【女装】処女はお姉さまに恋してる 第7話【百合】

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1初代550
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節をもって進行していきましょう。

【女装】処女はお姉さまに恋してる 第6話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112791250/

メーカー公式
http://www.caramel-box.com/

処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)
http://www.type90.com/otome/index.html

・過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/ (dat落ち)
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/(dat落ち)
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110659167/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第5話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111757700/
・関連スレ
キャラメルBOX Part16
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1111049075/
処女はお姉さまに恋してる 第14話
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1112194424/

おとボクSS投稿掲示板
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php
2名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 20:14:02 ID:4Xs80nTn
3名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 20:14:57 ID:4Xs80nTn
ttp://takayan.s41.xrea.com/otoboku/
こっちの方が良いですね・・・(汗
では、SS書きの皆さん、頑張ってください・・・オレモナー
4名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 20:57:39 ID:OrnzFum5
新スレ立てお疲れ様です。
5名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 21:04:18 ID:4XQAdJJX
>>1
スレ立て乙
6名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 22:13:20 ID:t0Z89UXa
>>1
相変わらず濃密なスレだねぇ。
7初代スレの45:2005/05/04(水) 01:31:36 ID:IoDcueck
>>1
新スレ立て乙です。

あんど感想頂いた方ありがとうございますです。
8初代550:2005/05/04(水) 11:10:05 ID:wb5l8Lbz
なぜか瑞穂視点。5月3日が憲法記念日、2月11日が建国記念日。なぜ、こういうことを書くかと言うと、漏れが一瞬どっちだっけ?と悩んじゃったから(ぉぃぉぃ)白いレースのだるまは次回に出る予定。

GWの過ごし方(5月3日憲法記念日前半)
このシリーズの司会(?)は貴子さんだったわけですが、今回は僕がやります。なぜかと言うと・・・
<1時間前。AM10:50>
「んじゃ、ゴールでウィークと、ついでに瑞穂ちゃんの誕生日パーティをはじめーます」
まりやが相変わらず元気な声で宣言する。僕の誕生日はついでですか・・・
庭に置かれたパラソルの下、ビニールシートを引いて、6人の男女・・・傍目には6人の女性にしか見えませんよ、どうせ・・・が車座に座っている。
5月と言うには暑すぎる憲法記念日、今日は一日晴れだと言う予報を信じて、庭にパラソルを出してここでパーティと言う事になった。
まりやからの電話一本で、ビーチパラソルやらビニールシートやらを出す羽目になった貴子さんは、ぶつぶつと文句を言っていましたが、皆が持ち寄った食べ物を外で食べると言うのは楽しそう。
「だから・・・未成年にお酒を飲ませようとしないでください」
いきなりビールを空けてメンバーに配ろうとしているまりやに、貴子さんが噛み付いた。
気持ちはわかりますが・・・こういう場で、まりやにそう言うことを言って無駄ですよ。絶対。
「相変わらず固い女ね?パーティのときくらい細かい事にいちいち目くじら立ててんじゃないわよ。ほら、貴子も飲みなさい」
まりやが手に持っていたビールを貴子さんに押し付ける。あぁ、また喧嘩ですか・・・と、止めに入ろうとしたところで、紫苑さんが先に止めに入った。
「では、一足先に成人式を済ませたばかりの私が頂きますね?」
と言うが早いか、貴子さんの手に押し付けられていたビールの缶をすっと取ると、それをクビクビと一気に開けてしまった。
おぉ〜思わず、周りからパチパチと拍手が起こるのを、にこりと軽く朱色に染まった顔を微笑ませて応じた。
「雑穀酒や発泡酒よりも、やはり、ビールの方が美味しいですわね。貴子さんも・・・いきなりビールと言うのも抵抗感があるでしょうから、水割りを作りますわね」
(1/5)
9初代550:2005/05/04(水) 11:10:39 ID:wb5l8Lbz
「ちょ・・・!」
っと、待ってください。ビールよりも水割りの方がアルコール度数は高いですよ。と、止めようとする僕の口をまりやが後ろから押さえ込む。ちなみに奏ちゃんは由佳里ちゃんに押さえ込まれている・・・もはや、貴子さんを助ける人は居なくなった。
「で、でも私、未成年ですし・・・」
貴子さんは色々あった所為で、紫苑さんには非常に弱い。まりや相手ならできることも、紫苑さま相手には出来ない。
「そうですわね・・・一人だけ、先に成人してしまった同級生のお酒は飲めませんよね・・・」
顔を俯かせ、寂しげな笑顔を見せる。しかし、水割りを作る手は止まらない・・・と言うか、水滴をたらせたウイスキーですよ、それ・・・女の人って怖い。
「いえ、あっあの・・・その・・・ですから・・・別にそう言うわけでは・・・」
こうなると、貴子さんに差し出される水滴を垂らしたウイスキーのグラスを拒む事は出来ない。
「そう言うわけでないのでしたら、どうぞ」
にこっと微笑む顔は先ほどまでの寂しげな笑顔ではなく心の底から嬉しそうな笑顔。
「では・・・一杯だけ・・・」
グイッとそのグラスを握って、一気に煽ってしまう貴子さん。あぁ・・・ほとんどストレートのウイスキーをそんな飲み方したら・・・パタンと貴子さんは顔を真っ赤にして、ひっくり返ってしまいました・・・あぁ・・やっぱり。
「と、言うわけで、うるさい生徒会長は轟沈してしまいました」
あの・・・紫苑さん、キャラが違いますよ?
轟沈した貴子さんを寝室に運んで帰ってきたときには、すでに他の4人は出来上がっていた・・・もしかして、この酔っ払い4人の相手、僕がするわけですか?
寝室で心地よさそうな寝息を立てている貴子さんがちょっぴりうらやましい・・・
</一時間前。AM11:50>
「大体、私に陸上部の部長とか、生徒会長とかって言うのはですね、分不相応なんですよ〜聞いてますか?お姉さま!」
はい、聞いてますよ、さっきから10回くらい。ぐびぐびと缶のままのビールを飲む由佳里ちゃん・・・女の子なんだから、グラスくらい使おうよ。
「最近の一年生は、ちょーっと、しごくだけぇ!すぅぐやめちゃうんだからぁ!まりやお姉さまのころより、ずーっとらくなのにぃ!」
色々と陸上部の部長も大変なんですね。まりやを見てるとそうは思えなかったんですが・・・
(2/5)
10初代550:2005/05/04(水) 11:11:18 ID:wb5l8Lbz
「だいじょぉぶ!私が見込んだ逸材なんだから、陸上部を任せるのはユカリンしかいないってぇ〜瑞穂ちゃんだってそー思うでしょぉ?」
普段から無駄に自信たっぷりなまりやはさらに自信たっぷりに答える。正直、陸上部の行く末が心配。
「大丈夫・・・なんじゃないのかな・・・多分」
はぁ、と軽く溜息をついて、紫苑さんの持ってきたから揚げをつまみにビールを少しだけ飲んで答える。
「ゆかりんはぁ!ダメダメなんですよぉ〜〜おねえさまぁ」
と、言ってまりやの胸で泣きまねをする。確かに、色々と駄目かもしれない・・・ちなみに、このやり取りもすでに同じ回数くらい繰り返されている。
「そうなのですよ〜例え!毎晩、一人でシテても、由佳里ちゃんは立派に生徒会長を勤めているのですよ!」
顔を真っ赤にして奏ちゃんが、由佳里ちゃんの恥ずかしい秘密を大音響で暴露する。
お願いですから、時々で良いので、僕が男だということを思い出してください。
「あらあら、若いですわねぇ〜10代は」
20代一番乗りを果たした紫苑さんは気持ちよさそうにビールを何本も開けている。実は、今日、一番当てにしてたんですよ?紫苑さんの事。一番最初に裏切られるとは思いませんでした。
「えぇ〜毎晩なの?ユカリン。若いわねぇ〜」
この話題にまりやが食いついた。となると、絶対に僕の所に回ってくる・・・逃げよう。こそこそと四つんばいになって、女性4人の輪から離れた位置に移動する。
「毎晩じゃないですよ〜三日に一回くらいですぅ!」
ぷぅと頬を膨らませ、自らの恥ずかしい秘密を訂正する。聞いてる方が恥ずかしいんですけど・・・あっ、別に聞きたいわけじゃないんですよ?ほんとうに。声が大きいんです。
「それでも多いって!」
まりやがベタな大阪漫才のような突込みを入れると、奏ちゃんと紫苑さまが大喜びで笑い転げている・・・いっ今のやり取りのどこが面白いんですか?
「と・こ・ろ・で、瑞穂ちゃんは週に何回くらい?」
ほら、僕の所にお鉢が回ってきた。まりやがやけに嬉しそうな顔をして逃げてる僕の所に擦り寄ってきた。
「お姉さま〜ユカリンも聞きたいです〜」
一人称がユカリンになってしまっているよ、由佳里ちゃん・・・本当は気に入ってたんだね、その愛称。
(3/5)
11初代550:2005/05/04(水) 11:12:34 ID:wb5l8Lbz
「やはり、同棲などと言う物をしていると、毎晩なんでしょうか?」
紫苑さんまで・・・顔色は相変わらず少し赤い程度ですけど、本当は凄く酔ってませんか?
「駄目なのですよ〜そのような事を聞いては」
字面だけ見ているとフォローしてくれているようにも見えるけど・・・奏ちゃん、そんなに身体を乗り出してきたら、興味深々なの、丸判りだよ・・・
こういうとき、酔い損ねた人間は辛い。第一、今夜も夕方からアルバイトがあるのに飲みすぎるわけには行かないんですよ・・・
貴子さん、早く起きてこないかな・・・一人で酔っ払い乙女を4人相手にするのは疲れたよ・・・
<その頃の貴子ちゃん>
「んっ・・・」
軽い声を上げて目を覚ます。周りを軽く見渡し、誰も居ない事を確認。
「・・・寝なおそう・・・」
布団の中にもぐりこんでしまった。
</その頃の貴子ちゃん>
もちろん、こんな恥ずかしい質問に答えられるわけはなく、こそこそと逃げ出す。
「あっ、お姉さまが逃げ出した〜」
「答えるには恥ずかしい程度の回数なのでしょうか?」
「そういえば、この間、ここに泊まったときもシテなかったし・・・もしかして、瑞穂ちゃんって不能?」
「まりやお姉さま、不能って何なのですか?」
先ほどまで僕が居たあたりに4人が顔をつき合わせて話をし始めた。なんか、人生に疲れちゃったな・・・ビールとから揚げが塩辛いや。
「やっぱり、女装なんかしてたから・・・かわいそうなお姉さま」
勝手に不能にして勝手に同情してないでよ、由佳里ちゃん。
「もしかして・・・男に目覚めたとか?貴子がカワイソっ!」
どこから取り出したのか判らないハンカチで涙をぬぐう真似をするまりや。男に目覚める目覚めないの前に、女性不信になりそうだよ。後、ウイスキーを一気飲みさせられたことに対して同情してあげてよね。
「皆さん、お酒臭いのですよ〜」
「それは奏さんも同じですわよ」
あははははぁ〜と、能天気な笑いが4人の輪の中でわきあがる。ほとんど酔えていない僕には、何が面白いのかさっぱり理解できない。
「瑞穂ちゃん、お酒ないよ〜」
「ビールは飽きたので、そろそろ、洋酒に入りたいところなのですが・・・」
紫苑さん、ウイスキーだって4人で一本開けちゃってるじゃないですか、貴子さんを轟沈させた奴。
(4/5)
12初代550:2005/05/04(水) 11:13:11 ID:wb5l8Lbz
「あっ、そういえば、ルイ13世が棚にあったわよ」
それは駄目だって・・・本当にそれに手を付けたら、僕が父に殺されてしまいますがな。
「ルイ13世?」
そう言うのを全く知らない由佳里ちゃんと奏ちゃんが顔をつき合わせて首をかしげる。
「レミーマルタンの最高級コニャックですわよ。1本百万円の物も珍しくはないとか・・・」
と、懇切丁寧に解説している。高価だと判ってるんなら、手をつけようとしないでください。
「と、言うわけで、最高級コニャックルイ13世の中でも、超のつく最高級品を開けちゃいまーす」
スレッ○ーさん、早いよ!いつの間に持ってきたわけ?酔っ払いの速度じゃないよ、まりや!
止めに入ろうとした僕の身体は、紫苑さまに羽交い絞めにされ、由佳里ちゃんと奏ちゃんに両手を押さえつけられた。
「一般家庭に暮らす者には、一生口に入りそうにないものなんですからね?」
貴子さんのお兄さんと婚約しなおしたら、何回か飲む機会もありますよ、紫苑さん。だから、離してください。と、いいたいけど、いえない自分が可愛くて好き。
殺される、本当に父に殺される・・・あぁ・・・本当に開けちゃった・・・開けたんなら、僕にもください。
どうせ殺されるんなら、飲んでから死にたい。
「どうせ、小父様は眺めて喜んでるだけなんだから、後で○ッカの角瓶でも入れて置けばばれやしないわよ」
大学生の飲み会に出て来るものじゃないよ・・・ルイ13世は。それを・・・あぁ、もう、香も何もない飲み方しちゃって・・・

そして、数年後・・・僕と貴子さんは正式に結婚をする事になった。
「これはな、お前が生まれたときに買ったものなんだ。お前が結婚の報告に来たときに、お前とお前の奥さんになる人と母さんの4人で飲もうと思ってな・・・」
そ・・・それ・・・もしかして、あの時、まりやたちと飲んで、後からニッ○の角瓶を入れたルイ13世(の空き瓶)
「お義父様・・・」
感極まったのか、貴子さんは目に涙を浮かべている。それはもちろん父も同じ。僕は違う意味で涙が出来た。
13初代550:2005/05/04(水) 11:14:39 ID:wb5l8Lbz
あとがき・・・ニッカの角瓶は美味しいですよ、ニッカの角瓶なりに。あぁ、1回でいいから1本100万円って言うお酒を飲んでみたい
14名無しさん@ピンキー:2005/05/04(水) 12:09:02 ID:K9D7CPr/
GJです。素晴らしいです。
瑞穂ちゃんは不幸が似合うな〜。次回、白いレースのだるま期待してます。
15313:2005/05/04(水) 16:13:08 ID:Au54w5m7
(´-`).。oO(誰もいないので、投下準備)
(´-`).。oO(瑞穂ちゃんの災難2−2です。奏と由佳里は朝食の時に誤解をしていたことを瑞穂に謝りました)
16313:2005/05/04(水) 16:15:21 ID:Au54w5m7
瑞穂ちゃんの災難2−2

 翌日。1限目と2限目の休憩時間。
「失礼いたします。生徒会の菅原と申しますが、宮小路瑞穂さまにお取り次ぎいただけませんでしょう
か?」
(あれ、君枝さんか)
「お待ちになって‥‥‥‥宮小路さんね」
瑞穂のそばに来ると「瑞穂さん。君枝さんがお越しよ」瑞穂は、美智子に軽く頭を下げると廊下にいる
君枝のところに歩いていき
「君枝さんが、いらっしゃると言うこと言うことは‥‥‥‥」
「はい。おねえさまに、ぜひ、お伝えしたいことがあるそうですので、私が使者になりました」
君枝の言い方に内密の話だろうと感じた瑞穂は、軽く膝を折り君枝の口元に耳を近づけると
「一部強硬派の教師により不当な処罰を防止するために、生徒会としても対応策を講じる必要があり、
おねえさまから直接お話を伺いたいそうです。出来れば、客観的な証拠として主張できる物を持参して
いただきたいとのことです」
君枝の耳元で瑞穂が何事かささやくと、顔を薄紅に染めながら
「はい。必ず会長にお伝えいたします。私は、教室移動中ですのでこれにて失礼いたします」
君枝は、軽く頭を下げると足早にその場を去っていった。
(ふうーーー、すっかりおおごとになってきたな)
席に戻ってくると美智子が"わかってますよ"という表情をして「やはり、うわさの件ですの?」と、
瑞穂にだけ聞こえるように問いかけてくる。
「ええ。貴子さんも立場上しかたなくみたいですね。生徒会側から何か言ってくるのは予測の範囲では
あったのですが、私の思っていたより動きが速いのですから‥‥‥‥‥‥美智子さん。後日お力をお借
りするかも知れませんが?」
「それは、受付嬢としてでしょうか?」
「まあ、状況によりますけど」
瑞穂は、話はここまでという意思表示のつもりで2限目の教科書を机の上に置き始めた。
(貴子さんにまで迷惑掛けるわけにはいかないな。しかたがない今日にでも、まりやに買いにいかせるか)
「瑞穂さん」紫苑の咎めるような言い方に、肩をすくめて
(いずれは、紫苑さんに御願いするつもりだったから、まあいいか)
「お昼休みにまりやをつれて屋上に来て頂けますか?但し、私が呼んでいるとは言わずに御願いします」
17313:2005/05/04(水) 16:16:59 ID:Au54w5m7
「はい」
にっこり笑って返事をすると、紫苑も授業の準備を始めた。
 昼休みの屋上。
「瑞穂さん。お約束通りまりやさんをお連れいたしましたわ」
「紫苑さま」
紫苑の弾んだような声と、まりやの紫苑を咎めるような声を耳にした瑞穂は、いきなり本題を切り出した。
「まりや。今日行ってくれるよね?」
「あら?お買い物ですの?まりやさんに頼まれると言うことは、女性ものですわね?」
「あの紫苑さん。もしかして楽しんでませんか?『私。興味ありましてよ』とお顔に書いてあるのです
が?」
瑞穂の力のない問いかけに紫苑はすました顔で
「お買い物は、女性の楽しみの1つですもの。どのようなものをお買いになるのか、興味が無いと言えば
嘘になりますわ」
「紫苑さま。瑞穂ちゃんのうわさはご存じですよね?」
紫苑は納得がいったとばかりに胸の前で両手を合わせて
「ああ、それで、君枝さんがお見えになったのですね」
 瑞穂は、時折吹く強い風に髪の毛を揺らしながら、哀しく見えるだろう表情を作り、力のない声を出し
「ええ、すべてはまりやから始まりましたから、責任の1つも取っていただきませんとね。私は、もっ
と《穏やかで、平穏な》生活を望んでいたのですが、それを《ことごとく》まりやに破壊されましたから」
紫苑も同意するように、表情を曇らせながら声のトーンを落として
「そうですわね。まりやさんが、瑞穂さんを"エルダー"に就任させようと画策なさらなければ、ここま
で、大きな騒ぎには‥‥‥‥」
「だから、買わないとは一言もいってないでしょ。私だって勇気がいるんだって‥‥‥まだ、そう言う
こともしてないのに‥‥‥なにが哀しくて買いに行かないといけないのよ」
逆ギレ気味に話すまりやに
「でしたら、私もお伴いたしますわ。少し興味がありますから‥‥‥その、私もそういうことは経験無
いのですが、将来のためにどういうお店で販売されているのか、知識として覚えておいて損はないと思
いまして」
紫苑は色白の顔をごく薄い紅色に染めて同行を申し出るが、当惑した瑞穂は
「と、いいましても、近くでは買いづらいので、隣の街に買いに行く予定なのですが‥‥‥制服姿とい
うわけにもいきませんし、私とまりやは、寮なので着替えは問題ないのですが、紫苑さんは‥‥‥‥」
18313:2005/05/04(水) 16:18:21 ID:Au54w5m7
理由を連ねて遠回しに断ろうとするが
「でしたら、明日にいたしませんか?明日でしたら、私も着替えを用意できますので問題ありません
わね?」
瑞穂とまりやは、顔を見合わせると
「あのーーーー紫苑さま。もしかして?」
「はい。仲間はずれはいやですわ」
(あーーー。紫苑さん。楽しんでる。絶対楽しんでる)
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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(あくまの笑顔ですって)
きれいな笑顔の紫苑、落ち込んでいる瑞穂の姿。まりやは長いため息を吐くと
(あーーーー。他の人が見たら絶対誤解するって、現エルダーと、元エルダーが妖しい関係だと誤解す
るって‥‥‥‥そうなったら、また瑞穂ちゃんが切れる。紫苑さーーーーま。もう、こうなったら、毒
を食らわば皿までってことになるのかな)
紫苑が、瑞穂の後ろから手を伸ばして胸バッドの感触を楽しんでいるのを見て
「紫苑さま。授業後まで、瑞穂ちゃんの胸を触るのは我慢してください」
「まりやーーーーー」
(あーーーーん。もう)
紫苑が、幸せそうな顔をして瑞穂の胸バッドをさわり続けているのを見て
「紫苑さま。私の身の安全のためにも、校舎内では誤解を招くような事は謹んでください」
まりやの嘆願とも取れる言葉をかわして
「あら、女子校ならでは、コミュニケーションですのに‥‥‥‥」
紫苑は寂しそうに呟くと、一つ手を叩き
19313:2005/05/04(水) 16:19:40 ID:Au54w5m7
「では、瑞穂さんのお部屋でなら、他の人の目を気にせずに触れそうですわね」
(あーー。違う。なにかが違う。絶対違うって)
すっかり疲れ果てた瑞穂は
「まりや。このさいだから紫苑さんも連れて行こう。とりあえず、寮の部屋で着れそうな服を探して
だめなら、紫苑さんに持ってきて頂いて、私の部屋で預かればいいから」
「そうね。私もそう思う。騒動を楽しむのは好きだけど、騒動に巻き込まれるのは遠慮したいって、
実感したわ」
まりやも疲れ果てたように呟いた。

 2日後。放課後の生徒会室。
「おねえさま。会長職に就く者として、校内風紀の監督権限を与えられている以上、ここ数日来、学院
内で流れている風聞の真偽につきまして、お伺いしたいことがあります」
入ってきた瑞穂に、貴子は堅い口調でこう話を切り出した。
 貴子の問いかけに、瑞穂は事の発端となったであろうことから順を追って話していくと、貴子はもち
ろん、同席していた他の役員たちも、事の真相を聞いて唖然とするしかなかった。
「つまり、おねえさまが、お食事中に"げっぷ"などという不作法を隠すために、口元を隠して食堂から
退出されたのが、事の発端なのですね。さらに、寝不足気味で顔色も優れなかったのが、誤解を招きや
すくなったといわれるのですか‥‥‥‥‥」
貴子の要約に、瑞穂は申し訳なさそうにうなづき
「私の方から今回の件につきましてお話する予定を立てておりましたが、貴子さんの方からお声が掛か
りましたので‥‥‥‥‥‥‥‥私も、このように大きくなるとは思ってもおりませんでした」
長く息を吐いた後、気を取り直したように
「証拠の提示をとの事ですので」
きんちゃく袋の内から、未開封の検査薬の入った箱。一人分のコーヒーがセットされた未開封の紙コッ
プを取り出し
「未使用な物を持参してまいりました。紙コップだけが必要なのですが、密封してある物がいいかと思
いまして」
貴子が手に取り箱に書かれている「妊娠検査薬」の文字を声に出して読む。君枝をはじめ役員が順に手
に取り最後に瑞穂の元に戻ってくると、箱の封を切り体温計ケースに似た形の物を取り出して、準備を
始める。
20313:2005/05/04(水) 16:21:05 ID:Au54w5m7
「おねえさま。私たちの目の前で行われるのですか?」
驚きに目を見開いて問いかけてきた貴子に
「ええ、さすがにここでの採尿は致しませんが、判定手順は皆さんの前で行いたいと‥‥‥」
「た、確かに、私たちの目の前で行って頂ければ、問題はありませんが‥‥‥」
言い淀む貴子を諭すように瑞穂は
「学院の品位に傷が付くことを防ぐ手段があるのでしたら、躊躇わずににおこなうべきでしょう。"エ
ルダー"であるなら、なおのこと学院の品位を汚さない努力を惜しむべきでは無いかと思います。貴子
さん?」
「確かに、おねえさまのおっしゃるとおりなのですが‥‥‥‥」
いまひとつ、決断しきれない貴子の正面に立つと慈愛に満ちた笑みを浮かべて
「学院に学ぶ700人からの妹たちに外で恥ずかしい思いさせない方が、より重要なのではありません
か?」
貴子を始め生徒会役員たちは、瑞穂の言葉を反芻しながらも、そこまでさせるべきなのか‥‥‥‥
自分が同じ立場に立ったときここまで出来るのか思いながら、お互いの顔を見ては、そっと息を漏らし
ていた。しばらく沈黙が続いた後
「おねえさま。で‥‥‥では、おねえさまからの"強い"要請で行ったという形にさせていただきます」
意を決して貴子はそう告げた。その後、行われた判定では"陰性"という結果が現れた。
(最初から、陰性の結果しか出てこないのは間違いなんだけど。貴子さんの立場とか考えるとね)
 貴子はしばらく考えていたが、自分の生徒手帳を取り出しページをめくって目的の文章を探し出して
再度読み直すと、その場にいた全員に向かって
「生徒会会則の付則第3項。つまり、生徒会側の処分に納得できないから異議申し立てを出来るのを利
用しまして、1月の臨時総会の開催を出来るようにもっていきます。その席で、おねえさまの名誉を必
ず回復させて頂きます」
「《ノブレス‥オブリージュ》この言葉の意味は、貴子さんならご存じですわね?」
突然の、しかも一見関係なさそうな瑞穂の問いかけに、記憶を思い出しながら
「確か、高貴な身分に伴う規範的義務でしたとおもいますが?」
21313:2005/05/04(水) 16:22:09 ID:Au54w5m7
瑞穂は、形の良い指を貴子の下顎に当てて、顔を上げさせると
「先ほども申しましたけど、私は、エルダーとして信任されました。ですから、エルダーとしての義務
の一つと考えることにしました。元はと言えば、私が紛らわしい行為を行ったわけですから‥‥‥‥」
「それでしたら、私も生徒会長として、責務を果たさせていただきます。先ほども申し上げましたが、
明日にでも、おねえさまを処分させて頂きます。その後、どなたかに御願いして異議申し立てを行って
ください。出来ましたら、処分撤回の署名簿を後日提出して頂けますと生徒会としましても、教師側に
開催理由を強く主張できますので」
「では、私は私の責務を‥‥‥‥」
と、瑞穂が言うと、貴子が続けるように
「‥‥‥‥生徒会は生徒会の責務を果たすことに致しましょう。おねえさまと700人からの生徒たち
の名誉のために」
瑞穂は、貴子の額に唇を当てると
「《もし盲人が盲人の手引きをするなら、二人とも溝に落ちるだろう》[聖書マタイ伝15−14]
聖書の一節を引用させて頂きました」
貴子は、文化祭の時のことを思い出して、首筋まで紅く染め上げると瑞穂の腕の中に倒れ込んでしまった。

次回に続きます。
22名無しさん@ピンキー:2005/05/04(水) 16:28:38 ID:o9olfdn+
採尿を目の前でやったら、大騒ぎになってたなw
23313:2005/05/04(水) 16:32:15 ID:Au54w5m7
災難2−2を投下しました。

前スレで、いくつかれをいただきました事に感謝します。
WEBで、検査薬の形状とか詳しい使い方を検索して・・・・・
実際に買ったりして、家族に見つかると、瑞穂ちゃんじゃないけど、あらぬ誤解の元に
なりますので(^^;

次回も出来れだけ早く投下したいと思っております。

初代550氏
白いレースのだるまさんも期待させて頂きます。
24名無しさん@ピンキー:2005/05/04(水) 20:14:28 ID:K9D7CPr/
GJ! 続き頑張ってください。
25初代550:2005/05/05(木) 20:56:43 ID:BsAVwYZg
貴子復活(w 前回の投げっぱなしなアラスジ。酔っ払い女は怖い(ぉ

GWの過ごし方(5月3日後半)
ふわぁ・・・良く寝ましたわ。今は・・・っと、そろそろアルバイトに行かなくては。今日は一緒に働いてる専門学校の生徒さんがお休みなので、早めに出勤する必要がありましたわね。
愛用のハンドバッグに携帯電話を入れて、動きやすい格好に着替えて・・・
「なに逃げようとしているんですか?貴子さん」
何ですか?その捨てられそうになってる子犬のような表情は・・・萌えますわね、何気に。
「逃げるなんて、人聞きの悪い。私は私の責務を果たすだけですわ」
「あぁ〜貴子お姉さまぁ〜」
見ないようにしていた庭の一角から、由佳里さんの声が上がった、ので、ついそちらを見てしまいました。
数え切れないほどの空き缶と空き瓶、その中央に転がる花も恥らう乙女が4人、と、それを疲れ果てた顔で見守る瑞穂さん。
傍目には乙女が5人に見えなくもない。
それは、晩春の庭を照らす夕日とあいまって、非常にシュール。こんなのに素面の人間が足を踏み入れたら確実に死ねます。
「瑞穂さんだって、アルバイトがおありなのでしょう?」
逃げるのでしたら、ご一緒に・・・
「これをおいて出かけられると思いますか?」
もはや「これ」扱いの4人組、見るたびに頭の芯がズキンと痛む。逃げましょう、地の果てまで。
「だいじょーぶ、二人が帰ってくるまでに二次会の用意をしておくから」
「そうそう、ケーキとお菓子も沢山ありますよ〜」
陸上部コンビが酒瓶を握り締めたまま、けらけらと笑っている・・・やっぱり、まりや病は陸上部の風土病ですわね。
「後の事は安心して任せるのですよ」
「庭も片付けておきますわ」
すっごく安心できないんですけど。紫苑さまも足元がふらついてるし、奏さんは顔が真っ赤だし。
ところでこの量を5人だか4人だかで空けたんですか?ありえない量を飲んでませんか?皆さん。
「僕を数に入れるのは止めてください。ほとんど飲んでないんですから」
瑞穂さんは哀れなほどに憔悴しきっている。まあ・・・このテンションの女性4人を相手にするのは大変でしたでしょうね。
「んじゃぁ、バイトに出撃する二人を万歳三唱で送り出しましょう!」
(1/4)
26初代550:2005/05/05(木) 20:58:01 ID:BsAVwYZg
私ら二人は今から戦地にでも行くんですか?むしろ戦場はここですわね。紫苑さままでまりやさんと一緒に控えめな万歳をしている・・・あぁ、憧れのお姉さまが崩れて行く・・・

猛烈に嫌な予感を感じながら、私達二人はそれぞれのバイト先に向かった。帰りたくない。
見られてまずい物(ベッドの下の明るい家族計画とか、使用済みのそれの入ってるゴミ袋とか)は全て処分してきたはず。
帰りたくないのに、一刻も早く帰らないとまずいことが起こりそうな気がする。全然、バイトの仕事が手に付かない・・・
で、あっと言う間にバイトは終了。待ち合わせ場所でそわそわしている瑞穂さんと合流後、全力疾走で帰宅する。
「かっ、帰るの・・・止めませんか?」
「帰らなきゃ・・・帰るまで酒盛りしてますよ、あの4人」
しかし、たった4時間程度であの4人のお酒が抜けてるわけもなく、あのハイテンションの4人の下に素面で突入するのは無謀としかいえない。
「あっ、お帰り〜」
家に帰ると、下着姿のまりやさんが出迎えてくれた・・・他の3人も似たような格好。どっ、どこから突っ込めば良いのか・・・
「みんな・・・そんなカッコウしてたら風邪を引くよ」
瑞穂さん、突っ込みどころはそこですか?そこなんですか?時々、自分でも自分が男なのを忘れてるでしょ?!
「庭の片づけをしていたら、汗をかいてしまって・・・」
おそらくは由佳里さんの淹れたであろう紅茶にブランデーを注いで飲んでいる紫苑さま。あの・・・その場合、ブランデーと紅茶の割合が逆のような気がするんですけど。
「せめて、Tシャツとスカートくらい着てください。男性も居るんですから・・・」
「「「「えっ、どこに?」」」」
4人で合唱しないで・・・貴子ちゃん泣いちゃう。あっ、瑞穂さんが本気で泣いてる。

飲まなきゃやってられませんわね・・・
また、倒れて寝たりしないようにビールを中心にマイペースで飲み続ける。もっとも、初めて飲むのですから、ペースも何も知ったことじゃありませんけど。
何か重大な事を忘れているような気がするが、忘れてしまうような事なのですから、大した事ではないのでしょう。
「それじゃぁ、めでたく20歳になった瑞穂ちゃんにプレゼントを上げちゃおう!」
(2/4)
27初代550:2005/05/05(木) 20:59:02 ID:BsAVwYZg
高々とまりやさんが宣言する。そう言えば、このパーティの名目は一応、瑞穂さんの誕生日を祝うって事になってましたね。もはや、ただの酒盛り以外の何物でもありませんが。それと、正確に言うなら、まだ、瑞穂さんは19歳のままです。
「お菓子は私達が作りました」
「作ったのですよ〜」
6人で片付けるには多すぎるほどのお菓子、生菓子から先に食べないと、痛んでしまいそうですわね。
「凄い量だね、食べきれるかな?」
生クリームたっぷりのショートケーキに手をつける。甘さも控えめで、もう少し飾りを豪華にすれば商品として売れそう。味は下手なお菓子屋さんなど、足元にも及ばないかもしれない。
「で、これが私と紫苑さまと貴子からのプレゼント。腕時計」
なぜに、まりやさんが渡すのですか?そういえば・・・あの時、まりやさんがお会計に行って・・・刺繍のセットを選んでるのを見られて・・・そのまま、帰ったんだから、まりやさんがずっと持ってたってわけですか、あの腕時計。
悔しい・・・猛烈に悔しい。特にまりやさんがチラッとこちらを向いて、投げかけたあの勝ち誇った笑みが許せない・・・
「では、貴子さん、こちらへ・・・」
へっ?紫苑さまが私の腕をつかんで、ずるずると隣の部屋に引きずって行く・・・病弱だって言う設定はどこに消えましたか?
「ンじゃぁ、ユカリンと奏ちゃん、場を持たせててね」
「はーい」
「はいなのですよ」
飲み屋のママとお姉さん方みたいな会話は止めなさい。

「さて、はじめようか?」
「ええ、はじめましょう」
と、まりやさんが取り出したのは、あの白いレースのカーテン。忘れていたのは、大事な事じゃないからじゃなくて、思い出したくもないから忘れていただけでしたのね。
「ちょっと待ってください、3人でよく話し合いましょう」
「問答無用」
「正座してくださいね」
いや、許して・・・レースの達磨は嫌。ジタバタと暴れる私を、二人が取り押さえる。
「貴子・・・ここに集まってるみんな、瑞穂ちゃんが好きだったのよ?」
「そんな皆さんを飛び越え、瑞穂さんの胸に貴女は飛び込んでいったのです」
まりやさん・・・紫苑さま・・・しんみりとした空気がその場を支配する。
「でも、皆、瑞穂ちゃんとあんたの事、祝福してるんだから・・・」
(3/4)
28初代550:2005/05/05(木) 20:59:49 ID:BsAVwYZg
「皆さん、貴女と瑞穂さんが幸せになることを望んでいるのですから・・・」
お二人の表情が何処か寂しげで・・・私はそれ以上の抵抗が出来なくなってしまって・・・・
「「だから」」
ところで、何で、そんなに寂しげな表情なのに、やけに手際よくレースで私を包んで行くのですか?
「「恥くらいかいてこんかーーーい!!!」」
「この酔っ払い、騙しましたわね!紫苑さまに至っては、二回目ですわよっ!?」
勢い良く障子が開かれ、背後から蹴り飛ばされた私@白いレースのだるまがコロコロ〜っとパーティ会場に転がり込む。
談笑していた3人の視線が集中する・・・視線が痛い。数秒の沈黙がリビングに舞い降りる。そして・・・
「あははははははははは、芋虫!!白いレースで栗毛の芋虫!!!!」
指差して爆笑するな、ユカリン。それと、笑い方、まりやさんそっくりだから。
そっかぁ・・・あの時は座ってたからだるまに見えたけど、転がされると芋虫に見えるのですね。
「由佳里ちゃん、笑うと・・・貴子さんに・・・悪い・・・のです・・・よ」
喋れないほどに笑いを堪えてくれてありがとうございます、奏さん。
「えっと・・・あの・・・」
瑞穂さんはあわてて視線をそらしてしまった。直視すると噴出しそうなのでしょう?ええ、判ってますとも。
「ハイハイ、笑うのはいいから、その辺の物どけてね〜」
「はぁい、芋虫さんが転がりますよ〜」
紫苑さまとまりやさんに転がされ、瑞穂さんの元へと連れて行かれる。
由佳里さんと奏さんも的確に瑞穂さんへの道を作らないでください。
「はい、瑞穂ちゃん、これが私らのプレゼントだから」
「返品は不可ですわよ」
まりやさん、紫苑さま・・・
「全く・・・紫苑さんまで・・・大丈夫ですか?貴子さん」
少しだけ苦笑いをした瑞穂さんの手によって、レースの包み紙を止めるリボンが外され、少しお酒臭い彼の胸に優しく抱き寄せられる。
二人の後輩達の祝福の拍手が起きる。そして、照れくさそうに笑う悪友の笑みと、それを見守ってくれる憧れの先輩・・・
それを愛する人の胸に抱かれて見上げていたら、胸が熱くなってきて・・・熱く・・・何かがこみ上げてきて・・・
「・・・吐きそう・・・」
「うわっ、貴子さん、ちょっと、待って!」
お酒を飲んで転がされたら、当然、こうなりますわね・・・瑞穂さんの胸に大きなもんじゃ焼きの元が出来た。
29初代550:2005/05/05(木) 21:01:27 ID:BsAVwYZg
(おしまい)
↑これだけ入れれませんでした(w
いやぁ〜今回も良く苛めた
30名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 21:13:45 ID:Hg321A76
>>29
リアルタイムでみてました。

しかし、瑞穂ちゃんと貴子さん・・・おもちゃにされてますね。
GJでした。
31名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 21:17:28 ID:1ni5gF5Y
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    . /  j 从))   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ノ ノ ノ卯ノ     ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     ´θ^θソ)u(       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

          私…って
32名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 21:29:31 ID:g4xgAnJb
あの鼻血だしてぶっ倒れているヨダ絵がある時点でこの扱いは決まっていたよーなきがする。
ともかく>>29 乙でした。

……さて、ワシも貴子さんをひといぢめしてみるかのぉ。ほほほほ。
33名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 22:59:14 ID:o8dOzzup
素晴らしい、素晴らしすぎます。
何はともあれGJです。
34名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 02:32:38 ID:iBFvXbxi
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082387733/
同じ系統のすれなんでこちらもよろしくです
35名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 03:04:17 ID:mT6O2a9H
>>34は華麗にスルーしてくれ。
36名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 09:10:50 ID:/PAkihmk
>>35
黙って、スルーしておきます。
それにしても、ねたが降りてきてくれない(^^;
37名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 13:00:14 ID:gdP433mb
研修から帰ってきたら楓さんの容姿が判明していた。
…向こうで書いてきたネタ全部楓さんからんでたから総没orz
設定の齟齬が出るのもまずいし、いっそやるきばこ出るまで書かないってのが一番なのかもしれないけど。
38名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:16:00 ID:BjZjIM0b
「それじゃあまたね、奏ちゃん」
「はい〜、失礼しますのですよお姉様〜」
チン…
「…ふう」
受話器を置き、軽く溜息をつく。
「…やっぱり、今のままじゃまずいよね…」
家の電話を眺めながら、僕はそんなことを口に出していた。

〜処女(オトメ)にお姉様(ボク)は打ち明ける〜

恵泉女学院卒業から早二ヶ月。女装をすることも無くなり、今は予備校と家を往復する毎日だ。
実家に戻ってしばらくはつい女口調が出てしまって父様や楓さんに笑われたりもしたけど、今はもうすっかり元の生活に戻っている。
…いや、予備校では毎日紫苑に会っているし、勉強も去年の蓄積がある分そんなに根を詰めなくても大丈夫だから
休日には紫苑が家に来たりまりやに引っ張りまわされたりと、以前は考えられないような楽しい日々だ。
さっきも奏ちゃんと電話で一時間ほど話し、恵泉のことを色々と話してくれた。
…そのことが、今の僕の悩みの種だった。
卒業してからも奏ちゃんとはよく電話で話すし、何回か直接会っている。
だけど僕は、未だ奏ちゃんに僕が男だということを話してなかった。
この前の連休にも今度こそ話そう、と思って奏ちゃんを家に招待したはいいんだけど、
結局言い出す機会が掴めず三日間楓さん達の腹筋を痛めるという結果に終わってしまった。
「…はあ…」
自分の情けなさを痛感しつつ、僕はまた溜息をついた…。
39名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:17:25 ID:BjZjIM0b
「なるほど…最近の瑞穂さんはどこか元気が無いように見えましたが、そういう事だったのですね」
「…そういう事だったんです」
翌日の昼休み、僕は紫苑に奏ちゃんとの事について話してみた。
「確かにそろそろ奏ちゃんには真実を話したほうがいいですね…。
 先日は気付かなかったようですが、次に家に招待した時には表札で苗字も気付いてしまうかもしれません」
「そうですよね…鏑木の名で奏ちゃんを変に萎縮させるわけにもいきませんし」
最近知ったのだが、奏ちゃんのいた孤児院は鏑木グループが経営しているものだった。
恵泉での奨学金も当然鏑木から出ており、それも奏ちゃんに本当のことを言い出しにくくなった理由のひとつだった。
「でも瑞穂さん、きっと大丈夫ですわ。瑞穂さんが奏ちゃんにしてあげた事は何があっても揺がない程大きいのですし、
 奏ちゃんも事実を受け止められるだけの心を持つまでに成長していると思います」
「…そう…でしょうか…。奏ちゃんが強い子なのは知っていますけど、僕は…」
「…ふう。仕方ありませんわね、私も一緒に行きましょう」
「えっ…!?紫苑も…!?」
「私は奏ちゃんに会う前から瑞穂さんのことは知っていましたから。黙っていた、というのであれば私も同罪でしてよ?
 万が一奏ちゃんに嫌われるようなことがあれば、その罰は私も受けて然るべきです」
「でも…」
「でもは無しです」
「…わかりました、一緒に行きましょう。ありがとう…紫苑」
「ふふっ…これも内助の功、というものですわ」
最後に紫苑が凄いことを言って、その話は終わった。
…そして、その週末。
ピンポーン…
「…来たかな」
「ええ…そのようですね」
僕と紫苑は僕の部屋で待っていた。
紫苑はああ言っていたけど、やはり僕としては心配を拭いきれない。それを察してか、紫苑は昼食後ずっと寄り添っていてくれた。
「行きましょう、瑞穂さん。私達の妹を迎えに、ね」
「…うん…」
妹…か。
全てを話した後、あの子はそう呼ばせてくれるのかな…。
40名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:18:06 ID:BjZjIM0b
「いらっしゃい、奏ちゃん」
「わ、紫苑お姉様…?紫苑お姉様もいらっしゃったのですか?」
「ええ、そうよ…私が呼んで、二人で奏ちゃんを待ってたの」
「あ、お久しぶりですお姉様!本日はお招き下さって有難うございますのですよ〜」
「ふふっ…いらっしゃい。上がって、部屋に案内するわ」
「はいなのですよ〜、あ、奏お菓子とお茶の葉を持ってきましたのですよ〜」
「あら、ありがとう。奏ちゃんのお茶を飲むのも久しぶりね、楽しみだわ」
「そ、そんな〜、奏照れちゃうのですよ〜」
そんな会話をしながら僕達は部屋に入る。
前に家に来た時のように奏ちゃんは紅茶を入れてくれ、しばらくは談笑した。
「それにしてもご実家でのお姉様はとっても格好良いのですよ〜。奏、なんだかドキドキしてきちゃったのですよ」
「…う、うん…」
「そう…ですわね、本当に…」
…そんな楽しい時間が流れる中、ふと会話が途切れた。…頃合いが訪れた。
「…奏ちゃん、電話でも話したけど、今日は大切な話がある…んだ」
「…瑞穂さん」
「は…はい、そうでした。どういうお話なのでしょうか」
一度深呼吸して気を落ち着ける。それと一緒に最後の覚悟も決めた。
「心して聞いてください。奏ちゃん…私…いや、僕は…男なんです」
「・・・・・・え?」
「今まで騙していてごめんなさい。僕は…鏑木瑞穂は、男です」
「は、え、え…?お姉様、何を…?それに、え、鏑木…?」
「…奏ちゃん、信じられないでしょうけど…本当よ。これが証拠」
紫苑はそう言って奏ちゃんの手を取り、僕の胸に押し当てる。
「あ…あ……本当、なのですか…?」
「…はい。奏ちゃんには、全てをお話したいと思います」
41名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:21:23 ID:BjZjIM0b
そうして、僕は全てを…遺言や女装、鏑木の家の事や紫苑とのことも、全て話した。
「そ、そんな…お姉様はお姉様じゃなくて、しかも鏑木グループの紫苑お姉様で、厳島の御曹司とご婚約なさっていたのですか…?」
…奏ちゃんは相当混乱しているようだった。無理もない、
パニックに弱い奏ちゃんが一気にこんな事を知ってしまっては、脳の処理が追いつかないだろう。
「ごめん奏ちゃん…本当は卒業する時に言うべきだったんだけれど、僕は今まで言い出せなかった。…ごめんなさい」
「………―――――………」
…絶句した奏ちゃんと沈痛な表情の僕を見かねたのか、紫苑が口を開く。
「奏ちゃん、瑞穂さんを攻めないであげて下さい…瑞穂さんも貴女を傷付けようと思って黙っていたのではないのですから」
…しかし、奏ちゃんは俯いたまま、どこか虚ろな低い声で言った。
「…紫苑さま…紫苑さまは知っていらっしゃったのですか…?」
「…っ…。
 …はい、知っていました。鏑木の人間であることはつい最近ですが、男だというのは転入してきた日から」
「そんな………あ………」
遂に頭が追いつかなくなったのか、奏ちゃんは二、三歩よろめき、その体がぐらりと崩れ…!
42名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:22:00 ID:BjZjIM0b
「奏ちゃんっ…!!」
すぐさま走り寄り、体を抱き止める…が、
「きゃ…きゃあああああああああっ!?」
「う、うわっ!?」
…悲鳴をあげた奏ちゃんに、思い切り突き飛ばされた。
「……っ……!あ、あ………!!」
奏ちゃんは一瞬狼狽したような泣きそうなような顔をして、そのまま走り去る…!
「「奏ちゃんっ!!」」
後を追おうと走り出す…ことが、出来なかった。足が、動いてくれなかった。
体を支えることも放棄したのか、僕はその場で膝をつく。
「……奏…ちゃん……」
「………瑞穂さん………」
…嫌われることは予想してた。許されないことも覚悟していた。
でも、あそこまで拒絶されるとは…傷付けてしまうとは。
「ごめん…ごめん、奏ちゃん……やっぱり、僕は君のお姉様になんかなるべきじゃなかった………」
「瑞穂さんのせいではありませんわ…私こそ、妹を裏切ってしまいました……約束したはずですのに……奏ちゃんの、姉になると………」
それ以上何も語れず、二人とも口を閉じる。
心配した楓さんが来るまで、鉛のような沈黙が部屋を支配していた……。
43名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:22:50 ID:BjZjIM0b
「………はぁ………」
特大の溜息をつきながら、奏はとぼとぼ街を歩いていた。
「どうして……なんでしょう……」
色々な意味の篭った言葉をぽつりと吐く。
先程に比べれば大分落ち着いたが、まだ奏は混乱していた。
瑞穂が男だったこと、自分とは住む世界が違ったことといった衝撃の事実に加え、
瑞穂だけでなく姉と慕った紫苑までもが自分を騙してたことに対する怒りや疑惑、
自分の知らぬ間に二人が結ばれていたことに対する嫉妬や羨望、異性に甘えていた事への恥じらいなどの感情が渦巻いている。
しかしそれと同時に、二人の姉に対する憧れや親愛、感謝や祝福も確かに心の中に強くあるのだ。
おまけに最後に瑞穂を突き飛ばしてしまった事への罪悪感まで上乗せされて、奏の頭の中は完全にオーバーヒートしていた。
帰って寝てしまおうとも思ったのだが、もし由佳里に何か聞かれたとき答えられる自信もなく、結局こうして街を彷徨っているのだった。
「……お姉様」
いつもは勇気をくれるその言葉も、今日は効き目がなかった。
「奏は…奏はどうすればいいんでしょう……」
隣にも心の中にもその質問に答えられる者はおらず、結局また思考がループする。
「…あら?」
だから、最初はそれに気付かなかった。
44名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:23:52 ID:BjZjIM0b
「あなた…周防院さん?」
「えっ…?」
聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、顔を上げてみると見覚えのある顔があった。
「どうかしたのかしら…?何か、元気がなさそうだったけれど」
「会長さん…」
「お久しぶりですね、周防院さん。今日はお出かけかしら?」
恵泉女学院卒業生にて、先代生徒会長・厳島貴子。それが目の前の女性の名前だった。
「あっ…今日は、お姉様の家に…」
「瑞穂さんの……?」
卒業前は瑞穂と仲良くしていたことは知っているが、生徒総会のこともあって奏は未だ貴子のことが苦手だった。
現に今も怪訝そうな顔をしている。また何か嫌な事を言われるのかと身構えたが…その言葉は、予想しないものだった。
「ひょっとして…瑞穂さんの『体』についてのことかしら」
「えっ…!?」
「よろしければ私にお話してくれませんか…?何か力になれるかもしれません」
そういって貴子は奏に優しく微笑む。
その顔は、彼女の大好きな姉達の笑顔によく似ていた…。
「そう…そのような事があったのですか…」
手元の紅茶を一口飲み、貴子はつぶやいた。
あの後二人は近くの喫茶店に入り、奏は今日あったことを全て貴子に話した。
全てを打ち明けられたのは、貴子が一言も口を挟まず、しかし真剣な表情で聞いてくれたからだろう。
「会長さんは知っていらっしゃったのですか…?お姉様のことを…」
「ええ…もっとも私が知ったのは今年に入ってからで、自分で調べたのですけれど」
「そうなのですか…」
奏は再びしゅんとしてしまい、ぽつりぽつりと話し出す。
「お姉様が奏にずっと嘘をついていて…紫苑お姉様も知っていてそれを黙っていて…
 それに、奏の知らないところでお二人がご婚約なさっていたなんて……。
 お姉様達はやっぱりお情けで奏と一緒にいてくださったのでしょうか……。
 奏、何を信じたらいいのかもうわからないのですよ……」
「周防院さん…」
45名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:26:36 ID:BjZjIM0b
貴子は少し考え、気遣うように、しかしはっきりとした声で話し始めた。
「…貴女の気持ちもわかりますわ。私も瑞穂さんが男と知った時、一瞬裏切られたと思いました。
 お二人と仲の良い貴女なら、事情があったといえど納得できるものではないでしょうね…。
 でもね周防院さん…瑞穂さん達が何を思って貴女に打ち明けたのか…考えてみたかしら?」
「えっ……?」
「きっと、凄く怖かった筈ですわ。妹と呼んだ子に、一生嫌われてしまうかもしれなかったのですから。
 それでも貴女に打ち明けたのは、貴女を本当の妹として見たかったからじゃないかしら」
「奏を…本当の妹に…?」
「ええ。だって瑞穂さんは卒業した以上、女装するわけにもいかないでしょう?
 鏑木グループの次代総帥に女装癖があるなんて噂が立ったらあの方の人生に関わりますし。
 だから、貴女とこれからずっと一緒にいようとするなら真実を打ち明けるしかなかったのでしょう。
 それだけ、貴女のことを真剣に考えてくれているということではありませんか?」
「お姉様達が……奏を……」
「…ねえ周防院さん。瑞穂さん達は貴女にたくさんの大切なものをくれたのでしょう?」
「…はい。お姉様は初めて会ったときから奏を支えてくれました。甘えさせてくださいましたし、泣かせてくださいました。
 紫苑お姉様はいつも奏を抱きしめてくださいましたし、いろんな事も教えてくださいました。
 お二方とも奏のことを守ってくださいましたし、奏の家族になるといってくださいましたし、奏のリボンも……あっ」
…そのリボンの件の当事者が目の前にいたのを思い出し口を噤むが、当事者はむしろ申し訳なさそうな顔をしていた。
「あの時はごめんなさいね。…周防院さん、前から気になっていたのですが、聞いてもよろしいかしら。
 そのリボンはひょっとしてあなたにとって何か大切な思い出があるものなのではなくて?」
「…はい。このリボンは奏を育ててくれた孤児院の院長さんから貰ったたったひとつのプレゼントなのですよ。
 ですから、このリボンだけはどうしても外したくなかったのです」
「そう…だったのです、か……」
46名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:27:38 ID:BjZjIM0b
…家族になってくれた、の辺りでだいたい予想はついていたが、実際に聞くとその重さに打ちのめされた。
貴子自身家族に恵まれているとは思っていないが、それでも育ててくれたことに対し感謝の念を持つくらいの分別はある。
だがこの子は恨み言をぶつけることも、感謝し甘えることも許されなかったのだ。そんな少女の拠り所を奪おうとした自分を、貴子は恥じた。
「…ごめんなさい。知らなかったとはいえ、私は取り返しのつかない仕打ちを貴女にしてしまうところでした。
 私は最低の恥知らずです……本当に……ごめんなさい……」
「か、会長さん、頭を上げてくださいなのですよ、奏はもう気にしてないのですよ」
「…許してくださるのですか…ありがとう、周防院さん」
「…奏、会長さんがこんないい人だなんて知らなかったのですよ。奏こそ会長さんを怖がっていてごめんなさいなのですよ」
「ふふっ…私は怖がられても仕方の無いことをしていましたから。
 もし私が優しく見えるというなら、それは瑞穂さんのおかげですわ。私も、あの方から色々なことを学びましたから」
そういう貴子はどこか誇らしく、どこまでも柔らかだった。
そんな貴子を見て、奏はかつての二人のエルダーの姿を重ね合わせ…胸に暖かなものが広がるのを感じた。
「…そうなのですよね。やっぱり、お姉様は素晴らしい方なのですよね」
「ええ。それに、紫苑さまも素晴らしい方ですよ。私も、あの方のように在りたいと憧れますから」
「はい……やっぱり奏、お姉様達が大好きなのですよ。…でも」
明るくなりかけた奏の表情が、また沈んでゆく。
「…瑞穂さんを突き飛ばしてしまった件、ですか。あの方々なら怒っていないと思いますが、周防院さんが気にするのですね」
「はい…。奏のことを真剣に考えてくれたお姉様達にあんな態度を取ってしまって、奏、合わせる顔がないのですよ……」
「そうですね…かといって和解しない限り瑞穂さん達が自分を許せないでしょうし…何かきっかけがあればいいのですが」
「きっかけ…お姉様の誕生日が5月12日なのですが、この前過ぎてしまいましたし……え」
「そうですか…6月にはこれといった行事もありませんしね……あ」
47名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:29:29 ID:BjZjIM0b
「「6月…!!」」
二人の声が綺麗にハモり、表情がたちどころに明るくなる。
「そうですわ、6月といえば…!」
「奏、さっそく準備を始めるのですよ!」
「ええ、善は急げといいます。私はいいですから、早くお帰りなさい」
「はいっ!会長さん、ありがとうございました。会長さんに会わなかったら、奏、きっとどうしていいかわからなかったのですよ」
「ふふっ…力になれてよかったですわ。でもね周防院さん、私はもう生徒会長ではありませんわよ?」
「はややっ、そうでした。では、あの…これから『貴子さん』とお呼びしていいでしょうか…?」
「…ええ、いいですわ。その代わり、私も貴女のことを『奏さん』とお呼びしますね」
「はい!貴子さん、本当にありがとうございました!」
「ええ、頑張ってね、奏さん!」
笑顔の貴子に見送られ、奏は寮への道を駆けてゆく。
その顔には、いつもの強い笑顔が浮かんでいた。

「あ、奏ちゃんおかえり〜。お姉様、元気だっ「由佳里ちゃん!!力を貸してください!!あと大切なお話があるのですよ!!」
「うひゃあっ!!どどどうしたの、奏ちゃん!?」
「はいっ!!大切なお話なのですよ!!」
…弱冠テンションが高過ぎではあったが。
48名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:30:50 ID:BjZjIM0b
「……ふぅぅぅ……」
「……はぁぁぁ……」
参考書を眺めながら、僕は盛大な溜息をついた。隣で紫苑も同じように溜息をついている。
「…瑞穂さん、さっきから全然進んでいませんわ」
「…紫苑も午前中から同じページですよ」
…あれから1週間経つが、終始こんな感じだった。二人とも勉強が手につかず、溜息ばかりついている。
寮に何回か電話したのだが、奏ちゃんはおろか由佳里ちゃんも掴まらなかった。
寮母さんの話によると、最近は帰ってくるのも遅く、帰ってきたかと思えば部屋にずっと篭っているという。
「奏ちゃん…何か悪いことに手を出してなきゃいいけど…」
「奏ちゃんは賢い子ですからそれはないと思いますが…心配ですわね…」
「…やっぱり、言わなければよかったんですかね」
「…奏ちゃんとこれからも一緒にいるためにはいつかは言わなければいけなかった事です。
 間違っていたとすれば、私の見通しが甘かったことですわ…もっと上手いやり方があったはずですのに…」
そんな感じで悶々と過ごしていると、電話が鳴った。
すぐに走り寄るが、番号はまりやのものだ。少し落胆しながら受話器を取る。
「やっほー瑞穂ちゃん、久しぶりー!」
「まりや…今日はどうしたの?」
「あ、反応冷たいな〜。まぁいいや、瑞穂ちゃん今すぐあたしの家に来い!紫苑さまも呼ぶから!」
「紫苑だったら今家に来てるけど…」
「お、そりゃちょうどいいや。いい、今すぐ二人であたしの家に来ること!
 来ないと紫苑さまにあたし秘蔵の瑞穂ちゃんの過去の女装写真を送りつける!んじゃあでぃおーす!」
…言いたい事にとんでもない脅迫まで付けて一方的に切られた。ここまで無茶苦茶なのは流石に初めてだ。
「どうなさったのですか?瑞穂さん」
「いや、まりやが今すぐ僕と紫苑で家に来いって脅迫まで付けて…」
「まぁ…強引なのはいつものことですけど、そこまでするのも珍しいですわね。…でも、お呼ばれされたのなら行ってみませんか?」
「いいんですか?なに考えているかわかったものじゃないですけど…」
「構いませんよ。…それに、家に篭って落ち込んでいるよりはずっと良いでしょう」
「…そうですね。どのみち勉強も進んでいませんし、行きましょうか」
49名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:31:25 ID:BjZjIM0b
そうしてまりやの家までやって来たけど。
「なにか…留守みたいですね…」
「うん…」
まりやの家からはなんの物音も聞こえず、カーテンも締め切っていた。
呼び鈴を鳴らしてみるが、誰も出てこない。不審に思ってドアを引いてみると、鍵が開いていた。
「まりや…?ん…?」
家に入ってみると、床にテープで矢印が貼ってあった。見たところ、リビングまで続いているようだ。
怪しいことこの上ないが、まりやならやりそうなことではある。
「行ってみませんか?瑞穂さん」
「そうですね…危険は無さそうですし」
念の為僕が前を歩き、周囲に気を配りながら進んでゆく。そして、リビングに入った瞬間―――

パァン!!

「っ!?」
「瑞穂さんっ!?」
破裂音が鳴り、強い光が目を焼き、火薬の匂いがして…

「「いらっしゃーーーい!!」」

…クラッカーの紙吹雪が、僕に降りかかった。
「いやははは、瑞穂ちゃん面白すぎ〜。あんなおっかなびっくり入ってこなくても」
「まりやお姉様、笑いすぎですよぅ。あはは、ごめんなさい、瑞穂さん」
「まっ…まりや!?それに由佳里ちゃん!?」
「いやね、今日あたしん家で記念パーティーやることになったんだどさ、面白そうだったから主賓には内緒にしてたわけよ」
「秘密って…それに記念って?主賓って?いったいなんのパーティーなの?」
「私にも秘密にしていたという事は、私も関係あるということですわね…まりやさん、これはどんなパーティーなのですか?」
「にゃっはっは、それは主催者に話してもらおうかね。それじゃ主催者、挨拶をどうぞ!」
「え、主催ってまりやじゃ…って…」
「……奏ちゃん」
…リビングの奥から出てきたのは、奏ちゃんだった。
50名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:33:57 ID:BjZjIM0b
「…お姉様」
奏ちゃんがゆっくり口を開く。僕も紫苑も、体が固まったのがわかった。
「…一周年」
「「えっ…?」」
「恵泉転入一周年記念、おめでとうなのですよ〜!」
がばぁっ!
「わわっ!?」
「きゃっ!?」
奏ちゃんが僕達に思いっきり抱きついてきた。なんか懐かしい感触だなぁと思いながら、踏ん張って奏ちゃんを抱き止める。
「お姉様、お忘れになったのですか?今日は奏とお姉様がお会いしてから丁度一年経つのですよ〜」
「えっ…あっ」
「そういえば…私と会ってからも丁度一年になりますわね。それでこのパーティーを?」
「そゆこと。で、せっかくだから久々に先代寮生全員で集まろうってことになってね。
 新入生がいる寮を使うわけにもいかないから、あたしの家でやろうってことになったのよ」
「私もまりやお姉様達に久しぶりに会いたかったし、手伝いました。今日の料理は自信作ですよ〜」
「奏も頑張ってケーキを焼いたのですよ。よろしければ食べてもらいたいのですよ〜」
「奏ちゃん…でも、僕は…」
「……ごめんなさい」
「え…?」
「あの時はごめんなさい、お姉様…奏、動揺してひどいことをしちゃったのですよ…。
 奏、あの時なにがなんだかわからなくなって…それでお姉様に抱き止められた時、
 男の方に抱きしめられていると思ったら頭の中が真っ白になっちゃいまして…
 お姉様方は何も変わっていなかったのに、お姉様方にいっぱい大切なものを貰ったのも忘れて…
 奏…奏……っ!」
51名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:34:33 ID:BjZjIM0b
「「奏ちゃんっ…!!」」
皆まで言わせず、僕と紫苑は奏ちゃんを抱きしめた。
「…お姉様っ…紫苑お姉様…っ!」
「奏ちゃん…僕達を許してくれるの…?」
「許してもらうのはこっちの方なのですよ…奏、お姉様達と一緒にいたいのですよ…」
「こんな嘘吐きの姉でいいのですか…?奏ちゃん…」
「お姉様方じゃなきゃ嫌なのですよ…こんなだめな子ですけど、また、奏を妹と呼んで欲しいのですよ…」
「…うんっ…うんっ…!」
そうして、僕達はぎゅっと強く抱き合った。
みんなぽろぽろ泣いていてみっともない事なかったけど、奏ちゃんを傷付けずに済んだこと、失わずに済んだこと…それが今はただ、嬉しかった…。

「…まったく。相変わらず世話が焼けるんだから」
「えぐえぐ…奏ちゃん達、仲直りできて良かったでず…ずびむ」
「「「…あ」」」
…しまった、まりや達がいるのを忘れてた…泣き顔を晒してしまったことに三人とも赤面するが、察してか違う話をしてくれた。
「…由佳里には奏ちゃんが話したよ。私も証言した」
「はい、私も最初は信じられませんでしたよ。でも奏ちゃんがあまりに真剣に話すし、まりやお姉様も真面目に話してましたから。
 …そんな姿を見たら信じないわけにはいきませんよ。正直、かなりショックでしたけど」
「…ごめん、由佳里ちゃん。僕は君の事まで…」
「あああいえ、瑞穂さんのことを怒ってるわけじゃないんです!瑞穂さんが素晴らしい方なのは私もよく知ってますから!
 そうじゃなくて、エルダーになられた程の方が男の方だっていうのが…私、今度こそ本当に自信無くしそうですよ…」
「………うぅっ………」
「あら…瑞穂さんが崩れ落ちていますわ」
「ホントだ。久々に見ましたね、紫苑さま」
52名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:36:18 ID:BjZjIM0b
持ちなおした後、奏ちゃんは少し残念そうな顔をして言った。
「…本当は今日はもう一人、貴子さんをお呼びしたかったのですよ」
「貴子さんを?それに、その呼び方…」
「はい…あの後、奏は偶然貴子さんに会って、相談に乗ってもらったのですよ。呼び方もその時に変えさせて頂きました。
 あの時貴子さんに会わなかったら、きっとどうしていいかわからなくなっていたのですよ。」
「まぁ…貴子さんが…」
…そうか。あの人はまた、僕達を助けてくれたのか。
「お礼も兼ねてお呼びしたかったのですが、連絡が取れなくて。厳島の家でも門前払いでしたし…」
「そうだったのか…。それじゃ、次会ったときには僕達からもお礼をしなきゃね」
「…ええ。私も、一度ちゃんとお礼を言わなければいけませんね。私の、恩人に」
「奏もですよ。それに、もっとお話もしたいのですよ。奏、貴子さんと仲良くなりたいのです」
「うん。それじゃ、いつか三人で会いに行こう」
「はいっ。…お姉様、これからもよろしくお願いしますのですよ…あ、もうお姉様と呼ぶのも変ですね…。
 でしたら、その、あの……」
「なんだい…?奏ちゃん」
「ええと…その、これからは『お兄様』とお呼びしていいでしょうか…?」
「…勿論、大歓迎だよ。奏ちゃんは、僕達の妹なんだからね」
「…はいっ!ありがとうございますのですよ、お兄様!」
53名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 14:37:04 ID:BjZjIM0b
「……さて、それじゃそろそろ始めようか。みんなー、グラスを手にとって!」
「はーい!それじゃ、何に乾杯しましょうか?」
「それはもちろん、お兄様との出会いにですよ!」
「それがいいですわね…それと、私達の未来にも乾杯してはどうですか?」
「お、それはいいですわね紫苑さま!それじゃ瑞穂ちゃん、乾杯の音頭は任せたよ!」
「えっ、僕が?」
「瑞穂ちゃん、あんた以外に誰がとるってのよ。あ、でもせっかくだから二つ目は紫苑さまにとってもらおうか」
「あら…私がやってしまってもよろしいのですか?」
「それがいいのですよ〜!それじゃお兄様方、お願いしますのですよ!」
「う、うん。それじゃ、みんなとの出会いと……」
「私達の未来に……」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」

そうして、楽しいパーティーは幕を開ける。
きっと、これからもこんな騒がしく楽しい日々が待っているんだろう。
生涯の伴侶と、大事な妹と、頼れる親友と、かわいい後輩と、今はまだここにいない新しい友人と。
出会いに感謝を、未来に祝福を思い―――
僕は、グラスを高々と持ち上げた。
5438-53:2005/05/06(金) 14:40:26 ID:BjZjIM0b
SS初書き。
拙作な上至らない所も多々あると思いますが、楽しんでやってもらえれば幸いです。
ていうか、暴走する妄想を文字にしたらすんげぇ長くなっちまいました…悔いはないけど。
55名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 15:51:57 ID:x/okrhRu
ばかじゃねぇの
56名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 15:57:17 ID:IkNpFw8T
>>54
乙。
卒業しちゃっているし恵泉転入一周年ってのは無理があるけど、
面白かったです。

変なのがわいてるが、気にせず頑張れ。
57313:2005/05/06(金) 16:42:36 ID:/PAkihmk
>>54
おつかれ

転入一周年というより、出会って一周年の方がよかったかも?

でも、おもしろかったです。
58名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 23:12:21 ID:GFZ2iNSL
>>54
大変良かったです。これからも頑張って下さい。
59名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 03:33:31 ID:gUNygiFW
乙です。

(´-`).。oO(6月のイベントと言われて真っ先に思いついたのはまりやの誕生日だったり・・・)
60名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 03:40:54 ID:o6bec+Ow
>>35
>>36
低脳の分際でよ…
あんまないがしろにされるとよ
闘志が沸いてくるんだわ…荒らしちまうぞコラ?
調子にのるんじゃねぇ!
61名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 09:45:42 ID:NKza84Zv
下手な釣りでつね。
62名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 09:51:30 ID:W4782AZS
>>59
本編にまりやシナリオであると期待していたのが、マラソン大会。
なんか青春ドラマがあるに違いない、と思っていたら、あっさりスルー。
誰かまりやスキーの人に・・・。
63名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 11:17:38 ID:ol2HL9Hw
マラソン大会ネタのSSならあったよ。
まりやじゃなくて瑞穂ちゃん主役だったけど。
あの瑞穂ちゃんが1位じゃなくて3位だった理由は・・・っての。
64名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 15:04:54 ID:gUNygiFW
>>62
そこは自分で書いてみたらどうだね?
他人任せじゃ自分の望んだような展開になるわけでもないだろうし。
ここでSS初体験のヒトも多いようだし、やってみたらどうかね?
65名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 16:14:31 ID:/tRyauuQ
ここはSS職人の育つスレですね
66名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 16:21:37 ID:Ua97ye+J
というか、初めから見てるとSS初めての人ばかりだよ
そう言ってるだけかも知れないけど
67名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 20:25:11 ID:KgoJLTRH
自称SS処女ウゼー
そういってりゃどんなに糞でも叩かれないと思ってるんだろうねぇ…
そんな免罪符はばればれだっての
68名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 20:32:23 ID:LotsM/oz
>>66さん メール欄のsageが大文字なんだけど…
69名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 21:32:22 ID:KeED3kc+
というか、今書いてる人全員SS処女名乗ってね?
701-301:2005/05/07(土) 22:36:32 ID:ag0i3cnJ
んにゃ、そんな事は無いと思いますが。
713-180:2005/05/08(日) 00:54:00 ID:8VlfrpFA
 2ちゃんにSS書いたのはこのスレが初めてだけど、他ではいくつか書いてるよ。
某品をネタに瑞穂さんに**の制服を着せようと思ったけど、瑞穂さんて6月転入だった。
時期が合わないorz 別ネタ考えてきます……
72名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 00:59:22 ID:9ELheCSb
>>71
2chは匿名なんで圧倒的に悪意のある人間のほうが多いから
叩かれなれてないなら気をつけてくれ
いちいちショックを受けてたら身が持たんぞ?
まあせいぜいがんばってくれ……けひひひひひひ!!!!!
73名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 01:19:04 ID:qCqtvzuO
なんか、変なの湧いてきたな
74名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 01:29:06 ID:9ELheCSb
>>73
だからレスつけたりして相手にすんなよ…
あらしには放置が一番
夢夢忘れるな……けひひひひひひひひ!!!!!
75名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 01:33:51 ID:6+qnzWjV
私が斬るっ! エルダーの名にかけて
___  ____________/
      ∨
      _,.'⌒
   '´ ,   ヽ
   i イノノ))))
   | リ゚ ヮ゚ノl!
.  ノ ノ^ yヽ))
  (((ヽノ==lメノ   
    /  l |   
"""~""""""~"""~"""~"
76名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 01:37:25 ID:kzv/HkC/
ナニをかけるだなんておねえさまったらオゲレツw
77名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 09:38:18 ID:6+qnzWjV
---------------------------------   。 >76 -
     _______-----〈,.'⌒--- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         ン
           '´ `´ ヽ        / / |  \   イ
             | #   )))       /   /  |    \  /
  I I I I  .   c|     ト、    /    / .  |      /|
 (ニニ===と|   ノiノ        /    |     / |
  I I I I      ノノ从从_>        /  .   |.│ /|
         (_/し'         .  /     ─┼─ |
                     /  ┼┐─┼─
               .  .      / .  ││
78名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 10:41:19 ID:ZvxXEh8g
斬ってねえw
79名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 10:58:20 ID:ewcAsJzL
とりあえずお姉さまのために流行の最先端な刃物置いときますね

   ___
つ=|l,、,、,、,、l}
80名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 11:23:58 ID:6+qnzWjV
ジリジリ……

 .     _,.'⌒
   '´ ,   ヽ           
   i イノノ))))                 >>79
   | リ ー ノl!つ=|l,、,、,、,、l}        アワワワワ……
  ノ ノ^ yヽ)             (∀゙iii,)
  ( (ヽノ==lメノ             ,(  )、
   /  l |               <<
"""~""""""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"
81名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 11:36:31 ID:6+qnzWjV
ジリジリ……
 .     _,.'⌒
   '´ ,   ヽ     
   i イノノ))))          >>79
   | リ ー ノl!      チカヅイテキタヨ……
  ノ ノ^ yつ=|l,、,、,、,、l}  (∀゙iii!!!,
  ( (ヽノ==lメノ          ,(  )、
   /  l |           <<
"""~""""""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"
                        サラバダッ!!
     >79        .      _,.'⌒
    (∀゙iii,) , ; '    '   ´ ,   ヽ   
 "  :★★*:          i イノノ))))   
━━★';**' *━━━━    | リ゜ーノl!   
   <<     ===   ノ ノ^ yつ=|l,、,、,|}
       =====  ( (ヽノ==lメノ     
                  /  l |     
"""~""""""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"""~"
82名無しさん@ピンキー:2005/05/08(日) 23:38:59 ID:lowRmTqm
木曜日に向けての充電期間かな。
83お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/09(月) 00:45:37 ID:tUuoxn5z
「お父さま、お母さま」
「どうしたの、紫穂」
紫穂が小学校に上がり早1年と少し。
食事を済ませようとした頃、瑞穂と紫苑に紫穂が話しかける。
「あの…、兄弟がほしいです」

おねだり

1
「どうして、急にそんなこと言うの?」
唐突なお願いに瑞穂は理由を問いただす。
「一緒のクラスのお友達に妹がいて一緒に通ってるのを見たら…
ちょっとうらやましくなってしまって」
「妹だとは限らないよ」
「弟だっていいです。その…お姉ちゃんとかお姉さまって呼ばれたいです」
「あら、紫穂。お姉さまになったらもう楓さんや僕たちに甘えらませんよ」
紫苑のちょっと意地悪な質問に紫穂はたじろいでしまう。
「いいじゃないですか。こんどは弟か妹があまえたらいいんですから」
紫穂は訳のわからない返答して周りを爆笑させてしまう。
「…うぅ…」
「まぁまぁ、いじけないでね、紫穂。でも欲しいって言っても今すぐというわけには…」
「だからお父さま、お母さま。その…がんばって下さい」
「「え?」」
紫穂の言葉に瑞穂と紫苑は驚きの声を上げる。
「がんばれって何の事言ってるの?」
「あの、まりやお姉さまに兄弟がほしいってそうだんしたら
『お父さまとお母さまにがんばってっておうえんしたらいいよ』って
おしえてくださいました。」
「はぁ…」
紫穂の込み入ったことを理解してない様子に瑞穂と紫苑は
胸をなでおろした。
84お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/09(月) 00:46:41 ID:tUuoxn5z
2
「兄弟ですか」
「頑張れって言われても…」
夜、二人は寝室のベッドに座っていた。
「あら、瑞穂さん。今、頑張ればよろしいじゃないですか」
紫苑は横から瑞穂の体に手を回す。
「紫苑はおねだりですか」
「はい、男の子もおねだりしちゃいます」
「紫苑は男の子が欲しいんですか」
「ええ。でも…男らしい子になるでしょうか?」
「どうしたんですか」
「だって瑞穂さんの子ですよ。女の子の格好に憧れたりとか、
女装して紫穂と同じ女子校に入ると言い出すとか。ちょっと心配です」
「あの…」
「冗談ですよ。いじけないで下さいな」
「もう」
「きゃっ」
瑞穂は紫苑をベッドに押し倒す。
「じゃあ、今夜は『頑張ります』よ」
「ええ、お願いします」
85お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/09(月) 00:48:30 ID:tUuoxn5z
3
次の日の日曜日。
「瑞穂ちゃんに紫苑さま。遊びに来たよ」
「あらまりやさん」
「もう、まりや。紫穂に変なこと吹き込まないで」
「ん…。何?」
「だから兄弟が欲しいときには頑張れって」
「あぁ、あれ」
「そうだよ」
「じゃあ、コウノトリが子供を運んできてくれるって今の
幼稚園児でも信じそうにないこと言えばいいの?」
「いやそうじゃないけど。まだ紫穂には早いよ」
「で、『ゆうべはおたのしみでしたね』ってことで」
「余計なお世話だよ」
「まりやお姉さま。こんにちわ」
「あらいつもかわいい紫穂ちゃん。こんにちわ」
「まりやお姉さま、ちょっと…苦しいですぅ…」
まりやは挨拶に来た紫穂を抱き寄せて頬ずりをしている。
「あ、あの…まぁ、玄関にいたままでも何だから上がって」
「じゃあ瑞穂ちゃん。お邪魔します」
「あのね、まりやお姉さま」
「なぁに?」
「あのですね」
「うん」
「昨日の夜、お父さまとお母さま…がんばってました」
「「「えっ!」」」

続かない
86名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 01:27:52 ID:ExV9O3o2
GJ!
紫穂ちゃん見てたのか…。
87名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 12:12:38 ID:rQTu3aha
前スレのアンケート見ると、1番じゃないけどまりやは好き、と言う人は多いみたいだから、やばくなったらいれる、と言う人もいるんじゃないか?
88名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 12:14:54 ID:rQTu3aha
超誤爆すまん・・・(泣)
89初代550:2005/05/09(月) 15:04:26 ID:dAR5qbWm
貴子視点 「第一次誕生日の悲劇」って事は、「第二次」「第三次」もあるんだろうか?

GWの過ごし方(5月4日国民の休日)
AM1:05   T女史もんじゃ制作(←前回のオチ)
AM1:15   M氏、シャワーを浴びて出てくる。M氏の湯上り姿に萌え狂う酔っ払い4人、嫉妬に暴走するT女史、自棄酒を始める。
AM1:30   鏑木家のアルコールほぼ売り切れる。唯一合法的に酒を購入できるS女史、コンビニ補給基地への物資補給へ。M氏同行。T女史、やっぱり嫉妬に狂って自棄酒。それを煽るM女史。
AM1:49   補給部隊帰還。その補給量は前日に消費された量とほぼ同じであったという。三次会突入
AM2:06   Y女史とK女史、アカペラでデュエット。アカペラカラオケ大会開始。
AM2:55まで アカペラによる合唱が続く。M氏、周辺民家のへ被害拡大を憂う。
AM3:00前後 K家のトイレ、すっぱい香が充満し始める。M女史爆睡。
AM3:08   T女史発案による「M女史の顔に落書きしちゃおう」オペレーション発動。
AM3:14   同オペレーションにS女史参戦
AM3:39   同オペレーションにY女史、K女史参戦、オペレーションの作戦範囲、両手両足にまで広がる。M氏、リビング隅で現実逃避。
AM4:23   M女史起床。しかし、自らの体に刻まれた忌まわしい戦渦に気づく事はない。
AM4:25   その戦渦を見たM氏、思わず爆笑。M女史、自らの戦禍に気づく。
AM4:26   M女史暴走。Y女史、K女史両名、その一撃でダウン。
AM4:31   M女史VST女史の一騎打ち、S女史、それを観戦。M氏、やっぱりリビングの隅で現実逃避
AM4:49   永遠に続くかと思われたM女史VST女史の一騎打ち、しかし、両者、アルコールが回りすぎてダウン。S女史、ちょっと不満げ。M氏、夢の世界に逃避。
AM5:00   最後まで生存を続けたS女史、戸締りを確認後、K女史を抱き枕に就寝。
なお、この一連の動乱は後に「第一次誕生日の悲劇」と呼ばれる事になる。
(なお、当人のプライバシー保護の為、名前は伏せさせていただく)

頭が痛い、とんでもなく痛い・・・いわゆる、二日酔いという奴ですわね、これは・・・。
リビングに3人の眠り姫(一人は男性ですが)が眠り腐海の森が出来上がっている。
(1/7)
90初代550:2005/05/09(月) 15:05:14 ID:dAR5qbWm
二日酔いに痛む頭を動かすと、キッチンで紫苑さまが朝食の準備をしていらっしゃる・・・って、今何時ですか?1時・・・PM。朝食ではなく、昼食ですわね。
「おはようございます、貴子さん」
「おはようございます・・・紫苑さま・・・」
普段どおりの美しい立ち振る舞いで、手際よく食事を作って行く。一番飲んでたはずなのに・・・ありえない。ちなみに私は一歩歩くたびに頭の中で鐘がなってるような感じになってしまう。
「あぁ、申し訳ありません、お一人で用意させてしまって・・・」
正直、包丁を持って普通に料理できる自信は全くありませんが・・・指、切り飛ばしてしまいそう。
「いえいえ、皆さん、気持ちよさそうに寝てましたから」
あぁ、お玉を持って微笑む紫苑さま・・・可愛い・・・
「どうかしましたか?」
「いえ、何でもありません」
・・・お玉を口元に持って行って首をひねるなんて事を、素でやって許されるのは世界で貴女だけです。
「起きたのでしたら、ほかの方も起こして下さいますか?」
ほかの方・・・あれ、腐海の森の眠り姫(一人男性ですって)は3人しかいなかったような・・・
「まりやさんでしたら、シャワーを浴びてますよ」
「誰かさん達に体中落書きされたからね」
噂をすれば影とばかりに、ブラとショーツというあられもない姿で、ガシガシとバスタオルで頭を拭きながら、キッチンに入ってくる。
「それは大変でしたわね」
シレッとした顔で答える私。顔と両手足だけですわよ・・・それでもちょっとやり過ぎましたわね。
「だぁれのせいだ!」
あっ・・・怒鳴り声が頭に響く・・・思わず頭を抱えてしゃがみこんでしまったら、正面でまりやさんも頭を抱えてしゃがみこんでる。
「大声を出すのは止めてください」
「そ・・・そうね、お互いの為ね」
ぐわぁんぐわぁんと鐘のなる頭を抱えて、腐海の森に足を踏み入れる。誰が片付けるんですか?これ。そこに、いっしょにまりやさんも来て・・・
「待ちなさい!服を着なさい!服を!!」
・・・また、頭を抱え込んでしゃがむ二人。
「大声は反則だって」
「ごめんなさい・・・」
(2/7)
91初代550:2005/05/09(月) 15:06:08 ID:dAR5qbWm
3人を出来るだけ静かに起こして、キッチンに集合。普段は二人だけの食卓に6人並ぶと壮観ですわね。しかし、紫苑さまを除いた5人の箸は進まない。全員二日酔いで死んでるから。
「あら、お口にあいませんか?」
紫苑さまは極々普通に食べている。
十分に美味しいです。ですが・・・
「流石に・・・頭が痛くて・・・」
何倍も水だけをお代わりし続ける瑞穂さんが、申し訳なさそうにそう言う。水を何杯も飲んでいるのは他の4人も一緒。
「それはいわゆる・・・二日酔いという物ですか?」
紫苑さまはお箸を唇に当て、興味深げにこちらを見つめる。
「私、いくら飲んでも二日酔いという物にはなったことがありませんの」
そう言って熱い番茶で喉を潤すと、軽く一息ついて・・・
「昨夜の1.5倍くらいまででしたら大丈夫ですわよ」
「「「「「どういう体してるんですか!?」」」」」
全員がそう叫んで、全員が頭を抱えた。痛い、頭が割れそう。

さて・・・これ、どうしましょうかね?
何とか朝食を取り終え、腐海の入り口にたたずむ。その先には荒涼と広がる十二畳の、過去にはリビングとも呼ばれていた、腐海が広がっている。
「さてと・・・片付けますか・・・」
「がんばれぇ〜」
他人事のように言うまりやさんの頭を一発はたく。まりやさんは二日酔いの頭を前後に揺らされ悶絶している。
「今日中に片付けないと、私と瑞穂さんの二人で片付ける事になるでしょう!」
あっ、ちょっと大声出してしまいましたわね、頭の中で自分の声が反響してますわ。
「すごい事になってますね・・・」
「6人でやればすぐに終わるのですよ」
「私は先に食事の後片付けをしますわね」
瑞穂さんが数枚のゴミ袋を用意して、祭の後片付けが始まった。
「この辺の分別はどうなってるのですか?」
「そんなの適当にぶち込んどけばばれやしないわよ」
まりやさんが、奏さんの質問に適当に答え、本当に缶も紙もビニール袋も一緒のゴミ袋に捨てようとしている。
そのまりやさんの頭を後ろからはたき倒そうとした手が空を切る。そして、まりやさんの右手が私の額にカウンターに入る。いっ、痛い、二日酔いの頭を前後に揺らさないで。
(3/7)
92初代550:2005/05/09(月) 15:06:53 ID:dAR5qbWm
「空き缶と空き瓶、それとペットボトルは一緒で。ビニールの包み紙とかは資源ごみ、それと可燃ごみは判るよね。埋め立てゴミはないと思うから・・・っと、可燃ごみだけは区役所指定のゴミ袋に入れてくださいね。聞いてる?まりや」
「はいはい、面倒だわね」
頭を抱え込んでる恋人の横で、冷静に解説しないで下さい、瑞穂さん。
同じ手は二度は通用しませんわね・・・と思いながら、空き缶をゴミ袋に放り込んで行く。しかし、いくら捨てても捨ててもゴミが減ったような気がしない。
ところで・・・
「まりやさん、由佳里さん、押入れはあける必要ないと思いますけど?」
片付けもしないで何をやってるんですか?
「ほら・・・見つかったじゃないですか、お姉さま・・・」
「あはは、ちょーっと、鏑木夫妻の秘密を暴こうかと・・・」
お尻を突き出して、押入れの中に頭を入れている二人をたったままで見下ろす。なんかもう、その格好が情けなさ過ぎて、怒るというより呆れてしまいますわね、これは。
「そんな所に秘密も何もありません」
寝室ならともかく・・・と言うのはトップシークレット。口走らないように気をつけないと。
「でも、面白い物はあったわよ。これ」
四つんばいになったままズルズルと中から、本のような物の詰まった小さな段ボール箱を引っ張り出してきた。
その様子に瑞穂さんや奏さんも集まってきて、興味深げにまりやさんがそれを開くのを見守った。掃除が中断してまう・・・
「どうしたのですか?」
食事の片づけを終わらせた紫苑さままでがそこにやってくれば、掃除はなし崩し的に中断。終わらないじゃないですか。
「じゃーん、アルバムでした♪」
ダンボール箱の中にはずいぶんと古そうなアルバムが10冊ほど入っている。でも、古い割には埃が積もってませんわね。定期的に誰かがあけてたみたい。
「あぁ、それ、母様のアルバムだよ。帰ってくるたびに父が見てますから」
気持ちは判らなくもないですが・・・帰ってくるたびは多すぎ。
まりやさんがアルバムの一冊を開く。どうやら、高校生当時の写真のようです。すなわち恵泉時代と言うことですわね。
「制服は変わってないみたいですね。あら、瑞穂さんそっくり」
(4/7)
93初代550:2005/05/09(月) 15:07:34 ID:dAR5qbWm
身につけていたエプロンを外した紫苑さまがそう言う。本当に親子と言うよりは、ほとんど姉妹と言っていいほどにそっくりの顔、そっくりのいでたち。
「2-3枚瑞穂ちゃんの写真を混ぜてもばれないわね、こりゃ」
「そっ、そんな事ある訳ないじゃない・・・まりや」
『そんな事あると思う』
全員がそう思った。
「そんな事ないのですよ。バックに映ってる校舎が新しいのですよ」
奏さんのフォローになってないフォロー。と言うか・・・とどめですわね、今のは。
「フォローありがとう・・・奏ちゃん」
奈落の底まで突き落とされた瑞穂さんを尻目に、アルバム鑑賞は進んで行く。
入学式、体育祭、文化祭、修学旅行、学園生活折々のイベントでの写真が収められている。
「しかし、本当に校舎が新しいですね」
「寮もずいぶんと新しいですね。うらやましい・・・」
紫苑さまの言葉に、寮住まいで寮が古いのは切実な問題の由佳里さんが答える。数回しかお邪魔してませんが、実際、ずいぶんと古い建物でしたわね。床などはずいぶんときしんでましたし。
「先日、ついに由佳里ちゃんが階段を踏み抜いたのですよ」
「わっ!奏ちゃん、それは寮の外には漏らさない約束だったのに!」
由佳里さんは奏さんの口を押さえようとしたが、時すでに遅く、秘密はあっさりと暴露されてしまった。
「踊り場の所でしょう?誰かが踏み抜くと思ってたのよねぇ・・・」
「僕もあそこは通る時に気をつけてたんですよ」
寮生活を経験した先輩二人がそう続ける。
「私だって、気をつけていたんですよぉ・・・でも、寝過ごしちゃって・・・」
早朝練習を寝過ごし、あわてていた時に踏み抜いてしまったらしい。想像すると・・・笑ってしまいますわ。
ちなみに、そのときは早朝練習どころか、授業までも遅刻してしまったそうだ。急がば回れ、ですわね。
(5/7)
94初代550:2005/05/09(月) 15:08:12 ID:dAR5qbWm
「あぁぁぁぁ、一子ちゃんだ!」
まりやさんの声で、写真を覗き込んで見れると、それには、一子さんは明るい色のワンピースを着て、瑞穂さんのお母様の隣でピースサインをしている。それより、まだ、二日酔いが続いてるんですから、あまり大声は出さないで下さい。
「生きてる一子ちゃんですね」
瑞穂さんも横から覗き込んでくる。ちょっと狭いですわ。
「わぁ、浮かんでない一子さんを見るのはちょっと感動なのですよ」
「本当、私服だし」
なんと言うか・・・微妙に友達がいのない発言ですわね、由佳里さんと奏さん。
「ここから先の写真、どれにも一子さんが映ってますわね・・・」
私はぺらぺらとアルバムをめくりながら、そうつぶやいた。
「なんだか、子犬と飼い主みたいですね」
そのつぶやきに紫苑さまが返事をして、さらにページをめくって行くと、それまで頻繁に登場していた一子さんがぱったりとしなくなってしまった。
「もしかして・・・このあたりで死んじゃったの・・・かな」
私服姿の瑞穂さんのお母様と一子さんが初夏の寮の前で、仲良く並んで写ってる最後の写真。それをまりやさんが指差した。
ある写真を境に急にその人の居ない写真ばかりになる。人が死ぬと言うのはこういうことなのかもしれない。
気のせいなのかもしれませんが、一子さんの居なくなった後の写真に写る瑞穂さんのお母様の表情は笑ってはいても、その笑みは何処か暗いように見えた。
「さてと・・・それじゃ、そろそろ帰るわ」
アルバムを見ているうちに時間は夕方近くなってきていた。まりやさんがそう言うと他の3人もテーブルから立ち上がった。
「それじゃ、玄関まで送りますよ」
私も瑞穂さんも立ち上がり、玄関まで帰る4人を送っていった。二人だけには慣れているはずの大きなお屋敷、でも、今日は普段以上に寂しく感じる。
「今度は瑞穂さんの子供の頃のアルバムが見てみたいですわ」
「そんなに面白い物じゃありませんよ」
その寂しさを紛らわせるように話をしながら、リビングに戻ると・・・

規模を半分にした  腐  海  がまだ残っていた・・・

にっ・・・逃げましたわね・・・
(ありゃ・・・6で終わっちゃった。おしまいです)
95名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 18:09:02 ID:NyM/s3uD
GJ!
一子ちゃんとこでしんみりしました。
96名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 20:06:58 ID:ExV9O3o2
降誕祭ダンスパーティーの前日、やってこよう…。
97名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 20:17:31 ID:8mW4+IAV
>94
GJ。個人的にはこんなイメージ。

紫苑:蟒。頬だけが仄かに色づいて妖艶さ三倍。
まりや:スーパーハイテンション。飲ませるわ剥くわと暴れ放題。
貴子:まりやに振り回された挙句潰される。
由佳里:絡み酒→泣き上戸。
奏:下戸→まりやに飲まされすぐ潰れる。
瑞穂:まりやの暴走を止めようとして酔い損ね、結局そのまま世話係。
98313:2005/05/10(火) 01:36:36 ID:GuzwDENe
瑞穂ちゃんの災難 2−3

  夜。寮の食堂に降りてきた瑞穂は、テレビをぼんやりと見ながら
(はあーーー。生徒会となれ合いの臨時総会開催‥‥‥‥‥まあ、貴子さんなりの誠意の示し方なんだ
ろうけどね。学院のマイナスイメージは払拭しないと今後に関わるし、教師側からの締め付けというの
も、ここの雰囲気に合わないから防ぐ必要はあるな。まあ、しかたがないエルダーの仕事と割り切るか)
「おや、ウエルテル殿はお悩みの様子ですね」
「あいにくと、悩んでいる暇など持ち合わせておりませんの。誰かさんのおかげで‥‥‥‥‥ありがた
いことに」
テレビを見たまま、声を掛けてきた人物に皮肉混じりで答える
「瑞穂ちゃん。『誰かさん』って‥‥‥‥‥紫苑さま?」
 瑞穂は、無言のまま台所に入ると包丁の一本を手にして、爪先で切れ味を確かめ、食堂の椅子に座っ
ているまりやのところに戻り、包丁を突きつけ
「まりや、面白いことをいうんだね?本当に騒ぎ大好きの友人を持つと悩む暇がなくて、助かるよね?
そうは思わない?」
きれいな笑顔で瑞穂が包丁を動かすと、照明を反射した光がまりやの目にいやでも飛び込んでくる。
突きつけられた包丁を見ながら
(あーーーー。瑞穂ちゃん。まじできれてる?受験勉強のストレスが溜まってるところに、この騒ぎ、
瑞穂ちゃんが落ち着くまで下手なことを言うのは控えようっと)
「あーーーー。瑞穂ちゃん。ハーブティー飲まない?少しは、感情が穏やかに‥‥‥‥‥」
「では、今の私は、感情が穏やかではないと?」
包丁を突きつけたまま、感情を削ぎ落としたような声で話す瑞穂に
「違う。十分穏やかだと思うけど、もっと穏やかになってもらいたいなっと思って‥‥‥‥‥頭を休め
た方が、受験勉強で疲れてるだろうし」
「私の感情を高ぶらさせてるのは、誰なんでしょうね?御門まりやさん」
(あちゃ、墓穴掘りまくり)
「瑞穂ちゃん。言いたいことはゆっくり聞くから、まずは包丁から手を放してくれると、私の精神状態
も安定するんだけど?」
額に汗をいくつも浮かべ引きつった笑顔で説得にあたるまりや
「ふうーーーん。私の精神状態より、自分の事を優先するんだね」
(違うって、どういえばわかって貰えるのかな。あーーーんもう)
99313:2005/05/10(火) 01:37:23 ID:GuzwDENe
「まりや。全面的に協力してくれるのなら、包丁から手を放してもいいけど?」
瑞穂の提案に、追いつめられていたまりやは、目に涙を浮かべながら
「わかった。もうこうなったら、買い物でもなんでも協力しますって‥‥‥‥‥信用できないなら、瑞
穂ちゃんの生徒手帳の余白にも書くから」
まりやがそこまで言うと、瑞穂はテーブルに包丁を置いて
「じゃあ、ハーブティーを飲みながら、ゆっくりお話をしましょうか?」
目の笑っていない笑顔で瑞穂は、まりやに話しかけた。
 
 翌日。瑞穂は、窓から外を眺めながら
("訓告"の通知書が生徒会の掲示板に貼られるな。異議申し立ては誰に頼むか‥‥‥‥‥‥影響力を考え
れば紫苑さんに代表になってもらって、まりやと後一人‥‥‥‥‥)
「‥‥ほさん」
(残りの一人は、美智子さんに頼むかな?受付嬢の力を借りられれば、事は容易に進められるだろうか
ら)
「瑞穂さん」
呼ばれる声で振り返ると
「先ほどから、お呼びしていますのに」
拗ねた表情を作っている紫苑に、笑みを作って
「少し、考え事をしていましたので、紫苑さんの事を無視していたわけではありませんからね」
「きっと、わるだくみ」
割り込んできた圭の方に体の向きをかえると、隣に美智子がいるのを見て
「今日のお昼。美智子さんをお借りしてもよろしい?帰りまでにはお返しいたしますから」
「レンタルOK」
「レンタルされてしまうのですか?私は」
いつもと変わらない笑顔で、驚いたような声を出す美智子に
「圭さんの許可もいただきましたし、お昼休みおつき合いしてくださいね。先日の件で」
「あ、ああ。はいわかりました」
圭との交渉をすませると
「紫苑さん。今日お昼ご一緒にいかがですか?少し、御願いしたいことがありまして‥‥‥」
「瑞穂さんの御願いですか?また、楽しい事が起こりそうですわね」
にこにこ顔の紫苑の言葉に被せるように「後は、お昼休みに」と、瑞穂は言って話を打ち切った。
100313:2005/05/10(火) 01:38:31 ID:GuzwDENe
 
 遮るものが屋上は冷たい風が吹き抜け、座るようなところもないため訪れる生徒もほとんどいない。
他人に聞かれたくない話をするには都合のいい場所でもある。
昼食後。紫苑は瑞穂と一緒に屋上に出てくると、瑞穂の胸に後ろから手を回し、自分の体を密着させて
風を防いでいる。少し遅れてきたまりやがそれを目撃して
「紫苑さま。誤解を招くような行動は慎んでください」
「あら、風が強いので風よけになって頂いているだけですわ」
まりやの抗議を受け流して、瑞穂の腰に手を移動させると前で両手を組み直す紫苑。そんな二人の様
子を見ながら
(やっぱり、女の子同士の妖しい関係に見えてしまうのよね)
そっとため息を吐く。少し遅れて美智子が現れると、瑞穂は腰に回された手を外しながら紫苑からも少
し離れ
「紫苑さんのお茶目は無かったことにして、時間もあまり有りませんので、さっそく本題に入りたいと
思いますが?少し、紫苑さんは少しお熱があるみたいですし」
瑞穂の言葉に、まりやと美智子は紫苑の体調を気遣い
「そうですね。あまり遅くなりますと有効な手段が取りにくくなりますし、用件を済ませることにしま
しょう」
まりやに比べれば情報を掴んでいる美智子が、瑞穂に話の続きを促すと
「昨日の放課後。貴子さんとの話し合いをしまして、今後の方針を摺り合わせてきました。教師側から
必要以上の介入を招くのを防ぐために、生徒会会則・付則第三項にありました1月に臨時総会を開催す
ることが可能の一文を利用します。まず生徒会側の処分。これがなければ行動を起こせませんから、早
ければ今日の昼休みにでも張り出されるはずです。それに対しての異議申し立て書の提出。その後は、
賛同者を募るのと平行して処分撤回の署名簿を生徒会に提出。それを受けて生徒会側が臨時総会を開催
決定」
瑞穂が今後の流れを説明する。美智子が「すっかり、シナリオはできてますのね」と呟くのを聞いて
「私のうわさ‥‥‥‥‥《妊娠疑惑》ってことになってますから対強硬派教師へのカードを1,2枚は
持っていませんと教師との交渉になったときに主導権を握れませんからね」
101313:2005/05/10(火) 01:40:23 ID:GuzwDENe
瑞穂の言葉に同意するように美智子は
「まあ、戦略もなしに交渉しても無意味ですし、貴子さんに渡したカードというのは、もしかして隣り
の街まで買いに行かれたものですか?親しい下級生の子がドラックストアから出てくるのを見たと、登
校途中に話してくれましたから‥‥‥もちろん、口止めはしておきましたが」
(どうやって、口止めをしたのかは、聞かない方がいいような気がする)
美智子の話を肯定するように瑞穂はうなづき。まりやは、レジに出したときのことを思い出したのか、
耳まで真っ赤して
「本当に、恥ずかしかったんだから、妊娠検査薬買うの。レジのおばさんには『ったく。近頃の若い子
はっ‥て』顔をされるし‥‥‥‥‥」
それまで話を聞いていた紫苑が、まりやの話を遮るように
「それで、私たち‥‥‥‥‥なのですか?」
「ええ。昨日の夜。人選を考えていましたが影響力や情報面などを考えますと、紫苑さんと美智子さん
は外せませんので、まりやとは、昨夜《ゆっくり》話し合いましたら、《快く》協力を申し出てくれま
したので、手伝って頂くことにしました」
(瑞穂ちゃんの鬼。包丁を突きつけておいて、話し合いもないわよ)
まりやは、乾いた笑みを浮かべて
「ま、まあ、私も残り少ない日々、平穏な寮生活を過ごしたいからね」
瑞穂は、まりやを一瞥すると
「人の平穏な学院生活を《ことごとく》破壊しておいて、自分だけ平穏な生活というのは、どうかと思
いますけど?まあ、生活費の一括請求と思ってください。これでも割引はしたのですよ」
瑞穂の後ろからは、紫苑の押し殺した笑い声、目の前の美智子は困ったような表情を作って
「瑞穂さん。時間もありませんから、続きを御願いします」
「わかりました。異議申し立ての代表者は、紫苑さんに御願いしたいと思います。元エルダーとしての
影響力は無視できませんから、賛同者は美智子さんとまりやになって頂きます」
紫苑は、瑞穂の腰の前で両手を組み合わせて体を密着させると
「まあ、また騒ぎが楽しめますのね。喜んでお引き受けいたしますわ」
(紫苑さん、騒ぎを楽しまないでください)
瑞穂は、気を取り直すと
「美智子さんは、新しいうわさをさりげなく流してくださいね。話の内容は、貴子さんと十分摺り合わ
せた上で」
102313:2005/05/10(火) 01:41:08 ID:GuzwDENe
「瑞穂さんの処分が公表されてからですわね?」
「ええ、出来れば、頭の固い教師が強硬に処分しようとしている感じで御願いします」
「はい。では、そのように話を作っておきます」
美智子もにこにこしながら
「喜んで協力させて頂きますわね。教師叩きも出来そうですし」
笑顔を浮かべてさりげなく恐いことを言う。
(聞かなかったことにしよう)
「まりやは、異議申し立ての後、質問に来る子に処分撤回の署名活動への協力の御願いと、買い物」
瑞穂は腰の前で組まれた手を丁寧に外して、体の向きをかえると
「紫苑さん。臨時総会で私の名誉回復のためという名目に、機材が使えるように申し入れていただけま
せんか?」
「はい。瑞穂さんとお知り合いになりましてから、本当に騒がしくも楽しい日々ですわね」
(紫苑さん。その笑顔はあくまの笑顔ですって)
 同じ頃。生徒会室横の掲示板に貼られた1枚の通達。
「『訓告。 宮小路瑞穂。右の生徒は‥‥‥‥‥‥』」
あっちからも、
「『不名誉な風聞の対象となり職員会議の議題に載ったと聞き及ぶ』」
こっちからも
「『エルダーシスターとしての名誉を汚すことのないよう‥‥』」
時間を追って読む声が増えてくる。
「『‥‥‥‥‥‥生徒会長の権限に於いて指導するものとする』」
文章の終わりに近づにつれて、読む声が小さくなっていく
「『恵泉女学院生徒会会長・厳島貴子』」
読み終えた後。足早にその場を離れていくのは、一人、二人ではなかった。

次回に続きます。
103313:2005/05/10(火) 01:44:31 ID:GuzwDENe
災難の2−3です。

生徒会とのなれ合いの臨時総会へ向けて、動き始めました。
このつぎも、なるべくはやく投下したいと思います。
104名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 01:52:32 ID:TgvDBjYB
乙彼さまです。

総会でどんな展開が待っているか、楽しみです。

・・・が、ひとつだけ気になったことが。
どうも、瑞穂のまりやに対する態度に違和感を感じるんですよね。
こうやって半ばあたりちらすような行動を取るというのが、どうも・・・
105名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 19:22:53 ID:CQ4bOnyl
アニメが売りのの某ゲームをやったばかりだから
包丁とかが出てくると…
106名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 20:22:45 ID:nRNzlDTr
瑞穂さんキャラ変わっちゃってるのもあるけど
正直包丁は、やりすぎだと思うのですよ
107名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 20:41:37 ID:8S4cXryL
流行だか何だか知らないけど、よそのネタ持ってくるのも大概にしろ
キャラにあってねえのを無理にねじ込むなよな
108名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 20:42:18 ID:WX+F9hSj
鋸の方が良かったと?
109名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 20:53:15 ID:LhO88bwu
ちょっと時期がわるかったかもね。
騒ぎたいだけのひとがいるかもしれないし。

          くねくね  _ '⌒
              , ´/二`ヾ⌒
           (ヽ,ヘ.i ,ノ从从)ゝ ))
       ((  ⊂i__ 〈ヒ∩゙∀∩ゝ ああ、いや〜ん おねえさまぁ?

てな感じで、まったりまったりっと。
110名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 02:34:53 ID:CLKNtd0G
明日は瑞穂お姉さまの誕生日なのですよ〜
111名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 12:55:18 ID:qDo7Be4u
>>109
カワイイ
112名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 21:09:55 ID:IhieAI45
明日はorz祭なのですよ〜

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
113名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 23:56:37 ID:eOTJnXdN
紫苑さまの時は9作。さて、今回はいかに
114初代スレの45:2005/05/12(木) 00:00:26 ID:IQ/Umh+P
瑞穂ちゃん、お誕生日おめでとうございます。

というわけで記念SS。
相変わらずまりやエピローグ後です。

まりやの服装から、帰国が6〜7月と仮定しました。
すなわち留学から7年後のお話です。
115初代スレの45:2005/05/12(木) 00:01:15 ID:IQ/Umh+P
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.1

「瑞穂ちゃん、お誕生日おめでと〜!」
「おめでとうございます、瑞穂さん。」
「おめでとうございますなのですよ〜。」
「瑞穂お姉さま、おめでとうございます。」
「瑞穂さん、おめでとうございます。」

「ありがとうございます、みんな。」


―――5月12日。僕の25歳の誕生日。

今日の誕生パーティーは、僕にとって特別で、今までで一番楽しいものになると思う。
・・・何故なら・・・7年ぶりにまりやが居るから。

まりやが留学している間の僕の誕生パーティーは、ぽっかりと大きな穴が開いたような、感じだった。
誕生会毎に、まりやが僕にとってどれだけ大切な存在であるかということを再認し、罪の重さを思い知らされた。

・・・元々は家族+αだけの小さなパーティーだったけれど、
紫苑さんや貴子さん、奏ちゃんに由佳里ちゃんと、年々メンバーは増えて、賑やかにはなった。
・・・でも、その黒い穴が埋まることはなくて・・・。
116初代スレの45:2005/05/12(木) 00:01:58 ID:IQ/Umh+P
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.2

―――だから、今年の誕生会はとても嬉しい。今から始まるところだけれど、なんだかとても幸せな気分でいっぱいだ。

「おめでとうございます、瑞穂さま。」
「おめでとう、瑞穂。ふむ、お前も四捨五入すると三十路か・・・。」

どよ〜〜〜〜〜〜ん・・・

急激に空気が暗くなった。

「ど、どうしたね?」
「ぼ、僕、み、三十路・・・うぅ・・・。」
「三十路・・・そうですわね、私ももう四捨五入で三十路なのですわね・・・」
「あたしは後一ヶ月か・・・」
「私は、あと半年ですわ・・・」
「わ、私たちはまだ大丈夫よね、奏ちゃんっ!」
「そっ、そうなのですよ〜。奏たちはまだまだ若いのですよ〜。」
「甘いわよ〜、ふたりとも・・・。2年なんてあっという間なんだから・・・」
「「まりやお姉さまぁ〜・・・」」

「む・・・。なんだ、この沈んだ空気は・・・?」
「慶行さま、女性に年齢の話は禁句ですわ。」

・・・父様、いきなりテンションを下げてくださってありがとうございます・・・
・・・ついでに楓さん、僕も女性の枠の中なんですか、そうなんですか・・・
117初代スレの45:2005/05/12(木) 00:02:57 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.3

・・・
・・・
「ん、コホン。それでは気を取り直しまして。かんぱ〜いっ!」
「「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」」

グラスがぶつかる音が響く。心の中の嬉しさも相まってか、とてもいい音色に聞こえる。

「ごくごく・・・ぷはあ〜。五臓六腑に染み渡るわねぇ〜。」
「まりや、そのおじさんくさい言い回しやめなよ・・・」
「ふふ。でもおいしいですわね。・・・あら、貴子さんは飲まれないのですか?」
「え・・・ええ。私はお酒に弱いものですから、もう少ししてからにしますわ。」
「由佳里ちゃん、いいのみっぷりなのですよ〜。」
「そういう奏ちゃんももう空じゃない。ほら、もっと飲んで飲んで〜。」
「・・・うむ。やはり皆で飲むというのはいいものだな・・・。しかもこう綺麗どころが集まっているわけだしな。」
「慶行さま、お注ぎいたしますわ。」

・・・ちょっと、賑やかすぎかも。

「瑞穂お姉さま、早速ですけど、私からのお誕生日プレゼントを受け取ってください!」
「ホントにいきなりだね、由佳里ちゃん。何だろう?」
「私からのプレゼントは、コレです!」

といって、由佳里ちゃんは手を広げてテーブルの上の蓋がしてある器を示す。つまり・・・
118初代スレの45:2005/05/12(木) 00:04:14 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.4

「なるほど、今日の料理は由佳里ちゃんが作ったのね。」
「そうなんです!私が一番自信を持ってプレゼントできるのって、やっぱり料理ですから。
 でも、ちょっと楓さんに悪いことをしてしまったかもしれないです。」
「ふふっ。今年は私のお仕事、由佳里さまに半分取られてしまいました。」
「楓さんの料理も美味しいけれど、かのご高名な料理研究家ゆかりん様の料理を食べられるなんて光栄ですなぁ。」
「その云い方はどうかと思いますが・・・。ですが確かに由佳里さんの料理は楽しみですわね。」
「ま、まりやお姉さま・・・貴子お姉さままで・・・」
「由佳里ちゃんはとっても料理が上手なのですよ。奏、あこがれてしまうのですよ〜。」
「ふふ。ホントに楽しみね。それじゃ、由佳里ちゃんのプレゼント、冷めないうちに頂きましょう。」
「瑞穂お姉さま、どうぞ召し上がってくださいっ!」

僕に一番近いお皿の蓋を開けた。

「これは・・・イタリアンハンバーグかな?ふふっ、由佳里ちゃんらしいね?」
「はいっ。自信作ですっ!」
119初代スレの45:2005/05/12(木) 00:05:19 ID:IQ/Umh+P
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.5

「瑞穂お姉さま、こっちは和風ハンバーグなのですよ〜。きのこがたっぷりで美味しそうなのですよ〜。」
「ありがとう、奏ちゃん!」

「こっちは普通のハンバーグ・・・ね・・・。」
「ふふふ、まりやお姉さま。ただのハンバーグじゃないですよ?中身は秘密ですけど。」

「これは揚げ物、ですわね。中身はなんですか?」
「それはハンバーグカツです、紫苑お姉さま。一度ハンバーグとして焼いてから、カラっと揚げました!」

「・・・これは何かしら・・・?」
「それは、キーマカレーの逆の、カレー風味ハンバーグです!」

・・・
・・・

「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」

「・・・あれ、みんなどうして黙っちゃうんですか・・・?」
「ねぇ、楓さん。」
「なんでしょう、まりやさま?」
「・・・楓さんが半分作ってくれて助かったわ。」

テーブルの上には料理がたくさん並んでいる。その内、半分が・・・きっとハンバーグでできていた・・・
120初代スレの45:2005/05/12(木) 00:06:09 ID:IQ/Umh+P
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.6


「・・・で、でも、これだけいっぱいハンバーグの種類があるなんて驚きなのですよ〜・・・?」
「そ、そうですわね。さすがは料理研究家ですわ?」
「お、おいしそうだね。さ、さあ、冷めないうちにいただきましょう?」

「・・・なんでみなさん疑問系でしゃべるんですか・・・?っていうかなんで私と目を合わせてくれないんですかっ!?」

「由佳里。はっきりいうけど、こんなハンバーグずくしで喜ぶのは由佳里だけよ・・・。」
「え・・・っ!?な、なんでですかっ!?ハンバーグですよっ!?
 こんなにいろんな種類のハンバーグ食べられるなんて、ゴクラクジョウドじゃないですかっ!!」

(((((((・・・・・・)))))))

「どうしてみんなでそんな憐れんだ視線を向けてくるんですかぁ〜〜〜〜!!」


・・・
・・・
「うぃ〜・・・なんですかなんですか・・・っ・・・ひっく。ふんだ。いいですよいいですよ〜だ。ぐびぐび。
 みなさんはハンバーグより海藻のほうがいいっていうんですか・・・っ!?てめぇらの血は何色だ〜・・・ひっく・・・。」

由佳里ちゃんが部屋の隅っこでやさぐれている。両手にワインの瓶を持って。
・・・ねぇ、由佳里ちゃん。まりやじゃないんだからワインをラッパ飲みするのは女の子としてどうなのかな・・・?

「・・・失礼ね、瑞穂ちゃん。あたしだってそんなコトしないわよ。」

・・・まりや、人の心を読むのやめて・・・
121初代スレの45:2005/05/12(木) 00:06:59 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.7

まぁ、せっかく頑張って作ってくれた僕へのプレゼントなんだから、ね。

「それじゃ、いただきます。」
目の前の、イタリアンハンバーグの一片を口に運んだ。

「・・・」
「ど、どうしたのですか、お姉さま。急に黙ってしまって・・・」
「びっくり。ハンバーグの固さも、チーズとソースとお肉のバランスも絶妙で・・・すごくおいしい。こんなハンバーグ食べたの初めて。」
「へぇ。瑞穂ちゃんがそこまで絶賛するなんてねぇ。どれどれ・・・。ん・・・!ほんとだ。」

みんなも一斉に由佳里ちゃん作のハンバーグを口に運んだ。そして賞賛の嵐。

「由佳里が料理研究家だっていうの、ホントだったのねぇ。びっくりだわ、ホントに。」
「こんなに上品なハンバーグを食べたのは初めてですわ。」
「本当ですわね。好きこそ物の上手なれ、とはよく云ったものですわね。」
「うむ。これは店に出してもおかしくはないな。上岡さんにひとつレストランでも任せてみるのも面白そうだ。」
「ふふっ・・・ハンバーグに関しては負けましたわ、由佳里さま。今度作り方教えていただこうかしら。」
「ほら、由佳里ちゃん。みんな由佳里ちゃんのハンバーグとても美味しいって。そんなところでいつまでも拗ねてないで、ね?」
「ひっく・・・う・・・ええ・・・瑞穂お姉さまぁ・・・。」

由佳里ちゃんは僕に抱きついてきた。
「あっ、と・・・こらこら・・・」
「やっぱりお姉さまは優しいです・・・」
「・・・僕がオトコだっていうこと、由佳里ちゃん忘れてるでしょ・・・。はぁ・・・。でもね、由佳里ちゃん。」
「はい?なんですか、ひっく。お姉さま・・・?」

「「「「「「「少しは限度というものを考えなさい」」」」」」」

「うぅ・・・ぐびぐび。いいですよ、いいですよ〜・・・ひっく。」
あ、またやさぐれた・・・
122初代スレの45:2005/05/12(木) 00:08:06 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.8

・・・
・・・
食事も終わりが近づき・・・
「さて、フライングが一名出ましたけど、瑞穂ちゃんへのプレゼントタイム〜!!」

ワインの空瓶を抱きかかえながら寝ている由佳里ちゃんを尻目に、みんなが歓声をあげた。・・・いいのかな・・・?

「では、私と奏ちゃんからは、これをプレゼントいたしますわ。」

そういって、紫苑さんは僕に封筒を渡した。
「・・・これは・・・?空けてよろしいですか?」
「ええ、是非。」
「・・・えーと・・・。『鏑木孤児院演劇部貸切券』・・・?」
「はいなのですよ〜。当孤児院の一番の出資者な社長さんに日頃の感謝を込めて、みんなで少しでも恩返ししたいのですよ〜。」
「そ、そんな恩返しなんて・・・気にしないでいいのに・・・」
「ふふふ、みんな本当に瑞穂さんには感謝しているのですよ。それに、孤児院では瑞穂さんは大人気ですのよ?」
「え・・・?そうなんですか?」
「ええ。『綺麗で格好いいお姉さま』としてみなさんに慕われているのですから。」
「お・・・お姉さま・・・。確か女装して孤児院に訪れたことは無い気がするのですけれど・・・。」
「うふふふふ・・・?」
「し、紫苑さ〜ん・・・」

  _, - ,ヘ
  TL |_ ) ←紫苑         _,.'⌒ 
   `レ>〈            '´  `ヽ  
  ⊂イノ)           /  j ))ソ  ←瑞穂
    ゝ、ノニ7        / / / /ノ
    _〉{          ノノノノj{_)
      ̄      . __,,,... --´θ^θン)u    -- ...,,,__
123初代スレの45:2005/05/12(木) 00:08:50 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.9

「みなさんにも是非見てほしいのですよ〜」
「いいの、奏ちゃん?」
「もちろんなのですよ〜。まりやお姉さまにも、会長さんにも、総裁さんにもお世話になってますから、是非見てくださいなのですよ〜。」
「ふむ。総裁さん、か。そういう呼び方をされたのははじめてだな。」
「は、はややっ。奏、失礼なことをいってしまったのですよ〜。」
「いやいや、別に気にする必要はないぞ。そう呼んでくれてかまわんよ?それで、劇の内容はどういったものなのかね?
 ああ、秘密なら云う必要はないのだがね。」
「え〜とですね。とある高校に転校してきていきなりミスキャンパスに選ばれてしまった女の子のお話なのですよ〜。」
「ほうほう。」
「そしてその女の子の周りで起きる事件を通してたくさんの生徒にいい影響を与えていくという心温まるお話なのですよ。」
「・・・ね、ねぇ、奏ちゃん・・・それって・・・」
「そうなのです。実は瑞穂お姉さまがモチーフなのですよ〜。
 子供たちは男の子も多いので、女子校という舞台にはできなかったのですけど・・・。」
「そ、そうなんだ・・・」
「お姉さまは奏の支えになってくれたのですよ・・・。もしお姉さまがいらっしゃらなかったら、今の奏はいないのですよ・・・。
 だから、感謝の気持ちを込めて、こういう題材にしたのですよ・・・。」
「奏ちゃん・・・。」
「私も、瑞穂さんにはとてもお世話になりましたわ。留年した私が、楽しい学園生活を送れたのも、
 今こうして平穏な生活を送れるのも、こうして・・・」

ぎゅむっ。

「はややっ・・・」
「奏ちゃんをぎゅっとできるのも、瑞穂さんのおかげですわ・・・。私も、劇では微力ながらお手伝いをいたしますわ。」
「紫苑さん・・・。」
「お姉さま、見ていただけますか・・・?」
「・・・ええ、もちろん。楽しみにしてるからね、奏ちゃん。」
「はいなのですっ!」
124初代スレの45:2005/05/12(木) 00:09:51 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.10

「う〜ん。なんだかいい話だけど、ちょっとしんみりしちゃったわね。」
「ふふ。いいではないですか。これも瑞穂さんの人徳ですわね。・・・私も瑞穂さんに影響を受けたひとりですし。」
「ていうかここに居る全員が瑞穂ちゃんに影響を受けた人間でしょ。」
「そうですわね・・・。・・・瑞穂さんはホントにすごい方ですわね・・・。」
「・・・うん。ホント、瑞穂ちゃんて・・・あたしの自慢の彼氏だよ・・・。」

「で、奏ちゃん。ひとつ聞きたいんだけど、いいかな?」
「なんですか、お姉さま?」
「舞台が共学の学校なのに、なんで僕役が女の子、なのかな?」
「えっとぉ・・・。お姉さま、ご質問の意図がよくわからないのですよ〜。」
「・・・ねぇ、奏ちゃん。僕の性別はなに?」

奏ちゃんは額に指を当てて考え込む・・・。っていうか考え込まなきゃ出てこないの?
「・・・はやや!?奏、勘違いしてたのですよ〜。」
「か、奏ちゃん・・・思い出してくれた?」
「はいなのです。でも、お姉さまには性別なんて関係ないのですよ。お姉さまはお姉さまなのですよ〜。」
「・・・え゛・・・?」
「ふふ・・・。瑞穂さんはいつまでも奏ちゃんの理想のお姉さまですものね?」
「そのとおりなのです!もちろん紫苑お姉さまも尊敬していますけど、奏は妹としていつまでも姉を追い続けていきますのですよ。」
「あらあら。私、少し妬けてしまいますわね?」
「・・・いつまでもお姉さま・・・うぅ・・・orz」
「にははっ。可愛い妹にここまで言われるなんて、瑞穂ちゃんてば幸せ者だねぇ?」
「あ、ちなみにですね。劇では主役の女の子の恋人で、デザイナーを目指す男の子が出てくるのですよ〜。」
「・・・え・・・。男の、子・・・?な、な、なんでよっ!」
「瑞穂さんが女の子ですからね。まりやさんが男の子でないと、教育上よろしくありませんわ?」
「し、紫苑さま・・・だからって・・・」
「それに、どちらかといえばまりやお姉さまのほうがオトコの方らしいのですよ〜。」

_| ̄|○  ○| ̄|_
125初代スレの45:2005/05/12(木) 00:11:00 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.11

「あら?おふたりが落ち込んでしまいましたわね。」
「はやや?奏、何かいけないことを云ってしまったですか〜?!」
「・・・まぁ、まりやさんと女装させた瑞穂さんを並ばせて、どちらが男性ですかとアンケートとった場合、恐らくは・・・」
「まて、貴子。それ以上云わなくていい・・・」
「奏さまに悪気がない分、ダメージが大きいのでしょうね。」
「・・・うーむ。確かに瑞穂の場合は、男として格好いいというより女として格好いいという印象だからな。本当に幸穂そっくりだ。」
「僕って・・・僕って・・・うぅ・・・」

・・・
・・・
「・・・さて・・・。次は誰が渡すよ・・・?」
あきらかにテンションが下がったまりやと、今日の主役であるはずの僕。そしてお構いなしのみんなに、熟睡中の由佳里ちゃん。

「それでは私が・・・どうぞ、瑞穂さん。気に入って頂けたら幸いですわ。」
貴子さんは細長い、綺麗にラッピングされた箱を差し出してきた。
「これは・・・開けてよろしいですか?」
「ええ、どうぞ。」

入っていたのは、銀製のネックレスだった。
「瑞穂さんは自分のネックレスをお持ちでないようでしたので・・・。よさそうなものを選んだつもりなのですが、いかがですか?」
「へぇ〜。結構いいデザインじゃない。あたしの元で修行しただけのことはあるわね、我が弟子よ。」
「誰が弟子ですか、誰がっ!?・・・まぁ確かに見る目はついたのは間違いないですが・・・。」
「本当に綺麗なデザインですね。でも、貴子さん・・・。」
「なんでしょう、瑞穂さん。」
「これ、女性向けですよね・・・?」
「あ・・・。ええと・・・。・・・今日は夜空が綺麗ですわね・・・。」
「どうして目を背けるんですか・・・」
「・・・ごめんなさい、瑞穂さん・・・。」
「一体なんで謝るんですかっ!?」
126初代スレの45:2005/05/12(木) 00:12:04 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.12

さらにズタボロにされた、まいはーと。あはは、僕って男だよね?ね?・・・だんだん自信がなくなってきた・・・うぅ・・・

「さて。では次は俺と楓からのプレゼントだ。」
「・・・な、なんですか・・・?」
「何故そう怯えてるんだ?せっかくロマネ・コンティを用意したのに。」
「え・・・ろ、ロマネ・コンティって・・・あの?」
「そうだ、あのロマネ・コンティだ。」
「あの、ろまね・こんてぃって、なんですか・・・?」
「・・・超高級ワインですわ・・・。最低でも50万円はすると言われる・・・」
「1990年の稀少品です。慶行さまに金は気にしないでいいからうまいワインを用意してくれと言われましたので。」
「・・・まさか本当に気にしないとは思わなかったがな。領収書見たら2本で250万とかだったぞ。」

「「「「「に、にひゃくごじゅうまんっ?!」」」」」

「と、父様・・・質素倹約は何処にいったんですか・・・?」
「まあ、たまにはいいじゃないか。久々に誕生日を待ち望んでいたようだったからな、瑞穂は。
 俺もそんな瑞穂を見て、嬉しかったからな。たまには奮発させろ。」
「父様・・・。」

と、父様は耳元に近づいてきて、

(まりやちゃんのことなんだろ?・・・お前たちを見ていると、昔の俺を幸穂を思い出すよ・・・。若いのはいいことだな。)
(と、父様・・・判ってたんですか・・・?)
(ふむ・・・。ま、よかったじゃぁないか、純粋に誕生日を喜べる日が戻ってきて。それに、まりやちゃんが居るのは俺も嬉しいしな。)
(父様、ありがとうございます・・・。)

「さて、みんなで飲もうじゃないか。遠慮はいらんぞ・・・というほどの量はないがな。楓、用意を。」
127初代スレの45:2005/05/12(木) 00:12:55 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.13

「あの、慶行さま・・・。」
「む、どうした楓?」
「そこにおいておいたロマネ・コンティが無いのですが・・・」
「何・・・?」

・・・
・・・

・・・はっ!ま・・・まさか・・・っ!

僕は由佳里ちゃんのほうを振り向いた。


          _ '⌒
        , ´/二`ヾ⌒
      ,ヘノ ,ノ从从)ゝ  <ぐぅぐぅ・・・
    (にi__ 〈ヒつ 〜从つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ねぇ、まりや・・・。」
「・・・わかったわ。」

まりや は ゆかり を しらべた。

ろまね・こんてぃのあきびん を てにいれた!
ろまね・こんてぃのあきびん を てにいれた!

まりや は ろまね・こんてぃのあきびん を つかった!
しかし なにもおこらなかった!
128初代スレの45:2005/05/12(木) 00:13:39 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.14

「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」

・・・静寂って、耳が痛いんだ・・・
それに、空気が冷たい。とても冷たい。・・・北極とか南極よりもきっと、冷たい。

「ぐぅぐぅ・・・すぴ〜。」
「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」

そしてその静寂の中に響く寝息。



    くねくね  _ '⌒
        , ´/二`ヾ⌒
     (ヽ,ヘ.i ,ノ从从)ゝ ))
((  ⊂i__ 〈ヒ∩゙∀∩ゝ ああ、いや〜ん おねえさまぁ〜♪


・・・ねぇ、由佳里ちゃん。いまどんなユメを見てるのかな・・・?もしかするとずっとユメのなかにいたほうがいいのかもしれないね・・・
ていうかおねえさまってどっちの?

「・・・ふむ。彼女は確か重工のほうの社員だったかな。」
「あの、父様・・・。由佳里ちゃんも悪気があったわけじゃないですから・・・」
「わかっておる。・・・瑞穂、後で今月の給与明細、楽しみに、と云っておいてくれ。」
「・・・」

可哀想な由佳里ちゃん・・・
129初代スレの45:2005/05/12(木) 00:14:23 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.15

・・・
・・・
「んじゃ、トリはあたしからのプレゼントだね。ちょっと待っててね。」

といって、まりやは隣の部屋に行ってしまった。

「まりやさんのプレゼントって、なんでしょうね?」
「そうですわね・・・まりやさんのことですから、何か洋服なのでしょうね。・・・ドレスとか?」
「・・・デフォルトがドレスなんですか・・・」
「奏は、きっと体にリボンを巻きつけて・・・とかだと思うのですよ〜。」
「奏ちゃん、私の誕生日の時は、奏ちゃんがそうしてくださいね?ちゃんとお持ち帰りしますから。」
「し、紫苑お姉さま、なんだか眼が怖いのですよ〜・・・」

「お待たせ〜!」

戻ってきたまりやが持っていたのは、スーツ(男物だよ?)だった。

「わあ、凄く格好いいのですよ〜。」
「ほんとうですわね。色使いも模様使いも、とても素敵ですわ。」
「・・・まりやさん、貴女はデザインに関してはほんとうに凄い人間ですわね。」
「に関しては、っていうのにはちょっと引っかかるけど・・・。ねぇ、瑞穂ちゃん、どう?」
「・・・着てみて、いいかな?」
「にははっ。気に入ってくれたみたいだね。もちろんっ!隣に小物とか中に着るのとか置いてあるから、自由に使ってね。」
「ん、ありがと。準備万全だね。」

僕はそのスーツを受け取って、隣の部屋に向かった。
130初代スレの45:2005/05/12(木) 00:15:15 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.16

「ふーむ。確かに素晴らしいな。男の服までデザインできるとはな。天才とはまさにこのことだな。」
「え、そんな、誉めすぎです、お義父様。瑞穂ちゃんのためだから出来るんですよ〜。」
「くくく・・・。瑞穂は幸せ者だな。」
「でも、驚きですわね。まりやさんが男物もデザインできるなんて。」
「ん〜。男物は瑞穂ちゃん用に何着かデザインしたことがあるくらいなんだけどね。
 瑞穂ちゃん用以外の男物はデザインできるかわかんないなぁ。・・・あ、出てきた。」

「ど、どうかな・・・?」
「瑞穂ちゃん、カッコいい・・・!惚れ直しちゃうよ。にははっ、あたしがデザインした服着てくれてるから嬉しさも倍増だね。」
「あ、はは。ありがとう、まりや。」
「格好いいのですよ・・・」
「ほんとう、服と瑞穂さんが一心同体になっているようで、素敵ですわ・・・。」
「そうですわね・・・。服のデザインだけでもよかったのに、瑞穂さんが着るとさらに素晴らしいものになりますわね・・・
 もちろん瑞穂さんの美しさも負けずと引き立っていますわ。」
「素敵です、瑞穂さま。」
「あ、ありがとうございます、みんな・・・」

「「「「本当に男装もお似合いです。宝塚の俳優のようです。」」」」
「・・・幸穂の男装・・・これはこれでいいなぁ・・・」

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「だ、男装・・・僕、男なんです、男なんですってば・・・っ!お、男なんです、よね・・・?!うぅ・・・」
131初代スレの45:2005/05/12(木) 00:15:58 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.17

・・・
・・・
パーティーが終わって・・・夜の黒色も随分と深くなって・・・僕たちは部屋に戻ってきた。

「瑞穂ちゃん、お疲れさま。にははっ、賑やかで楽しかったね?」
「うん、楽しくはあったけど・・・。」
「ん?どったの?」
「ねぇ、まりや・・・僕、オトコだよね・・・?」
「にははっ。今日は瑞穂ちゃんのオトコとしてのプライド、ずたぼろにされちゃったね?」
「うぅ・・・」
「大丈夫だよ、瑞穂ちゃん。あたしにとっては瑞穂ちゃんは立派なオトコのコなんだから。」
「まりや・・・ありがと。」
「う〜ん。当たり前のこと云ってるのに、お礼云われるのって、どうなんだろうね・・・?」

「さて。瑞穂ちゃん。もうひとつプレゼントがあるんだけど。」
「え、何?」

すると、まりやはイキナリ服を脱ぎだした。
132初代スレの45:2005/05/12(木) 00:16:41 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.18

「え・・・っ、ちょっとまりや、なにを・・・」
「あはは。身も心も、あたしはとっくの昔に瑞穂ちゃんだけのものだから、プレゼントっていうのはヘンかもしれないけど、王道だよね?」

そこには、下着の代わりに器用にリボンを巻きつけたまりやが居た。

「いやぁ、まさか奏ちゃんに当てられちゃうとは思わなかったけど・・・。きゃっ」

僕は、まりやを強く抱きしめた。

「まりや・・・本当に、ありがとう。」
「え、瑞穂ちゃん・・・?」
「帰ってきてくれて・・・、僕のものになってくれて、ありがとう、まりや・・・。僕にとっては、一番のプレゼントだよ・・・。」
「み、瑞穂ちゃん・・・。にはは、あたしも改めてお礼いわなくちゃね。
 待っていてくれて・・・、あたしのものになってくれて、ありがとう、瑞穂ちゃん・・・。」
「まりや・・・」
「瑞穂ちゃん・・・」

自然に、ふたりの顔が近づいて・・・口付けをした・・・。そして、お互いに強く抱きしめあった・・・。

・・・
・・・
まりやをベッドに寝かせて・・・

「ん・・・瑞穂ちゃん・・・。今日は、瑞穂ちゃんのスキにして、いいから・・・ね?」
「ふふ、いつもスキにしてるけど・・・?」
「う、う〜ん、まあそうなんだけど・・・。」
「それじゃ、リボン取るよ・・・?」
「うん・・・」

僕はまりやのリボンに手をかけて・・・
133初代スレの45:2005/05/12(木) 00:17:24 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.19

ガタンッ
(きゃあっ)

「「!!!」」

扉の外から大きな音と、声が聞こえてきた。

「瑞穂ちゃんっ!」
「うん、わかってる。」

まりやに毛布を渡して、僕は扉に向かい、おもいっきり開けた。

「あ・・・。こ、こんばんは、瑞穂お姉さま・・・」
「・・・きゅぅ〜・・・」

「・・・」

そこには、気絶している貴子さんと、その貴子さんに覆いかぶさられて身動きが取れなくなっている由佳里ちゃんの姿が。
廊下を見ると、紫苑さんと奏ちゃん、それに父様と楓さんの後姿が。・・・早い。逃げ遅れたものなど眼中にないみたい。

「で、どうしてここにいるのかな、由佳里ちゃん?」
「え・・・いえ、それは、その、ですね・・・」
134初代スレの45:2005/05/12(木) 00:18:07 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.20

「ゆ・か・り・ん♪」
「・・・ひっ・・・ぃ・・・!」

由佳里ちゃんはまりやの声を聞いて、まるで幽霊の怨嗟を聞いたかのような表情を浮かべた。

「ふふふ・・・ヒトの愛の儀式を邪魔するなんて、いい度胸ね・・・ゆかりん?」
「ひ・・・お、お許しください、まりやお姉さま・・・っ!」
「うぬの所業、許すわけにはいかぬ・・・!覚悟はいいか、ゆ〜か〜り〜ん〜〜〜!?」
「ひっ、ひいいぃぃぃ〜〜〜、た、助けてください、瑞穂お姉さま〜!」
「『だが断る』。っていうか今まりやの邪魔したら僕も危ないし。」
「そ、そんなぁ〜〜〜・・・」
「お〜か〜し〜て〜や〜る〜っ!」
「きゃああああああ〜〜〜!」


・・・
・・・
135初代スレの45:2005/05/12(木) 00:18:49 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.えぴろーぐ?1

―――

「ん・・・」
貴子は目を覚ました。
「・・・? どういうこと、ですか・・・?」
それにも関わらず、あたりは真っ暗なままである。そして、ぼんやりとした意識の中で、あることに気がついた。
「っ!! な、どういうことですか・・・!」
貴子は先程と同じ言葉を、強い口調で発した。何故なら、目隠しされ手を縛られていることに気がついたからである。
そして、視覚が遮られているため自然と敏感になる聴覚に、ある人物の声が聞こえてきた・・・

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。ま、まりやお姉さま・・・も、もう許してください・・・もう、十分罰は受けました・・・だから、助けて・・・」
「くっくく・・・まだよ、まだまだ終わらないわよ・・・。」
「そ・・・そんな・・・。あっ・・・ひぁっ!ひゃあっ!・・・や、やめて・・・許して・・・これ以上されたら、死んじゃいます・・・」

「・・・っ! な、何をしているんですか、まりやさん!おやめなさいっ!」
貴子は由佳里の苦しげな声を聞いて、正義感からか無意識のうちに叫んでいた。

「おやぁ・・・もう一人の覗き見重罪人が起きられたようですなぁ?由佳里、よかったわね。少しの休憩時間ができて・・・」
「あ・・・ぁ・・・」
「く・・・っ!何をするつもりか知りませんが、貴女に罰を受けるようなまねをしたつもりはありません!」
「ほお〜。覗き見常習犯がよくそんなセリフ云えるわねぇ?」
「?!」
「まぁ、観念しなさい。由佳里とふたりで、朝までガマンすれば許してあげるから・・・!」
「ひ・・・っ、な、何を・・・っ!」
「あ、そっか。目隠ししといたんだっけ。・・・でも、聞こえてたんなら何をされるかわかってるんじゃないの・・・?」
ぎしり。貴子はまりやが近づいてくる気配を感じ取った・・・。
「あ・・・、い、イヤ・・・助けて・・・」
「くくくくく・・・」
136初代スレの45:2005/05/12(木) 00:19:38 ID:uar/RBtC
『瑞穂ちゃんのばあすでい狂詩曲』.えぴろーぐ?2

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
「くっくっくっ、社長室長は面白い笑い声を上げなさるのですなぁっ。」
「や、ま、まりやさん、止めて・・・ひゃっ、あははあはひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「あ〜、面白い。そっかあ、貴子は脇腹が弱いのか〜。くひひっ」
「や、止めて・・・く、苦しいっ、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ、だ、ダメです・・・っ、あきゃあっ!」
「うりうり〜、どうだぁ〜?」
「ひ、た、助けて・・・ひゃっ、ひゃははははははっ!・・・く、くるし・・・くひゃひゃははっ!」
「さあて、こっちはどうかな〜。」

まりやは羽ペンを取り出して、足の裏をくすぐった。

「ひゃぁうっ!ちょ・・・っ」
「ほれほれ〜」
「ひぁっ、っく、きゃあっ、や、止めなさい、止めて、まりやさんっ!」
「止めないよ〜。朝になるか、あたしが飽きるまで止めないよ〜。くっひひっ!」
「ひ・・・あひひひひひゃひゃはは・・・、た、たすけ・・・ひゃはははあははははっ!」


・・・
・・・
結局、まりやによる夜中くすぐりまくりの刑は朝まで続き、由佳里と貴子は妙な場所の筋肉痛により3日間有給ととる羽目になったとか・・・



―――さらに二週間弱が過ぎ・・・

「なっ、なんですかぁ〜〜〜!なんで給与明細にまいなすとか書いてあるんですかぁあぁ〜〜〜!」


・・・合掌。
137初代スレの45:2005/05/12(木) 00:20:21 ID:uar/RBtC
あとがき。

えーと・・・(汗
あらためて、瑞穂ちゃんお誕生日おめでとうございます。そして苛めてごめんなさいw

由佳里ちゃん、出番あげたらこんな役目になってしまいました・・・
ごめんね、由佳里ちゃん。

なんか書いているうちに登場人物が勝手に動き出して、どんどん長くなってしまいました・・・
138名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 00:27:28 ID:hjBqfaFx
>>137
GJです。リアル読みしていました。

瑞穂ちゃん・・・お誕生日の祝いのはずが(^^;
それにしても由佳里ちゃん・・・・・250万のワインがぶ飲みしたつけは、大きかったようですね。w

あいかわらず、《男》扱いされていない瑞穂ちゃんに合掌。
139名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 01:54:32 ID:95oHg+0s
自演乙
140名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 02:24:00 ID:3RgZSx92
また変な蛆虫が湧いてるな。

なにはともあれ、誕生日記念は始まったばかりだ。
他のSS書きのみなさんもがんがれ。
141名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 02:25:37 ID:i9w1LnDQ
乞食がなに偉そうに吠えてんだか(w
142祝誕生日:2005/05/12(木) 02:54:52 ID:P+bUuo52
「ただいまー」
急いで帰ってきたので、帰宅時間はいつもよりちょっぴり早い。
靴を綺麗に揃えて脱ぐと、二階に直行したい気持ちをグッと堪えて、自分の部屋に向かう。
ランドセルをしょったままで行くと、あわてん坊さんって笑われてしまうから。
机の上にランドセルを置くと、踵を返し、今度こそ二階に向かう。
本当はお行儀が悪いから駄目なんだけど、自然と歩みも弾む。
階段を登って、二階の一番奥の部屋。

そこが、お母さまの寝室。

「ただいま、母さまぁ!」
元気いっぱいの笑顔を振り撒きながら、寝室のドアを開ける。
今日学校であった事をお母さまに早くお話したい。
先生にいっぱい褒められた事とか、まりやちゃんに給食のプリンを食べられちゃった事とか、
お話したい事はいっぱいあるし、それに……それに、今日は僕の……
「あれ? ……母、さま……?」
いつも母さまが横になっているはずのベッドは、もぬけの殻だった。
主のいない寝室はひっそりと静まり返っている。
「あれ……あれ……。母さま、どこ……」
言いようのない不安が、足元から這い上がってくる。
まさか、母さま……また、急に苦しくなって……
「そんな、今日は……やだ、やだよ……
 …………あれ?」
143祝誕生日:2005/05/12(木) 02:56:25 ID:P+bUuo52
大慌て来たので今まで気付かなかったけど、何だか下の階からいい匂いがする。
甘くって、香ばしいような、そんな匂い。
「……何だろう」
恐らく、匂いのもとはキッチン。
楓さんがお料理でもしているのかな?
のそのそと寝室を跡にして、階下のキッチンへ向かう。
楓さんなら、お母さまのことを何か知っているはずだ。
「あ……」
けれども、キッチンに立っていたのは楓さんではなかった。
「あら、お帰りなさい。帰っていたの?」
「母さま……」
「ふふっ、今日はなんだかとっても体調がいいの。
ですから、瑞穂ちゃんのために、ケーキを焼いていたの」
白いエプロンに身を包み、こちらに振り返った母さまは嬉しそうに笑った。
「……っ、母さまっ! 母さまぁっ!」
何年ぶりかで飛び込んだ母さまの胸の中は、元気だった頃と何も変わらず、
ふかふかで、暖かくて、とってもいい匂いがした。
津波のように押し寄せてくる安堵の気持ちに、僕は自然と涙を流した。
「……まぁ……どうしたんですか? 瑞穂ちゃんったら、甘えん坊さんね。
 今日からまた一つお兄さんになったと云うのに」
「だって……だって……今日は僕の誕生日なのに、
 お部屋に行ったら、母さまがいなくて……
 また……急に苦しくなって、病院に運ばれていったのかと思って……
 心配で……寂しくて……僕……僕…………」
抱きしめられた母さまの両腕に、力が込められる。
病気を患っている母さまの腕の力はとても儚かったけど、
例えどんな事が起きようと、この手を何者にも動かす事はできそうにない、
そんな強さが、確かに伝わってきた。
144祝誕生日:2005/05/12(木) 02:57:46 ID:P+bUuo52
「瑞穂は優しい子に育ってくれましたね。母さん、とっても嬉しいです。
 きっと、あなたは強い人になれますわ」
「僕は……、母さまのように、強くなれないよ……。
 僕……弱虫だから……泣き虫、だから……」
「いいんですよ、瑞穂ちゃん。なにも気にする事はないわ。
 あなたにも守りたい人が、支えあってくれる人ができれば、きっと強くなれます。
 その人と一緒に、二人で強くなっていけばいいんです。
 そして、そのために必要なものが、優しさなの。
 ……だから、瑞穂ちゃんなら、きっと大丈夫」
「大切な……人……」
「そうよ、二人で居れば、どんな事だって乗り切れるくらい強くなれる。
 そう思える人を、あなたも見つけなさい。一人では、いくら強がっても、限界があるの」
「父さまと母さまも、そうなの?」
「そうよ。あの人も、お母さんがいないと、とっても弱い人なんだから」
いたずらっぽく母さまが微笑む。
弱い父さまなんて、僕にはちょっと想像できない。
「じゃあ、母さまがいなくなっちゃったら大変だね」
「そうね。だからお母さんはね、ずーーーっとお父さんと一緒にいるの。
 絶対に、一人になんてさせないわ」
「母さま、僕も、僕もずっと一緒にいるよ」
父さまも母さまも、ずーっと、ずーっと、みんな一緒だよ。
『ただいまー』
玄関の方で、父さまの声がした。
普段、父さまが帰ってくる時間よりも、まだずっと早い。
「あら、珍しい。きっと瑞穂のお誕生日だから、大慌てで帰ってきたのね」
「えへへ、父さま。早く帰ってきてくれたー。嬉しいー」
「それじゃあ、少し早いけど、ケーキができあがったら瑞穂のお誕生日を皆でお祝いしましょうね。
 ご馳走もちゃーんと用意してありますよ」
「うんっ!」
145祝誕生日:2005/05/12(木) 02:59:23 ID:P+bUuo52




「……かあ、さま……」
なんだろう、とても温かくて、柔らかい。
「瑞穂ちゃん。目、覚めた?」
「え……? あれ?」
いつのまにか眠ってしまっていたらしい。
「えっと……僕、どれくらい寝てた? 
 皆は……もう帰っちゃった?」
「ん〜、一時間くらいは眠ってたかな。
 その間にお開きになったんだ。なにせ、皆こんな状態だから」
まりやの視線を辿って、部屋を見渡してみる。
「うわ……」
空き瓶、空き缶、グラスやお皿が散乱した部屋のあちこちに、
およそお嬢様とは思えないような格好で、皆が潰れている。
「にっしっし、さすがにちょっと羽目外しすぎたかも」
まぁ、僕も潰れて眠ってたから、何も云えないんだけどね。
「本当に盛り上がったね。皆で僕の事祝ってくれて、凄く嬉しかった」
「一ヶ月も前から仕込んでた甲斐があったわ。そう云ってもらえると」
本当に凄く嬉しかったし、凄く楽しいパーティーだった。
こんなに楽しい誕生日は、いつ以来だろう。
きっと母さまが亡くなる前の、あの年以来だ。
146祝誕生日:2005/05/12(木) 03:00:29 ID:P+bUuo52
「そろそろ起きるね」
後ろ髪を物凄い力で引っ張られる思いをなんとか振り切って、
まりやの膝枕から頭を上げる。
「よし、それじゃあ皆を客間に運んで、布団に寝かせよう。
 このままじゃあ風邪ひいちゃうし」
「うん。一人じゃどうしようもなくて、困ってたんだ」
一人ずつ抱え込んで、別室に運んでいく。
紫苑さん、身長あるのに凄く軽いや……。
「ねぇ、瑞穂ちゃん。皆を運び終わったら、私たちも寝室に行こっ、
 個人的にいっぱいお祝いしてあげる。ベッドの上で」
にひひひと、含みの多い笑いをあげる。もう……まりやってば、それじゃあ完全に親父だってば。
「ねえ、まりや」
「ん、なに?」
「僕って、強くなったかな?」
まりやが、一瞬キョトンとした顔をする。
「うん、強くなったよ。最近の瑞穂ちゃん、凄く頼りになって格好いい」
「そっか」
僕、ちゃんと強い人間になれたみたいです、母さま。
「まりやのおかげだね。ありがとう」
「へ? ちょ、何よ急に、恥ずかしいなぁ」

ちゃんと見つかりましたよ。僕の大切な人。




1471-209:2005/05/12(木) 03:01:41 ID:P+bUuo52
以上。

ハッピバースデー
148名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 06:08:26 ID:vj007J70
誕生日SSもつかれ
個人的に一子ちゃんが出ないのが残念だったり
149名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 09:30:34 ID:PYEl/pko
不満があったら自分で書けばいいんじゃないの〜?
150初代550:2005/05/12(木) 13:17:10 ID:gbj2V73I
色々視点(w :○○と書いてる人の視点でお話は進みます。瑞穂ちゃんの誕生日にうpするSSがこれですぜ、旦那?もう、俺の計画性のなさも筋金入りだね。

GWの過ごし方(5月5日こどもの日)
:貴子
駅前の噴水前においてある小さなベンチ、それに腰を下ろし五月晴れの空をぼんやりと見上げた。あぁ・・・良い天気、暑い一日になりそうですわね・・・
日向ぼっこをするためにこんな所にきているわけではない。瑞穂さんとデートをするためにここで待ち合わせをしているだけ。
別に、瑞穂さんと私、どちらにも余計な予定は入っているわけではないし、ご近所の目を気にしているわけでもない・・・あっ、一昨日のドンチャン騒ぎは多少ご近所の目を気にしたほうがいいかも・・・でも、それとは直接関係ない。
だったら、玄関から一緒に出てくれば良い・・・というのは当然の意見だとは思います。が、たまには外で待ち合わせという物もしても良いじゃありませんか!?(←逆ギレ)
折角待ち合わせをするのに、一緒に玄関を出るのは意味がないので、瑞穂さんを置き去りにして、先に出てきたのですが・・・ナンパの対応というのも面倒ですわね。ナンパする前に鏡と成績表を見直してから来てください。
「よぉ、ねーちゃん、サテンでチャーでもしばかへん?」
いまどき、こんなコテコテのエセ関西弁でナンパする男性なんて・・・
「まりやさん・・・」
だけではなく、いつもの3人も背後に控えている。もう、勘弁してください。たまにはデートくらいさせてくれてもいいんじゃないんですか?本当に・・・泣いて駄々をこねますよ?そのうち。
「何をなさってるんですか?お一人で」
ベンチに座っている私を、4人が見下ろすような感じになった。なんだか、尋問されている気分ですわね。
「デートです、瑞穂さんと・・・」
聞いてきたのが紫苑さまじゃなきゃ、誤魔化すか逃げるかする所なんですけど・・・
「でしたら、邪魔しては悪いのですよ」
この4人の中で奏さんが一番、常識的だと思う。紫苑さまも実は悪乗りな所ありますし、由佳里さんは時々まりや病を発症するし、まりやさんはもう・・・
「ええ、そうですね」
「ンじゃぁ、瑞穂ちゃんによろしく♪」
「失礼します、貴子お姉さま」
(1/7)
151初代550:2005/05/12(木) 13:17:43 ID:gbj2V73I
一言ずつ声をかけて去って行く4人。ワイワイと談笑しながら去って幾4人の背中を見つめながら、私は軽く首をひねって、空をもう一度見上げた。雲ひとつない晴天・・・降水確率は0%でしたわよね、今日。

:まりや
なーんてね。邪魔はしないわよ、邪魔は。ただ・・・
「生暖かく見守るだけですよね、お姉さま」
うんうん、由佳里もようやく私の計画を読み取れるまでに成長したわね。入学から1年、私が卒業してからさらに2年、弄り続けた甲斐があったというものだ。
「あっ悪趣味なのですよ、まりやお姉さま、由佳里ちゃんも・・・」
「じゃぁ、奏ちゃんは帰る?」
「こういうのも後学の為、という物ですよ。奏ちゃん」
「どうせ帰っても暇なんだしさ」
一緒に貴子の初体験を聞き守っていたくらいなのだから、奏ちゃんだって興味がないわけではない。
興味がないわけではない所に、3人に矢継ぎ早に攻め立てられ、帰ってしまえる子じゃない。
別に今日は最初から、貴子のデートを冷やかすつもりだったわけではない。ただ、折角のGWだし、家に居ても仕方がないということで、皆を呼び出して町に繰り出した。で、たまたま貴子を見つけたから軽く声をかけた・・・それだけの話。
まあ、直接付いていくわけでもないし、邪魔をする気も毛頭ないんだから、別にいいわよね。
っと、瑞穂ちゃんが来た。時間は11時5分前って事は、待ち合わせは11時って所かな?5分前に到着とは瑞穂ちゃんも気が利いてるわね。
そう言えば、瑞穂ちゃんって、初デートでラーメン屋に連れて行ったらしいわね。連れて行く男も男だけど、それで喜ぶ女も女よね・・・
談笑しながら歩く二人、その30メートルほど後ろを付いて歩く。長身の瑞穂ちゃん、明るい栗毛の貴子、人通りの多い商店街を歩いていても目立ってくれる。しかし・・・
「一見女性二人がウィンドショッピングを楽しんでるみたいですね」
紫苑さまがそうつぶやくと、私を含めたほかの三人が盛大に頷く。ローカルな駅前商店街だからいいようなものの、もうちょっと都心であの二人が歩いてたら、ナンパ男を追い払うのが大変に違いない。
「あの二人、どこに行くのかな?」
11時を少し回ったくらいだから、多分、何処かでご飯かな。
(2/7)
152初代550:2005/05/12(木) 13:18:27 ID:gbj2V73I
:瑞穂
貴子さんを連れて、暖かくなり始めた商店街を歩く。そろそろお昼の時間なんですけど・・・
「お昼、どうします?」
「そうですわね。いつも喫茶店もそろそろ飽きましたわね」
声をかけると貴子さんは立ち止まって、少し考えるようなそぶりをして見せた。
この商店街に来るたびに利用している喫茶店は、恵泉を卒業して以来良く利用しているので、メニューはとっくに全品制覇してしまっている。第一、その喫茶店は商店街の入り口近くにあるのだから、少し引き返す必要がある。
何か新しいお店でも・・・
「あぁ、そういえば、同じ学部の友達が美味しいパスタ屋が出来たって言ってましたよ」
彼が言うにはそこそこに美味しく、値段も手ごろらしい。
「でしたら、そこに行きましょう」
そう言うと、貴子さんは僕の腕に自分の腕を絡めてきた。その顔はトマトのように真っ赤になっている。恥ずかしいのならしなければ良いのに、と思うけど、こう言う所がこの人の可愛い所なんだとも思う。
さて、パスタ屋さん、混雑してなければいいんですけどね。

:紫苑
お二人が立ち止まってなにやら話している。それを30メートルほど離れた所から観察中。傍目には変な女性の集団に見えるかもしれませんわね。
こうして、お二人を少し離れたところから見守っていると、娘を嫁に出す気分ですわ。
「どちらが娘なんですか?紫苑さま」
「それはもちろん、瑞穂さんに決まってますわ」
私とまりやさんがそう言うと、他の方が楽しそうに笑い声を上げた。
「そんなことを言うと、お姉さまがかわいそうなのですよ」
という奏さんの顔も笑っていらっしゃいますよ。それに奏さんも卒業以来2年も経つのに、未だにお姉さま扱いです。人のことは言えません。
そうこうしているうちに二人が腕を組んで歩き始めた。貴子さんは遠目からでも判るほど、顔を赤くしていますわね。腕を組むくらいで赤面なさると、それ以上の事をなさる時が少し心配になってきますわね。
お昼はどこで食べる事にしたのでしょう?今月は新しい服やら、瑞穂さんの誕生日プレゼントやら、パーティのお酒代やらで、少々お財布の中が心もとないのですけど・・・
そんなことを考えていると、お二人は先日オープンしたばかりで、まだ、店頭に花輪が飾られているお店に入っていった。このお店・・・
(3/7)
153初代550:2005/05/12(木) 13:19:23 ID:gbj2V73I
「紫苑お姉さま、どうかされたのですか?」
思わず足が止まってしまった私に、すぐ後ろを歩いていた由佳里さんが声をかけてくれた。
「このお店、美味しくありませんのよ」
値段は安く、量は多くて、店舗の雰囲気も非常によいのですが、味が今ひとつ。決定的にまずいと言うわけではなく、何かが足りないと言いますか・・・何が足りないのでしょう?と考えながら食べていると、気が付くと全て食べ終わっているという不思議なお店。
「えぇ〜おいしくないんですか?紫苑さま」
私の言葉にまりやさんがあわてた様子で声でそういう。
「美味しくはありませんね、まずいというわけでもありませんけど」
「じゃぁ、お二人を止めるのですよ」
と言って、走り出しそうになる奏さんの襟首をつかみます。奏さん、私たちが何をしているか、お忘れですか?
「しっ紫苑お姉さま、首、首が絞まってるの・・・ですよ・・・」
あら、失礼しました。
「でも、ここで諦めたら『瑞穂ちゃんと貴子のデートを優しく見守ろう』作戦が中断してしまうわね」
お二人が食事が終わるまで、ここでボーっと突っ立っているのも馬鹿な話ですしね。このお店を見ながら時間を潰せるようなお店はありませんし。
「仕方ないですね。できるだけ安い物を我慢して食べて出てきましょう」
由佳里さんの提案に諦めたような顔のまりやさんが頷く。
そこまでして、お二人のデートを見守る必要があるのでしょうか?と言う事を考えたら、負けのような気がするので考えないようにしましょう。

:奏
本当に美味しくない店なのですよ。奏はカルボナーラを食べたのですが、何処か微妙に美味しくない。何が悪いのかと考えながら食べていると、全部食べ終わってしまってたのですよ。
他の3人も同じような感じだったので、もしかしたら、それが狙いなのかもしれないのですよ。
でも、本当にまりやお姉さまも紫苑お姉さまも由佳里ちゃんも、人が悪いのですよ。貴子お姉さまとお姉さまのデートを覗く必要があるのですか?
少し離れた所で食事を取っている貴子お姉さまの顔も、露骨に曇り始めたのですよ。
少し怒ったような顔でお姉さまに何かを言っています。ここからだと瑞穂お姉さまの顔も見えないし、お二人の声も聞こえないのが残念なのですよ。
(4/7)
154初代550:2005/05/12(木) 13:20:12 ID:gbj2V73I
「奏ちゃんもさっきから瑞穂ちゃんのほうをずっと見てるわね」
まりやお姉さまが人の悪い顔をしてそう言ってきました。べっ別に奏はお姉さまたちのことが気になるわけでも・・・あぅ、気になるのですよ。
「うんうん、3人仲良く、お姉さまたちの初体験を聞き守ってた仲だもんね、私たちは」
由佳里ちゃんまで・・・それを思い出すと、奏は恥ずかしくなるのですよ。
「私も瑞穂さんと貴子さんの初体験を聞き守りたかったですわね」
紫苑お姉さままで・・・もしかして、お姉さまたちってちょっぴり不幸なのかもしれないのですよ。
あっ、お二人が席を立たれたのですよ!お二人はお店の奥の席、奏たちは入り口の席、お二人がお店から出るのでしたら、見つかるかもしれないのですよ。
奏たちはこそこそと顔を俯け、お二人と視線が合わないようにします。どきどき・・・早くお会計を済ませて出て行ってくださいなのですよ。
「あっ、ここは僕が払いますよ」
「そうですか?ご馳走様、瑞穂さん」
お二人の話し声が聞こえるという事は、お二人はすぐ近くにいるのですよ。顔を上げたら見つかってしまうかも・・・
「ありがとうございました」
ウェイトレスさんの声が聞こえ、直後に自動ドアが開閉する音が聞こえる。
「「「「はぁ・・・」」」」
顔を上げ、4人が一斉に大きな溜息を漏らした。どきどきしたのですよ。心臓に悪いのですよ、もう、諦めて寮に帰って、ウルトラ世界一周人生劇場DXでもするのですよ!波乱万丈な人生を味わえるボードゲームは楽しいですよ!
「ほらほら、早くでないと、見失うわよ」
まりやお姉さま、襟首を引っ張らないで下さいなのですよ、首が絞まるのですよ〜〜〜

:由佳里
で・・・美味しくないパスタ屋さんの次はこの映画か・・・
瑞穂お姉さまと貴子お姉さまが一軒の映画館に楽しそうに入って行くのを見た私は、思わずげんなりとしてしまった。
テレビでは毎日のようにCMが流れ、興行成績No1とか、全米が泣いたとかって言っている映画だけど・・・
先週、陸上部の子達と一緒に見に来たのよね、これ。15分経った所で皆寝ちゃってた。
全米が泣いたのは、退屈であくびのし過ぎで涙がこぼれただけに決まってる。
「そんなにつまらない映画なのですか?」
(5/7)
155初代550:2005/05/12(木) 13:21:33 ID:gbj2V73I
奏ちゃん、何でそんなに嬉しそうなわけ?つまらないって言ってるのよ?
「つまらない映画は、どこがつまらないかを考えながら見るのが楽しいですよ」
そんな器用な楽しみ方を進められても・・・
「まあまあ、視もしてない映画をつまらないと決め付けるのは良くありませんわ」
「だから、紫苑さま、私は見たんですってば」
「15分以降は見てらっしゃらないのでしょう?」
そ・・・それは屁理屈という物です。
「大丈夫よ、ユカリン、私たちが視に来てるのは、映画じゃなくて、瑞穂ちゃんと貴子だから」
「ユカリン、言わないで下さい!」
「薄暗い場所、退屈な映画、相手は恋人同士、もしかしたら、映画以上に楽しい事が視れるかもしれませんよ」
さぁ、入りましょう!
そして、30分後。案の定というか、やっぱりというか・・・
「くーーー」
「すぅ・・・すぅ・・・」
お互いの頭を、お互いに枕にして寝る二人・・・私たちはそれを3つ後ろの列からぼんやりと見ている。
いや、奏ちゃんだけは食い入るようにつまらない映画を見続けている。
はぁ・・・やっと終わった・・・って、まだ、寝てるわ、あの二人。二人が寝ているので、出て行くわけにも行かない。
「ずいぶんと、熱心に見てたわね。奏ちゃん」
「ええ、もう、凄かったのですよ。無駄にお金だけは掛かっていそうなSFX、何処かで見たような演出、ハリウッドの方程式そのままに入ってくる無意味なラブシーン、大活躍の米軍
絶対に続編なんか作られるはずがないのに、次回作へ繋げようとしているラストシーンの哀れっぷり、もう、最高のだめ映画なのですよ」
さすが演劇部部長、視る所が違うというか・・・嫌な所ばっかり見てるわね。
「しかし、お二人が起きないと、私たちも帰れませんわね・・・」
お手洗いに行っていた紫苑お姉さまが帰ってきた。映画以上に面白そうな事なんて起きそうにないじゃないですか・・・
つまらない映画と気持ちよさそうに寝てる二人を、2時間も見せられた所為で、お二人に対して理不尽な怒りが湧き上がってくる。
「あっ、2回目が始まったのですよ」
だから、奏ちゃん、何がそんなに楽しいわけ?この映画。それでも、映画以上に楽しい事への期待で席を立てない自分自身が可愛いと思う。
(6/7)
156初代550:2005/05/12(木) 13:22:11 ID:gbj2V73I
:貴子
ふわぁ〜良く寝ましたわ・・・ばたばたと忙しいゴールデンウィークにあんなつまらない映画を見せられたのでは、寝るなというほうが無理ですわね。
「本当につまらない映画でしたね」
瑞穂さんも同じく熟睡していた。
「映画の前評判と言うのは、全く当てにならないものですわね」
クスクスと笑いながら、日の暮れ掛かった商店街を腕を組んで歩く。食事も今ひとつ、映画はつまらない、それでも楽しいデートであった事は間違いない。一緒に出かけるということが何よりも楽しい事ですから・・・負け惜しみじゃありませんよ?
待ち合わせからはじめたデートでしたけど、帰りは一緒に。
「まっすぐ帰るには少し早い時間ですわね・・・」
かと言って、何かをして帰るには少しだけ遅い。どうしましょうか・・・
「公園で少し時間を潰して帰りますか?」
商店街を抜け、鏑木家のある住宅街に入ってすぐの所にある小さな公園。昼のうちはご近所の奥様達の井戸端会議の場所になっている。この時間帯は、そろそろ家に帰ろうとする小学生くらいしか居ないはず。
あら、今日は子供達もいませんわね。ゴールデンウィークだからでしょうか?逆にたくさん居そうな気がしたのですが・・・
誰も居ない公園の古びたベンチ。そこに二人並んで腰を下ろす。
少し遠回りして、おしゃべりをしながらここまで来たおかげで、もう、話をする事はろくに残っては居ない。
ただ、二人でベンチに腰を下ろし、遠くの山に落ちる夕日を見ていた。
私たちは、どちらかともなく、指先を触れ合わせ、指を絡め、そして、手を握り締めあった・・・
そして、二人で向かい合って・・・そっと唇を・・・
「押さないで下さいなのですよ」
「ちょっと奏ちゃん、そこに居たら見えないってば」
「ここからが良い所なのに〜〜」
「静かにしないと、ばれてしまいますわよ」
・・・あぁ・・・貴女達は何をなさってるんですか?
ガサガサとゆれる植え込み。聞いた事のある話し声。もしかして、ずーーーーーーっと、付いてた訳ですか?
「「「「あははは・・・こんばんは」」」」」
そこまで罰の悪い顔をするんなら、覗き見なんか止めてください!!!!
(おしまい)
157名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 13:32:34 ID:puilqcDB
GJ!
実際こんな感じで付き合ってそうw
158名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 14:26:12 ID:o96CORH/
えーと、カップルの場合、映画館って別に映画を見るのが目的じゃないような。

「ちょっ、み、瑞穂さん。こんな場所でなにを・・・」
「大丈夫ですよ、貴子さん。誰も僕達なんか見てませんよ。」
「で、でも周りに人が・・・きゃっ!そこは」
「しっ!声を出すと貴子さんの恥ずかしい姿を見られてしまいますよ?」
159名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 15:17:52 ID:qrV8R0Pt
>>158
この手のゲームにはお約束の状況だなw
160471 ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:49:45 ID:nCrE1MuF
 瑞穂たんお誕生日おめでとう記念
 
 make a racket

 紫苑エンド後、瑞穂たちが大学に入学して最初の誕生日のお話。
161make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:50:43 ID:nCrE1MuF
 五月十一日。
 貴子は困っていた。
 何を困っているのかというと、瑞穂の誕生日が明日に迫っていると言うのに、いまだプレゼント
が決まらないでいるのだ。
 まりやさんに相談した私が馬鹿でした──
 瑞穂に何を贈って良いものか皆目見当も付かなかった貴子は、幼馴染なら何かいい案があ
るのでは、という理由で、まりやに相談を持ちかけた。本音を言えばまりやに相談するのは非常
にはばかられたのだが、何せプレゼントする相手は瑞穂。そこらの野郎共とは訳が違うのだ。
結局、相談するにしても、ある程度は瑞穂の事を知っている相手でないとダメだと言う結論に至
った。
 となると、相手はかなり限られてくるが、貴子の思いつく限りでは、まりや、紫苑、奏、由佳里
の四人しかいなかった。それ以外だと、瑞穂が男と言う事を知らないのでダメなのである。
 しかし、奏と由佳里は二人で一緒にプレゼントをすると言っていたので、そこに割り込んでいく
事は出来ず、却下。紫苑は嫁という立場を生かして前々から一人で準備を進めてきていたと言
うのでダメ。というわけで、残っているのはまりやだけだったのだ。
 一方のまりやの方はといえば、今年は趣向を変えてみようかと言う事で貴子の申し出を快く了
承した。
 そうして二人は協力して瑞穂のプレゼントを探し始めたのだが、貴子もまりやも男の子に普通
にプレゼントした経験など無いものだから、どうしていいものかさっぱりで、今日に至る、と言う
わけだ。
 それはともかく、今日もまたプレゼント探しをするために、まりやと待ち合わせをしているので
ある。
162make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:51:39 ID:nCrE1MuF
「やっ、貴子。久しぶり〜」
「何が久しぶりですか。つい一昨日も会ったばかりでしょう」
「あたしね、一日でも貴子に会えないと寂しいの」
「気色悪い事を言わないで頂けますか、まりやさん」
「いやん、貴子のいけず」
「勝手に言ってなさい……とにかく、瑞穂さんの誕生日はもう明日なのですから、何としてでも今
日中に決めてしまわなければなりません」
「分かってるって。んじゃ、行ってみますか」
 そんなわけでプレゼント探しが始まった。とりあえず、何か普段身に付けて使える物にしようと
いう事だけは決まっているので、服飾を中心に探していった。

 数時間後。
 歩き疲れた二人は、喫茶店でくつろいでいた。
「なかなか良いものが見つかりませんわね」
「そうねぇ。まあ、瑞穂ちゃんが貰って喜ぶものなら幾らでもあるんだけど……」
「けど?」
「うん、何でもいいから男物をプレゼントすれば喜ぶと思うのよ。ほら、瑞穂ちゃんってあんなだ
から、今までそういうプレゼント貰った事ってあんまり無いのよね」
「なら、そうしましょう」
「それはダメ」
「何故です?」
「似合わないのよ。それも破滅的に」
 そうなのだ。瑞穂は普通の男物を身に付けても、まるで似合わないのである。
「そうね、例えば……女の子の男装専用に作られた服とかアクセサリーがあれば似合うと思う
んだけど……そういうのって、そうそうあるもんじゃ無いし……」
「困りましたね……」
163make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:53:19 ID:nCrE1MuF
「そういえば聞いた? 由佳里が生徒会長になったって話」
「また急に話が飛びますね。でも、今頃聞いたのですか? 私は以前から知っていましたよ」
「なんで!? 貴子のくせに」
「貴子のくせには余計です。……恵泉生徒会には、卒業してからも度々訪ねさせて頂いていま
すからね。今の生徒会で三年生は由佳里さんだけなのですから、当然と言えば当然でしょう?」
「しっかし、由佳里でちゃんとやっていけるのかしらね〜?」
「それは大丈夫ですよ。あなたなどよりは余程しっかりしていますから、由佳里さんは」
「なにおう」
「それと、今期エルダーの最有力候補に奏さんの名前が挙がっているそうですよ?」
「奏ちゃんが?」
「ええ。演劇部でも随分と活躍しているようですしね。由佳里さんに、と言う声もあるそうなのです
が、由佳里さんは生徒会長と陸上部部長の二足のわらじでもう目一杯で、そんな余裕はどこに
もないと仰っていましたから。二分した票を奏さんに譲渡して決まるのではないでしょうか」
「ふーん。それにしてもあんた、妙に詳しいわね」
「生徒会の二年生に話し好きの娘がいましてね。色々と教えてくれるんですよ」
「まあ、嫁いびりする小姑みたいな真似をするのも程々にね」
「放っておいて下さい……そんな事より、今は瑞穂さんのプレゼントです」
「……っと、そうだった」
 と、脱線した話を元に戻したところで、貴子にもまりやにも、何か良い案があるというわけでも
ない。
「瑞穂さんに似合うものが見つけられないのですから、根本的なところから考え直してみてはど
うでしょう」
「例えば?」
「ええ、今までは服飾品を中心に見ていましたが、他の物にしてみるとか」
「それもそうね……じゃあ、こんなのはどう?」
164make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:54:26 ID:nCrE1MuF
 まりやはそう言って妙なシナを作る。
「私からのプレゼントは私自身ですわ。お姉さま、どうぞ私をお食べになって! 私、貴子」
「そんな事言ってるとほんとに食べちゃいますよ? ボク瑞穂」
「ぜひそうなさって下さい。私、わたくし……お姉さまの事を想うとあそこが疼いて夜も眠れませ
んの」
「でも……僕の一番は紫苑なんですよ。それでも良いのですか?」
「二号さんでも良いのです。お姉さま、ああ、愛しいお姉さま……」
『瑞穂は、抱きついてきた貴子の唇をそっと奪う。貴子はとうとう瑞穂の毒牙にかかってしまった
のだ。しかしそうと分かっていながら、貴子は抗う事をしなかった。それは彼女自身が何よりも
望んでいた事だったのだ……』
 と書かれたプラカードをどこからとも無く取り出して掲げるまりや。
「いやーん、貴子のえっちぃ〜」
「エ、エッチなのはあなたの方です!」
「ほらほら、大きな声出さない。みんなこっち見てるよ?」
 まりやに言われて貴子が周囲を見回すと、確かに注目を集めていた。もっとも、注目されてい
たのは貴子が大声を上げたからではなく、まりやが一人芝居を始めたためだったのだが、貴子
はその事に気が付いていなかった。ちなみにまりやも気が付いていなかった。
「大体、何でまだ瑞穂さんがお姉さまなんですか」
「こないだみんなで会った時、あんた瑞穂ちゃんの事、お姉さまって呼んだじゃない」
「あ、あれはちょっと間違えただけです!」
「なんだ。あんた男嫌いだし、あたしゃてっきり……」
「てっきり……なんですか……?」
 貴子から異様なオーラが漂い始める。
「あ……いや、何でもないよ。あは、あはは」
「はぁ。こんな馬鹿話をしている場合ではないと言うのに、あなたと言う人は……」
「ゴメンゴメン。で、ホントのトコ、どうする?」
「本当にどうしましょう……」
「もう時間も無いし……こうなったらやっぱりあれでいくしかないか」
「あれ……とは?」
「それはね……」
165make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:55:33 ID:nCrE1MuF

          ◆

「ハッピーバースデー、瑞穂さん(ちゃん)!」
 瑞穂の誕生パーティが始まった。パーティといっても、参加者は瑞穂、紫苑、まりや、貴子、奏、
由佳里の六人しかいない。裏方もメイドの楓が一人でやっているような、鏑木家で執り行うにし
ては実に小ぢんまりとしたパーティだった。
 瑞穂の父の慶行は一つの区切りだからと、各方面から人を集めて瑞穂のお披露目も兼ねて
晩餐会を行いたいと言っていたのだが、瑞穂は「冗談じゃない」とその提案を突っ撥ねて、その
結果こうなった、と言うわけだ。ちなみに慶行はそんな提案をしたばっかりに、このパーティから
締め出されてしまっていたが、そんな事はどうでもいい話である。

「えー、それでは、瑞穂様にプレゼントをお渡ししたいと思います」
 楓の言葉で、集まった一同はプレゼントを取り出した。
「それでは、僭越ながら私から。お誕生日おめでとうございます、瑞穂様……これは私からのプ
レゼントです、どうぞ、お受け取りになってください」
「ありがとう、楓さん。他のみんなにも後でお礼を言っておくよ」

「次は、奏たちなのです」
 奏と由佳里が瑞穂の前に進み出る。
「あの、えっと……私と奏ちゃんは二人一緒です。本当は別々の方が良かったんですけど、そ
の、色々と懐が寂しくて……すみません」
「気にしませんよ、ありがとう。気持ちは一杯こめてくれてるんだよね?」
「は、はい! もちろんなのですよ!」
「なら、それでいいじゃないですか。その方が嬉しいですよ」
166make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:56:46 ID:nCrE1MuF
「それでは、次は私から。お誕生日おめでとうございます、あなた。はいこれ、それと……チュ
ッ」
 紫苑がプレゼントを瑞穂に手渡してキスをすると、奏と由佳里から黄色い歓声が上がる。
「し、紫苑……」
「ふふっ、いいじゃないですか。夫婦なんですから」
「それはそうですけど……」
「惚気るのはその辺にしていただけませんこと? お二人とも。目の毒ですわ」
「そうやっかみなさんなって」
「やっかんでなどおりません! そう言うまりやさんの方こそ羨ましそうな目で見ていたではあり
ませんか」
「な、あたしは……」
「その辺にしときなよ、まりや。……しかし、相変わらずだね、二人とも」
 呆れたような、それでいて楽しそうな笑みを浮かべながら瑞穂が仲裁に入る。それを受けてま
りやが「何であたしばっかり……」とぼやいている隙に、貴子はプレゼントを持って瑞穂のところ
にやってきた。

「お誕生日おめでとうございます、瑞穂さん。私からのプレゼントですわ」
「ありがとうございます、貴子さん」
「あー、貴子、抜け駆けなんてずるい!」
「もう、うるさいですわね。ほら、まりやさんも」
「わかってるってば……はい、瑞穂ちゃん。誕生日おめでとう」
「ありがとう、まりや」

「それでは、皆様プレゼントを渡し終えましたようですので、お食事に……」
「あ、ちょっと待ってくださいますか、楓さん。その前に……」
「はい、何でしょうか、紫苑様」
 紫苑は瑞穂のところに赴き、挨拶を促す。
「ほら、あなた。皆さんにご挨拶」
「わ、分かりましたから、押さないでください、紫苑」
 瑞穂は紫苑に押されて、皆の前に出た。
167make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:57:51 ID:nCrE1MuF
「えーと……本日はお集まりいただいてありがとうございます。実を言うと、このような形で皆さん
に集まっていただいて誕生日を迎えると言うのは初めてなんです。
 今までは誕生日と言えば、まりやは遊びに来ていましたけれど、まあ、そうでなくてもまりやは
いつも遊びに来ていましたので、別段、祝ってもらう日と言うイメージはありませんでした。あ、僕
にとってですけれど。なので、集まってくださった皆さんには申し訳ない話なのですけれど、どう
振舞えばいいのかも良く分かりません。
 でも、やっぱり今日が特別な日と言う事には変わりはないわけで。
 その、何が特別かと言いますと、僕が生まれた日、と言うか、母様が僕を生んでくださった日、
なんです。だから、僕にとって誕生日とは、その事を母様に感謝する日なんです。
 母様は僕が小さいころに亡くなって、正直な話、顔も良く覚えていませんし、想い出なんてほと
んどありません。でも母様が僕を生んでくれたから、僕は今ここにいる。母様が僕を生んでくれ
たから、だからみんなとも出会うことが出来た。それはとても、とても幸せな事で、母様にはいく
ら感謝しても足りないと思っています。
 皆さんは今日、僕を祝う為にここに集まってくれました。でも、気が向いたらでいいです、ほん
の少しで構いません。その気持ちを母様にも向けて欲しいです。そうして頂ければ、きっと母様
も喜んでくれると思いますし、僕も嬉しいです。
 ……えっと、挨拶ってこんなのでいいのかな」

 瑞穂は紫苑たちの方を見て驚いた。皆が皆、目に涙を溜めているのだ。
「み、みんなどうしたの!? 何で泣いてるの!?」
「瑞穂ちゃんがあんな事を言うからじゃないの! ちょっとは自覚しなさいよ!」
 不意打ちを喰らって泣いてしまった気恥ずかしさを誤魔化すためか、まりやが大きな声で答え
る。他の皆も程度の差はあれ、まりやと同じ気持ちのようだった。
「さて、用意も出来ていますので、お食事にしましょう」
 いつの間に用意が終わっていたのか、楓の声で食事が始まった。
168make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 15:58:48 ID:nCrE1MuF

          ◆

 しばらくして。
「ねえ瑞穂ちゃん、みんなのプレゼント開けてみてよ」
 結局はいつもと同じ仕込みになってしまったのだが、まりやはやっぱり瑞穂の反応に期待して
いた。しかし、今年はまりやの想像をはるかに上回るものだった。
「そうだね。それじゃ、まりやのから見てみるかな……」
 瑞穂はそう言うと、まりやから貰ったプレゼントを開封した。
「やっぱり……」
「やっぱりってなによ」
 中に入っていたのは毎度お馴染み、フリフリヒラヒラのゴスロリ服だった。これに関しては勿論、
想定の範囲内である。が、しかし。
「じゃ、次に貴子さんのを……」
 貴子から受け取ったプレゼントを開封する瑞穂。
「こ、これは……」
 中から出てきたのは、まりやの時と同じ、フリフリヒラヒラの服だった。ただし、こちらは甘ロリ
である。
「た、貴子さん……これは」
「申し訳ありません。あまり時間が無かったものですから、まりやさんと相談して、すぐに用意で
きるものと言えばそのくらいしか……でも、とてもよくお似合いになると思いますわ」
「そ、そうですか……。き、気を取り直して……奏ちゃんと由佳里ちゃんのは……」
169make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:00:01 ID:nCrE1MuF
 嫌な予感がしつつも、奏たちのプレゼントを開ける。が、やっぱりそこに入っていたのはフリフ
リヒラヒラの服だった。何度見てもフリフリヒラヒラの服だった。ちなみにこれは白ロリだ。
「か、奏ちゃん、由佳里ちゃん……」
「お姉さまにはどんな服が似合うか、色々考えてみたんですけど……奏ちゃんと二人で相談して
るうちにそうなっちゃったんです」
「そうなのですよ。頑張って作ったのです!」
「こ、これ、二人が作ったの!?」
「はい」
「はいなのです」
「す、すごいね……」
 それ以上は何も言えなくなってしまった。
「えっと、次は紫苑のか……い、いくらなんでも紫苑なら……」
 儚い希望に縋って、紫苑のプレゼントを開封する。だが、希望は打ち砕かれた。
「みんな考える事は同じですのね」
「紫苑まで、そんな……そ、そうだ、楓さん! 楓さんなら」
 最後の希望と言わんばかりに楓のプレゼントを開封する瑞穂。だがしかし、その中身は瑞穂
の想像の遥か斜め上を行くものだった。
「…………」
 楓から貰った箱の中には、柔らかくてぷるぷるしている物体と、布で出来たお椀が入っていた。
言わずと知れた瑞穂専用胸パッドとブラジャーである。ついでにおぱんちゅも入っていた。
170make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:01:19 ID:nCrE1MuF
「楓さん! 何でこんなもの……って、何やってるの?」
 その楓はといえば、部屋の隅の方に衝立を立てて、その中に荷物を次々と運び込んでいる。
「はい、使用人たちのプレゼントを運んでおります」
「へ? これを楓さんが代表して持ってきてくれたんじゃなかったの?」
 そう言って、瑞穂専用おっぱいを指差す。瑞穂専用おっぱいと言っても紫苑のおっぱいの事で
はない。
「いえ。それは私個人からのプレゼントでございます。瑞穂様が昔使っておられたものよりもワ
ンサイズ大きなものになっております。幸穂様と同じサイズですよ」
「いやあの、そうじゃなくて」
「ああ、これでしたね。これは使用人たちそれぞれが用意したプレゼントでございます」
「そ、そうなんだ……」
「もうすぐ更衣室が完成しますので、そちらでお着替えなさってください」
 良く見ると、いつの間にか楓以外のメイドも何人か入って来ていて、なにやら設営作業をして
いた。
「き、着替えるって……何に?」
「それは瑞穂様の方が良くご存知かと」
 楓は満面の笑みで答えると、再び使用人たちのプレゼントを運び始めた。
「まさか、あれが全部……なんて事は……」
 そのまさかだった。
 瑞穂は抵抗空しく、それら全てに袖を通す事になってしまった。ちなみに、その中身はと言え
ば、どこをどう見てもロリィタ、ロリィタ、ロリィタ。考える事は皆、全く同じだった。

 かくして、鏑木瑞穂のロリィタ・コレクション、略してロリコレが開催されたのである。

 その様子は余すところなく写真や映像に収められ、写真集やDVDにされて、瑞穂にプレゼント
を贈った者たちに配布される事となった。それを手にした者たちは、それらを家宝として、全力
で守り抜いたらしい。勿論、いくら金を積まれても、それを手放そうとするものなどいなかった。
 ちなみに、慶行はお披露目晩餐会がぽしゃった後、改めてプレゼントを用意していなかったの
で、何とか金を積んで写真集とDVDを手に入れようともがいていたのだが、当然それらを手に
入れることは出来ず、死ぬほど悔しがっていたらしいが、そんな事はどうでもいい話である。
171make a racket ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:02:28 ID:nCrE1MuF

.: .: .: .: .: .: .: .: .                , --ー 、     : .: .: .: .: .: .: .: .:
.: .: .: .: .: .: .: .: .             /      Y⌒ヽ : .: .: .: .: .: .: .: .:
.: .: .: .: .: .: .: .            , ィイ //  ノ イ  }   ) : .: .: .: .: .: .: .:
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.: .: .: .: .  / /  / / // //// //_入_ ニノ |{ヽ\    : .: .: .: .: .: .:
.: . : .: .: . /イ  ////// //.//// ,イ/ !  ヽ. 〈 !ヽ ヽ、ヾ、  : .: .: .: .: .: .
. : . : . : . ( !////////// { { ./,イ|{l {   ! } i  ) トヽ \ : .: .: .: .: .:
.: .: .: .: .  / // / { { { { { | | { | !!! ヽ.  ! i ヽノ  } ))  } : .: .: .: .:
.: .: .: .       ,イ | | | | | | | | ケ⌒`ヽ、_! | メ  ノ//  ノ : .: .: .: .: .
.: .: .    /⌒ト{   .: ! ! ! ヽヽヽヽ ノ  _ィ=^\_メヽ       : .: .: .: .:
.: .: .    ノー、/ ヽ .::     ,--    /ノ _kフ⌒ヽ 〉  〉ミ、     : .: .: .: .
.: .   /  ///`ー- 、_/ //ヽk‐''"   )) 〉/ノニノ ⌒'     : .: .: .: .
.: .    {   ノ/      ノー// ノハ_, . -‐<二んノ         : .: .: .: .
.: .: .   `ー'-'      / / / ̄      ̄ ̄      糸冬.: .: .: .: .:
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .   ゞ=<_/           : .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:
172471 ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:03:32 ID:nCrE1MuF
 以上です。
 年少組出番ないね……扱い難しいんだよね……
 紫苑も出番ないね……扱い難し(ry
 
 以下オマケ。>>167から分岐。ちょっと、いやかなりアレだったんで没にしたルートだけど、折
角なので投下。
173make a racketのオマケ ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:04:26 ID:nCrE1MuF

          ◆

 数時間後。
 楓がすっかり出来上がっていた。
「うふふふふっ、瑞穂しゃまは〜、十二歳の時まれ私と一緒に寝てたんれしゅよぉ〜。あーん、
可愛かったなぁ、瑞穂しゃまのね・が・お♪ 今度また一緒に寝ましょ♪ 瑞穂しゃまぁ」
「ちょ、ちょっと楓さん、何言ってるんですか」
「ええぇ〜、いいじゃないれしゅかぁ〜……あれ、もう無くなっちった。おかわりおかわり……っと」
 楓は空き瓶を放り出すと、どこからともなく新しい一升瓶を取り出して栓を抜く。ラベルには『瑞
穂』と書いてあった。
「おっとっとっと……んっ、んっ、んっ、ぷはぁ、おいちー!」
「ちょっと楓さん、飲みすぎですよ……うわっ、これ四十四度もあるじゃないですか。そんな飲み
方したら……」
「むー、何れしゅか、メイドしゃんはお酒飲んじゃいけないって言うれしゅか。差別れしゅ、人権
侵害れしゅ、そんな事言ったら明日従業員みんなれ瑞穂しゃまはいつも女の子の格好をしてて
くらしゃい、ってレモを起こしちゃいましゅよ〜? むむっ、我ながらしょれは名案れしゅ。よーし、
がんばろー、おー!」
174make a racketのオマケ ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:05:10 ID:nCrE1MuF
「ちょっと瑞穂ちゃん」
 まりやが声を潜めて瑞穂を呼ぶ。
「楓さんってお酒飲むといつもああなの?」
「知らないよ。楓さんがお酒飲んだところなんて初めて見るんだから。誰だよ、楓さんに飲ませた
の」
「ゴメン、それあたし」
「まーりーやー……」
「だってああなるとは思わないじゃない。ほろ酔いの楓さんも色っぽいかなーって思って、ちょっ
と飲ませただけなのよ」
「とんでもない虎だったね……」
「うん……」
「にゃーにこしょこしょやってるんれすかっ! 瑞穂しゃまにまりやたん!」
 顔を寄せて話をしていた瑞穂たちの間に、楓がダイブしてきた。
「ほーら、まりやたんもー、ぐいっと、ぐいっと」
「む、むぐぐ」
 楓はまりやの口に無理矢理一升瓶の口を押し込むと、その中身を流し込み始めた。まりやは
目を白黒させている。
「ちょ、楓さん、何やってるんですか!」
「えーと、おしゅしょ分け?」
「僕に聞かないでください! ……ま、まりや、大丈夫!?」
「…………」
 ばたん
「あれぇー、まりやたん寝ちゃったの〜? 楓つまんなぁーい……むひゅひゅ」
175make a racketのオマケ ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:06:13 ID:nCrE1MuF
 楓は次のターゲットを見つけた。テーブルの下に隠れていた貴子である。ちなみに、奏と由佳
里はとっくの昔に潰されていた。
「たーかこたーん、あーしょーぼっ!」
 貴子に向かってダイブする楓。
「ひ、ひいいぃ」
「しゃー、ぬぎぬぎしましょうねー」
「や、ふ、服を脱がさないでください、あっ、やめ」
「たかこたんはお人形みたいに可愛いから、お人形遊びしましょー!」
「だ、だから脱がすのはやめて下さい! 何でお人形遊びで服を脱がすのですか!?」
「えー? お人形遊びって言ったら服を脱がせて『うへへへ、女のここってこんな風になってるん
だぜー』っていうやつじゃないれすか」
「え、嫌、まさか……ああ、ダメ、ダメです、そこはダメです!」
 叫びも虚しく、貴子はぱんつを毟り取られてしまった。
「うへへへ、女のここってこんな風になってるんだぜー」
「ふあっ……ひ、広げないで……」
「……むぅー、なんか穴がありましゅね。私といっしょれす……おや、こんな所にねぎが……ここ
に突っ込んれみるれす」
「あ、い、嫌……やめて……」
「か、楓さん! ストップ、ストップ!! それ以上は駄目です!!」
 瑞穂は楓の背後に取り付いて、無理矢理貴子から引き剥がした。
176make a racketのオマケ ◆471.Pt54hU :2005/05/12(木) 16:07:00 ID:nCrE1MuF
「うぅー、何しゅるれしゅか……あれ、瑞穂しゃま? 瑞穂しゃまだー、えへへ……しゅきー」
 楓は瑞穂の腕の中でくるり、と向きを変えると、瑞穂に抱きついて頬擦りする。
「瑞穂しゃま〜、本当にご立派になられて……かえれは、かえれはとっても嬉しいのれしゅよ」
「ど、どうしたんですか、いきなり」
「お母しゃまの事れすよ。お誕生日にお母しゃまに感謝しゅるなんて、普通はれきましぇんよ。…
…あれ? お父しゃまには感謝しないのれしゅか?」
「も、勿論、父様にも感謝していますよ」
「れも、しゃっきはお母しゃまの事しか……あ、しょっか、しょういうことれしゅね」
「な、何がです?」
「つまりぃ、お母しゃまに感謝しゅるのは、生んれくれた日れぇ、お父しゃまに感謝しゅるのはぁ、
種付けした日れしゅね!」
「……下品ですよ……楓さん」

 その時。所用で席を外していた紫苑が帰って来た。
「あ……あなた? 何をなさっているのですか?」
 紫苑が見た光景は。
 真っ青な顔で倒れている奏、由佳里、まりや。
 下半身丸出しで泣いている貴子。
 そして、瑞穂に抱きついて頬擦りしている楓。
「あ……ち、違うんです、これは……」
「何が、違うと、言う、のです、か?」
「その、楓さんが……その……」
「問答無用です!!」

 その後、瑞穂の姿を見たものはいない……わけはなく、何とか紫苑の誤解も解いて、いつも
通りの生活に戻っていた。しかし、もう二度と誕生パーティは開かない、楓には絶対酒を飲ませ
ないと天国の幸穂に固く誓う瑞穂なのであった。

  おしまい
177名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 17:26:14 ID:o96CORH/
>>471
GJ!
楓さん可愛いよ、可愛いよ楓さん。


>>159
じゃあ、おとボクらしくしてみますた

「ちょっ、や、止めてください。こんな場所でなにを・・・」
「大丈夫ですよ。みんな映画に夢中になってて、誰もこちらなんか見てません。」
「で、でも周りに人が・・・っっ!そこはっ」
「しっ!大きな声を出すと恥ずかしい姿を見られてしまいますよ?」
「だ、誰のせいだと思って・・て・・いやぁ・・んんっ」
「こんなミニスカートで下着も着けずに、はしたなく濡らした様を見られてはまずいでしょ?」
「そう思うんでしたらさっき脱がした下着を返してください」
「ダメです。今日一日このままで居てくださいね。それと、これはプレゼントです」
「いやっ・・・な、何を入れたんですか?!やだっ・・これ、動いて・・・」
「ふふっ、ただのローターです。落とさないように気をつけて下さいね」
「そ、そんなこと言っても・・・中で震えてて・・んあぁっ」
「ふふふ。デートはまだ始まったばかりです。さあ、次はどこへ行きましょうか?瑞穂さん」



この口調だとあいては貴子か紫苑あたりで。
178猫野:2005/05/12(木) 19:16:15 ID:f9EpbT72
>>177
攻められてるの瑞穂ちゃんなのかw
しかも女装だし、萌えまくりですな
179名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 19:33:51 ID:YbJfuPTt
>>177
瑞穂ちゃんって・・w
180名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 20:39:52 ID:ThuUR3wv
>>176
GJ!
お見事です。
貴子、まりやののりのりのコンビネーションがおいしいです。

>瑞穂専用おっぱいと言っても紫苑のおっぱいの事ではない。

激ワロタ
181名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 22:45:34 ID:YbJfuPTt
由佳里ENDの瑞穂が読みたかったな…
自分で書けないけど。
182名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 22:54:32 ID:g2+/3TWC
とんでもないお話を聞いてしまいました。
なんと今日はお姉さまのお誕生日があるだそうです。
お姉さまにお逢いしてから初めて迎える、人生の節目とも云える一大イベント。
是非とも盛大にお祝いしたいところなのですが…
「一子はどうすればいいのですかーーー!!!?」

私高島一子は幽霊です。
よって物に触れませんので贈り物作戦は使えません。
お姉さまに憑依させていただければ用意できますけど…それって本末転倒ですし。
奥の手である『プレゼントはわ・た・し(はぁと)』大作戦もバレンタインデーの時にやってしまいましたので却下…いったいどうしたらいいんでしょう?
183名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 23:02:33 ID:g2+/3TWC
オチは考えてたけど中盤がうまく纏まらなかったので没。無念也。
一子END後もまりやは留学してるからなぁ。
184test:2005/05/12(木) 23:44:04 ID:yPoJRTMA
おボク様 あなざぁ 『∞ バッドエンドは男の花道』

 進学してアパートで一人住まいを始めてから一月以上が過ぎた。僕は鏑木瑞穂という本
来の自分の名前にも、本来の男としての生活にも慣れた。一番戸惑ったのは、すぐ近くに
いた大切な人と離れたこと。まあ、家庭教師のバイトを始めて買った携帯を奏に渡して、
毎日のように話してはいるんだけど、それでも一つ屋根の下にいた時とは違う。なるべく
週末には会うようにしているのだけど、必ずデートできるわけでもなくて。
「考えてみたら、今日は僕の誕生日なのに……」
 部屋にいるのは僕一人だけ。
「来年は知り合いのレストランでも予約して二人で食事でもしようかな……」
 最近は独り言も板についてきた。実はコンビニ率とインスタント食品率も向上している。
今日ぐらいは何か作るかと外に出ようとした時に彼女が来た。
「瑞穂さま、突然すいません」
 いくつか袋を手にした制服姿の奏が、そう言ってはにかんだような笑みを浮かべる。も
しかして、誕生日だから来てくれたの?!
「今日はお願いがあって来たのです」
 お願い?
「はい、生徒会の菅原君江さんがエルダー候補になっているので、お姉さまに推薦文を書
いて欲しいと言う声が一杯あるのですよ〜」
「君江さんがエルダーに? 確かに眼鏡はずして髪を下ろしたりしてると綺麗だし……」
 一瞬、奏ちゃんの目の色が変わった気がして、言い淀む。
「何より真面目で熱心だから向いているんじゃないかな、ははは」
 奏はうなずいた。
「出来れば今日中に書いて欲しいのです。今日は泊まれませんけど、出来るまで奏は瑞穂
さまのお食事の用意をしてますから」
 そう言って、エプロンを出す。一瞬、裸エプロンを想像する。そうか頭にリボンをつけ
てプレゼントは私ですって……
「瑞穂さま?」
 不思議そうに僕を見上げる奏。僕は頭を振って思考を元に戻す。
「ごめん、それじゃ急いで書くから」

  続く
185test:2005/05/12(木) 23:45:05 ID:yPoJRTMA
 しばらくして、奏がお茶を淹れてくれる。当然エプロンは制服の上に着けている。まあ、
それも可愛い。
「瑞穂さま、出来そうですか?」
「うん、もうすぐ。はい、書き終わった。今プリントするから」
 早めに終わった分、奏と一緒に早めに食事して…それから……
 印刷された文章に目を通す奏をそっと抱きしめようとして伸ばした手は空を掴かんだ。
「それでは奏はもう行きます。ポトフはもう少し煮込めば大丈夫で、また週末ご連絡する
のですよ〜」
 そう言って奏は走っていってしまう。何だったんだろう……まあ、何も無い誕生日より
は、料理を作ってくれる世話焼きさんの彼女がいるのは良かったんだろうと僕は思った。
なんかゲームで選択肢を間違えて、バッドエンド迎えた気分だけど、次はがんばろう。今
日は寂しいけど。
 僕の誕生日は、こうして一人寂しいポトフ記念日になったのでした。

 一方。
「ありがとう奏ちゃん。これで君江さんも嫌とは言えなくなるよね。早速、見せてくる。
瑞穂お姉さまの誕生日に変なこと頼んでごめんね」
「あら?! 奏、忘れてましたのですよ〜」

  終了
 以上、忘れててあわてて書いてみるテスト
186初代スレ126:2005/05/12(木) 23:57:57 ID:T1mrONKM
皆様こんばんは。
他の皆様と同じく、瑞穂ちゃん(ぉ)の記念SSを書いていたのですが…
1・ネタが降りてきたのが今月6日だった。
2・しかも、それぞれのルートEND4人分降りてきた。

という、無茶苦茶な状態に陥り、必死で
 6 人 分 書 い て ま し た (アホ)
しかも、今日に至ってまだ
完成=2人
途中=2人
ネタはあるが白紙=1人
ネタすら降りて来無い(涙)=1人
という、物悲しい状態に…( ;´Д`)
とにもかくにも、完成分だけでも時間を置いて投下します。
まず一人目を…早くしないと日付かわっちまうよ( ;´Д`)
187名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 23:59:04 ID:T1mrONKM
「そうなんだ。陸上部の合宿が…」
「ええ、ですからゴールデンウィークはずっと…ごめんなさい」
「ううん。そう言うことならしょうがないよ。頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
ごめんなさい、瑞穂さん…
携帯の電源を切りながら、心の中で土下座する。
でも、由佳里は…瑞穂さんのために、やらなければいけない事があるんです…!!

瑞穂へのバースディ・プレゼント”由佳里編”―究極のメニューへの挑戦!!―

5月3日。晴れ。
気持ちの良い快晴の朝。私は…空港に居ました。
え?何故空港に居るのか?
これから私、上岡由佳里は、フランスへと旅立つのです…!!
「お義父様、それでは参りましょう!!」
ビシッ!!と敬礼した先には、笑顔で頷く未来の義父、鏑木慶行様の姿がありました。
「うむ。元気があってよろしい。それでは行くとするか!!」
親指を立てて応えるお義父さん。
その足元でこれからの旅の相棒、豚のマルコ君がぶひぶひ鳴いています。
さてさて、こんなことになったのは、これから10日ほど遡ります…

「瑞穂の誕生日、ね」
「ええ。その日は、腕によりをかけてご馳走を用意しようと思ってます」
その日、瑞穂さんの元を訪れると、未だ大学から戻っておらず、
代わりに(というのは失礼だけど…)お義父さんが居て。
瑞穂さんが帰ってくるまでお話する事になりました。
流石に将来お義父さんとなる(確定事項。多分…)方とお話するのは緊張したけれど、
お義父さんは気さくに話し掛けてくださって、すっかり打ち解けてしまいました。
「由佳里ちゃんの腕は一流だから、これは楽しみだ。…ふむ。ならば、折角だし…」
「?何でしょうか…?」
「由佳里ちゃん。究極のメニューに挑戦してみないかね?」
「きゅ、究極のメニューですか…?」
188初代スレ126:2005/05/13(金) 00:00:25 ID:T1mrONKM
究極のメニューへの挑戦!!(2)

お義父さんの話によると…
鏑木家には、代々伝わる「究極のメニュー」というものがあるらしく。
鏑木家の嫁になる女性は、その料理を披露するのが慣わしだとか…
あの、ホントですか?
「ん?今ワシが作った」
「……はあ」
なんと言うか、瑞穂さん以上に捕らえどころのない方だなぁ…
「その中の一つ。この料理がいいかもしれないな」
何時の間に用意したのやら。お義父さんの懐からそのレシピが差し出される。
「鴨肉のソテー・トリュフソース、ですか」
流石に、こんな高級素材を使った料理なんて作った事が無い
…出来るかどうか、凄く不安なんですけど。
「材料の方は任せなさい。トリュフも、ワシ自ら採ってこよう。ワシも昔は
”トリュフ採りのよっちゃん”と呼ばれたものよ」
どんなあだ名ですか。
「あ、でも…出来るなら、私に材料を採りに行かせて下さい!!
瑞穂さんの為のものですから、自分で用意したいんです!!」
「…ふむ。その心意気や良し。では、一緒に採りに行くかね?」
「はい!!」
「うむ。それでこそ瑞穂が選んだ女性だ。
…ところで由佳里ちゃん。安請け合いしたけれど、トリュフが何処で採れるか知ってるのかね?」
「え゛?……ふ、富士の樹海、とか…?」
「…………」
この後、フランスはぺりごおる地方というところまで行くという話を聞き、
絶叫してしまったのでした…
189初代スレ126:2005/05/13(金) 00:01:50 ID:T1mrONKM
究極のメニューへの挑戦!!(3)

と、云うわけで。
私とお義父さん。それとトリュフを探索する役目を与えられた豚のマルコ君の二人と一匹は、
フランスは南西部、ぺりごおる地方の山奥へと足を踏み入れたのでした。
「きゃ〜〜〜〜〜!!」
「おお、流石陸上部、足が速いなぁ」
「お、お義父さん、それどころじゃなくて…速く、速く逃げてっ!!」
途中、野生の狼に追いかけられお義父さんの鉄拳で撃退したり、
「いや〜〜〜〜〜〜!!」
「参ったなぁ、ちょっと蜂蜜を貰うだけだったんだが…」
「後ろ、直ぐ後ろにっ!!蜂の大群がっ!!」
お義父さんが蜂の巣にちょっかいかけて、追い掛け回されたり、
(その間私はお義父さんに抱え込まれてました…あの、私抱えてるのに異常に速いんですけど)
「ひゃ〜〜〜〜〜!!」
「はっはっは、どうやらこの森の主のテリトリーに入ったようだなぁ」
「な、なんでフランスの山奥にグリズリーが居るんですかっ!!」
「なあに。ちょっと話せばわかってくれるよ」
「わかりませんっ!!」
てか、話すって”拳で話す”って事なんですね…しかも分かり合えてるし。
こんな調子でいろんな事があったんですけど、趣旨から反れるので割愛します。
長くなりそうだし。
騒ぎの度に居なくなって、終わった頃に戻ってくるマルコ君が一番賢いかも…
そんなこんなで、
「こ、これが…!!」
「うむ。正しく最高ランクの黒トリュフだな。良く見つけたな、マルコ」
「ぶひ、ぶひっ!!」
遂に私達はトリュフを見つけ、
来た時と同様の騒ぎを繰り広げつつ日本へと無事(?)帰ったのでした。
190初代スレ126:2005/05/13(金) 00:03:15 ID:T1mrONKM
究極のメニューへの挑戦!!(4)

「ん…あ、いけない!!私ったら、何時の間にか居眠りを…!!
………って、え………?」
料理が無事完成して、ホッとして眠っちゃったみたい…なのはともかくとして、
目の前で繰り広げられている光景は、口をもぐもぐさせているお義父さんと、マルコの姿。
そしてその一人と一匹の目の前には、空になったお皿…
「あ、あぁぁ…あぅぁぅぁぅ……」
あ、あまりの事に言葉にならない。えっと、これって、つまり…!!
「いや、あの、最初はほんの味見のつもりだったんだよ」
「ぶひぶひ!!」
「けどね、ちょっと想像したよりも遥かに美味しくて…」
「ぶひ」
「ちょっと摘み食いしよう、なんて思ってたら、ついつい手が進んで」
「ぶひ〜」
「…じゃないでしょっ!!お義父さんと、マルコの……ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
私の放った一撃は、両者を正確に捉え、思いっきり吹き飛ばす…!!
「ゆ、由佳里ちゃん、なかなかやるな…」
「うわぁぁぁぁん、瑞穂さんのために…頑張って作ったのに…!!」
涙が、零れそうになる…けれど、そんな暇は無かった。
「もう瑞穂さんが帰ってくるまであんまり時間が無い…!!…と、とにかく、何か作んなくちゃ!!」
このままじゃ折角の誕生日にお料理が無い、なんてことになっちゃう。
私は無我夢中で、台所の食材を作って料理を始めました…

「で。こうなったわけか…」
「…はい…」
少し呆れたような顔の瑞穂さん。やっぱり怒ってるのかなぁ…?
「本当にしょうがないなぁ、父様は…けど、僕は大層な料理よりこっちの方が好きだよ?」
「ほ、本当ですか?あの、お世辞なんか言わなくても良いんですよ!?」
「本当だよ。それに、由佳里が一生懸命作ってくれたんだもの。とっても嬉しいよ」
そう云って、微笑んでくれました。
191初代スレ126:2005/05/13(金) 00:04:12 ID:FhUtP2pd
究極のメニューへの挑戦!!(5)

ちなみに、目の前に広げられた料理は、
ご飯、カレイの煮付け、ほうれん草のおひたし、豚汁…典型的日本家庭料理です。
必死だったからどうしてこうなったか自分でもわからないけれど、
多分瑞穂さんが寮に居た頃、良く日本食が食べたいって云ってたからかもしれません。
「さ、それじゃあ頂きましょうか」
「はい」
『頂きます』
二人だけの、愉しい食事が始まったのでした。

「で…ご飯の後は、由佳里を食べちゃっていいのかな…?」
「み、瑞穂さんっ!!」
                       めでたしめでたし(?)


おまけ
由佳里が作ってくれた料理に舌鼓を打ち、会話も弾んでいた。
特に僕が気に入ったのは、
「ところで、この豚汁美味しいね。豚肉がとってもいい味してるよ」
「きっと、良い餌で育てられたんでしょうねぇ…」
「?あ、うん。そうかもね…」
…何故か、由佳里の笑顔がちょっとだけ怖かったような気がした…

おまけのおまけ
「お〜い、由佳里ちゃ〜〜〜ん。本当に悪かった、赦してくれ〜〜〜」
その日、鏑木家のベランダには、蓑虫のように縄でぐるぐる巻きにされて吊るされた、
家主の姿がぶら下がっていたそうな…
                                                おしまい
192初代スレ126:2005/05/13(金) 00:06:39 ID:FhUtP2pd
結局日付中には投下できませんでしたが…orz

初っ端は由佳里ちゃんでありました。
二番目に降りたネタだったんですが、えらい勢いで細部まで出来上がったので一番に
出来上がりました(笑)
パロディメインなのはご愛嬌、と言うことで(^^;

時間を空けて、また投下しますです。最後に、瑞穂きゅん、お誕生日おめでとう〜(遅い)
193名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 00:13:55 ID:8kXrMC7f
初代スレ126殿
乙です
194名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 00:39:53 ID:E4mR+Xan
>>192
初代スレ126殿
お疲れです。
やはり面白いです。
オチでかなり吹いた。

由佳里「さあ、豚のような悲鳴を聞かせろ!マルコっ!!」
マルコ「ぶひいいいいいいいっ!!!」

…さぞかし美味しかったんでしょうね。
195名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 01:00:54 ID:hWdZFvsL
小林は雌奴隷に恋してる
196初代スレ126:2005/05/13(金) 02:28:47 ID:LKHeAZ+N
さて。
それでは、完成している2本目を投下いたしますです。
これまたパロディメインの作品ですが…(^^;

まだ書きかけ一つも完成して無い…orz
一体何時出来上がるんだろう?今週中には全部投下したいなぁ…でも時間が無いなぁ…
もうちょっと仕事忙しくなければなぁ…( ;´Д`)
197初代スレ126:2005/05/13(金) 02:31:04 ID:LKHeAZ+N
「ふう、ただいま〜」
今日も一日、バイトを終えて帰宅。そして、いつものように楓さんが出迎えに来て…
パタパタパタパタ…
ん?楓さんにしては足音が軽いような…?
「ご主人様、おかえりなさいませなのですよ〜」
「…か、奏…?」
そう。目の前には、メイド服に身を包んだ奏の姿があって。
「今日一日の短い時間ですけれど、瑞穂さまのお世話をさせていただく周防院奏なのですよ。
どうぞ宜しくお願いしますなのですよ〜」
「は、はい…」
奏のお辞儀に、僕もお辞儀を返す。…どうなってるの?一体…

瑞穂へのバースディ・プレゼント”奏編” ―奏の一日メイド体験記―

「あ、ナルホド。僕の誕生日で」
「そうなのですよ〜。奏は奨学生で、あまりお小遣いもありませんですし…
ならせめて、何か瑞穂さまのお役に立とうと思ったのですよ〜」
玄関で挨拶を済ませた後、今、奏は僕の部屋で、寮に居たときみたいにお茶を淹れてくれている。
「それでこの間部長さん…じゃなくて、小鳥遊お姉さまに相談したら、「男というものは、
メイドに弱いものよ。ご奉仕されれば一発で萌え萌えになるわよ」って云われたのですよ」
…なんとも、圭さんらしい助言だ…
聞けば、既に一週間前から楓さんに教えを請い、修行していたらしい。
「でも、そんなに気を使う必要なんかないのに。
僕は、奏さえ居てくれればそれで十分なんだから」
「そういうわけには行かないのですよぉ!!
どんな形でもいいから、瑞穂さまをお祝いしたいのです〜」
そうにっこり笑って紅茶を差し出されると…否とは云えない訳で。
「正直、奏にお手伝いさんの真似事をさせるのは気が引けるけど…
そこまで云うなら、お願いしようかな?」
「はいなのです!!」
小さなメイドさんは、満面の笑顔で頷いた。
…この後、小さなメイドさんを生み出した事をちょっとだけ後悔するのだが…
198初代スレ126:2005/05/13(金) 02:33:19 ID:LKHeAZ+N
奏の一日メイド体験記(2)

「瑞穂さま、お食事の用意が出来ましたのですよ〜」
「え、今日の食事も奏が作ったの…?」
「はいなのですよ。腕によりをかけましたのですよ〜」
考えてみれば、お茶受けのお菓子なら何度か食べた事あるけれど
奏の普通の手料理を食べるのは初めてかもしれない。
由佳里ちゃんの指導によるものか、お菓子は非常に良い出来なので、
料理の方も心配は要らないだろう。
やがて運ばれてきたメニューは、どれも美味しそうだった。
…由佳里ちゃんの指導の影響か、メインディッシュがハンバーグなのが特徴だろうか?
「…うん、美味しいよ」
「本当ですか!?まだまだたくさんあるから、いっぱい食べてくださいなのですよ〜」
うん、確かに美味しくて、食がどんどん進む。
なんて食事している間に、奏がキッチンからワゴンを引いてきて…って、奏!?
「あ、あの、ちょっと聞いていいかな?」
「はいなのですよ」
「その、ワゴンに山のように積み上がってるハンバーグは…何?」
「ちょっと張り切って作ってしまったのですよ〜。
だからどんどん食べてくださいなのですよ♪」
確かに、一個一個は小さいんだけどね。けどね。
うう、ちょっと胃がもたれてきたかも…
「も、もう何も食べられない…」
「だ、大丈夫なのですか?そんな無理して食べられなくても…」
「だって、奏が折角作ってくれたんだし。残したくはなかったからね」
「瑞穂さま…あ、そうだ。食後のコーヒーをお淹れしますのですよ〜」
そう云ってキッチンへと消えていく奏。
お腹が苦しいけど、とりあえず一服するのもいいかな?
「お待たせしましたのですよ……ひゃあ!!」
トレーにコーヒーセットを載せてやって来た奏が、いきなり体勢を崩す…!!
「奏!?…っ熱つつつつつつっ!!」
「み、瑞穂さま!?大丈夫なのですか〜!?]
199初代スレ126:2005/05/13(金) 02:34:23 ID:LKHeAZ+N
奏の一日メイド体験記(3)

奏が転んだ拍子に、トレーから飛んだコーヒー入りのポットは、僕めがけて飛来。
ものの見事にコーヒーが僕の服を染め上げた。
「みみみ、瑞穂さま、ごめんなさいなのですよ〜……」
「だ、大丈夫、だから…とりあえず、お風呂にでも入ろうかな…?」
「あ、ならもう準備は万端整っているのですよ」
「そ、それじゃあお風呂に…」
とりあえず、お風呂に向かう事にした。その後に、奏も続く。

「ふう、良いお湯だなぁ…」
鏑木家の、あまり広くはないが人一人が十分足を伸ばすくらいの広さはあって。
僕は湯船の中で大きく伸びをする。
「瑞穂さま、お加減は如何でしょうか?」
「うん。丁度良いよ…って、あれ、奏」
声の方を振り向けば、一糸纏わぬ姿の奏がそこに居た。
「お背中、お流しいますのですよ〜」
「それじゃあ、お願いしようかな?」
「はいなのですよ!!」
僕は湯船から上がると、気合に満ちた奏の前に背を向けて座る。
「それでは、行くのですよ〜」
ごしごしごし…あまり力のない奏が力いっぱい擦ってて。それが割と丁度いい感じで。
「さ、次は前なのですよ〜」
「ええ!?ま、前も?」
「はい。さ、こっちを向いてくださいなのですよ〜」
言われた通り、奏に向かって座りなおす。
流石に、前を洗ってもらうのは初めての経験だなぁ。
ごしごしごし…
奏の手が一生懸命僕の身体を洗う。腕、肩、胸、腹。そして…
200初代スレ126:2005/05/13(金) 02:35:55 ID:LKHeAZ+N
奏の一日メイド体験記(4)

「って、奏!?」
「はい?」
…ごし、ごりっ!!
そのまま、力を込めて擦った。そう、僕の、股間を…
「!!!!!!!!!!」
僕は、声にならない叫びをあげながら、風呂場の床に倒れこんでしまったのでした。

「…本当に、ごめんなさいなのですよ…」
しばらく後。とりあえず痛みが一段楽したところで僕は部屋に戻ってきた。
奏は、僕がうずくまってしまって泣きそうな顔でおろおろしてて…
今は、やはり泣きそうな顔で俯いている。
「大丈夫だよ。もう痛みも引いたし」
「奏、何をやっても瑞穂さまに迷惑ばかりかけて…
奏、瑞穂さまのお役に立とうと思ってたのに、これじゃあ逆に嫌われてしまうのですよ…」
必死にこらえていた涙が、とうとう零れ落ちてしまった。僕は、その涙をそっとぬぐって、
「奏。僕は、奏が僕のために必死に頑張っている、その事が嬉しいから。
だから、些細な失敗なんて気にしなくて良いよ」
「でも、瑞穂さま…!!」
反論しようとする奏の唇を、多少強引に奪う。
「…ん、ふぅ…み、みずほさま…」
「今日は本当にありがとう、奏」
僕がそう微笑むと、奏はきゅっと僕に抱きついてくる。
「瑞穂さまは…本当にお優しくて。奏、すごく幸せなのですよ…」
「僕も、奏が居てくれてとても幸せですよ。
…さ、それじゃあ、今日最後のご奉仕をしてもらいますか」
「最後の、ご奉仕なのですか?」
「うん。たっぷり、ご奉仕してもらおうかな?」
「あ、瑞穂さま…!!」
僕は奏の上に覆い被さり、そして…
……長い長いご奉仕が、始まった……
201初代スレ126:2005/05/13(金) 02:36:34 ID:LKHeAZ+N
おまけ

夜の闇の中、僕と奏は一糸纏わぬままじっと抱きしめあう。そのまま、奏がそっと呟く。
「瑞穂さま。来年はちゃんとやりますね」
「…楽しみに待ってます」
…奏も、きっと成長してるだろう。うん。…してるといいなぁ…
                                             おしまい
202初代スレ126:2005/05/13(金) 02:37:54 ID:LKHeAZ+N
と、云うわけで、二番目は奏ちゃんでした。
これも割と直ぐにネタが練れた作品でした。
あとは一生懸命残りのネタを完成させるだけですね…( ;´Д`)
つか、いまだにネタの降りてこない最後の一人、どうしよう…orz
203名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 07:41:13 ID:NOkrqm80

>流石に、前を洗ってもらうのは初めての経験だなぁ。


…瑞穂ちゃんのエッチな日常生活がしのばれます。

「瑞穂ちゃんの新妻ダイヤリー」と、
奏ちゃんのよりも瑞穂ちゃんのメイド服。
などを欲してしまう俺も相当毒されてきてるな。

204名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 11:42:08 ID:T6Nj1KJK
奨学生というより小ゲフンゲフン
205名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 22:43:20 ID:3XcxnnvC
圭が「皿割れた」で新年早々沈むシーン、どこまで沈むかみていたら首で止まった(w 芸が細かいな。
206名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 00:12:11 ID:T2yP6I1A
>>203
……マテ、そのタイトルの付け方じゃ瑞穂ちゃんが新妻って事になってしまうぞ



違和感ないけど。瑞穂ちゃんだし
207初代550:2005/05/14(土) 00:45:14 ID:V2pZjV4m
貴子視点 「GWの過ごし方」はこれでおしまいです。本当は6日7日8日もゴールデンウィークなんだけど、流石にネタがないっす。まりやの誕生日SSは当日に間に合わせたいなぁ・・・

GWの過ごし方(5月13日瑞穂の誕生日+1日)
見事に未完成の刺繍を見下ろし、私は途方にくれていた。3日のパーティに間に合わないのは判りきっていたのですが・・・
本日は5月12日、言わずと知れた瑞穂さんの誕生日。ただいまの時間11時55分、もちろんPM。後5分で瑞穂さんの誕生日は終わってしまう。
「貴子さん、お風呂開きましたよ・・・あれ、今夜も刺繍ですか?貴子さんって本当に刺繍が好きなんですね」
お風呂から上がった瑞穂さんが長い髪をドライヤーで乾かしながら、そう言ってきた。ドライヤーは髪が痛みますわよ。
大っ嫌いですわよ、刺繍なんて。二度と始めようなんてたわけた事は考えませんわ、これが終わったら!
心の中で出来上がっていない刺繍を罵倒した所で妖精さんか小人さんが出てきて刺繍をしてくれるわけはない。手を動かさなければ、白い部分が減って行くわけはない。どう考えても後5分で終わるはずはありませんが、傷は小さい方がいいですわよね・・・
言い訳をさせてもらえば、サボっていたわけではない。瑞穂さんも「今夜も」とおっしゃっていたとおり、毎晩遅くまでやっているのです。
ただ、手芸同好会の方に聞いてみたところ、このサイズは慣れてる人が毎日2時間やって半月程度、慣れてなきゃ、1ヶ月は掛かるという代物らしい。もちろん、私は後者。・・・何を考えてこんな事をしようと思ったのでしょうか?私は。
それでもほぼ毎晩徹夜に近いペースでやったおかげで、おそらくは後3時間程度で完成するはず。
とりあえず、先にお風呂を頂きましょうか・・・ぬるくなる前に入らないと・・・。
お風呂から上がると、カレンダーは5月13日に変わっていた。

お風呂上り、パジャマを着てテーブルの前でチクタクと針を動かし白い布に色とりどりの刺繍を施して行く。
その様子を横で瑞穂さんがぼんやりと見ている。結構視線が気になりますわね・・・
「貴子さん、まだ、寝ないのですか?」
「ええ・・・」
顔も上げずに返事をする。今夜中に完成させたいですからね。理由を言えないあたりが辛い所。
(1/5)
208初代550:2005/05/14(土) 00:45:54 ID:V2pZjV4m
お気に入りのクラシックだけをBGMにして、さらにチクタクと縫い針と時計の針が動き続け、1時間が過ぎた。
そばに居てくださるの嬉しいのですが、こう言うのを見てて飽きないのでしょうか?瑞穂さんは・・・正直、やってる本人はかなり飽きてます。
「あまり根を詰めると体に毒ですよ」
少し心配したような・・・というのでもありませんわね。なんだか、微妙な口調ですわね。
「お疲れでしたら、瑞穂さんはお先寝てくださって結構ですわよ」
軽く顔を上げ、ぽんぽんと肩を叩く。はぁ・・・かなりこってますわね・・・
「ええ・・・ああ・・・まあ・・・疲れているわけではないのですが・・・」
奥歯に物が挟まっているような物言いですね。チラッとそちらに顔を向けると、何処か赤い顔をしてそっぽを向かれてしまった。
「そうですか・・・」
また、俯いてチクチクと針を布に突き刺して行く。後3時間では無理ですかねぇ・・・ここ数日の平均睡眠時間、2時間を切ってるんですけど。
「えっと・・・あの・・・その・・・先に・・・寝ますよ?」
「ええ・・・どうぞ」
今度は顔を上げずに答える。
「・・・寝ますよ?」
寝るならさっさと寝てくださいって・・・と、顔を上げると、やっぱり、何処か赤い顔をして、そっぽを向く・・・
ああ・・・えっと・・・うーんっと・・・・・・まあ・・・その・・・そういう事ですか・・・
いわゆる、「求められている」という奴ですか・・・この前「シタ」のはゴールデンウィーク前の話ですからね・・・
私も、刺繍がなければ、シテ頂きたい所ですが・・・というか、むしろ、ぜひともしたいというか・・・可愛がって欲しいというか・・・可愛がってあげたいというか・・・少しくらいなら・・・・はっ!今、思いっきりしてもらうつもりになってましたわっ!
駄目です!今夜中にこれを仕上げてしまうんですから!寂しく一人で寝てください!!

で、2時間後
・・・シテしまった。流されるままに、3回もイッてしまった・・・あまつさえ、上に乗って自分で腰を使っていたような気がしないでもない。
求められると嫌な気がしない心と始めると限度を知らない若い体が憎い。仕方ないですわよね?お互い若いんですし、同棲なんかしてるんですからっ!?不可抗力ですわよねっ?!
(2/5)
209初代550:2005/05/14(土) 00:47:24 ID:V2pZjV4m
と、見えない陪審員に弁解した所でどうにかなるわけでもないわけですし・・・あぁ、腰が痛い。
眠りに落ちそうな意識を必死で繋ぎとめ、瑞穂さんが寝てしまうまで一緒にベッドに居て、ズルズルと這う様にベッドが下りたら、時計は3時を大幅に回っていた。
って、2時間のつもりが3時間弱はしてるじゃないですか!徹夜かなぁ・・・明日の1限目からなのに・・・
寝ている瑞穂さんの邪魔にならないように、隣の部屋へ移動する事にした。ついでに思いっきり苦いコーヒーでも淹れましょう。カフェインは緑茶の方が強いんでしたっけ?
普段の1.5倍は濃い目のブラックコーヒーと、ポータブルステレオを用意して刺繍を再開する。ヘッドホンのボリュームは全開。
しかし・・・ブラックのコーヒーというのは苦いですわね・・・普段からブラックを飲んでる瑞穂さんの味覚が信じられない。
やっぱり、ミルクくらい入れたほうが良かったかも・・・でも、いまさら取りに行くのも時間の無駄ですわね・・・
思いっきりアレを楽しんでしまった体は、頭に「もう寝よう、今すぐ寝よう」という信号を送り続ける。それをコーヒーの力を借りた意志の力でねじ伏せながら、一針一針目を増やして行く。
手芸同好会の方がやっていた物に比べると、図案自体はずいぶんと簡単なのですが、なにぶん慣れていないので、時々目を間違えたり、それに気づかずに進めてしまったりする所為で、進みはずいぶんと遅い。
1つ間違えて進めてると、全部やり直し、という事があるので油断ならない。
今夜中に済まして、明日の朝食の時にでも渡せば、遅れは1日だけで済む。あぁ、枕元に置いておくと言うのも悪くはないですわね。
・・・サンタクロース?サンタクロースもこういう苦労をしてるんでしょうかね・・・サンタクロースに夜の営みを求めてくる恋人が居るとは思えませんが・・・
くだらない事を考えないで、頑張ろう!私!犯っちまった物は仕方がないのです!

新聞屋さんのバイクの音が聞こえる頃、最後の一目が終わった・・・出来た・・・眠気と、肩と腰の痛みに耐えてよく頑張った!と、少し古い言葉を自分に掛けてあげたい。でも、自分を褒めてあげる前に寝たい。
もう限界、一秒たりとも起きていられません。おやすみなさい・・・
(3/5
210初代550:2005/05/14(土) 00:48:27 ID:V2pZjV4m
「貴子さん!貴子さん!」
ふみゃぁ・・・あっ、コーヒーの良い香がしますわ・・・瑞穂さんが入れてくれたのでしょうか?
「何でこんな所で寝てるんですか?」
何で・・・?こんな所・・・?あぁ・・・刺繍刺繍・・・瑞穂さんの誕生日プレゼント・・・この刺繍は瑞穂さんの誕生日プレゼントでしたのよ?気が付いてない朴念仁様も居ましたが・・・
伝えたい事はたくさんありますが、寝起きで頭が動かない・・・とりあえず、手渡しましょう。1秒でも早く手渡したい。
半分寝ぼけた目で、ぺたぺたとテーブルの上においてあったはずの刺繍を探す。ビチャ・・・
ビチャ?嫌な物音と指先の感触に、一気に頭が覚醒して行く。
「あぁ・・・コーヒーまでこぼしちゃって・・・雑巾、取ってきますね」
パタパタとスリッパの音を立てて、瑞穂さんが部屋から出て行くの呆然と見送り、視線をテーブルに落とす。
コーヒーの洪水になっているテーブル、コーヒーカップを叩き倒した際に付いたと思われる右手のコーヒー。そして、当然のようにコーヒー漬けになっている私の血と汗と睡眠時間の結晶。
「クリーニング屋さんに行ってきます!」
コーヒーだらけになったそれと、財布をひったくり、外に飛び出す私。瑞穂さんが何か言ったような気がしますが、聞いてる余裕はない。
『9時開店』
燦然と輝く看板、ただいまの時間、8時。しかも、私・・・パジャマとスリッパ。・・・馬鹿?
(4/5)
211初代550:2005/05/14(土) 00:48:58 ID:V2pZjV4m
翌日
土曜日の夕方、ようやく刺繍が帰ってきた。はぁ・・・2日遅れですか・・・それでも差し上げないよりはずーっとマシですわよね、と、自分で自分に慰めておく。
「これ・・・遅くなりましたけど、私からの誕生日プレゼントです」
夕食の後、素朴な額に収められた刺繍をおずおずと差し出す。
「あっ・・・ありがとうございます。綺麗な刺繍ですね・・・本当に僕のプレゼントだったんですね・・・」
「本当に?」
「あっ・・・いえ・・・そうだったら良いな・・・って思ってましたから」
少し恥ずかしそうに、そして、それ以上に嬉しそうに指先で頬をかいた。
「少しは気が付いていたんですね」
思っていたよりかは朴念仁ではなかったようですわね・・・って、そう思っていらしたのでしたら、求めたりしないで欲しかった。答えた私も私ですが。
「でも、無理をしてまで仕上げないで下さってもよかったんですよ。貴子さんからのプレゼントでしたら、いつ貰っても嬉しいですから」
気が付いてる事を私が知ったら、プレッシャーになると思って、気が付いてない振りをしていてくださったのかもしれませんわね。
いまさら、確かめる術はありませんけど・・・
「あまり目立たない所に飾ってくださいね。恥ずかしいですから」
「そうですか?立派な物だと思いますよ」
瑞穂さんは、それを両手で持って、何度も離して見たり、近くで見たりを繰り返している。
「でしたら、目立つ所に飾っても恥ずかしくないのが出来たら、これと交換しますね」
「もう!瑞穂さんは時々意地悪です!」
「あはは、貴子さんが可愛いからですよ。でも、本当にありがとうございました。大事にしますね」
テーブル越しに交わされる二人の口づけを、一つの額の中で寄り添う二匹の猫だけが見ていた。
(おしまい)
212初代550:2005/05/14(土) 00:49:35 ID:V2pZjV4m
本当は金曜日中に上げたかったのに・・・orz
213名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 03:28:52 ID:qUFkllMa
読ませていただきましたいつもながらGJです
今回はいつにもまして甘い感じで読んでてにやけちゃいました
214名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 03:34:11 ID:AzdKqdEM
内容と一緒なだw

まぁ乙
215名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 14:16:33 ID:ttbhP6ZT
職人の皆様方、お誕生日SSお疲れ様でした。
・・・結局、>>112さんの仰るとおり、orz祭になったような気もしますがw

次の祭りは6/8のまりや誕生日かな。
216名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 15:49:17 ID:YHIBsQOY
小ネタをひとつ投下。『衣装合わせ』

学院際での一コマ。
「紫苑さんカッコいいですね」
「ありがとうございます。そう云う瑞穂さんは何か違和感があります。他人
の服を着たような……深窓の令嬢が無理やり男装したような印象ですわ」
_| ̄|○
「む、無理やり男装……あの、僕、男なんですけど」

(おまけ)
「瑞穂さんに褒めていただけるのはうれしいのですけれど……」
「……なんでしょう?」
「さらしは胸が圧迫されて苦しいです」
「……紫苑さん、それはセクハラです」

お粗末さまでした <m(__)m>
217名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 22:46:26 ID:GQ1kt5Mg
ツンデレラをプレイするには初回版を中古等でゲットするしかありませんか?
ファンディスクとかでツンデレラが収録されるとか、ありませんか?

通常版新品を買うか、1k出してでも中古初回版ゲトするか悩んでまつ。
218名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 23:09:52 ID:5Pyl7/7/
>>217
プレイって・・・?
ツンデレラはゲームじゃなくて絵本だぞ
219名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 00:26:31 ID:By2gZF2i
店舗特典と混じってるんだろう。

ツンデレラは絵本。プレイできるのは店舗特典のおまけシナリオ Appendix-Xだ。>217
Appendixはやるきばこに収録予定。
220名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 05:39:22 ID:SeIUsB5v
外がすっかり明るくなったところで、はじめてのネタ投下。

発覚!

「あっ!」
それは更衣室で着替えている時だった。
いつものように紫苑さんが胸パッドで遊んでいた時、
強く揉んだ拍子にブラからパッドがこぼれ落ちてしまったのだ。
アクシデントに思わず声が出てしまったのもまずかった。
僕の声を聞いた更衣室内のクラスメイトの注目を浴びていた。
動きの止まる僕達、流れる沈黙、床に転がる胸パッド………

………ついにばれた。

いつかは起きるかもしれない事だったけど、とうとう現実になってしまった……
…こうなった以上取るべき道は一つしかない。
「……皆さんごめんなさい、僕は……本当は男だったんです!」
それだけ言うと手早く制服を身に着け、逃げるように更衣室を出る。
クラスメイトは驚いているのか、反応はなく皆無言だった……

校舎を出るとそのまま寮の自室に戻る。
さすがに授業を受ける気にはなれないし、クラスメイトにもあわせる顔が無い。
ベッドのふちに腰掛け、思いをめぐらせる。
「もうここには居られないな……」
男であることがばれてしまった以上、母様の思い出が残るこの部屋ともお別れしなければならないだろう。
転入してから今日までのことを振り返ると、大変なことも多かったが楽しくて素敵な日々だったと思える。
いつのまにかこの学院に愛着を持っていたことに気付くと、涙がこぼれて止まらなかった……
221発覚!(2):2005/05/17(火) 05:40:34 ID:SeIUsB5v
ばれてしまったことを話して退学手続きをするため、
学院長に会いに行こうと寮を出るとそこには貴子さんがいた。
「先程思い詰めたご様子で校舎を出て行くお姉さまをお見かけしたもので……、
 失礼とは思ったのですがクラスメイトの方からお話は聞きました」
「貴子さん、私は……」
「お姉さま、何も、何も仰らなくて結構です。
 同じ女性として、体型のことを気にしておられたお姉さまのお気持ちはよ〜くわかります。
 転入を機会にイメージチェンジを図ろうとした矢先にエルダーになったことで、
 皆を騙すようなことになってしまって気に病んでいたのでしょう?」
「…………は?」
あれ、貴子さんはなんの話を?『同じ女性として』って……???
「世の中に完璧な人間などいません、それはお姉さまとて同じです。
 少しばかり胸が、その…薄いからといって、お姉さま失格だなどという生徒はこの学園にはおりませんわ。
 むしろそれくらいの方が、か、可愛らしくて、その、親近感が持てますわ」
「…あ、あの、貴子さん?」
どうやら胸が薄いのを気にしてパッドを入れていたことを恥ずかしがっていると思われてるらしい。
「それにしてもいくら恥ずかしかったとはいえ『僕は本当は男だったんです』
 なんて下手な冗談で誤魔化さなくてもよろしかったのでは?
 お姉さまが更衣室から出た後、クラスメイトの皆さんは笑っていいものかどうか反応に困っていたそうですわ」
「あ、は、は、ははは……そ、そうですか……」
どうやら男であることはばれずに済んだようだ……
ということはまだここに居られるってことで、それはとても嬉しいと思えた。
……だけどあの状況を目の当たりにして、さらに男だって言っても信じてもらえないのってちょっとショックかも……
222発覚!(3):2005/05/17(火) 05:41:34 ID:SeIUsB5v
人並みにスタイルを気にしていて可愛らしいお姉さま
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いやちょっとどころか、かなりショックだ……

その後、僕の胸が実はパッドだという事実はまりやと紫苑さんのフォローで、
目撃した少数のクラスメイトだけの超極秘事項とされたらしい……
いったいどんな説明をしたのか、一部の人たちが妙に優しくなった気がする。
パッドを入れてる理由がどんなことになってるのか気になるけど、知らないほうがいいのかも……

 〜終〜
223220:2005/05/17(火) 05:48:22 ID:SeIUsB5v
最近の瑞穂ちゃんは男だといっても相手にされてないので、
そういうネタで一発ということで。
224名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 09:27:26 ID:sGeOjP4w
乙。
本編でも、ぺったんこの胸をみられただけで男と発覚するのはちょっと無理があるかなぁと
思ってたりするんだが。ゆかりん編みたいに触られるならともかく。
225名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 10:20:46 ID:CcQmYfGZ
男の胸と女のぺったん胸はそもそも違う。見て一発で分かる。

が、瑞穂ちんはそもそも体格とか体系とか骨格とかがもはやおと(ry
226名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 10:53:58 ID:sGeOjP4w
そうかもしれんが、瑞穂=女という先入観で、切られた胸元越しにみてるだけで
即バレするかなぁと。

…ああ、貴子さんはじっくり凝視してたのか。
227名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 16:24:04 ID:Ipom0zwT
凝視してたんだろう。破れたスカートから覗く股間のもっこりをw
228名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 19:19:27 ID:NJ6J4ZxG
>>227
想像したらたっちまった _ト ̄|○
229名無しさん@ピンキー:2005/05/17(火) 22:42:20 ID:By2gZF2i
ああ!あぶない!!後ろです、瑞穂さん!

…あ…切られたのは服だけですのね…よかった……

……………
………


あ…み、瑞穂さんの胸が…
ぴ、ぴんく色です……って、わ、私ったらどこを見ているのかしらっっっ
む、胸じゃない所に怪我とか…

まあ、なんて白くて美しいおみ足……細いのに、しなやかで、なんて…
あ…い、今のは、パ、パンツ。な、なんて大胆なデザインかしら…


………
な、なにかはみだしているようなのですが……あれは……まさか……

(きゅ〜〜〜〜)
230313:2005/05/18(水) 05:15:11 ID:cxWC5VpN
(´-`).。oO(早朝で誰もいない・・・・・・・・・)
(´-`).。oO(瑞穂ちゃんの災難2−4投下用意)
231313:2005/05/18(水) 05:18:03 ID:cxWC5VpN
瑞穂ちゃんの災難2−4

 屋上での密談の後。紫苑は、ふいに「瑞穂さん」と呼びかけた。美智子の位置から紫苑の表情は見え
ないが、声の調子からみて二人だけで話したいことがあるのだろうと考え、まりやの耳元で
「この場は、紫苑さまにお任せしませんか?」
その場に留まっていたそうなまりやに再度
「心配でしたら、放課後にでもお聞きすればよろしいかと思いますけど?」
まりやが少し躊躇した後、美智子の提案に従い校舎の中に入って行ったのを見て、紫苑は話を切り出す。
「私が口を出す事ではないと承知しておりますが、最近まりやさんへの対応がおかしくありません?」
「‥‥‥‥‥」
瑞穂の無言を肯定と受け止めて、風で顔に掛かった髪を、指先で払い除けながら
「お二人の間に何があったかは存じませんし、まりやさんの行動の結果として瑞穂さんが、意に沿わぬ
事をしなくてはいけなくなったのもわかりますが、この2、3日まりやさんにきつくあたりすぎてませ
んか?」
瑞穂も顔に掛かった髪の毛を、指先で揃えながらフェンスの外を見て
「ええ。まあ、自分もやりすぎたかなとは、思っているのですが‥‥‥‥‥まりや相手ですと、他の人
に比べて押さえが効かなくなるのです。昔から知っているというのもあるのでしょうけどね」
長いため息を漏らすと、わずかに表情を曇らせ
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、まりやも人の感情を逆撫でするような言い方するので、余計に
ですね」
瑞穂の言葉に、紫苑は何も言わず風に髪を揺らしていた。

 授業が始まる少し前に教室に戻ってくると、美智子が紫苑のそばに行き
「生徒会室の横の掲示板に、瑞穂さんの処分が張り出されていたそうですよ。『不名誉な風聞の対象と
なり職員会議の議題に載ったと聞き及ぶ』ですって‥‥‥‥‥『エルダーシスターとしての名誉を汚す
ことのないよう‥‥』とも、書かれていたそうですよ」
話に加わらずぼんやり窓の外を見ている瑞穂を見て
「もしかして‥‥‥‥‥《あの日》なのですか?」
紫苑も瑞穂をみながら、困ったよう表情を作り
232313:2005/05/18(水) 05:18:51 ID:cxWC5VpN
「瑞穂さんは、この2,3日情緒不安定のようですわ、まりやさんにも、きつい言葉をぶつけられてる
ようでしたし」
「今月は特に重いのかしら?確か、前‥‥‥‥そう‥‥‥‥‥プールの授業の時にも、お休みをされて
ましたね」
(生理が重い)
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(あーーー。また、尾ひれが)
「そこ。落ち込んでる暇はないけど?」
圭の突き放したような言い方に
「まあ、瑞穂さんが落ち込まれるのは、今にはじまったことでは有りませんしね。しばらくしたら復活
されるでしょう」
と、美智子の言葉に紫苑も同意して自分の席に戻り、緋沙子が教室に入ってくるまで、瑞穂は放置され
ていた。
 授業後。緋沙子は瑞穂を注意の名目で、人の少ない廊下まで連れてくると
「瑞穂さん。職員室でも話がでていたわよ。よりによって‥‥‥ね。あっと、落ち込まない」
「‥‥‥」
薄荷キャンディーを渡しながら
「まあ、瑞穂さんも抱えてるものが多いと思うのだけど、ヒステリックな行動は起こさない方がいいわ
よ。傷ついているのは貴方だけとは、限らないのだから」
そういうと、瑞穂の肩を一つ叩きその場を立ち去った。
(あの様子だと、まりやからも話を聞いてるのかな)
窓の外に目をやりながら、そっとため息を吐いて壁にもたれかかった。
233313:2005/05/18(水) 05:20:08 ID:cxWC5VpN
「瑞穂さん。遅刻しましてよ」
声のした方に顔を動かすと、二人分の裁縫道具を持った紫苑が立っていた。瑞穂に裁縫道具の入ったき
んちゃく袋を差し出しながら
「まりやさんも自分に非が有ることを承知されているからこそ、瑞穂さんに黙って協力されているので
はないのでしょうか?私は、瑞穂さんを大切な友人と思えばこそ、こうして苦言も申し上げるのです」
瑞穂は、紫苑からきんちゃく袋を受け取ると、紫苑の顔を見ずに歩き出し
「緋沙子先生からも、同じような苦言をいただきました。頭では理解しているつもりなのですが‥‥‥」
瑞穂の話を聞いていた紫苑は、突然口元を隠して笑い出し
「頭では理解していても、感情が抑えられない‥‥‥まるでヒステリーみたいですわね」
授業開始のチャイムを聞いて
(授業に遅刻)
(ヒステリー)
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(ぼく、男の子のはずなんだけど?)
「落ち込まれているところ申し訳ないのですが、授業開始のチャイムが鳴ってしまいましたわ」
瑞穂は、ため息を一つ吐き、立ち上がりるとスカートを軽く払い
「紫苑さんのお相手をしていますと、真剣に悩んでいることがばからしく思えてきますね」
「あら、それは誤解ですわ。最初からその程度の悩み事なのでは‥‥‥‥‥‥」
234313:2005/05/18(水) 05:21:03 ID:cxWC5VpN
不自然に言葉を区切ると「私のように、本当に深刻な悩み事でしたら」と瑞穂にも聞こえるか聞こえな
いかの声で呟き、わざとらしく大きく息を吐くと
「私は、お手洗いで遅れたことにいたしますわ」 
瑞穂は《かないませんね》と顔に書くと、きんちゃく袋のさげひもに腕に通し
「もっといい口実がありますよ。紫苑さん私の首に腕をまわしていただけますか?」
紫苑が言われた通りにすると、お姫様だっこの形で抱き上げて
「これなら、より説得力があるとおもいませんか?」
「意地悪ですわね‥‥‥‥‥‥その‥‥‥重くありませんか?」
瑞穂の胸にほんのり紅く染めた顔を埋める形の紫苑に、前を向いたまま
「ノーコメントとしておきますね。女性に体型とか体重の話題はタブーみたいですから‥‥‥身近で、
勝手に人のウエストを測って『女性の敵だわ』と、憤慨された方をみておりますとね」
紫苑は、誰のことを言っているのか思い当たると忍び笑いを漏らし始めた。

 清掃後。後かたづけをしていた瑞穂の元に、美智子が来て
「瑞穂さん。そういえば、緋沙子先生のお話はなんでしたの」
少し遅れて紫苑も来たところで
「職員室でも話が出てるとの事でした。議題というような言い方では無いように感じましたけど」
瑞穂が答えると、少し間をおいて
「異議申立書の内容なのですが、瑞穂さんの名誉回復と、不正確な情報の2点にいたしませんか」
「そうですね。『聞き及ぶ』ですから、それでいいと思います」
紫苑と美智子が話し終わると圭が
「紫苑さまの配達?」
瑞穂の不思議そうな顔を見て、美智子が圭の言葉の補足を始める。
「あ、ああ。家庭科室に現れたときのことですわね。あれは、あれで、うわさになりますわね。お姫様
だっこですから」
「あれは、瑞穂さんが悪いのですわ。遅刻の口実に私を利用されるのですもの」
ほんのり顔を紅くした紫苑に瑞穂は
「ご自分は、お手洗いを口実にされるつもりだったのでしょう?」
二人の会話に笑い出した美智子は
「瑞穂さん。紫苑さまを抱えて腕が疲れませんでした?」
235313:2005/05/18(水) 05:22:36 ID:cxWC5VpN
美智子の《重くありませんでした?》との問いかけに瑞穂は
「まあ、腕の中でおとなしくしてくださいましたから、そのせいなのかも知れませんが‥‥‥‥思った
よりは疲れなかったと言わせて頂きます」
「私の事は、ともかく」
美智子と瑞穂から、さりげなく視線をそらして
(逃げたな紫苑さん)
(逃げですね)
「瑞穂さんの異議申し立てを、早急に行うべきではないではないのでしょうか?」
いつのまにか、その場を離れていた圭が、教室の入るのを躊躇っていたらしいまりやを強引に連れて
きたらしく、腕を抱え込みながら「まりやさん捕獲」と声を掛けてきた。紫苑は、おっとりした笑顔を浮
かべながらまりやの前に立つと
「瑞穂さんが、この2、3日いつもと違うのはご存じですわね」
突然の問いかけに、戸惑いながらもまりやが頷くと
「実は、いつもより重いらしくてお薬のせいなのかもしれませんが、授業中もぼんやりとされてました
のよ。緋沙子先生にも、授業後注意をされてようですし‥‥‥‥でも、こればかりは、女性である以上
どうしようもないことですしね。もうしばらくは、瑞穂さんのご機嫌が悪い日が続くと思いますので、
まりやさんも、お言葉を慎まれた方がよろしくてよ」
(紫苑さん。さっきの仕返しですか?)
瑞穂の険しい表情を横目に美智子が
「まりやさん。瑞穂さんの処分が、お昼休みに掲示されたのはご存じですか?その事をで紫苑さんと、
話していたところなのです」
(貴子。さっそく行動に移してる)
「瑞穂ちゃんの機嫌の悪いのは気になるけど、貴子も融通がきかないわね。じゃあ、抗議にいく?」
「とりあえず、貴子さんのお話を聞きませんこと?貴子さんのお話に納得が出来なければ、異議申し立
てを行えばいいのですから?」
紫苑の提案に、話に加わっていたまりや、美智子、圭、瑞穂が頷いた。

 生徒会室横の掲示板の前には、数人の生徒が立ち止まっていた。その様子を見ていた圭が
「紫苑さまの配達」
236313:2005/05/18(水) 05:23:45 ID:cxWC5VpN
と紫苑の腕を取って瑞穂の首に持って行くと「早く」と急かせた。瑞穂が戸惑っていると美智子が
「瑞穂さんと紫苑さまの仲がいいと言うことはかなりの生徒が知っていますから、『体調の悪い紫苑さ
まが、無理してまで生徒会室を訪れた』というのを目撃させたいのです」
圭にせかされるように紫苑を抱き上げた瑞穂は
「紫苑さん。もう少し体の力抜いてもらえますか?さきほどより《重く》感じるのですが‥‥‥‥」
さきほどのしかえしも込めて《重く》の部分を強めに話しかけると
「瑞穂さん。ずるいですわ。先ほど、体重の話題はタブーと言われましたのに」
瑞穂は、紫苑を抱え直すと
「紫苑さんから甘い良い香りがしてきますから、抱くのがくせになりそうですよ。紫苑さんが、奏ちゃ
んに抱きつきたくなるのもわかるような気がします」
「卑怯ですわ。ご自分のご都合の悪いことになると話をすり変えますのは、でも、瑞穂さんにも気に入っ
ていただけるのなら、選んだかいがありましたわね」
紅を刷毛で掃いたような色に耳まで染めて、瑞穂の胸に顔を埋めてしまった。
(あーー。絶対妖しい関係と勘違いされてる)
(瑞穂さんと紫苑さま。これほど仲がおよろしいとは気が付きませんでした)
(‥‥‥‥)

 瑞穂に抱かれたまま紫苑が生徒会室に入ってくると、ざわめきが起こり貴子が
「紫苑さま。どうなさいました?」
瑞穂は紫苑を下ろすと、部屋の外に漏れない程度の声で
「掲示板の前に数名の生徒が立ち止まっていましたので、《わざと》抱きかかえてその子達に見えるよ
うに、ここに入ってきました。その後、異議申し立て書が張り出されれば‥‥‥‥」
貴子は、長く息を吐くと、同じ程度の声で
「そう言うことでしたか、確かにめだちますわね。で、異議申し立ての代表は紫苑さまでよろしいので
しょうか?」
「ええ、紫苑さんの元エルダーとしての肩書きは、いまだに影響力が大きいようですから、賛同者とし
て、美智子さんとまりやになってもらいました。賛同者を御願いした理由ですが、美智子さんは、同じ
クラスで親しくさせていただいてることもあり、また、受付嬢としての情報力や人脈も、無視できない
ものがありますから、まりやは貴子さんと対立しているのをよく目撃されてますからね。まあ、外して
237313:2005/05/18(水) 05:24:45 ID:cxWC5VpN
も勝手に騒ぎに潜り込んでくるのが目に見えてますから、それなら最初から騒がせておいた方が被害は
少ないと思いますので」
「特にまりやさんに関しましては、私も同感です。まあ、同族嫌悪とでも申しましょうか、お互いに相
手の怒らせ方をよく知っていますから」
貴子とまりやは、お互いに顔を見ると微妙に視線を外した。瑞穂と貴子が話し合っている間に紫苑は、
君枝が用意した紙に異議申立書を書き始めていた。瑞穂が話し終わると、扉の外を見てきた美智子が
「貴子さん。瑞穂さんのことなのですけど、どう説明するべきなのでしょうか?後、今回の件ですが、
『頭の固い教師が強硬に処分しようとしている感じで、うわさを流しては』と、瑞穂さんが提案された
のですが?」
美智子の問いかけに、貴子はしたあごに手を当て、広いとは言えない室内を歩きながら
「そうですね。瑞穂さんについては、原因不明の嘔吐感としてください。もう1つの件ですが、そちら
の方は、さすがに個人名を出されると問題になりかねませんので、特定できない形でしたらいいかと」
「それと、『職員室でも話がでていたわよ』と緋沙子先生が話されていたそうですから、まあ、議題では
なく、雑談の1つかとは思いますけど」
美智子が、瑞穂から聞いたばかりの情報を貴子に教える。美智子は貴子からの話を聞いて
(原因不明ですか‥‥‥‥受験勉強の疲れが無難ですね。後は、日頃口うるさいことを言われる先生に
犠牲になってもらいますか)
 紫苑は異議申立書を書く手を止めると
「貴子さん。瑞穂さんの名誉回復の件なのですが、検査薬を含む機材の使用は認めて頂けるのでしょう
か?奏さんの時は、装身具の問題でしたので機材を申請することなく、主に討論で解決に導けましたが、
瑞穂さんの問題は‥‥‥‥」
「そうですわね。おねえさまの問題は、奏さんの時とは違いますから、目に見える形での証明が必要に
なるかと思います。必要な機材を申請されるのには異存がないのですが、検査薬一式の他に必要な機材
といいますと、何を用意すれば‥‥‥‥」
貴子が言葉に詰まると、それまで黙っていた圭が「実況放送すれば、問題なし」と話した。
「えっと、つまり、瑞穂さんのは妊娠疑惑なのですから、それを全校生徒の前で否定できれば、問題は
238313:2005/05/18(水) 05:39:08 ID:cxWC5VpN
一挙に解決ですね。検査しているところをビデオカメラで撮影して、それをスクリーンに映写すれば
いいと、圭さんは言ってるのではないのでしょうか?」
美智子が圭の言葉を補足すると、貴子は
「確かに、検査シーンをその場で映写すれば納得する生徒が多いとはおもいます。が、問題点が1つ。
妊娠検査薬は、妊娠時に分泌されるホルモンが尿に含まれているか、否かで判断するものです。判定作
業はビデオ撮影されても何の問題も有りませんが、肝心の採尿シーンの撮影は、物議が起きそうな気が
します」
(そこは、別の意味で問題が発生しそうなんですけど)
(採尿シーンは、まずいわよ)
明らかに顔色を変える瑞穂とまりや、そして難しい顔をしている貴子に紫苑が
「それなら、臨時総会の当日、無作為に立会人を選びまして、その方達にお手洗いを選択していただき
まして、ドアの外で待っていただくというのは、どうなのでしょうか?あるいは、学院長さまにご足労
いただいて、採尿立ち会いの御願いというのは?」
難しい顔をして考えていた貴子は、自分の執務机を一つ指先で叩くと
「生徒会としましては、異議申し立ての内容を鑑み、臨時総会での機材の使用を許可致します。一部の
疑問点につきましては、議論を要するものもありますが、申し立て側に不利にならないように取りはか
らうということで、ご了承を御願いします。尚、一部の必要機材につきましては、生徒会立ち会いの元で
の購入を認めます」
ここまで言うと、全員に言い聞かせるように
「紫苑さまが異議申し立てを行い、生徒会がそれを受領しました。その際、疑問点について若干の質疑
応答が行われたということですので、この点は《くれぐれも》お間違いのないように御願いします」
最後を締めくくる《公式見解》を述べて、打ち合わせは終わった。
239313:2005/05/18(水) 05:40:03 ID:cxWC5VpN

 翌日。 生徒会室横の掲示板には新しい掲示物が張り出された。
【                 異議申立書
 1月**日付の宮小路瑞穂に対する生徒会指導に異議を唱える旨、ここに異議申し立てをするもので
ある。
      一.不正確な情報を元に行われた当該生徒への指導を取り下げること。
      一.当該生徒本人の名誉回復の機会の付与
                                   以上。
               1月*+日。代表者 十条紫苑。 
                     賛同者 御門まりや
                     同   高値美智子。
亦、代表者は当該申し立てについて賛同者を募っている。詳細に関しては、代表者並びに賛同者に説明の
用意があるので、是非ご質問頂きたい】
と書かれていた。

次回に続きます。
240313:2005/05/18(水) 05:46:35 ID:cxWC5VpN

瑞穂ちゃんの災難2−4でした。

この話投下中に、連投制限にかかりました(初めて)
制限解除がいつ解けるのか判りませんでしたのであせりました。
わりとはやく解除になってくれましたので、助かりましたが(^^;

生徒会側との打ち合わせもおわり、次の段階に進みました。
241220:2005/05/18(水) 05:56:47 ID:gfZQHddJ
313さん乙です。
早朝でもここに投下準備中だった人がいます( ´∀`)
途中で投下途切れた時はちょっぴりハラハラしてましたが。
242220:2005/05/18(水) 05:57:42 ID:gfZQHddJ
ちょっとだけネタの補足ネタ

発覚!Ex(1)

その日の夜、危うく男だとばれそうになったことの話をするため、僕の部屋にまりやが来ている。
「それにしても今日はちょっと危なかったわね〜。寿命がちょっと縮んだ気がするわ」
「僕も一時は退学届を出すことまで考えたからね……」
「危なかったことに変わりは無いけど、更衣室で見られたのは『落ちたパッド』だけで、
 瑞穂ちゃんのぺたんこ胸はブラと紫苑様の手に隠れてたから皆には見られてなかったはずよ。
 それに体育がある日はパッド隠しの為にフルカップのブラしてるから、胸はほとんど見えないだろうし」
「あ、言われてみればそうかも……」
「そもそも女だってパッド入れることもあるんだからパッドが落ちた=バレたになるとは限らないわ。
 それなのに瑞穂ちゃんてばフォローする間もなく『男だったんです』なんて言っちゃうんだもの……
 まぁ、下手な言い訳しないのは潔くて、瑞穂ちゃんらしいといえばらしいかも」
「あの時はもう完全にばれたと思っちゃったから……」
「男だって言ったこと誰も信じてなかったからどうにか誤魔化せたけど、
 紫苑様は自分のせいで危ないことになったからって、結構気にしてたからフォローしてあげてね。
 皆の口止めができたのは紫苑様がお願いしてくれたおかげもあるから」
「うん、わかった。まりやもありがとうね」
「いえいえ、どういたしまして」
243220:2005/05/18(水) 05:58:17 ID:gfZQHddJ
発覚!Ex(2)

翌日、普通に登校して授業を受けたのだけど、なんとなくクラスの一部の人が妙に優しい気が……なぜ?
放課後、紫苑さんと屋上で昨日のことを話すことになった。
「瑞穂さん、昨日はすみませんでした……私がパッドに夢中になりすぎて注意を怠ってしまったせいで
 取り返しのつかないことになるところでした……本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、無事に済んだのですし、私は気にしてませんから。
 それと皆の口止めをしてくださったそうで、ありがとうございます、紫苑さん」
「それにしても瑞穂さんがスタイルに人一倍コンプレックスを持っているだなんて、
 昨日まりやさんに聞かされてはじめて知りましたわ。
 何でも出来る瑞穂さんが、自分ではどうにもならない胸の大きさのことでずいぶんと思い悩んでいらしたのに、
 私はそのことに気付きもせず無神経にパッドで遊んで、ずっと傷つけてしまっていたのかと思うと……」
「……あの〜紫苑さん、私は男ですから胸の大きさで悩んでなんかいないんですけど……」
「………あら、そういえば……いつのまにか私も瑞穂さんのことが女性としか思えなくなっていたみたいですわ」
ううっ、紫苑さん、その台詞の方がよっぽど傷つきます……

 〜終〜
244220:2005/05/18(水) 05:58:50 ID:gfZQHddJ
やはり男と女の胸の違いは見ればわかると思うので、
SSでそこらへんの書き込みが足りなかったのをフォローする話をでっち上げてみたものの、
いまさら蛇足っぽい気がしないでもないような(´・ω・`)
反省は次作に生かせればってことで。
245名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 09:39:10 ID:kQyQMUYY
>313
医者の診断書提出すればすむだけだと思うんだけど禁句?
鏑木系列の病院に適当に用意させればいいじゃん。「乙女でした」って。
検査薬をネタにするだけなら、短編で十分だったかも。

ケチつける気はないんだけど、そろそろ冗長になってきた気がしたんで。
246名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 10:13:57 ID:a0dO98dr
>>245
>鏑木系列の病院に適当に用意させればいいじゃん。
いや、女装しているのはあくまで内密なんだから
それはマズイと思うよ…何処から情報が漏れるか分からんし…
例え医者の守秘義務があったとしてもね。
247名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 11:38:41 ID:d3cPMGmh
そのための系列病院じゃ?
そもそも実際に検査するわけじゃなし、偽名の診断書つくるだけなんだから問題ないでしょ。
ともあれ冗長気味ってのは同感。正直ここまで長引かせるようなネタに思えない。
248名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 13:49:26 ID:kQyQMUYY
まあ、とりあえず無事完結する事を願っておく。
249248:2005/05/18(水) 14:59:17 ID:kQyQMUYY
すまん、なんか偉そうだった。SS投下している職人には感謝している。
250216:2005/05/18(水) 15:14:32 ID:1GRWn5r9
小ネタをひとつ投下。『恵泉ニュース』(1)

学院祭後のある朝のお話。
いつもどおり登校すると、美智子さんが話しかけてきた。
「おはようございます。瑞穂さん」
「おはようございます、美智子さん。何かいいことでもあったのですか? 」
「わかりますか? 実は『受付嬢』ネットワークに面白い情報が引っかかったも
のですから。この紙の内容について意見をお聞きしたくて」
「……なにか嫌な予感がするんですけど」
にこにこと微笑んでいる様子が逆に怖い。
恐る恐るその紙を受け取って目を走らせる。
どこかで見たことあるような気がしてよく見てみると、新聞部が毎月発行して
いる『恵泉ニュース』のゲラのようだ。
「どれを読めばいいんですか?」
「右端のマーカーで囲んでいる部分です」
「えっと……」

『六月に電撃的デビューを果たし、学院中の生徒のハートを奪った私たちの
『お姉さま』宮小路瑞穂さまが学院祭の劇で艶姿をご披露なさったのはまだ記
憶に新しい(中略)。
その影で新しい伝説が生まれていた! その日の保健室は野戦病院さながらの
有様で(中略)
保健室に運び込まれた数 154名(うち、失神67 貧血84 その他3)
エルダー選挙(62名)、『十月革命』(91名)に続き、脅威の伸びを見せてい
る。
また歴代のエルダーを遥かに上回る数字であることは間違いない。
非公式ながら『恵泉ギネス』設立の話も持ち上がって(中略)
251216:2005/05/18(水) 15:15:24 ID:1GRWn5r9
『恵泉ニュース』(2)

お姉さまのご学友Sさまのコメント
『(野戦病院について)あのときの瑞穂さんは日ごろ免疫のある私でも見と
れるほどでしたから仕方ないかと思います。
男性のように大胆に振舞いつつも、その挙措は艶やかで優美。
女性の鏡ですね、瑞穂さんは。
『男装』された瑞穂さんも本当にお似合いで、今も目に焼きついているようで
すわ』

なお、写真撮影が禁止されていたにもかかわらず、お姉さまの『男装』写真が
高額な値段で闇取引されている。事態を重く見た生徒会は緊急の総会を開くこ
とを検討しており……』

_| ̄|○
(女性の鏡……ぼ、僕、男なんですけど……)

その日、紫苑さんはすごくご機嫌だった。


つづかない
252名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 16:10:58 ID:HHDkRaNc
「その他3」妙に気になるな・・・
何が起きたんだ
253名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 16:16:02 ID:JSRfXukV
>252
精神崩壊?
「おねえさまおねえさますてきですおねえさまおねえさまおねえさまああゆめのようおねえさまおねえさまおねえさまおねえさまおねえさま・・・」
254名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 17:03:34 ID:Ig7Nf8kX
>252
お姉さまの男装のお姿を目に焼き付けたまま、一刻も早く(略

トイレに駆け込んだが、どこも満室

最後の手段として保健室のベッド(←この時点でかなり錯乱してるが)
255名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 17:06:06 ID:2tH35Sh8
興奮しすぎて過酸素で倒れたとか…
256名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 17:33:35 ID:0SMy9HRF
>>255
過呼吸でわ?
257名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 21:21:45 ID:LZ51TMIr
ではでは。
258名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 21:45:42 ID:gQjKeA1O
>252
瑞穂ちゃんのキスシーンに錯乱したM嬢と、それに巻き込まれたY嬢、K嬢だったりして
259名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 21:57:19 ID:kqey+Zkv
出血(鼻血)とか?
260名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 09:49:12 ID:dk1s8oD9
それより、紫苑さんが上機嫌なのはインタビューのギャラとして男装写真をゲットしたからなのだろうか・・・
261名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 10:21:37 ID:PzgEd4x6
貴子、男装写真買ってそうな希ガス
262名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 12:15:25 ID:dk1s8oD9
葉子「会長、劇のときのお姉さまの男装写真が生徒の間で出回っているそうです。」

貴子「そ、そのようですわね。」

葉子「このような状況、生徒会として許すわけにはいきません!会長、写真を持っている者へ厳しい罰を!」

貴子&君枝「ええっ!?」

葉子「か、会長・・・?」

貴子(い、言えない・・・私も所持してるなんて・・・)

君枝(い、言えない・・・会長のおっぱい写真も出回ってるなんて・・・)

とか?
263名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 13:26:42 ID:PzgEd4x6
闇取引の元締めがまりやで、貴子に呼び出されてそう。

貴子「お姉さまの男装写真を売りさばいているそうですね」
まりや「あちゃー、ばれちゃったか」
貴子「ばれたじゃありません! あなたは恵泉の生徒として……」
まりや「まあまあ、これでも見て落ち着いてよ」
何か手渡す。
貴子「こ、これは……」
まりや「こんなのもあるわよ」
貴子「こ、このようなものまで……」
まりや「たぁーかぁーこ! これ欲しいと思わない?」
貴子「それは欲しいに決まって! いえ……」
まりや「そうよね。うちの生徒で『お姉さま』の写真を欲しがらない人はいないと思わない?」
貴子「それはそうですが……」
まりや「それを無理やり締め付けるのは『寛容』を旨とする恵泉にあるまじき行為ではないのかしら?」
貴子「そ、それは……」
まりや「こうなったら腹を割って話しましょう……それ欲しくない?」
貴子「……10枚」
まりや「5枚」
貴子「8枚! これ以上は譲れません!!」
まりや「乗った! 商談成立ね!!」

とか?
264test:2005/05/19(木) 22:16:34 ID:MFxWv17v
おボク様 あなざぁ 『0 まりや vs 貴子 with 美智子』

 まりやさんと貴子さんの仲が悪い理由ですか?
 色々とあるのですけど、幼稚舎からのお話ですね

 其の頃のまりやさんは、その…とてもお転婆で、一度など木に登って降りられなくなる
事件もありました。たまたま迎えに来ていた他の父兄の方に助けて頂いたのですが、先生
も皆さん女性の方かご高齢でしたので大騒ぎになっていました
 一方の貴子さんは物静かで大人しい方でした。遊びに誘われるまでは絵本などを御一人
で読まれていて、でも、何かにお誘いすると嬉しそうに微笑まれて。その頃の貴子さんは
可愛らしかったですわ
 当時の貴子さんと一番親しかったのは、私と、なぜかまりやさんでした。かけっこや鬼
ごっこに誘われたり、一緒に本を読んだり、お出かけしたり。時々、私とまりやさんで大
人しい貴子さんを取り合いになるようなこともありましたわね
 それが変わったのが、その、木から降りられなくなった事件からです

 幼稚舎では必ず保護者の方が送り迎えをしていましたが、貴子さんは家政婦の方がお見
えになられてました
 時々お兄様が一緒に迎えに来られていて、其の時は嬉しそうにされてました。当時は、
とても大きいように感じられましたけど、其の時で小学生だったのでしょうか。少し年上
の優しいお兄様。妹思いで、他の子ともちゃんと遊んで下さって、大人に対しては礼儀正
しい。理想のお兄様とでも言うのでしょうかお母様方にもとても人気で、貴子さんと一緒
にお茶や遊びに誘われる事が多かったですわね
 私も何度か家に来て頂きましたし、厳島のお屋敷にお泊りしたりもしました。其の時も
貴子さんはお兄様にべったりで、時々はお母様がいらっしゃるのですが、その時でも甘え
てらっしゃる姿は記憶に無い位です。お父様にもお会いしているはずなのですが、こちら
はあまり印象に残ってません

  続く
265test:2005/05/19(木) 22:18:02 ID:MFxWv17v
 多分、まりやさんは最初から兄弟というものに憧れがあったのだと思いますけど、木か
ら降りられなくなったのを貴子さんのお兄様に助けて頂いてからは、貴子さんと仲良く一
緒にお兄様にべったりで、まるで本当の姉妹のようでしたわ
 それなら、まりやさんはお兄様に告白すれば良いのではないかと思いまして、貴子さん
を誘って迎えに来られたお兄様から離れさせて、まりやさんと二人きりにして差し上げま
した
 私も子どもでしたから、まりやさんがお兄様と結婚すれば、もっと貴子さんと一緒にい
られるだろうという変な計算もあったのですね。適当な時間に二人で戻ったのですが……

 何というか…もう少し……他の方ならお兄様のお嫁さんになりたいとか、カップルにな
りたいとか言うのでしょうけど、其の頃のまりやさんは…多分そこまで気が回らなかった
のでしょう
 今でも覚えてますけど、貴子さんのお兄様に、あたしのお兄ちゃんになってくださいっ
て、そう言われて……
 しかも、貴子さんのお兄様はあっさりうなずかれて……私達はちょうど戻ってきていて

 貴子さんが本気で怒っているのを見たのは、それが初めてでした。私のお兄様だと言っ
て、まりやさんを突き飛ばして。相手もまりやさんですから黙ってません。お兄ちゃんに
なると言ったんだから、お兄ちゃんだと…… それで大喧嘩です
 それからは、残念なことに物静かや大人しいどころか、顔を会せる度にお二人で喧嘩す
るようになってしまわれて。貴子さんのお兄様も遠慮して迎えに来られるのを控えられま
したから、余計仲直り出来なくなってしまいました
 まあ、今では貴子さんはお兄様とも仲が悪いそうですので、喧嘩の理由も無くなってし
まったのですが、喧嘩するほど仲が良いとも申しますし、あれはあれでよろしいのではな
いでしょうか

  終了
 以上、美智子お姉さまネタを投下してみるテスト
266名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 22:47:54 ID:OPjzqqBa
GJw
まりやが人生狂わせたのかよw
267216:2005/05/21(土) 10:32:26 ID:zU7qMzWV
GJです。
現在初SS作成中の自分にとってうらやましい限りです。あれもこれもと欲張ってすっきりまとまらないのですよ〜。
・・・・・・長くなりそう _| ̄|○
シリアスなんだ、シリアスなんだ!あー・・・・・・思い浮かんじゃったよ _| ̄|○
て感じで、無意味に小ネタ投下するかと思いますが生暖かい目で見守ってください。

>>263

口止めに渡したの男装写真? リアクションが大きいからもっと凄いものだったのではないかと予想!
で、まりやが帰った後、

貴子「み、瑞穂さん……」
君枝「か、会長?」
貴子「きゅ〜〜〜〜」
君枝「会長?!」

て、なってそうな気がしたのですよ〜(こんなオイラは紫苑スキー)
268名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 02:48:37 ID:52i8ukWF
さすがに勢いが無くなっちゃったねぇ・・・
6/8にまた盛り上がればいいんだけど・・・。

私もその日に向けてネタを練ってるところですが・・・
269220:2005/05/22(日) 18:26:42 ID:nhFtDAI4
|ω・`) ダレモイナイイマノウチ……在庫の弾投下〜
時期は由佳里ルート終盤、卒業ちょい前あたり

エルダーシスターはコシヒカリの夢を見るか?

今日は珍しく由佳里が私、御門まりやに相談を持ちかけてきた。
普段から色々可愛がっていたせいか、悩み相談なんてほとんどしてきたことが無かったのに、だ。
「私に相談って、どうしたの由佳里?…嵐の前触れ?」
「まりやお姉さま……、わ、私、瑞穂さんに嫌われてしまったのかも…うっ、ぐすっ、うわぁぁぁぁぁん!」
「ちょ、ちょっと由佳里ってば、泣いてないで詳しいことを話してみなさい、ね?」

由佳里の話によると、ここ数日瑞穂ちゃんが由佳里のことを避けているらしい。
「先週までは毎日お昼をご一緒してたのに、今週に入ってから急にお昼をご一緒してくれなくなって…
月曜は用事があるからと仰って、火曜は寮母さんにお弁当を頼んでて、水曜は教室に行ったらすでに居なくって、
はじめは気のせいかと思ったんですけど、昨日屋上でコンビニで買ってきたおにぎりを食べてるのを見て…
やっぱり私なんか瑞穂さんに釣り合わないって分かって、一緒にお昼を食べるのが嫌になったんです……」
エルダーシスター・宮小路瑞穂が、あるいは鏑木財閥御曹司・鏑木瑞穂ともあろう者が、
冬の寒空の下、人気の無い屋上で一人コンビニのおにぎりを食べる姿というのは想像するだにとても侘しい。
「う〜ん、瑞穂ちゃんが由佳里に愛想尽かして避けるなんてことするとも思えないし、
 朝夕は皆と一緒に食べてるんだから何か理由があると思うんだけど……
 ここは直接確かめるのが早いわね。早速お昼休みに尋問決行!」

昼休み、人目をはばかる様にコンビニへ向かった瑞穂ちゃんの後を由佳里と二人でこっそりと追う。
瑞穂ちゃんはコンビニに入るとまっすぐにおにぎりやお弁当の棚に向かった。
「み〜ず〜ほ〜ちゃ〜ん?こんなところで何してるのかな〜?」
後ろから声をかけるとおにぎりに手を伸ばした瑞穂ちゃんの動きが止まり、
ギギギギギッという音でもしそうな動きで振り返る。
「まま、まりや…それに由佳里ちゃんも……どどど、どうしてこんな所に?」
「それはこっちの台詞。さ〜、向こうでしっかりきっちりがっちりお話しましょうね〜」
「ちょ、イタ、痛いよまりや、耳を引っ張らないで〜」
270220:2005/05/22(日) 18:27:25 ID:nhFtDAI4
三人でコンビニから戻ってきて校舎へ続く並木道の途中で立ち止まる。
ちょっと寒いけど登下校の時間帯と違って、さすがに昼休みに人気は無いので話をするには丁度いい。
「…で、これは一体どういうことかな、瑞穂ちゃん?」
「えっと、その、これには深い事情があって……」
「え〜い、ちゃっちゃと話す!どんな事情か知らないけど、そのせいで由佳里が
 瑞穂ちゃんに嫌われたと思って泣きついてきたんだからね」
その由佳里はといえば私の後ろに隠れるように立っている。
不安なのか私の制服の袖を握ったりしてちょっと可愛かったりするのだが、
今はそんなこと考えてる場合ではなくて。
「え、由佳里ちゃんがまりやに!?……う……実はその……和食が恋しくて、
 我慢できなくて、それでつい……ごめんなさい!」
「和食って…そんなの食堂で和食セット頼めばいいことじゃない。
 それをわざわざコンビニで買わなくとも……しかもおにぎりって……」
「それは…由佳里ちゃんが嬉しそうにハンバーグを選んでるのを見るとつい一緒のものを選んでしまって…
 それに同じものを選んだときの由佳里ちゃんが喜ぶ顔が可愛いから僕も嬉しくて……」
瑞穂ちゃんは顔を赤らめつつ、上目遣いで人差し指の先をこすり合わせながらそんなことを言う。
……こんな状況で可愛らしくノロケるな、瑞穂ちゃん。
「……か、可愛いだなんて、そんな嬉しいですけど私なんかじゃとてももったいないというか、
 畏れ多いというか瑞穂さんの方がよほど……あ、でも男の方に可愛いだなんて
 失礼というかなんていうかその……あぅ」
それを聞いた由佳里の顔もみるみる赤くなる。
さっきまでこの世の終わりみたいな顔してたのはどこの由佳里だ?
ていうか、最近一子ちゃんのマシンガンがうつってるんじゃないかしら?
「……でもさすがにここ2週間毎日ハンバーグだとちょっと飽きてきたというか…、
 それに食堂のメニューに和食が少ないせいか主食にご飯がついてるハンバーグも少ないから、
 和食分が切れてきて仕方なく……ごめんね由佳里ちゃん」
「だからって由佳里を避けるのは違うと思うんだけど……由佳里もそんなに毎日毎日同じものばかり食べてたの?」
271220:2005/05/22(日) 18:28:58 ID:nhFtDAI4
「…確かに毎日ハンバーグでしたけど、一応バリエーションはつけてますよぉ〜
 先週はえっと、月曜がきのこハンバーグで火曜はスパイシーハンバーグ、水曜はイタリアンハンバーグで、
 木曜はペッパーハンバーグ、金曜はハンバーグシチューでした。
 中でもハンバーグシチューが出るのは第2・第4金曜日だけで、しかも10食のみのスペシャルメニューなんですよ♪
 その前の週はハンバーグカレー・ハンバーグクリームソース仕立て・ビーフ100%ハンバーグ・
 ジャーマンハンバーグ・キムチハンバーグで………」
確かに毎日違うものを食べてるみたいだけど結局は全部ハンバーグ……。
ちなみに主食にライスが付くのは和風ハンバーグとおろしハンバーグだけなのだが、
どうやらここ2週間は食べてないらしい。
「………あ〜、瑞穂ちゃんの気持ちが少しわかった気がするわ……」
「うぅっ、ありがとまりや……」
「ああもう、瑞穂ちゃん泣かないの……。由佳里と違うものが選びにくいなら先に瑞穂ちゃんが選べば済むでしょ。
 それとこれからは和食が食べたい時は食べたいって素直に言いなさい。
 そしたらきっと由佳里が気合入れて作ってくれるわよ。ね、由佳里」
「え、は、はい、それはもう…瑞穂さんが喜んでくれるならいつでもお作りします♪」
「ありがとう、由佳里ちゃん」
「瑞穂さん……」
「ほら、解決したならとっととお昼にするわよ。人の目の前で二人の世界作ってイチャついてくれちゃって、
 あ〜もう食べる前からご馳走様だわよ、まったく!」
「あ……ごめんね、まりや」
「ごめんなさい、まりやお姉さま……」
272220:2005/05/22(日) 18:30:14 ID:nhFtDAI4
三人で食堂に来るとまりや・僕・由佳里ちゃんの順に券売機の前に並ぶ。
先に並んだまりやは和食セットを選んだ。
次に並んでいる僕が和食を選びやすいように気を使ってくれたらしい。
いざ券売機の前に立って和食セットを選ぼうとした時、厨房のおばさんに呼び止められる。
「宮小路さんと由佳里ちゃん、新メニュー作ってみたんだけどちょっと試食してもらえないかしら?」
「え、新メニューですか…?」
なんだかそこはかとなく嫌な予感がする……

今、僕の目の前には試作品の新メニューが置かれている。
綺麗に丸く型抜きされた目玉焼きにかけられたお好みソースとマヨネーズがおいしそうな匂いを漂わせている。
上にかけられた鰹節と海苔が立ちのぼる湯気で踊り、刻み葱の緑が目に鮮やかだ。
そしてそれらを支える土台になっているのはハンバーグ……そう、ハンバーグだ。
「…瑞穂ちゃん、私の和食セットと換えてあげようか?」
「いえ、そんなわけにはいかないわ、せっかく作っていただいたのだし……」
やはり反応が気になるのか厨房のおばさんがこちらの様子を伺っている。
ここで食べなかったらがっかりさせてしまうに違いない。
「瑞穂お姉さま…」
由佳里ちゃんも僕を気遣ってくれているが、新メニューに興味津々なことが隠しきれていない。
「私に遠慮することは無いわ由佳里ちゃん。ほら、早くいただかないと冷めてしまうわ」
「はい、では遠慮なく……んん〜おいしいです〜♪」
「私も……ん、おいしい……でも少ししょっぱい…」
「瑞穂ちゃん、それは涙よ………」

 〜終〜


ネタが降りてきた時はゆかりんメインだったはずなのに、
いざ書いてみたら瑞穂ちゃんネタに……ゴメンゆかりんorz
273名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 18:32:38 ID:wHtvgq9m
|∀・)
274名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 18:35:24 ID:M4l5BgWg
GJ。このスレでは久々にリアルタイムで読んだよ。

由佳里メインってのが希少で良し。
やたらと多い種類のハンバーグハゲワラタ。

しかし……。まりやスキーの俺に一言言わせてくれ。
「まりやの一人称は『あたし』なんだよ〜〜〜!!」
275220:2005/05/22(日) 19:19:48 ID:nhFtDAI4
>>274
うあ、一人称ミス、スマネっすorz

図書委員様、保管庫収蔵の際は
>269の6行目・8行目
>270の7行目・8行目
>272の3行目
のまりやの1人称修正お願いします。
276kana:2005/05/22(日) 19:33:57 ID:m+RvGXAX
一発ネタです。面白いんだか詰まらないんだか。

『流れよわが涙、と瑞穂は言った』

これまでのあらすじ。
 瑞穂きゅんが男だとばれてしまったよ。


 静まり返った講堂。全校生徒の視線は、壇上に立つ学院長に注がれている。
 その、刺すような視線を浴びながらも、いささかも動じることなく、学院長は静かに口を開いた。
「皆さん。先日、宮小路さんが実は男性であるということが明らかになり、大変困惑をなされていることと思います。そのことについて、宮小路さんの編入を許可した立場にあるものとして、一言言わせてもらいたいと思い、みなさんに今日ここに集まっていただきました」
 言葉を区切り、学院長はゆっくりと講堂を見回る。全校生徒が学院長の次の一言を待ち、聞き耳を立てていた。
 その光景に、満足そうに小さく頷き、そして学院長は厳かに口を開く。
「宮小路瑞穂さんは……」
 ごくり、と、誰かが息を呑む音がした。
「実は、性同一性障害だったのです!」
「「「「「な、なんだってーー!!!」」」」」
277kana:2005/05/22(日) 19:35:32 ID:m+RvGXAX
「そう、宮小路さんは性同一性障害だったのです! いわば、体は男、心は女。男と女の微妙な狭間で悩む、迷える子羊だったのです!」
 学園町の言葉に、ざわめきだす生徒達。そんな生徒達を一瞥し、学院長は言葉を続ける。
「宮小路さんは幼少のころから自分の性別に対し、疑問を感じ続けていたそうです。『どうして私は男なのだろう。なぜ女ではないのだろう』と。
寛容を旨とする恵泉女学院の学院長として、そのような悩みを抱えている子羊に対し、救いの手を伸ばさずにはいられませんでした。彼、いやあえて彼女と呼ばせてもらいましょう。彼女の編入を許可したのにはそのような理由があったのです」
「そうだったの、瑞穂ちゃん?」
「そんなわけないって! っていうか、まりやは事情を知ってるでしょ!?」
 まりやの言葉に、あわててぶんぶんと首を振る瑞穂。
278kana:2005/05/22(日) 19:37:39 ID:m+RvGXAX
「皆さん。普段の宮小路さんの仕草や振る舞いを思い出してみてください。
あれが、男性にできる行動でしょうか? いえ、できるわけがありません。
仕草、振る舞い、言葉遣い、あらゆる彼女の行動から、女性らしさが滲み出ていたはずです。
あれこそが、彼女の心がだれよりも清らかな乙女であることの証拠なのです」
「「「「「なるほど!!」」」」」
「みんな、そこで納得しちゃうの!?」
 瑞穂の悲痛な叫びも、もはや誰にも届かない。学院長の言葉を聞き漏らすまいと、
生徒達は壇上に意識を集中させていた。
「皆さんは、彼女の魂の清らかさ、その心栄えの美しさに感じ入ったからこそ、
彼女をエルダーとして選出したはずです。それを、ただ体が男であるというだけの理由で
排斥することは、寛容を旨とする恵泉の生徒として正しいあり方なのでしょうか。
皆さんぜひご一考ください」
 そう締めくくって、学院長は壇上から降りる。ざわついた講堂の中から、やがて
瑞穂コールが湧き上がった。
「「「「「MIZUHO! MIZUHO!!」」」」」
 だれもが熱狂し、腕を突き上げる。
 そう、今ここに生徒達の心は一つになったのだ。男性の体を持ちながら、だれよりも
清らかな乙女の魂を持つ、我等がエルダー、宮小路瑞穂を称える叫びとともに。
「「「「「MIZUHO! MIZUHO! LOVELY MIZUHO!!!」」」」」
 その日、宮小路瑞穂を称える声は、講堂から絶える事がなかったという。


「まあ、なんていうか力技でごまかしたわね、学院長先生」
「うう……。容姿はともかく、せめて心の性別だけは守り通したかった……」
「いっそ、体のほうも手術で女性にしてしまったらいかがです、瑞穂さん?」
「紫苑さん……。泣きますよ、僕」
279名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 20:54:25 ID:52i8ukWF
>>276-278

GJ!
成る程、その手があったか!w

そして瑞穂ちゃんは二度と男として扱ってもらえないんでしょうね・・・。
ついでに戸籍まで女に変えられちゃったり・・・とられちゃったり・・・(ぇ?
280名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 21:01:38 ID:M4l5BgWg
実際の性同一性障害の方が読んだら、あんまり良い感じはしないかも……と、
少しだけ思ったり。

それでもノリは良いので、今後も頑張れ。超頑張れ。
まっとるよ。
281kana:2005/05/22(日) 21:33:05 ID:m+RvGXAX
>>280

うい。読み返してみるとその通りの気がしてきました。
本作はあくまでネタであり、性同一性障害、あるいはそれに類する方々に対する
差別的意図は一切含まれていないことを、ここに誓います。

そのうち気が向いたらまた書きます。
282名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 21:48:55 ID:0Bp2Ua/5
黒奏のエルダー編読みたいな。

白菊の君として懐かれつつ、琥珀の君に相談を受けつつ、瑞穂に甘えつつ、
それでもブラックな奏が卒業するまでの話。
283一発ネタ:2005/05/22(日) 22:49:27 ID:uvPsXONA
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284名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 22:56:51 ID:8nKzYaKc
>>283
ズレを直せるようになってから来い
285名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:40:58 ID:My2gveBb
>>283
山百合会との交流ネタ
極上生徒会との交流ネタ

この辺は誰もが一度は考えて、難しそうだから何となく避けてきた道。
だが需要は高い。と思う。多分。
286名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:44:48 ID:M4l5BgWg
丁度ネタ切れだったし、書いてみようかな(´・ω・`)
287名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:50:44 ID:52i8ukWF
他作品とのクロスオーバーものっていうのは
拒絶反応起こす人多いものから、別の場所に投下するだの自分のサイトにアップするなどして
その報告だけするようにしたほうがいいのでは?

おとボクやってたからってまりみてとか知ってるとも限らないでしょう。
288名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:52:56 ID:52i8ukWF
拒絶反応起こす人多いものから→拒絶反応起こす人も多いだろうから
だね、失礼。
289名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:53:55 ID:fWqy6jhS
つ[おとボクSS投稿掲示板]
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php

>287に同意。
てなわけで>1にもあるここに投下後リンクのみがいいと思う。
290名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:55:20 ID:My2gveBb
冒頭で「クロスネタあり」って書いてくれればそれで十分。
ぼちぼち流れも止まりつつあるスレで、その上さらに投下し辛くする必要もないのでは?

291名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:57:45 ID:fWqy6jhS
無理に盛り上げる必要もないっしょ。
マターリで何か問題でも?
292名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:05:26 ID:fWqy6jhS
つーか、クロスネタはどうしても混ぜたものの空気引きずるぞ?
荒れるまでは行かなくとも、何個か続くと雰囲気が変わるのは避けられないわけで。
それが原因で既存の職人が逃げ出したスレもいくつも見てるし。
寂れるだけならまた落ち着いた頃に戻ってくる人もいるが、クロスオーバー見て何でもありと勘違いしてオリキャラとか出したがるのが居座ったりするともう…。
293286:2005/05/23(月) 00:15:40 ID:5i9dzuB8
さいですね。
というわけで、書きあがったら>>289あたりに投下するですよ。

今の仕事の状況見ると、何時書きあがるやら……なんですが。
294名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:19:54 ID:6yqDqjm1
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295名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:27:51 ID:5V2Lc1sX
自治厨ウザい
296名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:30:26 ID:9YxY8H7N
297名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 00:37:08 ID:9YxY8H7N
クロスだろうがオリだろうがいーじゃん別にー
新しいハケーンあるかもしれないからどんどん書かせた方がトクじゃね?
それで終わるようならそれまでのスレだったってことだし
そんくらいで逃げるようなヘタレならいなくなっても問題ねえよw

tu-ka自治厨のがウザいw
誰も仕切ってくれなんて頼んでねえよww
てめえの方がよっぽど雰囲気悪くしてるってのwww
298名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:07:24 ID:6HTx2tXl
オリキャラが多いとか、おとボクの雰囲気に合わないようなもの(陵辱とか)は

おとボクSS投稿掲示板
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php

のほうを使わせてもらうという風にする、と以前の議論で結論が出たはず。

別に自治厨とか言われてもかまわないけれど、
急に出てきてめちゃくちゃにするのは止めてくれ、頼むから。
299286:2005/05/23(月) 01:11:51 ID:5i9dzuB8
>>298
んだね。同意。

あの掲示板のおかげで「友愛」なんて秀作も投下されたわけだし、
その線に乗るのは、このスレにとってもけして悪い事じゃないと思うよ。
300名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:20:20 ID:auki+dUV
>以前の議論で結論が出たはず。

出てねーよ。勝手に結論付けるな。
第6話の210〜216辺り参照。結論らしい結論としては

>216 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2005/04/15(金) 13:47:11 ID:5oeYQca7
>投下するのは、213氏が書いてるように冒頭で一言注意書き(?)みたいなのがあれ
>ばそれで良いと思う。

だ。お前等、寛容の精神足りなさ杉。

301名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:22:55 ID:9YxY8H7N
そうだそうだw
302名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:29:11 ID:9YxY8H7N
自分で書いてるわけでもねえのに選り好みしてんじゃねえよ
ありがたく何でも受け入れてこそ寛容だろ?w
303名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:33:19 ID:wuAmau9e
あくまでパロなんだから
何でも一回投下してみれば良いじゃん。
で、下らなかったら遠慮無しに追い出せば良い。

9YxY8H7Nは一回追い出されて逆恨みしている可哀相な香具師なんだよ。
温かい目で見守ってやろうぜ
304名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:37:58 ID:9YxY8H7N
勝手に決めつけんな
SSなんかチマチマ書くほど暇じゃねえよw
305名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:41:20 ID:wuAmau9e
ぷぷ、こんなに簡単に誘導尋問に引っかかるは・・・

>自分で書いてるわけでもねえのに選り好みしてんじゃねえよ
その言葉、熨斗を付けてお返しするよ、お ば か さ ん m9(^Д^) プギャーw
306名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:42:57 ID:9YxY8H7N
だから文句言わずに書きたい奴が好きなの書けって言ってるだろ?
日本語ワカリマセンカ?ww
307名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:44:59 ID:wuAmau9e
>306
>あくまでパロなんだから
>何でも一回投下してみれば良いじゃん。
>で、下らなかったら遠慮無しに追い出せば良い

って>>303に書いてあるのミエマセンカァ?
間抜けな論点ずらしの上、恥の上塗りするなよ・・・ m9(^Д^)9m プギャギャーww
308名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:46:06 ID:9YxY8H7N
>で、下らなかったら遠慮無しに追い出せば良い

ハイミナサンココニチュウモクーww
309名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:46:26 ID:wuAmau9e
ま、一人で吠えてなさいな。
オ バ カ さ ん ♪
310名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:46:43 ID:9YxY8H7N
オレモナーオマエモナーww
311名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:49:36 ID:9YxY8H7N
一個矛盾つかれただけで勝利宣言してもう終わり?
おいおい情けねえなもうちょっと粘ろうぜww
312名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 01:52:01 ID:4Y+scc0x
>300
つ[3スレの357-383]
313286:2005/05/23(月) 01:53:12 ID:5i9dzuB8
どうせ前からわいてた騒ぎたいだけのヤツでしょ。というわけで、9YxY8H7Nはさようなら。毎度ごくろうさま。

3話で

373 :名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:14:49 ID:p2rrFQYQ
成る程、やはり別の場所に投下
リンク貼りが妥当だな
SSまとめサイトとかに投稿所とかなかったっけ?

374 :図書委員 :05/03/16 00:18:43 ID:UIQ/UQLs
投稿所ですか、要望が有れば置きますよ

375 :名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:21:32 ID:5yCaX+hG
あ、いつもお疲れ様です。
ぜひ置いていただけるとありがたいです。
ダーク系や痛いシリアス系だけでなく、習作とか小ネタとか不条理系も書きやすくなりますし。

377 :名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:25:51 ID:y6YIhylF
初めて書き込みますが
SS投稿所なら
http://pinktower.com/cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php
作ってみますた。
よろしければ、おつかいくだされー

383 :名無しさん@ピンキー:05/03/16 00:40:49 ID:5yCaX+hG
ではまとめサイトから>377さんの所へリンクをはって、次回からのテンプレに載せるってことでどうでしょうか?>ALL
「ダーク系など人を選びそうなSSはこっちに書いてからリンクを張りましょう」といった感じで。

てな感じで反論も無かったし、実際今まで上手く機能しているんだから、
無理にまげる必要も無いかなぁと思います。
ま、どんなのは投稿掲示板に載せるかってのは各人の判断しだいだけど、
今回のクロスオーバーのヤツはアッチが相応しいと私は思うのですよ。
314名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 02:10:01 ID:6HTx2tXl
>>300
それは欝展開のものをどうするか、という議論ですね。
オリキャラ云々の話とはまた別では?
若干の欝展開は本編にもありましたし。

過去、オリキャラが重要なポジションにあったSSがこちらに投下された場合、よく荒れましたので、下手に刺激するよりおとボクSS投稿掲示板のほうを
利用させてもらったほうがいいのではないですか?
クロスオーバーの場合、知らない人にとってはオリキャラみたいなものですし、やはり展開的にどうしても設定を無理に変えてしまう部分も出てくるでしょうし。

オリキャラやダーク関係の話は2話の100番台や3話の300番台中盤あたりで議論されました。
そしておとボクSS投稿掲示板さんのご好意で、そういった関係を投下したりや2chには投下したくない方が利用するという流れになりました。

寛容は、何でも好き勝手にやっていい、という意味ではないですよ。
別に書くなといっているわけでもないですし、発表する場もあるわけですから、十分寛容だと思いませんか?
315471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:42:28 ID:6yqDqjm1
やっつけ仕事
316471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:43:00 ID:6yqDqjm1

「あなたたちっ……恥を、恥を知りなさい!」

 瑞穂は舌戦を繰り広げる二人の前で、声を張り上げた。
『お姉さま……』
 二人の娘は、普段見ることの出来ない怒った瑞穂の姿を見て、呆気に取られる。そして、先程
の言葉が自分たちに向けられたものだと知ると、途端に萎縮し始めた。
 無理もない。瑞穂が怒ったところなど、見た事も聞いた事も、噂になる事すらないのだ。

「一体、どうしてケンカなんてしていたの? 良かったら話してくれないかしら」
 萎縮する二人を前に、瑞穂は表情を緩め、落ち着いた優しい声で諭すように話しかける。
 何はともあれ、ケンカの原因が分からなければ、仲裁のしようも無い。

「実は掲示板に投稿されている小説の事で……」

 掲示板の運営は運営委員が選定されて行われており、大まかなルールは定められているが、
各コーナーの細かいルールについては、基本的に利用する生徒たちの自主性によるものなの
だ。
 そのため、利用者の主観の違いで衝突が起こることもありえない事ではないのである。

「さて、それでは事情を聞かせてもらいましょうか……」
 瑞穂の聞き込みが始まった。
 まあ何と言うか、この場合もローカルなルールについての問題で衝突が起こっていたわけだ。

 ここに限らず、小説の二次創作ではありがちなことなのだが、掲示板に貼るのにはちょっとそ
ぐわないんじゃないか、と言う作品に対する明確な線引きが無いために、議論が起きやすいの
である。
 この掲示板の場合、そんな作品も頭ごなしに否定するわけではなく、別の所に投稿所を設け
て、掲示板にそぐわないものに関しては、そちらで閲覧すると言う事になっており、住み分けが
されていたのだが……。
317471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:43:45 ID:6yqDqjm1

「それで?」
 瑞穂はおかっぱ頭の娘に促した。
「その投稿所なんですけど、どのくらいの作品まではここに掲示していいかという明確な基準が
無くて……中には、投稿所に行くのが面倒くさいからって、全部ここに貼れば良いじゃないか、
なんて言い出す人がいるんです」
「そうだったの……」
「ちょっと待ってください、お姉さま」
 ツインテールの娘が話に割り込んでくる。
「何かしら?」
「明確な基準が無いからこそ、とりあえず、好きなものを書いてここに掲示してみても良いんじゃ
ないでしょうか」
「あなたね、さっきと言ってる事が違うじゃない! さっきは貼ってみてダメだったら所詮それまで
の掲示板だ、とか、ここに小説を貼った人が文句を言われていなくなっても、そんなへたれはい
らないんだ、とか言ってたくせに!」
「なっ……」
「自分で書いているわけじゃないのに選り好みするな、とかも言ってたわね」
「な、なによ! あなただって、私の事、一回ここから追い出されたとか言って決め付けたじゃな
い!」
「ふん、小説なんかチマチマ書くほど暇人じゃない、って……あなた、何様のつもりよ!」
「誘導尋問に引っ掛かったわね、なーんて得意そうに言うような人に言われたくはないわ! あ
んただって、貼ったものが下らなかったらここから追い出せばいい、なんて言ってたじゃない
の!」
「もともとあんたの方が酷い事言ってたじゃないのよ! バッカじゃないの!?」
「バカはあんたの方でしょ!」
318471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:44:25 ID:6yqDqjm1

「二人とも、いい加減になさい!」
 瑞穂の雷が落ちる。
『ひっ……』
 瑞穂は二人を呆れ顔で見る。
「とにかく、ケンカはおやめなさい」
 二人は再び萎縮してしまうが、瑞穂は、今度は緊張をほぐしてやる事はしなかった。またケン
カが始まったらたまったものではない。それに、今までの話で大体の事情は分かった。 
 聞いてみると何の事は無い、結局の所、投稿される小説の内容について、気に入るだの気に
入らないだの言う話だった。
319471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:45:27 ID:6yqDqjm1

「はぁ、あなたたち……恵泉のモットーを言ってご覧なさい」
「慈悲と……」
「寛容です……」
「そうね。でもそれは、何をやっても許される、と言う事では決してありません」
「はい……」
「この掲示板はどうしても人目に付いてしまいますから、ここにそぐわないものを貼ると余計なト
ラブルを呼び込んでしまう。それは分かりますね?」
「はい……」
「そのために、有志の方の協力で投稿所が出来たのでしょう? だからここにそぐわしくないも
のでも発表できるし、閲覧もできるのです。良い環境じゃないですか」
「はい……」
「この掲示板だって、昨日今日出来たわけじゃないのでしょう? それなら、どの程度までここで
発表して良いか、大体分かるんじゃないですか? 過去の書き込みを閲覧できる場所もあるわ
けですから。それを調べもしないで色々言い合っても、それはナンセンスです」
「はい……」
「……あなたたちが争うことでこの掲示板から離れていく人が増えて、掲示板を閉鎖されてしま
うような事、誰も望んではいないのでしょう?」
「はい……」
「それなら、仲良くしないといけませんね。はい、仲直り」
 そう言って、瑞穂は二人の手を取って握手をさせた。二人の顔が赤くなっているが、これは瑞
穂に手を握られている事が大きいのだろう。
「もうケンカなんかしちゃダメですよ?」
『はい……』
 二人の娘は瑞穂にぺこり、とおじぎをして、その場を去っていった。
320471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:46:06 ID:6yqDqjm1

        _,.'⌒         ⌒ヽ_              ⌒ヽ_
      '´ ,   ヽ            '   ヽ            '´ ,  ヽ
  三  i イノノ))))       三 (((从  i         三 ((((リ从 !
     | リ ヮノl!           |l、 リ  .|            |l、ヮ゚∩ .|
  三 ノ  {(つ.つ        三  ⊂ノ   !        三   {(つ.iノ i
    ( (( く/ リつ           と从.ノノリ            く_ハヽゞリ
  三    ヽ.)         三    (./           三   (ノ ヽ.)

「ふぅ、色々あるものね……。そういえば、私たちの事も小説にされてるって言ってたわね……
ちょっと見てこようかな」
 ケンカを仲裁した事で、投稿されている小説に興味を持った瑞穂は、投稿所の閲覧室に言っ
てみる事にした。
「ん、ここね」
 ガラッ
「お、お姉さま!?」
 扉を開けて部屋の中に入ると、そこには由佳里がいた。瑞穂を見て妙にそわそわしている。
心なしか顔も赤いようだ。
「あら、由佳里ちゃんも、ここの小説を読みに来たの?」
「え、あ、は、はい……」
「何を読んでいたの? 何か面白いものはあった?」
「え、え……あ」
 由佳里はハッと何かに気が付くと、手に持っていた本を慌てて後ろに隠した。
321471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 03:46:43 ID:6yqDqjm1
「うん? 今隠したのは?」
「こ、これは……その」
「ちょっと見せてもらっても良い?」
 瑞穂は由佳里に近付いていく。
「あっ……こ、これはダメです!」
 と言い終わる前に、瑞穂は由佳里の手の中から本を抜き取っていた。
 瑞穂はぱらぱらと本をめくって中を見る。
 タイトルは『お姉さまとわたし』。まあなんというか、一人の少女とエルダーシスターのお話であ
る。その内容はと言うと……さすがに表の掲示板には出すことが出来なかっただけあって、か
なり過激なものだった。
 しかも、作中のエルダーは、どう見ても瑞穂がモデルだ。それに対して少女の方は特にこれと
いって誰とも言えないように書かれている。
 つまり……主人公の少女に自分を当てはめて、お姉さまとあんな事やこんな事を、と言う小説
なのである。
「こ、こんなものを誰が……!?」
 と思って作者蘭を見てみると──

 著:小鳥遊圭  設定協力:御門まりや

             _,.'⌒
            '´  `ヽ
          . /  j ))ソ
          / / / /ノ
         ノノノノj{_)
        ´θ^θン)u    完
322名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 06:32:27 ID:ijUw0MvB
315-321
ナイスだGJ
不覚にもワロタ
323test:2005/05/23(月) 07:19:23 ID:1FmJ7jgf
>>282の中の人

 遅レスでスマソ
 今格闘してるネタ二つができたら単発で考える予定(未定)だけど、多分オリキャラ多く出さなきゃ話にならない。まあ、水準以上か、漏れのように箸にも棒にも掛からない水準なら荒れないと思うのだがw
324471 ◆471.Pt54hU :2005/05/23(月) 10:06:43 ID:6yqDqjm1
誤字修正

>>320 三行目
×閲覧室に言って
○閲覧室に行って

>>321 後ろから二行目
×作者蘭
○作者欄
325名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 16:34:02 ID:v7alnNma
流れとは関係ないけどさ。
SS書いてる連中ってやっぱり自分が好きなキャラネタにしてるのか?
特に連載書いてる香具師は連載の主人公=最萌キャラと見て間違いなし?
3261-301:2005/05/23(月) 18:33:08 ID:5i9dzuB8
>>471 さん激しくGJです。
笑わせていただきました。
こういう状況すらネタに昇華できるところに職人の魂を感じます。

特に由佳里のあたり……何処までも不憫な……w

>>325
自分は何処までもまりやスキーですけど、まりやをネタに書いた事無いですね。
でも、まりやって凄く動かしやすいです。
何も考えないで書いても、セリフや行動がすらすらっと書けます。

なにより書いていて楽しいキャラかと >まりや
327前夜の一コマ:2005/05/24(火) 00:03:22 ID:7H/R6Iz7
「あ、由佳里、奏ちゃん。ちょっといい?」
「なんですか、お姉さま?」
「二人にも伝えとかなきゃいけないことがあるのよ。明日から新しい寮生が入ることになったからそのつもりでね」
「新しい寮生の方…なのですか?」
「この時期なら編入ですよね…どんな人なんでしょう?」
「上級生の方だと嬉しいのですよ〜」
「うんうん、奏ちゃんはお世話できるお姉さんを欲しがってたもんね。喜びたまえ、待望のお姉さまだよ」
「本当なのですか?!」
「勿論本当よ、だってあたしと同学年だからね」
「お姉さま、もしかしてその方のことをご存知なんですか?」
「まあね、だってあたしの幼馴染だもん」
「お、お姉さまの幼馴染…?」
「…何よ由佳里、その微妙な表情は?」
「い、いえ…なんでも…」
「安心しなさいって、あたしと違っておとなしい子だから」
「そうなのですか?」
「しかも美人で頭が良くてスポーツも万能、習い事も一通り極めた上に物腰柔らか、しかも優しくて全然偉ぶらないって言う才色兼備な完璧超人なのよ」
「ふわ〜…凄いのですよ…」
「そんな人本当にいるんですか…?」
「あ、ゆかりんってば疑ってるの?お姉さん悲しいっ!」
「ゆかりんじゃありません!だって、そんな人がいるなんてとても信じられませんよ」
「でも、まりやお姉さまは冗談は仰られても嘘は口になさいませんよ?」
「うーん…でもちょっとべた褒めしすぎな気がして。それに、今までそんな幼馴染の方がいらっしゃるなんて聞いた事ありませんでしたし」
「そりゃ訊かれなかったからね」
「まりやお姉さまの性格だと訊かなくても自慢しそうな気がするんですけど…そもそも、なんでこんな時期に編入なんですか?」
「ああ、それね。一見完全無欠なお嬢様なんだけど、一つだけ難点があってね」
「難点…なのですか?」
「女らしい口調ってのが苦手なのよ。で、それを心配したお爺様がだったら日常的に使わせて強制的に慣れさせようと恵泉に編入させたってわけ」
「はあ…」
「ん?まだ納得できない?」
「そういうわけじゃないですけど…」
「まあ、明日本人に直接会えばわかるわよ。それまでのお楽しみ、OK?」
3283-206:2005/05/24(火) 00:04:45 ID:7H/R6Iz7
ネットから隔離された場所にいた為軽い浦島状態の3-206です。
現世に戻ってきたらやるきばこの制作が正式発表されてたり、楓さんの脳内イメージが木っ端微塵になったのでat the timeの後半を破棄したりと愉快な日常を送っています。
結構重要な場面で出てたので、単純にその場にいなかったことにするだけでは無理でしたorz
これは渋くて恰好いい慶行パパを書くなという啓示なんだろうか(違

>SS保管庫の中の方
ええっと、今更ですがある日の鏑木家シリーズで私の担当分と402さんの担当分が混じってしまっているようです。

まず、http://www.type90.com/otome/ss/mizuho030.htmの中の
>「…はあ〜…」 「ど、どうされたんですの?先ほどから挙動不審ですけど…」から
>「はい!…それで、けいせんじだいって…」 「「あ、あはは…」」までは私です。

次に、http://www.type90.com/otome/ss/sonota031.htmの作者は私ではなく402さんです
それから、http://www.type90.com/otome/ss/sonota032.htmの
>これに懲りたのか、それからは瑞穂ちゃんに女装を頼まなくなったそうな。
までが私で、その後の『数年後』以下は402さんが書かれたものです。
で、http://www.type90.com/otome/ss/mizuho033.htmも私だったりします

あと、4スレの574にもまりやの小ネタを投下していたり。
ついでにhttp://www.type90.com/otome/ss/yukari006.htmを『プール後の一コマ』に改題しておいていただけるとありがたいです。

>325
一概にはそう云えないと思います。
中には好きなキャラは書けないという人もいますから。
知人によれば、色々と思い入れを篭め過ぎるせいで逆に筆が止まってしまうそうです。
もちろん好きなキャラを自由に動かせるのが楽しいという人もいるでしょうけど。
329216:2005/05/24(火) 12:52:08 ID:8tkfR5y+
 |д・) ……誰もいない初SSを投下するなら今のうち。
 『見えない心』 紫苑ルート 
 
330216:2005/05/24(火) 12:55:21 ID:8tkfR5y+
……人は、知らなければ飢えることはない、と何かの本で読んだことがある。
出会った瞬間から始まっていたのに気づかない振りをして、自分を欺いていた……。
あの方が注いでくれる優しさは飢えた私の心を少しずつ、だが確実に満たしていく。
それでも、私は知らない振りをする……どんなに惨めに見えても、真っすぐに顔を上げていたいから……。
飢えていた自分に気づいてしまったら……何も知らなかったあの頃には戻れそうにないから……。


331216:2005/05/24(火) 12:58:26 ID:8tkfR5y+
「ねえ、もっと前にいけないの?」
「そこ立ち上がらないで! 邪魔!!」
普段はおしとやかな恵泉女学院の生徒たちの弾むような(というか怒号が)体育館の中に響き渡っていた。
今回の学院際の一番の目玉、生徒会主催の劇が始まろうとしていた。
「これは・・・・・・」
緞帳の隅から体育館内の様子をうかがった瑞穂は息を呑んだ。
開始一時間前だというのに、待ちに待った生徒たちがより良い場所で劇を見ようとつめかけ、体育館内はすごい熱気にあふれかえっていた。
先ほど行われた演劇部の学院際定例講演会よりも明らかに人数が増え、人口密度が上がっている。
「すごい人出ですわね。これも瑞穂さんの人徳ですね」
「し、紫苑さんっ! 驚かさないでください……」
至近距離で耳元にささやかれた声に驚き狼狽する瑞穂に、
「あら、私というものがありながらほかの女性に目移りされている瑞穂さんがいけないのですわ!」
当社比20%増しの笑顔で紫苑は答えた。
「それにこう云うのは覚悟が出来ないところを強引にいただくのが良いのです」
「……今日の紫苑さんはエンジン全開ですね」
「だって……ほんとうに楽しいのですもの」
紫苑の弾む声に、瑞穂は苦笑を浮かべた。
普段の瑞穂は、背は女子にしてはやや高め、腰まである栗色の髪をした美少女・・・にしか見えない『男の子』である。
訣あって、女装をして今年の六月に編入してきた。
対する紫苑は瑞穂と同じぐらいの身長に、流れるような膝ほどもある黒髪をした女性。
並んで歩けばどんなに込み合った場所でも道が開く、と言われる(?)『エルダー』コンビは観客に気づかれないようにそっと踵を返した。
「衣装合わせ、無事に終わったようですね……」
隣を歩む紫苑の姿を上から下まで眺め、瑞穂が言った。
「それにしても……なにか変な気分です」
今日の演目は『ロミオとジュリエット』。
瑞穂が主役の『ロミオ』、紫苑がロミオの友人『マキューシオ』。
どちらも『男』役なので当然、二人は『男装』していた。
何度か通し稽古はすんでいたが、お互いに衣装を身に着けているのを見るのは初めて。
『男装』姿をまじまじと見つめられて、紫苑の頬がほんのわずかだが朱色に染まる。
「あの…………どこか…変、でしょうか?」
「え……」
332216:2005/05/24(火) 12:59:09 ID:8tkfR5y+
そこで瑞穂は思わず吹き出した。
「いえ、ものすごくカッコいいですよ」
「笑いながら褒められてもうれしくありません!」
「あ、紫苑さんを笑ったのではなくて……いつもと逆だな、と思いまして」
周囲をはばかって瑞穂は明言しなかったが、紫苑はその内容を正確に理解した。
普段『女装』している瑞穂が元の姿に戻り、隣にいる紫苑が『男装』している。確かにいつもと正反対である。
「恵泉に転入してきたらエルダーになってしまって……その上、『男装』して劇をすることになるなんて、思っても見ませんでした」
「瑞穂さん……」
前を見て穏やかにしゃべる瑞穂に、紫苑は妙な焦燥感を感じてしまう。
……このままどこか別の場所に行ってしまうような、そんな気がした。
「感慨に浸るのはまだ早いですわよ。こう云う話は卒業の時にすべきなのでは?」
「……そうですね。紫苑さんのおかげで緊張もほぐれましたし……今は目の前の課題を済ませることにしましょうか?」
(そんな笑顔を浮かべるのは卑怯です……)
そう思いつつ、紫苑の顔にも自然と笑みが浮かんでいた。
「……はい。瑞穂さん」
差し出された瑞穂の手の平に、紫苑の手がそっと添えられた。



333216:2005/05/24(火) 12:59:43 ID:8tkfR5y+
「……いい仕事でした、紫苑さま」
舞台袖に戻ってきた紫苑をクラスメイトの圭が出迎えた。
演劇部の部長であり、この劇の演出を任された圭の声は抑えられていたが、すんなりと紫苑の耳に届いた。さすがは本職である。
(ですが、その立親指はどんな意味なのでしょう?)
内心首をかしげつつ、
「ありがとうございます。楽しい経験をさせてもらいましたわ」
マキューシオは重要な役柄でありながら比較的早い段階で出番が終わるので、身体が丈夫ではない紫苑にとってはうってつけの役だと言える。
うっすらと汗をかいていたが、体力的にはまだ余裕があった。
「ご苦労さまです。控え室で休んでいてください」
「大丈夫です。私の出番は終わりましたが、舞台はまだ終わったわけではありません。何かあったときには人手が必要でしょう」
生徒会の人間だけでは人手が全く足りず、有志の助けをかりてこの劇は成り立っている。
準備期間が短い上、ぎりぎり何とかまわしている状態。
しかも時間の関係上、全員の衣装を合わせてやるのは今日が始めて。ぶっつけ本番で、なにかトラブルが起きる可能性は十分ある。
「それに……」
「それに?」
「瑞穂さんの艶姿を目に焼き付けないのは勿体ないですわ。それとも圭さんは私にこの格好で体育館に入って行けとでもおっしゃるの?」
「……会場がパニックになるのでやめてください」
悪戯っぽい笑顔を浮かべる紫苑に、圭がもろ手を挙げて降参した。
「わかりました。何かあったら手伝ってもらいますので、下手(しもて)で待機してください」
「ありがとうございます」
圭のため息交じりの許可に、紫苑は満面の笑みを浮かべた。


334216:2005/05/24(火) 13:01:27 ID:8tkfR5y+
キャー! 
歓声が上がったあとで、舞台が暗転し、緞帳が下りる。
「今のところ順調ですわね」
最初、ジュリエット役の貴子が緊張で固くなっていたが、その後は開き直ったのか伸び伸びと演技していた。
練習の時は全体的にどことなくギクシャクした所があったのだが、本番では淀み無く進行している。
(瑞穂さんは本番に強いタイプですわね……)
舞台の上でのムードメーカーは明らかに瑞穂である。
緊張のあまり台詞が飛んでしまった貴子をアドリブでカバーし、身振り手振り、声の強弱で要所要所にメリハリをつけ、観客と出演者を自分のペースに引きずり込んでいる。
勿論素人のやること、拙い部分も多々ある。完成度から言えば、前に行われた演劇部の『イノセント・ガーデン』のほうが圧倒的に高い。
しかし、いつものように必死に取り組んでいる瑞穂の姿が、初めての恋に不器用だが真剣に立ち向かっていくロミオの姿に重なって逆に印象的であった。

進行は順調で不安な部分はない、はずなのに紫苑の顔色は優れなかった。
(取り越し苦労……であればいいのですが)
劇が始まってから何か嫌な予感がしていた。
柄にもなく緊張しているのかと思っていたが、出番が終わった今もそれは変わらない。逆に刻一刻と不安感が増していく。
確かに楽しみにはしていたが、大失敗があって舞台が駄目になっても仕方ないと紫苑は思っていた。
335216:2005/05/24(火) 13:01:54 ID:8tkfR5y+
自分も瑞穂もそれを生業にしている役者ではない。失敗しても後になればいい思い出である。共に何かを成し遂げた、その一点が大切なのである。
だが瑞穂は誰にも知られてはいけない『秘密』を抱えている身の上である。劇の途中でトラブルが起きて全校生徒の前で男だと知られたら、一巻の終わりである。
慕っているが故に正体を知った女生徒は、『だまされた』と思い込み、瑞穂を排斥しようとするだろう。
そうなれば自分よりも他人の心を優先する瑞穂のこと、あっけなく退学してしまうに違いない。
(それだけは、絶対に駄目……)
瑞穂の経歴に傷が付く、だけではない。
利己的ではあると自分でも思うが、瑞穂と一緒に卒業したい。
残された時間はあまりなかったが、だからこそこのわずかな時間を大切な人と共に歩んで行きたい。
だから圭の言葉を退け、この場に残った。控え室、と言っても体育館から一番近い教室なので、咄嗟に対処することができないから。
特に、今回は客席にいるまりやのフォローは期待できない。
押し寄せる不安感に苛まれつつも、緊張感を保って紫苑は舞台を凝視し続けた。

336216:2005/05/24(火) 13:02:21 ID:8tkfR5y+
スポットライトの数が減り、朝になりかけの部屋をイメージさせる。鳥の声がスピーカーから流れ出し、静かに幕が開いた……。
この劇の見せ場の一つ、ベッドシーンに観客席から黄色い歓声が沸きあがる。
切ない恋人たちの別れのシーン……観客も演技者も集中力が高まっていき、徐々に目が離せなくなっていく。
『さあ、早く逃げて、云う間に光が差し込んで参ります……!』
スポットライトの本数が増えていく。貴子さんの科白に背中押された『ロミオ』、瑞穂さんがベッドから降り…ようとして一瞬、動きが止まった。
(おかしい……)
台本にない動きを見せた瑞穂さんに貴子さんは気がつかない。
『さあ、早く逃げなくては忌まわしい陽の光がこの部屋を照らし出す前に……!』
貴子さんがベッドのフレームに寄りかかって立ち上がろうとした。
ビビイッ……!
「……えっ?!」
次の瞬間、貴子さんの驚きの声と共にナイトドレスが大きな音を立てて裂け、上半身裸になってしまった。ほんの一瞬、私はそれに気を取られてしまう。
「きゃ……」
悲鳴を上げそうになる貴子さんの声にわれに返った私は、とっさに舞台に飛び出そうとして……
次の瞬間、世界が凍った。

「ん?!」
瑞穂さんが、貴子さんにキス、していた……

会場から黄色い悲鳴が上がる。
ショックのあまり固まっている貴子さんの身体をベッドに掛かっていたシーツで包み込み、瑞穂さんが何かしゃべっているが、私には聞こえない。


紅を刷毛で掃いたように耳まで染めて、潤んだ目で瑞穂さんの顔を凝視する貴子さんの顔が、いつまでも私の目に焼きついて離れなかった。


337216:2005/05/24(火) 13:03:12 ID:8tkfR5y+
「なんとか……終わりましたね……」
着替えを済ませると、瑞穂さんは手近な椅子に腰を下ろした。
窓からは西日が差し込み、後しばらくすれば日が暮れる時間帯。
気がつくと劇は終幕していた。圭さんや他の方にそっと探りを入れたところ、拍手喝采で劇は無事終了。大成功だったらしい。
楽しみにしていたはずの学院祭。
なのに、私の心は妙に沈み込んでいた。
ふと目を転じると、無事に大役を果たし終えた瑞穂さんの口元にはささやかではあったが、満足げな笑みが浮かんでいる。視線が瑞穂さんの唇から離れない。
(あの唇が先ほど貴子さんに……)
おそらく唇が触れ合っていたのはそれほど長い時間ではなかったはず。
(それなのにその瞬間が何時間にも感じられて、身を切られるようで……)
視線を瑞穂さんの唇から無理やりをはずし、私は思考を閉ざした。
……それ以上考えていると取り返しのつかないことが起きそうな気がしたから
「それにしても……飛んだハプニングがあったものですね」
「え、ええ……」
瑞穂さんは私の動揺に気づかない。
このときばかりは感情があまり表面に出ない自分に感謝した。
「今、そのことはあまり考えたくないんですが……」
そう言って、落ち込んでしまった瑞穂さんに、
「で、でも……あの場ではあれが最上策だったと思いますよ? 私は……」
声をかけている途中で、教室の扉が音もなく開いて……

心臓が、音もなくはねた……

338216:2005/05/24(火) 13:03:35 ID:8tkfR5y+
俯いている瑞穂さんは、室内に入ってきた貴子さんに気づかない。
「ですけど……」
「あ、あの……」
貴子さんの声に顔を上げた瑞穂さん。二人の目線が一瞬、絡み合う。

耳元で、心臓がガンガンと鳴り響いている……

「あっ、あの……た、貴子さん…その…そのっ、ごめんなさい! 私っ、叩かれても文句云いません。だから許してください……!」
その瞬間、貴子さんの全身が羞恥に染まる。
「い、いえ…私こそ、全生徒の前で裸をさらさないで済みましたし……その……」
「た、貴子さん……」
「と、とにかく、私、怒っていませんからっ・・・・・・!」
貴子さんは、真っ赤な顔でそう宣言すると、凄い勢いで部屋から出て行った。
その後ろ姿を眺め、
「や、やっぱり、怒ってるんじゃ……」
瑞穂さんが再び落ち込む。
「瑞穂さん?」
「な、なんですか……?」
「あんまり鈍感なのも、いけないと思いますわよ? ふふふっ……」
そこまでが私の我慢の限界だった。そのまま振り返らず、教室を出る。
「ど、……鈍感……?」
扉を閉める時に途方に暮れた瑞穂さんの声が聞こえた。
(急ぎ『過ぎない』…背筋を伸ばし、視線は遠方を…指先はまっすぐ伸ばしてそろえる)
普段無意識に行っている行動を、意識してコントロールする。
周囲には人の目がある。無様な事はできない。ゆっくりと、確実に……歩くこと。
誰もいないところに……とにかく早く。

339216:2005/05/24(火) 13:03:58 ID:8tkfR5y+
(鈍感で…笑われるべきなのは……瑞穂さんではなく、私……)
最初から縁の無いものだと、思い込んでいた……
「瑞穂さん……」
小さな声で囁いたのに、私の心は溢れてしまいそうになる。
あれ以上そばにいれば、いつの間にかこの胸に深く根ざし成長した想いが弾けてしまったに違いない。
……もう少し時間を置いて頭を冷やさないと教室に戻れそうも無かった。

体育館の壁に背中を預け、私はへたり込んだ。
先ほどの熱気が嘘のように誰もいなくなった体育館は寒々しくて、両手で自分の身体を抱きしめる。それでも身体の震えが止まらない……
……切なさが、止まらない
……涙が、止まらない。
窓からのぞく茜色の空がまぶしくて、目が痛くなった。


(私は、瑞穂さんに……恋、している)

初恋は、胸が引き裂かれるように苦しかった……
340216:2005/05/24(火) 13:08:08 ID:8tkfR5y+
以上です。紫苑ルートで劇中に瑞穂ちゃんが貴子にキスした際の心理描写がなかった
のが不満だったので自分で考えてみました。
この後の続きも一応考えていますが……はっきり言って詰まってます_| ̄|○
しかし…地の文が長すぎ!  _| ̄|○

341名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 21:53:34 ID:AYWwPPTw
216さん乙でした。
動揺する紫苑さま、一人泣く紫苑さま、初恋紫苑さま…
ああ、もう、か…
か、かなりGJです。

詰まったときは逆にキスされちゃった貴子さんの(ry
続き待ってます。
342名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 23:16:33 ID:blsjzp9y
216さん、ぐっじょです。
わたしゃこういう心理描写が大好きなんで、頑張って続きをかいてくださいな。

ありがたく読ませて頂きます。南無南無。
343名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 09:17:36 ID:8znLnJy8
気分転換に小ネタ投下

瑞穂です…。
この間映画を見に行ったらレディースデイで、安く見れたとです…。
瑞穂です…。

瑞穂です…。
この間大学で間違って女子トイレに入ったのに何もリアクションがなかったとです…。
瑞穂です…。

瑞穂です…。
この間、紫苑を驚かせるためにパンフレットを貰おうとブライダルフェスタに行ったとですが、
『挙式はいつのご予定ですか? お一人ですか? 奥様」
と言われたとです…。
しかも、そこに参加していた企業15社すべての人に!
瑞穂です…。
瑞穂です…。
瑞穂です…。

      
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                完
344216:2005/05/26(木) 09:19:40 ID:8znLnJy8
216です…。
>>343を間違えてあげてしまったとです…

216です…。
345名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 09:39:38 ID:A2GIJ5+w
なんで間違えて女子トイレに入ったのか問い詰めたい。
小一時間といわず、一昼夜問い詰めたい。
346216:2005/05/26(木) 10:11:45 ID:8znLnJy8
ぐは。ま、間違っている…○| ̄|_
誤字修正です。

>>334 四行目、八行目、十二行目
×この間
○この前

ホントすんません。瑞穂ちゃんの待ち受け見て心を癒してきます。
347名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 10:49:26 ID:8znLnJy8
216、慌て過ぎ!
334じゃなくて、343だろ
348名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 11:20:51 ID:ITvh2eaA
あわてないこと、と紫苑さんも言ってるぞ
349名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 18:41:12 ID:WsEw80cv
>>347
おまいもな>目欄
350BFスレ的全バレ話:2005/05/27(金) 22:10:57 ID:xPnhUbji
注意
バトルファックスレ知らんと、よー分からん内容になっとります。

一匹の強力な淫魔によって、恵泉は淫魔の学び舎と化してしまった。
迅速な対応で恵泉を結界で取り囲んだ為、淫魔化した生徒や教師は
恵泉敷地内から出られなくなり、被害の拡大は防がれた。
そんな中、敷地内にいる唯一の男性、瑞穂ちゃんに淫魔化した生徒や教師達が群がる!!
イかせれば人間に戻せるとは言うものの、すぐ他の生徒や教師にイかされ
再び淫魔化してしまう絶望的な状況下で、果たして瑞穂ちゃんは生き延びる事が出来るか!?





 「いや、死ぬかと思ったよ、あの時は。
 よくもまあ、事態が収集したもんだなあ。」

 事件終結の翌朝、瑞穂はジーンズ姿でまりやと登校していた。
 あの事件で全校生徒と教員全員と関係を持ってしまい、男だと知られてしまった為、
 女物である恵泉の制服は着ていない。(※恵泉は私服OK/by1話冒頭)
 バレた以上、女子高である恵泉には居られない筈だが、まだ退学届けを出していないので
 それを提出するために登校しているのだ。

 「でもさ、全校生徒と先生達全員とH出来て、気持ちよかったでしょ?」
 「た、確かにそうだけどさぁ……」

 とはいえ、行き過ぎた快楽は正直拷問だと思う。
 瑞穂は、そう思った。
351BFスレ的全バレ話:2005/05/27(金) 22:12:02 ID:xPnhUbji
 「校長先生とかは、淫魔化の影響で若返れてホクホクだし。
 顔やスタイルに自信がない子も、淫魔化の影響で綺麗になれてホクホクだし。
 普通、淫魔化すると、男なら何でも良くなって脂ぎったエロ親父とか変なのとHしちゃって、
 淫魔化が治った後で激しく鬱になる、って話だけど、
 幸い今回の場合は瑞穂ちゃんしかターゲットがいなかったからそんな事にならなかったし。
 そして、瑞穂ちゃんは役得でみんなとHして、妊娠を気にせずに膣出しできて。
 ハッピーエンドじゃない、瑞穂ちゃん。」
 「そ、そうかなぁ?」

 そう言いながら小首をかしげる瑞穂の姿は、とても可愛らしい。
 淫魔化の影響で皆以前より綺麗になった、と言っても、依然生徒達の大多数より瑞穂の方が女性として見事な造形を持っている。

 そんな瑞穂を見て
 (やっぱり瑞穂ちゃんってば、女の敵よね。)
 と、そう思うまりやであった。
352BFスレ的全バレ話:2005/05/27(金) 22:12:50 ID:xPnhUbji
 「と、ところでさ、まりや。
 さっきから気になってたんだけどさ。」
 「何よ?」

 と話す二人に、駆け寄ってくる数人の生徒。

 「「「「おはようございますお姉さま。」」」」
 「お、おはようございます。皆さん。」

 女生徒達は、瑞穂のぎこちない返事を聞くと

 「ああ、やっぱりエルダーたるお姉さまは素敵ですわ。」
 「全くですわ。」
 「ああ、お姉さまにご挨拶して頂けるなんて……」

 などと、口々に言いながら去っていった。

 「……みんな、なんでまだ僕の事女の子として扱ってるワケ?」
 「……まだ瑞穂ちゃんが男の子だ、って事実が飲み込めてないんじゃない?」

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 いっそ、変態呼ばわりされた方がマシだ……
353BFスレ的全バレ話:2005/05/27(金) 22:13:48 ID:xPnhUbji
 この時、白くなった瑞穂が復活するまでには、丸二日の時間を必要とした。
 その間の瑞穂の様子を、まりやはこう語る。

 「う〜〜ん、淫魔化した全校生徒職員に、体育館でよってたかって絞りつくされてた時も
 ちょっとやばそうだったけど、どう見てもその時より憔悴してたわね。」
                                   END

追記1
 瑞穂が提出しようとしていた退学届けは、にべもなく却下された。

追記2
 生徒会が行った「男性である瑞穂が恵泉に在学している事に対する意識調査」の結果を見た瑞穂は
 再び鬱で白くなり、今度は三日ほど使い物にならなくなった。
354BFスレ的全バレ話:2005/05/27(金) 22:17:16 ID:xPnhUbji
……かっとなってやった。
今は反省してる。



……すみません、見なかった事にしてください。
355名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 22:56:58 ID:xoGmhhKf
 そろそろマリア祭、もといまりや祭の準備をしないといけないですわね。
多分また瑞穂ちゃんの受難ネタが出ると思うのでそれをさけたいけど、
でもネタが思いつかない……
 
356名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:14:38 ID:8H//3kdJ
みずほいぢりじゃないけど、バッチリかぶってそうなネタしか浮かんでこないぜフゥーハハーハーハァー!
…紫苑さん祭りの時みたいになー。
357名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:19:13 ID:ay9WbEo1
それ以前にまりやメインでSSが書けない…… _| ̄|○
紫苑さまネタしか浮かばないオレが来ました
358名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:27:44 ID:8H//3kdJ
緋沙子先生、ピリッと小ネタが効いたコミカル短編書く才能が欲しいです…orz
359名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:42:27 ID:ay9WbEo1
それは私もそう思いますわ、お姉さま。
……無駄に長くなって後で冗長な文章を削る羽目になるんですの
(ノД`)
360名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:44:54 ID:/qAIt0bt
ナガクナッテモキニシナイ(・∀・)
30スレ越えるようなのを投下する職人さんもいらっしゃいますし。
361名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 23:46:32 ID:+fZgx0bY
まりや誕生日SS、出来てからもう一週間経った。
さすがに気が早すぎた。
多分ネタかぶってるだろうけど気にしない。
362名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 00:16:06 ID:39NIhpWc
瑞穂お姉さまのお誕生日にはドタバタだったものを書いたものですから、
まりやお姉さまのお誕生日には、まりや&瑞穂のまったりラブラブものを書くつもりですわっていうか書いてる途中ですわ。
363名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 00:55:16 ID:UDPqMd1v
>>354
BFスレとやらを知っていればより一層楽しめそうだけど・・・。
スマソ、ぜんぜん知らんかった。
とりあえず精力抜群瑞穂キュン・・・。
人間業じゃねえべさ。
364名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 03:23:59 ID:8PD6pg1F
>>360
30スレ?30レスだよな?スレだったらむしろ読んでみたい。
365名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 03:57:14 ID:HQ3s52PJ
30スレか…1スレ最大500KBとして15Mのテキスト…
原稿用紙何枚分だ
366名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 04:51:21 ID:IjSioN1X
それはとてもとても昔の話
まるでフリージアの様に真っ白で世間知らずで幸せで溢れてた
そんな遠い記憶の出会いの物語

お爺様に連れられて、歩いていた。
そこは僕が知らない場所だったけど怖くなかった。
お爺様にぎゅっておててを握ってもらっていたから・・・。
回りの風景が変わっていくのが楽しくて冒険みたいだった。

「瑞穂や、ここで待っていなさい」

そう告げるとお爺様はおててを離そうとして、だから僕は慌ててぎゅって掴んだんだ。

「すぐにかえる?」

お爺様は何だか少し笑ってから、頭を撫でてくれた。
それはちょっとくすぐったかったけど、僕の中のもやもやを飛ばしてくれて。
だから僕は嬉しくなって、お爺様に抱きついちゃったんだ。

「ん〜・・・。じゃあみずほここでまってる」

お爺様はまた頭を撫でてくれて、瑞穂はえらい子だなって。
それからどこかに行っちゃったけど、僕は全然不安にならなかった。
だけどお爺様が去ってから何だか急に世界が狭くなった気がした。
でもそこはとてもいい香りがしていて、回りを見ると色とりどりのお花に囲まれていたんだ。
お花畑に寝そべってから空を見ると、太陽が眩しくて、空はとても青くて大きかった。
暫くしてちょうちょさんが飛んできて、僕はいつの間にか目で追っていた。
ちょうちょさんはお花に止まっていた。
動かないから僕は心配になって手を伸ばしたんだけど、サッて僕の手をすり抜けてちょうちょさん飛んで行っちゃたんだ。
あっという間だったから僕はぼうってしたんだけど、ちょうちょさんが止まっていたお花が僕の家にもあるお花だって気づいてとても嬉しくなったんだ。
よく見ると名前はわからないけど、色んなところにあって気が付かないうちに一所懸命探してた。
367名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 04:53:01 ID:IjSioN1X

「あなた、だーれ?」

僕は夢中でお花を探してたから、いきなり声が聞こえてとても吃驚した。
反射的に声が聞こえたほうを見ると、僕と同じくらいの背丈の女の子がいて、
僕がぼうって呆けてると、女の子は笑顔で言ったんだ。

「あたしはねーまりやっていうの!」

ちょっぴり怖かったけど、女の子の笑顔がとても嬉しそうだから僕も嬉しくなった。

「ぼくはみずほ。かぶらぎみずほ」

そうすると女の子は僕の手をとって握った。

「じゃあみずほはみずほっていうね。だからみずほもまりやのことまりやっていうの」
「う・・・うん」

まりやさんが僕の手をぎゅって握るからちょっと僕はあせって、

「・・・まりや・・・さん」

って言うと、まりやさんは眉をちょっと上げて、僕の手を更に握ったんだ。
368名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 04:53:44 ID:IjSioN1X

「ま・り・やってよぶの」
「う〜・・・おじいさまにはじめて会った人にはさんづけしろって・・・」
「ま・り・や」

段々とまりやさんが手を握ったまま近づいてくるから、なんだか言わないといけないと思って、

「・・・まりや、これでいい?」

と、まりやさんは嬉しそうに笑ったんだ。



起部分だけ書いて逃走します・・・限界orz
369名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 09:10:49 ID:SmS+pATw
>365
VN系のゲームでもまずねえぞ、1M超で売りになるくらいなのにw;>テキスト量15M
370名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 13:40:13 ID:v4wrP2TS
1文字2バイトだっけ?
15x1024x1024/2でおよそ786万字。400字詰めで2万枚弱。
ぎっちり書かないで半分程度でも1万枚。
大長編どころの話じゃないなw
371名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 14:52:00 ID:j3j9Qrye
そこでグインs(ry
372名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 17:01:51 ID:D4dfPE6G
蒸し返してスマンが、クロスについてはこんな過疎スレがある。
良かったら使ってくれ。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1074534222/
373名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 18:35:20 ID:5BCS30Ei
15MBって
某月のやつが10MBだからそれの1.5倍
まともにやってれば60時間掛かる代物の1・5倍か
374名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 18:51:31 ID:SmS+pATw
AAでの大河ドラマ風連載ならどうだろう?
ある程度大きめのAA使えばそれなりに埋められそうな…そっちのが難易度高いかw;
375何かあって全バレした後だと思いねえ:2005/05/28(土) 19:33:31 ID:Zd/POL3Z
小ネタっす。

昼休み。
まりやのクラスメート達は、男だとばれた瑞穂を肴に、話に花を咲かせていた。

「はぁ〜、まさかお姉さまが男性だっただなんて……」
「全く分かりませんでしたわ。」
「大体お姉さまときたら、パットの胸を除けばスタイルは完璧ですし、
お声ときたらまるで小鳥か天使のようで。
そのような方を男性だと見破れ、という方が無理な話ですわ。」
「ああっ、私達の女としてのプライドが……」

と、唐突に一人の女生徒が考え込む。

「あら? どうかなさって。」
「いえ、お姉さまは本当は男性で、前の学校には男性として通われていたのですよね?」
「? ええ、そうらしいですわね。」
「と、言う事は、お姉さまは男性用水着でプールの授業をお受けになっていたのではないかと……」

重い沈黙が彼女等だけではなく、教室全体を包む。

「……見たい、ですわね。」

教室内にいた全員が一斉に頷いた。

「ありますわよ、男性用水着を着たトップレスの瑞穂様の写真。」

そのまりやの一言に全員が一斉に反応した。


数日後。
ホクホクのまりやと、がっくりと項垂れている瑞穂の姿が目撃されたという。
376何かあって全バレした後だと思いねえ:2005/05/28(土) 19:44:14 ID:Zd/POL3Z
こんなネタ書いた後でなんだが、瑞穂ちゃんの水着(男性用)姿の写真って、
開正でも結構高値で取引されてたと思うんだがどうよ?
377名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 20:15:29 ID:sUEGNCPl
むしろ、プールが血まみれになって水泳の授業ができないとか
378名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 21:45:50 ID:l60tzK+F
水泳キャップの中に髪を纏めた短パン水着姿の瑞穂ちゃんか…
しかも呼ばれてこっちを振り向いてる姿で、項やお尻が見えててきょとんとした顔の
…先生、ちょっとトイレに行ってきます
379名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 23:03:35 ID:+QpmAfbB
>>378待ってくれ、漏れもトイレに逝きたくなってきた
380名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 23:15:28 ID:KuD3ViYI
>378
他に上気した頬とか濡れた唇とか白くて滑やかな背中とか…待ってくれ、漏れも逝く
381名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 23:52:35 ID:ao8euSqI
流れ仏恥義理だけど
胸を摘出した人のために色々なアイテムがあるらしい。参考まで。
ttp://www.cosebelle-ny.com/index.html

温泉に入れる胸パッドもあるらしいですよ?
382名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 23:57:46 ID:j5aZSLg/
>>378-380
で、トイレ行ったはいいけど、
瑞穂キュンがトイレ掃除していました、と

よし、皆でトイレ逝こうぜ
383名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 00:13:08 ID:1fV9F9jQ
ぶっかけか?
瑞穂きゅんにピーをぶっかけるのか?
384名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 00:34:22 ID:ZhV4eBk6
瑞穂タンにおふざけでセクハラしようとしたらぶっとばされますた。
めちゃくちゃつおかった・・・
紫苑様には乳揉ませたくせに・・・
385名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 00:37:44 ID:3Q9Y6oFB
>384
そりゃ紫苑さんとは同性同士ですから恥ずかしいも何も・・・


・・・あれ?
386初代スレ126:2005/05/29(日) 02:28:50 ID:PxeoFtIe
orz

自分の、自分の遅筆さ加減がいい加減恨めしい…!!
ちょっと前はもっと早かったんだけれどなぁ…( ;´Д`)

さて。大きく時期を逸してしまいましたが、ようやくにして「瑞穂ちゃんの誕生日」の
書きかけの一本が出来上がりました。
もうすぐまりや祭りなので投下するのもどうかとも思ったんですが、折角なんで…(^^;
387初代スレ126:2005/05/29(日) 02:29:57 ID:PxeoFtIe
「お姉さまお姉さまお姉さまっ!!そろそろ起きないと、遅刻ですぅぅぅぅっ!!」
「ん…あ、一子ちゃん…そっか、ありがとう。直ぐ準備しないと」
眠い目を擦って、僕は着替えを始める。その横で、いつもと変わらぬ制服姿の一子ちゃんが
僕を見つめている。
「それじゃ、行ってくるね、一子ちゃん」
「はい、行ってらっしゃいませ〜」
こうして僕は大学へと向かう。
恵泉を卒業した今も、僕は一子ちゃんと共に生活をしていた。

瑞穂へのバースディ・プレゼント”一子編” ―精一杯のプレゼント―

「お帰りなさいませ、お姉さま。お仕事お疲れ様でした」
「ただいま。ありがとう、一子ちゃん」
「お風呂になさいますか?それともお食事に?」
「そうだね…一度お風呂に入ってさっぱりしたいかな?」
「わっかりました!!それでは不肖幽霊三等兵の私、一子が楓さんにご報告に行ってまいります!!」
云って壁を抜けて楓さんの元へ文字通り飛んで行く。
最初は、父様も楓さんも驚いていたけれど、母様の妹分、という事で可愛がられるようになり、
今ではすっかり馴染んでいる。
ただ一つ気にかかることといえば、何時までたっても僕を「お姉さま」と呼ぶ事だけ…
何度か注意したけれど、結局改まる事もなく、僕ももう諦めてるんだけど。
支度を整えている間に、一子ちゃんはまた壁を抜けて戻ってきた。
「もう、準備おっけーだそうですよ」
「うん、それじゃお風呂に入ってくるね」
「私もご一緒いたします♪」
「ダメ。却下。…大人しく待っていなさい」
「むむむ、やはりダメですか…それでは一子は一人寂しく、お姉さまの武運長久をお願いして
お待ち申し上げますです…よよよ」
「何でお風呂に行くのに武運が必要なのさ…」
388初代スレ126:2005/05/29(日) 02:31:29 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (2)

いつも通り交わされる、それが僕と一子ちゃんの日常。
まるで恵泉の寮での生活が、そのまま移ってきたかのような毎日。
ずっと、ずっと続いていくような、そんな毎日がここにあった。
「で、ですね。お姉さまは何がお望みですか?」
「…え?あ、ご、ごめん。ちょっとボーっとしてて良く聞いてなかった…」
「もう、お姉さまったら。だから、もうすぐお姉さまの誕生日ですし、
一子も何かして差し上げたいのですけれど、何かお望みのことはありますでしょうか?」
「え?…もう誕生日だったのか…すっかり忘れてたなぁ。
望み、ね。う〜ん、特にないんだけれど」
「そんな事云わずに!!一つおっしゃってくださいな。
今なら出血鼻血大サービスでお応えしますっ!!」
「でも、実質的な問題として…一子ちゃんに何かしてもらおうと思っても…」
「あぁっ!!お姉さま、一子の事を役立たずのタダ飯喰らいだと思ってますね!?」
「いや、ご飯は食べてないと思うけど…」
「そんな些細な事は問題じゃありません!!そうだ、例えば一日給仕係とか!!
何時でも好きなときにお茶をお淹れいたしますっ!!」
「一つ聞きたいんだけど。どうやってティーポットを持つの?」
「…そうでした。ことごとくすり抜けてしまうんでしたぁぁぁぁ…
…っと、それで諦めてはいられません!!ならばマッサージでもっ!!」
「寮でそれやろうとして、実際どうだった…?」
「…重力の制約を受けない身では効果は薄かったです…
ならばならば…えっと…そう!!あの、その。か、身体で…っ!!」
「一子ちゃん。…僕は、一子ちゃんにそう言う形での「お礼」なんて求めてないよ」
そうなのだ。一子ちゃんは、僕たちの世界において多くの接触が出来ない。
そのため、出来る事も著しく限られている。
かと云って、唯一出来る接触…肌と肌のふれあいで、それだけを一子ちゃんに求めたくは無い。
だから、
「一子ちゃんは何も気にする事無いよ。僕は一子ちゃんがこうしていてくれる事がとても嬉しいし。
それだけで十分だから」
「お姉さま…」
389初代スレ126:2005/05/29(日) 02:32:35 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (3)

僕の言葉に一子ちゃんが微笑を浮かべ…それで僕は一子ちゃんは納得してくれたんだと思った。
そう思った僕は、本当に鈍いんだなって。後で、そう思った…

「…結局、一子はお姉さまのお役に立てないんですね…」
お姉さまが寝た後。一子は屋根の上で一人膝を抱えていました。
お姉さまのお役に立ちたい。お姉さまの力になりたい…そう思う想いは募るばかりなのに、
何も出来なくて。それがもどかしくて。
「神様。どうか一子に、瑞穂お姉さまに恩返しをする機会をお与え下さい…!!」
強く、強くそう願いました。すると、私の身体は光に包まれて…
やがて私は意識を失いました。

…あれ?何時の間にか、朝になってる…いけない、今日もお姉さまを起こさなくちゃ。
そう思ったら…あ、あれ?何故か身体が自由に動かない…!?
「瑞穂、さ、起きなさい。朝ですよ」
か、勝手に喋ってます、私!!こ、これは複雑怪奇摩訶不思議、一体何が私に…!!
…でも、この声。私が喋ってるはずのこの声は私の声ではなく、
凄く懐かしい、不思議な声がするのです…
「ん…一子、ちゃん…?……あれ?僕が、いる…」
「もう、何を寝ぼけているの?ほら、早く起きなさい、瑞穂」
寝ぼけた顔をしていた瑞穂さんは、私(?)の顔を見て、少しぼぅっとして…
それから突如跳ね起きました。
「!?……あ…あの、その……ひょ、ひょっとして。…母様…?」
えぇぇぇぇぇぇぇっ!?あ、あの、私を見て幸穂お姉さまと間違えるのは、
寝ぼけるのもいい加減にした方がいいのではないかと…!!
「そうよ、瑞穂。なんだか良くわからないけれど、一子ちゃんの身体を借りてしまっているみたい。
ほら、一子ちゃんも。これでよくわかるでしょう?」
そう云って私は鏡を覗き込みます。そこに写されたのは、正しくお姉さまそっくりの。
…幸穂お姉さまの、お姿でした。
「これでわかったかしら?一子ちゃん」
本当に、幸穂お姉さまなのですか…?
390初代スレ126:2005/05/29(日) 02:33:24 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (4)

「ええ、そうよ」
お姉さま…お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
幸穂お姉さまの中だというのに、私は思いっきり大声をあげてしまい、
思いっきり泣き出してしまいました。
「泣かないで、一子ちゃん…
ほら、瑞穂も早く着替えなさい。学校、遅れちゃうわよ」
にっこり微笑んだその顔は、正しく私が良く知る幸穂お姉さまの笑顔でした。
神様は、一子の願いを叶えてくれたのです。

その日、瑞穂お姉さまは今までに無いくらい早くお帰りになりました。
本当はアルバイトの日だったのですが、どうやら無理云って休んだらしいのです。
そんな瑞穂お姉さまを見るのは初めてで、とても意外で…
…少しだけ、幸穂お姉さまに嫉妬してしまいました。
だって、一子は瑞穂お姉さまにそんなに影響を与えられる存在じゃないから。
「…一子ちゃん、そんな事無いわよ」
はうぅっ!!しまったです…思ってる事は直にお姉さまに伝わってしまうのでした。
うう、一子一生の不覚…!!
「ふふ、相変わらずね、一子ちゃん。
…ね、一子ちゃん。瑞穂が恵泉を無事卒業できたのも、そして恵泉で様々な事を学べたのも…
一子ちゃんが大きく影響してるのよ?」
そう、でしょうか…?
「そうよ。だから、私はとっても一子ちゃんに感謝してるわ。ありがとう、一子ちゃん」
えへへ…幸穂お姉さまに感謝されると、なんだか照れちゃいます。
「母様、お待たせしました」
そこに、着替えを終えた瑞穂お姉さまが入ってきました。
若干、緊張しているみたいです。
「さて…朝はゆっくりと挨拶も出来なかったけれど。
久しぶりですね、瑞穂。すっかり大きくなって…
それに、随分私似に育ったのですね」
「あはは…嬉しいのか複雑なのか、ちょっと微妙ですけれど…」
391初代スレ126:2005/05/29(日) 02:33:58 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (5)

そう云ってくすくすと笑うお二人。…やはり、どこかぎこちないです。
無理も無いかもしれません。幸穂お姉さまは瑞穂お姉さまがまだ幼い頃に亡くなられたのだから。
「なんだか不思議ですね。こうして母様と話できるなんて。
…あの、母様。僕は…ずっと、母様に聞いてみたかった事があるんです」
「何かしら?私で答えられる事なら何でもどうぞ」
「…どうして、治療を受けられなかったのですか?」
…一瞬。場が凍りついた気がします。
瑞穂お姉さまも、緊張の面持ちで幸穂お姉さまの答えを待っています。
でも、当の幸穂お姉さまは、不思議なくらい穏やかな顔で、ゆっくりと口を開きました。
「私はね。ずっと決めていた事があるの。
もし、私が死ぬ事になったならば、それを素直に受け入れようと。
一子ちゃんが、私を待ってくれてるから。そう思っていたから…」
私…?幸穂お姉さまは、私のために…!?
「やっぱり…今では、僕も母様の気持ちがわかります。
僕だって、一子ちゃんが居なくなってしまったら、とても、とても悲しいから。
よく、わかります…」
瑞穂お姉さま…
「でも、その所為で貴方には寂しい想いをさせてしまいました。
母として失格ですね…」
「そんな事…!!
確かに、寂しいと思うときはありました。けれど、僕には父様も楓さんも、
まりやだっていました。
恵泉に入ってからは、紫苑さんに貴子さん。奏ちゃん。由佳里ちゃん。
圭さんに美智子さんとも知り合えました。
そして何より…一子ちゃんと出会えました。
だから、僕は大丈夫です。
確かに、ずっとずっと母様に居て欲しい。けれどそれが叶わないのはわかっていますから…
ですから、心配は不要ですよ」
そう微笑む瑞穂お姉さまの瞳の端に、輝くものが浮かんで…
幸穂お姉さまは、しっかりと瑞穂お姉さまを抱きしめられました。
392初代スレ126:2005/05/29(日) 02:34:34 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (6)

「すっかり話し込んじゃったわね。
…私の中の一子ちゃんも、もう眠ってしまっているわ」
「もう、こんな時間なんですね。全然気が付きませんでした」
僕と母様はそれからずっと話し込んで…何時の間にか日付が変わっていた。
「…さて。それでは、私はそろそろ帰らなければいけませんね」
「母様…来て頂いて、とても嬉しかったです。本当に…!!」
笑顔で送ろうと思ったのに。思ったのに…涙を、止める事が出来なくて。
「ありがとう。…ごめんなさい、瑞穂。
…ねえ、瑞穂。一つ、お願いがあるんだけれど?」
「…はい、何ですか?母様」
「一子ちゃんは…きっと近いうちに、自分の"採るべき道”を見つけると思うの。
そして、そのときは一子ちゃんとのお別れになるわ」
「…はい」
そう返事はしたけれど、云われて愕然とした。
一子ちゃんが居なくなるなんて、今の僕には想像の限界を超えていたから。
「その別れは辛いかもしれない。
けれど、一子ちゃんにとっては新しい道に進むための第一歩なの。
だから…笑顔で、送ってあげて。
それが、私の願い」
「母様…わかりました。必ず、笑顔で送ります」
そう云って、僕は精一杯の笑顔を浮かべた。
母様の事だって、笑顔で送りたかったから…
「ありがとう、瑞穂…もう、”私”と会うことはないかもしれない。
でも、今度は”生まれ変わった誰か”として、出会えるかもしれない。
ううん、きっと会えるわ。だから。
その日まで、さようなら、瑞穂…」
「母様…!!」
393初代スレ126:2005/05/29(日) 02:35:04 ID:PxeoFtIe
精一杯のプレゼント (7)

母様の身体が一瞬、眩いばかりの光を放って。
…それが収まると、寝息を立てる一子ちゃんの姿がそこにあった。
「必ず、約束は守ります。母様…」
ずっとずっとあると思っていた日常。けれど、それは必ず終わりが来るわけで。
でも、それを悲しんではいけない。辛く感じてはいけない。
僕の所為で、一子ちゃんを縛り付けるわけには行かないのだから。
「だから、せめてその日までは…ずっと一緒だよ、一子ちゃん」
そっと一子ちゃんを撫でる。撫でると、一子ちゃんは眠りながら笑顔を浮かべて。
僕の誕生日は、こうして終わった…

                                 おわり
394初代スレ126:2005/05/29(日) 02:38:53 ID:PxeoFtIe
ホントは、幸穂母様を書くのはすごく迷いました。
(プレイ当初当時の)名前以外情報の無い楓さんと違って、
少し登場する。けれど情報は少ない、と言うキャラだったので、
自分で自由に作る、とは行き難かったです。
でも一子ちゃんでネタを考えた際、どうしてもこのネタしか無いと思ったので…
お陰で何度も書いては消して、を繰り返す羽目になりましたが…( ;´Д`)

残りのネタどうしよう。流石に時期を過ぎまくったし、封印しようかな…?ううむ…
395お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:37:22 ID:jkDib+qU
身にまとうは志(こころざし)

1
「紫苑さま、おはようございます」
「貴子さん、ごきげんよう」
秋も深まろうとするある日曜日、紫苑と貴子は駅前で待ち合わせていた。
「来週の大学の文化祭の衣装を早く決めてしまわないといけませんね」
「それにしても、まりやさんは相変わらず遅いですわね」
「まだ申し合わせた時間の10分前ですよ、貴子さん」
「おまたせ〜。さすが貴子に紫苑さま、お早いお着きで」
5分後にまりやも到着し早速店へと歩き出す。
「私、主人と大学で初めての文化祭ですから楽しみなんですの」
「いくら夫婦とはいえ大学内では少し節度を持っていただかないと…」
「ねぇ貴子、瑞穂ちゃんと紫苑さまって大学でもよろしくやってるの?」
「よろしくどころじゃありません。一昨日だって…その…あ、あの…
人気のない講義室で…あ、あんな」
貴子は顔を真っ赤にして話を続けられないでいた。
「あれは、主人とキスをしてたところ貴子さんに見られてしまっただけですわ」
「人のキスを見ただけでこんなに恥ずかしがるなんて…貴子、あんたは子供か」
「べっ…、別にき、ききき、キスだけならともかく…その瑞穂さんが紫苑さまのむ」
「まりやさん、これが目的のお店ですか」
貴子の話を遮るように紫苑はまりやに目的の場所を確認する。
「え、あ、ああここです、ここ」
(貴子、あとで何があったか教えなさいよ)
「どうしました、まりやさん?」
「な、何でもないです」
紫苑の笑顔にまりやは気圧されてしまった。
396お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:37:43 ID:jkDib+qU
2
「それにしても…ここに入るのですか」
「あらあら、可愛らしい服の店員さんがいらっしゃるじゃないですか」
「ですが、紫苑さま。可愛らしいと言っても…」
貴子は目の前のいろいろなコスチュームを着飾る店員の姿を見てしり込みをしている。
メイド服やらどこかの学校の制服っぽいものやら幼児向けアニメの服やら色々である。
そう、彼女たちはコスプレ専門店にやってきている。
「貴子、もう一度言っておくわ。コスプレというのはある種の志ってもんがあるの。
もしそれがどうしても生理的に受け付けないなら今のうちに帰りなさい」
「な…なるほど。たしかにまりやさんも前に仰っていましたがお店の方の制服といいますか…
コスチュームには志を感じます。」
「おもしろそうじゃないですか。わたしは構いませんよ」
紫苑はむしろ興味津々といった表情で答える。
「わ、わかりました、私も参ります。文化祭のためですから」
貴子は目的のために覚悟を決めたようである。
「本当にいいのね。じゃいくよ」
3人は店の中に入っていった。
397お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:38:35 ID:jkDib+qU
3
「なるほど。本当にたくさんの種類のお洋服がありますのね」
「あの…紫苑さま。洋服とはちょっとちがうんですけど」
コスチュームの概念を理解できない紫苑の発言にまりやは突っ込みを入れる。
「それにしても色々あるんですね…これは産業革命時のメイド服ですか」
眼鏡を掛ける女の人が着ていそうなメイド服を貴子は見ている。
「そうね。でも今時のミニスカートのメイド服もあるよ」
「本当ですわ、何か書いてますわね。えーっと…『十六夜、時を止める程度の能力が持てるかもしれない、
というか持てません』…どういうことですか?」
「着るとナイフ投げが得意になるんじゃない?」
「まりやさん、何のことかさっぱりわかりません」
「まりやさん、これはどうでしょう」
「はいはい紫苑さま…これは真っ赤なゴスロリですね」
「お人形さんみたいですわ」
「ええ、紅茶の淹れ方にうるさそうな人形が着ていそうでしょ」
「紅茶にうるさい人形ですか…?」
まりやのコスチュームの説明に貴子と紫苑は首を傾げながらも
店内を周っていった。
398お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:40:12 ID:jkDib+qU
4
「これはどうでしょう」
店にはいって30分ぐらい経ったころ紫苑は黒いカットソーとスカートに
ピンクのエプロンというコスチュームを見つけた。
「どれどれ…さすが紫苑さま。目の付け所がちがうわ」
「なかなか可愛らしいですわね」
まりやと貴子が紫苑のもとにやってきた。
「とくに首もとの鈴がかわらしさを強調していて素敵です」
紫苑はコスチュームのワンポイントになっている鈴を特に気に入っているで
鈴を転がしながらうっとりとしていた。
「これって雷のカードを封印するときのバトルコスチュームなのよ」
「は、はぁ…」
「エプロンつけてバトル…?」
紫苑や貴子はやっぱり何のことかさっぱりわからない様子である。
「これに黒の猫耳と猫しっぽをつけて…あとステッキ持たせたら完璧」
「何が完璧かはわかりませんが可愛らしいのには間違いありません」
貴子は何のことかはわからないままだったが服の可愛らしさは
認めるところである。
「ではこれでいきましょう」
399お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:40:58 ID:jkDib+qU
5
そして文化祭当日。
「紫苑、やっぱり出なきゃだめですか?」
「ええ。もうエントリーは済んでます」
「このために衣装まで一式紫苑さまが用意されたのですよ」
「は、はぁ…」
「あと、舞台に上がったらこれを言うようにとまりやさんが…」
紫苑は瑞穂にまりやから預かったメモを渡した。
「こ、これを言うの!?」
「「ええ」」
紫苑と貴子は瑞穂に笑顔で同意を求める。
「これだけは勘弁してほしいな」
「だめですわ、あなた」
「完璧を期すに越したことはありません」
「何が完璧なのかわからないよう」
「「とにかくお願いしますね」」
「うう…」
400お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:41:54 ID:jkDib+qU
6
『それではエントリーナンバー8番、1回生の鏑木瑞穂さんです』
大学の女装コンテストに瑞穂は黒のカットソーとスカートにピンクの
エプロン、さらに猫耳と猫しっぽをつけて舞台に登場した。
「私は魔法少女クランキーミズホ。悪い魔女さん達から大学と
ご近所の平和を守るためいつも頑張ってます。ちょっぴりドジで
そそっかしいけどみんな応援してね」
ヤケクソになった瑞穂は両手でピンク色のステッキを抱え、
観客にウィンクしながらノリノリでセリフを決めた。
この後瑞穂に向かって男性客が一斉に舞台へ駆け上がろうとしたり
女性客の大半が失神するなどコンテストは大混乱となり
審査どころではなくなったのは言うまでもない。
401お姉さまと一緒のなかのひと:2005/05/29(日) 04:44:10 ID:jkDib+qU
7
「今日はもう寝よう」
自分に駆け寄った男どもを捌きに捌いて疲れきった瑞穂は
自宅で入浴後寝室に向かう。
「お疲れ様でした、あなた」
「なんですか、この格好は」
紫苑は薄紅色に赤色のリボンがあしらわれたドレスを着て背中には
蝙蝠の翼を着けている。
「あら、コスプレって結構趣深いものですわ」
「あの…」
「なんでもこの服のコンセプトは500年間もお嬢様をやってる吸血鬼だそうですわ」
「は、はぁ」
「今日は瑞穂さん、あなたを頂いちゃいます」
紫苑は瑞穂の方に両手を置き首筋にキスをするとそのままベッドに
二人ともなだれ込んだ。

続かない
402名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 07:55:52 ID:U+iBR9aC
SS作家のみなさま、GJです!

>>初代126氏
一子編、幸穂母様ご降臨(大げさかな)で感動の逸品となりましたね。
残りのネタは……後悔のないようにされてください。

>>お姉さまと一緒のなかのひと氏
そう来るか! と、途中から笑い通しでした。
次の作品も楽しみにしています。
403名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 12:52:29 ID:n5vd8ZPI
紫苑さんに幼女のコスプレは似合わなをうわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこ
404名無しさん@ピンキー:2005/05/29(日) 22:11:49 ID:ndaGBm0K
皆様GJ
時を止めてナイフ投げ・・・・
紅茶の淹れ方にうるさそうな人形ね・・・・
むぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・と、トイレに逝ってきます!
405216:2005/05/30(月) 23:35:28 ID:vP4K0Wzp
|д・) ……誰もいない。新SSを投下するなら今のうち。
 『貴方の望む未来(あす)』 紫苑エンド後

PS.『見えない心』待っていた人(居るのか分かりませんが)ごめんなさい。全く違うSSです。
○| ̄|_
406216:2005/05/30(月) 23:36:19 ID:vP4K0Wzp
……最初は傍にいるだけで幸せだった。
貴方の笑顔が私に向けられている、それだけで涙が出そうだった。
それなのに私は貴方と生活を共にし、共有する時間が増えていくたびに少しずつ、少しずつ貪欲になっていく……
貴方の存在が少しずつ、今までの私を壊していく……
以前よりも…
昨日よりも…
貴方を傍に感じたい。
……麻薬患者のように私の心が貴方を求めている。


「もう知りません!」
気がつくといきなりそう叫んでいた。云ってしまった後で自分でも驚いてしまう。そこまで云うつもりはなかったのに……。
「えっ…、ちょっと待って! 紫苑……!」
慌てふためいた応答をすべて聞き終える前に、私は踵を返すと一気に駆け出した……。


407216:2005/05/30(月) 23:37:45 ID:vP4K0Wzp
掲示板を確認すると、受講していた講義が休講になっていた。
少し考えて、私は構内のカフェテリアに向かった。
大学に入学してからもう一ヶ月半が過ぎていた。入学式の時に満開だった正門前の桜も今は青々とした葉が茂っている。
暖かな午後の日差しを背に受けてキャンパス内をゆっくりと歩いた。
学生生活は順風満帆。
懸念していた厳島からの横槍も今のところない。
手術後の経過も良好で、現在は月に一度だけ定期健診を受けているが異常は発見されていない。
問題なのは……
「紫苑さま……!」
「あら、貴子さん…」
少し小走りで駆け寄ってくる貴子さん。貴子さんは瑞穂さんと同じ学部な上、私とは学年も違う。一緒の講義を受けることはほとんどなかった。
週末に時々申し合わせて出かけたりしていたが、このところ貴子さんが忙しく、顔を合わせるのは久しぶり。
恵泉にいたころは生徒会長として自分を律していたせいでいつも澄ましていた雰囲気でしたが、その重荷もはずれ今は表情豊かでとても可愛らしい。時々思わずぎゅっと抱きしめたくなります。
「……し、紫苑さま、苦しいです」
あら、いつの間にか抱きしめていました。
「し、死ぬかと思いました…少し加減してください」
「まあ。それは大げさですよ、貴子さん」
「紫苑さまはご自身の事をあまり理解してないようですね……少しだけ奏さんの気持ちがわかりました」
ぶつぶつとつぶやく貴子さん。ちょっと大げさですよ?
「貴子さんはこれからお昼ですか?」
「ええ。今日中に提出しなければならないレポートがあったので、お弁当を作る暇がなかったもので。今日は学食です。紫苑さまは?」
「家で済ませてきました。ですが出席する予定だった講義が休講になって、暇ですの。それでカフェテリアで時間を潰そうと……」
「そうですか。でもなぜカフェテリアに? 予定がなければもう帰ってもいいのではありませんか。瑞穂さんと待ち合わせですか?」
408216:2005/05/30(月) 23:38:22 ID:vP4K0Wzp
「……何も聞いてないのですか?」
思わず足が止まった。てっきり瑞穂さんから相談を受けているかと思っていました。
「紫苑さま……?」
「貴子さん…この後、時間ありますか?」
「? ええ、大丈夫ですが…何か?」
「相談に乗って欲しいことがありまして……」
そんなにいぶかしげに見ないでください、貴子さん。
「……あの、実は……私、ここ数日、鏑木の家に戻っていますの……」
「……はあっ?!」
なんとなく恥ずかしくなって、顔は俯きがちになり、声がかすれてしまいます。
「里帰りというか、別居といいますか……そんな状況です」
「え……」
そう言って、貴子さんが凍りついたように動かなくなってしまった。あの、貴子さん……
「べ、べべ、別居ですか?!」
た、貴子さん…声が大きい、です……
409216:2005/05/30(月) 23:39:38 ID:vP4K0Wzp
事の起こりは一週間前、今月の5月12日、瑞穂さんの誕生日に遡ります。
現在、私と瑞穂さんは大学近くにマンションを借りて一緒に住んでいます。あ、籍は入れていますので同棲ではありません。知っているとは思いますが、念のために。
その日の夜、まりやさんや貴子さん、奏ちゃん、由佳里ちゃんをお呼びして瑞穂さんの誕生会兼大学入学祝いを行ったのですが……貴子さんもご存知のとおり、まりやさんがお酒を大量に持ち込んだため大変なことになってしまいました。
皆さん酔っ払ってしまい…え、よく覚えていない? そう云えばあの時の貴子さんはまりやさんに挑発されてお飲みになって……あら、貴子さん顔色が悪いですわよ? 大丈夫ですか?
え、話を先に進めるのですか? ですが……わかりました。言いませんから、土下座はやめてください。
えっと、どこまで話しましたかしら…そうそう、翌日皆さん二日酔いになってしまって。
私はあまり飲んでいませんでしたし(貴子さんが青い顔でフルフルと首を振っているのは何故でしょう?)午後からの講義だったのでよかったのですが、瑞穂さんは午前中に必須の講義があったので死人のような顔色で出かけて行きました。
思えばあの時一緒に行っておけば……
その日の講義が終わって、いつものように瑞穂さんとの待ち合わせ場所に行ったのです……いつものようにそこには瑞穂さんがいて、そしていつものように私は笑いかけようとして……次の瞬間、頭の中が真っ白になってしまいました。
ええ、そこには大量の誕生日プレゼントを抱えた瑞穂さんが立っていたのですから。


410216:2005/05/30(月) 23:41:49 ID:vP4K0Wzp
「それで頭にきまして……その後は顔も合わせていません。大学も今日久しぶり出てきました」
「あの……それだけ、ですか?」
「『それだけ』とはどう云う意味でしょう、貴子さん?」
「わ、私にすごまれても困るのですが……」
いけない、興奮してしまいました。
気を落ち着かせるため紅茶を一口口にした。
「……さすが貴子さん、良い茶葉を使われていますね」
「先週勝手に泊まりに来たまりやさんが置いていったものです。私、厳島の家を出ましたので、こんなに高いものは買えませんわ」
苦笑する貴子さん。何かとケンカすることの多い二人が、知らないうちに所謂『お泊り』をする仲になっているとは……感動です。
大学から少し離れた場所にあるアパート。
そこに貴子さんが現在お住まいになっている2LDKのお部屋がありました。一人暮らしをしているのは知っていましたが、遊びに来るのは初めて。
床は全面板張りで、大きなお部屋ではありませんが、シンプルに纏まっていて使いやすそう。そんなところは貴子さんらしい。
「いえ、『別居』と聞いたものですから、もっとすごいことがあったのかと……」
思わず慌ててしまいました、と苦笑して、貴子さんは紅茶を口にした。
「? と、言いますと?」
なんのことを言っているのか分からなくて尋ねると、
「え? 」
貴子さんは言葉に詰まりました。聞き返されるとは全く予想していなかった様子。
そして急に真っ赤になって、
「あの、わ、私は別に…み、みみ、瑞穂さんが紫苑さまを裏切ったとか、そ、想像したわけではありませんわよ。そ、そうですよね。あの、瑞穂さんに限ってそんなう、うわk…だなんて。あ、あは、あははっ、そそ、そうですよね…そう、そうそう…」
……貴子さんが落ち着くまで30分かかりました。
411216:2005/05/30(月) 23:42:42 ID:vP4K0Wzp
「紫苑さまのお気持ちも分からなくはありませんが…ある意味、瑞穂さんを伴侶に選んだ段階で予想できたことではありませんか?」
「ええ……そうですわね」
思い返せばいろんなことがありました。恵泉に通っていたときも、大学に入学してからも……
「確かに予想はしていましたが……悔しいではありませんか」
「は?!」
「瑞穂さんに嫉妬して欲しくて『十条紫苑』で大学に通っていますのに、瑞穂さんの方がもてるのですよ……」
あの容姿だからまず見た目で大半の方が瑞穂さんの性別を間違える。さらに恵泉時代に培われた女性らしい立ち居振る舞いが今では完全に身についていて、時々私ですら勘違いするぐらい。なので、他の方は分かっていても錯覚してしまう。
その結果、瑞穂さんは毎日告白され、ラブレターを持って帰ってくる。その数は日に日に増えていく一方。
男女比率は分かりませんが……
「私のプライドはズタズタです……」
手近にあったクッションを抱き込む。奏ちゃんほどではないですが、程よい抱き心地が私の心を慰めてくれる。
「か!」
「かっ?」
「か、かなりキテルようですね、紫苑さま」
そう言って、咳払いする貴子さん。何なのでしょう?
「ですが、今後どうされるおつもりですか? このままでいいわけがありません」
「ええ……そうですわね」
思わずため息が漏れます。
「それに」
「それに……?」
「不可解なのは今回の紫苑さまの態度です。私の知っている紫苑さまであれば、そのことで瑞穂さんをからかうことはあっても、別居までは行かないと思うのです……もっと違うなにか…深い事情があるのではないですか?」
相変わらず貴子さんはいい勘をしている。
そんなすまなそうな顔をする必要はありませんよ? 元々相談に乗ってもらうつもりで来たのですから……
「それは……」
ピンポーン!
話の流れを容赦なく断ち切る電子音が室内に流れた。
「……お客様のようですが」
「どうせ勧誘です。無視しま……」
貴子さんの言葉が聞こえたかのように、
ピンポンピンポンピンポン!
追い討ちが掛かる。
412216:2005/05/30(月) 23:43:15 ID:vP4K0Wzp
「……貴子さん」
「……無視で…す」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン!
怒涛の連打。しかも……
ガンガンガンガン!
扉までたたき始めた様子。しかも表でなにやら怒鳴っている気配が……かなり近所迷惑です。ここまで開き直った勧誘は、絶対とは云いませんが、あまりないような気がします。
「……心当たり、ございますか?」
「……ええ、非常に不本意ですが」
勢いよく立ち上がる貴子さん。……貴子さん、こめかみが引きつっています。
「うるさいですわ!」
ゴン! 
貴子さんが勢いよく玄関を開くと同時に、物凄い音がしました。……続いてうめき声のようなものが。
ここから見えませんが、一体表では何が起きているのでしょう……
「……そんなところで何を悶えてらっしゃるの?」
「あ、あんたがやったんでしょうが! 喧嘩売ってんの、貴子!!」
まりやさんの怒号が周囲に響き渡りました。
413216:2005/05/30(月) 23:45:39 ID:vP4K0Wzp
「で、何をしにいらしたの? 私、まりやさんに構っている暇はありませんの」
「……あんた、欠片も悪いとは思ってないでしょ?」
いきなり角を突き合わせ始める二人。よく見ると、まりやさんの額が赤くなっています。
先ほども玄関先で怒鳴りあっていたのによく喉がつぶれないものだと感心します。
「……まあいいわ。グラスと氷、借りるわね」
しばらく睨み合った後、まりやさんはそう云ってキッチンに向かった。勝手知った何とやらで、迷う様子すらなくグラスと氷を準備し、自分で持って来た白いビニール袋から缶ビールやオレンジジュースなどをテーブルの上に取り出しています。
「何をやっているんですか!」
「ん? 見てわかんないの? 酒盛りの準備よ。さ・か・も・り!」
「……私が云いたいのは、何故『私の家でまりやさんが、昼間から』酒盛りをするか、です!!」
「ほら、よく言うじゃない『春の日の長くや酒を飲ましめん』て?」
……『春の日の長くや』まではあっていますが、その後が間違っています。
「そんな勝手な日本語作らないでください! しかも私は未成年です!!」
「それはあたしもだって。いいじゃない。若い女が三人もそろってお茶、ってのも味気ないじゃない? そ・れ・に、ちょっと珍しいの持ってきたんだから!」
そう云うと、まりやさんは箱入りのお酒をテーブルの上に置いた。
414216:2005/05/30(月) 23:47:01 ID:vP4K0Wzp
「じゃーん! 沖縄のお酒『古酒(クース)』で、その名も『ロイヤル瑞穂』と『マイルド瑞穂』よ!!」
た、確かに惹かれるものがあります。先ほどまで怒っていた貴子さんも興味津々です。
「本当は瑞穂ちゃんの誕生日プレゼントにするつもりだったんだけど、間に合わなくて、ついさっき届いたのよ。
で、今さらプレゼントするにも時期外しちゃっているし、かと言って一人で飲むのもむなしいし…それで貴子にお裾分けしようと思ってね。
いやー、紫苑さまがここにいらっしゃったのはうれしい誤算でした」
云っているそばからグラスに氷塊をいれ、『ロイヤル瑞穂』を注ぎ込んでいます。まりやさん、かなり手馴れていますわね。
「ちょっと待ちなさい! 何です、このアルコール度数43と云うのは?!」
「『ロイヤル瑞穂』が43度で、『マイルド瑞穂』が25度ですわね」
「ウイスキーとかブランデーでもそれぐらいあるって」
苦笑して、まりやさんはグラスを傾けた。いつの間にか私と貴子さんの前にもグラスが用意されています。
415216:2005/05/30(月) 23:47:51 ID:vP4K0Wzp
「うわ、やっぱきついわ。最初は味見でロックにしてみたけど、あたしには水割りのほうがいいみたい」
と言いつつも、まりやさんのグラスは空いていた。すかさず二杯目の準備に入っています。
「だから私は飲みませんと云って……」
「なに、貴子? 逃げるの?」
まりやさんのささやき。テーブルを叩いて立ち上がった貴子さんがそのまま硬直する。
いえ、勝ち負けのないお酒の飲みごとに逃げるもなにも……。
「何ですって……」
「色々言い訳してたけど、要は『お酒弱くて飲めない』ってことでしょ? ごめんね、あたし『貴子ちゃん』がそんなに『お子ちゃま』だって知らなかったの」
貴子さんの肩がプルプルと震えています。見事な挑発です、まりやさん。さすが長年のライバル。
「紫苑さま。紫苑さまは『これぐらい』いけますよね?」
「え、ええ。お義父さまに付き合って時々飲んでいますので、少しぐらいであれば……」
まりやさん、容赦なく、しかも的確に退路を断ちに来ています。対する貴子さんは……
「じゃあ、乾杯しましょうか? 大人の女、二人で飲みましょう」
「待ちなさい! ……黙って聞いていれば勝手なことを!!」
とテーブルを叩いた貴子さんは、近くに椅子を引きずってきて、まりやさんの正面にやる気たっぷりで座る。バチバチ、と二人の間で火花が散った。
「なによ? あんた飲まないんでしょ?」
「そこまで侮辱されて引き下がれません……勝負ですわ!」
……そんな露骨な挑発に乗ってしまうのですか、貴子さん?
「上等! ただし、弱いものいじめしても楽しくないからハンデをあげるわ。あんたはビールでいいわよ」
……本当に、容赦なく、止めを刺しに来ましたわね、まりやさん。当然、引っ込みのつかない貴子さんが回避するはずもなく……
416216:2005/05/30(月) 23:48:19 ID:vP4K0Wzp
「冗談でしょう…同じ条件で完膚なきまでに叩きのめしてあげますわ!」
「あらまあ、己を知らぬ者が吠えること吠えること…返り討ちにしてあげるわ!」
無言で睨み合い立ち上がる二人。あの、私のこと忘れていませんか?
「無謀な貴子の勇気に敬意を表して!」
「相手の力量も測れず挑発してきたまりやさんの愚かさに!!」
「……」
「「乾杯!!」」
三つのグラスが打ち合わされ、貴子さん、まりやさんがグラスを一気に煽る。
ああ……そんな飲み方をしたら……
「きゅ〜〜〜〜」
パタンと貴子さんは顔を真っ赤にして、ひっくり返ってしまいました…やはり。
「ふ、他愛もない。予定通り二人で飲みましょう。ブランデーでも焼酎でも何でもありますから」
「……前回同様、早々に貴子さんを酔い潰すのは予定通りなのですね」

こうして後日、まりやに『ドキッ! 女だけの酒盛り大会(ポロリもあるよ)!! 地獄のマラソンマッチ』と命名される、飲み会が幕を切って落とされた。
417216:2005/05/30(月) 23:48:47 ID:vP4K0Wzp
幼い頃、私は同居していた祖母に育てられ、厳しく躾けられました。
『十条家は元を辿れば侯爵の家柄。紫苑、お前はその名に恥じぬ淑女にならなければなりません』
それが祖母の口癖でした。華道に茶道、果ては歩き方から首の傾け方に至るまで、ありとあらゆる事を身につけさせられました。
祖母が亡くなった後はその役目は母に代わりましたが、内容は厳しくなることはあっても楽になることはありませんでした。
その結果、小学校を卒業する頃には私は他人に弱みを見せることの出来ない人間になっていたのです。

ああ、ありがとうございます。そう云うまりやさんのグラスも空いていますわよ……

また、順調だった父の事業がその頃になって陰りが見え始めます。
父は祖父に望まれて入り婿になったぐらいですから経営の才能がありましたが、十条の家が何代にもわたって蓄積してきた負の遺産はあまりにも膨大すぎました。
登っていくのには時間が掛かりますが、落ちていくのはあっという間です。ちょっとしたミスで事業は頓挫。銀行は手を引き、会社は倒産。ついには生活費に事欠くようになりました。

まりやさん、折角復活した貴子さんをまた酔い潰さないでください……

後はご存知のとおりです。
厳島との縁組が決まったことで十条の家は救われ……その代償として私の未来は閉ざされました。
厳島の意向により恵泉に進学した私はただひたすらに強さを……病気のせいで身体を鍛えることの出来ない私は心の強さを求めました。誰に頼ることもなく一人で立っていられるように。
結果的に『尊敬』と云う名の壁に覆われた私は周囲から孤立し、挙句には身体を壊し留年する羽目になりました。
そして私は瑞穂さんと出会います。
瑞穂さんのおかげで私は日々の生活の中で楽しさを見出すことのできる心、一度はなくしたはずの未来、そして最高の伴侶を手にすることが出来ました。
病気も克服し、入籍もしました。一年浪人しましたが、瑞穂さんと共に大学に進学することも出来ました。

えっ、貴子さん何ですか?
418216:2005/05/30(月) 23:49:14 ID:vP4K0Wzp
『暑い』? 
いえ、暖房は入れていませんよ? 
た、貴子さん。いきなり服を脱ぎださないでください……
まりやさん、指差して笑ってないで貴子さんを止めてください……

ですが大学生活にもようやく慣れてきて、過去を振り返る余裕ができたときにふと思ってしまったのです。
『瑞穂さんがいなかったら私はどうなってしまうのか?』
瑞穂さんがいるから私の世界は輝き、心から笑顔を浮かべることが出来るのです。
先の見えない未来も瑞穂さんがいるから不安に感じることがあったとしても、恐れることなく進むことが出来ます。
私にとっては世界の中心ともいえる瑞穂さんがいなくなったら……
……瑞穂さんのお母様のように若くして亡くなられるかもしれません。
……または瑞穂さんが私に愛想を尽かしてしまうかもしれません。
そう思ったら急に怖くなりました。

まりやさん。自分は水割りで、私だけストレートは卑怯ですわ。
それに全然飲んでないじゃないですか。はい、それを空けてください。

同じ机で、同じ勉強している方のほうが私よりも気が合うのではないか?
子供の頃からの幼馴染のまりやさんのほうが気心が知れていて気が楽なのではないか?
邪推だとは分かっています……ですが思い始めたら、日常のちょっとした出来事で不安になって、少しずつ何かが胸の奥に積もっていって……それなのに私はそのことを瑞穂さんに云えないのです。
……大切な人なのに、云えないのです
……大切な人だから、云えないのです。
不安で、不安でたまらないのに、そのことが表情に出ないのです……他人を寄せ付けない自分が嫌で、変わりたいと思っていたのに子供の頃と全然変わっていない。
そんな自分が嫌で、またストレスがたまっていく……。
後はもう悪循環です。
そして先日の一件でついに爆発してしまいました。

え、野球拳ですか? 名前は知っていますが、やったことはありません。
面白そうなのでやってみましょうか……
……あ、負けてしまいました。あん♪

419216:2005/05/30(月) 23:49:43 ID:vP4K0Wzp
一方的に瑞穂さんを罵って飛び出してしまいましたが、縁を切られたも同然の実家には戻れません。かと言って、他に行く当てもありません。
困り果てていた私をどこで知ったのか分かりませんが、お義父さまが直々に迎えに来てくださいました。
この一週間の間、鏑木の家にお世話になっていますが、お義父さまも皆さんも気を遣ってくださって何も聞いてきません。
また、瑞穂さんも訳が分からないだろうに謝ってくださって……毎日鏑木の家に迎えに来られて……合わせる顔がなくて会っていませんが。
それが逆にいたたまれなくて……。
……私、もうどうしていいのか分からないのです。
420216:2005/05/30(月) 23:50:44 ID:vP4K0Wzp
カーテン越しの窓の外が少しずつ明るくなっていく。これで地獄の耐久レースは終了。
飲み終わった『ロイヤル瑞穂』『マイルド瑞穂』その他諸々の空き瓶や、食べ終わったおつまみの袋などがそこら中に散乱し部屋の中は足の踏み場もありません。
……まりやさん、この量の荷物がたった一つの袋から出てくるのは相対的に考えて無理があります…あの袋は異次元に繋がっているのですか?
部屋の隅には上半身裸で、額に『肉』と油性ペンで書かれた貴子さんが倒れています。そしてまりやさんはテーブルに突っ伏して寝ています。
ふと脳裏に『夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡』と云う一句が浮かびました…。
お酒以外のものを口にしたくて椅子から立ち上がると、足元がふらつきました。お酒と徹夜のせいで頭がクラクラします。いつもよりも慎重な足取りを心がけてキッチンを目指す。
冷蔵庫を開けてみると、中身はガラガラ。そういえば夜中にまりやさんが勝手に食べていました……後で見たら貴子さん、悲鳴を上げそうです。
水を一杯飲んだ後、心の中で貴子さんに手を合わせつつキッチンを調べ、10分後には何とか朝食を作り出せるだけの食材を見つけだすことが出来ました。
勝手に借りたエプロンを身に着け、髪は後ろで束ねて縛る。準備完了です。
数分後、野菜類を洗っていると、背後から物音が。まりやさんが復活されたようです。
「おはようございます、まりやさん」
振り返って挨拶すると、なぜかまりやさんが椅子から立ち上がった状態で、固まっています。私、変な格好していますか?
「まりやさん?」
「か!」
「かっ?」
「か、かなり昨日は飲んだのにお元気そうですね、紫苑さま」
そう言って、咳払いするまりやさん。
421216:2005/05/30(月) 23:51:22 ID:vP4K0Wzp
ぶつぶつとなにやら呟いています。小声なのでよく聞こえませんが、『うなじ』、『エプロン』、『反則』だとかなんだとか……一体、何なのでしょう?
「ええ、私あまり二日酔いしないのです。そう云うまりやさんは大丈夫ですか?」
「あれだけ飲んで二日酔いしないって…反則以外の何ものでもありませんわ……ああ、頭が痛いです」
再び椅子に座り、頭を抱えて呻いている。質問されたことによって、忘れていた痛みを思い出したようです。
私は苦笑して、先ほどついでに見つけていたハーブティーを入れてあげた。
「どうぞ。気分がすっきりしますわよ。それを飲んだらシャワーを浴びてきてください」
まりやさんが戻ってきた頃には食事の準備が出来ているでしょう。
「ありがとうございます……で、どうですか?」
「え……ええ、食材が少ないので大変ですが、何とかなりそうです」
「いえ、朝食の話ではなくて……」
苦笑するまりやさん。口で言うほど二日酔いはそれほど酷くないようです。
「飲んで騒いで、溜め込んでいたものを全部吐き出して、すっきりしたのではありませんか?」
……もしかして昨日の宴会はそれが目的だったのですか?
「でも、根本的な解決にはなっていません」
中断していた朝食の準備のために、まりやさんに背を向ける。
量り終わったお米に水を入れて研ぐ。背後からまりやさんがハーブティーをすする音が聞こえてきます。
研ぎ終わった水を流しに捨てて……
「紫苑さまって瑞穂ちゃんが初恋ですよね?」
ダン!
……手が滑ってお米を入れているボールを流しに落としてしまいました。
「あ、いえ、勝手に決めるので答えなくて結構ですよ。あたしの独り言なんで…」
それに分かりやすいリアクションですから、という声が聞こえたような気がしましたが、それは私の気のせいです。
もう一度研ぎなおした後、炊飯器にセットしスイッチを入れます。
次はお味噌汁用の野菜を刻みます。まな板と包丁の奏でる心地よい音がキッチンに響き…
「瑞穂ちゃんと初めて結ばれた時、紫苑さまは入院中だったわけですし…」
ゴッ!
422216:2005/05/30(月) 23:52:19 ID:vP4K0Wzp
……手元が狂って包丁がまな板に突き刺さってしまいました。
「退院後すぐに卒業式。おかげで恋人になってからの瑞穂ちゃんが恵泉の生徒に囲まれているのを余り見ずにすんだ。一年間の浪人生時代は鏑木家でラブラブ同棲生活。週末はラブラブデート。ずっと一緒にいられたから嫉妬する必要もなかった、と」
気を取り直して作業再開。いつもより時間が掛かりましたが、無事刻み終わりました。
……背後で押し殺したクスクス笑いが上がるのを聞いた気がしますが、気のせいです。
次は、ねぎを除いて刻み終わった野菜を煮込みます。鍋に水を張って…
「無事に二人で大学に合格。そして紫苑さまの誕生日にせがんで入籍…」
ジャー!
……蛇口を思いっきりひねり、鍋から水が溢れてしまいました。
「その時瑞穂ちゃんは苦笑しながら『幸せになろうね』と云った、とのこと。その言葉通り幸せいっぱいで、将来に対しての不安など微塵にも想定してなかった。大学進学を期に、大学近くにマンションを借りてふたりっきりのラブラブ生活開始、と」 
余分な水を捨て、野菜を入れ火にかける。
味噌汁のだしをとるために鍋にいりこを入れます。本当は頭とはらわたを取ったほうがいいのですが、今は指先が震えていて無理そうなので、そのまま入れます。
……ええ、指先が震えているのはお酒が残っているせいです。
「ところが瑞穂ちゃんが鏑木の後継者としての勉強として鏑木系列会社に仕事の手伝いをしに行くようになる。学生生活と仕事の掛け持ちで忙しくなって夜のお勤めの回数が減った……」
ザラ!
423216:2005/05/30(月) 23:52:56 ID:vP4K0Wzp
……手が滑って、大量のいりこを鍋に投入してしまいました。これはどうしようもありません。そのまま行きます。
「それ以外にも大学の付き合いでコンパに誘われたりして夜遅くなることもしばしば、と」
……後ろから私を観察しているまりやさんがにやにや笑っていて、その視線がちくちく痛い、と思うのは気のせいです。ええ、気のせいですとも。
鍋の水が沸騰するまでに時間が掛かるので、先に卵焼きの準備です。卵を割って…
「ついに不安から来るストレスのせいで生理不順になり、生理痛でここ最近エッチできなくて……」
グシャ!
……力が入りすぎて卵を握り潰してしまいました。
冷静に、慎重に手を洗い、鍋の火を切ってから振り返る。
「……まりやさん。瑞穂さんに相談されましたわね」
「……紫苑さま、目が据わっていて怖いです」
冷や汗を流し、まりやさんはもろ手を挙げる。
「相談、と云うか愚痴に付き合わされたというのが正解です。実は昨日…いや日付変わったから一昨日か…の夜に呼び出されて瑞穂ちゃんと飲んだんですよ。そしたら愚痴ること愚痴ること。大変だったんですよ? 慰めるの」
「……怒ってらしたでしょ? 訳が分からないって…」
思い浮かぶのは、奏ちゃんのために下級生を叱っていたときの瑞穂さん。あの時と同じぐらい…いえ、あれ以上に怒っているに違いない。そう思うと、胸が痛くなる。
「いえ、全然」
「えっ……」
予想外のまりやさんの返事に思わず思考が止まった。
「『ここ最近、様子がおかしかったのに何もしてあげられなかった』って。『幸せにするために一緒になったのに』って落ち込んじゃって……」
「瑞穂さん……」
胸の奥がぽっと火が灯ったみたいに温かくなって……涙出そうです。
「夫婦喧嘩に他人を巻き込まないでください。付き合う方は堪ったもんじゃありません。二人とも惚気ているつもりはないのでしょうが、こっちは当てられっぱなしなんですから」
『瑞穂さんがいるから私の世界は輝く』とか、『世界の中心ともいえる瑞穂さんがいなくなったら…』とか、とにやにや笑いながら指折り数えるまりやさん。絶対楽しんでいますわね……。
424216:2005/05/30(月) 23:53:26 ID:vP4K0Wzp
ですが、私そんなこと云いましたか……い、云ったような、云わなかったような……
「……会えばいいんです…」
「え?」
「紫苑さま、『どうしていいか分からない』って、云いましたよね?」
「ええ……」
「簡単です。瑞穂ちゃんに会って、云えばいいんです。『あなたともっと一緒にいたい』って。『私以外の女性の方に目もくれないでください』って。……『もっと私を愛してください』って。我慢する必要なんて全然ないんですよ」
「まりやさん……」
両手で頬杖をついてこちらを見上げるまりやさんの笑顔がひどく優しげに見えます。
「紫苑さまを心から笑わせて、幸せにして。逆に不幸のどん底に叩き落すのも、救い上げることができるのも、瑞穂ちゃんだけなんです」
普段あまり似てると思うことはないですが、時折見せるまりやさんのやさしさは瑞穂さんに似ていて、こんな時やはり二人は幼馴染なのだと思います。
「逆に瑞穂ちゃんを幸せに出来るのは紫苑さましかいないんです。紫苑さまが楽しければ瑞穂ちゃんも楽しくなるし、紫苑さまが悲しくなれば瑞穂ちゃんも悲しくなるんです」
「……私にそんな影響力はありませんわ」
……悲しいけれどそれが事実です。
「ああ、もう! 本当に似た者夫婦なんだから!! ……瑞穂ちゃんに口止めされてたから黙ってましたけど、とっておきの情報を教えてあげます」
髪を掻き毟ってテーブルをバンバン叩くまりやさん……目が据わっていて怖いです。
「紫苑さまが家出してから約一週間!」
家出って…物凄く人聞きが悪いのですが……
「さてその間瑞穂ちゃんは何をしてたと思いますか?」
「と云われましても……普通にお食事して、大学に行って、鏑木の系列会社に行っていたのではないですか?」
いわば、普通の日常生活。
あ、でも瑞穂さん炊事洗濯がだめなので、お食事は外でしょうね……三食すべて外食は厳しいですわね。洗濯物も溜まっているかも……。
鏑木の実家に戻れば瑞穂さんは日常生活で不自由することはなかったのに、私が居座っていたから戻れなくて……
……なんだか急に心配になってきました。
「ある意味正解で、ある意味不正解です」
「どういうことですか?」
「食事して、大学にも行って、鏑木系列の会社にも行っていた。これは確かです」
425216:2005/05/30(月) 23:55:01 ID:vP4K0Wzp
「それなら正解ではないですか?」
「大学にも会社にもちゃんと行っている。けれどどこか上の空で。食欲もなくて、ほとんど食べない。眠りが浅くて、顔色が悪い。ね、ある意味正解で、ある意味不正解でしょ?」
思わず血の気が引いた。
「そんな話、私聞いていません!!」
瑞穂さんは私を迎えに鏑木の家に毎日来ていた。楓さんはここ何日かご不在ですが、お義父さまや使用人の方と瑞穂さんは会っていたはずで……
それに瑞穂さんは大学では有名人。もしそんな状態になっていたら大学で噂になっているはず。
なのに……
「そうでしょうね……瑞穂ちゃん、紫苑さまに心配かけたくないからって屋敷の人に口止めしていたらしいですから。
大学には絶対に落とせない必須のやつ以外は行っていないし、知り合いに知られると紫苑さまにご注進が行っちゃうからなるべく会わないようにしていたらしいですから……」
あたしも瑞穂ちゃんに会って初めて聞きましたから……って、苦笑するまりやさん。
そんな! 私が意地を張らずに瑞穂さんと会っていれば……
お財布の入ったバッグを手にして踵を返そうとした私の手は、いつの間にか立ち上がったまりやさんに掴まれていた。
「放してください!」
「どこに行くつもりですか? 話は終わっていませんよ」
「マンションに戻るんです!! 下手したら瑞穂さん死んでしまいます!」
水さえ飲んでいれば、人間全く食べなくても一週間ぐらいでは死なない。知識でそれぐらい知っている。でもそれは死なないだけで、当然日常生活に当然支障が出るはず。その上、全然寝ていなかったら……背筋に寒気が走った。
食欲がないということだがどれぐらい食べているのか?
水分はきっちり取っているのか?
眠りが浅いと云っているがどれぐらい寝ているのか?
直接死亡要因にならなくても、判断力が落ちていれば交通事故などに巻き込まれる可能性は格段に高くなる……。
心配でたまらない。こんなところで話なんかしている場合ではない。
426216:2005/05/30(月) 23:56:00 ID:vP4K0Wzp
なのに、掴まれた手を振り払おうとしてもピクリとも動かない。
「なんで止めるんですか!! なんでまりやさんはそんなに冷静なんですか?!」
「それだけ紫苑さまは瑞穂ちゃんに対して影響力があるって……愛されているって理解できましたか?」
この場におよんでもまりやさんの冷静さはすこしも揺るがない。私の瞳を覗き込み、観察している。
「分かりました! 理解しましたからこの手を放してください!!」
「そうですか。理解していただけてとてもうれしいです。それが……瑞穂ちゃんの願い、だったから……」
「……えっ?」
いつの間にか掴まれていた腕は開放されていた……でも私の足は動きださない。
まりやさんの声に宿った感情が、私をその場に釘付けにしていた。
何で過去形なんですか? 何でそんなに辛そうな顔をなさるのですか?!
「前から相談されていたんです。紫苑さまが自分を頼ってくれない、そんなに自分は頼りないのか、って。なにか云いたいことはないかって聞いても、そんなことない、って無理して笑って打ち明けてくれない、って」
そんな……瑞穂さんが気づいていたなんて……
「あたしはそれが信じられなかった。だって紫苑さま普通に笑ってましたから。時々あたしと一緒に瑞穂ちゃんからかって遊んだり。この間だって皆で誕生パーティーしたときも酔った貴子が瑞穂ちゃんに抱きついた時も、普通に対応してたから……」
ええ、覚えています……と云うか忘れられません。
427216:2005/05/30(月) 23:56:28 ID:vP4K0Wzp
奏ちゃんと由佳里ちゃんには瑞穂さんが男だと云うことを打ち明けていません。いずれ打ち明ける予定ですが、今はまだその時期ではないということで内緒にしています。
瑞穂さんの誕生日に皆さんをマンションに招待した時も瑞穂さんは女装していたし、私たちは仲の良い同居人という設定になっています。
だから貴子さんがまりやさんに飲まされて、酔っ払って瑞穂さんに抱きつき、なおかつキスしかかった時も友人としてのリアクションしか取れませんでした。
はやし立てて、冗談めかして『私というものがありながら、貴子さんに乗り換えるのですね』と嫌みを云うのが精々でした。それぐらい恵泉の頃にも云っていましたし、誰にも怪しまれることはなかったと思います。
……でも本当は嫉妬のあまりどうかなりそうでした。
すぐに貴子さんを引き剥がし、声を上げて怒鳴りたかった。
『瑞穂さんは私の旦那様です! 近寄らないでください!!』と。
ですがそんなことできるはずもなく……
そしてそんな醜い感情が私の中にあることを瑞穂さんに知られたくなくて、理性を総動員して表情にも出さないように我慢していた。
私は子供の頃に厳しく躾けられた結果、感情があまり表情に出ません。しかも意識して出ないようにすれば、両親にでも気づかせない自信があります。
ところがまりやさんはそれを否定した。
「その時、瑞穂ちゃんは断言しました。紫苑さまが怒ってる、って。でもそんな自分が嫌で落ち込んでる、って」
信じられないでいる私に、まりやさんは微笑んだ。
「『そりゃ夫婦であれば旦那があんな状況になれば普通は怒り狂うと思うけど、紫苑さまだよ。それに笑ってるし。勘違いじゃないの』ってあたし聞いたんです。そしたら瑞穂ちゃん、なんて云ったかわかりますか?」
「いいえ……」
「『世界中で一番紫苑を理解している僕が云うんだから間違いないよ』そう云って、幸せそうに瑞穂ちゃん笑ったんです」
428216:2005/05/30(月) 23:56:58 ID:vP4K0Wzp
その言葉を聞いて、今まで信じられなかったまりやさんの言葉が私の胸に届いた。
瑞穂さんは私の隠していた感情も全て理解していていたのだと……
自分が頼りないから私が相談してくれないのだと悩んでいたのだと……
私が家を飛び出したせいで体調を狂わせるくらい私を愛していたのだと……
……思わず涙があふれた。
そんな私を置き去りにして、まりやさんの話は続く。
「瑞穂ちゃん今はマンションにいませんよ……あたしと会った時には瑞穂ちゃん、もうとっくに限界超えてて……説得したんだけど、寝ると泣いて走って行った紫苑さまが夢に出てきて眠れないって。あたし……」
そこまで云うと俯いてしまったまりやさん……肩が、震えている。
いつも強くて、涙さえ見せたことのないまりやさんが泣いている?……その時、最悪の事態が私の脳裏に浮かんだ。
私はその場にへたり込んだ。
「そんな……」
静寂が室内を覆いつくした……今までの思い出が走馬灯のように、私の脳裏を駆け抜けた。


429216:2005/05/30(月) 23:57:29 ID:vP4K0Wzp
「で、あたし仕方なく一服もったんです」
(……え?)
今聞きなれない言葉を聞いたような……
「だから、一服もったんですってば!」
顔を上げたまりやさんは満面の笑みを浮かべていた。先ほどまでの悲壮感漂う雰囲気は一変していた。
両手を合わせたまりやさんが私に頭を下げ、ちょっと舌を出している。
「どうしても眠れないって瑞穂ちゃんが云うから、楓さんから渡された睡眠薬をお酒に混ぜて眠らせたんです」
まりやさんがなにか云っているが意味が良く理解できない。
睡眠薬?
「楓さんの見立てでは入院するほどではないらしいです……」
その頃になってフリーズしていた私の脳みそがようやく再起動し、活動し始めた。
まりやさんの言動、表情など全てインプットし直す。そして……
「一応、念のため鏑木家掛かりつけの病院に数日入院させるそうですけど」
涙の流れた跡すらないまりやさんの顔を見て、やっと理解できた。
……嵌められたのだと。
私はゆらりと立ち上がり、まりやさんに一歩近づいた。
そして今までの生涯で最高だと思える笑顔を浮かべ……

私はまりやさんの顔面に、全力で平手打ちをかました。
430216:2005/05/30(月) 23:58:33 ID:vP4K0Wzp
どこかで木の葉が風にそよぐ気配。ささやかだけれど心地よい響きが室内にこだましていた。

……確か病室の窓際に大きな木がありましたね

そんな風に思い出しながら、瞼を開く。とたんに飛び込んでくる明るい輝きと、病院のシーツから漂うお日様の匂い。
開け放たれていた窓から吹き込む風とさわやかな日差し。最後に記憶していた時は正面から差し込んでいたはずの日差しが今は横からになっていて……ね、寝過ごしました?

慌てて顔を上げると、目の前には私の旦那様の端正な、と云うか綺麗な顔。
目の下にうっすらと浮かんだくまと、鋭角的な顔のライン。そっと触れてみると、頬辺りがやはり以前よりも細くなっている。
見ていて痛々しいのに、それでも綺麗だと思うのは私の欲目でしょうか?
ふと気が付くと私は意識のない瑞穂さんの頬に手を添え、キスをする直前のように顔を近づけていた。まるで私から瑞穂さんを襲っているようで……
意識してしまい、頭の中が一気に沸騰してしまう。
毎日顔を合わせていたはずなのにどうしてどきどきするんでしょう。何だか出会った頃のように妙に気恥ずかしい。
私の頬にほとんど触れそうなくらい接近した唇。素肌に掛かる吐息がくすぐったい。

規則正しい吐息に誘われて……私はそっと唇を奪った。


結局あの後、作りかけの朝食を完成させることはなかった。急いで貴子さんを起こし、事情を説明してからタクシーを呼んだ。
貴子さんもお見舞いに行きたがったのですが、二日酔いがひどく、とてもではないが車に乗れそうになかったので、アパートに残りました。
後片付けも出来ずに立ち去ることをお詫びすると、
『瑞穂さんが大変なときに、たかが後片付けで足止めなんてできません』と苦笑され、逆に『ご心配でしょうが、こんな時こそ紫苑さまがしっかりしなくてはいけませんよ』と諭されてしまいました。

一緒にタクシーに乗り込んだまりやさんは移動中に何度か話しかけてこようとしてきましたが、私が沈黙を守っているとひどく落ち込んで首を項垂れていました。
冷静になって考えてみれば、まりやさんが私を嵌めても何のメリットもありません。
431216:2005/05/30(月) 23:59:44 ID:vP4K0Wzp
また、一昨日の夜に瑞穂さんに一服盛って入院させた後から、貴子さんの部屋に現れる間に半日のタイムラグがあります。その間、まりやさんは何をしていたのか……?
これは私の予想ですが、彼女は楓さん同様、入院した瑞穂さんに付き添っていたのではないでしょうか?
そして瑞穂さんの病状に問題ないのを確認した上で私の前に姿を現した。そんな気がしてなりません。
また、今回の件は背後で糸を引いている人物がいるに違いありません。
いくらか記憶が飛んでいますが、変なことをしゃべっていない自信があります。
瑞穂さんは事前にまりやさんに相談されていたようですが、それにしてはまりやさんの行動や話、そして情報には矛盾点が多すぎます。
事前に睡眠薬を用意していたり。
二人だけの秘密だと約束をしていた入籍した際のエピソードを知っていたり。
そして決定的なのは瑞穂さんが眠れない理由として、挙げていた『寝ると泣いて走って行った……』というくだり。
私、確かに泣いていましたが、それは瑞穂さんに背を向けて走りだした後のこと。あの時の瑞穂さんは私が泣いていたことを知ることが出来なかったはずなのです。必然的にまりやさんは瑞穂さんからそのような話が聞ける訳がありません。
私の推測では、まりやさんは私たちの身辺調査を記載したファイルを誰かに手渡されたのでしょう。ただ、その調査があまりにも優秀すぎたため、逆に私に不信感を与える結果になってしまった。
そしてその黒幕は恐らく、この事態をいち早く最初から最後まで読みきり、少なくとも先週にはこのシナリオを脳裏に描いていたに違いない……私たちの周囲でそれが可能な人物は唯一人。
432216:2005/05/31(火) 00:00:13 ID:vP4K0Wzp
「……お義父さま」
思わずため息が漏れた。

肌寒くなってきたので窓を閉め、カーテンを引く。私は椅子をベッドの傍に近づけ、座りなおした。
瑞穂さんの実の父親で鏑木財閥のトップ、鏑木慶行。
まりやさんの単独犯であれば、まりやさんの性格上、瑞穂さんが入院した時点で私に連絡したはずで……
そうすれば私は何を置いても瑞穂さんのもとに駆けつける…今のように。ただ、それでは瑞穂さんの体調が戻ったときにまたもとの木阿弥になってしまう。
いつごろまりやさんがお義父さまに今回の構想を聞いたのかは不明ですが、瑞穂さんが入院した時点でそう説得され、私に恨まれるのを覚悟して今回の件に当たったのは間違いないでしょう。
想定外のファクター……余計な情報源になりうる貴子さんを早々に酔い潰して排除。そして私にお酒を飲ませることで本音を吐露させ、しかも適度に思考能力を低下させる。
私や瑞穂さんの体調、心理状況を読み、綿密かつ柔軟に組まれた計画……
さすが大財閥の総帥、と云いたいところですが……
「息子夫婦に対して策略を巡らせる暇があるのなら、仕事してください……」
『親心』でしょうけれど手のひらの上で散々踊らされて、高笑いされているような気がしてなりません……。
そして、おそらくは私がここまで読んでくることも計算に入っているはずで……
「これではまりやさんを憎めないではないですか……」
どんな気持ちでまりやさんが今回の件を実行に移したのか考えてしまうと、もう苦笑するしかありません。
433216:2005/05/31(火) 00:00:59 ID:vP4K0Wzp
私の中では彼女への怒りはあの平手一発で綺麗さっぱり昇華されていた。
ただし甘い顔もするつもりもないので、しばらく落ち込んでいてもらいましょうか……。
病室から追い出した際のまりやさんを思い出すと……多少可愛そうだと思いましたが、今回の件をそれなりに楽しんでいたはずなので同情はしません。瑞穂さんが起きて許しを与えるまで、大いに反省してください。

そうそう、まりやさんが私に云っていたことはほぼ事実でしたが、私に内緒にしていたこともありました。
それは私が鏑木の家に閉じこもっていた時、瑞穂さんの面倒は楓さんが見ていたのだと云う事。
最近、楓さんを見かけないなと思ってはいたんですが、元々お義父さまの用事でふらっといなくなる人なので、またどこかへ行っているのだと思い込んでいました。
楓さんの監視の元、瑞穂さんは最低限の食事と水分、睡眠はとっていたらしい。そのことを知って時、私は胸をなでおろした。さすがにお義父さまも瑞穂さんを見殺しにする気はなかったようです。

お酒を飲んで徹夜した後ですが、先ほど少しばかりうたた寝したのでそれほどきつさは感じない。悩みが解消されたせいでしょうか、気分爽快で、このままもう一晩ぐらい徹夜できそうな気さえします。
まりやさんが瑞穂さんに飲ませた睡眠薬は弱いもので、数時間で効果は切れるものだったそうです。
昨日瑞穂さんは一度意識を取り戻したらしいのですが、すぐにまた眠りこんでしまいました。私が病院に駆けつけてからすでに9時間は経っていますが、未だに目を覚ましません。
『それだけ心労が重なっていたのでしょう』というのが診察したお医者様の談。
434216:2005/05/31(火) 00:01:27 ID:vP4K0Wzp
体力が落ちているものの、身体的には全く問題がないとの事。点滴で栄養補給はしているし、すぐに意識は戻るだろうと太鼓判を押してくれました。


瑞穂さんが意識を取り戻すのを傍で待っている間、私はずっと考えていました。目を覚ましたら何をしようか、何を話そうかと……。
まず最初に、無茶をした瑞穂さんに文句を云うのは決定。これは絶対にはずせません。
次に今までに私が感じたこと、隠していたことを全部話そうと思います。物凄く長くなりそうですがここは個室で、少しばかり鏑木の権力を使いましたが、泊り込みの付き添いの許可も取り付けています。一晩中でも、途中で中断して二日がかりになっても大丈夫。
そして最後に、これからのことをおねだりしてしまいましょう。
『私の望みは貴方の望む未来(あす)を共に歩むことです』と。
『どんなに私が嫌がっても放さないでください』と。

これで全てが解決するわけではない。
おそらく私はこれからも嫉妬するでしょうし、喧嘩もするでしょう。もしかすると明日にでも瑞穂さんが死んでしまうかもしれないし、逆に私が死んでしまうかもしれない。
見えない未来に進んでいくのはひどく怖い。でも瑞穂さんがいれば何とかなる。そして瑞穂さんがいなくなっても、今回のように私たちを見てくれている人たちがきっと支えてくれる。そう確信することができた。
これからの一生をかけて、二人で解決していく問題。
そして自分のペースで少しずつ変わっていこうと思う。自分の望む未来(あす)に向かって。成りたい自分になるために。

幸せそうな寝顔。瞼の淵がぴくぴくと動いて、その後、ゆっくりと瑞穂さんが身震いした。瞼がゆっくりと開き始める……
そんな話をしたら、瑞穂さんはどんな顔をするでしょう?
驚くだろうし、困惑するかもしれない。
でも最後には飛びっきりの笑顔を見せてくれるに違いない。私の心を掴んで止まない、卑怯だと思えるほど強烈なあの笑顔を。
その瞬間を想像するとひどく楽しくなって、わくわくしながら瑞穂さんが起きるのをそっと待ち続けた。今の私はきっと笑顔を浮かべているに違いない。


願わくば、目を開けた貴方が最高に綺麗な笑顔だと思ってくれますように……

(終わり)
435216:2005/05/31(火) 00:01:57 ID:vP4K0Wzp
サブタイトルは『紫苑さん凛デレ化計画』(『さま』ではなく『さん』がポイント!)もしくは『鏑木家、地球温暖化計画』でも可 (´∀`)
今回のテーマは『嫉妬する紫苑さん』。ええ、嫉妬しまくりです。貴子いじめら(ry
ある意味、完璧超人の紫苑さま。でもその胸の奥では……と云うのが狙いです。

話変わりますが最初、紫苑さんと貴子二人だけで話を展開させる予定だったんです……が、途中で思いっきり詰まった _| ̄|○
よく考えたらエロ話出来ない貴子だとこの話はまとまらない、と気づいたので急遽まりやを投入。
すると話が進むこと進むこと。それに伴って、まりやが暴走すること暴走すること (´∀`)。
瑞穂ちゃん○○しちゃうし、紫苑さん切れるし……貴子、まりやにいいとこ全部持っていかれるし (´∀`)
このSS書き上げることが出来たのは99%まりやのおかげ。残り1%は……身体張った貴子かな (´∀`)

突っ込みどころ満載ですが、楽しんで(萌えて?)いただければと思います。


(おまけ)
数日後、私と貴子さんが瑞穂さんという『彼女』をめぐって大学構内で血みどろの殴り合いをした、という噂が構内に流れました。
原因は先日のカフェテリアに向かう際の一件。尾びれに背びれに胸びれが付いて、えら呼吸から肺呼吸になるぐらい進化した様子。
その結果、私たち三人はその手の誘いが一切なくなりました。
私と瑞穂さんはよかったのですが、……貴子さんは微妙な顔をしていました。

_| ̄|○
(か、彼女って……ぼ、僕、男なんですけど……)

(おまけ2)
後日、瑞穂さんの誕生日が大学の皆さんに知られていたのは、貴子さんが不用意に口を滑らせたせいだという事が発覚。
紫苑「来月のまりやさんの誕生日が楽しみですね、貴子さん」
貴子「……?!」

(本当に終わり)
436名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 00:02:39 ID:wZ4mHamu
|∀・)親父最高
437名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 00:18:02 ID:i6RKUaUZ
ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1115983948/169
こんな所で愚痴をたれるなんて、エルダーも大変なんだな。
438名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 02:11:54 ID:VUwKydmy
30レスにも及ぶ大作、おつかれさまでした。

ただ、ここまで来てしまうと、一体誰なのかわからないような・・・
なんだか紫苑を見てる感じがしませんでしたね。
むしろ貴子のような・・・
439名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 12:32:23 ID:xWgeqwHd
>>438
たまたまホント久しぶりにおとボク1から通しでやって紫苑ルート&ミストルテイン
やった後に>>405-435読んだんだけど、紫苑として十分「アリ」だと思ったよ
>>435で書いてるとおり「さま」じゃなくて「さん」だね
努めて理想の女性であろうとして、そしてそれを実現していた「紫苑さま」が
自らをはめ律していた枷(というか心構え)が、瑞穂との幸せな日々とともに徐々にが弱くなり
と同時に初めて味わうであろう、男女が付き合ってる上で普通に感じる幸せゆえの不安感やストレス
に戸惑い、ただの一人の恋する女性「紫苑さん」になってる(なっていく)って感じで読めたよ
普段理性的に色々抑えてる人って切れたときその反動も大きいって言うしね

でも「ミストル〜」での紫苑さんのデレっぷり知らないと確かに違和感あるかも?
440438:2005/05/31(火) 13:20:48 ID:VUwKydmy
私も紫苑の追加シナリオは読んでますよ。
その上でやはり違和感を感じたわけで。

なんていうか、紫苑が変化したというより、貴子が乗り移ったという印象を受けました。

まあ、どう受けとめるかは個人によってそれぞれでしょうし、ただ私がそう感じたというだけですので。
441名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 14:16:53 ID:kSQ5epeq
細かいところですが、
頭とはらわたとかと同じく、動揺を表現するためなのでしょうが、
子供の頃に元侯爵家として厳しく躾けられたというのがあるので、
いりこ出汁をとる場合、水にいりこを入れてから火に掛け、出汁がとれたら取り出すんじゃないかな?
まあ、そのまま具としてもというのもありますけどね。
それで、出汁をとってから野菜じゃないかな?
ご飯の炊き上がる時間もありますし、根菜でも細かく切れば火は通ります。

ついでに、私がいりこ出汁をとる場合(これが正しいかは分かりませんが)
いりこ出汁をとる場合は、鍋に水をはって、いりこを入れて少しでも置いておいた方がより出汁が出るので、
お米を研ぐより先に、鍋に水をはって、いりこを入れた方がいいです。
前日の寝る前にそこまでしておけばベスト(暖かいと臭くなるので、その場合は冷蔵庫へ)
この場合はエグミも余計にでるので、なおさら頭とはらわたはとっておいた方がいいです。
442439:2005/05/31(火) 15:50:11 ID:xWgeqwHd
>>440
なるほど、読んでましたか。これは失礼しました。
たしかにキャラ被ってるようにも読めますね。
作者の216さんが>>435で凛デレ化とか書いてるので
ある程度キャラ被るのは覚悟のうえなのかもしれませんね。
私は所々の表現やシチュエーションで紫苑さんと認識できて
楽しく読ませていただけましたから、おっしゃるように
受け止め方は個々によってそれぞれ というところでしょうか。
443名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 16:44:19 ID:ftkrCzmy
>>441
どうでもいいとか思ったのは漏れだけじゃないはずだ。
444名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 16:47:21 ID:C3kcjC4E
瑞穂さんのお風呂の残り湯をお出汁に使うと、とっても良い味になりましてよ!
445名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 17:04:38 ID:kkHP7I6W
それよりも鏑木夫妻の身辺調査ファイルがほすぃ
と思うのは俺だけではないはずだ
446名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 12:30:20 ID:oLuUyg0f
読んでる途中で、黒幕は絶対楓さんだと思ったのは俺だ。
447名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 13:28:17 ID:RPnVJhF4
まじめなシーンなのに、途中の『野球拳・・・あん♪』でやられそうになったのは秘密だ。
448471 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:51:58 ID:L+5c5YI6
   | \
   |Д`) ダレモイナイ…トウカスルナラ イマノウチ
   |⊂
   |
449エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:52:48 ID:L+5c5YI6
「……思ったよりも時間をとられてしまいましたね」
 そうこぼしながら見た時計の短針は既に文字盤の「\」の上を通過している。
 三学期が始まり、一月も終盤。部活動をやっている生徒でもこんなに遅くはならないが、貴子
は生徒会長。卒業が目前に迫っている事もあって生徒会の仕事の引継ぎをせねばならず、気
が付けばこんな時間になってしまっていた。
 他の役員達は会室の掃除をすると言ってまだ残っている。貴子も手伝いを申し出たのだが、
先に帰ってくれと追い出されてしまった。
 ひょっとして邪魔者と思われているのではないか──
 などとはもう思わない。貴子は役員達の厚意を素直に受け入れる事が出来るようになってい
た。始業式の日の事件を境に貴子は自分自身を見詰めなおしたためだ。
 あの時あんな事になったのは、自分に自身を持てずにぼんやりしていた貴子自身にも落ち度
が無かったわけではない。もう少し回りに目を配っていれば、あそこまで追い詰められる事は無
かったはずだ。もっとしっかりしなくては──
 そんな想いが貴子を強くしたのである。
 しかし、そんな貴子も今は少々気が抜けていて、周囲に注意を払っていなかった。時間は違え
ど、始業式の後と似たような状況だった為に、前に遭遇した奇妙な事件を思い返していたのか
もしれない。そのため、危険を事前に回避する事が出来なかった。
450エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:54:02 ID:L+5c5YI6
 貴子が他人の気配を感じて辺りを見回すと、またしてもここにいるはずのない、そして彼女の
最も苦手とする、粗野な雰囲気を漂わせた男がいたのである。
 さすがに二度目とあってパニックに陥るような事は無かったが、だからと言って状況が好転す
ると言うわけでもない。
「……この間の借りを返しにきたぜ、お嬢ちゃん」
 始業式の日、みz──もとい、謎のマスク少女、エルダーマスクに叩きのめされたはずの誘拐
犯が貴子の目前に仁王立ちしていた。
「あ、あなたたち……警察に捕まったはずじゃ……」
「まあそうなんだけどな、抜け道があったんだな、これが。それでよう、俺達もあの一件で信用を
無くしちまってなあ……どうしてもこの仕事は成功させなきゃならねえんだ。ま、悪く思うなよ」
 男はじりじりと貴子に詰め寄ってくる。その迫力に押されてあとずさる貴子。が、数歩後退した
ところで背中に何かがぶつかった。
「ひっひっひ……自分から捕まりに来てくれるなんてな……こりゃ楽でいいや」
 いつの間にか貴子の背後に回りこんでいた男が、下卑た笑いをあげながら貴子を羽交い絞
めにし、ハンカチの様なもので口を押さえてきた。
 しまった──
 後悔したが、もう遅かった。羽交い絞めにされ、言葉も封じられた貴子にはもうどうすることも
出来なかった──その時。
451エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:54:58 ID:L+5c5YI6

『あなたたち、ちょっとお待ちなさい』

 突如、額に『姉』と書かれた白いレスラーマスクを着けた謎の女生徒と、同じく額に『姉』と書か
れた黒いレスラーマスクを着けた謎の女生徒が優雅に、そして華麗に登場した。
「そこのあなた。貴子さんをお離しなさい」
「ま、またかよ! てめえ、どこから湧いて出てきやがった!」
「また痛い目に遭いたくなければ、さっさと貴子さんをお離しなさいな」
「ふ、ふざけんなこのアマぁー!」
 頭に血が上った男たちの一人が、白いマスクの少女に向かって突進し、殴りかかる。
「まったく、学習能力がありませんわね……」
 白マスク少女は落ち着いた様子で頭を低くしてパンチを掻い潜ると、そのまま男の膝元目掛
けて強烈なタックルを炸裂させた。
「ぐお……っ」
 男はなす術も無く背中から地面に叩きつけられる。白マスク少女はその隙を見逃さず、男の
両足を取って両脇に抱えると、その場で回り始めた。
452エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:55:50 ID:L+5c5YI6
 一回、
 二回、
 三回、
 四回──
 白マスク少女は止まることなく可憐に回転し続ける。それはまるでバレエと見紛うほどのもの
だった。
 十三回、
 十四回、
 十五回──
 回る、回る、回る──男たちや貴子は呆然としてその光景を眺めている。
 二十四回、
 二十五回、
 二十六回──
 遂に限界が来たか、白マスク少女が「ふっ」と気合を入れて男の足を解放すると、その体は放
物線を描いて飛んでいく。
「ぐはっ……」
 ジャイアントスイング──
 回転による遠心力で頭に血が上り、また三半規管が麻痺しているところで空中に放り出され
たのだ。受身など取れようはずもない。
 地面に打ち付けられた男は、そのまま悶絶した。
453エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:56:50 ID:L+5c5YI6

「……」
 一同はその異常な光景にただ唖然としていた。
 いや、ただ一人、黒いマスクの少女だけは冷静に状況を観察し、貴子の口を塞いでいた男の
腕が緩んだのを見逃さなかった。
 目配せで白マスク少女に合図を送る。と同時に、貴子を拘束している男に近付き、男の背が
白マスク少女の方に向くようにくるり、と回転させると、男の両肩をトン、と押し出す。
 バランスを崩した男は、白マスク少女の方に向かってよろける。マスク少女たちはその隙を見
逃さず、男に向かって突進した。そしてそのまま、ふらついている男の首目掛けて左腕を撃ち出
した。
 クロスボンバー!
 それぞれが必殺の威力を秘めている少女たちのラリアットを前後から喰らった男は、かけて
いたサングラスを飛ばされて、そのまま悶絶した。

「な……何だってんだ、貴様等……」
 残った二人のうち下っ端っぽい方が驚愕に目を見開きながら呟いた。
「あら、お忘れになられましたの? 私の名はエルダーマスク」
「そういう事言ってんじゃねえよ! ……じゃあ何か、そっちの黒いのはブラックエルダーとでも
抜かすのか」
「あら残念。私の名はエルダーマスクグレート。黒くて年上のタッグパートナーと言ったら、グレー
トに決まっていますわ」
454エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:57:51 ID:L+5c5YI6

 そんなやり取りを貴子はぼんやりと眺めていた。私は確かまた誘拐されようとしていたはず。
それが何故こんな事に──。視界にあるのは倒れた男が二人と、まだ立っている男が二人。そ
してそれに対峙するエルダーマスクと自分を助け起こしてくれた謎の黒いマスクマン。
 エルダーマスクはいいとして、いや、よくはないがとりあえず置いといて……エルダーマスクグ
レート? エルダーで、年上……紫苑さま? そんな馬鹿げた考えが脳裏をよぎる。しかし、貴
子が聞いた声は確かに記憶にある紫苑の声で間違いない。

「し……紫苑さま……? 紫苑さまなのでしょう?」
「…………」
 返事は無い。ハッと気が付き、貴子は言い直した。
「え、エルダーマスクグレートさん?」
「はい、なんでしょう?」
「紫苑さま?」
「…………」
 紫苑と呼ぶと返事をしてもらえないようだ。貴子から見ればその姉マスク以外、服装も体付き
も声も髪の毛もすべて十条紫苑以外の何者でもないのだが。
「マスクドじゅ……」
「違いますわ!!」
 皆まで言えず怒られた。
455エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:58:50 ID:L+5c5YI6

 それはさておき。
 残った男のうちの片方はスタンロッド、もう片方は二本のナイフを取り出した。前の時と違って、
今度は最初から油断の表情は微塵も無い。
「私はナイフの方を引き受けます。グレートは警棒の方を」
「承りましたわ」
「お、おね……エルダーマスクさん……?」
「貴子さんは、私たちが彼らを引き付けている隙に、守衛さんを呼んできてください」
「わ、わかりましたわ」
 エルダーマスクとグレートがそれぞれナイフ男と警棒男に向かって対峙する。貴子はその隙を
見て、守衛室の方に走っていった。
「それでは、始める事に致しましょうか」

 エルダーマスクグレートは警棒男の出方を見ていた。事前にエルダーマスクから聞いていた
通り、相手の獲物の先には電極が据え付けられている。スタンロッドだ。迂闊に手を出して電極
に触れられようものなら、その時点で敗北は必至である。その上、前回の教訓を生かしている
のか、その構えには油断が無い。
 少しの間、睨み合いが続いたが、それを破ったのはグレートの方だった。警棒男に向かって
走り出したのだ。一見、自殺行為のようにも思えるが、彼女の実力を持ってすればこの程度の
事は無謀でもなんでもない。
 男は突進してくるグレートを迎撃するかどうか逡巡する。が、結局は避ける事に決めた。迂闊
に手を出すと、またカウンターをもらいかねないからだ。
 うふふ、いい判断ですけれど……でも甘いですわ──
 グレートはすれ違いざまに男の腰のベルトを掴み、そこを支点に方向転換する。そのまま背
後から両腕を男の腰に回して抱きかかえると、目にも止まらぬ速さでブリッジに移り、突進のス
ピードも利用して後方に投げ飛ばした。
 が、男も前回の敗北から改めて訓練でもしてきたのか、事も無げに受身を取って立ち上がる。
何にせよ、最初の二人とは役者が違う事は間違いなかった。
「なかなかやりますわね……」
456エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 15:59:51 ID:L+5c5YI6

 一方では、エルダーマスクがナイフ男と向かい合っていた。誘拐犯グループ四人の中で、この
ナイフ男が一番の実力者である事に疑問を差し挟む余地は無い。一度勝った相手とは言え、
油断をしていては足元を掬われてしまう。
 男は両手にナイフを持って構えなおした。屈辱的な敗北のリベンジだと言わんばかりに、その
気合の入れようは尋常ではなかった。
 前回の闘いで、お互いの手の内はある程度までは明らかになっている。そのため、お互い迂
闊に手を出すことが出来ない。
 しかし、貴子が警備員を呼びに行ったために、男たちにはあまり時間が残されていない。結局、
均衡を破ったのは男の方だった。
 男は手にしたナイフをエルダーマスクに向かって投げつけた。反射的に身をかわしたものの、
まさかいきなり投擲してくるとは思っていなかったエルダーマスクは一瞬呆気にとられる。ナイフ
男はその隙に間合いを詰め、懐から新しいナイフを取り出して斬りかかって来た。
 しかし、男が何度斬りかかろうとも、その凶刃がエルダーマスクに届くことは無かった。
 五分の見切り──
 かの剣豪、宮本武蔵が体得していたと言われている奥義である。嘘か誠か、武蔵は米粒を額
につけた状態で斬撃を受け、相手には米粒だけしか斬らせなかったという有名な逸話がある。
しかし、額に貼った米粒を斬らせたら、その勢いで鼻まで斬られてしまうのではないだろうか。武
蔵の鼻は米粒より低かったのだろうか。或いは前頭がゴリラの如く張り出していたのかもしれな
い。
 それはさておき。
 ナイフ男は熾烈な攻撃を続けていた。少し手も手を緩めるとたちまち反撃を受け、関節を極め
られてしまうのは目に見えている。一方、エルダーマスクの方も、この攻撃が続いている間は手
を出すことは出来ない。反撃しようと迂闊に手を出せば、その部位を斬り刻まれてしまうだろう。
結局、男が疲れて攻撃の手が緩むまで、かわし続けるしかないのだ。
457エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 16:00:50 ID:L+5c5YI6

 そうして、二つの闘いが膠着状態を迎えてしばらくした時。
「そこの男っ……!」
 正門の方から貴子の知らせを受けた警備員が三人駆けつけてきた。
 男たちは一瞬、そちらの方に意識をとられる。その一瞬が命取りになった。エルダーマスクた
ちはその一瞬の隙を突いて、男たちを掴んで、空高く放り投げたのだ。
 そして、二人がグッと溜めを作ってジャンプすると、まるで物理法則を無視したかのように軽や
かに、天高く舞い上がる!
 空中に躍り出た二人はそれぞれ闘っていた男に取り付くと、相手の体を拘束し始めた。

 エルダーマスクが放とうとしている技──エルダーバスターは、相手を肩で担ぎ上げ、更に相
手の両足を掴んで股を裂く。その状態で地面に着地した衝撃で首折り、背骨折り、股裂きを同
時に行うと言う荒技だ。
 そして、エルダーマスクグレートが放とうとしている技は──エルダードライバー。空中で逆さ
まになった相手の両足を掴み、相手の二の腕の上に立ち、そのまま頭から叩き落す技だ。その
衝撃により腕折り、股裂き、頭蓋破壊を伴う、究極の必殺技である。

 それぞれが技の形に入った。このまま着地すればそこで全てが終わる──だがしかし、それ
で終わる事はなかった。何と、二大必殺技をかけた二人は、空中で合体したのである!
 エルダーバスターとエルダードライバー。二つのミラクルホールドが合体する事で、通常の数
十倍もの破壊力が生まれる──
 これぞ、エルダードッキング!!

 轟、と言う衝撃音と共に、大地に激突する。
 そして貴子たちが駆けつけてきた時、一陣の風が舞っていた砂煙を吹き払う。
 視界が晴れた時、そこにはエルダーマスクたちの足元で悶絶する男たちの姿があった。
458エルダーマスク2 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 16:01:50 ID:L+5c5YI6

「お姉さま、紫苑さま、お怪我はありませんか!?」
「…………」
 悶絶した男を放置して戻ってきたエルダーマスクたちに言葉をかける貴子。だが返事は無い。
「お……お姉さま? 紫苑さま?」
『…………』
 まさか怪我でもしているのではないかと心配になる貴子。しかしその時、ある事にふと気が付
いた。
「エ、エルダーマスクさん?」
「はい、なんですか?」
「マスクド……」
『だから違います!!』
 ダブルで怒られた。

 結局、エルダーマスクもグレートも恥ずかしくて正体を明かすわけにはいかなかったようで、警
備員に囲まれる前に逃げてしまった。
 貴子は警備員たちに事情を説明すると、そのまま警察の事情聴取に赴いたようだ。
 この一連の戦いを物陰から目撃していた生徒がいた、と言うか生徒会役員三人娘がしっかり
と目撃しており、翌日には学院はエルダーマスクとエルダーマスクグレートの噂でもちきりになっ
た。
 それから、エルダーマスクは実はエルダーシスターの宮小路瑞穂では無いかとの噂に加え、
エルダーマスクグレートは前エルダーの十条紫苑では無いかとの噂がまことしやかに飛び交っ
ているが、宮小路瑞穂と十条紫苑は頑なに否定している。


 私の名前はエルダーマスク。そして私はエルダーマスクグレート。
 謎の地下組織『姉の穴』……何だかとっても卑猥ね。……とにかく、そこに選ばれたエルダー
ですわ。今日もまた学院の平和を守る為、パトロールにいそしんでますの。さあ悪党の皆様方、
どこからでもかかっていらっしゃい。いつ何時、誰の挑戦でも受けてさしあげてよ!

 おしまい
459471 ◆471.Pt54hU :2005/06/01(水) 16:02:51 ID:L+5c5YI6
 ごめんなさいもうしません
460名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 16:04:24 ID:Jfy6DWMF
|∀・)
461名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 16:05:23 ID:RPnVJhF4
GJです!
仕事中なので笑いをこらえるのが大変です!!
(´∀`)
462名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 21:43:48 ID:+9dsprm/
エルダーシスターズの覆面狩りはまだなのですか〜
463名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 22:26:42 ID:e5o8PJt7
どこが病弱なのかと小一時間(ry
464名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 23:08:17 ID:gdCK4XUJ
エルダーマスクが上側になってエルダードッキングつかうと、
股間が潰れるんじゃないか、とか昔連載されてた頃も思ってた。
465名無しさん@ピンキー:2005/06/01(水) 23:37:57 ID:zn2v5cF+
ごめん、マスクド…のネタが分からない。
バスターもドライバーも分かったんだけどなぁ。
466名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:06:49 ID:e1B3IpL6
>>465
魁!クロマティ高校に登場する覆面高校生
マスクド竹之内が元ネタだと思われ。
467名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:19:30 ID:JDDbAQOI
黒くて年上のパートナー…

カメハメ?
468名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 01:00:32 ID:NoNShAee
『ふたりはエルダー』
じゃダメなのか?

まあぶっちゃけありえないが
469名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 08:48:52 ID:nZ+D4qXB
黒くて年上のパートナー…
それは髪ではなく、はrうわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこ
470名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 23:47:13 ID:Oy3Z62RT
>>468
「ふしぎ星のエルダー姫」はどうだ?
大きなお兄ちゃん的に人気かどうか知らないが、子供は喜んで見ているぞ。
471名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 03:18:59 ID:hDRIVSiX
もう一人増えてMaxheart・・・
472名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 03:25:31 ID:9MTlB5NS
その一人はやっぱり貴子さんか?
473test:2005/06/03(金) 04:16:25 ID:GIixmgYZ
おボク様 あなざぁ 『∞ まりや vs 貴子 with 美智子』

 私は春から一人暮らしを始めました。以前から決めていたことですし、私に無関心な両
親はあっさり認めてくれました。たった一つ誤算があったとすれば……
「お帰りなさい。御飯にしますか、御風呂にしますか、それとも…あ・た・し?」
 そう言って、私を玄関で迎えるまりやさんだけが誤算でした。彼女は私の古くからの友
人…というより腐れ縁とでも申すのでしょうか。
「何でまた今日も、あなたがいるのですか?!」
「やだなー、貴子が一人暮らしで寂しくないかと心配で。にゃは」
 非常時用にと彼女にスペアキーを預けたのが間違いでした。毎日のようにやってきては、
私の部屋をかき回して行くのです。
「今日はお祝いに御寿司の出前を頼んだから」
「その代金はまりやさんが払ったのですか?」
「ううん、貴子のお兄さん」
「また、兄を勝手に部屋に入れたんですか!」
 私と兄は仲が悪い、というよりも私が兄を嫌っている。それに、ここは女性専用のマン
ションなので、兄とはいえ男性が出入りするのは困る。それなのに兄はよく来るし、まり
やさんは部屋に上げてしまう。
「いいじゃない、貴子のお兄さんなんだし。ついさっきまでいたんだけど…それより何の
お祝いか聞いてよ聞いてよ」
「まりやさんのお誕生日なのでしょう。一応プレゼントも用意しましたわよ」
 どうせ部屋に来ているだろうと思って用意してました。あまりアルバイトをしていない
ので、高価な物ではありませんが。

  続く
474test:2005/06/03(金) 04:17:49 ID:GIixmgYZ
「ありがとう、うれしいな」
 まりやさんが早速プレゼントの包みを開く。
「写真が二枚入れられるフォトフレームかぁ。ありがとう、新居に飾るね」
「新居…どこかに引越されるのですか?」
 まりやさんは実家暮らしで、一人暮らしをするという話も聞いてませんが。
「うん、この部屋に住もうと思って」
「なっ?!」
 いくら毎日のように遊びに来ているからって……
「うそうそ、実は今日プロポーズされたから。真っ先に貴子に話したいなって思って」
 そう言って、まりやさんは左手をかざした。薬指に光るのはエンゲージリング?
「まだ、親とかにも話してなくて、彼以外は貴子しか知らないんだから」
 そういうことでしたか。いつの間にそういうことになったのか、付き合っている男性の
話なども聞いたことが無いのですが、まりやさん本当にうれしそう。
「おめでとう、まりやさん」
「相手は貴子も知っている人だから、わざわざ紹介しないよ」
 えっ、まりやさんが男性と交際されているということ自体が、初めて聞くのですが。
「どなたですか? 瑞穂さんは奏さんと婚約されていますし、他に私の知っている男の方
なんて……」
「一人居るじゃない、貴子のよく知っている人」
 誰でしょう。私が知っている男性ですか……
 しばらく黙ってしまった私に、じれったそうに、まりやさん。
「あたしの相手は貴彦さん。貴子のお兄さん」
 お兄様?!

  続く
475test:2005/06/03(金) 04:18:39 ID:GIixmgYZ
「まりやさん、お…お兄様と…… い…いつの間に?!」
「うん、先週。金曜日って貴子は家庭教師のバイトで遅いじゃない。貴子のことで相談が
あるって。それでいきなり裸になって抱きついて、好きだって。そう、一度だけでもいい
からって。それで一度といわず二度三度。激しく!」
 先週、確かにお兄様が来ていて、部屋から追い出しました。まりやさんが居ないのは、
ちょっとおかしいと思ったのですけど、まさか…
「週末、何となく様子がおかしかったのは…」
 まりやさんは、ほほを染めて恥ずかしそうにうなずいてます。
「うん、それで彼、責任取るからって言ってくれて。今日、指輪と一緒にプロポーズして
くれたんだ」
 そんな、いくらお兄様でも、私の友達を騙して呼び出して、襲うなんて……
「は…破廉恥な……」
「ま、まあ、そこは愛があればということで…ね」
 まりやさんが、慌てたように兄をかばう。
「そ、それでその…よろしいんですか? まりやさん」
「うん、貴彦さんのこと好きだったし。貴子は、あたしがお兄さんと結婚するの反対?」
「それは、まりやさんがそれで良いとおっしゃるなら…私が反対する理由などありません」
 そう言う私にまりやさんが抱き付いて来る。
「ありがとう貴子」
「ま、まりやさん」
 まりやさん、あんな兄に…こんなにうれしそうに。まりやさんの気持ちはともかく、兄
にはこの事を問い質さなくては……

  続く
476test:2005/06/03(金) 04:19:22 ID:GIixmgYZ
「というわけで婚約したから」
 貴子に続いてあたしは美智子にも貴彦さんとのことを話した。もちろん場所は本人不在
の貴子のマンション。美智子は微笑んで、お祝いの言葉に続けて……
「主語を微妙に誤魔化してますわね。相談があると呼び出したのも、告白も、まりやさん
がしたのでしょう?」
 やっぱりダメだったか。
「ありゃ、貴子はうまく誤解してたんだけど」
「それは…人は信じたい事を信じますから……貴子さんなら、そのように思われるでしょ
うね」
「つまり、美智子はあたしを信じていないということ?」
 まあ、最初から美智子には隠すつもりも無かったけど。
「いえ、まりやさんの性格は理解してますから。それに…確か初恋の人なのでしょう?」
「にゃはは、あたしの初恋と美智子の初恋は同じ幼稚舎時代の話だったよね。邪まな美智
子にけしかけられて、何も知らなかった純真な少女時代のあたしは恥ずかしい告白を…」
「うふふ、『あたしのお兄ちゃんになってください』ですか。セリフの指導もしておけば
良かったと後悔しましたわね」
 あの事件から、貴子の性格も少し変わった気がする。でも、それで美智子の好みから外
れた貴子は同性愛の魔の手による調教から免れたんだから、感謝されてもいいよね。
 そんなこと考えてると、美智子が初恋の話は秘密にしてって言ってくる。まあ、今なら
お互い笑い話だと思うけどね。今回の話だって……いや、あの貴子なら本気で怒るかも。
小姑の嫁いびりが恐いから黙ってよ。そして真実は闇の中に……

 終了
  以上、話を一日に収めるのに失敗したので、いっそフライングしてみるテスト
477名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 08:06:09 ID:IhTcFoN5
あ〜あ。
紫苑じゃなくてまりやだったらどうでもいいんだ。
478名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 10:13:35 ID:xVwJ7UFj
本編の紫苑は死ぬほど嫌がってたけど、このまりやは嬉しそうだからいいんじゃね?

…貴子兄には殺意を覚えたけど(w
479名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 10:33:33 ID:IhTcFoN5
そういう問題じゃないだろ。
原作で貴子があれほど酷評していて、紫苑があれほど嫌がっていた人間に、そういう表現いれたらくっつけていいのか?
幼い頃の話はよかったが、ここまで来てしまうとどうかと思う。

こういう二次創作でヒロインが他の男と、っていうのはタブーだろ。原作にそういう表現がない限り。
もし続編とかがあるなら自分のサイトやら投稿掲示板のほうをおすすめする。
480名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 10:34:59 ID:wZdp92Qh
某所の某SSを読んでいるうちに、貴子(兄)にはなんか嫌悪感が消えた。

つーか、漏れの中では紫苑-貴子(兄)の政略ケコーンは貴子(父)が独断で仕組んだことで
貴子(兄)は関与してない。女遊びが激しいのは事実だが、貴子が言うほど酷い訳で
もない。

という設定に(漏れ脳内では)なっております。
481名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 10:36:59 ID:wZdp92Qh
>>479
もうその話題はいいよ。
君が読んで気に入らなければ黙ってスルーしとけばいいじゃん。
また荒らしたいの?

482名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 10:56:34 ID:IhTcFoN5
荒らすつもりは毛頭ないが。
だが言わなければわからんだろ。

スルーしたかったが、今回冒頭に注意もなかったし、回避する手段もなかったしな。

たしかにSSってのは個人的に気に入らないのもあるだろう。
そういうのだったら俺も文句は言わない。

でもこれは>>479で書いた問題もあるし、同じ考えの人も居ると思い書き込んだ次第だ。
483名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 11:35:17 ID:X+PiN/Bp
べつにいいんじゃないか、好きな相手には優しくなるもんだし。
貴子(兄)もそうなんじゃない。
まりやのこと振らないだけいいと思うが。
484名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 11:50:06 ID:xVwJ7UFj
鬱展開、陵辱、オリキャラ多数、ホモネタ等荒れそうなものは投稿掲示板へ、
という議論はあったけど、これは許容範囲だろ。

兄の台詞どころか登場シーンすら無いし、他にオリがでてるわけでもないし、
そもそも兄は原作にその存在は明示されているんだし。
兄が本当に外道なのか、貴子視点でしか語られていない以上>>480もアリなんだし。

それすら禁止なら、やるきがでるまで楓さん書けないぞ?
485名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 11:59:30 ID:x11kVoXX
オレは479と同意見だなぁ・・・。

ヒロインを勝手に変な男とくっつけてしまうのはやっちゃいけないことじゃないかな。
オリキャラとか原作に存在が明記されてるキャラとか別にしてさ。

少なくとも、貴子兄については貴子が言ってるほかに瑞穂もうわさを耳にしてるくらいだから、
貴子の思い込みってこともないだろうし。

せめて一番最初に明記してはほしかったな。


・・・っていうかこれ、貴子とか紫苑とかが相手だったらこれどころの議論じゃなさそうw
486test:2005/06/03(金) 12:05:47 ID:ioFQSzvI
 今更ですが『おボク様 あなざぁ』は奏ちゃんルートのSSシリーズですわ。中心は奏(ブラック)×瑞穂のバカップルなのですが、それだけでは作者の力不足から展開が苦しいのだそうで、原作には無いキャラクターやストーリー展開があります。
 また、 どのような二次創作でヒロインと他の男タブーが存在するのか、確認はできませんでした。

 そのようなわけで申し訳ございませんが、御指摘を作者は理解していないようです。ご容赦下さい。普通に『おボク様 あなざぁ』を御覧になられないようにするのでは、だめでしょうか?
487名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 12:15:51 ID:IhTcFoN5
作者自ら答えていただきありがとうございます。

ご理解頂けず残念です。
これまでのシリーズを楽しく読んでいたので誠に残念ではありますが、
そういうことでしたら今後は申し訳ないですがスルーさせて頂きます。
488名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 14:16:00 ID:x11kVoXX
オレも回避します。

ヒロインが誰であれ、ここまでされちゃうと拒否反応が起こります。

ネタが少なくなってきてたり、発売されてから随分経つんで原作の印象が薄れてきてるのもあるんだろうけど、
最近原作から随分離れてしまったSSが増えてる気がするなぁ・・・。

ギャグものとかならいいですが。
489名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 15:05:56 ID:f79JLY0e
>>482
結果的に荒らしになってる事に気づけ。

>>486
それでいいと思う。
というか、匿名掲示板の2chのエロパロスレでそこまでガチガチなルールを
持ち込んでどうすんの?て思う。基本的に、作者は自分の思うがままに書く
のが一番でしょう。という訳で続きマッテル!
490名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 15:18:31 ID:kzDQqDLA
ぶっちゃけ、ここまでくるとキャラの名前だけ借りた別の話になってるんじゃね?

その話に出てくる登場人物の名前を全く関係ない名前に当てはめてみて、これおとボクのパクリじゃん、
と言える作品ならOK、そうでないならNGってことじゃね?
491名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 15:59:02 ID:x11kVoXX
まあ、奏と瑞穂がメインなのは判りますけど、
だからってまりやと貴子兄をくっつけちゃったのはやっぱりやりすぎかと思いますね。

・・・これが、くっついたのが紫苑で今ではラブラブです、とかだったらみんなどんな反応だったんでしょうね?
492名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:14:07 ID:KGxUG/uT
<チラシの端っこ>
貴子兄が実は云わてれるほどそうではなかった、ってことになるかな?俺なら。
まあ、情報少ないキャラを入れて書くのは難しいし。
</チラシの端っこ>

根本的なところに立ち返ろう、皆。
タイトルに「あなざぁ」が入ってるから、これからもアリです。
マターリぬるくいこうぜ。

でないと、死ぬぞ。
493名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:17:47 ID:BdhXuw7I
>>490
俺はそうなってるようには感じない。というか、ここがSSスレとして盛り上がっていて、体験版だけやっただけとかならまだしも
投稿されたSSをざっと読んで理解したつもりで書かれたような作品がちらほら見られた時期よりも、今の状態はずっとまし。

だけど君がそういう基準でこのスレを見て、それぞれの価値の有り無しを判断することに、別段反対するつもりはない。
が、同意することもできない。登場人物への印象なんてプレイヤーそれぞれで違っていて当然で、(スレとして)統一なんてできないから。
いろんな人がいてそれぞれがそれぞれの解釈をする。その差異から生まれる驚きも
こういったスレでの楽しみのひとつだと思っている。っていうか二次創作ってそういうもんだろう。

なら陵辱とかもいいんじゃないか?って話になると思うが、作品そのものへの印象というか世界観の印象は
印象そのものがキャラへのそれと違って漠然としていて、統一ではないにしろ同方向であることが多いから
場の空気として統一見解が出しやすい。又、この場に出すと荒れやすいと言う意味から隔離してるだけで
出す場所がないわけでもない。

>>491
作品内では具体的に「厳島兄像」が描かれてない以上(貴子の科白や業界の風聞は具体的でない)
その部分をSS書き手が妄想し補完する猶予があるわけです。そこを含めて納得できる表現・展開であれば
そういう話でも全然問題なく読めます。っていうかちょっと読みたい。
(つうか紫苑は作中、厳島家への嫌悪感や、境遇への絶望感、十条家内の悲壮感については表現してても
厳島兄については一言も言及してないのよね)

-----------
自分が「さすがにこれは極端だ」とか思ったものに、感想として突っ込みいれるのは別にいいとおもうけど、
それが当然で多数派であり当たり前と、勝手に決め付けてるような書き方は気をつけたほうがいいと思う。
少なくとも『こういう二次創作でヒロインが他の男と、っていうのはタブーだろ。』なんて初めて聞いたし
俺はそうは思わない。
494名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:28:13 ID:BdhXuw7I
>>493
チーズが2倍カールウマー(゚Д゚)  まで読んだ。たかが意見に長すぎだオレ。今は反省している。

>>492
そうですね。
念のため一回死んできます。
           ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄
---------------------------------   。 >オレ -
     _______-----〈,.'⌒--- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         ン
           '´ `´ ヽ        / / |  \   イ
             | #   )))       /   /  |    \  /
  I I I I  .   c|     ト、    /    / .  |      /|
 (ニニ===と|   ノiノ        /    |     / |
  I I I I      ノノ从从_>        /  .   |.│ /|
         (_/し'         .  /     ─┼─ |
                     /  ┼┐─┼─
               .  .      / .  ││
495名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:32:38 ID:hNIapZcE
>>494ワロタ
496名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:39:18 ID:x11kVoXX
ま、いずれにしろ、投下する前にどんな属性のSSか教えてくれると助かるんだけどね。
スルーしてくださいといわれてもどんな話かわからないとスルーもできないし。

っていうか皆さん、>>491で書いたとおり、
「くっついたのが紫苑で今ではラブラブです」
とか
「貴子が勘違いしてました。いまでは兄弟でラブラブです」
とかでも、許容できたの?

なんかまりやだからいいや、とかいうコトないよね?

瑞穂も紫苑も貴子もまりやも奏も好きなオレとしてはそういう考えだったらちと悲しいんだけど。
497名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:42:07 ID:kzDQqDLA
>>493
何か勘違いしてるみたいだけど、OKかNGってのは、ここに投下してOKかNGって事だよ?
いくらなんでも作品そのものを否定したりしないって。
498名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 17:57:43 ID:BdhXuw7I
>>497
いやそういう意味で書いてるであろうと言うことも考慮して書いた
(やはり引用して置けばよかったかな、行間開けてればどこへのレスかわかると思って長くなるから省いたのが失敗だったか)
だから、投下する人間と読む人間の間でキャラへの印象の相違があるから
例えば君の言うように投下する人間が君の意見に沿うようにした上で投下したとしても、君が納得できるとは限らない、という意味を
>が、同意することもできない。登場人物への印象なんてプレイヤーそれぞれで違っていて当然で、(スレとして)統一なんてできないから。
として書いたつもりだった。わかりにくかったらごめんな。
499名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 18:34:52 ID:BdhXuw7I
あ、ちょっと勘違いされそうな部分訂正。4行目
「君が納得できるとは限らない」を「みんなが納得できるとは限らない」に

別の見方すればSS書き手ってそのSS書いてる時点でズバリではないと思うし意識的でもないと思うけど
>>490のような事をやってると思うんだよね、ある程度。だからせっかく書いたものを書いた本人が
気にいらないから没にすることだってあるんだし。
自分の書いたもの客観的に見てみるって事なんだろうけど、まあやってるよね。ただ客観的に見るっていっても
結局自分の認識の範囲で書いたもんだから限界があって、他人の認識との相違は避けられないんだよね。
でも考えすぎてもいい事ないから>>492の言うとおりマターリぬるく逝くのがいいんじゃね。





   ∧∧
   /⌒ヽ)  逝ってきます。
  i三 ∪
 ○三 |
  (/~∪
  三三
 三三
三三三
500名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 19:47:04 ID:wZdp92Qh
>>496
>「くっついたのが紫苑で今ではラブラブです」
>「貴子が勘違いしてました。いまでは兄弟でラブラブです」
>とかでも、許容できたの?

許容できますがなにか?

大体、普通に考えれば瑞穂が紫苑・貴子以外とくっ付いた場合は紫苑は厳島家に
嫁ぐのがほぼ確定的なわけで、ここで良くある 「貴子兄とのケコーン回避」 の方がよ
ほど本編から外れたIFな訳ジャン。瑞穂は紫苑と結婚する事で婚約を破棄させたん
だから。

でもそれだったら、せめて 「実は貴子兄はいい人デスタ!」 として紫苑に幸せな未
来を用意してあげたいと思うのがファン心理じゃないかね?


SS作家のイマジネーションを否定するようなら、そもそもエロパロスレから離れた
方がいいと思うがね。
501名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 19:51:46 ID:u+Dt3jMl
もしユカリンだったら玉の輿おめでとう、勝ち組の仲間入りおめでとうとばかりに祝福してくれまつか?w
502名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 20:08:48 ID:DVoxDYeT
行間埋めるために即席で余り物カップルを拵えるのは、
ろくな事にならないって昔から相場がきまってるし(アスカ×ケンスケとか)、
避けた方が無難ではあるよな。
本人にそのつもりは全く無いと言う事は理解しているが、
しかし一方で、アスカスキー(この場合はまりやすきーだが)に喧嘩を売る行為でもある。
と言うことも知っておいたほうが良いと思ふ。
503名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 20:53:47 ID:x11kVoXX
>>500
貴子兄に対する印象が某SSで変わってしまったあなたが云ってもあまり説得力ないけどねw
まあ、差別なく受け入れられるんならいいけど。

でも、本スレやここのスレ見る限り
「貴子による紫苑の縁談の破談or厳島グループ自然崩壊」>「貴子兄いい人でした」でしょう、ファン心理は。

本編だけから見ると、瑞穂が知ってるくらいだからやっぱり貴子兄はヒドい人間だし、そういう印象を持ってる人が多いってコト。
いい人でした、なんていうIFな印象持ってるヒトは少数でしょ。
それに少し飛ぶかもしれないけど、やっぱり瑞穂以外と結ばれるのには抵抗が有るヒト多いだろうし。

それに、紫苑ルート以外でどうなったかっていうのは、縁談成立だろうが破談だろうが、本編でまったく触れられてない以上、どれもIFでしょ。
貴子ルートで紫苑ほったらかしにデレデレしてる&紫苑ルートが後付ってことを考えると、「縁談自体ないもの」なんだろうけど。



ま、とりあえず。
SSを投下するときには、冒頭にでもどんな話しか書いていただきたいとは思う。
書いてあれば、文句も言われないでしょ。

あと、まりやスキーが集まるであろう6/8にはこれの続きは投下しないほうがいいかと思う。
>>502が云ってる通り、だから。
504名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 20:57:02 ID:H2emc6Pa
ヽ《゚∀゚》丿*・゚゚・* ハイキレイキレイ

みんな一緒にヽ《゚∀゚》丿*・゚゚・* ハイキレイキレイ
505test:2005/06/03(金) 21:18:51 ID:X/1ykIfd
 ええと、原作で充分ならSSを書いたり読んだりしなくてもリプレイしてれば良いわけです。SSは原作とは違うもので、それをどこまで違ったものにするかは書き手と読み手の裁量です。
 原作で悪い噂が書かれているからSSでも悪いやつと決め付ける。或いは逆を書く。それぞれ、書くのも批判するのも自由です。

 例えば、変わったカップリングを書くなら但し書きが必要だ。それも一つの意見かもしれません。
 しかし、本文や本文に書かれていないことを引き合いにして問題を指摘される方が、但し書きや見出しになら問題を指摘しなくなるのでしょうか。
 現状で、スルーや回避を宣言された後まで話を続けられる自由を行使される方がいらっしゃるように、自由に問題を指摘されるでしょう。そして、それが悪いとは思いません。
 ただ、互いの視点の差異を認められるか、無視される。それが出来ない限り、キリが無いわけです。おそらく意味も無いでしょう。


 まあ、私の場合は奏ちゃんが、ああ黒いのからして原作を歪曲しているわけで、もともと問題だらけのシリーズで、問題だらけのSS書きなわけです。
 それは最初から決まっていることなので、問題視される方はハンドルかシリーズで避けるようお願いしたのですし、他の書き手の方に対する批判は『優雅に礼節をもって』をお願いしたいしだいであります。


 というわけで脈絡も無く次回予告

 大変なのですよー。
 二子です。三子です。二人あわせてニコミコと呼んでください。
 謎の双子美女を従えて、紫苑お姉さまの天敵がついに登場してしまうのですよ。生徒会長のお兄さまと瑞穂さまが闘ってしまいます。初めて明かされる寮長の真実と、私たちが愛を確かめあった翌日に繰り広げられるデスマッチの行方は?! 瑞穂さま、奏は…一体どうすれば……
 次回予告 おボク様 あなざぁ 『来訪者』

 で、続けていいのでしょうか?
506名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 21:48:16 ID:tKjSxFQv
>>503
最後の2行が余計。
投下すべきかどうかを判断するのは作者であって、第三者が「投下しないほうが
いい」とか、マジ余計なお世話。(´Α`)ウゼーヨ。いい加減判れよ。

>>505
>で、続けていいのでしょうか?
無論。なんかSS以外のツマラン話題で進行してるんで、ここらでイッチョ燃料投下
お願します。黒奏マッテル!
507名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 22:06:14 ID:WwLohsNR
>>505
俺も待ってるョ。

と、
あとさ、あぼーんしやすいようにトリップ付けてやったら?
NGワードで透明あぼーんすりゃ、存在しないも同然なんだし。
批判側もそれで手を打とうよ。
お互いの意見を言い合ってても切り無いしさ。
508名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:28:09 ID:J4LNhvUq
ていうかパラレルワールド的なものすら駄目なのか?

キャラ設定自体原作とちょい違ってるSSなんぞ腐るほど他作品ではあるというのに。
509名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:29:45 ID:rcIZq+3A
くだらにゃい
510名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:36:55 ID:Pl5YXkL3
潔癖とマンセーとでいい感じに腐りはじめてきました
511名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:39:30 ID:Pl5YXkL3
もう少しで・・・・楽しみですww
512名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:49:10 ID:BdhXuw7I
タダイマ(゚▽゚)               ←ここはヌルーで
>>503
>>496での問いは>>493>>491へのレスとして書いてるからそのままね
んでプラス、オレは貴子スキーなわけだが、話として例えば
何らかのきっかけがあって貴子の誤解が解けて、あまつさえ極端な話ブラコンの域まで行ったとしても
そのプロセスが納得できるものであれば、全然OKよ。(強烈に難しいだろうけどね)

でも近親相姦とかにまでなったらオレは(´・ω・`)エーって思うよ(書き込むかどうかはわからない)
キャラ云々じゃなくて作品世界観に沿ってるようには感じないから。
ただし反対意見言うにしても多数派を装おうとは思わない。あくまでも俺の意見として言うけどな。
(でもそれさえも納得できるほどのすごいモノだったら素直に納得するけど)

だいたいただでさえそのファン心理考慮してスレが荒れそうなジャンルは隔離してる状態なのに、
その上カップリングやキャラへの必要以上の縛りなんてしてたら書き手がいなくなるとは思わない?
しかもその根拠がたかが「君がスレを読んだ印象の多数/少数」だぞ?そんなもののどこに絶対性がある?
だいたい書き手が金取ってるわけでもないんだ、多数派に媚びる必要性がどこにある?
ちなみに前出のジャンルの隔離はスレが荒れるのを危惧した書き手側の自主規制だよ?
(オレは2chなんだから雑多なものがあるのが当たり前だと思ってるし、嫌なの読んでも脳内スルー
できるからどっちでもいい派だった)

>貴子ルートで紫苑ほったらかしにデレデレしてる&紫苑ルートが後付ってことを考えると、「縁談自体ないもの」なんだろうけど。
それは君が納得するために選択したIFだよね?オレも本編やってるときはそのIFを選択したよ。
でもSSとして読む分には「貴子兄いい人でした」でも全く問題なく読めるよ。この差はいったいどこから来るんだろうね。

そしてコレ!一番重要!
いい加減オレの書き込みいいかげん長過ぎ!ヽ(`Д´)ノ


>>testさん
続けてくださいよろしくお願いします_| ̄|○
513名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 23:55:25 ID:Pl5YXkL3
なんでもありでいいじゃない
どうせ便所の落書きなんだから
他人のオナニーのぞいてえらそうに文句言う方が筋違い
514名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 00:16:13 ID:BCwuf/5v
内容よかいちいち書いてもいい?とか構ってチャソっぷり発揮されたり引き止めたりみたいなクサい三文芝居見せられる方がウザい
515名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 00:21:40 ID:BCwuf/5v
書きたいんなら黙って書けばいいし嫌になったんならスパッとやめる、そっちのがスマートだろ
外野の目気にして媚売って書いてて楽しいか?
それともマンセーしてもらうために書いてんのか?
まあ持ち上げられて必要な人扱いされるのは気分いいだろうけどよ
516名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 00:25:17 ID:DA+dgRiB
まあ、アレだ。書き手も自分が書いたモノが、読み手にどういう風に受け止められるか、ちょっと考えてみなさいってこと。
投下したら荒れそうだと思ったら、無用な摩擦を回避するためにもよそに書き込むとか、断りを入れるとか。
まあ、荒らす目的なら別だが。
なにより自分の作品を一方的にこき下ろされるのは、あんまりいい気分じゃないはず。それが主観的であれ客観的であれね。あ、マゾは別ね。
ここしか書く場所がないわけじゃないんだからさ。
場の雰囲気を読めるようになれば、読者に受ける作品も書ける筈。
517名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 00:48:10 ID:Ham/IAOF
レスが異様に増えてるから楽しみに覗いたら………orz
518名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 00:49:40 ID:+IQqn5hS
まぁこんな日もありますよ。
きっと皆さん整理中でイライラしていらっしゃるのですわ。
519名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:16:02 ID:kL9D43hM
そろそろ誰か投下しにきてよ。
このままだとつまらないよ。
520名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:20:30 ID:HGzX2wx+
ここってエロパロだろ?エロがあってナンボジャネーノ?誘拐された瑞穂と貴子が陵辱されまくるエロSSマダー?
521名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:23:42 ID:kL9D43hM
場の雰囲気見て書きなよ。
522名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:29:08 ID:HGzX2wx+
雰囲気?誰がそんなの決めたんだよ?脳内ルールの押し付けは勘弁(プ
523名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:31:52 ID:DA+dgRiB
他の迷惑を省みない、自己チューもな
524名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:35:27 ID:HGzX2wx+
俺は519みたいにリクってるだけだぜ?
ただクレクレ逝ってるだけじゃなくてどんなネタがいいかも提供してんだから書きやすいだろ?
迷惑どころか感謝してほしいくらいだけどな
525名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:39:06 ID:HGzX2wx+
上じゃ第三者がウダウダいうのはウゼって結論でてんだろ?
ネタもだせずあおりしかできないお前こそ消えな(プ
526名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:46:59 ID:HGzX2wx+
エロ書かないんなら紛らわしいからエロパロ板からでてけば?
板違いのスレで寄生するのが雰囲気読んでの行動とやらデスカ?(プ
527名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:47:58 ID:kL9D43hM
519と521はおえだけど。
キャラの組み合わせでマジに騒ぐのがいるとこに陵辱されまくるSSの話は騒ぎの元になる
と言いたいんだ。
528名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:53:49 ID:HGzX2wx+
だからそんなの騒ぐヴァカがおかしいって結論でてんだろ?
最新50レスもヨメマセンカ?
どんなのでも燃料投下になればいいんだろ?(プ
529名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:57:41 ID:LHIee1Zj
皆さん、優雅にスルーしましょう。
530名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:59:08 ID:DA+dgRiB
「ペンキ塗り立て」

まりや「うわーついたー」
瑞穂「なにしてるの! ペンキ塗り立てって言ったでしょう!?」
まりや「……」
瑞穂「塗り立てのトコに触ったらそうなるんです! わかりますよね!? ね!? わかっていますよね!?」
まりや「……」
瑞穂「なぜ触ったんですかーー!?」
まりや「……?」
瑞穂「不思議そうな顔をしないでくださいっ!!」

パクリで悪いが即レスを
531名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 01:59:51 ID:sZWXIjX4
いつものやつか
名無しだからいちいちIDであぼーんすんの('A`)マンドクセ
532名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 02:01:47 ID:HGzX2wx+
パクリもなにもキャラ名入れ替えただけじゃねえか
よくそんなん臆面もなく人前に出せるな
恥を知りなさい、あん♪とでも言えばいいのか?(プ
533名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 02:04:19 ID:DA+dgRiB
ネタもだせずあおりしかできないお前こそ消えな(プ
534名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 02:07:26 ID:HGzX2wx+
あおりすら自分で考えつかないとはかわいそうだな
535名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 02:19:43 ID:DA+dgRiB
ネタもだせずあおりしかできないお前こそ消えな(プ

自分のことは棚上げかよ(ププッ

さすがヒッキーだな
536名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 02:38:16 ID:PnS7Erij
まあぶっちゃけ俺も>>520みたいなの激しく読んでみたいけどね。
なんか投稿掲示板があんまり機能してないような。
けっきょくここの雰囲気に引きずられてる感がある
537名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 08:45:14 ID:jWMHd6Ik
凌辱ものは需要があっても供給がなさそうだが。
投稿掲示板のほうで近いのあるけど、
寸止め&夢オチ&それがメインじゃないし。
まあおとボクの雰囲気からするとアレが限度って気がするな。
538名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 10:48:38 ID:dTZwWda8
K様の所に逝ってこい>リョジョークスキー
539名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 14:07:18 ID:Vg/Ho0+4
540名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 23:15:21 ID:nPf7m9bY
>>526
マジレスすると。
エロの有無じゃなくて、元になってるゲームがエロゲだからエロパロ板な訳なんですが・・・
541誘導:2005/06/04(土) 23:21:55 ID:D6AXrJ/B
>>540
エロパロ板のローカルルールです。

>以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
>年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等

エロゲのスレはエロパロ板にあること自体が板違いです。
エロゲネタ&業界板http://pie.bbspink.com/erog/に移動してください
542名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 23:29:33 ID:h/Hf39F2
>>541
そこまで言うならどうやってスレを移動させるのか教えてくれ。
でなけりゃ移動できない。
543名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 23:47:06 ID:HO9ZyhoD
>>541
誘導厨?
544名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 00:08:58 ID:PGwc+wr6
eroparo:エロパロ[スレッド削除]
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1113496528/76-77

76 名前:  投稿日:2005/06/04(土) 23:25:26 HOST:sbyvtr.comp.dion.ne.jp
>>75
誘導しました。

削除対象アドレス:
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第7話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115118638/541で誘導
削除理由・詳細・その他:
5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
ローカルルール違反
>以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
>・年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等

エロゲーのスレは板違いです。


77 名前:削除屋@cyan ★ 投稿日:2005/06/05(日) 00:03:18 ID:???0
>>76
では現行スレ限りとします。

545名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 00:29:05 ID:evDy5MFE
元から板違いなのは指摘されていた事だし、
きっかけはどうあれ、エロゲネタへの移動は仕方ないわな。
546名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 00:41:13 ID:ZWotpz68
なんだかなぁ・・・
移動しても>528のようなやつは湧くんだろうな、きっと。
547test:2005/06/05(日) 00:43:59 ID:sbw//op3
話の流れを無視してSS投下します
548test:2005/06/05(日) 00:45:09 ID:sbw//op3

おボク様 あなざぁ 『来訪者』

 寮に帰る途中、緋紗子先生に呼び止められた。
「今日の入学者説明会で寮の見学を希望してる人がいるそうなのよ、デートの予定が無け
れば瑞穂さんにも寮の案内をお願いしたいんだけどいいかしら」
「デ、デートの予定ですか……」
 奏ちゃんとのことは、今朝早速まりやにバレてたんだけど、まさか緋紗子先生まで?!
「あら、周防院さんと交際しているんでしょ。大丈夫よ、そっちの方には私は理解がある
から。卒業まであと少しだし、あまり派手な事とかしなければいいんじゃないかしら」
 そう言って、ウィンクして飴を渡された。
「見学者の話、寮長さんにも伝えてね」
 そのまま行ってしまう。寮長?

 寮に帰って緋紗子先生の話を伝えると。
「ああ、寮長は一応あたしだから」
 まりやにあっさりそう言われてしまった。
「これでも、寮長は寮生の代表として日夜活動と努力を重ねているんだよ?」
 いや、それは嘘だと思うんだけど。まりやが寮長だという話も今はじめて知ったんだし。
「そんで、寮長として瑞穂ちゃんに命令。由佳里たちを寮に呼んできてくれない? 由佳
里は部活だと思うんだけど」
「いいけど、まりやが行った方が早いんじゃない?」
「あーダメダメ、いくら何にもしない寮長だって、こういう時に居ないのはダメだから」
 やっぱり何もしない寮長なのか。まあ、いいや。たぶん奏ちゃんも由佳里ちゃんも校庭
や部室に居るだろうし。

  続く
549test:2005/06/05(日) 00:45:56 ID:sbw//op3

 由佳里ちゃんは校庭に居た。
「すいません、着替えてすぐ行きますから」
 そう言って、校舎に向かって走って行く。後は奏ちゃんか。演劇部なのかな。校舎に向
かって歩いていると、入り口でいきなり声を掛けられる。
「おめでとうございます。瑞穂さん」
 おもしろそうに紫苑さん。
「ええと、その…何のことでしょうか…」
 もしかして……
「もちろん、奏ちゃんのことですわ。カフェテリアで奏ちゃんから洗い浚いお話頂くつも
りだったのですけど、ぜひ瑞穂さんも御一緒に」
 そう言って僕の手を取ろうとする。慌てて後ろに避けて、見学者の話をする。
「まあ、それでしたら私が奏ちゃんを呼んできますわ。お二人のお話は寮のほうで伺いま
すわね」
 そう言って微笑む。ああ、どうあっても逃げられないらしい。僕は諦めて紫苑さんにお
願いして寮に先に戻ることにした。

 寮に近づいて、不審な男が立っているのに気がついた。スーツ姿にサングラス。体格は
細いけど、多分何かで鍛えた…
 向こうもこちらに気がついたようで、こちらに体を向ける。隙が無い。まさか貴子さん
を襲った一味がまた?!僕はどうするか一瞬迷う。だけど、簡単に行かせてくれそうな相
手ではない。単純に逃げるよりも、向かって行って寮に入り、助けを呼ぶほうがまだ勝算
が高いか。覚悟を決めた。ゆっくりと相手の様子を伺いながら、寮に向かって歩く。
「おい」
 声を掛けられるが、無視して走り出す。一瞬面食らったようだけど、相手は僕を捕まえ
ようと手を伸ばしてきた。その手を取って間接を決めようとして、逆に殴られる。読まれ
ていたか。ガードした手が痺れる。
 相手は僕の手を外すと、一歩下がって植え込みに入る。

  続く

550test:2005/06/05(日) 00:47:03 ID:sbw//op3
 なぜ? 疑問に思いながら追ってしまい、また打撃を食らった。ガードするのが精一杯
だった。この前の連中よりも強い。下がろうする僕の顔面に細かい粒が当たる。砂のよう
なものを投げつけたらしい。しまった。さっき下がったの植え込みで土を拾うためだった
のか。
 僕は屈みこんで相手の足音を聞きながら、伸縮式の特殊警棒に手を伸ばす。あの事件か
ら隠し持つようにしてたんだけど、まさか使う日が来るなんて。冷静に間合いを測り、そ
して…
「やめて!!」
 まりや? 悲鳴に僕は相手の膝を狙った動きを止めて全力で後ろに下がる。驚いたこと
に、相手も特殊警棒を持ったまま僕と同じような動きをした。
「まりや?!」
 まりやは僕の前を走り過ぎて、相手に駆け寄る。
「お兄ちゃん、大丈夫?ケガは無い?!」
 お兄ちゃん?えっ?一瞬、頭の中が真っ白になる。相手はまりやを庇おうとするように
一歩前に出た。
「二人とも止めて、瑞穂ちゃん、この人は貴子のお兄さんだから止めて!」
 えー?! この人が噂の貴子さんのお兄さん?! 驚いたのは向こうもらしい。
「瑞穂って、この男は…」
「ごめん、事情は後で話すから。とにかくこの子が寮生の瑞穂ちゃんだから」
 その言葉に、相手は一瞬迷う様子を見せたけど、警棒をしまった。
「失礼。あなたの身のこなしから、女生徒の制服を着た男性が進入しているのかと『誤解』
しました」
 そう言って、僕に頭を下げた。誤解ということにしてくれるんだろうか。
「いえ、多分僕、いえ私が悪いんだと思いますから。こないだの暴漢も似たようなサング
ラスをしていたもので勘違いしてしまって、すいません」
 相手はサングラスを外して微笑んだ。
「私は貴子の兄の厳島貴彦と申します。先日妹の貴子を助けて頂いた方ですね。有難うご
ざいました。格闘して撃退というお話は伺っていましたが、失礼ながら納得しました」
 僕は話を聞きながら、噂よりもまともそうな人だと失礼なことを考えていた。

  続く
551test:2005/06/05(日) 00:47:53 ID:sbw//op3

 まりやは呆れたような口調で。
「まったく瑞穂ちゃんといきなり喧嘩してるんだもの。あたしが止めないとケガしちゃう
とこだよ」
 厳島さんにそう言うんだけど。
「まりや、厳島さんの方が私より強いから」
 厳島さんは笑って否定する。
「いや、止めて貰えなければ互いに足を砕いて、病院で挨拶することになってたでしょう。
引き分けということで」
「笑いごとじゃないと思うんだけど。互いに相手を不審者だと思ったんだろうけど、それ
でどうして、すぐ喧嘩するかな」
 厳島さんはまりやに謝りながら、僕に名刺をくれる。肩書きは青年実業家・厳島探偵相
談室主任探偵。まりやも覗き込む。
「貴彦さん、まだ趣味の探偵ごっこしてるの?」
「趣味と実益を兼ねてだよ。こないだはうちの探偵が何と生き別れの妹を探し出した」
「妹?」
「そう、鑑定までして親父の子どもだとわかった。母親は違うんだが、とてもいい子だよ。
今度ここの寮に入ることになってね。それで説明会に来たんだけど、私は二回目だから途
中で抜け出した」
 そうか、今度寮に入る予定の人が、その……
「貴子の妹なら大丈夫、しっかり面倒見るように後輩に言っときます。説明会が終わるま
で寮でお茶でも」
 まりやはそう言うけど、紫苑さんが奏ちゃんと寮に来ることになってたんだ。止めたほ
うがいいかも知れない。そう気がついた時には遅かった。

  続く
552test:2005/06/05(日) 00:49:26 ID:sbw//op3

 いつの間にか貴子さんを加えた三人が寮の近くまで来ていた。
「貴彦さん……」
 紫苑さんの声。表情はガラスのように凍てついて…
「あ、あの紫苑様…」
 何かを止めようとして口篭る貴子さん。そんな緊迫した空気に気が付かない様子で厳島
さんは…
「ええと、どこかでお会いしたことがありましたか?」
 そう言ってしまう。ええっ?!
 パシン
 紫苑さんが厳島さんの頬を叩く音が響く。そしてそのまま紫苑さんは走っていってしま
い、奏ちゃんが追いかける。厳島さんの顔と貴子さんの顔を交互に見て、まりやも慌てて
紫苑さんを追いかけた。
 パシン
 もう一度、もっと強く同じ種類の音が響いた。貴子さんがお兄さんの頬を叩いていた。
「お兄様、最低です! みんな、どれだけ紫苑様を傷付けるんですか?!」

  続く
553test:2005/06/05(日) 00:50:58 ID:sbw//op3

 しかし、厳島さんは解ってない様子だ。
「しおん?貴子の友達か?」
「お兄様の婚約者です。お忘れですか?!」
「俺が婚約なんてするわけ無いだろう!」
「お見合いの席に私も同席していました。間違いありません」
「しかし、お見合いなら先月もどっかの重役の娘としているぞ。まさか本人も知らん間に
婚約なんて……」
 そこで何か思い当たったように厳島さんは声を荒げた。
「そうか、最近様子がおかしいと思ったら、知らん間に婚約者を用意してたのか親父?!」
「ですから一度お会いしてます。知らないはずがありません!」
「見合い相手の胸のサイズ以外は会ってる最中から忘れることにしているんだ。顔だの名
前だのは覚えているわけが無いだろう」
「そんなこと威張れません! お兄様は女性を何だと思ってらっしゃるんですか?!」
「しょうがないだろう。結婚する気が無いんだから、向こうが断りやすいようにと…」
「断られてないじゃないですか!!」
 もう、兄妹喧嘩になってる。いい加減に止めないと。
「あの……」
 止めようと、声を掛けようとすると、二人とも気が付いたように口を閉じる。
「お兄様、この話は後にしましょう。今夜は家の方に帰って下さい」
 厳島さんはうなずいた。紫苑さんを追いかけていった二人が戻ってくる。
「紫苑お姉様、大丈夫だとおっしゃられて、帰られてしまいましたのです」
「何かあったの?貴子」
「そのことは後でお話します。」
「うーん、なんだか怪しいにゃー。まあ、寮の中でお茶でも飲みながらが来るのを……い
や、もう来たみたいだね」
 シスターに連れられて私服の女の子が、二人? 双子?

  続く
554test:2005/06/05(日) 00:53:25 ID:sbw//op3

 双子は、僕たちの前まで来ると同時に頭を下げる。
「和泉二子です」
「三子です」
「二人あわせてニコミコと呼んでください」
 声を合わせて挨拶?する。まりやはシスターと話して寮の案内を代わると、新入生二人
に向き直り、手早く僕たちの紹介した。
「ということは、二子、こちらのかわいらしいお姉さまと一緒に住むんですね」
 そう言って、双子の片方が奏ちゃんの手を取る。
「ずるいです二子ちゃん、三子も」
 もう一人も奏ちゃんに抱きついた。甘えてるのかも知れないけど、二人とも奏ちゃんよ
りも背が高い。そのまま、奏ちゃんの頭を胸元に引き寄せて、どっちが奏ちゃんを取るか
言い合いしてる。僕も参加したほうがいいのかな。
「瑞穂さま、奏は…一体どうすれば……」
 あ、ダメだ。両方から抱き付かれた形になってる奏ちゃんが泣きそうにしている。
「二人とも奏さんを放しなさい。失礼ですよ。それに寮生の方はもう一人いらっしゃいま
すから……」
 貴子さんが二人を止める。その時、ちょうどタイミング良く由佳里ちゃんが戻って来た。
「ごめんなさい、遅れました」
「それじゃ、こっちの先輩は三子の先輩です。そう決めちゃいました」
 そう言って双子の片方が由佳里ちゃんに抱き付いた。
「ひゃん?!」
 事情のわからない由佳里ちゃんは変な声を上げる。まりやは簡単に説明する。

  続く
555test:2005/06/05(日) 00:54:21 ID:sbw//op3

「それで由佳里、遅かったけど何してたの?」
 由佳里ちゃんは何かプリントをまりやに渡した。
「先生から新寮生の部屋割表を渡されたんですが、それに時間が…」
「ああ、それ貰って来たなら由佳里が次の寮長に決まり。お茶淹れとくから先に二人で寮
を案内して来て」
 まりやがプリントを見ながら、適当に次の寮長を決めた。
「はい、行って来ます!」
 新入生たちは元気に返事をして、奏ちゃんと由佳里ちゃんを引っ張って行く。まりやは
すぐにハーブティーを用意してくる。
「新しい寮生は二人だけ。でも元気な子たちだから、あたしたちが居なくなっても賑やか
になるかな」
 そのまりやの言葉を貴子さんは否定した。
「空元気ですわ。二人の母親は先日亡くなられまして、本当なら厳島の家で引き取るべき
なのですが、その…問題がありまして……」
「最初は私の事務所にでも置いとく積りだったんだが…」
 その厳島さんの言葉を貴子さんが凄い勢いで否定する。
「お兄様と一緒じゃ、あの子たちにも悪い噂になるじゃありませんか! 少しは落ち着い
てください!!」
「そんなこと今更言いわれても……そう思うだろう、まりやちゃん」
「いやー、あたしに話を振られても」
「お兄様!!」
 そこで戻ってきた双子が貴子さんたちに抱き付いた。
「お兄様、もうケンカしないで下さい。二子が悪いんです。ごめんなさい」
「お姉様、もうケンカしないで下さい。三子が悪いんです。ごめんなさい」
 貴子さんは二人を抱きしめて、宥めた。
「大丈夫ですよ、悪いのは二人ではなくて、お兄様なのですから、ね」
 そして、四人は仲良く?帰って行ったんだけど。

  続く
556test:2005/06/05(日) 00:56:17 ID:sbw//op3

 その夜の食卓で一年生二人は深刻な顔をしていた。思い詰めた様子で、まりやに。
「お姉様、ちょっと相談が……」
「奏たち、お聞きしたいことが…」
 そう言って迫る。
「あー、どうしたの二人とも真面目な顔して」
「私たち、その…もう少し大きくなりたいと思って、その……」
「あー、あの双子、あんた達より胸が大きかったからか、まあ、牛乳でも飲んで、運動す
れば?」
「そ、それもそうなのですが、それより奏たちは背の高さが気になるのですよー」
「あー、一緒一緒、乳製品と運動は基本だから。まあ、心配しなくても何とかなるよ」
「そうなんですか?」
「いや、何とかならなくても二人とも可愛いんだからいいじゃん」
「良くないのですよー。何とかしたいのです」
 うーん、背の高い由佳里ちゃんはまりやみたいになるんだろうけど、背の高い奏ちゃん
は想像出来ないな。気にする程のことではないと思うけど。
「まあ、二人とも早速新入生に慕われていたのだし、あまり気にしなくても良いと思うわ
よ」
 そう言って僕は二人を宥めた。
「いや、言ってることはあたしと変わらないんだけどね」
 まりやが混ぜっ返す。
 明日にでも貴子さんと紫苑さんと話さなきゃいけないことと比べると、可愛い悩みだと
思う。そして、明日、奏ちゃんとのことを聞かれて恥ずかしい思いをするぐらいのことは
悩みには入らないんだろうなあと僕は諦めた。

  終了
 あー、続けるには寮生がもう一人欲しい。どうしよう。
557名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 01:10:23 ID:dPqvDHNQ
う〜ん、前回は擁護派だったけど、今回はさすがに投稿掲示板行きの気がする。
オリキャラ俺設定ばっかりだし。


それを除いたとしても、ちょっと気になる点がいくつか。
・戦闘シーンの意味無し。俺キャラ格好いい?
・紫苑が逃げた理由がわからん。原作の紫苑なら毅然としてそうだけど。
・紫苑の話以降、台詞ばっかりでさらに展開が速すぎて、全然話が掴めない。

ニコミコって別ゲームのキャラ?おとボクしかこのメーカーの作品やってないから分からん。
558名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 02:18:21 ID:hnf6rwsZ
そうですね。
さすがに今回はちょっとどうかと思いますよ。
オリキャラといってもそこらのモブと同程度ならいいですけど、
ここまで重要なウエイト占めちゃうとねぇ。

何度も議論されてることですし、筆者も変なことで荒れるのもお望みでないでしょうし。

次からは投稿掲示板のほうに投下して、こちらに報告だけなさってはどうでしょう。
559名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 03:00:31 ID:pjR2D0zK
息子が2ちゃんねるに書き込みしてばかりいるで、
2ちゃんねるへのアクセスを止めたいのですが、
ここを荒らせば、アクセス禁止にしてもらえますか?
560名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 03:02:02 ID:pjR2D0zK
ついでに2ちゃんねるを閉鎖させたいと思うのですが、いい知恵はありませんか?
561名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 03:03:33 ID:evDy5MFE
また随分と古いコピペを持ち出したもんだな。
562名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 05:21:37 ID:qK4Yt7rl
ああっ、もうダメッ!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!!!
ムリムリイッッ!!ブチュブチュッッ、ミチミチミチィィッッ!!!
おおっ!ウンコッ!!ウッ、ウンッ、ウンコッッ!!!ウンコ見てぇっ ああっ、もう
ダメッ!!はうあああーーーーっっっ!!!
ブリイッ!ブボッ!ブリブリブリィィィィッッッッ!!!!
いやぁぁっ!あたし、こんなにいっぱいウンチ出してるゥゥッ!
ぶびびびびびびびぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!ボトボトボトォォッッ!!!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!!!
ムリムリイッッ!!ブチュブチュッッ、ミチミチミチィィッッ!!!
おおっ!ウンコッ!!ウッ、ウンッ、ウンコッッ!!!ウンコ見てぇっ ああっ、もう
ダメッ!!はうあああーーーーっっっ!!!
ブリイッ!ブボッ!ブリブリブリィィィィッッッッ!!!!
いやぁぁっ!ゆかり、こんなにいっぱいウンチ出してるゥゥッ!
ぶびびびびびびびぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!ボトボトボトォォッッ!!!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!
563名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 05:46:49 ID:zJsKNu7T
雰囲気最悪w
居直りにふさわしい末路だなw
564test:2005/06/05(日) 07:21:01 ID:cYVHMsPp
 内容批判は解るのですが、オリキャラを出すということを事前に予告していたのに、投下後にオリキャラの批判をされても……
 要望があったので何篇か使って3年生の話の準備をしてきましたが、反対があるようなので奏ブラックのエルダー篇を書くという話は無かったことにします。宜しく御了承下さい。
565名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 08:50:14 ID:P0DIQTwX
新興宗教のときみたくちょっと叩かれただけでまた途中放棄かwww
566名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 08:59:23 ID:sO/OXlTM
予告云々ではなく、オリキャラ出るなら投稿掲示板へ、という流れになっていたじゃないですか…
例え陵辱モノでも、事前に書けばこちらでもいいと、そうお考えでしょうか?
何度も半ば荒れそうになりながら議論されていたことじゃないですか。随分昔から書かれているtest氏もそれを見ておられるはずでは?

それに、次回予告と仰ってましたが、>>505の文章では私としてはその場でのノリなのか、オリキャラ出場の予告なのか、判断しかねました。
はっきりと「オリキャラが出ます」とかかれたほうがよろしかったかと。

そしてもうひとつ。>>557,558さんも、これ以上書くなと言っているのではないのですよ?
投稿掲示板のほうに今後は投下なさればいいと思います。
何故そこまで投稿掲示板に投下するのを拒否なさるのかがわかりませんけど・・・。
567名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:09:33 ID:rDxMsvv/
もういいっしょ、本人書かないって言ってるんだし。

漏れはtest氏の奏ブラック好きだったけど、
今回のSSは>>557にほぼ同意。

で、現スレ限りで葱に誘導されちゃったわけだけど、
あっちには既におとぼくスレあるんだが、住み分けるの?
それとも統合するの?

かなり雰囲気違うスレだから住み分けて欲しいんだが。
568名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:13:49 ID:sO/OXlTM
>>567
住み分けでいいとおもうけど。
コンセプトというかやってることは全然違うし。
向こうは随分とまったり(というか閑散と)してるけどねw
569名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:25:45 ID:YE1Qc3Wo
書き手がいないしこのスレで終了が自然な流れだろ
570名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:31:57 ID:Ia2B3NVb
残念だけどもう終わりでしょう…。
葱に移ってもスレ圧縮発動間際だから消えてしまうでしょうし。
571名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:43:53 ID:evDy5MFE
でも、今書いているのを投下できるところがなくなるのは寂しいなぁ……。
まりや祭り(あるのならだけど)を始める前に移行しちゃうのがいいかも。
572名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 09:48:26 ID:yQgipidE
一人消えたくらいで書き手が居ないといって見たり、
このスレが削除される訳でもないのに、今直ぐ葱移動→どうせ圧縮で消えるとか、
ミスリードしようと一生懸命な人がいますね。
573名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 10:00:49 ID:evDy5MFE
そんな微妙な煽りをするでないよ。
書き手はまだいる、それだけでいいじゃないか(´・ω・`)
574test:2005/06/05(日) 10:18:27 ID:OgXbIgkV
 こちらでの要望にあわせて奏エルダーの話を書く準備をしてきました。そのため、この
場に書くか、書かないのが自然なことだと思います。
 もちろん、他の場所がいけないと言うつもりはありません。しかし、こちらでの要望を
他所に反映する意思はありません。また、別の場所は別の性質を持っていますので、私に
は使いにくい点があるのも事実です。

 奏エルダーの話を書くとなると新しく下級生を出さないのは難しく、むしろオリキャラ
無くては成立は無理でしょう。
 オリキャラ出すなら他に行けという流れに決定したんだと言われても、過去の自他の作
品を御覧いただければ異論を持つ書き手が存在する事実は御了承頂けると思いたいのです
が。私の力不足もあって一部の方を不快にさせたことは申し訳なく思います。
 もちろん、オリキャラを出すと予告を書いて続けるか質問し、一日待って反対が無いの
を確認してから書くなどの配慮はしたつもりだったのですが……

 とりあえず、奏ブラックのエルダー篇を書くという話は無くなり、ネタも奏vs由佳里、
お見合い騒動、お姉様はママ?!、黒舞踏会とごっそり無くなって投下予定もさっぱりで
す。
 しかし、シリーズ内の構想を一つ止めたら書き手として引退だと言われるのは……
575名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 10:30:13 ID:0T2sAYMM
というか、スルーしろよ。
いろんなSSがあって当然。
いやなら専用ブラウザであぼーんもできるだろうし。

これは駄目あれも駄目
そういいはじめたら、書き手が居なくなっちゃう。
576名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 10:55:45 ID:sO/OXlTM
>>575
いやそういう問題じゃないですってば。
もう何度も議論されてることでしょう、オリキャラとか陵辱ものとか・・・
書くな、といっているわけでもないし、ちゃんと発表する場があるわけですから。
投稿掲示板にそういったものを投下したくないのなら、自粛してもらうしかないわけですが。

後は過去ログ参照してください。既出のことを何度も書くのもイヤですから。

>>test氏
では、今後はSSを投下する1レス前にでも、どんな属性のSSであるかや注意点などを「はっきり」明記していただけませんか?
そうすれば、それを見て読みたい人は読む、読みたくないヒトは読まない、ということが容易にできると思いますから。

もしその上で属性に対する批判があった場合はそれは批判ではなく荒らしですし、それに気にする必要はないでしょう。
577名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 11:06:08 ID:ryzhBBf1
>>576
なんか後半見てるとあらかじめ宣言しとけばどんなSSもありって読めるが。

お前らがごちゃごちゃ言うから書かねーよって人には、そうですかとしか言えないし。
578名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 11:32:59 ID:sO/OXlTM
>>577
後半のは、オリキャラものとかの話しではなく、それ以外の属性の話ですよ。
一昨日はカップリングの話で議論になってしまいましたし。

奏ちゃんのブラック化は、本編を見た上で、「ああ、もしかするとそうなのかも」と思えるところがあったので、好評なのだと思いますし、私も面白いと思います。
ですが、ここ2作を見ますと、やはり本編からは推察できない独自設定が多いですし、そういう点に問題があるのではないかと思います。

続きものですと、どうしてもそのように独自設定がでてきてしまうのはわかりますけれど、この辺を注意していたほうがいいかと。
せめて注意書きはきちんとしておいたほうが、場も変な空気にならずに済むかと思います。

事前に注意書き、っていうのは他のSS職人さんにもお願いしたいところかもしれませんね。
579名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 11:59:36 ID:evDy5MFE
とはいっても、独自設定やオリキャラ、「やらないか」や陵辱みたいな分かりやすいのはともかく、
どこまで注意書きすれば良いかの基準って難しい。

細かく書きすぎるとSS内のネタバレに繋がってしまうような気もするし、
そもそも注意書きしてまでここに投下するのでは、投稿掲示板の意味が……。
580名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:12:13 ID:6PL67Heu
>574
ちょい待ち。
その書き方だと、俺はお前らに書いてくれと頼まれたから書いてやってたのに叩くなんて失礼だって言ってるように見えるぞ。
それじゃ奏エルダー編書いて欲しかったら引き止めてくださいって誘いうけが見え隠れしてるような気がするぞ、漏れには。
それも何度も主張するもんだから、まるでSSを人質に誘い受けしてるようにとられて無駄な反感買ってるんじゃなかろうか。
あと自分の作風について来れない奴が悪いと言わんばかりの態度もどうかと。
581名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:17:18 ID:ryzhBBf1
もう板移行したらいっそ何でも有りにしちゃえば。
事前に凌辱、オリキャラ、グロ、スカトロ等注釈付きで。
582名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:21:58 ID:sO/OXlTM
>>579
そうですね。どこまで・・・っていうのは難しいです。
あまり細かいところまで追求するとSSなんて書けなくなってしまいますものね。

だから、大きなテーマとして独自設定になってしまったもの、例えばtest氏のおとといのなら、
「原作にはないカップリングがあります」もしくは「まりやが瑞穂以外とくっついています」
など、このあたりのことまでは書いておいたほうがいいのではないでしょうか。

独自設定といっても、本編を考慮した上で、読み取れるようなものなら書かなくていいとは思いますけれど。
例えば、由佳里が卒業後陸上の選手になった、とか奏が女優になった、とか。
583test:2005/06/05(日) 12:32:29 ID:UWrdI6ti
 注意書きを書く事を私はしません。理由は三つあります。
・負担が増す。
・本文の展開を事前に記述することで本文の魅力を損なう可能性がある。
・まとめサイト様の機能と重複する。
・効果に疑問がある。今回、簡単な注意書きを付記するのに相当の行為を行っているが効果が見られてない。
 おそらく、そこまでの対応には多くの書き手が躊躇されるでしょう。現状がそれを示しています。

 また、繰り返しとなりますが奏エルダー篇はオリキャラ抜きには無理です。
 オリキャラを許容するかどうかは作風以前の問題で、そのような問題がある限り、仮に引き止められたとしても書きようがありません。誤解を与える表現など御座いましたら失礼致しました。お詫び申し上げます。
584名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:32:39 ID:hnf6rwsZ
ちょっと思ったんだけどさ、
ここまで来ちゃうともはや貴子兄ってオリキャラじゃね?

原作だとうわさとか貴子の話しかないし。実際どんな人間かわからんし。ぱっと出ならいいけどここまで来ちゃうとなあ。

慶行パパは会話あったし、紫苑ルートで瑞穂殴ったり、瑞穂の髪の件があるからいいと思うけどさ。
585名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:59:47 ID:6PL67Heu
>583
いや、オリキャラ使うなっていうのじゃなくて。
オリキャラを主役並みに重く扱いすぎてるのが問題視されてるんじゃなかろうか。
もちろんオロキャラを万能キャラにするな、愚鈍なキャラにしろって意味じゃなくて、
あくまでも本編の登場人物、それも話自体の主役を食うような大活躍をさせるなって意味で。
オリキャラ登場にインパクトを与えたいからといって、本編のキャラを刺身のツマみたいな単なる引き立て役扱いにするようなのは本編ファンの反感買ってもおかしくないような。
586名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:08:07 ID:ryzhBBf1
もう書きたくないって人間にいつまでも構うなよ。
他の書き手さんまで居なくなるじゃないか。
どのみち今の雰囲気じゃ投稿しないだろうけどさ。
587名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:20:45 ID:cvoesM9G
べつにオリキャラが主役並みに目立ってもいいと思うが。
主役を目立たせるために脇役を目立たせるやり方も有るんだし。
どんなに強い光も慣れれば普通になるからね。
588名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:22:57 ID:evDy5MFE
>>587
ま、そうなんですが、嫌という人がいる以上、何らかの配慮は必要ではないかと。
589名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:24:48 ID:pjR2D0zK
楓は異常なくらい早熟だった。
股間はもう大人だった。
体つきも、もう中学生かと思われるほど大きくなっていた。
大きなあごには、太いひげが勢いよく生え始めていた。
楓の一番の楽しみは、自分の股間の肉棒を握りしめること。
溶鉱炉から出てばかりの鉄の塊のように熱いそれに刺激を与えると、
エネルギーがさらに蓄積されて熱くなった。
どんなに熱くなってもその強靭な武器は、目的を達成するまでは溶けることはなく、硬く大きくなり続けた。
オカマとしての楓の人生はこのころスタートしていた。

楓は幼稚園では、女の子たちの股間をよく研究した。
でも、そのうち、そんな幼い体なんかには興味を失い、研究の対象は先生に移っていった。
その研究成果をもとに楓は
「わたしは、やっぱり女の子なんだ」
と思い、その思いが自らの股間を大きくさせていた。
でも、母親はそんな早熟な楓を心配して
「この子はどんなおっさんになるんだろうね。もう、おっさんだけど」
と、自らの夫に話していた。
しかし、夫は
「楽しみだな。どれだけたくましくなるか。ただ、言葉遣いとかがちょっとなよなよしているのが気がかりだな。お前、ちゃんと、しつけろよ」

作者としても、楓がこの後、どのように成長するのか楽しみだ。
590名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:28:56 ID:ryzhBBf1
だから事前に一言注釈付ければ良いだけ。

そもそも漏れらは投下されたの読むだけなんだから、好き嫌い程度ならともかく、
ここに書くなとかなんとか、あまりごちゃごちゃ口うるさく言うべきじゃない。
591名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:32:16 ID:cvoesM9G
そうでうね。ある程度のガイドラインでも作りますか?。みんなで話し合って。
どうでしょうか。
592名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 13:35:24 ID:6brUQZyQ
>>538
それどこにあるの?
593名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 14:24:43 ID:sO/OXlTM
>>591
そうですね。何度もこのような議論をして無駄に容量を取るのもどうかと思いますし、
作ったほうがいいかもしれませんね。

-------------------------------------------------------
<投稿掲示板への投下をお願いするもの>
・陵辱・必要以上の暴力表現があるもの
・クロスオーバーもの
・オリキャラが原作の登場人物より目立つもの、もしくは同程度の立場であるもの


<投稿掲示板への投下、もしくは投下時に注意書きをお願いするもの>
・原作からは読み取れない独自設定が強いもの
・キャラクターの性格が著しく変わっているもの


※投稿掲示板に投下された場合は、こちらにも是非ご報告下さい。

※オリキャラが登場していても、店員Aとか生徒Aなどといたモブと同程度(名前が無くても平気)の役割ならOK。
※一発ギャグものの場合は原作から離れていてもOK。
-------------------------------------------------------

こんな感じでしょうか?
「エルダーマスク」など一発ギャグものに関しては皆さん楽しんでおられたようなので、一番下のも足しておいたのですが。
594名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:06:47 ID:evDy5MFE
そんなところかな。

ただ、
> ・オリキャラが原作の登場人物より目立つもの、もしくは同程度の立場であるもの
としているので、

>オリキャラが登場していても、店員Aとか生徒Aなどといたモブと同程度(名前が無くても平気)の役割ならOK。
こちらは無用な気が。

あと、
> ・陵辱・必要以上の暴力表現があるもの
は、

陵辱、必要以上の暴力表現、グロ、スカトロ等、読み手を限定する作品

のようにした方がいいかもしれんね。
このままだと「じゃ、スカトロはOKだなっ」とかなりかねんし。

あとは何かあるかな。
595名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:25:27 ID:cvoesM9G
分からないときは聞いてね。で好いんじゃない。
596名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:35:05 ID:ryzhBBf1
じゃ次スレ立てる前にそれ改めて投下、移行についても注意促すと。
597名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:52:18 ID:1LDYfxaR
で、次スレは何処に、どんな形で立てるの?
598名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:56:23 ID:pWsob8V9
ガイドライン?
ムダムダ、今までそれ系の話散々やっといてこの体たらくだろ(w
599名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 16:03:08 ID:cvoesM9G
今度はだいじょぶだろ。ちゃんとガイドライン載せてるから。
600名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 16:08:33 ID:ryzhBBf1
>>597
ここが埋まったらエロゲネタに立てる、で。
続きってことで良いでしょ。
601テンプレ案:2005/06/05(日) 16:09:05 ID:KxTOOoAi
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節をもって進行していきましょう。
sage進行で。

・前スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第7話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1115118638/

メーカー公式
http://www.caramel-box.com/

処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)
http://www.type90.com/otome/index.html
602テンプレ案:2005/06/05(日) 16:09:37 ID:KxTOOoAi
・過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110659167/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第5話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111757700/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第6話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112791250/

・関連スレ
キャラメルBOX Part18
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1116818752/
処女はお姉さまに恋してる 第19話
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1117531518/
おとぼく風におっしゃると
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1107183479/l50


おとボクSS投稿掲示板
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php

「処女はお姉さまに恋してる」まとめサイト
http://takayan.s41.xrea.com/otoboku/
603テンプレ案:2005/06/05(日) 16:10:12 ID:KxTOOoAi
Q&A その1

(;´Д`)<オリキャラ出したいんだけど……
(・∀・)<オリジナルキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合、受け入れられない
     事の方が多いようです。そんな作品の場合は投稿所の方が無難ですが、最終的な判断は作者さんに
     委ねられます。
     もし、これは大丈夫だ、と思ってスレに投下して、投稿した作品にケチをつけられたとしても、
     それはそれで一つの事実ですので素直に受け止めましょう。
     次の投稿時にその経験を活かしてください。

(;´Д`)<そんな固い事言ってたらオリキャラ使えないじゃん
(・∀・)<そんなことはありません。原作に登場してはいないものの、その世界に間違いなく存在しているキャラ
     (一般生徒・店員・通行人)等のいわゆるMobは、登場させても問題ありません。
     但し、それでもし投稿した作品にケチをつけられてとしても、それはそれで一つの事実ですので素直に
     受け止めましょう。次の投稿の時にその経験を活かしてください。

(;´Д`)<原作キャラの性格を弄りたいんだけど、どの程度なら大丈夫なの?
(・∀・)<極端に変わっていなければ大丈夫です。が、だからといってスレに投稿してケチをつけられてとしても、
     それはそれで一つの事実ですので素直に受け止めましょう。
     次の投稿の時にその経験を活かしてください。
     例外的に、笑いを取りに行った場合には受け入れられる事もあるようです。
604テンプレ案:2005/06/05(日) 16:10:50 ID:KxTOOoAi
Q&A その2

(;´Д`)<瑞穂ちゃんがあまりにも可愛いので、おかま掘りたいんだけど……
(・∀・)<どうぞ掘ってください。但し、作品が出来上がったときはスレの方ではなく、投稿所へお願いします。
     逆に瑞穂ちゃんが掘っちゃった場合も投稿所を利用してください。

(;´Д`)<マリみてとか、極上生徒会なんかとクロスオーバーさせたいんだけど……
(・∀・)<クロスオーバー物は、混合物の元ネタを知らない人もいますので、投稿所の方へお願いします。

(;´Д`)<瑞穂ちゃんを襲った○○が許せません! お仕置きしてもいいですか?
(・∀・)<構いませんが、必要以上の暴力・陵辱・強姦・輪姦・監禁・調教・SM・スカトロ・グロ・強制妊娠・
     達磨プレイ・死姦・人体改造・触手・食人等、読み手を限定してしまうような表現がある場合は、
     投稿所の方へお願いします。
     また、直接的な表現が無くても鬱な展開になった時は受け入れられない場合もあります。


     ※投稿掲示板に投下された場合は、こちらにも是非ご報告下さい。
605テンプレ案:2005/06/05(日) 16:11:50 ID:KxTOOoAi
タイトルは

【女装】処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第8話【百合】

あたりでどうかな。
606名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 16:13:29 ID:evDy5MFE
ガイドラインがあるから大丈夫と思うのは早計だけど、歯止めくらいにはなるといいな。

>>605
テンプレ作成乙。
スレタイは余計な飾りをつけずに 「処女はお姉さまに恋しているSSスレ 第8話」でいいんじゃないの?
607名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 16:30:20 ID:uoXB+dAf
NTRや俺キャラが原作ヒロインを喰っちゃう話とかは明記しとかなくていいの?
いや、私はそういう話は抵抗あるんで、他にもそういう人いるんでないかと。
608test:2005/06/05(日) 16:51:37 ID:3/C28dn+
> 「エルダーマスク」など一発ギャグものに関しては皆さん楽しんでおられたようなので、一番下のも足しておいたのですが。

 それでは「紫穂」シリーズなども皆さん楽しんでおられたようなので、オリキャラの規
定も外されますか。また、例えば明日にでもクロスオーバー物で面白い作品が投稿された
らどうされるのでしょうか。


 我侭ですが投稿の判断は書き手に出来るだけ残して頂きたいと思うのです。敷居を低く
して一人でも多く書き手が参加できるように、ぬるべく温かい目で見つめて下さい。参加
を認めた上で、その内容を批評されるのは当然のことですが、規制の過度の強化は書き手
への枷になりかねません。
 また、少なくとも現行では投稿掲示板の著作物の扱いはこちらと異なります。投稿掲示
板も一つの素晴らしい選択肢なのですが、そちらを利用すべきだとされても困る場合があ
ることも御理解いただければ幸いです。

 これは一書き手として参加者の皆様に対して寛容を求めるお願いです。一読されました
ら少しだけ考えていただければ有難く思います。
609557:2005/06/05(日) 17:06:05 ID:dPqvDHNQ
黒奏エルダーの要望をだしたのは私です。
テンプレ案がでてるから今更ごちゃごちゃ言うのもなんだけど、引き金を引いたっぽいので
一応コメントしておく。


で、今回の批判とオリキャラの是非を混在されても困る。>>557をそう読まれたのなら
こっちの説明不足か文章力不足なんだろうけど。

黒奏エルダー編の場合、奏をとりまく人間という意味でオリはどうしても削れないけど、
それはあくまで主体が奏だという前提がある。たとえば、エルダーとして成長するために
奏を慕う妹役が必要だ、とか。

でも今回は、オリキャラの為だけのSSで、しかも必要も無く戦闘シーンを絡めたりと
オリキャラというより俺キャラ臭がしたから非難した。
しかも「引き分けということで」なんて余裕ぶっこいてるキャラは、「原作キャラを踏み台にしている」
ととられてもおかしくないと思う。

エルダー編はできれば投稿して欲しいけど、作者のやる気が失せたのなら、まあしょうがないな。
強制できるものでも無いんだし。
復活は望んでる。マジで。
610名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 17:10:05 ID:ryzhBBf1
>>608
あなたの投下した貴子兄については楽しんでる人間がいなかったようだが。

ってか、流れ読まずに投下しといて叩かれたらごねる、
だったら別に嫌な思いしてまで書いてくれなくていいよ
ってだけの話なんだが。
611557:2005/06/05(日) 17:10:50 ID:dPqvDHNQ
あ、書いてる間にtest氏の書き込みが…


言いたいのは「俺キャラだけは余所で懲りたから」って事だけです。
キョウとかシンとか神尾ヒナタとか。あるいは黒アキトとか神シンジとか魔族の横島とか。

投稿の判断は最終的には作者の判断なんで、その点はtest氏の意見に異論はないです。
612名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 17:19:59 ID:sO/OXlTM
>>テンプレ案
お疲れ様です。

>>607
そういうのもあまり好ましくないですよね。
寝取られは原作の雰囲気からすると合いませんし。
俺キャラがヒロイン食べちゃうのも抵抗強いでしょうしね(っていうかオリキャラな時点で投稿掲示板のほうがいいですが)。

>>test氏
誰も「書くな」と云ってはいません。
投稿掲示板というちゃんと投下することが出来る場所があるんです。
何故そこまで投稿掲示板を嫌がるのかわかりませんが・・・。
現に、こちらにも書かれている職人さんも利用されていますし、問題があるとは思えませんが。

「紫穂ちゃん」に関しましては、紫苑と瑞穂の子、というただのオリキャラというより、かなり現実みを帯びたキャラでした。
そして、「紫穂ちゃん」がメインというよりも、周りの奮闘を楽しむ、といった感じだったので好評だったのではないでしょうか。
ただ、それでも一時期荒れました。

明日にでもクロスオーバーでいいものが・・・と現実味の無いことを言われましても困るわけですが・・・。
クロスオーバーの場合、たとえいいもので元ネタがわかる人にとっていいものだったとしても、その元がわからない人にとっては、オリキャラ三昧なのと同じです。

それに、規制と申しますが、これまで投下されたSSの多くは、このガイドラインに引っかからないと思います。
そして、引っかかるようなSSが投下される毎にこのような議論が再燃するのは不毛です。

>>609
オリキャラの是非に関しましては、このテンプレ案の内容でいいと思いますけれど、いかがでしょう。
613名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 17:50:20 ID:1LDYfxaR
携帯で投下する書き手もいるんだけどなあ

それに、管理人にIP抜かれる所じゃあ、匿名掲示板の気楽さがねぇ
614test:2005/06/05(日) 18:01:30 ID:UYTeocFo
> で、今回の批判とオリキャラの是非を混在されても困る。>>557をそう読まれたのなら
>こっちの説明不足か文章力不足なんだろうけど。

 作品への批判として拝見させて頂きました。ありがとうございました。
 予告したにも関わらず、作品の中でオリキャラをうまく使用しているかどうかの批判で
はなく、オリキャラを使用すること自体への非難が他にございました。そのため奏ブラッ
クのエルダー篇は失礼ながら取り止めさせて頂きました。申し訳ございません。



>明日にでもクロスオーバーでいいものが・・・と現実味の無いことを言われましても困るわけですが・・・。

 すいません、単なる例だったのですが文字通りに受け取られるとは思いませんでした。
失礼しました。
 私が主張しているのは、ある種の作品にはオリキャラが必要だったり、他作品の設定が
必要なことがあるということです。実際には過去に様々な作品でキャラの改変、オリキャ
ラ、クロスオーバーが受け入れられています。そのことは「紫穂」シリーズの一部につい
て御認めになられていらっしゃるようですが、いかがでしょう。
 明日にでも「紫穂」シリーズのようなものが投稿されるとして、オリキャラを使用した
ということだけで他に行けということになるのは、寛容では無い以上にマイナスなのでは
ないでしょうか。そのためにも投稿の判断は書き手に出来るだけ残して頂きたいと思うの
です。



> 何故そこまで投稿掲示板を嫌がるのかわかりませんが・・・。
>現に、こちらにも書かれている職人さんも利用されていますし、問題があるとは思えませんが。

 既に著作物の扱いが違うことを理由に挙げております。疑問がございましたら使用上の
規定を御確認されるようお勧めいたします。読者の立場からは同じように扱われて結構な
のですが、作者や編集者には別であることは、すぐに御確認いただけると思います。
615名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:27:39 ID:cvoesM9G
> 何故そこまで投稿掲示板を嫌がるのかわかりませんが・・・。
>現に、こちらにも書かれている職人さんも利用されていますし、問題があるとは思えませんが。

おれは、投稿掲示板を嫌がるのかわかるよ。
せっかく作っても管理者が気に入らない(掲示板に似合わない)と判断されれば削除されるのは
嬉しくない。
616名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:38:37 ID:cvoesM9G
615で書き忘れたんだけど、投稿掲示板を批判してるわけじゃないよ。
617某 ◆518YLv.Xnc :2005/06/05(日) 18:42:06 ID:q7wYKJ+c
すごい勢いで話をぶった切りますが

一ヶ月ほど前に投下した話の続きがそろそろ出来上がりそうなんですが、こんなに間が空いてしまったので
ここではなく、投稿用の掲示板の方にやったほうがいいかどうかを質問に来ました
自分としてはここではない方がいい気がしますが、どうでしょうか?
618名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:51:25 ID:rDxMsvv/
>>617
今ここで投下して割り込まれたりするよりは、あっちのほうが。
619名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:55:23 ID:rDxMsvv/
連カキスマソ。
もう450kb超えたわけだが、テンプレは>>601-604でいいの?
良ければそろそろ立てたほうがいいのかな、と思うんだが。
620名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:57:40 ID:cvoesM9G
ガイドラインに触れなければ、ここで良いと思いますよ。
621名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:58:24 ID:evDy5MFE
>>619
どうすればいいか分からないときは皆に聞いてみてねってのを付け加えてくれればいいんじゃないの?
622名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:01:25 ID:sO/OXlTM
オリキャラに関しては、
× オリキャラが原作原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合
○ 一般生徒・店員・通行人等のいわゆるMob
でいいんじゃないでしょうか。

紫穂ちゃんのように完全にオリキャラとは言えない(結婚する以上いずれ子供は作るでしょうし)キャラの場合は
受け入れられるかもしれませんが、俺キャラなオリキャラは受け入れられることはまず無い、ということはおわかりでしょう。

オリキャラを含む、おとボクの雰囲気に合わないSSに関してはここ以外で、ということは随分昔から議論されていたことです。
そしてその投下場所として、投稿掲示板の管理人の方から申し出ていただき、現在のように投稿掲示板へ、ということになったのです。
ですから、>>615さんのおっしゃるようなことはなさらないと思います。(但しクロスオーバー関係に関してはまた管理人さんとご相談する必要があるかもしれません)。

どうしても投稿掲示板がお嫌でしたら、別のスレッドや、自分のホームページを立ち上げてそこで公開してはいかがでしょうか。
少なくとも、貴方の我侭でこれまでの流れを覆しては、自分のSSがこちらには合わないと感じて投稿掲示板に投下なさった職人さんに失礼であることはお分かりになると思います。

「寛容」とは何でも好き勝手にやっていい、という意味ではありません。
発表する場は既にあるわけですから、十分寛容であると私は思います。


>>617
せっかくSSを書いていただいたのに、このような雰囲気で申し訳ありません。
このような状態ですので、あちらに投下なさったほうがいいかもしれませんね。

あ、でも新スレを立てるなら、そちらに投下されるのもいいかもしれません。
この議論はこのスレで終わりにしましょうね。


>>619
まとめとして「おとボクの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿掲示板へ」というのを入れてはどうでしょう。
623名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:07:27 ID:D526FRDg
>620
>544
いいからお前もう黙ってろ。
さっきからズレた事言ってる自覚ないのか?
624名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:09:40 ID:rDxMsvv/
>>623
いや、>>620>>617に対してでしょ?
625テンプレ修正 603から:2005/06/05(日) 19:28:42 ID:rDxMsvv/
Q&A その1

(;´Д`)<オリキャラ出したいんだけど……
(・∀・)<オリジナルキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合、受け入れられない
     事の方が多いようです。そんな作品の場合は投稿所の方が無難ですが、最終的な判断は作者さんに
     委ねられます。
     もし、これは大丈夫だ、と思ってスレに投下して、投稿した作品にケチをつけられたとしても、
     それはそれで一つの事実ですので素直に受け止めましょう。
     次の投稿時にその経験を活かしてください。

(;´Д`)<そんな固い事言ってたらオリキャラ使えないじゃん
(・∀・)<そんなことはありません。原作に登場してはいないものの、その世界に間違いなく存在しているキャラ
     (一般生徒・店員・通行人)等のいわゆるMobは、登場させても問題ありません。
     但し、それでもし投稿した作品にケチをつけられてとしても、それはそれで一つの事実ですので素直に
     受け止めましょう。次の投稿の時に(ry

(;´Д`)<原作キャラの性格を弄りたいんだけど、どの程度なら大丈夫なの?
(・∀・)<極端に変わっていなければ大丈夫です。が、だからといってスレに投稿してケチをつけられてとしても、
     それはそれで(ry
     例外的に、笑いを取りに行った場合には受け入れられる事もあるようです。
626テンプレ修正 604:2005/06/05(日) 19:29:27 ID:rDxMsvv/
Q&A その2

(;´Д`)<瑞穂ちゃんがあまりにも可愛いので、おかま掘りたいんだけど……
(・∀・)<どうぞ掘ってください。但し、作品が出来上がったときはスレの方ではなく、投稿所へお願いします。
     逆に瑞穂ちゃんが掘っちゃった場合も投稿所を利用してください。

(;´Д`)<マリみてとか、極上生徒会なんかとクロスオーバーさせたいんだけど……
(・∀・)<クロスオーバー物は、混合物の元ネタを知らない人もいますので、投稿所の方へお願いします。

(;´Д`)<瑞穂ちゃんを襲った○○が許せません! お仕置きしてもいいですか?
(・∀・)<構いませんが、必要以上の暴力・陵辱・強姦・輪姦・監禁・調教・SM・スカトロ・グロ・強制妊娠・
     達磨プレイ・死姦・人体改造・触手・食人等、読み手を限定してしまうような表現がある場合は、
     投稿所の方へお願いします。
     また、直接的な表現が無くても鬱な展開になった時は受け入れられない場合もあります。

(;´Д`)<携帯だから投稿所使えないyo!使えるけど投稿所ヤダ!
(・∀・)<仕方ないので事前に1レスつかって傾向報告、あぼーんできるようにコテ、ケチつけられても
     文句言うのはやめましょう。でも可能な限り投稿所利用してください。



(・∀・)<おとぼくの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿所へ、どうすればいいか分からないときは
     皆に聞いてみて下さい。
627名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:31:58 ID:rDxMsvv/
>>613-614を受けてちょいと変えてみました

特に問題なければ、これで葱に立ててみます。
628名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:34:24 ID:evDy5MFE
>>627
お疲れ様でした。結構だと思います。
629test:2005/06/05(日) 19:45:26 ID:MdoXtw8U
> オリキャラに関しては、
>× オリキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合
>○ 一般生徒・店員・通行人等のいわゆるMob
>でいいんじゃないでしょうか。

 これに関しては御自分で『紫穂』シリーズという例外を認めていらっしゃるようです。
単純に『原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合』に受け入れられな
いのではなく、必然性や表現力が問われるべきなのでは無いでしょうか。


>少なくとも、貴方の我侭でこれまでの流れを覆しては、自分のSSがこちらには合わないと感じて投稿掲示板に投下なさった職人さんに失礼であることはお分かりになると思います。

 ええと、規定上の問題から人によっては利用できない場合があると書いています。違う
物なのなのですから、そういうことがあるのはむしろ当然です。私の判断で投稿掲示板を
利用しないことで、投稿掲示板とその利用者を非難しようという意図はありません。
 『投稿所にお願いします』とされても対応できなかったり、『投稿所を利用してくださ
い』と指定されても無理な場合があるということです。もちろん、指定ではなく推奨なら
ばよろしいかと思いますが。


>>627

 というわけで、『投稿所を利用してください』は『投稿所がお薦めです』ぐらいの表現
の方がよろしいかと思います。細かい話ですいません。


>「寛容」とは何でも好き勝手にやっていい、という意味ではありません。

 もちろん、そのような意味では寛容という言葉を使っていません。一部の方が利用され
ていらっしゃる場所を何かの理由で利用できない人がいても、失礼だと決め付ける前に、
相手の主張を誤解している可能性を再考される程度の寛容をお願いできればとは思います
が。
630名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:47:02 ID:sO/OXlTM
>>627
OKだと思います。
それではスレ立てよろしくお願いします。
631名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:47:17 ID:tt9Dybf0
【】は抜くと言う話もありましたが
いままでSSスレ来てなかった人の流入もあるので
【百合】は無い方が無難だと思う
632名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 19:56:12 ID:D526FRDg
>629
とりあえずさ、自分の主張を押し通す前に「なんで紫穂シリーズは受け入れられたのに自分の作品は受け入れられなかったのか」を考えようよ。
きっと成長の糧になると思うよ?
言っておくけど、潔癖厨が過剰反応してるだけってのは無しだからね。
好悪の問題じゃなくて、作品そのもののコンセプトによる問題だから。
633名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:03:31 ID:sO/OXlTM
それでは、test氏は陵辱ものや俺キャラ大活躍ものであっても、投稿掲示板が利用できなければこちらに投下してもいい、と仰るのですか?

それはこれまでの流れもありますし、到底受け入れられません。
投稿掲示板がお嫌なら別のSSスレか、自分のHPで発表するか、自粛してくださるほうがよろしいかと。



「紫穂」に関してもお答えしようかと思ったんですが、>>632さんの仰るとおりだと思いますので、後はご自分でお考えを。
634名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:05:38 ID:do2kmGxe
てか、もういい加減に黙っとけ。>test
投下するならスレの空気読んで、タイミング見てまた投下しろよ。
マジうざくなってきた。
こんなんじゃいつまでたってもテンプレ作れないよ。
635627:2005/06/05(日) 20:10:00 ID:rDxMsvv/
じゃスレタイは「処女はお姉さまに恋しているSSスレ 第8話」でいきます。

>>629
>>626の下から2つめでその辺フォーローしたつもりですが…

30分ほど様子見て他に異論がなければ立てます。
636test:2005/06/05(日) 20:19:06 ID:W/yqaUWp
>>632

 平たく言って質が低いのではないかという批判は既に頂戴し、一つの作品としての品質
については反省もございます。
 ただ、その事とは別に、単純に
>× オリキャラが原作キャラよりも目立つ物、また、同程度の立場である場合
 としてしまっては問題があるのではないかと別の例を挙げて書いたのですが。


>それでは、test氏は陵辱ものや俺キャラ大活躍ものであっても、投稿掲示板が利用できなければこちらに投下してもいい、と仰るのですか?

 例えば陵辱物をこの場に投稿出来ないと判断しても、投稿掲示板が利用できない事もあ
るでしょう。そのような場合にまで投稿掲示板の利用を求めるべきではありません。
 しかし、この場に投稿出来ないと判断したものを、どうしてまたこの場に投稿するので
すか?


>>635

 いえ、細かい話ですので難しいようでしたらお気になさらずにどうぞ。
637名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:21:40 ID:evDy5MFE
あ、ごめん。

「処女はお姉さまに恋している」

じゃなくて

「処女はお姉さまに恋してる」

だよね。

肝腎とも言える、原作のタイトルを間違えてしまい、御迷惑をおかけしました。
これでSS書きだってんだから笑わせるぜ……ははははは。

   ∧∧
   /⌒ヽ)  逝ってきます。
  i三 ∪
 ○三 |
  (/~∪
  三三
 三三
三三三
638名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:23:06 ID:MG528Fd9
みんなtest以外の職人さんに逃げられないように必死ですね
639名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:23:49 ID:D526FRDg
いや、だから。
質が低い云々じゃなくて方向性の問題。
紫穂シリーズだってリレーだけに作者による質の高低は当然あったわけで。
それでも一部の粘着以外には素直に受け入れられたのはどうしてだと思う?

それは自分で考えてもらうとして、表現についてのアドバイスもどきでも。

まずバトルシーン。
貴子兄が格闘術の達人だと言うことを伝えたかったんだろうけど、実際に戦わせる必要はなかったと思う。
ある程度以上の達人同士なら拳を交えずとも相手の大まかな力量を推測できるものだし、睨み合って膠着状態のところにまりやが仲裁に入ったという表現で十分だったと思う。
で、「あの人強いよ。先の先を取ろうとしたけれど、隙がなくて攻め込めなかった」とでも言わせれば十分腕前が上だと強調できるわけで。
ただの一学生である瑞穂よりも強い奴なんて腐るほどいてもおかしくはないし、負けても不自然なことはないけれど、いきなり殴りかかったうえに手も足も出ないってあれじゃただの噛ませ犬。
瑞穂のファンが多い場所でそんな扱いをしたらどう思われるか考えてみてはいかがだろうか。

次に双子について。
パワフルな猪突猛進娘ってことを表現したかったんだろうけど、いくらなんでも馴れ馴れしすぎ。
おまけにいきなり重い設定を持ち出して文句を封じさせ、行動を正当化させるのもどうかと。
640627:2005/06/05(日) 20:28:04 ID:rDxMsvv/
>>637
漏れもぜんぜん気付いてませんでした。
立てる前に気付いていただけて良かったw

それではそろそろ立ててきます。
641名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:35:21 ID:rDxMsvv/
立てました。

処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第8話
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1117971026/
642名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 20:47:40 ID:zX8Mzp9y
スレが伸びてると思ったら・・・。
プロ野球もストライキが起こったら楽しくない。
試合やってくれ。
643名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:01:47 ID:R554/0nI
なんで極一部の自治厨だけでガイドライン決めちゃってるのか、誰か教えて下さい。

誰かも言ってるけど、ぶっちゃけ次スレは「慈悲と寛容、投稿作品に敬意を表する」以外は
何でもありルールにして欲しいよ。どうせ時事スレなんだし、何でそこまで敷居を高くした
がるのかサッパリわかんない。

そもそも、投稿しない読み専な香具師がルール決める事自体がおこがましくない?
644名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:14:08 ID:sO/OXlTM
>>632
ずっと前からオリキャラだのそこらへんの話は言われていることですし、
それに沿って決めたことでしょう。

急にぱっと出てきてそのような発言をするほうがよほどおこがましいと思いますが。

それに何度も繰り返してますが、「書くな」とは言ってません。
オリキャラだの陵辱だのを投下したら荒れることは予想のつくことですし、
そのようなネタを投下する場所はあるのですから。
645名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:16:40 ID:6brUQZyQ
オリキャラはともかく陵辱で荒れるってのはちょっと信じがたいな。
潔癖すぎんじゃね?
646名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:18:00 ID:1LDYfxaR
携帯から投下する者のことは無視かな?
外部に追い出すってのは
647名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:18:27 ID:FhalgSAA
>>643
最後の1行に禿しく同意。
結局、読み手が「xxxなSSは読みたくないからここに投下スンナ!」という
あまりに身勝手な話でしか無いんだよな。この手の自治荒れって。

そして、基本的には自治厨は自分達が絶対的に正しくて、賛同しない香具師は間
違ってる。自分達はスレを良くしようとして意見してるのに何で判ってくれない
んだ!と。


安易に「投稿掲示板があるじゃん」と言うのも、>613 の意見に俺は賛同。

ま、ぼちぼち自然消滅するスレだとおもうから、もうなんでもいいんだけどさ。
648557:2005/06/05(日) 21:18:40 ID:dPqvDHNQ
私は俺キャラじゃなければ何でもいいんですけどね…。
まりやの恋人が貴子兄でも容認できたし。
649557:2005/06/05(日) 21:22:42 ID:dPqvDHNQ
あ、当然陵辱とか抜きで。できれば今までの過去ログの流れで行って欲しい。
650名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:24:15 ID:R554/0nI
最後に一花咲かせるべくスレ立てしたいけど、今立てたら重複スレ立て荒らし
と同罪だしなぁ・・・

投稿に関しては一切制約なしの何でもアリアリのアルティメットルール(作者に
対する攻撃、誹謗中傷は絶対禁止。作品に敬意を表さない荒らしレスも禁止。投
稿する側が最大限自由に出来て、読み手は二の次)で誰か立ててくれん?

651名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:25:24 ID:sO/OXlTM
間違えた・・・
>>632
じゃなくて
>>643だ・・・
652名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:27:17 ID:MG528Fd9
>投稿に関しては一切制約なしの何でもアリアリのアルティメットルール(作者に対する攻撃、誹謗中傷は絶対禁止。作品に敬意を表さない荒らしレスも禁止。投稿する側が最大限自由に出来て、読み手は二の次)で誰か立ててくれん?

 自分のサイトをつくれよ
653名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:27:58 ID:rDxMsvv/
>>646
だから注意書きとコテつけろってテンプレに入れたじゃんよ?

>>650
そんな書き手の自己満足なトコ作って楽しいか?
654名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:31:30 ID:3TOMbvzR
SS書きの人にもレスだけの人にもこれだけは言っておく。

ス レ は お 前 の ラ ク ガ キ 帳 じ ゃ な い

流れを無視して自己満足なだけのSS書いてる人も
作品も書かずに文句だけたれる奴も一緒。
テンプレって言ってもスレ住人の総意というわけでもない。

おまえら目くそ鼻くそを笑ってんじゃないよ。

「面白いSS読めてよかった」
「自分のSSが気に入ってもらえてよかった」

それだけでよかったはずなのにな。
655名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:33:12 ID:hnf6rwsZ
折角新スレができて一段落ついたらまた変なのがわきだしたか。

これまでと変わらないコンセプトのスレの何が気に入らないんだか。
結局はガイドラインが冒頭に記されてるか、いないかのちがいじゃん。
656名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:33:24 ID:FhalgSAA
>>653
( ゚Д゚)ポカーン
SS系スレなんて、書き手あってこそだって判ってる?なんか勘違いしてない?

>>650
許す。立てろ。
ただ、おとボクスレにするのは拙いから、「キャラメルBOX総合」創作で立てとけ。
今なら実質おとボクスレ別館になる。個別作品スレがある場合はどっちに投下
すっかは作者の判断で、とか書いとけばなお良し。
657名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:34:04 ID:1LDYfxaR
>>653
読み手のわがままよりよほどマシ
658名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:48:32 ID:KxTOOoAi
ガイドライン反対派の人たちはアルティメットルールがあたかも作者達の為である
ような事を言ってるけど、実際の所、作者達はどう思ってるんだろうね。

この流れでいいから傍観しているのか、
ただ単に呆れて放置しているだけなのか。
それとももうとっくにいなくなっているのか。
659名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 21:53:19 ID:rDxMsvv/
>SS系スレなんて、書き手あってこそだって判ってる?なんか勘違いしてない?
そんなこた判ってるよ。

じゃ>>650みたいなスレが出来て、書き手はなに書いてもおk、
オリジナルに対して敬意が払われてないようなSSに対しても
読み手は批判一切禁止みたいになったら、満足なのか?

読み手のことなんかどうでもいいんだったら投稿する必要ないだろ。
660名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:02:13 ID:6brUQZyQ
べつに批判はありでいいんじゃね。
書き手に対しても読み手に対しても一切枷を取り払ってこそ真のアルティメットルール。
どうなるかは興味ある
661名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:03:56 ID:ZkXVToVm
自治厨uzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
662名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:10:15 ID:g28zK1Xb
むしろマンセーレス禁止。
ハァハァ報告はアリ
663名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:15:55 ID:sZ1KuaK7
更に作品投下以外の書き込みは全ておとぼく風に仰られますようにお願いいたしますわ・・・なんてのはどうよ(w
664名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:19:57 ID:uiaFiuLz
心底どうでもいい。
このスレの流れは
職人サソの作品を待つ→雑談→投稿キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!→感想
なはずだろ。下らん議論はスレの無駄だから止めれ。
批判だって個人の正直な感想なんだから職人は素直に受け止めるべき。
たとえそれがいかにも煽りっぽいレスでもだ。
それを覚悟の上で投稿しないのであれば自分でHP作って勝手に作ってろ、っこったな。
長文スマソ。
職人サソ達の次回作に期待。
665名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 22:38:57 ID:VaMbm40k
投稿掲示板の問題点

1:
携帯から投下できない、読めない、読んでもらえない
2:
管理人にIP見られ放題。
見られて平気と言える程、管理人の人間性を信用できない。
3:
一行からでも気楽に書き込める、
書いてすぐに反応がもらえる、
そんな2chの”良さ”が全く無い。
4:
2chのルールにも、板のルールにも違反していないのに、
一部の人間の好みだけで追い出される不快感。


ここら辺の問題点についてどう思ってるの?
666名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 23:00:50 ID:yQgipidE
>>665
1: 携帯から投下なんてするな。
2: 2ちゃんだってIPは記録されてますが。
3、4: はっきり言って2ちゃん中毒。
    2ちゃんの外に出ることがそんなに怖いのか?
667名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 23:03:32 ID:ODcPoOf0
IP見られて困るんならインターネットは全て利用できませんね。
668名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 23:04:43 ID:nMlffmEH
最初にこの問題噴出したときから思ってたんだけど、縛りをきつくしていくって結局スレの寿命削ってるだけなんだと思うんだけどな。
慢性的に抱え込むヒズミと、あっという間に来るネタ枯渇で。
(当時も一応意見もした、2chなんだから雑多な書き込みあって当然。
嫌なものは読みたくないからここに書くななんて読み手のわがまま。読む側が自衛すべき派だった)
結局、門戸はある程度絞りつつもハードルはそんなに上げられず、書き手の判断にゆだねられる部分も多かったし
しょせん読み手(過去に1回ツマンナイおボクさまな3コマ漫画投下したけどね)、読ませてもらえるだけありがたいと思いそのまま読み続けた。

正直ガイドラインのベース案読んで、悲しかった。
ガイドライン最終案はやわらかく書かれてはいるが、結局コレに反する書き込みがあったときは
コレに反するからここには書くな、と追い出されちゃうんだろうな。オレはそれは悲しい。

>>650 には自身もわかってる通り荒らし行為になっちゃうからやっちゃえとはいえないけど
その想いには賛同する。過激に書かれてて勘違いされやすい書き方だから致し方ないかっもしれんが、
よく見ればわかる。感想や批判は禁止していないことが。
669名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 23:19:30 ID:Hc+3sJ86
職人の質ってピラミッド構造になってるから、
下を切り捨てると上を支えられなくなるんだよね。実際

9割がゴミだからっていってそれを切り捨てると、欲しかった1割もどっか行っちゃうという。
金の卵を産む鶏を殺しちゃう話みたいに。
670名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 23:44:04 ID:uiaFiuLz
--------終了-------
671名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:09:19 ID:mBY30ljC
再開
672名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:12:11 ID:PiTuIFM9
再開すなDQNが!それよりマトモなSSうpキボンヌ
673名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:14:57 ID:mBY30ljC
>>666
答えが全く明後日の方向向いてますな・・・頓珍漢もいいとこだ

特に 「3:一行からでも気楽に書き込める、 書いてすぐに反応がもらえる、 そんな2chの”良さ”が全く無い。 」

に対して、『3: はっきり言って2ちゃん中毒』 って、もうちょっと考えて書こうぜ。


気軽に「だったら投稿掲示板に投稿すれば?」って言えるのは、多分実際には全然SSを投下
してない人だろうね。2chのスレに投下するのとあっちの掲示板に投下するのじゃ全然敷居の
高さが違うよ。その敷居の低さが2chのよさの一つだっつーてるのに・・・
674名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:17:34 ID:/g/m4nGA
豪華なハンバーグうp
675名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:18:18 ID:PiTuIFM9
↑誤爆?
676名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:26:00 ID:CyGinm3v
てかさ、過去の議論のときだって職人さんたちは文句いってなかっただろ?
だったらこれでいいじゃない。

なんでもかんでもOKにしろって人は、自分が読みたいだけでしょ?職人おいてけぼりで。
677次に求められてるのは判るよな?:2005/06/06(月) 00:27:09 ID:Mp4yzcb8
和風定食age
678名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:27:39 ID:92rwzptp
679名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:29:18 ID:Mp4yzcb8
そこでまともなSSが欲しかったorz

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1067353589/43
680名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:33:06 ID:/u4ytvdw
イタイ住人と職人がいるのはこのスレですか?
681名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:34:59 ID:I46iAMaM
>>678
びっくりドンキーかっ!w
682名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:37:30 ID:Mp4yzcb8
ちょいと現状を鑑みて改変

「おい、おまいら!!SSが入りますた。居間に集合しる!」
「…詳細キボーヌ」
「オリキャラと陵辱を混ぜてみましたが、何か?」
「毒SSキタ――――――――!」
「キタ―――――――!」
「この程度で騒ぐ奴等は逝ってヨシ」
「オマエモナー」
--------終了-------
--------再開-------
「再開すなDQNが!それよりマトモなSSうpキボンヌ」
「豪華なハンバーグうp」
「↑誤爆?」
「SSage」
「ほらよマトモなSS>ALL」
「ネ申降臨!!」
「SSage」
「糞SSageんな!sageろ」
「SSage」
「SSage厨uzeeeeeeeeeeee!!」
「ageって言ってればあがると思ってるヤシはDQN」
「イタイSSとその読み手がいるのはこの部屋ですか?」
「氏ね」
「むしろゐ`」
「SSage」
「書き手 、 必 死 だ な ( 藁 」

特定の書き手・SSを否定するもんじゃないからね、ホントに。
683名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:44:05 ID:/u4ytvdw
ある意味、注目作
684名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:57:29 ID:h91qStda
テンプレをさもスレ住人の総意であるかのように書いた奴へ

誰もが認めるテンプレ通りのSSって奴を書いてくれ

なにせテンプレの明文化は初めてなんだからさ
ほかのSS書きの皆さんにお手本を示してほしいわけですよ

勝手にルールだけ書き逃げしてないでお願い
685名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 00:58:49 ID:oe2EHmbw
なんで読むだけの奴がルール作って指図してんだこのスレ
686名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:00:14 ID:/u4ytvdw
こんどこそ
--------終了-------
687名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:05:15 ID:Mp4yzcb8
−−−−−−−−−− 再開 −−−−−−−−−−
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;         ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;     _,.'⌒  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    '´  `ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   . /  j ))ソ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    / / / /ノ      ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ノノノノj{_)       ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ´θ^θン)u        ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
そして
−−−−−−−−−− 終了 …まで15kb−−−−−

688名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:25:43 ID:ekFn5MmO
ふと思った
まともなSS書きって、読む人の価値観や基準で随分変わるよな……

これは荒れるから答えなくていいぞ?
藻前らがまともだと思う書き人を、数は問わないから心の中でそっと想ってみてくれ
ほら、SSが待ち遠しくなってきた
マターリ待とうよ
689名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:30:40 ID:ccHJH5O1
せっかく引っ越してもきてるのがtestって奴だけでワロタ
偉そうな読み手にわざわざ批判されるために書く奴なんていないって
もう終わりにしとけって
690名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:31:20 ID:jeyEzOgO
うん、マターリ待つよ。
あの人もこの人もきっと書いているさ……。

漏れも頑張るから、みんな頑張って。
691名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 01:54:10 ID:6r/DFEhn
SSスレ以外で書いてる俺が来ましたよ
692名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 02:24:28 ID:+riQF8Lg
とうとうスレタイから【女装】【百合】が消えてしまうのか〜
おとボクに合わないのでしまっていましたが、このスレタイも最後、
というわけで投稿します。

内容は瑞穂と奏のある日のデート風景。
シチュに合わせた為か瑞穂と奏の性格も結構違ってます。
オチがないバカップル話が苦手な方はご注意を

スレの残り容量も無いので投稿掲示板を利用させてもらいました。
題名 わがままデート
作者 5-607
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs?file=20050606022322

ところで、おとボクで百合は望まれていないのだろうか?
百合SSがあっても反応が何となく少ない気がしたので。
693名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 02:57:08 ID:mBY30ljC
>>692
百合だとどうしても瑞穂を外さざるを得ないじゃん。百合SSはその辺が不利な原因だと思われ。
個人的にはめちゃ読んでみたいけど。

圭×美智子とか
奏×紫苑とか
美智子×女瑞穂とか



694名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 03:07:14 ID:odOOA0jk
>>693
超ビーンボール

若かりし頃の学園長×幸穂
楓×幸穂
メガネ君×美智子
奏×圭
695名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 08:10:00 ID:cHUyn2N6
奏攻めかよw
696名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 09:39:55 ID:I46iAMaM
職人さんも戻ってきたみたいだし、誕生日には盛り上がるといいな。
6971話スレ241:2005/06/06(月) 16:55:58 ID:nyNm4oZg
なんか大変なことになってるみたいですが。
現在、無駄に長いやつを書いてるのでご期待ください。
6981-301:2005/06/06(月) 21:55:03 ID:jeyEzOgO
どのくらい読み手さんと職人さんが留まっているかが気になりますね……。
とりあえず自分もまりやメインで一本書いています。降誕祭にはとても間に合いそうにありませんが。

様子見って人も多いのかなぁ。
699名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 22:20:49 ID:h91qStda
なんかいちいちSS書きの人が作品の事前アナウンスをびくびくやるような
雰囲気になってしまってる気がするのは考えすぎだろうか?

>(・∀・)<おとぼくの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿所へ、どうすればいいか分からないときは
>     皆に聞いてみて下さい。

てのがどうも書くための敷居を無意味に高くしてるだけようにしか見えない。
いろいろ御託を並べた割にはこの最後の2行のために言い悪いの基準を
曖昧にしてしまってる気がする。

確かに、見てて不愉快なSSもあるのだがいちいちお伺いを立てるのか?
だいたいこのスレをどれだけの人間が見て、レスを返すのがそのうち何人なのかなんて
わかりもしないのにどうやっていい悪いの判断をするの?

教えてください、SS書いたことのない>>604

某SS書きより
700名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 22:29:03 ID:r22p6QQG
ちゅ・・・・ぴちゅ・・・・ぅむ・・・
「はぁ・・・・気持ちいいですか?瑞穂さん」
「し、紫苑さん・・・いったいどこでこんなことを・・っ」
「まりやさんに、床の作法というものも学んでおいた方がいいと教本を頂きまして・・・ん」
「やっ!そんな・・・吸わな・・だめぇっ!」
「男の方でも胸って感じるんですね・・・・お姉さま気持ちよさそうです。・・はむっ」
「やあっ!一子ちゃんまでっ・・やめ・・・・ん、んんっ?!」
「はむっ・・・んむ・・ん・・・はあっ!瑞穂さん、瑞穂さん!んむっ・・・・」
「貴子、あんたって本当にキスが好きね」
「んくっ・・はぁ・・・・そういうまりやさんこそ、さっきから私を押しのけるようにして瑞穂さんの唇を奪っているじゃありませんか・・」
「だって、目の前一杯に瑞穂ちゃんの顔があると、瑞穂ちゃんの一番近くにいる実感がして嬉しいんだもの。・・・ね、瑞穂ちゃん。あたしにももっと・・ね?」
「ま、待って!少し休ませ・・・ひゃんっ?!」
「ん・・・んむ・・・・・はあ・・はあ・・・お姉さま、どうですか?」
「あ・・由佳里ちゃん、独り占めはずるいのですよ〜」
「うん・・それじゃ奏ちゃんも一緒に・・・・ね?」
「だ、だめ!そんなことされたら・・っ!」
「瑞穂ちゃん、あたしを無視するなんてひどいよ?だから・・・・・ちょっとだけおしおき」
「や、やだ!やめて!お願いまりや、そんなところ弄らないで!」
「だ〜め。ふふ、これだけ濡れてるなら指も入るかな?」
「やだ・・やだよぉ・・・これ以上されたら・・おかしく・・・・もう・・やめ・・・ゆるし・・・・」



ハーレムルート妄想しようとしたらこんな瑞穂ちゃん総受けなビジョンが凄い勢いで脳裏を掠めてきますた。
誰か医者呼んでくれ、大至急orz

というわけで漏れは逝ってくるから誰かここに至るまでの経緯と続きヨロ!(・∀・)ノシ
701名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 22:40:42 ID:r22p6QQG
ちなみに蛇足な説明をすると、貴子がキス、紫苑さんと一子ちゃんが乳首攻め、ゆかりんと奏ちゃんがフェラってて、最後のはまりやがアナル攻めてますた。
さてサイレンの音が近づいてきたところで覚悟決めて逝ってくるか。
702名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 01:08:05 ID:wYRJDee1
2chの基本は”嫌ならスルー”
それを、気に食わないものは外部に追い出そうって姿勢で、
はたして書き手が来てくれると思ってるんだろうか。
703名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 01:08:31 ID:OjUv0wxb
うはwwwきもすぎwっうぇwww死んでいいよお前
704604:2005/06/07(火) 01:20:58 ID:d07nIp3Y
>>699
>>(・∀・)<おとぼくの雰囲気に合わないと思われる作品は投稿所へ、どうすればいいか分からないときは
>>     皆に聞いてみて下さい。

>教えてください、SS書いたことのない>>604

さあ?俺こんなこと書いた覚えないしな。
書き足した人に聞けば教えてくれるんじゃないの?
705名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 01:55:35 ID:A+D87n82
ってかテンプレあれでいいかって聞かれてるうちに言いなよ…

>>702
>それを、気に食わないものは外部に追い出そうって姿勢で、
投下前に一言「暴力・陵辱・強姦・輪姦・監禁・調教・SM・スカトロ・グロ・強制妊娠・ 達磨プレイ・
死姦・人体改造・触手・食人」って傾向書いてくれりゃここで良いみたいに書いてあるじゃん。
それすら嫌なのか?
706名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 03:26:47 ID:l5vdEEMG
結局誰も書いてないな
あれだけ読み手にいろいろ注文つけられると
書きづらいのはたしかだよね
707名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 03:42:35 ID:SfmCPMLv
第一話から投下しているひとりのSS書きとして、少し意見を言わせて下さい。

今回のガイドラインについてですが、皆さん過敏に反応しすぎなのではないでしょうか。
そこまで厳密になることはないと思います。守らなくていい、ということではなく、これまでと同じように、これまでの流れに則った投下をしていけばいいのではないでしょうか。
ガイドラインを作った方も、それを望んで作ったんだと思いますし、これまではOKだったようなものを投下してはダメ、と言うつもりはないでしょう。

おとボクが発売されてから半年も立たないうちに、このSSスレが8話に突入したのは、ひとえに純粋に
「おとボクという作品が好きだから」、「おとボクの雰囲気が好きだから」、「おとボクのキャラクターが好きだから」だと思います。
それはSS職人にも、読んでいる方にも言えると思います。
これほどまでに大量のSSが投下され、中には本編の補完としてもおかしくないような名作や、各キャラの萌え分補給ができるようなSSが生まれ、
普段SSを読まないのにここで読み始めた、という方まで現れたのも、
「おとボク好きである」という場所だったからこそ、ですし、「おとボクが好き」というのがこのスレの大前提ではないでしょうか。
708名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 03:43:22 ID:SfmCPMLv
その上で、現在問題になっている表現ですが。
例えば暴力や陵辱などのものですが。これらは果たして「おとボクが好き」なのに書けるようなものでしょうか。
おとボクが好き、なのではなく、そういう表現が好き、だからなのではないでしょうか。(「好きだからこそ穢したい」と思う人も居るかもしれませんが、それは少数派であることはご自分でもおわかりかと思います。)
また、オリキャラやクロスオーバーものですが。そういったキャラクターが原作のキャラクターより目立ったり、結ばれたりした場合、
「おとボクという作品が好き」、「おとボクの雰囲気が好き」、「おとボクのキャラクターが好き」な方の多くはおとボクという作品に不純物が紛れ込んだ、と不快に感じるでしょう。
このコトはおとボクに限らず、どの作品にも言えることだとは思いますが・・・。

純粋に「おとボクが好き」な読み手や書き手、普段SSを読まない方が、乱雑にSSが存在する雰囲気の中を楽しむことができるでしょうか・・・?
スルーしろ、とかそういう問題ではなく、雰囲気の問題ですね。

繰り返しになってしまいますが、ここまで盛況になったのは、「おとボクが好き」というのがこのスレの大前提であったからこそだと思います。
だからこそ、オリキャラが目立つ、もしくはおとボクの雰囲気に似つかわしくない作品が投下された場合、議論を呼んだわけですし、
「おとボクが好き」というのがこのスレの大前提であったからこそ、多くの人がSSを書き、読むことができたのではないでしょうか。
私はこの環境を、これからも続けてほしいと、そう願っています・・・。
709名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 06:44:57 ID:7RnUPVrJ
たしかにこの環境は続いてほしいとは思うが…。
こういう不特定多数が利用する掲示板で意見を統一することなんて、どう考えても無理。
嫌ならスルー。これは必然的に生まれたルールだと思ってたんだけど。
710名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 06:56:20 ID:I1TlUaWp
ここのスレも大変だな………
心中察するよ。
711名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 08:10:26 ID:jR/Q+pn+
古参常連によるスレの私物化は衰退の第一歩だよな
712名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 09:03:37 ID:2Bb0LEJF
職人無視でガイドラインを立てたと文句を言い、職人からの意見があればそれか。
結局自分の意見と違うから気に入らないだけだろ?私物化してる意見には見えんが。
そういう発言こそ衰退させるってことに気付け。

>>708
大体言ってる通りだと思う。
やっぱりおとボクが好きだからこそ、これまで盛り上がったんだよね。
そういう雰囲気だからこそ多くの人が集まったんだし。

なんでもありにするっていうのはむしろ門戸を閉めるんじゃないかな。やはりこれまでの雰囲気があってこそだし。
たとえば、凌辱ものが増えるようならおとボク好きな読み手は減るだろうし、
逆にこれまで全然そういったSSが投稿掲示板にも投下されてないし、どこにも見当たらないことを考えると供給もないでしょ。これから投下されたとしても、おとボクスキーじゃなくて凌辱スキーが増えるだけだろうし。

なんにしても、もう新スレも立ってるし、これ以上話してもしょうがないでしょ。
>>708のいう通り、これまで通りの調子でやってけばいいんじゃないの?
713名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 10:25:57 ID:pLCWwoIZ
いっそ、自治に相談にしに行ってみては?
714名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 10:49:26 ID:jR/Q+pn+
好きな人だけと制限するのが勘違いしてるな。
汚したい、壊したいってのも立派な創作の動機
そういうのが嫌なら、それこそ外部にファンサイトを作って群れ合っていればいい
2chで、特にPINKで、気に入らないモノを追い出す権利なんて誰にも無い
それは書き手であってもおなじこと
715名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 11:19:28 ID:2Bb0LEJF
ぱっと出の人間?

ずっとこれまでそういう流れでやって来たのにどうして急に壊そうとするのか。

いくら2chだからってなんでも好きかってにやっていいわけないだろ。

たとえば、純愛SSスレに凌辱SSが投下されてもいいのか?スレ違いと糾弾されるだろ?
それに近いことなんだよ。

これまでおとボク好きが雰囲気を大切にやってきたんだ。
そしてそれがここのコンセプトになってると思うし。
だから凌辱だのっていうのはスレ違いって言えるんじゃないか?

大体、別の場所に投下したって、追い出してるんじゃなくて、是非こっちにも報告してくれると嬉しい、ってあるんだし。
716名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 11:24:20 ID:kxgRgcs8
やたら制限をかけたがるのって、エロゲ板で悪名高い萌えエロ厨を思い出すよ
些細な好みの違いで揉めてスレ分裂を繰り返してた
気に入らないものはスルー、で解決することなのにそれが出来ない
スルーではなく、「排除」しようとして荒れまくり不毛な議論が続(略
717名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 11:34:58 ID:DMsrodI+
頼むからお前さんがこのスレスルーしてくれよ。
718名無しさん@ピンキー:2005/06/07(火) 11:38:53 ID:2Bb0LEJF
明文化されるとこんなのが出てくるのか・・・

ようはこれまで暗黙の了解だったものが文章化しただけでしょ?
規制かけるとかそういうんじゃないでしょ。

現状維持でいいじゃない・・・わざわざ壊す必要なんてないよ・・・
719名無しさん@ピンキー
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