処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第10話

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1名無しさん@初回限定
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節をもって進行していきましょう。
sage進行で。

「処女はお姉さまに恋してる」まとめサイト−「おとボク」SS作品リスト
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Q&Aテンプレは>>3-4
2名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 01:45:01 ID:be9ICXWB0
・前スレ
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第9話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1143304515/

・過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110659167/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第5話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111757700/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第6話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112791250/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第7話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115118638/
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第8話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1117971026/

・関連スレ
処女はお姉さまに恋してる 第45話
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1155569764/
キャラメルBOX Part28
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1151866823/
キャラメルBOX やるきばこ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1139827676/
3名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 01:45:32 ID:be9ICXWB0
Q&A その1

(;´Д`)<オリキャラ出したいんだけど……
(・∀・)<オリジナルキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合、受け入れられない
     事の方が多いようです。そんな作品の場合は投稿所の方が無難ですが、最終的な判断は作者さんに
     委ねられます。
     もし、これは大丈夫だ、と思ってスレに投下して、投稿した作品にケチをつけられたとしても、
     それはそれで一つの事実ですので素直に受け止めましょう。
     次の投稿時にその経験を活かしてください。

(;´Д`)<そんな固い事言ってたらオリキャラ使えないじゃん
(・∀・)<そんなことはありません。原作に登場してはいないものの、その世界に間違いなく存在しているキャラ
     (一般生徒・店員・通行人)等のいわゆるMobは、登場させても問題ありません。
     但し、それでもし投稿した作品にケチをつけられてとしても、それはそれで一つの事実ですので素直に
     受け止めましょう。次の投稿の時に(ry

(;´Д`)<原作キャラの性格を弄りたいんだけど、どの程度なら大丈夫なの?
(・∀・)<極端に変わっていなければ大丈夫です。が、だからといってスレに投稿してケチをつけられてとしても、
     それはそれで(ry
     例外的に、笑いを取りに行った場合には受け入れられる事もあるようです。
4名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 01:46:06 ID:be9ICXWB0
Q&A その2

(;´Д`)<瑞穂ちゃんがあまりにも可愛いので、おかま掘りたいんだけど……
(・∀・)<どうぞ掘ってください。但し、作品が出来上がったときはスレの方ではなく、投稿所へお願いします。
     逆に瑞穂ちゃんが掘っちゃった場合も投稿所を利用してください。

(;´Д`)<マリみてとか、極上生徒会なんかとクロスオーバーさせたいんだけど……
(・∀・)<クロスオーバー物は、混合物の元ネタを知らない人もいますので、投稿所の方へお願いします。

(;´Д`)<瑞穂ちゃんを襲った○○が許せません! お仕置きしてもいいですか?
(・∀・)<構いませんが、必要以上の暴力・陵辱・強姦・輪姦・監禁・調教・SM・スカトロ・グロ・強制妊娠・
     達磨プレイ・死姦・人体改造・触手・食人等、読み手を限定してしまうような表現がある場合は、
     投稿所の方へお願いします。
     また、直接的な表現が無くても鬱な展開になった時は受け入れられない場合もあります。

(;´Д`)<携帯だから投稿所使えないyo!使えるけど投稿所ヤダ!
(・∀・)<仕方ないので事前に1レス使って傾向報告、あぼーんできるようにコテ、ケチつけられても
     文句言うのはやめましょう。でも可能な限り投稿所利用してください。



(・∀・)<おとぼくの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿所へ、どうすればいいか分からないときは
     皆に聞いてみて下さい。
5名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 01:54:22 ID:be9ICXWB0
処女(おとめ)はお姉さま(ぼく)に恋してる SSの書庫
ttp://th2ss.hp.infoseek.co.jp/otoboku/

(処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)の跡です)
6名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 16:21:46 ID:UaanaDSP0
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1143304515/
に書き込めなくなっているのですよ〜
7名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 16:41:54 ID:LH+oYIPV0
>>6
容量オーバー
8名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 17:59:22 ID:zgKx7eOH0
むう、
>>795
ディーゼルエンジンならスピンドルオイルを添加すれば灯油でも動くよ
ってツッコミたかったのに
9795:2006/08/22(火) 18:51:26 ID:e3LWai7F0
そりゃ動くけどさ(^^;;
10名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 20:24:38 ID:be9ICXWB0
「ハンバーグの科学力は世界一ィィィッ!!!」と言って給油口にハンバーグの油を注ぐゆかりん
ハンバーグの油は車だって飛行機だって動かせるんです!

前スレ>>793
授業中…ww
100人分署名します
11名無しさん@初回限定:2006/08/22(火) 21:00:52 ID:zgKx7eOH0
ゆかりん「WWUではひまし油で戦闘機を飛ばしたそうです」
まりや「だから?」
ゆかりん「ハンバーグなら何だって動かせます!!」
12名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 16:39:28 ID:F6tjj4Gf0
あっち動かないな…って思ってたら、10スレ立ってたのねw
まとめで500K突破したっていうの見てなかったらずっと気付かなかったかもw
ってか書き込めなくなったら書き込めませんよニヤリッとかやればいいのに。

あ、あと>>1乙彼。


ゆかりんSSは…。
今書いてるギャグ終わったら考えてみる。
13名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 20:24:52 ID:Gpc0ZOCL0
14名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 20:47:09 ID:Vko5pTYt0
>>1 子ちゃん乙

ガソリンが高くてもハンバーグを入れれば走るよ!

                ⌒ヽ_
                 ⌒'´二ヽヽ
                 .〈(从从〉 リ
                  ('|l゚∀゚∩从 走るよ!
                   ヽ夭(/
                     〈i__ヽ>
                      ヽヽ_)


つーかリッター何キロよ?
15名無しさん@初回限定:2006/08/23(水) 21:53:44 ID:I1ZvlVY60
>>13 GJ
これは知らなかった
16Qoo:2006/08/25(金) 14:13:55 ID:7KiBenQ+0
何かゆかりんブームですね。
真夏日ではあまりゆかりんをプッシュしたつもりは無かったのですが(笑)

>>11>>14を見て書いてみました。
プチゆかりんネタです。
17Qoo:2006/08/25(金) 14:14:38 ID:7KiBenQ+0
 故郷

「へぇ。ここ由佳里の故郷なんだ」
「はい。帰ってくるの久々なんですけど」
「この前帰ったのはいつなのかしら」
「え〜っと…冬休みに1回帰ってからはまだ帰ってきてませんね」
「なら、久々の帰郷なのね」
「ちょっと喉渇いちゃった。コンビニ寄ってこ」
「はい」
「そうね」
「奏も少し喉が渇いたのですよ」

「あたしはこれかな」
「私はこれで」
「奏はこれなのですよ〜」
「私はこれがいいです」
「何か、食べ物のところがハンバーグばっかりなのは気のせい?」
「フツーじゃないですか?」
「パンもハンバーグを挟んでるのがいっぱいあるのですよ」
「でもハンバーガーではないのね」
「ポ、ポテト○ップスハンバーグ味があるのですよ…」
「どんな味がするのかしら」
「結構美味しそうだとは思うけど、全然見たこと無いね…」
「そういえば学院の近くでは売ってませんでしたね。この辺では結構メジャーですよ?」
18Qoo:2006/08/25(金) 14:15:25 ID:7KiBenQ+0

「1ゆかりん34百合根が1点」
「?」
「1ゆかりん34百合根が1点」
「??」
「合計3ゆかりん68百合根になります」
「…は?」
「ですから、3ゆかりん68百合根になります」
「???」
「あ、ここでは円は使えませんよ?」
「…はい?」
「そっか。皆両替がまだでしたね。とりあえずここは私が払いますね。えっとじゃあ、これで」
「はい。4ゆかりんの方、お預かりいたします。…32百合根のお返しになります。
ありがとうございました。またお越しくださいませ〜」
19Qoo:2006/08/25(金) 14:24:57 ID:7KiBenQ+0

「『何々の方お預かり致します』って、言い方変ですよね」
「いや、おかしいのはそこじゃない…」
「あの…由佳里ちゃん。ゆかりんって何なのですか?」
「小さいハンバーグと小さい百合根みたいなものでお金を支払ってたみたいだけれど…」
「あれ、知らないんですか?ここの通貨ですよ」
「つっ、通貨!?」
「はい。1ゆかりんが日本円にして…大体160円くらいですね」
「ドルより高いのね…」
「この自動販売機、ジュース1本60百合根、500ペット1ゆかりん…」
「大体日本と貨幣価値は同じみたいなのですよ」
「さっき乗ってきたバスでは円で支払えたはずなのに…」
「あのバスは日本と繋がってますから、どっちのお金でも使えるんです」
「日本と繋がってるって、ここ日本じゃないの?」
「え、違いますよ?」
「えっ、ええぇぇぇ〜〜〜〜〜〜!!?」
「だって、パスポートも要らなかったのですよ!?」
「ここは日本と友好関係が凄くいいから、パスポートなんて要らないの。共通語も日本語だし」
「ゆ、由佳里ちゃん、外人さんだったのですか…?」
「えへへ。実はね」
「予想外な事実発覚ね…」
「予想外っていうか…。由佳里って、何者…?」

     - 完(笑)-
20名無しさん@初回限定:2006/08/25(金) 14:53:43 ID:lKPQsU39P
仕事の休憩中、危なく声たてて笑うとこだった
ところで合計が2ゆかりんじゃなくて3ゆかりんなのも
ゆかりん星(違)では普通なのかしら?
21Qoo:2006/08/25(金) 15:40:56 ID:fSQJdFWq0
あ、すみません、ミスです(死)
あれ〜、計算の所はチェックしたはずなのになぁ…。
適当に作ったので多めに見てください (_ _;;)

コンビニのジュースの値段が高すぎるとかいうのも無しで(笑)
みんなヘルシアか黒烏龍でも飲んでると思ってください(笑)
22451 ◆GtN0Plfghk :2006/08/26(土) 01:45:14 ID:IlMGEand0
『 姉妹の微笑み その1 』

夕食も済んで、部屋でくつろぐ瑞穂ちゃん。そこへ控えめなノックの音が響きます。
「奏です…お姉さま、よろしいですか?」
「奏ちゃん?どうぞ」
「失礼します、お茶をお持ちしたのですよ〜」
「ありがとう奏ちゃん。一緒にお茶しましょうか?」
「はい!すぐにご用意いたしますのですよ〜!」

馴れた手つきで二人分のお茶が用意されていきます。が、今日はちょっと奏ちゃんの様子が違います。
「〜♪〜〜♪」
「あら?奏ちゃん、珍しいわね。鼻歌なんか歌ったりして」
「はややっ!お姉さま、聞こえていらしたのですか?!は、恥ずかしいのですよ〜」
「それより、何か良いことが…あっ!奏ちゃんおめでとう!明日はお誕生日ね?」
「覚えていて下さったのですね、お姉さま!奏、感激なのですよ〜!」
「苺のケーキは当然として…お祝いは何が良いかしら?」
「そんな!お姉さまに『おめでとう』と言って頂けるだけで十分なのですよ〜!」
「それで済ませるわけにはいかないわ。いつもお世話してもらっているし」
「奏はそんなにお役に立っていないのです…奏がお姉さまのお世話になっているのですよ〜」
「とにかく、年に一度のお祝いの日なんだから。遠慮しないで?」
しばらく考え込んでいた奏ちゃんですが、やがて
「それならお姉さま、明日はお姉さまと二人でお出かけしたいのですよ〜!」
「えっ、そんなので良いの?何だか『肩叩き券』みたいね」
「あう…そう言われるとちょっと弱いのですよ…」
「うふふ、ごめんなさいね。じゃあ、明日は奏ちゃんと二人っきりのデートね」
「お、お姉さま…今日は少し意地悪なのですよ〜」

照れ笑いを浮かべつつ、悪い気はしない奏ちゃんです。

―続く―
23451 ◆GtN0Plfghk :2006/08/26(土) 01:47:45 ID:IlMGEand0
『 姉妹の微笑み その2 』

翌朝、いつもの面々がテーブルを囲んでいます。
「んなにぃーっ!瑞穂ちゃんと奏ちゃんがでぇーとぉー?!」
「ま、まりや…そんなに吼えなくても…誕生日のお祝いなんだからいいじゃない」
(瑞穂ちゃん、うっかり道を踏み外したら…わかってるわね?)
(まりやっ!それは考え過ぎっ!)
「奏ちゃん、いいなぁ〜。わたしはそんなことしてもらった覚えは…うぁっ?!」
まりやの強烈な視線に見据えられ、慌てる由佳里ちゃん。
「おやあ〜由佳里ちゃ〜ん、何がご所望かな〜?お姉さまに言ってご・ら・ん」
「い、いえっ!何でもありません!か、奏ちゃん、お姉さまにうんとお祝いしてもらってきてね」
「ありがとうございますなのですよ〜!ではお姉さま、時間になったらお呼びしますのですよ〜」
「奏ちゃんは自分の部屋で待っていれば良いよ。瑞穂ちゃんが迎えに行くって」
「まりや…何か狙ってる?」
「うんにゃ、なーんにも」
「はややっ!お姉さまにそんなことをしていただくわけにはっ!」
「遠慮しなくてもいいのよ奏ちゃん。今日はわたしのお世話係じゃなくて、甘える妹で。ね?」
「お姉さま…何だか申し訳ないのですが…では、お言葉に甘えますのですよ〜」
「あ〜あ、アツアツのらぶらぶだわこりゃ…んじゃ、あたしもゆかりんと姉妹の語らいの時間ということで…」
「げふっ!ま、まりやお姉さまっ?!わわわたしのことならお構いなくっ!す、すみません失礼しますっ!」
「あっ、逃げるかっ!待て〜っ!いとしのゆ〜か〜り〜ん!!」
「ぃゃぁぁぁ〜っ………」
「はぁ…あの二人は元気ね…奏ちゃん、わたしたちも出かける準備をしましょうか?」
「はいなのですよー!」

「奏ちゃん、用意できた?」瑞穂ちゃんが奏ちゃんの部屋のドアをノックします。
(いつもと逆だね…ちょっと新鮮な気分かな?)
「お姉さま!お待たせしましたのですよ〜!」

夏の名残りの強い日差しを浴びて、二つの影が寄り添います…

―続く―
24451 ◆GtN0Plfghk :2006/08/26(土) 01:50:26 ID:IlMGEand0
『 姉妹の微笑み その3 』

商店街まで出て来た瑞穂ちゃんと奏ちゃん、とあるブティックの店頭です。
「奏ちゃん、服とかアクセサリーとか、良い物は見つかった?」
「奏は…今は特に欲しい物は無いのですよ」
「それなら無理には勧めないけど…奏ちゃんならこっちの可愛い系で攻めたらどうかしら?」
「あう…これはちょっと子供っぽいのですよ…」
「う〜ん、これならぎゅ〜っとしたくなるんだけど…まぁいいわ、服は次回にしましょう」
「…ぎゅ〜っとしたいのなら奏はいつでも…」
「え?どうかしたの、奏ちゃん?」
「ああっ!何でもないのですよお姉さま!」
「じゃあ、次の場所に行きましょうか」

あれこれ見て回ったものの、贈り物が未だに決まらない瑞穂ちゃん。
とりあえずケーキハウスで苺ケーキを、ということになったようです。
「奏ちゃん、どう?美味しい?」
「とっても美味しいのです!これなら3個はいけるのですよー!」
「そう…良かったわ。じゃあ追加オーダーするわね」
「でもお姉さま、お祝いはもう十分なのです…あまり無理なさらないで欲しいのですよ…」
「ありがとう、奏ちゃん。でも、せっかく二人で出かけて来たんだし、思い出に残る誕生日にしたいから」
「別に形の残る物が無くても…奏はそのお気持ちだけで満足なのですよ〜」
(形の無い贈り物…か、よーしそれなら!)
「ねえ、奏ちゃん、ちょっと遊園地まで行ってみない?」
「えっ?遊園地なのですか?今からだと帰りが遅くなってしまうのですよ〜」
「考えてみれば映画館とか遊園地って、デートコースの定番じゃない?」
「はやや〜っ!改まってデートなんて言われると…恥ずかしいのですよ…」
「うふっ、照れちゃって…奏ちゃん、可愛い♪」
「お、お姉さま〜!」

商店街を抜けて、二人は一路遊園地を目指します。

―続く―
25451 ◆GtN0Plfghk :2006/08/26(土) 01:52:25 ID:IlMGEand0
『 姉妹の微笑み その4 』

遊園地を一通り回った頃、西の空はすっかり茜色に染まっています。
「もう遅いからこれが最後ね。奏ちゃん、どれにする?」
「最後はゆっくりの物がいいのですよ〜」
「じゃあ観覧車がいいわね。行きましょうか」

ドアが閉じられ、ゴンドラがゆっくり上昇していきます。
「わあ…地面がどんどん離れていくのですよ…」
「本当、空が近くなってくるわね」
「お姉さま…こうして見ていると、人って本当に小さいんだなって思うのですよ…」
遠くの町並みが視界に入ってきた時、奏ちゃんがつぶやきます。
「奏ちゃん…?」
「こんなに広くて大きな世界で、小さな人と人とが出会いと別れを繰り返して…」
じっと窓の外を見つめる奏ちゃん。その肩が少し震えています。
「泣いたり悲しんだり、悩んだり…でも…奏はちっとも辛くないのですよ…
お姉さま…奏は…奏は…お姉さまと出会うことができて本当に幸せなのですよ〜!」
「…奏ちゃん、わたしで良ければずっとそばにいてあげるから…ね?」
泣きじゃくる奏ちゃんの体を、瑞穂ちゃんの腕が優しく包みます…

遊園地を出てベンチで膝枕の瑞穂ちゃん。一日歩いた疲れが出たのか、奏ちゃんはぐっすりです。
(こんなに小さな体で…奏ちゃんは今までずっと頑張ってきたんだね…)
穏やかな寝息をたてる奏ちゃんの髪にそっと手を添えて囁きます。
「これからは僕が奏ちゃんを支えなくちゃね…奏ちゃんには笑っていて欲しいから…」
「んん…あ、お姉さま…はややっ!もう真っ暗なのですよー!奏、眠っていたのですか?!」
「目が覚めた?奏ちゃん。そろそろ帰らないとみんな心配しているわ。歩けるかしら?」
「はいなのです!あの…お姉さま…今日はありがとうございますなのですよ…」
「どういたしまして。はい、奏ちゃん」
「あはっ、お姉さま〜!」
瑞穂ちゃんが差し出した手に奏ちゃんの小さな手が重なり、お互いのぬくもりが伝わります。

そこには、弾けるような奏ちゃんの笑顔がありました。     ―完―
26451 ◆GtN0Plfghk :2006/08/26(土) 01:55:51 ID:IlMGEand0
奏ちゃん聖誕祭おめ〜、ということで急いで書き上げました。
逃亡したゆかりん&追うまりやをどうしよう…
27名無しさん@初回限定:2006/08/26(土) 02:24:55 ID:/wx6ei1Y0
>>26
放置で(笑)
28名無しさん@初回限定:2006/08/26(土) 02:29:24 ID:AdNAH7SJ0
>>22-26
実に奏ちゃんらしいデート風景ですね。GJ !
29名無しさん@初回限定:2006/08/26(土) 18:28:35 ID:/wx6ei1Y0
忘れてた。
GJ!
30名無しさん@初回限定:2006/08/26(土) 20:04:04 ID:sBjAsijN0
GJ (´д`)b

奏ちゃん、誕生日おめでとう。
31名無しさん@初回限定:2006/08/26(土) 22:12:25 ID:2osop7XO0
>>22-26
GJ&奏ちゃんお誕生日おめでと〜
32test:2006/08/28(月) 00:37:01 ID:HoOy03AG0
ゆかり+新属性でアニメ前に何か書いとくかな……
33名無しさん@初回限定:2006/08/30(水) 19:38:26 ID:WdJ0GV540
今更だが
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1119874252/506-530
の続きが見たい俺

6ヶ月後くらいに肉奴隷と化した瑞穂ちゃんを発見、そして再会…
34名無しさん@初回限定:2006/08/31(木) 16:09:49 ID:VYnfsyS60
静かだな。

誰かここで盛り上げるネタうp汁。
35名無しさん@初回限定:2006/09/01(金) 11:22:21 ID:xUiNjdLq0
夏休み最終日ネタってのもありっだたなぁ…

まりや&由佳里「へい!宿題見せやがれ!」
瑞穂&奏「駄目です」
36名無しさん@初回限定:2006/09/02(土) 01:05:11 ID:bs1oBZar0
まりや&由佳里
「今日は登校日・・・ 今日は登校日・・・」
37名無しさん@初回限定:2006/09/02(土) 03:03:41 ID:ZIsmDvq/0
いきなり登校拒否のまりやとゆかりん
38名無しさん@初回限定:2006/09/03(日) 12:36:18 ID:w09Srbz30
バーグの自由研究
39名無しさん@初回限定:2006/09/03(日) 19:53:46 ID:XsDrUo3A0
なんか瑞穂ちゃんに叱咤激励されて課題にとりくむまりや&由佳里。夜食には奏ちゃんがお茶とお菓子を用意している、というのを想像してしまうw
40名無しさん@初回限定:2006/09/03(日) 22:47:29 ID:rBV/jfQH0
むしろ

まりや「宿題?何それ」
41名無しさん@初回限定:2006/09/04(月) 23:41:57 ID:io4bOPOB0
('A`) 宿題…宿題…

('A`) …ハンバーグ

(゚∀゚) ハンバーグ!?

(゚∀゚) …

('A`) …宿題…宿題
42名無しさん@初回限定:2006/09/04(月) 23:53:11 ID:VIwjufyU0
あなた達・・・ハンバーグ以外に言う事はないのですか!?
43名無しさん@初回限定:2006/09/05(火) 00:25:17 ID:+HxDDIxA0
('A`) ・・・・・・・


(゚Д゚) ロコモコ!
44名無しさん@初回限定:2006/09/05(火) 20:47:12 ID:B4bvUncK0
(゚∀゚) (ハンバーグを)ゆっせんーにかっけて〜
45名無しさん@初回限定:2006/09/05(火) 21:00:05 ID:4G08q0A/0
肉から離れろw
46名無しさん@初回限定:2006/09/05(火) 21:30:21 ID:FqeKiqTc0
芸能人1ヶ月ハンバーグ生活

「お姉さま私の自由研究はこれにします!」
「ゆっ由佳里ちゃん?夏休みはもう終わったのよ…」
「由佳里ちゃんが現実逃避してしまったのですよ〜」
「自由研究って小学生じゃないんだから…ほら由佳里、早く夏休みの宿題やっちゃいなさい」
47名無しさん@初回限定:2006/09/05(火) 22:35:57 ID:B4bvUncK0
貴子「……お姉さまは、私が血も涙もない女だと、お思いなのでしょうね……」
瑞穂「(……貴子さんは、僕のことを女だと、思ってるんだよなぁ……)」
48test:2006/09/05(火) 23:35:57 ID:BzgLc/ik0
 『第七十二代エルダーシスターの瑞穂お姉さま』
 『頼もしくてちょっと意地悪まりやお姉さま』
 『幽霊少女の一子ちゃん』
 『小学生みたいな奨学生の奏ちゃん』
 『狼少女の由佳里ちゃん』たち5人の乙女
 男の人は近寄れない聖應女学院高等部の寮に住むことになって3
ヶ月
 不慣れな生活のせいで、瑞穂お姉さまが職員室で恥ずかしそうに
生理と言って笑われちゃったり、まりやお姉さまが朝早くから暴れ
ちゃったり、一子ちゃんが昇天しちゃいそうになっちゃったり、奏
ちゃんが何も無いところで転んじゃったり、由佳里ちゃんが学校の
トイレで一人エッチをしちゃったりと、ドタバタ大変だったのが前
回までのお話
 さて、今回のお話は...?

紅い耳(パイロット版) 焼肉の旋律

ということを書こうかと思っていたので、肉から離れろといわれるとどうしよう?
49名無しさん@初回限定:2006/09/06(水) 17:52:44 ID:txtQX/gU0
>48 testお姉さま、書いたほうがよろしいかと思いますわ。
50451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 19:54:20 ID:n2CiEuXX0
まりや×ゆかりんルートを書いてみたんですが…投下しますか?
51名無しさん@初回限定:2006/09/08(金) 20:36:10 ID:vIlVV2Sf0
人に聞いてないで落としちゃえばいいじゃん。
書き込みに本気で文句言うヤツは居ないよ。書き込む人自体少ないしね。

SS落とす人は神みたいな感じだし、やったもん勝ちでしょ。
52451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 20:53:40 ID:n2CiEuXX0
『 姉妹の語らい? その1 』

「…はぁ…はぁ…はぁ〜」
ダッシュでまりやの魔手を逃れ、後ろ手に閉めたドアにもたれかかる由佳里ちゃん。
「もぉ〜、まりやお姉さまったら…いきなり何を言い出すかと思えば…」
弾む息を整え、椅子に腰掛けようとした時です。
「ムダな抵抗を止めておとなしくで出て来なさーいっ!」
「うわぁっ!ま、まりやお姉さま?!」
「実家のお父さん、お母さんも泣いているぞぉ〜っ!!」
「また…何の話ですかぁ…」
「今ならまだ間に合うっ!これ以上、罪を重ねるんじゃないっ!」
「わたしは立てこもりの犯人じゃないです…」
思わず脱力してしまう由佳里ちゃんです。

「要求があるなら聞くぞ〜!」
「まりやお姉さま…もう勘弁して下さいよぉ〜」
ドアを細目に開けたその一瞬、まりやのつま先がドアの隙間にねじ込まれます。
「おっと!奥さん、話だけでも聞いて下さいよー!絶対損はさせません!」
「わわっ!今度は悪質・強引な訪問販売?!」
「なーんてね。由佳里、ちょっとお邪魔していい?」
「ホントにご用がおありなんですか?だったら最初からそう言えば…」
「いいじゃない、あんたもちょっとは楽しめたでしょ?」
「良くないですよ〜、走り回って汗だくになったじゃないですか〜」
「ごめんごめん。ついでと言っちゃなんだけど、アイスティーお願いできる?」
「もう…しょうがないなぁ、ちょっと待ってて下さいね」
「うんうん、由佳里はあたしにゃ過ぎた妹だよ〜。んもぉ〜かわいいっ♪」
「…おだててもアイスティーの他には何も出ませんよ?」
「…ちっ。ゆかりんのいけず」
心底残念そうなまりやを部屋に残して、由佳里ちゃんは厨房に向かいます。

―続く―
53451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 20:55:46 ID:n2CiEuXX0
『 姉妹の語らい? その2 』

「まりやお姉さま、お待たせしましたー」
「おぉ、さんきゅー!今ドア開けるよー」
まりやに招き入れられ、お盆を持った由佳里ちゃんが部屋に戻ってきます。
「悪いねー。今日の由佳里は天使に見えるよ。うりうり〜♪」
「ま、まりやお姉さま!ちょっとやめて下さい!お茶がこぼれますー!!」
「そんなヤボなこと言わないでよーゆかり〜ん。恨むならかわいい自分を恨むんだねー。ぐりぐり〜♪」
「だ、だめですよー!先にお茶を置きますから!ちょっと待って下さい〜!!」
「んっふっふっ…語るに落ちたな由佳里クン」
「え?な、何がですか?」
「お茶さえ置いてしまえば後は何でもありってことだね〜?いざ往かん、ぱらだいす〜♪」
「そ、そんなことは言ってませーん!!」

「まずはわきの下をつーっと」
「くっ、くすぐったいです〜ひゃははは!」
「ほぉ、くすっぐたいは『感じる』の一歩手前だよ?この先耐えられるのかな〜?」
「た、耐えられないと…どうなるんですか?」
「それは自分で確かめないと。次は、発展途上のこの胸などを…」
「お、お姉さま、あっ…い、いやです、こんなの…」
「声に艶が出てきたね、眼もうるうるだし。じゃあもう少し下に下がって…」
「あっ!だ、だめです!ス、スカートに手なんか入れちゃ!!」
「仔鹿のようなきれいな足だね…手で触ってるだけじゃもったいないよ…ちゅっ」
「んはぁっ!!」
「おやぁ?足が開いてきたよ…体は正直だね〜」
「お…お姉さま、お願いですから…もうこれ以上はやめてください」
「泣きそうな顔もグッとくるねぇ。そんじゃ大事な処に迫ってみようかなっと…」
「い、いじめないで下さいお姉さまぁ…あっ…いやぁ…んんっ」      
「いやよいやよも良いのうちってね…ショーツ、湿ってきたよ」
「はぁ…ううんっ…ゆ、許して…ください…ああっ」

―続く―
54451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 20:58:27 ID:n2CiEuXX0
『 姉妹の語らい? その3 』

「全部脱いじゃおうか…」
僅かな衣擦れの音とともに、上着が、ブラウスが、そして下着も床に落ちていきます。
うつろな眼差し、荒い呼吸に合わせて上下する胸、由佳里ちゃんに抵抗する力はありません。
「由佳里…きれいだね」
「まりや…お姉さま…」
「キスしたいけど…それは由佳里の大事な人のために取っておくよ…んっ」
由佳里ちゃんの乳首を軽くくわえて舌先で転がします。
「んああっ!」
力無くかぶりを振る由佳里ちゃん、まりやの手は下半身へ。
「下のお口…洪水だよ、すごいね…」
まりやの指が秘裂に沿ってゆっくり上下します。
「あっ…くはぁっ…お姉さま…ヘンになりそう…ああっ!」
「ここも…ツンとしてるね」
「うあぅっ!」
一番敏感な所に触れた途端、由佳里ちゃんの体がベッドの上で跳ねます。
「そろそろ限界かな…これだけでイッちゃいそうだね…」
まりやの指が、剥き出しの肉芽を摘んだ瞬間、
「お姉さまぁっ!!ああっ!あっあああぁぁぁ………」
ひときわ大きく仰け反り、四肢を痙攣させて由佳里ちゃんは果ててしまいました。

「…まりやお姉さま、意地悪です。いきなりあんな事するなんて…もう知りません!」
服を着た後もご機嫌斜めな由佳里ちゃんです。
「まーたまたぁ。結構盛り上がってたよ?それと、拗ねた顔もそそるねぇ〜♪もう一本行っとく?」
「イ・ヤ・で・す!」
「ちぇっ、つれないゆかりん…じゃあさ、お詫びにこれ預けとくから。良かったら使ってみて」
「?何ですか、これ」
「ん〜まぁ、使用上の注意をよく読んで、使い過ぎには注意してね。それじゃ、ごちそうさま♪」

「こ、これは…」まりやが残していった物を見た由佳里ちゃんの目が、好奇の光に満ちています…
―続く―
55451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 21:06:50 ID:n2CiEuXX0
『 姉妹の語らい? エピローグ 』

…昨夜、わたしはベッドの上で一晩中喘いでいた。
まりやお姉さまから預かった、小刻みに震える魔性の玩具。
そして、今わたしはそれを身につけて教室にいる。

…周りのみんなは、誰一人そんなことに気付くはずはない。
ポケットには、ルージュほどの大きさのスイッチ。
ひとたびこれをONにすれば、そこに待っているのは身の破滅か、背徳の悦びか。
入り混じる期待と不安。焼け付くように喉がひりひり乾き、掌に自然と汗が滲む。

教科担任は黒板に板書し、生徒たちはそれをノートに書き写している。
(…やるなら今よ…由佳里)滑りそうな指先に力を込めて、スイッチを動かす。
「あっ…ん…」最初は円運動のようだ。ゆっくりと、うねるように、ショーツの中でそれが蠢く。
「はぁ…んふぅ…」体の火照りが高まり、容赦なく押し寄せる歓喜の波に身を委ねる。
舐めるような動きから、更なる刺激を求めてコントローラーに手を伸ばす。

もう退路は無い。ポケットの中、手探りでモードを切り替える。
「くぅっ!」昨夜、わたしを忘我の境地へ誘った、抗いがたい刺すような微振動だ。
「はぁっ!んんっ!」一番敏感な肉芽にモロに響く。これは声を出すなと言う方が無理だ。
ショーツはしっとりと濡れそぼり、内股にまで熱い愛液が流れる感覚が伝わる。
「うっ…ううっ…あはぁっ!」まずい、このままでは誰かに見られる。止めなくては!
だが、気持ちとは裏腹に指先は止める動作に移らない。貪欲に、快楽を貪るわたし。
「くはぁっ!あっ!んあっ!」机に突っ伏してしまいそうになる衝動を必死に抑える。
「も…もう止めよう…これ以上は…」スイッチをOFFにした…つもりだった。
「んぐうっ?!」強烈な刺激が下腹部から全身を駆け巡る。MAXモードだ。
(だっ…誰か…止めてぇ…い、イッちゃうよぉ…)にじり寄る、体が放り出されるような浮揚感。
「あっ…ああっ!んんっ!い、いやあぁ…あああ〜っ!いく、イッちゃう〜〜っ!」
「起立!礼!」目の前が真っ白になる直前の記憶は、机や椅子が床と擦れ合う音と、教室のざわめき。

気が付いた時には、朦朧として足腰が立たなくなった自分がいた…。     ―完―
56451 ◆GtN0Plfghk :2006/09/08(金) 21:12:18 ID:n2CiEuXX0
逃走したゆかりんとまりやのその後です。
4章目は、前スレでリクエストがあったゆかりん一人えっちです。

エロ下手です…すみません。
57名無しさん@初回限定:2006/09/08(金) 21:22:57 ID:uRTMqolX0
エロの君降臨〜♪
教室でそんな風にさけんだのか。すごいな、ゆかりん
58Qoo:2006/09/09(土) 14:16:03 ID:jyhu/NbZ0
Qooです。
コメディを書いていたのですが桁外れに長くなりそうなので、
暇潰しにエロを書いてみました。
でも451さんに先を越されてしまいました(笑)

いまいちタイトルが決まらないので、誰かいいタイトル下さい。(_ _;;)
現在のところ、「ゆかりんのひとりえっち(仮)」です。
内容はタイトルのまんまです。どうか宜しくお願いします。m(_ _;;)m
   「「
    「
59名無しさん@初回限定:2006/09/09(土) 15:49:05 ID:06xJ0A/w0
手淫の君…直球杉か?
60Qoo:2006/09/09(土) 17:52:16 ID:jyhu/NbZ0
ご意見ありがとうございます。
言い忘れてました。 ローターものです(笑)
61名無しさん@初回限定:2006/09/09(土) 18:02:24 ID:cragBluh0
>>60
じゃあ適当に。
「私をいっぱいこねまわして!」
……プッ(w
62Qoo:2006/09/09(土) 20:05:16 ID:jyhu/NbZ0
 - ゆかりんのひとりでできるもん! -


  かちん
 個室のドアを閉めて鍵をかけると、一番上の蓋を開けて腰掛けました。
由佳里「はぁ…」
 息を吐き、ぼぅっ、目の前の真っ白な扉をと見詰めます。
 トイレの中には2人ほど人が居ました。個室も1つ閉まっていました。
 もし今から自分がしようとしていることがその人たちに知れてしまったら…。
 そう思うと色々な意味で凄くドキドキします。
 止めてと叫ぶ声と、やってみようと囁く声が頭の中に響きます。
 私は決意すると目を瞑り、スカートの右ポケットの中へと手を伸ばしました。
 少しずつ鼓動が早くなっていき、ポケットの柔らかい生地の中に硬い感触の存在を確認した瞬間、
  どくんっ
 と心臓が跳ね上がりました。
 それが合図だったかのように、とくっとくっとくっ…、と心臓が早鐘を衝き鳴らし始めます。
63Qoo:2006/09/09(土) 20:06:29 ID:jyhu/NbZ0

 硬くて小さく、丸いその物体。
 "それ"の用途を頭に思い浮かべた途端、身体の奥底がきゅうっ、と熱くなりました。
 私はそれを恐る恐る取り出し、膝の上に乗せます。
 私の膝の上に可愛らしく転がった"それ"は、いわゆる「ローター」と呼ばれるものです。
 全身が真っ白で、大きさは消しゴムより少し小さいくらい。
 これはまりやお姉さまから貰ったものではなく、ある雑誌に応募して当たったものでした。
 まりやお姉さまから貰った雑誌。それを何の気なしに捲っていると、あるページに目を奪われました。
 そのページには大人のおもちゃがいくつか載っていて、色々と解説が書いてありました。
 最初にそのページ見たときは凄く興奮しました。色んな形をした、その…色々なものがあって。
 そしてそこページの角に、紹介されているローターの内の1つを4名様にプレゼントって書いてあったんです。
 私は色々と凄く悩んだ後、付録のはがきに書いて送ったのです。
 そして見事に当選したのですが…。
 これが届いたとき、最初にそれを手にしたのはまりやお姉さまでした。
まりや「何コレ」
 まりやお姉さまが箱を調べていました。
 私は何をしているんだろうと思い、声を掛けました。
由佳里「何してるんですか?まりやお姉さま」
まりや「ああ由佳里。これあんたにだって」
 はい、と箱を渡されました。
64Qoo:2006/09/09(土) 20:07:34 ID:jyhu/NbZ0

由佳里「ありがとうございます」
 そのときは、応募したことをすっかり忘れていました。
 "こういうもの"なんですから、当然プレゼントの当選したということは賞品の着送を持って判明するわけで…。
まりや「何が入ってるの?」
由佳里「何でしょう…」
 何が入ってるんだろうと思い、郵送元や品名を確認したところではっ、と中身に気が付きました。
由佳里「じ、自分の部屋で空けますね!」
まりや「あっ、こら、見せるくらいいいじゃない!」
 私は慌ててそれを自分の部屋へ向かって走り出しました。
 これは見せられないものなんです!
 部屋へ逃げる途中、後ろで文句を言うまりやお姉さまに、心の中でごめんなさいと謝りました。
 でももしまりやお姉さまが中身を確認していたら、私がその場に居なかったら、と考えると背筋が凍りつきます。

 このローターはローター部分がコントロール部分と完全に独立していて、
 遠隔操作でオンオフ強弱をコントロールすることが出来ます。
65Qoo:2006/09/09(土) 20:09:23 ID:jyhu/NbZ0

由佳里「はぁ…」
 息を吐き、一度ローターを左のポケットに直すと、スカートを少しずつ捲り上げました。
 膝が、太ももがと見えてくるごとにドキドキが増してきます。
 ショーツが見えるまで捲ると、ショーツを膝より少し下の辺りまで下げました。
 足を開けているのでそれと共にショーツも拡げられ、
 少し濡れて色が濃くなっている部分が目に入って、凄く恥ずかしい気持ちになりました。
 ごくっ、と息を飲むと、あそこにゆっくりと手を伸ばしました。
 指がそこに触れると、ぬらっ、とした感触が指にまとわり付きました。
 濡れてる…。
 ショーツを見たときから分かってたことでしたけど、もっと恥ずかしくなりました。
 でも、その恥ずかしさが段々とぞくぞくするような、快感…なのかな…、に変わっていきます。
 右手の指で軽く入り口付近をいじります。
 まだまだ、気持ちいいというよりは何だかむずむずする感じです。
 思い切ってクリトリスに触れてみようと思い、指に愛液をまぶし、クリトリスへと手を動かしました。
 目的の場所に指が触れると、ぴくっ、と身体は震えました。
 けど…それでもまだ微妙な感じ。
 表皮の上からクリトリスを軽く撫でてみます。
由佳里「んっ…」
 …確かに気持ちいいんだけど、足りない。
66Qoo:2006/09/09(土) 20:10:58 ID:jyhu/NbZ0

 試してみようかな…。
 そう思ったら、ごくっ、と勝手に喉が鳴りました。
 震える左手でポケットのローターを掴むと右手に持ち替え、あそこへと近づけていきます。
 冷たく無機的なそれがあそこへと触れた瞬間、びくっ、と身体が痙攣しました。
 それと同時にあそこの奥の辺りが急に熱くなり、じゅわ…、とあそこから愛液が染み出てきます。 
 無機質な、エッチ以外の何物でもない目的のためだけに作られた小さな塊。
 それを正にエッチなことをする為に使おうとしていると考えるだけで、何故か凄く興奮してしまいます。
 何だかローターに"何て君はイヤラシイんだ"って言われてる気がしました。
 くっ付けただけでこれだけ気持ちいいんだ…。
 これで動かしたらどれだけ…。
由佳里「やっ…!」
 自分の考えに思わず照れてしまいます。
 気持ちよくなるために学校でこんなことしてるのに…。
 でも…もう心の中では次にやることは決まっています。
 私はスカートの左のポケットに手を入れ、ローターのコントローラーを握りました。
 オンオフや強弱のコントロールもシンプルなコントローラーです。
 操作は見なくても出来ます。
 …っていうか、コントローラーを見るのが何か凄く居た堪れない感じがしました。
67Qoo:2006/09/09(土) 20:12:22 ID:jyhu/NbZ0

 ポケットの中に入れた左手で、オンオフのスイッチに触れます。
 これをオンに入れたら、ローターが震えだします。
 ただそれだけのことなのに、凄くドキドキしました。
 何度もごくっ、と唾液を飲み込みます。
 よし…。
 私は覚悟を決めると、ローターをクリトリスへと密着させました。
 そして、強さを弱と中の中間くらいに設定すると、ローターの電源をオンに入れました。
 次の瞬間、クリトリスから全身へ、びりびりっ!、と震えが走り抜けました。
 クリトリスを、軽い力だけど高速で色々な方向へ出鱈目に何度も叩かれて、余りの気持ち良さに、
由佳里「んぁっ!」
 小声ながら、思わず声が出てしまいました。
 ぴくっ、ぴくっ、と数回身体が痙攣し、それと共にローターから手が離れてしまいました。
 私はたった1回、それもローターが動き出してから3秒と経たない内に軽く達してしまっていました。
68Qoo:2006/09/09(土) 20:13:51 ID:jyhu/NbZ0

 イってしまってから数秒間ぼーっ、とした後、"はっ"と我に返ると、手元にローターが無いことに気付きました。
 慌てて探しましたが、ローターはずり下ろしたショーツの上で暴れていました。
 私はそれを引っ掴んでぎゅっ、と握ると、電源をオフにしました。
由佳里「……はぁ〜…」
 思わず溜息が出ます。
 床に落ちてたら多分凄い音が鳴ってしまってたと思います。
 それと、少し声が出てしまったので誰かにバレてしまってはいないかと思いましたが、
 横の個室で水の音が流れていることに気が付きました。
 音はトイレ備え付けの偽の音を流す機械で、結構音が大きいので、多分大丈夫です。
 ほっとした私は手を拡げて、手の平の濡れたローターを見詰めました。
 個室の中で一人で変なコトして、一人で気持ち良くなって、一人で一人で焦って、一人でホッとして。
 自分自身のことながら、呆れてしまいました。
 でも、イっちゃったんだよね、私…。
 さっきの自分を思い返し、かぁ〜っ、と顔が熱くなりました。
 学校で、勉強する為に来る場所で、エッチな道具使って、イっちゃったんだ。
 そう認識する度に、自分が物凄くイヤらしい子なんだという気がしてきます。
 びっくりして気分は吹き飛んじゃったけど、でも、さっきのはもの凄く気持ちが良くって。
 もう1回やってみようかな…、そう思わせるには十分な快感でした。
 少し気分は醒めてしまってはいたものの、さっきの気持ち良さを思い出すと、やっぱり身体が熱くなってきます。
 私はイヤらしい子なんだ。
 そう開き直ると、もう1回くらいいいよね、と簡単に思えました。
69Qoo:2006/09/09(土) 20:16:20 ID:jyhu/NbZ0

 でも、クリトリスはさっきみたいなことになるとマズいので、他の部分で試してみようと思いました。
 ローターを再びあそこへと近づけていきます。
 指は濡れてるし、落とすとやばいことになると先ほど思い知ったので、持ち方は慎重です。
 ローターを入り口付近へと近づけ、押し当てます。すると、
  くちゅり…
 濡れたイヤらしい音が耳に響きました。
 その音にどきっとして、ぐっ、と力を入れたせいか、
由佳里「んっ…!」
 ぐにゅり…、とあそこの中へとローターが潜り込んで行ってしまいました。
 少し慌てましたが、十分に濡れていたせいか、痛みはありませんでした。
 そんなに深くまで入ったわけではないので、すぐに取れそうでした。
 でも…。
 この状態でスイッチを入れたらどうなるんだろう…。
 そう考えた途端に身体中が熱くなりました。
 好奇心というか、誘惑。
 私は右手であそこの中のローターを、くくっ、ともう少し奥まで入れました。
 そして左のポケットに手を伸ばし、コントローラーを掴むと、脚の上まで持ってきます。
 コントローラーを両手で掴むと、強さをチキチキと弱の方に設定し、目を瞑り、電源を…オンにしました。
70Qoo:2006/09/09(土) 20:17:31 ID:jyhu/NbZ0

  ぶるぶるぶるぶる…
 再び命を吹き込まれたローターは、私のあそこの中でぶるぶるぶるっ、と暴れ始めました。
由佳里「んぅ…!」
 私は息を抑え、喉の奥から漏れようとする喘ぎを必死で噛み殺しました。
 最初は気持ち良いというか何というか、とにかく凄い、という感じでした。
 ローターが私のあそこの中を、人の手では不可能な動きで刺激してきます。
 あんなに小さいのに、何でこんなに…凄い…っ!
 ふとそんなことを考えましたが、少しずつローターから受ける感覚が変化してくると、
 段々と頭がぼーっ、としてきて、何も考えられなくなってきました。
 ローターからの刺激が少しずつ、"とにかく凄い"から、"とにかく気持ち良い"に変わってきたのです。
 "凄いこと"に慣れ、"何が"凄いのかを少しずつ明瞭に認識出来る様になったからかもしれません。
由佳里「ふぅっ…!」
 細い息を吐き、あそこから全身へと侵食していく快感に必死に抵抗しました。
 でも、じわじわと確実に拡がる快感は、私から考える力を奪っていきます。
 コントローラーをぎゅうっ、と握っていた私の指が、勝手に強弱のスライドに掛かりました。
 も、もっと…。
 心も身体も、もっと気持ち良くなりたい、もっと強く、と叫んでるみたいでした。
 そして、強の方向へと力を入れようとした瞬間。
71Qoo:2006/09/09(土) 20:19:05 ID:jyhu/NbZ0

  がちゃっ
まりや「それでね、どっかに自販機無いかって言うのよ」
 まりやお姉さま!?
瑞穂 「もたれ掛ってたのが自販機じゃなかったの?」
 お姉さまも!?
まりや「そうなのよ。思わず笑っちゃったわ」
瑞穂 「灯台下暗しね」
 間違いありません。聞こえてきた声は、まりやお姉さまとお姉さまでした。
 どうやら2人でトイレに入ってきたようです。
  ぶるぶるぶるぶる…。
 しかしローターは私の動揺などはお構いなしに、駄々っ子のように震えて私に快感を与えようとしてきます。
 お姉さまたちが外に居るのに…!
 ローターを止めればいいのですが、そんな考えは頭にはありませんでした。
 寧ろお姉さまたちが居る前で一人エッチをしているという凄くイヤらしい状況に興奮していたのかもしれません。
 身体はもう快感のるつぼの中でしたけど、まだローターの力は弱く、このままではイくことは出来なさそうでした。
 私は両手で握っているコントローラーをじっと見詰めました。
 これをいっぱいにしたら、私イっちゃう…。
 お姉さまたちの前で、私、イっちゃうんだ…。
 そう考えただけで、それだけでもう達してしまいそうでした。
 身体はもういっぱいいっぱいでした。
 イきたくてイきたくて、仕方がありません。
 私はぴくぴく、と痙攣する手で、コントローラーのスライドに指を掛けました。
72Qoo:2006/09/09(土) 20:25:33 ID:jyhu/NbZ0

   後編へ続くよ!(・∀・)

後編はまだ完成してません(笑) 出来たら上げます。

後タイトル考えてくれた方。
こんなアホなタイトルになってホント御免なさい。(_ _;;)
「手淫の君」は個人的に好きだったんですけど、テーマとは合わなかったというか。
「私をいっぱいk(ry」は、その…ですね。   …(笑)

それでは今日はこの辺で。後編は頑張って書きます。 Qooでした。 m(_ _)m
73名無しさん@初回限定:2006/09/09(土) 20:54:27 ID:d7Y/f4FrP
wktkしてお待ちしておりますわ♪
7461:2006/09/09(土) 21:09:40 ID:cragBluh0
>>72
Qooさま
いいタイトルだと思います。思わず微苦笑。後編に期待しています。
私の案は……笑い飛ばしていただければよろしいかと。
75test:2006/09/10(日) 03:24:47 ID:orhAHx3P0
ブランク開き過ぎで調子戻らないけどとりあえず上げてみるtest


紅い耳(パイロット版)焼肉の旋律

 『第七十二代エルダーシスターの瑞穂お姉さま』
 『頼もしくてちょっと意地悪まりやお姉さま』
 『幽霊少女の一子ちゃん』
 『小学生みたいな奨学生の奏ちゃん』
 『狼少女の由佳里ちゃん』たち5人の乙女
 男の人は近寄れない聖應女学院高等部の寮に住むことになって3ヶ月
 不慣れな生活のせいで、瑞穂お姉さまが職員室で恥ずかしそうに生理と言って笑われちゃったり、
まりやお姉さまが朝早くから暴れちゃったり、一子ちゃんが昇天しちゃいそうになっちゃったり、
奏ちゃんが何も無いところで転んじゃったり、由佳里ちゃんが学校のトイレで一人エッチをしちゃったりと、
ドタバタ大変だったのが前回までのお話
 さて、今回のお話は...?

 踊りだしたい気分で廊下を歩いていると、後ろから奏ちゃんの気配
「奏ちゃん」
 振り返ると思ったより遠かったみたい、ぺたぺたこちらに走ってくる。あ、こけそうになった。でも大丈夫
「由佳里ちゃんも帰るところなのですか?」
 そういってから可愛く小首を傾げる
「頭のピンクのお耳はアクセサリーなのですか?」
 !? あたしは慌てて頭を両手で隠しながらトイレ目指して走り出した。運よくシスターに見咎められずに
トイレの個室に入れて、深呼吸。耳と尻尾を戻してから、さっきの場所に戻る
 奏ちゃんは待っていてくれたみたい
「由佳里ちゃんどうしたのですか〜?」
 不思議そうに訊かれても本当の事は話せない
76test:2006/09/10(日) 03:26:10 ID:orhAHx3P0
 皆には秘密なんだけど、あたしは満月が近づくと狼になってしまう特異体質。新月の時でも油断すると
耳の形が変わっていたり、尻尾を振ってたりしちゃう。今の気分が正にそれ
 秘かに心配だった成績は中ぐらい。明日から夏休み。お嬢様学校だからか宿題も思った程無い。抑えてい
た心算だったんだけど失敗してたみたい

「あれは、その、間違って着けっぱなしになってた…… その… アクセサリーっていうか、コスプレって言うのかな〜」
 そんな言い訳に、奏ちゃんは納得してくれたみたい
「とっても似合ってたのですピンクのお耳。可愛いと思うのですよ」
「いや、校舎内だとその… まずいから……」
 何とか話を変えないと……
「そうだ、奏ちゃん成績の見せあいっこしない?」
「えっ、でも奏は……」
 奏ちゃんはもじもじ恥ずかしそうにするけど
「いいからいいから」
 そう言うと成績表を見せてくれたんだけど
「すごい!」
 その一言。主要科目は全て最高で、其れより劣る評価は僅か。此の選択教養とか体育とか抜かせばパーフェクトだ
「天才小学生!?」
 思わずそう言っちゃった
「奏は天才でも小学生でもないのですよ〜」
 そう言って奏ちゃんは恥ずかしそうにしてるけど、比べてみるとあたしの方が恥ずかしい成績
「由佳里ちゃんも悪くない成績なのですのよ〜」
 奏ちゃんはそう言ってくれるし
「うん、大丈夫な成績じゃない」
 覗き込んだまりやお姉さまもそう…… ?
「まりやお姉さま何故此処に!?」
 突然出てきたまりやお姉さまは、驚く私にニヤリと笑う
「いや、昇降口で騒いでたら目立つし……」
 いつの間にか、そんな所まで来てたみたい
77test:2006/09/10(日) 03:26:56 ID:orhAHx3P0
「でも、由佳里には謝らないといけないわね」
 そう言ってくれる
「そんな…謝らなくてもいいです。成績表を見られちゃった位で…そんな……」
「由佳里はちょっと勉強出来ないお子さんかと思ってた」
 ぐっ、あっさりそんな事云われても言い返せない
「さて、奏ちゃんは… っ!?」
 成績表を自然な動作で取り上げて、絶句するまりやお姉さま。後ずさる
「眩しい、この成績表は私には眩しすぎる」
 そう云って素直に奏ちゃんに成績表を返した。まりやお姉さまはどんな成績なのかな?
 疑問に思ったけど、なんとなく追求するのはやめた
 数秒で立ち直ってまりやお姉さま
「ここは上級生から何かご褒美を上げようか。そうだ、二人とも午後は予定無い?」
 私は帰省用に明日の早い時間の新幹線の切符を送って貰ったし、奏ちゃんも肯いた
「じゃあ、瑞穂ちゃんも誘って皆でお昼食べに行こうか。お弁当頼んでないから大丈夫だよね。二人とも何食べたい?」
 寮へ向かう道々で聞かれる。私は、ええと……
「ハンバ…」
「はい却下。由佳里あんたハンバーグハンバーグって、ハンバーグラーになっちゃうの!?」
 ハンバーグラー?
 奏ちゃんにも解からなかったみたい
「ハンバーグラーってなんなのでしょう?」
 まりやお姉さまはキッパリ答える
「歴史上のとっても悪い人よ」
 なんだか、また騙されてるような気がします
「そうね、適当なホテルのランチバンキングに行くか、食べ放題なら焼肉とかも…」
「焼肉大賛成です」
 あたしがそういうと、お姉さまは呆れた様に口ごもる
「いや、ハンバーグとそんな変わらないから」
 でも、奏ちゃんも賛成みたい
「奏は焼肉って食べに行った事が無いのですよ〜」
「うーん、そんじゃ瑞穂ちゃんもお肉嫌いじゃないし焼肉でいいか」
78test:2006/09/10(日) 03:40:11 ID:orhAHx3P0
 寮では瑞穂お姉さまが食堂で一子ちゃんとお話ししてました。先に寮に戻られてたみたいです
「あれ、皆一緒だったんだ」
「うん、それで瑞穂ちゃんの奢りでお昼は焼肉行く事になったから」
 まりやお姉さまが急に話を切り出します
「えっ!?」
「あれ、何か予定入ってた?」
「いや、何も無いけど…ずいぶん急だよね」
 まりやお姉さまが私たちの頭に手を置きます
「瑞穂ちゃんは、姉として一学期慣れない学園生活を乗り切った妹たちに何かしてやりたいって気持ちにはならないかな?」
「はいはい、二人で一緒に奏ちゃん達に御馳走しましょう」
「ありゃ、やっぱダメか」
 一子ちゃんだけは残念だけどお留守番で、私たちは私服に着替えて寮を出ました
 まりや姉さまお勧めのお店は電車ですぐだそうです
「しかし、瑞穂ちゃん。君は何でシャツにデニムのパンツなんて華やかさに欠けるカッコかな」
 駅を出た所で、まりやお姉さまがそんなこと言い出します
「焼肉を食べるのに臭いがついてもいいような服を選ぶのは普通だから」
「で、でもそういう服もカッコ良くて素敵です」
 確かに、男の人とあまり変わらない格好ですけど、瑞穂お姉さまだと素敵な感じになるんです
「そうです、ボーイッシュなのですよ〜」
 奏ちゃんもそう云います
「あ、ありがとう二人とも」
 あれ?
 瑞穂お姉さまは何だか複雑な顔をされてます。きっと奥ゆかしく照れてるんですね。素敵な方なのにそれを……
 あれ、まりやお姉さまが立ち止まりました
「はいはい皆、注目。お店だから」
 そう云って指差したのは……
79test:2006/09/10(日) 03:42:13 ID:orhAHx3P0
「スーパーなのですか?」
 奏ちゃんが云うように、コンビニかスーパーマーケットのようなお店
「ううん、ああ見えて、お肉屋さんなのよ。卸だけじゃなくてお店もレストランもやってるから」
「では、あそこでコロッケとか売っているのですね」
 何だか嬉しそうに奏ちゃんが聞きます
「業務用のおっきい袋ならね」
 そうだ!
「あの、それなら噂の松坂牛というのも、もしかして……」
「あるだろうけど、とりあえず今日は焼肉だから行くわよ?」
 そんな感じで、にぎやかにお店に入りました。もう夏休みだから
なのか、お店の中も賑やかです
「少し混んでるわね。ちょっと待ってて」
 まりやお姉さまがお店に入ります
「あの、予約した者ですが」
 まりやお姉さま、前から予約してたんだ。耳を澄ますとかぶらという名前が聞こえた。他の人の名前で予約したのかな?
「おまたせ、席は奥の方だって。予約は瑞穂ちゃんでしたから支払いもカードで立て替えといてね」
「いや、最初からカード持って来てないから」
「そうなんだ、まっ、いーかー。テーブルに行こう」
 テーブルについてから、まりやお姉さまが説明します
「ここはセルフサービスだから、あそこにあるお肉や料理をとってね。沢山とってもいいけど残すのはダメだから、時間は一時間半ね」
 そう云ってから自分も時計を見ます。それから思い出したように「ああ、あと皆未成年だよね」
 聞かれて奏ちゃんが答えます
「はい、年齢は書けませんけど未成年者です」
「ジュースと間違えてお酒飲んで、変な落ちのSSにしちゃダメよ」
 ?
「あの、奏ちゃん。年齢を書けないとか落ちとかって?」
80test:2006/09/10(日) 03:45:14 ID:orhAHx3P0
 隣の奏ちゃんに聞いてみたんだけど…
「このSSはPCの方のSSなのです。なので、私達は女子校生じゃないといけないのですよ〜」
 どういう意味?
 まりやお姉さまが、先に立ちます
「さ、ごちゃごちゃ云って無いで、お肉取りに行くよ」
 私達はまとまって移動しました
「へー、カレーがあるよ、お寿司まで」
「イチゴのショートケーキなのです!」
「あんたら好き嫌い云ってないで肉食え肉」
 あたしは冷蔵のケースにきれい並んでいるお肉に目を奪われました。トングに取り皿に割り箸があって。すぐに取れるようになってるみたい
「由加里、お肉美味しい?」
 まりやお姉さまに聞かれて、頷きました
「そうなの、お肉の焼き方ってあるよね?」
 ?
「はい、ミディアムレアとか……」
 まりやお姉さまは首を振ります
「いや、焼く前の肉はレアですらなく生肉だから。そしてここは焼肉する所だからさぁ」
 あれ? でも……
「これお肉に味が付いているんですよ」
「いいから、焼肉なんだから、ここで食べないで焼いてから食べなさい」
 ああ、そうか。今のあたし、顔が真っ赤になってるかも
「ごめんなさい、あたし何か恥ずかしい勘違い…」
「いいけど、お腹壊さないでね」
 そんなこんなで、お肉とかお野菜とか取って、みんなでテーブルに戻って乾杯です。オレンジジュースだけど
 そして、まりやお姉さまは早速お肉を焼きます
「肉とか野菜とかジャンジャン焼いてね、キムチ以外は全部焼いて」
 ケーキにフォークを伸ばしかけていた奏ちゃんは動きを止めます
「まさか、ケーキもなのですか!?」
81test:2006/09/10(日) 04:01:48 ID:orhAHx3P0
「いやそれは無いから。由佳里まだ早い、待て」
 まりやお姉さまに云われて、あたしも箸を置きます。少し待つとお肉の焼ける良い香り、肉汁が浮かんで来た所で
まりやお姉さまが肉をひっくり返してすぐに私の小皿に乗っけもらいました
「これがミディアムぐらいかな」
 中がまだ柔かくて、ジューシィーで
「おいしいです!」
 まりやお姉さまは笑います
「そりゃ生と比べればねぇ」
 生でもおいしいんだけどなぁ
 一方、瑞穂お姉さまと奏ちゃんはお野菜を焼いています
「キノコばっかいじってない特に瑞穂ちゃん」
「それはどういう……」
「はい、二人とも食べた食べた」
 まりやお姉さまが焼きあがったお肉を二人の小皿に分けます
「まりやお姉さま鍋奉行さまですの〜」
「キャンプで張り切るお父さんみたいだけどね」
 そう云われて、お肉をもう一つ取って
「瑞穂ちゃん、変なこと云ってると直接熱々を口の中に入れるわよ。
って由佳里はペース早いわね」
 そのまま、お肉をお皿に置いてくれます
82test:2006/09/10(日) 04:02:31 ID:orhAHx3P0
「お肉の焼ける匂いって何だか幸せな気分になりますよね〜」
「イチゴのアイスクリームさんもあったのですよ〜」
 そんな感じで時間はあっという間に過ぎました
「そろそろ時間だね」
 瑞穂お姉さま、スタイル良いのに男の子みたいに沢山食べてました。食べたほうがスタイル良くなるのかな
「沢山食べたのですよ〜」
 奏ちゃんはそういうけど
「奏ちゃんそんなに食べてなかったじゃない」
「由佳里は沢山食べてたわね」
 まりやお姉さまにそんなこと云われちゃった
「えへへ」
 お店を出てから二人のお姉さまにお礼を云います
「食べ放題でご機嫌取れるなら安いよね。そんじゃ私は親にお土産買って、直接家へ帰るから」
 そう云って、まりやお姉さま行っちゃいました
「私達も帰りましょうか」
「はい」
 私達もお店を出ます
「それから、由佳里ちゃん」
「はい?」
「服とか臭いが付いてると思うから、頭の可愛いアクセサリーも、ファブリーズとかしといた方がいいと思うわよ」
 頭の…… ?
83test:2006/09/10(日) 04:04:37 ID:orhAHx3P0
 頭の上に手を伸ばすとそこには大きな耳。もしかして、ずっと、この耳だったの!?
 驚いた私に誤解したのか、瑞穂お姉さまに臭いは取れるからと慰められてしまいました

 そして三人で寮に戻りました。晩御飯は寮母さんに頼んで軽いサンドイッチにしてもらっちゃいました

 きょうはそんな楽しい一日でした

 瑞穂お姉さまはそれからすぐに帰られました。私も明日はそちらへ戻ります

 それではまた、おたよりします

 お義姉さんへ ゆかり



終了
84小ネタをひとつ:2006/09/10(日) 19:56:25 ID:C7l/jKXJ0
ゆかりん「あっという間に9月も3週目ですね」
瑞穂「ぼやぼやしてるとすぐ中間考査よ」
奏「もうそんな時期なのですか〜」
まりや「テストやだな〜」
瑞穂「まりやは、勉強すればそれなりの点数取るでしょ」
ゆかりん「あたしもバカだからてすとはいやです」
まりや「ゆかりんはバカなんかじゃないわ、他人より少し劣ってるだけよ」
ゆかりん「結局バカってことじゃないですか!!」
ちゃぶ台返しAA略

美智子「そういえば胸の大きさと数学の点数は反比例するという話がありますね」
圭「そうなの?」
紫苑「あっ…」
美智子「あら?紫苑さま、ご存知なんですか?」
紫苑「私…数学が他の教科よりも苦手なんです…」
圭「…美智子の話もあながち嘘じゃなさそうね…」
85名無しさん@初回限定:2006/09/11(月) 17:11:16 ID:wMC9GoFP0
由佳里って打とうとして、
「愉快r」って間違って打って思わず笑ってしまったww



ごめん。ただそれだけ。マジごめん。
86小ネタをひとつ:2006/09/11(月) 22:29:14 ID:14WSAlBZ0
朝の寮、作業着を着た男たちが数人やってきて
瑞穂「?何が始まるの?」
まりや「あれ?瑞穂ちゃん、聞いてないの?」
奏「トイレを新しくするのですよ〜」
ゆかりん「お風呂は何年か前に新しくしたそうですけど…」
まりや「トイレは何十年も変わってないからね〜」
瑞穂「ふ〜ん」

帰寮後

まりや「おおっ、しっかり新しくなってる」
瑞穂「あ、ウォシュレットだ」
まりや「さて、それじゃ一番最初に使う権利を瑞穂ちゃんに与えて進ぜよう」
瑞穂「いいの?」
まりや「うん、ちゃんと使い心地を報告するのよ」
瑞穂「毒見気分だよ」

瑞穂ちゃん使用中

瑞穂「ウォシュレット…?これ、ビデって何だろう…使ってみようかな?」
………ぽち
瑞穂「うひひゃう」
まりや「!どうした瑞穂ちゃん」
瑞穂「なっ!なんでもないっ!ちょっと水の勢いが強くて驚いただけっ!」
まりや「…あんた、まさかビデ使ってないわよね…あれ、女性用よ」
瑞穂「うう、玉に水当たって驚いたよ…」
87小ネタをひとつ:2006/09/11(月) 22:43:50 ID:14WSAlBZ0
まりや「ゆーかーりん、一緒にお風呂に入ろう」
ゆかりん「いやですっ!」
まりや「まーまー、そう言わずに裸の付き合いってやつで親睦深めよう」
無理矢理お風呂に引きずられていくゆかりん

まりや「そんな拗ねた顔しないでよー、ほら、背中流してあげるから」
ゆかりん「何で突然一緒にお風呂なんですか?」
まりや「う〜んやっぱりついてないわね…」
ゆかりん「?」
まりや「いや実はさ、ゆかりんの背中にチャックついてて、
それを下ろすとダイナマイトボディゆかりんが中から出てくる夢見ちゃってさ」
ゆかりん「…そんなのあるわけないじゃないですか!!」
まりや「そうだよねー、ごめんごめん」
ゆかりん「むーお姉さまこそ背中にチャックがついてて、下ろすとろりっ娘まりやお姉さまが出てくるんじゃないですか?」
まりや「なぜ知ってる」
ゆかりん「!!!!!!!!!」
88小ネタをひとつ:2006/09/12(火) 16:56:14 ID:4dv1Vily0
夜の寮の食堂で

まりや「最近、めっきり涼しくなったわね」
瑞穂「うん、でも涼しくなってきたら蚊が出てきたね」
奏「はう、食堂にもいるのですよ〜」
ゆかりん「私結構蚊に刺されちゃって痒いです〜」
まりや「へ?あたしは別に刺されてないけど…」
瑞穂「私も…」
奏「かなも刺されてないのですよ〜」
ゆかりん「なんで私だけなんですか!
   高貴なお姉さま方の血を吸うのは蚊ですら恐れ多いってことなんですか!
   どうせ私は庶民ですよう!」
奏「由佳里ちゃん…奏も庶民なのですよ〜」
瑞穂「あ…あのね、蚊っていうのは汗の臭いとか、二酸化炭素に向かっていくの」
まりや「汗ならゆかりんよりあたしのほうに来るんじゃない?」
奏「二酸化炭素は呼吸している限り出さないわけにはいかないのですよ〜」
ゆかりん「じゃ、みんな蚊に狙われる条件がそろってるわけですね」
まりや「ゆかりんの血が美味しいから狙われるんじゃない?」
瑞穂「でもね、臭いについて言うと…肉食ばかりしている人はそうでない人と臭いが違うのよ
   肉食ばかりだと蚊に狙われやすい臭いが出るらしいの」
ゆかりん「…肉食……………」
まりや「ハンバーグね」
奏「ハンバーグなのですよ〜」
瑞穂「ハンバーグの食べすぎよね」

ゆかりん「…蚊まで…蚊まで私を馬鹿にするんですかあああ!!」
89新・セロ・マジック:2006/09/14(木) 21:19:28 ID:szaQoLEB0
ある晴れた日のお昼休み
瑞穂ちゃん、紫苑さま、圭さん、美智子さんが屋上でお弁当を広げています
ふと、圭さんが空を見上げ一言
「さてみなさん、あそこの雲を消してみせましょう」
三人が「?」な表情で圭さんの視線を追い一つの雲を見つけました
圭さんが腕を伸ばし手のひらを広げくるくる回します
するとどうでしょう、雲がすっかり消えてしまいました
紫苑さまと美智子さんは目をぱちくり、でも瑞穂ちゃんは
「ふふふふふ、今回はタネを見破りましたよ、圭さん」

90名無しさん@初回限定:2006/09/14(木) 21:19:40 ID:ZFz4W1ya0
瑞穂「かっ・・・」
紫苑「かっ・・・?」
瑞穂(言えない…「ゆかり神社復興計画、略して『かっ』」なんて言えない・・・)

めぐひら体験版をいまさらやってみました。
91新・セロ・マジック:2006/09/14(木) 21:20:34 ID:szaQoLEB0
「え?今のはタネがあったんですか?」
紫苑さまが聞き返します
「はい、簡単な気象知識です。
今、消えた雲は積雲といって、発生してから2〜3分で消えてしまうんです。
圭さんは消えるタイミングを見計らっていた、そうでしょう?」
「はい、正解、良くぞ見破った。では、今度はどうかしら?」
圭さんはそういって、美智子さんのお弁当を包んでいた水色のハンカチを手に取りました
「さて、向こうに積乱雲が発生しているわね、お次はあれを消しましょう」

92新・セロ・マジック:2006/09/14(木) 21:21:17 ID:szaQoLEB0
圭さんはみんなの視界と積乱雲をハンカチでさえぎり、少しハンカチを揺らします
「3・2・1・はいっ」
カウントダウンとともにハンカチをはずすと積乱雲は跡形もなく消えていました
「「「???」」」
「あの…瑞穂さん?…今のは……」
「なんていうか…ありえません」
瑞穂ちゃんと紫苑さまは驚くばかり
「まあ、圭さんのマジックですからねえ」
美智子さんだけは、「圭さんならなんでもあり」という感じです
「はい、ハンカチ返すわね」
美智子さんのハンカチには入道雲の絵が追加されていましたとさ



9390:2006/09/14(木) 22:07:20 ID:ZFz4W1ya0
>>89,91-92さんごめんなさい…
リロードしてから書き込みするべきだった。
94Qoo:2006/09/15(金) 16:55:28 ID:Pg8fMdGm0
 - ゆかりんのひとりでできるもん! 後編 -

 お姉さまたちの前で、私、イっちゃうんだ…。
 そう考えただけで、それだけでもう達してしまいそうでした。
 身体はもういっぱいいっぱいでした。
 イきたくてイきたくて、仕方がありません。
 私はぴくぴく、と痙攣する指をコントローラーのスライドに掛けました。

 しかし次の瞬間、
まりや「そういえば、この前由佳里に宅配便が来たのよね」
 頭の中の桃色の気分が一気に吹き飛びました。
 えっ?
瑞穂 「宅配便?」
まりや「うん。四角い箱」
 この前のローターが届いたときのこと?
 最近で私に宅配便が届いたのは、このローターが送られてきたときだけです。
 私はあそこの中で震え続けるローターのことも忘れ、聞き耳を立てていました。
95Qoo:2006/09/15(金) 16:56:42 ID:Pg8fMdGm0

瑞穂 「実家からとかそういうのじゃないの?」
まりや「いや、余程慌ててたし、配送元がベ○シス○ムだったから、中身は多分…」
 中身のことが話題に上がると、私は慌ててショーツを穿いて扉の外へ飛び出しました。
 後ろで何か音がしたような気がしましたが、それどころではありません。
 中身のことをお姉さまに知られたら…!何とかごまかさないと!
由佳里「まりやお姉さま!」
瑞穂 「由佳里ちゃん」
まりや「あれ、由佳里じゃない。居たの?」
由佳里「こっ、この前届いたのはっ、そ、その…!」
 飛び出したのはいいんですけど、どうごまかすかは当然考えていませんでした。
 必死に言い訳を考えますが、パニックに弱い私の頭には何も浮かびません。
まりや「隠さなくてもいいじゃ〜ん。何が届いたの?」
由佳里「そ、それは…」
 もう絶体絶命です。
 ああ、これからお姉さまも私のことを「エロい子ね」っていう目で見るのかな…と気が遠くなりました。
96Qoo:2006/09/15(金) 16:57:43 ID:Pg8fMdGm0

 しかし、次にまりやお姉さまの口から放たれた言葉は意外なものでした。
まりや「あそこから届いたってことは、服かコスメでしょ?このオシャレ魔女まりやとしては気になるわけよ」
由佳里「…えっ?」
瑞穂 「オシャレ魔女って、あの芸能人と服交換する人?」
まりや「アレは偽者だから」
 もしかして、中身に気付いたわけじゃ…ない?
瑞穂 「由佳里ちゃん、どうしたの?」
 目の前にお姉さまの顔がありました。目線を合わせようと屈んで、私のことを見詰めているようです。
 5秒間ほどお姉さまと視線を交わします。
 はっ、と我に返った瞬間、顔がぼんっ!と熱くなりました。
 自業自得ながら針のむしろとも言えるこの空間に居た堪れなくなり、
由佳里「いっ、いえ!な、何でも…!また今度教えますね!」
 そう言って私は思わずトイレを飛び出していました。
97Qoo:2006/09/15(金) 17:06:17 ID:Pg8fMdGm0

まりや「あっ、逃げた!」
瑞穂 「まりやに知られたら取られると思ったんじゃない?(笑)」
まりや「そんなことするわけないじゃない。でも、そんなにいいものだったのかな」
瑞穂 「かもしれないわね」
まりや「そういえば、あの子手洗ってないわ」
瑞穂 「そういえば…。水も流してなかった気がするわね…」
まりや「まったく慌てん坊なんだから由佳里は…。ん?何コレ…」
98Qoo:2006/09/15(金) 17:07:17 ID:Pg8fMdGm0

 トイレを出て、自分の教室まで走ります。
 やぶ蛇を突いてしまいました。
 多分、今は顔が真っ赤になっていると思います。でも、バレてなくて本当にほっとしました。
 しかしほっとしたのも束の間。
  ぶるぶるぶるぶる…
 自分の教室の扉の前で膝がぴくっぴくっ、と笑っているのに気付き、ふと身体に違和感を覚えました。
 何か、お腹が変な感じ…。
 ショーツがぐっしょりと濡れていて、そして何より、ローターがあそこの中で震えているのです。
 濡れたショーツの気持ち悪さから先ほどまでの記憶が元に戻り、
 さっきまで一人エッチをしていて、そして濡れたところを拭かずに、
 "ローターを入れたまま取り出さずに"焦ってショーツを穿いたことを思い出します。
 心はすっかり忘れていたのかもしれませんが、身体はひたすら刺激を受け続けていました。
 お姉さまたちの話のせいで存在をすっかり忘れていましたが、
 それを認識した途端に、違和感がじわり…と快感に変化していきます。
由佳里「んっ…!」
 十分に高められたそこを擦られる快感に思わず出そうになる声を、ぐっとお腹に力を込めて必死に押し殺します。
 ぶるぶると震え続けるローターの動きを止めようと、左のポケットに手を入れました。しかし。
99Qoo:2006/09/15(金) 17:09:52 ID:Pg8fMdGm0

 無い!?
 ポケットの中にあるはずのコントローラーがありません。
 どこで失くしたのか。当然、トイレです。個室から出る際に落としたのでしょう。
 取りに戻らないと!
 そう思い振り返ると、少し向こうから次の授業担当の先生が歩いてきました。
先生 「何してるの?もう授業始まるわよ」
 近づいてきた先生に声を掛けられました。その言葉の直後、無常にもチャイムが鳴り響きます。
由佳里「は、はい…」
 もう次の休み時間までトイレには戻れません。
 私は唇を噛んで快感に耐えながら、周りにおかしく見えないように自分の教室に入り、席まで帰りました。
由佳里「んっ!」
 席に着いた瞬間、びりっ!と走った快感に、思わず出そうになった喘ぎ声を口を噤んで封じ込めます。
 席に着いて腰を落ち着けると、余計にローターの動きが敏感に感じられました。
 流石に授業中に自分のスカートを捲ってショーツの中に手を入れ、
 あそこに指を入れてローターを取り出すなんてこと出来るはずがありません。
 私は勝手に痙攣を始める膝に力を込めながら、
 これから授業が終わるまでずっと、このじわじわと焦がすような快感に耐えなければいけないという、
 ある意味拷問に近いこの事態に思わず気が遠くなるような思いでした。
100Qoo:2006/09/15(金) 17:16:45 ID:Pg8fMdGm0

   0/50

 授業が始まり、先生の声がBGMのように教室を流れ始めました。
 とにかく、教科書とノートを出さなきゃ…。
  ぶるぶるぶるぶる…
由佳里「ふっ…くぅ…」
 細く短く息を吐きながら、理性をじわじわと弱らせていく快感をどうにか外へと逃がします。
 あれ、何の授業だっけ…。
 隣の机を覗き、今は英語の授業中だということが分かりました。
由佳里「ずぅ〜…はぁ〜…」
 深く長く深呼吸をしてぼーっ、とする頭に酸素を送り込みます。
 何とか教科書とノートと筆記用具を机の上に用意しました。
 どのページを開けばいいのかと考えている最中も、
 蓄積された快感が喘ぎとなって外へ出ようと口をこじ開けてきます。
101Qoo:2006/09/15(金) 17:18:27 ID:Pg8fMdGm0

 しかし当然教室で、しかも授業中に喘ぎ声を上げるわけにはいきません。
 不可抗力(っていうか自業自得なんですけど…)とはいえ、授業中にエッチな道具を使って
 一人エッチをしていることがバレてしまった日には、それはもう色々な噂が流れ、
 普通の学園生活を営むことが不可能になることは想像に難くありません。
 教室には先生の声とチョークを黒板に擦り付ける音が響きます。
 響くだけで、音が右から左へと抜けていく際に、何か音が聞こえるなぁ…とは感じるのですが、
 それがどういう内容なのかは全く頭の中に残りません。
 ただ、あそこを執拗に責めるローターの一挙手一投足だけはしっかりと快感に変換されて脳へと伝わってきます。
由佳里「ふん…ぅ…く…」
 私は下半身から響くたまらない感覚にひくひくと震える膝をぐっ、と手で押さえ、
 ただひたすらに授業が終わるのを心待ちにして、快感に耐えていました。
102Qoo:2006/09/15(金) 17:19:30 ID:Pg8fMdGm0

   15/50

 どれくらい時間が経ったでしょうか。
  ぶるぶるぶるぶる…
 私のあそこは未だに耳鳴りのように続く、しつこくねちっこいローターの愛撫に晒されていました。
由佳里「ん…ぐ…」
 小さくくぐもった声を出しながら、口から漏れ出そうとする悶え声を歯を食いしばって抑え込みます。
 授業は…まだ、終わらないの…?
 ぼやける視線を黒板の上にある備え付けの時計へと向けます。
 時計の針は、1時45分くらいを指していました。しかし。
 …あれ、授業何時ごろに始まったんだっけ…。
 いつも授業が始まると、早く終わらないかな、と思いながら時計を良く見ていて、
 当然授業が終わる時間も覚えているはずなのに、あそこが気持ち良くって全然思い出せません。
103Qoo:2006/09/15(金) 17:22:53 ID:Pg8fMdGm0

 それに、気持ち良くなるごとに身体が敏感になり、もっともっと気持ち良くなってくるような気もしてきます。
由佳里「はんっ…ぁ…ん…」
 溜まりに溜まった快感から、ついに小声ながら喘ぎが自然と口から漏れてしまいました。
 先生が言葉を喋っている最中だったのか、他の生徒は私の声には気が付かなかったようです。
 しかし、そんなことは私にはどうでも良いことでした。
 気持ちが良くって、凄く気持ち良くて、イけなくて。
 もっと刺激が欲しくて、もう少し強く振動してくれれば、イけるのに…。
 腿を擦り合わせ、少しでも刺激を得ようとしますが、全く効果はありません。
 イきたいのに…イけない…。
 こんなの、ずっと続いたら…おかしく…なる…。
104Qoo:2006/09/15(金) 17:24:47 ID:Pg8fMdGm0

   35/50

  ぶるぶるぶるぶる…
 相変わらずローターは元気に私のあそこの中で動き回っています。
 ぼぅっ、としていると"気持ち良い"に頭を占領されてしまうので、
 もやのように私の思考を遮る快感を、コツコツと手首の硬いところで額を叩き、追い払います。
 ダメ…このままじゃ…。
 そう思っていても、私の意識は段々と薄れていきます。
 ダメだ。とりあえず落ち着こう。
 そう思い、私は腕を枕にして机の上に突っ伏しました。
 すると目と閉じた瞬間、真っ暗になった視界と共に周囲から音が無くなり、
 身体中の神経がローターから受ける振動に集中し始めます。
 瞑った目の奥の真っ暗なスクリーンに、あそこの中の様子がくっきりと映し出されました。
 何、これ…。
 驚く私の目の前で、ぐちゃぐちゃに濡れた肉の壁に挟まれた白い塊が、凄い勢いでぶるぶると震えています。
由佳里「んっ…!!」
 目の前でローターが肉の壁を容赦無く叩く度にびくっ、びくっ、と全身へ物凄い快感が突き抜けていきます。
由佳里「んっ!ぅんっ!」
105Qoo:2006/09/15(金) 17:25:37 ID:Pg8fMdGm0

 だめっ!だめっ!だめっ!だめっ!
 身体が途轍もなく鋭敏になり、ローターから受ける快感が一気に膨れ上がります。
 き、気持ち…、良…過ぎるよ…っ…! 
 じわじわと真綿で締めるようにゆるやかな責めを続けてきた快感が、
 突然強かに叩き付けるような容赦の無い快感へと変化していきます。
  ぞくぞくぞくっ
 身体の芯に何かが凄いスピードで駆け抜けていくのを感じました。
 何か…来る!
 頭の中が強制的に真っ白になり、ぶわぁっ、と宙に浮くような感覚が身体を包んだ途端、
 いきなり意識が色の無い何かに飲み込まれるのを感じ、私はばっ、と目を開きました。
106Qoo:2006/09/15(金) 17:32:24 ID:Pg8fMdGm0

由佳里「はぁ…はぁ…」
 机に突っ伏した体勢のまま、荒くなっている息を誤魔化します。
 目を開くと、途端にすぅっと感覚が戻り、敏感になっていた感覚も少し和らぎました。
 意識が元に戻り思わず息を吐くと、あそこからこぽっ、と何か液体が漏れるのを感じ、慌ててお腹に力を入れます。
 しかし、ほっとしたのと同時に、
 …何で目を開けちゃったんだろう…。
 という残念さも感じていました。
 あのまま目を瞑っていたら、多分イってしまっていました。
 イってしまったら、どんな醜態を晒してしまうか分からない、と理性では分かっています。でも、それでもイきたくて。
 長時間焦らされ、絶頂寸前で寸止めされ、身体はもう限界でした。
 イきたい…!
 イきたいという気持ちと、もうどうでもいいという気持ちが、私の目蓋をゆっくりと閉じていきます
 精神の"たが"が音を立てて外れ、頭の中の理性が快楽に押し潰されていくのを感じました。

 …私の意識は、そこで途切れました。そこから先しばらく、記憶がありません。


 - to be continued next 「ゆかひとエピローグ」
107Qoo:2006/09/15(金) 17:47:11 ID:Pg8fMdGm0

 − ゆかりんのひとりでできるもん! エピローグへと続くよ!(・∀・) −

最近中々モチベーションが上がらないQooです。 また続いてしまいました。(_ _;;)
ゆかりん、まだまだイかせませんよ( ̄ー ̄)ニヤリッ (つまり、ひとりでできてない(笑))
ローターの刺激は一定で、でもそれなりに緩急を付けないといけないのがムズかしかったです。

何故か?「ゆかひと」ではゆかりんは1回もイけなかったので、
エピローグではいっぱい満足させてあげたいと思います。

それではもうしばらくお目汚しにご容赦を。 Qooでした。m(_ _)m
108名無しさん@初回限定:2006/09/15(金) 18:36:55 ID:qhD6LPyS0
続きwktk
QooさんGJです
109コマイ:2006/09/15(金) 18:58:07 ID:H6Fa3pu50
お弁当を食べている瑞穂ちゃんと紫苑さま

瑞穂「あ、陶器製のスプーンですか、紫苑さま」
紫苑「ええ、最初は代用品として使っていたのですが、
   いつの間にか愛用品になってしまいました」
瑞穂「代用?」
紫苑「はい、ちょっと前に金属が不足したことがありましたでしょう、
   その時に金属類の日用品も出してしまいまして…」
瑞穂「ゴミの日のことですか?」
紫苑「いえ、お国のほうで金属を集めたときのことです」
瑞穂「…まさか……金属回収令…」
紫苑「そう、それですわ」
瑞穂「…紫苑さん…ひょっとして陶器のアイロンとか持ってます?」
紫苑「あら?よくご存知で」
瑞穂「…一体…何歳なんですか、紫苑さん」
どこからか現れた圭さん
圭「…10万とんで19歳だったりして」
紫苑「!!!!!」
瑞穂「ひょっとしてかすっちゃったりしたんですか!!」
110名無しさん@初回限定:2006/09/16(土) 04:47:13 ID:+DlEbzEO0
>>109
かっ・・・・・・・閣下だ
GJ
111名無しさん@初回限定:2006/09/16(土) 10:47:30 ID:GwQjy0Ef0
>>75-83test氏
>>84-88小ネタラッシュ
>>89-92新・セロ・マジック
皆さんgjです
112コマイ:2006/09/16(土) 17:38:35 ID:Ts7mRNm/0
紫苑「はあ、奏ちゃんは本当にかわいいですわね」
奏「むぎゅ、はやや、奏、子供の頃からぜんぜん背が伸びないのですよ」
まりや「不老不死の秘薬でも飲んだのかね、奏ちゃんは」
由佳里「石仮面をかぶったのかもしれないですよ」
瑞穂「人魚の肉を食べたのかも」
奏「秘薬とか石仮面は知らないのですけど、人魚の肉は食べたことがあるのですよ〜」
一同「へ!!!!?」
奏「赤身のお魚さんのお味でしたのですが…
  やっぱり半分人間の形なので、気分的に食べづらかったのですよ〜」
由佳里「…食べたんだ…」
まりや「奏ちゃん…あんた一生子供のまんまよ…」
瑞穂「もうなにがなんだか………」
圭「奏も10万とんで1?歳になったりするのね…」
113コマイ:2006/09/17(日) 20:54:39 ID:uJrLkqsa0
お弁当を食べている瑞穂ちゃんと紫苑さま

瑞穂「あ、陶器製のスプーンですか、紫苑さま」
紫苑「ええ、最初は代用品として使っていたのですが、
   いつの間にか愛用品になってしまいました」
瑞穂「代用?」
紫苑「はい、ちょっと前に金属が不足したことがありましたでしょう、
   その時に金属類の日用品も出してしまいまして…」
瑞穂「ゴミの日のことですか?」
紫苑「いえ、お国のほうで金属を集めたときのことです」
瑞穂「…まさか……金属回収令…」
紫苑「そう、それですわ」
瑞穂「…紫苑さん…ひょっとして陶器のアイロンとか持ってます?」
紫苑「あら?よくご存知で」
瑞穂「…一体…何歳なんですか、紫苑さん」
どこからか現れた圭さん
圭「…10万とんで19歳だったりして」
紫苑「(えーと)…まあ、圭さんたら、ちょっと数えてしまったではありませんか」
瑞穂「ひょっとしてかすっちゃったりしたんですか!!」
紫苑「(にっこり)瑞穂さん、私はあなたより一つ年上の18歳ないしは19歳ですわ」
瑞穂「(紫苑さん…目が怖いよ)」
114コマイ:2006/09/17(日) 20:55:10 ID:uJrLkqsa0
>>109をちょっと改
115コマイ:2006/09/19(火) 23:38:22 ID:Q8/CUzTj0
美智子「あら、瑞穂さん、今日のお弁当はお赤飯ですか」
紫苑「瑞穂さん…もしかしてしょちょ…」
瑞穂「紫苑さん!そんなわけないでしょう!」
美智子「そうですよ紫苑さま、水泳の授業の時、あん♪って言ってたじゃないですか」
紫苑「そういえばそうですわね、いくら非常識な瑞穂さんでも今頃とは…」
瑞穂「もう、これは由佳里ちゃんの実家から小豆を送ってきたのでお赤飯にしたんですよ」
圭「見事に赤いわね」
美智子「お赤飯てどうやって赤くしているんでしょうね?」
瑞穂「由佳里ちゃんは、小豆と小豆の茹で汁でもち米を蒸していましたよ
   それで赤くなるんですって」
紫苑「昔は、赤米というのを使っていたんですよ、
   とても貴重なものなのでお祭りのときくらいしか食べられませんでしたけど」
美智子「へぇ、そうなんですか」
紫苑「なつかしいですね、私のいた神社でもお祭りのたびにお赤飯が供えていただきました」
美智子「?巫女さんのアルバイトでもしていたんですか?」
紫苑「いえ、まつられt(瑞穂ちゃんが紫苑さまの口をおさえた)」
瑞穂「紫苑さま…それ以上は怖いのでやめてください」
116名無しさん@初回限定:2006/09/20(水) 00:12:11 ID:1/iz9Cds0
何の神様だったか気になるところ
何の神様だと思う?
117名無しさん@初回限定:2006/09/20(水) 01:09:19 ID:WUuDrnMs0
紫姫
118名無しさん@初回限定:2006/09/20(水) 16:45:45 ID:2KyJlqZ80
もしくは髪の毛の神様

御神体は常に髪の毛で巻いてある
119名無しさん@初回限定:2006/09/20(水) 19:15:41 ID:QC18HOte0
>>115
最後の行が「紫苑さま」になってる
120コマイ:2006/09/21(木) 11:57:07 ID:XV7xFfZn0
美智子「あら、瑞穂さん、今日のお弁当はお赤飯ですか」
紫苑「瑞穂さん…もしかしてしょちょ…」
瑞穂「紫苑さん!そんなわけないでしょう!」
美智子「そうですよ紫苑さま、水泳の授業の時、あん♪って言ってたじゃないですか」
紫苑「そういえばそうですわね、いくら非常識な瑞穂さんでも今頃とは…」
瑞穂「紫苑さん…それ以前の問題です
   それと少しお聞きしたいんですけど…あん♪はどこまで広がっているんですか……」
紫苑「全校生徒に」
瑞穂「…」
美智子「それはともかく、なんでお赤飯なんですか?」
瑞穂「これは由佳里ちゃんの実家から小豆を送ってきたのでお赤飯にしたんですよ」
圭「見事に赤いわね」
美智子「お赤飯てどうやって赤くしているんでしょうね?」
瑞穂「由佳里ちゃんは、小豆と小豆の茹で汁でもち米を蒸していましたよ
   それで赤くなるんですって」
紫苑「昔は、赤米という赤いお米を使っていたんですよ、
   とても貴重なものなのでお祭りのときくらいしか食べられませんでしたけど」
美智子「へぇ、そうなんですか」
紫苑「なつかしいですね、私のいた神社でもお祭りのたびにお赤飯を供えていただきました」
美智子「?巫女さんのアルバイトでもしていたんですか?」
紫苑「いえ、まつられt(瑞穂ちゃんが紫苑さまの口をおさえた)」
瑞穂「紫苑さん…それ以上は怖いのでやめてください」
121コマイ:2006/09/21(木) 14:10:38 ID:XV7xFfZn0
瑞穂「紫苑さん、今日のお夕飯私たちと一緒に寮で食べませんか?」
紫苑「よろしいんですか?」
瑞穂「はい、由佳里ちゃんの実家のほうできのこをいっぱい送ってくれたのでお鍋にするんです」
奏「お鍋は大人数で食べたほうが美味しいのですよ〜」
紫苑「それではお呼ばれしてしまいましょう」
由佳里「あ、じゃあ、材料を買いに行ってきますね」
まりや「あたし自転車とってくるね」
瑞穂「自転車?」
まりや「大荷物手にぶら下げて帰るのやだもん、自転車のかごに入れてけば楽でしょ」

−みんなでお買い物中−
由佳里「だいたいのものは買いましたね、後は料理酒…」
紫苑「これですか?由佳里ちゃん」
由佳里「あ、それですね」
紫苑「今のお酒はいいですねメチルが入っていたりしないので死にはしませんし」
瑞穂「…紫苑さん、メチルっていつの時代の話ですか…」
紫苑「あら、そんなに前の話ではありませんよ」
奏「お会計もすみましたし、寮に戻るのですよ〜」
まりや「あ、チャリンコとってくるね」
瑞穂「お嬢様がチャリンコなんて言っちゃだめだよ」
紫苑「いつの間に泥棒を捕まえたんですか?」
由佳里「へ?」
瑞穂「紫苑さん…チャリンコっていうのは自転車のことです」
紫苑「まあ、そうなんですか、少し前までチャリンコとは子供の泥棒のことでしたのに」
奏「紫苑お姉さまは昔のことに詳しいのですよ〜」
由佳里「紫苑お姉さまってもしかしt(瑞穂ちゃんがゆかりんの口おさえる)」
瑞穂「(由佳里ちゃんそれ以上は怖いからやめて)」
奏「紫苑お姉さま、もしかして昔マニアなのですか?」
紫苑「ふ、うふふふふふふふふ(乾いた笑い)」
122名無しさん@初回限定:2006/09/21(木) 15:33:45 ID:XJz5SPWt0
修正したのをうpし直すのは見苦しい気がする。

改めて書き直すくらいなら最初からうpする前に見直して、もしそれでも間違ってたら諦めようぜ。
多少の間違いだったら脳内変換かスルーしてくれるよ。
123小ネタを一つ:2006/09/22(金) 16:30:50 ID:nBlUqh0F0
>>122
人それぞれ思うところがあるのだろう

ある朝、瑞穂ちゃんが登校すると圭さんがナにやら円盤状のものを弄っていました
「おはようございます、圭さん、何ですか?それ」
「いあ、いあ、みずほっち、これがホロスコープよ」
「おはようございます、圭さん、瑞穂さん、何をなさっているんですか?」
美智子さんもやってきました
「おっは美智子、みずほっちを占っているところ」
「はう、無理矢理占わないで下さい…圭さんがやるとシャレにならなそうですし」
「そう、残念、じゃ、簡単な占いを一つ」
圭さんはそう言うと右足のシューズをつっかけ履きにして蹴り上げました
「まあ、圭さんたらはしたないですよ」
そういいながらも美智子さんはにこやかです
ぽてぽてとシューズが転がりました
ケンケンして圭さんがシューズを拾いに行きます、そしてシューズを見て言うには
「ふむ、来月(10月)のみずほっちの運勢は…」
「運勢は?」
瑞穂ちゃんは思わず聞き返してしまいました
「…運勢は、異性関係でトラブルありかも、細かな言動に注意、とでてるわ」
「って、そんな天気占いみたいなのでそこまで分かるんですか!?」
「当たるも八卦当たらぬも八卦よ」
124小ネタを一つ:2006/09/23(土) 18:42:09 ID:jVqowTr/0
紫苑「圭さんのお肌はとてもきれいですねぇ」
圭「…そうですか?」
美智子「見慣れている私でも改めて言われるとみとれてしまいます」
紫苑「最上級の白磁みたいですわ」
瑞穂「なんだか女の子の会話みたいですね」
美智子「あら、瑞穂さんたら、私たち女の子ではありませんか」
紫苑「それで圭さんはどんなスキンケアをしているんですか?」
圭「特別なことは何も…
  バランスの良い食事をとって、規則正しい生活、そして十分な睡眠が秘訣…
  というところでしょうか…」
美智子「あら瑞穂さん、なにか不満そうな顔をなさってますが」
瑞穂「いえ、圭さんの発言にしては、なんだかあまりにも普通すぎて…」
圭「(ドス黒いオーラを放って)…本当のことを言ったほうがよかったかしら?」
125名無しさん@初回限定:2006/09/23(土) 23:33:22 ID:qZUwJBMf0
圭さんが言うとシャレや冗談に聞こえません…
126名無しさん@初回限定:2006/09/24(日) 21:33:58 ID:uNOI1Pxx0
問1.
>>124で圭さんが言った「本当のこと」とは何か答えよ
127名無しさん@初回限定:2006/09/24(日) 22:37:05 ID:iy/uZNCM0
ギシギシアンアンをかかさない
128>>124:2006/09/24(日) 23:12:04 ID:NWAmM0ke0
バランスのよい食事→「邪神の心臓を主食材にした料理」
十分な睡眠    →「次の星辰まで眠る」
規則正しい生活  →「古のものとの戦いを中心とした運動」
・・・すまん・・これくらいしか思いつかなかった
129名無しさん@初回限定:2006/09/26(火) 22:18:01 ID:Sp3T8oHj0
みんなで街に出かけたときのこと

奏「なにか新しい映画やってるのですよ〜」
まりや「あーエイリアンじゃないなつかしいわね〜」
瑞穂「奏ちゃん、あれ昔の映画よ、リバイバル上映みたい」
奏「そうなのですか〜」
ゆかりん「エイリアンてずっとEILIANて書くと思ってました」
瑞穂「綴りが間違ってるわよ」
ゆかりん「そうですよねーありえない生物だからALIENって書くんですよね」
まりや「由佳里…そのギャグつまんない」
ゆかりん「えっ!?」
瑞穂「由佳里ちゃん…まさか本気でそう考えてたの?」
ゆかりん「・・・・・・・・・」
まりや「そんな子はホラー映画はしごの刑ね」
奏「あ、ちょうどリングシリーズがやってるのですよ、奏、久しぶりに見たいのですよ」
ゆかりん「ちょ、やめて!まりやお姉さま〜〜〜!!」
瑞穂「ごめんね由佳里ちゃん、こうなったまりやは止められないわ」

その後一週間ゆかりんはテレビが見れませんでしたとさ
130「びーじーえむ ばい てーま おぶ ろっきぃ?」:2006/09/27(水) 23:35:29 ID:8XvB0p2c0
夜も明けきってない時刻、一人の長身の少女が走っている。
言うまでもなく宮小路瑞穂だ。受験勉強のストレス解消と運動不足を補うためこの半月ほど走っているのだ。
いつものコース(学園3周ほど)を走り終えると珍しいことにまりやが出迎えてきた。
「あれ、珍しいね。まりやがこんな時間に起きるなんて」
「まあね、瑞穂ちゃんが走っているの見て私も付き合おうかなって・・・。陸上部引退してから私も暇だし」
「いいけど・・ってなにしてんのさ、まりや!」
「いやぁ、瑞穂ちゃんの汗のにおいを・・・ってぜんぜん男臭くないんでやんの・・・」
「(このおやじめ・・・・・)とにかくシャワー浴びてくるから・・・」
「はいはい、適当に二人(奏・由佳里)は足止めしておくわよ」
そして汗を流す瑞穂だった・・・・
131「びーじーえむ ばい てーま おぶ ろっきぃ?」:2006/09/27(水) 23:36:06 ID:8XvB0p2c0
「まぁ、瑞穂さん、ジョギングしてなさるの・・・」
「ええ、運動不足をおぎなうのに、気分転換にもぴったりですから」
教室にて、紫苑との会話である。
それを聞いていたクラスメイトが何人かよってくる。
「お姉さまはスタイルいいのにそういうことにも気を使うんですね」
「ほら、白鳥は優雅に泳いでいるように見えるけど水面下では足を忙しく動かしているといいますし・・・」
「お姉さまも例外ではない、ということですね」
わいのわいのと騒いでいる。「お姉さま」である瑞穂に対し、ささやかながらも親近感に似たものを感じているのであろう。
「私も付き合いたいのですけどさすがにその時間では起きれるかどうか・・・」
「あら、紫苑さんも興味があるのですか?」
「いえ、瑞穂さんが走る姿を見てみたい、と思いまして」
「そうなんですか」
「ええ、さすがに付き合うのは難しいと思いますので」
それを聞いたほかの女生徒達が瑞穂に声をかけた
「あの・・私達もご一緒に走ってもいいですか?」
「ええ、いいですけど・・・・結構距離は長いですよ?」
「構いません、どこまでもお姉さまについていきます!」
力強く言い切るその姿にたじろきながらも
「では明日の朝、5時に寮の前に来てください・・・」
という瑞穂。
「ふふふ、慕われていますのね、瑞穂さんは・・・」
「からかわないでください、紫苑さん・・・」
かくて明朝の瑞穂・女生徒合同ジョギングは決まってしまったのであった。
132「びーじーえむ ばい てーま おぶ ろっきぃ?」:2006/09/27(水) 23:39:28 ID:8XvB0p2c0
明朝・・・・・
「何でこんなにいるの・・・・」
そこには見渡す限り、トレーニングウェア姿の女生徒が集まっていた。どうやら昨日の話がいつの間にか全校に広まっていたらしい。
「うわぁ・・・さすが瑞穂ちゃん・・・お姉さまの面目躍如ね・・・」
「どうにかしてよ、まりや」
「いいじゃない、別に。それにたくさんいた方が楽しいし」
落ち込みそうになる瑞穂だったがいつまでもこうしているわけにはいかない。女生徒たちにあまり無理はしないこと、なるべく静かに走ることを注意することを告げて走り出した。
トップは瑞穂、そして後続はまりやを筆頭とした陸上部員達、やや遅れてその他の運動部員、そして一般女生徒たちの順で走っていた。
1週、2週と周り終えるころ、瑞穂は異常に気がついた。
足音がそろっているのだ、まるで訓練された兵士達のように。
後ろを走っているのは陸上部員達、走り慣れているから足音に乱れがないのは理解できるが、これほど一致して走れるわけがない。それに彼女達はいわゆる「お嬢様」なのだ、程度の差があれど。
しかもなにやら歌のようなものが聞こえてきた。
瑞穂は振り返った。
後悔した。
「みーずほちゃーんがはしってるぞ」
「「「みーずほちゃーんがはしってるぞ!!!」」」
「どーこまでーもおいかけるぞ」
「「「どーこまでーもおいかけるぞ!!!」」」
「おいかけろ」「[「おいかけろ!!!」]」
「おいかけろ」「「「おいかけろ!!!」」」・・・・・・・
「なにしてんだよ、まりや!」
「いやー、みんなバテてきたからカンフル剤を、と思って・・・、そしたらこんなに盛り上がって・・・」
「・・・・・・」
133「びーじーえむ ばい てーま おぶ ろっきぃ?」:2006/09/27(水) 23:40:05 ID:8XvB0p2c0
止まることを忘れて走り続ける瑞穂、追いかける女生徒たち。3周、4週・・・と止まるきっかけを失い走り続ける。
「(殺される・・・止まったら殺される・・・)」
ペースを上げる瑞穂、引き離されまいとついていくまりや達。いつ果てるともないジョギング地獄。
「(そうだ・・・!)」
学園を離れ街路を駆け抜けていく瑞穂、それを追いかけるまりや達。
道行く人たちがその姿を見て驚きながらも拍手を送っていく。
やがて瑞穂たちは公園に入っていった。そこのジョギングコースを走り大広場に出てステージに上がる瑞穂。そして
「うおぉぉぉぉ・・・!」
雄叫びを上げて。
「「「わぁぁぁぁ・・・!!!」」」
それに応えるまりや達。脱落者はほとんどいなかった。

「まぁ・・そんなことが・・・」
教室にて紫苑に今朝のことを話す瑞穂。
「はい、・・・」
あのあと息があがった女生徒たちから逃げだしたあと寮に帰らずそのまま学園に来た瑞穂は学園長の計らいでシャワーを浴び、紫苑から制服を借りていた。
「どおりで今日はいつもより静かだとおもったら・・・・」
そう、教室にはいつもの活気と華やかさがなかった。
実はジョギングに参加した女生徒の何割かはそのまま回復せず学園を休んでしまったのだ。しかもその中にはまりやもいた。
「なんというか・・・・もうジョギングはこりごりです・・・・」
134「びーじーえむ ばい てーま おぶ ろっきぃ?」:2006/09/27(水) 23:41:04 ID:8XvB0p2c0
次の日の朝。異様な雰囲気に気がつき昨日と同じ時間に起きる瑞穂。
そこには昨日を同じ光景が・・・!
「なにごとだよ、まりや!」
つい男口調で話す瑞穂。
「ふっ、元陸上部なのに昨日のような醜態をさらしたままでは引き下がれるわけないじゃない。この辱を雪ぐためにも走り続けるしかない!おーー!」
拳を上げるまりや、それに応える女生徒達。
「いくわよ、みんな!」「「「はい!!!」」」
パジャマ姿の瑞穂を残し走り出すまりや達。
その後、恵泉学院はおよそお嬢様らしくない活躍をし、陸上買いに其の名をとどろかせたとかしないとか・・・・
135コマイ:2006/10/01(日) 15:49:05 ID:eUBZhElL0
それはみんなで昼食をとったときのこと

由佳里「えーと、お薬お薬」
まりや「お?怪しいクスリか?」
由佳里「ちがいますっ!風邪薬ですっ!」
美智子「片仮名でクスリと言いますと、一段と怪しさアップですわね」
紫苑「日本語の魔力ですわね」
瑞穂「そういえば、由佳里ちゃん今朝から調子悪いって言ってたわね、大丈夫?」
紫苑「これ、眠くならない風邪薬ですわね…一日三回食後に服用…
   子供一回一錠大人二錠ですか」
まりや「なら、ゆかりんは一錠ね、お子ちゃまだし」
由佳里「ひどいです!精神年齢でいったらまりやお姉さまのほうがお子様じゃないですか」
まりや「言ってくれるわねピーマン頭」
美智子「また古い例えを…いまどき言いませんよ、そんなこと」
奏「そうなのですよ、それにピーマンは中にタネが入っているのですよ」
圭「ピーマンならいつかはタネから芽が出るかも」
美智子「中に何も入っていないと言えば竹ですわね、空気しかはいっていませんもの」
 ぽん
 圭さんがゆかりんの肩に手をかけて
圭「Banboo」
瑞穂「美智子さん…圭さん…コンビで非道いですよ…」
紫苑「ですが、瑞穂さん、由佳里ちゃんの方は「?」という顔を…」
瑞穂「イマイチ分からなかったようですね」
まりや「なんか涙がでてきちゃった」

136コマイ:2006/10/01(日) 15:49:51 ID:eUBZhElL0
瑞穂「それはそうと、由佳里ちゃんはお薬二錠よ」
由佳里「なんでですか?」
瑞穂「お薬の場合は15歳以上が大人扱いなの」
奏「それはどうしてなのですか?」
瑞穂「15歳以上になると内蔵が大人と同じ動きをするようになるからなのよ」
まりや「じゃ、あたしがお酒飲んでもなんにも問題ないわけね」
紫苑「あの、まりやさん…それ以前に法律で禁止されているんですよ」


137コマイ:2006/10/01(日) 15:50:24 ID:eUBZhElL0
美智子「15歳ですか…圭さんの故郷の元服の儀は大変でしたね」
圭「そうね…危うく死ぬところだったわ」
瑞穂「元服の儀?」
圭「そう、私の里では15歳になると元服の儀を行わなければならないの」
美智子「私も誘われて一緒に行ったんですよ」
奏「(恐る恐る)ど…どんな儀式なのですか〜」
圭「まず、両手両足に100貫の重りをつけるの、そして千尋の谷から飛び降りるのよ
  さらに上から大人たちが落とす大岩を避けるか受けるか砕くかするの
  これをクリアしてはじめて大人と認められるのよ」
美智子「昔は酸の海を泳いで渡らなければいけなかったそうです」
圭「まあ、美智子は部外者だったから参加しなかったけど」
奏「ぶぶぶぶ部長さんの故郷には大人はいるのですか〜〜」
瑞穂「圭さんてば、そんな嘘で奏ちゃんを怖がらせないで下さい」
紫苑「それにしても圭さんの故郷はどこなのでしょう?帰省したりするんですよね?」
まりや「紫苑さままで信じてるし」
圭「一度里に帰ってしまうと、こちらに帰ってくるまでに2〜300年は過ぎてしまいますから」
瑞穂「それ…浦島効果…ご実家は何光年先なんですか?ってまたそんな嘘ばっかり」
奏「ウソなのですか?」
由佳里「まあ常識的に考えてありえないですよね」
紫苑「ですがロマンがあっていいですね」
瑞穂「そんなロマンいやです」

圭「(ウソだと思われてしまった…)」
美智子「(まあまあ)」
138名無しさん@初回限定:2006/10/05(木) 21:21:57 ID:BPj+KZjP0
129氏、130氏、コマイ氏乙。
何か皆元気ねぇな。まぁ、私もだけど…。
139451 ◆GtN0Plfghk :2006/10/08(日) 21:26:52 ID:SG796YXU0
『 天高く… その1 』

「うっわ〜、こりゃマジやばいかも」
風呂場のヘルスメーターを覗いて、まりやが愕然としています。
「陸上引退してから運動量が減ったからなぁ…」
重い足取りで廊下を進むと、二階から瑞穂ちゃんが降りてきます
「あっ、まりや。みんなお風呂終わった?」
「あぁ、瑞穂ちゃん。あたしで最後だよ。はぁ…」
「あれ?どうしたの。なんだかまりやらしくないけど」
「瑞穂ちゃんは気楽だよねー。こんなことで悩まなくて良いから」
「全然わからないんだけど…何かあったの?」
「いわゆるオトメの悩みってやつよ。特にこの時期限定の」
「それは…僕に相談してもムダってこと?」
「うん、気持ちだけありがたく受け取っておくよ…んじゃね」
ひらひらと手を振って、まりやは部屋に消えていきます。
「どうしたのかな…なんだかこっちまで調子狂っちゃうよ…」
不安な面持ちで見送る瑞穂ちゃんです。

翌朝、食堂です。
「お姉さま、おはようございます!」「なのですよー!」
「おはよう、二人とも」
「まりやお姉さまのためにフレークは2箱出しておいた方が良いですよね?」
「そうね、由佳里ちゃん。まりやは一人で一箱の半分以上平らげるものね」
「お〜は〜よ〜」
「おはよう、まりや。こっちは封を切ってないフレークだから、好きなだけ取ってね」
「うっ…瑞穂ちゃん、悪いけどそんなにいらない」
「ま、まりや?どこか体の具合でも悪いの?熱でもある?」
「まりやお姉さま!無理しちゃダメですよ!」
「まりやお姉さまが大変なのですよー!」
「あ…あんたらねぇ…」

―続く―
140451 ◆GtN0Plfghk :2006/10/08(日) 21:28:46 ID:SG796YXU0
『 天高く… その2 』

「まりや、足元が危なっかしいけど…大丈夫?」
登校中も瑞穂ちゃんはまりやの様子が気になります。
「あ〜だいじょぶ…どうってことないよ」
「具合が悪いなら無理しない方が…朝食もほとんど食べてないし」
「ありがと。でも、自分の体を一番良く知ってるのは自分、ってね」
「それはそうだけど…」
「うっし、今日も張り切って行ってみようかー!瑞穂ちゃん、遅刻しちゃうよ!」
「あっ、ちょっとまりや!…ホントに大丈夫なのかなぁ…」

「瑞穂さん、B組の方からうかがったのですが…」
「紫苑さん、どうしました?」
昼休み、食事中の瑞穂ちゃんに紫苑さんが声をかけます。
「まりやさん、ずっと動けなかったらしいのです。なんでもお腹に力が入らないとかで」
「えっ、そんなにひどかったのですか?」
「席を立つのもやっとで、一人でまっすぐ歩けないとか…そんな状態らしいですわ」
「紫苑さん、ちょっとすみません。B組の教室に行ってきます!」
「あっ、瑞穂さん…」

B組の教室までやってきた瑞穂ちゃん、まりやは机に伏せたきりです。
「まりや!大丈夫?」
「あ〜へーきへーき〜。だーいじょーぶだよ〜」
肩を強く揺すっても、帰ってくるのは虚ろな返事です。
「あれほど無理しないでって言ったのに…医務室まで歩ける?」
「んん〜?わっ!み、瑞穂ちゃん?!ちょっと待って!具合が悪いわけじゃないから!」
「でも全然動けなさそうじゃない?先生に診てもらったほうが良いわ」
「…じゃあ、ちょっとだけお願いしていいかな?…医務室じゃなくて」
「え?」

―続く―
141451 ◆GtN0Plfghk :2006/10/08(日) 21:30:56 ID:SG796YXU0
『 天高く… その3 』

「まったく…まりやも無茶するんだから…」
売店でジュースとヨーグルトを買い、テラスに来たまりやと瑞穂ちゃん。
そのまりやは猛烈な勢いで3個目のヨーグルトを掻き込んでいます。
「むぐむぐ…ひょうがないへひょーが!ふぇっほりふぁやふふぁいふゅうおふぉふっふぇいえふぁ」
「はいはい、手っ取り早く体重落としたかったのね…でも少しずつでもちゃんと食べないと」
「…ぷはー。でも5キロも増えたらショックは甚大だよ?まぁ、瑞穂ちゃんにゃわからんだろうけど」
「間食も良くないしね、学院の帰りとか寝る前とか。心当たりない?」
「ぐっ…み、瑞穂ちゃん、追及が厳しすぎるんだけど…」
「当たり前だよ。さんざん心配したのに、ダイエットで目が回りました、って笑い話にもならないよ」
「うっ…それについては反省しております…けど、食欲の秋だしぃ」
「気持ちはわからなくもないけど…とにかく、もう無理はしないように。わかった?」
「へーい、以後気を付けます。あ、ヨーグルトおかわり…ダメ?」
「ま〜り〜や〜!」

夕食の時間、全員の目ががまりやに集中しています。
「まりや、ちゃんと食べてる?」
「う、うん。食べてるよー。控えめにしてるけど」
「まりやお姉さま、お体のほうはもうよろしいのですか?」
「今朝はほとんど召し上がっていなかったので心配だったのですよ〜」
「二人ともごめんね。心配かけちゃったみたいで…もう大丈夫だよ」
「でも、原因は何だったんですか?風邪とか疲労ですか?」
「…まぁ、一時的なものだから。こら、そこの瑞穂ちゃん、隠れて笑わない」
「…ご、ごめんなさい…ふふっ…」
「はぁ…」「よくわからないのですよ…」
「ん〜ごちそうさま。あ〜その〜、瑞穂ちゃん」
「え?」
「ちょっと相談したいことがあるから…後で部屋にお邪魔するよ」

―続く―
142451 ◆GtN0Plfghk :2006/10/08(日) 21:32:59 ID:SG796YXU0
『 天高く… その4 』

「で、相談ってなに?」
「実は…早朝の走り込みしたいんだけど、一緒に走ってくれないかな〜、と」
「え〜?まりやと走ったら僕なんか置いていかれるだけだよ…」
「そこを何とか!でないとこのままじゃぶくぶくのボテボテになっちゃうよ〜」
「それは自己管理の甘さが招いた…」
「うわ〜ん!瑞穂ちゃんの人でなし!冷血人間!困っている幼馴染みを見捨てるのかー!」
「わわっ!わかったから暴れないでよ!しょうがないなぁ、付き合うよ…」
「ありがとう!瑞穂ちゃんはやっぱり頼りになるねー!じゃ、明日の朝迎えに来るよー!」
「やれやれ…」

「本気のまりやはさすがだね…ちょっと休憩させてよ」
「ふっふ〜ん、あたしも捨てたモンじゃないわね♪ダッシュ10本、まだまだイケるわ」
調子が戻ったまりや。付き合わされた瑞穂ちゃんはさすがにバテ気味です。
「それにしても瑞穂ちゃん、ジャージだと重くない?」
「そうだね。全力だと足にまとわり付く感じかな…」
「そーお?んじゃブルマに着換えようねぇ〜♪」
「ぶっブルマ?!ちょ、ちょっと待ってよ〜!そんなっ!いきなり脱がすなんて!…あん♪」
「お〜、きれいなヒップラインだねー。瑞穂ちゃん、ええ○ツしてますな〜さわさわ」
「や、やめてよ〜。知ってる人にこんな格好見られたら…とほほ〜」
「さ〜もういっちょいくよ!照れてないでダッシュダッシュー!!」

普段なら朝練が始まる時間、なのですが…
「まぁ…まりやお姉さまとお姉さまが!」
「風と戯れる栗色の御髪…お美しいです…」
「素敵ですわ…お姉さまのブルマ姿…なんと躍動的なのでしょう!」
「あぁ、ちょっとだけでもお足に触れてみたいですわ〜!」
…今日はまとまな練習は出来そうもありません。

「にはは、瑞穂ちゃんモテモテ〜♪」「恥ずかし過ぎだよ…まりやの…ばかぁ…」 
―完―
143451 ◆GtN0Plfghk :2006/10/08(日) 21:35:14 ID:SG796YXU0
130さんとネタ的に被り気味ですが…季節物ということで。
144名無しさん@初回限定:2006/10/09(月) 00:07:44 ID:QS7BWmWI0
>>143
GJ(o^-')bb
145名無しさん@初回限定:2006/10/09(月) 00:25:10 ID:RxV1+g4b0
>>143
GJですわ
146名無しさん@初回限定:2006/10/09(月) 09:24:15 ID:4/WaVNDO0
>>143
まりや肥ゆる秋。良いです。GJ。
147コマイ:2006/10/09(月) 22:05:14 ID:oXLs8mv+0
>>146
こんな感じ?

まりや「天高く、馬肥ゆる秋ね〜」
瑞穂「もともとは中国の故事…というか詩ね」
紫苑「秋になると匈奴の馬が肥え太って秋の作物を略奪しに来るから注意しろ
   というような意味です」
まりや「ふ〜ん、じゃ、あたしも肥え太ってきたことだし
    瑞穂ちゃんを略奪してダイエットでもしますかにゃ〜」
瑞穂ちゃんに襲い掛かるまりや
瑞穂「ちょっとダメまりやっ!」
紫苑「あらあら仲のよろしいことで、それでは私も瑞穂さんを略奪させていただきますわ」
148コマイ:2006/10/09(月) 22:17:23 ID:oXLs8mv+0
瑞穂「それにしてもまりやは色々サボりすぎだから太ったりするのよ」
由佳里「部活はほとんどやりませんし…」
奏「それにお食事を減らしてもいませんのですよ〜」
まりや「むう…」
瑞穂「勉強して脳でカロリー使うわけでもなし…」
まりや「勉強が一番サボりたくなるわね」
瑞穂「ちなみにサボるってちゃんとアルファベットで書ける?」
まりや「無理っ!」
奏「sabotageなのですよ〜」
瑞穂「奏ちゃん正解」
突然現れた圭さん
圭「違うわよ奏、もともとは日本語なの、仏教用語よ
  お勤めもせずに茶房でお茶ばかり飲むことを「茶房る」と言ったのよ
  それが中世に日本に来たオランダ人とかに広まって英語に取り入れられたのよ」
奏「ええ〜そうだったのですか〜」
瑞穂「圭さん…それはなんていう民明書房ですか…」
紫苑「それなら
   茶房で多くの時間を過ごした亜儒→茶房多亜儒→サボタージュ
   なんてのもアリですわね」
まりや「紫苑さま…」
瑞穂「あら?どうしたの由佳里ちゃん、不機嫌そうで」
由佳里「私…ネタキャラの地位も奪われそうで…」
一同「・・・・・・・・・・」
149コマイ:2006/10/09(月) 23:27:37 ID:oXLs8mv+0
瑞穂「そういえばもうすぐ貴子さんのお誕生日ですね」
貴子「お姉さまに覚えていていただけたなんて…」
奏「奏、由佳里ちゃんとケーキを焼いてお祝いするのですよ〜
 ローソクもお年の数だけ立てるのですよ〜」
貴子「まあ奏さんたら、ですが年の数だけローソクを立てると…
   100平米くらいのケーキでないと無理ですわね」
由佳里「はう、100平米のケーキなんて無理です〜」
奏「あきらめてはダメなのですよ由佳里ちゃん!」
由佳里「そうよね奏ちゃん!努力と根性で作ってみせるわ!100平米のケーキ!」
奏「奇跡は起こるのですよ!起こしてみせるのですよ〜!」
瑞穂「ね、ねえ二人とも…作ったとしても誰が食べるの?そんな大きなケーキ」
貴子「まりやさんなら一人で1/3くらいはいけそうですわね」
まりや「無理に決まってるでしょーが!
   てゆーかツッコミどころはそこじゃないでしょ瑞穂ちゃん!
   一体あんた何歳よ貴子!!」
貴子「まあ、女性に年を聞くなんて失礼ですわよまりやさん」

150名無しさん@初回限定:2006/10/10(火) 02:53:04 ID:jhNEW7LQ0
>>149
>年の数だけローソクを立てると…
>100平米くらいのケーキでないと無理ですわね
>一体あんた何歳よ貴子!!

仮に10メートル四方のケーキに2cmごとにロウソクを立てるとすると、
[ { ( 10 * 100 ) / 2 } -1 ] の2乗?
=24万9千とんで1歳!?

だれか検算してください・・・
151名無しさん@初回限定:2006/10/10(火) 05:48:42 ID:3chKnygo0
瑞穂たんにちゅっちゅしたいよ〜〜〜
152名無しさん@初回限定:2006/10/10(火) 15:46:04 ID:QDgtDh0I0
>>150
両端に1本分の間隔2cm分ずつ取るとすればそうなる。

でもまぁ、2cm間隔のロウソクはさすがにちと間隔狭すぎる気がするぞ。
きっと厳島家ではウェディングケーキ1個分くらいの総面積に対して1本程度ロウソクを使うんだろう。

しかし、厳島家の人間が貴子の誕生日を祝ってくれた…とは思えんな。
好きなものでも買えと金かカードを渡してくる気がするぞ。
153名無しさん@初回限定:2006/10/10(火) 23:32:22 ID:Noi84DbD0
>>149
にトップをねらえ!のネタがあるのに気付いた僕は瑞穂ちゃんをどうしたらいいでしょうか?
154東の扉:2006/10/11(水) 05:22:09 ID:78nsCwBX0
〜お姉さまの不安感〜


……何か、変だ。
校門をすれ違う女の子たちが、誰も僕に挨拶をしてこない。
「………?」
なぜだろう? も、もしかして正体がバレたとか?
そういえば、みんな僕のほうを見て、赤い顔してるし……。
そう思って並木道を歩いていると、1人の女の子が転んでいるのが見えた。
「大丈夫?」
僕は声をかけて女の子を見た。どうやらひざをすりむいているようだ。
「は、はい、大丈夫で……お、お姉さま!」
「立てる? 手を貸してあげますから、学校に着いたら、保健室で診てもらいなさい」
僕がそう言って女の子の手に触れると、
「いいい、いえ、だ、大丈夫です! お姉さまのお手を煩わせるわけには……」
女の子は真っ赤な顔になり、そう言って慌てて立ち上がると、一目散に校舎に駆けていった。
「……どうしたのかしら?」
そういえば、朝食の時もおかしかった。奏ちゃんと由佳里ちゃんが、何度も僕のほうを見ていたけど、僕に話しかけてこようとしなかった。
視線が合いそうになると、顔を真っ赤にして、慌ててそらしていたっけ。2人とも妙にそわそわして、落ち着かない感じだったし……
まりやはまりやで、そんな2人をニヤニヤ笑いながら見てたっけ。
155東の扉:2006/10/11(水) 05:24:01 ID:78nsCwBX0
「下駄箱が開かない……またラブレターかな?」
僕にラブレターが来るってことは、バレたわけではなさそうだ。
いや、ひょっとして不幸の手紙に変わってる……とか。
僕は屋上の近くの階段の踊り場まで来ると、手紙を1つ読んだ。
「1ーB 神尾ゆりか……この娘って」
いつもラブレターをくれる生徒の名前は、すっかり覚えてしまっている。それがどんな内容なのかも。だいたい、全体の3割くらいはきわどい内容なんだ。
ちなみに彼女のくれるラブレターもその1つだ。そんな名前の生徒はいないらしいから、偽名じゃないかと思う。
まりやに聞いたところ、きわどい内容のラブレターは、偽名である可能性もあるらしいし。
手紙の内容を見れば、バレたのかどうか、嫌われたのかどうかがわかるはずだ。一応見てみよう。

前略 お姉さまへ
私は、以前からお姉さまの優しげな雰囲気と声が大好きでした。お姉さまのお顔を拝見するたび、胸が高鳴り、
どうしようもないほどいやらしいことばかり思い浮かべてしまいます。
昨日もお姉さまが私の前でその綺麗なお口から、淫らな言葉を紡ぎ、激しく私を求めるお姿を思い浮かべ、1人で快楽の泥沼におぼれてしまいました。
どうかこんな私に、お姉さまのお仕置きを……。
「はあ……」
やっぱりまたこの内容か……なんか、官能小説でも読まされてる気分……いや、読んだことはないけど……。
他の手紙も読んでみると、たいていが同じく、僕が手紙の送り主を激しく求める様子を連想した……
というものだった。しかも、そういう内容の手紙が増えてるし……。
今までとは、何かが違う。
「いったい……僕……何をしたんだろう……」
このままじゃ、本当に欲求不満になってしまいそうだ。
156東の扉:2006/10/11(水) 05:25:19 ID:78nsCwBX0
クラスメイトの反応も、似たようなものだった。僕が教室に入ると、みんな顔を赤くして、話しかけるとより顔を赤らめて逃げてしまう。
貴子さんなんか、声をかけただけで全身真っ赤にして気絶してしまったし……。
ラブレターの内容から、嫌われているのではないとは思うけど。
「美智子さん、いったい何が起こっているのか知りませんか?」
「瑞穂さん……何が、とは?」
「ええ、実は……」
僕は、美智子さんと圭さんに、朝から今までのことを話して聞かせた。
「ああ……そのこと。大丈夫」
「え?」
圭さんがそう答えた。
「大丈夫。あなたは、嫌われてはいない」
「そう……ですか……じゃあ、いったい何が」
「秘密……」
秘密って言われても……よけい気になっちゃうよ……。
157東の扉:2006/10/11(水) 06:25:22 ID:78nsCwBX0
「はあ……はあ……はあ……」
僕は、今トイレの中にいた。と言っても、用を足すためではない。気分を落ち着かせるためだ。
僕の言った不用意な一言で、一部の過激なエルダーファン? なのかな……が暴走してしまった。
僕は彼女たちの心に火をつけてしまったようで、レイプされそうになった。
「女の子にレイプされるなんて……末代までの恥だよ……」
いや、というか、もしそんなことになったら、男だとバレてしまうわけで、この学院にはいられなくなる。
レイプされることもかっこ悪いけど、女装してここに通っていたことがバレても……いや……なんか頭痛くなってきた。
整理しよう。ここで落ち着いて、気持ちと事態を冷静に考えてみよう。
「あ……ん……」
そう思ったとき、隣の個室から声が聞こえてきた。
「ん……くっ……ふぁあ……」
僕の身体から、冷や汗が流れていくのがわかる。一子ちゃんと体験した僕には、この声の意味がわかってしまったから……。
「あ……やだ、お姉さま……そんな……エッチなこと……言っちゃ……」
「………!!」
それを聞いた瞬間、僕はたまらなくなり、ドアを乱暴に開けて全速力で逃げ出した。
気持ちを落ち着かせようと思ったのに、逆にもっと乱れちゃったよ。
158東の扉:2006/10/11(水) 06:26:23 ID:78nsCwBX0
「紫苑さん……」
僕は保健室に逃げ込むと、そこには先客がいた。
「瑞穂さん……どうかなされましたか? お顔の色が優れないようですが……」
「紫苑さん……実は……」
僕は、これまでの経緯を、すべて紫苑さんに話した。
「そうですか……そのようなことが……」
「ええ……少なくとも私が何かをしてしまったのは間違いないと思いますが……」
「瑞穂さん……何か、心当たりはありませんの?」
「そう言えば、昨日、お酒をジュースと間違えて飲んでしまったことがありましたけど……あ!」
言ったんだ! 酔っ払ってるときに、何かを……。
それとも、誰かを誘っていやらしいことをしてしまったとか……あるいは……。
「あら、瑞穂さん、落ち込んでしまわれましたわね」
「酔っ払って誰かにエッチなことをしちゃうなんて……うう……僕は……僕は……」
「瑞穂さん?」
「紫苑さん……」
「早合点はよくありませんわ。とにかく何が起こったのか、事実を確認した上で、対策を考えるべきだと思いますわよ?」
「そ、そうですね……紫苑さん……ありがとうございます……」
僕は、この妄想が現実でないことを願いながら、保健室を出て行った。
「ふふ……瑞穂さん、原因はおそらく“あれ”だと思いますわよ? 楽しいからお教えしませんでしたけど、ね」
159東の扉:2006/10/11(水) 06:29:22 ID:78nsCwBX0
その日の夜、深夜0時を回った頃、僕は寝付けなかったので、食堂に飲み物を飲みに降りてきた。
「ふう……」
飲み終えて空になったパックを捨てるために、ゴミ箱に目をやると、2つのカセットテープが捨てられていた。
「カセットテープだ……中身はなんだろ?」
捨てられてたんだから、僕がもらってもいいわけだよね?
食堂に置かれていたラジカセにイヤホンをつけて、中身を聴いてみると、聴こえてきたのは……。
「な……な……何これー!?」
その内容を聴いて、僕はびっくりした。
「ああーん、もっとなめてえ……瑞穂、あなたにいっぱいなめてもらって、もうぐちょぐちょなのー」
「あああ……気持ちいい……瑞穂のエッチな液をあなたに飲んでもらって、いやらしい音がいっぱいしてるよお……」
「ねえ……入れてえ……瑞穂にあなたの……入れてえ……」
「ねえ……お願い……もっとして……瑞穂、ずっとあなたと悶えていたいの……もっと瑞穂にエッチなこと……してえ……」
それに録音されてたのは、そういったダイヤルQ2のような内容の声(と言っても、聴いたことないけど……)
それも、僕と同じ名前の女の子が、名前一人称で、いやらしい言葉を連発していた。
160東の扉:2006/10/11(水) 07:19:54 ID:78nsCwBX0
「あ、お姉さま!」
そこへ、由佳里ちゃんが降りてきた。
「ね、ねえ、由佳里ちゃん、これ、いったいなんなの?」
「それ、どこから持ってきたんですか?」
「そこのゴミ箱に入ってたのだけど……」
「ああ、それは、まりやお姉さまが、昨日私たちに聞かせたものです。
なんでも、深窓のお嬢さまがメインヒロインのPCゲームらしいですけど……」
「じゃ、じゃあ、この瑞穂っていうのが……」
「はい。その深窓の令嬢の名前です。フルネームは確か藤堂瑞穂ですけど……」
「……なんか、半分壊れてしまってるみたいだけど、どういう内容なのかしらね」
「ええ。内容を見せてもらいましたけど、(←※犯罪です)純愛がテーマみたいです」
純愛がテーマってことは、これはひどいことされる……ってわけじゃなさそうだな。
「そのお嬢さま、なんか名前だけじゃなく、性格もお姉さまと似てらっしゃるんですよ。
他人に幸せになってもらうためなら、自分はどうなってもいいっていうか、
そのために一生懸命がんばる、けなげな女の子です。
ちょっと、いやかなり世間知らずですけど……」
由佳里ちゃんはそう言ってそのゲームの内容を話してくれた。僕と似ているかどうかはわからないけど……。
161東の扉:2006/10/11(水) 07:21:45 ID:78nsCwBX0
「でも、名前一人称でしゃべるのね。そのお嬢さま」
「はい。見たところ、幼い感じのキャラでしたから……」
とはいえ、自分と同じ名前でしゃべられるのも……。
「それで、これはどういうシーンなの?」
「最後あたりですね。そのお嬢さまが主人公を好きで好きでどうしようもなくなって、
遠く離れてて今まで会えなかった寂しさから、積極的に求めてくるんですよ」
「そ……そうなの……じゃあこれ、2つあったけど、奏ちゃんと由佳里ちゃんの?」
「はい。それ聴いてる時、奏ちゃん、途中で顔を真っ赤にして倒れちゃって……
私も聞き終わってから、しばらく動くことができませんでしたから……」
まりや……奏ちゃんと由佳里ちゃんにこんなもの聴かせないでよね……。
「ちょっと待って……2つあるってことは、まさか……」
「はい。まりやお姉さま、そのシーンを録音して、
ダビングして学院の生徒に売っていましたから(←※これも犯罪です)」
「ふ……ふふふ……そう……そうだったの……」
みんなの様子がおかしかったわけが、やっとわかったよ……。
162東の扉:2006/10/11(水) 07:22:56 ID:78nsCwBX0
「お……お姉さま……なんか怖いです」
「大丈夫よ。由佳里ちゃんには何もしないから」
「そ……そうですか……」
「でも、そういえば由佳里ちゃんは、なんで降りてきたの?」
「わ、私ですか? 私は……その、私ものどが渇いたので、何か飲もうと思いまして」
「そう。麦茶はもうあまり残ってなかったけど、ほかの飲み物ならいっぱい残ってたわよ」
「わかりました。じゃあ、アクアリアスにしよっかな」
その後、僕と由佳里ちゃんは会話を続けた。
「あの……お姉さま、お休みにならないんですか?」
「うん。もうちょっとここで休んでようと思って」
「でも、早くお休みにならないとお体に障りますよ?」
「ありがとう。でも大丈夫だから。由佳里ちゃんこそ、明日朝練があるんでしょ?」
「あ、そ、そうですね。じゃあお姉さま、お休みなさい」
「お休み、由佳里ちゃん」

「ふふふ……まりや、明日、楽しみにしてなさいよ……」
由佳里ちゃんが部屋に戻った後、僕はそうつぶやいていた。
163東の扉:2006/10/11(水) 07:58:30 ID:78nsCwBX0
おまけ1

その約1時間後、暗闇の食堂を忍び足で歩く人影が1つ……。
人影はキョロキョロとあたりを見回すと、ゴミ箱をあさり始めた。
「あ、あれ? な、ない! どうして!?」
「お探し物はこれですかな? ゆかりん」
背後から聞こえた声の主は、懐中電灯で人影を照らす。
「ま、まりやお姉さま、な、なんで……」
由佳里がまりやを見ると、手にはカセットテープが2つ……。
「だってさー、聖央の淫乱クイーンがこんなものをこのまま捨てておくとは思えないからねえ。
昨日は釘刺したばかりだから取りに来れない……となると、今日取りに来るしかない。図星でしょ?」
「私は淫乱クイーンじゃありません! 勝手に変なあだ名つけないでください!」
「ふうん……じゃあ、いったい何しに降りてきたのかね? ゆかりん」
「だからゆかりんでもありません!」
「はいはい。で、淫乱でないなら、何しに降りてきたの?」
「それは……大切なメモがどこにも見つからないから、ひょっとして捨てたのかもしれないと思って……」
164東の扉:2006/10/11(水) 07:59:41 ID:78nsCwBX0
「ふうん……何のメモ? あたしも一緒に探してあげるわよ?」
「結構です! 内容は見られたくないですから」
「見られたくないってことは、やっぱエロいことが書かれてるのね?」
「違います! えっと、料理のレシピですよ! それ作ってお姉さま方を驚かせようと思ってましたから!」
「あっそ、じゃ、そういうことにしておきましょ。じゃあこれ、ゴミ置き場に入れていいのよね?」
「え……?」
「だって、これを取りに来たんじゃないんでしょ? だったらいいじゃない」
「え、ええ……もちろんいいですよ……」
「じゃ、お料理楽しみにしてるわね。お休み」
「お、お休みなさい……」
ちなみにその後、由佳里は2度にわたってテープを取りに来るところをまりやに目撃され、
3度目でやっと回収したという……。
そして由佳里は次の日、風邪だということで学校を休んだ。実際は寝不足なのだが。
そしてその日、寮から妙な声を聞いたという生徒がいたとか、いなかったとか……。
165東の扉:2006/10/11(水) 08:00:48 ID:78nsCwBX0
おまけ2

由佳里が学校を休んだ日、聖央の女子寮で……。
「あ、あの……お姉さま、まりやお姉さまが、まだ戻ってこられないのですよ」
「そう? まりやのことだから、また何か悪さをして、誰かにおしおきされてるんでしょ? 
ほっとけばいいわ。朝には帰ってくるでしょ?」
「お、お姉さま……なんだか、怖い……」
「気のせいよ、由佳里ちゃん……そういえば、風邪はもういいの?」
「あ、はい……一日寝てたら、よくなりました」
「まりやお姉さま……ほんとうに戻ってこられるのでしょうか……ちょっと心配なのですよ……」
「心配しすぎよ、奏ちゃん。まりやが突然いなくなるのは、昔からよくあることだったから……」
「そ、そうなのですか……」

そのころ、教会の礼拝堂では……。
「あーん! 瑞穂ちゃーん! もうしないから、降ろしてー!」
怒り心頭の瑞穂に逆さ磔にされたまりやの泣き声が響き渡っていた……。
166東の扉:2006/10/11(水) 08:26:33 ID:78nsCwBX0
はじめまして。初投稿させていただきます。
あるゲームをしていて思いついたので書いてみました。
(もちろんセリフや名前は変えてありますが)

駄文、失礼いたしました。
167東の扉:2006/10/11(水) 08:38:38 ID:78nsCwBX0
>>107

エピローグはまだなんでしょうか?
私で勝手にそれを考えてしまいましたが……。
168名無しさん@初回限定:2006/10/11(水) 12:22:18 ID:j5yfulBo0
>>154-167
GJ この調子で次回作もヨロ

あと、ここは一応sage推奨らしいので…
169名無しさん@初回限定:2006/10/11(水) 13:01:09 ID:W2Ko+I890
>>166
乙華麗。
どんなエピローグを考えたのか是非教えて欲しいですな。

>>168
作品をうpるときだけageるみたいなルールがあったような気がするんですけど、今はほぼsage進行ですねぇ。
170名無しさん@初回限定:2006/10/11(水) 18:45:24 ID:4QSNv7l70
体育祭の一幕

瑞穂「さて、次は棒倒しね」
まりや「あたし棒倒しとくいー」
瑞穂「下ネタ禁止ね」
由佳里「棒倒しといっても棒のてっぺんについてる旗をとるだけですし」
瑞穂「棒の高さは4〜5メートルくらいかしら」
まりや「むう、説明会話」
由佳里「まりやお姉さま…なんで靴をぬいでるんですか?」
まりや「我に秘策あり、まあ見てなさいな」
瑞穂「?」
まりや「じゃ、あたしが由佳里たちを連れて突撃するから瑞穂ちゃんは防御よろしく」
瑞穂「やりすぎないでね…」
君枝「体力バカのまりやお姉さま相手では防御を固めるのが得策と思いますけれど…」
貴子「君枝さんにまで体力バカと言われてしまいますか…
   ですが敵の攻撃を防いでる間に隙をつくのがよろしいようですわね」
紫苑「今回の競技は私が審判ですわ、それでは始めっ!」
貴子陣営に突撃するまりや、由佳里たち
それを待ち構える貴子、君枝たち
まりや「先陣は武人の誉れぞ!ゆけいっ!由佳里っ!」
由佳里「上岡由佳里!突貫しまーす!」
貴子「君枝さん!ここが踏ん張りどころですわ!」
さらに由佳里の後から攻め込むまりや、ゆかりんの背中を駆け上って
由佳里「きゃあっ頭を踏まないで下さい!・・・踏む?」
貴子「・・・・・・・・・・・・猿」
君枝「あれ・・・アリなんですか?紫苑お姉さま」
紫苑「おもしろいからアリです」
ゆかりんを踏み台に棒をするすると登っていったまりやは邪魔されることなく
棒のてっぺんに結ばれた旗を奪取してしまいました

171東の扉:2006/10/12(木) 10:00:48 ID:s1XPSXBk0
>>168

すみません。初心者なのでルールがよくわかってませんでした。

>>169

それでは書かせていただきますね。と言っても、これはQooさんの作品ですので、
真のエピローグではない、ということにしておきます。
では、Qooさん、お先に失礼いたします。

ーゆかりんのひとりでできるもん! アナザーエピローグー
172東の扉:2006/10/12(木) 10:07:13 ID:s1XPSXBk0
由佳里「はっ!」
私が意識を取り戻したとき、教室には誰もいませんでした。
由佳里「どう……しちゃったのかな?」
何がなんだかわからずに、今までの記憶を辿ってみます。
トイレで1人エッチをして、お姉さまたちの話をごまかすためにその状態のままトイレを出て、
振動しているローターを中に入れたまま教室にいて……。
かあーっ……。
自分が今までしていたことを思い出すと、恥ずかしさでいっぱいになりました。
由佳里「はっ!」
今、自分がローターを中に入れていることに気がつきました。
由佳里「だ、誰もいない……よね?」
誰もいないことを注意深く確認すると、私はそれを取り出し、それとびしょ濡れになったショーツをふきました。
そして、まだ振動しているローターをポケットにしまいます。
由佳里「はあーっ……」
私は大きなため息をつきました。やっとこの桃源郷の無間地獄から解放されたようです。
でも、誰かに見られていたら、そう思うと全身からいやな冷や汗が浮かんできます。
誰かが私が教室でしていたことに気づいたら、ううん、間違いなく気づいているでしょう。もう私の学校生活は終わりです。
なんでこんなことに……ううん、なんであんなことしちゃったんだろう……私の心の中は後悔でいっぱいでした。
そう思っているうちに、クラスメイトが入ってきました。
友人 「あら、由佳里さん? もうお起きになられましたの?」
由佳里「あ、はい……」
友人 「授業が終わってもお休みになってらっしゃるから、私たち、心配していましたのよ。
   時々あるといっても、先生の前ではお気をつけなさい」
由佳里「はい……」
もしかして、気づかれてない?
あとで聞いたところによると、私が目を閉じたときには、もう授業は終わっていたようです。
そしてみんな、私が寝ているものだと思い込んでいるようです。
173東の扉:2006/10/12(木) 10:08:43 ID:s1XPSXBk0
由佳里「はあああああ……死ぬかと思った……」
よかった……私は恐怖から解き放たれ、その場にしゃがみこんでしまいました。
もうやめよう、あんなことは……今回はたまたま運よく見られなかったけど、次も同じだとは限らないし……。
まだ次の授業まで時間はある……私はトイレにコントローラーを取りに行くことにしました。

由佳里「な、ない!?」
私の入っていた個室を入念に調べますが、どこにもコントローラーはありませんでした。
由佳里「そ、そんな……どうして?」
念のために周りや隣の個室もしらべましたが、やはり落ちていませんでした。
キーンコーンカーンコーン
その時、無情にも次の授業のチャイムが鳴りました。
私はしかたなくコントローラーの回収を断念し、教室の戻りました。
174東の扉:2006/10/12(木) 10:30:48 ID:s1XPSXBk0
由佳里「こ、これは……」
陸上部が終わって寮に戻ってきた私は、コントローラーを発見し、驚きました。
由佳里「な、なんで……」
なんでこんなところに……そう言いかけた時、食堂に誰かが入ってきました。
まりや「ああ、由佳里、帰ってたの?」
由佳里「まりやお姉さま……」
瑞穂 「由佳里ちゃん、お帰りなさい……」
由佳里「お姉さま……た、ただいま……」
食堂に入ってきたのは、まりやお姉さまとお姉さまです。
由佳里「あ、あの……これは?」
まりや「ああ、それ? 由佳里のいた個室で拾ったんだけど、なんなのかわかんなかったから、
   とりあえず寮に持って帰って、明日先生にでも届けようと思って」
見つかってほっとしました。けど、先生になんて……。
由佳里「ダメッ!」
私は思わず叫んでいました。そんなことしたら、相当の処分が下されるはずです。
何より、お姉さま方に知られることになる……。
まりや「何がダメなのかな? 由佳里」
しまった。まりやお姉さまにかかると、深く追求されてしまう。そんなことになったら、
絶対に一生これをネタにからかわれることになっちゃう……それよりも、お姉さまにだけは知られたくない……。
由佳里「え、えっと……わ、私の知り合いが同じものを持ってるのを見たんです。
   だから、その人のじゃないか聞いてみますから……」
瑞穂 「そう? じゃ、それは由佳里ちゃんに預けておくわね」
由佳里「は、はい」
どうやら、うまくごまかせたようです。お姉さま方、ウソついてごめんなさい。
私は、さりげなくスイッチを切りました。
ポケットの中の振動も、ようやく止まったようです。
175東の扉:2006/10/12(木) 10:32:22 ID:s1XPSXBk0
夕食も終わって、お姉さま方も奏ちゃんも部屋に帰った後、私はローターとそのコントローラーを見比べていました。
由佳里「つ、疲れた……トイレでこれ使ってエッチしてて、お姉さま方がこれが来た宅配便のこと話してたから、
   授業中までしてしまうことになって……」
私はそれをポケットにしまって、部屋に戻ることにしました。すると、食堂の扉の向こう側に……。
由佳里「!! お、お姉さま……」
お姉さまが立っていました。私の全身から滝のような汗が流れていくのがわかります。まさか今の私のセリフ……。
瑞穂 「あ、ああ、由佳里ちゃん」
由佳里「お姉さま、今の話……」
瑞穂 「どうしたの? 私は今来たところだけど、何か話してたの?」
どうやら、お姉さまは聞いてなかったようです。私はホッとしました。
由佳里「い、いえ、聞いてないならいいんです。た、たいしたことじゃありませんから!」
瑞穂 「ふふっ、そんなに力説しなくてもいいじゃない。おかしな娘ね」
お姉さまが優しい笑顔を私に向けて来ました。それに罪悪感を感じながらも、私は話題を変えることにします。
由佳里「そういえばお姉さまは、なぜこちらに?」
瑞穂 「うん。気分転換にテレビを見ようと思ったんだけど、気が変わったから、もう部屋に戻ろうと思って」
由佳里「そうですか。おやすみなさい、お姉さま」
瑞穂 「おやすみなさい、由佳里ちゃん」
176東の扉:2006/10/12(木) 10:33:31 ID:s1XPSXBk0
私も少しして2階に上がりました。すると、お姉さまの部屋の前を通ったとき、
瑞穂 「はあああああ……心臓止まるかと思ったあ……」
え? お姉さま、どうしたんだろう?
瑞穂 「まさか由佳里ちゃんが、あんなことしてたなんて……さっきは、とっさにうまくごまかしたけど……」
やっぱり、聞かれてたんだ……私の目の前が、真っ暗になりました。
お姉さまは私の気持ちを考えてウソをついてくれたのですから、お姉さまを責める気持ちはありません。
むしろその心遣いには感謝しています。
でも、知られてしまった。ある意味、まりやお姉さま以上に知られたくない人に。
瑞穂 「誰?」
お姉さまが扉を開けて出てきます。
逃げなきゃ!
心の中ではそう思うのですが、ショックのため足が硬直して動いてくれません。
瑞穂 「ゆ、由佳里ちゃん……」
由佳里「お姉さま……やっぱり私の独り言、聞いてたんですね……」
私の目から、自然と涙が溢れてきました。こんな自分が情けないと思いながら、どうしても抑えられませんでした。
瑞穂 「ごめんなさい。聞くつもりはなかったんだけど……」
由佳里「うっ……ひっく……えぐ……」
瑞穂 「困ったわね。とりあえず、部屋にお戻りなさい」
そう言って、お姉さまは私を部屋に送り届けてくれます。
177東の扉:2006/10/12(木) 10:59:12 ID:s1XPSXBk0
瑞穂 「そうだったの……」
お姉さまは、私の懺悔を、そのまま聞いてくださいました。
由佳里「わ、私……これでお姉さまに嫌われちゃうのかと……思うと……くやしくて……情けなくて……」
嗚咽交じりの私の懺悔を聞いて、お姉さまは意外なことをおっしゃいました。
瑞穂 「そんなに気にしないで。私はそんなことで由佳里ちゃんを嫌ったりしないから……」
由佳里「ほ、ホント……ですか?」
瑞穂 「本当よ。確かにちょっと驚いたけど、どっちでも由佳里ちゃんは可愛い妹だもの」
お姉さまの瞳からは、その場しのぎのウソという感じは見受けられません。
私はお姉さまの寛大さに、嬉しくてたまらなくなりました。
瑞穂 「それに、私だって、たまにエッチな気分になったりしちゃうからね」
由佳里「え? お姉さまが、ですか?」
私は、自分の耳を疑いました。お姉さまが、まさか……。
瑞穂 「あら、私だってエルダーである前に、1人の人間なんですからね」
その言葉に、私の心はいくぶんか軽くなりました。
瑞穂 「でも、学校でそんなことをしちゃうのは、さすがに問題ね。これはエルダーとして、お仕置きが必要ね。
   それも、もう2度とこんなことしないって思えるくらい、とびっきりのをね」
私は再び絶望でいっぱいになりました。お仕置きされちゃう……自業自得とはいえ、相当な覚悟をしなきゃ……。
178東の扉:2006/10/12(木) 11:00:38 ID:s1XPSXBk0
瑞穂 「さあ、そこに立って。動いちゃダメよ」
由佳里「は、はい……」
私がそうすると、お姉さまは私の服を脱がそうとしました。
由佳里「え? お、お姉さま、何をなさるんですか!」
瑞穂 「だから、お仕置きよ。由佳里ちゃんは、私の見てる前で、それを使って1人エッチするのよ」
由佳里「えーっ!?」
私は、あまりのことに驚きを隠せませんでした。
瑞穂 「そうすれば、その時の恥ずかしさを思い出して、歯止めがかかるでしょ?」
由佳里「お姉さま、もし、イヤだと言ったら?」
瑞穂 「その時は、このことをまりやに言いますから」
由佳里「わ、わかりました……」
私は、泣きそうでした。お姉さまの前ですることになるなんて……。
由佳里「じゃ、じゃあ、いきますね」
下着姿の私は、ショーツをずらします。それだけで、恥ずかしさでいっぱいでした。でも、お姉さまの見てる前で、
いやらしいことをしている、ということが、恥ずかしさを徐々に快楽へと変えていきます。
トイレの時と同じようにあそこの中へ入れます。深いところまで……。
あの時のいやらしいことを、これからお姉さまの前でするんだ、と思うと、のどから熱いものがこみ上げてきました。
心臓は、ずっとドキドキしています。
入れるときは、トイレの時以上に濡れていました。1人エッチをしてるところをお姉さまに見られてる。しかも下着姿で……。
極限まで高まった羞恥心と興奮と快楽が、乳首も硬くしていました。
179東の扉:2006/10/12(木) 11:03:01 ID:s1XPSXBk0
瑞穂 「じゃあ、スイッチを入れるわね」
コントローラーは、お姉さまが持っています。お姉さまがそう言って、スイッチをオンにすると、あそこをやわらかい刺激が襲います。
由佳里「ひゃああっ!」
私は、たまらず声を上げていすの上にしゃがみこみました。
瑞穂 「いいわよ。そのまま座ってれば」
お姉さまはそう言って、私の後ろに回ります。
瑞穂 「もうこんなに濡れてるわ。これだけで感じちゃってるのね。可愛いわ、由佳里ちゃん」
お姉さまがそう言ったかと思うと、首筋になめるような感触がしました。
由佳里「ひんっ!」
背筋がぞくっとしました。イヤな感じじゃなく、気持ちいい感じで。
瑞穂 「あら、ここも敏感なのね」
行為自体はトイレでしていたのと同じですが、お姉さまの言葉を聞きながら、お姉さまの前で、お姉さまの手でされている、
という事実が、興奮と快楽を何倍にも引き上げます。
由佳里「ひゃああっ!」
あそこの刺激が、さらに強くなりました。お姉さまが、コントローラーを弱から中に設定したようです。
あれだけローターを入れていたせいか、身体もかなり敏感になっているようです。もう頂点を迎える予感がしていました。
お姉さまにいやらしいことをされて、イっちゃうんだ……今まで、1人エッチをしながら、何度も思い浮かべた光景。
それが、今現実のものになっている……。
そう思うと、恥ずかしくて、でもうれしくて……。
由佳里「やあっ! イく……イく……イっちゃうう……」
瑞穂 「あら、もう? 随分早いのね……いいわよ」
由佳里「やあああああっ………!!」
私は、身体が宙に浮くような感覚を覚えました。
ああ……私、お姉さまに見られながら、イっちゃったんだ……。
そう思うと、また感じてきそうでした。
180東の扉:2006/10/12(木) 11:25:13 ID:s1XPSXBk0
由佳里「はあ……はあ……はあ……」
私の身体が崩れ落ちると、お姉さまはスイッチをオフにしてくださいました。そして、落ち着いてくると、私に声をかけてきました。
瑞穂 「どうだった、由佳里ちゃん?」
由佳里「は、恥ずかしいですよ……」
瑞穂 「そう?」
由佳里「は……はい……でも、すごく……気持ちよかった……です……」
私がそう言うと、お姉さまは優しい顔になって私に言います。
瑞穂 「これで、欲求不満も、少しは解消されたかしら?」
由佳里「は、はい……それはもう……」
少しどころか、十分満足です。きっと今の私の顔は、うっとりとしていることでしょう。
瑞穂 「でも、これじゃお仕置きにはならないわね。2度と学校でしようなんて気にならないようにしなければいけないのに……」
由佳里「え?」
私は少し怖くなりました。お姉さま、これ以上何をする気なんだろう……。
ブルブルブル……。
由佳里「ひゃうっ!?」
そう思った瞬間、私のあそこが小刻みに震えだしました。お姉さまが、スイッチを再びオンにしたようです。
由佳里「あ……んっ……な、何!?」
お姉さまの手が、私の胸とあそこに触れます。
乳首が再びつん、と硬くなり、あそこからは蜜がもれるのを感じます。
瑞穂 「もう感じてるの? エッチで可愛いわね、由佳里ちゃん」
由佳里「お、お姉さま……そ、そんな……こと……」
私の胸とあそこを触っていたお姉さまの手が、そのままそこをもんでいきます。
由佳里「はあああんっ!!」
ああ……気持ちいい……。
あそこの中をローターがかき回し、その上をお姉さまの手がもんでくれています。同じところを2つの違う感触で刺激されて、
なんというか、それが快楽を2倍にも3倍にも膨れ上がらせていきます。
181東の扉:2006/10/12(木) 11:26:43 ID:s1XPSXBk0
由佳里「こ……こんな……の……初めて……くふううううん!!」
瑞穂 「ふふ……我慢しなくていいのよ? 由佳里ちゃんのいやらしいとこ、もっとお姉さんに見せてほしいわ」
お姉さまの言葉は、まるで麻薬です。お姉さまが私のエッチなところを見たがってるんだ……そう思うと、さらに興奮が高まります。
ローターによる物理的な快楽……お姉さまの手による精神的な快楽……そしてお姉さまの口による聴覚からの快楽……
そしてお姉さまに見られているという、視覚からの快楽……快楽の4重奏に、身も心もとろけてしまいそうです。
私も、もっとお姉さまに自分のエッチなところを見てもらいたい……見てもらって、私に欲情してほしい……。
由佳里「はああああん!!」
私のあそこから、再び愛液がほどばしるのを感じました。私、またお姉さまにイかされちゃったんだ……。
それから少しして、私はお姉さまに聞いてみました。
由佳里「はあはあ……お姉さま……どうでしたか?」
瑞穂 「どうって?」
由佳里「私を見て、ちょっとは色っぽいって思ってくださいましたか?」
瑞穂 「そうね。私も興奮しちゃったかしら? 由佳里ちゃんのこと、もっといじめたくなっちゃったわ」
由佳里「えっ……」
その言葉に、私は不安と期待を覚えました。
182東の扉:2006/10/12(木) 11:28:17 ID:s1XPSXBk0
それから私は、お姉さまの手で3回イかせてもらっちゃいました。最後のときは、ローターのスイッチを一番強くしたままで
あそこをいじってくれました。
とても息苦しい……でも、とっても嬉しい……。
由佳里「はあ……はあ……はあ……」
私にはもう、立つどころか、言葉を発する気力さえありませんでした。でも、幸せ……。
瑞穂 「さすがにもう限界かしら? じゃ、今回はこれで勘弁してあげる」
まだもやのかかった頭で、私はお姉さまの言葉を聞きます。ほっとしたような、残念なような……。
瑞穂 「わかってると思うけど、今日のことは2人っきりの秘密よ。いい?」
私は、ぐったりした身体で首を縦に振ります。
瑞穂 「いい娘ね。じゃあ、これにこりたら、もう学校で変なことをするのはおやめなさい。でないと、
   今度はもっと激しいの、しちゃうからね」
お姉さまにしてもらわなくても、教室でのことで、私はもうこりごりだったんだけど……私はそう思いました。
瑞穂 「それじゃ、お休みなさい、由佳里ちゃん」
お姉さまはそうおっしゃって、私の唇にキスをして自分の部屋に戻っていかれました。

由佳里「はあはあ……お姉さま、ある意味、まりやお姉さま以上に意地悪です……もうやめようと思ってたのに、
   あんなお仕置きされたら、クセになっちゃいますよ……」
それ以降、私は学校でするときは、お姉さまに見つかるか見つからないかのギリギリのところでするようにしています。
お姉さまのお仕置きに、淡い期待を抱きながら……。
183東の扉:2006/10/12(木) 12:21:09 ID:s1XPSXBk0
以上です。
Qooさん、お先に書き上げてしまい、申し訳ございません。

由佳里ちゃんを十分満足させてあげるには、
やはり瑞穂くんに手伝ってもらうのがいいと思い、こうなりました。
自分の部屋に戻った後、瑞穂くんがどうなったかは、
書くまでもないと思いますが(笑)

それでは、今回はこれで失礼します。
184名無しさん@初回限定:2006/10/12(木) 17:04:10 ID:x89RMD2Z0
>>172-182
ゆかりん〜瑞穂ルート(笑)でうまく継いでると思うよ GJ
Qoo氏のコメント&真打ち登場に期待
185Qoo:2006/10/12(木) 17:06:59 ID:o2kx8Bsu0
遅筆Qooです…。
東の扉さん。ゆかひとアナザー、ありがとうございます。
全てはパラレルワールドですからね。
所詮エッチものはハァハァ出来ればOKだと思います。(笑)

えと、エピローグはあともうちょっとです。とりあえず前半だけ落とします。
導入部なのでエッチ薄ですけど、ハァハァして貰えると嬉しいです…。(笑)
186名無しさん@初回限定:2006/10/12(木) 17:15:19 ID:o2kx8Bsu0
 - まりやさまはしってた - (ゆかりんのひとりでできるもん・エピローグ) 前編

由佳里「…ぅ…」
 目が覚めました。
 ん〜…。あれ、私寝てたんだっけ…?
 ふわぁ…、とあくびを漏らしながら上半身を起こすと横には、
由佳里「まりやお姉さま…?」
まりや 「やっと起きたかこの寝ぼすけ」
 まりやお姉さまがベットの縁に座っていました。それと、どうやらここは自分の部屋のようです。
由佳里「どうしてまりやお姉さまが…」
 起き抜けなので頭が上手く回らず、いまいち状況が掴めません。
 どうして私の部屋にまりやお姉さまが居るんだろう。
まりや 「あんた、6時間目が終わった後、廊下で倒れたじゃない。覚えてないの?」
由佳里「え、倒れた?」
まりや 「そ。で、あたしはトイレで由佳里の落し物を拾って、
    今頃焦ってるんじゃないかな〜って思って、由佳里の教室まで行ってみたわけよ」
由佳里「落し物…?」
 何だろう。
 頭の中にもやが掛かったような感じで、前後の記憶が曖昧です。 
187Qoo:2006/10/12(木) 17:17:03 ID:o2kx8Bsu0

まりや 「まぁそれは置いといて。で、由佳里の教室に言ってみたらば、由佳里がふらふら〜ってしながら出てくるじゃない」
由佳里「ふらふら〜…ですか」
まりや 「そう。もうびっくりよ。いろんな意味で。それでもう6時間目が終わった後だったから、
    どうせ近いし、寮まで連れて帰ってきたって訳」
由佳里「そうだったんですか…」
 学校で倒れたんだ私…。
 別に体調が悪かったりはしてないはずなんだけど…。
 自分が倒れた原因が分からず、私は首をひねりました。
まりや 「それで本題なんだけど」
 そう言って話題を変えたまりやお姉さまの表情がにやり、と嫌らしい顔に変わります。
由佳里「本題…?」
 何だか、凄く嫌な予感がしました。
まりや 「それで、授業中は気持ち良かった?」
由佳里「え?」
まりや 「とぼけないの」
由佳里「とぼけるって…分かりませんよぉ…」
 分からないものは分からないのですから、仕方がありません。少なくとも、このときは。
まりや 「ほほぉ…。飽くまで白を切りとおすつもりか。では由佳里よ。この紋所が目に入らぬか〜〜!」
 突如まりやお姉さまが、どぉ〜ん!という音が聞こえてきそうな迫力で私の目の前に何かを突き出しました。
 まりやお姉さまが突き出したもの、それは…、白くて細長い物体でした。
188Qoo:2006/10/12(木) 17:18:07 ID:o2kx8Bsu0

由佳里「?」
 一見して、確かに見覚えのあるものであることは確かでした。
 何だったっけ…。
由佳里「…。……」
 確かに見覚えがあります。しかも極々最近です。
 見ている内に、それに関する記憶が少しずつ頭の中を掠めて行きます。
 しかし、それが何かを段々と思い出していくに連れ、代わりにどんどんどんどん嫌な予感が私の中で膨らんで生きます。
 そして…。
由佳里「…………。…………あっ!!!?」
 …完璧に思い出しました。間違いありません。
 白くて細長い物体。それは、ローターのコントローラーでした。
 そしてコントローラーの記憶と共に、あの授業中の記憶も蘇ってきます。
由佳里「あ……ぁ…」
 全てを悟った私は、ぼんっ!と顔が一気に熱くなりました。
まりや 「どうやら思い出したようね」
 にやにや、とまりやお姉さまが私の目を見詰めてきます。
 この表情からして、それが何かを知っているようです。
由佳里「えと、あの…」
 頭の中が完全に真っ白になり、何を言えばいいのかも、自分が何を考えているのかも分かりません。
  ぶぅん
由佳里「ふぁっ!?」
189Qoo:2006/10/12(木) 17:31:10 ID:o2kx8Bsu0

 突然、下半身にびりっ、と痺れが走りました。
 思わず声を出して身体をくねらせます。
  ざらっ
 不意に、腰に違和感を感じました。
 痺れもそうでしたが、それと共にシーツの感触が直接肌に当たるような…。
 私は慌ててタオルケットの中に手を入れ、おへそ付近からすーっと手を滑らせて行きますが…、
 あるべきものの感触が発見出来ません。
由佳里「どうして下何も穿いてないんですか!?」
 私はつい声を大きくして詰問しますが、
まりや 「だって、あんたスカートも下着もびしょ濡れだったのよ?脱がさないと寝かせられないじゃない」
 と、事も無げに答えられてしまいます。
由佳里「びしょ濡れ…?」
まりや 「そう。ちょっとネトォ〜っとした由佳里から染み出たあ…」
由佳里「わ〜!わ〜!」
 台詞の先を考え、思わず大声を出してまりやお姉さまの言葉をかき消します。
まりや 「そんな大声出さなくても他に誰も聞いてないわよ」
 まりやお姉さまが煩そうに耳を塞ぎながらジト、と睨んできます。
由佳里「う…」
まりや 「まぁ、その由佳里のイヤらし〜い汁でびっしょりだったわけよ。あんたのスカートは」
 にやにやと口元を歪めながらポンポンと頭を撫でるまりやお姉さま。
由佳里「うぅ…」
 悔しいですけど、言い訳すら出来ません。
190Qoo:2006/10/12(木) 17:33:27 ID:o2kx8Bsu0

まりや 「瑞穂ちゃんや奏ちゃんに、『あのねぇ、ゆかりん、授業中にオナニーしてたんだよ〜!?』
って言ったらどんな反…」
由佳里「まりやお姉さま!声が大きいです!」
まりや 「むぐぐ!」
 いきなり大きな声で『あのねぇ』ってとんでもないことを言い出したまりやお姉さまの口を慌てて塞ぎます。
 まりやお姉さまはしばらくバタバタと暴れて、ようやく私の手を振り払い息も荒く叫びました。
まりや 「ぷぁっ!こら!殺す気か!」
 どうやら鼻も塞いでいたようです。
由佳里「あ、ご、ごめんなさい!」
 …そっか…。
まりや 「由佳里、あんた今『そういう手もあったか』って思ったでしょ」
由佳里「えっ!?お、思ってませんよっ!?」
 そんな危ないことを考えていたわけではないものの、
 何か口を塞ぐ手は無いかと考えていた矢先だったので、返事の声を思いっきり裏返してしまいました。
まりや 「ほぉ〜。自分の恥ずかしい過去を無かったことにするためには、お姉さますら亡き者にするのね由佳里は」
由佳里「いえっ!そういうわけでは…」
 ギラリ、とまりやお姉さまの目が鋭く光ります。
まりや 「そんな悪〜いゆかりんにはおしおきしないとねぇ」
由佳里「お、おしおき…ですか…?」
 じりじり、とまりやお姉さまが迫ってきます。
 それに合わせて私も後ろへ下がろうとしますが…ベッドの上なので逃げ場はあっという間に無くなりました。
191Qoo:2006/10/12(木) 17:35:41 ID:o2kx8Bsu0

 何されるんだろう…。そう思った直後、
由佳里「あんっ!?」
 あそこの中で何かが動き始めました。ある意味懐かしい、っていうと変な感じですけど…。
  ぶるぶるぶるぶる…
 さっきの痺れもそう。ローターが私のあそこの中で動いていました。
由佳里「と、止めて、下さい…」
 急にあそこを攻められ、じん…、と身体の奥に眠っていた感覚が少しずつ目を醒ましていくのを感じます。
まりや 「だぁ〜め。これはおしおきなんだから」
 止めるように懇願しますが、まりやお姉さまはどこ吹く風。
 私をベッドの端まで追い詰めたまりやお姉さまは私の頬を捉えると、いきなり唇を合わせてきました。
192Qoo:2006/10/12(木) 17:42:00 ID:o2kx8Bsu0

由佳里「んぅ!」
 突然のキスに驚いた私は何とか唇を離そうと抵抗しますが、
 まりやお姉さまは腕を私の後頭部へと回し、唇は更にがっちりと固定されてしまいました。
 抵抗している間にもまりやお姉さまの舌が私の唇を押し割って進入してきます。
 私は何とか中には入らせまいと歯を食い縛りますが、
 まりやお姉さまが私の目をじっと見詰め、ぺろり、と私の下の歯茎を舐めたかと思った瞬間。
由佳里「んんんんっ…!」
 ぶるるる…、といきなりローターの振動が強くなりました。
 私は気持ち良いと感じる前の、ただただ強引な刺激に思わず歯を開けてしまい、
 その隙に、まりやお姉さまの舌が口の中へと潜り込んできました。
 流石にまりやお姉さまの舌を噛んだりは出来ないので、もう歯を閉じて抵抗することも出来ません。
 驚きに固まる私の舌を、まりやお姉さまの舌が絡めとっていきます。
由佳里「んっ、んん…」
  ちゅくちゅく…
 口の中の水音が、鮮明に頭の中に響いています。
 ふとまりやお姉さまと目が合い、その目が「ふふん。どうよ」とでも言いたげに挑発していました。
 急に恥ずかしさと対抗心が沸いた私は、何とかまりやお姉さまの舌を追い返そうと舌でぐいぐいと押したりしてみますが、
 反って巻き取られて根元の裏を舐められたり、思いっきり吸われたりしてしまいます。
 そして強められたローターの振動は間もなく快感のそれへと姿を代え 更に私の抵抗力を奪っていきます。
193Qoo:2006/10/12(木) 17:43:23 ID:o2kx8Bsu0

 まりやお姉さまは少し上から被せるように唇を合わせているので、
 まりやお姉さまの舌が私の舌や舌の裏、頬などを撫でていくたびに、唾液が流れ込んできます。
 口の中はもうまりやお姉さまのだか私のだかの唾液でいっぱいで、
 鼻での呼吸がつっかえるごとに、こくっ、こくっ、と喉を鳴らして少しずつ飲み込んでしまいます。
 もう恥ずかしいからなのか気持ち良いからなのか酸欠からなのか、キスのせいなのかローターのせいなのか、
 頭がぽぉっ、としていて、最早全てまりやお姉さまのなすがまま。
 私は自分の舌を巻き取っていくまりやお姉さまのそれに合わせて、れろれろと舌を絡めていました。
由佳里「んっ…」
  ぴちゅっ…
 不意ににゅるり、と口の中から軟らかいものが出て行く感触を覚え、まりやお姉さまが唇を離しました。
 唇の中に収められていく舌と、つう、と唇から少し垂れた唾液がエッチな感じです。
 まりやお姉さまは唇から垂れた唾液を親指で拭い、その指をぺろり、と舐めると、
 そして私の鼻を摘んで、こう言います。
まりや 「飲んで」
 一瞬何を、とは思いましたが、すぐに口の中いっぱいのコレだと気が付きます。
 当然驚きましたが、しかし鼻を摘まれているので、このままでは呼吸も出来ません。
 私は意を決して私とまりやお姉さまの唾液が交じり合ったそれを、ごくり、と飲み込みました。
まりや 「…エッチ」
由佳里「まっ、まりやお姉さまがさせたんじゃないですかぁ〜!」
 自分でさせておいてその言いように、思わず声を荒立ててしまいます。
194Qoo:2006/10/12(木) 17:44:13 ID:o2kx8Bsu0

まりや 「事実なクセに」
由佳里「う…、あっ、ん、ま、まりやお姉さま、と、止めてください…」
 口を噤もうとした途端に漏れそうになった声を我慢しながら、再びローター止めるようにお願いしますが…。
まりや 「何を?」
由佳里「ロ、ローターです!」
まりや 「どうしよっかな〜。あ、そうそう、それで由佳里授業中にイったの?」
 まりやお姉さまはとぼけると、逆に質問してきます。
由佳里「えっ?」
まりや 「授業中にイったのかって聞いてんの」
由佳里「あ…う…そ、それは…」
まりや 「イったんだ。由佳里。授業中にイっちゃったんだ〜由佳里〜」
由佳里「い、イってません!」
 からかうように言われ、思わず否定します。
まりや 「ほんとに〜ぃ?」
 疑惑の目を向けてくるまりやお姉さま。
由佳里「ほん…と、です。だ、だって、ずっと弱いままだったから…」
まりや 「ふ〜ん。じゃあ何でコントローラー置いていったの?」
由佳里「ま、まりやお姉さまが、トイレに入ってきて、それでっ、いきなり宅配便の話をし始めたから…」
まりや 「あ〜、あたしが届いたのの中身を知ってて、瑞穂ちゃんにバラそうとしてると思ったわけ?」
由佳里「そ、そう…です」
まりや 「へぇ、そうだったんだ。あたしはてっきりわざと忘れていってスリルを楽しむプレイなのかと」
由佳里「違いますっ!流石に授業中に、オ、オナニー(小声)なんか出来るわけないじゃないですか!」
まりや 「あはははは(笑)。はいはい」
 慌てて反論すると、大爆笑するまりやお姉さま…。
195Qoo:2006/10/12(木) 17:49:32 ID:o2kx8Bsu0

由佳里「うぅ〜…」
まりや 「でもさ、授業中ずっとイけなかったわけでしょ?キツくなかった?」
由佳里「それは…、つ、辛かった…です、けど…」
まりや 「ふぅん。じゃあ、このまりやお姉さまが満足させてあげようじゃない」
由佳里「えぇっ!?い、いいですよっ!」
 いきなりとんでもない事を言い出すまりやお姉さま。
 もちろん慌てて遠慮しますが…。
まりや 「へぇ〜。断るんだ。じゃあ、バラされたほうがいい?」
由佳里「うぐっ…、…ず、ずるいですよ…」
まりや 「自業自得でしょ」
由佳里「うぅ…」
 確かに事実なので、返す言葉がありません…。
196Qoo:2006/10/12(木) 17:53:05 ID:o2kx8Bsu0

まりや 「じゃあ由佳里、お願いは?」
由佳里「お、お願い?」
 頭の上にクエスチョンマークが浮かびましたが、にやり、と口の端を上げたまりやお姉さまは、
 とんでもなく恥ずかしい台詞を私に要求してきました。
まりや 「まりやお姉さま、この悪い由佳里におしおきしてくださいって」
由佳里「いっ、言えませんよっ!」
まりや 「ふ〜ん。じゃぁあ〜…」
由佳里「う、わ、分かりました!」
 含みを持たせるような言い方で脅してくるまりやお姉さま。
 当然逆らえるはずも無く…妹を笑いながら脅してくる姉を持ったことを不幸に思いながら、私は意を決しました。
由佳里「…まりやお姉さま、こ、この悪い由佳里…に、おしおきして…くだ、さい…」
まりや 「声が小さいけど…。まぁ、良しとしよう」
 まりやお姉さまは満面の笑顔でそう言うと、
まりや 「いっぱいおしおきしたげる」
 私のおでこを中指でつんつん、と突っつきました。


 - to be continued next 「- まりやさまはしってた - (ゆかひとエピローグ) 後編 」 -
197くぎばっと:2006/10/12(木) 19:05:26 ID:0sCitOR70
『「参加することに意義がある」なんてヌルいコトいってたら負けるのよ』

瑞穂ちゃん、まりや、ゆかりん属する赤組と
貴子さん、君枝さん、奏ちゃん属する白組はほぼ同点で最後の競技「騎馬戦」をむかえた

まりや「ふ、次で貴子との勝敗が決するわけね」
瑞穂「なんか、まりやがチームの主導権握ってるわね」
ゆかりん「まりやお姉さまはお祭り騒ぎが大好きですから」

貴子「お姉さまはともかくとしてもまりやさんには絶対に負けられませんわ」
奏「はうう、会長さん恐ろしいオーラを放っているのですよ〜」
貴子「猪武者のまりやさんなんかコテンパンにして差し上げますわ」

紫苑「それでは両軍とも位置について…」
紫苑はピストルを天に向け引き金を引く
乾いた音が鳴り響くと同時に赤白両軍が一斉に動いた

198くぎばっと:2006/10/12(木) 19:06:35 ID:0sCitOR70
まりや「いよっしゃあ!全軍紡錘陣形!敵軍の中央を突破するわよ!」
ゆかりんの率いる部隊が先陣となり△形を作り貴子軍に突撃する
ゆかりん「一番槍の手柄を立ててお姉さまに褒めてもらうんです!」
その一言が部隊の士気を高める

貴子「全軍凹陣形に!敵の力を受け流して側面に回りこみます!」
力で押すまりや軍は貴子軍に側面を突かれ混乱をきたしたものの
即座に味方を立て直し貴子軍と正面からぶつかる
君枝「会長!正面から当たっては力負けしてしまいます!」
貴子「しかたありませんね、少しづつ引いてあの場所までまりやさんを引き込みましょう」
貴子さんは部隊をじりじりと引き下げていく
勢いに乗り攻め込むまりや軍の猛攻により貴子軍は脱落者を出していく

貴子「まりやさん、調子に乗るのはここまでですわよ
   もはや騎馬の時代ではありません、これからは…」

       鉄砲の時代です

          号砲


199くぎばっと:2006/10/12(木) 19:08:46 ID:0sCitOR70
まりや「ちょっとまてええええええ」
ゆかりん「なんで種子島あぁぁ」
瑞穂「まりや!味方が総崩れよ!」
まりや「ええい!ここまで追い詰めたというのにっ!」
瑞穂「いったん引きます!」

奏「由佳里ちゃん種子島って単語知ってたのですよ〜」
貴子「敵は総崩れ!いまです!全軍突撃っ!」
奏「由佳里ちゃん、ごめんなさいなのですよ」
ゆかりん「奏ちゃん?え?あっ!」
瑞穂「まりや!由佳里ちゃんがやられたわ!」
まりや「ええい!貴子め!やってくれるわ!そっちが鉄砲ならこっちは…」


         大砲よ

          爆音


200くぎばっと:2006/10/12(木) 20:25:04 ID:0sCitOR70
貴子「そんな!一撃で鉄砲隊が」
まりや「ははっ、砲弾一発で形勢逆転よ」
圭「カトンボめ、落ちろっ!」
美智子「もう騎馬戦ではありませんねえ」

瑞穂「敵は残りわずか!一気に勝ちを決めます!」
まりや「よおし、突撃ぃ!」
君枝「敵とてたいした数は残っていません!」
貴子「全員突撃ぃ!」
両将が同時に突撃の命令を発す
その号令を聞いて軍が動く
乱戦の中で両将がお互いの最大の敵手を見つける
まりや「貴子!ここで決着つけてやるわ!」
貴子「ふ、返り討ちにして差し上げますわ!」
両騎が雄たけびを上げぶつかる

この年の騎馬戦、この年の体育祭の勝敗は記録に残っていない
ただ、体育祭史上に残る名勝負が展開されたと語られるのみである
201名無しさん@初回限定:2006/10/12(木) 20:27:42 ID:x89RMD2Z0
>>186-196
真打ちキター!完結編に期待

>>197-199
戦国時代かと(笑) GJ
202201:2006/10/12(木) 20:36:43 ID:x89RMD2Z0
アンカーミス
>>197-200だった。くぎばっと氏スマソ
203くぎばっと:2006/10/12(木) 20:59:54 ID:0sCitOR70
>>201
>>197-200が体育祭だって最初に説明しとくの忘れた

204名無しさん@初回限定:2006/10/13(金) 20:54:46 ID:tzeSCC450
いやいや、赤組・白組で分かるよ。
205東の扉:2006/10/14(土) 19:20:31 ID:d6F6Uo6z0
〜夢の中の決意〜


「いたっ!」
「はい、これでいいわ。この程度なら、しばらくしたら治るから」
「あ、はい……ありがとうございました」
「それにしても、上岡さんって料理がとても上手だって聞いてたけど、
まさか家政の授業でやけどするとはね。カッパの川流れかしら?」
「違いますよ! 隣の組の料理が飛んできて手に当たって……」
「ああ、なるほどね」
「痕が残らなきゃいいけど……」
そう言った私は、保健の先生から目を離して辺りを見回すと、ベッドに誰かが寝ているのに気がつきました。
「お姉さま?」
「ああ、そういえば同じ寮生だったわね。宮小路さん、最近受験勉強であまり寝てないらしくて、気分が悪いからって横になったら、
すぐ寝てしまったのよ」
「……大丈夫なんですか?」
「ええ。少し寝てればすぐよくなるわよ」
「そうですか。よかった……」
「それじゃ、私はこれから研修に出かけるからね」
「はい。お気をつけて」
「……いくら寝てるからって、変なことするんじゃないわよ?」
「しませんよ!」
「あはは、冗談冗談。それじゃ、お大事に」
私が先生のからかうそぶりに抗議すると、先生はそう笑って保健室を出て行かれました。
206東の扉:2006/10/14(土) 19:22:03 ID:d6F6Uo6z0
「お姉さま……」
私がお姉さまの寝顔を覗き見ると、お姉さまは安らかな表情で眠っておられます。
「やっぱり、とってもきれい……」
私の顔が、赤くなっていくのがわかりました。心臓もドキドキする鼓動が身体中に伝わってきます。
「ん……う……」
お姉さまが艶やかな寝息をたてました。途端、私の身体がびくん、と震えます。
「なんて……色っぽい声……」
保健の先生は研修でしばらく戻ってこないし、他に寝ている生徒の姿もありません。
「私……今、お姉さまと2人っきりなんだ……」
それがわかった後、私の心臓の鼓動は音楽のクレッシェンドのようにどんどん強くなっていきます。
「……いくら寝てるからって、変なことするんじゃないわよ?」
さっきの保健の先生の言葉が、頭の中によみがえりました。
「あ……」
その瞬間、私がもらした声。それは、自分でも信じられないほど悩ましげでした。
目線が、お姉さまのいろんなところに飛び交います。その私の胸は硬くなり、大事なところが湿り気を帯びているのを感じ取りました。
やりたい……私の身体がそう言っているのが聞こえました。でも、こんなところでするわけには……。
そう考えているうち、視線がお姉さまの2本の手にとまりました。
「手もきれい……」
そうつぶやいた私の頭の中に、とんでもない考えが浮かびました。
お姉さまの手は私に、どれだけの快感をもたらしてくれるのだろう……お姉さまの手を使ってしたら、どんなに気持ちいいだろう……。
私は、その自分の考えが信じられませんでした。お姉さまを、そんなことに使おうとするなんて……。
ダメよ由佳里……そんないやらしいことをしようとするなんて、恥を知りなさい。
途中でお姉さまが起きたらどうするの? 怖いとは思わないの?
理性で自分にそう呼びかけて思いとどまろうとしましたが、まったく通じません。というより、むしろ逆効果でした。
雑誌で見たことのある、つり橋と普通の橋でかっこいい男性が女性にアンケートをとる実験。確かつり橋の方は、恐怖と性的興奮を間違えたとか、
なんとか。後で思い返せば、そういうことだったのかもしれません。恐怖や羞恥心による心臓のドキドキを、性的興奮と錯覚したのかも。
207東の扉:2006/10/14(土) 19:24:20 ID:d6F6Uo6z0
ダメ、ダメよ! 見つかったら、お姉さまは怒るでしょうし、きついお仕置きされちゃうかも……。
最後の力をふりしぼってお仕置きされたときを想像して思いとどまろうとしました。しかし、お仕置きという単語で、頭に浮かんできたのは……。
「これで、由佳里ちゃんの初めては私のものよ?」
寝ているお姉さまにキスをしてしまったことを話した時の、お姉さまからのお仕置きのキス。いまだに私の頭の中に残っている、唇の感触と、甘い言葉。
それを思い出した途端、胸がキューン、と締め付けられるのを感じました。理性が、どんどん欲望に抑えつけられていきます。
「やっぱり、ちょっとだけなら……」
とうとう私は誘惑に負け、お姉さまの手でひとりエッチをすることに決めました。
ごくり、とつばを飲むと、両方の手をつかんで、私の胸と大事なところに持っていきます。
もちろん最初からじかに触る勇気もないので、まずは制服の上からお姉さまの手で押さえつけてみます。
「んっ……!」
その時の気持ちよさは、自分の手でする時の比ではありませんでした。
制服の上から押さえただけでこんなに気持ちいいなんて……もしお姉さまの手でじかにもんだら……。
そう思うとあそこは熱くなり、蜜があふれてきます。
「あっ……くっ……ふうん……」
お姉さまの手の上から、私は自分の胸とあそこをもみます。次第に気持ちよくなっていきます。でも、まだ足りない。もっとほしい……。
「はあはあ……じゃ、じゃあ、次は、下着の……上から」
私は制服の上の部分を下ろし、スカートをめくりあげました。すると、ブラとショーツが目に飛び込んできます。
「あ……硬くなってる……下のほうも濡れてる……」
手を動かすごとに鼓動が早くなっている私ですが、そうつぶやいた途端、それは一気に高鳴りました。
早く、お姉さまの手がほしい……。心も身体もそう思いました。
「くううんっ……!」
お姉さまの手が私の下着に触れると、以前より強いあえぎ声が私の口から出てきます。
私のエッチな液がお姉さまの手に……その事実が、私をさらに興奮させました。ほどなく、私はお姉さまの手を「触る」から「もむ」へ移行させます。
208東の扉:2006/10/14(土) 19:42:57 ID:d6F6Uo6z0
「んああっ……」
どんどん快楽に蝕まれていく私の心……でも、ずっとそれに溺れていたい……そんな考えも浮かんでくるほど、
よりインモラルななぐさめに夢中になっていました。
まさにその時……。
「んっ……ゆ、由佳里ちゃん」
えっ……お姉さま、目を覚ました?
私はいくらか、正気を取り戻しました。
「ダメだよ……そんな……やらしいこと……しちゃ……」
それを聞いた私の身体から、汗が滝のように流れてきました。もうエッチな気分は、完全に消え去ってます。
お姉さまに知られた……どうしよう……。
私の心は、恐怖でいっぱいでした。しかし……。
「あん……な、なめないでよ……」
私はお姉さまの身体をなめた覚えはありません。ということは……お姉さま……ひょっとして、寝ぼけてる?
そう気づいた私の心は、冷静さを取り戻しました。
よかった。お姉さまに知られたわけじゃないんだ……。
「でも、どうしよう……」
さっきの続きをするか……ここでやめるべきか……。
209東の扉:2006/10/14(土) 19:44:19 ID:d6F6Uo6z0
毒を食らわば皿までもよ。由佳里、あなたはもうすでに大好きなお姉さまの手を自分のいやらしい液で汚したんでしょ? 
今さら続けてもやめても大して変わらないわ。
私の心の中の悪魔が、そう囁きかけます。
何考えてるの、由佳里。もしお姉さまにバレたらどうなるか、その恐怖は今身をもって体験したでしょ? それに大好きなお姉さまを、
これ以上汚してもいいと思ってるの?
私の心の中の天使が、そう訴えかけます。
どのみちお姉さまの方は大して変わらないんだから、自分が気持ちよくなるほうがいいに決まってるでしょ? 
こんなチャンス、おそらくもう2度とないわよ?
今ならまだ戻れるわ。自分の行いを深く反省して、もうこんなことはおやめなさい。
私の心の中で、天使と悪魔が闘っています。
でも結論が出るのが遅ければ遅いほど、お姉さまにバレるリスクは高くなるんだから、短時間ではっきり決めないと……。
でも、よく考えてみれば、そんな考え方をしている時点で、きっともう答えは出ていたのでしょう。
やっぱり、お姉さまに気持ちよくしてもらいたい……お姉さまの手でイきたい……。
私は、悪魔の囁きに耳を貸すことにしました。
再びお姉さまの手を持ち、ブラとショーツの部分にもって行きます。そしてお姉さまの手で、ブラとショーツを下ろしました。
210東の扉:2006/10/14(土) 19:45:37 ID:d6F6Uo6z0
「あ……」
そのとき私は、本当に自分ではなくお姉さまが自分の意思で私の下着を下ろしているかのような錯覚に陥りました。
「お姉さま……やあ……おろさないで……」
実際におろしているのは自分自身なのに、自然にそんな言葉が出てきます。でもそうつぶやくことで、
よりお姉さまに無理やりエッチなことをされてるような気分になり、心臓がバクバク音を立て始めました。
「んはああああ……」
私、直に触られてる。お姉さまに、直に触られてる。
私はもう、現実と妄想の区別もつかなくなっていました。
「あは……あ……お姉さま……もんで……由佳里の胸とあそこ……お姉さまにもんでもらいたいの……」
私はそう言ってお姉さまの手で自分の敏感な2ヶ所をもみ始めました。
気持ちいい……言葉では言い表せないほど……。
しばらくもみ続けて快楽に慣れ、少し考える余裕が出てくると、ふと思い出したことがありました。
レディコミで見た光景。指をあそこの中に入れる仕草。
今までは怖くてしなかったけど、いったいどれだけ気持ちいいんだろうか?
「で……でも……」
やっぱりやってみたいという気持ちはありますが、ためらいがわずかに残っていました。
「こんなこと……めったにできないんだから……」
私は自分にそう言い聞かせると、お姉さまの手を握り、そこから指を立てて、自分の中に入れました。
211東の扉:2006/10/14(土) 20:01:05 ID:d6F6Uo6z0
「くふうううううんん!!」
今まで感じたことのない快感に、私は今まで以上に大きい声を出していました。でも、お姉さまの指、もっと入りそう……。
「あ……すごい……2本も入ってる」
今の私、それだけやらしくなってるんだ……今さらながら、そう感じました。そして、その手で胸とあそこを少しずつ力を増やしながらもんでいきます。
「あっ……ダメえっ!!」
声を抑えようと必死に頑張っても、達する寸前だったこともあって、あまりの気持ちよさに、抑えることができませんでした。
「もうダメえっ……イく、イく、イっちゃううん……!!」
そう叫びながら、あそこから大量の液体が飛び散るのを感じました。
「ああああああーっ……!!」
隣の部屋まで響いているのではないかと思えるくらい叫び声をあげると、私の意識は真っ白になり、全身から力が抜けていきました。

「はっ……!」
私が意識を取り戻すと、今までしていたことを思い出しました。
私ったら、なんてことを……。恥ずかしさで何をすればいいのかも頭に浮かんできません。
あ、そういえば、お姉さまは……。
「あ……う……」
これだけでは、寝てるのか起きてるのかわかりません。あれだけ大きな声を出したのだから、起きてしまっても不思議じゃないわけですが……。
212東の扉:2006/10/14(土) 20:02:16 ID:d6F6Uo6z0
「風邪引いてるんですから、プール休ませてくださいよお……」
お姉さま、いったいどんな夢を見ているの……?
でもよかった、私のしてたことには、気づいてないみたい……。
しかし、あれだけ大声で叫んでも起きないなんて……よっぽど疲れてるのかな……。
お姉さまには、もっとお体を大切にしてほしいと思いました。まあ、そうじゃなかったから、私は助かったのですが。
今夜にでも、何か身体の疲れが取れる夜食を持っていってあげようかな……罪滅ぼしもかねて。

「これでよし、証拠隠滅完了っと」
エッチな液が飛び散った場所はすべて隅々まで確認してティッシュでふき取り、お姉さまの手もハンカチでしっかりとふき取りました。
そして保健室の中も換気しました。私の声を聞いていなければ、ここであったことには誰も気づかないでしょう。
大丈夫。両隣の教室は、今の時間は使われていないはず。

「うわ……富士山が噴火するなんて……大惨事だわ……わっ……鷹の群れがこっちに……痛い痛い、つつかないで……」
お姉さま、相変わらず寝ぼけてらっしゃいます。
「あん……なすびばっかり、そんなに食べられないよ……他の人は肉も食べてるのに、なんで私だけ……」
1富士、2鷹、3なすび……確か、初夢のときに見ると縁起がいいもの……お姉さまはそのすべての夢を見てらっしゃるようですけど、
内容はお世辞にもいい夢とは言えません。
「くすっ……」
私は思わず吹き出してしまいました。お姉さま、かわいい……。
「ごめんなさい、お姉さま、それから、ありがとうございました」
私を十分満足させてくれて。
私はお姉さまの手と唇にキスをし、そっと保健室を出て行きました。
213東の扉:2006/10/14(土) 20:03:04 ID:d6F6Uo6z0
その夜。
「それにしても瑞穂ちゃん、保健室で爆睡するなんて、勉強のやりすぎじゃないの?」
「まりやが勉強しなさすぎだからそう感じるんじゃない?」
「うっ……まあ否定はしないけど……でもね……」
「はい。奏も心配なのですよ」
「ありがとう。心配してくれて。これからはもっと気をつけるわ」
まりやお姉さまと奏ちゃんがお姉さまのお身体の心配をしています。私もそう感じたように、みんなも心配になってるようです。
「そうですよ! お勉強のしすぎで体調を崩したら、それこそ本末転倒ですから」
「うん。そうよね」
お姉さまも、あまり無茶はしないようにみんなに約束します。これで、少しはよくなるといいですけど……。

「そういえば、保健室で、変な夢を見たのよね」
「え? どんな夢?」
「うん、それが、富士山が噴火して、鷹の群れに身体をつつかれて、他の人は肉も食べてるのに、私だけなすびばかり食べさせられて……」
「なんじゃそりゃ、あははははは……」
「うふふ……いい夢か悪夢かわからないのですよ」
「あはははは……」

「それともう1つ夢を見たんだけど……」
「次はどんな夢?」
「うん、私が由佳里ちゃんに犯されてる夢」
えっ……。
私の身体の血が凍りつきました。お姉さまにバレてたような気がします。
「やだ、由佳里ちゃん、そんな顔しないで。ただの夢なんだから……」
私の顔を見て、お姉さまが心配そうにそうおっしゃいます。
「あ……あはは……そうですよね、夢なんですよね……あははははは……」
私はそれを聞いて、自分が間抜けな勘違いをしていることに気づき、笑ってしまいました。
「由佳里ちゃん、どうかしましたのですか?」
「奏ちゃん……ううん、なんでもない、なんでもないわよ?」
その後、この話題がのぼることはなく、どうにかごまかせたようです。
214東の扉:2006/10/14(土) 20:16:47 ID:d6F6Uo6z0
トントントン……。
私は、お姉さまへの差し入れの夜食を作っていました。ちゃんと疲労回復の効果のあるものにしています。
「ゆーかりんっ!」
そこへ、まりやお姉さまが降りてきました。
「お、お姉さま!」
「ふーん、お料理してるの? 瑞穂ちゃんへの夜食かな?」
「そ……そうですけど、それが何か?」
「いんや、別に何もないけど、なんで担当じゃない瑞穂ちゃんのお世話をしてるのかなって」
「べ、別にいいじゃないですか。瑞穂お姉さまも、まりやお姉さまと同じように、私にとっては大切なお姉さまなんですから」
「ま、そうよね。で、勉強で疲れてると思って差し入れ?」
「そうですよ。疲労回復効果のあるものにしましたから!」
「ふーん、そう。瑞穂ちゃんへの罪滅ぼし? それとも、疲労を回復してくれれば、激しいことされるかも、なんて期待してるのかな?」
「ななな、なんですかそれは! そんなわけないじゃないですか!」
まりやお姉さまは、突然とんでもないことをおっしゃいました。前者が当たってるだけに、冷や汗が出てきます。
「ふーん……」
まりやお姉さまは、相変わらずニヤニヤしてらっしゃいます。
「だいたい罪滅ぼしってなんですか! 私が何をしたっていうんですか!?」
「たとえば、瑞穂ちゃんの手で自分をなぐさめてたとか……」
「………!?」
その瞬間、私の思考は停止しました。指一本動かすことさえできません。
「ドン、ピシャリみたいね……なっはっはっは」
私は意識を取り戻しました。ダメ、なんとか否定しないと、私の人生おしまいだよ……。
「ななな……なんですかそれは! だいたいなんの証拠があって……」
「瑞穂ちゃんの手」
「え……?」
「保健室から出てきた瑞穂ちゃんに会ったんだけどさ、指の先が、ねばっこい液体がついてたわよ?」
私は、あの時のことを思い出しました。あの時、ちゃんと拭きとって何度も確認しました。大丈夫、そんなものついてるわけありません。
ということは、まりやお姉さまのハッタリに違いないんです。
私は、今度こそ言い負かせると、反撃に出ることにしました。
215東の扉:2006/10/14(土) 20:18:27 ID:d6F6Uo6z0
「私をだまそうったって、そうはいきませんよ! 私はあの時拭いた後何度も確認しましたから、そんなものついてるわけ……」
まりやお姉さまは、それを聞いてしてやったり、という顔で笑いました。
「んっふっふっふ……語るに落ちたわね、ゆかりん」
「……あっ!!」
しまった……どうやら私は、まりやお姉さまの罠に落ちていたようです。目先で言い負かすことにとらわれすぎて、本質を見落としていました。
慌てて口をふさぎますが、そんなことをしたところで言ってしまったことが取り消せるわけでもありません。
「ま……まりやお姉さま……じゃ、じゃあ……なんでわか……」
「なんでわかったかって? 瑞穂ちゃんが由佳里に犯された夢を見たって言ったときの反応は明らかに普通じゃなかったし、
その後のリアクションからしても、瑞穂ちゃんに何かしたことはバレバレだよ」
「ううう……」
私の反応って、そんなにわかりやすいんだ……もっと気をつけないと……。
「んで、だな。由佳里が瑞穂ちゃんをレイプしようとしたなら、途中でそれどころじゃなくなって、エロい気分も吹き飛んじゃうし、
そんなこと忘れちゃうだろうし、となると残るはそれぐらいしか考えられないわけよ」
まりやお姉さまの言葉は何かひっかかるものを感じましたが、今はそれどころではありません。
「このことを瑞穂ちゃんに言ったら、どんな反応するのか楽しみねえ……」
「お、お姉さま……それだけは……」
今の私にプライドはありませんでした。お姉さまにそんなこと知られたら、絶対嫌われちゃう……自業自得とはいえ、
それだけはなんとしても避けないと……。
216東の扉:2006/10/14(土) 20:19:30 ID:d6F6Uo6z0
「んー。そうねえ……由佳里の心がけ次第では黙っててあげてもいいわよ?」
「心がけ……?」
「ところで、駅前のラブルージュに、おいしいケーキが新発売されたのよねえ。食べに行きたいけど、今月ちょっとお小遣いピンチだからねえ」
まりやお姉さま、遠回しに私をゆすってるんですね。このことをばらされたくなければ、ケーキをおごれと。
「わ……わかりました……私がごちそうします……」
あそこのケーキは高いけど、背に腹はかえられません。
「そ、ありがと。やっぱ持つべきものは妹よね」
「………」
無理やりねだったくせに……白々しい……。その言葉が、私は悔しくてたまりません。
「ほらほら、いつまでもそんな死刑宣告を待つ被告人みたいな顔してないの。あたしだって瑞穂ちゃんに似たようなことしたことあるんだからさ。
しかも、堂々とね」
まりやお姉さまがそう言いましたが、私にとってはどっちにしろ恥ずかしいことをしたという気持ちは変わりません。
「そういえば、瑞穂ちゃんさ、寝てる時どうだった?」
「え? どうって?」
「だからさ、色々あるでしょ? きれいだったとか、色っぽかったとか……」
「あ、それがですね、お姉さま、なんだか女神様のようにお綺麗で、寝息もすごく色っぽくて……寝言も『あん』なんて、
誘うような仕草をしておられて……」
私は、すっかりいつもの自分を取り戻し、瑞穂お姉さまのことをまりやお姉さまに話して聞かせます。
「ふーん……それで、我慢できなくなっちゃったってわけか……」
「うう……」
「ほらほら、そんな顔しないの。瑞穂ちゃんのそんな姿見てたら、よっぽどの精神力がなきゃ、そうなってしまっても仕方ないな、とも思えるしね」
「でも……」
だからと言って、お姉さまに対する罪悪感は消えません。むしろ、そんな風にごまかしては、それこそ自分が情けなく思えてきます。
217東の扉:2006/10/14(土) 20:29:32 ID:d6F6Uo6z0
コンコン……。
私は、お姉さまの部屋のドアをノックしました。
「はい、どなたですか?」
「あの、由佳里です。お姉さま、入ってもよろしいですか?」
「ええ、どうぞ」
私は、お姉さまの部屋を開けます。
「失礼しまーす!」
「由佳里ちゃん、どうかしたの?」
お姉さまが心配そうな顔で、そう問いかけてきます。
「あ、はい、お夜食の差し入れに来ました」
私は、そう言ってお姉さまに作った料理を差し出します。
「ありがとう。じゃあ、いただくわね」
お姉さまは嬉しそうにそれを口へと運んでいきます。
「ん……すごくおいしいわ」
お姉さまが私の差し入れの感想をおっしゃってくださいました。
「なんか、身体から疲れが抜け出していくみたい」
「は、はい。滋養強壮にいいものを選びましたから……お姉さまにはちょうどいいと思って……」
「そう。そこまで気を遣ってくれたの……由佳里ちゃんは優しいわね」
まったく疑うことを知らないお姉さまの無垢な瞳とセリフ。
違う! 私は優しくなんかない! こうやって、自分のやってしまったことに対する罪悪感をごまかしてるだけなんだ!
私はそう叫びそうになりました。でも、自分のしたことをお姉さまが知ったら、嫌われちゃう……そんなの、絶対にイヤだ!
「……では、私はこれで。お休みなさい、お姉さま」
「お休みなさい、お姉さま」
218東の扉:2006/10/14(土) 20:30:44 ID:d6F6Uo6z0
「はあ……」
私は、部屋で1人でため息をついていました。
お姉さまの、優しさにあふれた瞳と笑顔。私のことを、まったく疑っていない無垢な心。
それを見るたびに、私の心の良心の針は、より深く私を刺していきます。
罵られるより、脅迫されるより、絶交されるより、ずっと痛い、お姉さまの態度……。
「お姉さま……やっぱり素敵過ぎるよ……それにひきかえ、この私は……」
自分の大好きな人を自分の淫らな欲望のために利用し、その事実をひた隠しにし、しかもそれに対する罪悪感をあんなことでごまかそうとしている。
自分のことしか頭にない、心の底まで腐りきった、最低の人間……。
「ねえ、由佳里。あなたはいつまで、汚れた心を持ち続けれていれば気が済むの?」
私は、自分で自分に問いかけます。私の瞳には、いつしかひとつの雫が流れていました。

「んー、おいしい。やっぱラブルージュのケーキは最高だわ」
隣でまりやお姉さまが、新発売のケーキをおいしそうに召し上がっておられます。
でも、一緒に食べている私は、それほどおいしいとは思えませんでした。
別に、ここのケーキがまずいと思っているわけではありません。ここのケーキは、私も大好きです。
「どうしたの、由佳里? ひょっとして、はずれの不良品をひいちゃった?」
まりやお姉さまが私を見てそう聞いてきます。確かにその可能性も完全には否定できないですけど、たぶん違います。おいしく感じない原因……
それはきっと、私の心の中にあるのでしょう。
「……お姉さま」
「ん? 何?」
「私、やっぱり、瑞穂お姉さまに、正直に話そうと思います」
「え!?」
「どうしたのよ、そんなにあたしのことが信じられないの?」
まりやお姉さまが問いかけてきます。
「違いますよ。確かにまりやお姉さまはいつも人をいじめて楽しんでらっしゃいますけど、さすがに人を破滅に追い込むような真似はしないことは、
わかってますから」
「じゃ、じゃあ、なんで……」
「私、このままじゃいけないって、気づいたんです」
「………」
まりやお姉さまは、無言で私の次の言葉を待ってらっしゃいます。
219東の扉:2006/10/14(土) 20:31:39 ID:d6F6Uo6z0
「瑞穂お姉さま、私が後ろめたい態度をするとき、原因は自分だと思い込んで、辛そうになさってるんです。瑞穂お姉さまは何も悪くないのに……」
私は、まりやお姉さまに告白します。
「私も、さすがに、大好きなお姉さまにいわれない辛さを味わわせてまで自分の罪を隠したいとは思いませんから」
お姉さまに嫌われるのはイヤ。でも、お姉さまの辛そうなお顔を見るのは、もっとイヤ。
だから、いつまでもこのままじゃダメなんだ。それは、私の良心の針が教えてくれました。
「そっか……みんなそうやって、大人になってくんだね……」
まりやお姉さまは、ふと遠い目をしてつぶやきました。
「うん、そうするといいよ。ここのケーキがタダにならなかったのは痛いけど、由佳里が成長してくれたのは、それ以上に嬉しいから」
まりやお姉さまは照れ隠し交じりにそう励ましてくださいました。
「いえ、ここは私が払いますから」
「どうしたの? 由佳里、熱でもあるの?」
まりやお姉さまは心配そうに私を見つめます。普通のときに積極的にまりやお姉さまに尽くしたことなんてなかったから、
そう思うのも無理ないかな……。
「いいえ、これは、自分への戒めなんです。ですから、私に払わせてください」
もしまりやお姉さまの脅迫がなければ、このことを強く意識することもなかったかもしれません。
それに気づかせてくれた、まりやお姉さまへの感謝の気持ちもこめて。
「そう。じゃ、ありがたくいただいとくわね。ごちそうさま」
まりやお姉さまはそう言って、一足先に出て行かれました。
ケーキの残りを食べた私は、それが前より少しおいしく感じました。

私は今夜も、お姉さまに差し入れを持っていきます。
今日告白するって決めたのに、いざとなると足が竦みます。
やっぱり、明日にしよう。今日だけはお姉さまの優しさに甘えていたい。今日だけだから……。
「お姉さま、失礼します!」
220名無しさん@初回限定:2006/10/14(土) 22:32:37 ID:EkxO4QKA0
続く・のか?
ともかくGJ!
221doku:2006/10/14(土) 23:38:36 ID:VSVzoB5V0
『LUCK』

まりやがアメリカに留学してから数年後、突然連絡があった
「みんなで遊びに来ない?」
そしてやってきたLas Vegasに
「なんでラスベガスなんですか、まりやさん?」
「いやー一度行ってみたかったのよね、カジノに」
「ギャンブルでお金を稼ごうというのは感心しませんわね」
「硬いこと言いっこなし、高度な心理戦も楽しめるのよ?」
会った早々にまりやと貴子さんが口げんか、これも二人のスキンシップ
「そういえば父が会員になっているお店があるはずです、そこへ行きましょうか」
貴子さんが地図を見ながらお店を探す

そして、一軒のカジノに入ろうとしたところで店員に止められた
「申し訳ありませんが21歳未満の方は…」
あきらかに奏ちゃんを見ている
「奏は…奏は…これでももうお酒が飲める年齢なのですよ〜」
泣きそうになってパスポートを店員に見せる
店員はあわてて
「これは失礼しました、どうも東洋人は若く見えますので」

222doku:2006/10/14(土) 23:39:18 ID:VSVzoB5V0
「さて、心理戦といえばポーカーですわね、素寒貧にしてさしあげますわよまりやさん」
「よーし、いっちょ勝負しますか!」
まりやと貴子さんが連れ立って行ってしまった
「私たちはどうしましょうか」
紫苑さまが店内の一種異常な雰囲気に気圧されながら瑞穂ちゃんに聞く
「とりあえず、ルーレットでもしますか?あれなら映画とかで見てルールは知ってますし」

と言うわけで瑞穂ちゃんは紫苑さまと奏ちゃん、ゆかりんを率いてルーレットに挑戦
「お姉さま、これはどうやって賭けるんですか」
「由佳里ちゃん、いいかげんお姉さまって呼ぶのやめて…
「えーとね、ルールはまず、赤か黒か、偶数か奇数か、1〜18か19〜36か
「縦の列のいずれに玉が来るか、それからどの色のどの数字に玉が来るかに賭けるの」
「最初なので2択がいいのですよ〜」
「まあ、ですがせっかくですので一つの数字に賭けてみましょう」
「それじゃ僕も紫苑さんが選んだ数字に」
「じゃ、私も」
「奏も賭けますのですよ〜」
結局全員がある一つの数字にかけた
ディーラーが玉を飛ばしルーレットが回る

223doku:2006/10/14(土) 23:49:28 ID:VSVzoB5V0
瑞穂ちゃんたちがルーレットの盤でくるくる回る銀色の玉を見つめている頃
「た〜か〜こ〜、いいかげんにっ!」
「そちらこそ、諦めが悪いですわよ!」
他の客を鴨にしながらも二人だけの勝負になると熱くなりすぎる二人でした

数時間後、ポーカーに熱中するまりやと貴子さんを紫苑さまが呼びにきた
「まりやさん、貴子さん来てください、瑞穂さんが大変なんです」
「なにい、イカサマでもばれたか?」
「いえ、そうではないのですが…ある意味それよりも大変かと…」
瑞穂ちゃんはスロットのコーナーにいた、コインに埋もれて
「あっ、まりや〜助けて〜」
「ど…どうしたのですか?これは…」
紫苑さまに連れられてきたまりやと貴子さんは唖然とした
「まりやお姉さま、瑞穂お姉さまってばアタリまくりなんです」
「最初のルーレットからすごかったのですよ〜」
「えと、説明していただけますか?紫苑さま」

「はい、最初ルーレットで遊んでいたのですが、賭ける目賭ける目に玉が入るのです
「そこでコインが大変な量になってしまったので少し減らそうと…」
「わざと負けようとしたのですか?」
瑞穂ちゃんの行動を察して貴子さんが尋ねる
「はい、ブラックジャックで。そこで最初に配られたカードが10と9だったんです」
「もう一枚くれば普通は負けるわよね」
「瑞穂さんもそう思ってもう一枚もらったんですが」
「2がきた?」
「その通りです、そこでまたコインが増えてしまって…」

224doku:2006/10/14(土) 23:58:32 ID:VSVzoB5V0
「で近くにあったスロットコーナーに移って休みながらスロットを回したのですよ〜」
「そこでまた大当たりですか…」
「もう私たちじゃどうしていいかわからなくて」
「そんであたしらを呼んだと」
「日本なら店員さんを呼べばすむのですがここは異国ですし」
「異国…言い回しが紫苑さまらしいですわね」
「じゃとりあえず店員さん呼ぶか」

呼ぶまでもなく店員は瑞穂ちゃんのすぐ近くにいた
瑞穂ちゃんがあまりにアタリを連発するのでやはり唖然としていた
「あの〜すいませ〜ん」
流暢な英語でまりやが店員に話しかける、話しかけられて我に返る店員
事情を話し対応をしてもらう
「それにしてもいくらくらいあるのでしょうか?」
至極当然な紫苑さまの疑問に答える店員
「ざっと見て5〜6億くらいでしょうか」
「「「5,6億円!!?」」」
「あ、いえ、円ではありません、ドルです」
「5〜6億ドルって日本円にしたらいくらよ」
これも当然なまりやの疑問、店員はポケットから携帯端末をとりだしなにやら調べる
「ええ…と…現在は1ドルが120.4円ですので…」
「天文学的数字とはこのことですね…」
呆然とするしかない貴子さん…どころか奏ちゃんとゆかりんはすでに呆然としている

225doku:2006/10/15(日) 00:06:20 ID:VSVzoB5V0
「あ、そうだ最後にあれやっていこう」
まりやが一同をフロアの中心に連れて行く
そこにあるのは一台のスロットマシーン
「なんですか?これ」
ゆかりんがまりやに聞くが答えたのは一緒についてきた店員
「見ての通りスロットマシーンです、ただし、7を10そろえるのですが」
「7を10って普通は無理ですよ」
「その通りです、ま、上を見てくださいすごい量のコインでしょ
「いままで投入されたコインが溜まって払い戻しに上乗せされるタイプなんです
「たまり溜まっていまじゃ1億ドルを超えてますよ
「…そちらのお嬢さんがほんの数時間でその数倍を稼いでしまいましたが…」
店員の最後の台詞はとても悲しそうだった
「僕は男です…」
そしてボソリと呟いた瑞穂ちゃんの台詞は誰にも聞こえなかった

「さてさて、回してみますか」
それぞれが一回ずつ回していく
当然誰も当たらない、最後に紫苑さまがやった時は
「1234567890」
「見事にそろいましたのですよ〜」
「これもある意味すごいけど…」
「僕も一回やってみよう」
ガチャリ
瑞穂ちゃんがコインを投入しレバーを引く

226doku:2006/10/15(日) 00:07:57 ID:hoCeD9ub0
そして奇跡が起きる、7が10そろった、ものすごい勢いでコインが吐き出される
「いま…瑞穂ちゃんのパラメーターが見れたら『運』が99になってるわね」
「アイテムで強化されて制限値突破されてるかも…」
まりやとゆかりんの会話
「瑞穂さん…どんな幸運の星の元にお生まれになったんですか」
「ですがここまで幸運だと怖いですわ貴子さん」
「ひょっとして一生分の運を使い果たしてしまったのでしょうか〜」

その日ラスベガスはパニックにおちいったという
瑞穂ちゃんご一行様は厳重な警備下におかれ某高級ホテルのスィートルームに宿泊した

「僕、本当に一生分の運を使い切っちゃったのかな…」
227名無しさん@初回限定:2006/10/15(日) 00:15:33 ID:a5F/DebP0
tp://vista.undo.jp/img/vi6083865663.jpg
228doku:2006/10/15(日) 00:15:43 ID:hoCeD9ub0
−後日談

「瑞穂さん、ちょっと付き合ってください」
帰国後、紫苑さまに連れ出されやってきたのは馬券売り場
「競馬?」
「ええ、ちょっとこの紙に書いてある馬券を買ってください、100円でいいですから」
言われるままに馬券を買ってしまった瑞穂ちゃん
一人のおじさんがその馬券の番号を見て
「おお、ねえちゃんすげえな大穴狙いなんて、あたれば万馬券だぜ」
「……」
「きれいなおねえちゃんの買った番号だしな、俺もひとつ買っとくか」
紫苑さまはくすくすと笑いながら
「男性の姿をしていても女性と間違われるなんて」
「もう、言わないで下さい」
そしてレースが始まり…

「あの…これ…もしかして当たってる?」
「放送で言ってますわ、見事に当たっています」
「よーねえちゃんら、おかげでいい稼ぎさせてもらったぜ、ありがとな」
売り場で声をかけてきたおじさんが瑞穂ちゃんと紫苑さまに手を振りながら帰っていきました
「どうやら瑞穂さんの幸運は無制限のようですわね」
229名無しさん@初回限定:2006/10/15(日) 00:33:25 ID:0Ux17Qum0
ttp://keiba.yahoo.co.jp/scores/2006/06/04/01/11/result.html
このレースですか? わかりません!><
230名無しさん@初回限定:2006/10/15(日) 06:56:21 ID:BakhHFbQ0 BE:160477092-2BP(256)
>229お姉さまへ。
 よく、こんな合ったレースをお探しでwwwwwww(馬連・馬単・3連複・3連単が万馬券)
231東の扉:2006/10/15(日) 09:32:31 ID:lia3DbBS0
出かけなければならなくなって開けていたら、やはり書き込まれていましたか。
ともかく、「夢の中の決意」の219からの続きです。

私は今夜も、お姉さまに差し入れを持っていきます。
今日告白するって決めたのに、いざとなると足が竦みます。
やっぱり、明日にしよう。今日だけはお姉さまの優しさに甘えていたい。今日だけだから……。
「お姉さま、失礼します!」
232東の扉:2006/10/15(日) 09:34:04 ID:lia3DbBS0
いつものように私の差し入れを食べ終わったお姉さまは、私に感謝の言葉を言いました。
「由佳里ちゃん、いつもいつもありがとう。優しい妹を2人も……ううん、一子ちゃんも入れて3人……かしら? 
とにかくそれだけ持って、私は幸せ者だわ」
「………!!」
それを聞いた瞬間、私の目は涙で溢れました。
私、とんでもない卑怯者だ……最後の最後まで、こんなにお優しいお姉さまに犯した、自分の罪から逃げようとしてたなんて……。
「由佳里ちゃん、どうしたの? 私、由佳里ちゃんを泣かせるようなこと、したのかしら?」
「お姉さま……私……私……」
「ゆ、由佳里ちゃん、何があったの?」
「私、あの時保健室でお姉さまが寝てらっしゃるのを見て、してしまったんです……お姉さまの手で……その……1人で……」
エッチな言葉は言えませんでしたが、お姉さまは私の言いたいことはわかってくださったようです。
「しかもその後、お姉さまにばれてないかどうかばかり考えて、証拠隠滅してしまえばばれないからいいなんて思って……」
「そう……」
お姉さまは沈鬱な表情で聞いてらっしゃいます。
「お姉さまに差し入れを持ってきていたのだって、お姉さまのためなんかじゃないんです! それで罪滅ぼしだって、
自分の罪悪感をごまかすために……」
「………」
「今だって、今日正直に言おうって決めたのに、明日にすればいいなんて、最後の最後まで逃げることを考えて……私は、
本当に聖央の生徒にあるまじき、最低の心の持ち主なんです……」
私は、そう言って泣き崩れてしまいました。
233東の扉:2006/10/15(日) 09:35:02 ID:lia3DbBS0
お姉さまは、そんな私を抱きしめてくださいました。
「ねえ、由佳里ちゃん」
「……なんですか?」
「本当に最低なことって、何だと思う?」
「え? さ、さあ……」
「それはね、悪いことを悪いことと思わないことよ」
お姉さま、やっぱりそう思っていた私を軽蔑したんだろうか?
「由佳里ちゃんは、今、私に正直に告白してくれたじゃない。今まで、ずっと悩んで、苦しんでたんでしょ?」
違ったようです。でも、お姉さまはどうしてそこまで人の立場に立って考えられるのでしょうか?
「確かに保健室でしたことは褒められたことじゃないけど、
少なくとも、“今の”由佳里ちゃんは最低なんかじゃないわ。私なんかより、ずっと立派よ」
「お、お姉さま……そんなこと……」
「よく正直に話してくれたわね。由佳里ちゃん。私は嬉しいわ」
「お姉さま……」
私は、涙が溢れてきました。絶対怒られると思ってたのに、逆に褒められるなんて……。
「それだけ罪悪感に苦しんでた由佳里ちゃんなら、もうそんなことはしないわよね」
「は……はい……絶対にしません! もう……もう2度と……」
お姉さま、本当にどこまでもお優しい……私は、自分の人間としての小ささを思い知らされました。
「さあ、お帰りなさい。今日は、安らかにお休みできるでしょうから……」
「はい……失礼しました」
私は、今日のことで、ますますお姉さまのことを好きになりました。

あれ以降、お姉さまの姿を見るたび、やはりドキドキが抑えられなくなってしまいます。
けれど、私はあんなことはしないと誓った身。その決意に、変わりはありません。ならば……。

もっともっと自分を鍛えよう。お姉さまに釣り合う人間になるために……そうすれば、私もお姉さまともっと対等につきあえるようになるし、
それに……。
お姉さまとのエッチも、もっとずっと気持ちいいはず……なんてね、ふふっ。
234東の扉:2006/10/15(日) 15:14:29 ID:lia3DbBS0
〜名残雪 その後〜

瑞穂 「はあ……」
聖央女学院の女子寮。僕は、夜になっても眠れず、1人ため息をついていた。
昨日まで、少人数だけど、あれだけにぎやかだった寮。しかし、今はここに誰もいない。
一子ちゃんは封じ込められ、奏ちゃんは殺され、まりやと由佳里ちゃんは殺人犯として警察に逮捕された。
瑞穂 「今までのことは、一体なんだったんだろう……」
僕は、答えの出るはずのない問いを繰り返しては、1人泣いていた。
まりや……貴子さんと何があったか知らないけど、何も殺すことはないじゃないか……。
寮のメンバーだけでなく、大切な友人を2人も失った僕の胸は、とてつもない喪失感でいっぱいだった。
もう、何もする気になれない。昨日まで一緒にいた友は、もうここにはいない……。
僕には、まりやたちが一日も早く更生し、社会復帰してくれることを祈るばかりだった。
瑞穂 「光……もう、朝が来たのか……」
僕は、枯れた涙でぐちゃぐちゃになった顔をまりやに教えてもらったスキンケアで見繕いながら、登校すべく、部屋を出た。
どんなに辛いことがあっても、学院を休むわけにはいかない。僕は、全校生徒の代表、エルダーシスターなんだから。
235東の扉:2006/10/15(日) 15:15:46 ID:lia3DbBS0
まりや「やっ、瑞穂ちゃん、おはよ!」
由佳里「あ、お姉さま、おはようございます!」
そんな調子で食堂に出てくると、そこにいるはずのない人間に出くわした。
瑞穂 「ま、まりや!? 由佳里ちゃんまで……な、なんでここに!?」
僕は、頭の中がパニックになった……2人とも、警察で取調べを受けてるはずなのに……。
瑞穂 「まさか……昨日のことは、夢……?」
まりや「昨日のこと? ううん、現実だよ」
まりやは、こともなげにそう言ってのけた。
瑞穂 「じゃ、じゃあ、2人とも脱獄してきたの!? ダメよ、そんなことしたら、さらに罪が重くなるんだから! 
   今からでも遅くないわ、警察にお戻りなさい。そうすれば少なくともこのままつかまるよりはまだましだから……」
2人 「ぷっ……あははははは……」
僕は、愕然としてそう言うと、2人の反応は予想外のものだった。まりやと由佳里ちゃんは、僕の言葉を聞いて、大笑いしたのだ。
瑞穂 「な、何がおかしいの?」
まりや「何がって……そりゃあ……ねえ?」
由佳里「お姉さま、後ろ、後ろ」
瑞穂 「……え? わあっ!」
僕が振り返ると、またしてもそこにいるはずのない人たちが立っていた。
紫苑 「瑞穂さん、おはようございます。おじゃましてますわ」
貴子 「おはようございます、お姉さま」
瑞穂 「し、紫苑さん! 貴子さんも、ど、どうして!?」
紫苑 「瑞穂さん、まるで幽霊でも見たようにお顔が蒼白ですわよ?」
まりや「紫苑さま、瑞穂ちゃんはそう思っているんじゃありませんか?」
一子 「お姉さま、おはようございまーす!」
奏  「お姉さま、おはようございますなのですよ」
瑞穂 「み、みんな! どうして!? まりやと由佳里ちゃんに殺されたはずじゃ……」
236東の扉:2006/10/15(日) 15:17:03 ID:lia3DbBS0
由佳里「くす……お姉さま、まだおわかりになりませんか?」
瑞穂 「え……!?」
まりや「瑞穂ちゃんの推理はさ、シナリオどおりであってるけどさ、でもよく考えてみなよ。人殺しを目撃したやつが、
   のんきにキョンシーのまねごとなんぞやっている余裕があると思うのかね?」
瑞穂 「あ……」
確かにそのとおりだ。人殺しを目撃してしまったら、そのことで頭がいっぱいで、懐かしい遊び道具を見つけたとしても、それどころじゃないだろう。
由佳里「お姉さま、それに、奏ちゃんが私が紫苑さまを殺す現場を目撃したら、奏ちゃん逃げますし、部屋に入ってきた私のことを当然警戒しますし、
   襲えば抵抗もしますよ? そんな状況であんな短時間で奏ちゃんを殺して、探し回っているお姉さま方に目撃されずに立ち去ることなんて
   できませんよ?」
瑞穂 「い、言われてみれば……」
僕の推理は的を得ていたと思っていたけど、机上の空論。現実には実行不可能だ。
瑞穂 「じゃ、じゃあいったい……」
まりや「瑞穂ちゃん。君は貴子たちの『死体』に1度でも触れたのかね?」
瑞穂 「え……?」
そういえば、貴子さんの時はみんなが邪魔して触ってないし、紫苑さんの時も奏ちゃんの時もまりやが先に触って僕には触らせなかった。
つまりそれって……。
瑞穂 「どどど……どういうことなの?」
まりや「ふむ。パニクってる瑞穂ちゃんにもわかるように説明して進ぜよう」
237東の扉:2006/10/15(日) 15:32:11 ID:lia3DbBS0
紫苑 「つまり、昨日のことは、すべてドッキリだったのですわ」
瑞穂 「………!」
まりや「ちなみに、気づいてると思うけど、瑞穂ちゃん以外全員仕掛け人ね」
だ……だから、みんな訳のわからないことばかり言ってたのか……ていうか……。
ガーン!
瑞穂 「だ、だからサブタイトルが『まりやとかが見てる』だったのね……」
紫苑 「あら、やっとお気づきになられたようですわね」
一子 「隠しカメラでドッキリシーンを撮影している……つまり、お姉さまが慌てふためく様をまりやさんたちが見ていたの……ですよね」
瑞穂 「………」
まりや「ちなみにあの時、由佳里がしどろもどろになってボロが出そうにれば、おそらくあたしはあらかじめ瑞穂ちゃんの服に仕込んだ
   マジック用の小道具にマジック用のナイフを突き立てて、自分は死んだと思わせて気絶させることになってたのよ」
瑞穂 「………」
貴子 「まりやさんからこの話を聞いて、悪ノリが過ぎるかとも思いましたが、好奇心に負けてしまいまして……」
由佳里「あ、あの、ごめんなさい……私たちが聞いた時には、もう準備はすべて終わってたので……」
奏  「断るに断れなかったのですよ」
……知らなかったの、僕だけ? じゃあ、今までの喪失感は、ただの取り越し苦労?
紫苑 「仕掛けたビデオカメラは瑞穂さんの部屋とこの食堂を除いて全て回収しましたし、今から中を見るのが楽しみですわね」
まりや「もうその2つ以外のヤツはすでに編集に入ってますし、にしても、瑞穂ちゃんの表情は、ホント傑作でしたわね」
瑞穂 「………」
238東の扉:2006/10/15(日) 15:32:46 ID:lia3DbBS0
まりや「これから、これを学院中に公開すれば、大うけ間違いなしですわね」
瑞穂 「まーりーやー」
僕は厨房から包丁を持ち出すと、まりやに迫った。
瑞穂 「今ここで、本物の殺人事件に発展させてあげましょうか?」
由佳里「きゃ! お、お姉さま!」
奏  「お姉さま、落ち着いてくださいなのですよ!」
まりや「そ、そうよ、瑞穂ちゃん、そんなに熱くならないで、もっと冷静になろ? ね?」
瑞穂 「私は十分冷静よ!」
まりや「み、瑞穂ちゃん、あたしの話を聞いて!」
瑞穂 「問答無用よ! 私がまりやたちを『告発』する時、その後ベッドで横になってた時、どんな気持ちだったと思ってるの!」
まりや「ひっ……ちょっとみんな、黙って見てないで助けてよー!」
由佳里「そ……そんなこと言われましても……」
奏  「お姉さまが怖くて近寄れないのですよ」
一子 「わ、私も今回はさすがに……」
貴子 「ま、自業自得……ですわね」
まりや「そ……そんな……」
瑞穂 「まりや、覚悟はできてるわよね?」
まりや「できてない! ほんとにちょっとした悪ふざけだったのよ、許してー!」
瑞穂 「悪ふざけも度が過ぎると立派ないじめになるのよ、まりや」
まりや「や、やめやめやめ……ひいいいい……!!」
瑞穂 「私の心の痛み、思い知りなさい!」
ドスッ!
239東の扉:2006/10/15(日) 15:33:31 ID:lia3DbBS0
僕は包丁をまりやの首すれすれの所を通過させ、後ろの壁に突き立てた。
まりや「………」
まりやは、恐怖のあまり泡を吹いて失禁していた。
瑞穂 「誰か、カメラ貸してくれる?」
奏  「は、はいなのですよ」
カシャッ!
僕はその時のまりやをカメラに収めた。
瑞穂 「じゃ、これで許してあげるわね、まりや」
2人 「あ、あはは……は……」
奏ちゃんと由佳里ちゃんは、乾いた笑いを浮かべて僕たちを見ている。
紫苑 「あらあら。瑞穂さんって意外とおちゃめさんですのね」
貴子 「……お姉さま」
瑞穂 「貴子さん」
貴子さんが、厳しい顔で僕に話しかけてきた。
貴子 「……その写真のことですが」
瑞穂 「は、はい」
貴子 「……焼き増しして、私にも1枚くださいませんか?」
瑞穂 「……え?」
由佳里「お姉さま……私も……」
瑞穂 「……はい?」
僕はすっかり振り回されていたことに憤りを感じながらも、昨日のことが本当にただの悪夢であったことを、嬉しく思わずにはいられなかった。
そして、また今までと変わらぬ「日常」が始まってゆく。

Fin
240名無しさん@初回限定:2006/10/15(日) 22:27:32 ID:yDFNQA880
GJです
241doku:2006/10/15(日) 23:32:12 ID:hoCeD9ub0
『LUCK 2』

ラスベガスのカジノで天文学的な数字の儲けを出した瑞穂ちゃんご一行様
某ホテルで姦しく騒いでいます

貴子「それにしても瑞穂さんがあれだけ運の良い方とは…まりやさんはご存知だったのですか?」
まりや「うんにゃ、子供の頃花札やトランプやっててもごく普通のお子様だったわよ」
紫苑「なら大人になってから運が向いてきたのでしょうか」
由佳里「もしかしたらお金がかかるときだけ運がよくなるとか…」
まりや「あーそういえば子供の頃お金を賭けて花札やろうとしたらおじさまにしかられたっけ」
瑞穂「僕も覚えてる、『ギャンブルは会社経営だけで十分だ』」
まりや「そうそう、それ以来瑞穂ちゃんてばギャンブルしなくなったのよね」
奏「なら試してみるのですよ〜」
奏ちゃんがトランプを持ってきて瑞穂ちゃんと貴子さんに5枚ずつ配る
奏「まずお金を賭けないでポーカーをやってみるのですよ〜」
プレイ開始
瑞穂「う〜ん2枚交換」
貴子「私は一枚」
それぞれ交換する
瑞穂「はは、2とJのツーペア」
貴子「私は6のスリーカードですわ」
紫苑「瑞穂さん負けましたわね」
由佳里「じゃ次はお金を賭けてやってみましょう、まりやお姉さまと」
まりや「なんであたしなのよ!」

242doku:2006/10/15(日) 23:39:48 ID:hoCeD9ub0
ゆかりんはまりやの文句をスルーしてカードを配る
まりや「まあ身内同士だし参加料はいいわよね」
瑞穂「金額も小額でね」
まりや「じゃ、2枚交換」
瑞穂「僕はこのままで」
一同「え?」
まりや「むう、すごい怖いんだけど勝負をうけよう」
瑞穂「はい、フルハウス」
まりや「勝てるわけねーだろ!2のワンペアじゃ!」
貴子「明日もう一度カジノに行って検証してみましょうか?」

由佳里「そういえばまりやお姉さま今日は勝ったんですか?」
まりや「ああ、勝ったわよ200万ドルほど、貴子も同じくらいかしらね」
貴子「ポーカーはほとんど心理戦ですから、私とまりやさんの戦いぶりを見て…」
まりや「カモにしようと思って逆にカモられるお馬鹿さんが結構いたのよ」
奏「はやや〜お二人ともすごいのですよ〜」
貴子「お金持ちの御曹司が何人かいましたからね」
まりや「ああ、それで気前良く賭け金上乗せしてたんだ」
由佳里「奏ちゃん…今日勝ったお金でどれだけハンバーグが食べられるかな?」
奏「たぶん七回生まれ変わっても食べられると思うのですよ〜」
まりや「ここまで来てもハンバーグかい」
奏「そういえば紫苑お姉さまもずいぶん勝っていたのですよ〜」
紫苑「おかげさまで父の会社を再建してお釣が出るほど勝たせていただきました」

243名無しさん@初回限定:2006/10/15(日) 23:48:41 ID:n5SqNGmC0
元金いくらだったんだ?まりやはともかく瑞穂ちゃんは普段質素だし、紫苑様もそれほど持っているとは思えん
貴子は実家から出ているからやはりそれほどもってはいない、奏とゆかりんは庶民なので問題外。それを考えると怖いほどの幸運だな、
さすがはお姉さまたち
244名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 03:18:15 ID:38AXu2hX0
ttp://keiba.yahoo.co.jp/scores/2005/03/02/04/11/result.html
このレースの一着の馬に有り金ぜんぶ突っ込んで元手を作ったんだろう。
245名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 03:20:22 ID:38AXu2hX0
ttp://keiba.yahoo.co.jp/scores/2005/09/03/05/07/result.html
で、一週間後、こっちの一着に転がす、と。
246図書委員:2006/10/16(月) 09:52:37 ID:CahYugjQO
私用も片付きそろそろ更新再開します

皆さんにご迷惑をお掛けしました、申し訳ありませんでした。
247名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 14:01:20 ID:hTuHr5Ih0
貴子さんのポーカー講座

由佳里「ポーカーって何で心理戦なんですか?」
奏「強い手を作れば勝つのではないですか?」
まりや「ルーレットなんかは完全に運頼りなんだけどね」
貴子「実際には強い手が作れることなんてほとんどないのです
   ですから相手がどういう手を作っているかという読みあい
   さらには自分がどれだけ強い手を作っているかに見せるハッタリが必要です」
まりや「相手の表情やしぐさ、言動なんかを見てそういうのを判断するわけよ」
貴子「相手のクセさえ見抜けばどういう手を持っているか見抜くなんて造作もないことです」
まりや「ま、素人向けのゲームじゃないことは確かね」
貴子「そうですね、初心者と対戦するとカードの種類まで読めてしまいますから」
奏「はやや〜お姉さま方はすごいのですよ〜」
貴子「まあ、学院時代に濃い人たちに鍛えられましたから」
248名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 23:43:29 ID:XB/j5hEG0
>>247
>学院時代に濃い人たちに鍛えられましたから

生徒会長がギャンブルするのはいかがな物かと・・・
しかし「たち」という事は相手は複数なはずで、一体誰?
・・・圭さんもいたのか?(汗)
249名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 02:32:00 ID:vki3A+tf0
お金を賭けていたとは限らない。
脱衣ポーカーぐらいなら目くじら立てるほどでもないだろう。
250名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 06:38:15 ID:bTeD0QzW0
脱衣・・・ですと?

お姉さまが脱衣お姉さまが脱衣お姉さまがシリコン胸パッド脱衣
お姉さまが脱衣お姉さまが全裸脱衣お姉さまが脱衣お姉さまが脱衣
お姉さまが胸をもぎ取られる脱衣お姉さまが脱衣お姉さまが

お姉さまがお姉さまがおねえさまがががががっがっがっががっがggggggggggggggggggggggggggg
251名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 08:30:20 ID:9axGfWYJ0
  三           三三        三
      /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  三 ほら、そこ! 道を空けて!!
三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン     
    /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:} 三   三
  〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__   
  ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ←>>250
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
  };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll
252名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 09:52:24 ID:bTeD0QzW0
お姉さま、サシで勝負しませんか
俺が勝ったらスティックしゃぶらせてください
お姉さまが勝ったらバーグにハンバーグを好きなだけ奢ってやると約束しましょう

さあ!

スペード 3
スペード 4
スペード 5
スペード 6




ハートのA





        : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        ∧_∧ . . . .: : : ::: : :: ::::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ (_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ
253名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 12:00:46 ID:1N+WY6jK0
>お姉さま、サシで勝負しませんか
>俺が勝ったらスティックしゃぶらせてください
>お姉さまが勝ったらバーグにハンバーグを好きなだけ奢ってやると約束しましょう

まりやがカードを両者に配る
瑞穂ちゃんは配られた5枚のカードを手に取ることもせず
「5枚全部交換」
「・・・本当にいいの?瑞穂ちゃん」
「もちろん」
まりやは瑞穂ちゃんの前にある5枚のカードを退け新たに5枚のカードを配る
瑞穂ちゃんはやはりそれを見もせず
「ベット」
賭けに出た
さらにレイズ
両者ともフォールドしない
ショウダウン 
カードがめくられる
「ハートの3
 ハートの4・・・」
瑞穂ちゃんが一枚ずつカードをめくる
「ハートの5
 ハートの6
 ハートの7
「ストレートフラッシュ」
「瑞穂ちゃんの勝ちね」
254名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 14:01:44 ID:1N+WY6jK0
瑞穂「じゃあ、由佳里ちゃん 
   >>252が思う存分ハンバーグおごってくれるって」
255名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 16:10:14 ID:9f2sDpJf0
>>253

ハートとスペード間違えた・・・
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date24151.jpg
256名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 18:14:45 ID:6xOPNAO70
>>255
kwsk
257名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 19:42:42 ID:As1H6sFl0
掘られないまでも、女性キャラ攻めで瑞穂ちゃん受けってのはやっぱここじゃまずい?
258名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 20:14:41 ID:9f2sDpJf0
>>255
「仮面ライダー剣」のラウズカードのコラ
ttp://gareki.ddo.jp/ki/ki/ki_7689.jpg
259名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 20:57:59 ID:oD4Tn4ac0
>>257
何故そんな質問するかがさっぱり分からないくらい問題無い。
260doku:2006/10/18(水) 00:05:24 ID:6weFCv/T0
>>243
『LUCK 瑞穂ちゃんたちの活躍』

一枚1ドルのルーレットチップを買ってテーブルについた瑞穂ちゃんたち
由佳里「ところで倍率とかってよくわからないんですけど…」
瑞穂「ルーレットの倍率ってチップの賭け方によって違うの」
紫苑「いま全員で黒の8に賭けてしまいましたが…」
瑞穂「えーと、簡単に言っちゃうと36÷賭けた目の数です」
奏「つまり当たれば36倍になるのですか?」
瑞穂「実際には35倍でちょっと違うんだけど一つの目安ね」
由佳里「あ、私たちが賭けた目に入りましたよ」
瑞穂「今、奏ちゃんと由佳里ちゃんは10ドルずつ賭けたでしょ
   だから10×35=350ドル払い戻されるの、
   それに賭け金の10ドルも戻ってくるから合わせて360ドルね」
紫苑「私は50ドル賭けましたから…50×35=1,750ドルですか」
瑞穂「あとは賭け金の50ドルも戻りますよ、僕も50ドルだから同じですね」
奏「ずいぶん勝ちましたのですよ〜」
瑞穂「最初に勝っちゃったから調子に乗ってしまいましょう、次は0に賭けます」
紫苑「私も勝った分の1700ドルを賭けてしまいますわ♪」
奏「奏も賭けるのですよ〜」
由佳里「そうですね、もとはなかったものですから350ドル賭けてしまいます」
261doku:2006/10/18(水) 00:12:12 ID:6weFCv/T0
−1時間後−

由佳里「あの…なんだかすごい勢いで勝っちゃったんですけど…」
奏「チップがすごい量なのですよ〜」
瑞穂「あの…ディーラーさんもしかして…」
ディーラー「言っておきますが玉をコントロールするなんて不可能ですよ」
紫苑「ですが瑞穂さんの賭けたところに便乗すると100%の確率で当たるのですが」
ディーラー「なんなら玉を放った後に賭けて見ますか?」
奏「いいのですか?」
ディーラー「私が『NoMoreBet』と言う前なら賭けられます」
瑞穂「ならそうしてみようか」
ディーラーの手から銀色の玉が離れる、チップを出す瑞穂ちゃんたち

−数分後−

瑞穂「…当たっちゃった」
ディーラー「ここまで幸運なお客様は初めて見ました」
紫苑「あの、本当に玉をコントロールしていないのですね?」
ディーラー「むしろお客様が未来を予知しているのではないのですか?」
262名無しさん@初回限定:2006/10/18(水) 10:15:42 ID:ozLQvDt30
ぬう・・・バーグめ、びっくりドンキーよりロイヤルホストの方が好きなのか・・・

今度こそ!お姉さま、もう一度勝負しましょう
自分が勝ったら、その桃尻を心ゆくまで揉ませていただく
お姉さまが勝ったら・・・会長にラーメンを奢ります

では!

自分の手札>>270

お姉さまの手札>>280

263名無しさん@初回限定:2006/10/18(水) 11:17:33 ID:+WGhIXqh0
安価なら
ハートの2
クラブの2
ジョーカー
ハートのK
ハートのA
264東の扉:2006/10/18(水) 14:55:36 ID:BgR11C5Z0
〜スーパーまりやシスターズ〜

「瑞穂ちゃん、来たわね。これで全員ね」
「まりや、こんなところに呼び出して、いったい何?」
「うん、あたしが作ったゲームのお披露目」
僕は、まりやに呼び出されて視聴覚室に来ていた。僕のほかには、おなじみのメンバーが……。
「……で、集まったのが、なんでこのメンバーだけなの?」
「それはまあ、ご○○主義。あと、作者の東の扉がいい加減でなーんも考えてないからでしょうね」
「私たち、そんな作者に書かれているんですか……」
「まあまあ由佳里、屈辱なのはわかるけど、この作者がずさんで手抜きを極めてるからといって、不平を言っちゃダメよ。
あたしたちは、たとえ東の扉みたいなダメダメ作者にでも、書いてもらえるだけ愛してくれる人がいる、って思わなきゃ」
「……まりやさん、フォローしてるように見えて、さりげなく随分ひどいことをおっしゃってますわね」
「じゃあ貴子、あんたは東の扉の作品がいいと思ってんの?」
「……ノーコメントですわ」
「ノーコメントってことは、普通言っちゃ都合が悪いことを考えてるものなのよ。つまりあんたも、いいとは思ってないってことでしょ?」
「うっ……相変わらず、こういうときだけ鋭いですわね」
「まあまあ、ところでまりや、新しいゲームって?」
「ああ、これよ。じゃーん!!」
まりやは、そう言って、1つのDVDを取り出す。
「『スーパーまりやシスターズ』……なのですか?」
「なんか、あからさまに某有名ゲームのパクリみたいね」
「まあまあ、聖央の外に出す気はないからいいじゃない。ま、とにかくやってみなよ」
「え……ええ……」
「楽しみですわね」
「まりやさんが主人公なのは……ですけどね」
265東の扉:2006/10/18(水) 14:56:25 ID:BgR11C5Z0
ギュイーン……
「あ……画面が」
「始まったわね。画面までそっくり」
「2人用があるということは、ひょっとしてもう1人は由佳里ちゃん、なのですか?」
「正解!」
「私がゲームに出演するなんて……恥ずかしいですよ」
「まあまあ、じゃあ、始めるわね」
僕は、1人用を選択してゲームを開始した。
「まず敵を倒して……あら? パワーアップアイテムが違うのね」
「そりゃそうよ。キ○コ王国じゃないもん」
「じゃあ、どこなの?」
「ギラブカ王国。逆さに読んじゃダメだからね」
「……なんかいやな予感がするんだけど」
「にゃはは。まあまあ瑞穂ちゃん。ゲームに集中しなさいな」
「これは無敵アイテム、かしら?」
「そうよ、音楽変わってる間は、敵に触れても平気だから」
「ホントね。触れるだけで敵が次々と倒れてくわ」
「いつも傍若無人に周りを振り回していくまりやさんそのものですわね」
「ちょっと貴子、それどういう意味よ?」
「言葉通りの意味ですわ」
「……まあまりやお姉さまが好き勝手してるのは、いつものことですから今さら、ですけど……」
「ちょっと由佳里、あんたまであたしを裏切るのか?」
……由佳里ちゃんは普通のこと言ってるだけだと思うけど……ていうか、裏切られても仕方のないことばかりしてるまりやの方が問題じゃない?
「裏切り者のゆかりんは、左右の頭ぐりぐりの刑に処すーっ!!」
まりやは、言うなり由佳里ちゃんの頭を拳骨でぐりぐり押さえつけたようだ。
「あたた、私はゆかりんじゃ……いたたた……お、おでーざば……やべ……いだだだだ……」
僕はポーズでゲームを中断し、奏ちゃんや貴子さんと一緒にまりやを止めに入った。
266東の扉:2006/10/18(水) 14:57:05 ID:BgR11C5Z0
「ステージクリア……次は地下面ね」
その後地下面、列島面をクリアすると、舞台が少し変わっていた。
「……なんか暗い建物の中って感じだけど、ここは?」
「お城の地下。いわゆる『地獄面』ね」
「地獄面……あの……まりやさんは、一体どこで死んで、閻魔大王にお会いになったのですか?」
「は……?」
僕たちは、全員驚いて紫苑さんのほうを見る。紫苑さん、また天然してますか?
「……あ、あの、紫苑さん、地獄面っていうのは、地獄のようって意味で、本物の地獄じゃないんですよ」
「まあ、そうなんですか……」
「……まあ、まりやさんが死後地獄に落ちるのは、ほぼ間違いないですわね」
「なによ貴子! そういうあんたはどうなのよ!?」
「わたくしは品行方正で通してますから、問題ありませんわ。誰かさんと違いまして」
僕はヒートアップするまりやと貴子さんのけんかを放っておいて、ステージを進めた。
「あれ? 貴子さんだ」
僕はゲーム画面の右側から貴子さんらしいキャラを見て言った。貴子さんとまりやもけんかを中断して、ゲームを見る。
「ああ、それはボスキャラのたかこ大王ね」
「た……たかこ大王……」
「ちょっ……なぜわたくしが悪役ですの!?」
「あーら貴子、それは当然じゃないの」
「まあ……まりやが主人公ですからね……」
ゲーム画面を見ると、貴子さん……たかこ大王がいるのは橋の上じゃないし、どうすればいいんだろう?
「まりや、どうすれば倒せるの?」
「ああ、たかこ大王の後ろにあるスイッチを押して」
「スイッチ? ああ、これね」
僕はたかこ大王をかわし、後ろのスイッチを押した。すると、色々な写真が降ってきた。
これ、僕の写真?
「あ、たかこ大王が鼻血を吹いて……そのまま倒れちゃった……」
そんなのあり? これじゃまるっきりギャグじゃない……。
「さて、お姫様を助けて……あれ? 奏ちゃん?」
見ると、奏ちゃんらしいキャラがメイド姿でいるのが見えた。
「そ。お姫様は最後。それまではメイドさんね」
267東の扉:2006/10/18(水) 15:08:24 ID:BgR11C5Z0
「はややっ、奏、メイドさんなのですか?」
「まあ、メイド姿の奏ちゃん……本当に可愛らしいわね……」
紫苑さんの身体がうずうずしている。液晶画面を壊して抱きしめようとか思わないといいけど……。

それから、僕はゲームを進めていった。
「水中面……あら? まりや、水着姿なのね」
「ふふーん。ここで抜群のプロポーションをお見せしないわけにはいかないでしょうが」
「まりやさん、ここには男性はいないのですから、そんなことをしても無意味でしょう」
……いや、貴子さん、ここに1人いるんですけど……。

僕は2回目の地獄面で、再びたかこ大王と対面した。
「スイッチを押して……あれ? 写真が降ってこない?」
見ると、空間に穴が開いて、中から一子ちゃんが出てきた。
「……一子ちゃん?」
一子ちゃんを見たたかこ大王が蒼ざめて、そのまま死んでしまった。
「ちなみに、最初のとどっちが出てくるかは、完全にランダムね」
……どっちにしてもギャグだと思うけどね。
「ねえ、まりや、由佳里ちゃんでやってると、もしかして由佳里ちゃんも一緒に気絶しちゃったりする?」
「そうよ。その後一子ちゃんが慌ててあたしを呼んで、起き上がらせるのよ」
「それは、なんというか……」
「今度は美智子さん?」
「うん。最後以外のメイドは、違う人を用意してあるのよ」
268東の扉:2006/10/18(水) 15:09:15 ID:BgR11C5Z0
その後、圭さん、緋紗子先生、夏央さん、紫苑さん……そして最後に楓さんメイドを救出し、最後のたかこ大王を倒した。
「ねえ、これで最後?」
「うん。これで侵略者のマシクツイ帝国は完全崩壊。逆さに読んじゃダメだからね」
「……でも、その帝国なら、父や兄をボスキャラにしてほしかったですわね。そうしたら、わたくしが何度でも倒して差し上げますのに」
「それはよろしいですわね。どうせなら、あんなやり方とかで……」
「なるほど、紫苑さま、それは名案ですわね。それならこんなやり方も……」
紫苑さんと貴子さんの会話が、残酷な殺し方の話で盛り上がっていく。なんか怖いんですけど……。
きっと2人とも、普段から貴子さんのお父さんやお兄さんには、さんざん苦い汁を飲まされてきたんだろうな……。

いよいよお姫様の救出……って……。
「これ、ぼ……私……?」
「そうよ。ギラブカ王国のみずほ姫。みんなのアイドルよ」
な、なんで男の僕がお姫様……。
「わあ、リバイバルバージョンと同じように、キスしてるのですよ」
「まりやさんが羨ましがられそうですわね」
「じゃ、じゃあ、私のでやったら、お姉さまが……私にキス……」
どうやら由佳里ちゃんは、夢の中にトリップしてしまったようだ……。
269東の扉:2006/10/18(水) 15:10:22 ID:BgR11C5Z0
「……でも、ほんとにすごいのはこれからよ」
「え?」
「このあと、8回クリアすると、あたしや由佳里と瑞穂ちゃんの絡みシーンが……」
「……え?」
僕は耳を疑った。
「お互いの名前を呼びながら求め合う艶姿。あたしたち本人の声を無修正で……」
「う……うわああああん!! もうお嫁にいけないーっ!!」
由佳里ちゃんは、泣きながら視聴覚室を飛び出していった。
「……まりや、それはいくらなんでもひどいと思うわよ?」
「そうですわ。まったく、あなたという人は……」
僕と貴子さんは、怒りの表情でまりやに抗議する。
「ストーップ! ホントにやるわけないじゃない。冗談に決まってるでしょ?」
「じょ、冗談?」
「そ、冗談。だいたい瑞穂ちゃん、心当たりあるの?」
「あ……」
そうだよね。冷静に考えればわかることだよね。あれ? でも、じゃあなんで由佳里ちゃんは……。

「ま、とにかくこれ聖央限定で商品化だから。よろしく」
僕は恥ずかしくて買わなかったけど、買う生徒もいっぱいいたらしい。
「みんな、僕の姫姿目当てなのかな?」
紫苑さんが僕のお姫様姿と奏ちゃんのメイド姿に夢中だとか、由佳里ちゃんが僕のキスシーンを録画して何度も見返してるとか、
貴子さんが僕の写真が落ちてくるシーンで食い入るように見てホントに大王と一緒に気絶してるとか……。
当のまりやは、そんな噂話をニヤニヤ笑いながら聞いてたりして……。

Fin
270doku:2006/10/18(水) 16:42:28 ID:6weFCv/T0
>>262

ハンバーグの10
ハンバーグのJ 
ハンバーグのQ
ハンバーグのK
ハンバーグのA

でロイヤルハンバーグフラッシュ
271東の扉:2006/10/18(水) 17:19:57 ID:BgR11C5Z0
東の扉です。

「名残雪 その後」の解説ですが、本編のおまけシナリオ、
「まりやとかが見てる」の「名残雪エンド」の続編という設定ですので、
設定と瑞穂くん以外の登場人物を伏せていただくよう
修正していただけるとありがたいのですが……。
272Qoo:2006/10/18(水) 18:48:21 ID:HsTIpbE40
東の扉さん、GJ&乙です。

えと、ゆかひとエピローグ後編は明後日くらいには出来上がりそうです。…多分。とにかく今週中には絶対(_ _;;)。
待ってる人が居るかどうかは分かりませんが、頑張って書きます。 (お楽しみに。とは言えないヘタレ)Qooでした。 m(_ _)m
273名無しさん@初回限定:2006/10/18(水) 22:08:52 ID:8awUp9+p0
GJです。

>>267
>液晶画面を壊して抱きしめようとか思わないといいけど……。
破壊神紫苑様w
274おとボクまとめ中の人 ◆OTBKTbDm8M :2006/10/18(水) 22:39:55 ID:I8luXX7U0
>>271
了解しました。
すみやかに修正してアップします。

>>272
首を長くして待ってますよ!
275名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 00:22:17 ID:LZwm+/nf0
>>270
なんて事だ・・・自分にここまでツキが回ってくるなんて
イケル、イケルぞ!桃尻獲得じゃ!!
276くぎばっと:2006/10/19(木) 12:18:12 ID:UCCzCvxX0
それはまりやの先輩の話

瑞穂「どうしたの?由佳里ちゃん、浮かない顔して」
由佳里「なんていうか…部活のことなんですけど、スランプ気味で」
まりや「あ〜わかるわ、あたしも1年の頃スランプに陥った時期があったわよ」
奏「まりやお姉さまが?」
由佳里「ちょっと意外です」
まりや「そう、絶好調から絶不調に叩き落されたことがあったっけ…」
瑞穂「叩き落された?」
まりや「そう、ある大会で自己記録を更新したことがあったのよ
    それを当時の部長に報告したの、そしたらね
  「その程度の記録で満足するようなら陸上部など辞めておしまいなさい!
   てゆーか腹掻っ捌いて死ね!」
  って言われちゃったのよ
瑞穂「それはまた…」
由佳里「まりやお姉さま以上に無茶苦茶です」
まりや「まあ、あたしの3倍以上の性能を持った人だったわ」
奏「それでスランプに陥ったのですね〜」
まりや「まあ、そういうこと」
瑞穂「で、どうやって抜け出したの?」

277くぎばっと:2006/10/19(木) 12:19:11 ID:UCCzCvxX0
まりや「それはね…
    その時のクラスメートがあたしと部長のやり取りを聞いていて
    で、部室に部長が一人きりの時を狙ってあたしを連れて行ったの
    部室のドアを開けたとたん部長に怒鳴られたわ
    「今忙しいから後にして頂戴」って
    そしてね、後ろから噛まれたのよ」
瑞穂「クラスメートに?」
まりや「いいえ、虎に」
由佳里「は?」
まりや「部長は一人で特訓していたの 
    その瞬間悟ったわ、天下無敵の部長でさえも影で特訓していたのよ
    あたしたち凡人が部長の足元にでもたどり着くにはそれ以上の特訓をするしかない
    そして山に篭ったわ」
瑞穂「そういえば2年前サーカスから虎が脱走したってニュースがあったけど」
まりや「今は学院長室に飾られているわ」
由佳里「山…山に篭ったんですか?」
まりや「ええ、そのおかげで虎とまではいかないけど熊ぐらいは倒せるようになったわ」
奏「ものすごいスランプの克服の仕方なのですよ〜」
まりや「まあ、由佳里も明日から特訓ね」
由佳里「え?」
まりや「いきなり熊とか虎は無理だから最初は牛からで許してあげるわ」
278名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 12:29:43 ID:bOz+rrWH0
ミンチにしてくれるわぁ!!(よだれ)
279くぎばっと:2006/10/19(木) 14:07:32 ID:UCCzCvxX0
由佳里「そんな無茶言わないで下さい!」
奏「それに虎や熊や牛と戦うのは陸上の特訓じゃないと思うのですよ〜」
瑞穂「普通は死ぬわよ」
まりや「何言ってるの、それぐらいしないと世界で戦えないわ」
まりやがそう言ってTVをつける
やってる番組は陸上の大会
まりや「ほら、この人がその部長よ」
由佳里「この人って…」
瑞穂「一人でいくつもの種目の世界記録更新し続けてる人だ」
まりや「いつかは世界で戦いたいわね」
由佳里「私はそこまでして戦いたくないです
280くぎばっと:2006/10/19(木) 14:10:05 ID:UCCzCvxX0
>>262
>>270

瑞穂「私の役は…

  エルダーの10
  エルダーのJ
  エルダーのQ
  エルダーのK…

最後の一枚は>>290がめくって頂戴
ジャッジは>>300にお願いするわ
281名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 14:37:43 ID:DO+TzySW0
ふむ。個人的には、

宮小路瑞穂のQ
御門まりやのQ
十条紫苑のQ
厳島貴子のQ
小鳥遊圭のJoker

で、クイーンのファイブカード辺りかと思ったんだけどな〜。
っていうか、余り先送りすると、290や300をまたぐSSが落としにくくなる気がするよ。
282名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 15:28:44 ID:An75fUeZ0
>>280
ヨダ絵のお姉さまのQ
ヨダ絵の紫苑さまのK
ヨダ絵のまりやのA
ヨダ絵の奏の10
ヨダ絵の由佳里のJ

のヨダストレートフラッシュなんかもよかったかも…

>>281
ファイブカードは知ってるルールではロイヤルストレートフラッシュより下だったような気が
283名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 15:40:58 ID:DO+TzySW0
ローカルルールが多そうだからね。ポーカーは。

ウィキでは ⇒ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC
「ジョーカーを含まないAから始まるストレートフラッシュ、
すなわち同一スートのA,K,Q,J,10をロイヤルストレートフラッシュ(もしくはロイヤル・フラッシュ)といい、
独立した役として扱うことがある(ストレート・フラッシュの一分類ということを理由に
エースハイ・ストレート・フラッシュと称することもあるので注意されたい)。
このときファイブカードがあれば、それより上位の役として扱うことが多い。」
とある。
無論多いだけで、やはりルールはローカルローカルでの判断に委ねられそうだ。

…ただ、ハンバーグカードがお姉さまカードに勝てるとは思えないがね(笑)。
284名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 16:26:02 ID:3Z1WxvYX0
257だがこの流れでエロうpは不味いなっつーことで様子見。
つかこのスレがどの辺までのエロがわからんが……
285名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 16:38:03 ID:3Z1WxvYX0
>どの辺までのエロがわからんが
どの辺のエロまでOKかわからんが、だった。
286くぎばっと:2006/10/19(木) 18:51:53 ID:UCCzCvxX0
パワーバランス

まりや「今日の体育はバレーだってさ」
瑞穂「じゃ体育館に移動ね」
まりや「ううん、グラウンドでやるんだって」
瑞穂「グラウンドで?」
美智子「この学院ではバレーとかバスケもグラウンドで出来るんですよ」
圭「今日は天気がいいから外でやるのね、灰にならないようにしないと」
瑞穂「どこの吸血鬼ですか、圭さん」

−授業開始−

教師「さて、一通りの練習も済んだし試合してみましょうか」
まりや「瑞穂ちゃんと同じチームだし勝ちはもらったわね」
教師「言っておきますけど御門さんと宮小路さんは別チーム」
まりや「ええ〜なんで〜」
紫苑「パワーバランスが崩れてしまいますからね」
美智子「そうですよ、お二人とも私たちと運動能力のケタが違いすぎますから」
圭「軽く3ケタは違うと思うわ」
瑞穂「そんなに違わないと思います」
紫苑「まりやさんのチームにはハンデとして私が入りましょう」
美智子「それでは瑞穂さんのチームは私と圭さんがハンデです」

287くぎばっと:2006/10/19(木) 18:52:52 ID:UCCzCvxX0
−試合開始−

まりや「いくぜうぉりゃあ」
まりやのアタックが面白いように決まる
女生徒「まりやさんお願いですから人間の打ち返せるボールを撃って下さい」
紫苑「私が全然ハンデになっていませんわ」
まりや「これでも手加減してるつもりなんだけどなー」
教師「…御門さんチームの圧勝ね、じゃあ宮小路さん、何とかしてくれるかしら」
瑞穂「う…やるだけやってみます」
まりや「ほほう、次は瑞穂ちゃんか…なら本気が出せそうね」
まりやがリストバンドをはずす
どすんどすん、と音を立ててそれが地面にめり込む
紫苑「なんですか?今の音は」
紫苑さまがまりやがはずしたリストバンドを拾おうとしたが…
紫苑「おっ重いですわ、一体何キロあるんですか?」
まりや「あー紫苑さま、それ1キロの鉛棒が10本入ってるから重いですよ」
美智子「…そんなものをつけて今まで動いていたんですか」
まりや「アンクルもはずすからちょっとまってね」
圭「もうすごいとか通り越してバカね」

288くぎばっと:2006/10/19(木) 18:56:37 ID:UCCzCvxX0
教師「そ、それじゃはじめるわよ」
笛の音が響く、ボールが舞う、まりやチームのサーブ、瑞穂ちゃんチームのレシーブ
瑞穂「えいっ!」
瑞穂ちゃんのアタック、まりやがなんなくそれを拾う、紫苑さまがトス
まりや「死ねぇい!うぉおりゃぁぁ!」
圭「殺気?」
美智子「これは…ものすごく怖いのですけれど…」
まりやがボールを叩く
ありえない回転を与えられたボールはありえない変化をして瑞穂ちゃんに向かう
瑞穂「無理ぃ!みんな逃げてぇ!」
文字通り蜘蛛の子を散らすように瑞穂ちゃんチーム全員がコートの外に逃げる
圭「もう少林バレーね」
美智子「ボールの回転が全然落ちませんよ」
紫苑「まるで掘削機ですわね」

289くぎばっと:2006/10/19(木) 19:00:14 ID:UCCzCvxX0
その時何が起こったか詳細に覚えているものはいない

女生徒Kの証言「突然黒い柱が聳え立ったわ」
女生徒Sの証言「黒い柱を見たと思ったら黒い雨が降り始めたのです」
女生徒Tの証言「お姉さまが叫ぶのが聞こえたんです『早く校舎に入って』と」
女生徒Mの証言「まさかと思いました、こんなところであんなものが出るなんて」

まりやの殺人アタックで噴出した原油は日本の消費量を補って余りあるものだった
後に中東のパワーバランスどころか世界経済のバランスを崩すこととなったこの事件は
『聖應の悪夢』として歴史書に記されることとなる

圭「こうして後世の受験生の頭痛の種が一つ増えたわけね」
瑞穂「増やさないで下さい!」

美智子「とりあえず次の人
    >>262からの続きをお願いしますね」
290名無しさん@初回限定:2006/10/19(木) 23:04:33 ID:LkMsotLo0
>>282
ヨダストレートフラッシュワロスw

だれも>>290を取らないようなので僭越ながらこの私が、

宮小路幸穂のA


>>300
ジャッジを!
291290:2006/10/19(木) 23:08:49 ID:LkMsotLo0
>>290がつまらなかったらごめんなさい…
それと>>284さん、作品うpどんどんお願いします。ここは本来SSスレなので…
292くぎばっと:2006/10/19(木) 23:21:31 ID:UCCzCvxX0
瑞穂ちゃんの下着をくんかしながらオナる誰かさんの話とか誰か書いて
293名無しさん@初回限定:2006/10/20(金) 00:34:05 ID:8EkrbCWw0
>>262だけど
正直ここまで引っ張ってくれると思ってなかった感謝感謝
他のSS書きさん投下し難くしてごめんなさい

しかしロイヤルハンバーグフラッシュとロイヤルエルダーフラッシュか・・・ジャッジ次第だなあ・・・
しかも、負けてもラーメン奢るだけ・・・こりゃ尻は頂いたな、うしし・・・し・・・

すいません、どうしてうちに着払いで喜多方ラーメン三年分が届いてるんでしょうか・・・?
294東の扉:2006/10/20(金) 10:31:18 ID:6YVDa+DS0
>>292

私は考えてはあるんですけど、時期外れの誕生日ネタですから……。
295名無しさん@初回限定:2006/10/20(金) 10:38:23 ID:++Bw19zy0
>>294
全然問題なし、投下したモン勝ち。
296東の扉:2006/10/20(金) 14:16:15 ID:6YVDa+DS0
>>295
そうですか。では、失礼します。

〜おしまいの姉妹対決〜 ラウンド1 ヴァレンタイン後夜祭
297東の扉:2006/10/20(金) 14:17:40 ID:6YVDa+DS0
2月15日、聖央女学院、女子寮にて……。

コンコン……。
奏  「お姉さま、お茶をお持ちしましたのですよ」
瑞穂 「奏ちゃん、ええ、どうぞ」
奏  「失礼いたしますのですよ」
ガチャッ
瑞穂 「いらっしゃい、奏ちゃん」

2人分のお茶を入れた奏ちゃんが、今度はかわいらしいリボンがトッピングされた小箱を出してくる。
瑞穂 「それは?」
奏  「お姉さま、1日遅れましたけど、バレンタインのチョコなのですよ」
瑞穂 「ああ。ありがとう、奏ちゃん」
奏  「それと、こちらはまりやお姉さまからなのですよ」
瑞穂 「そう。あとでまりやにもお礼を言っとかなきゃ。でも、今までまりやからチョコをもらったことなんてなかったのに、どうして……」
奏  「まりやお姉さまはお姉さまほどではないですけど、バレンタインにはチョコをいっぱいもらいますから、その前後は
   チョコを見るのもおいやになられるそうなのですよ」
瑞穂 「なるほど……納得いくわね」
自分がそうなっただけに、よくわかるな、その気持ち。
奏  「でも、今年はお姉さまにはいろいろ大切なものをいただいたので、さすがに渡そうとお思いになられたそうなのです」
瑞穂 「変わったのね。まりやも」
奏  「はいなのです。紫苑お姉さまも、奏も、お姉さまから大切なものをいっぱいいただいたおかげで、いい方向に変わることが
   できましたのですよ。おそらく、生徒会長さんもそうだと思うのですよ」
瑞穂 「そう……なのかしらね。でも、それは私はきっかけにすぎないんじゃないかしら。変わることができたのは、
   それだけみんなが強い心を持っていた証なのよ」
奏  「お姉さま……」
298東の扉:2006/10/20(金) 14:19:28 ID:6YVDa+DS0
僕と一緒にお茶を飲んでいた奏ちゃんが、ふと思い出したように聞いてきた。
奏  「そういえばお姉さま、由佳里ちゃんとは仲直りできましたのですか?」
瑞穂 「ええ。もう大丈夫よ」
僕は奏ちゃんに今までのことをすべて話して聞かせた。と言っても、第二音楽室でチョコケーキを食べた後にやっていたことについては
無論伏せておいたが。
奏  「そうなのですか。一子さんが……でも、一子さんなら、きっと生まれ変わっても幸せになれると思いますのですよ」
瑞穂 「そうね。あれだけ誰にでも優しい一子ちゃんだもの。きっとみんなから愛されて幸せになれるわ」
奏  「はい。お姉さまと由佳里ちゃんも、幸せになれて、奏、とっても……嬉しいの……ですよ……」
見ると、奏ちゃんの瞳からどんどん涙があふれてくる。
瑞穂 「奏ちゃん?」
奏  「あ、あれ? 奏、どうしちゃったのでしょう? お姉さまたちが幸せになれて、嬉しいはずなのに、涙が止まらないのですよ……」
瑞穂 「奏ちゃん……あなた、まさか……」
聞くまでもない。きっと奏ちゃんは、僕のことが好きだったのだろう。妹としてではなく、1人の女の子として。
そして、今までは僕たちのことを心配する気持ちのほうが勝っていたから隠していられたが、僕たちが結ばれたことで、その気持ちが
抑えきれなくなったのだろう。いくら鈍感な僕にも、こんなふうになったらさすがにわかる。
瑞穂 「ありがとう、奏ちゃん、あなたの気持ちはすごく嬉しいわ。そして、本当にごめんなさい……」
奏  「お姉さま……よろしいのですよ。奏は、お2人が本当に大好きですし、幸せになれて嬉しいのも、本当なのですから……」
瑞穂 「ええ。わかってるわ。奏ちゃんは優しい子ですから……でも、今はお泣きなさい。ずっとこうしていますから……」
そう言うと、僕は奏ちゃんを抱きしめた。
奏  「は、はい……ありがとうございますの……ですよ……う……うわああああ……!!」
奏ちゃんは、僕の腕の中でずっと泣き続けた。
299東の扉:2006/10/20(金) 14:30:53 ID:6YVDa+DS0
そのころ……。
由佳里「お姉さま、お茶をお持ちしました」
まりや「ああ、由佳里、どうぞ」
由佳里「それと、1日遅れましたけど、これ、バレンタインのチョコです」
まりや「ありがとさん」
由佳里「まりやお姉さまのは、今頃奏ちゃんが渡してくださっているはずですから」
まりや「後で奏ちゃんにもお礼言っとかなきゃね。今まで渡してこなかったから、今になって直接渡すのは、なんかこっぱずかしいからさ……」
いつもはもっと恥ずかしいことを私に言ってるくせに……と由佳里は思ったが、このような場で言うことではないとわかっていたので、
あえて言わずにいた。
由佳里「お姉さま」
まりや「ん? ああに?」
由佳里のチョコを口に頬張りながらまりやは返事を返す。
由佳里「私、陸上をやめようと思います」
まりや「んぐっ……!」
由佳里「わあっ!」
まりやはあまりの予想外の言葉に、チョコを飲み込んでしまい、むせ返ってしまう。
まりや「ごほっ、げほっ!!」
由佳里「わわっ! お姉さま、大丈夫ですか?」
まりや「ゆ、由佳里……今の、冗談……よね?」
由佳里「いいえ、本気です」
まりや「な、なんで!? 走るのが嫌いになったの? それとも、悩み事でもあるの?」
由佳里「いいえ、悩みなんてありませんし、走るのは今でも大好きですよ」
まりや「じゃあ、どうして……」
由佳里「私、瑞穂さんと釣り合う女の子になりたいんです」
まりや「………」
由佳里「そのためには、勉強にダンスに礼儀作法、ほかにもやらなければいけないことが山ほどありますから……」
まりや「………」
由佳里「もちろん、これからも気分転換なんかで走ることはあると思いますけど、それらを全部やるためには、毎日陸上部で走り続ける余裕は
   ありませんから」
300東の扉:2006/10/20(金) 14:37:13 ID:6YVDa+DS0
では、いったん中断して、
>>262
>>270
>>280
>>290
の、ジャッジに移りたいと思います。

あなたの手が、ロイヤルハンバーグフラッシュ、
お姉さまの手は、エルダーカードに過去のエルダー、幸穂カードが加わり、ロイヤル時空エルダーフラッシュとみなします。
ハンバーグフラッシュは、由佳里系フラッシュとみなし、
判定は……

親子エルダーパワーで、お姉さまの勝利といたします!!

私の独断のこんな判定でよかったのかどうかわかりませんが、そういうことで、みなさま、ありがとうございました。

では、おしまいの姉妹対決、ラウンド1 ヴァレンタイン後夜祭を再開したいと思います。
301東の扉:2006/10/20(金) 14:40:23 ID:6YVDa+DS0
まりやは、由佳里の瞳を見る。そこには、力強い決意で満ちており、迷いというものは少しも感じられなかった。それを見たまりやは、もういくら説得してもムダだと悟った。
まりや「わかったわ。そこまで言うなら、もう止めはしない」
由佳里「お姉さま……」
まりや「でも、そのかわり、ちゃんとそれに見合うだけ自分を磨きなさいよ。もしいい加減な気持ちでやっていたら
   瑞穂ちゃんだけじゃない。あたしだって承知しないよ!」
由佳里「はい!」
まりや「よし。いい返事だ。ところで、そんなことを言うってことは、瑞穂ちゃんとはうまくいったのよね?」
由佳里「あ、はい、おかげさまで……」
まりや「それで、瑞穂ちゃんは気持ちよかった? おいしかった?」
由佳里「………! ま、まりやお姉さま、何おっしゃってるんですか!」
由佳里は、この展開を予想してはいたものの、だからと言って冷静に聞けるような話ではなかった。
まりや「いやー、しかし由佳里があそこまでドスケベだったとはねー。お姉さんはショックだわ」
由佳里「ななな……なんの話ですか! ていうか、全然ショック受けてないじゃないですか! だいたい、いつも私に変なこと吹き込んでるのは
   どこの誰ですか!」
ニヤニヤ笑いながら話すまりやに、由佳里は動揺しながらも、きちんと言い返す。
まりや「でも、白ジャムの話はした覚えはないわよ?」
由佳里「うっ……」
まりや「それなのにゆかりんったら、『あーん、瑞穂さんの白ジャム、とってもおいしいですう……これからも毎日飲ませてくださーい!』
   なんて……ねえ?」
由佳里「私はゆかりんじゃありません! それに、そんなこと言ってません!」
まりや「ホントに? そっくりそのままは言ってないとしても、五十歩百歩じゃないの?」
由佳里「だいたい私はまだ飲ませてもらってないんですから、そんなこと言いようがないじゃないですか!」
まりや「『まだ』『飲ませてもらってない』? へえ……」
由佳里「あ……!!」
由佳里はとっさに両手で口を塞ぐ。しまった、と思ったものの、時すでに遅し。まりやの攻撃を許す結果になってしまっていた。
302東の扉:2006/10/20(金) 14:52:09 ID:6YVDa+DS0
まりや「そんなふうに言うってことは、やっぱり瑞穂ちゃんのを飲みたくてしょうがないんだ? 味を考えるだけでもうあそこが熱くなって
   禁断症状が出かかってたりして……」
由佳里「あああ、あのですねまりやお姉さま。妄想するのは勝手ですけど……って、ホントはいやですけど、百歩譲って大目に見るとしても、
   それを現実と一緒くたにして他人に言いふらすのだけはやめてください!」
まりや「ひ、人聞きの悪いことを言わないでほしいな……あたしがいつ何を言いふらしたと言うのかね?」
由佳里「……瑞穂さんのラブレター」
まりや「………!!」
由佳里のこの一言で、形勢は逆転した。今度はまりやが慌てる番だった。
由佳里「言いふらしてましたよね。内容を緋紗子先生に。秘密漏洩しないとかおっしゃってたくせに」
まりや「ゆ、由佳里……なんでそれを……」
実はバレンタインの日、音楽室から帰る時、由佳里は瑞穂に注意されていたのだ。それがなかったら、恐らくまりやの口撃の前に
完全におもちゃにされていただろう。

由佳里「瑞穂さん……私、今、とっても幸せです」
瑞穂 「由佳里……僕もですよ」
由佳里「えへへ……」
瑞穂 「あ、でも、1つ覚悟してほしいことがあるんだけど……」
由佳里「え? な、何ですか?」
瑞穂 「おそらく明日あたり、まりやから今日のことをネタにからかわれると思うよ。おそらく内容が漏れているはずだから……」
由佳里「え!? どうしてそんなこと……」
瑞穂 「うん、実は、9月ごろにまりやに僕のところに来るラブレターの中身を見られてしまってね」
由佳里「……それがどうかしたんですか?」
瑞穂 「うん、その時以外にラブレターの内容を見られたことないのに、なぜか緋紗子先生がラブレターの内容を知っていたんだ」
由佳里「……それって、もしかしてまりやお姉さまが?」
瑞穂 「うん。だから、逆にまりやにこの内容がバレている可能性も十分あるから、そのつもりでいて」
由佳里「わ……わかりました……」
303東の扉:2006/10/20(金) 14:53:56 ID:6YVDa+DS0
由佳里「……というわけですよ。それで、勝手に捏造したネタを他人に言わないって言い切れますか!?」
まりや「い、いやー……今日は星がきれいな夜だねえ、ゆかりん」
由佳里「だから私はゆかりんじゃありません! ていうか、ごまかさないでください!」
まりや「こんな日は無性に走りたくなってくるわー……じゃ、そういうことで、失礼ー」
由佳里「あ! こら! 逃げようったって、そうはいきませんから!」

そのころ、瑞穂の部屋では……。
奏  「そういえばお姉さま、しあさってのプレゼントは何になさいますか?」
瑞穂 「しあさって? 何かあったかしら?」
奏  「確か、由佳里ちゃんのお誕生日なのですよ」
瑞穂 「えっ!? そうなの……プレゼント……何にしようかしら……あら?」
奏  「お姉さま……どうかなさったのですか?」
瑞穂 「あれは……」
瑞穂に言われて奏が窓の外を見ると、まりやが由佳里に追いかけられていた。
瑞穂 「どうやらこの姉妹対決……由佳里の勝ちみたいね」
奏  「そのようですね」

おしまいの姉妹対決 ラウンド2 瑞穂の願い、貴子の願い に続きます。
304名無しさん@初回限定:2006/10/20(金) 22:29:15 ID:8EkrbCWw0
>>300
会長オオオオオオオ!!
どうしてうちで造って毎日三食配達しなきゃならないんですかああああああああ!!

しかもこんな時だけ兄妹そろって食ってるんじゃNEEEEEEEEE!!!!
しかも兄妹そろって、どんぶり持ち上げるし・・・熱くねーのカ・・・





糞ッ!俺の桃尻を返せえええ!
305名無しさん@初回限定:2006/10/20(金) 22:56:04 ID:v51Me+7S0
>>304
貴子「なんなら我家の厨房で作っていただいても結構ですよ
   そうですね、時給は255円ぐらいでどうでしょうか」
306名無しさん@初回限定:2006/10/21(土) 00:45:49 ID:e4646rrx0
>>305
最初は時給250円から始めませんと
307848灰:2006/10/21(土) 00:48:56 ID:hhhdk/Uz0
その少女。つまり宮小路瑞穂は誰がどうみても可愛らしい女の子であった。
 女であれば誰しもが憧れ、男であれば誰もが息を飲む美貌。
 しかし忘れてはならない。
 そう、彼女は──否、彼は生物学的には男性なのである。





 昼の長いある日、ホームルームが終わるやいなや、宮小路瑞穂は教室の外へと駆け出し
ていた。エルダーゆえ出来る限り優雅に、しかし足は前へ前へと素早く動く。一刻も早く
寮へと帰りたかったのだ。
 それは何故か。
 正体がばれないかという不安、それにエルダーとしての激務。
一日さえ心の平穏はない、この学園にいる限りは──
「……はぁ」
 競歩の選手のような速さで歩いたまま溜息をつく。
(ボクも男だし、色々大変なんだよなあ)
男である限り何もしないからこそある物が溜まる。
──性欲と精液だ。
 先述したとおりの忙しさから瑞穂はこの学園に来てまだ一度も一人で致していなかった。
辛いけれど耐えられると思っていた……今日までは。
 いったい何が彼女をそうさせるのか。
308848灰:2006/10/21(土) 00:50:09 ID:hhhdk/Uz0
──三時間前
 一子ちゃんのおかげで何とかなったプールも今日でようやく最後。
授業も終わりいつもの如く光の速さで着替えると、すぐに更衣室を出ようとした……が、
クラスメイトに捕まってしまった。
 なんてことはない、瑞穂さんはやっぱりすごいですわ、などといういつもの内容だった。
しかし瑞穂はすぐにでもここを離れたかったのだ。
何故か。
 いままでなるたけ見ないようにしてきたほかの女子の着替えがあるからである。
通常の体育ならまだいい。下着まで脱ぐなんてことはまずない。
 だがしかし、問題は今なのだ。
 プール。
 水着。
 滴る水。
 そして数十人の生まれたままの姿。
健全な男の子である瑞穂には刺激が強すぎる。
 クラスの子達にようやく解放されたとおもえば、あたりは既に桃源郷。
瑞穂は結局、顔は俯き身体は前屈み。
 余りにジッとしているものだから幾人からか大丈夫かと声をかけられた。
瑞穂は引きつった微笑を浮かべたまま応対する。
 まりやもその一人だったが、他の人たちと唯一違うのはとニヤニヤと笑っているところ
だ。
無性に情けないこの気持ち。
 結局みんなが出て行くまで悶々としているしかなかった。
309848灰:2006/10/21(土) 00:50:51 ID:hhhdk/Uz0
──そして現在
 部屋のドアを少々乱暴に閉め、ベッドに腰掛け、ショーツを脱ぎ捨てると、瑞穂は発情
したように自らの陰茎を擦りたてる。
「ん……」
 思わず声が漏れる。一ヶ月以上もしていないせいか凄く敏感だった。
「ん……んぅ、ぅはぁっ……んくぅ………………んあぁっ!」
 一回動かすたびに声が出る。まるで初めての自慰の時のように。
(な、に……これぇ、いつもと全然違っ…………ゃぁっ)
先程から瑞穂の動きに呼応するようにビクビクと脈動している肉棒は自分のそのスカート
とは酷く不釣合いだった。
(そっか……こんなかっこしてるから…………って違う違うっ!! 断じてちがうぞ。ボ
クは男なんだ、女装してオナニーして……その、感じるなんて……)
 自分の心から目をそむける様にそっぽを向くと、そこには化粧鏡があった。
この学園に来るまで自分には一生縁がないものと思っていたもの。
そこには今の自分そのままの姿が映し出されていた。
 鍛えているはずの身体はどこへ行ったのか、今は肩で息をしていて、顔は熟れた林檎の
ようである。
つまるところとても淫靡なのであった。自分の半身がぴくりと動いた。
(うぁ、何て顔してるんだよボクは、って違う今のは違う。鏡見たから反応したんじゃな
い、断じて!)
 強気になったものの途端に羞恥の波が押し寄せ床に跪いた。
(ううぅ、いったいボク、何をやってるんだろ。あまつさえ改めてやろうなんて……女装
したままするなんて男……いや人として駄目じゃないか)
 再度鏡。
(で、でも女装を解く訳にもいかないし、しし仕方ないよ……ね?)
 かくして瑞穂の僅かな丈夫心もあっさりと誘惑の果実の前に敗れるのだった。
310848灰:2006/10/21(土) 00:56:42 ID:hhhdk/Uz0
 さて、ベッドの側まで鏡を動かす時に性器が露出している自分の姿を見て、一分ほど落
ち込んだのも今となっては昔のこと。
 半ば自棄になりベッドの上のお姫さまは鏡と対峙する。
(うわっ、うわゎゎゎぁ、わ、我ながらなんていやらしいカッコなんだろう)
 またまた暴れる。
 落ち着いたあと、再度性器を露出する。
既にそれは天井に向けて反り返っていた。
「ん、ふぅ」
右手で握ってゆっくりと剥く。
先程と同じく前後に擦る。
 瑞穂の頭中では今日のプールでの回想がなされていた。
(あの子のお尻、すごかったなあ。水着があんなに食いこんで一子ちゃんが居なかったら
絶対まずかったよぉ)
 右手はどんどん速くなる。
(け……ぁん、圭さんのアソコすごく綺麗だったなあ。あんなに堂々と着替えるんだもの、
見えないほうがおかしいよぉ。でも、んぅ……なんで、生えてなかったんだろ。はぁんっ、
プールだからかな。女の子ってみんなそんなものなのかなぁぁあんっ!)
 それが美智子からの命令であることなんて瑞穂には知るよしもない。
もちろん隠さなかったことについても同様だ。
 左手も袋へと向かい更に速度は加熱する。
(ま、まりやは…………いや、まりやをネタになんて……ボクにもプライドってものが)
 そのプライドなど今の姿では形も見受けられない、などと進言する者など当然居ない。
 思考を強引に捻じ曲げたのか口に出す名前が変わっていた。
311848灰:2006/10/21(土) 00:57:17 ID:hhhdk/Uz0
「ん、紫苑さぁん。はんっ……ぅぁぁあ」
(し、おんさんのおっぱいもタオルで隠してたけど隙間から見えちゃったよ。あああ、大
きくて柔らかそうだったなあ)
「ん、はん……ぁん、くぅ、はぁっ! んぁ、い、いいよぉ。はぁっんぅ!」
 肉棒を扱く手がすごいスピードで上下に動く。
目の前では女の子が同じように喘ぎ、悦んでいた。
「んはぁ……はあん。目の前のボク、こんなにいやらしくよがってぇ、乱れてるう。はぅ
……こんな顔……えっちすぎるよぉ、あんっ! んぁあんっ」
 だんだん声が大きくなってきている。
 自分の声に興奮しているせいだ。
「はぁん、紫苑さんっ、紫苑さ、ぁあふぅ、いい、気持ちいいのオぉ
はぁ、はぁんぅ! いいよお、イイ。も、もう射精ちゃうよぉ紫苑さん、紫苑さんっっ」
 しゅっこしゅこしゅこ にゅぷ じゅっぽにゅぽッ ぎゅっぽぎゅっぽっ!
「紫苑さんゴメンなさい。でも止まらないよぉっ。あっあっ、イイ、んぅはぁっ!   
いいよぉ、んはぁ……ぁぁはん……ん、い、イク、でちゃうのぉ、 
紫苑さんゴメン、紫苑さあああああああん!! 射精るううぅぅううう!!!」


 
悲劇はどこにでもあるもので、今も世界中に遍在し、誰かを打ちのめしている。
今回はたまたまこの部屋にやってきただけのこと。
瑞穂が絶頂に達する寸前、やってきただけのこと。
……ただ、それだけ。
312848灰:2006/10/21(土) 01:00:05 ID:hhhdk/Uz0
──扉が開いた
「瑞穂さんっ!!」
 血の気が引いた。
ついでに射精感も。
あそこまで昇ってきておいて、またひくものなのかと妙に冷静に考えていた。
入ってきたのは今しがた瑞穂が名を呼んでいた人だった。
僕が呼んだから来たのかな、とまたもや静かに考えた。
──十秒。
それは永遠と同義だ。
ドアのところの綺麗な女性は、ぽかんと口をあけたまま。
 瑞穂は常々思っていた。
世界で一番の緊張と静寂はクラシック演奏の一秒前であると。
しかし、どうしたことかここにはそれを遥かに超えるものがあった。
それは緊張のせいではない。
絶望だった。
──パタン
 沈黙が破られた。
紫苑は内側に居る。
ベッドへと向かっていく。
瑞穂の居る場所へと。
自分は死刑囚。
足音は死刑執行を知らせに来た看守のもの。
瑞穂はただ恐怖で胸が張り裂けそうだった。
隣に腰掛け、九時の方向、つまり俯く瑞穂へと向かって紫苑はこういった。
「……男の人は定期的にその、せ、精液を出さないと駄目なんですよね。だから……その
……気にしないでください、瑞穂さん」
 無理をしているのは一目瞭然。
それでも彼女は微笑みと共にそういった。
 対して瑞穂は顔を上げ、毅然と眼と眼を合わせると、
「うわああああああんっ!!」
 思いっきり泣いた。
313848灰:2006/10/21(土) 01:01:09 ID:hhhdk/Uz0
──三十分後
「落ち着きましたか? 瑞穂さん」
 わざわざ紅茶を淹れにいった紫苑さんが戻ってきた。
「ええ、なんとか。すみませんでした紫苑さん。その……いろいろな意味で」
子どものように泣いていた瑞穂を彼女はずっと励まし、落ち着かせてくれた。
「でもどうしてここへ来たんですか紫苑さんは」
「ホームルームが終わったあとすぐに教室を飛び出されたでしょう?
今日もずっと顔色が良くなかったものですから、
まさか体調でも崩されたのか心配になり駆けつけた次第ですのよ」
 顔色が悪いのは勿論プールであんなことがあったからだけど。
「それにしても、驚きましたわ瑞穂さん。まさか鍵もかけずにあんなことを……」
瑞穂は十cmばかりも飛び上がる。
「うう、もう勘弁してください」
またもや泣きそうだった。
「いいえ、止めませんよ、だって……」
 一呼吸置いて
「私の名前を呼んでくれたじゃあありませんか」
「……え?」
「誤魔化さなくても大丈夫ですよ。男の方は好きな方を想い自分を慰めるのでしょう?
まさか瑞穂さんが私にそのような好意を抱いてくれているなんて……」
(な、なにかとてつもない勘違いをしているような)
 確かに間違ってはいない、でも正しいともいい難い。
 しかし違いますなどと言えるような雰囲気では到底ない。
「わ、私ももちろん瑞穂さんのことは一人の大切な友人として好きですが、男の方として
は……なにぶん急なことですし、すぐに返答するというわけにも……」
 しどろもどろだ。顔も赤い。
「とりあえず、返事の方はまた改めてということで」
 (よかった──いやよくないが──取り敢えずは落ち着きそうかな)
「ところで男性はその、一度出さないと収まりがつかないと聞きます。後学の為でもあり
ますし……」
最初は何を仰ってるのかさっぱり理解できなかった。
「つまり瑞穂さんのその……………自慰行為を見学させてはもらえないでしょうか?」
314848灰:2006/10/21(土) 01:05:24 ID:hhhdk/Uz0
>>257改め848灰でございます。
これの続き書いてるけどまあ様子見っちゅうことで。反応よければうpしますが……
あと悪いところの指摘とかとか歓迎なので是非。
315名無しさん@初回限定:2006/10/21(土) 09:26:53 ID:emKxPMYR0
つづき まじ たのむ

このままだとPCの画面に顔射してしまう
316doku:2006/10/21(土) 16:56:06 ID:Kzy7PcYP0
まりや「瑞穂ちゃん、体育の授業次から体操なんだけど」
瑞穂「体操?」
まりや「創作体操とかそういうのなんだけど」
瑞穂「…まさかと思うけど」
紫苑「はい、レオタード着用ですわ♪」
瑞穂「えええええ〜〜〜〜!!!!!」
まりや「一応瑞穂ちゃんのサイズぴったりのレオタ買ってあるけど、着る?」
瑞穂「無茶言わないでよう!」
紫苑「瑞穂さんのレオタード姿…見てみたいですねえ」
瑞穂「どうしても着なきゃダメなのかなあ」
317Qoo:2006/10/21(土) 17:48:15 ID:TkUK/lwG0
Qooです〜。 ゆかひとエピローグ後編落とします。
ちょっと長めなので、ご容赦下さい。 それでは、スレ汚しスタート。
318Qoo:2006/10/21(土) 17:54:23 ID:TkUK/lwG0

 - まりやさまはしってた - (ゆかりんのひとりでできるもん・エピローグ)

由佳里「…まりやお姉さま、こ、この悪い由佳里…に、おしおきして…くだ、さい…」
まりや 「声が小さいけど…。まぁ、良しとしよう」
 まりやお姉さまは満面の笑顔でそう言うと、
まりや 「いっぱいおしおきしたげる」
 私のおでこを中指でつんつん、と突っつきました。

まりや「それじゃあ始めましょうね〜。じゃあ由佳里、足開いて」
 まりやお姉さまは私を壁を背もたれにしてベッドに浅めに座らせると、
 まるで子供に言い聞かせるように恥ずかしい命令をしてきます。
由佳里「は、はい…」
 私は走って逃げ出したくなる恥ずかしさに耐えながらまりやお姉さまから顔を背け、ゆっくりと足を開きました。
 まりやお姉さまは私の前でベッドに寝転んで肘をついている状態なので、
 私が脚を開いていく様子も、私の大事なところも丸見えになっているはずでした…。
まりや「恥ずかしそうにゆっくりと足を開くとか、そういう方が逆に凄いエッチなんだけどね」
 まりやお姉さまはくくっ、と鼻で笑いながら、右手を私の下半身へと伸ばしました。
由佳里「あっ!」
 まりやお姉さまの指が、酷く敏感になっているそこに触れた途端、全身がびくり、と反応します。
まりや「大分敏感になってるみたいね」
 まりやお姉さまは2本指で少しぷっくりとした部分の内側に触れると、くいっ、と左右に引いて拡げました。
由佳里「やっ!拡げないで下さい!」
まりや「まぁまぁ」
 しかしなだめながらも指はそのまま、じぃっ、と私のそこを見詰める目は逸らしません。
まりや「へぇ。キレイじゃない」
由佳里「しぃ、知りませんよぉ…」
 恥ずかし過ぎる、よぉ…。
319Qoo:2006/10/21(土) 17:56:11 ID:TkUK/lwG0

由佳里「あっ、はっ、ぅん」 
 まりやお姉さまはしばらくの間しっかりと中の様子を確認すると、くにゅくにゅ、と入り口付近を軽くいじってきます。
まりや「大丈夫よね」
 そして指に付いた液体をくにくにと練ると、指をつぷっ、と中へ挿入してきました。
由佳里「はぁっん!?」
 余程濡れていたのか、私のあそこは何の抵抗もなくまりやお姉さまの指を飲み込んでいってしまいます。
 入ったとは言っても入り口からちょこっとの、ローターに指が届く程度でしたけど、
 指の刺激と、指に押されて当たる部分の変わったローターの刺激に、身体を震わせながら叫んでしまいました。
まりや「一応寮には誰も居ないけど、出来るだけ声は抑えてよね」
 笑いながら注意されますが、そんなことされては無理に決まっています。
由佳里「そ、そんなこと言われても…んっ」
まりや「うわぁ中もうぐっちゃぐちゃじゃない」
 まりやお姉さまがからかうように言いながら私の中でローターを捕まえると、ぐにぐにと蠢かせ、
 色んなところにローターの振動を押し付けてきます。
由佳里「あっ!あっ!やぁ、っああんっ!」
 言い返そうと思った矢先をくじかれた私は余りの快感にぴんっ、と伸ばした足を震わせ、イヤらしい声を漏らしていました。
まりや「大分イイみたいね」
 まりやお姉さまは満足そうに笑むと、更に指の動きを強めて私の快感を奥から奥から掘り出していきます。
由佳里「ダメですっ!おっ、お姉さまあぁぁあっ!」
 授業中に受けていた刺激よりも更に強く、加えて酷く変化に富んだ刺激に、
 瞬く間にぴりぴりっ、とあのときに待ち望んでいた感覚が背中に走ります。
320Qoo:2006/10/21(土) 17:58:07 ID:TkUK/lwG0

まりや「じゃあ、もっとダメにしてあげる」
 そう言ってまりやお姉さまが笑みを深くした直後、ローターの振動が更に強く乱暴なものへと変化しました。
  ぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…
 中の壁を強かに叩かれる強烈な快感をぐぐっ、と身体を反らして我慢しますが、
 一気に膨れ上がる快感は瞬く間に限界を示す痙攣へと変わります。
 ダメ!イく!イく!…っ!
由佳里「あっ!あん、くぁんっ、ああぁ!」
 絶頂を覚悟した私にまりやお姉さまは止めとばかりにクリトリスを、きゅうっ、と軽く優しく摘まみ、しごき下ろしました。
由佳里「あっ!」
 びりっ、とした強引な快感が足から頭のてっぺんまで貫き、
 それからあそこからゆっくりと、じわじわぁっ、とした、充足感か満足感なのか、不思議な気持ち良さが生まれます。
由佳里「んぁああああああ――…!」  
 その感覚は、勢力を弱めることなくじっくりと全身へ響いていき、
 そしてその快感が全身へと届いた頃には身体中が快感で痺れ、私は軽く放心状態になっていました。
由佳里「はっ、はっ、はっ…」
 ふと気が付くと、酸欠に喘ぐ私の頭をさわさわ、と身体を起こしたまりやお姉さまが優しく撫でてくれています。
 いつもまりやお姉さまが私の頭に触れるときは、大体私をからかったりバカにしたりするときくらいなので、
 こんなに優しく撫でて貰えるのが凄く新鮮で、心地良くって。何だかくすぐったい感じです。
まりや「どう?気持ち良かったでしょ」
 少し落ち着いた私に、まりやお姉さまが珍しく穏やかな声で問い掛けます。
由佳里「……」
 私は少し考え、そして少し気恥ずかしかったものの、こくん、と私は素直に頷いていました。
 だって、本当に気持ち良かったから。
 弱くはしてあるものの、未だにあそこの中で動いているローターも、
 蕩けた身体からゆっくりと引いていく気持ち良さをじっくりと感じられる優しいスパイスみたいで。
 授業中はあんなに凶暴だったのに、こんな風にも使えるんだ、って感心してしまいました。
321Qoo:2006/10/21(土) 18:00:40 ID:TkUK/lwG0

 しかし、私の頭をさわさわと優しく撫でていたまりやお姉さまの口からとんでもない言葉が発せられます。
まりや「で、由佳里。これで終わったと思ってる?」
由佳里「えぇっ!?ち、違うんですか…?」
まりや「えぇっ!?って何よ。当たり前でしょ。おしおきなんだから。今のはただ普通に由佳里が気持ち良くなっただけじゃない」
由佳里「そんなぁ〜…」
 今ので終わったと思っていたのに。 というか、今のでも十分スゴかったのに、これ以上何かあるなんて。
 でも、それでいて、次は何されるんだろう、と少しワクワクしてしまってたりして…。
 口惜しいっていうか、自分が凄く情けなく…。
まりや「っていうかあんたイくの早過ぎ。よっぽど授業中にイけなかったのが溜まってたのね」
由佳里「そんなことっ!な、無い…です」
 授業中は不可抗力でも、休み時間中に一人エッチをしていたことは事実だし、
 さっきのが物凄く気持ち良くって、すぐイっちゃったのも事実だったので、いまいち強く反論出来ません。
まりや「まぁいいけど。さて、つっぎっはぁ〜…っと」
 まりやお姉さまはわくわく、といった感じで私の身体を観察すると、
 再び手を伸ばして私の中から溢れた液を指にまぶし、内側のひだひだを指で挟んで揉み込んできました。
由佳里「やっ、はっ、んんん!」
 敏感になっている部分を再び刺激され、身体を締められるような快感に勝手に腰が浮き上がります。
まりや「そうだ」
 まりやお姉さまは何か思い付いた様子で、私の中に、ぐにゅっ、と指を挿し入れました。
由佳里「はっ、ぁん!」
 軽く指を潜らせてから、ローターを人差し指と中指で挟み、
由佳里「ぅん!んっ、んっ…はっ」
 先ほどと同じようにしばらく色んなところにローターを押し付けた後、ちゅぴっ、と音を立てて取り出します。
由佳里「はんっ!はっ、ん、はーっ、はーっ、はーっ…」
 達したばかりの身体を攻められる快感にも絶え絶えでしたが、
 まりやお姉さまはそんな私の状態になど目もくれず、再び私のあそこの中に一指し指を挿入してきます。
322Qoo:2006/10/21(土) 18:08:29 ID:TkUK/lwG0

由佳里「あん、ダメですっ!」
まりや 「何がダメなの?」
由佳里「だって、い、今、イったばかりだから…」
まりや 「だからいいんじゃない」
 そんなことは知ったことじゃない、とばかりにくいくいっ、と指を動かすまりやお姉さま。
由佳里「そん、なぁっあんっ!」
まりや 「中がぴくぴくしてる」
 私の中をじっくりとこね回し、そしてまりやお姉さまの指がある一部分へと到達します。
まりや 「ん?何かここだけ、他のところと肌触りが…、違うのね」
由佳里「あやぁあっ!!」
 その部分を人差し指で、ついっ、と撫ぜられた瞬間、ばしんっ!と身体に雷みたいな快感が走りました。
まりや 「ここ、弱い?」
 私の弱点と言える場所を探り当てたまりやお姉さまは、その部分を重点的に責め上げていきます。
由佳里「ああっ!はっ、あああ〜〜―――っ!!」 
 一撫でされるごとに身体の芯を叩かれるような気持ち良さが襲ってきて、
 返事どころか自分が何を叫んでいるのかも分かりません。
 そんなに擦られたら…!
 ダメ、ダメダメ、イ、イっちゃうよ〜〜〜っ!!
 ついさっき達したばかりだというのに、あっという間にぞくっ、とした快感が込み上げ、
 勝手に腰が浮き上がり、背筋がくくっ、と反り上がります。
 ダメ…イ…く…!
 迫り来る快感の誘惑に負け、意識が絶頂の扉へと吸い込まれる直前。
  ちゅぴん
 突然、まりやお姉さまの指がぴたりと止まり、そしてゆっくりと指が抜かれました。
323Qoo:2006/10/21(土) 18:12:50 ID:TkUK/lwG0

由佳里「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
 私は虚ろな目でまりやお姉さまを見つめました。
 ギリギリで寸止めされ、絶頂に身を任せようとした身体は目的を達成出来ず、
 突いただけで溢れそうなくらいまで一杯に溜まった快感は逃げ場を失い、やるせなげに私の身体を苛みます。
 私は荒い息を飲み込むと、「…ど…して…」と、後で絶対にからかわれるような台詞を恥ずかしげも無く呟いていました。
まりや 「イきたかった?」
由佳里「は…い…」
 聞くまでもないことを聞いてくるまりやお姉さまに、私は当たり前だと思いながらも素直に返事を返していました。
 口の端から涎が垂れていましたが、拭く気にもならないほど、
 自分がどんなにだらしなく、イヤらしい顔をしているのかも気付かないほど、私は欲していました。
まりや 「でもこれはおしおきだから、ダメ」
由佳里「そん…な…」
 にこっ、と笑いながら拒否するまりやお姉さま。
 死の宣告のようなその言葉に、目の前が暗くなるのを感じます。
 ここで止めるなんて…ひどい…。
 私は唇を軽く噛むと、目にじわり、と涙が浮かんできました。
まりや 「あ、こら、泣くな」
由佳里「だってぇ…」
まりや 「すぐにはイかせないだけで、おしおきはまだ終わってないよ」
 まりやお姉さまは軽く溜息を吐くと、少し困惑気味の顔で私の頭をぽんぽんと撫でました。
由佳里「ほんとですか…?」
まりや 「ほんとほんと。っていうか、あんなにダメダメ言ってたのに。そんなにおあずけされたのが悲しかった?」
 上目で見上げると、口元を歪めながら嬉しそうにからかってくるまりやお姉さま。
由佳里「ちっ、違います!は、早くおしおきが終わらないかなって思ってただけです!」
まりや 「そうなんだぁ…。じゃあ、もう終わっちゃおうか」
由佳里「えっ、そんなっ!」
324Qoo:2006/10/21(土) 18:15:29 ID:TkUK/lwG0

 冷静に考えればただの鎌なんですけれど、私は咄嗟に反応してしまっていました。
まりや 「そんな…何?」
 にたり、とまりやお姉さまが笑います。
由佳里「な、何でも無いです…」
 見え透いた罠に掛かってしまった自分を悔いながら、それでも何とか意地を張ります。
 でも、そんなハリボテの意地なんてすぐに突き崩されてしまうことは、考えるまでもありません。
まりや 「ふぅ〜ん。それにしても可愛かったなぁさっきの由佳里。寸止めした途端、「どうして…」だもんね〜」
由佳里「あっ、あれはっ…!」
まりや 「涙流して、イきたかった?って聞いたら素直に「はい」、だもんね〜」
由佳里「あ…ぅ…」
 一応反論しようとはするのですが、事実は事実なので言葉が出てこずに口をパクパクさせるだけで、
 結局は口を噤むしかありません。
まりや 「じゃあどうする由佳里。ホントに止めて欲しかったらここで止めてあげるし、して欲しいんだったらしてあげる」
 挑戦的な目を向けてくるまりやお姉さま。
由佳里「ず、ずるいです…」
まりや 「ずるくない〜。素直じゃない由佳里が悪いんじゃない」
由佳里「うぅ…」
まりや 「はい、後5秒ね。ご〜よ〜んさ〜んに〜」
 どう考えてもずるい…と考えていた矢先、いきなり制限時間を設けるまりやお姉さま。
 カウントを高速で減らしていきます。
由佳里「えっ、ちょ、ちょっと待ってください!」
まりや 「だ〜め。い〜ち」
 うぅ〜〜〜〜〜〜〜!!
 これも冷静に考えればただの鎌なんですけれど…。
 そんな見え透いた罠すら見抜けないほど、私は追い詰められていたのでした。
325Qoo:2006/10/21(土) 18:17:56 ID:TkUK/lwG0

由佳里「…し、して下さい…」
まりや 「何?声が小さくて聞こえない」
由佳里「し、して、下さい」
まりや 「何を?」
由佳里「それも言うんですか!?」
まりや 「当たり前でしょ。ほら」
由佳里「ぅ…く…。イ…かせて下さい…」
まりや 「もっと大きな声で」
由佳里「……」
 ここで引き返せば、まだ格好も付くかも知れません。…付かないかもしれませんけど…。
 しかし切羽詰められた私の身体は、もうとっくに邪悪なお姉さまに屈してしまっていたのでした。
由佳里「い、イかせて下さい!」
まりや 「…そこまで言うならしょうがないなぁ」
 楽しくてたまらない、といった感じでくっくっくっ、と笑うまりやお姉さま。
 無理やり誘導しておいて、その口が何を言う!って感じでしたけど、最早主従関係は決定しているわけで…。
まりや 「エッチなゆかりんを満足させてあげよう」
 それに、私の目をじっと見詰めるまりやお姉さまの、まるで楽しい玩具で遊んでいるかのような爛々とした目の光に、
 口惜しくてたまらないながらも、ドキドキしてしまう自分が居るのでした。
326Qoo:2006/10/21(土) 18:23:58 ID:TkUK/lwG0

まりや 「は〜い、じゃあ足開いて」
由佳里「…」
 何かの診察をするかのような口調でそう言われ、私はこくん、と頷いて、無言で足を開きました。
 やっぱり物凄く恥ずかしいんですけど、でも恥ずかしいところを思いっきり見られて、弄られて、気持ち良くさせられて、
 挙句の果てに自分で"して下さい"って言ってしまった後なので、もう脚を開くことに抵抗はありませんでした。
 …開き直ったとも言います。
まりや 「やっぱ目の前でパカって足開かれるのって何か凄いエロいね。ノーパンだし(笑)」
由佳里「だから自分でやらせてるんじゃないですかぁ!」
まりや 「まぁそうなんだけどね」
 まりやお姉さまが笑いながら、再度下の方に手を伸ばします。
 私は先ほどは寸止めされてしまったそこをまた触られるのかと思い、ドキドキしていると、
由佳里「きゃっ!」
 まりやお姉さまの指が予想もしていなかったところに触れ、思わず悲鳴を上げてしまいます。
由佳里「やっ、お姉さま、そんなとこダメです!」
まりや 「ダメって、どうして?気持ち良くなりたいんでしょ?」
 まりやお姉さまが今つんつん、と突っついている場所。それは、何と、その…お尻の穴だったんです。
由佳里「あっあっ、それは…だ、だって、き、汚いですっ」
まりや 「何で。お尻綺麗にしてないの?」
由佳里「そっ、き、綺麗にはしてますけど、んっ、やぁっ!」
まりや 「ならいいじゃない」
 やはり私のことなどは意に介さず、お尻を攻め続けるまりやお姉さま。
まりや 「由佳里、こっちでオナニーしたことある?」
由佳里「あっ!あり、ませんっ、よぉ…っ」
327Qoo:2006/10/21(土) 18:26:32 ID:TkUK/lwG0

まりや 「そっ。じゃあ今日はゆかりんのお尻初たいけ〜ん♪ 今晩はお赤飯ね」
 そんな楽しそうな声が聞こえた直後、
由佳里「はぁっ…か…く…」
 まりやお姉さまの指が、つぷっ…、と中へと入ってきました。
まりや 「痛い?」
 人差し指の第一関節くらいまでを差し込んだところで、まりやお姉さまが確認してきます。
由佳里「いえ…、で、でも…!」
 お尻の方まで垂れていた液体が潤滑液になったのか、痛みはありませんでした。あるのは、強烈な違和感。
 何、これ…変…な…っ!
 あそこを攻められたときとは全然違う、深く重く、強い圧迫感でした。
まりや 「そ。痛くないんなら、ちょっと我慢してなさい」
 まりやお姉さまは唇をぺろりと舌なめずると、更に指を深くまで差し込んできます。
由佳里「そんっ、やっ、ぬ、抜いて…や、ぁっ!」
 まりやお姉さまの指が中で動くたびに、何と形容して良いのかが分からない感覚に襲われます。
 痛みはありません。ただ、全身が総毛立つような、とにかく何かたまらない感覚です。
まりや 「気持ち良い?」
由佳里「わっ、分かり、ませんっ…!」
まりや 「由佳里のここは美味しそうに食べてるけど」
 まりやお姉さまがからかうように言い、そしてふと、お尻の圧迫感が和らぎました。
 しかし私が咄嗟に言い返そうとした次の瞬間。
由佳里「そん…な、こと、言わな、はっ、んんん!」
 さっきより増した衝撃が、ぐちゅっ、と音を立てて中に潜り込んできました。
 私の中で本数を二本に増した指が、ぐりっぐりっ!と壁を擦り上げてきます。
由佳里「あんっ!あっ!んああっぁ!」
 弱点を探るような動きに、私の唇が勝手に喘ぎを漏らします。
328Qoo:2006/10/21(土) 18:33:11 ID:TkUK/lwG0

 あそこの中を責めるときと違って、お尻への責めは執拗で、遠慮がありません。
 脳を貫く、腰が砕けるような、それでいて腰が跳ねるような感覚。
 何で、こんなに…こんなところなのに…、気持ち良いの…!?
 あそこやクリトリスとは異質の、それでいて間違いなく同質の、…快感でした。
 さっきはおあずけにされてしまった、絶頂間際を知らせるぞくぞく感に、締め付けられるような胸の高鳴り。
由佳里「く…来…る…!あぁ!はっ、い、イっちゃいます!」
まりや 「いいよ。イきな」
 まりやお姉さまは蓮っ葉なお許しの言葉と共に、お尻の中の指を激しくすると、
 逆の手でクリトリスにぴぴぴぴぴっ!と往復ビンタを叩き込み、私に止めを刺しました。
由佳里「あぁぁぁぁああああああ〜〜〜〜〜っっっ!!!」
 全身を貫く途方も無い絶頂感に、私の口から激しい善がり声が放たれます。
 私の身体はしばらくの間びくんびくん、と幾度と無く痙攣し、
 そして一瞬意識が遠くなって身体が完全に脱力すると、ずるずるとベッドへと崩れ落ちます。
 まりやお姉さまは崩れ落ちた息も絶え絶えな私をずりずりと移動させ、ベッドに寝かせました。
 私はぐったりとベッドに身を任せると、身体に酸素を取り込もうと荒い息を繰り返します。
 疲れた…。
 部活で走る倍の距離をいつものペースで走ったとしても、これほど疲れるとは思えません。
まりや 「ほら、これすっごい」
由佳里「え?」
 まりやお姉さまが驚いたような、面白いものを見つけたような声で話しかけてきます。
まりや 「ほらほら」
 私が目を向けると、まりやお姉さまが何かをすくい上げたような形にした手を私の前へと持ってきます。
329Qoo:2006/10/21(土) 18:36:13 ID:TkUK/lwG0

 何だろう。
 そう思っていると、まりやお姉さまが手を斜めにして、手を平たく開きました。
 すると透明だけど少し白いものが混じっている粘っこい液体が、とろり、とまりやお姉さまの手の平から零れ落ちていきます。
由佳里「何ですか…?これ」
まりや 「もちろん、ゆかりんの愛液ってヤツ?」
由佳里「そ、そんなの見せないで下さい!」
 私は思わず叫ぶと、余りの恥ずかしさにそっぽを向きました。相変わらずとんでもない姉です!
まりや 「だって〜すっごいつゆだくだったんだもん。由佳里ってば、とんだオシリスキーだったのね〜」
由佳里「そっ、それは…!」
まりや 「大丈夫よ。お尻で感じちゃうなんて、ゆかりんへんた〜い、なんてことは言わないから」
由佳里「い、言ってるじゃないですかぁ〜!」
 結局の原因は私にあるのですが、そんなこんなでお尻までされてしまうなんて…。
 私は恥ずかしくて情けなくて居たたまれなくなり、まりやお姉さまに背を向けると顔を手で覆いました。
  さわっ
由佳里「あひゃんっ!?」
 突然お尻の穴を刺激され、思わず変な声を出してしまいました。
まりや 「何変な声出してんのよ」
  くにくにっ
由佳里「だ、ダメです…っ!」
 まだ、するの…!?
 もう終わったと思っていた私は、驚きと絶望感を覚えます。
 限界は、とうに過ぎたと思っていたのに…。
まりや 「何がダメなのかな〜?」
 まりやお姉さまはにやついた顔でしばらくお尻の穴を触っていたかと思うと、
まりや 「えいっ」
 にゅぷっ、とお尻の穴に何かを入れてきます。
330Qoo:2006/10/21(土) 18:38:52 ID:TkUK/lwG0

由佳里「あっ!な、何を入れて…!」
まりや 「もちろん、コレに決まってるでしょ」
 まりやお姉さまは振り向いた私にローターのコントローラーを見せ付けると、目の前でスイッチをオンに切り替えました。
由佳里「あぁぁぁぁんんん!」
 お尻の中をぐりぐりぐりっ、と強い振動が襲ってきます。
 私が身体の中を抉られるような感覚に身体を震わせていると、更に私のあそこへと手を伸ばしてくるまりやお姉さま。
由佳里「やぁ、めっ、あっ!あぁあんん!」
 私は何とかまりやお姉さまの攻めから逃げようと身を捩じらせますが、
 伸びてくる指は正にあっという間に私のクリトリスを捕らえ、擦り上げてきます。
  くにっ、くにゅっ、くにくにくにっ、くにゅっ
由佳里「あっ!あっ、あ〜っ!あんっ!あんっ!あっ!あ〜〜!」
 イったばかりの敏感の身体の中で、更に一番敏感な部分を優しく不規則なリズムで擦られて、
 余りの気持ち良さに思わず声を抑えることも忘れ、クリトリスを擦るリズムに合わせて素直に喘ぎを漏らしていました。
まりや 「由佳里、声が大きいよ」
 まりやお姉さまが指を動かす速度を少し落とさずに注意してきます。
由佳里「そっ、はぁんっ!」
 そんなこと言われても!と声にしようとしても、
 喉の奥から沸いてくるものが反論の声を勝手に別の声に挿げ替えていきます。
 ダメ!すぐイっちゃう!
 早くも競り上がって来る、明らかにさっきよりも大きくて真っ白な絶頂感に、
 私は慌ててまりやお姉さまの指から逃げようと身体をくねらせます。
 しかしまりやお姉さまの指は確実に私のクリトリスを捕らえて放しません。
由佳里「ふぁぁっっ!!らめ!あっ、いっ、イっちゃいます!」
331Qoo:2006/10/21(土) 18:43:05 ID:TkUK/lwG0

まりや 「まだイっちゃダメ。これからがいいところなんだから」
 まりやお姉さまはそう言ってクリトリスから指を離すと、
 快感にひくひくと震える私の脚をぐいっ、と左右に開きました。
 そして間髪入れずにあそこの中に人差し指と中指を差し込みます。
由佳里「やぁぁぁあああああ!!」
 イく!イく!…っ!私、イっちゃうんだ!
 まりやお姉さまにはダメと言われても、限界を超えて無理やり責め続けられる身体には耐えられるはずも無く…。
 間もなく、頭の後ろの方が、パーン!と弾けるような感覚と共に、身体全体がびくんっ、びくんっ、と勝手に跳ね回ります。
 全身の筋肉が弛緩し、ぷしゃっ、ぷしゃっ、と言う音と共に、あそこから何かが噴き出しているのを感じました。
 しかし、達している最中もまりやお姉さまは指の動きを止めようとしません。
由佳里「あふぁぁっ、いやぁぁぁあああ!」
 まりやお姉さまの指が私の弱点を的確に捉えると、的確にぐりゅっ、ぐりゅっ、と擦り上げ、
 私は最早はしたない声を駄々漏れにしながら全身を痙攣させることしか出来ません。
由佳里「ダメです!あっ!イって、ます!やぁあ!私イってます!」
 ぶるぶる、と頭を振り乱しながら宣言しますが、そんなことで止まるまりやお姉さまでは無く。
まりや 「いっぱいイっていいよ」
 抵抗も空しく、再び絶頂へと導かれてしまいます。
332Qoo:2006/10/21(土) 18:45:11 ID:TkUK/lwG0

 果たして、まりやお姉さまはそこで責めを終えることはありませんでした。
まりや 「エッチなアイテムはベッドの下とか、古典的過ぎだから」
 朧げな意識の向こうでそんな台詞が聞こえたかと思うと、更に強い刺激が下半身に加わります。
 ダメダメダメぇっ!これ以上されたら、死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう!
 必死にぶんぶんと折れんばかりに頭を振り回しますが、身体の奥で音を立てて何度も何度も爆ぜるような気持ち良さは、
 弱まることも消えることもありません。
 頭の中から思考力は消え、今理解出来ることは、酷く敏感な部分に強く振動する何かが当てられてることと、
 ――ただただ、気持ちが良い、ということだけでした。
由佳里「あああぁぁぁあああああ………!!!!」
 私は何とか快感を外に吐き出そうと一通りの大声を上げましたが、吐き出して足りる気持ち良さではありません。
 身体中に溜まりに溜まった快感は、最早金魚のようにパクパクと開閉することしか出来ない口から、
 真っ白で何も見えない目から、死んじゃう!と感じてしまうくらいの快感を一身に浴び続けるあそこから、
 色々な体液を噴き出しながら、――そして最後に、私の意識を外へと吐き出しました。
333Qoo:2006/10/21(土) 18:46:49 ID:TkUK/lwG0

   ―――――――――――

由佳里「ん〜…」
 頭の中に意識が戻りました。
由佳里「はぁ〜…」
 私は何故か、理由も無く溜息を吐いていました。
 何か、身体が酷くだるく感じます。それと、お尻が濡れているような気持ち悪い感触…。
 何だろう…。
 嫌〜な予感に、よいっ…しょ…、と重い上半身を持ち上げ、ぺらっとタオルケットを捲ると…。
由佳里「!」
 目の前に広がる光景に、一瞬お漏らしの可能性を考えましたが、すぐに下に何も穿いていないことに気付きました。
 理由を数秒ほど考え、
由佳里「………!!」
 頭に先ほどまでの記憶が一気に閃き戻りました。
まりや 「お・し・お・き」
 まりやお姉さまの声が頭の中に響きます。
 私は絶望感を覚え、ベッドに倒れこみました。
 一番知られてはいけない人に知られてしまった知られてはいけない秘密。
 どうにかしなければいけないんでしょうけど、私では多分どうにも出来ない問題でした。
由佳里「はぁ〜………」
 私は押し潰されそうな焦燥感に、たまらず身体を反転させ、ボフッ、と枕に突っ伏します。そして。
 うぅ…。
由佳里「気持ち悪い…」
 私の…その…おしっことか、…でぐっしょりと濡れたシーツの気持ち悪さに、泣きたくなるのでした。


   - fin -
334Qoo:2006/10/21(土) 18:53:28 ID:TkUK/lwG0

ゆかひとはこれで終わりです〜。とりあえず皆さんには謝罪を。
うpし終えてから気付きましたが、区切りが無いから凄く見難い!
しかもゆかひと全部! マジ御免なさい。 m(_ _;;;)m

 以下感想。↓

一番苦労した点は…喘ぎ声のバリエーションを考えることでした。由佳里の台詞の大半は喘ぎ声(or 喘ぎ声混じり)だし…(笑)。
会話メインになる日常と比べて、エッチ系は状況描写メインになるので、いい勉強になりました。
蛇足をくっ付け過ぎてダラダラと長引かせてしまう癖は今回も健在(←死)。
相も変わらず拙い描写で申し訳ありません。ミスもちょこちょこあるし…。
チェック中は「お、いいんじゃね?」って思うんですけど、
うpすると「あれ?」みたいな部分が多いのは…。そのですね。仕様?(笑←殴)。
え〜、最後はちょっとやりすぎたかな、とは思いましたが、いかがでしたでしょうか。
                          それでは、お目汚し失礼致しました。Qooでした。 m(_ _)m
335名無しさん@初回限定:2006/10/21(土) 18:53:35 ID:uN2OpgDC0
ナイスエロ
336名無しさん@初回限定:2006/10/21(土) 22:39:54 ID:P99HDmfj0
グッジョブ!
だけど感想はさすがに蛇足でしょ
337名無しさん@初回限定:2006/10/22(日) 09:00:29 ID:K1gnWuxv0
やあ (´・ω・`)

ようこそ、お姉さま、ポーカーハウスへ。
このカードはサービスだから、まず卓について落ち着いてください。

うん、「また」なんです。すみません。
仏の顔もって言うし、謝って許してもらおうとも思っていません。

でも、僕を見たとき、皆は、きっと言葉では言い表せない
「またお前か」みたいな倦怠感を感じてくれたと思うんです。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
このハウスを立てました。

じゃあ、注文だ。


お姉さま負けたらイラマチオしてください、俺に
俺が負けたら・・・任せる

罰ゲーム>>340

俺の手札>>350
お姉さまの手札>>360

批判が多ければ止めておきます
スレ違い、と思わなくも無いので・・・
338東の扉:2006/10/22(日) 09:23:12 ID:yw6Uvsr50
>>318-333

Qooさん、GJ&乙です。 東の扉です。
ここまでエッチ描写できるのはすごい、というか、自分の未熟さを思い知らされました。

私の考えた結末と、どちらが好きか人によってはっきり分かれそうですが、
私としては「お好きな方でどうぞ。でも、どちらがいいかの書き込みはご遠慮ください」
と思います。
でも、ダーク系が苦手な人にも、前半は楽しめると思いました。
実は前半から後半の間に、すでにこの後日談を考えていたりしますが、何度もすみません。

これからも、よろしくお願いします。
339くぎばっと:2006/10/22(日) 11:41:46 ID:5eMpZ7cw0
ランチ

瑞穂「まりや、今日はお弁当なんだね」
由佳里「そういえば今朝厨房で何か作っていました」
奏「昨日の夜から仕込みをしていたのですよ〜」
まりや「まあ、そんな日もあるってことで」
瑞穂「美味しそうなフライだね、一つちょうだい」
まりや「あっ瑞穂ちゃんダメえ!」
瑞穂「白身魚?なんだか弾力があるけど…」
まりや「それ河豚なのよー!」
瑞穂「ぶううううううううううう」
由佳里「ふっ河豚!?」
奏「そんなの食べて大丈夫なのですか〜〜〜」
まりや「ちなみにこっちのサラダは福寿草とストリキニーネ
    こっちのお漬物はトリカブトとチューリップの球根
    んでレバーは熊で水筒の中身は筋弛緩剤とシアン化カリウムよ」
瑞穂「ごほっ、そんなの食べたら10回は死ねるわよ」
まりや「体力つけるためにはこれくらいは食べないとねー」
由佳里「まりやお姉さまが人間じゃないってことがよくわかりました」
まりや「いつかあんたにもわかる日が来るわ、全国で戦うためにはこれくらいしないとダメなのよ」

340くぎばっと:2006/10/22(日) 15:07:51 ID:5eMpZ7cw0
>>337
じゃあ罰ゲームは>>339のまりやの弁当を食べる
でいい?
341くぎばっと:2006/10/22(日) 16:17:21 ID:5eMpZ7cw0
くぎばっと

紫苑「瑞穂さん、数学ですこしわからないところがあるのですが教えていただけませんか」
瑞穂「いいですよ」
まりや「瑞穂ちゃんは頭が良くていいわねー」
瑞穂「まりやにも教えてあげる、寮の食堂で勉強会しようか」

−お勉強中−

紫苑「おかげさまで勉強が進みましたね」
まりや「あたしが足引っ張ったような気がするけど…」
由佳里「なんで私まで…」
奏「由佳里ちゃんもたまには勉強しないとダメなのですよ〜」
まりや「つーかーれーたー」
由佳里「あ、私お茶入れてきますね」
紫苑「ありがとうございます」
ゆかりんが席を立つ、聞こえてくる騒音

342くぎばっと:2006/10/22(日) 16:18:01 ID:5eMpZ7cw0
奏「また来たのですよ〜」
紫苑「何ですか?」
瑞穂「珍走団です」
紫苑「珍走団?」
まりや「ありていに言えば暴走族ですね」
紫苑「ああ、カミナリ族ですか」
瑞穂「言い方が古いですよ…紫苑さん」
奏「最近毎日毎日くるのですよ〜」
まりや「むう、今日は珍しく勉強してるから余計に腹が立つわね」
瑞穂「さすがに100人単位は相手に出来ませんし…」
紫苑さまの雰囲気が変わる
紫苑「力が欲しいですか?」
まりや「欲しいです、あのバカどもを叩き潰す力が」
紫苑「ならばあげましょう、ついてきてください」
紫苑さまが席を立つ、ゆかりんがお茶を淹れて戻ってきた
由佳里「あれ?どこかいくんですか?」

343くぎばっと:2006/10/22(日) 16:21:30 ID:5eMpZ7cw0
紫苑さまに連れられて校舎の裏に回る
鬱蒼とした森の奥に入るとそこにあったのは
瑞穂「鳥居?」
由佳里「なんでカトリックの学校に鳥居があるんですか?」
奏「奥にお社もあるのですよ〜」
紫苑「いつからあるのか誰も知りません、私も先代に教えられたのです」
紫苑さまがお社の扉を開く、そこには…

まりや「バット?」
岩に突き刺さった2本のバット
紫苑「このバットを抜くものは自らの望む道と望まぬ道で天下を取ると伝えられています」
瑞穂「紫苑さんは抜いたんですか?」
紫苑「私には抜けませんでした」
紫苑さまがバットのグリップを握り引き抜こうとするがビクともしない
紫苑「さあ、瑞穂さん、まりやさんこれを引き抜いてみてください
   もし抜くことができればきっと絶大な力を得ることが出来るでしょう」
後にゆかりんがこの時のことを語った
−お姉さま方は使い慣れた刀を鞘から抜くようにバットを引き抜いたんです
瑞穂「これ釘が打ちつけてありますよ」
まりや「体の奥底から力がわいてくるわ」
奏「よく見ると銘が入っているのですよ〜」
まりや「なになに…StormBringer」
奏「嵐を呼ぶ者?」
由佳里「なんだかまりやお姉さまにぴったりです」
瑞穂「私のは…MournBlade…嘆く剣?」
紫苑「こちらもぴったりと言えばぴったりですわね」

翌日、聖應学園前を走っていた都内最大の珍走団が解散届けを警察に提出した

344名無しさん@初回限定:2006/10/22(日) 22:22:38 ID:Tl1GQIZf0
学院長に苦情の電話が来たら、
「慈悲と寛容を旨とする我が校には
 粉砕バットで暴走族とわたりあうような生徒はいません」
と言われるのですね
345くぎばっと:2006/10/22(日) 23:37:36 ID:5eMpZ7cw0
由佳里「そういえば紫苑お姉さまは望まぬ道でも天下をとるといってましたけど」
まりや「あ…瑞穂ちゃんはもう天下取ってるわね」
瑞穂「?」
まりや「お姉さまの道は望んでないでしょ?」
奏「そんなことはないのですよ〜瑞穂お姉さまがお姉さまの道を歩むことは宿命だったのですよ〜」
346名無しさん@初回限定:2006/10/23(月) 00:17:04 ID:mzblDit10
>>340
マジカ・・・いやまて

逆に考えるんだ、まりやの手作りお弁当を食べるフラグがたった

そう考えるんだ・・・
347名無しさん@初回限定:2006/10/23(月) 11:49:08 ID:UMLM4ARW0
>>345
紫苑「奏ちゃん、宿命というのはいやな言葉ですわ
   二重の意味で人間を貶めてしまいます
   一つには状況を判断する能力を失わせ、
   もう一つには人間の自由意志を価値の低いものとみなしてしまいます」
奏「ごめんなさいなのですよ〜」
紫苑「あやまることはありませんよ、
   瑞穂さんがお姉さまの道を歩むのは瑞穂さんがそう選択した結果なのです
   必然の結果なのです」

瑞穂「紫苑さん…それなんてヤン提督ですか…」
348名無しさん@初回限定:2006/10/23(月) 15:27:42 ID:JOydJUeN0
>>347
瑞穂お姉さまと結婚間近の貴子さん

貴子「鏑木貴子……悪くない名前ですわね」
君枝「厳島の姓を捨てるのですか?」
貴子「君枝さんっ!……厳島と云うのは、
   十条家を力づくでモノにしようとした恥知らず共の家名です
   この様な家名、下水に流しても惜しくないですわ」
349名無しさん@初回限定:2006/10/23(月) 16:34:33 ID:UMLM4ARW0
>>343
どうでもいいけどストームブリンガーなんか使ったら世界が滅びるじゃん

まりや「いやーついにあたしたちもエターナルチャンピオンの仲間入りかー」

350名無しさん@初回限定:2006/10/23(月) 16:35:10 ID:UMLM4ARW0
>>337
「一枚目は…美川べるのの描いたゆかりん
「2枚目、丸尾末広の描いたゆかりん
「3枚目、澤井啓夫の描いたゆかりん
「4枚目、水木しげるの描いたゆかりん
「5枚目…
「5枚目は、漫♪画太郎が描いたゆかりん
351コマイ:2006/10/24(火) 12:09:03 ID:7+MKnXXz0
美智子 「あっという間に10月も終わっちゃいますねえ」
紫苑 「瑞穂さんのおかげで今月も楽しく過ごせましたわ」
瑞穂 「ところでみなさん進路は決まったんですか?とくにまりや」
まりや 「む、そこであたしにフルか」
瑞穂 「決まってないんでしょ」
まりや 「なんてゆーかクリエイティブな仕事がしたいなー、なんて思ってるんだけど」
紫苑 「まりやさんらしいですね」
美智子 「圭さんは将来何になりたいとかあるんですか?」
圭 「私はクリーチャーになりたいわ」
瑞穂 「・・・・・・」
圭さん瑞穂ちゃんの方を向いてニタリ
紫苑 「演劇に進むかと思いましたが…ですが演劇のお仕事もクリエイティブといえますね」
瑞穂 「紫苑さん…圭さんはクリーチャーって言ったんです」
紫苑 「ですからクリエイティブなお仕事をするんでしょう?」
美智子 「そういえば、私『は』とも言いましたね」
瑞穂 「−creature−主に不思議な生物と言う意味です」
美智子 「それなら圭さんはもう十分立派なクリーチャーですね」
圭 「ニタリ」
352名無しさん@初回限定:2006/10/24(火) 18:42:45 ID:TRHt9EP80
何だ何だ。
何か小さいネタがごった煮になっててネタが終わってるのか終わってないのかよく分からん。
終わったら「完」とか何か入れて欲しい。

っていうか、オチはしっかりオトさないと…。
353コマイ:2006/10/24(火) 21:07:57 ID:7+MKnXXz0
身体測定

朝の食堂、ゆかりんが起きてきて
瑞穂「おはよう、由佳里ちゃんもう朝ごはんよ」
由佳里 「あ、私今朝はご飯いりません」
まりや 「昨日の夕飯もあんまり食べてないじゃない」
奏 「最近さんまり食べていないのです、体に悪いのですよ〜」
由佳里 「あ〜え〜とその〜」
まりや 「ああ、今日は身体測定だもんねえ」
由佳里 「お姉さま方はスタイル抜群だし、奏ちゃんはあんまり気にしてないだしで」
まりや 「女の子にとって体重は重要だからね〜」
瑞穂 「そんなもんなんだ、それなら今日のお夕飯はちゃんと食べるのよ」
まりや 「ハーブティー入れたげるからそれぐらいは飲んできなさいね」
由佳里 「はーい」
瑞穂 「私にも入れて」
まりや 「はいはい、奏ちゃんの分もいれてあげるわ」
みんなでまりやのいれたハーブティーを飲んで登校

−昼休み−

瑞穂 「やれやれ、一通り終わりましたね」
紫苑 「一年生はこれから体重測定らしいですわ」
奏 「はうう、身長が全然伸びてないのですよ〜」
瑞穂 「なんか水着着て体重量ってる子もいましたけど…」
まりや 「体操着着てると
     自重+体操着+下着=体重になるでしょ、水着なら
     自重+水着=体重、で下着分うくじゃない」
瑞穂 「そこまでするものなの?」
まりや 「そこまでするものなのよ」
354コマイ:2006/10/24(火) 21:08:53 ID:7+MKnXXz0
紫苑 「ところで由佳里ちゃん先ほどから様子が変なのですけど」
由佳里 「めちゃくちゃおなかがすいて…」
瑞穂 「昨夜と今朝と2食抜けば無理もないわよ」
奏 「でも、昨夜は少しだけど食べていましたのですよ〜」
まりや 「くくくくく」
由佳里 「!なにかしたんですか!?まりやお姉さま」
紫苑 「毒でも盛ったのですか?」
瑞穂 「意外と過激なことを言いますね」
まりや 「いやなに、今朝飲ませたハーブティーねレモングラスなんだ」
由佳里 「!!!!!!!」
瑞穂 「なにそれ」
由佳里 「…レモングラスはダイエット中に飲むと空腹感が増してしまうんです」
瑞穂 「…さすがにそれはひどいわよ、まりや」
紫苑 「いたずらにもほどがありますわ、まりやさん」
奏 「(((゜д゜;))) 」
まりや 「うわーーーん」
まりやだっしゅ
瑞穂 「あ、逃げちゃった」
紫苑 「ウソ泣きですわね」
奏 「由佳里ちゃんどうしたのですか〜ふるえているのですよ〜」
由佳里 「うわーーーん、やけ食いしてやるーーー!!!」
ゆかりんもだっしゅ
女生徒「…上岡さんすごい余裕…何人分食べてるのかしら?」

その日、食堂のハンバーグ定食が完売した
そして一年生の平均体重は前回を上回っていた
355名無しさん@初回限定:2006/10/24(火) 21:47:07 ID:KjT3uhEL0
>>353-354

これ、以前どこかで見たことあるんだけど……どこだったっけ?
356コマイ:2006/10/24(火) 23:32:40 ID:7+MKnXXz0
>>355
すくみず〜フェチ☆になるもんっ!〜
が元ネタ
357東の扉:2006/10/25(水) 02:45:54 ID:loyeLpzT0
>>292

それでは、いよいよご希望の部分を書くことにいたします。
「おしまいの姉妹対決 ラウンド3.5 プレゼントの中身」

由佳里「まりやお姉さまのプレゼント……なんだろ? 普通のプレゼントだといいんだけど……」
そう言いながら、由佳里はまりやからのプレゼントである紙袋を開けていた。
由佳里「これは、下着?」
そこには、メッセージカードらしい紙と一緒に、5着の女物の下着が入っていた。
由佳里「でも、同じのがお正月にもらった中にもあったし、なんで今頃こんな……の……なあっ!!」
一緒に入っていたメッセージカードを読みながら考えていた由佳里だが、途中で驚きを隠せなかった。
メッセージカードには、こう書かれていた。

由佳里へ
誕生日おめでとう。由佳里が瑞穂ちゃんとも恋人同士になれて、みんなとも元の仲間に戻れて、私も安心したわ。
紙袋を開けて、なんで今さらって思ったでしょ? ところが、これはただの下着じゃないのよ。
なんと昔瑞穂ちゃんに女装させたときにはかせてた、いわゆる使用済み下着ってヤツなのよ。ちなみに、もちろん洗ってないから。
瑞穂ちゃんと恋人同士になったお祝いもかねて、由佳里にあげるわ。
それと赤いやつは、一緒に入ってるビンの中のバクテリアをかけると消える、食べられる下着だから、瑞穂ちゃんにかけてもらうのも面白いかもよ?
あ、これ、いらないなら捨てていいよ。捨てられるならね。
                                                  永遠のゆかりんの姉、御門まりやより
358東の扉:2006/10/25(水) 02:48:10 ID:loyeLpzT0
由佳里「な、なんで洗ってないんですか……ていうか、なんでこんなのばっかり渡すんですか……」
カードを読み終えた由佳里は、耳まで真っ赤になりながら、そこにいない“姉”に文句を言った。
由佳里「これに、瑞穂さんの体温と匂いが……あ、や、やだ!」
そうつぶやいただけで、由佳里は心臓がきゅーっと締めつけられるように感じた。その直後、心臓と下半身が、焼けた鉄板のように熱くなった。
心臓の鼓動は高まり、下の方は液体が滲み出ている。
由佳里「ちょ、ちょっとだけ……だから……はあ……ちょっと、体験したらすぐやめ……るから……はあはあ……
   それっきりに……はあ……する……から……」
荒い息を抑えながら由佳里は紙袋の中の下着に手を伸ばした。
口ではそう言いながらも、由佳里は気づいていた。この手のことは、麻薬や覚せい剤のように、一度手を出したら快楽の泥沼にはまってしまい、
なかなか抜け出せないことを。
由佳里の言葉は彼女にとって、まだ自分をおしとどめようとしている罪悪感や羞恥心といった理性的なものを消し飛ばすための、言い訳に過ぎなかった。
由佳里「瑞穂さんのはいてた……下着……」
由佳里は制服を脱ぎ終えると、5着の下着の中から、自分の一番気に入ったデザインのを取り出し、顔のところまで持ってきた。
由佳里「ふあああ……」
ブラの匂いを嗅いでみると、自然と甘いため息が流れていた。そしてショーツの方も同じように嗅ぐと、さらに強いため息が流れてくる。
由佳里「瑞穂さんの……匂い……はああああ……」
下着を持つ由佳里の手は自然に口のところまで来ていた。そして、舌がまた自然に下着へと迫っていった。
由佳里「瑞穂さんの……味……はああ……おいしい……クラクラしちゃうう……」
下着をなめまわした由佳里は、そう切なげにつぶやく。今の由佳里は、顔も声も、そして心も、オーブントースターで温められた
パンの上に乗っている蜂蜜のように甘く、バターのようにとろけきっていた。
359東の扉:2006/10/25(水) 02:50:05 ID:loyeLpzT0
そして、今はいている湿った下着も脱ぎ、瑞穂のはいていた下着をはこうとしていた。
由佳里「もう、止められないよお……こんなはしたないとこ、もし瑞穂さんに見られたら……」
そう思うと恥ずかしさがこみ上げてきたが、それは逆にさらに由佳里の興奮と快楽を高める結果になってしまっていた。
由佳里「ふあああ……す、すごい……瑞穂さんの下着……はいただけで、もう、こんなに……」
すでに由佳里の胸の先は硬くなり、下のほうは蜜であふれていた。
恋人のはいていた下着を、今自分がはいている……その事実がもたらす興奮と快楽、そしてそれを倍増させる羞恥心と罪悪感……
そのすべてが、バイブを使うときの比ではなかった。
由佳里「瑞穂さんの温度と匂いと感触が……身体に染みこんできて……瑞穂さんの下着が……私のエッチな液でどんどんぐちょぐちょになってく……
   はああああ……」
恋人のものを自分が汚している……その想いから来る羞恥心や罪悪感、そして征服欲が、興奮と快楽をさらに強くしていく。
由佳里「まりやお姉さまの……バカ……はあはあ……こんなの反則だよお……気持ちよすぎて、私、おかしくなっちゃうう……」
いや、もうすでにおかしくなっているのかもしれない……由佳里はそう思った。事実、異常なほどの興奮と快楽のあまり、
頭がしびれてまともに働いていない。2つの手は、気づいた時には2つの下着を上からまさぐっていた。
そのことに気づかなかったことなんて、今までになかったのに……。
360東の扉:2006/10/25(水) 03:02:36 ID:loyeLpzT0
朦朧としている意識の中で、由佳里の目は瑞穂の下着の入っている紙袋をとらえた。
由佳里「はあはあはあ……あれ……確か、瑞穂さんの下着が……入ってる……赤いのは……食べられる下着……だった……食べられる……」
そうつぶやきながら、由佳里は霧のかかったような頭の中で、考えていた。瑞穂のはいてた、食べられる下着……もし自分が食べたら、
どんな味がするのだろう。どれほどの快楽をもたらすのだろう……と。そして由佳里の手は、自然と紙袋の中の赤い下着に伸びた。
由佳里「はあはあ……食べられる……瑞穂さんの下着……早く食べちゃいたいよ……」
そして由佳里は、ブラを口の中に入れた。ゆっくりと噛み締めるように下着を、いや、瑞穂を味わっていく。
由佳里「はあああああ……!!」
予想を遥かに上回る快楽の波に襲われた由佳里は、頂点に達してしまいそうになるのを感じた。
でも、まだショーツのほうが残っている。そっちを味わわないうちに達してしまうなんて、絶対にイヤだ。
そう思った由佳里は、ベッドのはしにきつくしがみついていた。まるで濁流に流されそうにでもなるかのように。
由佳里「んんんんんん……!!」
すぐに達してしまうのだけはなんとかこらえた由佳里だったが、このままではショーツを手に取れないし、どのみちすぐに頂点が来るだろう。
そう思った由佳里は、片方の手でベッドをつかみながら、もう片方の手を下の方に伸ばし、指で突いた。
由佳里「くっ……くううううう……!!」
その瞬間、由佳里の身体は電撃が走ったかのような刺激を感じていた。その直後、興奮と快楽は一応のおさまりを見せた。
由佳里「はあはあ……これ、ホントに効くんだ……ちょっと半信半疑だったけど……」
雑誌で見て知識としては知っていたものの、実際に誰かに体験談を聞いたわけでもなく、信じきれていなかったので、初めてやってみると驚く。
これで、ショーツに手を伸ばす機会は作れた。でも、身体の疼きが止まったわけではないので、早くしないと、本当に狂ってしまいそうだ。
361東の扉:2006/10/25(水) 03:04:09 ID:loyeLpzT0
由佳里「じゃ、じゃあ、メインディッシュを……」
由佳里はつばを飲むと、瑞穂の味がよりいっそう味わえるよう、ショーツを裏返しにして飲み込んだ。
由佳里「ん……んん……んふううううう……!!」
由佳里は口の中でその味をじっくり味わいながら、両方の手で胸と股間をもんでいた。すでに片方の手は蜜がいっぱいついており、
ショーツも反対側から蜜がにじみ出るほどびしょ濡れになっていた。
由佳里が下着を味わい、どんどん飲み込んでいくほど、2つの手の動きは速くなっていった。
由佳里「んん……んふう……ふあああああああっ……!!」
由佳里は下着をすべて飲み込むと、閉じていた口をあけ、一気に快楽の喘ぎの声を解き放った。
そしてショーツの下から大量の液体を放出して、由佳里の身体は崩れ落ちた。
由佳里「はあ……はあ……はあ……」

由佳里「はああ……私の口とおなかの中……瑞穂さんであふれてるよお……」
それから、どれくらい時間がたっただろう。由佳里の意識はいまだ桃源郷をさまよったまま、恍惚の表情でそうつぶやいた。
362東の扉:2006/10/25(水) 03:08:01 ID:loyeLpzT0
コンコン……。
ふと、由佳里は遥か意識のかなたから、ドアをたたくような音を聞いた。
コンコン……。
今度は以前より強く。由佳里の意識が少しだけ現実に引き戻された。
由佳里「……んう?」
瑞穂 「由佳里、瑞穂です。開けてくれないかな?」
由佳里「え、瑞穂さん? わわっ、ちょっと待ってください!」
瑞穂の声を聞いて、完全に意識を取り戻した由佳里は、慌てて返事を返した。
たった今までびしょ濡れの下着1枚の格好で、しかも2本の手はどちらも下着の上に置かれている。こんなところ、とても瑞穂には見せられない。
由佳里は大慌てで下着を拭き、制服を着て、まりやのプレゼントである紙袋をベッドの下に隠した。
由佳里「瑞穂さん、お待たせしました!」
そう言って由佳里はドアを開けた。
瑞穂 「いや、待ってないけど、お部屋、かたづけてた?」
本当のことなんて、とても言えない。由佳里は瑞穂に話をあわせることにした。
由佳里「ええ、まあそんなとこです。さ、どうぞ、あがってください」
瑞穂 「お邪魔します」
瑞穂なら、まりやと違って、他人のプライバシーに必要以上に首を突っ込むようなことはしないだろう。由佳里は、プレゼントを渡しに来た瑞穂を
部屋に招き入れた。

以下、「おしまいの姉妹対決 ラウンド4 瑞穂からのプレゼント」に続きます。
363東の扉:2006/10/25(水) 03:19:43 ID:loyeLpzT0
では続いて、「おしまいの姉妹対決 ラウンド4.5 誕生日は愛しき人と」です。

由佳里「瑞穂さん……私、今、とっても幸せです」
瑞穂 「ふふっ……僕もだよ、由佳里」
そう言って、僕は由佳里が腰掛けているベッドに並んで座った。
瑞穂 「あれ? このベッド、なんか少ししめっぽいね」
由佳里「あっ……そ、それは……」
なぜか恥ずかしそうに口ごもる由佳里。僕が視線をそらすと、僕の目に飛びこんできたのは……。
瑞穂 「あれ? なんだろ? なんか落ちてる……」
由佳里「あっ……やあっ!」
僕の視線の先を目で追った由佳里は慌ててそこにあったものを拾う。どうやら下着のようだ。
瑞穂 「ねえ、由佳里……」
由佳里「な、なんですか、瑞穂さん?」
瑞穂 「聞いてもいいかな? なんで下着があんなところに落ちてたのか」
由佳里「……言わないといけませんか?」
瑞穂 「できれば聞きたいな。どうしてもイヤだって言うなら、ムリに教えてくれとは言わないけど」
由佳里「……わかりました。でも、聞いて私のこと軽蔑したり気味悪がったりしないでくださいね?」
瑞穂 「わかったよ」
由佳里「ホントですか?」
瑞穂 「内心はともかく、表面上はそうするよ。少なくとも。それで?」
由佳里「じ、実はあの下着、私が今まではいてたのなんです……」
瑞穂 「どうして脱いだのって聞いていい?」
由佳里「……まりやお姉さまからのプレゼント、中身が昔瑞穂さんのはいてた下着だったんです。それで……」
瑞穂 「それで、僕がはいてた下着にはきかえたんだ? ひょっとしてさっきまでそれはいて1人でしてた?」
それを聞いた由佳里は耳まで真っ赤になり、目をつぶって、スカートの部分を両手で押さえながら首を縦に振った。
その仕草がたまらなくかわいい。そんな様子を見てると、なんかまりやの気持ちがちょっとわかるような気がするな。
364東の扉:2006/10/25(水) 03:20:51 ID:loyeLpzT0
瑞穂 「じゃあ、僕と話してる時も、胸を硬くして、下のほうも濡らして、頭の半分はエッチなこと考えてたりしたの?」
由佳里「やあっ……瑞穂さん、そんなこと……ばかり……聞かないで……」
瑞穂 「ふーん……図星なんだ……ふふっ、僕が思ってたよりずっと好き者だね、由佳里は」
由佳里「あ! 瑞穂さん、今私のこと軽蔑しました! ひどいです!」
瑞穂 「してないです。要するに、それだけ僕のことを好きでいてくれてるってことでしょ? それに、僕が由佳里を夜のおかずにしてるって言ったら、
   僕のこと軽蔑しちゃうの?」
由佳里「しないですよ! もしそうなら、むしろすごく嬉しいですから!」
瑞穂 「それならわかってくれますよね。僕が由佳里のこと軽蔑してないって」
由佳里「あ……は、はい」
瑞穂 「ふふっ……」
由佳里「あ、あの……瑞穂さん……」
瑞穂 「何?」
由佳里「わ、私、もう限界なんです……だから……」
瑞穂 「くす……わかったよ。しょうがない娘だね。いいよ。じゃあ……」
由佳里「………」
瑞穂 「どうしたの? 服、脱がないの?」
由佳里「脱がせてください……」
瑞穂 「え?」
由佳里「瑞穂さんに、脱がせてほしいんです」
瑞穂 「うん。じゃあ、失礼して……」
僕は、由佳里の制服に手を触れた。
365東の扉:2006/10/25(水) 03:25:18 ID:loyeLpzT0
由佳里「あっ……」
その時、由佳里の口からそれに反応して声が漏れる。僕は、制服を脱がせにかかった。
由佳里「ひゃああっ!」
僕が手を触れるたびに、由佳里は悲鳴を上げる。
由佳里「はあああ……」
制服を脱がし終えると、由佳里はその場に崩れ落ちた。
瑞穂 「どうしたの、由佳里? そんなとこにしゃがみこんじゃって」
由佳里「だって……感じすぎちゃって……立ってられないんですよ……」
見ると、ブラからでもわかるほど胸はたっていて、ショーツからこぼれるほど蜜があふれかえっていた。
瑞穂 「ふうん……確かに胸も下も信じられないほどエッチになってるみたいだね」
由佳里「やあ……言わないで」
瑞穂 「ふふ……じゃ、下着、脱がせるから」
由佳里「待ってください! 下着は、はいたままで……してほしいです……」
瑞穂 「そう? そういえば、僕のはいてた下着だったね、それ」
僕はそう言うと、1つのことを思いついた。
由佳里「ひゃうっ!」
僕は、由佳里のショーツの下から蜜をすくうと、僕のはいてた下着に塗りつけた。
由佳里「み、瑞穂さん……はあはあ……な、何をして……」
瑞穂 「由佳里だけ僕の下着を持ってるのが不公平だと思ったからね。僕の下着にも由佳里のを染みこませたくって」
由佳里「やだあっ……」
瑞穂 「そう? じゃ、いやがるならもうやめよっか」
僕はそう言って、制服を着ようとするフリをする。
由佳里「え? そ、そんなあ……」
それを見た由佳里は驚き、そして泣きそうな顔をして僕の手をつかんだ。
366東の扉:2006/10/25(水) 03:51:24 ID:loyeLpzT0
瑞穂 「だって、いやなんでしょ?」
由佳里「ち、違いますよ……今のは、うれしいのと、恥ずかしいのが……いっぺんにこみ上げてきて……それで……」
瑞穂 「それで?」
由佳里「それで……瑞穂さんが……私のエッチな液が染みこんでる……下着をつけて……感じてるとこを思い浮かべて……すごくいやらしくなってる
   自分が恥ずかしくて言っちゃったんです……瑞穂さんにされるのが、いやなんじゃないんです……だから……」
瑞穂 「だから?」
由佳里「だから……やめないでください……もっと、感じたいの……もっと、エッチな気分になりたいの……だから……」
瑞穂 「ふふっ、わかってるよ。ちょっとからかってみただけ」
由佳里「もう……瑞穂さんの意地悪……」
瑞穂 「じゃあ、始めるね」
僕はそう言う。由佳里が真っ赤に染まった顔でうなずくと、僕は由佳里をベッドまで抱えたあと、びしょ濡れになってる由佳里のショーツに口をつけると、
中の蜜を吸い始めた。
由佳里「ひゃああうっ!」
僕が口をつけた瞬間、由佳里は悲鳴を上げる。
由佳里「み、瑞穂さん、何して……」
瑞穂 「何って、由佳里のあふれる蜜を飲もうと思って」
じゅるじゅるじゅる……。
そう淫靡な音を立てるのを聞いて、由佳里はたまらなくなったようだった。
由佳里「み、瑞穂さん、やあ……そんな……汚いもの……」
瑞穂 「汚くなんかないよ。由佳里のおつゆ、とってもおいしい」
由佳里「そ、そんな……恥ずかしすぎて、死んじゃう……」
瑞穂 「恥ずかしくて死ぬことなんかないよ。ホントにおいしいから。僕の食べる料理に、いつでも入れてほしいくらいね」
僕が言葉をつむぐたびに、由佳里の身体はぴくんと反応する。目はとろんとし、口からはよだれが流れてきている。そして下のほうは、
再び蜜であふれていた。
由佳里「ふああああ……そ……そん……やあ……」
もうまともに言葉を発することができないようだ。僕は、今までより強い力で蜜を吸い出した。
367東の扉:2006/10/25(水) 03:52:35 ID:loyeLpzT0
由佳里「はあああ……も、もうダメ……イっちゃ……はあはあ……す、吸いこまれちゃううん!!」
瑞穂 「もうイきそうなの? いいよ、先にイっても」
由佳里「あ……ふぁ……ああああああっ!!」
僕が顔を離してそう言った直後、由佳里は頂点に達した。そして、僕の顔に大量の蜜と排泄物がかかってきた。

由佳里「はあ……はあ……あはあ……」
由佳里の身体は、軽い痙攣を起こしてピクピクしている。僕が治まるまで待っていると、由佳里が目を開いて僕を見た。
由佳里「あ……瑞穂さん……」
瑞穂 「おかえりなさい、由佳里。どうだった?」
由佳里「なんか、とにかくいろいろすごくよくて、言葉ではうまく言えな……み、瑞穂さん! その顔……」
瑞穂 「うん。由佳里がイっちゃう時に、かかっちゃった」
由佳里「かかったって……ひょっとして、おしっこも一緒に?」
瑞穂 「うん。そうみたいだね」
由佳里「あわわ、ご、ごめんなさい! 止めたいと思っても止まらなくて……」
由佳里はそう言うと慌ててハンカチを出して僕の顔を拭いてくれようとする。
瑞穂 「別にいいよ。由佳里のなら、全然イヤな気分にならないし」
僕はそう言って由佳里を制し、顔にかかったものを集めて口の中に入れた。
由佳里「瑞穂さん……あ……」
僕がそれを飲み込むのを見て、由佳里の身体がまた反応する。
瑞穂 「ねえ、由佳里。その……僕のも……」
僕はそう言って、股間のものを由佳里の顔の前に突き出した。
由佳里「いいですよ。やったことないですから、ヘタですけど、それでもいいなら……」
瑞穂 「いいよ。上手なほかの人より、由佳里にしてもらいたいから」
僕がそう言うと、由佳里は僕のものを歓喜の表情でしばらく見つめた後、それを愛しそうに頬ずりしてから口に含んだ。
368東の扉:2006/10/25(水) 03:53:41 ID:loyeLpzT0
由佳里「んっ……んふっ……」
最初は舌で先端をなめ回し、それから少しずつ口に含んでいく。
瑞穂 「んっ……いいよ、すごく気持ちいい」
僕がそう言って由佳里を見ると、由佳里のもう片方の手が下のほうを向いてるのに気づいた。さらによく見ると、手の先がショーツの中をいじっている。
瑞穂 「何? 僕のをなめながら、自分でいじってるの?」
由佳里「だ……だってえ……」
瑞穂 「そんなこと、どこで覚えました?」
由佳里「瑞穂さんが相手だから、自然にそうなっちゃうんです!」
瑞穂 「ふうん……誰にも教えられなくてもそうなっちゃうんだ。すごいエッチだね」
由佳里「そんな……瑞穂さんを見てて変な気分にならない方がどうかしてますよ!」
瑞穂 「なんか文脈がおかしい気がするけど……でも、以前まりやから、一回出すごとに収まりをみせる男と違って、女の性欲は無限だって
   聞いたことがあったっけ。あの時は何をバカなって思ってたけど、少なくとも由佳里にはあてはまるみたいだね」
由佳里「そ……そんなこと……だから、瑞穂さんが素敵過ぎるのがいけないんですよお……」
瑞穂 「そうやってすねてる顔もかわいいよ」
由佳里「もう、瑞穂さんったら……今さらそんなふうにご機嫌とってもダメです!」
瑞穂 「本心なんだけど……ていうか、しゃぶりながら怒ってるフリしても説得力ゼロだよ?」
そうこうやってるうちに、僕のも、相当興奮してきたことがわかる。
瑞穂 「由佳里、もういいよ。ありがと」
由佳里「ふぁ……瑞穂さん、気持ちよかったですか?」
瑞穂 「うん。由佳里のやらしい顔見てたら、すごく興奮しちゃった」
由佳里「もう……意地悪」
瑞穂 「由佳里……そろそろいいかな?」
由佳里「はい。私も、瑞穂さんがほしいです」
そして僕は、ベッドに寝転がっている由佳里のショーツを横にずらして、熱くなったものを中に入れた。
369東の扉:2006/10/25(水) 04:28:14 ID:loyeLpzT0
由佳里「あっ……ああああ……!」
挿入を終えると、由佳里が歓喜の悲鳴を上げた。
由佳里「入ってくる……私の中に、瑞穂さんが入ってきてるよ……」
瑞穂 「動くよ。いい?」
由佳里「はい……」
僕は、身体を前後に揺らしたり、時折寝ている由佳里の唇にキスをし、胸をもんだりを繰り返す。
瑞穂 「由佳里、僕は、もう……」
由佳里「瑞穂さん……私も……」
瑞穂 「僕のを抜くから、ちょっと力を緩めて?」
僕がそう言うと、由佳里は逆に、手を僕の後ろに回してきつく抱きしめてきた。
由佳里「やだあっ……瑞穂さん、今日は安全な日ですから……な、中に……」
瑞穂 「そう? わかったよ。そう言うなら……じゃあ、失礼して……くううっ!!」
由佳里「ああああああ……!!」
僕が由佳里の中に放出したのと、由佳里が頂点に到達したのは同時だった……。

そして、2月19日の朝。
由佳里「ふふっ……」
由佳里が、僕のものをいじりながら、自分のおなかをさすり、うっとりとした顔で僕を見て微笑んだ。
瑞穂 「どうしたの、由佳里?」
由佳里「だって、私のおなかの中が瑞穂さんの生命であふれてるんだって思うと、うれしくって……」
瑞穂 「えっ!? 今日は安全だって言うから、ご希望通りにしたけど、ひょっとしてあれ、ウソだったの?」
由佳里「ウソじゃないですよ。でも、そう思うと満たされますから」
瑞穂 「でも、僕のはいてた下着をずっとはいたままなんだよね。さすがになんか恥ずかしくなってきたな」
由佳里「わわ、だ、大丈夫ですよ。もうすぐはきかえますから」
そう言いながら、由佳里は思っていた。いつもの瑞穂はけっこうシャイだから、まりやのプレゼントがこれ1つじゃないと知ったら、
恥ずかしさのあまり捨てられてしまうかもしれない、と。
あの時、とっさにメッセージカードと一緒にベッドの下に隠した3着の下着が瑞穂さんに見つかりませんように、と由佳里は祈っていた。

以下、「おしまいの姉妹対決 最終ラウンド 2つの願い」に続きます。
370東の扉:2006/10/25(水) 04:56:01 ID:loyeLpzT0
東の扉です。
すみません。スレ落としに夢中になりすぎて、>>337
>>340 >>350の流れを、完全に見落としていました。

お姉さまの手札は、ここで落とさせていただきます。まことに申し訳ございません。

瑞穂「あら?私の手札は……
  ささきむつみさんの描いた私、
  すぎやま現象さんの描いた私、
  CARNELIANさんの描いた私、
  青山総一さんの描いた私、
  そして……門井亜矢さんの描いた私……のようね。
  どちらが強いのかしら? 判定は>>380 さんにお願いするわね」

ということです。みなさんにご迷惑をおかけしてしまい、深くお詫びいたします。
それでは、これにて失礼いたします。
371名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 09:52:32 ID:9dpqcuNk0
気にしないでくれ
むしろスレ違いな事をやっているのはこっちの方なんだ
お姉さまのスティックをしゃぶりたい、という情熱が暴走してしまった
気にせずSSを投下してくれ

ただ気になる事は
ポーカーなのに絵しか書いてないという事だ・・・
役を書いていただきたい
372名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 11:08:55 ID:BbUT0ou40
>>371
いのまたむつみの描いたお姉さま
美樹本春彦の描いたお姉さま
萩原一至の描いたお姉さま
岡崎武士の描いたお姉さま
田島昭宇の描いたお姉さま
天野喜孝の描いたお姉さま

どれのスティックをしゃぶりたいですか?
373名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 11:45:19 ID:Cgu6M7Zr0
萩原の描くお姉さまの(ry
しかし考えてみれば、お姉さまって漏れより年上なん(ry

今日の放課後、部の先輩をお姉さまと呼んでみるか?
キモがられて終わりそうw
374名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 12:01:48 ID:Pzka3Zfq0
>>373
ほほぉ…。貴方はのり太絵以外のお姉さまを信仰するのね…。
選択肢に無くてものり太を選ぶと思っていたのに…。
このモグリめ、帰りなさい!
375名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 12:09:25 ID:BbUT0ou40
日本に生まれた子供は不幸である−荒俣宏

瑞穂 「突然ですけど今日の放課後神社に行きませんか?」
紫苑 「突然ですわね」
圭  「どこの神社に行くの?」
瑞穂 「湯島天神です」
美智子「学問の神様ですわね」
まりや「んじゃ電車で行くわけだ、中央線か総武線だね」
瑞穂 「御茶ノ水駅か秋葉原駅のどちらかから歩いていくわけですけど…」
まりや「後者はパス!絶対にヤダ!」

−で放課後−

由佳里「私たちも一緒ですか」
まりや「少しは頭がよくなるようにね」
奏  「なら聖堂学問所にも寄っていくのですよ〜」
紫苑 「意外と学問関係の神様って多いですね」
 
−天神様に参拝中−

美智子「あら、マガタマなんて売ってますよ」
紫苑 「なんだか圭さんにぴったりですね」
由佳里「なんでマガタマっていうんですか?」
瑞穂 「それは単純で曲がっている玉だからマガタマって言うようになったの」
まりや「なんかえちぃわね」
瑞穂 「そう思うのはまりやだけよ」
奏  「?」
美智子「せっかくですから神田明神にも寄っていきましょう」
圭  「都心なのに神社がいっぱいね」

376名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 12:10:26 ID:BbUT0ou40
紫苑 「けっこう歩きましたね」
奏  「奏疲れてしまったのですよ〜」
美智子「ではそこで甘酒でも飲んで休みましょう」
そして神田明神の前にある甘酒屋さんに入る
圭  「すこし髪が乱れてしまったわ」
美智子「ブラシをいれましょう、圭さんちょっとこっちを向いてください」
紫苑 「私もですわ、それに瑞穂さんも乱れていますわよ」
まりや「やれやれ、瑞穂ちゃんは…どれ直して進ぜようか」
瑞穂 「どうしたの?奏ちゃん、由佳里ちゃん、ぽかんとしちゃって」
由佳里「あ、なんだかすごい光景で」
奏  「お美しいお姉さま方が緑の黒髪を梳っているのですよ〜」
まりや「みとれちゃったのね」
瑞穂 「緑の黒髪の緑って若々しいっていう意味なの、だから奏ちゃんも由佳里ちゃんも緑の黒髪よ」
紫苑 「私だけ一人でなおすなんて不公平ですわ」
まりや「あ、すみません紫苑さま、いますぐやりますから、はい、瑞穂ちゃん直ったわよ」
由佳里「私、緑の黒髪って昔の人は髪の毛を洗わないから苔むして緑色になるんだと思ってました」
美智子「きれいな髪になりましたよ、圭さん」
紫苑 「それではそろそろいきましょうか」
圭  「みんな先に行っていて、私はこの無能者を小一時間問い詰めていくから」
圭さんがゆかりんの首根っこをつかむ
美智子「ほどほどにね圭さん」
奏  「由佳里ちゃんかわいそうなのですよ〜」

その夜、由佳里ちゃんは恐怖に震えて眠ったそうなのですよ〜 奏談
377名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 14:07:16 ID:BbUT0ou40
紫苑 「無能…平和な時代に最大の悪徳とされないもののことですね」
瑞穂 「いや、だからなんて皇帝陛下ですか?それ」
378名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 23:46:10 ID:GyN9fy600
「君枝さん、宇宙の開闢から厳島があったわけではありませんわ」
「・・・・」
「どうせ滅びるなら、いっそ惨めに滅びればいいのよ」
379名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 23:56:26 ID:ByOH9p1+0
「私、信念という言葉が嫌いなんですの」
「会長、それが会長の信念なんですね」
380名無しさん@初回限定:2006/10/26(木) 23:35:55 ID:ESvzpJtH0
>>337
>>350の破壊力もすごいが…
>>341-345のストームブリンガーがらみで
>>372の天野喜孝のお姉さまの勝利ということにしとこう
381名無しさん@初回限定:2006/10/27(金) 00:48:03 ID:Xjp0GM2n0
わーい、まりやさんの手作り弁当だー・・・
すっごーい、なんて綺麗なドドメ色・・・


「ムシャリ・・・これは青酸カげふぁあっ!!」



お花畑の向こうで音楽室のあの人が手招きしてる・・・


382doku:2006/10/27(金) 23:56:00 ID:i1CldPxI0
『内閣総理大臣織田信長 第76話と聖應学院』

朝起きてきた瑞穂ちゃん、何気なしに新聞を読むと
「新税構想」の文字が
まりやも起きてきて瑞穂ちゃんの後ろから新聞を覗き込む
まりや 「げ、また新しい税金ができるの?」
瑞穂 「うん、今日国会で審議だってさ」
まりや 「あ、じゃあ、ビデオとっておこう」
瑞穂 「…まりや熱、ある?」
まりや 「ええい、信長とか秀吉は演説が面白いからビデオとって後で見るんじゃ」
−みんな寮に帰ってきて
まりや 「さてさて、国会審議のビデオでも見るかね」
由佳里 「まりやお姉さま…熱、あります?」
ゆかりんがまりやの額に掌を当てる
奏 「由佳里ちゃん…いくらなんでもそれは失礼なのですよ」
瑞穂「それに朝私がやったし」
まりや 「それで、新しい税金って一体何なのかしらね」
まりやがビデオを再生する
そしてアナウンサーの言葉に一同が絶句
「「美人税ぃぃ〜〜〜!?」」
画面に財務大臣羽柴秀吉が映し出され演説が始まる
秀吉の演説は際立ち次々と反対論者を論破していく
しばらくして
瑞穂 「決まっちゃったね…」
まりや 「美人税…」
由佳里 「私には特に関係なさそうですけど…」
奏 「お姉さま方は払わなければいけなくなると思うのですよ〜」

しばらくの間、学院では美人税の話で持ちきりだった
主に、瑞穂ちゃんがいくらぐらい払わなければいけないか、という内容で

383doku:2006/10/27(金) 23:56:45 ID:i1CldPxI0
−数年後−
瑞穂ちゃんは貴子さんとまりやを手下にして鏑木テクスタイルを立ち上げ
圭さんは紫苑さまや奏ちゃんを巻き込んで劇団を立ち上げていた
そして久しぶりの再開
話は美人税のことに移り
圭 「それにしても政府が美人認定してくれたおかげで仕事がやりやすいわ」
奏 「奏まで払う羽目になったのですよ〜」
紫苑 「奏ちゃんはかわいいですから」
奏 「むぎゅ」
瑞穂 「紫苑さん、まだ抱きつきグセが直らないんですか」
美智子 「美人といわれるのはうれしいですけど、やはり支払いは大変です」
まりや 「まあ、美人の認定料にしちゃ高すぎるわね」
貴子 「美人度で支払額が決まるのもいかがなものと思いますし」
紫苑 「所得もかかわってきますし…一括では支払えないですわね」
まりや 「そういや由佳里も払ってるんでしょ」
由佳里 「料理研究家に転進したら美人認定されちゃいました、微々たるものですけど」
紫苑 「瑞穂さんはいくらぐらいお支払いなのですか?」
瑞穂 「いえ…みんなとそんなに変わらないですよ…」
まりや 「うそおっしゃいそんなこたーないでしょうが」
貴子 「私は知っていますけど…」
紫苑 「なぜです?」
貴子 「一応秘書室長ですので」
瑞穂 「たっ貴子さん!言わなくていいですからね!」
紫苑 「知りたいですねえ」
圭  「是非とも」
美智子「隠し事はよくないですよ」
貴子 「………ぼそっ」
一同−−−−−絶句

その後の調査で聖應学院卒業生100%が美人税の対象に認定されていることが判明したとかしないとか
384名無しさん@初回限定:2006/10/28(土) 03:24:10 ID:H3qk7/Xo0
>>382-383
もしかして、会社が立ち行かなくなるくらいの税率?
385名無しさん@初回限定:2006/10/28(土) 11:51:14 ID:P+uE91LG0
昔の日本では美人は「町の宝」として、町の人なら誰でも通る場所の
店に立たせて仕事を(ウェイトレスの類でも)させて鑑賞した、と言うそうな。
社会が潤う、という理由らしい。

美人税も、そんなのだったり?
386名無しさん@初回限定:2006/10/28(土) 13:18:22 ID:DbFgamS+0
それなら、払うのは美人じゃないほうだけどな。
まぁそうなると美人じゃない人だけがお金を払うとかは、かなり問題が出そうだが。

ともあれネタがシンプルで分かりやすい。GJ。
387名無しさん@初回限定:2006/10/28(土) 22:20:37 ID:fNwGoEw10
>>385
なら瑞穂ちゃんはさしずめ国宝だな、といってみたりw
388名無しさん@初回限定:2006/10/29(日) 17:04:31 ID:ikc/gd0o0
>>382-383
笑ってスルーしそうになったが、我に返る。

美人税とは「男性」にも適用されるのですか?(汗)
そういえば
「世の中には美人というだけで不当に得をしている人間がいるのはけしからん」
という悪役が出てくる小説があったなあ・・・(汗)
390doku:2006/10/29(日) 19:55:34 ID:1yMJJbAU0
>>384-389
説明いるね
『内閣総理大臣織田信長』ってマンガがあったの、その中のお話で
信長と秀吉と家康が容貌について話してたんだけど
だんだんそれが愚痴になって過度の美人礼賛をやめさせようとするのね
それで美人税を成立させるの
ところが法案には「容貌に優れたる者」としか書かれてなかったから
女性議員から男性にも厳格に適用するようにって言われちゃったのさ
391名無しさん@初回限定:2006/10/30(月) 15:23:42 ID:R4IBw/xI0
まりや「瑞穂ちゃ〜ん、今週の女性週刊誌に美人税の納付ランキング出てるわよ」
瑞穂「・・・そんなのわかっちゃうんだ」
貴子「で、瑞穂さんは何位なんですか?」
まりや「え〜とちょっと待ってね・・・あ・あった、瑞穂ちゃん2位だって」
貴子「1位はどなたですか?」
瑞穂「んーと、1位はドクターメフィストって人になってるよ」
貴子「新宿区役所跡で病院を開いた人ですね、とんでもない名医だとか」
まりや「それにしても1位、2位が男かよ」
392名無しさん@初回限定:2006/10/30(月) 21:36:48 ID:IErW6GZe0
>>391
瑞穂ちゃんより美しい人なんて居ない、というのはこのスレの常識。
393名無しさん@初回限定:2006/10/30(月) 23:41:17 ID:R4IBw/xI0
瑞穂ちゃんと女嫌いのメフィストが競演したら面白そうとか思った
394東の扉:2006/11/01(水) 17:02:13 ID:Y8eJzLup0
東の扉です。

「おしまいの姉妹対決」のラウンド4以降を、10月25日にSS投稿掲示板の一般作品投稿用スレに投稿しましたので、そろそろ登録していただけませんか?
395おとボクまとめ中の人 ◆OTBKTbDm8M :2006/11/01(水) 20:21:08 ID:funZckB60
>>394
東の扉さん、
あれこれ情報収集にアップアップ状態のおとボクまとめ中の人です。
楽しい作品をいつもありがとうございます。
さて、SS投稿掲示板投稿分のまとめサイト作品リスト掲載依頼は、ここではなくまとめサイトのWeb拍手でお願いできませんでしょうか?
よろしくお願いいたします。
作品の方はこれから確認させていただきます。
396名無しさん@初回限定:2006/11/01(水) 21:30:27 ID:TKzhQ9e30
中の人も仕事と家庭の合間にやってるんでしょ。

余り無理言わないようにね。
397名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 17:21:28 ID:NAAiJPu60
不思議生物

それはある晴れた日のこと
美智子「こんにちは、瑞穂さん」
瑞穂「あ、こんにちは、美智子さん、圭さん」
圭 「いあ…いあ……」
瑞穂「なんだか圭さん調子悪そうですね」
美智子「ときどきこういう日があるんですよ」
圭 「・・・・・・・・・」
瑞穂ちゃんと美智子さんと圭さんが並んで歩いている
突然、何かがぶつかる音がして瑞穂ちゃんの視界から圭さんが消えた
少し目をずらすと
フロントがへこんでライトが割れた車と横たわる圭さん
瑞穂「きゅっきゅっきゅう〜きゅうしゃを……」
美智子「落ち着いてください瑞穂さん、圭さんなら大丈夫ですから」
瑞穂「圭さんならって…理由になってないですよ!すぐ救急車呼びますから」
美智子「あ…『なら』というのは瑞穂さんの考えている意味ではなくて…」
美智子さんが横たわっている圭さんに近づいて…
美智子「もう圭さん、脱皮の時期だからって油断しすぎです」
だらだらと血を流す圭さんの皮がはがれていく
美智子さんがそれを手伝って一気に皮をはがす
中からはいつもの圭さんが現れた
圭「ふう、びっくりしたわ」
瑞穂「な…なんで…制服まで新しくなってるの?」
398名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 19:48:20 ID:CucfRr7F0
>>397
GJ!
圭さんって眷属?それとも旧支配者そのものなのかな・・・
399名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 22:25:38 ID:8bCYB5TNO
>>398
手の込んだドッキリ。
400名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 22:43:29 ID:NAAiJPu60
フルメタルお姉さま

まりや「や〜お祭りも久しぶりだね〜」
瑞穂「…つきあうのはいいとして…何で僕浴衣なの?」
まりや「瑞穂ちゃんだから」
瑞穂ちゃんとまりやが縁日の屋台を見て回る
まりや「お!射的だ!瑞穂ちゃん、やろうっ!」
瑞穂「こういうのはまりやのほうが得意でしょ」
まりや「んじゃ」
的屋「まいど〜」
まりやがお金を払って銃にコルクを詰めようとすると…なにかに気付いた
まりや「ん?最近の射的はライフルじゃなくてハンドガンもあるの?」
的屋「エアガンだよやってみるかい?」
まりや「おっけ〜こっちのが面白そうね」
リボルバー式のエアガンに六発の弾を込め、狙いをつけ、引き金を引く
ぱん
瑞穂「あ、あたった」
的屋「倒さなきゃダメだよ」
まりや「ほう…倒さなきゃダメなのね」
ぱん→眉間
ぱん→人中
ぱん→喉仏
ぱん→みぞおち
ぱん→きん
的屋を倒した
まりや「さて、たおしたぞ、と」
瑞穂「ちょっとまりや!なにしてるの!」
瑞穂ちゃんがまりやを叱ろうとしたときだった
401名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 22:44:37 ID:NAAiJPu60
???「ふもっふ!」
かわいらしい声が後ろからして二人が振り向くと
黄色がかった茶色の体で山高帽をかぶった鼠とも狸とも取れない気ぐるみがいた
瑞穂「ぼ…ボン太くん?」
それは某アミューズメントパークのマスコット
ボン太「ふもっふ!ふもっふる!」
瑞穂「な…なに言ってるの?」
まりや「なんか怒ってるみたいだけど」
ボン太「ふもふもっ!ふもっふうう〜〜〜」
ボン太くんの後ろから一人の少女が走ってきてボン太くんにハリセンをたたきつけた
少女「あ、ど〜もすいませんねえ〜ウチのボン太くんがご迷惑をおかけしたみたいで
ロングヘアの活発そうな少女がぺこりと頭を下げる
ボン太「ふもふも!」
ボン太くんが少女になにやら話しかける
よく見ると少女はインカムをしている、通信機のようだ
少女は瑞穂ちゃんたちの方を向くと
少女「え〜と、通訳しますね
   『自分はこの縁日の警備主任である!この場での騒乱を治めることが任務
    今すぐ投降し的屋の主人を解放せよ』
   ですって」
瑞穂「…ボン太くんが警備主任…」
まりや「…このまりやさまから商品を横取りする気!?」
瑞穂「まりや!このおじさんは商品じゃないって!」
まりや「ええい!やかましーーーー」
ボン太「ふも!」
ボン太くんが警棒を引き抜きまりやに襲い掛かる
まりやは屋台のエアガンを取り迎撃
少女「っ!ボン太くん!相手は素人なのよ!」
瑞穂「…たぶん…ただの素人じゃないと思います」

402名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 22:45:59 ID:NAAiJPu60
一人と一匹は戦いつつ場所を移動していた
いつの間にかアーミーベストを着込んだボン太くんが警棒を振っている
時々火花が散るところを見ると電磁警棒のようだ
まりやは屋台から持ってきたライフルでそれを防いでいる
少女「うわ、ボン太くんがこんなに苦戦してるの始めて見たわ」
ボン太「ふもっふるうう〜〜ふもっ!」
少女「『二周クリア済みで雑魚MSなら一撃で沈める警棒なんだぞ!』?」
まりや「着ぐるみごときがぁ!」

瑞穂ちゃんと少女が二つの戦闘物体を追いかける
瑞穂「浴衣走りづらいよ〜」
少女「ああ!見失っちゃった!」
瑞穂「たぶん…人気のない場所に移動してるんだと思います」
少女「ところであなた…美人ね…」
瑞穂ちゃんと少女がまりやとボン太くんを見つけたとき
二人?は肩を叩き合って笑っていた
瑞穂「…激闘の果てにお互いを認め合ったのね…」
まりや「いや〜一暴れしたらすっきりしたわ、じゃあ、帰ろっか瑞穂ちゃん」
瑞穂「あ、うん、どうもご迷惑おかけしました」
ぺこりと少女とボン太くんに頭を下げた

翌日、寮に縁日の残りの期間ボン太くんとアクションショーをして欲しいと依頼が来た
403名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 23:05:37 ID:NAAiJPu60
瑞穂「まりやが風邪ひくなんてめずらしいね」
まりや「むう、悪かったわね」
由佳里「なにか食べたいものとかありますか?」
まりや「酒」
瑞穂「また無茶なことを…」
まりや「じゃ玉子酒から玉子を抜いたもの」
瑞穂「いや…それも無理だから」
由佳里「もう、玉子酒で風邪は治らないんですよ」
瑞穂「そうなの?」
由佳里「江戸時代に刊行された本朝食通鑑にも精力剤の効果があるってしか書かれてないんです」
まりや「ふ〜ん」
瑞穂「お料理のこととかはすごく詳しいよね由佳里ちゃんは」
まりや「料理研究家にでもなったら?」

このときのやりとりが後のゆかりんの人生を決めたとか決めないとか
404名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 23:14:48 ID:5l/s4x3X0
フルメタルジャケットかと思ったら、パニックのほうか
405名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 23:44:16 ID:SJjL86Fj0
ボン太君のセリフで思わず笑ってしまった
406名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 13:53:51 ID:4HEJnHZL0
しかもスパロボ仕様だし
407名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 14:37:00 ID:4HEJnHZL0


瑞穂たちが登校中のこと
もうすぐで校舎にたどり着くというところで突然雨が降り出した
「なによー今までいい天気だったじゃない」
まりやが悪態をつき走り出す
瑞穂たちもそれに続きいそいでエントランスをくぐる
奏だけが遅れ制服をぬらしてしまった
「はやや〜びしょびしょなのですよ〜」
瑞穂がハンカチを取り出し奏の頭を拭いてやる
「奏ちゃん、教室に行ったらジャージに着替えないと」
「今日はジャージの生徒が多くなりそうですね」
由佳里が制服の濡れた部分を吹きながら答える
奏、ゆかり、まりやと別れ瑞穂が自分の教室に入る
案の定制服からジャージに着替えている生徒が数名いた
入ることを少しためらって立ち尽くしていると後ろから声をかけられた
「おはよ、瑞穂っち」
振り向くとそこには圭が立っていた、よく見知った顔
ところが瑞穂は返答が出来ずにいた、ありえない姿

408名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 14:37:32 ID:4HEJnHZL0
「おはようございます、瑞穂さん、圭さん」
そしてもう一人見知った顔が現れた
「いきなり雨が降り出してしまうんですもの、びしょびしょになってしまいましたわ」
いつもどおりの穏やかな顔、美智子
「おはよ美智子」
圭が美智子に挨拶をする
美智子は穏やかな顔を崩さない
「まあ、圭さんもびしょびしょではないですか、また血の雨に降られたんですか?」

「そんな夢を見てしまいました」
「瑞穂さんたら、よほど圭さんが恐ろしいのですね」
朝の教室、瑞穂がその夜見た夢を紫苑に話している
突然後ろから話しかけられた
「夢だったらよかったのにね…」
振り向くとそこには日本人形のような美しい少女が立っていて
その少女が着ている制服は……
409名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 21:21:18 ID:JZDKBgK+0
410名無しさん@初回限定:2006/11/05(日) 20:56:03 ID:25et31+F0
はじめてSSを書こうと思うのですが
なにかコツとかありますか?
みなさんの経験とかを聞きたいです
411名無しさん@初回限定:2006/11/05(日) 21:07:50 ID:59GHqbTU0
ない。
己の想いをありったけぶつけるがよい。








まぁ、自分の分身(オリジナルキャラ)とか出して
原作のキャラとくっつけるとか活躍させるとかは基本的に嫌われる傾向にあるから避けるが賢明。
412名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 09:55:50 ID:d1fOlea60
>>400-402
己の想いをぶつけた(ぶつけすぎた)例
413名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 14:53:14 ID:BlsY3/OU0
>>410
オリキャラは嫌われ気味。まぁキャラと世界観が完成されているので当然だが。
パルサーの櫻の園のエトワールやオリジナルのドラマCDからのキャラ引用ならアリかな。

とりあえず終わりをキッチリすること。
読み物は終わり良ければ全て良し。終わりが悪いと中身がいくら良くても全て台無しに…。
無論、終わりまで読んでもらえないような中身ではダメ。

あと誤字脱字には注意。
特に盛り上がるシーンでの誤字脱字はもんのすごく萎えるので注意(特にエロ系)。

>>412
ぶつけすぎるくらいで丁度いいのさ。多少砕けたほうが面白い。
414410:2006/11/06(月) 18:45:32 ID:IeupV+XD0
はじめてのSSです おかしなとこがあれば教えてください

非日常的な光景

ふと時計をみるともう深夜の2時
もう一子ちゃんはベッドで気持ちよさそうに寝ている
瑞穂「そろそろ私も寝るとしようかしら」
そう言ってベッドに入ろうとしたとき何か違和感を感じた
少し考えたが睡魔には勝てずその日はそのまま寝てしまった
415410:2006/11/06(月) 18:47:32 ID:IeupV+XD0
次の日の放課後
瑞穂「ただいま〜」
一子「お帰りなさいませお姉さま」
そのままいつものように飛び込み抱きつかれる
始めの頃は驚いたが今ではもうすっかりなれてしまった
この時また昨日と同じような違和感に襲われた
一子「どうしたんですかお姉さま?」
いつもの光景を思い出し、ようやく全ての線が繋がった
瑞穂「そうかわかった、わかったよ一子ちゃん」
一子「うゎっ、どうしたんですか急に?」
瑞穂「一子ちゃんは私やまりやとか人には触れるよね?」
一子「はい、先ほどもいつもの様に抱きつきましたし」
瑞穂「でも他の物には触れない」
一子「いつも一緒のお姉さまならご存知でしょうが、
   幽霊三等兵の私はお姉さまのお茶さえ入れることのできないまったく役立たずな幽霊です」
瑞穂「でも一子ちゃんって布団をかけても透けないしベッドにも一人で入れるでしょ」
一子「言われてみればそんな気もしますね」
瑞穂「それで思ったのだけど一子ちゃんもがんばれば物に触ることができるかも知れないわ」
一子「はっ!それは気がつきませんでした。さっそく試してきますね」
そして瑞穂の鞄に触れてみる
一子「駄目です〜。やはり駄目駄目な幽霊三等兵の私では無理なのでしょうか?」
瑞穂「がんばって一子ちゃん。きっとあなたならできると信じてるわ」
一子「うぅ〜、お姉さまそれほどまでに一子のことを思ってくださるのですね。
   わかりました。くじけずにがんばります」
そして数十分後・・・
416410:2006/11/06(月) 18:49:57 ID:IeupV+XD0
一子「やったできました。できましたよお姉さま」
瑞穂「よくがんばったわね一子ちゃん」
廊下から誰かの足音が聞こえてくる
まりや「うっるさいわね〜、何かあったの?」
一子「あっ、まりやお姉さま見てくださいこの一子の新たな力を」
足元から頭のてっぺんまでみるが変わった様子は特に見当たらない
強いて言えば鞄を持っていることくらいだ
鞄・・・カバン・・・か・ば・ん?
まりや「えぇ〜!ちょっと待って何で一子ちゃんが鞄なんか持ってるわけ?!」
驚いたまりやだったが瑞穂の説明を聞いて納得したようだ
まりや「たしかに説明を聞いた限りじゃできそうだけど実際にできてしまうとわ。すごいわね」
一子「そんな話は後にして早速お姉さまに私自慢のお茶を入れたいと思います。
   お姉さま準備をするので少し待っていてくださいね」
そのまま急いでドアからでようとすると
ドン!
一子「痛いです〜」
瑞穂「大丈夫、一子ちゃん?」
一子「はい、なんとか大丈夫です」
まりや「物がつかめるようになったら今度そんな問題があったのか」

こうしていつもとちょっぴり違う一日が終わりましたとさ
後日同じように試したところ物に触れることはできなくなってしまったとか

終わり
417名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 20:48:47 ID:TkluDI5t0
>>410
話の流れは整理されているから、後はクライマックスを工夫すれば良いかと。
書き続けていれば自分のスタイルも見えてくると思うので。
これからもガンガレ
418名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 22:22:00 ID:9qjRqGLI0
>>410 さん
名前「台詞」
↑の書き方は俗に台本形式と呼ばれて、SS読みからは余り良く思われないことが多いです。
要するに名前を書かないとキャラの書き分けが出来ない人だと思われて技量を疑われちゃうんだな。
もちろん「面白ければ何だって良いよ」と言う人もいるんだけど、嫌う人がいる以上、
あえてこの書き方にこだわる必要は無いと思いますよ。

あとネタ。
「一子ちゃんがモノをつかめるようになると同時にドアなどをすり抜けられなくなる」
ってのは良いんだけど、少しこぢんまりとした印象になっちゃっています。
このネタを元にして色々と展開させてみると面白いかもしれません。

……と、遙か昔にこのスレを卒業したSS書きのおせっかいでした。
419名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 22:55:47 ID:d1fOlea60
しかしSSスレで10まできてるってすごいな
420名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 10:00:31 ID:7m/cJLWU0
>>418
おせっかいついでに何かSS書いてみない?
>>410氏のお手本としてw
421名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 17:12:18 ID:6UwE1qJT0
昔のSSで続きがない物もあるけど
そうゆうのを勝手に続編的に書いていいのかな?
というか誰か書いてほしいのだけど。
422名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 17:23:23 ID:g0rqYS3n0
>>241
具体的にどのSSかあげてみれば?
作者が見てるかも知れないから、OKが出れば問題ないだろ?作者自身が、「なら続きを書くか」って気になるかもしれないし
作者がいなくても、他にもそう思っている人がいるかもしれないし
423名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 17:25:13 ID:g0rqYS3n0
レス番間違えた…orz
>>422のは>>421の間違い
424doku:2006/11/07(火) 19:30:09 ID:gpftgJZ60
『悪夢再び』

瑞穂ちゃんが自室でお勉強していると
こんこん
誰かが扉をノックした
「どうぞー」
素の返事で訪問者を招き入れる
「こんばんわー」
入ってきたのはまりや
「どうしたの?こんな時間に」
瑞穂ちゃんが問うと
「いや実は大事なこと忘れててさ」
「大事なこと?」
「知ってるかもしれないけど、体育の授業来週からダンスなのよね」
「うん、それは知ってるよ、創作ダンスでしょ、グループでやるって」
「でさー、なぜかウチの学院てダンスの授業レオタード着用なのよね」
「へ?」
イマイチ事態が飲み込めない瑞穂ちゃん
少し考えて瑞穂ちゃんらしからぬ間抜けな声で返答
「レオタード?」
「そ、レオタード」
「な・な・なに言ってるのよう!冗談でしょ!?もう一子ちゃんもいないのよ!」
「これが冗談じゃないのよ、で、必然的に瑞穂ちゃん自身が着るしかないんだけど…」
「無理だよっ!」
「着れ、てゆーかもうレオタもってきてる」
まりやが紙袋を瑞穂ちゃんの目の前にかざす、そして瑞穂ちゃんににじり寄り…
「さー脱げー!そして着ろー!」
「ちょっとまりや!やめてーーーー!!」
瑞穂ちゃんに襲いかかるまりや、
瑞穂ちゃんは服をおさえて必死に、だが、むなしい抵抗する

425doku:2006/11/07(火) 19:31:21 ID:gpftgJZ60
こんこん
騒ぎの中、再び扉がノックされる
「お姉さま〜大丈夫なのですか〜?すごい音がしたのですよ〜」
間延びした声で奏ちゃんだとわかる
「あー奏ちゃん、今入ってきちゃダメよ!瑞穂ちゃんがお着替えしてるから」
「はやや〜」
奏ちゃんは、ぱたぱたぱたとスリッパを鳴らして帰ってしまいました

−数分後−

「うううううう…」
「そんなに恨みがましく唸らなくてもいいでしょ」
学院指定のレオタードに着替えさせられた瑞穂ちゃんが胸と下半身をおさえてしゃがみ込んでいました
「本当に着させるなんて…」
「うむ、サニタリーショーツとスパッツで押さえ込めば何とかなるモンね」
「サニタリー?」
「生理用」
あっさり答えるまりや
一気に真っ赤になる瑞穂ちゃん、まりやが面白がってくすくす笑っています
「ま、これなら大事なところも全然目立たないしフツーに授業に出られるわね」
「でたくないよう…」
426doku:2006/11/07(火) 19:33:06 ID:gpftgJZ60
「そういえば次の体育の授業はレオタードですけれど、瑞穂さんはまた一子さんにお願いするのですか?」
紫苑さまが当然の疑問を投げかけ、まりやが軽く笑いながら答える
「くっくくく…一子ちゃんは都合が悪くて…今回は瑞穂ちゃんがレオタ着るんです」
「まあ、ではついに…」
「…言わないで下さい紫苑さん…でも…何でレオタードなんですか?体操着でいいでしょうに」
「伝統だからよ」
突然会話に割り込んできた圭さんが答えました
「そうなんです、伝統だから着なければいけないんですよ」
にこやかに話す美智子さん
「いい、瑞穂っち、ここは英国式の学院よ」
「それは知ってます」
「英国は伝統を大切にする国、狐が絶滅しそうでも伝統だから狐狩りがやめられない国」
「…それは初耳です」
「そういえば伝統だからと戦闘中にティータイムをはじめて全滅した部隊がありましたね」
紫苑さまが形の良い指をこれも形の良い顎にあてて話す
「…それも初耳です…ってレオタード着る説明になってないじゃないですか!」
「ま、伝統だからしかたないのよ」
まりやが瑞穂ちゃんの両肩をに手を置いてトドメをさした


427doku:2006/11/07(火) 19:47:09 ID:gpftgJZ60
「結局…レオタード着るのは本当だったんだね…」
瑞穂ちゃんが赤面しながらレオタード姿を披露
とたんに周りがざわめく
「(…お姉さま…恥ずかしそうにしてらっしゃるけど…)」
「(あれだけスタイルが良いのだから恥ずかしがることなんてないのに)」
「(特にあの背中からお尻にかけてのラインなどは…)」
「(美しい…)」
ヒソヒソ話が瑞穂ちゃんには筒抜け、それが聞こえるたびにますます顔を赤くしてうつむいてしまう
「瑞穂さん…ここまで女性らしい体をしていたなんて…」
「普通の人にはわかりませんよねー」
「水泳のときも瑞穂さん本人でよかったのではありませんか?」
「うーん…今思えば大丈夫だったんじゃないかと…」
「きっと大丈夫でしたわ♪」
まりやと紫苑さまのやり取りを聞いて自分の中の大切な何かが失われたと思う瑞穂ちゃんでした

428doku:2006/11/07(火) 21:08:12 ID:gpftgJZ60
−その日の夕食後−

ゆかりんが部屋でだらだらしてると突然ドアが開いて
「おーすゆかりん」
「まっまりやお姉さまっ!ノックぐらいしてください!」
「もーう、そんなこと言っていいのかにゃー」
意地悪そうにまりやが微笑む
「普通は人の部屋に入るときノックするものですよっ」
その微笑にゆかりんは屈しない
「だーかーらー、そんなことゆーとーこれ、あげないわよ」
まりやが封筒をひらひらさせる
「なんですか?それ」
好奇心が勝ってしまうゆかりんは、まりやから封筒を受け取り中身を取り出す
「こっこっこっこっこれっ、これっ、もらっちゃっていいんですか?」
とてつもなく興奮しているゆかりん
「ま、いつもお世話になってるお礼、ってゆーか迷惑かけてる迷惑賃ってとこね、んじゃ」
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜」
もうまりやの言葉も聞こえていないゆかりん
「ふう、写真とはいえ瑞穂ちゃんのレオタード姿だもんねえ」
封筒に入っていたのは体育の授業でダンスをしている瑞穂ちゃんの写真でした
「はあ、お姉さまのレオタード姿…」

その夜、奏ちゃんは隣の部屋から聞こえてくる奇妙な声に悩まされたそうです
429名無しさん@初回限定:2006/11/08(水) 14:02:49 ID:heldMjo10

「はあはあはあ…お姉さまって意外とモリマンなんだ…
「ああ…やわらかそう…ここに顔うずめたい
「こっちの写真…紫苑お姉さまがお姉さまの胸、むぎゅって…いいなあ…
「うわ、この写真、ローアングルからのおしりだ…
「このおしりで顔、圧迫されたい…


430東の扉:2006/11/09(木) 09:15:42 ID:vbpF8Lyu0
東の扉です。

これは、由佳里ED後に出された1通の手紙の内容です。
よろしければお読みください。

〜Dear いまだまみえぬお姉さまへ〜
431東の扉:2006/11/09(木) 09:17:19 ID:vbpF8Lyu0
はじめまして。今は遠いアメリカにいるお姉さまへ、お手紙をお出しすることにしました。
私は、お姉さまがご卒業された後、新しく入った寮生の1人です。
その私がなぜこの手紙をいまだ会ったことのないあなたに出すのかというと、感謝の気持ちを伝えたいからです。
週末をはじめ、余裕ができたときはいつも恋人である由佳里お姉さまに会いにこられる瑞穂お姉さま。
あの方は、由佳里お姉さまにお勉強を教えに来ていらっしゃるのですが、奏お姉さまや私たち新しい寮生にも優しくしてくださって、
時には私たちの悩みを親身になってお聞きくださり、お姉さま方と一緒に解決してくださったことも何度かあります。
まあ、由佳里お姉さまに会いに来られるたびに私たち寮のみんなが全員気づいていることも知らずに、『夜のお勉強』にまで頑張っておられるのには、
少々困ってしまいますが、それを差し引いても、瑞穂お姉さまに救われたいくつものことを思えば、いくら感謝してもしたりません。
彼女をこの聖央女学院に入れてくださったあなたにも、心から感謝しています。
初めてお会いしてから9ヶ月たった今でも、瑞穂お姉さまが男の方だというのは、いまだに信じられませんが……
というか、すでに瑞穂お姉さまのこと、『彼女』と書いてしまっていましたね。
いつかお姉さまがアメリカからご帰国なされたら、お会いして改めて感謝の気持ちを口にしたいと思います。
それでは、デザイナーの修行、頑張ってください。いつかお会いできる日を夢見ています。

まりやお姉さまへ あなたの妹の妹より
432東の扉:2006/11/09(木) 09:21:03 ID:vbpF8Lyu0
ところでQooさん、ゆかりんのひとりでできるもん! の続編(トゥルーエンドの方)の
プロローグ部分(また勝手に思いついてしまいました)がもう少しで出来上がるのですが、落としてもよろしいでしょうか?
433Qoo:2006/11/09(木) 17:13:44 ID:QxynBOZx0
終わった話ですし、別にいいですよ。
434コマイ:2006/11/09(木) 19:12:49 ID:8CNlgnn90
夕食の準備をしているゆかりん
「あら、いいにおいね、今夜はカレーなの?」
においにつらて瑞穂ちゃんが食堂に顔を出しました
「今日は寮母さんがお休みなので、奏と由佳里ちゃんがお食事を作るのですよ〜」
奏ちゃんはサラダとスープの準備をしています
「カレーは個人の好みがありますけど…お姉さまはどういうのがお好みですか?」
「う〜ん…ちょっととろみがついているのが好きね」
「あたしもね、アザミの葉っぱを入れよう」
突然現れたまりやがとろみをつけるために問答無用でアザミの葉を入れました

−カレー完成でお食事開始

「「「「いただきまーす」」」」
「「「「げふううううう」」」」
「まっまりやお姉さまっ!アザミのトゲとりました!!!??」
「うううううそのまんまいれた…」
「まりや…もうよけいなことしないで…」

結局その日の夕食はコンビに弁当ですませたそうです
435コマイ:2006/11/10(金) 00:46:15 ID:DThGxAlz0
ある静かな夜のこと

瑞穂ちゃんがお部屋で勉強をしていると…
ずぎゅうううん
ずぎゅんずぎゅん
突然聞いたことのない音が鳴り響きました
驚いて部屋を飛び出し、音がしたと思われる食堂に行きました
そこには一人のボーイッシュな少女がいて…
瑞穂ちゃんは幼馴染のその少女に問いただしました
「まりやっ!いますごい音がしたけどなにかあったの!?」
まりやと呼ばれた少女が振り向いて答えました
「あ、いや…ちょっと強敵が出現したんで…」
瑞穂ちゃんはまりやの手の中にあるものを見て目を疑いました
「まりや…それ…銃だよね…」
ふと床に目を落とすと…体が半分になったゴキブリの死骸がありました
「…強敵だったわ………」
そうポツリと言い残しまりやは部屋に戻りました

一人食堂に残された瑞穂ちゃんはこの出来事を夢と思うことにしました
436名無しさん@初回限定:2006/11/10(金) 04:33:52 ID:vqP94aAo0
ずぎゅううんってまりやが誰かとキスしてるのかと思った
437東の扉:2006/11/10(金) 10:22:22 ID:feO8TVF+0
それでは、書きこませていただきます。
設定は、Qooさんの作品である「ゆかりんのひとりでできるもん!」「まりやさまはしってた」の続き、
あの後2人がどうなったのか、です。
よろしければお読みください。

〜 からみつく悪縁 プロローグ 想い出を忘れたい 〜
438東の扉:2006/11/10(金) 10:24:05 ID:feO8TVF+0

「んっ……あっ……はあ……」
今日も私は、1人で快楽にふけっています。
「あっあ……くっ……」
以前はだいたい1週間に2回ぐらいでしたが、最近は毎日。嫌なことがあった時は、日に何回も……。
「ふぁあん……くう……はあんっ……」
以前は単なる欲求不満の解消のため、でしたが、今はそれだけではありません。
私が私でいるために、不安、絶望、屈辱、憎しみ、悲しみ……ありとあらゆる、マイナスの感情を消し去るために……。
「あん……お姉さま……もっと……」
あの忌まわしい出来事以来、こうしていないと、それらに押し潰されてしまいそうになります。ですから……。
「やあ……お姉さま……早くして……じらさないで……」
こうしている時に想い出す、長くてやわらかそうな栗色の髪。慈愛に満ちた女神様を連想させる、端正な顔。そして、優しそうな澄んだ瞳。
長身の身体に、バランスの取れた理想的なスタイル。
優しい瑞穂お姉さまに抱かれている幻想を味わうこの時だけが、あの忌まわしい出来事を忘れられるのです。
439東の扉:2006/11/10(金) 10:27:14 ID:feO8TVF+0
まりやお姉さまに私の秘密を知られたあの日、それを楯に無理やり言わされた恥ずかしいセリフの数々。お仕置きという名の陵辱。
そして、それが終わった後の、いろんなものが混じりあったシーツに身を伏せていたときの、耐え難い気持ち悪さ。
何時間か経って、やっと身を起こし、シーツを洗ったときは、胃の中のものが逆流してきそうでした。
次の日には学校を休みましたが、今は普通に通い、以前と同じような学校生活を送っています。表面上は。
寮のみんなや、クラスの友人に、よく暗くなったとか、塞ぎこんでいることが多くなったとか言われます。私自身はそんな自覚はまったくないのですが、
もしそうなら、原因は間違いなくあのことでしょう。
みんな、困ったことがあるなら相談に乗ると言ってくれますが、こんなこと、とても他人には、特にお姉さまには言えません。
だから、私が私でいるためには、こうするしかないんです。
「ふふっ、可愛いわ、由佳里ちゃん」
私の幻想の中のお姉さまは、そう私におっしゃってくださいます。「好き」だって、「愛してる」って……。
「お姉さま……私も……お姉さまのこと……ああああああっ……!!」
私が絶頂に達したあと、幻のお姉さまはいつもこうおっしゃってくださいます。
「私のことを想ってイってくれたのね。嬉しいわ。明日もまた、私とエッチなことしましょうね、由佳里ちゃん。待ってるから」
そう言って私の唇にキスをし、夢の中へと消え去ってしまいます。
「ふう……もしかしたら、一生立ち直れないかもしれないけど、お姉さまに元気をもらったおかげで、明日もなんとか、普通の生活が送れそう……あはは……」
そう。これをしないと、私は絶望感や屈辱感に押し潰されて、狂ってしまいそうなくらい、追い込まれています。
この妄想は、今の私にとって、唯一の、そして最後の安らぎの場所なんです。
440東の扉:2006/11/10(金) 10:47:51 ID:feO8TVF+0
ガチャガチャ……。
向こうで何やら、ドアノブを回すような音がします。
誰だかは知らないけど、鍵をかけてあるから、入っては来れないでしょう。
今は放っておこう。裸のままだし、まだ妄想にふけっていたい。
ガチャッ!
「………!!」
不意にドアを開く音がして、慌てて私はシーツで胸と大事なところを隠します。
そんなバカな! ちゃんと鍵かけたのに……。
「ふふーん。毎日毎日お盛んなことだねえ、ゆかりん」
「ま、まりやお姉さま!」
鍵をこじ開けて入ってきたのは、やはりまりやお姉さまでした。私の弱みにつけこみ、やりたい放題私の身体を弄び、
ここまで追い込んだ、悪魔のような女。
「ど、どうして!?」
「手際いいでしょ?」
まりやお姉さまの手には、折り曲げられたバネのようなものが1つ。
どうやら、ピッキングの技術で鍵を開けたようです。器用な、というかなんというか、呆れてしまいました。
「こんなの、いくらなんでも犯罪ですよ! 出て行ってください!」
「なーに言ってんの。以前のプレイが忘れられなくて、1人さびしく自分を慰めているかわいそうな妹を手伝ってあげようって、
親心がわからないのかね、ゆかりん」
「………?」
何を言ってるの、この人は? あのプレイは、確かに忘れられませんが。まったく別の意味で。
「な、何をおっしゃってるんですか! 以前やられた感覚を味わいたくてなんて、そんなわけないじゃないですか! 勝手に決めつけないでください!」
「決めつけてないよ? 現に今だって、あたしのこと妄想しながらしてたじゃない」
「………???」
私は、どうしてそうなるのか理解できませんでした。瑞穂お姉さまのことを思い浮かべてたのが、どうして……。
441東の扉:2006/11/10(金) 10:49:00 ID:feO8TVF+0
そんな私の表情を見たまりやお姉さまは、楽しそうにおっしゃいました。
「言ってたじゃないのよ。『お姉さま、もっと』『お姉さま、早くして、じらさないで』『お姉さま、私も、お姉さまのこと』って。
知らないとは言わせないよ」
「………!!」
私は、やっと意味を理解しました。
私は、エルダー選挙以前は、寮での自分のお姉さまであるまりやお姉さまのことは寮では名前なしに「お姉さま」と呼んでいました。
そこへ、6月から転入してきた瑞穂お姉さまがエルダーに選ばれ、みんなに「お姉さま」と呼ばれるようになってから、私にとって「お姉さま」とは、
どちらも指すことになってしまったのです。
「違いますよ! 私が思い浮かべてたのは、まりやお姉さまじゃなくて、瑞穂お姉さまです!」
「そう……そうだったの。あたしの勘違いだったわけね」
「………?」
絶対に反論してくるだろうと思っていたまりやお姉さまは、予想に反して、引き下がるかのような態度を見せました。
「じゃあね」
「え、ええ、じゃあ……」
私はとりあえずまりやお姉さまが引いてくださったことに、ほっとしました。が……。
「瑞穂ちゃんに知らせてこなくっちゃ。由佳里がいっつも瑞穂ちゃんでしてるから、手伝ってあげてって……」
「なっ……」
まりやお姉さまは、突然とんでもないことをおっしゃいました。
「ダメ!」
私は慌てて、まりやお姉さまの手を掴んで止めます。
「どうして? 瑞穂ちゃんにしてもらいたいんでしょ?」
「やめてください! お姉さまにだけは……」
お姉さまにそんなこと知られたら、絶対嫌われちゃうよ……。
442東の扉:2006/11/10(金) 10:50:39 ID:feO8TVF+0
そんな私の顔を見たまりやお姉さまは、意地悪な笑みを浮かべて言いました。
「あーわかった! 瑞穂ちゃんを想ってってのは照れ隠しで、ホントはあたしとのことを思い出してやってたのね」
「違います! 瑞穂お姉さまに知られて、嫌われたくないだけです!」
「まーたまた。素直になりなさいって」
まりやお姉さまはニヤニヤしながらそう言って私の肩を叩きます。
………!!
私は直感しました。この人は、最初から本当のことをわかっていて、わざと……。
「あああ……」
私の心の中は、絶望感でいっぱいになりました。
ただの勘違いなら、話し合えば納得してくれますが、こんな時は、相手の論法を打ち負かす話術が必要になります。
そして、そんな話術に関しては海千山千のまりやお姉さまに、私が勝てるはずもありません。
「それにしても、あたしじゃないとダメだなんて、よっぽど気持ちよかったのね、由佳里」
「……くっ」
「よっぽど気持ちよかった」が事実だけに、まりやお姉さまの言葉が、悔しくてたまりません。
もっとも、その後の屈辱感は百倍はありましたが……。
「……ブラつけて」
「……え?」
「だから、由佳里が脱いだブラジャーを着けてって言ってんの」
「………?」
疑問に思いながらも、私は言われたとおりにしました。それぐらいなら、従っても別になんともないでしょう。
すると、まりやお姉さまは、ポケットからとんでもないものを取り出しました。
「ふふふ……じゃーん!」
「な……な……なんですか、それは!」
それは、以前まりやお姉さまに見つかったのと同じタイプのローターです。それも、3つも……。
443東の扉:2006/11/10(金) 11:03:54 ID:feO8TVF+0
「何って、由佳里の愛用品じゃない。何度も見てるでしょ?」
「そ、そうじゃなくて、何のためにそんなにいっぱい持ってきてるんですか!?」
「……知りたい?」
「べ、別に……」
私は少し引き気味になりながらそう答えます。なぜそんなに持ってきているのかはどうしても理解できませんが、
まりやお姉さまがまたロクでもないことを考えているということだけは、きっぱりと断言できます。
「プレゼントよ、プレゼント。淫乱クイーンの由佳里がいつでも満足できるように。使い方の講習もかねてね」
「か……勝手に変なあだ名つけないでください!」
「事実でしょ? トイレだけじゃ飽き足らず、授業中までオナニーして、挙句に人の唇を貪って、お尻の穴で感じて……それも1日のうちに」
「だから、あの時の授業中のことは事故だって言ったじゃないですか! それに、あとの2つは、まりやお姉さまが無理やり……」
どうせ言い負かされてしまうのはわかってます。でも、それでも、そんなこと認めたくない。ちっぽけでもいい、否定したという証がほしい。
それは、きっと私に残された、最後の意地なのでしょう。
「でも、事実でしょ? だいたいお尻の穴に入れることはできても、無理やり感じさせるなんて、できるわけないじゃない」
「………うっ」
悔しい……向こうの言っていることは道理に外れていることはわかっているのに、言い返せない自分が。
私は思い出しました。生徒会長の厳島貴子さん。まりやお姉さまと対等に渡り合うことができる数少ない人物。
今度まりやお姉さまのあしらい方を教えてもらおうかな、と本気で思いました。
444東の扉:2006/11/10(金) 11:04:44 ID:feO8TVF+0
「というわけで、淫乱クイーンのゆかりんに、この4つのローターの使い方を伝授いたしまーす!」
いつの間に取り出したのか、私が隠し持っていた分までまりやお姉さまの手に握られています。
そしてまりやお姉さまはそう言うと、私の大事なところとお尻に、ローターを埋め込み、ブラの中に手を入れてきました。
「お、お姉さま、な、何を! やめてください!」
「やめないもーん! これからとっておきのお楽しみタイムなんだから」
そう言ってブラの中の私の2つの乳首の部分にローターを押し当てると、コントローラーのスイッチをオンにしました。
「ひゃうっ!?」
ローターが同じタイプなので、1つのコントローラーで4つ同時に動き始めました。
今まで感じたことのない刺激に、私はただ驚きました。
あのときの事故やまりやお姉さまによって開発された身体は、すぐにそれを快感へと転じていきます。
「や……やめてください……ホントに……」
しばらく弱のスイッチのままで震えさせていると、まりやお姉さまはタイミングを見計らって言いました。
「じゃあさ、今から言うことを素直に口に出せば、止めたげるわよ」
「……なんて言えばいいんですか?」
そう聞いた私に、まりやお姉さまはとんでもないセリフを放ちました。
「『由佳里は、お姉さまの奴隷になりたいです。存分にいじめてください』ってね」
「……そんなこと、言えるわけ」
「あっそ、じゃ、そのローターはずっとそのままね」
「そ、そんな……」
ローターをとりだせばいいだけの話ですが、今の私には、そんな力も考えもありませんでした。
「……まさか止めるだけ、じゃないでしょうね」
私も少しは学習能力が身についてきたのか、そう聞き返します。
「じゃないわよ。ちゃんとおとなしく帰ったげる」
それを聞いて私は、死ぬほど恥ずかしかったけど、言うことに決めました。この地獄から、解放されるために。
445東の扉:2006/11/10(金) 11:05:31 ID:feO8TVF+0
「『ゆ、由佳里は……』」
まりやお姉さまは、ニヤニヤしながら私の様子を伺っています。
「『お、お姉さまの……』」
「あたしの?」
まりやお姉さまがそう口にしました。後から思えば、多分、瑞穂お姉さまのことを言っているという言い訳を封じるためだったんでしょう。
「『ど、奴隷になりたいです。存分にいじめてください』」
「……よし」
それを聞いたまりやお姉さまは、本当にローターを止めてくださいました。
「ふう……」
私が一息ついたと思うと、まりやお姉さまは私の首筋にどこから持ってきたのか蝋燭をたらしました。
「熱っ……! な、何するんですか!」
「だって、由佳里はあたしの奴隷になりたいんでしょ? 思う存分いじめられたいんでしょ?」
「なっ……! そんなの、まりやお姉さまが無理やり言わせたんじゃないですか!」
「でも、言ったでしょ?」
「だ、だいたい、そう言ったらおとなしく帰ってくれるんじゃなかったんですか!」
「おとなしく帰るわよ。由佳里をいじめ終えた後でね」
「そ、そんな……」
ひどい! ひどすぎる!
「何よその目は。奴隷になっていじめられたいって言ったのは由佳里でしょ?」
「撤回します!」
私は怒気をはらんだ声で言います。すると……。
「ふーん、一度言ったことを取り消すんだ。卑怯者」
そんな……無理やり言わせたくせに……!
「そんなの、当選したら市民の皆さんのために約束しますって言っといて、当選したら全然守らない悪徳政治家と一緒じゃない」
な、なんて言い草……まりやお姉さまの方がよっぽど悪徳政治家に近いくせに……。
446東の扉:2006/11/10(金) 11:19:26 ID:feO8TVF+0
「そーんないい加減で無責任な娘は、きっちり性根を叩き直してあげなきゃね」
そう言って、今度はどこから手に入れたのか、手錠と縄で私の手を拘束しました。
「な……何をするつもりですか……」
私の頭に、あの時のことをされる、という恐怖がよみがえってきます。
「素直になれるおまじない」
まりやお姉さまはそう言って、私の胸と下半身を愛撫します。
「んっ……」
本当はこんなことで感じたくなんかない。でも、身体はそれに敏感に反応してしまいます。そんな自分が、悔しくて、情けなくて……。
「どう? 気持ちいいでしょ?」
「き……気持ちよく……なんか……」
「ふーん、そんなひねくれた人には、こうね」
まりやお姉さまは、私の身体で愛撫を続けます。でも、直接気持ちよくするんじゃなくて、その一歩手前の、中途半端なものでした。
あの授業中の時みたいに……。
「や……やめて……ください……」
「ダーメ。これは必要なおまじないなんだから」
そう言ってなおも愛撫を続けます。自分で情けないと思いながらも、次第にもっと気持ちよくなりたくて……とうとう言ってしまいました。
「い、入れて……ください」
「ん? 何を?」
まりやお姉さまは、とぼけてらっしゃいます。
「ス……スイッチを……」
「ふーん……また一度言ったことを取り消すんだ……言ったばっかなのに。由佳里ってば、よっぽどの変態ねえ」
「ううっ……」
「ま、でも、今回は特別に、超淫乱な由佳里のために、聞いてあげるとしますか。この慈悲深ーいお姉さまに、感謝しなさいよ」
……よく言う。全部計算ずくのクセに……私はそう言いたくてたまりませんでしたが、
まりやお姉さまの機嫌を損ねるといけないので、言えませんでした。
447東の扉:2006/11/10(金) 11:20:57 ID:feO8TVF+0
「ひゃうっ!」
ローターにスイッチが入ったのを感じました。私の身体は、途端により強い快楽に支配されます。
でも、最弱の状態のため、なかなかイくことができません。
「も……もっと……強く……」
「ふーん。もう足りなくなっちゃったの。やらしさだけは超一級ね」
「ち、違いますよ! 早く終わらせたいだけです!」
「ふうん。でもダメ」
「そんな……」
「甘えないの。いつも言うことを聞いてくれると思ったら、大間違いよ」

……私はそんな調子で、まりやお姉さまが満足するまで、何度もイかされちゃいました。
そして、もう苦しくてたまらなくなった頃、やっと手の拘束が解かれました。
「ううっ……」
悔しい。何度もまりやお姉さまの言いなりになってしまう自分が。こんなことでイきたくなってしまう自分が。
ふとベッドのシーツを見ると、赤いシミができているのが見えました。
あれは……血!?
とっさにイヤな予感がして、血痕の出所を探っていきます。
「うっ……」
悪い予感は的中しました。私は今のやり取りの間に、まりやお姉さまに奪われてしまったようです。
その……私の……純潔の証を……。
「うっ……うう……」
私はとうとうこらえきれず、涙を流してしまいました。
「あらら、やっちゃった」
まりやお姉さまはそれに気づいたようですが、他人事のようにそう言いました。
「ううう……私の……純潔が……ひどい……ううう……」
そう言って泣きじゃくる私に、まりやお姉さまは信じられない言葉を投げかけました。
448東の扉:2006/11/10(金) 11:22:48 ID:feO8TVF+0
「まあでも、由佳里だって盛り上がってたじゃない。楽しんだでしょ?」
「………」
「だいたいあんだけすごいことやっといて、今さら純潔もへったくれもないでしょうが。なははっ♪」
愉快そうに笑うまりやお姉さまの言葉に、私の心は凍りつきました。
……何? なんなの?
私はこれだけ不幸になってるのに、「楽しんだでしょ」なんて……。
純潔もへったくれもない?
そりゃ確かに私はエッチですけど、でも、それでも私なりの貞操観念は持っています。
それに私だって、四六時中いやらしいことばかり考えているわけではありません。
むしろ、それ以外のことを考えている時間のほうが圧倒的に多いです。
それをエッチだというだけで人のことを判断して、人の弱みにつけこんで辱めつくした挙句、
命よりも大切なものを無理やり奪って、平然としてるなんて……いったい何様のつもりなの? この人は……。
確かに学校でしてしまったのは悪いのかもしれませんが、それに対して、この仕打ちはいくらなんでもひどすぎます。
私の胸には次第に理不尽な陵辱を強いて純潔も、私の最後の居場所も奪ったまりやお姉さまへの、ううん、この女への怒りが溢れてきました。
私に聖央に入るよう勧めてくれたお義姉さんから、黒い感情をもってはダメだと言われていました。でも、もう我慢できませんでした。
そして私は、心の奥底で、何かがプツッ……と音を立てて切れたのを感じました。

この続きは、『からみつく悪縁 前編 心の洗濯の代償』で、お話しますね。

449東の扉:2006/11/10(金) 11:32:13 ID:feO8TVF+0
「ゆかりんのひとりでできるもん!」「まりやさまはしってた」の勝手な続編、「からみつく悪縁」のプロローグはこれで終了です。
このまりやなら、「由佳里ちゃんにとってどっちもお姉さま」を悪用しそうだな、と思って書いてみましたが、
Qooさん、いかがでしたか?
由佳里ちゃん、さらにひどいことになってしまいましたが、あのお話の後、2人はこんな感じでいいでしょうか?
450名無しさん@初回限定:2006/11/10(金) 17:21:49 ID:hGEwUkpB0
まりやのキャラが変わり過ぎ……
Qooさんのローターを入れちゃうでもギリギリかなと感じてたけど
破瓜させちゃって、あの科白は、もうまりやじゃないと感じた
451東の扉:2006/11/10(金) 19:47:28 ID:feO8TVF+0
>>450
そうですね。私も少し調子に乗りすぎたと思いました。
SSも結構難しいですね。
>>447-448を修正します。
こんな感じでどうでしょうか?
452東の扉:2006/11/10(金) 19:48:41 ID:feO8TVF+0
「ひゃうっ!」
ローターにスイッチが入ったのを感じました。私の身体は、途端により強い快楽に支配されます。
でも、最弱の状態のため、なかなかイくことができません。
「も……もっと……強く……」
「ふーん。もう足りなくなっちゃったの。やらしさだけは超一級ね」
「ち、違いますよ! 早く終わらせたいだけです!」
「ふうん。でもダメ」
「そんな……」
「甘えないの。いつも言うことを聞いてくれると思ったら、大間違いよ」

……私はそんな調子で、まりやお姉さまが満足するまで、何度もイかされちゃいました。
そして、もう苦しくてたまらなくなった頃、やっと手の拘束が解かれました。
「ううっ……」
悔しい。何度もまりやお姉さまの言いなりになってしまう自分が。こんなことでイきたくなってしまう自分が。
ふとベッドのシーツを見ると、赤いシミができているのが見えました。
あれは……血!?
とっさにイヤな予感がして、血痕の出所を探っていきます。
「うっ……」
悪い予感は的中しました。私は今のやり取りの間に、まりやお姉さまに奪われてしまったようです。
その……私の……純潔の証を……。
「うっ……うう……」
私はとうとうこらえきれず、涙を流してしまいました。
「あ……あああ……」
まりやお姉さまも、それに気づいたようです。
「ううう……私の……純潔が……ひどい……ううう……」
そう言って泣きじゃくる私に、まりやお姉さまは信じられない言葉を投げかけました。
453東の扉:2006/11/10(金) 19:50:49 ID:feO8TVF+0
「ま、まあでも、純潔を奪っちゃったのは悪かったけど、由佳里だって楽しめたでしょ?」
「………」
「ご、ごめん、由佳里。わざとじゃないのよ」
そのせりふを聞いて、私の心は凍りつきました。
……何? なんなの?
私はこれだけ不幸になってるのに、「楽しめたでしょ」なんて……。
そりゃ確かに私はエッチですけど、でも、それでも私なりの貞操観念は持っています。
それに私だって、四六時中いやらしいことばかり考えているわけではありません。
むしろ、それ以外のことを考えている時間のほうが圧倒的に多いです。
それをエッチだというだけで人のことを判断して、人の弱みにつけこんで辱めつくした挙句、命よりも大切なものを無理やり奪って、
わざとじゃないからですませようなんて……いったい何様のつもりなの? この人は……。
確かに学校でしてしまったのは悪いのかもしれませんが、それに対して、この仕打ちはいくらなんでもひどすぎます。
私の胸には次第に理不尽な陵辱を強いて純潔も、私の最後の居場所も奪ったまりやお姉さまへの、ううん、この女への怒りが溢れてきました。
私に聖央に入るよう勧めてくれたお義姉さんから、黒い感情をもってはダメだと言われていました。でも、もう我慢できませんでした。
そして私は、心の奥底で、何かがプツッ……と音を立てて切れたのを感じました。
454名無しさん@初回限定:2006/11/10(金) 20:36:27 ID:h+7M51CO0
だがそれがいい
455コマイ:2006/11/10(金) 20:49:59 ID:DThGxAlz0
KEY THE METAL…

「うーん、たまには外食もいいもんねー」
まりやが両腕を天高くつき伸ばしました、背筋が伸び爪先立ちになります
寮生4人がそろって外食をして帰ってきたところです
「まりや、鍵をだして」
「あいよー」
まりやが瑞穂ちゃんに促がされて寮の鍵を出そうとポケットに手を入れます
ところが、まりやの動きが止まり固まってしまいました
「どうしたんですか、まりやお姉さま?」
ゆかりんが不思議そうに尋ねます
まりやはゆっくり、というか、おそるおそるといった感じで振り向きます
「…ね・ねえ、まりや…まさか…」
瑞穂ちゃんは何かに気付いたようです
奏ちゃんも気付いたらしく瑞穂ちゃんの言葉を継ぎます
「鍵を…無くしてしまわれたのですか〜〜?」
「う、まあそういうことよ」
まりやがポケットを裏返して引っ張り出しました
そのポケットには穴が開いています
「…ってどうやって中に入るんですか!!?」
ゆかりんがまりやに詰め寄ります
「〜〜〜〜で、誰か窓の鍵締めてない人いる?」
「出かけるときに閉めてしまいましたのですよ〜」
「私もちゃんと確認したわ」
「もちろん私もですよ」
「当然あたしもちゃんと閉めてあるし…どうしようか…」
「探すにしても暗くて無理なのですよ〜」
「とりあえずコンビにまでいって鍵屋さんに連絡して開けてもらいましょう」
「甘いわ瑞穂ちゃん!1時間は待たされるわよ」

456コマイ:2006/11/10(金) 20:50:31 ID:DThGxAlz0
「じゃ、どうするの?」
「コンビニに行くことに異存ないわ」
「やっぱり鍵屋さんに連絡するんですか?」
「いいえ、瑞穂ちゃん、由佳里を連れて布のガムテープとライターを買ってきて」
「そんなもの何に使うの?」
「いいから買ってきなさい」

まりやのオーラに気圧されて瑞穂ちゃんとゆかりんはコンビニに向かいました
「私だけならともかく何でお姉さままで使い走りみたいに扱うんでしょうね」
「まりやってばたまに逆らいがたいオーラを出すんですもの」
「てゆーか、まりやお姉さまが鍵無くしたんだからまりやお姉さまが買いに行けばいいのに」
そんな文句を言いながら二人はまりやに頼まれたものを買ってきました

457コマイ:2006/11/10(金) 20:53:33 ID:DThGxAlz0
「で、なんに使うの?これ」
「んーーまあ、見てなさいって」
まりやは布テープを取り出すと適当な長さに切って寮の扉のガラス部分に数枚貼り付けました
「で、次にライターで布テープを炙る…と」
しばらくライターで炙り、今度は拳大の石を持ってきました
そして布テープを貼り付け炙ったところを叩きます
「ほら、音もなく割れたでしょ」
「どこでそんなこと覚えたんですか…」
ゆかりんんが唖然としています
「あ、じゃなくて扉壊して!なんて言い訳するの!」
「まー瑞穂ちゃん大丈夫よーあたしたちが黙ってれば分かんないんだから」
「そういう問題ではないとおもいますのですよ〜」
「奏ちゃんも意外と固いわね」
「で、寮母さんたちにどう言い訳するんですか?まりやお姉さま?」
「3人してそんなこと言わなくてもいーじゃない、ちゃんと明日には問題ないようにしておくわよ」
そして寮に戻った後、まりやはどこかに電話をかけていました

458コマイ:2006/11/10(金) 20:55:41 ID:DThGxAlz0
翌朝、ダンボールで塞がれた扉を見ながら4人は登校しました
「ね、ねえまりや、いつもと違う視線を感じるんだけど…」
「ああ、昨日の夜から『言い訳』を広めておいたから」
「?????」
詳しいことは聞けず瑞穂ちゃんたちは教室に入りました
「おはようございます瑞穂さん」
美智子さんが挨拶してきました
「あ、おはようございます美智子さん」
「昨夜は大変だったそうですね」
「ええ、そうなんですよ…まりやが…」
「下着をごっそり盗まれてしまったのでしょう?」
「は?」
「おっは、二人とも」
「あ、おはようございます圭さん」
「聞いたわよ瑞穂っち、寮の扉を破って下着泥棒が入ったとか」
「はい?」

まりやは扉のガラスを壊したのを架空の下着泥棒のせいにしてしまいました
そして昼休みには盗まれたのは瑞穂お姉さまの下着だけということになっていました

「さすがはお姉さま…ちょっとつついただけでこの騒ぎとは…」
「まーりーやー帰ったらたっぷりお説教だからね」
459Qoo:2006/11/10(金) 21:06:25 ID:zr7BBkqW0
>>449
ゆかひとはもう私の中では終わったストーリーですから…。
ただ、もしゆかひとの先があるのなら、まりやは同じネタでゆすったりはしない…かな。
ほのめかして遊ぶことはあっても、まりやから攻め入ることはないと思います。

あとすごい個人的な意見ですけど、エッチ系SSに暗い雰囲気はちょっと…。
こういう話は終わり際が非常に大事で、鬱展開で終わるというのはハァハァしてたテンションが一気に下がっちゃうかと。
スッキリと、軽くギャグを入れたりクスッと笑える終わり方が一番だと思います。

エッチな話というのはぶっちゃけ実用性があるかどうかが問題だと思うQooでした。 m(_ _)m
460東の扉:2006/11/11(土) 00:40:27 ID:DvhYDWKr0
>>459
ご意見ありがとうございます。
まあ、私の力量不足もあり、ここは暗い雰囲気で終わりますが、これはプロローグと書いてあるとおり、これで終わりではありません。
ここではこんな終わり方ですが、あとでちゃんとそれなりのことはするつもりです。
「からみつく悪縁 前編 心の選択の代償」から、中編、後編、エピローグと物語は二転三転しますので、広い目でご覧くだされば幸いです。
461名無しさん@初回限定:2006/11/11(土) 23:24:58 ID:prkvpyun0
こんばんは〜。寒い日が続いてますね…とかいうのは置いといて…。
貴子さんの誕生日が16日に迫ってます。
ということで、SSで貴子さんにプレゼントを贈るのですが、何を贈ればいいのかが決まりません。
誰かアイデア下さい(笑)。
予算は1万円ちょっと、無理して2万円です。 何とぞよろしくお願いします。m(_ _)m
462名無しさん@初回限定:2006/11/12(日) 00:32:01 ID:Iw6sHTXx0
>>461
やはりリボンが順当でしょうが、学院祭もありますしルージュというのはどうでしょうか
463名無しさん@初回限定:2006/11/12(日) 00:58:04 ID:yoiQDf4h0
庶民的なものが喜ばれるような気がする。
衣料品なら季節柄どてらなどどうでしょう。
同棲後の設定なら瑞穂ちゃんとオソロのどてらとか似合いそう。瑞穂ちゃんは普段普通に愛用してそうだし。
装飾品なら462さんの言うようにリボンやルージュも勿論アリですね。
464451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/12(日) 11:23:04 ID:1Rie0zLu0
>>461さん
僭越ながら、自分もSSプレゼントを画策しております。
ちなみに、当方はものすごーく庶民的ですので(笑)できれば良い品を贈ってあげて下さい。

スレ汚し失礼しました。
465461:2006/11/12(日) 15:17:22 ID:k/lxK9LC0
皆様ご意見ありがとうございます。

さっそく参考にさせていただき、もう少し試行錯誤してみたと思います。
466130:2006/11/12(日) 15:25:36 ID:JXn8ClcM0
びーじーえむ ばい まざー あんど ちゃいるど りゆにおん?

ある産院にて瑞穂と父・慶之が分娩室の前で落ちつかなさげに座っている。
今をときめく若き社長・瑞穂であろうと、鏑木財閥の当主・慶之であろうとこの場合ただ待つしかない。
瑞穂の妻、紫苑が中に入ってからかなりの時間がたっていた。
「意外に落ち着いてるな、瑞穂」
「紫苑と医者を信じて待つしかありませんから」
「それもそうだな」
そして二人は黙り込む。
そこへ思わぬ人物達が現れた。貴子・まりやをはじめとする聖央時代の友人たちだった。
「瑞穂ちゃん、紫苑様は?」
「はいってからかなりの時間がたつんだけど・・・」
椅子から立ち上がり応える瑞穂。
「こればかりは私達はどうすることもできませんわ」
いつもは顔をつき合わすたびいがみあう(じゃれあう?)まりや・貴子だが今回はいつになく神妙にうなづきあう。
「とりあえずお茶でも飲んで座るのが一番ですよ、お姉さま」
由佳里のその言葉を合図に奏がみんなに紙コップを渡しお茶を注いでいく。
「ありがとう、奏ちゃん、由佳里ちゃん」
椅子に座りお茶を飲み始める瑞穂たち。
奏が用意したお茶がなくなりかけるころ分娩室のランプは消えた。

「おめでとうございます、元気な女の子ですよ。母子ともに健康状態は良好です」
お互いに抱き合って喜び合う瑞穂たち。貴子とまりやですら素直に抱き合っている。
467130:2006/11/12(日) 15:26:41 ID:JXn8ClcM0
びーじーえむ ばい まざー あんど ちゃいるど りゆにおん?

「おめでとう、そしてありがとう、紫苑」
紫苑の状態が落ち着いたあと彼女の手を両手で包み込むようににぎりながら瑞穂が言った。
「瑞穂さんと皆さんのおかげです」
わりあい広い病室なのだがさすがにこれだけの人数が多いと結構狭く感じるものである。それを悟った慶之は適当な理由をつけて病室に入らなかった。
「まぁ、これからも大変だろうけどさ、私達にできることなら何でもいってよ、瑞穂ちゃん」
「そうなのですよ、赤ちゃんのお世話とかだったら奏は慣れてるのですよ、紫苑様」
「ええ、お願いするわね、奏ちゃん」
和やかな笑いに包まれた中で改めて瑞穂は父親としての決意を新たにした。

そして紫苑退院の日。
慶之の車に乗り込むための紫苑から我が子を受け取る瑞穂。
その微笑に限りなく優しい顔になる。
「おい、いつまでそうしてるんだ?」
にこやかに慶之に問いかけられ我にかえる瑞穂。
そしてゆっくりと車に乗り込む。
「お前もとうとう父親だな」
黙ってうなずく瑞穂。
慶行から父親としての心構えやらアドバイスを受けながら我が子を抱き上げる瑞穂。
(僕は、いや僕達は大丈夫。紫苑と父様、そしてまりやたちがいる・・・)
車は静かに走っていく・・・・

468130:2006/11/12(日) 15:30:01 ID:JXn8ClcM0
びーじーえむ ばい まざー あんど ちゃいるど りゆにおん?

社長室にて
「今月の社内報です」
そういって瑞穂に渡されたそれには先日の出産について書かれていた.
「な・・・・」
「どうしました、社長?」
「なんでこうなってるのー!」
社内報の見出しには大きく
「社長に第一子誕生!」
とかかれていた。そして我が子を抱きかかえる瑞穂の写真。
そこまではいい。だが、
「聖母の微笑み」とか「母娘の絆」
とか書かれていてはたまったものではない。
「こ・・・これはいったい・・・」
「ええと・・その・・・・」
うろたえる秘書。明らかになにかを知っている様子だ。
「どういうことか話してもらえますか?」
「ああと・・その・・・・、先月御門主任から今月号の見出しを書かせて欲しいと・・・」
「そう、ありがとうございます」
言葉とうらはらに怒りに震える瑞穂。
「・・で、まりやは?」
「昨日から有休をとって・・・」
「ふふふふ・・・そう。有休ね・・・・、で父はどこにいるかな?」
「み・・御門主任とともに何も告げずに・・・・」
「探し出せる?」
「今日・・いえ、正午までには必ず・・・」
「じゃあ、よろしく」
「はい・・・」

469130:2006/11/12(日) 15:34:29 ID:JXn8ClcM0
びーじーえむ ばい まざー あんど ちゃいるど りゆにおん?

そして来月号の見出しには
「鏑木会長、謎の入院?」「全身に打撲のあと、しかし命には別状なし」「目撃者の御門主任、証言拒否」
等の文字が躍ったとか躍らないとか・・・・
470東の扉:2006/11/13(月) 12:52:10 ID:5g8dAloo0
東の扉です。
からみつく悪縁、ですが、やはり以前から考えていた、もう1つの方でいくことにしました。
申し訳ないですが、以前のはリストから抹消してください。

からみつく悪縁 前編 心の選択の代償

471東の扉:2006/11/13(月) 12:53:16 ID:5g8dAloo0
なんで、こんなことになっちゃったんだろう……。
あたしは、今までのことを振り返っては、考えていた。
いったい、どこで歯車が狂い始めたんだろう。いったい、何がいけなかったんだろう。

きっかけは、ささいなことだった。
あの時トイレで、宅配便の中身を知られたくなさそうにしていた由佳里。
トイレで、手も洗わず、水も流していなかった。そして、トイレに落ちていたもの。
それらのことから、推測して得た結論。
それをネタに、からかってやろうという軽い気持ちだった。それが、最悪の結末を導き出してしまった。

ふふふ……瑞穂ちゃんにしても由佳里にしても、ホントいじり甲斐があるわよねえ。いつもこっちの思い通りの可愛いリアクションをしてくれて……。
あの後、由佳里を十分いじり終えて部屋で休んでいたあたしは、突然泣き叫ぶ声を聞いた。
「うわああああああああん!!」
由佳里の部屋からだ。いったい何があったんだろう。
あたしは、大急ぎで由佳里の部屋まで出向いた。
バン!
ノックもなしにドアを開ける。
「由佳里、いったいどうした……」
そこまで言って、あたしは凍りついた。由佳里の姿は、あの時あたしが部屋を立ち去った時のまま……つまり、下は何もはいてなくて、
シーツは由佳里の……いろんなもので汚れたままだった。
472東の扉:2006/11/13(月) 12:53:58 ID:5g8dAloo0
「バカー!! 人でなしー!! 鬼ー!! 悪魔ー!!」
あたしに気づいた由佳里はそう泣き叫んで、手当たり次第にいろいろな本を投げてきた。
「ちょ、ちょっと由佳里、何があったのか教えて!」
「うるさい!! うるさい!! うるさい!!」
由佳里は聞く耳持たず、といった感じで、狂ったように物を投げてくる。その中には、レディコミやら、18禁スレスレのきわどい写真集もあった。
由佳里が普段隠している物まで投げてくるってことは、逆上しすぎて、自分でも何をしてるかわかってないんだ。ってことは……。
そう思った直後、それは飛んできた。ハサミやら、カッターナイフやらの危険物。
「わああっ!!」
このままじゃ、下手すりゃ殺される……あたしはたまらず、由佳里の部屋から逃げ出した。
「あなたなんか、もう口も利きたくない! 顔も見たくない! 2度と私の前に現れないで!」
部屋から出たあたしに由佳里はそう怒鳴りかけると、乱暴にドアを閉めて部屋に鍵をかけた。
「うわああああああん!!」
部屋の中からは、由佳里の泣き叫ぶ声だけが聞こえてきた。
あっちゃー……さすがにやりすぎたか……。
これから、どうやって由佳里を立ち直らせようか……それを思うと、かなり大変かもしれないと思った。
473東の扉:2006/11/13(月) 13:08:50 ID:5g8dAloo0
「どうしたの? 今すごい泣き声が聞こえたけど」
「どうかしましたのですか?」
「今の泣き声、由佳里ちゃんだったような……」
瑞穂ちゃんと奏ちゃんが、そして一子ちゃんが泣き声を聞きつけて食堂から上がってきた。
「まりや?」
「まりやお姉さま?」
「どうしたのまりや、まさかまりやが、由佳里ちゃんを泣かせたの?」
「うん……ちょっとやりすぎたかなって……」
「……そういえば由佳里ちゃん、とんでもない格好してたけど、まさかそれもまりやが……」
瑞穂ちゃん、あのまんまの姿の由佳里を見たのか……。
「………」
あたしの顔を見た瑞穂ちゃんが厳しい表情になった。
「まりや、とりあえず食堂に行きましょう。何があったのか、話してもらうわよ」
「う、うん……」

あたしは、瑞穂ちゃんと奏ちゃん、それから一子ちゃんの前で、今までのことをすべて白状させられた。
「まりや、さすがにそれはやりすぎよ!」
「まりやお姉さま、ひどすぎるのですよ!」
「まりやさん、由佳里ちゃんに対してあんまりです!」
「で、でも、由佳里だって、ああ見えて結構エロいんだよ?」
「そんなの関係ないわよ。仮にそうだとしても、だからってレイプしてもいい、なんてことにはならないでしょ!?」
「レイプじゃないもーん。愛のあるSEXだもーん」
「……そう思ってるのはまりやだけよ? まりやがそう思ってたって、やられた方がレイプされたと思ってたら、それは立派なレイプなのよ」
「うっ……」
474東の扉:2006/11/13(月) 13:10:01 ID:5g8dAloo0
「それに、いくらエッチな娘だからって、四六時中エッチなことばかり考えてるってわけじゃないし、
自分の気持ちを無視してやられれば、傷つくわよ」
「で、でも、由佳里だって、盛り上がってたし……」
「あのね、どんな状態だったか知らないけど、由佳里ちゃんにだって女として大好きな人以外からは感じたくない、
気持ちよくなりたくないって気持ちも、確かに持ってるわよ」
「……自分からイかせてくれって言ったのに、それでも?」
「それでも、よ。そういう時って、苦しいもの。苦しみから解放されたいって思うのは、当然のことよ。
私も一度まりやにやられたことがあるから、よくわかるわ」
「……考えてみれば、そうよね。そっか。そこまで考えてなかったな」
「……ホントに反省してる?」
「してるよ。瑞穂ちゃんが見たのは事故とはいえ、由佳里にはさすがにかわいそうなことをしたって思ってるよ」
「……ふう。まあ、一応反省はしてるみたいね」
「寮には誰もいないんだし、絶対バレるわけないっていい気になってたけど、そううまくはいかないか」
「あのね、確かに奏ちゃんは演劇部の、私は生徒会の用事があったけど、由佳里ちゃんが倒れたって聞いたら心配になるし、
一刻も早く無事を確認したいって思うわよ」
「そっか……そうだよね。仲間思いの瑞穂ちゃんなら、生徒会の用事を早めに切り上げてくる可能性だって十分あったよね」
「天網恢々粗にして漏らさず。よく心に刻みつけておくのね」
「汚いわねえ。瑞穂ちゃん」
「……なんでよ?」
「だって、便もたいがいそこでは漏らさず、なんてさ」
「……何を聞いてるのよ。天網恢々粗にして漏らさず。悪いことをしても逃げ道はいくらでもあるように見えるけど、
結局神様は見逃してはくれないってことよ」
475東の扉:2006/11/13(月) 13:11:05 ID:5g8dAloo0
「……ねえ、瑞穂ちゃん、奏ちゃん、一子ちゃん」
「何?」
「なんなのですか?」
「何でしょう?」
「虫のいいお願いだとは思うけど、由佳里を立ち直らせてあげてくれないかな?」
「まりや……」
「本来ならあたしがなんとかしなきゃいけないんだけど、今のあたしじゃ何をしてもムダだと思うし、
あたしのせいで由佳里の人生が台無しになるなんて、耐えられないから……」
瑞穂ちゃんたちは、感情のない目であたしを見ていた。が……。
「わかったわ」
「……瑞穂ちゃん」
「確かに虫が良すぎるとは思うけど、由佳里ちゃんをそのままにしておく理由にはならないしね」
「奏も、精一杯努力して由佳里ちゃんを励ますのですよ」
「私もです。でもまりやさん、今度由佳里ちゃんに同じことしたら、呪っちゃいますからね!」
「私もよ。もう2度とまりやとは口利かないから」
瑞穂ちゃんと一子ちゃんが厳しい顔でそう言ってくる。
「うん。もう2度とあんなことしないよ」
「よし、じゃあ奏ちゃん、洗濯の準備手伝って」
「はいなのですよ!」
476東の扉:2006/11/13(月) 13:24:06 ID:5g8dAloo0
なんで!? なんで私がこんな目にあわなきゃいけないの?
私は部屋で1人、自分の運命に対して憤慨していました。
そりゃ、確かに学校のトイレで大人のオモチャを使ってしてたのはいくらか悪いことかもしれません。
でも、それに対して、この仕打ちはいくらなんでもひどすぎる!
私が学校のトイレでしていたことが、まりやお姉さまやその周りの人に迷惑をかけたというわけではありません。
大好きなお姉さまに軽蔑されるくらいなら、と思っていたからこそ、まりやお姉さまからの辱めにも耐えていたのに……。

コンコン……。
「由佳里ちゃん、瑞穂です。大丈夫?」
私は、その時返事をする気力もありませんでした。
「由佳里ちゃん、大丈夫? 失礼するわね」
そう言ってドアが開かれると、お姉さまが入ってきました。
「由佳里ちゃん、授業中に倒れたって聞いたけど、いったいどうし……」
お姉さまは、そこで凍り付いてしまったように、顔を引きつらせました。
「……お姉さま?」
「ね、ねえ由佳里ちゃん、なんなの、そのかっこ?」
そう言われて、私は今の自分の状態に気がつきました。下には何もはいてない状態で、いろいろなものが垂れ流れたあとが、
しかもシーツは、それらでびしょ濡れの状態……。
「あ……あ……」
私の顔は、みるみる蒼ざめていきました。
「う……う……」
見られてしまった。お姉さまに、こんなとんでもない醜態を……。
「ゆ、由佳里ちゃん、落ち着いて。今洗濯の準備をするから、とりあえず下の方を拭いて何かお履きなさい」
お姉さまはそう言って、ドアを閉めて出て行かれました。
「う……ううう……うわああああああん!!」
とうとう、私はこらえることができませんでした。
お姉さまに私の恥ずかしい秘密を知られるくらいなら、と思って、あんな恥ずかしいことにも耐えていたのに、
結果的に、それ以上に恥ずかしい姿を、お姉さまに見られてしまった。
477東の扉:2006/11/13(月) 13:29:12 ID:5g8dAloo0
「由佳里、いったいどうした……」
しばらく泣いていると、そこへまりやお姉さまがやってきました。私を絶望と不幸のどん底に叩き落した張本人が……。
その姿を見て、私の中に黒い感情が芽生えました。まりやお姉さまさえ、ううん、この女さえいなければ……。
そして私は、あの女に色々なものを投げつけて部屋から追い出しました。

「それもこれも、全部あの女のせいだ……!!」
しばらくして泣き止んだ私は、あの女に対する怒りを口にしました。
「許さない……金輪際、許すもんですか!!」
私は、自分に言い聞かせるように、そうつぶやきました。

コンコン……。
「由佳里ちゃん、瑞穂です。入っていいかしら?」
「由佳里ちゃん、奏なのですよ。お手伝いに来ましたのですよ」
「……なんで奏ちゃんまで」
「まりやお姉さまに聞いたのですよ。何があったのか……」
それを聞いて、私の胸にさらなる怒りが湧き上がりました。
「………!! あの女、結局、私の秘密を……」
「落ち着いて由佳里ちゃん。私たちが無理やりまりやを問いつめたのよ。自分から進んでばらしたわけじゃないわ」
「……それで、なんでみんなここにいるんですか?」
「……え?」
「おっしゃってる意味がわからないのですよ」
「全部知ってるんでしょ? 私みたいな変態女の世話をするより、あの女と和気あいあい過ごしていたほうがいいんじゃないですか?」
私は、投げやりにそう言いました。
478東の扉:2006/11/13(月) 13:31:03 ID:5g8dAloo0
「由佳里ちゃん、やけにならないで。確かに驚いたけど、私だってそういうことしたい気分になったことは今までに何度もあるし、
それぐらいで由佳里ちゃんを軽蔑したりはしないわ。そして何より、そんな状態の由佳里ちゃんを放ってはおけないもの」
「そうです、ここにいるみんな、こんな状態の由佳里ちゃんを蔑めるほど、冷たい血は流れていません! ……まあ、一子は幽霊ですから、
冷たい血も温かい血も流れてないか……と、とにかく、全員由佳里ちゃんが大好きな気持ちは変わりませんから。
それとも、由佳里ちゃんはお姉さまや奏ちゃんは、そんなことで由佳里ちゃんを軽蔑するような、心の狭い人だと思っているんですか?」
………!! そっか。私はようやく目が覚めました。そんな心の狭い人たちなら、私がこれほどまで好きになったりはしませんでした。
一子さんの言葉で、ようやくみなさんの言葉が真実だと思うことができました。
「じゃあ、お願いします」
私は、そう言って部屋の扉を開けました。

「由佳里ちゃん、まりやさんを許す気になれないのは仕方ないと思いますけど、せめてお姉さまや奏ちゃん、それから一子とだけでも
以前と同じように接してくれませんか?」
私は、部屋で一子さんと話していました。お姉さまは私のあそこを拭いてくださった後、下着とスカートを着せてくださり、
今は奏ちゃんと一緒にシーツなどを洗濯してくださっています。
「嫌なことがあって、泣いたりするのはいいですけど、一人でふさぎこんでいるのはよくありませんよ。
そうすると、悪いことばかりが頭に浮かんできて、最悪、自殺とか傷害とか殺人とか、とんでもないことを考えちゃうようになりますよ? 
人は命は一つしかないんですから、それを失うような真似だけは絶対にしちゃいけません。すでに命を失っている幽霊の私が言うんですから、
これは間違いありませんよ?」
「うん。そうだね。頑張ってみる」
一子さんの少しおどけた態度に、私の心も少し軽くなったような気がします。
479東の扉:2006/11/13(月) 13:46:15 ID:5g8dAloo0
あれから、3日が過ぎた。
由佳里は、瑞穂ちゃんたちとは仲良く話しているよう。まだ塞ぎこみがちなところはあるようだけど、
それでも、少なくとも表面上はもとの暮らしに戻りつつあるみたい。
ただ、あれ以来あたしとは一言も口を利いていない。世話しに来てくれることもなくなっていた。
由佳里が立ち直ったのにはホッとしたけど、正直少しさびしい。
そう思っていると、前に由佳里が歩いているのが見えた。
「もう3日も経ったし、そろそろ熱も冷めたかな……」
あたしはもういいだろうと思って、由佳里に近づいた。
「ゆーかりんっ♪」
あたしは突然後ろから由佳里の肩に抱きついた。
「もう最近冷たいなー。お姉さんはさみしいぞ」
こうすれば、由佳里ってば「私はゆかりんじゃありません!」ってムッとして反論してくるだろうし、それから徐々に落ち着けて元に戻ればいい。
……と思っていたが……。
バンッ!
「………!!」
由佳里は、無言で肩に抱きついたあたしを乱暴に払いのけた。
「なれなれしく呼ばないでください。あなたのような姉なんか知りません!」
由佳里はそう言うと、まるで汚いものでも払うかのように、自分の肩をパンパンと叩いて立ち去っていった。
「………!!」
あたしは、この時になって初めて、由佳里があれ以来あたしを「まりやお姉さま」とか「お姉さま」とは一度も読んでいないことに気がついた。
そして、それ以上に、由佳里との間にできた溝が予想より遥かに深いことを思い知らされ、すごくショックだった。
それから、何度由佳里に話しかけても、取り付く島もなかった。普段はおとなしくあたしの言うことにも耳を傾け、
あたしの予想通りの行動をとってくれる由佳里が、この時はぐうの音も出ない正論で、あたしを完膚なきまでにやり込めてくる。
480東の扉:2006/11/13(月) 13:47:27 ID:5g8dAloo0
そして次の休日……。
「ねえ、キミ、1人でヒマしてるの? オレらと遊びに行かない?」
あたしは1人で街をぶらぶらしてると、そんな台詞を耳にした。
あらら。どこにでもこの手のアホはいるもんね。
そう思っていると……。
「行きません。私、待ち合わせてる相手がいますから」
「………!」
ナンパされてる相手の声は、間違いなく由佳里の声だった。
確か瑞穂ちゃんと奏ちゃんと3人で買い物に出かけているはず。
「オレらそんなの気にしないからさー。一緒に行こうぜ」
「そうそう。キミみたいな娘を待たせるヤツが悪いんだからさ」
「ちょっと、あんたたち、何やってんの?」
あたしは、その場に飛び出した。やっぱり由佳里だった。瑞穂ちゃんと奏ちゃんの姿は見えない……
ってことは、今はバラバラで行動してるんだろう。由佳里1人で2人組の男にナンパされてたようだ。
「お、あんたも結構キレイじゃん。どうだい、そっちの娘と一緒に……」
「お断りよ。あたしはそんなにヒマじゃないの」
「まあまあ、そう言わずに……」
「あたしが本気で怒る前に、帰った方がいいと思うけど?」
「おおこわ。しゃーない。別の見つけるか」
そう言うと、2人の男は去っていった。淡白なやつら……。
由佳里はというと、そのまま何事もなかったかのように立ち去っていこうとした。
「ちょっと、助けてもらっといて、挨拶もなし?」
あたしはさすがにカチンときて言う。すると、向こうの返事は、まったく予想外のものだった。
「助けた? どうせあなたの差し金なんでしょ? 今度は恩を売って私を犯すつもりだったんでしょうけど、もうその手には乗るもんですか!」
「……ちょ……そういう決めつけは……」
あたしはショックのためか、強く言い返せない。
「……以前、あなたに犯されたとき、私があなたを殺そうとしてるって決めつけましたよね? 私はそんな気全然なかったのに」
「……そんなこと言ったっけ? 覚えてないけど」
「私はよーく覚えてますよ。それを口実に犯されたんですからね」
そういえば、そんなこと言ったような気も……。
481東の扉:2006/11/13(月) 13:48:02 ID:5g8dAloo0
「自分は決めつけといて、自分が困ったときだけ決めつけるなですか? 身勝手もいいとこですね」
「くっ……」
こっちが先にやっただけに分が悪い。今までの由佳里の反論もそうだったけど、あたしが過去に言ったことにつけこんできている。
口は災いのもと、お箸はおてもと、肥後は熊本……本当にそのとおりだと実感せざるを得なかった。
しばらくして、瑞穂ちゃんと奏ちゃんが立ち去った由佳里のところへ来た。由佳里はあたしにはしばらく見せなかった笑顔で2人と話している。
「あなたなんかに、私の笑顔を見る資格はないんですよ」
ふと、由佳里の憎しみに満ちた声を聞いた気がした。
もう由佳里は、あたしに心を開いてはくれない。元にも戻れない。それどころか、あたしのどんな善意も、由佳里には伝わらない……。

「ううう……」
なんで、こんなことになっちゃったんだろう……。
いったい、どこで歯車が狂い始めたんだろう。いったい、何がいけなかったんだろう。
ふと見つけた、由佳里の秘密をネタに、からかってやろうという軽い気持ち。それが導き出した、最悪の結末。
戻りたい。できるなら、仲良くふざけあってた頃に。
でも、今のあたしにできることは、調子に乗って由佳里を辱めすぎた、自分の愚かさを悔やむことだけだった……。

この続きは、「ほころび始めた縁 中編 絆は切れない」で話すわね。
482東の扉:2006/11/13(月) 14:02:09 ID:5g8dAloo0
以前の「からみつく悪縁」、どっちにしてもこんな風に進めるつもりだったのですが、
こんな感じではいかがでしょうか?
それと、何度も申し訳ないですが、タイトルを「ほころび始めた縁」に変えましたので、よろしくお願いします。
483名無しさん@初回限定:2006/11/13(月) 19:02:13 ID:CeiR8Mu7O
こういう鬱話大好物です。
GJ!続き期待!
484名無しさん@初回限定:2006/11/15(水) 16:02:50 ID:3SKd5QUT0
673 :風の谷の名無しさん@実況は実況板で :2006/11/15(水) 14:24:44 ID:ZQU6/3Xp
バーグはまりやにタンポンを突っ込まれたに違いない。

676 :風の谷の名無しさん@実況は実況板で :2006/11/15(水) 14:38:34 ID:4QjJuLo+
>>673
陸上選手ならそうなのかもしれないけど。
ためらうバーグに事務的に挿入。

ってな感じのSS書いてくれませんかね。だれか
485451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/16(木) 00:05:19 ID:rY3hqd1I0
『 落ち葉の輪舞曲 その1 』

「明日のLHRの清掃活動って…なに?」
寮生全員が集まった夕食の席で、瑞穂ちゃんがまりやに尋ねます。
「ん?瑞穂ちゃんは知らないんだね。この時期の学院は、落ち葉がごっそり溜まるのよ」
「そういえば、この学院って周りは森に囲まれてるものね」
「で、業者の人を頼んでるんだけど、それじゃ追いつかないから全校総出で大掃除、ってわけ」
「ふーん、みんなで協力して掃除って、なんだか楽しそうね」
「瑞穂ちゃんは外からの編入だからそんなこと言うけどさー、実際やってみるとキツいよ?」
「それで、どのくらいの落ち葉が集まるのですか?」
「各クラスにゴミ袋が5〜6枚割り当てられるからね。で、学年×クラス数で…」
「はやや〜!すごい量なのですよー!」
「でしょ?かよわいオトメには過酷な重労働なのよ」
「………」「………」「………」
「なんじゃその沈黙はーっ!!」

片付けも終わって、食後のお茶のひとときです。
「そういえば、小さい頃のこの時期は家の庭掃除を手伝ったわね」
「ああ、瑞穂ちゃんとこは庭が広かったからね。あたしも一緒に落ち葉焚きとかやったなー」
「そうそう。で、楓さんがこっそり焼きいも焼いてくれて。まりやはそれが目当てだったとか?」
「失礼なー。あたしもちゃんと手伝ったよ…って、瑞穂ちゃん、今なんか言った?」
「え?楓さんがこっそり焼きいも…って、まさか?」
「んふふ〜。瑞穂ちゃん、良いこと言ってくれたねー。あたしゃなんだかムラムラしてきたよー!」
「まりや…乙女がムラムラなんて言葉使っちゃ…」
「でも、まりやお姉さま、焼却炉は使用禁止になってますよ?」
「環境問題とかで、落ち葉焚きやゴミ焼きは禁止なのですよ〜」
「そんな瑣末な問題に屈するまりや様ではな〜いっ!寮生諸君っ!明日は一大作戦を決行するっ!」
拳を似握り締め、断固とした口調でまりやが立ち上がります。
「お姉さま…」「まりやお姉さまが怖いのですよ…」
「ああなってしまったまりやは、誰にも止められないわね…」

―続く―
486451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/16(木) 00:07:52 ID:rY3hqd1I0
『 落ち葉の輪舞曲 その2 』

翌日、通学路です。
「みんな、持ち物は大丈夫?」
「はい、おいも、OKです」
「奏もアルミホイル、ちゃんとあるのですよ〜」
「まりや…くどいようだけど、ホントにやるの?」
「瑞穂ちゃん、そんな弱気じゃ成功する物も失敗しちゃうよ?」
「でも…エルダー自らこんなことしちゃっていいのかなぁ…」
「労働の後の正当な報酬だと思えば、何も後ろめたいことは無いでしょ?」
「いや…これは奉仕なんだから、報酬を要求するのはどうかと…」
「…あんまりぐずぐず言ってると、ヤバい写真バラまくよ?」
「それは勘弁してよ…でも、貴子さんが黙っていないと思うよ?」
「ああ、それなんだけど、瑞穂ちゃんにちょ〜っと協力して欲しいんだ………ね?」
「………ええ〜っ?!」

LHRの時間。生徒会・各クラスが一斉に清掃に取り掛かります。
「はぁ…風に舞う落ち葉を見ていると…なんだか切なくなりますね…」
「会長〜、手が止まっていますよ。どうかなさいましたか?」
「はっ!き、君枝さん?!なんでもありませんわ!」
「それなら良いのですが。どんどん集めましょう」
「そうですね。ところで、他のクラスは順調ですか?」
「それが…3年のA・B組がすごいことになっているとか」
「すごいこと…どういうことですか?」
「既に自分達の分担を終わらせて、他のクラスの分まで手伝っているそうです」
「3年A・B組といえば、お姉さまとまりやさんの…何か裏がありそうですわね」
「引き続き探ってみますか?」
「そうして下さい、君枝さん。…お姉さま方は一体何をする気なのでしょう?」
乾いた音と共に、落ち葉が足元をすり抜けて行きます…。

―続く―
487451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/16(木) 00:09:57 ID:rY3hqd1I0
『 落ち葉の輪舞曲 その3 』

「さ〜じゃんじゃん焚いてよー!生焼けは最低だからねー!」
放課後、校舎の裏手では、まりやが焚き火の陣頭指揮を執っています。
「まりや、あちこちに声掛けた?えらく人数が多いんだけど…」
「こんなのは大勢の方が面白いじゃない。季節外れのキャンプファイアーなんちって」
「何をなさっているのですかっ!!」
周囲の空気を圧するような、貴子さんの凛とした声が響きます。

焚き火の爆ぜる音がする以外、凍りつくような沈黙が支配しています。
「これは…一体何の真似ですか?しかもお姉さままで一緒になって!」
君枝さんを従えて歩み寄る貴子さん。その眼は明らかに怒気を含んだ光を放っています。
「あーあ、来ちゃったよ…ま、予想はしてたけどね」
能天気な声で応えたまりやが、瑞穂ちゃんの傍まで来て囁きます。
(デコメガネはあたし、貴子お願い)(や、やるの?!)
隠し持っていた物を後ろ手に渡して、まりやと瑞穂ちゃんは貴子さんに相対します。

「学院の生徒にあるまじき行為ですわ!エルダーといえども、相応の処分は覚悟していただきます!」
次々と浴びせられる咎めの言葉を、まりやは黙って聞き流しています。
「明日にでも処分を検討し、通知いたします。ではごきげんよう」
最後の言葉を告げて、貴子さんが踵を返した瞬間です。
「瑞穂ちゃん、いくよっ!」「仕方ないね…」
鮮やかな体捌きで瑞穂ちゃんは貴子さんの正面に回り込み、肩を抱き寄せます。
「なっ、何をなさるのですか!お、お姉…さま」「わたしの気持ちです。受け取って…いただけますか?」
もつれあう二人の視線、混じりあう吐息。瑞穂ちゃんの手が貴子さんの顎をそっと持ち上げ…
「ええええっ?!わわわわたくしあのその心の準備が!いいいいけませんわっ!んんっ…」
「あ、あれ?ちょっと貴子さん?!」
「きゅううう〜〜〜〜」
「瑞穂ちゃん…やり過ぎ」
「そ、そんなっ!焼きいも食べさせただけなのに〜!貴子さ〜ん!!」

―続く―
488451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/16(木) 00:12:15 ID:rY3hqd1I0
『 落ち葉の輪舞曲 その4 』

「………ううんっ」
「気が付きましたか?貴子さん。手荒な真似をして申し訳ありません」
「あ…お姉さま。そういえば…私お姉さまに抱き寄せられて…」
「あ、あの…あれは貴子さんも巻き込んで、ということだったんです」
「そうでしたか…では私も共犯者、ですわね」
「すみません。ですが、処分は甘んじて受ける覚悟ですから」
「もう良いですわ…せっかく皆で楽しんでいる所に、水を差すほど私もヤボではありません」
(お姉さまに抱きしめられて心を許した…とは言えませんわね)
「ありがとうございます、貴子さん」
「それより…その…おいも、もう一本いただけますか?」

「ほくほくした甘さの中にも野趣を感じます…これがおいも本来の味なのでしょうね」
両手で焼きいもを包むように持って、楽しそうに2本目をほおばる貴子さん。
「ふふっ、そうしていると貴子さんも普通の女の子ですね」
「い、いやですわお姉さま!からかわないで下さい!」
「でもさー、おいも本来の味って…どういう意味?」
まりやが横から割り込んできます。
「今まで、スイートポテトかてんぷらでしか食べたことがありませんから…」
「うっそおーーー?!」
全員から驚嘆の声が上がります
「あっきれたー!世間知らずっつーか、究極の箱入りっつーか…」
「べっ別に焼きいもを知らなくても、日常生活には支障はありませんわっ!」
「なーに強がってんだか。だから可愛くないって言われるんだよ」
「あなたに可愛いと言ってもらっても、爪の先ほども嬉しくありませんわね!」
「ほぉー。んじゃ、誰に可愛いって言って欲しいのかにゃ〜?」
「そ、そんなことはあああなたが知る必要はありませんっ!」

まりやと貴子さんの言い争う声が、淡い煙と共に夕暮れの空に吸い込まれていきます…。

―完―
489451 ◆GtN0Plfghk :2006/11/16(木) 00:15:22 ID:rY3hqd1I0
貴子さん、聖誕祭おめでとうございます〜!
ラーメンを知らないというなら、これもアリかなと。
490名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 00:34:58 ID:B/NYHthY0
貴子さん誕生日おめでとうございますわ
491名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 00:44:54 ID:B/NYHthY0
451さん乙です
確かに焼き芋を食べたことはなさそうですね
そして相変わらずのナチュラルレディーキラーぶりが実にいい感じです。
492名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 08:05:45 ID:/ql56v9+O
ヤキイモ食べたくなった
493名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 09:38:22 ID:/mIn86Uj0
干し芋ならあるぞ
494東の扉:2006/11/16(木) 12:59:10 ID:AUwfrjGy0
貴子さん、お誕生日、おめでとうございます。

SSも思い浮かびませんが、とりあえずお祝いを言わせてください。

「ほころび始めた縁」は、Qooさんの「ゆかりんのひとりでできるもん」「まりやさまはしってた」の後、
まりやと由佳里ちゃんがこうなったんじゃないかな、と思って書いてますが、少なくとも当たらずとも遠からず、の範囲の外ではないと思います。
体調不良のときに書き上げたせいか、ミスが多くて……。
前回のサブタイトルは、「心の洗濯の代償」です。何度も本当にすみません。
それでは、本編に移りたいと思います。
495東の扉:2006/11/16(木) 13:01:59 ID:AUwfrjGy0
〜ほころび始めた縁 中編 絆は切れない〜

あの、まりやが由佳里ちゃんの秘密を握りそれを盾に辱めた事件から1週間、由佳里ちゃんはもうすっかり元気を取り戻している。
僕や奏ちゃん、一子ちゃんの必死の頑張りが功を奏したのか、すっかり普通に話せるようになっている……まりや以外とは。
由佳里ちゃんは、まりやと仲直りをさせるのは難しいだろうな、とは思っていたが、実際そのとおりだった。いや、予想以上だった。
寮のみんなで何かをするのに、僕たちだけだと由佳里ちゃんは喜んで参加するが、
まりやがいることを知ると、あからさまにイヤそうな顔をするんだ。
食事の時間は、まりやが食べ終わった後で、一子ちゃんが由佳里ちゃんを呼びに行くことになっている。
普段のまりやなら、強引にでも何とかするんだろうけど、今回は責任を感じているのか、あまり強くは出られないようだ。
そのせいで、まりやもすっかり弱気になってしまっている。

「ねえ、まりや、もう食事やめて部屋に戻るの?」
「うん、もうねるー……」
「もうって、また以前の半分も食べてないじゃない」
「しょくよくなーい……ごちそうさまー……」
「食欲ないにしても、もうちょっとぐらい食べておかないと……」
「いちこちゃーん……ゆかりにおりてきていいよっていってきてー……」
今のまりやの状態は、見てのとおり抜け殻みたいになっている。セリフを漢字に変換する気力もないらしく、
しかもセリフの後にはかならず『……』が入っている。それに、かなりやつれてげっそりしてきた。
496東の扉:2006/11/16(木) 13:03:34 ID:AUwfrjGy0
「ふう……今度はまりやがピンチみたいね」
「まりやお姉さま、今にも栄養失調で入院しそうで怖いのですよ」
「そうね。身から出たさびとはいえ、さすがにあそこまでになるとほっとけないわね。なんとか由佳里ちゃんとまりやを仲直りさせなきゃ、ね」
「でも、由佳里ちゃんがそう簡単にまりやお姉さまを許してくれるとは思えないのですよ」
「そうね。でも、やってみせるわ。私の辞書に不可能の3文字はないんだから」
「お姉さま、ナポレオンになられるのですか?」
「……まあ、わたしはそんなに偉くはないわ。でも、ムリに見えることでも、やってみなきゃ何も始まらないわ。
あきらめない限り、可能性はゼロではないのだから」
「はいなのです! 精一杯頑張るのですよ!」
こうして、まりやと由佳里ちゃんの絆を取り戻す作戦は開始した。

「じゃあ、まりやは私がなんとかするから、奏ちゃんは由佳里ちゃん担当ね。由佳里ちゃんがまりやのどういうところが許せないのか、
聞き出してくれる? それなら、こちらも色々と対策を考えられるから」
「由佳里ちゃんに、まりやお姉さまを許してくださるよう、頼まなくてもよろしいのですか?」
「それはまりやが直接やるべきことだと思うわ。私たちがそれを言えば、仲直りさせるのはより簡単かもしれない。
でも、それじゃ由佳里ちゃんは本当の意味でまりやを許すことができないと思うの」
「本当の意味で?」
「そうよ。考えてみて? たとえば、奏ちゃんが私とケンカしたとするわね」
「そ、そんな……奏、お姉さまとケンカなんて絶対しないのですよ!」
「奏ちゃん、落ち着いて。たとえばよ、たとえば」
「は、はいなのですよ」
「そして、紫苑さんに許してやれって言われたから私を許すなんて気持ちで仲直りして、私と以前のようなつきあいができる?」
「あ……なるほどなのですよ」
「わかったかしら? だから、まりやがやらなければ意味がないのよ」
「はいなのです。では、奏、由佳里ちゃんの部屋に行ってきますのですよ」
「ええ、お願いね」
497東の扉:2006/11/16(木) 13:20:49 ID:AUwfrjGy0
コンコン……。
僕は、まりやの部屋のノックした。
「はーいどなたですかー……?」
「瑞穂です。話があるから、部屋に入れてくれない?」
「みずほちゃん……? いいよー……かぎあいてるからかってにはいってきてー……」
「失礼するわね」
「なんかようなの……?」
「うん。由佳里ちゃんと仲直りさせてあげたいんだけど、そのためにどうしようか情報収集しようと思って」
「むりよー……あたしもいままでがんばったけどさー……おどしてもすかしても、えさでつってもぜんぜんだめー……」
……本当に予想以上だな。
「ねえ、みずほちゃん……ゆかりってあそこまでつよきだったっけー……?」
「まりや、どういうこと?」
「だってさー……ゆかりっていままであたしにいいまかされてばっかだったのにさー……こんどはぐうのねもでないせいろんで、
あたしをかんぜんにやりこめてくるんだもん……」
「うーん……つまりそれは、こういうことなんじゃないかな?」
僕は、自分なりの考えをまりやに伝えることにした。
「由佳里ちゃんって、素直な娘だからね。それに昔は、心の奥底では、まりやのことを信頼していた。
だから、まりやの言うことも、無意識のうちに信じ込んでいたんだよ。
でも、今の由佳里ちゃんは違う。今の由佳里ちゃんの中では、まりやは完全な悪者になってるはずだし、
まりやの言うことも、最初から疑ってかかってるんだ。疑ってるからこそ、簡単に反論の言葉を見つけられるんだと思うよ」
「つまりー、いままであたしにいいまかされてたのは、あたしをしんようしていたからってことー……?」
「うん。だと思うよ」
「そっかー……あたしのわじゅつがうまいだけじゃなかったのかー……」
まりやは、相変わらず疲れ果てたような調子で、そう言う。
498東の扉:2006/11/16(木) 13:21:54 ID:AUwfrjGy0
「ねえ、まりや、由佳里ちゃんと仲直りすることは、不可能じゃないよ」
「え……? どうやって……?」
「こういう言葉を知ってる? 『苔の一念岩をも通す』」
「しってるけどー?」
「言葉や理屈で打ち負かそうとしてもダメ。由佳里ちゃんと仲直りするために必要なのは、そんな話術なんかじゃなくて、
相手の心の壁を問答無用で壊せるだけのエネルギーなんだよ」
「エネルギー……?」
お、まりや、やっと変換できるようになってきたみたいだな。
「そう。1度や2度の失敗であきらめちゃダメ。何度冷たくされても、めげずに由佳里ちゃんのところへ行かなきゃ」
「うん。わかったよ瑞穂ちゃん。もう1度頑張ってみる」
「その意気だよ、まりや」

「お姉さまー!」
「あ、奏ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様なのですよ」
「どうだった? 由佳里ちゃんは」
「はい。聞いてきましたのですよ」
「それで、由佳里ちゃんはまりやのどういうところが許せないって?」
「全部、だそうなのですよ」
ガクッ……それじゃわからないよ、由佳里ちゃん。
「私の聞き方が悪かったわね。じゃあさ、次は由佳里ちゃんがなぜ怒っているのかを、できるだけ掘り下げて聞いてくれるかしら?」
「はい。承知しましたのですよ」
「じゃあ今日は遅いから次は明日にしましょう。お休みなさい、奏ちゃん」
「お姉さま、お休みなさいなのですよ」
499東の扉:2006/11/16(木) 13:23:39 ID:AUwfrjGy0
あたしは、あれからもう1度由佳里のところへ行った。結果は散々だったけど、瑞穂ちゃんに言われたおかげで、色々なことが見えてきた。
瑞穂ちゃんの言うとおり、今の由佳里はあたしに心を閉ざしていること。はなっからあたしを疑ってかかってること。
振り返ってみれば、今までも確かにそういうところはあった。
次に瑞穂ちゃんが訪ねてきたとき、あたしは愚痴を漏らした。
「でもさ、瑞穂ちゃん。由佳里にきつく言われるのは、やっぱこたえるんだよね……早く仲直りできないかな……」
「まりや、あせっちゃダメだよ。こういうのは。何回でもめげずにやり通してこそ、道は開けるんだから」
「うわ、あたしの一番苦手なことだ……」
あたしはそれを聞いて、思わず口走ってしまった。
「もう、もとはといえばまりやが由佳里ちゃんの気持ちを無視してレイプしたからこんなことになったんだろ?」
うっ……それを言われると……。
そんなあたしの顔を見た瑞穂ちゃんが、突然聞いてきた。
「ひとつ聞くけどさ」
「何?」
「まりやは、なんで由佳里ちゃんにあんなことしたの?」
あんなこと、とは、当然あたしが由佳里の恥ずかしい秘密をネタにいじり倒したことだろう。
「なんでって……」
あたしは、しばらく考えてみた。
「由佳里が授業中もずっとイけなかったみたいだから、イかせてあげたくて……かな」
「ふう……」
あたしの答えを聞いて、瑞穂ちゃんはため息をついた。
「まりや、それじゃ、一生かかっても由佳里ちゃんとは仲直りできないよ」
な、なんでよ? それとこれとどういう関係があるのよ!?
「もう少ししたらまた来るから、それまでにもう一度考えておいてよね」
どういうことよ!? 瑞穂ちゃんの中では、正解じゃないって言うの?
500東の扉:2006/11/16(木) 13:36:54 ID:AUwfrjGy0
次に瑞穂ちゃんは、一子ちゃんを連れてあたしの部屋に来た。
「じゃあもう1度聞くけど、まりやはなんで由佳里ちゃんにあんなこと、したの?」
あたしは、考えた末の答えを言った。
「由佳里がトイレでいけないことをしてたから、姉として、ちゃんと指導しなきゃって思ったから……」
「ダメね」
「ダメって……そもそも瑞穂ちゃん、なんでそんなことあたしに聞くのよ」
「由佳里ちゃんと仲直りさせるのに必要なことだからよ」
なんで? 由佳里との仲直りに、そんなの何の関係もないじゃない……。
「だいたいダメって決めつけて、瑞穂ちゃんに何がわかるの? いつから瑞穂ちゃんはエスパーになったのよ!?」
「エスパーじゃなくてもそれぐらいわかるわよ。とにかく、もう1度よく考えてみて」
「えー!?」
いったいなんて言えば瑞穂ちゃんは満足するのよ?
501東の扉:2006/11/16(木) 13:38:21 ID:AUwfrjGy0
次に瑞穂ちゃんと一子ちゃんが部屋を訪れて、同じことを聞いた。
「まりやは、なんで由佳里ちゃんを犯したりしたの?」
「あたしは……由佳里がトイレとか教室なんて危険な場所でしたら下手すれば終わりだって思ったから、もうそんな危険なことをしないように……」
それを聞いて、瑞穂ちゃんはあたしを睨み、感情を殺した声で言った。
「まりや、ふざけるのもいい加減にしなさいよ」
「ふざけてる? あたしが!?」
「そうです。まりやさんがです」
一子ちゃんも怒気をはらんだ声で言う。
「な、なんで……」
「明日の朝、もう1度だけ聞きに来ますから。その時に正解を出さなければ、私はもう知りませんからね」
「ちょっと瑞穂ちゃん、なんで……」
「言っておきますけどね、奏ちゃんに聞いてきてもらったけど、由佳里ちゃんには、本当の答えはとっくにわかってるわ。
わかってるからこそ、そんな答えを出すまりやのことを怒ってるのよ」
どういうことよ!? 本当の答えってなんなのよ!?
「わからないって顔ね。じゃあ、由佳里ちゃんの代わりに、私から反論させてもらうわ。
まず第一に、由佳里ちゃんが満足できなかったからって言ってたけど、由佳里ちゃんは欲求不満になったら、
まりやにされる間でもなく、自分で勝手にすると思うわよ?
第二に、姉として指導しなきゃって言ってたけど、それにしては恥ずかしいセリフを言わせたりとか、やりすぎ……
というか、やることが本筋から外れすぎてるんじゃないの?
そして第三に、二度と危険なことをしてほしくないって言ってたけど、
そんなの授業中の事故で由佳里ちゃんはもうこりごりだったんじゃないの?」
うっ……そう言われると……。
「そ……それは……全部いっぺんにするには、それが一番だと思ったから……」
「話にならないわね」
「そうですね」
それを聞いた瑞穂ちゃんと一子ちゃんは、ますます呆れた顔で言った。
「とにかく、明日の朝で最後にするから。そこで正解を出せなかったら、私ももうまりやとは絶交するって、そのつもりでよく考えてみなさい」
そう言って、瑞穂ちゃんと一子ちゃんはあたしの部屋を後にした。
502東の扉:2006/11/16(木) 13:40:57 ID:AUwfrjGy0
いったいなんて答えてほしかったんだろう……瑞穂ちゃんは。
確かに瑞穂ちゃんの反論は、理にかなっていた。確かに由佳里にあそこまでする必要はなかったのかもしれない。
授業中のことが事故だってわかった時点で、自分が知っていることと欲求不満になったら手伝ってあげる、くらいのことを言えばよかったはずだ。
あそこで強引にする必要なんかどこにもなかった。恥ずかしいセリフを言わせる必要も。
じゃあ、いったいなんで……。
瑞穂ちゃんは、由佳里には本当の答えはわかってるって言ってた。わかってるからこそ、怒ってるって……。
あたしは、由佳里に謝りに行ったときのことを思い出していた。

「だから、何度も謝ってるじゃない」
「何度謝られても、許す気なんかありません。帰ってください」
「……じゃあ、どうしたら許してくれるの?」
「……だったら、土下座して心をこめてこう言ってくださいよ。『私は自分の醜い欲望を満たすために、あなたに取り返しのつかない
深い心の傷を負わせてしまいました。私は本当にはらわたまで腐りきった恥知らずの性悪女でした。まことに申し訳ございません』って。
お姉さまや奏ちゃんの見てる前でね」
「そ、そんな恥ずかしいこと……」
「人にはその何十倍も恥ずかしいことを平気で言わせたくせに、自分は恥ずかしいからできないんですか? たいしたお姉さまですね」
皮肉だ……この『お姉さま』は……。
「あ、あたしは由佳里のためを思って……だいたい、人が下手に出てるからって調子に乗るのも……」
「何が私のためなんですか。いつも下手に出てるのをいいことに調子に乗ってるのはあなたの方でしょう!? 
本当なら生徒会長さんを含めた全校生徒の前で言ってほしいところを、その2人だけでこらえてあげてるんですよ? 
私に慈悲深さに、感謝してほしいですね」
「う……」
「だいたい、イヤなら言わなくてもいいんですよ? 私は、あなたなんかと仲直りしたいなんて、これっぽっちも思ってないんですから」
503東の扉:2006/11/16(木) 13:52:37 ID:AUwfrjGy0
由佳里には、本当の答えがわかってるって瑞穂ちゃんが言ってた。あのときのやり取りは、それで由佳里が怒っている証拠なんだ。
あたしは、由佳里のセリフをヒントに考えてみた。
なぜ、由佳里が怒っているのかを。なぜ、瑞穂ちゃんがあたしの出した答えを否定したのかを……。
「確かに瑞穂ちゃんの言うとおり、由佳里にあそこまでやらせる必要はなかったな……じゃあ、なんであたしは……」
504東の扉:2006/11/16(木) 13:56:10 ID:AUwfrjGy0
翌日、僕はまりやの部屋を訪ねた。
「まりや、入るよ」
まりやから許可をもらい、僕は部屋に入る。まりやの顔は、以前よりやつれていた。
「これが最後だよ。まりやは、なんで由佳里ちゃんを犯したりしたの?」
「あたしは……」
僕は、じっとまりやの返答を待つ。
「あたしは、由佳里をオモチャにして遊びたかったから……由佳里の恥ずかしさと快楽に歪む顔が見たかったから……由佳里を犯したのよ……」
まりやは、力なくうなだれて答えた。
「ふーっ……やっとわかったみたいだね」
それを聞いて、僕は安心した。
「じゃあ、まりやはそれがいいことだと思う?」
まりやは、うなだれたまま首を横に振った。
「そうだよね。由佳里ちゃんが怒るのも無理ないよね?」
「うん……」
「だったら、まりやがどうするべきかわかるでしょ? それがわかったなら、
由佳里ちゃんに対しての謝罪にも、より強い説得力が出るはずだから」
「そっか……」
まりやはやっと気づいたみたいだ。この質問が由佳里ちゃんと仲直りさせるために必要だと言った、その理由に。
「うん。わかった。あたし、もう1度由佳里に謝ってみるよ」
「それがいいよ。今度は今までと違って、由佳里ちゃんの心も少しは揺れると思うからね」
「そうだね。ねえ、瑞穂ちゃん」
「何?」
「ひとつ、お願いしてもいいかな……」
「内容にもよるけど……何?」
これでいい。今度こそ、再生への兆しが見えてきた。
これからが本当の勝負だ。
見てなさいよ。かならずまりやと由佳里ちゃんの絆を、取り戻してみせるから!

この続きは、「ほころび始めた縁 後編 修復の光」でお話しするから、もしよければつきあってね。
505コマイ:2006/11/16(木) 18:44:03 ID:q+k9hipy0
11月16日

「今日パーティーするけどあんたも来る?」
それはまりやらしく突然の誘い
当然貴子は答える
「え…ええ…もちろん行きますわ」

会場となった寮の食堂にはワイングラスが並べられている
「まりやってば私たち未成年なんだからお酒はダメなのに…」
「瑞穂さん、今日くらい良いではありませんか」
紫苑さまもお呼ばれしてきている、そこはかとなくうれしそうだ
「そういえばまりやさんの姿が見当たりませんが…」
「あ、まりやお姉さまなら厨房でお料理作ってます、すぐできるって言ってましたけど」
貴子の疑問に由佳里が答える
「まりやさんのお料理ですか」
「ええ、まりやってば張り切っていましたから」
「まりやお姉さまお一人で大丈夫なのでしょうか〜」
「まりやさんのお料理の腕は確かですわ、一応」
「幼馴染の貴子さんが言うのですから間違いないでしょうが…ですがお一人では大変でしょうに」
そんなやり取りの間にまりやが料理を持って戻ってきた

506コマイ:2006/11/16(木) 18:44:59 ID:q+k9hipy0
「さ〜て、できたよ〜」
まりやが持ってきたのは鍋、入っているのは鴨肉
「まりや?お誕生日のパーティーに鍋はないんじゃない?」
「へ?誕生日?誰の?」
まりやは心底分からないようだ、きょとんとしている
「私の、ですわ」
貴子は怒りのオーラを発している、まりやは少したじろいでしまった
「あのさまりや、じゃあ今日のパーティーってなんのつもりだったの?」
「何ってボジョレーの解禁日でしょ」
「ま〜り〜や〜さ〜〜〜ん、まさか私の誕生日を…」
「ごめん、忘れてた」
鍋を置いたまりやがパンと掌を打って謝った
「ふ…まさか旧来の宿敵の誕生日を忘れていたとは…」
「まりやお姉さま…もしかしてケーキなんかは…」
由佳里が恐る恐る聞いてみる
「うん、もちろんない」
貴子はがっくりと膝を落としてしまった
「ふふふふふふ、今までこんな人と張り合っていたかと思うと情けなくなってしまいますね」

507コマイ:2006/11/16(木) 18:47:59 ID:q+k9hipy0
「貴子さん、私ちゃんとケーキ買ってきましたから」
「紫苑さま…」
貴子がちょっとうるんだ目で紫苑を見つめる
「まりやお姉さまお一人に準備をお任せした奏たちも悪かったのですよ〜」
「私たちパーティーって聞いたからてっきり貴子お姉さまのお誕生日だと思って…」
「幼馴染の誕生日を忘れるまりやがおかしいんです」
みんなが貴子を慰める
「ちぇーあたし一人だけ悪者かい」
そして拗ねてしまうまりや
「ふー、まあいいですわまりやさん、これはこれで忘れられないお誕生日になりましたし」
「許してくれる?」
ちょっとかわいく言ってみるまりや、でも貴子は…
「とんでもない、これからまりやさんを強請るネタとして使わせていただきますわ」
5083-180:2006/11/16(木) 19:28:02 ID:d31VFGs80
 今は、大丈夫かな?貴子さんお誕生日おめでとうございます。
構想数時間、書くのに数十分の即製品を投下します。
質は保証致しかねますがご笑覧下さい。
5093-180:2006/11/16(木) 19:28:50 ID:d31VFGs80
ふたつの祝い

 祝いを述べていく者達。この中で本当に私に祝いを述べているのは何人いるのだろうか。
もしここに私が居なくて、『厳島貴子』と書かれた人形が置いてあったとしても、何事もなく物事が進んでいくだろう。
『厳島貴子の誕生祝い』なんて形だけ、参加してる者達は父と厳島グループとの繋がりを強めたいと思っている者だけなのだから。
心の中だけでため息を吐きつつ、笑顔で形だけの祝いに応えていく。それがここでの仮初めの主役に与えられた役割だから。


 少しばかり去年のことを思い出していると、
「ほーら、貴子。なーに主役がぼんやりしてるのよぉ」
 いきなりのまりやさんのアップに驚きつつ、応える。
「ちょっと、まりやさん。驚かさないで下さい」
 そう、今年は違う。厳島家を飛び出した私。その最初の誕生日。ここに居るのは、親しき人と大事な人だけ。
心から私を祝ってくれる人しかいない、祝いの席。私は心からの笑顔を浮かべみんなの中へ再び入っていった。

(終)
510Qoo:2006/11/16(木) 19:37:12 ID:OTvYPcZH0

 処女(オトメ)レジェンドスペシャルプロジェクト

  バースデイ・カプリッツィオ


◆ 9回表 11月16日:放課後

 嬉しそうに笑う会長。
 パーティは、宴もたけなわ。
 笑顔が溢れ、笑いがこぼれる。
 しかしあるプレゼントが、会長をぐらりと揺らめかせた。
 吹雪くは、血の雨。
 プレゼントに、紅い染みが拡がっていく。

 運命の歯車が、血に濡れて、ゆっくりと回りはじめる。
511Qoo:2006/11/16(木) 19:38:42 ID:OTvYPcZH0
◆ 1回表 11月14日:朝

 ふるん、ふるん、と柔らかそうなウェーブヘアーが揺れる。
 大丈夫かな…。
 早足で校門をくぐり、辺りの制服姿の生徒たちが別段慌てている様子もなく悠々と歩いているのを確認すると、
 烏橘加奈子は、「はぁ」と溜息をついた。
 加奈子は遅刻の常習犯、というわけではない。…と自分では思っている。
 礼節には厳しいこの学校である。
 目覚し時計は余裕をもってセットしているし、その時間にも一度はちゃんと起きられるんだけど…。
 どういうわけか、この聖應の校門をくぐるころには早足で急がなければ少しやばい状況になっていることが
 多々あるのだった。
 何でだろう。不思議だ。

 もう一度軽く溜息をついて目を前に向けると、しばらく前を歩く、後ろ姿ですら一際目立つそのお姿に目を奪われる。
 というか、ちょっと不自然な感じに一定の距離感を保って人が取り巻いているので、どう見ても目立っていたりもする。
 眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能、優しくって、それでいて謙虚で慎ましやかで、
 エルダー選挙史上最多得票数、聖應史上最高のエルダーとも言われる最強お姉さま、宮小路瑞穂さまと、
 その隣にして決して霞むことのない美貌と才気を誇る我らが生徒会会長、厳島貴子その人だ。
 お姉さまは寮生なので、同じ寮の生徒と一緒に登校されているのをたまにお見かけするのだが、
 今日は会長と二人だけのようだ。
 時折、周囲の生徒が遠慮がちに近づいて二人に挨拶をすると、お姉さま方が一、二言返され、
 そして声を掛けた生徒は嬉しそうに赤らめた顔でお辞儀をして再び一定の距離を取る。
 無理もない。加奈子は二人に挨拶をしようと、緩めていた足を心持ち早めるのだが、
 二人のお姿が近づくにつれ、本当に綺麗な人たちなのだと実感する。
 何か雑談しているらしい二人が楽しげに微笑する様子は、正に花が咲くよう、という表現がピッタリだ。
512Qoo:2006/11/16(木) 19:40:30 ID:OTvYPcZH0

「お早う、加奈子」
 お姉さま方との距離が大分縮まった時分に、後ろから声を掛けられた。
 声の主の姿が頭に浮かぶと、加奈子の顔がふわりと笑顔に変わる。
「あぁ〜、葉子さん。お早うございます〜」
 加奈子は振り向くと、おっとりと挨拶を返した。
 すらりとした痩身に、ボーイッシュなショートカットヘアー、いつもクールな瞳。門倉葉子さんだ。
「こんな時間に加奈子と会うなんて、珍しいわね」
「どういう意味ですか〜?」
 葉子さんの軽口に加奈子がブゥ、と頬を膨らませるが、葉子さんはふふっ、と軽く笑っただけで、
 そのまま加奈子の横を通り過ぎると、すぐ先を歩くお姉さま方に声を掛けた。
「会長、お姉さま、お早うございます」
 お姉さまと会長が振り返る。その自然な仕草すら、呆れるほど優雅。
「お早うございます」
「お早うございます。葉子さん、加奈子さん」
「お早うございま〜す」
 加奈子は挨拶を返すと、二人に追いついた葉子さんの横に並んだ。
「何を話していらしたんですか?」
「ふふっ、いえ、恐らく葉子さんたちが話していた内容の方が面白いと思うわ」
「残念ながら、加奈子とはそこで会ったばかりなんです」
「あらあら、それは残念ね」
513Qoo:2006/11/16(木) 19:46:35 ID:OTvYPcZH0

 楽しそうに話しはじめる会長と葉子さんを尻目に、頬に溜めた空気を尖らせた口からプー、と噴き出す加奈子。
「どうしたの?加奈子ちゃん」
 ご機嫌斜めの様子に気付いたお姉さまが加奈子に話しかけた。
「葉子さんってば酷いんですよ〜」
「どうしてよ。こんな時間に加奈子に会うのが珍しい、って言っただけじゃない」
 お姉さまが言葉を返される前に、葉子さんが反論する。
「珍しいって、それじゃあまるで私が毎日遅刻しているみたいじゃないですかぁ」
「違うの?」
「う…、遅刻はしてないですよぉ…」
 段々と勢いを失う加奈子。
「遅れては、いるのよね?」
「…ず、ずるいですよぉ葉子さぁん」
「何がずるいのよ」
 呆れたような目で見つめられ、釈然としない様子で睨み返す加奈子。
 まぁ、葉子さんとの言い合いで加奈子が勝てることなど皆無に等しい。
「結構早く起きてるんですけどぉ…、学校に着く頃にはちょっとギリギリになってるんですよね〜…」
「二度寝するから遅れるのよ、加奈子は」
「そうなの?」
「だってぇ…起きたときにまだ時間があるからもうちょっと寝ても大丈夫かなぁ〜って思ってぇ…」
「で、もう1度寝てしまうと…」
「ベッドの中でごろごろしてるとすごく気持ち良くってぇ…」
「言い訳にならないわよ」
 葉子さんの鋭い突っ込みが飛ぶ。
「うぅ」
514Qoo:2006/11/16(木) 19:48:35 ID:OTvYPcZH0

「ふふっ。そういうときは、ルールを作るといいかもしれないわね」
 とお姉さまが人差し指を立てた。
「ルールですかぁ?」
「例えば…葉子さんより先に登校できたら、葉子さんから何かしてもらえるとか」
「あぁ〜、それいいですねぇ」
 それは名案だ、とばかりにぽん、とグーにした拳を手の平に乗せる加奈子。
「お姉さま、加奈子を甘やかさないで下さい…。加奈子、学校に遅れないようにするのは生徒の基本的な義務よ」
「う…葉子さんのいけずぅ…」
「まぁまぁ葉子さん。今日は遅れずに済んだのですから」
 会長がそう言った矢先、お姉さまは右手の腕を持ち上げて「あれ?」という表情をすると、
「貴子さん、いつの間にかちょっと急がないとまずい時間になってますよ」
 と少し慌てた様子で会長に遅刻しそうだという旨を伝えてみせた。
「えっ?」
「あれ、うそ、今日は大丈夫だと思ったのに」
 思わずそんなことを口走ると、慌てて腕時計で時間を確認する加奈子だったが…。
  ………
「…ぷっ」
「…ふふふ…」
「…くっ…」
 まだまだ余裕のある時間と、3人が肩を震わせて笑っているのに気付く。
 鎌をかけられた、いや、担がれたのだ。
515Qoo:2006/11/16(木) 19:49:47 ID:OTvYPcZH0

「お姉さまぁ〜〜?」
 加奈子は低い声を出しながらお姉さまを恨めしげに見上げた。
「ごめんなさい」
 素直に謝るお姉さまだったが、笑いながらの謝罪では誠意も激減している。
「酷いですよぉ〜…」
「でも加奈子、問うに落ち、語るにも落ちたわね」
「えっ?」
「今日は?大丈夫だと思ったのに?」
「あっ…」
 咄嗟に口走ってしまった失言に気付くと、会長とお姉さまがまたプッ、と噴き出して肩を震わせる。
「誘導尋問なんてずるいですよぉ〜!」
「私じゃなくって、お姉さまに言ってよ。それに、自業自得よ」
「ぶ〜。それに、いつも遅刻してるわけじゃないんですからね〜」
「誰もそんなことは言ってないから大丈夫よ」
 お姉さまが膨れる加奈子をなだめるが、
「思ってはいるけどね」
 と葉子さんが、口の端を本の少し吊り上げる。
「グレちゃいますよ〜」
 葉子さんの売り言葉に再びブゥ、と頬を膨らませる加奈子だが、それは怒っている振り。
 いつものことだが、不思議と本気で葉子さんを怒る気にはなれないのだった。
「はいはい、急がないと遅刻してしまうわよ?」
「会長〜」
「ふふっ」
「ふふふふ…」
 辺りに少女たちの笑いが溢れる。
 加奈子の顔も皆につられてか、いつの間にか笑顔が戻っていた。

 今日も彼女たちの優しくて、退屈で、甘くて、大変で、楽しい日常が幕を開ける。
516Qoo:2006/11/16(木) 19:52:19 ID:OTvYPcZH0
◆ 2回表 11月14日:昼休み

 昼休み、生徒会室。
君枝「主よ、今から我々がこの糧をいただく事に感謝させたまえ、アーメン」
 君枝は慣れ親しんだ祈りを口ずさむと、弁当の蓋をぱかっ、と外して箸を握った。
 昼食を生徒会室で摂ることが多い君枝。 別に教室で食事を摂りづらいわけでも、友達が居ないわけでもない。
 昼休みも業務をこなすこともあるのだが、静かであり、自分の仕事場である生徒会室は
 この学院のどの場所よりも君枝のことを落ち着かせてくれた。
 生徒会の仕事は4人というギリギリの人数での運営は大変ではあるものの、
 それだけに役員内の連帯感は強く、それだけにこの空間はいわば自分の居場所…と言い代えることもできる。
 もちろん、あの人が来る場所ということも、この場所を神聖化させることに一役買っていた。 

 君枝は弁当の中で黄色い光彩を放つ卵焼きを摘まみあげた。 今日の弁当は君枝が自分で作ったものである。
 基本的に料理は苦手ではなく、毎日というわけではないが君枝が自分で弁当を作ることもしばしばあった。
 綺麗な色にできたな、と思っていると、自分の席でサンドイッチを食べていた加奈子さんがふと呟いた。
加奈子「その卵焼き、美味しそうですねぇ」
 あ、きたな。
君枝「一口いりますか?」
 加奈子さんと一緒に食事をしていると、「美味しそうですねぇ」、みたいなことを加奈子さんが口にすることがある。
 「美味しそう」と「食べたい」が同義であるかは分からないが、そういう場合君枝は四の五なく
 「いりますか?」みたいな感じで聞いてしまっていた。
 葉子さんの場合は、「あげないわよ」で一蹴するのだが、君枝はそういう風に突っぱねることは出来ない。
 加えて友達同士であれば、どれそれと交換ならいいよ、とでも言えるのだろうが
 (もしそう返せば、にぎやか好きな加奈子さんのことだ、喜んで交換に応じるだろう)、
 君枝は基本的に受身でしかも下手に上級生なだけに、一方的にあげる立場になるのが通例だった。
517Qoo:2006/11/16(木) 19:54:23 ID:OTvYPcZH0

 あ〜ん、と開いた加奈子の口に、摘んでいた卵焼きを放り込む。
「おいひぃ〜」
 自分でもうまく出来たと感じていた卵焼きは味覚の琴線を揺さぶることができたのか、加奈子さんはにこにこと満面の笑みを浮かべた。
 ここまでの反応だとさすがに"あげ甲斐"もあるといというものだろうか。
 その加奈子さんの表情に君枝も思わずくすっ、と微笑する。
「それじゃあお返しにたまごサンド少し食べます〜?」
「あ、いえ、私は…」
 加奈子さんのお決まりの返し文句に、君枝がお決まりの返し文句を返していると、がちゃり、と生徒会室の扉が開いた。

「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「まだご飯食べてただけですけどね」
 加奈子さんの軽口を鼻息で流しながら扉をパタンと閉じると、「ちょっといい?」と葉子さんが二人の前まで歩いてきた。
「どうしたんですか〜?」
「明後日なんだけど、11月16日。何の日だか分かる?」
「11月16日ですか〜?」
 11月16日というと、今日から2日後。
 すぐにピンと来た。 というか、今日もそのことで頭を悩ませていたのだが…。
「会長の誕生日ですね」
「そう。加奈子、覚えてた?」
「勿論ですよぉ〜」
 そういう加奈子さんだが、挙動がちょっとぎこちない。
 何か嘘っぽいな。
「忘れてたのね」
 すぐさま葉子さんに突っ込まれると、「…えへへ…」と照れたようについつい、と鼻頭に触れる加奈子さん。
 やっぱり覚えてなかったか。
518Qoo:2006/11/16(木) 19:56:31 ID:OTvYPcZH0

「それで、君枝さんはもうプレゼントは買ったの?」
「いえ…ずっと考えていたんですけれど、なかなか決まらなくって…」
 そう。 数日前からずっと考えていたのだが、いまいちプレゼントが決まらないのだ。
 きっと何を贈っても会長は喜んでもらえる…とは思う。 うぬぼれじゃなくって、それはきっと会長の優しさから。
 でも、どうせ贈るのだったら心の底から喜んでもらいたいと思うのが人情というものだろう。
「丁度良かったわ。それじゃあ、明日の放課後にでも皆でプレゼントを買いに行かない?」
「それはいいですね」
 二つ返事で快諾する。
 このまま一人で考えていると、出口のない堂々巡りを続けかねない君枝には渡りに船だ。
 同じく「は〜い」と承諾した加奈子さんだったが、何かを思いついたらしく二人に提案を持ちかけてきた。
「あぁ〜、それじゃぁ、皆でお金出し合って1つのプレゼントを買いませんか〜?」
「…ふぅん。加奈子の案にしては悪くないじゃない」
「どういう意味ですか葉子さん…」
 揶揄するように言われ、ぐぐーっ、と睨みつける加奈子さんだったが、葉子さんの涼しげなポーカーフェイスは崩せなかった。
 何というか…本当に仲がいい二人だと思う。
「今日の放課後はどう?」
「今日は…明日の朝会の資料をまとめないといけないので…」
「私はぁ、今日はお金持ってきてないですぅ」
「そう。じゃあ明日の放課後ならいい?」
「えっとぉ、多分大丈夫だと思いま〜す」
「私も大丈夫だと思います」
519Qoo:2006/11/16(木) 19:58:12 ID:OTvYPcZH0

「じゃあ、明日の放課後ね。あと会長を驚かせるつもりだから、
 プレゼントのこととか会長の誕生日のこととかには触れないこと。いいわね」
「分かりました」
「はぁ〜ひ」
「約一名不安なのがいるけど…」
 じい、とツナサンドを口に咥えた加奈子さんを見下ろす葉子さん。
「はんへふはぁ…」
「…まぁいいわ。明日の仕事は少なくなるから、調整お願い」
「分かりました」
 「それじゃ」と葉子さんが踵を返すが、その背中を加奈子さんが呼び止めた。
「あ、ようほはん」
「ちゃんと食べてから喋りなさい…」
 呆れたように言いながら葉子さんが振り返る。
 加奈子さんは言われたとおり?ちゅ――、ごくん、と食べていたものをオレンジジュースで流し込んで言った。
「葉子さぁん、お昼ご飯食べました〜?」
「いや、まだだけど」
「ここで一緒に食べません〜?」
「遠慮しとくわ」
「えぇ〜、ぶぅ〜」
「待ち合わせがあるのよ。また今度ね」
 ひまわりの種を頬袋に溜めたハムスターみたいに膨れている加奈子さんを尻目に、
 葉子さんは手をひらひらと振りながら生徒会室を後にした。
520Qoo:2006/11/16(木) 19:59:36 ID:OTvYPcZH0

「私との食事より大事な待ち合わせがあるなんてぇ…」
 葉子さんの出て行った扉を見詰めながらぽつりと呟く加奈子さんの言葉に、君枝は思わず「えっ!?」と驚きの声を上げた。
「? どうしたんですかぁ?」
「か、加奈子さんと葉子さんって…その…そういう…」
 そういう関係なの?と聞きたかったんだけど…。
 でももしも…もしも二人がそういう関係だとすると、あんなに色々言われてるのに
 決定的に怒ったりしない加奈子さんの様子にも説明がつく。…のだろうか?
「??」
 何だかしどろもどろな君枝の様子に首をかしげる加奈子さん。
「いえっ、な、何でも…」
 段々と君枝の言葉尻が消沈していく。
 オレンジジュースをストローでちゅ―と吸いあげながら不思議そうに首をかしげる加奈子さんに、
 あはは…、と乾いた愛想笑いでごまかしつつ、弁当の方へ視線を逸らした。
 確かに聞いてみたかったけど、聞くのもちょっと怖い気もする…。
 加奈子さんのことだから、多分聞いたら教えてくれるだろう。
 でも、もし"そう"だったら…今後二人を見る目を全く変えないでいられる自身はちょっとなかった。
 もちろんもし答えが"そう"だとしても、二人のことを嫌いになったり軽蔑することはないと断言できる。
 ただ二人を見るときとか、二人の会話を聞くときにいちいちドキドキしてしまいそうで…。
 冷たい言葉を吐く葉子さんだけど、実は二人っきりのときには甘い言葉をささやいているのかな…なんて、
 って何考えているんだ私は…。
521Qoo:2006/11/16(木) 20:02:05 ID:OTvYPcZH0

 それに、自分の気持ちすらうまく分からないのに…と、何となくはばかられてしまった。
 好きな人かぁ…。
 溜息をつきながらふと「好きな人」というフレーズを頭に思い浮かべると、頭の中に浮かんでいた「好きな人」という文字が、
 ぼわん、と煙を立てながら会長と、お姉さまの顔に姿を変えた。
「わわっ!」
 それに驚いて思わず声を上げてしまい…当然加奈子さんに「どうしたんですか〜?」と聞かれてしまう。
「な、何でもないんです!」
 慌てて乾いた愛想笑いを振りまいてごまかしつつ(ごまかせているのか?)、視線を弁当へと戻す。
 変な人と思われてるかも…っていうか、絶対思われてる。 自分の想像に驚いて大声上げるなんて…ばかじゃないの。
 君枝は人前で思いもよらぬ痴態を演じてしまったことに猛省しつつ、
 加えて「好きな人」に会長とお姉さま両方を思い浮かべてしまったことにショックを受け、
 机に突っ伏してしまおうかと考えたところで、目の前に弁当があることを思い出した。
「はぁ…」
 再び重い溜息をつくと、お腹が腹減ったぞ〜と小さなうなり声を上げていることに気付く。 
 悩んでいても、お腹は空くのだ。
 君枝は箸を握りなおすと、先ほど食べ損ねた卵焼きを口の中に放り込んだ。
522Qoo:2006/11/16(木) 20:03:35 ID:OTvYPcZH0
◆ 3回表 11月14日:放課後

 パタパタパタ、とノートパソコンのキータッチ音が室内に響く。
 本日の授業過程は全て終了し、そのあとはいつもどおり生徒会活動と相成る。
 書類に目を通したりのキーボードをタイピングしたり書類にペンで記入を行うときの加奈子の表情は、
 いつもの様子からは考えられないくらい真剣だ。
 どうにも普段のぽや〜んとした口調や行動から、頭がちょっと…、的なイメージを持たれることの多い加奈子だが、
 普段気を抜きすぎているだけで、学校の成績やこういった生徒会活動での働きは優秀である。
 それは葉子さんをして、「いつもその調子だったらいいのに」と言わしめる。 誉め言葉かどうかは別として。
「ふぅ〜…」
 一段落つ〜いたっ、といった感じでキーボードのエンターキーをパチンッ、と叩くと、
 溜息をついて立ち上がり、プリンターから吐き出されてくるはずの紙を待ちながら、「ん〜…」と伸びをする。
 ふと窓の外へ目を向けると、雨が降っていることに気付いた。
 空は黒ずんではいない。 しかし、降り方はそこそこ激しい。
「あれ…、雨降ってたんですねぇ」
「丁度今降り出したようね…。空は明るいままだから、多分すぐ止むとは思うのだけれど…」
 加奈子の疑問に答えながら、会長がポット代わりのコーヒーメーカーの横に置いてある、
 紅茶の茶葉が入っている背の低い筒を手に取った。
「かっ、会長!会長がそんなことなさらなくても、私がっ!」
 そんな会長の行動を目ざとく見つけた君枝さんが、慌てて声を上げて立ち上がる。
 まぁ、君枝さんの性格からして会長が雑用なんかしていれば当然放っておかないわけで。
「いいのよ君枝さん」
「そ、そういうわけにはいきません!」
 どもりながらも会長の持っている筒を何とか奪い取ろうとする君枝さん。
 必死に懇願する様子から、会長にそのような手間をかけさせるわけにはいかない、という心の声が聞こえてくるようだ。
 会長はそんな君枝さんの困った表情を見つめると、少し苦笑しながら、
 「分かったわ。お願いするわね」と筒を君枝さんに手渡した。
523Qoo:2006/11/16(木) 20:05:11 ID:OTvYPcZH0

「はいっ、お任せ下さい!」
 それを嬉しそうに承る君枝さん。 敬礼でもしかねない勢いだ。

「そういえば会長。この茶葉はどこで買われたんですか?」
 君枝さんが承った筒のふたをぽん、と開けながら質問した。
「これ?これは駅近くのアーケードの紅茶専門店で買ったものよ」
「そうなんですか。前頂いたときに美味しい紅茶だと思っていたんです」
「ふふっ。それは良かったわ」
 そう言って会長が微笑する。
 しかし君枝さんが中のプラスチックの二重目のふたとぱかっ、と外すと。
「あれ…」
「どうしたの?」
「いえ、その…茶葉がなくなっているみたいです…」
 と申し訳なさそうに答えた。
「そう…。なら、新しい茶葉を買わないといけないわね。今から買ってこようかしら」
 そんなことを言い出す会長だが、会長命の君枝さんがそんな"暴挙"を許すはずも無く、当然慌てたように声を上げる。
「それなら私がっ」
「いいのよ君枝さん、私用なのですから…」
 先ほどと同じ問答を繰り返す会長と君枝さん。
 となれば、結果も同じである。 会長の少し困った表情も、やはり同じだ。
 ほんとよく見る光景だけど、飽きないなぁ…と自分のことを棚に上げて思う加奈子。
524Qoo:2006/11/16(木) 20:06:54 ID:OTvYPcZH0

「…分かったわ。それなら…」
 根負けした会長は自分のポケットの中から財布を取り出すと、お金を会長の机の上にあった封筒に入れて、
 その封筒にペンですらすらと何かを書き込んだ。 多分紅茶の種類などを書いているものと思われる。
 やおら書き終えると、「はい」と君枝さんに手渡した。
「場所は、分かるかしら」
「はい。何度かお店の前を通ったことがありますから」
「そう。なら、お願いするわね」
「かしこまりました」
 君枝さんは受け取った封筒を嬉しそうに握り締めると、生徒会室を後にした。
 それと入れ替わるように、用事があるとかで「すぐに戻ります」と言い残して外出していた葉子さんが帰ってきた。
「ただいま戻りました…。今、君枝さんが」
「ええ。紅茶を買いに行ってくれたの」
「…君枝さんのことですから、私が行くと言ってきかなかったんですね」
 会長がどうにも形容しづらい表情を浮かべているのを見て、
 葉子さんが先ほどの状況を見事言い当てた。
 すごい。 さすが葉子さん。
「ええ…。私用なのだから気にしなくてもいいのだけれど…」
「君枝さんは会長を慕ってますからね」
「確かに、それは嬉しいしありがたいわ」
「会長の役に立つことが嬉しいんです。 できればこういう雑用は君枝さんに任せてあげてください」
「…そうね。できればそうするようにするわ」
 何かを想うように軽くまぶたを閉じる会長。 何か、大人な会話って感じだ。
525Qoo:2006/11/16(木) 20:09:46 ID:OTvYPcZH0

 場が少し落ち着いたところで、加奈子はふと思いついて話題を変えた。
「そういえばぁ、今君枝さんが買いに行った紅茶って、いくらくらいするものなんですか〜?」
 さっき会長が封筒に入れたお札は、確か福沢さんだったはずだ。
「そうね…。ダージリンのファインのセカンドフラッシュだから…100グラム3000円くらいかしら」
「結構、っていうかかなりするものなんですねぇ…」
 はぁ〜…、と感嘆とも呆れともつかない溜息を漏らす加奈子。
 日頃飲むものにそんなにお金をかけるという感覚がちょっと分からない。
「まぁ、紅茶はピンからキリまであるからね。100グラム1万超えるものもあるんだし」
「お二人はそういう紅茶って飲んだことあるんですか〜?」
「多分、私はここで飲んだ紅茶が今まで飲んだ紅茶の中で一番高いと思う」
「あるにはあるけれど…。好みがあるから、値段が高ければ美味しいというものではないわ」
「ふぅ〜ん…そうなんだぁ…」
「まぁ、加奈子には紅茶のピンキリは分からないでしょうけれどね」
 二人の意見を頷きながら聞いていた加奈子に、葉子さんが冷淡な口調で茶々を入れる。
「そんなことぉ…」
「ないの?」
「…だったら葉子さんは分かるんですかぁ〜?」
 追い詰められた加奈子だったが、ない、とは言えず、でもある、と答えるのも癪なので、問題をすり替えて反撃に出る。
「分からないわよ?」
 葉子さんは手に書類を持って立ち上がりながら、しかして事も無げに答えた。
 分かるわよ、とそれが当然のことのように返されるのもなんだけど、だからといって暖簾に腕押しなのも面白くない。
 加奈子から目を逸らしながら、「わ、分かるわよ?」とか明らかに嘘と分かるような動揺を期待していた加奈子は、
 (そんな手に乗ってくれる人ではないことは分かっているけど…)上手く自分のペースにはまってくれない葉子さんが
 君枝さんの机に書類を置くのを見つめながら、つまらなそう唇を尖らせた。
526Qoo:2006/11/16(木) 20:11:44 ID:OTvYPcZH0

 葉子さんは加奈子の机にもプリントを何枚か置くと、
「報告書を回収しに行ってきます」
 と再び生徒会室を後にした。
「はい」
「行ってらっしゃ〜い」
 パタン、と扉が閉まるのを待ってから、加奈子は図らずも二人きりとなった会長に話しかけた。
「葉子さんってぇ、加奈子に冷たいですよねぇ」
 葉子さんがいないのをいいことに、愚痴をこぼしてみる。
 そうだ。葉子さんは冷たい。
「そうかしら…」
「そうですよぉ」
 会長やお姉さまとかと話してるときはすごく素直で言うこともすぐにうなずくのに、
 加奈子と話してるとばかにしたり、からかったりするのだ。
「でも加奈子さんと話しているときの葉子さんは、いつも楽しそうに見えるわ」
「加奈子をからかって楽しんでるだけなんじゃないんですかぁ?」
「ふふっ。それは否定できないけれど…」
 笑いながら言う会長に、やっぱり出来ないんじゃないですか、と軽く突っ込みたかったけど、すぐに会長が続ける。
「でも、からかうっていう行動は、相手のことを興味があったり、よく知っていなければできないことだと思うわ」
「ということは、葉子さんは私に興味があるのかなぁ…」
「かもしれないわね」
 そう言って会長が微笑んだ。
 加奈子の頭の中の誰かが「きっとそうだよ」と言う。 加奈子の頭の中の誰かが「そんなわけないだろう」と言う。
 そうだといいなぁ…とは思うが、本当のことは葉子さんしか知らないのだ。
 加奈子はプリンターからとっくの前に吐き出されていた紙を会長に手渡すと、再び外を見やった。
 しばらく前に降り出したらしい雨は、いつの間にかもうすっかり上がっていた。


 そして再び運命の歯車が、雨に濡れて、ゆっくりと回り始める。
527Qoo:2006/11/16(木) 20:19:33 ID:OTvYPcZH0

え〜、アホみたいに長いので、切ります(笑)。

今回は貴子の誕生日の話ですけど、貴子は脇役で、
主役は貴子以外の生徒会役員3人です。

頑張って面白くしていきます! ヽ(`Д´ )ノ Qooでした。m(_ _)m
528名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 20:30:25 ID:B/NYHthY0
コマイさん
これはこれで完結なのでしょうか
まりやのことなのでそんなこといいつつプレゼントも用意してそうな気もしますが
ボジョレーに鍋というのも愉快ですね

3-180さん
その行動力に乾杯
貴子さんの誕生日に乾杯
瑞穂ちゃんも貴子さんも人形でない生活を手に入れたんですねえ

Qooさん
長編のようですね、もしかして裏もあるのかな
生徒会2年生トリオいいですね、申そう入ってるデコ眼鏡もいいですし
百合なのかどうなのかつかず離れずの葉子さん加奈子さんも微笑ましくていい感じです
おとボクの雰囲気が充満してて満幅でした
529名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 22:00:23 ID:y319D7260
せいとかいちょー、たんじょうびおめでとー
530コマイ:2006/11/16(木) 22:48:40 ID:q+k9hipy0
>>528

紫苑「この鴨鍋とても美味しいですね」
貴子「本当に美味しいですわまりやさん、ワインにもよくあいますし」
奏 「飲み口が良いのですよ〜」
由佳里「明日は宿酔いですね」
瑞穂「ああ・・・みんなそんなに飲んで」

−食べ終わって−

紫苑「貴子さん、私プレゼントを作ってきたんです」
貴子「ありがとうございます紫苑さま…これ…お洋服ではありませんか」
由佳里「私も作ったんです、ビーズのアクセサリーなんですよ」
奏「奏はリボンを作ったのですよ〜」
瑞穂「私は…その…不器用なので買ってきたものなのですが…」
貴子「お姉さま…みなさん…私…とてもうれしいです」
まりや「貴子ーあたしもプレゼント」
貴子「まりやさん…」
貴子が包みを開けてみると…でてきたのは未開封のボジョレー
貴子「って今飲んでたワインをラッピングしただけではありませんかっ!」

瑞穂「本当に忘れてたんだ」
531名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 22:49:20 ID:OTvYPcZH0

貴子さん、誕生日おめでとうございます!

危うく言い逃すところだった(笑)。

>>528
あの、実は加奈子だけ同級じゃないんです。
葉子と君枝は2年生で、加奈子だけ1年生。 豆知識でした(笑)。
532528:2006/11/16(木) 23:17:04 ID:B/NYHthY0
>>531
そうでした、指摘ありがとうございます
加奈子は奏や由佳里と同級生で1年でした
でないとエトワールが成り立たない
葉子さんとの絡みで加奈子も2年のように錯覚してました
533名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 23:43:50 ID:y319D7260
加奈子さんが1ねnごほごほ…新入生だったのは知りませんでした。
てっきり君枝さんたちと同学年だと思っていたのに。

Qooさんのバースデイ・カプリッツィオですが、加奈子さんの一人称なんでしょうけど、どうも三人称のように感じるときもあります。
加奈子さんの一人称が「加奈子」だからでしょうか?
534名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 23:49:35 ID:anIfZJYJ0
誕生日SSきてますねー、貴子さんおめでとう〜!
535名無しさん@初回限定:2006/11/17(金) 00:59:12 ID:R9lbNjO90
>Qooさん
ちなみに加奈子さんじゃなく可奈子さんだあぁぁぁ……
それ以外はGJ! とてもGJ! 
536名無しさん@初回限定:2006/11/17(金) 11:30:00 ID:FFUr/7nX0
まりや「それにしても貴子ばっかりずるいわね」
貴子「なぜです?」
奏「いっぱいSS書いてもらったのですよ〜」
まりや「あたしらんときゃぜんぜん書いてもらえなかったってのに」

一子「あの…私のは書いてもらえるんでしょうかね〜〜〜」
537Qoo:2006/11/17(金) 16:39:39 ID:m3rAu3RQ0

バースデイ・カプリッツィオ、続きです。 ドゾ(泣)。
538Qoo:2006/11/17(金) 16:42:40 ID:m3rAu3RQ0
◆ 2回裏 11月14日:昼休み

「お姉さまね。分かったわ」
 昼休み。お姉さまのクラスに訪れた葉子は、受付嬢の方にお姉さまを呼んでいただくようお願いしていた。
 しばらくしてお姉さまがこちらへと歩いてくる。
「美智子さん、ありがとう」
「いえ」
 美智子さんと呼ばれたその人はにこりと微笑すると、他の生徒のところへ歩いていった。
 お姉さまを呼ぶときに、名前で話しかけていたように聞こえたが、お姉さまと親しいのだろうか。
「葉子さん、どうしたの?」
「少しお話がありまして。お時間よろしいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
「それでは、廊下で。長い話ではありませんから」
「分かったわ」
 数歩歩いて廊下へと場所を移した。
 室内を出ると、廊下は少し温度が低いことに気付く。
 少し暖かい空気を浴びたせいか、慣れていたはずの冷気にぶるっ、と震えが走った。
「それで、話って何かしら」
 にこっ、と微笑するお姉さま。 可愛い…じゃなくて。
 話の内容は当然会長の誕生日のことなのだが、少し思考が逸れてしまった。
「…11月16日って、何の日かご存知ですか?」
「11月16日?…何かしら」
 不躾とは思ったが、とりあえずクイズ形式で質問をぶつけてみる。
 下唇に人差し指を当て思案するお姉さまだったが、しばらく考えたあと、
「…ごめんなさい、分からないわ」
 と申し訳なさそうにギブアップした。
「いえ、もしご存知ないないのであればお耳に入れておきたいと思っていただけですから」
「そうなの。それで、11月16日は何の日なのかしら」
「会長の、誕生日なんです」
「貴子さんの…そう」
 少し驚いたような表情を浮かばせるお姉さま。
539Qoo:2006/11/17(金) 16:45:18 ID:m3rAu3RQ0

 ただ、プレゼントを渡して欲しいとは言わない。 そういうことを言いに来たわけではなかった。
 強制では意味がないのだ。 お姉さまの自主性によるものでなければ。
 まぁ、こうやって誕生日のことを伝えただけでも多少なりとも強制力はあるのかもしれないが、それくらいは勘弁してほしい。
「私からは以上です。それだけを伝えたかったので。昼休み中、失礼しました」
 軽く頭を下げて踵を返すと、二、三歩ほど歩いたところで「待って」と呼び止められた。
「はい」
「11月16日…あさってよね。生徒会の皆は何か予定があるのかしら。プレゼントを渡すだけ?」
「ええ、そのつもりでしたけれど…」
「なら、うちの寮でパーティをしない?」
「パーティ、ですか」
「ええ。そんなに豪華なことはできないと思うけれど、奏ちゃんや由佳里ちゃんも…きっと祝福してくれると思うわ」
 確かにいいアイディア…だけど。
「まりやお姉さまも…ですか?」
 と聞くと、そういう質問が来るのを予想していたかのようにふふっ、と微笑する。
 まりやお姉さまだけ抜いたのは、今の質問を導くロジックだったのだろうか。
540Qoo:2006/11/17(金) 16:52:23 ID:m3rAu3RQ0

「ええ。祝ってくれると思うの。…ダメかしら」
 少し目を細めて懇願するお姉さま。
「いえ、願ってもないことです」
「ありがとう。皆に伝えておくわね」
「よろしくお願いします」
 失礼します、と頭を下げると葉子は踵を返した。
 歩きながら、ついさっきの懇願するお姉さまの表情を思い返す。
 目の前でお姉さまにあんな表情をされて「Yes」と答えない生徒は、この学院にはいないと思う。
 さっきお願いされたことはこちらにとっても願ってもないことだったが、あんな風にお願いされてしまったら、
 頼まれたことがどんなことであっても、別段エルダーシンパではない自分ですら揺らいでしまうかもしれない。

 …そんなことを考えている自分に気付くと、葉子は軽く頭を振った。
 何考えてるんだろ。
 葉子は頭の中を切り替えると、生徒会室に向かうべく足を早めた。 
541Qoo:2006/11/17(金) 16:54:28 ID:m3rAu3RQ0
◆ 3回裏 11月14日:放課後

 放課後。 いつもなら生徒会室で作業をしている時間帯だが、葉子は今並木道を歩いている。
 校舎の外を歩いているからといって、別に生徒会活動をサボっているわけではない。
 目的地は学院寮だった。生徒会活動とは特に関係はない。
 ん? …ということはサボリに近いのだろうか。
 そんなどうでもいいことを考えながら、学院寮を目指す。

 学院寮に到着し、玄関の扉を開けた。
「どなたかいらっしゃいませんか?」
 葉子の声が廊下に響き渡る…がすぐに静寂が戻る。 静かだ。
 教室を出られたことは確認済みだ。 かばんも残されていなかった。 陸上部にも顔を出されていない。
 未だ教室と陸上部以外の校内にいらっしゃる可能性も無きにしもあらずだが…。
 とりあえずは必然的に自室に戻っている可能性が高い。
 もし自室にいて葉子の声が聞こえないのであれば、このままでは埒があかない。
 失礼します、と小さく建前上の挨拶を呟くと、靴を脱いで中に上がることにした。
 ひんやりしている廊下を進む。 靴下越しの床が冷たい。
 事前に調べておいた部屋の前に到着すると、コンコン、とノックしてみる。
「ん〜?誰〜?由佳里?」
 予想的中。
「2年○組の、門倉葉子と申します。まりやお姉さまにお話があって参りました」
 そう。 ここは御門まりやさまの部屋だった。
 用件はもちろんあさってに迫った会長の誕生日に関することだ。
「門倉葉子?」
 疑問符つきで葉子のフルネームを繰り返すと、こちらに歩いてくる気配ののち、扉が開いた。
「あれ、あんた…」
「いつも会長がお世話になっております」
「別に世話はしてないけど…何か用?」
 訝しげな目を向けられる。 掴みは失敗か。
542Qoo:2006/11/17(金) 16:56:42 ID:m3rAu3RQ0

「お聞きしたいことと、お伝えしたいことがありまして。…あさって、11月16日なんですけれど、何の日か分かりますか?」
 お姉さまに聞いたときと同じように質問してみる。
 やはり不躾とは思ったが、相手の反応を見るにはこれが一番だろう。
 葉子の目をしばらく見つめ一瞬何かを考えるように目を逸らすと、
 扉のかまちに背もたれ、再び葉子の目に視点を戻して答えた。
「…さぁ。何なのよやぶから棒に」
「…ご存知の様ですね」
 答えが出たからこそのこの速い反応と判断して、断言してみる。
 二人とも幼稚舎のころからの知り合いと聞く。 犬猿の仲とはいえ長い付き合いだ。
 それに生徒会関係者の葉子がXデーの2日前に来たとなれば、ピンと来てもおかしくないと踏んだのだが…。
「知ってたからって、何なの」
 言って、はぁっ、と息を吐くと髪をかき上げると、すう、と目を閉じるまりやお姉さま。
 そしておもむろに目を開け、軽く睨みをきかせた。 …さすがに迫力がある。
 会長と互角にやりあってきた人なのだ。 ある程度は覚悟していたが…。
 しかしこの反応。 ビンゴ…と見ていいのだろうか。
「喧嘩をしにきたわけではありません。ただ、まりやお姉さまのお力をお借りできればと思いまして」
「あたしの力?」
「ええ。お互いを知り尽くしたまりやお姉さまであれば、会長のお喜びになるものも用意できるのではないかと思いまして」
「…ふ〜ん。あたしが貴子の嫌がるものを用意するとかは考えないわけ?」
「まりやお姉さまの性格からして、そういったことでダメージを与えるのを嫌うのではないか、との確信がありますから」
「…ほんと、いい度胸よね。あんた」
 しばらく葉子の目を見つめると、ふっ、とまりやお姉さまの表情がくずれ、口元に笑みが浮かんだ。
「小心者ですから、引く勇気がないだけです」
 実のところ、さっきは内心少したじろいでいたりする。
 ただ、そういう態度が表に出ない体質なだけだ。
543Qoo:2006/11/17(金) 17:00:07 ID:m3rAu3RQ0

「よく言うわ…。で、何。貴子にプレゼントを渡して欲しいわけ?」
「いえ、結局の目的はまりやお姉さまにXデーがもうすぐ、ということをお伝えしにきただけです。
 "させられた"プレゼントでは、意味がありませんから」
 ここまで言ってしまった以上、ほぼ「渡して欲しい」と言ったと同義なのだが、やはりここは一応建前上の言葉として。
「つまりはあたしが自主的にプレゼントをして欲しいと、そういうわけ」
「有り体に言えば」
「…分かったわ」
「ありがとうございます」
 最後に、お姉さまにこの件を伝えると寮でパーティをしたいとおっしゃっていたことと、
 誕生日に関することは会長には秘密にして欲しい旨を伝えた。
 プレゼントの件は「分かったわ」とはおっしゃったが、本当に贈るかどうかはやはり本人の自主性に委ねられる。
 とはいえ、とりあえずこれで用件は終了。
 礼と挨拶を述べて踵を返そうとしたところで、「あ、ちょっと待った」と呼び止められた。
「贈るのはどんなものでもいいのよね」
「会長のことを想ってのものであれば、恐らくは」
「分かったわ」
 にやり、とまりやお姉さまが笑う。
「弱点と、良いプレゼントは必ずしも相反するとは限らないことは、理解しております」
「……あんた、いい黒幕になれるわ」
 ふっ、と鼻で微笑するまりやお姉さま。
「お褒めに預かり、光栄です」
 「それでは」「あいよ」と挨拶を交わし、まりやお姉さまの部屋を後にする。

 多少計画とは違ったが、大方満足のいく結果を得られた。
 恐らくプレゼントの本質とは違う部分で、会長に一番喜ばれるプレゼントができるのは、まりやお姉さまだと確信していた。
 まりやお姉さまが贈りそうなプレゼントを思い浮かべ、葉子は楽しげに微笑した。
544Qoo:2006/11/17(金) 17:02:11 ID:m3rAu3RQ0
◆ 5回表 11月15日:放課後

 次の日の放課後。
 学校も無事に終わり、いつもなら生徒会活動に気合を入れる――ところだが、
 今日は誕生日が明日に迫る会長のプレゼントを皆で買いに行くという別の予定がある。

 葉子はある目的を達成すると、生徒会室へと戻った。
「どうでしたか〜?」
「帰られたわ」
 その目的とは、会長が学院を出て行くのを確認しに行くこと。
 その前には今日会長に仕事をされると困るので、会長が生徒会活動をせずそのまま帰るように説得する役割も担っていた。
 ただし、ホームルームが長引くというイレギュラーな状況もあり得たので、
 その場合は君枝さんがピンチヒッターとしての役割を担う予定だった。
 両方ともホームルームが長引いた場合は…運が悪かったと諦めるしかない。 可奈子に任せるのは論外だった。
「どうやって会長を説得したんですか?」
「今日の仕事は少なくてすぐに終わるからって言いくるめたの」
 運よくスムーズにホームルームが終了したので、生徒会室へと急ぎ室内に会長がいないことを確認すると、
 会長の教室へと向かい、途中で鉢合わせた会長にその旨を伝えたのだ。
 今までこういったケースはなかったので、多少怪しまれた可能性もあるが、致し方ない。
「言いくるめたなんて、葉子さんあくど〜い」
 可奈子が横から茶々を入れる。
「頭脳的って言って。それで、今日の仕事はどれくらい?」
「えっ…と、今日中に終わらせなければならないのは…」
 君枝さんが数個の案件を挙げた。
「それとあさっての会の資料も今日中にある程度進めておいたほうがいいと思います」
「そう…」
 備え付けの壁掛け時計を見上げると、時刻は4時前。
 終わってからプレゼントを探しても何とかなるだろう。
「それじゃあ、始めましょ」
「そうですね」
「はぁ〜い」
545Qoo:2006/11/17(金) 17:04:38 ID:m3rAu3RQ0

「それでは行きましょうか」
「了解」
 生徒会室を施錠し、カギを保管場所に戻すと、皆揃って昇降口へ歩き始めた。
 一応ノルマはほぼ消化した。 時刻は現在午後5時15分。
 移動時間が30分と仮定しても、6時に閉まる店はそうそうないだろう。 色々考えながら買う時間はありそうだ。
「会長とどこかで鉢合わせしたりしないかなぁ…」
 可奈子が心配事を口にする。 可能性は少ないが、ゼロではない。
 バレてしまえばサプライズプレゼントというのは台無しになる。
「恐らくはまっすぐ帰られたとは思いますけれど…」
「ありえないことじゃないけど、大丈夫よ」
 一度昇降口で三人共別れて靴を履き、再び合流すると学院の並木道を通って外へ向かう。
「どこに行きますか?」
「うぅ〜ん…アーケードにでも向かいますぅ?」
「そうね…。あ、そういえば」
「どうしたんですかぁ?」
 可奈子と君枝さんは二人の間で何かを思い出した様子の葉子を見上げた。
「明日の放課後、お姉さまの寮で誕生パーティ開くことになってるから」
「誕生パーティ…ですか?」
「会長の誕生日のことをお姉さまのお耳に入れたときに、
 お姉さまがそれならうちの寮でパーティでもしないかって言ってくださったの」
「さっすがお姉さまですねぇ〜」
「ええ。きっと会長もお喜びになると思うわ」
「あ…、でもぉ…」
 うんうん、と頷いていた可奈子だったが、ふと、その表情を曇らせた。
546Qoo:2006/11/17(金) 17:08:00 ID:m3rAu3RQ0

「何か問題?」
「いえ、その、まりやお姉さまが…」
 言葉を濁らせる。
 まりやお姉さまと会長は犬猿の仲というのは有名な話…というか、
 生徒会役員である可奈子も二人の衝突は何度か経験したことがあるはずである。
 つまり、一緒にパーティとかは少し難しいのではないか、そう考えたのだろう。
「あぁ、それなら大丈夫よ。 昨日お話をしておいたから」
 少し笑いながら言った葉子の言葉に、可奈子は何かピンと来たらしい。
「あ〜、もしかして昨日の放課後に外出したのってまさか…」
 別に会長のパーティに出席して欲しい、みたいなことを言いにいったわけではないのだが、まるっきり外れているわけではない。
「可奈子にしては察しがいいわね」
「えへへぇ…」
 顔がにやける可奈子。 実はあまり誉めていないことには気付いていない。
「最近のまりやお姉さまと会長は、何だかお互いに対する険が取れた風でいらっしゃいますからね」
 そうなのだ。 二人が鉢合わせるといつもギスギスした雰囲気になってしまっていたのだが、
 最近は二人が衝突しているところを見なくなった。 それどころか、二人が仲良く話しているところを見かけることもあった。
「先の文化祭くらいからかしらね…」
「そういえばぁ、何だか最近会長の雰囲気が柔らかくなった感じがします〜」
「可奈子にも分かるんだから、相当よね」
「…どういう意味ですかぁ」
 突っかかってくる可奈子だったが、葉子はいつもどおり「さぁ」と涼しい顔で話を流し、話題を本題へと戻した。
「それよりも、プレゼントを決めましょ」
 可奈子が膨れてブーたれているが、気にしない。
547Qoo:2006/11/17(金) 17:13:02 ID:m3rAu3RQ0

 さて。 アーケードに着くまで3人で色々とプレゼントについて考えてみた。
 まず予算は3人合わせて1万円強。 無理すればもうちょっといける。
 使って喜ばれるものをというのは当然だけど、筋金入りのお嬢様ということで、実用品の類は避けたほうがいい。
 服などは高くていいものをいっぱい持ってそうだからこれもなし。
 カジュアルな服をプレゼントという案もあったが、会長がパーカーやジーンズにスニーカーなどというような
 ファッションをしている様子は想像がつかない。 思ったより似合うかもしれないけど…。 ということでこれもなし。
 あと下着というのも出た。 当然却下された。 これは可奈子の案だった。
 そして色々と出てきたアイデアをふるい落していった結果、見事プレゼントすることになったアイテム。
 それは、会長がいつも身に着けているリボンだった。
 会長は、学校の中では華美な装飾をあまり好まない会長らしいシンプルなデザインのリボンを
 身につけていることが多いけど、もう少し可愛いリボンをしてみてもきっと似合うと思う。
 ということで、リボンというアイデアが採用されたわけだが…、
 さすがに3人合わせてのプレゼントがリボンだけというのはちょっと寂しい。
 実際ヘアーアクセサリの店に行ってみても、値段が高いのはそうそうなかった。
 ということで、3人でよさそうなリボンを一人一人選んで買った。
 1つは納得のいくプレゼントができたわけだけど、懐はそんなに痛んでいない。
 プレゼント探索はまだまだ続く。

 結局色々と考え抜いたのち、納得のいくプレゼントが決まったのはそれから1時間も後のことだった。
548Qoo:2006/11/17(金) 17:17:47 ID:m3rAu3RQ0

え〜、To be continued です。
これで半分くらいでしょうか。

 以下、嘆きとお詫び。

ぎゃぼ―――――――――――!!!!
ありえねー、やべー、名前間違うとか何て初歩的なミス…。
後のは修正しておきますので、ほんとごめんなさい。
可奈子ファンの人マジすみません。m(_ _;;)m

うわぁすげーショック…
あぁ、マジへこむー…。   ああぁぁぁぁああああQooでした。 O.../rz
549名無しさん@初回限定:2006/11/17(金) 18:22:12 ID:+Qzqkqs30
    , ´ ヾ ヽ
..  ´∬∫∫∬
  ∫∬゚ ヮ゚ノ∬  続き楽しみにしてます〜
   /({O[GJ]O
    と/__〉
     ~し'ノ
550名無しさん@初回限定:2006/11/17(金) 21:50:38 ID:JpGuo1wO0
乙です!

ところで珍しく(?)スレの容量がオーバーしそうですね。現在455KB。これでは700行かないで次スレかも。
551名無しさん@初回限定:2006/11/20(月) 14:41:17 ID:XHLU6yJB0
容量オーバー?
552名無しさん@初回限定:2006/11/20(月) 15:44:50 ID:JmFtesiL0
一番下の新着レスの表示の上に、〜KBって赤い表示があるさね。
それが500を越すと書き込めなくなるのさ。
553名無しさん@初回限定:2006/11/21(火) 00:04:38 ID:yJnHripI0
この おとボクワールドが
一子ちゃんの 夢物語で
一子ちゃんと幸穂様のお話を
断片的に 浮かんできてる
一つの話になったとして
どこにもっていっていいもんだろう?

554小ネタをひとつ:2006/11/21(火) 18:54:48 ID:JLiwFwM10
現文の授業が終わり

美智子「まさかいきなり漢字の小テストをやらされるなんて思いませんでした」
瑞穂「普段パソコンなんかをいじっていると漢字が読めても書けなくなっていますね」
紫苑「私あわてて『はがんいっしょう』を『破顔一生』と書いてしまいました」
瑞穂「『破顔一笑』にっこり笑うことですね」
圭「破顔一笑…破顔は中国戦国時代の武将よ」
瑞穂「え?そうなんですか?」
圭「呉の武将で城を陥とされたとき単騎で敵陣に突入したの」
美智子「無謀な人ですね」
圭「その死に際の笑みは見事なものだったそうで死に際の微笑を破顔一笑と言うようになったの」
紫苑「時が流れて現代の日本ではにっこり笑うという四字熟語になったのですね」

圭「ウソだけどね」
555名無しさん@初回限定:2006/11/21(火) 19:13:52 ID:jAU8gU5U0
民明書房刊
「旧説後漢書」「南朝宋三国志演義」








ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408859469X/hatena-22/ref=nosim
556名無しさん@初回限定:2006/11/21(火) 21:43:52 ID:QYhlTQy60
アフィ入れんなクズ
557名無しさん@初回限定:2006/11/21(火) 21:52:14 ID:jAU8gU5U0
すまん
558小ネタをひとつ:2006/11/21(火) 23:50:51 ID:JLiwFwM10
由佳里「それにしても私たちもうすぐ2年生ですか」
奏「来年は修学旅行があるのですよ〜」
由佳里「楽しみです」
美智子「私たちはオーストリアに行ったんですよ」
まりや「いやーあんときゃ大変だったわ」
紫苑「何しろ泊まった宿というのが…」
圭「『住み潜む恐怖』の住処だったものね」
まりや「雷鳴と共に襲い掛かってきたからねー」
紫苑「一応は悪魔祓いの実習を受けていたので何とかなりましたが」
圭「おどろいてアレを召還してしまったし」
美智子「幸い死者が出なくてよかったですよ」
由佳里「私…私…修学旅行行かなくていいです」
奏「奏も遠慮しますのですよ〜」
圭「素直すぎてからかいがいがないわね…」

瑞穂「あのね、由佳里ちゃん、奏ちゃん、カトリックはエクソシスト否定してるのよ」
559東の扉:2006/11/22(水) 03:59:44 ID:m1iPHu0i0
まりやが由佳里ちゃんの恥ずかしい秘密を知り、辱めたことをきっかけに、2人の間には決定的な溝ができてしまった。
色々あったけど、あとはまりやと由佳里ちゃんの仲を元に戻すだけだし、まりやも自分の過ちに気づくことができた。
でも、油断は禁物だ。そう。本当の勝負はこれからなんだ。

〜ほころび始めた縁 後編 修復の光〜

コンコン……。
僕は由佳里ちゃんの部屋をノックした。
「はい。どなたですか?」
「瑞穂です。入っていいかな?」
「ええ。どうぞ」
由佳里ちゃんはそう言うと鍵を開けて僕を部屋に招き入れてくれた。
560東の扉:2006/11/22(水) 04:03:22 ID:m1iPHu0i0
「調子はどう?」
「お姉さまや奏ちゃんたちのおかげで、最近はだいぶいいです」
「そう。それはよかったわ」
僕は、それを聞いて少し安堵した。
「……それでお姉さま、何か御用ですか?」
「うん。まりやのことだけど、そろそろ許してあげたらどうかって思うんだけど……」
「イヤです」
そんなに即答しなくても……。
「……由佳里ちゃん、まりやにされたことが辛いのはわかるけど、辛いのは由佳里ちゃんだけじゃないのよ?」
僕は、なるべく優しく諭すように自分の意見を言うことにした。
「まりやだって、あれからかなり堪えてたし、やつれていたわ。食事ものどを通らなくなったくらいだからね」
「………! そんな、お姉さままで、あの女の肩を持つんですか!?」
「落ち着いて由佳里ちゃん。私はそんなつもりじゃないわ。ただ、由佳里ちゃんにも現実だけはしっかりと見てほしくて……」
「現実って何ですか!? お姉さまもあの女みたいに、私が悪いっておっしゃりたいんですか!?」
まりやのやつれた姿を思い出した僕はさすがに少しカチンと来て、ちょっと声を荒げてしまった。
「由佳里ちゃん、いい加減にしなさい。辛いときに甘えるのはいいけど、甘えすぎていると、すっかり浸ってしまって、
それが当たり前だと思うようになって堕落していってしまうわよ? 少しは今の自分の姿を見つめてみなさい」
それがいけなかったんだろう。それを聞いた由佳里ちゃんは、突如目に涙を浮かべながら怒鳴り始めた。
「なんですかそれは! お姉さままでまるで全部私が悪いみたいに!」
「ちょ、ちょっと由佳里ちゃん、そこまでは言ってないわ」
「お姉さまに、私の何がわかるっていうんですか!?」
「………」
「あの女に恥ずかしいセリフを無理やり言わされて、恥ずかしいことを限界を超えて何度もされて、挙句にはしたないおねだりをしてしまった
私の気持ちが、お姉さまにわかるっていうんですか!?」
「………!!」
561東の扉:2006/11/22(水) 04:05:58 ID:m1iPHu0i0
僕は反論できなかった。まりやのことを考えるあまり、由佳里ちゃんの気持ちをおろそかにしてしまっていた。
というか、今の由佳里ちゃんの状態を、完全にはき違えていた。
僕は由佳里ちゃんの心の傷は癒えたんだと思い込んでいたけど、そうじゃなかった。
僕や奏ちゃん、一子ちゃんといる時は、傷の痛みを忘れていられただけだったんだ。
由佳里ちゃんの言葉が、それを物語っている。そもそも、心の傷が癒えたのなら、まりやのことも許せているはずだ。
由佳里ちゃんには、おそらく心の中に誰かがいるんだろう。それが誰かは知らないけど。
だから、それ以外の人に感じちゃったことが、気持ちよくなったことが、そうしてほしいとおねだりしたという事実が、
由佳里ちゃんを苦しめているんだ。
おそらく、由佳里ちゃんが本当に許せないのはまりやではなく、自分自身なんだ。
「もういいです。私のことはほっといてください!」
僕は、由佳里ちゃんにそう言われて、仕方なく今日は引き下がることにした。
「ごめんね、由佳里ちゃん……」
最後にそう言って、僕は部屋の扉を閉めた。
562東の扉:2006/11/22(水) 04:36:38 ID:m1iPHu0i0
「なんで? なんでお姉さまにまで、あんなこと言われなきゃいけないの!?」
私は、お姉さまが帰った後、部屋でそう愚痴を言いました。
そうは言っても、お姉さまの気持ちも理解はしていました。お姉さまは、ただ私たちを仲直りさせたいだけなんだって……
私のためを思って言ってくれてることも、わかってはいました。
でも、私はまだ立ち直ってはいません。ですからもう少し、お姉さまの優しさに触れていたかった。
だから、そんな私の気持ちを裏切ったことが許せなかったんでしょう。
同性でありながら、お姉さまのことを好きになってしまった自分。私は、それを自覚していました。
だから、それ以外の人からは性的な意味で感じたくなんかないし、気持ちよくなりたくもありません。
なのに、感じてしまった。気持ちよくなってしまった。何度もイってしまった。それどころか、自分からそれをお願いしてしまった。
私は、そんな自分がつくづくイヤになりました。だけど、お姉さまは、そんな私に優しくしてくださった。
だから、もう少しだけ、お姉さまの優しさに浸っていたかった。私の心が癒えるまでの間……。
なのに、他ならぬお姉さまに、私のことを否定された。それが悲しくてたまりませんでした。
「今の自分の姿……か……」
そういえば、街でナンパされて以来、あの女の顔を見る機会もありませんでした。今どんな状態なのかは、声以外では判断できません。
お姉さまは、感情を爆発させてしまったさっきの私を見て、愛想が尽きてしまったのでしょうか?
「やだ……そんなの……絶対にやだよ……」
私は、いつしか泣いていました。
「見つめなおさなきゃ。今の自分を、そして現実を……」
そうしなきゃ、お姉さまに完全に嫌われてしまう……。
563東の扉:2006/11/22(水) 04:38:54 ID:m1iPHu0i0
コンコン……。
そして翌日、お姉さまが部屋にやってきました。
お姉さまにちゃんと謝ろう。そして、ちゃんと仲直りしてもらおう。そう思っていると……。
「由佳里ちゃん、昨日はごめんなさいね」
なんと、お姉さまの方から私に謝ってくださいました。
「私、2人を仲直りさせることにあせって、由佳里ちゃんの気持ち、ぜんぜん考えてなかった。こんなんじゃ、私もまりやと同じね」
「お姉さま……そんな……」
不思議です。お姉さまにどうやって謝ろうか悩んでいたのに、お姉さまの言葉を聞いて、それは自然に出てきました。
「わ、私こそごめんなさい。お姉さまが私のために一生懸命になってくださっているのに、私だけ自分のことしか考えてなくて……」
「それは、まあ、落ち込んでるときはしょうがないと思うし……じゃあ、おあいこってことで、謝罪はこれで終わりましょうか」
「はい」
私は、不思議なくらいお姉さまに対して自然に、素直にそう返事をしました。
「それで、お詫びといっては何だけど、由佳里ちゃんの望みを、なんでも1つだけ叶えてあげたいの」
「えっ!?」
私は、お姉さまの言葉が信じられませんでした。なんでも……お姉さまは確かにそう言ってくださった。
「ホントになんでも……ですか?」
できれば、お姉さまに優しく抱いてほしい……でも、そんなこと、こんな時に言うのは反則だよね。
そう思い、別のことをお願いするつもりでした。
「ええ。なんでもよ。エッチなことも含めて、ね」
すると、なんとお姉さまの方からそうおっしゃってくださいました。私の心は、自然と軽くなっていきます。
どうせ、あそこまで大恥かいたんだから、今さら遠慮なんてしなくてもいいでしょう。
というより、お姉さまが遠慮しなくていいわよ、とおっしゃってくださっているんでしょう。なら……。
564東の扉:2006/11/22(水) 04:43:21 ID:m1iPHu0i0
「じゃあお姉さま……私を……私を……抱いてください!」
言っちゃった。同時に私の目から、雫がどんどん流れてきました。
「私、不安で不安で仕方ないんです。またあの女に犯されるかもしれないって思うと……私の身体も心も、
このままどんどん汚れていってしまうのかって思うと……だから、だから……」
頬を伝う涙を拭おうともせず、私は続けます。
「お願いです! もうお姉さましかいないんです! 何されてもいいですから、あの出来事を、忘れさせてください!」
「由佳里ちゃん……」
お姉さまは、私を抱きしめてくださいました。
「由佳里ちゃんには、心に決めた人がいるのよね」
そして、腕の中にいる私に話しかけてくださいます。
「だから、あの出来事をなかったことにしたいのね。由佳里ちゃんが本当に許せないのは、自分を犯したまりやじゃなくて、
好きな人以外の人から感じて、気持ちよくなってしまった、好きな人以外の人にはしたないおねだりをしてしまった『自分自身』だったのよね」
わかってくれた……お姉さまが、私の本当の気持ちを……そのことで、私の心は、嬉しさでいっぱいでした。
私は、1人じゃないんだ……私のことを、ちゃんとわかってくれる人がいるんだ……。
「お姉さま……」
「辛かったでしょう。苦しかったでしょう。でも、もう大丈夫よ。その苦しみを、私も一緒に背負わせて」
「うっ……うう……」
私は、嗚咽しながら、お姉さまにすべてゆだねてしまいたいと思いました。でも……確認しておきたいことが……。
「あの……お姉さまは、よろしいんですか? 私みたいな変態女が相手で……」
「そう自分を責めないで。私も昔、1度まりやにやられたことがあるから、よくわかるもの。人の身体って、無理やりでも反応してしまうし、
気持ち悪いのと気持ちいいのとか、取り違えてしまうこととか、はしたないことをしちゃうのも、息苦しさから解放されたいからだって、
なんとなくわかるから」
そっか、お姉さまもそんな経験があるのか。意外な一面を発見した気分です。
「それに、由佳里ちゃんがそれを許せないって思っているなら、それは素敵なことよ。大切なのは結果じゃないの。
由佳里ちゃんが、そのことをどう思っているかよ。そういうふうな考えができる女の子って、私は素敵だと思うわ」
565東の扉:2006/11/22(水) 05:11:40 ID:m1iPHu0i0
「お……お姉さま……」
「さ、いらっしゃい。由佳里ちゃんの望みを、叶えてあげますから」
「お、お願いします、お姉さま……」
そう言って私は、着ている制服を脱ぎ、下着一枚になりました。

「あ……はああん……」
お姉さまは、私の身体を愛撫してくださっています。
技術自体で言えば、あの女に比べれば、笑ってしまうくらい稚拙な愛撫。だけど、お姉さまが本来持っておられる天性の優しさ、
そして私を慈しむ心、私に元気になってほしいと願うお姉さまの気持ち……。
それらがダイレクトに伝わってきて、とっても気持ちがいいです。
1人でする時や、あの女にされた時とは、まったく違う気持ちよさ。私は、それに身も心もとろけてしまいたい……そう思いました。
あの女と絶交して以降、1回もしていなかったので、久しぶりのエッチがとても満たされる……というのもあったのでしょう。
「気持ち……いい……とっても気持ちいいよ……」
私は、涙を流していました。嬉しかったわけでも、悲しかったわけでもなく。でも、ただただ、涙が流れてきました。
「そう? ムリしなくていいのよ、由佳里ちゃん。少しでもイヤだったら言ってね」
お姉さまの言葉は、優しい。私に安らぎだけを与え、それを安心して受け入れさせてくださいます。
「だ、大丈夫です。続けてください」
「そう? じゃ、続けるわね」
「はあ……はあ……はあ……も、もっとください……あのことを、忘れさせてください……」
「大丈夫よ……私が、一緒にいてあげますから……」
「お姉さま……」
「なあに? 由佳里ちゃん」
「キス……してください……」
「わかったわ……」
そう言ってお姉さまは、私にキスをしてくださいました。
566東の扉:2006/11/22(水) 05:13:48 ID:m1iPHu0i0
「んっ……んん……」
しばらくして唇が離れると、私はお願いしました。
「お姉さま……お姉さまの唾液……飲ませてください……」
「……由佳里ちゃん?」
「お願いです……あの女にされたことを……全部、忘れたいんです……」
「わかったわ。じゃあ、苦しかったら言ってね」
お姉さまは、再び私に優しくキス。そしてお姉さまの体液を、少しずつ送り込んでくださいます……。
「んはあ……」
「どう? 苦しくない?」
「く……苦しいですよ……」
私は、お姉さまの唾液を貪りながら、言いました。
「ごめんなさい、やりすぎたかしら?」
するとお姉さまは、そう謝罪の言葉を投げかけました。でも、私は……。
「ち、違うんですお姉さま……苦しいけど……苦しいくらいお姉さまを味わいたかったから……だから……」
「そう……じゃあよかったのね。私、由佳里ちゃんの心の傷、ちゃんと癒せてるかしら?」
「はい……」
その後も、お姉さまは優しく私を愛撫してくださいました。
私の心の中の黒い感情がどんどん心の外に流されていく……ううん、雪のように優しく包んで溶かされていくのを感じました。
久しぶりに優しい気持ちになりたい……そう思いました。
お姉さまって、やっぱり不思議……エッチの技術だけでいえば拙いのに、心は今までのどんなエッチよりも優しく、気持ちいい……。
私が今までほしかったもの……それを、お姉さまは全て与えてくださいました。
「由佳里ちゃんは、きっと悪い夢を見ていたのよ。お忘れなさい、イヤなことは全部……」
お姉さまにされると、本当に忘れられそうです。一時的なものではなく、本当の意味で……。
そして、私はお姉さまの手で心が満たされるまでイかせてもらいました。
567東の扉:2006/11/22(水) 05:30:46 ID:m1iPHu0i0
「はあはあはあ……」
「どう? 由佳里ちゃん、満足できたかしら?」
「はい……」
エッチも終わって、余韻に浸っている私に、お姉さまはそう聞いてこられました。
「そう。よかった」
「お姉さま……ありがとうございました……」
「いいのよ。私も由佳里ちゃんのお役に立てて、嬉しいわ。ふふっ……それにしても、本当にまりやの言ったとおりだとはね」
……え? それっていったい……。
「どういうこと……ですか? あの女が何か……?」
「実はね、私、まりやに頼まれてたのよ。由佳里ちゃんを抱いてあげてって。
私に抱かれれば由佳里ちゃんも嬉しいだろうからって……でも、まりやの思い込みかもしれないから、由佳里ちゃんに確認したんだけどね」
今までの私なら、私たちを仲直りさせるためのデタラメだと思っていたでしょう。でも、お姉さまが抱いてくださったおかげで、
今までのすさんだ心がかなり楽になったせいか、お姉さまの言葉を受け入れていました。
「そんなことが……」
「まあ、だから許してあげて、とは言わないわ。最終的にまりやをどうするかは、由佳里ちゃんが決めればいいですから……
それじゃあね、由佳里ちゃん」
お姉さまはそう言って、部屋を後にしました。
「お姉さま……」

コンコン……。
「由佳里、あたしだけど、いる?」
部屋をノックすると、あの女の声が聞こえてきました。
少しイヤな気分になりましたが、私は部屋の外に出ました。
「由佳里……」
確かに、あの女は目に覇気があまりありませんでしたし、身体も以前よりやつれていました。
お姉さまが言ってた、この女が私に嫌われてへこんだ、食事ものどを通らなくなった……というのも、まんざらウソではなさそうです。
「……食堂には誰かいますか?」
「ううん、みんな自分の部屋」
「じゃあ行きましょう。私に話したいことがあるんでしょう?」
「うん……」
568東の扉:2006/11/22(水) 06:03:27 ID:m1iPHu0i0
あたしは、由佳里に食堂に連れてこられた。
今まで部屋から出てこなかったことを考えると、大きな進歩、なんだろう……。
「由佳里……」
食堂に着いたあたしは、そこで由佳里の前で土下座した。
「……ごめんっ!」
あたしは、自分の言葉で謝罪することにした。由佳里が言った言葉をそのまま言うんじゃなく、自分の言葉で……。
「瑞穂ちゃんに言われてやっと気づいた。口では由佳里のためだとかなんだとかもっともらしいことを言いながら、
結局ホントは自分が楽しみたかっただけだって……。
あたし、トイレで由佳里が何してたのか知ってから、エロいってだけで由佳里のこと勝手に判断して、自分にだけ都合のいいように解釈して、
由佳里がほかにどんな面を持ってるかなんて、考えもしなかった。
由佳里に完全に嫌われて、瑞穂ちゃんたちにこっぴどく叱られて、由佳里がどれだけ傷ついたのか、やっと考えることができた……。
謝ってすむことじゃないけど……本当にごめん!!」
由佳里はしばらく黙っていた後、口を開いた。
「……ずいぶん甘々ですね」
「……え?」
「お姉さまと奏ちゃんの前で……って言いましたよね? セリフも私の言ったのと違いますし……」
「そ、それは……」
「……昨日、お姉さまが来られましたよ」
「………」
「お姉さまは理解してくださいました。私の本当の気持ちを。そして、こんな私のことを、素敵だっておっしゃってくださいました」
瑞穂ちゃん、無意識の逆ナンパ師だからね……。
「お姉さまは、ホントあなたの親戚とは思えないくらい、優しさと配慮に満ちあふれた素敵な方ですよね」
「く……」
こんな状況じゃなきゃ、あたしは由佳里のことメタメタに痛めつけてただろうな……。
569東の扉:2006/11/22(水) 06:04:53 ID:m1iPHu0i0
「あの時、どれだけ気持ちよかったのか、今は全然思い出せませんけど、私の心はその何百倍も痛かったんですよ」
「………」
「それに、私にだって女として好きな人以外からは感じたくない、気持ちよくなりたくないって気持ちも、ちゃんとあるんですから」
「うん……」
「しっかり覚えといてくださいね、“まりやお姉さま”」
「………!!」
絶交されてる時、あたしのような姉なんか知らないって言われた。つまり、じゃあ、今の由佳里のセリフは……。
許してもらえたんだ、やっと……。
「うっ……うう……」
長かった。もう何十年も経ったみたいだった。あたしは、いろいろな理由でそのまま泣き続けた。

この続きは、「ほころび始めた縁 エピローグ それから」で話すから、もうちょっとだけつきあってね。
570東の扉:2006/11/22(水) 06:14:17 ID:m1iPHu0i0
東の扉です。
「ほころび始めた縁」も、次回でいよいよ最後です。まとまるかな……と心配ですが。
以前のシナリオでは、ここで瑞穂くんがエッチの時に由佳里ちゃんが自分に純潔をささげる演出をする……というネタもあったのですが、
シナリオを変更したので、没になりました(涙)

しかし、Qooさんの「ゆかりんのひとりでできるもん!」「まりやさまはしってた」で、由佳里ちゃんがちょっとかわいそうかな……
と思ったので、まりやにも痛い目にあってもらおうかな、と思って書いていたら、いつの間にかこんな感じに……。
エピローグの「それから」は後日談ということになりますが、もし続きがあるとしたら、こんな感じになっていたでしょうか?

それでは、失礼いたします。
571Qoo:2006/11/22(水) 21:25:25 ID:fKcBSkEN0

「バースデイ・カプリッツィオ」続き行きまぁす。
…もう誕生日だいぶ過ぎちゃいましたけれどね(汗)。
572Qoo:2006/11/22(水) 21:28:21 ID:fKcBSkEN0
◆ 6回表 11月16日:昼休み

 2時間目の休み時間、可奈子が葉子の教室へとやってきた。
 何の用か聞いてみると、今日の朝、昨日買ったプレゼントを学院寮に置きに行った際、
 周防院奏さんが昼休みに皆で作戦会議をしませんかと言ってきたらしい。 断る理由もない。
 会議場はお姉さまの教室。 食堂やテラスだと会長が訪れる可能性もあるので、妥当なところか。
 というわけで、昼休みになったので今は生徒会室へと向かっている。
 昼休みは大体生徒会室で食事するはずの君枝さんを拾って、お姉さまの教室に向かおうというわけだ。 

 生徒会室前に到着し可奈子が生徒会室の扉を開けた。
「ひゃぁっ!?」
 すると扉の向こうから何か驚いたような、素っ頓狂な声が上がった。
 すわこそと、葉子がぐいっと勢いよく扉を開けると、君枝さんがこちらを見つめたまま目を丸くして固まっていた。
「…どうしたの?」
「いっ、いえ!何でもありません!」
 どもりながらふるふると首を横に振る君枝さん。
 その手には、何かの袋を握りしめている。
 さっきの声やこの態度からしてどう考えても只事ではない。
「…手に持ってるのって、プレゼント?」
 とりあえず話題の矛先を変えてみる。
「えっ?ぇ、ええ…」
「君枝さんが買ったんですかぁ?」
「いえっ、そういうわけでは…」
 何だか君枝さんにしては歯切れが悪いというか…正直、ちょっと挙動不審だ。
573Qoo:2006/11/22(水) 21:29:56 ID:fKcBSkEN0

「じゃあ、誰かに渡されたとか?」
 君枝さんが用意したプレゼントでなければ、必然的に他の誰かによるプレゼントということになる。
「えっと、か、会長の机に置かれてて…誰のプレゼントかなぁ…って…」
「会長の机?」
 会長の机に視線を移す。
 机の上にはいくつかのプレゼントと思しき袋や箱が置いてあった。
 自他共に対し厳しい会長だが、そのストイックさに憧れる生徒は少なからず存在する。
 一度朝誰かが生徒会室の扉を開ければ、放課後生徒会活動が終了するまで開けっ放しとなる。
 休み時間中に生徒がプレゼントを置いていったのだろう。
 さっきの動揺はこれを見ていたのが原因だろうか。
 多少不自然な気もするが…まぁ、無理に突くこともないかな。
574Qoo:2006/11/22(水) 21:31:42 ID:fKcBSkEN0

「誰のプレゼントかは分からないの?」
 もし誰かが置いていったプレゼントであれば、バースデイカードか何かが一緒に置かれていてもおかしくない。
「いえ、特にそういうのはなかったみたいで…」
「そう」
「誰のプレゼントなんでしょうねぇ…」
 むー、と唸る可奈子。
「…そうね。悪くないかも」
 突然頭の中に去来した閃きに、葉子が呟きを漏らす。
「何がですか〜?」
「ん…とりあえず後にするわ。君枝さん、今日の食事はお姉さまの教室で摂らない?」
「お姉さまっ!?」
 驚きの声を上げる君枝さん。
「…どうしたの?」
「ぃ、いえ、どうしてお姉さまの教室で…」
「今日の夜パーティするでしょ。その作戦会議を開くの」
「作戦会議ですか…」
「何か都合が悪いことでもある?」
「いえ、ありません。行きましょう!」
 どこかほっとした様子だった君枝さんはいきなり威勢よく立ち上がると、先陣を切って生徒会室を出て行った。
 持っていた会長へのプレゼントとやらを持ったまま。
「どうしたんでしょうねぇ…」
「さぁ…」
 残った二人で首をかしげながら、飛び出して行った君枝さんを追うべく生徒会室を後にした。
575Qoo:2006/11/22(水) 21:32:55 ID:fKcBSkEN0

「は〜い注もぉ〜く!只今より、聖應スケバン連合緊急集会を行う!
 えぇ〜、今日あんたたちを呼び出したのは他でもない」
 何だ何だ、これは。
 お姉さまの教室に、今教室にいない生徒の机を借りて会議場が設けられたわけだが…。
 皆が席に座りとりあえず食事をしようということで、神に感謝し、各々が自分の昼食に手を伸ばし始めると、
 まりやお姉さまがおもむろに立ち上がり、箸を振り回しながら口上を述べ始めたのだ。
「まりやはしたないよ…っていうかそれ何?」
 皆が呆気に取られている中、お姉さまが呟く。
「えっ、瑞穂ちゃん知らないの?」
「えぇ…」
「うそ、皆も?」
 周囲を見回すまりやお姉さまだったが…。
「スケバン…」
「スケバン?」
「……」
「スケバンって何なのですか?」
「知らなくていいのよ奏ちゃん」
 肯定の言葉もなく、ひそひそと各々が呟く中、唯一今のまりやお姉さまの…芸?を知っていたらしい可奈子が言った。
576Qoo:2006/11/22(水) 21:35:37 ID:fKcBSkEN0

「今のってぇ、テレビでやってたやつですよねぇ」
「なぁんだ知ってる子いるじゃ〜ん」
 まりやお姉さまの顔がみるみる笑顔に変わっていく。 しかし。
「それでぇ、スケバンって何ですかぁ?」
「がっかりだよ!」
 すごい顔で凄むと、膨れ顔で椅子に座り込むまりやお姉さま。
「ふぇぇ…」
 少し泣きそうになる可奈子。
「まりや、威嚇しないの。可奈子ちゃん、ごめんね。怖かったね」
「もういいから…食べましょう」
 上岡由佳里さんが情けなさそうな顔で「頂きます」と弁当に箸を伸ばした。
「そうですね…」
「ああ、お祈り…はしたんでしたっけ」
 それを合図に皆食事に手を伸ばしていく。
 少し疲れた雰囲気での食事が始まった。
577Qoo:2006/11/22(水) 21:36:56 ID:fKcBSkEN0

 食事も終盤に差し掛かり、早い人はデザートの段階に入っている。
 まだ食事中の子もいるが、もうじき食べ終わるだろう。
「それじゃあ、そろそろ」
「ええ、そうね」
 お姉さまがうなずく。 実質上の会議の開始の合図だ。
「と言っても何を考えるんですか?」
「まずは、どうやって会長を寮まで呼ぶか…です」
「確かにそれは問題ね…。できれば寮に来るまでは知らないでいて欲しいのよね」
 そう。 会長にはパーティのことを知らずに寮まで誘う必要があった。
「絶対ではありませんけれど、それが理想です。でもお姉さま絡みで寮に呼ぶと、悟られてしまう可能性がある」
「確かにね」
「ちょっと難しいのでは…」
「いえ、一つ案を思いつきました」
「というと?」
 注目を集めた葉子は唇の端を本の少し上げた。
 これは、さっきの差出人不明のプレゼントを見ていて、ふと閃いたアイデアだった。
「ここは一つ…お姉さまに、悪役になっていただこうかと」
「悪役…?」
「なのですか…」
「ええ。脇役は可奈子が適任でしょう」
 この役は性格や立場的には君枝さんがいいのだが、いかんせん君枝さんは真面目すぎるきらいがある。
 会長にバレないようにと力を入れすぎて自爆する可能性があった。
 ということで、ここは多少面白がって力を抜いてくれそうな可奈子の方が適任だと判断した。
578Qoo:2006/11/22(水) 21:39:27 ID:fKcBSkEN0

「可奈子…脇役ですかぁ?」
 不満げな顔をする可奈子。
「別に舞台やるわけじゃないんだから、脇役だからってそんな顔しないの。まず、可奈子と会長に一緒に帰っていただきます」
「それで?」
「そこで、帰り道にダミーのプレゼントを渡してもらいます。私と君枝さん、可奈子の三人からのプレゼントとして。
 ここは私たちの立場と説得力が必要ですから」
「なるほど…」
「途中、可奈子が質問します。「会長、お姉さまからプレゼント貰いましたか?」
 貰っているはずのないプレゼントですから当然、いいえと答える会長に可奈子がこう言うわけです」
 葉子がぴっ、と一指し指を立てる。
「「お姉さまには会長の誕生日のことを教えたはずなのに、会長にプレゼントを渡してないなんて酷い…文句を言いにいこう」…と」
 くくくくく、とまりやお姉さまが笑い始める。
「目に浮かぶわ」
「面白そうですねぇ」
「そういうことね…」
「なるほどなのですよ〜」
 皆の口から「おぉ〜」や「はぁ〜」と言った溜息が漏れる。
「こんな感じでいかがですか?」
「悪くないと思うわ」
 くすくすとお姉さまが苦笑する。
「貴子をたぶらかすわけね」
「人聞きが悪い」
「どう言おうと同じじゃない」
「…まぁ」
 …確かに考えてみれば、言い換えようにも同じような言葉は「ひっかける」「かつぐ」「だます」「あざむく」 ぐらいだ。
 ほとんど意味は同じだが、全ていい意味では取られない言葉だった。
 無理に言い換えて、「愛のある罠」…、何か如何わしい感じだ。
579Qoo:2006/11/22(水) 21:42:28 ID:fKcBSkEN0

「でも、よくこんな手思いついたわね」
「君枝さんの持ってた会長へのプレゼントを見ていて、ふと思いついたんです」
 お姉さまに聞かれて答えると、話の矛先が自分に向いて、「えっ?」とたじろぐ君枝さん。
 しかし君枝さんが何か言葉を返す前に、
「へぇ、あの堅物の貴子なんかにプレゼント贈る物好きなんているんだ」
 とまりやお姉さまが笑いながら揶揄するように言った。
「かっ、会長は素晴らしいお人ですっ!」
 当然それにカッ、と噛み付く君枝さん。
「ほんっと、このデコメガネは会長にご執心よね…。マインドコントロールでもしてんじゃないの?」
「そっ、それ以上会長を愚弄すると、いかにまりやお姉さまとはいえっ…!」
 自分のことも言われているのだがそんなことは気にも留めず、会長への中傷を払拭すべく熱くなって立ち上がる君枝さん。
「愚弄って、あんたいつの時代の人よ」
「まりや、やめなさい」
 お姉さまが売り言葉に買い言葉を続ける二人の仲裁に入る。
「はいはい」
「ごめんなさい君枝さん。まりやのはただの憎まれ口だから、本当に貴子さんのことを悪く言ってるわけじゃないの。
 大丈夫。貴子さんが素晴らしい人だっていうことは、ここの皆が知っていることだから」
「…は、はぁ」
 君枝さんは納得がいかない様子だが、お姉さまに申し訳なさそうな表情でそう諭されてはそれ以上何も言えず、
 矛を引っ込めると椅子に腰を下ろした。
「ちょっと瑞穂ちゃん?」
 まりやお姉さまも矛を向ける先は違うものの何か言いたげだったが、お姉さまに少し厳しい顔で「まりや」と静かに一喝されると、
 「はぁ〜い」と仏頂面ながら引っ込んだ。
580Qoo:2006/11/22(水) 21:43:42 ID:fKcBSkEN0

「本当は仲がいいのに、すぐに憎まれ口を叩くんだから、まりやは…」
「トムとジェリーみたいですね」
 お姉さまが溜息混じりに言った言葉に、苦笑しながら相槌を打つ上岡さん。
「由佳里〜?」
「まりや」
「うぐっ」
 上岡さんを睨みかけるまりやお姉さまだったが、再びお姉さまに低い声で一喝されると、
 つり上がった目がまるで叱られた子犬のように(実際叱られているのだが)情けなく勢いを失う。
 …この二人の力関係は、やはりお姉さまに軍配が挙がるようだ。
 さすがと言うか何と言うか…。
 実際まりやお姉さまや会長クラスの相手を諌められるのは、お姉さまか紫苑さまくらいのものだろう。

「じゃあ、貴子さんを寮へと呼ぶ手筈は、これでいいわね」
 皆の肯定を確認すると、お姉さまが議題を進めていく。
 その他の議題はパーティでの食事や段取り、プレゼントといったところで、
 これらもさほど滞りもなく組み立てられていき、全ての議題を消化すると、まもなくちょっとした雑談会が始まっていた。

 計画は整った。 後は、放課後を待つだけだ。
 計画通りにいかなくても結局のところ会長を祝うことには変わりないのだが、
 やはりうまく引っかかってくれたほうが面白…もとい、会長の喜びも大きいものとなるだろう。
 しかし、細工は流々に施してもイレギュラーは必ずあるもの。
 さて…どうなることやら。
581Qoo:2006/11/22(水) 21:46:58 ID:fKcBSkEN0
◆ 7回表 11月16日:放課後

「それじゃあ、帰りましょうか」
「はぁ〜い」
 帰り支度を済ませた会長と可奈子は、二人揃って生徒会室を出た。
 蛍光灯の明かりに煌々と照らされている校舎内に対し、窓の外はもうすでに暗く、深い闇に覆われている。
 物音一つなく静かな廊下にがちゃっ、と鈍い音が響く。
 扉がきちんと施錠されていることを確認すると、二人はカギを保管場所へ戻すべく歩き始めた。
 ちなみに葉子さんと君枝さんはある程度生徒会活動をこなすと、
 早々に帰宅…したと見せかけて、お姉さまたちの寮でパーティの準備を進めている。
「寒くなってきたわね…」
 そう口にした会長の手には大きな袋がぶら下がっている。 中身はもちろん会長へのプレゼント。
 ただしそのプレゼントは可奈子たちからではなく、会長の机の上に置かれていたプレゼントを袋に入れたものである。
「そうですねぇ…もう冬でしょうか…」
 はぁ、と器にした手に息を吹きかけると、吐息が真っ白に染まる。
 寒いなぁ…。
「廊下も暖房がついていればいいのになぁ…」
 可奈子が漏らした呟きに、会長がくすくすと微笑する。
「それはさすがに贅沢というものよ?」
「そうでしょうかぁ…」
 寒いのは苦手なのになぁ。
 実のところ、寒いところも暑いところも苦手な可奈子だった。
582Qoo:2006/11/22(水) 21:51:05 ID:fKcBSkEN0

 カギを元の場所に納め、二人で話しながら昇降口に到着した。
 「靴履き替えてきま〜す」と言い残して会長と別れ、自分の靴箱へと向かう。
 ここまでは、予定通りだった。
 葉子さん曰く、「用事があるとかで問答無用で帰られてしまうのが一番痛いケース」らしい。
 確かにそれはそうだ。
 なので、今会長と一緒に帰っているだけですでに一つ目のノルマは達成していることになる。
 さて次に待ち構える二つ目のノルマは、お姉さまたちの待つ寮へと繋がる道の前で、プレゼントを渡すことだった。
 会長と合流し、他愛のない会話を交わしながら電灯に照らされた並木道を校門に向かって歩いていく。
 段々と目的の場所に近づいてくると、少しだけ心臓がドキドキした。
 大丈夫。 大丈夫。
 心の中でそう二回唱え、足を止めて立ち止まる。 横には、寮へと繋がる道。
「…どうしたの?」
 可奈子の足音がしなくなったことに気付いた会長が後ろを振り向いた。
「ちょっと待ってくださぁい」
 自分のバッグの中をごそごそと漁り、会長へのプレゼントを取り出す。
 それは昨日買ったプレゼント…ではなかった。
 昨日買ったプレゼントは今日の朝のうちに寮の中へ運んだため、今回の作戦には使えなくなってしまったので、
 昼休みに君枝さんが持っていたプレゼントを渡すことになったのである。
 寮に取りに帰ってもよかったが、作戦では一時的に渡しておくダミーのプレゼントなので、これで問題ないらしい。
583Qoo:2006/11/22(水) 21:52:34 ID:fKcBSkEN0

「はぁい、会長」
 とプレゼントを差し出すと、会長は驚いたような表情を見せ、少し遠慮がちな声で可奈子に問いかけた。
「これって、もしかして…」
「ハッピーバースデ〜イ、会長。バイ、生徒会一同より」
 にこっ、と可奈子が笑うと、会長の顔に嬉しそうな笑顔が浮かんだ。
「ありがとう、可奈子さん」
 プレゼントが会長の手に渡る。
「会長〜?実のところぉ、プレゼント貰えないのかな〜って思っちゃってたりしましたぁ?」
「実は貰えるんじゃないかって、少し期待していたわ」
 可奈子がからかうように言うと、会長がはにかみながらふふっ、と笑った。
 すごく可愛い笑顔だなぁ…じゃなくって。
 会長の笑顔に少し見とれていた可奈子だったが、これで終わったわけではない。
 むしろ、ここからがミッションスタートだ。
584Qoo:2006/11/22(水) 21:54:23 ID:fKcBSkEN0

「ねぇ可奈子さん、ここで開けていいかしら」
「あ、ちょっと待ってください会長」
「ん?何かしら」
「そういえばぁ、会長、お姉さまからプレゼントは貰いましたかぁ?」
「お姉さま?…いえ、貰っていないけれど…。お姉さまは私の誕生日をご存じないでしょうから、仕方がないわ」
 そう言いながらも、少し残念そうな顔をする会長。
「えぇ〜、そんなはずないですよぉ〜。だってこの前お姉さまに会長の誕生日のことは伝えたはずなのにぃ〜」
「えっ?」
「お姉さまってばひどぉい!会ちょぉ!抗議しに行きましょう!」
 そう言い置くと、鳩が豆鉄砲を食らったような表情の会長を置いて駆け出す。
 「絶対に「いいの、いいのよ可奈子さん」とか言いながらついてくるから」とは葉子さんの談。
「えっ、えっ?」
 可奈子のノリにちょっとついていけてない会長だったが、それでもすぐに可奈子を追って駆け出した。
「か、可奈子さん、いいのよ!」
 葉子さんの罠に落ちた会長。
 可奈子は葉子さんの予想通りの声を上げる会長に少しこみ上げた笑いを抑えながら、用意された台詞を口にする。
「ダメですよぉ会長、こういうことはしっかりしないとぉ」
「いいのよ可奈子さん、お姉さまにもきっと事情があったんだわ」
 追いついた会長が可奈子の腕を掴む。
 しかし可奈子は困った顔で説得を続ける会長を引きずりながら走り続け…そしてついに、寮の前に辿り着いた。
585Qoo:2006/11/22(水) 21:55:42 ID:fKcBSkEN0

 少し上がった息を整えながら、葉子さんの言葉を思い出す。
 「会長からは扉を開けられないから」
 葉子さんの予想通り、可奈子については来た会長であったものの、寮の中に入ろうという素振りはない。
 当然といえば当然。
 だって会長は可奈子に連れてこられただけだし、それに会長は、お姉さまに嫌われるようなことをしたくはないだろうから。
 でも、そうはいかない。
「可奈子さん、ありがとう。でも、もういいのよ」
 会長は扉の取っ手を掴んだ可奈子の肩に触れて引きとめようとするが…。
「ダメですよぉ。だって…」
 そう、ダメに決まっている。 だって…。
 可奈子は両手に掴んだ扉を思いっきり観音開くと、横に飛び去って耳を塞いだ。
「貴子さん、誕生日おめでとう!」
 パーン、パンパンパンパン!
 お姉さまのお祝いの言葉と共に、塞いだ手越しにも少々けたたましいクラッカーの音が辺りに響く。
「え……?」
 扉の向こうにいた皆の方を見つめながら、寝耳に水なこの状況にぽかん、と口を開けて惚けている会長。
「会長?」
「…え?」
 葉子さんが呼びかけるが、どうも今の自分の状況がうまくつかめないようだ。
586Qoo:2006/11/22(水) 21:56:49 ID:fKcBSkEN0

 そんな会長を見ていたまりやお姉さまが「貴子!」と大声で名前を呼ぶと、「は、はい!?」と会長が我に返った。
「上がりなよ」
 まりやお姉さまがぶっきらぼうな言葉なのに不思議に優しい声でそう言うと、
 手で"来い来い"のポーズを取って踵を返し、食堂の方に消えていく。
「貴子さん、まりやもああ言ってることですし、どうぞ上がっていってください」
 お姉さまが会長の手を握って中へと誘導する。
「えっ?あ、あの…」
「ほらほらぁ、行きましょぉ〜」
 可奈子はまだ少し逡巡している会長の背中を押して寮の扉をくぐった。
 戦果は上々といったところ。
 可奈子はさっきの万遍なく驚いた会長の顔を思い出し、
 以前見たテレビのドッキリ番組で、仕掛け人が持っていた「ドッキリ大成功」のパネルを掲げたい気分だった。

 君枝さんが、後ろで寮の扉を閉める。
 今日は11月16日。 会長の誕生日。
 パーティが、幕を開ける。
587Qoo:2006/11/22(水) 22:02:47 ID:fKcBSkEN0

え〜、今回はここで終わりです。ホント遅筆で申し訳ありません。 ヽ(´Д`;;)ノ

そろそろ終盤に差し掛かります。どうも今スレで書き終えるのは無理みたいですね。
っていうかやっと終盤か…(泣)。どうして私は書き出すと無駄に長くなるんだ…。

えぇ〜、痛い間違いも色々見つかってますが…。
>>533氏に言われた通り可奈子の一人称は「可奈子」だとか、もう気にしたりしないゼ!(やけくそ)
でもコソっと後半じゃ修正したり…(隠)。   で、でも頑張るゼ!(泣きながら) Qooでした!ヽ(`Д´ )ノ
588東の扉:2006/11/22(水) 22:45:13 ID:m1iPHu0i0
Qooさん、GJです。
なんだか面白い展開になってきましたね。
パーティーがどんなになるのか、真相を知った貴子さんが皆さんにどう言うのでしょう?

にしても、普段あまり表に出ない脇役キャラを書くのは難しそうですね。
Qooさんの苦労がわかるような気がします。
私は貴子さんの誕生日には間に合いませんでしたが、一子ちゃんのは書き上げましたので、
落としてみようと思っています。
「ほころび始めた縁」のエピローグを落とすのも、11話になると思いますが、
お互いに頑張りましょう。
589名無しさん@初回限定:2006/11/22(水) 22:53:03 ID:ZMmIfRmB0
>>587
(o^-')bb
590名無しさん@初回限定:2006/11/22(水) 22:59:52 ID:Wsvvh1Zp0
>>587 GJ!!こういうの見てると自分でも書きたくなるね

そろそろ次スレ?と思って特に聞くことなく立てようとしたんだが、
立てられなかったので誰かお願い
591名無しさん@初回限定:2006/11/22(水) 23:11:36 ID:UC+pO55R0
東の扉さん、Qooさん、GJです!
>>590
それでは、第11話スレ、立ててきます。
592名無しさん@初回限定:2006/11/22(水) 23:17:48 ID:UC+pO55R0
次スレ立ててきましたので、作者のみなさま、どうぞご利用ください。

処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第11話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1164204810/
593Qoo:2006/11/23(木) 00:06:50 ID:L8DK2YIu0

>>592
次スレ立て、ご苦労様です。

>>588
私の気力が尽きるのが先かもしれませんが、とりあえず頑張りましょう。
次落とすのはいつになることやら(笑←刺)
594Qoo:2006/11/23(木) 01:13:18 ID:L8DK2YIu0
>>589-591
ありがとうございます。ほんと嬉しいです。

ということで、お礼とスレ埋めがてらショートギャグでもやります。
笑ってやってください。
595Qoo:2006/11/23(木) 01:13:55 ID:L8DK2YIu0

ショートトークドラマ:やるきねこがみてる


「おじゃまします」
「邪魔はしないでね」
「慣用語ですっ!小学生ですか貴方は!」
「冗談じゃない」
「はぁ…まりやさんの相手をするのもアホらしいですわ…」
「そんなこと言うと見せてあげないよ」
「き、汚いですわよ」
「ふん。どうとでもいえば」
「それにしても、どうしてまりやさんが瑞穂さんのアルバムを?」
「あたしが瑞穂ちゃんのアルバムのコピーを持ってないと思ってんの?」
「なるほど…。言われてみればそうですわね」
596Qoo:2006/11/23(木) 01:16:36 ID:L8DK2YIu0

「えっとこれっと…これと…」
「こっ…これが瑞穂さんの…」
「あっとは…これだね」
「……す、素晴らしいですわ…」
「貴子、鼻血」
「えっ?あっ…」
「あんた、興奮しすぎ」
「み、瑞穂さんが可愛すぎるのがいけないんです」
「どんな言い訳よ…。ま、気持ちは分からなくもないけど。ん〜む…確かに超可愛いわ…瑞穂ちゃん」
「………」
「貴子、あんた集中しすぎ…って、お、パンチラ写真見っけ」
「パンチラっ!?」
「うわっ、反応早っ!」
「み、瑞穂さんのですか…?」
「欲しい?あげよっか」
「……く、ください…」
「はい、あ〜げた」
「ぶ…ぶっ飛ばしますわよ?」
「はいはい、分かった分かった。ほい」
「………?これのどこが…?」
「ほら、写ってるでしょ。瑞穂ちゃんの後ろにあるパンダのぬいぐるみの足がチラっと」
「……ぶ…、ぶ、ぶ、ぶ、ぶっ殺して差し上げますわ!そこになおりなさい!」
「へぇ、貴子のくせにいい度胸じゃん。っていうか何を想像してたのよこのエロ貴子〜」
「きぃ〜〜〜〜!!!」

  ドターンバターンガターン

 今日も平和だ…。
 相変わらず懲りない二人のドタバタを見ながら、
 ふにゃあ〜、とあくびをするやるきねこだった。
597名無しさん@初回限定:2006/11/23(木) 02:05:22 ID:7pN3GESf0
>パンダのぬいぐるみの足がチラっと
うわっ懐かしい
598東の扉:2006/11/23(木) 03:46:58 ID:kWpdgjpU0
目標500KB、ということで、私もネタをひとつ。

もし、おとボクメンバーがダイの大冒険を演じるとしたら?

ダイは奏ちゃん、ポップは由佳里ちゃん、アバンは紫苑さん、ヒュンケルは圭さん、
マアムはまりや、レオナは瑞穂くん、ハドラーは貴子さん……で、どうでしょうか? ハドラーも後半はかっこいいですし。
ほかのキャスティングもそれぞれ意味があるんですが、いががでしょうか?
599東の扉:2006/11/23(木) 09:28:13 ID:kWpdgjpU0
「はややっ、奏が勇者なのですか?」
「奏ちゃんは純粋ですからね。ちょうどいいと思って」
「それで、奏ちゃんの親友だから、私がダイの親友のポップ役なんですね」
「確かにそれもあるけど、本当の理由じゃないわ」
「え? 本当の理由って?」
「エロいからでしょ?」
「!! お姉さままで私をバカになさるんですか!?」
「違うわよ。ほら、アバンの使徒の中でポップだけ普通の育ち方をしてるとことか、
そのことで劣等感を抱いたり、勇気や自信が持てなかったりして悩んだり、それを乗り越えていくとことか、
由佳里ちゃんにぴったりじゃない」
「な、なるほど」
「アバンは紫苑さまなのですか?」
「気さくな中にも威厳があるとことか、紫苑さんならうまく出来ると思って」
「ヒュンケルは圭なのね」
「無口で孤高なとことか、が理由かしら」
「マアムがまりやお姉さまなんですか?」
「うん。普段気が強いけど本当は優しくて仲間思いなとことかがね……」
「レオナはお姉さま、なのですか?」
「奏ちゃんのパートナー、ですから」
「魔王が貴子ね、ぴったりじゃない」
「でもまりやお姉さま、ハドラーは後半かっこいいのですよ」
「そう。このキャスティングは、後半のハドラーから、ね」
「部長さんに、脚本を書いたいただけるよう、お願いしてきますのですよ」
「楽しみね、あの原作がどう変わるのか」
「そうね……」
こうして、ダイの大冒険をみんなで演じる計画は第1歩を踏み出したのでした。
600東の扉:2006/11/23(木) 09:30:12 ID:kWpdgjpU0
どなたか、作品化しようという方がいればお願いします。

東の扉でした。
601東の扉
〜2つのおみやげ〜

今日も由佳里は、部屋でくつろいでいた。1冊のアルバムを広げながら……。
「由佳里ちゃん、失礼いたしますのですよ」
「わわっ、奏ちゃん、いきなり入ってこないでよ!」
「えっ? 奏、ノックしましたのですよ」
「ウソ!? 気づかなかった」
「由佳里ちゃん、それは何なのですか?」
「わわっ、これは……」
奏は、由佳里のアルバムを後ろから見ます。
「これは、お姉さまのアルバムなのですよ」
「うん。PS2の方でもらったの」
「由佳里ちゃん、ずるいのですよ。奏もほしいのですよ」
「まりやお姉さまに頼んだら? すぐくれると思うけど」
「わかりましたのです。奏、頼んでくるのですよ」
奏は、期待いっぱいの表情で部屋を出て行きました。
「ふーっ……こっちのおみやげには気づかれなくてよかった……ていうか、使う前でよかった……」
由佳里は、ショーツとスカートのポケットに入っている、今まさに瑞穂のアルバムを見ながら使おうとしていた
PCでもらった方のおみやげを見ながらため息をついた。

それからしばらくして……。
「まーりーやー?」
「な、なあに、瑞穂ちゃん」
「どういうことなの? これは? ほとんどの生徒が僕の女装のアルバムを持ってるなんて」
「いやー、最初は由佳里に渡しただけなんだけど奏ちゃんからみんなに広まっちゃったみたいで……さいならーっ!」
「あ! こら! 逃げるな!」
写真の焼き増しに必死になっているところへやってきた瑞穂から、まりやは一目散に逃げ出した。
「ううっ、もうお婿にいけないよ……」
瑞穂は、幼い頃からのまりやに女装させられた記録が全生徒に広まっていることを知り、トホホ状態になっちゃったのでした。

Fin