オリジナルSSを発表するスレ

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11
ここはオリジナルSSを発表するスレです。
もちろんガンダム関連のSSのみでお願いします。
それ以外は特にルールは無いので、気が向いた時に自由にSSを発表してください。
2おなら:03/08/08 21:53 ID:???
おなら
3通常の名無しさんの3倍:03/08/08 21:54 ID:???
SSって何?セガサターン?
4通常の名無しさんの3倍:03/08/08 21:57 ID:???
スペシャルステージ
5通常の名無しさんの3倍:03/08/08 21:59 ID:???
>>3
ショートストーリーとか、そんな感じかと。要は小説って事か?
6通常の名無しさんの3倍:03/08/08 21:59 ID:???
サンデーサイレンス
7通常の名無しさんの3倍:03/08/08 22:01 ID:???
〜あらすじ〜
宇宙世紀0465年・・・
太陽系全域にまで広がった人類は、その視点をついには外宇宙系へと向けていた。
そんなある日、海王星系の観測所が異常な物体を捕らえる。
光速の6%という、信じがたい速度で太陽系へ近づく1つの「彗星」。
そして、運命は一人の青年と、一人の少女を中心として動き出す。
青年の名は「クレスト=セイランド=フィーズ」
少女の名は「ユーフォリア=アーシタ」
刻は確実にその速度を増していく。
青年の想いは人間(ひと)を動かすことが出来るのか
少女の願いは宇宙を(そら)を変えることが出来るのか。
様々な想いを乗せ、今銀の翼が飛び立つ。
8通常の名無しさんの3倍:03/08/08 22:02 ID:???
>>7
・・・WECT?
9通常の名無しさんの3倍:03/08/08 23:08 ID:???
俺ガン小説スレの難民ですがいいですか?
10試し投稿 1/2:03/08/08 23:08 ID:???
「・・・これが新型か。」
1人の男が目の前のMSを眺めながら呟いた。

「おや、曹長。こんなところまで来てどうしました?」
男の頭上から1人の整備士が舞い降りる。
「いや、なに。これから自分が乗る機体を一目拝んでおこうと、な。」
「そうですか。どうです?なかなか良い機体でしょ?」
無重力の空間の中での動きはひどく緩慢なため、
会話を続けている間も尚、整備士の体はゆっくりと男に近づいていく。
「YMS−14『ゲルググ』。それがこいつの名前ですよ。」
ようやく床に降り立った整備士が目の前のMS―ゲルググを指差しながら男に教えた。
「ゲルググ・・・ゲルググか。」
整備士の告げた名前を反復しながら、再度ゲルググの全身を眺める。
「・・・俺にこいつを上手く乗りこなす事ができるかな?」
男の思わぬ発言に整備士が目を丸くする。
「へぇ、曹長でも弱音を吐く事があるんですねぇ。」
「俺だって人間さ、時には弱気になる事だってある・・・。」
顎鬚を摩りながら男は呟き続ける。
11通常の名無しさんの3倍:03/08/08 23:09 ID:???
特にブーストが。
12試し投稿 2/2:03/08/08 23:09 ID:???

―少し考えた後、整備士が男にこう言った。
「大丈夫ですよ。曹長なら上手くやれますって。」
整備士の言葉に男は苦笑いした。
(俺なら上手くやれる・・・か。こいつは今までに何度同じ言葉を兵士達に言ってきたのか・・・。)
が、形式通りの励ましとは言え、幾分か気が楽になったのも事実だ。
整備士に礼を言った後、男は機体に背を向け、床から飛び立った。
「何処へ行くんですか?」
「出撃まではまだ大分ある。少し部屋で休むとするよ。」
敬礼する整備士を尻目に、男は部屋へと戻った。

薄暗い部屋の中、男はベッドに横たわる。
その手に持った写真には、遠く離れた故郷で自分の帰りを待つ家族の姿が写っていた。
(待ってろよ・・・絶対、絶対生きて帰ってやるからな・・・。)
写真を握り締め、固く目を閉ざす。

自分の望む未来の為に戦う戦士がここに1人。
今はただ、来るべき決戦に備え暫しの眠りにつくのであった。

―終―
13通常の名無しさんの3倍:03/08/08 23:26 ID:???
宇宙世紀0168。
連邦軍MS特務部隊に所属するパイロット、フェイク・クァンダは、
革命を謳う反連邦組織「アンフォーゲット」との戦いの中で、
自分自身の行いと連邦軍のやり方に疑問を持ち始める。
そんな中で生まれる一つの出逢い。
ユリアナ・ラグラン──「アンフォーゲット」のNTパイロット。
運命の皮肉か、互いを敵と知りながら惹かれ合う2人。
それは、戦いの渦中に悲しい結末へと導かれる……。

「もうこれ以上、地球は魂の重さに耐えられないのに……。
 それなのに、人はなおこの星に魂を委ねようとする……貴方もそう!」
「オレが? いや、だからこそ、オレはこの地球を汚そうという輩を……」
「その思い上がりこそが、魂を囚われているからだと、何故解らないの!?」
「じゃあ、君はどうなんだ! 君たちならこの地球を救えるとでも言うのか!?」
「違うわ、救うことなんてできない……もう終わりにするしかないのよ、全てを!」

愛し合った者同士がMSを駆り、戦場で相討つ。
互いを求め、互いを否定し、宿命づけられたかのように、破滅へ──。
コクピットを貫いたビームサーベルの煌めきと、失われた生命の輝きが、
やがて愛と憎しみに彩られた戦場を覆い尽くす。
そして人類は、そこに一つの終焉を見る……。
14通常の名無しさんの3倍:03/08/09 14:21 ID:???
>>1
乙。
こういったスレがたってシャア板全盛期が戻るように頑張りましょう。
俺もネタができたらかきますんで。
15通常の名無しさんの3倍:03/08/09 15:24 ID:???
いまいち伸びが悪い・・・まぁ、スレなんて最初はこんなもんか。
今後に期待してます。
16通常の名無しさんの3倍:03/08/09 21:26 ID:???
名作期待保守
17通常の名無しさんの3倍:03/08/09 21:55 ID:???
俺も考えてるんだけどなかなか思い浮かばないんだよね・・・。
まぁ職人降臨をマターリ待つとするか。
18通常の名無しさんの3倍:03/08/10 00:01 ID:???
良作マダー?
19通常の名無しさんの3倍:03/08/10 17:25 ID:???
職人さん遅いなぁ。道に迷ったのかな?
20通常の名無しさんの3倍:03/08/10 18:16 ID:ukxf7qVh
光臨希望あげ。
21名無し兵 1/2:03/08/11 00:25 ID:???
 木々を揺らして突き進む巨大な影。
全身の至るところに設置されたスラスターがゴウッ、と唸りを上げて、MSとはにわかに
信じ難い速度で、それは目標めがけて加速していった。

「遅い…!」
 連邦軍の量産型が配備されているとは聞いていたが、いざ実戦で合間見えてみると、
いかにパイロットの質が違うかがうかがえた。
 そもそも、戦争が始まってからずっと、戦闘をも含んだMSの操縦訓練を欠かさなかった
我々と、戦艦ごときに頼り切っていた連邦とでは差があって当たり前なのだ。

 GMといったか、敵側の巨人がマシンガンを構えて引き金を引く姿は、なにも知らずに
「かっこいいから」という理由だけで銃を撃ち放つ、スラム街の少年のそれに似ていた。
あまりに不恰好で、あまりにたどたどしい。
「遅いと言っている!」
 操縦桿をぐい、と倒し、次いでブーストさせると、機体は凄まじいGを身体に与えながらも
本物の人間のような滑らかさで軌道を変えた。
一瞬後に、今いた場所をマシンガンの銃弾が空気を削りながら飛んでいったが、
それはもうどうでも良かった。頭の中にはすでに次の動作が刻み込まれている。

 右腕に装備された、連結式の爆薬を思いきり振り下ろして、敵機の身体に巻きつける。
そのまますれ違い、バーニアをふかして離れる際に、ガチンと小気味のいい音をたてて
巻きついた部分の連結がはずれた。…数刻ののちに後ろで爆発音。

 さらに時計回りに絶えず動きまわり、一発一発が必殺の威力を発揮するほどに正確な
攻撃を続ける。超兵器で一気に仕留めるのではなく、あくまでMSの機動力と、
それを操る者の力量の差を見せつけることで、相手パイロットは、もはや戦意のカケラも
持ち合わせてはいないはずだ。…いや、はずだった。
22名無し兵 2/2:03/08/11 00:25 ID:???
 ちらりと横目で燃料を確認すると、まだ3分しか経っていないというのに、すでに
半分ほどを消費していた。さすがにこの速度で移動を続けていれば無理もない。

「そろそろ引き際か…?」
 モニタには、ここにきて必死で教科書通りのフォーメーションを組もうとする
GMが3機と、その周囲に、同じだけの数の残骸が見えた。

1対3とはいえ、向こうは旧式である。彼らだけが相手ならやってやれないことはないが、
戦闘濃度で散布されているミノフスキー粒子の影響で、敵の援軍が近くにいるかどうか
確認できないことが、彼を慎重にさせた。
自分の命をチップに、勝率の計算がしづらいギャンブルをする必要はないのだ。

 煙幕代わりに、脇にかかえたバズーカと腰に下げたシュツルムファウストを景気良く
撃ち込むと、なんとも人間くさい動きできびすを返して撤退を始める。

 と、瞬間、けたたましいアラームがコックピット内に鳴り渡り、同時にガクン!と
激しい衝撃がジオン兵を襲った。
 何度も経験したことのある揺れ。何かの焦げるような臭い。ガガガ、とどこかが地面をえぐる音。
かろうじて体勢を立ち直しながら、左側の計器に目をやると、機体をかたちどったランプの
左腕の部分が、ちょうどグリーンからレッドに変わったところだった。

 しくじった。増援が間に合ったのか!

 ヘルメットの中でちぃっ、と舌打ちしながら、続けて飛んでくる砲弾をかわすべく、
機体を急旋回させる。正面に向き合い、モノアイが新しい獲物をとらえる。いまだノイズの混じる
モニタに、GMに似た、しかし別物のMSが映し出された。

「…新型!」

 トリコロールカラーの鮮やかな配色。噂を耳にしたことはあるが、対峙するのはこれが
初めてだった。名前をなんといったか…思い出せないが、自分に接近を気づかせず、
なおかつ一撃で自機の左腕を吹き飛ばしたことが、その性能・精度の高さを物語っていた。

 練度の差にいささか自惚れて撤退の時期を逃したことを今更ながらに悔いるが、
ようはこいつも倒してしまえばいいだけのこと。気持ちを切り替えるしかない。
ゆっくりと間合いを詰めながら、残された右腕でビームサーベルを引き抜く。
淡い粒子状の剣の先には、同じくビームサーベルを引き抜くあの機体。

 ほぼ同時に、二人の巨人が地面を蹴って、互いの獲物を狩るべく吠えた。
                                                【完】
23通常の名無しさんの3倍:03/08/11 00:29 ID:???
>>21-22
vsガソダムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
24通常の名無しさんの3倍:03/08/11 01:43 ID:???
>21-22
゚д゚)ドキドキドキドキ

          【完】Σ(゚Д゚;エーッ!
25通常の名無しさんの3倍:03/08/11 04:04 ID:???
ここってどんなSSでも(・∀・)イイ!の?
エロはさすがにイクナイかもしれんが・・・
26通常の名無しさんの3倍:03/08/11 04:06 ID:???
ガンガル前田まだ〜?
27天下職人。:03/08/11 14:52 ID:???
 
※一年戦争終結直後の話。短編です。


戦争終結。
その言葉は、待っていたものであるが、実際くるとなんだか拍子抜けするものであった。
くるのが早すぎたんだな、と俺は呟いた。あっけなく、本当に簡単にそうなったので、まだ実感がない。



俺は、平原の真中に座り、ビールを片手にしながら、芝生に寝転がっていた。風が草を微かに揺らしていた。
空気が澄んでいるのか、星がやけに鮮明に見えた。アンタレスがよくみえた。赤く、大きく、魅惑的だった。
あの星のどれかは、俺の専有のものかもしれない。そう思うと、なんだかビールが美味かった。
仲間で集まって酒を飲んだことを思い出す。あのころは夢中だった。なんでもできると思っていたあのころー
自分の活躍いかんで戦争はどうにでもなると思っていた。俺ががんばりさえすればー

だが、現実には何もできなかった。俺は、実に無力だった。ただ、毎日上層部の命令道理に動く毎日。
くだらなかった。今、思えばもっとやることはあったように思える。
一年というのは、過ぎ去ってしまえばあまりに短いもので、何も後には残らない。

俺は、星をみるのをやめて、自分の真上を見上げた。そこには、月の光を浴びて、透き通るように緑に色づくザクの姿があった。
俺の愛機。生死の境を何度も行き来したおれにとって、それはただの機体ではなかった。そう、それはまるで家族のようなー


俺はビールを飲み干してしまうと、立ち上がった。
そして撫でるようにザクの足を触る。無論硬いけれど、そこにはどこか柔らかな温かみがあった。
オイルの血ではなく、温かな血液が流れているように思えた。ザクは、呼吸をして、また、心臓を動かしているように思えた。
俺と同じように、ザクは生きているのだ。そう、それは確かなことだ。
『彼』は、確かに生きているのだ。俺と同じように、笑い、泣き、戦い、傷ついている戦友。

「今夜で、おまえとも最後だな。」
俺は、口に出していった。そう、俺は明日特攻するつもりだった。
昨日でもう終戦条約は締結していたが、そんなことは関係ない。俺は、俺のしたいようにする。
部下は、みな俺を信じて死んでいった。家族を残したものや、恋人を残して死んだものもいる。だが、文句もいわず死んでいった。
そんななかで、どうして俺がのうのうと生き残れる?そんな恥知らずなことできるわけがない。
だが、俺は決して罪悪感や責任感で死ぬわけじゃない。もっと別のなにかー、
おそらくそれは、鮭が死ぬときには生まれた川に帰るような回帰。うまくいえないが、そうしなければいけないのはわかっていた。
28天下職人。:03/08/11 14:56 ID:SxA87/Bk

ザクはよくみると大分傷ついていた。
歴戦を勝ち抜いてきた勲章ともいえる傷が、幾多にもあった。
俺は、足元の、鉤づめのように刻まれている傷跡を、そっと手のひらでなぞった。何度も何度も。まるで子供が母親の背中をさするように。
それでもあき足らず、俺は、かがみこむようにしてその傷跡に軽く舐めた。無論、こんなことで傷が癒えるわけはないのだけれど。
舌に鉄のようなざらついた感触が残る。俺は、それでも何度も舐めた。それはきっと傍から見れば異様な光景だろう。
けれど、かまうものか。どうせ、明日死ぬんだ。

「俺の我侭につき合わせて済まない」

俺は、心の中でそう詫びる。俺の所為でおまえは、死ぬことになる。
「部下だけでなく、おまえも道連れにすることに弁解は何もしない。
ただ、わかってほしい。おまえも古びれたドックでその生涯を終えるより、戦場で散りたいよな・・」
俺がそういうとザクの機体が微かに震えて、同意したような気がした。

「おまえの戦友だって、皆、散ったんだ。俺の戦友もみな散った。残ったのは俺とお前だけだ」
仲間のとこに行きたいよな。お前も。

俺は、その後、ビールをもう一本のみ干した後、ザクの足元にもたれるようにして眠った。
コロニーにいる年老いた母親のことを夢に見た。早くに死んだ父の代わりに、女手ひとつで育ててくれた母だった。
母親は、こちらをじっとみたままさめざめと泣いていた。俺は、何かいおうとしたが何もいえなかった。
なにをいえばいい?母親の何処までも哀しい眼が俺を苦しめた。母さん・・・俺は・・





翌朝、まだ太陽が昇りきらず朝霧がでているころに俺は起きた。あたりはまだ薄暗く草木も寝静まっているようだ。
早く行かなければいけない。あまりよく寝られなかったが、どうせ今から永久に眠るんだ、どうでもよかった。
俺は、立ち上がると、素早くザクのコクピットに乗り込んだ。
そして、中に置いておいたパイロットスーツを着込みヘルメットを被る。ヘルメットは少し血の匂いがした。
俺は、改めて狭いコクピットを眺める。いくつかのレバー、タッチパネル、ディスプレイ、いつもと変わらない。
この小さな密室で、数多の戦士が戦い、傷つき、恐怖におののき、そして死んでいった。薄っぺらい鉄の棺桶。
だが、恐怖はない。俺は、むしろ母親の胎内のような心地よさを感じていた。ここでは俺は完全に『保護』されていた。
誰も俺を傷つけない。計器は俺を傷つけない。そして、俺は無論、彼らを傷つけない。

29天下職人。:03/08/11 15:01 ID:???



そのまま五分ほどそうしていただろうか、俺は、満足げに息を吐いた。
もう充分生きた。そろそろ楽になってもいいだろう。俺は、自分にそういった。僅かに笑みもこぼれる。
連邦軍を血祭りにあげて、ジオンの恐怖を心底にまで叩き込んでやろう。
俺は、それぐらいの実力はある。これでも隊長として、数々のモビルスーツを撃破していたんだ。自信はあった。





さぁ、いこう。
そろそろ行かなければ、この不意打ちは失敗に終わるだろう。こんな見晴らしのいい場所で発見されたらおしまいだ。
俺は、ザクを起動させた。ザクの心臓が激しく脈打ちはじめ、オイルの血液が溢れるように循環していく・・筈だった。
動かない。まったく動かない。一瞬だけモノアイが光ったように思ったが、すぐに消えて、うんともすんともいわない。
俺は焦った。おい、どうしたんだ。何度も起動させる。レバーをひく、スイッチを押す。激しくたたく。だが、駄目だ。
ザクは死んだように完全に沈黙を保ったままで、ぴくりとも動かなかった。



故障・・?俺は一瞬思った。
だが、それはない。昨日ここに止めるまでは順調に動いていたのだし、なにより俺にはまだザクの鼓動が感じられた。
こいつは、生きている。それは確かだ。
俺は、もう一度起動させる。だが、結果は同じだ。動かない。まるで、動かない。
それで俺は、ザクが動くことを拒否しているのだと、気がついた。
なぁ、動いてくれよ。俺は、哀願する。俺は、死ななくちゃならないんだよ。ここで。死に場所を失わせないでくれよ。
だが、ザクは、黙ったままで。モノアイも光を取り戻すことはなかった。
まるで俺の命令を拒否していた。パネルはすべて死に絶えているようだった。俺は、半狂乱で、ボタンを押した。
動かない。まるで動かない。
そのとき俺は、泣いていたと思う。俺は、いかなくちゃならないんだ。頼む、頼む!動け!俺は、何度も叫んだ。


30通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:02 ID:???
またザクと俺系ですか・・・
31天下職人。:03/08/11 15:07 ID:???



だが、ザクは動かなかった。そうこうしているうちに、日は完全に昇ってしまい、朝日は地表を燦燦と照らしあげはじめた。
俺は、絶望した。死に場所を俺は失ったのだ。
もはや作戦はできなかった。こう明るくて奇襲が成功するわけはなかった。
俺は、腰からピストルを取り出すと、それをこめかみにつけた。ひんやりとした銃口の冷たさに俺は陶酔した。
そして、なんのためらいもなく引き金を引いた。


だが、弾は出てこなかった。不発だった。軍用で完全に整備された其れで、そんなことが起こり得るわけがないのに。
俺は、何度も引いた。だが、ピストルはまるで死んだように動かなかった。いらついた俺は、弾があるか確認した。
弾は確かに装填されていた。6発。全弾装填されていた。
それじゃあ、何故でない?!


俺は、ピストルを放り投げると、膝を抱えて泣いた。
死にたい。なぁ、なんで死なせてくれないんだ!俺は、コクピット内でそう絶叫した。何故だ!
馬鹿やろう!俺を恥さらしにさせる気か!おまえは俺の味方じゃなかったのか!馬鹿やろう!
何度も俺はそう連呼した。

だが、ザクは母親のように俺を黙って包み込んだままで、その言葉に何も返事をしなかった。
胸に抱く赤ん坊のように、俺は、ザクに包まれていた。ただ、優しく、頭をなぜられているようだった。
俺は顔を覆って、ちくしょう、ちくしょう、と言った。モニターに拳を思いっきり叩きつける。どうして、こんなイメージを俺に見せるんだ。
俺は、俺は、今から死にに・・・なぁ・・お前は俺の・・・
そこで、俺はひとつの考えに思い当たった。そして、それはおそらく間違いのないように思えた。



「・・・生きろっていうのか・・俺に・・」
俺は、顔を覆ったままそう呟いた。ザクのモノアイがもう一度光った気がした。あぁ、そうか。お前は・・



母さん、と俺は呟いた。


                                                           【完】
32通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:29 ID:???
これだからガノタはキモイと言われるのさ。
頼むからこういうのは自分の頭の中だけにしてくれ
33通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:48 ID:???
こんなの書いてるひまがあったらなりきりスレで質問でも汁!
そっちのがよっぽど板の活性化につながんべよw
34通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:50 ID:???
もうこのスレ終了!
35通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:52 ID:???
>>33
なりきり住人?あそこもキモイ。ここもだけど。
36通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:54 ID:???
俺はなりきりは別にいいと思うが
SSは内容によっては作者のオナニー見せられてるようで嫌だよな
37通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:57 ID:???
まぁ、おもしろければいいんだけどな。
自己ちゅーの作品が多いのはなんともやりきれん。
38通常の名無しさんの3倍:03/08/11 15:58 ID:???
とか言いながら俺もSS書いてるわけだが。
ここって投下してはいけないSSってあるの?
萌えスレでもないからキャラものは却下だろうしな…
39通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:00 ID:???
まぁ、べつにいいんじゃねーの。
俺は面白ければいい。つか、あんまりけなしてもスレがすたれるだけだしな。
もう十分すたれたかもしれんが。
40通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:01 ID:???
まぁな。
キモいんなら見なければいいんだし。
41通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:03 ID:???
つうわけでウプ汁!w
42通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:04 ID:???
ミーシャ×シュタイナーのホモSSでもいいのか?




43通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:07 ID:???
ウホ・・!
44通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:08 ID:???
ヘマばかりするバーニィをシめてやるッ!
カメラが撮影している中、制裁は行われた。
既にバーニィの口には隊長のサオがねじ込まれている。
「ミーシャ、コマしたれ」
隊長がいうと、ミーシャは作業服の下から一物を取り出した。
ゆうに一尺はあろうかという巨大な業物に、バーニィはぶるっと震えた。
しかし、その恐怖とは裏腹に
〜いや、バーニィにとってはその恐怖こそが色欲を沸き立たせるものだったのかもしれないが〜
バーニィの花らっきょうの
ような小振りの一物は痛い程にそそり立っていた。
その「花らっきょう」の皮をガルシアが唇でちゅるんと器用に剥く。
ガルシアの口中にアンモニア臭が広がる。
そして、ミーシャの一尺竿がバーニィの菊門にねじり込まれていく…
サイクロプス隊四人総体重200kgを越えるド迫力の4Pファック。
まだ、幕が開いたにすぎない。
悦楽は、ここから始まる。夜はまだ終わらない…。



そういえばこんなんあったよw
45通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:08 ID:???
激しくキボンヌ
46通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:16 ID:???
レスが沢山ついてると思ったら、雑談とホモSSスレになっとる・・
ていうか
>>21->>22
>>27->>31の職人サン乙。
俺は結構いいと思ったけどな。ザクLOVEだし。
とりあえず批判レスはやめとけ。>>39のいうとうりつまんなかったらみなけりゃいいだけだし。
職人が減っていくだけだ。
47通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:20 ID:???
生意気なウラキをシめてやるッ!
バニングを失い絶望するモンシアが見守る中、制裁は行われた。
既にウラキの口中ではキースの赤黒い怒張が暴れている。
「おいベイト、ウゥラァキィィのお尻がおねだりしているようだなぁ?」
モンシアの声に応じて、アルファ・A・ベイトのブリーフから屹立した一物が顔を覗かせた。
ゆうに一尺はあろうかという業物に、恐怖に顔を歪めるウラキ。
しかし、その恐怖心とは裏腹に、ウラキの肉棒は硬度を増していく。
――コウ・ウラキにとっては、その恐怖こそが色欲そのものだったかもしれない…。
天を仰いだウラキの頭皮を、アデルが絶妙な舌技で剥いていく。
ドス黒い亀が徐々に姿を現すのと平行して、
ベイトの極太の淫槍が容赦なくウラキの菊門にねじり込まれていく…。

   ∧_∧       ∧_∧
  ( ´_ゝ`)      (・∀・ )
  | つ つΛ_Λ (    )       ∧_∧
((( (    ⊃<`Д´ ;> ̄∧ ∧__。   (´∀` )
   )_)_)∪ ∪ ⊂(゚Д゚ ⊂   `つ.(    )
アルビオンパイロットによるド迫力の4Pファック!
だが、長い夜は幕を開けたばかりだ…。
48通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:20 ID:???
↑うざい
49通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:21 ID:???
しかしネタが続くんか?
批評してる奴もちゃんと書こうや。
50通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:22 ID:???
38は結局ホモSSをかきたかっただけなのか?
51通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:24 ID:???
>>50
38だがホモSSなんか書かんぞw
シチュを考えるのが楽なんでキャラ物の方がいいんだろうが
読んでて(・∀・)イイ!と言えるのは外伝的なSSなんだよな。
むずかしい。
52通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:24 ID:???
キモッ!
5338:03/08/11 16:29 ID:???
ZZの最終話までのカミーユとファの話を書きたいんだが
如何せんコロニー落とし→最終話までの空白が大き過ぎる。
下手をすると、あのシーンはファまでおかしくなったように見えるしな…(;´Д`)

つーわけで書いてくるよ。
54通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:29 ID:???
>>52
うぜえよ、なりきり住民
55通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:31 ID:???
38はがんがれ!カミーユみたい!
56通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:33 ID:???
ここSS総合スレにしないか?
我が家にザクとか、ハマーンとジュドーとか、アムロセイラスレの住人たちにもきてもらおう。
57通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:35 ID:???
>>56
それをすると住人がごちゃごちゃにならないか?
萌えなんか人それぞれだと思うしな…
萌えSSのシチュを「ありえない」って言う奴が出てきそうだ。
58通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:37 ID:???
ん〜、そうか・・
けど、SSスレに興味あるけど、どこにどんなスレがあるか知らないっていう人も結構いると思うんだよな。
ここで読めるようになればいいかな、と思ったんだが。人数もふえて活性化するだろうし。
59通常の名無しさんの3倍:03/08/11 16:49 ID:???
とりあえずここは万人向けのSSスレでいいんじゃない?
統合もいいけど荒れると思うよ。

既に万人向けじゃないネタもあるがなw
まぁ、スレを回転させる為の燃料だと思えばいいかw
60通常の名無しさんの3倍:03/08/11 22:08 ID:???
種ネタはダメでつか?
61通常の名無しさんの3倍:03/08/12 11:29 ID:???
>>60
旧シャアだし
62通常の名無しさんの3倍:03/08/12 11:39 ID:???
63通常の名無しさんの3倍:03/08/12 11:45 ID:???
漏れはwectみたいなのが来なければ文句無いよ〜w
64名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/12 22:56 ID:???
すまん、俺知らないんだがwectってなんだ?
65通常の名無しさんの3倍:03/08/12 23:27 ID:???
>>64
良くも悪くも俺ガン小説。まぁググッてみるべし。
66通常の名無しさんの3倍:03/08/13 06:18 ID:???
保守っといた方がいいのかな?
67通常の名無しさんの3倍:03/08/13 20:08 ID:0Ka3w58V
人少なすぎ。
だれか書け
何か書け
つまんね
ageとく
68マリーナの夏:03/08/13 20:27 ID:/zqN9qYT
69ザクTVSラオウ:03/08/13 20:42 ID:???
修羅の国、聖帝サウザー、トキ、そしてケンシロウ。
統一国家建設を志すラオウの前には多くの障害が立ち塞がっていた。
が、この日、新たなる強敵が現れることになろうとは、拳王たるラオウすら予想だにしなかったであろう。

「拳王様ぁ!!」
玉座に座し思いに耽っていたラオウの元に、見張り兵の一人が息を切らして飛びこんできた。
非常事態らしかったがラオウは動揺することなく、兵が息を整え話し出すのを待つ。
「ジオン兵が!ジオンの機動兵器、ザクが我らが砦を襲撃しています!!」
「数を知らせい」
「一機です!」
一拍の間を置き、次いでラオウは豪快に笑い出した。
ザク如きがたった一機で我が拳王領へ侵入してくるとは!
「この拳王自らが相手してくれる。黒王号を出せぃ!」

報告通り、ジオンのモビルスーツはたった一機で拳王軍兵と交戦していた。
ラオウが攻撃停止を命ずると同時にザクはその手を止め、ラオウの方へと向き直る。
ザクの単眼が明滅する。
(こやつ、俺が出てくるのを待っていたのか……)
ラオウは拳を高々と掲げ、叫んだ。
「この拳王に逆らう者には死あるのみ!貴様の死をもってしてジオンの者共へ思い知らせてくれるわ!」
ラオウは黒王号の背から直に跳び上がり、ザクに襲いかかった。
70ザクTVSラオウ:03/08/13 20:42 ID:???
巨体に不釣合いな素早さで接近するラオウをザクは捕らえきれず、見失ってしまう。
その間、既にラオウはザクの体の上を駆け、コックピットの高さまで上り詰めていた。
人間の限界を超えて鍛え上げられた右上腕がさらに膨れ上がり、雄叫びと共に剛拳一撃。
コックピットの装甲が紙のように易々とひしゃげ、つぶれた。
「や、殺ったぁ!流石は拳王様!」
祭り気分で浮かれる部下と対象的に、ラオウの表情は険しいままである。気付いていた。
(操縦者まで届いておらぬ!)
次の瞬間ラオウは巨大な手に捕まり、中空へ放り出されていた。
ザクは片手にマシンガンを構え、ラオウに狙いを定め、撃つ。
ラオウは身をひねり、あるいは回転して身動きのままならない空で見事射撃をかわすが、
「ぷ!」「ぺ!」「ぽ!」
背後で呆けていた数人の部下達は珍奇な単語を漏らし、臓物を撒き散らして息絶えた。
(素早さ、腕力、技量……どれをとっても俺に分があるが、あの近代兵器は厄介なものよ)
着地したラオウは己の右大腿をちらりと見た。外側がかすかにえぐられている。
「ならばその単眼を叩き潰してくれるまで!!」
頭上を越えて跳び上がったラオウをザクはまたも見失い、ラオウ渾身の一撃をまともに喰らう事となる。
「ぬぅぅん!!岩山両斬破ぁぁぁ!!」
ザクの丸い頭部が真っ二つに割れ、ピンクのモノアイは破片を撒き散らし砕けた。
ラオウの頭に勝利の二文字が浮かび、ついにその顔に歪んだ笑みが現れる。
(兵器でさえこの拳王の前にあまりに無力!)
71ザクTVSラオウ:03/08/13 20:43 ID:???
が、ザクは闘いを止めはしなかった。頭部を振ってラオウを払い落とすと、左手で地に伏したラオウを
探り、力の限り押さえつける。既にラオウの顔からは笑みが消えていた。
そしてザクの右手に灼熱の斧、ヒートホークが現れる。ザクは斧を頭上高くまで振り上げ、
(己の左手ごと屠る気か!まさか……この拳王が敗れるというのかぁ!)
ラオウが生まれて久しくしていた恐怖という感情に心身を支配されようとした、その時。
ザクの右肩に巨大な矢が突き刺さった。
「第二射!ってぇぇい!!」
指揮官の号令で拳王配下石弓隊が矢を放ち、ザクの左胸、胴、右腕に穴を穿つ。
ザクは左手を掲げながら後退するが、やがてバーニアを噴かして空へと消えていってしまった。
後には恥辱と恐怖にまみれ、憤怒したラオウが残されたばかりであった。

「何故私闘に水をさしおったぁぁ!!」
気遣いの言葉をかけながらラオウに駆け寄った部下は、顔面を潰されガラクタの山に突っ込んだ。
「しかし拳王様、あのままでは拳王様は敗……」
「うぬぅぅぅ、つくづく屑共がぁ!!」
ラオウの巨大な拳一振りで五、六人が吹き飛ぶ。
「この拳王、敗れて生を拾おうなどとは思わぬわぁぁぁ!!」

逃亡したとはいえ、あの闘いで勝利を収めたのは確かにザクであった。
幾千幾万の敵を打ち破り、これからも勝ち続けなければならない身にありながら、まさかの敗北。
よもやジオンの雑兵如きに遅れを取るとは!
この日を境に拳王は今まで以上に覇者の狂気に取り付れ、不退転の修羅へと豹変してゆくのである。
そして同時に、この闘いを境に新たなる戦士の伝説が始まるのであった……。
72名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/13 23:29 ID:???
ワラタ
73ザクTVSヤムチャ:03/08/14 01:04 ID:???
サイヤ人来襲へ備え、ヤムチャは修行を完成させていた。
天下一武道会では結果を残せなかったヤムチャであったが、ここ五年の厳しい修行の末、ついに
新必殺技を編み出すに至ったのである。
「真・狼牙風風拳。こいつさえあれば誰にも負ける気がしねぇぜ!」
空を仰ぎ叫んだ瞬間、空から緑色の肌の何者かが急降下してくるのをヤムチャの目が捕らえた。
「ピッコロか?……いや、違う。でかいぞ!」
地響きと共に、ザクが地に降り立った。

「ジオン軍のザクか!何の目的でここに来たのか知らんがちょうどいい」
ヤムチャが指関節を鳴らす。
「新開発の真!狼牙風風拳のえじ……え?」
ザクはいきなりヒートホークを大上段に振り上げ、構えた。
「ちょっと待ったぁ!いきなり武器出すことないだろうが!ぉ落ち着いて話し合えば……」
灼熱の斧が、ヤムチャに向けて垂直に振り下ろされた。
「死ぬぅ〜!!」
大地が揺れた。ヤムチャの体が一瞬浮かび上がり、叩きつけられる。
が、その五体は無事であった。
ヒートホークはヤムチャを避け、そのすぐ横に地割れを創っただけである。
ザクは足で斧の柄を踏み、ずぶずぶと地面へ沈めていった。単眼が挑発的に光る。
「俺如きに武器はいらないってか、調子に乗りやがって!あっという間に白目ひんむかせてやるぜ!」
ヤムチャは腰に結びつけた仙豆の袋を前面にスライドし失禁の跡を隠すと、新技の構えをとった。
「いくぜ!真・狼牙風風拳!!」
ザクの人差し指がヤムチャの足元をすくった。
74ザクTVSヤムチャ:03/08/14 01:04 ID:???
叫んだ瞬間既に宙に浮き、転んでいたヤムチャは何が起きたのか理解していない様子であった。
が、後頭部を地に叩きつけられしばらく転げまわった後、恥辱に顔を赤くしながら立ち上がり、強がる。
「やるじゃないか。このヤムチャ様の足元を奪ったのはお前が初めてだぜ」
過去の敗北は一切忘れていた。さらにヤムチャはしゃべり続ける。闘いの最中に。
「だが!頭を冷やした今の俺を相手に勝機は無いものと思え!今度こそ喰らえ!真!」
隙だらけのヤムチャの足をザクはデコピンではじいた。
再度転倒したヤムチャは頭を打ち、今度は気を失ってしまう。
口元から溜め息の様に排気ガスを漏らし、ザクは空へと還っていった。

ヤムチャが目を覚ました時には当然ザクの姿は無く、結果、ヤムチャは先程の闘いはサイヤ人との決戦への不安から見た夢なのだろうと片付けた。
ヤムチャはこの敗北さえ脳内から消し去るつもりらしい。
卑屈ではあるが、この性格故にヤムチャは自身の足を折った天津飯と仲間になることが出来たのだし、
この後の戦いでヤムチャの命を間接的に奪う事になるサイヤ人、べジータとも同居でき、さらに女を
寝取られなお許容することが出来るのだから得な性格であると言えなくも無い。
かく言ううちにヤムチャは気持ちを切り替え、青天に誓うと言わんばかりに叫んだ。
「一週間後、生き残るのはこのヤムチャ様だ!悟空が来る前に一人でカタをつけてやるぜ!」

存知の通り、サイヤ人戦においてヤムチャはサイヤ人の手先に過ぎないサイバイマンの自爆の道連れ
となり、孫悟空が来る前にその命を落とした。が、ザクでさえ興味を引かないこの闘いはとりあえずここ
では省略させていただくことにしよう。
75通常の名無しさんの3倍:03/08/14 01:04 ID:???
ここでちょっと間を空ける
76ザクTVSガッツ:03/08/14 01:05 ID:???
初めてではない。
深淵の者どもが繰り広げる闇の祭典『蝕』を生き延びて以来、ガッツは数え切れない夜を、数百もの
異形を相手取り旅を続けてきた。中でも暗黒の神々の祝福を受けた『使徒』と呼ばれる敵ともなると、
その大きさは樹齢数百年を数える巨木にも勝るものであった。
自分の数倍の体躯を持つ敵を相手にするのは初めてではなく、むしろ慣れたものであった。
(だが……こいつは何だ?)
ガッツが今向き合っているのは緑色の皮膚を持つ単眼の巨人。その体は生物体のそれではなく、
鎧の如き鋼のものであり、サイズも今までの敵よりもさらに大きく、砦そのものの様である。
『使徒』では無い。そもそもこの怪物からは、生き物の持つ波動のような生命力が感じられない。
「ザクだっちゅうに」
腰に下げた革の鞄から身を乗り出した小さな妖精、エルフのパックが言うが、ガッツは無視した。
(時々訳の分からねぇ事を言うな、こいつは)
ガッツは背中に背負った巨大な剣を手にし、振り下ろす。
それは剣というにはあまりに大きすぎた。巨きく、分厚く、重く、そして大雑把過ぎた。
それは正に鉄塊と呼ぶのが相応しいものであった。
たとえモビルスーツを相手にしようと、この剣ならば叩き壊すことも可能に思える。そんな剣である。
「ヲイ、いくらガッツでもモビルスーツがぁぃ……」
パックの言葉が小さくなっていく。ガッツが鞄ごと脇に放り投げたのだ。
「どいてくれるんなら戦り合わずに済むんだろうがな」
ザクはヒートホークを構え、これに答えた。ガッツの巨剣より、さらに二回りは大きい。
「そうかい」
舌先から息を漏らし、ガッツはザクに飛びかかった。
77ザクTVSガッツ:03/08/14 01:05 ID:???
人の通わぬ辺境の森深く。そこが戦いの場であった。
周りは鬱蒼と茂った常緑樹に囲まれ、地面は湿った落ち葉や木の枝で覆われている。
木々よりさらに高くそびえる怪物。それが今のガッツの敵である。

ガッツの一撃がザクの左脛を斜めに叩いた。火花が閃き弾け、金属のぶつかり合う音が空気を裂く。
が、剣撃はわずかに緑色の塗料を剥がし、深い溝を残すに留まった。
(硬ぇ)
ガッツはすぐさま後ろへ跳ぶ。ヒートホークの巨大な刃がガッツのいた地面に深くめり込んだ。
(装甲はとてもじゃねぇが破れねぇ。弱点は……)
斧が水平方向に地を低く飛ぶ。ガッツは跳躍してそれを避け、ザクの股をくぐってその背後を取った。
(ここか!)
2m程の高さ、アキレス腱の部分に装甲の合間が見える。ガッツは巨剣を水平に突き出した。
ザクはガッツの姿を追おうとして、振り向きざまにバランスを崩し、手を突いて転倒した。地響きが轟く。
寄りかかった木々は薙ぎ倒され、ザクの手元に折り重なった。
ガッツは木々を踏み台にザクの頭部へと駆け上る。狙いは、過去にザクと戦ったラオウと同じ。
あからさまな弱点と思われる、
(単眼!)
ガッツは剣を振りかぶった。が、巨大な手がその体を捕まえ、近くの大木へ向けて投げ飛ばした。
背中と頭部を強打し、次いでガッツは落下し、地面に叩きつけられた。
頭が痛み、風景がまどろみぼやける。そして何より呼吸が出来ない。
その間にもザクは手をついて苦労しながら立ち上がり、ガッツを地面から拾い上げ、眼前に掲げた。
お前も私を納得させるに至らないのか。ザクの目からはそんな落胆が感じられるように見えた。

78ザクTVSガッツ:03/08/14 01:05 ID:???
(……単……眼……)
呼吸機能も意識もまだ戻らない。が、残った気力を振り絞りガッツは左の鋼鉄の義手をザクに向けた。
その距離から何をするつもりか。ザクが興味を持ってガッツを見つめていた、その時。
耳をつんざく轟音と共に小型の大砲を仕込んだ義手から火の玉が飛び出した。
砲弾は狙いを誤ることなくモノアイを破壊し、さらにザクは後方へとよろめいた。
勝機。手から脱出したガッツは、そのまま人間外の運動能力を以ってザクの腕を肩まで駆け上がり、
一撃、二撃と口元のパイプを斜めに叩き斬り、雄叫びと共に三撃目で頭部全体を吹き飛ばした。
が、そこで体力の限界が訪れた。ガクッとその場に崩れると、バランスを失い機体から落下してしまう。
ガッツは咄嗟に木の枝に手を伸ばすが、枝は体重を支えきれず簡単に折れ、わずかに落下速度を
抑えただけであった。
二十メートル近くを落下したガッツは地面との衝突により、ついに意識を失った。

視界がぼやけ、二重になり、焦点が合い、またぼやける。
次に焦点が定まった時、ガッツの顔を覗き込んでいたのは何故か自慢げなパックの姿であった。
「オレがいなきゃ死んでたぞ、チミ」
「あいつはどうした」
「ん、ああ。帰ったぞ」小声で「黒いガンダム対ザク」だか何だかと言っている。
「生きてやがったのか……」
「なんか嬉しそうな感じだったなぁ、あいつ。なんでだろうな」
ガッツには何となく分かるような気がした。あいつはただ闘いたかっただけなのだろう。戦士として。
何故。そこまでは分からない。遊歴の騎士といった印象が残っている。それに、
(不思議だ……あんな怪物と戦りあったってのに、久々に人間と剣を交えたような感じがする……)

数日後、機体を修復したザクTは日本へと向かっていた。                     
                                                        続く
79通常の名無しさんの3倍:03/08/14 01:07 ID:???
そしてage

てかSSスレなんて需要あるんか?シャア板で。
ザクがやってきたは人気あったっぽいけど。
80通常の名無しさんの3倍:03/08/14 01:21 ID:???
俺ガン小説書いてる厨房スレとかぶってるな
81通常の名無しさんの3倍:03/08/14 10:55 ID:AwRZAyhj
>>69>>78
マロン板のコピペご苦労様。
てゆーかザク作者か?
だとしたらもっと引くんだけど。
82通常の名無しさんの3倍:03/08/14 11:21 ID:???
コピペしただけ。
83通常の名無しさんの3倍:03/08/14 12:26 ID:???
>>81
しらけることかくんじゃねーよ。お前。
引く、とかいってんならよむんじゃねー。ごみ。
84通常の名無しさんの3倍:03/08/14 12:55 ID:???
>>83
死ね
85通常の名無しさんの3倍:03/08/14 14:14 ID:???
シャア板でSSスレって・・・プッ
86通常の名無しさんの3倍:03/08/14 15:55 ID:???
>>84
通報しました。
87通常の名無しさんの3倍:03/08/14 16:02 ID:???
>>80
どこだ?一通り見たがわからん。
SSスレなんて
実家に電話して一言@明日はボールで初陣
http://ebi.2ch.net/shar/kako/1002/10028/1002802164.html
以来見て無いが、どんな感じだ?
88通常の名無しさんの3倍:03/08/14 16:05 ID:???
俺の心が真っ赤に燃える!
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1060483225/

これかな?
89通常の名無しさんの3倍:03/08/14 16:33 ID:???
落ちてんじゃない?
確か前、「俺ガン小説投稿スレ」てのがあったはず。
90通常の名無しさんの3倍:03/08/14 21:22 ID:???
ふざけんな>>1
スレ立てたからには何か書けよこのクズ!バカ!死ぬ!
91通常の名無しさんの3倍:03/08/14 21:25 ID:???
>>90
>>1が名無しで既に何か書いてるかもよ?
92通常の名無しさんの3倍:03/08/14 21:31 ID:???
これだ。新板に立ってた
俺ガン小説やってるオサソ、厨房集まれ〜
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/shar/1060787262/
93通常の名無しさんの3倍:03/08/14 23:52 ID:???
新シャア板かよ!

こりゃだめだな・・・ここで立てて正解だったのかも。
それよりザクVSなんたら。コピペでもいいから貼って来い。マロンまで行くのめんどいし、
スレみつからんかったよ
94通常の名無しさんの3倍:03/08/15 01:02 ID:???
frghjk
95通常の名無しさんの3倍:03/08/15 01:14 ID:???
じゃあうpろだのURLくらい貼っといてやろう
ttp://minovsky.hp.infoseek.co.jp/g/
96山崎 渉:03/08/15 09:41 ID:???
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
97通常の名無しさんの3倍:03/08/15 15:48 ID:???
>>93
命令すんなぼけ。てめーがいってこい。ひきこもりが。
98通常の名無しさんの3倍:03/08/15 15:50 ID:???
97 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 03/08/15 15:48 ID:???
>>93
命令すんなぼけ。てめーがいってこい。ひきこもりが。
99通常の名無しさんの3倍:03/08/15 17:04 ID:???
98 名前:通常の名無しさんの3倍 本日のレス 投稿日:03/08/15 15:50 ???
97 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 03/08/15 15:48 ID:???
>>93
命令すんなぼけ。てめーがいってこい。ひきこもりが。
100通常の名無しさんの3倍:03/08/15 17:05 ID:???
99 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 03/08/15 17:04 ID:???
98 名前:通常の名無しさんの3倍 本日のレス 投稿日:03/08/15 15:50 ???
97 名前: 通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日: 03/08/15 15:48 ID:???
>>93
命令すんなぼけ。てめーがいってこい。ひきこもりが。
101通常の名無しさんの3倍:03/08/15 22:04 ID:???
なんかスレの雰囲気が殺伐としてるな。
職人さん降臨マダー?
102通常の名無しさんの3倍:03/08/15 22:58 ID:???
職人降臨期待age。
103通常の名無しさんの3倍:03/08/16 01:23 ID:???
少し前まで君にうってつけのスレがあったんだけど、今落ちてなくなってしまった。
似たようなスレで
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1060347103/
こんなのがある。

んで、落ちてしまったスレの有志が立ち上げたサイト。
ttp://minovsky.hp.infoseek.co.jp/g/
目を通してみると良いよ。
104通常の名無しさんの3倍:03/08/16 01:26 ID:???
上は誤爆です。すみません。
105通常の名無しさんの3倍:03/08/16 12:00 ID:???
降臨まだー?とかいってるやつは、感想もかかないゴミども。
読んでは、けなし、読んでは、けなし。こんな雰囲気の悪いとこじゃ誰もかかんわな。終了しろ。
106通常の名無しさんの3倍:03/08/16 12:18 ID:???
もう終わってるっつうこと
107通常の名無しさんの3倍:03/08/16 20:49 ID:???
はい書いてくださいって状況がまずいかんな
俺に言わせれば
みんなが議論してるスレで書く
これだね
一生懸命書いてる間に
別のレスが割り込んでる充足感
それで物足りなくなってくると
好評になってるSSに勝手に割り込むようになる
とうぜんすぐばれてガンガンたたかれる
この一体感
108通常の名無しさんの3倍:03/08/16 20:59 ID:???
つまり、議論をしようって事だな?
109通常の名無しさんの3倍:03/08/16 22:53 ID:???
SSがあるスレって今どれくらいある?
最近見かけないような気がする。
もしかして新板にはあるのかなあ。
110通常の名無しさんの3倍:03/08/16 22:56 ID:???
モリユウが登場するクズSSはだめでつか?
ユウスレに書き込もうと思ったんだけど、しりとりの雰囲気を壊すのもなんだかなー、
って思うので。
111通常の名無しさんの3倍:03/08/16 23:49 ID:???
>>107 みんなが議論してるスレで書く
俺のことかと思ったけど他のSSに割り込んだことはないな
最近はユーコンとか人型兵器2に書いたのだが今一番盛り上がっているギャンにはさすがに書くことがない

112通常の名無しさんの3倍:03/08/17 00:25 ID:???
>>109
ないことはない。
けど、数がすくないのは確か。旧シャアにもさがせばある。
SS専門スレはな。
113通常の名無しさんの3倍:03/08/17 02:49 ID:???
私が気に入っていたSSのあるスレは、倉庫管理人が職人さん苛めをして
つぶれたよ・・・ショボーン
114へたれタイトル:03/08/17 04:05 ID:???
ザクと俺みたいなシチュって敬遠されがち?と
内心ガクガクブルブルな私。取りあえず、触りだけ投下。

『コックピットの中から、追伸…』

僕たちスペースノイドにとっての大切な戦いとなるその戦端が間もなく開かれようとしている。
コックピットの中でさっき聞いたデギン総統の演説とその後のギレン閣下の演説には
微妙に温度差みたいなものを感じていたけれど、僕は今、ザクのシートに座っている。
こうして、幾つかの計器と、シュミレータのそれよりも若干小さく見えてしまうモニタをじっと見ていると
ここ数年、いや、十数年のことが思い浮かんだ。
その思い出を辿っていけば、僕は、この手の震えを止めることが出来る。そう思った。
だから、そっとノーマルスーツの前を開いてその下に着ている軍服の胸ポケットに忍ばせておいた写真を
取り出しモニタの邪魔にならない所に止めた。上官に見つかったら怒られるだろうか、とも思ったけれど。
教導大隊で過ごした数年、僕は彼らと共に寝食を共にし悲喜交々を分かち合った。
そう、僕の大切な仲間たちとの貴重な写真。僕に力を与えてくれる一枚。
僕は、ヘルメットを被ると、そのバイザを落として、少しの間瞼を閉じた。
ヘルメットの中で僕の呼吸音だけが静かに響く。大丈夫、僕は死なない。死ぬわけにはいかないんだ。
115へたれタイトル:03/08/17 04:06 ID:???
続き

 僕は、孤児だった。
スペースノイドの生活環境は、コロニーという人口の箱庭の中、完全にコントロールされている。
だから餓死だとか、熱中症、凍死なんてものは事故を除けば殆ど在りえない。
あの宇宙に浮かぶ青い星、地球に居ればそういったものに加え、犯罪やあるいは本で読んだ落雷なんて
ものに襲われて死ぬこともあるだろう。とにかく、コロニーでは個人管理が徹底していて、犯罪も滅多に起こらないし
安全なんだ、既に病気で父さんを亡くしていた僕は、幼いながらに母さんの笑顔とその温もりでそう感じていた。
7歳の時だ。どこのコロニーだったかは実は覚えていない。
母さんが車に轢かれた。僕の目の前で。
「まったく、地球では交通ルールなんてガキでも知っていることだがな」
そう言って車から降りてきた偉そうな、軍服を着た中年の男は、僕を大上段から睨み付けると、こう言った。
「スペースノイドのガキが。その痩せた、気味の悪い目を向けるな!」
そんな内容だったと思う。そうして、後ろの窓を少し開けて様子を伺っていたもう一人の、多分その人より
階級が上の人だったんだろう、別の男に何事かを囁いて、最後に僕に一瞥をくれると、さっさと車の中に戻っていった。
僕は何も言えなかった。走り去っていく車のテールランプには、今思えば、自動操縦と運転補助のランプが
点灯していなかったように思うけれど、とにかくやけに威圧的にうつる二つのブレーキランプが僕を睨んでいるようだった。
僕はただ冷たくなっていく母さんの体を抱いて、泣くことも叫ぶことも無く、コロニー公社の職員が保護に来るまで
放心していたそうだ。
「連邦の軍人がやったことなら、下手に口を出せないだろう」「しかし、それではこの子は」「親類は?」
「記録では居ないみたいで」「地球にもか?」「遠縁なら」「連絡は?」「今確認中です」
こんなようなやり取りの最中、僕は母さんが拾ってくれた僕のお気に入りの麦藁帽子をただその胸に抱えていた。
僕は、結局孤児院に引き取られることになった。
こうして、僕は、この広い宇宙で一人ぼっちになってしまった。

とりあえず、ここまで、反応まち・・・
116通常の名無しさんの3倍:03/08/17 11:28 ID:???
>>113
パクリ騒ぎのスレか。
真相は知らんがあまりの痛さに人が遠のいたんだな。迷惑なこった
117通常の名無しさんの3倍:03/08/17 16:20 ID:???
>113.116
職人が厨過ぎたことも忘れずに
他サイト荒らしたりパクったりしてりゃ普通荒れるわな

ここで陰口叩くのも結構だがスレ荒らすなよキシリアスレの人達
118通常の名無しさんの3倍:03/08/17 17:37 ID:???
>>114-115
乙。っていうか随分辛い人生を送ったんだな主人公...。

今後の展開に期待します。
119通常の名無しさんの3倍:03/08/17 18:57 ID:???
>113,116
キシリアスレの厨住人がここまで荒らしにきたか
厨住人はパクり厨職人の劣化コピーSSでも読んでろよ

陰口ばかりで自分のやった事は顧みないんだな、キシリア厨
120通常の名無しさんの3倍:03/08/17 19:00 ID:U0xIggNG
これだ
121通常の名無しさんの3倍:03/08/17 19:01 ID:???
他所のスレのことは他所でやれよ・・・
122ギュネイ・ガス:03/08/17 19:55 ID:???
今日も、訓練が始まる。
昨日は脳波コントロールの調整。
ということは、今日は・・薬物投与プラス筋トレってとこかな・・
最近、この訓練にも慣れてきた。普通に考えてみろ。
薬物投与や脳波コントロールなんて尋常なことじゃない。
オレもこの研究所の異常な感じに慣れてしまった。もうシャバには戻れそうもない・・・

「ギュネイ、今日の体調はどうか?」
「はい 順調です。ナナイ所長」
毎日繰り返されるこの会話。
ネオ・ジオン軍ニュータイプ研究所。ギュネイ・ガスは実験体1号と呼ばれていた。
もちろん、裏ではである。表向き、研究員達はギュネイを気遣ってみせる。
在籍中の実験体の中でも最も優秀だったギュネイをネオジオン総帥である
シャア・アズナブルと所長のナナイが気にいっていたからだ。
ギュネイには他の実験体とは別の特別な個室が用意されていた。
他とは一回りも広い部屋。しかし、ベッドと少しの棚、たんすなどの他は何もない。
あまりにも殺風景な部屋。窓からは、山が見える。緑に包まれたきれいな風景。
どこのコロニーか知らないがきれいだ。おそらく強化人間を作る際、薬物投与等
によって実験体が精神崩壊に陥った場合、その精神を安定させるために大自然の中
に研究所を作ったのだろう。ギュネイはいつの間にかそんなことまで悟るようになっていた。
同じ時期に入った実験体が次々と精神崩壊、あるいは死亡していく中、
ギュネイはずっとまともな状態を保っていた。その代わり、性格ははたから見れば
わがままになっていった。
「今日の食事、うまくなかった。今度はもっとうまく作ってくれ」
調理場で後片付けをする料理長に向かってギュネイが静かにそうつぶやく。
123ギュネイ・ガス 2:03/08/17 20:04 ID:???
ギュネイがこの研究所に来たのは約二年前。
丁度、町でいろいろと悪さをし、警察に捕まった直後のことだ。
気づいたら研究所の中にいた。おまわりに頭部を殴られ、意識を失った。
研究員の第一声「今からお前を強化する」何がなんだかわからなかった。
初日、ギュネイは強化人間としての資質があるかをテストされた。
運動能力、反応性、判断力、テスト項目は数知れない。
しかしそれはすべて表向きのもの。本当に強化人間として適しているか
判断されるのは薬物投与などをされてからだ。
そして向いていない。こいつは無理だ。と判断された実験体も限界まで
強化される。そして身体を壊し、死にいたる。
ギュネイはすべてオールグリーンだった。
強靭な肉体、優れた判断力。それをとっても一級品。
そのうえ、普通の人間にとっては地獄の苦しみであるはずの薬物投与。
注射針から体内へ入る薬物が臓器、手足、そして頭部を駆け巡り
激痛を走らせる。
ギュネイは耐えた。いや、むしろさほど苦痛を感じなかった。
研究員達はそんなギュネイを見て、さらに強力な薬物を投与し始めた。
ギュネイはさらに耐えた。そして強くなっていった。
124ギュネイ・ガス 3:03/08/17 20:15 ID:???
元の生活に、はじめは戻りたかった。好き勝手なことをして仲間と
馬鹿やって遊ぶ。親もいないし好きな時間にスキなことをやる。
それにくらべ今は毎日決まった時間に起こされまずい飯を食わされる。
健康診断は一日2回。午後には決まって手足を固定され頭から電流をながされる。
結構痛い。
だが研究所に来てから3ヶ月ほどたった頃、ギュネイのシャバへの未練は
消えつつあった。
「お疲れ様ギュネイ」
研究所所長、ナナイ・ミゲル。
訓練が終って好成績を残すといつもそう優しく声をかけ、ほめてくれた。
人にほめられたことなどなかった。ギュネイはナナイの言葉が心地よかった。
最も今となってはそのほめ言葉は所長としての仕事の一貫だということは
わかっている。でも当時のギュネイはそのほめ言葉がここで生きていく原動力のように思えた。
ギュネイはナナイにほめられるため、頑張った。
そして入所からわずか半年・・わずかな人口ニュータイプとしての脳波を発生させることに成功する。
これは、強化人間という技術が完成して以来の快挙だった。
それからは研究所ですれ違うすべての人間がギュネイに対して敬意を払うようになった。
下っ端の研究員は挨拶までしてくるようになった。
ギュネイは、自分がこの研究所を支配している。そう錯覚するようになった。
125ギュネイガス作者:03/08/17 20:21 ID:???
こんな感じでよいかな?
少々荒い文章になっていますが。
続きは後で書きます。
126通常の名無しさんの3倍:03/08/17 20:32 ID:???
降臨age
127ギュネイガス作者:03/08/17 20:39 ID:???
うぷしたの読んだらイマイチだ・・・
スマソ。
これ短編の予定なので書き上げたら本気で長編書きます。
128通常の名無しさんの3倍:03/08/17 20:41 ID:???
お疲れ〜>ギュネイ作者
触発されて俺も何か書いてみるよ。
短編だろうけどね。

長編も期待してます。
お互いがんがろう。
129通常の名無しさんの3倍:03/08/17 20:43 ID:???
>113 >116
荒らしを職人よばわりか。おめでてーな。プッ
管理人は痛くなんかないだろ。パクられまくった被害者だ。
130通常の名無しさんの3倍:03/08/17 20:50 ID:???
だからキシリア厨は荒らしと同類なんだよ
131通常の名無しさんの3倍:03/08/17 21:14 ID:???
こんな事書くのも無粋かも知れんが、長作を投稿する時はタイトルの後に1/3とか付けて欲しい。
先ほどの続きです。タイトルの後に@/@の表示キボンヌとあったので
入れては見るものの、正直全体の尺を決めていないので、今投稿の
分割で母数を決めています。

 孤児院での思い出は悪いものではなかった。
皆優しい人ばかりだった。きちんとした教育を受けさせてくれたし、衣食も調っていた。
友達もたくさん出来た。いじめっ子だけど皆のことを一番考えているレイル、
僕と一緒にレイルによく虐められていた少し甘えん坊なシャルル、皮肉屋で
すこし斜に構えたところがあるけど幼さを充分残した一番年下のアイラ。
その他にも、いつも優しく見守ってくれた院長のセシリアさん、勉強の時間は
厳しかったけれど分からないことは徹底的に教えてくれたシスティナさん、
つまみ食いには鬼のような形相で追いかけてきたけれどいつもおいしいご飯を
作ってくれたバスカウおじさん、とにかくそこは温かくて、僕は孤独だということを
ちっとも恐れることが無かった。
あれは9歳の時だったか、ほんの数日だけだったけど、僕たちの孤児院に身を寄せた
兄妹がいた。二人ともすごく綺麗なブロンドで、妹なんかはお人形さんみたいな可愛さで、
僕には信じられないほどだった。
そう、孤児院の中で、僕は初恋も体験した。
「アリー、どうしたんだ?」「あ、お兄さま」孤児院の中であからさまに浮いていた二人に
ついつい見とれていた僕は偶然にもその二人と話すことになってしまい、
とっても焦ってしまったっけ。
良く笑う、本当に可愛いその妹と、アイラよりももっと斜に構えていて何かを秘めていて、
でも、それを全然面に見せない聡明そうな兄、それだけがただ印象として残っている。
この数日間は僕にとって、とても印象に残る思い出だったけれど、それこそ僕は
母さんの死を忘れるかのように毎日毎日走って遊んで、時々ちょっとだけ勉強して、
褒められたり怒られたりを繰り返して、たくさんの思い出を作って16歳の誕生日を迎えた。
誕生日当日の夜、僕はシャルルと一緒に屋根裏で、二人してタオルケットを被りながら、告白した。
「シャルル、僕、ジオン国防軍に志願するよ」
当時、僕たちの間では屋根裏で秘密の告白ゲームが流行っていて、
それはゲームを行った二人だけの秘密をお互いにどこまで守りきれるか、っていうゲーム
だったのだけど、この時の告白は歴史的な速さで僕の圧勝に終わった。
次の日朝一番にはレイルと顔を合わせた瞬間に殴り飛ばされるし、
アイラには脛を思いっきり蹴飛ばされた。
わけも分からずセシリア母さんの部屋に呼び出されて、色々と話を聞かされ、
システィナさんはバスカウおじさんと二人で僕を怒鳴りつけようとしたところをセシリア母さんに助けられた。
この騒動の犯人に当てがついて、というか、朝から顔を見ないシャルルを探し回って、
見つからなくってようやく部屋に戻ってくると、多分一晩中泣いていたんだろう、
目を真っ赤に腫らしたシャルルに泣きつかれた。
「なんだよ、皆して。普段の三倍は早い僕の圧勝だったのに」方々傷むところを擦りながら、
僕はそう嘯いて見たけれど、しかし、一番痛む胸に手を置いていた。
三日後、軍の車が僕を迎えに来たときには、最初、誰も見送りに来てくれなくて
正直泣きそうだった。
そうしたら、レイルが茂みから飛び出して、不意を衝かれた僕の背中に飛びっきりの、
いい音を立ててびんたを食らわした。不意打ちに目を白黒とさせている僕に、
院の皆がさーっと集ってきて、院の一番大きな木の下で写真を撮った。
嬉しくて背中が痛くて、でも泣けなくて、なんとかぎりぎりで耐え抜いた僕は多分、
笑顔で言えたと思う。
「行って来ます!」
そして、僕はまた一人に戻ったんだ。
 この時の写真は、戦場には、厳密に言うと、この任務を言い渡されたときには、
持ち物に入れなかった。
これから、僕は戦争をする。それは人殺しだ。
どんなに繕っても、僕はきっと母さんや父さんと同じところには逝けない。
そう考えたからだ。それでも、僕と同じ思いをするような子が出来ちゃいけない。
これ以上、連邦の横暴は許しておけない。
僕は強く手を握り締めた。それは、復讐の為だった。だから、僕はここに居る。
あの思い出をこの戦場に持ち込むことは出来なかった。
『キーツ少尉、聞こえますか』「キーツ、聞こえます」
『もうじき発進命令が出ると思います、待機してください』「キーツ、了解しました」
もう一度、計器とモニタのチェック。教導機動大隊で厳しい訓練と研修を生き残り、
栄えある30人の中に選ばれた時に、僕は孤児院に手紙を書こうか、迷っていた。
そんな時に、同期の大隊隊員であった誰か、士官学校上がりのエリートの誰かが
言った言葉が、不意に僕の胸に去来する。
「憎しみを糧に復讐を目的とするのは、悪いことではない。
 だが、大局を見失っては目的達成も自らの命もその手に 留めて掴むことは出来ないよ」
結局僕は手紙を書かなかった。手紙を書くことで僕は、何かを期待していたのだろう。
そう、再びあの日々に戻っていけることを。
僕の帰りを皆が温かく迎えてくれ、僕は皆のために、皆は僕や或いは新しい孤児たちの為に
汗を流し、生きる日々。
あったかも知れないもう一つの世界。
しかし、僕は、今ここに居る。ここに座っている。
鋼鉄の棺おけの様なこの空間に、人が人を殺し、ただ憎み騙し屠る為に在り続けるこの戦場に。
僕は覚悟を決めた。
「よしっ!」
僕はこの先何が在っても、孤独でいよう。この戦争が終わるまでは。
僚機のモノアイが光を点す。それをサイドモニタで確認した僕はゆっくりと確実に
発進の為の諸動作を行った。
「キーツ、出ます!」
息を吐き出して、僕はゆっくりとスロットルを進める。
僕は今まさに漆黒の宇宙に抱かれようとしていた。
ウホッ、いま読み返すと校正しなきゃいけないところが沢山。
めどがついたら、完成版はどこかのうpろだにでも上げます…
135通常の名無しさんの3倍:03/08/18 15:40 ID:???
叩くネタが投下される→活性化
スレタイ通り、SSが来る→スルー

哀れだな
136すれすとっぱー:03/08/18 15:44 ID:???
こんなキショイスレがあったんだ..NGに登録しておこう..
137通常の名無しさんの3倍:03/08/18 15:58 ID:???
>>136
うわぁっ、キモイコテが北
138通常の名無しさんの3倍:03/08/18 16:01 ID:???
来ちゃったよ・・・
139通常の名無しさんの3倍:03/08/18 17:24 ID:???
>>132-133
別にうpろだじゃなくてここでもいいんじゃない?>完成版うp
とりあえず完成版って響きに心魅かれっ放しですよ。
140通常の名無しさんの3倍:03/08/18 17:39 ID:???
スレはいつの間にか流れるぞ。
まあうpろだだっていつ消えるかはわからんがな
141名有り:03/08/18 18:32 ID:???
2ちゃんねるに己の妄想を晒すとは中々勇気が有る。その上レベルも低くない。
文を生み出すというのは心を豊かにするからな。良いことだ
142通常の名無しさんの3倍:03/08/18 18:49 ID:???
文章も読めるしレベルにあるし、話もまとまってるのに少しも面白くない
143通常の名無しさんの3倍:03/08/18 18:54 ID:???
なりきりスレのがオモロイ罠w
144通常の名無しさんの3倍:03/08/18 18:55 ID:???
つーかなりきりとSSって何も関係ないじゃん。
145名有り:03/08/18 18:56 ID:???
>>142
ひどいことを言う…
まあ確かに文章表現に凝りすぎている感も否めないがな。
146通常の名無しさんの3倍:03/08/18 18:57 ID:???
俺も何か書こうと思うが
キャラクターの日常みたいなののほうがいいのかな?
これなら短編で済むし……。

でもバカSSになること請け合いだしな…(;´Д`)
147通常の名無しさんの3倍:03/08/18 18:57 ID:???
>>144
台詞以外をかたってるじてんで大蟻w
つか、少しはなりきりミナラエヨ
148通常の名無しさんの3倍:03/08/18 19:07 ID:???
正直、俺もなりきりは結構好きだが
他所ではとても言えんな。

SS書いた人にとっちゃ何らかのコメントが欲しい訳だ。
そこで趣旨の違うスレを挙げて「見習えよ」はどうかと思う。
149通常の名無しさんの3倍:03/08/18 19:13 ID:???
このスレって、最初からSS募集スレになってるから
あまり盛り上がらないのかな?
もっとこう、テーマとかがあればいいんだけど…。

他のSSスレは「○○たん(;´Д`)ハァハァ」みたいなテーマがあって
有志がSS書いてうpしてるようだけど、
ここにはそれが無いから…チトやりにくいな。
自由度が高いとも言えるけど、それが仇になってる気もする。
150通常の名無しさんの3倍:03/08/18 19:25 ID:???
>>134
うpろーだじゃなくてここに上げてくれると有難い。
1000行くんだったらうぷろだよりも長持ちするでしょ(w
スレが盛り上がれば誰かが保管庫作ってくれるかもしれんし…
151通常の名無しさんの3倍:03/08/18 19:29 ID:???
テーマ決めてみるのも面白いかもナー
>>200-250までは皆でZ〜ZZのSSを書くみたいに。
キャラ物も多少は書き易くなるかな。
152通常の名無しさんの3倍:03/08/18 20:00 ID:???
>>142
あー、確かに
153『コク伸』作者:03/08/18 22:38 ID:???
>142
自分へのレスかどうか分からないので、自分へのレスと仮定して
つまり、盛り上がりが無いというか、ちっとも見せ場がない、と。
とまあ、自分でもそうかなーと思い始めてたことを突っ込まれて
自覚するわけだが(苦笑
もう少し、頑張ってみます…
154通常の名無しさんの3倍:03/08/18 22:48 ID:???
>>153
折れは楽しく読ませてもらっているよ。
とても面白いと思うし、良く書けてるって!

このままがんがれよ・・・。
155通常の名無しさんの3倍:03/08/18 22:51 ID:???
>>153
うまく書けても文句つけんと思うよ。そーいうとこだからココ。
156通常の名無しさんの3倍:03/08/18 23:43 ID:???
>>153
偉そうだがアドバイス。

ネット上のSSに凝った文章表現やら心理描写やらは求められていない。
簡便にネタを、分かりやすく、おもしろく書けばそれでOK。
157『コク伸』作者:03/08/19 00:04 ID:???
つまり、ネタは新鮮な内に寿司なり、刺身になりして食わせろよ、と。
まるほど。一つ勉強に、というか、なりきりスレや他の状況読んでれば
気がつきそうなものだな>漏れ
は、さておき、とりあえず今書いている分は、同じような文体と調子で
行くので、しばらくはSS投下をご容赦ください。
願わくば他の職人さんたちがたくさん書いてくれて、このスレが盛り上がりますように。
158通常の名無しさんの3倍:03/08/19 01:18 ID:???
ジオン軍によるジャブロー攻略作戦が失敗し、
地球上におけるミリタリーバランスが完全に連邦に傾いた今、
地上に残るジオン軍将校及び兵士は主に三つの傾向があった。
地上における戦闘を継続させようとする者。
なんとしてでも宇宙、いや故郷に帰ろうとする者。
全てをあきらめた、もしくはあきらめざるおえず降伏を選択する者。

一部の経戦派、もしくは後のジオンの復興のために地下に身を隠す部隊、
宇宙への帰還を目指す部隊の中には、後に連邦軍に大きな損害を与え
恐れられることになる部隊やMSパイロットも少なからずいたわけだが、
これから記す部隊に関しては、ティターンズのジャブロー放棄の際に
流出した記録(保身を図るために反エゥーゴ派だった連邦兵が持ち出した物)
をもとに、降伏という選択したあるジオン兵の記録である・・・

機動戦士ガンダム外伝
裏切りのホワイトレディー(仮)

こうご期待?
159通常の名無しさんの3倍:03/08/19 07:53 ID:???
妄想で終わらすな。ちゃんと書けよ
160142:03/08/19 21:25 ID:???
コク伸作者さん、俺の評価なんか気にせずやって
くれ、とにかく文章はうまいんだから
もしむかついたんなら俺のSSを馬鹿にしてやってくれ、
最新作はギャンスレの862においてある
高いところに上がってるからスレはすぐ見つかると思う
161サイド10:03/08/19 21:50 ID:???
皆さんこんばんわ。
私は以前、自分で立てたスレにSSを書いていた者です。
しばらくPCに書き込めない状態が続き、気がついたらスレは落ちていました。
当たり前か。
そこで見つけたのがこちらです。
まことに勝手ですがこちらにその作品の続きを書かせてはもらえないでしょうか?
お許しが出れば一話からうぷしていきますが。どうでしょう?
162通常の名無しさんの3倍:03/08/19 21:55 ID:???
>>161
俺は構わんと思うよ。
>>1にも

>もちろんガンダム関連のSSのみでお願いします。
>それ以外は特にルールは無いので、気が向いた時に自由にSSを発表してください。

って書いてあるし、ガンダム関連なら別に良いんじゃない?
163ベースボール伝:03/08/19 21:56 ID:???
サイド7、第3コロニー・・・
人口が25万人ほどのこのコロニーに一人の少年が越してきた。
彼は、コロニーに2つある高校のうちの一つ、サイド7、第13独立高校に入学することとなる。
物語はそこから始まる・・・

「アムロ!!何してんの!遅れるよ!!」
「わかってるよフラウ・ボウ・・今用意してるんだろ?」
少年の名はアムロ。年は16。高校2年生だ。数日前、このコロニーに、一人で越してきた。
いや、戻ってきたというほうが正しい。父親の仕事の影響で様々なコロニーを転々としてきた彼が
数年ぶりに生まれ故郷のコロニーに帰ってきたのだ。
当時の幼なじみの女の子、フラウボウ、そしてハヤト・コバヤシ。2人が通っている高校にアムロは
通うこととなった。今日はその初登校日だ。
「なあアムロ。学校入ったらさ、一緒に部活どっかに入ろうぜ?俺、一年の時はなんもやってなかったからさ」
登校途中、ハヤトがアムロに問いかけた。
「・・僕はいいよ・・・ハヤトが部活やりたけりゃやればいいだろ?」
「ちぇ、お前、性格暗くなったから友達もできなかったんじゃないか?」
ぶっきらぼうに答えるアムロに対して、ハヤトがあきれるような表情でそう言った。
「アムロは昔っからそうだったじゃなくて?私達のしか遊ばなかったもんね?」
2人のやり取りを見ながら、横に歩いていたフラウが笑いながらそう言った。アムロは少し、照れた
表情を見せながら少し早歩きで2人を置いていった。
学校の校門前では、部活の勧誘の声がなり響いていた。4月になって、新入生を入部させるためのものだ。
アムロはそれに見向きもせず、校舎の中へと入っていった。
アムロは転校生である。教室に入る前に、職員室にて入学の手続きを行った。
たまたま、ハヤト、フラウと一緒のクラスになったアムロは新しい教室のいすに腰を下ろした。
「転校生の君、自己紹介をしなさい」
アムロのクラスの担任、マチルダ・アジャン先生がアムロを指差してそう言った。

164ベースボール伝:03/08/19 21:57 ID:???
「・・・ア・・・アムロ・レイです・・・よ、よろしく・・・」
下をうつむきながらぼそっとした声で自己紹介をするアムロ。フラウとハヤトの二人はくすくす笑っている。
自己紹介というより、自分の名前を言っただけだったが、クラス全体がアムロを拍手で迎えた。
ひとますほっと腰を下ろすアムロ。だが、クラスの全員が彼を歓迎したわけではなかった。
「よう、転校生。アムロってんだってな?知ってるぜ・・・お前の親父、連邦軍の仕官なんだってな?」
アムロに対して因縁をつけてきた不良っぽい男。彼の名はカイ・シデン。一年留年していて、アムロ達
より一つ年は上である。そのひねくれた性格のせいか、クラスの人間みんなからやっかまれていた。
「カイさん、やめてくださいよ。アムロは今日始めて来たんですよ。」
「俺に意見しようってのかよハヤト!!・・アムロォ?やっぱ連邦の息子だけあって甘ちゃん面してるぜ」
「そういう言い方、やめてもらえませんか?」
この後、アムロとカイの小競り合いは数分間続いたが、無事騒ぎになることはなかった。
アムロとカイの関係が初日から最悪のものになったことは言うまでもない。そして放課後。
「・・アムロ、気にするなよ。あいつはああいう奴なんだよ」
「気になんかしてないさ。ああいうのをいちいち相手にしてたらキリがないからね」
「それにしては結構ムキになってたじゃないかよ」
「・・・別にいいだろ・・・」
ハヤトの言葉に図星だったのか、アムロは突然歩く速度を速め、校門を出ようとした。
「待てよアムロ!朝さ、部活探そうって言っただろ?俺さ、野球部に興味あるんだよ!一緒に行こうぜ」
「・・興味ないって言っただろ?」
「そう言わずにさ!!さあ、さあ、行こうぜ!!」
露骨に嫌がるアムロを強引に引っ張り、ハヤトは野球部の練習場へと向かった。

「ノック甘いぞ!!何やってんの!!」
第13独立高校野球部練習場。ひときわ大きな怒鳴り声があたりに響いていた。
165『コク伸』作者:03/08/19 21:57 ID:???
>160
ああ、すみません、少しずらして取ったお盆休みでヌボーとしてました。
そのうち続きをば。
というか、収拾つかなくなってきたっていうのもあったり。
最初にきちんと尺を取らずに書くもんじゃないな、こういうところがオナニーだと
言われる所以か、と理解。
166ベースボール伝:03/08/19 21:57 ID:???
野球部キャプテン、ブライト・ノア。ポジションは捕手。3年生。
歴代のこの野球部の主将の中でも特に厳しいとある意味有名な男だ。
「そこ!!出だし遅いぞ!!どうなってるの!!修正されたいのか!!」
彼の怒鳴り声で部員達の動きが引き締まる。
「ブライト・・・ちょっと興奮しすぎてるんじゃないの?」
「あんまり怒鳴りすぎると部員達が辞めてくんじゃなくて?」
野球部には2人の女マネージャーがいる。
ミライ・ヤシマ、セイラ・マスの2人である。2人ともブライトと同じ3年生で、学校のマドンナ的
存在だ。ミライはブライトとの仲がうわさになっているが真相はさだかではない。
「何を言ってんるんだ。あれでも軽いぐらいだ。昔のような強さを手に入れるためには・・」
第13独立高校野球部、かつては名門と呼ばれた野球部であった。一年に一度、サイド7のコロニー
すべての高校が集まる野球大会が開かれる。その大会で30年以上無敗を誇るほどだ。
だが、野球部部員の減少、優秀な選手の減少によって、この数年の成績は風前の灯火だった。
ブライトの目標、それは昔のような強い野球部を自分が現役の間に復活させることだった。
「ブライトさん、部活を見学したいっていう2年生が2人、グランドに来てますけど」
「なに?見学?甘ったれるな!!入りたいなら見学などさせる必要はない!!今すぐここに連れて来るんだ!」
数分後、ブライトの目の前に強引に連れてこられたハヤト、そしてアムロ。相変わらずアムロは露骨に
嫌そうな顔をしている。
「・・アムロとか言ったな。なんだその態度はやる気あるのか!?」
「・・・やる気なんかありませんよ。僕は好きでここに来たわけじゃないんだ。帰してくださいよ」
「甘ったれるな!!そんなことで社会で通用すると思ってるのか!?」
「な・・・なに・・!?」
「ふん、悔しかったら俺の投げる球を一球でも打ってみるんだな」
アムロはふと考えた。僕は何をしているんだ?あの人はなんであんなに怒っているんだ?
だが、それよりもブライトに言われた言葉にアムロは頭に来ていた。
「僕は・・・甘ったれてなんかいない・・・僕は・・あの人に・・・勝ちたい・・・」
167ベースボール伝:03/08/19 21:57 ID:???
ブライトがピッチャーマウンドへと上った。同時にアムロもバットを握り締め、バッターボックスで
ブライトと対峙した。アムロの野球経験はまったくのゼロだ。バットの握りが少々おかしかった。
「勝負はとりあえず30球だ!!」
「やってやる・・・相手がボールなら、人間じゃないんだ」
ブライトが振りかぶり、ミットに向かってボールを投げた。ボールはアムロがバットを振りはじめる
前にキャッチャーミットへと収まった。
「ブライトさんはキャッチャーのくせに130キロは出すからな・・・あんな素人が当てられるわけないよ」
バッターボックスではアムロが驚きの表情を見せていた。だが、すかさず次の投球にそなえ、バットを
構える。だが、必死のスイングもむなしく空を切るだけだった。
「あと5球だ・・・手は抜かんぞ・・・」
誰もがアムロに期待していなかった。一球も当てられない、情けない少年に皆はあき始めていた。
「・・・・・」
「あ!!アムロ!!何見逃ししてんだ!!とりあえず振れ!!あと5球だぞ!!運がよければ・・」
ボールを見逃したアムロに対してハヤトがそう言った。だが、アムロはポカーンとした表情をしている。
「・・・い、今、ボールが止まって見えたような気がした・・・」
残り4球目、アムロは今まで以上に集中し、飛んでくるボールを見つめた。
「・・・見える・・・見えるぞ・・・」
ファールチップでなんとかボールにバットを当てるアムロ。周りのギャラリーからは歓声が起こった。
「次も・・・見える!!」
その場にいた誰もがそのボールを目で追った。アムロのバットに打ち抜かれたボールははるかフェンス
の向こう、場外でと飛んでいった。
「・・・・・ま・・・まさか・・・」
マウンド上であっけにとられるブライト。バッターボックスのアムロも同じ状態だった。
「やっぱりだ・・・さっきも今も・・ボールが止まって見えたような気がした・・・何だ・・!?」

168ベースボール伝:03/08/19 21:58 ID:???
「す・・・すごいぞアムロ!!」
ハヤトがアムロに駆け寄った。周りのギャラリーもいっせいにアムロの元へと寄ってくる。
ブライトの投げるストレートを場外にまで飛ばした人間は今までいなかったからだ。
そしてブライトがアムロに近づいてきた。
「やってくれるじゃないか・・・よし!貴様は今日から野球部の一員だ!!明日から朝練も参加しろ!」
「そ・・・そんな・・・一方的すぎます!!僕は好きでこんなことをやったんじゃ・・・」
「甘ったれるな!!野球部員になった以上、貴様は勝つために努力をしなければならん!!他の学校の選手は待ってくれないのだ!!わかったか!!」
「く・・・やれるとは言えないがやってみせる・・・!!!」
ブライトのあまりにも強引な言い草に疑問を覚えながらも野球部へと身を投じることをなったアムロ・レイ。
彼のあらたな高校生活が始まった。<つづく>
169サイド10:03/08/19 22:00 ID:???
こんなのでも・・いいのかなあ。
何ヶ月か前に書いた奴です。ちょっと文章等荒いね。
ちなみに書きだめしてあるやつが10話ぐらいあるので
だんだんとうぷしていきます。よろしく
170通常の名無しさんの3倍:03/08/19 22:21 ID:???
ウプしる!
171通常の名無しさんの3倍:03/08/19 22:22 ID:???
盛り上がってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
172通常の名無しさんの3倍:03/08/19 22:40 ID:fERtA2AJ
作品期待あげ
 宣戦布告から5分。既にあちこちで爆発や被弾のものと思われる閃光が
モニタに映し出されている。
音の無い花火。
ぱぁっと光ってはまた宇宙空間のその漆黒に飲み込まれていく。
まるで、現実感の無い世界。
この闇がまるで人の命を飲み込む怪物のように思えた。
宇宙にはレヴィヤタンでもいるのだろうか。
16世紀のアースノイドが恐れた海の怪物レヴィヤタンは船乗りたちの
恐怖と畏怖の対象であった、という。
次々に光っては消えていく花火をモニタで見ながら、僕は急いで画面の
照度補正をした。
僕はあの光の一つになるわけにはいかない。
モニタの調整を終わらせ、ふと気がつくと正面から敵小隊の影。
「こちらキーツだ、セイン、シェルツ、敵機を補足した」
「セインだ、こっちでも確認できた」
「シュルツ、確認した」
僕たちの小隊が初めて体験するMSでの実戦。
否が応でも僕たちの小隊に緊張が走る。
「連邦め、ジオンの一つ目の怪物が恐怖を運んできたぜ!」
そう言ったのは、小隊長のシュルツだった。
僕はただ無言で、携帯武装用のトリガーを握る。
最大望遠で捉えた連邦の航宙戦闘機はコックピットの中まではっきりと
分かるほどだった。
向こうのパイロットも、こちらの姿を確認していたのだろう、少し慌てている様に見える。
口元に思わず微笑が浮かぶ。
「いけ!」出会い頭、とでも言うのだろうか、威嚇のつもりで軽く放った弾が
偶然にも敵に命中する。
弾はちょうど航宙戦闘機のコックピット付近を掠めたのだろう。
戦闘機は爆発もせず、ただそのコックピットの中身を真空の宇宙空間にぶちまけた。
僕のザクのモノアイは丁度、赤かと思われる何か、液体や固体が飛散して
瞬時に真っ黒な塊となり、宇宙空間に散開する様を捕らえていた。
見ていられなかった。
「キーツ、やったな」「キーツ、次が来るぜ!」僚機からの通信に我に返る。
これは戦争なんだ。
僕は、今、たった今、人を殺した!
急に現実味を帯びてきたこの鋼鉄の棺おけの中、僕はただひたすら生きて帰ることを
願うしかなかった。
結局、僕が連邦の戦闘機を3機、シュルツが2機、小隊長であるセインが1機、という戦果で
最初の遭遇戦は幕を閉じた。
「ちっくしょー、シュミレータでは俺がダントツ一位だったのに!」セインが悔しがっている。
「セイン、功を焦るな、俺たちの小隊長はお前だ」シュルツが一応、慰めているらしい。
「セイン、航宙機の編隊が居たってことはひょっとしたら」
「ああ、敵母艦がいるかもな!」既に立ち直っているらしい、セインは僕の台詞を待たずに、
自機の推力を上げた。
セインのザクがメインモニタの真正面に映り、僕は彼のザクの背中を見ながら叫ぶように
言う。
「セイン、気をつけろ!例えザクだって、戦艦のメガ粒子砲を食らえば、一撃だぞ!」
実の所、今の戦闘において敵機の貧弱な機関銃では、ザクに致命傷を与えることは
出来なかったようだ。
僕たちの小隊は皆ほぼ無傷だった。
セインがそれに慢心していなければいいけれど、そう願った。
果たして、敵戦艦はこの宙域に留まっていた。
そして、それを目視で確認できたと同時に、僕の背中が凍り付く。
あの戦艦の主砲は間違いなく、こちらを捕らえている!
モニタに映りだされた敵戦艦とその主砲は、明らかに射線をこちらに引いている。
「セイン!」僕は、迷わず全推進力を注ぎ込んで、セイン機に追いつき、そしてその足を
掴み取ると、彼の進行方向を無理やりに変える。
辛うじて射線から外れるセイン機、僕はそれを確認しながら、急停止しセインとちょうど
逆方向へと機体を向ける。
あまりの急制動に凄まじい負荷がかかり、機体も勿論この僕も声にならない悲鳴を上げる。
ほんの数秒で気を失いそうになっていた僕は、目の前のモニタが白色光で塗り潰されていく
のを辛うじて視認する。
「こんなところでっ!」
さらにスロットルを振り絞った僕は、遠くなっていく意識の中、セインは大丈夫だったろうか、
とそんなことを考えていた。
175『コク伸』作者:03/08/19 22:58 ID:???
初の宇宙戦描写。
物理法則や宇宙での慣性法則等々、突っ込みをいれるときっときりが無いのでは、と
思うのですが、なにか、突込みがあったらお願いします。
爆発、っていう下りは一応、まあ、アリってことで(苦笑
スロットルって表現、あってるのかなぁと辞書を引っ張り出す…やばいかも。
バーニアやスラスタ、アポジモーターなどの「宇宙世紀のMSの専門用語」に
詳しいHPとかってないですかね?ぐぐって調べてみるか…
176通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:02 ID:???
177通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:04 ID:???
基本的なことだが
×シュミレーション
○シミュレーション
178通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:05 ID:???
ベースボール伝、続きキボン
179『コク伸』作者:03/08/19 23:15 ID:???
しまった、シミュレーター間違えた。
あと、スロットルは「振り絞る」ものではなく「開け閉め」な気が。
となると、×スロットルを振り絞る→○スロットルを開ける、ってところかな…
180通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:20 ID:???
>>175
「ガンダムユニバース」でぐぐってみるよろし
181通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:23 ID:???
推敲やら誤字脱字の指摘だらけになると某俺ガン小説の二の舞になるからヤメレ
182ベースボール伝:03/08/19 23:34 ID:???
<第2話 宿命の出会い >
新しい高校で新生活をスタートしようとしていた矢先、ふとしたハプニングによって野球部に
入部することになってしまったアムロ・レイ。
ブライトとの勝負の後、一通りの野球道具を強引に購入させられ、そして一週間が過ぎていた。
「アムロ・レイにハヤト・コバヤシか・・・今年の新入部員はこれだけか?」
「ええ・・・少ないわね・・・」
ブライトの問いにミライがまるであなたのせいよと言わんばかりにそう言った。
「アムロ、ハヤト!!貴様達は即戦力として働いてもらう。今は戦力がゼロに等しい・・・」
「そ、そんな・・・僕は野球のルールだってまだ理解していないんですよ・・・」
「甘ったれるな!!・・・今日は来月に行われる練習試合の相手を偵察に行く。貴様達も試合に出るんだ」
「くっ・・・」
アムロ達が住むコロニーの隣・・・そこには2年連続野球大会優勝の野球部がある高校がある。
ジオニックハイスクール。サイド7に住むすべての高校生からエリートだけを選抜した
進学校である。運動部、特に野球部の活躍はめざましく、昨年の大会では数々の相手校に一点も
失点することなく優勝するほどである。第13独立高校はジオニックハイスクールから練習試合の
申し込みを受けていた。日にちは一ヵ月後。ジオニックの野球部からしてみればたんなる調整試合
にすぎなかった。
「・・・あいかわらずすごい熱気だな、この高校は」
ジオニックハイスクールの前へとやってきたアムロ達3人。当然、中に入ることは許されない。
野球部の練習が見える裏側へと回り込み、偵察行動を開始した。
「く・・・やはり個々のレベルの差がダンチだ・・・」
ハイレベルな練習を見ながら、ブライトが弱音を漏らした。
「・・・ブライトさん、一人だけ赤いユニホームの人がいますよ」
ハヤトが指差したピッチャーマウンド。そこには赤いユニホームに身をつつんだ金髪の男が
投球練習をしていた。

183ベースボール伝:03/08/19 23:34 ID:???
「シャ・・・シャア・アズナブル・・・」
ブライトが震えそうな声でそうつぶやいた。
「なんです?あのピッチャーの名前ですか?」
「そうだ・・ジオニックハイスクールのエース。赤い彗星と呼ばれている男だ」
「あ、赤い彗星!?」
「あのユ二ホームを見ろ。今までの功績を認められて、一人だけ許されたらしい。今では彼のトレードマークだよ」
「そ・・・そんなにすごい人なんですか?」
少し興味を持ったのか、アムロがブライトにそう尋ねた。
「すごいなんてもんじゃない。奴がここのエースになってから2年間、俺達サイド7の野球部すべて
がジオニックに完封負けしているんだ」
「え!?つ、つまり今まで一点も取られてないってことですか!?」
「そうだ・・・マックス160キロのストレート。それに謎の魔球。俺達もそれでファールさえさせてもらえなかった」
「・・・・・・高校生でマックス160・・・」
「しかもバッターボックスに立った人間にはそれが通常のスピードの3倍ほどに感じられるという・」
「・・・さ、3倍!?時速500キロ近いじゃないですか!!」
「そうだ・・実際俺も球が見えなかった・・・それほどのキレがあるんだ・・・奴にはかなわない」
ブライト達が見ている間もシャアは投球練習を続けていた。恐ろしいほどの爆音がキャッチャーミット
から響いている。ブライトは落胆の表情を浮かべながら、偵察活動を中断した。
「シャア・・・赤い彗星のシャア・アズナブルか・・・」
精密機械のように投球練習を続けるシャアを遠目で見ながら、アムロがふとつぶやいた。<つづく>
184サイド10:03/08/19 23:36 ID:???
2話ずつうぷしてこうかな。
今読んでみると反省すべき点が多々あるな。
これからほぼ、全作品の主人公が出てきます。
これからもよろしく
185『コク伸』作者:03/08/19 23:36 ID:???
>176,180さん
今見てきました。勉強になりました。続きに幾つか修正箇所が出てきちゃいました。
>181さん
あのようになるのは、ちょっと、と思いますね、まあ、大きい箇所はしかし、
気になるもので、思わず問うてしまいました。
186通常の名無しさんの3倍:03/08/19 23:46 ID:???
明かな用語の間違いやガンダムの公式設定にもとる
内容について指摘してあげるのはむしろ親切と思うが
誤字・脱字や単なる誤変換と思われるものまで
事細かに「添削」するのは余計なお世話だよな
187通常の名無しさんの3倍:03/08/20 00:51 ID:???
いや、読んでくれるのはありがたいですよ
188『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/20 01:23 ID:???
読んでレス返してくれると、嬉しいですよ。
煽りや、荒しみたいなのは困惑するし、やる気も減退しますけど。
『少尉、そろそろ時間です』

コックピット内で待機していた俺に、後方の森林地帯に身を隠した
ホバートラックから通信が入る。
「まさかこんなことになるとは・・・」
待機状態のMSを機動させる。熱核ホバーの唸りが突風を巻き起こし
周囲の木々はそれに翻弄されながらも地面にしがみついていた。

『まもなくここを「貴方の同僚」が通過します。偵察によれば
ザクが二、トラックが一です。分かっていると思いますが・・・』
「何度も言われなくてもわかってる。この機体はちゃんと持ち帰れ、
さもなくば・・・だろ?」
『ええ、頭の良いい方が「上官」で助かります』
(・・・なにが上官だ、お嬢ちゃんの目には俺は売国奴、卑しい裏切り者としか
映っていないくせにな)
思い起せば一週間前、戦う事を放棄した俺の前にあいつらが来てからという
もの、ろくなことがおきやしないな・・・

「大尉、連邦のお偉いさんが大尉に用だそうですよ」
食堂で食事を取ろとしていた俺に、ラチェットが息を切らしながら告げる。
「ラチェット、ここはジオンじゃない、その上捕虜収容所だ。そんな
場所でジオンの階級で呼び合うのは無意味だと教えたろ?」
ラチェットは慌しく顔を左右に振ると、改めて俺の顔をみる。
「僕にとって大尉は大尉です。それに僕らがいなければ大尉は本当に
大尉として」
「やめろ」
そこまで言いかけたラチェットの言葉を短い言葉でさえぎる。
「は、はい。大尉、あそこに立っている二人がそうです。
ラチェットの指先に視線を走らせると、将校らしき男と、
幾つかファイルを抱えた技術畑が出身であろう仕官がこちらを伺っていた。

190通常の名無しさんの3倍:03/08/21 11:39 ID:???
ここの奴らは口先だけかw

さっさと書けよ
191『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/22 01:01 ID:???
『コックピットの中から、追伸…』(4)1/2

 セインとシュルツ、そして、アゲイル、ダスクの4人は教導大隊に編入された僕と同じ
志願兵上がりの同期だった。
周りの隊員が、どこどこの士官学校出だとか、どこどこの血脈だとかで、自分の出自を
自慢する中、僕を含めて、志願兵上がりの5人は非常に肩身の狭い思いをしていた。
教導大隊6000人、そのうち、何の経歴も無く志願して国防軍に入り、適性検査や
それまでの基礎訓練の成果を買われて、大隊に編入されたものは900人。
残り5100人は、士官学校や、あるいは国防軍で既になんらかの経歴を持ち、
ある人は戦闘機乗りだったり、ある人は戦車乗りだったりしたエリート。
兎に角、名の通った戦車乗りも戦闘機乗りも、士官学校出のお坊ちゃんも志願兵
上がりの一般兵卒も皆、教導大隊に編入された途端、それまでの常識を全て覆すような
新兵器の操縦訓練にあてられた。
新兵器、その名をザクと教えられた時には、ブリーフィングルームに集められた者の中からは
失笑すら聞こえたぐらいだ。
それでもなお、その潜在能力を目を輝かせながら我が子のことのように語る技術士官に、
一時期、冷笑と侮蔑の眼差しを向ける者が殆どだったように思う。
しかし、基礎概念講習と操縦系統のシミュレーション、忘れもしない、実物のザクを目の辺りに
した実習などを経て、僕たちはその常識をゆっくりと、しかし、早急に崩していかなくてはいけなかった。
常識では在り得ない、二足歩行の巨大人型兵器は、あらゆる面で僕たちの常識を
塗り替えて、編入数ヵ月後には、誰もが我がジオンの勝利を確信していたのだと思う。
共にジオンの新兵器、いや、全世界の注目を浴びることになるだろうこの画期的なMSという兵器に
乗り込む資格を与えられた、そういった雰囲気が教導大隊に広まり、隊を一つの目的で
結束させるに十分な時間を経て、僕たちは自然と出自や経歴に関わらず、互いに切磋琢磨する
良い緊張感の漂う関係を持つようになっていた。
192『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/22 01:02 ID:???
『コックピットの中から、追伸…』(4)2/2  

僕たち5人が互いの出自に共感を覚え、訓練外の私生活でもつるんで遊ぶようになったのもその頃だ。
セインは、口に出して言うことは無かったものの、ジオン公国では結構名の通った名家の生まれらしく、
戦争に反対する親を背に、半ば家を出奔する形で志願兵となったという。
シュルツは、口数こそ少ないものの、仲間内では最も判断力と情報処理能力に長けて、
皆に一目を置かれていた。もともと、地球出身なんだそうだが、小さい頃、コロニー移住者となり、
ジオニック社の技術者として働く両親に、恩返ししたいと考えて、志願兵になったそうだ。
アゲイルは食いしん坊のうっかり者で、とは言うものの、やはり教導大隊に編入されるだけあって、
射撃の腕は同年代の隊員の中では随一だった。
ダスクは、お調子者で、信頼できる情報もとても信用出来ない様な情報もどこからとも無く
仕入れてきては皆を混乱させる、困った奴だった。
二人ともひどいジオン訛りで喋っていたから詳しくは聞かなかったけれど、恐らく生粋のジオン育ちなんだろう。
アゲイルは、老いた母親と二人の兄と二人の妹に見送られてきたって、一族遺伝なのか、
皆一様に太り気味なアゲイル一家の微笑ましい写真を見せながら語ってくれたことがあった。
ダスカは、そういえば彼の生まれや育ちについて、詳しく聞いたことは無かったような気がする。
時々、お調子者の彼が、ひどく落ち込んでいるのを見かけたりして、そういったことを聞きづらい
雰囲気を漂わせていたのだ。
 僕たち5人は兎に角何をするのでも一緒だった。
整備兵の養成所に可愛い女の子が居るって噂を聞いては、こっそり寄宿舎に忍び込んで
怒られたり、訓練所の裏山で度胸試しをすることになって、僕とセインでこっそり落とし穴を
掘っておいたら、士官学校出のエリートが何故か引っかかって大騒ぎになったり、射撃の成績が
どうも揮わなくって、アゲイルに皆して食券束ねて頼み込んで特訓してもらったり。
悪巧みも訓練も、良い思い出も苦い思い出も、必ずといっていいほど彼らと一緒だったはずだ。
そうして、第一次出陣の通達とその人選の発表が行われる三日前に取った写真。
それが、さっきモニタの枠に貼り付けた写真だった。
そう、あのやけに小さく感じたザクのモニタに。
193通常の名無しさんの3倍:03/08/22 09:29 ID:???
>>191-192
続きキタ―――(゚∀゚)―――!!
今回も楽しませてもらったよ。
MSが製作されてまだ間もない頃の話か。
5人の行く末が気になるな。
194通常の名無しさんの3倍:03/08/22 20:57 ID:???
>>191-192
折れも楽しんでる。読み応えがあるよな。
この調子で、がんがってくだされ。

195ベースボール伝:03/08/22 21:56 ID:???
アムロ・レイが野球部に入って一週間、彼は素人なりにも練習を一生懸命続けていた。
そんなよく晴れた日のこと・・・
「どうしてあんなフライが取れないんだ!!まったく!!」
相変わらず、グランド場にはブライトの怒声が響いていた。彼はいらだっていた。
数日前、ほんの偵察のつもりで見学に行ったジオニックハイスクールで、自分達との圧倒的な
レベルの差を思い知らされてしまったからだ。それから数日というもの、練習メニューは普段の
倍になっている。アムロ・レイはブライトとの勝負での実績から、入部そうそう4番に抜擢された。
今の練習はバッティングマシンを利用した打撃練習がメインになっていた。
「アムロの奴・・スイングのスピードが何度やっても80キロを超えないじゃないか・・・」
アムロは一生懸命に練習をしていた。何度も言うが彼は素人である。ブライトの全力の球をあそこ
まで打てた理由は彼自身もわかっていない。だが打った事実は事実である。野球部の面々は彼に
期待をしていた。アムロ自身もわずかながら、その期待に答える使命感を覚えつつあった。
「アムロ、ちょっとこっちに来い」
素振りの練習をしていたアムロにブライトが手招きした。顔はしかめっ面だ。
「なんですか?ブライトさん」
「アムロ・・・貴様には4番から降りてもらう。当分球拾いのみを命じる」
「・・・な、なんですかいきなり。僕に何かうらみでもあるんですか?」
「貴様の態度を見ていると手を抜いているとしか思えん。事実、俺の球をあんなにジャストミート
できたのはなぜだ?なぜ今できないのだ?やる気のない奴はいらん」
ブライトの言葉にアムロが負けじと応戦する。
「な、何度も言いましたが僕はやりたくてやってるわけじゃないんです。あなたが一方的
すぎるんですよ。僕はこれでも一生懸命やっています!むしろ感謝してほしいくらいだ・・・」
アムロが言葉を終えた瞬間、周りの空気が一瞬にして凍りついた。みんなが見つめる先、
ブライトの平手がアムロの頬を打ち抜いていた。
196ベースボール伝:03/08/22 21:57 ID:???

「な・・・殴ったね・・・」
ひっぱたかれた自分の頬に手を当てながらアムロがそう言った。
「殴って何が悪いか!!貴様はいい!!そうやって言い訳ばかりをして手を抜いてても
自分には何も危害が及ばないのだからな!!」
「僕は言い訳なんかしていない!!あなた達が僕に期待をしすぎてるんです!!そんなに勝ちたい
なら自分達の腕をもっと上げたらどうなんですか!!」
ブライトが、再びアムロの頬を平手打ちした。
「二度もぶった・・・親父にもぶたれたことないのに!!!」
アムロはそう言うとブライトに向かってくるりと向きを変え、自分の荷物の所へと走った。
その場でユニホームから私服に着替え、野球用具もすべてかばんにつめこんでいる。
「僕は必要ないんでしょ?だったらこんなとこにいる必要もない。」
「ア・・・アムロ!!待てよ!!」
懸命に踏みとどめさせようとするハヤトの声に耳を傾けることもなく、アムロはグランドを後にした
途中、見学に来ようとしていたフラウ・ボウとすれちがった。
「あら、アムロ、もう練習終ったの?」
「野球部を辞めたんだよ・・じゃあな・・・」
「ちょ・・・ちょっとアムロ!辞めたってどういうこと!?待ちなさいよ!!」
「止めるなあっ!!」
アムロは走っていった。彼は悔しかった。自分の頑張りを全否定され、認めてくれないブライトを
憎んだ。そして自分のはがゆさに悔しさがどんどんとこみ上げていた。
数日後、部活にも当然いかず、放課後、屋上で昼寝をしていたアムロの元へ、フラウ・ボウ
がやって来た。
「アムロ・・・何やってんのよ。みんなアムロのこと心配してるわ」
「・・心配なんかしてないさ。みんな僕のバッティングに期待してるだけだよ。僕にはそんな才能なんてないってのに」

197ベースボール伝:03/08/22 21:57 ID:???
「アムロ・・・いつまでもみんながあんたの事期待してると思って?」
「うるさいな・・・もう用はすんだろ?早く帰れよ・・・気をつけてな・・・」
「アムロ・・・アムロなんか知らないんだから!!」
怒鳴り声を上げ、フラウは走り去っていった。
「フラウ・ボウなんかよこしやがって・・・ブライトが自分で来ればいいんだよ・・・」
愚痴をこぼしながら目をつぶるアムロ。すると今度はまた違う女性の声がした。
「ちょっといいかしら?アムロ」
「セ・・・セイラ・マスさん・・・」
野球部マネージャー、セイラ・マス。自分を説得しに来たに違いない。アムロはそう思った。
「何しに来たんです?僕を説得しようとしたって無駄ですよ」
「そう・・・確かに説得しに来たわ。でもその前に私の話を聞いてくれなくて?」
「は、話?」
セイラは横たわっているアムロの横に座り、何やら昔話を語り始めた。
「ここの野球部の黄金時代、パオロ監督っていう名監督がここにはいたのよ。ブライトは彼に
憧れてここの野球部に入ったの」
「聞いたことあります。いろいろな野球部をいい成績に導いてるって・・でもその人は・・」
「ええ、2年前に亡くなったわ。ちょうど私達が入部した頃ね。彼は死ぬ間際に病棟で
ブライト達新入部員にこう言ったの。”この野球部を君達の手で昔のような強いチームに”って」
「・・・・・そうですか・・・」
「その新入部員も今ではブライトだけになってしまったわ。彼はどんなことをしてでもパオロ監督
の遺言を達成させて見せようとしている。もっとも最近はそのせいでトラブルもあるけど・・・」
アムロは下を向き、黙り込んだ。ブライトのやり方に納得したことなど一度もない。だが、話を
聞いてみて、彼の目指しているもの、とても純粋な心が見えたような気がした。
「アムロ・・ブライトはああ言ってるけどあなたに本当に期待してるのよ。素人なのに、あんな
才能を持った奴は他にいないって」

198ベースボール伝:03/08/22 21:58 ID:???
「あの勝負ではたまたま打てたんです・・・僕に野球の才能なんてない・・できませんよ・・」
「大丈夫・・・あなたならできるわ・・・」
「・・・・・・・」

翌日・・・
「あ、あれ!?アムロ・・・アムロじゃないか!!」
朝練に来たハヤト達野球部の面々がいち早くグランドに立ち、バッティング練習をしているアムロ
の姿を見つけた。
「遅いぞハヤト。キャッチボールするぞ。早く準備しろよ」
「お・・・おう・・・」
ハヤトが不思議そうな顔をしながらグローブを取り出した。キャッチボールをしているアムロの顔
は、数日前、それをやっていた時の顔とは別人のようにいきいきして見える。
キャッチボール後、スイングスピード測定器の前で自分のバッティングフォームを確かめている
アムロ。すると、少し遅れて朝練にブライトがやって来た。
「ブ・・ブライトさん、おはようございます」
「・・・ア、アムロ!?何でここにいるんだ・・・」
「・・・ブライトさんのやり方を全部認めたわけじゃありません。でも、僕も挑戦してみたく
なったんです。自分にバッティングの才能がもしあるのならそれを生かしていきたいって」
「そ・・・それはいいことだ・・・そ、その・・・こないだは悪かったな・・言い過ぎたよ・・」
ブライトが少し顔を赤めながらアムロに謝罪した。
「僕だって言いすぎてたんです。これからは完璧にやれるとは言えないけれど、やれるところまでやってみようと思います」
ハッキリとした口調でアムロは決意を語った。そして今までとは比べ物にならないほど、キレのいい
スイングをブライトの前でやってみせた。そのスイングのスピードはすでに80キロを超えていた
199ベースボール伝:03/08/22 21:58 ID:???
<サイド7ベースボール伝 第4話 グリーンノアから通う少年>
4月、アムロの通う高校では新入生歓迎のための様々なイベントが開催される。
クラス対抗野球大会もその一つだ。学年の境をなくし、一位を競うこの高校の大イベントの一つである。
だが、アムロ達野球部の面々を出場させると、試合のバランスが崩れてしまうので、毎年審判役に
抜擢されていた。そのため、周りがクラスでの野球の練習を楽しんでいる中、普段どおりの練習を
続けている野球部であった。
「アムロ・・・今の野球部の最大の問題は何だかわかるか?」
「問題ですか・・・人数不足ですか?」
「そうだ。しかも、言いにくいがレベルも低い。みんな、一生懸命やってくれるんだがな」
野球部の人数は10人。ギリギリ試合が出来るだけの人数でしかない。昔はこの倍近くはいたのだが、
ブライトが部長になってからのしごきに耐え切れず、辞めていったものも少なくない。
それぞれ、自分のポジションについているが、野球初心者だった者が多く、レベルの低さが際立っていた。
「一番肝心なのはいい投手がいないことだ。」
「ブライトさんが投げればいいじゃないですか。あんなに速い球を投げられるんだから」
「ストレートだけ速くてもどうにもならん。それに俺は捕手だ。投手をやるわけにはいかん」
「問題は山積みと言う事ですね・・・」

翌日、クラス対抗野球大会が開催された。本来、審判をやらされるはずのアムロだったが、野球経験の
浅さから、審判役を外され、自分のクラスの試合の時以外は暇だった。
「散歩でもしてくるかな・・・」
アムロのクラスは開始そうそう、一回戦で負けてしまった。一日暇になってしまったアムロは
他の試合を見に、歩き始めた。隣のグランドでは一年生同士の試合が行われている。アムロはそれを
見学することにした。片方のクラスの強さが圧倒的で、試合はすぐに終ってしまった。
試合終了後、敗北したほうのチームのピッチャーが、マウンド上で何かを叫んでいた。

200ベースボール伝:03/08/22 21:58 ID:???
「何であんなゴロが取れないんだよ!!」
「い、いや俺野球始めてやったんだよ。そんな簡単にはいかねえよ」
「でも明らかに遊んでいたじゃないか!!だから負けるんだよ!!遊びでやってんじゃないんだよ!」
「・・・いや、こんなの遊びだろ?まったく・・・カミーユにはついていけねえよ・・・」
しばらく言い合いになった後、マウンド上のピッチャーを残したまま、同じクラスの面々は去っていった
悔しがり、グランドに拳を叩きつけるカミーユと呼ばれた男。
「カミーユ!!カミーユ!!カミーユってば!!」
試合を見学していた女の子が回りの連中が去ったのを見計らったようにカミーユに寄っていった。
「その名前、大声で呼ぶなっていっただろ?」
「周りに誰もいないわよ。カミーユ、熱くなりすぎよ。ただでさえ、私達はグリーンノア出身って
ことで、少し変わり者っぽく見られてるんだから」
「人が思うことなんて関係ないだろ?俺のことはほっといてくれよ」
「指をしゃぶる癖やめなさいよ!!」
カミーユは少し顔を赤めながら、その場を走って去っていった。
「なんだろう・・・あの人・・・何か、不思議な感じがする・・・」
アムロはカミーユの後を追うことにした。グリーンノア出身のことなど、興味がわいたからだ。
「何か僕に用ですか?」
後ろからの視線に気づいたカミーユが振り返り、アムロに問いかけた。
「・・僕はアムロ・レイ。君は?」
「カミーユ・ビダン。一年生です。」
「一年生か。僕の一つしたなんだね。君、グリーンノアから通ってるの?」
「さっきの聞いてたんですか?そうですよ、グリーンノア出身だからってあなたも偏見を持つんですか」
「い、いや、何でわざわざ隣のコロニーから通ってるのかなと思っただけだよ」
「理由は簡単ですよ。あそこの高校、ティターンズのいる高校に行きたくなかっただけです」

201おなら:03/08/22 21:58 ID:???
おなら
202ベースボール伝:03/08/22 21:59 ID:???
サイド7にあるいくつかのコロニーの中の一つ、グリーンノア。
かつてはサイド7でもっとも美しいコロニーとして有名であった。
だが、数年前、アースノイドの地球連邦高官が直属で作った高校、ティターンズが出来たことによって
一気に評判が悪くなった。地球連邦の将来を担うための超エリートの人材育成を目標としたこの高校。
そのせいか、ここに入るためには高いハードルを越えなければならない。入学してからもエリート
を育成するためだけの学習が行われる。確かに手っ取り早く使える人間を作るにはこの方法が早い
かもしれない。だが、ティターンズのこのやり方に反発する団体も少なくなかった。
ティターンズに入学して、その高レベルな勉強についてけなかった学生、いわゆる落ちこぼれに
対しての学校内での差別が多発していたからである。カミーユもティターンズのやり方に反発する
人間の一人だった。今は故郷であるグリーンノアから高い運賃を払ってコロニー間連絡船で
アムロの高校まで通っているという。
「僕の中学時代の友達もティターンズに入学しました。奴らができたせいで、元々あった高校が
吸収合併されてしまったからです。でもティターンズも最初は入学生募集のための宣伝活動を
行っていました。いかにいい高校かということをアピールするために。僕のその友達もそれに騙されて
しまった一人です。彼は入学してから、その雰囲気についていけず、落ちこぼれの烙印を押されました
今では学校に行くのがつらくてたまらないそうです」
カミーユが神妙な表情でアムロに語った。
「そうなんだ・・・ティターンズって奴はうわさにはいい高校だって聞いてたけど」
「それが奴らのやり方ですよ。いかに自分達の正当性を世間に見せ付けるか、それが一番大事なんです
だから落ちこぼれに対しての仕打ちは激しい。教師も一緒になってるらしいですし」
「そうか・・・そういえば、カミーユ君は野球をやってたの?」
「ええ、小さい頃から一通りのスポーツはやりました。男らしくね。」
「・・・野球部に・・・入ってみない?」
「野球部?この高校に野球部なんてあるんですか?」
203ベースボール伝:03/08/22 21:59 ID:???
あるよ・・・でも、今人数が不足しているんだ。特にピッチャー・・・・がね」
「そうですか・・・という事は大会でティターンズとも当たるかもしれませんね」
「きっと当たるよ。見返してやれるかもしれないよ・・・」
「・・・・・」

翌日、練習中の野球部も元へとカミーユがやって来た。グローブと帽子だけは持参している。
「カミーユ君、よく来てくれたね。ブライトさん、彼がさっき話したカミーユ君です」
「ほう・・ピッチャー志望らしいな。じゃあどれくらいの球を投げられるか試してみようか」
少し、バカにされた感じがしたのか、ムッとした表情を見せながら、カミーユがマウンドへと
上がっていった。バッターはハヤトである。ブライトは自分が出るほどではないだろうと思っていた。
「カミーユ・ビダン、行きます」
振りかぶって第1球。柔らかいフォームと共にボールが投げられた。
(ストレート・・・ど真ん中だ・・・打てる!!!)
ハヤトが先読みし、ボールに向けてフルスイングした。だが、ボールは大きな放物線を描いて、
ハヤトのバットに触れることなく、キャッチャーミットに収まった。
「な・・・。なんてキレのいいカーブだ・・・あんなのは始めてみた・・・」
ブライトが驚きの表情を見せる。アムロは少し笑いながら、ブライトの表情を見ていた。
その後、フォーク、シンカーと切れのいい変化球を見せ、終ってみればハヤトは一球もボールに
バットを当てることなく、三球三振に倒れた。
「三球三振・・・」
カミーユがグランドから降りてくる。アムロがねぎらいの言葉をかけた。
「お疲れ、カミーユ君」
「いえ、昔はもっとキレがあったんですが・・・」
「カミーユとか言ったな・・・よし、入部を認める。貴様にはうちのエースピッチャーとして
大会に向けて練習に励むことを命ずる」
「・・・なんか軍隊みたいですねあなたは。そんなに期待されてもやれるかどうかなんて誰にもわかりませんよ」
そう一言、言って、カミーユはブライトの下を離れ、マウンドに上がり、投球練習を始めた。
「まったく・・アムロみたいな奴が来たな・・・まあ実力は本物だ・・・期待できる・・」
ブライトが少し笑みを見せながら、カミーユのパートナーとして、球を受け始めた。<つづく>
<つづく>
204サイド10:03/08/22 22:00 ID:???
連続投稿スマソ
205山岡狂士郎 ◆YM46ox7VlU :03/08/22 22:05 ID:/DNeIEqP
SSってなんのり略?^^サイドストーリー?^^
206通常の名無しさんの3倍:03/08/22 22:10 ID:???
>>195-203
正直、「何だよコレ!ガンダムSSなのにMS出てこねーじゃん!糞だ!」って思ってた。読むまでは。

でも読んでみたら凄く面白い。マジで面白いよコレ!読んでく内にだんだん夢中になっていった。
これからは応援するよ。続き期待してるぞ。ガンガレ!
207山岡狂士郎 ◆YM46ox7VlU :03/08/22 22:14 ID:/DNeIEqP
普通に面白くないと思うよ^^ボクが書いた方がイケてるよ^^
208通常の名無しさんの3倍:03/08/22 22:20 ID:???
今夜も良作が投稿されたな。
このスレも大分 良スレになってきたな。
209通常の名無しさんの3倍:03/08/22 22:22 ID:???
>>204
とてもいいと思う。まだ続けてくれるんでしょ?
210通常の名無しさんの3倍:03/08/22 22:24 ID:???
俺も投稿してみたいけど、文才無いから無理ぽ。
職人が羨ますぃ・・・。
211通常の名無しさんの3倍:03/08/23 01:44 ID:???
まずは、書け。
書きたいと思ったときに書いて、一本仕上げろ。
そうだな、普通になにか賞に応募できる要件をみたした作品一本だ。
それができて、ようやく自分に文才があるかないかが分かる。
文才が無いから、と諦めていては、本当にそれがあるかどうかは、わからないよ。
212通常の名無しさんの3倍:03/08/23 06:56 ID:???
戦場から一言@今日は出撃
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1060957177/

ここも結構良いのがある。前スレ合わせて読むと更に良い
213ベースボール伝:03/08/23 11:10 ID:???
<第5話 少女が見た強肩 >
野球部に入部したカミーユ・ビダンはその才能を発揮していた。
彼の球を打てる人間は、ブライト、そして不思議な能力が発揮した際のアムロぐらいだった。
だが、同じにそれは野球部の打撃力のなさを露呈することになっていた。
長打を打たれても、それを処理できる人間がいない。これでは試合にならない。
ジオニックハイスクールとの練習試合の日は迫っていた。
「僕が打たれても誰もフライを取ってくれないじゃないですか?」
カミーユがマウンド上で愚痴をこぼす。
「し、仕方ないよカミーユ君。でも、ブライトさんにはあんまり言わないほうがいいよ」
今にもキレそうなカミーユをアムロがなだめた。ふと、外野の方を見てみると、ポジションについて
いる外野手の後ろに、何やらはなしこんでいる男女の姿があった。

「ヒイロ・・・あなたのことが学校中の噂になってるわよ。入学早々、授業をさぼってどっかに消えちゃったり・・・あなたはなぜこの学校に来たの?」
「・・・・・」
「生徒会長として聞くわ。あなたは何のためにこの学校へ・・・」
「気にするなリリーナ・・・人の噂なんて安いものだ。特に俺の・・・」
隣で野球部が練習しているにもかかわらず、話を続ける2人。すると、ブライトの打ったボールが
2人のすぐ近くまで飛んで言った。
「外野手!!まったく何やってんだ!!おーい、そこの人!ボール取ってくれませんか?」
カミーユが叫んだ。少年は転がってきたボールを手にとり、それを見つめ始めた。
「・・・・・・」
「お、おーい、ボール・・・」
カミーユが、再び彼に催促をしようとした瞬間、短い助走と共に、彼がボールを投げた。
そのボールはまっすぐ、まるでレーザーのようにキャッチャーミットへと収まった。
「・・・す・・すごい・・・すごい肩だ・・・」
214ベースボール伝:03/08/23 11:10 ID:???
「あ・・・ありがとう・・・」
少年は、カミーユのお礼も聞かず、すぐにその場を去って行った。一緒にいた少女も後を追う。
「あ、あの子は・・・1年生で生徒会長の・・・リリーナ・ドーリアンさん!?」
サイド7の外務次官の娘らしい。その美貌と人望によって、1年生で生徒会長に抜擢、
一躍有名になった人物であった。噂によると、同じく1年生になにやら親密な仲の男がいるらしいが
真相は定かではない。
「そ・・・それにしても、今の強肩・・・あれはすごいぞ・・・」
ブライトがモノ欲しそうな顔をしながら、そうつぶやいた。
翌日、アムロは強肩の少年を探しに、一年生の校舎へとやってきた。だが、顔もろくにわからない
状態で消息がつかめるはずもない。とりあえず、聞き込みをしようと、うろうろすることにした。

「よう、ヒイロ・・・おめえ、リリーナちゃんと仲いいんだってな?なんか生意気だよなおめえ」
「・・・・・」
「そうやって黙っちゃってよ・・・クールな男を演じてるつもりか、え?」
「・・・・・」
「黙ってんじゃねえよ!このチビ!!」
「・・・・・お前を・・・殺す・・・」
「ひ・・・・ひいいいいっ!!」
聞き込みを開始したものの、なんの手がかりもつかめないアムロ。その時、体育館の裏から
何か悲鳴のような音が聞こえた。
「なんだろう・・・」
走って体育館裏へと向かうアムロ。そこでは1年生の少年が2年生の大男の胸ぐらをつかみ、今にも
殴りかかろうとしていた。
「や・・・やめるんだー!!!」

215ベースボール伝:03/08/23 11:10 ID:???

アムロの制止も聞かず、殴りかかろうとする少年。
「ヒイロ!!」
「リ・・・リリーナ・・・」
アムロが振り向いた先には、リリーナ・ドーリアンの姿があった。ヒイロと呼ばれた少年は、その手を
収め、足早に去っていった。
「私はリリーナ・ドーリアン、あなたは?」
「アムロ・レイです。今の少年はいったい・・・」
「ヒイロ・ユイ・・・1年生です。入学そうそう、問題児として教師から見られていますわ」
「昨日、野球部のグランドで君と話ていたのは彼かい?」
「野球部の・・?ええ、そうです」
「あの強肩は僕達野球部に必要なんだ。リリーナさんのほうから彼を野球部に入るように説得を・・」
「野球部ですか・・・おそらく無理でしょう・・・彼にはこの学校に来た、何か他の目的があるようですし・・・」
「他の目的・・・?そ、それはいったい・・・」

216ベースボール伝:03/08/23 11:11 ID:???
<第6話 仮面をかぶった理事長>
突如現れた強肩の少年、ヒイロ・ユイ。生徒会長で、ヒイロの唯一の理解者、リリーナ・ドーリアン
の話によると、ヒイロは何か重大な使命を負ってこの高校に入学してきたらしい。
だが、その使命がなんにせよ、彼の強肩は、守備力不足の野球部にとって必要不可欠なものだった。
リリーナと別れたアムロは、部活に行くことにした。明日もヒイロを探すことになりそうだ。

「セシリー、今日は一緒に帰れるか?」
「ごめんなさい、シーブック。今日は、部活でパンを焼かなければならないの。シーブックも来る?」
「セシリーのパンはうまいからな。よし、俺も行くよ」
「待ちなさい!ベラ!」
「・・・なんですか?お父様。・・それに、その名前で呼ぶのは辞めていただきたいのですが・・」
「ふっふっふ、私はお前の父だぞ。どんな名前で呼んでも構わないだろう。ベラ、お前はまだ調理部などというくだらない部活に入っているのか?いいかげん辞めるんだ」
「お父様には関係ありませんわ」
「それにこんな男と仲良くしおって・・・」
「シーブック、行きましょう!」
「・・・ベラよ・・・調理部などというくだらない部は、金の無駄なのだよ・・・」

翌日の放課後、アムロはヒイロを探すために、部活を休むことにした。この日は、ブライトも一緒だ。
なんとしてもあの強肩を手に入れなくてはならない。ブライトの決意は固かった。
途中、この学校の理事長と出会った。仮面をかぶった理事長、カロッゾ・ロナ。
アムロのコロニーの人間は、誰でも知っている男だ。数年前、妻との離婚後、不気味な仮面を
かぶって学校に来るようになった。それでも学校側が何も言わないのは、カロッゾが、多額の運営資金
を学校側に支払っているからだ。この学校はカロッゾのおかげでなりたっていると言っても過言ではない。
「アムロ・・・不気味な男だな・・・何か、不審な匂いがするよ、あの理事長からは・・・」
ブライトが、カロッゾを見ながらそう言った。ふと見ると、後ろから、カロッゾをつけている小さな人影が見える。

217ベースボール伝:03/08/23 11:11 ID:???
「・・・ブ、ブライトさん、彼ですよ!例の、ヒイロ君ですよ」
カロッゾの後をつける少年、それはヒイロだった。明らかに尾行である。それも、カロッゾにまったく
気づかれずに、後についていっている。これが、彼がこの学校に来た目的なのか。
アムロ達は、2人の後をつけた。まっすぐ、理事長室へと向かっている。

調理部・・・
「なんですって!?調理部が廃部に・・・!!」
「ええ、今、理事長が来て、いきなりこの部は今日で廃部にするって・・・」
「理事長・・・カロッゾ・・・ロナ・・・お父様が・・・」
「セシリー、こんなのはおかしいよ。カロッゾに真相を聞きに行こう」
「ええ、そうねシーブック」
セシリー・フェアチャイルドとシーブック・アノー。セシリーは、カロッゾの実の娘である。
彼の離婚後、セシリーは、親戚の家に預けられた。シーブックはセシリーの恋人である。
カロッゾは、それをよく思っていない。2人は、事の真相を確かめるべく、理事長室へと向かった。
その頃、理事長室へと入っていったカロッゾを見届けたヒイロ、アムロ、ブライトの3人が部屋の近く
で状況を見守っていた。もちろん、ヒイロとアムロ達は別である。ヒイロは、理事長室のドアのすぐ
近くで耳をすましている。中の音を聞いているようだ。アムロ達の存在は、気づかれていない。
「ああ、わかっている・・野球部・・・あの部は今週中にも潰す予定だ・・・あんたの言うとおりにな」
理事長室から、カロッゾの声が聞こえる。ヒイロがそれを聞いて、より、耳をすましはじめた。
かすかだが、アムロ達にも、理事長の声が聞こえる。
「確実に潰すよ。だが、わかってるんだろうな?その見返りは、きちんと払ってもらうぞ」
「ブライトさん・・・いったい何をしているんでしょうね・・?」
「・・さ・・・さ・・・さあ・・・ハックション!!!」
「・・・・・っ!!!!!」
アムロが問いかけた瞬間、ブライトがくしゃみをした。どうやら我慢の限界だったらしい。大きな音が
あたりに鳴り響いた。

218ベースボール伝:03/08/23 11:12 ID:???

「・・・!!誰だ!!誰かそこにいるのか!!!」
くしゃみを聞いたカロッゾが、理事長室からものすごい勢いで出てきた。反応の遅れたヒイロは理事長
に見つかってしまった。
「・・・貴様か・・・今の電話を聞いていたのか?」
「・・・・・」
「答えろ!!貴様が教育委員会のスパイであることはわかっているんだぞ!!」
「・・・・・今の電話の相手はだれだ?」
「ふ・・・そんなことは言えんな・・・」
「そうか・・・今の会話は録音させてもらった・・委員会に提出させてもらうぞ・・・」
「・・・ふふふ・・・いいのかなそんなことをしても・・・」
「・・・・・!?」
「そう・・・私は野球部。いや、この学校のすべての金にならない部活を潰す予定だ。野球部は人数も少ないし、成績も悪い。これ以上金を出すわけにはいかんからな」
ヒイロとカロッゾの会話は、当然アムロ達の耳にも入っていた。アムロの横でブライトの顔の血管が浮き出ている
「ブライトさん、落ち着いてください・・・!!」
「あの理事長め・・・そんなことを考えていやがったのか・・・!!」

「教育委員会はその事を察知していたようだな。不当に部活を潰す。違法だからな」
「そうだ・・・だから、貴様はもう終わりだ」
「そうかな?貴様・・・私に見つかったのが運のつきだったな。未成年をまともに学校にも行かせずにスパイをやらせている。教育委員会がこんなことをしていいのかな?」
「・・・・・」
「貴様が委員会に報告するなら、私も委員会を告発しよう。どっちも終わりだ。だが貴様は助かっても委員会は終わりだぞ。それでもいいのか?」
「・・・・・」
219ベースボール:03/08/23 11:24 ID:???
ヒイロは悩んだ。正体はばれていないはずだった。いや、ばれたらその時点で任務は終了だ。
自分の雇い主である、教育委員会に被害が及ぶわけにはいかない。
と、その時、セシリーとシーブックが現れた。
「お父様、どういうことですか?不当に部活を潰す、いくら金のためとはいえ・・・」
「ベラよ・・・お前にはわからんのだよ。経営者の苦労がな・・・」
「そんなもの!わかってたまるかよ!!俺は野球部に入ろうとしていたんだ!潰させるものか!!」
シーブックが叫んだ。それに呼応するようにブライトも立ち上がる。
「カロッゾ理事長・・・あなたの好きにはさせません。野球部は絶対に潰させませんよ・・・」
「貴様は野球部の・・・ふふふ、そうだな。ではこうしようか。来月のジオニックハイスクールとの練習試合に勝てたら、野球部は存続させてやろう・・・どうだ?」
「・・・・・そんなことでよろしいのですか?我々は、負ける気などまったくありませんよ」
「ふふふ、勝てたらの話だよ。貴様らとジオニックとの戦力差は、素人の私から見ても明白だ。それでも勝てると?」
「・・・・・く・・・」
「やってみなければわかりませんよ」
話を聞いていたアムロが口を開いた。
「勝負は最後までやってみなければわかりません。それに、あなたの、大人の勝手な理由で、野球部を潰させたりはさせません!」
「ふふふ、いいだろう。まあせいぜい練習に励むんだな。君達の健闘を期待しているよ。こっちとしても強い部活には金を出してもいいんだからな・・」
カロッゾは笑いながら去っていった。アムロ達は、その不気味な笑い声の主をそろってにらみつけた。
「アムロ、はやくグランドに行くぞ。こんなとこでのんびりしている暇はない!」
「ええ、そうですね」
2人は、駆け足でグランドへと向かった。
「・・・シーブック、鉄仮面の野望をこのままにしておくわけにはいかないわ・・・」
「ああ、俺もあの2人の手助けをしてやろうかな・・・セシリー、君も来てくれるかい?」
「ええ、もちろんよ、シーブック」
セシリー達もアムロ達の後を追ってグランドへと向かった。一人、ヒイロがたたずんでいる。
220ベースボール伝:03/08/23 11:25 ID:???
「・・・・・・・」
「ヒイロ・・・」
「リ、リリーナ・・・」
「あなたには、野球部存続のために、精一杯努力することを命じます」
「・・・・・・」
「そう言ってもらいたいんでしょ?本当は」
「・・・・・・・・了解した・・・・・」


グランドでは、シーブックが、ブライトに、入部の手続きを行ってもらっていた。
「ポジションはレフト志望か・・・野球経験はそれなりにあるようだな・・・」
「ええ、鉄仮面の野望を阻止するため、俺も手を貸しますよ!!」
「それはたのもしいな・・・ん?」
「ヒ・・・ヒイロ君・・・」
アムロ達が見つめる先、ヒイロ・ユイがゆっくりと歩いてきた。
「・・・確認する・・・この野球部は、ジオニックハイスクールに絶対に勝つつもりで練習しているんだな?」
「・・・な、何?」
「・・・絶対に勝つつもりなんだな・・・・!?」
「ああ、そのつもりだ。もとよりこれから先、絶対に負けるつもりなどない!!」
「・・・・・了解した・・・」
ブライトの言葉を聞いたヒイロが、センターの方向へと向かった。すれちがいざま、アムロに少し
目を会わせ、うなずいた。ノックの練習中だったアムロは、ヒイロのいるセンターに向かって
ボールを打った。ヒイロはその打球を、素手のままキャッチし、助走をつけ、キャッチャーのブライトに
向かって投げた。ボールは、バウンドもせずにブライトのキャッチャーミットへと収まった。
ヒイロは、校舎の窓から練習風景を見ているリリーナに対して、少し、微笑んだ。<つづく>
<つづく>

221通常の名無しさんの3倍:03/08/23 11:42 ID:???
セリフが続く部分が気になる。
情景描写というか、喋るときのキャラクターの様子や
聞いて応える側の様子を描くともっと良くなると思われ。
222サイド10:03/08/23 11:53 ID:???
>>221
ええ、わかっております。
今投稿している奴は、数ヶ月前に書いたものでして。
なにぶん、SS書き始めた初期の頃なので文が荒くなってます。
書きダメしておいたやつが終ったら新しくつづき書くので
その時は改善してるかと思いますよ。俺も他でちょっと書いたりして
少しはうまくなったかと思うし。指摘どうもありがとう。
223『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/23 21:54 ID:???
『コックピットの中から、追伸…』(5)1/2
(4)の間違い、ダスクという人名が一部、ダスカになっていました。
すみません。では続き。書いては一番最初から推敲しなおし、の繰り返しなので
小出しでは在りますが、なるべく途切れなく投稿していきますので。

ジジッ「…キーツ、キーツ!ザザッ…返事をしろ!シュルツだ、返事を!」
やけに雑音交じりの通信に、僕は我に返った。数分か、或いは、数秒なのか、
僕は気を失っていたのだろう。
僕の両腕は操縦桿から離れていて、ザクは奇跡的に静止していた。
「ああ、キーツだ、大丈夫だ」まずは僚機に無事であることを伝える。
取りあえずは機体のチェックをしなければ、そう考えた僕の背中に嫌な汗が伝う。
「モニターが…」僕は言葉を失った。
先ほどのメガ粒子砲は、恐らく僕のザクの頭部を破壊したのだろう。
サブも生きていないこと、通信回線の雑音といい、それらの機器が集中した頭部が
ごっそり持っていかれたか、或いは、全壊に近い形でやられたか、そのどちらかなのは
明白だった。
どちらにせよ、殆どの情報がミノフスキー粒子散布下のレーダー頼りでは、まともな戦闘は
不可能だ。
「シュルツだ、セインの奴は無事だが、足を持っていかれた」
セインの無事に胸を撫で下ろすと、この時点で僕はとある結論に達していた。
「シュルツ、セインはどうしている?」
「気を失っているようだ、いまは俺の方で、機体を保護している」
「じゃあ、全速でこの宙域を離脱し、母艦まで戻るしか無いな」
「了解だ」
224『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/23 21:56 ID:???
『コックピットの中から、追伸…』(5)2/2

「シュルツ、敵艦は?」
「弾幕を張ってこちらを牽制している、健在だ」
「そうか、主砲は未だ生きているのか?」
「たぶん。だが、慎重に行けば、メガ粒子砲には当たらずに撤退できるだろう」
「シュルツ、行けるか?」
「ああ、お前が生き残っている。なら、俺たちにはまだ悪運が尽きていない証拠だ」
シュルツが努めて冷静な口調で言うところを見ると、こちらのモニタがやられたことまで
気づいていないらしい。
なおさら好都合だった。
「言えてる。シュルツ、母艦で会おう!」
それだけ言って回線を閉じると、攻撃を受ける直前の隊の編隊と敵母艦の位置、
それにシュルツとセインが今居るだろうと思われる位置を頭の中に描く。
多分、僕は敵母艦の底面側、セインとシュルツは敵側面か、上部側にいる。
そうなれば、僚機を引っ張りながら離脱するシュルツ機は格好の的になってしまうはずだ。
「だったら!」
僕はコックピットの中でひとりごちる。
モニタがいかれたことに気付いた時点で、戦場から帰れないと覚悟したが、
仲間を助けて死ぬのなら、或いは本望かもしれない。
先ほど達した結論は、意外なほどあっさりとこの決意に結びついた。
僕は、もう一度敵戦艦の位置を想像する。
もし、突っ込んでみてそこに何も居なかったら?
もし、敵艦の底部に頭から突っ込むようなことになったら?
敵艦が既に位置を変えていて、突っ込んだ先に丁度主砲の砲頭があったりしたら?
考えれば考えるほど恐ろしい結末が浮かぶ。
ここに来ても、やはり、死ぬのが怖い自分が居ることに気付いて、砂嵐を映すだけの
モニタの前で自嘲した。
死ぬのは怖いことなんだ、僕は当たり前のことに怯えていただけだ。
「なら、帰還してやるさ!」
ようやくと決断が下った。それは、僕に、前に進む力を与えてくれる。
僕は慎重に、その操縦桿に手を伸ばす。
戦艦を最も効率よく落とす手段はブリッジを叩き壊すことだ。
僕は何も言わず、ただ操作を行った。
何かを叫べば、或いは気が楽になったかもしれないけれど、それではなんだか生きて
帰れないことを悟った特攻機のパイロットの断末魔のように思えたからだ。
225通常の名無しさんの3倍:03/08/25 00:37 ID:???
俺も何か書きたいが平成モノでもいいの?
Gとか。
226通常の名無しさんの3倍:03/08/25 01:25 ID:???
種だと板違いっていわれるだろうけど
それ以外なら良いと思いますよ。
227通常の名無しさんの3倍:03/08/25 01:40 ID:???
>>225
ぜひ書いてくれ!!
228名無しさん@お腹いっぱい。:03/08/25 05:14 ID:???
お、Gガンは見たことないな。ぜひ読んでみたい。
229通常の名無しさんの3倍:03/08/25 07:30 ID:???
>>225
いいな、G。
同じくGガンSSの構想あるんだが(機動武闘外伝N〔ネーデル〕ガンダム)なかなか書けん。
230通常の名無しさんの3倍:03/08/25 07:32 ID:h7hA333p
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231通常の名無しさんの3倍:03/08/25 21:04 ID:???
だれかXのノベライズ書いてくれw
232『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/26 01:01 ID:???
『コックピットの中から、追伸…』(6)

 そこに、人が居ることを感じ取っていたように思う。
上手くは表現できないが、僕を中心としてあらゆる方向に広がる空間に、ああ、確かにそこに
人が居る、そう感じたように思えたから、僕はザクを動かせたんだ。
あの、何も見えない、本当の孤独の中で。
そうして、今また、僕は何も見えない暗闇の中で人の気配を感じていた。
それは先ほどの感覚とはまた少し違う、例えて言うなら呼吸とか、音とか、そういった物理的な干渉を
経て僕の感覚器に届くものだ。
「ん…」
僕は何時の間にか、医務室に寝かされていた。
「気付いたか?」ああ、この女医には見覚えがある。僕たちの母艦紅一点の、ヘレネ軍医だ。
「っつ」少しばかり頭が痛むものの、上半身を起こしてみる。
「戻ってこれたんですか?」思わず間抜けな問いだと自分でも思ってしまう。
顔の見知った軍医が居るということは、ここは僕の母艦なのだろう。
「君の言う、戻ってこれた、ってのが、この世に、なのか、はたまた、この場所に、なのかは知らないが、
 ひとまずはおかえり、だな」
ヘレネ軍医は、手元に持っていたボードにタッチペンで幾つかの項目をチェックした後、僕の瞳孔や
心音などを一通り検査して、また幾つかの項目を書き足している。
「ふむ、まあ、問題ないだろう、あっちの方も、まだ目は覚めないが、じき気付くだろう」
そう言ってしゃくり上げた顎の先には、セインが横たわっていた。
良かった。心の底からそう思った。「立てるか?」
ほっと胸を撫で下ろす、とでもいうのだろうか、僕が深呼吸をし、深く息を吐き出すと女医が言った。
「ま、体や脳波に異常は無いから、もう一人の仲間の元に行ってやりな」
「え?」正直嫌な予感がした。シュルツは?その台詞が口から出かけた刹那、医務室のドアが開く。
「キーツ、無事で何よりだ」
果たして、そこにシュルツは居た。
「感謝しろよ、こいつ、二人を運んできたときはそれはもう真っ青な顔でな」
「ヘレネさん!」珍しくシュルツが大声を出したかと思うと、その顔は真っ赤になっていた。
僕はヘレネさんほど声には出さなかったけれど、なんだか楽しくて少し笑ってしまっていた。
「ま、笑うだけの元気があるなら、さっさと出ていきな」
ヘレネ女医は病人じゃなきゃ長居はするな、と言わんばかりにボードを弄くりながら手を振った。
出よう、そう合図したシュルツに、僕は大人しくその後を追う。
医務室を出て、開けられていた軍服のボタンを掛け直した僕は、まず、シュルツに謝るべきだと思った。
「ごめ!」すっ、とシュルツの手の平が僕の目の前で止まる。
「良いんだ、あの時お前が戦艦を落としてくれていなかったら皆、危なかった」
「ありがとう」これ以上の言葉は思いつかなかった。取りあえず、僕たちは生きている。
この戦いで死んだ者生き残った者、その明暗は今、僕やシュルツ、セインを通してはっきりとしていた。
僕は、誰かに感謝の言葉を言うことが出来たんだ。あの連邦のパイロットに言えなかった感謝を。
気がつくとシュルツが歩き出している。その後を慌てて追う僕。
「ところで、さ。僕を助けてくれたのは、シュルツなのか?」
素朴な疑問だった。しかし、命の恩人がシュルツだったとして、それでは符合が一致しない。
シュルツの話し振りからするに僕は敵戦艦を落とすことには成功したみたいだが、その前後の記憶が全く無い。
いや、混乱しているだけかもしれないが、この艦まで撤退して、医務室に運ばれてくるまでの記憶は
少なくとも無いと思うのだ。
「その答えは、いま向っているところにある」シュルツが殊更声を押し殺して言った。
そういえば、シュルツの様子が何時もに増して、緊張しているように見える。
「…今向っているところって?」しばしの沈黙。
「そこだ」シュルツが指差した先にはブリーフィングルームの扉。
「インカーツ大佐が、君に出頭を、とのことだ」
インカーツ大佐が?今日二度目の嫌な予感は、今度こそ当たりそうだった。
233通常の名無しさんの3倍:03/08/27 17:31 ID:???
『コク伸』作者 はまるでスレッドストッパー…
234通常の名無しさんの3倍:03/08/27 20:35 ID:???
自作自演でもいいから感想書けよ。
さびれる一方だっつうに。

すまん、俺は読まねぇ
235通常の名無しさんの3倍:03/08/27 21:09 ID:???
台詞等で行を別ける時は、切るところを考えて
なるべく同じ長さになるようにしたほうがイイと思う。
原稿用紙にそろえて書くとまた感じが違うんだろうな。
あと句点多いな…
236通常の名無しさんの3倍:03/08/27 22:09 ID:???
>>235みたいに文中の問題点を指摘してくれる人って貴重だよな。
お前は良い香具師だな。
237『コク伸』作者 ◆yITSNv0Kls :03/08/28 01:34 ID:???
句点の付け方にはいつも悩みます。
ご指摘ありがとう。
238プルスキー:03/08/28 03:13 ID:???
あのー、私も殴り書き投稿してよろしいでしょうか?
239通常の名無しさんの3倍:03/08/28 03:13 ID:???
でも、トミーノ小説読んじゃうと自然に句点が多くならない?(w
俺ずいぶん影響されちゃったみたいで、文章書いてて気がついたら
けっこうな数の句点打っちゃってるよ。
240通常の名無しさんの3倍:03/08/28 09:32 ID:???
>>239
富野小説は小説としては駄作(というか文才が無い)類だから
他の小説読むなりしないとまずいと思う
241通常の名無しさんの3倍:03/08/28 09:33 ID:???
文の指導なんざ創作文芸でしてもらやぁいい。
内容に触れてやれよ
242通常の名無しさんの3倍:03/08/28 14:43 ID:???
クソスレをぉおぉぉぉぉぉぉっぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお









                         晒す!!
243プルスキー:03/08/28 17:06 ID:???
自由に書いてくださいって書いてあるので、書きます。


『 機動兵士GM 』

 オフクロとサイド7に移住してきたのは、ルゥム戦役が始まる直前だった。
サイド7の1バンチ、後のグリーンノア1に、最初に足を踏み入れたのは1月11日の事だ。
それから、1月15日にはルゥム戦役が開戦。サイド5は壊滅状態に陥った。
その前後あたり、当時TVできな臭い話ばかりが報道されてて、1月3日には戦争が始まったから
その開戦直前にサイド5からサイド7に住民票を移動させたのは自分的には大正解だったと思う。
 オフクロはサイド5を最初は離れたがらなかったが、一生懸命説得して、首を縦に振らせた。
その判断が…、つまり『建設中だったサイド7、連邦軍勢力下の一番強いサイドに移動』 した事が、
結果的に彼女の寿命を長めた事になる。
 サイド5でコロニー公社の仕事をしていて、コロニー補修の為の宇宙作業ロボットでの仕事中に
事故にあって帰らない人になったオヤジに比べれば、オフクロは随分長生きできたハズだ。
今となっては、それは比較論でしかないが…。
ともかく、ルゥム戦役で人が死にすぎた。 
オフクロの寿命だってそんなに長い方じゃなかったけれど、
アホみたいに死人を出したブリティッシュ作戦やルゥム戦役から考えると、
宇宙世紀の人間にしては贅沢な生涯だったと思う。
 俺の名前はキーク・ハリス、当時はただの16歳の少年だった。
俺は子供の頃からオヤジに連れられてコロニー公社の仕事を手伝っていた。
だから、宇宙作業用ロボットの操縦とか、宇宙酔いとかに子供の頃から耐性が出来ていたんだ。
オヤジは手に職をつけていると、コロニーの仕事ではくいっぱぐれないって考えで、
子供の頃から宇宙で生きる事、宇宙で作業をする事に慣れさせていたんだと思う。
だから違うサイドに来ても働ける自信はあった。 
もう宇宙作業ロボットの操縦免許も持っていたし、建設中のサイドだっていうんなら仕事が無いはずはない。
オフクロと2人くらいなら、けっこう生きていく事ぐらいは簡単だと思っていた。
だけど、サイド7に移動して2週間で考え方を変えなければならなくなった。
『1年戦争』(ア・イヤー・ウォー) 
後にそう呼ばれるこの戦争は、しょっぱなの2ヶ月でとんでもない数の死傷者を生んだ。
そして1月31日の『南極条約』の調印を前に…、まぁつまり、予定通りの調印さえ行われていれば
事実上のジオン軍の勝利宣言の調印だったものに、待ったをかけた人が居た。
地球連邦軍総司令官レビル将軍。
ルゥム戦役で捕虜となって居た身から上手く逃げ出して南極条約の式典に割り込み放送を敢行。
『ジオンに兵無しっ!』
あの有名な言葉によって、連邦軍の態度が急変した。
結局、南極条約は使用兵器の禁止事項や捕虜などの戦争行為の問題だけに留まり、戦争は再開という事になった。
そして俺は2月1日にサイド7の新しい自宅で、徴兵礼状を受け取る事に成る。
244通常の名無しさんの3倍:03/08/28 22:17 ID:???
なかなか期待できそうな予感!続ききぼん!
245通常の名無しさんの3倍:03/08/28 23:22 ID:???
>>『ジオンに兵無しっ!』
って言うやたら可愛いレビルたんを思い浮かべてしまった。
続きをキボン。
246機動兵士GM:プルスキー:03/08/29 04:36 ID:???

何が不幸なのか、何が幸いなのかはよく分からない。
サイド7で仕事を探す事から始めなければ成らない俺にしてみれば
仕事が向こうから転がり込んできたわけで、
それは生活的には良い事だったんだろう。
だが、戦争だ。
要するに、人を殺したり自分が殺されたりという恐怖か危険を伴う仕事であって
その手当てとして給料を貰う事に成るわけだから、やはり胸中は複雑だった。
生き死には誰だって怖いに決まっている。
出来れば、徴兵礼状なんて貰いたくは無かった。
でも、ルゥム戦役で俺の故郷のコロニーがボロボロにされた事を思うと
何時またこの新しいコロニーにジオンが進駐してくるか分からない。
ジオン軍はスペースノイドの解放を歌って兵を挙げたわけだが、
ブリティッシュ作戦やルゥム戦役を見れば、
それがスペースノイドの解放とは程遠いものだという事は俺にだって理解できた。
『戦わなければ殺される』
そんな教育軍曹の言葉は、白々しい言葉にも思えたが真理にも思えた。
ともかく、俺は無理やりではあるが連邦宇宙軍に入る事に成った。
それからの2ヶ月はとにかく詰め込み教育だった。
俺は宇宙ロボット操縦のライセンスを持っていたから、
適性検査でパイロット候補に入れられた。
いや、持っていなくてもガンガン人が入れられた。
何故なら、ルゥム戦役で馬鹿みたいに連邦宇宙軍のパイロットが殺されたからだ。
その前のブリティッシュ作戦でもそうだ。
圧倒的にパイロット数が不足し始めた。
そんな急場のせわしない状態だったから、普通の訓練期間が1〜2年だというのに
カリキュラムを絞って絞って、絞りつくして
2ヶ月で前線に送るという無茶苦茶な訓練プランが立てられた。
俺達、第3期サイド7のパイロット候補生にとっちゃ
それはいい迷惑だった。覚える事は次から次へとだ。
たまったもんじゃない……。
それでも、もう入っちまったからには『軍隊式』のシステムには逆らえない。
俺は2ヶ月の間……訓練用のセイバーフィッシュで
ゲロを吐きながらでも飛ばされ続けた。
247通常の名無しさんの3倍:03/08/30 01:59 ID:???
続きマダー
248機動兵士GM:プルスキー:03/08/30 04:38 ID:???


「よぉキーク、お前、標的を撃墜できなかったんだってな?」
同期のロザルト・へイヤーが
食堂のテーブルで青い顔になっている俺に声をかけてきた。
俺は、吐き気を抑えながらソイツの声を聞く。
肉体的な吐き気もそうだが、コイツの声は精神の吐き気を助長した。
「まぁ、お前の腕前なんて、結局そんなモンさ…、
 トップ3なんて言われているが、
 お前と俺の間には全然レベルの違う溝があるってことを覚えておけよ?」
そう言って、したり顔でロザルトは俺の前から去っていった。
その背中を俺は呆然と見詰める。
俺は、その背中を見て呆然と思うしかなかった。
(あいつは何で俺なんかに構ってくるんだろう?)と
ロザルト・へイヤーは親子揃って軍人の家系なんだそうだ。
アイツのオヤジは前のブリティッシュでもルゥムで戦ったパイロットだそうで、
それがアイツのエリート意識の元になっているんだろう。
子供の頃から航宙機に乗っていたそうだから、
俺より腕がいいのは当たり前の事だ。
俺が上からだいたい3番くらいなのも、同じ理由といえば理由で
子供の頃から宇宙作業用ロボットに乗っていたから、
『宇宙酔い』には慣れていた というそれだけの事だ。
コロニーの重力でずっと生活してきた同期の他の奴らが、
子供の頃から宇宙に慣れている俺達に追いつけないのは、扱く当たり前の事で、
逆に、セイバーフィッシュの加速や宇宙での自己座標の認識で
パニックっちまう俺の…その航宙機に慣れていない特性が、
訓練生の成績評価にはそのまま現れていた。
俺は、とにかく嫌な野郎のロザルトの事は忘れて、また目の前の飯を見つめた。
今度は成績2番のマッケンリー・フェルが俺に近づいてきた。
「キーク、今日もロザルトに絡まれたな……」
マッケンリーは、食堂で貰ったパンをかじりながら俺の肩を叩いた。
249機動兵士GM:プルスキー:03/08/30 04:39 ID:???
こいつは成績2番だが、ロザルト程の自意識過剰じゃない。
というのも、これも申し訳ないほどに子供の頃からの話に成るが
マッケンリーは子供の頃からコロニー連絡船のパイロットを目指して、
航宙機の資格を取ろうとしていたそうで、
ここに来る前からずっと航宙機の訓練生だったわけだ。
だから、航宙機の扱いが上手かったというだけの事で、
マッケンリーは戦争をしたくて訓練を積んでいるというわけじゃ無かった。
ロザルトみたいに、エリート然しないのもそういう事だ。
しかし、そういう側面は戦技訓練の評価でハッキリと現れてくる。
マッケンリーと俺の標的撃破率は似たり寄ったりだった。
戦争大好きのロザルトは、操縦、戦技、耐性、共にトップランクで、
俺達に大きく水を空けていた。
まぁ要するに第3期サイド7、パイロット候補生のグループは
ダントツの成績のロザルトに、操縦評価Aのマッケンリーに、
とにかく飛べる事は出来る俺という、随分な差のあるトップ3をピラミッドに
みんな飛んではゲロを吐くという日々を淡々と繰り返していたわけだ。
「なぁ、マッケンリー……なんでロザルトは俺に絡んでくるんだ?
 成績評価が気になるんなら、俺よりもお前に絡むのが筋だろう?
 俺は飛んでるだけだぜ?」
そう言って、俺は、とにかく鬼軍曹が
『食わなければ体力が低下して使い物にも成らなくなる』ので
『吐いても食え』という命令どおりに、
目の前の不味いスープやらパンやらを口にした。
訓練はもう1ヶ月を過ぎ始めた頃だ。
入っていきなり複座の後ろに座らされて飛んだときから比べると
今は自分で操縦した後でも食うだけならできる様になった。
とにかく、最初の頃の吐くしかない生活は大変だった。
生きた心地もしなかった。絶対にこの生活が続くと死ぬと思った。
それでも慣れるという事は恐ろしいもので、今ではパンを食っている…
250機動兵士GM:プルスキー:03/08/30 04:40 ID:???
こいつは成績2番だが、ロザルト程の自意識過剰じゃない。
というのも、これも申し訳ないほどに子供の頃からの話に成るが
マッケンリーは子供の頃からコロニー連絡船のパイロットを目指して、
航宙機の資格を取ろうとしていたそうで、
ここに来る前からずっと航宙機の訓練生だったわけだ。
だから、航宙機の扱いが上手かったというだけの事で、
マッケンリーは戦争をしたくて訓練を積んでいるというわけじゃ無かった。
ロザルトみたいに、エリート然しないのもそういう事だ。
しかし、そういう側面は戦技訓練の評価でハッキリと現れてくる。
マッケンリーと俺の標的撃破率は似たり寄ったりだった。
戦争大好きのロザルトは、操縦、戦技、耐性、共にトップランクで、
俺達に大きく水を空けていた。
まぁ要するに第3期サイド7、パイロット候補生のグループは
ダントツの成績のロザルトに、操縦評価Aのマッケンリーに、
とにかく飛べる事は出来る俺という、随分な差のあるトップ3をピラミッドに
みんな飛んではゲロを吐くという日々を淡々と繰り返していたわけだ。
「なぁ、マッケンリー……なんでロザルトは俺に絡んでくるんだ?
 成績評価が気になるんなら、俺よりもお前に絡むのが筋だろう?
 俺は飛んでるだけだぜ?」
そう言って、俺は、とにかく鬼軍曹が
『食わなければ体力が低下して使い物にも成らなくなる』ので
『吐いても食え』という命令どおりに、
目の前の不味いスープやらパンやらを口にした。
訓練はもう1ヶ月を過ぎ始めた頃だ。
入っていきなり複座の後ろに座らされて飛んだときから比べると
今は自分で操縦した後でも食うだけならできる様になった。
とにかく、最初の頃の吐くしかない生活は大変だった。
生きた心地もしなかった。絶対にこの生活が続くと死ぬと思った。
それでも慣れるという事は恐ろしいもので、今ではパンを食っている…
「そりゃ、お前さんの成績の上昇率だけを見れば
 お前さんが同期の中で1番だからだろう?」
マッケンリーは、そう言って俺を流し目で見た。
その言葉に、俺は随分驚く。
「そ、そうなのか?」
俺は自分の成績チェックなんかした事が無いので、
マッケンリーにそう言われて驚くしかなかった。
その時だ、
「うおぉぉっ!!、こんな糞不味いメシが食えるかっ!!
 吐いても食えだっ!? ふざけるなっ!! 腹に入るかっ!!」
そう言って、向こう側の席でテーブルを叩いて爆発した奴がいた。
その声を聞いて俺達の顔色がまた悪くなる。
「ジョーンの奴……またキレやがった……
 あいつも懲りないな………」
マッケンリーが頭をかいてそう言う。
俺も同感で、クックックと肩を上げて笑うしかなかった。
251機動兵士GM:プルスキー:03/08/30 04:42 ID:???
怒号を上げるジョーンを見て、周りの同期の奴らが青ざめていく。
ああ、本当に…ジョーンは…
そう思った次の瞬間に、ツカツカとジョーン・ベイマンに近づいてくる
体格の良いオッサンの姿があった。
「ベイマン訓練生……」
そのオッサンは冷静な口調で、彼を呼び止めた。
「あんだよっ糞ジョアンッ!?」
完全にキレていたジョーンは、いつもの様に軍曹を名前で呼んだ。
そんな不敬罪に値する行為に眉一つ動かさずに、軍曹はジョーンを睨んだ。
「黙って食え」
そう言った後に、ジョアン・クーニー航宙軍曹のパンチがジョーンの頬を襲った。
「うぎゃぁっ!!」
綺麗に吹き飛ばされるジョーン。
食堂の椅子をいくつか吹き飛ばし、周りに迷惑をかける。
ジョーンは汚れた床とキスをした。
「いい加減、慣れろ。ここは軍隊だ……。
 軍隊はお前の様な屑にでも、食料と恩給を与えてやっている。
 全然飛ぶことも満足に出来ないお前にでもな……」
そう言って鬼軍曹はジョーンを見下ろして睨んだ。
「この野郎っ!!」
殴られたジョーンは、そのまま起き上がって軍曹を殴り返そうとした。
だが、軍曹はそのパンチをひらりと交わすと、
もう一度頬にパンチを殴りつける。
そのパンチでまた吹き飛ばされるジョーン。
カウンター気味に入ったのだろうか、今度は立ち上がってこなかった。
「屑が粋がるな。こっちの苦労も考えろ。
 俺達はどうあっても、
 あと1ヶ月でお前らを飛べるようにしなければならん。
 その上、お前を殴り殺したくても、
 フライトに支障が無い程度に手加減せにゃならん。
 とにかく黙って食え。吐いても食え。
 午後のフライトをやるには、空腹だとお前が持たん。これは命令だ。
 わかったな?」
そう言って、軍曹は踵を返して去っていった。
その後ろで悔し涙を浮かべるジョーン。
「ちっきしょぉぉっ!!!」
ジョーンは食堂の床を叩いた。
252機動兵士GM:プルスキー:03/08/30 04:43 ID:???
あの、『吐いても食えのパンチ』は俺も最初の頃にやられた事だった。
俺が今、しぶしぶでも飯を腹に入れているのもそういう理由だ。
いや、ここにいる同期20名全部が、そうだ。
軍隊の洗礼みたいなもんらしい。
規律を体で覚えさせるのが手っ取り早いわけだ。
未だにあんな子供じみた抵抗をするのはジョーンくらいなもんだろう。
そのエネルギーだけは賞賛に値する。
俺は、最初の頃のパンチで懲りた。
この1ヶ月に、いわれない虐待を受け続けて怒りに任せ、
ジョーンは6人でたむろして軍曹に夜襲をかけた事もあったそうだ。
綺麗に返り討ちにあって、次の日には6人とも頬がパンパンに膨れ上がっていた。
辞めときゃいいのに…、と何時も思うんだが、それが若さという奴なんだろうか?
こういう規律だけを遵守する社会においては、
俺達のような若者にはそれは息苦しすぎた。
それでも、軍曹はいつも言う。
『お前達をフライトに支障が出ないように殴るのが一番の苦労だ』と
だから、アバラや腹とかは狙わない。
アバラを骨折させると長引くし、
腹だと食ったモンをリバースしちまうからだそうだ。
とんでもない主張だと、それを聞いたときに俺は思った。
俺も若かったから、そう思うのが普通だったのだ。
いや、誰にだって、とんでもない事だと思うだろう。
それが、しかし軍曹なりの優しさだったんだと、気付けたのはもっと後の事だった。
戦争という世界に出て、もっともっと後の……
とにかく、そういう先の事がちっとも分かっていない俺は
今の光景を青ざめた表情で見つめながら、パンをかじった。
「まったく、ジョーンも良くやる…」
マッケンリーは呆れた声で、そうコメントするだけだった。
253通常の名無しさんの3倍:03/08/30 17:29 ID:???
プルスキー氏、もつかれー
続きに期待していまつ
しかし、書き込み少ないな…ここ
254ゲボッ:03/08/31 15:30 ID:P9XYWkqB
別のスレで長編書いていたが…疲れた。
もうねまつ。

意欲がわいたらここで書きたいけど…
反応無いの嫌だね。本当に。

プルスキーさん乙カレー。
255富野ピザ:03/08/31 15:47 ID:???
参戦しまつ
【ジャブローの風】


WBがジャブローに入港したことにより地球の決戦体勢は日々激しくなった。
ここはジャブローの地下、兵士達の寮である。

兵士A「おい、おまえ今日からGMに搭乗するらしいな。」
兵士B「いや、GMと言っても多分訓練ですから・・・」
兵士A「俺はいつまでも戦車だぜ、後方支援はほんとヌルいぜ。」
兵士B「でも僕は初めての前線ですから…」
兵士A「っへ、その分特待されるもんよ 命の灯火が消えるまでがんばれよ!」

・・・2時間後ジオン特殊部隊の奇襲が始まった。

兵士B「ついに来たか!!」
Bは戦車に向かった。
兵士A「おい!何やってるんだ!!お前は今日からGMだろ!?」
兵士B「そ、そうだった、マニュアルしか読んでないのに...」

BはGMに搭乗したが歩くことで精一杯だった。

兵士B「あ、あれは!?赤い・・・MS?ま、まさか・・・」
両手に鋭いツメを持つ赤いMSのモノアイがこっちを睨んだ。
兵士B「うわああぁぁぁぁぁあぁぁぁ」
突進することしかできなかったGMのコクピットに鋭いツメが刺さった。

兵士B「もっと・・・がんばれたかな・・・・・・・」
256通常の名無しさんの3倍:03/08/31 15:49 ID:???
付け忘れた。


              完
257通常の名無しさんの3倍:03/08/31 17:56 ID:???
富野ピザ氏グッジョブb
でも、ここより戦場から一言スレ向きかな。
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1060957177/
いや、ここでもいいんですけど、漏れどちらの住民でも
あるので、どちらともすごく静かですから・・・
盛り上がってほしい…
258通常の名無しさんの3倍:03/08/31 19:38 ID:???

ありがとうございます。早速そちらもカキコしました・・・・
259ゲボッ:03/09/01 01:55 ID:???
どーでも良いけどプルスキーはνガンダム最高スレに居たの?

ここでνのパロ書いてもいいのかな?
260通常の名無しさんの3倍:03/09/01 06:52 ID:???
ゲボッ氏、>>254の書き込み時間からの推測だけど別スレってもしやユウスレですか?
仮にあそこだとしたら、SSを投稿してもスレ主が一言レスで感想を済ませるだけなので
せっかくの力作も無駄になりますぞ。
261ゲボッ:03/09/01 07:32 ID:???
>254
そだよ〜僕だよ。
いいんだよ。ユウが見てなんか言えばあれはあれだけの価値
しかないとも思っているし…ただ、あれでもそれなりに時間
かかってるんだけど…ユウが無視してたらあれの存在意義が
なかったり…まぁそのときは改造するかな。否、いくら頑張
っても所詮糞か…

νのSSができたらこことν最高スレどっちがいいかな?
262通常の名無しさんの3倍:03/09/01 07:39 ID:???
やっぱりそうでしたか(w
νの話はここもν最高スレも両方条件を満たしてると思うので、好みというか
流れで決めてしまってもいいと思いますよ。力作、期待してます。
263ゲボッ:03/09/01 07:41 ID:???
ちょいと補足

254で反応が〜云々はユウの反応ねw
しりとりやっているところに無理矢理乱入して
勝手にSS書いちゃったし

でもここも反応少ないな…一応反応欲しいと思
うけど、感想も何もないのが感想

「GM」が主人公だと「機動戦士ガンダム」じゃ
ないんだと思ったりする。ただ、強いGMって魅
力的。「第08〜」みたいに無理にガンダム使わ
なくても…と思う作品は色々あるしねw
言い出したらきりがないがレンジャーガンダム
(五体ガンダム)もちょいとね。もっとガンダムが
神聖であり神の創り賜うたものの様なガンダムと
やられ役引きつけのザクとGMこれが好きなんだけ
ど…ってことでνでも書くか…
「νが量産の暁には…」
264通常の名無しさんの3倍:03/09/01 07:54 ID:???
ここはGMとかの量産MSがメインで問題ないですよ。
反応ないのは確かにちょいと寂しいですが、逆に反応を引き出してやる
くらいの気持ちでガンガって!
265通常の名無しさんの3倍:03/09/01 15:07 ID:???
ここには作者しかいないから関係ないよ
266通常の名無しさんの3倍:03/09/01 17:53 ID:???
つまりSS作者の避難所か休憩所のようなスレですよ、と…

兄者、SSも書かないのに取りまとめるなんて流石だな

AA略
267ゲボッ:03/09/01 22:55 ID:???
νのSSって難しいね。
CCAがすごいから。
戦闘シーンとか本家を越えられない。
(越えなくてもいいという意見もあるだろうけど)
結局読みたいのはνがかっこよく戦場を駆けるもの
なんだとおもったり。

今頭にあるのは、敵兵士から見たアムロ
名も無き戦士は一年戦争時「白い悪魔」
とおそれられたガンダムとNTパイロッ
トの再来に恐怖していた。

って事で一応書いてみます。
268νの軌跡:03/09/01 23:27 ID:???
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

<ギラ・ドーガのパイロット>

後にシャアの反乱と言われる戦い直前

俺は、シャア=アズナブルを見ていた。太陽風
やミノフスキー粒子のせいで受信状態が最悪だ
が、シャア=アズナブルが俺達に語りかけてく
るのだ。そう、一年戦争の生きた伝説『赤い彗
星』のシャアが……

俺の親父は、一年戦争と呼ばれる戦争ではジオ
ンの象徴とも言うべきザクをかり、戦場へと出
撃した。親父は、宇宙移民として宇宙に上がり
お袋とであって俺は生まれた。俺にも少し記憶
がある気がするがギレン=ザビの言っていた事
を理解できる年齢ではなかった。
グリプス戦役、アクシズの反抗を生き抜いた俺
は、親父の後を継ぐようにMS乗りになった。
親父の昔の伝で今でも反連邦政府、反アースノ
イド活動をしている者達と接触することはでき
た。ある日、親父のことが知りたくて組織に出
入りする内にいつの間にか魅了されていて、そ
れから活動にのめり込むようになった。
(親父の意志と言う事なのだろうか?)

それから、小さな組織のパイロットとして訓練
を受けた。親父は相当な腕前だったらしくアバ
オアクー防衛にも参加、当時の最新鋭機MSゲ
ルググが支給されるほどのパイロットだったら
しい。血は争えぬと言う証明なのか、俺はシミ
ュレーション戦闘においてアムロ=レイを圧倒
した。アムロの乗る機体設定はZプラス、俺の
乗る機体はギラ・ドーガであった。
ウェブライダーで急速に自機に接近し、変型後
攻撃、その後離脱という戦闘パターンだったが
最初は、まったく歯が立たなかった。
こちらの弾は簡単に避けられ、向こうの攻撃は
いとも簡単に命中し、しかも、予想すら立てら
れない方向からである。
必死になりアムロを倒すことだけを考えた……

ネオジオンはアクシズ残存部隊やジオン公国時
代の残党の作った小さな組織を数多く引き込み
大きくなった。

そして、いつしかシャアは地球に核の冬をもた
らす作戦の実行である。総帥として

アクシズは地球へと動き出すのであった。
269ぴよ:03/09/02 16:08 ID:???
 その光景に、僕は圧倒されていた。
 巨大な隕石が地球に落ちていく様は、目の前で起こっているにも関わらず、どこか非現
実的で冗談めいていた。言うなれば、安っぽい映画の行き過ぎた誇張表現のような。
 しかし、それは紛れもない現実だった。
 そこが戦闘宙域だということも忘れ、アームレイカーに置いた手を止めて、僕はしばし
その光景に見入る。
『おい、そこの! 何ぼーっとしてる、行くぞ!』
 同じ88艦隊から出撃してきたジェガンが、僕の方に機体を寄せてくる。
「え? 行くって、何処にでありますか?」
 訊き返しながら、それが愚かな質問だと自分でも思った。
『決まってんだろ、アレを止めるんだよ!』
 幾筋ものスラスターの光芒が、巨大な隕石──アクシズへと向かっている。
 アレを、止める?
 どうやって?
 僕の中の冷静な部分が言う。どう考えても、無理だ。
 それでも僕は、何かに衝き動かされるように、あるいは何かに引っ張られるように、機
体をアクシズへと向けた。
「そうだな、止めなきゃ」
 既にアクシズには無数のMSが取り付いていた。僕も空いている所に機体を押しつける
と、スラスターを推力を全開にする。
「ジェガン、頼むぞォ……」
 とたんに過負荷と機体外温度の上昇を告げるコーションが出るが、無視する。
『やめてくれ、こんな事に付き合う必要はない!』
 誰だろう? オープン回線で、そんな声が聞こえてきた。
 必要があるかないかじゃない。これは、やらなきゃいけないことなんだ。
 僕は、地球に特別な思い入れがあるわけじゃない。コロニー生まれのコロニー育ち。地
球には、パイロット訓練校に居た頃に重力下訓練のために数ヶ月滞在しただけだ。正直、
地球に隕石が落ちるということに対して、さほど痛痒を感じないのも事実だ。
 それでも。
 現実にその光景を目の当たりにすると、絶対に阻止しなければならないという本能的な
衝動に駆られる。
『駄目だ、摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ!』
 また同じ声。そんな事は分かっている、しかしやめるわけにはいかない。たとえ無駄な
行為だとしても、黙って見ているだけでは隕石落としに荷担したも同じだ──そんな意識
が働いていた。
「まぁ、カッコつけもちょっと入ってるかな」
 皮肉っぽい独り言が漏れる。
 機体外温度は限界までまだ余裕がある。スラスターは過負荷に悲鳴をあげているが、推
進剤の残量は十分だ。
 まだまだイケる──そう思った時 突如、耳障りなアラーム音がコクピットに鳴り響い
た。モニタに機体の異常を告げるアラートウィンドゥが幾つも開く。
「なんだ!?」
 次の瞬間、背後から殴られたような衝撃が機体を襲い、モニタパネルの大半が立て続け
に弾けるように消える。
 そして、次の「その瞬間」が訪れるまで、無限の刻が流れたような気がした。
 僕が今まで生きてきた中で、最も静かで、穏やかな時間の流れ。
 僅かに生きているモニタの一つに、アクシズを支える白いMSの姿を見た。あれは……
ガンダム? アムロ・レイ?
「ああ、そうなんだ……」
 奇妙な安堵感が、僕を包み込んだ。
 大丈夫、アクシズは落ちない──そんな確信を得た瞬間、穏やかだった時間の流れが急
激に動き出した。
 大きく傾ぐ機体と振動。シートから投げ出される感覚。漂白する視界。
 そして、唐突に訪れる──

  fin
270通常の名無しさんの3倍:03/09/02 22:05 ID:???
>>ゲボッさん
私も某SS系スレで書いたことあるんですが、確かに戦闘描写は難しいですね。
268を読みましたが、なかなかいい書き出しだと思いますよ。

唐突ですけど、νガンダム以外にもCCAならカコイイMSはたくさんあると思います。
視点を変えるなら劇中で描かれていない戦闘(フィフス・ルナ前哨戦とか)を書いて
みるといいのではないでしょうか。
271通常の名無しさんの3倍:03/09/02 23:05 ID:???
>>269
個人的にこのスレで一番好きかも
272通常の名無しさんの3倍:03/09/02 23:13 ID:???
お二方、乙!
>>268のネオジオン兵の視点で書かれた紛争前の情景と
>>269のアクシズ落としの話、連作っぽい感じで(゚∀゚)イイ!!
273ゲボッ:03/09/02 23:18 ID:???
>>272
自分も更新しておどろいたw
俺すげぇな…でも続きかいたけ?と勘違い
(睡魔が襲っているときに268をかいたので)
274ゲボッ:03/09/03 00:23 ID:???
アクシズは動き出した。
一般兵であった俺はわからなかった。
核エンジンがどうたらとか、核の冬がどうたらとか
もちろん、ジオン再興等という意志もなかった。
ただ、そこにはネオジオンパイロットの俺がいただ
けだった。

俺達の組織では、この時の為に残していた船があっ
た。、名も知らぬような船、それが我が旗艦。
総帥やそれに続く精鋭部隊には、最新鋭艦に乗船し
ていたが俺達の組織で用意できたのはこの船だけだ
った。この船の緑色の船体は一年戦争後連邦の接収
を避けるため塗り替えられたらしい。あとから知っ
たことだったが、この船はムサイという一年戦争時
ジオン公国軍の宇宙艦隊に大量配備された船だった
らしい……

俺は、ムサイのMS格納庫に固定されたギラ=ドー
ガのコックピットに座ってイメージトレーニングと
でも言うのだろうか?それをしていた。
頭に映るのはアムロ=レイの乗るZプラスやジェガ
ン、リガズィなどの機体とシミュレーションで戦い
勝ったときの記憶をもとにしたイメージ。

俺はアムロ=レイと戦っていた。高速で寄せるZプ
ラス。

「甘いって。それじゃ」

その声と共に俺の手がトリガー引きウェブライダー
が爆発する。
アムロ=レイを撃墜したのだ。シミュレーションと
は言えあのアムロ=レイを倒せたのだ。だから実戦
でもやれる。と言い聞かせ自分を奮い立たせた。

だが、俺はこのとき知らなかった。このプログラム
のアムロ=レイは一年戦争時のデータであり、また、
NT能力を完全に無視したデータであり、それにZ
プラスやジェガンなどの機体データを付け加えただ
けだということを…
275ゲボッ:03/09/03 00:24 ID:???
イメージから目を覚ます。ギラ=ドーガは俺を包む
この安堵感が俺は好きだった。
それをうち砕くかのように敵の襲来を告げるサイレ
ンが聞こえてきた。

「ギラ=ドーガでてくれ。連邦の戦艦とMSに遭遇
した。」

通信が入り、間もなく
の出撃


敵は薄い黄緑の機体のジェガン。シミュレーション通
りならなんとか……
向かってくるジェガンに対しビームマシンガンで応戦
する。ジェガンによるビームライフル攻撃はギラ=ド
ーガをかすめる。一定の間合いと攻撃の応酬。

その姿はザクとジムの戦闘に似ていた。
ギラ=ドーガはなぜかビームライフルではなくビーム
マシンガンが標準装備で接近戦兵器もビームサーベル
ではなく、ビームアックスなのだ。どこまでも、ザク
を模した機体だった。ザクは宇宙の民の抵抗の証であ
り、願いの証なのだと…それが今受け継がれたのだ。
このギラ=ドーガへと

ジェガンが一瞬止まったように見えた。
そして、ギラ=ドーガから発射されるビームマシンガ
ン。そして、ジェガンの機体にいくつかの穴が開き爆
発した。
276プルスキー:03/09/03 02:52 ID:???
なんか、仕事から帰って来ると
えらいことになっておりますな…
色々とコメントしていただいた方、ありがとうですーーーー

>ゲボッ氏
νモノのSSですか…
それもギラ・ドーガの視点…

渋い…
渋いですぞ…そのチョイス…
期待してます…

あっしもどこぞで、現在進行形でνモノを書いているんですが
ちょっと、キャラクターの側面を強くバックアップしたくなったのと
Zの見直しと、色々ガンダム知識で記憶が曖昧な部分をHPなんかで調べまくっている段階で
開店休業状態にしてます
なもので、こっちで、GMと当分戯れますのでヨロシク〜
277ゲボッ:03/09/03 21:43 ID:???
だめだ。νガンダム偉大すぎて出てこないかも…

とにかくギラ=ドーガ編は今晩終了させたいと思ってみたり
278通常の名無しさんの3倍:03/09/03 21:57 ID:???
シャア専の職人も随分とまあお喋りになったもんだな
279通常の名無しさんの3倍:03/09/03 22:18 ID:???
職人が喋らないと、シャア専自体が静か過ぎるからさ。
280ゲボッ:03/09/03 22:25 ID:???
アクシズ…それはジオン公国にとって第二の
故郷だったのだろう。一年戦争後反抗の拠点
となり、今、正にそれ自体が地球へと鉄槌を
下す。ジオンの民の、スペースノイドの願い

ボロボロになったムサイは戦闘空域に入った
アクシズを粉々に爆破し地球への降下をなん
としても避けたい地球連邦政府とそれをさせ
るわけにはいかないというネオジオン。
両者がぶつかり合っていた。

「アムロ=レイを倒すのは俺なんだ…」

その思いからギラ=ドーガを出撃させる。
次の瞬間脇をかすめる光の筋
一瞬ムサイが膨らむと前半分が吹き飛んだ。
そして目の前で轟沈していくムサイ。
一瞬の出来事だった。俺はさっきまで乗って
いたムサイを不思議そうに見つめるだけだっ
た。今まで過ごした組織の仲間が何人死んだ
だろう?いや、おそらくすべて…そう思った
が次に目に入った爆発は俺を吹っ切れさせ、
戦場へと飲み込ませたのだ。
帰る場所を失ったギラ=ドーガはただ進むし
かなかった。

宇宙にはいくつもの光と筋が交差していた。
でも、それは俺には関係なかった。

俺はアクシズに近寄り着地する。
連邦が必死でくい止めようと送り込んだジェ
ガン部隊を撃破するために…

俺はこのとき動くことのできない気持ちに支
配される。あまりに多くのショックを受け、
体が耐えられなくなったのだ。

そこへ、一機のジェガンが表面に取り付こう
と寄ってくるのが見えた。

「俺はパイロットなんだ。これが仕事なんだ
よぉ」

そう言いながらビームマシンガンと共に素早
くジェガンの懐へと飛び込む。気付いたジェ
ガンは持っていたビームライフルで応戦する
ギラ=ドーガは体をくるりと回しかわしてみ
ると、ジェガンのコックピットにビームマシ
ンガンを撃ち込む。ジェガンの機体が震え、
爆発した。
281ゲボッ:03/09/03 22:27 ID:???
それから俺はジェガンを三体倒した。自らの
腕にうぬぼれていた。

そして、時は訪れた。アクシズを一人押すM
S、白い機体。ガンダムといわれたMS。そ
のパイロットがアムロ=レイだという確証な
ど無かったが、ネオジオン兵士はほとんど知
っていた。

落下するアクシズを見つめる俺の目にふと青
が広がる。

「これが地球…」

その言葉と共に俺は涙を流した。母なる大地
俺はここに帰りたいのだろうか?
もう、それ以上は無理だった。

「…地球がこんなに綺麗だなんて、反則だよ」

ヘルメットの内側になま暖かい涙がこぼれた。
落ち行くアクシズを押し返そうと頑張るガンダ
ムの姿が目に入る。

だが、すでに俺に戦意は無かった。
アクシズを地球に落としてはいけないと心から
思った。

しかし、次の瞬間νの機体反応は消え、そこに
は押し戻されたアクシズのみが浮かんでいて白
いモビルスーツは蒸発したように消えていたの
だ。

「残り加速剤とエアーが…とうとう尽きたか…
宇宙の空間をさまよう俺。
俺の目には連邦軍のパイロットとネオジオンの
パイロットが助けながらアクシズから離れてい
くのが見えた。

「このまま死んでしまうのか…」

ソファーに腰掛けそう言った。

その後俺は救助されてこんな日記を書いている
のだった。

ごめんなさい。眠すぎて中途半端だった。
もうねまつ。ごめんなさい
282通常の名無しさんの3倍:03/09/04 04:34 ID:???
改行が無駄に多い
283通常の名無しさんの3倍:03/09/04 04:38 ID:???
読んでる人います?
284通常の名無しさんの3倍:03/09/04 04:39 ID:???
今読み始めたところ。
285ゲボッ:03/09/04 21:34 ID:???
気を付ける。>改行
286機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:14 ID:???
1時間の休憩時間、俺が仮眠室で横になっていたときだった。
その時、マッケンリーが部屋に入ってきて、
多人数が転がっている中で、俺を見つけてはこっちに寄ってきた。
「こんなところに居たのか…キーク……」
マッケンリーは俺の前まで来ると、上から見下ろすようにして声をかける。
「こんなところに居ちゃ、悪いか?」
俺は転がったまま、青い顔を向けてそう返した。
あと1時間後に連続フライトだと思うと、欝が入って吐き気が込み上げてくる。
「いや……悪かぁない………
 訓練までに十分な休憩を取るのは立派な訓練生の姿だ……」
そう言ってマッケンリーは俺の横に座って、体を楽にさせた。
マッケンリーも訓練疲れは隠せない様で、
少しでも休めるのなら休みたいというのは俺と同じだろう。
背を持たれて肩をダラッと落して、休憩に入る。
だが、そこは正規の訓練を受けてきた人間とそうでないのとの違いか…
『疲れている』という度合いが、俺とマッケンリーでは全然違った。
マッケンリーくらいなら背もたれぐらいで済むところが
俺は完全に横になっていないと駄目だという……、つまりこの差だ。
このフライトの疲れ具合の差が、キャリアの本質的な差を物語っていた。
それを思うと、少しだけ俺はもっと上手くなりたいと思った。
マッケンリーくらいに上手くなれたら、もっと楽に休めるからだ…。
いや、その考えも本末転倒か…。
楽に休める為によく訓練して、より反吐を吐こうというのだから…。
まぁ同じ休憩室で、口を押さえて吐き出しそうになり
バケツを前にしている他の奴らに比べれば、
横になっているだけで済んでいる俺は、随分良いほうなのだろが…。
しかし、横になっているという点だけを考えれば、
それは目糞と鼻糞の差ぐらいでしかない。
俺は溜息をついた。
287機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:18 ID:???
「なぁ、キーク……聞きたいんだが……」
マッケンリーは、そうやってみんなで横になっているある時間に
思い出したように不意に俺に声をかけてきた
「なんだよマッケンリー?」
俺は、マッケンリーの声を受けて、しんどそうに声を返す。
俺を探していたというのはつまりそういう事かと
眉をひそませてやっぱり青い顔をする。
マッケンリーは続けざまに、言葉を口にした。
「正規のフライト訓練後に、補習のフライト訓練あるよな?
 全然、飛べなかった奴らの為の……
 お前は訓練規定をクリアしているのに、参加しているのは何故だ?」
そう言った後に、マッケンリーは顔を窓の方にやって窓から見える宇宙を眺めた。
その言葉に俺は更に眉をひそませる
マッケンリーは、俺の思ってもみなかったことを聞いてきたのだ。
「はぁ?」
俺は素っ頓狂な声を上げる。
だが、マッケンリーはさも当たり前の様に続けた。
「だっておかしいじゃないか。こんな普通の訓練の2倍もあるような
 気の狂ったスケジュールで行われる訓練を終えた後でな、
 もう一本飛びますなんて、普通出来ないぜ?」
マッケンリーは宇宙を眺めていた視線を、また元の横になっている俺の方に戻して
好奇心を瞳に一杯浮かべて俺の方を見つめた。
「飛べない奴らには、体に覚えさせるしかないから仕方ないとは思うが
 訓練の規定をクリアしているお前が、どうして更に辛い事をする?」
マッケンリーは、何時もよりも言葉多く俺にモノを尋ねた。
そんな言葉多いマッケンリーの様子にも驚くが、聞かれる内容にも俺は驚く。
予想外の質問に俺はどう返答するか悩んだ。
また、マッケンリーの言葉を聞いて、周りのリバース寸前の奴らも同じように好奇心の目を俺に向け始めた。
マッケンリーは視線を僅かに俺から逸らした。
288機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:18 ID:???
「ロザルトの苛立ちも、そこら辺だと思うのさ……
 俺達の様に飛ぶことの順序を1つ1つ正規にクリアしてきた人間からすれば
 お前のこの1ヶ月での成長ぶりは目を見張る。
 成長率だけを見ればダントツにお前がトップだ……
 いや、訓練量からすれば、当たり前の結果かもしれないが……
 それでも、お前の訓練姿勢や成績向上には驚くばかりだ……」
そう言ってマッケンリーは、意味も無く手を握ったり開いたりした。
周りの青い顔をしている同期の奴らもリバース寸前の状態で
マッケンリーの言葉にうんうんと頷く。
どうやらみんな、俺のそんな寡黙な訓練姿勢が不思議だったみたいだ。
そんなマッケンリーの言葉を聞いて、
俺はロザルトとかの態度とかが何となく納得でき始めた。
そうか……そういうのもあるのか…
そう思うと、俺は僅かに微笑を浮かべる。
なんだかそんな事ぐらいで、
あのエリートがヤキモキしているのだと考えると、
それはそれで妙に可笑しい……
「どうした? キーク? 何か面白い事でも俺は言ったか?」
俺の微笑を見て、マッケンリーは反応した。
「いや、そういう話だったのかと分かると、ちょっとおかしく思えてな…
 そっか、端から見れば、俺は訓練熱心な模範生にも見えるんだな…」
そう言って俺はなんとなくニヤついた。
「同期の中じゃ一番の模範生だぜ? お前……
 エリート臭が鼻に付くロザルトに比べれば華は無いが……、渋い……
 ある意味でのナンバー1だよ……お前は………」
そう言ってマッケンリーは俺の額に軽くでこピンをした。
その痛みに更に俺は笑う。
289機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:19 ID:???
「そんな上等なモンじゃねぇよ。俺が飛んでる理由は………
 もっともっと、簡単な事だ……。簡単な話。」
「簡単?」
マッケンリーは俺の言葉を興味津々になぞる。
俺は肩で笑って続けた。
「あの補習訓練な、時間外訓練だから特別手当が出るだろう?」
「あ? ああ……」
唐突に切り返した言葉に、マッケンリーは反応できずにただ相槌を入れた。
俺はそんな彼を他所に、目を瞑って続けた。
「俺の家は今は母子家庭だからな……、
 オフクロに仕送りするための金を増やしたいだけなのさ……
 サイド7にサイド5から引っ越してきたばかりだからな、
 何かと金がかかる……」
そう言って俺はゴロンと回転して、横になっている方向を変えた。
吐き捨てるかのように言った俺の言葉に、
マッケンリーや周囲の奴らが瞬時に凍りつく。
僅かな間に深い沈黙の時間が、その部屋の中に横たわった。
「なっ……、お前、そんな理由で飛んでいたのかっ!?」
マッケンリーは俺の言葉を理解して、
思考の硬直が解けた後に、顔を引きつらせてそう叫んだ。
俺はそんなマッケンリーの言葉にうざったさを感じ始める。
「そんな理由で悪いか? 不思議な話でもないだろう?
 随分まっとうな理由だと俺は思っているが?
 それに、軍曹には事情はちゃんと説明してあるぜ?」
俺はとにかく体を休めようと、目を瞑った。
ああ、体がだるい……時間が近づいてくる……
次のフライトの時間が……
「いや…悪くは無いが………、キーク……」
そう言ってマッケンリーは言葉に詰まる。
その場に居た同じ同期の奴らも同じだった。
どう言っていいのか言葉に迷っているかの様だった。
俺は気持ち悪さを誤魔化す為に、とにかく喋って気を紛らわせようとした。
290機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:21 ID:???
「そりゃな……俺だって男だ……、
 あんな鼻高々なロザルトの鼻を、一度でいいからへし折ってやりたいとか
 そういう気持ちがないわけじゃない……
 いや、誰だってそうだろう……あんな奴、相手にしてりゃな……」
そう言って俺は苦笑いをする。
その言葉にみんなも同じように顔を歪ませた。
飛べないだけで糞野郎呼ばわりするのは、
軍曹殿だけではなくロザルトも同じだった。
『俺は違うんだ』という態度と言葉を、回りに惜しげもなく吐き続ける。
あんなと話していたら、あいつ以外の19名の同期全員が
ぶん殴ってやりたいと思うのは当然の事だろう。
俺はそれを踏まえて続けた。
「……だから、見返してやりたいから
 訓練しているっていう所が……無いわけでもない……
 いや、そういうのがあるぐらいで、ちょうど……
 軍曹の何時も言う
 『お前達の金玉は玉無しか? この糞野郎どもがっ!
  チンチンあるんなら、男の根性見せろっ』って奴の
 チンチンぐらいにはなってるだろう………」
そう言って、俺は本当に苦そうな笑顔を浮かべた。
その言葉に、周りのみんなが釣られて顔を皺にする。
軍曹のこの言い回しは、全員が耳にしている言葉だったからだ。
まぁ軍隊で言うところの『決まり文句』という奴だった。
俺はゼイゼイ息を切らしながら続ける。
「でも、そんなの動機付けにしてみりゃ、ほんのちょっとのちっぽけなもんさ。
 張り合う為に根性出す様な程、俺は熱血漢だと自分でも思ってねーし、
 だいたい、成績でダブルスコアの差を付けられていて、
 何か努力したらそれがひっくり返るなんて、
 算数の出来ない程、自分が馬鹿だと思ってねー」
そう言って俺はふて腐れた。
俺は才能の無い凡人ですと一生懸命言っているんだから、あんまりいい気分じゃない。
まぁ、凡人なんだから、そりゃ仕方はないんだが……
俺は投げやりになって言葉を吐き捨てた。
291機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:37 ID:???
「よーするに、行動のモチベーションなんざ競争心なんかじゃねーって事さ。
 何だかんだ言ったって、世の中は金だよ。金。
 俺が居たサイド5だって、貧民層の移民だった親は金で泣かされたし、
 こっちに移ったってどっち道、同じ事だろう? 
 金がなけりゃ明日の飯もおぼつかない…住む場所も確保できない。
 ただ苦しいだけの毎日だ……。
 それに、俺達みたいな、移民や貧民層は直ぐに徴兵礼状……
 なのに、このコロニーの金持ちブロックの奴らは、
 納税額を増やして取引で徴兵を免れているんだから………」
そう言って俺は顔を膨れさせた。
その言葉に、そこにいる同期全ての奴らが苦い顔をする。
ここにいる同期の20名、みんな……、
それぞれ家の都合という奴で徴兵を回避できなかった奴ばかりだ。
スペースノイドの世界の貧富の差は激しい。
要職に付いている人間とか先行で移民した人間達の培った財産とかに比べたら
後期移民者の仕事や財産なんて、
泥臭い仕事の選択肢かネズミの涙程の蓄えしかない。
だから、戦争なんかおっぱじまったら、
俺達の様な奴隷階級に居る奴は、逃げ出すという道が許されなくなる。
自由な道なんて何処にも無い。それが俺達の現実だった。
しかし、それは旧世紀から受け継がれてきた人類の伝統ってモンだろう。
何時の時代だって、貧しい奴は道なんて無かったんだから……。
それに一旦入っちまったら、軍隊では敵前逃亡は銃殺刑だ。
吐くほど苦しんで生きるか、味方に撃ち殺されて楽になるか……
どっちかを選べって言われたら、難しい問題だ。
こんなワリの合わない話があるっていうのに、同じコロニーのどっかでは
今の同じ時間にプールで泳いで楽しんでいる奴らとか、
暗くて狭い部屋でネチネチ機械弄り遊びをしている奴らがいるっていうんだから
神も仏もありゃしない。
俺の言葉に、みんなの表情が硬くなるしかなかった。
292機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:38 ID:???
「まぁ徴兵の事はいいわな……、サイド7に移ってきたばかりの俺からすれば
 コロニー公社を斡旋してもらうだけで一苦労だったハズなんだ……
 それが飯と給料付きの仕事が転がり込んできたんだ………
 オフクロ養うには、ちょうど良い話さ……
 だったら稼げるだけ稼ぐしかないだろう?」
そう言って、俺は頬を膨れさせたままになる。
「いや、しかし、だからといって……」
マッケンリーは俺の主張に難色を示し、困惑する。
それはまぁそうだろう。
マッケンリーですら休憩時間に背もたれしなければならない程の訓練カリキュラムだ。
更に訓練時間を増やせば、気が狂いそうに成るのは当たり前の事だから…
「キーク……お前って、意外に親孝行なんだな………」
マッケンリーは俺の言葉に随分と関心した顔になって、そっと俺の後ろ髪を撫でた。
「意外ってのは何だよ?意外って…
 俺はオヤジもオフクロも年取った頃の遅生まれでな……
 もう子供は駄目かと思った頃に出来た俺だったから、
 随分可愛がられたんだよ………」
そう言って、貧しかったけれど
随分幸せだった気がする小さな頃の事を俺は思い出した。
オヤジによく宇宙用作業ロボットに乗せてもらって、綺麗な宇宙を見たモンだった。
「でもオヤジが宇宙災害で死んじまってから、
 オフクロは俺を育てるために歳だっていうのに働いてな……
 だから、オフクロには楽をさせてやりたいんだよ……」
俺はそう言って少しはにかむ。
なんか今時という感じがしない言葉だと思った。
親孝行だって言われると、なんだかこそばゆい。
「そうか……大変なんだな……お前の所は………」
マッケンリーは、ようやく俺の事情が飲み込めたらしく、難しそうな顔になる。
いや、この場でゲロ吐きそうな奴ら、みんなの顔が歪んだ。
293機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:39 ID:???
それはある一種の同情だろう。
どのみち、そこにいるみんなは家庭の事情は似たり寄ったりのハズだ。
俺の話に自分自身を重ねる事は、全然不思議な事じゃない。
「でもキーク……俺達……戦争に行くんだぜ?」
その次の瞬間にポツリとマッケンリーが言葉を声にした。
その言葉に、その場のみんなの顔が別の方向に引き締まる。
「俺達……毎日、人殺しの訓練してるんだ……
 戦争で戦う兵士になるための………
 あるいは戦場に出たら殺されるかもしれない………」
マッケンリーはそれを思って深く項垂れた。
マッケンリーの重たい言葉に、その場の俺を含む全員が肩を落す。
「軍隊で金が貰える事は、確かに良い事かもしれないが……
 人殺しで金を貰うんだ………
 こんな汚い仕事が他にこの世の何処にある?
 それに戦争で死んだら全部パァだぜ?
 パァ………
 戦死による特別手当なんて、たかだか知れてる額だしな……」
マッケンリーはそう言うと、また俺の髪を撫でた。
その言葉に俺はイライラする。
こいつは人が真相意識の中に閉じ込めている心配事を掘り起こしやがって…
「だーかーらーこそ……尚更じゃねーか……
 死んだら全部パァなんだ………
 なのに、俺達には十分な訓練もさせてもらえねーっていう
 それなら無理してでも、戦場で死なないような技術身に付けるしかねーだろ?
 特別手当でる挙句に、戦争で死ににくくなれる訓練してくれるっていうんだ
 一石二鳥だよ……だったら苦しいなんて言ってられるかっ!」
俺はそう叫んでふて腐れた。
もう、腐るしかない。
今の事だけでいっぱいいっぱいなのに、
先の事を思えば思うほど、状況は悪化するとしか考えれない。
それなら思考停止したくなるのが人情というもんだろう。
マッケンリーは俺のヒステリックな声を聞いて、溜息を付くしかないようだった。
「そうか……そういう考えもあるか……」
マッケンリーはそっとそう言って、また宇宙を見る。
294機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:54 ID:???
しばらく沈黙の時間が続いた。
その休憩室に居た同期の奴らみんなが
各々色んな思いを馳せなければならない様だった。
この俺達の目の前に突きつけられている暴力と規律と現実は、あまりにも重過ぎた。
「この戦争は何時まで続くんだろうな?
 さっさと終わって欲しいところだが……そうはいってくれそうも無いし……」
マッケンリーは不意にそう寂しそうに言葉を口にして項垂れた。
その言葉を聞いて俺は視線を宙に彷徨わせる。
マッケンリーはコロニー間運送飛宙機のパイロットに成りたかったのだ。
そんな人間が、戦争なんか好んでいるハズがない。
だから彼の持つ苛立ちは、俺にはなんだかよく理解できた。
ロザルトの持つ苛立ちは、俺には永遠に理解できそうにも無かったが…。
「聞いてるか? 徴兵機関の脳味噌壊れてんじゃねーかって馬鹿話……」
「ん?」
マッケンリーは今日は長々と絡んできた。
「今では、2週間毎に徴兵礼状が出て、
 次から次へと訓練生が出来ているって話だぜ?
 もう第5期パイロット候補生グループも出来たんだと……」
俺はマッケンリーの情報に絶句するしかなかった。
「期って言葉は普通は年単位だぜ?『年』
 それがもう第五期生がいるって……可笑しいよ……こんな話……」
「……………………」
可笑しい話か……
そう言われると確かに可笑しい話だ。
しかし、俺達のフライト訓練が滅茶苦茶なスケジュールで組まれているのと、
正規には講義形式で習得される筈の知識が空っぽのまま現場で慣れろって言う
とんでもない要求とかを考えると、それすら普通の話に思えてくる。
それは、この1ヶ月で俺達自身の脳味噌が麻痺し始めている証拠だろう。
マッケンリーの冷静さを保てれる余裕は、羨ましささえ感じる所だ。
「これって相当ヤバい戦争なんだろうな……」
「……………………」
295機動兵士GM:プルスキー:03/09/05 04:55 ID:???
マッケンリーの虚ろな視線と言葉に、俺やその場のみんなが全て唇を噛み締める。
ヤバい戦争。
その言葉だけが俺の中に残る。
でも、そんなのわかっている事だ。
コロニーを地球に落すような気の狂った作戦を立てる奴らを相手にするんだ。
コロニーだぞ? コロニー?
落すか? 普通? あんな巨大な鉄の塊を?
俺達がこれから敵にしようとしている奴らは、明らかな狂信者だ。
じゃなけりゃ、絶対できっこねーハズだ……
コロニー落しや毒ガス使ってのコロニー虐殺なんて……
んでもって、ブリティッシュでサイド2のコロニーを落したかと思えば、
今度はサイド5のコロニーを狙ってルゥム戦役だ。
そのルゥム戦役ではレビル中将の艦隊が半壊したという話だ。
敵戦力よりも艦艇数で3倍も差があったというのに……。
俺の故郷ルゥムはどのコロニーも散々な状態になっていると伝え聞く。
こんなクレイジーな話があるか?
俺達が相手をしようとしているジオンっていうのは何なんだ!?
俺はそれを思って眩暈がした。
俺達以上に殺気立っている教官たち。
目まぐるしく続く訓練カリキュラム。
ルゥムでの大敗の原因は航宙機戦での
圧倒的なまでの相手側のアドバンテージにあったという。
いわゆるウワサのMS(モビルスーツ)という奴だ。
なんかよくわからんが、人型の航宙機……。
その人型の航宙機にルゥムではボロボロに連邦はやられた。
そして俺達は、その無くした航宙機パイロットを補充するためのパイロット候補生…
考えれば考えるほど、先が思いやられる要素ばかりだった。
マッケンリーは俺の髪を撫でながら言葉を添えた。
「キーク、良い話を聞けたよ。良い話だった……。
 俺も明日から補習訓練も受ける事にするわ………
 死なない技術を……身につけるために……な………」
そう…。
296通常の名無しさんの3倍:03/09/05 10:38 ID:???
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!

10レスも更新されてるかと思ったら全部オナニーだったのか!!!!!

哀れwwwwwwwwwwwwwwwwww
297通常の名無しさんの3倍:03/09/05 12:13 ID:???
>296
で藻前はここを見に来たときにその10のレスに何を期待してたんだ?
他人を哀れむのも十分オナニーだと思うがそうは思わないか?
298通常の名無しさんの3倍:03/09/05 16:42 ID:???
内容の良し悪し以前に、一回で10レスは流石に長すぎるな。
見ただけで読む気が失せる。
一回に投稿する量をもっと減らした方が良いと思う。
というか減らしてくれ。
299通常の名無しさんの3倍:03/09/05 18:39 ID:???
>>298
読みたくなけりゃ読むなうすらハゲ
300通常の名無しさんの3倍:03/09/05 19:22 ID:???
>299
もちつけ、298はまだ比較的まともな事を言っている。
で、300ゲト
301通常の名無しさんの3倍:03/09/06 00:41 ID:???
>>299
何の作者ですか?
302通常の名無しさんの3倍:03/09/06 01:39 ID:???
ふむ。

短編連載のつもりで短めにしてみるのも一つの手ではあるだろうな。
新聞の連載小説みたいな感じで。
あんまり長いと内容の良し悪し以前に読んでもらえない危険がある。
読みやすさというのも評価の内だ。

俺はチョコチョコ読んでるよ。けっこうイイんじゃないかと。
いっちょ俺も書いてみようかなーと思うくらい。
303通常の名無しさんの3倍:03/09/06 01:42 ID:???
ということで、作品投下キボンヌ、と書いておこう。
304通常の名無しさんの3倍:03/09/06 01:43 ID:vSSEHtVE
_______________日本を守れ!!!!_______________

携帯のこんなサイトはどう?
http://www.leap-yuki.com/r/u.htm
305 ◆FSGH/29z9w :03/09/06 02:19 ID:???
荒れ気味だが、少し書いてみる。

(ライナーレポート)

初めに断って置こう。
この文章は私、クローズン=ライナーが連邦が処分したものを、独自のルートから入手し読んだものと私の取材で得た情報を編集したものである。
連邦の処分したもの・・・それは、1年戦争時のとある部隊の小隊長の日記である。
日記の始まりは・・・9月1日。場所は・・・日本。
これが、彼ら「極東第6師団02小隊」の記録である。

「ふぅ・・・ここはこうしてと・・・」
現在、連邦軍が地上における主力の一つである61式戦車を整備している男が居る。
見た目では24歳ぐらいの歳であろう。しかし、戦車の整備をしているためか、顔や手は油だらけである。
その整備している戦車には、極東第6師団02小隊の文字がある。
「ソール隊長。そちらの準備はどうでしょうか?」
夏真っ盛りだというのに、長袖の軍服をピシっと着る男が声をかける。
みるからに、ソール隊長と呼ばれた男より、固そうで歳も上なのだが。
「クルゾーか。こっちはもうすぐ終る。そっちこそいいのか?」
戦車を整備している男・・・ソールは手を休めずに言う。
「はい。こちらはすべて順調です」
「それならいいんだ。他の奴等はどうした?」
「ラーナ伍長は救護班の手伝いに行っています。しかし・・・」
クルゾーが、極端に歯切れが悪くなる。
「また、レイジとキリーが『どうせ、最後なんだ。思いっきりいこうぜ!』とかいって、女遊びでもしてるんだろ?」
「その通りです。隊長。アイツらをどうにか出来ないでしょうか?このままでは小隊の士気にかかわります」
「別にいいだろ。仕事が終ってるんだろ?アイツらの楽しみまで奪う権利は俺には無いよ。犯罪でもしない限りな・・・よし、こっちの整備も終った。
ソールがようやく手を動かすのを止める。それと共に、整備のためにしていた厚手の手袋を脱ぐ。
「この調子なら、夜の作戦には間に合いそうだな」
「はっ」
クルゾーがソールに向かって、敬礼をする。
夜の作戦・・・それが彼たち、02小隊の運命を大きく動かすとは、誰も知らない・・・
306ゲボッ:03/09/06 02:34 ID:???
SS書いてて困ること
・ネタになる主人公機
・小隊(中隊)物にすると「第08MS小隊」っぽくなる。
・キャラの名前に困る。
とかかな…

でも、かなりいい感じでつ。
>305
307通常の名無しさんの3倍:03/09/06 03:09 ID:???
自分でSS書いてると長くなっても苦にならないけど
(逆にどんどん長くなる罠)
読む側に回ってここのSS読もうとすると長いSS、特に一回で8スレを超えるのは
少し読む気が起きないとゆーか、内容云々の前に精神的に読む気が削がれちゃうんだよな

これは俺が長文読むのが苦手だとか
失読症なのかしらんが兎も角、2chのスレを読み込むリズムみたいなもんが
人ソレゾレあって、印刷されたものやなにやらとは違いモニターに写ってるものを
読むの目が疲れ易いとゆーのがあったり、色々考えてみたりしてまつ

一回のうpを読みやすい量に区切って、尚且つその中でも続きに興味を持たせるような
奴を書かないと不味いとゆうか、読後レスみたいな感想レスもつき難いような傾向が
シャア板だと見られるね。
一つのスレを1人の職人が専任で書くようなスレは別だろうけど
308機動兵士GM:プルスキー:03/09/06 04:11 ID:???
むーー、難しいですなぁ…
>投稿量

それなら、ぴよ様の「俺ガン書いてる厨房」の方に送るのも手なんですが……
いかんせん……
今、投稿されてる前の4作品になーんのレスも付いていないんで
投稿しにくいっていうか……

どうしたもんだろ…(==;
309通常の名無しさんの3倍:03/09/06 05:33 ID:???
煽り以外のマトモなレスが返って来ないというのは
ぶっちゃけ興味の対象外で読まれてないと思っていいよ。
自分も読んで無い奴にはレスつけないし、逆に読んでるSSには労いの意味で「乙」とか一言でも入れるから
他の人はどうかしらんけど。

302の通り、読みやすい、読まれるSSというのが前提にあって
そっから内容が面白いかどうか?で分かれる訳だから
そこまで行ってない可能性はあり>プルスキー

スレの特性とか雰囲気で長文をずーっと長く続けても読まれる場合もあるけど
ここは大勢書く人が居て、コンベンションになってて少し違うみたいだから
まず、どうやったら口当たりよくなるかちゅう事でしょうねー

偶〜にSS書きしてるとブルスキー氏の気持ちは痛い程分かるよ。
俺には兎に角、がんがって続けてみれば?位しか言えないんだけどね
310通常の名無しさんの3倍:03/09/06 12:47 ID:???
俺は割と面白く読んでるけど?機動兵士GM
確かに長文に耐性ない人もいるだろうから、
一度あたりの投稿量さえ気をつければ問題ナスィだと思う
311 ◆FSGH/29z9w :03/09/06 15:05 ID:???
長文が読みにくいとかの問題が出ているから、俺の小説は出来るだけ1レスか2レスで済ませようと思う。
ブルスキー氏の小説は、もう少し短く纏めて、分割するようにすれば良いと思うが。

それでは、続きをかきます。


(ライナーレポート) 2話〜夜戦前〜

その日の夕方、02小隊は作戦に向けての最終ミーティングを始めようとしていた。
「今回の任務は、山上にある基地の奪還だ。俺達は04、06、08小隊と共に中央突破を計る。左右からは01、03、05、07小隊が空中から攻撃を仕掛ける。」
ソールがモニターを使いながら、今回の作戦を説明する。
現在、日本は日本海側を集中的に攻撃を食らい、日本アルプスを境にして戦況は降着している。
つい最近であるミッドナイト海戦での連邦軍の敗北により、援軍はあまり期待できない状況である。
「今回の作戦は、今の戦線を押し返すためにも重要な任務だ。そして、激しい戦いになると思う・・・何か質問は無いか?」
「隊長・・・いいでしょうか?」
この隊唯一の女性、ラーナ伍長が遠慮しがちに言う。
「なんだ?質問があるなら言った方が良い。その質問が戦況を一変させかねないからな」
「あの・・・そこの二人が居眠りしています」
ラーナが指を差した方を見る。すると、レイジとキリーが居眠りをしている。
「ふぅ・・・仕方ないなぁ・・・クルゾー、起こしてやれ」
「わかりました」
クルゾーは立ち上がり、居眠りをしている二人の後ろに立ち、拳を振り上げる。
レイジからは「せんぱーい、1人だけずるいですよー」と、キリーからは「サリーちゃん・・・」などと幸せそうな寝言が聞こえる。
ゴツン、ゴツン。
鈍い音が2つ続けて部屋に響く。
「イタ」
「いってぇー」
「目を覚ましたか馬鹿者!」
クルゾーが二人に怒鳴る。
「・・・せっかくおねーちゃんとイイコトしてる夢見てたってのに・・・目覚めたら軍曹の暑苦しい顔見るなんてな・・・」
叩かれた頭をさすりながら言うキリー。
「何か言ったか?まだ殴られ足りないようだな」
「いえ、そんな事ないであります。軍曹」
軍曹に敬礼しながらキリー。
「そうであります。反省しております」
キリーに続くように、敬礼するレイジ。
「今後、こんな事があったら、俺は容赦しないからな」
そう言い放つと、席に戻るクルゾー。
「まあ、クルゾーの言う通りだ。ミーティングだって、大事な任務なんだからな」
『はい。わかりました』
キリーとレイジが揃って言う。
本当に分かってくれたんだろうか・・・などと思いながらソールは時計を見る。すると、時計は出撃30分前を指していた。
「もうこんな時間か・・・それじゃあ、ミーティングを終わりにする。各員、出撃の準備を始めるぞ。」
『了解』
こうして、02小隊のミーティングが終るのであった。
312通常の名無しさんの3倍:03/09/07 02:23 ID:???
作者さんズ、乙かれー。
漏れはきちんと読んでますよ、がんがって書いてねー
313通常の名無しさんの3倍:03/09/07 12:04 ID:???
>>310
>>312
そうやってこまめに養分を与えていかないと職人というのは
兎と一緒で淋しいと死んでしまうんです。

みんなも、よく職人が去ると死んだとか、なんとか言ってますが
それなら、自分達で職人を作っていこうじゃないの?という気概は欲しいんです。
荒地では何も生まれないし、花が咲かないんなら
自分達で栽培してやる位の姿勢は欲しいですよね。マジで

名無しやコテハンらが勝手に書いてるSSでも機械が自動的算出してる訳じゃないんで
人間だから労いの言葉、これ、大切。
雑誌なんかである、何々先生に励ましのお便りを出そう!とかの感覚です。
314通常の名無しさんの3倍:03/09/07 13:27 ID:???
>>231を見てX書いてるよ。
Xはあんまり見た憶えないからちょっと違うかもしれないけど、その辺Xファンの人たちは許容範囲内ですか。
315通常の名無しさんの3倍:03/09/07 14:47 ID:???
 一夜明けて、外には白銀の積雪が眩しい。フリーデンに乗ってまだ日が浅いガロードが雪を見るのは初めてのことだ。
「こんな雪ばっかりの所にも人は住んでいるんだな…… 体が凍ってしまわないのか?」
 ガロードの頭の中には凍った体が粉々に砕かれる、漫画的表現がイメージとしてあった。一緒に雪景色を見ていたティファがそれを聞いて口元を緩めたのは見逃さない。ガロードにはどこがどう可笑しいのかよく分からないが、この程度で楽しめたなら安いものだ。
 ティファが視線を船窓からガロドーに移して「雪を見たことは?」と訊くので無いと答えておいた。
「そう、でも安心して。坂道で転んでも雪ダルマにはならないから」
 言い終わる頃になるとティファはもう、肩の震えが見て取れるほどに笑った。ガロードには沈みっぱなしだったティファがこれだけ可笑しそうなのが嬉しくて、しかし見方を変えると必死になって笑いだめをしているようにも見えて、そう見えてくると悲しくもなる。
「だったらさ。到着したら雪道の歩き方、教えてくれないか?」
 勿論観光のためフォートセバーンに寄港するようなフリーデンではない。ジャミルだって長旅の疲れを癒す為陸に上がる時間くらいはくれるだろうと当て込んでの事だ。
 たまにはティファに外の空気を吸わせなければ、というのもガロード自身が一刻も早くフォートセバーンの街を訪れたいがための方便の一つなのかもしれなかった。


 昨日は美しく整然としていた雪が今は吹雪となって辺りを包み隠す。しかし雪に紛れてビームの粒子があらぬ所から飛んでくるからタチが悪い。
「ガロード! 敵はビットを使っている。ニュータイプだ!」
「今更どうしろってんだよ!」
 ブリッジにいるジャミルからのアドバイスを聞いても、ガロードには手の施しようが無かった。
相手は一機、しかし攻撃はその一機からではないのだから、全周に気を配ったままでは本体との格闘戦に神経を集中できないし、かといってこの猛吹雪を打ち破るようなセンサーはガンダムにも搭載されてはいない。
「ニュータイプと分かれば殺す事は許さん。捕えろ!」
 ジャミルの命令に無茶を言うなと反論したくても出来ないのが居候パイロットの辛さ。
「天然なら任せる。人工なら尋問は俺にやらせろよ!」
 人工ニュータイプに会って自分も同じように改造を施してもらえば、ガロードの悲願を達成できる。ニュータイプを探して旅をしているフリーデンに同乗した理由もその辺りが大きい。
(こいつに負けるようで…… シャギア・フロストを討てるのかよ!)

 ここまで書いて挫折
316 ◆FSGH/29z9w :03/09/07 19:28 ID:???
(ライナーレポート) 3話〜襲撃〜

「1号機から各機へ。全機応答しろ」
専用のチャンネルを使い、02小隊全員に呼びかけるソール。
現在、02小隊は、敵基地のレーダー網ギリギリの所で待機している。
「こちら2号機、クルゾーです。自分はOKです」
「こちら3号機、キリー。いつでもOKだ」
「こちら、ホバートラックのラーナとレイジです。とりあえず・・・この周辺には敵の反応はありません」
ラーナがホバートラックのレーダーを見ながら言う。
02小隊は、61式戦車3機、ホバートラック1機で構成されている。他の部隊もこれとほぼ同様である。
「作戦前に確認しておく。確認されている相手の戦力は、ドップ、マゼラアタック、そして、基地の武装だ。早い段階でドップ、マゼラアタックを叩き、そして後ろに控えている歩兵を投入する・・・これが今回の理想的な戦い方だ。各人、それに向けて頑張ってくれ」
『了解』
それと同時だった・・・静寂だった夜が一変、爆発音が響き渡り、基地から火の手が上がる。
「ホバーから各機へ。航空部隊の攻撃が始まりました」
ラーナが全機へ伝える。戦闘が始まったからか、何処と無く緊張した声色だ。
「ラーナちゃん、緊張するなって」
緊張する素振りも見せないキリーが言う。
「お前はもう少し緊張感を持て。作戦前だぞ!」
電波に乗って、クルゾーの怒鳴り声が各機に響く。
「そうですよ先輩」
耳を抑えながらレイジが言う。どうやら、クルゾーの怒鳴り声がよっぽど五月蝿かったようだ。
「緊張したって何にも変わらないだろ?それならいつも通りに行った方が気楽ってもんだ」
「まったく・・・お前という奴は・・・」
呆れながら溜め息をつくクルゾー。
「キリーの言う事にも一理あるし、クルゾーの一理ある・・・だが、こんな事を討論している場合じゃない」
ソールが口論している二人を一蹴する。
「生き残るためには、上司は部下に厳しくなる必要もある」という士官学校時代の教官の言葉を思い出しながら・・・
「今は生き残る事だけ考えろ。死んでしまっては何にも残らないからな・・・と、少し話が長くなってしまったな。戦闘は始まっている。02小隊出るぞ!」
ソールの61式戦車を戦闘に、戦場へ向かう02小隊だった・・・
317通常の名無しさんの3倍:03/09/07 21:09 ID:???
SSを書いたのですが、書き込んだスレの雰囲気と違うと言われるだけでした。
それをここに投下して、感想を求めてもよろしいでしょうか?
318通常の名無しさんの3倍:03/09/07 22:03 ID:???
まずはX−SSお疲れ。
ライナーレポート新作おめ。
で、317さんだけれども、そればかりは
書いてもらわないとわからないとしか。
ここは別に雰囲気でしばりをつけている
わけではないので、下手糞なら煽られるし
上手けりゃどんな内容、どのG作品でも
いけると思う。
とりあえずガンガレ!
319317:03/09/07 22:19 ID:???
>318
それでは、遠慮なく行かせていただきます。
320孤独の果て 1/12:03/09/07 22:21 ID:???
 目が覚めると、自分がベッドの上にいる事に気付いた。
 居場所を確認しようと、カテジナ・ルースは上体を起こし、頭を左右に振る。
だがすぐに、自分の目では部屋の中の様子も、窓の外の景色も確認出来ないの
だという事を、思い出した。
 エンジェル・ハィロゥの中心で見た、命の光。その輝きが、カテジナの視力
を奪った。彼女の目には、周りが明るいのか暗いのかを感じる程度の力しか、
残ってはいない。かつて無垢な少年の気を引いた長い金髪も、戦いの中で血に
染まっていった両の掌も、光を通じて感じる事が、彼女には不可能なのだ。
 悲しいが、涙は出ない。それが自分でも不思議だった。
 キィ、という小さな音を立てて、カテジナのいる部屋のドアが開く。木製の
ドアらしい。今の彼女は、音だけでそんな事が理解出来てしまうのだ。
「あら、起きてらしたの。」
 女性、中年の女性の声だ。
 か細い声で、カテジナが呟く。僅かな物音ででも消えてしまいそうな彼女の
呼び掛けは、その婦人の耳には届かなかったのだろう。婦人は入って来たばか
りの部屋から、出て行こうとする。
「少し待っててね。今、主人を連れて来るから。」
 婦人の気配が消えた後、カテジナはなぜ自分がここにいるのかを、思い出そ
うと努力していた。
321孤独の果て 2/12:03/09/07 22:22 ID:???

 アーティ・ジブラルタル。地球と宇宙を結ぶその場所に、カテジナはいた。
多くのザンスカール帝国の元兵士達と共に。
 カテジナの目から力を奪った最後の戦いの後、ザンスカール帝国は崩壊した。
その後、捕虜となって地球に取り残された帝国の兵士達の運命は、アーティ・
ジブラルタルのマスドライバーを使って、魂を引く重力を持たない宇宙へ連れ
戻される事に決まる。
 だか、カテジナだけは解放された。彼女が正式な地球居住権を得ている事が、
判明したからだ。連邦軍の支給品の衣服が詰まったトランク、僅かな金、旧式
のワッパと共に、彼女はアーティ・ジブラルタルから放り出された。彼女の目
が役に立たない存在である事が、分かっているにも関わらず。
322孤独の果て 3/12:03/09/07 22:24 ID:???
 U.C.0133年に起きた木星動乱が一応の終結を見た後、地球居住者の権利は、
大幅に拡大された。コスモ・バビロニア戦争とそれに続く木星動乱の時に、地
球連邦軍の秘密警察マハが、行き過ぎたスパイ狩りを行った為だ。
 木星帝国は戦争を仕掛けるに当たって、かなり周到な準備をしていたらしく、
地球にも木星帝国のスパイや協力者等が多数いた。そういった木星側の人々を、
マハは有無を言わさず狩り、宇宙へ上げる。
 その中には、正式な地球居住権を持つ人も多数含まれており、中には木星帝
国に関係のない人すらも含まれていた。マハの活動や存在に否定的な人達を、
木星帝国のスパイだというレッテルを張り、宇宙に送り込むという破廉恥な行
為を、マハはためらう事なく行なったのだ。
 そうしたマハの暴走が、地球に住む連邦政府の政治家や高官達を刺激する。
自分達はもちろん、有力な支持者やスポンサー等の関係者が、マハの暴走の被
害を受けるのではないかと危惧したのだ。
 U.C.0135年。連邦議会で、マハの規模と権限を大幅に縮小する法案が可決。
同時に、地球居住者の居住権も強化された。以後、マハは目立った活動をする
事もなく、治安の悪い地域の不法居住者を、思い出した様に取り締まるだけの
存在となり、今に至る。
323孤独の果て 4/12:03/09/07 22:24 ID:???
 そうした事を知っている連邦の役人と宇宙引越公社の職員は、カテジナを解
放する事に決めたのだ。正式な地球居住権を持つ人間を、独断で下手に宇宙に
上げてしまっては、後々面倒になる。
 だがカテジナにはそんな役人達の思惑など、どうでも良かった。自分の居場
所が消えてしまった事が、悲しかった。これで、何度目の事だろう。そう思い
ながら、カテジナはワッパを走らせた。
 ウーイッグへ帰ろう。家へ帰ろう。ルース商会を大きくする事にしか興味を
示さない父と、外に男を作り遊び歩く母のいる、あの家へ。小さな頃から一人
で食事をするのが当たり前だった自分の家の記憶さえも、すがるに値する存在
だと、彼女には思えた。
324孤独の果て 5/12:03/09/07 22:25 ID:???

 ワッパが盗まれた事に気付いて途方に暮れているカテジナに、その男は近付
いて来た。俺に一晩付き合ったら、金を恵んでやると言う台詞を吐いて。
 スピードを出した男のワッパに乗って、カテジナはその部屋に辿り着いた。
辿り着く迄に聞いた男の話によると、その男はこの辺り一番の商人で、郊外に
持つ自分の別荘にカテジナを連れて行くという。
 男の話にカテジナは、父の持つ冷たさと、母の持つ汚らわしさを感じた。
 男を軽蔑しながら、カテジナは久しぶりのシャワーを浴びる。人工的な温か
い雨を気の済む迄浴びた後、カテジナはバスタオルで体を包み、浴室から出た。
 男は服を着たまま、バスタオル一枚のカテジナをベッドに押し倒す。悪臭の
するキスと、不快感しか生まない愛撫。それにカテジナは耐えた。クロノクル
の次に体を開く男が、こんな汚らわしい存在だとは。
 自分の巣に育てようと、体と言葉を使って懸命に赤毛の青年を励まし続けた
日々が、思い出された。悲しみの涙も、情けなさの涙も、使い物にならない自
分の目から出て来はしない。私の涙は全て、光り輝く命の翼が奪ったのだから。
325孤独の果て 6/12:03/09/07 22:26 ID:???
 人工的なゴム越しに、男の存在を感じる。その時にカテジナの発する苦しみ
の声を、男は勘違いして、卑猥な動きで腰を振り続けた。しかも二度も。
 自分勝手な二度の快楽に溺れ、全裸でだらしなく横になっている男の方に、
カテジナは顔を向ける。見えはしないが、男への軽蔑が正確な居場所を教えて
くれるのだ。
 顔を背け、男から離れようとベッドから出した足に感じた、異様な感触。右
足の裏から伝わるそれは、無造作に放り出された、男の精の残骸の入れ物から
感じる物だった。
 何かが、弾けた。
 立ち上がったカテジナは、先程の行為を反芻しながら夢を見ている男の腕を
掴んで、引き起こした。目を覚まし、何が起こったのか理解出来ない男の顔に、
カテジナの拳が飛ぶ。男の腹に、カテジナの爪先が入る。
 男は床にうずくまろうとして膝を付き、頭を下げた。しかし、ドス黒い憎悪
一色に染まったカテジナの右足が、男の顎を蹴り上げる。蛙の死骸の様に、男
は仰向けに倒れた。そこに表情の無い視線を、カテジナは向けた。
326孤独の果て 7/12:03/09/07 22:26 ID:???
 牛のいななきに似た男のうめき声が、耳に入る。カテジナはそのうめき声に
近付き、右足を上げた。そして、毒虫を踏み殺すかの様に、うめき声の発生場
所を踏みにじった。二度、男が自分の中を汚そうとした回数程。
 ガッ!
 二度目の鉄槌が振り降ろされた時、その音が、足の裏で踏み付けている物の
どこかから生まれた。男の黄色い歯が折れた音なのか、男の肺の奥から発せら
れた断末魔なのか。カテジナは、そんな事に興味は湧かない。ただ、足元の毒
虫の意識が完全に消えた事を示す音なのだという事さえ、分かれば良かった。
 カテジナはもう一度、シャワーを浴びる。毒虫と、それが生んだ汚らわしい
精の残骸の入れ物を踏み付けた右足を、幾度となく洗った。
 埃臭い自分の衣服に再び身を包み、身支度を終えたカテジナは、脱ぎ散らか
された男の衣服から、財布とワッパのキーを抜き取る。部屋の隅に置かれた自
分のトランクを持ち上げた後、気を失っている男の股間があるであろう方向に
向かって、カテジナは唾を吐き、部屋から出て行った。
327孤独の果て 8/12:03/09/07 22:27 ID:???

 谷に架かった橋をワッパが渡り切った直後、カテジナの耳が、バッテリー切
れの不快な警告音を捉えた。
 ワッパを止め、薄い上着の内ポケットから財布を取り出し、指先を財布の中
で動かす。カテジナの指は、あと一回ワッパの充電が出来るだけの金額を確認
した。
 男から奪ったワッパはスピードとパワー重視の道楽品らしく、充電の度に、
なけなしのカテジナの財布の中から大金を奪って行くのだ。充電をしたいが、
金を使い切ってしまっては、安全な水を手に入れる事が出来なくなる。
 アーティ・ジブラルタルを放り出されてから今迄の間、僅かなパンと水だけ
でニ週間程生き延びて来たカテジナは、ワッパを諦める決意を固めた。
 荷台からトランクを降ろした後、ワッパに乗らずにエンジンを掛ける。ワッ
パのそばに立つカテジナの左手がアクセルを押すと、バッテリーの切れ掛かっ
たワッパが、少しづつ動き始めた。今越えた谷に向かって。
 それから、どれ程歩いただろう。幾度となく浴びた晩秋の日差しと夜風は、
弱り切ったカテジナの体力を容赦無く奪って行く。カテジナの目の前に、懐か
しいウーイッグの町並みが浮かんだその時、彼女はまるで大地に還るかの様に、
うつぶせた。
328孤独の果て 9/12:03/09/07 22:27 ID:???

「で、行き倒れてるあんたを、配達帰りの俺が見付けたってわけだ。」
 パン屋の主人と名乗る、婦人に連れて来られたその男性の話を、小さな皿に
盛られた具の入っていない薄いスープを口にしながら、カテジナは聞いていた。
長い間まともな食事をしていない彼女の体を気遣って、そんな食事を婦人は用
意してくれたのだ。
「悪いけど、あなたが眠っている間に荷物を調べさせてもらいました。あなた、
軍人さん?」
 婦人の問いに、カテジナは戸惑いの声を返す。
「いえね、トランクの中の着替えに、連邦軍の支給品だと書いてあるタグが付
いていたものだから。」
 元ザンスカールの兵士だと分かるのはまずいと咄嗟に判断したカテジナは、
婦人に曖昧な返事を返す。ただ、故郷のウーイッグへ帰る途中だという事だけ
は、はっきりと伝えた。
「そう。だいぶお疲れの様ですし、うちでしばらく休んでお行きなさい。」
 早くウーイッグに帰りたいという理由を付けて、カテジナは遠慮する。
「そんな、遠慮なさらなくても。ウーイッグはこの町から、それ程離れていま
せんわ。目もご不自由な様ですし、いいんですよ。」
 婦人はカテジナの意思を押し切った後、主人と共に部屋を後にした。
 涙が出た。枯れ果てたと思っていた、涙が。空襲で故郷を離れた後、初めて
彼女に与えられた無償の優しさが、カテジナの目を潤わせたのだ。その涙が、
薄いスープをさらに薄めている事に、カテジナは気付かなかった。
329孤独の果て 10/12:03/09/07 22:28 ID:???

 アーティ・ジブラルタルで支給された物と同じ型の旧式のワッパのそばに、
カテジナとパン屋の夫婦が立っていた。カテジナのこけていた頬は丸く変わり、
埃まみれだった長い金髪は、かつての美しい輝きを取り戻している。そして何
より以前と違うのは、冬物の衣服を身にまとっている事だ。婦人が若い頃に着
ていた古着を、カテジナにくれたのだ。
「私はもう着ない物だから。お似合いですよ。」
 それを知る方法を持たないカテジナは、一瞬、下を向く。
「セシリー。」
 パン屋の主人は小さな声で婦人の名を呼び、咎めた。
「あ……。ごめんなさい、ルースさん。気が利かなくて……。」
 僅かな沈黙の後、パン屋の主人がカテジナの腕を取り、ワッパの存在を教え
てくれる。カテジナは自分の腕が持たれた部分から、無機質な冷たさを感じた。
主人の右腕が機械で出来た義手である事が、今になって分かった。
「このワッパ、あんたにやるよ。古い物だけど、一応は動く。元気な姿を、早
くご両親に見せてあげるんだな。」
 カテジナは、義手の事を尋ねる。木星動乱の時に右腕を失ったのだと、パン
屋の主人は教えてくれた。私と同じ境遇なのだ、この人は……。
330孤独の果て 11/12:03/09/07 22:28 ID:???
「生きていれば、いい事があるさ。」
 そう励ますパン屋の主人の声から、カテジナは感じた。自分には無い命の強
さと優しさを、この親切な夫婦は持っているのだという事を。
「それと、これ。少ないけど、取っときな。」
 パン屋の主人はそう言って、彼女にお金の入った財布を差し出す。主人の機
械の義手からそれを受け取る時、カテジナは冷たい筈のその右手を、暖かく感
じた。また、涙が出た。

 何かおかしい。オートコンパスが壊れたので手動でワッパを操作していたが、
どうやら道に迷ったらしいのだ。足元から、川のせせらぎが聞こえる。
 人の温もりを求め、カテジナは川伝いにワッパを動かす。しばらくすると、
赤ん坊の笑い声と、それをあやす少女の声が聞こえて来た。その楽し気な雰囲
気に近付き、以前よりも僅かに生気を帯びた声で、人がいるであろう場所に向
かって、尋ねる。
「ワッパのオートコンパスが壊れてしまって、方向が分かりません。ウーイッ
グは、どちらでしょう?」
331孤独の果て 12/12:03/09/07 22:29 ID:???

 親切な少女がオートコンパスのスペアをくれたお陰で、カテジナの乗るワッ
パは、確実にウーイッグへと近付いている。肌寒い。あの少女と出会った頃か
ら、雪が降って来たのだ。
 涙が出た。次に流す涙は嬉し涙にするのだと、あのパン屋の夫婦の優しさに
向けて、誓った筈なのに。今自分の頬を伝う涙が、嬉し涙ではないのだと気付
いたカテジナは、頬を濡らし続ける事をやめようとしなっかた。
 カテジナの頬にある涙の川に、雪が落ち、溶けて、交じり合う。その感触で
すら、今の彼女を支配する感情を、強くするのだった。

−完−
332317:03/09/07 22:32 ID:???
 終わりました。感想を聞かせて下さい。自分のカテジナに対する思いに一区
切り付けなければ、次のSSに取り掛かれそうにないんです。
333通常の名無しさんの3倍:03/09/07 23:42 ID:???
>320-331
ぎりぎりの卑猥さとぎりぎりのクロスオーバーってとこですか。
あと、直前のレスと作品を読んでいると分かると思うけど、
一書込みを区切って短めにはしているけれど、12連続だと
多分読まない人もいると思われ。
こういうところをスレで読み取らないと、ここでもスレ違いっつうか
叩かれるので気をつけましょう。
あと、ご本人も書いてらっしゃるのでうすうす感じているのかも
知れませんが、
>自分のカテジナに対する思いに一区切り付けなければ
と書いている以上、妄想・自慰行為・自己満足と取られるのは
ある程度覚悟しておいたほうが良いかもしれません。
最も2chのシャア専に妄想や自己満足以外に何を求めると
いうのだと言われると答えに詰まりますが。
334通常の名無しさんの3倍:03/09/08 00:10 ID:4EuC3iJp
問題は
 目 が 見 え な い の に そ れ は な い だ ろ 
と思ってしまうところなんだが。
335317:03/09/08 00:27 ID:???
>333,334
 感想、ありがとうございます。あなた方の言葉に救われた様な気がします。


>333
>一書込みを区切って短めにはしているけれど、12連続だと
>多分読まない人もいると思われ。
>こういうところをスレで読み取らないと、ここでもスレ違いっつうか
>叩かれるので気をつけましょう。
 自分は、書き終えてからSSを発表するというスタイルを取っているので、こ
の様になってしまうのです。もしそれが問題ならば、改める事にします。

>妄想・自慰行為・自己満足と取られるのは
>ある程度覚悟しておいたほうが良いかもしれません。
 それは分かっているつもりですが、自分の心の中にいるガンダムのキャラク
ター達が、何かの刺激を受けて動き出すのを、自分で止める事ができませんで
した。
 このSSは、大まかな展開以外は、話自体が勝手に動き出して完結した物です。
書いている内に変更点や修正点がどんどん出て来るのに、それらの要素がちゃ
んと一つの物語としてまとまって行くのは、不思議としか言い様の無い感覚で
した。それ等を全て書いたら、「御託が長すぎんだよオメェ」と言われそうな
程の数です。
 自分はこの話以前にVガンダムのエロ話を二本程書いたのですが、その時も、
登場人物達が勝手に動き出して行きました(今回程では無いのですが)。その
内一つは好評でしたが、もう一つはややスレ違い気味の物でした。とにかく、
自分がこんな感覚に陥る以上、スレの雰囲気に合わせたSSというのは、なかな
か書けそうもありません。以後、発表場所に気を付ける事にします。


>334
 確かに言われてみれば、目が殆ど見えない筈の作中のカテジナは、動き過ぎ
ですね。自分が話を書いている時は、そんな事に全く気が付きませんででした。
やはり人の意見は聞くべきなのだと、改めて思います。


 もう一度言わせて下さい。感想、ありがとうございました。
336通常の名無しさんの3倍:03/09/08 00:54 ID:???
>>335
あのさ...

>このSSは、大まかな展開以外は、話自体が勝手に動き出して完結した物です。
>書いている内に変更点や修正点がどんどん出て来るのに、それらの要素がちゃ
>んと一つの物語としてまとまって行くのは、不思議としか言い様の無い感覚で
>した。

こういうことヌケヌケと書けちゃうのがいかんのでしょ。
書きながら一人でよがってるんならそりゃまさに自慰行為。
読み手の存在を意識しながら書いてみることも必要だと思うよ。
337317:03/09/08 01:00 ID:???
>336
 そうですね。ここでまた長い文章を書くと、また精神的オナニーの延長にな
りそうなので、ありがとうとだけ言わせて下さい。
338通常の名無しさんの3倍:03/09/08 01:27 ID:???
感想に感謝してるのなら、次回作を書くことで示せば宜しい。
339通常の名無しさんの3倍:03/09/08 01:32 ID:???
情熱のままに書き殴るのもまたよし。
俺はすっきり読めたよ。それほど長さは気にならんかったな。

カテジナがあっさり男に逆襲しちゃったら、その境遇の悲惨さがあまり実感できないな・・・
とまあ、そういう感想が述べられる程には面白く読めた。
340通常の名無しさんの3倍:03/09/08 03:38 ID:???
Last Envelop - GUNDAM 0087 -

  Capter 0

 マッセンは、コロニーと呼ばる人口の大地に独り、立っていた。
 数ヶ月前まで、ここには200万の営みがあった。
 しかし今は、沈黙の巨人の掌がコロニー全体を包み込み、圧迫感すら伴う静寂があたり
を支配している。
 生けるものの気配はない。
 マッセンのいる場所は、小高い丘の上に設けられた公園だった。かつては、そこから一
望できる住宅街の人々が、この公園で憩いの時を過ごしたのであろう。常緑樹の茂みを、
ややいびつな楕円状に散策路が囲い、一画には広いスペースが取られ、ブランコや滑り台
などの遊具が置かれている。
 しかし今は、子供たちの笑い声も、ベンチに座って語らう恋人たちの姿もない。
 無人のコロニー──そこは、死んだ街だった。
 不意に、頭上からモビルスーツがスラスターをふかす独特の音が聞こえた。見上げると、
GS型と呼ばれるGMが1機、降下してくる。
 その様子が、マッセンにはひどく無粋なものに見えた。静謐なる墓所を荒らし、死者の
眠りを妨げる侵入者に思えたのだ。それが、ある種の感傷に根ざす錯覚であることは承知
している。しかし、そう錯覚させるだけの重く、沈んだ空気がここには存在する。
 自分が何かに取り憑かれているような気がして、マッセンは振り払うよう二度三度と頭
を振った。
 その間にもGMは高度を下げ、ランディングの体勢に入る。
 やや、未熟な操作だった。スラスターを多用し、その加減もおぼつかなく姿勢が安定し
ない。それでもバランサーの補正範囲には収まっていたようで、ぎこちないながらも無事
に着地した。
 コクピットハッチが開き、パイロットが現れる。パイロットスーツを着てなお細身の身
体。バイザーを上げたヘッドギアから覗く顔は、まだ少女と言える幼さを残していた。
「少佐ぁ!」
 パイロットはコクピットから身を乗り出すと、マッセンの方に大きく手を振る。その仕
草も、どこか幼さを感じさせた。わずかな苦笑を浮かべながら、マッセンは軽く手を挙げ
て応えながらGMの足許に歩み寄る。と、勢いよく降りてきた昇降用ステップが、マッセ
ンのノーマルスーツのヘルメットに当たった。
「ごっ、ごめんなさいっ!」
 内心の動揺は存在したが、表面上の平静は保ったままマッセンはステップに足を掛け、
ワイヤーを強く引く。上昇するステップに身体を預けながらコクピットを見上げると、パ
イロットが半分泣きそうな顔で見下ろしていた。
「本当にスミマセン……」
「気にするな、チェン伍長」
 素っ気なく言いながら、マッセンはGMのコクピットに入る。そこには、やはり外の景
色が広がっていた。空中にシートだけが浮いている。
 GS型は一年戦争末期に生産されたGMだが、この機体は近代化改修を受け、全天周モ
ニタとリニアシートを備えていた。一般に改修機はR型と称されるが、コクピット周りの
インターフェイスのみ換装したこの機体は、スペック的には一年戦争当時のままであり、
制式にR型と呼ばれるための条件を満たしていなかった。こういった仕様の機体は、パイ
ロット養成校などの練習機によく見られる。
341通常の名無しさんの3倍:03/09/08 03:38 ID:???
 マッセンはリニアシートの後ろに回り込むと、そこに備え付けられた簡易シートに身体
を固定した。お世辞にも座り心地が良いとは言えない。
「よろしいですか、少佐」
「よし、行ってくれ」
 一瞬沈み込む感覚のあと、じわりと機体が持ち上がる。
 コロニー内における上昇は、単純な垂直加速ではない。コロニーの回転とは逆方向に加
速し、回転の慣性を殺しながら上昇する。よって、飛び立った場所がいつの間にか「頭上」
に来ているという奇妙な現象が生まれる。
「無人のコロニー、か」
 先刻まで自分が居た公園の辺りを頭上に見上げつつ、マッセンは呟いた。
「他の区画もざっと見てきましたけど、人影はありませんでした。本当に無人なんですね」
「そうか、掃除だけはしっかりやったわけだ」
「掃除?」
「……いや、なんでもない」
 曖昧な表情のチェンではあったが、そのまま沈黙した。
 やがて2人を乗せたGMはコロニーの中心部へと到達する。そこから見るコロニーの風
景はごくありふれたものだったが、どことなく荒涼とした印象を受けるのは「無人である」
という先入観からだろうか。
「少佐、どこか他に見るところはありますか?」
「いや、艦隊に合流しよう。寄り道させてすまなかったね」
「いえ、いい訓練になります。今はなるべく多くの時間、MSに乗りたいですから」
「訓練生だったね」
「はい、こんな半人前が少佐のお迎えなんかしちゃって、スミマセン。艦長の命令で……
私は遠慮したかったんですけど。あ、少佐のお迎えが嫌だとか、そういうわけじゃなくて
ですね! って、私、何言ってんだろ……」
 無礼と言えば無礼なのだが、そんなチェンの様子をマッセンは微笑ましく思った。
 そうしてる間に、機体は港湾ブロックへと入る。そして、いくつかのゲートを通過し最
終エアロックへ。本来であれば、非常時でもない限りコロニーへの出入りは煩雑な手続き
を必要とするが、管制ブースに人影はなく、素通りである。その代わり、全てのハッチを
マニュアルで開閉しなければならなかったが。
 コロニーの外に出ると、押し潰されそうな息苦しさから解放され、マッセンは微かに安
堵の吐息を漏らした。しかし、あのコロニーに起こった出来事を思うと、当分は暗鬱とし
た気持ちから逃れることはできそうにない。
「なんだか薄気味悪かったですね、少佐」
 事情を知らないチェンも、何かしら感じ取ったのだろう、そんな言葉を漏らした。
「ある意味、無人のコロニーに入るというのは貴重な経験かもしれんな」
「それにしても、なぜコロニーを無人のまま放置しておくんでしょう。なんか勿体ない気
がしますね」
 それには応えず、マッセンは遠ざかるコロニーを振り返る。
 コロニーは宇宙の光に包まれ、ただ静かに回り続けていた。

  to be continued...
342ぴよ=340-341:03/09/08 03:44 ID:???
あぁ、名前入れるの忘れた…。
343通常の名無しさんの3倍:03/09/08 05:22 ID:???
オススメはどれかな
344通常の名無しさんの3倍:03/09/08 08:50 ID:???
俺頭悪いから小学生でも読めそうなの書いてよ。
345通常の名無しさんの3倍:03/09/08 13:10 ID:DaoW2MEW
ツマンネ
346通常の名無しさんの3倍:03/09/08 13:20 ID:???
特にブーストが。
347通常の名無しさんの3倍:03/09/08 17:52 ID:???
>344

そんな貴方にここがお勧め。
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1062246285/
348通常の名無しさんの3倍:03/09/08 18:04 ID:???
>ぴよ氏
おつかれー。
終戦後ですか。続き楽しみにしてます。

と連邦サイドの話が最近多いですね。
ジオンとか、別サイドの話誰か書いてくんないかな。
349ゲボッ:03/09/08 18:42 ID:???
えっと、ユウ=フォレストスレでやっていたオリジナル機体
フォボス=ギア(ジム系)とか作ったけど
このスレでもオリジナルな機体(量産、試作、実験)を作
り、細かい設定とか使って新しいのを作りたいので色々と
書き込んでいきます。

火星の奴は完結してないけどフォレストが反応示さない
のでキャラ変えてしようかな…

えっと量産機の名前変更して設定付けしてください。
(図々しいかな)
まず、ジム系(ジェガンからの直系かな?)
モノセンサー(単眼、つまりジムを思い浮かべてくれればいい)
性能はジム系としても上々ただし、宇宙と火星下の運用に
限り

武装:
・ビームライフル(出力的にはジェガンより良い程度)
・耐ビームコーティングシールド(ビームを弾けるが耐久性は×)
・ビームサーベル(ジェガンの流用)
追加武装により強くしていくタイプ
350通常の名無しさんの3倍:03/09/08 19:02 ID:SPcL5Waq
主人公が家に帰ったら、
庭にザクが立ってたってストーリーはどうかな?
351通常の名無しさんの3倍:03/09/08 19:23 ID:???
ソレダ!!!
352通常の名無しさんの3倍:03/09/08 19:25 ID:???
誰か>>350の作品を書いてくれ
353ゲボッ:03/09/08 19:42 ID:???
>530
おぉwなし崩し的に…だけどおもしろそうだ。

火星連邦量産MS(赤)
オプション武装
・ビームピストル(ジムのスプレーガンの様な外観、携行性と速射性を重視威力と
弾数はあまり考えられていない)
・キャノン砲(肩装備型)二門
・ロングレンジビームライフル(長距離型収束ビームライフル)
・長距離拡散ビームバズーカ砲(使い捨て式で強力ビームを上空に撃ちだし目標
上空で拡散地上に細かいビームが降り注ぐ)
・アサルトライフル(タブレット式マガジンによる実弾のアサルトライフル、速射性は、
溜を必要とするエネルギー兵器に比べ速く、50cm弾を乱射する)
354通常の名無しさんの3倍:03/09/08 19:43 ID:???
我が家にザクがやって来た!!
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1057585649/
355ゲボッ:03/09/08 19:52 ID:???
決めた!!
書くぞぉ〜火星連邦の話。
356通常の名無しさんの3倍:03/09/08 20:02 ID:???
ttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/3750/

>>354の本家 過去掲載分もこっちで
357通常の名無しさんの3倍:03/09/08 20:05 ID:???
>>317
どうも読ませていただきました。
適度にエロ、適度に「あっ」と言わせるような人物配置、
良かったと思います。
ただ、もう少しカテジナの「盲目感」をうまく表現できたらいいと思います。
次回作待ってます。
358プルスキー:03/09/08 22:50 ID:???
思わず、詳細設定が知りたくなって、ジオンの系譜ー連邦篇ーをやったら驚愕の事実発覚…
0079年2月に、セイバーフィッシュは作られてねぇっーーーー!!!  < (|||@□@) >
いきなり4月1日にゲームが始まって、新兵器開発の所にセイバーフィッシュがっ!!!
トリアエーズとかTINコッドとかフライマンタとかしか、4月までに連邦軍は持ってねーーー!!
こんな航空機とか航宙機で、ザクに勝てるかっ!!!
そのうえ必死こいて作ったセイバーフィッシュですら、ただのカトンボだーーーーーー
思わず、ガンタンクが作れたら、レビル乗せてハワイを攻めに逝ってしまったよ……

ガンダムの設定把握って……、すごく難しい……
359通常の南無さんの3倍:03/09/08 23:40 ID:???
>>358
ギレンの野望のMSその他兵器開発に関する設定は,既存の設定とは
一切関係なく,単独で存在しております。

なんでか?っていうと,簡単。つまりCPUが馬鹿だから
敵側を強く出来ないので,プレイヤーサイドにハンデをつけてバランスを
とろうとしてるわけで,最初からMSがあるジオン側は兎も角
ジオンに地球侵攻を受けて,さぁこれから反撃だ!って時の連邦軍の
装備の不十分さ加減ってのはトンでもない状況になってる

まぁ,アレはまったくアテになりません。
360通常の名無しさんの3倍:03/09/08 23:48 ID:???
>>358
セイバーフィッシュは少なくともU.C.0071には存在してるから安心しる
この年に完成してるのは気圏外仕様の「FF-S3」で
大気圏内仕様の「FF-3」はそれより前に完成しているフシもある
ゲーム設定を鵜呑みにするとヤケドするぞ
361プルスキー:03/09/09 00:05 ID:???
>359 >360
あ、そうなんですか……、よ、よかった…
レス、サンクスコ……<(T▽T

しかし…、ガンダムの歴史年表見ていると…
1ヶ月も(っていうか、実質3、4日?)無い間に、サイド1、サイド2、サイド4が沈黙するなんて…
どういう攻撃を行ったら、そんな破壊が可能なので?
(ザクが核バズーカ撃ってる様にも見えましたが…… =□○_ )
ガンダムが動き出したのがその9ヵ月後で、僅か3ヶ月ちょいで戦局がひっくり返っているのも
ど、どうなんでしょうか?(苦笑
362通常の名無しさんの3倍:03/09/09 00:07 ID:???
>>358
ついでにチンコッドは試作機はU.C.0062にロールアウトしているが
設計上の不備(航続距離の絶対的不足など)が原因で量産は見送られ
戦後にエンジン、電子デバイスの大幅な見直しをはかってから
フライアロー、フライマンタの後継機として本格的に配備された
363通常の名無しさんの3倍:03/09/09 00:30 ID:???
>プルスキー氏

貴方が言っているのが一週間戦争だとかルウム戦役のことだとするなら
ルウム戦役後に南極条約が結ばれているので、核兵器の使用はされています。
また、コロニーへのGGガス(一部ではG3ガスとも)の使用がされています。
コロニー落としもこの時期ですので、まさに1stの冒頭人類の半数を失った(だっけ)
という下りはこの時期に該当します。
ちなみにガンダムが動き出した頃には、ジオンが地上降下作戦により
補給線が延びに延び、前線が随分と疲弊していたという設定です。
シャアが最初にドズル中将からザクの補給が十分に行われなかったこと、
マ・クベがさっさと資源採掘プラントから物資を掠め取るだけとって
(あと十年は戦えるとの台詞はここから)宇宙に上がったのは、この後に
地球撤退を予測していたからかもしれません。
つまりガンダムはたしかに戦局を一変させた兵器かも知れないですが
その前から連邦とジオンのパワーバランスはじわりじわりと変わっていたわけ
なのです。
364通常の名無しさんの3倍:03/09/09 00:44 ID:???
>>361
1ヶ月とか、3〜4日とか、そんなヌルいレベルではない
ジオンは開戦からわずか40時間でサイド1、2、4を壊滅させ
住民28億人をヌッ頃している
人類史上に類を見ない効率的なジェノサイドだw
365ゲボッ:03/09/09 00:55 ID:???
ジオンサイドで系譜してます。
完全勝利で第二部はネオジオンとティターンズネオジオンをグラ
ナダに封じ込め。
ティターンズもトリントン基地とグリプスのみ(トリントンは進行中)

はっきり言ってエース部隊とビグザム、アプサラスUでガンガン倒
せるけど、エースを乗せる機体がほとんどRX系

G−3ガンダム
Gアレックス
GP01Fd
ガンダムピクシー

主力量産機ゲルググM

ジオンが完全勝利に終わった後レビル将軍はどこにいるやら…
1.処刑(ギレンは連邦完全勝利の場合銃殺刑に処される)
2.左遷(退職も)
3.戦死(ジャブロー攻略作戦で)
366通常の名無しさんの3倍:03/09/09 01:00 ID:???
ギレンの野望統一スレ16 系譜・独戦記・蒼き星
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1062274232/
367ぴよ:03/09/09 02:15 ID:???
Last Envelop - GUNDAM 0087 -

  Chapter 1 'Disquieting atmosphere'

 U.C.0087、2月20日、マッセン・シルドー連邦宇宙軍少佐は、その艦隊に着
任した。艦隊といっても、旗艦であるマゼラン改級ポーレルハンプとサラミス改級メレラ
ン、同ドレックサージの、わずか3隻からなる小艦隊である。
 ささやかな艦隊ではあるが組織の主幹たる司令部は当然存在しており、マッセンはその
幕僚として招聘された。
 ポーレルハンプの艦長を兼任する艦隊司令のマーク・デンバー大佐はマッセンの旧知で
あり、一年戦争ではMSパイロットとして、共に死線をくぐり抜けた。
「久しぶりだな、シルドー少尉」
 着任の挨拶のため艦内のデンバーの居室を訪れると、デンバーはそう言って破顔した。
「ご無沙汰しておりました、大尉」
 マッセンも懐かしさに顔が綻ぶ。互いを一年戦争当時の階級で呼び合い、敬礼もそこそ
こに握手を交わし、デンバーは親しげにマッセンの肩をたたく。
 長身でがっしりした体格のマッセンとは対照に、デンバーはやや小柄で痩せている。一
見すると風采のあがらない小役人といった印象のデンバーだが、その戦いぶりは剽悍その
ものであり、指揮能力も一級品と言って差し支えない。マッセンも戦場で、直接、間接問
わずデンバーに助けられたことは一再ではなかった。
 華やかな戦績こそないが、常に水準以上の成果を上げ、その手腕は堅実にして過不足無
しと評されたものである。
 功績からいってもっと評価されてもいいデンバーだが、根が剛直でいささか融通の効か
ない一面もあるため上層部への「ウケ」が悪く、階級だけは上がっても軍中枢に近い旨味
のあるポストとは無縁だった。本人もむしろその方が清々するようで、お偉方の顔を見な
いで済むと笑い飛ばしている。
 2人はしばし、他愛のない思い出話や世間話に興じていたが、不意にデンバーが表情を
改めた。
「でな、あのコロニーには寄って来たか」
 やや声を潜め、デンバーはマッセンの方に身を乗り出す。
「はい、最初はまさかと思いましたが……」
「あれが、ティターンズのやりようよ。『30バンチ』ばかり取り沙汰されるが、他にも
あのようなコロニーが幾つかあるそうだ」
「本当でありますか」
「表向きは伝染病の蔓延による、住民の退避や隔離ということになっているらしいがな」
 デンバーは忌々しげな表情で腕組みをすると、不快感を顕わにして言う。
「あのような所業を許す今の連邦に、正直、失望を禁じ得んよ。このままではいずれ何処
かに無理が生じる……いや、もう手遅れかもしれんな」
 それは現体制に対する痛烈な批判であった。思わずマッセンは周囲に視線を配ったが、
むろん、この部屋には2人しかいない。
「本当に、あのコロニーにもG3が使われたのでありますか。『30バンチ』以外にその
ような事実があるとは、初耳なのですが」
 ある種の先入観から来る誤解ではないのか、とマッセンは暗に言う。上官の言うことに
異を唱えることにはなるが、疑問は質しておかなければならない。
 デンバーは微妙な表情で沈黙していたが、ややあって口を開いた。
368ぴよ:03/09/09 02:15 ID:???
「はっきり言うとな、情報の出所は例のエゥーゴだ。しばらく前から怪文書という形で出
回っている。事は政略の範疇だろうし、鵜呑みにすることはできんが……」
「現に、あの無人のコロニーは存在する」
 マッセンが言葉尻を受けると、デンバーはうなずいてみせた。
「そういうことだ。少し前まではティターンズの艦艇が周辺をうろついていて、近づくこ
とすらできなかったんだがな」
 事の真相は闇の中、しかし状況証拠は揃っている──かと言って断定するのは危険だが、
やはり「あの」ティターンズならやりかねないという認識に行き着く。
 つまりは、そういうことなのだ。
 仮に、その事実が無かったとしても、ティターンズに対して固定された認識が疑惑を生
み、それが連邦全体に対する疑惑へとすり替わり、反連邦という潮流が生じる。
 今は抑えつける一方で済んでいるが、いずれ反発は必至だろう。ティターンズはそれす
らも抑え込むつもりでいるのだろうが、果たしてそれが可能であるか、甚だ疑問であった。
「何故、人はいたずらに乱を求めるものなのだろうな……」
 マッセンは応えない。デンバーのその呟きが独り言であると解ったから。
 2人の間に、しばし沈黙が流れた。
「それで、大佐はいかがなさるおつもりで」
 しばらく自分の思索を追っていたマッセンだが、意を決してデンバーに問うた。いずれ
現状の連邦に信を置けないのならば、自ずと一つの選択肢が見えてくる。
「ん? そうさな、こうして部下に愚痴をこぼすだけさ」
 しかし、冗談に紛らせ、デンバーはこの場での回答を避けた。デンバー自身、まだ迷い
があるのだろう。いささか性急に過ぎたか、と、マッセンは内心反省する。
「小官は愚痴の聞き役ということですか」
「そう、重要な愚痴だ。将来を左右しかねない、な」
 そう言って、デンバーは笑ってみせたが、すぐに表情を引き締める。
「軍部全体に迂闊なことを言えん空気があってな、何を言うにも相手を見なければならん。
俺なりに胸に抱えているものもいろいろある。息も詰まるってものさ」
 本来は明朗快活であるはずのデンバーに、そう言わせるだけの状況が今の連邦軍の実際
なのだ。
 思えば一年戦争の頃は気楽だった──そう、マッセンは思う。常に死に直面してはいた
が、何をするべきか、誰が敵で誰が味方なのか、単純な価値観で事足りた。
 そして、ふと、それがデンバーの言う「乱を求める」ということなのだと気付く。単純
であるが故に偏狭で一方的な価値観を求め、それに反するものを否定すれば、その先にあ
るものは相克であり、それがやがて暴力を生み、闘争へと繋がる。
 それが嫌なら、多様な価値観を受容し、その摺り合わせに思い悩まなければならない。
(なるほど、人とは因果なものだ……)
 マッセンの頬が、やや自嘲気味に歪んだ。
「それはそうとな、少佐。チェン伍長だが、あの娘は結構いいと思わんか」
「大佐は、あのようなタイプが好みでありますか」
「嫌いではないな、悪いか?」
 おそらくは意識してだろう、デンバーは下品な笑い方をする。
 以後は、とりとめのない会話が続いた。

  to be continued...
369通常の名無しさんの3倍:03/09/09 03:20 ID:???
>>364
実はジオンがやったのはその1/3くらいで、後は宇宙移民者の決起を恐れて連邦もやってたんでないかい。
でも戦後になって全部ジオンのせい。ジオン軍はマンパワー足り無さそうだし、全部なんて無理だって。
370通常の名無しさんの3倍:03/09/09 09:16 ID:???
何の根拠もないじゃん。
371通常の名無しさんの3倍:03/09/09 09:24 ID:???
>>369
考察はその手のスレがあるのそっちでやってもらうとして、
ここで自説を主張するなら連邦陰謀説で1本書いてみては。
372ぴよ:03/09/09 11:01 ID:???
「どういうことだ? 何があった!?」
 コロニー攻撃軍の先鋒を任されているゴラーフ少将は、乗艦の艦橋で美髭に覆われた口
を震わせた。側に控えていた副官のラドルト少佐を振り返ったが、自分以上に当惑した姿
を見ただけだった。
 動きの鈍い連邦軍をあざ笑いつつ、わずか40時間でサイド1つを潰した。そして意気
揚々と次の目標であるサイド4宙域に来てみれば、既にそこにはコロニーであったものの
残骸と、その内容物が無惨な姿をさらけ出しているだけだった。
 自らの手でサイド2を攻撃している間は、興奮状態もあってそんな光景に一切の痛痒も
感じなかったが、第三者として見ると、身体の奥からおぞましさがこみ上げてくる。
 ゴラーフは自分が行っていることの恐ろしさを実感していた。
 しかし、もう後には引けない。賽は投げられたのだ。
「ともかく、後続の隊に連絡。司令本部には別働隊の存在の有無を確認させろ、至急だ!」
 そう副官へ指示を出すと再び目の前の光景を注視する。見たくはなかった。しかし、見
ずにはいられなかった。
「何が、あったのだ……」
 ゴラーフは、心中に暗雲がわき上がるのを覚えていた。


 ギレンは報告書を一読すると、わずかに目を細めた。
「……ほぉ、連邦軍もなかなかどうして、やるものだな」
 公国軍を統べる立場の人間として、コロニー潰しをやった者の正体を瞬時に看破した。
自軍以外で、短時間の内にサイドをまるごと壊滅しうる戦力を有する勢力は一つしかない。
「まあよい、いずれ潰すつもりではあったのだ、手間が省けたというものか」
 報告書をデスクの上に無造作に放ると、椅子に身体を預け、腹の前で手を組みしばし沈
思する。このタイミングで連邦軍がコロニー潰しをやったということは、ジオン公国の宣
戦布告の時期を連邦軍が事前に察知していたということになる。
 開戦直後の報告では連邦軍の動きが予想以上に鈍く、サイド2への攻撃は順調すぎるほ
どのペースで進んだとあった。連邦軍の怠惰と腐敗ぶりをそこに見て、ギレンは内心ほく
そ笑んだものだったが、こうなってみればそれは擬態だったということになる。
「一杯食わされたか、気にいらんな」
 にわかに表情に怒気が閃いたが、すぐに冷徹な戦略家としての仮面を被り直す。
「次の段階としては、組織的な反撃に出てくるだろうな。サイドを3つ潰し、28億の人
命を損ねた悪逆非道な軍隊が相手となれば、連邦兵の士気も上がろうというものだ」
 皮肉っぽい笑みが口の端に乗る。
 ここでギレンが、世間に対してサイド1、4に関しては「濡れ衣だ」と主張したところ
で無意味だろう。現に自軍もサイド2を潰しており、まったくの事実無根というわけでは
ない。宣戦布告にコロニー潰しを喧伝したこともある。
「いずれ主眼はブリティッシュ作戦だ。落とすものさえ確保できれば、初期の成果として
は十分とするべきか。後の事は、後の事だ」
 別の報告では、サイド2で確保した8バンチコロニーの移送は順調とある。宙間戦闘に
おける「新兵器」の優位性も、実戦である程度確認できた。
「勝算は十分にある、勝てる戦いなのだ。勝ってしまえば後はどうとでもなる」
 そう独語しながら妙に楽観している己に気づき、ギレンは自嘲気味に笑った。それは紛
れもなく不安の裏返しなのだ。
 予想外の出来事に、少なからず前線も動揺している。それを沈めてやる必要があった。
短時間で3つのサイドを潰してのけたという「事実」を得たのだ。今はそれを最大限に利
用すべきだろう。
 全軍に向けての鼓舞演説のため、ギレンは席を立った。
 戦争は、まだ始まったばかりなのだ。
373ぴよ:03/09/09 11:01 ID:???
>>369-371に触発されて書いてみますた。
374通常の名無しさんの3倍:03/09/10 00:54 ID:xaDT90dX
電波ゆんゆんなガンダムらしいのを頼む
375プルスキー:03/09/10 01:37 ID:???
>>362 >>363 >>364
更なる設定のご教授ありがとうございます。
しかし、やっぱり、40時間で28億人のジェノサイドって凄いですよね…(苦笑
核やGG使っても、かなり頑張らないとサイド壊滅は難しいと思いますが…
それと、ジオンの系譜やって感じたんですが、ザクってフライマンタに弱い?
爆撃機で攻撃してたら、意外にダメージ与えれたんですが……、
こういう地道な地上戦を9月までやってたから3600機ぐらい生産していたハズの
ザクも結構な損害数だったんでしょうか?

それと話は変って…

書き手が他所様のSSの書き込みに、感想うんぬん書くのは、どーなんだろ?って事で
今まで感想とか書くのを手控えていましたが、確かに馴れ合いに陥る可能性はあると思うんですが
やっぱり書き手も投稿SSに感想とか入れるべきなんじゃないかと思い始めました。
(読み手と書き手の感想って、微妙に違うとも思うんですが……読み手よりは感想が出やすいと思うんです)
ただ、さすがに、今更374も前に戻って一々、感想書くのは無茶なので、
最近の読んだ周辺について書き込ませて貰わせたいと思います。

もう一つ、別件で…

長い書き込みというのがスレの読むテンポを崩すというのは、なるほど、理解できます。
では、一括して掲載できる、「俺ガン小説書いてる厨房集まれ」にアップしたものを
URL貼り付けするというのは、駄目なんでしょうか?
例えば、こんな風に、
ttp://minovsky.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/v.cgi?id=00098
(ぴよ様、勝手に使ってしまって申し訳御座いません…(^^; ぴよ様がNGなら辞めます)
せっかく、小説投稿できる良いシステムがあるんですから、スレに直接書き込むとか
10も書き込もうとすれば、連続投稿で文句言われるスレッド投稿システムよりは、 いいんじゃないかと思うんですが…
376通常の名無しさんの3倍:03/09/10 01:46 ID:???
イイ考えとおもうが、リンク先までしっかりみにいってくれるとはおもえん。
あまりに長い場合はそうしたほうがいいだろうけど。普通の長さだったら、ここでいいとおもうよ?
377プルスキー:03/09/10 01:57 ID:???
ま、先ずは近場から、ぴよ様のを…
>Last Envelop - GUNDAM 0087 - Capter 0,1

まだ、始まったばかりみたいなんで、何とも言いようが無いんですが
こういう文章表現は好きです。…・・・っていうか参考にさせてもらいます。
この、全体的な雰囲気の暗さが良いですね。Z系のガンダムっぽいです(苦笑)
まだ物語の進展も何も無いので、続きを期待しています。

>372
黒っ(苦笑
雑談ネタから生まれたとはいえ、人類整理に連邦も加担していたっていう話は
多少否定できない側面があるぶん、ギレンの台詞なんかが微妙に笑えます。
特に、 「一杯食わされたか、気にいらんな」  とか、こんな報告書やってきたら、
本当に言いそうな感じがしてこの台詞はウケました。

>ぴよ様へ
半分私信(全部か?)になりますが、「俺ガン小説〜」のGセイバーとかの感想とかも
積極的に書き込んだ方が良いでしょうか?
それと、あのようなHPを作って下さいまして、有難う御座います。
いろんな意味で、心が救われました(謎の苦笑)
378通常の名無しさんの3倍:03/09/10 02:35 ID:???
>>プルスキー
気張りすぎ。
感想付けるのを書き手の義務っぽく思い込むのは、なんか違う気がする。
個人的にはわざわざコテハンで感想書き込むのも、ちょっとどうかと思う。
普通に他のROMと同じ感覚でいいんじゃないか?
379通常の名無しさんの3倍:03/09/10 03:10 ID:???
感想は名無しで書けばいいんでねーの?そのほうが気楽ってもんだ。
380通常の名無しさんの3倍:03/09/10 04:55 ID:???
ブルスキーのような何かをしたんだけど、力んでてやや自意識過剰気味なのが
コテハンとして育っていくんだろうなあと思った。別に煽りでも叩きでもなくてね。

要は自分のやりたいようにやれば言いだけで誰も止めない訳だし
コテハンを名乗って活動するなら自分のリアクションに対して一々能書き垂れて
云々ですから…というのは逆にウザがられるだけだよ。という事は覚えておいて損は無いと思う

2chで長くコテハンやる覚悟なら、言い訳をダラダラ長く書いて逃げ道作るのは辞めた方が良い。
そんなコテハンはかっこ悪いから名無しに戻って澄ました顔でネタだけ書いてればいいんじゃないの?
381通常の名無しさんの3倍:03/09/10 06:55 ID:???
プルスキーは職人に向いてないな
382通常の名無しさんの3倍:03/09/10 09:01 ID:???
手厳しい意見を貰っているようだがめげずにガンガレ>プルスキー
383通常の名無しさんの3倍:03/09/10 09:33 ID:???
ヤッパリ職人って、黙して語らず…が1番いいな。
プルスキーみたいにコテで語りだすといろいろ言われるし、自分でもボロを出し易い
SS書きか、ネタ書きにだけコテを使って
後は名無しで過した方がいいと思うぞ>プルスキー
384ぴよ:03/09/10 11:58 ID:???
>>375
まずは感想ありがd、いい燃料になります。
全体的に暗くて重くて黒いのは、書き手の性格が滲み出ているためと思われ(w。
うpろだの方は基本的に「ご自由にどうぞ」というスタンスなので、
デリ食らわない範囲でなら何やっていただいても結構です。
最低限のメンテ以外、管理人としての介入も意志入れもしません。
俺自身も利用者の1人というつもりです。



あと、ぴよ吉風情に"様"(゚听)イラネ。
385通常の名無しさんの3倍:03/09/10 12:23 ID:???
キャラネタSSはともかく俺ガンは痛い
386通常の名無しさんの3倍:03/09/10 12:45 ID:???
>>385
目糞鼻糞だろうが
どっちも内容が痛いのは多くけどな。
シリアスに走る俺ガンの方に痛さが際立つのは否めない
387通常の名無しさんの3倍:03/09/10 15:25 ID:???
SS書いてる時点で痛いのでそんなのいまさら気にしない。
388通常の名無しさんの3倍:03/09/10 16:32 ID:y+aXtq2I
SSといえば、ディレルワンガー旅団に尽きるでしょ。彼らの暴れっぷりが折れ
的には萌えだ。
389SS:03/09/10 18:31 ID:???
SS
390●のテストカキコ中:03/09/10 18:33 ID:???
http://ula2ch.muvc.net/ (このカキコは削除しても良いです)
391通常の名無しさんの3倍:03/09/10 21:30 ID:???
>390
他の所でも見かけたけど、これ何?
392通常の名無しさんの3倍:03/09/11 00:40 ID:???
さあ?
393通常の名無しさんの3倍:03/09/11 00:55 ID:yOweYndV
ツマンネ
394MS-05N 旧名無しザク:03/09/11 02:21 ID:???
機動戦士ガンダム0079
 〜Soldier can't stop carnival〜


最後のタバコが燃え尽きた。
唯一の娯楽の終了によるため息とともに響く轟音
開戦から何時間がたったのだろうか・・・
オデッサは陥落しかけていた
基地指令マ・クベもすでに宇宙への脱出を果たし、残るは降伏寸前の兵たちだけだった
男は操縦桿をつかみ、MSを起動させた。
MS-05 ザクT
旧型と言われているそれも、男にとっては関係なかった。
唯一の武器120mmマシンガンを持ち、ザクは動き始めた。
彼の生存は絶望的だった。
それを知りつつも、彼は進み始めた。
祖国も、正義も、大義すら問題ではなかった。
ただ戦士として、ただ軍人として、彼は進んでいた。
遠くにビックトレーが見えた。
あと数分で彼は死ぬのだろう。
途端、彼は生への執着が沸いた。
嗚咽し、叫び、呪った
しかし、それでも彼は退かなかった。
敵前衛部隊が攻撃をはじめた。
まもなく、彼に快楽が襲った。
まるで麻薬のような、まるで居眠りのような、心地よいものだった。
その感覚に浸りながら、彼は操縦桿を動かした。
彼を襲った感覚、それは生への希望だったのか、死への安心だったのか。

彼の行方は、誰も知らない。

                        糸冬
395ミライ ◆vl1PRVaMCg :03/09/11 08:53 ID:???
つまらん。
396通常の名無しさんの3倍:03/09/11 09:32 ID:???
NIFTY-Serve全盛期のご時世から、SSへの感想がつかねぇって悩みはずーっとあったから気にすんな。
でも、粘着は簡単に弾けたから、それについては2ちゃんよりよかったな。
397通常の名無しさんの3倍:03/09/11 11:00 ID:???
>394
「〜た」という文章を連続させるのは、やめた方がいいと思う。
398通常の名無しさんの3倍:03/09/11 11:12 ID:BAfEZ32j
おいおい文章添削してる奴がいるよ
お前は赤ペン先生か?いい加減にしろ
399通常の名無しさんの3倍:03/09/11 12:17 ID:???
ぴよ吉はあれだ、文章的技巧に走りすぎて中身が伴ってない。
人物は薄っぺらで人間味が感じられないし、描写も散漫で焦点が
定まってないから情景が浮かび上がってこない。
何よりも物語としての面白味に欠ける。
「文章としての体裁だけは整えました」という感じ。
もう少しエンターテイメント性ってのを意識した方がよくね?
400通常の名無しさんの3倍:03/09/11 13:03 ID:???
>>398
つまんねぇつったら荒らし扱いで、注意したらいい加減にしろか。
こんな文章しか書けんのにマンセーレスばっかがほしいのなw
アホが
401通常の名無しさんの3倍:03/09/11 13:08 ID:???
>>398>>400は消えてください。
目障りです
402通常の名無しさんの3倍:03/09/11 13:32 ID:???
>>401お前も消えろ。チンカスどもにいちいち構うな。死ねよ


399に色々言われてるけどな
物語として話が面白く無いって致命的じゃん。
文体や書式以前の問題で
UCの時代公証や兵器やマシンの機能説明以前の話だよ
解説書のテクニカルライターやってんじゃないんだから
話が面白くないというのはそもそも読む価値が無い物語という事になるんだから


これを会話に当てはめると、あの人は話し好きなんだけどあの人の話しを聴いてると
なんだか眠くなるんだよなあーと噂されるような
退屈な話ししかしないツマラナイ奴といレッテルが張られて誰も話し相手になってくれなくなるという事だと思うが

根本が抜けたまま、覚えちゃった変な癖ってなかなか抜け切れるもんじゃないから修正が大変そうだよ
403老兵:03/09/11 14:31 ID:???
ジオンとの戦争も終わり、オレは軍を降りた
今じゃソロモン近海で鉄屑を集めて売り飛ばす毎日、だがこれも悪くない。
得意先は一部の趣味人、結構マニアも多い
特にジオンのMSの部品なんかは高値で売買されている、この間も14の頭部が高く売れた。
そんなある日だった、初老の身なりのいい男が店にやってきた・・・
そいつは持ってきた黒のハードケースから大金を取り出した
「探して欲しいものがある・・・」
オレは自分の耳を疑った。
404通常の名無しさんの3倍:03/09/11 14:34 ID:BSxxJp1G
>>388
カミンスキーも忘れんなよ。
405通常の名無しさんの3倍:03/09/11 15:51 ID:???
ディレルワンガーやカミンスキーといっても一般人にはちょとわからんだろうな。
406通常の名無しさんの3倍:03/09/11 16:46 ID:???
アラタマワンダーやヤマニンスキーならわかる
407通常の名無しさんの3倍:03/09/11 18:31 ID:K9x3bwo8
漏れも以前このスレで物語が致命的に面白くないと言われたよ。
まあ、でもアレだ、とにかく書いていれば、どうすれば面白いものが
書けるか分かるようになっていくだろうから、まずはガンガって書き
続けて欲しいね、ここの作者さんズには。
408通常の名無しさんの3倍:03/09/11 20:39 ID:???
キャラに魅力がない 設定に惹かれない 呼んでいて疲れるetc・・・

あ、ごめんごめん、ひとり言だから聞き流して
409通常の名無しさんの3倍:03/09/11 22:04 ID:???
他の事ならともかく、こと文章を面白く書けるか書けないかというのは
努力でなく、もって産まれたセンスなんだと思う。
センスだけで努力しなかったら駄目なんだが
何よりも先にセンス。これが無い奴は幾ら努力しても無意味だよ

自分の頭で面白いと思った考えが浮かんでもそれを他人、最大公約数の第三者に伝える能力が
欠落している人は駄目だよね。どんなに努力しても
サービス精神というか自分の主張だけ通す、そうしたがる人は
それは単なる独り言だから誰にも共感は得られないし
伝わっていないという事になる。人に某かを伝えるセンス。欲しいよね
410通常の名無しさんの3倍:03/09/11 22:17 ID:???
このスレももう400突破してたのか・・・。
ところで、このスレで一番評価の高いSSってどれだ?
411通常の名無しさんの3倍:03/09/11 22:30 ID:???
このスレでっていうか、
この板で面白いSSのTOP10くらいを知りたい
TOP5でもいい
412通常の名無しさんの3倍:03/09/11 22:52 ID:???
誰がどうゆうルールで順位決めるんだよ?
投票制にしても仕組みをちゃんと作らないと一部のマンセーだけの意見に偏るぞ
413通常の名無しさんの3倍:03/09/11 23:03 ID:???
ポイントとしては

・ストーリー
・独創性、アイディア
・文章力
・ハァハァ
・総合  ってとこか?

小説じゃなくてSSってとこがミソ。色んなタイプがあるからな・・・
414ベースボール伝:03/09/12 00:41 ID:???
>>220
第7話 シャングリラ・プレーヤー>
レフトにシーブック・アノー、センターにヒイロ・ユイ。2人の強肩が加わった野球部の守備力
は格段にアップした。2人はバッティングのほうも優秀だった。
「俺たちは絶対に負けられない。」
あのカロッゾの陰謀が判明した日から、ブライトが練習前に必ず言う言葉だ。部員達に気合を入れるために。
練習試合の日は近い。

「おい、ジュドー。やっぱまずいよこんなことするなんて」
「何言ってんだよ。万引きよりマシだろ?野球部は人数少なくて見つかりにくいし」
「でも、部室で財布がなくなったら誰だって悲しくなるよ」
「イーノは真面目すぎるんだよ。俺たち貧乏学生が生活していくにはこれしかないのよ」

平日の放課後・・・野球部の部室で、少年達がなにやら物色をしていた。財布を盗むつもりだ。
人数は4人・・・だが、補習で遅れたブライトとアムロが、部室に迫っていた。
「・・・今日の部活は・・・な・・・誰だ!!貴様ア!!!」
「や・・・やべえっ!!」
物色をしている少年達に気づいたブライトが叫び声をあげた。と、同じに部室を飛び出し、逃げ出す
4人。ブライトとアムロはその勢いに吹き飛ばされてしまった。
「は・・・速い・・・なんて身のこなしだ・・・特にあの主犯格っぽい子・・・」
「アムロ・・・!!何やってんの!!追え!!追うんだ!!」
「は・・はい!!」
ブライトに言われ、4人を追うアムロ。だが、逃げ足は思ったよりもはるかに速く、追いつくのは困難だった
アムロは考えた。野球部のグラウンドの方に追い込もう。そうすれば誰かが捕まえてくれる。
アムロは先回りして、4人が野球部の方向へと向きを変えるように仕向けた。

415ベースボール伝:03/09/12 00:43 ID:???
「おおお!!人がいっぱいいる!!やべえー」
グランドの近くまで来た4人。後ろからはアムロの声が聞こえる。
「誰か、その4人をつかまえるんだあっ!!」
まず立ちはだかったのはハヤトである。だが、見せ場を作ることもなく、4人に振りぬかれた。
「なーにやってんだよ!へたくそ!!」
「ハヤトさん・・・何をやっているんだ・・・気合がぼけているんじゃないか?」
カミーユが構えをとって、4人を迎え撃った。得意の空手を披露するつもりだ。
「ぐああっ!!」
高速で動き回る4人のうち3人が彼の空手の餌食になった。捕まった3人をシーブックにまかせ、
カミーユはもう一人を追う。
「ジュドー!!お前だけでも逃げろ!!」
「・・・まったく・・・好き勝手やってくれちゃって!!」
「待てー!!!」
追いついたカミーユはジュドーと呼ばれた少年ともみ合いになった。だが、ジュドーは、カミーユの
空手を見事に空回りさせ、決定打をもらっていない。
「こ・・・こいつ・・・!!」
「こんなとこで捕まってたまるかよ!!」
と言ってカミーユを振りほどいたジュドー。しかし、逃げられるかと思ったもつかの間。
目の前に、ヒイロが立ちはだかった。
「・・・・・・・・・・お前を・・・殺す・・・」
「・・・え・・・・?うわあああ!!パ、パワーがダンチだ!!!」
ヒイロの回し蹴りを喰らってジュドーは倒れこんだ。周りの部員達が、集まってくる。
少し遅れて、ブライトとアムロがやってきた。
「盗んだ物を出してもらおうか?」
「・・・そんなものないよ、盗む前に、あんた達が来ちゃったんじゃないか!!」

416ベースボール伝:03/09/12 00:43 ID:???
「君、1年生だね。名前は?」
「ジュドー・アーシタ。そっちの奴らはビーチャにモンドにイーノ」
「なぜ財布を盗もうとしたのだ?」
「俺たちシャングリラ地区に住む人間は、学費を払うだけで精一杯なんだ。あんた達とは違うんだよ」
シャングリラ地区とは、このコロニーの中でも、特に貧乏な人間達が集まる地区だ。中には両親が
他のコロニーに出稼ぎに行き、子供だけで暮らしている場合もあるという。原因は、一部の裕福な
人間が、私利私欲のために彼らの生活圏、仕事を買収してしまったからである。ジュドーもその被害者
の一人で、今は妹と2人暮らしらしい。
「そうか・・・まあ、俺たちの財布は盗まれてないようだし、許してやるよ・・・」
ブライトがそう言った。だが、帰ろうとするジュドー達を止めようと、アムロがこう言った。
「ジュドー君、野球をやってみない?」
「え?野球?」
「君の足のすばやさと身のこなしはすごい逸材だと思うよ。ブライトさん、ショートあたりをやらせたらかなりのものだと思うけど」
「こんなとこで野球やっても金にはならないだろ?」
「そ・・・それはそうだけど・・・」
「よし、ジュドー・アーシタ。貴様、バッティングと100メートル走のテストを受けろ。」
話を聞いていたブライトがそう言った。当然断るジュドーだったが、ブライトの相変わらすの強引さ、
盗みをしてしまった償いもあって、テストを受けざるを得なかった。
「いいか?真面目にやるんだぞ」
「わかってるよ、うるさいなあ」
ジュドーは投げられてくる球を当たり前のように打ち返し続けた。しかもすべてがヒット性のあたりだ。
「な・・・なに?」
100メートル走では10秒5。高校生でこんなタイムはブライトは聞いたことがなかった。
「こんなもんでいいの?ブライトさん」
「ああ、貴様にはショートで1番を命ずる。これから練習に参加してもらう」
417ベースボール伝:03/09/12 00:46 ID:???
「なんだって!?冗談じゃないぜ!!疲れるだけじゃないか!!」
「・・・貴様が試合でヒットを打つごとに、部費を使って、一ヶ月の昼飯代を出してやる。それならどうだ?」
「・・・ほ、ホント!?ホントだね!ブライトさん!!」
「あ・・・ああ、本当だ・・俺が責任を持つ」
「じゃあ、野球部に入るぜ!!昼飯代が浮けば、リィナを山の手の学校にいかせる金もたまるかもしれないしな!!」
ジュドーは満面の笑みを浮かべて走っていった。
「ブライトさん・・・いいんですか?あんなこと言っちゃって」
「仕方ないだろう・・・あんな運動神経を持つ高校生など、他にいないしな」
カミーユの投げるボールを、センター前へと弾き返すジュドー。ヒイロがバックホームをしようとした
時、彼はすでにホームベースを踏んだ後だった。
<つづく 次回、硬式ボール、血に染めて >
418通常の名無しさんの3倍:03/09/12 00:46 ID:???
>413
ついでに

・完結しているかどうか

も入れてくれ
419サイド10:03/09/12 00:49 ID:???
どうも、お久しぶりです。
次々回あたりから、新しく文章を書いていこうと思います。
今日と、次の更新の時までは以前書いて、自分で立てたスレにうぷしてたものです。
てゆーか、長らく更新が遅れてしまってすいません・・・
420つまらん ◆vl1PRVaMCg :03/09/12 01:00 ID:tmIL7iHY
421413:03/09/12 01:01 ID:???
・ストーリー
・独創性、アイディア
・文章力
・ハァハァ(キャラクター?)
・完結しているかどうか(完成度)
・総合

でどうだろうか
422418:03/09/12 01:16 ID:???
>421
上の五つに20点づつ振り分けて、総合(満100点)で何点かにすれば分かりやすそう。
423通常の名無しさんの3倍:03/09/12 01:32 ID:???
つーか、面白いSS読みたいなら
漫画サロン板とかに行ったほうがいいよ。
この板なんかより、ずっとレベルが高い
文章はともかく、発想や展開が桁違い
424通常の名無しさんの3倍:03/09/12 01:41 ID:???
>>423
ココはガンダム縛りだしなぁ。
思いっきり重力に魂(発想)引かれてるし。
425通常の名無しさんの3倍:03/09/12 02:34 ID:???
う〜ん。他の板の話をされてもなあ…
この板にあるSSから面白いのを見つけ出したいんだが
426 :03/09/12 02:45 ID:???
427通常の名無しさんの3倍:03/09/12 03:05 ID:???
面白いかどうかなんて他人の判断に頼ることじゃないと思うが・・・。
自分で探せよ。下手な評価システムなんかで書き込みが減ったら余計につまらん。
428 ◆FSGH/29z9w :03/09/12 03:29 ID:???
ライナーレポート 4話〜攻防戦〜

警報が鳴り響く基地内。人々の慌ただしい足音と怒号がこだまする。
「大佐。連邦の攻撃です。」
基地のオペレータの1人が50代ぐらいであろうかという1人の男に向かって言う。
その男こそ、この基地の最高責任者である、ゾルダー=カイル大佐である。
「そんな事は分かっている。こちらの被害、そして敵の戦力は?」
自分が守る基地が、突然の襲撃を受けているというのに、酷く落ち着いた様子を見せるカイル。
「現在、敵航空部隊によりトーチカがほぼ全滅。マゼラアタックとドップで応戦していますが・・・何しろ、あちらの戦力の数が半端ではありません」
苦い物を噛んだように顔が歪むオペレーター。
「そうか・・・」
何かを悟ったような顔を見せるカイル。そして・・・
「全機、ならびに基地にいる人間に伝えろ。我々はこの基地を放棄し、本部へ帰還する」
「わかりました。全機、ならびに基地内部にいる人間に告ぐ。この基地を放棄して本部に帰還する」
基地内の放送とジオン軍専用の通信から退却指令が出る。
「私のザクを用意しててくれ。しんがりは私がつとめる」
そう言うと、カイルは司令室を後にし、彼のザクが置いてある格納庫へと歩を進めるのだった。



「ひゃっほー、もう一匹しとめたぜ」
キリーが歓声をあげる。
現在、02小隊は基地の手前100m地点でマゼラアタックの部隊と戦闘をしているのだが、小隊員全員の力で目の前の敵をほぼ全滅へと追い込んでいる。
「よし・・・戦況はこっちの方が有利だ。一気に仕掛けるぞ」
ソールはそう言いながら、砲身を敵に向け発砲・・・そして相手はせめてもの回避行動をとろうとするが命中する。
お互いの駆動系がキャタピラの場合、素早く正確な砲撃で勝負が決まる。
「宇宙生まれが、我々のような地上の戦いが出来ると思うな!」
休む事無く打ち続けるクルゾー。
「どうやら、敵は撤退を始めたようだな。よし、そろそろ歩兵隊との連絡を取れ」
勝利を確信したように言うソール。しかし、その思いはラーナからの通信によりかき消される。
「隊長、こちらに高速で移動してくる期待があります・・・この反応、MSです」
「なんだって!」
ソールが驚きの声をあげると共に、彼らの目の前に、人型の巨大な鉄の塊が現れる。
「これ以上・・・やらせはしない・・・」
ザクのパイロット。カイルが呟き、ザクのモノアイが左右に動いて61式戦車に狙いを定めるのだった。

ライナーレポート 第4話〜攻防戦〜

429ミライ ◆vl1PRVaMCg :03/09/12 09:14 ID:???
つまらん。
430通常の名無しさんの3倍:03/09/12 13:07 ID:???
>>427

他人から紹介されて、いいのに出会うことだってあるんじゃないの?
そこまで拒絶反応するこたないだろ

>>418
個人的には点数とかつけないで、ただコメント添えるだけで十分だと思う
431通常の名無しさんの3倍:03/09/12 13:15 ID:???
>>430
アマゾンのカスタマーレビューみたいな感じ?
点数抜きで解説文とお進め度を表す感じとか
けど名無し評価だと偏りそうで似たようなおすすめとかが増えそうな悪寒
432通常の名無しさんの3倍:03/09/12 13:48 ID:???
>>431
いっそのこと名無し評価禁止にしたら・・・
433通常の名無しさんの3倍:03/09/12 14:58 ID:???
434プルスキー:03/09/12 17:13 ID:???
いや、全然、話変るんだけどさぁ…
エロSSって、どうしてあんなに人気というか、人を集める力があるんだろうなぁ?

いや……、わかってはいるんだ、うん  そんなの理論的に考えようが直感的に考えようがな…

いや、でも、しかし…
なんていうかな……
何か心の奥底で、納得しかねる「何か」という奴が……
ガンダムのプラモデルを素組していると、沸いてくるのさ……
まぁ、そんなん、ロートルの戯言に過ぎないんだがな……

このまま、エロSS書きや、萌え絵師とかやって生きていくのも悪くないと思った
こういう生活も悪くないと…
でも何か……俺の心の中で燻っている何かが……

やっぱり俺は……、戦記モノSS書きなんだよな……
435通常の名無しさんの3倍:03/09/12 17:29 ID:???
>>434
>エロSS書きや、萌え絵師

書いてるの?
436通常の名無しさんの3倍:03/09/12 17:47 ID:???
>>434
余計な世話かもしれんが、ネタ師ならネタ投稿以外にはコテハン使わない方がイイと思う。
わけわからん話コテハンでされてもキモイだけなんだが。
437通常の名無しさんの3倍:03/09/12 17:53 ID:???
・・・いてぇ
438通常の名無しさんの3倍:03/09/12 18:11 ID:zt0y0A/Q
ヤバイ。ブルスキー本当に痛くなってきた・・・
考え直せよ。今なら未だ引き返せるぞ
439通常の名無しさんの3倍:03/09/12 19:00 ID:???
>>434
エロSS書きや萌え絵師でもお前なんかよかずっとマシだろ。
出来もしないことをさも「出来るけど選ばない」みたいに発言するのはイタイを通り越してキモい。
いや、キモい。キモいわ。
440通常の名無しさんの3倍:03/09/12 19:16 ID:???
>>434
どうも貴様の発言を読んでいるとエロSS書きや萌え絵師の事を見下している様にしか見えんのだが。
しかも自分の事「戦記モノSS書き」などとは。
お前は妄想オナニー小説書き込めば誰でも一端のSS書きとして認められるのかと(ry
441 :03/09/12 19:19 ID:???
若いのさ
442通常の名無しさんの3倍:03/09/12 19:39 ID:???
つーか誰もブルちゃんの事を職人とは認めてないから安心しる
ブルちゃんは自分で自分の事を課題評価し杉なんだよ
ブルちゃんがこのまま消えて哀しむのは馴れ合っていた、ぴよしか居ないんだし
安心して消えていいよ
この板的には何も損害は無い
443通常の名無しさんの3倍:03/09/12 19:57 ID:???
悲惨だ
444通常の名無しさんの3倍:03/09/12 20:06 ID:???
皿氏age
445通常の名無しさんの3倍:03/09/12 21:05 ID:???
いや、マジで好きになったよブルスキー








ヲチ対象として
446通常の名無しさんの3倍:03/09/12 21:15 ID:???
何故だ・・・!何故誰も突っ込まない・・・!?
『 ブ 』ルスキーじゃなくて『 プ 』ルスキーだという事を・・!!
447通常の名無しさんの3倍:03/09/12 21:56 ID:Bphtzq9G
>446 それはシャア専デフォルトの変換です。
もう少し、突込みをいれると、マジレスカコワルイ。
448通常の名無しさんの3倍:03/09/12 22:00 ID:???
ぶるすきー・・・

( ´,_ゝ`)フ"ッ
449通常の名無しさんの3倍:03/09/12 22:09 ID:???
プルスキー→エロSS


いや、自分で言っててようワカラン。
とにかくハンドルもイタイってことだろ
450通常の名無しさんの3倍:03/09/12 23:18 ID:???
ぐだぐだ言ってねぇで書けってんだよ
451通常の名無しさんの3倍:03/09/12 23:29 ID:???
452通常の名無しさんの3倍:03/09/13 01:15 ID:???
>>434
プルスキーたんはエロならば
誰でも彼でもマンセーされると思ってるようだが大間違いだぞ。
実力のある人はエロも他の部分も上手い。
プルスキーたん、あんたはエロの方は戦記にさらに輪をかけてダメダメだよ。
某所でとある人気SS職人とあんたのを読み比べたら本当に次元の違いがひしひしと伝わってくる。



萌え絵師ならイケルと思う。
つか絵師一本の転向を薦める。
453通常の名無しさんの3倍:03/09/13 04:00 ID:BBebsoSQ
プルたん。がんがれ
















萌え絵師としてな
自分の与えられた役割以外を演じようとするから死にそうなる訳だ
454通常の名無しさんの3倍:03/09/13 08:43 ID:???
プルスキーって南極絵師の            ?
455通常の名無しさんの3倍:03/09/13 11:13 ID:???
>>454
普通にプスルキーで描いてた。
中々だったよ。
456通常の名無しさんの3倍:03/09/13 14:55 ID:???
続きが読みたいんだが
457通常の名無しさんの3倍:03/09/13 16:41 ID:???
いや
458通常の名無しさんの3倍:03/09/13 17:33 ID:???
がんがれ。
459通常の名無しさんの3倍:03/09/13 17:35 ID:???
 とりあえず>421を使って、「ベースボール伝」のレビューを◎○△×でして
みる。かなり甘くなるとは思うが。


・ストーリー:○
 キャラクターが増えていく過程を一人一人違った状況にしているので、読ん
でてあまり混乱しない。「すんなり」と迄は言えないが、読める出来。

・アイディア:○
 ガンダム主人公を集めて野球をさせるのは、面白いと思う。手元で三倍のス
ピードに伸びるシャアのボール等、元ネタを生かした部分も多い。

・文章力:△
 キャラの台詞だけで、全てを説明しようといている気がする。台詞ではない
文章に、もっと力を入れて。

・キャラクター:△
 台詞回しは個性が出ているけど、それ以外での個性を明確にする手はある筈。
それはこれから、各キャラのポジションと打順で出るだろうが。

・完結度:△
 まだ先は長そうだが、SS内の目的(ジオニックハイスクールに勝つ)が明確
なので、物語全体は読者に把握出来ている。

・総合:○
 少なくとも、続きは気になるSS。外伝的に、ジオニック側の話も出来そうだ
しね。


 生意気な事やって済まねぇな、作者さん。
460通常の名無しさんの3倍:03/09/13 17:43 ID:???
プルたんのことはもうおいとこう。俺は結構きらいじゃないけどね。

それより>>431で話題になってたカスタマーレビューってやつを激しくやってみたいのだが。
461通常の名無しさんの3倍:03/09/13 17:45 ID:???
よし、やれ。
462通常の名無しさんの3倍:03/09/13 17:47 ID:???
>>459
グッジョブ!ナイスレビュー!いいね。
そういった感じで、ここにあるSSや他のシャア板のSSも感想おながいします。
こういう評価をみて、はじめてそのSSを読む人も多いと思う。
現に、俺はいまからベースボール伝よみなおしてみまふ。
463通常の名無しさんの3倍:03/09/13 18:12 ID:???
>462
 いやさ、自分もSS書きの端くれだから、感想が増える様に手助けしたいわけ
よ。それで他人様のSSのレビュー、書いてみたんだが。
464通常の名無しさんの3倍:03/09/13 18:43 ID:UO3QeDFH
>>463
情けは人の為ならず。か・・・
465ベースボール伝:03/09/13 18:45 ID:???
<第8話 硬式ボール、血に染めて>
野球部に活気が戻ってきていた。実力を持った人間が増えてきたことによって練習も高レベルになった。
ブライトにもいっそう気合いが入る。
その日、アムロは委員会の集まりがあり、部活に遅れていた。委員会を終え、グランドに行こうとして
いたアムロ。クラス用具を取りに戻ると、カイ・シデンが居残り補修をさせられていた。
「よお、おぼっちゃん。部活か?おめえみたいなおぼっちゃんに野球なんてできるのかね?」
「何度も言いましたがその呼び方やめてくれませんか?僕はおぼっちゃんなんかじゃありませんから」
「なんだとアムロ。俺に文句あるってのかよ!」
突然怒りだしたカイがアムロの胸ぐらをつかみ、怒鳴り散らした。アムロは冷静に対処する。
「すぐ暴力をふるう。そういうの軟弱者のすることですよ。あなたはそんな人じゃないはずだ」
「アムロお・・・てめえ・・・!!」
カイはアムロの顔を2発殴り、その場を後にした。うずくまっているアムロの元に、担任のマチルダが
現れた。
「アムロ・レイくん!大丈夫?」
「マ・・マチルダ先生。ええ、なんとか大丈夫です」
「まったく、補修を命じたのに、帰っちゃうし・・・しょうがないわね」
「カイさんは救えないですよ。あんな人もいるんですね世の中には」
「・・・・・昔はあんな子じゃなかったのよ・・・カイ君は・・・」
マチルダは昔話を始めた。数年前、カイが一年生の頃の話だ。
「あのころ、カイ君にはミハルっていうガールフレンドがいたのよ。亡くなってしまったけど」
「亡くなった?なぜです。」
「ミハルはいじめにあっていたわ。カイ君はそんなミハルにただ一人優しく接していた。でもいじめる人間はどんどんエスカレートしていったわ」
数年前、この学校にはいじめを苦に自殺をした少女がいた。それがミハル、カイのガールフレンドだった。
学校に入ってすぐにいじめにあっていたミハルはカイだけを心の支えとして学校にきていた。
クラスが違った二人だったが、放課後はいつも一緒にいたという。

466ベースボール伝:03/09/13 18:46 ID:???
「でも、ミハルは次第に精神がおかしくなってしまっていったわ。そのことをカイは学校側にも相談した」
「いじめは収まったんですか?」
「いいえ、変わらなかった。教師も何もしなかったわ。問題になるのを恐れて。その一週間後、ミハルは屋上から飛び降りた」
「・・・・・・・」
「カイ君はそれから変わってしまったわ。クラスの誰ともしゃべろうともせず、特に教師への反発はすごくなった」
「大人の勝手な理由で好きな女性を殺されたようなものですからね」
「ええ、誰も友達もいない。寂しい子よ彼は」
カイに対して悪い印象しか持っていなかったアムロは少し見直すとともに同情した。自分も同じ状況
に落ちいったらと思うと、カイが不憫でならなかった。
「そうそう、カイくんね、中学の時野球やってたのよ。アムロ君、あなたなら友達になれるかもしれない・・・」
「友達・・・・」

翌日、アムロはカイをグランド裏の野球部の部室裏へと呼び出した。グローブとボールを二人分持っている。
「アムロ、なんの真似だよ。」
「カイさん、久々にキャッチボールでもしませんか?」
「てめえ・・・・・俺をなめてやがるのか・・・」
「・・・・・ミハルさんをなくした悲しみは計り知れないと思いますよ。でもあなたがずっとこのままじゃ・・・」
「・・アムロ・・・なんでそのことを知ってやがる・・・!!」
「あなたがそんな風にぐれてたって、ミハルさんは笑いませんよ!カイさん!目を覚ましてください!」
「これ以上言うんじゃねえ!!アムロ!!」
カイはアムロの顔に再び拳を突き刺した。しかし、アムロはひるむことなく、逆にカイに向かって
殴りかかる。
「ぐ・・・アムロ・・・」
「あなたはこんなんじゃいけないんです。ミハルさんの望んでいることは、あなたに笑っていてほしいはず」
「お前に何がわかるってんだよ!!」

467通常の名無しさんの3倍:03/09/13 18:48 ID:???
ベースボール伝続き来た!
うれすぃ
468ベースボール伝:03/09/13 18:49 ID:???
カイが殴ればアムロもすかさず反撃する。アムロは一歩もひるまなかった。二人の血で、地面が赤く
染まる。
「僕はあなたの全部がスキと言うわけじゃありません・・・だけど、こんなんじゃミハルさんもあなたも不憫ですよ・・」
「アムロ・・・いっちょまえに俺に同情をかける気かよ・・・?」
「僕はあなたに立ち直ってほしいだけだ!!そして一緒に野球がやりたい。聞きましたよ中学時代、野球部の中核だったって」
「・・・・・・・」
「カイさん!カイ・シデンさん!!」
「アムロ・・・俺もお前が嫌いだよ・・・おぼっちゃんみたいで・・・」
「カイさん・・・」
「野球をする上で、メンバーに一人ぐらい嫌いなやつがいても、気にはならねえよな・・・」

数分後、ブライト達がグランドへとやってきた。彼らはキャッチボールをするアムロとカイの姿を見ていた。
カイはユニホームに着替えている。まだ背番号もついていない新品だ。
「ブライト・・・俺にも、背番号とポジションをくれねえか?」
セカンド・カイ・シデン。歪んだ性格の矯正のためと入部の理由を語った彼だったが、ノックを受ける
彼の顔は輝いていた。
<続く>
469通常の名無しさんの3倍:03/09/13 18:51 ID:???
カイきたーー!
470ベースボール伝:03/09/13 18:55 ID:???
>>459
レビューどうも。
今回までのお話は、俺がSSを書き始めた頃、初期の頃の作品です。
5月か6月ぐらいかなぁ・・。自分の立てたスレで、連載してた奴なんですけど。
ですからかなり自分でも、改めて読んでみると穴があるなぁと思います。
以前書いて、投稿した話は今日でおしまい。
次回からは、書き溜めしておいたやつじゃないのを投稿します。
現在、執筆中。仕事等の関係で遅くなるかもしれないですが。
少しはまともなSSになっているはずです。たいして期待せずに待っていてください
471通常の名無しさんの3倍:03/09/13 20:10 ID:???
カスタマーレヴューなんざ、自分が好きな作品が褒められてりゃうれしい、
貶されてりゃ腹が立つ、くらいのもんにしかなり得ないと思うが。
まあ書くにしても、自分と違うレヴューって読んでて痛い場合があるから
SS投下用のスレでやるのは止めて欲しいかな。
472通常の名無しさんの3倍:03/09/13 20:17 ID:???
>>471
そうか?俺は結構好きだが。自分のSSじゃなくても他人の感想って読むの面白い。
自分と、どう違うのかわかって。
まぁ、確かにSS投下スレでやると、投稿を躊躇する人がでそう。

http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063035962/
でやったほうがいいかもね。
473終戦協定:03/09/13 22:32 ID:???
ジャブローに一人の連邦軍人がやって来た。男の来訪は連邦軍大将であるレビルをはじめとする一部高官を除いて誰にも知らされず、静かに迎えられた。
今、その男は厳重に封印が施されたケースを持ってレビル私室に立っていた。
レビルは重厚な机に向かってなにやら書いていたがペンを置くと男を見据えた。
「待たせてすまんな。で、そのケースに例の……」
室内には異様な緊張感が満ちており、うかつに口を開くと押し潰されてしまいそうなほどだった。
「はっ」
短く返事をすると男は手にしたケースを開き中から数枚の書類を取り出しレビルに手渡した。
「こちらが例の文書です」
重苦しい雰囲気を切り裂く様に力強く、しかし落ち着いた口調だった。
レビルは書類を受け取るとゆっくり時間をかけて目を通していく。
そして数分後、最後の一枚を読み終わると大きな溜息をついた。
「まさか本当だったとはな」
書類はジオン公国公王デギン・ソド・ザビからの講和の申し入れだった。
「これを読むまでは半信半疑だったが……」
「で、どうされますか?」
男がレビルに尋ねる。
「戦線は膠着している。しかし物量に勝る我が軍が勝つだろう」
「ということは講和はしないと?」
「いや。講和はする。勝利が見えているとはいえそこに至るまでには時間と……なにより命がかかりすぎる」
レビルはそこまで言うと男をひたと見据えた。
「そこで君にこの講和交渉の全権を委任する。なんとしてもこの交渉を成功させて欲しい。本来なら私も参加したいところだが講和に反対するであろう高官達を制さねばならん」
先ほど書いていた紙をスッと男に差し出す。
そこには講和交渉に関する全権を委任するという文章とレビルのサインがあった。
男は緊張した面持ちで文書を受け取り敬礼した。
「了解しました」
474終戦協定:03/09/13 22:35 ID:???
男はレビルの私室を出るとすぐに信頼できる部下を集め、入念な準備を終えると講和交渉をはじめた。
講和交渉は困難を極めた。
連邦側はコロニー落とし等に代表される被害を忘れることはできず、時間はかかるが勝利は揺るぎ無いものという意識のため譲歩などとんでもないという空気に満ちていたし、ジオン側はまだ敗北したわけではない、さらには初戦の大勝を理由に一歩も譲ろうとしなかった。
さらに連邦軍内部の講和反対派の人間から有形無形の妨害を受け、何度交渉が決裂しかかったかわからない。
しかしわずかずつではあるものの交渉は進展し、数週間後にはなんとか連邦・ジオン互いの歩み寄りにより講和が成立するであろうという道が見えてきた。
そんな折、男は休憩中に部下に尋ねられた。
「なぜこの交渉を引きうけたのです?たしかご家族はコロニー落としで……、本来ならあなたは講和反対派に回ってもおかしくないはずです」
男は手にしたコーヒーを飲み干すと口を開いた。
「君は例のホワイトベース隊を知っているかね?」
部下はなぜ今そんな質問をといぶかしみながらも答えた。
「例のニュータイプ部隊だとか噂されているやつらでしょう?」
「そうだ。そのホワイトベース隊がルナツーに補給を求めてやってきたときのことだ。私の友人にルナツーに勤務している男がいてね。
 そいつの上司が、あんな少年少女までもかり出さねばならないとは寒い時代だと思わんか?と、言ったそうだ。細かい部分は違っているかもしれんがそんなようなことをね。
 その話を聞いて私はなんのための戦争だろうが自分の息子のような年齢の子供が戦う戦争なんて早く終わるに越したことはないと、そう思っただけだよ。子供にはこんな戦争で時間を無駄にして欲しくないとね」
男は紙コップをゴミ箱に捨てると部下を促した。
「さぁ、そろそろ大詰めだぞ。頑張ろう」
475終戦協定:03/09/13 22:36 ID:???
二日後、男は再びレビルの私室にいた。
レビルはデスクから立ち上がり男の目の前までやってくると男の手を取った。
固く握手がかわされる。
「よくやってくれた!これでこの戦争は終わる」
レビルの言葉に男の目じりに涙が浮かんだ。
「あとはデギンと調印式をおこなうだけだ。もちろん君も代表団の一員として参加してもらう。それが最後の仕事となるだろう」
「はっ!」
男は涙をこらえ敬礼した。

0079年12月30日。
レビル・デギンが調印式をおこなうため互いの乗艦で接近し、それぞれの姿と共に平和の姿を目にした瞬間。
男が亡くなった家族のことを、ようやく訪れる平和を思った瞬間。
憎しみの光りがすべてを焼き尽くした。
終戦協定が結ばれる二日前の出来事である。
476ミライ ◆vl1PRVaMCg :03/09/13 23:06 ID:???
つまらん。
477Neo ◆9jiZCsn/d2 :03/09/13 23:30 ID:???
0079.01.03

人は何故憎しみあう?
心があるから、人だから。
戦争に正義は無い、誇れることでもない。
暗い闇のそこから、悲鳴が聞こえる。
誰がやった? もう遅い。
取り返しはつかない。いくら悔やんでも、もう遅い。
MSという近代兵器は悪魔に変わった。平和には使われない。
一兵士個人の意見など誰も聞かない。好きで人など殺せない。
綺麗なものなど無い。この世界に。目を閉じても地獄絵図。
俺は一生、この呪縛から逃げられない。後ろを向いたら追いつかれるから。
人はくだらないことに全力を尽くす。MSは戦いに使われるべき物ではない。
しかし、時は流れた・・・ もう、遅い。
私怨は私怨を呼ぶ。この戦いは最大の規模になる。
最 悪 の 戦 い が 始 ま る

俺は・・・何をしたんだ? 助けてくれ・・・
 
478還ってきた男:03/09/14 00:17 ID:jL6jg/V4
 端正に撫で付けられた髪が、男の几帳面さを物語っていた。
 「あれから、4年も…。連邦が…此処まで腐るとはな…」
 あの時、自分は死んでいたはずだった。目隠しをされ、両手首
を縛られ、死刑執行を待つのみだった自分。
 最後の言葉を聞く振りをして、戒めを解き、逃がしてくれた士官。
 ジャミトフ派が差し向けた追手と白兵戦を演じてくれた兵卒達。
 彼等は何処へ行ったのか、最早知る術も無い。
 「…連邦よ、私は還って来た! 」
 今なら解る。あの憎むべき男達の心が。立場は違えども、信ずる
志に殉ずる覚悟が。自分は死人だ。死人がもう一度殺される事は、
無い。軍の体面のために詰腹を切らされた者が、復襲を開始する。
 「バスクめ…。貴様の敵はエゥーゴやジオンだけでは無いのだ!」
連邦の良識派を糾合する男のたった一人の戦いがまた、始まった。 
479通常の名無しさんの3倍:03/09/14 00:28 ID:???
>>終戦協定
俺は(・∀・)イイ!!と思ったな。
当然こういう人も居たんであろう、と思わせる。
文章に甘い部分が有るしけど許容範囲内。
横に長過ぎると読みづらいんで、適当な所で改行してくれw
480惑う、男:03/09/14 00:54 ID:xPa6yc5E
 今の生活に何の不満も無かった。オークリー基地での単調な生活に。
試作MSのパイロットは楽しい。気心の知れた仲間達も居る。昇進は
遅いが、仕方ない。あの「G」に乗り、生き残った事で幸運を使い果た
したと思えば腹も立たない。…はずだった。あの手紙を見るまでは。
 その手紙は自分の階級を1階級上で表記してあった。文書係の
兵は嘲笑いながら自分にそれを手渡したのだ。
 「艦長からですよ、ウラキ大尉! おっと、中尉でしたね」
 差出人の名は、「艦長」とだけ記してあった。封を切ると、ただ
 「華は咲いているか? 」
 と一行の文があるだけだった。自分が「艦長」と呼んだ者は1人しか
居ない。あの日自分を焼いた憤怒と絶望、そして生への純然たる渇望が
今の空虚な自分の胸に甦ってくる。
 「僕は…歯車なんかじゃない! コウ・ウラキ!連邦の士官だ!」
 無理矢理心に枷を嵌めて来た男の復活が今、果たされる。
 
481ミライ ◆vl1PRVaMCg :03/09/14 01:06 ID:???
つまらん。
482Neo ◆9jiZCsn/d2 :03/09/14 08:35 ID:???
0079.01.03

ここは地獄だ。何も無い。目の前には死体の山と人気を失った家屋だけ。
一生目に焼きつく光景。忘れることは出来ない。必ず。目を背けられない。必ず
君は覚えているだろうか?アイランドイフィッシュで初めて会ったことを。
楽しかったあの日々はもう戻らないから、忘れられない。覚えていても辛い。
僕の思い出の中に君が生きている。悲しいことだけど、我慢してくれ。
僕はジオンを許さない。罪の無い人々、そして君を殺したことを。
償ってもらわねばいけない。殺しても元に戻らない?殺すしかないんだよ!
奴らを!あの悪魔を!必ずな!
483Neo ◆9jiZCsn/d2 :03/09/14 08:53 ID:???
0079.01.03

遂に戦闘が開始された。サイド1,2,4への奇襲。NBC兵器無差別投入。
ギレン総帥もいい考えを思いつく。コロニーを地球に落とすとは。連邦の愚民など死ねばいい。
地球に重力を引かれた糞どもなど地球を汚すだけだ。私は守らねばならん。
平和と秩序。この二つに尽きる。連邦の腐った輩を殺すにはコロニーのひとつくらい!
私はモニターを見るだけ。コロニーに毒ガスをまいたと知っているのは一部の幹部のみ。
部下は何も知らずに罪の無い人々を殺す。大量に。
私はなんとも思わない。自分が怨まれることも無い。私は見ているだけ。
連邦の兵の前に行くことも無い。私はTVの前で戦略シュミレーションをしている様なもの。
必ず勝つ、つまらないゲーム。人の死など実感できない。
モニターではまた死人の数が万単位で増えていく。まるで蟻を殺すような感覚。
私は何もやっていない。罪も無い。

全ては部下が悪いのだ。
484通常の名無しさんの3倍:03/09/14 22:29 ID:???
>Neo
解り辛いな…と思ったら…
展開とラストが気になるなあ。
どのくらいの長さなんだろうw

>還ってきた男&惑う、男
ま、まさかその男は…
続き期待。
485通常の名無しさんの3倍:03/09/14 22:49 ID:???
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063547335/
評価スレはここになりました。
486通常の名無しさんの3倍:03/09/14 22:53 ID:???
旧シャア専用SS書き評価スレ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063547335/l50
【暗中】旧シャア専用SS書き休憩所【模索】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063035962/l50
オリジナルSSを発表するスレ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1060347103/l50
近頃SSを書きたがる輩が増えている
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1062939253/l50
487通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:02 ID:deCRJAgn
もうこのバカども潰すしかないな
488通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:03 ID:???
別にいいよ
489通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:04 ID:???
祭りか?
490通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:06 ID:deCRJAgn
>>488
お前もやれよ。
>>489
違う。クソスレを埋めるんだよ!
491通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:09 ID:deCRJAgn
埋めるよ
492通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:09 ID:???
手動でな           
493通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:10 ID:???
どうぞ
494通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:10 ID:deCRJAgn
埋めるよ
495通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:11 ID:???
どうぞ
496通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:11 ID:deCRJAgn
>>492
いいじゃんローテクでもよ。
497通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:12 ID:deCRJAgn
埋めるよ
498通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:13 ID:deCRJAgn
埋めるよ
499通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:13 ID:???
どうぞ
500通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:13 ID:deCRJAgn
埋めるよ
501通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:14 ID:deCRJAgn
とりあえず600までは埋めるよ、手動だし。
502通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:15 ID:???
埋めるのはいいけどsageてね
503通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:16 ID:deCRJAgn
キモいSS書きなんてシャア板にいらねえだろ。
504通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:16 ID:???
>>502
判ったよ、仕方ねえな。
505通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:17 ID:???
埋めるよ
506通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:18 ID:???
埋めるよ、スローペースで。
507通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:19 ID:???
ま、どうせ連中は透明あぼーんしてくださいって削除人に泣きつくんだろうけどな。
508通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:20 ID:???
埋めるよ、のっそりと。
509通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:21 ID:???
埋めるよ、いいかい?よいこのみんな!
510通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:22 ID:???
埋めるよ、ラーメン食いたくなってきたけど。
511通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:23 ID:???
雑談でもしようや
512通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:24 ID:???
埋めるよ、暇だから
513通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:24 ID:???
514通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:25 ID:???
埋めるよ、今までで一番旨かったラーメンは?
515通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:25 ID:???
SSについてケチつけるか
516通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:26 ID:???
埋めるよ、俺は尾道行ったときに食ったなんとか園ってラーメン
517通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:26 ID:???
SS?それは総じてキモいもの
518通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:27 ID:???
プルスキーってヒッキーぽくない?
519通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:27 ID:???
埋めるよ、SSはオナニー以外の何物でもねえよ。
520通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:28 ID:???
>>518
ヒキヲタそのものだろ
521通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:29 ID:???
(復活)ガンダムのギャルゲーをマジで作るスレν
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1054978218/

このスレはキモイ
522通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:29 ID:???
埋めるよ、SS書きは童貞が多そうだ。
523通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:29 ID:???
いや、全然、話変るんだけどさぁ…
エロSSって、どうしてあんなに人気というか、人を集める力があるんだろうなぁ?

いや……、わかってはいるんだ、うん  そんなの理論的に考えようが直感的に考えようがな…

いや、でも、しかし…
なんていうかな……
何か心の奥底で、納得しかねる「何か」という奴が……
ガンダムのプラモデルを素組していると、沸いてくるのさ……
まぁ、そんなん、ロートルの戯言に過ぎないんだがな……

このまま、エロSS書きや、萌え絵師とかやって生きていくのも悪くないと思った
こういう生活も悪くないと…
でも何か……俺の心の中で燻っている何かが……

やっぱり俺は……、戦記モノSS書きなんだよな……

こいつ痛すぎ


524通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:30 ID:???
埋めるよ、>>521のスレもイタいな・・・。キモいつーか、キモチワルイ。
525通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:31 ID:???
埋めるよ、>>523同意。バカだよなそいつ。
526通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:33 ID:???
埋めるよ、SS厨のなにが一番イタいかってえと、百万遍既出だが、自分のイタさにまったく気付いてないというところだ。
527通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:34 ID:???
埋めるよ、しかも気付いていたとしても、それを恥じることがまったくない。そんな姿勢が嫌われる。
528通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:35 ID:???
うるせーよクズ
529通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:37 ID:???
埋めるよ、>>528作者か?反応してないで書いてみろよ。できねーだろ、バカ。
530通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:38 ID:???
やめないと怒るよ
531通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:38 ID:???
埋めるよ、文句ないだろ。
532通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:39 ID:???
埋めるよ、>>530怒れば?お好きなようにどうぞ。
533通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:39 ID:???
どうでもいいけど、荒らし=ブルだろ。自分のスレがけなされたらこれか。
534通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:40 ID:???
ツマンネ
535通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:41 ID:???
埋めるよ、SSの反応にいちいちビクついてる奴が怒ったってどーってことねーよ。
536通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:42 ID:???
埋めるよ、文句はどこからもないようだ。ま、当然か。
537通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:43 ID:???
埋めるよ、つまんないから。
538通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:43 ID:???
明日は700まで埋めるん?
539通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:44 ID:???
埋めるよ、>>533そうだよ。って、言って欲しけりゃナンボでも言ってやるさ。
540通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:45 ID:???
埋めるよ、>>538そのつもり。誰か手伝えよ。
541通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:46 ID:???
埋めるよ、タバコと酒でも買ってこよう。
542通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:47 ID:???
もしかして本当に手動でやってんのか。
しかも一人で。ものすごい根暗。レスをきちんとつけてるとこみると、ただのかまってちゃんか。がんばって学校いけよ。
543通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:50 ID:???
埋めるよ、タバコと酒買ってきた。
544通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:51 ID:???
埋めるよ、誰か手伝えよ。
545通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:52 ID:???
埋めるよ、根暗だよ。かまってえ〜。学校いくべ。
546通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:53 ID:???
埋めるよ、手動で。
547通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:54 ID:???
埋めるよ、一人で。こっそりと。ゆったりと。
548通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:55 ID:???
SS厨どもにむかっ腹が立つ気持ちはなんとなくわかるので一回だけ埋め手伝ってあげる
あのクラスの嫌われ者丸出しな感じが同族嫌悪を催すんだろ
549通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:55 ID:???
埋めるよ、このスレいらねえから。
550通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:56 ID:???
>このまま、エロSS書きや、萌え絵師とかやって生きていくのも悪くないと思った
>こういう生活も悪くないと…
>でも何か……俺の心の中で燻っている何かが……

こいつ頭おかしいだろ?

551通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:56 ID:???
埋めるよ、>>548ありがとよ。
552通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:57 ID:???
埋め立て手伝い。SSスレって、見てると荒らしたくなるよね。
どうせ書くならおもしろいもん書きゃいいのに、なんでつまんねぇもん書くんだろだろ?
あ、そろそろ規制かかるかもしれんから気をつけろよ。
553通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:57 ID:???
埋めるよ、>>550黙ってネタだけ書いてりゃいいのにな。そいつの文章からは腐臭が漂っている。
554通常の名無しさんの3倍:03/09/14 23:59 ID:???
埋めるよ、>>552気遣いすまん。が、そんときゃそんとき。つまんねえ汚物スレは消毒だぁ!
555通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:00 ID:???
埋めるよ、怒るとか言ってたカスはどうしてんのかな?
556通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:01 ID:???
埋めるよ、ウザイから。
557通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:02 ID:???
埋めるよ、そのうち俺のレスが消毒されそうな勢いだが。
558通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:03 ID:???
埋めるよ、ボチボチとね。
559通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:04 ID:???
埋めるよ、SSやりたきゃスレ一本でやれよ。
560通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:06 ID:???
埋めるよ、乱立はやめとけよ。
561通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:07 ID:???
うぜえ!アク禁にならんのかこいつ?
562通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:07 ID:???
ブルスキーまじで痛すぎ・・・
563通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:08 ID:???
埋めるよ、警告でたけど。
564通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:08 ID:???
やべっちFC観た?
565通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:09 ID:???
埋めるよ、俺はブルスキーだよな。
566通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:09 ID:???
>>561
今さらどうしようもないだろ。






このスレ:完
567通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:10 ID:???
埋めるよ、やべっち最近ツマンネえよ。若手の頃のキレがない。
568通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:11 ID:???
埋めるよ、600まではな。誰か手伝えよ。
569通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:11 ID:???
リーガ・・・
570通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:11 ID:???
ブルスキーって誰さ
571通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:12 ID:???
埋めるよ、SS厨がイタいから。
572通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:13 ID:???
埋めるよ、>>570狂ったSS厨。どうも俺らしいよ。困ったもんだな。
573通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:14 ID:???
埋めるよ、もうちょっとだから。
574通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:15 ID:???
埋めるよ、SS厨は理解力が不足。つーかないんだろうな。
575通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:16 ID:???
埋めるよ、そして後で被害者面して傷を舐めあう。
576通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:17 ID:???
埋めるよ、そしてスレ乱立。もう手がつけられない。
577通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:18 ID:???
埋めるよ、そろそろ600取りたい奴が様子見してる頃かいな?
578通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:18 ID:???
埋めるよ、とりゃいいから手伝えっちゅーねん。
579通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:19 ID:???
埋めるよ。おっぱいがいっぱいは名曲。
580通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:20 ID:???
埋めるよ、SS=ネタにしかすぎないって気付けよSS厨。
581通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:22 ID:???
埋めるよ、SS厨がウザいから。
582通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:22 ID:???
埋めるよ、明日が早いから。
583通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:24 ID:???
埋めるよ、不要なスレだから。続きは乱立スレのどれかででもやりな。
584通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:25 ID:???
埋めるよ、そしてまた叩かれる、と。無限ループだな。
585通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:26 ID:???
埋めるよ、削除依頼は600いってからな。その方が削除人も仕事が楽だろ。
586通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:26 ID:???
↓こいつを頃したい
587通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:27 ID:???
埋めるよ、他に使い道ないから。
588通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:28 ID:???
埋めるよ、>>586早く頃しにいらっしゃ〜い。
589通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:29 ID:???
埋めるよ、月が出てるから。
590通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:29 ID:???
埋めるよ、面白くないスレだから。
591通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:31 ID:???
埋めるよ、透明あぼーんのためにアンカーは控えろよ。
592通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:32 ID:???
埋めるよ、ま、ほとんど俺のアンカーだから問題ないか。サックリ消毒可能か?
593通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:33 ID:???
埋めるよ、荒らしはやめとけよお前ら。
594通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:34 ID:???
埋めるよ、あとほんの少しだから。
595通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:35 ID:???
埋めるよ、正直このスレ読んでる奴って少ないだろ。
596通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:36 ID:???
埋めるよ、もう飽きたし。
597通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:37 ID:???
埋めるよ、600は取りたい奴が取れ。嬉しいかどうかは保障せんがな。
598通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:38 ID:???
埋めるよ、もうSSはやめとけよお前ら。
599通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:38 ID:???
埋めるよ、これが最後だ。めんどくせえや。
600通常の名無しさんの3倍:03/09/15 00:40 ID:???
華麗に600ゲトー



てナニコレ
601通常の名無しさんの3倍:03/09/15 01:59 ID:???
あれ、終わってる。700までうめるんじゃなかったのか?(プ
602通常の名無しさんの3倍:03/09/15 02:02 ID:???
>>601
501 名前:通常の名無しさんの3倍 投稿日:03/09/14 23:14 ID:deCRJAgn
とりあえず600までは埋めるよ、手動だし。
603通常の名無しさんの3倍:03/09/15 08:27 ID:???
次スレのリンク忘れてるよ

オリジナルSSを書くスレ2
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063579088/l50

1 :通常の名無しさんの3倍 :03/09/15 07:38 ID:???
前スレは放棄して再起をかける!

皆さんの考えたガンダムのオリジナルSSを発表するスレです。
荒らしは完全放置の方向で、マターリいきましょう。
604通常の名無しさんの3倍:03/09/15 08:37 ID:???
///
605通常の名無しさんの3倍:03/09/15 12:48 ID:???
つーかネタじゃないSSは俺ガン厨房スレと俺ガンうpろだ使ってやれよ
606通常の名無しさんの3倍:03/09/15 14:27 ID:???
荒らししか能が無いのと
荒らしの才能があるのは
別なことなのだという事だけは
はっきりしました
607通常の名無しさんの3倍:03/09/15 20:17 ID:???
見事に廃れたね♪
608通常の名無しさんの3倍:03/09/15 22:31 ID:???
まだスレ残ってるぞ
609山岡狂士郎 ◆YM46ox7VlU :03/09/15 22:35 ID:TnNkbZlp
シャア板の一般的なSS (皆が思っている事です^^)

・ストーリー
同人臭く独りよがり^^山も谷もない薄っぺらい展開には呆れるばかり^^
人様に見せるには包茎チンポ晒すよりも恥ずかしいね^^0点

・独創性、アイディア
オリジナリティは皆無^^どこぞで見たような設定はまさに一山幾らといった感じ^^
創作というものを舐めきっているのではないか^^ 0点

・文章力
小学生、贔屓目に見ても中学生の作文レベル^^わざと難しい言葉を
使おうとして浮いてしまうと言うヲタのお約束に失笑^^ 0点

・キャラクター
キャラクターを生かし切れてないどころか、 棒読みのセリフが聞こえてきそうな
キャラの使い方^^自分の意見を既存のキャラに語らせるのは痛々しすぎるね^^ 0点

・完結しているかどうか(完成度)
完結もクソも作品とは呼べないただの自慰^^書き手がスッキリしたら
そこで終わり、まさに便所の落書き^^ 0点

・総合
これはもう評価に値しない^^書く方も書く方だが、読む方も
「お前のウンコは臭い」といってやるべき^^まさに時間の無駄、トラフィックの無駄、死んでいいよ^^0点
610通常の名無しさんの3倍:03/09/15 23:49 ID:???
ネタやSSを除くと、シャア専ってトリビアか、ガノタの知識披露オナニーショウか
なりきりの馴れ合いスレしかのこらんのでは?
611通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:02 ID:???
煽り合い宇厨が抜けとるぞ!
612通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:06 ID:???
 次スレの方で、埋め立ての為に全30回のSSを、一気に投下していいと言われ
たのですが、大丈夫ですか?
613通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:07 ID:???
>>612
OK
614女の初陣 戦士の初陣 1/30:03/09/16 00:10 ID:???
 彼女の視線の先で、黄色いヘビーガンがビームライフルを放っている。その
黄色いヘビーガンがビームライフルの引き金を引く度に、かつてジェガンと呼
ばれた鉄屑が、元の形を失って行った。ヘビーガンはもはや旧式と言えるモビ
ルスーツだが、その放たれるビームの出力は、鉄屑を破壊するには充分だ。
 射撃を終えた黄色いヘビーガンが向きを変え、こちらへ向かって来る。しゃ
がみ込んだ後コクピットのハッチが開き、パイロットスーツ姿の女性が、そこ
から出てきた。
 その女性パイロットを見つめる、椅子に座った五組の長身の女性達の瞳があ
る。その内の一組に、命令が下された。
「よし、次。四番、ジュンコ・ジェンコ。」
「ハイ!」
 ジュンコ・ジェンコと呼ばれたパイロットスーツ姿の長身の女性は、試験官
の呼び掛けに、はっきりとした返事を返す。椅子から立ち上がった後、青い瞳
と深い紫色をした髪をヘルメットで包んで、パイロットのいなくなった黄色い
モビルスーツに向かう。
 そんな彼女の耳に「頑張って、ジュンコ姉さん」と、この次に試験を受ける
ペギーの声が聞こえた。
615女の初陣 戦士の初陣 2/30:03/09/16 00:10 ID:???

 ジュンコ・ジェンコ。母子家庭で育った彼女は中学卒業後、昼間働きながら
夜は定時制高校に通う生活を選んだ。体の弱い母親を、助ける為に。
 連邦宇宙軍のパイロットだった彼女の父は、彼女が小さな時、木星動乱で死
んだ。地球を滅ぼそうそする七つの(正確には八つの)巨大な悪意を止める為、
その悪意と戦い、死んだのだ。
 その父の残した恩給と、母が弱い体に鞭打って稼いだ金で、残された母と娘
は生計を立てていた。だがジュンコが中学を卒業する年に、母が倒れる。それ
を見たジュンコは、働きながら高校に通う事を決めたのだ。
 そんな生活を四年間続けた後、ジュンコは父と同じ道を歩むべく、地球連邦
軍のパイロット養成学校へ進学する。そこならば、同年代より多い給料を貰い
つつ、四年間の寮暮らしが出来るからだ。体が回復した母への負担を減らす為、
病の傷痕を残す母に可能な限りの医療を受けて貰う為、そう決めた。
 娘が戦死した父と同じ道を歩む事に母は反対したのだが、ジュンコはそれを
押し切る。そして父と同じ道を歩む為、サイド2のコロニー・ネオアテネにあ
る女子パイロット養成学校へと入学した。
616女の初陣 戦士の初陣 2/30 :03/09/16 00:11 ID:???
やっぱ。やめ。また今度ね。
617女の初陣 戦士の初陣 3/30:03/09/16 00:11 ID:???
 学校の寮の二人部屋で同室となった女性が、ペギー・リー。金色の髪と青色
の眼を持つ一歳年下の彼女は、ジュンコの事を「姉さん」と呼んだ。
「ジュンコ姉さんの方が一つ年上なんだから、当たり前でしょ。」
 同級生から姉さんと呼ばれる事に恥ずかしながら戸惑うジュンコが、ペギー
を注意する度に、そんな答えが返って来た。だが、ペギーがそう呼び掛ける時
の笑顔を見ている内に、いつしか恥ずかしさも戸惑いも消えてしまう。
 ペギーの父は、彼女の故郷であるサイド2のエスタニアコロニーにある、モ
ビルスーツ工場の技術者だ。
 母を事故で早くに亡くしたペギーは、妹と一緒に祖母の住むコロニーへと預
けられ、父と離れ離れになった。父はエスタニアに残って、工場で働くという。
そんな父が休暇中に工場から帰って来る日を、指折り数えて待つという少女時
代を過ごしたと、ペギーは語ってくれた。
 彼女も自分と同じく経済的に家庭を助ける為、三年間の高校生活の後すぐに、
この女子パイロット養成学校へ進んだのだと、ジュンコは聞かされた。
「妹は、大学に行かせてやりたいしね。」
 そうペギーは言う。自分と違って頭が良く、女らしくて可愛いと妹の事を話
すペギーの顔は、とても嬉しそうだ。
「それに、父さんの作ったモビルスーツに、乗ってみたいから。」
 父の顔を思い出しながら優しくそう語るペギーの顔を、女らしくて可愛いと、
ジュンコは思った。
618女の初陣 戦士の初陣 4/30:03/09/16 00:11 ID:???

 ペギーの声を聞きながら、ジュンコは黄色く塗られた訓練用ヘビーガンへと
向かう。今行なわれている重力下での実ビーム射撃試験に合格すれば、正式に
パイロットになれる。パイロットへの、最後の試験だ。
 廃棄されたモビルスーツを的にした、射撃試験。それが行われるペギーの故
郷、サイド2のコロニー・エスタニア。ここにある連邦宇宙軍第四パイロット
試験基地はサイド2で唯一、コロニー内での実ビーム発射が可能な施設を持つ
基地だ。
 エスタニアの人工の大地を、ジュンコは一歩一歩踏み締めた。力強く。
 四年間の養成学校生活の集大成だ、一発で合格する、絶対に。そう決意する
彼女は、先程自分の前に試験を終えたヘレン・ジャクソンという名の同級生が
行なった射撃を、思い出していた。
(アイツより上手く仕留めてやる、必ず。)
 そんな事を頭に浮かべつつ、訓練用の黄色く塗られたヘビーガンに乗り込む。
モビルスーツのハッチを閉じようとしたその時、どこか遠くから生じた爆発音
が、ジュンコの耳に入った。
619女の初陣 戦士の初陣 5/30:03/09/16 00:12 ID:???
「嫌ぁぁー!!」
 ペギーが叫んだ。そしてすぐ、再び叫ぶ。
「父さん、父さぁーん!」
 エスタニアの太陽側にある工業ブロックで上がった爆発を見て、ペギーは叫
び続けた。
 何が起こったのか知る為に、ジュンコはヘビーガンの無線チャンネルをALL
に合わせる。コクピットのスピーカーから、慌てふためく男の声が発せられた。
『ガチ党のモビルスーツ部隊が、太陽側の港から進入しました! 機数九機!』
 二年前にザンスカール帝国を名乗ったアメリアコロニーからのモビルスーツ
部隊は、三機づつ三部隊に別れる。一つは工業ブロック、一つはエスタニア政
庁、残りの一つはこの試験基地を制圧する気なのだ。
 ジュンコは本能的に、黄色いヘビーガンのエンジンを吹かせる。そして最大
出力を出して、爆発の起こった太陽側にある工業ブロックへと、自分の乗るモ
ビルスーツを飛ばせた。
620女の初陣 戦士の初陣 4/30:03/09/16 00:13 ID:???
あっけなく事故に巻きこまれてアボーン。
621女の初陣 戦士の初陣 6/30:03/09/16 00:13 ID:???

 火の海だ、もはや手遅れでしかない。ザンスカール軍の攻撃を受けた工業ブ
ロックのモビルスーツ工場を見て、ジュンコはそう思うしかなかった。だがそ
の火の海に満足する気は、三機の赤いモビルスーツには無いらしい。両肩が大
きな嘴状をした赤いモビルスーツ・ゾロアットは、工業ブロックを攻撃をする
手を緩めようとはしなかった。
 ALLのままの無線が、ゾロアットのパイロットの声を拾う。
『見つけ出せ! リガ・ミリティアの秘密工場が、このブロックのどこかにあ
る筈だ!』
 その無線の声が消えた後、赤いモビルスーツが地面の工場に向けて、ライフ
ルからビームを放つ。出力を下げているビームとは言え、火の海の勢いを増す
には充分なビームだ。
 何度目かの爆発が起きた。その爆発が、幾つかの命を散らす。今散った命の
中にペギーの父もいるのだが、ジュンコにそれを知る術は無い。
「アンタらぁ、よくも、よくもペギーを泣かせてくれたね!!」
 ジュンコは叫びながら、先程ビームを放った赤いモビルスーツに突撃を掛け
る。視線の先の大きな人型の機械の色は、地獄の炎によって焼かれた人々の血
の色に、ジュンコには見えた。
「ウオァァァー!!!」
 女の、いや人の口から発せられたと思えない雄叫びを、ジュンコが上げる。
叫び声に気付いた血の色の巨人の肩にある大きな嘴が開き、幾筋かの光がジュ
ンコに向けて放たれた。
622女の初陣 戦士の初陣 8/30:03/09/16 00:13 ID:???
「嫌ぁぁー!!」
 ペギーが叫んだ。そしてすぐ、再び叫ぶ。
「父さん、父さぁーん!」
 エスタニアの太陽側にある工業ブロックで上がった爆発を見て、ペギーは叫
び続けた。
 何が起こったのか知る為に、ジュンコはヘビーガンの無線チャンネルをALL
に合わせる。コクピットのスピーカーから、慌てふためく男の声が発せられた。
『ガチ党のモビルスーツ部隊が、太陽側の港から進入しました! 機数九機!』
 二年前にザンスカール帝国を名乗ったアメリアコロニーからのモビルスーツ
部隊は、三機づつ三部隊に別れる。一つは工業ブロック、一つはエスタニア政
庁、残りの一つはこの試験基地を制圧する気なのだ。
 ジュンコは本能的に、黄色いヘビーガンのエンジンを吹かせる。そして最大
出力を出して、爆発の起こった太陽側にある工業ブロックへと、自分の乗るモ
ビルスーツを飛ばせた。
623女の初陣 戦士の初陣 7/30:03/09/16 00:13 ID:???
 内コロニー戦で使用する様開発された対モビルツーツ兵器、ビームストリン
グスの破壊の光が伸びた。それをかわしながら、初めて見る攻撃にジュンコは
戸惑う。
(何、今の!?)
 ジュンコが戸惑う間、それぞれの光の中心を貫くワイヤーが、光が放たれた
右肩の嘴へと帰って行く。
(当たらなければ、どうという事はないさ!)
 右肩の嘴から放たれる破壊の光の筋を避ける為、ジュンコは距離を取って、
黄色いヘビーガンにビームライフルの引き金を引かせた。何度も、何度も。だ
が血の色をした巨人は、ジュンコの憎しみの光線を巧みにかわし続ける。
 速い。ジュンコのヘビーガンより、初動、加速、旋回、停止の全ての動作が
速い。三十年前のコスモ・バビロニア戦争時代に連邦軍の主力だったヘビーガ
ンとは、あらゆる速さが違い過ぎる。
(なら、近付いてッ!)
 ゾロアットが回避運動で横を向いた時、ジュンコは距離を詰めに掛かった。
接近戦ならば、スピードでかわされる事は無い。そう判断したからだ。
 ライフルを持っていないヘビーガンの左手が、ビームサーベルを握る。血の
色の巨人との距離が近付くと、ヘビーガンの黄色い左腕を振り上げ、ビームの
刃を左手に発生させた。
「もらったよ!」
 ジュンコは確信した、これで目の前のモビルスーツを撃墜出来ると。だが、
想像もしなかった速さでゾロアットはその場で旋回し、左肩の嘴をジュンコの
ヘビーガンへと向ける。そして嘴の先から、矢尻形をした大きなビームシール
ドが発生した。
 バッ! ヘビーガンのビームサーベルとゾロアットの矢尻形のビームシール
ドが、ぶつかり合う。ビームの火花が散る。スピーカーにノイズを生む。
 ジュンコには、信じられなかった。自分の想像もしなかった速度でゾロアッ
トが旋回した事が。旋回したゾロアットの左肩の嘴の先から生じた、矢尻形を
したビームシールドの大きさが。
 そんなジュンコの一瞬の隙を突いて、血の色の巨人は、ジュンコのヘビーガ
ンの腹を蹴り上げた。吹っ飛ばされる。
 機体の制御が効かない! やられる! ビームライフルから光が飛んで来て、
自分の体を貫く!
 だが、ジュンコの予想は外れた。コロニー内でモビルスーツのエンジンを爆
破するわけにはいかない、折角ビームの出力を最小にしてライフルを放ってい
る意味が無くなると、パイロットが判断したゾロアットの右肩の嘴から、再び
ビームストリングスの幾筋もの軌跡が放たれた。
 黄色いヘビーガンの体に、何本ものビームストリングスが絡み付く。電撃が
走った。黄色い体に、ビームストリングスの電撃が走る。
「アアァァァッ!」
 このままでは、ヘビーガンの体中の回路が全てショートしてしまう。いや、
その前に自分の体が電撃で千切れてしまう。そんなジュンコの前を、白い影が
よぎる。その直後、ビームストリングスの電撃が消えた。
625女の初陣 戦士の初陣 10/30:03/09/16 00:15 ID:???
ジュンコ・ジェンコ。母子家庭で育った彼女は中学卒業後、昼間働きながら
夜は定時制高校に通う生活を選んだ。体の弱い母親を、助ける為に。
 連邦宇宙軍のパイロットだった彼女の父は、彼女が小さな時、木星動乱で死
んだ。地球を滅ぼそうそする七つの(正確には八つの)巨大な悪意を止める為、
その悪意と戦い、死んだのだ。
 その父の残した恩給と、母が弱い体に鞭打って稼いだ金で、残された母と娘
は生計を立てていた。だがジュンコが中学を卒業する年に、母が倒れる。それ
を見たジュンコは、働きながら高校に通う事を決めたのだ。
 そんな生活を四年間続けた後、ジュンコは父と同じ道を歩むべく、地球連邦
軍のパイロット養成学校へ進学する。そこならば、同年代より多い給料を貰い
つつ、四年間の寮暮らしが出来るからだ。体が回復した母への負担を減らす為、
病の傷痕を残す母に可能な限りの医療を受けて貰う為、そう決めた。
 娘が戦死した父と同じ道を歩む事に母は反対したのだが、ジュンコはそれを
押し切る。そして父と同じ道を歩む為、サイド2のコロニー・ネオアテネにあ
る女子パイロット養成学校へと入学した。
「ガンダム!」
 目の前にいる白いモビルスーツを見て、ジュンコは思わずそう叫んだ。戦史
教本のモビルスーツ史の項にあった、ファーストガンダムと呼ばれる機体の写
真と同じ姿をした白い巨人が、自分の目の前に立っている。
 ジュンコの目の前にいる白いモビルスーツ・ヴィクトリーガンダムが、黄色
いヘビーガンに絡み付いたビームストリングスを、光の刃で切り落としたのだ。
「無事ですか、ヘビーガンのパイロット。」
 ALLのままのスピーカーから、女の声が聞こえた。通信用の小型モニターに
灯を入れる。点灯した小型モニターに、濃い褐色の肌をした女の顔が映った。
「アンタは?」
「生きているのね。無茶はしないで、お下がりなさい。」
 濃い褐色の肌をした女が、モニター越しにジュンコに命令する。その顔には、
まるっきり化粧っ気が無い。
(女かよ、それでもッ!)
 そう思うジュンコのヘビーガンのそばに、二機の別の白いガンダムが着陸す
る。その内の一機が、ジュンコに向かって呼び掛けた。
荒らすのやめろよ。
「大丈夫か、パイロット?」
「イノエ教官!」
 ジュンコは驚く。訓練学校の最初の二年間に指導を受けたオリファー・イノ
エの声が、聞こえたからだ。
 腕は確かだが、政治的活動に深入りしている為にパイロット養成学校に回さ
れたと噂された男、オリファー・イノエ。厳しいが、愛情のある言葉で訓練生
達を叱った男の乗るモビルスーツが、目の前にいる。それにジュンコは驚いた。
 ガチ党がザンスカール帝国を名乗った二年前に姿を暗ました男の乗るモビル
スーツが、なぜ自分の危機を救ってくれなかったのだと、ジュンコは残念がっ
た。自分の危機を救ったのが、よりによって化粧っ気の無いこんな女だとは。
「ジュンコか!」
「オリファー、知ってるの!?」
 その化粧っ気の無い女が、自分達を、いや自分を指導してくれた男の名を、
呼んだ。姓ではなく、名を。それが許せない、ジュンコには。
「ああマーベット、昔の俺の生徒だ。」
 やはり知り合い以上の関係なのだ、この二人は。
 オリファーは、他の二機のガンダムに指示を出す。
「ジャックは政庁に行って、コロニー軍の支援に向かえ。マーベットはヘビー
ガンを連れて、訓練基地へ。俺はここの三機をやる!」
 自分だけ名前が呼ばれなかった事が、ジュンコには寂しかった。

 太陽側からコロニーの中央へと向かう、二機のモビルスーツ。片方は余裕の
ある飛び方をしていたが、もう片方の黄色いヘビーガンは、出力を全開にして
飛んでいた。
 あの女に負けている。自分がヴィクトリーガンダムと機体の性能が違い過ぎ
る事に、ジュンコは腹を立てていた。
「何者さ、アンタ。」
 ジュンコは、化粧っ気の無い褐色の女に向かって尋ねる。
「リガ・ミリティアのパイロット、マーベット・フィンガーハットよ。」
 リガ・ミリティア。ギリシャ語で神聖なる軍事同盟の意味を持つその組織は、
元々はスペースノイドの自治権拡大運動をする組織達の、集合体の名前であっ
た。しかし近年、その旗頭的役割を果たしていたサイド2・アメリアに本拠を
置くガチ党の暴走に伴い、その存在意義を変えて行く。
 アメリアのガチ党は、母なる力による地球及び全コロニーの統一を叫び、他
のコロニーを支配下に置き始めたのだ。それは時に、武力を伴う。
 特に、対立する組織の人間をギロチンという旧世紀時代の中世の殺人機械で、
見世物の様に群集の前で殺すという行為。その残虐かつ興味を引かれる行為を
始めた事で、ガチ党と残ったリガ・ミリティアの組織は、完全に袂を分かった。
偽者消えろ。
 ニ年前、ガチ党はザンスカール帝国を名乗り、支配下に置いたサイド2のコ
ロニー群を領土として、首都と定めたアメリアコロニーで独立宣言を行なった。
ここニ年程は、ザンスカールの支配下に入っていないサイド2の各コロニー政
府との政治的抗争や小競り合いで勢力を拡大していたが、今日、ついに本格的
に武力を動かした。
 その標的がここ、反ガチ党の急先鋒とも言えるエスタニアだった。
 エスタニア政府は、独立宣言をしたコロニー国家をザンスカール帝国とは決
して呼ばず、一貫してガチ党と呼び続け、その組織の行なう行為を批判し続け
た。曰く「他のコロニーの都合など考えていない」、曰く「武力の発動に積極
的過ぎる」、曰く「政敵をギロチンで殺すなど鬼畜にも劣る行為」等々。
 ザンスカールの政治的、経済的、軍事的な脅しに、エスタニア政府は屈しは
しない。それどころか、ブッホ・エアロダイナミクス社が出資する工業ブロッ
クの一部を貸す程、反ガチ党、反ザンスカールの組織へと生まれ変わった新生
リガ・ミリティアに、肩入れしたのだ。
 それが、今日の襲撃を招いた。
632通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:18 ID:???
>>612
自分のサイト作ってヤレ。
 親ザンスカール的(と言うよりザンスカール帝国に怯えている)コロニーの
大型貨物船を、太陽側の港に入港させる。その大型貨物船のコンテナの中に、
サナリィ製の最新型モビルスーツ九機を忍ばせ、奇襲攻撃で一気にエスタニア
を支配下に置こうというのだ。
 第一部隊は、新生リガ・ミリティアがモビルスーツを作っていると噂される
工業ブロックの破壊。第二部隊は、エスタニア政庁の制圧。そして、第二部隊
が反太陽側にあるコロニー軍基地の部隊と挟み撃ちにされない様にする為に、
エスタニア政庁からやや太陽側にある連邦の試験基地を制圧するのが、第三部
隊の目的だ。
 基地には、原色に塗られた六機の試験用の旧式モビルスーツがあるという。
このコロニー内には、反太陽側の港にあるのエスタニア軍基地以外は、連邦の
試験基地にしか動くモビルスーツは無い筈だ。いくらどちらも旧式揃いとは言
え、数で押されたら勝ち目は無い。
 奇襲攻撃の初期段階は、成功した。アメリアコロニーのある反太陽側の守り
ばかりに気を取られていたエスタニアのコロニー軍は、大混乱に陥る。その結
果が、工業ブロックの火の海だ。
634通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:18 ID:???
>>613
勝手に許可出してんじゃねぇ。氏ねよ。
「で、そのフィンガーハットさんは、イノエ教官とどんな関係なんだい?」
 余裕を持ってコロニーの中を飛ぶヴィクトリーガンダムに向けて、エンジン
を全開にしたジュンコは、質問を浴びせた。その言い方には、やや棘がある。
「何って、上司と部下よ。それが、何?」
「ヘッ、アタシにゃそうは見えないけどね。」
 再び、濃い褐色の肌を持つ女パイロットに、棘のある言葉を浴びせる。
「だからどうしたのよ。あなたには関係ないでしょ。」
「あると言ったら、どうする気さ。」
 もうすぐ連邦宇宙軍の試験基地だというのに、二人はこの戦いに関係ないか
に見える会話を続ける。
 ビームが飛んできた。だが、ミノフスキー粒子が第一戦闘濃度になっている
この空域では、遠くから狙いを付けても、命中する物ではない。
「お喋りはここ迄よ。私が三機ともやるから、牽制に回って。」
 マーベットはジュンコに命令を出す。知るかよ、そんな事……。
「うるさいね、アタシはアンタの部下じゃないんだ。好きにやらせてもらうよ!」
 そう言い放ったジュンコの黄色いヘビーガンは、白いモビルスーツと作る二
筋の軌跡から、外れた。
(負けるか、あんな女に!)
 そう気持ちを昂らせながら、ジュンコはパイロットスーツの胸元を、大きく
開ける。ポケットから、縦長の小さな箱を取り出した。中身を出す。
 試験に合格したら父に会いに行くと言っていたペギーに、合格と再会のお祝
いにと用意していた、紅い口紅。ヘルメットのバイザーを上げ、それを自分の
唇に塗った。赤い唇が、さらに紅く染まる。
 口紅をしまって、蓋をする。それをポケットに入れた。大きく開いた胸元の
ファスナーを上げる。紅い唇を、軽く舌で撫でた。
(負けるか、あんな女に!)
 再度ジュンコは心の中で、そう叫んだ。
637通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:19 ID:???
>>634
SSを発表するスレだからいいじゃん

(くっ、あの女、好き勝手言って!)
 そう思いながら、三機のゾロアットを攻撃していた緑色のGキャノンの横に
ヴィクトリーを着陸させ、支援する。緑色のGキャノンのパイロットに向けて、
言った。
「私がやります。訓練機は、三機の動きを分断して下さい。」
 パイロットの男の声が、それに従う。あの女とは大違いだ。
「分かった。手ごわいぞ、既にニ機もやられている。」
「だから、支援頼みます!」
 再び、白いヴィクトリーガンダムが空を飛ぶ。目的は、橙色のヘビーガンを
攻撃している血の色をしたゾロアットだ。気を取られていたヘビーガンとは違
う方向からの攻撃に、血の色をした巨人は狼狽し、離れた。
「訓練機、大丈夫ですか?」
「奴等は速い、レッドもピンクも落とされた。」
 幾筋もの電撃が飛んで来た。その飛んできたビームストリングスを、ヴィク
トリーの左肘のビームシールドを展開し、跳ね返す。そのビームシールドの大
きさに、橙色のヘビーガンは驚いた。
「やれるのか?」
「やってみせます!」
 そう叫び、マーベットは電撃の軌跡を放ったゾロアットへ向かった。
639通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:20 ID:???
なんだ?

 駄目だ、速い。違い過ぎる。ジュンコはそう思った。
 勢い良く、地上の青色のGキャノンを襲う血の色に向かったが、サーベル攻
撃を矢尻形のビームシールドで防がれ、ゾロアットの拳を食らって吹っ飛ぶ。
やはり勝てないのか、アタシじゃ……。
 絶望する黄色いヘビーガンに、血の色が向かう。死ぬ!
 だが、ジュンコへの殺意をみなぎらせたゾロアットに、青いモビルスーツの
肩キャノンが襲う。ゾロアットは、上空へかわした。
「ジュンコ姉さん!」
 聞き覚えのある声だ。
「ペギーかい、青いのは!?」
 そんな会話をする暇を与える事すら許さない敵の攻撃が、ゾロアットの右肩
の嘴から放たれる。両機はすかざす反撃。ジュンコとペギーに届く前に、電撃
の軌跡は短くなった。
「奴はアタシが落とす。ペギーは支援して!」
「分かった、姉さん!」
 ジュンコは、マーベットよりも遅いスピードで飛び上がり、上空にいるゾロ
アットへ向かった。

 爆発。橙色が落とされた。三機目だ。
(これ以上は!)
 出力を最小に絞ったビームライフルで牽制しつつ、橙色を消した直後の血の
色へ向かうヴィクトリー。距離を詰める、一気に。
「落ちなさい!」
 そう叫び、マーベットはビームサーベルを持つ左腕を振り被った。だが次は、
ゾロアットの左肩から伸びるビームシールドに防がれる。その肩には、ピエロ
の顔のマークがあった。
(そうか、ピピニーデン・サーカス!)
 エスタニア制圧に来たザンスカールのエリートパイロット部隊の名を、心の
中で叫ぶマーベット。でも、負けるわけには行かない!
 仕切り直す為、距離を開ける。そこに再度、電撃の軌跡が飛んで来た。
「そう何度も何度も!」
 ストリングスをビームシールドで防ぎ、再び血の色に突っ込む。ゾロアット
はかわそうとしたが、その先に緑色のGキャノンが攻撃を仕掛ける。
 逃げ場を失ったゾロアットに、ライフルを持った右腕の肘の赤いパーツを起
こして、それを突き出しながら突っ込むマーベット。赤い肘が、ゾロアットの
顔面を突き刺した。
642通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:21 ID:???
>>634
よく1を読め。
「行くわよ!」
 ゾロアットの顔に右肘を入れたまま、メインバーニアを全開。目の前の白い
管制塔と白いヴィクトリーで、血の色の頭を挟み込んだ。
 右肘の赤いパーツから、ビームシールドが展開する。ゾロアットの頭を潰し
た、完全に。

 リニアシートに、強い衝撃が走った。それと共に、周りの全天周囲モニター
が、全て消える。メインカメラがやられたのだ。
 だが、焦らない。すぐに映像の荒いサブカメラに切り替わる事を、ゾロアッ
トのパイロットは知っている。
 一秒にも満たない暗闇が、消えた。だが、全天周囲モニターの写す映像は、
コンピュータ補正されたピンク色のビームの光だけだった。

(やれた!)
 ビームサーベルで、ゾロアットのコクピットだけを貫けた。エンジンは爆発
しない。狙いが当たった。
 だが戦場は、マーベットにそう喜ぶ時間を与えてはくれない。マーベットの
足元から、衝撃が走る。今迄緑色のGキャノンの牽制で近付けなかったもう一
機のゾロアットの放つビームが、ヴィクトリーの左足を直撃したのだ。
 向こうも出力を絞っているおかげで、爆発はしない。だが左足のバーニアが、
全て死んだ。その為、振り向く事が出来ない。
 ゾロアットが、ビームサーベルを持った左腕を構えた。仲間と同じ死に方を、
マーベットに送るつもりだ。血の色が、近付く。背後から。
645通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:22 ID:???
荒らしてんじゃねぇよ。

(やってやるよ、アタシも!)
 血の色をした巨人を一人倒したマーベットを見て、ジュンコはさらに気を昂
らせた。アタシだって、エンジンを爆発させずに仕留める!
 だが、ペギーの青いGキャノンが牽制、その隙にジュンコの黄色いヘビーガ
ンが横から攻めるという攻撃は、二度共通用しなかったのだ、血の色の奴には。
奴の左から攻めた時はビームシールドで防がれ、右からの時はストリングスが
伸びて来て、近付く事すら出来なかった。
 大きく回って、後ろから攻めようとも思う。だが血の色のモビルスーツの機
動性の前には、通用しそうに無い。こちらが背中に辿り付く頃、奴はとっくに
迎撃の準備を終えているというのが、どうせ落ちだ。どうする!
 そこに、何度目かの電撃の軌跡が飛んで来た。
「バカの一つ覚えかい!」
 幾筋ものビームストリングスをかわす。これだ!
「ペギー、あの管制塔に向かう様、奴を追い詰めとくれ!」
647通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:23 ID:???
>>左足のバーニアが、 全て死んだ。その為、振り向く事が出来ない。
足なんてなくたって振り向けるだろ!
(やってやるよ、アタシも!)
 血の色をした巨人を一人倒したマーベットを見て、ジュンコはさらに気を昂
らせた。アタシだって、エンジンを爆発させずに仕留める!
 だが、ペギーの青いGキャノンが牽制、その隙にジュンコの黄色いヘビーガ
ンが横から攻めるという攻撃は、二度共通用しなかったのだ、血の色の奴には。
奴の左から攻めた時はビームシールドで防がれ、右からの時はストリングスが
伸びて来て、近付く事すら出来なかった。
 大きく回って、後ろから攻めようとも思う。だが血の色のモビルスーツの機
動性の前には、通用しそうに無い。こちらが背中に辿り付く頃、奴はとっくに
迎撃の準備を終えているというのが、どうせ落ちだ。どうする!
 そこに、何度目かの電撃の軌跡が飛んで来た。
「バカの一つ覚えかい!」
 幾筋ものビームストリングスをかわす。これだ!
「ペギー、あの管制塔に向かう様、奴を追い詰めとくれ!」
 そう青いGキャノンに支持を出し、白い管制塔へ向かう。全力で。
649通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:24 ID:???
振り向くなアムロ
 ジュンコの黄色を方を向く、血の色の巨人。それに向けて、青いペギーの肩
キャノンが放たれる。当たりはしなかったが、ゾロアットはジュンコの注文通
りに、白い管制塔へと向かう。マーベットが戦っている方とは、反対側だ。
(サァ、来な!)
 管制塔へと向かう、黄色いヘビーガン。白い壁は、目の前だ。勢い良く放た
れたビームストリングスの先端が、ジュンコを背後から襲う。掛かった!
 それを読んでいたジュンコは、上に向いているバーニアを全て、最大噴射。
黄色い機体が、猛スピードで下に落ちる。軌跡の先端はジュンコの黄色がいた
場所を通り過ぎ、管制塔の白い壁へと突き刺さった。
 突き刺さったビームストリングスの先端を壁から抜こうと、血の色の巨人が
何度ももがく。そこにジュンコは、突撃。着地したばかりの地面から、一気に
ジャンプした。
「オアァァァー!!」
 雄叫びを上げ、左手に持ったビームサーベルを突き出す。狙いはストリング
スを発射した右の嘴の内側だ。そこにビームの刃が、突き刺さる。ゾロアット
の右腕が、小さく爆発した。

 手応えがある筈の所には、人の気配がしない味方の赤い機体しかない。白い
奴の上半身が、消えているのだ。
 上を向くゾロアット。視線の先には、狙っていた物が飛んでいた。白い奴の
上半身は変形し、戦闘機に変わった。白が、近付く。上空から。
 下へ素早く落ちて来た。だが落ちて来たのは白だけではない。戦闘機の左側
から延びた腕に握られたビームサーベルのピンクも、一緒に落ちて来たのだ。

(二機目!)
 エンジンに達しないギリギリの長さで、敵のコクピットを二つに割るビーム
サーベル。それを操ったのだ、マーベットは。
 白い管制塔の反対側の戦いに気付く。コアファイターとハンガーだけの戦闘
機では、モビルスーツの様な小さな旋回は出来ない。大きく回って、あの嫌な
女を助けに向かう。
 ヘルメットから覗いた、青い瞳と深い紫色の髪。自分は黒一つしか持ってい
ないのに、あの女は二つも色を持っている。マーベットはその事に、嫉妬した。

 右の嘴に左腕を突っ込んだ、黄色いヘビーガン。右腕をやられた血の色の巨
人は、残った腕で黄色を抱いた。
「クッ、放せェ!」
 そんなジュンコの頼みなど、聞く気は無い。背中のキャノンを、肩へ起こす。
威力が大きい為に使用を控えていたビームキャノンで、ジュンコの黄色を消す
気なのだ。
「姉さん!」
 ペギーが叫ぶ。だが援護など、出来ない。近過ぎる、血の色と黄色は。
 ゾロアットの左腕は、黄色いヘビーガンを放り出した。起こしたビームキャ
ノンの照準を、放り出した黄色に合わせる。発射!
 その瞬間、青いペギーの肩キャノンが攻撃。ジュンコを抱いていた左腕を、
破壊した。揺れる、血の色が。ゾロアットの肩からそれぞれ違う方向に放たれ
る、二本のビーム。その一つはジュンコからは外れたが、緑色のGキャノンの
足元を掠めた。

 ダッ! 直撃! ジュンコから外れた二本の悪意の残りの一つが、マーベッ
トの戦闘機に当たったのだ。出力が落ちる。スピードが落ちる。
「あの、馬鹿女!」
 そう罵りながら、ハンガーを外す。ビームライフルを砕かれたのだ、悔いは
無い。躊躇も無い。
 小さなコアファイターだけになったマーベットは、両腕をやられたゾロアッ
トの鼻先を掠めた。顔をそちらに向け、両目の瞼を開く血の色の巨人。獲物を
変えたのだ。
「来るっ!」
 背後から、先程のゾロアットが近付いて来た。距離が縮まる。その肩から、
二本の殺意が生まれた。
「きゃあっ!」
 二本のビームの一本が、コアファイターの小さな翼を掠めたのだ。バランス
を崩す。回転を始めた、マーベットの視界が。体が落ちる。
 錐揉みをしながら斜めに落ちる、コアファイター。普段なら元の姿勢に戻す
自信のある距離だ、地面とは。だが、斜めへ落ちるスピードを下げては、背後
の殺意に追い付かれる。
 人工の大地という前門の虎と、敵のモビルスーツという後門の狼に挟まれた
マーベット・フィンガーハット。生き延びる確立の高い方を、すかさず彼女は
選んだ。
654通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:26 ID:???
読みにくんだけど、どうにかして。
 スピードを落とさず、姿勢を制御するコアファイター。地面が迫った。そこ
へ近付く、血の色の巨人ゾロアット。
 残った左肩の嘴から、矢尻形のビームシールドが開く。それで切り殺すつも
りなのだ、マーベットを。
「やるっ!」
 錐揉みのやみ掛けたコアファイターから、ヴィクトリーの頭を出す。後ろを
向いた。額から、バルカンを放つ。ひるんだ、血の色が。
「今っ!」
 錐揉みがやんだ。機体が地面と平行になった。だが、後ろの殺意が近付いて
来る。死ぬの、私!
 その時、叫び声がした。
「おおおおぉぉぉ! よくもっ、よくも俺の女をーーっっ!!」
 オリファーの叫び声が消えた時、マーベットの背後の殺意は、消えていた。
656通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:27 ID:???
痛い奴もいるもんだ。

 訓練基地に戻った、マーベットのコアファイター。そこから降りて来た彼女
に、深い紫色の髪を持つ女が近付いて来た。
「はいよ、ご苦労さん。大口叩いた割には、大した事なかったねぇ。」
 ジュンコ・ジェンコは、棘のある言葉を浴びせた。
「何よ、私は二機撃墜したわ。あなたはどうなのよ。」
「三機ともやるっていったのは、アンタだろ。」
「あなたがちゃんと牽制に回っていたら出来たわよ、そんな事。」
「機体ぶっ壊して、よくそんな口が利けるねアンタ!」
「何ですって! あなたこそ、一機も落とさず何言ってるのよ!」
 自分を棚に上げて罵りあう二人の女に、パイロットスーツ姿の青年が近付い
て来た。マーベットと大人気ない言い争いをするジュンコの頬に、青年の手が
伸びる。ジュンコの顔を、自分に向けさせた。
「!」
 いきなり青年に唇を奪われる、ジュンコ。それが終わると、唇のあった顔を
思いっきり引っぱたいた。
「何すんのさ、いきなり!」
 白人の青年が、軽く笑う。ジュンコのせいで赤くなった左頬に自分の掌を当
てながら、青年はジュンコの顔を見ていた。
「……美人だな、あんた。」
 思わぬ答えが返って来た事に、戸惑うジュンコ。そんな戸惑いなど気にする
事も無く、青年は続けた。
「美人が減るのを喜ぶ男は、この世にいないんでね。命は大切にしな。」
 そう言う青年が、ジュンコには無性に腹立たしい。もう一度引っぱたこうと
右手を上げたその時、オリファーの声が止めた。
「やめろジュンコ、ジャックの言う通りだ!」
 イノエ教官の声に、ジュンコは従うしかない。オリファーが続ける。
「マーベットも! 初めての重力下での実戦なのに、なぜ無茶をした! もし
地面にぶつかっていたら、どうする気だ!」
「だってオリファー……。」
 背の高い彼女の言葉を遮る様に、背の低いオリファーの右手がマーベットの
左肩にそえられる。
「もういい、済んだ事だ。君が僕にとってどういう存在なのか、もっと理解し
てくれ、マーベット。」
 それを聞いてマーベットは、とたんにしおらしくなる。いや、女らしくなっ
たと言った方が、正しいか。
「……ごめんなさい、オリファー。助けてもらって。」
「いいんだよ、もう。先月伝えた僕の気持ちを、君も忘れないでいてくれ。戦
場でも。」
 そんな二人のやり取りを、ジュンコは青く冷たい目で見ていた。
659通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:28 ID:???
>>654
なにが、どう、読みにくいの?
 オリファーが指示を出す。
「俺はエスタニア政庁に行って、今回の事件の事後処理をする。マーベットは
基地で、ジャックは工業ブロックで、やるべき事をやってくれ。」
「了解、オリファー隊長。」
 青年は先程とは全く違う硬い声で返事をした後、オリファーに敬礼し、自分
の機体へ向かった。小走りでヴィクトリーガンダムニ号機に向かう白人の青年
を、オリファーが再び呼ぶ。
「頼んだぞ、ジャック・ブルーム。」
「頑張って来ますよ、隊長。」
 ジャック・ブルームと呼ばれた青年は、ガンダムのコクピットを閉じる前に、
硬さが消えた声で、そうオリファーに返事を返した。
「後は任せたぞ、マーベット。」
 ヴィクトリーガンダム一号機に乗り込んだオリファーは、マーベットにそう
言い放ち、白い機体を人工の空へと飛ばせる。マーベットは、それを二つの黒
い瞳で見詰めていた。
 オリファーの白い機体が見えなくなり、視線をそこから外す。青い二つの瞳
と、視線が絡み合った。
「フン!」
「ふんだ!」
 ジュンコとマーベットは同時に声を出し、同時に顔を背け、同時に視線を外
した。

 オリファーは、試験を受けにエスタニアへ来ていた六人のかつての教え子達
を集めて、リガ・ミリティアにモビルスーツ隊を作る事にした。自分が二年前
迄教鞭を取っていた彼女達の母校、シュラク女子パイロット養成学校の名前を
取って、隊の名前を「シュラク隊」と決めた。

−完−
662 ◆HcwCZnpTzw :03/09/16 00:30 ID:???
 21の書き込みに失敗してしまいました。済みません。
663ミライ ◆vl1PRVaMCg :03/09/16 00:31 ID:???
つまらん。
664通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:32 ID:???
>>662
ツッコミどころもあるけど、全体的には面白かったです。
665訂正:03/09/16 00:33 ID:???
662 : ◆HcwCZnpTzw :03/09/16 00:30 ID:???
× 21の書き込みに失敗してしまいました。済みません。
○ 詰らないSSアップしてしまいました。済みません。
666通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:34 ID:???
>>664
自演ご苦労。
このあと、評価スレで甘い採点つけるのも頑張ってね。
667通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:39 ID:???
SSをかく能力がないやつが必死に粘着してるな。屑だな。みたくねーならくるなよ。

>>662
大作お疲れサン。結構よかった。
668通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:40 ID:???
>>屑だな。みたくねーならくるなよ。

自分が書くとき誉め返して貰いたいからって、必死だな。
669通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:41 ID:???
>>662
基本的にはまあまあ読めたが、V厨な俺的にはヴィクトリーの登場時期が気になった。
670通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:42 ID:???
ジュンコのキャラってこうだっけ?
なんか、違う様に思うんだどなぁ・・・
671通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:42 ID:???
荒らし = 自分が一番痛いっていうことに気がつかないで、なぜか荒らすことで優越感を感じている人物。
      その大半はひきこもりである。
672通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:43 ID:???
>>670
それは言ったらいけない。評論マナー違反だよ。
673通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:44 ID:???
>>669
MSVハンドブックに準拠するなら
ガンイージがVタイプのテスト機として先に完成していて
これのテストパイロットがジュンコ・ジェンコだったということに
なっているな
674通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:44 ID:???
荒らしを構う奴も同罪。
675通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:45 ID:???
荒らしを呼び込むようなスレの同罪。
676通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:45 ID:???
荒らしなんかにかまうなよ。どうせ無職なんだから。
677通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:45 ID:???
>>評論マナー違反だよ。

なんなんだよ。それは・・・。誉める以外はダメってか!?
678通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:47 ID:???
荒らしを煽る奴も無職。
679通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:47 ID:???
SS書く時間を取れる奴も無職。
680通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:50 ID:???
「無職」と「ヒキー」で相手が傷つくと思ってる奴がいる模様。
それとも、「無職」と「ヒキー」でない所くらいしか自慢できる所がない奴が、優越感を感じる為にレスしてるんだろうか?
681通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:51 ID:???
埋め立てご苦労。
682通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:53 ID:???
>>662
わざわざ長文で埋めてくれなくても、一行レスでいいよ。
683通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:58 ID:???
埋めるよ
684通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:59 ID:???
昨日言ってたように700まで。
685通常の名無しさんの3倍:03/09/16 00:59 ID:???
半分忘れてたけどね。
686通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:00 ID:???
よくわからんがもうこのスレおわりだな。荒らされまくってるじゃん。
荒らしてるやつは、sageでやれよ。くだらないから。
687通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:01 ID:???
なんか結構埋まってるし、こりゃ楽だわ。
688通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:01 ID:???
>>686
それに従うくらいならそもそも荒したりなんてしない。
689通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:02 ID:???
いっぱい書いてるけど読む気なんておこらねえよ。
690通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:02 ID:???
>>686は662に御礼を言う様に。
691通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:02 ID:???
オナニーしまくりはよくないよ。
692通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:03 ID:???
↑ウホ・・
693通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:03 ID:???
サルかよ。
694通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:04 ID:???
700はまた誰か取れや。
695通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:05 ID:???
今日はお手伝いがいっぱいで嬉しいね。特に長文の奴。
696通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:06 ID:???
わけのわからない文字列で大量に埋めるところなんて秀逸の出来。80点やる。
697通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:07 ID:???
なかなか出来ることじゃない。
698通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:07 ID:???
なんだ、長文も荒しの一部だったのかよ。
699通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:08 ID:???
投稿するところの選択も重要だよなぁ・・・。
700通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:08 ID:???
つうことで今日は楽に終了。
701通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:14 ID:???
一日のお勤めご苦労さん。まあ、給料は出ないけどお茶でも飲んでってよ(藁
702通常の名無しさんの3倍:03/09/16 01:58 ID:???
荒らしレスはレス削除依頼出しとけよ住人
厨房だからやんないの?
703通常の名無しさんの3倍:03/09/16 02:35 ID:???
>>702
>>487-702を削除依頼ってことでいいよね?
704通常の名無しさんの3倍:03/09/16 07:21 ID:???
>>703
そうだね。全部荒らしだからな
削除依頼よろ
705通常の名無しさんの3倍:03/09/16 07:54 ID:???
スレごと削除しろよ。
706通常の名無しさんの3倍:03/09/16 08:55 ID:???
そうだね。それがいいかもね
707通常の名無しさんの3倍:03/09/17 12:18 ID:???
保守
708通常の名無しさん0079:03/09/17 22:02 ID:???
星一号作戦を一週間後に控え、自由な時間をとれるのもこれが最後だ。
来週の×日には、あの「丸いカンオケ」で出撃する。生きて帰れる自信は無い。
せめて、自分が生きていた証を手紙にでも残しておこうかと思ったが、送る相手がいない。
僕の故郷はサイド2にあった。手紙を送るような家族も友人も、皆死んでしまった。

そうだ、あそこにでも書き込んでおこう。
僕は携帯端末から 「スペースちゃんねる2」 にアクセスした。
旧世紀から続いている巨大掲示板群だ。
ここには僕のお気に入りのスレッドがあったはずだ。

「オリジナルSSを書くスレ」

僕のような兵士たちや、将校、技術士官や整備兵、はては民間人まで様々な人々が
戦争の中で生きる心情や生活、希望や苦悩、現在の状況や思い出話など、
自由なテーマで「ショート・ストーリー」にして投稿するスレッドだ。

ここに、僕が生きた証として、僕の物語を書き込んでおこう。
久しぶりだからな。dat落ちしていなければ良いが…

「オリジナルSSを書くスレ」は、2スレ目になって、まだ存在していた。
安堵の気持ちでカーソルを合わせクリックした次の瞬間、僕は叫んだ。







 「  荒  ら  さ  れ  と  る  が  な  ! 」



 
709通常の名無しさんの3倍:03/09/17 22:08 ID:???
いいもの読ませてもらったよ
とっときな釣りはイラン
710通常の名無しさんの3倍:03/09/18 00:08 ID:???
さぁ、もう未練もないだろ・・・。
711通常の名無しさんの3倍:03/09/18 02:49 ID:???
終了?
712708にお返し:03/09/18 17:36 ID:???
つい数時間前にソロモンが陥落したと聞いた。
ドズル中将が戦死したとの噂も、ちらほらと聞く。
この慌しく上へ下へ士官達が蠢くアバオアクーで。
僕達の祖国ジオン公国が既に敗戦の道を辿っているのだろう、
なんてことは僕がハイスクールで、詰まらない地球の歴史…
あれはニホンという国のタイヘイヨウ戦争だったか、の下りを
聞いている最中に、級友達がこっそり落書きと一緒に回し読み
していた個人的なメモにですら囁かれていたことで。
僕はコロニー建設作業中に事故で半身不随になった両親の為に
学徒兵などを志願し、この要塞にいる、それは理解している。
だけれども、死ぬことを分かっていて、戦場に出るのは些か
僕の流儀ではないと思う、だからこそ出撃の今、ネットに
繋いでいつもの自分を演じようとしているのかもしれない。

ネットに接続、そこには旧世紀から続く巨大掲示板群
「スペースちゃんねる2」が開かれている。
ヌー速+なんて板を見ると、つい数時間前に行われたソロモン
戦の詳細なデータが載っているし、こんなこと軍の上層部しか
しらないんじゃないの?みたいなことも書かれている。
実際の戦場は、あの現実離れした巨大二足歩行兵器達がビーム
なんかを撃ち合って殺しあうあの宇宙ではなく、実はこの
仮想空間となって具現化した情報の海ではないかとも思ってみる。
馬鹿げた現実逃避だな、そう自嘲していつものお気に入りスレ
「オリジナルSSを書くスレ」を開く。
ここはきっと僕が今際の際にあっても変わらないんだろうな、
ここで書いた僕のSSは僕が死んでも残ってくれるのだろうか、
誰かが読んでくれるのだろうか、駄目だ、少し涙が滲んで
それをそっとふき取り、もう一度画面に目を落とした僕は
絶句した。






「 荒 ら さ れ て ま す が な ! 」

713通常の名無しさんの3倍:03/09/18 23:02 ID:???
>>708>>712 グッジョブ! めちゃワロタ
714通常の名無しさんの3倍:03/09/19 00:38 ID:???
>>708 & 712
もう、思い残す事も無かろう・・・。さっさと散ってこい!
715通常の名無しさんの3倍:03/09/19 00:51 ID:???
>>708はザクに蹴られて氏んだボール

>>712はアバオアクーで、部下を突撃させて
自分は隠れたあとミサイルにあぼーんされた指揮官ザク
716通常の名無しさんの3倍:03/09/19 00:55 ID:???
>715
学徒兵では指揮官になりゃせんだろ。多分。
717通常の名無しさんの3倍:03/09/19 01:05 ID:???
じゃ、>>712は、ジオングと交戦中、「な、なぜ出てくる!?」といわれながらついでに落とされたザク
718通常の名無しさんの3倍:03/09/19 01:22 ID:???
>>715 思い残すことありまくりな散り方ですなw
719通常の名無しさんの3倍:03/09/19 01:46 ID:???
うかばれませんなぁ
720通常の名無しさんの3倍:03/09/19 22:48 ID:???
保守
721通常の名無しさんの3倍:03/09/21 11:31 ID:???
    r、r.r 、i.    /          ̄l 7     なんだってー
  r |_,|_,|_,| ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/     
  |_,|_,|_,|/ |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l                なんだってー
  |_,|_,|_人 (^i;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /     なんだってー
  | )   ヽノ゙i u       ´    ヽ  ! 
  |  `".`´ :!             ,,..ゝ!             なんだってー
  人  入_ノ 、    r'´~`''‐、  / \   \ \ メ / )`) )    なんだってー
/  \_/\:ヽ   `ー─ ' /   \\ . \ メ ////ノ     
      /   ヽ、:..、  ~" //   ヽヽ メ /ノ )´`´/彡  
     /      ` ー┬─ '"´     i i  /   ノゝ /      なんだってー  
    /          |      Y  | |/| 、_,,ィ '__/,;'"´``';,._  
    /  y         |      ヽ_/  \ _/  |ニニニニ|    なんだってー
722通常の名無しさんの3倍:03/09/21 11:32 ID:???
無数に散らばるスレッドの海
ここに、一つの糞スレが産声を上げた。

鯖の負担も顧みず、勢いと思いつきだけで立てた駄スレ。

雑談程度の内容で板を圧迫し、
良スレを駆逐した。


これは、日本一の糞スレを目指した、ある男の執念の物語である。


(ズズンズ、ズンズン、、、シャキーーーーン! プロジェクト・エェーーーークス)

             主題歌 「痴情の星」川中島みゆき

♪風の中の、すぅばるぅ〜〜〜・・・
 
チャララララ~~~
膳場「プロジェクトX朝鮮者たち、
   今夜は 糞スレ生産に命をかけた>>1の物語です」
国井「膳場さん、これが何かわかりますか?日本一の“糞スレ”なんですねー
   ちょっと煽ってみましょう」
国井「氏ね、逝ってよし!ボケ、チンカス!
いやーこれはひどいインターネットですねぇ(w」

膳場「さて、日本一の糞スレを目指した>>1
   物語は戦後間もない大阪から始まります」
723アフリカ-鉱山跡地-:03/09/21 17:52 ID:???

「保守?ここを?正気ですか?
 こんなに荒れ果てた砂漠を守ってどうなるんです!
 陥落するのも時間の問題ですよ。
 残党狩りの攻撃も厳しくなるばかりです。
 なんとかして宇宙に帰りましょうよ!」

確かに、使える状態のHLVが1基残っている。
逃げることも可能ではあった。

「我々には意地がある。
 ここに踏みとどまり、同胞たちが来るのを待ち続けるのだ。」

少将と思われる軍服を着たその司令官は、再興の日を願い
砂荒し吹きすさぶ中、ここを保守する決意を新たにした。
 
724通常の名無しさんの3倍:03/09/21 18:56 ID:???
無駄なことを
725通常の名無しさんの3倍:03/09/21 19:13 ID:???
くだらんな
726通常の名無しさんの3倍:03/09/21 21:28 ID:???
「無駄なことを」
私は一人、コックピットの中で呟いた。
既に多くの僚機への回線が途絶えて久しい。
ここ宇宙要塞ソロモンで、私は既に孤立無援だった。
連邦の量産MSのその性能には目を見張るものがあり・・・
我がジオンの名機ザクUでは、いかな高性能化高機動化を
図ろうともその性能に追いついていけないでいる。
推力をここぞとばかり注ぎ込んで高速接近、ヒートホークの
一薙ぎ、振り向きざま、マシンガンを食らわせる。
そういった戦法は、敵と自機の推進力が均衡を保っているか
或いは、こちらが勝っている状態でのみ有効なのだ。
追えども追えども、敵の後ろを捉えられず、何時の間にか
こちらが格好の的となる。
可笑しなものだ。
鬼ごっこをしているつもりで、私は誰もその手に捕まえていないで
いる。さぞかし滑稽な姿だろうよ。
私は、既に手詰まりとなったこの状態で、もう敵と呼べるものが
何で、私は何に依って戦っているのかすら忘れていた。
「無駄なことを」
何度目かの、恐らく自嘲の戒だろう呟きを耳にして、私の
目の前のモニターが光に包まれ、そして、そこで全てが終わった。
727通常の名無しさんの3倍:03/09/21 21:51 ID:???
『くだらんな』
そういう書き込みを見たのはもう何度目になるのだろう。
人類が宇宙に上がり、生活の場をこの何も無い真空の地へ
移してもなお、人々を繋ぐネットワークは膨張し続ける一方だ。
スペースちゃんねる2、旧世紀から続く巨大掲示板群、そこに
は毎日毎日よくもまあ飽きもせずに人々が集う。
本当に人類はその人口を3分の2を失うような戦争をしているの
だろうかと疑いたくなるような矮小な煽り合い、陶酔だけを残す
自己満足、本当はもう気付いているんじゃないのか?
人類は戦争を止めるべきなのだ、或いは・・・
或いは、戦争を忘れることの出来ぬ愚かな種であったのか、
殺しあって、憎みあっているから、突如として真理に到達する。
だから、煽りあって、他人を貶めて喜んで、ある日唐突に
気付くのだ、下らない、その一言に。
私はそっとコックピットのシートにもたれかかって、画面を
見もしないで最後の送信を終える。
『くだらんな』
もうこのザクの空気も保ちはしまい。
人の気配の全く消えたこの宙域で最後にネットに繋げることが
出来たのは、或いは、死にゆく私の幻覚なのかもしれない。
「ほんと、くだらんな」
そう最後に呟いて、私は静かに目を閉じた。

728通常の名無しさんの3倍:03/09/21 22:48 ID:???
だから、ここで着ているものを全て脱げと言っている
729通常の名無しさんの3倍:03/09/21 23:30 ID:???
85 名前:通常の名無しさんの3倍 本日のレス 投稿日:03/09/21 21:06 ???
ガイドライン板に立ってた

SSスレッドのガイドライン
http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1064130342/l50

宣伝・雑談OKだってさ。
もうここSSスレじゃないけどさw
730通常の名無しさんの3倍:03/09/22 00:09 ID:???
「だから、ここで着ているものを全て脱げと言っている」
果たしてこの連邦の仕官はどのような表情をしているのか、
彼女の位置ではそれをうかがい知ることは出来ない。
恐らくは、とても下卑たソレをしているのだろう、小さく舌打ち
をして、彼女はゆっくりとその潜入用のタイトなスーツに手を
掛けた。
オデッサ、巧妙に隠蔽された連邦のMS工廟。
それを発見したのは全くの偶然といってよかった。
俄かにその濃度を増していたミノフスキー粒子により
本部への定時連絡は不可能。
そこに至るコードと入り口を病的なほど慎重に細かく変更
をするオデッサ基地は、また今回と同じように侵入できる
とは誰も保証してくれない。
この状況下で彼女は、無茶とも言える偵察行動を取るしか
選択肢は無かった。
言葉は無い。ただ、脱ぎ終わった上着を床に落とす。
半裸になった彼女を僅かな光が反射して怪しく光る仕官の
双眸が捉える。
嘗めるように上から下へ注がれる視線。
どうやら、最初の言葉は伊達では無いらしい。
彼女は覚悟を決めて、残りの衣服に手を掛ける。
これほどの屈辱は無かった。しかし、それに屈するわけには
いかない。彼女は写真などを見ずとも思い出せるほど目に
焼き付けたいとおしい許婚の顔を思い描く。
今は全てに耐えるのだ、自分に言い聞かせ彼女はその
全ての感覚を意図的に…或いは無意識にただ五感で感じる
以上のソレへと繋ぐのを止め、全ての行いに身を委ねた。
731通常の名無しさんの3倍:03/09/22 01:15 ID:???
社長紳士録は面白いよ。
フランキー堺が三木のり平を追いまわす男色の社長役をやってるんだけどさ
これが又、絶妙なんだな。
社長シリーズはマジ面白いから見ておいて損は無い
732通常の名無しさんの3倍:03/09/22 03:12 ID:???
荒しに構うな。スルーしろって。
733通常の名無しさんの3倍:03/09/22 19:35 ID:???
なかなか面白い!
734通常の名無しさんの3倍:03/09/22 22:33 ID:???
荒らしへの反撃だとしても、SSが投下されるのは、このスレ的には本懐なのでは?
れっきとしたSSスレにSSが書き込まれず「保守」だけで延命されてても寂しいし。
そりゃ、SS投下したとたんに荒らされるだろうけど。
う〜ん、しかし、荒らしてる人はなんで荒らしてるの?
なぜ?スレ乱立してるから?SSがつまらんから?感想クレクレ厨がウザいから?(←この全部?)
ここみたいなSS専門スレは、あってもいいと思うよ。
とくに、自サイト立てるほどじゃないけど、ちょっと書いてみたいとか、投下するのに適当なスレ
を見つけられ無いときとか、
書いたものが設定にこったものならば、文芸板やアニメ板よりもシャア板の方が良い意見を
いただけるだろうし、(イイ!とか、ここは変だとか、こうすれば良くなるとか)
てゆうか、自サイトやキャラスレだとマンセー意見しか貰えないし、ここみたいなところの方が
みんなからの忌憚の無い意見を貰えると思う。
ただ、「SS書く人は叩かれてもスルーされても泣かない。叩く人はどこが悪いか言って叩く。
    叩かれたら反省してみる。反省しない人は「おもしろい人だニヤニヤ」で、だまって見守る。」

         こんな感じでマターリいけないだろうか?
      ただ読ませてもらってるだけの人間の長い独り言でした。
735通常の名無しさんの3倍:03/09/22 22:47 ID:???
縦書きご苦労。
736通常の名無しさんの3倍:03/09/23 09:25 ID:???
>ただ読ませてもらってるだけの人間

うっわ〜、最後の最後で見栄張っちゃったw
お前、ガイドラインのスレにまで突入して愚痴ってた奴じゃん
737通常の名無しさんの3倍:03/09/23 11:38 ID:???
保守
738通常の名無しさんの3倍:03/09/23 13:32 ID:???
「社長紳士録は面白いよ。」
なぜ突然彼はむきになったのだろう。
ここはアマゾンの奥、連邦軍総本部ジャブローを
守る形で設置された小型の保守陣地だ。
奴とは徴兵になった訓練隊から一緒だ、
初めは自分から話そうともしない変な奴だと思っていたが
レンタルビデオのチェーン店でアルバイトをしていた奴と
特にすることも思いつかず専門学校で映画を勉強していた
俺とは妙に話しが合うのに気がついた。
本当は望まずに兵隊に取られ何時か死ぬような危険な目に会うかも知れない
という恐怖心さえ紛らわすことができればそれでいいと思っていた。
でもそのうち奴と話すと映画という世界の影の
そのまた狭い部分を自分の世界にしてしまって現実から
目を背けようとしている自分に気付かされるようになった。
この世にはくだらない映画もだめな映画も本当はない
くだらないところしか見ることができない人間
だめにしか見ることができない自分がいただけなんじゃないだろうか?
仲間内で定期便と呼ぶジオンの無差別爆撃にも慣れ
奴と退屈紛れの話をしながら思っていた、
兵役を満了したら何か仕事につこう、そしてまず本当に
人に判っててもらいたいことを探そう。
映画なんか作るよりそっちの方が大切な気がし始めた。
「おい見張りが無駄話に夢中になってどうする?」
軍曹が言ったそのとき偽装された陣地をビーム兵器が直撃して
何もかもが吹き飛んだ。
「おい…聞こえるか?何で…なんで社長紳士録なんだ?」
「フランキー堺が三木のり平を追いまわす男色の社長役をやってるんだけどさ
これが又、絶妙なんだな。
社長シリーズはマジ面白いから見ておいて損は無い」
739通常の名無しさんの3倍:03/09/23 15:15 ID:???
何処を縦読みすればいいんだい?
740通常の名無しさんの3倍:03/09/23 17:45 ID:???
「何処を縦読みすればいいんだい? 」
分けも分からぬまま先ほどブリーフィングで渡されたボードと、それに映る今回の作戦の
解説と簡単な概要を読みながら、奴がこちらを向いて一言。
「埒も無い。これだから、ジャップは・・・」
「んー、やはり慣れている方で読むだろう?」
のんきな顔をしながら、奴がボードに受領を了解するキーを押し送信を終える。
簡単なことだ、奴も俺もただこの無茶な・・・あの丸い棺桶で出撃させられる現実から
 逃げたいと思っている、それだけなのだ。
741通常の名無しさんの3倍:03/09/23 17:50 ID:???
うほ・・
742通常の名無しさんの3倍:03/09/23 20:01 ID:???
つまらん。
743通常の名無しさんの3倍:03/09/23 23:10 ID:???
「うほ・・」
「いいオンナ」
底が抜けたようにどこまでも続く青空。
陽炎に揺らめくアスファルトの上で、気だるさを隠さず座り込む。
整備兵の支給品である帽子を目深に被って、僕はアイスクリーム
をかじりながら、隣のこいつは首筋にさっき濡らしてきたタオルを
当てながら、目を前を過ぎていく女性達をじっと眺めての一言。
「あれ、きっとアナハイムから出向してきてる女性技術者だぜ」
「あの噂のか!?」
「かぁー、いいねぇ、俺ももう少し頭良かったらアナハイム入ってたね」
「んだなぁ」
飛行機雲がくっきり残る青空、夏も過ぎ秋だというのにここいらは
季節感などまるっきり無い。
ただ目の前には大きなクレーター。
ここオーストラリア、人類最大の大虐殺がかつてここで在った。
「あちぃな」
「夏も終わりだってのにな」
「アイスとけちゃったよ」
「午後もすること無いのかね」
「せめてジムカスとか数機でも増えてくれればね・・・」
お互い会話など続くはずも無い。
ただただ暑い。これもつい一年と6ヶ月前に北米に落ちたコロニーの
影響かね。そう言おうと思って顔を上げたら、そこにはつい最近、
この基地に配属になった士官の姿。
「休憩かい?」
彼はご丁寧に着込んだ連邦の制服を、それでもやはり暑いのだろう、
少しだけ胸元をはだけて、にこりと笑う。
「あ、ああ、えーと」
「コウ。コウ・ウラキだ、よろしく」
「あ、どうもー」
隣の奴が愛想良く彼の手を握る。
僕も何か挨拶をと思い気の利いた言葉を捜したがこの暑さも在って
なかなかアイデアが浮かばない。
「あ、当たりだ」
ふと見たアイスの棒に当たりの字。
「コウさん、これお近づきの印です」
いきおいで思わず渡す当たりの書かれた棒。
「これは?」
「僕の好きなキャロットアイスの当たり棒、まあ、よろしくね」
突然渡されたらそりゃ僕でも困るわな、そう思いながら、そろそろ
午後の整備の時間が来ているので隣を突っつきコウさんに会釈をした。
「んじゃ、俺達これでー」
「アイス、食べてみてくださいねー」
笑顔を振り向き僕達は歩き出す。
彼も・・・彼もきっと大きな悲しみを知っている、そんな瞳だった。
何故かまだ呆然としている彼に振り返り僕はまた大きな声で言った。
「きっと、おいしいっすよー」
少しだけ、暑さも和らいだ、そんな残暑のきつい秋の一日だった。
744通常の名無しさんの3倍:03/09/24 00:01 ID:???
長いよ。
40文字位にまとめろって。
745通常の名無しさんの3倍:03/09/24 00:06 ID:???
「うほ・・」
「いいオンナ」
で読むの止めたよ
746通常の名無しさんの3倍:03/09/24 00:09 ID:???
えーと、つまり
「うほ・・」
「いいオトコ」
なら、読み続けたのに、と。
747通常の名無しさんの3倍:03/09/24 01:15 ID:???
読む奴のレベルに合わせろよ。
74840文字SS:03/09/24 23:06 ID:???
指揮官になると書類も作れと言われ
40文字位にまとめろなど文句まで言われる
ブッ殺す
749通常の名無しさんの3倍:03/09/24 23:43 ID:???
ワロタ。
750通常の名無しさんの3倍:03/09/25 01:14 ID:???
思わずウケタ
751通常の名無しさんの3倍:03/09/26 21:43 ID:???
>>708以降からのSSは、スレの流れ上、半分ネタって感じではあるけれど、
純粋にSSとして見ても、とても良いと思いました。

特に>>738が良いと思いました。
戦争をしていても、映画を作りたいとか、ミュージシャンになりたいとか、小説家になりたいとか、
そういう夢とか芸術の心とかを人は忘れないものですよね。
こういった内容を描いた作品は確かにいっぱいあるかも知れないけれど、
社長紳士録なんて微妙なお題から、良くここまで話を膨らませたなと思いました。

5、6レス位の長さのSSは、長くて読み飛ばしてしまうことも(失礼)ある自分ですが、
みんな楽しんで読めました。長いって事はないと思いますよ。

あと、感想は評価スレに書いたほうが良かったでしょうかね?
評価なんておこがましいものではなく、良いなと思った感想を書きたかったもので…

って、あまり誉めるような感想を書くと、自演だろ!って言われちゃうのかな…
752通常の名無しさんの3倍:03/09/26 22:11 ID:???
738は確かにワロタ。
753通常の名無しさんの3倍:03/09/27 02:52 ID:???
おもろいね。
754通常の名無しさんの3倍:03/09/27 22:18 ID:???
汚れつちまつた悲しみに
癒されぬ悲しみを抱えた私は
無駄に文学的にageてみる。
心打ち震えるほどAGE。
激情に身をゆだね、私は叫んだ。

    「AGE!!」

755アイナさん:03/09/28 18:54 ID:???
ギニアス「…クソッ店長め自分だって雇われの癖にアルバイトに偉そうに
     しやがって、何がお客様のお弁当は温めるかどうかちゃんと
     お聞きしなさいだ!コンビニの弁当で済ますような平民は
     冷たいまま喰っとればいいのだ…」
シロー「あ 梨最後のひとつになっちゃったよアイナお食べよ」
アイナ「いや シローさんが食べて」
シロー「それじゃあ半分にしようか」
アイナ「いいわでもシローさん食べさせて…」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんが実家から梨を送って来たってわざわざ
    届けてくれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物ならこのオデン一分以内に完食して見せろ!」
シロー「俺は食う!胃袋の底が抜けても食い尽くしてやる! …ホゥッゥ!!」
ギニアス「どうだ、アイナに温まってもらおうとコンビニレンジで
     たっぷり暖めたオデンだ存分に味わえ!」
アイナ「シローもう止めて!!」
ギニアス「…4、3、2、1 わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度
     でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
756通常の名無しさんの3倍:03/09/28 19:51 ID:???
ノリス「ギニアス様、あまり激昂されてばかりだとお体に触ります、どうか気をしっかりと」
757アイナさん:03/09/29 21:27 ID:???
ギニアス「…クソッ祭りの夜店ぐらい軽いと思ったらショバ代に
     仕入れ代、土地の偉い人へのお土産まで引いたらこんなしか     
     残らん!私は貴族、民を導く義務を負った者なのだ!
     その私から搾取するとは何様のつもりだ…」
シロー「ほら あんまん、アイナの好きなこしあんだよ」
アイナ「嬉しい でもシローさんの分は?」
シロー「俺は甘いのは苦手だから」
アイナ「もぉ 私が半分たべてあげるから…」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんがデパートの地下においしい中華まん
    売ってたってわざわざ買ってきてくれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物なら一分以内にこの金魚25匹すくって見せろ!」
シロー「俺はすくう!この腕が折れてもすくいきって見せる!!」
ギニアス「うぅむ やるな!しかし時間は迫っているぞ
     そこのドジョウは一匹で五匹分ということにしてやってもいいが…」
アイナ「シロー!欲張るから破けちゃったわ!!」
ギニアス「…4、3、2、1 わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度
     でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
758通常の名無しさんの3倍:03/09/30 00:34 ID:???
ノリス「ギニアス様、あまり興奮されてばかりだと明日の夜店で使う金魚にまで
    それがうつります、どうか気をしっかりと」
759アイナさん:03/09/30 20:47 ID:???
ギニアス「…グホッ、募集では車を運転するだけの簡単な仕事です
     って書いてあったのにどこだか判らない山の中に
     夜中にトラックで行かされるし、積荷を捨てるのに
     使った軍手は暗がりでぼんやり光るし一体何を捨てさせ
     られたんだ?…」
シロー「ほら これを押すとエサをあげられるんだよ」
アイナ「ほんと?かわいい!」
シロー「それでね 世話するのをさぼってると…」
アイナ「いや〜ん うんち〜」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんが今時どこで見つけてきたのか
    知らないけどたまごっちを買ってきてくれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本当なら今からする質問に全て知りませんで
     答えて下さい!」
シロー「俺はしらばっくれる!何を聞かれても知らぬ存ぜぬで通してみせる!!」
ギニアス「それではまずピザと十回いってみて下さい」
シロー「ピザッ!ピザッ!ピザッ!ピザッ!…」
ギニアス「それではパリにある有名な塔の名前は?」
シロー「ピッ…エッフェル塔!」
アイナ「ダメー!シロー!そこは知りませんと答えなくちゃいけないのよ!」
ギニアス「…わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
760通常の名無しさんの3倍:03/10/02 00:40 ID:???
ノリス「ギニアス様!吐血されたらされたであれほど!ハンカチーフは
    お洗濯かごにお入れ下さいと申しあげたではないですか!」
761通常の名無しさんの3倍:03/10/02 21:31 ID:???
ギニアス「…ハァ 工事現場の交通整理って思った以上にキツイじゃないか
     仕事そのものは単純作業でも普段寝ている時間帯に
     慣れないことをしていると物凄い疲労感だ…イヤなまじ作業が
     単純なだけに余計な事を考えてしまうのがなお辛い…」
シロー「凄い特撮だね」
アイナ「キャー怖ーい」
シロー「大丈夫だよ最後はきっと助かるよ」
アイナ「本当?ドキドキしちゃう」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんがタイタニックのビデオ借りてきて
    くれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物なら赤と言ったら赤い旗を白と言ったら
     白い旗を上げて下さい!」
シロー「俺は上げる!間違えないで旗を上げて見せる!!」
ギニアス「では行きます、赤上げない白上げないで赤下げない!」
アイナ「イヤー!シロー!赤下げないだから赤い旗は
    上げてなくちゃいけないのよ!」
ギニアス「…わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
762通常の名無しさんの3倍:03/10/02 22:06 ID:???
ノリス「ギニアス様!今しがた職場からお電話がありました。
     なんでも、備品の旗を返却して欲しいとのことでしたが・・・」
763アイナさん:03/10/03 21:57 ID:???
ギニアス「…ウゥッ ピザのデリバリーがこれほどハードとは…
     こっちは荷台やら屋根やら思いっきり無理な装備の付いた
     スクーターなのに平気で幅寄せして来る車までいる
     ドライバーの皆さん譲り合いの心をたいせつにね…」
シロー「ほら!おすしだよ」
アイナ「うわー!おいしそう!」
シロー「アイナの為にさび抜きにしてもらったからね」
アイナ「本当?嬉しい」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんが持ち帰りずし買ってきて
    くれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!アニキ!」
ギニアス「ア…アニキ?」
シロー「はい!俺は間違っていました!今まではアイナの為に
    アニキに好かれようと思ってたんです、でもそんなの
    人との付き合いとして動機が不純です!
    これからは俺のアニキになって下さい!」
ギニアス「アニキでも駄目だ―――!
     しかしその覚悟が本物ならこのスペシャルトッピング
     シシリアンルーレットピザの中から致死量寸前の
     タバスコのかかっていないスライスを選んで見せろ!」
シロー「俺は選ぶ!辛いのは苦手だからおいしいピザを選んで見せる!!」
アイナ「イヤー!シロー!無理に笑っても口元からタバスコが
    にじみ出してるわ!」
ギニアス「…わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!アニキに俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「はっきり言ってアニキはもっと嫌だ――!!」
764通常の名無しさんの3倍:03/10/04 01:51 ID:???
ノリス「ギニアス様、バイト先からタバスコだけを
    ごっそり拝借してくるなんて流石だな、あにじ・・・ごほん」
765アイナさん:03/10/04 21:08 ID:???
ギニアス「…私は貴族だ、平民に施しをしてやる立場だ
     それがなぜ駅前でティッシュを配るのに
     中卒プーのバイトに指導されなくてはならんのだ?」
アイナ「シローさん髪の毛伸びてきたわね」
シロー「そうかな」
アイナ「私切ってあげましょうか?」
シロー「本当?キムタクみたいにできるかな?」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんのもみあげなんかうっとうしいから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物なら私にあっち向いてホイで五本中三勝して見せろ!」
シロー「俺は勝つ!そしてじゃんけんに負けてもあっちだけは向かない!!」
ギニアス「行くぞ!最初はグー…ジャンケンポンあっち向いてホイ!
     ジャンケンポン!ジャンケンポン!…」
アイナ「シロー!真剣なのはわかるけどだからって相手の目を見つめちゃダメ!!」
ギニアス「…わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
766通常の名無しさんの3倍:03/10/05 00:43 ID:???
ノリス「ギーニーアースさまー、どちらにおいでですかー?
    まだ、ティッシュ配りの極意を伝授中ですぞーー?
    ティッシュを配るときは相手の目を見て、こちらに引き込む!
    引き込む!これが極意と。さあ、特訓です!」
767通常の名無しさんの3倍:03/10/05 18:52 ID:???
ギニアス「…いいだろう一日中フライの匂いで食欲が全く無くなるのも
     高校生にため口で注文されるのもサハリン家再興の為と
     割り切って考えよう。しかし客が一万円札を出すたび
     一万円札入りますと大声を上げるのは貴族としての
     プライドが激しく痛む…」
シロー「寒くなってきたね」
アイナ「シローさんこれ」
シロー「うわぁ! マフラー!」
アイナ「私が編んだの…下手で恥ずかしいけど」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんが夏でも冬でもおんなじ格好してるから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物なら一分以内にマクドナルドの限定メニュー
     を五つ言ってみろ!」
シロー「俺は言う!本当は牛丼党だけどアイナのために限定メニューを思い出す
    えーとお好みバーガーでしょう…」
アイナ「シローそれはドムドムバーガーよ!!」
ギニアス「…4、3、2、1 わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度
     でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
768通常の名無しさんの3倍:03/10/05 23:08 ID:???
ノリス「ギニアス様、マクダナルズで限定メニューをオーダーする時は
    フォース!フォースですぞ!さ、まだまだ、膨大なマニュアルを
    覚えなくては・・・あれ?ギニアス様?ギニアス様ー?」
769アイナさん:03/10/06 20:50 ID:???
ギニアス「…グハッ コンサートの警備員の仕事はハード過ぎたようだ
     例えこの私が健康体でも耐えられたかどうか…
     しかしこれもサハリン家再興の為、アイナにあのころの
     笑顔を取り戻してやるため…」
シロー「ほら焼き芋だよ」
アイナ「うわぁおいしそう」
シロー「ほら大きいほうあげるよ」
アイナ「いやだもうシローさんたら」
ギニアス「キ――サ――マ――!!」
アイナ「違うのお兄様!シローさんが公園の落ち葉を掃除したご褒美に
    焼き芋を貰ってきてくれたから…」
ギニアス「お前は黙っていなさい!シローとやら私の大切な妹に手を出す
     つもりならそれなりの覚悟はあるのだろうな!」
シロー「はい!お兄様!」
ギニアス「(ブチィッ!!)貴様にお兄様呼ばわりされる筋合いは無い!
     しかしその覚悟が本物なら案山子相撲でこの私をこの円の中から
     押し出して見せろ!」
シロー「俺は押す!両足をそろえたまま手だけでお兄様を土俵から
    押し出してみせる!!」
アイナ「シロー押すことばっかり考えてスカされてバランスを崩すしちゃ
    ダメ―――!!」
ギニアス「…わかったか貴様の気持ちなど所詮その程度でしかないのだ!!」
シロー「いや諦めません!お兄様に俺の誠意を判ってもらえるまで
    俺は絶対! 絶対諦めません!」
ギニアス「お兄様と呼ぶな――!!」
770通常の名無しさんの3倍:03/10/06 22:55 ID:???
ノリス「いたたた。ギニアス様、ノリスはうれしゅうございます。
   押し寄せる暴徒を鎮圧する方法を教えて欲しいなどと、その向学心!
   このノリス、全霊を持って奥義を伝授しましょうぞ!さあ!・・・ってあれ?」
771通常の名無しさんの3倍:03/10/07 11:15 ID:???
・・・・
772通常の名無しさんの3倍:03/10/07 15:57 ID:???
.......

773通常の名無しさんの3倍:03/10/09 02:39 ID:???
ああ、止まったよ。
アイナさん書いてる人と、直後のノリスの突っ込み書いてる人は別人?
正直、なんか妙なノリがあって面白いと思ってたんだけど。
UC0079.4.1
 連邦の新兵器開発委員会で、レビル将軍のV作戦の概要を貰う。
各方面で著名な博士や学者が次々と会議室に入室する中、
私は持参したミネラルウォーターのキャップを捻りながら、
早々に席に着く。
着いた席には、機械工学に詳しい某大学教授のネームプレート。
取り合えず、自作した自分のネームプレートをそこに置き、彼のは
そっと机の下に捨てておく。
誰が人の指定した席に着くものか。私が座りたいところに座る。
それが世界の常識。
入り口で貰ったときから不審に感じてはいたが、案の定、レビル将軍
の出したV作戦の概要は、数枚の概念書だった。
概念と言うより、既に要望、いや妄想と言って良いだろう。
まあ、良い。つまりは自分の好きにして、ってことだろう。
ああそうだ。サイド7で計画を進行すれば我が息子と一緒に居る時間
も作れるだろう。我が息子ながら、最近引きこもりぎみなのは、
まあ良いだろう。私もそうだったからな。
だが、私を見る目。あれだ。あれが良くない。
ここの辺でパパンの威厳を取り戻す、その為のV作戦だ。
そう考えると突如、全てのことが一直線に繋がって一筋の光明が
私を射抜く。
そうだ。ガンダムを作ろう。
UC0079.4.3
 先の委員会は傑作だった。
例の大学教授、最後に偉そうに入室してきた割には自分の席を
見つけることが出来ず、近くの将校を捕まえて憤慨していた。
まったく、良い大人が茹蛸のように真っ赤になって怒るさまは
愉快としか形容する他無い。
委員会は議会で承認されたV作戦を受けて、V作戦推進委員会
となった。馬鹿にされたとかって怒りながら出て行った某教授は
そこには居なかった。
なんでもカールビンソン計画やらなんたらに関わるとか。
今時、宇宙艦隊の補強なんぞはやんねーんだよ、ヴォケが、と
小さく呟いたら隣に座っていた流体力学に明るい工業デザイナー
のガワラ氏が激しく同意してくれた。
彼には何か同じ匂いを感じる。
あ、いや、私は一日二回のシャワーは欠かさないので、体臭と
言うわけではない、つまり、インスピレーションに訴える何かだ。
まあ良い。
連邦であてがわれたホテルの部屋に戻りテレビを付けて思い付いた。
そうだ、ガンキャノンを作ろう。
UC0079.4.7
 今日は例の委員会の仲間で、昔大学の同期だった某女史に誘われて
彼女の自宅を訪れた。
思い出せば、彼女には学生時代からお誘いを受けていたし、やたら暑っ苦しい
アタックを受けていた、ような覚えがある。
まあ卒業後、直ぐにカマリアと出合ったのでそんなこともついぞ最近まで
忘れていたわけだが、彼女の入れる紅茶だけはおいしかった、それだけが
この優秀な私の頭脳の片隅に残っていたので、二つ返事で彼女の自宅へ
向ったわけだ。
彼女の家には立派な温室があって、色とりどりの花が咲き誇っていた。
正直なところ、私にはとんと花のこと等理解できないので、綺麗だねとか
手入れが行き届いているんだね、などと陳腐なお約束は言わずに、
養蜂をしたら受粉も楽だろう、と非常に建設的な意見を言っておいた。
彼女の表情は微妙だったが、入れてくれたブラックベリーのフレーバーティ
は美味しかった。
しばらくその紅茶に舌鼓を打っていると彼女が突然激昂しだした。
そうして近くにあった鉢植えから何故か拳銃を取り出すと、私に向けて
どうして私を捨てたの、と言う。
それを見た私は、その瞬間、大いなる啓示を受け取ったのだ。
そうだ、ガンタンクを作ろう。
777通常の名無しさんの3倍:03/10/15 11:50 ID:???
妙にイイ味出してるな。
でも普通
  ガンタンク → ガンキャノン → ガンダム
じゃねーか?
面白いからいいけどさ。
778通常の名無しさんの3倍:03/10/15 14:09 ID:???
>>777
タンクの次は何が来るのか楽しみだw
UC0079.4.8
 昨日は大変だった。偶然にも持ち合わせていた催涙スプレーをうっかり落として
居なければ、私も咳と涙で今頃苦しんでいるところだろう。
いや、しかし催涙スプレーとは恐ろしいものだ。
連邦に書類を申請しに言ったときにボールペンを借りてそのままそのペンと
近くにあったスプレーをうっかりポケットに入れてきたのだが次からは、気をつけると
しよう。
そういえば昔同じようなパターンで手榴弾をうっかり持ち帰ってアムロが弄り回す、
ってこともあったな。カマリアが随分と私を怒鳴り散らしたものだ、ハハハ。
さて、今日はガワラ氏とMSのデザインに付いて話し合う。
とりあえず頭の固い連邦のお偉いさんを納得させるには既存の兵器からイメージしやすい
デザインから入るほうが良いだろうと言う事で、ガンタンクの企画を先んじてすることに。
まあ、打ち合わせの為入った某ファミリーレストランでメロンソーダを飲みながら
ものの15分で書き上げた企画書なので、見る人が見れば分かるだろうがね。
そういえば、軍が使用するあの催涙スプレー、ひょっとしてMSの強奪になんかに
対応するために使えないだろうか。
強奪してきた賊等にぱーっと催涙ガスが噴出。これだ。
ああ、でもそうすると正規のパイロットも危険か。
ここで私の脳髄に激しく極彩色なピンクのクジラが浮かんだ。
そうだ、ガンタンクは複座にしよう。
UC0079.4.12
 キャノンと名付けて見たものの、実は何を持ってキャノンとするか
全然考えていなかったことに気付く。
ええい、これというのも、あのジャンクフード屋の店員が悪い。
たかがハンバーガごときのセットメニューにオニオンリングを付けるか
付けないかを聞いてくるから、突如としてキャノンのことを考えてしまった
では無いか。
まあ、何時かは委員会の誰かに指摘されるだろうことだから、今考察
するということは別段何の無駄では無いのだがね。
ということで、今日は資料探しに連邦本部へ向う。
連邦本部では開発中のE-CAPが開発の最終段階を迎えているようで
これが成功さえすればいよいよMSサイズのビームライフルが開発される
こととなる。
廊下でその開発資料を少しばかり拝借して読み返していたら、意外な人物
の名前を見つける。
あれは、そう、確か大学院で同期だった男だ。
何かと人をライバル視し、人の研究に横槍ばかり入れてくるものだから
少しばかり彼のプライベート回線を改竄して、とんでもない失態を捏造して
やった記憶がある。
彼の疑惑を晴らすべく、その無実を証明するディスクをちらつかせて、
私の研究の邪魔をしないでくれたまえ、と迫ったら、頼んでも居ないのに
彼は土下座をしたんだった。ハハハハハ…
私が廊下で高笑いをしていたら突如、私の後頭部に電撃が走る。
そうだ、ガンキャノンには低反動キャノン砲を二門ほど付けておこう。
781通常の名無しさんの3倍:03/10/19 19:49 ID:???
父さんは人間よりどきどきの方が大切なんですか?
782通常の名無しさんの3倍:03/10/21 21:24 ID:???
あげ
UC0079.4.13
 今日はもう一度資料を漁りに連邦所属の研究所に赴く。
少しばかり後頭部が痛い。昨日、新しいインスピレーションを得たまでは
良かったが、後頭部に痛みを感じて、その日の予定はすべてキャンセル
したのだった。
まあ、資料を調べるのには少しばかり時間が足りないと思っていたところ
なので、こうしてここに赴くのは別に問題ではない。
問題なのは、昨日、MSのデザインラインを担当しているガワラ氏が何者
かに鈍器のようなもので襲われて今、病院にいるということくらいか。
全く、連邦の施設だというのに、警備兵は何をしていたのだか。
これでは、連邦最高の頭脳と、自称する私が何時暴漢に襲われても
おかしくはないではないか。
と、色々と考え事をしていたら、ガワラ氏のデザイン工房と書かれた部屋
の前にたどり着いていた。
彼の現時点でのラフに興味が沸いたので、その電子ロックに以前クラック
したパスワードで入ろうとしたら開かない。あれは、確か三日くらい前に
調べたものだったし、彼のパスワードは大体4日周期で更新されたはずなので
仕方なく、手元にあったスタンガンと少々の工具で、電子ロックに通電、
無理やり扉を開けることにした。
難なくドアを開けると、中には人が1人大口を開けて寝ている。
どこかで見たような緑色の制服だな、と思ったがまあ、研究室で寝てしまうのは
私でも良くあるのでとりあえず置いておく。
ガワラ氏のデザインを見て、私は突如、神の啓示がごとく、インスピレーションを
得た。
そうだ、ガンダムのこの口に赤い部品を追加しておこう。
784通常の名無しさんの3倍:03/11/03 13:45 ID:???
age
785創作依頼:03/11/08 16:58 ID:???
291 :通常の名無しさんの3倍 :03/07/30 20:17 ID:???
にせガンダムを受領してしまったジオン特務兵の苦労話。
敵味方の銃弾をかいくぐってジャブロー本部をめざし、レビルを殺害。
その直後味方のドムに斬りつけられてエンディング。

これは新作のガンダムはどんな設定にすれば斬新になる?
に寄せられたレスです。恐らくこのスレの皆さんはパート2が
斬新であると言うことがいかに難しいか知っているらしく新スレを立てる
気配がありません。が こんなスレがあったことの証拠に
誰かこのアイディアをストーリー化してみてくれないでしょうか?

私は
偽ガンダムはちょっとケレン味がありすぎるが、細部が似ている部分が
多いズゴックをガンキャノン量産型に偽装するというのはメカ好きなら
結構うなってしまう仕掛けなのではないかと思う。実際第二次大戦中
パンサー戦車をアメリカ戦車に偽装した事実があるらしい。

レビルを本当に暗殺してしまうと本編からかけ離れてしまうが
情報収集か上手くいかなくてもせめて後方かく乱くらいして見せろ
と言う命令がやってみたら現場で盛り上がってしまって、
こうなりゃレビル暗殺だ!ぐらいの展開の方が受け入れられやすい
と思う。
786通常の名無しさんの3倍:03/11/10 17:46 ID:???
>785

 自分ならそれを元ネタにして、こういう話にするなぁ。

 シャアのジム爆破の時、一人だけそこに残ったジオン兵が主人公。主人公が
ジムを一機奪って、ジオンの基地へ戻る。基地では英雄扱いだが、命令通りに
動かなかった主人公を、シャアは不愉快に思う。
 ジムのデータを取った後、主人公をジムに乗せて出撃させるシャア。戦闘中、
連邦軍の部隊に紛れ込んで、戦闘を指揮するレビル将軍を殺せと命令して。出
世欲の為ジムを奪った主人公は、喜んでジムで出撃。成功すれば、昇進間違い
無しだから。
 だが戦闘の混乱の中、主人公の乗ったジムは、シャアが乗ったモビルスーツ
に撃墜される。
「命令に従わぬ部下など、必要無い」
 シャアがそう言ってエンド。

 1stのストーリーの細部を良く覚えていないので、どうしてもデカい矛盾が出そう
な話だけど。
787通常の名無しさんの3倍:03/11/11 12:12 ID:Z1CBrX0c
レビル将軍はオデッサ方面にいるし
ジム爆破、シャアズゴックはジャブロー戦の話だから
人物の位置と時間があわないです。

むしろ、ジャブロー混線状態時にジャブロー内に潜入し
基地内メインリアクターを破壊する作戦にして
逆に味方に撃墜されるでいいんじゃないでしょうか?
788通常の名無しさんの3倍:03/11/22 17:04 ID:???
ホッシュ
ブリエット先生「毎日先生の仕事と慣れない木星の環境で気づかなかったけど
        最近なんだか冬らしくなってきた気がするわ
        ちょっとセンチメンタル」
クラックス君「ふふふ とうとう本音を出したな
       いつもは木星を第二の故郷と思ってがんばりますとか
       言ってる癖にやっぱり先生は
       何かにつけ地球と木星を比べてるんだ!
       ヤーイ! ヤーイ! 皆に言いふらしてやる!」
ブリエット先生「ちょっとクラックス君!なんか人聞きの悪いこと
        大声で言いふらさないで!」
クラックス君「大体木星の公転周期は4332地球日!
       そんなことも知らないで教職員だなんて言えるのか!」
ブリエット先生「ガ―――――ン
        そうね先生が間違っていたわ…
        でも明らかに寒くなっているのはどうして?」
クラックス君「それは先生が地球を懐かしがらずに済むように
       核攻撃で地球を木星と同じ環境にするマシーンの
       研究で居住区のエネルギーが奪われて温度が低下しているのさ!」
ブリエット先生「ハァ それにしてもクラックス君はどうしたら
        皆に心を開いてくれるのかしら…」
委員長「そんな気に病まないほうがいいですよ
    前はアレな研究ばかりでほとんど学校来なかった
    位なんですから、むしろ良くなってる…」
クラックス君「ハハハハハ!やはりそうか
       皆僕が居なければそうやって僕の陰口を利いているんだな!」
ブリエット先生「クラックス君?どこから…」
クラックス君「こんな腐った学校なんて僕のEMS-05アッグが
       ブチ壊してやる!」
ブリエット先生「やめて!クラックス君どうしてそんなこと
        しようとするの?」
クラックス君「このアッグは僕なんだ…
       ジャブロー攻略に間に合わず…
       どうでもいい供与品として木星に送られ…
       そして新型ガザに押されえて忘れられていく…」
ブリエット先生「そんなことないわ!アッグだって良いモビルスーツよ!」
クラックス君「イイMS…EMS…?」
ブリエット先生「(コクリ)」
クラックス君「…やっぱりこんな腐った学校ブチ壊してやる!」
791通常の名無しさんの3倍:03/11/27 04:06 ID:???
世界名作劇場のキャラがガンダムに乗るSSがあるんだけど板違いからか無視されとる。
作者ではないがここにうpしてもよろしいか。今んとこ4話まで続いてる力作なのだが。
792通常の名無しさんの3倍:03/11/27 19:46 ID:???
よんでみたひ
793通常の名無しさんの3倍:03/11/27 22:19 ID:???
>>792

オリジナルSSを書くスレ2 の125番から触りの部分を貼っておきました。
書くと貼る(発表、公表)では違うからこっちに貼ったほうがいいのかしらん??
794通常の名無しさんの3倍:03/12/01 19:23 ID:???
ホッシュ
795島の駐在さん 2−@:03/12/05 21:21 ID:???
海賊どもの様子が変だ。
まあ停戦が調印されてからもジオン再興を信じ
どこかここいらの島にモビルスーツを隠し潜んでるような奴らだ
元々まともじゃないんだが…
いつもは身分を隠し(たつもりで)日雇いで得たり
ちょっと通りがかりの貨物船を脅したりして得た金品で
生活用品を買うと引き上げていくのに今日はまだこの島でうろうろしている。
もう一つバカンス中を気取った明らかに堅気じゃない連中も
気にかかる。
「…やはり考え直した方が良いのでは?」
「十分に考えた結果だ…地上に残る同胞達の為モビルスーツの残骸を
 回収するのにMSM−03はオーバースペックだ秘匿性の高い
 アッグガイがあれば活動は続けられる」
「しかし工事用に使用するなどと信じられません」
「モビルスーツはただの道具だ、しかしヤクザ者どもがジオンの名を
 汚す様な使い方をしたらその時はまた考えがあるさ」
796島の駐在さん 2−A:03/12/05 21:22 ID:???
案の定なにやら取引がされるようだ
ジオンも街のヤクザ者も今は島の駐在の俺には関係が無い。
がもしこの島の安全に係る様な事があればその時はこのザクが
黙ってはいない。
暗い沖合いにUタイプが浮上するとゴッグが近づいてくる…
まったく戦後火機の相場が暴落だからってろくでもない物を売りに出したものだ。
「…ホゥ、近くで見るとまた迫力が違うなこちらのパイロットで扱えるのか?」
「素人の腕前までは知らんよ、まあ見てみることだ純正部品で整備している
 本当なら放出押収物資の倍は欲しい所だ」
「…ビーム砲は付いてないのか?」
「おや?コレクター市場にでも回るのかね?残金の支払いが確認されれば
 おまけとして後から送らせることを考えてもいいが」
「親切は嬉しいが…な!」
交渉決裂か?
浮世離れした落ち武者どもにヤクザ者のやり方は判らないらしい…
こちらが姿を見せると人質のつもりか
海賊を踏み潰すのは止めたようだがさて…どうする?
マシンガンを使う>島の駐在さん2−Bへ
ヒートホークを使う>島の駐在さん2−Cへ
797通常の名無しさんの3倍:03/12/07 10:11 ID:???
文章の切り方と句読点の付け方を考えつつ、

. マシンガンを使う
>ヒートホークを使う
798通常の名無しさんの3倍:03/12/07 19:26 ID:???
とっさに飛び出しては見たが
手持ちの120mm機銃弾ではどうにも心細い。
相手の右側に回りこみながら少しずつ距離を詰める
まるで撃ってこないのは向こうも火器の類は
使用不能のようだ。
こちらの手の内を見せないようにギリギリまでヒートホークを抜けないが
飛び込んでから温まるまで時間が稼げるか?
いきなりザクがひっくり返される、不意に振り回した
ツメが肩のトゲに引っかかっただけでこれだ…
リーチもパワーも有利な条件は一つもない。
幸か不幸か足元まではツメも届かないようだが
こちらも体勢を立て直す余裕は無い。
ふと海賊が身振りで何か伝えようとしているのが目に入る。
島の駐在さん2−Dへ
799通常の名無しさんの3倍:03/12/07 19:29 ID:???
>>798が島の駐在さん2−Dです
すんません
800通常の名無しさんの3倍:03/12/07 20:52 ID:???
800ゲトc
801島の駐在さん2−B:03/12/08 19:52 ID:???
水陸両用モビルスーツの中でも重量級のゴックと格闘して
勝てる見込みなどまずないと思っていい。
こちらの向けたマシンガンに気をとられて
そのことに気づかないほど相手の錬度が低いのが
せめてもの慰めだ…
距離を詰め相手の動きさえ止められれば搭乗ハッチに
クリアヒットを狙える …かもしれない。
しまった焦らしすぎて向こうも距離を詰めてくる
威嚇の意味も込めて頭部に数発ぶち込む
よい知らせはそのうち一発がメインモニターを破壊したようだ
悪い知らせもある サブモニターに切り替える手順に不慣れな
ヤクザ者はやけを起こしてむやみに暴れだす…
海賊が何か知らせたいようだ。
島の駐在さん2−Dへ
802島の駐在さん2−D:03/12/08 20:12 ID:???
海賊のリーダーと思しき奴はしきりに右肩を指して何か叫んでいる。
もう何もしないよりましと言う物だろうカニ挟みでゴッグを転倒させる。
下手をすればこちらの足もお釈迦になりかねない危険な戦法だけに
やり方を書いたマニュアルなど見たことが無い。
パニックを起こしたゴッグが立ち直る隙を与える前に
右肩のカバー部に取り付いてみる。
中にリングがあるので引いてみるとゴッグは機関停止して
ハッチを開放した。
ザクでもC型に付いてたらしい強制脱出装置を
用心のため付けて置いたか…抜けてるんだかこすっからいのか
よく分からん奴等だ…。
「協力感謝する、よければ貴官の所属を聞かせてもらいたい…」
そればかりは遠慮願いたい「…原隊は全滅して当拠点の防衛に当たっている」
別に嘘はついていない。
「こちらも似たり寄ったりだがいくつか連絡の付いている部隊もある
 合流する気なら歓迎する」
「現状小規模の活動が効果を奏している、申し出は感謝する」
その後流体パルスフルイドやいくつかのパッキンを
譲ってもらい彼らが帰るのを見送ったが…120mm弾も貰っておいた方が
よかっただろうか…
803通常の名無しさんの3倍:03/12/10 00:08 ID:tg+py1/A
おもしろいのでたまにはアゲ
804通常の名無しさんの3倍:03/12/21 20:01 ID:???
ホシュ
805【ナニが】GOD SAVE君【アレ】:03/12/27 18:25 ID:???
:【ナニが】ゴッドセイブザ クラックス君【アレ】
ブリエット先生「クラックス君どうして期末試験を白紙で提出したり
        したの?このままじゃどうなっても知りませんよ」
クラックス君「どうなっても知らないのはお前のほうだー!」
ブリエット先生「キャー!って凄い格好で吊るされちゃったりしてるって
        SSじゃ絶対に判らないんじゃないかしら?」
クラックス君「うるさい!全然話題にも何にもなってないけど
       このネタに非常に愛着を感じちゃってる人がいるんだ!
       そこいらじゅうの本屋や古本屋で元ネタのタイトル言って
       店員にハァ?とか言われながらやっと単行本見つけてきて
       掴んだこれが定番のパターンなんだ!
       もう後戻りできない!後戻りできないんだよー!」
フジエダ「(ズコン:まきざっぽ)お前が進歩しろ!」
807通常の名無しさんの3倍:04/01/04 16:57 ID:???
akemasite
hoshu
808通常の名無しさんの三倍:04/01/05 21:14 ID:???
沈めてたまるかぁー!!
809(゚∀゚):04/01/14 20:08 ID:???
保守保守♪
810通常の名無しさんの3倍:04/01/21 07:46 ID:???
811通常の名無しさんの3倍:04/01/30 01:46 ID:???
ほしゅ
812擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/02/01 23:25 ID:???
スレの住人と、このスレを見ている旧シャア専用板住人には、突然の無礼を許して頂きたい。
ただいまより当スレにて、旧シャア板SS大会を開催したいと思います。

内容は至って簡単。
決められた『お題』に沿った旧シャア板対象作品(UC、アナザー問わず)でのネタ・SSを、決められた期間
までにこのスレに投稿するだけ。
吾こそはという筆自慢の猛者どもは勿論、今まで他のスレなどを読んでて書き込みしてみたかったけど、
自信が無くて躊躇してた人がお試し気分でチャレンジするも良し。
もちろん各作品への感想も大歓迎。

今回の『お題」と締め切りは以下の通り。

お題:『変化(へんか・へんげ)』

締め切り:2月14日の深夜12:00(24:00)まで

参加時の基本ルールは>>813にて。
813擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/02/01 23:26 ID:???
基本ルール
・書き手及び感想は原則名無しで。
 ただし参加表明を明確にする為に、作品を書き込みする人は名前欄にお題(今回の場合は『変化』)
 及び投稿に分割が必要な場合は投稿数(例:4分割の1番目の場合「1/4」)と入れる事。
・『お題』に対する捉え方は、参加者の自由。
 テーマとして捉えるかキーワード的な使い方をするか等、解釈は書き手の判断に任せる。
・書き手による作品の投稿数は問わない。
 また一作品ごとの投稿量も問わないが、締め切りが有る関係から製作途中の作品は極力うpしない事。
・作品内容はシリアス・ギャグ・パロディ・一発ネタなど何でも構わないが、度を越えた性的描写は
 行わない事。

なお作品への感想の書き込みも当スレへ。
感想以外の当大会への意見や要望は、下記のスレにてお願いします。

【暗中】旧シャア専用SS書き休憩所【模索】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063035962/l50

優劣を決めるとかじゃなくお祭り感覚で逝こう。
では作品お待ちしてますこのやろう。
814『変化』 1/4:04/02/01 23:45 ID:???
「手術は失敗したそうです・・・将軍・・・」

『そうか・・・残念だ。下がってくれたまえ。』

「はっ!失礼致します。」

ドアが閉まる。
再び独りとなった白髪の老人は
椅子に深々と腰掛けると大きく肩で息をした。

『死んだか・・・』

老人は・・・医者から止められていた酒を飲みたくなった。
【彼】を含め、この戦いで
どれだけの部下と友人を無くした事だろうか?
10人・・・20人・・・
やがて、老人は数を数えるのを辞める。

『MSがもっと早く完成していれば・・・あるいは・・・』

思わず、そんな考え事がふと頭を掠めた時
老人は首を振って邪念を追い払った。
【彼】が心血を注いで開発したMSを
侮辱する事は【彼】を冒涜する事に繋がるからだ。
815『変化』 2/4:04/02/01 23:47 ID:???
パイロットの生存率を高める【コアブロックシステム】
この革新的な試みが、皮肉にも連邦軍のMS開発計画
【V作戦】を予定していた期限を遅らせ
予算をも遥かにオーバーする結果となった。

開発中の事故により、テストパイロットや技術者達が
その命を落とした事もあった。

幾ら宇宙世紀とは云え、飛行機を【変形】させ
更にMSのパーツに合体させる技術は
理論上は可能であっても現実には余りにも無理があり過ぎた。

いっその事、【コアブロックシステム】を排除した
もう一つのMS開発計画を発動させていれば
現在、連邦軍の主力MSとなっている【GM】は
少なくとも、3ヶ月早くロールアウト出来た筈だ。

しかし、老人は【コアブロックシステム】を含む
その計画を悪魔でも続行した。
どんなに会議の席で叩かれ様とも【彼】を擁護し
その計画を押し進めた。
−老人には辛い過去があったのだ。
今まで誰にも語ることが無かった過去が・・・
816『変化』 3/4:04/02/01 23:47 ID:???
老人がまだ、青年だった頃
老人は空軍の、一パイロットであった。
老人は仲間の相棒と次期主力戦闘機の
テスト飛行任務に就いていた。

そして相棒は・・・二度と基地には帰ってこれなかった。

相棒の搭乗した機の脱出機構が作動せず
老人の目前で機は四散したのだった。

これは後から判明した事であったが
次期主力戦闘機とされていた【シリアエーズ】は
軍の圧力と議会の予算削減の煽りを受けて
開発期日を3ヶ月も短縮され、パイロットの命を守る
脱出機構の回路不良のままテスト飛行に回された云う。

老人はフィアンセである相棒をその事故で亡くしたのだ。

老人はその事故の後、腐敗しきった軍を一度は辞めた。
−が、フィアンセの無念を晴らすべく
再び軍に返り咲くと、文字通り血の滲むような努力をした。
長い試練の後に老人は、軍事産業と議会の癒着を
決定付ける証拠を手に入れた。その頃には
老人の軍における地位が、揺ぎ無い物になっていた。
817『変化』 4/4:04/02/01 23:48 ID:???
しかし・・・胸の勲章も着け切れない将軍になろうとも
老人が愛した人は甦らない。
胸にぽっかりと空いた傷を塞ぐ為に
老人は勲章を得る為に必死になったのだろうか?

−否。

老人は二度と自分と同じ思いを、後に続く
若者等にさせたく無かった。
議会と軍部の反対により
残念ながら量産型MSの【GM】には
【コアブロックシステム】が組み込まれなかったが
酸素欠乏症に陥っても尚【彼】が開発し続けた
あの【回路】が完成すれば
理論上は喩え【GM】であっても
【簡易コアブロックシステム】により
パイロットの生還率は今よりも格段に
跳ね上がる筈であった。

しかし、手術は失敗した。
階段から転倒した【彼】の脳は
ダメージを受けすぎていて移殖を受けつかなかった。
【彼】が開発していた回路も行方知れずとなった。
老人は深い溜息を吐いた。
老人は密かに隠し持っていたウィスキーの小瓶を
取り出すと口に含んだ。
髭が少し濡れた。両頬はもっと濡れていた。



−丁度その頃、【デキン公王】からの
報せが老人の船に届いた。
             (おわり)
818『変化』 1/3:04/02/01 23:55 ID:???
「畜生!何んで俺の企画が駄目なんだ!」

男が今日もまた独りで鄙びた酒場で荒れている。
彼の名前はk・・・某企業の開発部に籍を置いている。
否−置いていた。kはつい先程、会社を辞めた。

kはその仕事が元々好きでは無かった。
彼の夢は仕事を通じて、この殺伐とした時代の中で
人々が明るく幸せに生きる事の手助けがしたかった。

しかし、時代が・・・そんな囁かな夢を見る事を
許さなかった。熾烈なライバル社との鬩ぎ合い
日々課せられる過酷なノルマと
理解の無い無能な上司との衝突の日々・・・

kの心は既に擦り切れていた。
そして、ついに・・・kは社内でキレた。
kは辞職届と何回も駄目出しされた仕様書を
鼻血を出して蹲る上司に−
上司だった男に叩きつけると
風のように社を去った。
819『変化』 2/3:04/02/01 23:55 ID:???
鄙びた酒場のマスターはkに黙って酒を勧めた。
マスターはkのような男を何度も見てきたからだ。


kが4本目のボトルを空ける頃・・・
鼻に大きなバンソウコウを貼った男が
殴られた痛みも忘れてニヤニヤしながら
独り電話を待っていた。



RRRRR♪

「はい・・・そうですか・・・有り難うございます。」

『満場一致で賛成したよ・・・君の企画で行こう。』

「本当に有り難うございます。」



バンソウコウの男が受話器を
置いた時から数ヶ月後−
820『変化』 3/3:04/02/01 23:56 ID:???
ショーウィンドーにその作品が並べられた。


今度の敵はなんと
ズムシティが『変形ッ!!』巨大ロボットとなって
君に襲い掛かるッ!?

【SDガンダム ジージェネレーション SEED】
本日発売!!


鄙びた酒場のマスターはそのソフトを手に取ると
企画者の名前を見て溜息をついた。

(アイツ・・・まだ・・・)

手に取ったソフトを元に戻そうとした時
ゲームショップのラジオが


メッタ刺しにされ原型を止めていない
男の名前を告げていた。





カタンという音がやけに響いた。
821通常の名無しさんの3倍:04/02/02 10:44 ID:???
※※ 知って役立つ豆知識 ※※

三点リーダは……と2つ組み合わせて使う。
ダッシュは――と2つ組み合わせて使う。
822煤i゚∀゚):04/02/05 04:27 ID:???
へえ・・・・
823通常の名無しさんの3倍:04/02/05 13:31 ID:???
とりあえずあげてみる。
824『変化』 1/6:04/02/05 18:29 ID:???
災厄の箱・・・

人を創り出し賜うた
神が増長した人々を戒める為に
乙女の手に託した罠は

その乙女の名を採って
【パンドラ】と呼ばれた。

宇宙世紀・・・

人々は神の仕掛けた罠が
この様な形で再び襲ってくるとは
思いもよらなかった・・・。


「−は次期主力MS量産計画から見送られる結果になりました。」

重苦しい空気が会議室を支配している。
ツィマッド社が総力を揚げて開発した
【ギャン】は僅差で【ザク】に替わる
次期主力MSの地位をライバル社が開発した
【ゲルググ】に奪われたのだ。

会議室の空気はやがて
責任転嫁の弁解と怒号が飛び交う
修羅場と化した。

「−君・・・責任を取りたまえ・・・」

数時間後、一人の男が首を切られた。
825『変化』 2/6:04/02/05 18:30 ID:???
男は虚ろな目をして
ベッドに倒れこむ。

饐えた臭いが辺りに漂う。

男は酷く酔っていた。

こんなに酔ったのは
仕事に追われ、家庭を顧みない男に愛想を尽かし
男の妻が娘を連れて家を出た日以来の事だった。



【ギャン】のプロトタイプ第一号が完成した頃は
まだジオン軍は破竹の勢いで地球を席捲していた。
しかし、連邦軍が本格的にMSを投入する頃には
戦場は宇宙に移行していた。

格闘に特化した【ギャン】は既に軍部が考える
コンセプトとは大きく外れていた。
【ギャン】の開発に大きく貢献していた
ドズル中将及びその一派の高官達が
ソロモン防衛作戦の準備の為に忙殺されていたという
不運も重なった。



(・・・俺の所為じゃない・・・)


家族を犠牲にしたのも、この仕事が上手く行けば
もっと良い暮らしが出来ると考えたからだ。


やがて・・・酔いが醒める頃
酷い吐き気と共に男は
やり場の無い怒りを
ライバル社のホストCPUを
ハッキングする形で発散する事になる。
826『変化』 3/6:04/02/05 18:31 ID:???
『お母さん?手紙来てる?』

「・・・はい。コレよ?」

『有り難う!!』

「ふふふ・・・今度その彼を紹介してねw」

『うん!』

母親が着替えを済ませ、夕食の準備を手伝う
娘を微笑みながら見つめる。
しかし、その瞳は柔和ながらも愁いを満ちていた。

(こんな子供達迄、工場に狩り出されるなんて・・・)

『あれ?お母さん・・・泣いているの?』

「何でも無いわ・・・玉葱がちょっと目に沁みただけ・・・」

『私は・・・大丈夫よ?お母さん・・・』

「・・・優しいのね。」

−涙を玉葱の所為にした母親は
手紙を読み終えた娘を抱締める。
娘の思い人が遂に、戦場に向かう日が決まったのだ。
今度は涙を何の所為にすれば良いのか判らなかった。

只、時計の音だけが響いていた。
827『変化』 4/6:04/02/05 18:32 ID:???
スープはすっかり冷めてしまっていた。

母親は娘の為に力になってやりたかった。
結果としては失敗してしまった
新婚生活ではあったが、少なくとも
戦争が始まる前までは幸せだった。

母親は軍事産業に就いている
別れた男・・・娘の父親の事を思い出していた。
受話器を手に取ると
久しく使わなかった番号をプッシュした。


−男は受話器を置くと
暫く頭を抱えていた。

しかし、机に飾ってある
写真の娘の笑顔が目に飛び込むと・・・
物凄い勢いでキーボードを叩き始めた。
828『変化』 5/6:04/02/05 18:33 ID:???
暗い部屋・・・
母親と娘が尋問されている。
父親の犯罪に対して
2人の女は色々と質問された。

しかし・・・
軍人も役人達も何も聞き出す事は出来なかった。

母親は娘の身代わりに自分が牢に残る事を条件に
娘の釈放を主張した。

軍人と役人達は頷いた。
母親がまだ美しく若かったからだ。

娘は思い人が
如何すれば戦場に向かわなくても済むか
必死で考えた。
父親は元々、やり場の無い怒りを
ぶっける為に侵入したCPUのデータを
こんな形で娘の願いに応えらるとは思わなかった。
母親は一度は捨てた男が
最高の父親になって帰ってきた事が嬉しかった。

娘は尾行する軍人と役人の視線を感じつつも
家に辿り着くと、母との別れ際に受け取った
指輪を取り出した。
その指輪には父の思いが篭っていた。
母から聞いていた様に指輪を暖炉に投げると
指輪は熱によって変形し、小さなCPUチップになった。
娘は額に汗を滲ませ、笑った。

監視していた男達は
娘のその美しくも異様な表情に
戦慄を覚えた。
829『変化』 6/6:04/02/05 18:34 ID:???
ア・バオア・クー会戦・・・

独りの男が引金を引き
そしてまた独りの女が引金を引いた。

女は新型のMSが思った程
役に立たない事に苛立ちを覚えた。
傍らの副官を呼び付けると、訳を問い糾した。
副官は嘘をついた。
とても本当の事を言えなかった。

新型のMSのCPUが
悉くウィルスに侵されている事を。


旧世紀、鶏冠のついた生物を
夥しく死滅させたウィルスとよく似た
構造を持つCPUウィルスの所為で
学徒兵の多くが予定されていたMSに搭乗出来ず
後方に配置されたままになったり
急遽、代わりのMSに搭乗する事騒ぎになっていた。


副官の嘘を聞いた独りの女は
密かに脱出する事を考えていた。


丁度其の頃・・・娘の思い人が乗った【ザク】が
一つの星に変わった。

この戦争が終わる30分前の事であった。
830『変化』 1/3:04/02/06 05:38 ID:???
その男は眼下の茸雲を見て唇を噛み締めた。
また無様に奴に負けた・・・・・・

仲間も亡くした。全て奴に討たれた。
男が何度も拳を壁に打付ける・・・・・・
暫くしてその拳を優しく止める女がいた。

男は女の忠告に大人しく従った。


丁度其の頃・・・・・・
遥か成層圏の彼方では
この囮作戦の立役者達が乗る船が
次の作戦の為に移動をしていた。
囮として死んだと思われていた男の部屋を
クルーが整理していた時、あるマシンが発見されていた。

上官にマシンの事を報告すると
そのクルーは緘口令を命じられた。
翌日・・・・・・そのクルーは死んでいた。
何時ものようにその死は事故死として
処理された。
831『変化』 2/3:04/02/06 05:39 ID:???
そして時は流れ・・・・・・


男は『天才』を名乗る独りの男の下で働いていた。

男にとって最早、掛替えの無い存在となった
女が男を庇って散った時
男は狂った。

其の夜、男は『天才』を名乗る独りの男の提案に
力強く頷いた。

其の日から男は『人間』を辞めた。
自ら数々の実験に志願した。
男の才能は歪められた形ではあったが昇華された。
驚くべき事に、男の能力は理論上ではあったが
既に『天才』を名乗る独りの男の能力を
遥かに凌駕していた。

男の力に『天才』を名乗る独りの男は
恐怖を覚えた。そして、男の復讐心を
利用する事を密かに計画した。
『天才』を脅かす事は許されないのだ。

何も知らない男は『天才』の舌によって
焚き付けられた。そして命じられるままに
死地に向かった。
832『変化』 3/3:04/02/06 05:40 ID:???
煽られた男は、仇敵を目前にして
我を忘れていた。


男は最後迄、自分を変える事が出来なかった。
薄れ行く意識の中で男はこう漏らした。

「カミーユ・・・・・・お前は俺の・・・・・」

















「ウホッwイイ男・・・・・」

男は光となった。

『天才』はやっと枕を高くして眠れると思った。
やれやれと腰を下ろすと
下半身に激痛が走った。

『天才』の端正な顔は醜く歪んでいた。
833通常の名無しさんの3倍:04/02/06 21:27 ID:???
どこからどこまでがオリジナルなのやら・・・

他のスレ立ててやれよ・・・
834通常の名無しさんの3倍:04/02/07 02:24 ID:???
>>833
年明けから保守レスしか無いよりはよほど良いじゃん。
職人さん乙です。楽しく読ませてもらってます。
835『変化』 1/5:04/02/07 10:33 ID:???
その男達は『コーディネーター』と呼ばれていた。
彼等は、その事実を今迄、簸た隠していたのだが
医療技術の進歩により、軍の定期検診などで悉く
陽性反応が出ていた。

一室に『コーディネーター』である独りの男が呼び出される。
男の前には厳つい顔をした医師が居た。

医師はその男に選択を迫った。
このまま『コーディネーター』として生きる道を選ぶか
それとも、激痛を伴うが、副作用の少ない改造手術を受けて
『ナチュラル』に生まれ変わるのかを・・・・・
836『変化』 2/5:04/02/07 10:35 ID:???
男は苦悶の表情を浮かべる。
医師は副作用の恐れがあるが、矯正マシンを使用する
もう一つの選択肢を提示するが、男の悩みの数を
増やすだけであった。

男は『コーディネーター』として生きる事は
別に恥じだとは今まで思っていなかった。
彼の親も思えば『コーディネーター』だった。
ーーが彼が『ナチュラル』ではなく『コーディネーター』という
事実が軍の仲間達に知れ渡ると、謂れの無い
差別と嘲笑が彼を容赦なく襲った。
付き合っていた彼女も、何処となく彼を避ける素振りさえ見せた。

男は、医師の提案を受け入れた。
『コーディネーター』から『ナチュラル』に
生まれ変わる事を選んだ。
男は軍人である。多少の痛みは覚悟していた。
837『変化』 3/5:04/02/07 10:37 ID:???
手術は驚くほどあっけなく終わった。
麻酔から目を醒ました男は
安堵の息を漏らした。
正直・・・・・・拍子抜けをした。(ここだけの話、ビビッていたのだが)

しかし、男はまだ知らない。
『コーディネーター』から『ナチュラル』に変わった
真の姿の自分を。

その事実を男が知る迄には
どうやら、暫く時間が必要のようだ。
838『変化』 4/5:04/02/07 10:38 ID:???
我々は待つ事にしよう。












『コーディネーター』だったその男の・・・・・

















尿意が訪れるのを・・・・・・
839『変化』 5/5:04/02/07 10:41 ID:???
※トリビアの種

宇宙空間では水は非常に貴重な為
古来、砂漠地帯に住む民族の風習が
宇宙世紀において復活していた。

何かと不衛生な『コーディネーター』は
嫌われていた。

軍では盛んに治療が行なわれていた。


因みに某サムライ魂のサイトでも取り上げられていたが
『コーディネーター』の皮膚は
医療関係にもの凄く貢献しているとの事。
840擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/02/08 02:29 ID:???
暫定インデックス。
現在までの作品は以下の通り。

>>814-817
>>818-820
>>824-829
>>830-832

あと厳密には新板対象作品のネタだが一応。

>>835-839

引き続き作品及び感想募集中。
基本ルール等は>>812-813を参照。
締め切りは2月14日の深夜12:00(24:00)まで 。
841『変化』 1/4:04/02/10 14:16 ID:???
 0108年12月。月の南極点にほど近い連邦軍の管制区域で、MSによる模擬戦が行
われていた。
 一方は、この模擬戦ために教導団から派遣された、ニール大尉以下4機のジェガン。
 一方は、アナハイム・エレクトロニクスで開発中の新型試作機──1機。
 当初は単なる試作機による各種運用試験の予定であったものが、アナハイム側の強い要
望により模擬戦、それも1対4という圧倒的不利な状況でのトライアルとなったのである。
 それに対する連邦軍側の反応は、嘲弄の要素を少なからず含むものであった。身の程知
らずにも技術屋風情が自信過剰に陥っているらしい、と。
「新型の売り込みに必死になるあまり、現実が見えていないアナハイムの開発陣を白昼夢
から醒ましてやれ」
 模擬戦に先立ち、査閲官のハイゼン大佐はニールらに半ば嗾けるように訓令したもので
ある。しかし、午睡から叩き起こされ、色を失う羽目に陥るのはハイゼンら連邦軍側であっ
た。
 模擬戦の開始からわずか93秒で、ブラウド少尉機が有効弾を許し撃墜を被る。「まぐ
れ当たりもある」とたかをくくっていた連邦軍将校らも、それから22秒後にマデリィ少
尉機が撃墜されると、平静を保っていられなくなった。
 この模擬戦に抜擢されたニール小隊は、教導団に所属するMS隊でも最優秀と目される
小隊であり、ハイゼンが十全の自信を持って送り込んだ精鋭だったのである……。
842『変化』 2/4:04/02/10 14:16 ID:???
「シッ……!」
 マカベは罵声を飲み込みつつ機体を旋回させる。
 相手の動きを読み切った上で、十分に速いと言える反応を示したにも関わらず、射界の
さらに外に相手は逃れていた。
 引きかけていたトリガーを戻すこともできず、演習用に極力弱装化されたビームライフ
ルの銃口から、か細いメガ粒子の束が虚空に放たれただけに終わる。
 月の湾曲した地平線をかすめるように大きく旋回するホワイト・オレンジのコーション
カラーに塗られた機体を「眼だけで」追いながら、マカベはそれまで感じたことのなかっ
た機体の鈍重さに苛立ちを覚えていた。
 不意に、新型機が急激に進路を地表方向へと向けた。その半瞬後、明らかな死角から接
近したはずであったニール機のビームサーベルが空を薙ぐ。次の瞬間、新型機はジェガン
には不可能とは言わないまでも困難な、小さく、鋭い動きで無防備になったニール機の右
側面に回り込み、至近からビームライフルを放った。避けられる間合いではない。
「隊長!」
『くっ……スマン、後は頼む』
 ニールはそれだけ言うと、被撃墜を示す発光コードを出しながらゆっくりと降下してい
く。
(パイロットの腕もいい。機体の性能を十分に活かしている)
 マカベは、新型機を操るアナハイム所属のテストパイロットの技量を認めた。一方で、
純粋に技量だけならひけは取らないという確信もあり、機体の持つ僅かな性能差が、彼我
の立場に明確な差を生んでいるのだと看破した。
「頼むぞ、ジェガン……」
 機体の性能差を腕で補うのはパイロット冥利でもある。
 味方は全て撃墜され、状況は1対1。
 愉悦めいた光彩をその瞳に浮かべ、マカベはこの模擬戦を楽しむ気になっていた。
843『変化』 3/4:04/02/10 14:16 ID:???
『新型機、いいっスね』
 待機所と定められたエリアに戻ってきたニールに、マデリィが言う。どこかさばさばと
した調子であり、素直に新型の性能を認めているのだろう。裏返せば、あくまでも機体の
性能差でしかない、と言外に言っているのだが。
「……ああ」
 仮設指揮所となっている月面車の方に視線を投げながら、ニールは短く応じる。
 一番最初に撃墜されたブラウドはコクピットから出て、1対1となった上空の戦いに無
言で見入っていた。
『やっぱ、軽いってのは大きいのかなあ』
「そうだな……コイツの時代も終わったか」
 ニールは、どこか愛おしげに、惜しむように愛機のアームレイカーに手を添えた。
 隊でも格闘戦においては図抜けた力量を持つマカベですら、新型機に翻弄されている。
今は辛うじて互角の戦いを演じているが、新型機のテストパイロットがマカベ機の背後を
取るのに躍起になっているからだ。
 1対1の状況で背後からの一撃──これほど優劣を決定付け、衆目を納得させる結果は
ないだろう。新型機の売り込みに、もっとも効果的な方法を取ろうとしているのである。
 つまり、新型機にはそれだけの余裕があるということだ。
 翻って、マカベはMSパイロットとしての矜持から背後だけは取らせまいと、愛機と己
の限界に挑んでいる。どこか余裕を感じさせる新型機と対照に、こちらは綱渡りのような
危うさがあった。
 外から見ていると、両者にそれほど大きな違いがあるようには思えない。しかし、実際
に模擬戦の中で対峙してみると、全ての面においてわずかに新型機が速いのだ。加速、減
速、旋回……。本当にわずか、コンマ数秒の世界ではあるが、その差が如実に結果に現れ
る。総合性能が近似値であるからこそ、わずかでも凌駕する部分の蓄積が効いてくると言
えるかもしれない。
 単純に、ジェガンのサイズを維持したまま性能向上を図った後継機という選択肢もある。
実際、0100年代初頭に、そういった位置づけの高級量産機が開発されたが、コスト的
な問題からスタンダードたりえなかった。
 MSの高級化を抑制しながら、より性能の向上を──その、二律背反とも言える要求に
対する一つの回答が「小型・軽量化」であった。
 今回の模擬戦に持ち込まれた試作機は小型化を優先し、純性能的には妥協した部分も多
いとされている。にも関わらず、ベンチマークたるジェガンを圧倒しているのである。
「小型MSか……」
 0073年、ジオン公国のMS−01から始まったMSの開発史に一つの節目が訪れよ
うとしているのを覚えながら、ニールはひとりごちた。
 アラーム音と共に、18番機ベイルアウトのサインがタクティカルモニタに表示される。
善戦していたマカベだが、遂に背後からの有効弾を許したのだ。
 模擬戦は、終わった──。
844『変化』 4/4:04/02/10 14:17 ID:???
 かくて、MSの小型化という方法論の有効性は実証された。
 しかし、連邦上層部が下した判断は意外なものであった。引き続き、小型MSの研究・
開発を推進する一方で、新型MSへの全面的な機種転換は見送られたのである。
 アナハイムの試作機にはRGM−109という制式ナンバーが与えられ、一応の量産化
が図られることにはなったが、生産計画、配備計画ともに極めて緩やかなものであった。
軍部からの新型機導入要請に対しては、RGM−89の改修プランが代案として提示され
るに留まる。
 その背景には、MSの小型化に伴う艦艇など周辺設備の転換問題や、軍事費の増加に過
剰反応する勢力からの反発、政治的な利権などがあったとされるが、何よりも地球連邦の
保守体質が根底にあるのは疑いえない。
「今あるもので十分ではないか」
 積極と消極の差こそあれ、それが連邦内の大多数を占める見解であった。
 地球連邦におけるMSの常識が本格的な変革を迎えるには、さらに14年の月日を必要
とした。それは、少なからず流血を伴う教訓となって現れることになる……。
845『変化』 1/3:04/02/13 03:13 ID:???
――彼を知り、己を知れば百戦危からず……

旧世紀の、兵法の古典
『 孫 氏 』の記述である。

――宇宙世紀

紫煙と人息いれで咽返る、その狭い一室では
男達がある賭けに出ようとしていた。

【ジャブロー攻略作戦】

地球方面軍司令官ガルマ大佐が
WBとの戦闘により玉砕し
その混乱に乗じた連邦軍のオデッサ作戦で
手痛い敗北を喫したジオン軍は
大きく連邦側に傾いた戦局を覆す
乾坤一擲の反攻作戦を計画中であった。

一時的に統制を失った
此処、地球・南米方面ジオン軍も
漸く、当初の混乱から立ち直り
ジャングルの奥地に未だ引き篭もる
地球連邦軍との膠着状態に
終止符を打つべく、歩哨の一兵卒に到る迄
全ての部門と人間が昼夜を問わず
働いていた・・・・・・

――とある人達を除いて・・・・・・
846『変化』 2/3:04/02/13 03:14 ID:???
狭い一室に篭る男達・・・・・・
((正確には、狭い一室に追い遣られた男達であったが))
彼らの仕事上の肩書きは作戦課であった。


正式名称は『第4作戦課・MMR班』である。


MMR班を形容する時、この様な逸話を
思い浮かべる人も多いではないだろうか?

ジオン軍広しと言えども一目置かれ
冷酷無慈悲で名の通る
シーマ艦隊・海兵隊員の荒くれ共もが
口を揃えてこう言った・・・・・・

MMR班に配属されるぐらいなら、死んだ方がマシ――と

男達の肩書きは作戦課であるが
実の所・・・・・・名ばかりで、仕事をしているのかどうか
当の本人達でさえ疑問符が付くそんな部門であったが
兎に角、全ての軍人に恐れられていた。

――そして、今夜もまたその狭い一室からは
野太い男達の叫び声が、ジャングルの奥地に向かって
延々と木霊するのであった・・・・・・

「な、なんだってーーーーーー!!!!」
847『変化』 3/3:04/02/13 03:16 ID:???
続きは

【人類】MMRガンダム【滅亡】 スレ

変形1/6

http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063744824/364-369

にて・・・です・・・

煤i;゚Д゚)エエエッ!夜中の3時カヨ!?
848『変化』 1/5:04/02/13 13:59 ID:???
変心 ???/1

【Trifolium repens】

江戸時代、南蛮貿易の珍品の一つに
ガラス製品があった。地球を半周し、
遥か伴天連の国から遥々、海を越え
日本に運ばれて来たガラス製品は
一つ一つ丁寧に、その牧草で壊れぬ様に
包まれていたと言う。愛らしく
白い小さな花を付けるその牧草はやがて
「白詰草」と呼ばれるようになった。

???『あ!こんな所にも四つ葉のクローバーが!!』

???「本当♪凄い!みんなの分もあるよ!」

???『凄いや〜!!へへ・・・ラッキーだね!!』

???「・・・・うん!!」


変心 12/1

ある夜、一人の幼女が死んだ。
一番の末っ子だったその幼女は
姉達に見守られながら、静かに息を引き取った。
今際の際でその幼女が最後に残した言葉は・・・

「サビシイサビシイ病で死んじゃうのカナ?」

――であった。妹の急変を聞き
駆けつけた兄はその小さすぎる棺に縋り付き
泣いた。姉達は誰もが心から悲しんだ。
849『変化』 2/5:04/02/13 14:00 ID:???
変心 11/1

幼女の死から間も無く、今度は一人の少女に
突然の死が訪れた。その少女はその日の朝から
気分が悪かった。最初は、只の風邪だと思い
無理をして日課のジョギングをしたのがいけなかった。
その日から3日後、少女は高熱を発し
夜が明ける頃、冷たい骸となっていた。
高熱に魘され、うわ言に発した言葉が
その少女の最後の言葉であった。

「あにぃ・・・の・・・ねぼすけ・・・」

妹の急変を聞き駆けつけた兄は
熱に魘され続け、変わり果てた姿で
死を迎えた少女の為に泣いた。
残された姉妹達は誰もが心から悲しんだ。

変心 10/1

葬儀が始まり、誰もが、悲しみに押し潰れそうな時
姉妹の中でも、一番のドジっ子とレッテルを貼られていた少女が
突然、大きな声で歌いだした。チアリーディングをしていた少女は
悲しみに呉れる兄と姉妹を少しでも癒そうと彼女なりに
一生懸命考えたのだろう。歌声を聞いた人々は
彼女のそんな痛ましい姿に誰もが涙した。

「お兄ちゃま!頑張って!♪」

――その歌声もやがて、涙声に変わってしまう・・・
兄は泣きながら歌う少女に駆け寄り、強く強く抱締めた。
残された姉妹達は誰もが心から悲しんだ・・・かに見えた。
憧れの兄に抱締められた妹を『嫉妬』の目で
見つめる視線が、すすり泣く声に混じって
少女に注がれていた。
850『変化』 3/5:04/02/13 14:01 ID:???
ある日、チアリーディングの少女は姿を消した。
何時までたっても帰宅しない少女は
警察の必死の捜査も虚しく、遂には時効を迎える事になる
尤も、之はまだまだ先の話ではあるが・・・・。

兄はもう二度と振られる事の無い
チアリーディングに使うポンポンを胸に抱き、泣いた。

変心 9/1

病弱な少女の容態が急変した。
今迄、彼女の精神力によって
小康状態を保っていたのだが、度重なる不幸が
遂に彼女の生きる力を奪い去った。
医師達の必死の治療も虚しく、少女は
無菌室のベットの上で誰にも手を取られる事無く
静かに息を引き取った。

(早く兄上様とお会いしたい……)

少女は薄れ行く意識の中でそう願った。

兄は何故、妹に会えないのかを
医師達に問い詰めた。しかし、医師達は堅く口を閉ざしたままであった。
そして、一通の手紙が兄の元に届けられる事になる。
手紙を読み終えた兄は独り孤独な死を迎えた少女の為に泣いた。
残された姉妹達は自分達が持っていた
その少女から以前から貰った様々な物、今となっては
彼女の形見の品々を次々に焼き捨てた。
851『変化』 4/5:04/02/13 14:02 ID:???

変心 8(中略Version)/1

病弱だった少女の死が引金となったのか
それともチアリーディングの少女の死?が引金かは
知らないが、残された姉妹達の感情に
歪な変化が現れ始めた。誰も勿論、口に出しては言わないが・・・・

その夜、一早く行動を起こしたのは
チアリーディングの少女を池に沈めた犯人でもあった。
一番、姉妹達の中でも歳上?で博識のオカルト少女は、
既に一連の妹達の死の原因を付きとめつつあった。
あの日、妹達がとある野原で摘んで来た12本の四葉のクローバー・・・
之が恐ろしい病を惹き起すに違いないと考えた彼女は
自分のと愛する『兄くん』の分だけの解毒剤を調合する為に
満月の夜、家を出た。

オカルト少女がドアを閉めた時、姉妹達の中で尤も独占欲が強い少女が
胸騒ぎを覚え、愛する『お兄様』の為にオカルト少女の後を付けていった。

更にその後を姉妹達の中で尤も探偵に不向きな少女が『兄チャマの秘密は全部チェキです!』
とかなんとか寝言を言いながら姉達の後を尾行する。

その様子を小型カメラで監視していた自称発明家が『アニキの為なら・・・』ry

丁度その頃、怖い夢を見て目を醒ました頭が可哀想な少女が『兄や・・・どこ?』ry

競争率が少なくなり、嬉々としながら一層凝ったバレンタインチョコを
深夜迄造っていた少女が『にいさま』ry

余りの騒がしさに流石に目を醒ました少女が『お兄ちゃん』ry

朝日が闇夜を照らす。
一つの小さな小瓶を巡って一晩中続いた
7人の女達の血で血を洗う戦いは
全員、相打ちという悲惨な結末を迎える。

バレンタインの一日が始ろうとしていた。
852『変化』 5/5:04/02/13 14:10 ID:???
変心 1/1

血のバレンタイン事件から数十年後・・・・

宇宙の片隅で独りの女が薙刀を振るっていた。
ビームの刃が連邦軍のMSを真ッ二つに切り裂く。

「ひょ〜!姉さん今日も冴えまくってるナァ!」

「しッ!姉さんに聞こえるぞ!」

「うわあ・・・ひでえ・・・あのパイロット・・・ミンチだな・・・」

「しかし、姉さんは本当に連邦に容赦ねーよなぁ・・・」

「ああ、所で・・・お前知ってるか?姉さんの噂をよ?」

「ん、あれだろ?何でも連邦政府の杜撰な
 コロニー管理の所為で宇宙放射線を浴びて変形した
 花か草で何かで、姉さんの兄弟、姉妹が・・・」

『お前達ッ!!無駄口ばかり叩いてないでさっさとズラかるよッ!!』

「へ・・・へい!!」

少女は軍人になった。様々な辛苦を経て
宇宙海賊に迄、身を窶してしまった
彼女ではあったが、一つだけ譲れないものがあった。
それは・・・
精神を病み、既に私の事を忘れてしまった兄
とある治療施設で黄昏の時を待つだけの兄
でも・・・あの日、一つの小さな小瓶を私に無言で下さった兄

『せいいっぱい兄君さまをお守りいたしますわっ!』

独りの女は兄の事を想う時には何時だって
名前を変える以前の可憐な少女時代に
心は戻っていた。これだけは譲れなかった・・・・

「おい・・・さっきの声・・・シーマ姉さんの声だよな?」

「う・・・ああ・・・ま、間違いねえ・・・(汗)」

「俺は何も聞いていねえ!!絶対俺は何も聞いていねえぇ!!」

主の帰りを待つ、リリーマルレーンのブリッジは
騒然となった。泣く子も黙る海兵隊の
猛者達も、姉さんの口調の変わり様に
寒気を覚え、中には失禁する者もいたという・・・・
853『変化』 1/3:04/02/13 15:32 ID:???
ある男がデスクに呼び出されていた。
その男は覚悟していたのだが、やはり頭ごなしに
詰られるのは慣れているとは言え
気分の良いものでは無かった。

視聴率・・・ライバル社がこの間、偶発的に行なわれた戦闘を
生中継した為に、男がその日、同時刻に担当していた
バラエティ番組の数字は散々なものであった。

しかも間の悪い事に、男が担当していいるトレンディドラマの
主演男優が、ファンサービスとして取った行動が
局内でも問題となったそんな微妙な時期でもあった。
男が部屋を出る時、デスクに一際強い口調で
詰られ、次は無いと思えと釘を刺された。

その夜、男は飲めない酒を飲み
不貞寝した。目には涙が浮んでいた。

夢を見た。当の昔に死に別れた妻が微笑んでいた。
死んだ妻は死んだ時と同じ様に若くて美しかった。
男は生きてはいるが、今ではすっかり老いさらばえ
醜くなった自分を恥じた。

妻が男の傍にやって来ると、男の手を握り、こう言った

「あなたは、あなたのやりたい事をすれば良いのよ
 きっと今回も上手く行くわ・・・」

男は妻を抱きしめようとした時、目が醒めた。
854『変化』 2/3:04/02/13 15:33 ID:???
次の朝、男はデスクに企画書を見せた。
妙に自信を持っている男を訝しげに思いながらも
デスクは企画書に目を通す。
数分後、デスクは男の手を握り締めてその労を労った。

男はその企画に自信があった。
同世代の男達を熱狂させる手ごたえも感じていた。
様々なマーケティングの結果がそれを裏付けた。
カメラが回る・・・
番組の収録が始った。ゲストも司会者も
そして回答者もバラエティ番組に付き物の
雇われ見学者達もノリノリだった。
高視聴率は間違い無い!!この収録に携わった全ての人が
そう感じた。


オンエア当日・・・・男はワクワクしながらPCの電源を入れた
今回の俺の番組は一味も二味も違うぜ!?
ザコとは違うのだよ!ザコとは!!
855『変化』 3/3:04/02/13 15:33 ID:???
――が、現実はそんなに甘くなかった。
某巨大掲示板の実況スレにはこんな文句が飛び交っていた

236 :通常の名無しさんの3倍 :????
やっぱ、ガノタってキモイよな?

237 :通常の名無しさんの3倍 :????
何?さっきの香具師・・・変形中の効果音だけで
MSの名前あてたの??

238 :通常の名無しさんの3倍 :????
キモイです・・・(;゚Д゚)

239 :通常の名無しさんの3倍 :????
ヲタばっかだなwせめてTPOは意識しようよw

【TVチャンピオン 第一回ガンダム選手権】は

視聴者達に簸たすら不快感を与えるものに終わった。
男が頭を抱え、後悔している頃
電話のベルがけたたましく鳴った。
男の顔色が真っ青に変わった。
856擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/02/14 00:21 ID:???
暫定インデックス追加。
2月8日までの分は>>840参照。

>>841-844
>>845-847>>847に別スレ出張版へのリンク有り)
>>848-852
>>853-855

締め切りまで残り24時間を切ったので告知age。
>>812-813の基本ルールを参照の上、2月14日の深夜12:00(24:00)までまだまだ
作品及び感想募集中。
857変形1/5:04/02/14 17:50 ID:???
私は,苦笑した。
娘から毎年届く筈のチョコレートが、今年は無かったのだ。
何時しか、独りの女性として私の元を去っていく
運命なのに。こんなに早くその日が来るとはな・・・・・・
以前届いた娘の写真を眺める。
美しくなったな・・・・少し前迄はまだ、子供だったのに
私は別れた妻に、良く似てきた娘を指でなぞる。

父親というのは寂しいものだな・・・・
家族の為に自分を押し殺し、精一杯働いてきたつもりだが
それが反って家族の絆を別つ物だったとはな・・・・皮肉だ。
娘はまだ、私の事を軽蔑しているだろうか?
私の人生はこんな物なのか?
これからずっと、俗人共の嘲りの声を聞きながら
生きていかねばならないのか?

中世の哲人はこう語ったと聞く。

不幸はその人の偉大さの証明である――と。

しかし私は、私を襲う不幸をとても背負いきれない。
その十字架の重圧に今にも、押し潰されそうだ。
858変形2/5:04/02/14 17:50 ID:???
人類は、母なる星を飛び出し
この宇宙に第二の故郷を建設した。
この故郷はエデンの園の如く
平和で幸せに満ちたものになる筈であった。
だが――そうはならなかった!!

私は瞳を閉じ、数々の問題を解決する為の
策を講じ始めた。
失業問題、税制改革、青少年犯罪の増加
環境問題、年金改革、BSE、鳥インフルエンザ
爆笑問題、構造改革、焼肉定食・・・・・・

――駄目だ、集中出来ぬ。
自分の家庭すら満足に舵取り出来なかった
この私に、国家の行く末を如何こう言う資格は無いッ!!

私は拳を強く握り締めると・・・・鏡に映る
だらしない男の姿に苛立ちを覚えた。
次の瞬間、だらしない男の姿は粉々に砕けた。
私の自尊心も、その瞬間に砕け散った。

私はこれまでの自分を捨てなければならないッ!!
私は変わる、そう!その姿さえもッ!

私がそう決意した時、床に散らばる破片の一つが
キラリと光った。血が滴り落ち、光を覆った。
859変形3/5:04/02/14 17:51 ID:???
古代の王はこう語ったと云う。

人間は名誉を得る前に試練を受けねばならない――と。

私は何度も五月蝿く、私の覚悟を確認する
医師と博士達にこの金言を語った。
彼等は戸惑いながらも、漸く頷いた。

手術が始った・・・・・・


生まれ変わった私は
その決意と覚悟を繋ぎ止める為に
密かにある物を新たに創らせた。

そのある物とは・・・・

ある者には恐怖を
ある者には畏怖を
ある者には自信を
ある者には勇気を
与える物であった・・・・・

それを身に付けた私は
今迄、塞ぎこんでいた気持ちが
晴れやかに変わった。

思わず冗談の一つでも言いたくなった。
860変形4/5:04/02/14 17:53 ID:???



                  ,.,r'ヽ
               ,,:r''"::::|  |
             ,r,r"'‐-::、_:::::| | 、
          //:::::::;;;;;::::::゙ヽ|_,| ヽ
         ,フ':::::::::::;;;;     ヽゝ  ゙i,
         ,l'.:|:::::::::::::::;;;;,,,,   ,_n n ゙i
        ,l.::::i:::::::::::::::::::;;;;;i   ヾ゙' ",rァ'       
        ゙i:::::::〉ニヽ::::::;;;;;;;!.._,,,,、_,..イ'" ゙i   ,,....、 ,r'.:::ヽ、     屁のつっぱりはいらんですよ
         |:::i"r-:、`ヽ::t''_ー--'"''|::::..゙i ,!  i":::::ノ'7::::::::::::::゙i, ,....、   
           ゙i,゙i:::  ゙i,,゙ヾ、:::::゙i   ゙r_7,_,イ  |:::: / :::::::::::::::/::::::`;
             ゙i゙i、::::..ノ..:,!;;ヽ;;;;,l....r'゙ ;;i;__ レ''"゙ヽ〈 :::::::,.r''":::::::::::::i'
           /:::`>j―"ヽ;:::::::゙i:::::::::,r",~゙i、ヽ、  ヽ." .:::'''''''''.........|
.         /::/.,!    ゙‐--゙<_:::":,へ`r:jヽ、 ゙i  .::::::''''''''''゙i,
         /'"'"ノ ゙''':::...'':::......    `ヾ、"/::  `i ~ヽ .::::::::::::::::::::,!
       /.r''"  ..  ......... ''''':::::::::::'''''.:: .:::':::: .:: ゙i,__,ノ:..、__,,.r'く
    ,,,.r'''"  ::::::::::::::::::..... '''''''''''''''''' ..:::::::::: ...:::: :.,!;;;;゙i::::::::::,,;;;;;;;;;;;;;゙i
 _,r'''"  ヽ、:::::......'''''''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .:::::::: .::/;;;;;;;|::::::;;;;;::::;;;;;;:::::\
'" ヽ、    ヽ、: :::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::  .:::::::: .:::/;;;;;;;;;|:::::;;;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
:::::   ヽ、    ヽ:.. :::::::::::::........   ...:::::::::::::: .::::: /;;;;;;;;;;;;|:::::::;;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\

=======================

丁度、その頃

父親が謎の病に倒れ、入院をした事を
聞きつけた娘が病院に
車を急がせていた・・・・・
861変形5/5:04/02/14 17:54 ID:???
娘は私の姿を見るなり
失神した。

目を醒ました娘は
事情を知ると、以前にも増して
更に軽蔑の眼差しで私を
見るようになった。

私は強さを手に入れた――が
その代償は余りにも大きかった。

人は何かの犠牲無くしては、何も得る事は出来ないのか・・・・・・

私は再び打ちのめされる事になった。
傍らの鳥が羽ばたいた。
何処か光を見つけられたのだろうか?

私は、その日から過去の記憶を捨てる事にした。

                 (おわり)

※推奨参照HP&スレ

鋼の練金術師 ttp://mbs.jp/hagaren/index2.html

もう、ゆでたまごにガンダム作ってもらおうよ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1075300756/l50
862擬似進行役:04/02/15 00:49 ID:???
一応締め切りを過ぎたが現在携帯からのアクセスの為、最終インデックスは明日作ります。
863擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/02/16 00:18 ID:???
遅くなったが、今回の最終インデックス。
ハイリン数制限の為、下記の暫定インデックスを参照の事。

お題「変化」
インデックス1 >>840
インデックス2 >>856
追加分 >>857-861

今回もネタを投稿してくれた方々の協力に感謝します。


さてSS大会第二弾、如何だっただろうか。
個人的にはやや抽象的で扱い難いお題だったからか、若干作品数の伸びが前回より落ちた事に
お題を決めた身としては正直申し訳なく思う。
ただその分(といっては語弊があるかもしれないが)投稿作品はどれも読み応えがあり、参加者の
力量に感嘆すると共に進行役としては頭が上がらない。

なお今大会の意見や要望等があればこちらまで。
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063035962/l50

住人の皆さま、お疲れ様でした。
864通常の名無しさんの3倍:04/02/21 03:03 ID:???
たまにはageてみるテスト♪
           ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  ) 
   ( ´_ゝ`) /   ⌒i ・・・楽しそうだな兄者
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
865擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/03/01 23:28 ID:???
手の空いている者は、このスレを見ろ。
ただいまより第二回旧シャア板SS大会を開催したいと思います。

内容は至って簡単。
決められた『お題』に沿った旧シャア板対象作品(UC、アナザー問わず)でのネタ・SSを、決められた期間
までにこのスレに投稿するだけ。
吾こそはという筆自慢の猛者どもは勿論、今まで他のスレなどを読んでて書き込みしてみたかったけど、
自信が無くて躊躇してた人がお試し気分でチャレンジするも良し。
もちろん各作品への感想も大歓迎。

今回の『お題』と締め切りは以下の通り。

お題:『うんこ』

締め切り:3月14日の深夜12:00(24:00)まで

参加時の基本ルールは>>866にて。
866擬似進行役 ◆ON58z6Kvrc :04/03/01 23:30 ID:???
基本ルール
・書き手及び感想は原則名無しで。
 ただし参加表明を明確にする為に、作品を書き込みする人は名前欄にお題(今回の場合は『うんこ』)
 及び投稿に分割が必要な場合は投稿数(例:4分割の1番目の場合「1/4」)と入れる事。
・『お題』に対する捉え方は、参加者の自由。
 テーマとして捉えるかキーワード的な使い方をするか等、解釈は書き手の判断に任せる。
・書き手による作品の投稿数は問わない。
 また一作品ごとの投稿量も問わないが、締め切りが有る関係から製作途中の作品は極力うpしない事。
・作品内容はシリアス・ギャグ・パロディ・一発ネタなど何でも構わないが、度を越えた性的描写は
 行わない事。
・今回お題がお題なので多少内容が“シモ”寄りになる事は許容したいと考えているが、極端に読む側に
 不快感を与えそうな描写や内容(スカトロネタであるとか)はご容赦願いたい。


なお作品への感想の書き込みも当スレへ。
感想以外の当大会への意見や要望は、下記のスレにてお願いします。

【暗中】旧シャア専用SS書き休憩所【模索】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1063035962/l50

優劣を決めるとかじゃなくお祭り感覚で逝こう。
では作品お待ちしてますこのやろう。
867『うんこ』:04/03/01 23:42 ID:???
大佐は何故、ノーマルスーツを着用しないのか?
大佐のお傍近くで仕える身となった私は
少し、大佐の記録を調べてみる事にした。

――成る程w
大佐が何故、仮面を付けるようになったのか判ったw

ララァ嬢が大佐に

「ノーマルスーツを着用して下さい!」

って詰め寄っている。
私はそんなやり取りを横目に

(坊やだからさw)

と内心呟いた。大佐がこちらをチラリと見た。
私は、笑いが込み上げて来るのを必死に堪えながら
通常の3倍の速さで、トイレに駆け込んだ。
まさか・・・・・・赤い彗星の通り名が
便意から来たものだとはw
大佐はあの時、ノーマルスーツ(初期型)を着用していた為に
間に合わなかったらしいw

一頻り個室で笑うと
大佐が、私を呼び付ける声が聞こえてきた。
868『うんこ』:04/03/01 23:43 ID:???
「流石はゴッグだぜ・・・・・・」

俺は機雷源の海を突き進みながら呟く。
ベルファストにあの『木馬』がいる事を
突き止めた我々は、水際から
奇襲をするという作戦を採った。

完璧だった。何もかもが・・・・・完璧の筈であった。

俺は今、ショートしているコクピットを
絶望的な眼差しで見ている。駄目だ、もう
間に合わない。脱出回路もイカレてしまった。

まさか、このゴッグが
白い奴の『ハンマー』に付着していた
犬のウンコにやられるなんて・・・・・・

俺は、ウンコの所為で排気口が詰まり
排熱機構がオカシクなったゴッグと共に
死ぬ覚悟を決めた。

「そういえば、ゴッグの色ってさぁ・・・・・・・」

そんな事を考えた時
眩い光が俺の視界と思考を遮った。
869『うんこ』:04/03/01 23:44 ID:???
「アイナちゃんってウンコするの?」

私はパーティの席で
突然、こんな言葉をかけられた。

「ユーリー様!!」

ノリスが慌てて、私を庇う。

「あはは・・・スマンスマン・・・ちょっと酒が入り過ぎたかな?
 じゃあ、兄貴に挨拶でもして来るかw」

『・・・・・・・』

「アイナ様・・・・どうかお気になさらずに。」

『・・・・ええ、ノリス有り難う・・・・・。』

私は何故、あの無神経な男が
私の悩みを知っているのかが気になった。

『・・・・・野菜もっと食べ様かしら・・・・・』

「?は?アイナ様・・・・今、なんと??」

『いいえ!何でもありません!!』

=============================

「なあ、ギニアスよ?いくらなんでも資金が欲しいからって
 自分の妹の盗撮DVDはちょっと・・・・・・」

『やかましいィ!!貴様に何が判るッ!!ところで、約束の金は?』

「ああ、持ってきたぜ?物凄い人気だぞ?ものの3分で売り切れだ。
 連邦の少尉も買ってるそうだw」

『フフフ・・・・そうだろw今度のスカトロ版も凄いぞw
 もう**日もアイナはしていない。そろそろ薬の効き目が無くなる頃だw』

「お!アイナちゃんがトイレに向かったぞ!」

『何ッ!?カメラカメラ・・・・・』
870『うんこ』:04/03/01 23:46 ID:???
 俺は万年金欠大学生。そんな俺は今日、ウンコの臭いに包まれる。軍艦の汚物処理の
バイトの為だ。もちろん臭いが、給料が良すぎるバイトなので(しかもその日に現金払い)、
長期休みの時には必ず応募する。
 古くなったノーマルスーツを着て、艦から取り外された巨大な汚物コンテナに入り、その
中を洗浄する。しかし、いくらノーマルスーツをビシッと着ても、体がウンコ臭くなる。そんな
スーツだから、ウンコ掃除に回されるのか? 脱ぐ時にも、臭いが移るしさ。
 消毒・脱臭処理を受けても、臭いが抜けるのに何日も掛かるってのが、困り物だ。夏休み
とかじゃないとやってられねーよ、このバイト。
 今日は、エリート部隊が乗ってた小型艦のコンテナか。乗組員は少ないが、色々訓練して
て、長い事航海していたそうだ。ま、エリートのウンコも、臭い事には変わりねぇか。
 さてと、中身が抜けたので、洗浄に取り掛かるとするか。何しろ宇宙じゃ、水は貴重品だ。
洗浄に規定以上の水を使えば、給料が減らされちまう。
 だが手馴れた俺には、そんな事は関係無い。鼻歌を歌いながら、ホースを動かす俺。その
後内壁に洗剤をぶちまけ、デッキブラシでゴーシゴーシっと。
 ウンコの混じった水や、洗剤の泡が体に掛かるが、ノーマルスーツが汚れるだけだ。おっと、
汚水が顔に掛かった。バイザーの視界が悪くなったぞ。ホースの水を浴びると、たちまち視界
がクリアーに再生。
『ピーピーピー』
 通信だ。何々、排出口が詰まり気味だがら、よく掃除しとけ? 了解了解、任せとけって。
 問題の排出口に到着。……オイ、何だこりゃ、コンドームが引っ掛かってるじゃねえか。
しかも使用済み。よく便所が詰まらなかったな。
 ……ちょっと待てよ。この艦、乗組員は男だけじゃなかったっけ? 俺は背筋が寒くなった。
871『うんこ』:04/03/01 23:47 ID:???
男は苛立った。
自分が開発した物がまたもや貶されていた。
確かに彼の作品は過去の技術者達の
作品の良い所取りの寄せ集めかもしれないが
過去のどんなMSよりも高性能である。
たとえ新兵が乗ったとしても負ける気がしなかった。

強さだけでは無い。見た目も素晴らしかった。
センサーの為だとは云え
顔に鼻の穴をのような物をつけた
デザインのMSになど負ける筈が無かった。

しかし・・・・・・負けた。

男は信じられなかった。
事前の調査では各方面からプッシュされていた。
確かに不安材料が幾つもあったが
男には自信があった。その自信は一通の調査報告に
目を通した時に揺ぎ無いものとなっていた。
その調査報告とは・・・・・・・












凡そMSとか兵器と云う物に無縁の

 少 女 達 に も 受 け が 良 い。

――という事であった。



男が挫折感を味わっている頃
某巨大掲示板にはまた新スレが立っていた。


1st>>>越えられない壁>>>ゴミ>>>うんこ>>>SEED


1 :通常の名無しさんの3倍 :03/2/27 22:55 ID:???
まあ当然だわなw

2 :通常の名無しさんの3倍 :03/2/27 22:56 ID:???


3 :通常の名無しさんの3倍 :03/2/27 22:59 ID:???
>>1
クソスレたてるな!氏ね!

872『うんこ』 1/4:04/03/01 23:50 ID:???
 戦場では一瞬の気の緩みが死を招くことがある。

しかし生身の体である以上、
24時間、86400秒のも間、1秒も油断していない人間などいない。

例えば寝ている時、
例えば食事をしている時、
例えば家族の写真を見ている時、
例えば戦友と話をしている時。

どんな時であっても、油断している時に敵が発砲すれば、
そこで人生が終わる。

何て事はない、俺達の命はその程度のものだって事だ。

しかし俺は、簡単に死にたいとは思わない。
国には生きて帰らなければならない理由が待っているからだ。


そして、俺は今日も生き延びる為に戦っていた。
敵はこれまでにない強大な敵だと言える。

これまでの状況は以下の通り。
最前線で3ヶ月に及んで戦って来た俺は、戦友たちと後方部隊への勤務に回される事になった。
休戦条約が締結されたとかで、つまりは俺は生き残って国に帰る途中だった。

帰路、帰ったら結婚すると話している奴もいたし、皆が新生活への希望を語り合っていた。

しかし、何がどうなったのか、今となっては理由などわからないし、
どうでも良い事だが、とにかく艦は爆発した。
敵の機雷によるものかもしれないし、テロだったかもしれない。
単にパイロットが愚図だっただけかもしれない。

理由を知った事で何の救いにもならず、
とにかく俺はたった一人、宇宙空間に放り出された。
873『うんこ』 2/4:04/03/01 23:51 ID:???
戦友たちはどうしたのだろう?
どうやら助かったのは俺だけらしい。

艦は半壊状態で、そこに行けば助けを呼ぶこともできたかもしれないが、
どんどん遠ざかっていく艦に追いつく術はバーニアのついていないノーマルスーツを着ているだけの俺には無かった。


宇宙空間でたった一人、俺は漂流する破目になってしまった。

このまま永遠に宇宙空間を彷徨う可能性は高いが、
少しでも生き延びる可能性は高くしなけらばならない。

俺は少し眠ることにした。


・・・目が覚めると、”そいつ”は襲い掛かってきた。

始めはゆっくりと。
次第に波のように。

そして確実に”そいつ”は忍び寄ってきた。


便意である。

「・・・・・・・・くそったれめ」
とりあえずそう言っておいた。

腹の中で”そいつ”はダンスを踊りだす。
アップテンポの激しい奴だ。

顔が妙に熱くなり、油のような汗が吹き出る。

・・・・・ノーマルスーツは言ってみればパッツンパッツンの全身タイツのような物である。
その中で糞便や吐しゃ物を垂れ流したとしたら、汚い思いをするだけに留まらず、
逃げ場の無いそれらはヘルメットの中に充満する。

要するに溺れてしまうのだ。
874『うんこ』 3/4:04/03/01 23:52 ID:???
それは正に地獄である。

・・・敵に殺されるのは仕方が無い。
国を守って立派に死んだと、あきらめもつくだろう。

だが、糞便にまみれて死ぬなんてのはまっぴらごめ
いたいたいたいたいたたたたたたあたったああああああああああっ

腹の中のダンスは盆と正月、結婚式とドリフターズが一遍に来たような大盛況である。

考えろ!考えるな!
考えるから人はわれ思うゆえに便意ありちゃあああああああああああああああっ



・・・・・・・・・ふーっ。

一旦波は去ったようだ。
だが、”あいつ”がまた来るのは時間の問題だろう。

・・・・・・・・・・自決するか。

こんな所で、こんな風に死ぬために、俺は最前線で戦ってきたわけじゃない。

しかし、と考え直す。

帰ったら家族が待っている、恋人がまっている、新しい未来が俺を待っている。

俺はどうしたら良いのだろう・・・・・・・・・・・・


ウッッほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおほほほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうっ


ふううううううううううううううううううううううううううっっひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!



・・・・・・・ふーっ

考えはどうどう巡りを続け、やがて時間がたった。
875『うんこ』 4/4:04/03/01 23:53 ID:???
・・・・・始めは単なる彗星だと思った。

・・・・次に、幻覚だと思った。

・・・・・・・・やがて、それが本物である事を知った時に、俺は叫び声を上げた。


「・・・・・・・・・・・艦だっ!!!!!!!!!!!!」

俺は発光灯をつけ、ぶんぶんと振り回した。


この際、敵の艦でもかまわない。
とにかく、俺を助けてくれるか、最悪でも彼らが殺してくれれば、
糞便にまみれて死ぬ事はない。

そして艦は味方のものだった。戦闘で疲労し、修理だらけの小型艦ではあったが。
俺は艦に回収された。
これで助かったんだ。


「もうすぐだ・・・・・・・入ったらすぐに便所に行こう・・・・・・・・」

既に便意は頂点に達している。30秒と我慢できるものじゃない。

一人がやっと入れるハッチに入り込んで、通信が聞こえてきた。

「友軍をこんな所で拾うとはね。運のいい奴だ」
「ああ、助かったよ、早く中に入れてくれ」

「それなんだがね。実は艦が故障していてね、気圧の関係ですぐに中に入ったら
血液がパンクしてあんたは死んじまう」

「・・・・・・・・・・と言うと?」

「そこのハッチで4時間ほど待っていてくれないか、なあに、目的地まではちゃんと艦は飛ぶからよ、
ははははは、あんたは本当にウンがいい」


俺の戦いはまだ終わらなうううううううううううううううううううううhっひいいいいいいいいいいいいいいいlたjといあへじぁwjといわa

876通常の名無しさんの3倍:04/03/02 15:03 ID:???
お題悪すぎ
877通常の名無しさんの3倍:04/03/03 00:44 ID:???
>・今回お題がお題なので多少内容が“シモ”寄りになる事は許容したいと考えているが

シモ以外のものが書けるというなら見せて欲しいものだ(藁
878『うんこ』 1/2:04/03/04 13:13 ID:???
 間接制御を中心とする機体制御系は、MS工学でも最重要の分野である。
 0080年代後半に登場した「ムーバブルフレーム」は、MSの機体構造に大きな変革
をもたらし、間接部の構造的自由度を飛躍的に高めることが可能となった。
 一方で、それまでと比較にならない自由度を手に入れたがゆえに構造、制御系ともに繁
雑になり、制御系専門のエンジニアがMS開発の重要な位置を占めるようになった。


 アナハイム・エレクトロニクス第七開発室。MSの制御系を専門に扱う部署である。重
要な部署ではあるが、MS開発の花形である設計部に比べるとやや地味でもある。
 時間は深夜2時過ぎ。既に他のスタッフは退社しており、ラボに残っているのは主任技
師であるムラキ一人だった。
 ラボに併設されたブースに、ネモ系をベースにした新設計フレームの1/5スケール実
機モデルが持ち込まれ、連日のテストが行われている。むろん、制御プログラムのテスト
は実機で行うのが理想だが、18m超のフレームをいきなり動かすのはリスクが大きいし、
それなりのスペースが必要になる。最終的には実機でテストするが、前段階として実機モ
デルで各種テストと調整を行うのが常である。
 その実機モデルが、無様に転んでいた。
 もう何度失敗したことだろう。「しゃがむ」というごく簡単な動作パターンのプログラ
ムに、既に1週間を費やしている。
 クラウチングポジションの一動作に過ぎず、さほど重要性があるわけではない。汎く使
用されるいわゆる「片膝つき」の動作パターンは既に組み終わっているのだ。しかし、エ
ンジニアとしての意地が妥協を許さなかった。仕様書に載せている以上、なんとしてもし
ゃがませたいのだ。
「制御系の問題なのかな? フィードバックの値には問題ないんだが……」
 モニタに表示されるロガーのデータを睨みながら、ムラキは独語した。
 ポインティングデバイスを操作し、データの一部を書き換え、シミュレータに乗せる。
 数瞬のタイムラグの後、モニタにはオーバーフローのエラーが表示された。バランサー
の許容範囲を超え、回復不可能なイレギュラー値が帰ってきたのだ。
「やっぱりバランスか。足首と膝、腰……駄目だ、全部アウトだよ」
 ラボにこもりきりでろくに整髪もしておらず、あちこち跳ねている髪をかき回しながら
許容範囲内に収まるように数値を補正し、逆算で構造側の要求値を導き出す。今度は間接
構造の限界を超えた値が出た。
「あちらを立てればこちらが立たず、か。せめて足首の間接にあと2.6%の自由度があ
ったらなあ……」
 それがないものねだりということは弁えてる。
 差し当たって、ムラキに委ねられているのは、現状でのフレーム構造の範囲内における
制御系であり、フレームそのものの設計には関与できない。最初から制御系を意識した設
計をしていれば、こんな苦労をすることはないのだが。
「ったく、中途半端なもん作りやがって!」
 ムラキは殺意すらこもった視線を虚空に投げ、設計部スタッフの面々に毒づく。
 しばらく、設計部スタッフをひとりひとり絞め殺すという、およそ非建設的な想像を巡
らせていたが、ふと、天啓がムラキの脳裏に閃いた。
879『うんこ』 2/2:04/03/04 13:16 ID:???
「ああ……そうか、見た目は人型で間接の自由度が高いと言っても、間接構造も重心位置
も人間のそれとは根本的に異なるんだし、人体からのサンプリングデータをそのまま適用
する方に無理があるのか」
 ムラキは椅子に座り直すと、ポインティグデバイスとキーボードを忙しく操作し始める。
「強度的にも構造的にも、つま先と足首の間接だけで機体全体のバランスを取るのは難し
い。安定性を重視して、足首はスタンディングポジションに固定……」
 何かに憑かれたように、独り言を繰り返しながら作業を進める。
「膝関節の自由度は高いから限界まで折る。脚の付け根は……これも限界まで、と、装甲
を着けると難しいか? まあいいや、それは後で考えよう」
 わずかに角度を変えるだけでも、重心位置がずれ不安定になる。基本的にバランサー自
動補正任せではあるが、微調整は必要とした。
「腰を深く下ろすような姿勢になる分、上体をやや前屈みにしてバランスを取る、と。あ、
腕を前に出せば安定するな。膝の上に乗せる形がいいか。脚もやや開き気味に……」
 モニタ内のシミュレーションモデルを操作しながら、許容値内に収まることを最優先に
、もっとも安定する姿勢をデータ化していく。人間の「しゃがむ姿勢」を無視すると、予
想以上に簡単に安定値を導き出すことができた。
 それまでの苦労が嘘のように作業が順調に進むことに、ムラキは快感を覚えていた。微
調整を加えても、1時間ほどでシミュレーションデータが完成する。どこにも数値的な破
綻がないのを確認し、実機モデルへとデータを転送する。
 転送終了を告げるウインドウを閉じるのももどかしく、ムラキはロガーの起動しつつ制
御プログラムを走らせた。
 1/5の実機モデルはムラキが作り上げたデータを忠実にトレースし、バランサーチェ
ッカとの並行処理のため緩慢にではあるが、着実に姿勢を整えていく。めまぐるしく変化
するロガーのデータに異常は見られない。
 やがて、数秒後に実機モデルは見事にしゃがんでみせた。予想通り、しっかりと安定し
ている。
「よし!」
 会心の笑みを浮かべるムラキ。しかし、その姿勢に強烈な既視感を覚え、にわかに怪訝
な表情へと変わる。
「……これって、いわゆるうんこ座り?」


 この新型フレームを採用した新型機は、のちに連邦軍にRGM−89として制式採用さ
れることになるが、試作機には存在した腰部フロントアーマーが量産機では排除された。
 理由としては機体の軽量化、コストダウンなどがあったとされ、ほとんどの人間がそれ
に納得したが、あるエンジニアからフロントアーマー排除の強い要請があったことはあま
り知られていない。
 その根拠となった機体制御パターンが使用されることは、0120年代にRGM−89
が退役するまで、ついぞ無かったという……。
880通常の名無しさんの3倍:04/03/04 13:17 ID:???
シモ以外で頑張ってみたけど……いまいちだな_| ̄|○
881通常の名無しさんの3倍:04/03/05 00:18 ID:???
タイトル、「うんこ」でなく「クソ」なら書けそうなんだが。
「うんこ」だとイメージじゃないんだよな……。
882通常の名無しさんの3倍:04/03/05 11:43 ID:???
>>881
だな。「クソ(糞)」ならいわゆる排泄物以外にも、
名詞や形容動詞の接頭・接尾語として活用の幅があるし、
ひねったり、セリフに自然に織り交ぜることもできるが、
「うんこ」はそのものズバリだからなあ……。
883通常の名無しさんの3倍:04/03/08 19:18 ID:???
それで書けないのならその程度のレベルってこった
884通常の名無しさんの3倍:04/03/08 23:12 ID:???
>>883
書けるモンと書けないモンがあるだろ。
レベル高すぎるテーマとレベル低すぎるテーマはやっぱ書けんよ。
885『うんこ』1/2:04/03/09 02:56 ID:???
「あなたッ!!お隣さんはもう出たみたいですよッ!!」

朝から妻の金切り声が響く。
二日酔いの酷い頭痛とムカツキに悩まされながら
よろよろと立ち上がる。

「お隣さんはもうマイホームを建るようですよ?」

『ああ・・・・・そうか・・・・・』

「本当に羨ましいわ・・・・・・あなたも頑張って下さらないと・・・・・」

まただ・・・・・二言目には直これだ。
いい加減うんざりする。後ろでまだぶつぶつ言っている
妻から俺は、逃げる様に職場に向かった。

隣に引っ越してきた奴は俺と同じ会社にいる。
ヘッドハンティングとかって奴でいきなり部長待遇だ。
しかも俺より5つも若い。顔もスタイルも俺より良い。
営業成績は何時もトップだ。万年平の俺が束になって
かかっても敵わない。
つまりだ・・・・・・はっきり言って気に入らない野郎ってこった。


その気に入らない野郎が今、俺の目の前にいる。

「――さん・・・・・困りますね・・・・・・この成績では・・・・・・」

『スミマセン・・・・・・・』

「まあ、今回の所は見逃してあげますが、次からは気をつけて下さいよ?」

『有り難う御座います・・・・・・部長!』

「じゃあ僕は会議の後、新規の取引先に挨拶をして
 直帰するから、後の事は頼みますよ?」

『はい・・・・・・どうも有り難う御座います・・・・・』


部屋のドアを閉めると、俺はネクタイを軽く緩めた。
若造が・・・・・・・いい気になりやがってッ!!
俺は酒をまた煽りたくなった。
しかし、あの若造は何故あんなに成績が良いのだろうか?
見た所、そんなに仕事をしている様には思えない。
寧ろ、手を抜いている様にさえ思える。
ふと気になった俺は、若造の行動を密かに観察する事にした。
886『うんこ』2/2:04/03/09 02:58 ID:???
――あれから何日たったのだろうか?
兎に角俺は・・・・・・ついに奴の成績の秘密を掴んだ
奴の後を尾行した結果がこの宝の山だ。

俺は嬉々として仕事に取り掛かった。
流石は部長って云う所か?何時もなら辛い逆立ちも
今日だけは楽しかった。

===============================

「な・・・・・なんだこの虫は!?気色の悪い・・・・・・」

『はは・・・・コロニー育ちのお前は初めて見る虫かもしれないな?』

「・・・・・・女の癖に気持ち悪くないのか?お前?」

『な・・・・オーブは砂漠の国だッ!!・・・・・こいつらはスカラベって言ってだな
 古代、砂漠のある国ではお守りとして崇められた事もあるんだよッ!!』

「ふ〜〜ん・・・・・だけど、此処って俺達しか居ないよな?
 と言う事は・・・・・・このうry」

『お前!!それ以上言うなッ!!』


================================

コーディネイター達のうんこは非常に栄養価が高かった。
887>>885:04/03/09 03:12 ID:???
※推奨参照HP

SEED公式

ttp://www.gundam-seed.net/story-staff/index2.html
PHASE-24 「二人だけの戦争」

スカラベ

ttp://eco.goo.ne.jp/wnn-x/okumoto/files/fabre/scarabe/scarabe.html
888通常の名無しさんの3倍:04/03/09 04:16 ID:???
>オーブは砂漠の国だッ!!

プッ。(AA略
スレ違いの上に(ry
889晒しアゲ:04/03/09 22:01 ID:???
             ゙l   │    ,"  ゙i、   `i、
             ,|   .ノ   ,,丶   ,!   .|
            /   .|    .゙l    ,/`   l゙
               |    丶 _    .,!     ヽ
               >     ``‐.`ヽ、  .|、     |
             ゙'.     ,ト `i、  `i、    .、″
                |    .,.:/""  ゙‐,. `    /
             `  .,-''ヽ"`    ヽ,,,、   !
                、,、‐'゙l‐、      .丿 : ':、
               、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''`  .,"-、
              ,r"ツぃ丶  ``````   ../  `i、
          ,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、−´    .l゙`-、
         _,,l゙-:ヽ,;、、             、、丶  ゙i、,,、
        ,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`":    │ `i、
      、、::|、、、ヽ,、、.    ```: : : ```      、.、'`  .|丶、
     .l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´    l゙  ゙).._
    ,、':゙l:、、`:ヽ、`:、  : `"```¬――'''"`゙^`     : ..、丶  .l゙ `ヽ
   ,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、           、、...,,,、−‘`   、‐   |゙゙:‐,
  ,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".`   `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'":      _.‐′  丿  ,!
 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
 ゙l,"`"`''ヽヽ"`"`  ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": `      、._./`  ._/`
  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
   ``ヽン'`"`  : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^    ,、‐'"`
      `"'゙―-、,,,,..、、                 : ..,、ー'"'`
           : `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""`
890『うんこ』:04/03/12 15:54 ID:???
(プルルル、プルルル ガチャ)

はい、こちらハミルトンです・・・。あ、ビリー?うん、私シンシア。
今日の動物園のデートは残念だったね。もうあのゴリラの馬鹿!・・・え、大事な話?何!?もしかしてプロポ・・・ううん、なんでもない。で、何?
・・・そう、オデッサへ出撃命令が・・・。ううん、わたしは平気!我慢できる、覚悟してたから・・・
え?「大丈夫。なんせデートでゴリラに投げつけられたウンコのおかげで『ウン』が付いてきた。『敵の弾は不浄の物をよける』と言うだろ?今の俺は不浄そのもの、敵どころか仲間も近づかない」?
・・・プッ、あははは。おっかしい〜。もう馬鹿なんだからぁ。あはははは・・・。あはは・・・(ぐすん)

・・・私イヤだからね(ぐすん)。今日のかっこ悪いビリーが最後に会うビリーなんてイヤだからね!私まだゴリラに邪魔されてあなたに伝えてない!!
お願い、行かないで・・・。私を一人にしないで!!ビリー、何とか言ってヨ!!ねぇ、ビリー!!(号泣)

・・・ごめんなさい、取り乱しちゃって。貴方が一番辛いのに・・・。でもお願い・・・、必ず・・・無事に帰ってきてね・・・
私待ってるから・・・、いつまでも、あの動物園のゴリラ園の前で・・・。二人の時間を再開できる日を・・・
じゃあ・・・、うん、私も愛してるわ。それじゃあ・・・
(ガチャ プー、プー)
891『ウンコ』>890 エピローグ:04/03/12 15:55 ID:???
わたしは動物園が嫌い。特にゴリラが嫌い。
あの『ゴリラの一投』が彼と、二人の幸せな時間を戦場へと持っていってしまったような気がして。彼を思い、泣き明かした日々を思い出して・・・

でも今は好き。また時が動き出したから。二人の同じ時間が、今日ココから・・・

神父「・・・此処に二人を夫婦と認め」
新郎友人A「うわぁ!またゴリラが『手榴弾』投げてきやがった!」
新婦友人A「いやあ、こんなライスシャワー・・・」
新郎友人B「こちとらソロモンでゴリラ顔の大将相手に生き残たんだ!馬鹿にしやがって、これでもクソ食らえ!!」
新婦友人B「もう、シンシアたちもお互いかばいあって、逆に余計に当たってるじゃない・・・。何でこんなところで式を挙げるんだか・・・」
新郎友人C「でもあんなにクソまみれになりながらも喜んでやがるなんて・・・」

友人一同 「なんてクサい夫婦・・・」
892通常の名無しさんの3倍:04/03/15 00:08 ID:???
しゅーりょー
893擬似進行役:04/03/15 00:10 ID:???
>>892
先を越されてしまった。
職場からの携帯アクセスの為、インデックスは明日作ります。
894進行役内裏 ◆YgZ4YnvisU :04/03/18 00:49 ID:mHMxvgCY
擬似進行役さんが失踪中なのでインデックスだけ代理で作成させていただきます。
なおハイパーリンク数制限があるみたいなので2つに分けて記載させていただきます。

第3回お題「うんこ」
>>867
>>868
>>869
>>870
895進行役内裏 ◆YgZ4YnvisU :04/03/18 00:50 ID:???
上の続きです
>>872-875
>>878-879
>>885-886
>>890-891

というわけで参加者の皆さん、お疲れ様でした。訪問された方、いかがでした?

私今回別スレから試しに参加させていただきましたが、こういうお題縛りってなかなか面白いなと思いました。
まあ今回のお題が「うんこ」ということで皆さんかなり苦労されたみたいですが・・・。
一時期SS書きはシャア板住人から嫌われた時期もありましたが(今も嫌われているってツッコミはなしね)、こういった刺激を通してシャア板の歴史に残るようなSSが増えてくれることを楽しみにしてます。
以上、久々に2chに書いてみたロートルのたわごとでした。

では第4回がありましたらまたお会いしましょう!
896擬似進行役:04/03/18 02:14 ID:???
失踪中の擬似進行役です。
仕事が年度末決算の為、今月アクセスが大幅に制限される見込み。
そういう訳で申し訳ないが、今月いっぱいは進行役としての役目は無理だと思われる。

>>894-895
代理インデックス&参加感謝します。
897通常の名無しさんの3倍:04/03/23 23:13 ID:???
ホッシュ
898進行役内裏 ◆YgZ4YnvisU :04/03/24 20:45 ID:???
で、ちなみにわたしは「再会」に一票。
899通常の名無しさんの3倍:04/03/24 20:46 ID:???
↑誤爆った。スマソ
900通常の名無しさんの3倍:04/03/24 23:44 ID:???
次スレ落ちてる
901通常の名無しさんの3倍:04/03/27 10:09 ID:???
埋め宜しく↓
902通常の名無しさんの3倍