1 :
マロン名無しさん:
そういうスレよ
あぱう
どんな感じよ?
5 :
マロン名無しさん:03/09/13 20:11 ID:IFzmaPmr
>>4 マターリと平凡な日常を読みたい・・・・・・4部
冒険もの・・・・・・3部
波紋・・・・・・2部
バトルロイヤル・・・・・・全部ミックス
ってかんじかな。個人的には。
たまにはダイアーが活躍する物語を考えようぜ
>>6 せっかくジョジョは良いキャラ揃ってんだから
固定キャラスレのするのはよそうや それじゃどっかのスレみたいになっちまう
>>7 穴スイスレ、ひでぇもんな。
だがダイアーが活躍する話は普通に読んでみたい。
「立てろ」といっておいてレスさえねぇな。
SSスレで投票仕切ってた奴は何よ?
普通に語ろうぜスレでうだうだ言ってた奴が
まず最初にss書くべきだと思うが。
あいつらは人に書かせて自分は書きたくないらしい。
理由は面倒くさいから、だと。クズどもが
そもそも「人集めてから立てる」とか言ってさ、
立てる前から書き込みづらい空気になるだけじゃん。
「職人じゃなきゃ来ちゃいけないのか」みたいな。
いちいち投票してまで立てる必要はなかった。
ヤムスレの次スレ投票とは訳が違うんだから。
いいから速く書けよ。
落ち着けよ のんびり職人があらわれるまで
俺達は「こういうの見てみたい」って要望を挙げてマッタリしようぜ
駄目だろ。そんなんじゃ。
というわけで終了。以後書き込み禁ず
>>15 ゴミクズが仕切るんじゃねえよ。お前色んなスレ荒らしてんだろ?
>>14 それでいい。他のスレもそうやって職人を募ってきたんだ。
パオ・1985とかは自分で書いてたぞ。
まじで語ろうぜスレの投票した奴は書けよ、なんか。
投票しとった奴はいいだろ
どれが1位になるか分からんだろうし
もし書く義務があるとすりゃ
>>1だろ
確かに名。
でも1は書かないね、絶対。
1の文面見たらとりあえず立てたってのがもろわかり
>>17 あいつらは自分が書きたいから立てたんだろ。
意識の問題。
だから書いてくれるやつがあらわれるまでのんびり要望だしてれば良いんだよ
1985だって不良スレの議論の中から生まれた職人だぜ
のんびりしてればいつか新人があらわれるよ
スレを終了させろとか行ってる奴は自治厨か?うぜえ。
誰がスレ立てようが勝手だろうが?
まあ、しばらくはマターリsage進行でいいんでない?
その間に職人がくればラッキーくらいで考えよう。
>>24 姉妹っつうか、そっちで事足りた。
SSスレでも紹介したんだけどな、「違うだろ」だって。
こんなん立てても誰も来ないのにな
>>25 だってそれ、単独ネタスレじゃない?明らかにこことは主旨が違うだろ?
ここでは色んなSSを書いてほしい。
>>25 お前は何度言ったら分かるんだ?
どう見てもこのスレとは 違 う だ ろ ?
全然違うな。
静スレ・・・SS
ここ・・・ネタ雑談スレ
イギーとペットショップが主人公のSSきぼん
今テスト中なので終わったらSS書こうかと思ってます
という奴は俺だけではあるまい
>>30 職人さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
どういうのを予定しているか教えて下さい!
>>31 よそのスレだと空気のような存在なので期待されるとビビります。
最近ではコテ捨てて長官スレに書き込んでみましたが、
なんかぱっとしませんし。
23世紀まで生き残ってるシュロトハイムin宇宙か、
間田の学校生活でも書いてみようかなと思ってます。
>>32 長官スレじゃしょうがないよ。あそこは外伝専用スレだし。
主がいなくなったにも関わらず他作者の投稿は受け付けられてないし。
ここで先陣切ったら間違いなくAクラス職人になれるよ
ジョジョとは面白そうな素材ですね。
俺も今書いている合間にもし暇ができたらここで書かせてもらってもいいですか?
いつになるかわかりませんが。
どうぞどうぞ
他では3流以下の職人でもここなら看板になれるぞ。ガンガレ
鉄の掟1 : 嵐は無視。
鉄の掟2 : 職人、読者ともに人を刺激する発言を避けること。
鉄の掟3 : 万一、刺激する発言を誰かがしてしまった場合は不用意に反応しないこと。
とりあえず職人さん候補二人ーーーーーーーー!!
もういない?まだいるだろ?
少しでも書いてみたい奴は書いてみろ。
おめえが書けよ
あげときますよ・・・
文芸板の「作文すらまともに書けない2を小説家に育てるスレ」
とかJOJO好き多いよ。貼り付けてこようか?
44 :
42:03/09/17 04:13 ID:???
行ってきたーYO
とりあえず過疎板だから主要なスレ三つに貼ってきた。
>>44 あれじゃ少し分かりづらいかと。
リンクを辿って見に来て下さった方へ。
ここはジョジョを題材に好き放題小説を書く所です。
よろしければ一筆お願いします。
46 :
45:03/09/17 04:23 ID:???
47 :
42:03/09/17 08:16 ID:???
>>45-46 そうかぁ。でもジョジョ知ってるやつなら来ればわかると思ってさぁ。
乙さんくす。
ししし、見つけたど。
JOJOか……JOJOを超える作品が作れない俺には……。
>>49 みんな誰も超えられるなんて思ってないよ
それを基材に
>>49なりのSSが見てみたい
結局さしたる宣伝効果はなかったか(´・ω・`)ショボーン
気にすんな。
少なくとも職人皆にこのスレの存在を覚えてもらった。
それだけでも意味はあったろう?
今は来なくても、いつか職人がジョジョを書きたくなったら、
ここへきてくれるさ。
たぶん。
>>32 1985はもうあるからいいけど次現れるときにトリップとコテハンつけてほしい。
色々問題が起きた後じゃ遅いし。
そのうち書くかも。期待せず待ってて下さい。
55 :
マロン名無しさん:03/09/19 23:21 ID:OTsHcZsh
パオキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
凄えな!ここ!長官スレの職人に1985にパオかよ!
>>55 そういう事書くなよ。
しかもわざわざageるコトか?
で、多分誰も書かないというオチ。
もしくは誰かが書こうとしたら、このスレDAT落ちの後とか。
わるい、下げ忘れ
『クレイジーライター』
本体:パオ
破壊力:E
スピード:B
射程距離:C
持続性:B
精密動作性:A
成長性:A
本体が物語の粗筋を伝えると、小説を書いてくれるスタンド。
ただスタンドは気まぐれで、のってる時は毎日書くが、書かない時は全く書かない。
稀に暴走し、小説とは別に読者を怒らせるような文章を書く事もある。
マターリしようぜ ALL
>>55 長官スレの人は向こうで駄作呼ばわりされてるわけだが。
ageんな俺
うんこ
とりあえず落ち着けよ 全員
パオ「オパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパ
オパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパ
オパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパオパ!!!!!」
もつお「もつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつ
もつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつ
もつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつもつ!!!!!」
最高に「モツ!」ってやつだアアアアアアアハハハハハハハハーッ!!!
まだもつおやってる奴いるのか。
時代遅れだな
「距離がちと、離れすぎていたか……『世界』の射程距離外にすっ飛んでいった」
花京院の攻撃を軽く退けて、DIOは小さく笑った。ウィルソン上院議員に命令し、再度歩道を
突っ走らせる。人々がゴミの弾き飛ばされていくが、無論DIOは全く気にしない。
「ん? 止めろ!」
DIOは突然停車させ、車から降りた。
撥ね飛ばされ、轢き潰されて呻き声を上げる人々を踏みにじりながら、真っ直ぐに歩いていく。
ごく普通の、眼鏡をかけたサラリーマンが倒れている。が、よく見るとその体は普通ではない。
たった今車に轢かれたせいで、ワイシャツがあちこち破れている。その穴から、バチバチと火花が
出ているのだ。しかもこの男には、呼吸音が全くしない。代わりに機械の駆動音が聞こえる。
「何者だ、お前は」
男は、ゆっくりと起き上がった。
「ご覧の通り、人間ではありません。が、人間でないのはあなたも同じでしょう」
「ほう。このDIOが下賎な人間どもとは異なることが、判るのか」
「脈拍ゼロ、体温ゼロ、発汗その他の生理現象全てゼロ。体の構成は有機体のようですが、どうせ私の
同類……新型の企業戦士(ビジネス・コマンドー)でしょう? ならば、手加減は無用」
男は、懐から奇妙な形の眼鏡を取り出すと、今までかけていたものと取り替えた。と、いきなり
発生した幾条もの小さな稲妻が男の体を取り囲み、男は闘志を漲らせて、すっくと立ち上がった。
「モード変換! 戦闘モードっっ!」
その迫力に、DIOが思わず、一歩だけ後ずさった。すると、背後から少女の声が。
「よーし、やったれオッサン! こんなムチャクチャするやつ、叩いて潰してミンチにしてやれっ!」
男と同じく日本人らしい、髪を染めた派手なナリの少女が叫んでいる。周りに転がる連中の、応急
手当をしながら。遠くから救急車のサイレンが聞こえているのも、どうやらこの少女の通報らしい。
DIOは見ている。この少女が、この男に突き飛ばされてDIOの車から助けられたのを。
「……何なんだ、お前は一体」
DIOが問い、男が答える。
「私は山崎宅郎、一度過労死したビジネスマンです。ですが人々の生きるこの世を、社会を愛し、
社会に全力で関わっていきたいと願っています。……その社会の平和を乱す者は、許さない!」
「ヤマザキ・キーック!」
山崎は大きく跳び上がり、DIOに向かって砲弾のような蹴りを放った。が、DIOは、
「フン! お前如きに、『世界』を使うまでもないわ!」
その場に立ったまま、迎撃ミサイルのような上段足刀蹴りを放った。二人の脚と脚とが、
真っ向から衝突する。戦闘サイボーグと、最強吸血鬼とのパワーが激突!
『ぅぐっ!? こ、こいつ!』
パワー勝負は、互角。互いの力がきれいに相殺され、山崎はまっすぐすとん、と落ちた。と、
山崎はその場から両手で地面を突き、その反動でまっすぐDIOの軸足に向かって、
「ヤマザキ・スライディング・キーック!」
二撃目の蹴りを放った。DIOは一撃目の激突で蹴り脚が痺れており(機械の山崎にそれはない)、
振り下ろすことができない。一本足立ちのこの体勢では、かわすことも防ぐことも……
「無駄ァッ!」
『世界』が出た。ヤマザキの攻撃を、サッカーボールを蹴るようにして弾き返す。
『な、何だと!?』
山崎が、驚愕の表情を浮かべた。今、確かにこの男は、無抵抗状態だったはず。一体何が?
《解析不能。瞬時に正体不明の強力なベクトルが発生。未知のエルネギー体の存在と推定》
飛ばされながら、山崎の体内コンピュータが、全く当てにならない分析結果を出す。
「くっ、名刺スラッシュ!」
着地した山崎が、無数の名刺をDIO向かって投げつけた。人間の動体視力では絶対に
回避不能の数とスピード、そして鋼鉄をも切り裂く威力を秘めた山崎の必殺技である。が、
「無駄無駄ァッ!」
またしても正体不明のベクトルが発生し、全ての名刺をあっという間に打ち落としてしまった。
だがそれで、山崎は見切った。視認はできなかったが、名刺の打ち落とされ方で見切ったのだ。
《未知のエネルギー体は、四肢を持った人間型をしていると推測。行動パターンの予測は可能》
「よし。どんなにパワーやスピードがあっても、攻撃そのものをかわしさえすれば……」
山崎は警戒しながら、ゆっくりとDIOに近づいていく。するとDIOは、
「ふむ。どうやら、何か策があるようだな。ではその策、無意味にしてやろう」
最高の、邪悪な笑みを浮かべて、叫んだ。
「ザ・ワールド! 止まれいっ! 時よっっ!」
71 :
ふら〜り:03/09/20 21:33 ID:???
恥ずかしながら、一番乗り! ですかな。1985さんやパオさん、その他の皆さんが
来られるまでこのスレの火を消さない為に……とか言いつつ、単に自分が目立ちたい
だけだったり。ふっ。
一応完成はしてるんですが、長くなったので一旦切ります。私の駄文では、
長いの読むと疲れるでしょうし。残りは推敲した上でまた後日に。ジョジョキャラ
オンリーはちょっと難しいですが、こういうのでよろしければたまには書けそうな
気がします。私。
それはそうと『企業戦士YAMAZAKI』、私は大好きなんですけど……皆さん、
ご存知ですか〜?
72 :
ふら〜り:03/09/20 21:43 ID:???
一つ、「ゴミのように」。
も一つ、『二回立ち上がってる』。
あぁまだあるかも……やはり推敲は何度も何度も重ねないとだめですね。
すみません。
>>72 乙。良い所で区切りますね。次がきになりますよ
JOJO6251 を持ってる人います?
それと、JOJOーAーGOGOも。
いいよね。
下手にコテが来ると新人が来なくなるだろうな。どうでもいいけど。
新人なんてもう来ないって。
語ろうぜスレがある限り。
あのスレの住人も、少しでもあの状況をよくしようと努力してるんだよ。・・・まぁ、現状はあれだがね。
嘆いてばっかいないでなんかしろ。
悪夢が、訪れた。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アアァァッ!」
《解析不能! 解析不能! 敵の移動・攻撃速度は推定時速数百万キロ!》
攻撃パターンもクソもない。DIOが、全く動いていない、と思ったら次の瞬間には山崎は既に、
数十発の猛烈な衝撃を受けているのだ。チタン合金製の山崎の体が凹み、歪み、右腕をもぎ取られ、
左足を叩き折られ、どんどんガラクタと化していく。
「機械人形、か。なかなか面白かったぞヤマザキとやら。我が宿敵・ジョースターどもを
血祭りにする前の、軽い余興としてな」
DIOが、ゆっくりと山崎に近づいていく。山崎は左腕一本で何とか上体を起こすが、
《神経回路16ヵ所破損! 運動能力89%低下! 警告、警告……》
もう、立てない。動けない。ここまでか……と思ったその時、突如横合いから、山崎を強烈な
衝撃が襲った。山崎の体は弾き飛ばされ、宙を舞う。
「あなた様の敵は、このわたしがやっつけましたっ! これで、わたしは助けてくれますよねっ!?」
自動車のようだ。何やら必死の叫びが聞こえるが、そんなことはどうでもいい。……チャンスだ!
「ヤマザキ=靴底ジェット!」
たった一本残った右足の、靴底からジェット噴射! 片足では上昇することは不可能だが、空中での
方向制御と、落下の加速ぐらいならできる。そう、DIOに向かって……
「な、何だっ!? 足の裏から火?」
意表を疲れて戸惑ったDIOは、『世界』の操縦を一瞬、忘れてしまった。そこに山崎が突っ込む!
「ネクタイ・ブレードっっ!」
ほどいたネクタイを瞬時に硬質化、更にレーザーを纏わせて高熱を帯びさせる山崎の必殺剣が、
傷ついた左手一本に握られた正義の刃が、吸血鬼DIOの眉間に突き刺さった!
「WRYYYYYYYY!」
『……倒れろ!』
がしっ! と。DIOは自らの両手で、山崎のネクタイ・ブレードを掴んだ。
「貴様ァァ……機械人形の分際でこのDIOに……許さんぞっっ!」
《エネルギー体、再度発生! これまでで最大のベクトルが……》
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アアアアァァッ!」
「この感覚……DIOが戦っておる? 一体誰と……っと!」
ジョセフが車を止めた。何かが、いや何者かが、今車の上を越えて、眼前に落ちてきたのだ。
あやうく轢き潰す寸前だった。ジョセフと花京院とが車から降りて、その者に駆け寄る。
が、それはどう見ても人間ではなかった。人間に似た形をしたズタボロの機械、である。
「う……ううぅっ……」
機械が、まるで人間のような、苦しげな声を出した。ジョセフは思わず抱き上げる。
「し、しっかりせい。というか、あんた一体、何なんじゃ?」
機械……山崎の中で、コンピュータが囁く。
《体内に、エネルギー体の存在を確認。DIOと名乗った男と酷似》
それを聞いて山崎は、DIOが口にしていた名を思い出した。
「……あなたはもしや……DIOの敵、ジョースター……?」
「! ま、まさかあんたか? 今、DIOと戦っておったのは!」
「あ、あの男は……パワーもスピードも越えた、得体の知れない……術を……」
「解っておる。後はわしらに任せてくれ!」
力強い、ジョセフの言葉。山崎はその声を聞き、その目を見て、解析した。
コンピュータではなく、山崎自身が。と、
「オッサーーーーーーーーン!」
青ざめた倫子が、走ってきた。山崎はジョースターに、
「わたしはもう、大丈夫です。……DIOのことは、お任せします」
「おう。任せておいてくれい!」
ジョセフは山崎をそっと横たえると、再び花京院と共に車に乗り、走り去った。
倫子が山崎に駆け寄り、ジョセフに代わって抱き上げる。
「しっかりしろ、オッサン! 今、NEO=SYSTEM社に電話したから!」
山崎は、ジョセフたちが走り去った方を見て言った。
「倫子さん。家族の絆と……それから来る因縁、そして運命、といったものを信じますか?」
「はあ?」
「あのDIOという男、先程のジョースターさん、そしておそらく近くにいる、
ジョースターさんのご子息かお孫さんか……私は感じました、確かに。時代を越え、
世代を越えた深い因縁を。運命を。そして戦いを」
「? 何訳のわかんねーこと言ってんだよ。それより早くホテルに戻ろうぜ。
貴理香さんが来てくれるってよ。……それに、さっきの奴がまた来るかもしれないし」
「それは大丈夫ですよ」
倫子の肩を借りて立ち上がりながら、山崎は言った。
「ジョースターさんたちは勝ちます。必ず……あのDIOという……男を……
倒してくれ……ます……ジョースターさんたちの、家族の……絆が……ある限り……」
「って、おい、オッサン! オッサンってば!」
「頭をケガしたのでな。治療しなくてはならない」
ウィルソン上院議員の首に、DIOの指が突き刺さっている。
「それと、私の邪魔をした罰だ」
ウィルソン上院議員の首が、DIOの指で握り潰された。
DIOはそのまま、ウィルソン上院議員の体を持ち上げると、前を走るジョセフの
車に向かって投げつけた。
スタンド戦士たちの戦いが、再開される…………→TO BE CONTINUED
81 :
ふら〜り:03/09/21 19:57 ID:???
と、いう訳で、とりあえずここまでです。前に某スレでも書きましたが、
「この程度なら自分にも書ける!」とか思って頂ければ幸いです。
……今度は推敲、大丈夫だと思います。多分。←弱気
おおおおおお、ジョジョだ。いいね。
『』と→TO BE CONTINUED があれば雰囲気も出るし、結構いけるかも。ジョジョSS。
ふら〜りさんはいいな。ありがたいよ。
心無いSSスレの中でほっとする存在。
面白かったですよ。お疲れ様。
進藤ヒカルは院生トップの成績でプロ試験に挑戦した。現在14戦して2敗。試験は残す
ところ二戦。対戦者は共に外来で塔矢アキラと門脇龍彦。今日の対局相手は塔矢アキラ、
これまで全勝で進んできた少年だ。
対局場に入るヒカル。対戦者アキラは既に盤を前に正座していた。その姿を見てヒカルは
思う。
(既に合格が決定したって言うのに、あの表情。手加減してくれる様子じゃねぇな)
そしてじっと手を見る。そこには勝利のたびに押し続けた赤い丸の印があった。
(今は12個。今日と明日の両方を負ければ俺には伊角さんとのプレーオフがある。だから
今日を勝ちたい。勝って合格を確実にしたい)
手を強く握りしめ、塔矢アキラを睨み付けるヒカル。その視線に気づかないのか、じっと
盤を見つめるだけのアキラ。二人の対局は時計が動く前から既に始まっていた。
ヒカルが対局席に座る。その瞬間、それまで盤だけを見ていたアキラがヒカルに言った。
「君が進藤ヒカルか。噂は聞いている、入門半年にして院生のトップ。プロ試験現在の
成績は僅か二敗。三位の成績だ、その年齢では近年希に見る逸材といえる」
「嫌味な奴だな。そういうお前は俺と同じ年でプロ試験無敗のトップじゃねぇか」
「嫌味に聞こえたのなら、すまない。だが僕は感じるんだ、君が僕の求める物を持って
いるとね」
「求める物って」
「それは……」
アキラが答えようとしたとき、対局場にベルが鳴り響いた。周りを見ると既に全ての棋士
達が集まっている。試験官が人数の確認を行った。
試験官は一通りの確認を終えた後、会場全体にぎりぎり響く程度の声で言う。
「始めてください」
対局開始。先ほどの会話は途中で切れてしまったが、もう関係ない。これから先、語るの
は盤の上でのみ。語り手は碁石だけ。二人の意識は対局にのみ集中された。
(僕の求めに答えてくれ! 進藤!!)
先番はアキラ。黒石が星に放たれる。数秒遅れてヒカルも白石を星に放つ。序盤は平穏に
進んでいった。
だが、しばらくして、手順にして数十手、時間にして一時間程度たった後、大方の形勢が
決してきた。ヒカルが優勢。アキラの黒石はほとんど生きがない。
(強い。これが院生トップの実力か)
恐らく、ある程度の腕を持つ物であれば既に投了していたかも知れない。ヒカルとアキラ
の実力差はここまでの打ち筋から明白。アキラは弱い。ヒカルはそう感じ始めていた。
ヒカルの力を感じたアキラはここから本性を現し始める。スタンドが彼の隣に現れた。
(進藤ヒカル、これだけ打てるのは間違いなく院生トップだ。だが、僕が求めるのはこの
先にある。君に応えられるか! 僕のスタンドを超えてみろ、進藤!!)
一方のヒカルは既に勝利への道筋を見ていた。アキラが打つ場所は予測できる。アキラが
そこに打つなら自分はケイマに打てばいい。そうすれば形勢はもう動かない。自分の勝ち
である。
だが、アキラの打った場所はヒカルの予想とはずれていた。
(え、そんな。考えない所に打って来たな。面白い、これからが本気って訳か)
ヒカルが震える。武者震いか、プロ試験トップの男が本気を出してきた。アキラの本気に
応えるため、ヒカルもこれまで以上の気迫を碁石に込める。勝負はこれから、まだ油断は
できない。
数手打って、状況は一変した。
(駄目だ、途中まで俺が有利に進めていたはずなのに)
つい先ほどまで自分が勝っていたはずの戦局。だが、気がついてみれば塔矢に有利なもの
となっている。これが、プロ試験不敗の実力か。序盤は遊びにすぎなかったというのか。
圧倒的な実力差を見せつけられ、意気消沈のヒカル。戦意喪失までにそう時間はかからな
いだろう。
(やはり、超えられなかったか)
アキラは自分の隣にいるスタンドを見つめながら考える。生身の人間でスタンド使いに勝
てる者などいるはずがないのだ。進藤も自分の求めには応じられなかった。この勝負、結
局は自分が勝ってしまう。
前髪を染めた少年が傷心のまま呟く。
「参りました」
勝負は終わった。ヒカルはアキラの能力の前に敗れ去ったのだ。
「途中までは上手く打てていたのに。突然、何かが変わって思うとおりに打つことすら
できなくなった。ここに打とう、あそこに打とうと思ってもそれを見透かした手を打
たれる。勝てない、塔矢は強い。これからいくらやっても塔矢には……」
「僕の能力を前にして、君はよく打てた方だよ。」
「勝利者の余裕って奴か。だいたい能力って何だよ」
「スタンド能力。君にもあると感じたんだけどね。勘違いだったようだ」
そう言うと、アキラはそのまま対局席を去った。勝利者のみに許される対戦表への判子を
押すために。その様子をヒカルは座ったまま見つめている。
「スタンド能力って一体何なんだ。それさえあればあいつにも勝てるのか」
碁盤を見てそう呟いた。
→TO BE CONTINUED
まあ続くらしいから様子を見てやるか・・・
ごめん。正直微妙。ヒカ碁は嫌いじゃないけどジョジョキャラ一人くらい出してほしい。
なにをイキがってヒカルの碁なんてやっちゃってんの?
スタンドの意味ないですやん・・・。ヒカルがエコーズでも出してくれればなぁ。
『勝利目前五目半に達しましたS・H・I・T!!』とかさ。
「震えるぞ碁盤!燃え尽きるほど長考!刻むぞ碁石のビート!うおおおお!『神の一手!』」とかさ。
「この能力使ってSS作れ」のコーナー
スタンド能力・普通の時間の流れとは別に時空(20秒間程度)を作り出す。
その時空間の中で起こったことは本体が自由に無効化することが出来、もちろんそれを現実にすることも出来る。
例・
「能力発動ッ!」→本体から敵遠ざかる(何が起こっているかわかっていない)→
本体、敵のいた地点のそばに行く→「能力の時空内での敵の行動を無効化する」
→敵はなぜか本体の近くにいて、攻撃される。(敵の時空が無効化され逆行した)
厨っぽくてスマンコ
>>93 その空間はザ・ハンドで削り取ることはできるの?
>>93 リア厨だろ。何がマンコだ。てめぇで書けや
>>93 何をいってるのかよく分からん俺は厨以下でつか?
まあ、案を出す分には自由じゃないか?
それを採用する職人がいるとは思えないけど
長官スレの職人さんどうしたんだろう?
学生の試験はそろそろ終わってるはずだよな?
99 :
93:03/09/22 21:30 ID:???
やっぱ人に頼んでちゃだめやね。
自分で作ったるさかい、楽しみにまっときや!
がんがれ93
オリジナルスタンドは寒いだけ
別に面白ければかまわんよ
103 :
マロン名無しさん:03/09/23 06:45 ID:vRsuWBze
俺も肯定派。それを使って面白いものを書いてくれれば一向にかまわん。
既存のスタンドだけじゃ辛いのがあるだろうし。
面白ければ、な。オリジナルスタンドを出すのならよほど面白くない限り叩かれるのは覚悟の上でヨロ。
あんまりそういう事書くなよ。書きにくくなる雰囲気作るのはやめようぜ
っつーか限られた材料の中でやるからジョジョスレの意味があるんだよ。
「自分で作っちゃいましたー」じゃ何でもありになるだろうが。
頭の悪い奴は死んでしまえ。
こういうスレは楽しくあるべきだろ?あんまり殺伐としてんのはどうかと思うぜ。
>>84-88みたいな厨が来ても許してやろうじゃねえか・・・寛大な精神で・・・!
>>106 ヤムスレだったら三秒で叩かれそうな文章だが…。
同 意 だ 。
こんな雰囲気悪けりゃ、書く奴の方が珍しいわな。
雰囲気悪いか? 言葉遣いは悪いが言ってることはおおむね正論だと思うが…
オリだろうが何だろうがとにかく読み手をねじ伏せるくらい面白ければ無問題。
まぁそれが一番難しいんだけどさ('A`)チクショウ
>>106 100%オリジナルは困るけどちょとくらいは良くないか?
流石に>84みたいのは困るが。ジョジョキャラが絡めば俺はそれで満足
オリジナルは痛いので勘弁。
文章じゃ、かなり厳しいだろうし。
やっぱジョジョキャラ混ぜろよ。
あと
>>93のスタンド、何かヘン。
つまり、オリジナルは×で
ジョジョキャラ+オリジナルなら問題ありません
職人さん頑張って下さい
>>114 どこかの漫画キャラならともかく、オリキャラにジョジョキャラが負けるとこなんか見たくない
「こんな能力思いつくなんて、僕ってすごいだろ」的な厨房スタンドが乱立すると思うと・・・ねぇ?
まぁ、面白ければそれでいいんですが
ジョジョ自体クセがあるから、そう上手くはいかないと思う
結局受けるのは「アナザーストーリー」系か、「ギャグ」
「ヤムの奇妙な冒険」風にすれば?
もしもDBの世界にスタンドがあったら・・・ もしもバキの世界にスタンドがあったら・・・
>>116 それならヤムスレなりバキスレなりですれば良い
ジョジョはSS向けじゃない
原作が凄すぎるから
118で結論が出たところで終了な。
パロディは原作を超えるためにあるんじゃないと思うけどなぁ。
職人の手により違った解釈を加えられて(またはし直し)べつの作品になるんだよ。
カキ過ぎると頭が悪くなるってお母ちゃんに言われました
一日2発までで止めたほうがいいそうです
>>123 むしろ想像力がついてよろしい。どんどんカケ。
いいから少し落ち着け。ド低脳。
低脳って言ったな・・・〜〜〜殺す。殺してやる!殺してやるぜ〜〜〜〜
>>125
>>93 IDをスタンドに汁っていうスレがあるけどさ、あのスレで作ってる能力、結構寒いと思う。
がんばってくれてるからいいけどね
スレ立てから長期間誰もSSを書き込まず、やっと書いてくれたふら〜りはほぼスルー状態。
二回目の
>>84に関しては完全に叩き。この状態で書き込む職人いると思う?
お前ら一度でいいから書き手の側に回ってみろ。
>>128 分かるわけないじゃん。分かりたいとも思わん。
つうか、そういう事はSSスレでほざけ
今、自分が書いてるやつ、ミスタしか出てこないんですが
やっぱりマズイですか?
129がここの住民だとしたら、このスレはダメですな。
私も今の状態でSS投下しようとは思わない。
>>130 たぶん叩かれると思うけど、まっとうな住人は文句を言わないと思う・・・
発言してくれ無いとも思うが、
>>130 俺は荒木しか出てこないSSを書こうと思っている。
MMRのメンバーがスタンドの謎を追う話。MMR的なノリが再現できればいいなぁと。
>>132 分かりました。こっちのは全部書けてから書こうと思います。
オリジナルのスタンド、一つだけ勘弁して下さい。単純な能力ですんで。
そんなに長いものでは無いんで気に障ったらスルーして下さい。
>>133 面白そうですね。そういうノリ好きです。
1985が書き始めたら絶対荒らすから。
このスレのURL他所に貼り付けて協力を仰いだ上で叩き潰すから。
恨むなら1985を恨んでね。
>>136 やれるもんならやってみろ
ちなみに前に番外スレで同じ事をした奴がその罰で
プロバイダからID剥奪されたのは知ってるよな?
というわけで1985 気にせず書いて下さい お願い
すみません、ちょっと質問。
・吉良吉影が「スタンド」という名称等を知ったのはいつ?(重ちー戦時だったような…)
・キラークイーンにはオラオラ、無駄無駄といったラッシュ時の掛け声はあったか?
確認しようにも文庫は出てないしコミックスも持ってないもんで…どなたか分かる方お願いします。
こんなことで詰まるとは我ながら情けない(´・ω・`)
>>138 最初の質問はしげちー戦で正解。ちなみにキラークイーンと名付けるのもこの時。
掛け声についてはぱっと見た感じでは見つかりませんでした。
>>139 ありがとうございます。向こうでも聞いてきました。
>>140 これまたありがとうございます。時期は重ちー戦後という設定でいけそうなので安心しますた。
>>137 ばか? そんなもんID剥奪されても痛くないような状況でやるに決まってるんじゃン。
いいんじゃないの? 1985。不良SSスレで見せてるようなゴミみたいなSSここに載せてみろよ。
絶対荒らしてやるからさw
というか、「バキスレでは荒れるの分かってるからやりません」とか言っといて、なんでここではやるわけ?
荒れてもいいからやるんだろ? 自己中もいい加減にしろよ。
>>142 (´,_ゝ)プッ お前何も知らないんだな。
まあ、いいさ。やってごらんw
そろそろここもお終いか・・・まぁ、最初から分かってたけど
ハッキリ言って面白くないしwま、俺に対して反論したらそこでお終いだな
そしてスレは動き出す
マロンでSSやること自体もう厳しいんだろ。
幸いまだ始まっても無いから潰れたって何の問題もないし。いいよ
>>147 やだ。パオのとか1985のとか長官スレのやつのとか
キバヤシの話が読みたい。クラシックに移行しないか?このスレも。
もう訳分からんくなってるな。何でもかんでもクラウンにやりゃいいってもんじゃねぇだろ。
各スレが分散することに意味があるのにさ。
「テニスの碁」
書いていい?
>>149 ID表示板なら何でも良いんだよ。
板違いにならないのはあそこくらいだろうし。
>>150 空気嫁
「ペニスの王子様」書いていい?
ageeeeeeeeeeeeeeeeee!!!
自己中ですか。まあ、そう言われてもしょうがないですね。
実際、矛盾してますし。でもここがいくら荒れようと俺は書きますよ。
どんなのでも読んでみたいという人がいるみたいですから。
それをバキスレでもやらないのはなぜなんだろう。
やっぱりここがバキスレより格下だからと思われてるとしか思えない。
まぁ実際そうなんだろうけどさ。
とりあえず名前を変えるとか、なんらかの工夫はあってもいいと思うがな。
158 :
156:03/09/27 21:03 ID:???
>>157 ええ? 荒らし扱いかよ。
まぁいいけど。ここもヤムスレと同じ末路を辿りそうな気がするな。それ以前か。
たぶん名前変えてもすぐばれますよ。自分の癖のようなもので。
対策は他には思い付かないんですよね。癖はすぐに直りませんから。
あとバキスレでやらないのは番外スレを始めた責任のようなものもありますよ。
荒れそうなので、できあがるまではこのスレでのこれ以上の書き込みは控えます。
失礼しました。
荒らしの所為でまた一人脱落か…。
正直いい加減にして欲しいな。
もう駄目かもなSSスレ。
>>160 よく読んで。SSできたらカキコする、と書いてる。
作品待ち上げ
「俺には悪霊が憑いている」と主張する少年、空条承太郎が自ら留置所に入ってから、数日後。
「お、恐ろしい……またまた物が増えている……彼には本当に、悪霊が憑いているんです」
「そんなことはありません。全て私にお任せください。危険ですから、下がっていて頂けますか?」
「は、はあ(上からの命令とはいえ……本当に大丈夫なのか?)」
承太郎への恐怖と、上層部からの命令で派遣されてきた人物への不審と不安。その両方を抱えつつ、
警官は留置所を出て行った。
「さて、と」
一人残されたその人物は、預かった鍵を使って承太郎のいる牢に入っていき、そして言った。
「空条さん、出てください。私はあなたを『補導』します」
「消えな。およびじゃあないぜ……」
寝そべったまま答えた承太郎は、首を捻って訪問者を見た。
『? な、なんだ?』
突然やってきて、『補導します』などとほざいたのは、どうみても中学生ぐらいの少女だった。
色無地の着物に袴姿、長い髪は三つ編みにして、足にはルーズソックスならぬ白足袋。女子大生の
卒業式帰りみたいな装いである。少し昔の漫画なら「はいからさんが何たら」、最近のギャルゲーなら
「サクラ何たら」だな、と隠れヲタの承太郎は思う。結構可愛い。というか、正直言ってかなり好みだ。
が、自分のキャラクターを弁えている承太郎は、決して取り乱さず、自然にさりげなく言った。
「何なんだ、お前は」
「あ、申し遅れました。わたしはこういう者です」
と言って少女は、名刺を取り出して承太郎に見せた。承太郎は一見めんどくさそうに、実は興味津々で、
名刺を覗き込む。
「超能力者問題秘密対策委員会出張相談員・(見習) 神麻嗣子……ぬぁ?」
思わず、マヌケな声を出して首を捻った承太郎。神麻嗣子(かんおみ つぎこ)が、丁寧に説明する。
「ええと、申し訳ありませんがこの名刺、差し上げる訳にはいかないんです。わたしたちって、ほら、
公的には秘密組織ということになっていますでしょう? ですから」
「秘密組織が名刺を刷ってんじゃねえ。第一、『公的に秘密組織』って、言葉として矛盾してないか」
「言われてみれば……でも実際、そういう位置づけになってるんです」
「そういうもこういうも、怪し過ぎるぞ。第一何だ、その、」
「超能力者問題秘密対策委員会。略してチョーモンインです。超能力の不正使用、それによって起こる
犯罪、社会の混乱、治安の悪化。そういった事態を防ぐ為に、わたしたちは日夜、粉骨砕身努力を……」
「おい、ちょっと待て」
承太郎は、むくっと起き上がった。
「俺のは超能力なんてカッコいいもんじゃねえ。悪霊だ悪霊」
「それは、あなたがそう思い込んでいるだけです。悪霊なんて、現実には存在しませんよ」
「超能力は存在するのかよ」
「わたしたちが日夜、戦っております。とにかく、空承さん。あなたの超能力使用による傷害事件が、
わたしたちの組織の『観測装置』によって検知されたんです。だからこうしてわたしがやってきた訳で」
承太郎は、だんだん疑わしくなってきた。こいつ、みてくれは可愛いが頭大丈夫か? と。
「む。その目は、疑っていますすね? ご自分が超能力者だというのに、超能力の存在を」
「違うって言ってるだろが」
「よろしい。では、証拠をご覧にいれます」
と言って嗣子は、テレホンカードのようなものを取り出した。そしてそれをえい、と一振り。
すると、床に落ちていたカンビールの空き缶が、ふわふわと浮き上がった。
「これは簡易超能力実践キット、略してカンチョウキといいます」
「何でもかんでも変に略すな」
「とにかく、これで納得して頂けたでしょう? 空承さん。あなたが持っているのと同じ超能力です」
言われて、承太郎は、嗣子をじっと見た。……やはり可愛い。じゃなくて、自分に憑いている悪霊の
ような、人型の映像は全く見えない。となると、本物の超能力か。信じ難いが、事実のようだ。
「やれやれだぜ。解った、認める。超能力ってのは認める。が、俺とは関係ない。それも解った」
「え」
「あんたのその、カンチョ……むにゃむにゃと、俺のとは違う。そういうことだ」
と言って、承太郎はまた寝そべろうとした。が、素早く嗣子が承太郎の手を取って、その手に
「むにょっ」とした、巨大なゼリーのようなものを握らせた。
「お、おい?」
嗣子はそのまま承太郎の背後に回り、「むにょっ」を貼り付け、くるんと正面に廻り込んだ。
結果、承太郎は両手両足とも、巨大なゼリーに貼り付けの磔にされてしまった。ゼリーは足の裏にも
流れ込み、承太郎の体を僅かに浮かせてしまったため、じたばたしても一歩も動けない。
「な、な、何だ、これは!」
「空条さん。あなたの超能力が、かなりの力を持っていることは観測結果から判っています」
嗣子は、磔状態の承太郎に言った。
「そしてまた、ご自分の能力を持て余しておられるとも聞いておりました。素直にご同行して頂ける
ようならそれで済ませるつもりでした。が、あなたは悪霊がどうのという思い込みに捕らわれて
おられる。そこで、仕方なく実力行使をさせて頂いたのです」
「……で、俺をどうする気だ」
「このまま、『チョーモンイン』まで強制的にご同行願います」
と言って嗣子は、承太郎の後ろに廻り込んだ。そして、
「よいしょ、よいしょ、」
ずり、ずり、と。承太郎を磔にしたゼリーの塊を、押し始めた。だがいかんせん、プロレスラー並の
体躯を誇る承太郎である。非力な嗣子では、そう易々と動かせるものではない。分速数センチ、である。
「おい。さっきの超能力で、スイスイと運べばいいだろうが」
見かねた承太郎がそう言うと、嗣子はふうふう言いながら汗を拭って、
「お、お気遣いはありがたいのですが、だめです。あれは『度数』が定められておりますので」
「……やれやれだぜ。テレカみたいだとは思ったが、本当にテレカみたいなもんなんだな」
と、気楽な感想を漏らした承太郎だったが。その後すぐ、分速数センチの恐ろしさを実感する
ことになってしまった。
『ト……トイレに行きてぇ! 便器はすぐそこにあるが、これじゃ動けねえし第一……』
動けたとしても、ここには嗣子がいる。君は好みのタイプの、清楚可憐な少女が見ている前で、
堂々と排泄できる勇気があるか?
……承太郎の額に、かなり真剣に追い詰められた汗が浮かんだ。
一応、読みきりながら何度か漫画化されたらしい(私はまだ未見ですが)推理小説のキャラです。
西澤保彦先生の『神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ』から。このシリーズのラスボス&その周囲の
連中は、いってみれば吉良みたいな殺人鬼なんですけど……殺した人数はともかく、邪悪さでは
吉良を越えてます。とてつもなくエゲつないです。『欲望の為に簡単に人を殺す』を超越して
いるというか、なんというか。それと嗣子ちゃんの可憐さとの対比が、何とも凄絶です。お勧めですよっ。
そういう内容でも「推理小説」なのは、念力で密室を作るとか、幻術で死体発見時刻を
遅らせるとか、タイムワーブで未来に逃げるとかを、ちゃんと能力の限界を設定した上で
きちんとしたパズル仕立てにしてるからです。面白いんですよ、これがまた♪
ふら〜りさん乙アゲ。
まだこのスレ死んでないな。
すまん、その小説知らんから何の話かわからんかった…_| ̄|○
おーい、ヤムスレの方が質も量も高いぞーw
>>169 こことヤムスレを比べるのは失礼だろ、ヤムスレに。
ふら〜りさんしか書いてねえし。
不良番外スレだろ、ここと比べるのは。
荒らしが自作自演を始めました 無視しましょう
>>170 バキスレとジョジョスレと、同時に釣られてるね
>>172 なんでだろうね?ホントに不思議。シンクロニティ?
放置されてたマルチポストにほぼ同時刻にレスがつく。
ホントに奇妙
>>170 だが不良番外には貼られて無い罠。
もはやあそこはSSスレとは認められていないのかー!
>>174 ジャンプ漫画家スレにも貼られてないな。
一分、二分、三分。時間が経つ。承太郎(を磔にしている巨大ゼリー)は、やっと牢内の半ばを過ぎた
辺り。壁際にある便器からは離れていく。嗣子が承太郎を押すペースは変わらないし、これでは
チョーモンインとやらに連れて行って貰って開放されるのに何日かかるかわからない。
つまり、トイレにいけるのに何日かかるかわからない、という訳で。
とか考えると、もうかなりパンパンに張り詰めて薄くなっている膀胱の皮が、今にも弾けてしまいそう。
「お……おい、お前」
承太郎が、額にダラダラ汗を流しながら、でも自分のキャラクターを崩さないよう注意しつつ、言った。
「に、二度は言わねえぞ。今すぐ、俺を開放しろ。そして出て行け。早く」
嗣子が、ピタリと動きを止めた。
「今、何と言われましたか? もしやこの期に及んで、超能力で暴れようとか」
「二度は言わねえ、と言っただろうが。お前の言う『傷害事件』の時も、俺は悪霊を必死に止め
たんだ……だ、だから、今すぐ俺を開放してだな、お前はどこかへ行け」
嗣子は、一歩、下がった。
「そんな危険な能力をお持ちと聞いては、ますますあなたを放す訳にはいきませんね。何を考えて
おられるのかは判りませんが、私とて見習いとはいえチョーモンインの相談員。脅しにも、そして
実力行使にも屈するようなことは……」
その時。承太郎の膀胱が、限界ギリギリのラインを超えてじわっ、とトランクスの中で、
「ぅおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ! 俺はもう知らんぞっっ!」
『星の白金』が出現、暴れ出した。嗣子の出した巨大ゼリーをいとも簡単に引きちぎり、そして、
「どけええええええええぇぇぇぇっ!」
自由になった承太郎は、嗣子の背後にある便器へと突進した。『星の白金』はその障害である嗣子を、
(彼なりに手加減して)突き飛ばそうとしたが、
「えいっっ!」
嗣子がカンチョウキをかざして、サイコキネシスの壁を作り出した。『星の白金』の手が、承太郎にも
見えない壁にぶつかって、弾かれる。
「!? く、くそおおおおぉぉぉぉっっ!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアァァッ!」
もはや一刻の猶予もない承太郎は、『星の白金』を盛大に暴れさせて嗣子を排除しようとした。が、
嗣子を護るサイコキネシスの壁は、『星の白金』の全ての打撃を弾いてしまう。
『こ、このままじゃ……』
『こ、このままでは……』
嗣子の額に、汗が滲んできた。自分の手の中で、カンチョウキの度数がどんどん減っていく。承太郎の
超能力攻撃は相当な破壊力があるらしく、一発、一発ごとに凄まじいサイコキネシスを消費してしまう
のだ。こうして承太郎の攻撃を防いでいられるのも、あとどれぐらいだろうか? 防げなくなった時、
どれほどの力の奔流が自分を襲うのだろうか……。
嗣子の胸が、恐怖に沈みかけた、その時。
「嗣子っ! 大丈夫か!」
留置所に、一人の少女が駆け込んできた。あまり手入れのされていないっぽい長い髪で作務衣姿、足には
カンフーシューズ。年頃は嗣子と同じくらいだが、印象は対称的で気の強そうな少女。チョーモンインの
正相談員、神余響子(かなまり きょうこ)である。
『星の白金』のラッシュに押されまくっていた嗣子の顔に、ぱっと希望の光が灯る。
「きょ、響子ちゃん? わたしの危機を虫の知らせで察して、助けに来てくれたの?」
「バカ! チーフの注意も聞かず、観測記録だけ見て飛び出していったマヌケを連れ戻しに来たんだ!
今から『ヒップワード』を使うから耳を塞げ!」
と言いながら響子はカンチョウキを取り出し、嗣子が耳を塞いだのを確認してから、最強の全感覚催眠術、
『ヒップワード』を発動させた。
「正面から、凄い強風だ! とても立ってられない! 真後ろに吹っ飛ばされた!」
と響子が叫ぶや、承太郎の体は問答無用で真後ろに吹っ飛ばされ、鉄格子をぶち壊して壁に叩きつけられた。
そしてその、承太郎のぶっ飛ばされた勢いに負けないスピードで、
「響子ちゃああああぁぁぁぁん! 怖かったっっ!」
嗣子が響子に抱きついてきた。が、慣れているので響子はさっと身をかわし、
「なつくな! まだ終わってない!」
厳しい目つきで承太郎を睨んだ。壁に叩きつけられた承太郎は、肺を圧迫されて窒息したのか一瞬
動きを止めたが、すぐに立ち直って響子の方を睨みつけた。そして、目ぇ血走らせて突進!
「来るかっ!」
響子が、カンチョウキをかざす。が、極限まで追い詰められた承太郎の動きは響子の予想を上回った。
響子が言葉を発する前に、承太郎は響子の眼前まで迫った、と思ったらその脇をすり抜けて走り去った。
「!? し、しまった! 追うぞ嗣子!」
「うんっ!」
二人が承太郎を追いかける。承太郎は階段を上がり、左右をきょろきょろ見回して目的の場所を
見つけるや、もう泣きそうな顔でそこに駆け込んだ。響子と嗣子が追いかけ……ようとして止まった。
だってそこは、男子トイレ。
「……ってオイ」
「そ、そういうことでしたら、言って頂ければ良かったのに」
「赤くなってんじゃねえ。そもそも、お前が暴走してこの件に勝手に手をつけたからだな、」
「だ、だってだって、わたしこのままじゃ、いつまで経っても見習いのまま……」
「だからって、こんなヤバイもんに手を出すな。こいつは、いつもの超能力犯罪とは訳が違うんだ」
いつもと訳の違う響子の顔と言葉に、嗣子も事態を察した。
「ど、どういうことなの、響子ちゃん。あの空条さんの能力は、何か特殊なものなの?」
「ああ。チーフから聞いたんだが、この件についてはチョーモンインは無干渉を貫く。専門家に
任せるってことになった。何でも、ええと、確か『スタンド』とかいって、」
と、その時。
「お嬢さん。今『スタンド』と言ったが、もしやわしの孫を知っておるのか?」
いつの間にか側に来ていた、承太郎に劣らぬ立派な体格をしたアメリカ人とインド人が、
響子に話しかけた…………→TO BE CONTINUED
職人さんが殆ど来ないのをいいことに、二作連続でシュミに走りまくりました私。元ネタを両方とも
知っておられる方は、もはや私の朋友! ですな。さぁて、次は何で行こうかなっと♪
あ、ちなみに。原作の嗣子ちぁんは、もうちょっと有能ですんで。もうちょっとだけ。はい。
otukare fura-risan
職人待ち上げ
>>182 こんな時間にageても誰も来ないでしょ
リア厨か?
職人さん、まだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
┌──────────―───┐
| ,,‐、 |
|イ で ノ__\ .. 世 我 .|
|イ き /ミ=○=l-' 界 .が..|
| ィ ん /\ ( ゚∈゚ ) 一 園..|
| | こ / /○i` // ○\ ィ の|
| | と( ,,| □/ □/i、~`i、. ィ 教..|
| | は ~~ ヽ_|____、-'' ) .ィ. .育..|
| | な ├┴┴ミヽ__ノ ..! 力|
| ッ い / /\ ヽ .. . は..|
| !! /ヽ /人 \_ノ |
| 入 園 者 募 集 |
└───────────―──┘
う〜む。誰も書いてくれませんねぇ。
このままだと私の、「ジョジョキャラと絡ませさえすればスレ違いではないし、
誰とも比較されないから遠慮も手加減もなく『どマイナーだけど好き♪ 作品』
のSS書きまくり計画」がどんどん進行しますよ? 私のこの、腹黒い計画を
何とかする為にも、書いて下さい他の皆さんっっ!
187 :
マロン名無しさん:03/10/19 18:47 ID:t1QhdNEw
うるせえ
夜。住宅街を見下ろす、小高い丘の上。展望台の柵に腰掛けて、ぼうっとしている少年がいた。
歳の頃は十七、八ぐらい。バラバラの髪は雪のように白く、首に巻いたスカーフは血のように
紅い。ひょろりとした細い体躯といい、病人のような精気のない肌といい、「今すぐにでも、
ここから飛び降りて死んでやるぜ♪」な雰囲気が漂っている。
が、その目だけは、生命感こそないものの異常に鋭い。触れれば切れそうなほどに。
「ヒデタカ!」
少女の声がして、ヒデタカと呼ばれたその少年は顔をそちらに向けた。黒いコートと黒い靴、
そして長い黒髪が印象的な少女が、駆け寄ってくる。
「妖(あやかし)たちを周りに周って、やっと情報を掴めました。DIOという吸血鬼は、今
エジプトにいるらしいです」
ヒデタカが、大仰に顔を歪めて肩をすくめた。
「エジプトぉ? おいおい、マジかよ。そりゃまた遠いな」
「それで今、DIOを倒す為にジョースターという男がアメリカから……」
「待った。続きは後で聞くから、先に褒めさせてくれ。お前のこと」
と言われて。ジェネは怪訝な顔をしたが、すぐに察して笑顔を見せた。
「何ですか? 情報を集めてきたことを、褒めて下さるとでも?」
「いや。よくジェネのことを調べたな〜と思ってさ。喋り方も歩き方も、ほれ、その顔の崩し方も。
ほんと、ジェネそっくりだぜ」
ジェネが一歩、後ずさった。そして何か言おうとしたが、それを遮ってヒデタカが、
「でもな。輝(ひかり)が違うンだよ。決定的にな。お前の輝は、汚え。濁りまくってる。つーか、
臭ってくるぞ。ゲロ以下の臭いがプンプンしてるぜ」
「……さすが……だが、バケモノ風情にそこまで言われる筋合いはないと思うが」
ジェネの声が、男のものになっている。そしてその目にはあからさまな殺気と、侮辱に対する怒りが。
と、ヒデタカの姿が、ふっ……と掻き消えて、次の瞬間、
バグウウゥゥ!
鈍い音と共に、ジェネの顔を容赦なく殴りつけた。人間なら顔面陥没、頚椎粉砕、即、死亡の威力だ。
例え人外の存在であっても、この大きさであれば少なくとも吹っ飛ばされるはずである。が、
「ん〜、甘い甘い甘い甘いなぁ〜。そんな攻撃でこのおれが、ちょいとでも痛がると思ったかぁ?」
ジェネの顔面は、まるで腐ったトマトのように、ヒデタカの拳に対して抵抗なく潰れていた。その
せいで、拳の威力が顔面以外の場所に及ばなかったのだ。
「……それが、スタンドってやつか?」
今度はヒデタカが一歩、下がった。ジェネは潰れた顔でニヤニヤ笑いながら、
「ああそうだ。おれのは例外的に、お前らスタンド使い以外の者にも見えるし触れもする。ほら、
冥土の土産によ〜く見とけ。『節制』のカード、このラバーソール様の『黄の節制』だ!」
べじゃっ、と音がしてジェネの顔が真っ二つに裂け、中から男の顔が出てきた。ジェネの顔を造って
いたのは黄色いヘドロのような物質で、髪もコートも靴も、今やその元の姿、ヘドロに戻っている。
ヒデタカはそれを見て、眉を寄せた。
「お〜お〜。予想通りの臭さだな。見てるだけで臭ってきそうだ」
「とか余裕カマしてられるのも今の内だ。今、おれを殴った手をよぉぉく見てみな」
ヒデタカが、手をみる。右手小指の外側に、ヘドロがへばりついていた。
そしてそのヘドロは、少しずつ、少しずつ、皮を肉を神経を、溶かしていっている。
「!」
ヒデタカは躊躇せずそのヘドロを、左手の爪で周りの肉ごと、深く抉って削ぎ落とした。
赤い小さな肉が、べちゃりと落ちる。すぐにヘドロが、ジュウジュウと音を立てて喰らい尽くした。
「まあそういうことだな。そうでもしないと、対処できない。で、今のは指だったからいいが……」
ラバーソールが、ニヤリと笑って一歩、踏み出した。
「もしこいつに全身包まれたら、どうする?」
「……やってみろよ。この俺が、不定形生物との戦いを、経験してないとでも思うのか?」
ヒデタカが、ラバーソールのニヤリ笑いに対抗するかのように、不敵な笑みを浮かべた。
ならばとばかりに、ラバーソールは『黄の節制』を繰り出した。バケツの水をぶちまけるかのように、
イソギンチャクが全ての触手で襲い掛かるかのように、ヒデタカを包み込むように。
だがヒデタカは落ち着いて、襲いくる『黄の節制』に向かって手を翳し、
「撃光!」
破壊のエネルギーを秘めた光、『撃光術』を撃ち放った。そこに太陽が出現したかのような眩しい
光の弾が、『黄の節制』に向かって飛び、そして命する。
爆音を爆風が掻き消すような、強力無比な爆発が起こり、『黄の節制』が豪快に粉微塵に弾け飛ぶ。
が、弾け飛んだ『黄の節制』は落下しながら空中で寄り集まってまた一つになり、何事もなかった
かのように再び、ヒデタカに襲いかかってきた!
「ちぃっ!」
初めて、ヒデタカの顔に焦りが浮かんだ。覆い被さってきた『黄の節制』を、間一髪でバックステップ
してかわし、間髪入れず人間離れした跳躍力で大きく跳んだ。狙いは本体、ラバーソールだ。
だが『黄の節制』は、素早くラバーソールの頭上まで盛り上がって傘のように広がった。そして、
降りてくるヒデタカを捕らえて包み……
ズドムッ!
重い音がして、ヒデタカはラバーソールの背後に降り立った。ラバーソールは振り向いて、
余裕の表情……を見せつつも内心、驚いていた。今、半透明な『黄の節制』越しに見た光景が信じ
られなかったのだ。
『こ、こいつ、何もない空間を……虚空を蹴ってジャンプしやがった?』
その衝撃で生じた空気圧が、今、『黄の節制』を大きく凹ませた。もしもう少し薄くしていたら、
『黄の節制』越しでもダメージを受けてしまったに違いない。それほどの圧力があった。
「ふ、ふん。所詮、このおれの、『黄の節制』の前では全てが無力だ」
動揺を悟られまいと、ラバーソールはわざとらしく威厳を取り繕って喋った。
「お前もDIOと同じバケモノのようだが、結局はそうやって逃げ回るしかない」
ヒデタカが、ぴくりと反応した。今の、ラバーソールの言葉に。
バケモノ、という言葉に。
「……そうだな。俺はバケモノだ。なのに人間型をしている。それもこんなに美しく、な」
「何?」
「だから。俺は少なくとも、お前よりはハンサムだって言ってんだよ……」
ヒデタカの顔に、氷のような笑みが浮かんでいる。
「一つ、頼みがある。顔だけは傷つけないでくれねえか? お前は強ぇよ。撃光術が全然効かねぇ
なんて、三百年生きてきて初めてのことだ。もう観念した。だが、死ぬにしても顔だけは、な」
「俺は『過ち』にも『罪』にも興味はねえ。気に入らねえのは……『悪意』のみ!」
「『改心できる』程度の悪につき合ってるほど、ガーディアンはヒマじゃねえ!」
……と、こんな感じで。好きだったんたですけどねぇこの作品。
ご存知の方、おられましたら挙手のほどを。回答は次回、完結時に。
ふら〜りさん頑張ってますねえ。
私はもうID非表示板では書く気は無いなあ。
それなら移転するのもありかもなぁ。
このスレも少年漫画板に行く?
最初ノリタカと読んでしまったため、しばらく
「破壊王ノリタカ」のイメージが頭から離れなかった。
>>192 っつーかそんなんイチイチ言いに来なくていいよ。
ID非表示板でも頑張って書いてくれているふら〜りさんに失礼だろ。
移転する価値は無いだろ、ここは。
ふらーりさんが書いてる。
だからこそ身軽に移転できると言うのもあるけど。
ふらーりさんとしては移転はどうでしょうか?
氷のような顔で、冷たい声で、ふざけた言葉を冷水が流れる如くに紡ぐヒデタカ。
ラバーソールは、その裏に秘められた殺意と憎悪を読み取れなかった。
「ふ、ふざけるなっ! なら望みどおり、顔以外は全部、グチャドロのミンチにしてやるっっ!」
怒涛のように、『黄の節制』がヒデタカに襲いかかった。ヒデタカは両手を、そっと胸に当てる。
まるで全てを諦めた、生贄に捧げられる乙女のように。
「何を企んだってムダだぞ! おれの『黄の節制』は、ダイヤだろうと硫酸だろうと、この世の全て
を溶かし、喰らう! 防ぐスベは何もないっっっっ!」
『黄の節制』が、ヒデタカの首から下を分厚く覆い尽くした。ジュウジュウと音を立て湯気を立て、
『黄の節制』はその全身を使ってヒデタカを侵食していく。肉も、骨も、全てを喰らい尽くす為に。
ヒデタカはその場に突っ立ったまま、微動だにしない。今のヒデタカは、さながら黄色くぬめる
ミノムシである。ラバーソールが、そんなヒデタカに近づいていく。
「どうだ? あぁ? どんな気分だ? やたら余裕カマしてくれたが、これでジ・エーンドだぜぇ?
何とかいってみろよぉ、この、ハンサムな顔したクソガキが! タ○ナシヘ○チンがよぉ!」
動かない、動けないヒデタカの頬を、ラバーソールが殴りつけた。二発、三発、と連打する。
すると……ヒデタカの目が、笑った。
「ああいうからかい方をすると、こういう報復にでる。解り易い精神構造で助かったぜ!」
ずぼぬるっ! とヒデタカの腕が、『黄の節制』から抜け出した。そして殴りかかってきていた
ラバーソールの拳を受け止め、引っこ抜くようにして大きく背後に、投げ飛ばす。
「うおおおおぉぉぉぉっ?」
ラバーソールは、ヒデタカからーーそして『黄の節制』からーー遠く離れて投げ飛ばされた。大きく
弧を描いて、まっ逆さまに落ちていく。そしてそれを、『黄の節制』から完全に抜け出したヒデタカが
追いかける。
ラバーソールは逆さまに落下しながら、『黄の節制』から抜け出したヒデタカを見て、己の目を疑った。
ヒデタカは。ヒデタカの胸は。まるで、巨熊が両腕を突き刺して左右に引き裂いたような、無残な大穴
が空いている。もちろんとてつもない量の血が流れて、全身が不自然な程に血に塗れている。
そう、不自然なほどに。さすがバケモノ、といいたくなるほどに。
「!? ま、ま、ま、まさか、まさか貴様! 自分で胸を引き裂いて、その大量の出血を使って……
自分の血で、自分の体をコーティングして、『黄の節制』に触れさせなかったとか……」
「惜しい! 血を操って泡状プロテクターにした、とまで言えれば満点だったな! 泡状なら、
周囲からの侵食に耐えやすいんで、な!」
「ち、血を操るって……うっ!?」
ラバーソールの顔が、恐怖で染まった。それは、間近に迫ったヒデタカの瞳の奥を覗き見たから。
ケタ違いの殺戮を、虐殺を、そして戦いを潜り抜けてきた、見てきた、その瞳。
「はっ、この程度でビクつくとはな! 冥土の土産に、よ〜く覚えとけ人間! お前と俺とでは
キャリアが、『戦争経験』が違うってなっっ!」
疾風のように駆け抜けたヒデタカがラバーソールに追いつき、台風のような拳をラバーソールに、
大嵐のように容赦なく打ち込んだ。
無論、『黄の節制』のないラバーソールがそれに耐えられるはずはなく。ズタボロになりながら
展望台の柵を越え、遥か下へと落ちていった。
「ヒデタカ! どうしたのです、その姿は!」
遅れてやってきたジェネが、真っ赤に染まったヒデタカを見て驚愕した。
ヒデタカは、ほりほりと頭を掻いて答える。
「多分、俺たちがDIOを探ってるってことを、DIOに嗅ぎつけられたんだろうな。
で、刺客だ。……ああ、もう片付けたから。出血も止めたし、問題ない」
「問題ないって……」
「いいから、心配すんなって。それより、その刺客から聞いたんだけどよ。ジョースターとかいう
奴が、DIOを倒そうとしてるって聞いたんだが? そいつは人間なのか?」
「え、ええ。そうです。DIOと同じスタンドという能力は持っているようですけど。既に、
孫や仲間を連れて日本を出たらしい、と」
「そっか。なら、とりあえず放っておこうぜ。もしジョースターにやられるようなら……人間に
やられるようなら、俺、キョーミねえよ。そのDIOってのに」
「ヒデタカ? 何かあったのですか?」
ヒデタカは、笑って答える。
「いんや、何もねえよ。あえて言うなら、DIOの刺客が手応えなかったから拍子抜けした。ま、
そんなトコだな」
ジェネの訝しむ視線を受け流し、ヒデタカはダルそうな目で空を見上げた。
『バケモノ……か。なあ、楽しみに待ってろよ二号機。おれたちがわざわざ人間型に造られたのは、
ただ人間に使われる為だってこと、教えてやるぜ』
三百年前に造られし至高の生物兵器。戦争生命体No.872。ヒト型『日出鷹』。
彼は今、全ての人類に対して最大最後の戦争を仕掛けようとしている……
丘の下にて。
「はひぃ、はひぃ……チクショウ、DIOの奴、何が『軽い小遣い稼ぎに寄り道しないか?』だ。
あんなバケモノだとは……いや、バケモノだとは聞いていたが……とにかく、チクショウ!」
ボロゾーキンのようになったラバーソールが、ぐちぐちと愚痴っていた。
「こうなりゃ、さっさと本命に行くか。あっちは、ただスタンドを使うだけの高校生らしいし。
で、殺しさえすれば一億ドル……と。ヒヒヒヒッ、一人殺して一億ドル! 俺ってラッキーだぜぇ〜」
その、『ただスタンドを使うだけの高校生』にどんな目に会わされるか。
神ならぬ身の彼には、知るよしもない…………→TO BE CONTINUED
という訳で。今は会社ごと亡きコミックゲーメスト(私は大好きでした……)から、仲井戸かすみ
先生の『ハイスクールガーディアン』でした。雑誌自体がマニア向けな上、ゲーム漫画誌中の
オリジナル作品ということで、まぁ山崎や嗣子ちぁんと比べても遥かにマイナーでしょうな。ふっ。
>>194 コケましたっ。本文中でも表記してありますが、きっちり耽美なヒデタカをノリタカと変換してしまう
とは……。でも、ノリタカってそこそこ知名度はある(と思います)格闘漫画なのに、パオさんとか
手をつけておられない。私の知る限りでは、まだ誰も。……む、これは次のターゲット候補ですな。
予定としては、次は某バンパイアハンターと一部ディオのバトルですけどね。無論、Dなどという
メジャーどころではござんせん♪ あ、考えてみればこの作品も、もう会社が……
>>移転について
みこころのままに、です。乱暴な言い方ですが、ここはまだ拘るほどの伝統がある訳でもないので。
少なくとも、私は拘りませんよ。移転することで、他の職人さんたちが来て下さる可能性が高まる
のなら、移転した方が良いかと。
何にせよ、とりあえず私は、もれなくついていきますので。よろしく。
あぼーん
誰か、
ダイアーさんの「自分の時間をゆっくりにするスタンド」とプッチ神父の「世界の時間を加速するスタンド」の設定で頼む!
『ヘルレイザー』
本体:ダイアーさん
破壊力:A
スピード:A〜E
射程距離:E(自分のみ)
持続性:A
精密動作性:A
成長性:A
自分の時間をゆっくりにすることができる【時空操作系スタンド】。しかも持続力A。
使用法としては、例えばゆっくりジャンプすることができる。
必殺技は防御不可能のサンダースプリットアタック。
ダイアーだけじゃ勝てそうにないから、ダイアーとツェペリ男爵の最強コンビで、プッチとの対決を・・・。
カモンゲッチュウーの時間だ
ごめん。少年漫画板にスレ立てようとしたら無理だった。
誰かかわりに頼む。
>>207 ってか何を勝手に建てようとしてるんだか。
建てられたとして、「建てました」って言われて移動したところで今と大差ないぞ。
パオと1985が来る 大分違うよ
>>210 荒らしを気にして他所へ逃げた奴なんか要らん
>>211 お前がいらないだけだろ。俺は見たい。
それに移行してもしなくても大して変わらないと言うなら
少しは良くなる見込みのある移転をしても良いと思う。
>>212 なんで俺たちが職人の都合に合わせないといかんのだ?
本人が、ID出ないと書きたくな〜いって駄々こねるんならどうしようも無い
どうしてもパオと1985のジョジョSSを見たいんならおまえが説得してこい
>>213 別に移動してもかまわんだろう。
こんなスレ。
職人のメドがつくならともかくそれもない。
まだ時期じゃないよ。
>>213 おまえ何様?
別に自分の意見を言うのは構わんが「俺たち」でくくるな。
加工が書くまいがパオたちの勝手。
女性という噂のあるふらーりさんとせっくるしたい
カモンゲッチュウーの時間だ
何も書けない名無しほど偉そうって法則があるな
「風の騎士たち」の町ーーウインドナイツ・ロッドの当方二十キロの地点。そこに小さな町があった。
「ある」ではなく「あった」と過去形になっているのは、もはやその町は消滅したも同然だから。
吸血鬼ディオが、ジョースター邸での戦いで受けた傷を癒しつつ、強力なゾンビを創るべく
ウインドナイツ・ロッドを目指していた。その道中に、たまたまその町があった。だから。
町の住人たちは悉くディオの生贄となり、ゾンビと化した。ディオは今、町長の館を仮の住処として、
隠れている僅かな生き残りの住人たちを、無数のゾンビたちを使って探させているところである。
だが、町中がゾンビの咆哮に包まれ、全ての人々がディオの糧となろうとした、その時。
三人の戦士が、絶望の闇夜に斬り込んできた。
町長の館の、三階のテラスからディオは見下ろしていた。町の大通りを埋め尽くす
無数のゾンビたちを相手に、一歩も退かずに戦っている三人を。
「くそっ! このままじゃあラチがあかねえ! こいつらのアタマを潰さねぇとダメだ!」
機械の両腕を備えた、アメリカ人らしき大柄な男が、その怪力でゾンビたちを叩き潰している。
「私たちで道を開くわ! クリス、あなたは先に行って!」
奇妙な紋章入りの服を着た、中国人らしき黒髪の女が、炎と雷を操ってゾンビたちを打ち払っている。
「解った! 石仮面の吸血鬼は、私が必ず倒す!」
先の二人が、前面に攻撃を集中させた。それにより一瞬開かれた道を駆け抜け、ディオのいる館に
向かってくるのは、精悍な顔つきをしたヨーロッパ人らしき青年。
「……あいつは、もしや……」
デイオはここに来る前、腹心の部下であるワンチェンに命じて、ジョナサン以外に強力な敵となる
可能性のある者の情報を集めさせた。その結果浮かび上がったのが、東洋ではチベットの波紋使い
トンペティ一派、そして西洋ではヨーロッパのバンパイアハンターたち。その頂点に立つのが・……
と、その時。ガチャッ、とドアを開けて、あの青年が入ってきた。
「石仮面の吸血鬼、ディオ・ブランドーだな」
気品のある、だが低く重い声で青年が言った。ディオは振り向いて、テラスから部屋に戻る。
「そういうお前は、バンパイアハンターだな? このディオを、伝説に残っているような
貧弱な吸血鬼どもと同列に考えているのなら、悪いことは言わない。大人しく我が僕となった
方が、苦痛は少なくて済むぞ」
「……気遣いは有り難いが、その前に一つ、質問に答えて貰いたい」
青年は、一歩、一歩、ディオに近づいていく。ディオは構えもせず、退きもせずに立っている。
「質問、とは?」
「簡単なことだ。この私に、どんな風に滅ぼして欲しいか、リクエストはあるかね?」
その一言で、ディオの目に壮絶な殺気が宿った。青年は臆せずにその目を見返し、そして、
「我が名は、クリストファー・スミス! 覚悟するがいい、闇の貴族よ! 貴様に次の夜はない!」
「WRYYYYYYYY! 二度と間違えるな! このディオは貴族などではない、帝王だッッ!」
ヨーロッパ最強のバンパイアハンターと、史上最悪の吸血鬼との激闘が、今、幕を開けた。
クリストファーが、全身に炎のようなオーラを纏ってディオに向かって突進する。そのオーラを
足先に集中させながら深く身を沈めた、と、クリストファーの足が眩しく輝き、
「喰らえっっ!」
クリストファーは、地面スレスレに飛ぶボウガンの矢のようなスライディングキックを放った。
並の吸血鬼やゾンビであれば、クリストファーが視界から消えた次の瞬間、五〜六匹まとめて
脚をごっそりと切断され刈り取られる。それほどの速さと鋭さを秘めたキックである。
が、ディオはその「並の吸血鬼」ではない。クリストファーの攻撃を見切り、まっすぐジャンプ
してかわした。そのまま天井を蹴って急降下し、大斧を振り下ろすが如くの手刀を繰り出す。
今度はクリストファーがそれを見切り、両手で地面を突いて転がってかわした。そして素早く
立ち上がり、着地したディオに回し蹴り、踏み込んで肘打ち、と続けざまに叩き込んだ。が、
「うっ!?」
異変を感じてクリストファーは後ずさった。……右脚と左肘が、真っ白く凍り付いている。
ディオが、口の端を吊り上げて笑った。
さて。例によって出典紹介は完結時としますが。
山崎や嗣子ちぁんには劣るも、ヒデタカよりは知名度あると思うので、知ってる方も少し
ぐらいは……おられる……可能性もなきにしもあらずではなかろうかと思ったりしております。
か〜な〜り昔の作品で、前述通り会社がもう倒産してて、ぐぐってみたら作品の
権利はどこぞに売り払われたとのことで。思いっきり無残な屍をさらしております。
それでも私は大好きで、クリスたち三人には、当時六万円以上つぎ込みました。
それぐらいカッコいいんです、三人とも! ジェイクも紅華(ホンファ)も、
そしてそしてクリスもっっっっ♪
>>218 「コテの伝説に唯一必要ないのが、正体だ。……のちに、人々はこう噂する。
『ふら〜りはきっと、嗣子ちぁん萌え三つ編み属性のデブオタヒッキーだぜ』
『いや、中華萌え蛇馬派の特ヲタ婦女子だろ』
それを思うだけで、私はゾクゾクワクワクするね」
>>221 ttp://www2.makani.to/akutoku/upload/dat/1067353553.jpg
>ふら〜りさん
本当に孤軍奮闘状態ですね。
(嵐が余り来ていないのが幸いですが)
私はジョジョSSは絶対に書けませんので、
221みたいな板違いの投稿や応援カキコが精一杯。
頑張って下さい
226 :
マロン名無しさん:03/10/29 07:36 ID:F9+rjYF+
ふらーりさん応援アゲ
しかし218みたいな奴にまでレスする事ないですよw
カモンゲッチュウーの時間だ
保守
「どうした、ミスター・バンパイアハンター? たかが片手片脚が、ちょいと重めの凍傷に
なって、使い物にならなくなっただけじゃあないか。まさかその程度で、恐れをなすような……」
「ことはないっ! 心配は無用だ、ディオ・ブランドー!」
クリストファーはポケットから小瓶を取り出すと、頭上に高く掲げて握り潰した。するとその中に
詰まっていた水が、噴水のように広がって……
「ホーリー・ブライトッ!」
クリストファーの全身を包み込み、濡らした。シュウウゥゥ……と音がして、右脚と左肘の凍結が
解け、凍傷もみるみる治っていく。
目を見張るディオ。バンパイアハンターは聖なる力を行使できるとは聞いていたが、実際に目にした
のは初めてだ。どうやらこれは、聖水を使った技のようだが……
「これで、お前の邪悪なる魔術はもう通用しない」
「な、何だと?」
「疑うのなら、その身で試してみるがいい」
クリストファーの体が、再びオーラに包まれた。今度はそれを、足にではなく全身に集中させる。
そう、オーラそのものをとてつもなく巨大化させ、そしてそれを凝縮して体内に溜め、爆発させる!
「ゆくぞ! ソリッドスラアアアアァァァァッシュ!」
一瞬、強く輝いたクリストファーの体が、その一瞬でディオの眼前に滑り込んできた。そして猛烈な
スピードで、拳を、肘を、脚を、膝を、息つく間もなくディオに叩き込む。聖水を纏ったせいか、
前言通りディオの気化冷凍法が全く効かなくなっている。
石仮面の力を得たディオをして、見切れないスピード。その不死身の肉体をもってしても、受け止め
切れない凄まじい攻撃。ディオは、ジョースター邸で女神像に貫かれた時と同じ焦りを、感じ始めた。
「おのれええええぇぇぇぇっ!」
両腕を振りかざし、クリストファーの首筋に向かって指を、爪先を伸ばす。だがクリストファーは
ステップバックしてそれをかわしたかと思うと、その場で縦に一回転して、
「ローリング・ヒール!」
ディオの頭に、全身を使った踵落としーー浴びせ蹴りを落とした。急所の頭に強力な打撃を受け、
ディオがよろめく。とどめ、とばかりにクリストファーは、ディオの顔面に渾身の蹴りを、
「KWAHHHHHHHH!」
鮮血! クリストファーの足に、爆発したかのような大きな血の華が咲いた。
激痛に顔を歪め、クリストファーが後方に倒れる。
それを見下ろすディオの額に、踵落としを受けた傷から血が流れている。そしてその牙から、
たった今噛み付いたクリストファーの血が滴っている。
ぶっ、とディオは、肉片を吐き出した。クリストファーの、足の肉の塊だ。
「血は悪くない味だが……このディオ、人肉を食す趣味はないのでな」
ディオを睨みつけながら、クリストファーは体勢を整え、残った左足で何とか立ち上がろうとした。
が、無論それを許すディオではなく、
「片脚失ってそのザマか! 貧弱! 貧弱ゥ!」
クリストファーを、サッカーボールのように蹴り飛ばした。咄嗟にクリストファーは両腕でガード
したが、衝撃そのものは殺すことが出来ず、やはりサッカーボールのように蹴り飛ばされてしまった。
吸血鬼の怪力をまともに受け、クリストファーは激しく壁に叩きつけられ、そして床に落ちる。
圧迫された肺が歪み、呼吸することさえ苦しい。両腕も、折れてはいないがヒビは入っているだろう。
「さあ、どうする? もう一度聖水で治してみるか? もっとも、二度はさせんがな!」
ディオが、もう立ち上がることのできないクリストファーにトドメを刺すべく、向かっていく。
クリストファーは痛めた右腕を振り上げ、拳を握って念じた。いや、祈った。
「大地に宿りし聖霊よ! 我に、邪悪を封ずる力を!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アアアアァァァァッ!」
ディオが眼前に迫る。クリストファーは掲げた拳を広げながら、地面に叩きつけた。
「パワー・ストームッッ!」
「……っ!? こ、これは」
その時。クリストファーの手から放たれた聖なる力が、館の床を突き抜けて地面に浸透し、大地に
宿る力を受けて何十倍にも膨れ上がり、再び上昇してきた。そして、物理的な力を一切持たない、
凍てつく吹雪となって吹き荒れる。
それは、邪悪なる力のみを凍らせる、聖なる氷の破魔術!
「GUAHHHHHHHHッッッッ!」
「やったな!」
「ああ……狂王の悪夢もこれで終わりだ。もう二度と、冥府から出てくることはないだろう」
「やっと、朝が来たのね……本当の朝が!」
いえ、ディオはまだ、くたばっちゃあおりません。↑これは原作でのクリスたちのセリフです。
このシーンを初めて見て、感動に打ち震えたあの頃は、私も若かったなぁ……とか
しみじみしたりして。求ム同志。
で。この作品のことはともかく、狂王、と聞いてトレボーを思い出す私は、もう年寄り
なんでしょうかねぇ。そういえばトレボーのあの作品も、漫画版がありましたっけ。
手ぇ出してみようかな?
おつっ!!
アバ茶のシーンでジョルノが仗助だった場合
自らのアバ茶を仗助にすすめるアバッキオ
仗助
「うっ!」
ミスタ
「仲間になりたくねーから、飲みたくないんじゃねーの」
仗助
(こうなったら、アバ茶を戻す…)
(元々はレモネードなどのまともな飲み物だった筈だからな)
(クレイジーダイアモンド!!)
ズキューーーーン!!
仗助
「…いただきます」
グイッ、ズズズーーーーーーー
ブチャラティ
「ところでアバッキオ、お前まだ飲尿法とかやっているのか」
アバッキオ
「毎日やってるぜ!体にいいからな」
仗助
「ブボッ…」
アバ茶の一段階前もアバ茶だった…
やめてー!
スレが汚れるー!
今日初めてきたんだが、このスレで神麻嗣子を見るとは思わなかった。
ディオの体が、みるみる真っ白な霜に包まれ、凍り付いていく。ディオは必死に体を振って
凍結を阻もうとするが、相手は全空間に吹き荒れる聖なる吹雪である。
もう動いていないはずの心臓を、鷲掴みにされるような。機能していない胃や腸が、捻じ切られる
ような。邪気の凍結による猛烈な苦痛が、デイオの全身を蝕んでいく。
「こ、このディオが……この、ディオ、がアアアアァァァァ!」
必死に体を動かして、クリストファーに襲い掛かるディオ。だが凍りついたその体では、本来の
豹の如き動きはできなかった。
並の人間程度の速さしかないディオの攻撃を、片脚で立ち上がったクリストファーは、その片脚
だけで高く跳躍してかわした。そして最後の力を振り絞り、両腕を大きく左右に開いて、
「とどめだ、ディオ・ブランドーよ! フォース・ストームッッ!」
クリストファーが、大きな動きで両腕を交差させた。その交差させた一転に、風の聖霊の力が
集中し……次の瞬間、室内に、今度は物理的な力を伴った極大台風が吹き荒れた。
それは、邪悪なる者を巨大な力で捻り潰す、聖なる風の破魔術、その奥義!
「WOOOOOOOORRRRRRRREYYYYYYYYYYYYYYYY!」
ディオは為す術なく吹き飛ばされ、壁に、天井に、何度も何度も叩きつけられ、最後は巨人に
踏まれるが如く、床に打ちつけられた。凍結した体に加えられた力のせいで、全身がヒビ割れている。
「終わっ……た……」
着地したクリストファーは、壁にもたれかかって深く息をついた。
傷ついた体で、秘儀中の秘儀を二連続で使用したのだ。もはや、吸血鬼どころか普通の人間すら
相手にはできない。
だが、ゾンビたちを操っていた男を倒したのだ。全て消滅、とはいかないまでも、これでゾンビ
たちの戦闘力は大幅に削り取られるはず。きっと、ジェイクと紅華が片付けてくれる……
「……ぅぐっ!?」
その時。刺すような殺気を感じて、クリストファーは僅かに身を捻った。
それが幸いして、僅かに心臓は外れたものの……なにかが、とてつもなく鋭い何かが、
クリストファーの体を貫いて、もたれていた壁に穴を空けた。だがそこにも、クリストファーの
体にも何も刺さっておらず、どろりとした不気味な液体が滴り落ちているだけ。
「な……っ? え、液体……だと……?」
脈拍が一気に低下する。吸った空気が肺の手前でどこかに漏れる。クリストファーは全身に
脂汗を浮かべながら、その液体が飛んできた方向を見た。
……そこには、上体を起こしたディオがいた。よく見ると、その瞳が割れている。
「RYY……このディオに、こんな奥の手を、使わせる、とは、な……」
クリストファーに劣らず、苦しそうなディオ。だが苦しそうにしながらも、ゆっくりと、
ゆっくりと、立ち上がっていく。対してクリストファーは、
「……かはっ……!」
血の霧を吐いて、倒れ伏した。所詮、人間と吸血鬼である。生命力では雲泥の差があるのだ。
倒れたクリストファーに向かって、ディオが言い放つ。
「貴様は……死なせたりはせん。ゾンビとして、永遠に、このディオに仕えさせてくれる……!」
限りない憎悪と怨嗟を纏ったディオが、クリストファーに近づいていく。だがクリストファーは、
もう、今度こそ完全に、動けない。指一本動かす力も残っていない。
外では、まだゾンビたちの咆哮が全く減っていない。ジェイクも紅華も、苦戦しているようだ。
これでは二人とも、クリストファーを助けには来られない。
『……く……っ!』
「さらばだ、バンパイアハンターよ! そしてようこそ! 我が忠実なる僕よっっ!」
デイオの手が、クリストファーの首筋に振り下ろされようとした、正にその時。
遥か彼方の地平線で、闇が切り裂かれた。眩しい、鋭い光が、差し込んできた……夜明けだ!
「WOOOOOOOOッ!」
朝日を浴びたディオの両足が、まるで氷が溶けるように、みるみる灰になっていく。
よろめきながらディオは、屋内深くに逃げ込もうとして……思い直して振り向き、
テラスに走った。そして手すりを乗り越えて飛び降り、
「ゾンビども、おれを運べ! 汚らわしき日の光と、こいつら下等な人間どものおらぬ所まで!」
既に日光を浴びて崩れ始めていたゾンビたちが、愚直にディオを受け止めて走り出した。
一匹、一匹と脱落していくが、それでもゾンビの影で日光を遮るゾンビがディオを抱えて走り、
以下その繰り返しでどんどん走っていく。
「こ、このディオに、逃走などという屈辱を……許さん! 絶対に許さんぞっっ!
傷を癒し、ジョナサンの奴を葬った後、必ずだ! 必ず、今夜のこの屈辱を晴らす!」
デイオは顔を上げて、三階のテラスを見上げて、血を吐くような声で叫んだ。
「忘れるな! このディオの名を絶対に忘れるな、クリストファー・スミスッッ!」
傷つき、力尽きかけていたジェイクと紅華は、崩れていくゾンビたちとそれらに抱えられた
ディオを、ただ見送ることしかできなかった。
三階で倒れているクリストファーに到っては、テラスまで行く体力など残っておらず、
見送ることすらできなかった。
ただ、ディオの怨念に満ちた叫び声だけが、深く深く耳に突き刺さっていた。
この後、ディオはウインドナイツ・ロッドに入り、騎士たちの墓を暴いて強力なゾンビを創り、
ジョナサンたちを迎え撃つこととなる。
その邪悪な瞳の奥には、ジョナサンの他にもう一人。憎々しい、倒すべき男の顔を、強く強く
焼き付けていた…………→TO BE CONTINUED
いずれも古いですが「ヘラクレスの栄光」や「カルノフ」などで有名なデータイースト作の
アーケードゲーム、「ナイトスラッシャーズ」でした。私はこの作品の為に、コンパネと
基盤を買ったんですよぉ……合わせて六万、いえ七万円ぐらいしましたか。全然、高いとは
思ってませんがね♪ (エミュ? なんですそれは?)
で。その基盤が、二年ほど前に壊れてしまったんです。ウンともスンとも言わず。修理は
無理っぽいし……とほぼ諦めてました。が今回のSSを書き終えて、ダメもとで久々に
繋げてみたらなんと! 動いたんです! 久々にクリスたちに会えましたっっ!
愛は奇跡を起こすというおはなし。ありがとうジョジョスレ。(ほんとにノンフィクションです)
>>233 仗助と一緒に、ぶっ! ときました。鋭いというか強烈な一撃ですねぇ。私が書いてるのは
やたら肉弾戦ばかりなので、233さんみたいな「ぶっ」と来る一発ネタには少し憧れます。
ところで。飲尿健康法なるものについては、「パタリロ!」では肯定され、「怪体新書」では
否定されておりました。どちらもギャグではなく、科学的根拠を示してマジメに考察して
いましたが……どうなんでしょうね。いえもちろん、私は絶対イヤですが。
>>235 っしゃああぁぁ! 「私は好きだけどマイナー」なキャラたちを書き続けつつ、待っておりましたよ、
貴方のような方の出現をっっ♪
……まあ究極の理想は、私のSSで興味を持って頂いて、原作の方に手を出して貰う、ですけどね。
私自身、バキスレの方でちまちまとそういう経験をしております。
とはいえ私がこのスレで、ここまで書いてきた中では、まだ現役なのは嗣子ちぁんだけですケド。
ふらーりさんの招待がまじで気になる。
>>234 これは失礼
>>239 なんとなく思いついたショートネタへのレス、サンクスです
私も昔、家ゲー板のジョジョスレや漫画板のボスたちのスレ?で
ちょこっと書いてたんですけど、他の題材からキャラを持ってくるのも
新鮮でいいもんですね
これからもがんがって下さい
242 :
ふら〜り ◆YktFA381qM :03/11/03 00:29 ID:brZ8WE8f
つけてみましたっっ!
いい感じだろ?
>>242 偽者感バリバリだな。楽しいか?
せめてSS投下後にしろよ。それで判るから。
>>242 偽パオ氏もあなたですか?
ほどほどにしましょうね・・・
>>243 しばらく書けないかもしれません!
ごめんなさい!
ふら〜りさん乙。
焦らなくていいよ
>>243 たった今、少年漫画板のバキSSスレに献上して参りました。そちらを
ご覧の上、判断してやって下さい。
>>245 今のところ、こちらとバキスレと交互にひとネタずつ、という方針です。
ので、先程バキスレに献上しましたネタが決着し次第、またこちら
で書かせて頂きます。予定では次は四部、三人のジョジョが異世界キャラ
とぶつかります!
>>というワケで
>>242と
>>244は、私ではありません。このスレで山崎と嗣子ちぁんと
ヒデタカとクリスを書いた、この『私』ではありません。
>>242を見て「トリップ付けようかな」
>>243を見て「こういう方がいて下さる限り、不要だな」
>>244を見て「……」
で結局、こうなりました。以後よろしくです。
もいちど
>>245 いやはははは。何号かは存じませんが、アナタから声援を受けるという
のは、何だか妙な嬉しさがありますな♪
最後に
>>242へ
一行目の「っっ」は私の文体をよく研究している、と思いましたが、
二行目の「だろ?」はちと間違ってますよ。と指摘しておきます。
ここは質問スレなのでしょうか?
248 :
マロン名無しさん:03/11/05 08:35 ID:fNPw+H3J
>241
いや、正直なかなかいいよ。
単発ネタもどんどん書いて欲しい。
カモンゲッチュウーの時間だ
カモンゲッチュウーの時間だ
カモンゲッチュウーの時間だ
ふら〜りより先回り。
正直最近のふら〜りさんは少しうざく思える
ひかえめに職人を応援するのが好きだったのに
今は自分まで語っちゃってる。性格変わりすぎ
SSは意外と面白いと思ったけどさ
254 :
253:03/11/16 00:50 ID:???
いやそれでもいい人と思うけどね
>>253 >>254 ……言われてみれば確かに、調子に乗ってましたね私。自分語りに加えて、過度の布教活動も
してました。以後、気をつけます!
それにしても、ご指摘の直後にすかさずフォローを入れてくださる辺り、私が凹まないようにとの
ご配慮、かたじけないです。
今回はジョジョ側がゲストで、ちょっと設定を変えてます。出典は、「作品はさほどメジャーでは
ないものの作者の名は結構メジャー」なので、今回のは知ってる方も多いかも。
では。↓
吉良が死に、平和になった杜王町。ジョセフは朋子に身分を明かし、しばらく仗助の家に厄介になる、
ということになった。条太郎もまだ不安が残るとのことでホテルに滞在中。
そんなこんなで、仗助も含めて三人のジョジョがいるこの町で。
新たな事件が、起こりつつあった。
「屈辱だっ。何が悲しくてこの私が、全裸じーさん軍団の相手なんかを……」
ドテラ姿の少女、オキアミスは嘆きまくって涙ぐんだ。その下唇とあごの間には、
人が無念を噛み締めた時に出て来る独特のしわしわ、通称「屈辱のうめぼし」が浮かんでいる。
今、地上世界侵攻の為に必要な作戦だというのは解っている。その為に自分の美貌が必要不可欠、
と言われた時は正直嬉しかった。単に一番ヤな役を押し付けられたのではないか、という疑惑も
ないではなかったが、でもまぁ確かに、他に適任者がいないというのは自惚れではなく事実だと
思うし。少なくとも今の、地上世界侵攻部隊のメンツの中では。
しかし……実際、キツイ。この仕事は。
「おい、ねぇさん。こーひー牛乳ひとつくれや」
「わしはふるーつ牛乳じゃ」
また、ぞろぞろと全裸じーさん軍団がやってきた。オキアミスは内心「ぅぐおぅぅ」となりながら、
でも表面上は営業スマイルをしっかりと浮かべて、
「はい、百二十円になります♪」
と可愛らしく愛想良く応対した。
ここは銭湯、龍宮湯。オキアミスは番台に上がり、看板娘として日々働いている。
「いや〜ねぇさん、ここの湯は、ほんにええのう。ほんのりと潮の香りがして」
「五十年は若返るような気分じゃて」
「そうそうそれじゃ。さっきの話の続きじゃが、わしは若い頃……」
「かっかっかっ。まぁたジョセフじぃさんのホラ話が始まった」
「まあまあ。もうひとっ風呂浴びながら、じっくり聞かせて貰いましょうや。まるで
マンガみてぇに面白い話なんじゃし」
水分を補給したじーさん軍団が、またぞろぞろと湯殿に戻っていく。
オキアミスは、じーさんたちに聞かれないよう気をつけながら、はああぁぁっ……と溜息をついた。
平均年齢八十代終盤なじーさんたちでごった返す湯船の中。その隅っこに、場違いな少年と青年がいた。
「う〜ん。やっぱ異常っスよ、真っ昼間からこの繁盛振りってのは」
「……」
仗助と条太郎である。頭の上に濡れた手ぬぐいをのっけてるのにいつもの髪型な仗助もアレだが、
湯船に浸かっていながら帽子を脱がない条太郎もナンである。
「ここんとこ毎日毎日、朝昼晩と銭湯漬けになってるじじいを心配して、おふくろが
様子を見て来いって言ったんスけどね。こりゃ確かに、ただごとじゃないような」
「俺も、この銭湯のことは気になっててな。調査しようと思っていたところだったが……
どうやら当たりだったようだ」
条太郎は、左手の試験管と右手の細長い紙切れを眺めながら、難しい顔で言った。
「あ、それ、小学校の時に理科の実験で使った……えと、あれだ、そうそう、リトマス試験紙、
でしょ? 確か、でんぷんをかけると青緑色になるっていう」
「それ違う。二重三重に違う」
そっけなく切り捨てられた仗助。条太郎は相変わらず難しい顔で、
「これはどうやら……ごく稀に、海底から湧き出る温泉の湯のようだ。非常に中毒性が高く、
ある程度歳を食った肉体には特に強烈に作用すると聞く。一説によるとこの湯を奪い合って
戦争状態に陥り、滅んだ古代王国もあるとか」
「! ま、まじっスか?」
「ああ。この湯に浸かっていると、介護度五の高齢者でもやたら頑健になって、手段を選ばず
湯に入ろうとし、邪魔をすれば暴れ出すという。ヘタな麻薬よりタチが悪いかもしれん」
ざばっ! と仗助が(どこからかタオルを取り出して素早く腰に巻いて)立ち上がった。
「そりゃやばいっスよ! 早くじじいを、いや、他のじーさんたちも湯から出さないと!」
「そうはさせんっっ!」
湯殿の入り口の戸が大きく開かれ、怪しげな一団がうじゃうじゃと入ってきた。
その先頭に立つのは、いつの間にやらレオタード風戦闘服に身を包んだオキアミス。
一部じーさんたちから「色っぽいぞねーちゃん!」との声が上がるが、本人はさっくりと無視する。
また中途半端だな・・・
「こうも早く、我々の巧妙なる計画を嗅ぎつけられるとは思っていなかったがな! 察しの通りここの
湯は、我が海底帝国ホンダワラ領内の魔泉より汲み上げしもの! 湯の効能で人外の力を得た
お年よりどもが銭湯代欲しさの暴動を起こし、その混乱に乗じて我々が地上世界を乗っ取るという……」
「? 条太郎さん、海底帝国って何スか?」
「いや、俺も初耳だが」
ぴきっ、とオキアミスが硬直してひび割れた。
「ちょっ、と、待て。お前たち、アンチョビーの生き残りとかではないのか?」
「トニオさんとこのアンチョビーピザなら大好物だけど」
ぐわああぁぁん、とオキアミスの頭の中でドラが鳴った。ドララララ。
「ふ、ふ、ふ、ふふふふ……そうか部外者か……だが、バレたとあっては仕方ない……」
「いや、君が勝手に一人でベラベラと」
「問答無用! かかれいっ、戦闘生物イリコーン!」
オキアミスの背後に控えていた、全身ペインティング+全員覆面の男たちが一斉に襲い掛かってきた!
「うおっ! へ、変態軍団っ?」
の、ようではある。が、海底帝国とか戦闘生物とかよく解らんことを言ってはいるものの、一般人
相手にスタンドを使うわけにはいかない。なので仗助は、素手で応戦した。
じーさんたち(含ジョセフ)はアトラクションだと思ってやんややんやと手拍子混じりの大喝采。
異様な雰囲気の中で、仗助の壮絶な戦いが始まった……と思いきや。
イリコーンとかいう変態軍団はやたらと弱く、もぉ気持ちいいほどに清々しいほどに、仗助に
ばかばか殴り倒されていく。
「ええいっ、不甲斐ない奴らめっ!」
オキアミスが一旦、湯殿から出た。
そして、すぐ戻ってきた。新手の、数十人ほどのイリコーン軍団を引き連れて。
「っっ! んなムチャな! どこにそんな大人数がっ!」
質より量の人海戦術で押し寄せてきたイリコーンたち。仗助は数の力に押されてどうにもできず、
ぼこぼこ殴られまくってどこどこ蹴られまくって、引き倒されて踏まれまくった。
そんな仗助を見ながらオキアミスは、ぽよんと胸を張って、インスタントラーメンのスープの
袋のようなものを取り出し、誇らしげに仗助に見せる。
「はっはっはっはっ、愚か者め! 戦闘生物イリコーンは、この『イリコーンの素』さえあれば、
いつでもどこでもいくらでも、即座に作り出せるのだ! 恐れ入ったか!」
とオキアミスが言い終わったのと同時に。仗助を踏んづけていたイリコーンの一人が、
いきなり元の粉に戻ってしまった。
「えっ? な、何だっ?」
目をしろくろさせるオキアミス、戸惑うイリコーンたち。そして、ふら〜っと立ち上がる仗助。
「……そうか、そうだったのか。変態でも何でも人間相手には、と思っていたけどよ……
元が粉だっていうんなら、話は別だ! クレイジー・ダイヤモンドっっ!」
無論、当然、言うまでもなく、イリコーンたちにスタンドは見えない。いや仮に見えたとしても、
クレイジー・ダイヤモンドの拳をかわせるはずはなく、
「ドララララララララアアァァっ!」
イリコーンたちは、ばさばさどさどさと粉に還っていく。全滅まで、あと十秒もかかるかどうか?
「うぬぅっ。何だか解らんが、怪しげな術をっっ」
オキアミスの額に、汗がたらり。じーさんどもは相変わらず、アクションショー転じて
マジックショーとでも思っているのか、やんややんやと拍手喝采。
それを見て、ぴん! とオキアミスは閃いた。
「みなっさぁぁん! 番台より報告です! なんとなんとこの少年は、ウチの営業を妨害して、
みなさんの湯を独り占めしようとしています! こんな横暴が許されていいのでしょうかっ?」
「ぬわにいいいいぃぃぃぃっ?」
全裸じーさん軍団が、ざばばばばばと湯から上がって、一人残らず仗助に押し寄せてきた。仗助は
(そのあまりにも凄まじ過ぎる迫力に押されて)慌ててクレイジー・ダイヤモンドを引っ込める。
「マコトか、若いのっ!」
「おうっ、キリキリ釈明せいっ!」
「い、いや、俺はそんな、別に何も」
「む、そうか。ならええんじゃ」
じーさんたちは、クルリと背を向けて湯船に向かう。
「あ、その温泉には中毒性が……」
「やっぱり一人占めする気かああああああああぁぁぁぁっ!」
再び、じーさん軍団が押し寄せて来た、その時。
一人のじーさんが手を上げて、皆を制した。
「皆の衆、ここはわしに任せて下されい。こいつは、歳は離れておるがわしの息子でしてな。
身内の恥は、身内でカタをつけるのがスジというもの」
この場にいる、たった一人のアメリカ人。だが見事なまでに溶け込んでいるじじい。
その名は、ジョセフ=ジョースター。
「仗助よ、二度は言わん。大人しく湯に浸かっておるか、あるいは大人しく帰るか。お前が
大人しくせんというのなら、わしが荒っぽくなる。さあ、どうする?」
「い、いや、だからっスね、ここの湯は」
ジョセフは、そうか解ったとばかりに頭の上の手ぬぐいを手に取ると、石鹸をつけて
ごしごしと擦り合わせ、
「覚悟はいいな、仗助。……必殺ゥゥ! シャボン・ランチャー!」
手ぬぐいをぱんぱん叩いて、ぶんぶん振り回して、ジョセフは無数のシャボン玉を繰り出してきた。
仗助は、この技を知らない。というより波紋そのものを全く知らない。が本能的にヤバいと感じて、
クレイジー・ダイヤモンドの拳で一つ、叩き割ってみた。
すると、ずどむっ! とまるでバズーカの砲弾を叩き落したかのような手応えが返ってきた。
……こんなもん、生身で食らったら?
「じょ、冗談じゃねえっっ!」
仗助VSジョセフが始まったところで、次回完結。条太郎もちゃんと参戦しますので、
何卒よろしくです。
263 :
マロン名無しさん:03/11/18 19:57 ID:BsH9EL9X
ふらーりさんもっと語ってくれ
お疲れ様です。本当に。
必死になって、ドララララとシャボン玉を叩き割っていくクレイジー・ダイヤモンド。すると、
それを見ていたじーさんたちが、
「何だか解らんが、わしも助太刀するぞっ!」
「おうっ、ジョセフじーさんばかりに任せちゃおれんて!」
我も我もと、手ぬぐいごしごし、ぶんぶんぱんぱん、シャボン玉を乱射し始めた。瞬く間に、
仗助の周囲はシャボン玉で埋め尽くされる。
こうなるとクレイジー・ダイヤモンドだけでは防ぎ切れず、仗助自身も両手に桶を持って
シャボン玉割りに加わった。もちろん、ジョセフからのもの以外は、何発食らっても全く
ダメージにならない。だがこれでは、どれがジョセフからのものか判別できないのだ。
仕方なく仗助は、これ、と思われるものに目星をつけてクレイジー・ダイヤモンドに叩き割らせ、
他のは紛らわしいから自分で(読みが外れたら危険だから手に持った桶で)叩き割っていく。
仗助は、思った。ああ、何だかデジャビュだなぁと。そういや吉良と戦った時も、こんな風に空気の
塊相手に苦戦して。でも今相手にしてるのは、猟奇的殺人鬼ではなく全裸じーさん軍団というのが
なんともかんとも……とか考えていたら。シャボン玉が一つ、クレイジー・ダイモンドと
仗助の桶振り回しの間を縫って、するりと懐に入り込んできた。
運悪く、それはジョセフの放ったシャボン・ランチャーで、仗助の頬にまともに、
「ぅぐぶええええぇぇっ!」
当たった。ヘビー級のプロボクサーに、顔面だけに集中してラッシュを食らったような猛烈な衝撃が
仗助の顔面を叩き、仗助の脳を揺らし、そして仗助の体を見事に吹っ飛ばした。
じーさん軍団が勝利の雄たけびを上げ、その中心でジョセフがガッツポーズを取っている。
吹っ飛ばされ、ブッ倒された仗助は、頭の中がぐわんぐわんしていて立ち上がれない。だが
その手には、桶から剥がした龍宮湯のシールが、しっかりと握られている。
今、吹っ飛ばされた時、桶は仗助から投げ出されて飛んで、ジョセフの背後に落ちた。いや、
仗助が投げたのである。吹っ飛ばされながら。シールを剥がして。
「クレイジー・ダイヤモンド……俺のスタンド・ランチャーだぜ……じじい!」
かっぽおおおおぉぉぉぉん!
ジョセフは、突如背後から飛んできた桶に後頭部を強打され、昏倒した。
「ジョ、ジョセフじいさんっ?」
「なんじゃあ? 今、桶が空を飛びおったぞっ?」
ざわめくじーさんたち。仗助が、頭を振りながら立ち上がる。と、
「やれやれだぜ……やはり、じじいはじじいだな」
沈黙を守っていた条太郎が、湯から上がった。
「条太郎さん? そういや今の今まで全然助けてくれなかったけど、どうしたんスか?」
「じじいのお手並みを拝見しようと思ったんだがな。こうなっては、俺が出るしかあるまい。
ここの湯を守る為に」
「って……ま、まさか条太郎さんっ?」
じりっ、と条太郎が近づいてくる。じりっ、と仗助が後ずさる。
「認めたくないものだな、歳を食ったが故の感覚とは。だが仗助よ、お前にもいずれ
解る時が来る。否応無しにな。湯に浸かることの心地よさ、その魅力、いや魔力が」
「ちょ、ちょっと待って下さいよっ! 条太郎さんはまだまだ若……」
「それ以上言うなっ! スタープラチナ・ザ・ワールド!」
時が、止まった。
「……時は動き出す」
ふ〜やれやれ、と湯に浸かる条太郎。じーさんたちは、いつの間にか仗助が消えたことに
大騒ぎしている。きょろきょろと辺りを見回して、探そうとしている。
だがいくら騒ごうと探そうと、仗助はここにはいない。たった今、窓から思いっきり遠くへと
放り出したからだ。今ごろ、露出狂少年出現ということで、大騒ぎの渦中だろう。
『許せ、仗助』
ジョセフも意識を取り戻した。オキアミスは仗助が消えたことに首を傾げつつも、とりあえず
(条太郎は敵ではなさそうと判断して)番台に戻っていった。
こうして湯殿に平和が戻り、またじーさんたちの笑い声が響き始めた。条太郎も話の輪には
加わらないものの、全身で滋養を感じられるここの湯と、この空間の居心地の良さとに、
ふんわりとただよっていた。
そうして、どれぐらいの時間が流れただろうか。からからと戸を開けて、黒髪のがっしりした
体格の青年と、対照的に軟弱そうな少年が入ってきた。何気なく見ていると、湯船に入ろうとする
少年を青年が引きとめて、湯船の湯を桶に汲んだ。
そして青年は、んぐっんぐっ……ぶはぁ、と。じーさんダシの効いたその湯を一気に飲み干すと、
「王子! これは危険です! この湯は……」
大声で、少年に湯の危険性を説明し始めた。
『やれやれだぜ。せっかく、人がいい気持ちで湯に浸かってるってのに』
条太郎は心の中で毒づきつつ、いざとなったらこの二人も時を止めて外に放り出そうと考えた。
……この時の条太郎は、自分と他のじーさん軍団が、この銭湯を壊滅に追いやってしまう
などとは思いもしなかった…………→TO BE CONTINUED
安永航一郎先生の「海底人類アンチョビー」でした。後は原作通り、なのですが
ご存じない方の為に書いておきますと、
・結局、最後に出てきた二人も仗助同様やられる。
・ハイになったじーさん軍団(と条太郎とジョセフ)が、「ケチケチせずにもっと湯を出せーい」
とポンプ室に押しかけ、湯で得た怪力のせいでポンプを壊してしまう。
・ポンプが暴走して湯を一気に全部吸い上げ、海底温泉が枯れてしまう。
・ホンダワラの野望は潰える。じーさんたち(と条太郎とジョセフ)は反動で一気に老け込む。
以上です。また書かせて頂きたいと思ってはおりますが……願わくば、その時までに他の
職人さんの御降臨のあらんことを。
中途半端なSS書くよねいっつも。
>>269 SSスレの天使、ふら〜りさんに何いうんだボケ
>>269 こ・・これは申し訳ないです。
私の力量不足が悪いです。
一生懸命頑張りますので・・・
あげます
272 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:06 ID:YEUphrvw
273 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:07 ID:YEUphrvw
274 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:08 ID:YEUphrvw
275 :
マロン名無しさん:03/12/11 22:29 ID:Jn2T86AA
あげるべ
すみません。どうしてもネタが出てこなかったので、交代に書くと
言いつつあちらに連続で書いてしまいました。
でも、それはそれとして、どなたか書いて下さ〜い!
>ふらーりさん
呼びかけるならここで書いても無駄。
多分パオとかはすでにいここの存在すら忘れてる。
バキスレで呼びかけなきゃ。
でも、あっちの更新速度が落ちるのは嫌だなあ
>でも、あっちの更新速度が落ちるのは嫌だなあ
ぅぐ。それを言われると……でも、ジョジョは知ってても刃牙は全然
知らないって人も少なくないと思うんです。そういう人に、こっちに
書いて頂けないかな、とか。少なくとも私は読んでみたいんですよ〜。
保守アゲ
280 :
マロン名無しさん:03/12/27 02:33 ID:cyg6MIDO
七部(?)記念age
281 :
マロン名無しさん:03/12/27 08:45 ID:vvEPj3Zi
age
保守だ。あげるぜ
もしかしたら今月の下旬辺りからSS書くかも。
静スレとは交流がないのか?>ふら〜り