内に突っ込んで言ったこと。
ここからは理々子が見たホムンクルスにその光が入っていったこと。
そして俺ができたこと。
俺自身が信用していなかったけど理々子に学生証をかざされ、反応を示したことで信じざるを得なくなった。
「ともかく、危ないことはしてはいけません」
「すみません」×2
と先生にぎゅっと抱きしめられた。
「先生、須藤さんから電話もらったとき…大事な教え子を失ったと思ったら……」
先生がぽろぽろと涙を流した。
「…すみません」
この時、改めて大変なことをしたんだと実感した。
「では、私は報告して会議にしますので」
「はい」
先生と呼び出した元凶として秀秋が出て行った。
それなら俺も、と言ったのだけど俺のほうは大事を取れといわれ部屋に残留。
「んじゃあたし一旦部屋に取りに行ってくるから」
「あー、うん」
半ば強引に下着と服を貸してくれるということで理々子は部屋から出て行った。
俺が何度かズボンの裾を踏んで転んだのを見かねたからである。
気づけば6時を過ぎて夕焼けが窓から差し込んできていた。
ベッドに倒れこんで頭の整理をする。
「いきなりこんなことになったって言われてもなぁ」
正直実感が湧かない。
「あ、そういえば魔法ってどうなんだろう」
とテーブルにおいてあった自分のルーンファクトに手を伸ばす。
本のルーンファクトに触れた途端、音もなく小さな光を上げて本が散って消え去った。
俺自身はきょとんとしてる。
何がなんなのかよくわからないけど、とりあえずルーンファクトなしで魔法を使ってみることに。
まず、魔法のチャージを開始する。
「あれ?」
何故か全然集まってこない。
体に満ちていく感覚もほとんどなく。
この体の所為だろうか?
(じゃ、じゃぁ魔法自体は?)
低級魔法を使うための詠唱を開始する。
詠唱、といっても使うのは心なので声に出して詠唱はしない。
「ん〜〜〜…ショット!」
(初等部1学年魔法、ショット:魔力によって大きさが変わる魔法の矢を放つ初級魔法。
扱い方によっては釘を打てたり生活にも便利です。尚、人を殺せるほどの威力は出ません)
玄関の方向へ勢いよく半透明の魔力が射出される。
「ちっちぇぇ」
魔法は人差し指サイズのすっごく小さいのだった。
ガチャ
「ただいま、秋──」
ぽよんと理々子の胸が弾んだ。
「……あたし、確かに秋斗のこと好意的だけどさ、順序っていうのが、ね?」
「ち、ちがうって!」
260 :
能面@:2008/01/11(金) 16:23:18 ID:3GhWRRBU
「つまり、魔法が全然よわっちいってことね?」
頷く。理々子がチャージを始める
以前の俺よりは多くないけどそれでもちゃんと魔力が集まっている
つられて俺もチャージしてみるけど、やっぱり雀の涙程度の集まり方。
「それは明日考えるとして、まずはこれ」
と理々子がビニール袋から下着を取り出した。
「ん……やっぱつけなきゃいかんの?」
正直言うとめっちゃ恥ずかしいしすごく抵抗がある。
「でもそのままだと何かと不便でしょー?特に胸とか」
「まぁ、確かに。服に擦れて乳首が痛い」
ブラジャーなんて何の意味があって着用するのか理解できなかったけど
これも立派な理由の一つなんだろうな。
「まぁ硬いこと言わずにまず上脱いで」
「ていうかさ、理々子はいいの?男に貸すなんて」
でも服はちゃくちゃくと脱がされていく。
「秋斗が困ってるんだからいーじゃん?」
「ん…まぁ」
「じゃあ余計なこと言わない、はいこれ袖通してー」
………………………
「おっけー」
「う〜ん…ぶかぶかで逆に落ち着かない」
きっとぴったりでも落ち着かないんだろうな。
「あたしの胸基準だしねぇ」
理々子に勝ち誇られた。
ぷるるるるるるる
「お、電話」
カチャ
「はい」
『あ、あのぅー…葉山さん、でしたよね?』
「えぇ、まぁ」
自分の声でさえ別人のようだから俺まで一瞬迷ってしまう。
『会議で決定したことを報告したいと思います』
「はい」
『まず、葉山さんと須藤さんは謹慎3日です…これが私の限界でした』
「いえ、むしろそこまでしてもらって…」
先生の謝罪にこっちまで謝罪してしまう。
『ですが、葉山さんは身体検査のために検査通学してもらいます』
「はい」
『専門家の方にお話をつけていただきましたので、明日は学校で検査をしますので』
「わかりました」
『では、念のため明日はお迎えに参りますので…ごごごごゆっくりと』
ブツッ
「…最後何を想像したんだ?」
カチャン
「先生?」
「うん」
とりあえず明日のことを説明しておいた。
261 :
能面@:2008/01/11(金) 16:24:03 ID:3GhWRRBU
今日一日理々子が俺の会話の相手になってくれて、いくらか不安も和らいでた。
そんなこんなで時間も12時になって二人に欠伸が増えてきた。
「んー、そろそろ寝ようかな」
「あ、そだねー」
と理々子が制服を早業であっという間に脱いでしまった。
俺が認識し終わる頃には既に下着のみの姿になってた
「ちょっ!りりっ!?」
「いや、だって、寝るんだし」
「へ、部屋帰れよ!」
「あ〜、女子寮って10時過ぎたら閉まるのよね〜。だから泊めて」
「泊めてって…はぁ、あぁもうわかったよ」
門限の話はうそ臭いが理々子の押しに負けた。
すぐさま俺のベッドに理々子がもぐりこんでこっちに向きなおした。
幸いシングルベッドとはいっても寝返り対応の若干広いタイプだったので、ぎりぎり二人入れそうなスペースだ。
理々子が手招きしてくるので渋々俺もベッドに入り込んだ。
「いや〜〜〜、可愛い妹できたみた〜〜〜い」
何故か俺の頬に頬を擦り付けてくる。
妹って…今の俺が若干理々子より小さいからか?
これは今の状況とあいまってちょっと照れくさい。
「なんか、今日は気使わせちまったみたいで悪いな」
「悪いと思うならこっち向いてよ」
「むぅ…恥ずかしいんだよ」
すりすりされた後恥ずかしくて反対側を向いてた。
けど理々子の顔を見ていなかったら少し不安が募ってきた。
「それに、また危ないことしないためにお守りも」
「ん…悪い」
状況は変だが生きて生還しなかった俺も俺だから言い訳できない。
「さ、明日も大変みたいだから寝よ寝よ」
「ん…おやすみ」
「でもやっぱこっち向いてよ」
「だから恥ずかしいんだって」
この視線だと胸をモロに見てしまうから。
「いじっぱりだねぇ」
背中に胸が当たる。
「これで我慢しよ」
「う…ぅ…」
そんなやり取りしてるうちにすぐに眠りに落ちた。
慣れない身体で疲れていたのだと思う。
理々子が寝ている秋斗の頭に手を添える。
「あたしだって、秋斗が死ぬのなんて嫌なんだからね…」
262 :
能面@:2008/01/11(金) 16:26:57 ID:3GhWRRBU
と今回はこれまで。
手直し前のバージョンがスレの1/3使う容量だったの見て驚いて手直しかけました。
そして昨日名前入れ忘れて投下するという夢見てドキドキもんでした。
380 ◆PKEHY060jY 氏はまだだめなんだろうか・・・
やっぱり結構人減ったなぁ
265 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:54:10 ID:hjvrsrPQ
age
266 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:54:45 ID:cj7GRa0e
>>264 まぁみんな年始の忙しさ引きずっててって事もあるだろうな。
もう少しすれば書き手も読み手もまたぼちぼち戻ってくるはずだ。
こっちも少しずつ書いてたりするけど、忙しくてなかなか筆が進まんorz
早ければ連休中には投下できると思うけど。
能面さん乙
ホムンクルス万歳!
ホムンクルスって雌雄胴体が完成型だけどそっち方向にいくのかな?
そして主人公はモノみたいな扱いを受けるのか、それとも人の扱いを受けるのか?
なんて予想してみるが
書き手さんには好みが違くても、まず乙を言うのが礼儀では?
>>225 昔あれを書いてた初期スレ住人です
今年は続編を少し書いてみたいと思っています(TS的に盛り上がるかどうかは本当に微妙ですが)
もともとカイトは冒頭のシーンを別作者の方が書かれてたのを自分が書き継いだ代物なので、
今後も書きたい人の数だけパラレルがあっていいんじゃないでしょうか
久々に覗きに来てまだこのスレが存続しているのが確認できて何よりです
269 :
能面@:2008/01/13(日) 13:24:45 ID:tzmxuJnD
>>267 え?ホムンクルスって雌雄同体なんすか?
はっきり言って自分の理想像を詰め込んだ世界観なもんだからまともに調べてなかたですよ
いや、お話は書き手の人の自由だよ
ただ単に、錬金術が流行った同時代に完全な人造人間(ホムンクルス)作り上げようとしたんだけど、その際にホムンクルスの完成は雌雄同体って定義されたっていうだけの話
追記
その時代は、病気が流行ったかなんかで完全な人間を作ろうとしたはず
で、完全な人間が雌雄同体とされた
1個体で子孫を増やすことができるのが人間の理想型とされた
つってもごく一部の人達がそうしただけなんだけどね
ギリシャ神話のアンドロギュヌス(だったか?)の概念はそんな感じだったね。
男女が求め合うのは、己が片割れを求めるからだという。
男が男を求めるのもそれで説明できちゃう!フシギ!
だったっけか
>>273 元々2面4腕4足の人間が男女・男男・女女といて
それが奢って神に逆らったので分割されたって話で
元男と女だった奴は異性を求め、男男だった奴は男の同性愛者、
女女だった奴は女の同姓愛者になったって話だ。
こんばんは、しぎです
思ったよりも4日目が長くなってしまったので、
4日目前半の部分を投稿したいと思います
今回も、TSの部分もあります
ただ、今回はストーリをメインに作っております
作風、作品が気に入らない方は華麗なるスルーでお願いします
では、Phantasy BLOOD W日目はじまります
Phantasy BLOOD四日目
場所 図書館のホール 11時59分
俺はコーヒーが入った二つのカップを持って、ハンクと刑事のい
る所へもどろうとした。その時、異変が起きた。
場所 図書館のホール 00時00分
急にあたりの様子が変になった。なんと言えばいいだろうか?空
気が変わったとでも言えばいいだろうか?とにかく、図書館の様子
がおかしくなっている事だ。俺はいそいでハンクと刑事のもとへ戻
る事にした。
「!」
誰か人の気配がした。だけど、辺りを見回しても誰もいない。まさ
かと、ハンクが心配しに見に来たのだろうか?
「・・・」
だけど、今は人の気配がしない。俺は気のせいかと思って俺は歩き
出した。
場所 図書館の廊下 00時00分
気が付くと、ボクはここにいた。まわりに、ボクと同じ存在が何
人かいた。だけど、何故ここにいるのだろうか?ボクがそう考える
と、わからない。だけど、この世界が生まれた時、ボクが生まれた
事がわかる。だけど、何故だろう。みんな、怖かった。自分達と何
か違う。僕だけ、何か違う気がした。自分と違って怖かった。ボク
は辺りを見回した。すると、ボクとは違って、ここにいるボクと同
じ存在とは違った存在がいた。ボクは物陰で見ていた。だけど、こ
っちを向いた。ボクは焦ってその場から逃げ出した。
場所 図書館の廊下 00時4分
なぜだろう、誰かに見られている気がする。俺は立ち止まる。
からから
とても乾いた感じの音がする。しかも、その音は確実に迫っている。
しかも、廊下の証明が何故か、電気が切れたのかなにかで、いきな
り消えた。あたりは闇に包まれる。
からから
という音は確実に俺に近づいている。まだ、目が慣れなくてよく見
えない。ただ、一つだけわかる事は何か得体の知れない何かが近づ
いている気がする。俺はふところから自動式拳銃ワルサーP99を取
りして、スライドを引いて、弾を薬室に送り込み、安全装置を外し
て銃を構える。
からから
音は俺にゆっくりだが、近づいてくる。
がしゃん
大きな音が後ろでした。俺はすぐに後ろを振り向く。すると、懐中
電灯があった。すぐに広いにいこうと思った。しかし、それは危険
だと思った。
からから
音は確実に近づいている。俺は、足音を立てないようにゆっくりと、
懐中電灯に近づく。
からから
この乾いた感じで木がぶつかりあう音は一つしかない。俺は左手に
銃を構えながら、右手で懐中電灯を手に取る。
「!」
俺は、懐中電灯を手に取った瞬間、自分に何か来る予感がした。す
ぐに懐中電灯を持ったまま、体ごと避ける。俺はすぐに起き上がら
ずに懐中電灯で照らした。そこには、右腕に大きな鎌を取り付けら
れた人形、またはマネキンがいた。しかも、そいつは動いても
しゃきんしゃきん
と動く音がするものも、注意深く聞いてなければわかりにくい音だ
った。俺はすぐに銃を構えて撃つ。
2発に銃声が鳴り響き、人形の胸に二つの風穴が開いて血が吹き出
る。
「痛いよ、痛いよ」
しかも、痛みを訴えてきた。しかし、俺は一応、人形の心臓を狙っ
て打ち抜いた。しかし、立っている。しかし、血が出ていても倒れ
ない。弱点は何処だ?俺は頭を狙って撃つ。3発ほど、撃って人形
の頭に当たる。人形は頭に銃弾を受けて後ろに倒れる。俺は相手に
目を逸らさないように匍匐(ほふく)しながら、相手の距離を取る。
しゃきんしゃきん
一方、人形は頭を撃たれても立ち上がった。頭も、心臓に当たる部
分も弱点ではなかった。そもそも、この人形はどうやって動いてい
る。何故、ここにいる。俺は一瞬、最悪な事態を思い浮かべた。こ
の街が異界かした事を。しかし、今はそんな事を考えている場合で
はない。
しゃきんしゃきん
まずは目の前にいる敵を倒す事。
からんからん
それから、先ほどの音の原因の相手を倒す事だ。まだ、懐中電灯で
照らされる範囲外にいて、存在を確認できていない。しかし、音は
でかくて、足取りはゆっくりだ。とりあえず、そいつは無視をして、
今は腕に付けた大きな鎌で俺を殺そうする人形をどうにかするほう
が先だ。すぐに俺は敵を見ながら考える。何処を撃てばいいのか?
何処を撃てば倒せるか。それはこの場所に相応しくない事も考える。
しかし、それが思わぬヒントとなる事もある。俺は人形について考
える。人形は人を模様して作られたもの。だから、なるべく人に近
づけようとする。しかし、人間だと思って急所を撃ってもやられな
い。つまり、人形には人間の急所の銃で撃っても意味はない。なら
ば、次だ。俺の頭はフル回転して物事を考える。しかし、その時間
はまだ、1秒とたっていない。その間に多種多様の事を考える。今、
俺がこの人形を倒すには考えて、相手を倒すしかない。ただ、闇雲
に撃っても倒す事もできない。弾切れも起すだろう。ならば、相手
の最小限の弾で倒すしかない。または、相手をその場から動けない
ようにするだけもいい。相手は、2本の足で歩いている。
「・・・」
そうか。俺は人形の股の間接の部分を狙って撃つ。
ぱん、ぱん、ぱん
確実に相手を狙って3発の銃弾を人形に打ち込む。弾は貫通せずに、
人形の間接に残り、足は千切れなかった。しかし、
ぎ、ぎし、がしがし
何が挟まった音がして、右足が動かなくなる。それにより、相手は
地面に倒れて
「痛いよ。痛いよ」
と叫ぶ。俺はこれ以上、この人形を撃つ気になれなかった。俺はも
う1体いる人形に専念しようとした。俺はもう1体の人形に懐中電
灯を照らそうとした。
ひゅん
「!」
俺に向かって大きな鎌の刃が飛んできた。俺は反射的にしゃがんで
回避する。大きな釜の刃は標的を失って、壁に突き刺さる。
「・・・」
俺に鎌を投げたのは先ほど、右足が動かなくなった人形だった。右
腕に付いていた大きな鎌の刃が消えている。右足が動かなくなった。
人形は
「許して、許して」
と言っている。俺は容赦なく撃ってやろうと思ったが
からんからん
という音が激しくなって、俺に急接近してきた。俺はすぐに右手に
持っているライトで照らす。そして、懐中電灯を照らした先には人
形が大剣を突き出して、俺に向かって走ってくる。しかも、銃を撃
つ余裕がない。俺は相手の刃先をぎりぎりまで引き付けて左に避け
る。相手はすぐにブレーキを掛けるが、すぐに止まる事ができない。
すぐに相手と距離を取って、俺は人形が背を向けている間に銃を股
の間接を狙って撃つ。しかし、
かん、かきゅん
反射的に銃を撃ったのはいいものも、相手に効いていない。相手は
鉄の鎧を装備していた。反則だとも思いたかった。しかし、これが
現実だ。とにかく、この状態ではまずい。今はハンクや刑事の無事
を祈りながら合流するほうが先だ。今はどうやって、この鎧を装備
した人形から逃げる。俺は考える。一つだけわかる事は9mmの弾
丸であの鎧を貫く事はできない。奴を倒すには打撃か、鎧を貫く武
器を使用するしかない。しかし、鎧を貫く武器はない。打撃で戦う
にも、素手で戦う事は無理だ。相手は2メートルの細めの大剣を持
っている。だが、大剣が重いのか動きは鈍い。だから、俺がしっか
りした武装をしていたらかなり有利だろう。しかし、今の所持品は
銃と予備の弾、それから、ナイフに携帯電話だけだ。これでどうや
って勝てばいい。しかし、この状況をなんとかしなければいけない。
相手は大剣を肩に構えて走って来た。俺はすぐに背を向けて逃げれ
ばよかった。しかし、向かってくる相手に目を逸らす事ができなく
て、逃げおくれた。相手は自分の間合いに入るとすぐに肩に構えた
大剣を振り下ろす。俺はバックステップで回避する。だが、相手は
隙を与えない。すぐに大剣を突き出してきた。かなり、早い。だが、
ガードできる物を持っていない。だから、横に避けるだけだ。しか
し、安心し切れなかった。すぐさま、人形は自分の体を軸に剣を横
になぎ払う。剣の軌道は水平に保たれたまま、俺の上半身と下半身
を分断しようと迫る。俺はしゃがんで回避して、しゃがんだまま、
相手に足掛けをする。相手は
がしゃん
という大きな音を立てて倒れ、じたばたとする。
「・・・」
まさかと思ったが、鎧が重くて立てないらしい。だが、休んでいる
暇はない。なぜなら、
からんからん
と別の音がするのだ。いずれにしろ、ここにいては危険だ。俺は右
手に懐中電灯で廊下を照らしながら、ハンクや刑事のいる所へ向か
った。
場所 図書館 0時14分
調べごとをしていたら、銃声がなった。何が起きたんだろうとリ
ーブ・スヴェール刑事は思った。一方、ハンクと呼ばれていた、奴
はマグナム弾を使用する自動式拳銃を準備している。刑事は好戦的
な奴だと思った。それに、あまり・・・こいつらが好きではなかっ
た。何せ奴らは俺達の調査に割り入ってくる。相手は協力的だが、
あまり協力したくない相手だ。しかし、上からは協力しろと言われ
ているので仕方がない。たしか、やつらは奇怪な事件を調査してい
る調査班らしい。詳しい事はしらないが、どうも、信用できない連
中だ。そういえば、こんな噂を昔、先輩に聞いた事がある。人を超
えた存在たちが起した事件を解決する組織があると。当時は嘘だと
思っていた。しかし、今はそれが本当だと刑事は思えた。だが、実
際に人を超えた存在を見た事のない刑事にはわからなかった。
「気を付けろ。何かいる」
ハンクは辺りをきょろきょろと見回す。しかし、刑事にはハンク以
外の人の気配が感じる事ができなかった。だが、さきほど銃声があ
った。一応、銃を用意したほうがいいだろうと刑事は思い、懐から
回転式拳銃を取り出した。
しゃきんしゃきん
ふと、何かの音がした。その時、ハンクが刑事に銃を向けて撃った。
どん
「・・・」
刑事は体を硬直させて、
どさり
という音が後ろにした。後ろを振り返ると、両手の鋭く危険な鉤爪
を持ち、首から頭がない人形が倒れていた。
「マネキン?」
刑事は振り返り、頭を撃ちぬかれた人形を近くで見ようと顔を近づ
ける。
しゃきん
「うゎあ」
人形がいきなり動き出して、刑事を襲う。けれど、ハンクが刑事の
洋服を思い切って引っ張って、鉤爪からの攻撃から逃れ、後ろへ飛
ばされて地面に思い切ってぶつかってしまった。一方、ハンクは人
形に向かって、弾切れになるまで拳銃を撃ちち込む。弾倉に入って
いる6発の弾が、人形を粉砕した。刑事は驚いた。ハンクが持って
いる銃はデザートイーグル(Desert Eagle)。ハンク撃った弾は全
部で7発。ということは、45口径の(11.4mm)のオートマ
チック用マグナム弾か50口径(12.7mm)のオートマチック
用のマグナム弾をしようするデザートイーグルのはずだ。だが、そ
れはどうでもいい事だ。問題は、両手で持っても、反動の大きい銃
を片手で連射して撃てる事に驚いた。ちなみに、
「45口径だ」
と聞いてもいないのにハンクは言って、弾を補充する。刑事は粉々
になった、人形をみる。もう、今はぴくりとも動かない。だが、血
が出ていて気持ちわるい。一瞬、人と間違えるが、鋭い鉤爪が人で
はない証拠だった。
「まだ、いる。気を付けろ」
と言った。刑事はまだ、いるのかと思った。そう思った矢先には、
新たに5体の人形がいた。ハンクは銃を構えて、近づいてくる人形
に容赦なく撃った。刑事も応戦しようとするが、動きが早くて当て
られない。しかし、ハンクは確実に相手に当て、すぐに5体倒す。
だが、すぐに5体の人形が現れた。ハンクはいとも容易く、人形を
撃ち抜く。一応、動かなくなった人形は放置した。だが、いくら倒
しても切りが無かった。
「まずい、このままでは囲まれて倒される」
ハンクが叫ぶ。だが、刑事はどうすればいいかわからない。
「バリケードを作れ」
ハンクが刑事に向かって叫び、弾が入った弾倉を交換する。刑事は
応戦しようにも何もできないので、バリケードを作る事にする。
「場所が悪いぞ」
「わかっている」
俺達がいるのは、図書館の閲覧室で本が沢山ある場所だ。問題は、
その閲覧室がとんでもなく巨大な部屋なのだ。それで、バリケード
を作るにも
どん
上から襲ってきた人形をハンクは打ち落とす。どっからでも襲って
くるという状態なのだ。
「壁際によるぞ」
ハンクはそう叫ぶと自分の鞄を持って走り始めた。刑事は
「ちくしょう」
と叫びながら走る。しかし、ふと刑事は疑問に思った。
「おい、弾は?」
「それが、予備を含めて21発しかない」
刑事は思う。絶体絶命だ。
「安心しろ、まだショットガンがある」
と言って鞄の中からポンプアク式のウィンチェスターM1897を取
り出して、刑事に渡す。
「おい」
俺はハンクに呼びかける。しかし、それも気にせずに
「鞄を見ろ、弾はそこに入っている」
と言う。仕方がなく鞄を見ると、ライフルが入っていた。さらに、
回転式拳銃と自走式拳銃も入っている。正直、言葉が出てこない。
「何をしている。来るぞ」
ハンクが銃を撃ちながら叫んだ。どうやら、自分も戦わなくていけ
ないらしい。ショットガンに弾が入っているか確認して、近づいて
くる人形に向かって刑事はショットガンを撃った。
場所 ある場所 1時07分
男の前に死体があった。男はその死体に歩み寄り、眺めるだけだ
った。男の表情はサングラスを掛けていてわからない。ただ、男は
その場から去る。男は向かう。目的地はただ一つ、この街にある図
書館だった。
場所 図書館 00時31分
ボクはボク達とは違う存在を追っていた。途中、光る不思議な物
を見つけたけど。転んでしまって、ボクとは違う存在に取られてし
まった。ボクは見つかってしまうから逃げ出した。そして、今は別
の場所にいた。ボクと同じ存在が、ボクとは違う存在を殺そうとし
ていた。
殺せ、殺せ、異質な存在は殺せ
さらに、ボクはボクと同じ存在の心がわかった。理由はわからない。
だけど、ボクと違う存在を殺そうとしていた。ボクと違う存在は黒
い塊や奇妙な形をした棒を持って、ボクと同じ存在を殺した。
「痛い、痛い、助けて」
「苦しいよ、苦しいよ」
「誰か、助けて、助けてよ」
壊れて動けなくなったボクと同じ存在は泣き叫ぶ。だけど、怖かっ
た。助けを求めるのに、ボクと同じ存在は誰も助けない。
憎い、許さない、死ね
役立たず、死ね、邪魔だ
ボクは壊れてしまった者と壊れなかった者の心がわかった。だけど、
耳をふさぎたくなる。だけど、
許さない、こんな体にした奴許さない
死ね、死ね、役立たず死ね
心がわかってしまった。つらかった、どうして憎しみ、殺さなけれ
ばいけないのかわからなかった。だから、ボクは叫んだ。
「やめて」
と大きな声、ボクは言った。
場所 図書館 00時42分
急に人形達の動きが止まった。
「・・・どういう事だ」
奇妙だった。俺に向かって、襲ってきた人形は急に興味をうしな
ったかのように何もしなくなった。そのかわり、人形達は何処かへ
歩き出した。
「・・・」
この人形達の行動が理解できない。でも、ハンクと刑事に合流する
にはチャンスだった。俺はいそいで、閲覧室に向かう。閲覧室に着
くと、息を切らしてショットガンを持った刑事と、無表情に立ち尽
くすハンクがいた。二人とも無事のようだった。だけど、俺は
「大丈夫ですか」
と尋ねてしまう。すると、ハンクが
「異常なし」
と答える。刑事は
「ぜぇぜぇぜぇ、なんでこんな事に俺が巻き込まれなきゃいけない
んだ」
と文句を言った。
「フロー」
何時もは物静かなハンクがめずらしく俺に話しかけ、質問してきた。
「ここまで来る間、人形に襲われたか」
俺は頷いて
「途中、襲われたけど、急に攻撃をやめた」
と答える。すると、ハンクも
「同じだよ」
と言って、さらに
「やめてという子供の声が聞こえた」
と言う。俺は首をかしげる。この図書館にはここにいる俺達しかい
ないはずだ。それで、子供の声とは一体?
「ハンク、その声が誰だか確かめたか?」
「確かめようとしたら、逃げられた」
相手はかなり用心深らしい。しかし、敵か見方かわからない以上は
警戒したほうがいいだろう。とりあえず、俺は
「刑事さん、大丈夫ですか」
刑事に声を掛けた。
「俺か?知るか。それより、どうするんだ」
刑事は息を整えながら言う。それに対して、俺は
「図書館から、脱出をしましょう」
と答えた。一方、ハンクは図書館の本2冊を鞄に入れて、装備の点
検をしていた。
場所 図書館 0時52分
俺は人形を調べていた。俺は人形の専門家ではない。しかし、図
書館の脱出の途中に人形に襲われる可能性も否定できない。俺はな
るべく、動いても安全な人形を選んで調べる。
まず、お腹の部分が見えている人形から調べる。
「・・・」
中には大量のゼンマイやら、弾力性の帯びたチューブが張り巡らさ
れ、人形の体の中は複雑だった。
「・・・」
とりあえず、一通り見たので次の人形を調べる。今度は頭が半分壊
れた人形だった。人と同じように脳に当たる部分はなかった。あと
は複雑な機械仕掛けでよくわからない。
「・・・それから」
あとは、武器や、腕や足の構造を調べる。とにかく、わかる事を探
す。
「どうだ、何かわかったか?」
刑事が俺に聞いてきた。俺は理解できる範囲内でまとめながら答え
た。
「まずは・・・」
人に近づけられて作られている。だが、心臓や頭を撃たれても死な
ない。あと、人形を調べて行くうちにわかった事がある。調べた人
形は腹部か胸部にオルゴールの形をした物が埋め込まれていて、動
かなくなった人形の全てはシリンダーか、そのシリンダーを動かす
部分が破壊されていた。つまり、その部分を破壊すれば人形を倒す
事ができるのである。もっとも、俺が出会って鎧に武装した人形が
でなければの話だ。
「で、そっちはどうですか」
「そいつが、調べた窓は全部開かない」
どうやら、外に繋がる窓は全部開かないそうだ。つまり、窓からの
脱出は不可能になったという事だ。とりあえず、人形の事もだいた
い調べ終わった。あとは
「ハンク、いいか?」
ハンクの準備が終わったかだ。
「大丈夫だ」
ハンクは鞄を背負って、テーブルに置いた変わった形のした銃を手
に取る。
「FN PS90TR、ライフルだ」
ハンクが名前を教えてくれた。
「民間用のP90で、標準モデルに赤外線レーザーとフラッシュライ
トを装着できるタイプだ」
さらに、地味な豆知識を教えてくれた。
「わかった。でも、もういい」
ハンクの解説を止めさせる。そして、俺達は図書館の脱出を開始し
ようとする。
ぱちん
「!」
いきなり、電気が消えた。俺は先ほど手に入れた懐中電灯を付け、
ハンクは暗闇の中で一瞬の迷いもなく、自分の銃にフラッシュライ
トを取りつけた。どうやら、簡単に逃がしてくれるわけではなさそ
うだ。ハンクが
「いくぞ、俺が先導する」
と言って先へ進む。俺と刑事はハンクの後に続いた。そして、ハン
クは曲がり角に差し掛かった瞬間。
「ライトの明かりを消せ」
とハンクが言う。俺は黙って、ライトの明かりを消す。
からんからん
乾いた、木が擦れる音がした。まさかと、思って声がでない。
「こっちに、気が付いていない。奴らは俺達のライトか、音で俺達
を探しているだろう」
と小さな声で言う。しかし、どうするつもりだ。今は相手に気が付
いていられてない。やり過ごすか、不意打ちをしかけるならばチャ
ンスだ。しかし、攻撃をするにも音が聞こえてしまう。
からんからん
音はまだ聞こえる。
「!」
しかも、こっちに向かってきている。しかし、ハンクは
「黙っていろ」
と言う。仕方がないので、俺は黙る事にした。
からんからん
音は近づき
「・・・」
からんからん
目の前で音が鳴っている。月明かりもなく、廊下が暗くよく見えな
い。だが、音が目の前にいるという事を伝えている。俺達は、身動
きもせずにじっと、人形が去って行くのを待った。
からんからん
音は確実に遠ざかる。息がうまくできない。息を思い切って吸った
だけでも気が付かれしまいそうだからだ。
からんからん
音はだんだんと小さくなっていった。どうやら、気が付かれずに済
んだようだ。ハンクは
「行くぞ」
と言ってフラッシュライトの明かりを点けて先に行く。
ごーんごーん
いきなり、鐘の音が鳴った。突然なので、驚いた。だが、それより
も、もっと驚く事が起きた。
場所 図書館 13時13分
俺達の世界が一変した。鐘の音ともに、廊下が何十年もたった廃
墟のようになった。壁は壁紙が剥がれ落ち、どんどんと寂れていっ
た。
ごーんごーん
鐘の音はまだ、鳴り続けている。それと、同時に荒廃は進む。
「一体何が起きているんだ」
刑事が叫ぶ。しかし、ここにいる誰もが聞きたかった。荒廃が終わ
るのは鐘が終わるのと同時だった。だが、これは荒廃というより
も・・・別の世界にいるようだった。そう、異界にいるようだった。
場所 図書館 13時14分
異変と共に人形が現れた。それは木が擦れる音と共に一緒に来る。
一変した図書館はとても暗くて、視界がとても悪かった。だが、天
井に小さな明かりが極わずかに照らしていた。しかし、ほとんど機
能するとはいいがたかった。
からんからん
音は近づく。だが、相手を確認できない。ハンクは銃を構え、俺も
自分の銃を構える。
「・・・」
からんからん
相手の姿が見えた。
「!」
しかし、俺達は銃を撃たずに安全な場所に隠れた。相手は手に松明
を持っていて、すぐにわかった。人数は10体ほどいる。すぐに銃
で倒せばいいかもしれない。しかし、出来ない理由があった。それ
は・・・
ひゅんひゅん
相手が飛び道具でボウガンを持っていた。廊下に5人並び、前の人
形は膝をついて構え、後ろにいる5人が前の人形が膝をついた瞬間
撃ってきた。さらに、後ろが打ち終わったらすぐに前の5人がボウ
ガンを撃ってきた。ハンクはすぐに反撃を開始する。
ぱぁーんぱぁーん
的確に相手に狙いを定めて、胸かお腹を撃ちぬいた。ハンクの攻撃
は何体かの人形の行動を不能にした。しかし、その人形を無視し、
踏みつけて、新たな人形が現れる。しかも、後ろからは
がちゃがちゃ
手が4本ある人形が4つの手にナイフを持って襲ってきた。すぐさ
ま、俺と刑事が背後から襲ってきた人形を倒す。
がちゃがちゃ
しかし、1体だけではない。こんどは2体同時に襲い掛かってくる。
俺と刑事は弾切れの事を気にせずに撃った。2体の人形はすぐに倒
せたがすぐに別の人形が来る。
しゃきんしゃきん
今度は大きな釜を持った人形が4体だった。一方、ハンクは一人で
ボウガンを持つ人形達を次から次へと撃ち倒した。しかし、際限は
無く。次から次へとあたらしい人形達がハンクを倒そうとボウガン
を撃ってくる。しかも、相手はハンクがこのままでは倒せないと理
解して、大きな盾を持った人形を戦闘にして前進してきたのだ。し
かも、それを倒そうと撃つと援護でボウガンを撃ってくる。ハンク
が今使う銃では相手の盾を打ち抜く事はできなかった。しかし、一
か八かで45口径のデザートイーグルを使えば倒せるかもしれない
とハンクは思った。
「・・・」
ハンクは考えた。結果、それを実行せずに
「逃げるぞ」
と叫んだ。俺と刑事は反論する事なくハンクの意見に賛成した。こ
の状況はあまりにも不利すぎる。とにかく、安全な場所に逃げるし
かない。今は、弾薬の消費を最小限に抑えて、チャンスを待つべき
だった。俺と刑事は目の前にいる3体の人形を撃って動けなくする。
それと同時に俺達は駆け出した。
がちゃがちゃ
4本の手に武器を持った人形、2体が道を塞ぐ。
ぱぁーんぱぁーん
しかし、ハンクの正確な射撃によって沈黙した。
「行くぞ」
道ができた。俺達は体力の事も考えずに全力で走る。しかし、人形
の数は異常だった。倒しても、倒しても人形は減ってくれない。
「・・・」
不思議な事に増える事もなかった。
がちゃがちゃ
それでも、休む事はできなかった。安全化と思えば人形達は不意打
ちをしてきたり、巡回している人形に襲われたりした。さらには待
ち伏せなどもされた。
「まるで・・・ぜぇぜぇ・・・チェスで残り3つの駒を追い詰めて
楽しんでいるようだ」
刑事が叫ぶ。確かにそうだ。俺は
「でも、キングを抜いたチェスですけどね」
と返した。すると、
「確かにそうだ」
と刑事は言う。そして、俺達は確実に追い詰められている。気が付
けば、同じと場所を行き来している。
「まずいぞ」
ハンクが言う。確かに確実にまずい状態だ。この状況下をなんとか
しなければならない。だが、よく考えて見ろ。俺達を追い詰めてい
ると言う事は、人形達の包囲に穴を開ければ、図書館の出口まで行
けるのではないか。
「ハンク、相手が包囲していると言う事は、包囲の穴を開ければ」
俺は叫んだ。ハンクは
「わかった。やってみよう」
と返事をしながら持っている弾を補充する。俺達は立ち止まり、警
官はぜぇはぜぇはしている。俺は丁字路で左右を見回し、敵がいな
いか確認してジェスチャーでハンクに伝える。一方、ハンクは反対
側の丁字路を見張る。ジェスチャーだと、人形がそっちにいるよう
だ。俺はわかったという合図を送り返して、敵が来ないか見張る。
「!」
敵がいた。しかも、道を埋め尽くしている。
「おい、あんたの仲間がこれを使えだとさ」
と俺の肩を叩いてボルトアクション式のライフルを刑事が渡してく
れた。すぐに、装填を確認して構える。
「こっち」
子供の声が聞こえた。俺は声が聞こえるほうを向く。そこにはその
場に不釣合いな格好をした子供がいた。これは、敵の罠かと思った。
相手は
「こっち、こっちだよ」
と必死に手を振った。
「まずい、防ぎきれない」
ハンクが叫んだ。これでは、全滅する。
「こっちだ、ついてこい」
俺は敵かもしれない相手に従った。この先に希望か絶望どちらがあ
るか俺にはわからない。それでも、全滅するとわかっている選択肢
よりはいいと思った。
場所 図書館 13時25分
ボクは叫んだあと、怖くて泣きながら走った。気が付くと、誰も
いない部屋にいた。とても、安心した。その後、ずっと怖くてじっ
としていた。何分たったかわからない。だけど、心は恐怖で埋め尽
くされていた。ボクは自分と同じ存在が怖かった。だけど、生まれ
たてのばかりではわからない。なんで、そう思うかわからない。だ
けど、時間が立つに事によって、少しずつだけどわかった事があっ
た。ボクは、同じ存在の心の中の内容が怖かった。意味はわからな
い。だけど、すごく怖いだけだ。もしかしたら、時間が立てば何か
わかるかもしれないと思った。
ぱぁーんぱぁーん
乾いた音がした。ボクとは違う存在が使う道具の音に似ていた。
「銃の音?」
気が付くと、初めて見るものなのに理解していた。まるで、すでに
知っていたかのようだ。
「うぅ・・・」
頭が痛い。ボクは頭を抑える。何秒間かはわからないが、とても痛
かった。
ぱぁーんぱんぱん
また、音が聞こえる。
ぱんぱん
あの存在はボクと同じ存在を倒しているのだろうか?ボクは気にな
って、ここにいれば安全だとわかっていながら、部屋を出た。ボク
とは違う存在達が必死だった。後からボクと同じ存在が来る。ボク
には無関心だった。ボクと同じ存在はボクとは違う存在に関心があ
った。ボクも興味があった。もしかしたら、ボク達とは違う存在は
敵ではない存在なのかもしれないと思った。だから、ボクも追いか
ける。
「ハンク、相手が包囲していると言う事は、包囲の穴を開ければ」
「わかった。やってみよう」
ボクとは違う存在の話し声が聞こえる。
追い詰めた、追い詰めた
やった、やった、殺せ、殺せ
それと同時にボクと同じ存在の心の声が伝わる。
突き進め、殺せ、恐れるな
また、耳を塞ぎたくなるような心の声だった。それで、ボクとは違
う存在を助けなくてはいけないと思った。だから、
「こっち」
と叫んだ。ボクは大きく手を振って叫んだ。金色の綺麗な髪をして
いる、ボクとは違う存在がボクを見てくれた。少し、怖かった。だ
けど、ボクは
「こっち、こっだよ」
と大きな声で叫ぶ。すると、ボク達とは違う存在が来てくれた。だ
から、ボクは自分と同じ存在がいない部屋まで、案内した。途中、
追っているか確認して、それからボクは気がつけば、ボクと同じ存
在がどこにいるかわかった。だから、見つからないようにさっきま
ででいた部屋まで案内する事ができた。さらに、一度通った道が頭
に浮かび上がる。だから、道を間違える事なく行けた。不思議だっ
た。時間が立つにつれて、何かボクが変わっていく感じがした。だ
けど、それは希望と恐怖があった。
部屋に着くと、金色の髪をしたボクとは違う存在が
「ありがとう」
と言ってきた。自然とその言葉の意味が理解できて、うれしかった。
そして、ボクは自分とは違う存在は大きく見えた。金色の髪のボク
とは違う存在はとても優しい顔をしていた。なぜか、ボクは今いる
ボクとは違う存在のなかで一番信用できる存在だった。
場所 倉庫 1時40分
俺は子供の後についていくと、倉庫に着いた。一応、倉庫に鍵を
しめて、俺は子供にお礼を言った。だけど、何故ここにいるかわか
らない。だけど、この子供が俺達の命を握っているきがする。俺は
刑事には休みように言って、ハンクは自ら見張りをやっていた。必
然的に俺が子供の相手をする。俺は子供だからといって、甘くはみ
ない。といいつつ、甘くみるのだが。なるべく、子ども扱いはしな
い主義だ。なぜなら、自分が子供のころそうされて嫌だったからだ。
それに、ここまで安全に来られたのもこの子供のおかげだ。俺はま
ず、子供と同じ目線の高さまでしゃがんで話をする事にする。まず
は、相手をさっとみて観察をする。明らかに、場違いの格好だった。
長袖のシャツに紺色のチョッキにニッカーボッカーズ風の半ズボン
に茶色の革靴を履いている。目は緑、髪色はブラウンでショートヘ
アーだ。外見から見るに男の子だろう。相手は興味津々で見ている。
まるで、俺達を始めて見るようにも見える。とりあえず、名前を聞
かなければいけない。
「俺はフロー、フロー・ローガン。君の名前は」
「・・・」
相手は黙って何も言わない。もしかしたら、俺を警戒しているのか
もしれない。今はこの子供から名前を聞き出すのは無理だろう。な
らば、別の話題に変えて見るべきだろう。
「そういえば、何故、ここに君はいるのかな?」
「・・・気がついたら・・・いた」
「そうなんだ」
不思議な子だ。だが、子供というものはそうなのかもしれない。た
しかに、外見は幼い子供に見える。それにこんな場所にいて、精神
を保てるほうがすごい。とりあえず、今は関係な話をしよう。
「そういえば、君は何か好きな事とかあるかい?」
「・・・・・・」
どうやら、考えているようだ。しばらく、子供はだまり、首を横に
振って
「わからない。生まれたばかりで」
と答えた。
「ねえ、何なの?ボクと同じ存在とは違う」
この子供は奇妙な事を言っている。だけど、子供の言う事を笑う事
はできない。俺は子供の質問に答えなければいけない。
「ごめんな、お兄さん。君の質問がよくわからない。だから、答え
れない。だから、答えるためにお兄さんの答えに答えてくれない
か?」
子供は頷いてくれた。
「じゃあ、俺は君と見て違う存在なんだね?」
子供は頷く。
「じゃあ、君と同じ存在は一体、何かな?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
もしかしたら、言葉がわからないのかもしれない。一応、子供は何
か考えているのかもしれない。だから、俺は答えるまで待つことに
した。いずれにしろ、この子供が何か重要な鍵を握っている気がし
た。
「ねえ、それ何?」
ハンクに指差す。
「その、不思議な形をしたの」
どうやら、ハンクの銃の事らしい。ハンクは
「これは、FN PS90TRというライフルだ」
と言って安全装置を掛けて、子供の近くで見せる。
「一応、これは銃だけど?見たことないかい?」
子供は頷いてこうも言った。
「これで・・・・・・・・・・・・・・・・ボクと同じ存
在・・・・・・・・・・・倒していた」
その場が凍りついた。しかし、ハンクも刑事も黙っている。俺も黙
っている。子供は不思議そうに俺達を見ている。だが、何時までも
黙っているわけにはいかない。
「もしかして、あの人形の事かい?」
俺が質問すると
「人形?じゃあ、ボクは・・・人形」
と子供はつぶやくように言う。
「お兄さん達は・・・お兄さん達?」
まるで、俺達に人か人形かと聞かれているようだった。
「近づいている」
子供が何かを感じ取ったように言う。すると、ハンクが
「この子供が言う通りだ。足音が聞こえる」
ハンクは先ほどから地面に耳を当てて、人形が近寄っているか足音
で見張っていた。ハンクは聞こえる足音が何処に向かっているか集
中する。
「こっちに向かっている」
ハンクは静かにしろというジェスチャーを送った。子供も俺達の様
子を見て何も言わない。
がちゃがちゃ
ドアノブが激しく音を立てた。だが、鍵を閉めているので入って来
る事はできない。それに音を立てなければ、誰も入って来られない
だろう。
「・・・」
ドアをあける音が止んだ。ハンクも
「足音が遠ざかっている」
と地面に耳をつけながら言う。
「うん」
子供も頷く。
「もしかして、位置がわかるのか?」
俺はもしかしたらと思った。子供は
「うん、何故かわかる」
と答える。つまり、人形達の位置がわかるようだ。でも、何故わか
る?それはあの人形達と同じだからか?でも、そうなのだろうか。
「・・・なあ、質問ばっかりですまないが、お前はあいつらと同じ
なのか?」
かなり失礼な質問だとわかっていた。だけど、確かめる必要があっ
た。子供はためらう事もなく頷いた。だけど、目の前にいるのは、
ただの子供にしか見えない。
「ボクと同じ存在はボクと同じように生まれた。だけど、ボクと同
じだけど、違う存在なんだ。とても、怖くい。だけど、お兄さん達
は違う。とくに、フロー怖くてない」
「・・・」
「だけど、わからない。自分がここにいるのかわからない。ボクは
人形なの?」
「・・・」
子供はあの人形と同じ存在。つまり、あの人形と同時に生まれた事
になる。だけど、目の前にいる子供、または人形に悪意はない。純
粋無垢だ。
「・・・」
この闇の悪夢の中で生まれた存在。善悪を模索しているようにも見
える。そして、この悪夢の世界でこんなに純粋無垢な存在が生まれ
るとは思わなかった。つまり、初めから警戒する必要なんてなかっ
たのだ。
「お前はお前だ。人とか人形とか関係ない」
そう、それは分類するためだけのものだ。だから、自分の本質が変
わらないから不要だ。だけど、それがあると便利だから使う。だけ
ど、便利だけでなく、それによって差別も生まれた。だけど、わか
る、
「お前はお前だ。だから、お前の名前は?」
「ボクの・・・名前・・・・・・ない」
子供は悲しそうに言った。俺は子供の目を見る。透き通る目をして
いた。アクアマリンの海の水の意味が当てはまるような目をしてい
た。
「じゃあ、アクアって呼んでいいか?」
俺は透き通った海の水のような目を見て思いついた名前だ。
「あ・・・く・・・あ・・・アクア。うん、ボクはアクア」
子供はとても喜んでいる。
「フロー、お前の名前のセンス、すごいよ」
ハンクが俺の肩を叩いて言う。
「ほへ?」
俺はまぬけな顔をして
「俺も、そう思ったぜ」
と刑事さんが言われた。だが、理解できなかった。一方、
「ありがとう」
とアクアは喜んでくれた。しかし、
「誰か来る。えっと、一人」
アクアが真剣な顔で言う。ハンクが地面に耳を当て
「足音がする」
と足音を聞きながら言う。しかも、
がちゃ
鍵を開ける音がした。まさかと、思った。ハンクはすばやく銃を構
える。
ぎぃいいい
という音をたてながらドアが開く。俺も銃を構えている。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
扉は開いている。だが、相手の姿を確認できていない。ドアを開け
る時には相手の姿を確認できなかった。
「アクア、まだ近くにいるか」
「うん、この部屋に入ってこないだけ」
まさか、仲間を呼ぶつもりか。なら、先制攻撃する必要がある。だ
が、俺の予想は間違っていた。
「!」
子供だった。見た目から判断するとアクアと同じタイプのようだっ
た。外見は赤色のエプロンドレスを着た女の子だった。髪色はブラ
ウンで、肩まで伸びたストレートヘアーだった。ハンクはまだ、銃
を新たに現れた女の子に銃を向けている。一方、
「キング、何をしているのですか?探したのですよ」
と俺達にはわからない事を言う。
「アクア、意味判るか?」
「わからない」
アクアにも理解していない。とりあえず、この状況はまずいので、
「とりあえず、見つかるとまずいから」
と言って倉庫のドアを閉めようとする。
「あなたは後で排除します」
と、物騒な事を言ってきた。なので、俺はドアを閉めたら殺される
かもしれないで諦めた。
「キング、何をやっているのですか。この人達は敵ですよ」
女の子はどうやら、アクアの仲間らしい。だが、俺、ハンク、刑事
は敵らしい。
「違うよ。この人達はいい人だよ」
「何を言うのですか、キング」
「本当だよ。何もしないよ」
「それは、あなたを騙そうとしているだけです」
黙って聞いていると、どうでもいい会話に聞こえる。
「とにかく、キング。キングが弱腰でどうするのです。こんなでは、
キングは務まりませんよ」
「わからないよ。キングなんて」
「・・・そうですか。ならば、私が始末しましょう」
「ハンク」
俺は叫び、ハンクは銃を撃った。
きん
金属がぶつかり合う音がした。さらに
きんきん
という金属がぶつかり合う音を立て火花を散らす。何が起きたか、
ハンクは目の前の女の子が投げてくるナイフを全て銃弾で狙って打
ち落としているのだ。俺は
「刑事さん、隠れてください」
と叫ぶ。すると、刑事は
「言われなくてもやっているよ」
が返ってきた。一方、俺は
「ハンク、あの子を撃ってはいけない」
と叫び
「アクア、あの子を止めろ。君しか、あの子は止められない」
と俺はアクアに頼む。アクアは
「・・・うん」
と頷いた。そして、アクアは大きな声で
「やめて」
と叫んだ。すると、
「・・・っ」
女の子の動きが止まる。しかし、女の子には殺気が満ちている。
「キング、騙されている」
そう言いながら、俺を見る。とりあえず、倉庫を閉めて、近くに人
形がいないか訪ねる。どうやら、こっちに向かってきている人形は
いないようだ。さて、次か次へと、問題が来る。
「さてと、君の名前は、俺はフロー」
自分の名前を告げて、ハンク、刑事さんを紹介する。
「・・・」
女の子は答えない。すると、アクアが
「ねえ、答えて」
と言う。すると、
「・・・わかりました。キング」
と言う事をすんなり聞いた。どうやら、アクアには何か強制させる
力があるようだ。
「私に名前はありません。私はキングのビッショプです。奴隷と考
えればいいでしょう」
「・・・」
俺は女の子の目を見た。アメジストの宝石が埋め込まれたような綺
麗な目をしていた。俺は
「アメジストみたいな目だな」
と言って
「もし、名前がなければ、アンナっていうのはどうだ」
と提案する。だが、
「・・・断ります。敵に名前を貰うなど恥です」
あっさり、断られるが
「いい名前だね」
と無邪気にアクアが言うと
「・・・キングが言うなら、それもいいでしょう」
と言う。どうやら、アクアには逆らえない何かがあるらしい。まる
で、本当の王様みたいだ。
「!」
まてよ、この世界。さきほどまでの、アクアとアンナの会話。それ
と、ここまでの出来事。もし、俺の推測が当たれば・・・
「・・・」
俺はアクアを見た。もし、アクアがこの世界を支配する物ならば、
アクアを倒せばこの図書館から脱出できるかもしれない。だけど、
それは出来ない。
「すまない、アクア」
俺は気が付くとアクアに誤っていた。アクアは不思議そうな顔で俺
を見ている。
「君を倒せば、この場所から抜け出せると思った。だけど、それは
できない」
すると、ハンクが俺の肩を叩いて
「いい奴だ。だが、名前のセンスはあれだな」
と言う。何か、可哀想な人の目で見られていた。だけど、その理由
はわからなかった。
場所 図書館 2時04分
それは薔薇のような存在だった。赤いドレスに身を包み、茎は後
ろに従えた人形たち。棘は人形たちの持つ釜。本当に薔薇のような
存在だった。そう、この世界のクィーンだった。キングの次にえら
い存在。だけど、クィーンはキングよりも冷徹で妖艶な大人女性だ
った。クィーンは図書館のホールにいて、優雅に紅茶を飲みながら、
一人でチェス盤の上の駒を動かしていた。
「ふふふ」
女の口元は笑っており
「もはや、キングではですわ」
と言いながら、チェス盤から黒のキングの駒を除外して、白いキン
グの駒をチェス盤の敵陣に置いた。
「裏切り者は敵、さらに一人しかいないビッショプも裏切り・・・」
クィーンはチェス盤に上に一つだけある黒のビッショプを取り除き、
白のビッショプを敵陣に置いた。
「さあ、キングはいない。そして、私が美しきキングであり、クィ
ーン。さあ、最高の戦いを」
女の口元は三日月のような形をした笑みを浮かべ、紅茶を優雅に飲
んだ。
場所 倉庫 3時3分
俺達はまだ倉庫にいた。とりあえず、
「キング、私はあの者達を信用できません」
「キング、あなたはキングの自覚がない」
「警告しときますが、キングに手をだしたら容赦しません」
とにかく、アンナを説得させるのに時間がかかってしまった。それで、
「・・・あ、アクア様」
「アクアでいいよ」
「そうはいきません」
アクアの協力で、さきほどよりはよくなった。初めはナイフを投げ
てきたり、振り回したり大変だった。そのたびにハンクが何とか音
をたてずに何とかした。けど、そろそろ・・・本格的に聞かなけれ
ばいけない」
「質問いいか」
「何ですか」
敵対する目で俺を見る。俺はポケットから、魔方陣の写真を見せる。
「見た事あるか?」
すると、アンナは
「これなら、図書館のホールで見ました」
と答えてくれた。どうやら、これで行くべき場所が決まった。あと
は、質問しにくいが
「なあ、お前たちは何者なんだ?」
ここから、脱出するために聞く必要がある。
「それは、どういう意味ですか?」
アンナは、鋭い目で見る。
「ようは、アクアや、ここにいる・・・」
「つまり、私たちが何者かですね?」
「そう、それ」
俺はアンナやアクアの目線で、頷きながら言う。そして、アンナは
自分たちの事を語る。
「私達はこの世界が出来た時に生まれた存在です。キ・・アクア様
はこの世界のキングとして生まれました。私はビッショプとして生
まれました。私の使命はキングを補佐して、キングに害する者から
守り排除する事です」
「じゃあ、俺達を襲ってきた・・・その、あれだ」
「人形ですか?」
「えっと、それ」
「私達は人ではありません。人形です。でも、キング、あ、失礼し
ました。アクア様はそれがわかってないみたいです。ですが、人形
でいいでしょう。本当は特殊な名前をつけてもいいですが、わかり
やすいと思うので」
「・・・わかった」
俺は頷いた。
「一応、あなた達を襲った人形は私達が言うポーンです。ただし、
ポーンにも細分化されていて、歩兵、弓兵、などがあります。なお、
出会ったかはわかりませんが、ナイトが二人、ルークが二人います。
ビッショプは何故か私一人です」
かなり、複雑だと思った。
「それと、ア、アクア様がキングで、クィーンが一人存在していま
す」
俺は頷きながら、アンナの言う事をまとめていった。
「ありがとう」
俺はお礼を言って思考を始める。一方、
「おきになさらず」
と冷たくアンナは返事をした。
「・・・」
まあ、女心は難しいと母さんが言っていた通り難しいものなのだろ
う。けど、アンナの話を聞いていろいろとわかった事がある。まず
は、この世界がチェスの世界を模様した世界だと言う事。キングは
この世界を支配する事ができるそうだ。今はクィーンがこの世界に
いる人形達に命令をしているそうだ。それで、俺達はこの世界の侵
入者であり、排除されそうになったという事だ。なお、脱出するに
は
「クィーンがいる図書館のホールか」
クィーンがいる、図書館のホールに行かなければ脱出はできない。
だけど、アヤさんが異界に行った時、巨大な魔方陣で巨大な犬と出
会ったと言っていた。だから、魔方陣の近くにはそれだけの何かが
いるという事だ。魔方陣に乗るだけであっさり脱出できればいいの
だが。
「大変だよ。フロー、何人も何人も来ているよ」
どうやら、俺達をチェックメイトしようと来たらしい。
場所 図書館のホール 3時15分
白いナイトの駒、白いルークの駒、白いビッショプの駒と白いキ
ングの駒が動きだした。どうやら、相手も動き出したようだ。
「さて、お手並み拝見をさせてもらいましょう」
クィーンは駒を一つ動かして、紅茶を飲んだ。
場所 図書館 3時24分
俺達はアクアの力を頼って、人形達と遭遇しないように図書館の
ホールへ進む。だが、それでも
「大変だよ。囲まれたよ」
戦いは避ける事はできなかった。どうやら、戦う必要があるようだ。
「うわ」
急にアンナがアクアの手を掴んで走り出した。何が起きたかと思え
ば
「こっちだ。敵はすぐそこだ」
と俺達の居場所を伝える。不意打ちをしようと思っていた俺の作戦
が簡単に駄目になってしまった。
ひゅん
「えっ」
アンナは思考が停止した。なぜなら、仲間が槍で私を突き刺そうと
していたのだ。だが、避けようとせずに立ち尽くす。
どん
ハンクはすばやく45口径のデザートイーグルを構えて撃った。人
形のお腹に大きな風穴を開けて、人形は倒れる。俺は駆け出した。
アンナは倒れた人形を見ている。アクアはどうすればいいか混乱し
ている。俺はすぐにアクアとアンナの元に駆け寄って、二人を両脇
に抱きかえる。一方、人形達は俺やアクア、アンナを殺そうと、剣
や槍で襲い掛かる。しかし、ハンクの精密な射撃によって倒される。
「大変だよ。完全に囲まれたよ」
アクアが泣きそうな声で言う。確かに前も後ろも人形だ。俺達の後
ろでは刑事が何かを叫びながらショットガンを撃っている。
「安心しろ」
俺は二人を抱えながら言う。
「そんな、無理です。私でもあの数では無理だというのに、どうや
って切り抜けるのです」
アンナはそう言が、切り抜けなければいけない。それに、倉庫でア
ンナを説得している間にハンクと刑事は遊んでいたわけではない。
俺はこの図書館から抜け出すための道具を作るようにお願いしてい
たのだ。そして、今こそ使うべきだった。
「ハンク、スモークだ」
ハンクは刑事から借りたライターで、自作のスモークボムに火を付
ける。しかし、なかなか火が点かない。導火線がなかったのがいけ
なかったのだろうか。しかし、スモークボムが煙を出してきた。ハ
ンクはスモークボムを投げて、また、新しくスモークボムに火を点
け、煙が出たら人形に向かって投げる。合計3つのスモークボムを
前と後ろに投げる。
「よし、行くぞ」
ハンクはカバンからもう一つのポンプアクション式のショットガン
をカバンから出して、刑事が応戦している人形の大群に一人で突撃
する。相手は近接武器しかないので、近づく敵に対して容赦なく撃
つ。弾が切れたら、刑事が前に出て道を作り、ハンクはその間に弾
を補充する。そうやって、俺達は敵の大群を突破した。
「何とか、突破したが。ほとんどが抵抗してこなかった。何故なん
なだ」
刑事は疑問を口にする。
「ん?簡単なことだ」
俺は説明をする。まず、人形をやり過ごした事を思い出してもらう。
その時、人形は暗闇の中で壁に激突することなく歩いていた。人形
は俺達を視覚で探す。だけど、暗闇が人形達は目が見えていなかっ
たからやり過ごす事ができた。たぶん、クィーンという存在が操る
からだ。つまり、クィーンが駒を動かし、敵が見えたら攻撃をする
ように人形達を操っているという事だ。
「だが、音でわかるはずだ」
刑事は俺の説明の穴を問う。
「そう思うかもしれない」
だけど、音は関係ない。
「なあ、敵はどう動いている」
俺はアクアに敵の位置を聞く。
「一応、フローが逃げて行った方向に向かっている。すぐ近くに3
人いる・・・あ、だけどすぐに別の方向に行っているよ」
「わかったか?」
「いや、さっぱりだ」
刑事は首をかしげる。仕方がないので説明をする。今、俺達は走っ
ている。それで、相手はすぐ近くにいる。それで、人形たちは別の
方向へ走った。ここで、おかしい事が一つある。まず、俺達は走っ
て足音がするはずだ。実際に、足音がなっている。しかも、さっき
まで敵はすぐ近くにいた。だけど、別の方向へ向かった。もし、こ
こで音に反応していれば、俺達にまっすぐに向かってくるはずだ。
だから、奴らの視覚を奪えば逃げられるという事だ。すごいだろう。
「ああ、すごいな。だけど、あのスモークボムはどうやって作った
んだ」
刑事はなるほど、そうだったのかと思いながら頷きながら尋ねてき
た。
「あれ、5日前に母さんにスモークボムで遊ばれてね」
「そうか、わかった」
そう、あのスモークボムは母さんがインターネットの動画を見て作
った物だ。もちろん、スモークボムの効果を試すために俺が実験さ
れたのは言うまでもないだろう。
「フロー。何か、悲しい顔をしているよ」
アクアに指摘された。俺は
「何でもない」
と返事をした。そして、俺達は図書館のホールへと向かった。
場所 図書館のホール 3時32
クィーンはチェス盤を見ている。相手は敵の弱点を見つけたよう
だ。これは楽しめる。しかも、一人の脱落者も出さずに来ている。
ああ、何て面白い事だろう。自分の戦略を突破されている。それが、
クィーンにとって一つの快楽であり、それをどうやって絶望に追い
込もうか。クィーンはどうやって相手を追い詰めようか考える。そ
れは美味なる楽しみだ。そして、クィーンにとってチェックメイト
をした時は美味なる快楽と心を満たす。しかし、今は想像するだけ
だ。だけど、その想像もクィーンの楽しみである。クィーンは他の
ものよりも優れている。だから、ポーン、ナイト、ルークには考え
られない事を考えられる。この世界が生まれた時、クィーンとして
生まれた。初めは何もしならなかった。だけど、すぐに理解した。
だから、支配している。支配して、女王は飽きてしまった。だから、
すぐに簡単な遊びを始めた。初めは簡単な戦略の遊びだった。だけ
ど、面白くて、楽しくて、倒した時は気持ちよかった。だけど、欲
望は尽きず、女王は自分より頭のいい者を、今の考えを破壊してく
れる者を求めた。求め、それを倒したいと思った。だから、この世
界の力を利用した。
「もうすぐ、来る。だけど、チェックメイトではない。だって、ク
ィーンはチェスの中では最強の駒なのですから」
クィーンは独り言を言った。一方、チェス盤の上には4つの白い駒
が動き、クィーンに迫っていた。
場所 図書館のホール 3時38分
図書館のホールはあの魔方陣があった。だけど、それは俺が見た
魔方陣よりも大きくて、図書館のホールの真ん中に大きくあって、
赤ではなく黒だった。俺はアクアに図書館のホールに誰かいないか
を尋ねる。すると、アクアは2人しかいなくて、周りには誰もいな
いという事だった。今、俺達は図書館のホールの入り口にいる。一
応、全員に警戒するように言って、アクアとアンナを両脇に抱えな
がら、ホールへと入る。
「・・・」
図書館のホールは、どの場所よりも異質だった。しかも、その異質
というのはこの世界での異質な光景である。入り口から見ていた時
はわからなかったが、ホールはお茶会をするような場所になってい
るのだ。
「お待ちしておりました」
俺達を待っていたのは、赤いドレスを着た女の人だった。
「あれが、クィーン」
アンナが教えてくれた。クィーンは木製の綺麗なイスに座って紅茶
を飲んでいる。さらに、その後ろにはお茶のティーポットを持った
人形がいた。
「あれは、ナイトです」
確かに、腰に剣を差している。クィーンが飲み終わったお茶に新し
くお茶を注いでいる。クィーンはお茶に角砂糖を1個入れて、スプ
ーンの音を立てないようにかき回して、表面でスプーンをすっと約
1秒止めてしずくを切り、スプーンをカップの向こうに置き、一口
飲む。俺達は黙って見ている。すると、クィーンが
「あなた方も、ご一緒にどうですか」
と誘ってきた。それに対して、刑事が怒りそうになった。それをハ
ンクが止めた。俺はアクアとアンナを抱えながら
「では、ご好意に甘えさせていただきます」
と言って用意された3人分の席にアクアとアンナを座らせて、アン
ナに黙っているようにお願いする。ナイトが3人分の紅茶を持って
きた。俺は、角砂糖を一つ紅茶に入れてスプーンで音を立てないよ
うにかき混ぜて、約1秒止めて、しずくを切り、スプーンをカップ
の向こうに置いて、右手でカップを持つ。
「いただきます」
そう言って、俺は紅茶を飲む。
「・・・・・・・・・・・」
俺にはこの紅茶が美味しいかわららなかった。
「どうですか」
クィーンが尋ねてきた。まずい、コーヒーはよく飲むが、紅茶はよ
くわからない。だが、ここは正直に答えるべきだろう。
「紅茶を飲まないので、美味しいのかわからないです」
クィーンは
「そうですか」
と満足な笑みを浮かべて言った。一方、アクアはアンナに紅茶の飲
み方を・・・
「苦い」
とアクアが言う
「まずい」
とアンナが言う
・・・教えてなかった。しかも、正直にまずいとかアンナは言って
いる。俺は慌てて
「えっと、その場合は・・・紅茶に・・・」
まず、俺が手本を見せる。
「ミルクを使いますか」
クィーンがミルクを進めてきた。
「あ、どうもすみません」
俺はありがたく使わせていただく事にした。二人にミルクの入れ方
を教える。二人はすぐに実践した。もちろん、音を立てである。
「・・・」
まずい、クィーンに失礼だ。一応、敵になるかもしれない。だけど、
戦いは避けたい。だから、話し合いをするためにもクィーンの機嫌
を損ねるわけにはいかなかった。それで、砂糖とミルクを入れた紅
茶を飲んだ二人は・・・
「甘い」
とアクアが言って
「美味しい」
とアンナも言う。なんか、子供に見えた。
「・・・」
一方、ハンクと刑事はというと、始めは俺を見守っていたが、途中
で飽きてしまって二人で何か話している。そして、お茶会はまだ続
く。
場所 図書館のホール 4時32分
お茶会はまだ続く。さきほどから、クィーンは紅茶を飲みながら、
テーブルに置いてあるチェスで何かしている。話し掛けにくい。何
回か話しかけようかとしたけど、アクアとアンナの面倒をみる破目
になってチャンスを逃していた。一応、紅茶を飲んでいて体に異常
はない。それに、ほとんど恐怖も薄れている。
「先ほどから何かいいたそうですが、どうかなさいましたか」
「え、あっと、いや」
いきなり、話し掛けられて俺は慌てる。クィーンは口元に手を当て
て笑った。その後、クィーンはぞっとするような悪意のある目で俺
を見てこう言った。
「この世界から、でる方法ですか?」
どうやら、クィーンが自ら話を始めてきた。
「はい、そうです」
俺はクィーンの目線に耐えながら正直に答える。クィーンは
「やはり、そうですか。では、この世界から出たいですか?」
と俺に尋ねる。俺は
「はい」
と答えた。すると、クィーンは
「なら、そこのキングを殺せばいい」
と冷酷に言った。その瞬間、アンナの目線からアクアからクィーン
に移る。
「すみませんが、それは無理です。なので、別の方法はないです
か」
俺はそう言って、アンナを制止するようにお願いする。一方、クィ
ーンは
「そうですか・・・なら、仕方がないですね」
そう言うと、クィーンは立ち上がり、魔方陣の中心まで歩く。俺達
はクィーンの行動をだまって見る。
「血は液体。
液体は生きる者に必要な者。
その液体は血。
その血は創造する。
ならば、それは世界と世界を通じる門を作る。
しかし、作るには血が必要。
ならば、その血を流せばいい。
しかし、その血を流すのは嫌だ。
ならば、誰かを殺せばいい」
クィーンは自分と身長と同じ大きさの鎌を持っていた。さらに魔方
陣が輝きだした。
場所 図書館のホール 4時34分
頭が痛くて、ボクはうずくまる。沢山の怖い心の声が聞こえる。
まわりに、集まっている。沢山、集まる。囲まれている。
「大丈夫ですか」
心の声が聞こえない、ボクと同じ存在のアンナが声を掛けてくれる。
だけど、怖かった。
「・・・ぁ」
目から何かが出ている。赤い服のボクと同じ存在は心の声が聞こえ
ない。だけど、一瞬見られただけで、恐怖しかなかった。それは、
自分が何かわかってしまう恐怖だった。最後にクィーンが
「さあ、楽しみましょう」
と言った瞬間・・・全てがわかってしまったような気がした。
場所 図書館のホール 4時36分
目の前にいる存在は逸脱した存在。この世界の支配者に相応しい
気配をかもし出している。ハンクが銃を構えている。周りには沢山
のポーンが囲っている。だけど、魔方陣の中には入ってこない。も
しかしたら、入ってこられないのかもしれない。今、魔方陣の中に
いるのは俺とハンクとアクアとアンナ、それから刑事にクィーンと
ナイトだ。ナイトは剣を構えている。
「さあ、誰から倒しましょうか」
クィーンは不快な笑みを浮かべている。
「私が相手です」
アクアの面倒を見ていたアンナが立ち上がって言った。一方、ハン
クは
「そうか。なら、俺はこいつだ」
と言ってナイトと対峙した。俺は
「アクア様をお願いします」
とアクアの面倒を見ることになった。刑事はただ、この場を黙って
見るしかなかった。
「・・・」
しばし、沈黙
「はっ」
アンナが駆け出して戦いが始まった。
場所 図書館のホール 4時37分
私は駆け出して、クィーンとの間合いを詰める。クィーンは微動
だせずにいる。私は両手に剣を持って右手の持つ剣で攻撃を仕掛け
る。
きん
すぐに鎌でガードされる。私は気を抜かないで、次の攻撃へ移る。
今度は左手の持つ剣で攻撃を仕掛ける。
がしん
今度は鎌の持つ部分でガードされた。鎌は堅い金属で出来ている。
だから、どの部分を使っても、私が持つ剣で断ち切る事ができない。
けれど、気にする必要は無い。とにかく、相手に隙を与えずに攻撃
をするだけだ。
きん、がしん、きん、きん
金属と金属がぶつかり合う音がする。クィーンは反撃をしてこない。
むしろ、何もせずに私の攻撃を一歩も動かないでガードする。
「その程度ですか」
クィーンは鎌を持ったまま言う。
「・・・くっ」
私は攻撃を止めて、クィーンとの距離を取る。クィーンは追ってこ
ない。私はクィーンを睨む。だけど、クィーンの表情は笑みを浮か
べるだけだ。
「今度はわたくしから行かせてもらいましょう」
クィーンが攻撃を仕掛けてくる。ふと、私は後ろを向いてガードす
る。
きん
金属のぶつかる音がする。クィーンの攻撃は前から来た。けど、鎌
の刃は後ろからきた。つまり、草刈の鎌のように私の首を草刈で草
を刈ろうとするように。しかも、私の視界から入らないように攻撃
してきた。
「ふふふ」
次の攻撃がくる。私はすぐに、左の剣で受け流し、右手の剣で攻撃
をする。
「ぐっ」
私は鎌の持つ部分で攻撃されて当たってしまった。不覚だった。鎌
の刃だけに気をつければいいと思っていたのが間違いだった。だけ
ど、致命傷にはなっていない。私はすぐに反撃を開始する。クィー
ンも私の攻撃をガードしながら、攻撃をしてくる。
ひゅん、がしん、きん、がしん、ひゅん
金属と金属がぶつかり合う。私とクィーンの動きに余分な動きなど
ない。最小減の動きのみで攻撃をする。しかし、クィーンは大きな
鎌を持ちながらも、攻撃と防御を行う。
「・・・」
もしかしたら、私より動きが早いのかもしれない。だからと言って
負ける気はない。このクィーンはアクア様を殺せばなどと言った。
例え、自分よりも偉いからと言って引き下がるつもりはない。ただ、
目の前にいる敵を倒すだけだ。
「はっ、せい」
私もクィーンの攻撃をガードしながら、次から次へと攻撃をした。
場所 図書館のホール 4時37分
ハンクはナイトと対峙する。相手は剣を持っていた。ハンクはカ
バンからナイフとライフルを取り出しして、ナイフをライフルに付
ける。
「銃剣だ」
そう言って、銃剣を構える。ナイトも剣を構える。ハンクもナイト
も足の動きを止めずに動ずににらみ合う。ナイトは鉄の鎧を着てい
る。一方、防具らしい防具を付けないハンクは不利にも見える。だ
けど、
ひゅん
ナイトが攻撃を仕掛けてきた。ハンクはナイトの攻撃を避け、銃剣
で突く。
「・・・」
ハンクの攻撃は当たった。しかし、鎧の堅さによって有効なダメー
ジは与えられない。一方、ナイトは下がりながら剣を振る。
「・・・」
ハンクはそれを銃身の鉄の部分で受け止める。ハンクはすぐに銃を
構えて、1発撃つ。
だん
弾は見事にナイトに当たる。けれど、鎧を貫通する事はなかった。
だん
もう1発撃つ。今度は、鎧を貫通した。しかし、ナイトは胸に小さ
な穴を開けて血を出しながら経っている。ナイトはハンクに駆け寄
って攻撃を仕掛けてくる。ハンクは銃剣でガードしながら、もう一
度突きの攻撃を行う。相手は何もしてこない。むしろ、それを利用
してハンクに攻撃してくる。
ばこん
ハンクの攻撃がナイトよりも先に当たる。そして、ナイトは後ろに
倒れる。何故なら、ハンクの突きは嘘であり、本当の目的は銃身を
使った打撃である。それによって、相手は地面に倒れた。しかし、
相手はすぐに立ちあがろうとする。すぐさま、ハンクは45口径の
デザートイーグルを抜いて人形のお腹を狙って撃つ。
ばん
ハンクの射撃は精密で鎧を貫通する。けれど、立ち上がった。すぐ
さま、2発の弾を撃つ。けれど、効果がない。しかし、ハンクはす
ぐにそういうものかと受け入れて、ナイトの攻撃を避ける。ハンク
は銃による攻撃をしようとするにも相手は隙を与えない。それでも、
ハンクは一瞬の隙を突いてナイトを蹴る。ナイトは地面に倒れる。
ハンクはすぐさま銃を撃つ。ただし、45口径のデザートイーグル
でなく、銃剣を付けた銃で撃つ。しかも、狙った場所はばらばらだ。
ナイトはハンクの攻撃を受けながら立ち上がる。ナイトの鎧は穴が
いくつか開いており、そこから血が出ていたりもする。まるで不死
のナイトだった。けれど、人形の弱点を破壊されてもなお立ち上が
るナイトに対して、ハンクは45口径デザートイーグルを取り出し
て構えて、弾切れになるまで撃ちつくす。ナイトは弾が当たるたび
に倒れる。けれど、立ち上がり
「無駄だ」
とナイトは言う。それに対して、ハンクは1発の弾を装填する。そ
して、狙いを定める。
「終わりだ」
ハンクはそう言うと引き金を引いた。
がきゅん
大きな発砲音がする。それと同時にハンクは後ろへ吹っ飛ぶ。弾は
ナイトに向かって一つの光の線がナイトの頭を貫通する。それと同
時にナイトは倒れた。ハンクは立ち上がる。持っているデザートイ
ーグルは規格外の弾を撃って壊れてしまった。そもそも、ハンクが
使う弾は今の技術で再現できる弾ではない。言うならば、戦車を破
壊する事が出来る弾だ。そう、錬金術で作った弾である。そして、
頭を撃たれたナイトは動かない。なぜなら、
「お前の弱点を探した。この45口径のマグナム弾で貫通しなかっ
たのは頭だけだ。だから、お前の心臓は頭にある」
ハンクは倒れたナイトを見る。ナイトがどろどろの赤い液体と共に
魔方陣に染み渡っていった。
場所 図書館のホール 4時41分
自分が何かわかってしまった。だから、目の前にいるボクと同じ
存在は消さなくてはいけない。だけど、ボクには消す事はできない。
だって、フローは優しかった。だから、ボクは問う。それで、決め
よう。ボクは自分とは違う存在を消すか消さないかを・・・
「ねえ・・・」
ボクはフローに話し掛けた。
場所 図書館のホール 4時37分
アクアは頭を抱えていた。俺は話しかけても怯えて反応してくれ
ない。だから、俺はアクアの名前を呼び続けた。何度も何度も、呼
びかけた。すると・・・アクアが自ら話し掛けてきた。
「ボクはあの人形達と同じかな?」
妙な事を聞いてきた。俺は正直に答えた。
「う〜ん、同じかもね。けれど、同じだからと言って、お前はあの
人形達とは違う。ようは同じところも違うところもあるという事
だ」
なぜか、始めにあった時のアクアと感じが違う。けれど、俺は思う。
「お前はお前だと思うけどな。だから、自分が好きなことをすれば
いいと思うよ。だけど、人を悲しませるのはよくないよ」
だから、思った事を言った。
「・・・」
アクアは黙っている。俺はどうしたかなと思う。
がきゅん
変わった発砲音がした。あの音はハンクが錬金術で作り出した弾の
音だ。俺はハンクのほうを見る。すると、ハンクがナイトを倒して
いた。ハンクは立ち尽くしていて、ナイトが赤い液体に溶けて魔方
陣に染み渡っている。
「・・・」
一方、クィーンとアンナはまだ戦っている。けれど、アンナが勝っ
たようだ。クィーンはお腹を押さえて立っている。けれど、クィー
ンは口元に笑みを浮かべていた。
場所 図書館のホール 4時43分
私とクィーンの戦いは終わらない。もし、終わるとしたら私が勝
つ想像しかしない。なぜなら、私は負けるつもりなどない。ただ、
アクア様を守るだけだ。
「ふむ、ビッショプのくせにやりますこと。けれど、終わりにいた
しましょう」
クィーンから、殺気が漂う。クィーンの周りに霧のようなものが見
える。いや、霧だった。その霧は私にまとわりつく。霧は私の体を
鈍らせた。
ひゅん
クィーンが鎌で攻撃をしてくる。私は咄嗟によける。けれど、鎌の
周りにも霧が出ていて、クィーンが攻撃をするたびにまとわり付く。
霧は私に幻想を見せる。それは私がどうあがいても攻撃をしかけて
死ぬ幻想だった。私はそれによって攻撃できなくなった。さらには
私にクィーンが負ける幻想まで見えた。
「・・・ぅ」
避けたつもりが相手の攻撃を避ける事ができなかった。傷は浅く致
命傷にもなっていない。まだ、動ける。けれど、霧が私にまとわり
つく。
「チェックメイトですわ」
「・・・」
クィーンは無謀に私に近づいてくる。私は動けない。霧に捕らわれ
ている。クィーンは綺麗な手で私の頬を撫でた。
「綺麗な顔。それで、人みたい」
私は動けない。反撃する気はある。けれど、できない。
「・・・」
もう、クィーンが望めば私の首は刈り取られる。そう、そのはずだ
った。
諦めていけないよ
アクア様の声が聞こえたような気がした。
「さあ、眠りなさい」
鎌が私を刈り取ろうとする。
「うぁああああああああああああああああ」
私は叫んだ。それと同時に霧が消える。霧が消えたクィーンは無謀
と言えた。私は左で鎌の刃を受け止め、右手の剣でクィーンを斬る。
ずば
肉が絶たれる感触がする。ただし、肉ではない。肉を模様したもの
である。クィーンはお腹に傷を負って赤い血がじわりと洋服を濡ら
す。けれど、クィーンは立っている。魔方陣の真ん中に立っている。
けれど、口元は不快な笑みを浮かべていた。
場所 図書館のホール 4時44分
クィーンは地面に座って、股を開く。スカートの中が現れ美しい
四肢を露わにする。
「・・・」
ぐちゃぐちゃ
嫌な音がした。それと同時に
「あぁあああああ」
クィーンがいやらしい声を出した。
ぐちゃぐちゃ
クィーンの体が変わってゆく。
ぐちゃぐちゃ
クィーンの体は不快な音を立て変わり、今は赤く大きな蛾がいた。
さらには、魔方陣の中に人形が入ってきた。
ばさばさ
クィーンが空を舞ながら
「チェック。完全包囲をどう切り抜けます?」
と言う。刑事が
「おいどうするんだ」
と叫ぶ。正直、俺もいい作戦が思いつかない。人形達は確実に俺
達を追い詰める。けれど、人形達はすぐに止まってくれた。
場所 4時48分
ボクは人形達にお願いした。この魔方陣に入らないようにお願い
した。すると、人形達は動かなくなった。ボクはクィーンと対峙す
る。
「ボクはこの世界のキング。だから、この人形達を操る事ができる。
それで、ボクはこの世界に入ってきた者たちを消す。けれど、ボク
は望まない。ボクはボクだ。そう決まって生まれても、それは変え
る事ができる」
ボクはクィーンに向き合って言う。クィーンは
「なら、私が倒すまでのことですわ」
と言って、ボクに何かの液体を飛ばしてきた。ボクは避ける事がで
きない。ボクの名前をアンナが叫んだ。けれど、アンナは助ける事
はできない。すでに、限界だ。だけど、優しい人はボクを助けてく
れた。
場所 図書館のホール 4時51分
俺はすぐに走り出して、アクアを助けた。良くわからない液体を
尾の辺りから吐き出した。あきらかにまずそうな緑色をしていた。
すぐにアクアを抱えて緑色の液体を避ける。避けた後、液体は地面
に付着して、付着した部分が溶けていた。
「・・・」
当たらなくてよかったと思った。
「アクア大丈夫か」
一応、大丈夫だと思うけど聞く。アクアは頷いて
「うん。だけど、長くは人形達を制止する事ができない」
と言う。つまり、アクアが何かの能力を使って制止させているとい
う事か。ならば、あのクィーンを倒さなければいけない。俺はハン
クと刑事にアクアとアンナを守るようにお願いした。俺は手に持っ
た銃でクィーンと対峙した。
場所 図書館のホール 4時58分
俺はクィーンと向き合う。クィーンは鱗粉を撒き散らしながら浮
遊している。
「クィーンか」
明らかに、クィーンの面影なんてない。もしかしたら、こっちが本
物の姿なのかもしれない。もしかしたら、この姿が美しいのかもし
れない。だけど、俺にはわからない。今はこのクィーンと戦うしか
なかった。俺は銃を構える。
ぱん
俺はクィーンを狙って撃つ。クィーンの大きな体は簡単に当り緑の
血が噴出す。そして、俺は緑の血が俺のコートの肩に染み付いた。
しゅう
コートが溶けていた。俺はすぐにコートを脱いで怪我を免れた。だ
が、攻撃ができない。攻撃をしても緑の血が噴出す。ならば、どこ
を狙って撃てばいい?
俺は・・・
ぱん
羽を狙った。
「・・・」
クィーンは叫び声を上げない。効いているかもわからない。それで
も、羽を狙って撃った。そして、俺が弾を撃ちつくす時、クィーン
は大きな断末魔を上げて地面に落ちた。
場所 図書館のホール 4時58分
目の前にいる存在は謎だった。なぜなら、その存在は4つの駒の
誰でもない。クィーンは自分に退治する男に困惑する。名前は確か
フローだった。男は羽を狙って撃ってきた。何度か、毒液で倒そう
とするが倒せない。決して、特別に強いわけではない。だけど、羽
を狙って攻撃をしてくる。理由はわからない。胴体を狙えばクィー
ンを簡単に殺せる。だけど、狙ってこない。理由がわからなかった。
ただ、フローという男は必死に戦っている。致命傷にならない羽を
狙って撃つ。けれども、先ほどビッショプと戦った傷が原因でダメ
ージはたまっている。フロー、その名の存在は最後の弾を見て銃の
弾を装填している。
「・・・」
クィーンは心の疑問が晴れない。その為か、クィーンは戦う気はな
かった。だから、動かなかった。
ぱん
弾がクィーンの羽を貫く。
「うっぐぅっあぁあああああああ」
クィーンは断末魔と共に地面に落ちて、元の姿に戻った。クィーン
はうつろな目にはフローと一緒にいた者達がいた。
「・・・」
クィーンは理解した。
そいう事でしたのね。あの人は誰も傷付けないように戦っていたの
ね
フローはクィーンに歩み寄った。
場所 図書館のホール 5時4分
俺はクィーンに近寄る。クィーンは苦しそうに息をしている。
「・・・」
俺は止めを刺す気はない。何故なら何もしてこないからだ。
「あなた・・・わたくしに止めを・・・刺さないのですか?」
クィーンが俺に効いてくる。
「その必要はない。何故なら、あなたは何もしてこない」
俺は正直に答える。
「わたくしが演技を・・・している可能性も」
口から血が出ているのに構わずにクィーンは話す。
「そしたら、その時はその時です」
俺はクィーンの質問に黙って答える。一方、クィーンは
「そうですか」
と言ながら納得して、優しい顔で
「どうして、羽を狙ったのですか」
と俺にさらに問いかけてくる。
「ただ、仲間に被害がいかないように」
適当に撃てば、簡単にクィーンを倒せたかもしれない。けれど、そ
の時に噴出した血が仲間を傷付ける可能性があった。だから、俺は
羽を狙った。
「やはり、わたくしの思ったとおりでしたわ」
クィーンはそう言うと優しく微笑んだ。
場所 図書館のホール 5時31分
俺は図書館のホールにいた。俺達は無事に戻ってきて、図書館の
天井には大きな魔方陣があった。そして、俺の左手に握られていた
のは・・・・・だった。
場所 図書館のホール 5時11分
私(わたくし)は目の前のいる男が駒に含まれない理由がわかっ
た。チェスをするにはプレイヤーがいる。プレイヤーはキングに命
令を出すことすらできる。そう、フローはまさにそれだった。そう、
命令という言い方がわるいかもしれないが、それは信頼できる存在
でもある。私はフローの頬を触った。暖かい。
「優しいお人」
それでいて、難しいお人。だから、あの人の周りにはたくさんの仲
間がいる。私とは違う・・・仲間。ああ・・・私もそんな仲間に囲
まれたかった。私の周りには心なんてない。ただ、無言で私の言う
事を聞く人形達だけだ。けれど、この心の変わりようはなんだろう。
もしかしたら、フローは私の心を変えてしまったのだろう。この闇
の世界で生まれた存在を光輝く存在に変えてしまっている。私もそ
の一人だ。ああ・・・寂しい。しかも、フローは自分を殺そうとし
た相手に対して、私を助けようとしている。ああ・・・この人と一
緒にいたい。けれども、その願いは叶わない。だから、私はあそこ
にいる二人に望みを掛けよう。私はフローを引き寄せて抱き寄せた。
始め、フローは驚いたがすぐに抵抗しなくて、私を抱きしめてくれ
た。ああ・・・暖かい。私は望むだけ、抱きしめた。フローもそれ
に答えてくれた。そして、私はフローにクィーンのチェスの駒を渡
した。首飾りにできるクィーンの駒を渡した。そして、私はゆっく
りと目を閉じた。それと同時に、心は安らいでいた。自分が死ぬと
は思わなかった。かわりに、眠たかった。だから、私は眠る事にし
た。私は安らかな寝息を立て眠り。そして、息を引き取った。
場所 図書館のホール 時間 5時34分
俺の頬はクィーンの赤い血で染まっていた。けれど、それをふき
取る気分にはなれなかった。ハンク、刑事、アクア、アンナは後ろ
で俺を心配そうに見ている。
「・・・」
俺はホールの天井を見上げる。天井では魔方陣が光の粒になって拡
散した。きらきらと光る光の粒が俺達に降り注ぐ。俺はその光の粒
を見て、俺の右手に光の粒が一つだけ乗る。すると、簡単に光の粒
は消えて無くなってしまった。それを握り締めて、左手にあるクィ
ーンのチェスの駒を見る。
「悲劇が生んだ」
悲劇があの世界を作りあげた。クィーンはチェスで強かった。強く
て誰も友達がいなかった。それで、クィーンはこの図書館で一人の
まま死んだ。誰かに助ける事なく死んだ。
「待っていろ」
俺はこの事件の犯人が許せなかった。だから、かならず見つける事
を誓った。
場所 フローの家 8時11分
今日は寝坊してしまった。私はフローの母、ソフィーに起されて
目を覚ます。そして、パジャマ姿のまま、電話にでる。
「もしもし」
電話をしてきたのは部長だった。
「やあ、アヤ君」
「どうかしましたか?」
「それが・・・事件だ」
「・・・」
どうやら、防げなかったようだ。けれど、異界する気配すらない。
「それで、マリーエ君の力を借りたいのだが、いいかね?」
「それは本人に聞かないとわからないです」
「わかった。そちらに、シェリルを向かわした。アヤ君は第3課に
来てくれ」
「何故ですか」
理由がわからない。なので、質問をする。
「まあ、来ればわかる。そういう事だから、よろしく頼むよ」
そう言って、電話が切れた。とりあえず、マリーエの力を貸してく
れるか聞かなければいけない。
「・・・」
私はまず始めにパジャマからスーツに着替える事にした。
場所 フローの家 8時16分
私はマリーエの力を貸してくれるかを尋ねた。それに対して
「はい、わかりました」
と答えた。その後、
「おはようございまーす」
シェリルが来た。とりあえず、マリーエをシェリルに任して、私は
第3課へ行く事にした。
場所 劇場 9時57分
シェリルとマリーエは劇場にいた。警察が現場を捜査している。
シェリルとマリーエの二人は捜査の邪魔にならない場所で見守って
いた。今回は舞台に3人の女の人の死体があった。けれど、今回は
それほど無惨な死体ではなかった。けれど、首筋には吸血した4つ
の黒い穴があった。
「今回はここの清掃員が見つけたそうですね」
今回の第一発見者清掃員だった。清掃員は朝の6時に出勤してきて、
舞台の掃除をしようとしたら、死体を発見したそうだ。一応、シェ
リルが清掃員と話をする。
「こんにちは、私はシェリルです」
シェリルは簡単な自己紹介をして、この事件を調査している探偵と
名乗った。相手は素直に応じてくれた。シェリルは一応、事件の発
見の様子を聞いた。
「何時ものように、出勤したんです。ですが・・・死体が」
清掃員は頭を抱えた。どうやら、死体を発見した事を思い出して気
持ち悪くなったのだろう。
「大丈夫ですか」
シェリルは清掃員を気遣う。清掃員は
「はい、一応」
と答える。けれど、あまり質問する事はできない。ならば、清掃員
に思いつくままに発言させる事にした。
「では、思いつく事、何でもいいので、好きなように話してくださ
い」
そう言うと、清掃員は
「わかりました」
と言って気が付いた事を言う。
「そういえば、今日の劇場は静かですね。何時も見かける人達を見
かけないですね」
シェリルは黙って清掃員が言う事を聞く。とりあえず、聞いている
限りは気になる部分はない。けれど、警察からの情報を聞いて異常
な部分が浮かび上がってきた。まず、3人の死因である。一人目は
内臓破裂、二人は首の骨が折れたて首の神経が破壊されたため、3
人目は目立つ外傷は無く、けれど・・・外見から判断すると血が無
くなったものだという事だ。後は、昨日にオペラを見に来た人たち
が行方不明だという事だった。だが、今回も身元不明だった。たぶ
ん、性別を変えたと考えたと思っていいだろう。遺品もなしで、清
掃員が劇場が静か過ぎるのというのも頷ける。いずれにしても、発
見された死体は3人、残りの人たちが何処に行ったか。これはまる
で・・・集団失踪だった。なお、魔方陣はすでに発見されている。
直径1メートルの円盤に書かれた魔方陣が劇場の入り口に飾られて
いた。警察が厳重に見張っている。それと、今のところは犯人を見
つける手がかりは見つかっていない。ここはマリーエの力を借りる
しかなかった。
場所 劇場 10時17分
マリーエは自ら、劇場の過去を見る事にした。シェリルは
「無理しないでくださいね」
と言ってマリーエを見守る事にした。ただし、警察の目の前で能力
を使うわけにいかないので、舞台に一番近い特等席で能力を使った。
マリーエは左手を特等席の席に触れる。すると、いろんな過去が見
える。マリーエは探す。昨日、起きた過去を探す。そして、マリー
エは過去を見る。
場所 劇場 過去
男は友人とオペラを見ていた。見ているオペラはカルメンだ。カ
ルメンは一人の女とそれに恋した男の物語だ。今は第1幕、カルメ
ンと言う女とドン・ホセが出会うシーンだ。けれど、異変はすぐに
起きた。
「・・・」
いきなり、蒼いドレスと来た女の人が主役を無視して歌いだしたの
だ。主役は何が起きたかわからない顔をする。けれど、その歌はと
ても美しく観客を魅了した。蒼いドレスを着た女の人が歌い終わる
と劇場は拍手喝采だった。それと同時に舞台では醜い大男が出てき
て、赤いドレスを着た主役の女の人が服を乱暴に引き剥がす。一方、
主役の男の人や舞台にいた役者たちが大男を止めようとする。けれ
ど、簡単に弾かれて、主役の男の人が空中にしまう。
べしゃ
嫌な音がして主役の男の人が動かなくなり、主役の男を中心にして
血がどくどくと出て血の水溜りを作った。蒼いドレスを着た女の人
が歌出だす。
さあ、踊りなさい
歌いなさい
役者はそろい
美しき舞台を
それに対して演技をしなさい
幻想とロマンの美しき劇を
私に見せて・・・
その場にいた人たちは何が起きたかわからない。ただ、大男が主役
の女の人を犯している。それを止めに掛かろうとした男が左手に長
剣を持ち、仮面を付けたメイドに殺される。何が起きたか、それが
理解した時、劇場には悲鳴が響き渡る。それと同時に
ごーんごーん
鐘がなる音がする。男は逃げる人々と一緒にわれ先と出口へと向か
う。けれど、出口は鎖で固定されて開かない。必死に鎖を外そうと
しても、鎖ははずれない。窓から出ようとすれば、窓も鎖や鉄板な
どで塞がれて出口はない。それどころか、両手を鎖に繋がれて顔か
ら触手が生えた怪物が人々を襲った。男は目の前で起きている事が
信じる事もできなかった。けれど、それから目を離すこともできな
い。目の前の男が触手に捕らえられて、触手を口にねじ込まれた。
男はもがく。しばらく、痙攣したと思うと女になった。そうと思え
ば、同じのがもう1匹いた。こんどは黒いドレスを着た女の人が襲
われている。口に触手を入れられてもがいて、お腹が大きく膨れて
いる。さらにもう1本の触手が女の膣に入り女のお腹を突き破りお
臍の部分から触手が出ている。そうと思えば、触手を一気に引き抜
いて
どさり
と地面に落ちる。もう死んだと思った。けれど、立ち上がって
「うぐふぅ・・・う・・ぐあぁあああああ」
猫背になりながらもがいた。だけど、誰もが近づく事ができなくて
「きゃああああああああ」
女のお腹から触手が生え、またからも触手が出てきて人を襲った。
男はここにいては死ぬと思って走り出した。だけど、何処に逃げれ
ばいい。周りには自分と同じように逃げまどう人。または泣き叫ぶ
人。出口を探してさまよう人、怪物と戦う人。ただ、男は助かりた
いと思った。気が付くと、寝室のような部屋にいた。そして、そこ
には男と同じような人が7人いた。部屋に繋がるドアは寝室にある
家具でバリケードを作った
「・・・」
バリケードを作った後、男を含め8人の人が部屋にいる。男はここ
にいる人たちを観察した。1人は中年の男、2人目と3人目は男女
のカップル。4人目は若い女で5人目は男と同じのぐらいの年の若
者。5人目は老人で6人目は正義感の強そうな少年に7人目は少年
と同じぐらいの少女だった。いずれにしろ、心の片隅には恐怖があ
った。それでも、誰かが助けてくれる希望があった。
時間だけが過ぎる。まだ、誰も助ける様子もない。たまに聞こえ
る悲鳴も聞こえなくなってきた。だんだん、暇になってきて若者が
「あの、自己紹介をしませんか?」
と言ってきた。男はそんな事をしている場合ではないと思った。け
れど、特別する事もなく自己紹介をする。自己紹介が終わると、劇
場で起きた事を話し始めた。あの怪物はなんだろうとか、どうして
こんな事になったのかとかを話し合った。
「はぁ・・・はぁ・・・」
話し合っている最中にカップルの彼氏の様子がおかしかった。彼女
が大丈夫かと尋ねる。彼氏は大丈夫と答えるけど、あきらかに大丈
夫には見えない。むしろ、肩で息をしている。
「はぁ・・・はぁ・・・ぐっ・・ああっあ・・・」
急にもがいて暴れだした。彼女が止めようとするが止まらない。周
りの人たちが止めようとする。けれど、その前におぞましい光景を
目にした。
ぐしゃ・・・ぶしゅ
嫌な音がする。それと同時に男の背中が割れている。男の股から大
きな触手が生えている。彼女の方は目を見開いて彼氏に近づく。け
れど、男は無理やり引き止める。男から生えた触手は少女を捕らえ
る。少女は必死に助けを求める。それに対して少年が助けに行こう
とした。けれど、逆に捕まってしまう。そうと思えば背中から生え
た触手を少年の口の中へねじ込む。
「・・・うぅ・・・うぅ」
必死にもがく。けれど、気が付けば少年から少女になっていた。け
れど、見ている場合ではない。若者が変貌した彼氏にイスを使って
頭を殴る。すぐにイスが壊れる。次に中年の男がもう一つのイスで
殴る。すると、怪物は少女と少女となった少年を開放する。そして、
若者と中年の男は怪物が動かなくなるまで、蹴ったり踏んづけたり
した。最後に
「ぐぎゃあ」
という悲鳴と共に絶命した。それと同時に体の力が抜けてその場に
立ち尽くす中年の男性。彼氏を失って男に泣きつく女性。少年とな
った少女と怪物に襲われて怖い目にあった少女の面倒をみる若者と
女。
「・・・」
ただ、今は助かった事に感謝した。
場所 劇場 過去
まだ、彼氏を失って悲しみから癒えない彼女は男の腕にしがみ付
いている。男は髪を撫でる。
「・・・」
男は自分の恋人を失った記憶を思い出していた。だから、何も言わ
なかった。なぜなら、何を言っても誰も帰ってはこないのだ。
場所 劇場 過去
何分たったのかわからない。男は暇だった。そう思って懐からメ
モ帳を取り出した。何か気になる事があったらメモをしようと持ち
歩いているメモ帳だ。だけど、そのメモ帳には何も書かれていない。
男は苦笑しながらもメモ帳に起きた出来事を記入した。
×月×日×曜日 時間不明
これを見た者へ
もしこれを見たら、おそらく俺は生きてはいないだろう。もしそ
うだったら、家族に愛していると伝えてほしい。そして、この記録
を伝える。なお、死ぬ間際にこれを隠す予定だ。
まず、事の起こりから書こう。俺はオペラを友人に誘われて見に
行った。それで、オペラを見ていたら蒼いドレスを着た女が現らわ
れて、次に大男が現れた。すでにそこで異変が起きているのかもし
れない。とにかく、異変に気が付いた時には、遅かった。観客が悲
鳴を上げると同時に鐘の音がして、この劇場から出る事ができなく
なった。友人がどうなったかわからない。このまま、俺は寝室らし
き部屋に気が付いたら付いていた。
寝室に着くと7人の人たちがいた。一人は中年の男性、それから
俺と同じぐらいの年の若者に女、それと若いカップル一組と少年と
少女、俺を含めて合計8人いた。名前は以下の通りで順番は誰がい
たかの説明順とする。
中年の男 ピーター・アレク・D
男 クリス・スデク・R・V
女 サイ・メィスフィクス
カップル男性 ランデル・ウィリー
カップル女性 エリカ・キャスク
少年 ジョン・アルフレフ
少女 ミッシェル・オーランド
以下の通りだ。けれど、カップルの男性は怪物化した。それを中年
の男と若者の二人で何とか倒した。だが、少年は女性化をした。こ
こまで逃げてくるのに人が怪物かしたり、男女の性別が入れ替わる
などの現象。その他、ありえない現象が起きている。カップルの男
性が怪物化して倒した後は皆が疑心暗鬼状態だ。さらに、部屋を調
べていたら、拳銃が見つかり状況は悪化する。原因は不明。解決方
法も不明。今は助けを待つだけである。
中年の男性が暴走しはじめた。中年の男は誰が怪物かわからない
恐怖に怯えて、拳銃を俺達に向けてきた。若者が勇敢に立ち向かう。
けれど、銃で撃たれて腕を負傷。このまま、男が若者を殺そうとし
た。けれど、急にもがいて怪物化した。俺達は自分で作ったバリケ
ードを破壊して逃げ出した。その際、若者が自ら犠牲となった。
場所 劇場 過去
若者は触手に捕まってしまった。触手をお尻にねじ込まれて、何
かの液体が入ってきた。それと同時に自分の体が変化していた。こ
のまま、自分が死ぬと思った。けれど、若者は突然現れた醜い大男
に助けられた。けれど、そいつは主役の女を犯した大男だった。若
者は走り出す。だが、洋服の裾に足が引っ掛かってしまう。何時も
より、洋服が大きく感じられた。ふと、自分の体を確かめれば自分
が女になっていた。けれど、後ろに迫る大男から逃げてはならない。
あれは危険だ。とにかく、立ち上がって走り出した。
必死に走って、若者はさきほどの寝室にいた。ふと、今の服では
動きにくい・・・なので、タンスの中を調べる。あの少年から少女
になった少年が変わりの服を調達したので、女物服があるはずだっ
た。ブラジャーもあったが、付け方がわからいので、パンツだけ穿
いて、動きやすい洋服を探す。けれど、見つからない。ズボンがあ
るかと探すが見つからない。しかたがないので、スカートを穿く事
になった。まさか、女の服を着るとは思わなかった。若者は着替え
を終えると自分の姿が気になって鏡を見た。
「・・・」
それは自分とは思えない自分が鏡に映っていた。鏡には自分の理想
の姿が映っている。すごく、見とれて鏡に触れる。これが自分で鏡
に映る自分と手を合わせている状態だった。この異常な状況で何を
しているのだろうと若者は思いながら、もっと自分を見たかった。
がた
物音がした。なんだろうと、廊下を出て見る。廊下は綺麗な絨毯が
引かれていて、足音がする。気になって足音に近づく。
「ばあ」
大男が天井から現れた。上を見ると天井に穴が開いている。若者は
驚いて尻餅をついて、すぐさま逃げ出した。体力が尽きるまで走っ
た。けれど、追ってくる。気が付けば本が沢山ある場所にいた。
「うへへへ」
大男の声がする。大男の足音がする。
「はぁはぁ」
息を整えようとする。けれども、息をする音を聞かれてしまう。だ
から、必死に小さくしようとしても小さくならない。足音は確実に
近づく。若者はふと、こんな事を思った。昔、好きな女の子をから
かって追いかけっこした。けれど、女の子は怖くて泣いてしまった。
その時、若者は鬼の役で鬼はたべてしまうよと追いかけた。女の子
はそれを信じてしまったのか?それとも、良くわからない何かに恐
怖したのだろうか?必死に逃げていた。それがたまらなく楽しかっ
た。それで、捕まえるのが楽しかった。けれど、最後は泣いてしま
った。その記憶がある。
「はぁはぁ」
まさにその状態だった。
「うへへ、あっははは」
大男の声が近づいてくる。若者は必死に考えた。なんともしても逃
げなくてはいけない。
「うぅ・・・」
女の腕で必死に本棚を倒そうとした。けれど、倒れない。このまま
ではまずい。若者ははしごを見つけた。はしごを使って本棚の上に
上る。そして、そのまま・・・大男が去って行くのを待った。
場所 劇場 過去
途中、怪物に襲われた。それによって女とはぐれてしまった。さ
らに逃げる途中に少年と少女ともはぐれてしまった。今、俺が一緒
にいうのは彼氏を失った女だけだった。はたして、助けはくるだろ
うか?
場所 劇場 過去
二人の少女がいた。どちらも、かわいい女の子だ。けれど、一人
は元少年だった。怪物によって少女になってしまったのだ。少年は
少女に変えられてしまって、弱弱しくなっていた。一方、はじめか
ら少女だった少女は強かった。それでも、幼い二人は心細かった。
だから、部屋の隅でじっと隠れていた。
ぎぃいいい ばたん
けれど、誰かが部屋に入ってくる音がした。じっと息を潜めてクロ
ーゼットの中に入っていた。クローゼットの隙間から外を覗いた。
「・・・」
メイドだった。メイドは部屋を少し見て出て行く。少し安心
がちゃ
否、出て行く振りをしたのだ。声がでない。ただ、目の前にいる無
表情なメイドに怯えるだけだった。
「・・・危ないですよ」
メイドはそう言って
「安全な場所へご案内しましょう」
と少女二人を誘導する。けれど、このメイドが怪物の仲間だと思っ
た。けれど、逆らっても何が起きるかわからなかった。だから、隙
をついて逃げる事にした。二人の少女はメイドの後ろの後について
行く。
「・・・」
メイドの表情は無表情だ。何の感情もないように見える。ふと、メ
イドが止まった。
「ふししゃふしゃ」
大男だ。けど、お肉の匂いがする。だけど、それが不快な匂いで気
持ちわるい。二人の少女は怯えてメイドのスカートの裾を掴む。
「アント、子供が怯えています」
感情を込めずにメイドは言う。それに対してアントという大男は
「ふがふがふぃぎぃ」
と何かわからない言葉を発する。
「いけません。この子達を襲う事は許しません」
「ぐやぎゃ、うぎゃ」
と叫びながら駄々をこねた。まるで、赤ん坊が大きくなったようだ
った。結局、
「うっぐぅ・・・」
といううなり声みたいなのを発しながら去って行く。もしかしたら、
悪い人じゃないと思えた。二人の少女は黙ってメイドたちの後につ
いてゆく。そして、案内されたのは一つの部屋だった。
「内側から鍵を掛けられます。必ず、鍵を掛けて、私以外の者
を入れなければ安全です。後、お部屋は自由にお使いください」
そう言ってメイドは部屋から出て行った。その後メイドの言いつけ
通りに鍵を閉めた。
場所 劇場 過去
俺と同じ男の生存者と3人であった。けれど、出会わなかったほ
うがよかった。会った瞬間に銃を突きつけられた。どうやら、人に
化けている怪物だと思われているらしい。けれど、3人の一人がう
めきだした。どうやら、自分達の仲間に怪物がいたようだ。すぐに、
その場から逃げ出した。
場所 劇場 過去
気が付くと若者は厨房にいた。厨房ではいい香りがする。何とか、
あの大男から逃れた。けれど、どうすればいいだろうか。そう思っ
た瞬間
だん
後ろで音がした。若者が後ろを振り向くと目の前に大男の顔があっ
た。
「ばあ」
「うわぁあ」
小さな叫びを上げて、また尻餅を付く。大男はスカートの中を覗こ
うと屈んでいる。若者はすぐに逃げ出そうとする。けれど、両手で
若者は大男に捕まってしまった。
「うひゃひゃひゃ」
そう笑って、女の頬を舐めた。さらに、スカートをめくって遊ぶ。
きぃいいばたん
誰かが入ってきた。
「アント」
女の人の声がして誰だろうと見ると、氷のような表情をしたメイド
がいた。
「自分の獲物をどうするかは勝手です。けれど、ここでするのはお
止めなさい」
明らかに、助けてくれるような発言ではない。大男は
「うひぃうんひぃ」
という声を出しながら頷いて若者を抱えて厨房からでて行った。そ
の時、若者は抵抗するが何の効果もなかった。一人になったメイド
は匿っている二人の少女のためにスープを作っていた。スープをか
き回してお玉にスープをすくう。
「ぴちゃ」
スープを少し覚ましてから、お玉ですくったスープを舐めて味を確
かめる。確かめたら、スープが冷めない容器に入れて二人の少女が
いる部屋へと運んで行った。
場所 劇場
若者は大男にある部屋に連れて来られた。その部屋は赤い壁紙
で・・・人形が沢山あった。だけど、それと同じように半裸の女や
人形と同じように釘で貼り付けにされている女もいた。しかも、ま
だ動いている。生きている人もいた。若者は大男に足を捕まれて宙
吊りにされる。
「ふんふん」
大男は股の匂いを嗅いでいる。そのまま、大きな手で若者の股をパ
ンツの布越しから刺激する。必死に抵抗するが、大男を興奮させる
だけだった。さらに、大男は大きな肉棒を出してきた。明らかに、
太さが異常だった。大体、4cmは確実にある。それを両手で若者
両足を掴んで巨大の肉棒を口にねじ込んだ。噛み切ろうとしても、
噛み切れない。無理やり動かされて息が思うようにできない。さら
に、噛み切ろうにも顎の力を少し入れると嫌な感触がして先に進め
ない。無理やり、股を刺激されて力が入らない。
「うぅーむっー」
抵抗などできない。大男の声が大きくなっていく。少しずつ確実に、
それと同時に肉棒が少し大きくなっている気がする。顎が外れそう
だ。けれど、大男はお構いなしに腰を振る。
ぶちゅう
喉の奥の方で欲望の塊が吐き出される。しかも、どんどん出てくる。
強制的にごくごくと飲まされる。それでも、口からあふれ出してい
る。酸素がほしい。そう思うと、気管支に入ってむせる。それでも、
まだ欲望の塊は吐き出される。気管支に変な感じがしながらも飲む。
大男は全てを出し終えると、やっと開放してくれた。掴んでいた両
足を離す。それによって若者は地面に軽く打撲し、
「けほけほ」
と咳をする。けれど、大男は満足しない。今度は、若者の太ももを
抱えて恥ずかしい格好にする。そのまま、若者が下を見れば明らか
に大きすぎる肉棒がある。
「・・・・・・」
言葉がでない。目を大きく見開いて怯えるだけだった。大男は、入
るか入らないかを気にせずにパンツをずらして肉棒を入れる。
みちみちぷちぷち
肉が裂ける音がする。若者には激痛しか走らない。
「ぎうぃ・・・うぐぅがあっっつああつっああああっああ」
どんどん入ってくる。さらに、こつこつとお腹の中で何かが当たる。
それが子宮の入り口だとわかる。だけど、大男はお構いなしにさら
に奥へと入れようとする。
「あぐ・・・無理・・・むぅりぃ」
現実的には無理だ。けれども、子宮を無理やり広げて中へ入ってく
る。子宮口がやわらかいわけでもないのに、力で無理やり入れる。
ぶちぶち
お腹で何かが切れる感触がする。
ずっずっ
完全に肉棒をくわえ込んだ。けど、お腹が変な膨らみ方をしている。
このままでは、自分は死ぬそう思った。体は必死に生命を維持しよ
うと膣内で愛液を分泌し、脳では痛みを抑える物質を放出する。頭
がおかしくなりそうだ。否、すでにおかしい。そうでなければ、自
我が保てない。だから、若者は壊れた。通常だったから痛みしか感
じないものも快楽と感じた。
「あっあ・ああ・・・・もっお・・・」
願った。気持ちよくなり、全てを忘れたいと願った。忘れれば何も
考えなくていいと思った。だから、忘れるにはそれと同じだけの快
楽を求める。だから、求め
「あ・・・あっああ・・・」
快楽を求める。部屋にいる女の人たちは大男に犯された人を寂しそ
うな目で見ていた。若者は望む、これが夢だと望む。けれど、女の
与えられる快楽、痛み、苦しみは全て現実。これが夢なわけはない。
だから、
「あっ・っぁ・・・ちょう・・だぁい」
喘ぎながら求める。けど、イク事ができなかった。心の片隅にある
現実がどうしても逃げても、逃げても追ってくる。
「ふんふん・・うんはぁうんはぁ」
大男の鼻息は荒くして腰を振るう。若者は喘ぐ。快楽に喜ぶ。けれ
ど、イク事ができない。そうと思えば、大男は欲望の塊を吐き出す。
お腹に入っているのがわかる。だけど、お腹が膨れている。お腹が
破裂して死んでしまう。そう思った。だけど、そうなる前に肉棒は
引き抜かれて、若者を白濁した液で汚した。そして、
「うぃふにぃひきひひひ」
と喜んだ声を上げた。けれど、
「ふひふしゃひふぃき」
と声を上げながら部屋を出て行った。若者は股か白濁した液体がた
れ出ている。それと同時に白濁した液と赤い血が混じった液体が出
る。
「ごふ」
口から血が出た。自分が死ぬのかと思った。だけど、疼く。逃げた
いと思う。だから、なんとか立ち上がって、助かるために逃げ出し
た。廊下をでて、歩いく。
「ごほ、ごほ」
口から血がでる。犯されたときに内臓でもやられたのだろうか?だ
けど、疼く。あと少しでいけるのにイケない。男なら簡単にもイケ
たのに女の体はイケない。若者は自分が死ぬかもしれないと思いな
がらも快楽を求めた。ゆっくりだが、歩いた。
どさ
けど、力尽きた。
「・・ぁ」
目の前に男がいた。男は女を抱きしめる。そして、男は首筋に噛み
付く。若者は抱きしめられて助かったのかと思った。けれど、意表
をつかれた。血を吸われている。けれど、気持ちいい。
しゃぁあああ
気が付くとお漏らしをしていた。けど、それすらも気持ちいい。若
者は何故か安心した。眠くて、安心できる。イク事ができそうだ。
びく
若者からだ電撃が走ったように痙攣する。若者に声を出す力はない。
けれど、確実にイク事ができた。あとは・・・眠たいと思って、目
をつぶる。若者は恐怖から逃れたいあまりに快楽を求め、快楽によ
って心は満たされて意識を失った。
場所 劇場 過去
まだ、俺は生きている。それと、始めから一緒にいる女も生きて
いる。もう、今一緒にいる女ぐらいしか信用できる人がいない。た
とえ、生きている人がいても怪物の可能性があった。けれど、ここ
を脱出するには協力をするしかない。今はどこだかわからない部屋
に隠れている。一応、出口が二つあるので逃げるのに困らないだろ
う。窓の外を見ると空に月が見える。けれど、劇場の周りを濃い霧
が立ち込めている。まるで、別世界のようだ。もしかしたら、すで
に別世界にいるのかもしれない。けれど、それを確かめる方法はな
い。とりあえず、しばらくは安全そうなのでここで休む。
休んでいたら一組の老夫婦と青年がここに逃げ込んできた。もし
かしたら、怪物かもしれないと思った。けれど、ここから脱出るた
めには協力するしかない。俺はメモ帳にその事を書きながら、警戒
する事にした。
場所 劇場 過去
僕は男の子だった。今日はお爺ちゃんとお婆ちゃんと一緒にオペ
ラを見に行った。けど、怪物に襲われて女の子になってしまった。
この先、僕に何が起きるかわからない。けど、表情は怖くいけど優
しいメイドさんに案内された部屋でミッシェルという女の子とお話
をしていた。ミッシェルはお婆ちゃんと一緒に来たらしい。それで、
僕と同じようにお父さんとお母さんがいなかった。それで、僕はミ
ッシェルと友達になった。それから、女の子の事がわからない僕に
女の子の事を教えてくれた。トイレの仕方とか、洋服の着方とか。
どれも、初めての事でとても大変だった。
こんこん
ドアをノックする音がした。誰だろうと覗き穴から確認する。する
と、優しいメイドさんが来た。けれど、仮面を付けていた。不思議
だと思ったけど、鍵を開けた。メイドさんは部屋に入るとすぐに鍵
を閉めた。そして、僕たちにスープをご馳走してくれた。とても、
美味しくてスープだった。けれど、ミッシェルの様子がおかしい。
どうしたのかなと思った。すると、
「痛い」
と叫んだ。股を押さえてうずくまる。メイドさんが
「見せてください」
と言ってミッシェルの手をどける。
「・・・」
そこにはおちんちんがあった。だけど、僕のより大きかった。
「大変ですね」
どうやら、大変らしい。
「このままでは、大変です」
「どうすればいいの?」
僕は尋ねる。すると、メイドは
「なら、さすってあげてください」
と言った。僕は首をかしげる。けれど、メイドさんが手本を見せて
くれた。だから、僕はがんばって摩る。すると、おちんちんがびく
びくとしている。とても、不思議だった。だって、僕のより堅くて
びくびくしている。
「・・・」
だけど、なぜかドキドキする。ミッシェルは苦しそうだ。早く助け
てあげなくてはいけない。僕はどうすればいいか尋ねた。
「こうやって、舐めてあげればすぐによくなりますよ」
と手本を見せる。
「き、きたないよ」
ミッシェルは頬を赤くしながら言う。でも、助けるために僕は舐め
る。
「ぴちゃぴちゃ」
と唾液の音がする。それに不思議な匂いがして、頭がくらくらして
くる。
「咥えてあげると、なおいいです」
メイドさんがアドバイスをしてくれる。だから、僕はおちんちんを
咥える。変な味がした。
「このまま、飴を舐めるようにするといいです」
僕はそう言われて、ミッシェルは呻く。早く助けなくてはいけない。
「はぁ・・・はぁ・・・あ・・・何か出る。出ちゃう」
ミッシェルは急に叫ぶ。
「ご安心を、それを出せばよくなりますよ」
逃げようとするミッシェルを抑えながら言う。僕はメイドさんの言
う事を信じて咥える。
「あっ・・・でる・・・うぅ・・・」
いきなり、口の中に変な味が広がった。おどろいて、咥えていたお
ちんちんから離れる。
びくびく
白いおしっこか何かが出ていた。
「はぁはぁ」
ミッシェルは肩で息をしていた。けど・・・ミッシェルのおちんち
んに変化はなかった。まだ、苦しそうに息をしていて僕を見ていた。
場所 劇場 過去
ここに何分いるかもわからない。今が何時なのかわからない。た
めしに、聞いてみたら、時刻は11時23分だった。今は誰一人の
悲鳴も聞こえない。ただ、自分が死ぬ恐怖と誰が怪物かという恐怖
が付きまとう。いずれにしろ、ここも危険になるだろう。それまで
に、誰が怪物かを見分ける方法を探さなくてはいけない。だが、そ
れを見つける前にこの老夫婦と青年の事を書いておく。
夫 オリバー・アルフレフ
妻 キャサリン・アルフレフ
青年 ジョン・チャップマン
なお、少年とファミリーネームが同じだと思って聞いてみたら、あ
の少年の保護者だとわかった。一応、老夫婦に本当の事を話した。
もちろん、老夫婦は俺に八つ当たりをしてきた。けれど、それ以外
は何もする事もなかった。それと、老夫婦が俺の事をかなり信用し
てくれた。だが、あまり仲良くはなりたくなかった。もし、怪物に
なった時、あまり考えたくない。けど、生き残るためには仲良くな
るのは避けようと思う。それで、ここから脱出する事ができたら、
仲良くなればいい。今は黙って助けを待ちながら、怪物か人かを見
分ける方法を考えながらメモ帳にこの事を書く。
場所 過去 不明
廊下をメイドは歩く。手にはお盆に、少女達のためのスープが乗
っていた。怪物が横を通り過ぎる。けれど、関係ない。何もしてこ
ない。メイドは赤い絨毯が敷かれる廊下を歩く。泣き叫ぶ声がした。
メイドは立ち止まって、もう助からないかもしれないと思って、
また・・・歩き出す。メイドは月の光に照らされ、蝋燭の火のよう
な明かりの照明が照らす廊下を歩く。メイドは無表情だった。
場所 劇場 過去
メイドは二人の少女を遊ぶ。二人とも無垢で何もしらない。純粋
で、自分のことを信用してなんでも言う事を聞いてくれる。だから、
メイドは考える。二人が肉欲に塗れる瞬間を見たいと望んだ。一方、
元少年は少女の股に生えた肉棒をじっと見ている。メイドはもう少
し、遊ぼうと思った。
「まだ、まずいですね」
そう言ってどうすればいいか教える。
「あなた様の股にある穴が二つあります。そこに入れればいいでし
ょう」
それと、気持ちいい事も教える。元少年は何を言っているのかわか
らない。それもそうだろう、二人とも子供の生まれ方も知らない純
粋な子だった。だからこそ、それを肉の欲望に染めるのは楽しい。
メイドは元少年の股を指でそっと撫で始めた。
場所 劇場 過去
僕はメイドさんに抱きかかえられて、股をいじられていた。生ま
れて味わった事がない感覚で抵抗する。メイドさんは
「病気を治すための準備です」
と説明してくれた。だけど、くすぐったい感じがする。だから、体
が勝手に動いてしまう。けれど、メイドさんに抑えられて直接指で
触れてくる。しかも、強く何かをしている。わからない。頭がおか
しくて、何も考えられる事ができない。
「あ・・・あっつあ・・・あっ」
規則正しく声が出る。頭が真っ白になる。けど、頭が何か考えられ
る。よくわからない。
「うぅはぁあ・・・はぁ・・・」
けど、何かがきそうだった。やめてと言いえない。
びくんびくん
体が跳ねる。わからない、何かが来て何処へ行ってしまった感覚だ。
「どうですか?イクという感覚は?」
メイドさんが僕に尋ねる。僕にはよくわからない。
「決して男では味わう事のできない感覚です」
「・・・」
正直わからない。ミッシェルはじぶんのおちんちんを一人で擦って
いた。
「男はあのように擦って白いおしっこを出して気持ちよくなるので
す」
「そうなの?僕、わからないよ」
「そうですか。けれど、女のほうが気持ちいいですよ」
そう言って僕にミッシェルを呼んで
「ここにおちんちんを入れれば、直ります」
と言う。ミッシェルは苦しそうだ。だから、
「怖いけどいいよ」
と言ってあげた。ミッシェルの顔は虚ろで
「ありがとう」
と言う。そして、メイドさんが、サポートしてゆっくりと僕の中に
入ってきた。
「痛い・・・」
ミッシェルは体重を掛けておちんちんを入れてきた。
「気持ちいい」
ミッシェルは幸せな顔をしている。けど、僕は痛かった。
「痛いよ・・・痛い」
目からは涙がでた。元は男の子だった僕にとっては悲しかった。自
分が弱虫になったようで悲しかった。
「これをお飲みください。薬です」
赤い液体の薬を飲まされた。痛みが消えた。それと同時に、さっき
より比較にならないぐらい、自分がわからなかった。くすぐったい。
くすぐったくて僕は暴れる。けど、くすぐったいとは違う何かだ。
「どうですか?気持ちいいですか」
メイドさんは尋ねる。気持ちいい?これが気持ちいいことだったの
か。男の子から女の子になった時にどきどきした感覚と似ている。
「腰を振るといいですよ」
メイドさんに教えてもらった通りに腰を振る。そのたびに、さっき
よりもくすぐったい。けど、くすぐったいのとは違う感覚がする。
「ふぅぁ・・・あっ、はぁ」
それからイクという感覚がする。何度も何度もする。判らないくら
い、僕は声を出している。胸はドキドキしたままだった。
「また・・・出る・・あっあはぁあふ」
ミッシェルが腰を激しくぶつけてきた。そしたら、イクという感覚
のその上が来た。自分が何処かへ行ってしまいそうだった。
「あ・・・出る・・・出ちゃう」
どくん
お腹が熱くなった気がした。それで、わからなくなってしまった。
僕はこの先の意識が消えていた。
場所 劇場 過去
メイドは満足した。さて、十分楽しんだ。後は、今楽しんでいる
獲物の様子でも見に行こうとメイドは考える。すると、冷徹な顔の
メイドが微笑んだ。仮面を付けたメイドは元少年が気が付いたら、
「気持ちよかったですか?もし望めば、お二人でお楽しみださい」
と言って後にした。この後、どうなったかは知らない。ふと横を見
ると、吸血されている哀れな女がいた。助けを求めている。
けれど、助ける気はなく、メイドはその場からさった。
場所 劇場 過去
男は女にされた。必死に逃げて、他人を蹴り落として逃げる。そ
れで逃げていたら、ある部屋にいた。部屋には4人の女がいた。1
人は自分と同じように男から女にされた女だった。はっきり狂って
いる。そう思っても自分だけは生き延びたいと思った。けれど、こ
こも何時までも安全ではなかった。話を聞けば大男がここをたまに
巡回してくるそうだ。しかも、タイミングよく来てしまう。しかた
がないので、隠れる事にした。そしたら、ベッドに隠れている女が
見つかった。必死に助けを求める。けれど、誰も助ける奴なんてい
ない。だいたい、自分の命のほうが大切だ。けど、バカがいた。一
人の女が助けに行った。ほんとバカな奴だと思った。それで、帰っ
てこなかった。とりあえず、ここにいても危険だと思った。だから、
すぐにここから逃げ出した。けど、面倒なお荷物を抱えてしまった。
男か女に変えられた女と一緒にいく事になった。けど、男だった速
攻犯してめちゃくちゃにしてやりたかった。かならず、男に戻って
見せる。その為には何が何でも抜け出さなくてはいけない。けど、
怪物に見つかってしまった。必死に逃げる。けれど、このままでは
捕まってしまうだろう。だから、一緒にいる奴の腹を殴って囮にし
て逃げた。まあ、自分の命が助かるならなんでもいい。とりあえず、
後ろを向く。怪物はいない。
「!」
前に男がいた。いきなり、現れたので驚いた。けど、気味が悪い男
だ。とりあえず、話し掛けても反応がない。なので、先に進もうと
思った。
ざしゅ
いきなり、後ろから拘束されて、首筋を噛まれた。なんだと思った
次の瞬間には体から血が抜けてくる。頭がくらくらして気持ちいい。
しゃああああ
お漏らしをしていた。だけど、嫌な感じはしない。むしろ、気持ち
いい。男だった時よりも感覚がするどいのか、女だからなのか喘ぎ
声を出している。だけど、このままでは死ぬ。はっきり、死ぬのは
嫌だ。だから、必死に手を伸ばす。すると、部屋から出てきた女が
現れた。仮面をつけていたりするけど、どうでもいい。
「助けて」
右手を出しながら弱弱しい声をだしながら助けを求める。けれど、
助けてくれない。助けろ、助けろ、裏切り、ふざけるな。そう思う。
けれど、助かる前に眠くなって心は助かりたいという願いと血を吸
われる快楽で満たされていた。
ただ、助かるはずもないだろう。
男は残酷な女をずっと監視していたのだ。
誰かを助けたら見逃そうと思った
けどしなかった。
だから、女の血を吸われる快楽を与えながら殺した。
今回は悪行をして死んだだけ
けれど、世の中では悪行をしても良い事が起き
善行を行って命を落とす人もいる。
結局、あの残酷な女に運がなかったのだろう。
ただ、眠るように死んだ女。
その寝顔はとても綺麗だった。
場所 劇場 過去
何時間、鎖に繋がれただろうか?鎖に繋がれた女は思う。仮面を
付けたメイドに案内されて、出されたスープを飲んで女にされた。
部屋は女の匂いで充満している。手始めに変な薬を飲まされて、股
をいじられただけでイってしまった。その後、ディルドで処女を奪
った。女は部屋を見回す。自分と同じような人が何人かいる。ある
のは絶望。与えられるのは快楽である。もし、メイドの機嫌を損ね
れば死が待っている。
ぎぃい
メイドが帰ってきた。そして、メイドは女を開放した。さらに、も
う一人の女を鎖から開放した。メイドは二人の股に入っているディ
ルドを抜いて、湯浴みをさせる。その後、綺麗なドレスを着させて
食事をさせる。その際、自由はない。人形のように命令されてそれ
を実行しなければならない。それは人形遊びだった。ただ、人形で
はなく生きている人を使っただけである。けれど、メイドが自分達
を人としているかは別である。メイドが遊ぶのに飽きたら、鎖につ
なぐ。それは逃げられないためだ。逆らえば長剣で切り殺される。
運よく逃げ出しても、怪物に殺されるだけだ。けど、それでも逃げ
出した。メイドが自分に鎖を付けている間に、もう一人の女が逃げ
出したのだ。けれど、メイドは追う気配も見せずに鎖を付けて、部
屋を後にした。
「・・・」
また、鎖に繋がれた。今度はいつ開放されるだろうか?ふと、自分
が自由になった時の事を考える。まず、自由になったら家に戻ろう。
だけど、女になった自分を家族は信用してくれるだろうか?わから
ない。ただ、わかるのはこの先もメイドに服従して女として生きる
しか、生き残る方法はないのだから。
場所 劇場 過去
一人の女が廊下を走る。たまに、後ろを振り返って仮面を付けた
メイドがいないかを確認する。誰もいない。とにかく、安全な場所
に逃げるしかない。だから、1階へ続く階段まで行く。けど、階段
を降りる時に後ろに仮面を付けたメイドがいないか振り返る。
「・・・」
誰もいない。安心して階
「何処に行くのですか?外はきけんですよ」
すぐ後ろから声がした。目の前には仮面を付けたメイドがいた。
「ひぃ」
驚いた。そして、女は階段から転げ落ちる。
ごろごろごぐぎ
嫌な音がした。女の首が折れた。助けを求める。けど、仮面を付け
たメイドは
「壊れた人形はいりません。それにあなたは治す価値もないです」
そう言ってメイドはその場から去ってゆく。かわりに、男がいた。
男が女の首筋に噛み付く。
「・・・・・・・」
声にならない悲鳴を上げる。血を吸われている。自分が死ぬとわかった。女は自由になりたいと思った。だけど、無理だった。そうい
えば、自分を育てた母も自由がなかった。自分を育てるために自由
を捨てた。それに昔から。男は自由に生きて、女は家事や子育てで
基本的に自由はなかった。それに、外に出て生きてゆく方法を知っているだろうか?けど、自由がほしかった。死にたくなか
った。けど、眠たい。だけど、何故か恐怖が消える。そうか、自分
が死んで自由になれるのかと思った。心は偽りの自由に満たされ、
意識を失った。
場所 劇場 過去
メイドは少女二人を匿っている部屋に辿り着く。けれど、少女達
は肉の欲望におぼれていた。
「・・・」
メイドの表情は変わらない。ただ、少女の一人が
「お帰りなさい」
と言う。それに対して
「何があったのですか」
と尋ねる。すると、
「何を・・・言うの?僕達に・・あっ・・はっ・・・に気持ちいい
事を・・・はぁはぁ・・・教えてくれたじゃない」
と答える。メイドはそれを聞いて、まずはドアの鍵を閉めた。そし
て、
「その時、私は仮面を付けていましたか?」
とメイドは尋ねる。すると、
「うん、付けてた」
と股に肉棒が生えた少女が言う。メイドはそれを聞くと
「ごめんなさい」
と誤り、汚れた二人の少女の元へ寄る。メイドは思う。
果たして、汚されたものを綺麗にする事はできるだろうか?
場所 劇場 過去
怪物の襲撃にあった。俺達が寝ようとしたとき、青年が怪物化し
て襲ってきた。俺は怪物にイスを投げつけて、女と老夫婦と共に逃
げ出した。けれど、今は一人だ。俺は怪物の囮になった。それが原
因で皆とはぐれてしまった。とりあえず、逃げ切れた。けれど、別
の怪物に出会った。どうやら、逃げ切れるようにも思えない。なの
で、ひとまず、記録を残すのはここで終わりにする。
ロバート・マクレディ
場所 劇場 10時18分
マリーエは過去を見た。それは余りにも複雑な過去だった。だけ
ど、今までよりは楽なほうだった。それに、マリーエは兄を殺した
と思われる男の人を見た。
「大丈夫ですか」
シェリルがたずねる。
「大丈夫です。それに兄を殺した犯人だと思う男の人を見ました」
「そうですか。とりあえず、能力を使った後ですから、少し休みま
しょう」
そうシェリルが言うと
ごーんごーん
鐘の音がした。
以上で4日目は終わりです
一応、TSの部分は
>>326のあたりからです
今回も判定をお願いします
目次みたいなの
図書館異界
>>276から
>>322 劇場過去
>>326から352
ストーリとエロを楽しみたいかたら両方読まれる事をお勧めします
ストーリを楽しみたいかたも両方読まれる事をお勧めします
エロを求めるかたは劇場過去を読まれる事をお勧めします
あとがきみたいなもの
一応、作風はTSエロとストーリ性を重視した作品にしています
なお、今回は文が長くなってしまってすみません
それと、現実性を出したいために下調べで時間がかかり楽しみにしていかたごめんなさい
あと、性に何もしらない男の子を女の子にしてみたらというのを書いてみましたが
読んだ通りです
では、今回はこれで失礼します
乙
乙
だが効果音に迫力を持たせてほしいとおもた
>>354 乙かれ
異世界描写が、歪んだお伽噺みたいな感じで
淡々とした効果音が異様にしっくりきている
気がするのは俺だけか。
そこで鐘が鳴るのかよ…怖いぜ。
職人がなかなか投下しないからウキウキワクワクしながらすごしてたら
ここ最近の投下されたSSの内容がごっちゃになった夢を見た
アルタン王子、原文でいいですから全部読めるサイトありますか?
アルタン&アルたんマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
380氏まだー?
あと18レス後に降臨するんじゃね?
俺も380氏の鈴の続き待ってるんだがなぁ。
じゃあその380氏を期待しながら投下は延期だ
じゃあ、加速
366 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 22:33:51 ID:5wkCsQYj
むぅ・・・・・・この流れだと投下が躊躇われるな。
ま、この機会にじっくり寝かせて推敲しよう。
ただ流石に何日も投下が無いようだったらその限りじゃないが。
別に投下しても問題ないと思うぞ。
でないと、380氏は380の時しか投下できない感じになるじゃないかw
空気を読むほど暇じゃないので、
紗希ちゃんのお話の続きを投下。
ちなみに、トリップは文字列を忘れたので今回はつけられませんでした。
「ねえ、やめてよ・・・人が見て・・・んん・・・」
朝、中学校へ向かう途中、僕の姿を見つけて駆け寄ってきた山崎君は
他の生徒もたくさん同じ方向へ歩く、その歩道で、
僕の体を抱き寄せた。
拒否しようとして、彼を押しのけようとする手を掴まれて、壁に押し付けられた。
電柱の影になって、確かに、誰にも見えない。でも、だからって・・・
「ちょ・・・やめ、いゃ・・・」
太ももに、スカートごしに、彼の手が優しく触れるのを感じて
本当は道の上なのに、心の底からとろけてしまいそうだった。
でも、とても恥ずかしかったから、「やめてよ」と口では拒否した。
そして、どきどきしながらも、恥ずかしくて拒否する僕の気持ちをまったく聞かずに
僕の唇を求めてきた。
「ん・・・ふぅ・・・はぁ・・・だめ、だめぇ!」
腰にまで回った手を振り払うことは、本当は僕にとってとっても悔しいことだった。
「下山・・・嫌がるなよ・・・」
「だめだよ・・・こんなとこで、山崎くんの・・・バカぁ」
僕の目にじんわりと涙が浮かぶ・・・
「ご・・・ごめんよ。下山・・・わるかった。」
ちがう・・・悪くなんかない・・・でも、恥ずかしいよ・・・いくらなんでも・・・
「・・・」
本当は朝から山崎くんに会えて、どきどきとるんるんで心臓がはちきれそうな
僕だったけれど、なにか、まだ「いけないこと」をしているという気持ちが
それ以上の行動をかたくなに拒んだ。
「なあ、下山、今日の放課後だけどさぁ・・・」
「しらない。なんのことだかわかんない!」
本当は、放課後じゃなくて、今すぐこの場で抱きしめて欲しいし、
キスして欲しいし・・・もっと、いろんなことをしたいのに・・・
僕は顔を真っ赤にして、山崎くんからそっぽをむいて
身を硬く閉ざして・・・早歩きで学校へむかった。
>360
勢いで始めたはいいものの、最近仕事が忙しくて思うように時間が取れませんorz
一応年内には書ききるつもりで頑張りますのでw気長にお待ちください。
……とはいえ、プロットは脱走くらいまでしか考えてなかったりしますが……
372 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:58:49 ID:83qsmV6v
「おい、下山ぁ・・・」
「・・・」
下を向いて何もしゃべらない僕・・・
無神経に僕を求めるこの男に・・・本当は勝てないことは分かっているのに・・・
それ以上山崎くんは強引に僕に手を出そうとはしなかった。
ただ、僕の周りを一緒に歩き続けた。
手を出してこない彼に、大きな安心感と・・・すこしの不満を・・・感じていた。
女の子になってから、少し、気持ちが複雑になったような気がする。
道の上で、他の生徒もたくさんいるのに・・・恥ずかしい、
そう思う一方で、
それでも、強引にまたキスされちゃったら・・・抵抗のしようもない。
そして、キスしたい・・・全部、彼のせいにできるし・・・
どうして・・・もう手を出してくれないの?
キスくらいなら別にいいのに・・・
顔を伏せて歩き続けて、いつしかそのまま学校について・・・
僕の教室に入って、彼と別れた瞬間から、そのことばかり
一日中考えていた。
「えー、このように、平家物語では・・・」
一応、毎時間の授業の最初くらいは聞いていたけど
そもそも私立の名門校に通っていた僕には、公立中学校の3年生の授業なんて
もう受ける意味もないのだった。
だから、最初だけ聞いて、あとはずっと今日の朝のことと
昨日のことを考えていた。
山崎くん・・・今日・・・怒っちゃったかな・・・
放課後・・・迎えに来てくれないのかな・・・
もし、迎えに来てくれたら、今日は
もっと、昨日よりもいろんなことしたいし・・・
どっかに遊びにいってもいいし、それに・・・
373 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 00:59:38 ID:83qsmV6v
朝のことをものすごく後悔している自分に気づいていた。
そして、本当は、いじめから守って欲しくて山崎くんに
いろんな、女の子になってしまったこととかの恥ずかしさを押し殺して
仲良くなろうと決めたのに、
もう、そんなことはどうでもよくなっていた。
ぽーっ、として浮ついた気持ちが、放課後まで続いた。
休み時間にも、一度も彼は会いに来てくれなかった。
そのたびに・・・休み時間のたびに僕の気持ちは不安でいっぱいだった。
「下山ぁ!」
「・・・山崎くん!?」
授業が終わって、ゆっくりと歩き出した僕に後ろから山崎君の声が聞こえたのは
昇降口に向かう曲がり角を曲がった次の瞬間だった。
「な・・・なぁに?」
僕は心臓を高鳴らせて、振り向く。
振り返った僕の目の前に現れた彼が、僕の望むとおりの笑顔だったことが
今でも忘れられない。
「一緒にかえろ。」
「う・・・うん・・・いいよ。」
帰ろう、と言っても・・・ただ一緒に帰るだけで終わるなんて
もちろん思ってなかった。
自分が、いやらしい女の子になってしまうことが少し怖かった。
でも、止められなかった。
目の前にいる男の誘惑は、あまりに甘すぎて
僕の・・・まったく知らない世界を見せてくれるような気がして
「さっきは、ごめんな。」
「えっ?」
朝の出来事・・・そのことを許して欲しい、彼はそう真顔で求めてきた。
374 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:00:07 ID:83qsmV6v
「な・・・なんのこと?」
「その、だから・・・」
すべてを察しながらも、そして、許すつもりでいっぱいの僕の心も
ストレートに「許してあげる」と口にすることはできなかった。
本当は素直に「許してあげる」と言えれば、よかったのに・・・
でも、僕の心臓はどきどきと激しく鼓動を始めていて、
そして、女の子としての僕はまだ幼すぎて
男の子の見え透いた誘惑を拒否することも、喜んで乗ることもできない。
「いや、わかるだろ?」
本当は、素直に「許してあげる」といって、いたずらっぽく笑ってみたり
清純に顔を赤らめてみたり・・・そういう芸当ができれば・・・
でも、そんなことができない僕は彼に翻弄されるばかり。
「し・・・しらない!」
そう言いながら早足で歩き始める。
優等生の自分をあきらめきらない僕は身を縮こまらせて、
今日の朝みたいに、道上で彼が僕に手を出してくることに、怯えていた。
「なぁ・・・ゆるしてよ。」
早足で歩いても、まだ女の子の靴で走ることにもなれていない僕に
彼が追いつくには3歩とかからない。
その瞬間、心臓がどきん!と波打った。
男の子の手の感触を・・・肩に感じた。
「ねえ、紗希っってばぁ。」
脚から崩れ落ちそうになる体を理性が必死に支える。
本当はこの場で抱きしめて欲しくて・・・彼の手が僕の肩に触れた瞬間は
その願望へのスタートラインだった。
あとは、彼にこのカラダをゆだねれば・・・
そんないけない気持ちを、理性が必死に抑える。
375 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:00:36 ID:83qsmV6v
「紗希ぃ」
「ゆ・・・ゆるす・・・だから・・・はなして」
あっさりと降参する僕。翻弄されっぱなしのココロ。
彼に「紗希」と呼ばれると、純粋に女の子としての自分の存在を実感する。
もう、昔男の子だった僕は消え去って・・・
ここにいるのは別の人間・・・紗希、彼がそうよぶ、女の子・・・・
許す、と一言だけ発した僕は、それ以上何も話さなかった。
彼にはすごく悪かったと思うけど・・・でも、彼の家までおとなしく歩いていくだけでも
僕の・・・幼い女の子の勇気は、いっぱいいっぱいだったから、
それは、彼にも許して欲しい、そう思っていた。
「遠回りで疲れただろ?休んでいく?」
彼の家の前まで来ると、僕のココロを見透かしたように彼が誘惑する。
「うん・・・」
帰り道で発した僕の二言めが、もう一枚、戻れない扉を開くことになるなんて
自覚していなかった。
いや、本当は彼が今まで知らなかった世界を見せてくれる確信があって
自己嫌悪を感じながらも、止めることなんてできなかった。
「いいよ。塾の前に帰れれば・・・」
塾に直行するなら、6時半まで彼の部屋にいても平気だった。
まだ2時間半ある・・・
「う・・・ん。いいよ。」
「あれ、寄っていきたくないのか?」
きゅん、と胸が鳴った。
小さな肩を震わせながら返事をする僕の姿が乗り気でないように見えても
仕方がない。
そこで、初めて、僕のか弱いココロが、痺れを切らして、
清純な女の子で、いい子でいたいという、幼い女の子の
もうひとつの願望に反抗する。
376 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:01:38 ID:83qsmV6v
「あ・・・あたしは別に寄っていかなくても、やま、山崎くんが・・・」
「山崎くんが?」
「・・・よっていけって言うから。」
「じゃあ、やっぱり帰るか?じゃあな。」
一人くるりと僕に背を向けて歩き出そうとした彼を・・・黙って見送ることなんかできなかった。
「待って・・・」
二歩駆け出して、彼にしがみついた。
帰りたくはない、でも、彼の家に上がってまたエッチなことされるのも、
すごくいけないことだと分かっている。でも、昨日から何度も
僕を優しく抱きしめて、キスして・・・彼の温もりが忘れられない。
ひらたく言うと、欲望に負けた。
「下山・・・」
抱きついたときに、彼の汗がしみこんだ制服の匂いが僕の心を包み込んで全てを決めた。
僕の見えないところで、彼が、にやりと笑っていたであろうことなんて、関係なかった。
女の子の気持ち・・・女の子の欲望・・・男の子だったときから守り続けてきた
優等生のプライド、そして、女の子になってから目指した清純なお嬢様。
その、今まで築き上げてきたものが、今自分自身の手で粉々に壊されていく。
でも、みだらな欲望が体中を走り回る。
カラダだけはどんどん成熟していく、でも女の子としてはまだ生まれて間もない、
幼い・・・幼すぎる女の子の僕はまだそれを抑えることなんて
できなかった。
彼は、それでも甘やかしてくれない。
「よっていきたいの?」
「うん・・・」
「どういうことか、分かってるよな。」
「う・・・ん・・・」
昨日と同じように部屋に入って・・・彼は一階へと降りて何かを用意している、
僕は、昨日、彼とエッチしたこの部屋を見渡していた。
377 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:02:18 ID:83qsmV6v
懐かしいこの部屋・・・子供のころから何度も来たこの部屋。
昨日はいろんな懐かしいおもちゃとか、本とか、そういうものに目が行っていたのに
今日は、いつの間にか一点に目が集中していた。
ベッド・・・そして、その近くにあるあの箱の中には・・・
男のおちんちんの形をしたバイブが入っていることを知っていた。
興味津々だった。でも、理性がこの体をこわばらせた。
でも・・・まだ僕のアソコはすごく痛いのに・・・
不思議な力が僕を引き寄せているようで、どきどきが止まらなかった。
怖い・・・彼に抱かれるのが怖い・・・
これ以上、女の子になってしまうのが怖い・・・
彼といると、男の子だったころのまま話せた。
昨日この部屋に来たときには本当にそれが心地よかったのに
男だったころのままの自分を忘れないように・・・思い出せるように
彼に助けを求める僕は・・・その代償に、体を差し出した。
いや・・・本当にそれだけだろうか・・・
女の子の欲望・・・僕にとって、理想の女の子は、まじめで、清潔で
香澄さんみたいな・・・そうなろうと思っていたのに
気づくと、自ら男の部屋に上がって、こうして火照った体を・・・
「お待たせ。」
そんな考え事をしていると、彼が戻ってきた。
「う・・・うん・・・」
僕は彼が手を出してくるのを待っていた。身をこわばらせながらも、待っていた。
「下山、オナニーして。」
「えっ?」
彼は、さらっとそんな要求をしてみせた。
僕は、信じられなくて、今までこわばっていたからだの力が全部、
一瞬にして抜けた。
「分かるよな。オナニー。したことあるだろ?」
「え・・・そ、その・・・でも・・・」
オナニー・・・したことあるとかないとかじゃなくて・・・いや、
男だったころはあるけど、女の子になってからは・・・
「道具も使っていいよ。言うこと聞ける?いやなら帰ってもいいけど。」
「オナニー・・・って・・・あたし・・・したことないよ・・・」
僕は、オナニーしに来たんじゃない。彼に抱きしめて、キスしてもらいたくて来たのに・・・
「したことない?マジ?じゃあ、見よう見まねでもいいよ。ほら。」
「え・・・そういうことじゃ・・・なくて・・・」
オナニーなんかしたくないよ・・・抱きしめてよ・・・朝みたいに・・・
僕の・・・女の子の正直な気持ちを・・・伝えようとしても、
正直な思いを素直に口に出せるほど、僕の心は整理できていなかった。
「オナニーしたら、その後は、キスして、セックスもしてやるから。」
きゅん、とまた胸が鳴って、顔が真っ赤になるのがわかった。
「ふふ、分かりやすいやつ。ほら、これ使ってもいいよ。」
彼は、箱を取り出して、ごそごそとやると、昨日のバイブを取り出した。
「あの・・・どうするの・・・かな・・・」
「だから、見よう見まねでいいって。できなそうだったら助けてやるよ。
でも、最初は一人で気持ちよくなれるように努力しろよ。」
「うん・・・わかった・・・」
膝を硬く閉じた正座のまま、小さな体をもっと小さくちぢこまらせて
真っ赤な顔を見られないように顔を伏せて、でも、はっきりとうなずいた。
「さ、見ててやるからな。」
彼はベッドに腰をかけると、下を向いた僕の目の前に、黒光りするバイブを差し出した。
「うん・・・」
うん、といいながらも僕はそのバイブを手に取ろうとはせず、
さらに首を深く曲げて、どうしていいか分からなかった。
そして、目には涙があふれ始めて・・・
下を向いていた僕の目からはすぐにそれが零れ落ちた。
「下山くん・・・」
彼は、それでも甘やかしてくれない。
ほっぺたに、冷たいゴムの感覚がつたわる。ぴた、ぴた、と
バイブで僕の頬を叩く彼・・・
「いやなの?オナニー、してくれないの?」
「・・・」
「ねえ、どうするの?」
彼が、エッチしたいなら、させてあげてもいい。
その代わり、しっかり、温かく、愛して欲しい・・・僕はそれだけが欲しかったのに
そのために、この残酷な少年の要求にこたえなければいけない。
その結果、僕自身・・・女の子として・・・どんな風に育ってしまうのか・・・
このとき、まだ想像もできなかった。
「顔を上げろよ。」
「・・・」
無言で、涙にぬれた顔を上げると、彼はバイブを口に押し当ててきた。
「ん・・・んぐ・・・」
僕は、それを拒否することなく、口に含む・・・
彼の言うことを聞かなければ・・・そう・・・こうして強引にしてくれれば
拒否なんてしないのに・・・
「ん・・・うん・・・ふ・・・」
彼は僕の口の中に突っ込んだバイブをゆっくりと抜いたりさしたりする。
僕は、口の中を蹂躙されるその感覚が意外に心地よくて・・・
エッチな・・・気分を・・・欲望を・・・刺激される。
「ふ・・・ん・・・」
体から力が抜ける・・・熱くなり始めていた体の真ん中・・・
一番熱くなってる部分を硬く閉ざしていた両脚からも力が抜ける。
「さ、オナニーしろ。」
「う・・・ん」
僕は目を閉じて、いつの間にか口の中のバイブを嘗め回していた。
そして、正座だった脚をくずすと・・・
白くて細い右手の指を下からスカートの中に入れて
その指を今度上からパンティの中に入れた。
「ん・・・ぷはぁっ!」
次の瞬間、彼は僕の口からバイブを抜いた。
今まで、僕の口を犯していたその黒い棒が僕の近くに投げ捨てられ・・・
そして、僕は自分ひとりの力でオナニーする体勢をいつの間にか作られていた。
「ん・・・あぁ・・・」
僕は・・・まだ自分のカラダのことが良く分かってない。
パンティの中に入れた指が、気持ちよくなれるところを探し当てる。
でも・・・どうやって刺激を与えればいいのかもわからない・・・
「ん・・・あん・・・」
彼は、掛け布団を持って僕の後ろに無造作に置いた。
そして、僕はそこに寄りかかることができるようになった。
ゆっくりと、正座から崩した脚は、体育座りのようになり、
制服のスカートの中・・・白いパンティにはもう、しみができていたけれど
彼には見られないように・・・まだ隠していた。
「い・・・やぁ・・・」
冷たくなってくる、パンティの染みのもとをたどると・・・
まだ新しい蜜が次々と分泌されている。
一番気持ちいいところをどうしていいか分からない僕は、とりあえず
その部分からぬるぬるとした液体を自力で搾り出そうとする。
「ん・・・ぁ・・・だめぇ・・・」
目を閉じてそんな行為を続けていた僕が、時々目を開ける。
その視線の正面に、ベッドの上に腰掛けた彼が
にやにやと笑いながらただただ、僕の痴態を眺めていた。
「見ないで・・・はずかしい・・・よ・・・ぉ」
くちゅ、くちゅ、と淫肉を割って僕の白い指が蜜を搾り出す
そんなところ、見られたくない・・・でも・・・
「あぁ・・・ん・・・」
ちっとも、気持ちよくなれない・・・でも、指は動いてしまう。
気持ちよくなりたい・・・
どうしたら・・・わからない・・・
必死で・・・僕は淫裂を刺激して・・・ぬるぬるとした汁で指をぬらす。
「あぁん・・・あぁん!」
そのぬるぬるの指を・・・クリトリスに触れたときに、
体中に電流が走った。
まったくの偶然だったけれど、一瞬・・・上手くむき出しになったクリトリスに
蜜にまみれた指が触れて・・・
「あはぁ・・・」
その瞬間、僕はあまりにびっくりして、体が消えたしまったかと思って
死んでしまうような気がして・・・
アソコから手を抜き出して・・・天井を見上げたまま掛け布団に倒れこんだ。
「あれ、もう、イったの?」
「ふぅ・・・ん・・・」
彼は、突然、大きな喘ぎ声を上げて全ての動作を止めた僕を見て、
驚いたように話しかけてきた。
「イ・・・ってないよ・・・でも・・・」
「でも・・・」
「いま・・・すごく・・・その・・・」
「イってないなら、続けてよ。」
「う・・・うん・・・」
僕は、はだけたスカートの中、もものところまでずれたパンティの中に、
再び手を入れた。
「胸ももんだら?」
彼がいろいろと口を出してくるようになった。
「はぁ・・・ん・・・」
僕はいわれるがままに左手で右の乳房をふんわりと触って
いつしか乳首を、ブラの上から刺激しだした。
「ふ・・・あぁ・・・ん」
僕は、自分がオナニーしていることを不思議に感じながら
人に見られている恥ずかしさから、いまいち集中できず
どこかに羞恥心を残しながら、大事なところは見られないように
そして、胸にも直接触らないように、自分なりのルールを作って、
それを守りながら、しっかりあえぎ声を上げていた。
「あぁん・・・あぁん・・・」
そして、その後、僕のオナニーは、演技へと変わった。
さっき、全身に電流が流れるほどの刺激を与えたあの場所・・・
怖くて、その近くを刺激することが怖かった。
でも、彼がオナニーしろというから、止めるわけにもいかない・・・
だから、とりあえず、アソコをまさぐって、胸をもんで、
あえぎ声を上げていた・・・
ただの演技だった。
「パンティ、脱げよ。」
彼の口出し・・・命令が僕の耳に届く・・・
「うん・・・」
いわれるがままにパンティを脱いで、傍らにおいて、
そしてまたさっきと同じように演技を始める。
「ああ・・・・ん」
「下山のおまんこがみえるようにやってよ。」
そういわれると、僕は脚をM字に思いっきり広げて
彼に言われるがままに・・・演技を続けていた。
「ねぇ、何でそんなにやる気ないの?」
「えっ?」
僕の手が止まった。
「やる気ないなら、帰ってもいいよ。ほら、パンティはいたら?」
「山崎・・・くん・・・」
僕が・・・こんなに必死に・・・オナニーしたのに・・・認めてくれないの・・・?
「まじめにやってくれよ。」
「そ・・・そんな・・・」
僕の目に涙が溢れ出して・・・泣き出してしまう。
「気持ちよくないだろ?そんなんじゃ。」
「山崎くん・・・そんなぁ・・・」
「さっきみたいに、クリトリスちゃんと使ってオナニーしろよ。」
「・・・」
怖かった。
さっき、体中を走り抜けた電流が怖かった。
僕は・・・自分が気持ちよくなりたくてオナニーしてるわけじゃない・・・
山崎くんがやれといったから・・・彼にこの後抱きしめて欲しくて・・・
だからやってたのに・・・
「ごめん・・・許して・・・」
「じゃあ、帰るの?」
そのことばに、僕は大きく首を振った。
「オナニーもいや、帰るのもいや、じゃあ、どうするの?」
「・・・」
罠に、はまり込んでいることが分からないわけじゃなかった。
「バカぁ・・・分かってるくせにぃ・・・」
でも・・・僕の口からはまだ・・・それ以上の言葉は出なかった。
はだけた制服で、大粒の涙をこぼしながら、必死の言葉を搾り出す僕が
彼の目にどう映ったのか・・・少しでも萌えさせることができたか
それとも単に罠にかかったエッチなおもちゃ・・・
そう、僕の傍らにあるバイブと同じようなおもちゃにスイッチが入った
その程度にしか見えていなかったのか・・・
僕には分からない。
でも・・・いずれにしても、彼は急に優しい言葉をかけてきてくれて
それがまた僕を・・・少しずつ淫乱なお姫様へと近づけた。
「下山、かわいいよ。もう、楽にしていいよ。」
僕の心は、彼にはまり込んで・・・まるで後光のさすように神々しい
彼の姿に引き込まれるようにして・・・目を閉じた。
「あ・・・あぁ・・・ん」
彼の温かい唇が僕の首筋にふれ・・・そしてすぐに唇へと駆け上がってくる
朝から・・・いや、昨日の夜からずっと待ち望んでいた瞬間が
ようやくおとずれて・・・幸せいっぱいの時間が訪れていた。
この瞬間・・・この瞬間のために、どんな代償を支払ってもいい・・・
そう、本気で思うほど、彼の唇から舌が僕の唇を割って入ってくる瞬間は
甘美で・・・代えようのないものだった。
「ふぅ・・・ん・・・ぁ・・・」
そして、彼は僕を抱き寄せ、ぎゅっ、と抱きしめて
体中を愛撫して・・・本当に・・・天国のような時間だった。
甘酸っぱい・・・忘れられない・・・一回のキスが全てのように
僕の心を満たしてゆく・・・女の子って・・・すごくいい。
「ん・・・ん・・・ぅん・・・」
もう、何分こうやってキスしていただろう。
僕は必死に彼にしがみついて、彼と唇を・・・舌を絡めあって・・・
「あぁん・・・すごく・・・幸せ・・・」
唇が離れると、僕は彼にもたれかかって、そう、一言つぶやく。
彼の手が、僕の股間に伸びてきた・・・
「いいよ・・・」
僕の目を見て、続きをしたいと訴える彼に、そう答えた。
「あ・・・ふぅん・・・」
いきなり、彼の指は僕のクリトリスに軽く触れた。
「下山・・・ここが感じるみたいだね。」
「あ・・・あぁん・・・」
ぼくは、まだ涙でくしゃくしゃの顔で、目を潤ませて、
目の前にある彼の瞳を見つめる。
「あぁ・・・だめぇ・・・」
触れるか触れないか・・・とっても微妙な優しい指先が
期待と恥ずかしさと電流を少しずつ僕の体に走らせて、
僕は、宙に浮いたように、全身から力が抜けて・・・
体はどんどん火照って、頭は真っ白になって・・・
「あぁ・・・ん・・・」
山崎くんの胸に顔をうずめて、あえぎ声もどんどんうわずっていく・・・
「ぅぁ・・・あん・・・」
彼は、たまに僕の大切な割れ目をなぞってエッチな蜜で指先を湿らせると
本当に・・・触れるか触れないか・・・指先にできたエッチな蜜の膜で
クリトリスに触れるか・・・触れないか・・・を繰り返す。
「あぁん!」
そして、一回・・・僕の興奮とともに勃起してむき出しになった
クリちゃんに、彼の指が触れて・・・こりこり、と弄ると
僕は体中から力が抜けて、その場に前のめりに倒れこんだ。
「はあ・・・はぁ・・・」
「ふふ、感じやすいんだな。下山は。」
「やまさき・・・くん・・・」
彼は、まだ力の入らないぼくを抱きとめるのを止めて、
その場で体を起こす。僕は情けなく倒れこむ。
「今日は、もっと、いろんなこと、させてやるよ。」
彼はそういうと、自分の制服のズボンを脱ぎ始めた。
「やまさきくん・・・」
僕は、ごくん、と息を呑んだ。
昨日と、それから何日か前に、僕の中を暴れまわった彼の肉棒は
トランクスの上からでもすっかり大きくなっているのが分かる。
「どうしたの?下山。初めてじゃないだろ。別に今さら恥ずかしがるなよ。」
確かに、僕はもともと男だったから、そんなもの珍しくもない。
でも、僕自身、確実に女の子になりつつある・・・それに、
やっぱり、恥ずかしいし・・・期待してしまうし・・・
だから、目をそらす。
「こっちを見ろよ。」
どうすればいいか分からない僕の心を、決めさせるのは、彼の言葉だった。
「よし、いい子だ。」
大きい・・・本当に大きい。興奮してるからか、ものすごく大きく見える。
どうしても、あのちんちんが、僕の中に入ってくることを想像して・・・
目を伏せてしまう・・・
「こっちをちゃんと見てよ。」
彼が笑いながらもう一度同じことを言う。
「うん・・・」
「もっと近くにおいで。」
「うん・・・」
僕はひざで歩いて彼の方へ少しずつ近づく。
「そう、さわってごらん。」
「うん・・・」
覚悟していた。だから、意外にすんなり触ることができた。
「あぁ・・・下山、しゃぶってくれるよな・・・」
「うん・・・いいよ・・・」
覚悟していた。今日は、いろんなことされるって。
いろんなことを覚えさせられるって。
でも、最初は・・・好きでおちんちんをしゃぶったわけじゃない。
「下山・・・さぁ。」
跪いた僕に、彼がパンツを下げるよう促す。
僕は、軽くうなずいて・・・もう大きくなっている肉棒に引っかかるトランクスを
左側から下げる。
「わぁ・・・」
拘束が取れると勢いよく天を指す彼の肉棒を見て
僕はなぜか・・・にこやかな笑顔を作らずに入られなくて
その先から僕と同じように、エッチな汁があふれ出しているのを確認しながら
パンツを下まで下げた。
「下山・・・」
僕は、照れを隠すように笑顔のまま、彼の肉棒に右手で触れた。
「大きい・・・ね・・・」
仁王立ちの彼を見上げると、自然と笑みが深くなって、
さっきまでは気が進まなかった、その行為が、ちっともイヤではないことに
気づいていた。
「どうすれば・・・いいの?」
僕は、左手を彼の脚に絡めて、いわれたとおりに、彼の肉棒をしゃぶる準備をしながら
そう聞いてみた。
「わかるだろ?自分の思うようにやってみてよ。」
「そ、そうだね・・・」
僕と、彼の脳裏に、きっと同じ思い出が浮かんでいた。
この家で、同じ部屋で・・・まだ小学生のころ、
僕と彼と、豪の三人でエロ本を初めてみて・・・
セックスというものは知っていたが、フェラチオなんて知らなかった僕たちは
そのとき、おちんちんを口に入れてしゃぶるなんていう行為を
汚くてかわいそうとも思ったし、その一方で
信じられないほどどきどきした。
男にとって、死ぬほど気持ちいいだろうということはすぐに想像できた。
中学受験が終わって・・・時間を前後して
僕たちも人並みに、オナニーを覚えて・・・
私立の男子中学校で地味に過ごしていた僕と豪は、公立に進んだ
山崎くんとは次第に疎遠になり
山崎君は2年ちょっとの間に、ものすごく大きくなったし、
いつの間にか女の子ともたくさん付き合って・・・
女遊びを覚えて・・・
そうして離れてしまったはずの僕と彼の道が・・・
不思議な運命の巡り会わせで、今ここにこうして・・・
「気持ちよくしてあげたい・・・」
僕はそうつぶやいた。あの日、初めて知ったフェラチオを、
この同じ部屋で・・・彼に・・・女の子として・・・
まとまらない頭の中を吹っ切るように
僕は舌の先で、彼の肉棒の先に触れた。
「あぁ・・・下山・・・」
低く、うめくような声が・・・ぼくの耳に届く。
感じてくれてるんだ・・・そう思うと、不思議にうれしい。
「きもちいい?」
彼がうなずくのを確認すると、僕は目を閉じて
今度は少しずつ、天を向いてそびえたつ彼の肉棒を・・・
すこし下に向けて、口の中に含んだ・・・
「あぁ・・・さき・・・うまい・・・」
さき、という言葉が、僕のことなのか、おちんちんの先っちょが気持ちよかったのか
確かめることもしないまま、僕は夢中で口に含ませた肉棒を口の中で
なめ始めていた。
「ああ、すごく・・・いい・・・」
僕は・・・男だったから、おちんちんがどうすれば気持ちいいかは
他のどんな女の子よりも良く知っている、そんな自信があった。
だから、調子に乗って、下の上で彼の肉棒の裏すじを・・・転がしてみた。
「ああ・・・すごい・・・すごいよ。」
彼がすごく気持ちよさそうなので、上を見上げると、本当に気持ちよさそうに
いや、むしろ苦しそうにあえいでいた。
「あぁ・・・んふ・・・」
僕の口の中で・・・彼の肉棒は縮んだり、膨らんだり、時にぴくぴくと痙攣しながら
順調にしょっぱい液体を分泌して・・・
「いく・・・あぁ、いっちゃう!」
「いっちゃだめぇ!」
僕はとっさに口を離した。
「下山・・・ひ・・・ひどいよ・・・すごくよかった・・・」
「本当?ほんとに?」
もう、発射寸前の彼の肉棒にはもう触れないように、2,3歩後ろに下がってそう聞いた。
「うわ・・・お前、本当に上手いな。天才だよ・・・」
「ありがと・・・でも、イったらダメだよ。」
「どうして?」
「えっ・・・?」
どうしてって・・・それは・・・もちろん・・・
「だって・・・そしたら・・・もう・・・ガマンしてよ。分かるでしょ?」
「わかんねえよ。俺、下山と違ってバカだからさ。何でイったらだめなの?」
「そ・・・それは・・・バカぁ・・・」
「だから、バカなんだって。教えてよ。」
「だって、イっちゃったら、終わりでしょ?その・・・」
「まだ、イって欲しくないってこと?」
みだらな欲望が・・・僕の中でもう、はじけていた。
「そう、そうだよ。ダメだよ。イっちゃ。」
「じゃあ、どうすればいいの?」
「えっ・・・?そんなぁ・・・?山崎くんのバカ・・・」
「だから、俺はバカだって。下山、教えてよ。」
「あの・・・だから・・・続きを・・・」
「続き?続きって?」
彼は僕を甘やかしてくれない。どうしても、いやらしいことをいわせたいのだ。
「あの・・・あたしも・・・もっと気持ちよくして欲しい・・・」
でも僕はそういうのが精一杯だった。
「ふうん・・・下山も・・・じゃあ、脱いでよ。」
「うん・・・」
僕は、もうすっかりはだけていた制服を脱ぐと、丁寧にたたんで・・・
そして、もうハダカの彼が待つベッドへと
アソコを左手で隠して、右手で胸を隠して・・・歩いた。
「下山、力を抜いて。」
そういわれてもこわばったままの僕の体に、彼の手が触れると
一瞬にして氷が溶けたように心がおちついて、
導かれるまま、この体をベッドに横たえた。
「ねえ、どうして欲しいの?続きっていうけど。」
まだ・・・まだ、彼は僕の・・・女の子の欲望を素直に満たしてくれない。
でも・・・そんなにはっきりいえない・・・
僕の中に芽生え始めてる女の子の気持ちも、ちょっとは分かって欲しかった。
「あの・・・あのね・・・今日は・・・あたしも、
一人で・・・その、オナニーもしたし・・・それに、山崎くんのおちんちんも
くわえてあげたから・・・だから・・・」
「だから?」
「その・・・ご褒美がほしいの・・・山崎くんの、ご褒美が・・・」
「ご褒美・・・?」
「そう・・・ご褒美・・・だめ・・・?」
「ご褒美って、なに?」
「あの・・・それは、まかせる。山崎くんに。だから・・・」
「具体的にいってよ。」
「ねえ・・・もう・・・言わせないでぇ・・・バカぁ・・・恥ずかしいよぉ。」
「ふふ、分かったよ。」
ずっと、どきどきといっていた胸が、一瞬収まった。
ベッドの上で寝そべって、上から話しかけてくる彼を、なにかようやく説得できたような
そんな気がしていた。
「それじゃ、脚、開いて。」
「う・・・うん・・・」
ちゅっ、と僕の、小さな右の胸にキスすると、彼はそう言って
僕はそれに従う。
「たっぷりなめてやるよ。ご褒美に。」
「・・・」
もう、とろけそうだった。心も、体も。
「あ・・・ぁん・・・」
自分ではどうやっても・・・きっと怖さもあって
得ることのできない、心地よい快楽が・・・彼の舌が僕のアソコ・・・割れ目に触れた
その瞬間から、始まる。
「ああん、あぁん、はぁ・・・」
こうやって、誰かに、女の子の一番大切なところをなめてもらうのは、二回目、
男の子になめてもらうのは初めてだった。
この数日間で、僕の女の子としての人生は急に回り始めて、
いま、こうやってすごく、気持ちよい思いをしている、
彼の舌がものすごく起用に、そして時には違うところを刺激しながら・・・
僕の一番弱いところ・・・クリトリスに・・・
この上なく温かくて、優しい刺激を与えてくれる。
「あぁ・・・ん・・・あん・・・」
そのじらされながら、たまにぺろぺろと一番大切なところを
唾液と・・・エッチな蜜で刺激されると、
本当に天国にいるのではないかと思うほど気持ちいい。
「あぁん・・・だめぇ・・・気持ちいい!・・・良すぎるの・・・」
くちゅ、くちゅ、と音を立てながら彼は僕の言葉を気に留めることなく
クンニリングスを続ける。
「あぁん・・・ああ・・・もう・・・だめぇ!」
びくん、びくん、と体が痙攣して・・・
僕の全身から力が抜けて・・・頭が真っ白になって・・・
「あれ、もうイっちゃった?」
「はぁ・・・はぁ・・・ん・・・」
ご褒美・・・すごい・・・ご褒美・・・
気持ちよすぎて、気持ちよすぎて・・・死んじゃうかと思った・・・そのくらい。
「俺にはイくな、ってあれほど言っておいて、自分はさっさと、か。」
「ご・・・ごめん・・・」
「じゃあ、俺のことも何回もイかせてくれるか?」
「えっ・・・いいの?」
僕は・・・男だったから、そんなに何回もイけないことをわかってる。
でも・・・彼は何回もイくって・・・でも・・・
「下山がイかせてくれるなら、何度でもいいよ。」
「そうなの・・・?でも・・・」
「またご褒美もあげるよ?」
きゅん・・・
もう、だめだ・・・僕は、この部屋の空間の中で、彼が与えてくれる
すごくエッチで、気持ちのいいことに、逆らえない・・・
「うん・・・どう・・・すればいいの?」
「そうだな、それじゃ、もう一回しゃぶってもらおうかな。」
「うん・・・いいよ。」
その言葉を聞くと、彼は僕に肉棒を差し出した。
僕はそれをうれしそうにほおばる。
「う・・・うぅん・・・」
口の中で硬くなった肉棒が暴れまくることが・・・
こんなに心地よいことだとは知らなかった。
男の子に・・・いいようにされてるのって、
そんなに悪い気分じゃない。
硬いおちんちんがほっぺの内側に当たって、
そして、ぬるぬるしてしょっぱいものが、口いっぱいに広がると
目の前の男に・・・愛しさを感じる。
あぁ、僕なんかのフェラチオで気持ちよくなってくれてるんだ・・・
もともと、男だった僕を・・・女の子として受け入れてくれてるんだ・・・
男を捨てて、女の子になろうと必死だった僕の2ヶ月とちょっとの努力が
報われているような気がして、とても心地よかった。
それが、たとえ、間違った方向の報われ方でも、
女の子としての自分を認めてもらえるのは、うれしいことだった。
「イくぞ、下山ぁ!」
「あぁ・・・ん・・・」
次の瞬間。僕の口の中に、苦くて濃くてとろりとした液体がいっぱいに
広がって・・・
「げほ、げほ・・・」
僕はむせて咳き込んだ。
「あ、あぁ、気持ちよかった・・・下山・・・」
「気持ちよかった?げほ・・・」
僕は口の中に発射された、スペルマの味を・・・苦いその味を・・・
女の子としてこういう形で犯された屈辱と
そして、フェラチオがうまいと褒められた、ほんの少しの喜びとともい
味わっていた。
「下山。それ、飲んで。」
「えっ・・・?」
僕は、一瞬躊躇したけど、彼の目線に押されて、
本当にそのスペルマを全部飲み干した・・・
「下山・・・すごい・・・お前のフェラチオ・・・天才だよ。」
「ほんと・・・?あ・・・ありがとう。」
べつにうれしいという感想はなかったのだけれど、
でも、それでも・・・山崎くんに褒めてもらってうれしかった・・・
「じゃあ・・・また、ご褒美・・・?」
「うん、それじゃあ、脚、開いて・・・」
彼は、いまイったばかりなのに、もう、僕とセックスする、と
そういっているようだった。
「えっ・・・?もう、するの・・・?」
「そうだよ。いや?」
「ううん・・・そんなことないけど・・・でも・・・」
僕は。男の子だった経験から、そんなにすぐに・・・できないと思ってた。
「下山・・・お前の体とフェラチオが目の前にあったら・・・
すぐにやりたくなっちゃったよ。もっと、ご褒美、ほしいだろ?」
「うん・・・」
僕の小さな胸は・・・どきどきしっぱなしだった。
こうして、僕は・・・
フェラチオを覚えさせられ、口の中に発射されたものを飲み込み、
そのままセックスまで持ち込まれ・・・
オナニーを彼の目の前でさせられて・・・
どんどん。抜け出せない深みにはまっていくことは分かっていたのに、
あまり気持ちよくて、あんまりあったかくて、
あまりに甘美過ぎる時間に、抵抗することができなくなってしまっていた。
「お願い・・・優しくしてね・・・」
まだ、痛みの残る陰唇に、彼の・・・大きなおちんちんが入ってくること自体
本当だったらなんとしても逃げたいことだった。
でも・・・かれに守ってもらいたくて・・・そして、気持ちよくして欲しくて・・・
エッチな気持ちも・・・止められない。
「あぁ・・・ん・・・」
僕の一番・・・いたくて敏感なところに。
彼の大きくて硬い肉棒が・・・ゆっくりと入ってくる・・・
「んん・・・あぁ・・・ん・・・」
僕の細い腰を掴んで、逃げられないように体を固定して
彼はゆっくりと大きなおちんちんを僕の中にねじ込む。
あんなに痛かったのに・・・今でもこんなに痛いのに、
温かい・・・人の体温・・・山崎くんの体温が伝わってくると
僕と彼の肉体がひとつになることを深く実感して・・・
「んあぁ・・・いや・・・ぁん・・・!」
痛い・・・でも・・・
彼が入ってくること、一つになれることの喜びが気持ちのどこかにあって
僕は逃げようとはしない。左手はシーツをぎゅっ、と握って
右手は、頭をかきむしるようにして・・・
その痛みに耐えて、耐えて・・・
「んふぅ・・・ぅ・・・」
奥まで・・・彼の肉棒がどこかに当たった感覚があって
彼の動きが止まった
「下山、まだ・・・痛い?」
「ううん・・ん、大丈夫だよ・・・」
本当は、ものすごく痛かった。
ガマンしていた。
決めたから・・・女の子になりきると。
そして、女の子として・・・山崎くんの彼女になるって・・・
山崎くんに、守ってもらいたいって・・・思ってたから、
痛みに、耐えた。ガマンして、嘘もついた。
「山崎くん・・・きもちいい?」
「うん、最高だよ・・・」
「よかったぁ・・・あの・・・」
「動くよ・・・下山・・・」
「ぁっ・・・!」
僕が、ものすごくガマンしていたのを彼はとっくに見破っていて、
痛みが顔色に滲むのもはっきりと分かっていて、
それでも、僕の望むように、ゆっくりと、温かい肉棒を前後に動かし始めて・・・
「うぅ・・・ん・・・あぁん・・・」
僕は、顔を左右に振って、体をじたばたさせながら、痛みに耐え、
それでも、逃げないと心に誓ったから・・・
気持ちよくなってくる瞬間を待っていた。
「きもちいい・・・あぁん・・・」
上ずったエッチな声で、そう答えた僕の言葉は、嘘だった。
でも、彼をだましたかったわけじゃない。
自分を、説得したかった・・・気持ちいいと、信じたかった・・・
痛い・・・痛い・・・
「きもちいい・・・もっと・・・もっと・・・あぁん」
目を閉じて、痛みに耐えて、歯を食いしばって、
それでも、うわ言のようにきもちいい・・・と繰り返し
それすら口にできなくなると、意味のないあえぎ声が・・・
「あぁ・・・ん・・・」
でも・・・期待していた通りのことが起こり始める。
だんだん・・・痛みが、本当に気持ちよくなっていく。
温かい粘膜と粘膜のこすりあいは、男の子の敏感な部分以上に、
女の子の内側の粘膜に・・・ものすごい刺激を与え続けて
痛みを感じなくなるほど、感覚が麻痺してきて・・・
「いや・・・もう、だめ・・・あぁん・・・はぁ!」
声がどんどん高く、大きくなっていく。ボリュームを抑えようとしても
彼の腰の動きも少しずつ速くなって・・・
痛みの感覚の麻痺した、僕のカラダの中を、
どんどん自由に暴れまわれるようになると・・・彼の肉棒に突かれても
感覚が麻痺して、何も感じなくなり
ほんの、一瞬だけ、何も感じなくなっていたのに・・・
抜けていくときには、なぜか・・・痛みが抜けていく感覚がたまらなくなって・・・
「あぁん・・・あぁん・・・」
僕は彼が動くたびに、入ってくるときの・・・痛みが麻痺したとってもいやな感覚と
おちんちんがおくまであたって、それで抜けていく時にその嫌な感覚が
すぅーっと引いていく時の安心感が気持ちよくなってきて
その二つの感覚のギャップが、僕のカラダとココロを、いつの間にか支配するように
なっていた・・・
「あぁん!・・・ぁん、ぁん・・・」
入ってきて、少し抜ける・・・その繰り返し・・・あぁ・・・気持ちいい、
これは・・・もう・・・すごくいい・・・
だめ・・・夢中になっちゃう・・・でも、止められないよ・・・
「あぁん・・・もっと・・・もっと・・・ぉ・・・」
ずっと、手はあちこちを掴んでは離し、顔は苦痛と快楽に何度もゆがみ・・・
涙も絶え間なく出続けて・・・時として鼻水まで・・・
「あぁん・・・あぁん・・・」
僕は、顔を両手で覆って、そんなひどい顔を彼にさらさないように・・・って
でも、次の一突きが来ると、そんなことは一瞬でどこかに吹っ飛んで、
「あぁ・・・んん!」
カラダが後方に向かってえび反りになって、全身が痙攣して・・・
「あ・・・あ・・・ぁん・・・」
「下山、大丈夫か?」
「は・・・はぁ・・・」
彼は僕があまりにも激しい反応を示すのに驚いて、腰の動きを、止めた。
「や・・・・・・いや・・・」
「だ、だいじょうぶ?」
「や・・・・いゃめないで・・・」
「えっ?」
「い・・・いゃ・・・」
僕は、一瞬にしてすっかり紅潮した顔をもっと赤くして、
両手で覆って、とんでもなく恥ずかしいことをいってしまったことを後悔した。
「あ・・・あのぉ・・・」
僕は、正気を取り戻して、この数分間・・・自分がどのくらい乱れていたか
そして、どんなふうに彼の・・・おちんちんを、味わっていたかを・・・
イヤでも思い出してしまって、彼の顔を直視できず・・・
でも、彼に腰を抑えられていて、逃げることもできず、
ただ右側に上半身をまげて・・・顔を覆ったまま、恥ずかしくて・・・涙を流していた。
「そんなに、よかったの?」
「・・・」
答えることのできない僕は、彼のほうを見ないまま、泣き続ける。
「ご・・・ごめん、俺も、つい調子に乗って・・・」
かれは泣き続ける僕を見ると、僕の中に入ったままだったおちんちんを、
ゆっくりと抜こうとする・・・
いや、だめ・・・もっと・・・して欲しいのに・・・
そう思うが早いか、僕は、思わず口にした
「だめぇ・・・もっと・・・」
「えっ・・・?」
きっと、何人もの女の子とエッチしてきた彼が、
僕の言葉に驚いていた。でも・・・
「続けて・・・すごく・・・すごく・・・きもちいいの・・・」
そう言った僕の言葉は・・・紛れもない本心だった、そう思う。
「下山・・・いや・・・やっぱり、やめておこう。痛いだろ?」
「いや・・・そんなことない・・・やめないで・・・ぅ・・・ふぅん!」
彼はそういうと、僕の意思を無視して、その硬く勃起したおちんちんを
すぅ、っと僕のアソコから抜き出した。
「あ・・・あぁ・・・ん」
その抜けていく感覚は、安心感と快楽を充分に僕のカラダに残した・・・
そう、突然に全てが終わったことへの不満とともに・・・
「ふ・・・ぅふ・・・ぁ・・・」
僕は、アソコから抜けた彼のおちんちんが、僕のカラダからでた蜜とも、
彼のアソコから出てきた汁とも区別のつかない、ぬるぬるとした液体が
糸を引いてゆっくりと僕のカラダから離れてゆくところを眺めていた。
ものすごく・・・ゆっくりとした時間だった・・・
あぁ・・・おわっちゃったんだ・・・何も終わってないのに・・・終わっちゃったんだ・・・
気持ちよかったのに、止めて欲しくなんかなかったのに、
でも・・・今まで僕の中に入っていた硬くて太いものが抜けると、
息も苦しくなくなったし、体も楽になって・・・あんなによかったのに・・・
「山崎くん・・・」
「ごめんな・・・激しくやりすぎた・・・」
「・・・」
彼の手が離れた脚を閉じて・・・僕は息を整える。
「そんな・・・山崎くん・・・あの・・・」
「痛かっただろ?」
僕は、その言葉に、小さくうなずいた。
痛いのは・・・本当に痛かった。でも・・・それでもよかったのに・・・
「でも・・・山崎くん・・・」
「お前を大切にしたいんだ・・・」
きゅん・・・とまた、胸が鳴った・・・
この感覚は、男だったころには感じたことがなかった。
女の子の・・・気持ちには、どこかにものすごく柔らかくて、弱いところがあって
そこを男の子に握られると・・・抵抗なんかできない
そのことに、少しずつ気がつき始めていた・・・
「大切に・・・?」
そうして、大切にしたい、っていう彼の言葉の意味を問い正したくなる。
「うん・・・お前は・・・ただの女じゃない。大切な友達でもあるから・・・」
「あ・・・あたしは・・・」
その先を言いかけて僕は言葉を呑んだ・・・
男だったことなんて・・・男だったときに友達だったことなんてどうでもいい
彼の・・・彼のオンナにして欲しい、
何度も突き上げられて狂った感覚の中で、僕は本心からそう感じていた。
興奮して、正常な考えができていなかっただけなのかもしれない・・・
でも・・・男だったという理由で・・・そのころから親友だったという理由で
女の子として扱われていないような気がして、
そのことは、女の子として生きていくことを、とにかく決心した僕には
とっても、つらいことだったのだ。
「下山?」
「あの・・・あたしは・・・女の子だから・・・
だから・・・紗希・・・って呼んでほしいし・・・
こうやって、エッチするときくらい、男だった下山じゃなくて・・・
紗希って・・・紗希として扱って欲しい・・・の・・・
あんなに・・・きもちよくて・・・
痛かったけど・・・気持ちよかったのに・・・
やめないでよ・・・ひどいよ・・・」
「しも・・・紗希・・・」
「あ・・・・あたしは、女の子になろうって・・・頑張ってるのに・・・
山崎君は・・・こんなときまであたしを男みたいに見るの・・・?
あたしは・・・あたしは・・・女の子だって・・・頑張ってるのに・・・」
「紗希・・・ごめん・・・ど、どうすれば・・・?」
涙が・・・止まった。
僕は少し厳しい表情を作って、彼のほうをはじめて見つめて、
「ちゃんと・・・女の子にして・・・もっと・・・」
一度は止まった涙が、曖昧な言葉を吐き出した瞬間、再び潤みはじめた。
「し・・・紗希・・・ど・・・どうすれば・・・」
僕の鬼気迫る表情と・・・普段は真っ白な肌がピンク色に染まって
幼いカラダの小さな胸の乳首はぴん、と勃起していたし
さっきまで彼と結合していたアソコからは、新しい蜜がまだあふれ続けていた。
整った顔が真剣に・・・彼も見たことのないほど純粋で清楚だった少女が
信じられないほど淫らな欲望を口にするかどうか迷っているのを
どれだけ女遊びを経験した彼でも、驚きをもって見ないことなどできなかったろう。
「つづき・・・つづきを・・・」
清楚で可憐で幼い少女が、正直な欲望を口にし始めた瞬間・・・
その少女は、言葉が向けられた彼の肉棒が・・・一度しぼみかけたことを忘れるように
はるか天を指すように、むくりと起き上がって、硬くなるのを・・・
期待を持ってしっかりと見つめていた・・・
「すごく・・・気持ちよかった・・・痛かったけど・・・でも・・・
だから、もっと・・・して欲しい・・・」
「紗希・・・でも・・・」
「あ・・・あたし・・・山崎くんのオンナになるって、決めたの。
なんでもする・・・なんでもするから・・・あたしのこと・・・守って・・・
そして、それに・・・気持ちよくして・・・」
女の子って・・・弱い・・・
どうしていいか分からない。女の子の気持ちって・・・男に揺り動かされると
カラダをどんなに淫らに使ってでもその欲望を何とか満たそうとする
「つ・・・つづけていいの?」
「・・・うん・・・」
僕は・・・女の子がそうやって、カラダを武器にして男を誘うことの危険さも
そして、僕自身が・・・どんなに、生まれつきの淫乱なのかも、
そして・・・自分がなぜ女の子に生まれ変わらざるを得なかったか、
その理由が未だに不明だったことも忘れて、
ただ、自分の欲望・・・気持ちよくなりたいことと、彼にずっと守って欲しいという
自分の欲望を満たすためだけに、女の子としてはすごく恥ずかしい言葉を
何度も繰り返していた。
「力・・・抜いて・・・」
彼が僕の目を見つめて・・・一度閉じた脚を開こうとして
僕の両膝に手をかけた。
脚を硬く閉じていたのは・・・アソコがまだびしょびしょなのが恥ずかしかったからで
エッチの続きをしたくないからじゃなかった。
だから・・・おとなしく従う・・・
「紗希・・・力、抜いて。」
「うん・・・」
それでも、きっと、恥ずかしい、という気持ちがまだ残っていたのだ。
改めて、力を抜いて・・・というより、彼が僕の脚を開こうとするのに
協力して、自らの足を開いた
「あっ・・・ぁ・・・」
彼は・・・開いた脚の間に、顔をうずめてきた。
「ん・・・ぅ・・・ふぅん・・・」
山崎くんが伸ばした舌が、僕の・・・ヴァギナに触れた。
まだ・・・痛い・・・でも・・・温かくて・・・柔らかくて・・・
「あ・・・いい・・・」
痛くなんかない・・・気持ちいい・・・そうじゃないと、
また途中で止められたくない・・・
「あぁ・・・ん・・・あぁん・・・」
そして・・・また半分は演技・・・半分は本気で、僕はあえぎ始める。
「あぁん!」
割れ目を丁寧になぞっていた山崎くんの舌が・・・クリトリスをいきなり突く。
僕は細い体を絞り上げるようにびくっ、と痙攣して、
体を後ろにのけぞらせて、そして、彼の背中に倒れこむ。
「あ・・・ぁ」
「下山・・・?大丈夫?」
「紗希・・・紗希だって・・・」
「あっ・・・ごめん・・・」
「すごく・・・気持ちいい・・・」
彼の背中に覆いかぶさるように倒れこんだ僕の体からは
すっかり力が抜けていたから、彼は僕をそのまま優しくベッドに転がして・・・
そのとき、僕はうつぶせにベッドに倒れこんだから、
上を向いたときには、足のところに、さっきまで掴んでいた枕があった。
ベッドの上・・・彼はさっきの続きをしていいかどうかを目でたずねて
僕はそれに、うん、と答えた
偶然に・・・偶然に僕の頭が、彼の足のほうに来たから、
彼は、僕の体の上で四つんばいになって、
頭だけを下げて、さっきのように僕のアソコへと・・・舌を触れようとする。
「あ・・・ぁ・・・」
僕の上には・・・彼の体が・・・
裸のままの彼の・・・肉棒はまだ勃起したままで・・・
「あ・・・あぁ・・・ん・・・」
彼が再び僕のアソコをしゃぶり始めたときに・・・
目の前にあるそのおちんちんを・・・黙ってみていることができなかった・・・
それに・・・彼も・・・きっと、そうして欲しかったと思う・・・
僕は、手を伸ばして彼の肉棒を掴むと・・・頭を上げて、
その肉棒を・・・口に含んだ。
「あっ・・・紗希・・・」
シックスナイン、そんな言葉があることはしっていたけど、
今自分がしている行為がそれだという意識はなかった。
ただ、目の前にある、彼の大きくて硬いおちんちん・・・
さっきまで僕のアソコを暴れまわっていたおちんちんを
本気で・・・いとおしく思って・・・本能のままに口に含んだ。
「はぁん・・・あぁ・・・」
口に含んだだけで何もできないでいると、彼は、僕のアソコの一番弱いところを
ちょろちょろ、と優しく刺激する。
「ぁ・・・いい・・・」
僕は思わず口に含んでいたものを離して、頭はベッドでかるくバウンドする。
すごく気持ちいい・・・敏感すぎる僕のクリトリスを・・・
ちょろちょろ、と優しく・・・弱く刺激することを、
彼はもう、覚えてしまったみたい・・・
「紗希・・・」
名前を呼ばれて、はっとする
目の前に、さっきと同じようにぶら下がっている彼の肉棒に・・・再び口を近づけて
頭を上げて・・・口に含む。
「きゃっ・・・!」
その瞬間、彼は左側に動いて、僕の足をつかんで・・・
「俺が、下になるよ。紗希、四つんばいになって。」
「・・・うん・・・」
彼が要求するままに、僕は四つんばいになる
僕は上から彼のアソコにしゃぶりつき、
彼はしたから僕のアソコを弄り始める。
「あ・・・あぁん・・・」
とても、彼の肉棒をしゃぶっていられないほど・・・
気持ちのよい時間が訪れる・・・
僕は・・・彼の舌が・・・クリちゃんに触れるたびに、つい肉棒から口を離して
彼の太ももに・・・体がたおれこむ・・・肉棒を両手でしっかりと握ったまま・・・
「紗希・・・すごく・・・いいよ・・・」
「あぁ・・・あぁん・・・やまさ・・・きくん・・・」
「どう・・・?ここ、気持ちいいだろ。」
「ああ・・・あぁん・・・だめ・・・あぁん・・・」
「ダメ?じゃあ、やめちゃうよ?」
「あぁ・・・あぁん・・・いや・・・やめないで・・・」
山崎くんは・・・気づいていた・・・
僕が、反抗しないことを。
どんな、彼の欲望にも・・・いや・・・きっと、
それよりももっと、いやらしい自分自身の欲望を満たすために
彼の、どんなエッチな命令にも、従順に従うように、
僕が、なってしまっていたことを。
「あぁ・・・もっとぉ・・・」
「じゃあ、紗希も、もっと俺の気持ちいいところなめてよ。」
必死で・・・彼の一番気持ちいい、と思うところ・・・おちんちんの裏スジを
舌の裏側で刺激する・・・
「あぁ、紗希・・・すげぇ・・・おまえ、天才だよ。最高だよ・・・」
「あ・・・あぁん・・・ありがとう・・・」
お互いの性器を刺激しあって・・・でも、確実に僕は
自分の淫らな本性をさらけ出して・・・それを見抜かれて・・・
「ねえ、紗希、次はどうして欲しいの?」
「えっ・・・?」
「えっ、じゃなくて、このまま、続けてもいいの?」
「・・・ううん・・・もっと・・・」
「もっと、なに?」
「あの・・・」
「紗希、はっきり言ってよ。」
ずるい、と思った。彼だって、もう、次のことをしたいはずなのに、
僕にわざわざいわせなくてもいいのに・・・
でも、彼は・・・僕の淫らな本性を見抜くと、やっぱり甘やかしてはくれなくて・・・
「いえないなら、もう、止めようか。」
「そん・・・そんなの、いや・・・」
「じゃあ、言ってみてよ。」
「・・・せ・・・セックス・・・」
「うん?」
「セックス・・・したい・・・しようよ・・・」
そこまで聞くと、彼はにっこりと笑って
「じゃあ、枕の方に寝てよ。」
「うん・・・」
ようやく、再び、あの時間が戻ってくる。
さっき、ついさっき、狂ったように体中で暴れまわったあの苦しみと
快感が戻ってくる。
女の子・・・女の子の僕が大好きな彼とのその時間を取り戻すために、
多くのものを差し出して、そして、ようやく。
「紗希・・・いくよ。」
「うん・・・」
彼は、仰向けになって脚を開いた僕の唇に、ちゅっ、とキスをして
彼の唾液と僕の愛液と・・・いろんなものが混ざった僕のアソコに
再び肉棒を挿入する・・・
「あ・・・はぁん!」
オナニーさせられて・・・フェラチオさせられて、激しく乱れて
シックスナインして・・・数々の代償の上に
自分が、彼の目で、完全な女の子だと、しっかりと認めた
その見返りが・・・このセックス・・・
なんか・・・今日、最初にこの部屋までやってきたときと
目的が変わってしまっていること・・・
僕は、心のどこかで気づいていたはずなのに・・・
いやらしい興奮がそれを押し隠して、
淫らな女の子が・・・彼の相手にした何人もの女の子の中でも
一際幼くて、淫らで・・・いやらしい女の子が、新しく生まれ
育ち・・・そして、彼の、山崎くんの思い通りに
調教されていたことまでは、まだ気づいていなかった。
「あぁ・・・ん・・・いい・・・」
僕の中で、大きく膨らんだ彼の固い肉棒が暴れ回る。それを、今の僕は・・・
紗希・・・下山紗希は、素直に、気持ちいいと感じる。
「うぅっ、さきぃ!」
「うぅん・・・おっきぃ・・・すごいの・・・あぁん!」
陶酔しきってこの世の快楽に溺れる僕は、彼がいつしかそう僕を呼ぶようになった
淫乱なお姫様、とか、エリート牝奴隷、とか、そんな言葉がぴったりの
オンナに近づきつつあった。
正常位で交わりあった僕と彼が、お互いに激しく動こうとする。
「あぁん!ああぁん、いぃっ!」
ぶしゅぅ、と恥ずかしい音が、僕の耳にも、きっと彼の耳にも届いている。
僕の恥ずかしい音・・・
いやらしい女の子のカラダが・・・いやらしい女の子の粘膜が
彼の固い肉棒を包み込み、迎え入れ、そして、もっと、もっと、と
本能のままに単純な摩擦運動を期待して、
ぬるぬる、とした潤滑液を分泌し続けていた。
ぷしゅぅー、ぷしゅ、
そのいやらしいぬるぬるとした液体と彼の肉棒がこすれあって・・・
いやらしい音がして・・・
羞恥が復活する。でも、体中を走り回る快感と戦うことすらできない。
きもちいい、きもちいい。
「いぃ・・・あぁん!は、あぁん!」
「紗希・・・もう・・・いくよ!」
「あぁん・・・あぁん・・・きてぇ・・・いやぁ!」
山崎くんの今日一度目の射精は、意外にあっさりとやってきた。
それでも、フェラチオと、途中までセックスして、そのあとまたシックスナインで
しゃぶった後だったのに・・・僕が夢中になるくらいの時間は充分にあった。
「あぁあ・・・やまさきくん・・・」
「いくよ、紗希!」
「あぁっっ・・・あぁぁ!」
僕も・・・その瞬間・・・イかされた・・・
僕の幼い胸に放出された白い液体の匂いが僕の鼻に届くころ、
彼と目が合った・・・
「紗希・・・とっても、気持ちよかった・・・」
「あ・・・あたしも・・・・」
興奮の中にいた僕には、自分が・・・いつの間にか
彼の思うがままのオンナに・・・作り変えられつつあることが
まだ・・・まったく分かっていなかった。
***
興奮の中にいた僕に、冷たい男の性が襲いかかるのは、そのほんの数秒後のことだった。
「ああ、気持ちよかった。」
「うん、うれしい。」
僕はうれしくて、彼に笑いかけたのに、彼は・・・
射精してしまった直後だからか・・・急速に僕への目が冷たくなっていった。
「ダメだな、紗希は。」
「えっ?」
「男が発射しちゃったら、どうなるかくらい分かってるんじゃないの?」
「・・・・・・」
僕のほうに、拭けよ、という風にティッシュを箱ごと投げつけたあと、
彼はパンツとズボンを履いた。
僕は・・・あれ、どうしたの?という思いと・・・
男だったころ、オナニーした後・・・どうなったか・・・思い出して
気持ちは混乱の中だった。
「え・・・あの・・・」
そうか、発射しちゃったら、男はそれで終わりだった・・・
この何日間か、男だったころから友達だった、彼の前でも、
いや、彼の前だからこそ、女の子として・・・
本当の女の子のように振舞えた。
でも、顔にいとしい彼のスペルマを受けた次の瞬間に、
欲情から急速にさめた男の冷たい言葉と態度が、僕を打ちのめした。
「どうした、早く拭いたら?」
「う・・・うん・・・」
そして、欲情をむき出しにされた上に、まるで彼のおもちゃになったかのように
顔にスペルマを受け止め・・・その匂いが鼻をつき続ける中にいた僕は、
男だったときの記憶以上に、このまま放っておかれることへの戸惑いが
心の奥底から湧き上がってきていた。
「あ・・・あの・・・」
もう、・・・エッチ・・・セックスはしないの?
そう聞きたかった僕が、その言葉をはっきりと口に出せるほど
恥じらいを捨てきれなかったとき、
「お前以外の女は、そのことが分からないから困るよ。
一度出した後に、すぐセックスできるはずねーよなぁ。」
「う・・・うん、それは、そうだね・・・」
僕は作り笑いを浮かべて、答えた。
そんなことじゃなくて・・・僕はまだ・・・もっと・・・
いろいろ・・・して欲しかったのに・・・
本当は、エッチな本とか、DVDとかでやってるようなことを・・・
もっと、もっと、教えて欲しかったのに。
でも、そんな欲望を口にできるほど、まだ、僕の中のオンナは、
いやらしく育っていなかった。
そして、彼に嫌われたくないという思いが、「ものわかりのいい女」を
僕に演じさせた。
「あ・・・あたしも、服・・・着るね。寒いから。」
「もうちょっと休んだらな、またしてやるよ。」
胸がまたきゅん、となる。
「バカぁ・・・」
僕は小さくつぶやいて、制服のブラウスを羽織った。
顔についたスペルマを拭いて・・・顔を洗ってくるようにいわれて
洗面所で、まだ拭ききれない白い液体のついたままの自分の顔を見て・・・思った。
なんて、いやらしい女なんだろう・・・
身につけたブラウスは、ブラジャーもつけてないから
はだけて、すぐにもはぎとれそう。
男を誘うような・・・欲望を丸出しの潤んだ瞳の下には、
まだ桃色に染まったままの頬に、白いものが残っていた。
こんな女が目の前にいたら・・・再び男の記憶が僕を支配する。
「いや・・・もう、こんなの・・・」
僕は・・・自分がこんなにいやらしくて・・・そして、
両親に知られたら・・・それに・・・香澄さんや、豪や・・・
こんな女の子に生まれ変わったなんて・・・知られたら、
もう、生きていけない・・・
そう思うと、急に興奮が冷めてきた。
「タオル、これ使えよ。」
洗面所に彼が現れて、そう言ってタオルを手渡した。
「あ・・・ありがと」
僕は、自分がいやらしい女の子になってしまった後悔と
自分をこんな風にした目の前の男に・・・ほんの少しの怒りを感じて・・・
「上に来いよ。また、オナニー見せてくれたら早く回復するかも。」
「バ、バカぁ・・・」
でも、そんな彼の言葉には、またしてもきゅんと胸を高鳴らせてしまうのだった。
「ん・・・あぁ・・・ん」
彼の部屋に戻り、いわれるままに股を開きアソコをあらわにして・・・
指で優しく撫ではじめる・・・僕・・・男の子だったはずなのに・・・
こんなこと、してるなんて・・・
「あ・・・んぅ・・・」
部屋の反対側で、彼は服を着たまま、いやらしい僕の行為を見守ってる
後悔と、怒りと・・・それでも、彼と目が合うと・・・
「ちゃんと・・・見ててね・・・ぁん・・・」
恥ずかしいの、ガマンしてこんなことしてるんだから・・・
そう言いかけた僕は・・・どこをどういじれば気持ちよくなれるかもわかってないから・・・
急に気持ちいいところを触ってしまうと・・・あえぎ声が突然漏れてしまう。
「紗希、楽にして」
「あ・・・山崎・・・くん・・・」
瞳を潤ませてオナニーの真似事を続ける僕に
彼が近づいてきたとき、僕は・・・恥ずかしくて一瞬脚を閉じ
アソコを隠した。
「楽にしてよ・・・」
しかし、彼の言葉と、優しく閉じた脚を開く両手に、僕の中の
いやらしい女の子は、すぐに降参した。
「あ・・・あぁ・・・はぁん!」
彼のたくましい指が、軽く僕の割れ目をなぞったとき
自分のつたない指使いの何倍も激しい電流が体中を駆け巡るようになった。
「あ・・・あは・・・ぁん」
声が止まらなくなる・・・そして、
僕は。ようやく、僕自身が気持ちよくなれる瞬間・・・
彼に抱かれて・・・肌と肌を触れ合って・・・
そして・・・
こんなはずじゃなかったのに、そんな思いは頭の中のどこかにあったのに
いやらしい女の子のココロはそんな思いを表に出すことを許さない。
「あぁん・・・だめぇ・・・きもちいい・・・よぉ」
いつの間にか、僕の足元に跪いてアソコを舌で舐りだす彼の頭を抱えて
絶え間なくあふれるのは、あえぎ声と・・・いやらしい蜜・・・
僕はその蜜を吸う彼の舌の音が発する音と、自分のいやらしいあえぎ声が
こだまするこの部屋で・・・こうしていやらしく育てられていった・・・
「はやくぅ・・・あぁん・・・」
もっと・・・早くおちんちんをいれて・・・
心の中でそうおねだりしてみても、口にできるほど度胸がなかった僕は
まだ、女の子になりたての・・・戸惑いの中にいた。
彼の望む女に・・・いや、セックスのため・・・いやらしい女の子に
育っていく、ほんの入り口に立ったばかりだとは、
そのときの僕はまだ、知らなかった。
今日はここまでです。
たまにしか来ないけど、読んでくれてる人がいたら感謝。
あとあと参照しやすい倉庫を作ってくれてる管理人さんにも感謝。
続きももうちょっとあります。あと、
宙ぶらりんになってるあゆことか、ほかのもまだあるので、
できる限り早く投下します。
大量投下乙であります
415 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 08:34:19 ID:zoTkoN7n
kusoage
380を超えたけど380氏まだー?
418 :
Zh-nS:2008/01/18(金) 19:29:55 ID:slInIKGO
>>hiroshi氏
GJなのです。
あまりにえちぃ展開に、読んでる間終始勃ちっぱなしでした。
私も読む人を勃たせられるようなものを書きたいものです。
続きも期待しております。
――――
閑話休題。
週明けまでに続きを投下させていただきますので、その旨よろしくお願いします。
hiroshi氏はこのスレでも別格。
プロ級の筆力。
スレの宝だよ。
カイトの続編書かないかな。
とりあえず、今日も昨日の続き。
ただ、見ると昨日よりも長いので20レスくらいで引き上げます。
容量のもんだいもあるし。
「紗希、あなた最近どうしたの?」
男だった僕が女の子に生まれ変わってから、あまりに急な変化に
僕を扱いかねていたふうだった母がそんなことを言ったのは
女の子になって85日目・・・いつのまにか山崎くんの彼女になって
いつのまにか肉奴隷同然の生活が始まって10日くらいたったころだった。
「な、なに?突然。」
朝、パンをひとかけら、急な言葉に喉に詰まらせながら僕が聞き返す。
「塾も休んだりしてるし、帰りも遅いし・・・お母さんちょっと心配してるの。」
「・・・」
「大丈夫?何か悩みでもあるの?」
「だ・・・大丈夫。そ、そりゃあたしだって、こんなに急に変わった
生活だもん、悩むこともあるけど・・・でも・・・」
「でも?」
「なんていうか・・・女の子にもなれてきたから、だから・・・大丈夫だよ。」
そう言って、僕はにこっと笑う。
知っている・・・この笑顔がどこまでも可憐で清純で・・・
いくら、山崎くんの手で肉奴隷同然に体を汚されても、
この可憐さ・・・生まれたばかりの少女の可憐さを奪うほどの彼に力はないことを。
「そ、そう。でも、何かあったらちゃんと相談してね。」
その清純な笑顔は、母親をも軽々とだますことができるほどの力を持っている。
そのことを僕は知っていた。女の子としてわずか3ヶ月弱の生活でも
美少女の・・・純情可憐な三つ編みの少女が制服で微笑むその力を。
「紗希・・・かわいいよ。」
「あぁ・・・もっと・・・ぉ・・・」
昼休みの屋上は、ここ何日か僕と山崎くんの秘密の場所になっていた。
「やまさき・・・くん・・・あぁ・・・ん」
屋上への出口に、カギがかかっているわけではない。
422 :
hiroshi:2008/01/19(土) 02:50:46 ID:rZaqsn4A
物陰に隠れているとはいえ、いつ誰かがやってこないとも限らない。
それが、先生だったりしたら・・・僕・・・どうなっちゃうのかな・・・
くちゅ、ぬちゅ・・・
四つんばいになった僕のアソコが山崎くんのすごいテクニックで
いやらしい音を立てて・・・温かい汁が膝までつたって・・・
「紗希、また一人でイっちゃうの?」
「あ・・・ぁん・・・だ、だめぇ・・・」
僕の・・・まだ生まれたばかりのアソコは、とびきり感度がよくて・・・
それを山崎くんが執拗に弄ると、簡単に絶頂に上り詰めてしまう。
僕の一番気持ちいいところを、すっかり覚えて
緩急強弱自由自在に・・・
「あぁん・・・あぁん・・・」
だめ・・・一人でイくだけじゃなくて、山崎くんも気持ちよくしてあげたいのに・・・
ふんわりとしたおっぱいを彼の左手が優しく撫でる・・・
制服の上からでも・・・なぜか感じてしまう
「あぁん!」
全身がびくっ、と痙攣して、視界が真っ白になって・・・
「イっちゃったの?」
僕は朦朧として、さっきまで四つんばいだった上半身を地べたに横たえて
彼の指が抜けてもなおエッチな汁を分泌し続けるアソコをつきだしたまま
「う・・・ん・・・」
女の子らしい長さにまで伸びてきた、三つ編みを振り乱しながら
左の頬を地べたについたまま、うつろな目で、よだれをだらしなくたらしながら
何度も、ちいさくうなずいていた。
「まだイきたい?」
「・・・」
言葉が出ない・・・でも、はっきりと耳に届いた彼の言葉に、
僕はさっきと同じように小さく何度もうなずいていた。
「起きろよ、淫乱なお嬢様。」
僕のことを、ここ何日か、彼はいろんな呼び方で・・・
それもとびきりいやらしい、でも、真を突いた呼び名で・・・
「う・・・うん・・・」
オナニー姫、とかクリちゃん大好き娘とか・・・
でも、そのたびにおとなしく返事をしてしまう僕だった・・・
「あたし・・・そんな名前じゃないよ・・・」
一応、思い出したようにそう言ってみても
「でも、お前はそう呼ばれて返事したじゃん」
「そんなぁ・・・」
「ほら、しかもそう呼ばれて慶んでる。」
「そんなこと・・・ないよ・・・あぁ・・・」
起き上がって、すぐにキスされる。
彼の手が僕の胸を優しくもみ始める。
制服の下から這い上がってきた手が、ブラジャーを剥ぎ取るように
少しずつ大きくなってきている柔らかい胸を・・・きゅぅっ、と手で押しながら
乳首に触れる・・・
「ふぅ・・・ん」
何度も、何度も繰り返されてきた彼とのエッチな、楽しい時間・・・
感じてしまう部分に彼の手が・・・舌が・・・・そしておちんちんが
触れるたびに、僕は・・・
僕は・・・自分が女の子に生まれ変わったことを心の底から慶び
そして女の子の心は・・・女の子の欲望は満たされていく・・・
「あ・・・ぅん・・・ぅ・・・」
ゆっくりと両手で胸をもまれて・・・口の中では彼の舌が暴れまわって
そして、右手が胸から離れて、下のほうへ向かっていく・・・
「山崎・・・くん・・・」
僕が目を開けると、すでに脱ぎ捨てられたパンティが彼の肩越しに見えた。
あぁ、そうだ・・・もう、僕の・・・クリちゃんを、
そして、女の子の大事なところを・・・覆うものは何もないんだ・・・
山崎くんの好きなように・・・弄られて・・・
そして・・・またいやらしい女の子になっちゃうところを見られちゃうんだ・・・
「あぁん・・・あぁん・・・」
そんなことを思っているうちに彼の手は僕のアソコを優しく愛撫し始めて
僕は彼の腰にしがみついて、あえぎ声を上げて・・・
「やめて・・・人が来ちゃうよ・・・」
「来てもいいと思ってるんじゃないの?」
「・・・」
彼の言葉を否定できない・・・
「次は、どうしたい?」
「・・・」
「答えてよ。一人でイくばっかりじゃずるいよ。」
「い・・・入れたい・・・」
エッチな女の子に育てられていった僕は
彼の言葉に、こらえ性なく、よだれをたらしたまま
清楚でかわいい顔をだらしなく、欲情にゆがませて
そう・・・本心をあっさりと吐露する。
「あはは、正直だな、エロ姫は。」
「・・・だめぇ・・・そんな名前じゃ・・・」
彼は、僕の言葉を遮るように唇に人差し指を押し当てると
「本当のことだろ?」
「・・・」
言葉は出なかったけれども、やっぱり小さくうなずいた。
その瞬間、僕は二本の脚で、彼に抱えられることなくうつむいたまま立ちつくす。
彼は僕から手を離して、2,3歩後ろへ下がると、その場へ腰を下ろした。
僕は・・・ごくんと息を呑んで・・・次の指示を待ちわびる。
「さぁ、どうぞ。」
すごく、シンプルな彼の言葉。
座り込んで脚を開いて、一言。
「うん・・・」
僕は彼の目の前まで歩いて・・・そしてしゃがんで
彼の下半身・・・まずはベルトに手を伸ばして・・・
それを外すと、ファスナーを下げて・・・トランクスを下げる・・・
彼は僕がズボンとトランクスを下に向けて動かすときに
腰を浮かせて協力してくれる・・・
しゃぶりたい・・・そして、入れたい・・・そう思っていることを
見透かしきっているように・・・
彼のアソコは・・・もう、ぎんぎんに反り返っていて、
すぐにでもその上に・・・またがって、自分から腰を振ってみたい・・・
そんな気持ちを・・・抑えて・・・
「しゃぶってあげるね。」
潤んだ目で彼の目を見つめて、そう言うと・・・
「いいよ、そのまま自分で入れてよ。」
えっ?
僕はちょっと驚いた目を彼にさらした・・・
その驚きが、彼の言葉の意味を理解すると同時に微笑みに緩んでいく
「いいの?」
まずは、口の中に、彼のおちんちんを含んで・・・
そして・・・充分に大きくして・・・
これから・・・これが入ってくるんだ・・・そう思いながら丁寧になめて・・・
僕はそういうふうに、彼に教育されてきたから
ちょっと驚いた。そして、フェラチオが・・・好きになり始めていたから
はじめ驚き、次の瞬間、すぐにアソコに入れられることを喜び、
そして、次に不満を感じた・・・
「どうしたの、はやくしてよ。」
でも、彼の命令に逆らえる僕じゃない・・・
「うん・・・」
膝を地面について
彼の上にまたがって、制服のまま・・・スカートの中に
彼のおちんちんまで隠れて・・・
そのおちんちんを握って・・・自分の手で、女の子の大事なところへと導く。
「ふぅ・・・ん・・・」
壁に寄りかかって彼は動かない。ふんぞり返って僕が欲望をあらわにして
顔を真っ赤にして腰を鎮めていくのを・・・にやにやと笑いながら見ている。
「お前ほどエッチな女は初めてだよ・・・」
「いや・・・いやぁ・・・」
僕と・・・他の女の子を比べないで・・・ここでも、他の女の子とエッチしたの・・・?
僕は・・・自分が彼とエッチするようになる前のことを
屈辱的に思いながらも・・・
握った彼のおちんちんを、ようやく自分の・・・アソコに導いて・・・
スカートの下で腰を沈め続けた・・・
屈辱も・・・欲望にかなわない・・・
「あぁん・・・」
「さぁ、自分で腰を振れよ。」
彼にまたがった棒は、膝立ちのまま、腰を上下前後左右に動かし始める。
「ふぅん・・・あぁん、あん、あぁん・・・」
上半身を安定させるため、前かがみになって、彼の両脇の横に手をつけて
そして再び腰をグラインドさせる・・・自分で
自分の力で・・・気持ちよくなろうとする・・・
「あぁ、きもちいい・・・紗希、上、脱いでよ。」
「う・・・うん」
僕はいったん腰の動きを止めて・・・おとなしく彼の言葉に従って
制服を脱ぐ・・・秋の風が体に冷たかったけど
熱く火照った肌はそれを気にしないほど・・・熱中していた。
「あぁん!」
おちんちんを入れたまま服を脱いでいると、不意に彼が僕を突き上げる。
「あぁ・・・あぁん、あん、もう・・・ふぐぅん・・・」
何とか制服を脱いで・・・袖のところで止まったその上着を僕は握りしめながら
下から突き上げられ、体は不安定にゆれる。
「あぁん・・・いやぁ、だめぇ!」
力が体に入らない・・・倒れそうになると次の突き上げが来て
自由自在に彼に操られて・・・上手く倒れられない・・・
手を突いて一度落ち着きたいのに、そのことすら叶わない・・・
「あぁん・・・あぁん!」
彼の腰の動きに・・・そして彼のおちんちんに、気持ちばかりか
体の動きすら操られて、翻弄されて
快楽が頭のてっぺんから四肢の先まで何度も、何度も、駆け抜ける。
「ああぁぁぁ!ん!」
ようやく彼の腰の動きが止まって・・・僕は彼の胸へと倒れこむ・・・
「いやぁ・・・」
「さぁ、四つんばいになって」
「やまさき・・・くん・・・」
「そろそろ、みんな来るからさ。」
「えっ?」
最初、彼の言葉の意味がわからなかった。
わからないまま、理解できたことだけを実行した。
おちんちんを・・・体の中から抜かないまま・・・
体を上手く回転させて、バックの体勢になって・・・
でも、その動作を続ける間にも、僕は・・・
さっき彼が発した言葉の意味を・・・理解し始めていた・・・
そして・・・嘘だと信じようとしていた。
「みん・・・な・・・って?」
「みんなは、みんなだよ。」
「あ・・・あぁん!」
その言葉と同時に山崎くんの腰が動き始めて・・・
再び快楽の渦の中に僕は巻き込まれていく。
「あぁ・・・はぁ・・・」
胸が・・・揺れる・・・少しずつ大きくなって・・・
僕は自分の右手で乳房を掴んで、揺れる胸を抑えて
そして、山崎くんは僕の腰を掴んで僕を突き上げ続けた。
「だめぇ・・・あぁん・・・いっちゃうぅーー!」
僕は羞恥心も、誰かが来るかもという心配も忘れて、もだえ狂う。
ゆれる視界の中・・・人影が現れても快感がとまってくれないから・・・
「あぁん・・・あぁん・・・」
もう・・・どうなってもいい・・・そんな気持ちで・・・
一人、二人と現れた男の子たちを見ていた・・・
「よお、遅かったな。」
「はぁ・・・はぁ・・・」
山崎くんの腰の動きが・・・とまった・・・
体中を駆け抜けた衝撃が急に終わって、僕は正気を取り戻せていない。
イかされる前に、その行為が中断したことへの不満と
そして・・・人に見られてしまったことで急激に湧き上がる羞恥心が
徐々に、僕の正気を取り戻させていく・・・
「い・・・いやぁ!」
僕は・・・手からいつの間にか離していた上着を拾い上げ、
とっさに胸を隠した。
しかし、スカートの中に・・・性器の結合が隠れていても
僕はまだ山崎くんに馬乗りになっている。
「何がイヤなんだよ。エロ女のクセに」
そういうと山崎くんがまた腰を上下に動かし始めた
「あっ・・・ん・・・」
正気を取り戻した僕は・・・アソコから全身に走る快感を
口で・・・声で表現しないように必死で声を抑える。
「あれ、どうしたの?」
山崎くんは、僕の反応をみて、腰の動きを止めた・・・
「バカぁ・・・こんな状況で・・・」
「山崎さん、下山の調教も上手くいったみたいですね。」
えっ・・・?なに・・・?
「あぁ、こいつは予想以上、いや、今まででも一番スゲーぞ。
何しろさぁ・・・」
「あぁん!」
急に腰を動かし始める山崎くん・・・僕はその気まぐれな動きに翻弄され続ける。
「すげー気持ちいいんだよ。それに、声もかわいいし、感度もいいし
胸が小さいのが欠点だけど、だんだん大きくなってる。」
「へぇ、俺らにもはやく、やらせてくださいよ。」
なに・・・?いったい何を話してるの?
「まあ、あせるなよ。本番は放課後、例の場所でな。
こいつはこんな淫乱メスでも、一応優等生だから
午後の授業くらい出させてやらないとな。」
そういうと、彼は急に激しく腰を突き上げ始めた。
「あぁ・・・あぁん・・・・いやぁ!」
本気で気持ちいい!
僕の視界には、物欲しげに見つめる二人の男の子・・・
いや、もっと増えてる・・・あれ・・・女の子までいる・・・
「あぁん!あぁん!いっちゃぅう!」
「紗希、俺もイくぞ!」
彼は・・・そういうとひときわ腰を激しく動かして
アソコから全身が解けてしまいそうなほどの快感とともに
一瞬、意識が飛んだ。
「ほら、ふけよ。」
いつものように中に出された僕はトイレットペーパーを渡された
学校でセックスするということは・・・こういうことだ
トイレからくすねてきたトイレットペーパーで体液の処理をして・・・
そして、次の授業に間に合うように教室に帰る。
まだ・・・15分ある。
「もっと、イきたいんだろ?」
もう、乱れたままの姿を5人の男のこと2人の女の子にさらしていることは
さほど問題ではなくなった。
山崎くんが、仕組んだことだと、気づくのにそれほど時間はかからなかった。
でも・・・ショックだった。二人だけの秘密・・・
二人だけの秘密の時間だと・・・信じていたのは・・・
僕だけの、過信だったことを思い知らされた。
「あぁ、マジでたまんねぇ。下山、俺のしゃぶって。」
「えっ?」
一人の男の子が僕にそう言って近づいてきた
僕は戸惑って山崎君のほうを見た。彼は冷たい目でこちらを見て
一瞬、口元を崩して笑みを作った。
「い・・・イヤ・・・そんなの・・・」
「お前がイヤなら、中澤、頼むわ。」
「うん、いいよ。」
その男の子・・・内海くんは、僕の小学校の同級生だった一人で
昔の面影は残っているけど・・・この子も20センチくらい身長が伸びて
体つきがたくましくなってることは・・・気づいていた。
「んぐ・・・」
中澤さんは・・・これも小学校の同級生の女の子で
昔から少し大人びたところのある、中学校に入ったらすぐにヤンキー化しそうな
かわいい女の子だった。
そして、そのとおりになったことは、この学校に来てすぐわかった。
「あぁ、きもちいい」
「・・・」
僕は、中澤さんが内海くんのおちんちんを口に含む瞬間を・・・
目を伏せながらこっそり・・・細目で見つめていた。
まるでいつものこと・・・慣れてるといった風に
かんたんにこんないやらしい行為を人前でしている・・・
「山崎くん・・・どういうつもり・・・なの・・・?」
僕は泣き出しそうな気持ちを、意地で押さえ込んで
そう、小さな声で聞いた。
「ん・・・?別に?お前がイヤなら誰も強制はしないよ。
ただ、俺とだけじゃお前は物足りないだろうとおもってさ。」
「・・・どういう意味・・・?」
怒りと憎しみと・・・心臓の高鳴りを押さえて・・・もう一度聞き返す。
「わかるだろ?」
「・・・」
「つまり、お前さえよければ、もっともっと、楽しませてやる、ってこと。」
「下山、俺のしゃぶってよ。」
気づくと、福田さん・・・小学校のころは地味で小さな女の子だった彼女が
おなじように目立たない少年だった大澤君の肉棒を・・・嘗め回していた。
「俺も頼むよ。」
山本くんと、佐藤くんは・・・小学校は隣の違う学校だったけど
山崎くんを介して知り合った仲だった。
どちらも、小学校のとき以来話したのが・・・こんな状況だとは・・・
「紗希、イヤか?」
山崎くんは僕の「助けて欲しい」という意味をこめた悲しい視線を
あざ笑うように、そう一言だけ・・・
「わかった・・・」
逃げられない、と悟った。
二人は、恥ずかしげもなく自分でズボンもトランクスも下ろして
すでに勃起した肉棒を・・・僕の前に差し出してきた。
「えっ・・・と・・・」
僕は山本君のを左手で握りつつくわえて、佐藤君のを右手で握って・・・
同じリズムで前後運動を始めた。
「あぁ、きもちいい」
「下山、あの下山とは思えないな。」
二人の声が耳に届く・・・でも・・・そんなことかまっていられない
この地獄から・・・早く抜け出さないと・・・
「それじゃ、俺はこっち、いい?」
山崎くんがまだそれほど目立たない存在だった小学校のころから
背も大きくて、スポーツもできて、ひときわ目立つ存在だったのは
赤坂君だった。
その赤坂君が、山崎くんの許可を求めて・・・
そして、スカートだけの僕の下半身に手を伸ばす・・・
「あぁ・・・いやぁ!」
「そのまま続けろ!」
山崎くんの命令が僕の耳に響く・・・
「うぅ・・・んぐ・・・」
時々、口に含む肉棒と右手でこする肉棒を入れ替えるように
諭されて・・・
下半身は赤坂君がまさぐって・・・
「あぁん!」
すっかりぬれていた僕のアソコに赤坂君が・・・入ってきた。
「いやぁ・・・」
「手と口が止まってるぞ!」
「う・・・うぐ・・・!」
涙が・・・とめどなくあふれる・・・
それでも・・・口と、手とで男を相手にして
立った姿勢のまま後ろから赤坂君を受け入れて・・・
「もう、でる!」
「お、おれも!」
山本君と佐藤君はほぼ同時に果てた
僕の両手と顔は・・・二人の白い液体で散々に汚された
「あぁん・・・あぁん・・・」
すると僕はその場に倒れこんで、
バックから赤坂くんを受け入れていた。
清楚な顔と・・・しなやかな手と・・・細くて白い腕は
汚されたまま・・・そんなこと気にしてる余裕もなかった。
きもちいい・・・そのことを表情も・・・声も・・・隠せなかった。
二人の男の子の・・・精液の匂いが鼻をつく・・・
だめ・・・男の子・・・こんなはずじゃ・・・
「あぁん!きもちいい!」
うつろな目で叫んだ言葉・・・きっと本心・・・
「山崎くん・・・バカぁ・・・」
赤坂君に突かれながら、つぶやいた。
僕は・・・気持ちよくて・・・でも・・・目の前で
いとしい彼氏を裏切って・・・でもその裏切りは彼が仕組んだもので・・・
「あぁん・・・いくぅ!」
僕がイかされて・・・しばらくするとお尻に温かいものがかかってきた・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ほら、紗希。」
トイレットペーパーが差し出された
「うん・・・」
お尻にかかった赤坂君のぶんはともかく
トイレットペーパーで顔や口や手にかかった
白くてねばねばとした液体をふき取るのは・・・一苦労だった。
「急げよ。優等生。もう授業だぞ。」
「・・・」
何重かに重ねたトイレットペーパーで何とか三人分の精液をふき取って
何も考えないようにして・・・服を着た。
「授業・・・いくね・・・」
屋上を後にしようとした僕に・・・山崎くんが声をかけた。
「もっとかわいがって欲しかったら、放課後、またここに来いよ。」
「バカぁ・・・」
僕は、振り向かずにそう言って・・・鉄の重いドアを開けて・・・
階段をかけおりた。
授業中・・・
屈辱ばかりが頭を支配した。内容は少しも頭に入らず、
考えるのは屈辱にまみれた・・・あの時間のことばかりだった。
ほんの少し、男の子の匂いがカラダに残ってるのがわかる。
(あっ・・・)
三つ編みの髪の毛にかかった精液が、綺麗にふき取れていないことに気づいた。
どうしよう・・・
何気なく三つ編みを解いて・・・簡単にまとめた。
女の子になってからのばしつづけた髪・・・
三つ編み、やってみたいって、思って、やってみたのは
べつに今日が初めてじゃなかった。
三つ編みを解いたとき・・・生まれたばかりの少女が
自ら大人のオンナ・・・いやらしいオンナへと生まれ変わることを認めたような気がした。
迷いはいつの間にかなくなっていた。
女の子に生まれ変わって・・・
どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・
男子校を辞めざるを得なくて、公立の中学校に来て
そこには、小学校の同級生が・・・
信じられないほど変わり果てて・・・
生まれたばかりの女の子を、罠にはめて・・・
そして・・・深くて抜け出せない穴におとして・・・
そして、頭の中に浮かぶのは山崎くんのことばかり・・・
いつもだって、最近の午後の授業は
昼休みのエッチと放課後のエッチの間の時間でしかなくて
山崎くんとどんなことしようか・・・どんなことされるか・・・
それを・・・楽しみにすごすだけの時間になっていた。
6時間目になったころ、
今日も何も変わっていないことに気がついた。
「もっとかわいがって欲しかったら・・・」
彼の言葉を、心の中で何度も繰り返す・・・
男の子・・・さっき・・・3人の男の子と同時に
エッチなことをして・・・
口の中も・・・アソコも・・・そして体中が
宙に浮き上がるほど、気持ちよかった・・・そのことを
気づき始めていた。
そして・・・山崎くんにあえない放課後なんて・・・考えられなかった。
キンコーンカンコーン
授業の終わりを告げる鐘が鳴った。
僕の足は、階段の前でしばし止まった後・・・
屋上へ向けて上に向かう階段に一歩目をかけた・・・
そのときは、まだ・・・また、迷ってた。迷い始めていた。
山崎くんを、一発ぶんなぐって帰ろうかとも思っていた。
二歩目、三歩目、とゆっくりと上る。
いつもは下りの階段が、楽しい時間へ続く道だった。
同じ造りの階段を足取り重く上る僕の心の中は定まっていない。
山崎くんにあわなきゃ・・・でも、もっと・・・あんなふうにしてほしいわけじゃない。
本当に?
さっき、三人の男の子とエッチなことして・・・それを山崎くんにも見られて・・・
それで・・・気持ちよかったんじゃないの?
自問自答しながら・・・何も決められないまま
どっちみち、山崎くんにはあいたくて仕方がない、弱い女の子・・・それが僕だった。
重い、鉄の扉を開けたとき・・・それは、決心が決まっていない
僕のココロとは関係なく
もっと、かわいがって欲しかったら・・・そう・・・かわいがって欲しいから
放課後の屋上にやってきた、
そういう選択をした・・・それがたった一つの真実だった。
「よくきたな、紗希。」
にんまりと笑う山崎くん・・・さっきの男の子たちと
女の子はもう一人増えていた。
「あたしは・・・山崎くんとだけしたいの・・・でも・・・山崎くんが
他の男の子ともしろ・・・っていうなら・・・」
僕が、必死で考え出した・・・妥協点・・・
ここにやってきたことの言い訳・・・
それも、結局は、僕が・・・山崎くんのいつも言うように
淫乱で、エロくて、エッチ大好きな・・・お嬢様・・・
何も知らなかった幼い女の子が・・・
男の子だったのに・・・女の子になって・・・
そのカラダを使って考えられないほどに
気持ちよくなれることに・・・
快楽に溺れきった
淫乱なお姫様に成長することを・・・
受け入れやすく自分の頭の中で適当に変換しただけの
言い訳に過ぎないと・・・心のどこかで気づいていた。
「紗希、別にここでするわけじゃない。行くぞ。」
「うん・・・」
僕は、みんなにくっついて今あけたばかりの
重い鉄の扉をくぐり、後戻りした。
でも・・・あの扉を開けた瞬間は
僕の運命・・・淫乱なお姫様・・・そう呼ばれた僕の運命を
自分で選んだ瞬間だった。
緊張に身をこわばらせていつもと同じように昇降口へ向かう階段を下りる。
いつもは、このあとの彼氏との時間に心を躍らせて
幸せな気持ちで歩く道・・・
今日は違う。
この先に何が待っているのか・・・想像もつかない。
心臓はいつもよりもどきどきしているのに、本当は逃げ出したい
また、いけないことをしようとしている。
僕・・・勉強もしなきゃいけないのに・・
お母さんにもウソをついたまま。
3日前のお母さんとの会話を僕は思い出していた。
―「紗希、お友達とは仲良くできてる?」
「うん。大丈夫。みんな、よくしてくれてるよ。」
「そう。ならいいけど・・・でも・・・」
「でも、なあに?」
「・・・小学校のときに仲がよかった、あの・・・山崎くんは?」
そのとき、僕は心臓が口から出そうなほど驚いた。
「や、やまさきくん・・・?」
「そう、お母さんね、あの子とだけはあまり仲良くして欲しくないの。」
「な・・・なにそれ?」
「今でも仲がいいの?」
理由は答えずにそう言って僕の戸惑う目を突き刺すように見つめる母の
視線に、僕は逃げるように怒りを口にした。
「な、なんで山崎くんがでてくるの?あたしと彼は
小学校のころから友達なのに、なんで?」
山崎くんの家には、「悪いうわさ」があって・・・
それをどの程度本気にしているかはともかく、
お母さんが彼との友達関係を・・・子供のころから・・・快く思っていないことは
わかってはいた。
でも、そういわれても仲がいいことは止められないし
そう言われると子供心にも、何とか否定してやろうという反抗心が
湧き上がってくる。
しばしの口論のあと、いつの間にか話は別のことに変わっていた。
なにも解決していないまま。
そして、今・・・僕は彼の手によって
とてもいけない女の子に育てられてしまった。
でも・・・もう、戻れない。悪いこととわかっているのに。
悪いこと・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・
お母さん、お父さん・・・香澄さん・・・豪・・・
それに、それに・・・
こんなに罪悪感が頭の中いっぱいに広がっているのに
どうしても彼らについていくことを止めることができなかった
「おい、もうちょっと早く歩け。」
「う・・・うん。」
「たくさん、いい思いさせてやるからな。」
きゅん・・・と胸が締め付けられる
最初、全部で8人いた少年と少女たちは、
一人減り、二人減り・・・
道を歩いていると、いつの間にか僕のほかには
山崎くんと赤坂くんの二人だけになっていた。
「みんなは・・・どうしたの?」
「心配するな、ちょっと帰ったりしただけだよ、。ちゃんと、お前のために
来てくれるよ。」
きゅん、と胸がなった。
「きゃっ。」
山崎くんが突然・・・キスしてきた。
唇に・・・飛び切り強烈なヤツを・・・
「ん・・・ん・・・」
あぁ・・・だめぇ・・・そんなことされちゃうと
僕・・・とろけちゃうよぉ・・・
「ん・・・ん・・・・」
また、道の真ん中で・・・赤坂君も見てるのに・・・はずかしい
でも・・・気持ちいい・・・
「ぷはぁ!」
唇を解放されると、溜めていた息を一気に放出する。
「紗希、リラックスしろよ。」
「えっ・・・う・・・うん。」
確かに、力が抜けた・・・さっきまで体をこわばらせていた
僕の緊張がどっかにいってしまった。
「いっぱいかわいがってあげるよ、紗希ちゃん。」
赤坂くんも、そんな言葉を・・・
「えっ・・・?」
わかっていたこととはいえ、そうだ・・・また、赤坂君とも
エッチなことをさせられるんだ・・・
「あ・・・あの・・・」
「なに?」
「どこまでいくの・・・?」
「そこだよ、ほら、あの・・・」
人通りの少なくなっていく道の向かうほうに山崎くんが指差したのは
昔、子供のころはスーパーだった建物
今は、廃屋になっていた・・・
「あ・・・あそこに・・・?」
3年ちょっと前に閉店したことは知っていた。
僕の家からもそんなに離れていないのに、久しぶりにやってきたその建物は
すっかり寂れて・・・廃墟になって・・・
最後におとずれたときのこと・・・覚えてる。
山崎くんは、あそこにエッチな本とか、かくして
それを僕や豪にも見せてくれた。
どきどきが止まらない。
「あそこで・・・なにするの?」
僕は・・・いけないことをしているという気持ちがどんどん大きくなって
今ならまだ逃げだして・・・そして、明日から優等生に戻って・・・
「お前を、みんなでかわいがってやるのさ
きゅん・・・と胸がなって・・・倒れそうになるのを必死でガマンして
同時に僕の中で・・・何かがガラガラと音を立てて崩れて・・・
「みん・・・な・・・って?」
「さっきいたような連中だよ。お前の・・・同級生たちだ。」
「・・・」
それ以上、聞けなかった。
でも・・・女の子になって、女の子としての自分になれるのに精一杯で・・・
自分が女の子になりきれているかどうか・・・ずっと気にし続けて、
その自分を、女の子として認めてもらうために・・・
カラダを山崎くんに差し出して・・・
そして、山崎くんとの関係に溺れていった。
僕は・・・山崎くんの彼女になれたと思っていた。
でも・・・今はっきりわかった。
山崎くんは僕のこと・・・彼女だなんて思ってない
僕は・・・彼にとってエッチのための道具でしかなくて
そして、そして・・・
ひびの入ったアスファルトを通って、スーパーの裏側に回って
草むらの向こうにある入り口の中に入ると
ガラスが割れたりして、まさに廃墟の様相の室内は
さすがにスーパーだっただけあって広く、テナントのスペースごとに区切られた
カウンターのなかに・・・少年たちが遊び場にしていた場所があった。
「山崎くん・・・」
「なに?」
「ここ、来たことある・・・」
「うん、お前も連れてきたな。あれから、ずっとここは俺の隠れ家だ。
最初は、エロ本隠すだけの場所だったけどな。」
「うん・・・なつかしい・・・」
最初は、エッチな本を隠すだけの場所だった・・・
そして、その後、どんな場所になったか
僕にもすぐ分かった
「さあ、紗希、ほら。」
がらんどうになった広い周りを見回す僕に、山崎くんが声をかけた。
ポケットに手を突っ込んで、そして、仁王立ちになって・・・
フェラチオを促している・・・そういう意味のポーズだった。
「な、なに?山崎くん・・・なんなの?」
羞恥心・・・みんなの前でなんて・・・そんなのはずかしいよ・・・
「分かるだろ?あの屋上に来たってことは、ここに来た、意味。」
「い・・・意味?」
「そう、ここに、どうしてついてきたの?」
「そ・・・それは・・・」
「おっと、俺が行くからついてきたとか、そういうのはなしだぞ。」
「・・・」
図星だった・・・
僕は、なんとかこの場面を適当に誤魔化したかった。
一歩、二歩と後ずさりする僕・・・
なにも、言わなくても・・・わかってくれてると・・・
女の子の弱いところをこれでもかと責め立てる彼に・・・
ぼくは、また、かすかな反抗を始める。
「きゃっ」
床に突き出していた電気の配線の跡につまずいて、か細い体をよろけさせた僕を
抱きとめたのは・・・赤坂くんだった。
「ご・・・ごめん・・・」
「なんであやまるの?」
とっさに出た謝罪の言葉・・・でも、なぜ謝ったのか分からない。
「・・・」
そのまま、目の前にある赤坂くんの顔から、目を背けた。
「あれ、さっきセックスまでしたのに、無視すんの?」
「・・・」
何も答えることができない僕・・・
本当は、たくましい赤坂くんの腕の中が暖かくて、頼もしくて・・・
すごく心地よかったけど、
「はなしてぇ!」
そう言って体中の力を振り絞って、立ち上がる。
「えっ?もう赤坂もしたの?」
「あぁ、昼休みに屋上でな。」
「へえ、俺も行けばよかったな。」
声の主は、小学校のころの同級生で、仲も良かった石川君だった。
「おい、紗希、逃げるの?いまさら?」
「・・・」
僕は、気がつくと5人の男の子に囲まれて・・・恐怖に怯えていた。
ちら、っと今やってきたほうを見ると、出口の前には、机がおいてあって
すぐには逃げ出せないようになっていた。
「わかるだろ?誰か来ても、簡単には入れないようになっているんだ。」
ごくん、と息を呑んだ。
逃げられない・・・お店だったときの出口ははるか遠くにあって
走っても、男の子たちにはすぐに追いつかれてしまう。
女の子になってしまって・・・自分でも身体能力が落ちたことを
実感している僕は、体力で5人の男の子たちに勝てるとは思わなかった。
「おい、紗希、何のために来たんだよ?」
みんな・・・笑っている。僕と・・・エッチなことをしようとしている・・・
そんなのイヤだ・・・逃げなきゃ・・・
「そ・・・それは・・・」
体力でかなわない僕は・・・口から出まかせでもなんでも、
頭で彼らを説得しなければ、この場を逃げ出せないことに気がついた。
「おい、下山、わかってるんだろ?」
この場にいる・・・みんな・・・男の子たちは、
二年ちょっと前までは、僕と同級生だった人たちだし
ついこの間まで、同じように男子中学生だった・・・
もともとは友達だったはずなのに・・・5人のうち4人は
小6の時は同じクラスだったのに・・・
本当のことを・・・本当の気持ちをこたえられなかった。
だから・・・もっと、もっと、深く、彼の仕掛けた罠に堕ちていった。
あんまり切れもよくないんですけど、ここまでにします。
>>418 ということなんで、つぎに投稿されるときは
容量とか考えてやったほうがいいかと思います。
僕のに挟まれたくなければ、このスレは紗希ちゃんで明日にも埋められますから、
次にまわして一番乗りも一考の余地ありかと。
スレの中でどのタイミングで投下するかは、尚早スレ立てで荒らしを呼ぶリスクとはべつに
こっちにとっては、結構気になるものでしょうし。
>>419 ムリ。
登場人物の把握だけで絶対時間かかって挫折する。
なんかちょっと態度がでかくないか?
448 :
能面@:2008/01/19(土) 08:16:53 ID:Hv6oGf6r
|ω・`)ソーッ
|ω・`)<次スレまで待ったほうがいいかな
現時点で466KB
テンプレとか用意できる人いたら
準備だけはしといた方がいいかも
451 :
能面@:2008/01/19(土) 23:47:10 ID:bCxu2Lyq
変更したテンプレ一応用意したのでスレ立ててみます。
それで立ったら容量いいとこまで投下します
早スレ立ては論争になって当たり前の条件が揃うのでテンプレに入れてほしい
早スレ立てはいい事ないよ。経験上作者も新スレの方に書きたがるしね
旧スレはあまり人目につかないし、作者心理的にもそうなるだろうし
荒れた旧スレにわざわざ書いてくれた素晴らしい作者には感謝してるけど
スレの規律を重んじる人が新スレで主張するし、旧スレは荒れる
あー、前スレの流れ見てたのにすっかり忘れてました
ほんっとすいません。
投下するなら大丈夫かなーと早合点をしてしまった。
スレ立て早すぎだ……。
あと一本くらいはこのスレでいけただろうに。
能面@氏が少し埋めてくれる、って事だから、前スレほど荒れないんじゃないか?
456 :
能面@:2008/01/20(日) 00:06:30 ID:B2UfqdhR
457 :
能面@:2008/01/20(日) 00:07:53 ID:B2UfqdhR
11月19日、月曜日。
「ん……うぅ…ん」
ゆっくりと目を開ける。
目に入ってきたのは大きな肌色の丸い何か。
寝ぼけているから何なのかわからない。
とりあえずそれにタッチしてみる。
柔らかくてなんかちょっと安心できる。
ふとちょっと下方に丸い小さな突起を発見。
(ん……これ、乳首だな)
…………ん?乳首?
カチッカチッカチッカチッカチッ(頭が理解をするために要する時間の音)
「おおおおおおっぱい!?」
慌てて飛びのいたのでその表紙にベッドから頭から落ちる。
「くぅぅぅぅ」
目に入ってきたのは俺の体についたおっぱい。
「あぁ…そういえばこんな姿になっちまったんだっけ……」
まだこれが夢なんじゃないかとも思う。
というか、何故裸なんだ?
寝る前にはパジャマを着ていたはずだけど。
ベッドに目を向ける。
「うにゃうにゃ……とったど〜…」
寝てる理々子の被った布団の上にパジャマの上が、手にはパジャマのズボン
そして頭に昨日俺がつけたブラジャー。
パンツは本棚の方まで吹っ飛んでいた。
「何をどうすれば俺が起きずに剥げるんだ」
今度検証するべきか否か。
パンツを履いた時、目の前に鏡があったのでちょっと自分の姿を確認してみる。
「ふぅん……」
(自分で言うのもなんだが俺の顔って本当、女の体に合ってるな…)
ナルシストなわけじゃないけどなんていうか理想の女像って感じか?
よくグラビア雑誌でみる胸を強調するポーズを取ってみる。
………………
元男ということがわかってる顔でやるのは激しくキモいと実感しながら跪く。
「……着替えて飯作ろう」
今のこと忘れるために。
とここで次の問題が。
「……?ブラジャーってどうつけるんだ?」
さっき回収したブラジャーとにらめっこ。
昨日は理々子にやってもらったからほとんど見てない。
だからつけ方がわからないわけで。
とはいえそのままだと胸が痛いからつけないのは嫌だし
とりあえず覚えてるところまではやってみる。
まずは袖を通す。
(ぶかぶかだけど)ブラジャーを自分の胸に押し当てて紐を背中に回してみる。
手を伸ばす……
「むむ、むむむむ」
右手と左手の位置が合わない。
「女っていうのは中国雑技団並みに体が柔らかくないとやっていけないのか?」
参ったな…今から運動したって間に合わない。
458 :
能面@:2008/01/20(日) 00:08:20 ID:B2UfqdhR
ならば根性で!
「くぬっ!」
プチッ
「入ったっ」
鏡越しに確認。
つける位置が思い切りずれてた。
「ぅぅん」
なくなく外す。
「んん、んんんんん〜」
「傍から聞いてたらSEXしてるみたい」
「わっ!?」
突然後ろから手が出てきてブラジャーの隙間から胸をもまれた。
見えないけど間違いなく理々子だろう。
「お、起きてたのか」
「いやーあれだけ一人実況中継やられたら起きるって」
とかいいつつ揉んでる手は止まらない。
「や、やめろって」
「口で言っても体は正直よのーぅ」
「どこで覚えたそんな言葉!」
ガチャ
「葉山さー…ん……ちょ、お、し、は…ど、ど、ど、ど、ど」
先生と目が合った。
全裸の理々子と下着をつけた胸を揉まれてる俺。
しばしの沈黙。
「………お、お、お、お、お邪魔しましましましましましまた」
バタン
「ちょっ、誤解ですー!」
昨日もこんなことあったような。
459 :
能面@:2008/01/20(日) 00:08:50 ID:B2UfqdhR
必死の弁明をしてたら予定時間をオーバーしたので先生含め3人大慌てで学校に登校。
制服は喰われてしまったのでとりあえず私服で出てきた。
「はぁ、はぁ、こ、こちらが今日の検査を担当する大山ゆかりさんです」
どこかドラマにいそうな女医……なんて予想からまったくかけ離れていた。
どちらかといえばマッドサイエンティストな感じでぼさぼさ髪(天パー?)にゲームでしか見ないようなファンタジックな格好。
そして見た目はませたチビガキみたいな人。
「かしこまった挨拶はいらないわよ」
「はぁ」
まだ何にも言ってないけど。
「はい、じゃこれ身体の検査結果」
ピッと紙を差し出される
「え?」×2
「あ、あの、まだ何もしてないと思うんですけど…」
「昨日あんたがし終わって寝た後検査してたのよ」
左手でわっか、右手は人差し指をたて、わっかに指を往復させる。
「や、ややややややっぱり」
「してないですって!大体どうやって入ったんですか!?」
というか今これでその例えは変だ。
「あ〜、こんな感じでひょいっと」
突然大山?って人が目の前から落ちるように消えた。
「きゃっ!?」
先生が股を押さえる。
>「こんな感じによ」
そしてまるで産み落とした胎児みたいに先生のスカートから大山さんがずるっと滑り落ちてきた。
「うわぁぁ!」
「私のようなだいっ!てんっさい!かがくしゃ!に不可能はないのよ」
とか言ってる変人が可愛くもないポーズを取る。
この人実はモンスターなんじゃ。
「あんた今失礼なこと考えたわね」
「メッソウモゴザイマセン」
ここでようやく先生が我に返った。
なんか色々と想像してたようだ
「んで、じゃあ何で俺呼ばれたんですか。検査し終わったのに」
自称天才科学者が人差し指をぴんと立てて
「あんたアホね」
ちょっとムカっときた。
「体は調べても魔法の力の検査もしなきゃいけないじゃないの」
「あ、そうか」
「じゃ、予定通り行くわよ」
自称天才科学者が何もない空間をなぞるとそこが突然割れ、科学者はその中に入っていく。
とりあえず入ろうと先生に言い、入ろうとするがその前に空間は消えてしまった。
「………んで、どこ行けばいいんですか」
「と、とりあえず魔法練習室へ行きましょう。魔法の検査から連想するとあそこですし」
460 :
能面@:2008/01/20(日) 00:09:19 ID:B2UfqdhR
地下に設けている魔法練習室。
その名の通り魔法の授業をするための特別教室。
大きな魔法をうっかり逸らしてしまっても教室に張り巡らされた結界がちゃんと吸収してくれます。
「あ、うちのクラスだ」
教室内に見知った顔が沢山いた。
理々子がこっちに気づいて手を振っている。
ガラッ
「今日は自習ですけど大切なお話があります」
段取りしていたようでスムーズに進んだ。
まず、昨日起こったことを先生が説明しだした。
………………
「そういったわけですので、危ないところへは近寄らず。秋斗さんには何かと協力してあげてください」
みんなから突き刺さるような視線を浴びて若干居心地が悪い。
エロい目で見る男子、興味深げに見る男女数人、気持ち悪いものを見る目の数人。
できればこの場からすぐに退散したい気分。
「では、自習ですが皆さんには最低課題としてこれをしてもらいます」
え〜っと声は上がるが俺を見ている人が多いためいつもより少ない。
「では、葉山さん、こちらへ」
先生に促されいついたのかわからない自称天才科学者に歩み寄る。
自称天才科学者が変な機械を取り出し、ゴーグルをつけ、合図をもらって魔法を使う準備をする。
………………
「はい、いいわよ」
魔法を合計10回使った後、止められた。
「ふぅ」
「はいせんせー、できたよ」
「あ、じゃあ今採点しますね」
「まぁ、魔力が全然集まらないことだけど」
自称天才科学者が何かを書いていた紙を俺に見せてきた。
「まあ元のあんたの周波数を仮に150とするわよ」
「はい」
「んで、体が変わって周波数も変わったと」
「ていうことは、俺は前の周波数からノイズだけを受信していると?」
「まあそんな感じね」
わかったようなわからないような。
「つまりはその周波数がわかってそれにチューニングすればいいってこと?」
「あ、りり」
採点中の理々子が覗き込んできた。
「その周波数はあんた自身にしかわからないわ」
さっきもらい損ねた紙と一緒に検査結果を受け取る。
「それがわかれば本当はチャージする必要ないほど元から魔力で溢れてんのよね」
だから暴走すんのよと付け加えられた。
461 :
能面@:2008/01/20(日) 00:10:05 ID:B2UfqdhR
職員室で色々とすることしながら。
「せんせー、秋斗の服とか色々入用なんだけど出ちゃダメなの?」
「う〜ん、そうですねぇ…一応謹慎なわけですから…」
「さすがに理々子の借りたまんまはちょっと」
「う〜ん、では理事長に掛け合ってみます」
「呼んだー?」
「うわ!?」
「わぁ!」
急に後ろから声がしたからびっくりした。
なんだ、自称天才科学者か……
「い、いや、呼んでないけど」
「理事長に掛け合ってみるって言ったじゃない」
「あ、いいところに」
え?理事長って
「この人が?」
先生が頷いた。
「…そういえば俺、この学校入ってから理事長とか校長って見たことない」
「言われてみればあたしも」
入学式でも毎年校長も理事長も看板以外で見たことない。
「先生も実は大山さんが理事長だと知ったのはつい昨日で…」
この学校は一体どうなってるんだ。
「ま、中野ちゃんがついていくならいいわよ」
「話わっかるぅ」
「あの、俺の意見…」
「では、授業が終わってから私の車で行きましょう」
「はぁ」
ここで授業開始のチャイムが鳴ったので俺一人だけ寮に帰ることになった。
なんとか時間を潰しながら午後の6時ごろ。
コンコン
「はーい」
ガチャ
「葉山さーん」
「あ、はーい、今行きます」
することもないから準備だけはしておいたからすぐに出る準備は出来ていた。
とは言ってもぶかぶかの服は変わりない。
「車を回してきますので加護さんと一緒に待っていてください」
「ういーす」
「はーい」
先生の足音が遠ざかっていく。
「え〜?そんな変な格好していくのー?」
「いいじゃん、買うんだし」
「ちぇー」
………………
「といったわけで到着ー」
「え、さっきの回想?」
俺の記憶では今頃車を待っていたはずだが。
ふと気づけば商店街にいた。
こういう時冷静に考えるのはダメなんだろうか。
「ほらほら行くよー」
「行きますよー」
「へぇ〜い…」
462 :
能面@:2008/01/20(日) 00:10:53 ID:B2UfqdhR
エレベーターで婦人服売り場(理々子が言うには今時の服もあるらしい)に上がってる最中、声が聞こえてきた。
「これゆきに似合うんじゃね?」
「それ完璧お前の趣味だろ」
女の方はちょっと気が強いタイプっぽいな。
「へ〜…よくカップルで下着買ってるとか聞くけどほんとなんだなぁ」
「今日はあたしと秋斗?」
「せせせ、先生なるべくお二人の視界に入らないよう努力します」
「いや、気使わなくて結構ですから」
そんなこんなでまず下着のコーナーへ。
「うわ、恥ずかしい」
「あら、秋斗って意外とウブなんだね」
「私でも平気ですよ」
先生に何かが負けるのが地味に悔しい。
いや、先生は女性なんだから当たり前だけど
「あ」
「?」
「採寸してもらわなきゃ」
「あー」
理々子が近くにいる女性店員を呼び出して採寸してもらう。
見知らぬ他人の前で下着姿になるのはすっごい恥ずかしい。
「こ、こうですか?」
「はい、そのままじっとしていてくださいね」
ポケットから出てきたメジャーで体のあちこちを調べられる。
なんか…妙に緊張する。
「あ、採寸結果をメモしたいんですけど」
店員さんは先生の問いかけに応えながらもテキパキとこなしてた。
といったわけで店員さんにサイズを聞いて選ぶことに。
まだ恥ずかしくて抵抗はあるけど。
「葉山さんは活発な見た目ですから明るめの色は?」
「ガーターベルトなんかは?」
「それは大人びすぎていないかと…これなんかは?」
「せんせー、そんな色今時処女くらいしかつけないよ」
「わわわ!わたしはしょしょしょ」
「先生、声がでかい」
先生の口を慌てて塞ぐ。
…………
「ん〜、これだとちょっと子供っぽく見えるねー」
理々子に手伝ってもらっての初めての試着。
胸の下にガードがついたようなブラジャーだ。正式名称は知らない
「では、こっちは?」
…………
「お、せんせーセンスあんじゃーん」
「あぁ、か・わ・い・い♪」
この後服でも同じ目に合うんだろうなぁ。
463 :
能面@:2008/01/20(日) 00:11:30 ID:B2UfqdhR
「合計で58600円です」
下着と服合わせて約25ほどお買い上げ。
「う……………」
さようなら、俺の生活費。
「ほらほら教え子が窮地に立たされてるよー?」
「う…あう」
なんか後ろからイジメの声が聞こえてくる。
「秋斗が食べれなくて野たれ死んじゃうー」
「う、うう、ううう」
「生徒の将来を踏みにじる教師……」
「せ、先生が出しますー!」
半ばヤケになりながら先生がびしっとカードを出してきた。
「い、いや、それは」
「これも生徒を守るためなんですー!」
「は、はぁ…」
店員さんも笑っちゃってる。
「ボ…ボーナス一括払いで」
店員さんがカードを通して先生に返した。
いいのかなぁ……
でも心の中では理々子に対してGJ!と思ってたりもする。
先生のゆ〜〜〜っくりな運転の中、爆睡しつつ寮へ帰ってきた。
「明日、明後日と一度確認しに来ますね」
「今日はありがとうございました。」
二人で発進する車を見送る。
…………
ガチャ
「ただいまぁ」
「たっだいまー」
車の中で一応後ろの存在に説得したが帰る気が一切ないようなので説得はもうあきらめた。
「ふぅ、疲れた」
袋を適当にクローゼット付近に投げる。
「時間って早いねぇ」
「俺、一度死んだっていうこと実感できないもん」
「それは思ってても言うのやめてよ」
464 :
能面@:2008/01/20(日) 00:11:51 ID:B2UfqdhR
「え?」
「あたしだってあの時怖かったんだからさ」
「あ…ごめん」
やばい、理々子が沈んでしまった。
話題を変えるために袋を手に取る。
「な、なぁ。ブラジャーのつけたかたおし…」
ぱっと取り出した下着の形がおかしい。
ブラジャーの方はまるで開きかけの目みたいな形しててパンツの方は妙な逆V字ができている。
確かに二人に選ばせはしたけどこんなの買った覚えなんて…
理々子がすごく不敵な笑みを浮かべている。
「いきなりそれを選ぶなんて大胆だねぇ〜」
「あー!勝手に入れたな!」
「よしよし、あたしが着せてあげよ〜か〜」
咄嗟に防御したけど相手の攻撃の方が上手で、あっという間に剥かれていく。
人間、下になったほうが不利という。
…………………
「や、やめ、やめてって」
大事なところ丸出しの下着を無理やりつけさせられて挙句に無理やり開脚させられそうになっている。
あそこは手で隠してるけど乳首の方は丸見え。
ある意味尻かくして胸隠さずである。
「へっへっへっ、よいではないかよいではないか」
「これじゃ理々子が男みたいだろ〜」
変に動くとその力を利用して開脚させられそうだからうまく動けないでいる。
「や〜、ちょ〜可愛い〜」
「理々子のこと嫌いになるぞー」
「じゃあ調教して純情にしてやる〜」
「や〜め〜ろって〜」
この日、両隣の部屋の住人は聞こえてくるアダルトな会話を聞きながらオナニーに勤しんだ。
465 :
能面@:2008/01/20(日) 00:13:07 ID:B2UfqdhR
11月22日、木曜。
謹慎も終わって登校日。
だけどまだ制服はない。
謹慎中に先生に問い合わせてみたところ、できるまで時間がかかるといわれた。
だからそれまでは私服で来いということだ。
「ふぁ〜〜〜〜ぁ……」
朝一番の欠伸と共に目を開ける。
今日も目の前におっぱいがある。
結局今日まで理々子は一度も帰らなかったし
朝起きる度に俺と理々子は全裸になってるし。
なんかもう見慣れたというよりは呆れた。
もうそろそろ雪の降る季節だからやめてほしい…
「うぅぅ…ベッドから出たくね〜」
……
「理々子のおっぱい暖かそうだな」
The・下心
まぁ、ここのところ毎日勝手に入ってくるし寝たフリしてればバレないだろう。
というわけで理々子のおっぱいに顔をつける。
あぁ、やっぱり暖かい。
「お姉ちゃん、だいすきぃ」
これはその場の雰囲気ってやつだ。
「じゃあお姉ちゃんにぎゅ〜っと抱きついてきなさーい」
「うん〜」
ぎゅっと抱きしめられたから抱きしめ返す。
…………………うん…………?
10秒以上にわたる沈黙
ものすごい勢いで全身に冷や汗が。
1時間くらいかかりそうな速度でゆ〜〜〜っくりゆ〜〜〜〜〜〜〜〜っくりと理々子の顔に視線を移す。
にや〜っとした顔の妖艶な笑みを浮かべた理々子が見えた。
BGMにド ド ド ド ド ド ド ド ドと聞こえてきそうなこの雰囲気。
そして数秒後、俺の人生は幕を閉じた。
「閉じてない閉じてない」
「ハッ」
理々子に肩を揺さぶられて我に返る。
「まぁ、でも返答次第によっては閉じるけど?」
「こ、これはデスね、その。抑えられない気持ちからの早まった行動でゴザイマス」
超しどろもどろ。
「それはつまり、あたしのこと好きってこと?」
「うんぇ?」
「じゃあ好きなだけくっついてきて〜」
また抱きしめられた。
(あれ……?いつの間にかカップル成立してる?)
あの空気の思考停止状態から脱出するためのその場しのぎの発言がいつの間にか告白になってる。
今にして思えば俺もかなり思わせぶりな言い方したかも。
段々と俺の頬が赤くなってきた。
「じゃあ今日はサボって愛し合おうか〜」
「んー、んーっんぅ〜」
顔がおっぱいに押し付けられて息ができない。
バンッ
「サボりはいけま───!!」
この展開何度目だろう。
466 :
能面@:2008/01/20(日) 00:13:57 ID:B2UfqdhR
制服に(私服に)着替えて先生が来た理由を尋ねる。
「え?女子寮?」
「実はこのお隣の寮生が眠れないと言ってまして」
「う〜ん…いつも騒がないよう気をつけてるんですけどねぇ」
普通の会話でもそこそこ響く寮だからなるべく普段から気をつけているけど。
「女性を連れ込んでいるというのが気になる様です」
「連れ込んでるじゃなくて勝手に住み込んでるですけど」
「っていうか今は女二人だよねー」
座ってる俺に理々子が胸を頭の上においてくるので重たい。
「でも女子寮の生徒が受け入れるとは限らないでしょう」
「理解を求めていただくしかありませんねぇ」
3人してう〜んと呻く。
「あ、それとですね、ルーンファクトの魔法素材が届きましたので魔法の授業の前に作成しますね」
「はい」
今日の魔法の学科は5、6時間目か。
というわけで今日の1〜4時間目の授業内容は面白くないのでカット。
まぁ、休み時間ごとにあれやこれやと聞かれていたが。
そんなわけで昼飯時には若干疲れていた。
ピンポーンと校内放送の合図が鳴った。
『葉山秋斗さん、職員室までお願いします』
「まだ飯全然食ってないのに」
「んじゃ俺らの腹に収めようか」「なぁ、あ〜んしてくれよハァハァ」
キモい発言してるのを無視して食べかけのパンを袋にくるんでしまい、席を立つ。
コンコンガラッ
「葉山さん、こっちです」
先生に促されて先生のもとへ歩み寄る。
「ごめんなさい、食事の途中だったと思いますけど」
「まぁ、仕方ないですよ」
では行きましょうかといわれた後先生が丸いものを俺に渡し、二人で職員室を出て行く。
そのまま階段を降りて地下へ。
魔法練習室の隣にあるのが特別室。
4年前もここでルーンファクトをこの丸いのを使って作成した覚えがある。
この部屋には中央に台座があって魔法練習室より強い結界が張ってある。
だから集中して自分の思い通りに作成ができる。
「では、台座にセットしてください」
大きな台座の上に素材をかざす。
手を離してもそれは落ちずに浮き、ゆっくりと回転を始める。
その間に先生が機械のスイッチを入れていき、台座に何か不思議な力が帯びていく。
467 :
能面@:2008/01/20(日) 00:14:24 ID:B2UfqdhR
「それでは、始めてください」
「はい」
台座と魔法素材の前で両手をかざし、意識を集中させる。
イメージと共に、時間と共に魔法素材の回転の速度は増していく。
時々ちょっと出っ張ったりへこんだり、素材が徐々に変形していきつつ、回転はどんどん速くなる。
目を瞑り、以前と同じ本をイメージする。
パンっと何かがはじける音の後、すぐに静寂が訪れた。
3秒くらいしてから目を開ける。
目の前の台座には本の形をルーンファクトが。
「あ、あれ?ない」
あるはずのルーンファクトがない。
「は、葉山さん」
先生が大きなついたて鏡を持ってきて俺を移した。
…何か背中で浮いてる。ついでに胸の上に妙な宝石がくっついている。
横向きになって横目で背中についてる変なのを確認する。
なんだろう。アニメオタクが好みそうな半透明の小さな羽根が服を超えてふわふわと浮いている。
しかもこの羽根、頭で思うと微妙に動きがコントロールできる。
「は……葉山さん……」
「な、なんですか」
先生が目を丸にしたまま固まってる。
「…………可愛い♪♪」
「は?」
先生の顔が溶けそうなぐらいうっとりとした表情になった。
「う、う、動かせるんですか?ちょっ、ちょっと動かしてみてください♪♪♪」
い、いつもの先生じゃない。
「せ、先生?」
「動かしてください♪♪♪♪♪」
「う……は、はい」
鏡で確認しながら渋々羽根をぴこぴこ動かしてみる。
「はぁあぁぁ……♪♪♪♪♪♪♪」
完璧自分の世界に入ってしまってる。
確認のために鏡を見つつちょっと歩いてみる。
羽根は1テンポだけ遅れてついてくる。
…ついでに先生もついてくる。
「ファンネル!」
意気込んでみるがやっぱり飛んでいかない。
「あ、ぁぁん…♪♪」
「あ、あの……もういいですか?」
「授業が始まるまで待ってください♪」
「あ、いや…飯食いたいんですけど」
「勝手に食べていてください♪」
じろじろ見られながらなんて喰えるか。
仕方ないので教室に戻ることに。
…………。
(うぅ、なんか背筋が気持ち悪い…)
結局教室に戻るまで、というか授業開始までずっと見られていた。
468 :
能面@:2008/01/20(日) 00:15:34 ID:B2UfqdhR
というか。
「かわい〜〜!」「ね〜動かしてみて〜!」「萌え〜!」
「おいどん、ピュアがほとばしるでごわす!」「あっ、イク」「ウッ」
5時間目の授業が始まったのに男子も女子も入り混じってほぼ全員で俺を見てくる。
「も、もっと過激な動きを♪」
「あの、先生、授業を……」
「自習♪♪」
即答された。
「はは、秋斗、ごくろうさま…」
「ありがとう秀秋……」
とか言う秀秋自身は距離を置いてる。
ちなみに理々子は俺イジメに参加中。
「助けて……」
この後どうやって授業を乗り切ったかはっきり言って覚えてない。
HRが終わってまたもや羽根弄りされてる最中、校内放送が流れてきた。
『葉山秋斗さん、中野先生、職員室まで来てください』
と男の先生らしき声で。
この声を合図にやっと女子も男子も散ってくれた。
疲れた足取りで先生と理々子と3人で職員室へ向かう。
ガラッ
「はぁーい…」
「あ、中野先生。理事長の藤本理香子さんから伝言を預かってますよ」
「えっ…?ふじ、もと…?」
そんな名前だったっけか?
「はい、こちらです」
と男の先生が一枚の紙を凛先生に渡した。
それを3人で覗き込む。
[中野先生へ。葉山秋斗を5分だけひきつけておくこと]
「ひきつけておく…?」
「よくわかりませんけど…ここで待っていろということでしょうか」
正直あの自称天才科学者のやること全てから逃げ出したいが。
とりあえず先生をからかいながら少し待つ。
大体5分して空間からにゅっと自称天才科学者が現れた。
「終わったわよ」
「?」×3
主語がないから何を言ってるのかわからない。
「はいこれ」
と俺の手に何かを置いた。
325と書いたシールが貼ってある鍵だ。
「?何ですこれ?」
「女子寮の部屋鍵」
「え!?」
「もう引越しは済んだわよ」
一度この人に常識とは何か聞いてみる必要がありそうだ。
「いや、というか女子寮の生徒に説明は?」
「ちょっと弄ったから全員なんとなく納得するわ」
「弄ったって何を…」
「だいっ!てんっさい!かがくしゃ!に不可能はないのよ」
…こういうことってまともに突っ込んじゃいけないのかな。
469 :
能面@:2008/01/20(日) 00:15:59 ID:B2UfqdhR
「はぁ、なんか精神的に疲れた…」
「あの人面白いねー…悪い意味で」
理々子に女子寮へ案内してもらう。
男子寮の反対側、少し離れた場所にあった。
「なんか女子寮って豪華だなぁ〜」
それにちょっと安心する香りがする。
「男子寮ってさー、なんていうか変なにおい漂っててきっついよねー」
「慣れるまでは地獄だぞあれ」
湿気の多い日は特に生乾きの匂いがぷんぷん漂ってくるし。
そんなわけで、女子寮にお邪魔した。
ギイィ……
「うっわぁぁ、ひろっ!」
目に入ってきた女子寮のリビング。
男子寮とは段違いの大きさで化粧台まで用意されている。
急に豪邸に引っ越してきた気分になってくる。
「男子寮って女子寮より人多いはずなのに窮屈だよねぇ」
「だねー」
男尊女卑がどうこう騒がれていた時代はどこへ行ったやら。
「325ならあたしの部屋に通りにあるから。こっちこっち」
促され、後ろをついていく。
渡り廊下に入ったところでうちのクラスの生徒とばったり出会ってしまう。
これが普通の生徒ならよかったのだが今の俺を否定的な派閥?の女子だからちょっとばつが悪い。
「あ〜!何で葉山がこんなところいんのよ〜!」
ついでにツインテールで高飛車と絵に描いたような奴だ。
今日の授業前に囲まれてた時も輪に入らずずっとこっちを睨んでいたし。
「いや、何でっていうか…無理やりこっちに住まわされるというか」
「えぇ〜!?こっちに住むわけ〜!?」
こいつの小言聞きたくないなぁ…
「ま、まぁ、仕方ないわね……?」
予想外の発言に驚いてるが何故かあっちまで驚いてる。
「あ、あれ…?今の今まで嫌だったのに」
「どしたの?まっき」
不思議そうに眺めてた理々子も入ってきた
「よくわからないんだけど、葉山に言われた途端妙に納得しちゃって」
「気使わせて悪いな」
「え、えぇ、いいわ。それじゃ」
首をかしげながらツインテールがふらふらと行ってしまった。
「何だったんだ…?」
「さぁ?」
それは置いといてまた歩き出す。
途中にある321が理々子の部屋だと説明受けつつ325の目の前へ。
鍵を差し込んで回すと回った。
ガチャ
470 :
能面@:2008/01/20(日) 00:16:47 ID:B2UfqdhR
「チチチチチチ」
「ギャー、ギャー」
目の前にはジャングル。
「!?smaidoa,glerodks!」
視界の遠くから民芸品のような装飾をつけた半裸の黒人が現れて何か言っている。
その様相はほんとにいそうな原住民といったところ。
少なくとも日本の人ではない。
黒人がこっちへ走ってきたので慌てて扉を閉めた。
理々子と顔を見合わせる。
「……?」
「???」
誰も今のそれを説明できるはずもなく。
「……と、とりあえずもう一度開けてみよう」
「う、うん」
ガチャ
「あ、俺の部屋だ」
若干見た目は変わっていたが見慣れた光景が目の前に広がった。
じゃあ今のは何だったんだ?
超警戒しながらゆっくりと部屋に入る。
少し確認して何もなさそうだったので、理々子に合図して部屋に招き入れる。
安心して座ってからも何か聞いちゃいけないような気まずい雰囲気が流れていた。
471 :
能面@:2008/01/20(日) 00:17:32 ID:B2UfqdhR
「ねぇ、お風呂行かない?」
「風呂?ってことは大浴場あんの?」
女子寮も見た感じそうだったが男子寮には部屋のバスルームの他に大浴場が2室ほどあった。
でもやっぱり先輩後輩の流れがあって窮屈だったから俺はほとんど利用していない。
「でも、いきなり行ってまずいことにならないか?一応元男ってあるし」
「ん〜、じゃああまり使われない6室行けばいいんじゃない?」
「ろくぅ!?」
「え?6まであるっしょ」
何か悔しい。
「う〜ん、じゃあ誰もいなかったら行こうか」
「おーけー、んじゃ見てくる」
理々子が部屋を出て行った。
……よくよく考えたら普通に混浴だよな?
ちょっ、すっごく恥ずかしくなってきたぞ。
人生の転機のごとく悩んでいると理々子が戻ってきた。
「6に誰もいなかったからいけるよー」
「な、なぁ、やっぱりやめない?」
「な〜んでさ〜」
「いや、そのさ。二人で入るなんて…」
「いいのいいのいいのいいの。ほら早く準備」
ぐいぐい引っ張られ、勝手にお風呂セットを用意されて半ば無理やり出発させられる。
理々子の部屋の前で一旦理々子が中へ行き、自分のお風呂セットを持ち出してそのまま浴室へと持っていかれる(俺が)。
「むぅぅぅ」
順調に裸になっていく理々子を直視できず、俺は服も脱がないまま唸ってる。
「ほーら、ちゃっちゃと脱ぐ」
「こういうのって理々子が恥らって俺が堂々としてるべきなんじゃ…」
「こういう場所じゃ男より女の方が堂々としてるもんだって」
「そんなもんなのかなぁ」
「それよりあたしの裸なんていっつも見てんじゃん」
「まじまじと見れるかっての」
俺より大きい胸が羨ましいし。
…?羨ましい?
「体冷えるからはーやーく」
「は〜い」
ガチャン
「男子寮の浴室と大きさは同じくらいだなぁ」
「こら、秋斗。男みたいに隠さないの」
これは自信のない男の性分だから仕方がない。
まず洗い場について頭から洗う。
ぐしぐしぐしぐし
「あ、こらー!髪痛むでしょー!」
「えぇ〜?」
別に髪は長くもないし別にいいような。
「禿げたい?」
その言葉でぴたっと手の動きが止んだ。
結局指導を受けながら理々子に頭をわしわしされる。
決して爪の立てないやり方でちょっともどかしく感じながらも優しく洗われてるとちょっとだけ子供に戻った気分だった。
「女って大変だなぁ」
そう考えると男って気楽だなぁ。
お湯で石鹸を流し、顔を振ってタオルで拭って一息。
472 :
能面@:2008/01/20(日) 00:18:13 ID:B2UfqdhR
「じゃ、次あたしの番ね〜」
「何が?」
「秋斗があたしを洗う番」
理々子が俺の横に座った。
釈然としなかったがさっきされた通りにやってみた。
「こう?」
「ん〜もうちょっと弱め」
「こう?」
「秋斗のおっぱいが背中に当たってるー」
「あっ!ご、ごめん」
慌てて体を離す。
「女同士だから遠慮しないでいーのいーの」
改めて頭を洗い始めるけど理々子がわざとらしく背中を丸めるのでおっぱいをくっつけるほど密着しないと届かない。
妙に意識しちゃったから恥ずかしい。
ばしゃーっ
「はい、タオル」
受け取ろうとしないので渋々拭いてやる。
「ぷぅ〜」
理々子が一息。屁ではないぞ。
それを見てさっき自分が座ってたところに座り、タオルにボディソープを染み込ませる。
「あ、背中流す〜」
「いーよ」
「流すったら流すの〜」
「はぁ…わかったよ」
なんか段々理々子が子供じみていく…
俺のタオルを渡してちょっと緊張しながら待つ。
後ろから音は聞こえどもなかなか背中を洗ってくれない。
「んー、まだ?」
「おっけー、いくよ」
背中にタオルが当てられ、上下に動き始める。
でもなんか妙な感じがする。
手を使って拭かれていないような…妙な何かを使っているような。
でも恥ずかしいので確認はできない。
むにゅ
「ふわっ!?」
背中のタオルは動いているのに突然おっぱいを揉まれた。
手にボディソープをつけているようでにゅるにゅると艶めかしい動きをさせながらおっぱいをぐにぐに揉まれる。
「ちょっ、ちょっと何してんの!?」
ちょっと声が裏返った。
「これぞ必殺ソープ洗い〜」
「どこで覚えたそんなこと!」
「秋斗のエロ本コーナーから」
脳裏に該当する本が浮かび上がった。
(俺のじゃないけどそういったら余計に誤解を招きそうだからやめとこう)
というかいつ読んでたのか。
……あの変人に見つかってないだろうか。
「誰か入ってきたらどーすんだよ!」
「女湯なんてこんなこと日常茶飯事だよー」
「嘘だろ絶対っ」
もう背中の動きはほぼ止んで手で全身をくまなく触られている。
「やっ、んぅーっ」
「お、羽根がぴんってなってる」
俺には見えていないがどうやら羽根で反応を示していたようだ。
身体が熱くなってのぼせそうになったところでようやく開放してくれた。
473 :
能面@:2008/01/20(日) 00:19:13 ID:B2UfqdhR
「はぁ〜〜〜」
湯船に入って第一声。
「おやじくさ〜い」
「誰の所為だと思ってんだ」
タオルを絞ってため息を一つ。
「なんか、色々すぐに運びすぎて男だったことを忘れそうだ」
「まー、男の時のクセらしきものは出てるけどね」
それは仕方ない、と思う。
もう一息ついて無言で浸かってると理々子に話しかけられた。
「ねぇ?」
「ん?」
「元に戻りたいって思う?」
「ん〜…まぁ、戻れるならかなぁ」
とは言えども元の体はモンスターの胃に納まったから無理だとは思うけど。
「嫌なの?俺が戻るの」
「あたしはー…秋斗が無事でいてくれるならいいかなぁ」
それを聞いてちょっと申し訳なくなる。
「好きな人に体がどうとか性別がどうとか関係ないよ」
「りり…」
この前曖昧にしたことが申し訳なくなってきた。
失言とか思ってたけど、違うかも。
「あ、そーだ!」
「?」
「この前キスしてない!」
「ぇ!?」
隣に理々子がいたために容易に肩をつかまれた。
「いーまーこーこーでー」
ゆっくりと確実に、理々子に迫られる。
「り、りりさん。ムードがありませんよ」
「何、あたしとするのが嫌?」
「い、嫌じゃないけどその前に」
深呼吸をしてまっすぐ理々子を見つめる。
「……理々子が好きだから、ね?」
「うんっ」
二人で顔を近づけてのキス。
ムードには乏しいけど…まぁいいか。
顔を離し、お互いに微笑み合う。
「じゃ、あがろうか」
「うん」
ちょっとのぼせ気味でふらつきながら出て行った。
474 :
能面@:2008/01/20(日) 00:19:35 ID:B2UfqdhR
リビングに出て少し頭を冷やす。
「は〜〜」
「さードライヤーでかわかしましょーね〜」
ドライヤーを頭に当てられつつ、櫛で整えられる。
「あ、葉山ー」「なんか姉妹みたいだねー」「こんばんはー」
うちのクラスのよく女子3人でいるグループがやってきた。
今のところABCとしておこう。
ちなみにこの3人は女の俺歓迎派だ。
A「いやいや葉山、やっぱりあんたって元から女でしょ」
「かっわいいもんねー」
「そーかなぁ」
3人そろって俺の顔をじろじろと眺めてくる。
C「そおだ!ねえアキちゃん」
自分の手を叩きながらCが覗き込んできた。
「へんな呼び方」
「アキ、ねぇ…いーねぇ」
「いいのかよ」
C「土曜日さ、予定空いてたらお昼頃にまたここ来てよ」
「え?うん、いいけど」
B「えみ、またクセでたね」
C「いいじゃんいいじゃん、3人共見てみたいでしょ」
「うんまぁねぇ」
A「見てみたいねー」
B「うんうん」
なんか4人で盛り上がってるが俺だけ理解できない。
「ねぇ…何するの?」
4人そろって「ヒミツー」
そして、すぐに3人は帰っていった。
「んじゃ、お休みー」
今日も今日で二人でベッドにもぐりこむ。
「部屋近くなったんだから戻らないの?」
「やだ。ここで寝る」
「はぁ…」
「じゃ、おやすみ〜」
抱き寄せられた。
「ちょっと苦しい」
手が緩んだので呼吸のしやすい位置に動く
「ん。お休みー」
「お休みー」
女子寮のいい香りに包まれつつ、眠りについた。
475 :
能面@:2008/01/20(日) 00:20:16 ID:B2UfqdhR
ぴりりりりりりりりりっ!ぴっ、ブウン。
「葉山少尉、葉山少尉」
「聞こえています」
正直ねていたいのだが、須藤大佐の声が慌てていることもあるので、無下にはできない。
「集合(コール)だ」
その言葉で完全に頭が目覚める。
了解とだけ言い残し、通信を切断し特殊素材のバトルスーツ(というよりタイツ)に着替える。
ゆっくりだが、強い歩みで司令室へと向かう。
プシュー
「葉山アキ少尉です」
「うむ」
大佐の横で機器を操作している加護オペレーターに近寄り、小さな機械を受け取る。
「大変なことが起きた。まずはこれを見てくれたまへ」
ピンっという音と共に目の前にある巨大スクリーンにこの基地と、その周辺の地図が映し出される。
「民間基地のポイントB-58がクリーチャーによって突如占拠された。今回はその基地にいるコアの掃討を頼む」
B-58民間基地を襲撃したクリーチャーはいつも戦闘しているタイプだ。
コアが入り一瞬に繁殖し、周りの全ての生物を無差別に食い尽くすまさに地球の癌だ。
「敵はいつもどおり小柄のが無数にいるタイプのようだから、拡散ビームキャノンを使ったほうがいいだろう」
「了解しました」
透明のスクリーンを通過し、その先にある開けた場所に立つ。
上から砲筒のような物が降ってきて、それを地面に当たる前にキャッチする。
その後、指令室内の警報機が鳴り、天井が開く。
空が見えるようになった後、足元が競りあがり始めた。
基地の天井に上がり、完全に外に出た。
「Aタイプ、ON」
背中の半透明の羽根が変形し、ブースターのような形に変わる。
砲筒のレバーを引き、使用可能になったのを確認。
表情を険しくすると、ブースターで思い切り前方斜め上へと飛んでいった。
「基地を確認。敵もたむろしています」
『頼んだぞ』
「はい」
クリーチャー達がこちらに気づき、前方が見えなくなるほど密集してくる。
「どけぇぇ!」
持っていたビームキャノンのトリガーを引き、多量のビームがランダムに飛んでいく。
その先で何百匹ものクリーチャーがぐちゃぐちゃになっていった。
ある程度駆逐したところでブースターを点火、その中へと突っ込む。
途中で砲筒のスイッチを切り替え、もう一度レバーを引く。
それを微かに見える民間基地に構え、放つ。
ビームは拡散せずにその一点を貫いた。
巻き添えになったクリーチャーの亡骸の中を半ば無理やり突っ込む。
穴の開いた所へめがけてブーストする。
早く入らなければ穴が塞いでしまう。
そんな危惧も一気に入ってしまえば何の問題もない。
476 :
能面@:
中に入ってすぐに砲筒からパーツの一部分だけを外し、その場に捨てる。
中は臓器や肉片を撒き散らしたような醜悪さで、今は慣れてしまったが最初の内は吐いたほど不快なものだ。
やがて前後の通路から人間より少し大きいくらいのクリーチャーが沢山やってきた。
前後を交互に確認、敵の少ない前方に狙いを定める。
左手に力を溜めると高速の光の矢が放たれ、最初の一匹を一撃で絶命させる。
それを見計らってその方へ走り、崩れ落ちるクリーチャーのその後ろにいるクリーチャーを一薙ぎに首を飛ばす。
さっきのパーツからは魔法の剣が具現化していた。
壁走りをし、少し遠くにいたクリーチャーに向かってブレードを撫でるように通過させる。
クリーチャーの頭に一筋の斬れた痕がつき、崩れ落ちるのを見ることなくそのまま走り続ける。
目の前の行き止まり…いや、肉扉を開く。
ミチッ、ビチビチビチビチビチ……
「っ!?」
開けた場所の中央には全裸になって触手によって拘束されている女性がいた。
それが見覚えのある顔だったことがより驚きを増やすことになる。
「りっ、凛さん!」
数日前にクリーチャー討伐の際に行方不明になった中野曹長だった。
目を瞑り、意識を失っているようだ。
凛さんに走りよる。
「い、今助け──!」
正常な判断を失っていたのが愚かだった。
気づけば足には肉のツタが絡まってまともに動けない。
「ふふ、うふふふふふふ……」
「!?」
中野さんが……笑った。
そしてすぐに中野さんに絡まっていた触手がはずれ、彼女が自由になる。
「うふふ、ふ、ふ、ふふふふ…」
「あ…あんた…誰だ!?」
彼女に絡まっていた触手は今度はこちらの手足に絡みつき、完全に動きを封じられた。
「私は中野凛曹長ですよぉ…ふふっ」
中野さんは妖艶な笑みを浮かべてこちらを見ている。
「葉山少尉……」
「う……」
若干怖い。