【女装】処女はお姉さまに恋してる 第6話【百合】

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13代目226 ◆555TFSBWYQ
ここは「処女はお姉さまに恋してる」のSSスレです。
優雅に礼節をもって進行していきましょう。

前スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第5話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111757700/

メーカー公式
http://www.caramel-box.com/

処女はお姉さまに恋してるSS保管庫(仮)
http://www.type90.com/otome/index.html

・過去スレ
【女装】処女はお姉さまに恋してる【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108774069/ (dat落ち)
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第2話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110222716/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第3話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110659167/
【女装】処女はお姉さまに恋してる 第4話【百合】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111234071/

・関連スレ
キャラメルBOX Part16
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1111049075/
処女はお姉さまに恋してる 第14話
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1112194424/

おとボクSS投稿掲示板
http://cute.to/~hokuto/caramelkeijiban/story_bbs.php
2名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 21:52:45 ID:YJjiELZD
>>1
3名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 21:54:09 ID:YJjiELZD
書き忘れましたが
おとぼくのまとめサイトのほうで
作者別のリストがございますのでそちらも参考になさっては?
4名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 22:08:59 ID:30eCq7w3
一様、乙かれさまです
5名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 22:43:07 ID:jJ2nrckZ
>>1 乙であります
6名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 22:55:59 ID:EtreabGh
>>1
スレ立て乙です。
7名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 00:29:59 ID:CUK8p/oO
>>1
乙ですわ、お姉さま。
8初代スレ126:2005/04/07(木) 01:06:24 ID:Nt5UEWai
>>1
乙なのですよ〜

うう…もう長い事投稿してない…けどネタがない…orz
9初代スレの45:2005/04/07(木) 01:54:13 ID:K25ZLtDS
>>1
お疲れ様です。

私はネタは一応あるのですが・・・
勢いがないというか・・・中の人がどうもこのところ忙しくて・・・
自分のHPのSS以外の部分はちょこちょこと更新しているのですが・・・

超気長にお待ちくださいませ。
10名無しさん、って呼んでもいいですか?:2005/04/07(木) 02:03:36 ID:3ZJ7lKwh
>>1
スレ立て乙。
そしておとぼくスレに初書き込み。

遙か昔にSSを書いていて久しぶりにSSを書きたくなるものに巡り会えた気分。
過去ログをすべて読むのに3日もかかちゃったよorz
ネタはできあがり、文章化して推敲するだけなんだが、
勘が鈍りすぎてるorz
がんがってかいてみるよ・・・
11初代269:2005/04/07(木) 08:34:54 ID:txQTLvOv
>>1
スレ立て乙です。

>>8
私もネタ切れ気味です。こうなったら、シチュの募集でも掛けてみましょうか?w

>>9,10
頑張って下さい。
121-301:2005/04/07(木) 08:40:45 ID:OBwZAULY
>>1 さん超乙なのですよ。
ところで5話目のリンクが抜けておりますわ。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112791250/

広島弁でまくし立てる由佳里……ってネタを思いついたけど、
広島弁がわかりません orz
131-301:2005/04/07(木) 08:44:26 ID:OBwZAULY
と思ったら5話目のリンク、ちゃんとはいっているし orz


すみませんでした。
14名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 09:00:04 ID:8JN70P25
>>9,>>10
頑張ってください。
>>11

瑞穂ちゃんの目のしたに隈が出来たというねたで、書き出したのですが
難航していたりします。30KB越えてるし(^^;
一部分他の方が使われたシーンとかもあるし・・・うーむ
15初代269:2005/04/07(木) 10:16:04 ID:txQTLvOv
>>14

30KBですか…そろそろ話の落とし所が見えてないときつい文章量ですね。
頑張って下さい。
16名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 11:25:11 ID:8JN70P25
>>15

だいたいの話はできあがってるんですが、中の展開が
うまく流れないんで、落としどころにうまくつながらないんです。

力量以上のものに手をだしたのかも(^^;
初代269さんの新作も期待させて頂きます。
17471 ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:13:13 ID:CfJzSzbN
18pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:13:50 ID:CfJzSzbN

      ◆

 お祭り騒ぎの翌週、学院内某所──
「うふふふふっ、これであの忌々しい御門まりやの鼻を明かしてやるわ」
「主任、御門さんの鼻を明かしてどうするのですか?」
「おバカ! 主任なんていったら私の正体がばれてしまうでしょう!」
「はぁ……私、こんな事をしていていいのかしら……」

      ◆

 その翌日、例の秘密部屋──
 まりやは『東スポ』こと、新聞部長に依頼していた、瑞穂の支持率の調査報告を聞いていた。
「で、どんな感じなの?」
「今のところ、生徒のほとんどが中間派です。どう判断を下していいか、みんなまだ迷っているよ
うな状態です。この前の触れ合い感謝デーで擁護派寄りになってはいるんですけどね。先生た
ちの方は、こっちは綺麗に票が割れてます。といっても、ほとんどが擁護派ですけど」
「そう。それじゃ、引き続き調査をお願いね、東スポちゃん」
「うぅ、その呼び方は勘弁してくださいよぅ……」
 新聞部長が泣き言を言うが、まりやには取り合って貰えなかった。
 その時、貴子が血相を変えて部屋に飛び込んできた。
「まりやさん、これを見てください!」
 貴子は一枚の新聞をまりやに差し出した。
19pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:14:30 ID:CfJzSzbN
『宮小路瑞穂は変態だった! 覗きや下着ドロの常習犯!』

 という見出しから始まっていた。記事の内容はと言うと、瑞穂は女装趣味の変態で、女子校の
生徒という立場を生かして覗き、下着ドロ、痴漢行為を繰り返してきたと言うものだった。また、
記事中には瑞穂が更衣室を覗いているところや、盗んだ下着を使って自慰をしているところと
銘打った写真が掲載されていた。

「な、何よこれ!? ちょっと東スポ、どういう事よ、これは!」
 まりやは貴子から受け取った新聞を新聞部長に突き出した。新聞部長はすぐさま確認する。
「これ、私たちの新聞じゃありませんよ! よく似てるけど違います。ほら、こことか」
 そう言って新聞部発行の新聞との差異を指し示す。
「言われてみれば違うわね……怒鳴っちゃってゴメン」
「いえ、分かって頂ければ……ところで会長、これはどこで?」
「各教室や掲示板など、そこら中にばら撒かれています。どうも配布物の中にも混ぜられていた
ようで、既に全校生徒がこの事を知っていると見ていいでしょう」
「一体誰がこんな事を……って、見え見えよね。こんな陰湿な事するのはあの学年主任に決ま
ってるわ」
「それじゃ、今すぐ問い詰めに……」
「無駄よ。証拠が無いわ。今行ってもしらばっくれられるだけよ」
 貴子の言葉をまりやが遮る。
「それじゃどうすれば……」
「これが捏造だと言う事を証明すればいい」
20pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:15:11 ID:CfJzSzbN
 いつの間にか部屋に来ていた圭が言った。紫苑や『フライデー』こと、写真部長も一緒だった。
「でも、そんな事どうやって証明するの?」
「それはこの子にやって貰うわ」
 圭は写真部長を前に押し出した。
「フライデーちゃんが? ……出来るの?」
「はい、この写真のお姉さまの顔の部分、学院祭の時に私が撮った写真を使ってます。スキャ
ンして解析すれば、合成だと言う事は証明できます……が、ただ」
「ただ……何?」
「ええ、この印刷の状態があまりよくありませんから、少し時間がかかってしまうと思うんです。写
真自体は稚拙なコラージュですから、原稿があればすぐなんですけどね……」
「構わないわ、何もやらないよりはマシよ。……それじゃ、すぐに行動に移りましょう。フライデー
ちゃんは写真の解析ね。圭さんは美智子さんと話をして、協力してもらえるようなら情報操作、
ダメだった時は悪い噂が広まらないように美智子さんを抑える。他のみんなはこの捏造記事を
出来るだけ回収してください。あたしは瑞穂ちゃんのサポートに入ります」

 そして、各々行動を始めたのだが、その成果はあまり芳しいものではなかった。
21pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:15:52 ID:CfJzSzbN

      ◆

 決戦前夜──
 姉会メンバーは例の秘密部屋に集まっていた。いよいよ明日が決戦だと言うのに、いまだ敵
の手を打ち崩す事が出来ないでいた。
「東スポちゃん、支持率はどうなってる?」
 まりやが新聞部長に尋ねる。
「また排斥派が増えました。現在、排斥派が5、中間派が3、擁護派が2です」
「そっか……。写真の解析の方はどう……」
「まりやお姉さま、解析終わりました!」
 写真部長が勢い良く部屋に飛び込んできた。
「偉い、でかした! ……って言っても、今からじゃ厳しいかな、やっぱ」
「そんな事ありませんよ。私が今から記事を書きます。二十分で書き上げてみせますから、そう
したらすぐに印刷を始めましょう」
 沈み気味のまりやに新聞部長の心強い言葉が掛かる。
「うん、ありがとう。それじゃ、みんなで東スポちゃんの手伝いをしましょうか」
 そうして一同は捏造記事を覆す為の号外を作り始めた。新聞部長が宣言通り二十分で原稿
を完成させると、すぐに印刷を始め、翌日に号外をバラ撒く準備をしてその日は解散となった。
22pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:16:46 ID:CfJzSzbN
 生徒総会当日──
 新聞部と写真部、陸上部の協力を得て、号外の配布が始まった。
 まりやと貴子と圭は、例の秘密部屋に待機して不測の事態に備える事になっている。紫苑は
影響力が大きいので号外配りの方に参加している。
 影響力があると言えば、貴子も外に出て動き回りたいところだったが、生徒会長として運営に
回る事になっているので、今日だけは中立の立場を取らねばならず、身動きをとることが出来
ないでいた。圭も待機しているはずだったのだが、いつの間にか何処かへ行ってしまった。
「うまくいきますでしょうか……?」
 貴子が不安げに言う。
「どうかしらね。でも、ここまできたらもう、なるようにしかならないんじゃない?」
「……そう、ですね」
「ただ今戻りました」
 先行きが見えず、更に暗くなりそうな所に新聞部長が帰ってきた。まりやは彼女に話しかける。
「首尾はどう?」
「今のところ、全生徒の半数くらいまでは号外に目を通していると思います。でも、これ以上は…
…」
「支持率の方はわかる?」
「排斥派が中間派寄りになったと言うだけで、基本的に昨日と同じです。もう少し時間が経てば
変化が出てくると思うのですが、楽観は出来ません」
「そう……ところで、圭さん見なかった?」
「圭お姉さまですか……? ここに居たんじゃなかったんですか?」
「そうだったんだけどね……いつの間にか居なくなっちゃったのよ。出来れば演劇部にも応援を
頼みたかったんだけど」
 まりやはそう言って顔をしかめた。演劇部の協力は奏にも要請してみたのだが、一年生と言う
事もあってさすがに部全体を動員するには至らなかったのだ。
「どうなっちゃうのかしら……」
 さすがにここまで来て落ち着いていることは出来なかった。
 何とかしなければ──
 そんな想いばかりが先走る。
23pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:17:32 ID:CfJzSzbN
 その時。扉の開く音で静寂が破られた。圭だった。
「…………お通夜?」
「そう見えても仕方ない……って、それはもういいって。それより、どこに行っていたの? 今か
らでも演劇部に協力を……」
「そんなあなたに朗報です」
 まりやの言葉を遮り、圭はニヤリと口の端を吊り上げた。
「美智子に話をつけて受付嬢たちの協力を取り付けたわ。今頃は全校生徒が号外を読んでい
るわね」
 今まで姿を眩ましていたのは受付嬢の協力を得る為だったという圭。そこに紫苑と写真部長
が戻ってきて、圭の言葉が真実である事を証明した。
 一同は首の皮が繋がった事に安堵のため息を漏らす。決してまだ安心できる状況ではないが、
それでも先程までと比べると雲泥の差だ。
 しかし、落ち着いてみると今度は今まで協力が得られなかった受付嬢をどうやって説得したの
か気になり、まりやは圭に尋ねてみた。
「でも一体、どうやって協力を取り付けたの?」
 だが、返ってきた答えはそっけないものだった。
「……それは聞かぬが華よ」
「まあいいけどね」
「……ぁぁ、後が怖い……」
 圭がぼそりと呟く。
「へ? 何か言った?」
「何も言ってないわよ」

24pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:18:17 ID:CfJzSzbN
 そして、生徒総会が始まった。
 まりやは紫苑と共に先行きを見守っている。貴子は生徒会長として他の役員と一緒に投票の
運営に回っているのでここにはいない。圭は、美智子の所にいるようだった。
 周りを見渡してみると、教員席から学年主任が勝ち誇った顔でまりやの方を見ていた。
「あーもう、むかつくなあ」
「どうかしましたか、まりやさん?」
「あ、いえ、学年主任がこっち見て勝ち誇った顔で笑ってたんですよ。そんな事したら捏造記事
をバラ撒いたのは自分だって言ってるようなものなのに……あー、問い詰めたい」
「まあ、証拠が無い以上、追求は出来ないのですから仕方ありません。今はそんな事に構うより
も、瑞穂さんの方がずっと大事です」
「そうですね」
 その瑞穂はと言うと、壇上に設置された椅子に座っている。最初に覚悟は決めていたと言って
いた通り、特に気負っている様子も無く、普段通りの瑞穂だった。が、あまりに普段通りに微笑
んでいるので、逆に少し不安になってしまうまりやだった。
 そうしているうちに貴子が壇上に上がり、喋り始めた。
25pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:19:04 ID:CfJzSzbN
「それでは、これから投票を始めていただきますが、その前に、注意事項をお知らせします。ま
ず票についてですが、生徒の票は一票あたり一ポイント、先生方の票は一票あたり十ポイント、
そして、教頭先生と学院長先生の票は一票あたり二十ポイントとなっています。今回はこのポイ
ント数で結果が決まります。
 投票用紙には信任、不信任の表記がありますので、投票したい方を丸印で囲んでください。
丸が二箇所以上にあるもの、どこを囲っているのか明確でないものについては無効票とさせて
いただきますので注意してください。
 それでは、一クラスごとに列になって前方の投票箱に投票用紙を投入してください。一年A組
から順番にお願いします」
 貴子の宣言でいよいよ投票が始まった。
「後はどれだけ号外が効いてくるか、ですね」
「そうですね。でも、やれることは全てやったのですから。後は瑞穂さんを信じて待ちましょう」
「はい」


 そして、投票が終わった。生徒会役員四人で即時開票を行い、その場で結果を発表する。生
徒会の四人だけで開票する為に、それなりに時間がかかっているのだが、この場にいる誰もが
投票結果に強い興味を持っているので、特に混乱も起きず、ただ時間だけが流れていった。
 が、しばらく経つとそれも終わり、貴子が壇上に上がった。
「開票結果が出ましたのでお知らせします。有効ポイント総数1,273ポイントのうち……」

 まりや、紫苑、圭はもとより、今回の一件で瑞穂側に立っていた者たち全てが、その瞬間に恐
怖を感じていた。
 自分達が今までやってきた事は本当は全て無駄な事だったのではないか──
 そんな思いが胸を締め付ける。しかし、縋るような思いで壇上に目を向けると、いつもと変わら
ない微笑みを浮かべた瑞穂の姿があった。そんな瑞穂の優しい笑顔に勇気付けられる。
 絶対に大丈夫だ──
 心の中でそう強く信じ、発表を待った。
26pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:19:55 ID:CfJzSzbN
「……信任1,263ポイント、不信任10ポイントで、宮小路瑞穂さんはエルダーとして信任されまし
た。よって、お姉さまには卒業まで学院に在籍していただく事となりました!」
 貴子の発表と共に講堂は大歓声に包まれ、皆が皆、我先にと瑞穂の下に駆け寄る。瑞穂は
揉みくちゃにされて面食らっていたが、それでも嬉しそうだった。
 そんな中、まりやがふと教員席に目を向けると、そこに学年主任の抜け殻があったが、それ
は見なかった事にした。
27pack of lies ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:20:44 ID:CfJzSzbN

      ◆

 生徒総会から数日。学院は元の落ち着いた色を取り戻した……と言いたいところだが、実は
そうでもなかった。

 バァン!
 まりやは相変わらずノックも無しに瑞穂の部屋に吶喊した。
「何で瑞穂ちゃんはあの時スカートを破いたりしたのよ!」
 瑞穂は最初まりやが何を言っているのか判らなかったが、少し考えて、誘拐犯との戦いの事
を言っているのだと気が付いた。
「いや、あのね。ああしないと僕、死んでたかもしれないって……」
「あーもう、うるさーい! みんな瑞穂ちゃんがいけないんだ!」
 そう言い捨てて、まりやは部屋から飛び出して行ってしまった。
「一体、何だったんだろう……?」

 実は瑞穂が男だと言うことが判明したことから「敬愛するお姉さまは男だったけど、よくよく考
えてみれば恋愛対象としてこれ以上の存在はないわ!」と言う事になって、瑞穂に近い位置に
いる者達は様々な所からライバル宣言を突きつけられたのだ。
 紫苑、貴子、奏、由佳里と、何故か緋紗子の所には大体同じ人数がやってきたのだが、まり
やに限っては幼馴染みという、瑞穂に最も近い位置にいるであろう要素を持っていた事から、と
んでもない人数のライバル宣言が来た。さすがのまりやもウンザリして瑞穂に当たってしまった
というわけである。

 それはともかく。

 再び学院中を巻き込んで、今度は瑞穂争奪戦の火蓋が切って落とされたのであった。


                                           おしまい
28471 ◆471.Pt54hU :2005/04/07(木) 16:21:39 ID:CfJzSzbN
 完結です。
 途中、設定に色々と無理のあるところが色々と見受けられますが、そこはまあお約束のごピー
主義です。
 裏では色々と考えてはいたんですが、テンポが崩れたり、雰囲気にそぐわなかったり、説明の
占める割合が大きくなりすぎたりで、文章化することが出来なかのでこうなりました。

 まあ、その辺も含めてタイトルが全てを物語ってるって事で。
29名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 16:51:21 ID:8JN70P25
>>28
完結お疲れさまでした。


>「……ぁぁ、後が怖い……」
圭さんが、美智子さんに協力を求めた手段ってお二人の特殊な関係をつかったものなのでは・・・・
美智子さんの穏和な顔のしたには、別の顔があるようですしね。
それを身にしみている圭さんが、おもわず漏らした本音?
30初代269:2005/04/08(金) 08:28:14 ID:xcgxbxFz
>>28
乙でした。

『今度の休日、美智子の好きなことに付き合うから…』とか約束
しちゃったんでしょうね、きっと。圭さん大変そう…w 
31名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 00:15:50 ID:psQinELs
>>28
完結、お疲れ様でした。
でも瑞穂がエルダーに相応しいから男でも通学セーフというのなら
他の男子もエルダーに相応しかったら恵泉に通えるのかな?
32名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 00:23:36 ID:70d8VNoI
現実に、女子高に男子が入学した、っていう実例はあるそうです。
わしが小学生のころにお世話になってた先生が以前、女子高で教鞭とってたときにそういったことがあったとか。
さすがに小学生のころだから細かいことは忘れたが。

あと、少し事情はことなるが性同一性障害の生徒を「本来の性別」として迎え入れた例は
結構あるみたいですね。
335時起き:2005/04/09(土) 00:37:37 ID:ZS6GoyIo
>1お姉さま、新スレ乙なのですよ〜

…ネタ切れおこしました_| ̄|○
しばらく再プレイに時間を費やして来ます。
34猫野:2005/04/09(土) 01:01:12 ID:yWQvIneg
瑞穂争奪戦か・・・
授業中でもいつでも熱い視線が降り注ぎ
靴箱には毎日大量のラブレター
お昼にはお弁当とか、家庭科の授業で作ったので、
食べてくださいとか
そんなふうになるのかな
35名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 02:21:34 ID:dwa7k0oT
逆に、英国の士官学校(慣例として男子校だったが、校則には
明文化されていなかった)に女子が入学したこともあるとか。
36名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 02:33:38 ID:a1cLM6i2
従兄弟が今年、去年まで女子高、今年から共学って言うエロゲーの設定で見たことあるような高校に進学した
まあ、1年の男女の割合は半々だって言うから、普通の共学とあまり変わらないそうだけど
37名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 04:14:30 ID:LRWM+V3F
>>36
大阪で近所に某電気街やバイク屋通りがあって
周辺寺だらけで最寄の地下鉄の駅の名前がやたら長いところなら
心当たりがあるな。(´`)
38名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 11:17:16 ID:e+wHmm9Y
>>28
完結おつかれさまでした。

瑞穂ちゃん争奪戦ですか・・・・
やはり、手作り系とか、一緒に料理ってのもありか
基本的にお嬢様学校だから、過激な事には、ならないかと
瑞穂ちゃんの正体を知った親たちの方が、鏑木家とのつながり目当てにヒートアップ
しそうな・・・・気がしなくもないです。

話は、替わりますが、まえから考えてた話。職員会議の所が、似た展開になるのですが
展開を変えた方が無難なのかな?
スレが荒れるのはなんですので、聞いてみたいと思いまして
39名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 11:49:19 ID:NLyjQKr8
>>38
気にしなくてもいいと思いますよ。
所詮は脳内妄想垂れ流しの場ですし。

直前の話と全く展開が同じというのであればともかく、
きちんとオリジナリティがある話ならば問題無いと思います。

どうしても気になるのであれば、少し間をおいてみては?
40名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 13:05:56 ID:mjSNwphR
>38
ちゃんと読んでる?
鏑木とはバレてないからこそ学年主任が排斥しようとしてたんだけど。
学園長を追い出して自分が出世する道具として。
41名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 13:13:09 ID:nS9UolHg
お前も嫁
どこにも学院長を責めてるなんて書いてないぞ
42名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 13:13:56 ID:1cMf3r0e
>>36
法律によると女子高から共学に移行できるけど
男子校から共学にはできないそうな。

ウチの高校は男子校だったけど共学の学科を
新設したなぁ。

まぁ統計的に共学のほうが学力が上がるからと
授業料のことから移行したがるらしいんだけど・・・。
43名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 13:18:24 ID:mjSNwphR
もし4k以下なら前スレに投下すれば?

>41
今二話読み直したけど確かにそうだな。スマソw;
44名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 15:10:01 ID:tnxyI8O3
>>42
うちの母校男子校から共学に移行したが……
共学の学科を新設しただけなのか?
45名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 15:31:01 ID:NLyjQKr8
うちの母校も昔男子校だったんだけど、今は共学。
別に学科を新設したわけでもないな(もとから普通科だけ)。
46名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 18:22:59 ID:luQGkR8L
こうなってくると恵泉が共学になる、っていうSS書く奴が出てくるかもね(笑
)紫苑さんが教師になって・・っていうのはいいんだけど、奏ちゃん教職取れるのだろうか?
確か身長制限があったような・・・
47名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 18:30:50 ID:luQGkR8L
>46
そこはご(ぴー)
48名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 19:40:48 ID:Hr8RanTL
>>46
蓮美台学園とかいうところには、
奏ちゃんより2cm低い138cmの先生がいるそうだから
しかも、声もそっくりだとか…
49名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:08:31 ID:e+wHmm9Y
>>48
(´-`).。oO(と、いうと、プリン大好きな某先生のことかな?)
50名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:23:12 ID:FaZEzkLy
性欲をもてあます。
513-180:2005/04/09(土) 20:26:34 ID:6TxvCtkA
・奏先生の可能性について
 うーん、免状持ち(高等学校地理歴史科・中学校社会科)だけど、取得時に身長制限なんて聞いた記憶が……
もしあるとしても体育科くらいじゃない?

・ネタ無しを嘆かれてる方に
 和服の紫苑様をネタにしたのを読んでみたいなというテスト。取り敢えず他のネタを捏ねてて書く予定が遠日未定なので。
52名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:35:16 ID:nXlDFSKV
免状持ちとか言うと凶状持ちみたいだなとオモタw

そんなこたともかく、非常勤なら学長権限で
免許無しで何とかいけないかな?







そもそも高校じゃないから免許いらんだろ
なんて思ったのは内緒だ。
53名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:52:42 ID:cMX0T1vJ
ネタがないのは仕方ないんだから、マターリ待とうぜ
54名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:54:56 ID:qj5QZKw6
ネタは光ってるのよ
553-180:2005/04/09(土) 21:20:33 ID:6TxvCtkA
 うーん、恵泉はまず1条校だろうから、先生といわれて想像するようなのだったら非常勤扱いでも要免許。
ただし教育委員会に届け出のみで、免許無しでもOKな、特別非常勤講師というのがあるけど、これはどちらかというと一般教員の持ってない
特殊能力を持ってる人を活用する物だったはず。奏ちゃんにそのような能力があるかな?

注:1条校=法律上文部科学省の管轄下にある、普通の学校とされる物。学校教育法第1条に定められてるからそう言う。
  大雑把に言って、幼稚園から大学までを指す。主な例外は民族学校や大学校と呼ばれる物。

56名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 23:10:46 ID:Hr8RanTL
少し調べたが、教員免許取得に、身長が関係するというのは見つからなかった
そもそも教員免許に身長制限なんてあるのか?
身長制限なんて、憲法22条に違反になるんじゃないの

第二十二条【居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由】
1  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2  何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

身長の低いことが、公共の福祉に反することなんてあるのか?

と、マジレスしてみたりして
57猫野:2005/04/09(土) 23:19:12 ID:yWQvIneg
奏ちゃんが先生という話題で
ミカ先生を思い浮かべたよw
58名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 23:27:21 ID:nXlDFSKV
黒板の低い位置しか字が書けない

後ろのほうの生徒は字が読めない

公共の(ry

マジレスにネタで返したり。

漏れは背が低かったが、大概後ろの方の席だったなぁと昔を懐かしんでみる。
奏くらいの身長で前が瑞穂とか紫苑なみだと、黒板なんか見えないんだろうな。
59sage:2005/04/09(土) 23:50:51 ID:+W9ZK8eU
普通の女の子でも瑞穂とか紫苑並の背があると充分に壁だと思います。
60名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 23:52:36 ID:oiAlYYwo
6146:2005/04/09(土) 23:53:16 ID:luQGkR8L
地方自治体で教員採用の際に身長が問われるところがあるそうな。
教員免許取得にはなんら問題ないですが。
62名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 00:34:23 ID:bAfpOHot
> 前スレ607さん
楽しかった。面白かった(笑)
想像したのは、まほらばの隆子。もちろんしましまのトランクスをはくわけですな。

……想像できないです。正直。

またの投下を楽しみにしてますわ。 GJ!
63猫野:2005/04/10(日) 00:36:53 ID:R0eYszKs
>>60
表示されないな?
64名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 00:40:25 ID:bAfpOHot
だってローカルIPだもん。
自分のPCで公開しようとして失敗している予感。

ルータに穴あけるのが嫌なら、素直にうpろだに載せるのが吉だと思いますよ。
65猫野:2005/04/10(日) 00:41:08 ID:R0eYszKs
女装に目覚めた瑞穂がHな服で一人Hって
ネタが浮かんではいるんだけど、まとまらないな
66名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 00:56:29 ID:zlZzaMia
女装に目覚めた瑞穂がHな服で一人Hして (略) 最期に皇帝を倒して銀河統一をなしえて宇宙戦争終結。

というネタは浮かんでるんだけど書き出すとペリーローダンなんか足元にも及ばない長編になりそうなんで
まとまらない(大嘘
67名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 01:14:59 ID:6AYyQs+5
今考えてるネタは、瑞穂ちゃんの体調不良ねた
いかに展開させようか(悩み中

講堂は、演壇のCGしか無かったみたいですし、見落としてるのかな(^^;
68名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 03:22:57 ID:4oDOABw0
今考えてるのは、紫苑さま退院復学〜卒業式までの話…なんだけど、店舗特典ディスクに
その辺りの話が収められていると云う話なので、どーしたものか思案中。
後は第73代エルダーのお話とか…これはかなりの部分がオリジナル設定になっちゃうので
脳内に留めておくけど。
69名無しさん@ピンキー:2005/04/10(日) 04:01:35 ID:n24GRbfp
現在、比沙子先生のアフターストーリーを執筆中
たぶん誰も書かないと思うし、需要があるのかも不安だけど
でも、ほぼオールスターキャストになる予定
冒頭部を書き上げて、これから本題にというところ
一応、オチは考えてあるけど、そこまでいける目途がたってから、投下します
でも、結構長い話になりそうなので、途中で行き詰るかもしれない
それに、オチも変わるかもしれない

しまった!どのEND後になるのか分かんなくなってる
再プレイして確認しなくちゃだ…

あと、由佳里に男だってばれた時、潰れちゃったって話も考えたんだけど
こっちはオチが思い付かないので断念
70名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 01:27:05 ID:cr41FBC1
書き手のみなさん。ねた熟成中なのでしょうか?

頑張ってくださいね。
71名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 01:33:30 ID:ixLTA8nK
一子ちゃんや奏ちゃんと苺大福を食べた後の話と思いねえ。

あれから、時々一子ちゃんの為にお菓子を買って帰ることにした。
と云っても、あまり街に出ることはないから週に一度くらいだけれど。

「お帰りなさいませお姉さま!」
「ただいま、一子ちゃん」
「あれ?お姉さま、そちらにお持ちになっているその紙袋は…」
「ええ、一子ちゃんへのお土産よ」
「うう、いつもいつも私のような幽霊三等兵の為にわざわざありがとうございます〜」
「いいのよ、私が好きでやってることなんだから」
「でもでも、もしそれが原因でお姉さまの黄金のプロポーションが崩れでもした日には私の貧相な詰腹を切っても償えない重罪でありましていったいどうすればいいのか考えるだに恐ろしいことこの上ないのですよー!」
「大丈夫よ、少し運動すればいいだけなんだから。それに、一子ちゃんの笑顔を見ることが出来て私も嬉しいのよ?」
「お姉さま…」

「ところでお姉さま、一体何を買ってらっしゃったんですか?」
「ええ、雪苺娘というお菓子なのだけれど…」
「ゆきいちご…聞いたことのないお菓子ですね。それに、名前から想像出来ないです」
「そうね…簡単に云うと洋風苺大福といったところかしら?苺と生クリームを求肥で包んだものなの」
「むむむ…それだけ聞くと単なる生クリーム入り苺大福の餡子抜きという気の抜けたものに聞こえてしまうのですが…ですがお姉さまがわざわざ選んでくださった以上、そのような簡単な代物ではございますまい!」
「いえ、一子ちゃん。そこまで気合を入れて食べる必要はないから…ね?」

「それではお姉さま、失礼します」
「ええ、どうぞ」
72名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 01:34:45 ID:ixLTA8nK
「むむ?上に掛かっているのは粉砂糖でしょうか?」
(ええ、だから『雪』らしいわよ)
「なるほど…皮は大福よりも柔らかいですね。手に粉砂糖が付かないように紙ナプキンで包んで…」
(あ、そうそう。一子ちゃん、これを食べる時は気を付けた方がいいことがあるんだけど…)
「なんですか、お姉さま?」
(皮が柔らかくて、中身が生クリームでしょう?だからそのまま齧り付いたりすると中身が溢れて手や口元に付いちゃうの)
「なんと?そのような罠が仕掛けてあるとは一筋縄ではいかないお菓子なんですね」
(いえ、罠というほどのものではないのだけれど…)
「でもそんなに食べにくいのではあまり売れないのではないでしょうか?」
(そうでもないみたいよ?毎年苺の時期になると売りに出るし、類似品も沢山作られてるくらいですから)
「なるほど、それだけの価値がある美味しさというわけですか…これは強敵ですね」
(いえ、そんなに緊張しなくてもいいから…それじゃ味がわからないでしょう?おやつは楽しく食べないと)
「やっぱりそうですよね?ええっと、するとどうやっていただけばよろしいのでしょうか?」
(容器に透明な蓋を被せてあるわよね?一度ひっくり返してその中に入れてから食べると手を汚さずに済むわよ)
「ふむふむ、なるほど…逆転の発想ということですか」
(そんな大層なことじゃないと思うけれど…さ、一子ちゃん。遠慮なくどうぞ)
「はい、それではありがたくいただきます、お姉さま」
(…どうかしら?)
「美味しいです〜!仄かに甘くしっとりとした舌触りの求肥に歯を立てるとフワフワで甘すぎないたっぷりの生クリームが口の中に溶け出してきて幸せな気分になり、
 更に丸ごと一粒入った苺の酸味と瑞々しさがさっぱりとした食感を与えることによりくどすぎるようなこともなく、まさにいくらでも入りそうなのですよ!」
(い、一子ちゃん…気に入ってくれたみたいね)
「はい!…おや?こちらのスペシャルというのは?」
(そっちには生クリームのほかにカスタードクリームが入っているそうよ)
73名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 01:35:21 ID:ixLTA8nK
「なんと!…あ、ところでお姉さま?」
(どうしたの?一子ちゃん)
「奏ちゃんや由佳里ちゃん、まりやさんへはお裾分けしなくてもよろしいのでしょうか?特に奏ちゃんは苺と生クリームが大好きですし、独り占めというのも気が引けてしまうのですが…」
(うふふ、本当に一子ちゃんは優しいのね。大丈夫よ、一応冷蔵庫の中にみんなの分も入れておいたから。だから全部一子ちゃんが食べてしまっても構わないわよ)
「そうなんですか、だったら安心して…ってお姉さま?お姉さまの分はちゃんとあるのでしょうか?」
(え?…心配しなくていいわよ、私はもう食べたから)
「…お姉さま、やっぱり自分の分を買うのを忘れていたんですね」
(そんなことないわよ?)
「本当にお姉さまは嘘が下手でいらっしゃいますよね…」
(だから、嘘なんかじゃ…)
「折角買ったこられたお姉さまが口に出来ないというのもあんまりですし、半分をお姉さまにお譲りします」
(でもそれは一子ちゃんにと思って買ってきたものだから。それに、食べ過ぎると後で大変だし。ね?)
「私が頂いてもお姉さまがお食べになられてもカロリーは同じですよ?」
(う…それはほら、その…)
「ではこういうことにいたしましょう。私もお姉さまが美味しそうにお食べになられている姿を見たくなったから。それならばいいですよね?」
(…もう。敵わないわね、一子ちゃんには)
743-206:2005/04/11(月) 01:37:30 ID:ixLTA8nK
以上、オチもなく終わる。
本当は奏ちゃんも交えた話にするつもりだったけど、小ネタなのにあまり長いのもどうよというわけで泣く泣くカット。
…いや、もう今年の分は終わってる雪苺娘を今更持ち出すこと自体がどうよといわれればそれまでですが。
75名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 02:35:11 ID:i4Gfo5Tc
コンビニで見かけたときはいまいちっぽくてスルーしたのに
こうしてSSで読むとスゲェうまそうに見えるのはなぜだ…

白いスペシャルがあるのは気付かなかったなぁ。
76初代269:2005/04/11(月) 08:37:12 ID:QesTqsFk
>>51
和服の紫苑さんネタ>頂いても良いですか?もし宜しければ、今書いてるのが上がっ
         たら、書かせて頂きたい。

今書いてる奴は明日か明後日には投下できると思います。…ネタが干上がってきた…
77名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 09:24:01 ID:Bjkiv6ea
>75
そりゃなぁ。
「こいつはまじいッー!ゲロ以下の味がプンプンするぜッーーーッ!!」とか書かれても困るし(w;

というか「黄金のプロポーション」とか言われてるのはスルーなのか瑞穂ちゃん(w
783-180:2005/04/11(月) 12:37:12 ID:UTDaZEvt
>>76 初代269さん
 どうぞご自由にご利用下さい。

>>74
 うーん、食べたくなってしまったじゃないですか……仕方ない普通の苺大福でも探してくるか
79初代269:2005/04/11(月) 13:41:39 ID:QesTqsFk
>>78
ども。ネタ頂きます。
どんなシチュにしようかな〜
805時起き:2005/04/11(月) 22:04:35 ID:1Ppkqcex
|柱|ω・`) <・・・誰も居ない

|柱|ω・`) <>51ネタ投稿するなら今のうち・・・
81名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:06:28 ID:sDNZw1Re
ゴクリッ
825時起き:2005/04/11(月) 22:06:35 ID:1Ppkqcex
  「時代劇の見過ぎです 〜紫苑の場合〜」


*時期設定:紫苑ED後、恵泉卒業1年後、大学入学の年の正月。

 1月2日。
 実家でのんびりとしてたら、紫苑が年始の挨拶に来ると電話を
してきた。
『ああ、迎えに行きますよ』
 と云ったら、
『いえ、今日はこちらからお伺いしますので』
 と、やんわりと断られてしまった。
 一体どうしたんだろう?

「瑞穂様、紫苑様が来られましたよ」
 ・・・と思ったら、電話がかかって来てから30分もしないうちに
紫苑が実家の方にやって来た。
 正月三が日はお互い実家に帰ると云う事で約束をして居たので、
恐らく紫苑はまっすぐうちに来たのだと思うのだけど。
「ありがとう、楓さん。すぐ向かいます」
「はい」
 楓さんにそう云って、僕は玄関の方に向かった。

「あけましておめでとうございます、瑞穂さん」
「あけましておめでとうございます、紫苑」
 そう云って年始の挨拶を交わす。
「紫苑、着物が良く似合ってますよ」
 そう、紫苑は着物を着て居た。
835時起き:2005/04/11(月) 22:07:43 ID:1Ppkqcex
 髪も日本髪に結い上げてあり、長身な事もあって、似合っている
事この上ない。
「ありがとうございます」
 嬉しそうに頬を染めると、紫苑はそう言った。
「ね、瑞穂さん。これから初詣に行きませんか?」
「え? 初詣ですか?」
「はい♪ 『一年の計は元旦にあり』ですわよ」
 初詣か・・・そう云えば昨日は結局ずっと実家に居た訳で、
初詣なんか行って居ない。
「そうですね。それでは支度をして来ますので、客間の方で待って
居てください」
 僕はそう云うと、楓さんにお願いして紫苑を客間の方に案内して
もらい、着替える為に自室の方に向かった。


「二日だと云うのに、結構人出があるのですね」
 で、早速近場の神社にやって来たのだが、予想通り結構混み
合って居た。
「恐らく混雑のピークは過ぎて居ると思いますが、それでも元旦を
寝正月で過ごした人達が出て来てるのでは?」
「なるほど、そう云うのもありですか・・・」
 そう云うと、紫苑は何やら考え込むような仕草をした。
「・・・来年試して見ようとか、そんな事考えてませんか?」
「え? ・・・そんなに顔に出てました?」
「やっぱり・・・」
 何と云うか、とても紫苑らしい考え方に、思わず笑みがこぼれる。
「あーっ、笑いましたわね?」
「いえ、何と云うか・・・とても紫苑らしいのでね」
「そんな誉められ方、しても嬉しくありませんわ」
 そう云うと、紫苑はぷーっとふくれて見せた。
「はい、ごめんなさい。じゃあお詫びに・・・」
845時起き:2005/04/11(月) 22:09:22 ID:1Ppkqcex
 そう云うと、僕は紫苑の手を取った。
「人が多いですから、こうした方が・・・」
「もう・・・狡いですわよ、瑞穂さん?」
 そう云いながらも、紫苑は少し嬉しそうに手を引かれて居た。

「さて、この後どうしましょう?」
 初詣が終わったあと、近くにある喫茶店で一息つきながら僕は
紫苑に聞いて見た。
「そうですね・・・ちょっとやりたい事があるので、お部屋の方に
行きませんか?」
 少し考えた後、紫苑がそう云った。
 『部屋』というのは、僕達が借りて居るアパートの事だ。
 恵泉を卒業後、父様から『社会勉強も兼ねてアルバイトでも
して来い』と云われた事もあり、また留年をして居ると云う事から、
学費や生活費等は自分で稼ぎ出す事になり、アパートを借りたのだ。
 それはいいのだが、それを知った紫苑はその日のうちに僕の
部屋に『引っ越して』来た。
 まあ、将来を約束し合ってる仲だからこれはこれで良いのかも
しれないけど・・・。
「ええ、いいですよ」
 その時は僕は、恐らく年越しの頃にまとめたままのゴミとかを
出しに戻るのだろう程度にしか考えて無かったのだが・・・。

 部屋に着くなり。
「さあ、瑞穂さん、どうぞ心ゆくまで『よいではないか、よいではないか』
をして下さいませ♪」
 紫苑はそう云うと嬉しそうに抱きついて来た。
「ちょ、ちょっと待って下さい、何ですかそれは一体?!」
「あら、瑞穂さんはご存じないのですか? 時代劇などでは悪代官
とかが女性の方の着物の帯を引っ張りながらそう仰しゃるのですわよ」
「僕は悪代官ですか・・・じゃなくて、一体何の話ですか?」
855時起き:2005/04/11(月) 22:10:17 ID:1Ppkqcex
「これですわ」
 そう云いながら嬉しそうに何かを差し出す紫苑。
「『水戸○門 第13期DVD・1』・・・また随分コアな物持ってますね・・・」
「タイトルだけで買っちゃいまして、その日のうちに全部見てしまいました」
 何て云うか・・・紫苑のどこにそう云う集中力が隠されて居るんだろう?
「と云うか、それって・・・」
「はい、その後は当然、致してしまうのです。まあ、このDVDの中では、
大抵は○門様のお供の方達に邪魔されてしまいますが」
 そう云うと、紫苑は帯の結び目を一ヶ所解いた。
 しゅるっ、と云う、独特の音がする。
「さ、瑞穂さん、どうぞ♪」
「・・・全く、困ったお姫様ですね。そこまでされては、やらない訳には
行かないじゃありませんか・・・」
「良いではありませんか。だって、私達もうすぐ夫婦になるのですよ?」
 そう云って、紫苑はにっこりと笑う。
 全く、この笑顔にはいつも敵わないなあ・・・。
「じゃ、今から僕は悪代官になりますよ」
 そう云うと、僕は手に持った帯の端を引っ張り始めた。
「あ〜れ〜♪」
「よいではないか、よいではないか〜」


  終わり。
865時起き:2005/04/11(月) 22:12:03 ID:1Ppkqcex
土日と24時間働きながら必死に妄想してた、でも反省はしな(ry

・・・まあこんなのもありかなと(;´Д`)
瑞穂争奪戦の方はちと詰まったので練り直してます。


|柱|ω・`) <>81タソに気が付かれたよ・・・
87名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:13:13 ID:az5G0zQj
>>86
GJ!っす
いいなぁ、「よいではないか〜」
でも瑞穂だとどうも違和感がするのは何故だろう……
88名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:37:48 ID:cr41FBC1
>>86

GJですね。
瑞穂ちゃんだと、「よいではないか」の被害者のイメージが

「よいではにか」する方は想像しにくいのですが(^^;

体調不良ねた・・・骨組みはラストで詰まってるし
また、練り直しかも
895時起き:2005/04/11(月) 22:41:01 ID:1Ppkqcex
|柱|ω・`) <そんな>88さんの為に・・・

|柱|ω・`) <もう一話投稿するなら今のうち・・・
905時起き:2005/04/11(月) 22:41:49 ID:1Ppkqcex
  「時代劇の見過ぎです 〜瑞穂の場合〜」


*時期設定:紫苑ED後、恵泉卒業1年後、大学入学の年の正月。

 1月2日。
 実家でのんびりとしてたら、紫苑が年始の挨拶に来ると電話を
してきた。
『ああ、迎えに行きますよ』
 と云ったら、
『いえ、今日はこちらからお伺いしますので』
 と、やんわりと断られてしまった。
 一体どうしたんだろう?

「瑞穂様、紫苑様が来られましたよ」
 と思ったら、電話がかかって来てから30分もしないうちに紫苑が
実家の方にやって来た。
 正月三が日はお互い実家に帰ると云う事で約束をして居たので、
恐らく紫苑はまっすぐうちに来たのだと思うのだけど。
「ありがとう、楓さん。すぐ向かいます」
「はい」
 楓さんにそう云って、僕は玄関の方に向かった。

「あけましておめでとうございます、瑞穂さん」
「あけましておめでとうございます、紫苑」
 そう云って年始の挨拶を交わす。
「紫苑、着物が良く似合ってますよ」
 そう、紫苑は着物を着て居た。
915時起き:2005/04/11(月) 22:42:31 ID:1Ppkqcex
 髪も日本髪に結い上げてあり、長身な事もあって似合っている事
この上ない。
「ありがとうございます」
 嬉しそうに頬を染めると、紫苑はそう云った。
「ね、瑞穂さん。これから初詣に行きませんか?」
「え? 初詣ですか?」
「はい♪ 『一年の計は元旦にあり』ですわよ」
 初詣か・・・そう云えば昨日は結局ずっと実家に居た訳で、初詣
なんか行って居ない。
「そうですね。それでは支度をして来ますので、客間の方で待って
居てください」
 僕はそう云うと、楓さんにお願いして紫苑を客間の方に案内して
もらい、着替える為に自室の方に向か・・・おうとした。
 ところが。
「あ、それでしたら瑞穂さん、一つお願いがあるのですが」
「え? 何ですか?」
「これですわ♪」
 そう云って、どこからか取り出した紙袋。
 中に入ってたのは・・・。
「着物? それも、女性用の・・・ま、まさか・・・」
「はい、瑞穂さんもお着物着て下さいませ♪」
 そう云うと紫苑はにっこりと笑う。
「・・・せ、せめて羽織袴では駄目ですか?」
「瑞穂さん・・・私、せっかく重い思いをしながらこのお着物を持って
来ましたのに・・・着て下さらないのですか・・・?」
 そう云うと、紫苑は少し泣きそうな顔をしながら顔を伏せた。
「・・・はぁ・・・解りました。でも、僕着付けなんて解りませんよ?」
「それならお任せ下さいな、瑞穂様、紫苑様」
「か、楓さん?!」
 と、それまで黙って僕達のやりとりを聞いて居た楓さんが、突然
話に入って来た。
925時起き:2005/04/11(月) 22:43:27 ID:1Ppkqcex
「着付けならこの楓が行って差し上げますわ。もちろん髪結いも
ばっちりに御座います。ささ、瑞穂様、紫苑様、こちらへ」
「えっ? わ、わわっ、ちょ、引っ張らないで下さいよ?!」
「はい、私もお手伝い致しますわ〜」
 そう云った紫苑を見ると、何やら嬉しそうに微笑んで居る。
「・・・紫苑、さっきのはうそ泣きですね?」
「ごめんなさい」
 紫苑はそう云うと、ぺろっと舌を出した。
 何て云うか、相変わらずお茶目だ・・・ってそんな事和んで
考えてる場合じゃないんだけど・・・。
 僕は楓さんと紫苑に引きずられると、部屋に連れ込まれた。

「・・・・・・・」
「瑞穂さん、とてもお似合いですわよ」
 ぽうっと頬を染めて、顔に手を当てながら紫苑がそう云う。
「ええ、本当に良くお似合いです」
「・・・・・・はぁ・・・」
 そして。
 鏡の中には完璧に着物を着こなして、髪も結い上げられた
僕が居る訳で。
「さ、初詣、行きましょう?」
 紫苑はそう云うと、にっこりと笑って僕の手を引いた。
 うう、やっぱり悪魔の微笑みですそれは・・・。

 で、早速近場の神社にやって来たのだが、予想通り結構
混み合って居た。
「二日だと云うのに、結構人出があるのですね」
「恐らく混雑のピークは過ぎて居ると思いますが、それでも元旦を
寝正月で過ごした人達が出て来てるのでは?」
「なるほど、そうでしたか・・・」
935時起き:2005/04/11(月) 22:44:21 ID:1Ppkqcex
 そう云いながら、紫苑は相変わらず僕の手を引いて歩いて居る。
「それにしても・・・」
「え?」
「いえ、相変わらず瑞穂さんは、そう云ったお姿が良くお似合い
ですわね。・・・ほら」
 そう云うと、目で周りを指す。
 その方向を見ると・・・。

(おい、あの女の子二人連れ、すっげー美人ぞろいじゃん!)
(ああ、しかも後ろの娘、少し赤くなっちゃってさ、すっげー俺好み)
(ああいうのが『お嬢様』ってやつなんだろうなぁ・・・いやー、正月早々
いいもの見ちゃったよ)
(今年は幸先がいいな〜)

「・・・・・・」
 び、美人とかお嬢様とかって・・・orz。


 そんなこんなで、何とか僕と紫苑は、初詣を無事(?)終わらす
事ができた。
「うう、慣れない履物だから、疲れてしまいましたわ・・・」
 で、取り敢えず喫茶店で一休みして居るのだが、やはりここでも
注目を集めて居るらしい。
「それだけ、瑞穂さんが美人って事ですわ。良いですわね、
美人は得で♪」
「しーおーんーさーん・・・」
 心底疲れた顔をすると、紫苑はそれがよほど可笑しかったのか、
ずっとくすくすと笑って居た・・・。

「さて、これからどうします?」
 喫茶店を出た後、僕は紫苑に何となく聞いて見た。
945時起き:2005/04/11(月) 22:45:12 ID:1Ppkqcex
「そうですね・・・ちょっとやりたい事があるので、お部屋の方に
行きませんか?」
 少し考えた後、紫苑がそう云った。
 『部屋』というのは(以下略)。
「ええ、いいですよ」
 その時は僕は、恐らく年越しの頃にまとめたままのゴミとかを
出しに戻るのだろう程度にしか考えて無かったのだが・・・。

 部屋に着くなり。
「えいっ♪」
 と云うかけ声と共に、僕は紫苑にベッドに突き飛ばされた。
「わわっ?! な、何をするんですか紫苑?!」
 と云う僕の抗議も聞かず、紫苑は帯に手を伸ばした。
 するっ、と云う音がして、帯がやや緩む。
「さあ、瑞穂さん、『よいではないか、よいではないか』をさせて
下さいませ♪」
 紫苑はそう云うと、嬉しそうに抱きついて来た。
「ちょ、ちょっと待って下さい、何ですかそれは一体?!」
「あら、瑞穂さんはご存じないのですか? 時代劇なんかでは
悪代官とかが女性の方の着物の帯を引っ張りながらそう仰しゃる
のですわよ」
「僕は手込めにされる女性ですか・・・じゃ無くて、一体何の話ですか?」
「これですわ」
 そう云いながら嬉しそうに何かを差し出す紫苑。
「『水戸○門 第14期DVD・2』・・・また随分コアな物持ってますね・・・」
「タイトルだけで買っちゃいまして、その日のうちに全部見てしまいました」
 何て云うか・・・どこにそう云う集中力が隠されて居るんだろう?
「と云うか、それって・・・」
「はい、その後は当然、致してしまうのです。まあ、このDVDの
中では、大抵は○門様のお供の方達に邪魔されてしまいますが」
 そう云いながらも、紫苑は僕の帯を緩める手を休めない。
955時起き:2005/04/11(月) 22:47:33 ID:1Ppkqcex
 しゅるっ、しゅるっ、と云う、独特の音が部屋に響く。
「さ、瑞穂さん、覚悟を決めて下さいませ♪」
「・・・何か、いつもと立場が逆ですね・・・」
 と云うか、この格好では抵抗したくても出来ない訳で。
「はぁ・・・もう、ここまでされては断れないじゃないですか」
「良いではありませんか。だって、私達もうすぐ夫婦になるのですよ?」
 そう云って、紫苑はにっこりと笑う。
 全く、この笑顔にはいつも敵わないなあ・・・。
「じゃ、今から私は悪代官になりますわ♪」
 そう云うと、紫苑は手に持った帯を勢いよく引っ張った。
 帯に引っ張られ、視界が回転する。
「あ〜れ〜」
「うふふ、よいではないか、よいではないか〜♪」


  終わり。
965時起き:2005/04/11(月) 22:49:00 ID:1Ppkqcex
|柱|ω・`) <と言う事で着物で2個かいてみますた

|柱|ω・`) <当然反省なんて(ry

|柱|(*´Д`)'`ァ'`ァ <おいらも瑞穂ちゃんが引っ張られる方に萌える訳で

|柱|ω・`) <て事でお目汚し連投すいませんでした。
97名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:49:08 ID:SYQzf4hW
>>89
G J 
最近やったからこのスレでは初のリアルタイム遭遇ですわ
今現在過去ログ読み中
98名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:57:05 ID:5kI/lS4d
5時起きさんぐっじょ。
えろくもないけど、なんかどきどき。そしてほのぼの。
ええ感じでした。

>>97
過去ログ読んで面白いのがあったら、感想を書くと職人さん達が喜びますよ。
触発されて、自分からSSを書こうってのもあり。というか、大歓迎。
99名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 23:09:43 ID:E5PdZZeC
空気を読まないレスをすると……

着物というか、女性の和服全般は「背の高い人」「胸の大きい人」は、
似合わないそうな。
和服自体のデザインと、平面裁断のせいだとか?

だからしお・うわなんだきさwiofkdsfjoぬるぽsadjd
100名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 23:13:06 ID:az5G0zQj
>>5時起き氏
俺はそれを待っていた
GJ!!
1013代目226:2005/04/11(月) 23:24:47 ID:+xO1FSFO
>>5時起き氏
GJ!!思わずワロタ。和服ネタでそう来るとはすっかり失念していたなりよ。
紫苑様が悪代官してても、最終的立場は逆転してそうな悪寒。
しかし・・・流石に水戸黄門DVDは・・・
#木枯らし紋次郎なら持ってるんだけどな(笑)


>>99
ウエストが細いのも、補正しなきゃならんから辛いらしいな。
でもまぁいいじゃないか。美人の和服姿なんだから(笑)
102名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 23:27:50 ID:cr41FBC1
>>96
>>88です。
リクエストに応えて頂きありがとうございます。つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚

やはり、瑞穂ちゃんは、「する」より「される方」がイメージしやすいですね
今回もGJでした。
1033-180:2005/04/11(月) 23:41:25 ID:aswiw4Ga
>> 5時起きさん
 楽しませて頂きました。両方とも如何にも紫苑さまな行動で良かったですよ。
104名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 23:48:28 ID:orCnq6M9
必殺シリーズなんかだと最後まで「よいではないか」されてしまうんだけどな〜
さすがにそういうアンチヒーローっぽいの見てる紫苑てのも想像つかんね。
水戸黄門なら想像できるってわけじゃないけどw
105名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 00:24:14 ID:v1InZR57
紫苑が水戸黄門が好きなのは、きっと初代助さんこと、杉様ファンだからだ。
で、登下校中には江戸の黒豹とか大江戸捜査網のテーマとかを口ずさんだり
してるんだよ。
106名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 01:44:45 ID:jW1kYD6a
で、伍代夏子に嫉妬すると。
107初代269:2005/04/12(火) 08:27:24 ID:YlMjc5n3
>>5時起き氏

GJです。『あ〜れ〜』な瑞穂ちゃん……イイ!!

…和服ネタやられてしまいました。しかも思いついたネタ被ってた……orz
108名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 11:38:27 ID:pF8PhaIZ
>>107
> …和服ネタやられてしまいました。しかも思いついたネタ被ってた……orz

和服ネタの王道?なら・・・お稽古ごとというのもありますが?
和装モデルというものありかもw
109初代269:2005/04/12(火) 12:48:18 ID:YlMjc5n3
>>108
それもあり、なんですけど…他の人を絡ませにくいんですよ。もはやお稽古ごとの
必要がない瑞穂ちゃん。興味なさそうなまりやに業務が忙しい貴子さん。難しいですw
110名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 13:04:51 ID:jW1kYD6a
>>109
お稽古事の必要に迫られたまりやが、瑞穂に教師を頼むとか。
やる気がでないーとかごねて、無理やり女装。
1115時起き:2005/04/12(火) 13:05:28 ID:QQbt/BEY
>>107
|柱|ω;`)<初代269タソ・・・すまにゅ

皆様感想ありがとうでした。和服が長身の方に似合わないとか言う
話は実は知りませんでして_| ̄|○
瑞穂ちゃんと紫苑さんって事で、どうかお許しを。
112名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 13:08:26 ID:T0sAC8Ja
>>109
女優になったということにすれば、奏ちゃんと圭さんなら、役作りで教わるということなら
絡めるのでは?

それと、>>69なのですが
一応、書きあがりました
推敲していますので、近日中に投下できそうです
緋紗子先生のアフターストーリーということには、違いないのですが
なんか、中の人が同じ人の方が活躍している気が…
ただね、展開が強引な気がするし、エロも無いし…
それに、SSを書いたことはあるのですが、投稿したことはないので
なかなか踏ん切りがつかないです

あと、緋紗子先生の漢字を間違えてることに、突込みがないところが
人気のほどをうかがわせると
113初代269:2005/04/12(火) 13:56:59 ID:YlMjc5n3
>>110
そんな感じのもあり、ですね。でも、まりやが和装を必要になる理由が難しいw

>>111
いやいや、お気になさらずに。勝手に書こうと思ってただけですから。和服が似合う
似合わないの話は抜きにしてGJなお話でしたし…次作も期待してます。

>>112
私は卒業後の話は書かないので、女優さんネタは無理なんです……申し訳ない。
エロ無しの作品も多数ありますし、推敲が終わったら投下してみて下さい。皆さん
から色々な意見が頂けるので投稿する価値はあると思いますよ?
114名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 14:43:32 ID:Il7kw/PM
・学園祭の劇がシェイクスピアじゃなかったら

とか。和モノの劇全然知らんけど。
115名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 16:07:15 ID:jW1kYD6a
>>114
それなら素直に時代劇だな。
瑞穂に男装の美少女剣士というベタな配役でw
116名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 16:25:25 ID:09s+KY0L
やりたいけどここの部員じゃ殺陣が出来ないからって嘆いてたもんな>時代劇
瑞穂とまりやならいけそうな
そしてもちろん部長が妖術使アqwsでrfgひゅじこlp;
117名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 17:05:10 ID:T0sAC8Ja
いや、時代劇でも怪談とかは?
「四谷怪談」や「番町(播州)皿屋敷」とか
紫苑さまのお岩やお菊は、怖そうな気がする
圭さんがやるのも、怖いだろうが…
118名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 19:24:40 ID:YwX11DP0
>117
なんだか本当に祟りそう・・・w;
119名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 20:53:10 ID:pF8PhaIZ
>>117
紫苑さまのお岩(さん)上目使いで「恨みましてよ」ってイメージがw
伊右衛門が、「だから、悪かったって‥‥」と、ひたすら平謝りしそう

お菊さん・・・・「あら、一枚足りませんわね」とか

そんなイメージが・・・orz
120名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 21:47:07 ID:6S1evUTj
お菊ちゃん「なんでなんでなんで――!! なんでですか〜! 
       なんで九枚しかないんですか―――!! 一枚二枚三枚四枚五枚六枚七枚八枚九枚……
       あぅぁぁああああああ〜! やっぱり一枚足りないですぅ
       どうしましょうどうしましょうお姉さまの大切なお皿でしたのに
私慌て者ですしひょっとして数え間違いかもしれないとこうして幽霊三等兵に成り果ててまで
       毎晩毎晩お皿の数を数えているのにどうして毎回ちゃんと一枚足りないのですか――!!
仏様のいけず〜! 改宗してやる〜!生まれ変わったらキリシタンになってやる――!!」
121名無しさん@ピンキー:2005/04/12(火) 22:34:23 ID:jW1kYD6a
>>120
スペース空けるより、素直に名前と台詞で改行のほうがいいかと。
1223代目226:2005/04/13(水) 00:20:13 ID:LcyUVtXc
>>119
瑞穂ちゃんだとマジで(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルもんな気がする
「恨めしや〜」とか本気でやられたら冗談抜きで血も凍りそう。

>>120
祟られたら(違う意味で)怖いことになりそうだな(笑)
123名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:24:51 ID:58YVeGk+
>>69>>112で言っていた、SSを投下します。
由佳里END後を基本にしてます。
多少、辻褄が合わない点があるかもしれない。
やっぱり、少しオチが変わったし。orz
その他の設定は、投下後に、
13レスくらい。
緋紗子先生のアフターストーリーのつもりだったんですが、
圭さんと美智子さんのアフターストーリーの方が正解かも?
とりあえず、瑞穂ちゃんはやっぱり不幸です。
先生が嫌いな方もスルーしなくても大丈夫かな〜かな?
とりあえず、初投稿ですが、お目汚し御勘弁のほどを
まあ、自分でも展開が強引だと思いますが
124(1/13):2005/04/13(水) 00:25:44 ID:58YVeGk+
【世界のお姉さま】

「ああっ、何も思い付かないわ」
緋紗子は、なんとか夢だった小説家としてデビュー出来た。
恵泉を辞めて、何本か目に書き上げた小説を持ち込んだところ、公募中のティーン向けの文学賞に、公募するように言われ、なんと大賞を取ってしまった。
出版された本もそこそこ売れてくれた。
(本当はティーン向けじゃない小説をやりたかったのだけど…)
ティーン向けを意識したつもりではなかったが、その前までに持ち込んで駄目だった小説の反省して、あまり背伸びしないで書こうと思った。
そうなると、自分の良く知っている女子校を舞台に書くことに決めた。
そして、散々迷った挙句に、自分と詩織の思い出を書くことにした。
自然とティーン向けになっていた。
しかし、デビュー出来たのはいいけど、その後の作品にも、デビュー作と同じく、女子校舞台を求められた。
まあ、経歴に、恵泉女学院の教師で、シスターでもあったことを、宣伝されたというのも関係しているのであろう。
勿論、ずっと女子校育ちのわけだから、楽ではあったのだが…
それに、緋紗子としては、好きではない通り名も付けられてしまっている。
それでも、何作か書いているうちに、ネタ切れを起してしまった。
本当は、1本だけネタはあるのだが、それを書く気にはならない。
「瑞穂くんたちのことはネタには出来ないものね」
『私、緋紗子先生と詩織さんのお話を小説にしたら、とても素敵だと思います!』
あのときの由佳里のこの一言が無ければ、詩織との思い出を小説にする気にはなれなかったかもしれない。
そうだとすると、デビューできたのも瑞穂と由佳里のおかげかもしれない。
いわば小説家としての恩人でもあるので、ネタにするわけにはいかないと考えていた。

「ああっ、本当に何も思い浮かばないわ」
そういえば、ここ何日か家から一歩も出ていないことを思い出した。
「そうね、たまには、家から出て、気晴らしも必要かしら?」
そう思い、外に出ることにした。
125(2/13):2005/04/13(水) 00:26:48 ID:58YVeGk+
「あら?緋紗子先生?」
特に、目的も無いまま、駅の近くまでブラブラとウインドショッピングをしながら歩いていると、声を掛けられた。
声のした方を向くと、女子大生くらいと思われる女の子二人連れである。
最後に担任したクラスの生徒であった。
ということは、もう大学を卒業している筈である。

「まあ、美智子さん、圭さん。お久しぶりですね」
まあ、二人の関係には、気付いているから、二人が今も一緒にいるのは、当り前と言えば当り前なのだろうと思った。
「緋紗子先生……新作の小説読んだわ……なかなか面白かったわ」
圭が、あまり抑揚の無い声で言う。
緋紗子は、一瞬、ピックとした、実は新作のモデルは美智子と圭の二人だった。
「まあ、圭さんに、そう言っていただくと、嬉しいわ」
圭は、大学在学中に自ら劇団を起している。劇団員は恵泉OGが多い。
小さい劇団ながら、参加する演劇祭では、毎回、高評価で、公演も盛況だった。
大学卒業後、劇団をそのまま、プロダクション化して、社長に美智子が納まり、圭のマネージャーもしている。
女優としても、演出家としても評価され、また、評論家としても活動している。
TVにも時折出てもいるが、基本的に舞台女優を通していて、TVの仕事は、演出家か評論家としてが、殆どだ。
TVなどの女優に向いていないのではなく、演出家としての才能の高さ故に、監督、演出家が使うことに消極的なためである。
女優としても、主役を張ることは無いのだが、圭の出演したドラマは全てヒットして、TV局は使いたがってはいる。
圭自身も舞台の方が好きだし、女優より演出家の方が好きでもあるからでもある。
しかし、実際は、美智子があまりTVドラマの仕事をとらせないようにしているのだが…
まあ、もう一人の看板女優が、稼いでいるので、それでもやっていけるわけであるが。
126(3/13):2005/04/13(水) 00:27:55 ID:58YVeGk+
「圭さんの劇団も、大変評判もいいようですわね」
「緋紗子先生、あまりそう言ったことは、言わないで下さい。圭さんが、調子付いてしまいますわ」
「美智子……酷い……」
「くすくす、相変わらず仲がいいわね」
「はい、ずっと仲はいいですわ。ねえ、圭さん?うふふふ」
「うっ……うん……」
相変わらず、圭は、美智子に頭が上がらないようである。
「ところで、今日はどちらへ行くのかしら?」
「ええ、今日は、次の公演のためにスポンサーになって頂けそうなところに、ご挨拶に行きますの」
「まあ、それは、大変ですわね」
「ああ、そうですわ。緋紗子先生は、これからお時間ありますか?」
美智子が何か思いついたように、言う。
「えっ……まあ……ちょっと煮詰まってて、気晴らしに出てきたので、あるといえばありますけど…」
「なら、ご一緒に行ってみませんか?」
「スポンサーさんに頼みにいくのでしょう?お邪魔じゃないのですか?」
「大丈夫ですわ。むしろ喜ばれると思いますわ」
「そう……大丈夫……緋紗子先生の小説の愛読者でもありますから……ふっふふ…」
圭が、やや不気味な笑みを浮かべながら言う。
「えっ、でも…」
不意に、嫌な予感がした。
「ふっふふふ……まあ……いいではないですか」
「そうですよ。緋紗子先生、うふふ」
緋紗子は、二人に連行されてしまった。
「ちょ、ちょっと、あなたたち」
今思えば、このときの嫌な予感は、的中していたのだった。
もっとも、緋紗子に悪いことが起きたわけではないのだが…
127(4/13):2005/04/13(水) 00:28:45 ID:58YVeGk+
スポンサー企業に着くと、すぐに応接室に通された。
「申し訳ございません、5分ほどお時間が掛かってしまいますけど、宜しいでしょうか?」
「はい、構いませんわ。私共の方からお願いに上がったことですから」
応接室に案内した、女子社員が退室して、3人になた。
「もう、強引ですね」
ソファーに座ってから、二人に文句を言った。
強引に連れてこられたので、緋紗子には、会社名も分からなかった。
まだ、新しいビルで、会社自体も若々しい感じがするくらいしか分からなかった。
「ふふふ、緋紗子先生、文句は、後で聞きますわ」
美智子に、笑顔でそう返されてしまった。
「そうだわ……緋紗子先生…、今度の私たちの舞台の原作小説書いてもらえませんか?出来れば、脚本も」
「ええつ?」
圭の急な提案に、驚きの声を上げてしまう。
「まあ、素敵ですわね」
美智子がニコニコ笑っている。
「そうね、面白そうね」
確かに、面白い話だ。
圭の劇団は、殆ど女子ばかりの劇団であるし、圭の年齢からいっても緋紗子の書く小説の内容にはぴったりの年の子が多い。
原作が、元恵泉教師で、恵泉OG中心の劇団ということで、宣伝にもなる。
注目されている劇団の原作小説なのだから、緋紗子にとっても美味しい話である。
脚本もというのも、いい経験になるだろう。
圭にとっても、それなりに人気のある小説家(読者層はやや限定されているが)である緋紗子の小説の初の舞台化であるので、成功させればメリットは充分にある。
また、圭は成功させられるだけの自信もある。
惜しむらくは、劇団のファン層と緋紗子の小説のファン層が被っているので、ファン層の拡大にならないことである。
しかし、緋紗子の方が旨味は、大きいだろう。
なんといっても、現在、ネタに詰まっている状況なのだから、演劇の世界という未知の知識が増えるということだけでも大きいだろう。
また、ネタ自体を圭たちと考えることが出来る。
このとき、圭の顔がニヤリとしていたことに緋紗子は気付いていなかった。
128(5/13):2005/04/13(水) 00:29:29 ID:58YVeGk+
『クシュン』
『あら?社長、お風邪ですか?』
『いえ、そんなことは無いですよ。ちょっと寒気が…』
『まあ……それはいけませんわね』
廊下から、声が聞こえた。
どうやら、スポンサー企業の社長さんが来たようだ。
トントンとノックが聞こえ、
「失礼致しします」
秘書らしき女性の声と共に、ドアが開いた。
緋紗子たちは、ドアに向かって背を向けた形なので、まだ顔は見えていない。

「やっ……瑞穂ちん、お久」
「まあ、圭さん、仮にもスポンサー様に向かって失礼ですよ」
「美智子さんも、仮にもは、酷いなあ」
「全くあなた方は」
「本当に、相変わらずですのね」
「えっ?瑞穂くん?」
「「「ええっ、緋紗子先生??」」」
緋紗子は、びっくりして振り向くと、髪の長い3人が立っていた。
3人とも、びっくりとしたようで、目をパチクりしている。
「えっ?貴子さんに、紫苑さんも?」
なるほど、これなら迷惑というより、喜ぶと言ったのが理解できる。
まるで、突然の同窓会である。
その時、バタンと大きな音がしてドアが開いた。
「瑞穂ちゃ〜ん、圭たち来てるってー?…えっ?緋紗子先生?」
「まあ、まりやさんまで」
129(6/13):2005/04/13(水) 00:30:29 ID:58YVeGk+
つまりは、こういうことである。
瑞穂は、女装して恵泉に通っていたという弱みがあるので、二人からの公演のスポンサーにという願いを断れないから、劇団の最大のスポンサーになっているのである。
もっとも、瑞穂の方も圭の実力は良く知っていて、注目されている劇団のスポンサーになることにデメリットはないと考えている。
まりやは、単に面白がっているというのが、一番ではあるのだが、新作発表会の演出を圭にやらせたり、自分のデザインを見せる場所が増えるので、舞台衣装のデザインも進んで協力している。
貴子、紫苑も同様の考えである。
つまり、友情や弱みとかいうだけでなく、きちんとビジネスとしての関係も成立している。

緋紗子は、突然6人もの教え子たちに会えて、嬉しさで、恵泉の時の話に花を咲かせた。
「先生の新作も中々評判がいいようですね。僕は、ああいうのはちょっと…ですけど」
「そうかにゃぁ〜瑞穂ちゃんなら、むしろ良く分かるんじゃないの?」
「そうですわね、瑞穂さんなら」
「まりやは、ともかく、紫苑さんにまで言われると」orz
瑞穂は、少し落ち込んだ。
少し黙っていた貴子が、何故か顔を真っ赤にしてボーっとしてる。
「あっれぇ〜貴子、何を妄想してんのかにゃ」
「いいいっいえ、何も…妄想などしておりませんわ」
(いや、貴子さん、それは、してますって認めてますって)

『きゃあ〜〜〜』
しばらくすると、ドアの外から歓声が聞こえてきた
「ふっ……来たわね……」
圭がニヤリと笑い小さくいった言葉に、何かを察したのか紫苑が立ち上がり、フラフラとドアの方に近付いていった。
コンコンとノックの後に、
「失礼しますのですよ〜むぎゅぎゅ〜」
と声がした。
見ると、紫苑が、小さな女の子を抱きしめていた。
その後から、
「しっ紫苑さま!」
元気な声がした。
130(7/13):2005/04/13(水) 00:31:21 ID:58YVeGk+
「あら、奥様!どうし…いえ、会社にお見えになるなんて、どうかなさいましたの?」
立ち上がって、ドアに近付いた貴子が、慌てて言う。
「あっ貴子さま…そうじゃなくて、奏ちゃんが…」
「はっ紫苑さま。奏さんが死んでしまいます」
「死ぬですか……奏、死ぬのですか……」
「あっごめんなさい。奏ちゃん、相変わらず可愛過ぎるから、つい……」
紫苑の可愛いものが好きなのは、相変わらずである。
奏の見る者を引き擦り込んでしまう、周防院時空は健在どころかパワーアップしているようである。
「しかし、ドアの外からも紫苑様を呼び寄せるとは……げに恐ろしきは周防院時空の威力…とね」
(あはは……は………というか、周防院時空って何?)
まりやの言葉で、紫苑が奏の方に目をやると、奏と目が合ってしまった。
再び、奏の方にふらふらと近付く。
「紫苑さま!」
由佳里の声に我に返った紫苑は、なんとか踏み留まり、顔を赤くして少し小さくなっている。
「「「「「「かっ………」」」」」」
「………かっ?」
((((((言えない…紫苑さん(さま)に、「かわいい」……なんて)))))
「かっ会社の方に来るなんて、由佳里、本当にどうしたんだい?」
話題を変えようと、ドアのところまで来ていた瑞穂が、由佳里に問いかけた。
(苦しい、それは苦しいわよ瑞穂ちゃん……)
いつの間にか、全員がドアの近くまで来ていたので、全員がソファの方へと戻り始めた。
「えっあなたが来るようにって、言ったんじゃないんですか?奏ちゃんが、迎えに来てそう言っていました」
由佳里が不思議そうに、問い返す。
「座長から、お電話で、瑞穂さまに由佳里ちゃんを連れて一緒に来るようにと言われた、と言われたのですよ〜」
「あっ……それは……奏に、私が社長が……つまり……美智子が由佳里さんを呼んでるから、連れて来てって言ったのよ」
圭が、しっれっとして言う。
131(8/13):2005/04/13(水) 00:32:14 ID:58YVeGk+
「まあ、美智子さん、圭さん、どういうことですの?」
「その方が確実に来て:いただけると思ったからですわ」
「いっいや……今度の舞台に必要だから……」
こういう時は、紫苑さんは怖い、圭は声が小さくなっている。美智子さんは変わらず笑顔のままだが。
「えっ私が?」
由佳里が驚いた声を上げた。
「そう、ソシアルダンスが必要なのよ」
「なるほど、それなら世界選手権を狙えるくらいの実力の由佳里と瑞穂ちゃんの協力は欲しいわね」
まりやが頷く。
「そうよ……凄く協力が必要なの……凄くね」
圭の一言に、瑞穂は嫌な予感がした。

「ふ〜ん、じゃあ、次回の演目は、お決まりになったんだ」
まりやの発言に、一拍おいて、圭が言った。
「そう、今度の出し物が決まったわ!」
皆が、注目する。
「劇団ハスター次回公演!原作、脚本、カリスマ百合作家、梶浦緋紗子!」
「その通り名……嬉しくないわ」
緋紗子は、少し複雑な顔をした。
(まあ、そう呼ばれても仕方ないのかも知れないけれど…)
「鏑木テクスタイル・プランニング全面協力!衣装デザイン、御門まりや(鏑木テクスタイル・プランニング)」
「ええ、いいわよ」
まりやは、すぐにOKした。もとから、そのつもりだったようである。
132(9/13):2005/04/13(水) 00:33:57 ID:58YVeGk+
「監督、演出、小鳥遊圭」
ま、これは、いつものことである。
「助演、小鳥遊圭、周防院奏、他」
「えっ?奏ちゃんが主演ではないのですか?」
紫苑さんが、ガッカリいている。
「タイトル、『ザ・グレイティスト・エルダー』!!」
「あっ…あの……もしかして…」
(ああっ、もう続きは聞きたくない)
瑞穂は、嫌な予感が確信へと変わっていた。
「そう、そして、主演、鏑木瑞穂(鏑木テクスタイル・プランニング代表取締役社長)」
「「「「「「はあ???」」」」」」
さすがに、全員が驚きの声を上げた。
「マスコミも大注目の麗しき美青年社長の主演、宣伝はマスコミが勝手にしてくれるし、大ヒット間違い無しだわ」
皆が目を丸くしている。
「映画化も視野に入れているわ」
「にゃははっ面白そうね」
まりやは面白そうというだけで、何もする必要が無かった。
「まっまりやさん、貴方って人は…」
「ほぉう……瑞穂ちんの舞台、見たくないの?」
(はっみみみみ瑞穂さんの舞台、瑞穂さんの女装姿)
「きゅぅ〜」パタン
圭の一言で、貴子は妄想の海に沈んだ。
「………………」
圭が、奏に無言の圧力を掛けている。
「しっ紫苑お姉さま、奏も、奏も瑞穂さまと一緒の舞台に立ちたいのですよ〜」
「ええ、奏ちゃん、勿論、私は大賛成ですわよ」
「ちょっ紫苑さん?」
上目遣いの奏の言葉で、紫苑はあっけなく陥落した。
やはり、恐るべきは周防院時空である。
133名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:36:46 ID:58YVeGk+
「あ……奥様も是非ご出演を、最大のクライマックスはクリスマスのダンスです。世界選手権を狙えるほどのお二人に踊ってもらわないと」
「クリスマスのダンス………」
「ゆっ由佳里?」
その一言で、由佳里はボーっとしてしまった。

「にゃははっ、瑞穂ちゃん、もう諦めなよ」
「まっまりや!」
「そうだ、瑞穂、諦めが肝要だぞ」
「とっ父さん!!」
いつのまにか、総帥までが来ていた。
「そうだ、瑞穂、今回の後援スポンサーは、全鏑木グループということになっておる」
また、拒否権無いのね……

今度は女優よ♪
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いや、女優とは言ってませんから
134(11/13):2005/04/13(水) 00:38:02 ID:58YVeGk+
◆エピローグ

圭の目論見通り、舞台は大盛況だった。
映画化もされ、大ヒットし、国際戦略版も作られた。
TVアニメ化やゲーム化もされ、緋紗子の原作小説も売れた。
ついでに、「鏑木瑞穂写真集〜綺麗な社長さんは好きですか?〜」も出版された。
一説には、鏑木グループの社員は、誰に言われることも無く、全員が買っているともいわれている。
その後、瑞穂は人と会うたびに、写真集にサインを求められたとか…
更には海外でも、出版され、鏑木テクスタイル・プランニングの海外進出には、大きな助けにはなった。

日本どころか世界のお姉さま…
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ちなみに、写真集の裏表紙は、落ち込んでいる瑞穂の姿である。

結局、不幸なのは瑞穂一人である。
135(12/13):2005/04/13(水) 00:38:58 ID:58YVeGk+
「あああ……書けないと思ってたネタ使っちゃたのよね」
今回の大騒動も一段落ついて、原稿に向かいながら緋紗子は、ポツリとこぼした。
「でも、暫くはネタで詰まることは無いわね」
緋紗子は、少し気楽になれた、当面はこのシリーズを続けることで、ネタで悩む心配が無いからである。
それに、演劇、映画、TV、アニメ、ゲーム等の業界のことを知ることが出来たし、顔を売ることが出来た。
その中でも幾つかネタを見つけることも出来た。
それらを消化していく間にもネタを見つけていけばいいのだ。
本の印税だけで無く、映画化などにも伴い、そちらからもお金が入ったので、生活も相当楽になった。
今までは、苦しいということは無かったが、決して楽とまでは言えなかった。
書き続けることが必要だったので、余裕がなくなっていたのだろう、ネタに詰まることが、良くあったのだが、あれから、ネタに詰まったことは無い。
「でも……ゴメンね、瑞穂くん」
(いや、だから、緋紗子先生、今更謝られても…)
そう言って、落ち込んでいる瑞穂の姿が目に浮かび、罪悪感を覚えた緋紗子であった。
136(13/13):2005/04/13(水) 00:41:19 ID:58YVeGk+
◆カーテンコール

その日、不幸な瑞穂は、海外出張から帰ってきた。
海外の代理店との交渉のためである。
交渉自体は、すんなりとまとまった。
しかし、そこで、その国の要人たちに紹介したいということで、パーティへの出席を求められた。
そこでも、写真集へのサイン攻めに合わされた。
疲れきった体で、自宅の玄関を開けると、パタパタとスリッパで駆け寄る音が聞こえてくる。
ああ、一人娘が、また、「お父さま、お父さま、お父さま」と抱きついてくるのだろう。
今や瑞穂には愛娘といる時が、唯一の安らぎなのかも知れない
「ただいま」
瑞穂は、玄関に駆け寄ってきた愛娘を目にすると、にっこりと笑いかけた。
愛娘は、瑞穂に抱きついて、マシンガンのように喋りだした。
「お姉さま、お姉さま、お姉さま〜、一子は、一子は、お姉さまにお会いできなくて、
と〜ても寂しかったです。これからは、お父さまじゃなくて、お姉さまって呼ばせてください。いえ、駄目って言われても、
一子は、そうお呼びします。だって、だって、綺麗なお姉さまが、一子は、大大大、だぁ〜い好きなんですもの」
137最後が入らんかった:2005/04/13(水) 00:42:16 ID:58YVeGk+
娘にまでお姉さま……
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瑞穂に安らぎはあるのだろうか?
138名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:45:38 ID:58YVeGk+
あとがき(というか、言い訳)1
かなり強引な展開ということは、自分でも重々承知してます。
まあ、御(ピー)主義ということで(でも、御(ピー)主義でも、強引過ぎると思ってる)
SS内で自分で書いてるけど、背伸びして書いちゃいかんのだが…
お嬢様言葉は疲れました。
瑞穂と由佳里なら娘に「一子」と付けるだろうなと、いうことで、そうなれば、やっぱ、マシンガンはね。
一応、君江、葉子、加奈子たちも出そうかと思ったんですが、流石に蛇足かと思いやめました。
貴子を慕って入社し、社長室と、秘書課に配属という設定。
君江さんは、受付で、話に絡めるという案もありました。
三つ編を梳いてコンタクトにしているので、緋紗子は君枝と気付かなかったってことにして。
あと、圭と美智子は在学中に瑞穂が男だと気付いていたと、解釈しています。
「あら、晴れて解禁ですか……エロい人たちですね」
「あら、今更隠さなくてもよろしいじゃありませんか……」
この台詞からね。
いや、もしかしたら鏑木ということも…?(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
139名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:47:14 ID:Qon0jUz0
>>138

GreatJob!
今までの作品の中でも極めつけに不幸な瑞穂ちゃん激萌え。
これまたオチの仕掛けが凝っているし。
最期の安息の地、愛娘にまで「お姉さま」ですか。

ここまで先が読みにくいSSは久しぶりです。
今後も期待してますよ。
140名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:47:40 ID:58YVeGk+
あとがき(というか、言い訳)2
設定について
まりやの場合は、どのENDの場合でも、瑞穂の周りから離れないと思う。
特に、由佳里の場合は、からかいに来るのではないかと。
貴子もどのENDでも紫苑と兄との婚約阻止の行動に出ると思う。
それで、結局、瑞穂を頼る可能性は高いんじゃないかな?
それで、婚約解消になれば、紫苑は恩義を感じてしまうだろうし、貴子も実家にはいられなくなって、4人が集まる機会が多くなっていく。
瑞穂は、父親に大学卒業後に、新会社を興してみろと言われて、なんとなく、まりやたちに話した。
まりやは留学しなかったが、デザイナーの勉強をしていて、デザイン関係の仕事は?ということになって、鏑木テクスタイル・プランニングを設立。
まりやは専属デザイナー、貴子は社長室長、紫苑は専務あたり?
圭は、大学進学と共に本格的に演劇を始めたが、入った劇団で演出で対立し、自分で劇団を起した。
演劇祭で、注目を浴び、TVドラマの役を得て出演、主役を食う存在感とその独特のキャラクターで人気が出たが、
ブツブツと演出について言っているのを、監督や演出家などに聞かれ、また、役を食われた出演者にも敬遠され、あまり使ってはもらえなかった。
しかし、その様子を見ていたTV局の人間の目に留まり、辛口評論家としてTVに出ることに。
奏は、恵泉卒業後、圭の劇団に入り、劇団の2大スターとなり、やはり、TVドラマに出演、その愛くるしさと演技力でたちまち大人気となった。
圭の大学卒業時に、美智子が瑞穂に働きかけ、鏑木の援助の下、劇団をプロダクション化。
圭の人気が必要以上に出ないように暗躍すると。
こんな感じ、本当は、こういうことは、作中で書かなきゃなんですが、こんなのを書いたら、SSじゃ収まりませんし、そんな気力ありません。
141名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 00:54:38 ID:jxlgTUft
>>124-138

GJ! GJ! つか「劇団ハスター」に爆笑した。

それにしても、「鏑木瑞穂写真集〜綺麗な社長さんは好きですか?〜」は良いなぁ。是非欲しい。
1421話スレ241:2005/04/13(水) 04:07:15 ID:cD+tfJ5G
>>138
お疲れ様でごんす&ハラショ
世界のお姉さま、か・・・。
瑞穂ちゃんの美しさは世界一・・・?

「鏑木瑞穂写真集〜綺麗な社長さんは好きですか?〜」はぜひ欲しい。
むしろオフィシャルで出版してくれ
143名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 08:41:37 ID:8uAaX1VU
面白いんだけど……ちょいと読みづらいかも。
もう少し文の繋がりを考えると、もっとよくなりますよ。

SS新人さんがんばれ。超がんばれ (´・ω・`)
144初代269:2005/04/13(水) 10:21:28 ID:McqMB8R2
>>138
乙でした。
段落付けて書いた方が読み易いし、推敲するときにも見やすいと思いますよ。

今書いている新作ですが、時間が無くて予定通りに書けないorz
話の展開などは既に出来上がっているのに……今週中の投下を目標に頑張ります。
145初代550:2005/04/13(水) 12:38:46 ID:wNn2sO3q
貴子視点 卒業直後 書く前から言い訳。制服の設定、いまいちよく判ってません。
タイトル:出来心

高校は卒業した、大学にはまだ入学していない。多分、人生において一番時間が有り余ってる時期。そして、なんと言っても私は家に居るのが嫌い。
そういうわけで、私は卒業した翌日から、毎朝、学校に通っていたのと同じ時間に起き、同じ時間に家を出て、瑞穂さんのお宅に通っている。
何をするわけでもなく、内容のあるのだかないのだかよく判らない事を会話をして、窓から外を眺めたり、一緒に買い物に行ったり、映画を見に行ったりと非常に充実した毎日を送っている。
通いなれ始めた瑞穂さんのお宅への道。そこを歩いていると、無駄に大きい門の前に引越し業者らしい名前の入ったトラックが1台止まっているのが見えた。
「おはようございます、瑞穂さん」
「おはようございます」
トラックのそばで運転手と会話をしていた瑞穂さんに声をかける。手に持つ伝票を見ると、どうやら荷物の受け取りをしていたようだ。
「何ですの?」
業者の人たちが、大きなダンボールをいくつか玄関にまで運んでいるのが見えた。宅配便にしてはずいぶんと量がある。
「寮においてあった私物を送ってもらったんです」
引越しと言うわけですか・・・1年にも満たない間でずいぶんと増える物なのですね。
「手伝いますわ」
どうやら業者の人は、玄関にまでしか運ばないようで、そこからの片付けは家のものでするしかない。
一人で仕分けしきれない量ではないと思うが、一人で片付けさせて、それを見物できるほど不出来な人間ではない。
「悪いですよ」と、瑞穂さんは辞退してきたのだが、結局、私のほうが押し切って片付けの手伝いをする事になった。
流石に下着などの片付けは瑞穂さんの一人に頼みましたが・・・
「しかし、卒業したのは10日くらい前なのに、改めて教科書とかを見ると、なんだか凄く懐かしいですね」
「そうですね・・・多分、二度と開いたりはしないのでしょうけど、なんとなく、捨てがたいですわ」
その私の言葉を肯定するように、瑞穂さんは教科書たちを捨てずに別の段ボール箱に詰めていった。
ん?やけに薄い教科書・・・って、これは雑誌ですわね。ダンボールの一番下に入っていた雑誌を取り上げ、何気なく中身を見た私は、そのまま、別の世界に落ちてしまった・・・
(1/6
146初代550:2005/04/13(水) 12:39:44 ID:wNn2sO3q
「えっ?・・・あぁぁぁ!それ、まりやのお土産!」
遠くで瑞穂さんの声が聞こえたる・・・上が金髪だと下も金髪なのですね・・・
どのくらい失神していたのかはよく覚えてませんが、目が覚めると瑞穂さんがばつの悪そうな、心配するような微妙な表情で私を見下ろしていた。
「あの・・・」
「すいませんでした。でも、一つ言わせてください。あれはまりやが外国から密輸した物ですから」
「・・・」
「・・・貴子さん、お願いですから、汚物を見るような目はやめてください」
やましいからそういう風に思ってしまうだけです。と思う・・・自信は余りありませんが。
「・・・とりあえず、捨ててください」
まだ、顔が熱くて、心臓の音がうるさい。あんなのを見て男性は本当に興奮するのですか?うっ、思い出したら、また気分が・・・
「捨てましたから・・・」
外国旅行のお土産で、堂々とあんなのを密輸するまりやさんもまりやさんですが、それを寮のゴミ箱に捨てられず、半年も部屋に置いた挙句、実家にまで持ち帰ってくる瑞穂さんも瑞穂さんです。
「ところで、瑞穂さん・・・」
「はい?」
私は頬を染め、重大決心を口に乗せた。
「・・・金髪がよろしければ染めますわ・・・下も」
「そんな事はありません!全然そんな事はありません」

「とりあえず、何か買ってきます」
失神から回復した時には、すでに12時を30分以上回ってしまっていた。
「デザートは欧州屋のレアチーズでいいです」
ケーキ一つでアレを許して差し上げるのですから、安上がりだと思ってください。ちなみに欧州屋とは近くにある評判の洋菓子屋さん。ケーキも美味しいが、焼き菓子も美味しい。
はいはい、と苦笑しながら出て行く瑞穂さんの背中を見送り、私は片づけを再開した。と、言っても残ってるダンボールは一つだけ。

お弁当を買ってから、欧州屋に寄れば多分30分ほどは帰ってこないはずだから、帰って来る頃には全て片付けは終わっているだろう
一人で残った段ボール箱を開き、中身を確認した。もう、あんな本は入ってないでしょうね・・・体操服と、制服が夏冬が2セットずつ。それに体育館用シューズ。男女を問わずに着れるような私服が数着。
(2/6)
147初代550:2005/04/13(水) 12:41:16 ID:wNn2sO3q
当たり障りのない普通の服ばかり。安心したような、物足りないような・・・って、何が物足りなのですか!私は!?
一度、全てをダンボールから取り出し、私服の方はハンガーに通してクローゼットの方へ。制服はどうするのでしょう?もう着る事もないでしょうけど・・・捨てるのもしのびがたいような気がしますわね。
夏の制服の肩を持ち、目の高さまで持ち上げて見る。普通のセーラー服に比べて体の線が出やすい制服。
・・・・・・・・細い。
瑞穂さんの腰に手を回すたびに思っていたことだが、彼のウェストはかなり細い。正確な3サイズを聞いた事はないが、話によるとまりやさんよりかは細いらしい。
まりやさんも運動をしていたのだから、決して太めなわけはなく、どちらかと言えば細い方なのだが、それよりも細いとなると・・・
「・・・まさか、私よりも細いと言う事は・・・」
気になり始めると、確かめたくなるのは人間の持つサガみたいな物だと思う。しかし、実際に聞いてみるのも恥ずかしい。
「・・・これを着ることが出来たら、少なくとも瑞穂さんよりも太いと言う事ではない、と言うことですわね・・・」
時計に視線を移す。まだ、瑞穂さんが出てから10分と経っていない。さっと脱いでさっと着替えてしまえば、ばれる事はないはずですわ。
萌黄色のワンピースを脱ぎ、白い清楚な下着姿になり、久しぶりに恵泉の制服に着替え始めた。
うぅ・・・やっぱり・・・ファスナーが腰の辺りで止まってしまう。
しかし、ここで素直に脱いでしまえば、負けを認めてしまったような気がするし、あと少しで上がりそうな気がする。
思いっきり息を吐いて、勢いをつけて一気に・・・こうして・・・・・・ぷはぁ!むっ、無理だというのですか!
もう一回、胸の中に入っている空気を最後の1ccまで押し出して、今度は勢いをつけるのじゃなくて、少しずつ上に上げる感じで・・・ギチ・・ギチ・・・嫌な音が聞こえたような気がするが、聞こえてない振り。
あれ?ショーツが変、引っ張られているような・・・少しはしたないが、スカートの中に手を入れて、腰の辺りに触れる。
「か・・・噛みこみました?!」
うそっ、えっ、わっ・・・あわててチャックを下ろすが、もう、後の祭。お腹を思いっきりへこませた所為で、僅かに緩んだ下着が必要以上に密着したファスナーに噛み込まれてしまっている。
(3/6)
148初代550:2005/04/13(水) 12:41:58 ID:wNn2sO3q
しかも、へこませていたお腹も普段の状態に戻ってしまったおかげで、その噛み込みはもはや完璧に後戻りできない所にまで来てしまった。
恐る恐る鏡に視線を向ける・・・そこには、お腹の辺りがはちきれんばかりにパッツンパッツンになった制服を、中途半端に着た間抜け面の女が一人。
こんな間抜けな姿を見られたら、瑞穂さんに嫌われてしまう。と言うか、恥ずかしくて、生きていられない。
しかし、ガッチガチに噛みこんだファスナーは下がるどころか上がりもしない。
とりあえず、パンティを脱いで見ましょう。もしかしたら、パンティの生地が外れるかもしれない。
10分後
・・・・・・・・まずい、これはまずい。パンティを上だの下だの動かすうちに、変な気分になりそうな予感がしてきた。間抜けの上に変態ですか?私・・・あぁぁ、もう!下りろ!!
びりっ!!
破れちゃいました・・・あははは・・・
とりあえず、パンティは脱げました・・・二度と履けませんが・・・
それをハンドバッグの中に丸めて突っ込んだ。どうやって帰ればいいか?と言う話は後で考えるとして、今はこの制服を脱がなくては。
パンティは破れたが、噛みこんだ生地は当然のようにそこに残っているのだから、ファスナーが少しでも動きそうな様子はない。
早ければ今すぐにでも帰ってくる。遅くても15分とは掛からないはず。
どうしてこうなってしまったのだろうか・・・私が馬鹿だからですわね、そんな事は判ってます。ええ、判っていますとも。
しかし、いくら後悔しようが、神様にお詫びしようが、マリア様にお願いしようが、ファスナーは1mmたりとも動かない。
私は時間も忘れ、必死になってファスナーと格闘した。もう、こんなに必死になったのは、瑞穂さんと同じ大学に入るために勉強した時以来だと思う・・・つい先日までの話ですわね。
その前はバレンタインデーにあのそびえ立つ黒いバベルの塔を見た時で・・・ふっ、私、いつも必死ですわね。
などと馬鹿な考えとともに、ファスナーと戦っていると、一番好きだが、今は絶対に聞きたくはなかった声が聞こえた。
「ただい・・・ま?・・・何をやってるんですか?」
二つのビニール袋を持った瑞穂さんが見ているのは、明らかにサイズの小さな制服を脱ぐ為に四苦八苦している馬鹿の姿。
(4/6)
149初代550:2005/04/13(水) 12:42:38 ID:wNn2sO3q
「ひっ!」
こういうときに限って、お弁当屋さんもケーキ屋さんも空いてて、全然待たずに帰ってこれたということですね?
冷静に自体を分析した所で、自体が好転するわけもない。しかし・・・神は居ないのでしょうか?
「貴子さん・・・」
「何も言わないでください。それと、珍獣を見るような視線は辞めてください」

「仕方ないですね、切っちゃいましょう」
「・・・はい」
事情を説明すると、瑞穂さんはあっさりとそう言った。説明するような事情があったのか?などとは聞かないでください。
ふふふ・・・誤魔化そうとしたらマントル層に達するような墓穴を掘ってしまいました・・・とだけ言っておきます。
爆笑でもしてくれれば、まだ救いがあったのに・・・。
荷解きに使っていたはさみを持って、瑞穂さんが私の背後に回る。冷たいはさみが薄い夏の制服越しに私の肌に、ひんやりとした鋼の感触のを伝える。
・・・・・・・しかし、いつまで経っても、そのはさみが生地を切り取る音がしない。
「あの・・・」
瑞穂さんが非常に申し訳なさそうな声で、私に声をかけてきた。
「何ですか?出来れば、早くして欲しいのですが・・・」
腰の少し上までがもろに開いた服、これがドレスならいくらでも見つめていてほしい所ですが、ファスナーの噛みこんだ制服では・・・恥ずかしさで人間は死ねる事を証明してしまいそう。
「・・・このままだと・・・肌まで切ってしまいそうなんですが・・・」
はは・・・人間、恥ずかしさでは死ねない生き物なんですのね・・・やっぱり。
「た・・・多少はいいですから」
それでも出来れば切られたくないので、私はまた、思いっきり息を吐き、少しでもウェストを細くする努力をする。
(5/6)
150初代550:2005/04/13(水) 12:43:21 ID:wNn2sO3q
やたらと肺活量が鍛えられそう・・・。
「では・・・行きますね」
ジョキッと軽い音がして、私の腹部がきつい服から解放され、すとんとスカートが床に落ちた。はぁ・・・苦しかった・・・
「ご迷惑をおかけしました」
本当は恥ずかしくて、瑞穂さんの顔を見ることが出来ないのだが、それでもお詫びだけは・・・と思い、後ろを振り向くと、瑞穂さんが真っ赤な顔をしている。
「貴子さん・・・下着・・・」
「えっ?・・・きゃぁぁぁぁぁ!!!!」
何度も見られてるはずなのに、こういう場合だとやけに恥ずかしいんですのね・・・

PS.
「あっ、貴子さん、あの制服。僕、間違えて洗濯機にかけちゃって、縮んじゃってたんですよ」
「いまさらそう言うことを言われても、何の救いにもなりませんって・・・」
(おしまい)
151名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 13:31:26 ID:fAeXMNHA
会社近くのマックで笑いながら読んだ恥ずかしい人間が一人。
152名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 13:47:50 ID:8mcbg2gf
作品別スレから、あわてて移動してきた人間が一人。
153名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 14:20:31 ID:Lm29sofo
自爆っぷりを微笑ましく思いつつ目を覆った人間が1人。
154名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 14:37:15 ID:UpV9NEV0
会社から笑を堪えて読んだ人間が一人。
155名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 14:45:47 ID:hek5sCxV
自宅で笑いながら読んだ香具氏が一人。
156124(1/3):2005/04/13(水) 15:01:19 ID:OyNuiU0D
【世界のお姉さま】瑞穂ちゃん危機回避バージョン1

「タイトル、『ザ・グレイティスト・エルダー』!!」
「あっ…あの……もしかして…」
(ああっ、もう続きは聞きたくない)
 瑞穂は、嫌な予感が確信へと変わっていた。
「そう、そして、主演、鏑…「あの、圭さん?」
「……何でしょう……緋紗子先生?」
 緋紗子に話の腰を折られ、圭は少しムッとして答える。
「私、クトゥルー神話?だったかしら?読んだことないですよ」
「はい??」
 圭は、何の話か判らなかった。
「だって、『ザ・グレイティスト・エルダー』…最も偉大な古(いにしえ)の者……つま
り、古の神でしょう?」
(緋紗子先生、ナイスボケです。薄荷のキャンディより、数億倍嬉しいです)
 ここが、ラストチャンスとばかり瑞穂は、話題を変えさせることにした。
「それは、Great Old Onesでしょう、旧支配者ってことですね、それに、
古(いにしえ)ということですと、Elderではなく、Ancientの方になるん
じゃないかな?Ancient Onesという表記もあったような気がします」
「まあ、クトゥルー物を、やるんですの?面白いかもしれませんわね。私も結構、読んで
いますわ。でも、タイトルは、『ザ・グレイティスト・オールド・ワンズ』の方が良いの
ではないかしら?」
(へえ、紫苑さんは、そういう物も読んでいるんだ、手当たり次第に乱読するって言って
たけど)
「それなら、旧支配者の中でも更に強力な物がいたということで、新しい物が書けるので
はないかしら?」
「へえ、面白いかもね。で、クトゥルー神話って、どういう物なの?」
 まりやも、興味を持ったらしく、紫苑に尋ねた。
157124(2/3):2005/04/13(水) 15:02:14 ID:OyNuiU0D
「クトゥルー神話というのは、H.P.ラヴクラフトが書いた小説をもとに、オーガスト・
ダーレスが体系化して………」
 実は、紫苑はクトゥルー神話を全て読んでいたらしく、詳しい説明が延々と続いた。

(………うううう………失敗だったわ……略さずに『ザ・グレイティスト・エルダー・シス
ター』にすべきだったわね)
(もう、圭さんたら、今夜は、お仕置きですわよ)
(……美智子……怖い……)
 美智子の笑顔は、少し引きつっていた。
「そういえば、圭さん、劇団名のハスターって、名状しがたきもの、名づけられざるもの、
無名のもの、羊飼いの神のハスターですよわね?」
 不意に、紫苑が圭に問いかけた。
「……ええ……そうよ…」
「私が、クトゥルー神話に興味を持ったのって、圭さんが、時折、『いあ いあ はすたー』
とか挨拶していましたでしょう?たまたま、手に取った本にその呪文が載っていたのを見つけ
たのが、きっかけですのよ?」
(圭さん、これは、ただのお仕置きでは、済ませられないですわよ)
 ついに、美智子の顔から、笑顔が消えた。
「………ひぃ………」
 美智子の顔を見た圭が、小さな悲鳴を上げた。
「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ・ぐあ なふるたぐん
いあ くとぅぐあ」
(今度は、クトゥグア呼び出すつもりですか?って、そんなもの呼び出されたら、ここら一帯
が火の海になっちゃうじゃないですか)
「………いっいっいやぁ、お助けぇ〜」
 圭は、悲鳴を上げ、急に立ち上がると部屋から逃げ出した。
「あっ、圭さん、どちらへ行かれるのですか?」
 美智子も、立ち上がると、圭を追いかけて部屋から出て行った。
 瑞穂が、ドアから顔を出すと、逃げ出す二人と、何故か総帥の姿を見つけた。
(あれ?なんで。父さんまで?)
158124(3/3):2005/04/13(水) 15:03:10 ID:OyNuiU0D
「ちっ逃がしたか……」
 まりやが、舌打ちをした。
(いや、まりや、向こうの謀り事通りにことが進んだら、一緒に面白がるつもりだったくせに)
(しかし、圭さんも、火の海になってでも逃げたいとは…)
「美智子さんの責めって、そんなに凄いのかしら?」
「「「「「「えっ」」」」」」
 緋紗子の言葉に、皆が固まって、意味に気が付いた順に顔を赤らめた。

 今回は、二人(と総帥)の魔の手から、逃れることが出来た。
 しかし、第二、第三の陰謀からも逃れることが出来るのだろうか?



感想をくれた方、ありがとうございました。
幾つか、案があったのですが、瑞穂ちゃんの一番不幸なバージョンにしたので、
このバージョンでは、圭さんに壊れてもらいました。
瑞穂ちゃん危機回避バージョン1となってますが、危機回避バージョンの2以降を書くかは判りません。
その他のバージョンや圭さんと美智子の行動についての話も書くかもしれません。
159名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 15:19:12 ID:jQhltebM
なんとなくTORGリプを思い出した俺。

瑞穂「グゥレェイティストォォォォッ!!」
160名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 15:21:00 ID:fAeXMNHA
なんか濃い話キタ───────!!!
161名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 17:20:09 ID:Y2wd5chC
>>159
TORGじゃなくてTRPGジャマイカ?
162名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 17:36:42 ID:cKQkEobk
>161
TORGというTRPGのことではあるまいか?
163名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 17:39:57 ID:Y2wd5chC
>>162
なるほどそう云う事か
スマンかった
164名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 17:49:32 ID:jQhltebM
脊髄反射で怪しい話を振った。今は反省している。
165名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 23:48:25 ID:6HW9XcbR
「ふう…今日のはどんなのだろ?」
ここは寮の私の部屋。
私の手には何の表書きもない茶封筒。
そしてその中には写真が枚入っているはず。
「どうか瑞穂お姉さまのレアが入ってますように…」
祈りながら封を切る。

私には写真部の同級生がいるのだけれど、彼女は人気のある上級生の写真を売って小遣い稼ぎをしていたりする。
もちろん褒められるようなことじゃないし、ちょっと高いと思わないでもないけど、
彼女の腕は確かだしいい写真なのも間違いないから密かに続いている。
…中には明らかに授業中の写真もあるのだけれど、どうやって撮ったのかは企業秘密らしい。
因みにお値段はバラで一枚300円、何が入っているのかわからない福袋が5枚セットで1000円。
一見バラでお目当ての写真を確実に手に入れた方がよさそうだけれど、実は福袋にはバラでは売っていないレア写真が入っていることがある。
最初に買った時、瑞穂お姉さまがバスケットボールでシュートを決めた瞬間の写真を引き当ててからというもの、私は断然福袋派なのだ。

まずは封筒の中身を覗いてみる。
…うん、ちゃんと5枚入ってる。
封筒をひっくり返し、ゆっくりと写真を引き出す。
いつになってもこの瞬間はドキドキが止まらないよ…。
「由佳里ちゃん?どうしたのですか?」
「うひゃうっ!?」
か、奏ちゃん!?
驚いた拍子に封筒を落としてしまった。
慌てて振り返る。
「か、奏ちゃん!どうして私の部屋に!?」
「どうしてって…遊びにきたら扉が開いたままだったのですよ。そうしたら由佳里ちゃんが凄く緊張しているようだったから気になって…」
私のうっかりさん!
166名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 23:49:05 ID:6HW9XcbR
と、とにかく奏ちゃんには外に出てもらわないと!
「な、なんでもない!なんでもないから!」
「は、はい?…あれ、それって…写真なのですか?」
「あ、あー!?」
床に落ちた拍子に写真が封筒から少しだけ出てる!?
…こうなったらしょうがない、奏ちゃんも仲間にしてしまおう。
これ以上被害を広げたくないし…もしまりやお姉さまに知られでもしたら私の人生終わりだ。
「奏ちゃん、入って!」
「え?え?」
奏ちゃんの手を引いて部屋に入れ、急いで扉を閉めて鍵を掛ける。
…緊張の糸が切れて思わず床に座り込んでしまった。
「ゆ、由佳里ちゃん?いったいどうしたのですか?」
「…奏ちゃん、今から見るものは他言無用だからね」
「は、はい?」
「誓・っ・て・く・れ・る・よ・ね・?」
「は、はいなのですよ!」
…よし、奏ちゃんは嘘を吐かないだろうから一安心。
涙目で震えてるように見えるのは気のせいだ、きっと。
167名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 23:51:42 ID:6HW9XcbR
「はあ…そんなものがあったのですか」
「うん、彼女とある程度親しくないと無理だけどね。やっぱりバレたらまずいことだし、口外しないと信用できない相手には売れないみたい」
「残念なのですよ…」
「ええっと、それじゃ私が奏ちゃんの分も買ってこようか?」
「いいのですか!?」
「うん、だって奏ちゃんだもん」
「ありがとうなのですよ〜」
本当に嬉しそうな奏ちゃん。
奏ちゃんもお姉さまのことが大好きだもんね、気持ちはわかるよ。
「それじゃ一緒に見よっか?」
「いいのですか?」
「うん。…でもあげないよ?」
「そんな、欲しがったりはしないのですよ〜」
顔を見合わせて笑いあう。
そして改めて写真をベッドの上に広げて二人で見てみることにする。

「あ、部長さんなのです」
「演劇部の練習風景…かな?」
「はい、そうなのですよ〜」
「へえ…凛々しくて恰好いいね」
「でも怒ると怖いのですよ…生命の危機なのですよ…危険が危ないのですよ…(カタカタ)」
「か、奏ちゃん…?」

「あ、これはまりやお姉さまが走ってるところだ」
「まりやお姉さまは陸上部の部長さんでしたよね?」
「うん、厳しいけど的確な指導をしてくれるし、部員のみんなも尊敬してるよ。…ここでのまりやお姉さまからは想像できないかもしれないけど」
「そ、そんなことはないと思うのですよ」
168名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 23:53:32 ID:6HW9XcbR
「これは…生徒会長さんでしょうか?」
「まりやお姉さまとは凄く仲が悪いんだっけ」
「結構有名な話らしいのですよ。…あれ?隣に座っていらっしゃる方ですけど、この後姿は瑞穂お姉さまでしょうか?」
「え?でもクラスが違うはずじゃ…」
「確か、選択授業が同じ世界史だと聞いた覚えがあるのですよ」
「そうなんだ…」

「これって…まりやお姉さまと紫苑お姉さまの水着姿?」
水泳の授業中なのか、プールサイドで談笑しているらしいお姉さまたちが写っていた。
「お二人ともスタイルがよくて羨ましいのですよ…」
「本当だね…」
「「はあ…」」
思わずため息が漏れた。

最後の一枚。
それをめくった瞬間、…時間が止まった。
「うわ…」
「はう…」
そこには、瑞穂お姉さまの水着姿。
今まで体調不良でお休みされていた為、幻とまで言われていた姿だった。
さっきのまりやお姉さまや紫苑お姉さまに匹敵、いや、もしかすると上回るほど均整の取れた身体。
自分のプロポーションを思い浮かべてみる。
…とてつもなく悲しくなった。
横を見る、奏ちゃんと目が合う。
「……(ぐっ!)」
固い握手を交わす私たち。
私たちだってまだ成長期なんだから、望みはある…よね?
うん、あるに決まってる。
だって成長期なんだから。
1693-206:2005/04/13(水) 23:54:57 ID:6HW9XcbR
何かと不遇な(影の薄い)ゆかりんに愛の手(出番)を第二弾。
第三弾はやっぱり未定。
…なのに何故こんな扱いなのだろうか。
結局お前一番最後の一枚書きたかっただけちゃうんかと小一時間(略
今回も小ネタなのに異様に長いし。
ところで、由佳里ENDでのゆかりんは奏ENDでのゆかりんに比べ背が伸びてないように見えるのはやっぱり私の気のせいですか?

at the time後半ですが、最初の場面を三パターンのどれにするか悩んで頓挫中。
そこ以降は八割方完成しているのだけれど…。
しばらく寝かせてから考え直してみようかと。
170名無しさん@ピンキー:2005/04/14(木) 00:08:16 ID:pD+Jqt7d
GJ! GJ!
171名無しさん@ピンキー:2005/04/14(木) 00:36:31 ID:am58AIQr
警報、警報!
G−1グランプリ 恵泉女学院一発ギャグトーナメント
第三弾を只今より投下いたします
172171も初代スレ123:2005/04/14(木) 00:38:54 ID:am58AIQr
緋紗子「さあ、お待たせいたしました。G−1グランプリ決勝戦・第一試合、
宮小路瑞穂VS十条紫苑の試合がまもなく始まろうとしています――が。
学院長、瑞穂さんがまた黒いマントを着ていますね。いったいどうしたのでしょうか?」
学院長「理由は分かりませんが、今の瑞穂さんの姿を見ていると、
車田正美や宮下あきらのマンガを思い起こします。そう思いませんか? 緋紗子さん」
緋紗子「そ、そうですね……学院長から、そういう言葉を聞くとは思いませんでした」
学院長「何を今さら言っているのですか。
図書室にある『リンかけ』全二十五巻は私の強い希望によるものですよ」
緋紗子「本当に格闘技がお好きなんですね、学院長は……ああっと、瑞穂さんが今マントを脱ぎました、
マントの下は先ほどとは違ったワンピースの水着姿! 瑞穂さん、装いも新たにお色直しをしてきましたっっ」
学院長「今情報が入りました。どうやら先ほどのアクシデントで、
水着の一部に不具合があったことが理由のようですが、これはまた大胆な……」
緋紗子「瑞穂さんが着ている水着を説明いたしますと、
同じ白い水着ですがツーピースからワンピースに変わっています。
トップ部は背中が大きく開き胸が強調されたディープVデザイン。
ボトム部はデザインやシルエットラインからおそらくハイレグでしょう。
腰に巻かれたパレオのため、詳細は確認できません。あぁ、パレオが憎い!」
学院長「見てください、緋紗子さん。紫苑さんがまた瑞穂さんに抱きつこうとして、レフリーに止められてますよ」
緋紗子「学院長。このままだと紫苑さんに、ドクターストップかテクニカルノックダウンを取られてしまうんではないですか?」
学院長「いえ、どうやら大丈夫のようです。紫苑さん、どうにか態勢を整えました。まだ少し顔が赤いようですが、彼女ならすぐに立ち直るでしょう」
173171も初代スレ123:2005/04/14(木) 00:40:10 ID:am58AIQr
レフリー「先攻、犬さんチーム・宮小路瑞穂」
緋紗子「さあ、いよいよG−1グランプリ第一試合、宮小路瑞穂VS十条紫苑が今始まろうとしています。
まずは先攻の瑞穂さん。どう出るのか?」
レフリー「ファイト!」
緋紗子「ゴングが鳴りました。……あっっと、瑞穂さん、握手を交わした手をそのままつかんで紫苑さんをロープに振ったぁ」
学院長「いきなりの速攻ですね。瑞穂さん、紫苑さんに時間を与えず、一気にたたみかけるつもりですよ」
緋紗子「先ほどのダメージが残っているのか? 紫苑さん、はやくもピンチです」
学院長「緋紗子さん、紫苑さんがロープから返ってきますっ」
緋紗子「さぁ一体どんなギャグを繰り出すのか、瑞穂さん」
瑞穂「シスターエルダー、だっちゅ〜の!」
緋紗子「だっちゅ〜の! だっちゅ〜の! 学院長、これはあの一世を風靡した?」
学院長「今は解散したお笑いコンビ「パイレーツ」の、流行語大賞にも選ばれた一発ギャグですよ。
ギャグだけではなく、決めポーズも一世を風靡しました」
緋紗子「前屈みに腰を曲げ、両腕で胸をはさみんで谷間を強調する、
決めポーズを取る瑞穂さん。いいっ! 瑞穂さんの決めポーズがっ、胸が、谷間が! お尻もいいぞ」
学院長「あぁ、瑞穂さんのギャグを真正面から受けてしまった紫苑さんが、ロープ際まで飛ばされてますよ。
どうやら意識はあるようですが……」
緋紗子「紫苑さん、どうやらのぼせてしまって足に力が入らないのか、立ちあがることができません」
瑞穂「みんなのお姉さま、だっちゅ〜の!」
瑞穂「云ってない、『あん』なんて僕は断じて云ってない、だっちゅ〜の!」
学院長「紫苑さんだけじゃなく、瑞穂さん会場全体にアピールしてますよ。さすが歴代最多得票のエルダー、
細やかな気配りですね」
緋紗子「会場全体から歓喜の悲鳴がいたるところで沸き上がります」
瑞穂「ううっ…やっぱり一人じゃ時間内に掃除は終わらないよぉ、だっちゅ〜の!」
瑞穂「エルダーシスターは伊達じゃない、だっちゅ〜の!」
174171も初代スレ123:2005/04/14(木) 00:42:03 ID:am58AIQr
緋紗子「ああっと、リングサイドで何かあったようですが……貴子さん? 
犬さんチームの貴子さんが鼻血を出して倒れていますっ。流血です。激しく出血しています。
学院長、一体貴子さんの身に何があったのでしょうか?」
学院長「おそらく貴子さんのことですから、マット上の瑞穂さんの姿に興奮したに違いありません。
妄想爆発娘・ブレーキの壊れた妄想機関車と異名を持つ、彼女らしいといえばらしいのですが……」
緋紗子「G−1グランプリ決勝戦・宮小路瑞穂VS十条紫苑の試合は、
犬さんチームの貴子さんが流血するという、予想外の事態が起こってしまいました」
学院長「今ようやく、貴子さんが隣にいた奏さんに助け起こされましたよ。かなりダメージがあるみたいですね」
緋紗子「奏さんの手を借りて立ち上がった貴子さん、フラフラとリングサイドに歩み寄ります。
あら? 学院長、今マントの下からオーバーサイズのホワイトシャツが見えたような気がするのですが……」
学院長「見なかったことにしてあげてください──犬さんチームのリングサイドで、貴子さんが瑞穂さんの名前を読んでいますね」
緋紗子「そうですね。あっ今、振り向いた瑞穂さんに貴子さんがゆっくりと右手をあげました。一体何を言うつもりでしょうか?」
学院長「そのまま握っていた右手の親指を立てましたよ。これは……」
緋紗子「サムズアップ、サムズアップです! 貴子さんが瑞穂さんにサムズアップをしました。
学院長、これはどういう意味でしょうか?」
学院長「グッジョブ! GJ、瑞穂! ビバ瑞穂! という意味を込めたものと思われます。
妄想爆発娘・ブレーキの壊れた妄想機関車との異名をとる貴子さんですから、おそらく彼女にとってこれ以上の妄想ネタはないのでしょう。
瑞穂さんの艶姿を、しっかり脳裏に焼きつけたものと思われます。おそらくこれで、貴子さんは三日三晩妄想することができるでしょう」
緋紗子「わたくしの二つ名は伊達じゃない、面目躍如と言ったところでしょうか──
今気がついたのですが、犬さんチームのリングサイドに高島一子さんの姿が見えませんね。どうしたのでしょう?」
175171も初代スレ123:2005/04/14(木) 00:46:32 ID:am58AIQr
学院長「そうですね。いったい、どこに行ったのでしょうか?」
一子「呼びましたかぁ?」
緋紗子「うわっ、いきなり眼前に出てこないでください。びっくりするじゃないですか。
それにここは放送席ですよ、一体どこ行ってたんですか?」
一子「ちょっとお手洗いに……」
緋紗子「お手洗いって、あなた幽霊じゃ……あーっと、瑞穂さんのパレオが、
パレオがほどけてリングに、リングに、みっ瑞穂さんのハイレグッッ」

      _人人∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧人人_
       > なっ、なんですってぇ――――!! <
        ̄^WWVVVVVVVVVVVVVVVWW^ ̄

      _ ,.'⌒      〈,.'⌒        _        _
   '´ /ニ゙ヽ⌒    '´ , `´ ヽ       '´ ,、 `ヽ     '´  、ヽ
   ル 〈从从)〉   i イノノ))))    ((リ从 リx !   /(((从リ))i,\
  ノwリ;゚ロ゚ノル   | リ;゚ロ゚ノl!     |l、ロ゚;iリ〃  レ'リi、ロ゚;リツヽ、j
   ⊂)夭iつ    ノノ /)夭iヽ      ⊂i夭(つ      ⊂i夭(つ

ザーッ
しばらくお待ちください

G−1グランプリ 恵泉女学院一発ギャグトーナメント
第四弾へ続く
176171も初代スレ123:2005/04/14(木) 00:48:23 ID:am58AIQr
今回は以上です。いや〜、リングの、試合の臨場感を出すのがこれほど難しいとは。どうですか、お客さん。会場の熱気と興奮が少しでも伝わりましたでしょうか?
PS
AAに瑞穂ちゃんがいるのは見逃してください。
177名無しさん@ピンキー:2005/04/14(木) 00:51:18 ID:LaAMCjTs
リアルタイムで遭遇!
いいよー!
老舗ならではのGJです。

>ブレーキの壊れた妄想機関車と異名を持つ、彼女らしいといえばらしいのですが

ひどっ!
でも、確かにふさわしい異名ですだ。

恥ずかしいギャグをやらされて、ますます羞恥する瑞穂ちゃんを想像して、興奮してしまいますた。
瑞穂ちゃんのピンチ!
続きが気になる!
178無銘4 ◆518YLv.Xnc :2005/04/14(木) 00:55:33 ID:Pqz8jGAk
 上品な木目の美しいデスクの上を、お気に入りのボールペンの頭で一定のリズムを取りなが
らコツコツと叩き、瑞穂は部屋の窓から外を眺めていた。
「社長」
 季節は春。社長室の窓から見える大きな桜の樹は、そのしっかりとした枝に、淡く儚い華を大き
く広げていた。
「社長?」
 桜の花は、散る瞬間が最も美しい。いま正に最高の見頃である桜は、たなびく風にその花びらを
優しく乗せ、桜吹雪という言葉の美しさを目の当たりにしてくれる。
「社長!」
「は、はい!」
 秘書の呼びかけに、ぼうっとしていた瑞穂は驚いてぴくんと跳ね上がる。
「何だ、南さんですか。脅かさないで下さいよ、突然」
 南、と呼ばれた秘書は、その瑞穂の言葉に怪訝な顔をする。
「社長? 先ほどから何度もお呼びしていたのですが?」
「え? そ、そうですか?」
 瑞穂は心底驚いたような顔で、目の前にいる秘書の顔を見つめる。だがそれも一瞬で、瑞穂の顔は
再び先ほどまでの『ココロココニアラズ』の表情に変わった。
「社長!」
「え? あ、はい。すいません、南さん。何ですか?」
 再び瑞穂はほんの少し跳ね上がる。それを見た南は、一体何があったのだろうかと本気で心配を
始めるが、自分が仕事を忘れてはいけないと思い直し、両手で持っていたファイルを瑞穂に手渡す。
「一課からの企画書が先ほど上がりました。なるべく早めにサインが欲しいとの事です」
「えっと……はい、分かりました。そこに置いておいて下さい」
 そう言うと瑞穂は、もうお馴染みのように窓の外を向き、桜を眺めながら項垂れる。
「社長らしくないですね? いつもなら、この手の書類は真っ先に片づけるのですが……」
「そうですか?」
 相づちは打つが、相変わらず『ココロココニアラズ』。
179無銘4 ◆518YLv.Xnc :2005/04/14(木) 00:56:49 ID:Pqz8jGAk
 遂にみかねた南は、両手を勢いよくデスクに叩きつけた。その時の衝撃で、デスクが厚みの
あるいい音を立てる。
 そしてその音に驚いた瑞穂は、先ほどまでとは比べものにならないほどの勢いで跳ね上がる。
「一体どうされたんですか!? 社長! ここ二日ほどの放心振りは目に余ります!」
「え? 僕、そんなに放心してましたか?」
「されていました! 一企業のトップともあろう方が、そのようなことでどうするのですか!? 一体
何があったのです?」
 普段からハキハキとしていて、非常に仕事の出来る南だったが、流石にここまでの怒髪天振り
を発揮したのは初めてで、そのあまりの勢いに瑞穂は僅かにたじろいだ。
「社長、お答え頂けますね? 業務に支障が出るようなことがおありなんですか?」
 南は両手をついたまま、じりじりと瑞穂の方へと迫る。
「あ、あの……南さん?」
「社長!」
 瑞穂は両手を軽く前に出して苦笑いをしながら後退するが、迫り来る南から逃げられないと踏ん
だのか、ついには折れた。
「その………実はですね? 予定日近いんです」
「予定日………ですか?」
180無銘4 ◆518YLv.Xnc :2005/04/14(木) 00:57:31 ID:Pqz8jGAk
 何の脈略もなく予定日といわれても全く要領を得ないといった風に、南は顔を顰める。
「はい………娘が生まれるんです」
 そして、次いで出てきたあまりに唐突な一言に、南の端正な顔が一瞬崩れ、縁なしの眼鏡が
僅かにずれる。
「…………………娘!? 社長と貴子様の!?」
「お、大声出さないで下さい、南さん」
「だ、だって………そんなの初耳です」
「僕は話したかったんですけど、誰かに話すと貴子さんの両親の耳に入る可能性があると言っ
て、貴子さんが箝口令をしいたんですよ。だから、このことを知っているのは僕と貴子さんと父
様、それに家のお手伝いさんだけです。いいですか? しばらくは秘密にしておいて下さいよ?」
 南はずれた眼鏡を掛け直しながら、うんうんと大げさに頷く。
「それで、近いと仰っていましたが、予定日はいつなんです?」
 聞かれた瑞穂は、再び外に目をやりながらキャップの付いたままのベールペンで机に丸を書き
始める。
「それが……………………」
 言い掛けて、大きく溜息。
「………………………実は今日なんです」
181前々スレの569改め518 ◆518YLv.Xnc :2005/04/14(木) 00:58:43 ID:Pqz8jGAk
前編? か?
とりあえずそういうことにしておいて下さい。
続きはあるんですが、書くのにもう少し時間が必要なので、叉後日。
いつになるかは分かりません。

秘書長の南さんはオリキャラです。
一応脳内設定では、長身で端正な顔立ちのナイチチキャラですが、どうせ出番少なくも活躍も無い予定なので
特に意識する必要は無いかと。

かなり後の方にならないとヒロインの名前が出てこないことに反省。
あと、今回はエロくありません。だからって読む気無くしたとか言わないでください。



>>職人諸氏
>>まとめ氏
いつもGJです
相も変わらず時間に追われ、全部読み切れませんが、追って読みたいと思います
182124:2005/04/14(木) 01:01:59 ID:miBShpqn
>>176
GJです
第三弾を楽しみに待ってたかいのある出来です。
臨場感ちゃんと伝わってます。

> AAに瑞穂ちゃんがいるのは見逃してください。

それは、幸穂さんってことで無問題
183124:2005/04/14(木) 01:12:07 ID:miBShpqn
>>181
一瞬、瑞穂ちゃんが産むのか?って考えてしまった。(なんでやねん)
あと、南さんって、男かと思ってた。
1841話スレ241:2005/04/14(木) 04:43:16 ID:sbhyDqqF
>>181
確かにぼ〜っとしてそうだなぁ、瑞穂ちゃん
GJ

>>183
> あと、南さんって、男かと思ってた。
同じく。持ってる4コマ漫画のせいで。(違うか)
185初代269:2005/04/14(木) 08:48:11 ID:NJBnXTii
『落ち葉の軌跡、雪の降誕祭』[Another Ver.] vol.1 を投下します。

186初代269:2005/04/14(木) 08:49:14 ID:NJBnXTii
 「え?明日…?」
 お昼休み。いつものように紫苑さんと教室でお弁当を食べていたとこ
ろにやってきたまりやが、突然言い出した。
 「そ。祝日じゃない?明日。どこか行こうよ。…勉強ばかりじゃ息も
詰まるでしょう?」
明日は12月23日。いわゆる祝日である。
…確かにこのところ、ろくに外出してないな……
「…あら?いいですわね。…宜しければ私もご一緒させて頂けますか?
たまには息抜きに勉強以外のこともしたいですし……」
一緒にまりやの話を聞いていた紫苑さんが遠慮がちに云う。
「もっちろんですよ、紫苑様。…ね?紫苑様も行くって云ってるんだし
さ……」
笑顔を浮かべて紫苑さんに返事を返した後、僕を見ながらまりやが云う。
「うん……そう、だね。…まりやに付き合うよ」
気分転換には丁度良いかもしれないし…
「うん!そうこなくちゃね」
楽しそうな顔で云うまりや。
「それはそうと……」
「どちらに行かれるんですの…まりやさん?」
僕の言葉に次いで紫苑さんが云う。
「いくつか候補はあるんだけどね……まだ決めてない」
「そ、そうなの?」
…行き先はまだ決めてないのか……変なところにならないといいけど…
「そ。まだ何人で行くかわからないしね」
「?……私たちだけでは無いのですか?」
紫苑さんが疑問を口にする。
「はい。奏ちゃんとか由佳里とかにも声掛けてみようと思ってまして…」
「まぁ…それは楽しい休日になりそうですわね……ふふふ」
顔を輝かせて楽しそうな口調で云う紫苑さん。
「おっと…じゃあ、あたしは他の子たちに声掛けて来ますね」
云うとまりやは教室から駆け去って行ってしまった……
187初代269:2005/04/14(木) 08:50:14 ID:NJBnXTii
 「で……なんであんたが此処にいるわけ…?」
翌朝、寮の前に集合した面子を見て開口一番まりやが云った。
「いい、良いではありませんか…!私が此処に居たって…私は、お姉さ
まに……」
少し顔を赤らめながら言い澱む貴子さん。
「あ、まりや。私が貴子さんをお誘いしたの」
昨日の帰宅途中ソシアルダンスの講習会に出るため体育館に移動中の貴
子さんとばったり会って、話の流れから誘うことにしたのだ。
 「ふ〜ん…瑞穂ちゃんが貴子を……ねぇ…」
 訝しげな表情を浮かべてジト目で僕を見るまりや。
 「…まぁ、良いではありませんか……大人数の方がきっと、楽しいですわ」
 「奏もそう思うのですよ〜」
 紫苑さんの言葉に奏ちゃんが追従する。
 「ま、しょうがないか。今更、帰れ、とは云えないし……由佳里の代役
ってことで…」
「あ、そういえば由佳里ちゃんは…?」
てっきり由佳里ちゃんも来るものだと思っていたんだけど…
「ああ。由佳里ね…どうしても今日じゃなきゃ買えないものがあるとか
で……クラスの子たちと買い物に行った」
「……由佳里さん?ああ…もう一人の寮生の方ですわね。…お会いした
ことはありませんが…」
あれ?そう云えば貴子さんと由佳里ちゃんは面識が無いんだっけ……?
「由佳里ちゃんはとても良い子ですわよ?時々、私たちの教室にも顔を
見せていらっしゃいますわ」
穏やかな微笑を浮かべた紫苑さんが云った。
「……ええ、きっととても良い子なのでしょうね。聞くところによると
……あのまりやさんのお世話をし続けられる程の方、なのですから…」
…貴子さん……その云い方はちょっと………
「ちょっと!それ、どういう意味?!」
案の定、まりやが貴子さんに食って掛かる。
188初代269:2005/04/14(木) 08:51:28 ID:NJBnXTii
 「あら?そのままの意味ですわ。あのまりやさんの傍に居て、尚且つお
世話をされているのですから…余程お優しい心の持ち主なのだろう、と
思っただけですわ」
 しれっ、とした澄まし顔で応じる貴子さん。『あの』に力が入ってる……
「た〜か〜こ〜〜?!」
澄まし顔の貴子さんとは対照的に、まりやは顔を紅潮させていきり立つ。
「あんた、人のことをなんだと思ってるのよ?!」
「まりやさんはまりやさんですわ。それ以外の何者でもありません」
…また始まってしまった。最近は少しはましになってきたと思っていた
のに……
 「まあまあ、お二人とも……そこまでに為さってはいかが…?」
 見かねて紫苑さんが仲裁に入る。
 「「…でも」」
 二人同時に紫苑さんに向き直り……
 「「……ふん!」」
 同時に反応したことが不満だったのか、一瞬目を合わすとまたまた同
時に横を向く。
 そんな二人を見て、
「……あらあら」
 思わず苦笑する紫苑さん。
 「ふふ…お二人とも息がぴったりなのですよ〜」
楽しそうに云う奏ちゃん。
「……はぁ」
(先が思いやられるなあ……)
この面子…というか貴子さんとまりやが揃った状態で、物事が無事に終
わるとはとても思えなかった……

その頃、寮の屋根の上では…一子が羨ましそうな顔で皆の様子を見ていた。
「皆さんでお出掛けですか〜。いいですね〜。……そうだ!!……こっそり
後に付いて行ってしまいましょう…」
ぽんっと手を打つと、悪戯っ子のような表情で一子は呟いた……
189初代269:2005/04/14(木) 08:52:59 ID:NJBnXTii
 「…それで結局、今日はどちらに……?」
学院の校門を潜り駅に向かって歩いていると紫苑さんが云った。
紫苑さんは、今日は流石に制服ではなくスカートに厚手のセーターとい
ったやや地味目な格好である。…ちなみにマフラーはしていない。
 「…さあ?」
僕もまだまりやから行く先については聞いていない。
ちなみに僕の格好はジーパンにシャツ。上に皮ジャンを羽織った状態で
ある。…私服でスカートを履くのにはやはり抵抗があるので……やや薄手
の格好だが、昨日雨が降ったこともあり、真冬ではあるが今日は比較的気
温も高めで日中はそんなに着込まなくても過ごせる感じだ。
「今日は、どこに行くのですか…まりやお姉さま…?」
可愛らしいワンピースにピンクのコートを着た奏ちゃんが前を行くまり
やに云う。
 「ん?それはまだ秘密よ、ひ・み・つ☆」
にひひっと笑いながら振り返り、奏ちゃんの問いに答えるまりや。
 「…どうせ、何も決めていないのではありませんか…?」
そんなまりやを見て疲れたような顔で云う貴子さん。
 「ぐ…っ…うっさいわね…!」
貴子さんのツッコミに動揺するまりや。
……まだ決めてなかったのか………
 「だいたい、あなたという人はいつもいつも……」
 「ええい!そういうあんたこそ……」
本日二度目の口喧嘩を繰り広げながら歩いて行く二人。
ミニのスカート、タートルネックのセーターの上にジーンズのベストと
いったラフな格好のまりやと、いかにもお嬢様っぽいワンピースにショー
ルを羽織った貴子さん。
 格好も性格も対照的な二人だけど…
 「…あの二人……もしかしたら良く似ているのかもしれませんわね…」
二人の様子を見た紫苑さんが呟いた。
 「…そうですね……私もそんな気がします…」
二人の口喧嘩はまだ続いていた……
190初代269:2005/04/14(木) 08:54:35 ID:NJBnXTii
 …少し時間は遡る。

 (あ、お姉さま方…出発されるみたいです)
 集まって早々、まりやさんが見るからにお嬢様っぽい方――貴子さん…
でしたっけ?――と言い争いをして……しばらくして紫苑様(?)が仲裁
に入って、お二人が落ち着いたところで出発!って、誰に説明してるんで
しょうか…私は……?
 (?)
 …ま、まあ、気を取り直して……
 (見つからないように…っと…)
 ひゅ〜〜っと高く舞い上がった私は、お姉さま方に見つからないように
そろそろと後ろに続く。
――真昼間から空に漂う幽霊――なんだかとてもシュールな感じが……
 (う〜ん…皆さん、楽しそうですね〜)
 主に会話―というか口喧嘩―してるのはまりやさんと貴子さんだけど、
それを見ているお姉さまや奏ちゃんたちも凄く楽しそう…
 「……はぁ」
 それにしても……
 (お姉さまはほんとにお綺麗ですねぇ……)
 皆さんお綺麗なのですがその中でもお姉さまは別格!って感じで…
 (幸穂お姉さまと歩いた頃を思い出しちゃいます……)
 昔を思い、少し物思いに耽っていたとき……
 ふにゅん。
 目の前に見えない壁のようなものを感じた。
 「…うにゅ?」
 恐る恐る右手を伸ばす。が、
 ふにゅふにゅ。
 柔らかい感触が私の手に触れる。
191初代269:2005/04/14(木) 08:58:06 ID:NJBnXTii
 「ま、またですか〜〜!!」
 確か初めて寮を出ようとしたときにも……
 「ううぅ〜〜。なんで邪魔するんですか〜〜!!私もお姉さまと一緒に
 お出かけしたいんです〜!行きたい行きたい、お姉さまと一緒に街に出
 てあんなことやこんなことや、あまつさえ○○○なことまでしてみたい
 んです〜〜!!」
 ぽかぽかと駄々っ子パンチを見えない壁に打ち付ける。眼下に校門が見
えることから、どうやら学院の敷地から出ようとすると駄目みたいだ。
 「そんなぁ〜〜」
 がっくりと項垂れる。
 「……皆さんとお別れする前に…素敵な思い出が欲しかっただけなのに…」
先日、私も前に進むことが出来ることがやっとわかった。お姉さまの優
しさが、私に進むべき道を教えてくれた……
 …私はもう少しで皆の…お姉さまの元を去らなくてはならない……どう
すればいいのかわかってしまったから………
 別れるのは辛い。本音を云えば別れたくない……でも、それが我侭だって
ことはわかっている。
 …だから……思い出が欲しかった………
 お姉さまと別れるとき、笑顔でさよならが云えるように……なのに………
 「………イエス様の……莫迦…」
 両の瞳から涙が零れ出す。涙は頬を伝い、…宙に落ちた……と、その時……!
 「きゃっ…!」
 強烈な光に包まれ視界が真っ白になった。あまりの眩しさに目を閉じる。
 「…ぅ……ぅん……?」
 数瞬の後、光が収まり目を開ける。
 「?……あ!」
 先ほどまで眼下にあった校門が後方にあった。…敷地の外に出れ…た……?
 「……ありがとうございます………イエス様…」
 胸の前で手を組みイエス様に祈りを捧げると、私は大急ぎで空を翔け出した。
 ――22年振りの街は―――もう、すぐそこ―――――
192初代269:2005/04/14(木) 09:02:29 ID:NJBnXTii
……続く。
  ↑
入り切らなかった…

vol.1はここまでです。何だか凄い文章量になりそうなので、分割して投下します。
次回は来週の頭あたりの投下を予定してます。

…週末時間ないんです。すいません。
193名無しさん@ピンキー
GJ!
駄々っこぱんちする一子可愛いなぁ。