【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】

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1名無しなのですよ〜
ツンデレラ(;´Д`)
2名無しさん@ピンキー:05/02/19 09:49:49 ID:7syhyrUn
2GET
3名無しさん@ピンキー:05/02/19 09:52:23 ID:LdMkmR1j
お姉さまの尻にぶち込みたい。

夏休みの先生は回避不可能なのか?
4名無しさん@ピンキー:05/02/19 11:49:24 ID:OLBHap5F
黙っているを選択すれば回避できるじゃろ
でも先生邪魔
5名無しさん@ピンキー:05/02/19 13:48:43 ID:G5Z3jpY/
職人さん激しくキボンヌ
6名無しさん@ピンキー:05/02/19 13:59:19 ID:583l4nIg
ちんこかゆい
7名無しさん@ピンキー:05/02/19 15:23:54 ID:3fM+SQ4U
貴子ルートのエンディングのセックルが読みたい。
あふれんばかりの乳に大きく開いたYシャツの胸元(;´Д`)
8名無しさん@ピンキー:05/02/19 20:43:42 ID:G5Z3jpY/
瑞穂お姉さまの逆レイプキボン
9名無しさん@ピンキー:05/02/19 21:20:03 ID:3lAxxnNs
つーか女装で百合を名乗るなんて片腹痛い。
10名無しさん@ピンキー:05/02/21 18:44:20 ID:Ln9B0Xvc
このスレタイは誤解を招きやすいな。
女装主人公とは別に百合カップルがいるわけなんだが。
11名無しさん@ピンキー:05/02/21 19:21:15 ID:6PqlXfuT
むしろ、百合だけだったらまず間違いなく買わなかったな。
瑞穂が漢だったから良かった。
12名無しさん@ピンキー:05/02/21 19:34:19 ID:Wne1LM+b
このスレが閑散としている件について
13まりや:05/02/21 22:58:28 ID:7/CAegrm
こうなったら、瑞穂ちゃんの為にもageるしかないね!
14名無しさん@ピンキー:05/02/21 23:11:56 ID:8itpVKA2
エロパロスレにあるってことは、書いてもいいってことなのか・・?
いいなら書きますが。
15名無しさん@ピンキー:05/02/21 23:18:16 ID:6PqlXfuT
>>14
むしろお願いします。
期待sage
1614:05/02/21 23:26:06 ID:8itpVKA2
>>15
了解しました。リクエストとかありますかね?
誰×誰とか、ジャンルとか.. 注文よろしくです。
17名無しさん@ピンキー:05/02/21 23:31:58 ID:6PqlXfuT
>>14
では本編では少なかった、瑞穂たんが攻められているシチュを・・・
18名無しさん@ピンキー:05/02/21 23:36:05 ID:7aqGSGit
攻める相手役として、先生は却下させていただきたい・・・
19名無しさん@ピンキー:05/02/22 00:00:18 ID:SbvzRckO
じゃあ、貴子のエピローグの前夜で。
エピローグを見る感じ、貴子もだいぶ慣れた感じもあるだろうし・・・
2014:05/02/22 00:12:33 ID:5cO/bI4O
一子×瑞穂
就寝時間になって一子ちゃんとベットの中に入り込む。
(一子ちゃんて、いつ見ても可愛いなぁ・・・)
「お姉さま?どうかしましたか?」
視線を感じたのか、一子ちゃんが目を開けて問いかけてくる。
「なんでもないのよ、一子ちゃん。気にしないで?」
「気にしないで?と仰られても、お姉さまに見つめられると
緊張してしまいますよぉ・・」
寮生活になってからは性欲処理もしていないので、こんなにも可愛い娘と
同じベッドに入っていると思うと男性の部分が反応してしまう。
「あ、あのぅ・・。お姉さま?」
はっ、と気がつくと一子ちゃんがこちらを見つめていた。
「・・・どうしたのかしら?」
「お姉さまの・・、その・・”アレ”が当たっているのですが・・・」
ビクッと体が震える。
「ご、ごごごごめんなさい一子ちゃん!そんなつもりじゃないのよ!」
思ってもいなかったことを指摘され、あたふたしつつも否定をしておく。
数分間の気まずい沈黙のあと、一子ちゃんの方から話しかけてきた。
「あの・・、お姉さま。」
「なな、なにかしら?」
「その・・、お姉さまは欲求不満でいらっしゃるのでしょうか?」
「え・・、えぇぇ!?」
「お姉さまは、私と同衾しているので余計に欲求不満になってしまって
いるのではないか、と思いまして。以前、学院の方がそのようなことを
話しているのを聞いたので・・・」
「・・・・・・・」
「お姉さま、私でよければお姉さまのお相手をさせていただきます。」
僕の返事も聞かずに、一子ちゃんはパジャマのズボンを下ろされる。
勢いでショーツも下ろされた。

すいません、続きます。
2114:05/02/22 00:25:39 ID:fyN7JQMG
続き

僕のモノはすでに天に向かって大きく勃起していた。
「お姉さま・・、とっても大きいですぅ・・・」
僕の屹立を愛おしそうに見つめながら手を這わせる。
「くっ・・・」
竿を擦る手のスピードが徐々に上がっていく、と同時に亀頭をぺろぺろと
なめ始める。
「あはっ・・、お姉さま、先っぽから汁がどんどんあふれてきていますよぅ・・」
擦る手は速く、舐める舌は妖艶に、別の生き物のように蠢いている。
「うぅ・・、一子ちゃん・・そ、そろそろ・・」
そう言い終えると、一子ちゃんはニコッと微笑み、手で擦るスピードを
さらに上げる。一気に射精感が高まっていく。
僕は出るすんでの所で分身を取り出し、一子ちゃんの顔に大量の精液を
放射した。

「お姉さま・・気持ちよかったですか?」
「ええ・・、とても気持ちよかったわ」
一子ちゃんの頭を撫でながら、優しく微笑みかける。
「よかったです・・、お姉さま?今度はお姉さまからもお誘いくださいね。」

end


すいませんでした、「使えねぇ」とかいわないでやってください。
とりあえず、ここで一区切りです。次はリクエストのあった貴子のストーリー
を書こうと思います、では。
22名無しさん@ピンキー:05/02/22 00:31:29 ID:73BKliRA
>>20-21
仕事はえぇ!(w
GJ!
23名無しさん@ピンキー:05/02/22 01:47:20 ID:FouCQLcY
まりやキボンヌ
24名無しさん@ピンキー:05/02/22 20:53:22 ID:y5xW8FQf
一子が憑いた女性体瑞穂
はたして性感はどうなっているのか・・・
25名無しさん@ピンキー:05/02/22 21:20:06 ID:CO9tCyJl
キボンヌではなく
自分で書いてみたらどうだろうか。

俺もコレまでSS未経験だがちと書いてみてたりする。
とても公表できるような代物ではないのだが。
26名無しさん@ピンキー:05/02/22 23:35:41 ID:kqkU6v5W
断片的なネタを受信することはあっても
それを文章にできる力がないぜ orz
27名無しさん@ピンキー:05/02/23 00:39:58 ID:Vccv37DX
適当に書きなぐってみたら結構な長さになってしまった・・・

それに元々が理系なのであまりに稚拙だし・・・どうしよう。
ていうかSSスレではないのであまり長いのは出さないほうがいいか。
28名無しさん@ピンキー:05/02/23 00:49:33 ID:AnZJjmk7
そうだな、やめてくれ
29名無しさん@ピンキー:05/02/23 00:49:56 ID:b0pEjFNk
>>27
スレ活性化のために投下しては如何かな?
30名無しさん@ピンキー:05/02/23 02:30:28 ID:WURwmE9T
>ていうかSSスレではないのであまり長いのは出さないほうがいいか。

・・・ここはSSスレだと思っていたのだけれど、勘違いだったかしら?
31名無しさん@ピンキー:05/02/23 02:55:00 ID:Vccv37DX
よく考えたら、このスレの意図がわからないですねぇw

エロパロのところにあるわけだけれども・・・
エロパロ自体がまあSSメインちっくではあるから、いいのかな。SSで。
32名無しさん@ピンキー:05/02/23 09:58:17 ID:Vccv37DX
というわけで、投下してみようかと思うのだけれど、
1回のレスでの文字数制限とかあったっけ?
さすがにいくつかにわけないと読みにくいと思うし。どれくらいの文字数がいいのかな。
33名無しさん@ピンキー:05/02/23 10:12:37 ID:24Z34ohE
>>32
32行、2048バイトまで。
2ch専用ブラウザだと、書き込むときオーバーしているかどうか判りやすくていいよ。
34名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:52:12 ID:Vccv37DX
『終わり』1/9

まりやが6年ぶりに帰ってきた。

空港で一悶着あったあと、今僕とまりやは僕の部屋に居る。
貴子さんは気を使ってくれたのか、
「仕事がありますので。積もる話でもあるでしょうから、ではごゆっくり。」
とか言ってどこかに行ってしまった。

僕とまりやはいろいろな話をした。6年間の空白を埋めるように・・・
・・・
・・・
「あはは。それにしても瑞穂ちゃん、ちょっと変わったね。」
「そうかな・・・?」
「うん、何ていうか・・・芯は変わってないんだけど、人の上に立つものとしての威厳っていうのかな。
 そういうのがちょっと付いた感じ。エルダーの経験が役に立ったのかもね?」
「そっか、そうかもね。ありがとうまりや。そういうまりやは変わらないね。」
「む、それどういう意味よ、瑞穂ちゃん。ふーん、どうせ私は成長しませんよーだ!」
「違うよ。夢に向かってまっすぐに走ってる、ていうのが変わらないってことだよ。
 僕はそういうまりやが好きだし。それに、綺麗になったよね。」
「な!?・・・うー、不意打ちとは卑怯だぞ、瑞穂ちゃん!それにキザだし・・・」
「あはは」
「瑞穂ちゃんだって、かっこよくなったよ・・・といいたいところだが・・・なんで」
「?」
35名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:53:03 ID:Vccv37DX
『終わり』2/9
「なんで、さらに可愛く綺麗になっとるんじゃーーー!」
「わあ!?」
「普通久しぶりに彼氏に会ったら『○○君、かっこよくなったね』って言うのが定石でしょ!?
 なにが悲しくて『綺麗になったね』って言わなきゃならんのじゃああーー!
 そりゃ筋肉ムキムキな瑞穂ちゃんなんて見たくないけど、少しは男らしくなったかな〜?って
 ちょっと期待してたのに・・・!それに瑞穂ちゃん、今日見てたけど、恵泉のときのクセが抜けきってない!
 絶対社員の何人かは瑞穂ちゃんの性別間違えて認識してるよ!」

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「・・・確かに、たまにラブレター届くんだよね、男女問わず・・・貴子さんが握りつぶしてるけど・・・」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
(orz)
「ま、まぁ・・・瑞穂ちゃんも、内面はかっこよくなってるから、大丈夫。うん。」
(orz)
36名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:55:55 ID:Vccv37DX
『終わり』3/9
・・・
とまあ、こんな調子で僕とまりやはいろんな話をしていたんだけど・・・
「さてと、そろそろしよっか。」
まりやが唐突にこんなことを言ってきた。
「え?何を?」
「何を?じゃないでしょ、瑞穂ちゃん。こーんな可愛い彼女との6年ぶりに再会してすることと言えばひとつしかないでしょ?」
「え、あ、う、うん・・・」
「ああもう!」
急に不機嫌になったかと思うと、まりやはベッドに腰掛けている僕を押し倒してきた・・・!
「ま、まりや!ち、ちょっとまって!」
この展開はどこかで体験したようなっ・・・!
「・・・」
「ま、まりや・・・?」
でも、まりやの様子がおかしかった。
「・・・まりや?」
「莫迦・・・」
「・・・え?」
「ごめん、瑞穂ちゃんが悪いわけじゃないんだ。わかってる・・・」
「・・・?」
「瑞穂ちゃんが私を部屋に連れてきたときからガマンしてるのは判ってる。私を大切に想ってくれてるから、
 だから性欲を満たすためだけにするのはイヤだって、そう思ってくれてるのは判ってる。」
「まりや・・・」
「私も、瑞穂ちゃんのそういう優しいところが好きだから・・・。
 でもね、私たちは恋人同士なんだから、瑞穂ちゃんは私に無理を言ってもいいんだよ・・・?
 それに・・・私も瑞穂ちゃんとしたいんだから・・・もうガマンできないよ・・・」
「まりや、ごめんね・・・」
僕はまりやにキスをする。
「ん・・・」
「まりや・・・しよう・・・?」
今度はディープに・・・
「む・・・んあ・・・ん・・・んむぅ」
37名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:57:40 ID:Vccv37DX
『終わり』4/9
・・・
僕たちは服を脱ぎ、ベッドの上に・・・
「まりや、やっぱり綺麗になったよ・・・」
「瑞穂ちゃんこそ・・・。うぅ、相変わらず女の敵だわね・・・。ホント、胸付けてあそこ外すだけで
 モデルになれるわよ、瑞穂ちゃん。」
「は、外すって・・・(orz)」
「うーん、モデル、モデルねぇ・・・うひひ、いいこと考えちゃった・・・!」
なにか良からぬことを考えてるみたい・・・悪魔、いや大魔王の笑みだよ、まりや・・・
僕はちょっと反撃してみようと思った。
「そういえばまりや。さっき下着脱ぐとき、何か糸を引いていたみたいだけど、なんだったんだろうね・・・?」
「んな!?」
「なんだったの・・・?ま・り・や?」
「むぅ〜、言わなくても判ってるクセに・・・大体、瑞穂ちゃんだってココすごいことになってるじゃない。」
そういうとまりやはまた僕を押し倒してきた・・・!
「うわ!」
「瑞穂ちゃんのココ、こんな形してたんだ・・・ちょっと怖いかも・・・」
と、言いながらまりやは僕のに触れてくる。
「んっ・・・なんだよまりや、あのとき平然と掴んできたじゃない・・・」
「あのときはこんなにまじまじと見てなかったし・・・それに・・・あのときだってすごく恥ずかしかったんだよ・・・?」
そういいながらゆっくりとしごき始める・・・
「あ・・・そんな風には・・・んぁ・・・全然、見えなかったけど・・・?」
「だって、もしそんな恥ずかしそうにしてたら、瑞穂ちゃん手でしてあげるだけじゃ収まらなかったんじゃない?
 女の子慣れさせようとしてるのに、女の子の味を知っちゃったら元も子もないでしょ?
 それに・・・私もあのときはそこまでの覚悟は無かったし、ね。」
「んっ・・・ぅ・・・ぁ・・・ごめん、ね、まりや・・・無理させちゃってたんだ・・・」
「まあ、瑞穂ちゃんの可愛いイキ顔見せてもらったし・・・ちゃんとイってくれたからうれしかったんだ・・・
 あ、今度は、く、口でしてあげるね・・・?」
38名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:58:54 ID:Vccv37DX
『終わり』5/9
ぬめりとした暖かく心地いい感覚が脳天までに響き渡る・・・
「ああっ!・・・ゃあ・・・ま、まりや、どこでこんな・・・」
「ん〜、ちゅぱっ・・・向こうの女友達が・・・んむ・・・男を喜ばせる方法って・・・あむ・・・教えてくれたの・・・」
「あ・・・ぁあ・・・」
「ん・・・でも・・・ちゅ・・・大丈夫だよ・・・んあ・・・実戦はコレが初めてだから・・・ちゅむ・・・痛かったりしたら、言ってね・・・」
「ぅあ・・・き、気持ちいいよ、まりや・・・く・・・」
「ちゅ・・・あむ・・・ん・・・んぅ」
「ぁあ・・・ん・・・ま、まりや、もう・・・イっちゃいそう・・・」
「あ・・・ダメ・・・」
そういうとまりやは僕のから口を離す。
「ダメ、だよ、瑞穂ちゃん・・・。出すのは私の中にして・・・離れていた間溜めてきたモノを全部・・・」
「まりや・・・」
僕はその言葉に、胸が締め付けられるほど、感動して・・・まりやを抱きしめた・・・
「まりや、ありがとう・・・。」
「ん、瑞穂、ちゃん・・・」
「それじゃあ、今度はまりやを気持ちよくしてあげる・・・」
39名無しさん@ピンキー:05/02/23 11:59:54 ID:Vccv37DX
『終わり』6/9
・・・
「ん・・・瑞穂ちゃん、優しいね・・・」
まりやの全身を堪能するようにやさしく撫でたあと、僕はまりやの胸に照準を合わせた。
「んぁ・・・」
「まりや、胸大きくなった?」
「ん・・・瑞穂ちゃんが、大きいほうが良いって言ったから・・・大きくなったんだよ、きっと・・・」
怒られるかな、と思いながら僕は・・・
「うん・・・。まりやの、大きい胸が好きだよ・・・」
「瑞穂ちゃん・・・うれしい、な・・・」
「あれ、てっきり怒るかと思ったのに・・・素直だね、まりや。可愛い・・・」
「莫迦・・・」
「それじゃこっちを・・・」
僕はまりやのあそこに手を伸ばそうとした。
「あ、瑞穂ちゃん、待って・・・」
「どうしたの、まりや・・・」
「もう、挿れて、いいよ・・・」
「え?でも・・・」
「さっき脱いだときにもう判ってるでしょ・・・?もう、ガマンできないよ・・・」
「まりや・・・うん、わかった。」
40名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:01:21 ID:Vccv37DX
『終わり』7/9
僕は僕のをまりやのあそこに押し当てる。
「いくよ、まりや・・・」
「うん・・・」
僕は力を入れて一気にまりやの奥に侵入した。
「んぁ・・・んあああああ〜〜!・・・ぁ、あぁ・・・ぁ・・・」
するとまりやが大きな声を上げて痙攣した。
「ま、まりや!?大丈夫!?」
「ぁ・・・ぁ・・・あ、あはは・・・ごめん、瑞穂ちゃん・・・あ、私・・・イっちゃった・・・
 ・・・2回目なのに・・・挿れられただけでイっちゃうなんて・・・私・・・こんな・・・」
そう言うまりやがすごく可愛くて、僕はまりやをいじめたくなってしまった。
「いけない子だね、まりやは・・・僕におあずけさせたクセに、自分は先にイっちゃうなんて・・・」
「ぁ・・・ごめん、瑞穂ちゃん・・・」
まりやがちょっと泣きそうな顔をする。僕はこんなまりやの表情を見るのは初めてで、
すごく可愛く感じて・・・余計にいじめたくなってしまった。
「いけない子にはおしおきをしないとね・・・」
「ぇ・・・!・・・んむ・・・」
まりやが何か言いかけたけれど、僕はそれをキスで塞いだ。
「それじゃ、動くよ?」
「え、待って、イったばかりなのに・・・」
「待たない。だって、まりやすごく可愛いし、まりやの中は熱くて気持ちいいし。僕ももうガマンの限界だよ・・・」
僕はまりやの中で動きはじめた・・・
41名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:02:19 ID:Vccv37DX
『終わり』8/9
「ひぁぅ!あぁ!・・・んん!・・・ダ、ダメ・・・激しいよ・・・!」
「ん・・・くぅ・・・は、・・・は・・・んぁ・・・」
僕はゆっくり動いているつもりなんだけど、イったばかりのまりやにはつらいのかな・・・?
それともまりやの中が気持ちよすぎて僕の認識回路がどこかにいっちゃったのかな・・・?
「んんっ、やぁっ!・・・あんっ・・・いゃぁ・・・気、気持ちいいよ・・・あぁん!」
「は・・・はぁ・・・まりや・・・気持ち、いいんだ・・・んんっ」
まりやの甘い声が聞こえる。気持ちいいと言ってくれてるのがすごく嬉しくて、僕は動きを速くする。
さっきまりやが口でしてくれたので、僕ももうそろそろみたい・・・
「はぁ・・・まりや・・・もう・・・イくよ・・・まりやの中に・・・」
「あぁっ!・・・瑞穂ちゃん・・・瑞穂ちゃん・・・!あ、私もまた・・・イっちゃうよ・・・!」
「あ・・・あぁ・・・まりや、まりやぁ!」
「はぁ!んっ、ああっ、瑞穂ちゃんっ!あ、あああ〜〜〜〜〜!」
僕はまりやの中に放った。
真っ白な頭の中で・・・一緒にイけたことが嬉しかった・・・
42名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:03:15 ID:Vccv37DX
『終わり』9/9
・・・
・・・
「は・・・はぁ・・・あ・・・」
「まりや、大丈夫?」
「ん・・・あ・・・」
まりやはまだ心ここにあらず、といった感じで・・・ちょっとやりすぎたかなと僕は反省していた。
「まりや、ごめんね。激しすぎた、よね。」
「ん・・・。謝らないで、瑞穂ちゃん・・・。私もすごく気持ちよかったし・・・それに・・・」
「それに・・・?」
「嬉しいんだ。瑞穂ちゃんが私のことちゃんと待っていてくれたんだって。ちゃんと好きでいてくれたんだって判ったから・・・」
「まりや・・・」
「瑞穂ちゃん・・・」
「好きだよ・・・ううん、愛してるよ、まりや・・・」
「瑞穂ちゃん・・・私も・・・」
唇を、合わせる・・・


永い罰ゲームはもう「終わり」。
2つに分かれていた道は今再び交わったんだ。
僕/私たちは未来に向かって進んでいく。
いくつもの困難が待ち受けているかもしれない。
でも、大丈夫。2人で寄り添っていけばきっと・・・
そうだよね、まりや/瑞穂ちゃん・・・
43名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:05:00 ID:Vccv37DX
『終わり』えぴろーぐ-1
・・・
・・・
結局、6年間の溝は一回では埋められず、その後数回戦行いましたw
「あ、あはは。さすがに疲れた・・・」
「私、もう、ダメ〜。足腰立たないよ〜・・・それにあそこもお尻も異物感が・・・」
「喉が渇いたね。何か取って来ようか?」
「お願い〜どこぞの次兄がツボ突いて治療してくれないと私動けない〜」
「また妙なネタを・・・長兄でも呼んでこようか?」
「あはは、私を殺す気かぁ〜」
と話をしながら扉を開けて一歩踏み出すと・・・

むぎゅ

「むぎゅ?」
足元を見てみると・・・
「た、貴子さん!?」
「・・・(きゅぅ〜)・・・」
貴子さんが倒れていた。しかも踏んじゃった・・・
「貴子さん!だ、大丈夫ですか!?」
「貴子?貴子が倒れてたの?」
「ど、どうしよう!というかなんでこんなところで・・・」
「・・・(きゅぅ〜)・・・」
44名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:09:48 ID:Vccv37DX
『終わり』えぴろーぐ-2
「はは〜ん。なるほど〜。」
「ま、まりや。動けないんじゃなかったの!?」
「ふふん。私はね、貴子をからかうためなら命を賭ける女よ!次兄の秘孔縛も破ってみせるわ!」
「また、変なネタを・・・それで、何がなるほど、なの?」
「貴子はね、覗き見してたのよ。」
「え、えぇ!?」
「でもね〜。お嬢様には〜、私たちの激しい愛の儀式はちょーっと刺激が強すぎたみたいね〜」
「・・・(きゅぅ〜)・・・」
「というわけで、覗き見をするような不届き者には・・・罰を与えなきゃね〜♪」
「まりや、何を持ってるの?」
「へへ〜、コ・レ♪」
まりやが持っていたのは・・・油性ペン!?
「ま、まりや・・・まさか・・・」
「くっくっくっ・・・気絶している者に対する悪戯で、コレに勝るものはあるまいよ、瑞穂君!」
「どこのどなたですか・・・って、ダメだよまりや!」
「へっへ〜ん。もう遅いわよ!」
「何時の間に・・・」
貴子さんの顔を覗き込むと、見事な「肉」マークが・・・
「・・・く・・・く・・・くく」
「ふ、さすがの瑞穂ちゃんも笑いを隠しきれないようね。冷静沈着が売りの美人秘書の額に浮かぶ「肉」の文字・・・
綺麗なモノを穢したような背徳感・・・ああこれもまた一種の芸術だわね・・・!」


・・・その後、瑞穂ちゃんの部屋とその周辺がしばらく使い物にならなくなったことは云うまでも無い。
目撃者であるM・Kさんは「ウチには2匹の怪物がいるみたいです・・・」と怯えるように語っていた。

終わり。
45名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:10:41 ID:Vccv37DX
・いろいろとごめんなさい。
・妄想ごめんなさい。
・ありきたりな展開でごめんなさい。
・展開飛びすぎてごめんなさい。
・貴子さんファンの方、刺さないでください。

というわけで、作中でキーワードっぽかった「罰ゲーム」の「終わり」ということで書いてみました。
いろいろと足りないところとか変なところとかあるとは思いますが、そこは各自脳内変換でよろしく。
ふたりの再会後のらぶらぶを書いてみました。瑞穂ちゃんに色気を感じていただければ幸いです(ぉ
稚拙な文ですが、まあふいんき(←何故か変換できない)を感じ取っていただければ。
46名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:21:27 ID:SPqanvXp
GJ!
ラブラブだあ♥
恵泉のクセが抜けてないって言われてorzなのがワロタ

この続きで貴子に覗きのお仕置きとして、いたずらする話を希望したいス。
47名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:38:32 ID:lMTBe+Gp
>>45
                ∩
                ( ⌒)      ∩_ _グッジョブ !!
               /,. ノ      i .,,E)
              ./ /"      / /"
   _n グッジョブ!!  ./ /_、_    / ノ'
  ( l    _、 _   / / ,_ノ` )/ /_、 _    グッジョブ!!
   \ \ ( <_,` )(      /( ,_ノ` )      n
     ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ     |  ̄     \    ( E)
       /    /   \   ヽフ    / ヽ ヽ_//

M.Kさんは2匹の怪獣に今後も翻弄されていくわけですな
48名無しさん@ピンキー:05/02/23 12:54:21 ID:24Z34ohE
>>34-45
二人のらぶらぶな雰囲気に(*´Д`)ハアハア
導入部もそしてオチもちゃんとあり、非常に楽しめました。
GJ!です。
49名無しさん@ピンキー:05/02/23 19:23:58 ID:WURwmE9T
>>34-45
GJ!!
原作の雰囲気が良く出てました。
50名無しさん@ピンキー:05/02/23 19:44:26 ID:8zkTdw5u
超期待agea
5145:05/02/23 20:57:14 ID:Vccv37DX
皆様、ご感想ありがとうございます。
Hな話どころか、SS書くのは初めてだったので、思ったより好評でほっとしております。

初めて書いた作品がえろか・・・orz

というか今思うとなんで書いたのかも謎w
何かが降りてきていたのかも。まあそれだけおとぼくが気に入ってしまったのでしょう。

次は・・・あるのか・・・?w
52名無しさん@ピンキー:05/02/23 23:32:03 ID:6cf9ljxl
>>24から一本浮かんだんだが…
少し頑張ってみようかな?
53名無しさん@ピンキー:05/02/24 01:05:46 ID:CFJYo2l2
>>52
ガンバレ(*´∀`*)

まだスレの空気の定まらない、立ち上がり時期は
習作を投稿するまたとない機会だと思う。

・・いや、そんなことは関係なく読んでみたい、個人的に。
54名無しさん@ピンキー:05/02/24 01:24:03 ID:6WrKvqXJ
>>52
是非お願いします〜。

折角立ち上がったスレですから、どんどん活性化させていきましょう!
55名無しさん@ピンキー:05/02/24 04:54:11 ID:thBZqgaw
GJ!!
まだプレイしてないけど。おもしろかった。
次もがんがって。
56名無しさん@ピンキー:05/02/24 08:39:29 ID:ulKhT4P6
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・) 朝っぱらから性欲を持て余してすいません
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
57名無しさん@ピンキー:05/02/24 17:44:21 ID:9jW88d58
´ ,    、`ヽ
.     / /ニニニニニヽ ヽ
    / /V(人  从)ハ ',
     l  ! . ヽノ . ! l
     l  !           ! l
   _人 !   ヽ/   / 人_ <ぬるぽ
   彡ヘ.ゝ,  __  イ/ミゝ
      XT {ニ0ニ} TX
      / ,ネ <ハ> ト、ヽ
     ヽ<メ,     Kメ
        l,     ヘ
       <ッャッャッャッャx>
       !_r     ヾ)
5845:05/02/24 19:12:01 ID:6WrKvqXJ
いつのまにやら作品別スレとまとめサイトに捕捉されてる〜

ガクガクブルブル

まあ気に入っていただければまりやに一票入れてもらえるとうれしかったりw
んで次はまりやルートでの貴子さんの道程を書いてみようかなと考えているのですが・・・

エロが思い浮かばない・・・orz・・・
順当に行けば瑞穂さんを想って・・・とかなんでしょうけれど、何か貴子さんのイメージと合わない気もしますし・・・
また>>46さんの仰るような展開もあるのですけれど、瑞穂ちゃんの性格からすると例えまりやの合意があっても乗るような性格ではないですし・・・
まりや単独で貴子さんを玩ぶというのもあるのですけれど、その後の展開が思い浮かばない・・・

ま、気長にお待ちになったりならなかったりしてくださいw

みなさんもどんどんSSを投下して、このスレを盛り上げていきましょう。
59名無しさん@ピンキー:05/02/24 21:57:22 ID:/ulGvZ0V
  __   ___   __
〈´    `, ´      `ヾ´    `〉
 ヽ   /         ヽ   /
  \ / /V(人  从)ハ ', /
    `l !  . ヽノ . i l"
.     l !   、__,.__,    i l
     ', ,    ー´   ,/ /   <ガッ
      ヘ.ゝ,  __  イ〃
       XT {ニ0ニ} TX
       / ,ネ <ハ> ト、ヽ
      ヽ<メ      Kメ
        /     ヘ
        <ッャッャッャッャx>
      (/    i_l
60名無しさん@ピンキー:05/02/24 22:01:34 ID:9jW88d58
まりや「んあははははっ、見ろ産毛処理が入ったぞお」
瑞穂「ぐぅ!!!」
まりや「だが、まだまだだあ、ほら、剃ってゆくだろお、見えるだろお、
ジョリジョリと剃ってゆくぞお。見ろ、お前の髭を剃ってゆくぞ。
信じられるか、私のような今、初めて買ったばかりの女のものだぞ。
いいのかあ、お前は、そんな本物か偽者わからないパッド入れられてるんだぞお。
とても大事なところに、入れられようとしてるんだぞお。んおおー、ほらあ、入った。根元まで入ったあ」
瑞穂「ぐうあああぁ!!!」
まりや「んおお、すごい、ほらぁ、お前の胸と私の偽胸が密着している。
私のものはどこにいった?そおうかぁ、お前のブラの中かぁ。
見えないと思ったらそんなところに隠れていたのかぁ。
あんなデカイものがお前のソコに入っているのかぁ。
見ろお、隙間もない、ぴったりとはまっているぞ。
くるしげに開いたお前の胸元にはまっている、んはああ、
すごい事実だあ。いいのか、お前は、今初めて入った女子寮で女装してるんだぞお。
いいのか、とても大切な部分じゃないのかあ、そこはあ。
そんな女子高に簡単に入れられてしまっていいのかあ。
それとも、女子高が好きなのか?チ・ガ・ウだろ!。女装させられててキ・ラ・イだろお!
そんな女に入れられてるんだぞぉ。そんな女に快楽を与えてしまってるんだぞお。
これイジョウないカ・イ・ラ・クだあああーーー!!!。。
お前のかわいい顔もそれを助長している。
お前のような男が女装している事実が、私を興奮させている。
いいのかぁ、それでいいのかあ。
なにがかなしくてお前は私ののような幼馴染に女装させられている!!!。
くやしくないのかぁ、みじめじゃないのかあ、あはあぁ」
瑞穂「ああっ、やめてえ!!!」
まりや「んはあ、すごい、まいったぁ。私はまいったあああーーー!!!
なぜなら、き・も・ち・良すぎるから、だあああーーー!!!
お前の困ったの顔はなんて気持ちいいんだあぁははは。
ほぅらあ、困るとお前の顔は私をさらに奥へと巻き込んでくる。
出そうとすると、名残おしそうにズルズルとからんでくる。どうぉ、すりゃいいんだぁ、私はぁ。
こうやって、猿のように性欲処理をしてやるしかないだろぉ!!!」
61名無しさん@ピンキー:05/02/24 23:12:49 ID:EZox28PD
……こんなところで高槻ネタを見ようとはorz
62名無しさん@ピンキー:05/02/25 00:14:57 ID:aB9i3utT
まいったぁ。俺はまいったぁあああーーー!!!
俺はおとぼくスレのためにageるしかないのかあああ!!!
自性など効かない!!!
6352:05/02/25 02:18:51 ID:eEJAA8d6
『瑞穂の女難?・前編』(1/5)

コンコン
「瑞穂ちゃん、入るよ〜?」
いつものように返事を聞く素振りも無く、まりやが扉を開けて入ってきた。
「お、一子ちゃんも居るね、よしよし」
「なんだか以前聞いたような切り出し方ね…」
「まあまあ、そう言いなさんなって」
「それでまりやさん、今日はどのようなご用件でしょうか?
また前みたいに、寮母さんは見た! 今宵判明するお姉さま脅威の新事実!!
みたいなお話だったりするんですか?」
「あ、んー、いや、そのね…」
珍しく言い澱むまりや。
「…あのさ、2人には一度疑問に思っちゃうとどうしても頭に引っかかって、
ずっと気になって気になって仕方が無い、っていう経験無いかなぁ?」
「…また、随分と唐突な話ね」
「あー、そこ、いちいち突っ込まない。で、どう?」
「そうね… まあ、何度かそんな事があったかもしれないけど」
「一子ちゃんは?」
「私は結構頻繁にありますねぇ。『一子は死んだ、何故だ!?』とか…」
「…それはまた、別のお話なんじゃないかしら」
「…えっと、それでつまりは、まりやさんも今何か気になっている事がある、と?」
「うん、ま、そんなところかな。それで、だ、諸君!
そういうことをずっと考えてるのって精神衛生上どうかと思うのよ」
「え、ええ、あまり良い事では無いと思…」
「そうだよね!? うん、そうそう。良かった〜、瑞穂ちゃんは話が分かるなぁ」
こちらが答え終わる前に、一方的に畳み掛けてくるまりや。
なんだか、今日はいつもにも増して迫力がある。
そして、何よりその嬉々とした表情。

…なんだか、とてつもなく嫌な予感がするんですけど。
6452:05/02/25 02:20:52 ID:eEJAA8d6
(2/5)

「お願い、1回だけで良いから、ね?」
「とは言われてもね… せめて理由くらい聞かせてもらえれば考えるけれど」
「う〜ん、それが道理だってのは分かってるんだけど… そこを何とか…」
食い下がるまりや。
「お姉さま、まりやさんのお願いを聞いてあげては如何ですか?」
「えっ、一子ちゃん?」
「そうだよ〜、良いじゃん、また身も心も女の子になってみるくらい…」
“身も心も”って、それに“くらい”って…
「も、もう制服も冬服に変わったし、水着を着るような事は無いと思うんだけど…」
「あーっ、もう、そういう事じゃないのよ!」
駄目だ、全く要領を得ない。
「一子ちゃんも、まりやの我侭に付き合うことは無いのよ?」
「う〜ん、でも、まりやさんにこういった形でお願いされるのは初めてですし…」
…言われてみればそうか。
確かに、面と向かって頭を下げる姿を殆ど見た事が無い。
「でも、身体の方は大丈夫なの?」
「身体…? ………あっ、そ、その節は、大変大変大変ご迷惑をお掛けしましたぁ…」
「え、なになに? 何かあったの?」
…!!
「さ、最後の授業のあと、2人ともなんだか力が抜けてしまって大変だったのよ」
「ふ〜ん。……あ、それって確か終業式の日だっけ。
そういえばあの日の瑞穂ちゃん、心ここにあらずって感じだったよね」
「そ、そうなのよ…」
誤魔化せた…のかな? うう、あの事をまりやに知られたら何を言われるか…
6552:05/02/25 02:22:24 ID:eEJAA8d6
(3/5)

「しっかし、そんな事があったとは… なら無理してお願いしちゃ良くないか」
「あっ、でもですね。あの時は私も舞い上がってしまっていたんですが…
多分、短い間隔で何度も繰り返したのが原因じゃ無いのかなー、って思うんです。
回を重ねるごとに、幽霊エネルギー?みたいな物が薄くなってる気がしてましたし」
幽霊エネルギーって…
「それで、今は大丈夫なの?」
「はい、それは勿論! 幽霊エネルギーハイオク満タン、って感じですよ〜」
「ほ〜ら〜、一子ちゃんもこういってる事だし」
いつの間にか、一子ちゃんはまりやの側についているようだった。
2対1、こうなると結果は見えている。
ただ、まりやの態度にどうも裏があるような気がするんだけど…
「もう、しょうがないわね… 本当、今回だけよ?」
「やった!」
「じゃあ一子ちゃん、お願いできる?」
「ラジャーですお姉さま! では、一子、行きま〜す!!」
…どこかで聞いたような科白と共に、辺りが白く染まった。
6652:05/02/25 02:24:13 ID:eEJAA8d6
(4/5)

「ちょ、ま、まりやさーん?」
で、気がつくと、おかしな事になっていた。
「ん? どしたの一子ちゃん」
「ど、どうって… きゃっ、その、ブラウスのボタンを外しながら
平気な顔して言える…あっ…せ、台詞じゃないと思えるんですが…」
そう、何故だかまりやに襲われているのだ…って、冷静に状況分析してる場合じゃない!!
「ここかぁ? ここがええのんかぁ??」
「えっ…えっ? んっ…ぅ…はぁん…」
一子ちゃん!!
「きゃん……あ、えっと、お姉さま…??」
「ん…? そっか、瑞穂ちゃんか。
…そうだった、それで瑞穂ちゃんはどんな気分?」
ブラ越しに胸を揉んでいた手を休めると、中にいる僕に向かって問いかけてくる。
気分も何も… 何してるんだよ、まりやは!
「何て言ってる?」
「え…と、な、何だか怒っていらっしゃいますよ?」
「あー、そうじゃなくって、どう? 感じる?」
か、感じるって…
一子ちゃんと一緒になると全身の感覚が鈍くなるみたいで
胸を触られてる、って事くらいしか分からないんだけど…
「えっ、お姉さまには感触が伝わっていないんですか?」
「そうなの?」
…そうなる、のかな?
でも、目では何されてるか見えるし、それに…
「う〜ん、じゃあ、ココを弄ったらどうかしら…?」
妖しい笑みを浮かべたまりやが、ショーツに手を伸ばそうとして…
6752:05/02/25 02:26:30 ID:eEJAA8d6
(5/5)

コンコン

「えっ!!??」
「!!!?」
!!

突然響いたノックの音に、室内の時間が凍りつく。

『奏なのですよ〜 お姉さまはいらっしゃいますのですか〜』
「やばっ、そういえば鍵掛けてない」
「だ、大丈夫ですよ、奏ちゃんはお返事するまで入ってきませんから」
「そっか、危ない危ない…」
そう言うと、まりやはようやく身を離した。
『お姉さま〜? いらっしゃらないのですか〜??』
「……えっと、それでは、お呼びしても宜しいでしょうか?」
乱れた衣服を正し終わった一子ちゃんが小声で尋ねる。
「って、瑞穂ちゃん的に女体化した自分を見られるのってどうなの?」
…う、それは………勘弁して欲しい……かも……かなり…(orz)
「なんだかお姉さま、相当に凹まれていらっしゃるご様子ですが…」
「う〜ん、やっぱそうか…… それに、少し振る舞いが違うしね……
よし、分かった。今日のところは一旦引き下がるとしよう」
え?
「ま、一応疑問は解消したしねー 奏ちゃんは部屋に帰らせとくわ」
そういってまりやは、小さく開けた扉の隙間に滑り込むように出て行った。
呆然と取り残される二人…いや、見た目には一人。

そして、まりやが最後に、にやり、と笑ったのを目にした者は居なかった。


続く…?
68名無しさん@ピンキー:05/02/25 02:35:32 ID:Go00k6l4
GJ!!
素晴らしいです!
おのれ奏ちゃん・・・こんなときに・・・っ!!w
でもそんな展開もすばらしい。

まりやの野望がとても気になりますw
次も楽しみにしてますよ〜!
6952:05/02/25 02:36:14 ID:eEJAA8d6
ちょっと長くなりそうだったので、2つに分けてみる事にしました。
…そんなわけで寸止め気味なのはご勘弁を。

後半もある程度出来上がってるんですが、肝心のエロ部分が…orz


>>53-54
ご期待に沿うレベルのものなのか非常に不安なんですが…
もっと精進したいと思います。
7068:05/02/25 02:41:32 ID:Go00k6l4
割り込んでしまった・・・

>>52さん、ごめんなさい・・・
71名無しさん@ピンキー:05/02/25 02:48:01 ID:aB9i3utT
まりやage
72名無しさん@ピンキー:05/02/25 03:19:36 ID:si6WQe9q
>>52>>63-67>>69
GJ!
くそっ・・・いいところで・・・w
続きに期待sage!!
73名無しさん@ピンキー:05/02/25 07:57:04 ID:egPMsV4a
>>63-67

イイネイイネ GJです!
後半も期待してますよー

朝から元気が沸いてきたぜ
74名無しさん@ピンキー:05/02/25 08:14:37 ID:nWOrzPWC
>>63-67
GJ続き待ってます。

>>58
瑞穂ちゃん主体じゃなくってまりやが主導で二人を巻き込むのはどうでしょうかw
75名無しさん@ピンキー:05/02/25 08:23:07 ID:si6WQe9q
エロパロではないが、過去スレで面白かった奴をコピペ↓

「あ、お早うございます、お姉さま」
「おはようございます…美智子さん、出来ればお姉さまっていうのは……」
「あら、だめですか?折角クラスからエルダーが選出されましたのに……」
美智子さんの顔が悪戯っぽく笑っている。どうやらわざとのようだ。
「私、美智子さんはお友達だと思ってるんですけれど……」
「光栄ですわ、お姉さま……ふふ、なんちゃって」
美智子さんは可笑しそうに吹き出すと、柔らかい微笑みをくれた。
「私も瑞穂さんのこと、お友達だと思っていますから……瑞穂さん、と呼ばせて頂きますわ」
「その方が嬉しいですね,私も」
「ふふ、エルダーシスターから友誼を頂戴できるなんて、光栄の至りです……」
そう云うと美智子さんは優雅にスカートを摘んで貴婦人の礼をしてみせる。
「いえいえ、こちらこそ」
お返しに、右手を胸に添えたままで慇懃にお辞儀をしてみせる。
「ふふっ……」
「あははっ……」













「こやつめ、ハハハ!」
「ハハハ」
76名無しさん@ピンキー:05/02/25 13:57:22 ID:5hFub6qo
>>75
不覚にもワロタw三国志かよ
77名無しさん@ピンキー:05/02/26 00:50:11 ID:rX3BSUOH
>>75
そういうオチか・・・w
7852:05/02/26 22:18:19 ID:ruRtqhYq
『瑞穂の女難?・後編』(1/6)
>>63-67の続きです)

ふぅ… 結局まりやは何がしたかったんだろう…
まだ時間はあるだろうから、暫くはこのまま静かにしてた方が良いみたいね…

「……あ、あの、お姉さま…?」
ん、何かしら? 一子ちゃん。
「えっと、その、ですねぇ… 非常に申し上げにくいのですが…」
何だろう、いつもの一子ちゃんらしくないような…
「……あの、お姉さまの……お、お身体を……
ちょっとだけお借りしてしまってもよろしいでしょうか…?」
え? いや、今で十分貸してると思うんだけど…
「あ、えっと、そういうことではなくて、ですねぇ…」
??
「さっきまりやさんに… い、いろいろと、されてしまったわけでして」
…まさか
「少〜しばかり、身体が火照っていると言いましょうか、その、えと…」
えっ、それって… 借りるって、つまり…
「ごっ、ごめんなさいお姉さま、そんな事ダメに決まってますよね!! あは、ははは…
だ、大丈夫です!!! 不肖この私、それこそ死んでも我慢しますから!!!」
そ、そう…死んでも…ね…
……
…………
でも、こちらも言いにくいのだけれど…
…一子ちゃん、その…あまり我慢しなくても良い…のかも…しれないわ…
「…え! そ、それは…どういう…?」
7952:05/02/26 22:20:45 ID:ruRtqhYq
(2/6)

確かに、さっき“触られた事くらいしか分からない”といったのは事実なんだけど…
逆に、精神的なもの、具体的には、一子ちゃんの気分とか意思とか―
そういったものが少し伝わってきてしまう気がする。
しかもただ伝わるだけじゃなくて、多少同調してしまうような部分もあるらしくて…
…言われてみれば、先ほどから僕もムズムズした“何か”を感じていたりする。
例えるなら、蚊にどこかを刺されて痒いんだけど、その場所が良く分からないような。
僕には…その、女性特有のものは無いわけだから…そうなっちゃうんだろうか…

「…お姉さま?」
え、あ、はい。少し考えてしまってたみたいね…
「……あの、本当に…よろしいんですか、その、慰めてしまって…?」
…え、ええ。
元々、一子ちゃんと一緒になるというのを最後に決めたのは私なんだし…
「で、でも…」
それにね…情けない事に、さっきの時の視覚と聴覚からの刺激は
どうやら男の部分に届いてしまってるみたいで…

―どちらかといえば、そちらの方が問題なのかもしれない。

「…で、では、これで最後です…よ?
お嫌でしたら、遠慮なく嫌って言ってくれて構わないんですよ?」

…………ええ……大丈夫よ。

「は、はぃ… そ、それでは、し、失礼しまぁ〜す…」
そう言って、ひとまずベッドに腰を下ろす一子ちゃん。
つまり僕自身、という事になるんだけれど。
8052:05/02/26 22:21:40 ID:ruRtqhYq
(3/6)

「では…」
一呼吸おいてから、意を決したようにさっき留めたばかりのブラウスのボタンを外していく。
そして、あらわになった下着越しに、恐る恐る胸を揉みはじめる。
「あ…これが…お姉さまの…」
その手は微妙に震えていて、緊張が伝わってくる。
そんな様子に、まるで他人の自慰行為を盗み見ているような背徳感が沸いてくる。
ひょっとすると、僕の身体だという事を意識してしまっているのかもしれない。
「…やっぱり、やわらかい…ですね…」
それでも、だんだんとその手の動きが大胆になっていく。

それにしても… 自分の身体でありながら、僕の知っている身体とは違っていて
動いているのは自分の手なのに、動かしているのは僕ではない。
「ん… …っ、…ふぅ…」
次第に、口からは熱を帯びた声が漏れ始める。
…発せられるその声だって、紛れも無く自分のものである。

気がつくと、ブラジャーは抜け落ち、桃色の突起が弄られ始めていた。
「…あっ……ぁ…」
一子ちゃんは行為に没頭しはじめてきたみたいで、
僕の方に意識を向けるような様子が伝わってこなくなった。
「はぁぅ…… う…… んっ…」
…そうなると僕としては…自分の手で触っている感覚が無い事もあって、
誰かに襲われているような感覚に陥ってしまう。

そのうちに、片方の手が下の方へと向かう。
「…そろそろ…こちらの方にも… ん… っく……」
布の上から女の子の部分がなぞられる。
どうやら、既にそこは湿り気を帯び始めているみたいだった。
8152:05/02/26 22:22:31 ID:ruRtqhYq
(4/6)

「あっ…ぉ、お姉さま…の…っっ」
最初は触れるかどうだったかの指も、押し付けるようなものに変わってきた。
「……はぅ…ご、ごめんな…さぃ……」
それでも満足できなくなってきたみたいで、そんな言葉を口にしながら
すっかりシミの広がったショーツを脱ぎはじめた。
「…ふ…ぅ… …つっ… はぁ……」
そして、ついにその部分に直に手が触れる。
「っ… …きゃん!! ぁぁ…あ……ぁ…」
…!! えっ…!?  今、何か… 何かが背筋に走った…
「…くっ… はぁ… ぁ…ぅ… っ…んっ!」
……っっ!!! え、これって…… な、なんで急に…??
閾値を越えたかのように、急に鋭い感覚が下半身に戻ってくる。
「くぅん…!! いっ!!! …あぁっ!!!」
い… 一子… ちゃ… ん??
「…はぅ…… ぉ… ねぇ…さま……?」
…な、なんだか… こちらも…… 伝わってきた…みたい…
見ると、指が少しだけ潜り込んでいて、抜かれるところだった。
「…ふ… ぁ…ふ… それ…なら… お姉さま…」
え…ぇ… 一子ちゃんの… 好きなように…
「…は…は…ぃ …ぃ……んっ!!!」
刺激が、周期的なものとして伝わってくる。
「あ… ぅ…? …うっ……ぅくっ!!!!!!」
…んっ… 一子…ちゃん…?
「…ふぅ…っ!! …お…ねぇ… さ…ま…?」
…っ…こっちも…それそろ…
「…く…ぅん…!!!! いっ!!!! …おっ…! お姉さまぁあぁぁぁ!!!!!!」
………っ…っっ!!!!

最後に、何かが弾けるようなイメージが浮かんだあと、僕の意識は白く染まっていった…
8252:05/02/26 22:23:29 ID:ruRtqhYq
(5/6)

「…う、う〜ん、あれ?」
「ああっ、お目覚めになられましたかお姉さまぁあぁぁ〜〜!!」
「わっ」
意識を取り戻したと同時に、目の前に一子ちゃんの顔があってビックリした。
「うぅ、気がついたら、お姉さまが倒れていたので…
もしかして私、本当に幽霊的な行動を無意識の内に取ってしまって
それでお姉さまがお目覚めにならないのではと心配で心配でぇ…
うぅ… 良かったですよぉぉ〜〜〜!!」
そうか、いつもならあの後一子ちゃんが眠りにつくんだけど、
今回はどうやら逆だったみたいだ。
「あら…?」
と、そこで頭が枕とは違う感触の上にあるのに気がついた。
これって…
「…あ、えっと、私にはお姉さまも枕も動かせそうにありませんでしたので… えへへ」
「…そう、ありがとうね、一子ちゃん」
横目で時計を見る。どうやら30分くらいは気を失っていたようだ。
「さて、それじゃあ意識もはっきりしてきたみたいだし」
よっ… と。うん、大丈夫みたいだ。
「あっ…」
「…? どうしたの?」
一子ちゃんが少し名残惜しそうな顔をした。
「えっ… いえ、何でも… それより、本当に大丈夫なんですか?」
「ん、ええ、大丈夫よ。でも、そんなに心配掛けさせてしまったのかしら」
「そうですねぇ… 最初は顔色も悪くて…あ、呼吸してるのは分かったんですけど…
とにかく、呼びかけても全く反応が無いのでだんだんと心配になってきて…」
思い出したのか、目じりに涙が浮かび始める。
8352:05/02/26 22:24:33 ID:ruRtqhYq
(6/6)

「そ、そんなに心配だったのね… でも、それなら誰か呼んできた方が良かったんじゃ…」
「えっ!! …でも… 倒れたままのお姉さまをあのまま置いていくなんてできませんし…
……それに私だって、お姉さまの看病がしたかったんですよぅ…」
そう言って、恥ずかしそうに俯く一子ちゃん。
「もう… ふふっ…ありがとう」
ちゅっ
「あ……」
突然の事に、一瞬驚いた表情を浮かべる。でも、すぐに
「あれ…? な、なんでしょう、何故か涙が…? あれ……?」
…ああ、そういえばこれは、母様から教えてもらったんだっけ。
「…ん、あれ? え…?」
そっか、きっと以前、母様に… それで…
「…う、うっく… ひっく…」

こんな時、母様がどうしたのか、僕には分からないけれど。

「いらっしゃい、一子ちゃん? 今の私は、あなたのお姉さまよ?」
「おっ、お姉さまぁぁぁ〜〜〜」

ばふっ。

僕は飛びついてきた一子ちゃんをしっかりと抱きとめると、
泣きじゃくるその背中をゆっくりと撫で続けた。

――――この子が本当に望んでいるものを、きっと僕は与えてやる事が出来ない。
仮初であったとしても、目の前で苦しんでいる姿をただ見ているだけではいられないから。
今はこうする事が、僕に果たせる精一杯の役目…そう、信じたい。


(瑞穂の女難?・了)
8452:05/02/26 22:25:47 ID:ruRtqhYq
(an epilogue)

「おはよう、まりや」
「あ、おはよ。………ふっふーん、瑞穂ちゃん、さくやはおたのしみでしたね?」
「えっ… な、何を… ひょっとして、まりやあの後…」
「あの後? あの後ってどうしたのかしらねぇ、瑞穂ちゃん?」
…あっ!
「ひょっとして〜 何か見られちゃマズいような事でもしてたのかにゃ〜?」
やられた…
「も、もうっ、元はといえばまりやが…」
「おはようございます、お姉さま方」
「お、おはようございます、由佳里ちゃん」
「ちっ、由佳里に助けられたか…」
「…? 何の話です? まりやお姉さま?」
「おはようございますなのですよ〜」
「あ、奏ちゃんも、おはようございます」
「ところでお姉さま、もうお身体の具合はよろしいのですか?」
「え? 奏ちゃん、どうしたの?」
「あー、昨日瑞穂ちゃんが何だか疲れちゃってる、って言って少し眠ってる時に
奏ちゃんがお茶を持ってきてくれたのよ」
というとまりやは、僕にしか分からないようにウインクする。
「そ、そうだったの… 大丈夫よ、奏ちゃん、心配してくれてありがとう」
「いえいえ〜 お元気になられたのなら、それが何よりなのですよ〜」
「ところで私達、どうして廊下の真ん中で話し込んでるんですか?」
由佳里ちゃんの突っ込みが入る。
「あー、そうね、それじゃ、食堂に行きましょうか」
歩き出したところで、まりやが小声で話しかけてくる。
「ところで瑞穂ちゃん」
「は、はい、何でしょうか?」
「今度の週末、ヒマだよね、きっと? ちょ〜っと、荷物持ちが居てくれると助かるのよねぇ…」
「…う…、はい、お供します………」
「うむ、大変素直でよろしい!」
8552:05/02/26 22:27:53 ID:ruRtqhYq
反省会。

最後の方で、書いてる本人も想定してない方向に話が進んでしまった気が。
おかげで、タイトルと全然違っちゃってますね、うう…
当初の方向性は、エピローグにちょっと雰囲気を残ってるかもしれません。
とりあえず、一子支援というつもりでしたが…どうでしたでしょうか。
…そのワリに、マシンガンにあまりキレが無いですけどorz

ちなみにネタ自体は、体験版の頃から妄想してたヤツです。
そこまで流れを持っていくのに時間が掛かりすぎてる気もしますが…
メーカースレかどこかで、数レスだけこのネタの話があって、
そこで付いたレスが台詞に反映されてたりもします。

それと個人的な印象ですが、瑞穂が女の性感に目覚めるというのは
何か違うような気がしたので、いろいろとでっち上げてしまいました。
そういう展開を期待されてた方には申し訳ありません。

あと、本編に倣って、憑依中は思考と会話を同じ括弧無し扱いにしてみたんですが
逆にちょっと分かりにくくなってしまったかもしれません…


それでは、ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
86名無しさん@ピンキー:05/02/26 22:30:14 ID:H3iPoWUz
フゥハハハーハァー
87名無しさん@ピンキー:05/02/26 22:34:41 ID:8MmxCEVv
>>78-85
GJ!いいねいいね(・∀・)
一子の膝枕も宿屋なまりやも、オチもあって良かったっす!
88名無しさん@ピンキー:05/02/26 22:54:39 ID:rX3BSUOH
GJ!
前編を見てから楽しみにしておりましたが、
予想をはるかに上回る素晴らしさでした!
原作にもあるセリフを織り込んでいるところも実にうまいです。

うぅ・・・
私も投下用のネタを書いていたのですが・・・
ちょっとさらに見詰てからにします・・・w
8952:05/02/26 23:25:27 ID:ruRtqhYq
まとめてレスなどを…

>>68
いえいえ、別に割り込みなんかじゃありませんよ。
当初の予定では、後半もまりやが絡むハズだったんですけど…
それと何だか、奏が本当に邪魔してるだけになっちゃいましたね。
状況を作る為とは言え、ちょっと酷い扱いだったかもです。
どこかで挽回…させてあげたいところです。

>>72-74
まとめてしまってスミマセン、そしてありがとうございます。
こういったレスを見て、後半は身が引き締まる思いが。
おかげで思ったより早く書き上げる事ができました…

>>87
宿屋を分かっていただけましたか…!!
妙に嬉しいですね。

>>88
ありがとうございます。
自分であんまり、自信があるわけでは無いので…
こういった感想をいただけると、少し安心できます。
最初は思い切りが肝心です。是非是非、投下しましょう!
90名無しさん@ピンキー:05/02/27 00:46:35 ID:tXDEB/ta
紫苑:「私、秘密にしますから・・・そのかわり」
瑞穂:「し、紫苑さん何を!?あぅ・・・!!」
紫苑さんはいきなり僕の両肩をつかんで壁に押し当ててきた。
思わぬ不意打ちにきょとんとした僕はどうしたらよいかわからなくなる。
紫苑:「秘密を守るかわりに、それなりの条件が必要ですわね・・・」
僕の目と鼻の目の前で怪しく微笑みながら紫苑さんが言うが、僕に得体の知れない不安感と恐怖感が襲った。
紫苑:「何を怖がっているのですか瑞穂さん?私が怖いのかしら?ふふふ・・・可愛い」
瑞穂:「紫苑さん、ちょっと痛いから放して・・・んむぅ・・・!!!」
紫苑:「あむ・・・んむ・・・ん・・・」
突然僕の口の中に紫苑さんの舌が侵入し強引に嘗め回してくる


↑みたいなかんじで、瑞穂逆レイプきぼん
91名無しさん@ピンキー:05/02/27 01:31:27 ID:JTjL0D+u
>>90
むしろ書いてくださいw
妄想二従って文に書きなぐるのだ!
92名無しさん@ピンキー:05/02/27 01:58:19 ID:/qEs62o2
>>90
うぉ今日は2作も投下されたかー( ´∀`)
なんて思って読んでたら、オイッw
>>90でも誰でもいいから書いてー
93名無しさん@ピンキー:05/02/27 03:06:11 ID:QnuvWTwr
9490:05/02/27 04:39:32 ID:tXDEB/ta
書きたいのはやまやま何だが、自分はSS書いたこと無いからちょっと自信ないんだよな。

話の構成は実は完璧に出来上がってる(え)から、文章がマシになったら書くかもしれないので、あまり期待はしないでくれ。

まぁ、他の職人さんが書いてくれたほうがうれしいけどw
95名無しさん@ピンキー:05/02/27 21:20:15 ID:K5Q28s82
90お姉さまのSSマダー(・∀・っ/凵⌒☆チンチン
9690:05/02/27 23:49:36 ID:tXDEB/ta
流れが止まった、これはいかん。
自分もさっさと書かないと・・・
97名無しさん@ピンキー:05/02/28 00:13:05 ID:BeDgp3d6
>>90
ちょっとがんがってみる。
期待はするな
9845:05/02/28 01:08:47 ID:muM/BXT2
>>34->>44の続きを書いてみました。

帰郷以来らぶらぶな生活を過ごしている瑞穂とまりやであったが・・・しかしまりやにはちょっとした不満があった・・・
そこでまりやが取った行動とは!?

みたいな話です。ですが・・・ちょっと今回アブノーマルな面があるので・・・ちょっとごめんなさい・・・
99名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:10:11 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.1

午後9時。
コンコン
「瑞穂ちゃ〜ん、居る〜?」
ドアの向こう側から、まりやの声がする。
「居るよ、入って。」
「お邪魔しま〜す。」
そういうと、まりやが部屋に入ってくる。ナニか、様子がおかしい。

「それで、どうしたの?」
「瑞穂ちゃん、今日は何月何日?」
「え、えっと・・・2月14日・・・あ、そっか。バレンタインか・・・」
「何で忘れるかなあ・・・瑞穂ちゃん、社員のみんなから大量にもらったんじゃないの?」
「いや、それが・・・」
去年、もらった量があまりに大量だったので、結局ほとんど手がつけられなかった。
なので、今年は遠慮してもらうことにした。それでも届くような場合は貴子さんがシャットアウトすると言っていた。
そのため、今の今までバレンタインだということに気が付いていなかったのだ。
「そんなことがあったんだ。さすがねぇ、元エルダー様。」
「いや、エルダーは関係ないと思う・・・」
「そっか〜、それじゃ自分の魅力って言うわけね〜。さすが瑞穂ちゃん、自意識過剰〜!」
「うぅ・・・」
「な〜んてね。私の大好きな瑞穂ちゃんは、すっごく魅力的なんだから。もっと自信持っていいんだよ?」
最近、まりやは前置きもなしに僕が赤面するようなことを突然言ってくる。
「ま、まりや・・・その、恥ずかしいんだけど。」
「いいじゃない。私の本心、受け取ってよ?」
うう・・・恥ずかしい・・・
100名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:11:11 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.2

「ま、それはおいといて。はい、コレ。バレンタインのチョコ。」
まりやが持っていた箱を差し出す。それを僕は申し訳ない気分で見ていた。
だって、6年前を思い出してしまったから・・・
「まりや、あのときは、ごめんね・・・。折角まりやががんばって作ってくれたのに、
 まりやを傷つけるようなことをしてしまって・・・」
「瑞穂ちゃん・・・。ホント、瑞穂ちゃんって優しいね。
 まあ、普段の私の行動からすれば疑われてもしょうがないから、もう気にしないでよ。あ・・・」
急にまりやが悲しそうな顔をする。
「あのとき、もし一子ちゃんが私の後押しをしてくれなかったら・・・
 今こんな風に瑞穂ちゃんと幸せになれなかったかもしれないね・・・。」
「あ・・・」
「ホント、一子ちゃんって幽霊じゃなくて、愛のキューピッドだったのかもしれないね・・・」
「・・・そうだね・・・。」

「・・・さ、感傷に浸るのは終わりよ、瑞穂ちゃん!悲しむのなんて一子ちゃんは望んでないんだから。」
「そうだね・・・」
「瑞穂ちゃん、受け取ってくれるよね?」
「もちろん。ありがとうまりや。嬉しいよ。」
「さ、食べてみて。手によりをかけたんだから!」
「そ、それはすごく、ふ・・・」
「ふ?」
「ふ、不思議な味なんだろうね・・・。」
「瑞穂ちゃん、それフォローになってない。どうせ不安って言いたかったんでしょ、お見通しよ。」
「う・・・でも、そういえばあのときのチョコは美味しかったし・・・まりやがお菓子作れるなんて意外だったけどね。」
「ま、まぁね〜。」
「それじゃ、いただきます・・・。」
101名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:12:09 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.3

「ど、どう?」
「あ・・・すごくおいしい・・・。」
「そう?よかった・・・。」
「うん。甘すぎないし、上品な味だね。すごく僕好みの味だよ。
 でもまりや、これそんな簡単に作れるようには思えないんだけど・・・どうしたの?」
「向こうでね、パティシエを目指す留学生と友達になってね。その子にいろいろと教えてもらったのよ。」
「へぇ、そうなんだ。」
「その子もさ、彼氏を日本に置いてきたって話でね、「見返してやるんだ!」とか随分気合が入ってたわね。
 境遇が似てたからなのか、色々と愚痴をこぼしあったりしてね、随分と仲良くなったわ〜。」
「そ、そうなんだ・・・。」
その愚痴の内容がすごく気になるんですけど・・・

「あ、あれ・・・?」
ナンか、ヘン・・・だ・・・
「どうしたの、瑞穂ちゃん。」
「ん・・・何か、体が熱くなってきた・・・」
「大丈夫?」
と、まりやの顔を見ると・・・何故にやけてるんですか、まりやさん・・・
「ま、まりや・・・まさか・・・」
「ふっふっふっ・・・」
「まさか、チョ、チョコに何かを・・・」
「ご名答〜♪」
体がますます熱い・・・それに体が、動かない・・・
102名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:13:35 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.4

「は、謀ったな、まりや!」
「ふふ〜ん♪」
「な、何を入れたの・・・?」
「瑞穂ちゃんの身体に今表れてるような症状を起こすク・ス・リ。馬簾汰っていうの。中国4000年の歴史だわね。」

『馬簾汰』
 敵対する勢力の多い戦国時代において、自軍の消耗を抑えいかに敵軍を破るかという命題のため、
 数多くの策略が練られていた。その中でも異色を放っていたのがこの「馬簾汰」を用いた方法である。
 「馬簾汰」はイネ科の一種から抽出され、身体を麻痺させ、性欲を高める働きを持つ。そのため、
 敵軍の食料や飲料に混ぜておくと敵は戦闘どころではなくなるという。
 余談ではあるが、その当時、男性が意中の女性に告白しつつ「馬簾汰」入りの食べ物をプレゼントする、
 という風習があった。この風習を「馬簾汰因」といい、
 これが西洋に伝わり、いつしか男女が逆になり、思慕の気持ちとしてチョコレートを渡すようになったものが
 「バレンタイン」であることは言うまでも無い。
 ―民○書房刊 『世界の策略事情』より

「って・・・デタラメじゃないか!っていうかこれまでの注釈ってやっぱり○明書房だったの!?」
「だめだよ、瑞穂ちゃん。少年少女の夢を壊しちゃ。」
「ゆ、夢って・・・」
「それにしても、それだけ声上げられるって、効き目がちょっと弱いみたいね。ん・・・」
そういうと、まりやはチョコを自ら口に含む。
「ま、まりや・・・んむ・・・」
「ん・・・むぁ・・・」
すると、ディープキスの要領で僕の口の中に入れてきた。
こんな状況でもまりやのチョコレート味の唇と舌がおいしくて。
意味も考えないで、チョコレートを飲み込んでしまった・・・
103名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:15:02 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.5

「ぁ・・・まりや・・・どう、して、こんなこと・・・?」
「ん〜?バレンタインのプレゼント、だよ。」
「ぇ・・・?」
「チョコレート自体はお膳立てに過ぎないんだ。今日のプレゼントのね。」
まりやが僕の服を脱がせていく。もう身体が動かない僕にはそれに逆らうことはできない。
「今日のプレゼントは、私が瑞穂ちゃんを愛してあげることなんだから・・・。」
顔がたぶん、赤くなった。
「そ、それは、うれしいけど・・・何も、クスリ仕込まなくても・・・」
「だって、いつも瑞穂ちゃん、いつのまにか主導権とっちゃうんだもん。」
「・・・へ・・・?」
「だって、昨日だって・・・」

『ん・・・ちゅぷ・・・ちゅ・・・瑞穂ちゃん、気持ち良い・・・?』
『気持ちいいよ・・・それにしても・・・』
『んあっ・・・!』
『触っただけなのに、手がこんなに濡れちゃった・・・僕のをなめてるだけで感じちゃった・・・?』
『う・・・』
『まりや?』
『う、うん・・・』
『ほら、まりや。お口がお留守になってるよ・・・?』
『あ・・・、んむ・・・ちゅぱっ・・・』
・・・

「・・・」
「ほら、『してあげてた』のに、いつのまにか『させられてる』になってるし、一昨日だって・・・」
104名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:18:28 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.6

『・・・ん!、ぁんっ!・・・はっ・・・あぁっ!』
『く・・・ぅぁ・・・んっ・・・』
『・・・あんっ・・・やぁっ・・・!!!ひぁぅ!!!』
『・・・どうしたの、まりや・・・動き止まっちゃったよ・・・?』
『やぁ・・・みず、ほちゃんっ! ダメ、そこ触っちゃ・・・ひゃぅん!!』
『ダメ?ここはダメなんて言ってないよ・・・? 触って、もっと触ってって言ってる・・・』
『んぁあっ・・・ヤだょ・・・激し、すぎるょぅ・・・やっ!』
『ふふ、素直じゃないね、まりやは・・・。さ、まりやが動いてくれないから、僕が動こうかな・・・?』
『んぁっ・・・ダメっl・・・今日は私が、してあげるんだから・・・』
『そう?それじゃ・・・ココ気持ちいい?もっと触って欲しい・・・?』
『ぅ・・・うん・・・気持ちいい・・・もっと、触ってっ・・・!』
『そう、素直で可愛いね、まりやは・・・それじゃ、ご褒美・・・』
『あぁんっ!・・・だ、ダメ瑞穂ちゃん・・・動いちゃ・・・!ゃあっっ!』
『そう言っても、気持ち、いいんでしょ?ココも、あそこも・・・』
『あんっ!・・・やぁ・・・瑞穂ちゃん、非道いよぅ・・・ゃあんっ!』
105名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:19:30 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.7

「・・・」
「ほら。」

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(僕、こんなこと言ってたのか・・・改めて聞くとすさまじく恥ずかしい・・・
 ていうか毎日ヤってるように言わないでください、まりやさん・・・)

「・・・なんでかしら。瑞穂ちゃん動けないはずなのに、凹みっぷりが目に浮かぶわ・・・」
106名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:20:42 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.8

「ね、判ったでしょ?瑞穂ちゃんってHのときになるとSっぽくなるんだもん。」
「うぅ・・・(orz)」
「だ・か・ら。今日は私が瑞穂ちゃんにしてあげる。それこそ、徹底的にね〜。」
「うぅ・・・お手柔らかに・・・」
「にっはは・・・観念したわね、瑞穂ちゃん・・・。
 あぁ・・・私にもさっきのチョコ、効いてきちゃったな。アレね、少量だと性欲だけを増進するんだ。
 私ももうガマンできない・・・くひひ、瑞穂ちゃん、覚悟してね〜!」
まりやの瞳が蕩けるように、そして怪しく光った・・・

「ちゅぷっ・・・んむぅ・・・ん・・・む・・・ちゅ・・・」
「ぁあ・・・ぅあっ、くっ・・・はぁ・・・」
まりやが僕のを口で奉仕する。何度も肌を重ねているだけあって、まりやは僕の弱点を知り尽くしている。
それにあのよくわからないクスリの効果もあるのか、もうとても持ちそうにない・・・
「ちゅっ・・・ちゅぱっ・・・んむ・・・んん・・・」
「うぁ・・・まりや、もう・・・」
「んむ・・・ちゅむ・・・んぅ・・・」
「まりや・・・ぁ・・・ああっ!」
僕はそのまま、まりやの口の中に放ってしまった。
「ぁ・・・ま、まりや・・・」
「ん・・・ング・・・んむ・・・」
まりやは、それを嚥下した。
「ん・・・瑞穂ちゃん・・・すごく、濃いよ・・・」
彼女のその淫靡な姿に、僕のは休むことも忘れてしまったようだ・・・
「・・・瑞穂ちゃん、出したのに、さっきよりすごいことになってるよ・・・?」
「う、うん・・・」
「あはは、私嬉しいな。だって、瑞穂ちゃんこんなに興奮してくれてるんだから。」
「まりや・・・」
「さ〜て、次は・・・ココかにゃ〜?」
107名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:21:58 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.9

ぬぷっ。
そんなかすかな音と共に、僕の身体に衝撃が走った。
「んああっ!」
理由は判っている。まりやが僕のお尻に指を入れたのだ・・・!
「ま、まりや!ちょ、そ、それは・・・!」
「ん〜?なに?」
そうとぼけたように言いながら、指をぐりぐり動かす。
「ぁぐ・・・な、なに、じゃないよ!そ、それは止めてよ!」
「え〜、なんで〜?」
「だって・・・普通じゃないし・・・」
「いつも私のお尻も可愛がってくれるじゃない?」
「んぁっ・・・そ、それは・・・」
確かにまりやとの初めてのH以来、まりやのお尻でもよくやっているけれど・・・
「で、でも・・・それはまりやがお願いしたんだし・・・」
「うん、お願いしたよ?だって、瑞穂ちゃんに私のすべてを愛してほしいんだもん。
・・・瑞穂ちゃん。お尻でするっていうのは、女にとってもノーマルじゃないんだよ?」
「あ・・・」
「それでも、私は瑞穂ちゃんに私の全てを愛して欲しかったんだ・・・。」
「ま、まりや・・・」
そんな風に言われたら、どうやって断ればいいんだろう・・・身体動かないし・・・
「ね、いいでしょ瑞穂ちゃん。今日だけでいいから・・・」
108名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:23:46 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.10

結局、断ることも出来ず(承認もしていないけど・・・)まりやにお尻をいじくられている・・・
「ぅあ・・・んっく・・・」
「瑞穂ちゃん、いやらしい顔になってきたよ〜?」
「は・・・ぁぁ・・・か・・・ぁぅ・・・」
「これで、瑞穂ちゃんのお尻の処女は私のモノなんだね〜。あは、なんか嬉しくなっちゃうな・・・。」
まりやはこれまでにないほどハイテンションになってる・・・こんな異様な状態に興奮しているみたい・・・
「ぅああ・・・はぁっ・・・んぁぁ・・・」
「瑞穂ちゃん、もうイっちゃいそう?お尻でイっちゃいそう?」
「あぅ・・・ダ、ダメだよ、まりや・・・ナニか、ヘンだ、よ・・・」
「いいんだよ・・・私だけの瑞穂ちゃんを、見せて・・・?」
「んっ・・・んああ・・・ああっっっ!!」
「ああ・・・瑞穂ちゃん・・・イっちゃったんだ・・・すごい・・・」
2回目だというのに、すごい量を出してしまったみたい・・・
「はっ・・・かはっ・・・はぁっ・・・はぁ・・・」
「瑞穂ちゃん・・・嬉しい・・・瑞穂ちゃん・・・」
焦点の定まらない目でまりやの顔を見ると・・・精液まみれになって、恍惚とした表情をしている・・・
こんな異様な状況でイってしまったのにも関わらず・・・
そんな顔を見て、僕はまた元気になってしまっているみたい・・・
「瑞穂ちゃん・・・まだ、出来るよね・・・?私はまだイってないんだから・・・」
109名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:24:54 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.11

・・・
・・・
「んぁっ!あっ・・・んくぅっ!あぁん!」
「は・・・あ・・・く・・・ぁあ・・・」
まりやが僕の上で激しく動く。
「はぁっ・・・んぁっ・・・み、瑞穂ちゃん・・・気持ち、いい・・・?私の中・・・」
「ん・・・っ・・・うん、気持ち、いいよ・・・」
「ぁんっ・・・あはっ・・・嬉しいな、私の中、気持ちいいって言ってくれて・・・」
「あぅ・・・くぁ・・・」
「あ、私、もう・・・あぁん!・・・きちゃう・・・み、瑞穂ちゃん・・・!」
「まり、や・・・僕も・・・そろそろ・・・」
「あぁっ・・・瑞穂っ・・・ちゃんっ・・・んぁあああああ〜〜〜!」
まりやの中がすごい力で締まると同時に僕も・・・
「あぁ・・・ああぁっ!・・・あ・・・」
また、大量に、出てるみたい・・・まりやの中に・・・
「・・・はぁ・・・はぁ・・・瑞穂ちゃん・・・」
「ま・・・りや・・・」
まりやの唇が僕の唇に触れる・・・
110名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:26:06 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.12

・・・
・・・
怪しげなクスリの効果が切れたと同時に、僕は・・・


         ず〜〜〜〜ん
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恒例のポーズで凹んでいた・・・

「あ、あはははは・・・」
「(orz)」
「ご、ごめん、瑞穂ちゃん・・・私ちょ〜っと調子に乗りすぎたみたい・・・」
「うぅ・・・まりやぁ・・・」
「ちょっと〜。いじめないでオーラださないでよ・・・」
「うぅ・・・」
「でも、瑞穂ちゃん、私は嬉しかったよ。瑞穂ちゃんの全てを愛せたんだから・・・」
「うぅ・・・それは、いいんだけど・・・でも、もうお尻は・・・止めて・・・」
「しょうがないなあ・・・わかりました。もうしない。」
「うん・・・」
111名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:27:39 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.13

「う〜ん、それにしても・・・」
「?」
「やっぱり、瑞穂ちゃんがSのほうがいいかもね〜。」
「すごくノリノリだったくせに・・・」
「それ、死語だよ、瑞穂ちゃん。
 ん〜、なんていうか、やっぱり瑞穂ちゃん、Sでもなんていうか暖かみがあるっていうか、
 愛されてるっていうのがすごく伝わって来るんだ。」
「そ、そう?」
「うん。だけど、今日瑞穂ちゃんこうやって凹んでるし。私は誰よりも瑞穂ちゃんを愛してるけど・・・
 私表現下手なのかもね〜。」
「ふふ、そうだね、まりやの愛情表現は過激だから・・・僕壊されちゃうかも。」
「あ〜!言ってくれたな、瑞穂ちゃん!」
「でも、まりやのそんなところも好きだから。」
「う・・・瑞穂ちゃん・・・気障(キザ)・・・」
「あ、でも」
「?」
「お尻はもう勘弁してね・・・」
「はいはい、わかりましたよ〜。」

「そうそう、まりや。」
「何?」
「バレンタインのプレゼント、ありがとう。」
「な、何?急に改まって・・・」
「すごく、嬉しいよ・・・」
「み、瑞穂ちゃん・・・」
「だから、ホワイトデー楽しみにしててね、ま・り・や?」
「!!」
「最近は、ホワイトデーのお返しはバレンタインの3倍にするのが通例らしいからね。
 楽しみだね、まぁ〜りぃ〜やっ…?」
「あはは、あはははは・・・」
112名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:29:37 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.えぴろーぐ1

「さて、ちょっと喉かわいたから飲み物取ってこようか。瑞穂ちゃんは何がいい?」
「そうだね、まりやおすすめのハーブティーがいいかな。」
「了解しました。それでは少々お待ちください、ご主人さま♪」
「なにそれ・・・」
とヘンなノリで話をしながらまりやは扉を開けて一歩踏み出した。

むぎゅ

「むぎゅ?」
足元を見てみると・・・
「貴子・・・」
「・・・(きゅぅ〜)・・・」
貴子さんが倒れていた。
「貴子さん!だ、大丈夫ですか!?っていうかまたこのパターン!?」
「まったく、二番煎じはつまらないわよ?それにいい加減にしないと貴子ファンに刺されるわよ?」
す、すみません・・・
113名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:31:02 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.えぴろーぐ2

「でも、どうして倒れてたんだろう・・・」
「大方、また覗いてたんじゃないの?」
「覗いて・・・ああっ!!」
「ど、どうしたの?」
「ま、まさか・・・お尻いじられてるの・・・見られたっ!?」
「あ・・・」
         あああ・・・・・・
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「ま、まあ・・・その・・・なんだ・・・」
「ううう・・・」
「・・・(きゅぅ〜)・・・」
「ま、それはさておき・・・覗き見常習犯にはきつーいおしおきしないとね〜」
「さておかないでよ・・・って、まりやっ!それまさか・・・」
「は〜い、貴子さ〜ん。バレンタインのチョコですよ〜!」
「ちょ、ちょっとまりや!」
まりやは手に持っていたその黒い物体を貴子さんの口の中に・・・
「ちょっと、そんなの食べさせたら・・・!」
「ん・・・」
「貴子さん!?しっかりしてください!」
「み・・・」
「・・・み?」
114名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:32:43 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.えぴろーぐ3

「みぎゃああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!」
とすごい叫び声をあげて貴子さんが洗面所のほうに走っていってしまった。
「ま、まりや・・・何したの?」
「ふっふっふ・・・こんなこともあろうかと、正露丸と唐辛子、青汁(粉末)その他もろもろを混合し固めた、
 『まりや謹製!覗き魔ばれたんdayチョコレート』を作っておいたのだ!」
「なにそのわけのわからないネーミング・・・既にチョコレートじゃないし・・・」

『まりや謹製!覗き魔ばれたんdayチョコレート』
 古代ギリシア文明において・・・

「ハナっからデタラメじゃないですか!っていうか民明書○ネタはもういいです!」
す、すみません・・・
「荒れてるわねぇ、瑞穂ちゃん・・・。エルダー様だったころのあの優雅さはどこへやら・・・」
「いや、そういう問題じゃ・・・」
115名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:34:01 ID:muM/BXT2
『ヴァレンタイン狂想曲・第二楽章』.えぴろーぐ4

「まあぁ〜〜〜りいぃ〜〜〜〜やあぁ〜〜〜さあぁ〜〜〜〜んっ!」
「うわっ!た、貴子さん!」
「あら、何よ怨霊じみた声だして・・・」
「ああああなた!やっていいことと悪いことがあるでしょう!!!」
「あら何よ。覗きはやっていいことなの?」
「なっ・・・」
貴子さんが赤面しながら僕のほうを見る・・・
「・・・」
そして視線をそらす・・・
「あ・・・あ・・・あああ・・・(orz)」
た、立ち直れない・・・
「とっ、とにかく、今日という今日は、許しませんわ!」
「おっ、やるかぁ〜?」

ガシャーーン!

・・・
・・・

再び、瑞穂ちゃんの部屋とその周辺の復旧作業が必要となったことは言うまでも無い。
目撃者であるM・Kさんは
「ゴジ○対キン○ギドラよりも恐ろしいです・・・」と怯えるように、虚空を見つめながら語っていた・・・。

おわり。
11645:05/02/28 01:36:01 ID:muM/BXT2
あとがき

まあ相も変わらず、微妙なお話でなおかつ無駄に長いですが・・・少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
書きはじめはこんな話ではなかったはずなのですが・・・まりやさんが勝手に暴走していってしまいました。
私にもとめられませんw

コレとは別に貴子さんの話も書いてたんですが・・・
あまりに長い&エロがないのでちょっと今再構築中です・・・
しかも奏ちゃんルート&紫苑さんルートを終わらせる前に書いていたので、かなり設定的に微妙な面もあったりして・・・
ま、こちらはどっかエロパロでないところのほうがいいかも・・・
117名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:53:44 ID:25SNOQEa
>>99-115
GJ!!
M・Kさんが素敵すぎるのですがどうかw
11852:05/02/28 02:12:55 ID:KLVXV4yO
>>99-115
長編GJ!です。
まりやが本当に生き生きしてて、その上エロエロですね〜 むむ、見習わないと、です…
って、ホワイトデーは更に3倍……ですか……?
……きゅ〜
119名無しさん@ピンキー:05/02/28 02:15:29 ID:KS6RNn6N
>>116
初っ端から民明書房ネタでワラタw
そしていきなり回想シーンで萌え転がさられ、そのまま本番で悶えさせられました。
そして最後にまたもや笑えるエピローグ・・・ってなげぇーw
大作GJでした。




⊂⌒~⊃*。Д。)⊃ <瑞穂たんは優しいS・・・
120名無しさん@ピンキー:05/02/28 03:06:57 ID:NwCQfl0W
今回も甘甘で転がってましたv 蝶GJ!
ホワイトデイには覗いてた貴子さんが壊れそうだな、とかw

貴子さん非エロも是非是非。
ココ以外だったら告知だけでも待ってます
12145=116:05/02/28 17:29:56 ID:muM/BXT2
皆様ご感想ありがとうございます。
お気に召していただけたようで何よりです。

瑞穂ちゃんお尻話は受け入れられないかな〜と思ったのですが・・・
さすが瑞穂ちゃん、お尻いじられても色っぽいぜw
・・・もともとはお尻話なかったんですが・・・書いているうちに何故かまりやさんが勝手にw

次は・・・貴子さん話が完成すればいいんですが・・・Hなところで詰まり中で・・・いつになるやら。
また瑞穂&まりや話になるかもw

ちょっとこれから忙しくなるのでいつになるかわかりませんけれど・・・
122名無しさん@ピンキー:05/02/28 22:27:43 ID:dHT0QQeW
流石は瑞穂ちゃんだ
お尻をいじられてもなんともないぜ(AA

葉子&加奈子ペアって、本当のところどうなんでしょ
ん、ちょっと気になった(意訳:弱い電波を受信した)
123名無しさん@ピンキー:05/02/28 22:34:05 ID:G8uAFe8z
貴子ングの逆襲

校庭に落下した隕石の調査中、謎の怪光線を浴びてしまった厳島貴子嬢。
たちまち巨大化、狂暴化し、そばにいた宮小路瑞穂を握りしめ校舎の屋上に立てこもる。
生徒たちは十条紫苑・御門まりあを中心として、生徒会室に゛対策本部を設置。
御門まりあは変質[ヨダ化]してしまった生徒会長を「貴子ング」と命名。
まりあを実行部隊のリーダーにした、貴子ング捕獲・瑞穂ちゃん救出作戦が開始された。

同時上映 奏ギドラVSスーパー上岡ンデ

……貴子ファンのみなさん、怒らないでください
124名無しさん@ピンキー:05/02/28 22:37:19 ID:KS6RNn6N
>>123
同時上映が非常に気になりました・・・
125名無しさん@ピンキー:05/02/28 23:29:13 ID:9uuOSaMx
>>123
俺の貴子が〜〜〜!!( ;´Д`)

俺も同時上映が気になる…何があったこの二人(二匹?)w
126名無しさん@ピンキー:05/03/01 00:23:44 ID:mYotxyQt
今、貴子ものSS執筆中…なのだが、なんかやたらとストーリーが長くて、エロが短くなりそう…( ;´Д`)
もっと煮詰めないとダメかな…
127名無しさん@ピンキー:05/03/01 00:27:43 ID:jLA2FICd
>>126
エロパロだからといって、必ずしもエロエロである必要はないよ
あんまり深く考えすぎないで投下しちゃってください
期待して待ってます
128名無しさん@ピンキー:05/03/01 00:43:40 ID:Ri2Fza6/
>>126
私も貴子さんSS書いているのですが・・・かぶってしまうね・・・
同じく話長くてエロ短いし・・・他人とは思えないw

投下時期ずらしたほうがいいかな。
12945=116:05/03/01 01:01:56 ID:Ri2Fza6/
あ、失礼。>>128は=45、116です。

まりやルートでのエピローグ前の貴子さん書いているのですが・・・
130126:05/03/01 01:11:24 ID:dAdSr7CK
書いててえらいシリアスになってしまった。もうちとコメディ色を入れたほうが良いか…?(’’

>>128
おお、そういえばちらっとそう言うことをおっしゃってましたね。
俺のなんぞより出来は期待されてると思いますのでどうぞお先に。楽しみにしております。
131名無しさん@ピンキー:05/03/01 01:30:52 ID:o+ICIX21
>90の逆レイプ展開のSSまだー?
13245=116:05/03/01 01:35:59 ID:Ri2Fza6/
>>130
いえ、私はこれまで勢いで書いてただけで・・・
今回はちょっと切ないお話になってしまって、皆さんに受け入れられるかかなり不安なのです。

ま、これもひとつの経験ですので、明日にでも投下しようと思います。

126さんのも楽しみにしています。
133126:05/03/01 03:14:14 ID:Rgrjm426
完成したので投下しようと思います。拙い作ですがご容赦を…
貴子様ED後、エピローグの少し前…の、同棲を始めた当初の話し、ということになってます。
134名無しさん@ピンキー:05/03/01 03:18:08 ID:f3chhG4u
で、俺もまりやEND後の貴子SSを書いてるわけだが…orz
135126:05/03/01 03:28:11 ID:Rgrjm426
「同棲生活」 1/7

「只今…あれ?」
「お帰りなさい、瑞穂さん」
 部屋に帰ると、今日は遅くなるはずの貴子さんがベッドに腰掛け読書をしていて…
今は、僕に向かって笑顔を向けてくれている。
「早かったんですね?」
「ええ、その…瑞穂さんが、今日は早く帰れるということだったので、予定を切り上げて…」
 そう言って、少し赤面しながらも笑顔で答える。…やっぱり可愛い…
「それじゃあ…二人っきりの時間を有意義に過ごしましょうか…?」
 そう言って僕は、ゆっくりと貴子さんの背中に手を回し、そっとベッドに押し倒す。
 貴子さんの手からハードカバーの小説が零れて、床に落ちる。
「あ、ああああの、瑞穂さん…そんな、いきなり…!!」
「いきなりは、ダメですか?」
「そ、そう言うわけではないのですが…むしろ嬉しいといいますか…って、いや、その…!!」
 同棲し始めて一週間になるけど、今もこうして顔を真っ赤にして、しどろもどろになる貴子さんが可愛くて…
そっと唇を重ねる。
「ン…ふぅ…ん…!!」
 優しい口付け。それを受け止めて首に手を回す貴子さんが愛しくて…
僕は、更に情熱的なキスをしようとした…そのとき、
「やっほ〜。瑞穂ちゃん、帰ってる〜?」
 バタン、と、勢い良く扉が…開いて…!!
「ま、まりやさん!?」
「うわわわっ!?」
 慌てて跳ね起きた貴子さんの勢いに突き動かされて、僕はベッドから落っこちて腰を打ってしまった
 …いたたた…
「…ありゃ。ちょっとお邪魔な場面だったかしらね〜?」
 口ではそう言いながら、にやにや笑ってて
…うう、また貴子さん、怒って口喧嘩始めちゃうんだろうなぁ……と、思ってたら…
「………」
「…貴子?」
136126:05/03/01 03:30:38 ID:Rgrjm426
「同棲生活」2/7

 貴子さんの様子がおかしい。いつもなら(つまり、
同棲始めてから一週間しかたってないのにもう何度かこういう場面に遭遇してるんだけど…)
怒り出して、まりやと激しい口論始めるはずなのに、じっと黙ってる。
まりやもその様子に、怪訝な顔を浮かべている。
「…な…んで…」
「え…?」
「何で、いつもいつも貴方は邪魔ばかりするの…!!」
「あ…」
 まりやが珍しく声を失っていた。…僕も何もいえなかった。
 貴子さんの瞳には、僕以外にはほとんど見せた事のないはずの、涙が浮かんでいたから…
「瑞穂さんと二人きりで居たいのに…瑞穂さんとの時間を大切にしたいのに…
何故貴方はいつも…平気な顔して踏み込んでくるの…!?もう…もうたくさん…!!」
「貴子…」
「出て行って…出て行ってください!!」
 声をかけようとするまりやの言葉を遮り、そう叫ぶ貴子さんの言葉を受けて…
「…ごめん、貴子…」
 そう一言呟いて、まりやは部屋を出てしまった…
 その間、一言を口を出せなかった自分が情けなくて、悔しくて。
「まりや…」
 閉じた扉にそう呟くしか出来なかった。
「…そうですわよね…瑞穂さんにとって、まりやさんは…大切な、幼馴染…ですもの、ね…」
 そう呟く貴子さんの声を聞いて、僕は「しまった!!」と、心の中で叫んでいた。
貴子さんにとって、僕に紡いで欲しい名は自分の名であって、まりやの名では無いに決まってる。
自分の迂闊さに軽く自己嫌悪しつつ…貴子さんの横に座る。
「貴子さん…確かに、まりやは僕にとって大切な幼馴染です。」
 貴子さんに、嘘はつきたくなかった。だから、僕は正直な気持ちを話し始めた
…僕の言葉に、貴子さんの肩が僅かに震える。その肩をそっと抱きながら、僕は話を続ける。
「だけれど…それ以上に、僕にとって貴子さんは大切な人です。僕にとって、
貴子さんは無くてはならない存在、僕の全てと言っても良いくらい…大事な、人です…」
「…瑞穂、さん…」
137126:05/03/01 03:33:04 ID:Rgrjm426
「同棲生活」3/7

 貴子さんが、涙を流したまま僕の顔を見上げる。その涙を指でそっとぬぐって、
「僕が、いつまでもまりやの自由にさせてたのがいけなかったんですね。幼馴染だからって、好きにさせていたから…」
 まりやには悪いけど…やはり、ちゃんと言うべきなのかもしれない。僕と貴子さんの時間は、
何物にも代え難い大切なものだから。…それでも、やはりまりやの事を考えると、いざその時になるとそう切り出すのが辛いような気がして、
また少し自分が情けなくなる。
「…ふふ、けれども瑞穂さんが「邪魔するな」なんて、まりやさんに向かって言えるなんて、想像がつきませんわ…」
 泣き顔が、僅かに笑った。…それは良かったんだけど…読まれてるなぁ…
「…やはり、私はイヤな女ですね…」
「何で、いきなりそんな事言うんですか?そんな事、全然無いですよ…?」
 …不意に、また貴子さんの声が暗くなって…僕はぎゅっと貴子さんを抱きしめる。
「いいえ、そんな事あります…瑞穂さんが私の事を愛してくださっていて、一番に考えていて下さってる…
それがわかっているのに、ああして平気で私たちの間に入ってくるまりやさんに嫉妬して、怒りを露にして…
…瑞穂さんがまりやさんに取られるんじゃないかって…これじゃあ、瑞穂さんの気持ちを信じて無いみたいじゃありませんか!!
やっぱり、私に”あの女”の血が流れてるから…!!」
 声を震わせ、そう叫ぶ貴子さんの口を…僕は、自分の唇で塞いだ。
「!!……ん…あ…っ」
 ゆっくり…ゆっくりと唇を離して…じっと貴子さんを見つめる。
「貴子さん、もうご両親の話はしない、って約束したじゃありませんか…」
「で、でも…!!」
「貴子さん。貴子さんがそうやって嫉妬してしまう事が…僕を愛してくれているって言う何よりの証拠じゃありませんか。僕は、それが嬉しいですよ……って、なんか、ずっと前にもこんな話したような気がしますけど」
 そう僕が苦笑すると、貴子さんは僕の胸に顔を埋めた。嗚咽が漏れて聞こえてきて…僕はそっと貴子さんの背中を撫でる。
「瑞穂さんは…優しすぎます…」
「そんな事無いですよ…」
「いいえ。とても、とても優しくて…そんな瑞穂さんが、大好き…です」
 潤んだ瞳と、少し赤くなった顔がとても可愛くて…僕は再び貴子さんと唇を重ねる。
138126:05/03/01 03:34:58 ID:Rgrjm426
「同棲生活」4/7

「ん…あ、ふ…ちゅっ…」
 唇を重ねたまま、僕は貴子さんをまたベッドに押し倒した。
「さっき出来なかった続き…しちゃいますね?」
「…はい。瑞穂さんの愛を、もっともっと強く刻んでください。くだらない嫉妬なんて起きないくらい、
どれくらい愛しているのか教えてください…」
「ええ、教えてあげます…どれくらい僕が貴子さんを愛しているのか。あ、でも、大丈夫ですか?
僕がどれくらい貴子さんを愛してるか表現したら、貴子さん、壊れちゃうかも…?」
「…壊して、ください。壊れてしまうくらい、私の事、愛してください…それでも、きっと更に瑞穂さんの愛を求めてしまうから…」
「貴子さん…」
 高鳴る鼓動を感じながら、僕は貴子さんの服に手をかけた。少しづつ、わざとゆっくりと貴子さんの服を脱がしていく。
「瑞穂さん、意地悪です…そうやってまた、焦らしてしまうのですね…」
「あはは。…という事は、貴子さんは早く僕に触れて欲しい、って思ってるんですね…?」
「…本当に…意地悪…」
 顔を膨らませて顔をそむける貴子さんが可愛くて…僕は今度は手早く貴子さんの衣服を脱がせてしまう。
「あ、み、瑞穂さん…」
 展開の緩急についてこれなくて、貴子さんは少しおろおろしてる。そんな貴子さんの唇を塞いで、
「ちゅ……やっぱり貴子さんの胸って、柔らかくて…気持ち良いです…」
 そっと、優しく貴子さんの大きな胸をブラの上から触る。
「ん…ぁ…っ。ダメですぅ…私、わた、くし…ぃっ」
「直に、触りますね…」
 片手で手早くホックを外すと、手早くブラを外す。貴子さんの形の良い胸が外気にさらされて…僕はそっとその先端を口に含んだ。
「やぁぁっ…!!瑞穂さん…感じ、過ぎちゃい…ますぅ…っ!!」
「いいんですよ?そうやって素直に感じて…感じている貴子さん、とっても綺麗だから…」
「あぁっ、はぁっ…!!み、ずほ…さん…っ!!」
「あ…もう、こんなになってる…」
 手を伸ばした片手を、貴子さんのショーツの中に滑り込ませると…すでに貴子さんの秘裂は十分に濡れていた。
「やぁっ、ダメ、です…っ…そんな、事…ん、ふあぁっ、言わない、で…!!」
「どうして?こんなに濡れて、こんなに僕を感じてくれているのに…」
139126:05/03/01 03:36:48 ID:Rgrjm426
「だって、そんなの…あぁぁっ、ふぁっ!!…は、ずかしい…ですぅ…あ、あぁぁぁぁぁっ!!」
「そうやって恥ずかしがってる貴子さんも…大好きですよ」
 ショーツを下ろして…僕は濡れそぼった貴子さんの秘裂にそっと口を寄せる。そして、子犬がミルクを舐めるように、舌を動かす。
「ふぁぁぁぁっ!!あぁぁっ!!瑞穂、さん…!!はげしい、です…」
「貴子さん。とっても可愛いです。…もっともっと、いじめてしまいたいくらいに…」
「だ、めぇ…瑞穂さんに…これ以上、いじめ、られたら…本当に、おかしく…なっちゃいますぅ…!!」
「おかしくなった貴子さん…見てみたいです…」
「そんなぁ…ふぁぁぁっ…ほんと、に…おかしくなりますぅっ…!!」
 もちろん、本当におかしくしてしまいたいわけじゃない。けれど、それでも反応してしまう貴子さんは可愛くて…綺麗で。
「…じゃあ、おかしくならないように…これで、止めておきますか…?」
「はぁ、はぁっ…酷い、です…わた、くしが…どうして欲しいか、知って…いらっしゃるのに…」
「それじゃあ…続けますよ…?」
「はい…もっともっと、私の事を…愛して、ください…」
「…では、貴子さん…一つに、なりますよ…」
「はい…あ、瑞穂さんが…あぁぁっ…少しづつ…入って…入って来て…っ!!あ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」
「……貴子さん、ひょっとして…もう、イッちゃいました…?」
「はぁっ…はぁっ……す、すみません…でも、でも…瑞穂さんが…凄く、気持ち…よく、て…」
「でも…僕はまだですから…続け、ますね?」
「え、あ、み、瑞穂…さ…あぁっ、ふぁぁぁ…ぁぁぁぁっ!!」
 立て続けに攻められて、貴子さんは僕の下で途切れ途切れの声を上げる。それでも、僕は貴子さんを愛しつづけた。
「だ、め…あぁ…っ……すご、く…もう、頭が……んあぁっ…真っ白に、なっちゃい……ます…ああっ!!ひあぁぁぁっ!!」
「貴子、さん…僕、もうそろそろ…」
「は、い…瑞穂、さん…あぁっ!!んん…っ!!…一緒…一緒、に…ぃっ!!」
「ん…く、ふぁ…っ!!」
「あ、ふあぁっ…瑞穂、さ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
僕と貴子さんは同時に達して…僕の精子は、貴子さんの腹から胸にかけてまでを汚した…
140126:05/03/01 03:38:59 ID:Rgrjm426
「同棲生活」6/7

「で…話って何かしら?まりやさん…」
 翌日、私はまりやさんに呼び止められて、二人っきりで会うことにした。
表面上、まりやさんはいつも通りだった。でも、それが表面上でしかないということが…何故か、私にはわかってしまった。
「昨日の、事で…さ。ちょっとね…」
「…もう、忘れてください。私、もう気にしてませんから…」
「へ〜、瑞穂ちゃんに慰められて、それですっかり気を取り直した、ってわけか〜」
 いつもの口調で言われて、私もいつもの口調で返してしまう。
「まりやさん、貴方はどうしてそう、いつもいつも下世話な言い方しか…!!」
「…ごめんね、貴子…」
「え…?」
 びっくりしてしまった。謝罪の言葉を口にしたまりやさんは、私が始めて見る顔をしていたから…
「まりや、さん…?」
「自分でも、無神経な事したってのはわかってる。だから…ホント、ごめん…」
 わかっている…まりやさんは、まだ瑞穂さんの事を完全に諦められていないと。だからこそ、あんな行動をしてしまうんだという事が。
…認めたくは無いけれど、ずっと以前にまりやさんが言っていた、「私たちは似てる」っていう言葉…やっぱり、本当なのかもしれない…
「…瑞穂さんは、最初から許してしまってますし…私ももう気に…はしていますけれど、忘れる事にしますわ。
だから、いつも通りのまりやさんにお戻りなさい。らしく、無いですわよ…」
 私が苦笑を浮かべながらそう言ったら…
「…そう?それじゃ、ま、これからもちょくちょくお邪魔しに行っちゃおうかな〜。にゃはは」
「…貴方は、すぐにそう調子に乗って!!大体何度も何度も言ってますけれど、何故ノックくらいしないのですか貴方は!!」
「だって、私と瑞穂ちゃんの間で、ノックなんて必要無いんだもん。」
「私の事を考慮しなさいと言ってるんです!!」
「…そうそう、そうしてるのがアンタらしいよ…」
 そう、やさしい顔で言われて…私はその後言葉が出ませんでした。そしてまりやさんは笑顔を浮かべ…私も釣られて、笑い出してしまったのでした…
141126:05/03/01 03:39:47 ID:Rgrjm426
「同棲生活」7/7

「……なんか、僕、全然良い所が無いなぁ…」
たまたま貴子さんとまりやが二人で居るのを目撃して後を追ったら…立ち聞きする形になってしまった。
それだけならいいけれど、結局僕は何もしないまま二人は仲直りしてしまって…
「…情けないなぁ…」
また自己嫌悪に陥ってしまった…
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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142126:05/03/01 03:41:29 ID:Rgrjm426
orz

何か…ダメっすね( ;´Д`)
作中みたいに途中で視点キャラを変えたりしてやってみたんですが、ちと判りにくかったかも…
何よりまだ力不足ですね。もっと勉強します…
143名無しさん@ピンキー:05/03/01 03:47:21 ID:RKryxrVR
寝ない子誰だ
144名無しさん@ピンキー:05/03/01 03:50:02 ID:f3chhG4u
非常にGJでした。
勉強になります。

>>128
俺、何から何まで被ってます……
大人しく工作板に帰ろうかな
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145名無しさん@ピンキー:05/03/01 04:38:30 ID:8AsJaNvS
>>135-142
うひゃあぁぁああぁあぁ
             ゴロゴロ
 ∩,゙⌒゙⊃ X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、∩
(。Д。)⊃ _乂__乂__ノ  ⊂(。Д。)
   ゴロゴロ




・・・コホン、見苦しいところをお見せしました。
嫉妬する貴子、ついつい邪魔しちゃうまりやが大変かわいらしゅうございました。
そして、やっぱりSだよ瑞穂タンSだよ
GJ!


>>144
そんな悲しいこと言わないで是非是非お願いします。
146紫苑ED1/4:05/03/01 11:56:45 ID:q/vUghNx
それは、梅雨も明け、青葉も煌めき萌える、7月の物語…。

「お早う御座います、瑞穂さん」
「あ、お早う御座います、貴子さん」
「今日は、紫苑さまはどうされましたか?」
「あ、いや、その…ちょっと、体調が…」
「まぁ、そうですの…やはり手術されたとは言え、まだ予断は許さないのですね…」

い、言えない…本当のことなんて…
昨日の紫苑、妙に激しかったからなぁ。
結局無理していつもより楽しんじゃったのは良かったけど。
無い体力消耗した挙げ句、一緒に生理も来て倒れちゃって…
あれなんだろうか、いわゆる整理前は欲求ふま…

「瑞穂さん?どうなさいましたの?」
「え!?あ、い、いや、何でもないです!僕もちょっと体調が良くなくて!あはっはっはっは!」
「…瑞穂さんもですの?だいぶ暖かくなったとはいえ、季節の変わり目ですから。
いつも瑞穂さんは頑張ってらっしゃいますけど、少しはご自愛なさらないと」
「ええ!?がが、頑張るななんて、そそそそんなに激しくしてな、……」

はっ。
147紫苑ED2/4:05/03/01 11:58:00 ID:q/vUghNx
「……?」
「ちちち、違うんです貴子さん!僕じゃなくて紫苑が妙に誘って!…あ、あう…」
「………!?(かぁっ)」

うわー、うわー!
貴子さん顔真っ赤だよ!
どうしよう、怒らせちゃった、ここういうととときはどうすれば、あんもう!

「みみ、瑞穂さん!あああ、あのですね!」
「はいぃ!ごめんなさい貴子さん!決してそういうつもりではっ」
「あの、あの、その、ど、どうなんですの!?」
「いえ、そんなごめんな………… はい?」
「い、いえ、そそそ、その……だからどうなんですのと申し上げて、っ………(かぁぁっ)」
「ど、どうって、その、はい…まぁ、いや、ほら…」
「…!い、嫌ですわ私ったらなんてこと!何でも御座いません、のよっ!」

…へぇー、お嬢様だ思ってたけど、貴子さんもやっぱり…

「……… 聞きたいですか?」
「!そそそそそそんんんんなななな、そんなこと………ない、ですわ…」
「そんなこと…ありますよね?(くすっ)」
「ち、違いますの!ただ私は周りのご学友がそんな話をしていたの…でっ…」
「お話しても、いいですよ?…貴子さんになら」
「……っ」
148紫苑ED3/4:05/03/01 11:58:55 ID:q/vUghNx
「昨日はですね、紫苑の方から………ベッドで………胸が………」
「…………(ごくっ)」
「私の………を、………………すごいんですよ…………」
「…っ!!……!!……(かぁぁぁぁっ)」
「…で、ですね…………負けじと………………濡れ………………」
「……あ…………ひっ………そん…な…(かぁぁぁぁぁ)」
「…最後は………上で………………腰がもう…………」
「…!!!い、……も、もう………………きゅうぅぅ〜」
「…また、次が…、あれ?貴子さん……?ってうわっ」
「……………め…………(ぱたん)」
「たっ貴子さんっ!?大丈夫ですか、ちょっと、しっかりしてください!」

し、しまった!やりすぎちゃった!
あぁーどどどうしっようぅ。起きてよ貴子さぁ〜ん。
うわ、なんか教室中の視線が…痛…

「…激しいな、昼間から…(ひそ)」
「…大人しい顔して…すごいのね…(ひそひそ)」
「女同士で恥ずかしくないのかなぁ…え、男の人なの!?…(ひそひそひそ)」

ひーん、僕の性別まだ浸透してないよぉぉ…
僕は男!おとこのこ!
言ってない、断じてあん♪なんて言ってない!
ああうう、こんな時に紫苑がいなくてまだ…
149紫苑ED4/4:05/03/01 11:59:45 ID:q/vUghNx
「………あなた?」
「あ、なんだ紫苑来てたんだ、ってえええぇぇっっっ!?」
「…何を、なさっているの、かしら?」
「これはですね!夜で貴子さんへ秘め事で暴露が知りたいけど激しく何もいやちが」
「……そう、です、の……ふふっ…(ぴきっ)」
「……………ひ、っ」
「昨日のでは、まだ、足りなかったようですわね…ふふふっ……(ぴきぴきっ)」
「ち、違います!違うんです!マリアさまに誓っても!!!」
「なら、マリアさまに告白しに行きましょう。私と一緒に…さぁ…ふふふふっ(ぴきーん)」
「待って!だから話せばわかりますぅああぁぁぁ〜〜〜」



それは、梅雨も明け、青葉も煌めき萌える、7月の物語…。



「レズカップルってすごいのね…えっ、男の人!?(ひそひそ)」



Fin
150146-149:05/03/01 12:02:44 ID:q/vUghNx
連続カキコすまん。
SS初めてだし、しかも外でPDAで書いているから誤字脱字多いかも。
さらに名前の漢字間違っている気がする…orz
しおんってどうかいたっけかなぁ
151名無しさん@ピンキー:05/03/01 12:40:07 ID:nNYNDx6g
>>146-149
震えるぞハート!
萌え尽きるほどヒート!!

 ∧_∧
( ;´∀`) ちょっと股間のレイブンを鎮めてきます
人 Y /
( ヽ し
(_)_)
152名無しさん@ピンキー:05/03/01 12:41:44 ID:BesSXKrc
やっぱり尻に敷かれているのかw
153名無しさん@ピンキー:05/03/01 12:44:50 ID:Sd9MqeZ2
>>150
新作キタ━━━━(Д゜(○=(゜∀゜)=○)Д゜)━━━━━!!!

夜は瑞穂キュンの方が強いけど
昼間はやっぱり紫苑さまの方が強そうだな

>しおんってどうかいたっけかなぁ
紫苑 で良かったと思いますけど
154名無しさん@ピンキー:05/03/01 12:52:57 ID:DAOqDk6n
GJワロタ
>「これはですね!夜で貴子さんへ秘め事で暴露が知りたいけど激しく何もいやちが」

つまり「貴子さんへ夜の秘め事を貴子さんにもしたい」っと
155名無しさん@ピンキー:05/03/01 12:53:56 ID:DAOqDk6n
ぁぁ漏れ日本語がダメすぎ。吊ってきます
156146-149:05/03/01 14:53:35 ID:0yE9+mPX
みんなありがたうー。
書いてから貴子と瑞穂達の学年が違うことに気づいたけど、
そこはまぁ一般教養の授業だったってことで…。

瑞穂キュンは、同い年以上の誰と組んでも受けのような気がするじょw

SSっておもろいね。
157名無しさん@ピンキー:05/03/01 16:46:30 ID:Ri2Fza6/
>>126さん
>>150さん

激しくGJです!!
158146-149:05/03/01 17:20:25 ID:rMMObUPU
調子づいてもういっちょ。
でもごめん、ちっともこれっぽっちもエロくないorz

紫苑編、卒業直後の新学期、街中のヒトコマです。
れっつらご↓
159華やかな?昼食 1/6:05/03/01 17:22:01 ID:rMMObUPU
「あら、紫苑さま…瑞穂さんも」
「まぁ、貴子さん…お久しぶりですわ」
「本当ですね。卒業式以来ですわ」
「ふふっ。瑞穂さんったら、まだエルダーのおつもりでいらっしゃって?」
「う、あ、…ははは、なかなか抜けなくて…」
「家でもたまにこうですの。楽しくて仕方ありませんわ」
「し、紫苑…ばらさないでよ。気にしてるんだから」
「あらあら、それもあなたの良いところですわ」
「お二人とも、昼間からごちそうさまです、全く…あてられてしまいますわ」
「うー、紫苑も貴子さんも、それぐらいで勘弁してください…へこみます、さすがに…」
「嫌ですわあなた。私はもっと楽しみますわよ。ふふふっ」
「キリがありませんわね…。お二人とも、これからは?」
「あ、今日は丁度予備校が午前中だけで。紫苑とお昼を…。貴子さんは?」
「私も今日は講義が午前中だけで。宜しければランチでもご一緒に…あ、お邪魔ですわね?」
「そんなこと御座いませんわ。二人だけのお昼なら、いつでも…ねぇ、あなた?」
「紫苑、そ、それぐらいで勘弁…。あ、さ、さぁ行きましょう、たた貴子さん!あははは」
「食べる前にお腹一杯ですわ、もう。…参りましょうか。どちらに致します?」
160華やかな?昼食 2/6:05/03/01 17:23:08 ID:rMMObUPU
「へい、らっしゃい!…お、こりゃまたベッピンさんばかり三人も」
「…ぼ、僕、男の子…はは…はぁ」
「あなた、諦めが悪いですわ。そろそろ慣れてくださらないと…さぁ貴子さんも、お入りになって」
「え、えぇ…。ここは、何の、お店ですの…?」
「何って…お蕎麦やさんだけど…まさか、貴子さん…」
「…えぇ、初めて来ましたわ…こういうところですの…」
「あはは、やっぱり…。大丈夫ですよ。前に一緒にラーメン食べに来たじゃないですか。安心してください」
「…前に、貴子さんと、一緒に…? あなた…?」
「え!?いい、いや違うんだよ紫苑!学院時代に二人で映画を……はっ!?」
「……後で、覚えてらっしゃい、あなた…ふふふ」
「ううううぅぅぅぅ〜〜…」
「…はぁ、もう帰ろうかしら…」
「ま、待ってください!貴子さん!!じゃないと殺され、いやお蕎麦おいしいですから!食べましょう!」
「今日は…何でお仕置きしようかしら…ふふふっ」
「…紫苑んんぅぅ〜〜…」
「…犬も喰わぬとは、正にこのことですわね…」
161華やかな?昼食 3/6:05/03/01 17:24:04 ID:rMMObUPU
「毎度っ!なんにいたしやしょう!?」
「いろいろありますわね…。初めてだから、何が良いのかしら…」
「あ、貴子さん。このお店、鴨南蛮が美味しいですよ」
「…かも、なん、ばん…?」
「暖かいお蕎麦に、鴨肉やつくねが入ってますの。おいしいわよ。」
「つ、くね…? まぁいいですわ、私も厳島を捨て一人立ちしましたし、何事も挑戦ですわ」
「そ、そんなおおげさな…。」
「ふふ、私も貴子さんにお付き合いいたしましょうか。あなたは?」
「うーん、今日はカツ丼にしようっと」
「か、かつ、どん…?」
「今日の貴子さん、ハテナマークばっかりだね。来てからのお楽しみにしましょうか」
「ふふ、鴨南蛮とカツ丼と貴子さん…楽しみですわ…」
「は、はは…紫苑…ちょっと怖いよ…」
「何か仰いまして、あなた?」
「な、なんでもない!断じて無い!」
162華やかな?昼食 4/6:05/03/01 17:25:04 ID:rMMObUPU
「へいお待ちっ!まずは鴨南二丁ね!」
「これが、かもなんばん…。あぁ、でもいい匂いがしますわ」
「あ、二人とも先に食べていいよ」
「じゃぁあなた、お言葉に甘えて…。さぁ、貴子さんもどうぞ」
「え、えぇ、いただきます…。えぇと…」
「えっとね、ラーメンの時みたいに、好きに食べて大丈夫ですよ」
「ラーメンの時、ね…あなた、今日は肝が据わってらしてね」
「っはっ!さささ、どどんどんたっ食べて!あははは」
「本当にもう…つきあってたらお蕎麦が伸びてしまいますわ。…ちゅる…」
「…どうですか?」
「ぁ…、美味しいですわ…。鴨の風味がお口に広がって…」
「このつくねも美味しいのよ。鴨のお肉を、叩いて丸めて揚げてあるんですわ」
「えぇ、ふんわりして、とっても…」
「良かった、喜んで貰えて。…僕のはまだかなぁ…」
163華やかな?昼食 5/6:05/03/01 17:25:53 ID:rMMObUPU
「お待たせしやした!こちらカツ丼ね!」
「あ、来た来た…。そうだ、すみませ〜ん、小皿貰えますか〜?」
「これ…は、また…、大仰な食べ物ですわね…」
「うーん、た、確かに見た目は変わってますけど…おいしいんですよ? あ、小皿有り難う御座います…貴子さん、食べてみて下さい」
「え、あ、いただきます…。これは……太いカツレツ?」
「そ、そんなところかな…。ドミグラスソースの変わりに、タマネギと卵を一緒に出汁でとじてあるんですよ」
「なるほど…、これも変わってますけど、美味しいですわ」
「ふふ、今日の貴子さんは楽しそうですね」
「えぇ、それはもう…未知との遭遇ですわ」
「あはは、良かった良かった」
「…………あなた………?(ぴきっ)」
「っひぃっ!?あ、し、紫苑もたた、食べる!?」
「…ふふ、頂きますわ……今日は…きつくお仕置き…」
「ひぃぃぃっっっ!!??あ、ああ、しし紫苑んんのののかもっっなんもぉぉ食べったいなぁなんてねあははははは」
「あら…ふふふ………嫌です……ムチでいこうかしら…」
「ぃぅっ!?し、しに、たくない、ぃぃ…」
「…結婚って、大変なのね……ふぅ…」
164華やかな?昼食 6/6:05/03/01 17:27:09 ID:rMMObUPU
「毎度ありがとっやっしたー!」
「…ふう、今日は食べ過ぎましたわ。でもおもしろくて…また来たいですわ」
「は、はは…よかったですね…」
「では、私はこれで…。紫苑さま、今日は優しくしてあげてくださいね」
「あら、私はいつも優しいですわ。ふふ…ごきげんよう、貴子さん」
「ご、ごき、げんよ、う…たか、こ、さん……」
「瑞穂さんも、お大事に…ごきげんよう」



「さて………あなた??」
「はいぃ!ごめんなさい!!」
「あらあら、謝ると言うことは、自覚がお有りなんですのね…ふふ」
「え!?いやその、悪くない!やましくないです!映画でデートしたなんて…っ、ぁ」
「…………木馬つきでムチかしら……ふふふふっ」
「まま待って!これにはその、ふふ深いわけがが」
「深い方がいいのね…とっておきの木馬にしましょう…さぁ帰りましょう あ な た ??  ふふふふふふふふふふふふ」
「ぃぃい嫌ああぁぁぁ〜〜〜〜………」



Fin
165146-149 159-164:05/03/01 17:35:13 ID:rMMObUPU
オチが前と一緒だわ o...rz

科白だけで3人+αを分けるのがいかに大変か思い知らされたじょ…
PDAからだから、どこで改行したらいいかわかんなくて、横に書き殴りっぱなしだし。

まぁ、鴨南食べたくなってくれればしめたもんだw
166名無しさん@ピンキー:05/03/01 17:46:59 ID:Ri2Fza6/
>>159-164
GJw
貴子さん萌っ!w
紫苑さん黒っ!w
瑞穂さん弱っ!w

こんな展開も面白いですなぁw
167名無しさん@ピンキー:05/03/01 18:05:22 ID:tcNBYlw3
このオチは一つのお約束としてもいいと思いますw
168名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:00:34 ID:zUaABKjE
面白かったけど、貴子さんはそこまで世間ずれしてないと思うよ。
ラーメンは父親が中華料理が嫌いだって理由で食卓にあがらなかったって言ってたし。
そもそもラーメン屋で「これは、お蕎麦のように〜」っていう台詞があった事からも蕎麦は食った事あるだろ。
あと紫苑編卒業直後だったら、貴子さんと1年間は連絡を取り合ってない気ガス。
1年後大学のキャンパスで再開するまでは厳島を出た事も知らなかったわけだし。
169165:05/03/01 20:08:26 ID:CIGfSwe+
やっと自宅だ・・・。

>>168
うーん、俺の中の貴子さんは「外食は高級レストランのみ、蕎麦なんか板前呼びつけて家で」
ってイメージがあったんでねー。でも、文中からはとても読み取れん・・・orz
あ、鴨南蛮とカツ丼は俺のお昼だったんです・・・スマン。

あと、厳島出た出ないとか、会ってるかどうかはもはや脳内保管状態なんで。
でなきゃ、紫苑編では貴子さんとデートしとらんからなw

とはいえ、こういう突っ込みはありがたいです。
不慣れなもんで、いろいろとすまんな。
170名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:53:59 ID:Ri2Fza6/
『恋焦(コイ・コガレ)』
まりやルートにおける貴子さんの道程を書いてみました。
あまりに長かったので大幅カットしました・・・これでも長すぎなんですが・・・

いろいろ自己設定があるので、ご了承ください・・・。
1.瑞穂ちゃんと貴子さんは別の大学
2.鏑木テクスタイルプランニングはおとボク終了後3年後に新規設立。
3.貴子さんはまだ勘当してない。
4.瑞穂ちゃんの正体をまだ知らない。そして想いばかり募っている。

また、切ないお話っぽくなってしまい、Hシーンがほとんどないのでご了承ください。
長いのでちょっと時間を空けて2回に分けて投下します・・・
171名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:55:08 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.1

「はぁ・・・」
今日何回目の溜息だろう。最近はずっとこんな調子だ・・・。
「はぁ・・・」

恵泉を卒業してから4年近く。外部の学校に入学し、一人暮らしをしていた・・・が、
明確な目的を持っていたわけではない私は、張り合いの無い学校生活を過ごしていた。

恵泉を卒業して、私はいろいろと失ってしまった。
生徒会では、純粋に慕ってくれる君江さん達が居てくれて、毎日が充実していて楽しかった。
・・・恵泉から離れた私にはもう遠いものになってしまった・・・
まりやさんとは確かに仲が悪かった、が同時に彼女は私の一番の理解者で、好敵手だった。
・・・でも、今はもう居ない。遠くに行ってしまった・・・

それに、何より・・・
「瑞穂さん・・・」
彼女は不思議な人だった。彼女と居ると、彼女とお話をすると、心が暖かくなった。
私が変わったのだとしたら、彼女が私を変えたのだろう。
もし、彼女が居なかったら、
君枝さんや葉子たちが「純粋に私を慕ってくれている」コトにも気が付かなかったかもしれない。
もし、彼女が居なかったら、
まりやさんと仲直り(まあ元々仲はよくなかったですが)できなかったかもしれない。
もし、彼女が居なかったら、
私は籠の鳥のままだったかもしれない・・・

「・・・今だって、籠の鳥のまま、ではないですか・・・」

そうだ、その点に関しては変わっていない・・・。
籠から飛び出したいから外部の大学に来たのに。
私はただ、籠ごと外に出されただけ。
172名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:56:08 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.2

「瑞穂さん・・・」

この数年間、この名を何度呼んだだろう・・・
・・・まるで瑞穂さんに恋い焦がれているよう。

・・・違う、「まるで」ではない。私は、確かに、瑞穂さんに恋している。
でも、気が付いたときには既に手遅れ、だった。

卒業式の日。瑞穂さんとまりやさんが私の前で、その、キス、を、した。
親愛を表すような、ましてや劇中の演技のようなものではない。
あれは明らかに愛情を、そして絆を確かめるものだった。恋愛に疎い私にもよく解った。
あの時の胸が痛みも、今なら理解できる・・・

まりやさんと瑞穂さんの関係は、はじめはそんな関係ではなかったと思う。
2人の関係が変わったのは、学園祭前に2人の仲が悪くなったとき。おそらくあの時に何かあったのだろう。
私が、私の気持ちに気が付いていれば、もしくはチャンスがあったのかもしれない・・・

「・・・それは、ありえないでしょうね。」

そう。何故なら、あの時の私が、私の気持ちに気が付くわけがない。
気が付いたのもおそらくは瑞穂さんのおかげなのだから・・・。

それに、この恋は、禁忌。
瑞穂さんへの恋に気が付いたとしても、女である私が、女性である瑞穂さんに恋をするなんて。
「常識」を学園で叩き込まれ、そして家を反面教師として叩き込んだ私が、それを許すはずがない。
そして、今も・・・
173名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:57:39 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.3

「瑞穂、さん・・・」
それでも、この想いは募るばかり。
「・・・お会いしたい、ですわ・・・」
私が先に進むには、もう一度瑞穂さんにお会いする必要があると、そう思う。
・・・それは云い訳。私はただ単に、純粋に瑞穂さんにお会いしたいだけ。でも・・・

「私は、こんな堕落した私を、瑞穂さんに見せるつもりなのですか・・・!?」

・・・いつもはこのことを考えて、踏みとどまってしまう。
けれど、今日は私を抑制する要因にはならなかった。
・・・私は、弱くなった・・・

会いたい。・・・会いたい・・・。
ただ、もう1つ問題がある。

「私、瑞穂さんのこと、何も知らないのですよね・・・」

そう、何も知らない。
何処にお住まいなのか、何処へ進学なさったのか、そんなことも知らない。
知っているのは・・・

『そうですね。私も出来れば以前の学校に留まっていたかったのですが……
 これはお祖父様の遺言なのです』
『ええ……といっても先日私も初めて知ったのですが。
 実は母がここの卒業生で、在学生時代にエルダーを務めていたのだそうです』
『寮にはまだ私の母の部屋が残っていましてね……
 私はそこで初めて母の想い出に触れることが出来たのです』

「・・・一度、恵泉に行ってみましょう・・・」
174名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:59:01 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.4

「恵泉に入るのは久しぶりですわね・・・ここは本当に、変わっていませんね。」

次の日、私は恵泉に訪れた。

「まったく、今日も講義があるはずなのに、サボって来るなんて・・・」

と言うものの、変わらない恵泉女学院を見て、瑞穂さんの姿が鮮明に思い浮かべられるようで、
なんだか嬉しくなってしまった。

恵泉は、立ち入りに関しては案外緩やかである。OGならば名前を出せば直に入ることができる。
私の場合は、警備員さんが私の顔を覚えていたのですんなり入ることができた。
まず、私は寮に向かった。寮母さんに瑞穂さんのこと、そして瑞穂さんのお母様について伺い、
瑞穂さんのお部屋も見させて頂いたが、さして目ぼしい情報を得ることは出来なかった。

次は図書室。ここで情報が手に入らなかったら、あとは学院長に問い詰めるしかないのかもしれない。
けれど・・・。
最近知ったことだが、この学院は鏑木財閥の傘下らしい。
だから、厳島の人間がここで何か嗅ぎまわっているということを学院長に知られるのは、
あまり良くないかもしれない。

「・・・ほら、籠の鳥。」

・・・図書室には、名簿がある。こういうのもなんだけれども、恵泉はお嬢様学校である。
故に悪用されないよう、各種名簿は図書室に厳重に保管され、生徒や保護者には配布されない。
ただし見ること自体は、開館中ならばOGでも出来る。

「・・・何なのですか、コレは・・・?」
瑞穂さんのデータには、何故か名前や寮で生活していた、等ということしか書かれていなかった。
・・・何か不自然だ。
175名無しさん@ピンキー:05/03/01 20:59:50 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.5

次に、私は瑞穂さんのお母様について調べることにした。

探すのは簡単だった。
歴代のエルダーを調べていけばいいだけだったから。

『旧姓・宮小路。鏑木 幸穂』

・・・・・・。
176名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:02:11 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.6

・・・
・・・
家に帰ってきて、ベッドに寝っころがりながら考える。

鏑木財閥。言わずとしれた父の厳島グループの最大の敵である。けれど・・・

「何故、苗字を偽る必要があったのですか・・・?」
そう。何か、引っかかる。何故わざわざ母方の「宮小路」を名乗る必要があったのか。

厳島の人間である私が居たから・・・?
学院が鏑木の系列だから・・・?
それとも他の理由が・・・?

厳島グループは強引な手法でのし上がって来た企業だ。それこそライバル企業の
弱みを見つけてそれを元に半ば脅したことも数知れない。
確かに厳島グループは大企業になった。・・・私はそれを軽蔑していた。

けれど、今日だけはそれに感謝していた。
何故なら、鏑木の主要人物の経歴なんて、調べつくしてあるのだから。

父は以前嘆いていた。鏑木に付け入る隙がない、と。
鏑木は古くからの財閥であるが故か、政界・財界・マスコミなどに絶大な影響力がある。
けれど、それはただお金にモノを言わせたようなものではなく、両者間に信頼関係が築かれていたから。

「瑞穂さんのあの性格、解る気がしますわね・・・」

いずれにせよ、鏑木のおおよその経歴が判明しているのは好都合。果たして瑞穂さんは何者なのか・・・

私は、実家に赴いた。
177名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:02:57 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.7

―――――

頭の中が真っ白だ。

―――――

ぱさり。

紙が落ちた音。

たぶん私が落としたのだろう。

でも、それもワカラナイ・・・

―――――

『鏑木 瑞穂、「男」。』

―――――
178名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:04:03 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.8

気が付くと、私は私の部屋に帰ってきていた。

・・・私は今、何を想っているの?どんな感情でいるの・・・?
怒っているの?瑞穂さんにもまりやさんにもずっと騙されていたことを。
呆れているの?瑞穂さんの正体を見破れなかったことを。
嬉しいの?これで私の恋が正当なものになると。
後悔しているの?・・・瑞穂さんに恋したことを。

何も、ワカラナイ・・・

・・・
・・・
少し、落ち着いた。結局、何も、変わらない。

瑞穂さんの性別が何であれ、私の気持ちは変わらない。
「会いたい」という気持ちは変わらない。・・・手遅れだということも、変わらない。

そう、変わらない。むしろ心境は悪化したとも言える。
瑞穂さんとまりやさんの仲は、同性同士である以上、世間的には「異常」。そのことが私の支えだった。
もしかすると私にもまだチャンスがあるのでは、と、無いものねだりできたから・・・。
けれど、瑞穂さんが男性である以上、まりやさんとの関係は「正常」なのだから・・・

でも、それでも・・・

「瑞穂さん・・・」

何も、変わらない。
ただ、会いに行くには、もう一押し、欲しかった。
179名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:05:50 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.9

次の日、私は普段より更に無気力な状態で学校に向かった。

「厳島さん、おはようございます!」
「・・・おはようございます。」
「って、顔色悪いですよ?大丈夫?」
「ええ、大丈夫です。昨日体調を崩してしまったのですが、
 もうだいぶ良くなりましたから。」
我ながら、下手な嘘だと思う。
「そっか。でもあまり無理しないようにね。」
彼女は大学での友人の1人。テストの時はよくノートをねだられるので、
利用されているような気もするが、
頼られていることには悪い気はしない。

(こんな風に考えるようになったのも、瑞穂さんのおかげなんでしょうね・・・)
180名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:07:14 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.10

その日の昼は、彼女と、彼女の後輩の3人で取ることになった。

「・・・そっか。もうそんな時期なんだ。それでどんなところを希望してるの?」
「へへ、今日届いた求人票なんですけど、ここなんていいかな〜なんて思っているんですよ。」
「秘書・・・?あなたには向いてないんじゃないの?」
「え〜!先輩、それはひどすぎですよ!」

2人が就職活動の話をしている。それを私はぼうっとしながら聞いていた。
・・・私はもうすぐ卒業というのに、何処にも決まっていない。
いや、就職活動なんてしなかった。だって、いずれ政略結婚に使われるだけなんだろうから。

「だって、よく見なさい。コレ、次の4月採用じゃない。あなた、中退するつもり?」
「え?ああ!あぁぅ〜・・・すごくよさそうだったのに・・・」
「ほら、そそっかしいのは秘書に向いてないわよ。・・・何々・・・へえ。今年設立した会社、ねえ。
 将来が見えないんじゃないの?」
「でも〜。会社名から解るとおり、大企業の系列会社だし、大ボスの子供が社長なんですよ〜。」
「大ボスって・・・。ふーん、でもそれだったら意地でも潰さないかもね。」

(下らない。そんな理由で・・・)
私は兄を思い出した。あのおぞましい色情魔を。
私なら、あのような人間の元で働くなんて想像もしたくない。

「それに、パンフレットのココ見てください!」
「・・・うわ!何このカッコイイ人!っていうかこの人ホントに社長?ていうか男?女?」
「男性だって。それにスゴイんですよ!かの有名な○○大学を主席で、なおかつ3年間で卒業!
 そして卒業してすぐにこの会社を建てて、この1年で脅威的な急成長をなし遂げたスゴウデ社長!」
「んで、玉の輿狙った、と。そんな不純な動機じゃ一発で落とされるわよ?」
「ぅぅ〜!」
「ふーん、それにしても、『鏑木テクスタイルプランニング』ねぇ・・・」
181名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:08:29 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.11

「鏑木っ!?」
「きゃぁ!」
私は無意識のうちに大声を上げていた。

「ちょっとお見せなさい!」
「え、い、厳島先輩!?きゃあ!」
私はそのパンフレットと求人表を強奪した。
「み、瑞穂、さん・・・」
「厳島さん、お知り合い・・・?」
「こ、コレ、頂きますわね!」
そう告げると私は全速力でその場から離れた。

「・・・一体、何・・・?」
「ぅぇ〜・・・。今晩の、取られちゃったよぅ〜」
「あなた、アレで何するつもりだったのよ・・・」

・・・
・・・
「はぁっ・・・はあ・・・はぁ・・・。昨日の今日で・・・偶然ではなく、必然です、こんなの・・・。」
私に、最早迷いはなかった。
「瑞穂、さん・・・」

早速私はその求人に応募した。


・・・
・・・
面接の前日、私は実家に向かった・・・
182名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:10:28 ID:Ri2Fza6/
ではちょっと間を空けてから残りを投下します・・・
どれだけ受け入れられるのか不安ですが、まあアナザーストーリーみたいな感じに取ってもらえば・・・
183名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:13:47 ID:nwGLZVG7
リアルで読ませて頂きました。
いやあGJですよ。続きが楽しみです。
184名無しさん@ピンキー:05/03/01 21:53:48 ID:ueUHpqxS
面白い(`・ω・´)
どきどきしながら続き待ってます。
185名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:23:01 ID:1ExNFLtZ
    ∧_∧
    ( ・∀・) 素晴らしいですな
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ・∀・) ドキドキしながら続きを待っています
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
186名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:28:57 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.12

・・・
・・・
「ふう・・・」
「社長、お疲れですか?」

グループから補佐として送られてきた社長室長の林田さんが心配して尋ねてくる。
今日は僕の秘書を決める面接会。
最近の業務の忙しさと、対外的な問題から秘書が必要、ということになり、募集することになった。
時期的な問題や会社立ち上げから1年しか経っていないこともあり、応募数は少なかった。
なので、折角応募してくれたのだから、ということで僕はひとりひとり面接することにした。

「大丈夫ですよ。それで、今日は後何人ですか?」
「あと1人です。お呼びしてもよろしいですか?」
「はい、お願いします。」

・・・正直言って、これまでで「この人に秘書を任せられる」という人は居なかった。
いや、居なかったというより、目立つ人が居なかった、と言ったほうが正しいかもしれない。
おそらく誰を選んでもちゃんと仕事はやってくれるのだろうけれど、ただ、そのためにこれから
応募してくれた人たちの粗を探していかなくちゃいけないのか、と思うと気が重かった。

「はぁ・・・」

林田さんが次の応募者の名前を呼ぶ。今日何度となく繰り返されたことだ。

「厳島貴子さん」
「はい」

「え?えぇ!?」
187名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:29:58 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.13

「厳島貴子さん」

名前が呼ばれる。
(瑞穂さん・・・瑞穂さん・・・!)
こんな心の中を外に出さないようにして冷静によそおって返事をする。
「はい」

『え?えぇ!?』
部屋の中から素っ頓狂な声が聞こえてくる。
そんな瑞穂さんの慌てぶりに、私は逆に冷静になれそう。

「失礼いたします」
そういって部屋に入ると、固まっている瑞穂さんが、居た。
(み、みずほ、さん・・・!!)

「・・・」
「・・・し、社長・・・?」
「・・・は、ご、ごめんなさい・・・。林田さん、席を外してもらえ、ますか?」
「は?ですが・・・」
「お願いします、林田さん。」
「はぁ。わかりました・・・」
そんなやり取りを、私は椅子の横に立って聞いていた。

「あ、済みません・・・どうかお掛けになってください。」
「はい、失礼いたします。」

「・・・」
「・・・」
188名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:31:31 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.14

「た、貴子さん・・・」
「お久しぶりですわ、お姉さま。」
「あ、あの、その呼び方は止めてもらえませんか?その、判っておいでなのでしょう、僕が男だって。」
「えぇ。」

・・・空気が、重い・・・

「・・・それで、どのようになさるおつもり、ですか?」
そんなことを瑞穂さんは聞いてくる。
「どのように、とは?」
「僕が性別を偽って恵泉女学院に通っていたのは紛れも無い事実です。
 貴子さんがどうしようと、僕には文句はありません。悪いのは僕、ですから。」
(ああ、そうだ。私は「厳島」なのですから、瑞穂さんがそう思われても仕方がありませんわね・・・。)
「ひとつ、お聞きしたいのですが・・・何故、瑞穂さんは恵泉に・・・?」
「・・・その答えは、既に申し上げました。あのときと・・・テラスでの答えと変わりません・・・。」

あの時の話・・・そう、あの時の話こそ、瑞穂さんとお会いするための『鍵』だった。
だから、だからこそ瑞穂さんの言葉は真実だと、判った・・・。

・・・それが判ると、心の中の小さな澱み・・・「騙されていた」などという瑞穂さんに対する負の感情が、
消えていく気が、した・・・
189名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:32:47 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.15

「・・・何も、しませんわ。」
「え?」
「瑞穂さんが男であれ女であれ、私はお姉さまにいろいろお世話になったのです。
 そのご恩を忘れることはありませんわ・・・。私は、お姉さまと学園生活を過ごすことが出来て、本当に、楽しかったのですから。」
「貴子さん・・・」
頭が真っ白・・・自分が何を言っているのかも、ワカラナクなってきた。
「ですから、瑞穂さん。私が今日この場にいるのは、あなたの秘書を志望するのは、
 あなたの傍で、あのときの楽しさを味わいたいからなのです・・・。
 それに、まりやさんは私の宿命のライバルです。
 私達は生きている限り戦わなければならない運命にあるのですから、
 私は、瑞穂さんの傍に居なければならないのです。」
何か本当に言いたいことからずれた、云い訳じみた事を言っているような気も、する。
それに何故かいつのまにか、聞かれてもいないのに志望動機みたいなことを言っていない・・・?

「ふふ、そうですね。まりやも、帰ってきたら直ぐにでも貴子さんと喧嘩したいと思っていますよ、きっと」

ずきり。
「まりや」とその名前を云った時の瑞穂さんの嬉しそうな顔を見て、少し胸が痛んだ。
でもそれで、少し冷静さを取り戻せたようで・・・

「いやですわ、瑞穂さん・・・。それにしても、本当に恵泉での学園生活は楽しかったですわ・・・。」
「そうですね、いろいろありましたけれど、今ではいい思い出です。」
「ええ、いろいろ・・・ ・・・!!!!!!」
私は、あることに気が付いてしまった。
「貴子さん・・・?どうしたんですか?」
「そ、そそそういえば、あ、あ、あああのときわわ私、み、み瑞穂さんとキ、キ、キスをおを・・・」
「あ・・・」
「で、ででででも!み、瑞穂さんはだ、だ、男性なわけでででで・・・し、しかもは、裸まで見られ・・・っ!!・・・きゅぅ〜・・・」
「わ、わぁ!貴子さん!」
190名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:34:23 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.16

・・・
・・・
「ん・・・ぅん・・・」
「貴子さん、気がつかれましたか・・・?」
「ぁ・・・み、ずほ、さん!?」
「あ、まだ起き上がらないで。横になっていてください。」
「あ・・・ここは・・・」
気が付くと、小さめのベッドに寝かされていた・・・

「社長室ですよ。貴子さん、急にお倒れになったの、覚えています?」
「あ、はぃ・・・」
「医者に見てもらいましたが、問題はないそうなのですが・・・大丈夫、ですか?」
「はぃ・・・大丈夫です・・・。でも、どうして社長室にベッドが・・・?」
「あ、社長室というより僕の個室、です、ね正確にいうと。」
「瑞穂さんの・・・個室っ!!」
「ごめんなさい。でも他に寝かせられるような場所もなかったものですから・・・」
「あ・・・申し訳ありません・・・。ご迷惑をお掛けして・・・。」
瑞穂さんの、匂いがする・・・そんな風に思っていると、眠気が襲ってきた・・・
191名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:36:19 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.17

・・・
・・・
「申し訳ありません、こんな時間まで・・・」

起きると、既に20時になっていた・・・

「いえ、大丈夫ですよ・・・。それより、お知らせしたいことがあります。」
「・・・なんでしょう?」
「では、4月からよろしくお願いしますね、厳島貴子さん。」
「・・・え?」
「え?ではなくて・・・。今日、貴子さんは秘書の採用面接に来られたのでしょう?」
「そ、そうでしたわ・・・。でも、よろしいのですか?私で。」
「はい。貴子さんなら、信頼できますし何1つの心配もありません。是非、よろしくお願いします。」
「瑞穂さん・・・謹んでお受けいたしますわ・・・」
「でも、貴子さん、家のほうは大丈夫なのですか?その・・・」
「ええ、その点は大丈夫ですわ。昨日、絶縁状を叩きつけて参りましたから。」
そう。私が昨日実家に向かったのは、これが目的だったのだ。
「そ、それは思い切ったことをなさいましたね・・・」
「ええ。もう鉄板入りの絶縁状を顔面におもいっきりぶつけて差し上げましたわ。」

 ○   ○  <・・・
 大   大

「貴子さん、ナニがが違います・・・」
「何がですか?私は実に晴れやかな気分になりましたが・・・3人共鼻血を出して倒れてしまいましたけれど。」
「そ、そうですか・・・」
「・・・ふふふ。み、瑞穂さん、私の言うことすべてを間に受けないでください・・・鉄板入りというのは冗談ですわ。」
「え、あ。そ、そうですよね・・・あはは。」
「全く、変わりませんね。瑞穂さんは・・・」
192名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:37:52 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.18

・・・
・・・
「・・・本当に・・・お変わりになりませんわね、瑞穂さんは・・・」
一人きりの私の家。
「はぁ・・・」
瑞穂さんに会えた。これからも瑞穂さんに会える。というのに、また私は溜息をついている。
理由は判っている。だって、瑞穂さんに私の想いは通じないのだから。
今日のあの一言で判った。瑞穂さんとまりやさんの絆は、私には理解できないほど強固だ・・・

「私、まりやさんが羨ましいですわ・・・」
私の想いが通じるようにするためには・・・瑞穂さんとまりやさんの関係をどうにかすること、くらい・・・
私に壊せるようなものかは判らないけれど・・・でも。
「そんなことをしたら、『あの女』たちと同類ではないですか・・・」

それは、まりやさんだけでなく、瑞穂さんも不幸にする。そして私はそんな私を絶対に許さない・・・。

私は、瑞穂さんにもまりやさんにも、幸せになってほしい・・・。

まりやさんにも、ですか・・・
「ふふ、本当は私、まりやさんも好きなのかもしれませんね。」
もちろん、恋愛の好き、ではないですし、馴れ合うつもりもありませんが・・・

・・・そう・・・。なら・・・
「私は、瑞穂さんの秘書として、ふたりを見守っていきますわ・・・」
奪う愛もあれば見守る愛もある。私は好きな2人のために後者を取ることにした。
それが、私が瑞穂さんに恋愛感情を持って許される唯一の方法だと思うから・・・

・・・けれど、お願いします、瑞穂さん。今日だけは・・・
193名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:39:18 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.19

「ん・・・瑞穂、さん・・・」

瑞穂さんの匂いが記憶に残っているうちに・・・

「うん・・・んぁ・・・」

今なら解る・・・たまに私の元に送られてきた手紙。その、自慰、をしているコトを報告するような内容の。
私はそれを、汚らしいと、軽蔑していた・・・
さすがに手紙にして送るなんていうことは理解できないけれど。
でも、想い人を想ってこういうことをするということは、その理由がなんとなくわかった気が、する・・・・

「みず、ほ、さん・・・あぁっ・・・んっ・・・ぁ・・・っ・・・」
指で秘所をなぞる。
「んっ・・・はっ・・・ぁっ・・・ゃ・・・」
なぞるスピードが速くなり、そして強くなる・・・
「はぁっ・・・んんっ、あぁっ・・・んっ!・・・」
『どうしたの・・・こんなに濡らして・・・いけない子ね、貴子さんは・・・』
瑞穂さんのそんな甘い声を想像する。
「はぁん!・・・んんっ・・・ぁあっ!」
これまで味わったことのないほどの快楽が私を襲う・・・
「んぁ・・・ふぁっ・・・んくっ!・・・」
『・・・ほら、こんなに濡れているわ・・・。気持ちいいのね、貴子さん・・・』
「あぅっ・・・き、気持ち、いい、です、みずほ、さんっ・・・ふあぁっ!」
『ふふふ・・・可愛いわね、貴子さんは・・・』
「ぁうっ・・・んぁっ!・・・瑞穂、さん・・・!き、きて、来てしまいますっ!」
『貴子さん・・・もう、限界なの・・・?なら、遠慮はいらないわ・・・イっておしまいなさい・・・?』
「ぁ・・・ああ・・・っ・・・」
『ほら・・・』
「あぁ・・・っ、あああああ〜〜〜〜〜!!」
194名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:40:17 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.20

「は・・・あ・・・」
私は絶頂の余韻に浸っていた・・・
「はっ・・・は・・・はぁ・・・」
ふと、気が付いた・・・
「何故・・・瑞穂さんが「お姉さま」なんですか・・・?」
そう、想像上に出てきたのはエルダーの瑞穂さんだった。
「ふふ・・・男の瑞穂さんと今日お会いしたのに・・・変わっていないのですね、瑞穂さんは・・・本当に」
本当に、変わっていない。謙虚なところも、お優しいところも、その柔らかい物腰も・・・
だから・・・自然に、一緒に居た期間の長い女の瑞穂さんが出てきてしまったんだろう・・・
「ふふふ・・・。でも、次は男の瑞穂さん、お願いしますね・・・」

・・・
・・・
夜は更けていく・・・
195名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:42:07 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.エピローグ[T-side]

――2年後――

「社長、着きましたわ」
私と瑞穂さんは、新進デザイナーを出迎えるため、空港に赴いた。
「社長・・・そのニヤケ顔、どうにかなさったほうがよろしいのでは?」
「え、そんなにニヤケてます・・・?」
「えぇ。周りのヒトに変なヒトと思われてしまいますわ。」
「ひ、ひどい言い様ですね・・・貴子さん・・・。」
「・・・ふふっ。さ、社長。先に行っていてらして。私は飲み物を買いに行ってまいりますわ。
 コーヒーでよろしいかしら?」
「あ、はい。お願いしますね、貴子さん」

「・・・ふっふふ・・・瑞穂さんったら・・・。」
新進デザイナーとは、言うまでもなくまりやさんのことだ。そのまりやさんが帰ってくる、ということを知ってから、
瑞穂さんはずっとこんな調子だ。少し胸が痛むけれど、でもその様子が可笑しかった。

「・・・ふふっ・・・。」
けれど、私も瑞穂さんのことを笑っていられない。
なぜなら・・・何故か私もまりやさんが帰ってくるのが嬉しいのだから。
本当、宿命のライバルが帰ってくるのを楽しみにしているなんて・・・。
ここのところのまりやさんの活躍ぶりには目を見張るものがある・・・さて、私のライバルとしては、どうなっているのでしょうね・・・?

「見せて戴きますわ。デザイナー・御門まりやの成長の程を・・・!」

ふふ、本当に、これから面白いことになりそうですわね・・・
196名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:44:57 ID:Ri2Fza6/
『恋焦』.エピローグ[M-side]

飛行機の中・・・
「瑞穂ちゃん・・・」
6年ぶり。ようやく会える・・・
この6年間、デザイナーとしての御門まりやにとっては、ものすごく短く、そして充実した日々だった。
けれど、瑞穂ちゃんの彼女としての御門まりやにとっては、ものすごく長く、そして寂しい日々だった。
「瑞穂ちゃん・・・恰好よくなったのかな・・・」

「それにしても・・・」
瑞穂ちゃんは3年前に設立した会社の社長となり、貴子は瑞穂ちゃんの秘書になったということだ。
この3年間で瑞穂ちゃんの手腕により「鏑木テクスタイルプランニング」は劇的な成長を遂げている。
そして、貴子は社長室長を追い出し、自らそのポストについたという。

「瑞穂ちゃんが社長になってるのはまだしも、貴子が瑞穂ちゃんの手下になってるとはねえ・・・」
でも、それもなんとなく判る。貴子が瑞穂ちゃんに好意を持っているのは気が付いていたから。
けれど、貴子に瑞穂ちゃんを奪われるとか、そういうことは心配していなかった。
なぜなら、瑞穂ちゃんを信じているから・・・それに・・・
「あの子の行動は私にはよく判っているからね〜。たぶん、貴子本人以上に。」
そう、あの子はそういうことはしない。絶対に。昔っからコトあるごとにやりあってきたけれど、だからこそよく判る。
「なんだかんだで、信用してるんだよね、貴子のこと。」
そう思うと、なんだか可笑しくなった。だって、貴子と会えることも、楽しみの一つなんだから。
「6年ぶりに、最愛の彼氏と、宿命のライバルと同時に会うなんて、劇的ね。」
なんだか、嬉しさが倍増してきた・・・!
「瑞穂ちゃんと会えるのがすごく楽しみ・・・それに・・・!」

「見せてもらうわよ。社長室長・厳島貴子の手腕とやらを・・・!」

にっはは。・・・本当に、これから面白くなりそうだわ・・・!
197名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:47:29 ID:Ri2Fza6/
終わり。←入れ忘れた・・・orz



あとがき

如何だったでしょうか・・・
貴子さんの苦悩と瑞穂ちゃんとの再会を書いてみたんですが・・・こんな感じかな〜と私は思っているのですが・・・
まりやと貴子の深層での信頼とかを感じていただければ尚・・・ただ、随分と削ってしまったので・・・さらに微妙になってしまったかも・・・

なんかあとで気が付いたんですが・・・2つに分けると・・・後半の展開が弱いかも・・・orz

今回かわいそうな人→林田さん

やはり、ギャグやほのぼのがないお話は難しいです・・・
鉄板ネタははじめはホンキだったんですけど、合わないので冗談にしましたw

次は・・・3人を巻き込んだちょっとした騒動でも書ければな〜と思います。
198名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:50:19 ID:b8HoSEZw
リアルで読めたよーヽ(´ー`)ノ
おつでした。

まりやEDはそういえば貴子勘当時期ははっきりしてませんでしたねー。
ありそうな感じでGJです。
199名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:55:09 ID:ueUHpqxS
ぐっじょぶー(゚Д゚)
面白かった。無理なく本編につながってる気がしますよー

200名無しさん@ピンキー:05/03/01 22:57:00 ID:9fSJ7Fet
なぜに リンダさんが
201名無しさん@ピンキー:05/03/01 23:02:05 ID:cAALJsup
〜エロ展開予想〜

まりや帰って来る→夜な夜なセクース→社長室でヤってるのを貴子に覗かれる→貴子ヲナ→
瑞穂に見られる→瑞×貴セクース→まりやに見られる→3P突入! とか


文才無いから書けない ○| ̄|_
202名無しさん@ピンキー:05/03/01 23:09:11 ID:f3chhG4u
最後は3Pじゃなくて修羅場になりそ
203名無しさん@ピンキー:05/03/01 23:09:14 ID:ueUHpqxS
(´ー`).。o○(エピローグ入ったところで本編無視して、誰かがちょろっと書いてた
空港で宣戦布告バージョンにならないかなあとちょっと期待したのは秘密にしておこう)
204名無しさん@ピンキー:05/03/01 23:09:50 ID:unZXlncl
おまいら、ここは神々の住まうインターネットですね。
皆様、GJ♪
20545=116:05/03/01 23:24:33 ID:Ri2Fza6/
あ、ごめんなさい。
名前欄書くの忘れてた・・・

皆様、ご感想ありがとうございました。
それにしても、好評のようでよかったです。
こういうシリアスものですと受け入れられるか心配だったのですが、ほっとしております。
206名無しさん@ピンキー:05/03/01 23:58:48 ID:8AsJaNvS
>>170-181>>186-197
大作超GJ!
貴子の心情が上手く描写されてるのも良し!
ところどころにギャグが入っているのもまた良し!
綺麗なお話だと思いました。

>>146-149>>159-165
嫉妬する紫苑・・・これは、いいものだw
会話主体で進めていくというのも面白いと思いました。GJ!
207名無しさん@ピンキー:05/03/02 01:04:02 ID:v+S/8rhp
何れの作品もイイね、作者のみなさんグッジョバ!

俺、このスレ立ったときから見てたくせに
本編の奏と紫苑だけ未クリアのまま暫く放置になっててさ、
イロイロ読んでたら放置できなくなって先週末に漸くクリア。

皆様、コンプへの気力をアリガd。
おまけシナリオがまだ残ってるけど。
208名無しさん@ピンキー:05/03/02 02:01:04 ID:UcyMs8QG
大作の後で心苦しいところですが、貴子SS投下します。
2091/14:05/03/02 02:02:08 ID:UcyMs8QG
「まりや、頑張ってるな……」
読み終えた雑誌にそっとハサミを入れる。もう、これも一つの習慣だ。
いつものようにスクラップした記事をファイルに閉じる。
結構溜まったかな。
僕だけのまりやのアルバム。
自分でも結構女々しい行為をしいてる自覚はある。
でも、変な話だけど、僕は自分のそういう男らしからぬ部分が実はあまり嫌いではないのかもしれない。
貴子さんに話したら、変に癖になってしまったのではないかって笑ってた。
もう、あれから随分年月が経ってしまった。あんな事があったなんて、今でも信じられない。
何年も前なのに昨日の事のように思い出せる。あっという間、だったのだろうか……
いや、そんな事はない。
まりやのいない日々は僕にとって、とてもとても長く感じられる。
ずっと一緒にいた人が、傍にいない。
痛いほどまりやの大事さを思い知らされる日々。
アルバムの表紙をめくる。
記念すべき第一ページは、切り抜きではなく写真。
思い出の地、恵泉女学院。その卒業式の後に皆で撮った写真。
「懐かしいな……卒業式」
この写真を撮ってすぐに、まりやはアメリカへと飛び立った。
僕はちゃんと笑顔で送り出すことができた、はずだ。
ゆかりちゃんなんて、ずっと泣いていたっけ。
そういえば、あの時の自分の言葉……
「ねぇ、ゆかりちゃん……あの時が6話なら、今は一体何話なのかな?」
2102/14:05/03/02 02:04:07 ID:UcyMs8QG

私はその光景を目の当たりにし、ドアの前で凍り付いてしまった。
抱えていた書類が音もなく床に散乱していく。
信じられない。
この人はいったい何をしているのだろう。
僅かに開いたドアから伺える瑞穂さんの横顔は、うっすらと紅潮している。
荒い息遣いがこちらまで伝わってくるような気がして、私は両手で頬を覆った。
「瑞穂さん、何を……」
いけない。見てはいけない。
早くこの場を立ち去らなければ。
『……っく……』
ドクンッ
心臓が跳ねた。体が、瑞穂さんの声に反応してしまった。
だめ、早く……ここから離れないと……。
気持ちとは裏腹に足は一向に動いてはくれない。
ちゅくっ
「ふっ……んんっ」
私は何をしているのだろう。
「ふっ……っくぅ……やだ、濡れてる……」
自分の敬愛する人の秘め事を覗き見て。
「だめっ……熱い……」
あげく、会社でスカートの中に手を入れて。
「は……あぁ……だめぇ、声……瑞穂さんに……」
私は何て醜い――
2113/14:05/03/02 02:05:08 ID:UcyMs8QG
『……まり、や……まりや……』
「……っく……」
分かっている。大丈夫、ちゃんと分かっている。
瑞穂さんは5年前のあの日から、ずっとまりやさんだけ追い続けている。
そんなの事は、分かりきった事。
瑞穂さんはまりやさんを想ってしている。
ドアを挟んでの二人の距離は実際よりも遥かに遠く、
遠い遠い手の届かないところにいる人を想って、私は指をを奔らす。
瑞穂さんがそうするように。
「やだ……やだ……やだ……」
何という事をしているのだろう。
やはり私は厳島の醜い血をひいた人間なんだ。
あの方の傍になんておいてもらうべきではなかった。
悔しくて、悔しくて、
それでも止まらないこの手を、感じてしまっている自分を、
心から呪った。
『うぁ、あぁ……まりや、まりやぁ』
瑞穂さんの声が頻繁に聞かれるようになってきた。
もうすぐ、達するのだろうか。
まりやさんの中に注ぐ想像でもしているのだろうか。
「ふぁあ、……んくっ……ん……んっ…ふぅっ」
どうしてだろう、心が痛めつけられるほど、体が快楽に溺れてしまう。
もうすぐ……私も……
『まり、やぁ……うあ、うぁぁああ』
2124/14:05/03/02 02:06:07 ID:UcyMs8QG
その声は私の全てを凍り付けにした。
激しく鳴り響いていた心臓も。
熱く自己主張していたソコも。
体を覆っていた快楽の波も、一斉に引いてしまった。
だって、私には、
瑞穂さんが泣いているようにしか聞こえなかったから。

なぜだろう。
本当に莫迦だ。どうしようもなく莫迦だ。
次の瞬間、私は走り出していた。
瑞穂さんの、元へ。

「……うわっ、し、室長!?」
達したまま放心していたのだろうか、
パンツも履かずに慌てふためく瑞穂さんの元へ一直線に向かう。
瑞穂さんの顔に涙は浮かんではいなかった。
でも、この人は泣いていると思った。
叩かれるとでも思ったのだろうか、瑞穂さんはビクッっと体を硬直させた。
「あの、ごめんなさい、そのこれはっ――」
私は、瑞穂さんをただ力いっぱいに抱きしめた。
これでもかってくらい、きつく、きつく瑞穂さんの体を抱きしめた。
「貴子……さん?」
何も言わず、ただ、ただ、力いっぱい瑞穂さんを抱きしめ続ける。
すぐに瑞穂さんの体から力が抜けていくのが感じ取れた。
胸に瑞穂さんの熱い吐息が当たる。
それでも、もういやらしい高ぶりは感じられなかった。
「お泣きなさい、瑞穂さん。ただし、今日だけ特別ですわ」
「貴子、さん……。う、うわ……ふぁぁぁあああああん」
私は……一体、何をしているのだろう。
欺瞞に満ちた私を非難する声は、満たされていく心の中に溶けていった。
最低、本当。
2135/14:05/03/02 02:07:01 ID:UcyMs8QG
「ごめんなさい、貴子さん」
しばらくして、瑞穂さんは私の胸から顔を離した。
気まずい時間が流れる。
「いけません、私ったら。部屋の外に大事な書類を撒き散らしたままでしたわ」
とりあえず逃げ出す選択をしたものの、すぐにそれは阻まれてしまった。
「貴子さん、待って」
「きゃっ」
やや強く掴まれた腕に、今度は少しだけドキドキしてしまった。
それだけで、心が痛い。私が、私を、非難する。
「えと、ごめんなさい。その、さっき抱きしめてもらった時にスーツを汚してしまったから、
 そのまま外に出るのはまずいのではないかと……思って」
「そんな、大丈夫ですわ。瑞穂さんの涙です」
「でも、その、涙だけじゃなくて、その……」
「え?」
ぬるっ
スーツに触れた手に何とも言えない感触。
ここここ、これって、み、みみみみ瑞穂さんのっ、のっ……
「きゅ…」
「きゅ?」
「きゅぅぅうう〜〜」
「うわわわわ、貴子さん、貴子さんしっかり〜〜」
薄れ行く意識の中で、瑞穂さんの声が遠くでこだましていた。
2146/14:05/03/02 02:07:40 ID:UcyMs8QG
目を覚ますと知らない部屋で寝かされていた。
これでもか、というくらい天井が高い。まるで実家の私の部屋のようだ。
一人暮らしをするうちに私の感覚があの生活から離れていった証拠かもしれない、この高い天井に大きな違和を感じる。
話す言葉も段々と変わって来た気がする。私はもうお嬢様ではないのだろうか。
それが喜ばしく感じるのは、お嬢様が嫌いなのではなく、厳島が嫌いなだけという事は無論言うまでもない。
上半身をベッドから起こすと、額の濡れタオルが転がった。
体がだるくて重い、さて、ここはどこで、私はなぜここで眠っていたのでしょう。
「ん……」
「あら? …………まぁ」
私の傍らでは瑞穂さんがベッドに寄り添うように眠っていた。
その手はしっかりと私の右手を握っている。
目が覚めるまで介抱しているつもりだったのだろうか。
あれだけ、多忙な毎日を送っているというのに……
ご自身も憔悴しきっていたというのに……
どうしてこう、人のために無理をしようとするのでしょう。
本当に、この方は……
頬が緩むのが分かる。これで嬉しくなかったなんて言ったら、嘘に決まってる。
あ、でも……。
ちょっとだけ、苦笑してしまう。
勝手に女性を泊めて、添い寝をなさるだなんて、凄いお方です、瑞穂さんは。
やはり瑞穂さんは、ご自分が男だという自覚が少々足りないような気がします。
それとも、私が恵泉時代からの知り合いだからでしょうか。
本当、困ったお方。
2157/14:05/03/02 02:09:12 ID:UcyMs8QG
空いた手を瑞穂さんの頭の上に添える。
その髪をすくと、憎たらしいくらいさらりと流れた。
「ん……」
素敵な笑顔、まるで子供のよう。
実は結構甘えん坊さんなのかもしれませんわね。
さらさら、さらさら……
優しく、子供の頭を撫でるように、髪をすく。
知っている。
ずっと近くで見てきたから、知っている。
あれだけ完璧な人格と能力を備えていても、この人はまだまだ若い。
その双肩にかかる負担は並のものではないだろう。
一人で耐えていくのはきっと、つらいはずなんだ。
さらさら、さらさら、さらさら……
「ぁ……母、さま……」
「瑞穂……さん……」
自分の中に暖かい感情が流れ込んでくるのを感じた。
「ふふふ、私の手、お母様みたいですか?」
何だかホッとしてしまった。
私だって、この人の助けにはなれる。
勿論、仕事においてのそれは私の努め。
瑞穂さんの負担が多いのは私が不甲斐ないためとも言える。
それでも、他の誰よりも力になれると自負できる。
そして、瑞穂さんにこんな表情をさせられる自分に気付き、少しだけ誇らしく思えた。

2168/14:05/03/02 02:12:01 ID:UcyMs8QG
「たまには、甘えさせてあげましてよ。私、小煩いだけの右腕ではありませんわ」
私たち、ちゃんとパートナーになれますよね?
私は恋人にこそなれなかったけど、他の部分においては誰にも譲る気はない。
誰にも…………。
私にはこの人を支える事ができる。
それさえ分かれば、大丈夫。
この人の傍にいられる。
私は諦めの悪い一部の感情を全てシャットアウトすると、最後にもう一度、瑞穂さんの頭をくしゃりと撫でた。
「分をわきまえる、という事くらい、私にだって分かりますわ」


朝が来るまで、まだ充分に時間はありそうだ。私はもう一度眠りにつくことにした。
繋いだ手は何だかこそばゆかったけど、とりあえず、全て忘れてぐっすりと眠るのにこれだけ最高の機会はないと感じた。
朝になって目が覚めたら、自分の不義の感情を全て捨てられると思えた。
だから今だけこうして、甘んじてこの温もりに身を沈めるのは、罪な事ではありませんよね?マリア様……
2179/14:05/03/02 02:15:06 ID:UcyMs8QG


最初に目に飛び込んできたのは、昨晩の高い天井――を背にした瑞穂さんの顔。
「おはようございます、貴子さん。よく眠れましたか?」
「おはようございます、瑞穂さん。っと、あの、ここは……瑞穂さんのご自宅、ですよね?」
とりあえず、状況を把握したい。
「えっと、ですね……昨日の事は覚えていますか? 貴子さん、あのまま失神してしまって。
 それで、貴子さん一人暮らしだし、心配だったから、勝手ですが僕の家に搬送させてもらいました。
 一応、お医者様にも診ていただいたのですが、体の方は特に問題ないとの事でした。
 あぁ、でも社内でおんぶしているところを何人かに見られてしまいました。たはは……」
「失神ですか……私……あ。……はわわわわ」
昨日の出来事がフラッシュバックする、同時に昨晩の事も……
「お、思い出しましたか? その、昨日の事」
体中の水分が沸騰しそうな感覚。
いくら、自分の感情に折り合いを付けたと言っても。
あれが、恥ずかしくないだなんて、そんな人間がいるはずがない。
「ひゃ、ひゃい。お恥ずかしいところをお見せしてしまいました」
「そ、そんなっ、恥ずかしいところを見せたのは僕のほう……で…はう……」
瑞穂さんったら、それでは完全に自爆ですわ。
二人ともこれ以上にないってくらい顔を真っ赤にしてしまった。
私はすーっと深く息を吸い込む。
………。
よしっ、大丈夫。
21810/14:05/03/02 02:18:41 ID:UcyMs8QG
「瑞穂さん」
「あ、はい。何でしょう、貴子さん」
大丈夫、もうなんともない。
「昨日の事は、私忘れることにしますわ。ですから、瑞穂さんもそうなさってくださらない?」
「そ、それは僕としても、助かります……けど。
 何せ、皆に知られれば、変態社長の汚名を欲しいがままにするような……ですし」
ばつが悪そうにうつむく。何かまだひっかかる事のあろうような、そんな表情。
「このまま出社するわけにもいきませんので、私は一旦自宅に戻らせて頂きます。
 それに……ふふ、おんぶの次の日に一緒に出社、おまけに昨日と同じ服装……だなんて言ったら、どうなる事か分かりませんもの」
「うぐっ、ごめんなさい。僕、動転してて……ちょっと冷静な判断を欠いたかもしれません」
「まぁ、瑞穂さんったら。そんなことないですわ。
 でも……最近気付いたのですが、瑞穂さんて意外と弱点の多い方ですわね」
「はは……まりやとかにもよく言われてました」
ちくりっ。
「そうですか、私も瑞穂さんの片腕として信頼されてきた。と受け取っておきますわ。
 それでは、失礼させて頂きます」
痛みは少しだけ。この程度ならすぐに消えるし、すぐに気にもならなくなるだろう。
瑞穂さんの私邸は意外と私の家にも近かったので、送って下さるという申し出をお断りし、徒歩で帰宅することにした。
瑞穂さんは玄関まで見送りに出てきて下さった。
「それでは、本当にご迷惑をおかけしました、瑞穂さん」
「いえ、僕の方こそ……。昨日はありがとうございました。とても軽くなった気がします」
「…………とんでもございませんわ。それでは」
一礼し、瑞穂さんに背を向ける。
昨日の事について、お礼を言われるのは矢張りつらかった。
自分を許せなくなるから。
21911/14:05/03/02 02:20:56 ID:UcyMs8QG
「貴子さんっ」
後ろから呼び止められた。
私は返事もせず、振り向きもせず、ただ立ち止まった。
「ごめんなさい、変な事をいいます」
「……なんでしょう」
やっとの事でそれだけ搾り出した。
「僕ね、考えたんですよ。あなたの寝顔を見ながら、ずっと考えていました。
 どうして貴子さんは僕が泣きたかったと分かったのかなって。僕自身気付いていなかったのに」
「…………」
やめてください、何をなさるおつもりですか。
私は昨日、全て決心をしたのです。お願いだから、掘り返さないで。
「僕、こう思ったんですよ。ひょっとしたら、貴子さんも同じなんじゃないかなって。
 だから、分かったんじゃないかなって……」
「どうして、そんな事を……。御戯れがすぎますよ、社長」
私はまた、歩き出した。
「だって、貴子さん。僕にはあの時駆け寄ってきたあなたが……やっぱり泣いているように見えたんです。
 だから、きっと貴子さんも、僕と同じなんです」
「…………」
いつだってそうだ。この人を相手にすると、決して敵わない。
一旦対峙してしまえば、まりやさんよりもやっかいな相手。
とんでもない人に恋をしていたのだな、私は。
白々しく過去形で反芻した。
220126:05/03/02 02:22:23 ID:rFCMngEm
>>170-181>>186-197
||| _| ̄|○ |||(←自信喪失しながら萌え萌え状態)

……どうしてこう、皆様神の腕前をお持ちなのですか……( ;´Д`)
自信喪失しつつも次のネタを考案中…百合系であります。
ここの住人さんたちは百合おっけーなのかな?
ちなみに、組み合わせはまりや×由佳里であります。需要があれば書き上げようかと…
22112/14:05/03/02 02:23:28 ID:UcyMs8QG
できあがったばかりの決心はあっというまにボロボロにされてしまった。一日も持たなかった。
私は弱い女だ。
このまま振り返って、あなたの胸に飛び込んでいいのでしょうか。

「それで、もしよかったら僕に話してみてはくれませんか? 力になれる自信はあまりないですけど、
 それでも、僕なんかでも話してみれば楽になるかもしれませんよ」



はい、ゲームオーバー。
惜しかったですわね、瑞穂さん。もう一息でしたのに。
いえ、そうじゃない、惜しかったのは私。
残念ね、貴子。ここまでのようですよ。
一瞬期待できたのに。そうね、あの人の弱点の一つだわ、女心に意外と鈍いところ。
ボロボロにされた決心にトドメをさすことはできなかったみたい。
ふふ、なんて残酷な方。
でも、大丈夫。これなら決心はちゃんと修復される。
私は振り返り、別れを告げる。

「大丈夫ですわ、瑞穂さん。私もね、昨日一晩寝たら全部吹っ切れましたから。
 今はとても気持ちが軽いんです。だから今日からは、また一緒に精一杯働きましょう」

最高の笑顔でそう告げた。
もう瑞穂さんにこの笑顔が泣いているように見えることは、ないだろう。
私は一つの恋に正式にさよならを告げた。


あの人は、私の最高のパートナー。
吹っ切れた私と瑞穂さん。
二人の前に立ちはだかるものなんていやしない。
例えそれが厳島グループだろうと、私たちの敵ではない。
22213/14:05/03/02 02:27:50 ID:UcyMs8QG
そしてまた1年が過ぎた。

「社長、コーヒー買ってきましたわ」
「ありがとう、貴子さん」
瑞穂さんの声は自然と弾む。
今更理由なんて考えるまでもない。
「それにしても……たかが新進デザイナー、社長自らお出迎えなさらなくても、よろしいんじゃないですか?」
「室長こそ……わざわざお出迎えに付き合う必要もないでしょう、それこそ」
「あら、だって何をされるか分かりませんもの、お一人で迎えに行かれては心配です」

「That has nothing to do with you!」
「Any complaints?」
「Who do you think you are?」
帰国一言目から、本当に何も変わってない。
懐かしいやりとりは、ただ英語になっただけだ。
「ちょ、二人とも……いきなり喧嘩を始めるのはやめてよ」
おろおろする瑞穂さん。変わったと言えば私がこの姿を日常的に見るようになった事だろうか。
「んでさー、何でこんな所にこのヒステリー女がいるわけ?
 感動の再会が台無しじゃない」
「私はあなたのライバルですから……それに、今日は仕事で来ているのです。私も、社長も」
「はっ……言ってくれちゃって」
そうだ、何たってライバルが帰ってくるのだ、おちおち会社で仕事なんてしてはいられない。
「申し送れました。株式会社鏑木テクスタイルプランニング・社長室長の厳島貴子と申します。
 こちらが社長の鏑木瑞穂です。……以後よろしくお願いしますわ」
22314/14:05/03/02 02:30:06 ID:UcyMs8QG
「こりゃ……ご丁寧なあいさつをどーも。しっかし、まさか貴子が瑞穂ちゃんの手下になってるとはね……」
手下……ですか。ふふ、まぁ、そう言われても仕方ありませんわね。
「私、実家に愛想をつかしましたの……瑞穂さんのおかげで今は楽しく仕事をさせていただいてますわ」
「どっちかって言うと、僕の方がこき使われてますけどね」
「まぁ、社長……それはひどいですわ」
今のはフォローとしてありがたく頂戴しておきますわ、瑞穂さん。
「あたしも、一応自己紹介しとこうか? 自称デザイナーの御門まりやです」
「自称、なんだ」
「ん〜、まだまだひよっこだしね」
らしくない、謙虚な言葉ですわね。アメリカで大成功とも言える実績を残しての凱旋帰国だと言うのに。
「でも、凄い活躍してるみたいじゃない、最近はファイルがすぐに足りなくなっちゃって……
 あ、いや、えっと……」
「ん〜〜? なぁにぃ、瑞穂ちゃん、何を隠してるのかなぁ? でもまぁ、そうだね、何せ頑張ったからね。
 約束、守らないといけないし」
「そっか……お帰り、まりや」
「…………ただいま」
ゆっくりと近づいていく二人の顔の間に手を滑り込ませる。
「ラブシーンはどうぞ仕事が終わってから、ご自宅で存分になさると宜しいですわ、お二人とも。
 社長も、きちんと公私の区別はつけて下さらないと、困ります」
「う……面目ないです」
「なーによ、貴子、あんた相変わらず固いわねー」
「恐れ入ります、これも性分ですので。では、社長、行きましょう。
 まりやさん、お荷物、お持ちしますわ」
「はい。すみません貴子さん。それでは行きましょうか、まりやさん」
22415/14 最後入りきらなかったorz:05/03/02 02:32:07 ID:UcyMs8QG


そう、ここだけは譲れない。
株式会社鏑木テクスタイルプランニング社長、鏑木瑞穂は、
同・社長室長、厳島貴子の最高のパートナー。
これだけは誰にも譲る気はありません。
「例え恋人であろうと、公私の区別はしっかりとつけて頂きますので、お覚悟の程をお願いしますわ」
「うえぇ〜〜、ちょっと瑞穂ちゃん、貴子の奴、なんかパワーアップしてない?」
「うぅ……そうかも」
「まぁ、でも私がそういうの嫌いな事知ってるでしょ。難しい相談だなぁ」
不敵な笑みを返すまりやさん。
そんな事は百も承知です。
だからこそ、あなたは私の生涯のライバルなのですわ。

さぁ、戦いの日々がまた始まる。

225名無しさん@ピンキー:05/03/02 02:36:53 ID:UcyMs8QG
あー、えーと何でしょう。

工作板のみなさん、申し訳ありません。
宣戦布告のはずが書いてるうちに全然違う展開になってしまいました。
まぁ、まりやENDはあくまでまりやのENDって事で、貴子にはつらいルートなのは仕方ないのかもしれません。

貴子スキーな自分としては雪辱として、
次回はきちんと瑞穂視点の貴子とのラブラブ日記を書けたらいいな、と思ってます。
美智子×瑞穂、瑞穂×美智子も妄想ネタだけはあるので、いつかは文章化したいです。
では、どうもでした。
226126:05/03/02 02:39:12 ID:rFCMngEm
||| _| ̄|○ |||

>>209-224
…本気で、心のそこから申し訳ないっす…折角の力作なのに、うっかりよそ見しながらレス打ってたですよ。
しかもレスの内容が内容だけに更に凹む…( ;´Д`)
ここにスレ住人の皆様に、不快な思いをさせたことを心より謝罪させて頂きます。



…で、
力作GJっす!!貴子様の強さと弱さが垣間見られて…萌えでありました!!( ;´Д`)
ほんっとに申し訳なかったです!!
そして更なる貴子スキーの支援要請っ!!
227名無しさん@ピンキー:05/03/02 02:39:48 ID:jfVOhcU6
お疲れ様でした、面白かったです。
ラブラブ日記も楽しみに待っています。
228名無しさん@ピンキー:05/03/02 02:50:36 ID:McK+572k
>>225
こんな時間にオツカレ&GJ!!ヽ(´▽`)ノ
いきなりセルフバーニングはじめてる瑞穂にはちょっとビビッたけどなw
特に中盤からの貴子視点で続く地の文の、瑞穂の髪の毛や天井の違和感など
細かいところの表現が気に入りました。
12/14の切なさなんかかなりのもんです。
*・゜゚・*:.。゜(n‘∀‘)η゚・*:.。゜゚・*




229名無しさん@ピンキー:05/03/02 02:59:09 ID:UcyMs8QG
や、みなさん感想どうもありがとうございます。
こういった物を投稿するのは初めてだったのですが、
感想を頂くことが非常に嬉しいという事を初めて実感しました。
本当に次回への励みになります。

>>226
>>220はあまりお気になさらずに。
次の作品も期待してますぜ、兄貴。
230名無しさん@ピンキー:05/03/02 03:12:37 ID:dodPjb55
何故だろう?何で皆こんなに貴子の切ない心情を描くのが上手いんだろう?

>>225
瑞穂たん仕事中に・・・これが若さかw

>美智子×瑞穂、瑞穂×美智子も妄想ネタだけはあるので、いつかは文章化したいです。

是が非でもお願いします。
23145=116:05/03/02 07:07:52 ID:IRHsdCDF
>>225
GJです。なるほどこういう展開もありますか〜。
こういうところだといろんな解釈が出てきて面白いですね。

細かいところまで表現されているのを見習わなきゃ・・・

次の作品も楽しみです。


>>126さんもありがとうございます。

百合作品楽しみにしてます。
なにしろ、スレタイが女装と百合ですし、ガンガンお願いしますw
232名無しさん@ピンキー:05/03/02 18:40:09 ID:Bm+QTnL4
まりや「しゃぶしゃぶ〜♪しゃぶしゃぶ〜♪オチン●ンしゃぶしゃぶ〜♪ハイッ」
瑞穂「あ、あぁ・・・み、皆さん、や、やめて下さッ」
まりや「ジュポジュポ〜♪ジュポジュポ〜♪オチン●ンジュポジュポ〜♪ハイッ」
瑞穂「もう、イ、イク!・・・イッてしまいます!・・・ふぁっ!」
まりや「ゴクゴク〜♪ゴクゴク〜♪ザーメンゴクゴク〜♪」

みたいなパックンハーレムSSお願いします。
233お笑い担当:05/03/02 21:01:21 ID:wMeIvPx7
>>232
うむ、それを自分で書くのもまた一興ぞよ。

俺はギャグしか書けないorz
234名無しさん@ピンキー:05/03/02 21:02:22 ID:az2RPUej
ハーレムといいつつ、まりやしかやってないじゃないかw
235名無しさん@ピンキー:05/03/02 21:50:09 ID:UcyMs8QG
ちなみにここって非エロでも投下OKなの?
エロ苦手だから死活問題(;´д`)
236名無しさん@ピンキー:05/03/02 21:52:14 ID:lCkM5wAj
>>235
いいのでは?
237名無しさん@ピンキー:05/03/02 21:58:55 ID:H02q0E3d
OKだと思います、ボス!
238126:05/03/02 23:45:43 ID:ubMKkbvX
>>235
既にエロ無しの投稿もあるので気にせずともOKだと思のですよ〜
…今練ってるネタの一つが非エロなので同士が居れば心強いですw

で、今百合系ネタを作成中…今日投下しよう、なんて思ってたけれど、明日になりそうな悪寒も…
239名無しさん@ピンキー:05/03/03 00:35:00 ID:DQQzCgzT
>>235
щ(゚д゚щ) カムカムカモーン
240名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:12:51 ID:G6SvAQCv
;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';
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;';';';';';';'|_______________|;';';';';';';'
;';';';';';';';';';';';';';';';';';'| 1 年 1 く み  |;';';';';';';';';';';';';';';';';'
;';';';';';';';';';';';';';';';';';'| 周 防 院 奏  |;';';';';';';';';';';';';';';';';'
;';';';';';';';';';';';';';';';';'└ ──────┘;';';';';';';';';';';';';';';';'
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2411/2:05/03/03 01:22:18 ID:bN1p8Al7
サントラジャケットから脳内妄想してみた。


「この曲、すごく落ち着きますね」
「ふふ、気に入っていただけましたかしら?」
「はい。この柔らかい音が体にしみてくるというか・・・」
「気に入っていただいたいて何よりです」
・・・。
・・・・。
・・・・・。
「次の曲はなんだったかしら・・・。・・・瑞穂さん?」
「・・・・・・」
「瑞穂さん?」
「・・・すー・・・すー・・・」
「あらあら、いけませんよ。こんなところで眠ってしまっては」
「・・・すー・・・すー・・・」
「風邪を引きますよ・・・」
瑞穂さんの寝顔、可愛いですわね。
・・・ちょっとだけ。
チュッ。
「ん・・・・・」
「あら、お目覚めですか?」
「紫苑さん・・・?」
「おはようございます、瑞穂さん」
242名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:23:55 ID:bN1p8Al7
「え、あ!?ひょっとして私、眠ってしまいましたか?」
「ええ、気持ちよさそうに眠っていましたよ」
「あ、ごめんなさい!」
「なにを謝るのです。私は全然かまいませんでしたよ」
「でも・・・」
「気になさらないで。私は、瑞穂さんの可愛い寝顔が見られましたから」
「可愛いなんてそんな・・・」
・・・寝顔が可愛い・・・。

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
僕、男なのに・・・。

「瑞穂さん、どうかしましたか?」
「いえ、なんでもないです・・・」
紫苑さんの顔を見ると、ニコニコと微笑んでいる。
うぅ、絶対に僕の反応を見て楽しんでる・・・。
「それに・・・」
「はい?」
「目が覚める直前に、何かが唇に触れたような・・・」
「気のせいですわ」
「でも、確かに感触が・・・」
「考えすぎですわ、瑞穂さん」
そういってまた微笑む紫苑さん。
絶対何かしたはずだよ・・・。
243名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:32:25 ID:bN1p8Al7
>>241 2/2
なんか紫苑さんが紫苑さんじゃないような・・・。
スマソ
244名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:43:18 ID:D8ecZZnu
>>241-243
いやいやGJ!
やはりあのジャケットからはこういう妄想が広がってしまうものだ、うむ。
245名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:52:05 ID:SjaVbdpu
「想い出(むかし)と現在(いま)」1/4

「遅くなってしまいましたね」
華道部の新入生を見て欲しい、と言われて午後から顔を出したのだが、新入生が慣れない作法にあたふたとする様子が可愛くてちょっと長く居すぎたようだ。
正門へと通じる初夏の桜並木に夕暮れの紅い光りが映え、新緑に時折吹く風がサラサラと葉音を鳴らす。
いつもは喧噪に包まれる学舎も日曜日の夕暮れとなれば都内とは思えないほど静かだった。
「あら?」
人の気配を感じて立ち止まった。並木で風に当たっていた私はともかくとしてこんな時間に学内に残っているのは寮の子だろうか。
歩いてきたのは恵泉の制服を着た女の子だった。背の丈は大体私と同じくらい、つまり女の子としては高い部類に入る。
女の子? 確かに女の格好だが、雰囲気が違う。この雰囲気は…… 男の人の物だ。私の直感はそう告げていた。
また風が吹く、私からその人の元へと。
何かに気付いたようにその人は私の方へと振り向いた。
「……こんにちは。いえ、こんばんは、かしら…もう夕方ですものね」
気が付くとこれでも慌ててその人に挨拶をしている自分がいた。幼い頃から仕込まれた成果か声色には慌てた様子など微塵も乗せずに済んだが。
「こ、こんばんは……」
あちらは素直に慌てていた。まさかこんな時間に自分以外の人間が居るとは思ってなかったようだ。
「お散歩かしら……?」
何を動転していたのか私はこんな事を口走っていた。動転?
「ええ、まあ…そんなところです」
散歩、と言うのは嘘ではないようだ。しかもどうやら心労が溜まっているらしい。
「いい、音がしますね……」
半ば自分を落ち着けるためにそう言って私は目を閉じた。葉擦れが優しく心を落ち着けてくれる。
「そうですね……落ち着ける、いい音です」
確かに落ち着けた、はずだった。でも駄目、この人の顔を見ると胸が高鳴ってしまう。
「ええ、本当に」
その人は無防備に優しい顔になっていた。どうやらあちらの方は落ち着けたようだ。
「ふふ……では私はこれで。ごきげんよう」
私は気付くと微笑みを浮かべたあとその人に別れの挨拶を告げていた。
「また、逢えそうな気がします」
その人の脇を通り過ぎる時、自分でも驚いたことにこんな事を言っていた。その人は驚いて振り返っていたが、私は振り返れなかった。
246名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:52:53 ID:SjaVbdpu
2/4
「紫苑?」
あの人、いえ瑞穂さんが私を呼んだ。
「瑞穂さん、どうかなさいまして?」
「いや、珍しくぼーっとしましたけどどうしました?」
見られていたらしい。でもね、私が隙を見せるのは貴方だけですよ、瑞穂さん。
「いえ、ちょっと昔の事を」
「昔? 恵泉の事ですか?」
……瑞穂さんにしては鋭い。
「ええ、色々な事がありましたから。特に最後の一年に」
「僕も一生忘れられませんよ、紫苑と出会った場所でもありますし」
女の子にそんな事を言うのは反則です、瑞穂さん。と言う訳でちょっと反撃しちゃいます♪
「そう言えば思い出しましたけど、瑞穂さんたまに「かっ……」って言ってましたよね。
 あれ、一体なんて言おうとしたんですか? 私、実は気になっていましたの、明らかに誤魔化してましたよね」
「え、いや、その…… 何でも……」
ふふ、しどろもどろになっちゃってますね。でもだーめ、許してあげません♪ 困り顔の瑞穂さんが可愛いですし。
「さあさあ、仰って下さいな。夫婦の間に隠し事は無しですよ♪」
ここで必殺抱きつき攻撃、がっちりホールドしちゃいましたから逃げられませんよ。
「って言うか何でそんなに楽しそうなんですか!」
「だって楽しいですもの」
「言い切らないで下さい!」
「そんな事よりさっさと白状して下さいな」
ここで流し目攻撃も加えちゃいます。身長一緒だから抜群に効くんですよね♪
「ああっ、もう言います言いますぅっ。ですから…… その…… か、かわぃぃと……」
言っちゃいましたね、ふふふ。
「でしたら何であの時言ってくれませんでしたの?」
さらに必殺子犬のような純朴な目攻撃ぃ♪ 私、容赦しませんよ♪
「い、いや、それは、その……」
ふふ、流石にやりすぎましたわね。そろそろ勘弁して差し上げましょうか。
247名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:53:24 ID:SjaVbdpu
3/4
「まったく、瑞穂さんは可愛いですわね♪」
「いや、それを言われると男としては凹むんですけど……」
チャンス到来です。
「そうですわね、私のお腹にちゃんと『男性』が当たっていますもの♪」
「うわぁぁ。と言うか分かっていて抱きつきましたね、紫苑!」
当然です。
「即座に断言しないで〜」
地の文を読むとはやりますね、瑞穂さん。
「ふふ、覚悟はよろしいですかしら?」
『紫苑それは悪役です、悪役の微笑みです』
あら? 私も地の文が読めるようになってしまいましたか。まったく失礼ですわね、確信犯ですけど♪
「お喋りはここまでですよ、瑞穂さん」
「え、ちょっとそれはどうい……!?」
こういう意味ですよ、口を塞いでしまえば声なんて出せませんから。
「ふ、ふぐっ」
瑞穂さんの舌に私の舌を積極的に絡め、嬲り、愛撫します。
初めは抵抗するように、と言うか単に反応できていなかっただけの瑞穂さんも舌を絡み付かせてきて、
気が付くと私たちの舌はカドゥケウスの杖のように絡み合い、互いを求め合っていました。
「はぁ……はぁ…… 不意打ちは無しですよ、紫苑」
長い長いキスが終わり名残の銀糸も消えて、なおも燃え上がるこの気持ち。
貴方の反則的に可愛い顔見てると抑えが効きません。覚悟して下さいね、瑞穂さん。
248名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:54:02 ID:SjaVbdpu
4/4
事が終わって、息が整ってくると先刻思い出した事が蘇ってきました。
あの時、貴方に惚れてしまった事。
貴方と結ばれる事は有り得ないと判っていたから私はそれをを閉じこめました。
でもそれを貴方は打ち砕いてしまいましたね。
「どうしました?」
気付くと私は貴方の背中に抱きついていました。
「いえ、何も。でも、もう少しこのままで居させて下さいませね」
「はい」

end
249名無しさん@ピンキー:05/03/03 01:57:59 ID:SjaVbdpu
いやもうエロシーンばっさり削除で申し訳ない……
紫苑様視点だとどうにもエロシーンが書けませんでした。

冒頭と続きで文体が違うのは本来冒頭が独立しているからです。
つまり短すぎるから蛇足的に無理矢理続きを………


ヘタレだ……
250名無しさん@ピンキー:05/03/03 02:10:07 ID:DQQzCgzT
(・∀・)イイヨイイヨー
こういう風に、本編の場面を膨らませるってのも良いモンだね
251126:05/03/03 02:31:53 ID:PVJ2nm0D
>>241-242
>>245-248
これは良い紫苑様だ( ;´Д`)
GJっす!!

やはり紫苑様は子悪魔的な行動が良く似合うなぁ…
252名無しさん@ピンキー:05/03/03 03:38:02 ID:69nuBQ9B

[この作品には暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。心臓の悪い方、貴子ファンの方は読まないでください]

まりあEND・その後日談
「……もう、瑞穂ったら、六年ぶりに会った彼女に少しひどいんじゃない?」
「……そうかな。たとえばどんなところが?」
「た、たとえば、ろ、六年ぶりなんだから、もう少し優しく抱いてくれても……おしり、まだ少し痛いし」
「ごめんね、まりあ。お詫びにいいものを見せてあげるよ」
「いいもの?」
「出ておいで。貴子」
「え? た、貴子? あんたその格好……ボンテージに猫耳に首輪っっ?」
「さあ、貴子。挨拶は?」
「わ、わたくし、厳島貴子は鏑木瑞穂様に奴隷として一生の忠誠を誓う、卑しい哀れな雌猫です。どうかお見知りおきください」
「みみみ、みずほ、こ、これはどどどういうこと?」
「どういうことも何も、物欲しそうにしていたから、抱いてあげたんだよ。そうしたら後は坂道を転がるがごとくこのざまさ。頭のいい女は実はスケベって本当だったんだな」
「み、瑞穂様ぁ。ちゃんと言えましたわ。ご、ご褒美をくださいませ」
「しかたがないな、貴子は。……ほら口あけて」
「んっ、くっ、はぁ、もっと、もっとください……んんっ、はぁはぁはうんん」
「いやらしいな、貴子は。キスだけでもうこんなにここを濡らして。乳首もビンビンに立っちゃってるよ……ミルクは美味しかったかい? 貴子」
「はい。こんどは瑞穂様のミルクを飲ませてください」
「た、貴子、あんた……」
「その前に仕事だ。ここにいるまりあをお前と同じただの雌猫にしてあげるんだ。お前と同じ、いや紫苑や奏や由佳里と同じにな」
「はい。分かりました、瑞穂様。――さあ、まりあさん。おとなしく観念なさい」
「やめて貴子。正気に戻って。――んぷっ、んんん、あん、だめ、まだ私、ひぁぁぁっ」

ごめん、良心の呵責にそろそろ耐えられなくなってきたから、ここでやめるわ
253名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:05:49 ID:7IUEvAVg
途中放棄イクナイ!!
最後まで仕上げるのですよ〜
254252ではないけど:05/03/03 05:16:52 ID:R6FzycL7
「はっ……はっ……、んむっ、ちゅっ……はぁ、あんっ……まりやさんのここ、
 ……瑞穂さまの味がしますわ……何て憎らしい……けど、おいひぃれす、ふんぅ……」
「ふぁ。んんっ……ちょっ、貴子っ、お願い……もう、やだぁ」
「何をおっしゃってるの、あなたも……こっちにいらっしゃい……。
 みんなで瑞穂さんに可愛がってもらいましょう……」
「じょっ、冗談じゃないわよっ! ……ふざけないでっ! 瑞穂ちゃんは私の物よ!!
 何が皆でっ……んぁあっ……可愛がって、くぅ……もらいましょうだっ!!」
「きゃっ」
「あんたらと一緒に、一山いくらみたいな、そんな安売りされるような女じゃないのよ、こちとらっ!!  その他大勢に含まれてたまるかっ!
 あたしと瑞穂ちゃんはねっ……かかった年季が違うのよっ!!」
「なっ……まりやさん、落ち着いて下さい。心を開くのです。そうすれば皆で幸せに……」
「いつまで、トチ狂った事言ってんのよっ!! 怪しい宗教じゃないんだから、
 さっさと目を覚ましなさい、莫迦貴子っ!!」
「きゃっ、あぁ! そんな、貴子さん、やめて下さい。んぁあっ……だめぇ……指ぃ、いれちゃらめぇ」
「うっさいわねー。黙って待ってりゃすぐによくして上げるわよ。
 瑞穂ちゃんなんか忘れさせてあげる。すぐに、ねっ」
「はぁんっ……やぁ、なのぉ、わた、くし……んあぁああっ、そっちはっ! 
 違いますっ、そんなっ、汚いっところを……まりやさんの、指が、前と後ろで……。
 わた、わたく、し……おかしくなってしまいますわっ!」
「安心しなさい。あなたはとっくに狂ってんだから。しかし、瑞穂ちゃんもまだまだ甘ちゃんだねぇ、
 雌猫だぁ? 後ろも未開発でよく言うわよ。よっぽどこいつが弱かっただけじゃないのっ、よっ!」
「んぁ、んぁぁああああああああんっ!」
「どう、貴子? 気持ちよかったでしょう」
「……はっ、……はっ、……はぁ」
「そっかそっか、返事できないか、可ぁ愛い事。さっすがお嬢様。
255名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:18:27 ID:R6FzycL7
「…………さてと。…………瑞穂」
「な、何だよ。……まりや」
「6年間も離れてたからって、上下関係まで忘れちゃったみたいね、あんた」
「ぼ、僕は、あの頃の僕とは、……違う」
「そ、少しは成長したのかな? それでちょーっと勘違いしちゃったんだね。
 可愛そうに。莫迦な瑞穂ちゃん」
「う、ぐ……」
「いい機会だから再教育してあげる。あんたが誰の物か、もう一度、よぅく教え込んであげるわ」
「あ、わ、はわわわわわ………」
「あら、懐かしい顔をするじゃない、ふふっ、今回のお仕置きはちょーっときついわよ。
 覚悟はできて?」
「ご、ごめんなさぁぁああああーーーーいっ!!」

こうして、哀れな子羊の叫び声の響く中、今日も夜は更けていくのでした。

256名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:21:21 ID:R6FzycL7

「どうかしら」
「どうって……圭さん、これ、本当に学校の劇でやるつもり?
 大体、どうして瑞穂さんが男なのです?」
「ちょっとした冗談よ。ただ、書いてるうちに盛り上がっちゃって、
 折角だから、美智子に読んでもらおうかと思っただけ」
「まぁ、圭さんったら、つまり自分が欲求不満だという事を、私に伝えたかったのですね」
「いや、違……くもない……けど」
「ふふ、可愛らしいですわ。素直に抱いて欲しいっておっしゃればいいのに」
「そんなこと……言えない……」
「じゃ、頑張った圭さんにご褒美、早速あげなくてはいけませんね」
「やぁっ……美智子、駄目だって、誰か来たらどうするの」
「その時は、その方も混ぜてしまいましょうか」
「何て事言って――」
ガラッ
「はぁ……僕、もう元の生活には戻れないかも……って……」

      ○ <……
      大                     >┼○ <……
                             >┼○ <……
257名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:22:55 ID:R6FzycL7

「……えっと、私、何も見てませんから、それではごきげんよう」
「圭さん、捕獲」
「……がってんだ」
「わ、わわわわわわ、誰か助けてぇ〜〜〜〜〜」

次回予告
来週のおボクたんは
「ショック、私のお姉さまがオトコノコ!」
「誕生、両刀(パーフェクト)美智子さん!」
「果てしなき3Pの果てに……」
の三本です。お楽しみにぃ(大嘘)
258名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:29:24 ID:R6FzycL7
ムラムラしてやった。252読んでたら盛り上がってしまった。今は反省しつつも満足している。

前述の通りエロは苦手なんですが、逃げてても仕方ないので、頑張ります(`・ω・´)
259名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:37:24 ID:zQuiTtz2
>>252
>>254-258 両人ともGJ!
まりやの反撃で瑞穂ちゃんってやっぱり尻に引かれるんだなあ。とか思ったら。
オチが素敵杉ますわww

来週のパーフェクト美智子さんカッコィイ!w
260名無しさん@ピンキー:05/03/03 05:40:23 ID:D8ecZZnu
>>252
たまにはこんなお話もいいかもしれない。
いいんだ、キャラに愛情さえあれば!

>>258
上手くつなげたな。GJ!
がんがれ!
261名無しさん@ピンキー:05/03/03 07:26:34 ID:R6FzycL7
それはまた朝から糞ループかましてスマンカッタ
262名無しさん@ピンキー:05/03/03 07:28:07 ID:R6FzycL7
やっちまったよorz
263誤爆のお詫びに真昼間から一つ投下:05/03/03 09:54:59 ID:R6FzycL7
「お姉さま……」
貴子は一枚の紙切れを指先で弾く。
プリントの一番上の行には、本文よりも二回りほど大きなフォントで『異議申し立て書』と記されている。
代表人の名前は、宮小路瑞穂。
「やはりあなたは、私の敵……なんでしょうか」
事の発端は前日の朝に遡る。
264名無しさん@ピンキー:05/03/03 09:55:44 ID:R6FzycL7


「おはようございます、皆さん」
朝の澄んだ空気を淀ませることのない、独特の活気に満ちた喧騒。
貴子の声、表情はいつになく柔らかだった。
視線は自然と集団の中心人物へと向けられる。
だが、貴子は気付いていない。
その人物から向けられる微笑みこそが、自分を上機嫌にさせているということに。
しかも残念な事に、その無意識下のささやかな喜びさえ、長く続く事は許されなかった。
「あら、おはようございます。珍しい方にお遭いしますわね」
心待ちにしていた声は聞こえることもなく、神経を逆撫でするような慇懃無礼なあいさつが返ってくる。
あろう事かソレは、貴子とその方とを結ぶ視界にまで割り込んできた。
自然と、と言うにはあまりにも加速度的に気持ちが黒ずんで行くのを感じた。
もう、先程までの朝の面影はどこにもない。一瞬で全てぶち壊しにされてしまった。
「おはようございます、まりやさん」
出てきた二度目の挨拶は一度目のそれとはかけ離れた音色。
「おはようございます、貴子さん、君枝さんも」
心待ちにしていたはずのその言葉も、湧き上がる自分の感情に濁されてしまい、
貴子の奥深くまで響くことはもうなかった。
「珍しいですね、こんなところで……どうなさったのですか?」
「いえ、ちょうどここで君枝と会ったものですから、ついでで業務の打ち合わせなどをしておりました」
瑞穂に返した言葉さえ、多少の怒気をはらむものになってしまっていた。
瑞穂の人柄は貴子だって知っている。
だから、そんな意図はないと、そんな事を瑞穂が言うはずはないと理解しているはずなのだが、
瑞穂までが自分がここにいてはいけないと言っているような気がしてしう。
なんだろう、黒ずんだ気持ちは深く深く、蒼に染まっていった。締め付けられるような思い。
宿敵の言葉よりも何倍も重く、きつく響く。
分からない、この人は敵? 味方?
迷いの中で、でも貴子は敵であって欲しくないと願った。
265名無しさん@ピンキー:05/03/03 09:57:08 ID:R6FzycL7
「…………」
新入生だろうか、背の小さな子が瑞穂の背中に隠れるように移動した。
ざわつく。蒼く沈んだ心にさざなみが立つ。
わけも分からぬまま、貴子はたまらず視線を外した。
「ごくろうさまです」
「い、いえ、当然の事ですから」
たった一言だけど、瑞穂にかけてもらった労いの言葉に、貴子の声はやや軟化した。
やっぱり、さっきの言葉だって深い意図はなかったはずだ、瑞穂さんには。
そう思えた。
自分でも、言葉から威圧感が薄くなったのが自覚できた。
だが、事もあろうに、その少女は、貴子の言葉に会わせるように、
瑞穂の袖をキュッと握ったのだった。
「では、私たちはこれで……」
「え、ええ……」
返事が浮つく。
立ち去ろうと、横を通り過ぎていく瑞穂達。
瑞穂の袖を握った少女は、まるで貴子から守ってもらうかのように、瑞穂の影に回り込もうとする。
そして、横を通り過ぎる瞬間、貴子の横顔をちらりと覗き見た。
目が合った。
慌てて目を逸らすと、また瑞穂の影に隠れようとする。

「……お待ちなさい」

次の瞬間。貴子はその子を呼び止めていた。
266名無しさん@ピンキー:05/03/03 10:00:01 ID:R6FzycL7

誰もいない生徒会室。
「…………あのリボンは校則に違反するもの、それは確かなことです。
 他意など……ありません」
貴子は自然、ひとりごちた。
「お姉さま。あなたが私の敵として立ちはだかるのならば……
 それならば、私は一歩も引きません。
 私は自分が正しいと思ったものを貫きますわ」


奏によってイメージ的に作られた、瑞穂と貴子の対立像は、
今や現実の物となっていた。
貴子、瑞穂、奏。あと一応まりや。
それぞれの意識、無意識の思惑が皮肉な結果を生んだ。

それでも貴子は捨てきれない。
敵として相対し言い合うのではなく、友として肩を並べて語り合う二人を。
次の時間は世界史だ。
近頃待ち遠しく感じていたこの時間も、今日は少しだけ憂鬱に感じられた。

267名無しさん@ピンキー:05/03/03 10:03:47 ID:R6FzycL7
いじょっす。

んー、なんだろう。
もっとこう、貴子の感じた嫉妬ってのはささいな違和感でしかなかったと我ながら思うのですよ。
やはり言語化してしまうと、大げさになってしまいますね。
当初、三人称にすることで、貴子には無意識の事を表現しようとズルを目論んだのですが、
なんだか仰々しくなって逆効果になってしまったかも。
貴子の苦悩を感じ取ってもらえれば幸いです。
268名無しさん@ピンキー:05/03/03 10:39:05 ID:H9WPbj62
>267
GJ!
269名無しさん@ピンキー:05/03/03 13:52:51 ID:worX6vc2
>267
GJです。
非エロなんですが、投下してみてもいいですか?
かなり長くなってしまった(36.5KB)ですが
私的に寮内のエピソードで欲しかったものを書いてみたのですが。
270269:05/03/03 14:01:09 ID:worX6vc2
「……ただいま。」
憂鬱な気分を隠しもせずに寮の玄関を潜る。
「おかえりなさい。あらあら、瑞穂さん。びしょ濡れじゃないの。」
声を聞きつけ、厨房から出てきた寮母さんが、僕を姿を見て驚いて云った。
「あ、只今戻りました。夕立に遭ってしまって。」
雨に濡れた制服の裾を絞りながら、苦笑交じりに告げる。
「まぁ、大変だったわね。濡れたままでは風邪を引いてしまうわ。お風呂、
沸かしてありますから、お入りなさい。」
寮母さんは着けていたエプロンで僕の顔を拭きながら云った。
「す、すみません。ありがとうございます。では、お風呂頂きますね。」
「ええ、ゆっくり暖まってらっしゃい。出る頃には夕御飯の準備もできますから。」
はい、と答えると、寮母さんは暖かい微笑を浮かべた。


「ふぅ。」
湯船に浸かるとやっと人心地がついた。
「……それにしても。」
さっき着替えを取りに部屋に行った時のことを思い出す、
「ふふっ、一子ちゃんはほんとに良い子よね。」

271269:05/03/03 14:03:28 ID:worX6vc2
かちゃ。
扉を開いて部屋に戻ると
「あ、おかえりなさい!お姉さまっ!!」
今日も元気な一子ちゃんは、僕に勢い良く飛んでくる。
「わわっ。ちょっ、ちょっと待って!」
僕は、慌てて制止する。
「うにゅん?」
一子ちゃんは、何故止められたのかがわからないのか
首を傾げている。
「あわわわっ、お、お姉さま。どうなさったんです?
びしょ濡れじゃないですか〜!」
僕が濡れているのに気が付いたらしい。
「は、早く、お体をお拭きしませんと、冷えて風邪を
引いてしまいますっ。」
慌てた一子ちゃんがタオルを掴もうとする……けど
「……スカッ。」
手がすり抜けてしまう
「……スカッ、スカッ。」
もう一度掴もうとするが、やはり掴めない。
「おおお、お姉さま〜?!タ、タオルが掴めませ〜ん〜!」
ダバダバと涙を流しながら一子ちゃんが云う。
「ま、まぁ、それは…ね。」
ティーポットが掴めなかったんだから、当たり前なんだけど。
「うううっ、ごめんなさい。お姉さま。」
しゅん、となった一子ちゃんが云う。
「あら、ふふっ、いいのよ。」
そんな一子ちゃんが可愛らしくて自然と優しい口調になる。
272269:05/03/03 14:04:52 ID:worX6vc2
「で、でも。お姉さまが雨に濡れてらっしゃるのに、吹いて差
し上げることも出来ないなんて。只でさえお茶は淹れられない
わ寝相は悪いわで、ご迷惑かけまくりの居候幽霊なのに、これ
ではほんとに浮いているだけで何の役にも立たない、存在して
いるだけで迷惑度だけは百点満点な感じです。」
相変わらずマシンガンの様な早口で一子ちゃんは云う。
「そんなことはないわ、一子ちゃん。忘れてしまったのかしら、
私、一子ちゃんのおかげでプールの授業に出ることができたのよ。
それだけでも大助かりよ。それにね、一子ちゃんがいるおかげで、
毎日を退屈しないで過ごせているのよ。ほんと、一子ちゃんには
感謝しているのよ。」
「……お姉さま。」
一子ちゃんは嬉しそうに微笑みを浮かべる
「だからね、自分が迷惑掛けてる、とか、もう云わないこと。いいわね。」
「……は、はい。お姉さま、ありがとうございます。」
「ふふっ。」
「えへへ。」
僕たちは二人で目を合わせると、笑い合った。
273269:05/03/03 14:06:31 ID:worX6vc2
「く、くしゅん。」
不意にくしゃみが出た。いけない、冷えてきたかな?
「お、お姉さま?!は、早くお風呂に入って暖まってきて下さい!」
一子ちゃんが慌てた様子で云う。
「そ、そうね。そうするわ。」
僕は着替えを用意するとお風呂に入りに行った。



ほんとに一子ちゃんは良い子だと思う。普通なら自分の境遇を
嘆いて、それこそ自棄になってしまいそうなところなのに、な
によりも僕のことを心配してくれている。まぁ、未だに幽霊だ
という自覚が薄いみたいではあるけれど。
ちゃぷ。
 お湯を掬って肩口に掛ける。冷えてしまっていた体がようやく
温まってきた。

274269:05/03/03 14:07:46 ID:worX6vc2
「さて、そろそろでましょうか。……ん?」
 湯船から立ち上がり出ようとした時、廊下のほうからドタバタ
と足音がした。
「早く、お風呂に入りましょう。由佳里ちゃん。」
「うん、そうしよう。」
脱衣場の扉が開く音とともにそんな声が聞こえてくる。
「あぁ、奏ちゃん達も雨に濡れてしまったのね。」
……あれ?…なにか
「あれぇ?籠に制服が置いてある。」
「えっ?ああ、きっと瑞穂お姉さまなのですよ。お姉さまも雨に
濡れてしまったのですよ、きっと。」
ああ!し、しまった!!!
「ど、どうしよう。」
僕はすっかり忘れていた。今まで皆が入り終わった後にお風呂
に入っていたので考えてもいなかった。
275269:05/03/03 14:09:03 ID:worX6vc2
「わわわわわ。」
湯船で立ち上がったままの状態で、パニックに陥っていると奏
ちゃん達が脱衣場から浴室に向かってくるのが、擦りガラスの
扉越しに見えた。
「お、お姉さま!」
浴室の天井から一子ちゃんが一目散に飛んできた。
「し、失礼します。お姉さま。」
瞬間、一子ちゃんの体が光ったかとおもうと、その姿が消えて
いた。何が起こったのか理解できずにいると、
「失礼しますのですよ〜。お姉さま。」
「し、失礼します。」
かちゃり、と扉を開けて奏ちゃんと由佳里ちゃんが入ってきた。
「……。」
奏ちゃんと由佳里ちゃんは立っている僕を見ると目を大きく見開いた。
「……あ、あの。」
ああ!もう駄目だ!言い訳しようが……
「……きゅう。」
「……ふにゃぁ。」
いきなり二人がその場に崩れ落ちる。
「か、奏ちゃん?!由佳里ちゃん?!」
悲鳴をあげるならわかるけど、なんで倒れちゃうの?!
276269:05/03/03 14:09:45 ID:worX6vc2
慌てて二人に駆け寄ろうとするが、なにか胸のあたりに違和感が?
「えっ?!」
違和感を感じて胸のあたりを伺うとそこには……
「む、胸?!」
あるはずのない二つの膨らみがそこにはあった。
「ま、まさか?」
慌てて股間に手を伸ばす。
「……な、無い。」
本来あるべきはずの物がそこには無かった。
「ぼ、僕、女の子になっちゃった?!」
あまりのことに茫然自失になる。
「そんな、こんなことが……。」
あった。以前にも
「でも……。」
その時は自分の意志で動くことは出来なかった。プールの授業の時、
意識はあったけど体を動かしているのは一子ちゃんだった。でも今は。
「……っと、いけない。」
今はそれどころではない。何故か倒れてしまった二人を休ませなくては。
「あぁ、まいったまいった。いきなり降ってくるんだもんなぁ。」
脱衣場の扉が開き、雨に降られたのだろうずぶ濡れのまりやが入ってきた
277269:05/03/03 14:10:31 ID:worX6vc2
「あ、まりや。」
「どうしたの?瑞穂ちゃ……っ?!」
浴室の扉のあたりで裸のまま(一応タオルで大事なところは隠れているが)
倒れている二人を見て、まりやは目を丸くする。
「よくわからないんだけど、私を見て倒れてしまったの。」
「ああ、そう、瑞穂ちゃんを見て?……って?!」
「どうしたの?まりや。」
僕の方を見たまま、まりやは固まってしまった。
「どどどどうって、み、瑞穂ちゃん……だよね?…あ、その、……一子ちゃ
んじゃないんだよね?」
まりやの言葉で理解した。
「ああ、うん。僕なんだけど。」
……なんて云ったらいいのか。
「じゃあ、別に見られたわけじゃないんだね?その、……ほんとの姿を。」
「う、うん。だと思う……けど。」
けど、ではなんで倒れてしまったのかが……
「ま、とりあえず二人をこのままにしておくわけにもいかないね。」
「……そうだね。」

278269:05/03/03 14:11:37 ID:worX6vc2
「それで?」
まりやが奏ちゃん達に声を掛けた。
あの後、奏ちゃんと由佳里ちゃんを起こしてそのままお風呂に入らせた。
僕は先に上がったので、まりやと三人での入浴となったが、二人とも入浴
中はボーっとしたままで話を聞けなかったので、お風呂で温まって落ち着
いたところで食堂に集まり話を聞くこととなった。

「どうして倒れてしまったのかしら。」
僕はもう自分の体、つまり男に戻っている。奏ちゃん達が僕が入っている
お風呂に入ろうとしていることに気が付いた一子ちゃんが、僕に取り憑い
て助けてくれたらしい。
「私、とにかく夢中だったので、なんでああなったのか、……よく、わか
らないんです。」
結局……なんで僕の意思で動けたのかは、一子ちゃんにもわからなかったけど。
「えぇっと。」
「はぅぅ。」
顔を真っ赤にしながら俯いてしまう奏ちゃんと由佳里ちゃん。
こんなに云い難そうなところを見るとやっぱり、……ばれたのかな


279269:05/03/03 14:12:27 ID:worX6vc2
「ほらほら、そんなに云い難いことなの?見なさい、瑞穂ちゃんが心配になっ
ちゃって、暗い顔になっちゃってるよ?」
まりやの言葉に驚いたのか二人揃って弾かれたように顔をあげる。
「ご、ごめんなさいなのです!」
「ご、ごめんさい。」
赤い顔のまま二人して頭を下げる。
「……なんで謝るのかしら?」
よくわからない、騙しているのは僕なのだから、謝られる立場ではない。
「あ、あの、その、お、お姉さまがあまりにもお綺麗だったので、お、驚いて
しまって……。」
「……はぁ?」
思わず間の抜けた声が漏れてしまう。
「か、奏もなのですよ〜。奏もその、驚いてしまって……。」
き、綺麗だから驚いて?ってことは。
「ははぁん、そうか瑞穂ちゃんの裸に目が眩んだか。」
まりやが楽しそうにツッコミをいれる。
「は、はいなのです。」
「は、はいぃ。」
またまた顔を真っ赤にして俯く二人
「まぁ、恥ずかしいわ。ふふっ」
男だとバレたわけではないとわかったので、気持ちにゆとりができてきた。
280269:05/03/03 14:13:43 ID:worX6vc2
「でも、困ったわね。私の裸を見るたびに倒れてしまっては。」
「ん〜。そうだね。ま、今後は瑞穂ちゃんは必ず一人で入浴してもらおう。」
にはは、っと笑いながら目配せをするまりや
「そうね。では皆が入った後に、私はお風呂を頂くことにするわね。」
僕はまりやに軽く頷きかける
「ご、ごめんなさいなのですよ〜。」
「ごめんなさいです。」
「ふふっ、いいのよ。」
頭を下げ続ける二人に僕は微笑んだ。
「しっかし、あれだね〜。」
まりやが首を振りながら云った。
「ほら、前に瑞穂ちゃんの部屋でさ、パジャマパーティやったじゃない。」
体育の着替えで悩んでたときのことだ。
「ええ、それが?」
「いや、瑞穂ちゃんのネグリジェ姿見たら鼻血出して倒れちゃうよーって冗談
のつもりで云ってたんだけど、……ほんとに、倒れちゃったね。まぁ、今回は裸
だったけど」
そういえばそんなことも云ってた……かな?
「……きゅう。」
「……ふにゃぁ。」
裸という単語を聞いて思い出したのか、奏ちゃんと由佳里ちゃんがフラフラと机に
突っ伏してしまった。
「おやおや、こりゃ、すごい破壊力だったんだね。」
「…あは、……あはは。」
なに?破壊力って
「……はぁ。」
とりあえずなんとかバレずに済んだけど、こんな生活がまだまだ続くのか、とほほ。
なんだかやるせない気持ちになってきた。ふと、窓から外を見やると、
……騒動を起こした悪戯な雨はもう上がっていた。

fin
281あとがきめいたもの:05/03/03 14:17:44 ID:worX6vc2
269です。
拙い文章ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
せっかく女子寮に男がいるのだからお風呂絡みの
ドタバタが欲しかったなぁ、と思っていたので、
自分で書いてみました。
作中の演出とか(キラキラ光る瑞穂ちゃんとか)
想像しながら読んで頂けたらと思います。
駄文失礼致しました。
282名無しさん@ピンキー:05/03/03 14:46:55 ID:MhL0syxv
萌え転がったぞ!ゴルァw
283名無しさん@ピンキー:05/03/03 17:38:30 ID:9ec7mP3N
36.5KBっていうからどれだけ長いのかと思ったぜw
(本当に36.5KBだったら原稿用紙約47枚相当)
まあ、それはさておきGJでした!
284名無しさん@ピンキー:05/03/03 18:48:24 ID:Trn+dQYz
葉鍵の娘どもに輪姦されるスレ
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1093546309/

俺的神スレのこんなシチュエーション頼むわ
285名無しさん@ピンキー:05/03/03 19:52:45 ID:K5/DiDG3
同窓会ネタとか思いついたんだけど、全然、まとまらない・・・orz
286ヤマモン:05/03/03 20:25:08 ID:bEb3br/o
一子がなぜか妊娠
→幽霊なのに!?で大騒ぎ
→そのままじゃ産めないからと瑞穂に取り付く
→瑞穂の妊娠&出産体験
などということを妄想してしまったorz.一子エンドに救いをあたえようとしたんだが
287名無しさん@ピンキー:05/03/03 20:27:44 ID:tGskHYcd
いやそれ救いじゃないからw
つーか、幽霊に生理があるとは考えにくいんだが。
288名無しさん@ピンキー:05/03/03 20:30:08 ID:G6SvAQCv
なんかおとボクのSSってエロありでも
すごく健全っぽい感じがするのはなぜだろう・・・
289名無しさん@ピンキー:05/03/03 21:04:44 ID:ohDZZceP
エロではない、子孫へ命を繋ぐ儀式だw
290ひな祭りです 1/3:05/03/03 21:21:35 ID:i4lmumwp
「本日は女の子のお祭り、ひな祭りです!!」
まりやの宣言にパチパチパチと後輩二人から控えめな拍手が起こる。
「今日のために取り寄せました、福岡の名酒『お雛ざけ』」
「良いのでしょうか、未成年なのにお酒なんて」
「甘酒はお酒のうちに入りませんから問題無いのですよ〜〜」
「白酒だけどね。由佳里も細かいこと気にしないで楽しみなさいって」

「ええと、お姉様を差し置いて私などがこの場にいて良いのでしょうか」
(良いのよ、一子ちゃん。今日は女の子の日ですもの。私なんかより一子ちゃんの方が
相応しいわ)
「ううう、お姉様ありがとうございます」

と、言うわけでまりや、一子(瑞穂)、由佳里、奏の4人は食堂に集まっていた。
今日は3月3日ひな祭りである。

まりや手ずから4つの湯飲みに白酒を注ぐ。
『それでは、乾杯〜〜」
「あ、これ結構度数高いから、少しずつ飲んでね」
残念ながらまりやの忠告は二人が目をつぶって一気にあおった後だった。
「わわわ、由佳里さんも奏さんも倒れてしまいました」
「きゃははは、二人ともだいぶしっかりしてきたと思ったけど、まだまだ子供ねー」
「私とはともかく、まりやさんとは2つしか違わないじゃないですか」
一子は苦笑しながら、ゆっくりと湯飲みを口に運び一口飲むと、小さく息をついた。
「お、一子ちゃん以外といけるくち?」
「はい、よくお姉様のお付き合いをしていたので」
実は白酒は初めてなのですが。と照れくさそうに笑う。
「い、意外ね……瑞穂ちゃんのお母様が……それはともかく、2人だけになっちゃった
けど飲みましょう!」
「はい!」
291ひな祭りです 2/3:05/03/03 21:22:29 ID:i4lmumwp
「ちょ、まって、おねがい、やめてくだ」
腰が砕けて四つんばいになってしまった。
「まりやさ、ごめ、おねがい、まって、ひゃいっ!」
片手を伸ばして胸をもんでみる……ん〜 いい揉み心地
もちろん脇腹への攻撃は継続中
「ほんとに、んっ、、、ダメ、おねがあぁぁ、、、まり、、やんっっ」
上に覆い被さったまま、顔をのぞき込む。

……うわーーっ
あの瑞穂ちゃんが、顔真っ赤にして目を潤ませて私にすがるような顔をっ!!
胸がキュンッとした。手垢のついた表現だが、そうとしか言いようがない。
瑞穂ちゃんはそっと顔を近づけるとキスしてきた。

頭が冷えたような、暴走してるような、不思議な浮遊間を感じながらそっと仰向けに
寝かせ、再び唇を合わせる。
目を閉じて気持ちよさそうにキスを受ける瑞穂ちゃん……
そこでもう一度脇腹を攻撃!
「んんっっ……!!」
上半身をのけぞらせるが、唇を追いかけて悲鳴を全部飲み込む。
「…っっ!、……っ!!!、ん…」
気持ちよさそうにビクビクと跳ねる体。
気がつくと、瑞穂ちゃんは足で私の腰を挟み、体が離れないようにしていた。
愛しさがこみ上げる。
「瑞穂ちゃん!!」
292ひな祭りです 3/3:05/03/03 21:23:06 ID:i4lmumwp
ガチャ
その時、あり得ない音がした。
『あ』
振り返ると、まじまじとこちらを見ている由佳里、奏と目が合った。
「ご、ごめんない。邪魔するつもりじゃ」
「か、奏たちはお部屋に帰ります〜 後はごゆっくりなのですよ〜〜」
「いや、ちがっ」
「あん、お姉様〜、もっと」
「何言ってるの、一子ちゃん!」
これ以上邪魔をしては大変とばかり、そそくさと逃げ出す二人。
「違うのよーーっ、、んん…」
まりやの叫びは、一子のキスによって封じられた。

(何がどう違うのかな、まりや)
瑞穂(本物)の突っ込みは、誰にも届くことなくむなしく消えた……




白酒は、甘く口当たりがよいですが、アルコール度数は8%前後あります。
飲みやすいからと言って油断すると、ひどい目に遭います。
注意しましょう。
お酒は20歳になってから。

293290:05/03/03 21:31:29 ID:i4lmumwp
3/3投稿した瞬間、PC落ちた
興奮しすぎだ、私のPC!

妄想を文章にするって大変ですね
お目汚し、申し訳ありません
29445=116:05/03/03 22:05:22 ID:4oASrQbO
なんかちょっと目を離していたうちにすさまじい名作の嵐が・・・
自信無くなっていく・・・orz

>>290
GJ!
GJ、ですが・・・続きよろしくですw


私は今、まりや、貴子、瑞穂、そして○○を交えたコワレギャグを書いています。
・・・コワレギャグを書いているというか・・・私がコワレ始めたのかもしれませんが・・・
295名無しさん@ピンキー:05/03/03 22:18:37 ID:R6FzycL7
本当、書いているうちにスレがどんどん進んで行きますね。
そして、どれもレベルが高い萌え力を搭載していて、多角的な悶え方をするという…

やはり時代はほのぼの萌え萌えなのか!?
書いてやる、書いてやるぞ、ぼの萌えSS。
でも、シチュを練る脳みそが枯渇したので、おとぼく再プレイ中。
さて、誰を攻略するか。奏ちゃんとかぼの萌えによさげなのですよ〜。
296名無しさん@ピンキー:05/03/03 22:34:16 ID:D8ecZZnu
ぐはぁっ・・・( ゚Д゚)、;'.・
皆様レベルが高い・・・
とりあえず萌え死んでおきますね


⊂⌒~⊃*。Д。)⊃ <受けだよ瑞穂タン受けだよ…
29752:05/03/03 23:39:13 ID:xNJEdOGt
( ゚д゚)
修羅場から舞い戻って久々に覗いたら… なんだか凄い盛り上がり様。
二次創作に向いている作品だとは思っていましたが、これほどとは…
皆様本当にグッジョブです。

書きかけのヤツどうしよ、デキの悪さに恥ずかしくなってきた…うう。
298名無しさん@ピンキー:05/03/03 23:41:01 ID:MavIzFwB
「ぼ、僕いったいどうしちゃったんだろう……体が熱くて、なんだかHな気分に……」
目の前には一枚の姿見。そこには女の子の格好をした自分が写っている。
「凄い。こ、こんなになってるなんて……」
膝をついてスカートをまくり上げ、その裾を口にくわえる。あらわになる可愛らしいショーツ。そこから覗く勃起したペニスが自分が男であることを間違いなく物語っている。
「あっ」
ふくらんだショーツを手で優しくなでる。体中を走った快感のせいでスカートをくわえていた口がゆるみ、鏡にはまた一人の女の子だけが映る。顔を赤らめ、快感に体を小刻みに震わす可憐な乙女。はっきり言って瑞穂の好みと言っていい。
「ハァハァハァ……ダメ、こんなことしちゃいけないって分かってるのに、今すぐにでも誰かくるかもしれないのに……止まらない、止まらないよぉ」
次第に激しさを増す手の動き。スカートが激しく揺れる。でも手元はみじんも見えない。鏡に映るのはあくまで女の子。
「き、気持ちよくてもう我慢が……んぁ、ゆ、指、気持ちいい」
鏡に手をつき不安定な体を支える。ゆっくりとその指先を鏡に映った自分の首もとへと滑らす。とたんに震えがくるような快感の波が触られた首もとから全身へと広がる。
「んっあぁ、むぅ、あはぁ、ふぁふぅっ……」
鏡に映った女の子にキスをする。唇と唇、舌と舌が触れあうディープキス。次第に動きに激しさを増し、情熱的になっていく。吐息で曇る鏡を唾液が洗い流し、快感に浸る女の子の表情が次第に高ぶっていく。
「どうして……い、いつもより気持ちいい……気持ちよすぎて、僕、僕」
倒錯的な行為の間も股間にのびた手の動きは衰えない。むしろラストスパートとばかりにスカートがめくれあがる。
「も、もうイク、イク、イッちゃう!――んぁっ!!」
スカートの下から吹き上がる大量の精子。そのほとんどはスカートを内側から汚したが、ごく一部は生地を貫通し鏡へと降り注いだ。
「はぁはぁはぁはぁ……僕、僕……あぁ」
快感の余韻がまだ冷め切らない光悦とした表情を写す鏡を精子がゆっくりとなぞっていく。その様子をぼんやりと眺めていた瑞穂は芯から来る震えに深く息をついた。
299名無しさん@ピンキー:05/03/03 23:41:38 ID:MavIzFwB
「……」
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;人間;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;失格;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
立ち直れない、今度ばかりは立ち直れないよぉ……

PS
今度は最後まで書いてみました。短いですけど。
ところでこの場合、瑞穂は百合なのか、薔薇なのか、水仙なのか……
マザコンという線もあるし、ぎりぎりノーマルということも……
300名無しさん@ピンキー:05/03/03 23:45:32 ID:G6SvAQCv
人間、誰だって自分が可愛いとか言うくらいだから普通だよ。
301名無しさん@ピンキー:05/03/03 23:46:29 ID:Jz9rBlAv
あの、結構長くなりそうなのが一本あるんですけど(只今13KB)
出来れば皆さんに読んで頂いて、続けるかどうか決めたいんですが、
よろしいでしょうか。
302名無しさん@ピンキー:05/03/03 23:50:38 ID:tCZffbZl
>>301
щ(゚д゚щ) カムカムカモーン
303301:05/03/03 23:51:27 ID:Jz9rBlAv

それは、とある新入生の教室でのこと。

「最近気がついたのですけど、お姉さまは御御脚(おみあし)をお見
せになるのがお嫌いなのではないでしょうか?」

と、一人の生徒が何気なく言い出したその一言から全ては始まった。

「それは、どうしてでしょうか?」
「お姉さまと体育の授業をご一緒された先輩から伺ったのですけれ
ども、お姉さまは体育の時間、いつもジャージをお召しになってい
らっしゃるのだそうです。あの暑い最中も涼しげなお顔をされてい
たそうですよ」

「そうなのですか? あれほど暑い日が続いておりましたのに」

「制服のスカートは長めですし、なにより水泳の授業の際、何度か
お休みになっていらっしゃったって話ですよね。どうにも不自然に
思えるのです」

「しかし、仮にそうだとしても、どうして御御脚をお隠しなさるの
でしょう」

「????」

皆首をかしげるばかり。気がつけば最初は2人で話をしていたのに、
輪になるように数人のクラスメイトが集まってきていた。
304301:05/03/03 23:52:44 ID:Jz9rBlAv
「あ、もしかして」
「なにかしら?」
「御御脚に大きな傷跡がおありになる……のではないでしょうか」
「あ、なるほど、そのような事情ががおありなのかもしれません
ね」

「でも……水泳の授業の時にご一緒した先輩は、お姉さまの見事な
プロポーションを御覧になって……その……」

「お鼻から血を流してお倒れになった……とか?」

「ええ、わたくしもそのような噂を伺ったことがありますわ。それ
はそれは御綺麗でいらっしゃったそうです。そのお倒れになられた
方も『TVに出ているファッションモデルなんて、お姉さまと比べた
ら皆十把一絡げです』と仰っているとか。御御脚も傷一つ無く、と
ても長くて細くて、そのうえ雪のように白かったのだそうですよ」

「きゃあああああ〜〜〜〜!」

何故か黄色い嬌声。さらに集まる人、人、人。何時の間にか同じク
ラスのみならず、他のクラスからも人が集まって、教室内はすし詰
め状態に。

「それでは、別に御御脚を御見せになる事に抵抗がおありなわけで
はないのでしょうね」

「それが……水泳の授業が終わると、急いで更衣室にお戻りになっ
ていたのだそうです。いかにも何かをお隠しになっている……そん
な感じだったとか」
305301:05/03/03 23:53:26 ID:Jz9rBlAv
「あら、そうですの。なにかトラウマでもお持ちなのでしょう
か?」

「さあ、どうなのでしょうねぇ?  でも影のあるお姉さまも、想
像すると素敵ですわねぇ……」

「そうですわねぇ……」

話が盛り上がりすぎるほどに盛り上がる中、あっという間にチャイ
ムが鳴り響き、先生がやってきた。

「どうしたの?この人数は……私が入る隙間もないわね……あら、
他のクラスや違う学年の方まで……はいはいっ!!授業を始めます
から席についてください。他のクラスの方も早くお戻りなさい。ま
ったく、一体どうしたらこんなことになるのかしら……」



----------------------------------


僕が聞いたところによると、始まりはこんな感じだったらしい。
306301:05/03/03 23:53:59 ID:Jz9rBlAv

その後の休み時間だけで『お姉さまは何かの理由があって御御脚を
お隠しになられている』という噂はあっというまに恵泉中に広まっ
てしまったそうだ。所要時間、わずか10分。「女の子って云うのは
ね、噂話が大好きな生き物なのよ」っていう、まりやの話を地でい
くような、そんないつもの噂話。

そして、この時点では、知らぬは自分ばかりなり……だったのだけ
ど。

「じゃーねぇ、瑞穂ちん」

「圭さん、ごきげんよう。今度は『瑞穂ちん』ですか……」

「最近、ヒロインが自分をそう呼ぶ映画を見たのよ。夏の風物詩を
羅列してりゃ、夏を描けるなんて勘違いもいいところ。つまらない
映画だったわ」

「あははははは……」

それはわかるような、わからないような微妙なネタだと思います、
圭さん。

「瑞穂さん、ごきげんよう。圭さんの言う事はいつもこんな感じで
すし、気にしたら負けですわ」

「美智子さん、ごきげんよう。お二人とも気をつけてお帰りになっ
てくださいね」
307301:05/03/03 23:54:42 ID:Jz9rBlAv
こうして教室の掃除も終わり、特に用事もないので帰ろうと思った
僕に、貴子さんが慌てた様子で話しかけてきた。


「お姉さまっ! お待ちください!!」

「貴子さん、そんな慌てて、どうかなさいましたか?」

「はぁ、はぁ……あ、あの……今そこで皆様がお話になっているの
を小耳にはさんだのですけど……」

「はい?」

「え、あ、あの……わたくし不調法なものですから……まさかそん
な事だったとは全然気付かなくて……その、なんと申し上げれば良
いのかわからないのですが……」

「いや、不調法だなんて……」

「それは別によいのです……本当のことですから……あの時は本当
に申し訳ありませんでした。わたくし、しらなかったのです……」

「え?! え? 一体何のことでしょうか?」

「以前、お姉さまは私に『悩み事があって、けれどそれが自分の手
に届く範囲では
なかった時、どうするか』とお尋ねになりましたけど……そう、そ
ういうことでしたのね……お亡くなりになってしまった方にはどの
ようにしても、手が届きませんもの……」
308301:05/03/03 23:55:50 ID:Jz9rBlAv
「あ、あの……」

「それなのにわたくしは……『手の届かないことを悩んでも、結果
は変わらない』なんて……無神経なことをお姉さまに言ってしまい
ました。手が届かないなら忘れるなんて……そんなことできるわけ
ないですよね」

そこで貴子さんは両手で顔を覆って泣き出してしまった。

「貴子さん、あ、あの、どうしたんですか。何がなにやら、なので
すが……」

これは一体どういうことなんだろう、全然何がなにやらなんだけど
……。サッパリわからないので、涙ぐんでうなだれる貴子さんにハ
ンカチを渡し、涙を拭いてもらってから、一体どんな噂を聞いたの
か聞いてみると……
309301:05/03/03 23:56:32 ID:Jz9rBlAv
--------------------------
瑞穂が素足を他人に晒す事が嫌いらしい。プールは何度も休んだし、
体育の授業はブルマではなく、ジャージ。そして制服は長めのス
カート。休日はいつもジーンズのボトム。

瑞穂には死に別れた妹がいた。その子は大怪我をしたせいで脚に大
きな傷跡が残り、立つ事すらままならなかった。瑞穂は、自分の健
康な素足を妹に見せることがどうしても出来なかった。

妹が瑞穂の脚を見て「お姉さまの脚、お綺麗ですね」というたびに、
自分の脚の事を考えてしまうだろうから。瑞穂は妹と死に別れた今
も、そのせいで人前に素脚を晒すことが出来ないでいる。

--------------------------
ということらしい……え、え? なに?それ? どうしてそんな事
になっちゃうの?
310301:05/03/03 23:57:13 ID:Jz9rBlAv
「そのような話、根も葉もないただの噂です。わたくしのうわさの
せいで、貴子さんに御迷惑をおかけしてしまいましたね……申し訳
ありません」

「え?あ、そ、そうなのですか……こ、こちらこそ申し訳ありませ
ん。この間の一件で懲りたはずなのに、またしても風聞でお姉さま
に御迷惑をおかけして、ししまいました、た、た……し、失礼しま
すっ!!!」

貴子さんはあっという間に顔を真っ赤にし、そのまま踵を返すと、
ふらふらしながらも恐ろしいくらいの速さで立ち去ってしまった。

「あ、貴子さんっ。廊下を走ると危ないですよ……」


「ガン!!!!」


今の音は……


「……いっちゃった。大丈夫かな、貴子さん……」


僕が……素脚を見せるのを嫌がっている? そっか、本当は出来る
だけ男であることを隠したいだけなんだけど、皆にはそんな風に見
えてしまうのかあ。
311301:05/03/03 23:57:54 ID:Jz9rBlAv
「あ、そのことですか。すっごい噂になってますよ。ね、泰ちゃ
ん」

「はいなのです〜。私もお姉さまに、あんな秘密があるだなんてし
らなかったのですよ〜」

「二人とも、一体どんな話を聞いてきたのかしら……」

うなだれる僕に構いもせず、目から星が出そうなくらい輝いた顔で、

「泰は、お姉さまが実は人魚だって聞いたのですよ〜☆」

ずさささささ(←瑞穂、こけそうになる)。

「『お姉さまは素脚を他人にずっと晒していると人魚になってしま
う。プールでは水の魔力でなんとか人の姿でいることが出来たらし
い』って話だったのですよ〜☆」

…………。

「え〜!!わたしはお姉さまが宇宙人にさらわれたって聞きました
よ?」

ずががががががが(←瑞穂、再びこけそうになる)。

「なんでも『宇宙人がお姉さまをさらって脚に何かを埋め込んだ。
それがお姉さまの深層心理に焼きついてしまっていて、無意識に脚
を晒す事を嫌っている』って事らしいですよ〜☆」
312301:05/03/03 23:58:34 ID:Jz9rBlAv
orz



既に噂には尾びれと背びれと胸びれが付きまくって、それぞれ別個
の進化をとげ、語る人が十人いれば十色の物語が出来上がってしま
っているらしい。先ほど貴子さんに聞いた話はまだマシなほうだっ
たみたい……大体人魚だったら水に戻れば元の姿になっちゃうのじ
ゃないの?

それに魔力って一体何? ましてや宇宙人にさらわれたってのは…
…僕の脚の中には一体何が……。

「女の子はみんな噂話が大好きなのですよ〜。まして、お姉さまの
こととなれば、なおさらなのです〜」

と泰ちゃんは言うものの、そりゃ明らかに暴走しすぎだと思うんだ
けど……。

「それで、本当のところはどうなんですか、お姉さま?」
「そうなのですよ〜泰も気になって仕方が無いのです〜」

「あの……由佳里ちゃん、泰ちゃん……そのようなことは一切あり
ませんから」

「え? じゃ、この噂はまるっきり嘘なんですか?」
「そうなのですか〜?」
313301:05/03/03 23:59:14 ID:Jz9rBlAv
2人とも、皆に影響されすぎ……みたい。いつものように放ってお
けば、何時かは噂も消えていくのかしら……。とりあえず2人には
噂を否定してから「皆さんにもそのような事は無いと伝えておいて
くださいね」と頼んでおいたのだけど、寮に帰るなり、まりやが如
何にも意地悪そうな、面白い物を見つけた時の顔でこう言った。


「にゃははははっ!! わらわせてくれるよねぇ、瑞穂クン?川で
助けたキツネに暗示をかけられて犯される寸前までいっちゃって、
命辛々撃退したんだけど、それ以来怖くて素脚を他人に見せられな
くなっちゃったんだって?」

……あの、それは一体どういう話なのでしょうか、まりやさん。さ
っぱり想像がつかないのですが。




そして、僕の部屋でまりやと一子ちゃんを囲んでの作戦会議が始ま
った。議題はもちろん、猛烈な勢いで広まっている「僕が素足を見
せたがらない訳」に関する噂を消す方法について。


「私は幽霊三等兵ですけど、脚はちゃんとありますし、別に素脚を
見せる事に抵抗はありませんよ。お姉さまは男の方ですけど、御御
脚もお綺麗ですし、堂々と御見せになればいいんじゃないですか?
そうすれば、噂も自然ときえちゃうでしょうし……」
314301:05/03/04 00:00:03 ID:j1mKNQUL
「ん〜、そうだよね、一子ちゃんの言うとおりだ。きちんと噂を静
めないと面倒なことになるかも知れないよね? そうすると、やっ
ぱ瑞穂ちゃんが素脚を見せまくるしかないんじゃない?」

「え〜〜〜!だってボク、オトコだよ。そんな恥ずかしいこと出来
るわけないじゃないかっ!」

「なにをいまさらそんな事を言うかなぁ、瑞穂ちゃんは。いつも胸
パッドにブラまでして、スカート姿で女子校に通っているお姉さま
は何処のどなたでしたっけ、ね?」

「そうですよ、『何をいまさら』なのですっ!」

「ううう……一子ちゃんまで……。それに、いまのところは噂は噂
なんだし、こっちが否定すればそのうち収まってくれるとおもうん
だけど」

「無邪気で無害な噂のままなら、そりゃ放っておいてもかまわない
かもしれないけどさ。ある事無い事尾びれに背びれに胸びれまで大
サービス、ありえないくらいの超進化を続けちゃっているでしょ?
 そのうち『実はお姉さまは男で、だから脚を見せられないのかも
しれない』なんて噂が出てこないとも限らないんだよ?」
315301:05/03/04 00:00:43 ID:Jz9rBlAv
「あ……」

「ね、瑞穂ちゃん。瑞穂ちゃんは背も高いし、基礎体力もきちんと
男の子だよね。もしかしたらあたしにもわからない所で、他にもオ
トコノコな部分が表面に出てきちゃっているかもしれない。どこか
でみんな無意識に『もしかしたら男の子かもしれない』って感じて
いるかもしれないんだよ。だから、危険なことをしているんだって、
もう一度ちゃんと認識しないとダメなんだ、瑞穂ちゃんは。そして、
障害になりそうな事があれば、どんなに小さな事でも速やかに取り
除かなくてはいけない。わかる?」

「だから、今回の噂も今のうちに潰さなくちゃいけないのよ。う〜
ん、やっぱり制服のスカートを出来るだけ短くするしかないかなぁ。
最初は……そうだ、慣れないうちは目立たないようにきつめのシ
ョーツと暗めの色のストッキングの上にスカートをはいてもらうと
して……やっぱり素脚じゃないとダメかなあ。どうしよう。これは
……あれだな。
前張りしよっか?」

「……前張りって……なに?」

「がくっ。短いスカートって姿勢によってはどうしても中が見えち
ゃうんだけど、その隠し方とかタイミングとかわからないでし
ょ?」

「そりゃ、僕男だし……」

「あたし達は校内の子にスカートの中を見られたって別に困りはし
ないんだけど……ま、女子校だしね。瑞穂ちゃんは男の子だもん。
中が見えちゃうとふくらみが目立つかもしれないよね。だから、上
からテープか何かで押さえつけるのよ」
316301:05/03/04 00:01:20 ID:Jz9rBlAv
「え〜〜〜〜〜!!!! そんなことするのっ? テープを剥がす
時物凄く痛そうなんだけど……」

「なによ、仕方ないじゃない。ほら、男なんだから一度決めたらさ
っさとやる。テープを剥がす時痛くないように毛はちゃんとそって
ね」

「う〜、ひどいよ、まりや…そこまでやるの?」

「そうそう、さっきさ、ちょっと調べたんだけど、男の人のって結
構体の中にしまいこめるみたいなんだよね」
参考URL: ttp://homepage3.nifty.com/tv-life/kokan/0007.htm

「そうなの?」

「しかも綺麗にやると、殆ど女の子と変わらない見た目になるみた
いなんだ。そこに前張りしちゃえば、まずばれないんじゃないかな
あ。そりゃ、やりすぎは危険だから、ずっとそのままってわけには
いかないみたいなんだけどね」

「へぇ……」

「じゃ、いくわよ」

「へ? え?え?わわわわわ!? ま、まりやがやるのっ?! じ、
自分でやるから!!! 勘弁、勘弁してよぉぉぉぉ!!」

「へ?もへちまも勘弁も弁当も無いっ! とっととあきらめろっ!
問答無用!!」
317301:05/03/04 00:02:55 ID:j1mKNQUL
「うわぁぁぁぁぁ!!! その目は僕のことを心配している目じゃ
ないよお!!! 楽しんでいる、絶対楽しんでいるでしょ!!!」

「そんなのあったりまえじゃ〜〜〜〜覚悟!!☆」

「ぎゃーーーーーー!!!」

「頑張れっ!!お姉さまっ!!!」


こうして瑞穂の魂の悲鳴が寮内に鳴り響き、そして約30分後……。

「よっしゃっ!!!完璧ぃ☆ ほらほら、見て見て瑞穂ちゃん……
ホントに女の子みたい……やったわよ、ほら、ほらっ!!」

「………………」

「これでショーツも可愛いのがはかせられるわ。ミニスカートだろ
うがブルマだろうがやりたい放題 ☆ にゃはははははっ。楽しい
わ、楽しいわねっ、瑞穂ちゃん! うへ、うへ……うへへへへ
(はーと)」

まりや……よだれたれているよ……。

「もう………………嫌」


orz
318301:05/03/04 00:03:35 ID:j1mKNQUL
「それにしてもお姉さま、これなら私がとり付かなくてもちゃんと
女の子ですねぇ。『すっかりジェンダーアイデンティティと、人と
しての尊厳とを失ってしまった瑞穂お姉さま。果たして、エルダー
シスターの運命や如何にっ!!』……次回予告だとこんな感じでし
ょうか? 胸は……ぺったんこですけど」

一子ちゃん……出来れば人としての尊厳までは失いたくないわ……。


「胸はどうしようもないわよねぇ。水着は無理かなぁ……」

「この上ボクに何をしようっていうのっ? まりや、ねぇ、ねぇっ
てばっ??」












つづく……かもしれません。
319301:05/03/04 00:04:40 ID:j1mKNQUL
ということで、ココまでです。
ん〜2日かかってこれだから、もし続きを書くとしたら、
週明けくらいになっちゃうかもしれません。

スレ汚し&改行が60桁で読みづらくてもうしわけない orz
320名無しさん@ピンキー:05/03/04 00:06:50 ID:P4obxMPc
>>301

続けなくては駄目なのですよ〜


ってかGJなのですよ〜

ミニスカートをはいて校内失神者続出なのですよ〜
321名無しさん@ピンキー:05/03/04 00:07:34 ID:n0eU9jXU
×泰
○奏
322301:05/03/04 00:08:24 ID:j1mKNQUL
>321
すまん。素で間違えてました orz
323名無しさん@ピンキー:05/03/04 00:13:17 ID:fYmSg/as
>>320
一騎当千みたいな感じ?
32445=116=170:05/03/04 00:24:09 ID:GcnK8vco
>>301
激しくGJ!!
めちゃくちゃGJ!!
続きが楽しみです。

っていうか・・・私さらに自信が・・・orz
325301:05/03/04 01:15:55 ID:j1mKNQUL
ありがとうございます。
では、週明けくらいを目標に書いてみますね。
326名無しさん@ピンキー:05/03/04 01:21:23 ID:PQ0Lm68j
なんなんだ、この神々の多さわっ
怒濤の勢いじゃないですか

 +   +
   ∧_∧  +
  (0゚・∀・) 連日テカってまつ
  (0゚∪ ∪ +
  と__)__) +
327名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:02:39 ID:m/qT0zpK
剃毛前張りキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!


あれ?
328126:05/03/04 02:18:50 ID:hiUhZM+K
>>投稿者の皆様
一纏めにしてしまってスマソ。けど心から言いたい。
GJ!!
ホントレベル高いっすね、ここ…そんな中で投下するのも躊躇われますが…

一応、前に宣言した「まりや×由佳里」が完成したので投下させていただきます。
329126:05/03/04 02:20:55 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(1)

「まりや……待ってるからね……ずっと………」
「瑞穂ちゃん………大好きだから……ね…………」
最後にさまよった右手同士が、互いの手を見つけると、
きゅっと握り合った。
そしてここからが…本当の気持ちに気づけなかったあたしたちの、
罰ゲームの始まりなんだ―――。

それでも、今この時だけは…
瑞穂ちゃんとひとつになって、とても幸せで…そんなことを考えていたら、
ガタンッ
『あっ!!』
扉の外から物音と、小さな悲鳴が聞こえて…!!
『誰!?』
あたしと瑞穂ちゃんは、同時に扉の方に叫ぶ。
その声の答えは、廊下を走り去っていく足音…
「…誰かに、聞かれちゃったかな…?」
「…そう、だよね…考えてみれば、結構大きな声出してたし…
誰かが不審に思って聞いてても、おかしくないよね…」
お互いに顔を見合わせつつ、困った顔を浮かべる。
「でも、誰だろう…?ひょっとして、僕が男だって言う事も…?」
「…ね、瑞穂ちゃん。この事はあたしに任せてくれないかな?」
「え…?う、うん…でも、何かあったら僕にも頼ってよ?
僕にだって責任の一旦はあるんだから…ね?」
「だいじょーぶだよ。あたしに任せて」
そう笑ってみせた。とりあえず、その日は瑞穂ちゃんを部屋に帰した。
今からじゃ、「犯人」も寝た振りしてるだろうし、ね…
330126:05/03/04 02:21:38 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(2)

コンコン。
「由佳里…起きてる?」
翌朝早く、あたしは由佳里の部屋の戸を叩いた。すぐに…
「どうぞ」
少し弱々しい声がして、あたしは部屋の中へと入った。
部屋に入ると…由佳里が、ベッドの上に座り込んでいた。
「…その顔だと、一睡もしてないでしょ…?
ダメだよ、女の子なんだから。肌荒れちゃうよ?」
「…………」
「……由佳里でしょ?夜、あたし達の部屋の前に居たの…」
「あ………」
そう。
瑞穂ちゃんはすぐに思い当たらなかったみたいだけれど、あの最後の小さな悲鳴…
それで、あたしは由佳里だってすぐに気付いた。
由佳里はあたしに言い当てられて、赤い顔して俯いている。やっぱり…
「あの、お姉さま…その…ご、ごめんなさい…!!」
「まあ…あれだけ派手にしちゃってれば、ね…気付いちゃうだろうし。
それはあたし達が悪いとは思うよ。うん…あははは…」
後で、冷静になってから自分たちのエッチを思い出したんだけど…
…あたしってば、何かめちゃくちゃ大声出してたような記憶があって。
流石に恥ずかしくてしょうがない…
「で…ごめん、由佳里にずっと黙ってた事…嘘ついてたことがあるんだ…
…聞いてくれる?」
「え…?………はい……」
由佳里は、あたしの真剣な顔に少し戸惑いながら…
それでも、はっきりと頷いてくれた。
だから、あたしは全部を話した…
瑞穂ちゃんが男だって言う事。
瑞穂ちゃんがここへ来た理由…
…全てを、話した…
331126:05/03/04 02:22:26 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(3)

「……全部…本当の事なんですか…?瑞穂…お姉さまが、男の人だなんて…」
「うん、本当。でも、本人が進んで来たんじゃないよ?
お祖父様の遺言をタテに、無理やりあたしが引き込んだんだ。
だから、瑞穂ちゃんは悪くない…むしろ、全部あたしが悪いんだ。
だから…瑞穂ちゃんを責めないで。責めるなら、あたしを責めて」
「お姉さま……」
あたしは…必死だった。
瑞穂ちゃんの事もあるけれど、由佳里を騙してた事が…辛かった。
大事な妹なのに、その信頼を裏切って騙している…それに気付いたから。
だから、もし由佳里が傷ついたなら、あたしを恨んでくれればいい。
責めればいい。
そうする事で、瑞穂ちゃんと由佳里、二人に対する責任を取れると思ったから…
「あの…お聞きしたい事があるんです…」
「何…?言ってごらん…」
「まりやお姉さまと瑞穂お姉さま…
お二人とも、本当に愛し合っていらっしゃるんですね…?」
「…うん。あたしは、瑞穂ちゃんの事、すごく大好きだし…
瑞穂ちゃんも、あたしの事を愛してくれてるよ…」
「…それが聞ければ十分です。お二人が幸せなら…私は…」
「由佳里…」
「瑞穂お姉さまが男の人だって聞いて、確かにビックリしたけれど…
瑞穂お姉さまは、いつも私たちに優しくしてくださって。
いっぱいいっぱい支えてくれて。
凄く凄く、素敵なお姉さまでした…だから…」
「ありがとう、由佳里…」
あたしは…不覚にも少し涙を浮かべちゃって。
それを見られるのが照れくさくて、ぎゅっと由佳里を抱きしめた。
「それに、まりやお姉さまがお幸せなら…私は…
だって、まりやお姉さまの事、大好きだから。
凄く…大好き、だから…だから…!!」
332126:05/03/04 02:23:27 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(4)

由佳里は、あたしの胸の中で…泣いていた。そして、わかってしまった。
何故、一晩中起きていたのか。
あたしが瑞穂ちゃんのモノだって、はっきりとわかってしまったから。
何故、あたしの胸で泣いているのか。
本当の意味で、あたしの事が好きだったから…
「ごめんね、由佳里…ありがとう…あたしの事、好きになってくれて」
「…お姉さま…私、ヘンですよね…?気持ち悪いですよね…
だって、だって…私、まりやお姉さまの事が…!!」
「由佳里」
そう一言名前を呼んで…素早く、由佳里の唇を奪った。
由佳里は、最初驚いて…やがてゆっくりと、身体から力が抜けていった。
「…ん、ちゅ………由佳里。ヘンだとか、気持ち悪いとか…
そんな事言っちゃダメだよ」
「あ…お、姉…さま……」
「だって…嬉しいよ?由佳里に、好きだって言われるのってさ。
あたしだって、由佳里の事大好きなんだから」
「お姉さま…!!」
由佳里がぎゅっと抱き返してくる…それが愛しくて。
あたしは心の中で10万回(くらいのつもりで)瑞穂ちゃんに謝って、
「今だけ…由佳里だけのモノになってあげる」
由佳里を…ベッドに押し倒した。
「お姉さま…!!だ、ダメです、お姉さまは瑞穂お姉さまの…!!」
「今この時くらい…許してくれるよ。
それに、女の子同士のスキンシップだから大丈夫大丈夫」
「ス、スキンシップくらいじゃ済んでないと思うんですけど…」
あはは、恥ずかしがってるけど、だいぶ元の調子を取り戻してきたみたいだね。
まあ、とりあえずは良かった良かった…で、終わるわけにゃあいかないよねぇ…
「ほらほら…肌と肌のスキンシップ、しよ。服脱いで〜」
「あ、や、お姉さま…そんな、ダメですよぉ…!!」
「覚悟しちゃいなさいって。あたしも脱ぐからさ…これでおあいこでしょ?」
333126:05/03/04 02:24:08 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(5)

「そ、そう言われても…んあ…っ!!
お姉さま、ダメ…そんなに、優しく触られたら……」
「だって、由佳里の胸、柔らかいんだもん。
ほらほら、これがええのんか?ええのんか〜?」
「やだ、お姉さま、ヘンな触り方しないで下さいよぉ…」
あたしの攻撃に、由佳里はくすぐったそうに身をよじる。
だいぶ硬さが取れたかな…?それじゃあ…
「それじゃあ…本番。」
「え?…あ、ふぁ……お、お姉さま……あんっ」
「ここ、こうされると…感じるでしょ…?」
「は、はい…あ、んぁ…そ、そのぉ……気持ち、いい…です……んっ」
「そりゃね…同じ女の子同士だから。
どう責めれば気持ち良いかくらい、バッチリ判ってるから…覚悟しなさい」
「…お姉さま…ちょっと、怖いです……あっ、ぁあぁぁぁぁっ!!」
あたしが伸ばした手が、いきなり由佳里の秘裂を擦って…
由佳里は、敏感に反応する。
「あっ…お姉さまぁ……はぁっ、だ、めぇ……背中がぞくぞくしちゃいます……」
「そういえば…由佳里。恋人同士なんだからさ、お姉さま、じゃダメでしょ?
普通に名前で呼ばなきゃ。」
「え…?……あの、…まりや、さん…?」
「はい、良く出来ました…ごほうびあげるね?」
「あぁっ……や、ぁ……っ……ふぁ…そん、なに………いじらないで下さい…」
「由佳里、すっごくエッチな声…やだ、あたしまで興奮してきちゃった…」
「んふぁ…まり、や…さん………
あ、や、ダメ…ですぅ、私、もう…ダメです……」
「良いよ。…あたしが、由佳里のイッちゃうとこ、見ててあげる…」
「やぁっ…そんなの、恥ずかしい……ですぅ…
あっ、だめぇ、まりやさん……まりやさん………!!…っぁ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」
由佳里が、びくっびくっと身体を震わせて…イッちゃった。
334126:05/03/04 02:24:51 ID:hiUhZM+K
処女(おとめ)はお姉さま(あたし)に恋してる(6)

赤く染まったその顔は、なんかすごく可愛くて…ちょっぴり、本気で惚れかけたり…
…って言っても、別に遊びじゃなくて、本気でしたんだけど、ね。
「由佳里の事大好きなのは、ホントだから。」
それだけ、口にした。
…って、我ながら気障な事言ってるなぁ。でも由佳里、嬉しそうだし。
瑞穂ちゃんがたま〜に気障な事言う気持ち、ちょっとわかったかも。
ま、結論としては…瑞穂ちゃん、ゴメン……
「まりや、さん…」
「なあに?由佳里」
「最後に、お願い一つして、良いですか…?」
「何かしらお嬢さん?どうぞ何なりと…」
「…最後に、キス…してください…」
「…OK」
最後にキスして…短い恋人の関係は、終わった。
これが、本当に由佳里の為によかったのか、わかんない。
あるいは、より一層由佳里を苦しめちゃうかもしれない。
でも、後悔はしてない…と、思う。
由佳里は、確かにこうなる事を望んでいたって。そう思うから…

その後、一応学校だから一眠りさせて…起きたら、いつもの由佳里だった。
一言、「ありがとうございます、お姉さま」って笑顔で言ってくれて…
あたしは、自分の選択が正しかったんだろう、と思う事が出来た。
後は……………瑞穂ちゃんに、なんて言おう…
最後の最後に、大きな問題が立ちはだかった気がする…
でもまあ、いっか。瑞穂ちゃんなら笑って許してくれる…

と、いいなぁ…(はぁ…)
335126:05/03/04 02:27:21 ID:hiUhZM+K
あ。「終わり」入れるのまた忘れてる…( ;´Д`)

…書いてみたはいいんですが、どうも…由佳里の造詣が甘いような…
由佳里派の皆様すまぬ…
336名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:32:42 ID:HWx43tQ7
初めてリアルタイムに遭遇……

GJですよ!
萌えましたともさ
337名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:34:09 ID:gQsmMG/I
GJ!
微妙にリアルタイム過ぎてた  orz
338名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:38:27 ID:l4bCRS6d
あぁああ、もう皆GJです、神が多すぎて個別に感想を言えなくて申し訳ないっ!!
で、神々が集っている中に無謀にも投下させて頂きます。

奏ルートのアナザーIFです。
多分5回に分けて投下です。
339Another pair 1-1:05/03/04 02:39:22 ID:l4bCRS6d
夕焼で暖色に染まる短い桜の並木道を、一日を終えた恵泉女学院の生徒たちが通り抜けていく。
その歩調は一様にも見えるが、見て取れる雰囲気は多様だ。
私は一人、屋上からその光景を見下ろす。別に人間観察が趣味というわけではない。
ただ一人になりたかっただけ、ただ今の私を誰かの前に曝け出す事が躊躇われただけ。
一応は失恋した身、ちょっとくらい落ち込みもする。
もう少しだけここから下界を眺めていよう、そう思った。
ふと、ゆったりと一定のペースで流れていた並木道に、淀みが生じた。
「……?……あぁ」
納得。下校する生徒は皆、一様にある人物を気にしているようだ。
遠巻きに見つめる人。数メートル後ろで、同じペースを維持する人。少しの躊躇の後、思い切って挨拶をする人。
そこに居る生徒のほとんどがお姉さまを意識しているのが見て取れた。
相変わらず人気のある方。
あれで男の方だというのだから……世の中は分からない。
その、お姉さまを後ろから追う影が一つ。
トトトトトトト……、そんな音が聞こえてくるような気がして、微笑ましい。
小さな体にはやや大きめに見えるリボンをつけた女の子が、瑞穂さんを追いかける。
「奏さん……」
どの辺から走って来たのだろう。瑞穂さんに追いついた奏ちゃんは肩を上下させている。
それを見た瑞穂さんもまた、歩みを止める。奏さんが落ち着くのを待つようだ。
奏さんの前にしゃがんで視線の高さを合わせるとやさしく頭を撫でている。
『ごめんなさい、奏……また、お姉さまにご迷惑をかけているのです……』
『奏ちゃん、奏ちゃんは私と一緒に帰りたくて一生懸命走ってきたのでしょう?
 私、とても嬉しいわ』
会話までこちらに聞こえてきそうな雰囲気。
340名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:40:09 ID:JOzIvDc4
>>301
GJ!続きヨロ。
しかしトイレとか大変そうだな・・・
341Another pair 1-2:05/03/04 02:40:52 ID:l4bCRS6d



「……随分と優しいお顔をなさるのですね、何を見てたのです?」
至近距離。耳元でささやくような声に私は腰を抜かしそうになった。
「し、紫苑さまっ! 一体、いつのまにこんな……」
「あら、私がいてはおかしいですか? ここ、私のお気に入りの場所なんですよ」
屈託のない笑顔。私の憧れ、理想ともいえるお方。
「そういう意味ではありません。どうして気付かれない内にこんな近くまで来れるのか、
 それが疑問だったのですわ」
「さあ、どうしてでしょう。私は普通に歩いてきましたよ。
 気配を消すための修練も、生まれてこの方した事がありません。
 ……ただ」
紫苑さんが一歩、前に乗り出す。
私の横に並び、屋上の手すりに両手をつくようにして下を見下ろす。
ようやく息の整ったらしい奏ちゃんと瑞穂さんが手を取って歩き出していた。
さっきまでの憂いはどこにもなく、浮かんで見えるのは満面の笑み。
「……貴子さん」
「なんでしょうか、紫苑さま」
「……コロコロと目まぐるしく表情が変わって、……とても可愛らしいですわね」
紫苑さまも同じ気持ちのようだ。ちょっと嬉しい。
「そうですわね。私も、本当に可愛らしい子だと思います。奏さんは……」
くすっ。紫苑さまが微かに笑った。
振り向いたその視線は慈愛に満ちあふれている。
それでいて、強い意志を秘めているような……そして、全て見通してしまうような深さがあった。
342Another pair 1-3:05/03/04 02:42:06 ID:l4bCRS6d


「ごめんなさい。少しおかしくて、ふふっ」
「……私、何かおかしな事を言いましたか?」
「すみません、気を悪くしないで下さいね。ええと、ですね……私が言ったのは貴子さん、あなたの事よ」
「私…ですか?」
「ええ、まるで百面相のように、コロコロと表情が変わっていました」
「ひゃ、百面相……」
私の顔、そんなに変化していたのだろうか。だとして、私はいったいどんな表情をしていたのだろう。
どんな感情を紫苑さまに診られていたのだろう。
「ねぇ、貴子さん」
紫苑さまは目を細めると、そっと私の肩に手を置いて下さった。
「よかったら、話してくださらない? あなたに何があったのかを。
 私は見てしまいました。
 悲痛な思いに耐えるような顔、恋する乙女のような顔、子を慈しむ母のような顔、
 全てを愛している聖職者のような笑顔……
 最後のお顔は本当に惚れ惚れするような笑顔でした。
 だから、ひょっとしたら貴子さんは、もう自己解決してしまった後なのかもしれません。
 そうしたら、私のしている事はただのお節介さんですわ。
 でも、それでも私がこんな事を言うのは、最初から最後まで通して、あなたの表情からは
 少しの嫉妬と、そして大きな羨望が見て取れたから」
「…………」
言葉が出ない。出ようはずもない。
何なのだろう、どうして表情の形容がそこまで具体的にできるのだろう。
どうして全て心当たりがあるのだろう。
どうしてこの人はこうまで的確に私の心を脅かすのだろう。
一年しか生きた時間は違わないはずなのに、来年の自分がこうなれるとは、到底思えなかった。
紫苑さまの事は尊敬していますし、お慕いもしています。
でも、この仕打ちは……私の心にズカズカと入って来るのは……やめて……ください……。
343Another pair 1-4:05/03/04 02:43:23 ID:l4bCRS6d

「紫苑さまの言うとおりですわ。私、恋をしていましたの」
気持ちとは裏腹に、言葉がついて出る。
その調子も、やっぱり気持ちとは裏返しで、とても静かなものだった。
「うん」
紫苑さまは目をゆっくりと閉じると、まるで子供を抱きすくめるように、後ろから手を回してきた。
  融けてしまいそう……。
「お相手は……、……いえ、続きを聞かせてください」
「紫苑さまの考えている通りの人です。私が恋焦がれていた相手は、
 宮小路瑞穂さんです」
「……鏑木、瑞穂さんではなくて?」
「知ってらしたのですか……。本当に、あなたという方は……
 そうですね、私は鏑木瑞穂さんに恋をしていました」
「うん」
紫苑さまの髪が風で微かになびく。
頬を撫でるように流れるそれは、まるで私の涙をすくおうとしているように感じて、
私は自然と涙をこぼした。
「でも、適わぬ…恋でした。私の、家と、……瑞穂さんの家は…あの有様、ですしっ……
 瑞穂さんも…わた、くしの事をっ、私の、事をっ、女としては…見てくれは、…しません、…………でしたわ」
嗚咽でうまく喋れない。きちんと言葉にできている自信はなかったが、
紫苑さまの腕がきゅっと締まるのを感じ、
ちゃんと伝わっている。そう思えたので、構わず続けることにした。
「瑞穂さんには…好きな人が、いました   . . .
 そして、その子っ、も…瑞穂さんの事を、宮小路瑞穂を、誰よりも……誰よりも、必要としていました。
 そう……、私よりもですわ」
涙は頬を垂れる事なく、紫苑さまの髪の毛を伝っていた。
さっきまで頬を撫でていた紫苑さまの髪は、涙をすい、私の頬にはりつくようになっていた。
不快感はない。紫苑さまが全身が私を抱きしめてくださるように思えたから。
ただ、この綺麗な御髪を私の涙で濡らすのは申し訳なかった。
344Another pair 1-5:05/03/04 02:45:15 ID:l4bCRS6d


す〜、は〜っ。
深呼吸を一つ。
段々落ち着いてきている。これなら、ちゃんと喋れそうだ。
「もちろん、奏ちゃんに嫉妬もしましたわ、でも、それも些細な事でした。
 私自信が、一番、負けた……と言うか、身を引くべきだと思えたんですもの。
 対抗する気にもなれませんでした」
「どうして……かしら」
「あの二人は、特別なんです。確固たる信頼と絆、その土壌の上に想いがあるんです。
 恋心だけじゃとても太刀打ちできませんわ。
 それに、奏ちゃんから大好きなお姉さまを奪うなんて、できるはずがありません」
饒舌な私。涙はとうにひいていた。
それだけ納得済みなんだという事だろうか……あの二人には。
「私、心から奏ちゃんを応援できるんです。
 瑞穂さんと一緒に幸せになってほしいって、頑張れって思えるんです」
「分かりますわ、そのお気持ち。私にもよぉく、分かります」
「ええ。ですから、私はこの恋に笑顔でさよならできるんです。
 いい思い出にできるんです」
背後で紫苑さまが動く。
肩口から身を乗り出すようにして、私の頬に自分の頬をそっと重ねた。
「お強いのですね、貴子さんは」
「そうなので、しょうか……」
「ええ、そうですわ。私が保証します。あなたは強い方。
 でもね、貴子さん、どんない強い人だって、こうしてたまに人に頼らなくては壊れてしまいますのよ。
 それを、ちゃんと覚えておきなさい」

「……はいっ」
「よろしい」
最後の一言が一番優しく残った。
345名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:47:34 ID:l4bCRS6d
以上であります。

奏ルートと言いつつ貴子スキーな私でごめんなさい。
多分、続いちゃいます。

346名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:55:56 ID:JOzIvDc4
>>339-344
奏ルートだけどメインは貴子とは裏をかかれました。
心理描写も巧いっす。

途中でレスをはさんでしまって本当に申し訳ありませんでした。
次からはいっそう気をつけます。
改めてGJ!でした。
347名無しさん@ピンキー:05/03/04 02:58:36 ID:l4bCRS6d
ええと、何箇所か貴子が奏の事を「奏ちゃん」と呼んでしまってます。

推敲不足でスミマセンorz
348126:05/03/04 03:02:03 ID:hiUhZM+K
>>339-344
GJ!!
紫苑様と貴子様はやっぱ絵になるなぁ…続き、待ってます!!

でも、今自分も今貴子様と紫苑様で書いていたのは内緒…( ;´Д`)
349名無しさん@ピンキー:05/03/04 06:49:38 ID:BLmmiTQ2
>>339-344
       ∩
     ⊂⌒(  _, ,_) < 貴子さん切ないよ貴子さん・・・
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ヒック...ヒック

しかしGJ!
350名無しさん@ピンキー:05/03/04 12:38:25 ID:WXhNEPTe
良作ばかりだなぁ。
漏れもちょいと書いてるけど、正直自信なくすよorz

あと、これだけ良作揃うと、保管サイトを立ち上げたくなるな…。
351269:05/03/04 13:17:10 ID:TmK6nGb0
>>339-344
GJですね。
269ですが、一本書きあがりましたので投下します。

352269:05/03/04 13:17:42 ID:TmK6nGb0
「……はぁ。」
雨が降っている。今は六月の半ば、そう梅雨時だ。
梅雨なのだから雨は別段珍しくもない。……ただ
「…気が滅入るわね。」
まるで僕の心を映した様なこの空を見ると。

ざぁ……。
雨が降りしきる中、学院へと続く並木道を歩く。
ただ、憂鬱と一本の傘を連れて
「おはようございます。お姉さま。」
「お姉さま。ごきげんよろしゅう。」
学院に向かう下級生達が挨拶する。
「…おはようございます。」
鬱な気分を表情に出さないように気を付けながら、挨拶を返す。
「まぁ、お姉さまに挨拶返していただけるなんて、夢のようです。」
「こんな雨の日でも、お姉さまのお顔はまるでひまわりの様ですわ。」
どうやら、顔には出なかったみたいだ。……でも、ひまわり。…ねぇ。
「…あは、……あは…は。」
僕、男なんだけど、なぁ。
353269:05/03/04 13:18:22 ID:TmK6nGb0
「あら、おはようございます。瑞穂さん。」
「おはようございます。美智子さん。」
教室に入ると美智子さんが挨拶してきた。彼女に挨拶を返しながら、
自分の席に向かう。
「おはようございます。瑞穂さん。」
自分の席に着こうとした時、隣から声がかかる。
「紫苑さん。おはようございます。」
鞄を机に置き、椅子に座ると、紫苑さんに向き直る。
「……あら?」
「?…どうかしましたか?」
「いえ、瑞穂さん。なにやらご気分が優れないご様子ですが。」
「え、ええ。」
まいったな、紫苑さんにはわかってしまうみたいだ。
「私で宜しければ、お話してみませんか?話すだけでも気が楽になる
かもしれませんし。」
紫苑さんは柔らかな微笑みを浮かべている。
「い、いえ。大した事ではありませんし。」
なんとなく恥ずかしい気もするし
「まぁ、酷いですわ、瑞穂さん。私に隠し事をなさる気なのね。」
「いや、隠し事って…。」
いきなり何を云い出すんだ?この人は。
354269:05/03/04 13:19:23 ID:TmK6nGb0
「以前に散々、私のことを嬲り者にしておきながら、ご自分の都合で
ポイとお捨てになるのですね。ああ、なんて酷い。」
「ちょっ、ちょっと、紫苑さん?」
なんか前にもこんなことがあったような?
「……あら、…やっぱり、瑞穂さんって。………なのね。」
「うわぁぁ!!」
いきなり背後から声がした。
「け、けけ圭さん?!」
「ばか者、私は「けけ圭」ではない。」
「あ、いや、えぇっと。」
返事に困るんですけど、それ。
「……それはさておき、紫苑様。いい仕事、でした。」
「まぁ、圭さんに誉めて頂けるなんて、光栄です。」
いい仕事?
「ふふっ、ごめんなさい。圭さんが出待ちしているのが見えたものですから。」
「で、出待ちって…。」
つまり、あれか?圭さんが背後から近づくのを助ける為にあんなことを?
355269:05/03/04 13:20:08 ID:TmK6nGb0
「………………ふ。」
圭さんは含み笑いをすると自分の席に戻って行った。
なんだったんだ?今のは。
「まぁ、それはさておき。」
紫苑さんが向き直り云う。
「何をお悩みになってらっしゃるのか、話してはくださいませんか……?」
「えぇっと、…はぁ。」
 まぁ、一人で考えていてもどうにもならないことはわかっている。
「実は、ですね。」


「和食…ですか?」
我ながらくだらない悩みだと思う。僕がここ、恵泉に入学してから二週間余り
一度も和食を口にしていない。
「以前に学食には和食もあることをお教えしたと思いますが……。」
「え、ええ。教えて頂きました。」
「では…?」
「情けない話なのですが…。」
僕は、奏ちゃんや由佳里ちゃんと一緒に学食で食べることが多い。何度となく今
日こそは和食を…と思い定めて行ったのだが、
「嬉しそうに食券を買う人を見ると、ついつられて同じ物を買ってしまう、のですか。」
356269:05/03/04 13:20:38 ID:TmK6nGb0
「…はい。」
我ながら、ほんとに意思が弱いと思う。
「ふふふっ、なんと云いましょうか、瑞穂さんらしい、ですわ。」
呆れたような、それでいて楽しそうな表情で紫苑さんが云う。
「それで、なんとか自分で作れないものかと。」
 自分で作るなら、他人に流されることもないだろう。
「あら、でも確か瑞穂さん。」
「ええ、前にも云ったと思いますが、料理…というか、台所に入ったこともないんです。」
 お祖父様の教育方針で、「男子厨房に入るべからず」と躾られてきたから
「…まぁ、それなのに、ご自分でお作りになりたいとおっしゃるなんて。ふふっ、本当に
お困りになっていらっしゃるのね?」
「困っているというか、その、なんとかしたいと思っていることは事実です。」
「わかりましたわ。このことは私にお任せ下さい。」
「え?……は、はい。ありがとう…ございます……?」
僕がお礼の言葉を言い終わらない内に、紫苑さんは踵を返して去っていった。
……大丈夫、だよね?…なんとなく嫌な予感が……。
去り際に見せた紫苑さんの表情が、小悪魔の微笑みに見えた気がした。

357269:05/03/04 13:21:30 ID:TmK6nGb0
翌日
「はいはい、席に着いてー。ホームルームを始めますよー。」
 緋紗子先生が出席簿をポンポンと叩きながら教室に入ってきた。
「えっと、今日のホームルームは、明日の五限目のロングホームルームでの議題を決めた
いと思います。いいですね?」
この学院では週に一回、一時限をまるまる使ったロングホームルームがある。
 一応、議題を決めてそれについてディスカッションする為の時間となっているのだけど
担任の緋紗子先生が「皆で楽しくお話したりするのは、親睦を深めるという意味では一番
確実で良いことよ。」とかいって、今までにあった時間はすべて雑談で終わっている。
「なにか、皆で話し合いたいことはあるかしら?ないなら普段通りで……。」
「先生。」
 美智子さんが挙手をした。
「あら、美智子さん。なにか話したいお題目があるの?」
「いえ、話したいこと、と云いますか。明日のホームルームの時間をお借りしてやりたい
ことがありまして。」
やりたいこと…?なんだろう
「あら?なにかしら、やりたいことって。」
 緋紗子先生は首を傾げながら美智子さんに問う。なんだか楽しそうにも見える。
358269:05/03/04 13:22:02 ID:TmK6nGb0
「…実は。」
 と云って、美智子さんは僕の方に視線を送る。
「?」
「お料理教室をやりたいと思いまして。」
 ……ええっ?!
「……お料理教室?」
 眉間に皺を寄せながら訝しげに緋紗子先生が返す。
「はい。実は瑞穂さんがお料理をやったことが全くないとお聞きしまして、それでは家政
の授業はもとより、女性としても些かお辛いのではないかと思いまして。」
「わ、私?!」
 予想もしていなかった美智子さんの言葉に思わず声を上げてしまった。
「あら、そうなの?!…瑞穂さんがお料理を出来ないなんて、…なんだか嘘みたいね。」
緋紗子先生は僕のほうを見て驚いた顔をして云った。
「え?あ、あの…。」
 嘘みたいって云われても…。…僕……男、……なんですけど。
「そう。わかりました。それでは明日はお料理教室にしましょう。ふふっ、それでは瑞
穂さんに、きっちりお料理を仕込まなくちゃね。じゃあ、どなたか調理室……。」
「先生。では私が。」
といって、一人が手を上げる。
「あら、じゃあ宜しくね。夏樹さん。」
「はい。」
 議題も決まったことで今日のホームルームは終了となった。


359269:05/03/04 13:31:42 ID:TmK6nGb0
「ふふふっ、これでお料理を学べますわね?瑞穂さん。」
 ホームルームが終わり、教室が騒がしくなりだした頃、紫苑さんがやってきた。
「…紫苑さん。」
「私にお任せ下さい。そう申しましたでしょう?」
「え?じゃあこれは紫苑さんが……?」
「ええ、私、美智子さん達にお話ししちゃいました。」
軽く舌を出して微笑む紫苑さん。なんというか……可愛いなぁ。


「へぇぇ。クラス全体でお料理教室かぁ。」
 夕飯を四人で食べている時、今日の出来事を皆に話した。
「それにしても、瑞穂お姉さま。お料理が苦手でいらっしゃるなんて、信じられな
いのですよ〜。とてもお上手そうに見えますのに。」
「うん、そうだよね。瑞穂お姉さまってなんでも出来る方だと思ってた。」
奏ちゃんと由佳里ちゃんが口々に云う。
「ま、確かに。瑞穂ちゃんってば、万能選手にしか見えないもんね。意外に見える
かもね。」
「…そう?そんなに意外…?」
そんなこといわれてもなぁ、生まれてこの方、台所にすら入ったことないのに。
「あ、でも。瑞穂お姉さまににも苦手なことがあるってわかって、……なんという
か、安心しちゃいました。」
「あはは、そうだね。由佳里の云う通りかもね。まぁ、何でも出来る完璧な人間な
んて、面白みの欠片もないしね。瑞穂ちゃんも人間ってことよ。」
 なんかひどことをいわれている気が……?
360269:05/03/04 13:32:30 ID:TmK6nGb0
「あの〜。でもなんで急に、お料理をなさろうと思ったのです?」
奏ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
「ん〜。そうね。」
 紅茶を一口啜って続ける
「ここのお食事はとてもおいしいのだけれど、洋食ばかりでしょう?たまには和食
が食べたくなるのよね。でも自分で作れないままでは、食べたい時に食べられなく
てストレスを感じてしまいそうだから。」
「そんな、和食を召し上がりたいなら、云ってくださればお作りしますのに。」
「ありがとう、由佳里ちゃん。…でもね。」
「で、でも…?」
 由佳里ちゃんに微笑みながら話す
「自分の我儘なのに、人に頼りっぱなし、っていうのも…ね。なんというか、情け
ない感じがするの。…うぅん、由佳里ちゃんの親切はとても嬉しいの。でも、それ
に甘えて自分では何もしないちょっと……って思ってね。」
「……お姉さま。はい、それでは、お料理、頑張って下さいね。」
由佳里ちゃんは満面の笑顔を浮かべて云った。
「あ、それはそうと、瑞穂ちゃん。」
「なに?」
「瑞穂ちゃん、エプロンって持ってたっけ?」
「……無い、ね。」
 てゆーか、僕がエプロンなんて持っているわけがないでしょ、まりや
「じゃあ、あたしの貸してあげるよ。五限目だよね?確か。」
「う、うん。」
「じゃあ、明日のお昼休みに持っていくから。にひひ。」
「よ、宜しく。」
 その笑いはなんなの?まりや……
361269:05/03/04 13:33:17 ID:TmK6nGb0
「ああ、ここにいたのね。瑞穂さん。」
 翌日の昼休み、クラス全員で調理室でホームルームの準備をしていると、まりや
がやってきた。
「ああ、まりやさん。ごきげんよう。」
「ごきげんよう……って、お昼休みから移動しちゃうなら前もって云っておいてよ
ね、教室に行ったら誰もいないんだもん。探しちゃったじゃない。」
 まりや、口調が戻ってる。
「ごめんなさい、すっかり忘れてしまって。それで……あぁ、エプロンを持ってき
てくれたのね。ありがとう。」
「そうよ。はい、これ。」
 そういって、小さな袋を手渡す
「あら…、まりやさん。」
「あら、紫苑様。ごきげんよう。」
「ごきげんよう。どうなさったのかしら……?」
「いえ、瑞穂さんにエプロンを渡しにきただけです。…あ、そうだ紫苑様。ちょっと
宜しいですか?」
「?……なんでしょう?」
紫苑さんの腕を引いて廊下に出てしまった。なんだろう?
「…瑞穂さん、…まだ、準備は終わってないわよ。」
「あ、すみません、圭さ…」
 うわぁぁ!!
「どうしたの?」
「い、いや。その格好は?」
362269:05/03/04 13:34:49 ID:TmK6nGb0
 ……メイドさん?
「見ての通りだけど、文句ある?」
「あ、ありません。」
 黒を基調とした服に、腰廻りだけ白い小さなエプロン……。おまけに本人は無表
情…。やばい、なんというか、やばすぎるっ!!
「あら?まあ、素敵ですわね。圭さん。」
 まりやとの話が終わった紫苑さんが戻ってきて開口一番に云った。
 ……って、
「ええっっ!!」
「…紫苑様も、素敵、です。」
 紫苑さんまでメイド服?!
「先ほど、まりやさんにお貸し頂きましたの。似合いませんかしら…?」
 そういってその場でくるりと一回転。
「……かっ。」
「……かっ?」
 云えない、紫苑さんに可愛いなんて云えない。
「か…借りたんですか?」
「ええ。やはり似合いませんか…?」
頬に指を当て、少し残念そうな顔をする紫苑さん。
「似合っていますよ。とても。」
 しかし、まりやは一体……って、まさか?!
「な、ななななっ!」
 なんじゃあこりゃあぁぁぁ!!!
「…ハート型のエプロンだわね、……しかもショッキングピンク。」
「可愛いですわ。」
 うっとりと微笑む紫苑さん。
「こ、これを着ける…の?」
「ええ、もちろんですわ。エプロンをしないと制服が汚れてしまいますもの。」
 楽しそうですね、紫苑さん…。
363269:05/03/04 13:35:59 ID:TmK6nGb0
「さ、早くしないと日が暮れるわよ。」
「は、はい。」
 圭さんに急かされて仕方なくエプロンを身に着ける。
「……うぅ。」
 恥ずかしい…。男なのに、ピンクのエプロンハート型!
「あら?まあ。はい、瑞穂さん。」
「えっ?」
 紫苑さんが僕の頭に何かを着けた。
「な、なんです?」
「カチューシャ、です。」
 カチューシャ?
「袋に入っていたので、着けてみました。」
「……。」
 なんか廻りの視線が…とても痛い。
「きゃ〜〜!!!」
 調理室に黄色い歓声が巻き起こる。
「…え?…ええ?」
 なんか僕を見て…いる?
「まぁ、なんて可愛らしい。」
「あ〜ん、もう、お部屋に飾って置きたいくらいですわ。」
「あれは、反則です。」
 ???
「な、なに?」
 もう、わけがわからないよ。
「…瑞穂さん。」
 圭さんが手鏡を出して僕に向ける。
「?」
 手鏡を覗き込む
「……。」
 もはや見慣れた女の子の僕。…特に変わりは……?
364269:05/03/04 13:37:32 ID:TmK6nGb0
「違う、もっと…上。」
「上……?……ああ?!な、ななななっ!」
 なんで僕の頭に、ネコみたいな耳があるの?!
「ふふふっ、瑞穂さん。よく似合ってましてよ…?」
 さ、さっき紫苑さんが着けてくれたカチューシャ……?
「まったく、完成度の高いコスプレよね。写真に収めたいところだわ。」
…コ…ス……プ?

orz


女装している上に、さらにコスプレしている変態男
しかもネコ耳付き

「も、もう、ちょっとしたお茶目なんですから、落ち込まないで下さい。」
「…し、…紫苑さん。」
「ま、お茶目にしては堂に行き過ぎてる気がするけどね。なんというか、…自然。」

orz


 ……もう立ち直れません。


「あら?瑞穂さん、どうなさったんですの?」


 美智子さんの声がなんだか遠くに聞こえた……。


Fin
365269:05/03/04 13:43:22 ID:TmK6nGb0
またやってしまいました。
日常のシーンが大好きなもので、つい。
何度か読み返してはいるのですが、まだ誤字脱字が…。
本当にすみません。
366名無しさん@ピンキー:05/03/04 14:15:37 ID:GcnK8vco
>>269
GJ!
原作のネタを絡めつつ、日常の1シーンを現していて実にGJです!

しかし、コスプレネタですか・・・取られた・・・orz・・・
367名無しさん@ピンキー:05/03/04 14:53:42 ID:EdPA56g5
>>352-364
ネコミミをカチューシャと偽るなんて・・・(w
さりげに圭さんが(・∀・)イイ感じ!
GJ!
368名無しさん@ピンキー:05/03/04 15:10:02 ID:5RS48Wo4
ネコミミ(*´д`*)
369名無しさん@ピンキー:05/03/04 18:34:40 ID:dD0yWG6Y
少し見ない間に大作がぞくぞくと投下されていたなんて。
皆さん本当にGJ!
37045=116=170:05/03/04 20:11:59 ID:GcnK8vco
前回の貴子さんシリアス話から打って変わって、
今回は日常(?)のほのぼのギャグ話・・・のつもりが・・・
なんでこんなに壊れた暗い話になってしまったのか・・・正反対やんけ・・・
一応エロも入れておきましたが・・・

『freezed will』
相も変わらずまりやルート後のお話です。

鏑木テクスタイルプランニングって何をやっている会社かわからんのですが、
テクスタイル(織物)+プランニング(計画)ということで、織物・各種服・ハンカチなどの企画をする会社、と解釈。
んで本編エピローグで「新進デザイナーを出迎える」とあったので、
まりやはこの会社の専属デザイナー、と解釈して書きました。
371名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:13:10 ID:GcnK8vco
『freezed will』.1

「・・・さて、出来た!どうよ、貴子!」
「そうですわね・・・。ええ、素敵ですわ。
 薄いクリーム色を基調とした清楚で温和なイメージに赤色を加えることによって情熱を表現した、
 といった印象を受けますわ。このドレスの形状と、赤の配置が何とも絶妙ですわ。」
「へぇ〜。よく判ってるじゃない。見る目が養われてきたわね、貴子。」
「まあ、これまで散々見せられてきましたから。・・・ですが、少し首元が寂しい気もしますわね。」
「ああ、それはね・・・こうやってスカーフとかで・・・こんな感じになるの。ネックレスを使うのも手ね。」
「・・・なるほど。これだけでも随分雰囲気が変わりますのね。
 その日の気分でアレンジしていけるのはいいですわ。ぬかりないですわね、まりやさん。」
「なっはっは。当然よ〜。」

近々ファッションの大きな品評会があるということで、それに出展するドレスを決めるため、複数の候補を作成した。
今はまりや、貴子さん、そして僕の3人でそれを実際に見て、品評会で発表するデザインを決めているところだ。
これは品評会前の恒例行事になっている。

普段はよく喧嘩している2人だが、こうやってファッションの話になると随分と仲が良くなる。
・・・普段もこうならいいのに・・・といつも思うのだけれど、その要望は依然として否決されている。

・・・本当に、まりやのセンスは素晴らしい。
ハリウッドの俳優たちに評価され有名になったデザイナー「御門まりや」だが、
いまではそれだけでなく、日本をはじめとする世界の女性たちに大人気の売れっ子ファッションデザイナーとなっている。
それに、彼女はその、美人だから、そういったことからも話題になっているらしい。

そんなデザイナーを抱える鏑木テクスタイルプランニングは彼女が来てからうなぎのぼりの成長を遂げ、
来年にでも海外に拠点を置くことを考えるようにまでなっている。

これも、まりやや貴子さん、それに社員みんなのお陰だ。
372名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:14:03 ID:GcnK8vco
『freezed will』.2

「・・・これは、どう?」
「・・・随分と大胆、ですわね・・・」
「でしょ?大人の色香を滲ませるようなデザインにしてみた。けどね、コレって実はさっきのよりも布地は多いんだ。」
「え?本当ですか?・・・確かによく見ると・・・そう、ですわね・・・。」
「黒地に対しての、スリットから見える肌の明るさがそう見せるのよ。
 だから、着る本人にとってはあまり恥ずかしがることなく、周りには色気を振りまくことができるんだ。」
「それは面白いですが・・・第一印象が大事な品評会では、説明が必要なものは控えたほうがいいのでは?」
「あ、やっぱりそう思う?よし、決めた。コレは止める!」
「・・・随分と即決ですわね・・・」

・・・まりやのデザインはどれも素晴らしく、僕や貴子さんが見ても賞賛することくらいしか出来ないのだが・・・
けれどたまに何かヘンなところで大ボケをやらかしてたりすることもある。
そういうところを「彼女らしい」と思いつつ指摘するのが僕や貴子さんの役割だったりする。

・・・
それにしても・・・なんでだろう。



「それじゃ次の見てみようか。ほら、瑞穂ちゃん、着替えて。」

なんで僕は着せ替え人形と化しているんだろう。しかも社長室で。

その『色気の漂う』ドレスを身に纏ったまま、そう思った。
373名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:15:08 ID:GcnK8vco
『freezed will』.3

「ねぇ、まりや。」
「ん?なに?」
「なんで僕が着なくちゃいけないの・・・?」
「み、瑞穂ちゃん・・・。あ、私がデザインした服を着たくないって言うの・・・!?」
よよよ・・・とわざとらしくまりやが崩れ落ちる。
「いやそうじゃなくて・・・」
普段は社員を適当にひっぱってきて無理やり着せたりしているのに。
まあ社員もまりやの新作が着られるとあって大喜びしているのだが。
「そういうツッコミは、一番はじめのドレスを着る前に言って欲しいわね、瑞穂ちゃん。」
「ま、まあそうなんだけど・・・」
「えっとね。今回の品評会で着てもらうモデルさんが、結構身長高いんだ。
 ほら、結構ドレスって着る人の身長によっても印象変わっちゃうから、
 だから今回はその人の身長に近い瑞穂ちゃんが適任だったわけ。」
「あ、そうだったんだ・・・といってもあまり納得できないけど・・・。」
「それに・・・久しぶりに女装した瑞穂ちゃん見たかったしね〜。趣味と実益兼ねてるなんて、素敵じゃない?」
「ああ、それなら納得・・・」
     なんで納得するのさ、僕は・・・
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
「小さいときから瑞穂ちゃんに女装させて洗脳してきた賜物ね〜。」
「私も、久々に女の瑞穂さんを見られて嬉しいですわ。」
「た、貴子さんまで・・・orz」
374名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:15:57 ID:GcnK8vco
『freezed will』.4
・・・
・・・
ひととおり着終わって・・・
「まりや、どれにするか、決まった?」
「うーん・・・それがまだ決めかねてるのよね・・・。でも、写真は取ったから、後で見直して考える。」
「まりやさん、後でその写真焼き増しして頂けません?」
「1枚1万円なら考えてやっても、いい!」
「・・・な、悩む価格設定ですわね・・・」
「た、貴子、さん?」
随分と考え込んでいるようで、僕の声が聞こえていないようだ・・・
「それじゃ、もういいよね。普段の格好に戻るよ。」

そう言った時、扉をノックする音が聞こえ・・・
「瑞穂。来週の株主総会のことなのだが・・・」
と、父様が入ってきた。・・・って父様!?

「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

時が、止まった。

「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
375名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:16:50 ID:GcnK8vco
『freezed will』.5

沈黙は、次の言葉で打ち破られる。

「さ・・・幸穂ぉぉぉぉぉーーー!!!」

「うわぁっ!」
父様に抱きつかれ、押し倒された!
「ち、ちょっと、父様!落ち着いてください!」
「小父さ・・・お義父様!止めてください!瑞穂ちゃんに何をするんですか!」
「俺はお前が居なくなってからずっとお前のことを考えていた・・・!
 再び会えることを夢見て・・・!それが今日叶ったのだ!なんという奇跡か・・・!」
「あ・・・」

――見えていない・・・。今、父様には「現実」は見えていないし、聞こえてもいない・・・

「お、お義父様・・・」
「ははは。お前は変わらないな・・・俺はこの通り随分と老けてしまったよ・・・。
 だが、この年月は無駄ではなかった。瑞穂は立派になった・・・。もう何も心配は要らない。
 鏑木の家も任せられるだろう・・・」
「・・・」
僕の姿を見て、僕を母様だと勘違いしているんだ・・・

・・・愛するあまり、疑いもしないで・・・そんな、居るはずもないのに・・・
僕は、そんな父様を見て・・・今だけはせめて母様のふりをしておこうと・・・そう・・・

「幸穂・・・ただただ、お前に会いたかった・・・!」
「・・・」
376名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:17:38 ID:GcnK8vco
『freezed will』.6

「はは。湿っぽい話は止めにしよう。さあ、愛し合おうではないか!」
「っっっっっっっ!!」
前言撤回!それは冗談にならないっ!っていうかなんでそんな急展開なんですかっ!
やばいやばいやばいやばいやばいっ!
「ちょっ!目を覚ましてください!僕です、瑞穂ですっ!」
「っっ!お義父様っ!やめて、やめてくださいっ!瑞穂ちゃんが!」
「はっはは。何を照れている!何度も愛し合った仲ではないか・・・さぁ!」
っ!説得は無意味だ・・・!こ、こうなったら・・・
僕は僕を押さえつけている父様の腕を取り・・・そして極める!
「ぐおぅっ!く、ははは、久しぶりだな、幸穂のサブミッションはっ!
 馴染む。実に!馴染むぞ!最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアハハハハハハーッ!」
!!これでもダメか・・・っ!なら、もう容赦はしないっ!
377名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:18:24 ID:GcnK8vco
『freezed will』.7

・・・
・・・
「はぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁっ・・・」
「瑞穂、ちゃん・・・大丈夫・・・?」
「まりや・・・」
よく見ると、まりやも涙目だ・・・。ショックだったのだろう・・・。僕たちはそっと、抱きしめあった・・・

「あー。見せ付けるのは後にして、だ。そろそろ戻してくれんか?瑞穂。」
「ダメですっ!まだそのままで反省してくださいっ!」
そこには、全身の関節という関節を外された父様が転がっていた。

・・・

「まったく、酷い目にあったな。」
「それは、僕の科白ですよ・・・」
「ふむ・・・それにしても・・・」
父様が僕の顔をじっと見る。
「な、なんですか・・・?」
「普段はお前を男だと思っているからあまり意識していなかったが・・・
 ・・・幸穂に瓜二つ、だな。女の格好をしていれば特に。」
「そ、そんなに似ているのですか?」
「ああ。そうだな、今のお前は・・・私が見た幸穂の最後の元気な姿にそっくりだ。」
「・・・父様・・・」
「だから、だろうな。俺がお前を幸穂だと思ったのは・・・」

・・・やっぱりそうだ。父様の、母様に対する想いは、愛するがあまり「停止」しているんだ・・・。
378名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:19:23 ID:GcnK8vco
『freezed will』.8

「しかし、お前の技は見事なものだな。こうも関節を簡単に外すとは・・・」
「・・・まあ、習わされてきましたから。」
「実はな、護身術・・・というか格闘技を習わせたのも、幸穂の言葉だったのだよ。」
「・・・それは初耳です。」
「ふむ。彼女も随分と格闘技を習っていてな。それで助かったこともあったらしい。」
「そんなことが・・・」
「そのとき、随分と関節技が役に立ったらしくてな。合気道や薙刀といったもののほかに関節技も習わせろ、と。」
「・・・」
そのとき、あることに気が付いてしまった。

「そういえば父様。さっき、『久しぶりだな、幸穂のサブミッションはっ!』と仰っていましたが・・一体?」
「む・・・いや、それはな・・・」
「父様?」
「・・・」
「・・・お義父様?」
まりやも気が付いたらしく、僕と一緒に変な目で父様を見る。
「あ、いや。ははは。実はな・・・」
「実は?」
「愛を確かめ合う時なのだが・・・いつも、幸穂に責められっぱなしだったのでな。
 それでたまには・・・と思って押し倒してみたんだが・・・」
・・・アタマが痛くなってきた。
「そして返り討ちにあった、と。」
「ああ。ははは。恥ずかしながら。」
父様。ホントーに恥ずかしいです。何が恥ずかしいって、そんな話、息子の前で話さないで下さい。
・・・母様。関節技が役に立ったって、ソレですか・・・。
「へぇ。瑞穂ちゃんってホントにお母様似なんだ。そんなところまで。」
「ほう。瑞穂はSなのか。驚いたな。」
「ええ、お義父様。瑞穂ちゃんってば、Hのときは激しくて、私がいくら泣き叫んでも許してくれないんです!」
「ふむ。いかんぞ、瑞穂。彼女は大切にせんと。」
・・・息子の婚約者と義父の会話じゃないよ、それ。
379名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:20:10 ID:GcnK8vco
『freezed will』.9

「・・・ん・・・」
地面から声が聞こえた。
「あ・・・貴子さん!」
よく見ると、貴子さんが倒れていた・・・鼻血を出しながら・・・。
そういえば押し倒された時から声を聞かなかった気がする・・・
「だ、大丈夫ですか!?」
鼻血を拭いてあげながら、抱き起こす。
「・・・瑞穂・・・さん・・・」
「む。羨ましい・・・。それにしてもヘンね・・・。今日は別に鼻血出して倒れるような場面じゃなかったと思うけど・・・。」
「大丈夫かね、貴子さん。」
「・・・! 総帥っ!」
といきなり叫ぶと、貴子さんは起き上がり、僕の顔と父様の顔を交互に見ながら、
「わわわわたくし、体調がすすすすぐれませんので! きょきょ今日はかか帰らせて頂きますわ!
 そそ、それではごきげんよう!みみ瑞穂さん!そそそそそうすいっ!」
「あ・・・」
走っていってしまった。
「な、なんなんだろう・・・まりや、判る?」
「私に挨拶もしないで帰るなんて酷いヤツだね・・・。う〜ん・・・。あ、そういうことか。うんうん。なるほど。」
まりやが納得したような声を上げる。
「まりや、何がなるほど、なの?」
「ん〜、そうね。世の中には、『ホモが嫌いな女の子なんていません!!』なんて言い放つような子も居るってコトよ。」
「・・・」
「そうするに、瑞穂ちゃんが押し倒されたのをきっかけにいろいろ妄想しちゃったんじゃない?
 ・・・貴子、ヘンな道に入らなければいいんだけど・・・。」

orz・・・

百合とかホモとか女装とか・・・僕はノーマルなのに・・・
380名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:21:04 ID:GcnK8vco
『freezed will』.10

「さて、俺は帰るとする。話があったのだが、今日は最早そんな気分ではないしな・・・」
「父様・・・」
父様の表情が一瞬暗くなった・・・母様のことを考えたのだろうか・・・


「あ、そうだ。まりやちゃん、ひとつ頼みたいことがあるのだが・・・」
「なんですか、お義父様?」
と、さっきの暗い表情はどこへやら。父様とまりやが何か悪巧みをしている。
「・・・ふむふむ。・・・くっひひ。総帥もお好きですねぇ・・・」
「報酬は・・・そうだ。・・・はは。では頼んだよ。」
・・・なんだか凄まじく不安に駆られる・・・
381名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:21:53 ID:GcnK8vco
『freezed will』.11
・・・
・・・
その夜。いつもどおり僕とまりやはベッドの中に居た。
「・・・お義父様って本当に、お母様のコト愛していたんだね・・・」
「うん・・・ちょっと過激すぎるけど・・・」
母様は僕が物心つく頃にはもう亡くなっていた。だから父様と母様がどんな風に会話していたか、
どんな風に接していたか、ということは知らない。
けれど、父様の姿を見ていれば、2人がどれだけ愛し合っていたかなんていうことは容易に想像がついた。


愛するが故に・・・父様は時計を壊してしまったんだ。母様が亡くなったその日に。

――判っている、けれど認められない――

父様にとって母様の言葉は絶対。
母様の言葉を守っている限り、母様の父様への愛は、父様の母様への愛は色褪せることないから・・・
そして、そうしていればいつか戻ってきてくれる・・・そんなありえない妄念を抱いて・・・
だからこそ、僕に髪を切らないようにさせていたんだし、武道を習わせていたんだ。

その思いは、美しいけれど、なんて悲しいんだろう・・・。


「ねぇ、瑞穂ちゃん。」
「何?」

「私が死んだら、瑞穂ちゃんはそれでも私のことを愛し続けてくれる・・・?」

その言葉に、僕の中に形容できない何かが湧き出てきた・・・
382名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:24:06 ID:GcnK8vco
『freezed will』.12

「まりやっ!!!」
っ!
・・・瑞穂ちゃんに怒鳴られた・・・と次の瞬間には瑞穂ちゃんに強く抱きしめられていた・・・
「まりや・・・死ぬ、なんて言わないでよ・・・。ずっと・・・ずっと一緒に居てよ・・・。」
こんな強い調子で怒鳴られるのも初めてだけど・・・こんな弱々しくて泣きそうな瑞穂ちゃんも初めて・・・


――そっか・・・。
愛する人を亡くしたお義父様。悲しみのあまり事実として判っているのに受け入れられない。
瑞穂ちゃんにとって、お母様が亡くなったのは物心つく前の出来事。
けれどそんなお義父様を見続けてきた瑞穂ちゃんは「愛する人を失うコト」の恐ろしさを知ってしまったんだ・・・


私は、瑞穂ちゃんをやさしく抱きしめた・・・
「瑞穂ちゃん・・・ごめんね・・・。大丈夫だよ。私はずっと瑞穂ちゃんの傍に居るよ・・・。死んだりなんかしないから・・・。」
「・・・まりや・・・まりや・・・」
「瑞穂ちゃん・・・」
「・・・もう、僕から離れない・・・?もう・・・離れるのは・・・つらいよ・・・」

・・・あの6年間の空白は、瑞穂ちゃんにとっては私の想像以上につらいものだったのかも・・・
あのときの約束・・・それは瑞穂ちゃんにとって、お義父様にとってのお母様の言葉と同等だった・・・?

「・・・うん。もう、離れないよ・・・。例えまた海外行くことになっても、その時は瑞穂ちゃんも一緒だよ・・・。」
「・・・まりや・・・っ」

・・・でも、そんなふうに想ってくれてるってことは・・・瑞穂ちゃん、私をすごく愛してくれてるんだね・・・
383名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:26:16 ID:GcnK8vco
『freezed will』.13

・・・
・・・
「ごめん、まりや・・・格好悪いところ見せちゃった・・・」
「ん・・・?何が・・・?」
「さっき、『僕から離れない・・・?』って・・・そんなワガママ言っちゃって・・・」
あんな父様の姿を見て、僕は随分と弱気になっていたみたいだ・・・。
「ワガママなんかじゃないよ・・・。そういうふうに言ってくれて、嬉しかったんだから・・・。」
「まりや・・・」

僕は、まりやの服の中に手を入れていき・・・
「・・・んっ・・・ちょっと・・・瑞穂ちゃんっ」
下着の上からまりやのあそこをなぞる・・・
「・・・いいでしょ?まりや・・・」
「・・・うん・・・瑞穂ちゃん・・・ん・・・ぁ・・・」
下着をずらして直接愛撫する・・・
「・・・もう、濡れてきたね・・・まりや、すぐに気持ちよくなっちゃったんだ・・・?」
「んぁ・・・瑞穂ちゃん・・・そんなコト女の子に言うなんて、んっ・・・デリカシーないよ・・・」
「ごめん・・・でも、コレだけで濡れちゃうまりやが可愛いよ・・・」
「ぅ・・・ん・・・瑞穂ちゃん、ソレあまり嬉しくない・・・」
「そう?僕は嬉しいけど・・・。僕がいじったからこんなになっちゃったんだし。」
「うぅ〜。やっぱりSだよ、瑞穂ちゃん・・・。」
「ははっ。・・・ねぇ、まりや・・・」
まりやにキスをする。
「ん・・・」
「んむ・・・ん・・・」
「まりや・・・ごめん。もう、欲しい・・・はやく、まりやとひとつになりたい・・・」
はやく、まりやと愛し合いたい・・・そうすれば、この心の中の小さな不安はすぐに消し飛ぶから・・・
「瑞穂ちゃん・・・うん・・・いいよ。」
384名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:27:32 ID:GcnK8vco
『freezed will』.14

まりやにうつぶせになってもらい、お尻をあげてもらう。
服を半分脱がせて、下着をずらしたまま、僕のを挿れていく・・・
「んっ・・・ああっ!」
「・・・まりや、大丈夫?」
「ん・・・ちょっと、つらい・・・んっ」
まだ濡れ方が足りなかったみたいで、まりやが険しい表情をする。
「まりや、ちょっと待とうか・・・?」
「ん・・・うぅん、いいよ、動いて・・・そのうち、よくなると思うから・・・」
「・・・ん・・・それじゃ・・・」
僕はまりやに負担をかけないよう、ゆっくりとしたペースで動きはじめる。
「んっ・・・んぁっ、ふぁ・・・んんっ」
「はっ・・・あ・・・まりや、大丈夫・・・?」
「あっ!・・・くぅんっ、あぅっ・・・あぁんっ」
段々とまりやの声が嬌声に変わっていく。それとともにまりやの中が熱く、まるで絡み付いてくるようで・・・
僕はペースを上げていく・・・
385名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:29:15 ID:GcnK8vco
『freezed will』.15

「あんっ!・・・やぁっ・・・んぅっ!瑞穂、ちゃんっ!激し、激しいよぅ・・・!」
「ふふ・・・そんなこと、言って・・・んっ・・・まりや、気持ちいいんでしょ・・・?
 ほら、お汁が溢れて、あっ・・・こんなにシーツを、濡らし、てるよ・・・」
「やっ・・・瑞穂ちゃぁん・・・」
後ろを振り向いた・・・つまりは僕のほうを見たまりやの顔は、真っ赤で、そしてすごく色っぽい・・・。
「ほらほら、んくっ・・・顔は正直だよ、まりや・・・。はっ・・・ん・・・こんな、可愛いまりやには、
 もっと気持ちよく、なってもらわないとね・・・」
僕は、指を、まりやのお尻に挿れていく・・・
「んっ!あぁうっ!ちょ、み、瑞穂ちゃん!や、やだっ」
「嫌?そんなコトないよ、ね?だって、いつもこっちでも、いっぱいイってるじゃない・・・」
「やぁっ・・・瑞穂ちゃん・・・恥ずかしいよぅ・・・んんっ!ふあっ・・・そ、そんな・・・同時に、なんて・・・」
そんなまりやの哀願を聞かずに、僕は腰の動きも指の出し入れもさらにペースを上げていく。
「あっ!あぁっ!んぁっ・・・あぁん・・・み、瑞穂、ちゃんっ、
 気持ち、気持ちいいよぅ・・・!よすぎて、おかしく、なっちゃうよ・・・っ!」
「んっ・・・ふふ。正直になったね、まりや。可愛い・・・くっ・・・まりや・・・僕、もう・・・」
「あっ・・・ま、待って・・・!」
386名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:29:57 ID:GcnK8vco
『freezed will』.16

「まりや?」
「この体勢じゃ瑞穂ちゃんの顔、よく見えないよぅ・・・。お願い、イくときは瑞穂ちゃんの顔、見せて・・・」
「まりや・・・うん。」
そんなコトを言うまりやがすごく可愛かった。
僕は一旦まりやから抜いて、体勢を変えた。
「まりや・・・」
「ん・・・」
既に快楽に蕩けているまりやのあそこに、僕のを再び挿れる・・・。そしてそのまま、激しく、動く・・・。
「ああっ! やぁん、みず、ほ、ちゃんっ!あぅっ・・・」
まりやが、僕に抱きつき、そして足を腰に絡めてくる。そんな様子に僕も興奮し・・・
「あ・・・はっ・・・んぁぁ・・・まりや・・・僕、もう、ダメ・・・。イっちゃうよ・・・」
「んっ!あ、私も、イく・・・っ!み、瑞穂ちゃんっ 一緒に・・・っっ!」
「あ・・・ぁあ・・・まりや・・・んっああぁ・・・っっ!!」
「瑞穂ちゃんっ・・・やぁ・・・ああああ〜〜〜!!!」
387名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:30:45 ID:GcnK8vco
『freezed will』.17

「はっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・ぁ・・・は・・・ぁん・・・」
まりやに覆いかぶさるように、僕は倒れこんだ。
「ま・・・まりや・・・」
「ぁ・・・瑞穂ちゃん・・・」
あたりまえのように、僕たちはキスをした・・・
「まりや・・・愛してる・・・ずっと、ずっと一緒にいようね・・・」
「瑞穂ちゃん・・・私も、瑞穂ちゃんのコト・・・愛してるから・・・。ずっと・・・ずっと・・・」

―――

「・・・瑞穂ちゃん・・・?」
「・・・すぅ〜・・・」
「瑞穂ちゃん・・・寝ちゃったんだ・・・」
Hの余韻から醒めた私は、瑞穂ちゃんの顔を覗き込んだ。
・・・そこには、安心しきった笑顔の瑞穂ちゃんの寝顔があった。
これで、瑞穂ちゃんの不安はなくなった、のかな・・・?
「・・・瑞穂ちゃん・・・。ずっと、傍に居るから・・・ね。嫌がったって、居てやるんだから!」
私は、瑞穂ちゃんにキスをした。
「・・・あはは。瑞穂ちゃんてば・・・。こういうのは普通、男のほうがするものじゃない・・・?」
でも、そんなところも瑞穂ちゃんらしい。・・・そんな瑞穂ちゃんが、好き・・・
「ん・・・」
私は、もう一度、キスをした。
388名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:31:28 ID:GcnK8vco
『freezed will』.エピローグ1

――― 数週間後

僕は父様に呼び出されて、本部の会長室に赴いた。
コンコン
「・・・」
「・・・?」
反応がない・・・仕方ないので、そっと扉を開けてみる。
「・・・やっぱり誰もいない・・・」
まあ、待っていればそのうち来るだろうと思い、中に入っていく。・・・机の上に何かがある。
「なんだろう・・・。写真集・・・?こんなのをこんなところに持ち込んで・・・一体父様は何を考えっ・・・!!」
・・・くらり、とした。この写真集・・・なんで

なんで、表紙が僕なのっ!?

しかもパラパラとめくってみると、全部僕の女装姿の写真・・・幼い頃から恵泉のとき、そして数週間前のあのときの・・・
そういえば・・・あのとき、まりやと父様が何か悪巧みをしていたような・・・

「おお、瑞穂来ていたのか。随分早かっ・・・あ・・・」
父様が戻ってきたらしい。何やら引きつった声を出している。僕は、とびっきりの笑顔をしながら、言った。
「父様、これは一体何なのですか?」
「な、なんだ瑞穂。その、エロ本見つけて問い詰めてくる幸穂のような顔をして・・・」
「父様?」
「・・・ははは、いや、なんだ、その・・・」

数時間後、社員によって全身の関節を外され転がっていた総帥が発見された。
「むぅ・・・変なところまで幸穂にそっくりなのだな・・・それはそれとして・・・瑞穂、持っていかないでくれ・・・」
389名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:32:13 ID:GcnK8vco
『freezed will』.エピローグ2

「まりや!」
「ん〜?瑞穂ちゃん、何?」
「何?じゃないよ!なんだよ、コレ!」
「コレ・・・って何コレ・・・」
「?あれ、まりやの悪巧みじゃないの?」
「悪巧みとは失礼な・・・っていうかこんな写真集作ってないわよ、私は。まあ・・・」
「まあ?」
「お義父様に、瑞穂ちゃんの女装写真渡したのは、私だけど。」
「・・・」
つまり・・・コレは父様が作った、と・・・。でも父様は多忙な身だから・・・
ひょっとして外注したり、グループの会社に依頼したり・・・あああ・・・orz

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「うーん。それにしてもこんなに気合の入ったもの作るなんてねぇ・・・。
 にはは。ヘンなコトに使うつもりだったりして?」
「うぅ・・・追い討ちかけないで、まりや・・・」
390名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:33:16 ID:GcnK8vco
『freezed will』.エピローグ3

「で、ところでまりやは何かもらったの?報酬とか言ってたと思うんだけど・・・。」
「私は、コレ。」
と、まりやが取り出したのはアルバム。中を見ると、昔の僕の写真がいっぱい入っていた・・・。
コレ自体は僕も見覚えがある。たぶん、家にある僕のアルバムのレプリカだろう。
「・・・これはこれで、恥ずかしいんだけど・・・。」
「でも、こうして見ると、懐かしいよ。私も写ってる写真もあるし。ホント、腐れ縁だね。」
そういうまりやの顔を見ると、すごく穏やかで優しい表情をしている・・・。
「私の家にも、昔のアルバムあるけどさ。やっぱり私メインだから。こうやって瑞穂ちゃんメインのアルバム見ると、
 また新しい発見があったり、なんてね。」
まりやは本当に嬉しそうだ。そんな顔を見てると、なんだか毒気が抜かれてしまった。
「はぁ・・・。ずるいや、まりや。父様にあの写真渡したのはちょっと頂けないけど・・・
 ・・・そんな顔されたら何も云えないじゃないか・・・。」
「え?・・・そんな変な顔してる・・・?」
「うん。すごく可愛い顔してる。」
「み、瑞穂ちゃん・・・。卑怯だよぅ、不意打ちは〜。」

「でも、お義父様に写真渡したのはちょっと失敗だったかなぁ。」
「うん。かなり、ね。」
「あ、あはは。ごめんね、瑞穂ちゃん。許して?」
別にもう怒ってはいないんだけど・・・ちょっと悪戯心が芽生えてしまった。
「まりや、ホントに悪いって思ってる?」
「え・・・う、うん・・・」
「じゃあ、どうしようかな・・・?ねぇ、まりや。」
「うぅ〜、瑞穂ちゃん・・・」
「それじゃ、今夜10時に僕の部屋に来ること。」
「え・・・?」
「今夜は寝かさないから。覚悟してね、ま・り・や♪」
「み、瑞穂ちゃん・・・ちょっと、怖い・・・」

・・・その夜。ホントに寝かせませんでしたw
39145=116=170:05/03/04 20:34:14 ID:GcnK8vco
終わり。←入りきらなかった・・・orz


あとがき

・・・おかしい。何故こんな話になってしまったんだろう・・・。
元々、パパの出番はなかったはずなのに・・・ちょっと出したらこんなに暴走してしまった・・・。
そしてあおりを食らったのが貴子さんだったり・・・出番増やす予定だったのに・・・

瑞穂パパ・慶行さんってちょっと暴走させてしまいましたが、こんな人だったのでは、と思います。
幸穂さんを心から愛している豪快な人。愛するあまり抜け出せなくなってる人。
瑞穂ちゃんも溺愛してるけど、父として、男としての役割は果たすべき時は果たす人。
(紫苑さんルートでは、学生の分際でのその行動は、父としては許せなかったから殴ったけれど、
 愛を貫こうとするその様は、男として応援した、ってそんな感じ。)

最後は例のごとく、瑞穂ちゃんとまりやのらぶらぶでしたが・・・
・・・親父殿がでしゃばってくれたせいで萌え度が足りない・・・

以後気をつけます・・・こんどこそほのぼの話を書けたらな、と思います。
392名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:34:52 ID:m/qT0zpK
親父GJ!
393名無しさん@ピンキー:05/03/04 20:36:33 ID:jValPAic
量産は!?市販の予定はないのっ!?>宮小路瑞穂写真集
394名無しさん@ピンキー:05/03/04 21:20:36 ID:4NFgb7Hl
無論ネコミミエプロンの写真も付けてほすぃ>写真集
395名無しさん@ピンキー:05/03/04 22:00:12 ID:d/CJVXqc
瑞穂お姉さまは、ニューハーフモデルとして世界的にデビューするのですよ〜
396126:05/03/04 22:12:32 ID:jyK5pfwT
も、萌え殺される…!!orz

>>269
>>45
お二人とも最高だったっす( ;´Д`)

圭さんと紫苑様のメイド服って…反則ですw
想像してもうエライ事に…

慶行ぱぱんマジGJ!!
豪快…というか、ぶっ飛んでるなぁ…


そして俺も写真集販売希望に一票…
39745=116=170:05/03/04 23:43:19 ID:GcnK8vco
やはり・・・
本来メインだったはずの瑞穂ちゃん&まりや話が食われてる〜orz

それにしてもこんなにパパが受けるとは思いませんでしたw
それに相変わらず瑞穂ちゃん大人気でw 写真集ネタがここまで・・・w

こんどはちゃんと萌え話を書いて挽回したいところですわw
398301:05/03/05 00:37:28 ID:dCpb81FP
すんません。本当は前の奴の続きを書こうと思ったんですが、
皆さんの貴子さんと紫苑さんの話を見てたら、無性に書きたくなったんで、
投下させて頂きます。
399301:05/03/05 00:38:00 ID:dCpb81FP

それは、私がまだ一つ下の学校に通っていた頃の事。

---------------------------------------------------------------------

休日の朝、未だ眠い目をこすりながら窓のカーテンを開けると、昨日の天気予報の通り雪
が降っていた。白い雪が街を、山を、そして低く垂れ込める灰色の空を埋め尽くす。窓を
開け放つと、部屋には冷たく澄んだ空気と風に飛ばされた雪のかけらが入ってきた。窓を
閉じ、急いで出かける準備をする。

「お嬢様、こんな日にお出かけになっては、お風邪を召されてしまいます。お車を用意い
たしますから……」

「大丈夫、すぐ戻ります」

使用人の懇願を聞かず、私は外へと飛び出した。昨日買ったばかりの傘とコート、お気に
入りの毛糸のミトンがあれば、冬の刺さるように冷たい空気さえも心地よかった。




「貴子は雪が好き?」

いつか、御婆様が私にそうお尋ねになったことがあった。その時私はどう答えただろうか。
確か「大好きよ」と答えた筈だ。そして御婆様は私の髪を優しく撫でてこう仰った。「あ
なたは、あの雪のように清らかに、そして気高く生きなさい」と。

家庭事情は昔からけして良くは無かった。父は仕事と浮気にばかり熱心で、家庭を全く顧
みなかったし、母はいつかは兄を権力の座につけようと、その事ばかりを考えて、私の事
などかまってさえくれなかった。兄は兄で父の権力と名声をかさに、ろくでもない遊びに
だけ熱心で、私はただ呆れるしかなかった。
400301:05/03/05 00:38:48 ID:dCpb81FP
だからこそ御婆様は私に「雪のように清らかに気高く生きよ」と、そう言ったのだと思う。
そしてその瞬間から、私は御婆様の言葉に相応しい人間になろうと思ってきた。しかし、
私は所詮あの両親の元に生まれた娘だ。その言葉に相応しい人間になどなれるはずも無か
った。理想像は遥か遠く、諦めは私の心の底に澱となって積み重なっていった。


雪はゆっくりと、静かに舞い降りる。


近所の公園に入る。木々の枝には白く雪がまとわりつき、噴水はこの寒空の中でも音をた
て規則的に水を噴き上げている。積もり始めた雪は地面を白いじゅうたんへと変え、誰も
いない公園を一層寂しげにしていた。

ふと気がつくと、無垢な静寂の中に、私以外の誰かが雪を踏みしめる音が聞こえた気がし
た。足を止め、その音の先を探す。気のせい? いや、今確かに何かが視界の片隅に見え
た。

その方向へと目を向けてみると、今まで誰もいないと思っていたのに──確かに──そこ
には一人の少女が立っていた。黒く艶やかな御髪、美しく凛々しい御顔。そしてその姿に
似合わない男物の大きな傘を手に、彼女はただ、空を見上げていた。

「紫苑お姉さま?」

そこにいたのは、紫苑お姉さまだった。お姉さまは既に学校中の憧憬の対象だったし、私
もまた、お姉さまに憧れていた。気高くて清らかなその様は、私の描く理想像そのままだ
ったから。その紫苑お姉さまが何故ここに? 私は声をかけようとし、そこで踏みとどま
った。
401301:05/03/05 00:39:29 ID:dCpb81FP
──紫苑お姉さまはただ、空を見上げていた。空いっぱいに広がる灰色の空と、降りしき
る雪の欠片を、ただ見上げていた。お姉さまの周りには白く染まった世界だけしかなく、
一人で、静かに空を見上げていた。その儚げな瞳は一体何を映しているのだろうか。


美しくも、哀しい光景。


お姉さまは何を思っているのだろう。何がそんなに悲しいの?


それからどれほどの時間が経っただろうか。お姉さまは私が見ていたことに気が付かない
まま、こちらに背を向けて歩き出した。

私はお姉さまが見えなくなるまで、その場に立ち尽くしていた。そして、今度こそ本当に
誰もいなくなった公園を後にした。



雪は止みそうにない。

402301:05/03/05 00:41:06 ID:dCpb81FP
---------------------------------------------------------------------
「……空を見上げていらっしゃったのですか」
親しい使用人は、ベットのシーツを換えながら首を傾げつつそう答えた。

「何かお悩み事があるような……そんな感じでしたわ」
私はドアに寄りかかりながら、その作業を見ていた。洗練された動きと手際が心地よい。

「そうですか……わたくしはその方の事を存じ上げませんから、なんともお答えできない
のですけど」

「そうですよね。すみません、つまらないお話をしてしまって」

「いえ、そんなことは無いのです。ただ、お嬢様がそれほどまでにご心配される方の事が
少し羨ましいのですよ」

「……こんな私が心配したところで何にもなりはしませんのに」

「今日のお嬢様は随分と謙虚でいらっしゃいますね。いつもみたいに自信たっぷりでいら
っしゃればよろしいと思いますよ。私達はそんなお嬢様が大好きなんですから」
403301:05/03/05 00:42:08 ID:dCpb81FP
「どうせ私は尊大で我侭な娘です」

「あらあら、膨れた御顔も可愛らしいですわ、 お嬢様は。そんなにもその方の事がご心
配なのでしたら、直に理由をお聞きになればよろしいのでは?」

「そんなこと……出来るわけありませんわ」
不意に顔が赤くなるのを感じた。紫苑お姉さまはまぶしすぎる。お姉さまの悩みを直に聞
くことは、私のような浅ましい身にはとても恐れ多い気がした。

「そう仰らないで下さい、お嬢様。想いを伝えることが出来れば、それだけで、その方の
力になる事が出来るのですよ。……ほらほら、ドアの前をおどきくださいな。洗濯物が運
べませんわ」

「…………もう」

---------------------------------------------------------------------
404301:05/03/05 00:42:38 ID:dCpb81FP
その日の午後、

「今日の夕方、あなたの兄上の婚約者の方がこちらに参ります。粗相の無きように」

母は私にこう告げると、それ以上の言葉もなく、そそくさと何処かに行ってしまった。兄
の結婚相手?そんなもの誰でもいい。あの兄に嫁いでくる方には気の毒な事だが、私には
関係のないことだった。

窓の外で舞う雪の欠片は、朝に見た光景を私に何度も思い出させたが、私にはただ思い悩
むことしか出来なかった。実際、どうしようもない。使用人が言っていたように、紫苑お
姉さまから直接伺ってみなければ、きっと何も解かりはしない。

「もし本当に『想いを伝えることが出来れば、それだけでその方の力になる事が出来る』
のであれば……」

明日……そうだ、明日学校で……紫苑お姉さまに伺ってみよう。今日の朝、公園でお姉さ
まを見たことや、自分がどんなにお姉さまを心配しているかを伝えてみよう。余計な事だ
と思われるかもしれない。おせっかいだと嫌われるかもしれない。

でも……力になれることがあるのであれば、どのような事でもして差し上げたいと思うか
ら……。もし私などで紫苑お姉さまの力になる事ができるのであれば……それはどんなに
嬉しい事だろう。

私は決心した。一度決めてしまうと、心が凄く軽くなった。その事を先ほどの使用人に話
すと「貴子様、なんか口元がにやけていらっしゃいますよ」とひとしきり笑ったあと、
「よかったですね」と微笑んでくれた。

雪は何時の間にか止み、鮮やかな夕焼けの空がまぶしかった。
405301:05/03/05 00:43:41 ID:dCpb81FP
そして夕食の時間。聞けば兄の婚約者をご両親共々、夕食に招待しているのだという。滅
多に家族がそろう事の無いテーブルには、その婚約者とご両親の為と思われる席が上座に
用意されていた。私は席についたまま無言で時を待つ。今更和気藹々とした家族を演じる
つもりなど毛頭なかった。

外が少し騒がしくなった。どうやら客人が到着したらしい。

「十条様がご到着になりました」

……え? 今、使用人はなんと言った? 十条ですって……まさか?!

「どうぞ、お入りください」
「それでは、失礼いたします」

兄の婚約者とそのご両親を見て、私は目を見開いた。体から血の気が引いていく感覚。顔
はきっとこれ以上ないくらいに青ざめているに違いない。なんということだ。

兄の婚約者……それは、十条紫苑お姉さま、その人だった。


406301:05/03/05 00:44:16 ID:dCpb81FP
紫苑お姉さまはただ一言だけ、こう仰った。

「十条紫苑でございます」

お姉さまの瞳にはなにも感情が無かった。朝、あの美しい光景の中で見た憂いや哀しみは、
もう何処にも無かった。能面のように張り付いた笑顔。

何も聞こえず、何も見えず、私は朦朧とした意識の中で紫苑お姉さまの境遇を理解した。
そして兄の元に嫁ぐ彼女がどんな運命を辿るであろうかも。父は金で十条を、紫苑お姉さ
まを買ったのだ。『十条家』と言う旧家の門地と公爵家の名を得るために。紫苑お姉さま
は兄の形だけの配偶者として一生を送ることになるのだろう。恋を捨て、自分を捨てて…
…。

「……貴子、何をぼうっとしている。紫苑様にご挨拶なさい」

父の紫苑お姉さまを形だけ敬った言葉に促され、私は挨拶をした。

「貴子と申します。不調方者でございますが、宜しくお願いいたします」

「紫苑です。こちらこそ宜しくお願いいたします。貴子義姉さま」

その時、紫苑お姉さまの唇が……私にしか分からない……くらい……少しだけ震え……ゆ
っくりと静かに頭をお下げになった。そして、その瞬間、私は理解した。お姉さまが私に
本当の笑顔をむけて下さることは……おそらく永遠にないのだと。


---------------------------------------------------------------------
407301:05/03/05 00:44:57 ID:dCpb81FP



次の日、私は学校で紫苑お姉さまを見かけた。お姉さまは私のことを認めると、露骨に顔
をゆがめ、踵を返して去っていった。

「嫌われて……しまいましたね……」

当然だ。私は厳島の人間なのだから。でも、私は厳島だからこそ紫苑お姉さまの事を守っ
て差し上げることができるかもしれない。ならば、私はお姉さまの騎士になろう。どんな
に嫌われてもいい。ただ、彼女の雪のような清らかに気高さを守れればそれでいい。


せめて彼女の本当の騎士が見つかるまでは……。







fin
408301:05/03/05 00:45:43 ID:dCpb81FP
それでは、前の奴の続きを書きにもどります……。
40945:05/03/05 00:53:49 ID:z1VmYYGR
>>301
読んでいて悲しく、そして切なくなりました。GJです。
ホント、貴子さんの心の中が伝わってくるようで・・・


もう、みなさん本当にハイレベルで・・・
410301:05/03/05 00:54:56 ID:dCpb81FP
わ、今読み返したら誤字脱字が……

×彼女の雪のような清らかに気高さを守れればそれでいい
○彼女の雪のような清らかさと気高さを守れればそれでいい

すんません。生来の不調法者です。
411名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:13:01 ID:TffwkfnO
>>301
GJ!!
でもさ、貴子兄の許婚でそ?
貴子って義理の妹ななるわけで、
『貴子義姉さま』 ってのは違うと思う。
412名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:17:51 ID:sesDGPDB
あぅぁぁああぁああ。紫苑さまと貴子さん分が補充される〜
自分で書かなくても補充されるのは諸刃の剣。

でも、「お義姉さま」では……
とは言え、今までの二人の関係がぶち壊れたというのを表すのにはとてもよかったです。
小技が効いてました。
413301:05/03/05 01:18:44 ID:dCpb81FP
>>45
>>411

ありがとうございます&ほんと、もうしわけないです。
勢いだけで書いてしまったんで、チェックを全然していないんです orz

#もう少しちゃんとチェックしような、オレ。
414301:05/03/05 01:20:53 ID:dCpb81FP
あ、>>412さんもサンクスです&すみませんです。

ほんと、反省、反省……。
415名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:25:27 ID:aQ/Ayyvb
まりやのことだから自腹切ってでも紫苑さんとかに配りそうだ・・・>瑞穂ちゃん写真集
416名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:29:42 ID:sesDGPDB
>>414
あ、いえ。自分はアレレと思いつつも、一番やられた台詞です、あそこ。
というか、苦労はお察しします。

徹夜で書いた紫苑×貴子を盛り上がる展開に持っていったんだけど、、
寝て起きて読んだら無理ありすぎて、全削除かましたばかりです、自分。
書き直し中なんだけど、整合性取った方は盛り上がりに欠けてて……
制約の中で文章をかけない自分が不甲斐ないだけなんですけどね。

しかし、ここは神の集うスレですね、皆GJ!!
417名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:29:49 ID:DoZpcQ8H
むしろ恵泉に持ち込んで伝説の書になりそうなw
418名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:33:31 ID:tpvckG+K
出るかどうか知らんけどおとボクオフィシャルワークスとか本出るとしたら
おまけか中の一部でそういう企画やってくれると面白いね>写真集
表紙は生まれたばかりの瑞穂抱いてる幸穂様で、
次のページから瑞穂の成長を追っていくアルバム形式のページが続いていくの。




ヨダ絵で。
419名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:40:11 ID:FTQQ3yk2
ヨダ絵かよっ

 …そりゃ和むなヽ(゚∀゚)ノ
420名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:51:00 ID:dCpb81FP
今日、二郎のラーメンを食べて思った。
……だれか貴子さんが二郎を食べる話をかいてくれんだろうか、と?

二郎:http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/3433/



# てめえが書けとか言われそうだが
421名無しさん@ピンキー:05/03/05 01:52:27 ID:1NTxA3ar
SS作るの初めてなんで、下手糞なのはご勘弁してください。
422貴子ルート:05/03/05 01:53:47 ID:1NTxA3ar
-瑞穂の部屋-
「何だかわけがわかりませんが、取り合えず腹だけは立ちますっ!」
「お、なんだね、やるかね?ご希望のもので勝負しちゃうぜあたしは・・・あ〜ん?」
「じょーとーですっ!こってんぱんにして差し上げますっ!」

ドタドタと二人が争って食堂に下りていくのがわかる。

「はぁ〜まりやに貴子さんを連れてかれちゃったぁ・・・守れなかった・・・」
男失格だ・・・
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;男性;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;失格;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
423貴子ルート:05/03/05 01:57:31 ID:1NTxA3ar
-食堂-
「あやや、会長さん、お姉さまとご一緒ではなかったのですか?」

食堂では奏ちゃんがちょうどお茶の片づけをしていた。

「お、奏ちゃん、いいとこに、これからみんなでゲームをしようかと思うのだけどやらない?」
「えぇ、奏もご一緒してよろしいのですか?」
「いいのですよ。みんなでした方が楽しいですからね。特にまりやさんにはきっちりとどちらが上か示さなくては(雷エフェクト)」
「あら、私、示していなかったのですか?それは大変ご失礼を!(さらに雷エフェクト)」
「奏ちゃん、由佳里ちゃんは?」
「由佳里はまだ部活だよ。でもあの子は、貴子とはあまり面識がないと思うから、少し怖がると思うのよね?」
「・・・・・。」

一瞬貴子さんが少し悲しそうな顔をした。
前に、貴子さんはご自分のことを冷血女だと評価していたのを思い出した。

「そういえば、面識なかったかなぁ・・・でも貴子さんはとても優しいですよ。」
「そうなのですよ〜。会長さんは御やさしいのですよ。
だから由佳里ちゃんもすぐに親しくなると思うのですよ〜。」
「瑞穂さん、奏さん・・・。」
「貴子が御やさしいねえ〜。あ〜ん、それは大発見ですわね。」
「ま、まりやさん、少し調子が良すぎてよっ。その減らず口もこのトランプで片付て上げますわっ!」
「お〜、最初の勝負はトランプですか〜?勝負の方法はどうするんですかにゃ〜?」
「な、な、何ですかっ。そのにゃ〜という語尾はっ!」
「奏、トランプで熱くなる勝負なら革命だと思うのですよ〜。」

そ、そんな、奏ちゃん炊きつけるような真似は・・・
424貴子ルート:05/03/05 02:00:45 ID:1NTxA3ar
「革命か〜。懐かしいですわ。10月にあんたは革命家に大敗を喫したのでしたね。」
「そ、そんな奏は、単にゲームとして一番楽しいと思っているのですよ〜。会長さん、ご、ごめんなさいなのですよ。」
「よろしいですわっ!まりやさんを大貧民に貶めさせて頂きますわ。貴方には大変お似合いですものね?」
「あらあら、大貧民になるのはどちらの誰かさんでしょうかねえ〜瑞穂様、奏ちゃん?」
「はい、はい、前哨戦はこれまでにして早く始めましょうね・・・。」

やばい・・・早く始めないと・・・命に関わる・・・

-トランプを配り終えた状態-
「革命というゲームのルールは会長さんはご存知なのですか?」
「ええ、大体は知っています。」
「確か地方によってルールが異なるのよね?うちの寮でもたまにしているから、貴子のルールと統一をしないとね。」
「3から順に強くなって、2が一番強かったわね。ジョーカーは全てに強いのだけれど、ハートの3に弱かったと思うわ。」
「そうなのですよ〜お姉さま。でも奏は、ジョーカーはダイヤの3に弱いルールも知っているのですよ。」
「えー!ダイヤの3って最初に出すんじゃなかったの?」
「私も瑞穂さんが云うルールの方を知っていますが、奏さんの云ったルールは初めて聞いたわね。」
「色々なルールがあるのですよ〜。お姉さまが云ったルールがみんなに一番浸透しているので、
そのルールを主体にしてやるのですよ。」
「そうした方が良さそうね。ルールがごっちゃになっちゃうもんね。」
425貴子ルート:05/03/05 02:03:30 ID:1NTxA3ar
「革命は4枚同じ数字もしくは、「階段」と云いまして数字を順に並べて5枚同じ柄で出すとできますのですよ。
後、「縛り」と云いまして、前に出されたトランプの柄と同じ柄を出しますと、次も同じ柄を出さなくてはならないのですよ〜。」
「階段と云うのは初めて聞きましたわ。縛りはこの寮でよく使っていたルールだったわね。」
「階段はたまに聞くルールだわ。」
「私は両方知りませんでした。8で流れを切るとか、ジャックで強さが逆になるなどの特殊な数字のカードを知っていますわ。」
「あ〜。それ知ってるんだ。寮でのルールもそれを使っていたのよね。」
「でも縛りと云うルールもこの寮で浸透しているのなら、私も従いますわ。」
「あら〜生徒会長ともあろうお方が、「縛り」などと云う言葉を何回もお使いとは、いけませんなぁ〜。
それとももう日常茶飯事ですかにゃ〜?」
「縛り・・・・・瑞穂さんに縛り・・・・・・み、み、みずほぉさ、さ、さんに、し、ししばりいぃいいっ。」

貴子さんの顔色がみるみる変わってく・・・・・

「そ、そ、そんなことっ、あ、あるわけないじゃないですかっ!(顔真っ赤エフェクト)」
「おやおや、そんな必死にならなくても〜。」
「はれ〜、「縛り」とはそんなにおかしな言葉だったのですか?〜」
「奏ちゃん、それは・・・さ、ルールも決まったみたいだし、やりましょうよ、ね(汗」
426貴子ルート:05/03/05 02:07:09 ID:1NTxA3ar
-いざ革命-
「ふふふ、にっひひ。」
「まりやさん、その笑い声何とかなりませんか・・・。」
「ダイヤの3はどなたが持っていますか?」
「奏が持っているのですよ。」

奏ちゃんが持っていたダイヤの3を中央にだした。

「奏ちゃん、やっぱり運が強いわね。私ね、はい、縛りっと。」

まりやはダイヤのジャックを出した。

「ダイヤ縛りのリターンか・・・・はい。ダイヤの7と。」
「さすが瑞穂さん、いい数字ですわね。では私は6を。」
「う〜、奏、パスなのですよ。」
「うへへ。私がダイヤの4を持っているのよね。にっひひ。」
「そ、その笑い声・・・・なんとかなりませんかっ?・・・・」

-ごめんなさい中略します-
「まさか・・・・こ、こんなとこで瑞穂ちゃんが革命するとは思わなかった・・・」

結局、奏ちゃんが1番で終わり、その後僕の革命で順位が逆転、貴子さん、僕、まりやの順で終わった。

「あらあら、大貧民様が愚痴を零されるのですか?」
「なっとくいくかぁああああああああぁ!やり直しを要求するっ!」
「奏ちゃんは早めに出し切ってしまったわね。」
「奏は、ジョーカーが出てなかったので誰かが狙ってると思っていたのですよ〜」
「ふふふ、残念。もう少し早く出せばよかったわ。」
427貴子ルート:05/03/05 02:10:46 ID:1NTxA3ar
その時、玄関の方でガタっと扉を開ける音がした。

「きっと由佳里ちゃんなのですよ〜。奏が見てくるのですよ。」

奏ちゃんは立ち上がると、玄関に向かって行った。

「ただいま〜。あれ、誰かお客様が来ています?」
「おかえりなさいなのですよ〜。今会長さん来ているのですよ。」
「か、会長さんって?・・・・せ、生徒会長さんですか?」
「食堂でゲームをしているとこなのですよ。由佳里ちゃんもご一緒にいかがなのですか?」
「え、わ、私なんかがいいんですか?」
「いいのですよ〜。会長さんもお姉さまもみんな喜ぶと思うのですよ。」

-再び食堂-
由佳里ちゃんが、ドアを開けて食堂に入ってきた。

「おかえり〜由佳里。」
「おかえりなさい、由佳里ちゃん。」
「こんにちは、お邪魔してます、上岡さん。」
「こ、こんにちは会長さん。ど、どうぞ、わ、私のことは由佳里と呼んでくださいぃ。」

ガチガチに緊張しながら、由佳里ちゃんが話をしている。

「ふふ、由佳里さんね。どうぞよろしくお願いしますね。」

貴子さんは終始穏やかな物腰だった。誰も今の彼女を見て冷血だとは思わないだろう。
その様子を見てか、由佳里ちゃんの表情も徐々に柔らかくなってくる。
428貴子ルート:05/03/05 02:13:21 ID:1NTxA3ar
「へ〜。貴子もさ、なんだか変わったよね。」
「あなたは、ほっとんど変わりませんけどね。
まあ貴方が私のことを誉めること事態なかったことですから、そういう意味では変わりましたわ。」
「うあっ、云ったわね。前言撤回。あんたとあたしはやっぱり勝負をつけなければなさそうね。」
「じょーとーですっ!何度でも痛めつけて上げますわ。」
「人生ゲームで、今度こそ奈落の底に瑞穂ちゃん共々落としてやる!」

あ、あの人生ゲームか・・・・僕に少し恨みがあるのかも・・・

「まりやお姉さま・・・・あのゲームですか・・・・・」
「会長さんが混じると、まりやお姉さまもなんだか楽しそうなのですよ〜。」

楽しいと云うか、感情を常に爆発させてると云うか・・・・・
429貴子ルート:05/03/05 02:16:29 ID:1NTxA3ar
「このゲームを見ると、なんだか9月の幽霊事件を思い出してしまうわね。」

そう、そして、一子ちゃんのことも・・・・・って・・・・・あ、貴子さん幽霊苦手だったような・・・

「お姉さま、奏もそう思っていたとこなのですよ。」
「ゆ、ゆ、ゆうれ、いですか、かっ!そ、そんなのは、い、い、いるわけな、ないじゃないですかっ。」
「そ、そうですよ。な、なにもこんな時にその話をしなくても・・・・。」
「おやおや、ゆかりんは第2音楽室の話はそ〜んなに苦手ですかにゃ〜?
ねえ奏ちゃん〜、もっと違う幽霊話ない?」
「幽霊話なのですか〜?う〜、トイレの小声がするお話なら知っているのですよ〜。」
「と、と、トイレっ・・・・きゅうううう・・・。」

パタッと二人ともその場に倒れてしまった。

「た、貴子さん、由佳里ちゃん!」
「え、え〜、由佳里なら分かるけど、なんで貴子まで倒れるの?しかも倒れるのはやっ!」

ひょっとしてこの二人って・・・・似ているのかも・・・・・
430貴子ルート:05/03/05 02:18:31 ID:1NTxA3ar
-半年後-
「瑞穂さん、ちゃんと聞いてますか?」
「ええ、もちろん聞いてますよ。」

1年後貴子さんと僕は、大学のキャンパスを歩いていた。

「それでですね。君江さんに聞いたのだけれど、生徒会に由佳里さんが入ったそうなんですよ。」
「由佳里ちゃんが?へえ〜、由佳里ちゃんは陸上部の部長になると思っていましたよ。」
「業務はいたって真面目で、まるで私みたいらしいですよ。ふふふ。」

貴子さんが、本当に楽しそうに話している。生徒会がまた新しい動きになったのが嬉しいのだろう。

「由佳里ちゃんはまりやに似ていると思っていたけど、どうやら貴子さんにも似ているんですね。」

きっと、由佳里ちゃんは何かを生徒会で見つけたのだろう・・・・。

「ひょっとしたら次の生徒会長は由佳里さんで、奏さんがエルダーだったりしてね。」

あ、あれ・・・・前に貴子さんと似ている共通点があったような・・・・・・・・。

「そういえば君江さんって、幽霊話は苦手でしたか?」
「ゆ、幽霊ですかっ?た、確か、わ、私がいた時はそんな話は、し、してませんでしたわ。」

代代生徒会長は、幽霊話が苦手とか・・・・・。ま、まさかね・・・・・。
真相は闇へ・・・・・・。

-Fin-
431名無しさん@ピンキー:05/03/05 02:25:13 ID:1NTxA3ar
貴子ルートでのこのトランプ勝負はぜひ見たかったため、SSにしてみました。
ゆっくりすると長くなってしまうので、途中で切り上げてしまいました。
由佳里ちゃんが生徒会長になる謎も混ぜて見たけど・・・・やっぱり下手でした。

そして半年後と1年後を間違えてしまったorz
しかもうまい描写がまったくなく、場面切り替えもうまくできませんでした。
会話ばかりというのもなんだか・・・・。もう少し勉強してみます・・・・
432431:05/03/05 02:39:51 ID:1NTxA3ar
トイレの幽霊話の元ネタは、由佳里ちゃんや恵泉生徒のアレです・・・
433名無しさん@ピンキー:05/03/05 02:40:50 ID:LUOSS9E7
>>371-391
「親父殿GJだ!WRYYYYYYYーーーーーーッ!」
・・・・・・感想として何か他に言いたいことがあったはずなのですが
結局のところ、この一言に集約されてしまいましたw
貴子は何食わぬ顔で親父殿から買っていそうだw>宮小路瑞穂写真集


>>399-407
紫苑への思いが伝わることがないと解った後の貴子の悲しみと、
それでも構わず守ってみせるという意志が非常によく感じられました。
とても綺麗なお話です。GJ!
それにしても、テンションが↑の作品と見事なまでに違いますねw


>>422-430
リアルタイムでキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!GJ!
場面場面の転換にもう少し流れがあったほうが良いかも。
ただ、人生ゲームから幽霊事件を連想するというのが
少しよく分かりませんでした。
また投下してくれることを期待します。
434126:05/03/05 02:53:34 ID:5EhFUenN
>>399-407
せ、切ない…
切ないけれど、なんて良い話しなんだ…( ;´Д`)

>>422-430
勝負に勝利して喜ぶ貴子さん萌えw
何気に由佳里の生徒会話も織り込んであって、おもしろかったっす。

皆、GJ!!
435名無しさん@ピンキー:05/03/05 03:58:59 ID:dCpb81FP
>>433
>>432
誤字脱字だらけ、チェックもろくにしていない作品に過分の評価、有難うございます。
……実は自分の別作品のリサイクルが3割くらい混じっていたりするんですが…( ;´Д`)

>>416
私も今さっき、前張り話の続きを破棄したばかりです。
もう外が明るくなりそうだよ、ママン…… orz

お互い頑張りましょう。

>>422-430
登場人物の言葉遣いをもう少し練り直してみれば、
ぐっと印象が良くなると思いますよ。

とはいえ、こういう話は大好きです。GJ! そして頑張ってまた投下してくださいね。
436301:05/03/05 03:59:46 ID:dCpb81FP
あ、名前欄抜いたままでした。粗相ばっかだなぁ……。
437301:05/03/05 04:03:50 ID:dCpb81FP
そして、アンカーすらも間違えるワシ……。
>>433 >>434さん、申し訳ない。疲れているのかなぁ。

……そろそろ寝ます。
43845:05/03/05 08:52:24 ID:z1VmYYGR
>>431
やはりこういう日常のお話はほのぼのとしていいですねぇ。

>>420
たぶん貴子さんは食べ切れません・・・w
439名無しさん@ピンキー:05/03/05 09:14:02 ID:sesDGPDB
>>420
麺は、食べ始めは延びていましたが、最後には丁度良くなっていました。
要するに茹で加減にムラが生じていたという事ですね。 これはあまり頂けませんかと。
豚肉は、ふわふわしていて大変柔らかいものでした。それでいてパサついていないません、最高ですわ。
スープは、いつもより薄目に感じました。アブラも少なめ……ひょっとしたら忘れられたかもしれませんわね。
野菜はといいますと、モヤシが8に、キャベツ2の割合でしたかしら。
シャキシャキした歯ごたえでしたわ。半茹、でしょうか?
大蒜は生のものを中くらいに刻んだものが入っておりました。凄く…大きいです……あん♪

「貴子さん、それ僕の決め台詞……」

>420
>二郎:http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/3433/
>三田本店、平成15年初夏より
440名無しさん@ピンキー:05/03/05 09:15:02 ID:sesDGPDB
>パサついていないません

改変ミスorz
441名無しさん@ピンキー:05/03/05 09:52:50 ID:8YDKSfW/
>>301
ガンガレ。超ガンガレ。
442名無しさん@ピンキー:05/03/05 11:21:52 ID:dCpb81FP
>>439

何のことはないな〜と思ったんですが……

> 凄く…大きいです……あん♪

で激ワロタ GJ!
443名無しさん@ピンキー:05/03/05 12:50:44 ID:sesDGPDB
「な、何ですか!?これは……これを、食べるのですか?」
「そうよ……何? あんたひょっとしてラーメン食べた事ないの?」
「し、失礼な! ありますとも、以前に、瑞穂さんに誘って頂いた事がありましてよ」
「何ですって! そんな話聞いてないわよ」
「あら、どうしてあなたに言う必要があるのかしら……ふふっ」
「ちっ、後で瑞穂ちゃんとっちめてやるんだから……ずるずる……
 ん〜、この味よね。来る度に味にバラつきがあるのが難点とは言え、やっぱりおいしいわ〜」
「はふはふ……んっ、咀嚼しながらお話になるのはお行儀が悪いのではありませんか? まりやさん」
「な〜に、言ってんの、ラーメン食べながらそんな固い事言っちゃ駄目だって」
「ラーメンは関係ないですわ。ちゅるちゅる……ん、おいし」
「でしょお、ここ私の一番のお気に入りなんだ。味もいいけど、この雰囲気がまたたまらないのよね〜、
 おいちゃ〜ん! 替え玉〜〜〜!」
「……替え玉、とは何の事ですか?」
「ん〜、そうね、平たく言えば麺のおかわりの事よ」
「これだけの量を前にして、そんなものを……と言うか、もう食べ終わったのですか!?」
「はいよ、お嬢ちゃん、替え玉一丁」
「はーい、んっふっふ」
「……何だか私、見ているだけでお腹いっぱいですわ」
「何、あんたいらないの? じゃあ、私が貰ってあげる」
「誰もそんな事いってないでしょうが、あぁ、駄目! 私のラーメンがぁ、酷いっ酷いですわ!
 このっ、このっ、離しなさい!」
「んふふ〜、ご馳走様〜」
「まったく、人の箸に齧り付くなんて信じられません。私のラーメン……ぶつぶつ……あ……」
「どしたの? 顔真っ赤にして」
444名無しさん@ピンキー:05/03/05 12:54:05 ID:sesDGPDB

「いえ、……その……何でもないですから、気にならさずに……」
「はっは〜〜ん、間接キスかぁ。何あんた、女のあたしと間接キス気にして真っ赤になるんだ。可愛い〜」
「ちちちちち、違いますっ!」
「でも、よかったわね〜、これで、瑞穂ちゃんと間接間接キスよ。ちょ〜っと遠いけど」
「何ですって……」
「およ、真っ赤……なのはいいけど、怖い顔」
「どうしてっ、あなたがっ、瑞穂さんとキスしているのですかっ!?
 私が、初めてって言って下さったのに!!」
「……こら、貴子……今のは聞き捨てならないなぁ、あんた瑞穂ちゃんとキスした事あるの?」
「当然ですわ。私と瑞穂さんは……あのぬいぐるみさんの見下ろすベッドで……その……あぅ」
「何ですって〜〜〜! よりにもよってあたしと貴子を二股にかけるたぁ……いい度胸じゃない」
「ずるずるずる……んぐ。二股って……まさかまりやさん」
「う、うん……私なんて、後ろまであげちゃった……たはは……ちゅるちゅる」
「………」
「………」
「おやじ〜、なんか冷房弱くないかい?熱っつくてしょうがねぇよ」


「――くちゅん」
「はやや〜、お姉さま風邪を引いたですか?」
「ん〜、そうかも知れない。なんか凄く寒気がするんだ。 服、そろそろ来た方がいいかなぁ」
「それなら、奏が暖めてあげるのですよ〜」
「うん……奏ちゃんの肌……暖かい……あん♪
 (……おかしいな……手まで震えてる……)」
445439:05/03/05 12:56:14 ID:sesDGPDB
昼飯がラーメンだったので、>>420に捧げます。
446名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:00:40 ID:LUOSS9E7
>>443-444
前半の貴子とまりやのやりとりにほのぼのし、
さりげなく3股な瑞穂にワラタw
447名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:03:11 ID:s29YUa1h
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
448名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:11:18 ID:DoZpcQ8H
そしてそのうち
「……まりや達の知っている、宮小路瑞穂は死んだ」と新規ロリキャラを傍らに言うお姉様の姿が浮かんだ
何 故 だ !
449名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:12:04 ID:sesDGPDB
カランッ

「お姉さまだからさ」
450420:05/03/05 13:12:45 ID:dCpb81FP
GJ! 激しくGJ!!
二郎とは違うけど、期待以上の出来にもう一度GJ!!

それにしても、皆さんのSSを読むと、
おとボクのキャラが物凄く魅力的だからこそだってのが良くわかりますよね。

自分なんてSS書くのは2年ぶりくらいだもんなぁ……やっぱ凄いや>おとボク
451名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:24:28 ID:sesDGPDB
感想感謝です。会話ほのぼのの方が100倍筆が進むと言う驚愕の事実。実際書いてて楽しい。

次郎というラーメン屋自体行った事ないのですが、>>420のHPの三田本店を参考に
量が多い。親父が人情系。食べに行った時によって味が変わる、としてみました。替え玉があるかは知りません。
まぁ、作中ではただの普通のラーメン屋になってますが。
452名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:28:56 ID:z1VmYYGR
瑞穂ちゃん・・・命知らずですな・・・
453名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:44:15 ID:I4AVfgUM
替え玉は味が薄くなるから邪道、ちゃんと1杯ずつ食うべしって言う人もいるけどね
まあ元々スープが残るのはもったいないってことで始まったらしいし・・・
454名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:46:37 ID:I4AVfgUM
>452
実は四股で紫苑さんも引き込んでて、彼女に篭絡してもらうとかw
455名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:49:08 ID:I4AVfgUM
だがそこまでいったらいくらなんでもキャラ変わりすぎって気がしないでもない
てか浮気性な瑞穂ってのは想像しにくいかも
基本的に思い込んだら一直線っぽいし
まあ迫られまくって流されて泥沼にってのはありそうだけど、自分からってのはねw
456名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:51:14 ID:LUOSS9E7
>>455
そこが二次創作の醍醐味ですよ、お姉さま。
457名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:54:00 ID:I4AVfgUM
>456
それって二次創作じゃなくて単にオリジナル考えるのが面倒だから既存のキャラの顔と名前使ってるだけじゃねえのか
458420:05/03/05 13:56:02 ID:dCpb81FP
いや、二郎はですね。
替え玉なんて無くとも一般人には絶対無理なくらいの豪快過ぎる盛、
凄まじいボリュームなのですよ。大(大盛)、野菜マシ、ブタ入りともなると……。

喰いきれるのはガテン系の兄ちゃんでも難しいです。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル



……というわけで二郎談義はここまでにして、以後何事も無かったかのようにどうぞ。
             ↓↓
459名無しさん@ピンキー:05/03/05 13:57:39 ID:I4AVfgUM
おとボクロワイヤルとか言って惨殺劇もOKか?w

ま、漏れみたいに潔癖すぎるのもどうかって思うけどな
実際違和感感じようとも需要はあるんだし
気に入らないなら反応しなきゃいいだけでさ

だけどALC○Tみたく公式でそれはやらないでくださいおながいします
460名無しさん@ピンキー:05/03/05 14:11:17 ID:UGG2s2/0
おとボク1945
46145:05/03/05 14:31:26 ID:z1VmYYGR
>>459
個人的には血なまぐさい話はちょっと・・・ですなぁ・・・個人的には、ですけど。
まりみて(笑)みたいなギャグのノリでとかならいいのですけれど。



どこまで原作に添って書くか、どこまで自己設定でいいか、っていうのはなかなか難しい話ですよね。
あまりに原作を重要視すると、書くことができる種類が限られていってしまいますし、
あまりに原作を無視しすぎると、いろいろ書けますが、受け入れられなかったり、とか。
また、ギャグ話ならはっちゃけても許されたりしますけど、シリアスだとダメ、とか。
あとは、原作中のコトでも人によって解釈が違うとか。

・・・まあこれは二次創作する上でいつも出てくる命題ですわね。

あとは各人の裁量ですよね・・・書く人と、見る人の。


私自身がSS書く場合は、なるべく原作に添うように書いているのですが・・・
人によっては違うじゃん、と思われるかもしれませんし(これがいつも悩んでいる点なのですが・・・
462名無しさん@ピンキー:05/03/05 14:43:34 ID:I4AVfgUM
>461
実際問題として、結局誰もが満足するガイドラインなんてものは作れないからな
書く方、見る方がそれぞれ好みに合わないものでも「そういうのが好きな人もいる」って許容し敬遠するしかないと思う
自分が受け付けないからって排斥しても何の解決にもならないどころか無駄に荒れるだけなわけで
因みに漏れはギャグなら多少のコワレキャラはOK、エロやシリアスもできるだけ原作に沿って欲しい、
だが原作設定無視でヤってるだけならそんなん素直にオリキャラで書けやフォルァってタイプw

まあ小難しい話はともかく、しばしこの甘美な世界に浸ろうじゃないか
漏れはまだコンプしてないから書けないけど
463名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:17:47 ID:NOfZb5oK
万人受けしない話だと思ったら、注意等をSS投下前のレスに書く
ついでに、SSが何レス分かを書くと途中邪魔しちゃって気まずい思いを
する事も無くなるか・・・

視界に入るのもイヤな人にはアボンして貰えるよう、全レスの名前欄か本文に
題名を書くようにする

とか。
自分がやってるだけで、端から見れば自己満足かも知れませんが(;´Д`)
寮生活と同じく、住人相互の、負担にならない程度の小さな配慮で
驚くほど居心地が良くなると思うのですよ。
464名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:21:01 ID:sesDGPDB
取り合えず以降自粛します。
スレ汚しして申し訳ない。

皆さん創作頑張って下さい。
465名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:25:52 ID:SdPyLM66
>464
いや、別に誰も責めてないから。
むしろギャグとして受け入れてるし。
勝手に自己完結するのはやめれ、貴子さんじゃあるまいにw;
466420:05/03/05 15:29:35 ID:dCpb81FP
>>464
465さんの言う通りです。責めているわけではないんです。
私の書いたことで何か誤解を招いてしまったのでしたらごめんなさい。

せっかく楽しいSSが書けるのですもの。頑張って頂けると皆喜びますよ〜。
467名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:30:44 ID:gK4Z4Eh0
そこはアレだ、恵泉の校風が如く、「寛容を旨」としようじゃないか。
と言う事でSS楽しみにしてます。
468名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:32:27 ID:8YDKSfW/
>464
あんたはまったく気にすることないかと
頑張ってくれ


なんか混沌としてきたけど>463に同意
469名無しさん@ピンキー:05/03/05 15:35:07 ID:SdPyLM66
私も>463さんに同意ー。
…一子END後の小話思いついたけど、まだ紫苑さんルート行ってないから鏑木邸での場面が書けないorz
47045:05/03/05 16:22:50 ID:z1VmYYGR
>>463
私も同意です&気をつけます。
内容については私も書いていますけれど、
2作目以降って何話あるか書いていないんですよね、そういえば。忘れてました。

>>464さんも是非今後も書いてください。
471まりやED:05/03/05 17:14:21 ID:7FlZQyH/
まりやEDのまりや視点でのお話です。全8レス。
適当に書いたお話なので、適当に流して読んでもらえると幸いです。
エロ無しでごめんなさい。
472まりやED:05/03/05 17:15:27 ID:7FlZQyH/
1/8

とうとうあたしは日本に帰ってきた。

六年──。
今までやって来た事を振り返ってみれば決して長い時間ではない。
身体一つでアメリカに渡ってファッションの勉強をして、実力を認められるようになって、
仕事をもらって、それが軌道に乗って、お得意様も出来た。それを六年で成し遂げた。
成功か失敗かで言えば、間違いなく成功した部類に入る。
では、彼を手に入れるのに相応しい女になれたのかといえば、やはりまだ不安が残る。

正直な話、後悔した回数は数え切れない。
どうしてあの時、弱点を克服してみせる、なんて変な意地を張ってしまったのだろうかと。
何もかも投げ出して彼の腕の中に飛び込んでいこうと思ったことだって、三桁じゃすまない。
恥も外聞もなく縋り付いて見せれば、きっと受け入れてもらえる。彼はそういう人だ。
でも、だからこそ、そこで矮小なプライドが邪魔をしてそれを選択することは出来なかった。
弱点を克服する、なんて大きなことを言っていたくせに、彼と離れていればいるほど、
私はどんどん弱くなっていった。それでも耐えられたのは、あの時彼に貰った『約束』が
あったから。
あの時は彼に売約済みの札を付けるつもりでいたが、実際のところは売約済みの刻印を
刻まれたのは私のほうだ。そして、それがなければ私なんかとっくの昔に壊れてしまって
いただろう。
しかし、それももう限界だ。でもいい。私はこうして日本に帰ってきて、本物の彼に会えるのだから。
473まりやED:05/03/05 17:16:40 ID:7FlZQyH/
2/8

「鏑木テクスタイルプランニングねぇ。あたしのために作ってくれた……ってのは自惚れかな、
 やっぱ」
到着ロビーに付いた私はひとりごちながら瑞穂ちゃんを探し始めた。どうせなら隠れて近づいて
脅かしてやりたい。
「それにしても社長自らお出迎えとはねぇ……暇なのかしら? まあ嬉しいけど」
ぶつぶつと独り言を言いながらお目当ての人を探していく。これから瑞穂ちゃんに会えることを
考えるとどうしても頬が緩んでしまう。そんな顔して独り言なんて言ってるもんだから、すれ違う人が
怪訝そうな顔であたしの事を見ていくけど、そんな事はまったく気にならない。
あー、ちょっと浮かれすぎかも、あたし。

そうしているうちに瑞穂ちゃんを見つけた。今日は女装はしていない……って当たり前か。
最後に会ったのが恵泉の卒業式だから、その時のイメージが抜け切っていないみたい。
でもやっぱり目立つ。まあ、あたしが色眼鏡でみてるってのは否定できないけど、それでも
周りの人に比べて、何というかこう、オーラみたいなものが出ているような気がする。

あたしははやる気持ちを抑えながら気付かれないようにゆっくりと近づいていき、瑞穂ちゃんを
脅かすタイミングを計っていると、聞きなれた懐かしい声が聞こえてきた。
474まりやED:05/03/05 17:17:40 ID:7FlZQyH/
3/8

「社長、コーヒー買って来ましたわ」
「ありがとう、貴子さん」

(貴子?何で貴子がここに?)

「それにしても……たかが新進デザイナー、社長自らお出迎えなさらなくても宜しいんじゃ
ありませんか?」
「おや、社長室長らしからぬ発言ですね、貴子さん……そう云う室長だって、わざわざそんな
出迎えに付き合う必要は無かったはずでしょう?」

話を聞くと、どうやら貴子は瑞穂ちゃんの会社で社長室長なんてモノをやっているようだ。
あの貴子が、とも思いもしたが、よくよく考えてみれば貴子は厳島の家を出たがっていたし、
あれで瑞穂ちゃんのことを慕っていたからそんなに不思議なことじゃないかもしれない。
でも、ってことは貴子も瑞穂ちゃんが男って事を知ってるってワケだ。貴子のことだから、
きっと面白い話になっていることだろう。うぷぷ。

「何をするかわかりませんから……デザイナーという人種は」
「おやおや、大概な云われようですね……世の中のデザイナー業の人が聞いたらさぞかし
怒る人もいるでしょうね」
「事務屋の私からすれば、どなたも宇宙人みたいなものですから……デザイナーというものは……」

「That has nothing to do with you!」
「!!」
475まりやED:05/03/05 17:18:33 ID:7FlZQyH/
4/8

気が付けば、黙って聞いていれば好き勝手なことばかり言う貴子に我慢できず、つい飛び出して
文句を言っていた。最初の計画とは違ったが、瑞穂ちゃんは驚いてくれたみたいなのでこれは
これで良しとしておこう。

「……Any complaints?」
「Who do you think you are?」
「ちょっと二人とも、いきなり喧嘩始めるのはやめてくれないかな?まったく六年ぶりだって云うのに
……全っ然変わってないね」
あーあ、ほら、瑞穂ちゃんに呆れられちゃった。本当にもう、貴子のせいだからね。
「っつーかさあ、何でこんな所にヒステリー女が居るワケよ?感動の再開が台無しじゃないの……」
「私はあなたのライバルですから……あなたも私が見える場所にいないと張り合いがないかと
思いましてね」
「はん、云ってくれちゃって……」
そんなやり取りをしつつも、あたしは終始笑顔だった。瑞穂ちゃんと二人っきりの感動の再会は
駄目になっちゃったけど、見知った顔がいるのはやっぱり嬉しい。それが貴子だというならなおさらだ。
こんな事、とても本人には言えないけど、あたしは貴子のことを親友だと思ってるから。

そうしているうちに貴子はあたしに向かい直った。改めて挨拶でもしようというのだろう。さっき
話を盗み聞きしたから貴子の役職はわかっている。
その時はせいぜいからかってやろうと思っていた。

「ご挨拶が遅れましたわね、株式会社鏑木テクスタイルプランニング・社長室長の……」
476まりやED:05/03/05 17:19:37 ID:7FlZQyH/
5/8

「鏑木貴子と申します。こちらが社長の鏑木瑞穂です……以後よろしくお願いしますわ」
「!?……かぶらぎ……たかこ……?」

貴子が何を言っているか理解できなかった。いや、理解したくなかっただけなのかもしれない。
ただ、貴子は自分の姓を『厳島』ではなく『鏑木』と言った。色々な考えが頭の中をグルグルと
回るが、今のあたしにはそれを纏め上げることなど到底出来なかった。

「あら、どうしまして? まりやさん」
「……どういう……こと……瑞穂ちゃん……?」
「どうもこうも、そういうことですわ」
「あんたには聞いてない! ねえ、瑞穂ちゃん!!」

貴子を押しのけて瑞穂ちゃんに迫ったが、瑞穂ちゃんはただ困ったような笑みを浮かべる
だけで、何も答えてくれなかった。それでも縋り付いていたら、とうとう顔をそらされてしまった。
477まりやED:05/03/05 17:20:26 ID:7FlZQyH/
6/8

「そう、そうなんだ。そうだよね。六年間も放っておいたんだもん、仕方ないよね」

あたしは立っていられなくなり、その場にぺたりと尻餅をついた。
一体何がいけなかったんだろう。
瑞穂ちゃんに釣り合うと思えるようになるまでに六年もかけてしまったのがいけなかったのか。
ちっぽけなプライドを満足させるために瑞穂ちゃんに会いに行くのを我慢したからか。
『約束』したから離れていても大丈夫と高をくくってはいなかったか。
いや、そもそも留学なんかしたのがいけなかったのか。
瑞穂ちゃんが鈍いのなんて最初からわかっていたのに、高望みをした自分がいけなかったのか。

「なんだ、あたしが悪いんじゃない……」

そう呟いた茫然自失のあたしに、変わらない調子で貴子が、「そんなところに座り込んだら服が
汚れてしまいますわよ」と言ってあたしを立ち上がらてベンチに座らせてくれた。
文句のひとつも言ってやりたかったが、そんな事は出来なかった。あたしは六年もの間、瑞穂ちゃんを
放っておいた。繋ぎとめるための努力を放棄していた。でも貴子はきっと、瑞穂ちゃんに振り向いて
貰うための努力を惜しまなかったに違いない。今のあたしには何もいう資格はない。
478まりやED:05/03/05 17:22:06 ID:7FlZQyH/
7/8

「とにかく、今日はもう一人、貴方に会って頂きたい方がいるんです」
これ以上まだ何かあるの? あたしはそう思いながら答えた。
「……誰?」
「それは会ってのお楽しみ。でもそうね、ヒントをあげましょう。私と瑞穂さんが大切に思っているひと。
そして、瑞穂さんと血の繋がったひと」

……まさか。
でもそんなはずは、と思っても一度考えた想像を打ち消すことは出来ない。可能性としては決して
ないわけじゃない。でも、でも。
そうしているうちに貴子の声が掛かった。
「さ、お見えになりましたわよ。まりやさんもご挨拶なさってください」
「……!」

嫌。もう嫌。もう許してよ。貴子も瑞穂ちゃんもひどいよ。
あたしは俯いたまま目を瞑って何も見ようとはしなかったが、いつまでも目を背け続けることは出来なかった。
暫くして瑞穂ちゃんに「まりや」と声を掛けられると、もう逃げることも出来ないのだと理解し、死刑台に上る
死刑囚の様な気持ちで顔を上げ、瞼を開いた。
479まりやED:05/03/05 17:24:04 ID:7FlZQyH/
8/8



  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  | ド ッ キ リ カ メ ラ |
  |________|
   ./二二ヽ||
    (;´∀`) || ←慶行
    /  づΦ

「…………」
そこには『ドッキリカメラ』と書かれたプラカードを左手に、ピコピコハンマーを右手に持ち、そして赤い
ヘルメットを被った慶行小父様の姿があった。
あたしは無言でピコピコハンマーを奪い取ると小父様の頭に一閃した。何かヘルメットが割れたように見えたが
多分気のせいだ。それを見た貴子が顔を真っ青にして倒れたように見えたが、それも気のせいだ。

「…………」
「あの……まりや……?」
「みぃぃぃィィィィィずぅぅぅゥゥゥゥゥゥほぉぉぉォォォォォォォォ」
「な、何で僕、ちょ、まりや、落ち着こう、ねっ?」
「やかましいわボケェ!!やってええ事と悪いことがあるっちゅうねん、コラ、待たんかいワレェ!!」
「ヒィィィィ」

その後、その空港にはピコピコハンマーを持った鬼が出ると噂されたが、あたしは何も知らない。

                        ─ 完 ─
480名無しさん@ピンキー:05/03/05 17:26:28 ID:s29YUa1h
俺は父様の養子にでもなったかと予想したが、そうきたか
フゥハハハーハァー
481名無しさん@ピンキー:05/03/05 17:30:17 ID:fNaXbf9P
こやつめ、ははは(AAry

やっぱり首謀者は父様なんだろうかw
48245:05/03/05 17:30:32 ID:z1VmYYGR
>>471
やばい、激笑しましたw
GJです。

中盤まで読んで、まりや萌えな私はかなりorz状態になってましたが・・・
最後ので大爆笑しましたw

っていうかそのシュールなAAがなんとも・・・w

しかし、ピコピコハンマーでヘルメット(と慶行小父様の脳天)をカチ割るとは・・・
瑞穂ちゃんの格闘術も真っ青ですなw
483名無しさん@ピンキー:05/03/05 17:43:46 ID:HEZ/uvTu
AA禿ワラタ。
もうね、大爆笑ですわ。
ナイストラップ、瑞穂ちゃん&貴子さん。
484名無しさん@ピンキー:05/03/05 17:54:56 ID:0kPNOsVV
>479
――本日午後三時ごろ、○○空港にて鏑木グループ総裁の鏑木慶行氏、慶行氏の長男で鏑木テクスタイルプランニング社長の鏑木瑞穂氏が襲われる事件がありました。
容疑者の御門まりやは調べに対し「ついカッとなってやった。悪気は無かった。今は反省しているが瑞穂ちゃんから謝ってこないと許してあげない」などと供述しており――

激しくワロタwGJ!
485名無しさん@ピンキー:05/03/05 18:09:25 ID:NOfZb5oK
>>471
GJ
すごい笑ったw
AAの使い方も効果的

落とし方がすばらしい
7/8まで鬱展開かと見事に騙されました
486名無しさん@ピンキー:05/03/05 18:27:42 ID:LUOSS9E7
>>472-479

この親父、ここでも活躍してくるのかよっ!(w

GJ!
てっきり養子になったのかと思ったら、予想の斜め上を行かれたw
487名無しさん@ピンキー:05/03/05 18:30:22 ID:jXmvlrlq
貴子が妹ってのもそれはそれで(*´Д`)ハァハァできる
488名無しさん@ピンキー:05/03/05 19:00:19 ID:TffwkfnO
>>472-479
GJ!
PCの前で笑い死ぬかと思ったよ 腹痛すぎwwwww
489名無しさん@ピンキー:05/03/05 19:57:27 ID:+4sczTuh
大財閥のTOPが白昼衆人環視の中で何やってんだかw

もしかして愉快な豪快父さんってのがデフォになるのか?w
490名無しさん@ピンキー:05/03/05 19:57:57 ID:d6fhwaJx
親父最高だよ!
491名無しさん@ピンキー:05/03/05 20:58:50 ID:RRpngfOJ
>>487
妹な貴子・・・それだ!
492名無しさん@ピンキー:05/03/05 22:09:05 ID:ppBPMnd0
>>471

良くやった感動した。
493名無しさん@ピンキー:05/03/05 22:15:35 ID:dCpb81FP
うわ……レベル高すぎ……。
差を見せ付けられた気分だ。自分の半端な作品が投下しづらいなぁ。

ともかく >>471 超GJ! 親父のまた違った面が垣間見えます w
もうこのスレ的にはいぢりキャラ以外の何者でもないな w
494126:05/03/05 23:25:48 ID:N3OPy+ir
>>471
_| ̄|○わ、笑いすぎて腹筋が痛い…!!
途中までの重い展開とのギャップが激し過ぎて…思わず声上げて笑ってしまった…
瑞穂が顔を背けたのは、騙してる罪悪感からだったのか…

>>493
何事も経験ッス。
俺だって自信あるわけでもないのに投下してるし…( ;´Д`)

で。一本書き上げたんですが…どうしよう?
493氏が投下するならその後にしますが…
495名無しさん@ピンキー:05/03/05 23:31:33 ID:lZG1MS3K
駄目だ、笑いが止まらん。
>>471GJ、超GJ。
最高だこのオチ。
496493:05/03/05 23:33:27 ID:dCpb81FP
>>494
あ、まだ形が見えてきたくらいなんで、全然書きあがってないっす。
3度目の廃棄…… orz ゼンゼンマトマンナイヨ

というわけで、お先にどうぞ。
497126:05/03/05 23:41:29 ID:N3OPy+ir
それでは失礼して…

紫苑様ルートのED後、と言う設定です。
ちなみに非エロとなってます。
498126:05/03/05 23:43:33 ID:N3OPy+ir
オモイノカケラ(1)

早いもので…瑞穂さんと紫苑様が無事大学入学を果たしてから、
一ヶ月以上が過ぎてしまいました。
やはりと言うかなんと言いますか、このお二人は色んな形で注目を集めてしまって。
方や鏑木財閥の嫡男にして文武両道、加えてその女性と見紛うばかりの容姿の瑞穂さん。
方や容姿端麗、清楚で物腰柔らかく、長身でありながら儚げな印象を与える紫苑様。
そんなお二人でしたから、入学直後など兎にも角にもお二人は注目を集め続け、
常に人が列を成すといった状態でした…
それもまあ、ようやく沈静化し、キャンパスは比較的平穏無事、ようやくお二人は
本当の意味での「キャンパスライフ」を送る事となった、そんなある日の事…
「瑞穂さんのお宅で、お食事…ですか?」
「ええ。大したおもてなしは出来ないですけれど…ようやく生活も落ち着いてきましたし。
この一ヶ月、ゆっくりしてる暇なんてありませんでしたから…」
「ふふっ…そうですわね、本当に色々ありましたわね…」
ええ、本当にいろいろと…
瑞穂さんと紫苑様に交際を申し込む人が後を絶たず、
しかも、お二人揃って同姓の方からのお誘いも多かったですし…
それが落ち着いたかと思えば、お二人の馴れ初めやら普段の生活やら、
根掘り葉掘り質問攻めの毎日で。
私も常にお二人の側でガードし続けて。妙に充実した毎日でしたわね…
「貴子さんにはこの一ヶ月間、いろいろとお世話になっちゃいましたから。
紫苑と二人で話して、お礼と言っては何ですけど…是非貴子さんをお誘いしようかと」
う、瑞穂さんに輝くような笑顔で見られては…お断りできないじゃありませんか。
「わかりました。喜んでお誘いをお受けしますわ」
「そうですか!!よかったぁ。きっと紫苑も喜びます」
紫苑…ですか…
瑞穂さんが紫苑様の事を呼ぶ度に、少しだけ…少しだけ、心が痛む自分に気付いた。
…我ながら、何時までも未練がましいですわね…
499126:05/03/05 23:45:00 ID:N3OPy+ir
オモイノカケラ(2)

「乾杯!!」
「乾杯…」
「乾杯」
異口同音の声と、グラスが触れ合う涼やかな音。
お食事は和やかな雰囲気で始まりました。
鏑木家に住むようになってからも、
普段から紫苑様は瑞穂さんの食事は自分でお作りになるそうで、
「とてもこちらの家のシェフの皆さんには敵いませんけれど…」
そう謙遜する紫苑様のお料理は、どれも素晴らしくて…
瑞穂さんの幸せそうなお顔が印象的でした。
「…っと、そうでしたわ。私、今日はお土産がございますの。」
「貴子さん、そんな…こっちからお誘いしたんだから、
気を使ってくれなくてもいいのに…」
「そうですわ…あら、ワインですか…?」
「はい。厳島の家を出るときに、一本だけ…
父のコレクションから、一番良い物をくすねてきちゃいました。
何かの折に飲もうと思ったんですけれど、折角のお誘いですから持ってきました」
「…確かに、高そうなワインですね…」
「ふふ、それでは折角ですし、ご馳走になりましょうか、瑞穂さん」
ソムリエナイフでキャップシールを剥がし、
コルクスクリューをねじ込んで、ゆっくりと引き抜く…
「まあ、手馴れてらっしゃるんですね…」
「ええ。この三人の中で唯一の未成年ですけれど…
ワインを飲んでる量は私が一番多いかもしれませんわね」
「そ、そんなに飲んでるんですか?貴子さん…
…あ、凄くいい香りがする…」
「これぐらいのレベルのものになると、デキャンタしたほうが良いんでしょうけど…
手間がかかりますし、まあ、デキャンタしなくても十分美味しくいただけると思います。
さあ、頂いてしまいましょう」
500126:05/03/05 23:47:31 ID:N3OPy+ir
オモイノカケラ(3)

こうして、食事の最後にワインを飲んで、締めくくる事になったのですが…
…30分もしないうちに、帰るに帰れなくなってしまって…
「すぅ…すぅ…」
「…あらあら。見事に寝入ってしまいましたね…」
「お酒、弱かったんですね…でもなんだか瑞穂さんらしいですわ…
それにしても…」
「それにしても…何です?」
「!!あ、いいいいい、いえ、ななな、何でもありませんわ…!!」
危ない危ない…もうちょっとで、「何て可愛い寝顔なんでしょう」なんて
口にするところでしたわ。
でもそろそろお暇しないと、まさかその顔を見ていたくて帰れない、とも言えないですし…
「でも…丁度良かったですわ。私、貴子さんと二人きりでお話がしたかったの」
「私と…ですか…?」
「ええ。心からお礼を言いたくて。本当に、貴子さんにはお世話になりっぱなしで…」
「やだ、そんな…私は大した事などしていませんですし…」
「いいえ、すごく、すごく助かりました…本当に、ありがとうございます」
紫苑様の笑顔が…辛い。苦しい。
醜い私の本性を照らしているようで、居たたまれなくなる。
でも、悪いのは私。いつまでも未練を引きずっている、私…
「私は、そんな…お礼を言われるほど、立派な事をしているわけじゃありませんわ。
そう、私は…ただ…」
瑞穂さんの側に居たいだけ。少しでも、瑞穂さんのお役に立ちたいだけ。
確かに、紫苑様の事も大好きだし、憧れている。けれども…
それ以上に、瑞穂さんとの時間を共有したいと願う、浅ましい女。
それが、私だから…
「……貴子さん……
恵泉に在学していたときから、薄々はそうなんじゃないかと思っていました。
けれども、今確信しました…貴子さん、貴方、瑞穂さんの事を…」
501126:05/03/05 23:48:32 ID:N3OPy+ir
オモイノカケラ(4)

「やめてください!!」
気付けば。私は大声で紫苑様の言葉を遮っていた。それに気付き、はっとして…
「や、いやですわ紫苑様。私と瑞穂さんでは…とてもじゃありませんが、釣り合いませんわ。
私は紫苑様と違って元々からの名家の出というわけでもありませんし。
私は紫苑様ほど人格者ではありませんし…
何より、瑞穂さんは紫苑様の事を愛していらっしゃいますわ。
私など、とても…」
「…貴子さん。自分では気付いていないかもしれないですけれど…
貴方は、瑞穂さんとお付き合いできない「理由」を羅列しているだけで、
あなた自身の気持ちには、一度も触れていませんのよ…?」
「!!……」
言われて、身体が僅かに震えた。見れば、紫苑様は優しそうな…
けれども、悲しげな瞳でこちらを見つめていた。
いけない。これ以上、この方にご迷惑をおかけしては…!!
「そんな、私は…私は…
瑞穂さんに対して、そのような気持ちは…
少しも…すこ、しも……!!」
持っては居ません。その一言を発すれば良い。
…なのに、何故?何故出てこないの?
何故、発音する事が出来ないの?
……やっぱりダメ。言えない。言えるわけないじゃありませんか…!!
例え嘘でも。紫苑様を安心させるためだとしても。
瑞穂さんの事を愛してなどいないなんて…言えません…!!
「…ごめんなさい、貴子さん…本当に、ごめんなさい…」
気付いたら、紫苑様が…私を抱きしめて下さっていて…
どうして私なんかに優しくするのですか?
私にはそんな資格なんて、ありはしないのに…
どうして…私の好きな人達は、こんなにも優しいのでしょうか?
ともすれば、残酷なまでに…
502126:05/03/05 23:49:26 ID:N3OPy+ir
オモイノカケラ(5)

「…申し訳ありません、紫苑様。お見苦しい姿をお見せしてしまいまして…」
「いいえ。謝らなければならないのは私の方ですわ。
私は貴方の気持ちを薄々理解しながら…それでも瑞穂さんを独り占めしてしまいました。
本当に、ごめんなさい…」
「謝らないで下さい、紫苑様。
…私、確かに瑞穂さんのことが好きですわ。けれども。
紫苑様の事も…本当に大好きですのよ?」
「貴子さん…」
「だから、瑞穂さんと紫苑様が、いつまでも幸せで居てくれるなら…
私にとってこんなに嬉しいことはありませんわ。これは紛れも無い事実です。
だから…どうか、瑞穂さんとお幸せになってください」
そう、これは自信をもって言える…私は、お二人が幸せになる姿を見たいんだと…
「…本当に、罪な方ですわね。こんなに可愛い顔をしていらっしゃるのに…」
「ええ、本当ですわね。女性の敵ですわ…」
両側から、私と紫苑様で頬を突付く。
その度に瑞穂さんは「うぅ〜ん…」とうなされて…
その様子がおかしくて、私と紫苑様は二人していつまでも瑞穂さんに悪戯を続けていました…

私たちは、幸せにならなければいけない。
貴子さんが帰られた後、そんなことを考えていました。
発端は、貴子さんとの事がきっかけでした。でもそれだけじゃなく…
多くの、私たちを祝福してくださっている方たちのためにも、
絶対に幸せにならなければならないんだと…
「そうですわよね、あなた…
ふつつかな妻ですが、改めてよろしくお願いしますわ。」
無防備な寝顔に向かって、小さく呟いた…
503126:05/03/05 23:52:26 ID:N3OPy+ir
終わり、です。

いくらおとぼくがご都(ry
…と、しても、ちとすんなりまとまり過ぎか?という気もしますが…( ;´Д`)
つか、貴子様ファンでありながらこういう作品を書いちゃう自分の頭が良くわからんが…w

以上、反省でした。
ちなみに、なんかネタが降りて続いて次の作品を執筆開始予定。
次は貴子様とのラブラブ話になりそうですw
504名無しさん@ピンキー:05/03/06 00:28:53 ID:BGrBZiTX
>>471
面白すぎだw

>>126
いい(*´д`)。声とBGMが脳内で補完されてますよ。
っていうかマジでちょっと泣きそうになったYO!ヽ(`Д´)ノ
貴子ファンでありながらって言ってるけど、逆に貴子ファンだからこそ書ける物だと思うよ。



つうか書き込み数まだ500ぐらいなのになのに次々とクオリティの高いSSが投下されてて
凄いことになってますねこのスレ(´Д`;)ヾ
50545:05/03/06 00:55:59 ID:HzLI26BL
>>126
GJです!相変わらずハイクオリティで。
二人の心境がひしひしと伝わってきます・・・
506名無しさん@ピンキー:05/03/06 01:04:18 ID:I3ftOGwA
GJ!
次も頑張ってください。
507126:05/03/06 02:37:06 ID:Cphvldh9
>>504-506
感想ありがとうございます。本気で嬉しいっす( ;´Д`)

確かに、貴子さんファンだから書く、というのはあるかもしんないっすね。
色んな貴子さんをもっと書きたい、って思うし。

次の投下は明日の夜(じゃ無くて、今夜か)を目安に書こうと思ってます。
他の皆様の作品も心待ちにしておりますわ〜
508名無しさん@ピンキー:05/03/06 03:11:13 ID:Bl5Ho0JG
とりあえず、コンプしたので
全部混ぜて描いてみようと思います。(無謀)

俺設定で矛盾点を潰す作業にはいらんと・・・。

ってか、本当に投下が怖いっす。
そういってる人の気持ちがすごく分かりますね・・・。
勇気持ってそのうち投下・・できたらいいなあ。
509名無しさん@ピンキー:05/03/06 04:16:51 ID:19LHm+Ht
>>479
オチにワラタ
てっきり貴子が養女入りして瑞穂をお兄様とか
呼んだりするのかと思ったら・・・パッパラーの効果音が
頭に鳴り響くとはw
510名無しさん@ピンキー:05/03/06 05:26:57 ID:Ql/H7UXa
うーん、どれもこれもGJ!!だなぁ。
筆遅いから早く書かないとなぁ。
511301:05/03/06 05:49:33 ID:uaXiKP3H
>>126
GJ!! 心の描写が綺麗にできていますね。ちと涙ぐんでしましました。
貴子さんは色々と奥があって、物語が作りやすいですし、
自分も今書いているのが一段落したら、もう一度何か書いてみたいです。

で、そっちの方は………やっと7割……。

「Do we love our beloved 『Elder Syster』,ladies?」
(貴様らはエルダーシスターを愛しているか?)

「Semper fierlis! Do or die! Mizuho! Mizuho! Mizuho!」
(生涯忠誠! 命懸けて! 瑞穂! 瑞穂! 瑞穂!)

……ねよ。
512301:05/03/06 05:54:11 ID:uaXiKP3H
あ、スペル間違ってますね。
「Semper fidelis! Do or die! Mizuho! Mizuho! Mizuho!」
513名無しさん@ピンキー:05/03/06 08:38:51 ID:C99UE6x3
みんな筆が進むの早いなぁ
514名無しさん@ピンキー:05/03/06 09:08:34 ID:lZcN2i4K
>>498-502
GJ!
ええなぁ、俺は紫苑ルートだとギャグしか思いつかないから…
このルートで貴子さんの気持ちを考えたら、やっぱこんな風に切なくなっちゃうよね…。
それがちょいと胸キュン。

暫く見ぬうちに、ギャグエロシリアス揃い踏みで。
良スレですなー。すごいじょ。
俺も書き上げたいが…紫苑が脳内でまた暴走してる…orz
515名無しさん@ピンキー:05/03/06 09:19:22 ID:A1BLLBJJ
私も書いてるとすぐキャラが暴走し始めるから、最近は書いては休んで見直し書いては休んで見直し。
中々進まない。しかし、そのくらいで丁度いいのかも、色々と。
516名無しさん@ピンキー:05/03/06 09:24:19 ID:lZcN2i4K
>>515
それをしようとすると、俺の性格なのか飽きてしまうんだよな…。
二次創作とはいえ、お話作るのって難しいじょ、と実感中。

あぁツンデレ。
517名無しさん@ピンキー:05/03/06 13:11:14 ID:OMA9pKqh
>>511
そのネタだったら、既に店舗特典ロムに収録されている暗黒壁紙で既出だ

ホント、おとボクは地獄だぜぇー!!
フゥァーハハハハハハァー
518126:05/03/06 15:36:44 ID:qlCYy/b7
>>301>>514
これまた感想ありがとうございます( ;´Д`)
うう、ありがたい話で…

俺は逆に、弾けた話を書けないので、コメディ色が強い作品見ると羨ましく思うのですよ〜。
519名無しさん@ピンキー:05/03/06 15:41:57 ID:QAAnSdJf
SSの神様が多数降臨されていると聞いてやってきました。

>>511
今度のサバゲんときは瑞穂お姉様のエンブレム貼って出撃しまつ(爆)
520名無しさん@ピンキー:05/03/06 16:20:11 ID:tuW5xsF+
同窓会ネタが激しく見たくなってきたので
>285氏に激しく期待
521名無しさん@ピンキー:05/03/06 17:24:23 ID:KhA9/K4L
それは普通の同窓会なのか?
ゲームの同窓会がらみなのか?
522名無しさん@ピンキー:05/03/06 17:24:50 ID:oAXmwBYd
期待を裏切ってスマソだが灯火する
貴子さんエンドの最後の一枚絵に繋がる話を作ってみた
523止まらぬ想い:05/03/06 17:25:43 ID:oAXmwBYd

 恵泉を卒業して進学した僕の元に貴子さんがやってきた。いつかの宣言どおりに厳島の家から家出してきたのだ。
 最初は面食らって戸惑いの方が大きかった。けどそれは貴子さんも同じみたいで色々と大変なこともあった。
 けど、何だかんだで貴子さんとの同棲、もとい二人暮しにも慣れたころ、ちょっとした事件が起こった。


 ドンドンという耳障りな音がまだ霞がかった頭に響く。これは部屋のドアを叩く音だろうか。

「瑞穂ちゃ〜〜ん。遊びに来たよ……って、あれ?」

 ああ、この声はまりやだ。また連絡もとらずに人の部屋に勝手に……って、まりや!?

「……た、貴子?」
「なんですの……騒々しいですわよ、瑞穂さ…………え゛、ま、まりやさん!?」

 貴子さんが硬直してる。まりやも硬直してる。もちろん僕も硬直してる。
 だって僕と貴子さんは一緒のベッドに入っていて、しかもその、裸なんだから。
 枕もとの時計が時を刻む音と、カーテン越しに朝日が差し込んでくる窓から聞こえるスズメの囀りだけが重苦しい部屋に響いていた。


524止まらぬ想い:05/03/06 17:26:26 ID:oAXmwBYd

「ふ〜〜ん、品行方正規律の鏡とまで言われた元恵泉の生徒会長様ともあろうものが爛れた性活を送ってるのねぇ」
「……っ」
「ちょっ、まりや」

 再起動したまりやはチシャ猫の笑いでいきなりとんでもないことを言い出した。
 って、それより貴子さんだ。貴子さんの性格からしてこんな風にからかわれたら言わなくてもいいことまで言っちゃうはずだ。生徒会室での一件もあるんだし。
 そう思って貴子さんの方へ振り返ると、案の定顔を紅く染めてうつむいてしまっている。
 僕が先手を取って宥めようとするより早く、貴子さんの顔が迫ってきて大きくなって……。

「ん……んんっ!?」
「はむっ……んっ、はっ……」
「んなっ!?」

 貴子さんの柔らかい唇が僕の唇を覆っていた。
 二、三度僕の唇を吸うと名残惜しげにゆっくりと貴子さんが離れていく。
 突然のキスで眼を白黒させる僕以上に、まりやは大きく口を開けて出来の悪い銅像のように固まっていた。

「あら、何かおっしゃいましてまりやさん」
「…………っ、…………っ」
「どうかなさいまして? カバのように大口を開けて恥ずかしいとは思われないのですか」

 貴子さんは上気した顔で勝ち誇ったようにまりやを見下ろす。ふふんと鼻を鳴らしかねない勢いだ。
 対するまりやはというとさっきの衝撃的なキスから立ち直れずにわなわなと震えている。
 あ、まずい。これは……。

「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」

 まりや山、もといまりやさんが噴火した。
525止まらぬ想い:05/03/06 17:27:11 ID:oAXmwBYd

「み、瑞穂ちゃんのアホ〜〜〜〜ッ!! 変態ッ! エロッ! 鬼畜っ! ひ、人前でキスするなんて何考えてるのよっ!」

 どうやってそんな大声出してるの、まりやは。耳の奥がキンキンいってるよ。貴子さんも眉をひそめて耳を押さえている。
 でもまりや、キスしたんじゃなくてキスされたんだけど、そのこと説明しても逆効果だよね……。

「敗者の喚きほど見苦しいものはありませんわね」

 僕の襟首を掴んでガクガク揺さぶるまりやに貴子さんの冷たい声が突き刺さった。
 まるでゼンマイ仕掛けの人形のように鈍い動きでまりやは僕から手を離して貴子さんを睨みつける。

「ごめんなさい貴子さん。わたくし少し耳が遠くなってしまったようでして。今何とおっしゃったかよく聞き取れなかったのですけど」
「聞こえなかったのなら何度でも言って差し上げますわ。『敗者の喚きほど見苦しいものはない』、と私はそう申し上げたのです」
「……っ、誰が敗者だって言うのよ誰が」
「ここまで言ってもわからないなんてまりやさん、耳だけでなく頭のほうも少々具合がよろしくないのではなくって?」

 あっという間に二人そろってヒートアップする。お互いのことはそれなりに認め合ってるはずなんだけど、どうしていつもいつも顔を合わせると恵泉の時みたいに角を突きあわせるかなぁ。

「大体なんですの。さっきのやっかみは。私と瑞穂さんがその、ど、どのような行為に及ぼうと貴女の関与するところではありませんわ」

526止まらぬ想い:05/03/06 17:27:55 ID:oAXmwBYd

 あれ、何だか話が変な方向に行ってるような。

「…………は?」

 まりやもなんだか変な顔してる。貴子さん、ひょっとしてまだ寝ぼけてる……?

「そそそそそれは未だ成人を迎えていない男女が同じ屋根の下同衾すると云うのはふ、ふふ不謹慎とする趣もありましょうがッ、私はその、その……あの……み、み、瑞穂さんの種なら……い、いつだって……」
「あ、の……貴子さん?」

 い、今の台詞ってその、僕と貴子さんの……ってこと、だよね。

「ぁ……の、ダメ…………でしょうか……?」

 そう云って貴子さんは僕の胸に頭をうずめて涙をたたえて潤んだ瞳で上目遣いに見つめてきた。
 それを見てたまりやはごしごしと目をこすってから、

「ごめん瑞穂ちゃん。あたしもう帰る。疲れが溜まってるのかな、蜃気楼が見えるだけじゃなくて幻聴まで聞こえるよ」
「あ、うん。……お大事に、まりや」

 まるで夢遊病者のようにふらふらした足取りで僕の部屋から出て行った。

527止まらぬ想い:05/03/06 17:28:37 ID:oAXmwBYd

 ばたんと扉の閉まる音をどこか遠くに聞きながら、僕は腕の中の貴子さんの頭を撫でていた。
 貴子さんの髪はサラサラですごく手触りがいい。豪奢でウェーブがかかってるけど手櫛で梳いても小川のように指が流れる。気持ちよすぎてもうとっくに癖にってる。

「貴子さん……ちゃんと目、覚めてますか?」
「……………………ます」
「貴子さん」
「…………ちゃんと、覚めてます」

 背中に回した手に一層の力をこめて、蚊の鳴くような声でそう云った。
 その照れた仕草が何度も僕に確認させるんだ。『ああ、僕は本当にこの女性の事が好きなんだ』って。

「そうですか。でも困りましたね。僕たちはまだ未成年ですし、学生結婚は色々と大変ですよ」
「け、けっ……!!」
「だってそうじゃないですか。確かに今はシングルマザーとかも普通になってますけど、僕はちゃんと貴子さんと一緒に居たいですからね。……あれ、それとも貴子さんはやっぱり僕じゃ不満ですか?」
「い、い、いえっ! そんな……そんな事はありませんわッ! 絶対にっ! で、ですが私は……私は……瑞穂さんもご存知のように嫉妬深い女ですし、それに……」

 貴子さんはもぞもぞと僕の腕から逃げようとする。でも……。

「ふふっ。ダメですよ、逃げようとしちゃ……」
「みっ、瑞穂さぁん……」
「逃げようとしたって、逃がしてあげません。それと、貴子さんのそういう嫉妬深い所もすっごく可愛いですよ……んちゅっ」
「ん、んんっ」
528止まらぬ想い:05/03/06 17:29:22 ID:oAXmwBYd


 さっきの不意打ちのお返しも兼ねておとがいを持ち上げ僕の方から貴子さんに口付ける。髪を巻き取って遊んでいた片手は豊かな胸に沿わせている。
 当たり前だけど僕が使ってた胸パッドとは全然感触が違う。まりやは本物と寸分違わないって云ってたけど、貴子さんのはすごく暖かくて優しい感じがする。

「貴子さんはよく自分のことを不当に貶めようとしますよね。どうしてですか? 貴子さん、こんなに魅力的なのに……」
「それは……んっ、瑞穂さんは男の方としても女の方としても素晴らしい方なんですもの。あはぁっ! それに比べて私はなんら釣り合いが取れていません……」

 …………女の方としても、ですか。

「ちょっとグサッと来ましたけど……。貴子さんも知ってますよね、僕が貴子さんのこと本当に大好きなんだって」
「あっ、くっ……そ、そこは……弱いのですわぁ……」
「貴子さんの奇麗な顔も、細い腕も、ふくよかな胸も、真っ白なお腹も、小さなお尻も、きゅっとした足も……。それと、ココも」
「あぁんっ! ゆ、指が……瑞穂さんの指が……」
「あれ……? これっぽっちでもう濡れてるんですね。やっぱり貴子さんは敏感だなぁ」

 中指を上下左右に動かしたり、入れたまま曲げたりすると貴子さんは可愛らしい喘ぎ声を聞かせてくれる。
 僕は体勢を変えて後ろから貴子さんを抱きしめて胸の谷間――体の中心、心臓の位置に手を当てて眼をつぶる。

「身体だけじゃなくて此処も。貴子さんのこの心が。鏑木瑞穂は大好きなんです」
529止まらぬ想い:05/03/06 17:30:13 ID:oAXmwBYd
 貴子さんは僕の手に手を重ねてきた。多分、いや、絶対に貴子さんも目を閉じているのだろう。視なくても、見えなくても、わかる。

「私もです。私も瑞穂さんのこの心が大好きです」

 世の中には男と女を肉体関係でしか捉えられない人も居るけれど、それだけじゃないんだ。
 こうやってただ抱き合っているだけでこんなにも優しさと穏やかさと暖かさでいっぱいになれるんだから。

 そうやってどれくらい抱き合っていたのだろう。どちらともなく身体を動かし全てを受け入れる準備ができた。
 僕がナイトテーブルの引き出しのスキンを掴むと貴子さんはほんの少しだけ苦笑いになった。

「私は本当に構いませんけど……」
「僕が貴子さんを大事にしたいんです」
「はい。わかってますわ」

 貴子さんと深くキスを交わしながら僕は自分の分身を貴子さんの中に送り込んだ。
 僕は孝子さんの背中にしっかり手を回し、深く繋がって体温を味わい続けた。そうして二人の境界線が融けてなくなるのを感じながら僕の意識は落ちていった。


 ――to be continued Ending
530名無しさん@ピンキー:05/03/06 17:31:08 ID:oAXmwBYd
いじょ。
エロは激薄でスンマソ。
瑞穂ちゃんって割と恥ずかしいことサラッと言えるからね…
で、この後貴子さんはシャツ一つ掴んで瑞穂を起こすわけですよ。
 
そいで、以下おまけ。
531おまけ:05/03/06 17:31:52 ID:oAXmwBYd

 これは終わりの終わりから少し後の出来事。どうでもいいささやかな後日談。始まりの始まりのお話。



「向こうはなんだか盛り上がってるみたいですね」
「そのようですわね。まぁいつでもどこでも騒がしい方が一人いらっしゃいますから仕方ないことかもしれませんわ」
「あははは……」
「そう云えば瑞穂さんはご存じなかったかもしれませんね。君枝さんや葉子さんのこと」
「え? 何かあったんですか」
「いえ、そういう事ではなくあの二人がお姉さまの正体を知ったときのことですわ。ふふっ……」
「う。貴子さん酷いですよ。まだそれで僕をからかうなんて」
「ふふふっ……。瑞穂さんがどれだけ拗ねられようと、恵泉でのことを知ってる人は絶対に忘れませんわ。それに……」
「それに?」
「私たちが初めて出会った場所ですもの」
「…………ええ。そうですね」


「お二人とも、時間です」


「じゃ、行きましょう。……貴子」
「はい。あなた」


 ――完の完
532名無しさん@ピンキー:05/03/06 18:30:20 ID:z/DxiOQn
>>523-531
GJ!!
貴子、かわいいよ、貴子
533名無しさん@ピンキー:05/03/06 18:35:37 ID:K/nXZEf0
>>523-531
激しくGJ!
コメディなノリで始まって、ホロリと締める すごくいいです。

>>126
こういうのもすごく好きです。
紫苑さま分が不足していたので、良質な栄養を補充させてもらいました。
読みやすく、キャラに違和感も無くて愛を感じます。
次も期待しています。
534名無しさん@ピンキー:05/03/06 18:51:50 ID:RqJuduCs
>>523-531
いいなぁ、そしてすごいなぁ。
こういうのを書けるって。
三人が若くて おじさんには眩しいよと
慶行視点でみている自分がいる。orz

>>523の1行目、2行目あたりのさらっと書いてある部分
貴子さんエンディングからの事を書きはじめてるけど
なかなか纏まらないよ
535126:05/03/06 19:27:27 ID:q9n4mXzu
>>523-531
GJっす!!
いいよなぁ、こういう明るいノリで始まる話…とても良いっす。
自分には出来ないんで、羨ましいです…

>>533
ありがとうございます…
紫苑様分メインな話も書きたいですねぇ…そして、他の人の作品でも補充したい( ;´Д`)


とりあえず、今仕事中なので、帰宅次第次のを投下する予定であります。
536名無しさん@ピンキー:05/03/06 19:27:58 ID:Qoa7plMz
 431,432様
 GJです.遅レスですが補足として,恵泉学園のトイレに関するイベントの謎は
テックジャイアン3月号(2月号にもつきますが,3月号に前後編入ってます)で明
らかにされます.1000円程とちと高いですが,やってみると少し謎がわかります.
ちゅうか,2,3月号両方をアスキーの通販で買っちまった馬鹿が俺っす.orz
53752:05/03/06 19:30:41 ID:E8dbzmfa
投下が遅くなりましたが、貴子ととあるお嬢様のお話を。
かなり冒険してしまった部分があるので少し不安ですが…
それと非エロです、申し訳ありません。
では、いきます。
53852:05/03/06 19:31:58 ID:E8dbzmfa
『お嬢様協奏曲』

#1

ある日の午後。
「ねー、お母さん、この人なにしてるのー?」
「しっ… こっちに来なさい」
開閉する自動ドアの前に立ってから数分、周囲の視線に、多少の棘を感じる。
――やはり、私の作法が何か間違っているのでしょうか…?
「…ですがっ、いつまでもこのままでは!」
意を決すると、皆がそうしているようにカゴを手に取る。

「何か、お困りかしら?」

「えっ!」
急に声を掛けられ振り返ると、そこには自分と同じくらいの年代、背格好をした
優雅な微笑をたたえる一人の女性が立っていた。
「お見受けしたところ… このようなお店にお一人でいらっしゃるのは初めてですか?」
「…ええ、お恥ずかしながら」

恵泉を出たのを期に、家の者を社会勉強だと押し切って一人暮らしを始めた。
…のだが、家事に関しては一緒に家を出たお手伝いさんが毎日のようにやって来ては
その殆どをこなしてしまっていた。
結局これでは、実家の別棟で過ごしていたこれまでと大した変わりが無い。
更には彼女が、何とか家に戻らせるよう説得するように、と追求を受けていることを知り
これ以上、問題に巻き込みたくない事もあって先日、暇を出した。
そして指摘されたとおり、今日初めて自分一人で食材の買出しへとやってきたのだった。

「よろしければ、ご案内して差し上げましょうか?」

正直、右も左も分からなかった私は、2つ返事でその申し出に飛びついた。
53952:05/03/06 19:32:54 ID:E8dbzmfa
#2

「それにしても、本当に助かりました」
日が傾き、薄暗くなりはじめた道を、2人とも両手にビニール袋を持って歩く。
彼女がこれから向かう先とマンションが同じ方角だということが分かったので、
途中までご一緒することにしたのだった。
「ふふっ、お気になさる事はありませんわ。
わたくしも最初は戸惑ったものですから、他人事には思えなくって」
「そう、なのですか?」
まるっきり、人物像掴めない。
「ああ、自己紹介がまだでしたわね、わたくし…」
…と、言いかけたところで、彼女は目元にわずかな鋭さを浮かべ、進めていた足を止める。
「…あら?」
「あの、どうかなさいましたか?」
見ると道の前方に、明らかに町並みに似合わない黒塗りの車が止っている。
「お嬢様」
「きゃっ!!」
突然の気配に驚くと、眼前に人影が現れていた。
「下がりなさい、全一。今回は私が」
「…………はっ、失礼しました」
黒ずくめの青年は一瞬だけ考える素振りをみせたが、すぐに承服すると
「えっ…」
次の瞬間には、また気配と共に夕闇の中へと消えた…ようにしか見えなかった。
54052:05/03/06 19:34:36 ID:E8dbzmfa
#3

バタン、バタン。
男達は車から降りると、乱暴にそのドアを閉めた。
その数、全部で5。
視線の先には、私達2人。
周囲に人気は無く、状況から察するに、この状況を待っていたのかもしれない。

はっきりとお互いの顔が見える距離まで近づくと、リーダーと思しき男が口を開く。
「…久しぶりだな、厳島貴子?」
「……っ!!!」
――この男はっ… あの時の!!
「貴方、この方達をご存知ですの?」
少女は緊張した様子も無く―逆に、微笑すら浮かべながら―尋ねてくる。
「い、以前、私を攫おうと…」
「そう」
それだけ聞くと、一歩前へと進みでる。…が、思い出したように振り返り
「あ、わたくしの荷物、お願いしますわね。特売の卵が割れてしまいますわ」
その顔は、この状況で不釣り合いなくらいにっこりと笑っていた。
54152:05/03/06 19:35:25 ID:E8dbzmfa
#4

「…なんだ、女?」
「この方に、何か御用でもございまして?」
男が一人、様子を伺いつつ彼女に近づく。
「大人しくしろ、あんたに用は無い」
「お断り、いたしますわ」
「何…?」
更に、距離が縮まる。
――危ないっ!!
「ですから、お断りいたします、と」
言うが早いか、一呼吸で男の懐に身を滑らせ、そのまま腹に拳をめり込ませる。
「えっ…」
思わず、声を上げる。倒れこんだ男は――その後、起き上がる様子が無い。

「油断するな、一気に行けっ!!」
恐らくは以前の失敗を思い出したのだろう。
あの男が、残る3人の男に命令する。
一瞬の間の後、3方向から男達が一斉に飛び掛る。

今度こそ、唖然とした。

最初に手を掛けようとした左の男が当て身で弾き飛ばされたかと思うと
その間に正面に迫った男の顔面に遠慮なく拳を叩き込む。
そうして作った僅かな時間に、右の男の腕を取って地面へと叩きつけ
直後、放った後ろ回し蹴りが立ち直る暇を与えず正面の男の延髄を刈る!!

ドサッ。

嘘のようにあっさりと、辺りに静寂が戻る。
54252:05/03/06 19:36:34 ID:E8dbzmfa
#5

「…さて、どう致します?」
少女の問いかけに、残るリーダーの男は我を取り戻したようだ。
「ちっ!!!」
あの時のように両手にナイフを構え、襲い掛かる。
「少しは… 出来るようですね?」
両手から次々と繰り出すナイフは、しかし空を切るばかり。
「ですがっ!」
突き出されたナイフが身体に届く寸前で横に避けると、
振り下ろされようとしていた残るもう片手のナイフを叩き落とす。
「ぐぁっ…!!」
そして次の瞬間には、突き出した方の腕がありえない方向に折れ曲がっていた。
「あら、これで終わり、ですか?」
「!!」
どうにか男は後方へ飛び退き、距離を作る。
「……は、はは…はははは!!!!!」
突如、笑い出した男は、残っている方の腕で懐から何かを取り出す。
あれは… 拳銃!?
「この間合いで? 前言撤回ですわねっ!」
やはり彼女は一瞬で目の前に迫ると、銃を構える余裕など与えず腕を捻りあげ、
背後にまわるとそのまま男を押さえ込んだ。
「…な、何者だ…貴様ぁ…」
「わたくし、貴方如きに名乗る名前など持っておりませんの」
つまらなそうにそういうと、後頭部に止めの一撃を繰り出す。
「ごっ…」
それきり、男は動かなくなった。
「さて、後は…?」
キキッ… ヴォン!!
状況を理解したのか、車は猛スピードで走り去っていった…
54352:05/03/06 19:37:46 ID:E8dbzmfa
#6

「厳島貴子さん、でよろしいのかしら? 荷物、ありがとう」
「…えっ、はっ、はい。そ、それで…こ、この人たちは…?」
「ああ、後の事は心配せずとも、大丈夫ですわ。では、参りましょう?」
大丈夫、と言われても… でも、この人なら本当に何とか出来てしまうのかもしれない。
彼女が歩き出してしまったので、慌てて追いかけ、その場を後にする。

暫らく進んだところで、彼女が口を開いた。
「ところで… もしかして貴方は、例の厳島グループの娘さん?」
「えっ!? ど、どうしてお分かりに…」
「ふふっ、直接お会いするのは初めてですが、前々から存じておりましたので」
「は、はぁ…」
――本当に、何者なんだろう。
「…では、その貴子さんが何故お一人でお買い物を?」
何故だか分からないけれど、この人には事情を話しても良い気がした。

………

「…結局、あの人達にとっては一緒に暮らす暮らさないというのは些細な事で、
私が何か問題を起こすと自分達に迷惑だ、としか考えていないのでしょう。
だから、余計に一人暮らしに拘っているのかも知れませんね、私は」
「…それは、面白そうですわね」
一通りの事情を話し終わると、彼女は意味深な笑みを浮かべた。
「え? 何か仰いましたか?」
「いえいえ、何でもありませんわ。では、私はこれからお兄様の元へ参りますので」
ちょうど十字路に差し掛かり、彼女はそこで右へと折れるようだった。
「あっ、最後に…お名前をお伺いしても宜しいでしょうか…」
「ああ…すっかり忘れていましたわ。わたくし、燕子花こりす、と申します。お見知りおき下さいね?」
54452:05/03/06 19:38:48 ID:E8dbzmfa
(curtain call)

「い、いろいろありましたけれど… 初めてのお買い物、無事に帰ってこられましたわ…」
部屋に戻った瞬間、ヘナヘナと力が抜け、その場に座り込む。

しかし、
「燕子花…?」
どこかで聞いた事のあるような…

きゅるるる〜

思考を遮るようにお腹からかわいらしい音が聞こえる。
「…っ!!!!」
…一人暮らしだろうが、こういうものはやはり恥ずかしい。
「そ、そうですわ、早速…」
気を取り直して、袋の中から予ねてから興味のあったソレを取り出す。
「…それでは」
まずは、フィルムを取り除き、はたと手を止める。
「…こ、これはどのようにして頂くものなのでしょうか?? …あら?」
いろんな部分を見回し、蓋の部分に小さな文字で書かれた作り方らしきものを見つけた。
「ええと… 熱湯…? ポットのもので構わないのかしら…?」
「お湯を注いで… 蓋を閉めて、3分待つ… え? こ、これだけで良いのですかっ!?」
軽い衝撃を受けつつ、律儀に時計と睨めっこすること数分。
「…ほ、本当にこれだけで…?? ちゃんと食べられるのかしら…?」
ぺりぺりぺり… 不安に駆られながらも、蓋を開ける。
「美味しそうな… 匂い…」
箸で麺を掬い上げ、恐る恐る口に含む。
「こっ…!!! これはっ…!!!!」

「美〜味〜し〜い〜で〜す〜わ〜!!!!!」
日も暮れた住宅街に、少女の叫び声が木霊した。
54552:05/03/06 19:39:36 ID:E8dbzmfa
(an encore)

翌月開かれた、厳島グループの一角を成す商社の株主総会は大波乱を巻き起こした。
会の冒頭で突如、有力株主の一人が『委任状を含め54%の議決権を得た』と宣言、
続け様に昨年行った某企業の買収劇に絡んで行われた不正取引を指摘したのである。
これを受け当局は特別監査を執行、当時の役員に逮捕者が出るまでの事態へと発展している。

「『厳島、急成長の影に』…ですか、全く」
今日から始まった新聞1面の連載特集の見出しを見て、溜息を漏らす。
厳島といえばワンマン、という世間一般のイメージに沿う形で
実家の方には連日マスコミが訪れ、その対応に大わらわ、という話だ。
当然、あの人たちにとって私に構っている事態ではないらしく、発言に気をつけるように、
と1度釘を刺されて以降、連絡を寄こしてくる事も無くなった。
…それと、どうやらこのゴタゴタを受けて兄の縁談も破談になる運びのようである。

それにしても―――

「さあ、出来上がりましたわ」
キッチンの方から2つのどんぶりをお盆に載せ、その人がこちらにやってくる。
「ラーメンには初挑戦でしたけれど… なかなか奥が深そうですわね」
「すみません… 何もわざわざお作り頂かなくても…」
どんぶりの中を覗き込むが、どう見てもその麺・スープは既製品では無い。
「ふふっ、構いませんわ。友人に食事を作れるなんて思っておりませんでしたから。
ささ、麺が伸びてしまいますわ、どうぞお召し上がりに」
「…はいっ、頂きます」
まずスープを口に含み、次いで麺を。
「…! っ!! まったく臭みの無い鳥ガラベース、そしてほのかに感じる魚介の甘み…
こんな上品なラーメンは…初めてですっ!! なんて美味しい…」
「ふふ、気に入って頂けたようで… 光栄ですわ」

―――この方には… どうやっても敵いそうにありません…
54652:05/03/06 19:42:56 ID:E8dbzmfa
『お嬢様協奏曲』・了

↑入りきりませんでした

反省会

…いろいろとゴメンなさい、無茶苦茶です。ご都<ピー>主義という事でどうかひとつ。
誘拐シーンでどうしてもこりす様が脳内召還されてしまって…
それと折角なので、昨今の時流を持ち出してもう一人のお姉さままで救って頂きました。
あとカップ麺ネタは、とある方のイラストから勝手に肉付けしてしまいました… 重ね重ね申し訳ないです。

では、とりあえずこれにて。
547名無しさん@ピンキー:05/03/06 20:35:53 ID:19LHm+Ht
超GJ!☆(ゝε・`)
人気投票NO.1コンビのタカコリスキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
今回は黒服達も相手が悪かったようでΨ(`∀´)Ψヶヶヶ
きっと廻りがやられていく中エッ(゚Д゚;≡;゚Д゚)マタ?!とか思ってたに違いないw
それと紫苑の縁談も無かった事になって(●´ェ`●)ポッ
もし次のコラボがあるなら瑞穂×紫苑の某神社編を是非(・∀・)ノシ
54845:05/03/06 21:01:53 ID:HzLI26BL
むう・・・ちょっと見ないだけでも数作投下されてるとは・・・恐るべしSSスレ・・・。
皆様GJです。

でも私、おとボク以外のキャラメルBOX様の作品をやっていないので・・・キャラがわからなかった・・・orz



私、現在スランプに陥っておりまして(スランプに陥るほどの腕があるのかといわれると困りますが・・・)、
全然筆が進みませぬ・・・

まりや&瑞穂ちゃんの結婚式イベントをちょっと書いてたりするんですが・・・まあ超気長にお待ち下さいまし・・・
549名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:05:29 ID:1ldUBVp7
おれ、伽羅箱モノはおとボクが初めてだったから「燕子花こりす?( ゚д゚) 誰?」だったけど
>>547のコメントでOHP逝って漸くわかったよorz

めぐひらのキャラ紹介見てたらなんか鬱だSNOWを連想うわなにをすあqwせdrftgyふじこ
550名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:40:05 ID:60DZDFao
貴子ED、卒業式直後、瑞穂視点
卒業式も終わり、寮からの引越しも済んだ3月の下旬。
恵泉学園の気の早い桜たちとは違い、庭の桜はようやくつぼみを膨らませた程度。
「何が見えるのですか?」
卒業式から毎日のように家に来ている貴子さんが横から声をかけてくる。
「もうすぐ花見の季節ですね」
僕の言葉に「ええ」とだけ彼女は答え、早春の風にその栗色の髪をなびかせ、同じ早春の景色を眺めていた。
ずっとこうして同じ風景だけを見つめていたい、そう思わせるに十分な横顔。
「あら、郵便ですわね」
家の前に一台の赤いバイクがとまったのが見えた。
「あぁ、そういえば、大学の書類が届く頃ですから・・・」
僕は窓枠に軽く手を突いて立ち上がった。
「取ってきますよ。ついでですから、何か飲み物持ってくるよ。何が良い?」
「でしたら、私がお飲み物を用意しますから、瑞穂さんは郵便を取ってきてください」
勝手知ったる他人の家、ですか?と軽く苦笑するも、素直にその好意には甘える事にした。
僕はアイスティを貴子さんに頼むと、階段をとんとんと下りて、ポストに入れられた茶封筒を手に取った。
確かに僕が合格した大学の名前が書かれている。

「うそぉ!!!!」
茶封筒の中身を見て、僕は思わず大声を上げてしまった。その直後、キッチンからガシャーンという大きな音が聞こえた。
キッチンから貴子さんが顔を出して
「急に大声を出さないでください。グラスを割ってしまいましたわ。」
と、僕に抗議をするけど、僕はそれ所ではない。
「瑞穂さん?」
目の前で貴子さんの白い手のひらがひらひらと揺れ、それが僕の額をぺとっと触ってたりする。
ピラッと彼女が、固まったままの僕の手から用紙を取り上げる。
「この紙がどうかしましたか?あぁ、大学からのお知らせですわね?驚くような事はどこにも書いていないと思いますが・・・」
その声で僕はほんの少しだけ正気に返り、一番下、小さく書かれている部分を指差す。
(1/3)
551名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:41:11 ID:60DZDFao
『女子用』
そして、茶封筒に書かれている宛名も指を指す。
『宮小路瑞穂様』
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
広い屋敷に二つ目の叫び声がこだました。

「と・・・とりあえず、どういうことか考えて見ましょう」
先に復活したのは貴子さん。多分他人事なので僕よりショックが小さいのだろう。
どうせ僕は女顔だし、女装して1年近く女子高に通ったし、髪は長いし、ウェストは貴子さんと同じサイズだし。
「最後の一つは余計です。」
お尻は貴子さんより小さいけど。
「大きなお世話です!」
どうして心の中が読まれるのだろう?
「思いっきり声に出てます」
「ところで瑞穂さん、受験の日の格好は?」
コホンと軽く咳払いをして、貴子さんは話を軌道修正する。
「そりゃもちろん、制服ですよ?」
「卒業見込みの証明書は?」
「出しました」
「どこのを?」
「もちろん、恵泉の」
貴子さんは思いっきり頭を抱え込んでしまった。
「すなわち、瑞穂さんは女子高の卒業証明を出して、女装したまま受験に臨んだ、という事ですね?」
「あっ・・・」思わず僕はぽんと手を叩いた。
「あっ、じゃありません・・・どうして男子高校生がその髪で合格したのか、不思議だったんですけど・・・」
「あはは・・・」
(2/3)
552名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:41:53 ID:60DZDFao
笑ってる場合じゃないけど、笑いしか出ない。
「さて、それじゃ、なぞが解けたところでそろそろお暇を・・・」
「みっ、見捨てる気ですか!?」
ズイッと貴子さんの顔の正面に顔を持っていく。ちょっと涙目。その目からプイッと視線を切る貴子さん。
「見捨てるなんて人聞きが悪いですわ、瑞穂さん。少し西域まで大妖怪蘇生実験の阻止に行こうかと・・・」
「なぜここで最遊記ネタなのかは流すとして、そういうあからさまな嘘を言われても対応の困るので辞めてください」
「しかし、本当に女装して受験に向かうとは・・・あきれて物が言えませんわ」
「でも、学校の説明会でも受験には必ず制服で行くようにと・・・」
「アホですか?」
「真顔で言わないでください。お願いします。」
あっ、帰ろうとしないでください。今、一人にされると際限なくへこみそう。
「アホでも女装大学生でも、私の愛は変わりませんよ?瑞穂さん」
優しく僕の体を抱きしめる貴子さん。甘いシャンプーの香に包まれる
「全然嬉しくないし、女装で通うのは確定ですか?って言うか、見捨てて帰ろうとしたくせに・・・」
「過去の事をグチグチと・・・」
「10秒前のことです。」
・・・・・・・・・・嫌な沈黙
「女装して通ってください!!!!!!」
「ぜぇぇぇぇったいいやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
早春の静かな高級住宅地に馬鹿っぷるの叫び声がこだました・・・・

PS,恵泉女学院の学園長のとりなしで、何とか僕は晴れて男子大学生になることが出来ました・・・
(3/3)
553550-552:05/03/06 21:44:01 ID:60DZDFao
馬鹿なネタを長々と書いちゃった・・・orz
554名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:45:37 ID:n9Q4jTRU
>>553
いやGJ!
笑わせてもらった
むしろ女子大生として通ってほしいのは俺だけか?
555名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:55:01 ID:5Wq8N6OK
>>553
いいやGJ
女子大生で通してほしかったと、思うのは、”贅沢な”なやみだろうか?
556名無しさん@ピンキー:05/03/06 21:58:46 ID:W/Vcz/Ay
>553
>「女装して通ってください!!!!!!」
>「ぜぇぇぇぇったいいやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
が無茶苦茶受けた。GJ!

>554
同志よ、俺もだ。
557550-552:05/03/06 22:12:46 ID:60DZDFao
>>554-556
そー言ってくれると嬉しいっす
半日係でまじめなシリアスネタを書いてたら、猛烈に馬鹿っぷる振りを書きたくなっちゃったんで・・・(w
558名無しさん@ピンキー:05/03/06 22:25:33 ID:pH1zyI1h
>>554-556
ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ 漏れも漏れも
55945:05/03/06 22:36:56 ID:HzLI26BL
>>550-552
笑わせていただきましたwGJですw

>ウェストは貴子さんと同じサイズだし
そうか。つまりウェストのサイズは貴子さんよりまりやのほうが太(ピコッ←ピコピコハンマーで殴打される音

・・・・・・
560名無しさん@ピンキー:05/03/06 23:08:08 ID:iwSBhZwG
正直な話、おとぼくキャラの3サイズの所載が知りたい。
基本的にキャラメルボックスのキャラには3サイズは設定されてないからなぁ。

個人的に一番スタイルバランスがいいのが一子バージョン瑞穂かな?
561無銘:05/03/06 23:23:54 ID:egGRaOBt
 持ち主の性格を反映したような質素な家具で飾られた、白くて広い部屋。その窓際に置かれ
ているセミダブルサイズのベッドには、既に昼を過ぎた時間である今この時、中には誰も居な
いはずである。
 しかし、そのベッドの上に掛けられた白い真綿の布団は、中に人間一人が丸まっているよう
な膨らみを形取り、時折小刻みに震えていた。
「瑞穂さんの……お布団。瑞穂さんの……匂い…………んんっ」
 そしてその膨らみの中から聞こえてくる声は、先日この部屋の主と共に恵泉女学院を卒業
した、厳島貴子のものである。
「あぁ……瑞穂さんの…………瑞穂さんの…………匂いが………」
 卒業してから大学へ入学するまでのインターバルとなる一ヶ月ほどの春休み。その時間を
利用して、貴子はある相談事をするために瑞穂の家を頻繁に訪れていた。
 そしてその相談事に関する用事で瑞穂が部屋を出る僅かな時間、一人部屋に取り残される
こととなる貴子は、いつもこのように布団に潜り込んで過ごしていた。
「んっ……ぁっ…………瑞穂……瑞穂さん………ぁ……ぁ……」
 初めのうちはただ匂いに包まれて身悶えていただけだったが、やがてその声には艶の色が
混じってきて、今では最愛の人の匂いに包まれて自らを慰める女の声となっていた。
「ふぁ…っ………やっ……指なんかで……私…こんなところを……瑞穂さんに見られたら………」
 今の状況が良くないと解りつつも、貴子は自らの手を止めることが出来なかった。
 瑞穂と初めて一つになれた日から、瑞穂は一度も貴子のことを求めていない。
 確かに、初めての日からはすぐに卒業式があったし、卒業後は家の問題で会える時間が
限られていた。
 だがそれでも、貴子はこうして毎日のように瑞穂に会いに来ている。勿論それはある相談を
するためだが、それと同時に瑞穂に求められることを密かに期待していたのだ。
「あ、あぁ………瑞穂さん……どうして…………どうして私を……求めて下さらないのですか…
……ふぁっ…あぁ………わたくし……もう……」
 貴子が自らの行為で最高点へと上り詰めていく。
562無銘:05/03/06 23:24:52 ID:egGRaOBt
 と、その時。
「貴子さん、やりましたよ! 先ほど、先方から良いお返事を頂けたそうです。これであとは
……って貴子さん!?」
 自分の部屋なので、当然のようにノックもせずに瑞穂がドアを開けて部屋に入ってきた。
「ふぁぁ……ぁ……え!? み、瑞穂さん……あぁっ、だめぇっ……!」
 その瞬間、貴子は絶頂に達した。
 ひと一人分の膨らみを浮き上がらせている布団の中から、最愛の人の嬌声が聞こえくる。
そしてその布団が小刻みに震えているとなると、たった今この場へと来たばかりの瑞穂にも
すぐに状況が理解できた。
「えっと、あの…………貴子…さん?」
 状況は理解できども、事情がさっぱり分からないといった体の瑞穂が、恐る恐る貴子に
尋ねる。
「み、瑞穂さん。こ、こここここれは違います、その、あの………ぁ…」
 それに対する貴子は、あわてて布団の中から顔だけを出して、部屋の入り口付近に立って
いる瑞穂を見つめつつ、未だ絶頂の余韻冷めやらぬという風な呂律の怪しい言葉で言い訳を
している。
「み、みみみみみみ瑞穂さん! こ、これはその……あの…あ、あぁ………………ふにゅぅぅぅ」
「わわわっ、貴子さん………!?」
 布団から覗く顔を真っ赤にしながら失神する貴子に、瑞穂は慌てて駆け寄った。

――――
563無銘:05/03/06 23:26:02 ID:egGRaOBt
「その、つまり僕が悪かったんですね?」
 目を覚ました貴子から、先ほどの状況に到った訳を聞いた瑞穂は開口一番そう言った。
「そ、そんな訳無いではありませんか! わ、私が……その……身勝手な期待を瑞穂さんにして
おきながら………自分で我慢できなく…なって……致して………しまって…………」
 語尾に近づくにつれて蚊の鳴くような声になりながら、貴子がそれに反論する。
「それでも、貴子さんの気持ちに気づけなかった僕にも非があると思います」
「ち、違います! 瑞穂さんは悪くありません!」
「貴子さん………」
 少し意地になっている貴子を、瑞穂は優しく抱き留める。
「それでは貴子さん、二人とも悪くて、二人とも悪くないというのはどうですか?」
「あっ………瑞穂……さん」 
「貴子さん、ゆっくり落ち着いて下さい」
 貴子を抱き留めながら、瑞穂は貴子の首から背中にかけてを優しく撫でる。貴子は、その背中
への愛撫を受けながら頷く。
 やがて少し時間が経ってから、貴子が小さな声で口を開いた。
「あ、あの………瑞穂さん」
「落ち着きましたか?」
「あっ………はい。あの………瑞穂さん?」
「何ですか? 貴子さん」
「あの、そっ、そのですね? 瑞穂さんのベッドの中で勝手に……あの……淫らな事をしてしまい
ました私に………お、おおおおおしおきを………し、して………いただけませんか?」
 瞬間、瑞穂の手が止まる。
「えぇ!? た、貴子さん、今……なんて?」
「で、ですから………その…………わ、私にお仕置きを!」
 貴子は顔を真っ赤にしながら、上目遣いで瑞穂の顔を覗き込んだ。そのまま放っておくと、また
失神しそうなほど真っ赤である。
「い、いいんですか?」
「はっ………はい」
「僕も久し振りですから、お仕置きなんて言われてしまっては理性の歯止めが掛からないかもしれ
ませんよ?」
564無銘:05/03/06 23:27:32 ID:egGRaOBt
「み、瑞穂さんのお部屋で淫らな行為をしてしまったのは私です。どうぞ………お仕置きを
……んっ……」
 貴子が言い終わらないうちに、瑞穂は唇を奪う。そして乱暴に舌をねじ込み、貴子の口の
中を蹂躙する。
「ふぁっ……はぁっ………貴子さん、それではお仕置きをしますよ? 覚悟して下さいね?」
「はっ……はい、瑞穂さん」
 貴子の返事を聞くと、瑞穂は貴子のドレスの下から手を潜らせ、その豊満な胸を右手でつ
かむ。
「んっ………ぁ………あぁ……」
「今日はこの間より………少し強めにしますね?」
 そう言いながら、瑞穂はもう一方の手でドレスをたくし上げ、貴子の裸体を露わにする。
 貴子の体は僅かに汗ばみ、先ほど自らで慰めていた秘所を覆うショーツには既に淫らな
染みが出来ていた。
「んっ……んぁ………ぉむ…………んっ………ちゅっ……んぅ……」
 キスをしながら右手で胸を弄り、更に左手で首から背中にかけてをゆっくりとなぞる。
「んぁ………み、瑞穂さん………やぁ………そんな一編にたくさんしたら………あぁぁ……
だめ………おかしくなっちゃう………」
「貴子さんがお仕置きして下さいって言ったんでしょう? このくらいでは許してあげませんよ」
 瑞穂は更に左手を、背中から腰に、腰から臀部へと撫でていく。
「んっ……やっ………そこは……ひゃ………あぁぁ!」
 臀部をぐるりと回った左手が、貴子の秘所へと到達する。
「もうぐちょぐちょになっているけど、覚悟して下さいね? 貴子さん。もっと凄いことにしてあげ
ますから」
 そう言って瑞穂は、貴子の股の付け根をショーツ越しに左手の親指でゆっくり強く押す。その
刺激を受けて貴子は体をピクリと反らせるが、胸から背中へと移していた瑞穂の右腕がそれを
阻む。
 親指での刺激を続けながら、瑞穂は空いている口で胸へとかぶりつく。
「ひゃん! あっ………あぁぁ!」
 瑞穂の親指が、今の愛撫で一気に増えた愛液を感じた。
565無銘:05/03/06 23:28:35 ID:egGRaOBt
「貴子さん。下着、脱いじゃいましょうか。エッチなジュースで、もうどろどろですよ?」
 貴子からの返事は無い。先の胸への刺激で、軽くイッてしまったようだ。
「んぁっ……はぁ、はぁ、はぁ………瑞穂さん………瑞穂………さん………」
「駄目ですよ? 貴子さん。もっともっと感じてくれないと」
 貴子がつかの間の余韻に浸っているうちに脱がした下着をベッドの外に放り投げ、今度は人
差し指を貴子の中へと侵入させる。
「ひゃっ……ぁ……ぁ……だめぇ瑞穂さんっ、それ以上されたら……」
「駄目ですよ、貴子さん。お仕置きですから」
 貴子の中へと滑らせた指をクイッと折り曲げ、天井の僅かに固い部分を刺激する。
「ぁあ………あぁぁぁぁぁ!」
 貴子が、より強い絶頂へと達した。
「はぁ、はぁ……瑞穂さん……もう、だめぇ……きもちよくて………きもちよくて、もうだめなのぉ
………ぁ……ぁあ……」
 そう言い終わると同時に、瑞穂の手に暖かい液体が勢いよく降り注ぐ。
「貴子さん………」
「や……だめぇっ瑞穂さんっ………ぁぁ……お願い、見ないでっ………!」
「そんなこと言わないで。可愛いですよ、貴子さん」
「………っぅ………ぇう………」
 とうとう恥ずかしさに負けたのか、貴子は泣き出してしまった。
「貴子さん………泣き顔も可愛い」
 そう言って瑞穂は、貴子に軽く口づけをする。先ほどとは違い、軽いフレンチキス。今の貴子に
あまり激しいキスをすると、また失神してしまうかも知れないからだ。
「瑞穂………さん…………ください……」
「もう、大丈夫ですか?」
「はっ………はい………」
 そう返事をするものの、貴子は既にぐったりとしている。
 試しに瑞穂は、貴子の中に入ったままの指をもう一度折り曲げてみた。
「ひゃぁっ……………!」
 その瞬間、ピクン、と貴子の全身が瑞穂の腕の中で弾ける。相当刺激に敏感になっているようだ。
566無銘:05/03/06 23:29:58 ID:egGRaOBt
 瑞穂は腕から貴子を放し、ベッドに横たわせる。そうしてもう一度キスをした。ただのキス
の一度だけでも、貴子の体はピクリピクリと反応をする。
 本当に大丈夫なんだろうか、と瑞穂は思ったが、これはお仕置きだと自分に言い訳して、
自らの屹立を貴子の柔らかい肉の丘へと押しつける。だが、実際のところは瑞穂の性欲も
既に限界のところまで来ていて、今すぐにでも貴子の中に突き入れたい衝動に駆られていた。
「いいですか?」
 その衝動を我慢して、瑞穂は尋ねる。
「はいっ………きて……ください……」
 それを聞いた瞬間、瑞穂は一気に貴子の中へと自分自身を突き立てる。挿入した瞬間、
先ほどの潮が内側から少しだけ逆流してきて、その淫猥な様子が瑞穂の興奮を更にかき
立てる。
「ぁあ…………ぁ……ぁ………っ…………はぁ、はぁ、……んっ」
「前よりもすんなり……はぁ、んっ………入りましたね。動きますよ?」
 貴子は目を閉じて両手で口を押さえながら、強く頷く。
 瑞穂が腰を引き、抜ける直前まで出した屹立をもう一度中へと突き進める。すると再び、貴子が
弾けた。弓なりにしなる体は、瑞穂の目にこれ以上ないほど美しく、これ以上ないほど性欲をかき
立てるものとして映る。
 貴子の長く綺麗な髪の毛、綺麗に整った顔、口からほんの少しだけ姿を見せる八重歯、形の
綺麗な胸、赤みの差した肌。全てが愛おしくて、全てが欲しくて、夢中になって貴子を全身で感じ、
また己を貴子へと突き上げる。
「あっ、あっあっあっ……! 瑞穂さん、私もう………だめっ…だめっ…いやぁ………ぁああああ
ああーーー…………!」
「はぁ、はぁ、あぁっ………貴子さん!」
 貴子がひとたび大きく震えた。そしてその後は、体を痙攣させながら背を反らしている。同時に
我慢が出来なくなった瑞穂は、既に限界点を優に突破していた自分の欲望を、貴子の中へと思
いっきり放つ。
「ぁ………あぁ………瑞穂さんが………瑞穂さんが私の中に………」
567無銘:05/03/06 23:31:09 ID:egGRaOBt
 極限の快感に打ち拉がれながら、貴子は震える右手で瑞穂と繋がったままの腹部を撫でる。
「はぁ、はぁっ………ごめんなさい、貴子さん。けれど、もしもこれで子供が出来たら、僕が
責任を取ります…………結婚して下さい、貴子さん。そして僕の子供を産んで下さい」
 とどめ、と言わんばかりに、瑞穂は貴子にキスをする。先ほどと同じ、触れるだけの軽い
フレンチキス。だがそれでも、今の貴子にはもう一度絶頂に達するのに十分な刺激だった。
「あぁぁっ……っ………はぁっ………はぁっ…………ぁ………」
 くてり、という擬音がピッタリといわんばかりに貴子の体から力が抜け落ちる。
 失神してしまったか、と瑞穂は心配したが、ただ全身が弛緩しただけらしい。
「瑞………穂…………………さん」
 全身の筋肉が弛緩して、喋るのも大変だというのに、しかし貴子は口を開く。
「幸せに…………して………下さいね?」
 涙で濡れた目を細め、笑顔を真っ赤にしながら瑞穂へ右手を差し出す。
 その手を掴んだ瑞穂は、貴子の上に覆い被さり、しっかりと抱きしめた。
「僕の全てに代えても、必ず幸せにします。貴子さん」
 もう一度キス。貴子は体を震わしつつも、瑞穂を抱きしめてそれに応える。
 白くて綺麗に整えられていたシーツは、今では二人の体液で汚れ、しわだらけになっている。
 その乱れた白の上で、二人は抱き合い、愛を誓う。

――――
568こっからおまけ:05/03/06 23:32:42 ID:egGRaOBt
「ところで瑞穂さん、先ほど何か仰りながら部屋に入ってきた気がするのですが」
 それから半時、衣服を整え、二人で並んでベッドに腰掛けていると、おもむろに貴子が口を開いた。
「あ、忘れてました。貴子さんが僕に相談したあのこと、どうやら上手くいきそうです」
「ということは、紫苑さまは……………」
「ええ、厳島へ嫁ぐ代わりに、鏑木の養子になるという形で決着が付きそうです。鏑木の養子
になったあとは、紫苑さんは自由になりますし、紫苑さんの子供が出来たときはその子供を
十条家の養子にして、十条家と鏑木家のつながりを持たせます。紫苑さんは助かりますよ」
「ということは、紫苑さまは…………私たちの姉に?」
「結果的にそうなりますね」
「良かった………本当に良かった…………ありがとうございます、瑞穂さん」
 貴子は先ほどとは違う涙で頬を濡らして、瑞穂に抱きつく。それを瑞穂は優しく受け入れる。
「貴子さんは勿論ですけど、みんなにも幸せになって貰わなくてはいけませんからね」
「そうですね…………特に紫苑さまと奏さんには」
 貴子は溜息を一つ。まだまだ先に積まれた問題は多々ある。だが、貴子は思った。この人と
なら、必ず乗り越えていけると。
「そろそろ門限なので、今日はおいとましますわ」
「そういえば、もう結構な時間ですね。駅まで送りますよ」
 二人は立ち上がり、人前でするのも恥ずかしいのでここで最後のキスをする。そしてそれが
済むとドアに歩み寄り、ノブを捻ると………
「……………」
「……………」
「……………」
「…………父様!」
「………お、お義父様!」
「瑞穂、お盛んなのはかまわんが、廊下まで声を響かすのは感心しないぞ」
「父様…………もしかして、全部」
「ああ、一部始終聞かせて貰ったぞ。貴子さん、早く瑞穂の嫁に来なさい。君たちの新しい姉さん
もきっと歓迎してくれるぞ? ついでにどうかね? 会社の一つでも経営してみては」
「あ、あのっ……おおおお、義父様。私は……みみみみみ、瑞穂さんの………しょしょしょしょ、生涯
の伴侶………と……し…て……専業………主婦……に…………きゅううううぅ」
「わわっ、貴子さん!」
 結局貴子さんが屋敷を出たのは、それから三十分後のことだった。
569某所の誰か ◆518YLv.Xnc :05/03/06 23:37:04 ID:egGRaOBt
チキンなんで、最後だけトリップ使って書きます
某スレで以前にSS書きをやっていましたが、このトリップは久々に使います

メル欄でも言いましたが、実は二次創作って初めてだったりします
元来、設定を完璧に把握しない状態で物を書くのは完全に駄目なタチなんですが、葱板で
作品への愛があれば問題ないと励ましを受けたので書いてみました
稚拙な出来で申し訳ありません

格好いい瑞穂をイメージして書いてみました
ついでに萌えて頂ければ、もう言うことはないくらい嬉しいです

最後まで読んで頂き、ありがとうございました
570126:05/03/06 23:56:22 ID:MtyX0Zt4
仕事行ってる間に、力作が次々と…皆さんGJっす!!

>>52
俺も>>45氏同様おとボク以外のキャラメル未経験なので、元ネタがわからなかった一人なのですが…orz
でもそれが残念でしかたないっす。ノリとテンポの良さがグットなのですよ〜。

>>550-552
激しくワロタw
瑞穂も貴子さんも良い感じに弾けてますなぁ。GJっす!!
ああ…女子大生で通して欲しいと思うのは、やはり見果てぬ夢っすかね…( ;´Д`)

>>561-568
GJでした!!
見事、としか言いようがありませんね…ホント。
このスレがSS書きデビューな俺とはレベルが違いますな、やはり…( ;´Д`)
57145:05/03/07 00:00:50 ID:4rdBpXK0
>>569
ぐはっ・・・すさまじくハイレベルでGJです・・・
なんていうか、会話だけでなく、会話以外の表現がすごく上手で・・・
Hシーンも上手に書かれていますし・・・。

やはり付け焼刃な私のSSとは次元が違いますね。
572名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:06:53 ID:hskRJIX4
>>561-568
かわいいよ貴子かわいいよ(*´Д`)ハアハア
GJ!読んでる間中ずっと悶えておりました。
瑞穂タン、そのお仕置きはどこで会得したんだーッ?w




⊂⌒~⊃*。Д。)⊃ ……返事が無い。ただの萌え死体のようだ。
573126:05/03/07 00:08:55 ID:mBEvUNbR
…さて、こんな中で投下するのもちと気が引けるのですが…( ;´Д`)
一応、仕上げも終了したので、一本投下しようと思います。
瑞穂と貴子さんの、エピローグ前の話なのですよ〜。
574名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:10:57 ID:X1MBND6i
>569
うーむ、貴子可愛いなあ。GJです。

>573
う、寝ようと思ったがそれならわくわくしながら待って見よう(笑)
575126:05/03/07 00:12:17 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(1)

「おはようございます、貴子さん」
「おはようございます、瑞穂さん」
お互い笑顔で、挨拶を交わす。
3月に入り、3年生は授業は既にほとんど無く、僕も寮を出るために荷物整理に追われていた。
そんな中の、今日は登校日。貴子さんとはほとんど毎日会っているけど、
考えてみれば制服姿は久々だなぁ…
「ところで瑞穂さん。今日が何の日か、ご存知ですか…?」
「え、今日…ですか…?」
なんだろう?何か特別な日だったかな…?そもそも今日って何日だっけ?
学校に行かなくなって、曜日感覚まで消失してる…
「あら…本当にわからないんですのね…
ふう、まりやさんとの勝負は負けてしまいましたわね…」
「え、え、え?な、何ですか…?」
不安になる僕に、貴子さんは苦笑して、
「ま、いいですわ。
私は瑞穂さんさえが居てくだされば、今日が何の日だろうとそれで十分ですから…
そんなに不安そうな顔なさらないで下さい。
学校に着けばイヤでも何の日か思い知りますから」
「は、はぁ…」
そう笑う貴子さんを、僕はずっと不思議そうに見つめていた…

「おはようございます、皆さん」
「グーテン・モルゲン」
「ぅうわぁっ!!……圭さん、いきなり真横で囁かないで下さいよ…
それに、何故ドイツ語なんですか…?」
「いい加減に言ってそうに見えるかもしれないけれど、
これでも一風変わった挨拶をひねり出すのは、それはそれで大変なのよ」
「いや、無理に変わった挨拶にしなくてもいいような…」
「まあ、それが圭さんの個性、ですから。おはようございます、瑞穂さん」
「あ、美智子さん。おはようございます…」
576126:05/03/07 00:13:43 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(2)

「それはそうと、瑞穂さん、今日は忙しくなりそうですね」
美智子さんがにっこり笑って言う。はて…?
「貴子さんも今日、何かあるような事言ってましたけど…
…今日って、なにがありましたっけ?」
「おやおや。エルダーともあろう者が今日の日を失念しているとは…
まだまだ未熟なり、宮小路瑞穂」
そう言いながら、圭さんはくい、くい、と、黒板を親指で指し示す。
そこにかかれているのは、今日の日付。3月14日…………あぁぁぁっ!!
「ほ、ほわいとでぇ、ですか…」
「ご名答」
「まあ、外部から来た瑞穂さんにとって、ホワイトデーは貰う側であっても
送る側では無かったでしょうし…しょうがないのかも初めての経験かもしれませんね」
「……え?え、ええ…」
…あぁ、そうか…僕は「女」だから、ホワイトデーは貰う方だと思ってたのか……
…考えてみれば、ホワイトデーにお返しをあげる相手なんか居なかったもんなぁ。
前の学校は勉強ばかりでそれどころじゃなかったし、
まりやはくれた試しなんか無いし…う。考えてみると、思ってた以上に寂しい人生かも…
「おはようございます…皆さん、何のお話をなさってらしたんですか?」
「あ、紫苑さん、おはようございます。実は…」
「…あらあら。あんなにたくさんチョコレートを頂いたのに、お返しを忘れていたなんて。
色々な意味で失格ですわね、瑞穂さん」
「あ、あはははは…」
「色々な意味」の中には、「男として」って言うのも入ってるんだろうなぁ…
「まあでも、心配要りませんわ。こういうときのために…
圭さん、用意していた物、お願いしますわ」
「合点承知」
?なんだろう、何が出てくるんだろう…?…って、なんですか、このダンボール箱は…
577126:05/03/07 00:15:22 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(3)

「メッセージカードですわ。
バレンタインにチョコレートをお裾分けしてもらう代わりに、
チョコレートの仕分け作業…だけではなく、
ホワイトデーにはお返しのメッセージカードの手配もするのが、そのクラスの役割、と。
そう通例として確立しているんです」
「そう言うわけですから、ご用意させていただきました…
さ、瑞穂さん。一筆づつ、どうぞ」
美智子さんの説明に続いて、にっこり笑って紫苑さんが万年筆を差し出す。
…とほほ、またあの人数分書かなきゃいけないのか…

…それにしても…あの時、まりやの助言を受け入れといて正解だったなぁ…

結局、当然のことながらHRが始まっても、全然終わってないわけで…
けれど緋沙子先生は、僕の書き取り作業をまるでさも当たり前のように流して、
そのままHRに入ってしまった…う〜ん、僕の感覚がおかしいのかなぁ…?

更に、今日の授業が終わっても(と、言っても伝達事項メインのHRがあっただけだけれど…)、
まだまだ書き取りは終わらなくて。
「こればっかりは手伝うわけにも行きませんしね…」
「ええ、やはり皆さん折角私宛にプレゼントしてくださったわけですから。
自分で一枚一枚書かないと…だから、紫苑さんはお先に帰られていいですよ」
「そう、ですか…?…あ。そうですわね、お先に帰らせていただきますわ。
書きあがったカードは生徒会の方に渡せばお相手に行き届くようになっていますから。
それでは瑞穂さん、失礼しますわね。ごきげんよう、瑞穂さん」
「え、ええ…ごきげんよう、紫苑さん…」
?…何かを見て、にこやかに帰っていったけど…あ。
紫苑さんが向けた視線の先をなぞってみると…
貴子さんがこちらの様子を伺っているのが見えた。
案内役の美智子さんは既に帰ってるけど…それで入ってこないって言うのもおかしいよね…
僕が手を振ると、おずおすと貴子さんが教室に入ってきた。
578126:05/03/07 00:16:50 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(4)

「どうしたんですか?そんなに遠慮しちゃって…」
「だ、だって…瑞穂さん、お忙しいご様子でしたし…お邪魔しちゃ悪いかと…」
「…ふふ、なんだ、そう言うことだったんですか…
僕が貴子さんに対して「邪魔者扱い」する事なんてありませんから。
私は何時だって、貴子さんと一緒に居たいんですから…」
「瑞穂さん…」
…あ。
そこで我に返った。良く見れば、未だ下校していない同級生の皆が、
こちらの方に好奇の視線を向けていて…
わわっ!!貴子さんもそれに気付いたのか、顔が真っ赤になっちゃった…!!
「あ、あああ、あの、み、瑞穂さん!?」
「は、はい!!」
「そそその、生徒会室にいらっしゃいませんか?あそこなら、今は他の学年は授業中ですし、
誰も入ってくる事は無いと思いますんで…!!」
「は、はい!!そうですね。いいかもしれませんね…!!」
「で、でででは、参りましょうか」
ぎくしゃくした歩き方で教室を後にする貴子さんに、ダンボールを抱えて僕も続く。
後ろから、
『まあ、生徒会室で二人きり、だそうですわ』
『お姉さまと会長さん、何処まで進んでいるのかしら…』
なんて会話が聞こえてきて…うう、色んな形で「しまったなぁ…」と、思った…
けど、貴子さんがまた失神しなくて良かった…

何度目かのチャイムが鳴った頃、僕はようやくメッセージカードを全て書き終えた。
その間、貴子さんは僕の側でずっと本を読んで待っていてくれた。
本に向かう、その集中した横顔は、とても綺麗で…思わず、少しの間見惚れてしまった。
「貴子さん、終わりました…すみません、お待たせしてしまって」
「お疲れ様です、瑞穂さん…
気になさらないで下さい。瑞穂さんが私と一緒に居たい、と仰って下さったように、
私も、瑞穂さんの側に居られるのが幸せなのですから」
579126:05/03/07 00:18:01 ID:mBEvUNbR
そう微笑んでくれた。その笑顔がとても可愛くて…
「貴子さん…」
「あ…瑞穂、さん…」
がちゃっ。
『うわわわわわっ!!』
扉が開く音がして、僕達は慌てて離れる。
「あれ…?会長と、お姉さま…」
「あ〜…ひょっとして私たち、お邪魔でしたでしょうか…?」
「よ、葉子さんに可奈子さん…そ、そんな事無いですよ。ねえ?貴子さん」
「え、えええ、ええ。ホントに…そんな事は…」
『あはははは…』
二人揃って乾いた笑いを浮かべたのだった…

「それでは、確かにメッセージカードはお受け取りしました。責任を持って、
生徒会が各生徒さんたちにお配りしておきます」
その後、君枝さんもやって来て、僕はメッセージカードを次期会長である君枝さんに渡した。
最初、貴子さんに任命されたときはそれはそれは緊張して固まっていたけど…
大分硬さが取れて、落ち着いてきたみたいだ。
「はい。それじゃあ、よろしくお願いしますね。…では、お疲れ様です」
「お疲れ様、皆さん」
「はい、お姉さま方も…」
『お疲れ様でした』
声を揃えて、にこやかに送り出された…どうも、深読みされてる気がする…
「さて、それでは…帰りましょうか、瑞穂さん」
「あ、ええ…その前に、ちょっと付き合っていただけませんか…?
ちょっとデートには向かない用事ではあるんですけど…」
「え…?何でしょうか…?」
「実は…」
580126:05/03/07 00:19:34 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(6)

確かに、多くの生徒の皆にはメッセージカードを送った。
けれど、流石に親しい人たちにはやはりちゃんとしたものを贈りたくて…
それで、女性である貴子さんに相談に乗ってもらうことにして、買い物に来たわけで。
「助かりました。僕一人じゃ、どうしても「男としての見方」になっちゃうから、
自信なかったんですよ…」
「いいえ。大した事じゃありませんわ。お役に立てて何よりです」
一通り買い物を済ませ、近くの公園のベンチで一息つく。
…貴子さん、変わったなぁ。
付き合い始めた頃だったら、多分貴子さん嫉妬しちゃって、買い物どころじゃなかったかも…
でも、それだけ僕の、「貴子さんだけを愛してる」って気持ちが伝わってるって言う事で…
素直に、すごく嬉しい。
「これで寮の皆と、生徒会の皆の分は終わった…後は、貴子さんの分なんですけど…」
「ふふっ。朝も言ったじゃありませんか。私は瑞穂さんと一緒に居られれば、
それで十分ですから…」
「…貴子さんの分は、実はもう用意してあるんです」
「え…?」
そう言って、僕は鞄から小さな紙袋を取り出す。
実は…まりやに、「瑞穂ちゃん、ホワイトデーの事絶対忘れちゃうから、今のうちにお返し、
買っておいた方がいいんじゃない?」って言われて、
「忘れるわけ無いじゃない、いくらなんでも」なんて言いつつ、貴子さんの分だけは
あらかじめ用意しておいたわけで。
…結局、まりやの言う通り忘れてたんじゃ、世話無いよね…
「ずっと前から、貴子さんにお返し何を贈ったらいいのか、決めてたんです。
それで前々から用意して、いつも肌身離さず持っていたのに…
人に言われるまで今日がホワイトデーだと気付かないなんて、
お恥ずかしい限りで…」
照れ笑いを浮かべる僕とは対照的に、貴子さんは緊張した面持ちで…
581126:05/03/07 00:21:21 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(7)

「あ、あの…頂いて、よろしいんですか…?」
「ええ。そのために用意したんですから」
「…あの、開けてもよろしいですか…?」
「ええ、勿論」
貴子さんが紙袋を開け、中身を取り出す。中に入っていたのは…小さな紫色のケース。
それを開けると、中には、銀色に輝く指輪が二つ、一組入っていて、
「みず、ほ…さん…これは…!!」
「これが、僕からの精一杯のお返しです…貴子さん」
僕はそっと貴子さんの手から指輪を手にとると…貴子さんの左手を取って、
薬指に指輪を嵌めた。
「これが、僕のお返し…そして、僕達の、約束です」
もう一つの指輪を、自分の左薬指に嵌めた。
「瑞穂さん…瑞穂さん…!!」
貴子さんが、僕の胸に飛び込んできた。僕は、その頭をそっと撫でる…
『わた、くし…私、こんなに…素敵な贈り物、生まれて、初めて…です…!!」
…ちょっと前に、こんな話を貴子さんから聞いたことがあった。
「私の父は、物さえ与えておけばそれで済む、と思っているんです。
それは、母が物欲の強い人間だったせいもあるのかもしれませんけど…
ずっと、何不自由ない生活を送っていました。けれど…
けれど、結局一番欲しいものなんて、何一つ貰った事はありませんわ…
そういう、家なんです…』
…そう、寂しく話してくれた事があった。
だから、僕は貴子さんが一番欲しい物をあげようと思ったんだ…
「良かった…貴子さんに、喜んでもらえて」
「当たり前じゃありませんか…!!だって、だって、私…!!」
それ以上は、声にならなかった。ただ、僕の胸で子供のように泣いているばかりで…
「…私、今、凄く幸せです…幸せ過ぎて、瑞穂さんから…離れられません…」
ややあって、落ち着いたのか、貴子さんがゆっくりと口を開いた。
582126:05/03/07 00:22:30 ID:mBEvUNbR
ホワイトデー協奏曲(シンフォニー)(8)

「…まだまだですよ。僕は、貴子さんが一番欲しいものを知ってますから…
これからも、いっぱい幸せにしますね」
「私の…一番欲しいもの…?」
「はい。貴子さんの、一番欲しいもの…それは…」
「あ…ん…」
言葉の代わりに、僕は貴子さんと唇を重ねた。
貴子さんが一番欲しいものは…愛。
貴子さんは、誰よりも愛を求めて…けれども、愛を知らないが故に得るのが怖くて。
だから、自分にも他人にも厳しく生きてきたんだと思う。
でも、それももう終わり。これからは、僕が、精一杯の愛を注ぎ続けるから…
…そう、思いを込めた口付けが終わり、唇が離れる。
朱が差した貴子さんの顔は、とても美しくて…
「瑞穂さん…本当に、本当にありがとうございます…私、瑞穂さんと出会えて…
本当に、良かった…」
「僕もですよ、貴子さん…僕も貴方と出会えて…本当に良かった…」
…僕達は、そのまましばらく、ベンチで寄り添い続けた…


                                    fin
583126:05/03/07 00:24:17 ID:mBEvUNbR
…思ったより、かなり長くなってしまいましたw
そのくせ、一個前の作品に比べると、作成時間、かかってませんw
勢いってのは凄いなぁ、と思います…

ちなみに、投下しなかったんですがエピローグがありまして。
この後、「女同士が寄り添ってる」のを奇異に見られ、
そそくさと退散する嵌めになったとかなら無かったとか…w
584名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:28:52 ID:X1MBND6i
>583
乙でした。いやいやGJ!
そこで指輪贈るのか瑞穂ちゃんは、いやーかっこ良すぎ。

さて、満足したので寝よう。明日は5時おきと早いんだた_| ̄|○
585名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:30:45 ID:kV/FgR9J
話は良かったんだけど、さすがに卒業式(3月初旬)後に登校日は無いかと。
58645:05/03/07 00:34:56 ID:4rdBpXK0
>>126
綺麗なお話で・・・GJです!
瑞穂のちょっと抜けたところとしっかりしたところの両方が表現されてて・・・
そして貴子さんの心の中もしっかり書かれていて・・・

ホント、いつも安定してよい話を提供してくださって、GJです。
587301:05/03/07 00:35:22 ID:wzTplvNH
皆様GJ!です。感想かける余裕が無くて申し訳ないです。

ようやく>>263-266 の続きが書きあがりましたので、投下させて頂きます。

・ 時期的には学院際の後、ダンスパーティのちょっと前くらい
・ 御都合主義のコミカルモノ
・ 一応瑞穂萌え……のはず
・ フルメタネタは特典壁紙で既出らしいけど、あえて
・ チェック漏れが激しいと思いますが、その際には突っ込んでいただければ幸いです。


題名:「Do we love our beloved 『Elder Syster』,ladies?」
(貴様らはエルダーシスターを愛しているか?)

前回から引き続き一子ちゃんとまりやと瑞穂とで作戦会議中……ということで。
588126:05/03/07 00:35:33 ID:mBEvUNbR
>>584
ありがとうございますです。そして、お休み…ゆっくり休んでくだされ〜。

>>585
実のところ…ゲーム中にいつ卒業式がある、というのを明記していないのを良い事に、
まだ卒業式前で、登校日のある一日…というつもりで書いてみました。
…でもやっぱ無理があるかなぁ…( ;´Д`)
589301:05/03/07 00:37:00 ID:wzTplvNH
間違えた……
>>303-318 の続きです。
590301:05/03/07 00:38:37 ID:wzTplvNH
「さて……水着はともかく、作戦の完遂に目処はついた……」

まりやの目が怪しく光っている……あの目は、あの目はやる気だっ!!

「よ〜し、あたしが御門まりや軍曹である。話しかけられたとき以外は口を開くな。口で
クソたれる前と後にSirと言え!解かったか蛆虫どもっ!」

「Sir,Yes Sir! 御門軍曹!!」

「そこのオトコオンナ!!貴様もだ!! 宮小路二等兵!!」

「え?……なにっ??」

「ふざけるなっ!!Sir,Yes Sirだっ!!!」

「え、えっと、さぁ……いえっさぁ?」

「Bullshit! I can't hear you! 気合が入ってないっ!じじいのFuckの方がまだ気合
が入ってるっ! ベトナムに行く前に戦争が終わっちまうぞ」

な、一体なんなんだ?ベトナムって……。それにその言葉遣い、どっかの戦争映画で聞い
たような……。

「いいか!地上で最強の武器は─────エルダー・シスターだ……貴様による『萌え』
だっ。恵泉で貴様が生き残りたいと思ったら女らしさを研ぎ澄ませっ!萌えは道具に過ぎ
ん。てめえの萌え演技は、てめえの鉄の心臓がやるのだっ!」

「Sir,Yes Sir!」
「さぁ……いえっさぁ……」
591301:05/03/07 00:39:15 ID:wzTplvNH

「よし、それでは今回の作戦名を発表する。それは『The Bloddy Legend of the Keisen
Gakuin』である!」

「Sir,Yes Sir!」

「ちょちょ、ちょっとまって、まりや。それ、訳すと『恵泉学院の血の伝説』になるんだ
けど……いったいどういうこと?」

「なんだ貴様、アホがっ!!質問するのはあたしの役だ! 」

「さぁ……いえっさぁ……」

「よーし、いいか、この作戦を完遂するその日まで貴様は蛆虫だ! 地球上で最低最下位
の生命体だ。貴様は厳しいあたしを嫌う。だが憎めば、それだけ学ぶ。よ〜し、宮小路二
等兵……じっくり可愛がってやる……! 泣いたり笑ったり出来なくしてやる! うふ、
うふふふふ……」


い、いったいなにをされるんだろう……僕。


「それでは……この作戦の内容だが……」


──────────────────────────────
592301:05/03/07 00:40:32 ID:wzTplvNH

次の日の朝……。


校舎までの短い桜並木、少女達の黄色い笑い声と軽い靴音が弾むように響いて……いない
……。むしろ黄色い叫びとドタドタした靴音が渾然となって響きまくって、とてもじゃな
いがお嬢様学校の朝とは思えない状態になっていますが……。


「おはようござい…… きゃーーーーっ!!皆さん、お姉さまがっ! お姉さまがっ!!
 大変な事にっ!」

「そのお姿も素敵ですわ、お姉さまっ!!」

「いったい、どうなさったのですかっ! お姉さまっ!!」



昨日あの後、一体何があったのかというと……。

──────────────────────────────
─────────────────────────
───────────────────
───────────────
593301:05/03/07 00:42:14 ID:wzTplvNH
「てな感じよ………それじゃ一子ちゃん、奏ちゃんと由佳里を呼んできてくれる? ん〜
と、食堂でいいわ」

「はーい、わっかりました〜軍曹」
というわけで食堂に移動。程なくして二人がやってきた。

「来たのですよ〜まりやお姉さま」
「一体なにがあったんですか? さっきへんな声がしたような気がしたんですけど……」

「あ、来たわね。ほらほら、そこに座って。まずは……二人とも、瑞穂ちゃんの事、女の
子としてどう思う?」

「す、素敵だと思いますけど……」
「そうなのです。とってもお綺麗で素敵なエルダー様なのですよ〜」

「ん〜、そうね。でもさ、今回ああいう噂が流行っちゃっているでしょ?」

「あ、あの『お姉さまが脚を隠しているのは何故か?』ってやつですね」

「そうそう。それって結局、瑞穂ちゃんに洒落っ気が足りない……というか女の子らしさ
が足りないからなのよね」

え?

「でも奏は、お姉さまはとっても女の子らしいと思うのですよ」

「私も奏ちゃんの言う通りだと思うんですけど、まりやお姉さま。瑞穂お姉さまが女の子
らしくないなんて言ったら、世の中に女の子がいなくなっちゃいます。まして私なんてど
うするんですか」
……僕、男なんだけど。
594301:05/03/07 00:42:44 ID:wzTplvNH
「まぁそうね。だけどさ、なんていうか、やっぱり女の子らしさが足りないってのは確か
だと思うんだ。開正なんていう勉強第一のとんでもない進学校に通っていたわけだし、何
せ心配したお祖父様が遺言に『恵泉に行け』って書くくらいだもん。言葉遣いのほうはよ
うやくマシになってきたけど、服装とかおしゃれとか、そういう他の部分はまだまだなの
よね」

「そういえばお姉さまが転校していらっしゃった時、まりやお姉さまは「花嫁修業のた
め」って仰っていましたね。これも花嫁修業みたいなものなのでしょうか」

「うん、学校だと制服か体操着だし、瑞穂ちゃんは化粧も要らないような顔しているから、
その辺無頓着でもどうって事ないんだけどね。だけどさ、考えてみなよ。化粧は殆どして
ない、制服は長いスカートに地味なハイソックス、普段着の時だってアクセサリーなんて
一つも身につけていないし、ジーンズのボトムに洗いざらしのブラウスでしょ?、瑞穂ち
ゃんじゃなければ、相当地味な娘にみられちゃうわよ」

「たしかにそうですねぇ」
「なるほどなのですよ〜」

「ま、今回の噂もあることだし、ここは一つ瑞穂ちゃんに女の子のオシャレの素晴らしさ
と楽しさを知ってもらおうと思うわけですよ」

ちょっとまって、なんか話があらぬ方向にいってないか?


「あはっ、そういう事でしたら、喜んで協力いたします」
「わかりました〜奏もなのですよ〜」
「一子も協力しますよー」

「よし、OK。今回のテーマは…………もちろんこれだっ!!!」
595301:05/03/07 00:43:28 ID:wzTplvNH
まりやは勢い良く取り出した半紙。そこには墨で大きく「萌」と書かれていた。い、何時
の間に用意したんだ……しかも妙に達筆だし…………○| ̄|_

「というわけで……まずは第一弾。じゃじゃ〜〜〜ん!!」

「あ、学院の制服のミニスカートバージョンですね」

「瑞穂ちゃんは脚長いから、ミニスカートにすると映えるわよ〜☆」

「ソックスはどうするんですか?」

「ハイソックスやオーバーニーでもいいんだけど、やっぱ、三つ折でしょ、三つ折。今回
の噂は脚を見せたがらないってやつなんだから、できるだけ脚の露出を多くしたいし……
あ、そうだ。ついでに髪型もかえちゃおっか?」

「え?」
「………………」

「きゃ!!!!素敵です、お姉さまっ!」
「あ、これだったら……こっちはこのほうがいいんじゃありませんか?」
「そうね、由佳里。じゃ、こんなのはっ!」
「奏は、やっぱりリボンをつけるべきだと思うのですよ〜☆」

「………………………………」

「あとは……もう、いろいろやりたくなっちゃうなぁ……やっぱいいなぁ、瑞穂ちゃんい
いなぁ……」
「あ、ずるいです、まりやさん。わたしにもやらせてくださいよ〜」

「………………………………」
596301:05/03/07 00:44:25 ID:wzTplvNH
─────────────────────────
───────────────────
───────────────
「おはようござい………お、お姉さま、お姉さまっ!! か……かわ……い」

ぱたん……。

「だ、大丈夫ですかっ!!!」
「わ……また鼻血だして倒れちゃったよ。一体何人目? 破壊力抜群だねぇ、瑞穂ちゃ
ん」

破壊力って何? どうしてまりやはそんなにおちついているの? そもそも、どうして僕
の姿をみるだけで倒れちゃうの? わけがわからないまま、早く助けてあげなくちゃと思
い、走りよると、

「あ、大丈夫、大丈夫です、お姉さま。あはははははは……」
連れの子が倒れた子の両脇を抱えてずりずりと引き摺りながら走り去ってしまった。うわ、
土ぼこりが舞っている……凄いスピードね……。

「う〜ん、こうなるだろうと少しは思っていたけど、ここまでとはねぇ」

まりやが腕を胸の前で組んで「うんうん」と頷きながら、してやったりという顔をしてい
る。

「なんか、僕を見た生徒が尽く叫びながら走り去っていくか、その場に倒れてしまうんだ
けど……」

「ま、いいんじゃない。脚もばっちりみせているし、この調子だったら例の噂もあっとい
うまに静まるでしょ」

「う、うん。そうだといいんだけど……」
597301:05/03/07 00:44:59 ID:wzTplvNH
今朝5時起きで改めて寮生3人(+1)にやられまくった我が身を見てみると……短くしたス
カートに三つ折のソックス、両しばりのツインテールにひらひらなレースのリボン、髪止
めで少し晒したおでこ、薄く入ったアイライン……なんていうか……これオシャレとかそ
ういうんじゃない、ぜったいまりやの趣味だ……。

……いいのか、僕。本当にこれでいいのか? ○| ̄|_ 男がツインテールなんてやっち
ゃっていいのか? ○| ̄|_  うぅ……短いスカートでいつもよりも更に脚がすうすうす
るし、股の下もあの通りで、凄く変な感じだよ……。

──────────────────────────────

「み、瑞穂さん……こんどこそ本当に……男の方を……」

すささささ〜〜〜と音を立ててるんじゃないかってくらいの勢いで紫苑さんが引いていく
…… ○| ̄|_

「し、紫苑さん、こ、これは……っ!」

「ふふふふ、なんてね。まりやさんから話は聞いています。それにしても難儀な事です
ね」

「身から出たサビといえば、それまでなんですが」

あいかわらず意地悪です、紫苑さん……。

「おはようございます、瑞穂さん……あら?」
「おはよ、瑞穂さん……それ、なんか違う……」

「あ、美智子さん、圭さん、おはようございます」
598301:05/03/07 00:45:33 ID:wzTplvNH
「…………か、かわいい…ですね……」
「長いしっぽのようなツインテール、白い三つ折のソックス、ミニスカート……。正直瑞
穂さんのキャラとは違うと思うのだけど……月野う○ぎ?」

「いや、もう……うさぎでもうなぎでも、どうでもいいです……」

「ふ……。コスプレをなめないことね……お団子は基本よ?」

「……………コスプレ? お団子?」

気付くと教室のドアの向こうには溢れんばかりの人、人人……。教室内でも数人が幸せそ
うに倒れているし、もうほんと、何がなにやら……。
599301:05/03/07 00:46:08 ID:wzTplvNH
──────────────────────────────
「会長!!大変、大変ですっ!!!」

「どうしましたか、君枝さん。そんなに慌てて」

「……その………」

君枝は今学院で起きていることを貴子に簡潔に話した。

「なんですって?! そ、それは……見てみたいです……」

「え??」

「…………」「…………」

「あ、あっ? いえ、そうではなくて……これは学院の根幹を揺るがしかねない忌忌しき
事態ですわっ!! すぐまりやさんと瑞穂さんを生徒会室に呼んでください」

「はい、解かりました、会長」

──────────────────────────────
600301:05/03/07 00:47:19 ID:wzTplvNH

「こちらは生徒会です。宮小路瑞穂さん、御門まりやさん。御両名は至急、生徒会室まで
お越しください」

「また貴子ね。ほんっと、頭かたいんだから」

「でも、行かないとまずいでしょ?」

「そりゃね。ほら、行くわよ瑞穂ちゃん。貴子の奴、ギッタンギッタンにしてやるんだか
ら……」

「ねぇ、もう少し穏便に、ね」

「ふふ、ふふふふふ……」

──────────────────────────────


「きゃ〜〜〜〜♪」

生徒会室に入ると、いきなり黄色い歓声につつまれた。

「あはっ、お姉さまっ!その髪型も素敵ですっ!」
「そのお姿を生徒会室で見られるなんて……幸せですわ」

「可南子さん、葉子さん。 お静かに」

ぴしっと、たしなめる。さすがは貴子さんだ。
601301:05/03/07 00:47:52 ID:wzTplvNH
「え〜、いいじゃ〜ん。別に変な格好というわけじゃないしぃ、どう考えても校則云々っ
て話にはならないと思うんだけどな〜」

「……そ、それはそうなのですけど、その……

「え、なんだって?」

「ですから…………可愛すぎるのです! あ……」
「え…………」

「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

一瞬の沈黙。貴子さんは顔を真っ赤にしている……。わ、なんか可愛いかも……ってそう
じゃなくて。

「でっしょ〜。へへへ〜ん。ほら、ここんとこ、うっすらとパウダーのせているでしょ。
瑞穂ちゃん、もとから綺麗な肌してるから、のせ過ぎるとくどいしさ、 苦労したんだよ
ねぇ」

「あら……ほんと……流石はまりやさん……って、そうじゃありませんっ!」

貴子さん、見事なノリツッコミです……。

「ともかく、これは忌忌しき事態なのです。お姉さまを見かけた生徒が何人も倒れていま
す。お姉さまのその御姿は生徒に無用の動揺を与えています。このままでは学院全体に影
響を与えかねません!!」
602301:05/03/07 00:48:38 ID:wzTplvNH
「んでもさ、もし瑞穂ちゃんが貴子の云う事をうけいれたら、瑞穂ちゃんのこの格好はお
そらく二度と見られないぞぉ? それでもいいのかあ? ん? ん?」

「ひ、卑怯ですわ、まりやさん!……し、しかし生徒会としては学院内の風紀と安寧を守
る義務があるのですっ! ゆ、譲るわけにはまいりませんわ……勿体無いけど」

「あぁ?なんか言ったかな? 貴子さん??」

「あ〜、もう!!こうなったら臨時生徒総会で白黒ハッキリつけて差し上げますわ
っ!!」

「おっしゃっ!!望むところだっ!!」

「上等ですわ。目に物見せてさしあげますっ!!」

貴君枝さんと僕が二人の腕をつかんで止めようとしているんだけど、両者つかみかからん
かという勢い。もう、勘弁してよ。てか、まりやは明らかに楽しんでるよね。

「葉子さん、生徒総会ってぇ、10月に開いたばかりですよねぇ……」

「確か……あ、これこれ。『附則・第四項……明らかに緊急を要する場合、附則・第三項
における臨時総会とは別に、生徒会会長の裁量において随時臨時総会を召集する事ができ
る。本項における臨時総会において、附則・第三項と同様の理由により不服申し入れにつ
いての議論を行う場合、緊急性を鑑み、懸案に際する渦中の人物についても提案者及び支
持者としての参加及び発言を認め、かつ提案者及び支持者の人数は問わない事とする。但
し、議題についての決は一時的なものとし、生徒総会において改めて是非を決することと
する』ってのがあるわね」

「あら、そういえばそんな会則が……。このままじゃ、お二人とも収まりそうにありませ
んものねぇ」
603301:05/03/07 00:49:12 ID:wzTplvNH
「はぁ」という深いため息が葉子さんと可奈子さんから発せられ……明日の朝、臨時総会
が開かれる事が決まってしまった。

「で、会長。資料や準備はどうするんですか」

「そんなものいりませんわ。議題はお姉さまの事だけですもの。生徒の皆さんを講堂に集
めて事情を話し、決をとる。それだけですわ」

「あのぉ、投票用紙なんて用意してませんけどぉ……」

「挙手でよろしいでしょう。会則には決の採り方の規則なんて書いてないんですから」

「全校生徒合わせると700人以上いますよ。誰が数えるんですか?」

「ああ……それでは、拍手の音が大きい方ということで。簡単ですわね」


…………そんな適当でいいのか?恵泉女学院生徒会。

──────────────────────────────
604301:05/03/07 00:49:43 ID:wzTplvNH
次の日の朝


「皆さん、まもな臨時生徒総会を開催いたします。通常ならば椅子をご用意するところで
すが、短時間で終了すると思われる議題のため、立席での開催となります。ご了承くださ
い」

「それでは、生徒会会長・厳島貴子の名によりまして、これより恵泉女学院生徒会臨時総
会の開催を宣言いたします。早速ですが、生徒会則附則・第四項に基づき、本会を臨時に
召集した理由について説明させて頂きます。宮小路瑞穂さん、御門まりやさん、演壇にお
いでください」

「さ、いこうか。瑞穂ちゃん」
「え、えぇ……」

僕たちが演壇まで歩き始めると、歓声が一段と大きくなってきた。

「きゃ〜〜〜!!!お姉さまっ!!!」
「素敵ですっ!!素敵過ぎますっ!! 是非ともそのお姿のままでっ!!!」
「誰がなんと仰ろうと、その御姿をおまもりいたしますわっ!! 必勝です!」


「な、なんか凄い歓声ね……また倒れている方がいるし……」
「ね、まりや……やっぱやめない?」
「何言っていんのよっ! 一度言った事を引っ込めるなっ!最後まで意見を通し尽くせ
っ!!」

いや、あの……僕なにもいってませんから。正直早くこの格好やめたいですから……。そ
して僕たちが演壇にあがると、貴子さんが議題について説明を始めた。
605301:05/03/07 00:50:18 ID:wzTplvNH
「さて、今回の議題『お姉さまの現在の御姿』について説明させて頂きます。我らがエル
ダーシスターであらせられる宮小路瑞穂さまにおきましては、類稀な美貌をお持ちであり、
我々恵泉の誇りである事は言うまでもありません」

ここで貴子さんは一呼吸おき、再び話始めた。

「しかしながらその御身に華美とも取れる装飾を施し、そのお姿により多数の生徒を気絶、
もしくは気が抜けた状態へと追い込んでしまいました。故に昨日、このままでは学院全体
に影響を与えかねないと判断した私は、これをやめるようにと指導させていただきました
が、宮小路瑞穂さま、御門まりやさま両名が意義を唱え、反論を頂きました」

……反論してないっ、してないからっ。

「横暴ですっ!!」
「お姉さまは悪くありませんわっ!!」

わ、恵泉とは思えない野次がとんでるよ……僕の格好くらいで一体何を必死になっている
んだろ……。

「お静かに、お静かにお願いいたしますっ!」
君枝さんの注意が響き渡ってなんとか場は静まる

「これを生徒会は忌忌しき緊急の事態であると判断し、生徒会則の附則・第四項に基づき、
臨時生徒総会を開く事と決定した次第です。それでは、御門まりやさん。ご意見をお願い
いたします」

ざわざわざわざわ……。
606301:05/03/07 00:51:34 ID:wzTplvNH
「ご紹介預かりました御門まりやです。この度は臨時生徒総会を開いて頂き、有難うござ
います。それでは、今の会長よりお話がありました件につきまして、少々の反論をさせて
頂きます。まず、10月の生徒総会で、生徒の総意として服飾規定に関しては個人の裁量に
任されていると云う事が決定されています。これを鑑みると、たとえエルダーシスターと
はいえ一生徒に過ぎず、どのような理由であれ、それを束縛することは生徒会の精神に反
する物と思います」


「まりやさまっ。そのとおりですわっ!!」
「わたくしたちのお姉さまの御姿をお守りくださいっ!!!」

「お静かに、お静かにお願いいたしますっ!」
君枝さんの注意が再び響き渡たる。

ふと、まりやが生徒たちに正対し……
「それに……皆さん、お姉さまの素敵な御姿を何時までも見ていたいですよね?」

「きゃ〜〜〜〜!!!!!」
講堂を揺るがす程の大歓声。ちょっとまって、それじゃ僕に卒業までこの姿をしてろって
いうの? そ、それはあんまりなんじゃ……。

すかさず貴子さんが反論する。

「し、しかし……これは明らかに風紀を乱していますっ! 実際何人もの生徒が、お姉さ
まの御姿を御覧になることでお倒れになっているのですよ!? 大体、そのスカート、お姉
さまには短すぎですっ!」
607301:05/03/07 00:52:27 ID:wzTplvNH
「ふ〜ん、そんなこと無いとおもうんだけどねぇ」
まりやが、そう言いながら僕の横に近付いてくると……スカートの淵をつまんで……チラ
ッとめくった……。

「ま、まりやさんっ!な、なにをっ」
「いいじゃん。減るもんじゃあるまいし」

顔が熱い、きっと僕の顔は今真っ赤になっちゃっている、と思ったその瞬間……

「え?」

「くま……」

「くま……さん……?」

「か…………かわ……いい」

「………………………………」

「………………………………」

沈黙が講堂内に広がる…………そして………僕のスカートの裾がふわりと元に戻ると共に
…………生徒たちが一斉に鼻血を出し……「どどどどどどどどどど」と……爆音を立てて
倒れた。講堂内はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。
608301:05/03/07 00:53:32 ID:wzTplvNH


ひゅ〜〜〜〜〜〜〜〜。何故か吹いてくる風と、転がるタンブルウィード……。




「あ、あは、あはは……やっぱりとてつもない破壊力だねぇ……瑞穂ちゃん………」

「…………まりやが、あんな作戦名をつけたりするから」

「ま、まさかこんな事に……なるなんて……ねぇ? なは、なははははは……」

そして、足元には…………貴子さんが……やはり鼻血を出して倒れていた……。

「きゅ〜〜〜〜〜〜〜〜………………」
「か、会長っ!!!!しっかりしてくださいぃ!」

君枝さんが貴子さんを抱えあげて一生懸命ゆすっている。

「た、貴子さんまで……」

「貴子ったら……一体どんな想像したのやら…………」


──────────────────────────────
─────────────────────────
───────────────────
───────────────
609301:05/03/07 00:54:14 ID:wzTplvNH
こうして臨時生徒集会は結論をうやむやにしたまま……というか、議決なんて絶対無理な
状況で悲惨な結末をむかえた。うぅぅぅ、僕のせいじゃないよね……。

この、全校生徒の7割以上(含む生徒会長)が倒れ、そのうち3割は鼻血をだしていたという
大惨事は、後々まで『血の大惨事』として記憶される事になった。そして今年度だけとい
う条件付きで「エルダーシスターの髪型はストレートのみとし、ミニスカート、三つ折ソ
ックス、くまのプリントが入ったショーツの着用を禁ず。ついでに御門まりやはスカート
をめくってはいけない」との条項が問答無用で生徒会則に追加された事はいうまでもない
……。

そうそう、例の噂は跡形もなく消えてしまった。その代わりにまた変な噂が飛び交ってい
るらしい。まあ、前回のことで懲りた僕たちは、流行るに任せることにしたんだけど……。


「まさか、瑞穂ちゃんがコスプレ好きだなんて噂になるとは思わなかったわ……」
「もうどうでもいいです……」


どっとはらい。ちゃんちゃん。


「そういえば、さ」

「なに、まりや?」

「ブルマはダメって書いていないよね」

「……………」

つづかない。
610301:05/03/07 00:54:49 ID:wzTplvNH
補足とどうでもいい事:

・「附則・第四項」の文については超適当に書いているので、突っ込まないでいただける
と助かります。

・タンブルウィード:西部劇とかに出てくる、ひとかたまりになって転がる草の事

・「Do we love our beloved 『Elder Syster』,ladies?」
(貴様らはエルダー・シスターを愛しているか?)

知っている方も多い様子ですが、フルメタルジャケットという映画内での
---------------------------
「Do we love our beloved Corps,ladies?」
(貴様らは海兵隊を愛しているか?)

Semper fi! Do or die! Gung ho,gung ho,gung ho!
「永遠の忠誠を! 命を懸けて! やるぞ!やるぞ!やるぞ!」
(映画の日本語版だと「生涯忠誠!命懸けて! 闘魂!闘魂!闘魂!」だったかしら)
---------------------------

が元ネタです。あと、まりやのFuck'nなセリフ群もフルメタのハートマン軍曹語録から頂
いてますです、はい。

そうそう、フルメタルジャケットはスタンリー・キューブリック監督が本当に胸糞わるく
なるような狂気を冷徹に描いている映画なんで、あんまり「おとボク」の世界には合わな
いような気がします。『おボクさま』はともかくとして……。
611名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:55:38 ID:Pc9ArLQA
GJ!
萌え死ぬかと思った
612301:05/03/07 00:56:40 ID:wzTplvNH
なんかコミカルの方がシリアスよりも10倍くらい書くのが難しいです。
結局書き直しも含め、ゆうに10時間くらいかかっちゃってますし……。

つ、つかれた……。
4日ほど自分のWEBサイトほっぽりっぱなしだったんで、
しばらくROMに徹することにしますね。
613名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:57:22 ID:rPRV4iFv
>301=>590-609
ハゲワロタ
色々細かい設定とかすごい
長編おつかれさん
614名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:57:45 ID:g7wc3rr9
>>590-610
新作キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)−_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
素晴らしい出来に萌え転がりそうですよ
615名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:58:00 ID:e1tuak/f
リアルタイムで読ませてもらいました
何ツーかもう、GJ!
616名無しさん@ピンキー:05/03/07 00:58:47 ID:hskRJIX4
>>301
GJ!更新するたびに笑ってましたw

何気に詳しい圭さん……何者?
61745:05/03/07 01:00:20 ID:4rdBpXK0
>>301さん
・・・笑死させるおつもりですか・・・?w GJ,実にGJです
いきなりのフルメタルネタから笑い、
立場が弱い瑞穂ちゃんに笑い、
生徒の反応に笑い、
貴子さんの反応に笑い、
今年度生徒会則特例に笑い。

腹が痛いです・・・
618301:05/03/07 01:02:54 ID:wzTplvNH
あ、抜けが…… >>600-601の間に追加…
--------------------------
「す、すみません」
「もうしわけありません……」
「で、なに? 貴子」
「まりやさん、相変わらず愛想が悪くていらっしゃいますわね」
「あんたも、人のこと言えないでしょ……ほら、用件を早く言ってくれないと帰るわよ」
「そうせかさないでください。私はお姉さまに用事があるのです。まりやさんはいわばお
まけですわ」
「なんだとぉ!!」
しかし、貴子さんは華麗にスルー。
「お姉さま、私が生徒会長として、校内の風紀に関する権限を預かっているのはご存知か
と思います。ところで……」
「はい、なんでしょうか」
いや、聞くまでも無いような気は……凄くする。貴子さんの手が握り締められ、ぷるぷる
と震えている……こう言ってはなんだけど、貴子さんに問われる当事者になると、これほ
ど怖いものだとはおもわなかった。奏ちゃん、本当に頑張ったのね……。
「その……御姿、なのですが……」
「へっへ〜ん、かっわいいでしょ〜☆」
「……まりやさんには聞いていません」
-----------------------------

orz なんてこった

あ、>>611 さん、有難うございます。
619126:05/03/07 01:06:39 ID:2WAbbYNi
_| ̄|○お、お腹痛い…!!

>>301
GJっす!!笑わせていただきました…!!
恵泉って、結構いろんな融通利くんですねぇ…w
名作乙なのですよ〜
620某所の誰か ◆518YLv.Xnc :05/03/07 01:22:55 ID:T9/Y9x1f
>>570-574
みなさん、レスありがとうございます
やっぱり物を書いてて一番良かったと思えるときは感想を頂くときですね
嬉しいです

職人諸氏もGJです!
今日は時間がないので全部読めませんが、また時間のあるときに一気読みします
楽しみにしてますよ
62152:05/03/07 01:53:24 ID:eMgU/0Gu
数時間でこれだけの物が投下されるとは…
ひとまとめにしてしまって申し訳無いですが、皆様GJ!です。
もちろん、すべてきちんと読ませていただいています。
…うぅ、質・量共にレベルの違いがさくっと一撃ロンギヌスの槍のようにorz

と、とりあえず少し後輩分が不足している気がするので、次でどうにか…

>>549 >>45 >>569 >>126さま
スミマセン、やっぱりおとボクからプレイし始めた方が多いですよね…
えっと、物凄く遅ればせながら改めて補足させてもらいますと、
「めぐり、ひとひら。」の燕子花こりす嬢です。
配慮が足りませんでした、海よりも深く反省…
もし気になっているようでしたら、お時間があればで結構なので是非体験版の方を…
…ひょっとしてエピソードが出て来るのはそれ以降だったかもしれませんけど。
622名無しさん@ピンキー:05/03/07 02:14:00 ID:/+WhT43q
うおぉ、滅茶苦茶スレ進んでる
623名無しさん@ピンキー:05/03/07 02:25:15 ID:WxyVGUvH
絵師の方も降臨してくれたらさいこうなんだなあ
624名無しさん@ピンキー:05/03/07 03:33:15 ID:l4WgwLst
保管庫を取り合えずつくってみた

ttp://www.type90.com/otme/inex.html
625301:05/03/07 03:42:28 ID:wzTplvNH
>>611 >>613 >>614 >>615 >>616 >>617 >>619

皆さん有難うございます。
お一人お一人にレス付けできず、心苦しいのですが、
どうやら楽しんでいただけた様子で、僥倖です。

自家の方がボロボロの状況なので、そっちが立ち直ったら
また何か投下させて頂きますね。


……てか、後4時間後には出勤せんとならんのか…… orz
626名無しさん@ピンキー:05/03/07 03:47:31 ID:X8DuTTZ4
お疲れ様でした〜
危うく笑い死ぬところでした。
627名無しさん@ピンキー:05/03/07 03:51:54 ID:wYW+55sS
301さんGJ!!
映画のほうは見たこと無いけど、
なんとなくまりやが云ってる姿が浮かんだよ

あと63KBで500KBですな、このスレッド
長編2,3本で達しますかな
628名無しさん@ピンキー:05/03/07 03:58:09 ID:hskRJIX4
>>624
蝶GJ!&乙!
でもリンクミスしてますよ。
ttp://www.type90.com/otome/index.html
629名無しさん@ピンキー:05/03/07 06:07:33 ID:ltphsv5D
文芸部のお姉さま方、お疲れさまです。
ここのところの作品ラッシュは本当にすごいですね
毎日このスレをのぞくのが楽しみで堪りません。

>>301
とても面白い作品で、瑞穂お姉さまのお姿を思い浮かべながら
頬が緩んでくるのを抑えられませんでした。
ブルマのお姉さまも、機会があればぜひ拝見したいですね。

>>624
図書委員のお姉さまもお疲れ様です、とても素敵なところですね。
中に入るとお姉さま方のお姿があって、見た目も華やかで素晴らしいと思います。
630名無しさん@ピンキー:05/03/07 07:12:33 ID:+r4cDQpN
>>624
はやや、お姉さまGJなのですよ〜。
えと、無題ばかりだと見難いので、自分の作品に急遽題名を……

>>209
「ベストパートナー」

>>254
これは…252氏との連作なので、勝手に題名つけれないですが、
一応、「陵辱作品初挑戦」(仮)という事でお願いします。252氏にいい案があれば、そちらで

>>263
「革命予告状」

>>443
「特盛ラーメンを食べに行こう。」

お手数ですがよろしくお願いします。
another pairの続きは……その……orz
631名無しさん@ピンキー:05/03/07 08:15:57 ID:cIkucPhm
ぐはあ
仕事行く前にのぞいて見たらスゴイ事になってますな。皆様GJ
とくに>>550朝から思いっきり笑わせてもらいました。
今日の栄養源になりますw

保管庫の中の人乙です。
いまのとこ無題多いし、出典も書いておいていただけると嬉しいかも。
スレとレス番の頭とか、スレもこの調子だとその2以降行きそうだし。
632126:05/03/07 09:43:31 ID:80MuOhOh
>>624
超乙&GJっす!!
お姉様方のお姿が大きく描かれているのは…素晴らしいですなぁ。
ファンサイトキットの存在は偉大だ…

…さ、お姉さま方分を補給しよう…( ;´Д`)
633269:05/03/07 10:02:06 ID:Gx+ViSwC
orz

二日見てない間にこんなに新作が…
皆様GJです。
今、「お正月IN鏑木家」を題材に書いています。
今日、明日には投下します。
では。
634名無しさん@ピンキー:05/03/07 11:03:11 ID:q/T576Ff
タイトルは「ギターは泣いている。芸術の秋、バンド始めました」


「楽器……ですか?」
「はい。瑞穂さんは何か楽器はできますか?」
「ええ、小さい頃からピアノとバイオリンを習っていましたから。まあ、やめてからずいぶんたちますから、
上手く弾けるかどうか分かりませんが……」
「まあ。一度お聴かせ願いたいですわね、瑞穂さん」
「瑞穂ちゃん、昔から習い事を習わせたら向かうところ敵なしでしたもの。どーせ、今でも『エリーゼのために』ぐらいは
弾けるんでしょう?」
「向かうところ敵なしって……まあ、それくらいなら弾けるかな」
「でも、いきなりどうなさったんですか?美智子さん」
「実は圭さんが、この間ギターの弾き語りを披露してくれまして、それがとても素敵だったものですから、皆さんは
何か楽器がおできになるのかと思いまして……」
「まあ、圭さん、ギターをお弾きになるのですか?」
「ブイ。ハナターカダッカ」
「ピースはともかく、ハナターカダッカって……」
「わたしも中学の頃、少しかじったことがあるけど結構難しいのよね、あれ。
わたしはエレキギターから始めたんだけど、圭さんは?」
「アコースティックギターを少々」
「エレキギターをかき鳴らす圭さん――というのも想像できないけど……。それでどんな曲を弾くんですか?」
「圭子の夢は夜ひらく」
「?」
「?」
「?」
635名無しさん@ピンキー:05/03/07 11:04:04 ID:q/T576Ff
「――って、藤圭子ですか。また暗い歌を。フォークブームの頃は、
まだ圭さん生まれてなかったんじゃないですか?」
「歌の内容を知っている瑞穂さんも、ただ者ではありませんわ」
「いったい何の話をしているのでしょう……」
「瑞穂さんと圭さんって、ときどき二人だけにしか分からない話をしますよね」
「瑞穂ちゃんも変なところで物知りだから……」
「美智子さんの反応からして、聴かせたのは違う曲ですよね。いったい
どんな曲を弾いて聴かせたんですか?」
「受験生ブルース帰ってきたヨッパライさなえちゃんケメ子の恋……」
「少しはフォークから離れてくださいよ。って、全部コミックソングじゃないですか」
「わ、わたしが聴いたのは宇多田ヒ*ルの曲でしたけど……」
「……なるほど、そうきましたか」
「にへ。まだまだね、瑞穂さん」
「し、紫苑様は何か楽器はおできになるんですか?」
「わたくしはお琴を少々……。ただどちらかというと体があまり丈夫でなかったので、
本当にさわりだけなのですが」
「なんていうか、そのお姿が想像できますわ。すっごく」
「そうね。津軽三味線や尺八より紫苑様にあってると思う」
「わたくしのことより、マリアさんは何かお習いにならなかったのですか?」
「わ、わたしはその……昔から男の子に混じって外で遊ぶような子だったので……」
「ほんと、先生泣かせだったよね。まりあは」
「あー、その言い方はないんじゃないかしら?瑞穂さん?」
「美智子さんは?」
「わたしは今でも先生にピアノを習っていますが,人様に聴かせるようなもの
ではありませんわ」
636名無しさん@ピンキー:05/03/07 11:05:51 ID:q/T576Ff
「……ひらめいた」
「圭さん。な、何ですか、突然。なんだかいやな予感がしますが」
「まあ、面白そうですから一応最後まで聴いてあげましょうよ、瑞穂さん」
「このメンバーでバンドを組みましょう」
「バンド、ですか?」
「ええ。女の子だけのバンド」
「女の子だけのバンドかぁ……。なんだかプリプリみたいで楽しそうね」
「まりあ?女の子ばかりのバンドって……た、確かにそうだけど」
「ただのバンドじゃあないわ。ヘヴィメタルよ。ヘビメタ」
「ヘビメタ……?」
「って、なんですか?まりあさんは知ってます?」
「いえ、あんまり関心がないので今はやりの歌ぐらいしか……」
「まあ、ぶっちゃけてしまえばロックの一つです。奇抜な衣装に派手なメイクをして、
高音と低音を強調した退廃的な音楽のことです」
「ミッション系の学校でヘビメタはまずいんじゃないかと思いますけど……」
「ヘビメタって、黒いガン玉に火をつけるとうねうねと伸びていく花火の……」
「紫苑様、惜しい。それはヘビ花火」
「いや、ヘビしかあってないから、それ」
「とにかくメインは瑞穂さんと紫苑様のお二人」
「瑞穂さんはともかく、わたくしもですか?」
「そのお二人の髪を生かさないわけにはいきません。瑞穂さんには髪を整髪料で固めて
逆立ててもらいましょうか。それはそれはまっすぐに。ステージの照明を落とさんばかりの高さで」
637名無しさん@ピンキー:05/03/07 11:06:49 ID:q/T576Ff
「それではペアであるわたくしは、どうすれどいいのでしょう?」
「紫苑さんも乗らないでください」
「紫苑様は髪を放射状に固めてもらいます。それはまるで神や仏の後光のごとく、思わずひざまずいて祈りを捧げたくなるほどに」
「そんな、見ず知らずの方にいきなりひざまずかれて懺悔されても、わたくし困りますわ」
「いえ、そんなボケなくていいですから、紫苑さん」
「よし。そうと決まれば早速行動に移りましょうか。では皆さん、私急用を思い出しましたのでこれで失礼させていただきますわ」
「あっちょっと、圭さん。――いっちゃった」
「あ、あの美智子さん。圭さん本気じゃないですよね?」
「本気ではないと思いますよ。たぶん、話の落としどころが思いつかなかったので、
逃げただけではないでしょうか」
「そ、そうですよね。いくら圭さんでも……」
「本気ではないでしょうけど、時々冗談を実行してしまうのが圭さんですから、案外
今ごろいろいろ試案を練っている最中なのかもしれませんよ」
「と、止めないと。紫苑さんも優雅にお茶を飲んでいる場合じゃないですよ」
「いいじゃない瑞穂ちゃん。面白そうだと思うけどな」
「実現した暁には、わたくしたちクラス一同、協力させていただきますわ」
「瑞穂さんがご一緒なら、どちらにしても、とても楽しい学園生活になるのでしょうね」
「……紫苑さんまで。……もう、好きにしてください」
638名無しさん@ピンキー:05/03/07 11:07:35 ID:q/T576Ff
 PS
 エロでもなければ萌えでもない。この作品は未だに、書き上げた作品をアップするかどうか迷っている同胞たちに
勇気を与えたことでしょう(微苦笑。
何しろ単なる日常の一コマですから。落ちがないし。まさに圭さん=作者です。
誰が誰の台詞かは何となく分かると思います。分からなければ適当に。
紫苑さんはボケキャラなのか面白がっているのか分かりませんが……。紫苑さんにノリ突っ込みは
無理でした。させてみたかったけど。


業務連絡
>630さん
タイトルは「陵辱作品初挑戦」(仮)でいいですよ。異存ありません。

図書委員長さんへ。
>298のタイトルは「鏡の向こう……」でお願いします。
639名無しさん@ピンキー:05/03/07 12:03:38 ID:3pP6v1tt
>>634
GJ
昼休みに携帯だたけど、
読みやすかったですよw
流石、圭さんってかんじでした。
しおん様もナイスボケでしたし(携帯で出ない;;)
640名無しさん@ピンキー:05/03/07 12:37:45 ID:HpBr24cb
漏れも携帯から、GJ!
今出張中なんだけど、そのうち漏れも書いたらうぷさせていただきます。
641名無しさん@ピンキー:05/03/07 14:43:27 ID:QoMLUpqu
>>301
GJ!激しく萌えた&ワロタ。
Semper fi! Do or die! Mizuho! Mizuho! MIzuho!

FMJはネタの宝庫だぜフゥハハハァー
642550-552:05/03/07 14:46:27 ID:DRZm4jL0
貴子ED 卒業した年(大学1年)の10月頭、学祭。瑞穂視点>>550-552のあたりと直接繋がってるわけではありませんが、先にそちらを読むとより楽しめるかもしれません。瑞穂が不幸なのは>>554-558あたりの方々の責任、漏れは悪くない(爆

>学祭当日。某イベント開催中
僕はほぼ半年振りに恵泉女学院の制服を着ている。しかも、大学のキャンバスのど真ん中に作られたステージの袖で・・・もちろん、数分後にはあのステージに上がる事になる
ステージの上には大学の学祭ではお決まり過ぎる「ミスキャンバスコンテスト」の大きな看板。
15分ほど前、その看板の上に大きな「女装」という張り紙が張られた。
すでに数人の在学生が女装してステージの上がった。そのたびに起きる大爆笑と野次。あの大爆笑と野次の中に飛び込むのかと考えると、こう、お腹の辺りがキューっと痛くなる。
「貴子さん・・・やっぱり、帰ってはいけませんか?」
諸悪の根源・・・じゃなくて、生徒自治会主催「女装ミスキャンバス」の担当者厳島貴子女史に声をかけた。
「いまさら何を言ってるんですか?私としても、結果的に瑞穂さんを騙す事になったのは非常に心苦しいのですが・・・」
目に涙を浮かべるほど笑ってるくせに・・・どこが心苦しいんですか?
「まあ・・・あの面子ですからね・・・」
と、彼女はステージの方へと視線を向けた。
ステージの上には、ボディビル愛好会の会員がピチピチのビキニとヅラをつけ、冗談のような厚化粧をしてポージングしている。
確かその前は、体操部数人がレオタードを着て、新体操をやっていたように思う。
僕も自分が参加者の一人じゃなきゃ、楽しく笑ってみてただろうけど、今の状況では笑えない。
どうしてこうなったんだろう?あれは・・・
(1/5)
643550-552:05/03/07 14:47:04 ID:DRZm4jL0
>学祭前日。昼休み
午前の授業が終わり、僕と貴子さんの二人は学内のカフェテラスで昼食を取っていた。
「学祭のイベント、ですか?」
和定食に箸をつけながら、僕は貴子さんの言葉を聞き返した。
「はい、自治会主催のイベントですわ。ほんの少しだけ手を貸していただきたいのですが・・・」
彼女は大学でも自治会に参加し、色々と忙しく活動していた。
特にサークル活動にも参加していない僕は、そんな彼女をとてもまぶしく見ていたので、つい、二つ返事で・・・
「いいですよ。アルバイトがあるので、あまり、長時間の拘束は困りますが・・・」
ちなみに大学に入って以来、僕は父から「お小遣い」というものを貰っていない。だから、多少でもバイトをしないとデートの費用も捻出できない。まあ、アルバイトはアルバイトで楽しいから、不服はないのだけど。
「ええ、もちろんです。ほんの30分ほど、居て下さるだけで十分ですから。
でも、快く引き受けてくださって、嬉しいですわ。ありがとうございます。瑞穂さん」
それくらいの事で、貴子さんの嬉しそうな笑顔を見れるのなら、お安い御用です。
「楽しいイベントになるといいですね。」
「ええ、きっと楽しいベントになるはずですわ。」
可愛らしい笑みを浮かべる。でも、今考えるとそれは悪魔の微笑だったんですよね・・・いたいけな子羊を罠にかけた・・・
(2/5)
644550-552:05/03/07 14:47:38 ID:DRZm4jL0

>学祭当日、イベント30分前
僕は前日言われた時間に貴子さんに指定された一室に来ていた。
講義のない大学祭の小さな教室。パンフレットを読む限り、ここで行われるイベントはないはずなんだけど・・・
ドアに手をかけると鍵は掛かっていない様子。貴子さんが開けたのかな?
「貴子さん・・・居ますか?」
薄暗い教室、大学祭のにぎやかな声がやけに遠く聞こえて、そこはかとない不安感が湧き上がってくる。
「居ないんですか?」
「もちろん、居ますよ。瑞穂さん」
閉められたカーテンから漏れる光に、貴子さんの栗色の髪が照らし出される。
悪の組織の女幹部、そういう言葉がふと頭の隅に浮かんだ。
「こんな所に呼び出して・・・どうしたのですか?」
反射的に部屋に入ると、背後でドアが乱暴に閉じられる音がした。
「えっ?」
振り返るとそこには・・・
(3/5)
645550-552:05/03/07 14:48:16 ID:DRZm4jL0
「まっ・・・まりや!それに紫苑さんまで!」
そこには僕の親友とも言える二人の女友達がたっていた。
「ふふぅん、久しぶりね?瑞穂ちゃん」
「お久しぶりです、瑞穂さん」
恐ろしいコンビネーションでドアを閉め、その鍵を閉めてしまった二人が笑顔で挨拶をする。
「私がお呼びしたんです。少し・・・私一人では手に余りそうな気がしましたので・・・」
薄暗い教室の中で、僅かに微笑む姿は・・・やっぱり、悪の組織の女幹部。
その女幹部が優雅に指を鳴らすと、二人の親友たちに僕は両手を押さえ込まれてしまった。
「ちょ・・・ちょっと、僕、急用を思い出したから。西域に大妖怪蘇生実験阻止に・・・」
「そのネタは私が使いましたから」
ゆっくりと女幹部が近づいてくる。手には紙袋が1つ。その一つから覗くものは・・・
「恵泉の制服なんか持ち出して、何をする気なんですか!」
両手に力を入れるが、まりやはともかく、紫苑さんの腕を力任せに振りほどくのはためらわれる。
「あっ、今、失礼な事考えたわね。瑞穂ちゃん。紫苑さま!」
「はい、失礼しますね」
紫苑さんは僕の背後に移動すると、がっちりと両腕をホールドしてしまう。
あっ、胸が・・・結構、大きい。
「恋人の前で、他の人の胸の感触に悦ばないでくださいますか?」
今、その恋人との付き合い方を考え直してる所です。
「瑞穂さん、あまり暴れないでください。私、体が弱いので・・・」
体が弱い人は、男を背後から取り押さえたりしません。って言うか、耳に息を吹きかけるのは止めて下さい。
「30分ほど居てくれるだけで良いんじゃないんですか?貴子さん」
「ええ、ですから、『女装して』30分ほど『参加して』居てくれるだけで十分です」
『女装』とか『参加して』とかって言う言葉が増えてるって・・・紙袋から恵泉の夏服を取り出してにじり寄ってくる貴子さん。
「参加って、何ですか!?」
「そりゃ、もちろん、女装ミスキャンパスよ、瑞穂ちゃん」
(4/5)
646550-552:05/03/07 14:49:10 ID:DRZm4jL0
僕の問いに横からまりやが答える。知らなかったのは僕だけですか?そうですか?
「何で二人が貴子さんに協力してるんですか?」
まりやと貴子さんは犬猿の仲だったし、紫苑さんもあまり仲が良かったとは・・・
「そりゃもう、こんな楽しい事に参加できるんなら、貴子とも協力するわよ〜」
と、けらけらと笑いながら、僕の着ている服を脱がしていくまりや。
「私は、婚約の破談に協力してくれるというので・・・」
えっ?婚約なんて始めて聞きましたが・・・
「はい、瑞穂さんのお父上にも協力していただけるよう話は付いてます。瑞穂さんの女装生写真1枚で」
紫苑さんの言葉に孝子さんが補足する。
女装した僕が母様にそっくりだからって、息子の写真1枚でそんな約束をしやがりましたか?あの父親は
「はっ・・・謀ったなっ!シャ○」
「貴方は良い恋人ですが、貴方のお父上が悪いのですよ」
「悪い父親はどっちかというと貴子さんの方・・・」
まあ・・・僕の父親もろくなもんじゃありませんが・・・orz
「大きなお世話です」
きっぱりと言い切る悪の女幹部。

それから僕は女性3人にもみくちゃにされながら、なつかしの恵泉の制服に身を包まれた・・・
途中、紫苑さんの胸に反応した愚息を貴子さんに見つかって、泣かれそうになったり。
紫苑さんのウェストがまりやよりも細い事が発覚して、まりやが凹んだり。
紫苑さんが久しぶりに僕のパット入り胸を揉んで、悦に入ったり・・・と、色々な事件があったのだが、その辺は詳しく思い出したくない。

>女装ミスキャンパス開催中。瑞穂オンステージ5秒前
「ボディビル愛好会有志の方々でした。続きまして、1年無所属鏑木瑞穂さん!」
女装ボディビルダーたちが万雷の拍手とともにステージを降りる。そして、いよいよ僕の番。
「や、やっぱり帰る!」
あわてて逃げようとする僕の背中を、貴子さんが思いっきり突き飛ばす。
僕はそのままたたらを踏んで、ステージの中心へと躍り出てします。
わきあがる大爆笑と野次を予想し、首をすくめる。
しかし、先ほどまでの野次や爆笑は一切起きない。針が落ちても判るような静寂がステージの周りを包み込む。

(あっ、5で終わると思ったら、間違えて6まで行っちゃった(汗)次でラストです)
647550-552:05/03/07 14:50:13 ID:DRZm4jL0
「えっ?」
1年弱のエルダー生活で染み付いた微笑を浮かべ、乱れた裾を直して、軽く頭を下げる。
「おぉぉぉぉぉ!!!!!!」
地響きのような歓声。
「お姉さま!!」という本物の女子大生の声や「瑞穂、付き合ってくれ!!」という学友たちの声が聞こえる。
爆笑は歓声、野次は声援に取り変わり、僕の耳に痛いほど届いた。
あはは・・・もう、笑うしかないや・・・
来年の学祭には来ないでおこう・・・。

PS,という僕の固い決意は学祭のたびに破られ、僕は「4年連続女装ミスキャンバスを獲った男」という全く嬉しくない伝説を母校に残した
PS,その2。翌年の普通の「ミスキャンバス」に危うくノミネートされる所だった・・・嫌過ぎる・・・
648名無しさん@ピンキー:05/03/07 14:53:16 ID:r4k+/jAX
>>550-552さん
リアルタイムでみますた。激しくGJ!!
普通のミスキャンバスでも瑞穂なら貴子さんあたりと一位を争う予感(w
649名無しさん@ピンキー:05/03/07 14:58:26 ID:sDpOMRby
読んだ瞬間
1年次は兎も角
2年次以降には「憧れのお姉様のいるキャンパスに!」と思い立って受験した恵泉生徒が多数居そうでどうなるんだろう
と思ってみたりw

それはさておきGJ!
650名無しさん@ピンキー:05/03/07 15:18:00 ID:ALgySVGD
こんなに主人公にモエモエなゲームって他にないよねw
瑞穂モヘ〜! GJ!
651名無しさん@ピンキー:05/03/07 15:18:12 ID:QoMLUpqu
>>550-552
リアルタイムで見てしまた。GJ。

余所の板での話とはいえ、昔SS書きしていた者としては刺激になります。
まずはソフト本体買ってこなくては(爆)
652269:05/03/07 15:19:53 ID:Gx+ViSwC
鏑木家のお正月(大晦日導入偏)


コン、コン。
冬休みに入り、僕は半年振りに実家に帰省している。今日は大晦日、朝食を
終え、特にすることもなく部屋でまったりと休んでいたところ、ドアをノッ
クする音が響いた。
「瑞穂様、宜しいですか?」
「楓さん?どうぞ」
ノックの主は鏑木家で執事として長年勤めている楓さんだった。どのくらい
勤めているのか、正確には判らない。ただ、物心が付いた頃には既に執事と
して僕の身の回りの世話などをしてくれていた。
「ご学友の十条様から、お電話が…」
「紫苑さんから?わかりました、繋いでください」
はい、という返事が聞こえるのと時を同じくして、部屋の電話が鳴り出した。
「もしもし?」
「あ、瑞穂さん?紫苑です。突然のお電話、申し訳ございません」
「いいえ、気になさらないで下さい。特に何をしていたわけでもないですし、
それに紫苑さんからのお電話なら大歓迎です」
「まあ、嬉しいことをおっしゃいますね。」
紫苑さんの楽しそうな声を聞くと、懐かしい感じがする。……一週間会って
ないだけなんだけど。
「それで、どうなさったんです?」
それにしても、休み前に紫苑さんや美智子さんに実家の電話番号を聞かれて
いたから、念のため楓さん達に「『鏑木』を名乗るのは相手を確かめてから
にして下さい」とお願いしておいて良かった。ほんとに掛かってくるとは思
わなかった。
653269:05/03/07 15:20:37 ID:Gx+ViSwC
「ええ、…実は、奏ちゃんのことなんです」
「えっ?!まさか、奏ちゃんの身になにか…?」
「いいえ、奏ちゃんに何かあったということでは……。ごめんなさい。言葉
が足りませんでした」
「いえ。こちらこそ、早合点してしまいまして…。」
「ふふふっ、やはり瑞穂さんはお優しい方ですね」
「いえ、そんな…」
受話器越しに紫苑さんの優しい微笑を感じる。
「あら、ごめんなさい。話が逸れてしまいましたわ」
紫苑さんが続ける
「奏ちゃんには実家と云いますか、帰るところがございませんでしょう?
聞くところによると、寮生の皆様は既に帰省しておいでで、寮母さんもお
正月明けまではお休みでいらっしゃらないとか…。このままでは奏ちゃん
は一人で寂しく新年を迎えることになってしまいます。
ここは、奏ちゃんのお姉さまとして、瑞穂さんのご実家か、私の実家に奏
ちゃんをご招待して、一緒にお正月を過ごすのが良いのでは、と思いまし
て…。いかがでしょう?」
「……私は、お姉さま失格ですね」
「…瑞穂さん?」
「…そうですよね。奏ちゃんは今も一人きっと寂しい思いをしてるんです
よね。…なのに、…私は、そのことに気付きもしなかった」
帰省する直前の奏ちゃんの顔を思い出す。
654269:05/03/07 15:21:13 ID:Gx+ViSwC
「…いいえ。気付いていながら、…その寂しさの辛さを判っていなかった」
自分が情けなく思えてくる。「出来るだけ、早く帰ってきますから」と云っ
たときの、奏ちゃんの嬉しそうな表情に隠された切なさをその場では気付
けなかった。
「ほんと、駄目ですね。私って……」
一子ちゃんが神の御許に旅立ったひの夜、奏ちゃんを守ると誓ったくせに…
余りにも情けなくて涙が出てきた。
「…瑞穂さん?」
戸惑いながらも、慈しみと優しさに満ちた紫苑さんの声が聞こえる
「…はい」
「…良いではありませんか」
「えっ?」
「瑞穂さんは奏ちゃんの身を思い、涙する優しさを持っていらっしゃいます。
大切なのはその優しさを持ち続けること。人の心情を正確に推測し続けるこ
とではないのですから」
「……紫苑さん。…ありがとうございます」
655269:05/03/07 15:22:05 ID:Gx+ViSwC
「…では、奏ちゃんをご招待するのは決まりとして、どういたしますか?」
「私の実家に招待しますよ。」
今まで寂しい思いをしてきた奏ちゃんに少しでも楽しい思い出を作ってあげたい
「それでは、お願い致しますね。宜しければ私もお邪魔したいところなのですが、
宜しいでしょうか?」
「ええ、勿論ですよ。じゃあ、これから奏ちゃんに迎えに行くことを連絡します
から、また後ほど、紫苑さんにご連絡しますね」
「はい、宜しくお願いします」
ごきげんよう、と電話は切れた。
「さて、と」
軽く伸びをしながら部屋を見渡す。
「ここは使えない…か」
男!という感じではないが、女の子の部屋と言い切るのは無理そうだ
「……楓さんにひと働きしてもらいますかね」
楓さんは…きっとあそこにいるだろう。
「ああ、いたいた。楓さん…実は…」
応接室の掃除をしていた楓さんに部屋の手配をお願いすると、僕は再び自分の
部屋に戻ってきた。
「さ、奏ちゃんに電話しなきゃ」
トゥルルルルル……ガチャ
「…もしもし?」
「あ、奏ちゃん?私、瑞穂です」
「えっ?!瑞穂お姉さま…?ど、どうかなさったのですか?」
奏ちゃんは突然の電話に驚いているらしい。そういえば寮に電話が掛かってきた
記憶ってないな…。
「あら…。驚かせてしまったかしら、ごめんなさいね」
「え、いえ。謝らないで下さいなのです。奏、困ってしまうのですよ〜」
656269:05/03/07 15:22:42 ID:Gx+ViSwC
「ふふふっ」
声を聞いているだけなのに、なんだか目を白黒させて困惑している姿が良くわかる
「あ、あの…。それで、どうかなさったんですか?」
「実は…、ね」
「?」
僕は奏ちゃんと一緒にお正月を過ごしたいことを素直に伝えた。
「えええぇぇ!!!」
話を聞き終わった途端、奏ちゃんが素っ頓狂な声を上げる。
「わわわっ!きゅ、急に大きな声を出さないで、奏ちゃん。…びっくりするじゃな
い」
「ご、ごめんなさいなのです。でも、奏、驚いてしまって……。…本当に宜しいの
ですか…?その、奏なんかがお邪魔してしまって…」
「ええ、もちろんよ。…それから、…奏ちゃん?」
「は、はい」
「私なんか…って、そんな悲しいことは云わないで欲しいの。奏ちゃんのことを大
切にしたいって、そう思っているのだから。…云ったでしょう?奏ちゃんは私の大
事な妹、なのですから……ね?」
「…ぅぅ……ありが…とう…ござい…ます……」
奏ちゃんは少し涙ぐんでいるのだろう。絞り出すような声だった。
657269:05/03/07 15:23:38 ID:Gx+ViSwC
「ふわぁ!…ここがお姉さまのお家なのですか?」
「…まぁ。とても素敵なお家ですのね」
後部座席に座っていた紫苑さんと奏ちゃんが声を上げた。
「ええ、そうよ」
奏ちゃんとの電話の後、紫苑さんと連絡を取り待ち合わせて二人で奏ちゃんを迎
えに行くことにした。
寮の玄関先で傍らに荷物を置いて待っていた奏ちゃんは、僕だけでなく紫苑さん
が一緒にいることに、目を見開いて驚いてはいたが、次の瞬間には満面の笑顔を
浮かべていた。その笑顔はとても眩しくて、僕は紫苑さんに心から感謝した。
「…瑞穂さん?」
「は、はい。なんでしょう…?」
いけない、いけない。ぼんやりと先程のことを思い出しているところに話し掛けられて、動揺してしまった。
「…いえ。なんでもありませんわ。呼んでみただけです」
ふふふっ、と悪戯な微笑を浮かべている紫苑さん。
「……。」
心を見透かされているみたいで、なんだか照れくさい。
…やっぱり、紫苑さんにはかなわないな。
キィィ…。
着いたみたいだ。
「さぁ、それでは行きましょうか」
「はい。お邪魔致します」
「お邪魔しますのですよ〜」
にこにこ顔の奏ちゃんと、やはり微笑みを浮かべる紫苑さんを見ると、一緒に過ごすこ
れからの時間が間違いなく、楽しいものになるであろうことを確信させた。


……つづく
658269:05/03/07 15:26:45 ID:Gx+ViSwC
頭の中身を全て書くと短編小説並に長くなるので、
区切りのいいところでひとまず投下しました。
次回は大晦日の夜〜新年偏となります。
微エロ予定してますので、では。
659名無しさん@ピンキー:05/03/07 15:27:18 ID:ALgySVGD
269氏、もう・・・、GJ!
続きが楽しみだ〜!
660269:05/03/07 15:43:42 ID:Gx+ViSwC
>659
即レス多謝です。

プロットを立てて書いてはいるのですが、書いているうち
に書きたいことが増えてしまい四苦八苦しています。
明日には続きを投下できると思いますので。
では。
661名無しさん@ピンキー:05/03/07 17:01:19 ID:QoMLUpqu
269氏:
早く続きをおながいします。もう待ち切れません(;´д`)・・・ハァハァ

662555:05/03/07 17:21:07 ID:Y3PBePXh
瑞穂が不幸なのは>>554-558あたりの方々の責任
ということなので、責任とってみます。(爆
663名無しさん@ピンキー:05/03/07 21:04:58 ID:hskRJIX4
>>642-647
GJ!ハゲワラw
所々にいろいろな小ネタも仕込んであり非常に楽しめました。
女装中のやりとりもとても面白いです。

>>652-657
続きマダー(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チンチン
66445:05/03/07 21:24:03 ID:4rdBpXK0
>>642-647
終始笑わせていただきましたwGJです!
名誉なのか汚点なのかわかりませんなw
しかし・・・慶行パパ・・・やっぱりこんなキャラなんですねぇw


>>269
奏ちゃんがこうメインに入ってくるのは実はSSスレでは初めてかもしれない・・・(泣
実にGJです。続きが気になります。

しかし頭の中では短編小説並ですか・・・すさまじいw
665126:05/03/07 21:46:53 ID:OWITUITG
>>642-647
_| ̄|○お、面白すぎる…!!
GJっす!!またまた笑わせていただきましたw
さすが瑞穂ちゃん、大学でもその美貌は健在ですなぁ( ;´Д`)
めっちゃ楽しませてもらいましたですよ〜。

>>652-657
ぬぉおぉぉぉぉぉ!!つ、続きが気になるっ!!
SS保管庫見て、奏モノが無かったので自分で書こうかと悩んでましたが…
こんな良作が現われるとは!!良かった良かった…
GJでした、続き、楽しみにしてますですよ〜
666名無しさん@ピンキー:05/03/07 22:09:57 ID:Y3PBePXh
>>555
需要があるのかどうかわからないが、>>550-552の後日談?アナザーを書いている
が、なんか、シリアスっぽい展開になってきた・・それでもいいのだろうか?
出演者に、まりや追加したら、シリアス風味になってきた(^^;
667名無しさん@ピンキー:05/03/07 22:10:42 ID:54rZMao9
5時起き=640です。
改めて見たら寝た後にも投下があったのか_| ̄|○

>590-609
うう、本気で見たいな瑞穂ちゃんのツインテールはぁはぁ

>624
おお、先に補完サイト作成やられた(笑)いやGJです。

>642-647
女装ミスコンとは…(笑)しかし、流石瑞穂ちゃん体に染み付いてるのね…

>652-657
良い話しですね〜続き楽しみ!

>662=555
何、てことは漏れ556何だけど漏れも責任取るのかΣ(´Д`;)

えーとネタは思い付いてるんで諸先輩に負けないよう書いて来ます。
出張先だけど構うもんかw て事で2〜3日下さい。
668550-552:05/03/07 22:32:17 ID:DRZm4jL0
レスくれた方、ありがとうございました
思いのほか好評でちょっと嬉しい(w
アップした直後にぎっくり腰になって、のた打ち回っているわけですが・・・
(椅子から立ち上がった瞬間にピキーンと・・・orz)
腹いせにぎっくり腰になった瑞穂ネタで一発SSを書いてやろうかと・・・(爆
ちなみに漏れが卒業した大学にはリアルにありましたよ、女装ミスコン
漏れが所属してたサークルの部長と同級の1年が1-2フィニッシュ、嫌過ぎるサークル

>>666さん
読んでみたいです
669無銘:05/03/07 23:25:13 ID:12sjvRLL
まとめサイトが所々ピンクになってるのは、エロイのかそうじゃないかですか?
670名無しさん@ピンキー:05/03/07 23:27:44 ID:nMjeogYf
注目点、紫苑様にはまだエロSSがない。
671名無しさん@ピンキー:05/03/07 23:34:25 ID:2qKLgPMf
明らかに俺のSSが某キャラに偏っている事がまとめサイトで再確認。
次は別のキャラで行こう。

……先生?
672名無しさん@ピンキー:05/03/07 23:54:23 ID:y9st3cQA
紫苑様は特典ディスクでエロがあるからなぁ
673126:05/03/08 00:54:52 ID:p4h+zulQ
まだまだ少ない奏ちゃんSSを増やすべく、一本書いてみました。
一応、一纏めとして書き終えてますが、十分続きを作る余地を作ってあるので…
不評でなければ、続きも視野に入れてます。
674126:05/03/08 00:57:09 ID:p4h+zulQ
「奏ちゃん」
「あ、はい。お姉さま。何か御用なのですか?」
「…もう、私の世話、してくれなくていいわよ」
「え…?」
「奏ちゃんは、いつも私に擦り寄ってくるけど、結局、私を独り占めしたいだけなのでしょう?
私は、エルダーなのだから、皆のためのお姉さまなの。奏ちゃん一人のものではないのよ?」
「そんな…奏は、奏はそんなつもりじゃ…」
「とにかく。もう私の部屋にこなくてもいいわ……」

「お姉さまっ!!」
飛び起きると…そこは、自分の部屋のベッドの上…
「夢、なのですか……?」
夢だった…ほっと胸をなでおろす。けれど…
「そうなのです…お姉さまは、奏一人だけのお姉さまではないのですよね…?」
瑞穂お姉さまがエルダーシスターに選ばれ…心のそこから嬉しかったのです。けれど…
それは、私一人だけのお姉さまでは無くなったと言う事…
「お姉さま…」
お姉さまがエルダーになられて、凄く嬉しいのに…奏は、少し寂しいのですよ。
そう思う奏は、やはりイヤな子なのです…

APPENDIX α 奏でられぬ気持ち。奏でられた思い。

コンコン
「お姉さま、お茶をお持ちしましたのですよ〜」
「あ、奏ちゃん。どうぞ、入っていらっしゃい」
「失礼しますのですよ〜」
部屋に入ると、お姉さまは机に向かってお勉強の真っ最中なのでした。
奏は、お邪魔にならないようにそっと、ゆっくりとお茶を注いだのです。
「お姉さま、どうぞ」
「ありがとう、奏ちゃん」
お姉さまはそう言って、笑顔を向けて下さるのです。
いつもいつも…毎日、こうしてお茶をお注ぎしてて、その素敵な笑顔が絶えた事は無いのです…
675126:05/03/08 00:58:05 ID:p4h+zulQ
奏でられぬ気持ち。奏でられた思い。(2)

「それではお姉さま、失礼致しますね」
その笑顔が嬉しいけれど…もし、その笑顔が浮かばなくなったら…
そう考えると、奏はとても怖くなって…お姉さまに嫌われる前に、部屋を後にするのです。
「…奏ちゃん」
「はい。何か…?」
そこで奏は、今朝の夢を思い出して…まさか、お姉さまは、奏の事が…!?
「私、思ったのだけれど…
いつもいつも奏ちゃんにお茶だけ入れてもらうのは、悪い気がして。
だから、もしよければ、奏ちゃんも一緒にお茶を飲まない?」
「え…?」
嫌われたのでは…ない、のですか…?奏は、まだお姉さまのお世話をして、良いのですか…?
「で、でも、お姉さまとご一緒にお茶を飲むなんて…」
「奏ちゃんは、私とお茶を飲むの、嫌?」
「そ、そんな事無いのですよ〜。お姉さまとお茶を飲むなんて、奏、恐れ多いのですよ〜」
「ふふっ、そんなに畏まらなくていいのよ?
私は、奏ちゃんとお茶を飲みたいのだから…遠慮しなくていいのよ」
「…はいなのです。お姉さま…」
お姉さまの優しい言葉が凄く嬉しい。
けれど、やはり考えてしまうのです。
いつか、奏のずるくて、身勝手な思いを知ってしまうのではないかと。
そして…その優しさが、いつか壊れてしまうのではないかと。
奏は、そのときが怖くて怖くて…仕方なくて…
そして、また人に好かれようと、誰かに優しくして。
そんな奏は…やはり、とてもイヤな人間なのですよ…

いつか、奏もお姉さまのような人になりたいのです。
お姉さまのように、自然に人に優しく出来る…そんな人間に。
そうすれば、奏も…奏も、少しは自分の事が、好きになれるのでしょうか…?
676126:05/03/08 01:01:37 ID:p4h+zulQ
以上、終わり…です。(また終わりを入れ忘れてるし…)

いつもに比べ、かなり短めになってしまいましたが…
ちなみに、仮に書くとしても、今のところ続きは全く練れてない状況であります…w
67752:05/03/08 01:12:18 ID:WNQrfB2Q
>>674-675 =126
GJ!です。これだけの中に、凝縮されているというか、何と言うか…
我侭になってしまいますが、続きを期待したいものです。
678301:05/03/08 01:25:37 ID:syoL4i+N
自家のTOPに更新停止のお知らせを出してきました。
これで、こっちに集中でき……(バキ)

>>674-675 =126
GJ!
な〜んか自分も奏分(虫みたいだ)が増して来てしまいました。
奏の紅茶教室でもかこうかしら。
679名無しさん@ピンキー:05/03/08 02:28:53 ID:9xq11YoN
タイトル「青い春」

「瑞穂さん……」
そっと胸に手を当てる。その姿を思うだけで高鳴る鼓動。
「愛しています、瑞穂さん」
手に少しだけ力を込める。弾力のある手応えを残してたわむ乳房。
「んっ……あぁ」
『紫苑さん。僕も紫苑さんのことを……』
瑞穂さんの手。瑞穂さんの肩。瑞穂さんの髪。瑞穂さんのぬくもり。
「瑞穂さん、そこは……」
自分の部屋のベットで手淫にふける紫苑。その手つきはまだぎこちない。
あまりこのような行為になれてないのだろう。成熟した見目に反した幼い心。
「ああ、瑞穂さん……」
『紫苑さん……』
瑞穂さんと抱き合う自分を想像し、自然とため息を漏らす紫苑。
ゆっくりと伸びた手がパジャマの下のショーツのある一点へとたどり着く。
「あっ瑞穂さん、そこは……」
互いに生まれたままの姿にかえって抱き合う二人。生まれたままの姿に……。
「あ、ら……?」
おかしなことに、想像の中の瑞穂は自分と同じ女性の体を持っていた。
瑞穂が男性であることをうっかり忘れてしまっていたのだ。
「いやですわ、わたくしったら……」
だが、そこで紫苑の想像力は枯渇してしまった。
どう想像しようとしても、できないのだ。
680名無しさん@ピンキー:05/03/08 02:29:40 ID:9xq11YoN
「わたくし、男の方の裸をあまり見たことがありませんでしたわ……」
男性器について、授業で習った覚えはある。
女性と男性がSEXをして子供ができることは知識として知っている。
だがそれが、実感としてわかない。自分のこととして考えたこともなかった。

次の日。更衣室。
「あ、あの紫苑さん。僕の体に何かついてます?」
いつものように作り物の乳房を紫苑にもまれながら、瑞穂は紫苑に耳打ちした。
「え? いえ、べつに何もついていませんわ。どうしてそんなことをお聞きになるの?」
「いえ、さっきから紫苑さん、僕の体をちらちら見ているものですから。気になってしまって。今日の僕、どこか変ですか?」
「いいえ。瑞穂さんは今日もとてもきれいで可愛くてよ」
「か、可愛い……ですか」
「あら、瑞穂さん。今日はとてもおしゃれなショーツをはいているのね。
……そのショーツの下はどうなっているのかしら?」
「え?」
「い、いえ。何でもありませんわ。さ、早くしないと授業が始まってしまいますわよ、瑞穂さん」

十条紫苑、十八歳。遅い異性への目覚めであった。


PS
落ちはつけなくてもいいか。 卒業後の二人が出てくる夢ヲチだし。
681名無しさん@ピンキー:05/03/08 02:30:54 ID:G55paGMU
>>668

> >>666さん
> 読んでみたいです
では、がんばって書かせていただきます。
ただ、SSなど書いたことがないので、お目汚しのものになりますが(^^;

しかし・・・女装するしないが、紫苑さんの婚約阻止の話に
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
才能のなさに落ち込みます。
682243:05/03/08 03:28:30 ID:L2PE/JvJ
>>269
GJ!!です。
三人でお正月ですか。いいなぁ。
頭の中に短編小説の量が入ってるってすごいな・・・。
ぼかぁ、浮かんでもすぐ消えちゃうから・・・。

>>241-242
タイトル無かったなぁ、そういえば
「晴れた日に、寄り添う2人は・・・」
ってことで。
683471:05/03/08 03:33:34 ID:f/ENo9mg
タイトル:学校のY談
学院際の準備期間のお話です。でも学院祭とはほとんど関係ありません。
全18レス。
何か適当にやってたら無駄に長くなったような気がします。
暇だから読んでやってもいいかな〜なんて方がいましたら読んでみてください。
今回は何となくタイトルを付けてみました。適当です。Y談なんていってるくせに
エロはありません。萌えもありません。悪しからず。
684学校のY談:05/03/08 03:34:11 ID:f/ENo9mg
1/18

 僕は奏ちゃんや紫苑さんと一緒に食堂でご飯を食べていた。
 もうすぐ学院祭で、奏ちゃんは演劇部の、僕と紫苑さんは生徒会主催の劇に出演するので
そのことについての意気込みとか心構えとか、そういうものについて話が弾んでいた。
 そこにたまたま貴子さんが通りかかったので、一緒のテーブルに誘う事にした。
「あ、貴子さん」
「あら、お姉さま。私に何かご用ですか?」
「はい、もしよろしければお昼をご一緒しませんか?」
「でも……よろしいのですか? 私などがご一緒してしまって」
「もちろんです、紫苑さんも奏ちゃんもいいですよね?」
「ええ、私は構いませんわ」
「は、はい。奏もなのですよ〜」
「だそうです。どうぞ、こちらに」
 そう言って貴子さんには僕の隣に座ってもらった。
 この前の十月革命で貴子さんと奏ちゃんや紫苑さんの間がギクシャクしてしまっているのは
僕も承知のうえだ。それでもやっぱり仲良くしてもらいたかったので、ちょうどいい機会だと
半ば無理やりにでもこのような席を設ける事にした。
 勿論、貴子さんも生徒会主催の劇には出演するので、そのあたりの話を交えてわだかまりを
なくしてくれればいいと思っていたけど、その後の紫苑さんの発言はそれまでの会話とまったく
かけ離れたものだった。
685学校のY談:05/03/08 03:34:47 ID:f/ENo9mg
2/18

「そういえば貴子さん、この学院にも七不思議と言うものがあるのはご存知かしら?」
「な、ななな、七不思議ですか?」
「ええ。と言っても私はひとつしか知りませんけど。茶道部の子に聞いた話なのですが」
「あ、奏もその話は聞いたことがあるのですよ。茶道部の人に聞いたと言う事は、修身室の
座敷わらしの話なのですか〜?」
「ええ。修身室の鍵を開けて中に入ったら、誰も居ないはずの部屋に誰かいて、おかしいなと思って
もう一度見てみるとそこには誰も居なかった、とか。お茶を点てている時に誰も座っていない場所に
気配を感じた、とか。貴子さん、ご存知ありませんか?」
「そそ、そそそ、そんな事があるはずが無いではありませんか紫苑さま」
「まあ、座敷わらしは住んでいる家に繁栄をもたらすと言われていますので、茶道部の方々などは
お茶の一杯でもご馳走して差し上げたいとおっしゃっていましたが」
「そそそ、それが、何だと?」
「ええ。そのような風聞が流れているのは生徒会長の立場からするとあまりよろしくはないかと
思いまして。もし知らないのであれば貴子さんのお耳に入れて差し上げた方がよろしいかと思い
ましたもので」
 なんだか紫苑さん、ちょっと意地悪だなぁ。一体どうしたんだろうと思いつつも、僕自身、七不思議の
話に少し興味を持ったので、その場はそのまま話の先を促す事にした。
「紫苑さんは七不思議のほかの話はご存じないんですか?」
「お、お姉さま?!」
686学校のY談:05/03/08 03:35:17 ID:f/ENo9mg
3/18

 貴子さんが驚いて僕の方を見る。貴子さんが恐い話が苦手だろうと言う事はうすうす感づいては
いたけど、やっぱり七不思議の誘惑には勝てなかった。ごめんね、貴子さん。
「ええ。私は知りませんけれど、でも奏ちゃんなら知っているとおもいます。ね、奏ちゃん?」
「はいなのです〜。奏もクラスの子や演劇部の人たちに聞いた話なのですけど、他の七不思議も
聞いていますのですよ〜」
「うふふっ。では、お話していただけるかしら?」
「もちろんなのですよ〜」
 その時、僕の隣でガタンと椅子の音がした。見ると、貴子さんの顔色はこころもち悪いようにも
見える。さすがにこれ以上は貴子さんも辛いかと思って助け舟を出そうとしたけど、それは紫苑
さんに遮られてしまった。
「あら、貴子さん。どうかなさいましたか?」
「あ、い、いえ、その、そう、喉、喉が渇きましたので、何かお飲み物を買って来ようかと」
「まあ、それでしたら私の紅茶を差し上げます。でも申し訳ありませんが少し口をつけてしまって
いるので、それがお嫌ではなければ、ですけれど」
 こんな言い方をされると、貴子さんの性格では多分断らない。
「わ、わかりましたわ。それではありがたく頂きますわ」
 やっぱり。
687学校のY談:05/03/08 03:36:12 ID:f/ENo9mg
4/18

「それでは奏ちゃん、お話の続きをお願いしますね」
「はいなのです。ええと、まず最初に『第二音楽室の怪』を……」
「ヒッ」
「……? 会長さん、どうかなさったのですか〜?」
「い、いえ、続けてください」
「『第二音楽室の怪』はですね〜、詳しい話は省略しますけど、夜、誰も居ないはずの第二音楽室
から聞いたことの無いピアノの曲が聞こえてくる、と言うものなのですよ〜」
「あら、それはこの前、奏ちゃんが調べていたあの?」
「そうなのですよ。あれが七不思議のひとつだったのですよ」
 それは知らなかった。でも、あれももう詩織さんが昇天したから今後ピアノの音が鳴る事は無い。
 ふと顔を上げると、奏ちゃんも詩織さんの事を考えているのか、少ししんみりしていた。詳細を
省略したのも詩織さんの事を思ってあまり人に話してもいい内容ではないと判断したからだろう。
やっぱり奏ちゃんは優しい子だ。
688学校のY談:05/03/08 03:36:45 ID:f/ENo9mg
5/18

 そして、少し間を置くと次の七不思議を話し始めた。
「次は『トイレの歌姫』と呼ばれているものです。昔、聖歌部に所属していた女の子がいました。
その子には好きな先輩がいて告白したのですが、断られてしまったのです。そのショックでその子は
1ヶ月間引き篭もっていたそうなのですけれど、どうしてもその先輩のことを忘れられず、どうしたら
自分の事を見てもらえるか考えた末に、死んで見せれば自分のことも心に留めてもらえると思い、
東階段寄りのトイレで自殺をしてしまったそうなのです。その時、その先輩は既に家の都合で転校
した後で、その子が死んだ事を知る事は無かったのです。でも、先輩が転向してしまったことを
知らない聖歌部の子は、今でも先輩の気を引くためにそのトイレで歌い続けているそうなのです。
実際にトイレから歌が聞こえてきて、中を確認したけれど誰も居なかった、と言う体験をした人も
何人か居るそうです。そして、その歌を聞いた人は1ヶ月以内に告白していい返事をもらわないと、
彼女にあの世まで連れて行かれるそうなのです……」
 何か、いきなりすごい話が出てきたな……。ふと、隣を見てみると、貴子さんがカチカチになって
いたけど、ここは我慢してもらおう、悪いけど。
689学校のY談:05/03/08 03:37:22 ID:f/ENo9mg
6/18

「それでは、次の話に行くのです。昔、補修を受けて帰りが遅くなった生徒が、このままでは門限に
間に合わないと急いで帰ろうとしていました。どんな理由でも門限を破るとひどく叱られてしまう
その子は、少しでも早く帰ろうと東階段を駆け下りていた時に足を滑らせて階段から落ちて、首の
骨を折って死んでしまったそうなのです。それ以来、東階段の踊り場では放課後になると首だけの
幽霊が現れるそうです。どうして首だけかと言うと、何でも首の骨を折った事で霊的に頭と身体が
切り離されてしまったからと言われています。そして、この幽霊を見たら自分の身体を抱きしめないと、
呪いで首から下の霊体を持っていかれて、全身不随になってしまうそうです。これが『放課後の生首
少女』と呼ばれる話です。これと対になる話で、『放課後の首吊り少女』と言う話があります。さっきの
切り離された霊体の首から下が踊り場の天井からぶら下がっていると言うのです。この首と身体は
繋がっているわけではないようで、別の時間、別の場所に現れるそうです。そして、この幽霊を見たら、
頭を抱えないと呪いで首から上の霊体を持っていかれて、植物人間になってしまうそうです。これが
『放課後の首吊り少女』と呼ばれている話です……」
 何か聞き入ってしまった……。前も思ったけど、奏ちゃんってこういう話するのが上手だ。周りを
見ると、貴子さんは相変わらず固まっていたけど、紫苑さんも奏ちゃんの話に聞き入っていた。
690学校のY談:05/03/08 03:37:57 ID:f/ENo9mg
7/18

 奏ちゃんは一息つくと、また話を続けた。
「次は『天国に一番近い場所』なのです。これはあまり詳しい事が話されていないのですけれど、
とある条件が整った時、本来なら4階までしかないはずの校舎に5階に昇る階段が現れる、という
ものです。その階段を見た人はどういうわけか、その階段に引き寄せられて無いはずの5階に
昇ってしまうそうです。一度5階に立ち入ってしまうと、階段を昇っても降りても5階にしか行けず、
永遠にそこから出る事が出来ないそうです。この話はお母さんやお姉さんが恵泉の卒業生だった
子から聞いた話で、かなり昔から伝わっているそうです」
 確かに何処かで聞いたような話ではあるけど……母様が生きていれば僕もこんな話を聞くことが
出来たのだろうか。
「最後の不思議はこれまでの話しとは少し毛色が違うのです。これまでの話は放課後とか夜に
起きる現象だったのですが、これはなんと良く晴れた昼、それも授業中に起こる不思議なのです。
授業中に何気なく外を眺めていると天使さんが飛んでいるのを見た、と言う子がいるのです。どの
ような時に見られるのかは分かっていませんが、目撃した子の話によると、とても可愛らしい天使
さんなのだそうで、みんなは彼女の事を愛着を込めて『エンジェルたん』と呼んでいるそうです。
エンジェルたんの笑顔を見た人はとても幸せな気持ちになれるそうなのです。……奏が知っている
お話はこれで全部なのですよ〜」
691学校のY談:05/03/08 03:38:41 ID:f/ENo9mg
8/18

 奏ちゃんが話し終わると、回りから盛大な拍手と歓声が鳴り響いた。いつの間にこんなに人が
集まっていたんだろう?
 集まっていた生徒達は奏ちゃんを賞賛するとそれぞれの場所に帰っていき、テーブルには始めの
ように、僕たち4人だけが残された。貴子さんはやっぱり固まっていた。
「でも、何でこんな時期に七不思議なんて話が出てきたんでしょう? 奏ちゃんは何か知ってる?」
 自分で言うのもなんだけど、僕のこの疑問も尤もだと思う。前に第二音楽室の話が出た時は、
まだ残暑も厳しい9月だった。でも今はもう11月になる。
「それが、『第二音楽室の怪』と『天国に一番近い場所』以外は実際にその不思議に遭遇した、
と言う人が結構いるそうなのですよ」
「そ、そんなのは出鱈目に決まっています! ば、馬鹿馬鹿しい! 一体誰ですか、このような噂を
広めているのは!」
 貴子さんは動揺を隠そうとして声を張り上げた。でも僕にもわかるくらいだからとても上手くいって
いるとは思えない。ていうか、さっきの人の集まりようからして、この噂を一番広めたのは奏ちゃん
って事になるんだろうなあ……。
692学校のY談:05/03/08 03:39:26 ID:f/ENo9mg
9/18

「しかし、実際に目撃者が出ているのです。ならば、それが見間違いだったと証明すればよろしいの
ではないですか? 幸い、ここにはエルダーと生徒会長がいるのです。その二人が揃ってこれが只の
噂であった、と言えばこんな噂もすぐに収束するでしょう。ちょうど明日、生徒会主催の劇の練習が
ありますから、それが終わってから調べてみてはいかがです?」
「なっ、なんで私がそんな事を……」
「でも、そうでもしないと噂は収束しないと思いますよ?人の噂も七十五日と言いますけれど、そう
すると年が明けてもこの噂が囁かれ続ける、と言うことになりますね。それに、今ここで噂を収束
させておかなければ、真相を確かめようと夜中、校舎に忍び込む人も出てくるかもしれませんよ。
ねぇ、み・ず・ほ・さん♪」
 うっ……そんな目で見ないでください紫苑さん……。
「そ、それは……」
「ほら、瑞穂さんも調査には賛成と言ってますわ」
「ちょ、ちょっと紫苑さん……」
「賛成、ですわよね?」
「はい……」
「貴子さんも、よろしいですわね?」
「し、仕方ありませんわね……」
 こうして僕たちは、恵泉七不思議を調査する事になった。
693学校のY談:05/03/08 03:40:02 ID:f/ENo9mg
10/18

翌日、練習終了後──。
「それではまりやさんや奏ちゃんたちは来られませんのね?」
「はい……もう懲りたと言ってました。「やるなら瑞穂ちゃん一人で勝手にやってくれ」だそうです。
そういうわけですので、貴子さんと二人で行ってこようかと思います」
「そうですか…………わかりました、私も同行いたします」
「し、紫苑さんがですか?」
「私とて昨年度のエルダーに選出された身、でも昨年は病気のためにエルダーらしい事は何一つ
出来ませんでした。そんな私がエルダーとして学院の妹達のために何かしたいというのは、別に
おかしな事ではないと思います。それに……」
「……それに?」
「いえ、何でもありません。とにかく、私も同行いたします。よろしいですよね?」
 そう言って紫苑さんはいつもの紫苑さんらしからぬ、捨てられた子犬のような眼で僕の事を見つ
めてきた。そんな眼で見つめらてドキドキしつつ、結局了承してしまった。
694学校のY談:05/03/08 03:40:37 ID:f/ENo9mg
11/18

「あの、お、お姉さま? 最初はどこに向かうんですの?」
「第二音楽室に行こうかと思ってます」
「あ、あのピアノの音が聞こえてくると言う……」
「大丈夫ですよ。何も起こらないことを確認しに行くんですから」
「そそ、そうですよね。それでは、ま、参りましょう」
 そうして僕たちは調査に乗り出した。貴子さんはやはりと言うか、かなり緊張していた。動き方も
かなりぎこちなく、そのまま歩いていては転んで怪我でもしそうな雰囲気だったので、勝手な判断で
悪いとは思ったけど手を繋いで歩く事にした。
「お、お姉さま……?」
「こうすれば少しは安心できるでしょう?」
「は、はい……」
 暗がりでよくはわからないけど、まだ少し不安そうにしていたので手を握る強さを少し強くしたら
貴子さんも少し強く握り返してくれた。
 これから向かう第二音楽室に限ってはもう解決済みだから何か問題があると言う事も無いので
僕としてはまだ落ち着いていられる。それに成り行きでこうなったとはいえ、もし何かあったときは
貴子さんも紫苑さんも僕が守らなければならない。気を引き締めていこう。何せ『本物』が出る可能
性は十分にあるのだから。
695学校のY談:05/03/08 03:42:03 ID:f/ENo9mg
12/18

 そうこうしているうちに第二音楽室の前に辿り着いた。当然のことながら、ピアノの音が聞こえて
くる事は無い。
「ほら、貴子さん。何にも聞こえないでしょう?」
 落ち着かせるため、優しく諭すように話しかける。
「は、はい。そうですわね……それでは、次はどこを調べに行きますの?」
「あら貴子さん、もう恐くなくなったんですか?」
 紫苑さんがからかうように言った。
「わ、私は別に恐がってなどおりません!」
「まあ、瑞穂さんに手を繋いでいただいたのが余程効いたんですのね……私もそうしていただこう
かしら」
「はぅ……」
「と、とにかく次にどこに行くかを決めましょう……と、その前に。座敷わらしとエンジェルたんなん
ですけれど、別に害がある話というわけではないので、後回し……というか、この際気にしなく
てもいいと思うんです。それで、一度4階に昇って5階が無い事を確かめた後に東階段のトイレと
踊り場を調べながら降りていく、と言うのはどうでしょうか?」
「私はお姉さまの言うとおりで構いません」
「ええ、私もそれで良いと思います」
 と言う事で、まず4階から屋上階に昇って屋上へ出る扉を確かめた。尤もこの話は階段を見たら
必ず5階に昇って帰れなくなり、その事を伝えられなくなるにも関わらず、その話が伝わっていると
言う矛盾があるので、最初からよくある類の怪談話だと思っていた。放っておいても問題は無い、
と思う。何かまりやがそこに迷い込んでいたような気もするがたぶん夢だろう。
696学校のY談:05/03/08 03:42:52 ID:f/ENo9mg
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 その後、東階段に向かい、4階のトイレから調べ始めた。その頃には貴子さんもかなり落ち着いて
いて、もう普通に会話が出来るようになっていた。
「何も聞こえてきませんね」
「そうですね」
「それでは次に行ってしまいましょう」
 そして4階から3階に降りてトイレの前に差し掛かったとき、それは聞こえてきた。
「〜〜♪〜〜〜♪〜♪〜〜♪」
「ヒッ」
 一見落ち着いて見えていた貴子さんだったけど、やっぱりかなり我慢していたようだ。小さく悲鳴を
上げて一瞬気を失いそうになったが、視界に紫苑さんを捉えたようで何とか持ち直したようだった。
しかし、まともな判断が出来るような状況ではなかったようで、「私は何も聞いていませんわ」と言って
ふらふらと階段の方に歩いていってしまった。
「瑞穂さん、私、トイレの中の方を見てきますわ」
「あっ、ちょっと、紫苑さん!」
 紫苑さんは厳しい顔でトイレの中に入っていってしまった。紫苑さんを追うか、それとも階段の方に
行ってしまった貴子さんを追うか。どちらを追うか迷っているうちに紫苑さんがトイレの中から出てきて
しまった。真っ青な顔をして。
「紫苑さん、大丈夫ですか?!」
「瑞穂さん……トイレの中、誰もいませんでした……。もし悪戯ならスピーカーの類があると思っていたの
ですけれど、それも……」
 まさかと思い自分でも中を確認しようと思ったが、今は貴子さんの事が先だと思い直す。
「今はとにかく貴子さんを……」
697学校のY談:05/03/08 03:43:25 ID:f/ENo9mg
14/18

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 その時、空気を切り裂くような貴子さんの悲鳴が響いた。
「貴子さん!!」
 僕と紫苑さんは貴子さんの元に駆けつけるべく東階段に走ったが、そこで見たものは……首だった。
ただの首じゃない。暗い中、うすぼんやりと燐光を放っているそれは紛れも無く幽霊のそれだった。
 驚いている場合じゃない、早く貴子さんを探さなければ──。
 そう思い、貴子さんの姿を探すとすぐ見つかった。幽霊の首が生えている踊り場にいた。何とか自力で
階段を降りて逃げようとしていた。すぐに声をかけようとしたが、僕自身そこまでの余裕は無く、声を出す
ことは出来なかった。
 とにかく、貴子さんのところに向かおう。そう思って足を踏み出そうとしたら今度は背後でドサッ、と音が
した。振り返ると紫苑さんが倒れていた。
「紫苑さん!!」
 その時、食堂で奏ちゃんに聞いた話が脳裏をよぎった。
『この幽霊を見たら──呪いで首から下の霊体を持っていかれて、全身不随になってしまうそうです。
──呪いで首から上の霊体を持っていかれて、植物人間になってしまうそうです──』
698学校のY談:05/03/08 03:46:31 ID:Yo2apNlh
15/18

 そんな莫迦な。しかし、現実に一子ちゃんや詩織さんのように幽霊は存在するのだ。彼女たちは
悪意の無い幽霊だが、今ここに現れた『放課後の生首少女』もそうとは限らない。信憑性の低い噂とは
いえ、その話を聞く限りでは悪意のある幽霊と言わざるを得ない。
 奏ちゃんは何と言っていたか。呪いにかからない方法があると言っていたが、昨日は奏ちゃんの語り
口が楽しくて内容に関しては話半分にしか聞いていなかった。
 僕は何て馬鹿なんだろう。『本物』が出る可能性があるとわかっていたはずなのに。わかったつもりに
なって軽く見ていた。
 でも今はそんな事を悔やんでいる場合ではない。なんとしてでも貴子さんを助け出さなければ……。
そう思った時、ふと気が付いた。貴子さんは紫苑さんのように倒れていなかった。何故? 貴子さんは
恐怖の所為か、自分の身体を抱きかかえるようにしていた。そうだ、身体を抱きしめる──それだ。
確かに奏ちゃんはそう言っていた。
 よし。これで貴子さんを救いに行く事が出来る──そう思ったとき。
 再び耳をつんざく悲鳴が聞こえ、そしてそれに続いてドサリと言う、何かが床の上に落ちた音が
聞こえてきた──。
 僕はどうしたらいい……。
 踊り場を見ると既に幽霊は居なくなっていた。とにかく、紫苑さんと貴子さんを外に連れ出さなければ。
そう思って、紫苑さんの身体を抱きかかえ、階段を降り貴子さんの元へ向かった……。
699学校のY談:05/03/08 03:47:07 ID:Yo2apNlh
16/18

「あの〜、お姉さま?」
 紫苑さんを抱きかかえて階段を降りる僕の横から一子ちゃんが気まずそうに話しかけてきた。
……って一子ちゃん?!
 ふとひとつの考えに思い当たり、僕は気を取り直して一子ちゃんに聞いてみた。
「ひょっとしてさっきそこに生えてた頭は……」
「あ、はい、私です。あの〜、もしかして、驚かせてしまいましたか?」
 あははははは。何かさっきの覚悟が莫迦みたいだ。ていうか恥ずかしい。
「お姉さま? その〜、下にも気絶した方がいらっしゃるのですが……」
 貴子さんは天井に頭を突っ込んでぶら下がっていた一子ちゃんを見て気絶してしまったらしい。
「ええ。とりあえず二人とも寮に連れて行くから」
「一人で大丈夫ですか? まりやさんたちを呼んできましょうか?」
「いいえ、それには及びません……と言うか、この事はまりやたちには内緒にしておきたいから、私
一人でなんとかするわ。一子ちゃんも内緒にしておいてね」
「はい、わかりました」
700学校のY談:05/03/08 03:48:00 ID:Yo2apNlh
17/18

 何とか二人を寮の自室に運んだ僕は、ベッドに二人を寝かせて一子ちゃんに事情を聞くことにした。
結論から言うと、結局、今回騒ぎになった七不思議のほとんどは一子ちゃんが散歩していた時の
不手際だったらしい。
「う……ん」
 紫苑さんたちが目覚めるようだ。僕は一子ちゃんにクローゼットに隠れてもらった。
「大丈夫ですか、紫苑さん、貴子さん」
「え……瑞穂さん……? ここは……?」
「お姉さま……?」
「ここは私の部屋です。二人とも気を失ってしまったのでここに運ばせてもらいました」
「あの……お姉さま、私達、一体……」
 詳しい事を説明したかったけど、何だか情けないし、何より一子ちゃんの事を説明しなければ
ならない。この二人になら話しても問題は無いと思ったけど、今回はやめておいて適当に誤魔化す
事にした。
「えっと、その……あれです、世の中には知らない方がいい事もたくさんあると言う事で……」
「……はい?」
「気のせいにしておいた方が幸せと言うか、無かったことにしてしまいましょうと言うか……。
幸い、このことは私たち三人しか知らないわけですし」
「そ、そうですね。ゆ、夢を見ていたのですわ、私達は。そうですよね、紫苑さま?」
「そう……ですわね、貴子さん。あれは夢でした、ええ」
「うふふふふふふふふふ」
「ふふふふふふふ」
「あは……あははははは」
 そして、僕はバス停まで二人を送っていった。
701学校のY談:05/03/08 03:48:54 ID:Yo2apNlh
18/18

「おかえりなさいませ、お姉さま」
「ただいま、一子ちゃん」
「あの方たち、大丈夫でしたか?」
「まあ、なんとかね。それより一子ちゃん」
「はい?」
「散歩してはいけないとは言いませんけど、これからは今日みたいな事が起こらないように気を
付けなさいね」
「はぁい、わかりましたぁ」
「それにしても一子ちゃん、トイレなんかに行って何をしていたの?」
「いえ、放課後はトイレならあまり人が来ませんから移動しやすいんじゃないかと思いまして。それに
隠れるところも多いですし」
「なるほどね。でも鼻歌なんて歌いながらじゃ姿が見えなくても気付かれてしまうわよ?」
「へっ……私、鼻歌なんて歌ってませんよ? いくら隠れてても歌ったりなんてしたら他の人に気づかれ
ちゃうじゃないですか。やだもぅ、お姉さまったらぁ」
「……歌って、ない……?」
「はあ。……それがどうかしたんですか、お姉さま? ってすごい顔色が悪いですよ! 大丈夫ですか?!」
「え、ええ。大丈夫よ、うん、大丈夫……あは、あははははは」

僕は乾いた笑いを上げながらベッドに倒れこんだ。一子ちゃんが「もう寝るんですか?」と聞いて
きたので、そのまま一緒に寝てもらうことにした。一子ちゃんは幽霊だけど居てくれて良かったと思う。
貴子さんや紫苑さんは、大丈夫かな……。

次の日から僕と紫苑さんと貴子さんは三人でトイレに行く事が多くなった。周りからはエルダーと
元エルダーと生徒会長がトイレで何やら密談しているとか、あぶない関係(?)になったんだとか
言われて騒がれているけど、とても本当のことは言えない。
一人でトイレに行くのが恐いだなんて。

        糸冬
702243:05/03/08 03:56:56 ID:L2PE/JvJ
リアルで読みました。GJ!!!
何事もなく終わるかと思ったら・・・
ヒィィィィ!!
七不思議、結構凝った話でリアリティがありましたよ。
あと、三人でトイレにくなんて、ちょっと萌えかも。


あと、容量少ないので新スレたててきますね。
703126:05/03/08 03:58:43 ID:CfLWDDdu
>>679-680
し、紫苑様が…異性に目覚められた…!!w
結構ありそうな感じがして、面白かったっす!!
GJ!!

>>684-701
力作乙!!
つか、やはり一子ちゃんが絡んでたんですな…w
おびえる貴子さんが…( ;´Д`)

…にしても。今気付いたけれど、感想だし忘れてるSSが多かった事に気付く…
明日まとめてレスさせていただきますです( ;´Д`)
704243:05/03/08 04:01:12 ID:L2PE/JvJ
新スレ、第2話とpart2、どっちがいいですかね
705126:05/03/08 04:06:39 ID:CfLWDDdu
>>704
やはり、おとぼくに準拠して「第〜話」に一票なのですよ〜。
706243:05/03/08 04:13:30 ID:L2PE/JvJ
次スレですわ。

【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/
707名無しさん@ピンキー:05/03/08 04:14:54 ID:49Prh/sZ
おしまい
708名無しさん@ピンキー:05/03/08 04:45:27 ID:p/LIEoUd
>>471
GJ!
しかし、一子なら無意識の内に鼻歌を歌っていそうではある。
709名無しさん@ピンキー:05/03/08 04:46:40 ID:4g8HYqhG
〜♪
710名無しさん@ピンキー
  __   ___   __
〈´    `, ´      `ヾ´    `〉
 ヽ   /         ヽ   /
  \ / /V(人  从)ハ ', /
    `l !  . ヽノ . i l"
.     l !   、__,.__,    i l
     ', ,    ー´   ,/ /
      ヘ.ゝ,  __  イ〃
       XT {ニ0ニ} TX
       / ,ネ <ハ> ト、ヽ
      ヽ<メ      Kメ
        /     ヘ
        <ッャッャッャッャx>
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