1 :
名無しさん@ピンキー :
2005/03/27(日) 17:46:38 ID:sRmUFP6e
秘密の果実ワロス
それとage
なんか知らんが おでこでも感じるえっちな小説 に見えた
眼科池
age
前スレに誘導貼っといたほうがいいかも
もう容量オーバーで貼れない。 さっさと気づいて誘導しときゃよかった…
即死防止
即死しそうヽ(;´Д`)ノ
12 :
名無しさん@ピンキー :2005/03/29(火) 21:34:29 ID:bWmBTrBM
即死防止ー
防止
14 :
名無しさん@ピンキー :2005/03/29(火) 23:59:46 ID:z+t3wMSW
即死はイカン!
協力しますだす
ショボーナ
17 :
名無しさん@ピンキー :2005/03/31(木) 00:52:19 ID:ULivmnUo
☆
協力しまーす
プギャー
21 :
名無しさん@ピンキー :2005/03/31(木) 01:20:36 ID:Epk3tmIu
回避
即死防止
ぬおー
ageage
文才が欲しい…
いつかショタロリが投下される日を待ち侘びつつも保守
27 :
名無しさん@ピンキー :皇紀2665/04/01(金) 12:59:43 ID:LEmDYwIm
保守
28 :
名無しさん@ピンキー :皇紀2665/04/01(金) 23:55:05 ID:LEmDYwIm
a
29 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/03(日) 01:26:11 ID:6ySP5hip
あげとく
保守
ほす
ちょいと変な質問ですが、おんなのこでも感じられそうなものなら近親相姦モノでもOK?
>32 個人的にはノーマルがいい
>>32 個人的に嫌いじゃないけど、近親ものなら
その手のスレの方がいいかもよ。
>32 以前に近親相姦もの投下してた職人はボコボコに叩かれてた。 その手のスレに貼って、 「近親物平気ならドゾー」って、ここにはURLのみ貼って 誘導って形にしといた方がいいのでは。
きっと宣伝うざいとなるよ。 しかし近親ものはそのテのスレがあるのに、なぜこのスレなんだ?
個人的には全然構わない。
>>32 姉スレも妹スレもあるから、そっちに落とした方が
どっちのスレの住人的にもいいんじゃないのかな?
近親属性かなりあるから自分でも書くけど、
ここに落とそうとは思わないな。
ここはふつ〜にエッチなもんを投下するのがいいと思う、
あくまでも個人的な意見だけども。
で、こっからは別件の質問。
自サイト(と云うか、ブログ)で公開する予定のもの投下って
このスレ的には非推奨なのかな?
後このスレってトリップ非推奨?トリつけてる人殆どいないけど。
>>38 縮刷版担当の裏方です。
>公開予定のもの
ここへのUP時に本邦初公開なんですから全然問題なし。というか普通でしょう。
>トリップ
このスレには明示的なローカルルールがありませんが、暗黙的には次のような感じです。
(1)ここはふつ〜にエッチなもんを投下する(新作がいいなぁ〜)
(2)あんまり長い作品をUPされても、スレが染まっちゃうので嫌だ
(3)議論を延々とやられてもつまらないから、適当なところで勘弁
トリップの件は、つけなくても作風でわかるので誰もつけてなかった、という感じです。
As you like it ということで。
40 :
32 :2005/04/07(木) 13:34:37 ID:5Yp0V5pD
レスサンクス+失礼しやした〜
>>39 回答有り難う御座います〜。
書きあがったら投下出来たらいいなぁの
心意気で頑張って書いてます。
つかエロが終わらない…orz
トリの件納得しました〜。
でも気張って探しちゃったから投下の時は
つけると思います。
ではでは有り難う御座いました〜。
>32 近親モノで荒れまくったというより、 ある書き手が投下した母子相姦モノが香ばしかったから荒れたって感じだった。 どの辺がこのスレ向きなのか理解に苦しむ内容だったというか。 そんな過去があるから近親の中でも特に母子モノは歓迎されない傾向があると思。 他の近親モノについては投下されてみないと不明。 個人的にはこのスレの住人に読んで欲しいという意気込みがあるなら 是非とも投下して欲しい。
近親相姦モノって、どっちかというと男に好まれやすいジャンルなのかもしれないね。 ここには女が多いから、受け入れられにくいのかもしれない。 もちろん、そういうのも大好物な女の人だって少なからず存在するだろうけどね。 そういう自分も、ノーマルカップリング以外のジャンルは抵抗ある……。
ノシ 女ですけれども近親もの、好物ですよ〜 衝動を引き起こす原因が恋愛感情なら、私的には 近親だろうが普通の恋人とかだろうがあんま関係ない
ほしゅ
>44 激しく同意。
まぁ、何にせよ、注意書きは投下前にしてくれたらいいけども
49 :
32 :2005/04/22(金) 15:57:20 ID:UzdsBg7L
再びお邪魔します。論議が続いていて恐縮です。
ちなみに女性視点の姉×弟モノだったりするんですが、ここはやはり
>>39 の裏方様に従います。
50 :
(1/7) :2005/04/27(水) 04:04:55 ID:oRd9jTgx
ノーマルカポーで保守代わり投下。 うたた寝をしていたらしい。 BGM代わりに付けていたテレビは、いつの間にか舞台劇の中継に変わっていた。 まだ二日酔いが残っていて、頭がぼんやりとする。明け方まで飲んで、吐き気と頭痛で夕方 頃に起きた。迎え酒を飲んでるうちに、また寝てしまった。カーテンの向こうはすっかり暗い。 どうやら一日を無駄に過ごしたようだ。 最低。女としての人生終わってる。 『どうあっても、わたしと一緒に生きては下さらないと……仰るのですか?』 舞台劇は愁嘆場に差し掛かっていた。ドレスの女が、立ち上がろうとする男に語りかけてい る。動きのあまりない舞台を、目だけで追っていく。切々とかき口説く女優のセリフは、もう 耳に入らなかった。忘れようとしても脳裡から消えない会話が、テレビの映像に重なって聞こ えた。 「いま、なんて言ったの?」 「君とは結婚できない。だからこれ以上一緒にいられないと、言ったんだ」 声はちゃんと耳に届く。でも意味が分からない。 「正月に帰省しただろ? あのとき彼女と、あらためて結婚の話が出てね」 なに……何を言ってるの、この人は。 「そういう事なんだよ……もう付き合って五年になる」 回転を止めていた頭に、言葉の意味がゆっくり沁みてくる。言ってやりたい事が山ほどあった。 沢山ありすぎて、どれから話して良いか検討もつかない。口を開けたり閉じたりして、酸素を 取り入れるので精一杯だ。 彼女って誰よ。そんなの知らないし。 「だから、君とは結婚できない。この半年間、楽しかったよ」 なんでこんな、胸のつかえが取れたみたいな、清々しい笑顔で話せるんだろう。わたしとの 付き合いは、たった今から、楽しい思い出に変わっちゃったんだろうか。そんなの早すぎる。
少しずつ視界に霞がかかっていく。淡々と語る彼の顔が、よく見えない。 「やり直せないのかしら。わ……わたしに、悪い所があったら直すし」 ここは二股かけてた男のほうを、責める時じゃあないのか。付き合い始める前に言ったはず だよ。二股はイヤだって。 ポタンと温かい雫が、手の甲に落ちた。泣いているわたしと目を合わせずに、彼が続けた。 「朝、電話がかかってきた事があったよね。あれ、彼女からのモーニングコールだった」 ガーンと殴られたようなってのは、こんな感じだろうか。頭がぐわんぐわんして、だんだん 耳が聴こえにくくなる。 いつも抱かれるのは、彼の部屋だった。すぐ帰らずに暖かい腕の中でまどろむ時、朝早く電 話が鳴っていた。「お袋からだ」そう言って笑ってたけど……違ったんだ。体を貪った女の隣で、 郷里の恋人からの電話に応えていたのか。 残酷な現実から目を逸らすように、ぼんやりと彼の部屋を見回した。テレビの上、あんな場 所に写真立てなんて、あったっけ? 「君が来るときは、いつも隠してた。ごめん」 訊ねる前に答えてくれた。写真立ての中、生真面目に唇を引き結んだ彼の横には、やさしげ に目を細める髪の長い女性がいた。 はじめまして。あなたが、そうなんですね。 「ごめん」の三文字では済まないけれど、どう謝られても事態は変わらない。 わたし、鈍すぎだ。最悪。 溢れてくる涙を指先で拭った。彼の顔がよく見えなかったから。 「この半年間、君と一緒にいて本当に楽しかった。ありがとう」 肩の荷を下ろしたような表情で微笑まれて、ゲームオーバー。それでおしまい。
52 :
(3/7) :2005/04/27(水) 04:08:06 ID:oRd9jTgx
回想の旅から戻ってくると、テレビに映る舞台は暗くなっていた。中央にピンスポット、 袖に去っていく男。ドレスの女はソファに崩れ落ち、縋りつくように片腕を伸ばす。 女々しい。未練たらしい。辛気臭い。チャンネルを変えようとリモコンに手を伸ばす。 ちがう。未練たらしいのは、この演劇じゃない。わたしの方だ。 すっきり別れられたら、いい思い出になったろうに。写真立ての彼女は遠く彼の郷里にいて、 わたしはすぐ近くにいる。この距離はわたしにとって有効かもしれないと、こずるい考えが 湧いた。 理性では駄目と分かっていても、夜になると寂しさが募る。諦めきれずに、夜の街で彼の 足取りを追いかけた。 あの日、清々しい顔で別れを告げた彼が、苦虫を噛み潰したように欲望をぶつける。 「なんでそばにいるんだよ。いたら抱いちまうじゃないかよ」 苛立たしく呟いて、わたしの中で精を放つ。そんな関係が数度続いた。 そして二週間前、彼に電話が繋がらなくなった。アパートの部屋は、もぬけの殻だった。 もう会えない悲しさと同時に、彼をそこまで追いこんだ自分が情けなかった。二股かけら れてフラれ、それでも未練がましくつきまとって男に逃げられた女。それが、わたしだ。最 低最悪。どこをどう切ってもロクなもんじゃない。情けなくって涙も出やしない。 ぼんやりしてる間に、テレビは邦楽に変わっていた。スイッチを切った後の静寂が怖くて、 手の中でリモコンを玩ぶ。音楽をかけに、立ち上がるのも面倒くさい。 喉がひどく渇いていた。テーブルの上にあった、飲みさしの缶ビールに手を伸ばす。これで、 二股フラれストーカー女に、アルコール依存症まっしぐらが追加される。 『君とは結婚できない』 なにバカ言ってんだか。結婚なんて考えた事なかった。 『いたら抱いちまうじゃないかよ』 いいんだって。それでも一緒にいたかったんだから。 口に運んだ缶ビールは、ほとんど中身がなかった。こんな時に限って、冷蔵庫に買い置き がないマーフィー。気のぬけたビールを一口だけ啜りこむ。 エッチな事に詳しそうな顔をして、男のヒトのものを飲むのは、彼が初めてだっだ。舌に 感じる微かなビールの苦味が、あの時の味みたいで、鼻の奥がツーンとした。
テーブルに缶を置くと、急に電話が鳴った。あり得ない事だけど、もし万が一、彼だった らとディスプレイを見つめる。 残念、はずれ。浮き上がった気持ちが萎んで着地する。 「夜分遅くすみません。幸野です」 電話の向こうで目一杯、恐縮した声を出しているのは、同僚で後輩の幸野だった。 「うん。遅いね、すごく」 日曜の夜、十時をまわったところ。軽い嫌味に、回線の向こうが固まっていた。怒ってい るんじゃない。去っていった彼の声が聞こえて来ない事に、わたしが勝手に拗ねてるだけ。 普段から礼儀知らずではない幸野がかけてくるなら、よほどの事態なのだろう。 相手の出方を待つ沈黙が、しばし。 「あの……」「それで……」 ふたりとも同じタイミングで言いかけて、思わずぷっと吹きだした。 「いいよ、起きてたんだし。なにか急ぎの用だったんでしょ。話して?」 促すと、ホッとした様子で話し出した。 幸野が明日の朝に必要としている資料を、わたしが家に持ち帰っているのだと言う。朝に 渡して貰えればいいと思っていたが、休日出勤をしながら準備をしていたら、明日はわたし が直行なのに気づいたので、と。 「M駅でしたっけ。幸野さんが住んでるとこ」 「はい」 最寄り駅から三駅、車で走れば十分ほどで着いてしまう。が、まだ酔いの残っている状態 ではそれもままならない。電車で届けるか、タクシーを拾うかと逡巡する間、また沈黙が続 いた。ふと幸野には普段からこういう所があるなと思った。穏やかに見守られていると、感 じる時がある。 「遅い時間ですが、これから取りに伺ってもいいですか?」 「助かったぁ。実は飲んでいて、出かけるのが億劫だったの」 つい本音を漏らすと、「だと思ってました」と言って、クスクス笑った。 「場所わかります? N公園の近くまできたら電話して。下まで降りていくから」 「了解です。ところで夏目さんは、笙がお好きなんですか?」 「ううん、たまたま。でも……キレイな音ね」 付けっぱなしのテレビからは、か細く、それでいて包みこむような笙の音が流れている。 気づくと、さっきまでの滅入った気分が少しだけ和らいでいた。
54 :
(5/7) :2005/04/27(水) 04:12:28 ID:oRd9jTgx
幸野からの電話は意外に早く、休日のせいか道路も空いていたと言う。普段着にコートを 羽織って外に出ると、生暖かく感じるぐらいの風が吹いている。雨が近いのか、空気には僅 かに土の匂いが混じっていた。 公園脇の道に、所在なげに立っている幸野の姿があった。こちらを認めると、 「お休みのところ、すみません」 縮こまって会釈をする。 「大丈夫よ。はい、これでいいのかな」 「ばっちりです。ありがとうございます」 手渡した資料を確認しながら、独り言のようにぽつりと呟いた。 「もう、泣かないでくださいね」 「えっ?」 不意の事で胸を突かれた。 「目が少し赤いです。それと……さっき電話の時、泣いてるみたいな声だったから」 「気のせいよ」 わたしの何を知っていると言うのだろう。労ろうとする幸野の気持ちを、素直に受け止め られない。心のうちに踏み込まれるくらいなら、鎧を着こむほうが楽だ。 「じゃ、お疲れさま。また明日」 素っ気なく言って踵を返した。幸野、ごめん。あなたは全然悪くないのに。可愛げのない 自分が嫌になる。でも覆い隠していないと、壊れてしまいそうだから。 目の前に白い指先が一瞬見えた。そのまま背後からわたしを包む。抱き締めようとする幸 野の力は意外に強く、身動きが取れなかった。 「何の冗談よ。人通りが少なくたって、大声だしたら誰か来るわよ」 「今ここで帰したら、夏目さん、また飲んだくれて泣くでしょ」 「余計なお世話っ……」 首だけ捻って睨みつける、つもりだった。幸野の顔が至近距離なのに息を呑んで、わたし を見つめる眼差しに、言葉を失った。たじろいで目を逸らしたくなる。ひたむきな視線を、 痛いほど感じる。
体を包む腕が緩んだ。ゆっくり向き直ると、二本の腕がまた閉じこめる。額を肩に乗せ、 トクトクと鳴る鼓動を聞く。幸野の腕の中は、不思議と居心地が良かった。 「給湯室で泣いてましたよね」 「見られちゃってた……か」 「もう、あんな泣き方はして欲しくない」 彼が去った喪失感に耐え切れずに、一度だけ職場で泣いた事がある。歯を食いしばっても 涙が零れでた。触れられたくない苦い記憶だ。 「恋人になってくれと言ったら……怒りますか」 どくん。心臓が跳ねる。 知っていたのに、今までずっと見ないようにしていた、幸野の気持ち。さっき包まれてい ると感じたのは、笙の音だけではなかった。 「怒ったり、しないけど」 誰かに寄り添うのは暖かい。肩の力がふっと抜けた。嗅ぎ慣れたタバコの匂いを探して、 スーツの胸に顔を埋める。 「…………あ……」 何をやってるんだろう、わたしは。幸野はタバコを吸わない。今はいない男の香りを幸野 に求めるなんて、大ばかものだ。 「待って、夏目さん。こっちを見て」 怯えたように後ずさるのを、幸野は強い力で引きとめた。今のわたしは、亡霊でも見たよ うな顔をしているだろうか。目の前に立つ男に寄り添える資格など、これっぽっちもない。 とっさに掴まれた二の腕が痛かった。痛くて当然だ。わたしは幸野を、別れた男の身代わ りにしようとしたのだから。 「だめなの……まだ、駄目なのよ」 息苦しいほどの視線から逃れたくて、駄々っ子のようにかぶりを振った。 歯軋りしそうに頑なだった、幸野の頬が緩む。 「忘れろなんて無理言いませんから。一緒にいられるだけで」 また穏やかに包まれる。背中に回した手が、わたしを宥めるようにトントンと叩く。その 仕草は幼子をあやす母親みたいで、少しずつ気持ちが凪いでいった。あやされているわたし は、だんだん小さく縮んで卑小になる。
56 :
(7/7) :2005/04/27(水) 04:16:47 ID:oRd9jTgx
幸野の胸はとても暖かくて落ち着く。けれど、それを甘受するのはいけない事だと思う。 顔を上げて幸野を見つめた。微笑んでいるようにも、苦痛に耐えているようにも見える、 不思議な表情だ。やっぱり駄目だよと言おうとして、胸が苦しくなった。わたしの顔も、 泣き笑いになっているのかな。 両頬が、幸野の手で挟まれた。ひんやりした掌が気持ちいい。 切羽詰まった様子の、幸野の顔が近づく。キスされるのかもしれない。 キスしたいのかもしれない、わたしも。 でも、唇を、舌を、また誰かと比べてしまったら? 目を閉じる寸前で、つと顔を背けてしまった。幸野の唇が頬に触れ、通り過ぎる。頬を挟 んだ手にわずかに力が籠もり、溜め息を吐いたような息遣いが聞こえた。 「ごめ……ん」 謝ろうとしたのに、わたしの語尾は小さく震える。 「夏目さんが謝る必要なんて、ありませんよ」 どこか怒気を含んでいる。怖さではなく申し訳なさで、幸野と目を合わせられない。幸野 の隣で微笑むのは、わたしのような後ろ向きな女じゃなく、もっと朗らかなひとがいい。だ から離れなくては。片頬がすり合うほどの近さで、そんな事を考えていた。 身じろぎして体を離そうとするのと、幸野が顔を伏せるのと、ほぼ同時だった。 首元に押し当てられた唇の感触に、びくりとする。 「ひっ……」 くすぐったくて、ざわざわと皮膚が総毛だつ。 「唇へのキスは、駄目なんですよね?」 「そ、そういう意味じゃ……んっ!」 逃げたくて仰け反った喉に、もう一度降ってきたキス。今度は強く、強く吸われる。シャツ の襟元、隠れそうで隠れない場所だ。 「痕がつくってばっ」 抗議の声をあげると、やっと離れていく。吸われた痛みで、肌がジンとする。 「後で思い出して貰えるように、付けてるんですから」 悪戯っぽく幸野の瞳が煌めいた。
1レス置きに数字がバケラッタ orz 次からエロに。
キタ━━(━(━(-( ( (゚∀゚) ) )-)━)━) ━━ !!!!! 正座してお待ちしてます
。・。゚・。 ━ヽニニフ 彡 .∧,,∧ ∧,,∧ |ll ll| 正統派キタ━( `・ω・)━━━━━━━━━━━━━━━━ ∧,,∧━━━∧,,∧━━━━━!!! と つ / つつ /^)^) ( `・ω・) ( `・ω・) 。・。゚・。 (_,,つ .( 〈 (⌒(´>> (_, `) / つつ / o━ヽニニフ .し' ヽ_)_) し ヽ,),,) <と_ノ .(_,ヽ_)_) しー-J もしかして後輩の幸野って、経験豊富? とりあえずチャーハン作りながら続き待ってます。
正調おな感キター このスレ初期の懐かしさが蘇ってきました。 待ってます!
そうそう、最近レイプだの監禁だの薬物陵辱だのおとぎ話だの変なのが増えてきたから 軌道修正する意味でも いい感じだ
一言余計だよ
でも一理ある。変なの増えてから、他の投下が無くなって来たし。 このまま初期のいいふいんきのままで行って欲しい。 とにかく待ってる。正統派求む。
だから一言余計だっての
66 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/28(木) 19:28:50 ID:/6KnIJKG
本当、今までのも全部自演だろ?つまんねえんだよ、二度と来るな。書き手さん戻って来てよ。自己満足のバカ一人のためにスレ寂れてんだし。
作品が、じゃなくてスレ住民が変わったからじゃないの?寂れたの。 本当に軌道修正したかったら、思っていてもそれを書き込まないだろう普通。 一人の為にスレ寂れた、とか言ってるけど、 それ以前に他の書き手が投下しても、辛口の感想とは言えない単なる批評ばかりだったし。 これじゃ寂れるのも無理ない。 このスレを潰したいのか存続させたいのか、わからない発言はやめてほしい。
>>67 はげど。
>レイプだの監禁だの薬物陵辱だのおとぎ話だの
でも、スレ通り、おんなのこでも感じるえっちな小説だったらいいよ。
言い方悪いかもしれないけど、館もの書いてくれてた人だって、
このスレにいっぱい貢献してくれたでないか。
だいたい63はそんな発言で投下が増えると思ってるのか
っていうか
>>61 、63みたいに他の人を貶すような
褒め方されても作家さんの中の人は激しく嬉しくないと思うよ。
個人的には館もんの人が、スレ違いとは思えない。
十分、このスレ向きだと思ったんだけど。
おんなのこでも感じるえっちな小説にも色々あるんだから
たまたま、61、63の好みに合わなかっただけでそ?
ま、スレ活性化には作品投下が一番なので、&さんや他の作家さん投下ドゾー 気にしないでっていっても、難しいかもしれないけど…
73 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/01(日) 14:40:14 ID:XPj741di
縮刷版の377さんの小説面白かった・・・ 話の雰囲気がすごい好みだ なんかこの感想投下のタイミングが悪いような気がしないでもない・・・ 前スレ見れないしこのスレの雰囲気が読めん
>73 モウマンタイ
75 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/01(日) 17:13:39 ID:5Fd+ZhKX
反感買ってもいい。煽りじゃないよ。 ここで終わろうよ。この寸止め感!十分エロいって。 たまんねぇえええええ!!! こんなのイッパイください。
76 :
75 :2005/05/01(日) 17:27:23 ID:5Fd+ZhKX
ますます批判覚悟で追記。 二日酔いの自己嫌悪の時に蘇る悔恨と惜寂。 そのトラウマを癒してくれるエロスは、実は普段の 何気ない日常の中に潜んでいて、それは思いもしない ふとした瞬間に、まるでこの世界の薄皮が一枚めくれ ただけのように何気なく、突然現れる。 飽き飽きした日常に待ち望む刺激と開放感は、テキストが そこで終わるからこそ、その後の未知な世界に対しての自分の 期待がますます、現実と比較してはしたない方向に膨らむ。 この時点でその官能は十分に味わいました。 他の人の期待とか感情はそれぞれでしょうが、私はしばらく浸りましたよw
77 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/01(日) 19:15:09 ID:3cfwD30Z
「なんでもおまんこ」 なんでもおまんこなんだよ/あっちに見えてるうぶ毛の生えた丘だってそうだよ/ やれたらやりてえんだよ/おれ空に背がとどくほどでっかくなれねえかな/ すっぱだかの巨人だよ/でもそうなったら空とやっちゃうかもしれねえな/ 空だって色っぽいよお/晴れてたって曇ってたってぞくぞくするぜ/ 空なんか抱いたらおれすぐいっちゃうよ/どうにかしてくれよ/ そこに咲いてるその花とだってやりてえよ/形があれに似てるなんてそんなせこい話じゃねえよ/ 花ん中へ入っていきたくってしょうがねえよ/あれだけ入れるんじゃねえよお/ ちっこくなってからだごとぐりぐり入っていくんだよお/どこ行くと思う?/ わかるはずねえだろそんなこと/蜂がうらやましいよお/ああたまんねえ/ 風が吹いてくるよお/風とはもうやってるも同然だよ/頼みもしないのにさわってくるんだ/ そよそよそよそようまいんだよさわりかたが/女なんかめじゃねえよお/ ああもう毛が立っちゃう/どうしてくれるんだよお/おれのからだ/おれの気持ち/ 溶けてなくなっちゃいそうだよ/おれ地面掘るよ/土の匂いだよ/水もじゅくじゅく湧いてくるよ/ おれに土かけてくれよお/草も葉っぱも虫もいっしょくたによお/ でもこれじゃまるで死んだみたいだなあ/笑っちゃうよ/おれ死にてえのかなあ 谷川俊太郎・作
>>69 結局そうとしか感じられないよね
文体以前に妄想でキマっちゃってるようだし。
前もしつこくしつこく言って来たがな、
保管庫見てりゃアブノーマルな作品なんぞ一山幾らで存在してるっつの
寧ろ初期の方が多かったぐらいだしな。
粘着が今更何を主張しようが
ニーズがあるのは動かしがたい事実でゴザイマス。
つーか姉弟はまだなのか?
&さんの続きたーのーしーみーです!
ageうざ
女の子が感じるえっちな小説…ってさ… 何が、基準なの?純愛?和姦? 基準が良く分かんないだが…
ハーレクイン程度で良いのでは。(遠回し過ぎるのあるかも知れんがw) ソフトなら羞恥やSMもオッケーだった ヘヴィな話もちらほら見受けたが、精神年齢高い住人が多かったのか それなりに真面目な感想もあった >1を見る限りいわゆるティーンズラブも許可されているようだ
83 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/04(水) 17:03:44 ID:cf3mbeM8
保守age
>>56 少しだけ続き。
首筋の痛みは、わたしを少しだけ冷静にさせた。振られたてだから、落とし
易いと思われているのでは。口説くにしてもタイミングが悪すぎる。
「離してよ」
「それは無理」
真顔で答えた幸野は、なんだか悲しそうだ。
「泣いてたの知ってるんでしょ? 失恋したばかり。そんな気持ちになれないのよ」
「わかっててやっている……と言ったら?」
腹立たしいより意外だった。愕然とするのと、呆れかえるのが半々で、真意
を確かめるように幸野を見た。気弱そうな雰囲気はいつものままだ。
「ずっと見てきて悔しい思いをしていたから。今しか、ないと」
今しか、ない。
短い言葉がリフレインする。わたしにそこまで想われる価値はないのに。
落ち着かせるように、幸野の手が髪を撫でる。その優しさに誰かを思い出す
から、今だから、イヤ。
「夏目さんの気持ちが、簡単に手に入るなんて、思ってませんよ」
耳元で繰り返される囁きは、荒みかけたわたしの心にも甘く響いた。幸野が
呟く度にそよぐ、呼気のこそばゆさと相まって、じわり、心に澱を落としていく。
「時々は思い出して貰えるように、痕をつければいい」
唇が耳に触れるほど近づき、ぞわっとする慄きが走った。
「小さい、耳たぶですね」
耳たぶが湿った唇の中に吸いこまれ、舌で嬲られる。
「ひゃ……」
歯で軽く噛まれた後、ちゅるんと水音を立て、幸野の口に含まれていた耳が
開放された。春の夜気がスカートの裾をはためかせる。唾液で濡れた耳もひん
やりと、そこだけ体温が下がった気がした。
「バカね、痕なんていつか消えちゃうのに」 時間が経てば消えてしまう。いつまでも一箇所に留まってはいられない。 あの人と、同じ。 幸野の唇はまだ耳元にあり、何かをやらかしそうな気配があった。 「消えたら、また付ければいいだけ」 事も無げに言うと、唇が首筋を滑り降りた。シャツのボタンがひとつ、素早 くはずされる。ブラが見えそうなギリギリの所まで、襟元がくつろげられた。 「なっ……!」 「大声出すと、誰か来ちゃいますよ。こんなとこ、近所の人に見られたいですか?」 恥ずかしさに頬が熱くなった。はだけられた胸元を風が撫でる。誰かに見咎 められたらという恐れで、思わず背後を振り返る。 人も車も、今は通っていない。既に玄関の灯を落とし、寝静まっているよう に見える一戸建て。少し離れた場所にある集合住宅の窓には、何箇所か明かり が残り、見える筈もない視線を感じてシャツをかき合わせる。 「危ない目にあわせるつもりは無いので、安心して」 そういわれて、はい、そうですかと、頷ける訳もなく。 「……信じらんない」 呆れるのにも構わず、シャツを掴んでいた手を握り、そっとどけた。再びシャ ツがめくられ、幸野が顔を伏せる。吐息とも鼻息ともつかぬ荒い息遣いが、肌に 降りかかる。冷静な口調とは裏腹な、興奮の度合いを表していた。 片手を握られ、背を抱き締められている今の状態は、傍からは恋人同士にしか 見えないだろう。熱い吐息を感じながら、動きのない薄茶色の柔らかそうな髪の 毛を見ている。すぐ近くにある心臓が、鼓動を早めた。
86 :
sage :2005/05/10(火) 03:33:37 ID:8QKguVHi
待ってました! 寝る前にチェックして良かった〜! 続き楽しみにしてます。
>>85 そろりと唇が動いた。素肌に少しだけ湿った唇の感触。ブラを縁取るレースの
辺りを、行きつ戻りつして、小高い丘をなぞっている。焦れるほどのゆっくりさ
に背筋が震え、目を閉じた。
ここで止まって欲しいのか、先に進んで欲しいのか、自分でもよく分からない。
それでも体の内を、とろとろ炙られているような昂ぶりがある。
肌の上を擦る動きに違和感を覚えた。唇ではなく、なにか硬いモノが触れている。
瞼を開くと、幸野の歯がブラの端を咥え、押し下げようとしていた。
「やめっ……」
この場所で脱がされるのは、とんでもなくまずい。蒼ざめて抗議するのも意に
介さず、夢中で顔を伏せている幸野が、この時はじめて怖いと思った。
ブラが下げられ、少しひしゃげた形で片方の乳房がまろび出る。公園の灯りに
照らされた胸の隆起は、自分でも驚くほど白い。幸野は顔を離し、血走った目で
食い入るように見つめている。春の夜風と視線とに晒されて、その先端が見る間
に固く尖っていく。
こんな乱れた姿を誰かに見られるかもしれないのに、甘く疼いた気持ちになる
のは何故だろう。
幸野が顔を伏せ、膨らみの谷間近くを強く吸った。
「あ……」
小さく喘ぎが漏れた。背を反らした拍子に、公園の植え込みで咲き乱れる、白
い花が目に留まった。奔放な春の息吹を感じさせる雪柳が、今を盛りと四方へ枝
を伸ばしている。
ちゅぱっと高い音を立て、吸いついていた唇が離れた。乳房の中ほどに、薄紅
い染みが残される。
「痕ついちゃったね。これ、しばらく消えないよ」
恨みがましく言うと、
「その間は忘れないでしょう。今日のこと」
幸野は満足げに笑った。
遠くで車のエンジン音が響く。あられもない今の姿に、身が竦んだ。はだけた 胸を隠すように、幸野が体を寄せる。そのまましばらく動かずにいた。 「大丈夫、こっちには来ないから」 その言葉で緊張が解ける。危ない目に遭わせないと言ったのは、どうやら本当 で、幸野は周囲に気を配っている。少し安堵して、それから不安になる。 風がまた吹いて、剥きだしの胸を撫でた。ちりっと先端がしこる。そこに懐か しい愛撫があればいいのにと思い、そう考えてしまう自分に幻滅した。 「夏目、さん」 幸野の声が少し震えている。 息を大きく吸う音がして、体を屈め、尖った先端にしゃぶりついた。 じんとする刺激に、足元がふらついた。ちゅくちゅくと捏ねる舌が、忘れがた い官能を呼び覚ます。駄目だ。幸野をあの男の身代わりにしちゃいけない。 両手で幸野の肩を押し返そうとして、できなかった。唾液をまぶされた乳首は、 時に痛いほど不器用に強く吸われる。喘ぎをこらえ、肩にそっと手を置くと、 臆病に思えるくらい弱々しく先端を弄る。 がむしゃらな勢いに混じる優しさが、とても幸野らしい。柔らかく唇に含まれて いる蕾が、焦れるように疼き、両手で幸野の頭を抱えた。 「んっ!」 舌先が跳ねるように乳首を弾き、小さく声が漏れた。それだけで蜜が溢れてくる のが分かる。幸野の瞳がこちらを見つめ、声を出しちゃだめだよと、指でわたしの 唇を覆う。 誰かに見られちゃうかもしれない? すれすれの危なっかしさが怖くて、そして 劣情を煽った。何かあったら、きっと幸野が守ってくれる。そんな勝手な目論みも ある。 胸元から響く執拗な水音がいやらしく思え、誰かに聞かれはしないかと、瞳を巡 らした。ちろちろと動く舌先は、懐かしい愛撫に似てる気もして、少し胸が痛い。 それでも嬲られるたびに、塗り替えられたらいい。 ずるい望みを抱えながら、幸野の指を舌先でなぞった。
投下ペースが遅くて、申し訳ないです。 次までまた間があきますので(多分 適宜、流れ切って、他の方も投下キボン
心臓ばくばくさせながらお待ちしております。
男でも感じるえっちな小説だw まぁ次回の投下までお茶でも飲んでマターリと待ってます。
>>88 それを合図にして、幸野はブラを片手で押し下げ、もう一方の乳房もあらわになる。
二つの膨らみは下着でたわめられ、さして大きくない胸を際立たせた。突き出た部分
が唾液に濡れて、卑猥に光る。幸野は大きく息を吐き、灯りに照らされた胸を凝視し
ている。
「ねぇ、やめよう……だめだよ」
「どうして? 誰かに見られるかもしれないから?」
「あ、当たり前よっ」
可能性を指摘されただけで、恥ずかしさが蘇る。思わず叫んだ声が大きすぎて、
慌てて口を掌で塞いだ。
「こんなえっちな夏目さんは、独り占めしたいけど」
膨らみを軽く握り、指で乳首を摘む。
「ぁん……」
「見られるかもって思ったら、ヘンな気分になりませんか?」
そんなの、いやだ。想像したくない、考えたくないのに、じわじわと幸野の言葉が
頭の中を染めていく。このまま愛撫に身を任せていいのか、さっきから何度も悩んで
いる。
膨らみを揺する掌の動きは優しくて、緩急をつけて先端を嬲る指先はとても意地悪
だ。まるでわたしの体をずっと昔から知っているような。目を瞑ると錯覚しそうで、
切なさばかりが溜まる。
身悶えする代わりに、首を力なく左右に振った。胸の双丘を掴んだ指の隙間から、
さっき幸野が付けた薄紅色のしるしが覗く。どきどきしている心臓に、とても近い
ところ。
そうだ、これのせいだ、きっと。
弄られすぎて乳首の先がじんとするのも、快感に押し流されて幸野を止められない
のも、多分。
「嘘はイヤだけど、そういう嘘はキライじゃないな」 耳元で幸野がぼそっと呟いた。 シワ加工された薄手のスカートが、たくし上げられる。スカートがめくられた事より、 周囲の様子が気になって後ろを振り返る。 「気になりますか。誰も見ていませんよ、今のところはね」 今は大丈夫でも、その後は? 見られなければ、こんな場所で触られていても良いの だろうか。自分の気持ちがわからない。 太腿の内側に暖かな手が触れる。そっと撫で回し、足の付け根にまで至る。羽織って いるコートと長めのスカートが、都合よく幸野の悪戯を隠してくれる。これなら背後で 人が通っても、恋人同士が仲睦まじく語らっているように見えなくもない。 指先がショーツのラインを下へと辿る。その先にある潤みを知られたくなくて、身を 固くした。幸野の息が荒い。下着の上から三角の膨らみを手で覆い、くにくにと揉み解す。 奥にある敏感な突起を揺り動かすように、目覚めさせるように、ゆっくりと。 「はっ……ん!」 「夏目さん、声」 喘ぎが漏れそうになるのを、幸野が人差し指でそっと制した。指はほんの一瞬、唇に 触れただけで、また乳房を弄ぶ。わたしの喘ぎを止めようとするより、激しくなるのを 幸野は望んでいる気がして、ぞくりとした。 スカートの中に潜りこんだ指が、ショーツを片寄せる。頑なに閉じている襞を、指先が 割って開く。 「すごい……」 驚いたような幸野の声に、耳を塞ぎたかった。ショーツが湿っているのは分かっていた けれど、秘裂を指で掻き回されると、堰を切ったように蜜が溢れてくる。熟れきった花芯 を探り当てられて潤みは更に増し、くちゅっと水音を立てた。 これではまるで、幸野にされるのを待ち望んでいるようではないか。
「夏目さんて、濡れやすい?」 「ば……ばかっ」 気持ちより体が暴走している。体が、あの懐かしい感触を欲しがって疼く。 幸野の指が合わさった陰唇を縦になぞって、切なさに泣きそうになった。足元がふら つく。立っていられなくて肩にしがみつく。 粘つく音が耳を刺激し、風がスカートの裾を揺すった。 誰か、止めて。わたしが気持ちよくなるのを、止めて。 指が襞を開いて、膨らんだ突起を剥き出しにする。やさしく撫でる指先に、思わず唇 を噛んだ。 いつまで耐えていられるだろう。声を抑えていられないかも。わたしには、その自信 がない。 襞を掻きわけ、花芯を捉え、指は少しずつ潜りこむ。潤みに指が沈んだ時、わたしは 小さく声を出した。蜜の溢れる場所に、指が抜き差しされる。靴先でぬかるみを掻き回す ような音も、激しくなっていく。聞こえている水音が、自分の体から出ているとはとても 信じられず、打ち消すようにかぶりを振る。 「だめ、幸野さっ……イっちゃう……から、やめて……」 快感に煽られて、立っているのも覚束ない体を揺らし、両腕で幸野の首筋に縋りつく。 「黙って」 幸野は囁くと、ぬかるみから指を抜いた。 「イキたいなら、下着を脱いで」 頂点の手前で取り残されて、頭がぼんやりとする。指を抜かれたすき間が、寂しげに ひくつく。ふと周りを見回した。こんな場所で下着を濡らしながら、わたしは何をして いるのだろう。 「いま誰も来ませんよ。ね、脱いでください」 指先が、下着の上から突起をまさぐる。その場所から疼きが広がっていく。 幸野がわたしの手を取り、ズボンの膨らみに添えた。はちきれそうになっているそれを、 掌でそっと撫でる。 覚悟を決めろという事だろうか。庭園灯の光を受けて、雪柳がまた揺れた。
ここで切るんですか・・・(;´Д`)ハァハァ
マジでここで寸止めですか?許してくださいよぉ〜! なまじ面白いからここで止められるのはツラいっすよw
97 :
名無しさん@ピンキー :2005/06/05(日) 13:22:19 ID:ItEV8Y3e
続きを…
すごい寸止めだよね…。続きが読みたひ… 377さんのも読みたいなぁ。もう来てくれないのかな。
間があいてしまいました。 これでラストになります。
>>94 掌の中にある膨らみは熱く、強張った感触に誰かを思い出しかけた。
蕩けた視界の中で、幸野が息を荒げこちらを見ている。
そう、幸野だ。他の誰でもない。普段は穏やかに見守り、わたしを求めているひと。
すぐに気持ちは要らないと、あの男を忘れなくていいと言った。痕を付けるだけだと。
胸に咲いた紅い染みを見つめる。幸野がわたしに付けた痕。頭の隅で何かが弾けた。
静かに後ろを振り返る。深呼吸をひとつ、した。
俯いたままショーツに手をかける。足首から抜く時、履いていたミュールに引っかかり、
決まりの悪い思いをした。片足だけ脱ぐと、幸野はわたしの顎を掴み、顔を上向かせた。
「声は出さないで」
制すと、スカートの中に手を入れ、膨らんだ花芽を嬲り始める。強く弱く擦りあげ、
そして押し潰す。遮るものがなくなった下肢の合間から、太腿の内側にとろりと蜜が垂れる。
「や……無理。声、でちゃう……」
声を忍んで小さく叫ぶ。それでも鼻にかかった喘ぎが漏れる。
幸野が少し困った顔をして、蜜にまみれた指を引き抜くと、わたしの唇に押しこんだ。
驚く間もなく狭間の奥に再び指が潜り、柔襞を撫で始める。自分の味がするのも厭わず、
口に含んだ二本の指を吸った。ひたすら声を耐えるために。軽く歯を立ててしまったかも
しれない。
「噛んでもいいです。夏目さんに噛まれるなら本望」
内壁の感じる部分を、指先が執拗にまさぐった。気持ち良さに、襞が指を食い締める。
もう間違える事はない。幸野の指だと感じとれる。どちらも一杯にされているから。
手を伸ばして、幸野の股間の昂ぶりに触れた。チャックを下ろし、いきり立つものに指を
這わす。息苦しげに反り返っているのを、トランクスから取り出した。自分だけ気持ちよく
なっているのが、どこか申し訳ない。はちきれそうな幹を、手でそっと撫でる。熱い強張り
をびくびくと震わせ、先走りの汁を零し、幸野が低い呻きをあげた。
「夏目、さん……」
押し殺した囁きに、黙って頷いた。どちらも同じ気持ちだから、多分。
幸野はわたしを抱えあげ、アスファルトの横にある石垣の上に乗せた。公園を背に座らせ、 太腿のあたりまでスカートを捲り上げる。膝のあたりに丸まり、引っかかっている布切れに 目がいく。幸野に脱げと命じられたショーツ。遮るものが無い茂みを、幸野の指先が玩ぶ。 このままだと幸野としてしまう。当然の事ながら。 幸野でない人にも、もしかしたら見つかって……。 わたしの不安を見越したように、幸野の指が狭間に潜る。すっかり準備が整った、濡れた 襞をまさぐる。じわじわと快感を取り戻しながら、覚悟を決めたような、そうでもないような、 中途半端な気持ちだ。迷っているのは、こんな場所でしてしまう事に、だろうか。それとも 幸野との関係が変わってしまう事が、なのか。 乳房を弄っている幸野の手が、先端を指の腹で撫でる。与えられた刺激に、小さく吐息が 漏れた。指先で乳首をピンと弾き、わたしをもう一度濡らしてから、剥きだしの乳房を隠す ようにコートの前を合わせた。 終わりのつもりなのだろうか。怪訝な顔に答えて、 「誰かが来たら、危ないので」 幸野は短く言うと、片手で張り詰めた固いモノを握る。喉に何か詰まった感じで、言葉も 出なければ唾も飲みこめない。しどけなく素足を投げ出して、ただぼんやりと幸野を見つめ ている。時折、肌を撫でる風が寒い。ちりちり鳥肌が立った。 「もし誰かに見つかっても、必ず守りますから」 そうしてくれると信じてる。でもひとつだけ聞きたい事があった。 本当にわたしでいいの? 言葉にできないまま、距離が詰まる。幸野の姿が、道路への視界を遮る影になったところで、 瞼を閉じた。何も考えまい、何も思うまい。ただ感じられるように。
切っ先が入り口を探り、濡れた蜜壷にあてがわれた。互いの体が触れ合う、この一瞬に ドキドキする。躊躇っているのか、弄んでいるのか。焦らすように擦るだけのひと時があって、 待ちくたびれたその秘処から熱い露が滲んだ。はしたなさに顔が赤くなる。 目を瞑っている間に、影が幸野でないモノに変わっていたらどうしよう。ふいに心細く なり薄目を開けると、変わらず幸野の顔があって安らぐ。 その隙に屹立が押し入った。入り口の襞が巻きこまれ、ひきつる感覚に顔をしかめた。 形を刻みつけるように時間をかけ、じわりと抉る。 これが幸野の硬さ、熱さだ。穿たれ、少しずつ埋められながら、そう感じる。 息を詰めていないと甲高い声を上げそうで、唇を噛み、幸野の胸に縋りつく。すべて打ち こまれた時、わたしは長い息を吐いた。 「動きますよ」 「ん……やっ、ゆっくり……」 慣れない態勢に戸惑って、抱き止める幸野の腕に身を委ねた。突き上げられるたび、体が 揺れる。肉茎が内襞を引っ掻き、わたしの中が幸野の形に合うように変えられていく。二人 で立てる水音が聞こえる。擦られた襞が熱を持ち、溶け出している気がした。 その動きが、いきなり止まった。 「どうし……たの?」 「バイクがこっちに来ます」 特徴ある爆音が近づいていた。そんな事も気づかないほど溺れていたのかと、愕然とする。 「ごめん、立ってください。夏目さん」 幸野のほうが数倍冷静だ。抱えられて石垣から下りると、蛇行しながら近づくバイクの ライトが見えた。
「あ、あのね……気づかれないかしら」 バイクは空ぶかししながら、少し離れた場所に止まっている。若い男と小柄な女の二人 連れだ。 「大丈夫でしょう、きっと」 こんな状況で、なぜ幸野は平然としていられるのだろう。 「向こうもカップルだし、こうしてたらこっちも恋人同士に見えますよ」 どう見えるかとか、そういう問題ではなくて。 下を見ると、膝元に丸まっているショーツは無事スカートに隠れていた。とりあえずは ホッとする。 お尻の辺りにムズムズする感触がした。薄手のスカートの上から、幸野の手が膨らみを 撫でている。睨み返そうとしたが、足元がふらついた。 「爪先立ち、きついですか?」 幸野に抱き寄せられているので、態勢自体は辛くない、けど。 舗道に下ろされた時に、幸野のモノはわたしの中から半分ほど抜け落ちた。肉茎が中途 半端に引っかかり、感じやすい箇所を刺激している。繋がりあった部分から、むず痒いような 快感が生まれて、ぞくぞくするのが止まらない。 バイクのカップルの方を見た。薄茶色の長い髪をかきあげて、女性が何か囁いている。 そして二人同時に、こちらの方を見た……ような気がする。こんなところでシてるなんて、 まさか想像もしないだろうけど、万が一気づかれてしまったらどうしよう。 考えただけで体の奥が熱くなる。埋められた部分がひくんと蠢いた。 ダメだ、耐えられない。おかしくなりそうだ。 いっそひと思いに貫いてくれとか、イかせて欲しいとか、そんな言葉が喉元まで出ていた。
「たす……けて、声……でちゃう……」 「辛かったら踵を下ろして」 かぶりを振った。できない。踵を下ろしたら抜けてしまう。 しっかり支えるためにか、幸野の手が腰をぐっと引き寄せた。その振動だけで、すごく やばい。体が小刻みに震えた。とろりと蜜が垂れて、太腿を伝っていく。 幸野の手が、蜜の流れた股間を探る。繋がっている場所に触れる。露に濡れた指で、 膨らんだ花芽をまさぐる。 「すごい。洪水だ」 囁きに頬が赤くなった。じぃんとする刺激が、頭頂まで届く。指先がぬるぬると蠢き、 いやらしさを煽った。 追い上げられている。体の中にキモチイイが溜まって、もうすぐ溢れ出しそう。 「あふ……キス、して……おねがい。……あた……しのクチ、ふさいでっ」 でないと、叫んでしまうから。 「喜んで」 ちっとも喜んでなさそうな掠れた声で、幸野は言った。 「んふぅ」 繋がっているのに、イキそうなのに、これが幸野と初めてのキスなんだ。おそるおそる 啄むような、臆病なその唇を、わたしは貪るように吸った。 両腕で幸野の首筋にしがみつく。あのカップルの目に、わたし達はどう映るだろう。 幸野の言うとおり、恋人同士に見えるかもしれない。そう考えると胸がちくりとした。 わたしは快楽に流され、何かの隙間を埋めるために。幸野はそんなわたしに痕を付ける ために、こうしているのだから。
幸野の肩が僅かに沈んだ。そして突き上げる。衝撃で全身がわなないた。 「んふぅ」 仰け反った拍子に唇は離れ、喘ぎが漏れる。 急に眩しい光に照らされ、バイクのエンジン音が間近に聞こえた。見られているかもと 思ったら、恥ずかしさが膨れ上がる。 「んっ、ん……んーーっ」 ふらつく足元を、幸野がきつく抱き締めて支えた。叫び出す寸前で、荒々しいキスが唇 を塞ぐ。強く吸われた舌が、じんとして痛い。それに応える気力はもう残っていなかった。 周囲の音が遠ざかり、何も聞こえなくなる。二、三度体が揺さぶられ、深く貫かれた。 秘部を抉る肉茎の感触ばかりが生々しく、絡みつくように柔襞がひくひくと痙攣する。 埋め込まれたモノが隙間なく膨らみ、弾ける。 体の奥に熱い樹液を受けながら、わたしは果てていた。 「……夏目さん?」 気が付くと、幸野が必死で呼び掛けていた。ほんの少しだけ意識が飛んでいたかもしれ ない。ずり落ちそうなわたしの体を、一生懸命支えている。 「えーと、その」 こんな時に何を喋ったらいいか分からない。体はまだ余韻が醒めず、熱く火照っていた。 二人の体液が混じり合った股間は、すごい有様になっている。幸野の顔を直視できずに、 視線を彷徨わせた。 「バイクはどこへ行っちゃったのかな」 「Uターンして大通りの方へ」 答えながら目を逸らしているのは、幸野も同じだ。 「だから……」 手を伸ばし、ゆっくりとコートのボタンを留めてくれる。 「夏目さんのイク顔を見たのは僕だけです。安心しました?」 顔が赤くなるような事を平気で言う。もしかしたら、とんでもない奴に見込まれたのかも。 最後のボタンを留める前に、幸野が付けた痕、胸に散った紅いしるしを見つめた。 「もし良かったら、シャワーを浴びてコーヒーでもいかが?」 そう呟くと、幸野が破顔した。
約束の時間にはまだ五分ほどあったが、出かける準備はすっかり出来ている。幸野は多分 時間きっかりに、下から電話をしてくる筈だ。 気温の高い状態が数日続き、桜の開花宣言が出された。花冷えの気候を挟んで、そろそろ 桜も散り始める頃、幸野から連絡があった。「お花見に行きませんか」と言う。あの夜から 一週間が経っていた。 何のことはない、同僚と花見をするだけだ。行き先もセッティングも全て幸野にお任せ コースで、身一つで良いという気軽さに、つい乗ってしまったのだが。 職場での幸野の態度は極めて普通だったので、改めて二人で会う事を考えると、妙に心が 騒ぐ。別に特別な関係が始まったわけじゃない。奔流に押し流されたような記憶はまだ残って いたが、胸のしるしは跡形もなかった。 未だに失恋を引きずり、街中で似た背格好の人を見ると振り返る癖は変わらない。幸野の 言うとおり、強いて忘れる必要もないのだ。それでも、膿んだ傷口にうっすら膜が張るように、 触れるだけで飛び上がるような胸の痛みは、もう無い。少しずつだが、日にち薬が効いていた。
春が行き過ぎるのは早い。N公園の樹木はすっかり様相を変え、あの夜揺れていた雪柳も 新緑の枝葉を茂らせている。満開の桜に誘われて、今夜はそぞろ歩きをする人影がある。 この場所でも花見ができるのではと提案しそうになり、思い止まった。生々しい感覚が蘇り そうになったから。 車の後部座席には、来る途中で買いこんできたらしき、食料の入った手提げ袋があった。 おいしそうな香りも漂って、空腹を刺激する。 「クーラーボックスでビールも冷えてますから」 準備は万端だと幸野がアピールする。 「車、なのに?」 「飲むのは夏目さんですよ、もちろん」 なるほど。遠慮の必要はないらしい。 助手席に乗り込みシートベルトを締めると、フロントガラスを見つめたまま幸野が言う。 「出かける前に、電話の約束を確認させてください」 「どうぞ」 とくんと大きく心臓が跳ねたが、平静を装って答えた。 幸野の手が、膝上からスカートの下に潜る。ストッキングの感触を捉えて、しまったと いう顔をした。 「ストッキングはダメだなんて、言わなかったでしょ?」 「そうですね」 さして落胆する様子もなく、上へと撫で回す。手の動きにつれ、太腿の際までスカートが たくし上げられた。指先が恥丘の茂みに辿りつく。陰毛がストッキングに透け、薄墨色に 翳ったその場所を、ゆっくりと撫でる。 高鳴り始めた鼓動を抑えるため、大きく息を吐いた。 幸野は電話でこう言った。花見に行きましょう、できればスカートで、ショーツは穿かず に来て下さいと。その申し出に強制力は無かった。 「ありがとう。じゃあ、出かけましょうか」 何事も無かったようにスカートの裾を整えると、車は滑り出した。 瞼の奥で雪柳の白い花が揺れる。触れられた部分が、ほんのり熱を持っていた。 『雪柳』 ―― fin.
gj! 濃厚な感じがして良かったです。 幸野君の気持ちが知りたくなりますね。彼の視点から書かれててもおもしろいだろうな。
おもしろかったです! 今、ビール飲みながら読んだので、幸野君に会いたくなりました。 真面目で優しくてちょっと危ない・・・ そうゆう人ってあこがれますよね〜 エチーもすごく萌え〜〜ハァハァ・・・
う〜ん、秀作だなぁ。 そして、幸野はかなりの手練とみたw もちろん、作者さんもね。
111 :
32 :2005/06/12(日) 22:41:01 ID:pR6s14AE
>>107 GJ!!!
>32=111
これも面白かったです
続き是非書いて下さい
>111 うん。おもしろかった。 私も続き読んでみたい。あちらでまたお願いします。
スレタイだけど、「おんなのこでも感じる」じゃなくて「おんなのこが 感じる」又は「おんなのこしか感じない」とした方が良かったんじゃない。 おとこのこには物足りないと思うよ、ウン。
純愛スキーにとってはそうでもない罠
117 :
32、111 :2005/06/18(土) 00:06:17 ID:7BvohwTB
>>113 様、
>>114 様有難うございます。続き希望まで頂けるとは嬉しい限りです。
無い知恵振り絞って頑張ります。(どっち視点で書くべきか・・・ううう)
あっちって、1人の作家さんに対するマンセーがモノ凄いです。実際名SSなんですが。
>>107 様、GJです! (良い遅れてしまい大変失礼致しました)萌えました!
>107 感じた。 >117 それでもなんでもさらっとクールに投下。
>>117 一人の神だけのスレになるのは危険なので
そういった意味でも投下した方がいいと思います
つーかお願いします
>>107 GJ!!!
120 :
名無しさん@ピンキー :2005/06/20(月) 01:47:01 ID:7TIjz1Zf
>107 よかった。ちょっと強引な彼がステキ。 よい書き手さんが出てきたとこですが、 館もん。の人もまた書いてもらえないかな? まとめサイトでまとめて読んだら未消化の伏線がすっごい気になるよ… キャラひとりひとりが立っててそれぞれが優しくてちょっと哀しくてとても好きだ。 リアルタイムでGJ!言えんかったので。 いろんな作者がいて、色んな好みの読者がいるのがいいと思うので 是非お願いします。待ってます。
女性向けオリジナル恋愛小説系のスレッドって無いんでしょうか?
>>121 それってエロ無し? エロありなら、ここがそうだけど……?
>>122 「女性向け」の意味がちょっと違うんじゃないのかな?
女性向け、ってまぎらわしいんだよね。 801だとしても男女だとしても女性向け。だけど大概801の意味で使われてるし・・・
すみません、801じゃなくエロメインでもない、男女カプのって意味です。 そうか、801って思われちゃうんですね、すみません。 そこら辺の話ができるようなスレは無いのかなぁ〜とフラフラ捜し歩いてました。
「女性向け」だと同性愛入っちゃうのが悲しいなー。
ゲーム雑誌買いたいけどボブゲ情報も載ってるから手が打線。
>>121 ここじゃだめなの?
だって、ここエロパロ板じゃないか
エロくない作品スレもオリジナル掲載は可みたいだけれど女性向けとは言い難いし、 言われてみれば盲点だな。 自分は創作文芸板で似たスレがないか相談してから立ててみる、ぐらいしか 案を思いつかない、該当スレかもっといい案を思いついた方よろしく。
ここだと、作品掲載がメインって感じだもんね。 全般的にオンノベの女性向け(801に非ず)な作品についてあーだこーだ喋れる場って無いね、本当に。 スレ立てして貰えるなら有り難いかもしれないな。こう喋ってみたいネタはある(*´д`*)
>ここだと、作品掲載がメイン 情報交換もモウマンタイだった筈なのだけど。 >過去スレ むしろ、投下待ちの間にまったり紹介語りなどできたらヨサゲな希ガス。 >130 ありがとー、121ではないけど覗いてきまっす。
>130 おお、まさにこういう場! あったんだね〜。 らぶえっちサイトとおな感的サイトって 違うカテだと自分は思うんですが。 皆さんはどうです?
2chは一応エロ禁止だからなあ。 130のスレは恋愛全般用で、エロ苦手な人も利用するんだよな。 だから直接的な話は避けようとする空気がある。 気兼ねなく濃い話までしたいなら、エロ同人にでもスレを立てたらどうだろう。
初投稿です。物足りなかったら吸いません。 あんな風になら、いいかもしれない。 少女は歳の離れた恋人とさっき見た映画のラブシーンを思い出した。 一度は離れ離れになって長い間互いを探し続けていた恋人同士が、困難を乗り越え ついに再開した感動のクライマックス。そしてベッドシーン。互いに向かい合って ゆっくりとボタンを外し、男が女の下着を優しく外し、徐々に肌が合わさっていった。 男の手が、観客の視線から守るかのように女の胸を覆った。・・・・・・美しかった。いやら しさなど微塵も感じさせなかった。 ――――ずっと待ってる。私が子供だから。 少女は恋人の背中を見ながら思った。彼が自分とああいうことをしたくないわけが ない・・・・・・はず・・・・・なのに、去年付き会い始めた時から、ずっと待っててくれている。 今はまだ早いといって。今しても、怖いだけでそれほど気分が良くならないだろうから、と。 最初は自分もそう思った。今でもやっぱりそうなのかな。けど・・・・・・
そして、思考は振り出しに戻る。恋人の部屋でココアを飲みながら。 そう、こうして何度も部屋へ行っているのに、何も起きていないのだ! 少女は恋人との今までのスキンシップを思い出した。抱きしめられると、とても気持ちがいい。 のど仏に触ること、膝の上に乗ること、羽のようなキスを何度もすること、 時々当たる髭の剃り残し、大きな手なのに綺麗な指で髪を触られること・・・・・・みんな気持ちがよくて、好きだ。 服を取り払って全身で体温を感じられたら、もっと気持ちがいいのではないだろうか? 好奇心は尽きない。 いつからか、会う日は下着にも気を使うようになっていた。まだ、誰にも見せたことはないけれど。 そろそろ・・・・・・イイ頃じゃないだろうか? 折角買った下着を、見せてみたい。何も起きず、 余裕のある表情でにこやかに自分を迎え入れる恋人。唇より下には決してキスをしない恋人。複雑な気分を感じる。 クラスの何人かは、もう済ませたと言っていた。一年も経つのに、私は子供扱いだ。――――女として見て貰えてない。 少女のそんな気分も知らず、恋人は少女に背を向けてソファへ座り、エアコンのリモコン電池を交換している。 ココアのカップを流しに置いて、少女は決意した。ただ待っているだけではだめだ。映画のヒロインは自ら立ち ふさがる障害に挑み、成功したじゃないか。 レースのカーディガンを脱ぎ、キャミソールのワンピース一枚になって、 ソファに座る恋人の首に後ろから背もたれ越しに抱きつく。「ねぇ・・・・・・」
ああ、トリップじゃなくて#1、#2のつもりだったのに・・・;
つづきまだ〜?(AA略 面白そう
139 :
名無しさん@ピンキー :2005/06/28(火) 23:47:04 ID:ip64v2KD
ムッハー(AAry)
事情により明日またうpします。
お待ちしてますノシ
恋人が振りかえった。両腕を前に伸ばして前屈みになった胸元からは、最近買ったブラがちらりと見える。 そのまま恋人に口付け、相手の唇を舌先で恐る恐るちょっと舐めた。心臓が暴れた。 シャンプーの匂いと胸元からのぞくきめこまかい美しい肌、途中からそれを覆う可愛らしい下着。 年齢の割には少しだけませた発育の胸。「・・・・・・してもいいのに」真っ直ぐ自分を見つめる潤んだ大きな瞳。緊張した声。 少女の胸元を見ながら少し考えた後、恋人は表情を変えた。今までに見せたことのない顔だ。少女の皮膚が粟立つ。 「さっきの映画に影響されただけだ。実際はお前が考えてるのと違うよ。――――あんなもんじゃないってw」 彼は口元だけ笑ってそれ以上少女の服に手をかけようとはしなかった。といっても、レースのカーディガンは 少女が自分から脱いでしまったし、どうやら勝負下着も見せているつもりらしい。・・・・・・やれやれ。 しかし、何もしないわけではない。キャミソールのワンピース一枚になった少女を不意に抱きしめ、 背中と片方の膝の裏を抱え上げ不安定な体勢にさせると、少女は慌てて首にしがみついた。背もたれを越えて 己の膝にまたぐ様に座らせる。驚いて開いた唇に己のそれを重ねた後、彼はやおら舌を侵入させてきた。 あのシーンの様に。
訂正 それ以上→全く
ラベンダーの人がんがれ!
続きワクワク!
脱がさないにしても、ちょっとした悪ふざけくらい許されるべきだ。 男を挑発してしまうことが、どういうことなのか・・・ 舌で歯の裏側くすぐってやると、腕の中で少女の身体がこわばり、 初めて経験する陶酔と混乱が入り混じり背中が震えるのを感じた。顔を引いても 追われ、舌に深く踏み込まれ、開かれた自分の足がつま先を伸ばしてもぎりぎりで 床につかない事を知ると、混乱は次第に増した。 もう身体が引けて来る。そのまま腰をしっかりと捕まえれば、とうとう身体を仰け 反らせて逃げ出し始めた。唇が離れ、少女は喘いだ。「んぁ、は・・・・・・っ」 仰け反った所を逃さず、今度は首筋を跡がつかないよう慎重に唇でなぞり、舌で汗 を味わう様に舐め、肩紐のそばで強く吸った。「あ、やぁ・・・・・・」鎖骨には歯を立 ててみた。片腕は腰を捕らえ、時おり太ももまでのラインをなぞり、もう片方は男 の手を知らぬふくらみを服の上から愛撫する。まだ鷲掴みには物足りない。 少女はある意味珍しいほど純粋だった。これほどの素材をむざむざ馬鹿な女に 仕上げるつもりはない。心身ともに未熟なうちからの行為は、行為そのものに 愛を見出すのではなく、行為の代償として愛を求めるようになる。いつのまにか、 自分の身体を切り札にし始め、思い通りの効果が得られなければ勝手に自尊心を貶める。
少女には、肌を重ねる代償として愛が存在するなどとは思って欲しくなかった。 あれ自信に意味を認識できる純粋さと成熟を持って欲しかった。純粋だが、成熟にはまだ時間がかかる。 今回の悪ふざけも、引き際が肝心だ。 胸元にいくつか跡をつけ、しばらく少女の肌の匂いを楽しんだ。胸は下から上への愛撫に弱いことを知った。 耳を噛んでやると、面白い反応が返ってくるのでくすくす笑った。 少女には、まるで恋人が別人に豹変したかのように感じられた。得体の知れない感触。それゆえに得体の知れない怖さ。 「あっ、ゃだ・・・・やだ・・・・ごめんなさい・・・」少女は両腕を男の肩に突っ張り、今にも泣き出しそうにな顔で哀願した。 予想通りだ。こんな顔を見たくて、ついいじめてしまった。余裕のある悪ふざけも、ここまでが限度だ。何より、彼自信の。 「ごめんなさい。でも・・・・・・きらいにならないで」 少しして自分を解放した彼をまっすぐ見つめ、涙をぽろんとこぼして少女は言った。 それを見て彼は吹き出した。「嫌わないよ」少女にレースのカーディガンを着せ、 寮まで送るために車に乗せる。寮の門限は早い。 「しばらく胸の開いた服着るなよ。俺の前でも」少女は顔を火照らせたまま カーディガンを胸の前でかき合わせた。あの様子なら、これから更に発育が期待できるだろう。 待つのも楽しみのうちだ。急いたり、がっついたりするような歳でもない。ゆっくり待ったとしても、 少女が自分の元から離れないことは確信している。今まで時間をかけてそのように仕込んでいるのだから。 今日は特別念入りに。 別れ際、彼は少女にだけ聞こえる様に窓から囁いた。「大人になったら楽しみにしてるよ」 Fin
ハァハァ GJ!…色んな要素がツボだ
短いながらも実に濃い! そして深い‥‥ とても楽しめるSSをありがとう。
訂正 5のところ あれ自信に→あれ自体に
(・∀・)GJ !
うはーGJGJ! >心身ともに未熟なうちからの行為は、行為そのものに >愛を見出すのではなく、行為の代償として愛を求めるようになる。いつのまにか、 >自分の身体を切り札にし始め、思い通りの効果が得られなければ勝手に自尊心を貶める。 ↑ には色々考えさせられる〜 めっさよかったです。他の作品もあったら読んでみたい。
153 :
男 :2005/06/30(木) 16:02:55 ID:fDw6ivqH
男にとって、ここは天国のようなスレですね。
>>153 もしお読み頂いてたらでいいんですけど、こういう話って男性でも
楽しめますか? 物足りないとか、生殺しだとか思いますか?
ラベンダーは色の名前です。日本語訳すると若紫。
少女のどこかが今日はラベンダー色でした。
処女調教って萌えるなあ…
>>154 いいと思いますよ。何より、
>>152 でも評されている部分が素晴らしい。
そこまで正しく考えて踏みとどまってる男ってエライやっちゃなあ、と。
こういう物足りなさや生殺しを「萌え」と解釈する男も少なくないです。
ヤルだけが能じゃない、その手前も楽しむのさ、という意味合いで。
そういう楽しみ方って、むしろここ最近の男のオタクにとっては
標準的な感覚なんじゃないかな。
と、こんな程度の事柄でよいのなら。
少なくとも、ここに来る男で、不快がる読者はあまりいないんじゃないかな。
自分は楽しめましたよ。イイヨイイヨー、という感じです。
>>154 ぶっちゃけた話、オサーンな俺としてもこういった話の方が面白いと思うね。
露骨な話するけど、実際のエチでもただヤルよりも、その前の過程の方が
実際は楽しかったりする。むしろ体の快感よりも心の快感を楽しむって感じかな。
そういった意味では、今回の話は面白かったと俺も思うし
>>156 の意見にも賛成。
今更読んでみたけど凄いね>ラベンダー 面白いし参考になるっつーか・・・いやまあ色々と また気が向いたら、是非とも書いてもらいたいなあ
159 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 06:02:37 ID:71dS39+C
早くからHに興味を持つおんなのこ達にも読んで欲しい。
160 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 11:33:33 ID:As5ANGRI
この手の意味でチソコに余裕のある男はカッコイイですな。
とてもGJだから、俺は体を小刻み震わしイッた。
163 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 18:48:29 ID:As5ANGRI
調教か?
調教っしょ。十分
165 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 21:55:17 ID:71dS39+C
少女はあの日の感触を思い出して夜な夜な…グフ
そしてちゃっちゃと寝てくれる同い年の少年と行方をくらまします(酷
そろそろ男の下品トークは終わりにしよう。 職人さんが困って書き込めなくなってるのかも知れない。 などと要らん気を回してみる。
いやいや、男性側の意見も聞けるのはなかなか興味深い。 荒らしでない率直な感想であれば、職人さん方も参考になるんじゃなかろうか。
このスレ見てて思い出した某板のレス 84 名前:わんにゃん@名無しさん[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 20:21:51 ID:KaPALV9C アツシは16歳嫌いか? つーか、女懐かせるのに淫行する奴は三流 オレは8年セクースレス 85 名前:1[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 21:31:30 ID:EV7NT5/G 俺は同年代ないし年上趣味だ。 人格形成途上の小便臭い小娘などに興味はない。 淫行はちゃんと懐かせた後にするなら大いにオッケーだ。 大いに肯ける説得力を持ったSSであった。誉めてつかわす>ラベンダー
心身ともに未熟な女だけでなく、女はみんな抱かれるとああなるよ>ラベンダー 男に抱かれる=人格と尊厳を失う って考えてるのがほとんど。 男だって発情してる時は人格も尊厳も残ってないし、認識する必要もない。 この男になら失わされてもイイ(しっかりと私の人格と尊厳を保障&保証 してくれる人だから)って思うから肉体関係が成立するわけで。 肉体関係がその場の快感とムードだけで成り立ってて代償に愛がなければ耐えられないよ。女は。 むしろ心身ともに未熟な女は抱かれることで精神的には一度死ぬってことを わかってない女のことだよ。人格や尊厳のことをわかってないというか・・・ だから誰とでも寝られる。すぐ別れても決して傷つかない。
つ人それぞれ
>>170 >こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界では挽肉です。。。
まで読んだ
>>171 に同意
>>170 の言いたい事も少しは分かるような気はするが
自分の考えだけで「女はみんな」と括ってしまうのはどうかと。
170は昔何かあったの?
それこそラベンダーの「男」は昔何かあったの?となるが
かっこよく見せかけてロリコンじゃね? ロリコンに走るほどの「馬鹿な女」とガチンコ対決?
あしながおじさんとかマイフェアレディ好きなんで、よかったよー<ラベンダー
ネットで違和感なく読めるエロ小説探すこと自体なかなか大変。 おっさんが自分のオナニーとして書いてる小説が多くてさ、動機自体は別にいいとして 女の子の服装が(フェチっぽく細かく書いてる割に)ダサ杉たり 女の子の考え方なんかがあまりに男に都合いいように単純化されてたり 男があまりに自分勝手だったり 「秘肉」とかフランス書院風?の言葉遣いに 読んでて萎えるんだよ。 男性作者がいけないって言ってる訳じゃないんで念の為。 そんな訳でこのスレ見つけてよかった。 ラベンダーはよかったっす。
>178 わかるよ。そのキモチ。
>>178 なんかにフェチ持ってりゃそういうの度外視して読むことはできるんだけどな…
ノーマルは確かにあまりいいものないな。
182 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/22(金) 22:57:11 ID:/jNCNG+V
突き上げ
つき下げ
揉み上げ
今更ながらラベンダーGJ! 自分には年上の余裕男との交際経験は無いだけに、 かなり憧れ&萌えるシチュだ。
10代くらいの頃は、同年代の男の子より年上の男性に憧れたりするもんだよね。 自分だって子供なのに 「青臭いガキなんかより、大人の男の方がいいわ!」みたいなw
ラベンダーGJ。 炉物はあんま好きじゃないんだが、これはいい。 男女両方の心理をうまく書いてる。純愛と調教を両立させてるのもうまいなー この娘はさぞかしいい女になるんだろうな。 余裕こきながらも年下娘にメロメロな男もエロカッコイイ
188 :
名無しさん@ピンキー :2005/08/14(日) 00:38:58 ID:KMrG18CU
保守
189 :
名無しさん@ピンキー :2005/08/14(日) 22:40:15 ID:KxbSDm7I
そうか、若紫君。 よいセンスをお持ちなのですね。
ぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこぬこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
保守 創作とは分かっていても、嫌がってるのに無理矢理中出しとか あんまり慣らされてないのに挿入されたりするSSを読むと、 何だかリアルに女の子が可哀想だと思ってしまう…orzワタシダケカ
>>196 ノシ
ここでも時々そういう小説見かけるけど。
お盆っぽいSS書きかけてたんですがもう秋ですね… 来年にでも投下しましょうか
>>198 時期はずれでも(゚ε゚)キニシナイ!!
投下おながいします
>>186 男だって、10代のころは同級生のコよりは年上のおねーさんに
目が向いているんじゃないかなぁと思ったり。
そろそろ誰か投下してくれないかなぁ。 個人的に前スレのなきうさぎが好きだったんだけど、 あれだけ叩かれたらもう投下しないよね…
202 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう :2005/09/11(日) 12:49:49 ID:oRwu7lGp
スレタイにホントに沿うか分からないけど不倫ネタss描いてみましょうか? 正直『感じる』かどうか受け手(住人)の判断による訳ですが、 少しでも問題と感じてくれればいいなぁ…とか。 オヤジの描いたオナヌー小説と言われちゃうかも((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
>202 とりあえず投下、話はそれから。 できればsageでね。
204 :
202 :2005/09/11(日) 13:58:24 ID:oRwu7lGp
スマソ。 保管庫見てきたら女性目線なのね。 一応彼女から意思の疎通メールはもらってたけど、 男のオイラが女性目線で書く事は到底無理なので、やっぱ止めときます。 一応不倫ネタでした。 最近不倫がブームみたいにもてはやされてるけど、 実際にはもっとどろどろしてて、輝かしい未来なんて一切無い。 そういう愛情と論理的なモノとの葛藤でした。 もっと精進しまつorz
>>202 さん
保管庫から作者さんのサイトに移ったので気付きにくいんですが、
男性視点の話も今まで結構投下されていて、皆さんに受け入れられていますよ。
むしろ
>>202 さんの構想を拝見するとかなりここ向けではないかと。
ぜひ投下してください。
206 :
202 :2005/09/11(日) 14:17:31 ID:oRwu7lGp
>>205 了解です。
ありがとうございます。
一応、彼女の方の心理も匂わせて、男に都合のいい女性にはしないつもりです。
彼女の視線も描いた方がリアルでいいんですが、
たぶんゴチャゴチャして分かりにくくなっちゃうので、
男のオイラから見た視線で描いていきます。
207 :
202 :2005/09/11(日) 14:36:44 ID:oRwu7lGp
彼女『田辺由香里」はオレの会社の取引先の営業さん。 電話で話す時の彼女の声は、自分の意思を持ち、とても優しく、それでいて凛としていた。 かと思うと、ちょっとしたジョークにも乗ってくる…そんな人だった。 とある日、彼女から電話がかかってきた。営業担当であるオレが電話を代わる。 内容はいたって普通の見積り依頼だった。 多少ウキウキしながらも手早く見積りを作り、いつも通りメールに添付して送る。 30分もしない内に彼女からメールが入ってきた。 「お見積書を確認したところ、数字が間違っているようですが…この金額でいいですか?(笑」 顔面蒼白とはこの事だろう。数字が一桁少ない。 慌てて見積書を作り直して、再度添付する。 「ご指摘頂き誠にありがとうございます。修正した見積書をお送りいたします。 〜〜〜〜〜 ps.いや、ホント助かりました。このお礼に今度食事とかどうですか?」 社交辞令のつもりだった。「またまた(笑」とか返ってくると思っていた。 しかし彼女はオレの予想を遥かに超えていた。 「訂正後の見積りを確認しました。これで稟議を通しておきます。ありがとうございました。 〜〜〜〜〜 いいですよ。会社が池袋なので、その近くだと嬉しいですね。」
208 :
202 :2005/09/11(日) 14:50:29 ID:oRwu7lGp
え?乗ってきたの?ホント?またまた。 食事の話はそれ以降無くなったが、代わりにウチのソフトの質問が増えてきた。 まぁウチはシステムメーカで、彼女のいる会社は代理店だから当たり前といえば当たり前なんだが。 「○○のPCと○○を繋げるにはどうしたらいいでしょうか? 〜〜〜〜〜 最近システム関係の担当が辞めちゃって、私がコンサルティング受けてるんですよ。 もう対応が大変で大変で。」 「そうですね。弊社△△を使えば解決できると思います。 〜〜〜〜〜 そうなんですか?そういう話なら力になりますよ。 ウチに丸投げしてもらえれば私がコンサルするんで。 大丈夫ですよ。」 「ありがとうございます。△△の資料をお送り下さい。 〜〜〜〜〜 ホントですか?助かります!」 メールの本文の下で行う秘密のやり取りが増えていった。 それは仕事の話に留まらず、お昼ご飯やグチ、プライベートな相談に広がっていく。 彼女からのメールが待ち遠しくなり、来ないと不安になっていく。
209 :
202 :2005/09/11(日) 15:11:55 ID:oRwu7lGp
とある日、彼女から質問の電話が来る。オレはいつも通りそ知らぬ振りをして電話を取った。 秘密のやり取りなど知らない、仕事の内容のみで。 しかし口頭で説明をするが要領を得ない。やはりシステムの話は電話じゃ無理だ。 あるアイデアを思いつき彼女に言う。 「じゃあ御社にお邪魔して説明を行いますね。たぶん代理店として理解しておいた方が 御社にとってもプラスになると思われますので。ご予定はいかがですか?」 「そうですね。では来週月曜日の午後1時でどうでしょう?」 こうして公に彼女と会う口実が出来た。
210 :
202 :2005/09/11(日) 15:22:16 ID:oRwu7lGp
月曜日の打合せの時間… 「失礼します。○○の斉藤と言いますが、田辺さんはいらっしゃいますか?」 受付のインターホンでそう告げると5分もしない内に女性がホールに現れる。 「初めまして。田辺です。」 そう告げた彼女はメガネをかけていて、取り立てて美人という程ではないが、 オレ好みのスリムな身体と引き締まった張りのある脚をしていた。 オレよりもやや年上か? 「あ、○○の斉藤です。お時間を割いて頂きありがとうございます。」 形式通りの営業の挨拶と名刺交換を済ませると、不意に彼女が言う。 「…何か…変な感じですね。」 「そうですね。」 つられてオレも返してしまう。
211 :
202 :2005/09/11(日) 15:33:27 ID:oRwu7lGp
会議スペースは他の社員もいるフロアの一角にあった。 5人も座れば一杯になってしまうテーブルにパソコンとパンフレットを広げ、説明を始める。 同じパソコンのディスプレイを見る関係で、彼女はノートとボールペンを置いて隣にちょこんと座る。 オレの会社は制服が無いので、彼女の制服姿がとても新鮮に見える。 しかし彼女は頭がいい。1の説明しかしなくても2を分かってくれる。 リアルタイムに生まれる質問をどんどんぶつけてきた。 メールの時と違い、時間はたっぷりあるので、オレも丁寧に質問に答える。 電話の時も感じていた鈴の様な声に聞き惚れながらも、説明を続けた。 ふと時計を見ると気が付いたら2時間が過ぎていた。 パソコンをしまい、玄関まで案内される。 「あんな感じで大丈夫ですか?」 「はい。たぶん大丈夫です。また分からなくなったら連絡しますね。」 彼女はそう言うと手を振ってくれた。 ムズ痒い様な嬉しくも恥ずかしい感覚に包まれ、そのまま会社を後にする。
リアルタイム遭遇……? 紫煙
213 :
202 :2005/09/11(日) 16:06:10 ID:oRwu7lGp
会社に着くと彼女からメールが来ていた。時間はオレが会社を出てすぐぐらいだ。 「今日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 ごめんなさい。私だけ浮かれていました。 斉藤さんが思ってたより普通の人だったので… 手を振ったりしてごめんなさい。 今後も今までと同じ様に接してもらえると助かります。」 いや、手とか振られた事無かったんで照れただけだって。 慌ててメールする。 「いえ、こちらこそ時間を割いて頂きありがとうございます。 またシステムで分からなかったらご質問して下さい。 〜〜〜〜〜 いや、こちらこそ、そっけない態度を取っちゃってすいません。 今日って何時に仕事終わりますか? お酒とかどうです?ちょっと会えたら嬉しいなと思って。」 10分もしない内に返事が来た。 「はい。大丈夫です。 たぶん19時には仕事が終わります。」 おいおい、仕事の話が入ってないじゃん。いいのか? 「じゃあサンシャインビルの前とかどうでしょう。 何とか仕事を終わらせて向かいますね」 「はい。待ってます。」
うほっ!リアルタイムだった!! イイヨイイヨ〜!
215 :
202 :2005/09/11(日) 16:35:04 ID:oRwu7lGp
>>215 見てるよ(・∀・)
ここまでだとまだ、独身どうしの出会いみたいなのに…ドキドキ。期待してます。
>>216 >ここまでだとまだ、独身どうしの出会いみたいなのに…ドキドキ。期待してます。
書き忘れてました。
まだこの頃はお互い独身です。
出会い編とか思ってくれれば。
メチャ長くなるんで端折った方がいいですかね?
ソワソワしつつ仕事を終わらせ、池袋に向かう。 無意識のうちに足早になっている自分に気付く。 彼女はサンシャインビルの入口近くに立って待っていた。 「待ちました?」 「いえ、そんなに待ってないですよ。」 昼間の制服とは違う、白地のシャツにピンクのカーディガンが目に映える。 彼女らしい落ち着いた感じの服だった。 「ごめんなさい。ホント私が浮かれちゃって…気を悪くしたでしょ?」 いきなり彼女が深々と頭を下げた。 「いやいや、違うんですって。女性に手を振られた事ってあんまり無かったから照れちゃって… しかも会社だったからどう答えていいのかパニクるわ… 全然!嬉しかったんですよ。」 「え?」 彼女が顔を上げると視線が合う。彼女の手を握って不安そうな瞳を見ながらゆっくりともう一回言う。 「オレの本心はめちゃ嬉しかったですよ。」 彼女の顔に安堵の表情が浮かぶ。
さすがに入り口の辺りは人通りが多い。 静かに話せそうな別の場所に手を繋ぎながら移る。 ちょうどグルリと回ったところに噴水のある開けた場所があった。 噴水と反対側のフェンスに二人並んで背をもたれさせる。 それまで無言だった彼女が、安心したのか堰を切った様に進む。 仕事の話…普段の会社のグチ…同僚… さらに実家の場所やら家族構成、そして恋愛へと移っていった。 「…私ね、実は今まで男の人と付き合ったことが無いの…」 「え?またまた。」 「…小さい時にね、父親に…虐待を受けてたの。もう離婚しちゃったけど。」 「…」 「それでね、今まで男性が近寄ってきても、過去の体験がブレーキをかけちゃって…」 「ふぅん」 「だから手を繋ぐだけでもすごい嫌悪感があったのね。」 「…え?さっきは手を繋いでたよ?」 「だからね…不思議なの。自分でも戸惑ってる。」 彼女の横顔は先程までとうって違い、微笑みが消えていた。 何かを思いつめたような…それでいて後悔している様な… その寂しそうな横顔に、いてもたってもいられなくなり彼女の前に回る。 「…ならさ、好きになってみる?答えもおのずと出てくるかも知れないよ?」 「え?」 彼女に近付き、形の良い唇を奪う。 しかし体温のぬくもりと共に細かな震えが伝わってきた。
どう思ってるのかな…? そう思っていると彼女が口を開く。 「いっぺんに感情がぐちゃぐちゃになっちゃって… どうしたらいいのか自分でも分からなくなって…」 「うんうん」 相手がパニクってる。こういう時は素直に聞き役に回った方が懸命だ。 「全然イヤじゃないの。」 「あれ?そうなの?」 「だから余計に訳分かんなくなっちゃって。何で斉藤さんは大丈夫なのかな?って…」 「え?いや、そんな事オレに聞かれたって…」 逆に戸惑ってる俺の前に彼女が立った。 「だからね、斉藤さんの言葉通り、もうちょっと付き合ってみようかと思って。」 そう言うと抱き付いてきた。 ふわりと品の良い髪の香りが漂ってきて、胸に回した手に力がこもってくる。 肝心のオレは何となく背中に手は回してみたものの、まだ迷っていた。 彼女の髪に顔を近付け、耳元で小さく聞いてみる。 「…いいの?大丈夫?」 「分かんない。…でもたぶん大丈夫な気がする。」
オレの胸に顔を埋めているのでくぐもった声だったが、ひしひしと気持ちが伝わってきた。 たぶん不安なんだろう。今までに無い経験と、自分ではコントロールできない深層心理… そういう気持ちに負けない様に振るい立たせているに違いない。 言葉が出ない。 いとおしい。 背中に回した手にぐっと力を込める。 既にオレの感情も喜びと不安とぐちゃぐちゃになっていた。 そういうモノも全て伝わって欲しい 気持ちを伝える為に。伝わって欲しい。伝えて欲しい。 彼女の背骨が折れんばかりに力を込める。 彼女もこの細い体のどこにそんな力があるのだろうか? そんな事を思えるぐらいの力でしがみついてくる。 そしてさっきと違う、長くて深いキスを始めた。
実は彼女とこうなっている時、もう一人彼女がいた。「池山」と言う。 知り合った時期は田辺さんの方が早かったものの、やはり男性への不信感がある事や、 仕事の営業さんという見方しか出来ず、余り深い肉体関係にはならなかった。 片や池山さんは普通の恋愛を経験しており、週末に彼女の家に行く事が習慣になっていた。 田辺さんは同じ業種で趣味も近い。ヲタ話も問題無く、自らマンガオタクとか言うが、しかし… 片や池山さんは、全く違う仕事。ヲタには興味も無い。唯一スノボ繋がりぐらいだ。 顔はメガネ娘好きなオレにとって田辺さんの方が魅力的だが、池山さんの方がキレイだ。 正直迷った。 もうオレも25歳。結婚適齢期真っ盛りだ。 安定して心置きなく話せる田辺さんか、全く接点が無いけど刺激を受けられる池山さんか…? そこで転職前の先輩(×1)の言葉がふと甦る。 『結婚するなら顔が好みの方にしろよ。 ケンカしても(あぁ。オレはこの顔に惚れたんだっけ)ってなるから、 そんなに派手なケンカにならないから。』 なら顔も好みで、いつも新しい事が学べる池山さんの方がいいかも… こうしてオレは池山さんと結婚する事にした。 田辺さんにはメールだけで報告する。 「結婚しました」と。 運命の歯車が狂い始める
池山さんとの甘い結婚生活は半年ともたなかった。 お互いにお互いの仕事や趣味を理解できず、 それぞれが持っている本や荷物はゴミとしか思えなくなっていた。 ただの[同居人]としか思えず、ケンカが絶えなかった。 しかし結婚していれば夜の営みもしなくてはいけない。 当然ナマでしていればいつかは妊娠する。 妊娠してからはお互いの精神の不安定さは更にエスカレートした。 そんな時、仕事でメールが来る。 『△△の見積りをお願いします。 〜〜〜〜〜 何か悩んでる?私でよければ相談乗るよ?』 その言葉は結婚生活に疲れていたオレにとって一筋の救いの光に見えた。 『見積りお送りします。 〜〜〜〜〜 いや、結婚生活が上手くいかなくて…ねぇ。 辛いッス』 『見積り受け取りました。ありがとうございます。 〜〜〜〜〜 グチなら聞くよ。ウチならゆっくり話せるけど来る?』 え?マジ?彼女の家はちょっと遠いが、今日はバイクだ。距離的には問題ない。 『いえ、今後ともよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 じゃあ会社終わったらバイクで行きます。 家の近くに着いたら電話します』 嫁さんに「仕事で飲みに行く」と連絡を入れバイクを走らせる。 こうして不倫は始まった。
結婚前にも田辺さんと身体の繋がりの試みは何度かあった。 しかし、精神的にストップが掛かる為か、入口で拒まれてしまう。 そんな事も有ったり、結婚生活を思い出したくなくて仕事に没頭して、 彼女とは仕事のメールでやり取りするものの疎遠になっていた しかし久しぶりに入る部屋には彼女の温かみが溢れていた。 「お疲れ様。寒かったでしょ?」 彼女はコートとスーツの上着を脱がせてくれてハンガーにかける。 「ご飯食べる?昨日の肉じゃが暖めるけど。」 「あ、うん。食べる。」 手馴れた手つきでてきぱきと食事の用意を始める。 擬似的とは言え、本当に自分の家庭の様に感じ始める。 いてもたってもいられなくなり、味見をしている彼女を後ろから抱きしめる。 「ん?もうちょっと待ってて。ご飯食べてから。ね?」 「ダメ。ガマンできない。」 彼女の弱点である耳から首筋へ唇を這わせる。 「…ん…ダメだったらぁ…ね?ご飯食べてから…ん…」 聞こえているにも関わらず、聞こえてない振りで彼女の手からお玉とお皿を取り、キッチンに置く。 「もう。甘えんぼさん」 くるりとこっちを向くと彼女の方から舌を滑り込ませてくる。
池山さんは至ってノーマルであり、前カレともたぶんノーマルなセックスしかしていないだろう。 それはアナルや足の指を舐めた時、明らかな嫌悪を見せた事で分かっていた。 しかし田辺さんは違った。 当然男性とは未経験であり、オレが全てを教えていった為、オレ好みの行為をしてくれる。 「もう。もうちょっと待てないかなぁ」 彼女はそういいつつも艶やかにぬれた瞳を向けつつ、オレの首筋にキスをしてくる。 その唇は時々吸ったり、舌でオレの肌を感じるかの様に蠢く。 両手はシャツのボタンをゆっくり外し、オレの乳首を細い指で責め始める。 オレも負けじと彼女の上着のボタンを外して細いが女性らしい丸みを帯びた肩まで露にさせる。 ベージュのブラが誠実な彼女の性格を物語っているが、 ホックを外すとそこには期待に満ちたピンク色の突起がすでに立ち上がっていた。 ゆっくりと中指で転がし始める。 オレは自分の乳首を触られつつ、彼女の乳首も触るのが好きだった。 これなら男性や女性という性別を超えて、同じ感覚を共有できるからだ。 その感覚を彼女も理解してくれたのか、二人のセックスはここからいつも始まる。
彼女の乳首がだんだん硬さを増していく。 「すごい…こんなにカチカチになってるよ?」 「斉藤さんのだって…ん…」 いたずらっぽく彼女の乳首を親指と中指でやや強めにつまむ。 その度に彼女の身体はビクビクと小さく波打つ。 「…はぁ…ん…もぅ…いじわる…あ…」 「ん?何がいじわるなの?」 「もぅ…ダメ…ね?ベット行こう?」 「うん。」 彼女のはだけた上着をピアスに引っかからないように注意しながら脱がせ、ブラも外す。 やや小ぶりだが、形のよい乳房が露になる。既に充血し上半身はピンク色に染まっていた。 先にオレは全ての衣服を脱ぎ、彼女を立たせた後にしゃがんで下半身へ移る。 スカートのホックを外すとナチュラルブラウンのパンストが目に入る。 彼女がオレの肩に手を置き、するするとパンストを脱がせる。 オレはこの瞬間が好きだ。まるで蝶が羽化するかの様に白い脚が徐々に露になっていく。 彼女は目をつぶりながら、オレの手の動きをじっと観察している。 すでにパンストの秘密の部分にはパンツを通り越して 隠すことの出来ない恥ずかしいシミが出来ていた。
彼女の手を取り、ベットまで促す。 横になった瞬間に彼女は首に腕を回してくる。 彼女の舌はオレの口の中を隅々まで動き、オレの味を楽しんでいるようだった。 オレも彼女の甘い唾液を舐め尽さんばかりに味わう。 しばらくの間、ぴちゃぴちゃと唾液が混ざり合う音が部屋に響く。 「…あのね」 「ん?」 「私の身体は全て斉藤さんのもの。口も胸もアソコも全部。だから好きにしていいからね。」 「うん。」 「だから斉藤さんの身体は私のもの。口も胸もアレも。精液も私のものだから。私が全部飲むの。」 「…うん。」 今までに付き合ってた女の中でここまで言ってくれた人がいるか? 感慨深くなりぎゅっと強く抱きしめ、彼女も応じる様に抱き返す。
由香里タソ、情が濃そうだ。 こりゃ深みにハマるわ(ぉ 続きキボンヌ
>>228 >由香里タソ、情が濃そうだ。こりゃ深みにハマるわ(ぉ
えぇ。濃かったです。どろどろですw
どうしても精神的な部分を書いてるのと状況説明みたいなのが入るんで、
長文になっちゃいます…_| ̄|○ 読みにくくてスマソ。
彼女の形の良い唇から耳、首筋、肩へと舌を滑らせると、その度にびくびくと彼女が反応する。 腕を上げさせ、脇の下に移ると、ジャリっとした剃り残しの感触と共に、上気した汗の匂いがしてくる。 恥ずかしさからか腋を閉めようとするが、構わず舌を這わせ、匂いを嗅ぐ。 オレは彼女の『生』の匂いが好きだ。作られた香水などには到底真似出来ない『生』の香り。 それはオレの五感全てを刺激し、脊髄から男性の中心まで電気を走らせる。 「ごめんね。お風呂入ってないから臭いでしょ。ごめんね。」 「ううん。生の匂いって好き。大丈夫だよ。」 それを聞くと彼女はオレの頭をぎゅっと抱きしめてくる。 脇腹から正面に回り、期待に震えている乳首を避け、その回りをゆっくり舌でなぞる。 時折乳首に触れると身体が震える。 いきなり両側から頭を掴まれ、乳首へと誘導される。 「しっかり舐めてくれなきゃイヤ。」 「はいはい。いつからこんなに積極的になったのかな?」 「誰のせい?ん?」 「田辺さんのせい…かな?」 オレは彼女の身体をベット中央へ下げ、半分重なるように覆いかぶさる。 ちょうどお互いの乳首が口に来るかたちだ。
オレが硬くシコった乳首を口に含むと同時に、オレの乳首にも暖かくヌメやかな感触が伝わる。 舌を尖らせ彼女の乳首を左右に転がす。彼女もオレの真似をして転がし始めた。 指とは違う、舌と乳首の感覚が二人に通じていく。 唇で強くはさんで吸うとさらに彼女の乳首の硬さが増す。 それと同時に熱気を含んだ声が彼女の口から漏れる。 「…あぁ…ダメ…ん…はぁ」 そうだ。彼女は興奮が強くなると口を離しちゃうんだっけ。 彼女の口に乳首を押し付けると、またむさぼり始める。鼻から漏れる吐息が心地いい。 そのまま身体を下にずらしてパンツに近付く。 すでにそこは指を触れていないのに、ベージュ色のパンツの中心には 隠すことの出来ない興奮が現れていた。
おっさんのエロ妄想乙 ……ごめん、ちょっと引くわ
これだけだと荒らしっぽいので。 受け付けないのは田辺さんとやらが男に都合良い性格しすぎてるせいかな。 あと、いきなり虐待カミングアウトとかもうさんくさくて萎えちゃったよ。 エロも男が興奮するような変態要素ばっかで引いた。 悪く言っちゃってごめんね。ROMに戻ります
>>232 >おっさんのエロ妄想乙
>……ごめん、ちょっと引くわ
そっすね。途中から何書きたかったのか自分でもぐちゃぐちゃになってきました。
正直、表現が難しいですね。
露骨にするとオヤジやらフランス書院っぽくなるし、
変にボカしたりすると、とたんに伝えたい事が見えなくなってくる。
難しい…orz
>>233 >これだけだと荒らしっぽいので。
いや自分でも「さすがにこれはマズいなぁ」と感じてました。
ただ、男性不振→不倫にのめり込む→泥沼…って事を表現したかったので、
ある程度は描いた方がいいんかなぁ…と。
ただ導入部分とかはノリで描くのではなく、
きちんと最後までのあらすじを作ってから、
伝えたい事、書きたい事は何か?に絞って書いた方がいいですね。
いや、オヤジのオナイー小説って言われても仕方ないです。
>受け付けないのは田辺さんとやらが男に都合良い性格しすぎてるせいかな。
>あと、いきなり虐待カミングアウトとかもうさんくさくて萎えちゃったよ。
これは実話なんですが、今までに恋愛経験が無い事と、
オレの事を抵抗感無く受け入れられた事が「運命の人」的に見えたらしく、
『全てを捧げる』、『相手の意思に関係無く気持ちを押し付ける』事しか
愛情表現が出来なかったそうです。愛情表現を知らなかったって言うか…
本来、普通の恋愛をしてきたら自然と学ぶんですけどね。
いきなり不倫だったんでその辺が抜けてたと。
虐待の方は、もっとひどくて性的虐待だったらしいです。あまり深くまで聞きませんでしたが。
そういうのが感情のブレーキをかけてて、余計付き合えなかったらしいです。
>エロも男が興奮するような変態要素ばっかで引いた。
どこまでがノーマルで、どこまでがアブノーマルか…
これって二人の付き合い方にもよるんだと思います。
人によってはフェラでさえもアブノーマルと言うし、
お互い同意の上だとSMもノーマルと言えるでしょう。
私は「お互い気持ち良くなれるならノーマル。相手が嫌がることがアブノーマル」と考えてます。
この辺はどうしても個人の嗜好による部分なので、あえて何も言いません。
スレタイに合わない内容なのでもう止めます。
スレ汚しスマソ
小説じゃなくてノンフィクションなの?
>>236 私小説に限りなく近いフィックションってことでひとつ
女の子は、ヤッてる描写以上にシチュに萌えるんだよね。 どういう過程でヤることになったかが鍵なんだけど、 主役である女の子だけを一途に、なおかつ大切に思ってる男を相手持ってくると 結構たくさんの人に読んでもらえる。 ヤッてる場面では、女の子の体を気遣う描写を 所々にさりげなく散りばめておくとなおいいかも。 これはあくまでも個人の意見だし、鵜呑みにはしないでね。
>>238 >女の子は、ヤッてる描写以上にシチュに萌えるんだよね。
>どういう過程でヤることになったかが鍵なんだけど、
なるほど。シチュエーションかぁ。
たぶん、最初のキスシーンとかまではギリギリ良かったのかも。
導入部分が長すぎですけどね(汗
>主役である女の子だけを一途に、なおかつ大切に思ってる男を相手持ってくると
>ヤッてる場面では、女の子の体を気遣う描写を
>所々にさりげなく散りばめておくとなおいいかも。
どうしても不倫ってネタなんで、最初は気が合ってるとしても、
どうしてもその後は都合のいい女扱いになってきちゃう。
そうなると、だんだん『一途で大切に思う』っていう感情が希薄になってくるんだよね。
『不倫ってそういうものなんだよ?』的表現をしたかったんだけど、
相手を気遣う場面より、男目線の表現ばかり出てきて、感情とかの表現が薄かったんじゃないかと。
むしろ性描写の表現では無く、
お互いの心理状態や心の動き、それに対しての肉体の反応(目とか腕とか)などの表現の方が大事…って事かなぁ?
ふむふむ。
240 :
238 :2005/09/12(月) 23:00:35 ID:g5IPs9iJ
>>239 つけたし。
あなたの小説、個人的に好きですよ。
すごく萌えたし、楽しませてもらいました。
ありがとう。
リアルでそういう女がいたとか作者が語りだした時点でアウトだあたしの場合。 もうオナニー臭強くて読めない。 何で小説として線引きできないかなあ。
ベージュ色のパンツ ぐらいしか印象に残らなかったな。 でも楽しめたって人もいるみたいだしよかったじゃん
その女の子の為にも、この先は書かない方がいいな・・・ 文章は読みやすくていいと思うけど、 その子にとって大切な思い出はあんまりこういう所で曝さない方が。 おせっかいすんません。
>239 >不倫って いや、客層というものがあるからこそ この板にはこんなにやたらめったらスレがあるんですが。アンダスタン? 正直何つーの?意見合わないからって このスレの人間の嗜好の方を変えようとしてるのが 見えて来てすんごく嫌。 それこそオナニーだろ。しかも自分語りしてるし。
このスレの住民の大半は、不倫ネタは向かないかもな。
えっちの内容云々ではなく、注目所はシチュですな、やっぱ。
「女の子でも感じる小説」だから、
>>238 で挙げられてるようなピュアなえっちっていうか、
あまりドロドロしてない内容のほうがいいと思う。
体験談を語るスレもたくさんあるんだし、そっちで続き書いてみるのはどうですか? 楽しみな人もいるみたいだしさ。 最初に実話だって言ったり自分語りしたりなければもうちょい違ったかもしれないけど 自分もダメだった。すまん。
247 :
名無しさん@ピンキー :2005/09/13(火) 09:08:59 ID:3CCTZ5zQ
しかし、なんだかな。 ここ、こんなに人いたのか。 なのに(だからか?)えり好み激しいというか… まあ、作者語りが嫌な人は嫌なんだろうけどさ。 書き手さん怖がって益々投下無くなるんじゃないか? 色々なの読みたいよ…
>>247 >色々なの読みたいよ…
同感です。
読んでる人の性的な趣味は多様ですから、全員にヒットは難しい。
誰かの好きな小説は誰かが嫌い。そういうことで。
とりあえず自分語りはスレ違い
っていうか、実話をもとにしてるって言っちゃった時点で('A`)テラキモス
ってかアドバイスもなくて批判しかしない香具師オメガキモス(・∀・)
そこまで絡むこともないような。 気に入らなければスルーすりゃいい。 もうこのスレも終わりかなと思ってたらラベンダー読めたし。 期待せずにいるといい事あるよ。
よくも面白くもなくてアドバイスする価値を感じなかった。 問題発言以外はスルー対象に過ぎなかっただけだから仕方ないでしょ。 つまらない作品を誉め殺す必要がある?
>>253 そう思ってんなら、最後までスルーしてやれよ……
>>253 そういうイラン事言うから、書き手も来づらくなるんでしょ?
ヌルーならヌルーすればいいんだし。そういった意味で
>>251 の意見に賛成。
自分語りしない書き手さん待ち
書き手が来なくなる発言をしている奴らはスレ違いどころかお門違い 今回書き手本人がイタかったので庇う必要などどこにも無い まともな書き手さん待ち
>>257 > 書き手が来なくなる発言をしている奴らはスレ違いどころかお門違い
> まともな書き手さん待ち
warata
「書き手がこなくなる」発言、てことじゃないの
>>259 あなたが書き手だとして、「まともな書き手です」って自信を持ってここに来られるとしたら、
それはそれで怖いな。判定は257氏がしてくれるようだが。
全く。おバカな方々の集まりですね。ここは。
「誉め殺す」だの「庇う」だの。
>>257 書き手がイタいのはしょうがないが、待つんじゃなくて自分で書いてみたら?
たぶんあなたは「まともな書き手」が分かるぐらいだから、
「まともな書き手」だろうし「まともな小説」が書けると思うよ。
って事で>251>260の意見にハゲドウ
>261 開いた口がふさがらない。釣られてどうするよ。 モチでもついて、頭を冷やすの推奨。 あらためて感想を。 前半の出会い編、メール部分など、 ほどよく端折ったほうがすっきりしたかもしれませんね。 会ってからの描写は読みやすいし、いい感じでした。 >なら顔も好みで、いつも新しい事が学べる池山さんの方がいいかも… 読みながら、ココでちょっとコケそうに。 もっと他の書きようがあるだろうと。 変態ちっくと言われたエロ描写、個人的には好みでした。 匂いフェチ&エロに貪欲そうなヒロインは、いい組み合わせでしたね。 これから濃くなりそうだったので、残念です。
>>262 >なら顔も好みで、いつも新しい事が学べる池山さんの方がいいかも…
私はそれ、主人公の身勝手さ、どうしようもなさがあらわれていて
かえって良かったと思う。
前半二行は全く同意。
>>202 には頭を冷やす雪解け水をどうぞ。
武勇伝は小説と違うからアドバイスは必要ないだろうに。 202は実際抱いた女の性的虐待の過去まで語りたいなら体験談スレにでも行くべき。 女の子でも感じる小説=女の子を晒しものにする武勇伝じゃない。 感想やらと甘やかしてるとまた相手を換えた武勇伝書くよこういった奴は。
>>261 実体験ならえっちねた板とか沢山あるだろうに。
完全にスレ違いな上に、冒頭から実話だと暴露する。
挙げ句グダグダ自分語り垂れ流しして、少しでも批判されると逆ギレか。
おめでてーな。
おっさん、ホントにいくつなのよ?
男の25歳で結婚適齢期ってさ……何十年前の話?w
しかも誤字脱字酷い上に、半角文字。ヲタ趣味まで自分語りか。
体験記ならそれらしくするか、少しは小説の体を成す文章に整えればいいものを。
最低限の国語能力も、社会性もない馬鹿ってことはよーくわかったよ。
いらん自分語りするから批判されるんだろ。
女房をわざわざ名字で表記したりつっこみどころは多すぎるが
逆ギレおっさん、全身からイタタ臭と腐臭が漂ってるよ。半年ROMれよ。
そうだな、この場合は小説というより「実体験」だから、 内容や話の展開についてのアドバイスしようが無いもんな。
ちょっと頭冷やしてみた。
まぁ別に自分の実年齢言うつもりもないですしね。
過去ログ見たり、POMって無いから「どう内容を書いたら良いのか」ってのを知らなかったのは事実。
正直、実体験だの武勇伝だの言われるだろうと想像してたのも事実。
んで、今まで書いた文章は精神的なものも分からず手探りで暴走して描いてたのも事実。
>>239 に書いた様に、もっと表現力を勉強したい。上手くなりたいって気持ちはありますね。
今までに書いた事の無い精神描写のカテゴリに挑戦するのは面白いですし。
なので、書き方のアドバイスをしてくれる方は嬉しいですし、もっとダメ出ししてもらいたいです。
内容についてはスレタイと全くかけ離れたものになってしまったので、
これはホントに謝るしかないです。ごめんなさい。
で、内容について「誉め殺す」必要も無いですし、「庇う」必要も無いです。
批判をするのは全然構わないですが、表現方法の建設的な意見がないのは辛いですね。
どうせ批判するなら「こういうのが見たい」「こういう心理描写を入れろ」とか言われた方がいいです。
「好き」「嫌い」ってのも個人的な主観なので私にはどうしようもないですし。
いや、内容については本当にすいませんでした。
POMらなくていいからROMれww ケータイからか? 実体験を基にして書いている人はきっと他にもいるだろうさ。 だけどそういうのが今まで話題にならなかったのは、そういうことをおくびにも出さなかったからだろ。 そこは内容以前の問題だわな。これが無ければもっと冷静なレスが多くついたかもね。 でも続きは正直他スレでやって欲しい。スレ違いだから。 上手くなりたいんなら他のスレや他の板で勉強して来い。 このスレに合うようなものが書けたら、ぜひ投下してくれ。きっと誰かが待ってるから。
どこまで注文が多いかまって野郎なんだ? POMってなんだよ。 過去ログも見てないってなんなんだ? だから空気読めない一人語りしか出来ない訳だ。 小説はおろか、まともな文章読んだこともないような破綻した 日本語しか綴れないんだな。 勘違いすんなジジイ。 ここまで馬鹿な奴は初めて見たよ。 ROMの意味もわからねえ初心者はもうどっか逝けよ。
こういう場でアドバイスや批評を求めるのはちょっと違うんじゃないかな。 ここは文章を添削してもらうスレじゃないわけだし。 自分が欲しかったレスがもらえなくても、それは仕方が無いこと。
ここで俺様ちゃんがいいかんじに作品を投下・・・の才能はないんで 偶然のご縁に任せ、ぐっとくる作品を待つですよ。
>>269 要約すると「スレの中身を知らないし知る努力もしないけど書き散らかすよ。
俺さま足りないのは精神描写だけだから上達のために指摘してね」と?
自分語りもやめようと思ってないみたいだし、礼儀知らずな上に勘違いも甚だしい。
まずは嫁に武勇伝読ませて自分語りしてから指摘してもらえ。
自分の打ち込んだ活字にうっとり酔いしれちゃうタイプなんだね
一応
>>202 は投下の前に不倫ネタであること、スレ違いの可能性があることは公言しているんだから、
それを了承した住人(ROM含め)にも責任はあるんじゃないかな?
ただ
>>202 も投下の前に過去ログを読んだりROMったりして
スレの空気は掴んで欲しかったかも。
それで注意書きを書いておいたりしてくれたら、
もう少し読み手もこの小説を受け入れやすかったと思う。
問題はネタじゃなくて実話だった点と自分語り。 不倫ネタならまだ小説だったんだけどね。
テンプレも読まず過去ログも読まずにいる池沼なんか どうでもいいや。 文章もメチャメチャだし、頭の不自由な親父のオナニーなら チラシの裏にでも書いてろボケ。
実話だとバラしたのはマズかったよね。 そうと分かっただけで萎える人って多いから。
実話でも何でも、自分的に読んでよかったと思える作品だったら構わないんだが 悲しいかな書き手の技(ry
ここまで空気読めてなくて下手糞なのは初めて見たよ。 もはや邪神と呼んでもいいほどの低レベルな奴だw
邪心は言い過ぎでそ
女の子が感じるといったら巨根だよね
でかけりゃいいってもんじゃないことを(ry(おっぱい占いの人の声で あんまりおっきすぎると痛いね。
大きさよりも、相性だよね
|д`)つ とりあえず巣に帰っておいで
>>202
288 :
名無しさん@ピンキー :2005/09/22(木) 20:56:39 ID:4AiwOB3Z
ほしゅ
ワラタ
ワラタ
ワラタ
ワラタ
ワラタ
ワラタ が続いてる意味が分かってもっとワラタ
297 :
ワラタ :2005/09/28(水) 02:57:49 ID:k4wLoVaW
ワラタ
298 :
名無しさん@ピンキー :2005/09/28(水) 09:30:45 ID:HunUOTOV
ワラタ
ワラタ
>>50 この話、あるサイトで読んだんだが、ご本人が投下したのだろうか? それならいいんだけどさ。
>>202 田辺さんは辛かったろうな。セックス拒んでたらメールの一言で結婚知らされて。
だから、不倫の時はああまで積極的だったんだろう。捨てられないように。
池山さんもしんどかったろうな。結婚して、意見の相違はあってもとにかく妊娠して、
とてもナーバスだろうに、支えてくれる筈の旦那が逃げちゃったら。
主人公は色々なことにとても無自覚だ。
それはこのSSの書かれる筈だった後半への伏線なのかな?
こうした物語りが大抵そうであるように、なんやかやあった後で主人公はきっと何かに気付いたり、
教訓を得たりするんだろうけれど、それはどういったものになる筈だったんだろう。
残念ながら未完なのでそれはわからないわけだけど。
ただ、作者さんの幾つかの発言が、なんとなく、結末で主人公が辿り着く場所を暗示してしまっている気がして、
SSとして自立した評価を得るためには、あれはないほうが良かったかなあ、と思う。
後半も、読みたかったです。
それと、最後に冷静にレスしたのは勇気がいったと思う。
よくやった。
ナニこのジサクジエン
確かに自演の臭いが…
>>304 >>306 自作自演かそうでないかはどうでもいい。私も知らん。
ご自分の書かれたレスをよく読み返してみるといい、今回のあなた方はただの荒らしです。
21歳以上板住人ならそういう憶測は一々書き込まずスルーなさい。
>>307 この加齢臭漂う物言いが余計に自演を疑わせるんだよ。
ていうか、
荒らし認定してるのなら、いちいち荒らしに構わずスルーなさい。
なんでよりによってこのスレ選んだんだろう >おんなのこ のただ一単語に反応しちゃったのか
>>309 スレの選択を間違わなければ大絶賛だったかもしれないのにね。
勿体無い。
>>311 じゃこのへんでこの件は終了って感じで。
ひとつでも多くのエロが見たくてここに来てるから、
延々と無関係な議論で埋まってくのは個人的に勘弁。
暇にまかせたスレ消費よりは、じっくりみんなで投下を待つのがベスト。
だいたい昔から、ここって過疎の時期多かったし。
おんなのこは不倫系じゃ感じづらいよ。
文学としては評価出来る余地あるかもだけど。
今のとこお気に入りは
>>135
私は不倫系でもぜ〜んぜんかまわないし、 そういうネタも読んでみたいけどね。 ただ、202は男視点のせいか、どっちの女も男に都合よすぎだし、 男そのものの魅力が伝わってこないっていうのが痛い。 「魅力ないし、不倫だし、なんでこんな男…?」っていう、 不倫女の葛藤なら、おんなのこ、でも感じられるかもしれない。 不倫ネタが受け入れられなかった原因ではないと思うよ。 とにかくスレタイ嫁。
>>314 はげどう。
202は寧ろ男性向きかと。
つーか今の今までくすぶってる時点で痛いっしょ ↓以後おんなのこでも感じるえっちな小説よろ
「ねえっ。百合(ゆり)はさ、好きな男の子とかいるの?」 昼休み、青空の下。 本当は立ち入り禁止の屋上だけど、私たちはいつもここでお昼を食べていた。 雨が降ってたりして天気が悪くない限り、いつでも。ここで、二人。 「んー、そうだなあ。C組の佐藤くんとかかっこいいと思うけど〜。」 私が問いかけた相手、鈴木百合はコスモスのように可憐な笑顔で答える。 セミロングの薄茶色の髪が揺れている。 別に脱色とか染めたりとかしてるわけじゃないって彼女は言ってた。 私にもそれはわかる。だって、とっても色白で綺麗な肌をしてるから。 「好きってわけじゃないよ。今は特に好きな人なんていないかな?」 フォークの先にタコさんウインナーをくっつけて、ぷらぷらと振っている姿が可愛い。 本当に、なんて可愛い女の子なんだろうって思う。 芸術的なほど可愛い女の子って、嫉妬とかの対象じゃなくなると思う。 彼女を見ていると、自分と比べてどうこうってんじゃなくて、その姿を見ているだけで 和めるっていうか、心が癒されるっていうか、まあ、そんな感じ。 「舞の方こそどうなの? まあ、今の時期、そんなのに気を取られてる場合じゃないけどね〜。」 そう。女の子って、24時間恋してるって言う生き物。 勉強してても、食事をしてても、女友達と会話してても、 いつだって心のどこかには好きな相手を住まわせてる。 でも、そういうのって、時には何もかもをダメにしてしまう邪魔な感情でしかない。 受験を間近に控えた同級生たちの中には、好きな男の子のことなんかで悩む時間より、 一つでも多く英単語や定理や公式なんかを覚えたりする時間の方がよっぽど重要って そんな空気が流れてる。 ――まあ、私はそうは思ってないんだけど。 「そだね〜。あたしも好きな男の子なんていないなー。」 私は苦笑いして即答する。 うん。好きな男の子なんていない。 だって……私の好きなのは……
>>316 即興してみたけど無理だったw
えっちじゃない……w
「困ったことがあったら、いつでも来ればいい」 先生はそう言って、私に鍵をくれた。 それから私は、別に困ってなくても、先生の家に遊びに行っている。 先生は別に嫌な顔をする訳でもなく、私のつまらない話に付き合ってくれた。 私は甘えているのかも知れない。そう言うと、先生は笑った。 「君は頭いいな。だが、その年なら、甘えられる大人は一人でも多くいた方がいいな」 そうやって頭をくしゃくしゃと撫でられると、私も悪い気はしなかった。 先生の家で勝手にCDを聴いたり漫画を読んだりしていると、時間はあっという間に過ぎる。 「勉強はどうだ?」 「今は、上から三番目」 「素晴らしいな。その調子なら、親御さんの意向通り、医者になるのも難しくはないな」 「まあね」 先生は布団に座って、パソコンで何かプログラムの仕事をしていた。 私はその背中にもたれて、昔の漫画を読んでいた。 「面白いね、この漫画。借りてっていい?」 「駄目だ。親御さんは厳しいんだろう。ここで読んでいきなさい」 「えー?」 「それとその漫画はレアなんだ。失くされては困るんだ」 奥付を見ると、確かに私の生まれる前の年だった。 「はあーい。このCDも格好いいよね」 「大昔のバンドだ。一世を風靡したが、私の生まれた年に解散した」 「そんなの何で先生が持ってるの」 「親が好きだったのさ。大学祝いにコレクション全部くれたよ」 「ふうん。変わったお祝いだね」 「変わった家系だよ、うちは」 日がなそんな変わった会話をしているうちに、日が暮れるのだった。 「さ、帰んな。親御さんに心配されたくないだろう」 「そうですね。じゃ、また、今度の土日に」 「待ってるよ」 先生は玄関まで私を送ると、いつも笑顔で手を振って見送ってくれた。
Baroque #2 先生は変わった人だった。東大生なのに東大が嫌いで、東大医学部には行くな、と言っていた。 あそこが東大の中でも最難関だということは、私も一応受験生なので知っている。 でも、家庭教師が生徒に言う台詞とは思えなかった。 「何のために大学に入る?」 「…考えたことない」 「就職のためだ。まっとうな医者になるためなら医科大に入るのが正しい」 そこまではっきりと言い切る先生は初めてだった。 私は先生の携帯番号を訊いて、それからよく一緒に街を歩いた。 私としてはちょっとしたデートのつもりだったが、それが親の癇に障ったらしい。 テストで十番以内に入ったその日、私は先生がクビになったことを知った。 携帯も勝手に解約されていて、私は生まれて初めて親をひっぱたいた。 家の電話で先生を呼び出して、駅前で逢った時、先生は驚いた顔をしていた。 それはそうだろう。私は親に殴り返されて、唇を切っていたのだから。 「女の子の顔に、ひどいことをするもんだなあ」 先生は間延びした声でそう言うと、こっそりと鍵をくれたのだった。 「いいんですか?」 「どうせ私は合鍵を持っているんだ。場所は知ってるだろう」 私は手のひらの鍵を見つめると、ぎゅっと握り締めた。 「分かりました。親にはもう絶対にバレないようにします」 そのとき私は、相当思いつめた顔をしていたらしい。先生は少し困ったような顔をしていた。 「見つからないようにしろよ。私はいいが、君が困るだろう」 「はいっ」 「うん、いい返事だ」 先生はにっこり笑った。 (ああ、そうか) 先生の笑顔を見て、気が付いた。 (私はワルイコなんだなあ) 親に歯向かって、先生に甘えている。それにこれは、ちょっとした秘密の逢引じゃないか。 そう思うと、私もくすくすと笑った。 つまんない毎日が、少しだけ楽しくなるかも知れない。 そう、思った。
Baroque #3 私は先生が好きなんだろうか。 先生は私のことをどう思っているんだろうか。 先生は、デートの最中でも、犬や猫を見ると、そっちの方に気を取られる。 可愛い動物に目がないのだそうだ。 (私もひょっとして、そういう小動物扱いなのかなあ) そう思うと少し嫌だったが、あえて口に出すこともないなとも思い、黙っていた。 「楽しいかい?」 「うん」 先生はデートのたびに、一度はそう訊いてくる。 私は楽しいから素直にそう答えるのだが、たまに先生の目が一瞬半眼になっていることに 最近気づいた。 (何でだろう。ひょっとして先生の方は楽しくないのかな) 先生が社会人になってから、徹夜や休日出勤が続いている、ということは知っていた。 本当は休日は寝ていたいのかも知れない。 そう思うと、私のしていることが、先生の迷惑を顧みない、随分と失礼なことのように感じてきた。 そういうときに限って、先生は謎かけのようなことを訊いてくる。 「君たちの年だと…いや、君は、恋愛ということを、どう思う?」 先生の問いかけは、いつも思いつきのようでいて、必ずどこか鋭い刃のように私の胸を刺す。 「…どうしたんですか、先生?」 「純然たる好奇心だ。私はそういうのに詳しくないんでな。分からないというのが悔しいというだけだ」 東大生にも分からないことはあるんだ、と思った。 「好奇心でそういうの訊くのはよくないと思います」 「じゃあ真面目に訊くか。真剣に知りたいんだ」 「さっきと同じことじゃないですか。そういう人には、教えてあげません」 「…ははは、敵わんなあ」 先生はパフェを崩すと、苦笑いをして窓の外を見つめた。 私にはその苦笑いの意味が分かっていなかった。 ただ、先生の眼鏡の奥の鋭さに、とても胸が騒いだ。 先生は何かが不満なんだ。 一体、何が足りないんだろう。
Baroque #4 先生の家で、薬を見つけた。 私も馬鹿じゃないから、プロザックという薬が、何かよくない薬だということは何となく知っている。 (何で先生は、こんな薬なんか飲んでるんだろう) たまに先生のことが分からなくなる。とても不安だった。 先生の携帯に着信が入っていた。 私の知らない女の声が入っていた。 とても楽しそうに、小説を返す、と言っていた。 私は、なぜかすごく気分が悪くなり、伝言を勝手に消した。 それからしばらくの間、先生に逢うのが辛かった。 先生の家にはエロ本がなかった。 大抵男の人はエロ本を持っていて、それは布団の下に隠してあるものだと思っていたが、 本当にどこにもなかった。 家捜ししていたら、コンビニから戻ってきた先生が、呆れた顔で私を見ていた。 「見られたくないものもあるから、勝手に家捜しするのはやめなさい」 「んー…エロ本とか?」 「そんなものはない」 「何で?」 「何だっていい。とにかく家捜しは勘弁してくれ」 先生は溜め息をつきながら、買い物袋を置くと、布団の上に座った。 何でそんなことをしたのかは分からない。 私は先生に抱きついていた。
Baroque #5 先生は相当驚いた顔をしていた。 私は先生の耳元に口を寄せて、自分でも全く考えもしなかったことを言っていた。 「先生、私のこと、欲しいと思ったことないの?」 多分私はそのとき、小悪魔のような顔をして笑っていたんだと思う。 本当に、何でそんなことになったのか、自分でも不思議だった。 事実、数秒後、私は小悪魔の表情のまま、自分の発言に激しく後悔していた。 (…何を言い出すんだ、私) 先生の驚いた顔は変わらなかった。そりゃそうだろう。自分でも呆れてるんだから。 そのまま、気まずいというか、間抜けというか、よく分からない沈黙がしばらく流れた後、 先生の目が静かに半眼になっていくのを私は見逃さなかった。 「なるほど、そういうことか。分かったよ」 私は恐慌にかられた。どうやら私はまたしても地雷を踏んだらしい。 いくら私が、経験のないただの女の子だとは言え、これが相当大きい地雷だということは 流石によく分かった。 「…君は?」 「え?」 「君がそう言うなら、分かった、と言っている」 「…」 言っている意味がさっぱり分からなかった。 ただ、先生のさっきの刺すような目が、嘘のように優しくなっていた。 しばらくして、私はやっと、自分の招いた事態の意味合いに気づいた。 (貞操の危機だ) (いや、先生ならむしろ) (ちょっと心の準備がまだ) (自分で誘っておいて何) (怖い) (怖い怖い怖い怖い怖い) 先生は私の肩に手を回すと、私の唇を静かに覗き込んだ。 「あ…」 私は動けなかった。頭がパニックになっている。 「そう言えば、今まで一度も言わなかったんだよな、私は」 「え…」 先生は私の唇のすぐ近くで、静かに呟いた。 「好きだよ。君のことが」 そして、 私は考えるのをやめた。
Baroque #6 体中にびりびりとした鈍い痺れが走っている。風邪の時みたいだが、嫌な感じではなかった。 唇の上で、肉厚で力強い熱が蠢く。その度に、甘い痺れに、背筋を強張らせた。 先生は私の唇を、それこそ貪るように、何度も唇で摘み、吸い、たまに舌先で軽く舐めた。 (ああ、やっぱり) 先生はずっと、私とこういうことがしたかったんだ。 先生じゃなかったら、気持ち悪い、としか思えなかったんだろうけど。 先生は優しかったから、ずっと我慢してたんだろうけど。 大人の恋人同士なら、こういうことがあって当然なんじゃないか。 「ん…」 自分の体のどこから出てくるのか分からないくらい、いやらしい声が響く。 私の体が、また、震える。 先生の唇が、私の唇から離れる。 軽く目を開けると、唇から糸を引いている先生と目が合った。 「…うん」 先生は照れ臭そうに笑うと、今度は私の首筋に唇を当てた。 「ああっ…!」 私の口から、信じられないほど大きな声が上がった。体中に走っていた痺れが、 先生に吸われている首筋の一点に集中する。 私の体が、びくん、と大きく跳ねた。まるで機械仕掛けの玩具のようだ。 「せんせえ…」 遊ばないで下さい、と言おうとしたが、声が出なかった。 先生の歯が当たる。軽く噛んでいるのだった。まるで吸血鬼じゃないか。 やっぱり、先生は、遊んでいる。 「やあん…」 何か言おうとしても、そんなふにゃふにゃとした声が出てくるだけだった。 私は不意に、自分の醜態が情けなくなってきた。 何だ、この、馬鹿みたいな、反応、は。 気が付くと私は泣いていたらしい。先生の舌が私の涙を舐め取っていた。
Baroque #7 「遊びすぎたな」 先生は優しい目のままそう言うと、額にそっとキスをしてくれた。 「でも、止める気はない」 「うん…」 私は下を向くと、自分でセーターを脱いだ。こんなことならもう少し脱ぎやすい服にすれば よかったんだけど、今更言ってもしょうがない。 あと、多分、自分でセーターを脱いでいる女の子って、すごく、格好悪い。 「スカートはどうする? 先生が脱がす?」 「いや、そういうのにあまりこだわりがない」 そう言いながら、先生はブラジャーのホックを外した。外すのが大変そうだった。 そりゃまあ、自分でも大変なんだから、当たり前かも知れない。 自分の胸は小さな方だと思う。男の人の趣味は人によって違うんだということは分かっていたが、 こうしてみるとやっぱりもう少しあった方が嬉しかった。 「…うーん…と」 先生は私の乳首を吸おうとしていたようだが、一瞬何か考えると、肋骨の上を強めに吸った。 「ひゃっ…」 遊んでる。完全に遊んでいる。本当に、止める気はないようだった。 (でも、まあ、いいか) 自分は本当に、こういうことについての知識がない。先生に任せた方がスムーズに進むのだろう。 ふと、先生の初めての相手が自分じゃないかも知れないということに気づき、意識が曇った。 そんなタイミングで、あちこちをすすり上げていた先生の唇が、不意に乳首の上にかぶさった。 「ひいっ!」 左の方も指につままれている。そのまま、ゆっくりとこねくり回されて、私は頭をゆすった。 どちらかというと気持ち悪い感覚に、腰が引けてくる。 「強すぎるかい」 「う、うん、まだ」 「そうかい。じゃあ」 先生は割りと素直に乳首を解放してくれた。 私がほっと息を吐いた次の瞬間、先生の舌はへその中に入り込んでいた。 「ああっ! そこも駄目! 駄目だったら! 先生っ!」 諦めた。やっぱり先生は、全っ然素直じゃない。
Baroque #8 自分でスカートを脱ぐ。先生はわくわくした顔で、下から私の方を覗き込んでいた。 (…助平親父) 私は腹の中でぶつぶつ言いながら、ぱさり、とスカートを脱ぎ捨てた。 心臓の高鳴りが、体を内側から突き破る。 (こんなことなら、パンツも勝負パンツにすればよかったなあ) 何の工夫もない白いパンツだったが、先生は楽しそうな顔で、ゆっくりとパンツを下ろした。 こういうところが子供だと思う。 下半身からは、透明な液体が糸を引いていた。この糸がどういうものか、私も知っていた。 私は感じてしまっていたらしい。理由は分からないが、何となく悔しかった。 「…ちゃんとして下さいね」 「うん、それはもちろん」 先生は私を布団の上に寝かせると、足を開かせた。 「…舐めるの?」 「ちゃんとしなきゃ駄目なら、ちゃんとしなきゃね」 もう、恥ずかしいとは思わなくなっていた。先生に体を預けるのも、悪戯されるのも。 舌の感覚は気持ち悪かったが、黙って受け入れた。胸の時よりは意味のある行為だとは知っていた。 少しずつ水の音が大きくなってくる。今の感触から、少しずつでも甘みを味わおうと、 意識を深く沈める。 沈む。 ゆっくりと、波の中に浸かっているような感覚が湧き起こってくる。 波の感覚は、心を落ち着かせて受け入れると、確かに心地よかった。 寄せては返し、たまに深く引き寄せる。そんな感覚に身を委ねているうちに、 私は自分の境界が、猛烈な勢いで曖昧になっていくのを感じた。 眠いとか、そういう感覚とは違った。意識ははっきりしたまま、背中から砂のように流されていく。 このまま全部流されたら、私はどうなるんだろう。 深く潜りすぎた。そう後悔した。よく分からない。落ちる。怖い。飲み込まれる。 慌てて手を伸ばすと、私は先生の手をがっちりと握っていることに気が付いた。 (そうか) 大丈夫だ。先生はここにいる。 融けた全身が、砂時計のような音を立てて、瞬時に固まっていく。 その摩擦熱が、私の意識を焼いた。 気が付いたら、私は先生の部屋の天井を見ていた。 口から、もう自分でもよく分からない悲鳴が上がっていたが、正直それどころではなかった。 「…どうした?」 先生は、いきなり跳ね起きた私にびっくりしていた。私は、全ての元凶である先生を見ながら、 多分怒りで身を震わせていたんだと思う。 「先生、私、今、死ぬかと思った」 「ん?」 先生はよく分かっていない顔で、私をぽかんと見つめていた。
Baroque #9 結局私は、そこでやめることにした。 処女を失うのが怖いんじゃないということを、私は馬鹿みたいに必死に説明していた。 逝く、というのが、今の私にとってはとんでもなく恐ろしいことなのだということ。 それを自分で認めたときに、私は泣きじゃくっていた。 結局、私はまだ、まだまだ、子供に過ぎないんだということ。 先生は黙っていたが、やがて私の横に寝転がると、静かに抱きしめてくれた。 「今は添い寝するのが一番落ち着くのかも知れないな」 先生は相変わらず優しい目をしていた。 「ゆっくり昼寝してよう。日が暮れたら起こすよ」 「…怒ってない?」 「何が?」 「だって…先生、最後まで、したかったんじゃないの?」 先生は、少し考え込むと、意外なくらい真面目な顔でこう言った。 「今の体験は忘れるなよ。それに慣れたときに、改めてちゃんと抱いてあげるからさ」 すとんと、意識が体に戻ったような気がした。 先生は私のことを愛してくれている。それが真剣なものだというのもよく分かる。 証を、今、無理に求めなくてもいいんだ。 「分かった」 どっと疲れが出てきた。私は、面白いほど呆気なく、深い眠りの中に落ちていった。 先生は私の肩を、ねんねんころりの要領で指先で軽く叩いて、確かにこう言った。 「いつか、私と一緒に暮らそう。君となら一緒に生きていけるような気がするよ」 私は、眠い目を開けて、先生の方を見た。 先生は、天井を見つめながら、あの鋭い目を浮かべていた。 そして、私はなぜか、これでいいんだ、という気になっていた。 先生のその目が、今の私にはもう怖くなかった。先生は別に怒っている訳じゃないんだ。 何となく、そのことだけは分かった。 どうしてそんな結論に至ったのかはよく分からないまま、私は先生の中で、ことり、と眠った。
Baroque #0 「…で、気分はどうよ、犯罪者?」 「その表現はやめてくれ。何であなたに相談したと思ってるんだ」 「いやあ、妬ましくて羨ましくていいことですね。としか」 私は友人に、じっとりとした目でそう糾弾されていた。 「で、何だって? これで、よかったのか? だって?」 「ああ。私はちゃんと、恋愛できているのか?」 「できてるよ、腹が立つくらいにね。君、自分が何やったのか分かってて言ってるのかい? 初めての娘相手なら、それで十二分過ぎるくらいさ。本当に逝かせるか? このエロ」 「…本当に? 私のやったことは、そういうことなのか?」 「本当だってば」 私は深く溜め息を吐くと、大分ぬるくなっているアールグレイティーを飲んだ。 「…私はちゃんと、彼氏をやれているのかな?」 「むしろこっちが訊きたいのは、君は彼女のことを、どう思ってるのか、なんだけど」 「素晴らしいね。あんな娘を彼女に出来て、幸せですね、と」 「それなら、そういうことで悩むのはやめにしなよ。彼女に失礼だよ。贅沢な悩みって奴だね」 「ふうん。そういうもんなのか」 何か話の飛躍があったような気がしたが、突っ込むと面倒な話になりそうだったので、軽く流した。 「…これって本当に、ちゃんとした恋愛か?」 「本当にちゃんとした恋愛だよ。しつこいな。彼女は君に金品をせびったりしないんだろ?」 「嫌な表現だな。そんなことしたらただの援交だよ! 何言い出すんだ一体」 「じゃあ、それでいいじゃん。最高じゃん。理想形じゃん。この淫行」 「淫行は余計だ。まあ、分かったよ。このままでいいんだな? 変な飛び道具使わず」 「そうそう。余計なことは考えない方がいいって今月の占いにも出てるよ」 「分かった。ありがとう、変な相談に乗ってもらって」 「ううん。いいから、君たちさっさと、幸せになっちゃえ。いい話なんだからさ」 「ああ、分かったよ、姐さん」 私は友人から小説を返してもらうと、彼女の分のお茶代も払って、喫茶店を出た。 ずっと悩んでいた問題が解けた。 私にはずっと恋愛が分からなかったが、どうやらこれでいいらしい。 しばらく目の前を覆っていた霧が、すっと晴れたような気がした。 正直、私にはあの娘のことが完全に分かっているとは言いがたい。 あの娘が私に憧れてくれているのはありがたい話だったが、 彼女がどれだけ私のことを理解してくれているかも相当疑わしい。 (だが、まあ、よしとしますか) 経験者いわく、このままでよいそうだ。なら、それを信じて、頑張ってみようじゃないか。 この前みたいに、己の不安を彼女に伝染させるような愚かな真似は二度とすまい。 大丈夫。いつかきっと、分かり合える日が来る。 とりあえず、彼女が大学に入ったら、一緒に南の島にでも行こう。 もう三年間、じっくりと待ってみるのも悪くない。
Baroque #epilogue 私は窓から、雨上がりの空を見上げていた。 (しっかし、相変わらず愚かだね、あの子も) 真理を手に入れておきながら、証明ができない限り信用しない。人間関係では悪い病気だというのに。 (ま、いいんじゃないかな、勝手に幸せになれば。私には関係ないし。馬鹿馬鹿しい) 私は、あいつのような戯けた恋愛ごっこを肯定するつもりは毛頭ない。 ただ、彼らの、ふわふわとした砂糖菓子のような幸せが続くことを、祈ってもいた。 (頑張れ。その砂糖菓子が、君の頭の悪い茨の道を救ってくれるよ、きっと) 黒角砂糖を舌の上で転がしながら、私はコーヒーのお替りをもう一杯頼んだ。 その果てしない空を、雲の切れ目から射す光を見上げていると、目つきが悪くなっちゃうよ。 私はその娘を知らないけれど、君はその娘を見ていればいいんだよ。 そうすれば、きっと、もっと幸せな顔になれるよ。 「本当に、馬鹿だねえ。早く幸せになっちゃいなよ」 私は一人でくすくすと苦笑すると、目の前で湯気を立てているコーヒーに唇を付けた。 淹れたてのブルーマウンテンは、黒く、熱く、純粋で、そしてほのかに甘い味がした。
ええと・・・感想イイデスカ? うわー久々にキタ---------------- いいよ!いいカンジGJGJGJ! あと学校名とクスリの名前をぼかしてくれてもよかった鴨 なんてエラそうな事を書きましたが、すんげーよかったっす。 やってるばっかりじゃない文章で、どきどきできました。 ビバ寸止め。
イイヨイイヨー
こんばんわ。Baroqueの中の人です。 「ラベンダー」がよかったので、ああいうのが書きたいなと思い、 同じものを書いてもしょうがないので、寸止めまでは描こうと思いました。 明らかに倍以上ありますが、その点はご了承くださいませ。 あと、男キャラをもっと前に出してみました。 その結果「メンヘルインテリサブカルオタクスーツプログラマ」という ありえないキャラになってしまったのは、まあ、成り行きです。 書いててこっぱずかしくなったので、ちゃんとした女も出してみました。 できるだけ嫌な女にならないようにと気を遣ったのですが、 結局ツッコミ役にしてしまいました。 実を言うと、女の子を書くのが一番楽しかったです。 余計なことはほとんど考えずに、肩の力書いて書けました。 最後の二話より、メインの九話の方が楽に書けたと思います。
>>330-331 感想ありがとうございます。
男のキャラを出すための小道具として、インパクトを考えて、
インテリに関しては東大を、メンヘルに関してはプロザックを使いました。
ここはぼかした方がよかったのかも知れませんが、
明らかに読みづらくなったので押し切った部分です。
東大生の方や鬱病の方が気分を害されたとしたら申し訳ないです。
>Baroque おもしろかったですよ〜 主人公の娘の等身大の感じがよく出ていて、ひたりきって読めました。 ただ、本文が良かった故に、視点を第3者にバトンタッチしての、客観的な文章 でオチを付けるやり方は、ちょっと冷めたようも感じました。
女の子の感覚があまり読めないなあ そこ深く突っ込んでくれたらもっと萌えるのに 人物についてはよくわからんが言うことなし
>すとんと、意識が体に戻ったような気がした。
イイヨーイイヨー
>>334 オチが漫画的ではあるけど
そこに安心感を覚える人間もここに一名
337 :
名無しさん@ピンキー :2005/10/12(水) 02:01:05 ID:E6YOBxeH
久々に、いいのが読めて嬉しい
338 :
198 :2005/10/15(土) 04:14:00 ID:VMh/Y4jQ
季節外れなネタですが、投下します。
339 :
198 :2005/10/15(土) 04:14:47 ID:VMh/Y4jQ
初盆が来る前に、気持ちのカタをつけておきたかった。 あんな風に、片思いしていた相手がいきなり義兄になって。 逃げるように海外留学したのも束の間、事故死だって!? そんなの、認めない。 そんなの、許せない。 許せるわけがないじゃない。あのとき、とっときの勇気を出した私にアイツは 「悪いけど、僕は君のお姉さんが好きなんだ」と照れ笑い交じりに正直すぎる答えをくれた。 だから……
340 :
198 :2005/10/15(土) 04:16:23 ID:VMh/Y4jQ
いくつかの島を巡るフェリーに乗って、小さな島にたどり着く。 島は蒸し暑いけれども心地よい海風が吹いていた。 だけど、お寺までの道のりは急な山道で、私はヒールを履いてきたことを後悔するはめになった。 義兄の墓はその山のてっぺんの墓地の一等高い所に位置していた。 すごく見晴らしはいい。けど、もの凄く大変じゃないかー! 私はぶーすか無実の死人への文句をたれながらバケツの水をこぼさないように石段を上る。 何かの罰ゲームみたいだ。 真新しい墓石はすぐにわかった。 とりあえず、掃除をして持参した花を供える。 謝ったりなんかしない。ただ、会いに来ただけだ。 と、急に雲行きがあやしくなってきた。ヤバイ。夕立だ! 「ずいぶん遅かったんだね」 そう男に言われたとき何を言われたのか一瞬理解できなかった。 山の麓のボロっちい物置小屋の入り口で、その男は私に言った。 「ずぶ濡れだろ、入れ」 何を偉そうに、と思ったが口には出さず、私は招かれるまま小屋にはいった。 『ずいぶん遅かったんだね』とは、どういう意味だろう… 私は男を見ないようにしながら考えを巡らせる。 山道にヒールでてこずったこと? 突然のどしゃぶりの雨に対応しきれずパニクったこと? 墓前での義兄との会話のこと? それとも…葬儀にも顔を見せなかったのに今更来たこと? 男は小屋の奥で何かしている。どうやらストーブを点けているようだ。 「濡れた服、出して」 突然の呼びかけにとっさに反応できず、びくっとした視線だけを送ってしまう。 「濡れた服、出して。ストーブですぐ乾く」 「脱ぎなさい。風邪引くから」 説得力のある声。私は思わず従っていた。 「これ、洗濯してあるから着なさい」 男は自分の鞄からおそらく自分の替え用であろうTシャツを私によこし、自分は上半身裸になっている。
341 :
198 :2005/10/15(土) 04:17:27 ID:VMh/Y4jQ
日焼けした横顔。太目の眉毛。全然アイツには似ていないはずなのに、妙に懐かしさを感じさせる。 何故だろう。 そんなことを私が考えている間に、男は押入れから毛布を出していた。 「毛布、被りなさい」 差し出された毛布を受け取って、肩から羽織った。 たしかに、これでストーブにあたっていれば風邪はひかなくてすみそうだ。 「あ、アンタはいいの?」 男が相変わらず上半身裸だったので私は思わず声をかけていた。 「別に」 ヤバイ。まともに視線が合ってしまった。 そして、わかった。 眼が、似てるんだ。あの日私にゴメンと言ったときのなんだか申し訳なさそうな瞳に。 それに、声も。 それがわかった瞬間私は、身震いした。寒さからでなく。 うつむいて、決心してからもう一度男を見る。 視線がかちあう。 アイツに似た瞳を持つ男。それだけでいいと私は思った。
342 :
198 :2005/10/15(土) 04:18:43 ID:VMh/Y4jQ
羽織っていた毛布をはだけ、床に敷く。 「おい」 男がこっちを見ているのがわかる。 「あったかくして。」 あくまで命令口調で私は言った。 「温めて。」 次に視線を絡めたときには、お互いの瞳は欲望に濡れていた。 キス。それは永遠とも思われるような時間。 そして決して丁寧とはいえない、荒々しい愛撫。けれどひたむきさを感じるその愛撫を 私は好ましいと思った。 「…いいよ」 「うん」 交わした言葉はそれだけだった。 床の上に毛布を敷いただけの場所で、私達は荒々しく交わった。
343 :
198 :2005/10/15(土) 04:20:57 ID:VMh/Y4jQ
目を覚ますと、私は服をキッチリと着ていて、毛布を被ってあの小屋にいた。 男の姿は、ない。 キツネかタヌキに化かされたのだろうか。ふと、そんな気分に陥る。 それでもいい。アイツによく似た瞳をしていた。それだけで。 帰りのフェリー! 急激に時間の存在を思い出して私は鞄を探る。 鞄からは現金も何もなくなってはいなかった。 急いで船着場に向かう。最終のフェリーを逃したらこの何もない島で一泊する破目になる。 それだけは避けたかった。 !!!!! 信じられない! いた。 そこに、さっきの男が、いた。 「もう、帰るの? 皐月ちゃん」 !!!!! コイツ、どうして私の名前を!? っていうか何でここにいるのよ!? 私が目を白黒させていると、ニヤッと笑って 「俺の名前は幸隆。佐田宏隆。そう、道隆の従弟なんだ」 !!!!! 「全部、わかってたの…!?」 やっと絞り出した声が震えているのがわかる。 「うん。可愛い義妹の話は道隆から聞いてたから、すぐにわかったよ」 ……信じられない。眩暈がする。と思ったら私は腰を抜かしていた。 「もう一泊していきな」 もう最終フェリーには間にあわないな、と心のどこかで冷静な私が呟いていた。
シチュエーションは激しく萌えだし、男がどんなんなのか ほんの少しながら想像も出来る。 話としてはそれだけで上手いんだけど、やっぱ淡白だな。 やっぱ女に関しての描写も少しは必要だった気がする。 エロはぶっちゃけ書かなくてもいいから、 描写をもっと濃くすればハァハァ出来たかも知れん
導入部がちょっと説明臭いかな。 でも、ハーレクイン小説としてはちゃんと出来てる。
続き楽しみにしてます。
いつも楽しく読んでます。 唐突ですが私は外国人男性(特にアフリカ系)に日本女性が ハメられているとものすごく興奮します。 そういう内容の話を誰か書いて頂けませんか?
( ゚д゚)… …まあ、頑張ってはみます。出来るかどうかは筆の力と時の運ということで。
今日発売のCaz読んでたら、だいぶ前におな感で書かれてた さなぎさんのサイトが乗ってたね。ちょっとビビったYO
千草忠夫スキーなんだろうか 濃いな
スキンヘッドは萌えだなぁ
おしゃれ手帖のスライあたりをモチーフにすれば何とか。 と思ったけど、やっぱ、無理。ごめん。
女の子視点で高校生カップルの青臭い小説が読みたい。
>351 やっぱりセクース描写の時にも “頭にも玉の汗が…”とか書くの? 自分は髪の毛触ったりする描写とかセクースのとき男の髪の毛が湿ってくる描写が好き…(マニアック) >353 大学生ならなんとか…書きかけがありますが無駄に長いので没らせてる 自分的には未成年って描くの難しい(男女共に)
久しぶりに昔のスレ読んだが、やっぱりhさんの「火曜日の恋人」が好きだー。 純愛だしエロいし(w、登場人物にちゃんと共感できるし、h氏の消息を知りたいくらいだ
>355 自分は「王と虜」の人の話が読みたくて読みたくて・・・
私はさくらちゃんと桜花ちゃんのその後が知りたい。
ちょっと男女ともに聞かせて下さい SSで「仕事第一の女」が「好きだけどいい加減な男」と付き合ってて、 すごく情熱的なセックルの後気をつけてたけど妊娠してしまい、男に黙っておろしに行った。 ばれた時の女の言い分は 「貴方の『おろせ』って声を聞くのが怖かった。私たちの関係を変えたくなくて一人ですませてしまった」。 こういう女キャラってどうですか?やっぱり理由があっても「最悪な女、萌えねぇ!」でしょうか(汗) それから男はショックを受けて「何で相談しなかった」と女を罵って一時期絶縁関係になるんだけど 紆余曲折をへて最後は男が「お前を嫌いになれない」と言い 女も泣きながら「言えばよかったね、ごめんね」と言って2人は復縁。 ・・・・になるのは現実から言ってありえないでしょうか? すみません、変な話で・・・orz
359 :
358 :2005/11/04(金) 13:22:58 ID:8NSav9nP
すみません追加で。 男のスペックは「遊び人だったけど女に惚れてアタックの末「女癖直すから」と言って付き合い始めた。 でもやはり時々軽い浮気がばれてその度ケンカ。でも憎めない人柄」です。 女のスペックは 「仕事人間。母親がだらしのない女で悲惨な子供時代。 その為『絶対に私は子供は産まない。結婚もしない』と思ってきた。 男の事はいい加減で『こんな男・・』と思ってるけど強く惹かれている自分に矛盾を感じてとまどってる」です。
個人的には萌え。 ただし自分は『仕事の鬼だが休日エロ同人作家』『美人だけど眼鏡フェチ』等の 何かしらのマイナス要素を必ず付けてしまうのが好きだから、一般的な意見では ない事は言って置くw 設定よりもきちんとした話として投下して貰ってからが評価のスタートだと 思うから、自分の全力を込めてやっちゃってみたら? デキる女×ダメ男という組み合わせは普通に見てもいいと思うし、とりあえず 期待してる人間がここにいまっせ。ノシ
>>358 ここで結末まで書いちゃっていいの?という気がしないでもないのですが…
ふたりの心情が上手く描ければアリじゃないかなに一票。
そういう女性にとって、
『堕ろした』という事実を常に思い出させる男を受け入れられるかがポイントかと。
男にとっても、その女性をもう一度信頼出来るか、とか。
頑張って下さいね。
>>354 頭の一文字で終わらせるからお前は駄目なのだ
"ぎこちない起伏の目立つ頭蓋が、薄暗い部屋の中、汗でうっすらと艶めいて見えた"
みたいな。
スキンヘッド自体もセクシーだけど、頭に不自然な窪みなんかあると
それ自体が、(時にまっとうで無い)歴史を語ったりする。
まぁ、コレだけ見てても否応無しに濃い気もするが…
外人♂×日本♀は読んでみたいかも
>>358 それはえっちかどうかと言われると、お腹が痛くなるので、ちょっと。
(男の読者の方の考え方は知らないけど)
女性の気持ちは分かるけど、むしろ「彼女にそこまで信頼されていない、
だから己はダメなのだ、死んでしまえ死んでしまえ」と自分を呪って、
捨て鉢な生活を送る男性の姿が見たいかな。
それで女性は、そんな男性の姿にウンザリして、けじめのために
こちらから別れを切り出す。男性は誤解したまま未練を残すけど、
女性はそれを振り切って一度はちゃんと別れる、という感じで。
(確か、父親になれなかった男性は、そういう悩み方をしたはず)
364 :
358 :2005/11/05(土) 04:40:12 ID:yHneLlP7
>>360 レスありがとうございますノシ
私も一般の萌えから離れた人間なんです(苦笑)
マイナス要素いいですね。「美人だけどVシネおたく」とか好きですw
>設定よりもきちんとした話として投下して貰ってからが評価のスタートだと
>思うから、自分の全力を込めてやっちゃってみたら?
おっしゃる通りです(汗)そうですよね、頑張ります!
設定が設定だけに非難も受ける覚悟だったんですが、気さくにレス下さって嬉しかったですm(__)m
>>361 >ここで結末まで書いちゃっていいの?という気がしないでもないのですが…
ごめんなさい(汗)言い訳なんですが「自分の子を勝手におろした(殺した)女を男は再び受け入れる事ができるのか」
という事で悩みまして、伺わせて頂きました。
どんな理由にしろ「自分のエゴで命を消した」には変わりはないし、
書き手には愛着はあっても読み手さんには「最低女!」って嫌われるかも・・・と不安がありました。
>『堕ろした』という事実を常に思い出させる男を受け入れられるかがポイントかと。
>男にとっても、その女性をもう一度信頼出来るか、とか。
そう、そうなんですよ。そこは本当にちゃんと書かなきゃいけないです。
女は悩んだ末堕ろした事に苦しんで、また悲しむ男を見て「許されない事をしてしまった」と自分を責める。
男は今まで自分なりに彼女を愛してきたつもりだったが、この事実をつきつけられて
「信頼しあってると思ってたのは俺だけだった。彼女は俺を何一つ信用してなかった。」と苦しむ。
そこからどうやってお互い信頼を取り戻せるか・・・それを書かなければと思います。
「頑張って」のお言葉嬉しかったです。ありがとうございますm(__)m
365 :
358 :2005/11/05(土) 05:28:10 ID:yHneLlP7
>>363 丁寧なレスありがとうございます。
>それはえっちかどうかと言われると、お腹が痛くなるので、ちょっと。
ああごめんなさいぃ・・・楽しく読める設定ではないですよね(汗)
>女性の気持ちは分かるけど、むしろ「彼女にそこまで信頼されていない、
>だから己はダメなのだ、死んでしまえ死んでしまえ」と自分を呪って、
>捨て鉢な生活を送る男性の姿が見たいかな。
まさに書きたかった事です。女を「どうして」と責めつつ「じゃあ相談されたら『産め』と俺は言えただろうか」
と堂々巡りで自己嫌悪・・・過去の行為も色々思い出して「バチが当たったんだ」と言ったり。
わがままだけど女としては「あ、おろしたんだ・・(内心ホッ)」で済ませて欲しくないんですよね・・・勝手だけど。
>こちらから別れを切り出す。男性は誤解したまま未練を残すけど、
「男の誤解」とは「俺が情けない男だから別れるのか!」って感じですか?(違ったらすいません)
>(確か、父親になれなかった男性は、そういう悩み方をしたはず)
そうでしたか・・・周りにそういう男性がいなくてその辺がわからなくて
もし『勝手に堕ろされてムカつく』程度だったらどうしようと思ってました(汗)
すごく具体的なご意見、ありがとうございました。
>358タソ その話が出来上がって投下される時は、注意書き付けてくれると助かる〜。 真摯な態度で書こうとされてるのは分かるが、 どんなに感動的でも死にネタは勘弁……な自分にとって、 「堕ろした」ってのも、ちと辛い。我が儘でスマソ。 たとえばー ひとりで堕ろそうと思ったが、男に偶然、同意書を見つけられちゃった とかでは、何故いかんのか? と思ってしまうので(w
>>365 >>こちらから別れを切り出す。男性は誤解したまま未練を残すけど、
>「男の誤解」とは「俺が情けない男だから別れるのか!」って感じですか?(違ったらすいません)
えーと、そうではなくて、「堕ろしたことが発覚したからもう付き合えない?
俺はそんな奴じゃないぞ!」という勘違いです。
そういう優しさがまっとうな男性に備わっているのは間違いないのですが、
本当に優しいんなら、堕ろしたことについては考えるな、表情にも出すな、
ということです。そこまで男性に要求するのは明らかに無理なんですが、
そんな顔している男が側にいるとツライだけだ、というのも確かなところです。
男が悪いのではなく(突き詰めると悪いんだけど)、女がツライから別れる。
でも、男にはそれが分からない。自分を責めるモードに入ってしまっている。
という形の誤解ですね。
そこまで行くと明らかにベクトルがえっちな小説じゃなくなっちゃうので、
オススメはしませんが。
368 :
377 :2005/11/07(月) 09:44:00 ID:RLgJX3Q0
どうもお久しぶりです。 投下します。
「みっちゃん」 「…うん」 ぎゅう、と、強い力で抱き締められる。 さっちゃんは、私よりちょっとだけ背が低い。けど、やっぱりなんて言うのか な、手も足も大きいし、包容力?があるというか。これはまあ、性格みたいなも んかね。 まあ、身近にいるのが幼馴染の高山『セックスのバケモノ』誠人と双子の弟の 屋代『エロの権化』深幸、加えて父親の屋代『結婚20年今だ妻萌え』功太くら いだから、ある意味さっちゃんの穏やかな性格は新鮮なものなんだけど。 …さっちゃんと出会ったのは、高校入ってすぐの事。道行くサラリーマンに押 されて、バスに轢かれて入院、留年したという人で、クラスでもちょっと浮いて いた。元々友達もいなかったみたいだし。 5月頃、屋上で用務員のおばちゃんといちゃこいていた誠人が、自殺しようと していたさっちゃんを発見・捕獲して、私の所に連れて来たのだ。 後で聞いたら、視力8.0くらいあるさっちゃんが、大分離れた一軒家に空き巣 が入っているのを見ていたそうだが(通報したら間に合った)。 それが元で、仲良くなって、半年くらい前に深幸が金持ちの令息に間違われて 誘拐された事件をきっかけに好きになって、告白して、今に至る。 けど、疑問がひとつ。 会話の45%がエロ話の誠人・深幸と一緒にいても全然普通な顔してて、エロ 関係には全く興味無さそうな…まあ、それはそれで健全な男子学生としては問題 アリなんだけど…そんな感じだったのに。
「あ、あの、みっちゃん、こっち向いて」 そう言って、私の両頬に手を添える。ああ、下向いてちゃったか。私は顔を上 げ、眼を閉じる。すると、すぐにキスされた。触れるだけ。でも、なんだかドキ ドキしてくる、キス。 でも、どうして? なんでなの?もしかして、私の事、嫌いなの? ―――なんで、体育倉庫なの? 「…見付かっちゃわない?」 マットの山に隠れるように敷いたマットの上で、私のシャツがはだけられて行 く。そりゃ、明日からテストで、部活も無い。最終の見回りも終わったからもう 誰も来ない。加えて体育倉庫の置くの扉の向こうのもう1つの体育倉庫だから、 ある程度声が出ても大丈夫と。 ついさっき、そんな説明されたんだけど、正直、怖い。 だって、どうしてそんな情報持って…あ、そっか、会話の47%がエロのあい つらの話を聞いていたから…かな。 「大丈夫…だと思う。一応、鍵掛けたし」 にこ、と、その笑みはいつも通り。悪意の無い笑顔。滅多に笑わなかったのに、 最近は結構笑ってくれるようになった。嬉しい。けど。 「……」 手際よく、ブラのホックを外す。薄明かりの中で、好きな人の前でおっぱい晒 すって、恥ずかしい。恥ずかしいのに、嫌、と言えない。 「綺麗だよ、みっちゃん」 うわ。そんな簡単な言葉なのに、身体中が熱くなってしまう。
「…ありがと」 どうも、慣れない。さっちゃんとエッチするの、もう6回目くらいなんだけど、 やっぱり恥ずかしい。自分の中で、エロとさっちゃんがどうも、上手く繋がらな いからかな… さっちゃんを好きになった理由に、どこか中世的、というものがあったと思う。 そりゃ、いつもいつも、会話の48%がエロの弟と幼馴染といたら、さっきも思 ったけど、やっぱ新鮮だし。 …会った当初は、人形みたいにあんまり反応とかしなくて、誠人・深幸のハイ テンション組、私・さっちゃんのローテンション組みたいになって、それでも、 少しずつ笑って、慌てたり、怒ったり…泣いたりしてくれて。 男の人として見てなかった訳じゃなくて…いやいや、男の人だ、と思ったから、 きっと好きになったんだと思う。 なんだかよくわからなくなって来たけど、早い話が、さっちゃんと付き合うっ て決まった時、こういう…肉体関係になるのは、大分先だと思っていた。自分の 願望もあったし、身体で繋がるよりも、心で繋がってる時間の方が欲しかった。 けど、さっちゃんはある日から急に、変わっちゃった。 いつもは一緒だし、基本的に変わらない。でも、キスしたり、私の身体を触る ようになって来た。 嫌じゃないし、いつかはこうなるとは思っていたけど…正直、早過ぎた。 口にはしなかったけど、行動は完全に『私』を求めていた。 気付かない振りをしてやり過ごす度に、次からの行動がエスカレートして来た。 …怖くなって、言おうかどうか迷った。だって、さっちゃんだから。もしかし て、ただ甘えたいだけかと―――人に甘える事が苦手だって、そう言ってたさっ ちゃんが、私に心を開いてくれたって思った。思い込もうとした。
そんなアフリカの黄色いお菓子くらい甘い考えは、すぐ打ち砕かれた。 ある日、さっちゃんの家でゲームしてたら、どストレートに『抱きたい』って 言われた。あまりの事態にパニックに陥り、これまたどストレートに『お風呂貸 して下さい』と、いつものようにローテンションで言ってしまった。 恐ろしい事に、お風呂の用意はしてあった。コンドームとか、そういう用意も 万端だった。おまけに、家の人がいなかったから、ついでに土曜日だったから、 そのままお泊りする羽目になってしまった。あまりにもあっけなく、あっさりと 初体験をしてしまった。 …それから、頻繁に身体を求められている。 しかも、ありえない場所が多い。今みたいな体育倉庫、物置、旧校舎、野外… さっちゃんが何を考えているかわからなくて、何も言えずに従ってばかりいる。 自分が思っていた以上にさっちゃんは上手で、行動は強引なのに、喋る言葉や 表情は、いつもみたいに自信無さ気で、可愛い。でもって、好きだって、言って くれる。私も、気持ちには応えている。流されてる、とも言えなくも無い。 言葉通り好き、でいてくれる…とは、思っている。断った所で、きっと笑って 引き下がってくれる…事を願っている。 …嫌われるのが怖い訳じゃない。 断って、それで別れるとかだったら、そんな奴こっちから願い下げだ。筋肉バ スターのひとつでも掛けて、さっさと忘れてやる。でも、きっと、さっちゃんは そういうタイプじゃないと思う。 むしろ、本当はこういう…人に触れるの、苦手な人だったと思っていた。実際、 そんな事言ってたし。 だから、戸惑っている。この、急激な変化に。世捨て人風味だったのが、いき なり『セックスのバケモノ』『エロの権化』と並ぶ『Mr.マニアックエロス』に なってしまった事に。
私自身、なんて言うんだろう…興味なかったけど、さっちゃんとのエッチで、 感じるようになって来てる。けど、全て、って訳じゃないけど、さっちゃんに求 めていたものは、少なくともこんな事じゃなかったと思う。 …結局、どうしたいのか、わからない。さっちゃんも、自分自身も。 「みっちゃん、良くない?」 心配そうな顔で、私の顔を覗き込む。そうだ、今は真っ最中だ。少し強く揉ま れた胸が、いやらしく潰れている。 エッチをしようとしているのに、表情はいつもみたいで、頭がこんがらがって 来る。 「あ、え、ううん、良くなくない、よ」 自分を取り繕う為に、少しつっかえながらも、やはり普通に応えてしまう。よ かった、と言いた気なほっとした表情になり、おでこにキスしてくれる。 ―――本当はこの位で、たまに手を握ったりで、遊んだり、美味しいもの食べ たりするだけで良かったのに。 熱い手が、身体中を這い回る。極力、声を出さないようにしてしまう。場所が 場所だしが、こうやって考え事をしている間にも、身体は反応して、男の人を迎 え入れる準備が出来てしまう。でも、本当は、怖いよ。 ―――さっちゃんは、何を考えているの?
「じゃあね、ばいばい」 根っからの意地っ張り、というか、弱みを見せるのがとても苦手な為に、結局 今まで思っていた事を、1度も話した事が無い。きっと、受け入れて、喜んでく れていると思っているんじゃないか、と思っている。 さっちゃんはいつも通り、何を考えているかわからない顔で、手を振ってくれ た。学校から、私の家とさっちゃんの家は逆方向。ここでお別れ。 「また明日。テスト頑張ろうね」 私も、人から見たら何を考えているのかわからないであろう表情で、そう言っ た。聞けないでいる言葉を、胸にしまったまま。 「……」 明日からテスト。でも、全然頭に入りそうに無い。元々頭、良くないし、数学 苦手だし、地理は絶望的だし…さっちゃんはエッチだし… ぶんぶん、と、頭を振る。歌舞伎よろしく。でないと、他の教科までえらい事 になってしまう。 「…どうしよう」 ぽそ、と呟いた。 まだ、身体も熱い。さっちゃんの匂いや、顔に掛かった、ちょっと鬱陶しい髪 の毛の感触とか、大きい手とか、全部覚えてる。 …怖い。 気持ちいいのに負けて流されるのも、何も言えないのも、さっちゃんの豹変も。 のろのろと歩きながら、今後の対応を考える。 まず、聞かないと。なんでこんな事になったのか。それだけは、いつも思って いる。後、どう対応するか決めなきゃ。どういう答えかによって、言わなきゃい けない事とか、変わって来る。ちょっとした事で、ボロなんてすぐ出てしまう。
…私は、一見さっちゃんのように何を考えているかわからないマイペース野郎 だけど、それはそう見えるようにしているだけだ。でもって、年々引っ込みがつ かなくなって来ている。もう、どっからどこまで嘘かわからない。本当は相当の ヘタレ野郎だったりする。 原因は、凶悪コンビと名高い弟と幼馴染からの被害を絶対に被らない為だ。こ いつらのせいで、私はこんな不思議系にならざるを得なくなってしまったのだ。 いや、これは単なる八つ当たりだけど。 もうあいつら覚えてないだろうけど、相当私は弱気で泣き虫だったからなあ。 あいつらの玩具+なにかあった時の保健にされるのは、もうやだったし。 …あーあ、泣きたいよ。いやマジで。はあ…ていうか、泣いちゃおうかな… 「あ、ミッキーだ」 「お、誠人。何か用?」 そんな事を思っているのに、条件反射でいつも通り応えてしまう。誠人が自転 車に乗って現れた。しかし、この呼び方やめてくれないか。美咲でミッキー、深 幸でミッチー、幸男でサッチーっての。 「どこ行くの?」 明日はテストなのに、どう見ても遊びに行く格好。まあ、こいつは絶望的な程 のアホだから、今更勉強してもしなくても変わりゃしないだろうけど。 「えー、サッチーん家。ノート写させてもらう。サッチー、いい子だからきちん とノート取ってるし」 「…深幸に写させて貰えよ。心の友だろうよ」 「ふん!アイツなんかトモダチジャネーヨ!1人でばっかいい成績取りやがって、 跳び箱4段飛べねー癖に!あ!ミッキーのでもいいや、コピーして来い!!」 1人で、ハイテンションではしゃぎまくる。うーん、馬鹿丸出し。
「やだよ」 速攻断ってやる。ついでに電話でさっちゃんに絶対写させないよう、コピらせ ないよう、ついでにさっちゃんに写させないように頼んでやった。さあ、これで 袋のネズミだぞ、今のこいつはクラス中の男の彼女寝取って、女子更衣室覗いた のバレて、協力者はほぼいない。 「くそうううう、お前、卑怯だぞ!」 「かっかっかっ、潔く学年ビリの座に着くが良い」 そう言うと、勝ち誇ったように笑ってやった。暫くウンコ座りで頭を抱えて唸 っていたが、不意に顔を上げ。 「あ、そうだミッキー、お前って昨今の萌え市場についてどう思う?」 と、急に話題を変えた。現実逃避にも見えるけど、こいつはいつもこんなんだ。 流石、会話の54%がエロなだけある。 …私も今更勉強しても仕方が無いし、お互いまだご飯を食べていないという事 で、とりあえず家に帰ってご飯を食べる事にした。 「おなかすいたー!」 「オナカスイター!」 家に帰れば帰ったで、いち早く家に帰った癖に、未だごはんを食べていない双 子の馬鹿弟、深幸が玄関先にいた。でもって、こんなお言葉。調子に乗って誠人 も片言で言う。 生まれた時からの幼馴染で、全員誕生日が一緒。加えて誠人の家は徒歩15秒。 お互いの親同士がなんか、4人でゲーム作る仕事してるから、殆どこの3人でご はん食べたりしている。勿論私が財布を握っている。 「…ご飯は炊いてあるでしょ…ふりかけでも掛けて食べればいいじゃん」
冷たく言うが。 「馬鹿!馬鹿馬鹿、このうんこ!僕等は育ち盛りなんだぞ!肉だよ!野菜もバラ ンス良く取らねぇと、大きくなれねぇんだぞ!」 地団太を踏む深幸。ああ、そうだな、この168cm。 「そーだそーだ!このままじゃ、でかいのはチ○ポだけの大人になっちまうぞ!」 便乗してエロトークに行く誠人。そういえばそうだな、167cm。 「…ま、そのままじゃあ…ね」 プッ、と、笑い、2人を見下す私。コンプレックスですが、169cmで、こ の中じゃあ一番背が高い。因みにさっちゃんは166cm。どんぐりの背比べだ な、私等。 「くそおおおおおおおお!なんでお前ばっか!ズルイ!」 「ズルイー!うわーん!横暴ダー!モチロンソウヨー!!」 各々罵詈雑言(負け惜しみとも言う)を浴びせるが、全く気にならない。どう してこいつら、こんなにアホなんだろか。しかも深幸は勉強が出来るのにアホだ から、始末におえない。 「…親子丼と、野菜スープとサラダでいい?」 でもって、揃って家事が出来ない。お馬鹿2人は顔を輝かせ『うん!』と頷い たのだった。 「なーなー、美咲と深幸は、女の子縛るなら、後ろ手と、前で縛るのどっち?」 かっかっ、と、威勢良く食べながら、そんな質問をする。 …いつもの事だけど、食事中にする話だろうか。 「僕は、当然後ろだな。女の子の乳が触れねー!」 「私は前が萌える。なんか、断然萌える」
普通に応える。うんうん、と、何の参考なのか、メモっている。 「…しかし、最近質問形式が多くないか?この間だって『萌えシチュはどっち? A:男子トイレで B:旧校舎』って…なんだその二択」 そう言いながら、一瞬、何か引っ掛かったような気がした。が、思い出せない ので気にしない事にした。 「え、えー、そういうの興味無い?今、流行だよ」 「そうそう、そんな事より美咲、誠人、初めての道具はローターとバイブとどっ ちがいい?」 …こりゃまたストレートな…うへぁっ、という顔をしそうになるけど、しない 方がいいと、無意識で判断したのか。 「両方加えてアナルバイブ」 『マジっすか!?』 と、ちょっと豪気な応えに、声を合わせて驚かれた。 …なんなんだ、この団欒… ちょっと現実から逃げたくなったけど、やっぱり気にしないでしれっとした顔 でいる事にした。 「さっぱりわかんないや」 はあ、と、ため息をついて教科書を閉じる。 …さっきから、さっちゃんの事ばっかりチラ付いて、全然勉強が身に付かない。 ダメだな、本当に泣きそう。私、これからどうなっちゃうんだろう…ん? 「開いてるよ」 こんこん、と、ノック音。あーあ、1人感傷に浸る暇もないのかい。誰かと思 えば、深幸。テスト期間に私の部屋に来るなんて、まあ珍しい。 「お腹空いたの?一応夜食にサンドイッチ作って…」
「それもう食った」 …おいおい、まだ9時にもなってないじゃんか…つい笑ってしまう。深幸は私 の方をじっと見て、ベッドに座った。 「お前って、動じないよな」 誰のせいでこうなったと思ってやがる。ちょっとムッとしたけど、勿論表には 出さない。はあ、とため息をついて、寝転がる。 「…お前って、どうしたら、慌てたり怯んだりするの?」 …ん?意図がわからない。意味は、わかるけど。 「それを聞いて、どうする」 「どうもしない。けど、お前ってやたらと枯れてっからさ」 じー、と、位置的に天井の、何故か笑いながら怒っているように見える顔の染 みを見ながら、言った。 「別に、枯れてるなんて思わないよ」 そりゃそうだよなあ、だって、今完全に泣けるもん。お前が出て行ってくれれ ば、速攻泣くぜ。不安だし。 「そういうとこだよ。で、どうしたら、お前の感情は動くの」 「某型月に某竜騎士が入社したら、なんともいえない気持ちにはなる」 さらりと、言ってみる。 「…確かに。あ、いやいやいやいやいや、そうでなくて…」 がば、と起き上がる深幸。馬鹿、敵に弱点教える奴がいるかよ。 「んー、じゃあ、おま…」 言おうとして、やめる。 お前と誠人が、切り立った崖にぶらさがっていたら驚く、なんて言ったら最後、 後先考えない馬鹿だから、本当にやりかねない。親も時間無いのに、葬式なんて やってられるか。
「おっ、おま…!?え!?なに!?」 うわあ、すっげぇ喰い付いてる。正真正銘の馬鹿だ、こいつ。 「シモの方じゃないよ。お前が死んだら、って言おうとしたけど、想像したら何 ひとつ感情動かない事がわかったし」 眉ひとつ動かさず言う。 深幸の顔が、キョトンとしている。でもって、3、2、1。 「ひで――――――!!超ひで――――――!?ひどくな――――――い!?」 「別に」 大騒ぎし始める深幸。 もう眠いし、お風呂も入ったし、ちょっとスッとしたし。 早々に馬鹿弟を部屋から放り出し、眠る事にした。 ―――でもって。 「YO!どうだった!?俺は最低!!」 びしっ、と親指を立てながら、晴れやかな顔をする。お前も留年するのか? 「普通」 と、それだけ答えて立ち上がる。私と誠人が3組、さっちゃんと深幸が5組だ。 これから馬鹿2人で隣町に女漁りに行くそうだ。私は、さっちゃんとデートす る約束をしている。因みに、さっちゃんと付き合っている事を、こいつらは知ら ない。教えていない。理由は知らないけど。 「ごはんは自分等で食べなよ」 「オケーグー!いやっほ―――う!」
テスト終わったのがそんなに嬉しいのか、えっらいテンションで教室を駆け抜 けて行った。私は5組の方に向かう。同じようなテンションで走る深幸とすれ違 った。こいつと身内、という事実を抹消したくなった。 …勉強できるのに、顔はブサイクに近いけど、眼鏡が似合うから基準値に達し てるのに、なんでこんな馬鹿なんだろう、と首を傾げる。5組に到着したと同時 に、さっちゃんが出て来た。 「あ、みっちゃん」 「あそぼー」 そう言うと、にこ、と笑ってくれた。ま、約束してたんだけどね。 テスト4日間は、何も無かった。ある意味、当然だけど。だから、来るな、と 思ってる。予定としては、コンビニでお昼買って、さっちゃんの家で大○笑!人 生○場大○戸日記をするんだけど…多分、その後…かな。怖いな… 4日間色々考えていて、ふと気付いた。傍若無人、傲岸不遜に振舞えるのは、 あの2人の前でだけで、何故かさっちゃんには、そんな風に振舞う事が出来なか った。思えば、最初からそうだったかもしれない。 もうずっと、2人からさっちゃんを贔屓してる、と言われてた。 さっちゃんには、優しくしたかった。さっちゃんの、無表情に隠された中身を、 自分だけに見せて欲しかった。何故なら――― 「みっちゃん?」 「あ、あああ、あはい?」 にょっ、と、さっちゃんが顔を覗き込んで来た。 なんだか、最近下を向く事が多くなったな… 「ごはん、買おうよ。コンビニ着いたよ」
人の気も知らんと、ボーっとスパゲッティか蕎麦か悩んでる。 因みに、私はこのコンビニの場合はスープスパ一択だ。何故なら好きだから。 悩んだ末にさっちゃんはカップ麺を買った。なんでやねん。 お菓子やアイスも買って、お喋りしながらさっちゃんの家に行く。不安だけど、 やっぱり好きな人と2人きりになれるというのは、嬉しい事だ。さっちゃんの家 は洋風で、部屋は2階の奥。なんだか、秘密基地みたいな場所だけど、あまり物 が無い。私が持ち込んだゲーム機とか、本とかが、元の部屋にあった物より多い。 「じゃあ、さっちゃ…」 早速食べようか、と、言おうとした、その時だった。 「―――え、え、ええ!?」 コンビニの袋置いて、私の事を思い切り抱きし…え、もう!?もうなの!? あまりにびっくりして、何も言わないのをオケーグーと取ったのか、さっちゃ んは更に強く抱き締めて来る。 「え、あ、さ、さっちゃん…」 どうしよう、いや、どうするかは決めて来てる。でも、こんな早いなんて、思 ってもみなかった。だから、余計に怖くなった。10年以上にも及ぶ、押さえて いたヘタレ貯金が、ここに来て満期になってしまったのか。 「え!?」 さっちゃんの、物凄く驚いた声。結構レア。 …出てしまった。涙が。いや、もうなんで今なんだよ。まあ、泣こうと思えば 邪魔が入るし、予定外の行動取られる事が何よりも苦手だし。 最初に言ってさえいれば、こうならなかったのに、と、今更後悔する。 「み、みっちゃん、や?やだった?ごめん、俺―――」 私の顔を見て、どんどん蒼褪める。最早、修正が効かないくらい、泣いていた。
「ごめ、あ、ごっ、ごめ、んなさい、そ、うだよね!こんなの―――」 大パニックだ。正に鼠目前にした青い猫型ロボ、犬目前にした白いオバケ、生 放送の音楽番組で歌詞全部飛んだ某アイドルの如くだ。泣いている割に、よくこ んな事を思い付くものだ。が、泣いてしまったんだから、仕方ないって、もう思 ってる。 「…ごめん、なっ…泣いて、あ、あの、ね…」 「うん、なに?ごめんね、ごめんねっ俺、酷いよね…ごめん」 私の肩を掴んで、顔を覗き込む。最早、さっちゃんも泣きそう。 …なんだ。 こんな事なのに、もう、安心してしまった。とりあえず、私が心配していた事 の70%以上は、杞憂だった事が、判明した。 さっちゃんは、こんなに私の事、大事にしてくれてる。私が泣いたから、とい う事の方がでかいんだろうけど、2年近く付き合ってれば、なんとなくわかって 来る。でも、とにかく、今は言わなきゃ。事態が余計こんがらがる。意を決して、 私は考え考え、口に出した。 「…あの、ね、あの…先に、言っておけば、良かったの。あの、私…さっちゃん とするの、怖いの。だって、違うの。さっちゃんじゃないみたいで、私、怖いの。 本当は、もっと、こういう事の前に、したい事、一杯あったの」 ―――さっちゃんの、無表情に隠された中身を、自分だけに見せて欲しかった。 何故なら―――自分の中身を、見て欲しかったから。 …2人きりになって、もっとさっちゃんを知りたくて、私の事、知って欲しく て、お互いの事、もっと理解して、それから。 早過ぎた。お姉さんぶって、そう振舞って、実際は小さい頃から大して変わら ない、情け無い自分を知って貰って、本当に好きになって貰ってから、そうして 欲しかった。
「…怖かったの。私、いつもみたいにする以外、どうやっていいかわかんなくて、 だから、さっちゃんが、そういう事したがるの、怖かったけど、受け入れるしか 無くって、すっ、好き、だよ?でも、でも―――」 自分でも、一体何を言っているのか、どんどんわからなくなっている。 さっちゃんも、物凄く戸惑って、少しずつ、私の言葉を噛み締めて、理解しよ うとしてくれて、そして理解して――― 「っ…ごめん…なさい」 ぼろ、と、ぶっちゃけ私より大きい瞳から、涙が流れた。 部屋には、温めて、少し匂いが漏れてるスープスパの匂いと、鼻を啜る音。 お互い泣いてしまって、どう収拾つけるんだろう。考える…考える。 …ダメだ。今の私は、全然頭が働かない。どうしていいか、全くわからない。 「…ごめんね…ってか、ダメだよね…なんで俺、みっちゃんが傷付いてるって、 思わなかったんだろ…そうだよ、よく考えなくたって、こんなの…」 「いや、やりすぎ!」 年下の恋人に向かって土下座しようとするから、とりあえず、突っ込んだ。 「でも、俺、みっちゃんの事…」 「…いいよ、じゃあ、抱っこしてよ。私の事、まだ好きでいてくれてるんでしょ」 そう言うと、必死だな、と笑いたくなるくらい、高速で頷き始めた。でもって、 さっきより乱暴に、でも、さっきより確実に安心できるような、そんな感じで抱 き締めてくれた。 「ごめん、本当にごめんね、俺、焦り過ぎた。みっちゃんが俺から離れて欲しく なくて、みっちゃんが喜ぶっていうから、その通りにして、あーもう!俺の馬鹿!」 …珍しく、本当に珍しく、自分を激しく罵るさっちゃん。
が、なんか、今、引っ掛かった。ん?と、思ってしまった。 「…その通りって、どういう意味?」 どうにもこうにも気になって、すっげぇ嫌な予感がして、聞いてしまった。す るとさっちゃんは黙るかと思ったら、あっさりと。 「え、ちぃちゃんとまっちゃんに。こうしないと、みっちゃんにすぐ見限られる から、って」 でも、間違ってたんだよね、と、暗い顔で、そう言った。因みに深幸と誠人の さっちゃん流の愛称だそうです。 「―――はぁ!?」 ‐3ヶ月程前‐ 「…あの、ね。俺、みっちゃんと付き合ってるの」 私はあいつらに言う気は無かったし、さっちゃんもそうだと思ってた。けど、 どうやら私と生まれた時から一緒にいるこいつらに嫉妬して、それを言ってしま った。馬鹿だなあ、私とこいつらに恋愛感情は何があっても発生しないのに。 『マジっすか!?』 当然、男に興味が無いと思っていたであろう2人が、驚くのも無理は無い。し かも、相手は人畜無害の権化、さっちゃん。 しかし、話はそれで終わらなかった。奴等は親身にさっちゃんに接してくれ、 普段の私―――これは私が悪かったんだけど、私の性格を慮って、奴等はさっち ゃんにとんでもないアドバイスをしやがった。 『早く、肉体関係を作れ』 と。
親の職業や、こいつらの会話全てに冷静に反応し、うろたえさせるのが目的で、 ウケ狙いの発言ばかりしていたのが災いとなり、気付けばなんと奴等の中では、 私は『エロい事が何よりも好きなハイパー女王様で、並の男じゃ相手が出来ない』 と思われていたらしく、どう見ても人苦手、女子もっと苦手、童貞のさっちゃん じゃ、ボロボロにされて捨てられるのが関の山だと、そう判断した奴等は… さっちゃんに、徹底的なまでのエロスパルタ教育を施した。 後は、本番を残すだけ、という事になり、私を誘う技も見に付けさせられたが。 ‐そのちょっと後‐ 「は!?ミッキーキスされて、乳揉まれてんのに気付かんの!?」 「…もしかして、幸男がどの程度か計っているのかもな、よし、次は―――」 ‐その少し後‐ 「ウッソ、くっそぉ、僕等程度の教えじゃ、あいつの足元にも及ばないのか!?」 「もういいよ!押し倒せ!そこまですりゃあ後はミッキーから誘うだろ!」 ‐その直後‐ 「…え、処女!?マジで!?えー…あ、でも、ミッキー理想高そうだしね…」 「喜べ幸男、お前は美咲の眼鏡に適った、という事だ。それが幸せかどうかはし らないけどな」
‐今より大分前‐ 「ミッキー結構マニアだからな、さっき聞いたら、旧校舎でやりたいってよ」 「男子トイレとの二択なら、僕も旧校舎だけどね」 ‐今より少し前‐ 「ねーねー、野外プレイがいいみたいだよ、僕もこの季節はオススメだ」 「マジで!?いーなー、俺もしたい!ヤリタイ!!」 ‐今より、ほんの少し前‐ 「いいスポットあるんだけど。体育倉庫の云々」 「へー、そういえばあそ(以下ry) 「…という訳で…今日も、これ…」 紙袋を取り出す。中身は――― 「…さっちゃん、ちょっとこっち来なさい」 当然、バイブにローター、アナルバイブにスパイク棒… 馬鹿な弟と幼馴染の完全に間違った心使いに、なんともいえない感情を抱く。 そうか、やりすぎたか…と。話を聞く限り、本気のようだったし… さっちゃんはさっちゃんで、何の危機感も抱かずに私のすぐ側まで来た。あー あ、まだ修行が足りない。奴等なら、声の調子で自分の生命の危機が察知できる ぞ。つい、にやけてしまう。 そして。
ばしん。 「いたっ!?」 手で、頭を引っ叩く。 「いぁっ、いたたたたたた!?」 ばしん、ばしん、ばしん、ばしん、ばしんっ! 同じ場所を、同じ力で、計6回叩く。マジで痛かったのか、さっちゃんは頭を 押さえ、涙眼になっている。 「…言わなかった私も悪いよ。でもね、さっちゃん。私はさっちゃんの彼女でし ょ?それなのに、どうして私に聞かないで、あの馬鹿2人の事を信用するの!」 気が付けば、普段通り。しかも、あいつらにするのと、全く同じ態度。いや、 寧ろテンションが高い。ついさっきまでの、さっちゃんに抱いていた恐怖や不信 感は全て消え去っていた。そりゃそうだ、と納得出来るくらいのカミングアウト だったからな。 さっちゃんは完全に脅えて、正座して私の断罪を受けている。 「いい?さっちゃんも馬鹿だけど、深幸と誠人は、それに輪を掛けて馬鹿も馬鹿、 ウルトラ馬鹿スペシャルなの!だから、金輪際奴等の話は話半分で聞く事!でな いと、馬鹿菌が感染して大変な事になるからね!」 「…はい」 すっかり意気消沈して、声もちっさい。 私は膝を着いて、さっきとは逆に、さっちゃんの顔を覗き込む。 「もしかして、私の事、怖い?もう、私と別れたい?」 と、意地悪く聞いてみる。と、やっぱり物凄い勢いで首を横に振って。 「やだ!みっちゃんと別れるの、ぜった…」 よくできました、と、口を塞いでやった。私から、ってのは初めて、かな?
「うへへへへへへへっ」 「う、うへ?」 戸惑ったような声を出すさっちゃん。そりゃなあ、こんなキモイ声出しゃなあ。 キモイよなあ。でも、出ちゃうんだから、仕方ないじゃん。 「みっちゃん?」 私の感情をわかってくれたのか、ぎゅう、と抱き締めてくれる。それが、今ま ででいっちばん、気持ち良くて、幸せだった。私も遠慮せずにしがみつく。 「大好きっ、さっちゃん大好き。一杯こうしたり、遊んだりしたい。ずっと、仲 良しでいようね」 疑問さえ解ければ、何も怖いものなんか、無い。話したい事とか、知って貰い たい事とかあったけど、今は割とどうでもいい。それより何より、こうしていた かった。まあ、追い追い、でいいか。 「…うん。俺も。ごめん、変に焦っちゃって。敵わないって、そう思ってて。そ んなの、関係無いのに。ごめんね。みっちゃん、好きだよ。大好き」 暫く、抱き合ったままでいる。 なんだか、幸せだ。言葉とか、そういうの、今は必要無いっぽい。あっても困 らないけどさ。 身体を押し付けるようにして、本当に、後2日くらいこうしていたいな、と思 ってる。さっちゃんは、どうなんだろう。顔は見えないけど――― 「…さっちゃんって、もしかして、ムッツリ?」 馬鹿2人のテンションにはならないだけで、エロエロさは、もしかして変わら ないんじゃないかな、と思った。 さっちゃん、おっきくなっちゃったよ。なんだよ。マジシャン芸人かよ。 …もう。 「あ、あの、ごめん、あの、ごはん、先に食べてて、俺―――」
「…さっちゃん、しよっか」 「え!?え、いいよ、ダメだよ!俺、みっちゃんの事、もう絶対傷付けたくない もん!だから、あ、お湯入れて置いてくれると…」 「私が、したいの。お風呂、借りるからね」 びしり、と、今こそイメージ通りのハイパー女王様の如く、言ってやる。 今まで、どうしてかわからなかったから怖かったけど、今は怖くない。寧ろ、 やりてぇ。悪いが、エロへの興味と探究心は、あいつらよりデカイ。と、思う。 さっちゃんは、私の事好きで、私はさっちゃんが好き。でもってお互い今、性 欲も最高潮。いつも通り、コンドームも用意してるだろう。ここまで条件揃って、 何を拒む必要があるんすか。私は半ばワクワクしながら、お風呂場へ向かった。 「ま、待った?」 さっちゃんもお風呂に入るよう薦めて、結構なスピードで戻って来た。 「んー、待ってない。寝てた」 なんか、緊張してるっぽいさっちゃんをおいでおいでして、2人で布団に包ま って、抱き合う。今までは何か、ムード重視、みたいな感じだったけど、今のは なんだか、気持ち重視とでも言うのかな、とにかく抱っこしたい。さっちゃんも 嬉しそうにしてくれてるし。 「ねえ、あいつらのスパルタ教育ってどんなんだったの?」 ふと思って、聞いてみる。あ、微妙な顔になった。 「…あー、の、なんていうか、俺が女の子役やって、一通りやったら、次、男役 になって…みたいな」 しどろもどろに答える。うわあ。
「えー、やだ、前から思ってたけど、深幸と誠人ってホモなんじゃないの?」 …大抵2人でいるし、そんなん出来るって…どうよ… うえー、と、気持ち悪くなった。けど。 「それは無いと思うよ、だって、終わった後、本気で蒼褪めてたし」 「なら、やらなきゃいいのに…」 その姿も容易に想像出来る。馬鹿にも程が無いか。 「…それはやっぱり、俺とみっちゃんの事、心配してくれたからだと思うよ。も しかしてみっちゃんは気付いていないかもしれないけど、まっちゃんもちぃちゃ んも、みっちゃんの事、大切に思ってるよ」 まあ、それはさっちゃんが、過去の悪行を知らないからそう言えるんだろうけ どさ。まあ、いいや。今は、さっちゃんの事だけ、考えていたいんだから。 しかし、今まで見る余裕とかあんまり無かったけど…ちょい伏目がちで見下ろ してくる顔って、ちょっとかっこいいかも、と思った。 「髪の毛、切ってあげよっか?」 ちょっとだけ、鬱陶しい前髪。キスして、顔に当たる感触が、ちょっと気持ち いい。 「いいの?じゃ、今度お願いね」 そう言って、もう一度、キス。舌が入って来て、鳥肌が立ってしまう。帰る途 中で上げた、リンゴ味のガムの味がした。キスするの、好きだなあ、と思って、 さっちゃんの唇が離れてしまった時、慌てて追って、今度は自分から舌を絡めた。 舐め合っている内に唾液が溢れそうになって、飲む。一旦顔を離して、自分の唇 を舐めてから、もう一度キスをねだる。 キスをしながら、さっちゃんは髪を梳いてくれた。とても、気持ちがいい。 …やばい、このまま寝てもいいや。多分、さっちゃんもいう事聞いてくれるだ ろう。が、これはとてつもなく非道な意見なんだろうな。
「わ…」 そう思った瞬間、今度は、別の場所にキスして来た。 「さっちゃ…くすぐったい…」 ちゅ、と、音がして、吸われるように首筋にされた。背中がぞわぞわして、や っぱ鳥肌が立ってしまう。前は、緊張してそれどこじゃあなかったんだけど。 「そ、そう?ごっ、ごめんね」 ちょっと慌ててしまった。前と、反応が違うのが、想定範囲外だと見た。 「…謝っちゃ、やだ」 ぺふ、と頬と頬を擦り合わせてみた。こんな、素っ裸同士なのに、楽しいや。 「…うん、なるべく気を付けるね」 そう言って、そっと、少し熱い手をお腹に置いた。パン職人向けの手だ。 すっ、と移動して、その手が…なんか、少し迷って、私の腕を掴んだ。何をす る気だろう、と思ったけど、そのまま、指にキスだけして、放した。その仕草が なんとも可愛くて、嬉しくなった。 「あ、の、おっぱい、触っても…」 「いいよ。ていうか、聞かないでいいよ。今までだって、気持ち良かったんだも ん。もう怖くないから、さっちゃんの好きにして」 律儀というか、めんどいというか。私のその言葉を聞いて、ようやっと普通に してくれるみたい。 …なんか、期待してる自分がいる。そりゃ、最初は痛かった。意地張って、痛 いなんて言わなかったし。でも、回数重ねる内に、どんどん、あの、胸とか、気 持ちいい場所とかでなくても、感じるようになった。 …さっちゃんに、されて。 さっちゃんの…で、私の、中…いっぱいになって…
「あ…」 熱い手が、今度こそ胸の上に。さっちゃんの大きい手で掴まれると、ドキドキ してしまう。両方、掴まれる。少し、強めに。 「…みっちゃんのおっぱい、気持ちいい。やらかいし、すべすべだし」 「ありがとね。さっちゃん…んっ」 強めなのに、やんわりと揉まれる。なんかおかしいけど、こうとしか、言い様 が無い。こうされると、本当に私自身、女なんだなって、そう思う。ちょっとだ らしなく、口が開いてしまうと、蓋をするように、さっちゃんがキスをしてくれ る。舌を舐めるだけで、すぐに顔が離れてしまい、胸の方に視線が下りる。案の 定、さっちゃんはおっぱいを吸い始めた。 「…いっぱい、吸って…」 少し、注文を出してみる。今までだって、気持ち良かった。けど、もっと、吸 って、舐めて欲しかったな、と思った。さっちゃんの口の中で、私の乳首が舐め られる。たまらず、声が漏れてしまう。 「さっちゃぁん…」 声を、我慢しようとして、する必要が無い事に気付く。今までなら『怖い』と 言ってしまいそうだったのを堪えてたけど、そんなの、今は無い。 「…いい、よう…さっちゃん…」 今度は、私がさっちゃんの髪を梳く。さっちゃんの左手は、私のもう片方のお っぱいを揉み続けて、右手は、手探りで私の頬を撫でてくれた。 不意にさっちゃんが顔を上げると、少し潤んだ瞳と眼が合ってしまった。表情 は、完全に年上の男の人で、ドキドキして、少し困ってしまった。 「や、んっ…」 にこ、と笑って、もう片方の胸に吸い付く。吸われて、濡れて硬くなった乳首 を、右手の指の間で挟まれると、声がまた、出てしまう。指の間で、好きなよう に挟まれ、また硬く、膨らんでしまう。
「う…ふぅ…ん、ん…」 ちゅう、と、少し押し付けるように唇へのキスをされる。今度はまた舌を絡め て―――というよりも、口の中を舐めるような、そんな感じだった。 「ふ、ぅ…むっ!?」 そのままで、両方の乳首を指先で摘まれる。びくっ、として、上半身が一瞬だ け浮き上がった。ズン、と、下半身にまで快感が伝わる。摘まれたまま、さっき の、指の間でされるよりも強く弄られると、どうしようもなくなってしまう。唾 液を飲み込む事も出来ず、口から溢れてしまう。 「ん…ふ、みっちゃんの口、中もいっぱい濡れてる」 …何かと比喩するように、ちょっといたずらっぽく言う。そうだ、さっちゃん はムッツリ系の、回りくどいエロだ。時として、物凄く達の悪い――― 「ねぇ、キスしていい、口に」 「…一々、聞かなくても…」 翻弄される。こういう時だけの、悪戯っぽい笑みに。 そうだ、最初から、さっちゃん自身も楽しんでた。私が、喜んでると思い込ん で、だから、さっちゃん自身も… 「え…キス、は…?」 ぐうっ、と、両足を左右に開かれる。これは、流石に恥ずかしい。 「するよ、こっちの、みっちゃんの口。いっぱい濡れてるね、もう」 うううううううううっ。さっちゃんめ、いつからそんな子に… 「や…あっ…やっ、ちょ…」 さっちゃんが口を付けると、くち、と、濡れる音がした。慌てて脚を閉じよう としたけど、がっちりと押さえ付けられて、出来ない。舌が中に入って来て、嘗 め回す。あったかい口の中に、入口ごと食べられたみたいな感覚。わざと音を立 てて啜っている。 「やああ…だめ…そこ、あっ…変、やあああっ」
急速に、身体から力が抜ける。脚からも力が抜けたのがわかられたのか、両手 を使って、さっちゃんは私のを弄り始める。 ちゅ、ちゅ、ぐち、と、指が行き来する音が、耳に入る。好きな人に、大事な 部分を曝け出して、感じている。 「さっちゃん…あう…うう、だめぇ、そこ…わたし…」 さっきみたいに、感じる場所を指で摘まれる。濡れて、ヌルヌルしてるから、 指が滑って、擦るようにされる。そうされて、さっちゃんの指を締めてしまう。 「これがいいの?…あの、もしかして、苦しい?」 …意地悪なのか、気にしぃなのか。首を横に振ると、今度は瞼にキス。涙を舐 め取って、また唇にキスをしてくれた。私はさっちゃんにしがみついた。 「好き…大好き…私、あのね、さっちゃん…」 全く脈絡の無い言葉だ。けど、さっちゃんは笑って抱き締めてくれた。けど… 「やぁん…そんな…っ」 手が、また下半身に伸びて来る。トロトロになったそこは、簡単に指を受け入 れてしまう。唇を舐められ、そのまま舌を這わせたまま、また首筋に吸い付かれ る。今度は、びくっとしたけど、また、指を締め付けて、感じたのがわかられて しまった。これって、開発されてる、って事なのかな… 「…あ…え?」 身体が火照って、力が入らない。ふわふわした状態で、不意にさっちゃんが私 から離れる。どうしたのかな、と思って、すぐその意味に気付く。ここまで来て、 身体を離したなら、ひとつしか無い。今までもそうだったし。 「みっちゃん、力抜いて」 そう言って、覆い被さって来る。脚は開いたままだったから、すぐに…あの、 さっちゃんのが、当たって…
「…うん…」 そう言われても、いざされると、力が入ってしまう。痛い、という事はもう無 いんだけど、でも、やはり緊張してしまう。 「―――あ…」 ゆっくりと、さっちゃんが、私の中に入って来る。 大きいのかどうかは、よくわかんないけど、最初は、ちょっとだけだったのに、 身体中いっぱいにされたような錯覚に陥った。実際は、20cmも無いようなも のが、入ってるだけなのに。 それなのに、こんなに熱くて、頭も、身体もどうにかなりそうになる。 「さっちゃん…さっちゃんっ」 ぴったりと、さっちゃんの身体が密着してる。私より小さいのに、なんだか大 きい。胸が潰されそうなくらい強く抱き締めて、名を呼び続ける。 …私が、さっちゃんを、こんな風に思ってるみたいに、さっちゃんも、私を違 う風に感じているのかな…そう、思った。だよね、こんな、弱気な声、出てるか ら…きっと。 「あ…あああっ…ん、熱い…の…ひぁ…」 さっちゃんのが、私の中を擦る。もう離さないみたいに締め付けて、快感を搾 り取ろうとする。さっきの指より何倍も太いものが、出たり入ったりして、指よ りもいやらしい音を立てて、熱くて、声が出てしまう。 「いい、いいようっ、もっと、していいからっ…」 自然にぼろぼろ涙が出て来て、とんでもない事を口走ってしまう。 私の言う通りに、掻き回すように、私の中を抉り、快感を与えてくれる。その 度に、声を出して、また求める。 今までみたいに、声を我慢しないだけで、もっと、もっとこんな気持ちいいな んて、知らなかった。きゅう、と、さっちゃんのを締め付けて、その中で、また 激しく動かされると、余計に気持ちいい。
「…みっちゃん…っ、美咲」 不意に、そんな風に、名前で呼ばれた。 「っ…さっ…あっ…ひああっ、あああっ!?」 名前を、呼ぼうとしたけど、少し体勢を変えようとしたタイミングとかちあっ て、悲鳴に近い声が出てしまった。 「っ…ああ…っ…」 ウソ。なんだか、痺れるような、感覚だった。頭の中がぼやけて、変な声が出 た。さっちゃんは、少し意地悪く笑って。 「どうしたの?」 と聞いて来る。頭がボーっとしていたから、正直に。 「っ…変なの…今、されたの、あそこが、なんか…っひゃあっ!」 下半身を浮かされ、さっきと同じ場所を、同じように突かれる。我慢出来ず、 また声を上げる。さっきよりも派手な水音が聞こえ、それが、自分達の出してい る音だと気付いて、恥ずかしくなってしまう。 …でも、いい。乱暴なくらいに攻められて、それがそのまま快感に繋がって、 声に出る。私が感じてるの、全部わかられてる。 「ぅああっ…もう、ダメぇっ、や、さっちゃ、あああっ…」 びくびく、と、引き攣るように、今まで以上にさっちゃんのを締め付ける。瞬 間、快感が広がって、一際大きい声を出してしまう。 少し遅れて、さっちゃんが…なんとなくだけど、終わったような気がした。 暫く経ってからさっちゃんのが抜かれて、脱力感が襲って来る。そして同時に。 ぐうぅううううう。 と、お腹が鳴った。
なんとも色気の無い話だけど、育ち盛りだから、仕方の無い事なんですよ。で も、その前に少しだけ、余韻を味わっていたかった。 「…じゃね。また来週、学校で」 「送るよ、もう遅いし」 空は、もう夕焼け色。でも、私は断った。 「いいよ、逆方向なんだから。ちょっと、1人でいたい気分だし」 そう言うと、最後に、キス。エッチの時はあんななのに、今、ちょっと頬にし ただけで真っ赤になってしまった。愛い奴め。 「そういえば、あの時、名前だけで呼んでくれたよね」 ふと、思い出して言ってみた。 他意は無いのに、妙に慌ててしまった。 「あ、あの、別に、ごめん、気に障った?あの…なんとなく」 「なんか、くすぐったかった。私も呼んでいい?幸男くん」 返事を貰う前に、言ってみた。なんか、くすぐったい。呼んで、と、視線で訴 えると、やっぱり恐縮しながら。 「…美咲」 って、呼んでくれた。でもって。 「やっぱ普通がいいね、みっちゃん」 「だぁよねぇー、さっちゃん」 そう言って、笑った。 笑っていた。少なくとも、表面上は。
やるべき事があったから。だから、こっそり、さっちゃんが貰ったという例の 紙袋を拝借していた。 家に帰ると、既に空気はピリピリしていた。 電話で、即家に帰れ、と告げた時、察しのいい奴等は、もう気付いていた。な んとかして逃げようとしていたみたいだけど、深幸が、余計に恐ろしくなると思 ったのか、誠人を宥めて家に戻って来させた。 「ただいま」 ばんっ、と、乱暴に戸を開ける。私の部屋の床に、深幸と誠人が正座して待っ ていた。 「お、おかえり」 「オカエリナサイ」 完全に脅え切った、家畜の目だった。まあ、そうなるようにしてたんだけどね。 「さっちゃんから聞いたけど、余計な事してくれたね」 くっくっくっ、と笑って、私は勉強机の椅子に、脚を組んで座る。制服だから パンツ丸見えだけど、全く意に介さない。眼の前の2人も、パンツ所の話では無 いという事を、身体でわかっているから。 「あ、あの、俺等は、ミッキーの為を思って…」 「うるさい。お前等に発言権は無い」 静かに、言う。深幸はやっぱりわかっているのか、ガタガタ震えながらも、機 嫌を損ねないよう、顔を伏せずにまっすぐこっちを見ていた。 ―――怖かった。この数ヶ月で、体重大分減った。 好意だったというのは、今のこいつらの様子からも見て取れる。が、関係無い。
今の私は、とにかく、腹が立っていた。 「…あのさ、3択があるんだけど、内容知ってから選ぶ?」 口の端だけを上げ、眼は全く笑わずに言う。2人ははい、と、頷いた。 A:『魔女っ子★TEACHER(30近い独身教師が次元を超えてやって来た 魔法の国のプリンセスと、クラスの生徒を守る為、魔女っ子になって戦う、 子供向けだが大きいお兄さんにもお姉さんにも人気のあるアニメ)』のコス プレをして、日曜11時から町内を牛歩で一周 B:漫研女子部員の前で、実践801講座(撮影可)本番アリ C:ここで、私に犯される(順番は自分達で決め、一部始終を見る義務アリ) 「…マジですか?」 「マジです。あ、ちゃんと道具はさっちゃんから預かって来たから」 「え、でも犯すって、え、このバイブはアナル用じゃあないよ…」 詳しいなおい。そんなん、よく知らんかったわ。 「別に、入れるの私じゃないし。まあ、私の機嫌を損ねる度に太いものになって 行くけどね。まあ、どの選択肢選んでもいいけど」 脚を組換え、脅え出す2人を眺める。 「あ、名物コンビのお前等だから、意外と需要あるんだよね。因みに誠人攻の方 が人気高いらしいよ」 知りたくなかった事実を死って、ガクガク震え出す。お父さんお母さん叔父さ ん叔母さん、貴方達の息子は、近日中に2/3の確率でホモになります。まあ、 これが子供を放って仕事に勤しみ過ぎた報いなんですかね。 ふう、と、すっかり暗くなった空を見ながら、本気で相談し始める馬鹿な弟と 幼馴染。多分、総合的な事を選んでAになるだろうな、と考える。
ふと、さっきのさっちゃんの『みっちゃんは気付いていないかもしれないけど、 まっちゃんもちぃちゃんも、みっちゃんの事、大切に思ってるよ』という言葉を 思い出した。 …完全に、ありがた迷惑だったんだけどね。 まあ、これも、幼少時の復讐も結構入ってるからなぁ。別に、今のこいつらに 恨みは無いんだけど… 「…そういえば、なんで気付いたの」 本当に疑問に思ったのか、誠人が聞いて来る。 「明らかに童貞のさっちゃんにしちゃ、なんか手慣れてると思ってね。甘いんだ よ、プロを舐めるな」 …まあ、私のこの、こいつらの前で必要以上に変なイメージを作らせてしまう 言動も…悪いんだろうな。あーあ、プロって言葉にものっ凄い喰い付いてるよ… ていうか、逃げればいいのに、完全に『やらなければいけないもの』として受 け止めている時点で、こいつら本気で馬鹿だなあ、と思ってしまう。 「…仕方ないなあ…ま、今回だけだよ」 2時間経っても決まらなかったし、もう飽きてきたし、なんか怒りも風化して 来たので、そう言ってしまった。その瞬間、2人の眼が輝く。が。 「その代わり、3ヶ月くらい炊事洗濯掃除買い物宿題、全部任せるから。あ、弁 当もちゃんと作れよ。代金はその都度払うし、規定料金超えたら自腹だしね」 …ま、この位にしてやるか。 思考停止状態から脱したのか、今になって『マジっすか!?』と声を揃えるが、 3択よりもマシだと踏んだのか、渋々納得し始める。
ま、これでこいつらも将来1人暮らしする時の修行にもなるだろ。 いつまでも、3人でいられる訳じゃあ、無いんだし。 ―――事実、さっちゃんが加入した事で、あんまり変わりはしないけれど、何 かが変わってしまったような気はする。 悪い事じゃ無い。けど、本当は… …3人でいる事が、永遠だと思っていた。 本当は、こいつらが嫌いだったのか、もうわからない。 けど、大切な家族、と言い切れるこいつらが、今は一番大切な人ではない、と いうのはわかる。 きっと、こいつらもそうだと思うけど… 「…なんか、複雑」 ぽそ、と呟いた言葉は、誰にも気付かれなかったようだ。 もう一度脚を組み替えて、真剣に当番を決めるこいつらを見るのだった。 「あ、宿題は深幸じゃなきゃヤだからね」 『…はーい』 終
403 :
377 :2005/11/07(月) 10:37:43 ID:RLgJX3Q0
はい、こんな感じです。 因みに上の人の『青臭い高校生カップル云々』を見て勝手に作った話ですので、 適当にタイトルを青カプで書いていてしっくり来なかったので、新しい話を書いて 赤カプ→白カプ→黄カプ→この橙カプの話になっただけなので、深い意味は ありません。
脳内設定漏れ漏れ厨を切ってくれて乙
405 :
名無しさん@ピンキー :2005/11/07(月) 14:41:45 ID:1THPqpSK
377さん久しぶり。 面白かった〜。気弱女王ミッキー萌えW ところで数字板で誠人+深幸×さっちゃんを書く予定はありますか?W
ageちゃったスミマセン 携帯だから油断した…
非常にヨカタよ〜やはしおもろいです さっちゃん好きだ
>>404 そういう褒め方はちょっと・・・書き手さんも内容についてのレスの方が嬉しいんじゃない?
377さんを待ってた甲斐があった…GJです!!
>377さん また読めて嬉しいです。 欲を言うと「館もん。」の続きも気になってます・・・ 読みたくて検索かけたりしてたよ!
>403に反応して某学園義姉妹ものを思い出した負け組がここに一人…
軽く過疎化してるのでいきなり投下してみる。
>>412 + +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
ワクテカ待っていた413(他、多数)の首が伸び切ってしまった件について 412は誤爆じゃ……ないよな?
てかフツーに誤爆だと思ってたよ 投下してみるっていいつつ投下してないし
416 :
412 :2005/12/04(日) 05:23:11 ID:o5VV9P0q
待っててくれた413、スマソ。誤爆じゃないです。 あのレスの翌日パソがぶっ壊れてやっと昨日新しいの買えたorz 当然データも全てふっとんだので投下まで一週間くらいかかるかも・・・ もう需要ないかもしれないけど、頑張って書き直します
416ガンガレ! ワクテカしながら待ってます
創作の参考までに男性におききしたいんですが、 女性の身体(性器含む)を好きなだけ触っていい シチュエーションになったら、どこまでなら「さわるだけ」で がまんできますか? 女性が感じてても、入れないで我慢できますか? 自分のは入れないで、女性を指でイカせるのって、全然楽しめないことですか? それとも、何らかの形で、満たされますか?
>自分のは入れないで、女性を指でイカせるのって、全然楽しめないことですか? 自分の指で、自分の目の前で女性が気持ちよくなってくれるってのは素直に嬉しいです。 その反面、ある意味一種の征服感さえも感じられて、個人的にはそういうの、とても好きですね。
他人を逝かせるのって、やっぱりすごいことだと思うんですよ。 「うーむ俺今すごいものを見ている、すごいことをしている」と感動します。 立て続けに逝かせることに成功すると、感動もひとしおですね。 音ゲーでフィーバーをキメた時に近いと言えば近い(随分な例えだな)。 ただ、そういうのは頭でセックスをしている訳で、 挿入みたいな分かりやすい触覚的な快楽じゃない。 それに、男は射精すれば客観的に「逝った」と分かるけど、 女は外からではあまり分からない。 あえて女を逝かせようという志のある男でないと、 途中で、やーめた、となってしまうケースも多々あります。 だから、女が指で逝く感覚が具体的にどんなもんなのかを 丁寧に書かないと、男にとっては何が何だか分からない、 という可能性はなきにしもあらずです。老婆心ですが。
>>420 あ、いつの間に。お疲れ様です。投票しました。
423 :
418 :2005/12/06(火) 02:01:07 ID:WY8aFM1t
あ、なんかすごいことになってる。 なるほど・・・最後まで入れない・・本番禁止でも・・・その・・・耐えられるモンなんですか? 「入れない」と言う意志があれば。。
奉仕好きの男性はいるんじゃないかな?
425 :
名無しさん@ピンキー :2005/12/06(火) 19:17:20 ID:UOoevIsv
☆
「頭でイク」と「身体でイク」 そしてその両者が、その互いを盛り上げる。 男としては当たり前なんですが、女性としては? ……いや、当たり前だと思ってきた自分がいるんですが、これを機会に 確認をばw
当たり前だと思いますー そして、頭では否定してるのに、 身体だけイカされちゃうのもおいしいよなー とか思っているのがココに(挙手
>>426 頭でイケて体がイケない人や、体でイケて頭でイケない人もいます。
他人が絡む、絡まない、という基準が入ると、さらに複雑になります。
男も女もオナニストは少なくないようですし。理由もいろいろ。
全部同時にイケないと、セックスの時にイケないのでとても困りますね。
(もちろんその分、全部同時にイク時の感覚への憧れも強いです)
なにこのすれ
おんなのこでも感じるえっちな小説を、 スレ住人が切磋琢磨して投下するスレ。
過去形だけどな
女の子が感じるかどうかはわかりませんが、オリジナル作品投下してみますね。 まだ完成には至らないのですが、割と長くなるので途中までです。 残りはまた後日投下します。
その日のことはよく覚えている。 1999年の4月の第3日曜日。 誤訳だと判明したノストラダムスの大予言が、まだ一部の人間に信じられていた頃だ。 かく言う私もその一部の人間の一人だった。 当時、私は大学に入学したばかりで、地元から離れての初めての一人暮らしに対して、 楽しいというよりも寂しいという感情を抱いていた。 だから、同じ大学に通い、同じ町で先に一人暮らしを始めていた幼馴染のアパートに、 毎日のように遊びに行っていた。 彼の名前は日高悟。3つ年上の彼を、私はさとにぃと呼んでいた。 私は幼い頃から彼が好きで、休みになると家に行ってはよく遊んでもらっていた。 学校に上がってからは勉強も教わるようになり、ますますその気持ちは膨らんで行った。 けれど、高校2年生の冬、バレンタインデーに思い切って告白したときに、私の恋は終わった。 私は既にそのとき、彼に彼女がいるという事実を知らなかったのだ。 その失恋の後、なんとなく顔を合わせるのが辛くなって、徐々に疎遠になっていたのだが、 私の志望大学が奇しくも彼の通う大学と一致した。 再会したときの彼は、驚くほど変わっていなくて、胸の奥底の切ない気持ちをくすぶらせたが、 もう胸を締め付けるほどの強い思いはそこにはなかった。 私はただ、幼馴染のお兄ちゃんとして、彼を頼りにしはじめただけだった。
だけど、運命のその日。 私を玄関先で迎え入れた彼は、こう言った。 「お前、女らしくなったな。」 そのときの私は、胸元を強調するキャミソール、その上にカーディガンを軽く羽織っただけ、 下はジーンズという格好だった。 多少高めだったけど、思い切って買った、結構気に入っていたキャミソールだ。 胸の小さな私が着ても色気は出ないと思うけれど、デザインは可愛いのだ。 私は多少顔がにやけるのを感じながら、彼の胸板に拳を押し付けた。 「やっとわかったのぉ? あたしの魅力が。」 「いや、別にそういう意味じゃねえけど。」 「ふーん。ま、さとにぃには彼女いるもんね。」 軽く不満げに放った私の言葉に、彼が少し眉をひそめた。 その理由は私にもわかっていた。 彼女がいるのに、日曜日にデートもしないでアパートに一人でいる。 しかも、妹のような存在とはいえ、一応年頃の女である私を部屋に上げるなんて、 彼女との関係が上手く行っていればありえないことだった。 「上がっていい?」 答えを聞く前に私はミュールを脱ぎ始めていた。 そのときの私は、彼の複雑な気持ちにちっとも気付いてなんかいなかった。
彼の部屋は男の部屋らしく、余計なものがほとんどなかった。 万年床の香りが漂うベッド。冬にはこたつに変わる小さなテーブル。洗濯物。その他最低限の物。 毛が固めな絨毯に腰を下ろして、私は、焼いてきたクッキーを渡したりしながら、 いつものように他愛のない世間話をした。 ――――と、思っていた。 この日のことはよく覚えているのに、なぜか会話の内容だけはすっかり忘れてしまっている。 それでも、何か彼のことを怒らせたのだという意識だけは残っているのだけれど。 少し離れた場所で寝転がりながら私の話を聞いていた彼の声色が変わった。 「お前、自分が挑発してるってわかってる?」 「へ?」 彼の鋭い眼光が私の視界に入る。 その表しようのない冷たさに私は少したじろいだけれど、言い返す気力が萎えたわけではなかった。 「挑発って何よ?」 「生意気なんだよ、お前。男の前でそんな態度とって無事で済むと思ってんの?」 「な、何よ。無事じゃなかったら何なのよ?」 「それ以上余計なこと喋ると……襲うよ?」 『襲う』という一言に、私の心臓は強く反応を示した。 けれど、私はまだ油断していた。 今まで何度も彼の部屋に来ているけど、彼は私を女として見たことなんて一度もない。 そう思い込んでいた。それまでは手以外の体のどこにも触れられたことが無かったから。 男性経験の乏しい私は、部屋で男女が二人っきりになれば、男なんてすぐに女を襲うものだと思っていた。 だけど、さとにぃが私に触れもしないのは、私を女として見ていないからだ。 そのことに少し残念な気持ちも無いわけではなかったけれど、 おかげで私は安心して彼を頼ることができた。 だから、迂闊にも喧嘩を売ってしまったのだ。 「襲えるものなら襲ってみれば良いじゃない。どうせ本気じゃないでしょ? 怖くないもんね。」
その言葉を聞いた彼の行動は素早かった。 気が付けば、私の小さめの胸は両方とも、彼の手のひらにすっぽりと包まれていた。 後ろから私を抱いた格好の彼は、背中に胸を押し付けながら、私の耳元で囁いた。 「本当に良いの?」 私が誰にも触らせたことのない胸を容赦なく揉みながら、良いも悪いもないものだ。 立ち上がろうとした両手を絨毯に押し付けたまま、私は動けなくなっていた。 彼のことは勿論好きだったけど、胸を焦がすほどの恋心なんてもう抱いてない。 それに、私の理想のタイプの顔なんかじゃ全然ない。 初めての経験がこの相手……? そして今? 私は悩んだ。 だけど、そのときの私には、ノストラダムスの大予言が思い出されてしまっていた。 もし数ヵ月後、人類が滅亡することになったら……? セックスも経験しないで死んでしまうのは嫌だ。 18歳だった私は、初体験に対してかなりの好奇心を持っていた。 恐らく同年代の子は大抵そんなものだと思う。 高校時代の友達だって、恥ずかしそうにきゃーきゃー言いながらも、 様々な妄想を膨らませていたのだから。 このように思考をめぐらせていたのは、ほんの数秒だったと思う。 私はただ黙ってうなずいた。 彼の吐息が耳元に、頬に、首筋にかかる。熱い。 なんとも言えない感じが体中をかけめぐる。のちにこれが快感なのだと私は知ることになる。
とにかく、怖かった。 初めての経験に対する不安もあるのだが、それ以上に、よく知っているはずだと思っていた幼馴染の、 意外な一面を見ていることが一番怖かった。 やはり彼も一人の男なのだと、今更ながらに思い知らされた。 きっと私の薄い胸では、心臓の音まで彼の指先に伝わってしまう。 さすったり、揉んだり、様々に私の胸を服の上からもてあそぶと、 おもむろに彼はキャミソールの下から手を差し入れて来た。 冷たい感触が直接私の腹部に当たる。 四月の空気はまだ冷たく、彼の手も冷え切っていた。 私は焦った。もう脱がされてしまう……? 「い、いや……。まだ駄目……。キスもしたことないのに……。」 泣きそうな声で私が頼むと、彼は私の体を自分の膝の上に乗せながら、そっと床に横たえた。 そして、徐々に顔を近づけてきた。 こういう場合、目は閉じるべきなのだろうけど、私は怖くて目を閉じられなかった。 すると、彼の口が開いているのに気付いた。何故……? 思わぬ事態で、私は混乱していた。 私の唇に到達すると、彼は強引に私の口を開かせ、ねじ込むように舌を入れてきた。 目の前が真っ赤になった。私は強く目を閉じていた。 口内に侵入する異物が嫌で、私は舌を動かして排除しようとしたが、それはますます暴れ出した。 想像していた初キスの夢は脆くも崩れ去った。優しさの欠片も無かった。 それはただ、私を支配しようとするだけの力任せのキス。 強烈な印象に、私は勘違いしてしまった。 彼がキスと呼ぶのはこれくらいの濃厚なものなのだと。 ただ唇と唇を重ね合わせるだけのものはキスではないのだと。 無知というのは本当に恐ろしいものだ。
口を離すと、彼は私の頬を撫でながら荒い呼吸をした。 「初めての割には随分積極的だな。応戦してくるなんて。」 その瞳が私を軽蔑しているような気がして、いたたまれなくなって私は目を背けた。 違うとはなぜか言えず、私は身を縮めるだけだった。 「それじゃ、約束通り見せてもらうよ。」 先に私の背中まで手を入れ、彼は器用にブラジャーのホックを外した。 そして、するするとキャミソールがめくり上げられていく。 ほどなく彼の目の前に私の胸が晒される。 「小さいよね……恥ずかしい……。見ないで……。」 それで見ないでいてくれるとは思えなかったけれど、私は小さな声で嘆くように言った。 首元にまでキャミソールは押し上げられていて、その上に更にブラジャーのカップ部分もあった。 だけど、完全に脱がせるつもりはないようで、どちらも肩に紐がかかったままだ。 「うん。まあ、確かに。でも、形はきれいだよ。」 パッドを入れてごまかさなければならないほどの、ただでさえ小さい胸。 寝た状態ならほとんど膨らみも潰れて形もなくなってしまっているというのに、彼はそう評した。 寒さのせいでぴんと立っている小さな乳首。 その周りに円を描くように指先でなぞったり、軽くつまんだりしながら、彼は遊んでいる。 私は息を殺して、されることにじっと耐えていた。 気持ちよさなんて無かった。ただ、先の方がじんじんと痛いだけだ。 痛みに耐える私に、彼が救いの一言をくれた。
「舐めても良い?」 指で触られるから痛いのだ。 柔らかい舌で触れられれば、痛くないかもしれない。むしろ気持ちが良いかもしれない。 私は彼の言葉にすがった。 「良いよ。」 濡れた感触が当たった瞬間、痛みが消える気がした。 乳首を熱い口内に含まれると、思わず私も小さく声をあげてしまった。 けれど、軽く唇で挟まれるのが痛い。 私の顔はゆがんで見えるのだろう。彼は楽しそうなのだが、痛くてたまらない。 「噛まないで……。舐めて……。」 たまらず自分からお願いしてしまった。 彼は意外にも素直に私の頼みを聞いてくれた。 乳首や乳首の周りだけでなく、胸全体に舌をはわせてくれる。 触れられた場所に血流が集まってきて、熱くなってくる。少しかゆみも感じる。 私はもっとしてもらいたくて、半分は演技も込めながら、喘ぎ声を漏らし始めた。 初めてではあるけれど、案外自然に高めの声が喉の奥から流れてきた。 「ひっ……。」 痛みが走って、思わず息を吸い込んでしまった。 彼がまた乳首を唇を使いながら噛んだのだ。 そして、舌先を使って傷口をさするかのように撫でる。もう片方の胸は手でこねながら。 じんわりと湧き上がるような快感に、私は身をよじらせながら、喘ぎ続けた。
しばらくそうやって私の胸を楽しんだあと、彼は私のジーンズのチャックに手をかけた。 けれど、急に怖くなった私はその手を押さえ、必死に抵抗した。 「あ、あたし、この下、ストッキングだからっ! 脱がしにくいでしょっ?」 咄嗟に出た言い訳に、我ながら呆れた。 スカートでもないのに、ストッキングなんてはいているわけがない。 大体、スカートのときでさえ、生脚が多いのに。 だが、彼の反論は私の予想の斜め上を行っていた。 「そんなの破っちゃうから関係ないよ。」 私の脳裏に、ストッキングを引き裂かれて犯される自分のイメージが浮かんだ。 そこまで強引に奪われるのは、少し憧れるかもしれない……いやいや、そうではなく。 私は更に抵抗を続けた。 「やっ……だ、だめだよ……。やっぱり……。彼女に悪いでしょ?」 「ここまでやっておいて今更だろ? 最後までやるぞ。」 「そんな……。処女だから、きっと簡単に入らないよ、無理だよ。」 「ぐちょんぐちょんに濡らせば大丈夫だって。」 それくらいまで感じさせてやるとほのめかされて、私の胸は躍ってしまった。 体では弱弱しく抵抗する私を押さえつけ、彼は優しく胸やお腹の辺りを撫でた。
「まだ初めてだから感じにくいだろうけど、こうやって愛撫を加えることで シナプスが形成されていくんだ。」 理系の彼は、文系の私にはあまり馴染みのない言葉で説明した。 私の頭の中では、テレビで見た神経細胞のCG図が浮かぶ。 彼の言葉の一つ一つがエロチシズムを持っているように感じた。 胸の鼓動が収まらない。むしろ激しくなっている。 「でも、やっぱりイヤ! コンドーム買ってきてくれないと、絶対脱がない!」 私はとっておきの理由を言った。 浅はかな考えだったけれど、こう言えば諦めると思ったのだ。 彼のアパートからは薬局もコンビニも少し遠い。自転車で10分ほどかかる。 そんな手間をかけてまで私と今したいだろうか? 「くそ。俺の部屋にないの知っててそれ言ってんのかよ。」 その台詞と共に彼の愛撫が止まった。 私がほっとしたのもつかの間、彼は立ち上がると、身支度を整え始めた。 幼い私はやはり男と言うものをわかっていなかった。否、日高悟という人間をわかっていなかった。 彼は一度やると決めたことは、たとえどんな障害があろうとも、最後までやり抜く人間だった。 「そのまま待ってろよ。すぐに行って来るから。」 そして、私の頭をぐりぐりと撫でると、頬にキスをした。 「逃げるなよ?」 真剣な眼差しで見つめられ、私は息もできないままうなずいた。 しばらくすると、彼が外から鍵をかけた音が聞こえ、足音が遠ざかる音が聞こえた。 私は熱くほてる裸のままの胸を両腕で抱えながら、ベッドの脚にもたれかかった。 (続く)
続き期待!(*゚∀゚*)
ぺたんこと道程の言い訳に禿萌え
444 :
名無しさん@ピンキー :2006/01/07(土) 22:01:04 ID:4jLVMTmk
ほ
も
446 :
裏方 :2006/01/16(月) 17:43:43 ID:8pd1zggo
上記 418,420 の流れでスタートした緊急アンケート(男性のみ)、締め切りました。ご協力ありがとう御座いました。
女性の身体(性器含む)を好きなだけ触っていいシチュエーションになったら、どこまでなら「さわるだけ」でがまんできますか? 女性が感じてても、入れないで我慢できますか? 有効投票:25
1 いじってイかせてしまっても余裕で我慢できる 15
2 ‥‥正直さわりはじめたら止まらん気がする 5
3 胸までならなんとか 3
4 唇までならなんとか 1
5 下半身に触れるとこまでならかろうじて 1
自分のは入れないで、女性を指でイカせるのって、全然楽しめないことですか? それとも、何らかの形で、満たされますか? 有効投票:15
1 それなりに満足 11
2 それだけで十分と思うことがある 4
3 逝かせるだけじゃつまんない 0
縮刷版
ttp://www2.gol.com/users/kyr01354/bbsstory/ に以前のアンケートとともに保管済みです。
粗チンを晒したら恥かくだろうし触るだけで満足でつよ(;´Д`)
448 :
名無しさん@ピンキー :2006/01/26(木) 00:24:19 ID:MykilWnD
ほす
保守
お風呂のお湯のなかでのラブラブエッチなんか読みたい
451 :
倫 :2006/03/02(木) 20:49:36 ID:wlX416vl
んぁ? どしたの、電話かかってきた? きゃ、ちょ、待ってっ、入ってこないでよっ、服にシャワーかかっちゃうよ!? 待てないとかそんなこと、ぃわないでよぉっ… ふぁっ、やぁ、まだ泡落ちてないよ… 舐めたら苦いってば。 ねえ? ほーら顔に泡ついちゃった。…ぁあっ! ひゃ、だめだってそんなと、こ…あーもぉさっきやっと全部流したのに… あ、はっ…かき混ぜないでえ… くうっ… あっ、やぁっ、やぁぁっ、… ぁああああああっ…!! もうっ、ばかあっ! 突然だし!さむいし! シャワー出しっぱなしだし! 服くらい脱いで入ってきなさいよジーンズまでびしょぬれでどうすんのっ! 全部洗濯機入れてきなさいよっ! 乾くまで明日は外出しないからね! うーんご期待に添えたかどうか…
452 :
倫 :2006/03/02(木) 20:50:20 ID:wlX416vl
…「お湯の中」…!!!!
寝言乙
つ認定 つ「岡本倫・三級」
ゆらゆら、ゆらゆら、 お湯の中で浮いてる私のお尻の下には、あなたの太ももがある。 少しチクチクするから最初の頃くすぐったかったけど、もう今はすっかりその感触に慣れてしまった。 後ろ向きによりかかっている私の背中に、あなたの心臓の鼓動がはっきりと伝わってくる。 ドックン、ドックン、 まぎれもなくそれはあなたが生きている証。大好きな人が、夢じゃなくすぐそばにいるという事実。 でも背中以外でも、私はそこにいるあなたを感じることが出来る。 ちょうど今、私のはざまのところに当たってる硬いもので。 心臓の鼓動とシンクロするように、それは脈動をくりかえしている。 中間部分が入り口の部分に、先端のほうがちょうど私のクリトリスに当たっていて、 それはおだやかな刺激となって、私の背中を微弱電流のように駆けのぼる。 別に私の胸を触ることもなく、首筋にキスするわけでもなく、 ましてや私のほうから甘える言葉を口にすることもないのに、 私がその位置に座るとすぐにその主張は始まる。 いつでも。 最初は柔らかくあたっていたものが、今はすごく固い存在となって、あなたの意思をさりげなく示す。 この瞬間、私はいつでもうれしくなってしまう。 今、あなたは私を欲しがっている。そう実感できるから。
急にあなたの顔が見たくなって、浴槽の淵に手をつき、向かい合わせの位置に座りなおす。 ちょうど先端が私のぬかるみにあたるようにして。 その状態で私がじっとあなたの目をみつめると、あなたはきまって恥ずかしそうにする。 いたずらを見つけられた子供のように。 それはさっきより硬くなってさらに上を向き、入り口の上のほうに強くあたってる。 わたしのほうは完全にぬるぬるになっていて、そのままなんの抵抗もなく受け入れそうな状態。 でもあなたはひざを立てて、私のわき腹を両手でつかみ、少し私を上に持ち上げる。 あたっていたものは遠くに行ってしまう。 希望を叶えられなかった私は、しかたなく目の前の頭をつかみ乳房を押し付ける。 唇と舌がゆっくりと乳首の周囲を散歩し始める。でも決して乳首に触ることをしない。 延々と続く二重の責め苦の前に、さらに強く胸を押し付ける。触って! 乳首を捉えた唇と舌がゆっくりと回転を始める。ほんの少しで、私は我慢ができなくなる。 はざまから激しくあふれ出る粘液とともに、私の理性は吹き飛んでしまっている。 「ねぇ…… ねぇ…… 入れて……」 無言の力強い腕が私を持ち上げ、同時に後ろ向きにしようとする。 うながされるまま、私は浴槽の壁に手を突き後ろにお尻を突き出す。 両手が私のお尻をがっしりとつかむ。 硬いものが私のはざまにあてられ、こすりつけるように動く。 淫らな音が聞こえるように、私をじらすように、わざと。
待つことのできない私は片手を伸ばし、それをしっかりつかんで、 性急にうずく場所に押し当てて、引き寄せる。 グッ。 そんな動きを待っていたかのように、入り口をかきわけ侵入が始まる。 「アッ!」意図しない声が歓喜とともに口から飛び出す。 崩れそうになる体勢を保つために両手を壁につけ、必死で体を支える。 押し広げるようにじわじわと奥へ。 そして一番奥までたどりついたとき、私はやっと安堵の息を漏らす。 私の欲しかったものを得た瞬間に。 右手を壁から離し、腰に当てられたあなたの右手をつかむ。 その瞬間あなたが大きく腰を動かし始める。 わたしの中のものが暴れ、様々な快感が中のあらゆる場所からもたらされる。 声を我慢することなんて出来ない。大声で私はあられもない言葉を叫ぶ。 激しく打ち据えられる腰の動きと、肉のあたる卑猥な音と、 そして合間に聞こえるネチャネチャという響きと…… あっというまに私はリミットを超え、イってしまう。 その収縮に呼応するように、私の中のものもさらに固くなって、爆発に近い射精を始める。 その動きを感じて、また私の奥で二度目のうねりが始まる……
460 :
名無しさん@ピンキー :2006/03/14(火) 15:49:34 ID:ZziYovoe
さすがに落ちそうなので保守age
あー夏目さんの続きとさくらちゃんの続きが読みてえ。千佐子さんのもー。 自分で盛り上げようと思ってもこのスレは許容範囲が結構厳しいので無理なのが残念ですぜ。
保守
463 :
名無しさん@ピンキー :2006/03/29(水) 23:58:41 ID:CzFRyPch
age
464 :
名無しさん@ピンキー :2006/04/05(水) 03:39:20 ID:GNwfq90M
保守
377さんの話が好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ
職人さーーーーん ヽ(`Д´)ノウワァァァン
468 :
名無しさん@ピンキー :2006/04/22(土) 14:25:51 ID:iinAycrE
下着の線が浮いて来ないってことは、 パンツはいてないんだよ
スレ違いsage忘れごめんなさいorz
ここってサイトも紹介しておk?
473 :
470 :2006/04/29(土) 19:32:39 ID:AAPCrS5T
>>473 「縛」読んだよ。なかなか良かった!
近親相姦ものがOKな人なら楽しめるんじゃないかな。
ほ
476 :
名無しさん@ピンキー :2006/06/04(日) 13:55:10 ID:X7JpNoKr
あげ。
477 :
377 :2006/06/06(火) 13:38:49 ID:8QoKCwAC
お久しぶりです、投下します。 普通の馬鹿×ズレた馬鹿です。
好きです。 あなたが好きです。愛しています。あなたが望むなら、なんだって。 「津田お前、実は俺の事果てしなく嫌いだろ?」 「なんでそう思うんですか?私の愛を信じていませんね?」 くすくす笑って、この人がきっと、一番嫌いであろう表情をして、本音を吐く。正 直な所、この人にウソを付いた事なんて、殆ど無い。 にこー、と、自分的にはとびっきりの笑顔、この人―――私の恋人、2歳年上の三 島大地さん―――的には、ふてぶてしい笑顔で、頬にキスをする。 「…ウソくせぇんだよ、一事が万事、全部」 ごしごしと頬を拭って、私を押し退ける。あら酷い扱い。 「ウソ臭いですかね。私の心は、こんなにも三島さんのものなのに」 …物凄く、胡散臭く見えているんだろうなあ、と、自覚はしている。でも、本当の 本当。ウソなんて言ってない。どうして、わかってくれないのだろう。どうして、こ んな態度なんだろう、私も。直す気は、さらさら無いけれど。 「何度も言わせんなよ、お前、すっげー成功率低そうで高い詐欺師みてぇだもん」 「ひっどい言い様ですね。あーあ、泣いてしまいそうです」 「お前、泣いた事があるのか?」 …あるじゃないですか。ていうか、見たような気がする。確か、初めてエッチした 時…私、初めてだったから、痛くて、怖くて泣いたような… 首を傾げる。けれど、その仕草は別のものに取られたようで。
「だろ?な?お前ってそういう奴だよなー…なんで俺と付き合ってんの?」 ううわ、酷い。酷過ぎる。ていうか、私の物言いよりも、絶対に三島さんの方が酷 い事言っていると思うんだけどな。でも。 「三島さんの事、好きだからですよ」 そう言った。だって、理由なんてそれしかない。そりゃ、中途半端に出来のいい顔 も、せっかちでうっかり屋で間抜けな所も、口悪いけど、基本そんなに頭が回らない から、たまに悪口が悪口になってなかったりする所も。一応理由になるけど、結局は 二文字でカタが付く。 それなのに。 「なんですかその、宝くじ1等が当たったと思ったら、去年のだった、みたいな顔」 「お前のその例えがもうむかつくなぁあ!」 「きゃー、いたーい」 ごりごりごり、と、梅干を喰らう。が、その悲鳴は完全棒読み。手加減してくれて るのかどうかは知らないけど、そんなに痛く無い。その割に凄く必死な顔しているか ら、多分私に梅干はそんなに効かないのだろう。 少しだけ優越感を味わいながら、思い切り梅干の手を払い除けて、逆に三島さんの 顔を掴む。驚いて目を見開くその顔は、二時間サスペンスの犯人みたい。私は笑って キスをする。 「っ……!」 途端に、三島さんの顔は真っ赤になる。可愛い。こんな顔も大好き。全部が大好き。 あはは、なんだか、キスしたらエッチしたくなっちゃった。 そのまま、私は三島さんを押し倒す。大丈夫だよね、まだ真っ昼間だけど、三島さ ん一人暮らしだし。結構節操なしだし。 「っ、つ、津田!?」 「はぁい、ふぁんでふか?」
元気に、慌てた感じでキス攻撃第二弾を中止させる。でも、鼻を掴むのはやめて欲 しいな。 「お、お前な、すんのか?なあ、なんでこの状況で!?」 …心底わからない、みたいな顔をしないで欲しい。 「この状況と言われましても、愛する人と密着したり、口吸いをしたりすれば、身体 を重ねたくなるというのが自然の摂理ではございませんこと?」 「言い方だけ古風だな!合ってるかどうかもわからんけど!!」 更に体重を掛け、結局カーペットの上に寝そべる三島さんの上に乗るような形とな ってしまった。大好きな人とくっついていられるなんて、こんな幸せな事は無い。私 はわざと胸を押し付けるようにしたりする。 「…三島さん、あの…」 ぎゅっ、と、しがみ付く。したい。エッチしたい。キスしたい。ずっと、抱き締め ていて欲しい。そんな欲望ばかりがどんどん増殖していくけど。正直、そのものズバ リして欲しい、と言うのは恥ずかしい。だから、なんとなくそういう状況に持ち込む 事にしているのだけど…今日は、駄目かな… 駄目、なのかな。じゃあ、しつこくしたくないな。そう思って、離れる。そして、 じっと三島さんを見た。 「な、なんだよ」 「いいえ、私に押し倒されるくらいじゃ、コウキには到底勝てませんよ」 いつもに戻る。ていうか、こっちの方が楽。でもって三島さんは顔を真っ赤にして。 「か、勝てるか!今からボクシング初めて、一生掛けても勝てない自信あるわ!!」 と、本気で突っ込んでくれる。うーん気持ちいい。 「いえ、かつーんの方です」 「言えてねぇよグループ名!ついでに誰だ!ていうかどれだ!?」 「ハゲです」 「ハゲ言うな!それよりも何で、どうやったら戦えるんだよ!!」
ファファファファファ、と、どっかのボスみたいな笑い声を出す。うん、ちょっと エッチな雰囲気は完全に消し飛んだ。 「嫌ですね、本気で戦う気ですよこの人…きゃー」 突っ込んだ私にブチ切れたのか、今度は私が押し倒される形となる。元々、結構な 体格差もあるから、私がこの人に勝てる訳が無いんだけど。 「こんな時まで棒読みかい!」 …きゃー、が気に入らなかったらしい。わざとだけど。 「…さかってますねー」 「さかるか!お前如きに!!」 あらあらあら、酷いお言葉。私を乙女から女にしたの、三島さん本人なのに。 「…じゃあ、私にはもう、興味無いんですか?」 もしかしたら、と、大分不安になって、聞いてみる。と。 「そうかもな」 と、意地悪く呟いた。あ、そうなんだ。 「そうですか…」 なんだか、凄く残念。もう、三島さんとキスとかエッチとか、出来ないんだ。愛し て貰えないのか… ずーん、と、予想以上のショック。なんだか、悲しい。泣いてしまいそう。 「…津田?」 私は三島さんの身体を押しやると、じっ、と三島さんのキョトンとした顔を見る。 興味が無いという事は、もう、こんな風に近くで顔を見る事も、お家に来たりする事 も無くなってしまう。なら、せめて顔だけでもしっかり記憶しないと。よし。 「帰ります。今までお世話になりました」 「はい!?」 立ち上がる。あれ?なんでそんなに驚くのかな。
「ちょ、え、ちょ、ちょ、ちょ…」 なんですか、ちょて。口をぱくぱくさせて、顔色が悪くなって、立ち上がった私の 腕を掴む。立ち膝で。うーん、中途半端。 「どうしたんですか?三島さん」 「え、え―――っ、て、だって、お前、ついさっきまでさかってぬとかさかってくと か、言ってたんじゃねぇの?なんで、おま、急に帰るって…」 あれ?どうしたんだろう?興味無いって言ったばかりなのに。私は首を傾げる。き っと、表情はいつもと変わらない。もう、そういうものだしなぁ。津田家家訓・常に 優雅に冷静であるべき、ともあるし。 「だって、三島さんはもう、私に興味が無いって言ったじゃないですか、そのアヒル 口で」 「っ、アヒル口は余計だバカタレ!あのな、お前、だから、俺は―――」 …一人でわたわたと、真っ赤になったり真っ青になったり身体を動かしたり。 可愛い。ああ、やっぱり私、この人が大好きなんだな、って思う。見る度、知る度、 好きって気持ちが溢れて来る。だから、悲しい。 もう、この人は――― 「あああああもう、負けだ負けだもう!あーも、わかった!さかってる!さかっとる わ!お前で年中発情しとるわ!これで満足か津田ぁ!!」 …アレ? 何故か、何度も瞬きをする。 「あれ?あ、きゃー」 ぐっ、と、身体を引っ張られ、倒される。倒れた先は、三島さんの腕の中。ああ、 びっくりしたぁ。本気でびっくりした。 「…ったく、お前は本気で腹立つのな。絶対俺に勝たなきゃ、気が済まんのか?」 「はい?」
…ごめんなさい、三島さん。言っている意味が、よくわからない。でも、本当に三 島さんって、こんな風に何を言っているのかがわからない時がよくある。今だって、 脳ミソフル回転しているけど、意味がわからない。 「三島さん、何を言っているんですか?」 ので、たまにはストレートに聞いてみる。けど、三島さんは苦虫を噛み潰した挙句 に飲んじゃったような顔をして。 「うるせ。何が興味無くすだ、お前以上の珍獣なんか、この世にいてたまるか」 「そうですか?珍獣具合なら、私よりも三島さんの方…」 ぐ、と、かなり強引に、強くキスされる。なんだか、攻撃みたい。だけど、嬉しい。 だって、キスしてくれている。大好きな三島さんが。 「……」 しばらく、ずっと身体を押さえ付けられて、身動きも取れないままキスをされ続け る。時折舌を吸われたり、口の中、色々な所を舐められたりして、どんどん私の腕を 握る手の力が強くなって来て。ドキドキする。 「…ふ、は…」 やっと離れたと思ったら、なんだか挑戦的に睨まれて。 「お前の減らず口止めるの、こうするしかねぇんだからな」 真っ赤な顔して、本当にこの人、何を言っているんだろう?でも。 「とりあえず、まだ私に興味があって、さかってくれているという事でよろしいので すね?」 にや、と、口の端だけを上げて、言う。 「追い討ちかい!」 ずびし、と、チョップされた。 「普通に痛いじゃないですか」 「痛くしてんだよっていうか余裕だな!」
呆れたように、参った、と、降参のポーズ。何に勝って、何に負けてしまったのか はよくわからないけど。 「三島さん、LOVE」 親指と人差し指でハートマークを作る。親指を上にすればピーチ。昔、こういうの アニメでやっていた気がする。どうでもいいけど。 でもって、私の愛を受けた三島さんは。 「俺、何から何までここまでむかつく物体、初めて見たわ」 と、今にも私を殴りそうな勢いで拳を握り締めているのだった。むかつくかな、私、 これを三島さんにもして欲しいんだけどなぁ。 「…あ」 また右腕を掴まれ、引き寄せられる。せっかく作ったハートが崩れちゃった。 「三島さん、私のハート…」 「うるせぇな、黙ってろ、もう」 少しだけ乱暴に押し倒される。覆い被さるような形で、私を見下ろしている。あ、 この時の三島さんも可愛い。けど、ちょっと悪戯っぽい感じで笑って――― 「こっから、無しな。余計な事考えて、口に出すな。俺の事だけ考えてろ」 「…私はいつだって、三島さんの事、考えてますけど」 「っ、だから黙ってれ。俺だって、お前の事考えてるから…一々言うな、言わせんな」 顔、真っ赤。耳まで赤い。 ―――嬉しいな。言葉で伝えてくれている。私と同じように、三島さん、私の事考 えてくれてるんだ。 「はい、嬉しいです」 …今度こそ、本当に泣いてしまいそう。 「お前は、本当に言葉と面が合ってねぇなあ」
呆れられながら、言われた。 シャツのボタンを、ちょっと不器用に外される。 …エッチも、好き。キスするのも、されるのも、大好き。けど。 「しゃあねぇよな、こんなもん好きになった俺の負けだ」 恥ずかしい、でも、こんな風に言われたら、従いたくなる。何をされたって構わな いと、本気で思う。 でも、負けだって言っているけど、私の方が先に好きになったのに。恋愛というも のは、先に好きになった方が負けるって、そう聞いていたのに。 ―――たぶん、初めて見た時から好きだった。 恋愛なんてした事が無かったから、慎重に慎重に考えて、告白した。 あっさりと許可をいただいて、付き合い始めて、もう一年近くにもなる。時が経て ば経つ程、好きになっている。好きだから従いたくて、だけど、好きだからからかい たくて。三島さんがよく言う、勝ちとか負けとか、そういうのじゃなくて。 「…お前、こういう色のブラとか、どこで買ってくんの?」 ぱちぱちと、指でストラップを弾く。色?と言われても… 「普通じゃないですか?」 「普通じゃねぇだろ。何色だコレ、随分渋い緑だな」 ホックを外される。胸、出てるのに…そんなにブラジャーの方を凝視しないで欲し いな… 「クロームオキサイドグリーンファイアリーです。もう―――」 「は!?今なんて言った!?長ぇなぁ!!」 食い付きいいなあ。更に凝視する。くろ?おきさ?とかぶつぶつ呟いている。 「津田、もっかい。もっかい言って―――ぉぶっ」 「…下着よりも、私を見て下さい。それとも下着愛好者ですか?」
一言余計だったかもしれなかったけど、でも、なんとなくムカっとしたので、両手 で頬を潰してしまった。一瞬、凄く驚いたような顔をして、一瞬ちょっとだけ怒って、 でも、なんだか嬉しそうになって―――くるくる変わる表情が、とても愛しい。 「なんだよ、お前だってちゃんとそういう事言えるんじゃん」 …何が嬉しいのかは、やっぱりよくわからない。けれど、笑ってくれたのなら結果 オーライ…なのかな? 「ちょっと、安心した。お前っていつだってああだからな」 くくく、と、困ったように笑う。ああ、と言われてもなあ…そんな事を考えている 内に、私は裸にされてしまう。面倒臭そうに、三島さんも服を脱ぐ。 「……」 私は三島さんが脱ぎ捨てた衣類を手繰り寄せ、トランクスを失敬する。そして。 「津田?えーと、津田さん?」 私はじ―――っと、そのトランクスを凝視する。色は…プルシャンブルー…否、タ ーコイズブルーかな?に、アイボリーの小花が散っている…随分と可愛い… 「あの、えと、あー」 じろじろと、穴が開く勢いで見る。見る。そして見る。 「…悪い、俺が悪かった。そりゃ、嫌だな」 がしがしと頭を掻きながら、投げやりに言われた。はい。誰だって自分よりも下着 に食いつかれたら嫌です。当然の成り行きです。ちゃんとそういう事、とかそういう 問題じゃありません。 「別に、いいですけどね。ただ、この家以外の…例えばアルタ前等で他人の下着を凝 視していたら、ただの変質者ですので、お気を付け下さいね」 「誰がするか!」 ぺし、と叩かれた。 「…お前さ、俺の事、ホントに好きなのか?」
何をするでもなく、ただ裸で抱き合う。エッチも好きだけど、この時間が一番好き。 どうも、これを言うとしょんぼりされるけど。 「好きですよ。好きだから、私からお付き合いをお願いしたんです」 「…信じて、いいんだよな?」 ぎゅっ、と、抱き締める力が強くなる。 「好きなの、俺だけじゃねぇんだよな?」 少しだけ、弱気な声。 「ええ、当然です。私は三島さんが大好きです。信じて下さい」 いつも通り、自信を持って、当然のように言う。いつもいつも、本気で言っている のに、確認する必要なんか無いのに… でも、今の言葉がとても嬉しかったから、私ももっともっと強くしがみ付いた。 「…布団、行くか」 そういえば、カーペットの上だった。お布団の方が気持ちいいので、移動しようと 三島さんから離れる。立たずに四つんばいのまま移動する。 「それは誘ってるのか?お前なりに」 「何をですか?」 「…だよなあ」 くく、と笑う。同じように這って来て、2人でお布団に横になる。と、三島さんは いきなりお尻を触って来た。びっくりした。 「どうしたんですか」 「んにゃ、前から思ってたけど、さっき見て、やっぱお前結構いいケツしてんなって」 さわさわさわさわ、なんだかもぞもぞした動きで触ってくる。さっきって…あ、誘 ってるって、そういう事…なのかな。 「ん…じゃあ、こんな体勢よりも、さっきの方がいいですか?」 身体を起こし、じっと三島さんを見る。何度か瞬きをして、うん、と頷いた。よい しょ、と、身体を起こして、お尻を向ける。
なんだか、静かな部屋に、唾を飲み込むような音が聞こえた。 「三島さん?」 何も触って来ないから、不思議に思って声を掛ける。なんだか慌てて『あ、ああ』 と言って来た。私は少しボーっとしてしまって、三島さんが触ってくれるのを待った。 「お前も結構、好きだな」 「う…ん、え、何がですか」 結構、強くお尻を掴まれる。けど、痛くは無い。梅干と同じかな、と思ったけど、 どうも気持ちがいい。見えないけど、なんだか物凄くお尻に視線を感じる。ドキドキ するけど、なんだか、ムズムズする。身体じゃなくて、気持ちが。 「―――っ」 指が、触れる。お尻をずっと触っているものだと思っていたから、予想外だった。 そうだ、お尻とあそこって、陸続きだ。あれ、これっておかしい…? 「あ、ぅ、う…」 思考が、中断される。指が、中に入って来る。気が付かない内に、易々と三島さん の指を受け入れるくらい、濡れてたんだ…急に、その事が恥ずかしくなって来る。そ れでなくたって――― 「…あ…ん、んっ、あ、の、三島、さん…」 私、馬鹿だ。三島さんが喜ぶと思ってこんな事したけど、こんなの、あそこどころ か、お尻の穴まで丸見えなのに。 「ん、どうした?」 っ、意地悪だ、返事しながら、私の中に、もっと深く指を差し込む。ぬるりと、も っとして欲しいと、まるでせがむみたいに溢れた。それが太腿を伝って、きっと、三 島さんの指や手まで濡らせてしまったんじゃないかと、余計に恥ずかしくなる。 「あ―――やあ、っ、の、すいま、せん…あの、この格好、やっぱり恥ずかしいです」
…そんな事を言いながら。なんだか、スイッチが入ってしまったのか、身体はもっ と三島さんの事を求めている。わかってる。けど、これはやっぱり、ちょっと――― 「ふーん、お前にも恥ずかしいってシロモノ、あんのか」 「…ありますよ。無かったら、大変です」 からかうみたいに言いながらも、身体をひっくり返してくれる。ああ、良かった。 と、思ったら。 「―――あ、あの、三島さん?」 脚を左右に開かされる。これはこれで、恥ずかしい。でも、まあ、さっきよりは… まだまし、なのかな。 「んだよ」 ちょっとだけ、面倒臭そうな返事。 「…なんでもありません」 まあ、さっきよりは、と納得させる。はむ、と、なんだか食べられるような感覚を 覚える。そんな風に、あそこに口を付けられた。温かい舌が、入り口や中を舐め回す。 元々濡れていたからか、わざとなのか、その度に水っぽい音がして、余計に何も考え られなくなってしまう。 「―――っ、ん…ん…」 恥ずかしい。気持ちいい。もっと、でも、恥ずかしい…なるべく声を出さないよう に、口を噤む。三島さんは私の身体を…というよりも、腰を抱くようにして、顔をそ こに押し付けている。溢れていくものが、全部啜り取られている。 次第に、頭がもっとボーっとして行く。だらしなく涎が流れて、声も我慢出来なく なる。ふと、眼が合う。にや、と、笑ったような気がした。 「…もっと声、出せ」 濡れた口唇で、キスして来る。そんな事言われましても。 「そんなはしたない声出すなんて、恥ずかしいですよ」 最早、病気なのかもしれない。一々言い返してしまうのは。
「…言ってろ、ボケナス」 言葉は、割合酷い。けど、そう言いながら抱き締めてくれたり、頬にキスしてくれ るのは、少し反則のような気がする。でも。 「そんな欲望まみれの欲棒を押し付けられたら、私はどうすればいいんですか?」 …最初から気付いていたけれど、私の質問は、この人には嫌味に受け取れるらしい。 そのつもりは無いんだけどな。 「ふん、どうすればも何も、入れればいいんだよ」 さらりと受け流したつもり…らしいけど、そのものズバリで、なんだか聞いたこっ ちが恥ずかしい。三島さんは、やっぱりちょっとアホの子だと思う。 「そう、ですか。入れたいなら、あの、どうぞ」 …そう言ってから、やっぱりアホの子は自分だなあ、と思った。また考え無しに、 脚を開いてしまった。あまりの潔さに、三島さんが吹いちゃった。 「だからよ、お前は結局なんなんだ?」 それでも、意外に萎える事は無かったようで、コンドームを装着し始めた。やる気 は満々みたいです。 「三島さん、それって、サランラップで代用とか出来ないですか?」 「…そんな事を考える人間を、俺は今初めて知ったわ」 はぁ、と、ため息。出来ないのかな…出来そうな気がするのに。後、ゴム風船とか。 いつもお金無い無い言ってるのに、コンドームってそんなに安いものじゃなかった気 がするし。 「じゃあ、今度の誕生日、楽しみにしてて下さい」 三島さんは全くわかっていないようで、一応、空返事だけはしてくれた。そのまま また、私の脚を開かせる。見た目は、ラップとそんなに変わらないような…やっぱり 違うかな…まあ、そういったものに包まれている三島さんのが、押し当てられる。 …なんでだろう、割と慣れたのに、この瞬間だけは少し怖い。
「―――あっ」 濡れて滑り、一番感じる場所に、擦れる。私の出した声が面白かったのか、先に進 まずに、そのままでいる。 「…あのさ」 「はい?」 可愛いな、こうやって見下ろしている時の、ちょっと照れたような表情、一番好き かもしれないな。そんな関係の無い事を、考えてしまう。 「お前、結局どっちなんだ?恥ずかしいとか抜かす割に、簡単に脚開いたり、ケツ向 けたりする訳だけど」 …それは、ただの何気ない質問だと思う。けど、なんだか、言ってはいけない言葉 のような気もする。後で、失敗したかもしれない、と思った。けど、今は。 今は、ボーっと具合も最高潮で、そして、また悪い癖が出て。 「…好き、ですから」 「は?」 「好きですから、三島さんの為に、望むようにしたいんです。だから、考えるよりも 先に行動しちゃうんです。後で、恥ずかしいって気付くのですけどね」 言ってしまった後に、また気付いてしまった。けど、出てしまったものは仕方が無 い。それに、嘘なんて言ってない。100%本当の事だから。 照れ隠しに両手を伸ばして、三島さんの頬を包む。元々少し熱かった顔が、また熱 くなったような気がした。三島さんは、あー、とかうー、とか呻いて。 「…まあ、あのさ、突っ込む寸前にこんな質問した俺が悪ぃんだろうけど」 頬に当てた手に、手を添えてくれる。温かい。 「お前さ、そういうの、どこで覚えて来んの?そういう、あの、殺し文句的な」 「覚えるとか、そういうものですかね?」
…また、訳のわからない事を言う。でも、真っ赤な顔が、どうしてか、可愛いとい うよりも、かっこよく映った。やっぱり、大好き。 「思った事を言っただけです。いつだって、私はそうで―――」 最後まで、言葉は言わせて貰えなかった。三島さんは、今までで一番乱暴にキスし て来た。それから、滅茶苦茶に髪の毛をぐしゃぐしゃにされる。 「み、三島さん?」 びっくりして、呆気に取られていると、また何度もキスされる。何十分か前まで、 物凄く望んでいた気もするけど、実際されると…やっぱり、嬉しい。 「ああもう、お前って本当にお前だな!!」 …意味はわからないけど、とりあえず気合いだけは感じ取れた。何故か凄く嬉しく なって、視線を下げる。と、脱線に脱線を重ねたけど、まだまだお元気なようで。 三島さんもそれに気付いたのか、改めてお布団に転がる。 ―――けど。 「…あれ」 三島さんはすぐに身体を起こして、私を四つんばいにさせる。もしかして。 「また、お尻ですか?」 「違う、こっち」 こっち?ああ、と、納得する前に、三島さんが私の中に入ろうとする。いつもと違 って、少しきついような気がする。 「っ、み、三島さん…あの、なんで…んっ」 ずる、という感じで、私の中に収まる。最初さえ入ってしまえば、後はなんとかな る。ちょっとだけ引きつるような傷みを感じた。それも、すぐに消える。 「…わっ」 入ったと思ったら、身体を浮かせられる。たまにしてくれるような、後ろ抱っこの ような体勢になる。違うのは、裸で、繋がっている、という所。
「恥ずかしいの極致ですね」 「その割に冷静だな」 太腿の裏側を掴まれて、くすぐったい。でも、そんな事、言っていられない。誰か に見せ付けるみたいな格好で、凄く恥ずかしい。 「―――ん」 いつもと、なんだか当たるところが違う。どちらにしろ、こんな体勢じゃ私は満足 に動けない。頼りになるのは三島さんだけなので、身体を預けた。 「あ…はぁ…」 なんだか、呼吸がし辛い。ドキドキして、どうにもならなくなる。時折三島さんが 私の身体を動かす度に、指を入れられている時よりもいやらしい音がする。私の中か ら、あんな太いものが出たり、入ったりして、最初は少し擦れるみたいだったのに、 今は易々と行き来してる。濡れて、光って、溢れて―――全部、自分の事だって、わ かっているのに、再確認して、また――― 「…やっぱ、好きだろ、お前。さっきから締めっぱなしだぞ」 いつもと、違う。いつもより、変。ゆっくりなのに、もっと感じる。変。 「あっ…あああぁ…ん、そん、な、こと……」 嫌味のような言葉なのに、三島さんの声だってだけで、余計にまた、感じる。こん な声、出した事、無いのに、こんなの、今日に限って。 「三島、さ、っ、駄目、だめなの、もう」 「は?何が?駄目ってなんだよ」 私にだって、わからない。何が駄目なのというのもわからない。それも、わかられ ているんだろう。元々、私はこの人しか知らない。けど、三島さんは。 「ふぁ…っ、ん、や、そこ―――」 三島さんの手が、私の腕を掴む。その手を、繋がっている場所に触れさせる。ぬる ぬるして、熱い。 「自分で、触っとけ。もっと良くなるぞ」
「ん…それ、は、はぁ、半分、自家発電行為と…んっ」 苦しそうな声。自分で聞いてて、そう思う。なのに、三島さんは楽しそう。うん、 三島さんが望むなら――― 指が、勝手に動く。気持ちのいい場所を探って、擦る。その度にお腹が熱くなって、 もっと、もっとして欲しくなる。だから、指を動かす。 「あっ…ん、みし、ま、さん…ん」 今日初めて、胸を触られる。私が下半身を指で弄っているのと同じように、両方の 乳首を摘む。冗談みたいに引っ張られたりしているのに、それでも今は感じてしまう。 「―――ぁ…」 びく、と、身体が妙に反応する。勝手に、もっと感じようとして、三島さんのを締 め付ける。終わりは、意外とあっけなかった。身体中が気持ちよくなって、震えて、 すーっと力が抜けた。 後は、荒い呼吸だけが耳に響いている。まだ、少しだけあそこがひくひくしている。 気持ちいい。三島さんの身体にもたれ掛かる。後ろから抱き締めてくれるのが、やっ ぱり嬉しかった。 ―――けど、それは、束の間の夢のようなものだった。 「あ、え?」 人生で一番、驚いた声だったと思う。なんとなく、違和感はあった。私は最後まで いっちゃったけど、三島さんのは、私の中でまだ元気だった。私を下ろそうとしたの かと思ったら、それは大違いで。 「三島―――さん?」 私は、お布団に両手を着く。ぐちゃっ、と音がして、引き抜かれる。そのまま背中 を押され、また四つんばいの格好に。
「あ―――っ?」 腰を掴んで、また、入れられる。あそこはぐちゃぐちゃになっていたから、すぐに 受け入れた。そのまま、乱暴に何度も突かれる。 「っ、あ、あ!?ひ、あ、あああっ」 がく、と、腕が身体を支えられなくなる。さっきよりも、もっともっと、感じてい る。乱暴にされてるのに、気持ちいい。声が、出てしまう。 「…津田、悪ぃけどな、マジで今日は泣かす」 …背筋に、冷たい汗が流れたような気がした。きっと、その顔は、予想も付かない くらいに意地悪で――― 多分。 …可愛いんだろうなぁ。 と、余裕が無いのに思ってしまった。 「…可愛い」 ぷに、と、ちょっと地獄の形相でお布団に倒れる三島さんの頬を突付いた。 あれから、何時間経ったんだろう。身体は疲労感でいっぱい。見たいテレビがあっ たような気がするけれど、どうでも良くなっている。 何度も何度も抱かれて、幸せいっぱい夢いっぱい。今日は紛れも無く人生最良の日。 だけど。
「…やっぱ、お前可愛くねぇ」 と、呟く三島さん。 ええ、何度も達しましたけど、別に泣きゃあしませんでした。最後は、私が上に乗 って、三島さんを泣かせました。あはは。 「ていいますか、なんでそんな事しようと思ったんですか」 ぷにぷにと、両指で顔を突付く。それを鬱陶しそうに追い払って。 「っるせぇな、別に泣かそうなんて思ってねぇよ…限界までやりたかっただけだ」 ぷん、と、やっぱり訳のわからない事を。 「で、限界記録は…えーと、ひーふーみー…7回ですか」 ゴミ箱を手繰り寄せ、数える。 「新記録ですか?」 「…だから、黙れお前…そういう意味の限界じゃねぇよ…」 ったく、と、舌打ちされる。まあいいや。私は裸のまま、もう一度抱き付く。 「もう、出ねぇぞ、なんも」 「別に、出さなくてもいいです」 ぎゅっ、と、しがみ付く。離れないように。 「出さなくていいですから、こうさせていて下さい」 ―――いっぱいキスして、エッチして。残るはこうして眠るだけ。望みは全て叶っ てしまった。こんなに幸せで、いいのかな。 「…津田…」 広い背中。すりすりと、頬擦りする。 「前言撤回。可愛いよ、お前は」 しがみ付く私から離れて、私の方を向く。 「―――普段からそう素直だと嬉しいんだけど」
「…何をおっしゃるんですか、私は常に素直ですよ」 あれだけ言ったのに、まだそんな事を言うなんて。やっぱりアホの子です。 「どこがだ」 「素直=津田という言葉、知りませんか?」 「…ねぇよ。じゃあ俺=は何だ」 変な所に食いつくなあ。えーと… 「三島さん=…なんでもいいです。飽きました」 「2秒足らず!?」 びくっ、と、妙に動揺する三島さん。いや、本当にどうでもいいですし。 「もう、そんなのなんていいんです。変な事言い出さないで下さい」 「言い出したのお前だよねぇ!?」 ぐりぐりと、梅干。やっぱり、痛くない。 「…三島さんは、私にする梅干は、手加減してくれてるんですか?」 「するか!!」 ぐりぐりぐりぐり。やっぱり、痛くない。 「…三島さん、もう眠いです…今日はたくさん愛し合いましたからねー」 「この状況でそれか!?」 ぺし、と叩かれる。ため息をついて、どうしようもないものを見るような眼で、私 を見た。そして。 「―――なんで、こんなんに惚れたかな…」 と、当人を眼の前に言ってくれました。 「ほらあれですよ、運命というか、デスチニーというか」 「…お前、英語駄目なんだな」 ふぁ、と、大あくび。ちんこが丸見えです。喉の。 「専門はスワヒリ語ですから」 「お前、嘘か本当かわからない上に興味も湧かない事言うな…」
因みに、大嘘です。 「…明日、なに、する」 「あ、出来れば家の倉庫の整理手伝って下さい。ご褒美出ますよ」 少し考えて、やだ、と、断られる。そうだろうなあ。 「…三島さんの、ケチ。童貞」 「今しがた俺ら何してた!?」 即、突っ込んでくれる。 すふー、と、深呼吸。ああ、本当に疲れた。 「―――津田?」 返事、しようと思ったけど、出来ない。もう一度呼ばれるけど、やっぱり出来ない。 瞼も、とっくのとうに閉じている。でも、三島さんの声はよく聞こえる。 「…あのさ、津田、俺、お前の事―――もっとよく知りてぇと思うんだ」 眠っていると思ったからなのか、何故か、口調が柔らかい。 「今日一日で、お前が俺の事すっげー好きでいてくれてるっての、わかったし」 優しく、髪を梳いてくれる。その手が、不意に止まる。 「だからさ、いい加減お前の下の名前、知りてぇんだけど」 ―――あ。 忘れてた。そういえば、最初に津田って名乗っただけで、それだけでここまで来て た。ていうか、なんで聞かなかったのだろう。 …まぁ、いいか。私は結局返事もせずにそのまま寝入ってしまう事にした。その内、 言うだろう。別に知らなきゃ死ぬって事も無いし――― とりあえず、今はこの、まったりとした幸せ気分に浸っていたかった。 終
499 :
377 :2006/06/06(火) 13:57:30 ID:8QoKCwAC
はい、こんな感じです。 それでは失礼します。
リアルタイムキターGJ!! エロエロだー
501 :
377 :2006/06/06(火) 14:09:56 ID:8QoKCwAC
うわあああああ!! sage間違ってましたすいません!!
バカ可愛いエロキター! いつもながらGJ!!!
う、う、うわあああぁぁぁ377さん来てるー!!! GJ!GJです!気長に待ってて良かったー…
GJ!!!! そして縮刷版の中の人も乙ー。
505 :
名無しさん@ピンキー :2006/06/09(金) 13:46:38 ID:h/GH2eyP
GJ! そして津田の名前が知りたい。 コントみたいなオチやね。
素晴らしき素直シュールでありました。 読んでて、津田を嫁に欲しいとオモタ。 ……三島さんにべた惚れだから無理だろうなw
「おーっす、帰ったぞ〜〜」 空がとっぷり暗くなった頃、俺は同棲中の彼女が待つ、とある賃貸アパートの角部屋の扉を開けた。 ちなみにこの先独り暮らしを予定している君、悪いことは言わん、レオパレスだけはやめとけよー(防音が駄目駄目なんだな、アレ) ってか、そんなことはどうでもいいや。 「お帰り、長坂さん」 素晴らしきかな、お出迎え。 靴を脱ぎ、スリッパに履き替えたあたりで唯緒(イオ)は姿を現した。さらさらと腰まで伸びる長い髪が揺れ、女子大生ならではの恥じらい無きミニスカートからのびるスラリとした形の良い脚が眩しい。 ま、この程度なら日常茶飯事なのでいちいちドキドキしないが、出逢った頃は頻繁に目を奪われたものである。いやぁ〜懐かしいなぁ、と。 「人の脚じろじろ見るの止めなさいよ」 呆れた、と彼女のハキハキとした口調と細やかな表情。 「そりゃあアレだ、UFOを目の前にシャッターを切るなっつってるよーなもんだぞ?」 「はいはい、ご飯できてるから着替えてね」 「ったく、話を逸らすなよ」 パタパタとスリッパを鳴らしながら歩く彼女の背中を眺めながら短い廊下を進む。途中後ろから抱きつきたいような気もするが、肘鉄を食らうのが目に見るので、自粛。
寝室に付くと、唯緒の手はごく自然に俺の背広を背中から支え、新妻のそれのようにハンガー、ブラッシングと業務的にこなす。 もはや同棲生活ではなく新婚に思える。職業が刑事の俺と、学生で比較的暇が多い彼女の生活時間を考えれば、家事を全面的に任せることは在る意味普通なのかも知れないが。 「いつもありがとな。仕事忙しくてなかなか構ってやれなくてスマン」 だから偶にはこんな気の利いたセリフも重要である。しかしながら彼女はきょとんと動作を止め、 「──怒らないから、言いなさい。何しでかしたの?」 「何もねーよ。そう勘ぐるなっての」 唯緒は半眼で「ふーん」と納得のいかないような反応。一筋縄では手懐かない猫の様に、先に部屋を出た。
食後のビールを飲みながらリビングでバラエティ番組を見ていると、片づけを終えた唯緒がソファーの隣に腰を掛けた。そしてひょいっと俺の手から缶ビールを奪い取り、 「飲み過ぎ」 とだけ言って、中に残っていた分をごくごくと飲み始める。 「飲みたいなら自分で取れよ」 「ビールはあんまり好きじゃないの。梅酒、また買ってこなきゃなぁ・・・」 そして俺の肩に頭を乗せてきた。さらりと横髪が垂れ、そこからはシャンプーの心地よい香りがする。組まれた腕からはぺちょんと胸の感触が。ぴったりとくっついた身体からは暖かさが。この状態が俺にとって彼女にとって、安らげる理想的なそれだ。 上目遣いが可愛く思えて、つい柔らかい頬をぷにぷにと摘んで遊ぶ。 「くすぐったいわよ・・・、むぅ」 むぅ、に激しく萌えるぞコレ。 「なー」 「んー?」 俺は気まぐれに提案をしてみた。 「一緒に風呂はいんねーか?」 「誰と?」 「俺とお前以外に誰がいるってんだ」 唯緒はほんのりと頬を染め、じっと眼を伏せて思考する。いちいち恥ずかしがってくれるのは嬉しいが、その度に見る初々しいリアクションはどーにも心臓に悪い。 決断。 「独りで入る」 「・・・そうか」 こういうときちょっと悲しい。けれど案ずる事なかれ、きっと今回もアレなんだろう。 さて、アレとは一体何なのか。
ふい〜生き返る・・・」 じじくさいセリフを吐きながら、我が家の狭い浴槽に身を沈める。洗ったばかりで水気たっぷりの前髪を掻きあげ、天井を仰いだ。 ───流石に今日は無いかな〜・・・ 諦めかけた、その瞬間だった。 「長坂さん、」 声に反応してスモーク扉の向こうを覗くと、艶めかしいシルエットがぼんやりと映り、ごそごそと布擦りの音が聞こえる。 「やっぱり・・・一緒に入っていい?」 オフコース! 「ああ。来いよ」 からりと扉が開くと、タオル一枚の唯緒が姿を現した。長い髪を揺らしながらシャワーのコックを捻り、頭から暖かい雨を浴びる。 俺はその一部始終を観察することにした。
「見られると恥ずかしいわよ・・・」 頬を上気させ、シャンプーで泡泡になった髪をこねくりながら、ぷっと口を膨らませた。その体を隠すものは無く、もう充分見慣れたはずの唯緒のしなやかな肢体についつい眼を奪われてしまう。 きめ細かな白い肌は水気を弾き、綺麗な水滴にして垂れて行く。細くくびれたウエスト、くりんと丸いお尻、折れそうな手足首。その総てが女性を意識させる。 ────ヤバイぞこりゃ。 その場を咄嗟に繋ぐように、俺は会話を切り出した。 「唯緒さ、アレ・・・」 「何?」 うーん、と、ある部分を凝視する。最近言おう言おうと思って言えず仕舞いだったある事柄について。 「なんかよー、胸、大きくなってねーか?」 「・・・・・・・・・・・・・・・は?」 彼女の手が止まる。 「見ただけで解るの?」 「んー・・・前々から感じてはいたんだけどな。ひょっとして一カップ上がったんじゃねーか?」 素っ気なく首を振りながら、 「ううん。確かに大きくはなってるけど・・・サイズが変わる程じゃないわ」 「そんなもんか? そろそろDカップになっても良い頃だと・・・」 「────何でサイズ知ってるのよっ!?」 ぱこーんと桶でド頭を叩かれる。むちゃくちゃいい音がした。
「ちょっと詰めてよ」 「おう。背中向けてここに座れよ」 「ええ〜」 狭い風呂にいい大人が二人ではいると、ザパーという気持ちの良い音と共に湯があふれ出す。嗚呼、勿体ない・・・ 「ほら、もうちょっとコッチに寄れよ」 「いいけど、変なことしないでよ!」 しないわけねーじゃん、と心の中でふて腐れながら唯緒を後ろ抱っこ的に抱きかかえた。本人は俺の顔が見えないのが不安なのか、ちょろちょろ後ろを振り返っては甘える目つきで俺を誘う。 アンダーバストの辺りに腕を回し、彼女を自分側に抱き寄せる。 「きついよぉ・・・」 「我慢我慢。そのつもりで入ってきたんだろ?」 「でも、長坂さんが誘ったのが元々でしょう」 「一度断ったのは誰だっけかな〜♪」 俺からは見えないが、口を尖らせて拗ねの表情をしていると思われる。こういうのはただ見るだけじゃなく、想像するのもまた楽しい。 「そんな事言うと出るわよっ」 しかし一向に動く気配はない。ここまでからかいがいがあると逆に迷うぞ、俺。取りあえず黙っているおろおろする彼女を宥め、 「なぁ、何で一緒に風呂にはいるのか解るか?」 訊ねた答えはすっぱりと、 「ただの節約でしょ」 違う、違うよ、いおちゃん。ちゅーかふざけてんのかこの女は。 居たたまれない思いに駆られ、悪戯にでることに決めた。 「・・・・・・教えてやるよ」 耳元で囁くと、彼女は腕の中でびくりを身を竦ませ、とろんと垂れた目つきで振り返り、俺を見る。 にやり、と嗤う自分。 こめかみにタラリと汗を伝わせる唯緒。 その表情から時は満ち足りと判断し、遂に自らの掌を唯緒の双丘へ這わせた。
「ひきゃ・・・くすぐったい、くすぐったいってばぁ!」 両手を大きく使い、手中にすっぽり収まったふくよかな乳房を軽〜く揉みほぐすことから始まった。 「変なことしないでって言ったじゃないっ」 「この状態で無茶言うな! これでも随分我慢しとったんだぞ」 「知らないわよそんな・・・んっ、ヤダ、止め・・・」 いつの間にやらツンとそそり立つ彼女の胸の先端を、親指の腹で丁寧に擦り上げれば、甘い吐息。 「どーれ、もっと大きくしてやろう」 「うひゃぁ! やめてって言ってるでしょう!!」 可愛らしくも体をもぞもぞと揺り動かすが、そこからは逃げる程の素振りは見受けられない。(俺的には、ではあるが) 「目指すはパイ擦りだ」 「変態〜〜〜〜!!」
それでも時が経てば、段々と変化を遂げる。 「ん・・・しつこいってばっ」 声の質は確実に変わっている。勢いを失った言葉は本能のままに漏らす声に埋もれ、艶のかかった声色がこちらの性欲を持て余すかのように耳に残った。 「後ろ向いてくれ」 「んん? ─────っ!!!」 強引に唇を奪う。彼女もそれを判って我先にと唇を割り、その隙間から生暖かい舌を俺の口腔に差し入れた。勿論、俺も負けじと自慢の舌技を炸裂させる。 「んむ・・・はっ、んちゅ・・・ちゅぱ、」 胸を揉んでいた手は自然と後ろ頭と肩にかけ、彼女の方も体を向かい合わせて、愛撫を受けた双丘を俺の胸板に擦り付けるように寄りかかってきた。 「唯緒、もうちっと顎を上げろ」 「うん・・・」 言われたとおりに上げられた顎に指をかける。お陰で動きやすくなった自らの舌を彼女のそれに絡め、深くなぶり上げ、唾液を吸いばむ。 「─────んぐ、は、もっと飲ませろって」 送り込まれた唾液を総て飲み干してもまだ足りず。一度唇を離すと、微かな糸を引いててらてらと光る。 「今度は私の番・・・」 懇願の声は儚く、しかし欲をそそるには充分だ。お互い舌を伸ばし、その先だけで触れ合う喜びを味わう。その間もそれぞれ涎が垂れ流れ、唯緒は俺の口周りの液をちろちろと舐め始めた。 「美味しい」 「ん、くすぐってぇな、コレ」 照れ紛れに言ったところで、彼女の舌が止まる事は無い。昔は受け気味だったクセに、味を占めると攻め側、否・・・リバか? 教え込んできた本人が翻弄されっぱなしだった。 とか考えているうちに、下半身の方が準備を始めてくる。 「な、────いいだろ?」 「・・・・・・・・・ん。お手柔らかに、ね」 ほころばせた極上の笑顔に、愛おしい気持ちで胸がいっぱいになる。これだから病み付きになってしまう。
充分に潤った唇で唯緒の胸にしゃぶりつく。固くなった頭をころころと舌で弄び、空いた方の胸はしっかりと掴み上下に揺する。たゆたゆと弾むように揺れ、呼応するように彼女の口から吐息が漏れる。 「はふっ・・・んんっ・・・気持ちいい・・・」 それならサービスしてやろう。 「あっ、ああぁ・・・!」 ぷつんと立った乳頭を甘咬みすると、一層艶のかかった喘ぎ声が浴室に響き渡った。揺すっていた手では、先端を摘み上げる。 「い、イジワル・・・」 「ははっ、感じてたクセに」 「かっ、感じてなんて・・・あうっ」 唇を離し、両掌で乳房を遊ぶように回す愛撫をする。 「おー、でっかくなれよ〜〜〜」 「んんっ・・・人の体で遊ばないでっ!」 「とか言って、乳首ビンビンじゃねーか。カラダは正直だぜ」 「反論出来ないじゃない・・・む〜・・・」 耳まで真っ赤にして恥じらう姿。これまたオレは身を焼く。
さて、そろそろ下の方も可愛がろうと腰に手をかけたその時、 「待って・・・・・・」 唯緒の掌が重ねられた。 「何だ?」 今更になって、今日は駄目だ、なんて言い出さないか心配になるが、どうやらそうでは無いらしい。 「お風呂のお湯・・・洗濯に使いたいから、その、濁っちゃうのは・・・」 ああ、なんだそんなことか。 「んじゃ、一旦出るか」 「うん、ゴメンね・・・」 しゅーんと俯く様子に激しく悶えそうになるのを堪え、俺はサブリと浴槽から上がった。彼女も俺に続いて上がると、慌てて視線を逸らされる。 「? どうかしたか?」 「そ、そうじゃなくて、その、元気だなぁって・・・」 イマイチ意味が判らない。 「だからその・・・女の子に堂々と見せつけるのはどうかと思うのよ」 視線を下にやると、知らぬ間に硬く勃起した息子が。 ───普段はともかく、戦闘状態ではそれなりに自信があるけどなぁ・・・ だが、俺以外のそれを知らない唯緒に、大きさ云々を語る余地はない。ということは彼女本人の心境がそっち方面ってことか。 「何なら好きに触っていいぞ」 驚愕と戦きの形相。 「・・・言い方悪かったな。ここはお前に任せるよ、頼む」 俺は改めてその場に直立し、頬笑んで彼女を迎える。 「・・・・・・・・・わ、わかった。その代わり文句言ったら止めるわよ」 優々子はぺたりと俺の足下に跪くと、指を揃えて男根の根元に据えた。 そしてスリスリと棒をさすりだす。
男性1人称って珍しいな。wktk ……で、続きは?
優々子って誰?
「────っ」 遠慮無しにカリを擦り上げられるが、勿論この程度では出ることもないく堪えられる。 「長坂さん・・・」 「何だ?」 タオルで巻き上げられ、垂れた横髪だけが貼り付く頬を優しく撫でてやりながら訊き返す。唯緒は上目遣いで俺を見据え、 「・・・・・・口で・・・して欲しい?」 邪魔そうに横髪を掻きあげながら見上げる様子は、とても色っぽい。 「ああ、そうしてく・・・」 全部言い終わらないうちに、ぺろぺろと屹立物を舐め始めた。 「うあっ、あ・・・」 「ん・・・ちゅ・・・んちゅ」 強く吸い上げるキスが棒をランダムに刺激した。俺は彼女の頭をがっちりと掴み、嗚咽を漏らした。 くそっ、このままでは早々とイってしまいそうだ。 「いつの間に、そんな技・・・っ」 「あむっ・・・、ん、玄関の上の戸棚・・・何があるか覚えてる?」 玄関の・・・上の・・・戸棚の・・・中・・・っっっって!!!!!!!!! 「ちゃんと隠してよ。ぴちゃ、はっ・・・ちゅちゅっ」 「────ちくしょ、みっともねぇな・・・・・・あくっ、はぁ・・・」 記憶を辿ると、無修正洋モノ一つに、レンタルAVの無断コピーが三・四本・・・ソレ系雑誌が何冊だが仕舞い込んでた気がする。 尤もここ一年位はお陰で滅多に世話にならなかった。そんなことして独り寂しく抜くよりは、唯緒を誘って教え込む方が楽しい。 「心配すんな。誰よりもお前が一番エロイ」 「─────っ、失礼ね!」 「ほら、口、止まってんぞ」 返事もなく口淫が再開される。 亀頭の周りを小さな舌がぐるりと一周、先端がざらざらとした舌の感触で覆い尽くされる。 「くああ・・・すげー、いい・・・そうだ・・・」 「すぅぅ────、はむっ」 一気に彼女の口腔に包まれた。自分が仕込んだ技、急にやられると困る一方で仕込んだ甲斐があるというものだ。 「ちゅぱっ・・・じゅる、ちゅぅ・・・あむ、」 舌と口の筋肉が疲れたのか、頭ごと振った上下運動での刺激が俺の下半身を砕いて行く。ばっさばっさとした大きな動きで彼女の髪を纏めていたタオルが解け、湿った髪が垂れ下がった。 「ああっ・・・、たまんねぇ・・・」 徐々に速度はあがり、モノが縦横無尽に愛撫される。 ───ちゅーか年下の女の子にイニシアチブを取られるとは思わなんだ。 「ん、んぐ、んんん・・・」 浴室内にじゅばじゅばと唾液と粘液の淫靡な音。 優々子の唾液で性器はベトベトにされ、混じって先走り液が零れる。 「ぐはぁ・・・で、でる・・・っく、」 唯緒は喘ぐ俺の様子を見て、ピッチを上げた。動きだけではない、懸命に口で奉仕する彼女の顔もまた俺を興奮させた。 最後に、白い歯が男根をカリカリと擦る。 「っつ、ぐあぁ・・・──────っ!!!!!!!」 掴んだ手に力が加わり、頭が真っ白になった。 「・・・っあ!」 白い欲望で唯緒の口と顔がぐちゃぐちゃに汚染される。飛び散った液は肩や胸元にもひっつき、あられもない顔周りになった。
「ごくん、ごくん・・・」 「おわ、無理に飲まなくても良いんだぞ?」 「いいの。私がしたいだけだから」 そういってしなしなと萎れた一物を再び握った。 「うおっ!」 ちゅうちゅうとバキュームの様に残り汁を吸い上げると、その刺激で再び───さらに威勢良く硬さを取り戻した。 「唯緒、・・・やろう」 「・・・・・・うん。今度は長坂さんが気持ちよくしてね・・・」 のっそりと立ち上がった彼女の手を取り、壁際に連れて行った。後ろから抱きかかえるように壁に追い込み、掌を導く。 「ここに手をつけ。しっかりな」 彼女は戸惑いながら俺の方に首を向ける。 「ここで・・・バック?」 俺は真剣にこくんと頷く。 「ベットまで・・・待てない?」 「あったりまえだ。誰のお陰だと思ってやがる」 「・・・ばか」 触れるだけの軽いキスを、ちゅっと気持ちの良い音を立て一回だけする。 「じゃ、行くぞ」 後ろからそっと抱きすくめる。その背筋に舌を這わせ、つつーっとうなじの方へ登って行く。 「ふぁ・・・・・・ぁはっ、」 耳元まで辿り着いくと、顔ごとびったり横付けして体を密着させる。 「長坂さ・・・っ!」 彼女の太ももに男根を挟み込み、前後運動でクリトリスを摩擦する。 「はぁぁ・・・入れてないのに・・・こんな・・・」 「素股ってんだ。危ない日なんかに使うといいんだぞ」 「でも、今日は大丈夫・・・っああ・・・」 少し腰を落とし、高さが均一な状態で速度を上げた。もぞもぞと閉じられた股の間は心地よく、結合相応の快感を得られた。
「んんっ・・・はぁ、はぁ、あくっ・・・・」 腰は忙しいが、手は暇なので後ろから乳首を摘んで遊ぶ。口も暇なのでうなじをすーっと舌の表面で撫でる。唯緒の肉体、全四カ所を同時に攻め立てた。 「だめっ・・・そんなにされたら・・・ああっ!」 「いい声だ・・・」 彼女の耳元でボソリと囁く。 「は、恥ずかし、いよ・・・」 急角度で重力に逆らう自らで、入り口をぐりぐりと練り上げる。けれどまだ入れない。唯緒には本番前に一度イッて貰おうと思っていた。その為には自分が先に行かないよう、相当気を付けねばならないのだが・・・ 「くうぅ、焦らさないでぇ・・・・・・するならさっさと・・・」 意外にも、彼女の股は棒をまるで膣内の様に甘く包み込み、これ以上時間を延ばしたら俺の方が音を上げてしまいそうだ。限界が来る前に、一度その動きを止め、離れた。 「え・・・どうしたの?」 「ちょっと待ってろ。今イかせてやるからな」 おろおろと後ろを向く唯緒を余所に、その場にしゃがみ込んでお尻をがしっりと鷲掴みにする。その手の親指で、ひくひくと充血した花弁をこじ広げた。 「なっ・・・やぁ・・・」 とろとろと蜜が潤うそこに自らの唇をあてがい、わざと音を立てて液を吸い取った。 「んんっ、そこは汚いわよっ」 「んなことねーよ。もっと尻上げろ」 ぐいっと尻を上げさせ、舌を中に挿入する。 「ひぁっ・・・入ってくる、んくっ・・・」 奥へ、更に奥へ。進めば進む程局部から滴る愛液が、舌を伝って自分の口内に流れ込んできた。
「ああ・・・腰がおかしくなりそうで、なんだか・・・もうっ・・・」 唯緒は無意識に腰を揺すり、ポイントを探っている。 「はあああぁ・・・いやぁ・・・」 熱い溜め息。 舌を一旦抜き、勃起したクリトリスを軽く咬むと、抑え付けていた筈の尻がひくりと疼いた。更に歯先でこりこりと弄んでみる。 「ああっ駄目ぇ、もうっ、私ぃ・・・ああっ、ああっ」 仕上げに肉襞を丸ごと吸い、吸引力で引っ張り上げた。 「っつ、あああっ・・・・・・・・・!!!!」 びくんと痙攣したかと思うと、秘部から潮が噴き出し、太ももを伝って垂れていった。充分な潤いを持ったそこは、軽いオーガズムだけでは満足できないらしく、依然と男のそれを求めるようにひくひくと蠢いている。 「・・・はぁ、はぁ、イっちゃった。なのにまだ・・・足りない・・・」 「おっし、行くか!」 俺は立ち上がり、勢い良く膣口を突き上げた。 「んくぅ・・・、はぁっはぁぁっ」 一発で入った男根は彼女の膣内を深く貫き、俺はその後ろからの行為によっての征服感を得る。普段は雄々しい唯緒が俺のモノで貫かれ、従わされ、それを貧欲に求めていることが興奮を呼び覚ます。 「ん・・・どうだ、ちゃんと繋がったぞ」 「つ、繋がってる・・・? 私と・・・長坂さんと・・・」 「ああ。こんな風にな、一緒に感じるんだ」 言いながら俺は腰をくいくいっと∞の字に回した。棒が中で抉れ、唯緒の膣内をぐりぐりと掻き回す。 「ああっ、ながさかさん・・・そこ、いい・・・」 きゅっと肉壁が絡みつき、捕まえられた男根は形がピッタリのそこに丁度良く締め上げられる。 「──っああくっ・・・、おーし、動かすぞっ」 ピストン運動開始。彼女の腰をガッシリ支え、スピードに乗せて肉棒を出入させる。抜くときは求めるように吸い付かれ、押すときは待ち侘びたように包み込む膣内の触感は最高だった。名器と言うよりも俺の凸と彼女の凹が相性良く交わり、狂おしい快楽が生まれていた。
「ひぃ・・・ああ、あ、ああっ・・・」 喘ぎ声も動きに合わせて甲高くなる。唯緒は崩れ落ちそうになるのを必死に堪え、上半身ごと壁にもたれ掛かった。 「くはあぁっ、ぐぁ・・・唯緒・・・」 彼女の背中を見下ろしながら一心に腰を打ち付ける。パンッパンッと性器がぶつかり合う一定の音が浴室に響き、お互いの漏れ声が小刻みに震えていくのが判った。 「んくっ、あっ、んんっ、ふああぁ、ああ!」 「・・・ぐぅっ!」 とろけるような下半身の感覚。俺も唯緒も劣情に腰を振るい、お互いの快感を誘っている。 前戯のお陰で感じやすくなった体は、高みに登りやすくなっていた。俺も俺で強く熱くなった怒張から限界の近さを察知、漏れ声からするに彼女も良い線に行っているようだ。 「ぅんん───っは、んくっ・・・」 「優々子・・・俺、そろそろ・・・」 「うん、・・・一緒にっ、イかせてっ」 「っし、スパートかけるぞっ・・・」 Gスポ中心に引っかけていたのを外し、ぐいぐいと深いところに突き当てる。先端が子宮口に到達すると、唯緒の声の様子が変わった。 「やあぁぁ・・・っ、くぁ・・・んん・・・」 ──お、良い感じ。 腰の疲労なんのその、がりがりと回転をかけて奥の入り口を貫く。 「ちょっと・・・あ、ああ、いあぁ・・・」 彼女にしては甚大な反応がいよいよ面白くなり、後ろから顎に手を掛けて口に丸めた指をあてがう。 彼女は素直に唾液でべちゃべちゃな口の中に俺のそれを含み、ちゅばちゅばとしゃぶっては荒れた息を吐き、小刻みに息を吸い、声を上げ、また指を舐め、という何とも忙しい動きをする。 「あぁんっ、ちゅば・・・ちゅば・・・、はぁっはぁっ」 その必死さ加減がツボに嵌った。 「─────いいな。か、可愛いぞっ・・・」 「あ・・・誰がやぁせれんのよ、もっ、ううんっ!」 もちろん腰の動きも緩んだりはしない。絶頂が近くなった彼女の肉壁はきゅっと俺にまとわり、腰の動きは奥の入り口を練り上げるように押しつける。
「ああっ、来るっ・・・は、ちゅぱ、ひはっ」 「ああ、俺ももう、だ、」 結合部からは粘つく音が、くちゃりくちゃりと恥ずかしげもなくあふれ出す。もう歯止めなどはきく筈もなかった。 「い、イクぞ・・・」 「んんっ、中に、来て、・・・あくっ」 絶頂が近いのか、先程までべとべとにしゃぶっていた俺の指にかぶり付き、喉から声を絞り出す。 「んくぅ、く、んんん──────────────!!!!・・・くぅっ!」 尤も深いところに突き刺さった瞬間、威勢良くぶちまけた。 「─────────あああっ!!!!」 びくびくといつまでも中で精液を吐き出し続け、なかなか止まる気配がない。
「はぁはぁ・・・ああ、凄い、まだ出てる・・・」 頃合いを見計らって、搾り取られた棒をずるりと引き抜いた。膣口からは白濁液がとろとろと溢れ出し、我ながらしみじみと「溜まってたんだなぁ・・・」と感心してしげしげと。 「何、ひとのお尻見てるのよ・・・」 「・・・・・・気にすんな」 俺が視線を離すと、唯緒は力を無くし、ぺたりとその場に座り込んでしまった。俺もべったり尻餅をつく。 「あ〜〜〜、まだ下半身溶けてるみてぇだ・・・」 「私も、疲れて・・・」 顔にだらだらに垂れた汗を手で拭い取ると、右手の中指に違和感が。 「あ、」 「?」 唯緒の歯形が、がっちりと赤い跡を残していた。 「いてぇ〜」 「んもうっ、そもそも長坂さんが・・・・・・ご、ごめんね」 「ったく、謝るんだか・・・意地っ張るんだか・・・」 「もー、ばかぁ!」
がばっと俺の胸に飛び込んで、胸板をぱたぱたと拳骨でいたぶる唯緒。 ───うおおおおおーーーーーー、可愛いじゃねーかぁぁぁぁぁ! 本能のまま強く抱擁。特に息切れして上下する胸をぐりぐり擦り付けて、ベッタリと互いの体を密着させる。 「ちょっと、何すんの・・・よ・・・」 「そんなでけー声出すな。ゼェハァいってんじゃねぇかよ・・・」 「ん。ちょっと離してよ」 大人しくした口調で懇願される。 「もーちっとだけ」 「・・・・・・ふーん。今日は一緒に寝てあげようかなぁって思ったんだけど」 「離します」 一時の至福より、一晩の添い寝だ。のちの千金逆バージョンだ。俺は素直に回していた腕を解き、膝を突いて立ち上がる。 「──っ、あ〜ケツ痛てぇ・・・」 壁に手を借りながらよろよろとバランスを取り、脱衣所に繋がる扉をカラカラと横に開く。丁度ふわふわのマットを踏んだとき、何か俺の足首に生暖かく握られる感触が。 「・・・・・・おい、ちょっとビビったぞ」 案の定、唯緒だった。 「力が入らなくて・・・立てない。な〜が〜さ〜か〜さ〜〜ん」 「上がる前にいっぺんシャワーで流せ。髪とか、その・・・くっついてるしな」 「た〜た〜せ〜て〜」 「はいはい。んっ・・・しょっと!」 俯せで這い蹲る唯緒の脇下に手を差し入れ、上腕二頭筋に残り少ない力を振り絞り、俺は彼女の身を起こし上げた。
以上です。 男主観って結構な冒険でしたが、中性的なので平気かと。
>528 乙です! が、時々優々子が出て来てますよ。 一度書いたら読み返した方がいいかと。
>>528 乙。
検索→置換すれば置き換え漏れもなくて安心だよ。
(Word、メモ帳使ってる前提だけど)
過疎ってるね
はいはい保守
534 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/02(日) 22:35:25 ID:Z28zLFu+
すみません、ageます
良スレ
528だけど今小話書いてる。 来週くらいには書きあがるだろうけど、投下する?
本当ですか? ぜひお願いします ワクテカ
538 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/19(水) 00:57:31 ID:kbfCqlVv
∧_∧ ( ・∀・)ワクワク oノ∧つ⊂) ( ( ・∀・)ドキドキ ∪( ∪ ∪ と__)__)
(*´д`*)パッション!!
540 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/22(土) 14:30:34 ID:KHFg+Zyw
age
541 :
528 :2006/07/24(月) 17:17:09 ID:iT1zMaS2
今書き途中。 前置き長いのにエロ短いからどうかなと思ってるけど…… まあ過疎ってるし、早くて今週には。
542 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/24(月) 17:39:59 ID:stUe3L7Q
期待age
543 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/24(月) 18:27:40 ID:InhBRLal
ワクテカage
544 :
528 :2006/07/26(水) 12:55:33 ID:tsqfJ3NZ
親戚に聞いた笑い話をネタにしたSSです。 当初の宣言よりだいぶ遅れましたが、まぁとにかく投下します。
「誠一さんが亡くなったのよ。忌引き休み取って帰ってきなさい、雪香(ゆきか)」 母からの電話である。 ──そして私は帰省した。 「はあ〜、久しぶりだなぁ・・・・・・」 最寄り駅で降り、改札を出るとその先はもう思い出そのものだった。平日の正午間近の地方駅には地元の遅刻学生や買い物主婦がちらほらで、そんな中礼服バリバリの自分が濃ゆい存在として浮いている。 なんだかなぁ・・・。真っ昼間にここにいるとどうも高校時代の遅刻体験を思い出して心許ないのだ。 ま、とにかく電話して迎えに来て貰おう。バスは1時間に1本だし、タクシー乗るお金勿体ないし。 携帯電話が使えるか心配だったが何とか圏内であった。 「もしもし、あ、おかあさん? 駅に着いたの、迎えに来て。 ・・・え、そうなの? ・・・・・・・・・・・・ハァ?歩いてこい? 本家まで何キロだとおもってんのよ!」 母曰く、今客のラッシュが到来真っ直中でとても手を放せそうにない状況らしい。そして地元民は徒歩でGO!だそうだ。 「ったく、しょうがないわね。歩けば良いんでしょ、歩けばっ」 通話終了ボタンを押し、さて、ハンドバッグの中に仕舞って道を行く。 考え事でもしながらなら、まあそのうち着く。 本家ではイトコのみんなが集っているのだろうか。父の実家は四人姉弟で、亡くなった誠一叔父さんは一番下で若く、子供の頃は一緒に遊んでくれたものだ。 ──白状しよう。私の初恋は5歳の時、当時25歳の誠一叔父さんにだ。 ・・・・・・だから正直、帰って来たくはなかった。東京に居れば昔を思い出すこともなく、ただ静かに冥福を祈ることが出来ただろう。 「駄目駄目、こんな田んぼ道で泣くってアホでしょそれぇ・・・」 キッと気を立て直して、前を見据える。 と、 前方から騒音を立ててバイクがやって来る。────それだけで私は総てを理解した。 ソイツは片手で手を振りながらギューンとスピードを落とし、すぐ隣で足をついて止まる。そしてメットを取る。 「お、やっぱり雪ねえだ。田舎田んぼに真っ黒スーツって見つけやすいな、久しぶり」 「て、・・・」 救いの神よ、貴女は誰一人として子羊を生まぬのね! 「徹志(てつし)ぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
私の渾身の一撃は敵の頬を掠り、構えられた手の平へでパァァンッと受け止められる。 「再開一発目でそれかよ、雪ねえ」 「親愛の証(はぁと)。それに偶にメールしてるでしょう。で、何しに来たのよ?」 「バッカ、電話の声がデカイ。茶菓子買いのパシリのついでに迎えに来てやったんだ」 徹志は微笑しながら私にもう一つのヘルメットを渡して寄こす。受け取って頭からすっぽり被り、彼の後ろに乗る。 「あんたってばいい男ねぇ〜、これに乗ってると三割り増しね」 「俺のインパルス400は最高ってことだ。しっかり掴まれよ」 普通なら顔をしかめる騒音も今日は崇める価値有り。 前方からの勢い良い風に打たれて道路を走って行く途中、徹志としょうもない話で盛り上がった。 徹志は最も親しい従弟である。1歳違いというのもあるが、昔は本家で一緒に暮らしていたので幼馴染みという表現の方がしっくり来る関係だ。秘密基地にも連れていかれたことだってある。 昔からバイク好きだったけれど、まさか独り暮らし先の神奈川からコレで高速使って帰ってきたと聞いたときは流石に度肝を抜かれた。 ま、そんな馬鹿なところは嫌いじゃない。腐れ縁の年下男ってことで往々にして扱き使っていたが、言わずとも自主的に迎えに来る所を見るとその習慣は今なお継続しているようだ。 感謝を込めて背中にぎゅっとしがみつく。 「雪ねえ?」 「・・・いい奴よね徹志は、本当に。」 口に出すと気が紛れる思いがした。そのお礼に自慢の胸をぐにぐに押しつける。 「・・・それ誰にでもやってねーよなぁ?」 「徹志限定サービスよ、本当に。────アンタ居てくれて良かったわ」 「・・・・・・」 「んー、電車乗りっぱなしで疲れたぁ〜〜〜」 ・・・・・・まー、田舎の道って長い替わりにガラガラだからすぐ着くのよね。
本家に着いてからは出来合いの昼食を取って、女手として接客を手伝い、空が暗くなる頃には葬儀場へと移動した。 誠一叔父さんの亡骸を見た。冷凍で白くなった体でも、幼い頃に遊んでくれた優しい叔父さんの影は残っていた。そんな、中途半端に懐かしさを感じたら、悲しむことも落ち着くことも出来ない。 始終、虚無感だけで満たされる。 そして通夜が終わると、同式場でおもてなしとして食事席がある。 誠一叔父さんの遺族は奥さんしか居ないので、姉弟3家族が率先的に「身内」に回った。一通り客に癪を終え、私や徹志を初はじめ従兄弟達はやっと「客」として夕食に有り付く。 「誠一叔父さん・・・まだ45だったのにな。心筋梗塞って、そりゃねぇよ・・・」 「そうね、なんか、実感沸かないわ」 色々と気を遣わなくて済むので、徹志と隣の席に座った。薄っぺらい座布団が痛く、足を崩して。 「徹志、もう1杯頂戴」 ビールのグラスを差し出すと、ぶーぶー言いながらも瓶を開けてくれた。流石にやらせすぎかな?とも思ったが注いで貰った。 「雪ねえそろそろ止めないと飲み過ぎるぞ」 「五月蠅いわね、徹志は何でウーロンなのよっ。男は黙って飲酒運転よ」 「俺は清らかに生きていたいんでね」 「私がヨゴレてるみたいじゃない!」 相変わらずなやり取りをしていると、向かいの席の従兄弟達がくすくすへらへらと笑っていた。 「お前らホンット昔から仲いいよな〜。いっそ結婚しちまえば?」 「「!?」」 見事にハモった。私はビールをゴベホッと変に噴き出し、徹志は口にくわえていたカッパ巻きを落とした。 その様子でさらに笑いを誘うから困りものだ。 私の言い分。 「徹志とはそんなんじゃないの。そもそも年下は範囲外ーーー」 徹志の言い分。 「雪ねえと結婚したら、それこそ人生の根刮ぎパシられるだけだ」 何だコレ。独りで必死に否定してると焦ってるみたいじゃないの。 私は徹志の肩に手を掛けながら、 「それじゃまるで私は徹志の人生に悪影響を与えてるってことになるじゃないの!」 「うん、よく判ってるな」 ちくしょう、通夜の後じゃなかったらボコ殴りにするのにぃ〜〜〜〜〜
とっぷりと日が暮れ、参列者達も帰りだし、いよいよ残された身内達も帰り支度を始める。 「え、泊まれない?」 「唯でさえ姉弟が多いし、子持ちで来てる人を優先させると布団が足りなくなるのよ。 悪いけど、ビジネスホテルにでも泊まってくれる? 明日は多分大丈夫だと思うから」 そういうことなら仕方ない・・・か。母やおばさん達には色々謝られたが、あぶれたのは私だけではないので我が儘も言えない。 「いいのよ。母さん達は一生懸命働いていたんだから、東京帰りの私に比べればずっと」 労るように言葉を掛けた私に対し、母が一言。 「雪香もやっとしっかりして来たのね」 やっとって何よ・・・ 「まあね」 さて、ビジホテ組は各々で隣町へ赴き、寝床確保を始めた。無論足無き自分は誰かの車に乗せてもらうわけだが、気づけば自然に徹志の単車にまたがっていた。 親族の殆どが隣町で一番大きいビジホテへ直行したので、私達もその後を付いた。 さて、いささか問題発生。 「あれ、どうしたんですか?ロビーでうろうろして・・・」 遠縁独身女性達の立ち話に混ざりに行くと、なんと部屋数が足りなくなったというではないか。 「盲点だったわ。ビジホにだって部屋数制限があるわよね」 「で、私達余り組はこれからどうするの?」 自分の為にも参考意見を聞いておく。 「どうって、他のホテル探すのね。中心市の方に行けば見つかると思う」 「まー、願うのが現状よ。予約入れとけばよかったわ」 はぁ〜っと、女三人で溜め息をつく。誰も彼も通夜の疲労困憊で後の細かいことに頭が回っていなかったようだ。 なかなか話が纏まらない私達に待ちきれなくなったのか徹志がコチラへやって来る。と、従姉妹のひとりが妙なことを口走った。 「いいわよね〜あんたらは。いざとなったらラブホに泊まればいいんだしね」 これを人は最後の手段と呼ぶのだろう。呆れもあったが、冗談に出来ない現状に、皆そろって長嘆するだけだった。 「んまぁ、いつま屯しても此処に迷惑だろ。俺は雪ねえ連れて中心市に行くから、そっちも逞しく生きてくれ」 「はぁ・・・じゃ、徹志と先に行くわね」
中心市はちょいと治安が悪く、ちょっと街の端へ行くと本当にラブホがあったりする。最初は冗談めかして流していたが、いよいよ本格的に検討せねばならぬ時が刻々と迫ってきていた。 「あ、あれ、まだ国道XX号線沿いは行ってないわよね。そっちの方も見てみる?」 「そうだな」 お互い見かけるたびに会話がぎこちなくなる。腕時計を見れば23時ちょい前。明日になるまえには落ち着きたい所である。 そして、疲労も加わってか、会話がどんどん薄らいで行く。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 嗚呼、せめて結婚揶揄事がなければもうちょっとは笑っていられただろうか。 ──もしかして、こんなに気まずさを憶えるのが私だけ? 徹志は・・・ 「っと・・・、ここ右か・・・」 一丁前に肩を落として、夜間運転に集中している。今思うと酒を飲ませなくて正解だった────いや、徹志が頑としてノンアルコールを通す立派な社会人だったからだろうに。 不思議な感覚に駆られて顔を上げると、彼の背広が大きく見える。礼服もまた、彼の身体の自由を奪っているのだろう。 ──視界が闇に閉ざされる感覚。 ──車のヘッドライトがチカチカ眩しい。 ・・・アホか私。徹志がこんなに頑張って走り回ってくれてるのに、眠くなるな、眠くなるな、寝るな、寝るな、船漕ぐな! コクコクと頭が徹志の背中に倒れそうになるのを必死で堪えすが、感触でいとも簡単にバレてしまう。 「眠いか? カーブで曲がるとき振り落とされねない程度には起きていてくれよ」 「ご〜〜〜〜〜〜〜め・・・ん・・・」 「お、おいっ、マジでヤバイか?」 夢現の中、背中の向こう側で徹志が慌てて私に声を掛けた。うーん、ギリギリってところかな・・・ 「────だいじょ、・・・・・・」 意識が朦朧とする。同時、徹志に回す腕の力が緩む。 「寝るなよ、本当に振り落とされるぞ」 返す言葉が頭に浮かばない。ぼーっとして、口も上手く回らない。 そう、例えるなら午後一の授業みたいな、あの終われば起きるのに死ぬ程眠いってやつ。 「・・・・・・すーすー・・・」 「おいっ!と、とりあえずその辺の公園で一旦止まるぞ」 ・・・・・・・・・・・・・・・うーん。 ぐーんとカーブを曲がる感覚に体が揺らぎ、境目を跨ぐ振動で猛烈な吐き気に襲われた。
「雪ねえ、雪ねえ。起きてくれねーと話になんねーから」 「うう〜ん。うっぷっ・・・吐く・・・」 「頼むからここで吐くな! 俺のシャドウ400を汚さないでくれ。ほらっ!」 無理矢理車上から引きずり降ろされ、肩を借りて公園の端っこの茂みまで歩いた。 胸の中がぐるぐるする。飲み過ぎと乗り物酔いが相俟った結果だろう。辿り着くなりゲロゲロと胃袋の中をでんぐりがえした。 初め、しゃがみ込んだその後ろでは(見えないけど)徹志が嘔吐物を直視しないよう背中を向けて立っていた。けど、私が苦しそうに咳き込むと傍らにしゃがみこみ、そっと背中を撫でてくれた。 ・・・優しいなぁ、コイツ。 体調も心も擦り切れかけていた私にとって、彼のささやかな心配りは肩にブランケットを掛けられるような暖かさだった。 「スッキリしたか?」 口の中の苦酸っぱい液が不快だ。首を縦に振るり全部出したことを伝えると、彼はおもむろにハンカチを取り出し、素手で口元を押さえている私に手渡してきた。 「あ、大丈夫。今日一日も使ってないから」 こくんと頷き、受け取って、口元を押さえる。 そしてまた肩を支えられ、ベンチ脇の水飲み場に連れて行かれた。暗さに目が慣れてくると、その水飲み台が歪なペンギン型をしていることに気を取られる。 ゴポゴポと口内を漱ぎ、これでもかと水を貪るように飲んで胃の洗浄を試みる。その頃やっと正常な意識を取り戻し、徹志に話しかけられるまで回復した。 「ねぇ、これから本当にどうするの? この公園に野宿とか?」 徹志は隣のベンチでぐったり。寝ているわけではなく、単に手持ち無沙汰を誤魔化しているだけである。 「体調不良人に野宿させられねーよ。それにこの辺は変質者多いらしいし・・・」 彼が指さした先には「変質者注意!!」の看板。よくこんなモノに気づけたなぁと感心しながら口を拭いて、蛇口を締める。 「じゃぁ・・・見つかるまでホテルを探すしかないの?」 「とは言ってもなぁ・・・」 シンと静寂で包まれる夜の公園。 昼間は子供が取り合いっこする滑り台も、廃屋と化した砂場のお城も、水飲み場の周りに堕ちているプラスチックのスコップも、塗装が剥げたジャングルジムも・・・・・・目にはいるわけ無かった。 もう二人とも頭を過ぎる打開策は一つ。 ──────だって、しょうがないじゃない。背に腹は代えられないもの。
ちょっと考えればそうなのだ。 別にラブホに入ったからといって、必ずしも同じ部屋に泊まらなきゃ行けないなんて法律は存在しない。機械受付なんかで人を介さない場合は更にそう。 でも念のため隣同士の部屋を取った。何かあったときに直ぐ対処出来るし、ガラガラなのにわざわざ遠い場所にすることなんてないし。 「じゃぁゆっくり休め。何かあったら呼べよ」 それだけ言って、徹志は隣の部屋へ姿を消した。私も部屋に入り、扉の鍵を閉めるなり、堅苦しい背広を脱いでハンガーに掛けた。 時計は日付の交代を指し示している。、まるでもう、今日は戻って来ませんよとでも言うように。 ベットに身を沈めた。上掛け布団も掛けずに、枕を抱いて寝っ転がった。 ──自分は一体、何をしにきたんだろう。 お通夜で飲み過ぎて吐いて、一度も故人を偲ぶことなく。 ・・・今からでも間に合う。せめて眠りにつくまで、叔父さんの思い出を反芻しようじゃないか。 あれ? 私、小さい頃叔父さんと結婚するって宣言したのよね。なんでそんなこと思ったんだっけ? ──そうだ、遠い親戚の家で法事があって、つまんない大人の集まりの間、徹志を連れて探検ごっこを始めたんだ。 獣道を歩いたり、メダカが泳ぐ小川にかっぱえびせんを投げ込んでみたり。二人で折角の喪服をどろどろにしたの。 ・・・それで私が野ウサギを見つけて、追いかけてふと気づくと徹志とはぐれていた。 見知らぬ土地で、幼い子供が一人。泣き出すのは時間の問題だった。ベソをかきながら大声で徹志の名前を呼んで、でも歩けば歩く程深い場所に進んでしまった。道ばたのお地蔵さんが動き出して、みんなの所へ連れて行ってくれないものかと変な想像までした。 夕焼けまで薄暗くなっても、迷路から抜け出すことは出来なかった。 泣き疲れて、配線になったバス停の標識の下に座り込んだまま動けなくなってしまった。心の中で精一杯お父さんとお母さん呼んで、もう見知らぬ誰でもいいから助けて欲しくって。 ここからはよくある話。絶望で俯いていた私の前に、誠一おじさんが現れたの。 礼服は汚れていて、泣き出す私を負ぶってくれた。まだ若かった彼のにこやかな横顔が、瞼を閉じれば鮮明に映し出される。 ──それだけで、たったそれだけで、大好きになった。 翌年、おじさんは勿体ないくらいの素敵なお嫁さんを貰った。 溢れかえる記憶と感情。私は独りに堪えきれなくなり、徹志の部屋の扉をノックしていた。
「ごめん、寝てた?」 「ん、大丈夫だ。とりあえず入れ」 「・・・・・・うん」 徹志は直ぐに扉を開けて私を迎え入れた。長居を予想したのか、徹志は後ろ手に扉の鍵を掛けた。 導かれるまま、ベッド腰掛ける。 「んで、どうかしたんだろその様子じゃ」 「まあ・・・ね。その、寄りかかってもいいかな?」 「断らんでも、好きなように」 「・・・・・・」 寄りかかるのは止めて、そのままベッドに仰向けになった。さっきと同じ柄の天井の中に、心配そうに私を見下ろす徹志の顔がある。 それはなんて心強いことだろう。 「良かった。ホントあんたでよかった」 今の私はこれが見知らぬ男でも安心感を抱いてしまうのだろう。だから相手が彼だということが何よりの幸いだと思う。 だって私の格好は人前に出られたもんじゃない。ワイシャツの胸元は少し危ないところまで開いているし、髪は乱れて、化粧は崩れかけで、ついさっきまでゴロゴロしてました言わんばかりの風体だった。 「雪ねえ・・・」 徹志の大きな手が頬に触れる。男らしくゴツゴツして、けれどとても暖かい。 だから私は、この人に身を委ねてみようと思う。 「徹志・・・こんなこと頼めるのはアンタだけなの」 目は口よりも物を言う。薄目で彼の瞳を見詰めて手を重ねるだけで意思の疎通は充分だった。 「じゃ、今夜だけは雪香って呼んでいいんだな」 彼はあくまでも真剣だった。表情は無心のようなのに、苦しんでいるように見えた。 ──嫌なら嫌って、ハッキリすればいいのに。 伽の世話までさせてしまうには、流石に心苦しいものが私にもあったから。 「──ゴメン、私部屋に帰るね。今の何でもなかったことにして」 気まずくなるのはイヤ。 その一心で慌てて起きあるが、徹志という男の力で制止され、再びベッドの上に倒れ込んでしまった。 「無理するなよ。その、俺でいいなら・・・」
覆い被さられて、口で口を塞がれた。少々急な彼の出方に戸惑ったが、打ち消すように自ら舌を割り込ませた。 「はむ・・・ちゅ・・・はっ、ちゅ・・・」 舌を絡めながらシャツのボタンを外される。見たって喜ばせるような下着は着けていないし、出来ることなら早く事を済ませたいので胸の愛撫は不要に感じた。 濡れて無くたって、私が挿入時の痛みを堪えさえすれば後はどうにかなるだろう。思い立ったらもう自らズボンのベルトを外し、もぞもぞと足から抜いていた。 「お、おい、自分から脱がなくたって・・・」 その様子を見て、徹志も慌てて自分のシャツのボタンを外し、倣ってカチャカチャとベルトを外しだした。 彼なりに私に合わせようとしているのだろう。仕方ないので追いつくまで待つことにした。 「雪香、足、開いてくれ」 言われなくたって自分から開く。片脚からパンティーを抜き取り、もう片脚の足首の方で丸めておく。 徹志の喉仏が動いた。 彼の前で私は秘部を露わにし、どうぞ好きにして下さいと股を開く。彼はおずおずとそこに手を宛い、ぐにゅぐにゅと愛撫を始めた。 私は目を逸らしたまま全神経を股ぐらに集中させ、ほんの僅かな刺激であえて大きく喘ぐようにした。いざ挿入の時になって徹志のが勃たない事態に陥らない為だけに。 「はくっ・・・ああっ、んん!」 やっぱり全然結露してこない。それでも徹志は私が濡れるよう一生懸命に指を操って愛撫を続けている。 「ふぁ・・・っっつ、」 指が挿入された。申し訳程度の湿り気の中に強引に押し入ってきたそれは膣内を擦り、些かの痛みを感じさせた。何度か動かしてみた後ずぶっと抜き、徹志はその指をまじまじと観察した。 小汗を掻いた程度にしか湿っていないのを確認するとぐったりと肩を落としてこう言った。 「止めだ止め。俺じゃ役不足みてーだし」 ため息を吐いて頭を抱え、服の乱れを直し始めた。 「えっ、な、何で? 徹志は別に・・・」 「雪ねえ」 言葉の途中でねえ付けで呼ばれ、ぐっと口を噤んでしまった。足を閉じて視線を落とす。 「俺はずっと──────────・・・・・・いや、何でもない。こんなタイミングで言うべきじゃないな」 一息を置き、徹志はまた口を開いた。
「・・・・・・まさか。 ・・・風呂には、入ったよな?」 「え?」 突飛な質問に一瞬何を言われたのか理解できなかったが、一旦頭の中で台詞を反芻し、改めて首を横に振る。 ────と、 「はぁ・・・やっぱりな。ならさっさと入ってこいよ、俺はもう済ませてあるから」 「??」 ポケットに手を突っ込み、なるほど納得した顔で私を見下ろしていた。 「いいから。風呂は命の洗濯だって」 ・・・いまいち、徹志が何を言わんとしているのか解らない。憎らしくも思える穏やかなその表情は、私の腕を掴んで引っ張り上げて側に立たせると、見覚えのある哀へと変わっていた。 「雪ねえは昔っから風呂で泣くクセがあるだろ。つまりそーいうことだ」 言いたいことに芯を曖昧にし、とにかく入ってこいと背中を押された。 ・・・そこまでされたら嘘でも首を振らないわけにはいかないじゃないの。脱ぎかけの服を直し、シャワールームへ向かった。 「て、徹志・・・」 「ん?」 顔だけ出して声を掛けた。 「さ・・・先に寝ないで待っててよ?」 徹志は勇ましく首を縦に振った。当然のことがどうしても心配になってしまい、補強剤にと彼と約束をしておく。 ・・・私が扉を閉めた後、聞こえるか聞こえないかくらいの囁きがあった。 「・・・・・・雪ねえ、誠一叔父さんのこと大好きだったもんなぁ・・・」 シャワールームは確かにほんのついさっきに使用された形跡があった。服を揃えて脱ぎ、コックを捻ってお湯を出す。 ──それからは徹志の言うとおり、お湯の雨に打たれながら鳴き始めた。
・・・困った。 「徹志! て〜つ〜しぃ〜〜〜〜〜っ!」 扉をドンドンと叩きながら、ちょっと鼻に掛かった声でその向こう側の男を呼んだ。3秒もしないうちに駆けつけてくれる。 「どうしたんだよ。なんかあったのか!?」 私の身に何か合ったのではないかと焦っているのが判ったが、・・・ゴメン、つまらないことです。 「寝着がないの。私の荷物は隣だし、Tシャツか何か貸してくれる?」 「・・・な・・・何だよ、そんなことか・・・。カードキー貸してくれれば荷物取りに行ってやるけど」 呆れ果てたような反応されちゃった。 でも私にとっては重要なことなのよ。だってスーツは明日も着るんですもの、皺を付けたり出来ない。 「あ、お願いできる? ハンガーに背広の上が掛かってるからそれも。っていうか私の荷物全部持って来ちゃって〜」 「はいはい。じゃあカード貸し・・・」 「あ! でもそれまで裸のままの何だから、Tシャツは貸して」 「──っ、しょうがねぇな。今持ってくるから、手だけ出してろ」 スーツのズボンからカードを取り出して利き手に持ち、扉の隙間からひょこっと出した。 「カードな。Tシャツ、手の上に置くぞ」 指の隙間からカードが抜き取られる感触の後、ぱさりと布がのし掛かる重みがした。徹志が立ち去るのを音で確認し、手を引っ込めた。 緑色の素材ゴツめTシャツだった。 多少濡れたくらいじゃビクとも透けたりしない・・・まあ、バイク乗りアイツらしい買い物だろう。ユニ●ロは裾が駄目だとぼやいていたし。 下着の下だけ履いて、頭からすっぽりと男物Tシャツを被る。ミニスカ程度の長さで脚を隠し、自分が想像していた丁度くらいの大きさだった。薄地のスケスケ安物なんて渡されたらどうしようかと思っていたが、まあ彼なりに選んでくれたようだ。 脱いだ服を持ってシャワールームを出る。ぐっとタイミングに徹志も荷物を持って帰ってきた。 「わーありがとー。うんうん、これで全部ね」 「手提げバック程度ならどうって事ないさ。電気も消して、軽く忘れ物が無いかチェックしておいたぞ」 「うん、気が利くわね。さすがは私の腐れ縁」 「それ誉めてんのか? ま、最初から部屋ひとつにしときゃよかったなぁ、これじゃ」 「・・・・・・う、うん」 改めて言われると何だか気恥ずかしくなる。 ──何を今更。さっき一番恥ずかしい体の部分を曝したクセに、男モノTシャツ姿がみっともなく感じてしまった。 徹志は彼の荷物の傍らに私のも置き、その背中を私は無意識に目で追っていた。 「目、ちゃんと洗ったか。擦ってねぇよな?」 「ど、どうだっていいでしょ。別に・・・」 実は結構擦ってしまった。そのせいで目が真っ赤に充血し目尻が腫れている。 「泣けって・・・アンタが言ったんでしょう・・・」 話題を振られて、閉じかけていた涙腺が決壊警報を出す。
「徹志は・・・昔、私が田舎で迷ったことを憶えてる?」 「・・・・・・・・・よく、憶えている。あの時から雪ねえは叔父さんに懐くようになったよな」 「だって・・・すっごく、格好良かったんだもん。ヒーローみたいに現れて、みんなの所へ連れて行ってくれて・・・」 これは後から聞いた話だが、私とはぐれた徹志は必死に探してくれたらしい。しかしいくら探しても見つからないので大人達の元へ戻り、状況を説明してくれたそうだ。 ──徹志にとって、それの出来事にはどんな思いが込められているのだろうか。 「徹志、一生懸命に探してくれたんだってね。・・・でも、救ってくれたのは確かに叔父さんだった。だから私はあの人を慕ったけど・・・」 涙声になる。微かに手が震え、涙を頬に垂らしながら顔を上げた。 「・・・・・・もし徹志だったら・・・、こんな気持ちにならなかったのか・・・な・・・?」 「雪香っ!」 無我夢中で抱きしめてきた。腕を回され、顔を彼の胸に顔を埋め、涙を吸い取って貰う。 暖かかった。とても安心できる腕の中だった。私が身を寄せるたびにその抱きしめる手に力が入り、身動きが取れなくなる。 「ごめん雪香・・・ごめん。俺が・・・ガキでなきゃ・・・」 ぶんぶんと首を振る。 「徹志のせいじゃない。私も、馬鹿だったのよ・・・」 叔父さんが結婚したとき、潔くあの思い出も捨ててしまえばよかったのに。 ずっと、宝石みたいに美化して、子供時代の宝物にしていたばっかりに。 「徹志・・・慰めて、欲しい」 嗚咽混じりで言葉を紡ぐと、その唇に彼の唇が重ねられる。 「んん・・・っ、んっ」 表面を吸いばむだけだけでは足りない。彼は熱く火照った舌で私の唇を割って入り、舌を、口腔を、歯を、唾液を、総てを愛撫していった。私の口の中が徹志で塗り替えられてゆく。 「ちゅ・・・んちゅ・・・、はっ、んん・・・ああっ」 包まれる優しさがあった。可愛がられる嬉しさがあった。触られる柔らかさがあった。 …私の心が解きほぐされてゆく。 「雪香・・・いいのか?」 「うん。・・・今度は気持ちよくなれそうよ」 崩れるようにベッドに転がった。されるがままにTシャツを脱がされ、自分の大きめの胸があられもなく空気に触れる。 「んっ・・・んっ・・・」 「あっ・・・て、徹志・・・」 おでこや頬や首筋、鎖骨と奇麗なキスが降りてくる。 ──徹志の顔を凝視する。 「感じるか?」 このままどうなってもいいと、自分全部を心から彼に委ねた。
「ひゃ・・・んく・・・あ・・・」 全身にキスを浴びせられる。まさかこんな濃厚な男だとは思いもしなかった。ふくらはぎやつま先、指の先端まで体中に彼の口づけが施されている。時にはそれだけで達してしまいそうにもなった。 キスマークの一つでも付ければいいものの、気遣ってか軽く音を立てる程度だった。 お腹から徐々に下ってくる様子に、背中がゾクリとする。 「ちゅっ・・・んっ・・・ちゅ」 「あ、そっちはっ!」 抵抗虚しく両脚を持ち広げられ、彼の顔が太ももの間に沈んだ。くすぐるように肉襞を吸いばまれ、溢れ出す愛液を舐めとられる。 さっきとは比べものにならない乱れっぷりに私自身驚いている。 「いやぁ・・・ああっ、あっ・・・」 私はだらしなく声を上げながら、水気を帯びて粘着質な部分を弄ばれる音を聞いていた。 多分わざとたてているんだろう。聴覚から性欲を刺激し、私は腰を押しつけるような動作をする。 「徹志、そろそろ・・・私、もう・・・」 「・・・・・・いいんだな。なら、入れるぞ」 彼は顔を上げ、もぞもぞと股間を寄せて来た。硬く屹立したモノが剥きだしのクリトリスを擦る。 「はぁぁ・・・っん、はぁ・・・」 「っし、」 そしてぬかるんだ私のナカに入り込んでくる。ゆっくりと・・・互いを確かめあうように・・・ 「ぬああっ・・・はっ・・・」 その侵入物がとても力強く感じた。まるで初めてのごとく膣が異物に大げさな反応をしてしまう。 ゆっくりとグラインドしてきた彼の腰は私の中を縦横無尽に愛撫する。 「あ・・・いぁぁ」 全身が取り憑かれたように快感に溺れていた。手は私の胸を鷲掴みにしぷたぷと遊ばれ、触覚から快感を送られる。 ──嗚呼、どうしようも無いくらい、性的に慰められているのね私。 意識の半分は沈み、もう半分は・・・ 「あっ・・・、もっと、触って・・・」 「こうか?」 願いに応じて、男の大きな手が私の胸や腰をまた探った。皮膚の表面を掠めるたび、挿入とは違ういやらしい気持ち良さが広がる。 「下も・・・動かずぞ・・・」 段々と激しいストロークが始まる。性器同士が卑猥な音を立て、止まるどころか勢いを増す。ベッドも軋みだして、体まるごとで感じていた。 上下する自分の胸の先端を親指で弄られ、私は声の制限が効かなかった。 「あっ、いた・・・っ」 「すまん。もう少しそっとにするよ」 私の乳首に血が溜まり、少し擦られるだけでも痛みを覚えるくらい硬くそそり立っていた。痛がる私に合わせ、撫でる手が優しくなる。 「あ・・・、ありがとう・・・」 あれで笑ったつもりなのか、良い目つきをして私に向かって小さく頷いた。 ──私は何を見ていたんだろう。 ──ここに、こんなに良い男がいることに気づけなかったなんて。
「ううっっ・・・あっ・・・はぁぁっ・・・」 徹志の短い髪がバサバサ乱れるのを遠くなりそうな意識の中で見詰める。苦悶の顔で、私は聞いたこともない声を漏らしている。 「っ・・・んあっ、ああっ、はぁぁ・・・んんっ」 声は性感をそのまま表していた。二人の荒い息とぶつかり合う音、そして嬌声を部屋の壁は反射している。 気持ちよさが止まらない。 もうなんでこんな場所で彼に抱かれているかも忘れていた。 ・・・心の傷が癒される。もう隙間無く新しい想い出で塗り替えられて、胸がいっぱいだ。 「あくっ!」 この男相手には恥も何も無い。・・・昔から、かけがえのない相手だったから。 漠然とそんなことを考えながら、押し寄せてくる限界に貪欲に下半身を動かした。 「はぁああんっ、ああっ、ダ・・・ダメぇ!」 ──まだイキたくない。ずっとずっとこうして、体を重ねていたい。 私は声を一層高くしながら徹志に涙目を見せた。 「雪香・・・雪香ぁっ・・・」 腰を打ち付けながら、私の名前を呼んでいた。その表情はこらえきれない射精感を私の為に我慢し、どこか苦しそうに歯を食いしばっていた。 その瞳にはあられもない私が映っている。それが例え一夜の愛でも・・・・・・ 「・・・心配、するな。お前が満足するまで、何度でも俺が相手するぞ」 脳みそが溶けるかと思う程、歓喜が広がって行く。 「・・・つ、しぃ・・・!」 登ってくる限界に、少しずつ気力が薄らぐ。 「・・・もうっ、好きなようにして・・・いいから、」 仰向けから横向きになると、ナカで当たる位置が変わって敏感になった。太ももをがっしりと掴まれ、異常に強くパンパンッと音が鳴った。 ──頂上が近い。 頭が真っ白になって、夢中で手の平を重ねた。 「や・・・あ、・・・んん! くぁ、っっっっっあはあぁぁっ!!」 「くっ・・・ヤバイ、中で出し・・・──────ああああっっ!!!」 彼の液が私を満たしてゆく。中でビクビクと痙攣し、私も背を弓なりに反らせて絶頂の余韻に浸った。
「はぁ・・・はぁ・・・、すまん・・・中出ししちまった」 申し訳なさそうに徹志が頭をがくりと下げる。慌てて安全日だと取り繕い、それから抱きしめてもらった。 「徹志の胸、暖かいのね・・・」 首に腕を絡めて積極的なキスをする。手を伸ばして顔を近づけると、胸先が彼の胸板にぺちょりと当たる。 「ん・・・ちゅちゅ、んんぐっ・・・はぁ。・・・んっ」 何度も何度も絡め合い、離れ、出会いを繰り返す。それと共に私達は手を指で愛撫し合い初め、時間も忘れて身を寄せ合った。 「徹志・・・もしかして、指、弱い?」 「────からかうなって・・・」 黙ったまま恥ずかしそう顔を背けられた。彼の指に私の指が絡まり、出し引きして指先でつついたりしていた。すると徹志は目を細めたり閉じたり──やっぱり照れいるみたい。 ・・・年下の男の子って、こんなに可愛いかったっけ? 突拍子もなく思い立つそれに、私自身も戸惑いがあった。 「・・・・・・」 考え込むと心が孤立する。だから彼の手をきゅっと握って、暖かさを取り戻すようにした。応じて包み込むように握り返してくれる。 ──自分ばっかり良い想い。私は、一体何をしているのだろう。 明日は告別式がある。早く床につくのが常識的な行動であり、まして男と寝るなんて非道徳的だ。でも私・・・いいえ、私達は重々承知の上で夜を共に過ごしている。 しょうがない言い訳をすれば、 ──悲しくて悲しくて・・・独りは辛い。苦しい。嘆かわしい。・・・怖い。 何より、心の底からあの人を見送ってあげたい感情が勝ったから。 「徹志、もう、眠いわ・・・」 「ああ。おやすみ」 泣き腫らした秘密の一夜が終焉を迎える。
支援…そろそろオチかな?
「送ってくれてありがとう。助かったわ」 「まー、雪ねえに逆らったら後が恐ろし・・・ぐはっ!!」 小生意気な事をいいやがるので、スネに蹴りを食らわせる。意外と効いたらしく患部を押さえてうずくまった。 「男の子がだ〜ら〜し〜な〜〜い。はらっチャキチャキ荷物を運んで、見送ってよ!」 「えぁっ、そこまで約束してね────ったくもぉ・・・」 観念して、ホームまで着いてきてくれた。 朝、徹志のケータイのアラームで目を覚ますと、寝顔が目と鼻の先にあって吃驚した。 ・・・キスしようかな? とも思ったけどすぐそんな考えは引っ込んだ。 夜は終わった。私は唯の幼馴染み兼従姉に、徹志は幼馴染み兼従弟に。──体の関係は忘れる、それが暗黙了解。 ホームに電車が入ってくると、私は入り口表示の前に歩み寄った。 「ほぉら、荷物忘れるなよ」 「あっ、ありがとう。もう・・・ここでお別れなのね」 ──いやだいやだ。自分からしんみりさせてしまった・・・ 電車が動きを止め、プシュ〜っとドアが開く。下りる人より乗る人が多いのは言うまでもない。 「帰ったら・・・め、メールくらいしなさいよ」 「はいはい。メールはコレクトコール無いもんなぁ」 「そうなのよねぇ〜って、んなドケチ目的じゃ・・・」 軽快な音楽が流れ、近づく発車を知らされる。 「じゃ、本当にここまでね。バイバイ、徹志っ」 「・・・・・・あっ、雪ねえ!」 一歩踏み出して片足が乗ったとき、ふいに徹志が私の手首を掴んだ。 「四十九日・・・行く、よな?」 「? うん。そのつもりだけど」 言うと安堵の笑みを見せ、そした表情が真剣味帯びる。 「──そのとき雪ねえ話したいことがあるんだ。・・・・・・聞いてくれるよな?」 ルルルルルルルルルルル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「────うん!」 振り返る暇もなく、扉が閉まった。
以上。 やっぱり女視点はサボると鈍りますねぇ。終わってなお違和感がとれない・・・orz 前回のはエロ・ラヴ重視、今回のはストーリー・シュチュ重視といった所でしょうかね。 これが少しでも潤いになれたら幸いです。
563 :
562 :2006/07/26(水) 14:42:16 ID:tsqfJ3NZ
誤字発見。 550: >俺のシャドウ400を汚さないでくれ。 →俺のインパルス400を汚さないでくれ。
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!! 待ってましたーーー!!! ぜひこの2人の続きをお願いします。
いや、誤字以前に脱字も多いよ、ヘコみなさんなw 途中からなんかアクションものを読んでるようなスピード感があったけど、 その分叔父さんの事どんだけ好きだったのか伝わった気がする 面白いっす。ぐっじょぶ
GJ!!あげ
あがってなかった(´д`)
さて、流れを完全無視して聞かせてもらうが… ここの男女比率ってどうなんだろう。 ちなみに初めて来てみたワシは漢。
569 :
名無しさん@ピンキー :2006/07/30(日) 23:09:21 ID:B4KU+Xuw
ごめんsage忘れた
女でぃす ( ・ω・)∩
レスが少ないってのが全てを物語ってると思った方が良いよ
今更でしょうが、女です
>>562 今更だろうが禿萌えたーーー!!GJGJGJ!!
575 :
562 :2006/08/03(木) 08:00:26 ID:8N0LkVSS
もう評判とか関係なく、続きが書きたくなった。 書いていいかな?
579 :
575 :2006/08/07(月) 22:50:53 ID:6M60FrPx
現在執筆中。 うーん、なんだかエロから脱線気味になってる。いいのかなぁ… まぁ、速ければ明日…
580 :
575 :2006/08/08(火) 11:29:25 ID:c/k7pOUN
2ちゃんの調子が悪いんでどこまでいけるか分かりませんが、書きあがっているだけ投下します。
──明日、明日だ。 徹志からのメールを着信した。 《雪ねえ、明日は急にダメになったとかないよな?》 「・・・・・・当たり前じゃない。・・・ばか」 《勿論行くわよ。土曜日だし、次の日までゆっくりしていこうかと思ってる》 着信。 《そっか。じゃあそん時、またなノシ》 「────」 やっとだ。やっとアイツと会える日が来たんだ・・・
四十九日当日。電車を降りるなり、徹志が出迎えてくれた。 「よう。久しぶり」 軽くポケットに手を突っ込んだ彼が、いつも通りの笑顔で私の元へ歩み寄ってきた。 ──不意打ちだ。こんないきなり対面すると予想していなかったから、しどろもどろになってしまう。 なんで、私ったらこんな・・・ 「──久しぶり。ほ、ほらっ、早く行くわよ!」 「お、おい・・・んな急がなくても」 一度も目を会わせずにずんずんと改札を抜ける。徹志はその後を急いで追ってくるが、どうしても顔を合わせるのが恥ずかしくってちょろちょろ逃げ回る私は、正に歩く挙動不審者。 「雪ねえ、何処行くんだよ! そっちは男子トイレだろ!」 「そ・・・そう言うことはさっさと・・・・・・────っ!!」 合った。勢いで振り返った瞬間、目がバッチリ合った。そんでもって手首を掴まれて、それは端から見ると手を繋いでいるようで。 「────っ」 「雪ねえ、俺、言ったよな? 今日どうしても雪ねえに話したいことがあるって」 タンマ、タンマ、私まだ心の準備が出来てないっ! けれどそんな私にお構いなく、徹志は真剣な表情で迫ってくる。じりじりと距離を縮めて、壁際に追いやられ、逃げ場を失った。 ・・・ドキドキする。あれ程待ちこがれた時があるというのに、私の心臓はちっとも大人しくなってくれなかった。 あの夜から、私は毎晩徹志のことを思い出して、眠れなくなっていた。 ──この、広い肩。 ──この、通った男声。 ──あの、見慣れた・・・筈、の、顔が、 「俺──────」
パッパーーーー!!!! 「おーい、雪香、徹志く〜ん。迎えに来たよ〜」 「「──────」」 突然のクラクションと呼び声に、はっと世界を取り戻した。 「な〜んちゃってもうっ、私をからかうのは一万年早いってことよ!」 「あ、・・・・・・ったく・・・」 意味不明に誤魔化して、ロータリーに待つ迎えの車の元へ向かった。徹志は何か言葉を飲み込んで後をついてきたけれど、一緒に行くのがなんとなく嫌で先に車に乗り込んでしまった。 私は母の隣、助手席。徹志は後部座席に独りで座った。 ホッと胸を撫で下ろす。これなら目が合わなくて済むから普通程度の会話が出来るだろう。 外の景色を見ながら、今日初めて自分から彼に話しかけた。 「徹志、今日はバイクじゃないの?」 「ん? ああ。丁度車検でさ、雪ねえの一本前ので来んだ」 「珍しいわね〜。確かに、徹志君はこっちに来るときはバイクと一緒なのにねぇ」 母も会話に混ざる。 「へぇ〜車検とか出してるんだ。なんかそういうイメージ無いなぁ・・・」 「なんだよ。俺はコレでもちゃ〜んと自賠責に加入しているしっかり者だぞ?」 「ふ〜ん、つまんないの〜。事故起こして慌てるところが見物なのにぃー」 「そりゃ冗談じゃすまねぇぞ。・・・・・・・・・雪ねえ、ちゃんと国民年金払ってるよな?」 「──────は、払ってる。よ」 「間が気になるぜ〜?」 「五月蠅い! 徹志の分際で、優位に立つんじゃないわよ!」 「こら雪香。いい加減徹志君が可哀相でしょ?」 「な、なんでよ。何でこんな奴の肩持つのよ!?」 私は頬を膨らませて拗ねてみた。ふとサイドミラーを覗くと、徹志は私のよく知る徹志に戻っていた。
家に着いてしばらくして、叔父さんのお墓があるお寺に赴いた。 ・・・なんでこんな時まで徹志の隣に座ることになってしまうんだろう。坊さんのお経をBGMに、徹志の横顔をちらりと盗み見た。 「・・・・・・」 うん。やっと普通に接せられる自信がついた。 こうやって落ち着いてみると、ここ最近の私はおかしかったのだ。あの夜を忘れられないのも、しばらくぶりに男に抱かれたから、欲求不満が決壊しただけどと冷静に判断できる。 ──何? それって、徹志を程よくオカズにしてたってことになるの? 唾液をごくんと下して、改めて徹志に目をやる。 「・・・・・・」 目が虚ろで瞼を閉じかけている。──眠いのかな? それにしてはこめかみに滲む汗が気になる。──冷房あっても熱いのかな? 私はハンドタオルを取り出して、彼の額に持って行く。 「徹志、これで汗を拭きなさい」 「・・・・・・あ、サンキュ・・・」 私は口をぽかんとOに開けて、徹志が汗を拭く様子に釘付けだった。その視線に気付いたらしく、 「どうかしたか?」 横目で私を見下ろして、訊ねた。 「う、ううん・・・」 首を横に振り、私は手を膝の上に乗せてシャンとお経を聞く姿勢に整えた。 その後は墓参りだ。既に叔父さんのお骨が入れられたお墓にやたら人数の多い親族が集まり、スペースが無く、他人のお墓の前で叔父さんの名が刻まれた墓標を眺める。 「・・・・・・っ」 必死に歯を食いしばる。 此処で泣くのは場違い・・・意地でも涙を流すもんか。 「あ、あれ?」 ハンドタオルを取り出そうとして、さっき徹志に渡してしまった事を思い出す。 「雪ねえ。」 「わ、わわっ!」 いつの間に側に立っていたのよ! 私の肩を引き寄せ、顔を隠すように頭を抱かれる。徹志はそれ以上口を開かず、見られたくないのを察したのかにずっと前方に視線をやっていた。 ──コイツは優しすぎる。 こんな有り触れた優しさが恋しかったのだろうか。徹志の背広の裾をぎゅっと握って、より強く歯を食いしばった。
「っつたっ・・・!」 墓場から帰る途中、私は小石か何かに躓いた。よろけるて転びそうになるが、徹志の腕がそれを遮る。(注:田舎のお墓は大方自然の中) 「──おっと。足下は気をつけろよ」 「あ、ありがとうっ」 慌てて立ち上がろうとするが、足に力を入れるとズキリと痛みが走った。徹志は私の足首をまじまじを見詰め、ふぅとため息を吐いた。 「そんな高いヒール履いてくるから、捻ったりするんだよ」 「だって、こんな事まで見越せなかったのよ! 良いわよ、ヒール折って歩くわよ!」 躍起になってヒールを掴むが制止された。どういうわけか私の前にしゃがんで、 「無理すんなよ、ホラ」 負ぶってやる、と手を後ろに回す。真っ正面な彼の厚意に赤面して過剰に拒否した。 「無理してないわよ。ほら、足なんてぜーんぜん平気だから・・・痛っ!」 一歩下がると、また痛む。 ・・・もう断れない。私は素直に徹志の背中から首に手を回した。 「うっし、しっかり掴まれよ」 膝の内側に手を回され、よっこらしょっと持ち上げられた。ちなみに私達は集団の最後尾なので少しくらい立ち止まっても問題はない。 「う、うん。・・・わわ、どこ触ってんのよ!」 「普通に脚だろ」 「嘘! さ、さっきお尻に手がさわった!」 「・・・あんな〜、自分の尻に自信があるのはわかったよ。だからバタバタすんな」 「生意気言うなぁー」 おでこを彼の後頭部に思いっきり突撃させる。 ──いったぁ・・・・・・ ごつーんと鈍い音がして、額がヒリヒリし始める。それは徹志も同様で、 「あく・・・・・・・・・っ!」 「!!」 徹志の体制がぐらりと横に崩れた。私は咄嗟に反対方向に体重を掛け、──間一髪やらお互い倒れずにすんだ。 ・・・今の、どう考えても私のせいよね? 「ご、ごめ・・・大丈夫? もう降りるわよ」 「っ────大したことないって」 意地を張ってか、歩調が早くなる。枯れ木をパキパキと踏んで、緩やかなコンクリートの階段を下りて行く。 うーん。この男、こんなにパワーマンだったっけ? ちっちゃな頃は逆に私が徹志を負ぶって走り回ったような記憶が。・・・私ってパワーウーマンだったんだ。 「危ないからしっかりつかまれよ」 「は〜い・・・」 ぎゅっと身を寄せると、毎度ながら私の胸がくっつかざるを得なかった。 うっし。とことんサービスしちゃろ。 「雪ねえ。こんな時までサービス精神発揮しなくても・・・」 「・・・素直に喜びなさいよ。恩知らず」 「そりゃ自分のことだろ?」 「ぶーぶー。でも、今回ばっかりは不可抗力よ」
林っぽいところを抜け、やっと地に足をつける。 「ありがとう。よいしょっと・・・」 アスファルトにゆっくり降り立つ。よちよち歩き出す私の背中に徹志が話しかけた。 「気を付けろよ。片足ケンケンで歩いたりすんじゃねーぞ」 「ぎくっ」 正にしようとしていたことに図星をつかれ、ぎこちなく振り向く。 「・・・・・・ふっ。手、貸すか?」 「ううん。ゆっくり歩けば平気だから」 はぁ。一々心配性な奴だなぁ・・・。こんなんじゃ普通に女の子に接して、勘違いさせたりするんじゃないのかしら。 ──徹志の女関係なんてどーでもいいけど、さ。 「ね、徹志。徹志はこれが終わったら、神奈川にトンボ帰りするの?」 お寺の食事場へ向かいながら、その場紛れに話題を振る。 ・・・意味もなく隣に居られちゃ思考が変なところに飛んじゃうわ。とにかく他愛もない話をして心を落ち着けなくちゃ。 「ふーん・・・これといって予定は無いんだけどなぁ・・・」 「なら本家に一泊しなさいよ。ご飯食べて、あ、今日は『夏の珍プレー好プレーSP』あるから、一緒に見よ」 「雪ねえ、まだ・・・それ好きなのか?」 「勿論。DVDの録画予約も・・・あ・・・」 ──忘れてた。徹志のメールが気になって、すっかり頭から抜けていた。 「徹志、やっぱりさっさと帰りなさい。ね?」 「録画頼もうったて、そうはいかねーぞ」 「むっ」 「おーら! むくれてっと、みんなに置いていかれるぞ」
「てつ・・・」 「ああ、醤油な」 わ、何で判ったの!? まんま顔に出たらしく、飄々と、 「刺身もっておろおろしてれば、一目瞭然だろ。特に雪ねえは判りやすいから」 「なんですってぇー?」 食事の席で、やっぱり徹志と私は隣に座ることになった。 あ、なんかデジャヴ。向かいの席に座っている従兄弟達が私達の様子を見て笑っている。 「なぁ、徹、雪。この前から気になってることがあるんだけど」 「「は?」」 ユニゾン。どうやら葬式の時の・・・礼の一件らしい。 「で、何処に泊まったんだお前ら。まさか歓楽街とか?」 刺身が箸から醤油皿へベチャリと落ちる。 「んな、そ、ありえない、ありえないぃぃぃ! 絶対、絶対、有り得ないもん!」 「おい、剛兄、雪ねえの反応を見て楽しむにしても今回ばかりはタチが悪いと思うぞ」 「あはっはっ! 視線がキツイッスよ、徹志く〜ん」 え? じょ、冗談? 遊ばれてた? 「剛兄、酔ってるだろ。車組のクセに」 「平気平気。・・・で、本当に何処に泊まってたんだ?」 急に表情が真剣になった。剛兄さんは意外と鋭いところがあり、はぐらかすのは容易じゃない。 ・・・どうするの、徹志? 「普通に、ビジホだよ」 「嘘付け。中心市に詳しい俺ぐらいしか知らないが、あの辺は無いはずだぞ」 「何が?」 「ビジホ」 三人で息を呑む。 談笑の一角、此処だけ異常なシリアスだった。 ──どうしよう。なんとか冗談で誤魔化さないと・・・ この際捨て身っ! 「あ、剛兄、今日の『夏の珍プレー好プレーSP』の録画してる?」 「「はぁ?」」 えっと・・・やっぱり怪しさバリバリだったか。 それ以上言葉を濁す様子を剛兄にじろじろと観察されるが、やがて落ち着いた笑顔で溜め息をついた。 「はぁ・・・してるぜ、録画。Youtubeにうpしといてやるよ」 「あ、わ、ありがとう! ・・・ゆ、ゆーちゅーぶ?」 「剛兄、雪ねえに妙な事吹き込むなよ」 「なっはっは! おじさんが素晴らしいこと教えてやるぞ〜」 私はほっと胸を撫で下ろした。強引だったにしろ話が逸れてくれて一安心だ。 ──しかし、またこのような事が訪れないとも限らない。さっさと自分の分を食べて、外の空気でも吸ってこよう。そうしよう。
お寺の庭で小鳥が囀っていた。私が芝生に踏み入れると、パタパタと屋根の上に飛んで行く。 「貴方も私も、逃げてばかりね。みっともない・・・」 段々、徹志に慣れる。そんな望んだことは、心地よさとその裏側にもどかしさを感じた。 私と徹志は従姉弟だ。幼馴染みだ。腐れ縁だ。 ・・・その事実は私を安心させた。これからも、・・・死ぬまで馬鹿笑いできる素敵な仲なんだ。 ・・・その事実は私を当然だと思った。だって、ただの腐れ縁だもの。 ──なのに。考えるたび、あの夜が蘇るのは誰のかけた呪いだろう。 可愛い花壇を覗きながら、口ずさむ。 「てつしの、ば〜か〜・・・」 「誰が馬鹿だって?」 「んー、徹志っていう、私のダメ弟が・・・がぁ!!!!!」 呆気なく、ご本人登場。息を荒げながら私の腕を掴んでいた。 ──顔が近い。 「・・・約束したよな。俺の話、聞くって」 「──────」 想いが喉でつっかえる。振りほどくことも、はぐらかすことも叶わなかった。 だから出来ることは、顔を背け、視線を逸らすだけ。 そのあからさまな拒否は直ぐ伝わった。彼は苛立ちを押さえきれず、少々ぶっきらぼうになっていた。 「なんで逃げてばっかりいるんだ。朝も。雪ねえらしくねぇぞ」 ──カッと頭の中で火がつく。 「・・・・・・じゃぁ、私らしいって何よ。世話の焼ける幼馴染み? マイペースな姉?」 即答される。 「言いたいこと、飲み込んでるところ」 腹立たしい。 「何を? 私は別に、いつも通り減らず口叩きだけど。アンタのよく知ってる『雪ねえ』よ。姉なの。違う?」 こうなったら詭弁が勝ちだ。出す言葉に詰まっている徹志を余所に続ける。 「そう、アンタが知ってるのは『雪ねえ』。そして私は『雪ねえ』らしくないの。ね? 簡単よ。私がちゃんと徹志の『お姉ちゃん』でいればいいの。ハイ、これで解決」 私は踵を返し、下駄箱に向かった。 徹志はまたしても腕を握って、それを止める。 「雪ねえ・・・」 「──雪ねえ雪ねえ雪ねえっっっ!!! 私のことなんて全然判ってないクセに。ただの明るくて気軽に話しかけられる女だと思ってクセに。 本物の私・・・『雪香』に触れたこともない、知らない。そんな奴がお見通しって口を利かないでよ!!」 「──── 知ってる。」 「俺は『雪香』を判っている。忘れていないだろう? あの夜は、間違いなく『雪香』だった」 「 」 負けた。もう何も吐き出されない。 「俺は別に『雪香』を知ったかぶるつもりじゃない。むしろ判りたい。 俺はずっと、ずっと『雪香』のことが──────」
私は彼の手を振り払い、両耳をガッシリ押さえた。 「聞こえないっ、聞こえないわよっ! 私は何も聞こえてないわよ!」 「ゆ、ゆき・・・」 「聞こえないぃぃっ!」 敗者である私は、剣幕で怒鳴り散らして徹志の一言を遮る他に手がなかった。 ──壊したくない。──汚したくない。 公園を走り回っていた頃の想い出を。どつき合っていた馬鹿な日々を。二人で走った駅までの道を。 下心なんて一つも無かった。それは徹志も同じだと思っていた。 ・・・なのに何この仕打ち。 要するに徹志と一緒に育った時間が大好きだったんじゃない。 掛替え無いんじゃない。だから、この関係を壊して、過去まで壊すことを恐れるんじゃない。 「徹志は全部壊したいの? 大切じゃないの? それを抛ってまで、何を私に求めるっていうのよ・・・っ」 ──あ、泣きそうだ。 徹志・・・。みっともない私を哀れむ? 臆病な私を軽蔑する? そんなつもりじゃなかったのに。絶対、徹志に心を奪われたりしないって自信があったから、体を委ねたのに。 結局きっかけを自ら作って、こじ広げて、するだけして逃げる。自己嫌悪もいいとこだ。 「一緒がいい。徹志とずっと同じでいたい。アンタが何より大切なの、だから変わりたくないの」 「・・・雪香」 「雪香じゃない、『雪ねえ』!」 「・・・俺だって宝石みたいに磨いている想い出はある。守りたい記憶もある。雪香の言い分も、あながち俺のどこかが同意してる。 でもな、だからこそ目を逸らさないで欲しい。・・・だって、・・・俺たちは──────────────」 彼の言葉が止まって、ふと目を開けてみた。 徹志が膝からがくりと崩れる。その軌跡が脳裡に焼き付いた。 「・・・・・・・・・徹志、徹志? ねぇ徹志?」 頭を抱きしめるように受け止め、首と首をくっつけてみる。 ──熱い。 汗も半端な量じゃない。いや、そもそも流れ方がおかしい。ただ叫び疲れて出る汗とは、本質的に違うものを感じた。 「起きて。ねぇ、徹志?」 「・・・はぁっ、・・・はぁっ・・・」 ──話しかけても反応がない。意識が朦朧としている。 「う、うそ・・・徹志、あ、あれ・・・?」 心がガクガクと震えだす。 その間、私は最悪の事態を想像していた。
雪ねえがモロ逃げで出て行った後、剛兄が重々しく口を開いた。 「なあ徹、俺とお前の仲だ。腹割らねぇか?」 やっぱり。雪ねえ居ないタイミングを狙ってたな。 「──割った腹から何も出ないとしても、か?」 だからってアレは他人に話す事じゃない。深い仲だからこそ、関係に気付かれてはマズイのだ。 ──彼は一筋縄では納得させられない。さて、どうやって逸らそうか・・・ と思った矢先、向こうから振ってきた。 「・・・雪って、よくよく見れば可愛いよな。出るとこも出てるし、今一番の女盛り・・・奇麗な時期だよ」 「既婚者が言うセリフじゃないぞ」 「ひゅ〜、怒るなよ。事実を口にしただけだ。それにどっちかってーと、雪相手によくこぎ着けたなお前、ってカンジ」 途中、ぱくっと鉄火巻きを口に含んだ。 「人生の先輩からの助言だ。押すときはトコトン押せ。相手が泣いて嫌がっても、な」 「参考にするよ」 言って、俺は腰を上げた。剛兄は鼻を鳴らしながら、すかさず俺の手つかずの料理に箸を伸ばす。 ──コレが、最後のチャンスなんだ。 雪香のくれたハンドタオルで額の汗を拭い、障子を開いた。 「あら、徹志君は食事も食べずにどうしたの?」 「はは・・・しょんべんだって」
朝起きたら、体が怠くて布団から出るのに一苦労だった。 Tシャツは汗でぺったりと肌に貼り付いて、動くと頭がぐわんぐわんと重かった。 ──こりゃ完全に風引いたな。 理解と承知の上で礼服を着込み始めるから、男って愚かな生き物だと思う。 『四十九日・・・行く、よな?』 『? うん。そのつもりだけど』 『──そのとき雪ねえ話したいことがあるんだ。・・・・・・聞いてくれるよな?』 『────うん!』 《雪ねえ、明日は急にダメになったとかないよな?》 《勿論行くわよ。土曜日だし、次の日までゆっくりしていこうかと思ってる》 押すだけの念を押した。 今日が人生最大の山場だと決め込んで、頑なに体調を誤魔化す手段で行くことにした。 ──薬のんどきゃ、そのうち治るさ。 ──止む得ない。バイクは我慢して、電車ん中で大人しく寝てるか。 今日だけでいいんだ、この日だけで。 これが人生最後のチャンスだと確信していた。 『雪ねえが、俺を男と意識する』 この瞬間を何度見計らったことだろう。 俺だって、壊すのを散々恐れた。この関係は永遠であって欲しいし、汚す気なんてこれっぽっちもない。 でも気持ちに嘘をついて後悔するくらいなら・・・真っ正面から懸ける方を選びたい。 ずっと好きだったんだ。 彼女も俺も普通に育って、恋の相手の一人や二人も出来た。それぞれにその人を好きになっただろうし、深く関係しただろう。 それでも「この人だ」って思うのは、従姉なんてありきたりな場所に転がっていたりする。 不思議だ、ヒトって。 いつもヒトは何も知らない方が幸せだと知っているのに。 けれどヒトは求める限り、総てを貪ろうと醜い手を伸ばし続けるんだ。
「うん・・・」 徹志の唸る声が聞こえた。 起きたのかな? 本にしおりを挟んで、横たわる徹志の顔を覗きこんだ。 「徹志、大丈夫?」 「ん・・・前が見えない・・・」 「あ、ゴメン。冷えピタ張りすぎた」 緩くふにょふにょになった解熱シートをめりめり剥がせば、寝起きの徹志と目が合う。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 何を話しかけようか困っていると、徹志が私の目元に触れた。 「腫れてる。何泣いてたんだよ」 「・・・アンタが悪いんでしょ。突然倒れたりするから」 ええ、泣きましたとも、思いっきり。 急いで徹志を家まで運んで貰って。氷枕とか冷えピタとか、熱を冷まそうと躍起になって・・・やりすぎたかな。私一人で看病するって言い出した為に着替えをさせられなくて、背広とネクタイと靴下を取って胸元のボタンを緩める他無かったし。 止まらない彼の汗を濡れタオルで拭いながら、ぼろぼろ・・・涙が垂れ流しだった。 「喉乾いたとか、お腹減ってたりしない?」 「え・・・今何時?」 「11時過ぎかな。まったく・・・よく眠ったわね」 置き時計に目をやる。ま、だいたいそんな時間だ。私は何か飲む物を取りに、布団から離れた。 ・・・くいっと、シャツの裾を引っ張られる。 「て、徹志?」 無理につくった顔で笑いかけられる。 「格好悪いな、俺。まだ全部聞いて貰ってないのに、ダウンしてずっと側で看病させて、挙げ句の果てにこんなシュチュエーションで」 「あ、無理に起きちゃ────」 徹志が半身を起こので、私は横にさせようと隣に跪く。 「──捕まえた」 「・・・?」 寝かせようと肩に掛けた指が、いつの間にやら徹志の指にしっかり絡まれていた。 ・・・手の平からドキドキが伝わってしまいそう。 ・・・指の先から壊れて行きそう。 「俺、ずっと前から雪香のことが好きだ。いつ好きになったかなんて昔すぎて覚えてねぇけど、本気になったのは雪香が叔父さんを好きになったあの日だ。 雪香を助けられなかった自分が悔しくて。守ったやれる力が欲しくて。いつか絶対、自分から雪香の手を引こうと誓ったんだ」
「────っ!」 私はぎゅっと瞼を閉ざした。手を取られているせいで耳をふさげないのなら、せめて視線だけでも・・・ 「俺だって怖かったよ。打ち明けて、ぎこちなくなって、距離が出来るのがとんでもなく恐ろしかった。だからずっと押し殺して来た。 でも、俺たちはもう変わり始めて、それを戻してはいけないんだ。なぜなら──」 ──手をぎゅっと握られる。私は目を開ける。 「それは俺たちが、」 大人になったから。 「・・・・・・おとな・・・」 「ああ。二人で居ればいつまでも子供のまま、素直な自分でいられる。お互いその関係に甘え過ぎたんだよ」 時間には終わりが来る。 楽しかった時間。安らかな時間。 そんな儚い夢を捨てて、無限の可能性を求めに進む。 「ここだけ時が止まってた。それがやっと動き出したんだ。・・・な?」 「そんなクサいセリフ、どこから出てくるのよぉ・・・」 私の震える唇に、彼の優しい唇が重なる。 触れるだけの柔らかいキス。 私はその唇の内側で歯を食いしばった。歯に力を入れれば入れる程、涙で視界がぼやけてゆく。 「雪香。」 名前を呼ばれれば、ずっと堪えていた胸の奥の想いがどっと溢れて出てきた。 ──嗚呼、胸が痛い。これが、歓喜の痛みというものなんだろうか。 何かを言おうと必死に口を開くが、喉が震えて上手く伝わらない。ついでに肩・・・否、全身が震え出す始末。 「愛してる、雪香。・・・勿論、ただ一人の大切な女性として」 頬を流れ落ちる涙。顔を上げられず、俯いて声を震わせて・・・ もう、自分ではこの感情をどうすることも出来ないの。 「てつし・・・・・・だい・・・好き・・・」 今日だけで、どれだけ涙を流しただろう。 恐いもの。怒りのもの。別れの悲しみと、始まりの喜びを。 絡めていた指を解いて、私達は抱き合った。 「ここまで、何だか遅かったな。もっと早く考えつけば、ずっと前にこうしていられたのかな・・・」 「いいのよ。私達は私達の速さで、今こうして辿り着いたんだから」 彼の胸に顔を埋めると、私を包む腕に力が入った。 密着する。服さえも邪魔に感じるくらい、距離を縮めて愛し合った。 ・・・大好き。もう逃げたり嘘をついたりしないわ。
「雪香の顔が見たい。それと・・・キスがしたい」 「・・・どうぞ」 ゆっくりと顔をあげると、待ち侘びたように徹志が目と鼻の先まで迫ってくる。 瞳を吸い込まれるように覗いた。 「・・・」 「・・・」 ディープキスをするように視線を絡め合う。色んな角度で瞳の奥を見詰め、キスという行為が無ければ・・・きっと永遠にこうしてしまうのだろう。 「あ・・・徹志・・・」 呼吸が震え、縮まる唇の距離に目を瞑る。ファーストキスみたいに緊張してしまう。 ううん、キスだけじゃない。この男と女としての状態が、私にとって初めてのようなもどかしさ。 「んん・・・、・・・・・・」 自然と割れた彼の唇に、くにくにと自分の舌を差し込んだ。徹志も応えて私の口腔に侵入してきた。 「あ、んちゅ・・・あ、ああ・・・」 背中にあった彼の手が、私の背筋をなぞって段々と腰に降りてきた。ゾクリとした感覚に背をのけ反らせ、舌ごと彼を押し上げた。 感じる。体は余すところ無く徹志を意識して、触られた所から性感帯になってゆく。 「だ、だめ・・・声を押さえきれないから・・・この先は・・・」 「この時間ならみんなぐっすり眠ってるだろ。この部屋には俺たち二人だし。それとも、嫌なのか?」 「ううん。も、もっと、徹志が欲しいくらいよ・・・あ、・・・ちゅ・・・くちゃ・・・っ」 舌先が宙で出逢う。そのまま奥へ奥へと嬲るように飲み込まれ、下す暇のない唾液が顎をつたう。 「あん・・・んはっ、んんっちゅ、れろっ・・・れはっ」 「ん・・・ちゅ、ちゅ、あ・・・んぐっ・・・れぁ・・・、んはぁ────雪香ぁ・・・」 聴覚から感じる。彼の吐息の一つ一つに耳を立て、声に胸を焦がす・・・そんな衝動感がたまらない。 そして、彼の手がたわわな胸の上に乗った。 「暖かくて、柔らかいな」 「そ、そっとね・・・」 頷いて、両手で揉みほぐしだした。ブラの上からでも充分に手の平の存在を実感する。 ──今、私の顔は真っ赤だろう。目の前で服の上から乳房を触られるというのは、なかなかの羞恥がある。それで余計に敏感に反応してしまう。 「ああっ・・・徹志、そんないやらしい触り方は、んっ!」 両指でつーっと、鎖骨から胸の頂に向かって線を引かれるように。恥ずかしくって瞼を閉めるが、かわりに体が辱められるようだった。 「ううっ・・・う、はぁ・・・あ、ダメよぉ〜」 堪え切れず、ぐずりだしてしまう私。徹志はちょっと困ったようにポリポリと頬を掻き、ぐるりと私の身体を反転させた。 「──!?」 「俺のあぐらの上に座れ。後ろからなら、そんなにでもないだろ?」 「あ・・・ありがとう・・・」 「でもその代わり・・・っ」 腕をバンザイの様に上げられ、徹志の頭の後ろで手首を縛られる。──ってこの縛り布、私の貸したハンドタオルじゃない・・・。 手を後ろにやられているせいで、胸が張られて、突き出す体制になってしまった。 「これ、更に恥ずかしいわよ〜」 「だってこれからすることに絶対抵抗するだろ、雪香は」 「な、何する気なのぉ・・・」 徹志は私の背中に手を回し、ぷちっとブラのホックを外される。服の上から。
「ストラップ無しのやつか。丁度いいな」 するっとカップが落ち、胸の素肌を隠すのはシャツだけとなる。その上から再び上下から挟むように揉み遊ばれる。 先端が目立つように持ち上げられ、私の頭の上からその浮かび上がった乳首のを観察された。注目されていると判ると、ぷっくらしていた乳輪が萎みだし、真ん中が硬くなっていった。シャツの布地を押し、ツンと形を主張する。 「すげぇ・・・感度いいんだな、雪香」 「・・・だってぇ、そんなに見られたら体が勝手にっ」 布の上から、先端をきゅっと摘まれた。 「ああんっ! ・・・っ、はぁはぁ」 続いてコロコロと突起部分を転がされる。 「や、ああっっ、ああ・・・」 「そう、その声・・・もっと聞かせてくれよ」 声と息が耳にかかる。むすがゆくって身を捩ってしまう。徹志はそれを良く思い、息を執拗に掛けてきた。 「雪香・・・胸、どれくらいなんだ?」 「え、F・・・カップ・・・。ちっちゃいほうが好みだった?」 「いいや、これだけが好きだ」 そう言って手全体で乳房を鷲づかみにされる。ちょっと強引な握り方が痛かったが、それすらも気持ち良いと思ってしまった。 私は体をピクンピクンと悪戯の度に反応させた。 服の上からが終わると、直に触りたいとボタンを外される。一番下まで取られると、パサッと前を開いて、外気にさらされる。 「奇麗だ。そしてとっても可愛いな・・・」 うなじを彼の舌が這う。両手は上下と私の乳首部分をねっとり嬲られ、だんだんと先っぽだけを弄くるように動かされる。 「やぁ・・・徹志、そこが・・・」 「? ここか」 「ひゃっ、あ、あ、あ、あっ!」 親指の先で乳首を下から擦り上げられる。胸の一番感じるところを攻められ、声が一層小刻みになってしまのが自分でも分かった。 背中側だって負けてない。背筋をなぞるように下りてくる舌と唇は、所々にキスマークを付けていった。肩からシャツが落ちて、誘うように腕だけが入れられている。気付けば本当にあられもない格好で私は喘いでいた。 でも胸ばっかりされてるせいか、下の方が淋しくなってくる。私がもぞもぞと内股を擦り動かす姿を見た徹志は、お腹の上に片手すべらせ、ベルトに手をかけた。 「いいわよ。自分で────」 「いいや、今度こそ俺が全部脱がす。半脱ぎで・・・淫らな雪香の格好を拝みたいからな」 これは頑固として脱がせるつもりだ。私は大人しくされるままにされることにした。マグロになりたくないって気持ちもあるけど、ひとまず彼のしたいようにさせてあげよう。 ベルトを外してチャックを下ろすと、ブラとお揃いのシック柄のパンティーが現れた。私が腰を浮かせ、すっと両手でズボンと下着を脚から抜かれる。そして布団の傍らに除け置かれる。シャツも同様に脱がされ靴下を取られれば、私は丸裸だ。
「ねぇ、そろそろ手首の外してよ」 「ハイハイ。えーっとここが結び目だから・・・っと」 やっと手が自由になり、徹志の頭を掴んで口づけをする。唾液を交換し、歯の羅列をなぞった。私がキスに夢中になっている間、秘部に彼の指が密着して、気付いたもう次の瞬間にはクリトリスを弄ばれていた。 「んんっ・・・んにゃはっ、ちゅ、んちゅっ、あっ、ああっ!!」 「もうこんなにとろとろになって・・・そんなに胸が良かったか?」 もう一方の手で片乳首を摘まれ、きゅっと捻られる。 「あはあっ・・・! 徹志の馬鹿、イジワルっ、生意気ぃ!」 「はは、そういえばまだ俺はスーツのままだったな。──なぁ、脱がしてくれ」 「わ、わたし? 望むところよ・・・」 ボタンを一個ずつ丁寧に取り外して行けば、彼の胸板が目に飛び込んでくる。 「──や、やっぱり自分で脱いで!」 ・・・し、心臓に悪い。 胸間のどこかで待ち焦がれていたこの肉体。いざ前にすると、下の部分が熱くなって体が火照ってしまう。 「今更恥ずかしがるなよ。ほら」 私の手を取り、股間に当てた。立派なテントを張ったそこは、苦しそうに硬くなっている。 「これが・・・徹志の・・・」 ベルトを緩め、意を決してジーっと窓を開ける。トランクスの柄がごと重力に逆らうソレに、悔しいけど釘付けになってしまった。 ──ちょっとだけ、悪戯心が働く。 「徹志、そのままじっとしてね」 「ゆ・・・雪香、まさか・・・」 「ん〜・・・・・・言わせる気なの?」 屹立した肉棒を取り出すと、私は己の乳房を持ち上げ、その谷間に徹志のを挟んだ。ゆっくりと胸を上下させ、亀頭を口に含んだ。 「ちょ・・・ぁぁ・・・、気持ち良すぎる・・・」 なるべく谷間の奥へ。自分の胸を揉むついでのように彼の男根を胸の皮膚で擦り、包み込む。そして舌でチロチロと先端を舐めてみた。 「れろっ、はむ、あむ・・・ちゅぱっ」 「〜〜〜〜〜っ」 徹志が表情を歪めているとわかると一層ペースをあげた。さっきは私ばっかり良い思いしちゃたから、今度は徹志に気持ちよくなって欲しい。持てるだけの技術を用いて、彼に奉仕をする。 「ちゅ・・・あ、こくん・・・」 少しずつ溢れてくる先走り液を吸い取って、喉に下す。それから胸を少し引いて、硬くなった乳首の先を擦り付けてみる。そうやって試行錯誤しながら、徹志の最も敏感な部分の苛め方を自分の体に覚えさせた。 「どう?・・・きもち、いい?」 「あっ・・・ん、はぁ、反則だろそれぇ・・・」 「成る程、これが感じるんだー・・・」 硬く赤黒くなる肉棒に頬擦りをした。特にカリを下唇で構ってあげると、私の頭を押さえる彼の手に力が入る。声震え、懸命に我慢しているようだ。彼の竿がビクンと跳ねる。 「あ、ああっ・・・くっ、」 「ふう。・・・これでも我慢、できる?」
再び根元から胸ではさみ、ぬるっとした触り心地でしごく。舌のざらつきを絡め、下から上へと嬲り上げた。 「あっ、だめだ、そんな・・・ウッ・・・」 「あ、んちゅ・・・は、ああんっ・・・ちゅぱ、じゅぱ、れちゅは・・・。ねぇ、我慢しなくていいのよ?」 ──徹志のが熱い・・・ 抱擁するように可愛がると、その触れた部分に余熱が残った。 これが私の中に入ってくる。そう考えて、彼のビクビクと脈打つ物体を見詰めた。体全部に愛撫を受けたあの快美が蘇って、私の息が上がる。 「ああっ、あぁ・・・、っ──────」 トドメ。先端をコロコロと遊び、ちゅーっと尿道口を吸い上げる。私は上目づかいで徹志に声を掛けた。 「ちゅぁ・・・徹志の、いっぱい欲しい。・・・大好き、よ」 「──────うあッ・・・!!!」 ビクっ、ビクっ、と白濁の液が噴き上げ、私の顔や胸に降り注いだ。口にも結構な量がそそぎ込まれる。 「ああっ、はぁっ! あ、アアッ!」 徹志の腰が跳ね、次々と精液が飛び出す。絶頂の余韻からか、私が少しでも撫でるともどかしそうに竿を押しつけてきた。 「はぁぁ・・・なかなか止まらないのね。こんなになるまで、なんで・・・・・・」 「────ゆ、雪香の胸を弄くってる間、どんだけ硬くしてたと思ってんだ・・・はぁ、はぁ・・・」 「・・・馬鹿。ちょっとくらい甘えてよ、年上の立場が無いわ」 射精が落ち着くと、腹這いから起きあがって徹志と向かい合った。互いの体に汗が光り、既に一仕事終えたように呼吸を乱していた。 取り敢えず顔がベタベタなので、徹志に(私の)ハンドタオルでぬぐい取って貰う。 「はぁ・・・雪香って、ちょっとSッ気あるだろ。あれには正直参ったぞ」 「んー、アレって?」 「意地悪攻め。な〜んか愉しそうに見えた」 「あはっ、だって・・・徹志が可愛かったから。ついね」 くんと手を引っ張られ、体を引き寄せられた。 「雪香の方が可愛いよ・・・」 親指で唇をなぞられる。私は無意識にその指をしゃぶり、ねだるように徹志の顔を覗き込んだ。 「ほら、キスできないから」 親指を抜くと、変わりに顔を寄せてるくる。うっとりと目を瞑って、口づけを待った。 ──ぺろっ 「? 徹志? あ、あわわ・・・っ」 唇をぺろぺろと舐められる。合わせて私も舌を重ねて、やっと口同士が触れ合った。 「大好き、大好きなの、徹志。・・・ずっとこうしていたいの」 「俺も大好きだ。愛してる。だから雪香を抱きたい」 「・・・ん。抱いて。今度こそ愛する者同士で、溺れるくらい・・・ね」 「勿論、絶対不足させないからな」 そしてどちらからともなくキスをした。本日何度目だかあやふやになってるくらい、舌を絡め合ったと思う。 キスってこんなに気持ちよく、とろけそうな行為だと思い知った。
徹志も服を脱ぎ去り、二人で全裸になった。抱きすくめられると胸がキュンと熱い。 「あ、ああぁぁっ・・・いや、は、はぁ・・・っ!」 お尻を持ち上げられて、あぐらを掻いた真ん中で屹立する男根をゆっくりと私の中に沈めていった。 侵入してくる感覚に、背中がゾワゾワして、でもそれが快感になる。 「いやはっ、徹志ぃ・・・早く動いてぇ。もう、入れられただけでイっちゃいそうだから・・・」 「じゃあ、本気で行くぞ!」 ぐいぐいっと下から棒で貫かれ、その動きの度にジュプジュプと粘着質な音が溢れた。彼の腰は私の腰にまとわりつくように動かされ、下半身が喜びの悲鳴をあげる。 これって、誘われてるのかな? 耐えきれずに、秘部を擦り付けた。 「や、いやぁ、ああっ、んああっ」 深く入り、その奥で肉棒が私をまた探っている様に感じた。徹志は太ももの内側を鷲掴みにすると、私の腰を持ち上げて、ピストンを始める。ジュブ・・・ジュブ・・・っと卑猥な濡れ音がするソコに、これでもかと神経が集中した。 「────はぁっ、ああっ、あっ、声、押さえきれないよぉ・・・っ!」 「いい。そのままっ・・・喘いでくれ・・・っは!」 「んは、ひゃ、あああっぁぁぁ・・・、とろけそう、腰が溶けちゃいそうだよぉ・・・」 徹志の巧みなピストンに合わせ、私も腰を振った。肉襞が彼を飲み込んで、吐いて、パンパンッと打ち付ける音。 「あ、あ、あ、ああああっ、ふぁぁぁ・・・アアアアッ!!!!」 ビク──ビク──。 爪先まで体を強ばらせ、頭が呆然と、達したことを理解した。 膣内まで痙攣が伝わり、中にある徹志のモノに肉壁がきゅうっと絡んだ。 「はぁ・・・、あ、はぁ・・・ごめん。先に、イっちゃった・・・」 「雪香が気持ちよくなってくれたんだから、嬉しいよ。俺だってお先にイっちまった訳だし」 徹志が優しく微笑みかけてくれる。それだけで胸の内が温かくなる。 私が収まるのを待って、再びピストンが開始された。負けじと首に腕を回してしがみつき、劣情まかせに下半身を揺すった。 「雪香・・・俺に、ま、任せっ・・・!」 「病み上がりが無茶するもんじゃないわよ。それに、我慢しきれなくって・・・」 二人でおでこをくっつけ合って結合部を覗くと、徹志の肉棒が私の中をかきだしている。 「────」 タイミング外れに赤面する。私と徹志が交わっていることに、無性な嬉しさが込み上げてくる。 「・・・徹志ぃ・・・徹志ぃ」 切なげに彼の名を呼ぶ程、瞼が熱くなって涙が零れた。零れた雫を徹志が舌ですくい上げ、瞼にキスをされる。 「うん・・・嬉しいよな。実を言うと俺も感極まって・・・」 鼻を啜る音がした。 濃密な接吻。お互いの喘ぎ声を打ち消すように唇を奪い合い、より性器を交わらせた。 「・・・んっ、ちゅむ、・・・ぜはっ! ああ! あ!」 「あ、あああ・・・雪香・・・あ、く、くあああ・・・」 徹志の先端が子宮口を突くたび、力が入って、締め付けもきつくなる。 ──声が震えてる。徹志、絶頂が近いんだ・・・
4円
紫煙
試演
602 :
名無しさん@ピンキー :2006/08/15(火) 13:04:42 ID:yru68q/r
支援
膣になけなしの力を込め、ナカで男根を絞り上げた。愛しくて、しがみつく腕に力が籠もる。 乳房と胸板がペッタリと密着し、動くたびにこすれる乳首。狂おしく擦り付けた。 「くああっ!」 私の太ももを掴む手が強くなり、彼は呼吸を乱して汗を垂らしていた。その体液が宙に跳ねる。 「はぁぁ・・・あっあっあっ」 ギリギリの様な上昇に、声を小さく絞り出す。徹志は頷いて、打ち付ける腰にスパートをかけた。容赦なく貫かれるモノが、乱暴に私を掻き回した。 「ああんっ、速いよぉ・・・!」 「んっ、もっと、グチャグチャにしてやる」 「──ん、ひはぁっ、や、や、あはぁぁっ」 今にも達しそうな動きをしているというのに、なかなかその時を迎えない。 どうしたんだろう。躍起になって腰を震うが、タイミングを合わせるつもりでいるので私も達することが出来ない。 もどかしい。徹志に満たされ、共に快楽の頂点へと誘われたい。 「てつしぃ・・・イかせてっ、イかせてっ」 「──────雪香っ、スマン!」 「!!?」 繋がったまま彼に押し倒され、座位から正上位へ。 脚をめいっぱい上げられ、でんぐり返し状態。結合部を目の前にむき出しにされた。 「くぁっ、ああっ、っっ!!」 顔の横で脚を押さえつけられ、彼の激しいピストンを揺れる胸の谷間から見詰めるしかなかった。今までとは違う素早い摩擦音で男根が出し入れされる。 力は強く、私はただ彼の欲望に犯されるまま。 「は、激し・・・ああっ、ひぁぁあっ」 「んんっ、ぜはっ、がは・・・っ!!」 ──これが無茶苦茶にされているってことなんだ。 気持ちいい・・・。そして焦れったい。 快楽を求め、動きたくて仕方ないのに、制御され、達するも否も総て徹志が握っている。 嬉しくて仕様がなかった・・・とんでもなく病み付きになりそうで、溺れてしまいそうなこの激情が。一度知ったら忘れられない、焼け付くようなこの愛が。 「もう、だめぇっ、て・・・つし・・・いやぁぁ、ああっ、ふああああっ! い、んいっ!」 「・・・っんな、止まらねぇよっ・・・!!」 「んっ、いやぁっ、あそこが壊れちゃうぅぅ・・・」 「雪香が・・・エロい声出したり、締め付けたりするから・・・っ!」 彼の声に興奮する。獣のように腰を打ち付けてくる姿も、快感で眉を歪めるその顔も。 全部、大好きだ。だから私の総てで、貴方を受け止めよう。 「ああっっ・・・ううぅぅっ・・・んああっ・・・はあ、あ、あ、」 「っく、あっ、────────っん!!」 ──あ、熱い・・・ 「ふあぁ、あっ、あっ、うぅあぁぁぁぁぁーー!!! ・・・はっ、くはぁ、っ!」
「はぁ・・・あ、震えて・・・徹志のが、出てる・・・」 吐き出された液で、私の膣が満たされてゆく。2発目だというのに、充分すぎる量と勢いで徹志は射精した。 「──ふぅ・・・。ごめんな、ギリギリのところでイケなくて、つい・・・乱暴に・・・」 ぬるりと萎んだモノを抜かれ、私から手を離した。入り口からつーっと溢れてくる。 「・・・っいたぁ・・・背中が・・・」 脚を降ろそうとすると、背中に鈍痛がじわりと広がった。あの体位ではこうなるのも仕方ないだろう。 「大丈夫か? 支えるから、そっと・・・」 「うん・・・」 手を借りて何とか脚を降ろすと、またもや徹志がばつが悪そうに頭をがっくりとさせていた。 「あーこんなんじゃなかったのに。もっと雪香がイイようにするつもりが・・・」 痛みをこらえて起きあがり、項垂れる彼の頭にそっと手の平を乗せた。 なでなで 「私は充分気持ちよかったわよ。で〜も、ちょっと理性がはじけ飛び過ぎたわね」 「〜〜ったく、これをネタに何て脅されるやらだ」 「ふ〜ん。そんなこと言うコは・・・」 彼の首に手を回し、ごろんと横に倒れ転がった。裸で横たわる徹志の上に、これまた裸の私が乗っかる。上を取ったり。 「ほぉら、また、指で良くしてあげる♪」 「──雪香」 「・・・後悔なんてしないで。たがが外れた徹志に、ちょっと惚れ直しちゃったんだから」 普通に口にするのが気恥ずかしくて、耳元で囁いた。 徹志はきょとんと私を見ていたが、目が合うと自然に頭に手を回してきた。 「いつだって・・・徹志は私に応えてくれたから。べたべたに甘えて欲しいの、ね?」 ちらりと耳元から徹志を見る。嬉しそうに目を細めていた。 「ありがとう、雪香。正直、『どうしてくれんだ〜』って怒られるかと思った」 「・・・・・・ばか」 そして確かめ合うようにキスをする。それは今まで以上に甘い味がして、夢中になって吸いばみ合った。 「はぁ・・・。徹志、私のお願い・・・きいてくれる?」 「当然。何でも言ってみろよ」 ぷいっと目を逸らして、コッソリと。 「・・・して、欲しいの」 「?」 「ファーストキスも、処女も、あげられてないから。せめて、その・・・後ろの・・・」
「お尻を・・・ってやつか?」 「や、別に嫌なら・・・」 うぅ・・・恥ずかしい・・・。でも、どうしても彼に貰って欲しい。それしかあげら──── 「それしかあげられないから・・・なーんて、思いこんでないだろうな?」 「!!」 「図星か。そんな後ろ向きな気持ちで、無理しなくても・・・」 「違うわよっ!」 なんで半泣きになっちゃうんだか知らないけど、必死に訴えた。 「大好きな徹志にだから・・・だから、貰ってほしいの」 「・・・雪香」 哀れみの目で私を見ないでよ。惨めで、どろどろした私が堤防を越える。 「好きなの。好きだからっ、初めては徹志がいいのっ。 お願い・・・きいてくれるって言ったじゃない。ここまで言わせないでよ。男は約束守りなさいよぉ・・・・・・」 顔を伏せて鼻を啜っていると、お尻に手が触れる感じがした。 「──駄目そうだったら直ぐ言えよ」 「・・・!?」 彼の指が私の割れ目を通った。先程の行為で依然と滑っているそこの体液を、優しく優しく・・・菊門に塗りつけてゆく。 触れるたび、入り口がヒクリと無意識に門と閉ざす。 「徹志・・・徹志・・・っ!」 「なんだ?」 「徹志が・・・欲しいよぉ・・・」 ふ、と微笑を投げかけられた。──今更ながら自分のセリフに恥ずかしさが込み上げてくる。 「欲しいだけやるよ」
「うっ・・・くぅぅぅぅ────」 程よく粘液を付けた後、私は四つん這いになって彼の肉棒をお尻の穴で受け入れた。 ぎゅうぎゅうにねじ込まれるそれに、入り口が抵抗する。同時に腸に刺激が行く。 「・・・くぅっ、だいじょうぶ・・・か?」 「────っうん。ゆっくりなら・・・」 ぐり。ぐり。腰の回転を使って、少しずつ彼のモノが侵入してきた。 初めて異物を飲む込む痛みに、ぎりぎりと歯を食いしばる。息づかいも強ばり、座薬の並じゃない怒濤の圧迫が私を襲う。 「──ん〜〜、ぜはっ・・・は・・・あうぅぅ!」 「っ、ぅく・・・・・・・・・あぁっ──凄い、締めが・・・」 ぶわっ、と全身から緊張の汗が噴き出す。 お尻の部分は刺されるような痛みで、とてもじゃないが自分から振ることなんて出来ない。ぎっちぎちに彼の男根を握り上げす感覚に、その大きさを実感した。 「徹志のって・・・こんな、こんな苦しいくらい大きいんだね・・・」 「オイ・・・小さいと思ってたんなら、流石にヘコむぞ。俺も男だ」 「そういう意味じゃっ、ないわよ。私の心の中でも大きくなっているっていうか、改めて気付いただけ」 「────あんまり俺を喜ばすこと言うなよ」 「じゃ、何度でもいってあげる」 暖かい言葉。こんなトンデモな状況でも、愉しい談笑。 段々とお尻の緊張がほぐれ、徐々にモノが入るスペースがつくられる。 「あ、ぐはぁぁぁ・・・あ、あ、入ってるぅ・・・!」 「もう──少し。もう少しで全部が・・・」 最後まで徹志が収まると、息を荒くして呻き声が漏れてしまった。 「っ! あ、う、動かさないで!!」 彼にとってそんなつもりはないのだろうが、ほんの僅かな動きでさえも抉つ痛みに変換される。 「雪香、俺・・・イきそうだ。だから少しだけ・・・力を抜いてくれないか?」 私のお尻を掴む手に力が加わっている。 ・・・そっか。徹志も、一生懸命耐えてくれているんだ。私の為に・・・ 「・・・・・・・・・いいよ」 「え・・・いいって、っ?」 「動いて、いいよ。これじゃぁ、いつまで、経っても・・・終わりそうにないから・・・」 ごくんと生唾を飲む。 徹志も同様にのど仏を蠢かし、 「すぅぅぅ・・・・・・はぁぁぁ・・・・・・。っ、やるからな」 深い深い呼吸。終わると共に、腰を揺らしだした。 「っ!! くぅっ!! は、くんんっ!!」 ──肛門をこじ開けられるその痛みに、私は苦悶の声を上げる。 「ダメだ・・・刺激が強すぎて・・・ああっ!」 「して! 中に、ぶちまけて! イって、イって!!」 ズシズシと擦り込まれ、その往復が10回に満たないうちに・・・ 「ああっ・・・雪香ぁぁっ、ぐああーーーーっっ!!! っ!」 「くぁぁっ・・・ひゃ!!」
ドクンドクンと脈打ち、彼の精液が絞り出された。流石に3発目ともなれば劣るが、それでも結構な量が腸内に流れた。 「はぁ、はぁ、はあ・・・疲れたぁ・・・」 私は放心してそのまま布団の上に崩れた。 徹志も病み上がりで3発は厳しかったのか、ふらふらと隣に横たわった。 「ふぅ・・・目がショボショボするよう・・・」 「あれだけ泣けば仕方ないだろ。もう眠れよ」 瞳を見つめ合い、そのまま視界が徐々に薄れてゆく。意識が沈む際に眠気と戦いながら、か細く想いを伝える。 「・・・やだ。明日になったら、徹志と別れなくちゃいけないんだもの。まだまだ、一緒に居足りないのに・・・」 「・・・・・・・・・俺だって・・・」 ああ、もう意識が沈んでゆく。 瞼を閉じるその最後に、徹志が私を抱きすくめた。私は男らしく筋張った彼の手で髪を撫でられ、ほっぺたを包まれる。 ──安心できる彼の胸の中。広い胸に顔を埋めて。 無意識に閉ざされてゆく視界と、幸せの抱擁。悠揚な安眠が私を飲み込んで、そのまま夢の中へ。 「・・・てつ、しぃ・・・」 「──起きたときに居なかったら承知しないからな。俺も、ずっと離れたくないから・・・」 掛け布団を掛けられて、瞼の裏が白から黒に変わった。 徹志の吐息と、匂いだけが残される。この束の間の心地よさこそが彼が持つ一番の魅力なのね。 ──おやすみなさい♪
唇に柔らかな感触。 「・・・ん、ふぅ・・・」 ああ、これは私の大好きな触感だ。恋しくて求める、愛しくて貪る、そんな本能が手を伸ばすそれ。 その暖かさが空気と入れ替わると、私はパチリと瞼を開いて彼を見つめる。 「あ、わりぃ。起こしちまったな」 「徹志・・・」 「ん?」 心の底から、 「馬鹿っ!!!」 食らえ、雪ねえの十八番、ヘッドバッド。 「っっだぁっ!」 ゴチーンと突撃の鐘が鳴り、くらくらと頭を戻した。これ己へのダメージ強すぎ・・・ 「寝起きのちゅーは私がするつもりだったのに・・・奪いやがってぇ」 「!!」 私がいじけて呟いた程度の言葉で、徹志は口元を抑えてカァァっと赤面した。 ──あらあら、まだお年頃なのねぇ・・・ 「ふふ〜ん。ちょっと自分の行いに後悔した?」 「その不適な笑いするなよ。それよりも、起きたなら早く服を着ろ」 見れば徹志は昨日脱がした服を着込んでいる。 何をこんな朝っぱらから。ここはもうちょっと寝起きの後戯を・・・、と思ってはっと気付く。 ──ここは実家だ。 「ああっ! そうよ、誰かが起こしに来る前に、何とか言い訳を考えなくちゃっ!!」 「あ〜・・・寝ている間に、下着だけは着せておいたからな」 ボカッ! 「余計なお世話よ──────────────────!!」 さて、これから私達には様々な関門が待っている。 ──それは例えば、剛兄の鋭さをかいくぐることだったり。 ──それは例えば、この関係について親族を説得することだったり。 ああ、前途多難だなぁ・・・ なーんて鬱になっちゃう? ・・・ううん。どうぞ、かかってきなさいな感じよっ。 「言い忘れていたけど、徹志。」 「何だ?」 「私、来月から横浜にある出版社に派遣されることになってるから。引っ越し手伝ってね」 「へいへい・・・って、雪香、それは・・・」 「ねぇ、徹志のアパートの隣の部屋とか・・・空いてたりしない?」 悪戯っぽいニヤけ顔で彼の顔を覗き込む。 コメカミを抑えて、目を瞑って考え込んでしまった。そして絞り出た言葉は、 「・・・今よりもうちっとだけ、良い部屋探すか?」 「アパマンショップ? それとも、イイ部屋ネット?」 「ま、しばらくは俺の部屋が狭くなるな。・・・ははっ」 「──ふふっ・・・ぷ、あははっ!」 「あ〜〜笑うなよ、雪・・・雪香!」 頭をわしゃわしゃと掻き撫でられる。元々ぐちゃぐちゃだった髪が、更にむちゃむちゃに乱れてしまった。 ──うん。あさってでも、スーツケースもって徹志のアパートに突撃してやろう。 勿論本人には内緒で、ね?
以上。 う〜わ〜、やっぱし女視点は書きにくい・・・orz 途中行き詰まったため、間が空いてしまってゴメンナサイ。お待たせしましたorz この二人の話は一応お仕舞いです。まー大変でしたが、結構愉しかったです。 これが自分の唯一の夏の達成事だと思うと、目に涙が滲んできますorz でも後悔はしてません。支援して下さった方々、本当に有り難う御座いました。 ……あ、誤字脱字はご勘弁をorz
完結編ktkr! グッジョブですよ
寝る前にきてみて良かった。待ってました。 609さんお疲れ様でした。楽しませて頂きました。
GJ!
雪華かわいいよ雪華
>>609 たいへん美味しゅうございました。GJ!!
>>613 訂正
× 雪華
〇 雪香
ヘッドバッド食らって来る…orz
保守
616 :
名無しさん@ピンキー :2006/08/28(月) 18:04:55 ID:bJhhaMRm
ほしゅ
617 :
名無しさん@ピンキー :2006/09/04(月) 01:27:05 ID:cDeqfXKK
捕手
sage
619 :
名無しさん@ピンキー :2006/09/07(木) 01:51:36 ID:xY7dI85A
ほしゅ
たった3日程度で落ちるわけがない
621 :
名無しさん@ピンキー :2006/09/16(土) 04:43:16 ID:dhVlpKaS
ほしゅしますよ
622 :
名無しさん@ピンキー :2006/09/22(金) 02:20:49 ID:8+FAEQ1z
そこで保守ですお
死守!
624 :
隣人 :2006/09/30(土) 22:29:12 ID:3fBQmb5t
結構長いのですが、何度かにわけて投下してみます。 好みでない場合はスルーでお願いします。 都会に住んでいると、近隣の住民との付き合いなど、ほとんど皆無に等しい。 管理人との挨拶でさえそこそこに、ましてやエレベーターで同じ階の住民に出会った時など苦痛でしかない。 小さな箱に閉じ込められた数十秒から数分間・・・ 軽い会釈を交わすことですら、最近のまゆにとって重苦しい「近所づきあい」に感じられた。 その朝も、いつもと同じ時間同じ手順でまゆはドアに鍵をかけた。 <ふあ〜ぁ・・・今日の会議・・・こりゃ間違いなく寝ちゃうかもね・・・> 夕べは1週間撮りだめしたドラマのチェックをする日だったのだ。 もちろん、一人暮らしのまゆは勝手に木曜日を「ドラマ日」と命名しているだけなのだが・・・ <ドラマしか楽しみがないって・・・まじで終わってるよね。24歳の女子としては・・・> まゆは大学を卒業してから彼氏がいない。もう2年以上になるだろう。 年下の元彼は社会人になった途端忙しがっている彼女に、 「俺じゃない誰かに幸せにしてもらって」 そんな冷たい言葉で別れを告げた。 それ以来、どうも男性に心を開けないでいた。 <ルックスは間違いなく問題ないんだけどなぁぁ〜> まゆは自意識過剰なタイプ・・・ではなかった。 柔らかなチェリーブラウンのロングヘアは艶やかに頬のあたりで巻かれていたし、白い肌にはしみや吹き出ものなど全く見当たらない。 大きな瞳、形のいいぽってりとした唇。もちろんマスカラは3重に重ね付けしている。 <おっぱいだって、普通よりはおっきいはずだ!> 「なのに・・・なぁ〜〜〜んで、もてないのかなぁっ」 エレベーターを待ちながら、小声でため息をつくと、背後からくすっと笑い声が聞こえた。
625 :
隣人 :2006/09/30(土) 22:30:14 ID:3fBQmb5t
「・・・!!!」 どきんっと跳ねる胸を押さえると、さっとまゆは振り返る。 すると、少し離れたところに一人の若い男が立っていた。 「あっ! えっっと・・・すみません!」 男は笑い声が聞こえたことに気づいたのか、かなり焦って持っていた段ボールを下に降ろすと 「あのっ605号室に越して来ました・・・永山といいます。」 グレーのスウェットパンツで右手を軽く拭うと、手をさしのべてくる。 まゆは訝しげに後ずさりした。 −−−ポーン 静かにエレベーターの扉が開く。 さっとまゆは乗り込むと、軽く会釈してそのまま1階へのボタンを押した。 早まる鼓動を押さえるように、ゆっくり深呼吸しながら考える。 <な・何っ!!!何あの人・・・!!!> 赤くなる頬をペシペシとはたきながら、さらにまゆは考えた。 <・・・めっちゃめちゃ・・・タイプなんですけどっ?!> <・・・ってか、あたし何やってるの〜〜〜!明らかにシカト・・・?シカトだよね今の態度っ!?あぁぁぁ〜〜〜馬鹿だ!あたしは本物のアホだっ!> いつもより早くエレベーターは1階へと到着した。 毎朝、共用部分を掃き掃除している管理人を慌ててさがす。 「か・かんりにんさんっっ!?」 「あ・・・えっと・・・どちらのお部屋の方でしたっけね?」 「606号室の沢木ですっ!! えっと・・・どなたか今日・・・お引越しですかっ?!」 勢い込んで聞くまゆの声に恐れをなしたのか、初老の管理人はあわあわと答えた。 「あっはいはい・・・え〜605にながやまさんってひとりぐらしの男性が・・・」 「605・・・おとなりさん・・・ながやまさんっ?一人暮らしなんですねっっ!」 ものすごい剣幕でまゆは詰め寄る。 くすっ 背後から、小さな笑い声が聞こえた。 びくんっとまゆの背中が跳ねる・・・ まさか・・・と振り向くと、案の定エレベーターから長野の優しい笑顔が現れた。 どっからどう見ても、おっとこまえである。 無造作な感じでセットされたワイルドな黒髪、意思の強そうな眉、切れ長の瞳は一重ながらとても大きい・・・ 高い鼻、形のいい少し薄い唇・・・顔もびっくりするほど小さい。 線は細いのに、ほどよく筋肉でもりあがった胸がスウェットの上からでも分かった。 「さっきはごめんなさい。驚かせちゃって・・・改めまして・・・永山です」 もう1度、段ボールを降ろすと永山は右手を差し出した。
626 :
隣人 :2006/09/30(土) 22:31:16 ID:3fBQmb5t
会社についてからも全く仕事に手がつかないまゆは、心配していた会議中の居眠りからは解放されていた。 頭の中は永山の可愛い笑顔、甘く優しげな声、そして男らしい右手の感触で埋め尽くされていたからだった。 金曜日ということも手伝って、6時を過ぎると同じ部署の男性社員から何人かに声をかけられる。 「沢木〜のみ行こうぜ」 「まゆさん・・・今日めし食いに行きませんか」 本人は全く気づいていないが、先輩や同僚・後輩の何名かは明らかにまゆ狙いである。 「今日無理っ!おつかれさまでしたぁ〜〜〜っ!!!」 超特急で仕事を終わらせたまゆは家路へと急いだ。 <・・・って帰って・・・どうするつもり?!> どうしていいかなんて全く分からない。 ただ、明らかに一目ぼれした相手が住んでいると思うと、自宅への道が薔薇色に輝くから不思議だ。 家に着いて、簡単な食事をすませる。 テレビのバラエティーなんて全く頭に入ってこなかった。 「あぁぁ〜〜だめだめっ!お風呂入ってビール飲んで・・・寝るっ!」 605号室側の壁を明らかに意識しながら叫ぶと、まゆは浴室へと入った。 熱いシャワーを浴びていると、愛しい隣人の顔が目に浮かぶ。 「いやいやっ!今日会ったばっかだし!!!性格とかしんないしっ!」 念入りにトリートメントしながら、まゆは首を振る。 <・・・でも・・・まじでかっこよかった。あんな人がカレシだったらなぁ・・・> 柔らかいおっぱいに石鹸をこすりつけると、何故だか腰のあたりが疼く。 「んっ・・・!」 明らかに刺激する意思を持った指先を、くるくるとピンク色の乳首のあたりでさまよわせた。 「ふっはぁっ・・・」 思い切って強く揉みこむように両方の乳房をつかむ。 ぎゅむぎゅむと激しくすると、まるで自分の手で刺激しているのではないようだ。 とろりっと薄い陰毛の奥から甘い蜜が吐き出されるのが自分でもわかる。 <やだ・・・自分でするのも・・・結構久々だな・・・> そのまま泡だらけの右手を股間に這わせる。 肉芽は胸への刺激だけで、つんっととがっていた。 「な・・・がやま・・・さんっ!」 今朝初めて会ったばかりの、しかもほとんど会話してもいない男のことが、何故こんなにも気にかかるのか・・・ くりくりと硬い芯を刺激すると、ほぉっと可愛い唇から甘いため息がこぼれる。 <このまま・・・ここでしちゃおうかな・・・> と、まゆが覚悟を決めた瞬間 −−−ピンポーン 玄関から間延びしたチャイムの音がした。 マンションの外からのチャイム音ではない。 ・・・ということは玄関の前で誰かがまゆの家のドアのベルを鳴らしているのだ
627 :
隣人 :2006/09/30(土) 22:32:33 ID:3fBQmb5t
「ま・まさか・・・ねっ」 そうは思うものの、もしかしたら・・・そんな期待がまゆの手をシャワーのコックへと伸ばさせる。 「は・はぁ〜〜いっ?」 浴室のドアを開けて大声で叫んでみる。 ・・・アッ・・・・ト・・・ナガ・・・スガ・・・ 何か小さい声が聞こえる。 更にどきんっとまゆの裸の胸が高鳴った。 男性の声・・・多分間違いなく永山の声である。 「ちょ・ちょっと待ってくださぁ〜〜いっ!」 急いでタオルを巻きつけると、キッチンのインターホンまで小走りに向かう。 受話器をあげると低く優しげな声が耳の奥で響いた。 「あっ隣の永山ですが・・・今朝はすみません。あの・・・ご挨拶の品を持ってきたんですが・・・」 学生時代からこのマンションに住んで4年。初めて引越しの挨拶での訪問者だった。 モニター付きでもないのに、ぐっとタオルを引き上げる。 「あっそんな・・・ありがとうございます・・・あの・・・えっと・・・」 もちろんこんな姿で長野の前に姿をあらわすわけにはいかない。 裸だから・・・というよりもスッピンを見せたくない・・・っという理由でだが。 「あのっ今ちょっと出られないので・・・少ししたらこちらから伺っても・・・?」 「あっお取り込み中、失礼しました。え・・・と、よろしいんですか?」 「はいっ!あの10分・・・15分で伺いますっ!!!」 「・・・っ。はい。じゃ・・・待ってます」 明らかに笑いを堪えたような永山の声に、まゆは自分を殴りたい気分になった。 <あぁ〜〜〜なんか色気ゼロじゃんっわたし・・・> しかし、まゆにはのんきに自分を殴っている時間はない。 10分で簡単にヘアメイクを完了させなければならない。その上・・・何着てけばいいっ?! 15分を少しすぎたところで、まゆは605号室の前に立っていた。 意を決してチャイムに手を伸ばすまゆは、自分で思っているよりもはるかに美しかった。 髪の毛はセットをあきらめ、軽く乾かすと簡単にまとめ髪にした。 ゆったりとした、しかし肩がたっぷり開いたデザインのカットソーにインディゴのスキニーデニムを合わせる。 アイメイク以外は薄めに仕上げて湯上りの色気が十分に漂っていた。 −−−ピンポーン 我が家と同じチャイムの音色にほんの少し気持ちが落ち着いた。 間髪いれず、ドアが押し開かれる。
628 :
隣人 :2006/09/30(土) 22:33:36 ID:3fBQmb5t
ほんのり上気した彼の頬は、湯上りの気配を残していた。 「・・・ごめんなさい。ちょっとシャワー浴びてて・・・」 もちろん洋服は着ている。チャコールグレーのカットソーに柔らかそうな素材のベージュのイージーパンツ・・・ やばいくらいにカッコいい・・・ しっとり濡れた髪の毛からはぽたりと水が滴り落ちる。 「あ・・・で・出直しましょうか?」 「いやっ、どうぞっちょっと散らかってますけど・・・」 <部屋・・・入れてもらえるんだぁぁ〜〜〜っ!!!> もう男子よりの考え方になっているまゆ・・・興奮しながらも、平静を装って室内に足を踏み入れた。 「おじゃま・・・します。」 室内にはほとんど何もなく、段ボールがいくつか散乱していた。 そして・・・中央にどんっとおかれた大きなベッドに嫌でも視線がくぎ付けになる。 「あっ・・・!ソファ代わりに・・・あの・・・座っててくださいっ僕ちょっと髪乾かしてきても・・・?」 「もちろん!あっあのこれ・・・」 慌てて忘れそうになっていた、包みをまゆは差し出した。 「これ・・・引越し祝い??っていうんでしょうか。良かったら・・・」 「いや・・・こちらから渡さなきゃいけないのに・・・ありがとう。開けていい?」 自然なため口がまゆの心をざわめかす。 「たいしたものじゃないんですが・・・」 「あっ!!!ワイン!!僕ワイン大好きなんですよ〜いやぁ嬉しいなぁっ」 本当に嬉しそうに顔を崩す永山を見つめ、胸の奥底からざわざわするような喜びがまゆの体を突き抜けた。 <こりゃ・・・まじ惚れコースだ。> ワインをすっとテーブルに置くと永山は髪を乾かしにバスルームへと消えた。 まゆはぐるっと部屋を見まわす。同じ間取り。生活の匂いがしないからだろうか・・・まゆの部屋より少し広く感じる。 「あ・・・テレビ・・・」 そう。永山の部屋にはテレビがない。よく見てみると、その他にも電化製品らしきものは何もなかった。 「そう。明日・・・届くんですよ。」 今朝見たときとは違い、前髪が額にかかっている。何だか少し幼く見えて、まゆは緊張を少し緩めた。 「電化製品がないから・・・余計に広く見えるんですね。」 そう言って、すっとベッドに腰をおろす。 永山はまゆのうなじを見つめていた瞳をそっとそらすと、 「ワイン・・・一緒に飲みませんか。いただいたもので申し訳ないけど。」 「はい・・・あ・すみません!!自己紹介・・・まだしてませんでしたよね!わたし606の沢木まゆです。」 「・・・まゆさん・・・僕は605の・・・ってそれはいいのか。永山啓太です。年は26。まゆさんは?」 「あっ年上なんですね。私は24です。」 ワインのコルクを抜きながら、優しくまゆを見つめる永山の視線を受け止めながらまゆは答えた。
wktk 保守!
きましたね! おまちしてますw
ハイテンションで良い! 続きが楽しみっす。
632 :
隣人 :2006/10/01(日) 02:11:56 ID:zmbpatoA
途中、名前が間違っているところがあります・・・ 大変申し訳ありませんでした。 少し続けます。
633 :
隣人 :2006/10/01(日) 02:12:44 ID:zmbpatoA
ワインを飲みながら、永山について少しずつ知っていく・・・まゆもだんだん自然に話ができるようになっていった。 ボトルが空になる頃には2人はすっかり打ち解けていた。 「サッカー!!お上手なんですか?私大好きですよ〜〜〜詳しくはないんですけど・・・」 「あっじゃぁ今度見にきてよ。遊びでだけど、仲間とやってるんだ」 「えっいいんですか???お弁当とか持って、行っちゃっていいですか??」 「もちろん!!いやすっげぇ嬉しいよ!」 「でも・・・彼女とかが・・・イヤな気分になるんじゃないですか・・・?」 ほんの少しの沈黙が訪れる。 <あっ!やばっ・・・やっぱいるんだぁ・・・聞かなきゃ良かった・・・> 目を伏せていると、永山が下から覗き込んでいる。 思いもかけず接近し、まゆは心臓が飛び出しそうに驚いた。 「・・・!!!ご・ごめんなさい・・・ヘンなこと言っちゃいましたか・・・?」 顔をさらに近づけて、永山は少し意地悪そうな笑みを浮かべている。 「・・・まゆちゃんは?」 「・・・はい?!」 「そういうまゆちゃんは・・・彼氏は?いるの???」 急いでかぶりをふりながら、まゆは大慌てで否定する。 「そ・そんなひとっいませんよっっ!!・・・って24でいないって方が問題ですけどね・・・ははっ・・・」 冗談めかして笑ったが、永山は真顔に戻っていた。 「・・・ホント?」 真剣な表情も素敵だ・・・不謹慎ながら胸を高鳴らせまゆはそっと頷く。 ぐっとさらに永山の顔が近づく。 「さっき・・・僕にかまかけたでしょ。」 「えっ!!!」 「彼女が嫌がるとか何とか言ったの・・・あれ・・・かまかけたんだよね。」 「・・・あ・・・」 そう言いながら永山は、じりっとまゆとの距離を詰めていく。 「だってさ・・・今朝・・・管理人さんに僕のこと・・・聞いてたよね。」 「あれは・・・そのっ」 もう永山とまゆの額はくっつきそうなくらい近づいている。 「・・・気になる?」 まゆは緊張と恥ずかしさで声すら出せない。 今にも泣き出しそうなまゆの額に自らの額をちょんっとつけると、いたずらっこのような瞳で永山は囁いた。 「・・・いないよ。」 ん??と目でまゆは聞き返す。 「彼女なんて・・・僕もいない。」 言った瞬間、永山は形のいい薄いその唇をまゆの柔らかな唇に押し当てた。 目を見開いたまゆは、思わず顔をそむけようとする。 しかし、永山の大きな手のひらで顔を挟まれ、逃げ出すことができない。 永山はほんの少し唇を開いて、優しくまゆの唇を吸っている。 っちゅっちゅっ・・・ テレビも何もないがらんっとした部屋に2人の唇がたてる水音が響き渡る。 知り合ったばかりの、しかし一目ぼれした相手からの想像もしなかった突然のキス・・・ 戸惑いよりも恐怖よりも、まゆの胸に広がっていったのは体を突き抜けるような歓びだった。
634 :
隣人 :2006/10/01(日) 02:14:14 ID:zmbpatoA
「んっんっ・・・!」 思わず唇を開くと、すかさず永山の唾液とともにぬるりとした舌が差し込まれる。 まゆの可愛い舌にねっとりと絡みつき、唾液をすするようにいやらしい音をたてていく。 <キス・・・超ひさしぶりだぁ・・・> うっとりと体を永山の胸に預けるようにすると、まゆは久々のキスに感じはじめていた。 まゆの小さな顔を挟んでいた大きな手のひらが、すっと細い肩に移動する。 そのまま、まゆはそっとベッドへと押し倒された。 「・・・だめ?」 永山は見上げるようにして小さな声で呟く。 <年上のくせに・・・!!か・可愛いよぉ・・・> まゆはそっと首をふる。 「だめ・・・じゃない・・・です。」 まゆは思い切って自らの気持ちを伝えた。 「だめじゃないです・・・私・・・今朝あなたのこと・・・見た瞬間から・・・こうなったらいいなぁっなんて・・・」 ぱぁっと永山の瞳が明るくなる。 「ホント!!まじだ〜あぁ〜嬉しいなぁ・・・僕も・・・ぶっちゃけ一目ぼれって感じ・・・だったから。」 思いもよらず、一目ぼれした相手から一目ぼれしたと告白されたまゆはがばっと上体を起こした。 「えっ!!!ホントですか?!」 答えず永山は、まゆの唇をもう一度ふさぐ。 今度はまゆもすぐに受け入れていく。永山の舌に自らの舌をおずおずと絡ませた。 「ふぅっんんっっ・・・んっんっ」 キスだけで、じゅわっと身体の芯から密が溢れてくるのが自分でも恥ずかしく、同時に嬉しかった。 「可愛い・・・まじで可愛い・・・」 うわずった声でまゆの髪に顔をうずめると、永山は大きく息をつく。 「このまま・・・したい。」 出逢ってすぐということに、永山自身も戸惑っているのだ。 まゆは鎖骨のあたりに顔をうずめると、そっと頷きながらつぶやいた。 「わ・・・わたしも。したい・・・よ?」 言ってから恥ずかしさのあまり耳まで赤くなる。 <・・・って、何年ぶり?!ダイジョウブなのか!まゆっ???> 心の声を無理やりに押し込めると潤んだ瞳で永山を見上げ、そっと耳元に唇をよせた。 「して・・・ください・・・ぜんぶ。」 吐息の混じった可愛い声が、永山の最後に残った理性を吹き飛ばした。 がっと、まゆの細い手首をつかむと、荒々しい仕草でもう1度ベッドに押し倒す。 そのまま激しいキスの雨を降らせた。 唾液を交換するようないやらしい口づけに、まゆの頭は次第に蕩けていく。 「うぅんっんっんん〜〜〜っ」 キスだけでこんなに感じるのに、これ以上のことをしたら・・・一体どうなってしまうのか、まゆは期待と不安で腿をこすりあわせた。 永山は唇をそっと離すと、耳から首筋を優しく愛撫し始めた。 「はぁ・・・」 女の子のような可愛い吐息をもらしながら、大きな永山の手のひらがまゆの腹から差し込まれ、直に乳房をとらえる。 ブラの上からとは言え、久々の男の手のひらを肌に感じ、思わずまゆは逃れようとしてしまう。 すると、永山はさらに荒々しくまゆのカットソーをまくりあげた。 「やっ!!!」 思わず声をあげ、体をよじるが逃げられるはずもない・・・ あっけなくトップスもデニムも脱がされてしまった。 永山は少し体を離すと、上からじっくりまゆの下着姿を眺めた。 「で・でんき・・・消してください・・・」 まゆは消え入りそうな声で懇願する。 永山は名残惜しそうにまゆの唇にちゅっと優しいキスをすると、さっと電気を消しに立つ。
635 :
隣人 :2006/10/01(日) 02:15:23 ID:zmbpatoA
「あれ!えっと・・・これかな・・・」 そうだ。彼は今日この部屋に引っ越してきたばかりなのだ。 ぷっとまゆは小さく吹き出し、立ち上がって永山の側に向かう。 「これ。」 ぱちんとメインの電灯が落ち、キッチンのほのかな灯りだけが柔らかに2人と照らしている。 少し照れたように、永山はぐっとまゆの腰を引き寄せた。 <背・・・高いな・・・180あるかな・・・> まゆは女性にしては少し大きい方で167cmある。 長身のまゆにキスするために、永山は少しかがんだ。 激しい口づけの合間に、彼は上着を脱ぎ去った。 細身ながら、筋肉のもりあがった腕、胸・・・きゅっと締まった腰のあたりが男性の色気をかもしだしている。 思わず、まゆはすがりつくようにして胸に顔をうずめた。 永山の指はまゆの乳房をもみこむようにして愛撫している。 「おっきい・・・ね。」 少し意外そうに、それ以上に嬉しそうに呟きながら、ブラを押し下げるとおもむろに口に乳房を含んだ。 「ひゃっん・・・!!!」 じゅぼじゅぼっといやらしいまでに大きな音をたて、乳首を吸い上げていく。 ブラの隙間からひねり上げられ、上から見るまゆの乳房は自分でもいやらしさに顔が赤らむほどだった。 ちろちろと舌を出して乳首を弄び、そのまま形の良い唇を大きく開けると乳房全体を口内におさめようとする・・・ いつしかまゆの乳房は永山の唾液でびしょぬれになっていた。 「〜〜〜っ・・・!っはんっはんっあっあっ・・・!!!」 こらえきれず、イヤらしい喘ぎ声がどんどん大きくなる。 「大丈夫・・・隣・・・誰もいないでしょ・・・」 はぁはぁとかすれた声で、永山は耳元で囁く。 「やっ・・・!」 乳首をこりこりと両手の親指で刺激しながら、 「もっと・・・やらしいこえ・・・ききたいっ・・・」 その囁きとともに、まゆは立っていられないほどの刺激を乳首に感じ、腰からがくっと崩れ落ちそうになった。 「・・・ほんとに・・・感じやすいね・・・」 無邪気な笑顔でつぶやくと、ぐっとまゆを抱きかかえベッドに寝かせる。 その瞬間、形だけ乳房の周りを飾っていたブラは取り去られ、どろどろに濡れたショーツ一枚の姿にされた。 恥ずかしさはとうに、ない。あるのは狂おしいまでに永山を求める心だけだった。
636 :
隣人 :2006/10/02(月) 12:47:33 ID:0pZDBkaj
ラストまで投下します 永山は無言で自らの着衣を全て取り去り、まゆの上にぐっと覆いかぶさっていく。 裸の胸を密着させ、激しく唇をむさぼりあっていると、まるでこうなるのが運命だったような気さえしてくる・・・ 唇を離しそっと永山を見つめると、彼もまた心で同じことを思っているのが伝わってきた。 ・・・と、彼はまたしても激しい乳房への愛撫をはじめた。 両方の乳房を揉みしだきながら中央へ寄せると、豊かなまゆの乳房同士はひしゃげ両乳首はやすやすとくっついた。 わざと舌を突き出し、まゆに見せつけるように、寄り添った乳首をいやらしくプリュプリュと舐め上げていく。 夢中で乳首を吸いたてる永山は、一心不乱にまゆを感じさせようとしている。 まゆは乳首への刺激だけで達しそうなほど感じきっていた。 「あっはぁっうぅ・・・っんっんっ!!!いぃっ!!」 はぁはぁと荒い息をはずませ、永山の太い指がまゆの大切な部分をなぞり始めた。 「まゆ・・・ちゃん・・・すっごぃ・・・どろどろ・・・」 びちょびちょの下着には、ずっと前から気づいていた。 「やっ!!!は・・・はずかしい・・・」 「なんで・・・?すっげ〜やらしくて・・・可愛いんだけど・・・?」 上からそっとなぞっていた指で、ショーツをぐっと脇に寄せると直にまゆの一番敏感な突起をこりこりと刺激する。 「・・・っ!!!あっ!!!あぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っっっ!!!」 久しぶりの刺激と、あり得ないような幸福なこのシチュエーションで興奮の絶頂にいたまゆは、あっけないほ
637 :
隣人 :2006/10/02(月) 12:49:08 ID:0pZDBkaj
びくびくと腰を痙攣させるまゆを強く抱きしめると、永山は優しくキスを繰り返す。 肩で深い息をつくまゆの頬は赤く染まり、額には玉のような汗がにじんでいる。 唇から頬、まぶた、額、そして耳元についばむようなくちづけをしながら、永山は優しくまゆの髪を撫でた。 「・・・イったんだ・・・?」 恥ずかしそうにまゆは頷く。 「ご・ごめんなさいっ・・・わたし・・・ばっかり」 永山はばっと上半身を起こし、まゆの瞳を覗き込むと、 「なにいってんの!すっごく・・・嬉しいよ・・・」 そのまま、まゆを見つめながらもう1度、愛液でどろどろになった秘所に指を這わせていく。 「ここ・・・めちゃめちゃ敏感なんだ・・・」 「っ!!!はぁっ・・・」 またもや感じはじめたまゆのか細い指を自らの股間へと導いていく。 猛々しく屹立した肉塊に指が触れ、まゆの胸はひときわ大きく高鳴る。 「す・・・すごい・・・」 永山自身は彼のスレンダーな体つきからは想像も出来ないほどに太く、しかも荒々しいまでに膨張していた。 先の方に手を添えると、どろりとした透明な液がまゆの可憐な指先を濡らしていく。 「・・・っまゆ・・・っちゃん・・・」 思わずこすりあげるような手つきになったまゆの手に感じさせられ、永山は甘い吐息をもらした。 お互いに相手の大事な部分に手を伸ばし、優しく愛撫しながら濃厚なキスを交わす・・・ 「んぅ・・・ふぅっん・・・ぃ・・ぃっ・・・!!!」 鼻にかかったいやらしい喘ぎ声が絶え間なく響く。 いつのまにかびしょ濡れのショーツは取り払われ、一糸まとわぬ姿で2人は抱き合っていた。 華奢な肩を甘噛みしていた永山の唇が、脇腹、腰そして柔らかな下腹部まで到達する。 「やっ・・・だ・・・め・・・はずかしぃ・・・よぉ・・・」 甘えた声で形ばかりの拒絶をするが、もちろん永山が聞き入れるはずもない。 丁寧に薄い茂みを舌でかきわけるようにすると、吐息をふきかけながら永山はまゆの秘所にむしゃぶりついた。 じゅちゅっじゅっっちゅっ・・・ 後から後から溢れ出てくる密と唾液を混ぜ合わせ、まゆの小さな亀裂を食べ尽くすように味わっていく。 「・・・っ!!!!」 あまりの快感に、もはや叫び声すらあげることができない。 彼の髪に指をさしこみながら、逃れようとするかのようにまゆは腰をひねる。 永山は逃がすまいと柔らかい尻肉を両手でつかみ、揉みこむようにしながら舌で唇で・・・まゆを狂わせていった。 膣穴に太い舌をねじこまれたかと思うと、次の瞬間には肉芽をぷりぷりとこねまわされ、唇で覆うように陰唇全体を刺激する。 執拗に繰り返される舌技で蕩かされ、まゆは早くも2度目の絶頂を迎えつつあった。 びんびんの肉芽を軽く半剥きにし、舌と唇ではさみこみながら優しくしごくように刺激された瞬間、 「〜〜〜っっ!!!っ・・・いっ・・・!!!」 まゆのきめ細やかな肌が一瞬で粟立ち、そのままびんっと硬直したかと思うと小刻みな激しい痙攣が襲った。
638 :
隣人 :2006/10/02(月) 12:50:26 ID:0pZDBkaj
ほんの少し、意識がとんでいたのだろうか・・・ 気づくと永山は、まゆに腕枕をするよう体を横たえ、優しく耳元に口づけていた。 「・・・わたし・・・また・・・」 おずおずと永山の下腹部に手を伸ばすと、彼自身はまだ大きく屹立したままだ。 ほっと胸をなでおろす。大丈夫。今度はまゆが彼を感じさせる番だ。 まゆは厚い胸板に、ゆっくりと肉付きの良い唇を押し当てた。 「ん・・・」 永山も感じやすくなっているのだろうか・・・心地よさそうに目を閉じている。 小さな可愛い舌を伸ばし、男らしい胸と乳首へ、拙いながらも必死で愛撫を繰りかえしていく。 ぺちょぺちょ・・・ 子猫のようなその姿は、ぞくぞくする程愛らしい。 そのまま、まゆは締まった腹から毛深い下腹部まで迷うことなく唇を進めていった。 オスの匂いがまゆを更に興奮させていく。 何ら刺激を受けていないにも関わらず、まゆの膣奥からはとろっと愛液が吐き出されるのが分かった。 内腿をこすりあわせるようにしながら、まゆは驚くほどに太い肉塊の先端に優しくキスした。 そのまま舌を思い切り出し、ぺろりと舐め上げる。 永山はクッションに上半身をあずけ、まゆの姿を愛おしげに見つめていた。 根元に軽く手を添え、柔らかな唇で包みこむように、そそり立つ怒張を徐々にくわえこんでいく。 決して小さいわけではないまゆの唇だが、全てを口内におさめるだけで精一杯といった感じだ。 必死で顔を上下させると、唇の端からは涎が自然とこぼれ落ちる。 どうしても、彼を感じさせたい!! その一心で、流れ落ちる涎を拭うこともせずしゃぶり続けた。 亀頭部分に舌を絡め、のどをならして、荒々しいまでに立ち上がった肉塊に奉仕するまゆの顔を見つめ、永山はため息をつく。 じゅぼっじゅぼっ いやらしい音をさせながら、ふっとまゆが潤んだ瞳を永山に向ける。 その瞬間、腰からかけのぼってくる射精感を感じ、思わず永山は腰をひいた。 ・・・じゅっぽんっ!! はぁはぁと肩で息をつきながら、永山はかろうじて堪えた。 ・・・? 不思議そうなまゆの唇は唾液と我慢汁でべとべとになっている。 ぐっと体を入れ替えると、永山はまゆの足の間に腰をすべりこませ、激しく唇を奪った。 もはや言葉はいらなかった。 太い肉の塊をどろどろに濡れた肉芽にこすりつける。 厚い胸板がまゆの豊かな乳房をつぶし、びんびんの乳首がこすれあって甘い刺激を生む。 唾液を注ぎあうような、激しくいらやしいキスを繰り返し、永山の指とまゆの指はしっかりと絡み合ってお互いを確認していた。 唇を離すと、永山は欲望に潤んだ目でまゆの大きな瞳を見つめ返しながら、ぐっと腰に力をこめた。 先端がのめりこむ快感に永山の喉の奥が鳴る。 愛液がごぼりと溢れ出し、小さな膣穴が猛々しい男性自身を受け止めようとしていた。 まゆは大きく吐息をつくと、身体中の力を抜くようにして永山を受け入れていく。
639 :
隣人 :2006/10/02(月) 12:52:01 ID:0pZDBkaj
ずりゅ・・・ ゆっくりと時間をかけて、全てまゆの中におさめると、あまりの快感に永山はしばらく身動きが取れなかった。 まゆは、軽く腰をゆすってみる。 「ちょ・・・!ごめん・・・ちょっと・・・待って!!!」 眉間に皺をよせ、必死でまゆの腰を押さえつける永山。 まゆは少し不思議そうに見上げた。 「あ・・・ごめん・・・ちょっと・・・気持ちよすぎて・・・いっちゃいそうだったから・・・」 少し照れくさそうに永山が笑う。 それだけで、まゆは幸福感に包まれていった。 「いい・・・よ?すぐ・・・いっちゃっても・・・?」 「あ・・・ゴム・・・やばっ・・・つけなきゃ・・・」 って生で入れてるじゃんっとまゆは心でつっこみを入れる。感じきっている永山を見て少し余裕が出てきたようだ。 「ピル・・・飲んでるから・・・大丈夫だよ?」 「え・・・」 複雑な表情がよぎるのを見て、慌ててまゆは付け足した。 「あっ・・・わたし・・・PMSって言って、生理前にすっごく体調悪くなっちゃうんで・・・処方してもらってるの・・・」 ふっと一瞬浮かんだ厳しさを緩め、永山は出し入れを始めた。 「!!!・・・あっあっ!」 「びっくり・・・して・・・いきそうなの・・・飛んでったじゃん・・・」 意地悪そうないやらしい囁きが耳元で聞こえる。 「やっ・・・!あぁっはっ・・・ふぅ・・・んんっ・・・!」 ずりゅずりゅと膣口あたりを刺激したかと思うと、次の瞬間永山は腰を大きく繰り出した。 ずんっと最奥がおしあげられるような感覚に、 「あぁぁぁぁぁ〜〜〜っっっ!!!」 まゆは叫び声にも似た喘ぎ声をあげた。 愛液がかきだされ、白い尻を伝ってどろりとベッドシーツを濡らしていくのが分かる。 腰をつかむようにして、まゆの細い体に永山は欲望を全てたたきつけていく・・・ 「っあんっはっはっ・・・!!!」 腰の奥の方から頭の先に、突き抜けるような鈍い快感が駆け上がる。 「・・・い・・・!!!いっく・・・か・・・も・・・!!!」 「ぼ・・・ぼくも・・・やばっ・・・!」 永山はまゆの上に倒れこむようにして体重をかけると、まゆの頭を抱え込みながら耳を塞ぐようにし、激しく唇を奪った。 まゆの頭の中には2人がたてるいやらしい唾液の音だけがぐちゅぐちゅと響く。 繋がった部分からの激しい快感に加え、永山の締まった下腹部と男らしい繁みに肉芽がこすれ、更にまゆを狂わしていく。 出し入れのスピードはどんどん増し、いっそう激しく永山に貫かれた瞬間、 「っんんんんん〜〜〜〜〜っっっ!!!」 永山の舌に自らの舌を絡めながら、まゆは今まで経験したことのない、更なる高みへとのぼりつめた。 ぎゅぅぎゅぅと食いちぎるようなまゆの締め付けに、限界を感じた永山は 「!〜〜〜っ!!!だめだっで・出るっっ!!!」 まゆの髪に顔をうずめ、まゆの一番奥に届かすように腰を繰り出すと、思いっきり精を吐き出した。 形の良い美しい尻が何度もすぼまり、どくんどくんっとまゆに欲望の全てを注ぎ込む。 熱い迸りをうけながら、まゆは心の底から愛おしさと喜びを感じていた・・・
640 :
隣人 :2006/10/02(月) 12:53:02 ID:0pZDBkaj
そっと体を離し、2人はシーツにくるまって互いの存在を確かめるように抱き合っている。 「・・・一般論なんだけど。」 ふいにかすれた声で永山が切り出した。 「一般的に、だけど・・・知り合ったその日にすぐセックスするってこと・・・あるよね。」 「そ・・・そうだね・・・一般的には。」 「あと・・・セックスしてから付き合うってのも・・・割とあるよね。」 「そうね・・・うん。あるんじゃないかなぁ・・・」 <・・・何を言ってるんだろう・・・なんか・・・言い訳・・・されてるのかな・・・?> 「付き合ったその日に一緒に暮らし始めるってのも・・・なくはないよね。」 「・・・???う・うん・・・たまには・・・いるんじゃない?」 「でもさ・・・それ・・・ぜんぶクリアしてるカップルって・・・僕らくらいじゃない?!」 「・・・?!」 「だって・・・今朝知り合って・・・お互い一目ぼれで・・・セックスして・・・で・・・住んでるの隣の部屋だよ?!」 「・・・たしかに・・・いきなり同居?・・・ってくらい近いね・・・」 まゆは何だか笑い出したいような気分になっていく。 「でしょ??だからさ・・・疲れたり・・・寂しかったり・・・一緒にいたいって時は・・・いつでもさ、そばに・・・いるから」 長く柔らかい髪をそっと撫でて、永山は自らの厚い胸にまゆの頭を引き寄せる。 何だか・・・長い1日だった・・・疲れ果てているような・・・今からフルマラソンでも走れそうってくらい力が漲っているような・・・ 「楽しいことがあったときも・・・来ていいのかな・・・?」 小さくまゆが呟くと、嬉しそうに永山は大きな瞳をのぞきこんで頷く。 まゆは目を輝かせ、また無邪気に尋ねた。 「じゃ・・・ドラマの感想とかも・・・言いにきていい?」 永山は、愛おしそうに微笑みながら言う。 「・・・ていうか、一緒に見ればいいんじゃん?」 そして、まゆの唇に軽く優しいキスをした。 以上です 読んでいただいた方、ありがとうございました
お疲れ様! GJ!
642 :
640 :2006/10/02(月) 14:22:25 ID:0pZDBkaj
>>636 最後の1文が途中になっていました
申し訳ありませんでした
久しぶりの刺激と、あり得ないような幸福なこのシチュエーションで興奮の絶頂にいたまゆは、あっけないほど簡単に達してしまった。
GJGJGJ おいしくいただきました
GJJJJ! かなりツボにきました!
保守
生理前でむらむらしてきちゃった的な
648 :
377 :2006/11/01(水) 12:45:13 ID:gpkCYTbl
お久しぶりです。投下します。 感情表現がどこかおかしい一族・津田家第二の刺客です。 今考えました。 最近の少女漫画必須事項らしい、レ○プから始まる恋です。 が、雰囲気エロです。ご注意下さい。
「…宮城美津だな」 「…はい」 声が、震える。 眼の前の男の人は、鋭い眼で私を睨んでいる。なんだか高そうな服を着て、ヤ クザとかより、弁護士とかそういう雰囲気…インテリヤクザ? その人はその見かけの通りの冷たい声で。 「どういう事か、わかっているな」 「…はい」 私も、自分でも驚くくらいに小さな声で、返事をした。満足そうに男の人は頷 くと、私に近付いて来る。 借金のカタに、親に売られました。 私の人生、今日、今、この瞬間に終わる。怖い。怖くて、今にも泣き出してし まいそう。 「服を脱げ」 耳元で、囁かれる。ああ、そうだよね…服を着ていたら、良くないもんね。魚 を料理するのだって、鱗とか皮とか、剥ぐもんね。 「…全部、ですよね…髪の毛はどうしますか」 混じってたら、良くないんじゃないかな…剃るのかな、バリカンかな、引っこ 抜くのかな… 男の人は、一瞬首を傾げ。 「別に、そのままでいい」 と、また冷たく言った。まあ…そうだね。どうせ粉々になるんだから、そのく らいはいいのか…魚なんだし… 「今、ここで…するんですか」
服を脱ぎながら、質問する。 「ああ。先ずは味見、という所だな。処女か?」 不意に、そんな質問をして来る。そんなの、関係あるのかな…もしかして、そ の方が美味しいのかな…味見というからには…食べるのかな。 「はい…そうです。その方がいいんですか?」 聞いてみる。ちょっと、興味はある。服をたたんで、今度は下着を取る。凄く 恥ずかしいけど、どうせ私にはもう、人権とかは無い。この人だって、文字通り ただの餌だと思っているんだろうから。 「そうだな、新品の方がいい」 …やっぱりそうなんだ…正直、食べてみたい気もするけど…私自身だからな… 食べられる頃には、もう意識なんて無いだろうし…痛いの、嫌だし… 男の人がまたじっ、と睨む。涙が、滲んで来た。やっぱり、怖いし、恥ずかし い。ぱんつに手を掛ける時、物凄く胸が痛んだ。けど、仕方が無い。 ―――どうせ、すぐに死ぬんだ…って、そういえば。 「ここで…本当にするんですか」 「ああ。というか、ここ以外のどこでするんだ」 場所は、大きな部屋。大きなベッドや、豪華そうな机とか棚とか置物とかがあ って、一目で寝室とわかる。やっぱり、おかしい。 「ここ以外って…やっぱり、トイレとか、お風呂場とか、キッチンとか」 汚くなるし、やっぱりそういう事するからには…料理場とか、殺人現場にあり がちな場所とかの方が…納得が行く気がする。 「…マニアだな…だが断る。自暴自棄になっているようだが、今はそんな気には なれん」 うう…そりゃ、今から死ぬのに場所なんか関係無いし、余計なお世話だし、確 かに、自暴自棄に近い状態だよ…でも… 「やっぱり、おかしいです。だって、部屋が汚れてしまいます」 男の人は、更に眉を顰め。 「は?馬鹿言うな、初めてだからって、そんなドバッ、とは出ないぞ」 不可解なモノを見るような眼になる。その眼は、こっちがしたいのに。
「ウソです、この間スクイズとかいうゲームで、首を切ったら水芸みたいに血が 吹き出していました。正にドバッ、です……私なんか、借金のお金より価値が無 いのに、更にお金が掛かる事をしてどうするんですか?」 「…女がエロゲすんなや…ていうか、意味がわからん。お前、何を言っているん だ?自暴自棄どころか、気でも違ったか?」 はぁ、と、溜息。まあ、違ってしまえば…楽、なんだろうなあ。 「とりあえず、まだ違っていないと思います…でも、私にそんな事を言う権利、 無いですよね…すいませんでした」 謝って、最後の一枚も脱ぎ、たたむ。そしてブラとぱんつを服の間に隠して、 座る。勿論正座。 「…それでは、お願いします。出来れば、痛くないと嬉しいです…」 覚悟を決めたつもりだった。けれど。 やっぱり、涙は後からどんどん出て来る。身体が震えて来る。怖い。怖い。怖 い。怖い。私、終わっちゃう。死んじゃう。凄く、怖い。 「―――安心しろ。出来るだけ丁重に扱ってやろう」 眼の前が、暗くなる。真っ正面に立たれる。ああ、来ちゃった。その時が来ち ゃった。 ―――けど。 「あれ?」 男の人は、素手だった。何も、獲物は持っていない。どういう事…なんだろ。 「ど、道具は、何も、使わないんですか?」 もしかして、噂に聞くような暗器使いとかなのかな…でも、この状況では意味 無いし…あ、その方が、本当に何も痛みを感じないで済むのかな… 「道具…?別に、お前が望むなら鞭でも蝋燭でもバイブでも使ってやるが…痛い のは嫌な上に処女なのだろう?早いと思うぞ」 …は、早いも何も…一回こっきりじゃない…ていうか、鞭も蝋燭もパイプ?… 鉄パイプの事かな?…も、切る道具じゃないと思うけど…あ、でも、鋼のムチと か、グリンガムのムチは、切れそうな…確かに、痛そう…でも、使わないって事 は、素手でさばくのか…凄いなあ、達人だ…
「達人なんですね…」 「…あまり期待はするな。が、そう言われて悪い気はしないな」 うんうん、と頷く。男の人は私を抱き上げると、ベッドに向かい、本当に丁重 に、私を置く。男の人は上着を脱いで、私に覆い被さって――― 「へ…?」 私に、キスをして来た。 「え、え、え―――?」 今から殺す人間に、なんで、どうして、こんな事を?今度こそ、私は訳がわか らなくなって、男の人を凝視する。 「どうした、まさか、キスをするのも初めてなのか?」 「あ、はい。そうです。そうですけど―――やぁ…」 なんだか、嬉しそうな顔をして、今度は口唇を舐めて来る。だから、なんで… やだ、こんなのやだ。すぐに死ぬと思ったのに、こんな事されたら、どんどん怖 くなって来る。ウソツキだ、この人。 「嫌…嫌ですっ…丁重にって、言ったのに、こんなの…」 単なる生殺しだ。嫌だ。どうせなら、もう、餌・即・惨で行って欲しいのに。 「両親がアレの割に、大した箱入りぶりだな。まあいい。どうして欲しいのだ」 くく、と、初めて笑う。こ、怖い。笑った人間がこんなにも怖い。殺し慣れて いる、といった感じがよく出てる。間違い無い。この人、絶対に人をいたぶって 愉しむタイプなんだ。ああ、怖い。怖いよう… 「で、出来れば、一瞬で終わって欲しいです…」 「無理だ。というか、嫌だ。てか、失礼だ」 そう言うと、男の人は私の両腕を掴み、起き上がっていた身体をまたベッドに 倒す。顔を近付けると。 「……」 ぎゅっ、と閉じた瞼に、口唇を落とした。舌で涙を掬い取り、頬に口付ける。 それがあんまりに優しくて―――だから、余計に怖い。なんで、こんな事するん だろう。
もう片方も、同じようにされる。口唇が暖かくて、触れられた所から熱くなっ て行って、怖くて、どうしようもないのに、優しくて。 私、殺されるのに。この人、私を殺すのに。どうして、こんな事するんだろう。 また涙が溢れて来る。今度は、また口唇にキスされた。 …何度も、何度も。触れるだけですぐ離れるキスを、何度も。怖いのに。それ なのに、何度もされて、本当にどうしていいか、わからなくなって来る。 「怖いか」 当たり前の事を聞いて来る。でも、本当に怖くて、声が出ない。だから、頷く。 大きな手は、私の頭を撫でて。 「あまり脅える事は無い。すぐに良くしてやる」 そう言った。凄く信用出来ない言葉を、優しく、言った。それでも、やっぱり 頷くしか出来なくて。 「いい子だ」 と、囁いた。 …今や私はこの人の掌の上のまな板の上の鯉。いい子だって言われても、優し くされても、それが余計に恐怖を演出するだけで…ううん、きっと、それが狙い。 これが、ヤクザに売られるって事…なんだ… 想像したより、ずっと怖い。覚悟なんて、木っ端微塵に砕かれて。ちっさい子 みたいに、ただ泣くしか出来ない。 「やぁ…」 不意に、男の人の両手が私を包み込む。これ以上無いくらいの優しさで、抱き 締められる。シャツをはだけた胸が頬に当たって、それが、凄く熱い。少なくと も今日中に止まる事が確定している心臓が、最後の足掻きみたいにドクドクと高 鳴る。そして――― 「…そんなに脅えているのなら、今日は仕舞いにするか?」 と、そんな恐ろしい事を、囁いた。瞬間、青褪める。う、や、や、やだ。やだ。 そんなのやだ。怖いのが…こんな怖い状況が、まだ続くなんて、やだ。 私は一生懸命に首を横に振って。 「やだ…いや。今日、して下さい」
そう、見上げて懇願した。男の人は、一瞬呆気に取られたような表情になり、 そうか、と呟いた。で。 「―――」 いきなり私の太腿に触れる。予想もしていなかったので、飛び上がりそうなく らいに驚いた。そのまま手は…あの、出来れば触って欲しくない場所に…ピンポ イントで触れて来た。そして、この人の目的を、今更ながら理解する。 …私の事、犯してから殺すんだ…処女の方が撒き餌にいいって、言ってたのに。 ああ、そうかあ…そうなんだ。なんだか、最初と最後を除けば、レイプされて殺 されるのと一緒なんだな…売られて、撒き餌になるだけじゃ、済まなかったんだ。 それを理解すると、急に落ち着いて来たような気がした。 木っ端微塵になった筈だったけど、覚悟も無事再度完了した。 ―――リラックス、という訳じゃないけど、力も抜けて来た。丁重に、なんて 言ってたけど…もうどうでもいい。何をされてもいい。というか、どうせならも う、本当に早く、滅茶苦茶でもいいから、終わらせて欲しい。 「…早く、して下さい…」 声も、落ち着いて来た。男の人は、ようやく諦めた私に満足したのか、今度は 長く、キスをして来る。 「焦るな。約束しただろう、丁重に扱うと」 そんな所、律儀にされても困る…でも、もういい。もういいって、決めたんだ から。だから、怖くなんてない。 「―――…」 顔だけじゃなくて、首筋や腕にもキスされる。鋭い眼で、また、睨まれた。そ れだけは、何故か慣れる事が出来なくて顔を下げてしまった。顔を近付けて、ま たキスされる、と思ったけど、口唇を舐められる方だった。 「っ…」 これは慣れなくて、顔を背けようとする。けど、許して貰えなかった。
「ふ…むゅ…?」 口の中に、舌が入って来る。それが私の舌を舐めて、絡ませる。首を振るけど、 全然離れてくれない。手が、また頭を撫でる。 ―――世界でも、そんなにいないんじゃないかな…これから殺される人にキス されるなんて。逆に、ありがちなのかな…こんなに優しいキスなのに。もう、覚 悟は決めたのに、それなのに、こんな風にされると、こんな風に頭を撫でられる と。撒き餌なのに。ミンチなのに。 「―――ふぁ」 一旦、口唇が離れる。一息ついて、また。今度は、舌は入って来ない。けど、 僅かに口が開いている。もしかして。 嫌なので、首を横に振る。と、舌がこっちに入って来た。舌で、迎撃する。や だ、って、入って来たそれを弾こうとする。けど。 「む…」 そんな子供だましみたいな事、達人のこの人には効かないみたい。舌先でくす ぐるみたいに舐めて来る。 ―――なんだか、頭に来る。 どうせ、殺す癖に。それなのに、なんで私、心までこんなに滅茶苦茶にされな きゃいけないの。その癖、身体は滅茶苦茶に―――優しくされる。 何も縋るものが無い私に身体を押し付けて、縋り付きそうになってしまう。で も、多分、縋ってしまったら…突き放されるような―――ううん、きっとそう。 だって、私、売られたんだもん。 …でも。 どうして、明らかに金額以下の価値しか無い私で、撒き餌くらいにしかならな い私で、良かったんだろう。それだけは、わからない。 口唇が離れる。絡まった唾液が糸みたいになって、離れても、繋がっていた。
「あ…」 濡れた口唇は、首筋に触れながら胸まで下りる。両方の手が、私の胸を掴み上 げた。そして、片方の胸に顔を寄せ、吸い付く。 「っ…や、やだ…」 初めての感覚。こういう事に免疫が無いというか、疎かったというか、むずむ ずして、とんでもなく恥ずかしくて、どうしたらいいかわからなくて。 「や…それ、やなの…」 男の人の頭に縋るように抱き付く。 「う…ん、っ…」 だからかどうかはわからないけど、口唇が離れる。でも、舌で、胸の先を舐め られた。びく、と、震えてしまう。胸を掴んでいた手が、頭を抱いていた腕を取 り、下に置かれる。身体が強張って、されるがままになってしまう。 「―――」 片方の手は、私の手の上。 もう片方は、また、足の間に。 ―――やだ。 来て、しまった。誰も、触らせた事も無いのに、自分だって、よくわかってな い所なのに。脚を閉じようとしても、もう遅かった。 「っ」 指が、滑る。 男の人が、俯いていた私の前髪を上げ、おでこにキスして来た。 「ここに触れられるのは、初めてか」 耳元で、冷たい声で、でも、穏やかに問われる。頷く事しか出来ない。 「自分でもか」 「え、え?…あ、う、あ、洗っては…い、ます」 予想外の事を言われて、全く以って、余計な事を口走ってしまう。男の人は苦 笑して、そうかそうか、と、呟く。呆れられたような気もした… 「閉じるな。脚は開け」
命令、される。そうだ、拒否権は無いんだ…そうだ…うう、もうやだ。やだ。 この人が、どうしてか、こんなに優しいから忘れてしまった。だから、やだ。 「もっとだ」 両手で、開かされる。大きく脚を広げて、見せ付けるような状態で、こんな、 とんでもない格好で。 恥ずかしい…恥ずかしい。見られたくない。殺される人なんかに、こんな嘘の 優しさなんかくれる人になんて、嫌だ。もう、我慢出来ない。もう、もう。 「…いや…もう、やあ…焦らさないで…早く…」 ―――殺して、とは、言えなかった。 く、と言った直後に、今までとは違う、乱暴なキスをされたから。そのまま押 し倒される。冷静だった顔が、崩れる。 殺される。 本当に、そう思った。これで終わる。やっと終わる。そう思っていた。のに。 「え…」 男の人は、やけに急いでシャツを脱ぎ捨てて、そのままベルト―――ベルト? 「え、え、え?」 ベルトも?ぎ取るみたいに取って、もう、脱ぐのが面倒なのか、チャック下ろ して、え、え――― 「わ、っ、やああっ!?」 荒い息遣いで、こっちに来る。 あまりの事態に唖然として、もう、頭の中が真っ白になる。だから、私に覆い 被さるこの人に対して、何も行動を取る事が出来ない。 「―――美津!」 名前を呼ばれる。はい、としか返事が出来ない。乱暴に脚を広げられて、成す 術も無く、犯される体勢になる。あまりに突然で、性急で、今までの余裕はなん だったのだろうと、別人みたいだと、頭のどこかで思ってしまう。そして。 「―――」
当たる。入り口に、熱くて、かたいモノが、当たる。 怖い。さっきとは、全然違う、何か、別の種類の『怖い』が、頭の中を支配す る。それだけで埋め尽くされて、怖くて、歯がかみ合わなくなる。鼻の奥がツン として来る。怖いに種類があるなんて、知らなかった。 「ひ、や…」 眼の前が、霞む。もう、下なんか見れない。眼をぎゅっと瞑る。先の方が、め り込んで来たような気がする。気がするなんてものじゃない。入って来てる。や だ、怖い、こわ… 「―――ぅ…」 …初めてだったのに。 きっとこれから数時間後には死んでいるのに。 そうするのは、この人なのに。 なんで?もう、何度目かもわからない。この数十分だけで、何度も何度も。 あんなにたくさんしたのに、殺す筈の人間なのに。この人はまだキスして来る。 しがみ付く。背中に、手を回す。そういえば、さっきもしがみ付いたのに、突 き放しはしなかった。今も―――同じように、抱き締めてくれる。 怖いのに。別の意味でも怖いのに。そもそも、その『怖い』事をしているのは、 他でもないこの人なのに。 「っ…ふ、ぅ…っ…」 痛いのに。どうして――― 縋り付く。 名前も知らないこの人に、無理矢理されてるのに。 …痛いのに。 「―――辛いか?」 「……」 見下ろしてくる顔に、やはり余裕は無い。でも、私はきっとこの顔より更に余 裕が無いんだと思う。眼を閉じて、顔が近付いて来る。そうだ。いつの間に。 ―――いつの間に、キスするのが、当たり前みたいになってるんだろう。
当たり前に受け入れて…当たり前に、きっと、殺される。 …この人に取っては、これは、当たり前なのかな…なんだろうな。だって、そ うなんだもん。きっと、そうなんだ。だから、だから、怖いとか、諦めとか、覚 悟とか、悲しいとか、怖いとか、そういうの以外の、全然よくわからない感覚は、 多分、やだ、考えたくない。だから。 …当たり前。当たり前。当たり前。ああもう、心の中で言い過ぎて、アタリマ エって言葉そのものの意味がわからなくなって来る。 熱くなる。私も息が荒くなって、ああ、ちょうど、何も考えたくなかったのに、 何も考えられなくなる。どうでもよくなる。何も考えないで、キス出来る。しが み付ける。熱い。身体が重なった部分も、繋がっている部分も。 「ふ…む、っ―――っ」 口の中に、舌を入れる。この人の口の中を舐める。痛くて、むずむずして、熱 くて、ヘンで、ぬるぬるして、…………くて、怖い。怖い。 汗が、背中や、おなかや、太腿の後ろの辺りを伝う。広い背中に爪を立てて、 引っかくみたいにして、キス、して、いっぱい、して――― どうして、私、この人とセックスしてるんだろうなんて、どうして。 ―――どうして、最後の最後に、こんな事、思ったのかな。 「…あれ」
眼が覚める。裸で、ふわふわで暖かくて軽い毛布の中、誰かの腕枕で、私は眠 っていたみたい。 「起きたか」 頭が、ボーっとする。 声。聞いた事、あるような、無いような声。 「美津、起きたかと聞いている」 私の名前を呼ぶ声。頬を撫でる大きい手。覚えがあるような、無いような。 「―――美津」 当たり前みたいに、キスして来る、柔らかい口唇。 「…おはようございます」 ボーっとした頭で、とりあえず、当たり前のように私の頭を撫でる男の人に、 挨拶をした。 「…今は夕方だ」 「…こんばんは…」 頭を下げる。 「まあいい。今日はもう遅い。もう少ししたら飯でも食って―――そうだな、明 日だ。明日、服買ってどっかで飯食って、どこか行くぞ」 瞬きを、何度かする。笑っている男の人。えっと、達人の人。素手で、人間を さばける人―――って。 「どうしてですか」 よく、わからない事を言う。そうだ、撒き餌だ。 初めて顔を合わせた時は、お昼だった。けど今は夕方らしい。撒き餌だ。そう だ、私、撒き餌になる為に来たのに。 「どうしてもこうしても無い。命令だ」 少し不満そうに、そう言う。うん、私、買われたもの。絶対服従。でも、意味 がよくわからない。なんだろう、この人もしかして、イタリアンマフィアなのか な。やだな。だから、焦らさないですぐに殺して欲しいのに…殺すのに、なのに。 「どうして、あんなにキスするんですか」
一筋縄では、死ねないみたい…嫌だなあ…はあ。溜息ついでに、疑問を。 「…お前に答える義務など無い」 拗ねたような顔をして、言われた。そうかあ…意味、無いのかな、もしかして。 イタリアの男の人はそういうもののイメージあるし… 「―――ところで美津。お前、殆ど血は出なかったぞ。何が水芸だ」 …?また、不可解な事を。まだ、さばいてないのに。あれ、ていうか、もしか して、今私、首だけとか?奇跡の達人の腕で、ほらあの、骨だけの魚みたいな… 「……」 下を見る。ちゃんと、身体はくっついている。欠けている所は、多分無い。別 の意味で、男の人とも身体はくっついている。 どういう事なのかな…兎にも角にも、生殺しもいいところ。せめて。 「…私、いつ、殺されるんですか?」 最後がいつか、くらいかは、知っておきたかった。けど。 「…は?」 男の人は、また眉を顰め、呆れたように私の顔を見た。 「ですから、私、いつ、あなたに殺されるんですか?」 もう、色々ドキドキしながらいるの、嫌だ。せめて機嫌さえわかれば――― 「…殺しは、しない。というか、何故殺さねばならん」 え?え? 瞬きを何度もする。だって、意味がわからない。言っている、意味が。 「え、だって私、殺されるんですよね?売られたからには、あなたに素手でバラ バラのミンチにされて、撒き餌になって、お魚の餌にされるんですよね?」 その為に、やって来た。というか、連れて来られた。 あまり愛情の無い両親に、今日は平日なのに、ずっと家にいろと言われた。 今日、起きたら、誰もいなかった。なんとなく、予感はしていた。 お昼前に、人が来た。立派な車で、連れて来られた。 借金がある事は、知っていた。返す当てが無い事も。 だから、私は―――
「…とりあえず、俺に人間を素手でさばく能力は無い」 いの一番に、そこを否定された。 「第一、借金帳消しにして連れて来た娘を撒き餌にして、こっちに何の得がある」 深い溜息をつきながら、起き上がる。毛布に包まったまま、私を抱き寄せた。 「…でも、じゃあ、どうしてですか。撒き餌以外で、そちらが得をする理由が、 全く、全然、思いッ切り、なんにもわかりません」 「とりあえず、撒き餌よりも売春の方がまだ儲かると思うのだがな…とりあえず、 撒き餌から一旦離れなさい。そもそもウチは漁業もしていないし、ヤミ金…ヤク ザでもない」 …あ、そうなんだ…ヤクザじゃないんだ…じゃあ、撒き餌は消える…となると。 えーと。 えーと、えーと…うーん、うーん…うー… 「…実は私の身体の中には300個のダイヤが埋め込まれていて、その為に私の 身体を解ぼ」 「どうしたら、そんな有り得ない方向に行く。しかも聞いた事があるぞ」 顔を引き攣らせながら、ぶにー、と、私の頬を引っ張る。だって、全然わから ない。本当に。無理して考えて…えーと。 「実は私は、記憶喪失なだけで、隕石に乗って別の世界からやって来て…」 「…そんなクソでかい隕石、日本のどこに落ちた。あと、どこにクリスタルがあ るんだ。皇居か?」 ぎゅー、と、抱き締められる。 …いつの間にか、当たり前が、増えてる。 キスどころか、こんな風にされるの。 殺されない事は、とりあえずわかった。 …でも、借金のカタの割には、扱いが優し過ぎると思う。でも、嫌じゃ、ない …と、思う。多分。さっきも思ったけど、金額より安い買い物だと思うし… どう思っている、とかは…わからない。理由も、やっぱりわからない。
「わかりません…あなたが得をする理由も、クリスタルの在処も」 ギブアップ…もう、わからない。不安も増える。私の先行きとか… 「とりあえず、クリスタルから一旦離れなさい」 そもそも、この人の事も、全く知らない。名前も、年齢も、なにひとつ。それ なのに、それなのに…あんな事、して…うう。 「一度しか言わん……一目惚れだ。お前が宮城なだけに」 …そう、今までで一番優しい声で。その人は、言った。けど。 「ごめんなさい…意味がわからないです。宮城の―――っぅくうううううう!?」 ごりごりごりごり、と、梅干をかまされた。痛い、痛過ぎる… 「そっちに喰い付くな…ところで美津、好きな食べ物はなんだ」 「…え?…えと、親子丼…です」 不意に、そんな事を聞いて来る。ので、答えてしまう。男の人は頷いて。 「趣味は」 「え?…か、カラオケ…」 またもや、不可解な質問。私は素直に答える。そうかそうかそうか、と頷いて。 「…?」 私をまた強く抱き締めて、布団に横になる。 「ど、どうしたんですか」 「―――明日、お前に似合いそうな可愛い系の服でも買って、親子丼食って、カ ラオケ行くぞ…命令だ」 わしわし、と、私の頭を乱暴に撫でて。 「…あの、結局、私はどうなるんですか?えと、撒き餌は無いんですよね…」 「お前もう、その単語忘れろ―――説明は面倒だ、明日な」 そう言うと、男の人は、眼を閉じて、本格的に眠ってしまった。 …この人の事、何も知らない。 名前も、年も、どんな人なのか、何を考えているかも。
―――でも。 「……」 まず最初の確認として、素手で殺される事も、撒き餌になる事も無くて。 この人は、宮城がどうとかで。 当たり前みたいにキスしたり、撫でたり…ああいう事したり。 いつの間にか、怖くなくなって。嫌じゃなくて… 明日は、服を買って、親子丼で、カラオケで…? 全然、わからない…でも… 「……」 すぐ側にあった、この人の頬に、口唇を押し当てる。 「……」 なんだか、全身がむずむずして来たような気がした。 …とりあえず、この人も眠ってしまったのだから…明日、考える事にしよう。 そう結論を出して、私も眼を閉じる事にした。 ―――不安は、いつの間にか、消えていた。悪いようにはならないだろう、多 分。そう思えるようには、なっていた。ただ。 「借金と私の値段の、実際の差額って、結局どのくらいだっぉああああああああ」 どうしても気になっていた疑問をつい口に出したら、梅干を喰らった…凄く痛 かった…プライスレスとか言われたような気がしたけど、意味は全くわからなか った… 終
665 :
377 :2006/11/01(水) 13:09:24 ID:gpkCYTbl
はい、こんな感じです。 …今気付きましたが、これ、なんてアンジャッ(ry
宮城県民ってそんなに美人多いですか? 秋田美人みたいなものですか? そう悩んだので美津をばかにできない…orz 伏線未消化みたいで何だかもにょります あと男性は「殺し屋さん」をイメージしております
667 :
377 :2006/11/01(水) 13:16:08 ID:gpkCYTbl
あ、すいません。ひとめぼれは宮城県の美味しいお米です。 でもって宮城美津です。 複線とかなーも考えないで勢い重視でしました。すいません。
初めてリアルタイム投下で見ますた(*´Д`)ハァハァ テンポよくて私は大変楽しめましたよーGJ! って、あのひとめぼれかww
なるほど>ひとめぼれ ギャグのツッコミからして年齢不詳で金があるのは確かでおちゃめで変な人だなー
く、くだらねー。 勿論いい意味でだけど。 津田家第二の刺客って事は、津田の兄貴か親父なの? で、やっぱ名前わかんないんだw
ブラックジャックとはまた懐かしいネタをww
672 :
名無しさん@ピンキー :2006/11/04(土) 13:47:46 ID:f2Py+lfZ
クリスタル皇居にありそう。残りは靖国とかですか?
眉タンみたいなノリで面白かったです(´д`;)
笑かして頂きました。
すごい笑いました。 でも愛あるカンジでイイ!! お疲れ様でした、ありがとうございました!!
377タン、久しぶりの作品ありがとうでした。 今回も377タンのノリを楽しませてもらいました。 美津たんボケすぎだよ美津たん・・・w
BJ!!じゃなかったGJ!! すごい楽しかったですー。ありがとうございました。
>377さん GJ!!!!
GJ!GJ!
どなたか新しい話を書いて下さい。 楽しみに待ってます!
美津のボケっぷりと殺し屋さんの粘り強いツッコミに笑かしていただきました。 GJ!!続編激しくキボンです〜。
>>648 >最近の少女漫画必須事項らしい、レ○プから始まる恋
377歪んでるよ377
面白かった!ああ、でも「館もん。」の続きも禿げしく気になる〜!!
さくら&桜花シリーズの水沢大輔に抱かれたいと思う私は変だろうか? 館もん。の誠司の純情エチーも捨てがたいが、大輔のちょっと歪んだ愛情表現が 愛おしくてたまらん。
685 :
Misadventure あずまんが大王アンサイクロペディア第1話 :2006/11/14(火) 18:51:10 ID:lvw6QPUL
いつも好んで着る服とはまったく対極にある黒のワンピースを着て、姿見の先にたつ。 大丈夫、似合ってる。 普段殆ど隠れているがこうしてみると、あたしの鎖骨のラインは中々綺麗な様に思う。 引き出しから取ったヘアピンをひとつ二つ口にくわえ、髪をブラシで掻き揚げる。 家庭教師の、ちづる先生。しなやかな指に填められたシルバーのごついリング。 先生がくるのは週に2回。ベッドにもぐりこむ時は勿論、授業を受けている時、家族と食事をしているとき、何時でもちょっとしたきっかけで彼女をおもい、濡れた。 髪を結い終わる。 ――綺麗なうなじだね。 「そんなこと、いわないで下さい……」 ――胸も、おもったより大きいんだね。シイッ、お母さんに、聞こえちゃうだろう? はじめてあったときから、この胸に触れたかった……。 濡れた舌がそこをなぞって、びくりと体が震えた。 あたしの答えを待たず、彼女は太ももに手をはわし始める。でも、彼女は意地悪だ。 「駄、駄目……」 そして、もっと触れて欲しくてたまらなくなって……彼女の指を求めようと腰が自然に揺らいでしまう。手のひらが丸みを撫でる。 ――どうして欲しい? こねられただけで、このままいってしまいそう。
686 :
Misadventure あずまんが大王アンサイクロペディア第1話 :2006/11/14(火) 18:51:56 ID:lvw6QPUL
――触っているだけで、いいのか? 「アン……ぁ……気持ち、い……」 きっと彼女にはそんなことお見通しだ。 ――そのまま、僕の方におしりを突き出すんだ。そう。 ショーツのふちに指を掛け、少しづつ下ろしていった。 まだ殆ど無毛の姫やかな肉が、彼女の目に晒されていく。 ――僕に、もっと近づいて御覧。もっとよく見せて。綺麗だよ、マヤー。 ――ぽたり。 留まりきれなくなったシズクが、長く糸を引きながらフローリングの上に滴り落ちた。 ああでも、待ちきれない。 熱くほてったそこには冷たすぎるほどの無機質ナ感触。 「いっ……んあぁぁぁぁぁあっ!」 「マヤー、先生いらっしゃったわよー」 「……は、はぁい!」 階下からの母の呼びかけで、一気に現実に引き戻された。でも、ぼんやりしている時間は無い。 「入っていいかい?」 「……先生?」 彼女はあたしに目を合わせず、入り口に立ち尽くしたまま、部屋のどこか一点を見つめていた。 彼女と、あたしが映っていた。 あたしがたっぷりと蜜を擦り付けてしまった、鏡の中に。 (了)
今回のも良かったけど、やっぱ館もん。が気になるわ。まじで。頼む。
タイトルはどういう意味なんだ? アンサイクロペディアは垢作っただけだからよくわからん
>>688 タイトルからして、誤爆なんじゃね?
合ってる気もするけどw
あずまんがタイトルで主人公がマヤーだから、 俺 の 中 で 獣 姦 決 定
館もんどうでもいい ってか作者自体がどうでもいい
>>691 まぁまぁ、お茶でも飲んで気を落ち着けて。
でも、これってパクリじゃね? ほぼ同じ文章、読んだことあるよ。
694 :
名無しさん@ピンキー :2006/11/16(木) 00:02:58 ID:iWJ0UsZN
ソースも出さないでそんなこと言われても。
ageた。すまん。
696 :
693 :2006/11/16(木) 23:40:55 ID:Uztg+Uly
>>696 読んだけど、どこにも同じ文章なんかなかったぞ。
>>697 え?
差分チェックしたら、『mirror』の文章を20%に減らしてカナを漢字に変えたくらいだよ。
「mirror」の文章なくない? 本人だったのか??
激しく勘違いだった。スマソ
702 :
名無しさん@ピンキー :2006/12/04(月) 12:01:44 ID:+9otvY1O
ほしゅ!
507及び528です。 他のスレでトリップ使いだしたんで、ここでも使用。 久しぶりに来てみたらこの過疎り様なので、保守がわりに何か短いの書こうと思うんですが 課題:帰省のキャラ使い回していいでしょうか。
半分程度が書きあがったんで投下です〜 ノリに任せて書いていたら、妙な方向に流れていってしまいましたが、 ご愛嬌でお願いします。 ・・・エロはまだでけど。
708 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:08:55 ID:pWqmlmM4
12月31日。私、大宮雪香は実家のこたつで丸くなっているワケで・・・ 「あー、お母さんが最後のみかん盗った〜」 「・・・また箱から持ってくればいいじゃないの」 「寒いからイヤ」 私の傍で寝っ転がっている猫の毛繕いで暇を持て余す。 ・・・うん。暇ってすばらしい。 しみじみと実家の有り難さを感じながら、年末のバラエティ番組に意識を向けた。 外はもう真っ暗だが、時刻は5時を回ったところだ。テレビ欄の夕方5時台といえば比較的子供向けの特番が多く、教育テレビで「おじゃる丸」かな。特にTBSで「大晦日だよ!ドラえもん」などが放映されるのは、私がガキの頃からの正月の伝統である。 幸い我が実家、通称本家はやたら広い。テレビ付きの居間なんて渡り歩ける程にあるから、遊びに来たガキンチョなんかはかくれんぼに興じている。私も昔やったことがあるが、規模といい間取りといい、かくれんぼするために作られたような最高の家だ。 ──懐古趣味ってワケじゃないわ。ただ、人間ってこういうとき妙な回想をするのよね。 そう、心がぽっかり開いている。・・・それはこの家を帰ってくると、有無を言いわず傍に居てくれるアイツがいないから。 ・・・ばか。 大晦日には来られるって約束したから、言葉に甘えて先に帰省したのに、・・・待ちぼうけを喰らっている。 ──紅白、一緒に見ようって決めたのに。あと2時間とちょっとで現れなかったらぶん殴ってやるわよ!
709 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:09:35 ID:pWqmlmM4
ピーンポーン・・・ 「はぁ〜い」 インターホン鳴り、母が腰を上げた。 「おやおや、客人?」 「何を呑気にしてるの。徹志君よ」 「────────」 こたつという温もりを捨て、玄関に向かって走り出した。 ・・・待ちくたびれたわよ、私の恋人!!!! 「徹志ぃぃぃぃぃぃぃぃ、おっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!」 「うわっ、雪ねえ・・・・・・っ!」 なりふり構わず、勢い良く徹志に抱きついた。吃驚されたものの、鼻で笑いながらよしよしと私を宥めてくれた。その彼の手は、外気と同じく冷たかった。 「・・・・・・・・・待ちくたびれたぁ〜」 「ゴメン。けど、これでも相当急いだんだからな」 彼の吐き出した息が、白く凍る。 仕事からそのままやってきたのかなぁ、ビシッとスーツなんか着ちゃって・・・・・・笑っちゃうわ。 「何笑ってんだよ、気味悪い」 「ん、ちょっとねぇ・・・」 気分が落ち着いたので、一旦身体を離した。それから冷えた彼の手を握りしめ、私のこたつ熱を伝える。 「言い訳無用・・・・・・って言いたいけど、紅白には間に合ったから咎められないわね」 自分で言って、苦笑してしまう。今目の前にいるだけで嬉しいのに、なんてつまらないことに拘っていたのかしら私ったら。現金な自分に、再度苦笑。 「ほおら、上がって上がって。身体暖めないと、前みたいに風邪で倒れちゃうわよ」 徹志の荷物を奪い取って、私は満面の笑みを浮かべた。 「おかえり、徹志」 「あぁ。ただいま」 軽く照れた徹志の顔は、こっちがはにかむ位に無垢だった。
710 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:10:47 ID:pWqmlmM4
さて、そう言う家系なのか興味はないが、親戚一同は集まって宴会するのが醍醐味だと思っているようで。一番大きな座敷の部屋で、夕食と言う名の飲み会が繰り広げられていた。 剛兄は年明けにお父さんになる予定らしく、お腹が膨らみ見始めた奥さんの隣で嬉しそうに飲んでいた。 ・・・いいなぁ。あのふたり、すごい幸せなんだわ。 彼らを見ていて、胸が温かくなる。隣に座る徹志が耳元でこっそり私に話しかけた。 「イイ夫婦だな、剛兄んとこ」 「そうね。あんないい加減な性格の男が父親ってのもなんか納得いかないけど」 「ははっ。男の子だったら絶対少年野球に入れさせるだろうな」 「でももし女の子だったら・・・・・・っうわ! 剛兄に似てる女の子?想像できない・・・」 「おい、聞こえてるぞお前ら(怒)」
711 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:11:39 ID:pWqmlmM4
「雪香〜。ちょっとビール運ぶの手伝ってー!」 「あっ、はーい!」 厨房(もはや台所ではない)にいる母に呼ばれ、私は席を立った。徹志も一緒に立ち上がって付いてこようとする。 「平気平気。こういうのは女の仕事なんだから」 「そか? じゃあ俺は酔いつぶれた剛兄を部屋まで運んで来るから。・・・気を付けろよ、雪ねえ」 「? ・・・うん。じゃぁ行ってくる」 徹志は暗い顔をして、私を見送った。妙に気にはなったが、彼の真剣な顔に茶化す気が起きなかったので、そのまま座敷の部屋を出て厨房に向かった。 「あー雪香雪香。これ。ビール4本、村上さんの所へ持って行って。ついでに注いで頂戴」 「エエエエエェェェェェエェエエ〜〜〜」 村上さんは酒癖が悪く、すぐ人に絡む。うちの家系ではないのだが、近くに住んでいるので年末年始は必ずやってくる厄介な人達だ。 そして私は奴らを特に嫌っている。 「気持ちは分かるけど、人手が足りないのよ。・・・大丈夫よ。もう大人でしょう?」 「・・・・・・・・・」 返事をせずに、ビールを持って厨房を出た。 ・・・やばい。吐き気してきたかも。こんなことなら徹志に来て貰えばよかった。 忌まわしい記憶が蘇る。 それは私が小学生の頃。村上の奴らは今日のようにビールを運んできた私に絡み、遊ぶように私の身体を触った。 まだ繰り上がりの足し算をするような年齢の子供にするにしては、行きすぎた行為だった。・・・気持ち悪かった。・・・恐くて、その夜は母に縋って泣いた。それからしばらくトラウマになって、大人の男の人が恐くなった。 ・・・それが直ったのは、誠一おじさんのお陰だったわ。あの人に懐くようになって、段々と大人の男の人に恐怖を抱かないようになった。 宴会のときなんかも、私と一緒にいてくれて、奴らに近寄らせまいと大事に守ってくれた。私が中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても・・・誠一おじさんにベッタリだったから、それが当たり前になって気付かなかった。 ────でも居ない。もう居ない。 私はもう大人だから大丈夫、と自分に必死で言い聞かせ、座敷の部屋に入った。
712 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:12:17 ID:pWqmlmM4
「は〜い、ビール追加ですよ〜」 酒の力で空元気をつくって、村上の奴らのグラスにビールを注ぎ足した。 「おお! 雪香ちゃんじゃねぇかい、ありがとう!」 「いやぁ、昔はあんなちっちゃかった雪香ちゃんも、こーんなべっぴんさんになっちゃって、ああははは!」 ・・・酷く酒臭い。下品な笑い声上げないでよ。 「ほら、雪香ちゃんも飲みなってぇ」 「では一口」 ・・・飲むフリをしてやり過ごす。 「あんれぇ、雪香ちゃんは結婚したんだったかい? 親戚多いとわすれちまってなぁ!」 「いやいや、婿さん連れてないから、独身だっぺぇ」 「あー、そうかぁー。何だったらおじさん、だれかお見合い相手紹介してやっか?」 ・・・五月蠅い。 「もったいねぇなぁ。雪香ちゃんみたいな娘、おじさんだったら口説いちまうよ!」 オヤジの手が伸び、私の身体を引き寄せた。隣に並べ、満足そうにニヤニヤと笑っている。 「まだまだおれもいけるぞぉ。こうやって並ぶとぉ、様になるだろう?」 「あっははは、そんりゃお前、援助交際にしか見えないってんだ!」 奴らの馬鹿でかい声が響き、大宮の者達はこの様子に気付いて、心配そうな目を向けた。 あのことを忘れてないのは、此奴らだけだ。酒に酔った男達が、小さな女の子を大泣きさせた事件は決して古くない記憶だったのだ。小さな胃からゲロを吐き出して、泣き狂った少女の姿が皆の脳裡に浮かび上がる。 「──あ、」 泣きそうだ。吐きそうだ。 ──────誠一おじ・・・ と、心の中で助けを呼ぼうとしたとき、全く違う人の顔が頭をかすめた。
713 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:12:57 ID:pWqmlmM4
「──雪香ぁぁっ!」 怒声で響き、私の身体は誰かによって強制的に村上達から引き離された。そのまま強く抱き留められ、その誰かの胸の中に頭を埋めた。 「・・・て、徹志君。はは・・・そんなに怒って、いったい何」 ガシャァァン! ・・・とビール瓶が叩き割られる音がして、私はやっと正気を取り戻した。 「・・・絡み酒もいい加減にしてくれよ、おっさん達」 徹志が凄まじい剣幕で村上達を睨み付けていた。少なくとも私が一度も見たこともない程に怒り心頭に発していた。 徹志は私を後ろにいた剛兄の奥さんに預ける。そして村上の奴らに割れたビール瓶の中身をぶちまけ、灰皿を蹴散らした。 「大宮家はなぁ、酒好きで宴会好きでも、あんた達みたいに誰かを不快にさせるようなことはしねぇよ。 悪酔いして荒らすんだったら出てけ!!! そもそも、お前らは雪香を泣かせたときから、敷居を跨ぐ資格を失った人間なんだよ────」 村上の二人が徹志の豹変に目を丸くし、ただ怒号を上げる徹志を見上げていた。 まるで訳が分かっていない。尻餅をついた不格好なまま、おそるおそる反論を始めた。 「なっ・・・最近の若いモンは、とんだ礼儀知らずだ! 客人を追い出すなんて、なんて罰当たりなことをするんじゃぁぁぁ!」 「そんだぁ! おめぇ、酔ってるからってぇ、それはやっちゃいけねぇぞぉ。おじちゃん達は心が広いから、今謝れば許してあげるばい」 それで完全に奴らは軽蔑の対象となった。徹志の隣に剛兄が日本酒片手にそろい踏みして、その瓶をバッドのように肩に担いだ。 「そっちが二人なら、こっちも二人で相手をないとなぁ」 剛兄は30代の男の貫禄だから出る気迫で、眼を付けた。 「オッサン達よ、悪いことはいわない。バスがあるうちにさっさと帰りな。大宮家に村上さん達みたいな下品な奴らまで送ってあげるようなお人好しはいないんですよ。OK?」 その場の者たちは全員村上達を睨み付け、徹志達の味方だと意思表明した。村上達は自分達の不利にやっと気付き、あわてて上着を羽織って、逃げるように座敷の部屋を出て行った。
714 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:14:05 ID:pWqmlmM4
出て行った後、玄関の方で荒げる声が聞こえた。 「この家は若いモンになんて教育しとるんだ。帰るっ!」 「あら、お帰りですか。お気を付けて〜」 「・・・ふん!」 母の呑気な対応と、彼らの負け犬の遠吠えが笑いを誘い、座敷でそれを聞いていた者達は爆笑した。 「「「「あっははははははっ!!!」」」」 徹志はその笑い声で我に返り、バツが悪そうに頭を下げた。 「すいません。折角楽しんでいたところを・・・」 そんな背中を剛兄がバーーーンと威勢良くぶっ叩いた。勢いが良すぎて、徹志が私の元に吹っ飛んでくるほどだった。 「ぬかせ。お前、自分がめちゃめちゃ格好良かったの判ってないな!」 剛兄に同意し、皆口々に徹志をかけた。 「いや、よく言ってやったよ徹志君。君は漢の中の漢だ!」 「そうさ。俺は前々から彼奴らが邪魔でな、徹志君の言うことはもっともだ」 「あいつらに出す酒が勿体ないよな。遠縁ってだけで家に入り浸って、気に入らなかったんだ村上は」 「正直、雪香ちゃんが危なくなったとき、私は飛び出せなかったよ。男として、立派に守ったんだ。恥じないで、誇るべきだよ」 「あいつらもこれに懲りて、そう簡単に家に来ないだろうよ。せいせいしたわ」 「雪香ちゃん大丈夫だった? もう嫌な思いをしなくていいのよ。今度来たら私もビー瓶で追い出すわ!」 「これは武勇伝だな。徹志君、いっそ大宮家を継いだらどうだね」 「徹志兄ちゃんスゲー!! ちょーカッコイイぞ!」 「素敵だったわよ。家の檀那なんかと比べものにならないくらい」←剛兄妻 「いやいや、俺もキマってたって」←剛兄
715 :
仮題:帰省3 :2006/12/13(水) 16:14:48 ID:pWqmlmM4
徹志は恐縮と照れで苦笑しまくっていた。不意に私と目が合うと、恥ずかしそうに視線を逸らた。・・・? 「雪香ちゃん真っ青じゃない。早く休みなさい、ね?」 「は、はい・・・じゃぁ、先に失礼しますね。皆さん、良いお年を」 奥様方に促され、私は部屋で休む事にした。座敷の部屋を出ようと襖に手を掛けたとき、徹志が無言で歩み寄って私の肩を抱き、その場の皆に向かった。 「おじさん方。雪香は大丈夫だ・・・誠一さんの替わりに、俺が引き受けるから」 ────うわ、言ったこいつ。 「引き取るって何よぉ! 人を厄介ものみたいに!」 「なんだ、厄介者だって自覚があったんだな」 「何よ生意気言って! アンタなんかに守られなくてもねぇ、私は自立してるし、大宮のみんながついててくれるんだから、大きなお世話ですー」 「生意気は雪ねえだろ。大人しく引き取られろよ」 「むぅぅぅぅぅぅ!!!」 突然、徹志が赤面モノのセリフをきめるから、強がっちゃったじゃないのよ・・・ 私達の小競り合いで普段の雰囲気を取り戻した。暖かな笑い声が戻る。徹志の武勇伝や大宮家のスタンスをネタに、今夜は盛り上がるだろう。 大晦日の晩餐が続く。 私と徹志は一足先に退散し、人気の無い廊下でキスをした。
とりあえずここで折り返し地点です。 続きはちょっと待ってくださいね
話の筋は面白い。 勢いがあるのもいいけど、 かなり荒っぽくなってしまったのは趣向?
GJ! エピソードがきちんとあって、それでも 一気に読ませる上手さに感服。くどくない。 続き楽しみです。
このスレは一組のカップルをずっと追っかけるようなのが結構あるから好きだなー
うわあぁぁぁ やっぱおもしろいよこのスレ最高!! 師走の忙しい時に職人さん方、ほんとうにお疲れ様です。
保守
ほす
保守
保守
725 :
名無しさん@ピンキー :2007/01/12(金) 17:54:08 ID:FaOnBsBR
落ちそうだから保守……
726 :
名無しさん@ピンキー :2007/01/12(金) 19:37:03 ID:qlD8MNMm
test
『teacup illusion』 かつて、年下の彼氏がいた。 下請けの出向社員で、私の下についた形になる。社会人三年目で、仕事の速さと丁寧さが目を引いた。 宴会好きで、月二回程度、チームの何人かを集めて何かと呑んでいた。そうやってチームの結束と 情報交換を進めていき、気が付いたら出向組の事実上まとめ役として皆に認められていった。 私のチームの進捗は大幅に上がり、私もおおむね定時で帰れることが多くなっていった。 彼と男女の関係になったのは、やはり宴会のせいである。彼はあまり喋る方ではなかったが、 他人に喋らせるのが上手かった。必要最小限の相槌を打って、後は黙って聞いている。 特に進捗の遅れで参っている出向社員には、親身になって話を聞いてあげていた。 私も実は参っていた。大きな会社だとよくあることだが、入社五年でチームリーダーの一人となるような 女に対する扱いは悪い。すぐ上のマネージャーからは、おそらくは親切のつもりなのだろうが、 婚期の話をよくされた。二十七では確かに世間的にはそろそろ身を固めることを考えるべき 年齢ではある。あくまで私は知ったこっちゃなかった。大きなお世話だ、と思っていた。 何で私がそんな話を彼にしたのかは分からない。気が付いたら二次会でジントニックを三本空けて、 周囲がドン引いていた。しまった、と思った。 彼はいつもの茫洋とした、小憎らしいほど落ち着いた顔で、こう言った。 「もう一杯呑みますか、リーダー」 そこから先のことはよく憶えていない。後で皆に訊いたところ、私は四杯目で綺麗に潰れ、 彼がその後場を丸め込んで、更に三十分皆で呑みまくっていたらしい。 憶えているのは、私が彼の肩を借りて、路上を二人きりでぐらぐらと歩いていたことだ。
「皆は?」 「三次会だそうで。金曜ですから」 「ふーん」 「さっきは話の腰折って済みません」 「まー、あんなところでやる話じゃなかったね。忘れて」 「何だったら、今私だけですし、お話をお伺いしますが」 「あー、いいっていいって、つまんないことだし」 「随分ストレス溜まってたみたいですし、全部喋った方が楽ですよ」 「うるさいわね。お節介」 「済みません。よく言われます」 本当に恐縮して済まなそうに謝るのが可笑しかった。 「どっか喫茶店でも探してるの?」 「そのつもりなんですが……閉じてますね、軒並み」 この辺の喫茶店は割りと早く閉じる。始発まで粘るには向いてない。 「バーならあるじゃん」 「……呑む気ですか?」 「付き合いなさい」 「はいっ」 私は酔っている、と思った。彼に迷惑をかけるにも程があったが、止まらなかった。
小ぢんまりとしたバーで、彼はマティーニをさも愛しそうに呑んでいた。 その横顔に、私は胸の内に溜まっていたものをありったけぶつけていた。頑張って成果を出して へとへとになって、それで結局周囲は私を嫌っている。やれ皆がついていけないだの、 やれ他チームとの連携が取れてないだの、馬鹿じゃないのか。何でお前らは進捗遅いくせして、 開き直ってデカイ面して、進捗の早い私や私のチームに陰口を叩けるのか。恥を知れ。 私だって好きなことがしたいが、会社のために頑張ってるんじゃないか。 女は無能な方がいいのか。その方が心置きなく蔑むことが出来るからか。クソオヤジどもが。 さっさと死ねばいいのに。 彼はそんな、おおよそ聞くに堪えないはずの私の愚痴を、ある種陶然とした表情で受け止めていた。 オリーブを口に含み、奥歯でじんわりと噛み締めると、さらにギムレットを二つ頼んだ。 「リーダー」 「え、何?」 急に彼がぽつりと呟いたので驚いた。 「人や世間のこと気にせず、とりあえずは自分の好きなことやった方がいいですよ」 「……社会人の発言じゃないわね」 「ビルを建てるのと同じですよ。下の階はカッチリ作んなきゃダメです。どんなに見栄えがよくても、 自分の安定抜きで人間関係やステータス固めたら、そりゃ崩れる、って話ですよ。リーダーはそれこそ もう実績があるんだから、もっと体のために休んだり、心のために遊んだりしてみてはいかがですか?」 「出来る訳ないじゃない。そんな人に迷惑かけてまで休んだり遊んだりなんか」 「ん? だって私には愚痴ってる訳ですよねえ」 言葉に詰まった。彼が意地悪そうにこっちを横目で見て笑っている。 「別に非難してるつもりはないですよ。本音で話してもらえて、むしろ嬉しいくらいです」 「な、何よ」 「信頼されてるみたいで」 「なな、なーに言ってんのよ! 信頼してるに決まってんじゃない!」 この男のこういう可愛い子ぶるところが苦手だった。私は照れ隠しに彼の背中をバンバン叩いていた。 彼がぎょっとした顔になったが、またすぐ恥ずかしそうに笑った。 軽く胸が躍った。末っ子の私に、二つ下の、小生意気な弟が出来たような気分だった。 赤黒くざわついたものが胸に宿っている。 奇妙な話だが、どうやら、恋をしたようだった。
バーを出た後、彼はまたぽつりと呟いた。 「お送りしますか」 明らかに終電が出た後の時間だった。 「泊まっていくしかないみたいですね」 「そうみたいね」 とてつもなく白々しい会話だった。私は彼にもたれかかったまま、ぎゅっと手を握った。 彼は無言で手を握り返し、最寄のホテルへ向かった。 ベッドの上では、私はほとんどぐったりして動かなかった。彼だけが激しく動いていた。 この男はベッドの上でも勘がよかった。胸の中の赤黒い衝動が燃えている間に、それをさらに 駆り立てるように強く抱き締め、激しく貫いた。愛撫に時間をかけて気持ちよくなる時と、 白ける時とが確実に存在する。彼もそこはちゃんと心得ていたようだ。私はどろどろした意識の中、 何度も重々しく浮き上がり、あるいは深淵に沈んでいった。平衡感覚は既にない。 そんな長い時間ではなかったはずだが、時間の感覚もなくなっていた。酒精を毛穴から吹き出して、 やがて私は失神していた。 気が付いたら、彼に口付けされて目が覚めた。朝になっていた。 手足を伸ばすと、鉛のように重い。体が凍えていた。汗まみれで素っ裸で寝ていたのだから当然だ。 私たちはシャワーを浴びて、歯を磨き、口をゆすいだ。大分意識がはっきりしてきていた。 「でもまだだるーい」 「まあそりゃそうでしょうねえ」 「寒ーい。あったかくして」 「あはは。了解です」 今度はねっとりと全身くまなく愛撫された。体の奥の熱にゆっくりと息吹が吹き込まれていく感覚。 濁った頭に血が上る。じんじんとした頭痛の中、今度は私はバネのように跳ね、ネジのように身をよじり、 溶鉱炉の鉄のように焼け潰れていった。そして彼に奥深くまで丹念に叩き込まれていった。 体の中の滓がゆっくりと抜けていくのが分かる。どこまでも体の中の熱が高まっていく中、 やがて脳が弾け飛ぶような音がして、そこから先の彼の愛撫の一つ一つが全て体の核の部分を 刃のように貫いていった。たまらず私は彼の手を強く握って絶叫していた。 甘強い刺激に滅多刺しにされた私が放心した後、彼は私の横に座って、頭をさりさりと撫でていた。 やはり私はまだ酒精が抜けきれていなかったらしい。そのままとろとろと寝て、今度は昼まで起きなかった。
(こういう恋も面白いわね) 私は随分と楽に生活できるようになっていた。下らないことでぐだぐだ悩んでいたのが嘘のようだった。 確かに人生、楽しんだもの勝ちである。人だの世間だのへったくれは、ある程度勝って来た者が弄ぶもので、 自分は今まで逆に人だの世間だのに弄ばれていたに過ぎないことがよく分かった。そういうことに 気づかせてくれた彼が本当に有難かった。今までの彼氏は優しかったが、そういう意味でためになることは それほどしてはくれてなかったんだな、とも思った。 私は彼をしばしば自宅に泊めるようになっていた。彼と話をするのが好きだった。ほとんど私が 一方的に喋り詰めだったが、たまに彼が口を開くと、私の思いも寄らない話をしてくるのだった。 「中国茶はポットが二つ、茶碗が二種類あるんですよ。ポットはお茶を濃く出しすぎないための工夫で、 茶碗が一つが縦に細長いんです。これに一旦注いでから、普通の茶碗に移し替えるんですね」 「へえ。何で?」 「細長い茶碗は聞き茶用です。香りが溜まるんで、それを楽しむんですよ」 「なるほど。いいなあそれ」 話を聞くだけで楽しい。 「そして月餅は高級品はとにかくデカい! ジャーン! これ一個五百円!」 「うわ本当デカッ! 何これ! 手のひらサイズって!」 「中はクルミだのアーモンドだの沢山入っててボリューム満点ですよ。てな訳で食べましょう」 「わあい。でも食べきれるのかなあ。一個を半分ずつでよかったんじゃあ」 「そうですね。保存は利くもんなんで、一個は差し上げます。どうぞ」 彼の持ってきた鉄観音茶と月餅を、二人して美味しく味わった。彼は清々しい表情で、 茶の香りを心行くまで楽しんでいた。私にとっても、今までにない安らかな時間だった。 (今まで私は、どれだけ時間を無駄に過ごしてきたんだろう) 本気でそう思った。
ベッドの上では相変わらず彼に押されるままだった。 「大分可愛くなってきましたよ、リーダー」 彼が三時間くらいかけてじっくりと弄んだ私の体にそう呟く。 「もっと可愛くしちゃおっかな。もう一時間くらいかけて」 「い、意地悪言わないで、早く……」 「早く、どうしてほしいんですか?」 唇が触れそうなほど近くで、彼がそんな意地悪を言う。 「私の、ここに、あなたの、頂戴」 「なるほど。続行」 彼は依然として愛撫をやめなかった。確かにじらすテクを少しずつ教えていったのは私だが、 狂うまで愛撫しろなんて恐ろしいことは一言も言ってない。そのうち、悲鳴が単語として 意味を成さなくなってきた。逝っても逝っても彼は許してくれない。 (人間って、気を失っても逝き続けられるんだなあ) 体中の筋肉が緊張を保てなくなっていた。神経だけが悲鳴を上げている。 喉からは最早悲鳴ではなく、空咳だけが出てくる有様だった。 「死ぬ」 かすれた声で、やっとそれだけ呟いた。 「そう? まあ、いいでしょう。よっ、と」 屍同然の私の両足を抱え、彼が侵入してくる。腰だけが若干緊張を取り戻した。 息が詰まって、声も出ない。体の芯が溶けすぎて気化したような感じだった。 体の中を、温泉のような、熱く湿った風が吹く。渦を巻き、身を破る。 心臓が、ずしん、と大きな音を立てる。目を開けているはずなのに、視界が紫色に輝いて、 よく見えない。それが、どこまでも、果てしなく続いた。 今や私は後悔していた。余計なことを教えたらしい。逝き過ぎて身も心もえらいことになっていた。 この分ではまたしても明日は丸一日使い物にならなくなっていることだろう。 (それでも、いい) そんな危険な考えに魅了されている自分に愕然とした。 (私は溺れている) のぼせ上がった脳髄の中で、私はゴムの向こうで、彼が勢いよく果てたことを知った。
今にして思うと、私は彼に少々甘えすぎていたように思う。多少無理のあるスケジュールも、 彼はきっちりこなしてきた。遅れてる出向社員には発破をかけたり、またあえて休ませたりしていた。 そうやって結果的に締め切りに間に合わせてきたのだ。 彼は次第に表情に精彩を欠いていった。私に不満を言うことが多くなってきた。曰く、 現場はオーバーワークだ、短期間で大量の仕事を振るのは勘弁してくれ、このままでは病人が出る。 私は真剣に受け止めていなかった。ちゃんと結果出してるんだから、今のままで上手く行ってるじゃないか。 この男でも弱音を吐くことがあるんだと、私は単純におかしがっていた。 まさか彼が倒れるとは思ってもみなかった。会社の廊下で、大きな音がしたと思ったら、 彼が転んだまま起き上がらなかった。 色々あって、彼の会社から、契約中断の申し入れがあった。ドクターストップによる休職、 ということだった。仕事はひと段落したところだからまだよかったが、それでもこれは ちょっとした問題になった。 私もマネージャーに叱られた。何でこんなことになるまで放っといたんだ、と。 私は黙っていた。まさか彼がここまで疲れているとは思ってもみなかっただの、 もっと目に見えて進捗が遅れていれば気づきようもあっただの、そんな恥知らずなことは 言う気にもなれなかった。他の皆を潰さないように気を遣っていた彼のように、 私も彼の言葉を真剣に受け止めるべきだったのである。 (何て馬鹿なんだ) 自分を呪った。何となく、これが報いだ、と思った。
私は彼の住所を知らない。挙句携帯もメールも通じなくなっていた。番号自体が変わっていた。 要するに、彼はもう私と話をしたくない、ということだった。 その時点で流石に諦めた。私は彼に盲目的に甘えて、結果的に彼を壊したのだ。私が彼なら、 私を絶対に許さないだろう。 もう、二人の関係は終わったのだ。 私は黙って自室を片付けつつ、彼との思い出の品を整理していた。 ほとんどのものが捨てられなかった。白磁の茶器一式、銅製の香炉、細工の綺麗な瑠璃色の ワイングラス。どれもこれも、今なくなったら生活の質が下がるような代物だった。 (そういや、あいつは一人で楽しめるものが好きだったな) 彼との馴れ初めを思い出す。彼は明らかに一人で生きていけるほど強い奴だった。 彼の嗜好も明らかにその方向に特化したものだった。美味しいもの、いい香りのもの、綺麗なもの。 彼の生活は、私は直接見た訳ではないが、一人でも十分に幸せなものだったはずだ。 (私は二人でないと生きていけないな。楽しくもないし) 元々は一人で生きてきたつもりだった。彼と出会って、甘えることの必要性を知った。 彼と別れてその弊害も思い知った。もう元には戻れない。 彼はどうだったか。私に甘えるようなことはほとんどなかった。最後のあれがそうだったと 言えなくもないが、私はそれをスルーしてしまい、結果彼は潰れた。 (彼は私を甘えさせてくれたけど、私は彼を甘えさせてやれなかったんだ) そんな関係を彼が望んでいたとは到底思えない。少なくともこれではとてもいい大人の 恋愛関係とは言いがたい。一人前の大人の男だった彼は、一人前の大人の女である私と 付き合いたかったはずだ。私はそんなことは考えもしなかった。ただ、ありのままに 今ある恋愛を享受していただけだった。 (やっぱり、馬鹿だ) 私は机に突っ伏した。細長い嗚咽が、部屋の中に響いた。
相変わらず私はチームリーダーとして働いている。以前と違うのは、彼がいなくなったことだ。 彼の分まで部下をよく見てやらねばならなくなったが、腹を決めて頑張った。彼のようにうまくは いかなかったが、部下に対して優しく親身になろう、無理はさせないようにしよう、という志は 少しずつ実を結んでいった。そう言えば、要するにこれがマネジメント能力なんだな、と気づいた。 改めて、前途ある彼を潰してしまったことを後悔した。 休日の三時ごろには、仕事を忘れて、お茶を淹れて楽しむのが日課になっていった。 ポット二つと茶碗二つを鍋で温めて、お湯を沸かす。 烏龍茶の葉を片方のポットに入れ、その上にざっと熱湯をかけた後、もう片方のポットに 最後の一滴まで出し切って移し替える。 ポットから細長い茶碗に茶を注ぎ、そこから普通の茶碗に入れ替える。 細長い茶碗を手にとって香りを吸い込み、普通の茶碗から茶をゆっくりと飲む。 (贅沢な時間だな) 花畑に吹く風のような香気と、じんわりとした大地の滋味が体中に広がる。 こうしていると、体の中に、彼の声が響いてくるようだった。 (自分の好きなことやった方がいいですよ、か) 嘘つきだ。結局は私や皆のために、自分を犠牲にして消えてしまったんじゃないか。 (私は気をつけよう) 今度誰かと付き合うことがあったら、優しくし合える相手にしよう。自分の幸せを 壊さないでいい相手と付き合おう。相手の幸せを壊すこともすまい。そう思った。 つくづく、彼を喪ったのが惜しく感じられた。 甘い感傷はない。苦い感傷もない。女の子にセンチメンタルなんて感情はない。 ただ、茶の香気と滋味が、彼のことを思い出させるだけだった。 彼からもらったものは、全て私の中にある。生きていく楽しさも、一人でいる強さも、 人に対する優しさも甘さも、そして愛と陶酔の日々も。これだけ沢山あれば、私はあと数年は しっかりと二の足で立って歩いてられるだろう。 いつか、またどこかで彼と出会うこともあるかも知れない。その時に、彼の前に立って 恥ずかしくない女になっていればよい。それが、彼に対する、唯一の償いだろう。 その日のことを思うと、茶の熱が、体全体にじんわりと広がっていった。 湯気の向こうに、いつかの清々しい表情で茶を喫している、彼の姿が見えたような気がした。
GJ!だが切ねぇよぅ…
良い話だ…
仕事と恋愛の間でバランスを崩していくヒロインが悲しい。 苦い後悔の中にも希望の見えるラストに救われました。GJ!
( ゚Д゚)神が光臨されていたとは…… さらりと投下して行ってしまわれるところがまた切ねえ GJです。
保守
742 :
名無しさん@ピンキー :2007/02/08(木) 18:32:46 ID:XcQYqRfX
保守
保守のかわりに、pcの奥底に眠ってた奴投下。 「だ、ダメだよ、そんなとこ、汚いって!」 「何言ってるの。さっきお風呂に入ったばかりでしょう?」 恥ずかしがっているのを無視して、そこを開かせる。 「や、やだって!」 「何言ってるの…そんな体のくせに…無理して…」 嫌がって身じろぎしようとしているが、俯せの背中に馬乗りになっているから 簡単に押さえ込めてしまう。 「なんで…そんな…特殊な道具なんて持ってるのよ」 彼女は、その道具と目を合わせないようにしながら、文句を言う。 「んー…大人だから。あとは…趣味、かな?」 「悪趣味!オヤジ臭いよ!」 「ふーん…そんなこと、いうんだ?」 そういって、さっき開かせた場所にその棒状の道具を突き立てる。 「…!!!や、やぁあああ!痛い!」 びくんびくんと体が動くが、それを押さえつけて、更に力を込める。 「あ…あぁ…あああ…」 さすがに、涙を流す彼女がかわいそうになったので、そこからは撤退するが、 また違う場所を責め立てる。 「や…、そ、そこもだめぇ!」 「全く…うるさいなぁ…君は…」 そうため息をついて、でも、ポイントを変えつつも道具で攻めることはやめない。 そうして少し立つと、彼女の口から出る音色が変わってきた。 「ふ…ほら、気持ちよくなってきただろう…?」 「ん……ふぅん……気持ちいい……んん」 「はい。終わり。痛がってるって事は、体に無理させてるって事なんだからね。」 「分かった分かった。でも、足ツボマッサージって、痛いよー。特に足の指と指の間なんて 超痛かったよー」
ラブラブカップル?
746 :
743 :2007/02/23(金) 02:07:40 ID:ElABJcz3
>745 そんなスレが…てかスレタイから鬼畜物だと思ったよ サンクス
保守の予感
748 :
帰省3 :2007/03/02(金) 15:51:27 ID:PffTX1AQ
滞りまくってごめんなさい(汗 以下、徹志視点に切り替え。 簡単な寝着に着替え、雪ねえはゴロンと毛布の上に転がった。俺はというと、とっくにベッドに腰をかけ、NHK紅白鑑賞中である。 「ふあ・・・、なんか疲れたぁ」 「なんだ、寝正月にするつもりか?」 「しないわよ。だから、アンタに傍にいてもらうんじゃない・・・起こして貰う為に」 雪ねえは暖房が効いてるのをいいことに、ゆったりとしたYシャツパジャマの上だけしか着込んでいなかった。 もぞもぞと俺の隣まで身体を引きずり、断りも無しに膝の上に頭を乗せてきた。彼女の軽くウエーブのかかった髪はふわふわと程よい触り心地である。 「・・・・・・重い」 「別にいいじゃない、膝枕ぐらい。・・・・・・あ、応援出てきた!」 彼女が俺にどう絡んでいようと、その意識は紅白に集中し続けているらしい。人の膝の上で頭をすりすりさせて、上機嫌であった。 文句を言えば重いのだが、今はただ雪ねえの好きなようにさせてやろうと思った。 自分の部屋という自己領域にいることや、お気に入りのTV番組を見ていることで、心身共に安らいでいるのだろう。 その要因にもう一つ、俺が傍にいる、も入っていればいいなぁと期待する自分も憎めなかったりする。 最近俺は考えるのだ。 ひょっとしたら、自分は雪ねえを好きで癒やしているのではないか。自分の意思で、彼女に振り回されているのではないか。 情けないのは重々承知だが・・・・・・自由奔放な女の傍で、頑固に生きている男。存外、と居心地がいいんだよ。
神キテタ( ゚Д゚)
規制くらってる?
751 :
名無しさん@ピンキー :2007/03/07(水) 01:12:09 ID:xUhYi9WP
保守
752 :
名無しさん@ピンキー :2007/03/07(水) 16:34:24 ID:cI9il2iN
保守
hoshu
保守!
756 :
名無しさん@ピンキー :2007/04/08(日) 02:09:57 ID:cxImkzoz
保守
ほしゅ
保守する
とりあえずー
ほしゅ
761 :
名無しさん@ピンキー :2007/05/19(土) 17:01:43 ID:2C1wESkw
ほしゅ
762 :
名無しさん@ピンキー :2007/05/22(火) 22:35:37 ID:DKIbc396
ほしゅ
保守ばっかりやな
764 :
名無しさん@ピンキー :2007/05/29(火) 02:22:41 ID:HWib+crJ
とりあえず保守
萌えるシチュって、具体的にどんなの?
星
767 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/17(日) 11:00:35 ID:RiIzcqQJ
ほす
768 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/17(日) 12:03:00 ID:iEfKoGQV
久しぶりに来たのですがえらく過疎ですね。
保守
770 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/22(金) 10:29:03 ID:ix+e2RrD
当方、10代の男の子に詳しくないのでちょっと質問。 ありえる話ならここで書けるかもしれないから、ありえるかありえないかだけでも教えてくれると助かる。 10代の男の子で、お互い初めて異性と付き合った場合。 相手の女の子は変なところで妙に勘が鋭いんだけど、男の心理には鈍い。 彼はその子を抱きたい気持ちが日に日につのってくる。相手の子は奥手だから 口には出さないけど「まだそういうことしたくない」てのが分かる。 相手の子はまだ生身の男の欲情を受け止めきれない。10代の男がどんな状態になるのか あまりよく分かってない。 彼はどれだけ右手に頼っても満たされない思いがつのる今日この頃。「あの子が」欲しい。 なまじ相手が普段身近にいるもんだから、抑え付けてもしつこく頭をもたげてだんだん凶暴化してくる欲求を 持て余してその子を避けるようになる。自分がその子の嫌がることをしてしまいそうだから。 最初、女の子はなぜ自分が避けられているかわからない。何で相手が苦しそうな顔をするのか分からない。 結局奥手で鈍い彼女はひょんなことから彼の事情を理解して、相手の本当の欲求には応じてあげられないものの 自分に出来る範囲で何とか少しは楽にしてあげられないだろうか? と考える。 で聞きたいのは、10代の男の子に中途半端なことをしたら生殺しになってかえって苦しむこと になるのか、それとも好意を上手に利用してある程度までなら発散出来るのかってところ。 中途半端レベルとしては、 密室じゃない(公共の場)・いつもより肌を露出する・下半身には触らない・キスとスキンシップはOK お答えいただけるとうれしい。ノシ
>>770 発散ってなんだ?
その子も本心はしたがっているんだと考え、行動をエスカレートさせていくだけの希ガス
772 :
770 :2007/06/24(日) 01:46:44 ID:cKX+pUrM
THX
773 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/24(日) 03:13:10 ID:0K4E6V2U
「あなたの望みを叶えてはあげられないけど、多少性欲が治まるなら公共の海水浴場で水着姿なら見せてあげる」 そう言われたらどうなる? その場はひとまず「わかったそれでいい」って言って後で強引にでもホテル連れ込むだろ? 絶対に。
空腹で死にそうな時美味そうな食い物を目の前に出されて 「これで多少はお腹が満たされると思って。でも食べちゃ駄目だよ」なんて言われたら 最悪そいつを殺したくなるだろ? 男だろうと女だろうと容易に想像つかないだろうか普通
>>770 私としては男の子が生殺しで苦しむ姿に激しく萌える
女の子の方もオクテなだけで本心では興味ある、ってことでいいんじゃねえの? (鈍くてオクテで)期せずしてどんどん相手を刺激してしまうっていうコメディならアリでしょ
保守
捕手
779 :
名無しさん@ピンキー :2007/07/14(土) 05:08:00 ID:2qEoVbRY
「あの、ね… えっち、とかは、まだ…無理、なんだけど…」 そう言いながら彼女は男の指を弄ぶ。男の左手に両手の指を絡めるようにして 視線は指から外さずに言葉を落としていく。俯いた彼女の耳は赤く染まっている。 「少し、触る…くらいなら… いいよ…」 男の頭が沸騰しそうになった。制服のスカートから伸びた脚に右手を伸ばし軽く 撫で上げる。膝上20cmの辺りで「駄目」、彼女の手によって制止が入った。 無視してそのまま内側に手を滑らせる。両脚で強く挟まれ、更に片手で掴まれた。 脚は諦め、頬に手を伸ばす。ゆっくりと撫でると気持ち良さそうに目を閉じた。 子猫のようだ、と思いながら髪を梳く。頭から首までを何度も往復させるうちに 彼女が「くすぐったい」と言いながら小さく笑い出した。その表情が安心しきったもの だったから。男の情欲に火が着いた。 前触れもなく深く口付ける。貪るように、音を立てて口内を犯す。シャツを引いて抗議 する彼女には構わず、男のペースで続けた。唇を離した時には彼女の目は涙で
ワッフルワッフル
>>770 再下段の質問を無視すると、最初手で、次に口でっていうのがいいのでは
782 :
波 :2007/07/18(水) 14:57:58 ID:ZL9Rbr/w
なんかぁー、今さっき、彼氏とHしたんだけどさぁーまぢで、気持ち良い! なんかぁー、フワフワ宙に浮く感じぃーってゆーか・・・耳元でささやかれてww まぢウケたww 「愛してるよ」 だってwww でもー、ダーリンとの仲は最高潮だからぁ^^ まぢ、ダーリン最高だしぃ♪
ここは彼氏との仲をのろけるスレじゃないから。
っていうか18禁だからね?
カップル板に行けばいいのに、ここはリアルのエロ談義するところじゃねーっての にしても、どっから流れてくんの?こういう変なのって
女性一人称で書いた短編じゃないの?
それは思いつかなかった…。そうだったのか。
夏なんだねぇ
789 :
名無しさん@ピンキー :2007/07/20(金) 20:30:41 ID:Z8JKmetj
最近このスレ見つけて1から読み始めて、やっと今追いついた。
個人的に
>>728-736 がダントツで好きだ…
しまったアゲてた。スマン
791 :
377 :2007/07/21(土) 13:10:06 ID:uI6DT6ob
お久し振りです。投下します。 上のレス見てなんとなく思い付きました。 寸止め手前くらいです。
「はいやー!」 タクシーを呼んでいる訳じゃあない。馬に乗っている訳でもない。 テレビに向かって、日本でならTOP10に入るくらいに有名な剣のレプリカ?を手に、 テレビの中の青い物体に向かって振り回している。 恐ろしい事に、そのゲームはつい先日発売したものではないらしい。シリーズは同じら しいんだけど。 確かに、振り回すコントローラーを持ってはいない。持っているのは、前述した剣のみ。 「…早さん、ゲーム機全部持ってるのに、古いのばっかするのね」 私はそんな早さん―――私の親戚のお兄さんで、実は恋人でもある、本名工藤千早さん に、ちょっとしたイヤミのつもりで言ってみる。 「そうでもねぇよ。タイミング逃してPCエンジンGTとか持ってねーし。人をオタクみ たいに言うんじゃねぇっつの」 …自分がオタクだという事を認めないオタクは、性質が悪いと思う。なんとなく、そう 思った。まあ、別に早さんはケミカルウォッシュの上下とか、無駄なまでの長髪とか、指 抜きグローブとか、そういうのじゃなくて、普通の外見だけど。 「でも、最近腰も足も痛いって言ってたのに、どうしたの?元々運動嫌いじゃない」 不健康が売りの早さんなのに。私はもう少し早さんに近寄って、表情を見ようとする。 「…どっかの愛美さんが俺の事信用してくれないみたいだから、こうやって発散するしか ないんですよーうだ」 なんとかなんとかなんとか斬、みたいな技を出して、そんな、ちょっとどころじゃない イヤミを言ってくれた。 …いや、そう言われても仕方が無いのかもしれないんだけど。
早さんの事好きになって、告白したのは私から。早さんは4つも年下の私から告白され て、凄く困ってた。家も近いし、親同士も仲が良くて、兄妹みたいに育って来た。早さん に取っては、私は本当の妹みたいなものだったんだろう。私は最初から好きだったけど。 でもって口は悪いけど、早さんは根っ子の所で優しくて真面目な人だから、私が傷付か ないよう、どう穏便に断ろうか考えているのが丸判りで。ああ、私に告白されてまず感じ たのは『戸惑い』だったんだろうな、と、理解した。 結局私が引いて、その事は無しにしてもらった。 悲しかったけど、正直ダメだろうな、と思っていたから。先に保険は用意していたよう なものだったから、傷は浅く済んだ―――と、思っていたんだけど。 存外、傷は深かった。 馬鹿みたいだって思う。たかが子供の、大した事無い恋愛程度で、ごはんが喉を通らな くなるなんて、思ってなかった。私、本当に馬鹿だって思う。その当時だって思ってた。 それなのに、身体のどこかに穴が開いちゃったみたいで、本当に体調を崩しかけた。 けど、本当に崩す前に、早さんは来てくれた。 投げっぱなしになった返事をしに。ちゃんと、断りに来てくれた。宙ぶらりんのままは、 あんまりにも私に失礼だからって。 …その時点で、どこに開いていたかすらわからなかった穴は、塞がった。 断りに来た。と、そう言って私の部屋に来た早さんを見て、自分は本当にこの人が好き なんだって、再確認した。こういう人だから、好きなんだって。 昔からそうだった。 ワガママでぶっきらぼうに見えて、人の事ばっか考えていて、不器用で優しい人。 だから、目一杯早さんが私への断りの言葉を考えて、どうにかひねり出して来てくれた んだ、とわかった。 で、早さんの言葉は。 『お前の気持ちは嬉しい。お前みたいないい子が俺なんかを好きになってくれるなんて、 思ってもいなかった。でも、俺はお前を妹以上には見れない。本当にすまない』
…本当に、考えて考えての言葉なんだなあ、と思った。 それで、充分だった。恋愛感情が無いにせよ、早さんがそうやって、私を傷付けない様 に大事に思ってくれた。それだけでもう、なんだかモヤモヤは吹っ切れてしまった。 だから、私も清々しいくらいの気持ちで、早さんにちゃんと振ってくれてありがとう、 って言った。それで、私の初恋は終わった。 ―――筈、だったんだけど。 それから2週間ほど経ったある日、早さんは急に私の家に来て、私に向かって。 『…一度振った身で、本当に図々しいって思っている。けど、俺、お前の事が好きになっ た。本当にごめん。やっぱり、俺と付き合ってくれないか』 と、180度違う事を―――しかも、地獄から極楽に突き落とす―――いや、突き上げ られるような、あまりにも嬉しい告白。 十何年も好きでい続けたのに、たった2週間で完全に諦められる筈が無い。私は一にも 二にも無く、即答でOKした。 でも、普通に疑問。 妹としか思えない筈の私が、何故恋愛対象になってしまったのか。 ―――付き合い始めて半年経つけど、未だその理由は不明です。聞いてないからだけど。 「…早さん、発散するなら今話題のなんとかなんとかキャンプとかすればいいのに。」 そう何気なく言ってみる。半年も経てば、健康な成年男子の早さんは、私との関係にも う一歩を踏み出したくもなるというもの。子供だ子供だ、とは言いつつも、視線が色々な 所に突き刺さって来る。 「ばーか。俺にあんなん出来るかっつの。薙ぎ払うぞ」
べー、と、舌を出しながらロ○トの剣を私に突き付ける。ていうか、通じたんだ。 …私、思った以上に子供だったみたい。 早さんと恋人同士になって、それだけで本当に満足してしまっているようで。 未だに、手を繋いだり、頭を撫でて貰ったり、抱っこして貰う意外に、スキンシップは していない。 それ以上の事―――なんていうんだろう…キスとかされそうになると、途端に引いてし まう。困ったような(早さん曰く)顔になってしまって、早さんも諦めてしまうみたい。 そのくせ、心のどこかで早さんともっとくっつきたい、少女漫画で見たような合意の上 でのレイプとかされてみたいとも、ちょっとは考えたりするんだけど…なんというか…本 当にわからない。早さんが言うみたいに信用していない、という訳じゃないんだけど… そんな事を考えていたら、早さんは急に真面目な顔をして、私の前に座り込んだ。何事 かと思っていると。 「…あの、さ。本当にお前、俺の事…まだ好きか?」 ロ○トの剣を床に置いて、早さんは私の頬に手を置く。びく、と、してしまうけど、ま だ大丈夫。怖くなんか無い。望んでた筈だもの。ていうか、そうじゃない。 「え―――どうして?なんで?」 顔が、近付く。まだ大丈夫。こつ、と、おでこ同士がくっつく。 「ん、お前の気持ちの整理が付いてない内にさ、俺がお前を好きになったから、お前は本 当はもう俺の事を吹っ切ったのが自分でわからないのにこうなって―――だから、無意識 に俺を拒んでいるのかって、そう思ったから」 ―――う。 …多分だけど、無意識は早さんも同じ。これは真面目モードだ。私を振ろうとした時と か、本当に真面目に物を考えている時、早さんは無意識に口調も真面目になる。ある意味、 考えている事が駄々漏れみたいなもの。だから、今も本気で早さんがそう思っている、と いう事。正直、それは考えた事、私もある。だけど。 そんなの、杞憂。だって私、こんなに早さんが好きだって、自分で知ってる。近付かれ ただけでドキドキして、あんまりに幸せで、だから、それだけで満たされてる。
あまりに幸せなこの状態がでずっといて欲しくて、だから―――だから。 …あ―――だから…なの、かな。 不意に、答えは出たような気がした。眼の前には、早さんの顔。私は、一旦顔を離して から、早さんの頬に自分の頬を擦り付けて、背中に手を回す。そうだ。 「…愛美?」 びっくりしたような、早さんの声。真面目過ぎて、考え過ぎ。それが自分でも嫌だろう から、普段はああなんだろうけど。 「―――それは、無いよ。私、早さんが好き。大好き。それだけは絶対に変わらない」 うん、と、頷く。本当。それだけは本当。 「そ…う、か?じゃあ、なんで」 早さんの手も、私の背に回る。気持ちいい。ぞくぞくする。これだけで、本当に幸せ。 でも、早さんはそれを感じていないのかな。それとも、それ以上の幸せを求めているのか な…私は… 「…大好きなの。だから、側にいるだけで、それでもう、幸せで、そのままでいたくて、 それ以上は本当に、私、どうにかなりそうで―――だから、だと…思うんだけど」 幸せを感じる前に、本当に心がどうにかなってしまう気がして。 一瞬だけ、視線を合わせる。けど、すぐに早さんの胸に顔を埋める。早さんの匂い。腕 の力の強さ。あったかい胸。それだけで、いい―――けど。 「わ」 幸せで停止していた頭が、動き出す。もっと強い力で、早さんに抱き締められる。そし てすぐに床の上に押し倒された。私を見下ろす早さんは、いつも拒んでしまう『それ以上』 の事をしようとしている感じ。なのに、いつもより余裕がある。しかも、笑ってる。 「―――わかった。お前の気持ちはわかった。でも、もう少しだけハードル上げて。多分、 それでどうにかなるなんて事は無い。ちょっとずつでいい。俺だってお前がいてくれるだ けで幸せだ。だけど、俺はもう少し幸せになりたいんだ。どうしても」 …い、言っている事が、私に劣らず支離滅裂。早さんの顔が、近付いて来る。つい、私 はぎゅっ、と眼を閉じてしまう。何をされるか、どこかでわかっていた。ここ最近、何度 も繰り返して来た事。違うのは、私が逃げられない事。後、早さんが絶対に引かないって、 わかった事。
「ん―――」 唇に、多分唇の感触。キスだ。キス、しちゃった。びっくりした。 すぐに唇は離れて、もう一度。最初より少し長く。でも短い。また離れて、また。さっ きよりは長く。それでも時間にしたら少しだけ。ちょっとずつ長いキスを何度もされる。 ぎゅっと閉じた眼。視界はまっくら。たまに、はあ、と深いため息。自分のか、早さん のものかもわからない。わかるのは。 「……―――」 これは、幸せだ。 間違いなく、幸せ。唇同士がくっついている間、感じるのは、今までと違う種類の幸せ。 ドキドキして、おかしくなりそうな胸が、徐々にそれが幸せなんだって、感じて来ている。 これが、早さんの言うちょっとだけハードルが上がる、という事なんだろうか。 「―――ん…?」 そろそろと、眼を開く。すぐ側には、やっぱりいつもと違う表情で笑っている早さんの 顔。私は、ボーっとした頭で早さんの胸の辺りを掴む。 「ん?もっとして欲しいの?」 早さんが、少し眼を細めて、口の端を上げて、聞いて来る。いつもみたいな、少し意地 悪っぽい顔。私は少し考えて。 「…うん…」 頷く。けど、早さんは今度は頬にキスして。 「な?大丈夫だろ」 そう言ってくれた。どうやら、今までと違う、あとそれ以上の幸せを感じて、どうにか なる程にはならない、という事はわかった。若干、まだボーっとしてるけど… 「じゃ、もうちょっと」 そう言うと、早さんはまたキスをして来る。すぐに離れる。少し物足りなくて、今度は、 私からしてみる。さっきの頬擦りみたいに、唇を唇で擦る。少し乾いた、でも柔らかい唇 の感触がとても気持ちいい。早さんにしがみ付いて、気持ちいい感触をいつまでも味わっ ていたくなる。私の悪い癖なのかもしれない、ひとつの事をずっとしていたいと思うのは。 「―――っ」 だから、没頭し過ぎて、早さんが急に舌を出して来た事にとても驚いた。もっと柔らか くて、濡れた感触。顔を引こうと思ったけど、抱き締められていたから、出来なかった。
「あ、はや―――ん」 顔を引き寄せられて、唇を普通に舐められる。ぞわ、と背中が粟立って、どう対処して いいかわからなくて、私は困ってしまう。顔を背ける事も出来なくて、早さんはずっと私 の唇を舐めている。あ、今度は、さっきの私みたいに唇を擦り付けてくる。違うのは、濡 れている事。なんだか、凄く恥ずかしい。 また、キス。ボーっとしていたせいか、口が半開き。だからかどうかはわからないけど、 早さんの舌が、口の中に。 …というか、さっきから、早さんの手が私の胸をやんわりと揉んでいる。気が付けば、 足と足の間に、早さんが膝を食い込ませている。舌で舌を舐られながら、胸の上の手に、 両手を沿える。 …やめてほしい。 …やめないで。 どっちも、頭に浮かぶ。 だって、ハードルを上げるのは、今日は、ちょっとだけだって、最初に言ってた。それ なのに、こんなのがちょっとだったら、やっぱり私はどうにかなってしまう。でも、気持 ちいい。ぞくぞくして、もっとして欲しいとも、思ってる。 「む―――」 胸の上の手が、少し上がる。そう思ったら、指がくるくる、と胸の上を回る。ブラと、 服と、あるのに、指は胸の先を囲うみたいに回る。私は首を横に振って嫌がるけど、早さ んはやっぱり引いてくれない。指が、膨らんだ先を強く押す。びく、と、身体が震えた。 「ぁ―――ふ、ぅ」 止めていた息を、吸って、吐いてしまう。同時に涎が零れる。早さんはそれを気にする 事無く、キスを続ける。胸を這う指の動きも、止まらない。私は身体から力がどんどん抜 けていってしまって、早さんのされるがままになってしまっている。 これじゃ、本当に私、おかしくなりそう。だから、そうなる前に。 「―――ぶっ!?」 私は、両手で早さんの顔を掴んで、無理矢理引き剥がす。離れた唇から、唾液の糸が繋 がって、それが物凄く恥ずかしく思えて、口を拭う。
「ん―――んっ…もう、や…」 口の中に溜まっていた、私のとも、早さんのとも言えない、混ざった唾液を飲み込んで から、私は拒絶の言葉を告げる。と。 「そ。そ―――う、か。そうだな。ん。今日はおしまいな」 意外にも、あっさりと早さんは引き下がってくれた。ぐったりとした私の身体を起こし て、いつもみたいに抱っこしてくれる。 「…ばーか。こわがり」 もう、いつもの早さんだった。切り替えが、早過ぎると思う。私はまだ、ボーっとして るのに。ずるい。でも、気持ちいい。意地悪。 「早さんのばか…」 いつもみたいに、胸に顔を埋める。早さんの匂い。あったかい。気持ちいい。幸せ。 …さっきのも…正直、怖いけど、本当にボーっとしてしまって、気を抜いたら本当に合 意の上でのレイプみたいになりそうだった。嫌なのは、一瞬でもそうなってもいいかもし れないと、思ってしまった事。物凄く恥ずかしくなって来る。 「ばか…」 私は何故か無性に腹が立って、手探りでロ○トの剣を手繰り寄せ、早さんの背中を叩く。 「へいへい。どうせ馬鹿でちゅよー」 全然気にもしないで、後頭部を撫でてくれる。もう片方の背中の手も、あったかい。 「ま、その内慣れるだろ。ハードルちょっとずつ上げような」 …きっと、今の顔はいつも通りのふざけたニヤニヤ顔。 「でも、ちょっとって…今日は、どのくらいだったの?」 すふー、と、息を吐く。ちょっと、どころじゃなかった気がする。だって、キスして、 もっと凄いキスして、胸触って、それもエッチな触り方で、多分だけど、膝、あ、あそこ に食い込んでた…これで、ちょっとだったら、私本当に付いていけない… 早さんは少し考えたように唸って。 「…30センチくらいか?」 と、軽く言ってくれた。ていうか、高っ。 「高過ぎるよ…普通、上げるなら5センチでしょ?第一、最高は何センチなの?」
あまりの数値に、私は頭がくらくらして来る。酷過ぎて、こちらも酷い質問をしてしま う。早さんはこれまた真面目に唸って。 「―――最高、50センチ?但し、第一ハードル」 「意味がわからないよ!!」 本当に意味がわからない。けど、顔を上げて、視界に入ったその顔は、真面目そのもの。 という事は、本当にそう考えている…って事?怖くて、最終的に何段階あるのかは聞けな かった。聞けなかった―――と、いえば。 「…あの、早さん」 神妙に、名前を呼ぶ。聞けなかった、というより、タイミングを逃してしまった質問。 聞くなら今かな、と思った。 「ん?」 声の感じでわかったのか、早さんは優しく首を傾げてくれる。 「―――早さんは、どうして私を好きになってくれたの?」 「…今更聞くかお前」 一瞬で、表情が元に戻る。舌打ちをして、がりがりと頭を掻く。何度か瞬きをして、首 を振る。いらいらした表情になって、頬を膨らませる。 確かに、とてつもない今更感。どうしてあの時聞かなかったんだろう、と、私も後悔。 暫く無駄な動きをして、漸く止まる。諦めたかのように早さんは溜息をつき。 「…お前、振った時に礼言いやがったろ」 ―――えと。 一瞬、考える。ああそうだ。だって。 「うん。言ったよ。早さんが、私に失礼だからって、ちゃんと振ってくれたから。振られ たのは悲しかったけど、それ以上に私、嬉しかったから。そういう人だから好きだったし、 私を傷付けない様に、大切にしてくれたの、わかったから」 もう一度、胸に顔を埋める。 だから、嬉しいと同時に不思議だった。振った後に私を好きだなんて言ってくれて。そ うだ、でも不思議よりも、その時は嬉しい、が大きかった。だから聞きそびれていた。 「…そんな事考えてやがったのかよ…くそ」
私の手からロ○トの剣を奪って、今度は私を叩く。痛くない。 「泣きそうな顔して笑いやがって…あーくそ、マジむかつくんですけど」 ?叩くのが、地味に痛くなって来る。そのくせ、抱き締める腕の力も強くなって来る。 「無理して笑ってると思ったのに、その顔が滅茶苦茶可愛くて、なのに、そんな顔させた くねーって思って、すっげー損した!!」 剣を後ろに頬り投げて、私の頭をぐちゃぐちゃに掻き回す。言っている事が、わからな いようで、微妙にわかる…うう、確かに、言われたこっちも恥ずかしい。早さんは両手で 私を抱いて、尚も投げ遣りに。 「…そんでよ、ずっとお前の顔頭から離れねーでやんの。もう2週間丸まる。あー、もう ダメだって思ったわ」 はぁあ、と、物凄い溜息。照れ隠しだ、今は。なんとなく、というかあからさまにわか る。早さんは物凄く恥ずかしがっているけど、私はそれがなんだか凄く嬉しい。嬉しくて、 私は今まで散々拒んでいた事を、何の気無しにしてしまう。 苦い顔をしている早さんに、私はキスをした。 「―――大好き。早さん、大好き」 ぎゅー、と、今度は私が早さんを抱き締める。けど、早さんはどーん、と、私を突き飛 ばした。おまけに、唇を思い切り拭う。ごっしごっしと。酷い。地味に酷い。 「うっせー!!お前帰れ!!」 早さんは、もう一度剣を持って、テレビに向かう。私は転がったまま、早さんの真っ赤 になった耳の後ろを見て、ほくそ笑む。 だいすき。 奇声を発しながら剣を振り回す早さんを見て、今までで多分、一番幸せだと感じた。 何故か、笑いが止まらなかった。 …早さんは、物凄い勢いでステージをクリアしている。 明日は筋肉痛だろうなあ、と、なんとなく思った。 終
802 :
377 :2007/07/21(土) 13:34:57 ID:uI6DT6ob
はい、こんな感じです。 エロい事をしなくてもエロくはなるだろうかと思いましたが、 正直18禁とそうでない物のラインがよくわからなくなって来ました。
わーい、新作キター なにこの萌えシチュ! 十分おな感的にエロいです。ハァハァ
804 :
名無しさん@ピンキー :2007/07/21(土) 21:18:09 ID:n7+GXxyz
>ロ○トの剣 ちょww伏せてないww
わーい新作ktkr しかし377氏の読んでる少女漫画はいつもきわどいと思うw でもGJGJ
もう495KBだね。
久しぶりの投下だぁ〜! 377さんの書くちょっと変わった感性を持つ女の子と 照れのベクトルが、ついプチ暴力へ向かってしまう 男性のカプがとても好きです。
809 :
◆O8ZJ72Luss :2007/07/26(木) 23:40:37 ID:j6BoGHvf
宜しければ投下させてください
810 :
◆O8ZJ72Luss :2007/07/26(木) 23:41:20 ID:j6BoGHvf
歳の離れた彼とは付き合って1年経った。 彼が「そろそろしない?」と声をかけてきた。 セックスの誘いだということは解る。 彼のことは大好きだし、断る理由は無かった。 「よろしく、おねがいします」 私は頭を下げた。 「……なんか、その…」 「黙ってて」 とんとん拍子で進んでいく。 彼は行為に夢中のようで私の目すら見てくれない。 私の服を脱がせる。その行為は乱雑とも丁寧ともつかない。 彼は優しく私の脇腹に手を這わせる。 行為を望んだのは私ではないけれど、やっぱり気持ちいいのだなぁと思う。 初めての経験だけれど知識は他の女の子と変わらない。 頭で理解しているから少しだけ余裕もある。 「…っ……ん、幸人さん…」 名前を呼べば相手は喜ぶんだろうなぁ、そうぼんやり頭で考える。 でも相手は相も変わらず行為に夢中。 そっと私のブラのホックを外すと胸に優しく触れた。 「……っ、あ…」
811 :
◆O8ZJ72Luss :2007/07/26(木) 23:42:59 ID:j6BoGHvf
揉まれながら、深い深いキスをされる。 よく解らないまま行為はどんどん進んでいってショーツの中に細くて長い相手の指が滑り込んできた。 驚いて声を上げたけれど、割れ目を指がなぞる度にそれは甘い喘ぎ声に変わった。 この手際の良さからして、きっと彼は慣れてるんだろう。私みたいな子供を相手にするのは初めてだろうけれど。 指の滑りが良くなってきている。ああ、きっと私、濡らしているんだ。 割れ目の間に指が入り込んできて、初めて水音がした。 入り口に人差し指の腹を当てられて、背筋がぞくっとした。 そのまま指に力がこもり、中に入ってくる。 「っひ! う…痛い…です」 「そう」 私の言葉なんか気にも留めず指はどんどん私の中に進入してくる。 もともとなかなかサドっ気があった彼のことだ。今の私を見て喜んでいるんだろう。 第二間接あたりが入ってきたところで指は動きを止めた。 「痛い…痛い……」 「力抜いて」 抜こうとしてもどうすればいいのか、力の抜き方が今に限って思い出せない。 身体が思い出してくれない。 彼は溜息をつくと指をくるくると中で円を描く様に回す。 時々中の壁に指先が当たる。そのたびに私は声を上げる。 「あっ、…う、んんっ…」 「気持ち良い?」 私は正直に首を横に振った。彼は微笑んでまた「そう」と言った。
812 :
◆O8ZJ72Luss :2007/07/26(木) 23:43:46 ID:j6BoGHvf
指がまた進入を始める。細くて長い指が、ゆっくりと動く。 内側を擦りあげられる。水音が一層大きくなる。 「ゆきひとさんっ! …そこ、駄目だよぉ…」 一点を集中的に擦られる。 そこだけ他の場所とは違う。少しだけ、敏感なような、言い表すことができない。 あぁ、そうだ。こういうの知ってる。ここを良くされ続けると「イク」んだ。 「莉柚」 「うう、んっ、あ、あっ、ああああ」 最終的にその声を聞いた時点で足がぴんとなって全身に変な感覚が走った。 荒い息を整えようと深呼吸する。なんだか、一気にとても疲れた。 「気持ちよかった?」 今度は首を縦に振る。かれはまた変わらず微笑んで「そう」と言った。 すると彼はベルトを外し始めた。 思わず目を逸らす。はっきり見てしまうと、入ってくる恐怖も痛みも増してしまいそうだから。 「ねぇ、入れるよ? いいね?」 「……やっぱりちょっと、待ってくれますか」 「嫌だよ。ほら、力抜いて」 最初から答えがそうなら訊いた意味なんか無いじゃないか、なんて反論する間も無く先端部分が宛がわれる。 息を呑んで目をぎゅっと瞑った。
813 :
◆O8ZJ72Luss :
2007/07/26(木) 23:44:28 ID:j6BoGHvf ゆっくり入ってくる彼。痛くて悲鳴を上げた。 「ちょっと、あ、止まって…痛い、痛いよぉっ」 「力抜いて、大丈夫だから」 あやすように頬にキスを落とされる。 目蓋や唇にも、触れるだけの優しいキス。 「やだやだやだっ、もう抜い…抜いて…っ抜いてください…っ!」 「大丈夫だから」 そう宥めるように言われると、なぜか自分がものすごく我儘を言っているような気がしてならなかった。 ぐっと口を噤み、やっと力を抜くことができた。 「良い子だね…莉柚」 頭を撫でられ、今度は深いキスをされる。 「んんっ……う…」 全部入ったのだろう。キスしたまま彼の腰は動き始めた。 痛みが下腹部を走る。 彼の胸板を力無く叩くが、彼にはそんなの効いてない。 やっと唇が離れると、頬を優しくなでられる。 「あっ、やっ……い、痛っ…ゆきひとさんっ…」 「可愛いよ、莉柚」 痛がるところを見て可愛いという彼はやっぱりそういう人で。 彼の性癖なのだからしょうがない。これよりも酷い人はいっぱい居るだろうけれど、私はきっとこれで限界だろう。 「……っ、ひ…う、くぅん」