朝日を浴びたディオの両足が、まるで氷が溶けるように、みるみる灰になっていく。
よろめきながらディオは、屋内深くに逃げ込もうとして……思い直して振り向き、
テラスに走った。そして手すりを乗り越えて飛び降り、
「ゾンビども、おれを運べ! 汚らわしき日の光と、こいつら下等な人間どものおらぬ所まで!」
既に日光を浴びて崩れ始めていたゾンビたちが、愚直にディオを受け止めて走り出した。
一匹、一匹と脱落していくが、それでもゾンビの影で日光を遮るゾンビがディオを抱えて走り、
以下その繰り返しでどんどん走っていく。
「こ、このディオに、逃走などという屈辱を……許さん! 絶対に許さんぞっっ!
傷を癒し、ジョナサンの奴を葬った後、必ずだ! 必ず、今夜のこの屈辱を晴らす!」
デイオは顔を上げて、三階のテラスを見上げて、血を吐くような声で叫んだ。
「忘れるな! このディオの名を絶対に忘れるな、クリストファー・スミスッッ!」
傷つき、力尽きかけていたジェイクと紅華は、崩れていくゾンビたちとそれらに抱えられた
ディオを、ただ見送ることしかできなかった。
三階で倒れているクリストファーに到っては、テラスまで行く体力など残っておらず、
見送ることすらできなかった。
ただ、ディオの怨念に満ちた叫び声だけが、深く深く耳に突き刺さっていた。
この後、ディオはウインドナイツ・ロッドに入り、騎士たちの墓を暴いて強力なゾンビを創り、
ジョナサンたちを迎え撃つこととなる。
その邪悪な瞳の奥には、ジョナサンの他にもう一人。憎々しい、倒すべき男の顔を、強く強く
焼き付けていた…………→TO BE CONTINUED
いずれも古いですが「ヘラクレスの栄光」や「カルノフ」などで有名なデータイースト作の
アーケードゲーム、「ナイトスラッシャーズ」でした。私はこの作品の為に、コンパネと
基盤を買ったんですよぉ……合わせて六万、いえ七万円ぐらいしましたか。全然、高いとは
思ってませんがね♪ (エミュ? なんですそれは?)
で。その基盤が、二年ほど前に壊れてしまったんです。ウンともスンとも言わず。修理は
無理っぽいし……とほぼ諦めてました。が今回のSSを書き終えて、ダメもとで久々に
繋げてみたらなんと! 動いたんです! 久々にクリスたちに会えましたっっ!
愛は奇跡を起こすというおはなし。ありがとうジョジョスレ。(ほんとにノンフィクションです)
>>233 仗助と一緒に、ぶっ! ときました。鋭いというか強烈な一撃ですねぇ。私が書いてるのは
やたら肉弾戦ばかりなので、233さんみたいな「ぶっ」と来る一発ネタには少し憧れます。
ところで。飲尿健康法なるものについては、「パタリロ!」では肯定され、「怪体新書」では
否定されておりました。どちらもギャグではなく、科学的根拠を示してマジメに考察して
いましたが……どうなんでしょうね。いえもちろん、私は絶対イヤですが。
>>235 っしゃああぁぁ! 「私は好きだけどマイナー」なキャラたちを書き続けつつ、待っておりましたよ、
貴方のような方の出現をっっ♪
……まあ究極の理想は、私のSSで興味を持って頂いて、原作の方に手を出して貰う、ですけどね。
私自身、バキスレの方でちまちまとそういう経験をしております。
とはいえ私がこのスレで、ここまで書いてきた中では、まだ現役なのは嗣子ちぁんだけですケド。
ふらーりさんの招待がまじで気になる。
>>234 これは失礼
>>239 なんとなく思いついたショートネタへのレス、サンクスです
私も昔、家ゲー板のジョジョスレや漫画板のボスたちのスレ?で
ちょこっと書いてたんですけど、他の題材からキャラを持ってくるのも
新鮮でいいもんですね
これからもがんがって下さい
242 :
ふら〜り ◆YktFA381qM :03/11/03 00:29 ID:brZ8WE8f
つけてみましたっっ!
いい感じだろ?
>>242 偽者感バリバリだな。楽しいか?
せめてSS投下後にしろよ。それで判るから。
>>242 偽パオ氏もあなたですか?
ほどほどにしましょうね・・・
>>243 しばらく書けないかもしれません!
ごめんなさい!
ふら〜りさん乙。
焦らなくていいよ
>>243 たった今、少年漫画板のバキSSスレに献上して参りました。そちらを
ご覧の上、判断してやって下さい。
>>245 今のところ、こちらとバキスレと交互にひとネタずつ、という方針です。
ので、先程バキスレに献上しましたネタが決着し次第、またこちら
で書かせて頂きます。予定では次は四部、三人のジョジョが異世界キャラ
とぶつかります!
>>というワケで
>>242と
>>244は、私ではありません。このスレで山崎と嗣子ちぁんと
ヒデタカとクリスを書いた、この『私』ではありません。
>>242を見て「トリップ付けようかな」
>>243を見て「こういう方がいて下さる限り、不要だな」
>>244を見て「……」
で結局、こうなりました。以後よろしくです。
もいちど
>>245 いやはははは。何号かは存じませんが、アナタから声援を受けるという
のは、何だか妙な嬉しさがありますな♪
最後に
>>242へ
一行目の「っっ」は私の文体をよく研究している、と思いましたが、
二行目の「だろ?」はちと間違ってますよ。と指摘しておきます。
ここは質問スレなのでしょうか?
248 :
マロン名無しさん:03/11/05 08:35 ID:fNPw+H3J
>241
いや、正直なかなかいいよ。
単発ネタもどんどん書いて欲しい。
カモンゲッチュウーの時間だ
カモンゲッチュウーの時間だ
カモンゲッチュウーの時間だ
ふら〜りより先回り。
正直最近のふら〜りさんは少しうざく思える
ひかえめに職人を応援するのが好きだったのに
今は自分まで語っちゃってる。性格変わりすぎ
SSは意外と面白いと思ったけどさ
254 :
253:03/11/16 00:50 ID:???
いやそれでもいい人と思うけどね
>>253 >>254 ……言われてみれば確かに、調子に乗ってましたね私。自分語りに加えて、過度の布教活動も
してました。以後、気をつけます!
それにしても、ご指摘の直後にすかさずフォローを入れてくださる辺り、私が凹まないようにとの
ご配慮、かたじけないです。
今回はジョジョ側がゲストで、ちょっと設定を変えてます。出典は、「作品はさほどメジャーでは
ないものの作者の名は結構メジャー」なので、今回のは知ってる方も多いかも。
では。↓
吉良が死に、平和になった杜王町。ジョセフは朋子に身分を明かし、しばらく仗助の家に厄介になる、
ということになった。条太郎もまだ不安が残るとのことでホテルに滞在中。
そんなこんなで、仗助も含めて三人のジョジョがいるこの町で。
新たな事件が、起こりつつあった。
「屈辱だっ。何が悲しくてこの私が、全裸じーさん軍団の相手なんかを……」
ドテラ姿の少女、オキアミスは嘆きまくって涙ぐんだ。その下唇とあごの間には、
人が無念を噛み締めた時に出て来る独特のしわしわ、通称「屈辱のうめぼし」が浮かんでいる。
今、地上世界侵攻の為に必要な作戦だというのは解っている。その為に自分の美貌が必要不可欠、
と言われた時は正直嬉しかった。単に一番ヤな役を押し付けられたのではないか、という疑惑も
ないではなかったが、でもまぁ確かに、他に適任者がいないというのは自惚れではなく事実だと
思うし。少なくとも今の、地上世界侵攻部隊のメンツの中では。
しかし……実際、キツイ。この仕事は。
「おい、ねぇさん。こーひー牛乳ひとつくれや」
「わしはふるーつ牛乳じゃ」
また、ぞろぞろと全裸じーさん軍団がやってきた。オキアミスは内心「ぅぐおぅぅ」となりながら、
でも表面上は営業スマイルをしっかりと浮かべて、
「はい、百二十円になります♪」
と可愛らしく愛想良く応対した。
ここは銭湯、龍宮湯。オキアミスは番台に上がり、看板娘として日々働いている。
「いや〜ねぇさん、ここの湯は、ほんにええのう。ほんのりと潮の香りがして」
「五十年は若返るような気分じゃて」
「そうそうそれじゃ。さっきの話の続きじゃが、わしは若い頃……」
「かっかっかっ。まぁたジョセフじぃさんのホラ話が始まった」
「まあまあ。もうひとっ風呂浴びながら、じっくり聞かせて貰いましょうや。まるで
マンガみてぇに面白い話なんじゃし」
水分を補給したじーさん軍団が、またぞろぞろと湯殿に戻っていく。
オキアミスは、じーさんたちに聞かれないよう気をつけながら、はああぁぁっ……と溜息をついた。
平均年齢八十代終盤なじーさんたちでごった返す湯船の中。その隅っこに、場違いな少年と青年がいた。
「う〜ん。やっぱ異常っスよ、真っ昼間からこの繁盛振りってのは」
「……」
仗助と条太郎である。頭の上に濡れた手ぬぐいをのっけてるのにいつもの髪型な仗助もアレだが、
湯船に浸かっていながら帽子を脱がない条太郎もナンである。
「ここんとこ毎日毎日、朝昼晩と銭湯漬けになってるじじいを心配して、おふくろが
様子を見て来いって言ったんスけどね。こりゃ確かに、ただごとじゃないような」
「俺も、この銭湯のことは気になっててな。調査しようと思っていたところだったが……
どうやら当たりだったようだ」
条太郎は、左手の試験管と右手の細長い紙切れを眺めながら、難しい顔で言った。
「あ、それ、小学校の時に理科の実験で使った……えと、あれだ、そうそう、リトマス試験紙、
でしょ? 確か、でんぷんをかけると青緑色になるっていう」
「それ違う。二重三重に違う」
そっけなく切り捨てられた仗助。条太郎は相変わらず難しい顔で、
「これはどうやら……ごく稀に、海底から湧き出る温泉の湯のようだ。非常に中毒性が高く、
ある程度歳を食った肉体には特に強烈に作用すると聞く。一説によるとこの湯を奪い合って
戦争状態に陥り、滅んだ古代王国もあるとか」
「! ま、まじっスか?」
「ああ。この湯に浸かっていると、介護度五の高齢者でもやたら頑健になって、手段を選ばず
湯に入ろうとし、邪魔をすれば暴れ出すという。ヘタな麻薬よりタチが悪いかもしれん」
ざばっ! と仗助が(どこからかタオルを取り出して素早く腰に巻いて)立ち上がった。
「そりゃやばいっスよ! 早くじじいを、いや、他のじーさんたちも湯から出さないと!」
「そうはさせんっっ!」
湯殿の入り口の戸が大きく開かれ、怪しげな一団がうじゃうじゃと入ってきた。
その先頭に立つのは、いつの間にやらレオタード風戦闘服に身を包んだオキアミス。
一部じーさんたちから「色っぽいぞねーちゃん!」との声が上がるが、本人はさっくりと無視する。
また中途半端だな・・・
「こうも早く、我々の巧妙なる計画を嗅ぎつけられるとは思っていなかったがな! 察しの通りここの
湯は、我が海底帝国ホンダワラ領内の魔泉より汲み上げしもの! 湯の効能で人外の力を得た
お年よりどもが銭湯代欲しさの暴動を起こし、その混乱に乗じて我々が地上世界を乗っ取るという……」
「? 条太郎さん、海底帝国って何スか?」
「いや、俺も初耳だが」
ぴきっ、とオキアミスが硬直してひび割れた。
「ちょっ、と、待て。お前たち、アンチョビーの生き残りとかではないのか?」
「トニオさんとこのアンチョビーピザなら大好物だけど」
ぐわああぁぁん、とオキアミスの頭の中でドラが鳴った。ドララララ。
「ふ、ふ、ふ、ふふふふ……そうか部外者か……だが、バレたとあっては仕方ない……」
「いや、君が勝手に一人でベラベラと」
「問答無用! かかれいっ、戦闘生物イリコーン!」
オキアミスの背後に控えていた、全身ペインティング+全員覆面の男たちが一斉に襲い掛かってきた!
「うおっ! へ、変態軍団っ?」
の、ようではある。が、海底帝国とか戦闘生物とかよく解らんことを言ってはいるものの、一般人
相手にスタンドを使うわけにはいかない。なので仗助は、素手で応戦した。
じーさんたち(含ジョセフ)はアトラクションだと思ってやんややんやと手拍子混じりの大喝采。
異様な雰囲気の中で、仗助の壮絶な戦いが始まった……と思いきや。
イリコーンとかいう変態軍団はやたらと弱く、もぉ気持ちいいほどに清々しいほどに、仗助に
ばかばか殴り倒されていく。
「ええいっ、不甲斐ない奴らめっ!」
オキアミスが一旦、湯殿から出た。
そして、すぐ戻ってきた。新手の、数十人ほどのイリコーン軍団を引き連れて。
「っっ! んなムチャな! どこにそんな大人数がっ!」
質より量の人海戦術で押し寄せてきたイリコーンたち。仗助は数の力に押されてどうにもできず、
ぼこぼこ殴られまくってどこどこ蹴られまくって、引き倒されて踏まれまくった。
そんな仗助を見ながらオキアミスは、ぽよんと胸を張って、インスタントラーメンのスープの
袋のようなものを取り出し、誇らしげに仗助に見せる。
「はっはっはっはっ、愚か者め! 戦闘生物イリコーンは、この『イリコーンの素』さえあれば、
いつでもどこでもいくらでも、即座に作り出せるのだ! 恐れ入ったか!」
とオキアミスが言い終わったのと同時に。仗助を踏んづけていたイリコーンの一人が、
いきなり元の粉に戻ってしまった。
「えっ? な、何だっ?」
目をしろくろさせるオキアミス、戸惑うイリコーンたち。そして、ふら〜っと立ち上がる仗助。
「……そうか、そうだったのか。変態でも何でも人間相手には、と思っていたけどよ……
元が粉だっていうんなら、話は別だ! クレイジー・ダイヤモンドっっ!」
無論、当然、言うまでもなく、イリコーンたちにスタンドは見えない。いや仮に見えたとしても、
クレイジー・ダイヤモンドの拳をかわせるはずはなく、
「ドララララララララアアァァっ!」
イリコーンたちは、ばさばさどさどさと粉に還っていく。全滅まで、あと十秒もかかるかどうか?
「うぬぅっ。何だか解らんが、怪しげな術をっっ」
オキアミスの額に、汗がたらり。じーさんどもは相変わらず、アクションショー転じて
マジックショーとでも思っているのか、やんややんやと拍手喝采。
それを見て、ぴん! とオキアミスは閃いた。
「みなっさぁぁん! 番台より報告です! なんとなんとこの少年は、ウチの営業を妨害して、
みなさんの湯を独り占めしようとしています! こんな横暴が許されていいのでしょうかっ?」
「ぬわにいいいいぃぃぃぃっ?」
全裸じーさん軍団が、ざばばばばばと湯から上がって、一人残らず仗助に押し寄せてきた。仗助は
(そのあまりにも凄まじ過ぎる迫力に押されて)慌ててクレイジー・ダイヤモンドを引っ込める。
「マコトか、若いのっ!」
「おうっ、キリキリ釈明せいっ!」
「い、いや、俺はそんな、別に何も」
「む、そうか。ならええんじゃ」
じーさんたちは、クルリと背を向けて湯船に向かう。
「あ、その温泉には中毒性が……」
「やっぱり一人占めする気かああああああああぁぁぁぁっ!」
再び、じーさん軍団が押し寄せて来た、その時。
一人のじーさんが手を上げて、皆を制した。
「皆の衆、ここはわしに任せて下されい。こいつは、歳は離れておるがわしの息子でしてな。
身内の恥は、身内でカタをつけるのがスジというもの」
この場にいる、たった一人のアメリカ人。だが見事なまでに溶け込んでいるじじい。
その名は、ジョセフ=ジョースター。
「仗助よ、二度は言わん。大人しく湯に浸かっておるか、あるいは大人しく帰るか。お前が
大人しくせんというのなら、わしが荒っぽくなる。さあ、どうする?」
「い、いや、だからっスね、ここの湯は」
ジョセフは、そうか解ったとばかりに頭の上の手ぬぐいを手に取ると、石鹸をつけて
ごしごしと擦り合わせ、
「覚悟はいいな、仗助。……必殺ゥゥ! シャボン・ランチャー!」
手ぬぐいをぱんぱん叩いて、ぶんぶん振り回して、ジョセフは無数のシャボン玉を繰り出してきた。
仗助は、この技を知らない。というより波紋そのものを全く知らない。が本能的にヤバいと感じて、
クレイジー・ダイヤモンドの拳で一つ、叩き割ってみた。
すると、ずどむっ! とまるでバズーカの砲弾を叩き落したかのような手応えが返ってきた。
……こんなもん、生身で食らったら?
「じょ、冗談じゃねえっっ!」
仗助VSジョセフが始まったところで、次回完結。条太郎もちゃんと参戦しますので、
何卒よろしくです。
263 :
マロン名無しさん:03/11/18 19:57 ID:BsH9EL9X
ふらーりさんもっと語ってくれ
お疲れ様です。本当に。
必死になって、ドララララとシャボン玉を叩き割っていくクレイジー・ダイヤモンド。すると、
それを見ていたじーさんたちが、
「何だか解らんが、わしも助太刀するぞっ!」
「おうっ、ジョセフじーさんばかりに任せちゃおれんて!」
我も我もと、手ぬぐいごしごし、ぶんぶんぱんぱん、シャボン玉を乱射し始めた。瞬く間に、
仗助の周囲はシャボン玉で埋め尽くされる。
こうなるとクレイジー・ダイヤモンドだけでは防ぎ切れず、仗助自身も両手に桶を持って
シャボン玉割りに加わった。もちろん、ジョセフからのもの以外は、何発食らっても全く
ダメージにならない。だがこれでは、どれがジョセフからのものか判別できないのだ。
仕方なく仗助は、これ、と思われるものに目星をつけてクレイジー・ダイヤモンドに叩き割らせ、
他のは紛らわしいから自分で(読みが外れたら危険だから手に持った桶で)叩き割っていく。
仗助は、思った。ああ、何だかデジャビュだなぁと。そういや吉良と戦った時も、こんな風に空気の
塊相手に苦戦して。でも今相手にしてるのは、猟奇的殺人鬼ではなく全裸じーさん軍団というのが
なんともかんとも……とか考えていたら。シャボン玉が一つ、クレイジー・ダイモンドと
仗助の桶振り回しの間を縫って、するりと懐に入り込んできた。
運悪く、それはジョセフの放ったシャボン・ランチャーで、仗助の頬にまともに、
「ぅぐぶええええぇぇっ!」
当たった。ヘビー級のプロボクサーに、顔面だけに集中してラッシュを食らったような猛烈な衝撃が
仗助の顔面を叩き、仗助の脳を揺らし、そして仗助の体を見事に吹っ飛ばした。
じーさん軍団が勝利の雄たけびを上げ、その中心でジョセフがガッツポーズを取っている。
吹っ飛ばされ、ブッ倒された仗助は、頭の中がぐわんぐわんしていて立ち上がれない。だが
その手には、桶から剥がした龍宮湯のシールが、しっかりと握られている。
今、吹っ飛ばされた時、桶は仗助から投げ出されて飛んで、ジョセフの背後に落ちた。いや、
仗助が投げたのである。吹っ飛ばされながら。シールを剥がして。
「クレイジー・ダイヤモンド……俺のスタンド・ランチャーだぜ……じじい!」
かっぽおおおおぉぉぉぉん!
ジョセフは、突如背後から飛んできた桶に後頭部を強打され、昏倒した。
「ジョ、ジョセフじいさんっ?」
「なんじゃあ? 今、桶が空を飛びおったぞっ?」
ざわめくじーさんたち。仗助が、頭を振りながら立ち上がる。と、
「やれやれだぜ……やはり、じじいはじじいだな」
沈黙を守っていた条太郎が、湯から上がった。
「条太郎さん? そういや今の今まで全然助けてくれなかったけど、どうしたんスか?」
「じじいのお手並みを拝見しようと思ったんだがな。こうなっては、俺が出るしかあるまい。
ここの湯を守る為に」
「って……ま、まさか条太郎さんっ?」
じりっ、と条太郎が近づいてくる。じりっ、と仗助が後ずさる。
「認めたくないものだな、歳を食ったが故の感覚とは。だが仗助よ、お前にもいずれ
解る時が来る。否応無しにな。湯に浸かることの心地よさ、その魅力、いや魔力が」
「ちょ、ちょっと待って下さいよっ! 条太郎さんはまだまだ若……」
「それ以上言うなっ! スタープラチナ・ザ・ワールド!」
時が、止まった。
「……時は動き出す」
ふ〜やれやれ、と湯に浸かる条太郎。じーさんたちは、いつの間にか仗助が消えたことに
大騒ぎしている。きょろきょろと辺りを見回して、探そうとしている。
だがいくら騒ごうと探そうと、仗助はここにはいない。たった今、窓から思いっきり遠くへと
放り出したからだ。今ごろ、露出狂少年出現ということで、大騒ぎの渦中だろう。
『許せ、仗助』
ジョセフも意識を取り戻した。オキアミスは仗助が消えたことに首を傾げつつも、とりあえず
(条太郎は敵ではなさそうと判断して)番台に戻っていった。
こうして湯殿に平和が戻り、またじーさんたちの笑い声が響き始めた。条太郎も話の輪には
加わらないものの、全身で滋養を感じられるここの湯と、この空間の居心地の良さとに、
ふんわりとただよっていた。
そうして、どれぐらいの時間が流れただろうか。からからと戸を開けて、黒髪のがっしりした
体格の青年と、対照的に軟弱そうな少年が入ってきた。何気なく見ていると、湯船に入ろうとする
少年を青年が引きとめて、湯船の湯を桶に汲んだ。
そして青年は、んぐっんぐっ……ぶはぁ、と。じーさんダシの効いたその湯を一気に飲み干すと、
「王子! これは危険です! この湯は……」
大声で、少年に湯の危険性を説明し始めた。
『やれやれだぜ。せっかく、人がいい気持ちで湯に浸かってるってのに』
条太郎は心の中で毒づきつつ、いざとなったらこの二人も時を止めて外に放り出そうと考えた。
……この時の条太郎は、自分と他のじーさん軍団が、この銭湯を壊滅に追いやってしまう
などとは思いもしなかった…………→TO BE CONTINUED
安永航一郎先生の「海底人類アンチョビー」でした。後は原作通り、なのですが
ご存じない方の為に書いておきますと、
・結局、最後に出てきた二人も仗助同様やられる。
・ハイになったじーさん軍団(と条太郎とジョセフ)が、「ケチケチせずにもっと湯を出せーい」
とポンプ室に押しかけ、湯で得た怪力のせいでポンプを壊してしまう。
・ポンプが暴走して湯を一気に全部吸い上げ、海底温泉が枯れてしまう。
・ホンダワラの野望は潰える。じーさんたち(と条太郎とジョセフ)は反動で一気に老け込む。
以上です。また書かせて頂きたいと思ってはおりますが……願わくば、その時までに他の
職人さんの御降臨のあらんことを。
中途半端なSS書くよねいっつも。
>>269 SSスレの天使、ふら〜りさんに何いうんだボケ
>>269 こ・・これは申し訳ないです。
私の力量不足が悪いです。
一生懸命頑張りますので・・・
あげます
272 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:06 ID:YEUphrvw
273 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:07 ID:YEUphrvw
274 :
マロン名無しさん:03/12/07 03:08 ID:YEUphrvw
275 :
マロン名無しさん:03/12/11 22:29 ID:Jn2T86AA
あげるべ
すみません。どうしてもネタが出てこなかったので、交代に書くと
言いつつあちらに連続で書いてしまいました。
でも、それはそれとして、どなたか書いて下さ〜い!
>ふらーりさん
呼びかけるならここで書いても無駄。
多分パオとかはすでにいここの存在すら忘れてる。
バキスレで呼びかけなきゃ。
でも、あっちの更新速度が落ちるのは嫌だなあ
>でも、あっちの更新速度が落ちるのは嫌だなあ
ぅぐ。それを言われると……でも、ジョジョは知ってても刃牙は全然
知らないって人も少なくないと思うんです。そういう人に、こっちに
書いて頂けないかな、とか。少なくとも私は読んでみたいんですよ〜。
保守アゲ
280 :
マロン名無しさん:03/12/27 02:33 ID:cyg6MIDO
七部(?)記念age
281 :
マロン名無しさん:03/12/27 08:45 ID:vvEPj3Zi
age
保守だ。あげるぜ
もしかしたら今月の下旬辺りからSS書くかも。
静スレとは交流がないのか?>ふら〜り